シンフォギアの世界で好き勝手に改変する (サイオンⅡ世)
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第0章
プロローグ 転生特典
ちなみに作者はデジモンクロスウォーズが大好きです。
俺の人生は不幸ばかりだった。
当時デジモンが流行っていた時代に生まれた俺は、みんなの話題に乗っかろうと必死にデジモンを見ながら話に乗っていた。
しかし、俺がちょうど中学2年の頃俺にとって運命の作品に出会った。
それがデジモンクロスウォーズである。
俺はそれを見た瞬間に心が踊るかのような出来事だった。
デジクロスによりデジモン達が合体して強くなるという要素は元々ロボット好きであった俺の心に火をつけた。
俺は早速学校の友達にクロスウォーズの良さをこれでもかと言うぐらいに語った。
だがその日を境に、俺から友達が一人もいなくなった。
理由は、当時のクロスウォーズは従来のデジモンファンにとってはあまりいい評価をとれなかった作品でもあった。
デジモンは進化してなんぼと呼ばれていたのに、それをいきなり合体のみで戦うクロスウォーズにデジモンファンはある意味残念な感じだった。
しかしそんな事を知らなかった俺はクロスウォーズこそデジモンに必要な作品と言ってしまい、親友だった俺の友達がこれに激怒し大ゲンカとなってしまい全治3ヶ月の大怪我を俺は負わせてしまった。
少年院に入れられないだけマシだったが、その代償として俺の周りから人がいなくなり、家族からも厄介者扱いされてしまった。
そんな事もあったが、俺はどうにか社会人となり家族も持つ事もできた。
だが、運命はそれを許さなかったのか、またも俺に不幸が襲った。
それは、俺が大怪我を負わせた親友が窃盗罪で捕まり、俺に指示されたと濡れ衣を着せたのだ。
当然それを疑った警察は俺を事情聴取したが、証拠不十分で釈放されたが、その翌日に親友は自殺した。
これにマスコミは食いつき、俺が親友を自殺に追い込んだと冤罪同然の記事を書き、その日の連日からひどい中傷手紙や罵声を浴びながら生きることとなってしまった。
当然俺の家族はそんなのに耐え切れるわけがなく、結果離婚することとなり会社からもクビにされ、俺は人生のドン底に叩き込まれた。
そして俺は今現在、ビルの屋上にいる。
ーーーもう何もかも疲れた
そう言い残し、社会への苦情を書き、俺は屋上から飛び降りた。
ふと、目が覚めた。
そこには何もなく、あるのは白い空間と俺が寝ていたであろう布団だけだった。
ここは一体どこだ? なぜ俺はここにいるんだ?
そう考えていると、奥から女性が出てきた。
よく見ると神々しい服装をしているので、恐らくなんらかの偉い人なんじゃないかと思った。
『目が覚めたようですね…』
脳内に直接語りかけるかのような声だった。
しかしその声は美しく、まるで声優が神様になったかのような声だった。
『あなたの今までの人生を見させていただきました。…本当にお辛い人生を歩まれたのですね…私から謝罪させて下さい…本当にすみませんでした…』
泣き声交じりの声で俺に謝ってきた女性。
しかしなぜ謝るのかがわからなかった俺はなぜ?と質問した。
『…実は、あなたが不幸の人生になってしまったのには、我々神が原因なのです…。あなたか親友と呼んでいた人物は、実は転生者なのですが、これが我々にも手がつけられない程の罰当たり者で、転生の特典には聞くのすらできない程の悪じみた者でした…、なので我々はどうにか彼の特典を取り上げたのですが…、我々のミスであなたの人生にその特典が誤認してあなたの人生を狂わせてしまったのです…』
ーーー俺は聞いてて思った。俺はなんて奴と親友になってしまったのだと、神様の話が本当かはさておき、ミスによって人生を狂わされてしまった俺は一体なんなのだろうか…。
俺はしばらく布団に座りながらただただ沈黙しているだけだった。
すると神様が、俺の手をとり、優しく慈愛に満ちた声で言ってくれた。
『…あなたを死なせてしまった我々にも責任があります。あなたを生き返えらせる事はできませんが、転生させる事はできます』
ん?今なんて…
『ですから、転生させる事はできますので、また新しい人生を歩まれてはどうでしょうかなと、思いまして…、どうでしょうか?』
…成る程
俺はこの時、転生という言葉が出るとは思わなかったが、人生をやり直すという意味に置き換えればいいのではないだろうかという説についた。
もちろん、親友のような転生なんてしたくないしする気もない。
俺はそれを神様に伝えると、『…ではあなたが欲しい転生特典を教えて下さい。数は4つまでです』と言ってきたので、少し悩んだが、特典をどうにか選びだせた。
転生特典1「デジモンクロスウォーズにて出てきたクロスローダーとデジクロスと同じ能力をそれに宿らせて俺に渡してほしい」
転生特典2「対人スキルとして、話上手と絶対信頼が欲しい」
転生特典3「普段の姿形はデジモン内のオメガモンにしその力をもらう。また人間体になれるようにし、その時の姿はFateの坂田金時(ライダー)」
転生特典4「もし自分に家族ができたら、必ず幸せにできるくらいの運命」
全ての特典を言い終えると、神様はどこからか杖を取り出し、何もない空間に扉を出させた。
『さあ、この扉を開けば、新しい人生の世界に辿りつけますでしょう…ただ残念ながらどの世界に行くかまではわかりません…それだけは覚えておいてください』
俺は神様に一言お礼を言うと扉を開けて、その中へと入った。
そして強い光に当てられながら俺は意識を失った。
意識を失う前に神様からの言葉が聞こえた。
『…どうか、あなたの人生に、幸運がありますように…』
つづく
主人公の親友のその後ですが、あまりにひどい外道だった為地獄に送られ、心が壊れるまで抜け出せなくなっています。
更新はゆっくり目ですので、気長にお待ちいただければ幸いです。
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プロローグ2 原作改変
ーーーふと、目が覚めた。
目を覚ました俺は天井を見ていた。どこをどう見ても知らない天井だ。
『私』が寝ていたのはベットではなく布団。以外と暖かい布団だった。
顔を洗いに起きようとすると、どうにも体が重い。どうにか立ち上がり洗面所の鏡を見ると。
ーーーそこに映っていたのは、オメガモンだった。
試しに腕を動かしたり体を動かすと、やはり同じ動きをする。
これは間違いなく『私』の体だ。
そしてふと思った。なぜ一人称が『私』になっているんだ?
