ベリアル物語 (ヴァンパイア)
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エピソード1「招かれる悪のウルトラマン」

因みにベリアル陛下の戦法は、サンダーブレスターをモチーフにしております。今回は、相手が巨大怪獣なのでしませんが。


風が吹き荒れ、満月の夜の岩山の中に一匹の1000mの巨体を誇る怪獣の咆哮が鳴り響いた。

 

???「イーキャオオーーーン」

 

全身が凸凹している体と首元から細くなっており、体表に緑色の結晶(以降:プラズマソウル)が五つ露出しているのが特徴の「レッドキング」が目を光らせながら周囲の岩山を持ち前の怪力で粉々にしながら歩行していた。しかし、突如レッドキングが歩行を止め、自身の目の前にある岩山を見つめた。

 

レッドキング「イーキャオオーーーン⁇」

 

岩山の上には、幾つもの青い光と赤く光る釣り上がった目と不気味に光る紫色の球体が浮かんでいる様に見えた。しかし、月明かりに照らされ徐々に素性を露わにした。その正体は悪に堕ちたウルトラマンのベリアルだ。

 

ベリアル「少しは、歯応えがあってくれよ。」

 

ベリアルはレッドキングに手招きをし、挑発した。

 

レッドキング「イーキャオオーーーン‼︎」

 

案の定すぐに挑発に乗ったレッドキングは拳を握り、右腕をベリアルが立っている岩山に叩きつけた。岩山は粉々に崩れ落ち、土煙を上げ瓦礫と化した。

 

レッドキング「イーキャオオーーーン‼︎」

 

自身の勝利と思ったレッドキングは満月に向け、勝利の雄叫びを上げ、上機嫌となり再び歩行した。

しかし、突如ベリアルがレッドキングの背後に現れ、剥き出しになっているレッドキングのプラズマソウルにギガバトルナイザーを叩きつけ、プラズマソウルを粉々にした。

 

レッドキング「イーキャオオーーーン⁉︎」

 

レッドキングは悲鳴を上げ、体勢を崩してしまう。

すぐさま体勢を立て直したレッドキングは、自分の半分程の大きさの岩山を持ち上げ、ベリアルに投げ飛ばした。

 

ベリアル「フンッ」

 

自分よりも遥かに大きな岩が直撃しようとしているのにも関わらず、ベリアルは鼻で笑い、自身が持っているギガバトルナイザーの先端を岩に向け、ギガバトルナイザーから稲妻(ベリアルジェノサンダー)を放ち、見事に直撃させ大量の土煙を上げてすゆわ岩を粉々にした。

 

レッドキング「イーキャオオーーーン‼︎」

 

自身の得意技があっさりと破れた様子を見たレッドキングは目を見張った。すると土煙の中からベリアルが自分の目の前に現れ、ベリアルはギガバトルナイザーを左手に持ち変え、右手から赤く鋭い爪を生やし、右腕を上げ、レッドキングの右目に振り下ろした。

そしてレッドキングに赤く巨大な斬撃が走った。

 

レッドキング「イーキャオオーーーン!!!!」

 

斬撃によってレッドキングの右目から胴体までに大きな裂け目ができ、傷から大量の血を垂らしながらレッドキングは悲痛の叫び声を上げながら倒れた。

 

ベリアル「あっけなかったな。」

 

呆れながら言ったベリアルは、その場を去ろうとしたその時であった。怒りに満ちた咆哮が周囲の岩山に響き渡る。ベリアルは後ろに振り向くと先程倒れた思ったレッドキングが今にも飛びかかる様な体勢をしていた。

 

レッドキング「イーキャオオーーーン!!!!」

 

だが、一番驚くところはレッドキングが生きていたことではない。先程ベリアルがつけた傷が綺麗になくなっていたのだ。だが、ベリアル本人は驚くどころか感心していた。

 

ベリアル「流石はプラズマ怪獣だ。あれぐらいじゃ、やはり死なねえか。」

 

案の定レッドキングは直ぐに飛び掛ってきた。しかし、ベリアルは難なくレッドキングの攻撃を飛び避け、別の岩山に着地した。

 

ベリアル「そろそろ、終わりにさせてもらおうか‼︎」

 

そう言うとベリアルはギガバトルナイザーを岩山に突き刺し、右手に赤黒いエネルギーを纏い、レッドキングの方へと飛んだ。

 

レッドキング「イーキャオオーーーン」

 

透かさずレッドキングは向かってくるベリアルに自身の腕を叩きつけた。しかし、その攻撃すら紙一重で避けたベリアルだが、何を血迷ったのか彼はレッドキングの口に一直線に飛んでいた。

