魂魄妖夢がブラック鎮守府に着任しました。 (姫桜)
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番外編
番外 桃色鎮守府の聖夜準備


受験に向けての勉強をほっぽり出して書き始め。
久しぶりなので文が酷いことになっているかも…


クリスマス

それは年に一度の大きな行事であり、恋人と過ごすもの、家族と過ごすもの、友達とともに過ごすもの達が屯する日。

そんな大きなイベントを、この鎮守府の、特にこの者達が見逃すわけがない。

 

「そういうわけで、第一回妖夢提督に相応しいプレゼントを考える会を始める。」

 

妖夢親衛隊隊長のポジにいるビックセブン長門がそう宣言する。

そこにいるのは天龍、木曾を筆頭に大和や陸奥、武蔵、蒼龍等の戦艦、空母がほとんど揃っていた。

ちなみに妖夢提督は既にご就寝である、九時には寝るため会議の時間は有り余っている。

 

「さて、まずは候補を決めよう。全員最低一つずつ何がいいか言ってくれ。天龍からだ。」

 

「おう。俺はそうだな…着物なんてどうだ?似合うだろ、絶対。いや似合わないものなんてないな。」

 

その言葉に全員が頷き、着物、がまずホワイトボードに書き込まれる。

 

その後も髪飾り、ゴスロリドレス、マフラーやジャンバー等がでてきた。

その結果、ここは会議から戦場へと姿を変えた。

それぞれが似合うと思ったものを候補に出した故に誰も譲ることが出来ずにこうなったのだ。

その中でゴスロリを提案した長門は圧倒的な戦力を誇った。

戦艦の中でも最強の一角と言える長門はそれこそ全員が束にならねば勝てなかった。

また空母組は自身が空母ということも忘れ周りと同じように盛大に殴り合いをしていた。

同じ二航戦でも、ガチで殴り合う飛龍と蒼龍。

譲れないとばかりに取っ組み合いをする翔鶴と加賀。

一航戦がなんぼのもんじゃいと赤城に挑みかかる瑞鶴。

そうここは自身の理想(妖夢の姿)を見たいがためにそれこそ死ぬ覚悟で戦う紳士(ロリコン)の戦場。

木曾と天龍は二人一組でペアを組んでいたが、途中からは仲間割れを起こし結局相打ちで気絶し、長門は物量に倒れ、大和と武蔵はその強い防御力で耐えていたが姉妹同士の戦闘になると大和が真っ先に負け、その後消耗した武蔵を陸奥が気絶させる、等の戦闘が続いた。

そして最後に残ったのは

 

「「「「「「………」」」」」」

 

誰もいなかった。

結局次の日の朝目を覚ました彼女らはぶっ壊れた机の残骸や椅子の残骸を片付けつつ、妖夢にこの惨状はなんだと怒られた。

会議室の物は全て買い換えることになり、妖夢は怒って出撃停止(しかし彼女達からしたら御褒美、なにせ妖夢と居られる時間が増えるのだから)を下した。

ちなみに、妖夢に贈るプレゼントは各自自由になった。

クリスマスの日にならずとも、妖夢がプレゼントの山に埋まるのは目に見えている。

だが彼女たちは紳士だ、こうも考えた。

その姿が見ていたいと。

過去のことなど忘れて完全に妖夢にゾッコンな彼女たちが、またブラック鎮守府の脅威に怯えることあるのだろうか



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桃色鎮守府の聖夜

クリスマスの数日前、大淀は妖夢から相談を受けていた。

その内容とは、皆を喜ばせるにはどうしたらいいか、である。

この時、真っ先に思いついたのが盛大にパーティーを開いて妖夢が駆逐艦達と共に戦艦(主に長門)にプレゼントを配ればいいのでは?という発想。

そして、それだけでは足りないと感じた。

そして次に思い浮かんだのはサンタ服を着て配る、というのだ。

幸いネットで検索すればサンタ服は売っている、今ならまだプレゼントを作る時間もある。

それに、その光景を見て癒されたい。

これが最善だろう、そうに違いない。

大淀は事務に関しては優秀で、秘書にぴったりだが私利私欲が混ざるとこうなってしまうのだ。

 

 

 

そういうわけで私、妖夢は今現在、駆逐艦の皆とパーティー用のケーキを作っています。

本来はみんなで小さな小物などを作ろうと思いましたが、ケーキの方が喜ばれるだろうと言われこうしました。

戦艦や空母が多いので、それこそ天井まで届くのではという程の大きさのケーキを作る必要がありますが、この鎮守府に隠されていたお金(資材をほかの鎮守府に売っていたんでしょうね)でそれだけのケーキを作れるほどの器具は買えました。

駆逐艦は多く、人手は足りていますし間宮さんや伊良湖さん、鳳翔さんも手伝ってくれているのでワイワイとしながらしっかりできています。

ただ…

 

「ハッ!フゥッ!」

 

フルーツの量が多く、私が追いつきません。

一応他の娘達も協力していますが、刃物は危ないので余りやらせたくはありません。

実は私がこうやって白楼剣と楼観剣を使うのは反対されていました。

ですが私が砲弾を切る程度には慣れている、と必死な説得でどうにか今できているのです。

切りつつもこれは私がやって正解だったと思います。

だってこの量、包丁で切っていたらきっと二日はかかります。

私がいる事で大幅なペースアップはできてますが、それでも恐らく今日一日はかかるでしょう。

まぁ慣れてるからいいんですけれど…

 

 

 

クリスマス当日、食堂にてパーティー…いや宴会が行われていた。

軽巡と重巡の三分の一程は妖夢と暁が酒を飲んでみたいというのを説得しつつ止めさせる作業に追われていたが、他の軽巡や戦艦、重巡、空母は各々楽しそうに酒を飲み、食べていた。

妖夢が来なかったら考えられなかった宴会であり、初めて過ごす故に戸惑っている者もいた。

そしてパーティー終盤、飲み過ぎてテーブルに突っ伏している長門を介抱していた妖夢はそろそろ時間だろうと駆逐艦特有の静かな情報共有(これは海軍学校の授業で鍛えられているという)で全員に伝達、暫く駆逐艦全員が席を外し、食堂の裏手でサンタ服着替えて、妖夢がまず出た。

所謂セクシーサンタ服という服(大淀の趣味)ででたということもあり

 

「ブハッ!」

 

「長門が死んだ!」

 

「この人でなし!」

 

まずまっさきに長門が鼻血をだして死んだ、これは最早致し方ない。

 

「長門さん!?「妖夢は言いたいことを行ってくれ!長門は大丈夫だ!ハリー!ハリー!」あ、はい…えーと、私と、そして駆逐艦の皆がこの鎮守府の戦力となる軽巡、重巡、戦艦、空母の皆さんに、囁かなお礼としてケーキを作りました!どうぞ召し上がってください!」

 

その声の後に奥から巨大なケーキが荷台に乗って現れる。

目の前にあるだけで威圧感は半端ないだろう。

しかしまぁ、紳士諸君はそちらよりもやはり駆逐艦に目を奪われて

 

「ぶふっ!」

 

「ダメだ!こいつも死んだ!」

 

「衛生兵!衛生兵!」

 

まぁこうなるのは目に見えていた。

と、ハプニングはあったものの、桃色鎮守府の聖夜は賑やかに終わった。



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ハッピーハロウィーン!

番外編の方が先に出来上がってしまうなんて…本編の方は現在戦闘描写を執筆中です…


ハロウィーン

仮装で有名なこの行事、今や日本では大々的にコスプレできるイベント事になっているこれは、勿論妖夢の鎮守府でもクリスマスに並ぶイベントとして扱われた。

妖夢は子供側である、つまり「トリックオアトリート」側である。

半霊と一緒にどこかで見たような黒いエプロンドレスとこれまたどこかで見た黒い三角帽子で魔女っ娘になった妖夢が「トリックオアトリート」するのである。

そうするとこんな光景が出来上がるのであがった…

 

 

 

「長門さん!トリック オア トリート!」

「トリックをお願いする」

 

この長門は相変わらずである。

陸奥がやってくる駆逐艦に給料はたいて買ってきたお菓子を箱単位で渡しまくるのではなく、トリック希望である。

 

「トリック、ですか?でもお菓子をくれればしませんよ?」

「いいや、トリックで頼む。」

 

うぅん…としばらく妖夢が唸ると、パッと顔を上げた。

 

「じゃあ…私を肩車して私と一緒に回りましょう!」

 

これを聞いた瞬間長門が天に感謝したのは言うまでもない。

 

 

 

「提督!ずるいです!」

「長門さん!私もおんぶしてよ!」

「構わん…こい!」

 

津波のごとく暁を筆頭に一部の駆逐艦もやはり肩車?をせがんできた。当然であろう。

それを苦笑して「大丈夫かな…」と長門を心配そうに見ている妖夢の心配は要らないものであった。

長門の顔は笑顔であった、驚く程に笑顔であった。

今ここで死んでも悔いはないと言うような顔である。

結果、長門は五以上の駆逐艦を肩から腕やらまで使って自分の上に乗せることになったが…そこはさすがのビッグセブンである。全く同じることは無い。

 

「あのう、長門さん。大丈夫ですか?」

 

先程まで乗ってきた駆逐艦達と貰ったお菓子の話をしていた妖夢が長門を心配し声をかけた

しかし長門はこの瞬間、この時を至福だと感じているのだ。

 

「あぁ、問題ない。むしろもっと来てもいいくらいだぞ」

「そ、そうですか?ならいいんですけれど…あ!次は天龍さん達のところに行きましょう!」

「軽巡寮だな?わかった。長門、全速前進する!」

 

 

 

そうして軽巡寮へやってきた妖夢一行は早速天龍の歓迎を受けていた。

もちろん後ろには他の軽巡洋艦達がお菓子をもって待機してる

 

「よう提督!さぁ、何がお望みだ?」

「もちろん…」

「「「「「トリック オア トリート!」」」」」

「ようし、じ魔女やおばけ達は怖いからな!さぁ、好きなだけ持っていけ!」

 

 

 

軽巡寮を中心に、最終的ちハロウィーンは夕食先越しのパーティーとなった。

かぼちゃ主体の夕食を入れ、甘味を大量に食べて後日愕然とする艦娘こそいたが、しかし全員がその日を楽しく乗りきったのは違いなかろう。



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桃色鎮守府の破天荒な仕事始め

えー、長きに渡り待っていてくれた人がいたら…一言だけ


申し訳ありませんでした


最早言い訳の余地もないですが、あるだけの言い訳を述べるならば腕を戻すのに時間がかかった、少し面倒な病気にかかって手術してただのの言い訳はできますが、しかしこんな戯言で罪を逃れるつもりはありません…
しかし、腕がほとんど戻った今投稿を再開致します(見てくれる人がいるかは別として…)

しかし、今回の作品はとある人に書いてもらった作品となっています。
恐らく一週間後に私の作品は上げることが出来るので、どうかもう少し待っていてください…


クリスマスの件(聖夜番外編)から数日後 1月4日 執務室にて

 

1月4日……そう、この日は旅行等で年末年始を過ごした人達が今年初めて『通勤』又『通学』をすると言う勤勉な日本人にとって憂鬱な日である

 

勿論、妖夢が所属している鎮守府もまた……

 

「「「………妖夢!明けましておめでとう!!」」」

 

「明けましておめでとうございます皆さん♪年末年始は楽しかったのですか?」

 

「「「はい!」」」

 

「あ!?あ……明けましておめでとう……ハァ……」

 

……憂鬱な表情になっていた者も居た

 

「ん?どうしたのですか?長門さん?」

 

妖夢は何故か憂鬱な表情になっている長門の事が心配し、二人の身長差の関係上、仕方ない事だが下から長門の顔を覗き混み、微笑みながら聞くと、長門は下から覗き混んできた妖夢の可愛らしい行動に少し顔を綻ばせたものの『とある人物』の事が相当気掛かりになっているのか、再び憂鬱になり、憂鬱になった原因を妖夢に告白した

 

その原因とは……

 

「……『総司令官』が横須賀の臨時教官任務から帰投したんだ」

 

「「「え!?『総司令官』が!?不味いかも……」」」

 

……妖夢の直属の上官であり鎮守府のトップ『総司令官』が横須賀から帰ってきた事だった

 

妖夢は長門が言っていた『()()()()と言われている人』と親しい間柄の関係なのか、首を傾げながら聞き返した

 

「ん?何故、総司令官が帰投した位で怯えているのですか?むしろ喜ばしい事じゃないですか」

 

「妖夢……貴女は知らないのか!?あの『()()()()()()()()()()()』である総司令官が戻るって事は……」

 

「妖夢、悪い事は言わねぇ……アイツとの接触を控えるんだ……あんなヤクザみたいな海軍大将……妖夢にとって『かなりの悪影響』いや『毒』そのものだ……」

 

長門と天龍は自身の上官である総司令官の日頃の行いや立ち振舞いを聞いていたのか、妖夢は天龍達が総司令官の悪口を聞いて、溜め息を吐きながら弁解した

 

「化け物って……皆さん言い過ぎですよ、まぁ彼は少し過激な行動を起こす事はありますが部下や艦娘達を第一に考える凄く優しい人ですよ……それについては皆さんが一番知っている筈では?」

 

「それは分かっている!私達も総司令官に世話になっている身だ……恩義もある……だが……」

 

「色々と()()()んだよ……アイツは……」

 

長門と天龍は妖夢の反論を認めつつも妖夢が総司令官の影響を受ける事を危惧していると、妖夢は少し呆れながら更に弁解を続けた

 

「そうですか?現に彼は私が着任する3ヶ月前に着任して、すぐに『海軍史上最低最悪のブラック鎮守府』と言われていた此処を根本的に改善したのですよ、それに総司令官のお陰で糞……じゃなかった、ヤリ………「「ストーップ!!!早速、総司令官の影響を受けているんじゃないか!!むしろ言い直した方が酷くなっている!!」」」

 

長門達は妖夢が発しようとした『汚い言葉』を遮る様に一喝すると、妖夢は先程の『汚い言葉』を訂正するかの様に咳払いをし、前任が隠していた資材の行方について説明を続けた

 

「ゴホン……そうでしたね………では話を戻しますが……総司令官のお陰で前任達が隠していた資材を『総司令官の実家』に売り捌く事が出来たのですよ」

 

「はぁ!?あの『ヤバい所』にか!?」

 

天龍は妖夢が発した『総司令官の実家』を聞いて血相を変えながら妖夢に聞くと、妖夢は微笑みながら答えた

 

「はい……『総司令官』と『総司令官の御祖父様』に事情を説明したら二人共、喜んで買ってくれました♪そして総司令官が『孫』という立場を利用し、今後の為に彼の御祖父様に『定期的な個人的援助』を要求した御陰で総司令官の実家から食料や金銭、資材等の消耗品が此処に送って来る様になったのです♪」

 

「はぁ!?嘘だろ……あの『一族』が妖夢の……いや此処のスポンサーについた……なんて……」

 

「「「マジかよ……『世界一ヤバい相手』に総司令官は……凄すぎる……」」」

 

「全くです、だから彼を悪く言うのは止めて下さい」

 

妖夢は総司令官と言われている男を庇うかの様に長門達を説得すると、大き目のアタッシュケースを持ち、白い軍服を着た若い男性と男性の秘書艦である赤城が入室し、先程の会話を聞いていたのか、苦笑しながら妖夢達に言った

 

「ハハッ、そんなの気にして無ぇよ……明けましておめでとう、妖夢にみんな」

 

「皆様、謹賀新年……今年も鎮守府本部の皆々を宜しくお願い致します」

 

「「「あ……明けましておめでとうございます!!!総司令官!!」」」

 

「明けましておめでとうございます、大将に赤城さん」

 

「そんなに緊張しなくて良い……ちょっと机を借りるぞ」

 

妖夢は静かに一礼し、他の艦娘達は慌てながら敬礼をすると執務室に入ってきた若い男こと『総司令官』は妖夢に渡したい物があるのかアタッシュケースを机の上に置き、ケースの鍵を外し、開封すると大将はケースの中から『海軍少尉 魂魄妖夢』と達筆な字で書かれていた『かなり分厚い封筒』を取り出し、妖夢に渡した

 

その『渡した物』は……

 

「妖夢……はい、お年玉だ」

 

「え!?私に……ですか!?」

 

「「「はぁ!?お………()()()ァ!?何で!?ってか、いくら入っているの!?」」」

 

……そう、子供にとって今年最初のプレゼント『お年玉』だったのだ

 

妖夢は自身がお年玉を貰える事自体、考えていなかったのか目をパチクリと瞬きをし、長門達と共に驚愕しながら聞くと総司令官は首を傾げながら聞き返した

 

「ん?(上官)(部下)に『お年玉』をやるのは当たり前な事なのに……驚く事か?」

 

「いや……だって……お祖父様が武者修行に行ってから貰った事が……それに封筒が、かなり厚いんだが……」

 

妖夢は封筒を手に持ち、かなり分厚い中身に戸惑いながら聞き返すと総司令官側の赤城が微笑みながら答えた

 

「少尉、それは貴女が軍人ではある前に『子供』しかも『私達の家族』ですから『少尉含め皆さんの親代わり』であり『鎮守府の大黒柱(総司令官)』である提督からお年玉を貰うのは至極当然ですよ……それに少尉は私達が留守の間、色々と働いてくれたのですよ♪だから私達の感謝の気持ちを込めて提督に多めに入れる様に御願いしたのですよ♪」

 

「そういう事だ……帰ったら『幽々子(アイツ)』に腹一杯、喰わしてやれ♪」

 

「ッ!?あ……ありがとうございます!!本当に助かりました!!」

 

妖夢は二人の粋な計らいに心底嬉しかったのか、満面な笑みを溢しながら礼を言うと、長門と天龍は天使の様な妖夢の可愛らしい笑みに悶絶しているのか、鼻血を垂れ流しながら総司令官に聞いた

 

「つかぬことを御聞きしますが総司令官、そのお金は何処から……」

 

「それに……そのケースに入っているお年玉の総額……一体いくら入っているんだ?」

 

二人は総司令官に『金の出所』と『アタッシュケースに入っているお年玉の総額』について鼻血を垂れ流しながら聞くと総司令官はポケットティッシュを取り出し、ティッシュを二人に渡しながら答えた

 

「二人共、これで鼻を拭け、みっともないぞ……金の出所は俺のポケットマネーで総額……大体『10万位』だ」

 

「「「はぁ!?たったの『10万』!?」」」

 

「いやいやいや!!妖夢のお年玉だけでも『10万』は軽く越えているぞ!!」

 

「総司令官!私達に冗談を言うのは止めて頂きたい!」

 

「そうですよ大将、今チラッと中身を見たら『100人以上の福沢さん』は確実に入っていましたよ!!」

 

長門、天龍そして妖夢は総司令官が発した値段を聞き、妖夢のお年玉の膨らみを見て驚愕しながら聞き返すと、総司令官側の赤城が苦笑しながら説明した

 

「いいえ、提督は冗談を言ってませんし間違ってもいませんよ……何せ10万は10万でも……『10万()』ではなく『10万()()()』を提督がポンと出してくれましたからね」

 

「え……じゅ………()()()()()()!?」

 

「「「え?10万………『ユーロ』?」」」

 

「ユーロ?天龍さん、ユーロって何ですか?」

 

天龍はお年玉の本当の総額が分かったのか、驚愕し、妖夢は驚愕している天龍に聞くと、天龍は狼狽えながら妖夢を始め、首を傾げている長門達にケースの中に入っている金額教えた

 

その『金額』は………

 

「『ユーロ』って言うのは仏国……ヨーロッパの『通貨』の事さ……ちなみに今現在の1ユーロを日本円で換算すると確か……『125円』から『130円』位だ………つまり、あのケースに入っている俺達のお年玉の総額が………大体()()()()()()()()()()()があのケースの中に入っているんだ!!しかも妖夢のお年玉の中身から察するに俺達のお年玉は『ユーロ紙幣』じゃなくて、ちゃんと『日本円紙幣』に換金した状態で封筒に入っているんだ!!」

 

「「「え………えぇぇぇぇ!?1300万!?家買えるじゃん!?しかも総司令官(大将)自身のポケットマネーでぇ!?」」」

 

……1300万円近くの大金がケースの中に入っていたのだ

 

妖夢達はケースに入っているお年玉の総額を聞き、慌て、動揺すると総司令官は妖夢達の様子を見て苦笑しながら言った

 

「……()()()()()()()()()のに……大袈裟だな……オメェラ……」

 

「いやいやいや!()()()()()()()ですよ!!昔からそうでしたが、大将の金銭感覚が可笑しいだけです!!霊夢さんが『コレ』を見たら事変勃発待った無しの金額ですよ!!」

 

「「「そうですよ!!異常です!!」」」

 

妖夢と長門達は総司令官の金銭感覚にツッコミを入れると総司令官側の赤城は妖夢達の意見(ツッコミ)に同意見なのか、苦笑しながら言った

 

「そうですよ提督、これに関しては私も魂魄少尉や皆さんと同意見です……それよりも……」

 

 

 

 

グゥ~……

 

 

 

 

「……お腹過ぎました……」

 

 

総司令官側の赤城は空腹なのか腹部から騒音に近い音を発し、腹部を押さえながら総司令官に言うと、総司令官は頭を抱えながら妖夢に言った

 

「泣けるぜ……それじゃ妖夢、俺達は仕事に戻るから、みんなのお年玉の事は任せたぞ……勿論、分かっていると思うが自分のお年玉以外のお年玉で私腹を肥やさない様にな……じゃあな」

 

「失礼しました……」

 

二人はケースを机の上に放置した状態にし、そのまま執務室を後にすると妖夢は『大金が入ったケース』を見て、頭を抱えながら天龍に相談した

 

「……この大金、どうします天龍さん?」

 

「お……おおおお俺に……し……質問をするな!俺だって聞きてぇ!!こんな大金……見た事も無ぇよ!!木曽!!何か良い案があんのか!」

 

「無い!俺だって聞きたい位だ!姉貴は?」

 

「無いクマ……これは誰だって腰を抜かすレベルの大金だクマ……」

 

「そうだよなぁ……かと言って『お年玉(ケース)』を総司令官に返すのも何か悪い様な気がするなぁ……」

 

「……全くだ……あの総司令官の御厚意を無駄にしたくないからな……」

 

「フム………困りましたね……長門さん、何か良い案がありますか?」

 

天龍と木曽そして妖夢は狼狽えながら相談し始めると長門もまた少し動揺しながらも『お年玉』の使い道を考え、結論が出たのか妖夢達に言った

 

その結論は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なら皆のお年玉の『9割』……大体『1200万円』を今後の鎮守府の活動費として納めたらどうだ?流石に私達『個人』で使いきれる金銭では無い……それに嘗て総司令官は極秘任務中のトラブルとは言え、一時的に総司令官側の赤城と共に『テロリスト』として全国指名手配にされた御方だ……きっと『私達が聞いてはいけない方法で稼いだ悪銭』だと思うからな……」

 

……そう『色んな意味で真っ黒な金銭』こと『総司令官からのお年玉』の殆どを活動費に納める事だったのだ

 

そして妖夢達もまた………

 

 

「「「さ……賛成です、これは……ヤバ過ぎます……」」」

 

………と狼狽えながらも長門の意見に賛成したのは言うまでも無かった



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初めての勉強会そして鎮守府本部に訪問する

そしてこちらは例のあの人に書いて頂いたものです。
文章力の差に泣きそうになりますねコレ…頑張らねば


お年の騒動から数日後のある日 執務室にて

 

 

「ハァ~……どうしよう……」

 

「どうしたの妖夢?そんなに難しい顔になって?」

 

陸奥は何故か頭を抱えながら書類を閲覧している妖夢を見て首を傾げながら聞くと、妖夢は自身の悩みの種である『書類』を陸奥に見せながら答えた

 

「……コレを見て下さい」

 

「ん?どれどれ……ッ!?」

 

陸奥は妖夢から渡された書類を読むと先程までの余裕のある笑みが消え、少し呆れながら妖夢に聞いた

 

その妖夢の悩みの種の原因は……

 

「……これが……悩み?」

 

「はい……此処で『海軍の事に関する勉強会』が始まるのです……しかも大本営の総副司令官が認めた拇印まで……嫌だな……」

 

……そう、妖夢達が所属している鎮守府で『勉強会(講習会)』を開く事だったのだ

 

陸奥は書類を見て、あまり乗り気では無い妖夢に微笑みながら言った

 

「あら?良い機会じゃない♪知識を得る事において損は無いわよ♪しかも『総司令官の父親』である『大本営総副司令官』が公認した教官が行うのでしょ?なら大丈夫よ」

 

「……違うんです、確かに知識を得る事については私も賛成です……ですが……問題は……」

 

「問題は?」

 

陸奥は溜め息を吐いている妖夢に優しく質問を問い掛けると、妖夢は自身の悩みの種の『根本的な原因』を陸奥に教えた

 

それは……

 

「……その勉強会の教官が『大将』なんですよ」

 

……その講習会の教官が数日前『お年玉騒動』を起こした元凶である総司令官が今回の講習会の教官を務める事だったのだ

 

陸奥は妖夢の言葉を聞いて……

 

「………ごめん、さっきの発言……撤回するわ……何故、あのチンピラ染みた総司令官に……」

 

……頭を抱え、溜め息を吐いたのは言うまでも無かった

 

陸奥は妖夢達の教官が総司令官だと聞いて物凄く不安になると妖夢もまた溜め息を吐き、嫌そうに陸奥に呟いた

 

「……全くです、彼は昔から破天荒は事を平気で行う人なのに……」

 

「「ハァ……不幸だわ……」」

 

二人は山城の口癖を言いながら愚痴を溢すと『改2になった総司令官側の陸奥』が二人を勉強会の誘いに来たのか執務室に入り、二人の話を聞いていたのか苦笑しながら言った

 

「お邪魔するわよ……あらあら、溜め息ばかり吐いていると幸せが逃げるわよ……妖夢ちゃん」

 

「……その『幸せ』を逃がしているのは『貴女の提督』と『その御父様』が原因だと思いますが……後、ちゃん付けは止めて下さい」

 

「そうよ……今、仕事中よ」

 

二人は総司令官側の陸奥に悪態を吐きながら言うと、総司令官側の陸奥は「そう言われたら色んな意味で反論出来ないわね……」と妖夢達の悪態(意見)を認めつつも苦笑しながら妖夢に言った

 

「……大丈夫よ、妖夢ちゃ……じゃなかった、魂魄少尉でも分かり易く教えると思うから……それに提督は少し前まで横須賀で臨時の教官をしていたのよ」

 

「……あの大将が『まともな内容』を教えれるか不安なんですよ」

 

「それに……これ以上、妖夢に悪い道を歩ませたくないわ……いくら腕が良くても……」

 

二人は自身が思っている事を総司令官側の陸奥に呆れながら言うと、総司令官側の陸奥は二人の不安を一掃するかの様に微笑みながら言った

 

「大丈夫よ♪『元帥(提督の父親)』から聞いた情報だけど生徒には結構評判が良いみたいわよ♪分かり易くて、物の喩え方が面白過ぎるって♪」

 

「その『物の喩え方』が私……いえ私達にとって一番の不安要素なのよ……絶対『下ネタ』やら『昼ドラみたいなドロドロとした喩え』を使うから妖夢には『毒そのもの』だわ……」

 

「……」

 

総司令官側の陸奥は総司令官が臨時の教官を務めていた時の『生徒の評価』を二人に伝えると陸奥は総司令官の教え方に更に頭を抱えながら呟くと妖夢は総司令官の『教官の腕前』を聞いて少し安堵したのか、総司令官側の陸奥を信用し、少し笑みを溢しながら言った

 

「……なら受けましょう、あの厳格で真面目な元帥が総司令官を此処まで評価したのですから……」

 

「え!?妖夢、正気!?いくら厳格な元帥でも教官が、あの総司令官よ!?絶対、録でもない事を教えるに決まっているわ!」

 

陸奥は妖夢の言葉に驚愕し、慌てながら妖夢に聞くと、妖夢は元帥の評価を完全に信用し、陸奥を説得する為に『とある事』について総司令官側の陸奥に質問を問い掛けた

 

「……なら総司令官側の陸奥さん、今『あの人』は?」

 

「そんなに畏まらなくて良いわよ、それに今の時間帯なら鎮守府本部の食堂に居る筈……ッ!?クスス……成程ね♪」

 

「そう言う事です♪」

 

「ねぇ!?私を除け者にして話を進めないで!ってか『あの人』って誰?」

 

陸奥は二人に除け者扱いにされたのか、少し腹を立てながら二人に言うと総司令官側の陸奥は妖夢の考えを完全に理解し、同艦である妖夢側の陸奥に微笑みながら言った

 

「あらあら、ごめんなさいね♪なら貴女も魂魄少尉の保護者として()()()()?」

 

「………駄目ですか?陸奥さん?」

 

「………」

 

陸奥は目を潤わせ、懇願している妖夢に悶絶し、自身の『考え』と『妖夢の可愛い仕草と願い』が陸奥自身の脳内で大喧嘩しているかの様に頭を抱え、そして暫く経った後、自身の答えを二人に言った

 

「……仕方無いわね、そこまで言うのなら私も『妖夢の保護者』として、そして総司令官の『監視者』として参加するわ……但し、総司令官が妖夢に悪影響を及ぼす発言をしたら講習会を中止させるから……」

 

「ッ!?ありがとうございます!」

 

「フフフ……決まりね♪それじゃ私は講習会の準備に戻るから遅れない様にね♪」

 

妖夢は陸奥の言葉に太陽の様な明るい笑顔になり、陸奥に頭を下げると、総司令官側の陸奥は話が纏まった事に少し安堵し、講習会の準備の為、執務室を後にした

 

「陸奥さん、講習会が始まる時間まで鎮守府本部を見学……もとい視察しませんか?時間まで結構ありますので……」

 

妖夢は陸奥に講習会が始まる空き時間を利用し、鎮守府本部を一緒に見学する事を誘うと、陸奥は講習会の事で頭が一杯なのか、少し乗り気では無い重い声で妖夢の誘いに乗った

 

「……良いわよ、此処と一緒だと思うけど……」

 

「ありがとうございます!では、今すぐ行きましょ!」

 

ガシッ!

 

「ちょ!?妖夢!?そんなに急がなくても……」

 

陸奥は年相応に喜んでいる妖夢に引っ張られながら、半ば強引ではあるが、総司令官が所属している部隊『第一前衛基地』もとい『鎮守府本部』に向かった



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初めての勉強会そして鎮守府本部に訪問する part 2

こちら番外編Part2となっております!
いやはや…腕の違いは恐ろしいですね


執務室から出て数分後 第一前衛基地もとい『鎮守府本部』の屋内訓練所(トレーニングルーム)にて

 

「へぇ……此処が本部の屋内訓練所ですか……見たこと無い機材が沢山ありますね……」

 

「……訓練所というより『ジム』だわ……ってか、勝手に入って大丈夫なの?」

 

妖夢と陸奥は真っ先に来たのは鎮守府本部内の屋内訓練所……もとい『トレーニングルーム』に無断で入り、妖夢はバーベルやランニング装置等の大量の筋トレ用の機材に子供特有の強い好奇心に身を委ねるかの様に辺り一面を見渡し、陸奥は無断で入って来た事に内心、臆しながら呟くと、たまたま筋トレ中の『改2になった総司令官側の長門』と『総司令官側の大和』が二人に気付き、筋トレで流した汗をタオルで拭きながら陸奥の不安を一掃するかの様に微笑みながら言った

 

「大丈夫だ、此処は鎮守府に所属している者であれば誰でも自由に使っていいからな……現に『少尉側の長門()』も、ついさっきまで利用していたぞ」

 

「そうですよ魂魄少尉に陸奥さん」

 

「あ!?長門さんに大和さん、お疲れ様です」

 

「「お疲れ様です少尉」」

 

「あら、それは初耳だわ……それに長門、貴女もいつの間に『改2』に?」

 

妖夢は二人に挨拶をし、陸奥は総司令官側の長門が改2になっていた事に珍しそうに聞くと、総司令官側の長門は微笑みながら頷き、自身が改2になった経緯を簡潔に説明した

 

「ああ、提督が数日前……『資材が馬鹿みたいに余っているから長門型の二人を改2にするぞ』……って私達を連れて……」

 

「そのまま提督自ら二人に改造を施した……という訳です……しかし羨ましいですね長門さん、私も改2になりたかったのに……」

 

総司令官側の長門の言葉に羨ましそうに総司令官側の大和が呟くと、陸奥もまた総司令官側の大和に同意見なのか、羨ましそうに遠回しではあるが妖夢にお願いした

 

「……そこに関しては同意するわ大和……ねぇ妖夢……」

 

「……陸奥さん……それ『伊168さん達(潜水艦の皆さん)』が聞いたら発狂しますよ……それに今の私達の資材が『火の車』になっていますからね……この前の出撃が原因で……」

 

妖夢は遠回しに陸奥の要求を断ると総司令官側の長門と大和は思考を巡らせ、答えが纏まったのか、妖夢達が抱えている問題を解決する為『ある裏技』を妖夢達に教えた

 

その『裏技』とは……

 

「フム……なら私から提督に『余った資材の一部』を魂魄少尉の基地に()()様に伝えておくか?」

 

「そうですね、提督なら上手く『マネーロンダリング(資金洗浄)』ならぬ『マテリアルロンダリング(資材洗浄)』をして、そちらに流せると思いますよ♪現に『前の事件』で()()()()()()()()()()()()()()()で『此処の所有物』として手に入れましたからね♪」

 

「え!?本当ですか!?なら……」

 

「オイ、そこの『DQN(アウトロー)戦艦』!何さらっと妖夢に『悪い事』を教えているのよ!それに妖夢、こういうのは受け取っちゃ駄目よ!こんな『色んな意味で真っ黒過ぎる資材』を受け取ったら『憲兵事案』待ったなしだわ!!」

 

……『マネーロンダリング(資金洗浄)』ならぬ『マテリアルロンダリング(資材洗浄)』を行い、妖夢の基地に流す事だったのだ

 

妖夢は二人の計らいに花が咲いたかの様に喜びながら御礼を言おうとするが、陸奥は妖夢の言葉を遮るかの様にドスの効いた低い声で二人に注意しつつ、妖夢に二人の計らいを拒否させると、妖夢は陸奥に不満があるのか、母親に御菓子をねだる子供みたいに拒否した理由を聞いた

 

「え!?何故ですか!?資材ですよ!?しかも()()()()()()()()()()()()()()()()()()のですよ!!拒否する理由が分かりません!!」

 

「……あのねぇ……『マテリアルロンダリング(資材洗浄)』は、そう言う『物理的な意味』では無いわよ……」

 

「え?そうなのですか?」

 

妖夢は『マテリアルロンダリング』の事を『資材を洗浄』……つまり『物理的に資材を綺麗にする』という意味で捉えてしまい、陸奥は純粋過ぎる妖夢に頭を抱えながら「そうよ……」呟くと総司令官側の長門と大和は陸奥の様子を見て苦笑し、二人は妖夢達が本部に来た理由について聞いた

 

「ハハハ……アッチの陸奥は提督に負けず劣らずの過保護っぷりだな……」

 

「長門さん……提督の場合は、ただ単に『優し過ぎる』からだと……所で少尉に陸奥さん、何故『本部(此処)』に?提督に要件があるのでしたら今、講習会の打ち合わせで食堂に居ますが?」

 

総司令官側の大和は首を傾げながら妖夢と陸奥に聞くと、妖夢と陸奥は「あ!?」と本来の『目的』もとい『時間潰し』である『鎮守府本部(第一前衛基地)見学(視察)をする事』を完全に忘れていたのか、呆気ない声を出し、二人にお願いをした

 

「すっかり忘れてました……私達『大将のお勉強会』が始まる迄の間、此処を見学しに来たのです」

 

「妖夢、それを言うなら『見学』ではなく『視察』よ……まぁ、そう言う訳だから誰か案内出来る人いる?出来れば()()()()()()()()()()()()……しかも()()()()()()()を御願いするわ」

 

陸奥は妖夢に悪影響を及ばせたくないのか、言葉の一部を強調しながら御願いすると総司令官側の長門と大和は陸奥の要求に苦笑しながら答えた

 

「私達以外に一番マシな人って……結構、辛辣(しんらつ)な要望だな……なら『金剛』ならどうだ?アイツは今日、非番(オフ)だった筈だ」

 

「……妥当ですね」

 

「え?金剛さんなら比叡さん達を連れて演習してましたよ?」

 

妖夢は二人が言っていた『金剛』が鎮守府内で演習……言わば『勤務中』だと伝えると、二人は「ソッチの方じゃなくて……」と妖夢に優しく否定(ツッコミ)をすると、紫色のジャージ(運動着)を着た金髪の若い女性が更衣室から現れ、先程の会話の一部を聞いていたのか、妖夢に簡潔ながらも自己紹介を始めた

 

「少尉、()()()()()()()()()()は艦娘の方では無く『()』の事です……そして御初目に掛かれます……私が、第一前衛基地……もとい『鎮守府本部』に所属している部隊『救難隊』の隊長をしています『金剛 由香奈(ゆかな)』と申します……階級は『曹長(そうちょう)』です……貴女の事は艦長……いえ総司令官から御聞きしました」

 

金髪の女性もとい由香奈は妖夢に一礼(敬礼)すると、妖夢は由香奈の厳格な雰囲気に圧倒しているのか緊張し、慌てながら敬礼し、由香奈に言った

 

「ご……御丁寧にどうも、大将から聞いていたかと思いますが、私が『魂魄 妖夢』です……えーっと……金剛……曹長?」

 

「……別に由香奈で構いませんよ少尉、慣れていますので……それにどうしたのですか?私に用があるって?」

 

妖夢は『艦娘の()()』と『由香奈の名字である()()』が『同じ名前』である為、少し混乱すると由香奈は微笑み、妖夢に『自身の名前』で呼ぶ事を了承すると、妖夢は胸を撫で下ろし、落ち着いた様子で由香奈に今に至った経緯を説明した

 

「ホッ……では由香奈さん、実は……」

 

 

 

 

 

 

 

妖夢 説明中………

 

 

 

 

 

 

「……という訳です、大丈夫でしょうか?」

 

妖夢は由香奈に今に至った経緯を説明し、本部の案内を御願いすると由香奈は「何だ、その事か……」と呟き、微笑みながら妖夢に言った

 

「大丈夫ですよ、私で良ければ……」

 

「ありがとうございます!では、案内を御願いします!」

 

「……少尉、その前に『普段着』に着替えて良いですか?流石に『この格好』は……」

 

「うん、流石に同じ女性として……ジャージで鎮守府内を彷徨(うろつ)くのは……ちょっと……ねぇ……」

 

「……分かりました」

 

由香奈は妖夢の要求を了承したものの、今の彼女の服装が正装ではないのか、はたまたジャージで案内する事に抵抗があるのか、妖夢に服装を着替えたい事を伝えると陸奥は由香奈の心情を察し、妖夢は笑顔で了承すると、由香奈は脱兎の如く更衣室に入った

 

そして数分後……

 

「……お待たせしました少尉」

 

「「ッ!?」」

 

妖夢と陸奥は由香奈の『普段着』を見てドン引きし、狼狽えながら言った

 

何故なら……

 

「うわぁ……む……『紫色のドレス』に『ツインテール』……凄く……派手です……」

 

「何その『冷酷な女王様ファッション』は!?妖夢が真似したらどうするの!?ってか運動着(ジャージ)と言い、ドレスと言い……どれだけ紫色が好きなの!?」

 

……由香奈の普段着が『紫のドレス』だったのだ

 

陸奥は由香奈のファッション的な意味で妖夢に悪影響を及ぼす事を懸念し、由香奈に強い口調で一喝(ツッコミ)を入れると、由香奈は陸奥の一喝(ツッコミ)に少々呆れながら答えた

 

「……『冷酷な女王』とは失礼だな陸奥……せめて『上品な御令嬢(マドモワゼル)』だと言って欲しいな」

 

「いやいやいや、これはどう見ても『悪役級の女王様』よ……貴女の近寄り難い雰囲気と相まって……」

 

「確かに………それに由香奈さん『マドモワゼル』って?」

 

「フランス語で『御令嬢』という意味です、少尉」

 

「妖夢……これ以上、彼女について聞かないで……私が疲れるから……」

 

陸奥は由香奈に対してのツッコミによる疲れなのか、頭を抱え、溜め息を吐きながら妖夢に言うと、妖夢は由香奈のファッションに少し慣れたのか、普段通りの可愛らしい表情になり由香奈に言った

 

「分かりました、では由香奈さん……案内を御願いします」

 

「了解しました……では今日は特別に隣の『特設ドック』から案内しますので着いて来て下さい」

 

「え!?あの『特別防衛機密取扱者』しか入れないドック……あの『本部専用ドック』ですか!?是非!!」

 

「……何か嫌な予感がするわ……これが杞憂であれば良いのだけど……」

 

陸奥は何か嫌な予感を感じていたのか頭を抱えながら由香奈と妖夢の後を着いて行った。



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初めての勉強会そして鎮守府本部に訪問する part 3

番外編続き、受け取りました!
長さの違いは…間違いなく根気と語彙力の違いですねこれは、羨ましい…
私もまだまだですね


妖夢達が由香奈の案内で特設ドックに移動する少し前 本部内の食堂にて

 

「………これが講習会で教える『海軍の知識に関する』内容(レポート)ね……フム……これは少し厳しいわね……妖夢にとっては悪影響を及ぼす内容ばかりだわ」

 

元帥の階級証を着けた茶色の軍服に白いコードを羽織った茶髪のポニーテールの若い女性が総司令官と『総司令官側の加賀』が纏めた講習会の内容である『海軍の知識に関する報告書(レポート)』を閲覧し、内容がリアル過ぎるのか、はたまた妖夢にとって悪影響を及ぼしかねないショッキングな内容なのか、頭を抱えながら言うと、総司令官もまた女性と同じく相当悩んでいるのか、頭を抱えながらも反論した

 

「……だが、アイツは英語だけなら兎も角『世界情勢』と『海軍の知識』に関しては『最低限の知識』しか無いからな……出来るだけ此方は()()()()()()()()()()()で説明する予定だ」

 

「……嘗て学生でありながら『極道者(ヤクザ)』であり『格闘家』だった貴方が『そんな表現』が出来ると思う?」

 

女性は総司令官の事を昔から知っているのか、溜め息を吐き、呆れながら聞くと、総司令官は普段の勇猛果敢で荒々しい雰囲気から一転、年相応の若者みたいなラフな口調になり、頭を抱えながら総司令官側(自身の方)の加賀と共に答えた