わからないが、どうやらオメガモンの姿だから一人称が変わっているのだと思う。
試しに人間体になりたいと思う気持ちを強めると、少し目眩がしたがなんとか持ちこたえ、目眩が解けたと同時に鏡を見ると。
ーーー坂田金時になった『俺』がいた。
やはり一人称が俺だとすごく使いやすくて気が楽だ。
洗面所で顔を洗った後、俺は生前と同じように家のポストから手紙やら告知やらをとりにむかった。
ポストの中にはこれといって手紙類はあまりなかったが、一通だけなんとなくだが力を感じる手紙があった。
表裏を見ると、裏の方に神様と書かれた文字だけがあった。
俺はその場でそれを開けた。
「この手紙を呼んでいるということは、あなたは無事転生できたのでしょう。
今あなたのいる世界ですが、そこはシンフォギア世界と言われているアニメ世界で、恐らくあなたも知っている世界だと思われます。
それと、あと数日したら俗に言う原作1話が始まります。
もしあなたがこの世界を知っていたのなら、改変するしないは自由とします。
それとあなたの戸籍についてはご心配いりません。
我々神の一族が責任をもってあなたの戸籍と財産それに職業も用意させていただきました。
あなたのこの世界での名は「坂田 尾目頭(おめが)」となっていて、坂田金時の遠い遠い子孫ということになっています。
財産についてですが、まずあなたがいま住んでいる家と、Fateの坂田金時が乗っていたバイク、それに貯金通帳には、我々からの謝罪金として一生困らない程度のお金を用意させていただきました。
職業ですが、あなたが勤めているのはふらわーと言うお好み焼き屋さんです。
私達にできるのはせいぜいこのくらいですが、あなたがこの世界で幸せに生きる事を願います。
PS. 勝手かとは思いますが、我々神の一族から一つだけあなたの特典に追加してあります。
医療関係でしか使えませんが、もしあなたもしくは他人の体に破片などが体内に埋まった場合、それを無傷で取る事のできる能力です。
どうか有効に使って下さい。
神より
ーーーーー俺は一瞬泣きそうになった。
まさかここまでよくしてくれるとは思わなかった。
神様のいっていたシンフォギア世界だが、当然俺は知っていた。
家族に内緒でDVDボックスを買って毎日のように見ていたぐらい俺は知っていた。
するとあと数日で原作開始と考えると、今のうちに色々と対策を考えなければ危ない気がしてならなかった。
とりあえず考えるのを一旦やめて、すぐにライダースーツに着替えて、金時が乗っていたベアー号に乗ってふらわーへと向かった。
…………あれ?ふらわーってどこ?