 

レッドキング「イーキャオオーーーン⁉︎」

 

流石のレッドキングもこの様な自殺行為を見て、少し戸惑ったが、少しばかし腹が減っていたレッドキングは何の迷いもなく、口に向かってきたベリアルを丸呑みした。

 

レッドキング「イーキャオオーーーン!!!!」

 

レッドキングはガッツポーズを決めながら、勝利の雄叫びを上げた……がしかし、レッドキングは急に喉を抑えながら両膝をつき、

先程の雄叫びを上げた者とは、到底思えない程の弱々しい声を上げながら、レッドキングは爆散した。

 

レッドキング「ィーキャオオーン」

 

凄まじい爆煙が上がり、暫くすると爆煙が晴れ、ベリアルが姿を現した。

 

ベリアル「お前ら、さっさと出て来い。」

 

ベリアルがそう言うと突然目の前に五人の宇宙人達とその背後に大量のプラズマソウルが現れた。彼らの名は、ダークネスファイブという軍団で、ベリアルに忠誠を誓った邪悪な宇宙人達だ。すると、ジャタールが手を擦りながら、ベリアルに媚びり始めた。

 

ジャタール「いやー流石は陛下、プラズマ怪獣をいとも簡単に倒してしまうとは、畏れみます。」

 

そして、他のメンバーも負けじと言う。

 

グロッケン「よっ!宇宙最強!」

 

ヴィラニアス「お見事です。」

 

デスローグ「ゴォーーー。(よッ!宇宙最強)」

 

スライ「流石です。」

 

しかし、ベリアルは褒め言葉なぞ聞いておらず、命令を下した。

 

ベリアル「お前ら、お世辞なんざ後でいい。とっととプラズマソウルを回収してこい。」

 

命令されたダークネスファイブ一同は、慌てて、プラズマソウルを回収しに行こうとした。だが、スライだけは何故か余裕がある様な態度であった。

 

スライ「ご安心ください。」

 

他のメンバーが慌てる中、スライはゆっくりとベリアルに歩み寄った。その様子が見た他のメンバーは、不思議に思う。

 

スライ「プラズマソウルならこの通り、」

 

スライが指を鳴らすと突然幾つものプラズマソウルが現れた。

 

スライ「私が集めてまいりました。」

 

ベリアル「ほー。スライ、気が効くじゃねーか。」

 

なんと、スライは先程ベリアルがレッドキングから強奪したプラズマソウルを他のメンバーには、内緒で一人で集めていたのだ。感心するベリアルを他所に何も知らなかった他のメンバーは、当然悔しがっていた。

 

グロッケン「あのやろ〜〜。また抜け駆けしやがって‼︎」

 

ヴィラニアス「スライの奴。またゴマをすりおって‼︎」

 

デスローグ「ゴォーーー‼︎」

 

ジャタール「スライ!やるなら私も誘え‼︎」

 

スライとジャタール以外「ゴォーーー‼︎・お前も抜け駆けしようとすんじゃねー‼︎」

 

そしてジャタールは全員から集中砲火を喰らう羽目になった。

 

ジャタール「えっ⁉︎何故私だけ⁈どうせやるならスライにもやギャーーーー」

 

そしてジャタールは、お星様になったのであっ「勝手に殺すな‼︎」。

 

ベリアル「お前ら何時まで茶番を続けてんだ?とっとと行くぞ‼︎」

 

ダークネスファイブ「ゴォーー。・はっはい。」

 

恐る恐る返事をして、ダークネスファイブ一同は緑色の球体状となり、ベリアルは赤い球体状となり、この星を去った。

光をも超える速さで宇宙空間を飛びながら、彼らは何やら話しをしだした。

 

ジャタール「陛下、今度はどの星の怪獣をハントするおつもりなんですか?」

 

ベリアル「ああ。怪獣ハントはもう飽きたから止めだ。」

 

ダークネスファイブ「ゴォーー!!!!・エーーーー!!!!」

 

ベリアルの言うことに驚きを隠せなかったダークネスファイブ一同。

 

スライ「陛下。もう飽きたられたのですか⁉︎」

 

ベリアル「何だ?てめーらは、まだやりてえーのか?」

 

ダークネスファイブ「いえいえ。」

 

ベリアル「だったら黙って付いて来い。」

 

ダークネスファイブ一同も何だかんで怪獣ハントを結構楽しんでいた為、渋々ながらベリアルについて行った。

 

 

 