 

「……自分で言うのもアレだが……無理ゲーだ……知恵を貸してくれ『母さん』」

 

「……御願いします『教官』……私達に知恵を貸して下さい」

 

「加賀は兎も角、諦めるの早すぎるぞ『馬鹿息子』!二十歳(はたち)にして医師免許を取得した『お前の(頭脳)』なら出来る筈だ……私だって欲しい位よ

 

「無茶言うなよ……糞親父が俺に、こんな『講習会(無理難題)』を企画しやがって……只でさえ、この前の横須賀の生徒達(クソガキ共)相手に海軍の知識を教えるのに苦労したのに……」

 

「……全くよ」

 

「……それに関しては同意しますし、私も提督の随伴艦(補助要員)として横須賀の教官任務に従事していましたので同情もします……ん?待てよ……」

 

総司令官は自身の口癖である「泣けるぜ……」と呟き、総司令官の『母親』であり『教官』と言われていた若い女性に叱括され溜め息を吐くと総司令官の秘書艦である加賀がボールペンを持ち、総司令官に助け舟を出す様に何時もの凛とした頼もしい雰囲気を醸し出しながら総司令官達に言った

 

「ッ!?……提督に教官、私に良い案がありますので今から此処で報告書(レポート)を訂正しても?」

 

「構わねぇよ……」

 

「どうぞどうぞ」

 

二人は考えが纏まらなかったのか、総司令官側の加賀が報告書(レポート)を訂正する事を投げ遣りな態度で許可すると、総司令官側の加賀は先程持ったボールペンの蓋を外し、そのまま報告書(レポート)の訂正を行った

 

「ありがとうございます……此処を……こう………こうと……」

 

 

 

 

 

一航戦 加賀 報告書(レポート)修正中………

 

 

 

 

 

「これで良し……これなら少尉に悪影響を及ばず、更に分かりやすく説明出来ると思いますが……どうでしょうか?」

 

「「フムフム……成程……」」

 

総司令官側の加賀は先程、訂正した報告書(レポート)を二人に見せると、二人は訂正された報告書(レポート)を閲覧し、二人は先程の訂正案が気に入ったのか微笑みながら言った

 

「これなら分かりやすくて教え易い……そして……」

 

「妖夢にとって悪影響な所が無いわ……なら、今回の講習会の内容は……」

 

「……これで決まりだな、さて……煙草吸ってくるかな」

 

「私も行くわ……」

 

二人は微笑みながら総司令官側の加賀の訂正案(レポート)を可決し、講習会が始まるまでの間、喫煙しに食堂を後にした

 

その時、二人を見送った総司令官側の加賀はクスリと笑いながら……

 

 

 

 

 

「子煩悩な教官は兎も角、あの『傍若無人で防弾ガラスの様に図太い神経を持った提督』が此処まで変わるとは……少尉の『純粋さ』と『魅力』は、核兵器以上に恐ろしいわね……」

 

 

 

 

……と『妖夢の純粋さ』そして『魅力』を『核兵器』に喩え、浄化寸前(完了?)の総司令官の変貌ぷりに微笑ましく呟いたのは言うまでもなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 鎮守府本部内部『特設ドック』出入口前にて

 

「此処が『特設ドック』です」

 

「へぇ……此処が、あのドックの出入口ですか……」

 

「だ……大丈夫なの?指紋認証やら防犯カメラ……結構厳重なセキュリティを施しているのだけど……しかも扉の注意書に『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』と総司令官の直筆で書かれているわ……それに、その注意書を表すかの様に天井に『機銃』そして壁には『レーザー切断機』や『機銃の銃口らしき穴』が多数……ドックというより『要塞』ね……」

 

大本営(上層部)からの命令でな……艦長……いや総司令官から聞いた話では『コレを創設したせいで当時、本部が所持してた資材の()()()()減ったぞ……此処を潰す気かアイツら……』と嘆いていた位だ」

 

「心中察するわ……しかし此処を『超ブラック鎮守』から『ホワイト鎮守府』に変えるだけではなく、鎮守府に所属している全員を治療したり、総司令官自ら調理をし私達(艦娘達)に料理を振る舞い、私達(艦娘達)と共に出撃をするわで……『天の道を行く英雄(天道総〇)』並のチート人間じゃないの……本当に彼……何者なの?」

 

「……その答えが『此処』にあるんだ……まぁ少尉は()()()()()()()()()と思いますが……」

 

「……私に振らないで下さい、大将達に強く()()()されているので……」

 

「……そうでしたね」

 

妖夢は本部の人間しか入れない『特設ドック』に入れる事に胸を膨らませ、陸奥は指紋認証や防犯カメラ等、かなり厳重にセキュリティを施された扉に、かなり臆しながら呟くと由香奈は先程までの厳格な雰囲気に似合わない笑みから一転し、神妙な表情になり、二人に聞いた

 

「……二人共、今から特別防衛機密取扱者しか入れない場所に入るが、決して『このドックの内部情報』を非取扱者の人間を含めて『誰にも漏洩(ろうえい)しない事』を誓えますか?」

 

「漏洩?」

 

「……『言い触らす』……言わば『バラす』という意味です少尉」

 

「『バラす』って貴女……妖夢、分かりやすく説明すると、この『本部専用のドック』に関する内容を『()()()()()()()()()』って事よ……よりによって『嫌な予感』が当たるなんて……遺書でも書いておけば良かった

 

陸奥は由香奈の簡潔過ぎる説明に少し呆れたものの、かなり厳重なセキュリティを施された扉に、かなりビビりながら由香奈の説明を妖夢に分かりやすく説明すると妖夢は理解したのか、遊園地に行く子供の様に満面な笑みで「分かりました」と答えると由香奈は近くに置いてある箱を取り出し、二人に言った

 

「ちなみに此処は可搬記憶媒体……カメラやスマホ等の持ち込みも厳禁なので、今そのような物を持っていたら、この箱に入れてからドックに入って下さい」

 

「分かりました由香奈さん……えーっと……携帯電話にカメラは……あった……では由香奈さん、御願いします……陸奥さん、行きますよ♪」

 

妖夢は由香奈の指示に従い、ポケットの中から講習会用のカメラと子供用の小さなスマホを箱の中に入れ、陸奥に言うと、陸奥は腹を括ったのか、自棄になった荒い口調になりながら由香奈に近付き……

 

「……あーもう!!覚悟を決めたわ!!ほら!これで良いでしょ!」

 

……そのままポケットに入っているスマホを荒々しく箱に入れた

 

陸奥は自棄になりながら由香奈に言うと、由香奈は「何故、自棄になっているんだ?」と言わんばかりに首を傾げつつも扉に備え付けてある認証機を操作し、妖夢と陸奥の情報を入力し、そして………

 

 

『認証完了、解除シマス……ヨウコソ……魂魄少尉ニ陸奥サン……()()()()()()()()()()♪』

 

「「最後だけ凄い流暢に言ったよね!?この機械!?」」

 

「……製作した総司令官の『遊び心(おふざけ)』だ……触れないでくれ……」

 

……一部流暢な発言があったものの女性の声で機械特有の片言を発し、妖夢達を迎え入れるかの様に重々しい音を出しながら、重量感を漂わせるかの様にゆっくりと扉が開き、由香奈は完全に扉が開き切るのが待てなかったのか、半開きな状態でドックに入り、二人を招き入れた

 

「では……行きますよ」

 

「はい!」

 

「……分かったわ」

 

二人は由香奈の招きに妖夢は胸を躍らせ、陸奥は顔を強張りながら『特設ドック』に足を踏み入れると其処には……

 

「お邪魔しま……ッ!?嘘……何故、コレが此処に……」

 

「うわぁ………凄い……」

 

……二人を歓迎するかの様に『ある巨大な船』が停泊していたのだ

 

妖夢は、その『巨大な船』に圧倒されたのか、目をパチクリと瞬きをし、陸奥は『その巨大な物の正体』が分かったのか驚愕すると、妖夢は少し戸惑いながら由香奈に『巨大な船』について質問をした

 

「あの……由香奈さん、この『船』は?」

 

「……コレですか?コレは……」

 

由香奈は妖夢の圧倒された表情を見て微笑みながら『巨大な船』の正体を告白した

 

そう、この『巨大な船の正体』は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……私が個人で保有している『軍艦』で『救難船』もとい『鎮守府の()()()()』であり『本部の護衛船の一つ』……『金剛型戦艦 一番艦 金剛』だ」

 

「え………えぇぇぇぇぇ!?ほ……本物の……せ……()()!?」

 

「あ………あり得ないわ、こんな事って……」

 

……そう、第二次世界対戦の時に沈んだ筈の軍艦『金剛』だったのだ

 

妖夢は本物の戦艦を見て驚愕しつつも『戦艦 金剛』を見て鼻息を荒くしながら言い、陸奥に至っては『目の前にある物(戦艦 金剛)』が此処にある事すら知らなかったのか、物凄く狼狽えながら呟くと由香奈は妖夢に微笑みながら聞いた

 

「少尉、コレが動いている所を少しですが御見せしましょうか?」

 

「ッ!?良いのですか!?是非!!」

 

「……分かりました、では……」

 

由香奈は妖夢の御要望を聞き、何かを隠す様に妖夢達に背を向け、軍艦の方に身体を向かせると由香奈の身体が薄い紫色に発光し、それに合わせるかの様に軍艦も紫色の光の円陣を発しながら主砲の傾角だけを動かした

 

そう、まるで軍艦が自ら意思を持ち、妖夢達に『ようこそ』と挨拶をするかの様に……

 

そして主砲が止まり、紫色に発光した軍艦は光を消すと由香奈もまた光が収まると妖夢は軍艦の堂々とした動作に圧巻し、陸奥は由香奈に違和感を感じながら言った

 

「うわぁ……凄い……」

 

「……今、軍艦もそうだけど……貴女も()()()()()()?」

 

陸奥は自身の違和感である『由香奈が発光した事』について恐る恐る聞くと、由香奈は微笑みながら答えた

 

「そうしないと軍艦が動かないんでな……」

 

「……貴女、何者なの?」

 

陸奥は先程までの狼狽えた表情から一転し、妖夢を守る為に由香奈に近付きながら聞くと、由香奈は溜め息を吐き、自身の正体を妖夢達に暴露した

 

そう、由香奈の正体は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……私は『人間』ではなく『平行世界』そして『未来の艦娘の金剛』である『メンタルモデル コンゴウ』だ……あの時は、すまなかったな……陸奥に少尉」

 

「……やっぱりね」

 

「え!?由香奈さんが………艦娘!?」

 

そう、由香奈の正体が『平行世界』そして『未来の艦娘』……『メンタルモデル』だった事に……



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初めての勉強会そして鎮守府本部に訪問する part 4

番外編続き、いただきました!


「ちょ!?待って下さい!由香奈さんが『艦娘』って、どういう事ですか!?それに『平行世界』に『未来』って……」

 

妖夢は由香奈のカミングアウトに鳩に豆鉄砲を喰らったかの様に驚愕し、狼狽えながら『由香奈』もとい『コンゴウ』に聞くと、コンゴウは『あの作戦』が発足された根本的な原因である『とある事件』の事で自身を責める様に俯きながら妖夢達に説明した

 

「……少尉、この前の作戦を覚えていますか?」

 

「……確か……『ばったん作戦』の事ですよね、それがどうかしたのですか?」

 

「妖夢、それは私達の基地の中での作戦よ……本部で発令された『本当の作戦名』は……『第二次蒼霧護衛作戦(だいにじそうむごえいさくせん)』よ……そして彼女は『その作戦』が発足される迄に至った『今回の事件』の『関係者』……いえ『()()()』の一人よ……」

 

「……そうです、まぁ元々は『あの事件』が起きたから『今回の事件』が勃発したのですが……」

 

「『あの事件』?……由香奈さん、教えてくれませんか?『あの事件』が起きた経緯について……」

 

陸奥は『ばったん作戦』の正式作戦名『第二次蒼霧護衛作戦』について触れ、その作戦が発足され『今回の事件』に至った『切欠』言わば『全ての元凶となった事件』の内容を、ある程度把握しているのか、神妙な表情になり、妖夢は首を傾げながらコンゴウに聞くと、コンゴウは陸奥の質問を肯定し『あの事件』について妖夢に説明した

 

「分かりました、では簡潔に説明しますが……『あの事件』が起きた発端が少尉が此処に着任される前に起きた事件で当時、艦長……いや総司令官が此処に着任して直ぐに敵国に拉致された『此処の艦娘達』や『軍に属さない一般人』を救助した事が切欠です」

 

「確か……それって……よくテレビで見る『拉致被害者』って事ですね……それと『今回の事件』と、どう結び付くのですか?」

 

「そ……それは……」

 

妖夢は腕を組み、首を傾げながら質問すると、コンゴウは『この後の結末』言わば『妖夢にとって酷すぎる内容』を妖夢に伝える事に抵抗があるのか、はたまた内容が妖夢にとって過激過ぎる内容なのか、黙って俯くと、陸奥はコンゴウの心中を察し、意を決して妖夢に説明した

 

それは……

 

「彼が此処の総司令官としての『最初の任務』……『拉致被害者救出作戦』……そして、その任務中に彼の独断で行った事件『将軍暗殺事件』の事ね、コンゴウ」

 

「……ああ、総司令官は前任達の陰謀により敵国に拉致された艦娘達や一般人を助ける為に総司令官は拉致された全員を()()し、此処をブラック鎮守府にさせた『根本的な元凶』である敵国の将軍を『国際法』に則り……()()したんだ……」

 

「ッ!?暗殺!?大将が……あの人が!?」

 

……総司令官が拉致された艦娘達や市民を助ける為に敵国の将軍とは言え『人を殺した』のだ

 

妖夢は総司令官が人殺しをした事に驚愕し、狼狽えると陸奥は総司令官の行動に呆れたかの様に溜め息を吐き、頭を抱えながら妖夢に分かり易く説明した

 

「そうよ、それのせいで『敵国』及び『敵国の同盟国』の怨みを買った総司令官に報復(仕返し)を行う為に『今回の事件』を起こしたのよ……そして、将軍を暗殺した事がメディアに報道され、地元住民は彼を『前任以上の問題児』やら『海軍一の狂人』として忌み嫌っているのよ……そして彼は自身の迫害から私達を守る為に敢えて民衆(メディア)の前では『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』として()()()()()のよ……」

 

「そんな……あの人は『私達を守る事』だけではなく、拉致された人達を根本的に助けただけなのに……どうして彼だけ『こんな仕打ち』を受けないといけないのですか!!酷過ぎます!!それに陸奥さんも何故『その事』を()()()()()のにも関わらず彼を守ろうとは思わないのですか!!彼の恩を仇で返すつもりですか!!」

 

「ッ!?私だって彼を守りたいわよ!!恩返しだってしたいわ!!だけど……私達の力では、どうする事も出来なかったのよ!!貴女だって分かるでしょ!!これは私達だけで解決できる問題じゃ無い事を!!」

 

「だからって、彼への迫害を『そのまま』にしても良いと思っているのですか!!このままだと陸奥さん達を助けた彼が可笑(おか)しくなりますよ!!」

 

妖夢は『総司令官の自己犠牲により守られている事』そして『民衆(メディア)は未だに総司令官に誹謗中傷を行っている事』にショックを受け、何かを訴える様に強い口調で陸奥に言うと陸奥もまた妖夢の発言に自身の『悔しさ』を妖夢にぶつける様に怒鳴り散らすとコンゴウは口喧嘩をしている二人の間に入り「まぁまぁ……」と二人とは対照的に落ち着きながら仲裁に入り、二人を窘める様に優しく言った

 

「落ち着け二人共、二人の気持ちは痛い程分かる……それに『()()()()()()』だ……それに最近、民衆の考えが『ある切欠』により少し変わって来ているんだ……それは何故だが分かるか二人共?」

 

「はぁ……はぁ……『もう済んだ事』?それは、どういう意味よ……」

 

「はぁ……はぁ……すみません由香奈さん、私とした事が……教えてくれませんか?その『変わって来た切欠』を……」

 

二人は自身の冷静さを取り戻す様に息を整えながらコンゴウに聞き返すと、コンゴウは笑みを崩さないまま二人の質問に答えた

 

「……『今回の事件』で総司令官は当時の『憲兵司令官』言わば()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と『総副司令官(此処のナンバー2)』の三人でメディアを通して『今回の事件の黒幕』を討伐した事が(おおやけ)になり、天皇と総理大臣が今までの総司令官の行いや思惑を発表した事だ……これが、その時の動画だ……」

 

コンゴウは再び淡い紫色に発光すると、コンゴウの目の前にモニターが現れると、モニターには『スーツを着た初老の男性』こと『総理大臣』と『穏和さと厳格さが合わさった風格のある御大老』こと『天皇陛下』が現れ、演説をし始めた

 

その内容とは……

 

「艦娘や市民達そして日本の為に常日頃から命を削ってまで戦ってくれている彼が『メディアに踊らされた市民達』に批難中傷され続けている事に政府の指導者……いや『一人の日本人』として恥ずかしい限りだ、彼を『()()』やら『()()()』と罵る連中がいたら、彼を罵った連中が『()()()()()()』だ!日本を……そして艦娘達を救った英雄に『こんな仕打ち』を与えるなんて……皆さんは申し訳無いと思いませんか!!」

 

「それに彼は自身の『正義感のある行動』により市民達による誹謗中傷から部下や同胞達を助ける為に敢えて皆さんの前で『悪役』を演じ続けていたのですよ……そんな『日本人が忘れていた侍の心を持った彼』を罵る市民がいた事に私は非常に胸が苦しい思いです………」

 

「「………」」

 

……そう、総司令官の今までの行動を賛美し、彼を誹謗中傷している民衆に対して批難をしている動画だったのだ

 

二人は総理大臣と天皇の励ましの御言葉に少し救われたのか安堵し、コンゴウに聞いた

 

「……成程ね、日本の中で『一番影響力のある人』が言えば彼の迫害が収まる……という訳ね……」

 

「良かった……彼の本質を理解してくれる人がいて……ちなみに、その事について大将は?」

 

「……複雑な心境だったのか、物凄く戸惑ってた」

 

「うん、これは誰だって戸惑うわよ……日本の最高指導者である『総理大臣』と『天皇』が直々に御誉めの言葉を貰うと……ねぇ……それに妖夢……さっきはごめんなさい……言い過ぎたわ」

 

「それは私もです……すみませんでした……」

 

陸奥は総理大臣と天皇の御誉めの言葉を聞いた時の総司令官の心情を察した表情を安易に察し、先程の口喧嘩の件で妖夢に謝罪し、妖夢もまた陸奥に頭を下げるとコンゴウは紫色の光を抑え、モニターを消し、微笑みながら二人に言った

 

「……だから民衆は、その『言葉』を受け、彼を徐々にですが受け入れてくれる様になったんだ……だが悲しい事に、それでも尚、彼を誹謗中傷する連中も少なからず居るのが現実だ……では次は、この『ドック』が創設された切欠である『ある物』を見せますので着いて来て下さい」

 

「分かったわ」

 

「はい!」

 

二人はお互いの顔を見て微笑みながら手を繋ぎ、コンゴウの後に着いて行った

 

コンゴウは二人の姿を見て……

 

 

 

「早く行きましょ♪陸奥さん♪」

 

「あらあら♪迷子になっても知らないわよ」

 

「フッ……まるで親子だな……この二人は……」

 

……と二人の姿に微笑ましく思えたのは言うまでもなかった



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初めての勉強会そして鎮守府本部に訪問する part 5

よし、投稿完了!
今回は私のもうひとつの作品である「ハリー・ポッターと西行の娘」の要素も入れてくれたみたいです!
是非あちらも読んでみてくださいね!
さて…私は課題を消化する作業に戻ります…


妖夢達が本部専用ドック内を探索している頃 平行世界のイギリス郊外にある学校『ポグワーツ魔法魔術学校』内の図書室にて

 

「………フム、成程ね……彼が嘗て『捨てた能力』を再び手にしないと駄目な様ね……」

 

「………お呼びでしょうか?サイギョウジ先生」

 

額に稲妻の様な傷跡を残している眼鏡を掛けた少年『ハリー ポッター(以後 ハリー)』が魔導書(グリモワール)を読み漁っている桃色の髪の女性『西行寺(さいぎょうじ) 幽々子(ゆゆこ)(以後 幽々子)』に首を傾げながら聞くと、幽々子は微笑みながら答えた

 

「来たわねポッター……今から貴方だけ特別授業を行うわよ♪内容は『平行世界』の『とある人間(マグル)の軍人』の生き様よ♪」

 

「へぇ………え!?平行世界の……ですか!?」

 

ハリーは幽々子の発言に眼鏡を外し、自身の眠気を飛ばすかの様に目を擦りながら幽々子の授業内容に驚愕していると、幽々子は微笑みを崩さず、驚愕しているハリーに安堵感を与える様に優しく言った

 

「ええ……あ!忘れる所だった……紫!ちょっと来てぇ!!貴女の力が必要なの!」

 

「ユカリ?サイギョウジ先生……『ユカリ』って誰ですか?」

 

「私の友人よ……あら?もう来たのね」

 

幽々子は忘れ物を思い付いたかの様に呆気ない声を出し、天井に向かって大声で紫を呼ぶと、天井から隙間の亀裂が現れ、その亀裂の間から女性らしい『しなやかな手』が生え、その手が隙間を優しく抉じ開け、隙間から紫が出て、呆れながら幽々子に聞いた

 

「……貴女、何故ハリーに『彼の事』を教えるのよ?」

 

「フフフ♪ポッターにも彼と同じ様に強くて優しい魔法使いになって欲しいからよ♪」

 

「……『彼と同じく』って……原作をぶち壊すつもりなの?貴女?」

 

「違うわよ♪ポッターに『彼が捨てた能力』を使える様に教えるだけよ♪」

 

「……駄目よ、アレは彼しか扱えないから……」

 

「ッ!?天井から女性が!?貴女が……それに『原作』?」

 

ハリーは狼狽えながら紫に聞くと、紫は微笑みながらハリーに自己紹介を始めた

 

「そこは気にしないで♪初めまして、私は西行寺先生の友人の『八雲 紫』よ♪気軽に『ユカリン』と呼んでね♪」

 

「よ……宜しくお願いします……ユカリンさん」

 

「もう♪そんなに畏まらなくて良いわよ♪ハリー♪」

 

「うん、よろしくね……ユカリン」

 

「……紫、貴女は年齢を考えなさい……In fact, to the habit of an 『old woman』(実際は『ババア』のくせに)……」

 

「ッ!?」

 

幽々子は紫のブランクな自己紹介に悪態を吐く様に馴れない英語で呟くと、紫は幽々子の『とある言葉』が聞こえたのか、ハリーに分からない様に『言葉の境界』を弄り、涙目になり、血相を変えながら幽々子に怒鳴り、反論した

 

()()()じゃないもん!!!まだピチピチの()()()よ!それにババアに関しては貴女に言われたくないわ!!」

 

「私は幽霊だからノーカンよ♪」

 

「似たような物でしょ!!このカービ〇女!!」

 

「カービ〇って酷いわね……彼ほど食べないわよ」

 

「いいえ!貴女の方が食べるわよ!」

 

ワーワー!

 

ギャーギャー!!

 

 

E()……Excuse me, what the hell are you saying?(すみません、一体何を言っているのですか?)……Please calm down on it(それに二人共、落ち着いて下さい)……」

 

「「ッ!?」」

 

ハリーは二人が日本語で討論(口喧嘩)をしているのを見て『言葉の境界』を弄られたせいで母国語である英語で戸惑いながら二人の仲裁に入ると紫は先程の討論(口喧嘩)を隠す様に咳払いをし、直ぐに『言葉の境界』を弄り直し、ハリーに微笑みながら言った

 

「ゴホン!ごめんなさいね……お見苦しい所を見せてしまって……」

 

「いえ……大丈夫です……所でサイギョウジ先生が言っていた『平行世界の人間(マグル)』って……どんな方ですか?『彼』という事は、その人は『男性』だと分かったのですが……」

 

ハリーは二人が発した言葉を少なからず察し、少し不安そうに聞くと、幽々子はハリーの不安を一掃する様に微笑みながら言った

 

「正解よポッター、彼は『日本の軍人』で階級は『海軍大将(general)』歳は『22才』外見はマルフォイを黒髪……いえ『D〇C5のネ〇』が黒髪に染めた姿で性格は……一言で言うなら『お節介焼きで正義と侍の心に目覚めたマルフォイ』……って所ね」

 

「……何か想像が着かないな……『お節介焼きで正義とサムライの心に目覚めたマルフォイ』って……」

 

ハリーは幽々子の喩えに苦笑すると紫は幽々子の喩えに「あながち間違っていないかも……」とハリー同様、苦笑し、ハリーに言った

 

「……ならハリー、貴方も彼の講習会を受けてみる?」

 

「へ?彼の講習会……ですか?」

 

ハリーは紫の言葉に目をパチクリと瞬きをし、紫の言葉を復唱すると、紫は微笑みを崩さず、優しく穏和な声を出しながら言った

 

「ええ、彼の講習会の企画内容を勝手に閲覧したら面白い内容よ♪しかも内容によっては『クィディッチ』に関する新たな戦法が見出だせる筈よ♪」

 

「クィディッチの新しい戦法ですか!?ならロン達に……」

 

ハリーは紫の言葉を信用し、慌てながら自身の生徒寮に居るであろう友人(ロン)を誘いに図書室から出ようとした途端、紫が片付け忘れていた隙間から先程、二人が言っていた『彼』が現れ、少し機嫌が悪いのか、ドスの効いた低い声で紫に言った

 

「オイコラ、ちょっと待て……紫、テメェ……企画書を勝手に閲覧するだけではなく、何故この世界のガキ共まで俺が面倒を見ないといけねぇんだ!」

 

「あら?何故、貴方が隙間を?」

 

「お前が隙間を消し忘れていただけだろうが……あー……Are you harry potter?(お前がハリーポッターか?)

 

『彼』は面倒臭そうにハリーに流暢な英語で質問をするとハリーは彼の流暢な英語に少し驚きながら彼の質問を返した

 

「あ……はい……どちら様ですか?」

 

「……なんだ、日本語喋れるのか?」

 

「私が『言葉の境界』を弄ったのよ」

 

「なんだ……んじゃ、気を取り直して……俺の名は……」

 

彼は紫のアシストを聞き、安堵しながらハリーに自己紹介をしようとした途端………

 

 

 

 

「……上城 勇人だ……佐世保鎮守府総司令官として勤務している……階級は海軍大将だ……まぁ宜しk……」

 

 

 

 

 

ピカッ!!

 

 

ゴロゴロ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「ッ!?」」」

 

「……タイミング悪いな……今ので聞き取れたかな……」

 

……それを遮るかの様に雷が落雷し、轟音によって彼の声を打ち消したのだ

 

『彼』はタイミング良く(悪く?)近くに雷が落雷した事に少し呆れながら三人……特にハリーに聞くと、ハリーは落雷による轟音が原因なのか、耳を押さえながら彼の質問に答えた

 

「大丈夫です、辛うじて『名前』だけは聞き取れました……ええーっと……何と呼べば良いのですか?」

 

「うーん……少しガキ臭ぇ渾名だが『ジョジョ』で構わねぇよ……」

 

「分かりました」

 

ハリーは彼……ジョジョに聞くと、ジョジョは微笑みながら答えると、幽々子はハリーにジョジョについて教え始めた

 

そう、ジョジョは……

 

「ちなみに彼は私専属の庭師であり軍人である『魂魄(こんぱく) 妖夢(ようむ)』が所属している鎮守府の『総司令』兼『直属の教官』よ♪」

 

……妖夢の直属の上官であり、妖夢の講習会の教官である『総司令官』本人だったのだ

 

ハリーは幽々子の説明に、あまりピンと来なかったのか、首を傾げながらジョジョ……もとい『総司令官』に聞いた

 

「あの……総司令官って何ですか?」

 

「うーん……鎮守府を『ポグワーツ魔法魔術学校』に置き換えると俺の立場は鎮守府の中で一番上……つまり『アルバス パーシバル ウルフリック ブライアン ダンブルドア校長』と同じ立場……かな」

 

総司令官はハリーに分かりやすく説明する為、鎮守府を『ポグワーツ魔法魔術学校』に喩え、自身の立場が此処の校長『アルバス パーシバル ウルフリック ブライアン ダンブルドア』と同じ立場だと説明すると、ハリーは彼の説明が分かり易かったのか、完全に理解し、少し驚きながら言った

しかし、無駄にクソ長い名前だな……( ;´・ω・`) by 総司令官側のうp主&総司令官

「え!?そ……そうだったのですか!?先程は失礼な事を……しかもダンブルドア先生の本名を噛まずに言えるなんて……」

 

「滑舌は良い方なんでな♪」

 

ハリーは彼の立場そしてハリーの恩師であり、この学校の校長『ダンブルドア』の本名を噛まずに言えた事に驚いていると、立派な髭を蓄えた温厚そうな老人が図書室に入るのをハリーと幽々子が目撃し、ハリーは先程までの子供らしい愛嬌のある表情から緊張した表情に変わり、老人はハリーの緊張を取り除くかの様に優しく言った

 

そう、この老人こそ……

 

「こんばんはハリー……ユユコ……それに……この若者は?」

 

「ダンブルドア先生!?何故此処に!?」

 

……そう、この好々爺こそ先程ハリーが言っていた『ダンブルドア校長』その人だったのだ

 

ダンブルドアは総司令官を見て首を傾げながら聞くと、総司令官は笑みを溢しながら答えた

 

「俺……じゃなかった、私は幽々子の友人の『ジョジョ』です……お会い出来て光栄です……Mr.ダンブルドア」

 

「ふむ……そんなに固くならなくても……それにユユコの友人だったとは……此方こそ宜しくMr.ジョジョ……いや……」

 

ダンブルドアは微笑みながら総司令官に近付き、ハリーに聞かれたくないのか、総司令官の耳元で小さく呟いた

 

「………此処はヨームと同じ『大将(general)』と呼べば良いのかな?」

 

「ッ!?何故それを……それに妖夢の事まで………」

 

総司令官はダンブルドアの発言に驚愕し、警戒心を醸しながら聞くとダンブルドアは笑みを崩さず、総司令官の警戒心を排除するかの様に優しく穏和な口調で総司令官の質問に答えた

 

「フフ……そんなに警戒しなくて良い……実はユユコから聞いていてね、ユユコの家族である『ヨーム』について話をしている時にMr.ジョジョの事も教えて貰ったのだ……」

 

「私が教えました♪ビックリした?」

 

「……心臓に悪いぞ、てっきり妖夢に『如何わしい事』をする『ロリコンスケベジジイ』だと思ったぞ……」

 

「酷い言い草だな……Mr.ジョジョ」

 

「……すみません、俺の世界では『金目的』や『自身の欲求』を満たす為に『無力な少年少女』を拉致監禁を行う等の性犯罪が多発していますので、つい過剰反応をしてしまいました……先程の御無礼、及び発言を御許し下さい」

 

「……そう言う事情なら仕方ありませんな」

 

「相変わらず妖夢や仲間達に関しては過保護……いえ面倒見が良いわね貴方……完全に妖夢の『父親』ね……ねぇ紫」

 

「……どちらかと言うと『少しシスコンが入った兄さん』と言った方が正しい気が……」

 

「俺はシスコンじゃねぇよ、そこの『隙間痴老婆(すきまちろうば)』」

 

「だから痴呆(ボケ)て無いし老婆(ババア)じゃないもん!!ってか今までの中で一番酷い言葉よソレ!!」

 

総司令官は紫の悪態を返し、幽々子とダンブルドアの発言に完全に警戒心が解けたのか呆れながら呟くとダンブルドアは先程までの経緯を聞いていたのか、総司令官に『ある事』を御願いした

 

「まぁ彼の素性が分かった事だ……Mr.ジョジョ、貴方に2つ御願いがあります……『1つ』は貴方にハリー達が居るクラス『グリフィンドール』の生徒及び教師達にも『講習会』の参加を認める事と『2つ目』は貴方の部下である『艦娘』とハリー達が居るクラス『グリフィンドール』の『生徒』及び『教師達』と交流の場を設けて欲しい……」

 

「フム……講習会は基本『自由参加』だから別に良いんだが……『交流の場』か……『会食』という形なら講習会が終わった後でも、すぐにでも設ける事は出来ますが……それでも良いですか?」

 

総司令官はダンブルドアの御願いの1つである『交流の場を設ける事』について『会食形式』なら、すぐに設けれる事を伝えるとダンブルドアとハリーは総司令官の案に大賛成なのか、はたまた『ポグワーツが抱えている()()()()()』が()()()()()()()()のか、満面な笑みになり、総司令官の手を両手で握り、嬉しそうに言った

 

「本当か!?むしろソッチで御願いします!!」

 

「え!?あの『和食』が食べれるの!?御願いしますジョジョさん!」

 

「……まさかだと思うが……ダンブルドア校長、今現在のポグワーツって……慢性的な『食料不足』になっているんじゃ……」

 

総司令官はダンブルドアの反応に薄々察したのか、ポグワーツの小さな問題である『慢性的な食料不足』が起きている事をダンブルドアに聞くと、ダンブルドアは目を反らし、顔を赤面し、申し訳無さそうに言った

 

「御名答……御恥ずかしい限りだ……ユユコの友人とは言え初対面である貴方に『こんな御願い』をした事に……」

 

「……気にしないで下さい、それに幽々子が居る時点で大体は察しました……それに此方は非常時に備え、相当な食料等を貯めていますから……ただワインとウイスキーの在庫は切れていますので日本酒とビールそして焼酎位しか出せませんので御了承を御願いします」

 

「なぬ!?あの『米のワイン』と言われている……あの『日本酒』を!?」

 

「ええ、もし足りなかったら『和菓子(日本のスイーツ)』も出しますよ……これが意外と日本酒に合うんですよ♪勿論、ハリーみたいな子供には『ジュース』と『紅茶』しか提供しませんので御安心を♪」

 

「「ッ!?」」

 

総司令官はダンブルドアの御願いを了承し、更に総司令官はダンブルドアが『大のスイーツ好き』だと分かっていたのか、其処(そこ)らにいる日本のサラリーマンみたいに酌で酒を飲む素振りを見せながらダンブルドアを煽る様に微笑みながら言うとダンブルドアは兎も角、幽々子までもが総司令官の発言に目を光らせ、ダンブルドアは自身の欲求を抑えるかの様に涎を拭き、少し興奮しながら総司令官に言った

 

「なら御願いします!!後、出来れば日本のスイーツ……『和菓子』を個人的に此処に持って来てくれぬか?」

 

「良いですよ、紫、後でMr.ダンブルドアに妖夢お手製の『イチゴ大福』を送ってくれねぇか?話が纏まったからな」

 

「りょーかい♪それで時間はどうするの?平行世界とは言え『時差』があるわよ……『時差ボケ』は避けられないわ……」

 

紫は日本とイギリスの時差による体内リズムの不調『時差ボケ』を懸念し、その事を総司令官に言うと、総司令官は時差ボケを無くす方法があるのか、笑みを崩さず、紫の肩に手をポンと置き、微笑みながら言った

 

そう、時差ボケを無くす方法は……

 

「……その為に『オマエの能力』が必要じゃないか」

 

「……『隙間で時差の境界を弄れ』って事ね……泣けるわ……分かったわよ」

 

……紫の能力で強制的に時差を無くす事だった

 

紫は総司令官の考えに物凄く面倒臭そうに答えると総司令官は講習会の準備に追われているのか、少し焦りながら言った

 

「決まりだな、それではMr.ダンブルドア、集合は1800……じゃなかった、午後6時に此処で御願いします……私は講習会の準備に追われているので失礼しますよ」

 

総司令官は隙間に入り、颯爽と図書室を後にするとダンブルドアは総司令官に少し申し訳無いのか、少し俯きながら呟いた

 

「……しかし『荒れくれ者みたいな外見』とは裏腹に、かなり出来た好青年だ……だが、彼に『あの事』を黙秘して良かったのかな……Ms.ヤクモ……」

 

「……ええ、これもポグワーツの食料難を救う為よ……彼には、その為に少し働いて貰うわ……それに『さっき』の仕返しも込めて……ね」

 

「……同情しますジョジョさん……何せ……ハァ……」

 

ダンブルドアそしてハリーは総司令官に『ある事』について黙っていた事による罪悪感が混み上がってきたのか、悪意丸出しの笑みを溢している紫と共に上機嫌になっている幽々子を見て、少し俯きながら呟いた

 

その罪悪感の原因である『黙秘していた内容』もとい総司令官の『誤算』とは……

 

「さぁ♪久々に食べるわよ♪鎮守府のトップである彼からの格言を貰った事だし♪『グリフィンドールの担当教師』として、お邪魔するわよ~♪」

 

「「……同情します、Mr.ジョジョ(ジョジョさん)……」」

 

「……せいぜい頑張りなさいよ、青二才が……」

 

ハリーが居るクラス『グリフィンドール』の『担当教師』がポグワーツを食料難に陥りさせた『元凶』である()()()本人だと言う事を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、場所は変わり 妖夢が所属している鎮守府本部の特設ドックにて

 

「……あらから見て回りましたが、何か御質問はありませんか?」

 

コンゴウは特設ドックを、ほぼ全てを見て回った妖夢達に微笑みながら言うと妖夢は鼻息を荒くし、興奮し、陸奥は特設ドックの質の高い設備に圧巻しながらコンゴウに言った

 

「質問?そんなのある訳がありませんか!!こんな設備が整ったドックが大本営以外にもあったなんて……」

 

「……私達の方の明石と夕張が意地でも此処に入りたがる訳が分かった気がするわ……私達のドックとは『月とすっぽん』と言い表せる位、レベルが違い過ぎる……後、何で……」

 

陸奥は特設ドックの質の高い設備に圧巻しつつも、壁に飾っている『ある物』を目をやり、頭を抱え、戸惑いながら言った

 

その『ある物』とは……

 

「……何で『総司令官』と『総副司令官』の『艤装』があるのよ……普通なら有り得ないわよ……人間が艦娘(私達)の艤装を使うなんて……」

 

そう『総司令官専用艤装』そして『総副司令官専用艤装』と書かれていたプレートの下に戦艦クラスの大きな艤装が2つ並べてあったのだ

 

陸奥は頭を抱えながらコンゴウに言うと、コンゴウは笑みを崩さず、落ち着いた口調で陸奥の質問に答えた

 

「あの二人は別格だからな……それに、このドックを設立した切欠はコレを整備する為に建てられたからな」

 

「……それにしては広すぎない?」

 

「……色々と実験を行うには狭すぎるからな」

 

「……だとしたら由香奈さんの船も?何せ『未来の軍艦』ですから特別防衛機密に指定されるんじゃ……」

 

妖夢はコンゴウの言葉を深読みをし、首を傾げながら聞くと、コンゴウは笑みを崩さず、優しく妖夢に言った

 

「いや、そんな大それた理由ではありませんし『艤装を外した状態のコレ(軍艦)自体』は特別防衛機密に指定されていませんよ、あくまで書類上『軍艦を模した()()()()()』ですから……それに停める場所が無かったから整備も兼ねて停めて貰っているだけです」

 

「意外と単純な理由ですね」

 

「『救難船』としてなら総理大臣や防衛大臣に所有を認可されても可笑しくないわね……本当に無茶をする総司令官ね……あら?此処は……」

 

「ん?『総司令官以外立ち入り禁止』と書かれていますね……由香奈さん、此処は?」

 

「ッ!?」

 

二人はコンゴウの船が特設ドックに置かれている理由(経緯)を知り、妖夢は少し拍子抜け、陸奥は納得しつつも『総司令官以外立ち入り禁止』と書かれていたプレートが飾ってある部屋を見つけ、コンゴウに言うと、コンゴウは先程までの優しい笑みから一転し、目を反らし、少し困惑しながら妖夢に言った

 

「……この部屋は艦長……いや『総司令官しか入れない部屋』だ……すまない」

 

「……由香奈さんですら入れない部屋なら仕方ありませんね……しかし大きいですね……大将の艤装は……これが例の機関銃『CIWS』ですか……重そう……」

 

妖夢はコンゴウの言葉を信用したのか、はたまた自身の感心が総司令官の艤装に向いているのか、我先に壁に飾ってある総司令官専用の艤装に近付き、まじまじと見つめていると陸奥はコンゴウの言葉を深読みをしたのか、妖夢に聞き取れ無い様に小声で質問した

 

「んで、あの部屋には何が入っているの?先程の貴女の素振りだと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だったけど?」

 

陸奥はジド目になりコンゴウに聞くとコンゴウは頭を抱えながら陸奥に言った

 

「……今回の『ぱったん作戦(第二次蒼霧護衛作戦)』が発令された切欠となった事件『蒼霧事変(そうむじへん)』の黒幕を閉じ込めている拷m……ゲフンゲフン!『治験室』だ……少尉にとって『悪影響の根元』いや『鎮守府(此処)アウトサイド(裏の顔)』みたいな部屋だ……私含め少尉達には実験内容に関しては触れない方が良いし、知らない方が良いからな」

 

コンゴウは妖夢に聞き取れ無い様に小声で簡潔に説明すると陸奥はコンゴウの言葉に恐怖による身震いをし、少し怯えながら答えた

 

「ッ!?そうね、これは妖夢だけではなく私達もアウトだわ……妖夢、もうそろそろ講習会が始まりそうだから行くわよ……」

 

「分かりました……由香奈さん、施設を案内して頂き、ありがとうございます」

 

「気にしないで下さい、これも私の仕事ですから……」

 

妖夢は少し怯えている陸奥を連れてコンゴウに一礼をし、講習会に遅れそうなのか、少し早足で特設ドックを後にした

 

そして、残されたコンゴウは……

 

 

ゾクッ……

 

「ッ!?……何か嫌な予感がするな……主に艦長が原因で……」

 

何か嫌な予感がしたのか、寒気を感じながらも特設ドックを後にした

 

まさか、コンゴウの予感が当たるとは……



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初めての勉強会そして鎮守府本部に訪問する part 6

番外編Part6です!
今回シークレットゲストが明かされているので知ってる人がいると思います!