探すのに1時間かかったのは内緒だ。
数日後、いよいよ原作開始となる今日。
俺はベアー号に乗りながらツヴァイウイングのライブ会場へと向かった。
俺は走りながら思ったが、ツヴァイウイングの人気がここまでとは知らなかった。
なぜなら現在絶賛渋滞中だからだ、いくらバイクでとはいえ、これでは全然会場まで時間がかかる。
しかし、背に腹は変えられなかった為、仕方なく待つ羽目になった。
それから2時間半後、ようやく会場に到着した。
どうやらまだライブは始まっていなかったのが幸いだった為、俺は急いでベアー号を駐車場に止めて、会場へと走った。
すると。
「きゃっ…」
「うおっと」
突然誰かにぶつかってしまった。
「悪りぃ、平気か?」
俺はとっさにすぐ謝り、相手がこちらを見ると、俺はぶつかった相手が誰かすぐにわかった。
「あ、いえいえ、こちらこそ前見て歩かなくてすみません」
立花響。
このシンフォギアの世界の主人公。
そして今日は彼女にとっては運命の日。
これはどんな因果なのか一瞬わからなくなる程だった。
「?どうかしました?」
「へ?ああいや、なんでもねぇ。それよりも早く中に行かねぇと折角のゴールデンなライブを逃しちますぜ?」
「はっ!そうだった!ありがとうございます!」
「おう!いいってことよお嬢ちゃん!」
響は会場内に急いで入るとこを見た俺も中に入り、とっさに人目を避けながら、ツヴァイウイングの控え室まで向かった。
控え室前まで到着すると、私はオメガモンの姿となり、扉から堂々と入らず、天井から入った。
そしてツヴァイウイングの二人だけしかいない状況になり、私は天井から降りて二人の前に姿を表した。
私が降りた瞬間二人はすぐに俺の方に視線を移すと、人間離れしているオメガモンの姿を見てビックリしていた。
『すまない、驚かせてしまったようだね』
「うっひゃー…デカイなぁ…」
「…」
ツヴァイウイングの一人の天羽奏は私を見てビックリしている反面興味深そうに見ていた。
逆にツヴァイウイングの一人の風鳴翼は私を見て警戒心MAXの状態だった。
『安心したまえ、私は何も君達と争う為に来たんじゃない。ただこれからおこる事を伝えに来ただけだ』
二人は何も言わずに私を聞いているので、とりあえずは大丈夫だとわかった。
『君達のライブは成功はするだろう。しかし何か邪悪な存在が君達を包みこもうとしている』
「邪悪な?」
「存在?」
『詳しくはわからないが、赤髪の君にはその存在が大きく包みこもうとしていることだけはわかる。…だから気をつけてくれ、君達はまだこの世界に必要な存在なのだから…』
そう言って私は去ろうとすると、翼が私に話しかけていた。
「待て!なぜそんな事があなたにわかるの?お前は一体何者だ!」
私はその質問に答えた。
『…私の名は、オメガモン。それだけ覚えてくれればいい』
そう言って私は二人の前から去った。
オメガモンから人間体に戻った俺は、ツヴァイウイングの歌を聴きながら日々の疲れを癒していた。
というのも、今まで社会からのひどい罵声を浴び続けた俺にとって歌は唯一の癒しだった。
本当にそれだけを思うと、心が癒されていく感じが身に染みてわかった。
だがしばらくすると、突如として変な物体ことノイズが現れ、会場内の人達は慌てて逃げていた。
俺はそんな状態を見ながら、しばらくの間響には大変申し訳なかったが、会場の外へと一旦出た。
そして逃げる人達を誘導しながらなんとか生存者を出すと、ツヴァイウイングの二人がシンフォギアを纏って戦っているのが見えた。
そして奏が響を守りながら戦っていると、奏のシンフォギアであるガングニールの破片が響に当たってしまい、とっさに駆け寄っていた。
そして俺はそのタイミングを逃さず、オメガモンへと姿を変えた。
ただ。
「変……身ッ‼︎」
仮面ライダー風な変身はちょっと恥ずかしかった。
「くそっ!こうなったら、絶唱を使って…!」
奏がそう言うと、空からレーザーと思わしき物がノイズに向かって放たれ、ノイズは跡形も無く消し去っていた。
奏はとっさに空を見上げると、そこにいたのは、あの時のオメガモンと言っていた物だった。
『後は私に任せてもらおう』
そう言うとオメガモンは両手を突き出して再び攻撃した。
『ダブルトレントォ!』
両手から出た氷と火の物体はノイズ達を包み込み、ノイズはそれに巻き込まれて次々に消滅していった。
『ガルルキャノン!』
オメガモンは左手からレーザーを出して、周りのノイズを一掃し、今度は右手から剣を出した。
『グレイソード!』
炎を纏ったグレイソードは、ノイズを次々に切っていき、最後の一匹になるまで切り裂いた。
その光景を見ていた奏は。
「………すげぇ……」
と、言うしかなかった。
ノイズがいなくなったのを確認した私は、すぐに響の元へと向かい、応急処置をした。
「なああんた、この子を助けられるのか?」
『もちろんだ。この子の心臓付近には破片があるが、それも私なら取り出せる』