それから暫くすると何処からか聞き覚えのない声が響き渡る。

 

⁇?「ベリアルよ。」

 

ベリアル「ああん?」

 

当然ベリアルは、急に止まり辺りを見渡した。ダークネスファイブ一同はベリアルを追い越してしまい、慌てて止まった。

 

グロッケン「陛下、どったの?止まるなら言ってくださいよー。」

 

しかしベリアルはグロッケンの言っていることは耳に入らず先程の声の主を探していた。

 

ベリアル「何処にいやがんだ⁉︎とっとと出て来い!!!!」

 

しかし声の主は現れず、広大な宇宙にベリアルの怒声が響き渡るだけだった。しかもベリアルは急に大きな声で怒鳴り散らした為、心配される始末。

 

ヴィラニアス「陛下?どう何故らたのですか?」

 

ベリアル「ああん?てめーら何も聞こえなかったのか?」

 

ダークネスファイブ「いいえ。」

 

ベリアルの質問に全員首を横に振った。

 

ベリアル「じゃあさっきのは、幻聴か何か?」

 

するとまたその場にベリアルの脳裏にまた先の声が渡る。

 

⁇?「幻聴などでは無いぞ。ベリアルよ。」

 

ベリアル「またか!いい加減に出て来い‼︎」

 

⁇?「残念ながらそれは出来ん。」

 

ベリアル「何故だ⁉︎」

 

イラついてるベリアルに対して謎の声は何一つ態度を変えずに答えた。

 

⁇?「私は、今別宇宙にいる。かと言ってその場に行けれないことは無いが、お前は待つというのが嫌いなのだろ?だったら私が道を教えて自分で行かせた方がこっちも手っ取り早いと思ったのだが、違ったかな?」

 

ベリアル「いや、よくわかってんじゃねーか。」

 

ダークネスファイブside

 

謎の声と話をしているベリアル。だが、ダークネスファイブ一同には、その声は聞こえない為、今ベリアルはでかい声で独り言を言ってる、頭が少し可笑しな人に見えている。

 

ヴィラニアス「なぁースライ。」

スライ「何ですか?」

 

ヴィラニアス「もしかして陛下は、全宇宙制覇があまりにも程遠いあまり、頭が少々可笑しくなってしまわれたのではないだろうか?」

 

スライ「そうでしょうね。まさか!あなた方は、陛下が“バカで可笑しく”なったからといって陛下を見捨てようだなんて考えてはいませんよね。」

 

ヴィラニアス「そんなことは微塵も思ってはおらぬ。だが、スライ。我輩は別に陛下が可笑しくなったとは、一言も言っておぬぞ。あくまでもなられてしまったのではないかという推測をしただけで決して」

 

スライ「いいえ!きっと陛下は“バカで可笑しくなった”のですよ。元々ワガママで横暴な陛下が“バカ”になってしまったとなるといったいどんな無茶振りを言われるのやら。」

 

呆れ気味に呟くスライだが、彼は気づいていたなかった。鬼も顔負けな程の恐ろしいオーラを纏っているベリアルが背後にいることに。他のメンバーは、全員怯えている中、ヴィラニアスが勇気を振り絞り、スライに身の危険を教える。

 

ヴィラニアス「スライ。後ろに」

 

スライ「ん?後ろにいったい何があるというのですか」

 

怯えているヴィラニアスに疑問を感じながら後ろを向いたスライ。だが時すでに遅し、スライにベリアルが襲い掛かる。

 

スライ「おっお待ちを陛下ーー!」

 

スライの絶叫が宇宙中に響きわたり、そしてスライは、お星様になったのであっ「勝手に殺すな‼︎」

 

ベリアル「チッ。貴様ら俺を変人扱いしやがってよ‼︎」

 

ダークネスファイブ「すいません。」

 

ベリアル「まあーいい。おい!何故お前俺を呼んだんだ?」

 

⁇「それは、お前が私の所に来てから言うつもりだ。」

 

ベリアル「此処じゃ無理なのか?」

 

⁇「少し話が長くなるから、立たせたままじゃ悪いからな。」

 

自分をまったく知らない所に招いている奴が変な所で気遣いしてくれるのを疑問に思ったベリアルであった。

 

ベリアル「そうか。んじゃ仮に俺がお前の所に行ったとしたら、俺に得はあんのか?」

 

すると謎の声は、はっきりと答えた。

 

⁇「勿論だ。」

 

ベリアル「いいだろう。その誘い乗ってやる。」

 

⁇「話が早くて助かる。」

 

すると突然ベリアル達の目の前にワームホールが出現した。

 