妖夢が特設ドックを去ってから数分後 1740 鎮守府大型作戦室改め『特設講習場』にて

 

ワイワイ……

 

ガヤガヤ……

 

「うわぁ……凄い数ですね」

 

「そうね………ってか、明らかに『一般の外国の人達』も混ざっているわね……何で?」

 

妖夢は特設講習場に入り、妖夢は参加者の数に圧倒され、陸奥は『一般の外国の人達』もとい『グリフィンドールの生徒及び教師達』が参加している事に首を傾げながら呟くと一人の参加者が妖夢に気付いたのか、大声で妖夢を呼んだ

 

「ん?あれは……妖夢さーん!此方でーす!」

 

「……あ!?椛さん!椛さんも参加していたのですか?」

 

妖夢は自身を呼んだ参加者であり『第二前衛基地司令』でもあり『妖夢の同期』そして白狼天狗の女性『犬走(いぬばしり) (もみじ)』に呼ばれた事に反応し、微笑みながら近付き、嬉しそうに言うと、椛は妖夢の天使の様な笑みに釣られ微笑みながら言った

 

「はい、あの大将が直々に教えて貰えると聞いたので直ぐに駆け付けました!!」

 

「……それで提督さんは残りの業務を総副司令官に押し付けたッポイ」

 

椛は講習会が楽しみなのか鼻息を荒くしながら答えると、椛の秘書艦である夕立が呆れながら呟くと椛は慌てながら弁解した

 

「ッ!?それは言っては駄目ですよ夕立さん……それに誤解を招く言い方は止めて下さい!強引ではあるが総副司令官に『御願い』をして貰ったのですよ!」

 

「人はそれを『押し付け(職務放棄)』と言うッポイ!」

 

「〇ム兄さんみたいに言わない(ツッコまない)で下さい!」

 

椛は秘書艦(夕立)のツッコミに少し動揺しながらも慌てて訂正すると陸奥は二人のやり取りに苦笑しながらも椛の姿に疑問を抱いているのか、その部分を指差しながら言った

……と言うより伏せ字さん、いい加減マジで仕事して下さい(;´Д`) by総司令官側のうp主

「アハハハ……所で犬走少尉、少尉に付いている尻尾と犬耳って……本物?」

 

陸奥は椛の尻尾と犬耳について触れると、椛は然も当たり前の様に微笑みながら答えた

 

「はい、本物ですよ」

 

「そう言えば陸奥さんは知りませんでしたね……彼女、人間ではなく『白狼天狗(はくろうてんぐ)』……言わば『狼の天狗』ですよ……」

 

「……え?天狗って、ピノキオみたいに鼻の長い妖怪の事……よね?」

 

陸奥は妖夢の補足説明に自身が思っていた天狗とは、かけ離れた容姿をしている椛に内心、混乱しながらも何時もの落ち着いた表情を装いながら聞くと、妖夢は椛の代わりに陸奥の質問に簡潔に答えた

 

「はい、ですが陸奥さんが言っている『鼻の高い天狗』と言うのは『鼻高天狗(はなたかてんぐ)』と言い、基本的に『神クラスの天狗』の事を指しています……一例ではありますが愛宕山の『太郎坊様』や秋葉山の『三尺坊様』等が神クラスの天狗だと言われています……ニ番目に階級が高いのは椛さんみたいにケモノ属性が付いた人間に似た姿の天狗は狼や烏等『動物の名前が付いた天狗』です……そして一番下の階級の天狗は『釣天狗(つりてんぐ)』……まぁアイツラ(釣天狗)は基本的に釣りと嘘を吐く事しか能がない最弱の天狗ですから、あまり覚えなくても良いですよ」

 

「……つまり、天狗社会での犬走少尉は……サラリーマンで言う『中間管理職』あたり?」

 

「サラリーマンの事については分かりませんが、大体合ってます」

 

陸奥は妖夢の説明を現代社会(サラリーマン)に喩えながら纏め、妖夢は陸奥の結論に(あなが)ち間違っていないのか、陸奥の結論を肯定すると夕立は陸奥の『中間管理職』と言う言葉を聞き、更に自身にとって分かり易い内容で纏め、自信満々な表情で椛に言った

 

「成程ッポイ!分かり易く言うと天狗社会での提督さんの立場は女版『利〇川さん』ッポイ!」

 

「利根〇さんみたいに偉くは無いですが……まぁ概ね正解です」

 

「そう言う所だけは総司令官以上に造詣が深いわね貴女達は……」

 

陸奥は椛と妖夢の説明に苦笑していると、妖夢達の背後から『とある女性』が気の抜けた柔らかい声で妖夢達を呼んだ

 

「よ~む♪久し振りね~♪」

 

「な!?何故……貴女様が!?」

 

「嘘だろ……何故、此処に……」

 

妖夢と椛は二人を呼んだ女性を見て先程までの和気藹々な雰囲気を破壊するかの様に顔を引き釣り、狼狽えると陸奥と夕立は二人の知り合いであろう女性の事について妖夢達に聞いた

 

「ねぇ妖夢、この人……誰?」

 

「提督さんの知り合いッポイ?」

 

二人は妖夢達に聞くと、妖夢は完全に動揺しているのか、声を震わせながら二人に説明した

 

そう、この女性こそ……

 

「は……はい、この人は……『幻想郷(私達の故郷)の幹部』であり、私の雇い主の……『西行寺 幽々子』様です」

 

「「へ?妖夢(少尉)の……()()()ィ!?」」

 

……そう、この女性こそ妖夢の(あるじ)であり、現在ポグワーツの教師をしている女教師(暴食女)『西行寺 幽々子』本人だったのだ

 

陸奥と夕立は妖夢の説明に驚愕し、目をパチクリと瞬きをすると、幽々子は二人に御辞儀をし、柔らかい雰囲気を醸し出しながら自己紹介を始めた

 

「妖夢の雇い主と言うより『親代わり』みたいな立場だけど……まぁ良いわ、私が妖夢の主であり『ポグワーツ魔法魔術学校』内のクラス『グリフィンドールの担当教師』をしている『西行寺 幽々子』よ……妖夢が世話になっているわね……陸奥さん」

 

「ッ!?どうして私の名前を……」

 

「……ってか『ポグワーツ魔法魔術学校』に『グリフィンドール』って……どう聞いても『ハリポタシリーズ』の主人公が所属している『学校』ッポイ……」

 

陸奥は幽々子の発言に警戒し、夕立は幽々子の立場を聞いて自身の脳内の処理が追い付いていないのか混乱しながら幽々子に聞くと、幽々子は微笑みながら二人の質問に答えた

 

「正解よ夕立ちゃん、そして陸奥さん、貴女の事に関しては総司令官である彼から聞いていたのよ……それに私は彼の知人でもあり、彼が招き入れた()でもあのよ♪」

 

「え!?総司令官が!?こ……これは失礼しました!」

 

「ちょっと待って!!総司令官さんの知り合いッポイ!?総司令官さんって何者ッポイ!?」

 

陸奥は幽々子達が総司令官に招き入れた客だと知り慌てて敬礼をし、夕立は幽々子の説明に完全に混乱しているのか、慌てながら聞くと、幽々子は妖夢が所属している鎮守府……もとい総司令官の素性を明かした

 

そう、彼の素性そして妖夢が所属している鎮守府は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうねぇ……此処の肩書きでは『佐世保鎮守府総司令官』兼『特務軍医長』で階級は『海軍大将』そして『幻想郷(私達の故郷)』では幻想郷最強の霊媒師(シャーマン)一族『博麗(はくれい)一族』の裏一族『博霊(はくれい)一族』の長『上城(かみしろ) 勇人(はやと)』よ……ちなみに彼の一族の読み方は一緒だけど表一族は『容姿端麗(ようしたんれい)』の『(れい)』そして裏一族では『霊長類(れいちょうるい)』の『(れい)』を使われているから間違えない様にね」

 

「ッ!?此処の肩書きだけではなく……」

 

幻想郷(提督さんの所)でも、そんな肩書きを……」

 

そう、妖夢が所属している鎮守府は日本屈指の最重要鎮守府の一つ『佐世保鎮守府』に所属しており、佐世保鎮守府総司令官は、あの幻想郷最強の巫女『博麗(はくれい) 霊夢(れいむ)』の血縁者であり戦場では『戦場の狂龍』や『蒼白龍』そして『救済龍』と恐れられていた軍人()『上城 勇人』だったのだ

 

陸奥と夕立は幽々子の説明に驚きを隠せないのか、物凄く動揺し、狼狽えながら呟くと妖夢は幽々子の発言に頭を抱えながら幽々子に言った

 

「幽々子様、何故()()を言うのですか……」

 

「そうだ……これは大将……いえ勇人様が一番『御内密』にしたかった事をペラペラと……」

 

「御内密?犬走少尉……何故、総司令官が『この事』を隠すの?」

 

「全く以て意味が分からないッポイ……提督さん、教えてッポイ!」

 

「椛さん!!余計な事を……」

 

「ッ!?」

 

陸奥と夕立は椛が言っていた『御内密』……総司令官が黙っていた内容について触れると椛は「しまった!?」と言わんばかりに動揺すると、背後から総司令官側の加賀が現れ、話を少し聞いていたのか、椛を問い詰める二人を窘めながら言った

 

「……何をしているの?もうそろそろ講習会が始まるわよ……先程の会話を聞いていたが、提督にだって私達に()()()()()()()だってあるわ……()()()については貴女達だって、そうでしょ?例えば……()()とか……ね?陸奥さん?」

 

「ウグッ!?そ……それは……その……そう言われると……その……姉が……なんで『その事』を、このムッツリ空母が知っているのよ……」

 

「それでも納得出来ないッポイ!!加賀さん!それに夕立は魂魄少尉の陸奥さんみたいに隠し事なんか無いッポイ!!」

 

「ッ!?わ……私はか……隠し事なんか……ってか、潔いわね貴女……」

 

「だって無い物は無いッポイ!さぁ加賀さん!知っている事『全て』を夕立達に教えてッポイ!!」

 

総司令官の加賀は陸奥が妖夢に隠している内容である『盗撮した妖夢の寝顔等の写真』について完全に把握しているのか、その事を示唆するかの様に遠回しに言うと、陸奥は総司令官側の加賀の発言に先程までの威勢を打ち消すかの様に目を反らし、言葉を濁し、夕立は自身に隠し事が無いのか、先程以上に強く問い詰めると総司令官側の加賀は夕立に近付き、耳元で夕立に呟いた

 

「……言葉を変えましょう………これ以上、追求しない方が()()()()……これが()()()()()よ……それとも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?夕立さん?」

 

ゾクッ………

 

「ッ!?わ……分かりましたッポイ……これ以上は聞かないッポイ……」

 

「なら、よろしい」

 

「「ホッ……夕立さんに何を言ったか分かりませんが、ありがとうございます加賀さん、事情を察してくれて……」」

 

夕立は総司令官側の加賀に『警告』もとい『脅迫』に怯え、総司令官側の加賀との練度の差が圧倒的に大き過ぎるのか、加賀に自身の敗けを認めたかの様に顔面蒼白になり足元を震わせながら黙って席に座ると、椛と妖夢は安堵しながら総司令官側の加賀に礼を言うと総司令官側の加賀は何時もの凛とした落ち着いた雰囲気を醸し出しながら妖夢、椛そして幽々子に言った

 

「気にしないで下さい、提督にだって人に触れたくない事だってあります……後、西行寺さん……でしたっけ?貴女は提督の……いえ、仮初めとはいえ『夫』の『ナイーブな所(触れたくない事)』を貴女の様な『教師とは思えない()()()()()()()をした女性』が土足で踏み上がる様な不謹慎極まり無い真似は止めて頂きたい」

 

「ッ!?……あら?私が何時、不謹慎な真似を?『焼鳥製造機』さん?」

 

「ッ!?」

 

総司令官側の加賀は先程の幽々子の発言に相当頭に来ているのか、妖夢の為に言葉を濁らせているが相当毒の入った喩えを使って幽々子を注意をすると、幽々子もまた毒の入った加賀の発言に頭に来たのか、軍艦時代の加賀の『不名誉な通り名』である『焼鳥製造機』という言葉と余裕のある笑みを溢し、罵りながら聞くと、加賀は幽々子の余裕綽々な表情そして自身の不名誉な通り名である『焼鳥製造機』と言われ、幽々子に近付き、二人の豊満な胸が御互いの豊満な胸に当たると加賀は幽々子の前に立ち止まり、何時ものポーカーフェイスでは無く、珍しく激怒した表情になり、幽々子を睨み付け、相当怒りが含んだドスの効いた低い声で幽々子に言った

 

「……頭に来ました、今すぐポグワーツに帰って!貴女みたいな『はしたない女』は此処に居るべきでは無いわ!!」

 

加賀は幽々子に睨み付けながら怒鳴ると、幽々子もまた加賀の発言に頭に来たのか、加賀と同じように睨み付け、加賀を見下す様に言い返した

 

「あら?あらあら……私は、この生徒達と同じように彼に招き入れられた客よ、貴女の権限で退出する事は出来ないわ……それに貴女、何様?」

 

「勇人さんの『秘書』であり『妻』よ『パチもん教師さん』?……まどろっこしいわね……C'mon slut!(来なさい!)Kill you buster!!(此処でケリを着けてやるわ!!)

 

「……Sure!!(上等!!)C'mon bitch!!(掛かってきなさい地雷女!!)Kiss my ass!!(口達者では無かったらね!!)

 

バチバチバチ………

 

二人は互いにを睨み付け、妖夢に悪影響を及ばさない様に『汚い言葉』を英語で……しかも『放送禁止用語を用いた相手を罵った汚い英語』で挑発し、今にも二人か暴れそうな一触即発な状態になっていると、妖夢と椛は二人の豊満な胸を退かす様に二人を引き離し、妖夢は幽々子を椛は加賀を抑えながら説得し始めた

 

「ちょ!?幽々子様……落ち着いて下さい!ってか、そもそも幽々子様が悪いんですよ!!加賀さんに謝って下さい!!」

 

「加賀さんも落ち着いて下さい!!此処で喧嘩したら講習会ところでは無くなります!!」

 

「「退いて二人共、この女には痛い目を遇わせないと気がすまないわ!!」」

 

「「だから戦っちゃ駄目です!!」」

 

ワーワー!!

 

「ひ……ひえぇぇぇぇ………こんな目に遇うのなら不参加にすれば良かったぁぁぁ……しかも、よりによって総司令官の専属秘書艦である『一航戦』の『物凄くヤバい方』が補助要員として参加してんのよ!!タイミング悪すぎるわ!!」

 

「同感ッポイィィィ………」

 

「「「It's over(もう駄目だぁ)……That test murdered(御仕舞いだぁ)……Please help us(誰か助けてぇ~)……」」」

 

陸奥、夕立そしてグリフィンドールの生徒達は幽々子と加賀の殺気込めた一触即発な状態に怯え、全員が机の下に隠れながら怯えていると講習場の騒ぎを聞き付けたのか、出入口から『今回の講習会の各責任者』である四人が鬼気迫る勢いで入って行き、その責任者の1人である若い男性が幽々子と加賀を怒鳴り散らした

 

そう、その『若い男性』こそ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「幽々子ォ!!加賀ァ!!テメェラ何喧嘩してんだ!!せっかくの講習会をオシャカにするつもりか?アァ?」

 

「ッ!?て………提督……」

 

「は……勇人……」

 

「事の経緯はなんだ二人共?」

 

そう、今回の講習会の教官であり妖夢と椛の直属の上官そして佐世保鎮守府の『総司令官(ボス)』である『上城 勇人』が二人の仲裁に入るかの様にチンピラ染みた口調で怒鳴り込んだのだ

 

二人は総司令官の登場に一瞬、冷静になったが子供の喧嘩の言い訳みたいに総司令官に訴え始めた

 

「勇人!聞いて!この焼鳥女が私に『帰れ』と言ったのよ!」

 

「それは貴女が提督の『隠し事』を面白可笑(おもしろおか)しく罵ったからよ!!」

 

「罵ってないわよ!!それに事実よ!!」

 

「それでも空気を読みなさい!カービ〇女が!!」

 

「うるさいわよ!!焼鳥女!!」

 

ワーワー!

 

ギャーギャー!

 

「……オイ、テメェラ……」

 

「何よ?」

 

「何ですか?」

 

総司令官は再び幽々子と加賀が口喧嘩を始めた事に蓄積されていた苛つきが限界に来たのか、二人の口喧嘩を止めるかの様に睨み付け、ドスの効いた低い声で二人に言った

 

「……これ以上、騒ぐと………()()()、幽々子……俺が()()になったら、()()()()()()()()()()?それに加賀、いくら客人(幽々子)が原因とは言え、此処で醜態を晒すんじゃねぇ」

 

「「し……しかし……あの焼鳥女(カービ〇女)が……」」

 

総司令官は遠回しではあるが、二人が互いを謝罪させる様に命令すると二人は頭を下げる事を嫌がっているのか、総司令官の命令を拒絶するかの様に狼狽えながら反論するが、総司令官は二人の反論を強引に捩じ伏せるかの如く強く、そして更にドスの効いた低い声で二人に言った

 

「……文句あるんか?」

 

ギロッ!

 

「ッ!?分かりました提督……西行寺さん、先程の御無礼……すみませんでした」

 

「わ……分かったわ勇人、加賀さん、私も悪かったわ……これで良いでしょ?」

 

「……これで良し、すまない……こんな事で醜態を晒してしまって……」

 

「「よ……良かった……勇人さん()が来てくれて……」」

 

「「「た……助かった……」」」

 

二人は総司令官の殺気が入った睨みに怖じ気づき、身体を震わせながら謝罪をし、総司令官は幽々子と加賀以外の参加者全員に頭を下げると総司令官と同じく騒ぎを聞き付けたダンブルドアと紫そして総司令官の母親である艦娘『敷島型戦艦四番艦 三笠』であり、全ての艦娘達の教官こと『朱里』が二人の喧嘩が収まった事に参加者全員と共に安堵し、三人を代表としてダンブルドアが総司令官に優しく言った

 

「気にしないで下さい、元々はユユコが貴方の部下である……えーっと……Mrs.ジョジョ……でしたっけ?貴女を怒らせる真似をしたせいなので……」

 

「ミセスって……まぁ『ある意味』間違っては無いのですが……」

 

「ッ!?ジョジョ!?それに『ミセス(夫人)』!?あ……あの……出来れば『加賀』と言って下さいダンブルドアさん……ミセスと呼ばれて嬉しいが流石にジョジョは恥ずかしいです……」

 

加賀はダンブルドアの発言に茹で蛸みたいに顔を赤面し、狼狽えながら訂正を入れると、ダンブルドアもまた少し困った表情になりながら加賀に言った

 

「すまない……私達『イギリス人』……いや此処では『外国人』である私達が日本人みたいに母音が続く言葉を発するのに時間が掛かるんだ……まぁユユコの場合は昔から付き合いがあったから言えたが……」

 

「だから俺の名字もMr.ダンブルドアやハリーみたいに『日本人のファミリーネーム(名字)』に慣れていなかったから、ガキの時の渾名である『ジョジョ』にしたんだよ」

 

「そう言う事でしたか……なら『夫人(ミセス)』で結構ですよダンブルドアさん」

 

「そう言って貰えると助かる……」

 

加賀はダンブルドアと総司令官の説明に手をポンと打ち、納得すると妖夢は『ある違和感』を感じ取ったのか、首を傾げながら言った

 

「ちょ……ちょっと待って下さい、私達『日本語』で喋っているのに何故、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?先程まで英語で喋っていたのに……」

 

「……あ!?そう言えば……あの……ダンブルドアさん、何故、グリフィンドールの皆さんがいきなり、日本語が堪能になったのですか?」

 

妖夢は自身の違和感である『ダンブルドアを含むグリフィンドールの生徒及び教師全員が突如、日本語を喋りだした事』を後から気付いた陸奥と共にダンブルドアに聞くと、ダンブルドアは微笑みながら答えた

 

「私を誰だと思っているのだ?この位なら『魔法』で弄ったぞ……では試しに……『ウィンガーディアム レビオーサ』!」

 

「ッ!?」

 

「「「「ッ!?す……凄い……これが……ってか、よく『貧乏籖』を引きますね……貴方は……」」」」

 

ダンブルドアは微笑みながら妖夢達に『模範実技(デモンストレーション)』をする為に懐から杖を取り出し、呪文を唱えると、杖から光の球が現れ、それを『とある人』に向けて飛ばし、宙に浮かせると妖夢達はダンブルドアの『模範実技(デモンストレーション)』に驚いていると、その『宙に浮かされた被害者』は焦りながらダンブルドアに怒鳴った

 

その『ある人(被害者)』とは……

 

 

 

 

 

 

「ちょ!?Mr.ダンブルドア!!これは打ち合わせに無かったぞ!!ってか降ろせ!!もう『貧乏籖』を引くのはコリゴリだ!!」

 

「「……こういう『貧乏籖』を引いてしまうのは昔からですね……勇人(さん)……」」

 

「見てないで助けろ!!」

 

……そう、総司令官がダンブルドアの『模範実技(デモンストレーション)』の餌食(実験台)になっていたのだ

 

総司令官は打ち合わせに無かったのか、魔法による『模範実技(デモンストレーション)』に動揺し、慌てているとダンブルドアは微笑みながら杖を操作しながら言った

 

「大丈夫だ♪そのまま教壇に……ホレ♪」

 

スッ……

 

「ちょ!?いきなり魔法を解除するなぁ!!」

 

ダンブルドアは総司令官を教壇の真上に移動させ、そのまま魔法を解除すると、総司令官は魔法を解除された事により重力に従うかの様に、そのまま教壇に向けて落下し……

 

 

ドスン!!

 

 

「……あっぶねぇ……Mr.ダンブルドア、これを行うのでしたら事前に教えて下さい、()()()()()でしたら()()()()()()()()()()()()()()()……」

 

「「「「……デスヨネー」」」」

 

「……すまない、年甲斐もなく……」

 

……そのまま何事も無かったかの様に教壇に着地し、ダンブルドアに注意をしたのだ

 

ダンブルドアは流石に総司令官の注意に反省したのか、恥ずかしそうに言うと、総司令官は先程までの和気藹々な空気を打ち消すかの様に咳払いをし、受講者全員に言った

 

そう、この発言が……

 

「ゴホン!では……少し遅れたが、今から講習会を開講する……」

 

……講習会の始まりであった



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初めての勉強会そして鎮守府本部に訪問する part 7

講習会が開講した頃 鎮守府本部 総司令官室もとい『本部専用執務室』にて

 

「あー!!もう!!妖夢ちゃんのは兎も角、何で私が椛ちゃんの仕事をしなくちゃいけないの!!私だって参加したいわよ!!」

 

本部専用執務室には『下ネタを言う某Vチューバー(ミライア〇リ)』を黒髪にした容姿の若い女性が物凄く苛つき、愚痴を溢し、駄々を捏ねながら妖夢と椛の仕事をこなしていると彼女の秘書艦であろう伊勢と日向もまた書類仕事(デスクワーク)に追われながらも女性を窘めながら言った

 

「仕方無いじゃん、これも提督の命令だから……」

 

「それに『副提督』も人の事が言えないぞ、私達も他人(ヒト)の事が言えないが、いつも提督に任せっきりだからな……それに副提督は大尉に昇格したんだ、何時までも提督に任せっきりては『総副司令官』の威厳が泣くぞ」

 

伊勢型の二人は自身の上官(相棒)であり、佐世保鎮守府総副司令官の『桜花(さくらばな) 優花(ゆうか)(以後 総副司令官)』に辛辣な言葉で窘めると総副司令官は二人の言葉に心当たりがあるのか、目を反らし、しどろもどろになりながら答えた

 

「ウグッ!?そう……言われると……その……泣けるわ……マジで……」

 

「……提督の口癖を溢す暇があるのなら、手を動かして……書類が山の様にあるんだから……」

 

伊勢は総副司令官の机と足元に置かれている大量の書類を指差しながら言うと、総副司令官は自身の秘書艦である二人に助けを求めるかの様に嘆いた

 

「だからって、この量を私独りで、尚且つ1日で終わらすのは無理ゲーよ!!勇人君じゃあるまいし!!だから手伝って二人共!!」

 

「……仕方無いわね……日向、優花さんを補佐して……残りは私がやっておくから」

 

「……ああ」

 

二人は総副司令官の助けに応じ、少々呆れながら総副司令官の仕事を手伝い始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり 大型講習場にて

 

「これより、今回の講習内容である『陣形』及び『海軍用語』について説明を行う……まぁグリフィンドールの生徒達にとっては、あまり活用しないかも知れないが、聞いてくれ」

 

「「「はい!宜しくお願いします!」」」

 

「お!?元気過ぎるな……んじゃ、まずは陣形だが……加賀、画像を頼む」

 

「分かりました」

 

総司令官は陽気な笑みを溢し、今回の講習内容を伝え、参加者全員が元気よく返事をすると、総司令官は元気過ぎる参加者全員に少し驚いたが、笑みを崩さず、そのまま部屋を消灯し、加賀に指示を出すと、加賀はパソコンを弄り、パソコンに写っている画像を投影機(プロジェクター)を通して妖夢達に映画を見せる様に投影された画像を見せながら説明した

 

「……これは普段、私達『日本海軍』が使う主な陣形である『単縦陣』『複縦陣』『輪形陣』『梯形陣』『単横陣』そして『警戒陣』の6つです、魂魄少尉と犬走少尉にとっては、お馴染みの陣形ですが……」

 

「そうですね」

 

「私達にとって、馴染みのある陣形ですね」

 

妖夢と椛は加賀の言葉に同意するかの様に頭を縦に振ると、総司令官は加賀が言っていた陣形について、深く説明をし始めた

 

「そう、この6つの陣形は、それぞれ海戦やポグワーツのスポーツ『クイディッチ』において色んなメリットとデメリットがあるんだ……まずは海戦についてのメリットは出撃編成や任務によって『単縦陣』『複縦陣』そして『単横陣』で最も発揮する砲撃や雷撃等『攻撃に特化した艦娘が遺憾無く発揮出来易い陣形』にさせたり、『輪形陣』『梯形陣』そして『警戒陣』の主とした要である『装甲や速度に特化した艦娘が敵を欺く事』や『防御に徹する事が出来る陣形』に変える事が出来るんだ……そしてデメリットは『敵の編成や陣形に対しての対応に追い付かない事』だ……クイディッチに関しては予めMr.ダンブルドアと共に映像を客観的に見た限りでの話だが、メリットは常に守りを重点的に置き、敵を欺く事が出来る体制になり、旗艦(リーダー)の命令一つで『敵の編成に合わせて柔軟に対応が出来る事』だ、そしてデメリットは団体で守りに徹している為『敵にマークされ易い事』だ……逆に言えば、旗艦(リーダー)を隠す様に陣形を取れば旗艦(リーダー)以外のメンバーを『囮』にする事で()()()()、忍者みたいに()()()()()()()()()()()……という訳だ」

 

「陣形だけでも……こんなに……」

 

「ニンジャか……これはクイディッチに使えそうかも……しかも『ニンジャ』という響き……なんか格好いいな……ハリーも、そう思わない?」

 

「そうだねロン」

 

「成程、デメリットとメリットを組み合わせば……こういう戦法が出来上がるのか……物は使い様じゃな……流石、Mr.ジョジョ……貴方らしい合理的な戦略じゃ……是非とも彼を我がポグワーツの教師としてスカウトしたいもんじゃな……」

 

総司令官と加賀の説明にハリー達は基本的な陣形の多さ、そしてクイディッチの常識(セオリー)を完全に無視した戦法に度肝を抜かれたり、総司令官の『忍者に喩えた説明』や『日本海軍の陣形を模した戦法』による『メリット』と『デメリット』を敢えて使った戦法に感心していると、一人の金髪の少女が手を上げ、総司令官と加賀に質問を投げ掛けた

 

「はい、ジョジョ先生にミセス……質問をしても?」

 

「許可します………えーっと……ごめんなさい、お名前は?」

 

「加賀、彼女は『ハーマオニー グレンジャー』だ……グリフィンドールの生徒でハリー達の友人……で合っているか?」

 

加賀は金髪の少女『ハーマオニー』の名前が分からなかったのか、すぐに謝罪し、総司令官はハーマオニーに優しく聞くと、彼女は「はい、そうです」と微笑みながら肯定し、先程、総司令官が説明した海戦での内容について質問を投げ掛けた

 

「先程、先生が言っていた『敵の編成等による対応に追い付かない』と言っておりましたが、それはどういう意味ですか?」

 

ハーマオニーは自身の疑問点である『敵の対応に追い付かない事』について首を傾げながら聞くと、総司令官は先程まで笑みが消え、神妙な表情になりつつもハーマオニーにも分かりやすく説明した

 

「敵も己の戦法を相手(俺達)に明かす事により殺されたくないから隠すんだ……これはクイディッチみたいに『ゲーム(遊び)』ではなく『(勝利)』か『(敗北)』しか無い『本当の戦場(殺し合い)』だ……敵も俺達も『全滅(皆殺し)』だけは避けたいから必死に相手の情報を得ようとスパイを使ったりして情報を得ようとするんだ……更に追加で言うが海戦でのデメリットである『敵の編成等による対応に追い付かない事』は俺達だけでは無く、()()()()()()()()()()()()()()()()()になるんだ、まぁ簡潔に言うと、お互い『イカサマ(諜報活動)をしながら命を掛けたギャンブル(ジャンケン)』をしている様なモンだ……その『情報の重要性』については『ばったん作戦(第二次蒼霧護衛作戦)』を指揮していた妖夢が一番良く知っているだろ?」

 

総司令官はハーマオニーの質問に分かりやすく、そして戦場の現実(リアル)を織り交ぜた説明をし、妖夢に言うと、妖夢は『ばったん作戦』の事を思い出し、簡潔ではあるが『情報の重要性』についてハーマオニーに説明した

 

「はい、あれは『佐世保鎮守府の要』である総司令官が別任務で不在になった情報を深海棲艦……言わば『私達の敵』が聞き付け、攻めてきた事ですね……確か、あの時は政府に『裏切り者』いえ『敵の諜報員(スパイ)』が情報を流したせいで起きたんですよね……」

 

「正解だ妖夢……ハーマオニー、本当(リアル)の戦場では小さな情報の一つでも漏洩するだけで敵は『相手の手の内を知り』更に『有利に進められる可能性』俺達からすれば『不利な状況に陥ってしまう可能性』があるから、俺達も敵も編成や作戦を秘密にしておく事で自身の『生存率』を上げるんだ、そして生存率を上げると同時に御互いのデメリットである『対応に追い付かない事』言わば『お互い相手の手の内が分からない状態』なる……という訳だ……分かったかな?」

 

「……分かりました」

 

ハーマオニーは二人の『戦場の現実(リアル)』を知り、少しショックだったのか、先程までの笑みが消え、俯きながら席に座ると総司令官はポグワーツの参加者全員が戦場の現実を知り、俯き、その俯きが伝染したかの様に暗い雰囲気になっている講習会を明るくする為に、暗く重い雰囲気を吹き飛ばすかの様に軽く微笑み、次の説明である『海軍用語』について面白可笑しく説明を始めた

 

「あははは……ポグワーツの連中にとって『刺激が強すぎる内容(はなし)』だったか……さて!次は『海軍用語』についての説明だ!これに関しては『海軍の面白い隠語(ことば)』も混ざっているから『話のネタ』や『クイディッチの暗号』にも使えるから参考にしてくれ!では加賀、リストを……」

 

「分かりました……えーっと……確か、このフォルダーだったかしら……」

 

カチッカチッ……

 

「「「ッ!?」」」

 

「……しまった!?間違えたわ

 

「ん?どうしたんだ?そんなに驚いた表情(かお)になって?」

 

加賀は総司令官の命令でパソコンを弄り、フォルダーを探すが、どのフォルダーに入れたのか度忘れをしたのか、少し悩みながら適当にフォルダーを開くと、モニターを背にしている総司令官以外全員がモニターに写されている画像に驚き、皆を代表として幽々子が今現在モニターに写されている画像について呆れながら言った

 

「勇人、モニターを見て……」

 

「へ?モニターを……な!?」

 

総司令官は幽々子の言葉を聞き、モニターを見ると先程までの陽気な笑みが消え、少し怒りを露にしながら『写されている画像』について加賀に怒鳴った

 

その『写されている画像』とは……

 

「オイ、何でテメェのパソコンに『妖夢と椛の寝顔』や『筋トレ中の俺』の写真が大量にあるんだ?白状しろ加賀!」

 

「す……すみませんでした!!じ……実は鎮守府の各前衛基地に所属している青葉さん達に御願いして貰いました……」

 

「「恥ずかしいので今すぐ消して下さい!!加賀さん!!」」

 

「……出来ません」

 

「……まさか貴女も姉さんと同じく『定期購入者』だったとは……同情するわ総司令官……」

 

「……スマン、ウチの馬鹿が……加賀、後で『御話し』だ」

 

……そう『モニターに写されている画像』は佐世保鎮守府に所属している全ての前衛基地の青葉が盗撮した『健全な方でリアルな日常を過ごしている妖夢達の姿』だったのだ

 

陸奥は先程の加賀の言葉を思い出し、呆れ返り、妖夢と椛は顔を赤面しながら加賀に強く言うが加賀は開き直ったのか、何時ものポーカーフェイスで答えるとグリフィンドールの女生徒及び幽々子を除いた女教師全員そしてダンブルドアが盗撮された画像を見て興奮しながら言った

 

「「「キャー♡妖夢と椛さんの寝顔かわいい!!それにジョジョさんのワイルドな顔付きに似合ったセクシーな『筋骨粒々な肉体(マッスルボディ)』や『背中のドラゴンの和掘(タトゥー)』も素敵♡これは捗りますわ~♡ミセス!!その写真を私達に下さい!!記念にしたいので!!」」」

 

「「「本当に天使の様な寝顔だわ~♡此方まで癒されるわ~♡それに随分、ワイルドでエロs……ゲフンゲフン!逞しい肉体を持っていますわねMr.ジョジョ♡それを消すなんて勿体無いわ!!これは福眼だわ♡ミセス、後で御花を摘みに行く時に貰えないかしら?」」」

 

「ウホッ!良い肉体(からだ)……」

 

グリフィンドールの女生徒及び幽々子以外の女教師全員そして何故かダンブルドアまでもが佐世保鎮守府に所属している全部隊の青葉が仕入れた盗撮写真を見て黄色い声を上げたり、鼻血を出したり、挙げ句の果てには、この健全な小説では表現出来ない所業を行おうとする()がいる事に紫と総司令官の母である朱里が頭を抱え、総司令官と妖夢、椛と共に……

 

「「泣けますね……総司令官」」

 

「「……相当、餓えているわね……みんな……」」

 

「……妖夢と椛に台詞を奪われたが……泣けるぜ……」

 

……と混沌(カオス)と化した講習会に困り果てたのは言うまでも無かった



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初めての勉強会そして鎮守府本部に訪問する part last

いただいた小説の投稿、完了です!
私もそろそろ次話を書き上げないと…


盗撮事案が発覚してから数分後 渡り廊下にて

 

「……オイ青葉……何故、隠し撮りなんかしたんや!しかも加賀!お前まで何してんだ!!」

 

「そうですよ!!物凄く恥ずかしかったんですよ!!」

 

「訳を話して下さい!」

 

総司令官、妖夢そして椛は一旦、講習会を中止し、渡り廊下で正座している各前衛基地に所属している『全ての()()』と『加賀』に怒鳴り付けると、主犯であろう『妖夢の方の青葉』が総司令官の般若顔に臆しながら答えた

 

「ヒィッ!?そ……それは……みんなが……『癒し』を求めたかったからです……」

 

「癒し?金銭目的じゃねぇのか?」

 

総司令官は妖青葉の言葉にドスの効いた低い声で聞くと『椛の方の青葉(以後 椛青葉)』は青葉同様、恐怖に震えながら答えた

 

「はい……元々は魂魄少尉の青葉がブラック鎮守府によって精神的に病んでいる艦娘達を癒す為に無許可で撮影した事が切欠でした……だが……」

 

「……私含め、他の連中(艦娘達)が『その事』を耳に入り、癒しを求めたい為に盗撮写真を買い付けました……ちなみに提督と魂魄少尉と犬走少尉の写真は赤城さんと副提督を通して『魂魄少尉の青葉さん』に御願いしました」

 

「はぁ……泣けるぜ……ってか優花は兎も角、アイツまで……」

 

「「「………」」」

 

総司令官は椛青葉と加賀の説明に呆れながら呟き、トリプル青葉は反省したのか俯きながら黙り混み、妖夢は自身の部下(青葉)が他の艦娘達を癒す為とは言え、悪事に手を染め、総司令官達に迷惑を掛けた事による罪悪感なのか、俯きながら総司令官に頭を下げながら言った

 

「……そういう事だったのですね……勇人さんに椛さん、私の青葉さんのせいで鎮守府の風紀を乱してしまってスミマセンでした……」

 

「「「「本当にスミマセンでした!!」」」」

 

妖夢とトリプル青葉そして加賀は総司令官と椛に頭を下げると椛は溜め息を吐き、総司令官は神妙な表情になりながらトリプル青葉の処罰を下った

 

「……今回の事案についての処罰は……()()()()()()()()()()()()()()()()……今回は金銭目的ではなく、癒し(治療)を目的に盗撮を行ったんだろ……なら、そこまで厳しくしねぇよ……それに加賀に青葉、後で盗撮写真を消せ……他の艦娘達に示しが着かん」

 

「……まぁ妥当ですね、次からは許可を得てから撮影して下さいね」

 

「「「はい!ありがとうございます!!」」」

 

二人はトリプル青葉に『甘過ぎる処罰』を下すとトリプル青葉は安堵したのか、少し涙目になりながら二人の処罰を甘んじて受けると妖夢は二人が下した処罰に納得してないのか、首を傾げながら総司令官に聞いた

 

「う~ん……こんな甘過ぎる処罰で良いのですか?」

 

「良いんだよ、金銭目的では無かったからな……まぁ次は無ぇからな……なぁ青葉に加賀?」

 

総司令官は妖夢の質問に微笑みながら答え、『自身の方の青葉(以後 総青葉)』と加賀を睨み付けると総青葉は慌て、加賀は総司令官の実力を身を持って知っているのか、身震いをしながら答えた

 

「わ……分かってますよ司令!!青葉も……いや青葉達も充分、反省してますって!!」

 

「ッ!?わ……分かってます……」

 

「加賀は兎も角、本当に分かっているのか青葉?………んじゃ、そろそろ再開するから席に戻れ……分かったか?」

 

「「「「はい……」」」」

 

総司令官は二人の……特に総青葉の言葉に若干の不信感を募らせながらも妖夢達を講習場に戻らせる様に命令すると、妖夢達は総司令官の言葉に安堵しつつも、命令に従い、講習場に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数分後 講習場にて……

 

「……すまない、待たせてしまって……では講習会を再開するぞ」

 

「「「はい!」」」

 

「では、専門用語のリストを出すから少し待っててくれよ……うわぁ……凄い量の盗撮写真だな、ついでに消しておくか……」

 

総司令官は先程までの不信感を募らせながらも会場で待機している参加者全員に謝罪しつつ、加賀のパソコンを弄り、投影機に反映させた画像をスクリーンに出し、参加者全員に見せながら説明した

 

「……これが日本海軍が日常的に使われている用語と隠語だ、例えば……海軍の隠語で『オヤジ』と言う意味は『艦長』や『提督』等の組織の頂点に立つ人を指しているんだ……それじゃ『ロン』、俺が今から君が言った内容を海軍用語と隠語を交えながら翻訳するから適当に言ってみな」

 

総司令官は赤毛の少年『ロン・ウィーズリー』を指名すると、ロンは総司令官に指名された事に恥ずかしいのか、しどろもどろになりながら言った

 

「え!?わ……分かりました……それじゃ……『ハーマオニーがハリーと結婚した』……で良いですかね?」

 

「ッ!?ロン!!貴方、何言っているの!!」

 

「「「プッ!アハハハハ!!流石ロン、こういう洒落の効いた事を言えるな……」」」

 

「笑わないで!!」

 

ロンが即興で考えた言葉を総司令官に言うとハーマオニーはロンの言葉に激怒し、ハリーを含むポグワーツの参加者全員が腹を抱えながら笑うと、総司令官はハーマオニーに同情するかの様に苦笑しつつも、ロンの言葉を海軍用語と隠語を交えた言葉に翻訳し、ロン達に言った

 

「アハハ……それじゃ……『ハーマオニーがハリーと()()()()』……と言う言葉になるな」

 

「マリった?それの語源とは?」

 

妖夢は総司令官が発言した『マリった』という言葉について聞くと、総司令官は微笑みながら説明した

 

「『マリる』とは英語で『Marriage(結婚する)』を日本語風に変えた……言わば『和製英語』みたいな物だ……この様に海軍用語や隠語は英語の一部を日本語風に変え、それを常日頃から使われているんだ……ではMr.ダンブルドア、貴方からも何か御願いします」

 

総司令官は妖夢に分かり易く説明をし、ダンブルドアを指名すると、ダンブルドアは「ふむ……」と立派に蓄えた顎髭を撫でながら思考を巡らせ、考えが纏まったのか、咳払いをしながら言った

 

「ゴホン、では……『Mr.ジョジョは常日頃から女性や婦人達の逢い引きの誘いを受け、困っている』……で良いのですか?」

 

「「「ッ!?」」」

 

「ッ!?み……Mr.ダンブルドア……それは……その……分かりました……では……」

 

総司令官はダンブルドアの言葉に先程の盗撮事案が発覚した時の参加者全員の反応を思い出したのか、少し狼狽えながらもダンブルドアの言葉を海軍用語を交えながら翻訳した

 

「……『Mr.ジョジョは常日頃から()()()だ』……という意味です」

 

「MMK……あ!?そういう事でしたか……勇人様、同情します」

 

椛は総司令官が訳した『MMK』の語源を察し、同情したかの様に苦笑すると、妖夢は首を傾げながら椛に聞いた

 

「椛さん、その……『MMK』って言うのは?」

 

「『MMK』というのは……『モテて(Motete) モテて(Motete) 困る(Komaru)』という言葉の頭文字をくっつけた隠語ですよ」

 

「うわぁ……単純過ぎますね……」

 

「どこのギャル語かって!?ってか、こんな『巫山戯(ふざけ)た言葉』本当にあるの!?」

 

妖夢と陸奥は椛の説明を聞き、妖夢は呆れ、陸奥は総司令官自身がジョークを言っているのかと思い、一喝(ツッコミ)を入れる様に質問すると総司令官は苦笑しながら陸奥の質問に答えた

 

「……残念ながら本当だ、それ以外にも『母』や『妻』という意味である『かかあ(KAkaa)』という言葉の頭文字を取った隠語『KA』やら『参諜長』の事を『サチ』と呼んだりと……変な所で略した言葉が多いのも隠語の特徴だ……分かったか?」

 

「……何か納得出来ないわね、海軍の隠語が一昔前のギャル語みたいな言葉ばかりで……」

 

「仕方ねぇだろ、事実だからな」

 

陸奥は総司令官の説明に理解はしたものの、隠語の語源が『あまりにも巫山戯(ふざけ)過ぎている語源』だった事に納得していないのか、溜め息を吐きながら愚痴を溢すと、夕立は先程の総司令官の説明を真面目に聞いていたのか「フムフム……」と頷きながら総司令官に質問をした

 

「成程ッポイ、だから総司令官さんは隠語を使い、男性隊員に『ヘル談』や『()を呼んで()()()』を控えさせたり『ヘルブック』を隠す様に命令したりして魂魄少尉に悪影響を及ぼす物を隠していた……という事ッポイ?」

 

「『ヘル談』?『ヘルブック』?それに『()を呼んで()()()』?何の事ですか?」

 

「あ!?成程……妖夢、これは聞かない方が良いわよ……ってか聞かないで!!」

 

「ッ!?夕立!?お前、その『隠語の意味』を知っているのか!?」

 

妖夢は夕立が発言した言葉に首を傾げながら聞き、陸奥は夕立の隠語の意味を察し、頭を抱えながら妖夢に忠告し、総司令官は一部ではあるが夕立が隠語の意味を知っていた事に少し驚き、冷や汗を流し、慌てながら聞くと夕立は胸を張りながら『隠語の意味』を高々に宣言するかの様に堂々と説明した

 

その『隠語の意味』とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『総副司令官さん』から聞いたポイ!!『ヘルブック』は『エッチな本』で『Pを呼んでプレイ』は『デr』………」

 

「言わせないわよ!!」

 

「「黙りなさい!」」

 

ゴン!!

