ワンピースの世界に転生‼‼ (たかゆい)
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〜新たな生の始まり〜

修正しました。


突然だが君にはワンピースの世界に転生してもらう。

 

 

 

 

 

 

 

………え?

 

 

ちょ、ちょまって!、確かにワンピースは俺が一番好きな漫画で何度も読み返して裏の裏まで知ってるけど、ワンピースって敵とかライバル激強すぎだよね⁉、しかも死亡フラグ満載の世界でしょ⁉

 

はいはい、んなこと分かってるよ〜、なので君にはあるキャラに憑依転生して貰うよ‼

 

もちろん、そのキャラはワンピースの中でも最強クラスだし、私からの特典も付けるから文句言わず転生に逝きなさい☆

 

ええええええええええええ‼‼‼

 

くっ…分かったよ!、やってやる!

 

 

 

 

俺は生き残るんだああああ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、いい忘れてたけど、君、私のミスで死んだから、そのお詫びなんで〜

 

 

 

 

ゴメンね〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神軽っ!!!!しかも謝る気無いし…

 

 

 

 

はぁ…いって来るか!

 

 

 

僕は神に一方的な転生を言い渡され、ONE PIECEの世界に降り立って居た。

 

 

 

周りを見回すと一面海で、船に身体が僅かに揺られていた。揺れているということはここは軍艦の上か…軍艦と言う事は海軍の誰かに転生したという事か。神はたしか…ONE PIECE内でもTOPクラスの強さを持った人物に転生させたと言ってたな…となるとガープ…センゴク…クザンなどかな?海軍って割と強キャラが多い事で鳴らしてるもんな。

 

 

それに近くに海軍本部マリンフォードもあるから必ず海軍やろ。海賊はあり得んやろなー。誰かなぁ…出来ればクザンかガープがいいな、サボれるし、原作にも関われるしw良い事ずくめだな。

 

 

 

と、そんな事を話してる間に軍艦の甲板に立って居た海兵が駆け寄って来た。スーツを来て胸の腕章を見る限り少将だな。という事は中将、または大将か…

 

「サカズキ大将!センゴク元帥がお呼びです!直ちにマリンフォード本部にくるようにとの事!!」

 

 

 

……

 

………

 

…………

 

……………えええええ!!??

 

なんで、サカズキ!?いや、確かにとても強いけどさ!サカズキってONE PIECEでも一番の嫌われキャラだよね!?主人公散々に追い詰めたし、兄も殺しちゃうし…なんでこんな人に憑依というか転生しちゃったのよ……

 

でも、まあ、原作には大いに関われるし、メチャ強いのは疑いようもない。ま、少し原作は変えるかな?

 

よし、新たなONE PIECE人生始めるか!

 

 

 

僕ことサカズキは今、センゴク元帥に呼ばれ、マリンフォード本部の執務室に居た。執務室にはセンゴクの他につる少将、ガープ中将も居た。

 

「本日三人に集まって貰ったのはある海賊についてだ。」

 

ある海賊?誰だろうか…

 

「最近イーストブルー…東の海で死んだと思われていた百計のクロが生きていた。」

 

…!?……と言う事はルフィが海賊の一歩を歩み始めたのか、運が良いな。となると次は確か…

 

「百計のクロはある海賊のルーキーに倒されて気絶をしていたところを拘束。今マリンフォードに護送中だ。恐らく、再び処刑かインペルタウン送りだろう。」

 

百計のクロは東の海ではかなり強かったが新世界、グランドラインの海賊と比べたらその実力は微々たる物に過ぎない、そんな海賊をまた処刑しても余り意味がないからな。

 

「今日の主題はそのクロを倒したと言うルーキーだ。姿・容姿は残念ながらわかっていないが麦わら帽子を被り、しかも悪魔の実の能力者らしい。これは要注意が必要かもしれん…だがわざわざイーストブルーにまで行くのは難しい。よって三人の中から一人がルーキーの消息を追って欲しい。もしそれが要注意すべきならば殺すか、捕らえるか賞金首にするか三つの方法をとって欲しい。」

 

さすが、元帥だな、不確定要素とは言えきちんと対策を立ててくるとは…

 

おや、ガープがなんか言ってるな。

 

「ぶわっはっはっは!百計のクロを倒した程度で要注意にするのか?それをするぐらいならまだ新世界の海賊共の動向を見張る方が海軍の為になるわい!!」

 

「やれやれ、ガープには同意したく無いけどあたしも同意見だね、今はほっとくべきだと思うけどね。」

 

ガープとつる二人に反対されてセンゴクもやや怯んでるな…ガープはともかく、つる少将は説得力あるからな…

 

「センゴク元帥、二人はやらないようなら儂が行って来ましょう。」

 

「おお!行ってくれるか!」

 

ガープとつるが驚いた顔してる…サカズキがそんな事をするなんて意外だったのか、サカズキって普段はなにしてるんだろな…頂上戦争の時は分かるがそれ以外はあんま知らないからな。

 

 

「では、今から早速出向いて来ます。それでは。」

 

ルフィ達と今関わると原作が変な方向に行くから、とりあえずクザンの所行って同行しながら少しずつルフィ達の行動を見に行くか…

 

 

 

〜クザン〜

 

あー、今日も暑いな…こんな日に書類仕事やったって意味無いし、サボるか…

 

俺はこっそりと軍艦から降りようとマストに立った…

 

「クザン!」

 

ギクッ!?気づいたやついたのか!?とにかく誤魔化さな…ん?

 

あれ?サカズキじゃん?なんでこんな所に?