⁇「そのゲートを潜り、私の元に来い‼︎」

 

ダークネスファイブ「ゴォーー!!!・エーー!!!」

 

突然出現したワームホールに驚いたダークネスファイブは、ヒソヒソと話し出した。

 

ヴィラニアス「どうやら陛下が言ってたことは、本当の様だな。」

 

スライ「私は、最初から分かっておりましたよ。」

 

グロッケン「さっきまで陛下のことを“バカ”とか“可笑しくなった”とか散々言ってたのは何処のどいつだ?スライ。」

 

グロッケンにそのことを指摘されたスライは、返す言葉も無く、黙り込んだ。

 

彼奴ら、また何か言ってるみたいだが、まぁーいいだろう。

 

ベリアル「おい!お前らとっとと行くぞ!」

 

ダークネスファイブ「ハッ‼︎」

 

ヴィラニアス「とっ言いたいところ何ですが陛下、我輩は怪獣墓場にいるタイラントを迎えに行きたいので」

 

ベリアル「分かってる。俺たちは先に行ってるからお前は後でタイラントと来い。」

 

ヴィラニアス「ハッ‼︎我輩必ずや陛下の元にたどり着いてみせます。」

 

そう言うとヴィラニアスは、緑色の球体状となり、猛スピードで飛んで行った。

 

⁇「彼奴一人で、大丈夫なのか?」

 

ベリアル「彼奴はダークネスファイブの中でも屈指の実力者だ。お前に心配される程やわじゃねー。それに、行ったのがヴィラニアスじゃなかったとしてもこいつらなら誰だろう俺について来れる筈だ。」

 

ダークネスファイブ「陛下。・ゴォー。」

 

ベリアルに信頼されてることを知ったダークネスファイブは、感動した。だが、そんな彼等を他所にベリアルは赤い球体状となり、ワームホールに飛び込んでいた。

 

スライ「陛下‼︎お待ちを‼︎」

 

だが、時すでに遅し、ベリアルが戻ってくる気配はない。

 

ジャタール「陛下が行くのであれば黙ってついて行くまでだ‼︎」

 

そう言うとジャタールも緑色の球体状となり、ワームホールに飛び込んだ。

 

グロッケン「あっ!ずりーぞ!」

 

デスローグ「ゴォーー!」

 

スライ「仕方ありませんね。」

 

残された三人も緑色の球体状となり、ベリアルとジャタールの後を追う為、ワームホールに飛び込んだ。

 

⁇「少しは、楽しませてくれよ。」

 

その場には、終わりそうのない静寂とワームホールがポツリと浮かんでいるだけであった。

 

 

 

 




読んでみてわかったとは、思いますが駄文です。ですので、ここはもっとこう書くべきではと思ったら言って下さい。


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エピソード2「現る!虚空の覇者」

多分タイトルでもう彼奴出る事はだいたいな方なら分かりますね。


ワームホールに入ったベリアルは赤い球体、ダークネスファイブは緑の球体となり赤黒い空間を走っていた。しかし、今ベリアル達は、道を阻まれていた。謎の見えない衝撃により、辛うじてベリアルは無事だが、ダークネスファイブは、今にも吹き飛ばされそうになっていた。

 

ベリアル「チッ。小賢しい。」

 

デスローグ「ゴォーーーーー!!!!」

 

そしてついに耐えれなくなったデスローグは緑の球体から元の姿に戻ってしまいそのまみワームホールの何処かに吹き飛ばされてしまった。

 

グロッケン「デスローグってあーー‼︎」

 

更に続く様にとグロッケンも元の姿に戻ってしまい、そのままワームホールの何処かに吹き飛ばされしまった。

 

スライ「申し訳ありません。陛下ーーーー‼︎」

 

ついにスライまでも耐えれなくなってしまい、元の姿に戻ってしまい、そのままワームホールの何処かに吹き飛ばされしまった。

 

ジャタール「ヌォーーーーー‼︎せめて私だけでも陛下のお側にいなくては‼︎」

 

到頭ダークネスファイブは、ジャタール一人となってしまった。ジャタールは今必死にもがいていた。自分は、ただでさえウルトラマンゼロにあっさりと負けてしまい、長い間留守になっていたのにも関わらず、ベリアルはあっさりと自分を受け入れてくれた。自分を受け入れたベリアルに自らの忠誠心で応え様としていた。

 

ジャタール「陛下!何があろうと私はあなたについて行きます!」

 

だが、現実は甘くなかった。ジャタールも徐々に元の姿に戻ってしまっていた。

 