そう言って私は、右手を響の心臓付近に当て、ゆっくりと上に上げると、そこからガングニールの破片が出て来て、全て回収し終えると、それを私は回収した。
『すまないが、翼と言ったね、二人にさせてもらえないか?』
翼は何も言わずに頷き、私と奏を二人きりにしてくれた。
「…ありがとう、オメガモン。あたしだったらそんな芸当できなかったし、この子を救う事もできなかったよ…本当に…ありがとう…」
奏は涙を流しながらお礼を言ったが、私はそんな彼女の涙を手で拭った。
『君にその涙は似合わない。君は笑っていてくれる方が素敵だ…』
そう言うと奏は照れながらも、「ありがとう」とだけ言った。
すると、私の体が粒子状になって消え始めて、そのまま元に戻ってしまった。
「おおっと、元に戻っちまったか」
「ええ⁉︎それが元の姿だったのかよ⁉︎」
「おう!だけどこの体も結構いいもんだぜ?なにせクールに決めたり暑くロッケンロールできんだからな!」
「な、なんかオメガモンと時と全然違うなお前…」
「おうよ!これが俺の本当の性格って奴さ!ハッハハハハ‼︎」
そんな会話を続けながら、奏に連絡先を教えて、「何かあったら呼びな、後それはお偉いさんには内緒な?」と言って響を担いでオメガモンへと変身し、そのまま病院へと向かった。
「…オメガモン…か…」
奏はその連絡先のメモを大事に持ってこの場を後にした。
それから数日後
響の容体が回復したのを確認し、俺は響の病室に向かった。病室につくと、まだ中傷被害にはあってなかったようで、安心しながらも、俺は響の病室に入った。
「よお、響ちゃんってのは君かい?」
「え?あ、はい。そうです」
「ライブ以来だなー響ちゃん、あれからちっとも変わってねぇや!」
「あっ!もしかしてあの時の?」
「おう、そういや自己紹介がまだだったな、俺は坂田尾目頭、有名なあの坂田金時の遠い遠い子孫だ」
「あ、後丁寧にどうも、私、立花響です。」
二人の自己紹介が終えた後、俺は少し言いづらかったが、響にあの事を伝えることにした。
「んでだ響ちゃん、ここから先はとてもクールな話になるんだが、いいか?」
「へ?あ、はい。なんです?」
俺は包み隠さず響にこれからの事について教えた。
もし響がこのまま家に帰り普段通りの生活をした場合、ライブ会場でのノイズによる被害者家族や色んな人達から誹謗中傷を受け、地獄のような生活をする事になる事を伝えた。
もちろんそんな話を響は信じようとはしなかったが、俺の必死の説得にやっとわかってくれた。
響の心を落ち着かせた俺は、再び話を切り出した。
「んでだ、響ちゃん。この話はとても言いづらいんだけどよ、聞いてくれるか?」
「……はい、話して下さい」
「サンキュ、んでその話ってのはな……、単刀直入に言っちまうけどな、響ちゃん、俺んとこの養子縁組に入らねぇか?」
「…え?」
「もちろん今すぐに決めてもらおうなんて考えちゃいねぇよ。勝手な事して悪いんだけどよ、あと少ししたら響ちゃんの家族がここにくるんだ、一応家族にもいまの話はしてあるから、ゆっくりと考えてくれ」
「…わかりました」
「…これは独り言なんだけどよ、俺は響ちゃんが自分にとっての幸せを選んでくれるのを祈ってるぜ、んじゃな」
おう言って俺は病室を出た。
あれから2週間後、俺はまた再び響の病室にいた。
返事が決まったと連絡が病院から来たので、いってみると、響は相変わらずの笑顔だった。
「へへ、元気そうでなによりだぜ響ちゃん!」
「はい!私の取り柄と言ったら元気とご飯を食べる事ですので!」
「よーしよし、それだけ元気ならもう大丈夫だな、んで返事が決まったって聞いたんだけどよ、聞かしてもらってもいいか?」
俺がそう言うと、響は真剣な顔になり、返事を聞かせてくれた。
「…お父さん達とも話しましたけど、やっぱり坂田さんと同んなじで、自分の幸せを考えろって言ってました」
「…ああ、そりゃそうだ」
「でも私、そんな幸せなんて考えた事なかったし、それに私のせいでみんなの迷惑にもなりたくない、そんな気持ちで今まで一杯だったんです…」
「…おう」
「…坂田さん」
「ん?」
「私って……」
ポタ ポタ
「幸せになっても、いいんでしょうか?」
「…たりめぇだろ、女の子ってのは、幸せになんなきゃ意味ねぇよ、それこそ、年頃なら尚更だ」
「…なら、私、坂田さんの養子に入ります。それに家族とだっていつでも会える訳ですし、永遠に別れるって訳じゃないんですよね?」
「おうよ、会いたいならいつでも会いに行ったって構わねぇさ」
「それじゃあ…コホン、これからよろしくね、お義父さん?」
「おう!こっちこそよろしくな、響」
こうして響は俺の養子となった。
最初こそこれはダメだろとは思ったが、そうしなきゃ響の家庭は崩壊し、地獄の毎日を過ごさなければならなかったからだ。
そんな光景を、俺は見て見ぬ振りなどできなかった。