 

「クザン、話がある、何処か人が居ないとこに行きたいんだが。」

 

サカズキから話?珍しいな。

 

〜サカズキ〜

 

誰も居ない島に上陸し、海兵達を海岸に待機させ、僕はクザンと島の奥深くまで行って岩場に腰を降ろして向き合った。

 

「それでサカズキ、話ってなんだよ?」

 

「ああ、クザン……お前オハラでの事だが、ニコ・ロビンを見逃したな?」

 

「!!??…何故知っている?」

 

面白い様にクザンの顔色が変わりやがったwしかも話を聞いた途端冷気を漂わせ臨戦態勢になるって…

 

「まて、別にその子、ニコ・ロビンを見逃した事を責めているのではない。落ち着け。」

 

「本当か?ならば何故話した?」

 

かなり疑ってるな…しょうがないか、サカズキって徹底した正義だもんな…

 

「ニコ・ロビンはオハラの学者達とは関係ない、彼女は何も知らないだろうから僕はニコ・ロビンは追わない、それよりもニコ・ロビンがある海賊一味に加わるかもしれないから僕とクザンで見張らないかと思ってな…丁度センゴク元帥からも命令を受けたしな。」

 

「なんか変わったな…前はもっと徹底していたはずだが…何かあったのか?」

 

「気の所為じゃろう、それよりも行くのか?行かんのか?」

 

「あ、ああ、分かった。」

 

 

「クザンの氷の道は良いな、楽じゃのう…」

「楽と思うなら自分でも動きなさいよ…」

 

僕ことサカズキは今クザンの自転車に二人乗りしていた。クザンのヒエヒエの実って便利だな〜

 

 

 

 

「サカズキ、そろそろアーロンパークと言う所に着くみたいだが…ありゃあなんか戦闘があったな。どうする?踏み込むか?」

 

いや、その必要はない、俺が行くからな。

 

「サカズキが行くなら大丈夫そうだな、俺は何をすれば良いんだい?」

 

クザンには本部から軍艦を呼んでくれ、海軍で海賊と通じているやつが居るからな。

 

「マジでいるのかい、分かったよ。」

 

ま、本当は今ルフィ達と会わせたら原作壊れるから、ルフィとナミはもう行った後だし…バギー達との戦い見たかったけどなあ…仕方ないな…さて、捕らえに行くか。

 

 

 

〜ネズミ大佐〜

 

チュチュチュ!!まさかアーロンが負けるとは!アーロンを倒したルーキー…ルフィか、チュチュチュ!!金のツテを失ったのは痛いが、今まで貯めたから大丈夫だ。それよりも捕らえたアーロンを護送しなくてはな…

 

ん?軍艦?

 

軍艦から一人の男が降りて来てネズミ大佐の方に向かって来ていた。

 

チュチュチュ、あれは誰だ?……

 

「ネズミ大佐か?」

 

チュチュチュ!大佐を呼び捨てか?生意気だな…

 

「いかにも、何用か?」

 

その男は悪い笑みを浮かべて、

 

「儂は海軍大将サカズキだ、貴様らがアーロン一味と繋がって横領をしていると聞いて捕縛しに来た、大人しくせんかぁ。」

 

……!?チュチュチュ!?

 

サ、サカ、サカズキ?サカズキって…あの赤犬大将!?な、なぜこんな所まで?し、しかし大将がこんな所までくるはずがない!

 

「チュチュ!嘘をつくな!赤犬大将程の人がイーストブルーまでくるはずがない。赤犬大将の名を騙った不届きものを捕らえろ!!」

 

ネズミ大佐の指示に反応した海兵達が直ぐに赤犬と名乗った人物を取り囲んだ。

「手を上げろ!」

海兵達が銃を突き付けて怒鳴ったが赤犬と名乗る人物は手を上げる様子もなかった。逆に意外そうな顔をした。

「赤犬と聞いたら普通はビビるか逃亡するじゃのうに…イーストブルーの海兵は世間知らずと見える。」

「貴様!!」

「儂は正真正銘の赤犬じゃ!!」

赤犬の肩が赤く変色し、燃えたぎり、脈打つ灼熱のマグマに変わり、周囲に熱気をばら撒いた。取り囲んでいた海兵はマグマの熱に押され大幅に後退した。

 

ーネズミ大佐ー

チュチュチューーチュ……ほ、本当に赤犬大将殿なのか!?

チュチュチュ…

 

「赤犬大将殿!今迄の非礼申し訳ありません!さっきのはあくまでも本当に赤犬殿か確かめさせてもらっただけです!」

 

「よく言うわい、さっきまで捕らえるつもりであったじゃけのうに?」

「チュチュチュ!いえいえ、赤犬大将には敵いませんよ!」

ネズミは地に頭を擦り付け、平身低頭した。

 

数秒間返答が無いのを訝しく思い、ネズミは恐る恐る頭を上げた。そこには身体が殆どマグマに変わった赤犬が巨大化したマグマの右腕を振り上げていた。

 

「チュチュチュ!!どうかお許しを!」

赤犬はニヤリと笑った。

「安心せい…殺しはせんわ、少し熱いがな。」

その言葉と共にマグマが降りかかって来てネズミは熱さに包まれ意識を手放した。

 

 

「あらら、ネズミ大佐達が汚職をしていたとはね〜」

 

クザンは赤犬によって捕らえられ護送車に乗せられたネズミ大佐以下海兵達を軍艦に乗せていた。

 

しかし…サカズキは変わったな…前なら正義を貫く為ならどんな事でもして来たのに、今では丸くなってやがるし?何があったんだ?オハラでの事も謝罪してきたし…

 

「まあ、サカズキが変わったのは本当だし、これなら協力していけそうだな。」

 

「何を話していたんじゃあ?クザン。」

おっ、サカズキが戻って来たか。

「何でもねぇ、独り言だ。」

「そうか、まあいい、クザン、次は元ドラム王国だった島に行くぞ。」

元ドラム王国だった島?また意外な所に行くんだねぇ?確かドラム王国と言えばワポルが居たがワボルは悪政王パサロ・ピサロに国が滅ぼされて以来海賊になって今は消息不明と聞いたが…最後に確認された時の賞金額は2500万だったか。特に脅威に感じる必要はねぇと思うが……

 

「もしかして居場所が分かったんだ?」

「よく分かるな、クザン。」

「当たり前でしょ〜」

普段だらけて居ても海賊達の情報はきちんと頭に入っているからね〜

「今からワボルを逮捕しに行くぞ。」

 

逮捕しに行くんだ。まあいいよ、サカズキについて行くだけだし。

 

 

 

 



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〜ワポル慌てる〜

さっき間違えて投稿してしまいました…予定よりも早いですが大幅加筆して再度投稿居たしました。なので話が短いです。申し訳ありません。


 