ジャタール「なっ!」

 

ついにジャタールは、完全に元の姿に戻ってしまい、ジャタール自身も吹き飛ばされるのを覚悟した。だが、ジャタールは一向に吹き飛ばされる様子がなかった。その時ジャタールは今腕が誰かに掴まれていることに気づき、ふと顔を上げた。

 

ジャタール「陛下‼︎」

 

なんとジャタールの腕を掴んだのは、ベリアルだった。ベリアルは、赤い球体から元の姿に戻り、吹き飛ばされそうになったジャタールの腕を掴んでいたのだ。

 

ベリアル「さっさと行くぞ。」

 

するとベリアルは、ジャタールと共に赤い球体となり、ワームホールを目にも留まらぬ速さで走り、ワームホールを突き進んだ。

少しすると赤黒い空間から宇宙空間が見えてきた。

 

ベリアル「やっと出口か⁉︎」

 

そのまま突き進んだベリアルは、宇宙空間に出た。そして、ベリアルはジャタールを離し、元の姿に戻り、近くにあった小惑星の辺り一帯を吹き飛ばし、着陸した。

 

ベリアル「チッ。ようやく着いたか。」

 

ジャタール「陛下ーー‼︎」

 

そして、ジャタールも華麗に着地……は決められずに、勢いよく吹っ飛んでしまった為、そのまま小惑星の岩に頭を思っきし打つけてしまった。

 

ジャタール「痛いです。」

 

ベリアル「知るか!ドジ!」

 

そしてジャタールは、頭を抑えながら立ち上がった。

 

ジャタール「陛下。先程はありがとうございました。世話を掛けっぱなしの私ですが、この身を陛下の盾にしてでも、次こそはお役に立ってみせますって陛下?」

 

世話になりっぱなしだったジャタールは自分の想いを熱く語っていたのに、ベリアルは話を無視し、辺りを見渡していた。

 

ベリアル「何処にもいねーな。」

 

ベリアルは、謎の声の正体がワームホールを抜けた先にいるかと思っていたのだが、そこには、自分とジャタール以外、生命体の影の形も無かった。

 

ジャタール「あの陛下。」

 

ベリアル「わかってる。次から成果を上げろ!」

 

ジャタール「はっ!」

 

その時、突然何処からともなく人間の笑い声の様なものが聞こえた。

 

⁇「キャッホッホッホッホッ。」

 

しかし、よく聞いてみればその笑い声の様なものは、人間が発する様なものでなかった。

流石のベリアルもこの音を聞いて一瞬肝を冷やした。そしてその音はどんどんこちらに近づき、その音が発されている方向に二人は顔を向けた。その音の正体は、紫色に光る球体だった。

 

⁇「キャッホッホッホッホッホッ。」

 

その紫の球体は、ベリアル達がいる小惑星に着陸した。そして、紫の球体は、徐々に消えていき、その中から魔人の様な者が姿を現した。

 

⁇「キャッハッハッハッ。」

 

無機質で常に黄色く発光している頭部、全体的に刺々しいフォルムに背中にあるxと見える木の枝の様な突起物が特徴の虚空怪獣グリーザだ。

 

ベリアル「何だありゃ。」

 

ジャタール「宇宙人ではないですね。」

 

ジャタールは、怯えて震えそうな体を必死に抑えていた。グリーザを一度も見たことがないとはいえ、ここまで不気味な物を見たことがないからだ。

 

グリーザ「キャッホッホッホッホッ。」

 

だが、ベリアルは疑問に思った。一切の感情も感じれず、無機質なグリーザではあるが、よく見てみれば、飛び跳ねてはしゃいでいるなど、まるで嬉しかだっている様な動きをしていた。

 

ベリアル「どゆうことだ?彼奴の身に何かあったのか?」

 

グリーザ「キャッハッハッハッ‼︎」

 

ベリアル達がいることに気づいたグリーザ。だが、グリーザはベリアルと目が合った瞬間怯えているかの様に後ずさりをした。

 

ジャタール「彼奴、陛下を見た瞬間ビビってましたよ。陛下は何か彼奴にしたのですか⁉︎」

 

ベリアル「知らん。俺は、あんな奴今初めて見たぞ!」

 

そうこう話していたベリアル達だが、するとグリーザは、目と思われる箇所から紫色のビーム(グリーザ光線)をベリアルに目掛けて発射した。

 

ジャタール「陛下!ぐわーー‼︎」

 

自ら盾となったジャタールは、吹き飛ばされてしまった。

 