信用スキルのおかげとはいえ、こんな事はとう2度とやらないとそう心に誓った。
つづく
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プロローグ3 キャラ改変
今回は少し会話が多めです。
響を養子にしてからおよそ1年、響との信頼関係も築けて俺は少し嬉しかった。
それに俺にも今、幸せが来ている。
それは、半年前に天羽奏と付き合うことになり、彼氏彼女関係となっていた。
告白は彼女からだったが、最初俺は少し戸惑ったが、交流も沢山あったし、彼女が嫌いでもなくむしろ好きだったので、その告白をOKした。
そして今日はツヴァイウインクのラストライブの日。
あの事件の負い目からか奏は歌を唄う度に拒絶反応が出てしまい、シンフォギアすらまともに纏う事も出来なくなっていた。
そこで奏は今日のライブで自分の歌を最後とし、引退後は翼のサポートに専念すると言っていた。
それなら俺はそのラストライブを盛大にして終わらせたらどうかと奏に相談したらこれをアッサリと許可。
正直言って俺はその時ばかりは困っていた。
そこで俺は仕方なくライブが終わったらすぐにオメガモンに変身し、そこで花束を渡すという事で話をつけた。
ちなみに響には俺がオメガモンだということは伝えており、最初見せた時には驚きの連続とばかりな顔をしていた。
そして現在俺は響をベアー号の後ろに乗せて、早速ライブ会場へと向かっていた。
「ねぇねぇお義父さん!」
「んあ?どうした響?」
「お義父さんライブの最後に奏さんに花束渡すんだよね?」
「おう!オメガモンに変身して会場をあっと驚かせるつもりだぜ!」
「そっかー、でもそこでお義父さんが奏さんにプロポーズできたらもっとスゴイ事になるんだろうなー?」
「ファッ⁉︎」
俺はとっさの一言に対応できずバランスを崩しかけたが、どうにか持ちこたえさせた、
「い、いいいいいきなりなに言いだすんだよ響⁉︎プロポーズだぁ⁉︎奏はまだ18だぞ⁉︎」
「ふふーん!そこは愛で補わないと!愛し合う者同士に年齢の差なんてないって未来もいってたし!」
「Oh…未来ちゃん、響になに吹き込んだんだよマジで…」
「それで、お義父さんはプロポーズするの?」
「んー…そうだなぁ…」
俺は少し考えてみた。
確かに愛に年齢の差なんて無いという理屈はわかる。
生前俺が結婚する時だって妻との差は5つも違っていた。
そう考えると、プロポーズもありなんじゃないかと俺は思っていた。
しかし18歳の奏と結婚するにしたって、色々こちらにp考えたい事が山程ある。
それに奏と付き合ってまだ1年だ。普通に考えてもまだ早すぎるとわかる。
だがどうも響は俺と奏をくっつけさせたいらしく、俺が考えてる最中にも奏との生活を考えていた。
俺は会場につくまでしばらく考え込む事を想定していたが、響がやたらうるさいのでちょいお仕置きすることにした。
「ーーーなあ響?」
「ん?何?」
「舌 噛 む な よ?」
「え?」
俺はベアー号のスピードを徐々に上げていき、最終的には100k近く出ていた。
「そんじゃあかっ飛ばすぜぇ!」
「おおおおお義父さん⁉︎速度!速度上げ過ぎだよ⁉︎」
「しゃらくせぇ‼︎ベアーハウリング!ゴォォォォルデンドラァァイブッ‼︎」
ベアー号を宝具モードにして最高速で高速道路を突っ走っていった。
「イィィィィィッヤッホォォォォォ‼︎」
「誰か助けてぇぇぇぇぇぇ⁉︎」
それから僅か数分でライブ会場に到着し、俺はツヤツヤな笑顔だったが、響はげっそりとした顔立ちだった。
「おいおい響?そんなテンションじゃこの先のライブ観れねぇぞ?」
「………お義父さんのバカァ………」
そんな会話をしながらも、俺達はライブ会場の席に着くことができた。
そしてそこから数分とたたない内にライブが始まり、会場のボルテージは開幕から最高潮になっていた。
もちろん響もこの時とばかりにテンションを上げてツヴァイウイングの応援をしていた。
かく言う俺も応援はしていた。
「いいぞぉぉぉぉ‼︎奏ぇぇぇぇ‼︎愛してるぜぇぇぇ‼︎」
俺が歌っている奏に向かってそう言うと、なぜか奏はこっちを向き、翼が歌っている好きに口パクで「あたしも」と言っていた。
なぜ気がついたかはわからないけど、それでと俺はその言葉が嬉しかった。
そしてついにライブも終盤へといきつき、俺は響に行ってくるとだけ伝えて、一旦会場の外に出てオメガモンに変身しておいた。
そしてライブが終わったのを境に、私は再び会場へと入った。
『それじゃあこのライブのフィナーレに、ツヴァイウイングのお二人に花束が贈呈されます!贈呈してくれる方は、このお方だ!』
司会者がこちらに向かって言うと、スポットライトがこちらに向き、会場の皆もこちらに注目していた。
「あぁ!オメガモン!」「嘘ぉ⁉︎本物⁉︎」「俺達を助けてくれたオメガモンだ!」