年中雪に包まれている島の森を数人の男が駆けている。男達は息ぜききってかなり切羽づまっている様子だ。何かから逃げているのだろう。それを示すかのように男達は時々背後を確認している。

 

森の外れまで来て視界が開けて来て漸く男達は立ち止まり息をついた。

 

身なりの良い分厚いコートを羽織り、カバの様な顔をした男が叫んだ。

 

「ハァハァ…!漸く振り切ったようだな!」

「ワポル様、まだ油断は出来ません。直ぐに逃げないと白猟の奴がいつ姿を現すか分かりません。」

付き従う男にワポルと呼ばれた男は雪が降るこの島にかつてあったドラム王国の王様だったワポルだ。ワポルは王とは言えない人間だった。自分の思うがままに振る舞う性格が国民には嫌われていた。それでも隠居していたワポルの父が不満を封じ込めていたからワポルは王様で居られたのだ。だが何年か前、悪政王アバロ・ピサロと言う世界的犯罪者の襲来により、ドラム王国は滅ぼされて父はアバロ・ピサロと戦い戦死、ワポルは守ってくれる人も居なくなり一人で逃げた。それからワポルは力を付けて昔の配下を集めて再び、元ドラム王国に舞い戻って支配を始めた。

 

だが、ワポル自身の性格は直ってなかった。如何に力を付けても人の性格はなかなか変わらない。それこそ強烈な衝撃を受けない限り…それを国民が許せるはずもなく、不満は直ぐに溜まり、運が悪い事にたまたま来た麦わら一味と鉢合わせして戦い、負けた。負けた直後にモクモクの実の能力から「白猟」と異名を取るスモーカー海軍大佐率いる海軍に見つかり今ワポル一味はスモーカーに追われていた。

 

ワポルはまだドラム王国を作る事を諦めてなかった、諦めの悪い男である。麦わら一味に負けてもなお、まだ自分はドラム王国国王だと思ってる妄想に取り付かれた男だった。

 

しかし、そんなワポルに迫る影が二つあった。

 

「よし!!今からまたドラム王国に戻って再び支配を始めるぞ!あの憎い麦わらももう旅立った頃だろう!」

ワポルがそう言い、号令をかけようとした時、背後の森の中から声が発せられた。

「残念ながらそう言う訳にはいかんでのう…」

「「「誰だ!?」」」

ワポル達がビックリして振り向くとさっきまで誰もいなかった森に男二人が立って居た。二人はワポル達よりもかなり身長が高くワポル達を見下ろして居た。一番目を引くのは二人の内一人は物凄く目立つ服装をしていた。堅気者が着る高級スーツに身を包み、胸には薔薇を付けていて威圧溢れる出で立ちをしていた。一方、もう一人はかなり地味な服装をしていてボーイが着る様な簡単な服を着て顔にはサングラスを付け、顔は分からないがパーマをしている変な男であった。しかし、ワポル達が驚愕したのは二人とも海軍でも上位にあるものが来ていた海軍コートを羽織っていた事だ。ワポルはかつて国王だった時に海軍ともそれなりに交流があったからあのコートを着ている二人がかなりの地位にある事は予測出来た。最低でも少将クラス…少将クラスでも今のワポル達では到底歯が立たない相手だ。中将ともなるともう逃げるしか選択肢がない。

 

ワポル達は突然の事態に動揺したが何とか心を落ち着かせた。

 

「貴様は誰だ!?」

随分言葉遣いが荒いがワポルも必死で虚栄心を張り、恐怖心を抑えようとしているのだ。

 

だが、現実は無情である。

「儂か?儂は赤犬じゃあ…」

ワポル達は息が止まりそうになった、少将・中将ならまだ能力を使って逃げ切れたが、大将相手では無理である。レベルが違い過ぎる。しかし、ワポルはまだ大将がまだ自分達を捕まえるわけでは無いと希望をまだ抱いていた。

 

「そ、そうか!その赤犬大将殿が一体何用かね?ひょっとして麦わら一味を捕まえに来たのか!?ならば場所を知ってるぞ!」

「貴様はあほじゃのう…儂ら二人は貴様らを捕まえに来たんじゃ。」

「そうだねぇ、ここまで言わないと分からない奴って始めて見たよ。」

 

〜ワポル〜

くっ!捕まえるつもりか…何とかして逃げ切らないと…ともかく切り札を使わなければ!

 

ワポルはいきなり周りにあった鉄を食らうと身体から巨大なロボットを出した。

 

「これは俺の能力、バクバクの実!鉄や金属を喰らい、武器に変化させる!食らえええい!」

 

ロボットが二人に襲いかかる間にワポル達は直ぐにその場を離れようとしたが、前方に氷の壁が出来て行く手を阻んだ。

「なっ!?」

「諦めなよ?俺も一応赤犬と同じで海軍大将だからな〜名乗ってなかったけど、青雉って言うんで宜しく〜」

 

ワポル達の顔には絶望が広がった。海軍大将が二人いるといる無情に…

 

それに追い討ちをかけるように後ろから声が響いた。

「こんなロボットごときで儂を止めようとは舐めた真似をしてくれたのう?」

 

そこには腕を巨大なマグマに変化させてロボットの腹を貫いた赤犬がいた。

 

そして二人はワポル達の前に立った。

 

「お、俺は捕まるのか!?」

赤犬は顔を歪め、

「安心せい…別に捕まえはせんわい、まあ一時捕まってもらうから捕まえることにはなるか。」

青雉が吃驚した顔をして、

「どう言うことだい?」

「ああ、ワポルは役に立つ、ただ問題なのは性格だ、このままでは前と同じになるからな…今の内に性格を矯正しなければいけんのじゃ。」

 

青雉は赤犬がそんなことを考えていたことにかなり驚いた。しかし、折角乗り掛かった船だ、して見るのも良いかもと思った。

 

「さて、ここまで説明したのだから必ず心を入れ替えてもらわんとのう…」

 

赤犬は笑みを浮かべながらワポル達に近寄った。

 