ベリアル「そっちがやんなら、こっちもやるまでだ!」

ベリアルは、ギガバトルナイザーからベリアルジェノサンダーを放った。しかし、グリーザも負けじとグリーザ光線を放ち、互いぶつかり合い、相殺した。

そして、早速ベリアルはベリアルショットを放ったが、ゼットンの声と共にグリーザが火球を次々と飛ばし、互いにまた相殺した。

 

グリーザ「キャッホッホッホッ。」

 

すると、またグリーザがゼットンの声と共に突然ベリアルの目の前に現れ、ギガバトルナイザーを弾き飛ばした。

 

ベリアル「チッ。そうきたか。」

 

グリーザ「キャッホッホッホッホッ。」

 

どうやらグリーザは、ベリアルからギガバトルナイザーを手放させれば、勝てると思ったのだろう。すかさずグリーザは、またゼットンの声と共に火球を放った。

 

グリーザ「キャッホッホッホッホッ。」

 

ベリアル「なめるな‼︎」

 

ベリアルは、瞬時にベリアルクローを生やし、火球を切り裂いた。そしてベリアルは、近くにあった別の小惑星に移動し、カラータイマーから赤い光線(以降:ベリアルレーザー)を次々と辺り一帯に放った。

 

グリーザ「キャッホッホッホッ。」

 

すかさずグリーザは、ゼットンの声と共にゼットンシャッターを展開した。そして、ベリアルレーザーによって、小惑星は大爆発し、残ってるのは、グリーザだけであった。

 

グリーザ「キャッホッホッホッ⁉︎」

 

ゼットンシャッターを解除したグリーザは、辺りを見回した。だがその時、ベリアルはグリーザに飛び掛り、小惑星に叩きつけ、仰向けとなったグリーザに馬乗りとなり、腕に闇の力を纏い、ひたすら殴りまくった。

しかし、グリーザはまたゼットンの声と共に消え、突然ベリアルの背後に現れ、ゴモラの声と共に自身の腕で超振動波をベリアルに流し込んだ。その際今度はベリアルが仰向けとなった。

 

グリーザ「キャッホッホッホッ。」

 

ベリアル「ぐわぁーーーーー‼︎」

 

ベリアルの悲痛な叫び声が宇宙中に響き渡った。そしてグリーザは、超振動波で追い打ちを掛けた。

 

グリーザ「キャッホッホッホッ。」

 

ベリアル「チッ。このやろ!」

 

しかし負けじとベリアルも今度は足に闇の力を纏い、グリーザの腹に蹴りを入れた。流石に効いたのかグリーザは蹴られた箇所をくくり、後ずさりした。その隙にベリアルは立ち上がり、デスシウム光線を発射した。しかし、グリーザは分解吸収光線(グリーザアブソープション)を使い、デスシウム光線を吸収した。

 

ベリアル「やはり、光線技は効かねーか。だったら“あれ”を使うか。」

 

するとベリアルは、デスシウム光線を放つ時と同様に右手に赤黒いエネルギーを纏い、今度は左手にも同じエネルギーを纏い、ベリアルレーザーを次々とグリーザに放ち、飛び掛った。

 

グリーザ「キャッハッハッハッ。」

 

しかし、グリーザはゼットンの声と共にゼットンシャッターを展開した。ベリアルレーザー全てゼットンシャッターの同じ箇所に命中し、そこにベリアルは赤黒いエネルギーを巨大な爪にしたベリアルクロー(以降:デスシウムクロー)でゼットンシャッターを切り裂き、粉々にした。

 

グリーザ「ヒャッハッハッハッ‼︎」

 

そして、ベリアルは左手で手刀を構え、グリーザの胸のコアに手刀を突き刺した。

 

グリーザ「ヒャッホッホッホッ。」

 

グリーザは壊れたコアから虹色の色の光を放出し、苦しみだした。しかしベリアルは容赦なくデスシウム光線を放った。

 

グリーザ「ヒャッハッハッハッ‼︎」

 

デスシウム光線を受けたグリーザは、そのまま耐え切れず、そのまま吹き飛ばされ、小惑星を次々と貫通し、今までよりも大きな小惑星に叩きつられ、そのまま小惑星ごと爆発した。

 

ベリアル「はあはあ。終わったか?」

 

ジャタール「陛下ーーーー‼︎」

 

声がした方を向くとジャタールがギガバトルナイザーを持ち、こちらに来た。

 

ジャタール「あの化け物は一体どうなったのですか⁉︎」

 

ベリアル「さーな。まだ分からん。」

 

グリーザ「キャッホッホッホッ。」

 