 

「痛ッ!陸奥さん、加賀さんに提督さん!!何するのですか!?」

 

……()()()()()()での海軍隠語だったのだ

 

陸奥、加賀そして椛は夕立の『お下劣発言(色んな意味でアウトな発言)』を止めるかの様に慌てて夕立に拳骨を入れると夕立は頭を擦りながら聞くと三人は夕立の不適切な発言に少しご立腹なのか、怒りが含んだ強い口調で夕立を叱りながら妖夢を含む参加者全員を脅す様にドスの効いた低い声で忠告した

 

「何するの……って貴女!子供達が居る前で何言っているのよ!!妖夢にポグワーツの皆さん、これは()()()()()()()()()だから忘れて頂戴!!」

 

「そうです!これは子供にとって()()()()()()です!!分かりましたか?」

 

「今のは忘れて下さい、良いですね?」

 

「「「あ……はい……」」」

 

妖夢を含む参加者全員が三人の脅迫染みた忠告に呆気を取られ、只々、呆然と返事をすると総司令官は頭を抱えながら陸奥に謝罪した

 

「あの馬鹿……駆逐艦(子供)相手に何を教えてんだ……すまん陸奥、部下が……」

 

「……貴方も苦労しているのね、同情するわ……」

 

「……泣けるぜ」

 

陸奥は混沌と化した講習会に呆れながらも総司令官を慰める様に優しく言うと……

 

 

 

 

 

 

 

パッパラ~♪パッパラ~♪

 

 

 

 

 

混沌と化した場内を一掃するかの様に落ち着いたラッパ音が場内に響き渡り、総司令官はラッパを聞き、咳払いをしながら参加者全員に言った

 

「……もう時間か……かなりグダグダになったが、今回の講習会は此れにより終了する……後で()()()()()()()()()()()()しか載せていない一覧表をMr.ダンブルドアを通じて渡すつもりだから、クィディッチの暗号として使ってくれ……さて、この後は御待ちかねの『会食』だ♪30分位経ったら、また此処に来てくれ……以上!」

 

「「「はい!!今回の講習会、ありがとうございますMr.ジョジョ!では失礼します!」」」

 

「ホッ……少し強引だけと、無事終わって良かったわ……それじゃ、私達も失礼するわ」

 

「……そうですね、では勇人さん……先に厨房に立たせて頂きます」

 

「ああ……ん?何か忘れている様な……」

 

「……そうですね、何か()()()()を忘れている様な……」

 

総司令官は教員達の不安を一掃するかの様に言葉の一部を強い口調で強調し、ハリー達の期待を煽り立て、微笑みながら言うと、ハリー達は興奮し、妖夢達は少し強引ではあるが無事、講習会が終わった事に安堵しながら総司令官に一礼し、講習場を後にすると総司令官は『何か忘れている』のか首を傾げながら加賀に聞くと、加賀も『何か重大な事を忘れている』のか首を傾げながら厨房に向かった

 

そして二人は『その事』を軽く考えてた事により対策を行わなかった結果……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フフフ……さぁ食べるわよ♪待ってなさい妖夢に勇人……佐世保鎮守府の食材全部食べるつもりだからね♪」

 

「……それは止めてくれないかユユコ……彼らが不憫過ぎる……」

 

佐世保鎮守府創設以来の食糧難の危機に陥ってしまう羽目になるとは……



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妖夢、久々の大激怒

投稿完了です!


講習会終了してから数分後 佐世保鎮守府本部専用の食堂内の厨房にて

 

「……やっべぇ~……どうしよ……食材が足りない……」

 

「……まんまとダンブルドアさんに騙されましたね……これは泣けますね……」

 

「……そうですね、それに『あの人』は若以上に食べますからね……」

 

「……これは詰んだわ」

 

総司令官と加賀、朱里そして『総司令官側の鳳翔の一人』であり『鳳翔が特務艦だった頃』の艦娘『龍飛(たつぴ)』は先程の『忘れ事』である『幽々子がグリフィンドールの担当教師として会食に参加する事』を完全に思い出し、頭を抱えながら呟くと妖夢は二人の様子に首を傾げながら聞いた

 

「勇人さん、加賀さん、龍飛さんに三笠教官……一体どうしたのですか?いつも以上に難しい顔になって……」

 

「……正直言って嫌な予感がするわ……何かあったの?」

 

「「………」」

 

妖夢は長身な二人との身長差の関係上、二人を見上げる形になるが、陸奥と共に心配した表情になりながら二人に聞くと、総司令官と加賀は事情を知らない妖夢と陸奥に罪悪感を感じ、『ダンブルドアとの約束』について頭を下げ、謝罪した

 

「……すまん妖夢に陸奥!!俺が勝手にMr.ダンブルドアと約束を交わしてしまって!!」

 

「……すみませんでした!!」

 

「え!?若に加賀さん!?妖夢ちゃんに説明していなかったのですか!?」

 

「……だろうと思った」

 

「……へ?ど……どうしたのですか!?いきなり謝って!?」

 

「訳を教えて頂戴、話が見えないわ……」

 

総司令官と加賀は脱兎の如く頭を下げると朱里と龍飛は事情を知っているのか、龍飛は二人が妖夢達に説明していなかった事に驚き、朱里は呆れ返っていると、妖夢と陸奥は突然の謝罪に首を傾げながら聞くと、朱里と龍飛は溜め息を吐きながら二人に説明した

 

「実は勇人がダンブルドアさんと約束を交わしたのよ……『グリフィンドールの生徒及び教師を会食に招き入れる事』をね……」

 

「……つまり『教師』として西行寺さんが()()するのですよ」

 

「……え?西行寺さんって、確か……加賀と喧嘩してた……あの人の事?」

 

陸奥は『事の重大さ』である『幽々子の底知れぬ食欲』に気付いていないのか、首を傾げながら講習会が始まる前の出来事である『加賀と幽々子との口喧嘩』を思い出し、二人に聞くと、二人は黙って頷くと、妖夢はブルブルと身体を震わせ、この事を起こさせた元凶である総司令官と加賀に怒鳴り吐けた

 

「……勇人さん!!加賀さん!!どうして『その事』を前もって教えてくれなかったのですか!!私含めて佐世保の皆さんを餓死させるつもりですか!!」

 

「……すまない、俺とした事が……完全に忘れてた」

 

「……ごめんなさい」

 

「謝って済む問題ではありませんよ!!加賀さんは兎も角、あの人の()()()()()は勇人さんも知っているでしょ!!漸く白玉楼(アッチ)に居た時の悩みの種が無くなったのに……貴方の『面倒見の良さ』は知っていますが、それで巻き込まれる私の身にもなって下さい!!」

 

「……しかし少尉……」

 

「しかしもヘチマもありませんよ加賀さん!!大体、貴女も貴女ですよ!!講習会で………」

 

ガミガミガミ………

 

「うわぁ……凄いシュールな絵面ね……ねぇ妖夢、西行寺さんって……どの位、食べるの?」

 

陸奥は今の状況である『幼女(妖夢)』が『大人の女性(加賀)』と『筋骨粒々の大男(総司令官)』に説教をするという非常に情けない絵面になっている事に顔を引き釣りながらも妖夢を窘めながら『事の重大さ』である『幽々子の食欲』について聞くと、妖夢は怒鳴り疲れたのか、息を荒くしながら朱里と共に陸奥に説明した

 

「ハァ……ハァ……幽々子様は……『佐世保鎮守府1の大食い』である勇人さん以上に()()()()()……」

 

「……下手すれば1食だけで佐世保鎮守府の食料だけでは賄えれない位、食べるわよ……彼女……」

 

「…………へ!?そんなに!?総司令官!!貴方、どうして『その事』を忘れていたの!?」

 

陸奥は二人の説明に思考が停止し、あまりにも規模が大き過ぎる事態に狼狽えながら総司令官を責めると、総司令官は猛省しながらも『ある方法』を思い付いたのか、頭を掻きながら激怒している二人に言った

 

「俺も知らなかったんだ……まさか幽々子がグリフィンドールの教師だったなんて……仕方ねぇ、アイツだけは『アレ』を出すしか無ぇな……」

 

「「アレ?」」

 

陸奥と妖夢は総司令官が言った『アレ』について首を傾げながら聞くと、龍飛と朱里は総司令官の言葉の本意を察したのか、溜め息を吐きながら二人の質問に答えた

 

「……ええ、若がよく食べていた『減量に特化したメニュー』を西行寺さんに出すつもりよ……」

 

「しかも、その『メニュー』には()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に使うから、生粋の外国人であるハリー達には出せないのよ……」

 

「え?日本人(私達)しか分解されない特殊食材?それは一体……」

 

「……龍飛さん……それって、私達が日常的に食べている物ですか?主に()()()()()()として……」

 

陸奥は朱里が発した『特殊食材』の答えが分からないのか、眉を八の字にしながら首を傾げ、妖夢は自身の調理経験による推測なのか、その『特殊食材』が使われているであろう『味噌汁の具材』を取り入れながら龍飛に質問をすると、龍飛は妖夢の推測が当たっているかの様に微笑みながら答えた

 

「大正解よ妖夢ちゃん♪若は『それ』を()()()()調()()()()()()()()♪」

 

「水無し………あ!?そう言う事でしたか……確かに『勇人さんが作ったアレ(特殊食材)』を使った料理と『大量の酒』を出せば……『安く』そして『少量』で幽々子様を……」

 

「そう言う事だ……『アレを使った料理(俺の減量メニュー)』はアイツの満腹感を出させる為に『大量の酒』が必要だから基本的に調理中、水分は御法度だ……少し時間が掛かるからハリー達の分は任せたぞ、妖夢」

 

「勿論です!!では勇人さん、幽々子様の事を御願いします!!」

 

「え!?水無し?総司令官が作った特殊食材?大量の酒?一体何を言っているの……まさか危ない食材じゃないよね?」

 

「……全く以て、意味不明ですが……大丈夫でしょうか?」

 

妖夢は龍飛の言葉の本質を察したのか『特殊食材』の正体が分かり、総司令官の考え(解決策)に賛成するかの様に先程までの御立腹な感情は何処へやら消え失せ、満面な笑みになりながら言い、陸奥と加賀に関しては未だに分かっておらず、少し狼狽えながら妖夢達に聞くと、妖夢は二人の不安を吹き飛ばすかの様に天使の様な満面な笑みを溢しながら二人の背中を押しながら言った

 

「大丈夫ですよ♪危ない物ではありませんし、二人が日常的に食べている物を勇人さんが水無しで美味しく調理するのですから♪ささっ、私達はハリーさん達の夕飯を作りましょ♪」

 

「ちょ!?妖夢!?話が見えないわよ………」 

 

「わ……分かりましたから押さないで下さい……」

 

妖夢は強引ではあるが、二人を別の厨房に移動させると、総司令官は厨房の窓に干してある『大量の特殊食材』を手に取り、不敵な笑みを溢しながら龍飛と朱里に言った

 

「……さぁ~て、そろそろ始めるから母さんは間宮と伊良湖を呼んで来てくれ……龍飛さん、やりますよ」

 

「分かったわ」

 

「はい♪」

 

総司令官は既に勝利したかの様な不敵な笑みを溢しながら二人に指示を出し、『幽々子専用メニュー』の調理を行い始めた

 

 

 

 

そして、それを隙間で覗いていた紫は……

 

「……この方法は思い付かなったわね、後で幽々子に胃薬を渡そう……」

 

幽々子(親友)の敗北が濃厚になったのか、幽々子に同情するかの様に合掌しながら調理を後にしたのは言うまでも無かった



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会食(戦闘)準備

受け取った小説の投稿、完了です!


妖夢達が調理を始めてから15分後 1915 『本部専用食堂』改め『特設会食場』にて

 

ガヤガヤ……

 

グゥ~………

 

「………遅いわね、優花さん」

 

幽々子は轟音に近い空腹音を発し、空腹による苛立ちを醸しながら隣に座っている総副司令官に言うと、総副司令官もまた講習会に参加出来なかった事による心残りがあるのか、残念そうに溜め息を溢しながら答えた

 

「……そうですね、はぁ~……私も講習会に参加したかったな……」

 

「……それは止めなさい、貴女が参加すると勇人(カレ)の仕事が増えるだけよ……只でさえ貴女が夕立ちゃんに()()()を教えたせいで混沌と化した講習会にトドメを刺したんだから……」

 

「ッ!?そ……それは……その……ごめんなさい……」

 

幽々子は先程の『混沌(カオス)と化した講習会』にトドメを刺した元凶である総副司令官の『卑猥な意味での海軍隠語』を夕立に教えた事を会食に同席しているハリー達を配慮してなのかオブラートに包みながらも、その言葉を強調しながら言うと総副司令官は気不味そうに謝罪すると総司令官の秘書艦である赤城は総副司令官に呆れながらも二人に聞いた

 

「ったく……少しは自重して下さい優花さん、ちなみに西行寺さんにハリー君……でしたっけ?何か食べてみたい料理や苦手な料理、食物アレルギー等はありませんか?あったら提督に伝えますが?」

 

「お気遣いありがとうございます、アカギさん……なら日本の家庭料理を食べてみたいです」

 

「大丈夫よ♪『和洋中』何でもバッチコイよ♪まぁ強いて言えば『量』……かな♪」

 

「分かりましたハリー君………ん?量?ハリー君、西行寺さんって少食?」

 

赤城は幽々子の発言に首を傾げ、彼女の女性らしい細い腹回りを見て憶測で答えると、総副司令官の隣に座っているハリーが気不味そうに答えた

 

「いえ……サイギョウジ先生は……ポグワーツ1の大食婦人です」

 

「失礼ねハリー、私は赤城さん(カノジョ)勇人(カレ)みたいに大食らいじゃないわよ……まぁそう言う訳だから『御通し』含めて私の分は此処の最大の大盛である『超弩級盛り』でお願いするわ」

 

「……食べれるのですか?結構ありますよ?」

 

赤城は幽々子がハリーの言葉に少し顰めっ面になりながらも本部(此処)でしか頼めない大盛『超弩級盛り』を注文した事に心配しながら聞き返すと、幽々子は微笑みながら「大丈夫よ、問題無いわ♪」と答えると『改造すらしていない妖夢側の一航戦』が赤城の『超弩級盛り』という言葉を聞き、血相を変えながら赤城に注文した

 

ちなみに表記を忘れていたが総司令官側の赤城は既に『改2戊』になっているのは先に言っておこう

 

「「ッ!?『超弩級盛り』……だと!?なら私達も『超弩級盛り(ソレ)』で御願いします赤城さん(アッチの私)!!私達の所では『大盛(ふつう)』が限界なので!!」」

 

「……貴女達もですか」

 

「「はい!!」」

 

妖夢側の一航戦は兎も角、幽々子は赤城の心配事を吹き飛ばすかの様に微笑みながら最大級の大盛である『超弩級盛り』を赤城に要望すると赤城は妖夢側の一航戦(自分自身)に少し苦笑しつつも、場の雰囲気を更に柔らかくする為に微笑みながら言った

 

「分かりました、それでは提督に御伝えしますね♪」

 

「宜しくね赤城さん♪」

 

「お願いしますアカギさん」

 

「「御願いします!!」」

 

二人は赤城に礼を言うと、赤城は笑みを溢しながら厨房に向かった

 

ちなみにハリーは二人の加賀と赤城を見て……

 

「サイギョウジ先生、何故ミセスが二人居るのですか?双子ですか?」

 

「まぁ、ある意味『正解』よ……後この事に関しては()()()()()()()()()()……色んな意味で……」

 

「「そうですよ、これに関しては禁忌(タブー)に触れる事なので御答え出来ません………」」

 

「わ……分かりました……」

 

ハリーの禁忌な質問に少し困惑した幽々子と一航戦(妖夢側の赤加)であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして場所は変わり 厨房にて……

 

 

トントン……

 

ジュ~……

 

厨房では妖夢の熟練した包丁捌きによって気持ちが良い位のリズミカルな音を発し、フライパンには香ばしいタレが掛かった鶏肉を焼いているのか、辺り一面には焼いている鶏肉とタレの香ばしい匂いが立ち込めていた

 

妖夢は切り終えたキャベツを皿に盛り付けをし、鶏肉を焼いている加賀に焼き具合について聞いた

 

「加賀さん、照り焼きの状態は?」

 

「……上々です」

 

そう、妖夢が作っているのは日本の家庭料理でお馴染みの『鶏の照り焼き』である

 

加賀は妖夢の質問に『自身の相棒(赤城)』のセリフをオマージュし、微笑みながら答えると豚汁を作っている陸奥は日頃から妖夢の熟練した腕前を常日頃から見ていたのか、妖夢と遜色無い腕前を持つ加賀に呆気を取られながら聞いた

 

「私達の方の加賀と比べて手際が良いわね……貴女もそうだけど、本部の艦娘達って凄い『人妻感』が滲み出ているわね……もしかして既に総司令官と……」

 

「……陸奥さん、少尉の前で『猥談』は禁止よ……それに『少尉側の私』と一緒にしないで、ちなみに私達(本部)の方は磯風さん以外全員、料理を嗜むわ」

 

「……それって総司令官の命令で磯風以外、全員が料理を学んだの?ってか、()()()()()()で言ったつもりでは無いから……」

 

陸奥は加賀の発言に一部、否定しながらも自身の憶測を入れながら加賀に聞くと、加賀は陸奥の憶測を一部、肯定するかの様に若干、笑みを溢しながら答えた

 

「いいえ、これに関しては赤城さんの『提案』よ……赤城さんは『戦い』しか知らなかった私達に『別の生き甲斐』を与える為に『この事』を提督に助言し、提督が私達全員が料理を嗜め易い様に業務用……しかも最高級の調理器具や料理本を提督の実家であり世界最大の財閥『上城財閥』を経由して自腹で買い込み、私達でも手軽に調理し易い環境を作り上げた……という訳よ、まぁ磯風さんの腕前は……あの『お人好しの塊』と言われている、あの面倒見の良い提督ですら()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だから提督は磯風さんに仕方無く『料理禁止令』を発令したのよ」

 

陸奥は加賀の……否、本部に所属している磯風以外の艦娘全員が料理を嗜む理由を聞き、豪快過ぎる総司令官の金銭感覚に呆れ返りながらも、加賀が発言した『上城財閥』について先程の盗撮事案に総司令官の身体の『ある場所』が写っていた事を思い出し、2つの出来事(ピース)が繋がったのか、少し狼狽えながら聞いた

 

「この厨房の調理器具全てが総司令官のポケットマネーで……お年玉と言い、高級調理器具と言い……どんだけ金銭感覚が狂っているのよ……ん!?上城財閥!?ねぇ加賀、貴女さっき……総司令官の実家は『上城財閥』と言ってたわね……あの『龍の和掘』と言い……まさか総司令官の前職は……」

 

陸奥は加賀が発した『上城財閥』の『裏の顔』を知っているのか、冷や汗を掻きながら聞くと、加賀の変わりにキャベツを切り終えた妖夢が二人の会話を聞いていたのか何食わぬ顔で陸奥の質問に答えた

 

そう、総司令官の実家である『上城財閥』の『裏の顔』そして『総司令官の前職』は……

 

「あれ?天龍さんや長門さん達から聞いていなかったのですか?勇人さんの前職は学生を兼業しながら『格闘家』として、そして上城財閥の『裏の家業』である世界最強の指定暴力団『神城会(かみじょうかい)』の一員……言わば『極道者(ヤクザ)』として、お金を稼いでいたのですよ……まぁ私の故郷(幻想郷)では先程、幽々子様が暴露しちゃったので、此処では割愛しますが……」

 

「………うん、やっぱりね……だって、あの背中は……ねぇ……あの馬鹿姉、何で『この事』を教えてくれなかったのよ……」

 

……上城財閥の裏の顔は世界最強の極道組織『神城会』であり、総司令官は当時、学生でありながら『格闘家』兼『極道者(ヤクザ)』として生業としていたのだ

 

陸奥は総司令官の前職を聞き、総司令官の背中に彫られている和彫『応龍』を見て薄々、感づいていたのか困惑しつつも納得すると先程、ハリー達の要望を聞いてきた赤城が厨房に訪れ、微笑みながら妖夢達に言った

 

「少尉、一応ハリー君達の要望を聞いてきたのですが……問題ありませんね」

 

赤城は今現在、妖夢が調理している『鶏の照り焼き』を見てハリーの要望が既に叶っている事に安堵しながら言うと、加賀は何も調理しない赤城に少し苛ついたのか、はたまた妖夢との調理(共同作業)を邪魔されたのか、少し不機嫌そうに答えた

 

「……分かりました」

 

「ん?加賀さん、何で機嫌が悪いのですか?」

 

赤城は不機嫌な加賀に首を傾げながら聞くと陸奥は加賀の心情を大体察したのか、頭を抱えながら言った

 

「……『働かず者、食うべからず』よ、貴女も手伝いなさい」

 

「嫌です、それに私は非番(オフ)なので働く必要がありませんから」

 

「一応、私も非番(オフ)ですが……」

 

加賀は赤城の言葉に呆れながら呟くと別の厨房から総司令官は自身が調理した『特殊食材を使った減量料理』と日本酒を御盆に乗せた状態で運搬しながら赤城に言った

 

「ふぅ……漸く出来上がった……んじゃ赤城、()()を幽々子に渡してくれないか?」

 

「ッ!?て……提督……()()を西行寺さんに……ですか……」

 

赤城は総司令官が調理した『減量料理』を見て、トラウマが甦ったかの様に顔面蒼白になり、狼狽えながら聞き返すと陸奥は赤城の狼狽えた様子を見て首を傾げながら総司令官に聞いた

 

「ん?どうしたの赤城?そんなに狼狽えて……」

 

「……提督!何故、私が味わった地獄を西行寺さんにやらせるのですか!!」

 

「人の話を聞きなさいよ……これが総司令官の減量料理ね……ッ!?成程……」

 

陸奥は質問を無視された事に少し不機嫌になり、赤城は狼狽えと怒りを交えながら総司令官に問い質すと陸奥は総司令官の考えが分かったのか、その事を完全に把握している妖夢に『特殊食材の正体』を打ち明けながら妖夢に聞いた

 

その『特殊食材の正体』とは……

 

「……『乾燥ワカメ』を使うとは……考えもしなかったわ……これを使って一体どうやって西行寺さんを満足させるの?」

 

「……至ってシンプルな方法ですよ、勇人さんの減量料理のメイン食材である『巨体な乾燥ワカメ』と『ごく少量の胡麻油』だけで軽く和えた料理(御通し)『乾燥ワカメの胡麻和え』を幽々子様が日本酒と一緒に食べれば乾燥ワカメは(水分)を吸収する事により数倍に膨らみ、一気に満腹感が得られる……と言う訳です……ってか赤城さん、貴女も食べた事があったのですか……これを早急に幽々子様に渡して下さい」

 

「うわぁ……かなり『えげつない料理』ね」

 

「まぁ勇人さんが作ったので味は保証出来ますし、ワカメには『食物繊維』でしたっけ?それが入っているので身体には良いのですよ……ただ、すぐに御腹一杯になりますが……」

 

そう、総司令官が言っていた『日本人しか分解出来ない特殊食材』とは『乾燥ワカメ』の事だったのだ

 

陸奥は総司令官の『えげつない作戦』もとい『ダイエットメニューの原理』を聞き、ドン引きし、妖夢は赤城に総司令官が調理した乾燥ワカメと胡麻を使った御通しである『乾燥ワカメの胡麻和え』と日本酒『手取川』を幽々子に渡す様に御願いすると赤城は今から幽々子が味わう『この後の地獄』を鮮明に想像出来たのか、身体を震わせながら妖夢と総司令官に忠告しながら二人の御願いを承諾した

 

「分かりました……ただ、()()()()()()()()()()()()()()

 

「寧ろ、()()()()()()()()から調理したんだ……頼んだぞ」

 

「御願いします、赤城さん」

 

赤城は二人の悪魔染みた考えに恐怖を抱きながら『乾燥ワカメの胡麻和え』と日本酒を乗せた御盆を幽々子に向けて運搬し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして全てを見ていた紫は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……幽々子……胃薬いる?」

 

「必要無いわよ紫、私が料理(えもの)に屈する筈が無いわ」

 

「……一応、忠告はしたからね」

 

……総司令官の『えげつない作戦(料理)』により身震いをし、嫌な予感を感じたのは言うまでも無かった



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戦闘《会食》開始

そして、運命の会食時間である1930……

 

 

「……何が出るかな♪何が出るかな♪」

 

「まだかな……まだかな……」

 

ハリーとロンは会食に出される料理を心待ちにしているのか、子供特有の落ち着きの無い挙動不審な行動に陥っていると幽々子と総副司令官そして一航戦(妖夢側の赤加)は余裕のある表情になりながら落ち着きの無い二人を窘めた

 

ただ……

 

「落ち着きなさいハリーにロン……ジュル……料理(エモノ)は逃げないから……う~ん♡良い香りね♡……」

 

「そうよ、料理は逃げないから落ち着いてね……ヤバッ、涎が出てきた

 

「御気持ちは分かりますが、皆さんを見習っては?……ジュル……」

 

「ゴクン!この『待っている時間』を味わうのも日本人の嗜みですよ……ジュル!!」

 

「上官相手に『あるまじき発言』をしますが……説得力が皆無だぞ、お前達……後、加賀さん……貴女はもう少し自粛してください、露骨過ぎます……ん?どうやら幽々子の御通しが来た様だな」

 

涎を滴ながら説得していたのだ

 

椛は涎を()れでもかと言う位に垂れ流している四人に物凄く呆れながら一喝(ツッコミ)を入れると総司令官が調理した料理(御通し)『乾燥ワカメの胡麻和え』をパーティー用の大皿に乗せ、富士山もビックリする位の山盛りとなった状態で運んで来た赤城が顔面蒼白になりながら、パーティー用の大皿にてんこ盛りに乗せた料理(御通し)と日本酒を幽々子の前に設置し、この後の地獄が鮮明に想像出来たのか、かなり狼狽えながら幽々子に言った

 

「お……お待たせしました……これが提督お手製の御通し『乾燥ワカメの胡麻和え』です……」

 

ドン!!

 

「「デカッ!?こ……これが『超弩級盛り』……しかも御通しだけで、このボリューム……す……素晴らしい!!こんな量を毎日食べれるなんて……私達も至急、御願いします!!」」 

 

「「うわぁ~……凄い量……」」

 

「ゲ!?椛ちゃん……これって……勇人君の……」

 

「……そういう事でしたか、相変わらず『えげつない事』を……」

 

「あら~♪流石、勇人ね♪私にとって、()()()()()()()()()()と勇人の故郷の地酒であり食前酒である日本酒『手取川 純米大吟醸 Kasumi』を準備してくれるなんて♪気が利くじゃない♪では……いただきます………」

 

一航戦(妖夢側の赤加)は総司令官が調理した御通しのボリュームを見て、感動しながら赤城に注文(オーダー)し、ハリーとロンは超特大大盛である『超弩級盛り』を見て只々、圧巻し、総副司令官と椛は総司令官の作戦が分かったのか、赤城同様に顔面蒼白になっていた

 

幽々子は総司令官が調理した料理と量に心踊らせながら箸を持ち、手を合わせた後、そのまま胡麻油が絡まっているであろう光沢感のある乾燥ワカメを箸で軽く摘まみ、そのまま自身の口に運んだ、その時……

 

パリッ!

 

パリッ!

 

ジワッ……

 

「ッ!?」

 

幽々子の身体に電気が走ったかの様に強い衝撃が走った

 

何故なら幽々子の口内から乾燥ワカメ特有のポテトチップスに似た歯応えのあるパリパリ音が聞こえ、咀嚼された乾燥ワカメは幽々子の唾液によって溶けるかの様に乾燥ワカメが幽々子の口内で(ふや)け、先程のパリパリ感が消え、ワカメ特有の舌触りの良い食感に変わり、ワカメにコーティングした胡麻油が溶け出し、胡麻油特有の香ばしい味わいが幽々子の底知れぬ食欲(よくぼう)にエンジンが掛かったかの様に動き出し、自身の食欲(よくぼう)に身を任せるかの様に御通しを口一杯に入れ込み、それを流すかの様に日本酒を手に取り、そのまま口に運んだ

 

そう、今の幽々子は『御通し』と言う名の『戦場』を縦横無尽(じゅうおうむじん)豪快無欠(ごうかいむけつ)そして食事(さつりく)を楽しむ『殺戮兵士(フードファイター)』と言い表したかの様な食べっぷりだったのだ

 

幽々子は総司令官が調理した御通しが気に入ったのか、満面な笑みを溢しながら言った

 

「う……旨すぎる!!最初はポテトチップスみたいな食感になり、後から胡麻油と唾液によって潤けたワカメの舌触りの変化が私の食欲(よくぼう)を楽しませてくれるわ!そして、その御通しを更に楽しませるかの様に日本酒のサッパリした喉越しが御通しの味わいを引き立てくれるわ!これは……箸が止まらないィィィ!!」

 

パクパク……

 

パリパリ!

 

ゴクゴク……

 

「うわぁ……勇人君以上に凄い食べっぷりだね……」

 

「……そうですね……まぁ、この後『()()』を見る事になりますが……」

 

「……泣けますね、主に私達が西()()()()()()()()()をする意味で……」

 

「「う……羨ましい……」」

 

総副司令官と椛そして赤城は『暴食魔神(リアルカービ〇)』と化した幽々子の様子を見て、この後の地獄が起こる事を予知したのか、何かを諦めたかの様に呆れ、一航戦(妖夢側の赤加)は先に『超弩級盛り』を頼んだ幽々子に只々、羨ましいそうに見つめていると運搬車を押しながら利用を運んで来た総司令官と妖夢が表れ、微笑みながら幽々子に言った

 

「気に入ってくれたか?俺の御通しは?」

 

「ええ!!妖夢だけではなく貴方も此処まで料理の腕前が上がっていたとはね♪ゴックン!!はい、完食したわよ♪お代わり無いの?」

 

「ええーっ!?も……もう完食しちゃったのですか!?アレを!?しかも、まだ食べるのですか!?」

 

「早ぇな……こりゃホグワーツが食糧難に陥る訳だ……しかし本当に全部食べるとは……まぁ、その方が此方としては()()()()()からな

 

「……そうですね」

 

総司令官と妖夢は幽々子が二人の作戦に嵌まった事による悪意丸出しの笑みを隠す様に、わざとらしく驚くと幽々子は二人の演技を見抜けなかったのか自慢気に微笑みながら言った

 

「失礼しちゃうわ、これ位………ん?これが例の『会食料理(メインディッシュ)』?」

 

幽々子は運搬車の上に乗せている蓋をした料理を見て首を傾げながら聞くと妖夢と総司令官は会食料理を幽々子達の机の上に乗せながら答えた

 

「そうですよ、勿論これはハリーさん達の分なんで横取りしないで下さいね」

 

「今、幽々子と妖夢の方の一航戦の分を作っているから少し待ってな……何せ三人共『超弩級盛り』を頼んだからな」

 

「フフフ♪それは楽しみね♪」

 

「私達の為に、ありがとうございます総司令官♪」

 

「これは気分が高揚しますね……本部の人達の士気が非常に高い理由が分かった気がします」

 

幽々子と一航戦(妖夢側の赤加)は二人の言葉に「早く持ってこい」と言わんばかりにソワソワしだし、微笑みながら答えるとハリーとロンは机の上に置かれた『蓋をした会食料理(メインディッシュ)』である『鶏の照り焼き』について胸を踊らせながら二人に聞いた

 

「うわぁ……香ばしくて良いニオイ……これもジョジョさんが作ったのですか?」

 

「ジュル……きっとそうだよハリー……だって、あのサイギョウジ先生が絶賛した程の腕前だよ……そうですよねジョジョさん?」

 

二人は蓋の隙間から滲み出ている照り焼き特有の食欲をそそるタレが焼けた香ばしい臭いが二人の鼻腔そして食欲を刺激されたのか、料理のニオイを堪能するかの様に鼻で深呼吸をし、興奮しながら総司令官に聞くと、総司令官は二人を驚かせるかの様に少し悪意のある不敵な笑みを溢しながら会食料理(メインディッシュ)を作った調理人を打ち明けた

 

そう、それは外国の……イギリスの風習に慣れ親しんだ二人にとって『一番あり得ない人』が会食料理(メインディッシュ)を調理していたのだ

 

それは……

 

「……残念ながら()()()()()、作ったのは……妖夢だ、俺は補助と幽々子の御通しに回っただけだ」

 

「そうですよ♪ハリーさんにロンさん……驚きました?」

 

「……え?ジョジョさんではなく『ヨーム(キミ)』が!?」

 

「嘘……こんな可愛い人が……『ハーマオニー』に見習せたいな……」

 

そう、会食料理(メインディッシュ)を調理したのは妖夢自身だと言う事に……

 

ハリーは妖夢が会食料理を調理した事に驚き、ロンもまたハリー同様に驚きつつも妖夢が作ってくれた事に自身の友人を少し貶しながら言うと偶々、近くに座っていたハーマオニーがロンの呟きを聞いていたのか、少し悔しそうに言った

 

「うるさいわね!!私だって出来るわよ……お菓子なら……」

 

「本当にぃ~?」

 

「しつこいわね!!」

 

「まぁまぁ、『夫婦喧嘩』は後にして……そろそろ蓋をとっては?」

 

妖夢はロンとハーマオニーの喧嘩を総司令官仕込みの洒落の利いた言葉を交え、笑みを溢しながら仲裁するとハーマオニーは「結婚してないわよ!まだ子供だから!」と洒落が通用していなかったのか、妖夢に正論で返しつつも妖夢の指示に従い、会食料理の蓋を外した

 

そして蓋を外したハリー達は……

 

「え!?こ……これ本当にヨームが作ったの?」

 

「……凄い!!」

 

「嘘……でしょ……レベル高過ぎるわよ……これが貴女が作ったの!?」

 

……あまりにもレベルの高い料理を見て目を見開き、動揺し、狼狽えてしまったのだ

 

ハリー達の目の前に置かれている料理は副菜である『千切りにしたキャベツ』に『可愛く乗っかったミニトマト』主菜である鶏股肉を皮ごと照り焼きを施した『和製チキンステーキ』そして汁物である『豚汁』そして日本人の(主食)である『ホカホカに炊き上がった白米』が三人の視界……いや体内全ての神経を捕らえるかの様に主張している様だった

 

しかも、動揺しているのは三人だけではなく……

 

「えぇーっ!?こ……これがヨームが作ったの!?」

 

B()……Beautiful(美しい)

 

「日本人は変態(オタク)だと聞いていたが……これは……凄すぎる!!」

 

「……提督とタメ張れる位の腕前じゃないか!!此処は高級レストランか!?」

 

「……死んだプリンツ達に食わせてあげたいわ、この絶品料理を……」

 

……とポグワーツの参加者と本部の艦娘達全員が妖夢の料理に狼狽えながら絶賛したのだ

 

妖夢はポグワーツの参加者が自身が調理した料理を絶賛した事に飾り付けで乗せたミニトマトの様に赤面しつつも微笑みながら総司令官に言った

 

「み……皆さん、ありがとうございます……では勇人さん……いえ上城大将『例の言葉』を……」

 

「分かった……では皆さん、俺の言葉を()()()して下さい」

 

「御唱和?ジョジョさん、御唱和って?」

 

ハリーは総司令官が言った『御唱和』について聞くと、総司令官の代わりに総副司令官が微笑みながらハリーの質問に答えた

 

「『誓いの言葉』みたいなモノよ、ほら食事の前に御祈りをする……アレの事よ」

 

「あぁ~……そう言う事でしたか……」

 

ハリーは総副司令官の説明に納得すると総司令官は皆が黙り始めた事を確認し、本部(自身)の艦娘達に言った

 

だが、その台詞が……

 

「では……此処では……お残しは……」

 

「「「許しません!!」」」

 

「何故なら?」

 

「「「作ってくれた人や私達の為に命を捧げてくれた動植物に申し訳ありませんから!!」」」

 

「え……何この『忍〇ま』に出てきそうな台詞は……」

 

……某国民的な忍者アニメのベテラン調理師が言う様な台詞だったのだ

 

幽々子は本部の艦娘達が力強く発言した台詞に少し呆れながら呟くと総司令官の母親であり『艦娘 三笠』である朱里は幽々子と一航戦(妖夢側の赤加)が頼んだ『超弩級盛りの会食料理』を運搬車に乗せた状態で近付き、会食料理を幽々子達の机の上に置きながら、幽々子の呟きに答えた

 

「まぁ、この会食の絶対的規則(ルール)を復唱しただけよ……さ、幽々子も言いなさい♪」

 

朱里は微笑みながら幽々子に指示を出すと、幽々子は少々、面倒臭そうに少し顔を顰めながら自身も含めハリー達に総司令官の台詞を復唱した

 

だが、それは………

 

「え~……私にとって()()()()なのに……仕方ないわね……ゴホン、グリフィンドールの皆さん!!今から()()()()()()()()()()()()()()()()()!!さんはい!!」

 

「「「お残しは許しません!!何故なら作ってくれた人や私達の為に命を捧げた動植物に申し訳ありませんから!!」」」

 

朱里が本部の艦娘達に仕込ませた『真っ赤な嘘』だと言う事に……

 

そして……

 

「フフフ……()()()()……これで彼女からの格言を貰ったわ……それでは……この世の全ての命に感謝し……」

 

「「「いただきます!!」」」

 

今から幽々子にとって『空腹より辛い地獄』を味わう事になろうとは知るよしも無かった……



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欲に溺れし亡霊(幽々子)の失態

全然パソコンに触れられない…
色々と完治して「よし!調子いいぞ!」ってなった途端忙しくなるのは一体…


会食が開始した同時刻 佐世保鎮守府本部 特設ドック内の休憩室にて

 

「……」

 

モキュ……

 

モキュ……

 

「んまぁ~い!!これ、本当に魂魄少尉が作ったのですか!?提督とタメ張れる腕前(レベル)じゃないですか!?」

 

「ああ……しかし、私がアレンジを加えても、この鶏肉の旨味を此処まで引き出すなんて……艦長と同じく少尉も良い仕事をするな……んで『夕張』……何故、()()()()()()()()()()()()()を無断に使用し、此処に来たんだ?」

 

コンゴウと本部の方(総司令官側)の夕張は妖夢が作った会食料理である『鶏の照り焼き』もとい『和風チキンステーキ』をハンバーガー用のパンズに副菜(サラダ)と共に挟んだアレンジ料理である『照り焼きバーガー』を作り、ヴィンテージの赤ワイン『ピノ・ノワール』の『ブルゴーニュ・ルージュ クーヴァン・デ・ジャコバン』と『カナダドライ ジンジャーエール』を1:1でグラスに注ぎ、ステアし(掻き混ぜ)、ワインのカクテル『キティ』を作りだし、豪快無欠な総司令官の影響なのかコンゴウの外見印象(アイデンティティー)である『上品な御令嬢(マドモワゼル)キャラ』は何処へ行ったのやら、只の『紫色のジャージを着た田舎のヤンキー娘』の如く優雅さ(キャラ)を捨て去る様に総司令官側の夕張と共に豪快に照り焼きバーガーを頬張り、キティを飲み、正座している『妖夢の方の夕張』を睨み付けると夕張は自身が特設ドックに入れた事に興奮しているのか、目を光らせ、興奮しながらコンゴウと総司令官側の夕張(同艦)に『特設ドックに侵入した動機』を自身の平べったい胸を主張するかの様に胸を張って言った

 

まぁ、感の良い読者の皆様も感付いていると思うが侵入した動機とは……

 

「だって!!あの大本営以上の設備を誇る『此処の特設ドック』の内部を一度でも良いから見たかったのですよ!!それ以外、何があると言うのですか!!それに私も『夕張』ですよ!!こんなチート染みたドック……私にとって此処は『ネズミ王国』に遊びに行くのと一緒で心踊るのですよ!!だから本部の方の私の認証コードを拝借(無断使用)し、お邪魔したのですよ!!」

 

「馬鹿者!開き直るな!著作権に五月縄(うるさ)い会社のテーマパークに遊びに行く様なノリで来るんじゃない!それに此処は本来『特別防衛機密取扱者』以外『立ち入り禁止』なんだぞ!!お陰で()()()()()が侵入者対策として扉に仕掛けていた機銃に撃たれそうになったんだぞ!!」

 

……彼女自身の知的好奇心を満たす為だった

 

コンゴウは夕張の浅はかな動機に堪忍袋が切れ『総司令官側の夕張(同艦)』が特設ドックのセキュリティが誤作動を起こし死に目に遭いそうになった事を夕張に怒鳴り吐けながら言う彼女が先程の『誤作動』のせいで酷い目に遭った事と夕張(同艦)の浅はかな動機を聞き、コンゴウ同様、堪忍袋が切れ、般若の様に激怒し、胸ぐらを掴みながら怒鳴った

 

「そうですよ!!たかが『そんな理由』で私は死にかけたのですよ!!これが提督に耳に入れば軍法に則り、貴女は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!自身が犯した事の重大さに気付いていないのですか!!幸いにも見付けたのは提督ではなくコンゴウさんが見付けたから良かったものの……コンゴウさん、どうします?」