ワポル達は逃げたくても逃げたら今度こそお終いである事を直感で感じていた為、逃げられなかった。

 

そのときのワポル達には赤犬が悪魔に見えたと言う…




パサロ・ピサロは間違いでした。アバロ・ピサロです。修正しました。


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〜忍耐は大切だよ〜

〜マリンフォード海軍本部〜

 

「ワポル!怠けるんじゃねぇ!」

「くっ!ばれたか!!もう少し休みを…!」

「あぁ?お前に休む暇なんかねぇよ、働け!」

 

ワポル一味は赤犬に拘束され、海軍本部に送還された。本来なら海賊はインペルタウン監獄送りになるのだが、赤犬がセンゴク元帥にゴールデン電電虫でワポル達をもう一度国王の座に返り咲かせると話した。その為には新世界の海賊達にも劣らない力を身に付ける必要がある。なので、ワポル達は現在進行でスモーカー大佐達に鍛え直されている。

 

「チッ…!忌々しい!」

スモーカーは苛立っていた。あの島で麦わら一味を捕まえるつもりだったがワポル一味を発見したことでワポルを優先しなければならず、麦わら一味は一時置いておく事を余儀無くされた。更に本部からワポル一味を鍛え直せ、と通達を受けた事でマリンフォードを離れられなくなった。それで今、スモーカーは苛立っているのだ。

 

「麦わらぁ…!今はマリンフォードを離れられないがこの用件が終わったらテメエを捕まえに行く!」

スモーカーは天に向かって叫んだ。

 

「スモーカー大佐〜またワポルさんが眠りかけています…」

スモーカーの補佐役のたしぎ曹長が困った顔で訓練場の方を指差していた。さっきまで鍛錬をしていたワポルはスモーカーの気が逸れるが早いが直ぐイビキを立て始めていた。

 

スモーカーの眉間に青筋がビキビキと走った。

 

「ワポルゥゥゥ……?」

「スピー〜スピーー…」

スモーカーの怒りが遂に爆発した。

 

 

「起きろやあああああ!!!!」

 

スモーカーは海楼石が入った十手を勢い良く振り下ろしたらガツンと嫌な音を立ててワポルは地面に数ミリ程めり込んだ。

 

「い、痛いんじゃーー!な、なんだぁ!?我はドラム王国の王ワポルなるぞ!無礼者!!!」

「いい加減に起きやがれ、寝ぼけてるんじゃねぇぞ…?」

ワポルは阿修羅の形相を浮かべているスモーカーを見て一歩後ずさった。

「お!、おお!スモーカーではないか?すまんの、どうやら寝ていた見たいだ…では続きを始めようか?」

「…………一回海に落ちて反省して来い。」

 

スモーカーは上半身を煙に変化させた。

 

「白鯨!」

 

スモーカーの腕から煙が伸び、鯨に変化してワポルを呑み込み海に突き落とした。

 

ドッポーン!

 

「ぐああ!能力者に水はキツイ!スモーカー!早く助けてくれえ!!」

 

その後スモーカーにみっちりと扱かれるワポルの姿が海軍本部の訓練場にはしばらくの間絶えなかったらしい…

 

 

 

其の頃赤犬と青雉は…

 

「サカズキ〜ここ暑くない?」

「我慢しろ。」

 

アラバスタ王国にある水補給休憩所で水を飲んでいた。

 

〜サカズキ〜

 

それにしてもワポルビックリしたな…バクバクの実ってある意味チートだよな、武器作れるし、しかも原作には無かったけどロボット出して来たし。もし赤犬じゃなかったら倒せなかったかもなー

 

これからアラバスタに行ってクロコダイルとルフィの戦いを見るかー、え?お前は戦わないかって?そりゃ戦わないよ?出来るだけ原作沿いに進みたいし…勿論原作に余り影響が出ないなら少しは干渉するけどな!

 

ドドーン……!!

 

おっ?戦いが始まったみたいだな?さて、いつもの赤犬口調に戻すか。赤犬の口調って堅気気質だからなりきるの大変だ…まあ、慣れて来たら大丈夫だろうだけど。

 

 

「クザン、そろそろ行くぞ。」

「はいよ。」

 

 

アラバスタ王国の宮殿前に着いたときクザンが立ち止まり、俺の方を向いた。

 

「サカズキ、此の先に行くとクロコダイルが居るんだろ?クロコダイルも捕まえるのか?」

「いいや、今スモーカー達も麦わら一味と一緒に居る、逮捕はスモーカーに任せる。」

「スモーカーもここに来てたのかい、ワポルの性格矯正はもう終わったってことかー、空いからわず早いねぇ。」

「じゃのう。」

 

 

 

 

「………なあ、サカズキ聞いても良いか?」

 

「なんじゃあ?」

 

「サカズキは最近麦わら一味に拘ってるが麦わらに何かあるのか?本部からの命令とは言え、ここまでする必要があるのか?」

 

こりゃ麦わらに何かあると疑っているかな?(汗)原作を変えられると面倒だからここは適当に誤魔化すか。

 

「クザンは麦わら一味の船長の名前がモンキー・D・ルフィと言う事は知ってるな?」

「知ってるが…それが?」

「ルフィはガープ中将の孫だ。」

「つまり、サカズキはガープ中将の血を受け継いでいるルフィを警戒してるんだ?」

 

「ふうん…モンキー・D・ルフィ…一応サカズキが警戒してるんだから見ては見るか。」

 

ほっ、一応納得してくれたようで良かった。

 

「ああ。」

 

そして俺はクザンと一緒にアラバスタ宮殿地下にあるクロコダイルの拠点に入った。

 

そこではクロコダイルと麦わらが闘いをしていた。

 

「クゥロコダアーイルーーーー!」

 

麦わらが気合の叫びを籠めた拳をゴム状に伸ばし、クロコダイルの腹を突いた。

 

「グウッ…!?」

 

「麦わらぁ…!スナスナの実の俺にダメージを負わせるたぁ、なかなかやるじゃねえか?」

 

「クロコダイルゥゥゥゥ!!」

 

ルフィが間を置かずにクロコダイルの目の前に迫り、クロコダイルの顎を打ち砕かんと拳を繰り出した。

 

「お前が!お前が…ビビの笑顔を奪ったんだあああ!!!!」

 

クロコダイルは下から繰り出された拳を金属製のかぎ爪で受け止め、ルフィの顔に傷を付けた。

 

「ああ?弱者に笑う権利なんざイラネェだろ?この世界は力こそ全てだ…覚えておけ…砂嵐!」

 

クロコダイルが起こした竜巻により、ルフィは数m吹っ飛んで壁に身を打ち付けて跳ね返って地面に立ちふした。

 

「ふん…これで終わりか?呆気ねぇな…」

 

ルフィピンチだな…まあ大丈夫さ、ルフィはしぶといから!