振り向くとその場にはまだグリーザがいた。だが、さっきまでの戦いで疲れたのかフラフラしている。

 

ジャタール「ヒョホホホホホホホ。どうやらもう勝負あった様ですね。」

 

ベリアル「その様だな。」

 

そしてベリアルはジャタールが持っていたギガバトルナイザーを取り上げて、トドメを刺す為にギガバトルナイザーをグリーザに向けた。

 

グリーザ「キャッハッハッハッ。」

 

するとグリーザは、赤色の光に包まれ、ギガバトルナイザーの中に入った。

 

ベリアル「何ッ‼︎」

 

ジャタール「陛下。いつの間にかそのギガバトルナイザーをパワーアップなされたのですか⁉︎」

 

今ベリアルが持っているギガバトルナイザーは、ベリアル達が自分達の持っているテクノロジーを使い、作ったいえばクローンだ。オリジナルとは違い怪獣を操るましてや封印できない筈だが。

疑問に思っていたベリアルに、あの声がまた脳裏に響き渡った。

 

⁇「気に入ったか?ベリアルよ。」

 

ベリアル「チッ。やっと来たか!」

 

⁇「まあまあ、そう怒るな。せっかく“それ”をパワーアップさせてやったのだからな。」

 

ベリアル「やはりお前だったのか!」

 

⁇「驚いたか?私の手にかかればそんな物の性能を上げるくらい、造作もないわ。」

 

ベリアル「だが、何故俺にここまでしくれるんだ?そのまま持っていけば良かったのによ。」

 

⁇「それは私には邪魔でしかない。だから返してやっただけだ。」

 

ベリアルは、改めて謎の声の正体が気になった。ギガバトルナイザーはあのウルトラマンキングでも壊せない代物だ。クローンとはいえそんな物をパワーアップさせ、やすやすとベリアル返す辺り、本当に邪魔でしかない様だ。

だが、問題はそこではない。ギガバトルナイザーが邪魔ということは、ギガバトルナイザーを使うベリアルよりも強いということだ。

 

ベリアル「ところで、何時になったらお前に直接会えんだ?」

 

⁇「残念なことに今はまだ会えん。今から“それ”が示す場所へ行け。続きは着いてから話そう。」

 

謎の声が言い終わると同時にギガバトルナイザーが赤黒く光り出すと、その光はそのまま一直線に走っていった

 

ベリアル「どうやらこれを辿れってことか。行くぞ。」

 

ジャタール「ハッ‼︎」

 

彼らは、それぞれまた球体となり、光が差す方向に飛んで行った。するとベリアル達が先程までいた小惑星に突如禍々しい赤いオーラが発生し、オーラは螺旋状に集まり、やがてそれは形を成し、なんとあのレイブラッド星人が姿を現した。

 

レイブラッド星人「フッハハハハハハハ。」

 

レイブラッド星人はベリアル達が行った方向を見ると不敵な笑みを浮かた。

 

ジャタール「陛下!どうやら彼処の様です。」

 

先程から暫くの間飛び続けて、ようやく着いたようだ。

 

ベリアル「あの星か?見たところウルトラ戦士共とは、何かと縁がある地球に似てるが、どうなんだジャタール。」

 

ジャタール「私も話を聞いた事があるだけで実際に見たことはないです。ですが、話に聞く限りだとよく似ております。」

 

ベリアル「まあ良い。この目で確かめれば良いだけだ。着陸するぞ!」

 

ジャタール「ハッ‼︎」

 

大気圏を突入し、ベリアル達は地球によく似た星に間も無く着陸しようとしていた。だが、この星で自分達の人生が大きく変わる事になるとは彼らはまだ知る由もなかった。

 

 

 

 




何故グリーザが最初からエックス本編での最終形態なのかは後に明らかになります。後表現が下手くそですがご了承ください。


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エピソード3「暗雲の底」

今年中に何とか一話投稿しました。こんなに遅くなったのにも関わらず今回も駄文ですが、皆さまに楽しんでいただければ光栄です。
そして、来年からやるウルトラマンゼロクロニクルと映画ウルトラマンオーブも見逃せませんね。ウルトラマンオーブ オリジンサーガはアマゾンプライムでの見方が分からない為、未だに観れずに。
後、今回でようやくメインヒロインが登場します。


球体からそれぞれ元の姿に戻ったベリアル達は、星々が美しく輝く夜空を飛んでいた。闇に身を入れたベリアルだが、この景色にはジャタール共々見とれていた。

 

だが、いつまでも夜空に見とれている場合ではない。夜空をじっくり堪能したベリアルは自分の真下を見下げた。

 