 

「勿論、艦長……いや上城総司令官に報告するつもりだ……アッチ(少尉側)夕張(お前)は軍法に則り、ほぼ確実に『解体』されると思うが……」

 

「ッ!?……す……すみません……か……解体だけは……」

 

夕張は総司令官側の夕張(同艦)に自身が行った『事の重大さ』に気付き、更に『解体』言わば艦娘で言う『処刑』という言葉を聞き、先程の興奮した表情は消え、身体を震わせ、顔面蒼白になりながら二人に謝罪しながら懇願するとコンゴウは夕張の懇願を一掃するかの様に強い口調で夕張に言った

 

「それは、お前ではなく総司令官が決めるんだ!!総司令官の処罰が下る迄の間、夕張(お前)は自室で待機しろ!!分かったか!!」

 

「………はい」

 

夕張はコンゴウの一喝(言葉)に完全に精神的に参っているのか、この世の終わりと言わんばかりに強い絶望感に浸りながら特設ドックを後にすると『総司令官側の夕張』は夕張(同艦)の浅はかな動機に呆れながらキティをチビチビ飲みながらコンゴウに聞いた

 

「……ねぇコンゴウさん、本当に『この事』を提督に報告するの?」

 

「……規則だからな」

 

「……本当に提督は彼女を解体……処刑するのかな?」

 

総司令官側の夕張は少し不安そうにコンゴウに聞くと、コンゴウは総司令官側の夕張の不安を一掃するかの様に微笑みながら言った

 

「そんな訳、無いだろ……あの艦長だぞ?そういうのを()()()()のは()()()()()()()()()()()()()()()()()()だろ?」

 

「クスッ……そうでしたね、あの人は基本的に『御人好しの塊』と言われる位『優しい人』ですからね……でなければ少尉側の青葉が広めた()()()()を不問にしませんからね……全く、提督と言い少尉達と言い……皆さん艦娘達(私達)に優し過ぎるのですよ……そう思いませんかコンゴウさん?」

 

「ッ!?そ……そそそそ……そうだな……だ……だから私達が……アイツらを厳しく律しないと……し……示しが付かないからな……」

 

コンゴウは総司令官側の夕張の言葉に思い当たる節があるのか、先程までの堂々とした立ち振舞いから貧乏揺すりをし、挙動不審になり、声を震わせ、目を反らしながら総司令官側の夕張の言葉を肯定すると、総司令官側の夕張は挙動不審になっているコンゴウの悪行を察したのか、頭を抱え、呆れながら聞いた

 

「コンゴウさん……まさか()()()?」

 

「……すまない、私も妄想(夢の中)でも良いから()()()()()()()()()()し、()()を求めたかったんだ……ってか夕張、お前もか……」

 

「……まぁ、この事は提督達には言わないで置きましょ……後が怖いですから……主に本部(私達側)艦娘達(みんな)に『粛正(フルボッコ)』される意味で……」

 

「そうだな……ゴホン!所で夕張、先程の少尉側の夕張についてだが……」

 

コンゴウは先程までの挙動不審を一蹴するかの様に咳払いをし、謹慎させた方の夕張に気になる箇所が在ったのか総司令官側の夕張に俯きながら聞くと、総司令官側の夕張もコンゴウの考えを察し、コンゴウと同じ様に俯きながら言った

 

「……話は昨夜、提督から聞きました……彼女の異常なまでの知的好奇心への欲求そして……」

 

「脅し文句とは言え先程の『解体発言』に対しての過剰反応……私の結論から言って……普通こんな事って()()()()()だろ……まさか『こんな事』が現に起こるなんて……」

 

コンゴウは頭を抱え、重い溜め息を吐きながら言うと、総司令官側の夕張もまた夕張(同艦)が隠している『事情』を予め総司令官から聞いており、未だに信じられないのか、動揺しながらコンゴウに言った

 

「……そうですね、私だって未だに驚いています………まさか彼女が……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……前任達によって『解体(処刑)』された『先代の夕張の記憶の全て』を受け継いだ状態で建造されたなんて……前代未聞ですよ……こんな事……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり 特設会食場にて

 

モグモグ……

 

「う……旨すぎる!!こ……これが……」

 

「ヨームが作った料理……凄すぎィ!!」

 

「……これじゃ今まで食べてきた食事が豚の餌と思っちゃう位、美味しい……」

 

「フッ……こんな旨い料理を毎日食べれるなんて……生きてて良かった……」

 

「「うまっ!!提督!!お代わりをお願いします!!」」

 

此方は先程のシリアスな雰囲気とはうって変わって歓喜そして絶賛の声が会場全体に響き渡ると妖夢は参加者全員が自身が作った料理に満足そうに食べている事に安堵したのか、ポグワーツで流通している子供用のビール『バタービール』を顰めっ面でチビチビ飲んでいる総司令官に微笑みながら言った

 

「良かった……皆さんに好評で……ねぇ勇人さん」

 

「ああ……しかし、このバタービール………甘過ぎる!!よく、こういうのをグビグビ飲めるなぁ……まるで大量のカラメルを口の中にブチ込まれた気分だ……水持ってくるけど欲しいか?」

 

「あはは……まぁ甘い物が苦手な勇人さんは基本的に和菓子しか食べませんからね……しかしコレ、凝縮した砂糖を飲んでいるかの様に物凄く甘いですね……虫歯になりそう……あ!?それじゃ、お願いします」

 

二人はバタービールの味に辛辣な意見を溢しつつも会食が和気藹々な雰囲気に色んな意味で確かな手応えを感じたのか、総司令官は微笑みながら会食を視察しながら厨房に戻ろうとするとダンブルドアは席を立った総司令官を見付け、妖夢の料理を満喫しているのか、満面な笑みを溢しながら礼を言った

 

「いや~旨い料理じゃったわい♪Mr.ジョジョ、私達の為に無理難題な事を叶えてくれて感謝する」

 

「……何故、幽々子がグリフィンドールの教師だと黙っていたのですか?」

 

総司令官は場の雰囲気を壊さない様に微笑みながら言うとダンブルドアは苦笑しながら黙っていた理由を申し訳無さそうに言った

 

「Ms.ヤクモとユユコに口止めされてな……ヨームに対しての『サプライズ』をするつもりじゃったが……」

 

「此方としては()()()()で驚かされましたよ……ったく、そういうのは事前に言ってくれないと困りますよ」

 

ダンブルドアは二人を庇うかの様に黙っていた理由を言い、総司令官はダンブルドアの言い訳を少し呆れながら悪態を吐くとダンブルドアは申し訳無さそうに「すまなかった」と詫びを入れながら阿修羅の如く会食料理を食べている幽々子を見ながら心配そうに総司令官に聞いた

 

「……所でユユコの食欲が一向に収まらないのだが……大丈夫なのか?」

 

「なぁに、心配は要りません……只『アレ』が膨らみ始めるのは少し時間が掛かりますので……気長に待って下さい」

 

「……だと良いんじゃが……」

 

総司令官は不安になっているダンブルドアに微笑みながら言うと幽々子は酒のせいで少し頬を赤くし、上機嫌で尚且、陽気な口調で総司令官に言った

 

「ねぇ勇人、日本酒と御通しの『お代わり』まだぁ~?」

 

「……あまり取り過ぎると()()()()()()()()()……それでも良いか?」

 

総司令官は少し酔っ払っている幽々子に『二重の意味』で警告を発すると幽々子は総司令官に甘えるかの様に陽気に、そして妖艶な声で総司令官を誘惑するかの様に自身の大きく実った2つのメロンを彼の右腕を挟みながら抱き着き、微笑みながら言った

 

ムニュ♪

 

「相変わらず心配性ね♪大丈夫よ……私、酔っ払ってないから……」

 

「……あのなぁ、それは()()()()()()()()()が言う台詞だぞ……それと冗談(ジョーク)とは言え俺を誘惑すんな……後で血を見る羽目になるぞ……主に『アイツら(俺の所の艦娘達)』が阿修羅(ヤンデレ)化する意味で……」

 

「ユユコ、離してあげなさい……ミセス達が『例の彼』以上に殺気を放しながら見ているぞ……でないとハリーやヨーム達には()()()()()()が起こるからな……」

 

「え?『例のあの人』以上に?ダンブルドア校長、一体何を……」

 

幽々子は呆れている総司令官をからかいつつ、何故か顔面蒼白になっているダンブルドアを見て首を傾げながら辺りを見渡すと……

 

「……これは頭に来ました……西行寺さんに提督、覚悟は出来ている?」

 

「……第一前衛基地所属の艦娘達に告ぐ、総副司令官の権限を以て今から艤装の使用を認めます……西行寺さん……でしたっけ?生徒達の前で如何わしい事をするのは止めて頂きたい……そして勇人君、少し頭冷やそうか?」

 

「あらあら、西行寺さん……教師が()()()を行うのは子供に悪影響を及ぼすから止めてね……でないと……()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「……よし!!戦争(クリーク)よ!!」

 

「あらあら、貴方って意外とモテるわね♪んじゃ会食が終わったら勇人(カレ)を頂くわよ♪」

 

「オイ、それは冗談とは言え今のコイツらに言っては……」

 

「「「……ッ!?潰す!!」」」

 

「……泣けるぜ」

 

「「ひぇぇぇぇぇ!!アッチの加賀さん(わたし)に……ほ……本部の皆さん、お……おおおお落ち着いて下さい…………それに西行寺さん、冗談とは言え彼女達を煽らないで下さい……」」

 

「ヒィィィィ!!アッチの陸奥(わたし)に総副司令官!!艤装(ぶき)を仕舞って!!これは本当に洒落にならないから!!総司令官に本部の方の赤城!!何とかしてよ!!」

 

「ポィィィ……もう嫌……帰りたいっポィィィ……」

 

「はぁ~……全く……」

 

「……泣けますね妖夢さんにハリー君」

 

「……そうですね」

 

「……止めなくて大丈夫ですか?モミジさん、アカギさんにヨーム?」

 

……総副司令官を初め赤城を除いた第一前衛基地に所属している艦娘全員が艤装を展開し、目のハイライトが消え、殺意を醸し出しながら幽々子に警告を発したのだ

 

椛と妖夢、赤城そしてハリー達は先程の幽々子と加賀の口喧嘩で殺気に対する抵抗力が付いたのか、物凄く呆れながら呟き、ハリーは呆れながらも椛と妖夢に第一前衛基地……もとい総司令官側の艦娘達の阿修羅(ヤンデレ)化についての解決策を椛に聞くと、椛はハリー同様、呆れながらもハリーの質問に答えた

 

「大丈夫ですよ……今の勇人様には『地上最強のボディーガード』が付いているので……さて、私達は食事を楽しみますか……」

 

「……そうですね」

 

「良いのかな……ほっといても?」

 

椛と赤城は暴走した本部(総司令官)側の艦娘達を無視し、気を取り直して食事を楽しんでいると妖夢は総司令官に近付いて来る『とある人物』を確認し、その人に任せ、食事を楽しんだ

 

その『総司令官に近付いて来る人物』とは……

 

「そうですね……それにハリーさん、ほっといても大丈夫ですよ、では後は御願いします……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……『三笠教官』」

 

ダン!!!

 

「「「ッ!?」」」

 

「ゴルァァァァ!!!何、一般人(カタギ)相手に艤装を構えているんだぁ?それに幽々子!!私の目の前で息子をナンパしてんだぁ?アァ!!」

 

「「「ッ!?お……()()()()!?」」」

 

「ゲ!?あ……朱里!?私は……その……冗談で……」

 

「誰が『お義母様』よ!!私は貴女達の結婚を認めて無いわよ!!それに此処で講習会の二の舞にさせる気か!!そして海軍元帥の権限を以て艤装の使用を禁する!!分かったのなら、さっさと片付けろ!!そして幽々子!!アンタ仮にも教師でしょ!!少しは教師としての自覚ある行動を持たんかァ!ハリー達が真似したら、どう『落とし前』を着ける気だ?アァ!!」

 

「「「「は……ハイィィ!!!す……スミマセンでしたぁぁぁぁ!!」」」」

 

……総司令官の母親である『三笠教官』もとい『朱里』が総司令官に近付き、本部側の艦娘達と幽々子に怒鳴り吐けたのだ

 

本部側の艦娘達と幽々子は『某英雄を殺す強力若本(バルバド〇・ゲーテ〇ア)』と表したかの様に阿修羅化した朱里に脅えながらも艤装を仕舞い、黙って席に座ると、それを見ていたダンブルドアは皆の反応に戸惑いながら呟いた

 

「嘘じゃろ……あの図太いユユコが……マダムに……屈しているなんて……」

 

「……母さんは日本海軍の中で一番怒らせては駄目な人で有名ですからね……貴方も気を付けた方が良いですよMr.ダンブルドア」

 

「……うむ……そうじゃな……儂は素直に席に戻るとしよう……しかし、マダムやミセス達から発した殺意……『例の彼』以上に禍々しかったぞ……」

 

「……さて、幽々子の『お代わり』を持ってくるか」

 

ダンブルドアは総司令官の言葉を聞き、朱里の怒りに触れない様に忍者の如く、そそくさと席に戻ると総司令官は幽々子に出した御通しを持ってくる為、厨房に向かった

 

そして幽々子は後々、後悔する事になろうとは知るよしも無かった………

 

 

 

 

そう、先程の『お代わり』は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ゲフッ……お腹が少し膨らんだわね……気のせいかしら?」

 

「……幽々子、これが最後の警告よ……いい加減、薬を服用して……でないと大変な事になるわよ」

 

「大丈夫よ紫♪私が勇人と妖夢の策に負ける筈が無いわ♪さぁーて!!ジャンジャン食べるわよぉ!!勇人ォ!!ジャンジャン持ってきて!!」

 

「わーったよ!!」

 

「……完成に二人の罠に嵌まっているわね……この暴食亡霊が………もう知らないわ!勇人!私の分も!勿論、普通盛りで!!」

 

「あいよ!!」

 

確実に自ら地獄に叩き落とす悪手(トドメ)だと言う事に……



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幽々子、死す?

投稿完了です!
私も早く作らねば…少し次話の内容に行き詰まっているのです…
でもその分拘ってる(当社比)ので、どうかもうしばしお待ちを!


紫が幽々子に最終警告を発してから数分後 厨房にて

 

「ククク……計画通り……」

 

「……提督、何か凄く機嫌が良いですね。何かあったのですか?」

 

総司令官側の間宮は総司令官が上機嫌で呟きながら幽々子達の『御代わり』を作っている所を少々不気味に感じ、顔を歪ませ狼狽えながら問い掛けると総司令は『某新世界の神』を彷彿させる様な悪意丸出しの笑みを溢しながら間宮の問いに答えた。

 

「ん?あぁ……『俺の作戦の効果』が予想以上に進んでいたからな。んじゃ間宮、残りの乾燥ワカメ『全部』持って来てくれないか?幽々子だけではなく紫も御代わりしてきたからな。」

 

「あ……はい……分かりました。」

 

間宮は総司令官の悪意丸出しの笑みに完全にドン引きしながらも総司令官の命令に従い、外に干してある乾燥ワカメを取りに厨房を後にした。

 

「……幽々子には申し訳無い事をしてしまうが、これも俺や妖夢達の為なんだ………そして『その事』を()()()()()()()()()()()を後悔させてやるから今の内に『今』を楽しみな……」

 

総司令官自身の良心の呵責があるのか幽々子に対して申し訳無さそうに俯きつつも今の幽々子の立場を黙秘していた元凶である『とある人』に対して強い怒りが混み上がりながらも、それを抑え込む様に乾燥ワカメとは別に用意した『パチンコ玉の大きさの大量の黒い団子』を荒々しく手に取り、それを小鉢に入れ、黒砂糖をまぶし『紫専用のデザート』の調理に取り掛かった瞬間、総司令官側の夕張が総司令官に悪報を伝えるかの様に俯きながら厨房に入り、総司令官に報告した。

 

「失礼します提督。報告があります……」

 

「ん?どうした夕張?何かトラブったのか?」

 

総司令官は俯いた夕張を見て優しく問い掛けると夕張は俯いた状態のまま先程起きた『不法侵入』の件を総司令官に報告した。

 

「はい、実は『少尉側の私』が私の認証コードを無断使用をし、無断で特設ドックに入って来ました。」

 

「な!?妖夢の夕張が特設ドックにか!?」

 

「……はい」

 

「……細かい経緯を頼む。」

 

総司令官は夕張の報告に驚愕し、狼狽えながら聞き返すと夕張は頭を縦に振りながら答え、総司令官に『不法侵入』の内容を事細かに報告した

 

「……はい、彼女は『先代の少尉側の夕張』の記憶を受け継いでいる事……言わば『記憶を持った状態で転生した事』はご存知ですよね?」

 

「……ああ」

 

「彼女は先代の記憶(トラウマ)のせいなのか、自身の強い知識欲求に負けてしまい……」

 

「……自身の本能(知識欲求)に従う様に、お前の認証コードをパクって侵入した……という訳だな?」

 

総司令官は夕張に優しく問い掛けると夕張は「……はい」と答え、せっかくの会食を壊したく無いのか、不安そうに総司令官に聞いた。

 

「……提督、どうします?今、此処で『侵入事案(この事)』を少尉達に報告するのは……」

 

「……んなモン後回しだ。この事は会食が終わり次第、妖夢に伝えておくから夕張も今は会食を楽しんで来い。」

 

「し……しかし……」

 

夕張は総司令官の言葉に不服があるのか、躊躇いながら言うと総司令官は夕張の内心を察し、微笑みながら言った。

 

「大丈夫だって、上層部は俺が何とかする。だから……な?」

 

「……分かりました。では御言葉に甘えますので御願いします。」

 

夕張は総司令官の言葉を信用し、先程までの俯いた表現が消え、優しい笑みを溢しながら厨房を後にすると総司令官はポケットからスマホを取り出し『とある人』に電話を掛けた。

 

「……もしもし元帥、俺です。実は妖夢……いや魂魄少尉と第三前衛基地の艦娘達の『特別防衛機密取扱証の発行』の件ですが……明日じゃなくて今すぐにでも出来ますか?」

 

総司令官は『某四代目』を彷彿させる様なダンディーな声が特徴の男もとい上官である『元帥』に『今回の件』を伏せながら御願いすると元帥は総司令官の隠し事を見抜いていたのか溜め息を吐き呆れながら総司令官に言った。

 

「……隠し事はいけないぞ勇人、先程『妖夢の方の夕張』が佐世保の特設ドックに不法侵入した情報(信号)が俺のスマホに入って来たぞ。そして発行の件を早める事で妖夢の方の夕張の件を『不問』にさせるつもりで俺に電話してきたんだろ?それに今は勤務外だ。無理に敬語を使わなくて良いぞ。」

 

元帥は総司令官と()()()()()なのか総司令官の名前である『勇人』と呼び、総司令官の考えと夕張の性格を熟知した上で総司令官に聞き返すと総司令官もまた元帥とは()()()()()なのか敗けを認めたかの様に溜め息を吐き、そして本来なら総司令官(部下)元帥(上官)相手にタメ口は軍の規律上いや大人として『御法度』だが今は『上官と部下』ではなく『二人の間柄の関係』の上で総司令官は普段のチンピラ染みた口調で元帥に再度、御願いした。

 

そう、二人の『間柄(関係)』とは……

 

「……やっぱバレてたか……なら話が早い、今すぐ妖夢達の取扱証の発行を急いでくれなかいか『()()』?」

 

「……だろうと思った『()()()()』が……一応『書類上』では昨日の時点で()()()()()()()()()()()()()になっているんだが……何せ人数も人数だ。全員の分を発行するのに時間が掛かるからな。本来なら駄目だが妖夢側の夕張の取扱証の『識別番号(シリアルナンバー)』をメールで教えるからアッチで入力しておけよ」

 

……そう二人の間柄は『親子』であり、総司令官の通話相手は自身の父親であり『大本営総副司令官(日本海軍のナンバー2)』そして今回の企画である『講習会』を企画した元凶である海軍元帥『上城(かみしろ) 一馬(かずま)(以後『上城元帥』)』である。

 

上城元帥は総司令官の懇願に呆れ返りながらも総司令官の考えに同意し、本来なら部下(息子)とは言え防衛の観点により『禁止事項』である『取扱証の識別番号(シリアルナンバー)を教える事』を総司令官に言うと、総司令官は口角を少し上げ、自身の懇願が通ったのか少し上機嫌に答えた。

 

「流石パパ♪頼りになりなぁ~♪」

 

「……茶化すな馬鹿息子。キモい」

 

上城元帥は総司令官のコミカルな台詞に気分を害したのか不機嫌そうに答えると総司令官は「実の息子相手に『キモい』は無ぇだろ。ちょっとした茶目っ気なのに……」と愚痴を溢しつつも笑みを溢しながら言った。

 

「まぁ冗談は置いといて……ソッチ(大本営)の方も妖夢側の夕張の件の処理、頼むぜ親父。」

 

「……泣けるぜ」

 

Pi♪

 

「それ俺の……まぁ良いか……ん?これが例のメールか……」

 

上城元帥は総司令官の軽い口調に呆れ返りながら悪態が籠った台詞を吐き捨てながら電話を切ると総司令官は上城元帥が送った『識別番号(シリアルナンバー)入りのメール』が自身のスマホに届き、内容を確認した

 

「……相変わらず仕事は早いなぁ。そんじゃ可愛い部下達(妖夢達)の為に一肌脱ぎますか……伊良湖、これを妖夢側の一航戦と幽々子に出してくれ!!それと『この事』は口外不出だ……分かったか?」

 

「分かりました」

 

総司令官は気合いを入れ直すかの様に両頬を叩き、紫のデザートの製作に取り掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃 特設会食場では……

 

ブルッ……

 

「ッ!?な……何か寒気が……それに嫌な予感が……」

 

「ん?妖夢さん?どうしたのですか?」

 

椛は原因不明の寒気と嫌悪感に襲われた妖夢を気遣いながら聞くと妖夢は「……何でもありません。」と何かに脅えるかの様に震えながら答えると幽々子もまた腹部に強い違和感を抱えているのか、腹部を抑えながら妖夢に言った。

 

「……貴女にとって『厄介事(トラブル)』が起きたからじゃないの?ほら、こういうの『虫の知らせ』と言うからね」

 

「幽々子様が佐世保(此処)に来た事自体『厄介事(トラブル)』なのですが……主に食糧難的な意味で……」

 

「……同感だ」

 

妖夢と椛は幽々子の言葉に悪態を吐きながら返すと幽々子は「主に対して酷くない!?ソレ!?」と嘆きながら言うと先程、幽々子が注文したであろう『お通しの御代わり』を持ってきた伊良湖が幽々子の前に現れ、お通しを幽々子の前に優しく置き、微笑みながら言った。

 

「西行寺さん、御注文のお通しを持ってきました」

 

「ありがとう伊良湖ちゃん。」

 

「……何かあったのですか?さっきトラブルとか、どうとか……」

 

伊良湖は先程の妖夢達の会話を聞いていたのか、料理に不満(クレーム)があるのかと思い不安そうに聞くと幽々子は不安そうにしている伊良湖を窘める様に笑顔で答えた。

 

「心配無いわよ♪ただ妖夢が『嫌な予感』を感じただけよ♪」

 

「ッ!?そ……そうだったのですか……」

 

「……この様子だと()()()()()()()()()?」

 

幽々子は挙動不審になっている伊良湖の様子を察したのか、神妙な表情になりながら伊良湖を優しく問い詰めると伊良湖は挙動不審になりながらも幽々子に心配掛けない様に笑みを溢しながら嘘を言った。

 

「た……大した事ではありませんよ。ただ食材が無くなりそうになっただけですよ。」

 

「ふ~ん……まぁ良いわ……さて!私は……」

 

幽々子は伊良湖の言葉を信用したのか、はたまた最初から興味が無いのか、微笑みながら伊良湖が持ってきたお通しを食べようとした途端………

 

 

 

 

ブルッ!!

 

 

 

「ッ!?な……何なの……いきなり身体が……()()()……」

 

「ん?どうしたのですか幽々子様?」

 

「わ……分からないわ……いきなり身体が震えて……」

 

「ん?どうしたんだ幽々子?身体を震わせて?」

 

「し……知らないわ……私だって知りたいわ……あ!?勇人!?丁度良かったわ!今すぐに私の身体を診てもらえないかしら?勿論『いやらしい意味』では無く『真面目な方での意味』で!!」

 

「あのなぁ……仮にも教師なんやから生徒の前で『そんな事』を言うな……椛、持っててくれ……どれどれ……」

 

……いきなり身体が震え始めたのだ。

 

妖夢は身体を震わせている幽々子を心配しているのか、優しく声を掛けると、たまたま近くを通り掛かった総司令官を見つけ、診察を御願いすると彼は幽々子の教師として『あるまじき発言』に呆れながらも『とある人』のデザートを椛に持たせ、幽々子の腹と手首そして首を触診しながら聞いた。

 

「……何時から震え始めた?」

 

「今さっきよ……寒気も感じないし変な倦怠感は無いわ……」

 

「ならインフルエンザによる風邪では無いな……ってか、そもそも亡霊が風邪を引いたり五感を感じる事があるのか?元から死んでいるのに………」

 

「……何か言ったかしら?」

 

幽々子は総司令官の呟きが聞こえたのか不機嫌そうにジド目になりながら総司令官に言うと、総司令官は「何でも無ぇ」と答え、そのまま触診を続け、すぐに『原因』が分かったのか、はたまた『自身の計画』が()()()()に入ったのか少し悪意のある笑みを一瞬溢しながらも、すぐに神妙な表情に変わり幽々子を脅す様に忠告をした。

 

その『忠告(最終段階)』とは……

 

「……幽々子、悪い事は言わねぇ……もう()()()()。身体が『()()()()』を起こしているぞ」

 

「な!?わ……私が!?食物アレルギーなんか持っていないのに!?」

 

「え!?あの『底無しの胃袋』を持った幽々子様が『拒絶反応』を!?食物アレルギーなんか持っていないのに何故ですか?」

 

「……勇人様、私達は貴方様みたいに医学に精通していませんので説明を御願いします。」

 

……そう、幽々子は『何かしらの拒絶反応』を起こしたのだ。

 

幽々子と妖夢は総司令官の発言に自身が『食物アレルギー』を持っていない事を驚愕しながら伝え、椛は総司令官の真意を確かめるかの様に幽々子が『原因不明の拒絶反応』について聞くと総司令官は神妙な表情のまま椛の質問に答えた。

 

「……簡単に言えば脳が『危険信号』を送っているんだ……『()()()()()()()』と……まぁ幽々子の場合は脳ではなく『生前培ってきた経験』による『魂』が悲鳴を上げているから拒絶反応が起きたんだ。」

 

そう、幽々子の『原因不明の身震い』もとい『拒絶反応』の原因は胃袋の容量が限界に達した時に脳が発せられる『危険信号』だったのだ。

 

つまり幽々子の胃袋が限界に達していたのだ。

 

そして幽々子は先程の会食による飲酒によって酔っ払っているのか、ふざけながら総司令官の説明を自己解釈をし、自身の解釈を面白可笑しく言った。

 

だが、その『解釈』が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……つまり私の()『もう食べれないぃぃ!らめぇぇ!!』と私に訴えている状態って事?」

 

ブーッ!!

 

ゴホッゴホッ!!

 

「おい!!誤解を招くセリフを吐くのは止めろ!!間違ってないけどさ!!」

 

「そうだ!!子供の前で言うな!!」

 

「勇人さんに椛さん……何故、幽々子様の解釈が間違っていないのに叱るのですか?」

 

「ウッ!?それは……その……」

 

「……大人になったら分かる事だ、気にするな。」

 

……卑猥極まり無い解釈(セリフ)で答えたからだ。

 

会場にいるポグワーツの男子生徒及び教員達は幽々子の解釈(セリフ)に動揺したのか飲み物を吹き溢し、咳き込み、妖夢は幽々子の発言の意味が分かっていなかったのか首を傾げ、総司令官と椛は幽々子に一喝(ツッコミ)をすると妖夢の隣に座っていた陸奥が呆れながら幽々子に言った。

 

「西行寺先生、貴女は仮にも教師だから生徒達や妖夢達の前で醜態を晒さないでくれる?」

 

「あら?私は間違った事は言って無いわよ?それに、これは『時間稼ぎ』よ」

 

「……それ、どういう事よ」

 

陸奥は幽々子が発言した『時間稼ぎ』について触れると幽々子は総司令官と妖夢の作戦の全貌(シナリオ)を完全に把握し、二人の作戦を嘲笑うかの様に微笑みながら答えた。

 

「簡単な事よ♪勇人と妖夢が考えた『私にだけ乾燥ワカメを使った料理を提供する作戦』には『欠点』があるもの♪確かに乾燥ワカメを使えば水分を含む事により膨張し、簡易的に満腹感を得られるわ……ただ、それはあくまでも『()()()』つまり一時的に満たす為の『虚仮落とし』みたいな策よ。それに乾燥ワカメは日本人にとって一番()()()()()()()()()()であり最も()()()()()()()()()()()なのよ♪つまり……」

 

「……今こうして話すのも乾燥ワカメを消化させる『時間稼ぎ』……という訳ね」

 

「そういう事♪」

 

陸奥は幽々子の策に内心、焦っているが、それを隠す様に神妙な表情になりながら聞くと総司令官は幽々子の(言葉)を聞いていたのか、微笑みながらもドスの効いた低い声を発し、勝ち誇っている幽々子の鼻をへし折る様に言った。

 

「……残念だが、その策は()()()()()()()()()()()()()になるぞ幽々子」

 

「……それはどういう事かしら?」

 

幽々子は総司令官の発言に癪に触れ、少し不機嫌になりながら聞くと総司令官は笑みを崩さないまま答えた。

 

「……俺は、あの乾燥ワカメに()()()()()()()()()()()()()()()()()()?亡霊とは言え人間が鶏肉の油や胡麻油等の食用油を大量に摂取すれば、()()()()()()()()()()()()()

 

「『食用油』……ッ!?ま……まさか……貴方の()()()()()は私を『満腹させる事』では無く……」

 

総司令官は幽々子に追い討ちを掛ける様に自身が仕掛けた『もう1つの罠』である『食用油による()()()()()()』について言うと幽々子は『その拒絶症状』を今現在、その『症状』が出ているのか胸を抑え、顔面蒼白になると総司令官は微笑みながら『その症状』の細部を暴露した。

 

その『症状』とは……

 

「……ああ、お前も薄々感じているだろ?今、幽々子の身体は油分を過剰摂取したせいで『胸焼け』と『胃もたれ』を起こしているんだ……」

 

「な!?む……()()()に……()()()()!?」

 

「ッ!?う……迂闊だったわ……まさか『ソコ』を狙うなんて……妖夢……貴女も『ソレ』を分かってて……」

 

……そう、幽々子は油分の過剰摂取によって起きる症状『胸焼け』と『胃もたれ』の双方を起こしていたのだ。

 

幽々子は胸焼けの症状である吐き気を伴う強い不快感を感じながら苦しそうに妖夢に聞くと妖夢は総司令官の『本当の企み』を知らなかったのか椛と共に驚愕し、狼狽えながら答えた。

 

「え!?そうだったのですか!?てっきり乾燥ワカメを使って強制的に満腹感を得られる様に細工したのかと……」

 

「知らなかったのかい!!てっきり『ソレ』を分かってて肉料理を作ったのかと……」

 

「だって此処(本部)の冷蔵庫には野菜と調味料そして勇人さんの好物である『鶏肉』しか入っていませんでしたから……」

 

「……此処は勇人様の管轄だからって冷蔵庫の中身を自身の好物しか入れなかったりする等、厨房を私物化するのは止めてくれませんか?軍法に引っ掛かりますよ」

 

「……前任達の悪行よりかは()()()があるだろ。それに『この程度』なら呉の憲兵部隊『柏木隊』を通じて横須賀の憲兵部隊『ゲイヴン隊』と佐世保(ウチ)の憲兵部隊『白楼隊』を買しゅ……ゲフンゲフン!許可貰っているから問題無ぇし、これは俺の兄弟分であり柏木隊『隊長』である『柏木 疾風(はやて)』の()()で行っているから合法だ♪」

 

「「ウチのは兎も角『呉の憲兵隊(自身のコネ)』を使ってまで横須賀の憲兵部隊を買収しないで下さい!」」

 

「……うん、流石ヤクザ上がりね。根回しが相当悪どいわ……ってか、あの時の『演習の事件』に妖夢を助けに来た憲兵部隊(ゲイヴン)って総司令官の『差し金(命令)』だったんだ……」

 

妖夢と椛そして陸奥は呆れ返りながら総司令官に言うと幽々子は『満腹』と『胸焼け』そして『胃もたれ』から発する3つの『拒絶反応』が起きているのか辛く苦しい表情になりながら総司令官を脅し始めた。

 

「……勇人……私に限らず普通の人間に『そんな事』をさせたら……()()()()()()()()()()?」

 

「やってみろ、只『ソレをやる』って事は『社会的に再起不能になる』だけではなく『お前が負けを認める』って事になるぞ幽々子?」

 

「………ギリッ………」

 

総司令官は幽々子の脅しに乗らず、勝ち誇ったかの様に嘲笑いながら言うと幽々子は悔しそうに歯軋りをしながら俯き、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スッ……

 

 

「………分かったわ。此処は潔く『負け』を認めるわ…………()()()()()()()

 

「ッ!?あの『底無しの胃袋』を持った幽々子様が……」

 

「自ら()()()()()……だと!?」

 

……自身の負けを認め、箸を置き、手を合わせたのだ。

 

幽々子は苦しそうに自身の負けを潔く認めると総司令官は幽々子の発言を聞いて悪意丸出しの笑みを溢しながら幽々子が会食前に言った『ある宣言』について触れた。

 

そう、その『宣言』とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい、此処では『お残し厳禁』だって事を()()()()()()()()()♪それについては幽々子も『宣言』しただろ?」

 

「ッ!?ちょっと待って!!私は残してなんか……」

 

……会食前の『誓いの宣言』である『お残し厳禁』について触れたのだ。

 

総司令官は幽々子を止めを刺す勢いで笑みを溢しながら言い、幽々子は狼狽えながら反論すると総司令官は笑みを崩さないままコミカルな口調で答えた。

 

「あるぇ~?なら何故『お前が頼んだお代わり』が()()()()()()()?」

 

「ッ!?そ……それは……その……」

 

「御言葉ですが勇人様、流石にソレは些か『やり過ぎ(オーバーキル)』なのでは……」

 

椛は総司令官の『幽々子の御代わり(オーバーキル)』について穏便に済ませようと優しく窘めながら反論すると妖夢は『残った食材』と『幻想郷時代の幽々子の日頃の行い』を天秤に掛ける様に思考を巡らせ、考えが纏まり、申し訳無さそうに幽々子に言った。

 

「……ですが此処で残すと食材が勿体無いので……幽々子様、大変申し訳ありませんが此処は自前の根性で『ソレ』を完食して下さい」

 

「ちょ!?妖夢まで!?貴女、私を裏切るつもり!?」

 

幽々子は妖夢の裏切り発言に鳩に豆鉄砲を食らったかの様に驚愕し、狼狽えながら言うと妖夢は自身の主である幽々子を叱る様に怒鳴り吐けた。

 

「裏切るも何も、元はと言えば幽々子が生んだ()()のせいで、こんな事になったのですよ!此処は勇人さんみたいに自分が蒔いた種は自分で摘んで下さい!」

 

「そ……そんなぁ~……勇人にダンブルドア、助けて……」

 

幽々子は総司令官とダンブルドアに助けを求めるとダンブルドアは幽々子を守る為に申し訳無さそうに総司令官に御願いした。

 

「う~む……儂かてユユコを助けたいが……Mr.ジョジョ、無理は承知の上だが此処は儂に免じてユユコを許してくれないか?」

 

ダンブルドアは総司令官に頭を下げると総司令官はダンブルドアの御願いに困惑しながら答えた。

 

「そう言われましても……ん!?そうだ……」

 

「……勇人さん、何か思い付いたのですか?」

 

総司令官は『何かしらの案』が思い付いたのか先程の困惑した表情から悪意丸出しの笑みを溢し、妖夢は笑みを溢している総司令官に悪い予感を感じたのか、少し狼狽えながら聞くと総司令官は笑みを溢しながら妖夢の質問に答えた。

 

「ああ、幽々子が頼んだ御代わりを()()()()()()がな……」

 

「ッ!?処分!?食材を捨てるつもりですか!?そんな勿体無い事、私が許しませんよ!!」

 

妖夢は総司令官が発言した『処分』つまり『破棄する』と聞いて血相を変え、総司令官に怒鳴り吐けると総司令官は妖夢を窘めながら先程思い付いた自身の案の一部を妖夢達に言った。

 

「餅突け……じゃなかった、落ち着け、俺が言っているのは『処分』であり『破棄』じゃねぇから安心しろ」

 

「破棄以外の方法で処分……ふむ、成程……そういう事か……」

 

「『処分』であり『破棄』では無い?それは、どういう意味ですか?意味合い的には一緒では?」

 

「全く以て分かりませんが……教えて頂けませんか?」

 

妖夢と椛は総司令官の発言に理解していないのか首を傾げながら聞くとダンブルドアは総司令官の真意が分かったのか、先程の温和な表情から一転し神妙な表情になりながら首を傾げている二人に説明した。

 

「……ヨームにモミジ、彼が言っている『処分』は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を示唆しているのじゃ……そうじゃろ?Mr.ジョジョ?」

 

「……そうです」

 

「何だ……良かった……それで誰が幽々子様の後始末を?」

 

妖夢はダンブルドアの助言があったものの総司令官の真意が分かり安堵しながら聞くと総司令官は悪意丸出しの笑みを溢しながら妖夢と椛に聞いた。

 

「それは妖夢でも知っている奴だ。逆に聞くが二人共、幽々子が『グリフィンドールの教師』だと()()()()()()()()()()()()()()。それは誰だか分かるか?」

 

「勇人さんは一体何を言っているのですか?それはポグワーツの生徒及び教員達そしてダンブルドアさんに……あ!?そういう事でしたか……」

 

「……勇人様、それは流石に無謀では?」

 

妖夢は今現在の幽々子の役職を知っている人達を思い出し、幽々子にとって『一番親交のある人』であり『ポグワーツの連中とは無関係な人』の『2つの()()に当て嵌まる人』を見付け、椛は妖夢の言葉と総司令官の真意を察し、少し狼狽えながら総司令官に聞くと、総司令官は『その人』の隣に座っている自身の母である朱里(三笠教官)に微笑みながら命令した。

 

「大丈夫だ。それは母さんが捕らえてくれるから問題無い♪母さん、すまないが隣の奴を捕まえてくれ。」

 

「……そうだと思って、もう捕まえたわ。連れて来るわ♪」

 

朱里(三笠教官)は遠くからではあるが全ての経緯を盗み聞きをしていたのか総司令官の考えを完全に把握しており、それを先読みしたかの様に自身の錨付きの鎖に縛り着けた人を引き摺りながら連れて来ると総司令官は『幽々子の代わりに後始末を行う人物』である『朱里(三笠教官)に引き摺られて来た人』に微笑みながら言った。

 

その『人物』とは……

 

「……いい加減、解いて頂戴!私は……」

 

「……勿論、解いてやるが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ……さぁ覚悟して貰うぞ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……紫」

 

「ッ!?」

 

……そう、その『人物』とは幽々子の役職を知っていたのにも関わらず、その事を総司令官や妖夢達に黙っていた女性『八雲 紫』だった。

 

紫は総司令官の悪意丸出しの笑みに恐怖を感じ、身を震わせ、総司令官が行おうとする事を完全に把握しているのか顔面蒼白になりながら黙り混んでいると幽々子は『3つの拒絶反応』を起こしているのかゾンビの様に這いつくばり、苦悶の表情を見せ、紫に申し訳無さそうに言った。

 

「ゆ……紫……も……申し訳無いけど……後の事は……御願いね……」

 

「はぁ!?ちょっと待ちなさい!!そもそも貴女が()()()()()()()()()()()()()()()()でしょ!?何で私が!?」

 

紫は幽々子の責任転嫁に強い口調で反論すると妖夢は紫の発言について少し強い口調で問い質した。

 

「『助言』?それって、どういう事ですか紫様?」

 

「ッ!?そ……それは……」

 

紫は妖夢の質問に狼狽えていると総司令官は今までの紫の発言を思い出し『とある結論』を纏め、その『結論』を妖夢達に分かり易く説明した。

 

「……簡単に言えば紫は幽々子の『悪巧み』に乗ったんだよ。そうだろ?」

 

「ッ!?そ………それは……」

 

紫は図星なのか目を反らし、先程以上に狼狽えながら言うとダンブルドアとハリーは紫独りで『幽々子の後始末』をさせる事が不憫に思えてきたのか、申し訳無さそうに総司令官と妖夢に言った。

 

「あの……Mr.ジョジョにヨーム、その事については黙っていた儂達にも非があるんじゃ……」

 

「だから僕達もサイギョウジ先生の御通しを食べますので許してくれませんか?ジョジョさんにヨーム?」

 

「……どうします勇人さん?」

 

妖夢は二人の優しい気持ちを理解し、少し戸惑いながら総司令官の指示(判決)を促せると総司令官は二人の優しさに少し戸惑いを見せながら二人に言った。

 

「……二人の気持ちは分かりが駄目だ、他の食材なら兎も角、コレは日本人しか消化出来ない特殊食材だから外国人である二人が食べると自身の体質による『強い腹痛』が起きるからな。これは医者としての忠告だ……悪く思うなよ。」

 

「「そ……そんな……」」

 

総司令官は軍医として二人が幽々子の御通しを食べさせない様に強い口調で答え、幽々子の御通しを持った椛が紫に近付きながら紫に言った。

 

「……という訳で、アンタには確りと幽々子の後始末(ケジメ)を着けさせて貰うからな……さぁ!御覚悟を!!」

 

「ちょ!?止めなさい白狼天狗!!幽々子!!貴女も食べなさい!!私独りでは無理よ!!元々は……」

 

紫は身を震わせながら幽々子に言うと幽々子は……

 

 

「…………」

 

「……死んでも尚、吐かないとは……食に対して凄い執念だな……アイツ……」

 

「「……そうですね、南無……」」

 

「気絶してないで、さっさと起きなさいよ!!この暴食亡霊!!ってか幽々子を勝手に殺さないで三人共!!」

 

……完全に事切れているのか、死者の如く地面に倒れていたのだ。

 

まぁ元から死んではいるのだが……

 

紫は気絶している幽々子を起こそうと怒鳴り吐けていると総司令官は悪意丸出しの笑みを溢しながら紫に言った。

 

「幽々子が『こんな状態』だ……紫、さっさと腹を括りな。椛、手伝え」

 

「分かりました。これを……」

 

「ッ!?ねぇ……御願い……止めて……」

 

総司令官は紫に恐怖感を与える様にゆっくりと近付き、使い捨てのゴム手袋を装着しながら椛から御通しを受け取り、身を震わせ涙目になっている紫の目の前に移動し、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……開口器、装着完了……今から経口摂取による紫の手術(ケジメ)を行う。さぁ、腹一杯に………食らいやがれぇぇぇぇぇ!!!