 

「麦わらやられそうだけどなぁ…」

クザンが疑いの目でルフィを見ているな…ま、ルフィって結構勝つまでにかなり攻撃食らうからな…

 

「まあ、見とかんかい。」

 

「じゃあな、麦わら、中々面白かったぜ。」

 

クロコダイルが踵を返し、去ろうとしたら地に付していたルフィがクロコダイルの足を掴んだ。

 

「!?まだ動けんのか?」

 

「クロコダイル……俺はビビの笑顔を奪ったお前を絶対に許さねえ!」

 

ビリリリッ!!!!

 

ルフィの気迫にクロコダイルが押されてやがるな…

 

「麦わらぁ…!お前は俺が今まであった中でも強敵だな!これで終わりにしてやる!」

「乾きよ…集まれ…一点集中……大砂嵐!」

 

今までよりも大きい砂嵐の大竜巻が発生してルフィを飲み込まんと迫った。

 

「あああああーーーーゴムゴムの!水流弾!」

 

ルフィが体に溜めた水を水鉄砲の様に打ち出して竜巻を打ち消してクロコダイルの目の前に現れた。

 

「クロコダイル!!これで終わりだあ!!ゴムゴムのーーガトリング!!!!」

 

ガガガガガガ!!!!!

 

「グハッ……」

 

クロコダイルがルフィの拳の連続攻撃を受けて倒れたか…すげーなルフィ…自然系を覇気無しで倒すとは…水使ってたけど。

 

「あれが麦わらのルフィ…」

 

クザンはルフィを凝視してんな…無理もないかあんな闘いを魅せられちゃな…

 

 

「そうだ、あれが麦わらのルフィだ。」

 

「お前があそこまで興味を持つ理由が分かったよ、俺も興味が湧いて来ちゃまった…」

 

「そうじゃろう。」

 

丁度スモーカー達も来た様だし、後はスモーカーに任せて僕達は退散するか。宮殿も崩れて来た様だし…

 

 

 

 

〜クザン〜

 

麦わらのルフィ…クロコダイルを倒すか、まだまだ未熟とはいえ流石はガープさんの息子か。血は争えないな。サカズキの言った通り見て見る価値はありそうだねぇ。

 

「サカズキ、麦わらは面白いな、興味が湧いて来たから近いうちに会いに行くよ。」

 

麦わらならアイツの居場所にもなるだろう…此れからに期待だねー

 

と、話をしている間に麦わら達はもう外に出たか。

 

「青雉大将と赤犬大将!いつの間に居たんですか!?」

 

お?スモーカーが来たのかい。

 

「遅いよー、クロコダイルはそこに居るからとっとと捕まえなよ。」

 

「はっ!」

 

「たしぎ、クロコダイルに手錠を掛けろ。」

 

たしぎと名前を呼ばれた女の海兵が倒れているクロコダイルに駆け寄って手錠をかけようとした。

 

おっ…!?よく見たらたしぎちゃんって中々のボインちゃんじゃん!!服で見えないがボインマスターたる俺には分かる…!!あれは素晴らしいボインちゃんだ!!!

 

ドゴッ!

 

ん!?

 

「きゃあっ!」

 

倒れていたクロコダイルが突如起き上がり砂嵐でたしぎを跳ね除けた。

 

「ハァ…ハァ…!!まだだ!麦わらには負けたが海軍如きに捕まるかよ…!!」

 

俺のボインちゃんに手を出すとは許すまじ!

 

「あらら、たしぎちゃん大丈夫かい?後は俺がやるからね…下がって良いよ。」

 

「貴様、そこをどけええ!!!」

 

クロコダイルは砂嵐を幾つも発生させ打ち出した。

 

まだまだだねぇ…やはり七武海と言えどもルーキーに近いからな…

 

「無駄だよ、凍り付け…」

 

青雉が手をかざすと忽ち周囲が氷に包まれ、青雉を飲み込まんとしていた砂嵐は全て凍り、幾つもの氷のオプジェを作った。

 

「!…この能力…貴様ヒエヒエの実能力者海軍大将青キジか!?」

 

「当たり前じゃん、何大将の顔忘れちゃってんのよ?」

「青キジぃぃ!!死ねえ!」

 

クロコダイルが下半身を砂に変化させて猛スピードで迫って青雉に鉤爪を撃ち込んだ。しかし、青雉は普通に鉤爪を受け止め、呟いた。

 

「凍れ…氷息(アイスブレス)」

 

クロコダイルは冷気に包まれ、その身諸共凍り付いて動かなくなった。

 

「まだまだ弱いねぇ…解凍は任せたよサカズキ。」

 

「分かっとるけんのう。」

 

この後クロコダイルはサカズキにマグマで解凍され、七武海の称号を剥奪され、インペルタウンに投獄された。

 

 

 

 

 

「じゃ、俺は麦わらのルフィに会いに行くから此処で別れるわ、次はマリンフォードでな。」

 

「ああ。」

 

「サカズキは此れからどうするんだ?」

 

「儂か?儂はちょっとある人物に接触する。」

 

「その人物って誰なん?」

「また会った時に教えてやるわい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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〜無闇に行動は駄目だよ〜

更新が遅れまして申し訳ありません。


 

嵐が全てを破壊尽くした様な惨憺たる有様の酒場に顔に傷を負った男が倒れていた。男は誰かと戦ったのか全身に打撲傷を負っていた。男の周りには誰も居らず所々に散らばっているガラスの破片が夜空に燦然と輝く月の光を受けて微かに輝いた。