なぜみんな私の事を知っているかというと、やはりあれだけ派手に暴れてしまえばマスコミも放っておく筈がなく、私は社会にとってはツヴァイウイングとその会場客を救った英雄となっていた。
そんな事を思い出しながら、私は二人のいるステージへとゆっくり向かった。
響の近くまで行くと「頑張って、お義父さん!」と言って勇気づけてくれた。
そして二人のいるステージへと辿り着くと、私は事前にもっていた花束を二人に渡し、一言言った。
『ツヴァイウイングの二人よ。素晴らしいライブをありがとう。ここにいる会場のファン達に変わってお礼を申し上げる。風鳴翼、これからはソロでの活躍になると思うが、我々ファンは君のこれからの活躍を期待している。どうか無理せず頑張ってくれ』
「感謝します、オメガモン」
『そして、天羽奏、君が音楽の世界に去ってしまうのには我々はとても悲しい。しかし、君の帰りを我々はいつでも待ち望んでいる。これからも頑張ってほしい」
「おう、サンキュ」
そして私は別れを惜しんだが、そのまま会場を出ることとなったが、ここで響の言葉が胸に引っかかり、やはりこのままではいけないと思い、私は人間体の姿に戻り、駆け足で会場へと戻った。
『それでは皆様、これにて当ライブを終了と「ちょっと待ったぁぁぁぁ‼︎」は、はい?』
俺は勢いよく扉を開ける。会場のファン全員は一斉に俺の方に視線を移し、奏達も俺を見ていた。
そして俺は玉砕覚悟、人に嫌われる覚悟で叫んだ。
「奏ぇぇぇぇぇ‼︎」
「…!」
「俺と結婚してくれぇぇぇぇぇ‼︎」
ーーーー言った。
ーーー言ってしまった。
これで俺はみんなの嫌われものだ、まだ付き合って1年なのにプロポーズってだめやん。
きっと奏も俺の事を嫌ったに違いない。
ーーーしかし、奏の返事は俺の想像とは違っていた。
奏はステージ衣装のままステージを降りると、俺の方まで走ってきた。
きっと俺を殴りに来たんだと思ったが、そうではなかった。
ーーーー俺のとこまで着くと、走った勢いのまま俺に抱きついてきたのだ。
そして耳元で。
「…バカァ…なんでもっと早くに言わなかったんだよぉ……」
と、泣きながら言ってくれた。
「…悪りぃ、ちと迷ってた…。それによ、こんなこんなオッさんと結婚するって普通嫌なんじゃないかなーって思ったら、中々言い出せなくてよ…」
「うるさい…そんな言い訳聞きたくない…」
「だな…ホント悪かった…」
「やだ、許さない…」
「どうしたら許してくれんだよ?」
そう俺が言うと、奏は一旦俺から離れ、目を瞑りながら唇を差し出した。
俺は少し照れ臭かったが、それに答えるかのように奏の唇にキスした。
すると会場からすごい歓声が上がり、ヒューヒューと言う者や、「奏さんを幸せにしなきゃゆるさねぇぞー!」と言う声もあがっていた。
響もその光景を見て涙を流し、ただ俺を見ながら拍手しているだけだった。
「…これで許してくれたか?」
「うん…」
「これからも…その…よろしく、頼むわ…」
「おう、ちゃんとあたしを幸せにしろよ、アンタ?」
「…おう!」
こうしてツヴァイウイングのライブは、俺のプロポーズによって終わり、後の世にラストライブ告白という名目で後世に語り継がれることとなるのは、それはまた別のお話
。
「奏が、結婚……?」
ただ、一人だけは、この状況をよく思わない奴がいた。
あれからまた一年。
現在俺は家族3人で私立リディアン音楽院に来ていた。
ここで響が寮生活をすると考えると少し寂しかったが、響の規模もあり、その淋しさを抑えながら身持つを運んでいた。
「…うしっ、とりあえずこれで全部だな」
「ゴメンねお義父さん、せっかくお仕事お休みなのに手伝わせちゃって…」
「いいっていいって!たまにの休みぐらいしかこんなことできねぇんだからよ、それに明日からはこの寮で暮らすんだ、これぐらいの事父親がしなきゃ誰がすんだよ?」
「うん、ありがとう、お義父さん」
「だからいいっつってんだろ?」
そうやって義理とはいえ親子のやり取りをしていると、響の後ろから人影が見えた。
「ひ〜び〜、きー!」
「わわっ⁉︎…ってなんだお義母さんか…ビックリさせないでよ…」
「いいじゃんいいじゃん!しばらくはこんな事できないんだしさ?」
響に後ろから抱きついた奏。
しかし思ったが、19歳と15歳の親子って、歳が近いせいもあってか姉妹にしか見えない。
響も最初はお義母さんと言えるか心配していたが、奏のポジティブさもあってか、すぐに打ち解け、このように普通に親子として接していた。
「ほれほれ〜、もっとヒビキニウムを補給させろ〜」
「ちょ、お義母さん、やめ、く、くすぐったいよ〜」
「よーし!俺も混ぜろー!」
「えぇ⁉︎お義父さんまで、あ、あははははは‼︎く、くすぐったいってば〜!」
こんなやり取りが小一時間程続いたが、それでも俺達親子はこのやり取りを時間ギリギリまでやめる事はなかった。
つづく
今回でプロローグは終了です。