 

ドボボボボボ!!!

 

「アバババババ!!」

 

……そのまま幽々子の御通しを、自身のポケットから口の開口を固定する小型の医療器具『開口器』を紫の口に装着させ、幽々子の御通しを開口器を通して紫に大量に投与したのだ。

 

そして数十秒後………

 

「……投与完了、後は口をグリップで閉じて……」

 

パチン!

 

ギュゥゥ………

 

「ッ!?んー!!んー!!」

 

「………そのまま飲み込め!!」

 

ベチン!!

 

「ッッッッッ!?」

 

……ゴクン!

 

「……手術(ケジメ)終了」

 

大量の幽々子の御通しを口に含んだ紫が嘔吐しない様に書類を挟む強力なグリップで口を塞ぎ、風船の様に膨らんだ紫の両頬を蚊を叩き潰す様に両手で強く平手打ちをし、軍医とは思えない位のかなり強引で冷酷極まりない方法で紫の口内にある御通しを胃袋に叩き込んだのだ。

 

勿論、そんな強引な方法は紫にとって……

 

 

「も()………(ふぁ)めぇ……しかし此処で吐いてたまるか……」

 

 

バタン!!

 

「あ……あの大賢者である……ゆ……紫様を……()()()()()()()()()()()()()()……」

 

「……お見事です勇人様、では私は二人を別室に……」

 

「すまんな……しかし、こいつも醜態を晒したく無いのか幽々子より強い執念だけで気絶しても尚、耐えるとは……」

 

「……そうですね」

 

……耐え難い手術(ケジメ)だったのか上を見上げる様に白目になり、涙を流し、目の光が消え、幽々子の御通しが胃袋の中で膨張したのか妊婦顔負けの風船の様に膨らんだ腹部を総司令官に見せ付ける様に背中から地面に倒れ、そのまま気絶したのだ。

 

妖夢は紫の敗北に驚愕し、椛は総司令官を讃えるかの様に微笑みながら言い、気絶している二人を別室に運ぶ為、会場を後にした。

 

その一連の経緯を全て見たポグワーツ組と陸奥は……

 

「「「………『例のあの人(ヴォルデモート)』以上に恐ろしい人だ……この人だけはポグワーツに来たら駄目な人だ……」」」

 

「……うん。それは正しい判断だわ。多分、彼がアッチに行ったら色んな意味で崩壊するから……」

 

……『子供』いや『普通の神経を持った人間』にとって相当冷酷な方法(ケジメ)だったのか心底、身体を震わせ、顔面蒼白になったのは言うまでも無かった。

 

そして……

 

「……さて!後始末(俺の仕事)が終わった事だし……ポグワーツの皆様、再び会食をお楽しみ下さい♪私と妖夢は一端、失礼しますよ♪優花『本部の艦娘達(ウチの酔っぱらい共)』と後の事は頼んだ」

 

「モグモグ……ゴクン!分かったよ♪」

 

「……え!?私もですか!?何でですか!?」

 

総司令官は何故か泥酔している本部(自身)の艦娘達と会食の事は総副司令官(自身の部下)に任せ、妖夢と共に席を外す事を伝えると妖夢は総司令官に呼ばれた事に驚きながら聞くと、総司令官は先程までの笑みが消え、神妙な表情になりながら周りの人に聞き取れない様に小声で妖夢に言った。

 

そう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……お前の夕張が無断で特別ドックに侵入したから説教だ。今すぐ夕張を連れて岬に来い。これは命令だ」

 

「ッ!?わ……分かりました……」

 

妖夢自身の部下のケジメを取らせる為に……




・こちらがダンブルドア先生の『ヨーム』をみてふと思いついたこと

ダ「ヨーム、古い友よ。カタリナの騎士ジークバルト、約束を果たしに来たぞ。薪の王に太陽あれ…」
ヨ「なんの話しでしょうか…」


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上に立つものが背負う『十字架』

投稿完了です!
こちらの方を書いている人が暫くお休みするとの事なので、更新ペースが落ちます…
私も戦闘描写が苦手すぎて作ってはエターナルして作ってはエターナルしてるんですよね…なんとかしないと。
戦闘描写の参考になりそうな作品があったら是非教えてください…(他力本願)


妖夢と総司令官が会食場を抜け出した数分前 佐世保鎮守府第三前衛基地内の工房室にて……

 

 

「…………」

 

 

 

 

たかが『そんな理由』で私は死にかけたのですよ!!これが提督に耳に入れば軍法に則り、貴女は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!自身が犯した事の重大さに気付いていないのですか!!

 

 

 

 

上城総司令官に報告するつもりだ……アッチ(少尉側)夕張(お前)は軍法に則り、ほぼ確実に『解体』されると思うが……

 

 

「………私って、本当に馬鹿だわ……これじゃ妖夢に……」

 

 

夕張は先程、コンゴウの『叱喝』もとい『脅迫(死刑宣告)』を思い返し、自分の愚かな行動に悔やみ、処刑を拒む様に号泣し、自暴自棄になっているのか整理整頓された工具や他の艦娘達の艤装のパーツを辺り一面に散らかせ、地面に座りながら涙を流していると偶々、工房に訪れた総司令官側の明石が自棄になっている夕張を見つけ、慌てながら夕張に聞いた。

 

「夕張、提督から天龍型の『改2』の設計図を持って………って!?なんじゃこりゃ!?大丈夫!?」

 

「あ……ああ………明石ィィ!!」

 

ダキッ!

 

「え!?ちょ!?一体どうしたの!?訳を説明して!」

 

総司令官側の明石は散らかっている工房そして号泣している夕張を見て、気が動転しながらも号泣している夕張を窘めながら聞くと夕張は総司令官側の明石を見て更に涙を流しながら抱き着き、事の経緯を説明した。

 

「実は……実は……」

 

 

 

 

 

 

夕張、説明中………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……と言う訳よ。わ……私、()()()()()()()()()()!!折角、妖夢の艦娘として転生したのに……」

 

「……」

 

夕張は総司令官側の明石に懇願する様に涙を流しながら命乞いをすると総司令官側の明石は困惑しながらも強い口調で夕張を叱った。

 

「……完全に『自業自得』じゃないの!そりゃ私達の方の夕張とコンゴウさんがブチギレる訳よ!それ以前に、この事案は私達(本部)の力を使っても揉み消す事が出来ない事案(おおごと)よ!しかも今回、罰せられるのは夕張だけじゃなく提督と魂魄少尉までもが『特別防衛機密規定違反』及び『監督不届き』として『処刑』いえ最悪、私達含め佐世保鎮守府に在籍している全員が連帯責任として()()()()()()()()()()()()()()()()()()に成りかねないわよ!!」

 

「ッ!?そ……そんなぁ………私のせいで佐世保鎮守府が……ウワァァァァン!!」

 

夕張は()()()()()()()()()()()()()()()()()()ではあるが今回の事案の中で『一番重い処分』である『佐世保鎮守府が解体する事』を聞き、顔面蒼白になりながらも事の重大さを知り、強い絶望感と罪悪感に浸っていると総司令官側の明石は号泣している夕張の姿に溜め息を溢し、少し怒りが篭った低い声を発しながら小さく嘆いた。

 

「……よりによって提督が『此処の夕張の状態』を把握した上で『今回の事』を予知して大本営(上層部の連中)に『アレ(許可証)』の発注を急かしていた時に……タイミングが悪過ぎる……」

 

総司令官側の明石は根本的な原因である『大本営の仕事の遅さ』に悪態を溢しながら困惑していると夕張を呼びに来た妖夢が入室をし、困惑している総司令官側の明石に聞いた。

 

「失礼しますよ夕張さん……って、勇人さんの所の明石さんまで居るという事は聞いたのですね?夕張さんの……」

 

「……たった今、本人から聞きましたよ。」

 

「……そうでしたか」

 

「……提督は『その事』を聞いて……」

 

総司令官側の明石は俯きながら妖夢に恐る恐る聞くと妖夢もまた俯きながら答えた。

 

「特別防衛機密関連の事案だったのでハリーさん達の前では表情(カオ)には出ていませんでしたが、()()()()()でした……」

 

「……これは()()()()()()()()()()()()夕張。何せ、あの()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()からね……」

 

「ッ!?そ……そんなぁ……」

 

夕張は総司令官側の明石の言葉に完全に絶望感と恐怖感に屈し、身体を震わせ、顔面蒼白になりながら呟くと総司令官側の明石は俯きながら妖夢に聞いた。

 

「……提督は『その事』について何て言ってたのですか?」

 

「……相当ご立腹だったのか、ドス効いた声で『無断で特別ドックに侵入したから()()だ。今すぐ夕張を連れて()に来い』と言ってました。……正直言って、お祖父様以上に滅茶苦茶怖かったです……今の勇人さんには近付きたく無いです……」

 

()……フフッ……成程、()()()()()でしたか……なら早く夕張と共に岬に連れて行って下さい。今なら()()()()()()()だけは間逃れますよ♪」

 

妖夢は総司令官の命令を思い出し、まるで父親に説教を食らった幼き娘の様に半べそを掻きながら答えると総司令官側の明石は微笑みながら娘を慰める母親の様に妖夢の頭を優しく撫で、夕張と共に総司令官が居るであろう岬に行かせる様、指示を出すと夕張と妖夢は総司令官の怖さを知っているのか、親の命令を拒む子供の様に拒絶し、涙声になりながら総司令官側の明石に言った。

 

「え!?今の勇人さんにですか!?嫌ですよ!!恐ろし過ぎますよ!!」

 

「明石!私達に『死ね』と言いたいの!?絶対に殺されるわよ!!今の総司令官なら!!」

 

二人は総司令官側の明石の指示を拒む様に駄々を捏ね、身体を震わせながらも互いを抱き着きながら答えると総司令官側の明石は駄々を捏ねている二人に少し苛ついたのか、少し怒りを込め、強い口調で二人に怒鳴った。

 

「……つべこべ言わず、さっさと行きなさい!!本当に最悪の事態になっても知らないわよ!!」

 

「「は……はいぃぃぃ!!今行きまぁぁぁす!!」」

 

ピューッ!!

 

「……全く、世話の掛かる子ね……そうでしょ?()()()()?」

 

「ッ!?」

 

二人は総司令官側の明石の怒鳴り声に驚き、動揺しながらも脱兎の如く工房を退室し、急いで岬に向かうと、退室した二人が入れ替わる様に妖夢を尾行していた陸奥が『一連の経緯』を盗み聞きをしていたのか俯いた表情のまま入室し、恐る恐る総司令官側の明石に聞いた。

 

「ねぇ明石……さっきの話『本当』なの?」

 

「何がですか?」

 

総司令官側の明石は陸奥の質問に微笑みながら惚けると陸奥は総司令官側の明石の態度に更に不安感を募らせ、震えた声を発しながら聞いた。

 

「ゆ……夕張のせいで、そ……総司令官と、よ……妖夢が『処刑』され、佐世保鎮守府自体が解体される事よ……」

 

陸奥は声を震わせながら聞くと総司令官側の明石は「あぁ~……ソッチでしたか……」と手をポンと打ち、陸奥の不安を取り除く様に微笑みながら提案した。

 

「それは、あくまでも『一番最悪の処罰の話』ですよ♪それに提督は既に少尉に『夕張の罰』を伝えているので『最悪の事態』だけは起こりませんよ♪そんなに不安なら今から私達も岬に行きませんか?勿論、二人に見付からない様にね♪」

 

総司令官側の明石は微笑みながら陸奥に提案すると陸奥は二人の事が余程心配なのか、俯きながらも総司令官側の明石の提案に乗った。

 

「……ええ」

 

「……なら決まりですね♪行きましょ♪ホラホラ♪」

 

総司令官側の明石は心配そうに俯いている陸奥を背中を押しながら妖夢達に見付からない様に岬へ向かった。

 

そう……此処の上に立つ者にとって絶対に背負うべき『十字架』が建てられている岬へと……



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上に立つ者が背負う『十字架』 中編

書いては消してを繰り返していたら追い越されていた…何を言って(ry
私が納得いく物ができるまでもうしばらくお待ちを…!


妖夢と夕張が岬に向かっている頃 2030 本部内の岬にて……

 

 

「………」

 

総司令官は妖夢達が来るまでの間、岬に設置してある『とある物』を真心を込めて入念に雑巾で拭いたり、箒を使って掃除していると背後から椛が忍者の様に静かに現れ、総司令官が手入れしている『ある2つの造形物』を見て哀しく俯きながら言った。

 

「……勇人様、罰とは言え今の妖夢さんに『これ』を伝えるのは少々酷だと思いますが……」

 

椛は総司令官が手入れしている『ある2つの造形物』否、その『その2つの造形物が()()()()()()』を把握した上で総司令官に意見を言うと総司令官もまた妖夢に『ソレが作られた経緯(佐世保鎮守府の負い目)』を伝える事に少なからず抵抗があるのか静かに、そして哀しみが入った低い声を出しながら答えた。

 

「……確かに『この事』は今の妖夢にとっては()()()()()()かも知れん。だが妖夢は『此処の艦娘達の司令官(アイツらのボス)』としての『覚悟』が足りないんだ。だから……」

 

「……勇人様自ら、妖夢さんに再度『此処の提督としての()()()()()』を叩き込む為に自ら『妖夢さんの所の艦娘達の悪役』になり此処を指定したのですね?」

 

椛は俯きながら聞くと総司令官は静かに「……ああ」と答えると物陰から妖夢と夕張が総司令官を怖がりながら恐る恐る現れ、顔面蒼白になり声を震わせながら総司令官に頭を下げた。

 

「か……上城総司令官……私が身勝手な事をして……スミマセンでした!!」

 

「ど……どうか夕張さんを()()するのは……止めて下さい!どうか寛大な処罰を御願いします!」

 

二人は総司令官に声を震わせながら頭を下げると総司令官は妖夢が発言した『解体』という言葉を聞いて静かに、そして妖夢を睨み付ける様に怒りの入った鋭い目付きになり重い声を発しながら妖夢に聞いた。

 

「……妖夢、お前今『解体』と言ったな?それはどういう事だ?」

 

「ッ!?は……はい……実は……その……」

 

「ヒッ!?いや……その……」

 

「あちゃ……よりによって妖夢さんの口から()()()()()()()()()()を……冷静になって下さい勇人様、妖夢さんは夕張さんを助けたくて『解体以外の処罰』を懇願しているのですよ」

 

妖夢と夕張は総司令官の怒りに身体を震わせ、総司令官の怒りによる恐怖感が込み上がったのか、今にも泣き出しそうな表情になりながら狼狽え、椛は頭を抱えながら総司令官を窘めると総司令官はドスの効いた低く重い声を発しながら答えた。

 

「んなもん分かっている。それに俺は最初(ハナッ)から夕張(コイツ)()()()()()()()()()()()……そもそも俺は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それに上層部(オヤジ達)と掛け合って『夕張の処罰』を俺に一任させる様に()()()()()から問題無ぇよ……」

 

「……へ?夕張さんを解体しないのですか?それに……」

 

「提督に処罰内容を()()()()()()()……ですか……ホッ……よ……良かったぁ~……ありがとうございます上城総司令官」

 

「身内とは言え上層部相手に平然と『汚職行為(裏取引)』を……ちなみに勇人様が考える二人の処罰とは?」

 

二人は総司令官の言葉に妖夢は呆気に取られ、夕張は自身が処刑されない事による安堵感が込み上がり、崩れる様に座り込み、椛は総司令官の行動を完全に把握しており、総司令官が妖夢と夕張の為に行った『超絶ブラック(憲兵事案待った無し)な裏取引』に呆れながら聞くと総司令官は先程の妖夢が発言した『解体発言』に心外な心境だったのか渋い表情になり頭を掻きながら答えた。

 

「……『説教』だ」

 

「フム……成程……そういう事でしたか……」

 

「よ……良かった……()()()()()()で……」

 

「え?『説教』って海軍の処罰に入るのですか?それに夕張さん!貴女は本来『解体』される所を勇人さん……じゃなかった上城大将が貴女を守る為に総司令官としてのプライドを捨て態々(わざわざ)()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のですよ!少しは反省して下さい!」

 

「ッ!?……スミマセン……提督」

 

「違うでしょ!!私じゃなくて勇人さんに謝って下さい!!」

 

「……か……上城総司令官、本当に申し訳ございませんでした!!」

 

「まぁ結果的には間違ってはいませんが……勇人様、説明を御願いします」

 

妖夢は安堵している夕張に総司令官の行動を表すかの様に言葉の一部を強く強調しながら怒鳴り散らし、総司令官が発言した『処罰(説教)』について聞くと椛は妖夢の発言に違和感を感じながら総司令官に説明を促せると総司令官は懐から煙草を取り出し、先程の怒りと心外を取り除くかの様に煙草の紫煙を味わいながら妖夢の質問に答えた。

 

「フーッ……それは『国家公務員法』分かり易く言うと俺達みたいな『軍人(公務員)に対する法律』の事だが、それに記載されている処罰の中で()()()()()()であり『説教と同義語』である『訓告(くんこく)』として扱われるんだ」

 

「訓告……ですか……だから勇人さんは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に敢えて『訓告』では無く『説教』と伝えたのですね」

 

妖夢は自身が『この世界の法律に(うと)い事』を認め、総司令官の配慮に感謝しながら聞くと総司令官は「そういう事だ」と微笑みながら認め、吸い切った煙草を缶型の携帯灰皿に入れた途端、先程の微笑みが消え、神妙な表情になりながら二人に聞いた。

 

「……さて、此処からが本題だ。妖夢に夕張、何故俺が()()()()()()()()()()()()?」

 

「えーっと……今回の件をハリーさん達に悟られない様にする為……ですか?」

 

「まぁ、それもあるんだが……少し違うな」

 

妖夢は自身の答えに自信が無いのか総司令官の質問を質問で返すと夕張は総司令官が二人を岬に呼んだ理由が分かり、総司令官の後ろに建てられている『ある2つの造形物』が視界に入ったのか、俯きながら答えた。

 

そう、それは……

 

「……()()()()()()()()()()()()()()()()()()の『負い目(れきし)』を教える為に此処を指定したのですね」

 

「……そうだ」

 

「……」

 

「佐世保鎮守府の『負い目(れきし)』……ですか?それって勇人さんが行った『将軍暗殺事件』にも絡んでいるのですか?」

 

………妖夢が着任する迄に起きた『負い目(れきし)』を妖夢に教える為に此処()を指定したのだ。

 

妖夢は夕張の発言に首を傾げながら総司令官に聞くと、総司令官は妖夢の発言に面を食らい、少し狼狽えながら聞いた。

 

「ああ……って!?何で妖夢が『この事』を知っているんだ!?」

 

「本部を視察している時に救難隊の由香奈さんから聞きました。勇人さんは当時、拉致された艦娘や一般人を助ける為に自身の独断で人を……しかも外国の将軍を(あや)めたと聞いています」

 

「え!?上城総司令官が……人を……しかも外国の将軍を……」

 

妖夢はコンゴウ……もとい由香奈から聞いた経緯(内容)を、そのまま総司令官に伝えると、夕張は初耳だったのか狼狽え、総司令官は「……なら話が早いな」と呟き、総司令官の背後に建てられている『ある2つの造形物』を妖夢に見せる様に移動しながら言った。

 

「……妖夢に夕張、何故俺が拉致された艦娘や一般人を救助するだけなら()()……K()()()()()()()()()()()()()()()のに態々、()()()()か……分かるか?」

 

「ん?そう言われれば確かに……何故、暗殺を?」

 

妖夢は総司令官が諭っている様な意味深な発言に首を傾げながら聞くと総司令官は妖夢に『ある2つの造形物』を見せる様に優しく『それ』を指指しながら答えた。

 

「……先ず、それを答える前に……妖夢、此処に建てられている『コレ』に()()()()()()()()を読んでみな。そうすれば(おの)ずと分かってくる筈だ」

 

「あ……はい……えーっと………ッ!?嘘でしょ……」

 

「……読んでみな」

 

妖夢は総司令官の後ろに建てられている『ある2つの造形物』に彫られている文字を黙読すると先程までの可愛らしく悩んだ表情から一転、目を見開き、かなり狼狽えながら『それ』の正体を明かした。

 

そう、『ある2つの造形物』の正体は……

 

「……『佐世保鎮守府 強者ノ戦乙女達、ココニ眠ル』……まさか……『艦娘達の墓』そして『慰霊碑(いれいひ)』だったとは……」

 

そう、『ある2つの造形物』の正体は『艦娘達の墓』そして佐世保鎮守府に嘗て在籍し、戦争等で亡くなった艦娘達の所属そして名前が彫られている造形物『慰霊碑』だったのだ。

 

夕張は先程の総司令官の発言そして墓と慰霊碑を見て狼狽えながらも憶測ではあるものの『将軍暗殺事件』の全貌そして当時の総司令官の考えを妖夢に教えるかの様に分かりやすく、そして辛く重い口調になりながら総司令官に聞いた。

 

「ッ!?やっぱり……これで辻褄が合いました。上城総司令官は『この子達の無念(思い)』を受け継ぎ、そして『彼女達の無念(思い)』である『佐世保鎮守府を地獄に変えた元凶を粛清』……この鎮守府をブラック鎮守府に変えた根本的な元凶であるK国の将軍が再び私達に……いえ日本に危害を食わえない様に、そして日本だけではく他国の民衆に非難中傷(パッシング)される覚悟で……自らの手によって……」

 

「……ああ。妖夢はコンゴウ(アイツ)から聞いたと思うが、俺は『この事』が原因で民衆から『艦娘達を苛めてきた大悪党』として世間から批判……いや迫害を浴び、妖夢や艦娘達が世間からの迫害を守る為に敢えて()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……と言う訳だ」

 

「…………」

 

「私達の為に……そこまで……」

 

総司令官は夕張の憶測が当たったかの様にオブラートに包んだ表現ではあるが夕張の説明に付け足しながら答えると妖夢は事前に由香奈から聞いていたとは言え、本人の口から『妖夢や艦娘達を守る為に自ら望んで悪役を演じた事』を改めて知り、悲しそうに目を伏せながら黙り込み、夕張は総司令官の行動に『自身の行い(不法侵入)』を恥じるかの様に辛く険しい表情になると、それを見掛けた椛は二人の表情を明るくする為に優しく言った。

 

「……まぁ結果はどうあれ、最終的には勇人様も今は『日本を救った英雄(ヒーロー)』として民衆に讃えられているのですよ。そんなに落ち込まなくても……」

 

椛は未だに悲しく俯いている二人を見て苦笑すると妖夢と夕張の背後から『とある若い女性』が現れ、微笑みながら先程の椛の発言を訂正しながら言った。

 

「……椛ちゃん。それを言うなら『日本を救った"英雄(ヒーロー)"』じゃなくて『日本を救った"義賊(ダークヒーロー)"』と説明した方がしっくり来るんじゃない?こんばんは妖夢ちゃんに夕張さん」

 

「……ダークヒーローって……それは()()()ですよ桜花様」

 

「ッ!?さ……桜花総副司令官!?お疲れ様です!?」

 

「大尉!?何故此処に!?」

 

「……オイ優花、二人に用があるのなら後にしろ。今()()()だ」

 

椛は『とある若い女性』こと『総副司令官(桜花 優花)』の発言に苦笑し、妖夢と夕張は総副司令官の登場に驚き、総司令官は彼女を席を外す様に少し強い口調で言うと彼女は微笑みながら総司令官の発言を訂正した。

 

「第三者の私から見れば()()()じゃなくて()()()に見えるんだが?しかも『あの時の話』なら()()()()()()()が入っても問題無いんじゃない?」

 

「確かにそうだが……お前の場合はストレートに言うからな……先程の『海軍用語の件』もそうだが……」

 

総司令官は彼女の訂正を認めつつも、彼女の『ド直球な発言』に危惧し、渋ると、妖夢と夕張は彼女が発した『将軍暗殺事件の関係者』だと聞き、驚きながら聞いた。

 

「え!?大尉も参加してたのですか!?」

 

「ですが、それだと『桜花総副司令官が()()()()()()』と『あの事件が起きた()()』が合わないのですが……」

 

妖夢は総副司令官もまた『あの事件の関係者』つまり『総司令官と共に戦った』と思い驚愕し、夕張は『彼女が着任した日付』が『あの事件の()』だと既に把握しているのか、その事について言及すると彼女は先程までの優しい笑みが消え、少し俯きながら二人に聞いた。

 

「……夕張さんの言う通り、私は『あの事件の後』海軍に入隊したわ……先程、勇人君が『あの事件』を()()()()()()()()()()……()()()()()?それがヒントよ」

 

「確か……拉致された()()()()()()を救助して……」

 

「………ッ!?まさか……総副司令官が『あの事件の関係者』って……」

 

妖夢は総副司令官の言葉にピンと来なかったのか、首を傾げながら思考を巡らせ、夕張は妖夢の呟きを聞き、彼女の経歴そして『関係者』との関係性を見出だしたのか驚愕し、狼狽えながら聞くと総副司令官は黙って頷き、自身が何故『関係者』だと言う理由を答えた。

 

そう彼女は……

 

「……そう。当時『一般人』だった私も『あの事件』の『拉致被害者』だったの……そして勇人君が率いる艦娘達に助けて貰ったのよ」

 

「「ッ!?」」

 

……将軍暗殺事件の『拉致被害者の一人』だったのだ。

 



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上に立つ者が背負う『十字架』 後編

大幅に遅れました、申し訳ありません…
何があったかは活動報告をご覧下さい


「な!?あの大尉が……拉致被害者とは……」

 

「……」

 

 

妖夢は彼女の言葉に驚きを隠せず狼狽え、夕張は「やっぱり」と言わんばかりに黙り込むと総副司令官は暗くなった場の雰囲気を変えるべく微笑みながら二人に言った。

 

「そういう事よ。たがら私は自ら悪役に徹してまで助けてくれた勇人君に感謝し、恩義を返す為に海軍に入隊したの……」

 

「……そういう事だったのですね」

 

妖夢は総副司令官の話を聞いて何故、総司令官が『悪役を演じた本当の理由』そして、そんな彼を恋人の様に慕っている彼女の『思い(恩義)』を知り、少し俯きながらも納得すると二人は神妙な表情になり自身の気持ちを妖夢に優しく言った。

 

「……妖夢、『人の上に立つ』って事は『あの事件』みたいに時として仲間や部下達、更には日本を守る為に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を覚えて欲しいんだ。そして……あの事件みたいに『最悪の決断』をしなくてはいけない時は俺や優花を頼れ。お前は『あの時(着任時)の俺』とは違って頼る人が、いっぱい居るからな」

 

「そうだよ。勇人君が佐世保に着任した時なんて『妖夢ちゃんの基地以上に超ブラック鎮守府』で当時、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それと比べれば私含め妖夢ちゃん達は()()()()()()()()()で仕事している事を忘れないで……」

 

「まぁ本当は妖夢達が着任する迄に全て終わらせたかったが此方も色々と立て込んでいたからな。すまんな妖夢に椛、着任して早々、苦労掛けてしまった上に俺達が不在の時に此処を守ってくれて、ありがとう」

 

「本当にありがとうね……妖夢ちゃんに椛ちゃん」

 

二人は妖夢を自身の娘の様に優しく、そして総司令官は上官として今までの妖夢の苦労を労いながら頭を下げ、感謝の意を伝えると妖夢と椛そして夕張は親代わりでもあり上官である二人の行動に狼狽え、戸惑いながら答えた。

 

「ちょ!?勇人さんに大尉!?あ……ああ……頭を上げて下さい!寧ろ、御礼しなくてはいけないのは私達です!夕張さんを守る為に裏で大本営に掛け合ってくれた事や前任達の手によって傷付いた艦娘達を治療してくれたり……」

 

「当時、着任して間も無い私達に資材や食材等を提供して下さったり、そして権力(ちから)の無い私達を守ってくれて……本当にありがとうございます!貴方様のお陰で私達が何不自由無く過ごせていますので……だから頭を上げて下さい!でないと私達の立場が……」

 

「そうですよ!こんなイレギュラーな私に……そこまでして頂いて本当に感謝しているのですよ!!本当に頭を上げて下さい!!そ……それに話が脱線してますよ……」

 

妖夢と椛は狼狽え、夕張は自身がイレギュラー(記憶を持った状態)で建造されたのにも関わらず、二人は彼女(夕張)を忌み嫌わず、それ所が彼女を家族(仲間)として快く迎え入れくれた事に感謝しつつも総司令官が自身の感謝の意を伝えた事が原因で話が逸れた事を申し訳無さそうに伝えると二人は「……そうだった()」と微笑みながら答え、微笑んだまま三人に言った。

 

「まぁ、俺……いや俺達が言いたいのは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を持たないといけない事を忘れないで欲しいんだ。」

 

「うん。だから私達は『そういう残酷な覚悟(トラブル)』が来ない様に妖夢ちゃんや椛ちゃん、そして艦娘達の為なら、ありとあらゆる手段を使ってても必ず守っていくから、大人である私達に遠慮無く甘えてね。伊達に現場主義で無駄に蓄えた権力(ちから)があるんだからね♪特に妖夢ちゃんは、まだ親兄弟に甘えたい年頃なんだから私達に遠慮せずにジャンジャン甘えてね♪」

 

「ッ!?で……でも、そんな事をしたら幽々子様に……それに……勇人さん達に御迷惑を……」

 

「そ……そうですよ。私みたいな下っぱが海軍大将……戦場の狂龍に甘える事なんて……とても……」

 

妖夢と夕張は父親の様に厳しくもあるが鎮守府の中で一番頼もしく、常に妖夢の事を気に掛けている総司令官と母の様に優しく慈愛のある柔らかい表情をする総副司令官の言葉を聞いて内心嬉しかったのか一瞬、頬を緩ませたが自身も『艦娘達を束ねる長』だと思い出し、狼狽えながら二人の御厚意を断ろうとすると椛は既に割り切っているのか微笑みながら『提督としての立ち振舞い』と『子供として純粋に甘えたい』の2つの気持ちがぶつかっている妖夢と『階級の壁』と『総司令官の恐ろしい通り名』に気圧されている夕張を後押しする様に言った。

 

「それ位、幽々子(アイツ)も許してくれますよ妖夢さん。それに二人共、勇人様は顔が『某悪魔狩り(ネ〇)』似の『超強面(ヤクザフェイス)系の美男(イケメン)』ですが中身は父の様に厳しく仏の様な慈愛のある性格だと忘れてないですか?そんな人が私達が彼に甘える事自体が迷惑だなんて、()()()()()()()()()()()()()()から♪そうですよね?勇人様に桜花様?」

 

「ああ。寧ろ()()()()()だ。それに椛、俺と優花に『様』は付けるな。せめて『さん付け』にしてくれ……後、誰の顔がヤクザフェイスのイケメンだ椛?」

 

「そうだよ。私達そんなに偉くないよ……神様じゃ無いんだし……さっきのラフな口調で良いんじゃない?」

 

「そ……それは昔からの癖なんで直ぐに治るモノではありませんが……私なりに改善します。それにアレは御主人様に対しての冗談てすよ……だから許して下さい御主人様♪」

 

「冗談とは言え御主人様は言うな……色んな意味で誤解を招くから……」

 

「アハハ……バレましたか……」

 

二人は椛の言葉を肯定しつつも『口調が()()()』な椛について苦笑しながら指摘すると椛は恥ずかしそうに赤面し、戸惑いながら答えると妖夢と夕張は二人の嘘偽りの無い優しく慈愛のある笑み、そして、今まで抑えてきた『年相応の感情』が爆発したかの様に涙を溢し、自身の高ぶった感情を抑えながら二人にぶつけた。

 

「ほ……本当に……甘えても……良いのですか……私……今までお祖父様が武者修行に行ってから人に甘えた事が無かったので……お祖父様に甘えれなかった分、勇人さん達に物凄く甘えますよ……本当に……良いのですか……」

 

「物凄く……迷惑掛けますよ……本当に良いのですか?」

 

「構わねぇよ」

 

「……こんな私達のせいで色んな人達から非難中傷されてしまうかも知れませんよ……」

 

「何時でもバッチコイよ♪」

 

「「ほ……本当に……良いんですか?」」

 

妖夢と夕張は自身の高ぶった感情を抑えきれていないのか、涙声になりながら二人に聞くと二人は微笑みながら妖夢と夕張に言った。

 

「何度も同じ事を言わせんな。俺達『家族』だろ?俺達()に甘えたって良いんじゃねぇか♪子供は大人に甘える事が仕事みたいなモンだしな♪」

 

「そうそう。それに我慢は精神的に毒だよ……だから遠慮せず思いっきり甘えて……ね♪」

 

「「ッ!?」」

 

二人は慈愛のある柔らかい微笑みを溢しながら妖夢と夕張の『抑えていた感情』を優しく解き放つ様に柔らかい口調で答えると妖夢と夕張は二人の言葉に抑えて付けていた感情を爆発させるかの様に号泣し、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勇人さぁぁぁぁん!!優花さぁぁぁぁん!!此処に来てから本当に……怖かった事や辛かった事ばかり起きて寂しかったよぉぉぉぉぉ!!だがら私……わ"だじ……わ"だじ……えぐっ……私を独りにしないでぇぇぇぇ!!」

 

「勇人さんに優花さん!!本当に………ごめ"ん"な"ざい"ぃぃぃ!!

 

ギュッ!

 

「おっとと……余程、感情(ストレス)が溜まっていたんだな……」

 

「そうね……今まで、良く頑張ったね妖夢ちゃん♪夕飯さんも、もう我慢する必要が無いよ♪」

 

「ウグッ……ウウッ……ハイッ……辛かったです……」

 

「本当に……ごめんなさい……」

 

涙と鼻水を思いっきり流しながら二人を抱え込む様に抱き着いたのだ。

 

妖夢と夕張は二人の言葉に身を委ねる様に、そして自身の感情(甘え)の全てを二人にぶつける様に涙と鼻水を泣かしている顔を二人の胸……妖夢の場合は自身の小柄な体格と相まって総司令官の鳩尾付近に埋める様に抱き着きながら踞くと総司令官は自身の鳩尾付近に顔を踞っている妖夢の頭を、総副司令官は同じく夕張の頭を優しく撫でながら椛と共に会話した。

 

「……全く、独り善がりな行動をして……誰に似たんだ?」

 

「そりゃ上官であり兄貴分の勇人君じゃないの?妖夢ちゃん、私と話す時いつも勇人君の事を影で『お兄ちゃん』と呼ぶ位、慕っているからね♪羨ましい限りよ……私も『お姉ちゃん』呼ばれてみたいな……」

 

「そういや『末っ子』だったもんな、お前……やっぱ、そう言う願望があるのか?」

 

「まぁね♪勇人君は大家族の長男だから羨ましいよ……」

 

「あははは……そういう願望(下心)があるから勇人様……いえ勇人さんみたいに妖夢さん達を救う事が出来たのですね……」

 

「椛もどうだ?甘えたって良いんだぞ?」

 

「いつでもバッチコイよ♪」

 

「……遠慮しておきます。私の柄ではありませんので……二人が泣き止んだら会場に戻りましょ……主催者が居ないと絞まりませんからね優花さんに勇人さん♪」

 

「うん♪行こうダーリン♪」

 

「ダーリンって付き合っていないのに……泣けるぜ」

 

椛は二人の御厚意を恥ずかしそうに断りつつ二人に甘えている妖夢と夕張を優しく見ながら提案すると、二人に微笑みながら肯定し、数分後、妖夢と夕張が泣き止むと総司令官は夕張に『許可証』を渡し、五人は慰霊碑と墓に御参りをし、そのまま会場に足を運んだ。

 

そして今までの経緯を影から見てた陸奥は腰を抜かし、安堵しながら総司令官側の明石に言った。

 

「よ……良かった……総司令官が上手いように気を効かせてくれて……貴女、()()()()()()()()()()から狼狽え無かったのね……」

 

「そうですよ。提督なら必ず少尉達を守ってくれますからね♪まぁ、提督らしい『やり方』って言うか何か……その……誉められた方法(モノ)では、ありませんが……」

 

総司令官側の明石は苦笑しながら答えると陸奥は先程、総司令官が言っていた内容を思い出し、先程の安堵感が消え、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()の2つの気持ちが込み上がり、俯きながら呟いた。

 

「……物凄く強くて優しい人ね……総司令官は……貴女達だけではく妖夢の事まで……それに比べて私達は……影で総司令官を罵り、妖夢の気持ちに気付けずに……仲間として……いえ人間(艦娘)として情けないわ……」

 

陸奥は悔しそうに呟くと総司令官側の明石は陸奥の気持ちを察したのか自身が曾て行った愚業を懺悔するかの様に俯きながら答えた。

 

「……そうでも無いですよ。私達だって提督……勇人さんと秘書艦の赤城さんが着任した時は、あまり好印象では無かったのですよ……寧ろ()()でしたよ……『ヤクザ風情の男が提督業が務まる筈が無いから消えろ!』やら『親の七光りの甘チャン野郎は無能だ!』更には『自身の欲求の為に平然と汚職行為をする世界一の屑野郎』と……赤城さんにも『屑野郎専属の娼婦』やら『艦娘の恥さらし』と常日頃から二人を罵っていましたからね………」

 

「うわぁ~………これは妖夢に聞かせたく無い酷過ぎる内容ね……『上には上がいる』ならぬ『下には下がいた』のね……」

 

陸奥は総司令官側の明石から総司令官と赤城が着任した当時の様子を聞いて先程の不安感と罪悪感が薄まり、着任時の二人を同情するかの様に顔を引き釣り、完全に引いていると総司令官側の明石は俯いたまま説明を続けた。

 

「……『下には下がいる』……正しく『その通り』ですね。当時、味方が居なかった勇人さんは私達の為に已む無しに汚職行為をしていたのに……その事に気付けなかった私達は本当に愚かで馬鹿な連中でしたからね……普通の人なら私達からの非難中傷やら罵声、更には迫害を受けていたなら、すぐに退職するか鬱病になりますよ……だけど二人には『とある方』と()()していたから()()()()()()()()()()

 

「約束?一体誰と?」

 

陸奥は首を傾げながら聞くと総司令官の明石は静かに、そして覚悟が入った重い声を発しながら答えた。

 

「……勇人さんの母親である『三笠教官』です。二人が着任する半年前、彼女は二人に自身の思いを託したからです……『貴方達が艦娘達の特効薬になって欲しい』って……」

 

「……フフッ、教官らしいわね。それで二人は教官との約束を守る為に貴女達の非難中傷、罵声奇声に耐えながら鎮守府を改善しつつ私含めて艦娘全員を治療し、今に至る……という訳ね」

 

陸奥は先程までの罪悪感と不安感が完全に無くなったのか総司令官側の明石を慰める様に微笑みながら言うと総司令官側の明石もまた自身の過去を陸奥に話した事により気が楽になり、微笑みながら答えた。

 

「そういう事です。だから私達は彼に謝罪し、それを許してくれた仏の様な寛大な心を持った勇人さんに恩義を感じると共に異性として惚れ込み、勇人さんの伴侶として一生付いていく事にしたんですよ。それが喩え『棘の道』……いえ『地獄』だとしても……ね♪」

 

「仏は兎も角、伴侶って……貴女が、そこまで言わせる程、良い男なの?総司令官は?まぁ顔は万丈龍〇とネ〇の顔が合わさった『ハーフ系の容姿端麗(イケメン)』なのは分かるが……」

 

「勿論です!!()()()()でありながら()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()の為なら何でもヤりますよ!!いや寧ろ、自ら……」

 

「はいストップ。これ以上は言わせないわ……それに総副司令官含め貴女達が彼に異常な迄に慕う気持ちが痛い程、良く分かったから落ち着いて……」

 

陸奥は興奮している総司令官側の明石に苦笑し、ドン引きしつつも興奮した彼女を窘めると彼女は「ゴホン!」と先程の興奮を押さえつける様に咳払いをし、微笑みながら()()()()()()()()()()()()()()()()()()がいるであろう方向に顔を向き、その人に言った。

 

「私とした事が……まぁ分かってくれれば良いかな。それに隠れてないで出てきませんか?加賀さんに西行寺先生、そしてダンブルドア校長?」

 

ガサコソ……

 

「すまぬ……ヨームの事が心配で……」

 

「あらら……バレちゃったわね♪初めまして勇人の方の明石さん……ゲェェェェッフッ!