 

 

突如、空から物体が倒れている男の前に降り立った。その物体をよく見るとそれは人だった。星と見紛う程の派手なガウン系の衣装で着飾り、顔にはサングラスを掛け、笑顔が常に張り付いて居る軽薄そうな印象を受ける男だった。

 

男は倒れている男を見下ろしながら言い放った。

 

「無様だなぁ…?ベラミーちゃんよ。」

 

倒れている男はベラミーと言う海賊で1500万ベリーの賞金首だ、イーストブルーの海賊にしては高すぎる賞金額だ。その理由はベラミーを今見下ろしている男にある。この男はドンキホーテ・ドフラミンゴ、王下七武海の一角を担う大海賊だ。イトイトの実の能力を有し、その実力は七武海でも上位に入る。ベラミーはドフラミンゴの部下だったからイーストブルーの海賊にしては高い賞金首になっていたのだ。新世界の海賊に比ぶればまだ卑小に過ぎないが。

 

ベラミーは先程酒場に来た麦わらのルフィとタイマンを張り、激昂したルフィに散々に打ちのめされ、今、瓦礫に倒れていた。

 

ドフラミンゴは自らの部下の失態に怒っていた。ベラミーの小賢しさは期待出来たのだが、まさかあんなルーキーに挑んで敗北するとは考えていなかったのだ。ベラミーをこのままにしたら自分の名誉も悪くなる。ドフラミンゴの名に泥をベラミーはかけたのだ。そんな奴に海賊団一味の資格はない。

 

ドフラミンゴはベラミーの心臓を貫こうとした。

 

ガシッ!

 

ドフラミンゴは突然腕を止められた事に驚き、振り返った。

 

ドフラミンゴは自分を止めた者を見て、驚愕した。

 

「フッフッフ…?これはこれは赤犬さんじゃないか!」

 

「ドフラミンゴ、自分の配下を無闇に殺すのはやめんか。」

 

ドフラミンゴは高笑いをしながら言った。

 

「フッフッフ…?赤犬さんよ…俺たち王下七武海は海軍の利益にならない事をしない限り不干渉の協定を結んで居るはず。俺が配下を殺そうが海軍には何の関係も無いはずだぜ。」

 

「それでもじゃ、胸糞悪い殺しをされるだけマシじゃ。」

 

ビュン!ドフラミンゴが赤犬に急接近して赤犬の胸を切り裂いた。

 

「今の行動は海軍への敵対と取っていいな?」

 

赤犬はそう言うと体を灼熱のマグマに変化させた。灼熱のマグマが赤犬の周りを波打ちながら段々大きくなり、遂には建物大の大きさの火の犬になった。

 

「灼熱紅蓮犬!」

 

マグマで出来た犬が唸りを上げながらドフラミンゴに向かった。

 

ドドォォン…!!

 

ドフラミンゴはマグマのイヌに呑み込まれて姿が見えなくなった。

 

ドフラミンゴはマグマに消えた。しかし、赤犬はその場を動かない。

 

ボトン!

 

赤犬の頭が首から離れて地面に落ちたが直ぐにマグマに変わり、地面を溶かしながら消えた。新しい首が胴体から再び生えた。

 

「フッフッフ……!!流石は海軍大将!一筋縄ではイカねぇ…!!」

 

マグマに呑み込まれた筈のドフラミンゴは空中に張り巡らせた糸により空中に飛び上がってマグマを回避して赤犬の後ろに回って赤犬の首を覇気の込められた糸で両断したのだ。だが、赤犬は海軍最高戦力の一人、そう簡単にやられる道理はなかった。

 

赤犬は直ぐに拳にマグマのエネルギーを籠めて、圧縮して解放した。

 

「焔紅蓮。」

 

マグマで塗り固められた直径5mを超える拳がドフラミンゴに降りかかった。

 

「イトイトの実…10万本…アラクニルトラップ!」

 

赤犬の放った拳はドフラミンゴに当たる寸前で見えない壁に防がれ、勢いを失い、地面に音を立てて落ちた。

 

ドフラミンゴと赤犬は再び睨み合った。

 

その状態が3分程続いた頃だろうか、ドフラミンゴが突然笑い出した。

 

「フッフッフ…!分かったよ、ベラミーは殺さないで生かしておいてやるよ。」

 

赤犬はマグマの拳を普通の腕に戻し、

 

「最初からそうすればええんじゃ、要らん手間を掛けさせおって…」

 

「フッフッフ…!!さっきのはなかった事にしようか。」

「あァ、お互いの為にな?」

 

 

 

 

〜赤犬〜

 

ドフラミンゴと別れた後、僕は一人で島を歩いていた。

 

 

いやー、ドフラミンゴマジで笑顔が怖い…さっきなんか恐ろしい笑顔でフッフッフ…!とか言いながらベラミー担いで去って行ったし…まあベラミーは殺されなかったから良しとするか。

 

今頃ルフィ達はドンドン進んで居るんだろうなー、僕も見に行きたかったな…

 

まあ、今は海軍の方もちょっと忙しくなってきてるみたいだから海軍の方にも集中しないといけないな。なんかさっき、電電虫で新世界の方がきな臭くなって来たと言うし…

 

 

お、本部から迎えが来たようだな?

 

海の方を見ると一隻の軍艦が停泊していた。そこから二人の人物が降りて来る。二人は僕の目の前まで来ると敬礼をした。

 

「サカズキ大将殿!海軍本部から早急に戦闘体制を整え、マリンフォードに来るようにとの伝令です。」

「ああ、御苦労。」

 

この二人は海軍中将で僕こと赤犬の部下である。手が六本あるクモみたいな男がオニグモ中将、右目を失明していて、顔や身体中に生々しく残ってる傷がこの赤いロングコートを着た男が様々な死線をくぐり抜けて来た歴戦の戦士と言うことを証明していた。この男が中将の中でも二番目に強いと噂され、海軍過激派の頭でもあるドーベルマン中将だ。

 

いやー…分かってるけど、二人怖い…オニグモ中将はまだ分かる。でもドーベルマン中将マジ怖ええええ!!