次回からいよいよ無印編ことルナアタック編が始まりますわ、
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第1章 無印編(ルナアタック編)
第1話 デジクロス
だからゆっくり書きたくても衝動が収まらんのです。
響がリディアン音楽院に入ってもう2ヶ月と経ち、学校生活も結構充実しているらしいので俺も安心していた。
今日はふらわーの店長が早めに上がらせてくれたので、現在響の様子を見る為にリディアン音楽院の校門に来ていた。
ちょうど俺がつく頃になると学校も終わっていて、なるべく学校の迷惑にならないような場所にベアー号を止めて響の姿が見えるまでここにいることにした。
すると響が何人かの友達と一緒にいるのを確認し、そのまま気づいてくれるまで待ってみた。
待っていると、響の親友の未来が俺の方に指を差し、響に教えていた。
すると響は指を差している方に視線を向けると俺と目が会って、俺が手を振ると響は走ってこっちに来た。
「お義父さん!」
「っと、元気そうじゃねぇか響!」
「えへへ…うん!」
飛びついてきた響を優しく受け止めながら響と会話していると、次第に響の友人達も俺の方に集まってきた。
「ねぇねぇ響?その人が例のお義父さん?」
「うん、そだよ?」
「へー、話には聞いてたけど、なんかアニメの人みたいだなー」
「ねぇビッキー、お義父さんって今いくつなの?」
「うーん…今年で26だっけ?」
「おう、そういやもうそんなに歳いってたのか」
「嘘⁉︎若っ⁉︎」
「んじゃあお義母さんはいくつなの?」
「え?ええと…じ、19…だったかなー」
「「「19ぅ⁉︎」」」
三人は俺の妻の年齢を聞いて驚きながらも、未来ちゃんにはもう話してあるのかやっぱりなといった顔だった。
その後も俺は友人達に質問責めにあい、妻が元ツヴァイウイングの奏だと言う事や、ラストライブでプロポーズした事もした事も話す事になった。
そのあとどうにか未来のフォローもあってか、響と二人にさせてくれて、響を新しくベアー号につけたサイドカーに乗せた。
「んじゃあ皆、また会う時あったらよろしく!響と仲良くしてくれよ!」
「じゃあ未来、後でね?」
「はいはい、門限までには帰ってきてね?」
「んじゃあかっ飛ばすぜぇ!」
「お義父さんそれもうやめてって言ったでしょ⁉︎」
「しゃらくせぇ!ゴールデンに行くぜー!」
「いやああああああ⁉︎」
ベアー号のスピードを最初からMAXにし、リディアン音楽院を後にした。
「ねぇ」
「ん?」
「どした?」
「響のお義父さんって、もしかして危ない人…?」
「「ああ…確かに…」」
「(はあ…ホント響のお義父さんって派手なんだから…)」
しばらく走っていると、響が「お義母さんに会いたい」と言ってきたので、家までそのまま走る事にした。
ものの数分で家に着き、響がサイドカーから降りると、俺にヘルメットを渡してすぐ様家に入った。
「お義母さーん!」
「ヒビキ!どうしたんだよ急に帰ってくるなんてさ?」
「えへへ、お義父さんがお仕事早く終わったみたいだから寄ってもらったんだー」
「ふーん…なーるほどー…」
家の中に俺が入ると、奏が突然現れて俺を自分の胸に埋めこんだ。
「むぐぅ⁉︎」
「このこの!一言連絡してりゃあたしも一緒に行ったんだぞー!反省しろー!」
「ん、んな事言ったってよぉ…」
「言い訳無用!このまま反省するまであたしに抱きつかせろー!」
「か、勘弁してくれぇ⁉︎」
そんな感じのやり取りが10分くらい続いた。
やっと奏から解放された俺は、奏と一緒に響の学校の生活を聞いていた。
最近は猫やら老人の手助けをしているせいで遅刻気味で、オマケに成績も少し下がってきているとも話していた。
「はあ…私って呪われてるのかなー…」
「ハッハハ!気にする事ねぇよ響?確かに成績が下がり気味なのはいけねぇ事だけどよ、でもだからってそれを呪われてるなんて思っちゃダメだぜ?」
「そうそう、誰にだってそういう事はあるさ、あたしだってそれと似たような事あったぞ?」
「お義母さんにも?」
「ああ、だからな響?自分の行いに自信を持て。響の人助けは決して悪い事でもないし、それをわかってくれない人がいんならまたこうして義母さん達にも相談すればいいしさ?」
「…うん、そうだね。ありがとう、お義母さん!」
「いいってことさ、娘の為になるならナンボって言うしな」
「ハハッ、ちげぇねぇや!」
家族の会話は響の門限ギリギリまで途切れる事はなかった。
しばらく話こんでいると、響が寮の門限がギリギリの状態に気づき、俺が送っていく事になったが、奏も付いていくと聞かなかったので仕方なく俺の後ろに乗せる事にした。
しばらく走りこんでいると、突然何処かの工場が爆発しているのを見て、まさかとは思ったがとりあえず響を安全な場所に隠れさせようとベアー号を走らせていると、運命はそれを許さないのか突然ノイズがベアー号前に出てきた?