 

「ちょっ!?汚ッ!?……本当にごめんなさい。盗み聞きするつもりでは……」

 

「ッ!?加賀にダンブルドアさん!?それに西行寺先生!?どうして此処に?」

 

総司令官側の明石は微笑みながら別の場所で見てた幽々子とダンブルドアそして総司令官側の加賀に言うとダンブルドアと加賀は申し訳無さそうに、幽々子は先程のワカメ料理の影響が残っているのか物凄く汚いゲップを豪快に放しつつも微笑みながら挨拶すると陸奥は三人の登場に驚きながら聞くと三人を代表として加賀が申し訳無さそうに『此処に来た経緯』を簡潔に説明した。

 

「二人を御手洗いに案内している帰りに偶々……」

 

「そういう事よ♪お陰でワカメによるボデ腹がスッキリ凹んだわよ♪」

 

「これユユコ……御主はもう少し自粛しなさい……すまぬミセスにMs.アカシにMs.ムツ……儂の連れがゲップや下品過ぎる立ち振舞いを……」

 

ダンブルドアは幽々子の『はしたない行為(下品過ぎる立ち振舞い)』に優しく一喝し、申し訳無さそうに謝罪すると加賀は然程気にしていないのか、はたまた何かに対しての優越感を感じたのか微笑みながら答えた。

 

「フフッ、そんな些細な事……気にしていませんよダンブルドア校長。寧ろ即興ではありましたが会食に満足して頂いて此方も嬉しい限りです。まぁ先程のゲップは驚きましたが……」

 

「すまぬミセス……本当に御主は彼と同じく穏和で気さく、そして何より戦士としての誇りと気品があって大変素晴らしい女性(ヒト)じゃ……流石、Mr.ジョジョ……いや『英雄の妻』じゃな……それに我々の要望(ワガママ)に答えてくれて……」

 

「そんな事位『鎧袖一触』ですよダンブルドア校長」

 

「そうか……ん?『鎧袖一触(ガイシューイッショク)』とは?」

 

「日本の四文字熟語で『鎧の袖を触る様に物凄く簡単に敵を倒す事が出来る』と言う意味です。その意味の通り、本来は()()()()()()使()()()()()()()()()ですが、此処では『私達が服を着る様に物凄く簡単な作業』だと分かって頂けたら大丈夫です」

 

「ほほぅ……そんな意味があったとは……」

 

加賀は申し訳無さそうに謝罪しているダンブルドアに微笑みながら自身の口癖である『鎧袖一触』の『本来の意味』を教えつつ、その熟語を『平和的な意味』として変え、交えながら答えると総司令官側の明石は先程のダンブルドアの発言に不満があるのか少し怒りながらも幽々子に『ある疑問』が頭に(よぎ)り、その事を幽々子に聞いた。

 

「……少し気になっていたのですが、少尉は西()()()()()()()()()()()()()()と少尉本人から聞いています……その『真意』を教えて頂けないですか?後、加賀さん!何ちゃっかりと正妻の座を取っているのですか!!其所は私の席ですよ!!」

 

「そう言えば……教えてくれないかしら?後『正妻の座(此処)』は譲れませんので諦めてくれないかしら?明石?」

 

「いやですよ!!」

 

総司令官側の明石は加賀といがみ合いをしつつも二人は妖夢を海軍に入隊させた張本人である幽々子に聞くと幽々子は「まぁまぁ……」と二人を窘めながら妖夢を海軍に入隊させた理由を微笑みながら答えた。

 

「フフッ、簡単な事よ……あの子には『もっと見聞を広めて欲しい事』と妖忌(ようき)……あの子の祖父の『古風過ぎる教えを()()()()に教えた』せいで当時、性格が相当拗らせた妖夢を『矯正する(治す)』為に入隊させたのよ……」

 

「あの少尉が……ですか?ちなみに、もし少尉が矯正せずに過ごすと、どうなるのですか?」

 

加賀は幽々子が危惧している事について聞くと、幽々子は妖夢が入隊する迄に相当苦労したのか、目の光が無くなり覇気の無い重い声を出しながら妖夢の過去について回想を交えながら答えた。

 

「……『純粋無垢な心を持ったサイコパス(辻斬り快楽者)』になっていたわ……それの兆候が見えたのは妖夢が神隠s……ゴホン!来客として私の所に訪れた勇人と初めて出会った時に表れたのよ……その時、妖夢は来客である彼を……」

 

 

……貴方の事は斬れば判ります。御覚悟を!!

 

 

「………と言って、いきなり学生時代の勇人を斬り殺そうとしたのよ。この後……まぁ想像通りの結果だけど武器を持たない勇人は妖夢の刀を無力化したのよ。そして妖夢は無力化された事が決定打となり勇人との勝負に負け、そして……」

 

 

 

 

……参りました。私の負けです。此処は武士らしく……幽々子様、御先に……

 

ゴン(げんこつ)!!

 

ガキの分際で物騒な事をしてんじゃねぇ!!この刀は没収や!!一体どんな教育をしてんだ!テメェの親は!直接『御話し』いや『頭冷やさせて』やらぁ!!

 

痛たた……ッ!?それを返して下さぁぁぁぁい!それに、お祖父様と幽々子様だけにはぁぁぁ!!

 

やかましい!駄々捏ねるなクソガキ!

 

 

 

 

「……自決しようとしたが勇人に拳骨を浴びせられ、刀を没収されたのよ。そして彼は妖夢の祖父であり剣術の師匠である妖忌に喧嘩を売り、本気になった妖忌に完全勝利した後、私達三人に長い説教をしたのよ。その後、妖忌は()()()()()()()()()()()()()()()()()()だけでは無く、妖夢の教育方針等『全て』を()()された事が相当ショックだったのか、妖夢の教育を私に押し付けて、そのまま武者修行に旅立ったのよ……しかも妖忌をフルボッコした原因で勇人は一時的ではあるが『お尋ね者』になり、彼をお尋ね者にさせた私達は『彼の一族(博麗一族)』の怒りを買ってしまって粛清(フルボッコ)されそうになるわ……もう散々だったのよ」

 

「「うん。提督らしいですね」」

 

「何じゃろ……物凄く安易に想像が着くのじゃが……」

 

「しかも本気になった妖夢の師匠(祖父)相手に『舐めプ(非武装)』で、しかも『完全勝利(フルボッコ)』するとは……学生時代(子供の時)からブッ飛んだ事をしていたのね……彼は……」

 

四人は幽々子の説明に安易に想像出来たのか、苦笑しながら相槌を打つと幽々子は『当時の記憶』……と言うより『博麗一族に粛清(満身創痍)されそうになった記憶』が蘇り、身震いをしながら妖夢を入隊させた本当の理由を簡潔に纏め、答えた。

 

「……そう言う事よ。だから私は妖夢に純粋無垢な心を持ったまま、より見聞を広めて貰う事で妖夢が真っ当に、そして彼の様に強く真っ直ぐな性格になって欲しいから『妖夢の親代わり』として心を鬼にし、勇人の両親の権力(ちから)を使って海軍に……佐世保鎮守府に着任させたのよ」

 

「そうじゃったのか……」

 

「親心のある暖かい理由ね。貴女の事を見直したわ西行寺先生……ってか、それに元帥と教官も一枚噛んでいたとは……泣けますね」

 

「まぁ、あの『御人好しの塊』と言われている勇人さんの親ですからね……納得しなざるを得ないですよ。これは……」

 

「そうね。でも、そのお陰で総司令官含め、世界を影で統治している『世界最強の財閥(組織)』である『上城財閥(神城会)』が妖夢の……いえ私達の権力(ふぎ)になったんだから良いんじゃない。さて、そろそろ私達も戻りましょ?」

 

「そうですn……あ!?忘れてました。陸奥、貴女に提督から伝言を預かっているわ」

 

「ん?何?総司令官からの伝言?」

 

上からダンブルドア、加賀、明石そして陸奥は幽々子の苦労を共感し、優しく微笑みながら会場に戻ろうとすると加賀は『ある事』を総司令官から伝言を預かっている事を忘れていたのか、呆気ない声を出し、陸奥を呼び止め、総司令官の伝言を伝えた。

 

「ええ……明日から提督と副提督、瑞鶴、一航戦(私達)、伊勢型の二人そして明石と私達の方の夕張は『舞鶴』に()()から留守の間、少尉達……いえ鎮守府のみんなの事をお願いします」

 

「……え!?それって……総司令官達が舞鶴に『転属』するの!?それは嫌よ!あの人達が居なかったら妖夢や私達が……」

 

陸奥は加賀の言葉を深読みをし、先程までの微笑みが消え、相当焦りながら言うと加賀は陸奥を窘めつつ自身の説明を付け出しながら答えた。

 

「落ち着いて、これは転属ではなく『休暇』を使って舞鶴に行くのよ。言わば『旅行』よ……一週間位したら戻るわ」

 

「ホッ……そうだったの……私ったら、つい早合点を……分かったわ。此処は私達に任せて楽しんでね♪後、お土産は八つ橋で♪間違っても木刀は買わないでね♪」

 

陸奥は加賀の言葉に安堵し、微笑みながら冗談を溢すと加賀は「木刀って……学生じゃないんですから……」と苦笑しながら答え、会場に戻った。

 

そして数分後、会場に戻った妖夢達は……

 

「ストローがデカイ……あの勇人さん、これは……」

 

「ミルクティーの中にタピオカが……ジョジョさん、これは?」

 

「……デザート兼ドリンクの『タピオカミルクティー』だ。甘さ控え目になっているから各自の好みでガムシロップを入れてくれ」

 

「「分かりました。では……頂きます」」

 

チューッ………

 

ズゴッ!!

 

「「ッ!?ゴホッ!ゴホッ!た……タピオカが喉に……」」

 

「……勢い良く飲むからだろ。今度は優しく、ゆっくり飲んでみな」

 

「「……はい」」

 

チュ~……

 

「ッ!?も……モチモチしてて美味しい……」

 

「タピオカに負けない位、茶葉の風味が強いですね……茶葉は何を使っているのですか?『ハロッズ』?『トワイニング』?それとも『フォートナム&メイソン』?」

 

「………佐世保(ウチ)ではアフタヌーンティーやコーヒーブレイク……言わば『小休憩(一服)』をする時にコーヒーか紅茶を愛飲する連中が多いからな。今回はウチ(本部)の『金剛型4姉妹(紅茶派の連中)』が愛飲している高級茶葉『イースト インディアン カンパニー』の『アッサム』をハリー達の為に快く振る舞ってくれた訳だ♪味わって飲めよ♪」

 

「「い……『イースト インディアン カンパニー』!?あの4()0()0()()()()()()()()()()()()()()()の高級紅茶が……此処で飲めるなんて……」」

 

「……その『イーストなんちゃら』と言う『滅茶苦茶高級な茶葉』をタピオカミルクティーの材料にするなんて……非常に『贅沢な使い方』と言いますか『馬鹿な使い方』と言いますか……『良い意味』でも『悪い意味』でも勇人さんらしいですね……まぁ美味しいから別に良いんですけどね……」

 

「そうね。勇人、御代わり頂戴!」

 

「幽々子、お前は少し控えろ。紅茶が無くなるからな」

 

「むぅ~……それでも私ぃ、もっと紅茶が飲みたいなぁ~♪」

 

「ぶりッ子しても結果は変わらねぇよ……それに年齢(トシ)考えろ。見るに堪えんぞ

 

「そうですよ幽々子様。勇人さん、紅茶の御代わりを下さい」

 

「あ!?僕もお願いします」

 

「おう。分かった」

 

「妖夢とハリーだけ狡くない!?それに今、ナチュラルに悪口言ったよね!?」

 

総司令官お手製の『高級茶葉を使ったタピオカミルクティー』を飲み、タピオカが喉に直撃したせいでハリー達を含むポグワーツ全員と共に噎せながらも会食の楽しい余韻を味わうかの様にタピオカミルクティーを堪能し、このまま無事に会食が終了した。

 



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妖夢の『最初の要望(ワガママ)』そして日常へ……

宴会が終わって1時間後 佐世保鎮守府第三前衛基地 妖夢の自室にて……

 

「はぁ~……やっぱり勇人さんと優花さんは凄いや……私も二人みたいに出来ないかなぁ……」

 

妖夢は先程の総司令官達の行動や優しさに触れた御陰で『提督としての立ち振舞い方』を知るのと同時に『自身の気持ち』を総司令官達にぶつけた事によって肩の荷が少し軽くなったのか清々しい表情になりながら押し入れから布団を取り出し、就寝準備をしていると……

 

ドンドンドン!!!

 

妖夢!!私だ!!長門だ!!大変な事になったから開けてくれ!!

 

「フヒッ!?な……何なんですか長門さん!?こんな夜遅くに……今開けますよ」

 

けたたましく扉を叩く音が聞こえ、扉を荒々しく叩いた張本人である長門が声を荒げながら言うと妖夢は長門の荒々しいノックに驚きながらも扉を開けると、長門は自身が住んでいる『艦娘官舎』から全力で走って来たのか凄い息切れをし、息を整えようと肩を上下に揺らしながら妖夢に報告した。

 

「す……すまない夜遅くに……ゼェ……実は総司令官の件だが……ゼェ……青葉から聞いたが……総司令官は青葉と夕張の件で上官にバレて……『監督不届き』として舞鶴に左還される事に……なったんだ」

 

「え……勇人さんが私達のせいで……長門さん、経緯を説明して下さい!」

 

妖夢は長門の報告を聞き、自分達のせいで総司令官が罰を受ける事を知り、混乱し、顔を青ざめながらも長門に事の経緯を聞くと長門は妖夢と同じく狼狽えながら説明した。

 

「あ……ああ……実は先程、青葉が総司令官に要件を言いに本部の執務室に訪れた時に偶々、机の上に置かれていた『大本営総副司令官直々の()()()』を見てしまったのだ……そして指令書には『明日から舞鶴鎮守府に移動せよ。彼方には連絡済である』と書かれていたのだ……十中八九、青葉と夕張の件による左還に違いない……」

 

長門は青葉が総司令官の机に置かれていた指令書の内容を盗み見で知った事を伝えると妖夢は血の気が引いたかの様に顔面蒼白になり、今にも泣き出しそうな……というより泣きながら長門に助けを求めるかの様に(すが)りながら聞いた。

 

「そ……そんな……全て私達のせいで……長門さぁぁん!!一体どうすれば良いのですかぁぁぁ!私達のせいで大将が……勇人さんがぁぁぁ!」

 

妖夢は号泣しながら長門に聞くと長門も「……すまない。こればかりは……」と悲しく俯きながら答えると偶々、近くを通り掛かった陸奥が妖夢の叫びを聞いて驚きながら部屋に入って来た。

 

「キャッ!?どうしたの妖夢……夜遅くに……」

 

「あ!?陸奥さん!?実は……」

 

 

 

 

妖夢、説明中………

 

 

 

 

「……と言う訳です。一体どうすれば良いのですか?」

 

妖夢は号泣しながら陸奥に説明すると陸奥は先程、総司令官側の加賀から全て聞いていた為、妖夢と長門の不安を一掃するかの様に微笑み、妖夢の視線に合わせる様に腰を落としながら答えた。

 

「……大丈夫よ♪すぐに戻って来るわよ♪だって、この日本を救った自慢の上官じゃないの……それに総司令官は()()()()()()()()()()()から妖夢含めて私達に佐世保(この鎮守府)を任せれると判断したから上層部の命令に従ったのよ。でなければ今頃、宴会や勉強会を開かず、そのまま大本営に出撃(カチコミ)しているわよ」

 

「しかし……やっぱり勇人さんが居ないと……色々と不安なんですよ……」

 

「そうだぞ陸奥。妖夢の指揮も素晴らしいが、あの方の指揮は最早『完全勝利が約束された戦』言わば『勝ちゲー』と言われている位、洗練された指揮だからな。各持ち場に対する適任な艦娘達への配置、常に移り変わる戦況の対応の良さ、此方の被害を無くす為の防衛処置の素晴らしさ、そして何より総司令官自身が戦場に赴く事により艦娘達の士気を劇的に向上させる等、正しく『現代の武士』と言われている男だからな……その男が居ないと妖夢だけでは無く私も不安なんだ……」

 

妖夢は俯き、長門は総司令官を軍人として高く評価しながらも妖夢と同じく俯くと陸奥は重い溜め息を吐き、呆れながら説得したが……

 

「妖夢は兎も角、姉さんは親離れが出来ない子供(駆逐艦)じゃないんだから大人(戦艦)として、しっかりしなさいよ……それに総司令官達は一週間だけ佐世保(此処)()()()だけよ……」

 

「し……しかし……」

 

「それでも……私達のせいで総司令官が……勇人さんが……それに一週間も……」

 

……やはり二人は自身のせいで『総司令官が左還される』と思っているのか、罪悪感に押し潰されそうな悲しい表情になると陸奥は二人の説得を諦め、溜め息を吐きながら言った。

 

「……そこまで言うのなら明日、佐世保を離れようとする総司令官に聞いてみたら?それに今日は、もう遅いから御先に失礼するわ……それじゃ、お休み……」

 

「あ!?ちょっ!?陸奥!?」

 

「は……薄情な事を言わないで下さいよ陸奥さん!」

 

陸奥は二人を説得しても無駄だと判断し、呆れ返りながら部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日 鎮守府正門前にて……

 

「……本当に行かれるのですね。舞鶴に……」

 

「総司令官……」

 

妖夢は『総司令官達が左還される』と勘違いをしているのか自身の艦娘達と共に悲しく俯きながら言うと事情を知っている陸奥は自身以外の艦娘達及び妖夢に微笑みながら妖夢に言った。

 

「何悲しい顔になっているのよ。総司令官達は休暇(ひま)を使って舞鶴に旅行しに行くのよ♪総司令官、お土産ヨロシクね♪」

 

「「「え!?き……()()!?それに()()!?」」」

 

「ああ。土産の確認をするが、要望は八つ橋で良いんだよな?」

 

総司令官は微笑みながら陸奥の要望を確認すると陸奥は「ええ♪」と微笑みながら答え、それを聞いた幽々子が鼻息を荒くしながら総司令官に言った。

 

「八つ橋!?勇人、私の分も御願いね♪」

 

「……テメェは此処を食糧難にさせるだけではなく、俺の懐事情(諭吉達)さえ轟沈させる気か?俺では無く紫に頼め。つーか、いい加減ポグワーツに帰れ」

 

総司令官は微笑みながら幽々子の要望を却下すると幽々子は「そんなぁ~」と言いながら肩をガックシと落とすと妖夢は総司令官達が転属ではなく旅行に行く事に安堵しながら総司令官に言った。

 

「よ……良かった……左還じゃなくて……しかし何故、舞鶴に?普通なら京都や大阪等、関西の大都市に旅行するのが普通だと思いますが?それに陸奥さんも知っていたのですか!?何故、教えてくれなかったのですか!?」

 

「あら?私は『離れる』とは言ったけど『左還される』とは一言も言ってないわよ♪」

 

「分かり難かったですよ!!はっきりと言って欲しかったですよ!!では話を戻しますが何故、舞鶴に?」

 

妖夢は昨夜の陸奥の発言について叱りつつも総司令官達が関西の大都市ではなく、敢えて舞鶴に旅行する理由を首を傾げながら聞くと総司令は妖夢の質問に少し戸惑いながら旅行の目的を答えた。

 

「……実は『ばったん作戦(蒼霧事変)』の時に親父と親父側の武蔵そして優花が重傷を負った時に舞鶴の間宮達に助けて貰ったんだ。今回の旅行は、その時の『御礼参り』として訪問するんだ」

 

「あ!?だから舞鶴の間宮さん達に渡す為に御土産用のカステラを載せてあるのですね♪なら早く行かれた方が良いですよ。幽々子様に食べられない様に……って!?幽々子様!!貴女って人はァ!!何処まで食い意地か汚いのですか!!」

 

「そうですよ西行寺さん!!これは彼方に渡す物ですから駄目ですよ!!」

 

「良いじゃないの!少し位ィ!アッチは私好みの菓子が無いのよ!吹雪!妖夢!ソレを寄越しなさい!!」

 

「「駄目ったら駄目です!!勇人さぁぁん(司令かぁぁん)!!助けて下さい!!」」

 

妖夢は総司令官達の目的を知り、納得しつつもボンネットに『闘牛のエンブレム』が張られている黒塗りの高級スーパーカー……もとい総司令官の愛車『ランボルギーニ アヴェンダドール』の助手席に座っている総司令官側の吹雪の膝の上に置かれている御土産用のカステラを強奪しようとしている幽々子を総司令官側の吹雪と共に止めながら総司令官に助けを求めると総司令官は悪意丸出しの怪しい笑みを溢しながら幽々子に言った。

 

「……其処まで言うのなら乾燥ワカメを完食したらくれてやる」

 

「ッ!?ごめんなさい!!それだけは止めて下さい死んでしまいます!!」

 

「いやいや、元から死んでるだろテメェ……」

 

「ガチの方じゃなくて精神的によ!!」

 

総司令官は悪意丸出しの怪しい笑みを溢しながら言うと幽々子は先程まで猛獣と化したと言い表す位の鬼気迫る表情から一転し何かに臆するかの様に迅速に、そして無駄の無い動きで総司令官に土下座をすると妖夢は暴走が収まった幽々子を見て総司令官側の吹雪と共に安堵し、土下座している幽々子に言った。

 

「……ったく、幽々子様もいい加減ポグワーツに戻られたらどうですか?隙間の前で待機しているハリーさんと……えーっと『スネイプ』さんでしたっけ?二人が痺れを切らしていますよ」

 

「あの~……もうそろそろ戻りたいのですが……でないと授業が……それにスネイプ先生から離れたいし……」

 

「さぁ帰るぞユユコ。彼が困っているぞ」

 

妖夢は紫が展開してくれた隙間の前で待機しているハリーと寡黙で暗い雰囲気を醸し出している黒髪長髪の男『スネイプ』の二人をチラリと横目で見ながら言うと幽々子はスネイプを見て「ゲ!?貴方まで来ているの!?」とスネイプの事が苦手なのか顔を引き釣り嫌そうな表情になりながらも仕方無く隙間に移動しながら総司令官と妖夢に託す様に二人に背を向けながらも神妙な表情になりながら言った。

 

「勇人……これから先、貴方は色んなトラブルに巻き込まれるかも知れないが必ず乗り越えていけるわ。だけど妖夢や艦娘達そして自身の為に決して無茶な事はしないで。そして妖夢、貴女……良い教官(せんせい)を持って良かったわね。彼の下に居れば必ず貴女は良い方向に導いてくれるから……だから妖夢の事は御願いね勇人……いえ『上城総司令官』」

 

「ッ!?はい!」

 

「言われなくても分かっている。だからアッチの世界……いやハリー達の事は頼んだぞ幽々子……いや『西行寺先生』」

 

「フフッ、分かっているわよ……それじゃ妖夢達をよろしくね」

 

「それでは、お邪魔しましたジョジョさん」

 

「一時的ではあるがポグワーツの食糧難を解決してくれた事に感謝するMr.カミ……カミ……非常に言い(にく)い名前だ

 

「……スネイプ先生、無理して律儀に言わなくても良いですよ。気にしていませんから」

 

「……すまないMr.ジョジョ。では失礼する」

 

幽々子は『妖夢の()』として妖夢にアドバイスをし、総司令官に妖夢の事を任せると共に彼に忠告をし、そのまま総司令官に一礼したハリーとスネイプと共に隙間ごと消えて行くと妖夢は総司令官と総副司令官を見て恥ずかしそう言った。

 

「……それじゃ勇人さんに優花さん、出発する前に一つだけ御願いがありますが……良いですか?」

 

「ん?何だ?」

 

「ひょっとしてお土産の追加?何が良い?清水寺の御守り?桜餅?」

 

「いえ、お土産ではありません……あの……その……」

 

二人は妖夢の質問に微笑みながらも首を傾げながら聞くと妖夢は指をモジモジし、小動物の様に可愛く俯き、恥ずかしそうに自身の御願いを言った。

 

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……もし仕事に差し支えが無かったら二人の事を『お兄ちゃん』そして『お姉ちゃん』と呼んでも良いですか?」

 

「………へ?たった『それだけ』か?」

 

「「ッ!?何だと!?」」

 

「……ゴファッ!!

 

……二人の事を『兄』そして『姉』として接したい事だった。

 

総司令官は妖夢の要望に呆気を取られ目が点になり、陸奥を含む妖夢側の艦娘達は妖夢の要望に驚愕し、総副司令官に関しては妖夢の『核兵器並の可愛らしさ(破壊兵器)』に自身の欲求(下心)が一気に満たされ、その『欲求(下心)が満たされた達成感による高揚な表情』を妖夢に悟られ無い様に自身の興奮を押さえ付ける様に口元から血を流し、優しく微笑みながら答えた。

 

「……フフッ♪勿論、大歓迎よ♪ねぇ勇人君?」

 

「非番の時なら構わねぇけど……人前では止めてくれよ。特にコイツらの前でソレを言うと後々、面倒な事に……いや、もう手遅れか……」

 

総司令官は何かを察し、頭を軽く抱え少々面倒臭そうに言うと陸奥は妖夢側の艦娘達を代表して二人が妖夢の要望を承諾した事に自身を押さえ付けていた『感情(嫉妬心)』が爆発し、その感情(嫉妬心)を乗せるかの様に強く重い声を荒げながら異議を唱えた。

 

「ちょっと!!昔から妖夢と西行寺さんとの付き合いのある総司令官は良いとして狡いわよ総副司令官!!私だって言われてみたいわよ!!『お姉ちゃん』って!!」

 

「「そーだそーだ!!男である総司令官は良いとして総副司令官だけ狡いぞ!!」」

 

陸奥は自身の嫉妬心を乗せながら強い口調で異義を唱えると他の艦娘達も陸奥の異義に同賛し、総副司令に異義を唱えると総副司令官は異義(ヤジ)を飛ばしている陸奥達に一喝した。

 

「ウッサイわね!!今さっき『総司令官(勇人君)権限』で承諾されたのよ!!文句あるのなら勇人君……上城総司令官に言って!!まぁ……『()()()()()』と言われている勇人君に()()()()()()だけどね」

 

「「……え!?あの妖夢の剣術の師匠をフルボッコした総司令官に!?無理無理無理!!物理的と精神的に絶対『返り討ち(フルボッコ)』されるわ!!ってか総司令官を使うのは卑怯だぞ!!」」

 

「オイ、俺は『非番』言わば『課業外』の時しか認めて無ぇぞ。後、俺を使って脅すな」

 

総司令官は妖夢側の艦娘達と総副司令官を宥めながら言うと陸奥は「だって……だって……」と悔しそうに呟きながら総司令官に言った。

 

「……私達が妖夢に言われてみたい言葉を総副司令官に取られたのよ!!今すぐ撤回して!!これじゃ私達の苦労が水の泡になるわ!」

 

「「そーだそーだ!!総司令官!!今すぐ撤回して下さい!!本当に御願いします!!」」

 

陸奥を筆頭に妖夢側の艦娘達が総司令官に懇願するかの様に異義を唱えると総司令官は陸奥達の気持ちを汲み取った上で頭を横に振り、少し呆れながら答えた。

 

「お前達の気持ちも分かるが……()()な話だ。一応、軍規則では『()()()()()において上官に対しての口言及び名称、階級並びに役職についての呼称は"両者が親族又は、それに準ずる間柄そして最低限の礼儀(マナー)があれば略称及びタメ口で会話しても良い"』……と『大本営総司令官』言わば『日本海軍のトップ』こと『三笠元帥』が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()で発令されているから俺や親父の権力(ちから)では、どうする事も出来ん……恨むなら『三笠元帥(大本営総司令官)』を恨みな」

 

「だから諦めて……ね♪」

 

「「そ……そんなぁ………」」

 

総司令官は陸奥達の異義を却下した理由である『大本営総司令官が制定した軍規則の一部』である『課業外に於ける鎮守府内部の礼儀作法の内容』に出てくる一部の言葉を強調しながら答えると陸奥を含む妖夢側の艦娘達は総司令官の説明及び総副司令官の勝ち誇った表情を見て絶望感に浸っていると総司令官側の吹雪が絶望感に浸っている妖夢側の艦娘達を見て不憫に思い、苦笑しながら小声で妖夢に言った。

 

「……少尉、司令官達だけではなく、ご自身の艦娘達(私達)にも言ってあげて下さい。御願いします」

 

「分かりました……」

 

妖夢は総司令官側の吹雪の要望に少し呆れながらも承諾し、総副司令官と陸奥達の間に入り、陸奥達の方に身体を向けながら優しく微笑みながら言った。

 

だが、それは……

 

()()()()()()、喧嘩は止めて……ね?」

 

「「「……ゴファッ!!」」」

 

ブファッ!!……に……二度も『お姉ちゃん』と……わ……我が生涯、い……一片も悔い無し……」

 

「オイ妖夢に吹雪、アイツらにトドメを刺すな。只でさえ『その言葉』はアイツらにとって『劇薬』レベルの強い効力(ことば)なのに……分かって言っているんか?それに優花、何『某拳王(ラオ〇)』の物真似をしてんだ。全員さっさと目ェ覚ませぇ!!」

 

 

スパパパパーーン!!

 

 

「「「……ハッ!?わ……私達は一体何を……」」」

 

この『混沌な状況(狂喜と絶望が入り雑じった空気)』に終止符(トドメ)……否、違う意味で『悪化』させてしまったのだ。

 

総司令官は呆れながら妖夢の『お姉ちゃん発言(ラストスペル)』により吐血し、歓喜したまま気絶した妖夢側の艦娘達及び総副司令官に『目ェ覚ませ!!』と書かれている『某半分なライダーのヒロイン』がツッコミに使われている様な緑色のスリッパで気絶している全員の頭を叩くと気絶している全員が目が覚め、叩かれた前後の時間の記憶が無いのか少し動揺しながら言うと総司令官は呆れ返ったのか重い溜め息を吐きながら妖夢に言った。

 

「はぁ~……ったく、コイツらは……まぁ良い、そろそろ出発するから留守の間は頼んだぞ。もし業務で分からない所があったらコンゴウ……じゃなかった由香奈と椛に聞けよ」

 

「はい。分かりました♪では……行ってらっしゃい『お兄ちゃん』♪お土産宜しくね♪」

 

妖夢は微笑みながら総司令官(自身の兄貴分)に言うと総司令官はフッと鼻で笑い、車のエンジンを起動させ、スーパーカー特有のカン高い排気音(爆音)を奏でながら総副司令官達に言った。

 

「……おう。行くぞオメェラ!」

 

「「「はい!では少尉……留守の間、御願いします」」」

 

「宜しくね妖夢ちゃん」

 

総司令官達は微笑みながら佐世保を出ると妖夢は総司令官達に「いってらっしゃい」と言わんばかりに天使の様な満面な笑みを溢しながら敬礼し、見送ると天龍は妖夢の笑顔に癒されたのか、顔を綻びながら言った。

 

「……しっかし、あの総司令官が妖夢の我儘をアッサリ許すなんてな♪」

 

「フフフ♪そうですね。彼との付き合いの長い私でも驚きましたからね……あの勇人さんが、こうもアッサリと……」

 

妖夢は微笑みながら天龍の言葉を返すと天龍は妖夢の笑顔に釣られ、微笑みながら提案した。

 

「……なら俺達も総司令官の事を『兄貴』そして総副司令官の事を『姉貴』と呼んでみようか?勿論、稼業外の時にな♪」

 

「あ!?それ良いですね♪今の勇人さん達……お兄ちゃん達なら……」

 

「………アリだなッッ!!その提案、乗った!!」

 

「「それ良いね♪是非とも……」」

 

妖夢は天龍の言葉に完全に吹っ切れたのか、天龍の提案である『総司令官の事を兄呼ばわり』について木曽……いや妖夢側の艦娘全員がノリノリで承諾すると総司令官側の艦娘達が妖夢達に反論した。

 

「「「駄目に決まっているでしょ天龍!!少尉は兎も角、貴女達がそんな事をしたら『正妻(私達)の威厳』が無くなるわ!!」」」

 

「「……悪ぃな、アッチの俺……その提案は無かった事にしてくれないか?俺達の所は提督(アイツ)正妻(オンナ)としてのプライドがあるからさ……勿論、俺達二人は各基地の『隔てり()』を無くす意味で賛成なんだが……」」

 

『改2になっている総司令官側の天龍と木曽』を除く艦娘達は血相を変えながら天龍に怒鳴り、二人は()()()()()()()()()()()()()()()で天龍の提案に賛成だが、自身の方の艦娘達の『妻としてのプライド』を配慮し、天龍の……妖夢達の案を凄く申し訳無さそうに一部却下すると天龍と木曽は同情しつつも苦笑しながら総司令官側の天龍に言った。

 

「あははは……違う前衛基地とは言え、あの龍田まで総司令官に夢中だったとは……アッチの俺も苦労してんだな……今度、アッチの木曽と一緒に飲みに行くか?それに今の提案は無しの方向で良いか?」

 

「あの()()()()()()()()()な大井姉さんが総司令官に……色んな意味で同情するぞ。アッチの俺」

 

「「……助かる」」

 

「「木曽!!それ、どういう意味よ!!姉である私に対して少し酷くない!?」」

 

「あら~……アッチの(龍田)は彼を認めちゃっているのね……」

 

「そうよ。認めたから『上限突破の儀式(ケッコンカッコカリ)』を快く承諾したのよ♪勿論、本命は彼との……フフフ……」

 

天龍と木曽は彼方(総司令官側)の同艦の気苦労に同情し、優しく肩をポンと置きながら労うと妖夢は天龍の提案が一部ではあるが通らなかった事に少し落ち込みながら言った。

 

「お兄ちゃん……いや本部の皆さんが駄目なら仕方ないですね。なら本部の皆さんは()()()()()()()()()()()()()()()()ので宜しくお願い致します」

 

「「ッ!?ちょ!?私達には『お姉ちゃん』と言わないの!?」」

 

総司令官側の艦娘達は妖夢の発言に絶望し、顔面蒼白になりながら聞くと妖夢は小悪魔的な笑みを溢しながら総司令官側の艦娘達に言った。

 

「……当たり前です。それに貴女達は『勇人さんの妻としての()()()()』があるから私以外の艦娘達の意見を却下したのですよね?これは、あまりにも私の仲間達(お姉ちゃん達)が可哀想なので勇人さんと優花さんが許可した『課業外に於ける二人に対しての兄そして姉発言』だけは守らせて頂きますので宜しくお願いしますね……皆さん♪」

 

「「そ……そんなぁ~……」」

 

総司令官側の艦娘達は妖夢の小悪魔的な命令(交渉)に絶句し、まるで『この世の終わり』と言わんばかりに絶望し、重力に従う様に座り込むと陸奥は妖夢の発言に苦笑しながら言った。

 

「……貴女、意外と小悪魔な事をするのね。これも総司令官の交渉術(やり方)を参考に?」

 

「そうですよ。まぁ、あの人の場合は……ほぼ脅迫ですが……」

 

「……総司令官に似て『ズル賢く』そして『(したた)か』になったわね貴女……さて!私達も業務に戻りましょ?」

 

陸奥は妖夢の強かさに自身の妹が成長した喜びに似た優しい感情を表すかの様に微笑みながら妖夢達に言うと、妖夢は「はい」と優しく返事し、和気藹々と基地に戻って行った。

 

「「ま……待って下さい少尉ぃ~……せめて……せめて一度で良いので私達に『お姉ちゃん』と……」」

 

「彼方も彼方で飢えているのね……」

 

「……泣けますね」

 

妖夢の死刑宣告(めいれい)により阿鼻叫喚に懇願する総司令官側の艦娘達を尻目に……

 

一方、舞鶴に向けて移動中の総司令官の車内では……

 

「……狡いですよ司令官」

 

「何がた?」

 

「私も少尉に『お姉ちゃん』と言われてみたいです……」

 

「お前、長女やろ……」

 

総司令官側の吹雪は妖夢の『破壊力抜群の砲撃(お兄ちゃん発言)』に『長女(ネームシップ)としての誇り(欲求)』に火が着いたのか総司令官に羨ましそうに愚痴ったのは言うまでも無かった……

 

そして幻想郷『紅魔館』にて……

 

「……それ本当なの『レミリア』?勇人が舞鶴で……」

 

紫は幻想郷の館『紅魔館(こうまきょう)』の主らしき『蝙蝠に似た翼を着けた銀髪の少女』こと『レミリア・スカーレット(以後 『レミリア』)』に神妙な表情になりながら聞くと、レミリアは妖精メイドが淹れた紅茶を一口飲み、紫と同じく神妙な表情になりながら自身の能力である『運命を操る程度の能力』を使って『総司令官の運命』を紫に言った。

 

その『運命』とは……

 

「……ええ。何か対策を打たないと勇人は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……舞鶴で『仲間の命の恩人に殺される』わよ」

 

総司令官が殺される事に……

 

だが、この運命は総司令官の機転で乗り越えられるとは当時の二人は知らなかった……

 

この後の物語は『総司令官の物語』で語られるであろう……

 




初めまして、姫桜の弟です。
現在、姉の体調が優れない(おそらく例の新型肺炎)のもあり、代理投稿をさせていただきます。本人曰く構想とかは頭の中にあるらしいので、どうにかその場で文章にして伝えて俺がうちこむ、という形になると思います。
なのでかなり文章が無理矢理になったりするかもしれまませんが、どうかよろしくお願いします。
それと投稿方法がこれであっているか不安です。間違っていたらご指摘ください


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本編
突然の着任


もはや言葉は不要です。(ネタ切れ…どうにかしないと…面倒なことになる…)


幽々子「妖夢、あなた提督やりなさい。」

 

妖夢「…は?」

 

幽々子「もちろん、最低限の学習をしてからだけどね。」

 

妖夢「いやいやなんで突然!?」

 

幽々子「そんなの、やらせたかったからに決まってるじゃない!」

 

妖夢「まあ、幽々子様の命令ですし、やりますけど…。」

 

幽々子「それでこそ妖夢!勉強がんばってね!」

 

妖夢「はい…」

 

はぁ…と私はため息をつきながら、さっそく本を持ってきた幽々子様に連れていかれ、しばらく勉強することとなった。

頑張ろう…。

 

〜一週間後〜

幽々子「妖夢、提督の仕事は全部わかったわね?」

 

妖夢「はい!」

 

幽々子「もちろん、その世界のことも、わかったわね?」

 

妖夢「はい!大丈夫です!」

 

幽々子「よろしい。じゃあ紫、あとよろしく。それと妖夢、お弁当、ここに置いておくからね。」

 

妖夢「はい!」

 

紫「さあ、いいかしら?さっそく行くわよ。忘れ物はない?」

 

妖夢「少々お待ちを………大丈夫です!」

 

紫「そう。それじゃあ、行ってらっしゃい、妖夢。一応、あなたはすでに今日鎮守府に着任することになっているわ。そこら辺は安心して。刀は…持ってるわね。じゃあ、今度こそ、行ってらっしゃい。」

 

〜鎮守府正面〜

スタッ

 

妖夢「この大きな建物が鎮守府…頑張らないと。私も。」

 

私の服装は、いつもの私服…ではなく、白い、この世界の提督が着る服と、おおきなカバンに、服などを入れて、やってきた。

もちろん腰には刀、楼観剣と白楼剣をつけている。

でも、鎮守府を近くで見て、驚く。

 

妖夢「すごく…ボロボロ…。」

 

その鎮守府はとてもボロボロで、廃墟かお化け屋敷だった。

 

妖夢「…お、お化けなんて…いません…!」

 

私は自分でわかるほど涙目になって入ろうとする。

だが、すぐに怖いという感情は消える。

 

??×2「死ねぇぇぇぇ!!」

 

妖夢「てい!」

 

キィィィィィン

 

上から突如きた刀二つを私は楼観剣、白楼剣で防いだ。

 

??「くっ!引き上げるぞ!木曾!」

 

木曾「わかってる!」

 

ダダッ

 

二人は建物の中に入って逃げようとする。

だが私も黙ってそれを見ているわけにはいかない。

 

妖夢「待て!」

 

といいながら、素早く二人の襟首を掴み、逃走を阻止する。

 

??「うわ!」バタン

 

木曾「うお!」ドタン

 

二人は派手に尻から転ぶ。

 

??「いったぁ…」

 

木曾「大丈夫か?天龍。」

 

妖夢「…仲間思いですね。」

 

天龍「…なんだ、俺達を解体でもするか?」

 

妖夢「…え?」

 

私は思わずそんな声をあげる。

そんなことをする必要があるのか?

提督を殺そうとはしたが、さすがにそれは艦娘を殺すのと一緒だし、なにより私は生きてる。

そんなことをする必要はない。

 

妖夢「しませんよ…代わりに、総務室に案内してください。」

 

天龍「チッわかったよ…」

 

木曾「それだけでいいのか?」

 

妖夢「いいですよ…まず、そんなことをする必要もないですし」

 

はぁ…問題は多そうですね…何度目わからないため息をつきながら、私は総務室に案内される。




次回、ピンチ!?長門vs妖夢


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戦闘!VS長門!

姫桜です!
感想がきたことに感動しつつ投稿!
喜びすぎて頭を机にぶつけてしまいましたがね(笑)!


天龍「…ここが執務室だぜ。」

 

妖夢「うわぁ…なんか…うわぁ…」

 

執務室についたらしい…が、扉にそう呟く。

扉は耐熱で、所々金や銀などで装飾されている。

しかも入らなくてもわかるほどにイカくさい。

…入りたくない。

は、吐き気が…。

 

妖夢「うっうぷ…」

 

天龍「うわ!?ここで吐くなよ!」

 

木曾「ゲロ袋だ!これに吐け!」

 

妖夢「あ、ありがとうございま…うぇぇぇ…」

 

天龍「…やばい…もらいゲロを…うぷ…木曾……ゲロ袋を…」

 

木曾「うぇぇぇぇぇ…」

 

天龍「うわぁぁぁうぇぇぇぇぇ…」

 

しばらく吐き続けて、床に吐かれた吐瀉物を片付けて、執務室に入ろうとするが…

 

殺気がする。

しかも、相当大きい殺気だ。

 

妖夢「………」

 

私はいつでも刀を抜けるようにし、天龍達に扉から離れるように言う。

 

そして、ゆっくりと扉を開ける。

次の瞬間

 

ズドォン

 

という音とともに、私の前に砲弾がとんでくる。

私は刀を使い、砲弾を切り落とす。

頬をかすめて、血が出てくる。

 

妖夢「…ふっ!」

 

??「甘い!」

 

ガキィン

 

私が接近し、艤装を切ろうとするが、ナイフで防がれる。

相当な力で押され、楼観剣が落とされる。

 

妖夢「くっ…」

 

そして私の顔に主砲が向けられる。

 

長門「残念だったな。遺言はあるか?」

 

妖夢「…願いはあります。」

 

長門「なんだ?いってみろ。」

 

妖夢「海を見ながら死にたい。海はあまり観たことないから。」

 

長門「まあ、いいだろう。」

 

妖夢「ありがとうございます。」

 

私は窓際に立つ。

そして私に長門の砲弾が直撃し、私は吹き飛ばされる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことはなかった。

 

妖夢「せいやぁぁ!!」

 

私は窓側を向いていた体を白楼剣を抜きながら反転し、撃たれた弾を素早く切り裂く。

頬に傷が増える。

 

長門「なにぃ!?」

 

想定していなかったのだろう。

その隙を逃すほど私は未熟ではない。

接近するために足を踏み出す。

 

1歩目、届かない

 

2歩目、届かない

 

3歩目、届く!