 

頂上戦争でも海軍の戦意高揚にかなり貢献してたからな…

 

ん?ドーベルマン中将が何か言いたそうだが…

 

「ドーベルマン中将、何か言いたいことでもあるのか?」

 

「はっ、サカズキ大将はここ最近イーストブルーに出向いて居られましたがイーストブルーに何かあるのでしょうか?」

「イーストブルーは平和の象徴であろう?」

「はっ。」

「そのイーストブルーに海賊と言う悪が蔓延ると言う事が許せるんか?」

「流石サカズキ大将!、不躾な質問お許し下さい!」

「ああ、さて今からマリンフォードに行くか。」

 

「「はっ!!」」

 

 

◆〜マリンフォード〜

 

マリンフォードには今、赤犬とセンゴクしか居なかった。他の中将、大将達は独自に動いていたからだ。ガープは空いからわず自由気ままに動き回り、クザンは何処かでサボり、中将達は新世界の海賊に警戒をしに行くと言う具合であった。

 

「済まぬな、わざわざ呼び出して…」

「気に為さらんで下さい。それで用件とは?」

 

「うむ、サカズキが居たイーストブルーを少し西に行った所に空島…スカイピアと言う島があると言う事なのだが…本当かどうか分からぬのでサカズキに調べて欲しい。」

 

「もしあったら如何しますか?」

「基本は不干渉…か、友好を結ぶつもりだ。空島は空の上にあるからな。そこまで海軍は行くのは困難だ。能力を使わない限りだが。」

「了解ですのう。」

「それと、今回はクザンと一緒に行ってもらうから何処かでフケ込んでいるクザンを引っ張って二人で空島に行ってくれ。」

 

おっ、またクザンと一緒か…二回目なのはセンゴク元帥は知らないからな…黙っとこ!

 

「はっ。」

 

 

 

 

 

 

〜クザン〜

 

平和だね…何も考えないで寝るのは…

 

さっき会った麦わらのルフィ…面白い奴だったねぇ、ウッカリ能力を少しだけ使ってしまったよ。技術はまだまだ…身体能力に頼って戦う所があるが、最後に見せたあの気迫…あれで覇王色で無いんだからとんでもないよ。

 

でも、ボインちゃん二人見れた事は役得だね!いや〜!ロビンとナミちゃんの二人のあの形の良い胸は最高だね!思わず鼻血出そうになったよ!

 

クザンは今、アイマスクの下で妄想に浸って居た。

 

「起きんかあ、クザン。」

 

その言葉と共に溶岩がクザンに降りかかった。

 

「アチチチ!!??一体なにしてくれんのよ〜サカズキ?」

 

「仕事サボってる貴様がそれを言いちょるんか?」

「痛い所をつくねぇ〜」

「まあいい、任務だ、行くぞ。」

「任務ぅ?どこ行くの?」

「空にある島だ。空島…スカイピアの事だ。」

「まずは儂について来い。」

 

 

 

◆〜イーストブルーの西の端の海上〜

 

「空島どころか影も形もないけど…此処でなにするの…」

 

「今からお前の能力で行くんじゃ。空の上に有るんだろ?ならば空に行けばいいだけじゃ。」

 

「空いからわずサカズキは無茶言うね…周辺に誰も居ないから良いけど…」

 

「じゃあサカズキ、チョット離れててな。」

 

サカズキはクザンから離れた所に立った。クザンは目を閉じて集中し始めた。集中と共にクザンに氷のエネルギーが集まり始めて身体が青く輝き始めた。

 

クザンは大きく息を吐くとエネルギーを解放した。

 

「天氷河!!」

 

その言葉と共に放たれた青い氷の光線が天に向かって昇って行った。

 

パキキイイィィィンンン!!!!………

 

凄まじい衝撃音が辺りを覆い尽くして周囲は氷の霧に包まれて見えなくなった。やがて霧が晴れると、天を貫いて生えている超巨大な氷の柱が出来ていた。

 

「いっちょ上がりっと。」

「後はこれを登るだけか…よし、行くぞ。」

 

サカズキは体をマグマの塊に変化させ、マグマとなって氷の柱の中に入り、柱を溶かしながら進んで行った。

 

「サカズキも大概でしょうに…氷を溶かしながら登るって…ま、僕も行くとしますか。」

 

クザンは氷の柱に手を当てるとパキンと言う音を立てて消えた。




これからの更新は週一回にする予定になります。今後とも拙作を宜しくお願いします。


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妄執の果てに

スランプに陥った為、小説をなかなかかけませんでした。取り敢えず投稿しますが、また暫く更新はありません。再投稿は来年を目処にしたいと思います。

この度は更新遅くなり、申し訳ありませんでした。


「ヤハハ…ヤハハ!」

 

 

空島では今雷とゴム、二つがぶつかり合っていた。

 

周りに眩い光を放い、天空を飛翔している男はエネル、空島…スカイピアの国王であり、神である。エネルは空島に生を受けた時より強者であった。生まれた時から有していた心綱(マントラ)で人々の気持ちが手に取るように分かった。六歳になり、少年になると其の頃には人を下に見る様になった。

 

当たり前だろう、エネルは強力過ぎる心綱で人が考えている事が分かるのだから自然と、人の心の醜さも目に入って来る。それが見えるたびにエネルは苦悩した。人は何故こんなにも醜い?人は他人を思いやる素晴らしい心を有しているのに?何故人同士で争う?