「ちっ!来やがったか!響!サイドカーを外すからこっちに飛び乗れ!」
「えぇ⁉︎でもそしたらお義父さん運転が…」
「心配すんな!義父ちゃんを信じろ!」
「う、うん!」
響はどうにかうまくサイドカーからこちらに飛び乗ると、響を前側に座らせて、サイドカーを外しながら宝具モードに変形させた。
「そんじゃかっ飛ばすぜ!二人とも、しっかり捕まってろよ!」
「う、うん!」
「おう!」
「んじゃ行くぜ!ゴォォォルデンドラァァァァイブ‼︎」
宝具モードになったベアー号でノイズの前に突っ込み、次々にノイズを引いていった。
ノイズを一掃すると、工場付近にまでベアー号を止めると、ノイズが次々に俺達の前まで迫って来ていた。
「ちっ、囲まれちまったか…」
「ど、どうしよう、お義父さん…」
「大丈夫さ、生きる事さえ諦めなきゃなんだってできる!」
奏は首に下げていたガングニールを手握った。
「だな!よぉし行くぜぇ!」
俺はとっさに取り出したベルトに電力を流し込み、変身の準備をし、奏はシンフォギアを起動させた。
『バルウィシャル ネスケル ガングニール トローン…』
『変…身ッ‼︎』
奏がシンフォギアを起動させガングニールを纏うと同時に私はオメガモンへと変身していた。
『オメガモン!』
変身が完了すると、二人とも響の前へと立った。
『響!ここは義父さん達に任せて早く行きなさい!』
「で、でも…」
「大丈夫!義母さん達はこんな奴らに負けやしないからさ!さあ早く!」
響は決心したかのように私達から離れると、私は念のためということで響にある物を投げた。
『響、これを持っていきなさい』
「え?わっとと…!」
響に投げた物は、響の心臓付近にあったガングニールの破片を修復して一つの塊にしたネックレス。響はそれをどうにかうまくとれた。
『お守りだ、きっとそれがお前を守ってくれる』
「…うん、ありがとう、気をつけてね!」
響はネックレスを首に下げながら走り出した。
ノイズはそれを逃さまいと襲おうとしたが、それを私と奏で止めた。
「行かせねぇっての!」
『奏…あえて何も言わなかったが、大丈夫なのか?』
「ああ、娘の為にやれる事はやりたいしな!」
『…分かった、では行くぞ!」
「おう!」
私達二人は、ノイズに向かって突撃した。
一方その頃響は、逃げている途中に出会った女の子と共にノイズから逃げていた。
しかしノイズのしつこさは果てがなく、とうとう壁際に追い込まれてしまった。
「お姉ちゃん…」
「大丈夫!必ず…必ず私が助けるから!生きるのを諦めないで!」
ノイズが響に向かって攻撃しようとすると、響の下げていたガングニールの塊が強い光を放ちだした。
「え?これって…」
「綺麗…」
攻撃し始めたノイズがその光に包まれて消えると、ノイズ達は一斉に後ろに下がった。
響はもしやと思い奏が言っていた言葉をそのまま真似て言ってみた。
「……バルウィシャル ネスケル ガングニール トローン……」
すると響の体も光を放ち、次第に響よ体にガングニールが装着される。
装着し終えると、響は自分の姿を見て驚いていた。
「ふえ?なにこれ?」
「お姉ちゃん、すごい…」
ノイズ達は響を見てすぐに攻撃を開始しようとすると、響はとっさの反射神経で、女の子を抱えながら逃走した。
すると、追ってきたノイズが巨大なレーザーによって一掃されていた。
「あ、あれ?」
『無事か、響?』
声が空からしたので見ると、そこには自分の義父のオメガモンもその肩には奏が乗っていた。
オメガモンが下に降りると、肩に乗ってた奏が心配してたかのように響を抱きしめた。
「響!」
「うわっ、お義母さん?」
「響…、無事でよかった…、でもその姿って…」
「ふえ?これ?お義父さんがくれたお守りが光ったからお義母さんと同じ事言ったら、こうなってて…」
二人が話こんでいるとノイズが集まりはじめてこちらに攻撃してくると。
『エミュテウス アメノハバキリ トローン…』
突如として聞こえた歌と共に巨大な斬撃がノイズへと降りかかり、何体かのノイズはそれに巻き込まれて消滅していた。
『今のは…』
「翼の…技?」
しばらくすると、工場のパイプから翼が降りてきて、こちらに近づいてきた。
「奏!」
「翼!随分久しぶりだなー、元気だっか?」
「奏こそ、元気そうでよかった。…?その子は?」
翼が響を見ると響は緊張しながらも自己紹介をした。
「はは初めまして!坂田響です!好きな食べ物は…「とりあえず後で話を聞きます、それよりもまずは…」え、あ、はい」
ノイズ達を見ると、次々に一箇所に集まると、巨大なノイズと化して私達の前に出てきた。
「でかっ⁉︎なんだありゃ⁉︎」
「…ノイズが合体した?あの大きさじゃ、周りに被害が…!」
翼達がその大きさに少し怯んでいると、私はこの時を待っていたかのようにグレイヘッドからある物を出した。
『…いよいよこれを使う時が来たか…』
「お義父さん…?」
『…響」
「ん?」
『……勝つぞ』
「……うん!」
私が取り出した物、それは。
『響!「ふえ?」翼!「?」デジクロス!』
それはクロスローダー。響と翼をデジクロスさせると、2人の体が一層輝き出し、自然と空を飛びついにはぶつかりあっていた。
そして強い光と共に現れたのは、私と同じ頭部となり、一部が光の粒子で構成され、響のギアと翼のギアが合体した姿がそこにはあった。
つづく
次回は戦闘パートです。
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