 

妖夢「せい!!」

 

私は刀を使うと見せかけ、後ろに素早く回る、

長門は反応しきれていなく、後ろが無防備になっている。

そこに素早く白楼剣の柄で長門のうなじを殴る。

 

長門「ぐぅっ!?」

 

と、苦しそうな声をだし気絶する。

 

妖夢「ふぅ…」

 

疲れた…私はそこのソファに倒れ込む。

 

妖夢「はぁ…はぁ…はぁぁ…」

 

呼吸を整え、長門の艤装を外す。

 

妖夢「重た…」

 

そして艤装を隅に置いておき、長門を抱える。

 

妖夢「胸…」

 

長門はスタイルが良くて、私が目指す体型そのものだった。

筋肉もついていて、重たいが普通に抱えて運べる程だ。

 

妖夢「いいなぁ…今度どうやったらこうなれるか聞こう。」

 

そして、長門をソファに寝かせ、今度は部屋の問題を解決しないといけないと考えると、頭が痛くなる。

 

妖夢「…イカくさい……ファブリーズと消臭力…だっけ?を買ってこよう。そうしよう。」

 

そう決めて、私は財布を持って執務室をでる。




なにかご指摘あったら、教えてください。
途中から長門の招待が分かってるのは、一応ビッグ7ということで、妖夢の印象に残った艦娘ということで、姿をハッキリ見て正体が分かったということにしています。


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奮闘!艦娘達の問題

Q.言葉は不要?
A.少し必要です。
深夜テンション
カオス




OK?


私は長門を気絶させた後、ファブ〇ーズと消〇力を部屋にまいていた。

 

妖夢「はぁ…なんで執務室がこんなにイカ臭いんですかね…。」

 

ここの提督は相当なイカ好きだったのか?

考えても仕方ない…

 

天龍「おい!そろそろ鎮守府を案内してやる!」

 

妖夢「よろしくお願いしますね。」

 

ちなみに、こうやって会話できるのは、ファ〇リーズや〇臭力を買いに行った時に剣術談で盛り上がったからだ。

どうやら2人とあと数人は剣などを使うらしい。

 

木曾「ここが工廠だな。」

 

普段は明石という艦娘がいるそうだが、最近は部屋にこもりっぱなしらしいが…

 

妖夢「…いるはずの明石さんがいないんですが…」

 

天龍「…明石は、前任に艦娘の解体をさせられていたんだ。強制的にな。」

 

木曾「しかも良く…あれだ、夜の相手をさせられていてな。あいつは部屋にこもりっぱなしになっちまったんだ。」

 

妖夢「夜の相手ってなんですか?」

 

天龍&木曾(あ、この娘純粋な娘だ…)

 

天龍「いや…何でもない。気にするな。」

 

木曾「提督…これからもあんたはそのままの純粋な提督でいてくれ…。」

 

妖夢「?…まあ、いいや。」

 

そして、明石さんの状態を話されたのですが…。

どうやら、相当やばいらしく、天龍さん達が明石さんの小部屋に入って確認しましたが、やはり今は無理なようです。

 

妖夢「……では、次は食堂に行きましょう…。嫌な予感がしますがね。私のこういう嫌な予感は当たるんです。」

 

天龍「大当たりするだろうな。あの現状じゃあ…。」

 

木曾「だろうなぁ…提督、今の内に言っておく。『おめでとう、大当たりだ』」

 

妖夢「…はぁ…やばいんでしょうねぇ…それと、妖夢でいいです。」

 

そさはて天龍さん達の案内の元、食堂に着きましたが、私はもうあの開幕長門砲を食らう気なんてありません。

そっと扉を開けてみた光景は…

 

??「間宮さん…補給をお願い…」

 

間宮「…はい、瑞鶴さん…」

 

瑞鶴「ありがとう…間宮さん…」

 

それは食堂ではない。

ただの補給基地だ。

私は怒りを抑えられなくなり…

 

妖夢「せりゃぁ!」

 

1.扉を斬る

 

妖夢「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

2.厨房の扉に全力疾走

 

妖夢「おりゃぁぁぁ!!」

 

3.厨房の扉にドロップキック

 

その行動をやり、厨房にダイナミック入室する。

 

間宮「へぁ!?て、提督様!?」

 

妖夢「間宮さぁん!」

 

間宮「ひゃい!?」

 

妖夢「そこに…正座ぁ!」

 

間宮「ひゃ、ひゃい!」

 

そして私は我を忘れ、間宮さんに説教していた。

そして

 

妖夢「ふぅ…さあ、料理しますか。」

 

間宮「へ!?」

 

そして私は厨房の奥にいき、食材を探して調理を開始した。




すこし中途半端に終わってしまいました。
さあて!次の妖鎮はぁ…
妖夢「どうも、妖夢です。なんですかこのサ〇エ三みたいなノリは…まあいいです。次回は私の料理で鎮守府の皆さんに料理を振る舞うらしいです。ですがそこでトラブルが…次回『鎮守府の問題を解決せよ!』期待しないであげてください。」


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鎮守府の問題を解決せよ!

桜姫です。
注意
寝る前のヤバイテンション
映画あとの謎のテンション




OK?


妖夢です。

私は今現在、この鎮守府にいる来れるだけの艦娘を天龍さん達に集めてもらいました。

場所は食堂…の厨房に私はいます。

天龍さん達にはすでに私がやろうとしてることは伝えてるので、あちらでうまく誘導してくれると思います。

 

ちなみに、この鎮守府には約50人ほどいます。

戦艦が12人、大和、武蔵、長門、陸奥、扶桑、山城、伊勢、日向、金剛、比叡、榛名、霧島。

空母は4人、赤城、加賀、翔鶴、瑞鶴。

その他は少食らしいです。

なんで戦艦と空母だけあげたかって?

どうやら相当な大食いが揃ってるようで、間宮さんに昔の鎮守府大食い大会の映像を見ましたが、あれより食べるでしょう。

なので今回、バイキング形式で20種類ほどの料理を大体幽々子様の半分くらいの量ずつ作っておきました。

間宮さんに、

 

間宮「これだけの量を数時間で…あなた人間ですか?」

 

と聞かれたけど、質問の意味がわからなかった。

作っちゃだめだったのかな?

 

とりあえず、天龍さん達がこっちにきたので、用意していた台にあがり、マイクに向かって手を叩きます。

パシーンという音が響いて、皆さんこっちを向きます。

そして私は

 

妖夢「初めまして。今日からこの鎮守府に着任した、魂魄妖夢です。皆さん、前任に何をされたかわかりませんが、とりあえずまず腹ごしらえをしてください。はい、お盆持って、そこにありますから!さあ、食べた食べた!」

 

と、一方的に話を終わらせ、厨房に戻ります。

あっちから、「本当に食べていいんだな!よっしゃぁ!」とか、「やった!久々の酒だ!」とか聞こえる。

 

どうやら、しっかり食べてるらしい。

そして、間宮さんの所へいって

 

妖夢「間宮さんもどうぞ。」

 

といい、あっちで艦娘達の所へ連行します。

なんでかって?

きっと皆さんと久々に喋るでしょうから。

 

そして再度厨房にもどって、デザートを作り出します。

今回作るのは、厨房にあった本に載っていた、『間宮アイス』を作ってみる。

 

〜しばらく後〜

 

よし。

人数分できた。

とりあえずバイキングの空いていた場所に持っていく。

両手にお盆を持って、その上にアイスを何個か置いて運ぶ。

だが、両手を塞いだのがだめだった。

 

??「隙ありぴょん!」

 

妖夢「へ?」

 

楼観剣と白楼剣を取られてしまいました。

天龍と木曾と、ほか数人が「おい何やってるんだ!」とか言ってますが、駆逐艦達が集まって、艤装を展開。

私に向けてきます。

 

吹雪「こ、これで終わりです!」

 

木曾「おい!やめろ!」

 

菊月「そうだ!前のやつとは違うんだぞ!」

 

なんか男口調の娘がおおい気がするが、多分天龍さん達が話しやすかったんだろう。

 

卯月「うるさいぴょん!全艦砲撃開s 妖夢「待ちなさい。」なんだぴょん?命乞いかぴょん?」

 

妖夢「アイスはさっき作ったばっかりです。テーブルに置かせてください。」

 

すると卯月達が黙って砲を向けてくる。

置き終わった私は卯月達の前に出て

 

妖夢「こりゃ不味いですねぇ…」

 

と呟く。

それに反応して

 

卯月「そうだぴょん!」

 

妖夢「ええ。とても不味いです。そっちは艤装装備の駆逐艦数人。こっちは…フォーク。」

 

卯月「全艦!砲撃開始だぴょん!」

 

〜天龍サイド〜

 

爆発音が何回も響く。

この食堂がさらにボロボロになる。

そして砲撃があった場所にはなにも残らなかった。

だが、俺と木曾、長門は気づいていた。

 

砲撃が撃たれる直前に射程圏外に逃げ、煙に紛れてどこかへいったと。

そのどこかとは…

 

卯月「やったぴょん!殺してやったぴょん!」

 

菊月「う、卯月…お前…」

 

??「誰を殺したんですかね?」

 

卯月達の後ろから声が聞こえる。

どこかとは、卯月達の後ろだ。

 

卯月「そ、そんな…なんで生きてるんだぴょん!?」

 

不知火「全弾当たったはず…」

 

妖夢「甘いですね。あの程度なら、回避は容易いですよ。そしてこの近距離…砲撃をしたら自分たちも巻き込まれますよね?」

 

卯月「っ…」

 

全員が硬直した。

そして沈黙を破ったのは…

 

妖夢「あなた達!全員そこに正座ぁ!」




さぁて!
次回の妖鎮は?
妖夢「妖夢です。突然ですけど、ジェイソン・ステイサムってカッコイイですよね!実は今回のセリフにそのジェイソンさんのセリフを少し変えて使ったんです!探してみてください!さて、次は駆逐艦達の攻撃をなんとか掻い潜った私はしばらく駆逐艦達に説教するようです。その後は鎮守府問題を解決に向けて、動くようです。次回!『ブラック提督の爪痕』あまり期待せずに待ってください!」


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妖夢は罪を許すのか?

どうも、姫桜です。
テンション低めに行きます。
それと、G+でおなじハーメルンに投稿している人がいました。
その方の、『蒼龍記』楽しいのでみt 妖夢「た、楽しいので見てみてください!」…台本とちょっと違うよ?
妖夢「2回も説教して私の喉はカラカラですし、駆逐艦の娘達も膝が痺れてるんですよ?」
すいません…では、始まります。


〜説教開始から数分後〜

妖夢「食べ物も無駄になっちゃいましたし、豚さん達や鶏さん達の命が無駄になったんですよ!そこも反省してください!そして私を襲ったことですが、提督殺害、未遂は重罪です。そんな自分達の立場が危ないのに、仲間を救うため私を殺そうとした勇気は評価されます。なので、提督殺害未遂は無罪とします!…ふぅ…言い切りました。はい!正座解除!」

 

駆逐艦達「…!?」

 

夕立「ホントに提督殺害未遂を無罪にしてもいいっぽい?」

 

妖夢「構いません。私、半分死んでますし。」

 

艦娘「は!?」

 

妖夢「あ、私は半人半霊ですし、ちょっと待ってくださいね…ほら、半霊!」

 

そういって私は半霊を呼び出す。

これがないと力が半分発揮できない。

 

天龍「幽霊!?」

 

長門「」気絶

 

陸奥「姉さん!?」

 

妖夢「長門さぁん!?」

 

駆逐艦達「キャァァァァァ!」

 

妖夢「半霊!?ちょ、そっちいっちゃだめ!帰ってきて!」

 

間宮「こっちこないでくださぃ!」

 

妖夢「まてぇ!」

 

〜さらに数分後〜

妖夢「…え〜…このような事態を引き起こしてしまい誠に申し訳ございませんでした…せ、切腹します…。」 涙目

 

天龍「うぉぉぉい!?お、おい!止めるぞ!木曾!手伝え!菊月!お前もだ!」

 

菊月「わかってる!」

 

妖夢「止めないでくださいこれは責任なんです責任責任…」

 

木曾「落ち着け!なんか責任連呼してるぞ!ちょ、やめろ!バカバカバカ!おいバカ!やめろ!」

 

天木菊「というかここで脱ごうとするな!」

 

妖夢「自刃ということで…」

 

天龍「ほら、だれも気にしてないから、な?やめろ?な?」

 

妖夢「本当ですか?誰も気にしてないですか?」

 

天龍「ほ、ほら誰も気にしてないって、だからやめろ。な?」

 

妖夢「グスッ…はい。」

 

木曾「よしよし、ほら元気出せって。」

 

妖夢「…はい。」

 

艦娘達(見た目相応の少女なんだなぁ…)

 

天龍「ほら、今日はもう自室で休め、な?」

 

妖夢「はい…」

 

天龍「じゃあ、俺はこいつ連れていくから、後はよろしく。」

 

天龍以外の艦娘「わかった」

 

天龍「じゃ、後でここ来るから。」

 

長門「とりあえず、指示は私が出す。片付け開始!」

 

食堂の艦娘達「はい!」

 

〜数分後、妖夢の自室前〜

妖夢「ありがとうございます…」

 

天龍「ほら、ついててやるから寝てろ。」

 

妖夢「はい…」

 

ガチャ

 

妖夢「…ここめっちゃ悪趣味ですね…。」

 

天龍「どうする?」

 

妖夢「どうせなら天龍のとこで寝ます…」

 

天龍「お、おう(何でそうなったんだ?)」

 

妖夢「今一人は嫌です…」

 

天龍「…そうか、一緒に寝るか?」

 

妖夢「はい…」

 

天龍「よし、行くぞ。」




妖夢の設定ですが、妖夢は見た目12の精神年齢はそれより少し低めという設定にしてます。
さて、次回の妖鎮は…
妖天「すぅ…」
寝てた…
長門「ならば私がやろう。次回からは妖夢が本格的に鎮守府の仲間達を癒すために動き出すぞ。明石やその他にも精神がやばい娘達がいるからな。それを癒していくらしい。次回、『癒しを求めて求められて』」


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癒しを求めて求められて

姫桜です。
最近G+のコミュでネタ探ししてました。
そしてG+にどっぷりハマってしまう。
ヒント:神使隊隊長レヴ
注意
・台本形式
・深夜テンション
・間食後のファッキンテンション




OK?


04:00

おはようございます。

現在提督をやってる魂魄妖夢です。

現在いつもの起床時刻になったので起きたのですが、目の前が真っ黒です。

真っ暗じゃないのかって?

現在私は天龍さんの豊満な胸に埋もれてます。

どうやら、あのあとはすぐ寝たらしく、記憶がないです。

天龍さんは…起きてないですね。

布団から出て今後の予定を考える。

まずは明石さんや他の艦娘を癒すことにしましょう。

布団からそっと抜け出しましょ

 

天龍「ん〜」

 

妖夢「!」

 

抜け出せませんねこれ。

起こすのも申し訳まりませんし、疲れているんでしょう。

…たまには二度寝もありですかね。

もう一度寝よう。

 

06:00 〜天龍side〜

起床ラッパの音で目がさめた。

またあの一日の始まりかと思うと二度寝をしたくなるが、そうもいってられない。

…胸に違和感を感じるな。

 

妖夢「すぅ…すぅ…」

 

天龍「…」

 

一瞬誰かわからなかったが、そうだ、昨日着任した新しい提督だった。

でもそんなことはどうでもいい。

重要な事じゃないんだ。

今私が感じてるのは一つしかない。

 

天龍「かわいい…」

 

寝顔の写真撮って満足した。

…長門に見せてみよう。

 

妖夢「んん…?あ、おはようございます、天龍さん。」

 

天龍「やっと起きたか、今はマルロクマルマルだ。」

 

妖夢「そうですか。私は一度執務室に戻りますが、天龍さんはどうします?」

 

天龍「俺も行く。」

 

妖夢「では、案内お願いします…」

 

天龍「道わかってなかったのかよ…」

 

妖夢「ハ、ハハハ…」

 

天龍「ハァ…こっちだ。」

 

さて、案内するか…

 

06:10 執務室 〜妖夢side〜

さて、執務室につきましたが…やっぱり悪趣味ですね…そのらへん金でできたものばかり…こういうときは…

 

妖夢「紫様。」

 

紫「なに?どうしたの妖夢?…って、うわぁ… 」

 

妖夢「…ここの家具と提督の寝室のものを売っぱらって欲しいんです。」

 

紫「こりゃあ悪趣味ね…いいわよ。お金は後日渡すわ。」

 

妖夢「わかりました。ありがとうこざいます。紫様。」

 

紫「これくらいはお安い御用よ。」

 

天龍「…」ボカ-ン

 

妖夢「?どうしました?天龍さん。」

 

天龍「いや…おかしいだろ…」

 

妖夢「天龍さん。細かいことは気にしないでください。」

 

天龍「お、おう…」

 

木曾「妖夢ー!いるかー!?」

 

妖夢「いますよー!」

 

木曾「ここにいたか。今日の予定はどうする?」

 

妖夢「そうですね…まずは。精神的に危ない艦娘は何人いますか?」

 

天龍「まずは明石だな。それと第六駆逐隊の4人と…潜水艦達だな…潜水艦は7人いる…」

 

妖夢「そうですか…まずは明石さんですかね…工廠へいってきます。」

 

天龍「わかった…木曾、ちょっとこっちこい…」

 

木曾「なんだ?」

 

その後、木曾が天龍からとある写真をもらったらしい。

 

06:20 工廠 〜妖夢side〜

妖夢「ここが工廠ですか…ボロボロですね…」

 

工廠は壁の所々になにかのシミや傷がある。

あまり掃除もされていないようだ。

妖精さんは提督の服を着た私を見て怯えている。

というわけで、改めて用意しておいた飴などを妖精さん達に与える。

 

妖精A「こんどの提督さんは優しい!」

 

妖夢「前任はどんなやつだったのよ…」

 

妖精さん達に飴をあげたあと、工廠の奥にある扉の前へ行く。

 

コンコンコン

 

妖夢「明石さん。入りますよ?」

 

明石「…どうぞ 」

 

妖夢「失礼します。」

 

明石「!?」

 

天龍「妖夢。もういたか。」

 

明石「…今度は誰を解体しろっていうんですか…」

 

妖夢「解体しろといいません…逆に、もう解体をしないでください!」

 

明石「信じられるわけないじゃない!どうせ後でいろいろさせられるでしょ!?」

 

天龍「…明石。ちょっとこれ見てくれ。」

 

天龍さんがなにかの写真を渡してます。

なんの写真でしょうね?

 

明石「えっ…かわいいんだけど…」小声

 

天龍「これ、提督の妖夢なんだぜ?」 小声

 

明石「かわいい…」小声

 

何の話をしてるんでしょう?




久しぶりの投稿です。
次回は
妖夢「妖夢です。今回の話、天龍達がなにの話をしていたのかわかりませんが、なんか嬉しいです。次回は…演習です。しかも、あの状態の艦隊で。次回、「初演習」期待せずに待っていてください。」


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初演習

お久し振りです。
姫桜です。
しばらくPixivにて小説を投稿してました。
さて、今月初投稿、いきますか。


妖夢「…」

 

おはようございます。

魂魄妖夢です。

私はいま送られてきた紙を見てこの紙をビリビリに破きたくなる衝動を抑えています。

これは横須賀の元帥から送られてきた演習の申し込みなのですが、内容が非常に殴りたくなるような内容なのです。

内容を要約すると、演習しようぜ、でも負けたらそっちの艦娘好きにしていいことにしようぜ、あ、文句ナシな。

…それを上から目線にして、うざくして、下心満載で書いた感じです。

うざい…

受けなかったらどうなるかわかりませんし…受けますか…

編成決めないとなぁ…

まあ1週間猶予があるし、ゆっくり決めよう。

 

〜5日後〜

妖夢「決まった!」

 

天龍&木曾&長門「「「うおっ!?」」」

 

妖夢「編成が決まりました!」

 

長門「見せてくれ。」

 

さて!

編成が決まった!

編成は

長門 旗艦

天龍

木曾

菊月

赤城

加賀

この6人です!

この6人、じつは自分から出たいと言ってきたしてきたんです。

赤城さんと加賀さんは「ご飯のお礼は演習で返します!」と、長門は「写真のため」と言ってましたね。

写真?

なにかわかりませんが、最近徹夜で考えたのでめっちゃ眠いです。

それを察したのか、書類は終わってたので、寝かせてくれました。

やけに眠ることを勧めてきたけど、善意なのでしょう!

おやすみなさい!

〜演習当日 横須賀鎮守府〜

元帥「遅かったじゃないか…」

 

妖夢「時間ぴったりです、元帥殿。今日はよろしくお願いします。」

 

私はお辞儀をする。

まあ平静を装ってるが聞いてほしい、なんなんですかこの提督は!?

頭にバケツみたいなものを被ってパンツ一丁なんですけど…

というか、天龍さん達そんなに元帥殿睨まないで!

 

元帥「演習開始はこの後だ。自分の艦隊を配置につけさせろ。」

 

妖夢「了解しました。」

 

元帥「あー、ところで今夜どうだね?」

 

妖夢「…?よくわかりませんが私には仕事があるので。」

 

元帥「その程度だったら、艦娘に任せれば…」

 

妖夢「いえ、あれは提督がやる仕事です。」

 

元帥「…」

 

妖夢「では。」

 

私は殺気を漲らせている私の艦隊を落ち着かせて、配置につかせる。

それにしても今夜とはどういうことだろう?

…夜…百物語でもやるんだろうか?

それだったら別に良いのだが、その提案をした時に悪寒がした。

なにをするきだったんだろう…?

そんなことを考えていたら演習が開始された。

私は演習が見渡せるところにいる。

どうやらこちらの艦隊が押しているようだ。

これなら勝てるだろう…いや、慢心はダメだな。

赤城さんも言っていた。

「この勝利に慢心してはダメ」と。

手のメガホンで私の艦隊を応援する。

後ろから近ずいてくる影に気づかずに。



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妖夢提督危機一髪

最近ハリポタ小説にハマってる姫桜です。
黄金の暴帝や魔法生物の王、あの人に死ぬほど愛されてる人やヘタレ系令嬢…!
どれも素晴らしい作品で興味を惹かれます!
書いてみたいですね…いつか…(ハリ風)
では、本編どうそ!


〜???〜

妖夢「んー!んー!」

 

憲兵A「お、おい、ホントに大丈夫かよ…?提督だぜ?」

 

憲兵B「大丈夫だ。こんな小娘に何が出来るっていうんだ?」

 

憲兵C「おいおい、はやくヤっちゃいましょうぜ?」

 

う…起きたらこれとは…

私、魂魄妖夢は私の艦隊を応援していたところを後ろから気絶させられて、手足を縛られてここ…どこですここ?まあ、椅子に縛られています。

この人達怖いです。

あぁ…天龍さん達助けて…

 

憲兵A「へへっ。これから何も考えなくなるくらいに輪姦してやるよ。」

 

??「待てぇ!!」

 

憲兵A「!?誰だ!?」

 

扉には筋肉モリモリパンツ1丁のハンサムが!

 

ハンサム「多人数で少女を拉致し、挙句に性欲を発散させようとするとは…許せん!」

 

憲兵A「おいおい、こっちには銃があるんだぜ?はやく失せた方が身のためだぜ?」

 

憲兵B「てめぇには何もできないさ。ヒーロー気取りしない方がいいぜ?」

 

ハンサム「…いくそ、お前ら。」バチン

 

ぞろぞろぞろぞろ

 

なんとハンサムの後ろからは大人数の筋肉モリモリマッチョマンの変態共が!

なかには、頭が干のようになってる者や、顔かめり込んでる様にも見えるひらべったい頭の人、似た顔つきの人が沢山。

そして

 

ハンサム「私はゲイヴンだ。ハメさせろ。」カシュッ

 

なんと元帥のバケツ頭がハンサムに!

その後は元帥達の無双でした。

その丸太のような足や手で殴って気絶させたり、銃弾が全て緑色のアーマーのようなもので守られたりと、無双です。

そして私の縄を解いて、元帥殿はいいます。

 

元帥「しばらく外に出ていてくれ。」

 

男「体に聞くこともあるからな。」

 

そして追い出されます。

すると天龍さん達が駆け寄ってきて怪我はないかとか色々聞かれます。

聞かれてる最中、私がいた小屋から「アッーーー!」や、「だらしねぇな?」など聞こえてきましたが、天龍さん達が気にするなと言ったので私は気にしません。

それにしても、何をしてるんでしょう?

そこら辺は気になりますが、下手に詮索すると行けない気がするので、あまり詮索はしません。

それにしても、なんだ天龍さん達の顔は真っ赤なんでしょう。

私達の方も落ち着き、元帥殿と愉快な仲間達がテカテカした体で小屋からでてきます。

元帥殿に謝罪された後、色々話してくれました。

まず、今回の提督もブラックではないか心配になったことを話してくれました。

いい人だったんですね。

誤解してました。

というか気になるのですが

 

妖夢「あの…ゲイヴンってなんですか?」

 

その後、天龍さん達が焦った様に話を逸らしました。

なんなんでしょうね?



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宴と元帥と時々料理対決

風邪をひいた姫桜です。
頭が回らない、つまり面白さがなくなるということ、スミカ・ユーティライネンです。

元帥側の艦娘には最初に元帥とつけてます


元帥「さあ、そこに座ってくれ。」

 

妖夢「は、はい。」

 

今、私は鎮守府の話をするために私の第1艦隊と共に元帥殿の執務室で対面しています。

執務室のソファーに座り、元帥殿の話を聞きます。

あ、この羊羹美味しい。

 

元帥「今回の演習の目的は、君の鎮守府がブラックではないか、という調査のためだ。前の君の鎮守府の前任は、艦娘への暴力を当たり前にして、1日誰かひとりに夜の相手をさせる。」

 

妖夢「…あの、夜の相手ってなんですか?前から気になってたんですが。」

 

元帥「…あー……あれだ…こう…わ、悪いことだ、うん。と、とりあえず話の続きをしよう。」

 

妖夢「ア、ハイ。」

 

艦娘「(元帥、グッジョブ!)」

 

元帥「まあ、それで演習をしても負けたら殺されるんじゃないかと思わせるような形相で戦っていたんだ。演習後の暴力は当たり前だし、それを私の前でもやる。ほんと、腐ったやつだ。…まあ、今回は必死に戦っていた艦娘は君のところにもいた訳だが…理由は大体分かった。」

 

長門「なんのことだ?」

 

元帥「なんでもないさ。まあ、君の鎮守府は回復して、ブラックではないのはわかった。よかったよ。」

 

妖夢「気にかけて頂き、ありがといございます。」

 

元帥「礼には及ばん。まあ、ここからは君の鎮守府の話を聞かせてくれ。」

 

妖夢「わかりました!着任したばかりなので、あまり詳しくは話せないと思いますが。私の鎮守府は最近ですね…」

 

~1時間後~

 

元帥「そこで言った訳だ、『言い訳していいのか?いやいい訳ねぇだろ!』ってな。」

 

全員「ハハハハハハ!」

 

元帥大淀「(何の話してたらこうなるんでしょうか?)」

 

元帥「そういえばもう昼時だな、どうせだ、食堂で何か食べていきなさい。」

 

妖夢&艦娘「ありがとうございます!」

 

さて、食堂に来たわけですが、めっちゃ綺麗です。

隅々まで掃除が行き渡っていて、輝いてます!

私の鎮守府の食堂ももう少し綺麗にしないと…

 

元帥「ここの間宮の飯は美味いぞ?」

 

天龍「フフ、うちの妖夢提督ほど料理が美味い人はいないぞ?」

 

元帥「え、提督が料理してるの?」

 

妖夢「え、ええ。間宮さんを雇ってないので。」

 

間宮「雇ってないんですか…料理対決します?」

 

妖夢「え゙」

 

元帥&艦娘「賛成!」

 

~更に1時間後~

 

妖夢「(し、失敗してしまった…まさか分量を間違えてしまうとは…私もまだまだ未熟か…)」

 

間宮「(まずい…カレーが辛すぎるかもしれない…これは負けたか…?)」

 

妖夢&間宮「(これはどっちが勝つんだ!?)」

 

青葉「おや?2人とも冷や汗がでてますよ?さてはどこか危ういところがあったんですね?」

 

妖夢&間宮「うっ…はい……え?」

 

青葉「ほうほう!2人とも危ういとこがあったと!なるほど…これはどっちが勝つんでしょうね?あ、このカレーと唐揚げ美味しい。あ、こっちもいいな…」

 

元帥「実況を放棄してどうする?後で食べられるんだから。」

 

青葉「こういうのは出来立てが美味しいんですよ。」

 

元帥「まあ…否定しないが…」

 

~10分後~

青葉「判定が終わりました!結果は…同点です!」

 

妖夢&間宮「え゙?」

 

元帥「…うん、二人共美味しかったし仕方ないね。」

 

天龍「間宮の実力がよくわかった。」

 

長門「普通に美味しかった。」

 

菊月「私としては二人共同じくらいの腕前だと思うぞ。」

 

赤城「同点というところに不思議はないですね。二人共美味しかったですし。」

 

加賀「(赤城さんに食べさせていてあまり食べてないとはいえない…)」

 

 

 

横須賀鎮守府は今日も平和です。




あれ?
私今回何を意図して作ったんだっけ?
あ、書いてる途中で思い出した。
今回今年最後なので宴会といったら料理だよなってことでこの作品を作りました。
来年もまた、宜しくお願いします。
では。


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妖夢と艦娘の休暇

お待たせしましたァァァ!&もう課題は嫌だァァァ!!

ふぅ…


天龍side

 

「突然ですけど、艦娘の皆さんに休暇と今までの給料を払おうと思います。」

 

横須賀鎮守府から帰ってきた妖夢は突然そんなことを言い出した。

そういえばろくに給料を貰ったことがない、と思い出した。

休暇もなかったな。

まあそんなことはどうでも良くてだな。

そんなことよりだ、『いいことを思いついた』という顔をした妖夢の顔が可愛い。

………ふぅ、満足した。

ちなみに今俺達は今食堂にいる。

もはや食堂が集会所みたいになっているが、仕方ない。

さて、周りの艦娘だが…まあ、皆ポカーン状態だ。

休暇なんぞ体験したことがない奴らが多いからな。

俺もだけどな。

さて、妖夢は厨房に戻ったし、俺は食事を再開しよう。

ちなみに俺含め他の「妖夢親衛隊」の隊員達は妖夢に会えないのか…と少し残念がったものの、折角妖夢がくれたんだ!と満喫しようということになった。

俺もその1人だ。

まったく、妖夢提督は最高だぜ!

さて、近い順から給料が配られている。

…うわぁ、あんな量溜まってたんだなあ…

………まて、どこからあんな資金持ってきた!?

 

「お、おい妖夢!その資金はいったいどこから持ってきた!?」

 

「?いえ、前の糞や「幼女がそんな事言わない」…前任が大本営から支給されていた資材を隠し持っていたので、それを売りました。」

 

なんでも、逐一支給される資材を隠し倉庫に隠して、売り飛ばして自分の私財にしていたらしい。

資材だけにってか。

ハッハッハ!笑えねぇ。

まあそういうことなら別にいい。

 

 

 

「「なぜお前らが付いてきているんだ…」」

 

俺と木曾が同時に言った。

誰かと言うと妖夢親衛隊こと長門を筆頭に、陸奥、扶桑姉妹、の4人、大和型姉妹、空母ズ(一航戦、二航戦、五航戦)、第六駆逐隊や睦月型などの駆逐艦…うん、ぶっちゃけると親衛隊と鎮守府全員だ。

 

「なんといいますか…ほっとけないというか…」

 

「これも立派な提督護衛です。」

 

おい赤賀。

 

「「「「………」」」」

 

お前ら親衛隊は無言で一眼レフを弄るな。

言い値で売ってくれよ。

 

…と、まあ全員が苦笑いしている妖夢についていくことになった。

これなんて大家族?

一応ここは小さな島とはいえ町がある。

田舎っていう所でもなければ都会ってわけでもない、そんなところだ。

一応町には活気がある。

…いや、こんな大人数だからすれ違わずともみんな振り向くんだよ。

 

「…とりあえず皆さん私服買いに行きましょうか…」

 

「…俺は賛成だ。」

 

…店の人には謝ることになるんだろうなぁ。

いや、逆に喜ぶか?




遅れてすいませんでしたぁぁぁぁ!
ネタが思い浮かばなくてですね…はい、すいませんっ!


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ばったん作戦

少しボリュームは少ないですが…できました!


天龍side

 

「行くぜ、抜錨だ!」

 

艦娘達の休暇が終わった後、即座に出撃が行われた。

深海棲艦が再度進撃、戦線が後退したかららしい。

俺達第一水雷戦隊は所謂切り込み隊、先陣を切って後方に待機する重巡、軽空母、軽巡(または駆逐)からなる機動主力艦隊の道を作る役目だ。

これの他に敵の進撃をくい止める重巡、戦艦からなる艦隊もいる。

 

「それにしてもやっと戦いか!万全の状態で行けるなんていつぶりだ?」

「少なくとも五年は下らないな、球磨姉さん達も随分高揚してた。まぁそれも当然か」

「だな」

 

木曾と話しつつ警戒は怠らない、何せ今回観測機を持つ艦娘がいないんだ。頼りになるのは、電探と己の目だけだ。

さっさと敵を倒して、さっさと帰る。そうしたい。

なぜなら…

 

「「帰ったら存分に間宮さんとこで食えるんだからな!」」

 

艦娘にとっての至高は俺達にとってもやはり至高だ。これは多分艦娘っていう存在の根本だからなんだろう。

自然と軽くなる身体をさらに速く進ませ戦闘をさっさとしようと俺は前線へ駆けた

 

 

 

長門side

 

「まだ来るぞ!攻撃を緩めるな!」

 

味方艦載機と敵艦載機が入り乱れる戦場にて、戦線維持隊である私、陸奥、金剛、比叡、飛龍と蒼龍の六隻の艦隊は津波もかくやという程の敵艦載機や、蟻のように湧き出てくる深海棲艦を相手に戦闘を続けていた。

 

「交代はいつくる!」

「まだかかるはずよ!それまで持ちこたえて!」

 

次々と私の41cm連装砲から発射される徹甲弾が敵戦艦を排除し、金剛型二人の砲弾で駆逐艦や軽巡は木っ端微塵になっていくが…如何せん数が多い。

 

「(このままでは何れ数で押し切られる。どうにかしなくては…!)」

Newcomer!(新手)Le class flagship MkII!(ル級フラグシップ改デス!)

 

金剛の流暢な英語に反応し前を見る。

確かに敵の中から一人だけ目立つル級が見える。

だが、なんだ…?フラグシップ改よりもオーラが強い気がするが…しかし今は考えてられない。

 

「敵のフラグシップ改はあれだけか…?あれが最高戦力だ!あれを狙い撃ちしろ!」

Roger!FIRE!(わかりましタ!ファイア!)

 

金剛の全砲門から放たれた砲弾は真っ直ぐル級へ吸い込まれるように当たり━━━

 

Jesus fu●kin' Christ!?(イカれてんのか!?)

 

徹甲弾の全てがその艤装で弾かれた。

普通ダメージは入るはずなのに、まるで効いていない…駆逐艦が大和に攻撃したかのように、少し擦ったような後があるだけだ。

35.6cmでアレでは41cmでも有効打は…

そこまで考え、ハッと解決策が思い浮かんだ。

 

「…私にいい考えがある。」

 

 

妖夢side

 

「━━━以上の報告から、作戦は滞りなく進んでいるようです。順調に"扉"も閉まってきているようですよ。」

「なら、作戦は上手く行きそうですかね?」

「恐らくは。ただ、戦線を維持する防衛隊が少々苦戦しているとのこと。」

「なるほど、では早く扉を閉めましょう。

 

 

「全侵攻艦隊に告ぐ、扉を閉めましょう。」



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扉を閉じろ

よぅし!できました!
戦闘描写は苦手なんですよね…


課題なんてやってられるかーい!


…ここで、今回の作戦の内容を説明しよう。

作戦名【ばったん作戦】は戦闘海域を扉に見立てている。

編成される艦隊は足止めを担当する【囮艦隊】と戦力に応じて動く【遊撃艦隊】である。

戦艦や重巡、空母からなる大艦隊であるが妖夢の鎮守府では中ほどの練度(レベル)を持つ。

練度というのは本当に大事で、練度の高い駆逐艦一隻が無傷で敵の戦艦三隻を撃沈できることだってできる。

妖夢の鎮守府で最も練度の高いのは主に軽巡、駆逐である。

そのため主力はその二種の艦娘なのだ。

さて、その二種は別に役割のある艦隊を編成している。

それは【右扉高速侵攻艦隊】【左扉高速侵攻艦隊】の二艦隊である。

右扉はトップクラスの練度を誇る天龍、木曾が編成された艦隊であり、こちらは軽巡二、駆逐十の編成だ。

左扉艦隊は駆逐艦と軽空母が編成され、軽母の中でトップクラスの練度を持つ鳳翔、龍驤が主力となる軽母三、駆逐十二の編成。

天龍、木曾は軽空母に勝る力を持っているため、侵攻にはこれで充分だろうと考えられた。

この作戦は三フェーズに別れて行われる。

深海棲艦側には【囮艦隊】のみを補足させており、戦力も必然的に囮艦隊側へ寄っていっている。

すると戦線が薄くなり、突破は容易くなる。

第一フェーズでそこを突破するのが侵攻艦隊だ。

第二フェーズでは侵攻艦隊は突破の後、【第一戦線維持艦隊】 【第二戦線維持艦隊】に戦線を任せ転回、囮艦隊と交戦している艦隊を後ろから攻撃するのが役割となる。

同時に囮艦隊は遊撃艦隊と合流、攻勢を仕掛ける。

撤退のできない深海棲艦を撃沈するのが第三フェーズである。

それが今回のばったん作戦の内容である

 

 

 

 

 

長門side

 

「そんな…幾らなんでも危険よ!」

 

私の()()()()を聞いた陸奥が叫ぶが、しかし今最善はそれしかない。

 

「大丈夫だ。私は沈まん。陸奥、金剛、比叡、私をできるだけ援護してくれ。高雄らは無理をせずに三人の間を埋められるだけ埋めてくれ。私が肉薄して戻るまでの間だけで大丈夫だ。」

「「了解です!」」「Roger!」

「…長門、沈まないでね」

 

未だ心配そうな陸奥が願うように言ってきた。

だから私は…

 

「無論だ。姉の勇姿を見ていてくれよ?」

 

と、サムズアップを返した

 

 

 

さぁ、覚悟は出来た。

 

「突撃!!」

 

 

 

ル級?side

 

()、一隻コチラニ突ッ込ンデクル」

 

近くで私の護衛を行うイ級がこちらへ報告をしてくる。

確かに艦隊から外れ突っ込んでくる戦艦が一隻みえる。

 

「血迷ッタカ?…油断ハスルナヨ。全艦隊ニ通達、戦艦ト重巡ハ突ッ込ンデクル戦艦ヲ優先的に攻撃、駆逐艦、軽巡洋艦ハ戦艦重巡ノ援護ダ。」

 

全艦に指令を出した後、私も攻撃に移る。

何がしたいのかは知らんが、私には勝てない。

姫一歩手前まで来て、今更沈めるか…!

 

「砲角、良シ、風、ナシ、撃テッ!」

 

視界が白に染まった直後、黒に染まる。

轟音とともに放たれた砲弾は…

 

「…ッチ、避ケタカ。」

 

急速に動いた戦艦に回避された。

しかし素早いな…タービンが良いのか?

 

…いや、待て、違う

アイツ…正気か…!?

 

「艤装ヲ外シテイル!!??」

 

奴は武装や盾となる艤装を外し最大まで軽量化しているんだ!

道理で当たらないわけだ!だが…!

 

「バカメ…当タレバ終ワリダトイウノニ突ッ込ンデ来ルトハナ!」

 

副砲など、できる限りの砲を使いやつに狙いを定める。

他の戦艦もそれに気付き攻撃はさらに激しくなる。

激しくなっているはずなのに…!

 

「クソッ!何故当タランッ!!」

 

 

 

…ここで、かつてブラック鎮守府の内情について話そう。

かつて、艦隊に損傷をおったものが居ると「連帯責任」とされ、全員が酷い罰を受けた。

しかし移動速度の遅い戦艦はどうしても攻撃を受けてしまう。

しかし新たなタービンも貰えない。

ではどうするか

そのままの推力で回避する術を学ぶのだ。

結果、彼女たちは所謂行進間射撃のように最大戦速で不規則に動き回り砲撃を当てる術を学んだのだ。

その中でも特に回避力が高かったのは長門である。

そんな長門にとって、砲弾の雨を掻い潜るのは造作もないことであった。

そう、片手に徹甲弾を持ちながらでも…

 

 

 

「(クソッ!クソッ!奴ハ何ヲスル気ナンダ…!一体ナニヲ…!)」

 

ル級は恐怖していた。

なぜ攻撃手段もないのに何故突っ込んでくるのか?

何かの作戦か?だがどんな作戦か全くわからない。

わからないわからないわからない

しかし、今はとにかく迎撃をしなくてはならなかった。

とてつもない恐怖感に押しつぶされそうになりながら…

 

 

 

長門side

 

「(あと少し…あと少しだ…!!)」

 

常に飛沫が身体を襲う中、高速移動を続ける長門はル級から目を離さなかった。

右手に持つ徹甲弾を落とさないよう気をつけながら、砲と身体から絶対に目を離さなかった。

 

やがて、奴の砲がキラリと輝いた

 

「(来るっ!!)」

 

身体を無理矢理右へ

すると直前まで居た場所に巨大な水柱が立つ。

アレに当たれば今の自分は間違いなく沈む、そう思うと思考が単純になっていき、同時に恐怖と高揚感を覚える。

 

「今、私はここに居るぞっ…!!!」

 

機関を全速で奴の方へ

唯一艤装がついている足裏が熱くなって来ているが知ったことではない

あと少しでたたき込めるんだ…!!

 

「うぉぉぉぉぉおおおお!!!!!」

 

あと少し、あと少し

 

「ヌァァァァア!!!」

 

だが、突然ル級は恐怖のあまりか艤装を手放し、私に拳を振り上げてきた。

だが、残念だったな

 

「はぁぁぁっ!!」

 

私は素早く懐に潜り込み振り上げられたその手の手首を掴み

 

「おぉぉっ!!」

 

思いっきり背負投を決める!

 

「グゥッ!?」

 

海面に叩きつけられたル級は肺から全ての空気を出しつつも、しかし果敢にも私に蹴りをみまおうとしたが…

 

「これで終わりだ!」

 

私は右手に持っていた徹甲弾を振り上げ、奴の足より早く奴の顔面へぶち込んだ!!

 

 

……

 

 

「はぁ…はぁ…まだやるか…?」

 

近くのイ級eliteへ声をかける

 

「オ…長ガ…長ガヤラレタ!」

「長…!」

「無理ダ!逃ゲロ!!」

 

すると深海棲艦は思い思いの方向へ(尤も、私の方や味方の方には行ってないが)逃走を始めた。

軍隊としては完全に統率を失ったな。

あとは侵攻艦隊に殲滅されるだろう。

 

「ふぅ…疲れた…」

 

こちらに駆け寄ってくる妹を見ながら、長門は満足気に息を吐いた



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