 

嗚呼、とても、醜くて、醜くて、醜くて、何て美しいのだろう。分かるか、表面は綺麗に塗り固められているが、一度皮を捲ると、そこには泥にまみれた汚い人の本性が見える。でも、何処か美しい。

 

嗚呼、嗚呼、嗚呼、見たい、人が憎しみを持ったらどうなるのか。それはとても華麗な美しい、極上の宴になる。

 

其の為には力が必要だ。心綱ではまだ足りぬ、最、もっと、頂きから人を見降ろしたい。争う様を見て、宴をするのだ。

 

それからエネルは力を求めて、悪魔の実を探し求めて遂に、自然系の悪魔の実を食べて雷人間になって空島を支配した。

 

支配に抵抗した者も多数居たが、エネルの雷の力で退けた。エネルは自分に逆らった人々を容赦無く神の雷で焼き尽くし、心綱で心を操り、恐怖と疑心暗鬼で空島を治めていた。

 

だが、今、エネルは自らと同等に、対等に戦う人間が現れた事に酷く動揺した。

 

その男は自らの雷を容易く弾き、雷たる我の身に一撃を与えた。一番下等な種族であるはずの青海人が神たる我に一撃を与えたのだ、あってはならない事だ。しかし、エネルは歓喜を覚えていた。やっとこの私と同じ高みに来る存在が現れたのだ、愉快、愉悦、愉悦、もっと我を愉しませよ。

 

エネルはあくまでも自分を上に起きながら自分に一撃を与えた青海人を見据えた。

 

 

「愉しいな?ルフィよ!」

 

「エネルゥゥゥ…!お前なんか神じゃねぇ!」

 

「ヤハハハ…何故だ?」

「スカイピアの人達はお前の理不尽な支配に苦しんでる!俺たちを助けてくれた人をお前に逆らっただけで裁くってなんだぁ!!そんな奴神じゃねぇ!」

 

「ヤハハハ!それの何が悪い?なあ、ルフィよ、分からんか?この世は理不尽に満ちているんだ。弱い者が上に立ち、強き者は異端と見なされ迫害される…それが理不尽だ!強き者は遠慮は要らぬ、弱き者の上に立つのが本当の強者だ!!」

 

 

「そんなの関係ねぇよ…俺は許せねぇんだ!そんな考えで空島の人を苦しめてきたお前を!!」

 

エネルに向かって叫んだルフィは天空に立つエネルに拳を打ち込んだ。

 

「ガハッ…!?」

 

ルフィの拳を顔面に受けたエネルは抵抗する暇もなくぶっ飛ばされ、重力に従って地面に地響きを立てて落下した。

 

「何故だ…?何故?神である私が唯の人間に負けるのだ?」

 

「エネル…それがテメェの弱さだ!……ゴムゴムのーー!ガトリング!!!!」

 

ドゴゴゴォンと音を立ててエネルの居た地面は破壊されて土煙が舞い上がった。

 

「ハァ…!ハァ…!!た、倒した…!」

 

「ルフィ!」 「ルフィ君…」

 

「サ、サンジにロビンか…ワリィ!エネル先に倒しちゃまったぜ!」

 

「馬鹿野郎!!無茶しやがって!」

サンジ・ロビンは直ぐにルフィの側に駆け寄ってルフィを助け起こした。

 

「ルフィ君、まさかエネルを倒すとは恐れ入ったわ。」

 

「言ったろ…?俺は海賊王になるってな!」

 

「それでも…無茶するんじゃねぇ!心配したんだぞ!馬鹿野郎ーー!」

 

三人は和気藹々と話しながらその場を去って行った。

 

三人が去った後に弱々しいながらも動く影が一つあった。

 

「ヤハハハ…ヤハハハ…帰ろう、帰るんだ、あの悪魔たちが居ない地に…新天地に…」

 

エネルは妄執にとりつかれていた。ルフィに負けたと言う事実を認めたくないが為に自らの思考を夢の中にいれることで現実逃避をしたのだ。

 

「さぁ!、箱舟よ、来るのだ!私を新天地に連れて行くのだ!!」

 

エネルの叫びに応え、巨大な箱舟はゆっくりと地響きを立てながら動き出した。

「箱舟、目的地は月…月だ…月ならば忌々しい青海人も居ない……」

 

エネルは弱々しいながらも何とか立ち上がり、上空に浮かぶ箱舟に乗り込もうと浮かび上がった。

 

突如上空に巨大な熱気を放つ赤い玉が現れた。それは輝きを放ちながら箱舟に向かって行った。

 

エネルは慌てて雷の槍を投げつけたが、圧倒的な質量の前に逢えなく塵と消えた。勢いを保ったまま赤い玉は箱舟に着弾した。

 

悲鳴を上げながら箱舟は真っ二つに裂け、無数の木片になり、落下して行った。

 

「は、箱舟が……?!」

 

「悪いのう、月に逃げられたら困るじゃけん、スカイピアの神エネル…」

 

慌ててエネルが振り向くと二人の長身のコートを着た男が立っていた。

 

「貴様ら…!よくも、よくも、私の箱舟を壊してくれたな…」

 

「あらら、それはすまないことをしたね。でも、君にはこれ以上その力を使われたら堪らないんでね、悪いけど拘束させてもらうよ。」

 

軽い調子でエネルを捕まえるとこの青海人はのたまった。

 

調子に乗るなよ、青海人が、さっきは負けこそしたが、あれは私の力が通じないという奇怪な出来事によるものだ。

 

エネルは周囲に雷を出現させた。

 

「二万V、神の怒りを食らうが良い」

 

エネルの体内で生成された電気はその力を増し、次第に収束し雷の閃光となって二人に向かっていく。

 

しかし、二人は片腕を軽く上げただけで雷が空気中に霧散した。

 

「所詮は心綱しか使えない不完全なロギアか。」

 

な、なぜだ!さっきの青海人と言い、何故私の技が通用しない?!

 

「終わりだ、〝大噴火〝」

 

その言葉と共に、赤いコートの男を中心にして灼熱の炎が集い収縮し、巨大な火の隕石を創り出した。

 

隕石は上空にゆっくりと打ち上がりながら勢いを増し、エネルの頭上に落ちて来た。

 

く、くく……認めるものか、認めるものか、私こそが神、神なのだ、私こそがスカイピアの唯一神!こんな隕石などうちらはってくれる…!

 

エネルは未だ自らが神だということを信じて疑わない妄執に取り憑かれ、現実を直視することを許さなかった。彼は今一度雷を創り出し、隕石を滅さんとした。

 

「三億V…神の」

 

それを言う前に、エネルの体は灼熱の焰に包まれ、痛みを感じる前に彼の身体ごと、永遠に止まぬ灼熱地獄に彼の意識を誘った。

 

彼は完全にこの地上から塵も残さず消滅した。

 

 

 



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