そこには何処までも広がっている暗雲があった。その暗雲はベリアルの闇の力ですら、遥かに凌駕している様に見えた。正確には、本当にそう見えただけでそう決まった訳ではない。

 

ただ、この暗雲は何故か自分を引きずり込もうとしている様に見えた。しかし、そんなことで怖気付いてる訳にはいかない。ちょっとでも嫌がる自分を振り切ってベリアルは暗雲の中に入ることを決めた。

 

ベリアル「おい、行くぞ。」

 

ジャタール「へ⁉︎もう少し見させて下さい!」

 

ベリアル「知るか!夜空なんざ後でこの星を支配してから好きなだけ見とけ!」

 

夜空を見たいが為に子供の様に駄々をこねているジャタールを黙らせてようやく暗雲の中に入ることになった。因みにどうやってジャタールを黙らせたのかは察しの通り。

 

そして、ベリアル達は遂に暗雲の中にと入った。暗雲の中は暗闇に包まれており、光と言えばベリアル達が発光している箇所ぐらいだ。

するとベリアルは透視光線を使い辺りを見渡した。だが、結局何も無かったのでそのまま降りる事にした。

 

ジャタール「陛下。見知らぬ場所に無闇に降りて、いいのですか?」

 

だが、時すでに遅し、ジャタールが気づいた時にはベリアルはもう降りていた。

 

ジャタール「待ってください!陛下ーーー!」

 

急いでジャタールはベリアルの後を追った。風邪を切り、猛スピードでジャタールは急降下をし、ようやくベリアルに追いついた。そして、ベリアルはジャタールが自分に追いついたのを確認し、彼に忠告をした。

 

ベリアル「おい、ジャタール。着陸の準備をしとけ。」

 

ジャタール「御意ッ!」

 

敬礼をしながら返事をしたジャタールは体勢を整えた。すると何やらいかにも人が大勢住んでいそうな都市が見えた。

 

すると、ベリアルは着地場所にあったビルに御構い無しに着地しようとした。当然ビルは6万tもあるベリアルの体重に耐えられる訳もなく、ベリアルが乗った瞬間に崩れ、崩れ落ちたビルの上に着地し、同時に崩れたビルの瓦礫がベリアルが着地した時の振動により、少しの間だけ宙に浮き、すぐさま瓦礫は落ちた。ベリアルは無言で立ち尽くし、しばらくの間静寂が訪れた。

 

そして、続く様にジャタールは土柱を上げ、膝をつきながら着地した。

一様ジャタールも派手な着地をしているのだが、ベリアルが強烈過ぎた為、幾分か地味に見えてしまう。しかし、ジャタールはベリアルのことを一に考えている為、自分よりも目立ってくれるのは(多少の不満はあるだろうが)寧ろ喜ぶことだろう。

 

早速と言うべきなのか、ジャタールはベリアルの見事な着地を必要以上に褒め始めた。

 

ジャタール「流石は陛下、見事な着地でした。正しく、全宇宙の支配者に相応しいご登場でした。」

 

本心で思っているとはいえ、手を擦っている為、媚を売っているのが分かる。だが、ベリアルはそんな事は気にせずに空を見渡し、ある事に気づいた。

 

ベリアル「おかしくねーか?」

 

ジャタール「何がですか?」

 

すると、ベリアルはギガバトルナイザーを先程通った暗雲に向けた。

 

ベリアル「あんな暗雲があるのに、何故此処はこんな明るいんだ?」

 

ジャタール「アッ!言われてみれば、確かにそうですね。」

 

普通は暗雲の下にある所は、暗闇に包まれている筈だ。だが、此処は太陽があるかの様に辺り建物がくっきりと写っているのだ。しかし、その異様な光景は何の違和感も無い様に仕上がっている為、だいたいの者がジャタールの様に気づかないのだ。

 

この現象がどう起こっているのか、その疑問を解く為に二人は腕を組み、考え込んだ。だがその時、突然ベリアルに何かが迫って来た。しかし、すぐさまそれに気づいたベリアルは、腕組みをしている体勢のまま紙一重で避けた。

 

更にベリアルは自分に飛んで来た“物”の正体を見逃さなかった。色合いは真逆だが、それはウルトラマンジャックやウルトラ戦士達が使っている“ウルトラランス”だった。

 

⁇「今の攻撃を避けるとは、大した奴だな。」

 

突然ベリアルを称賛する声が聞こえると、飛んで来たウルトラランスは小さな丸い光となり、何処かへと飛び去った。

その光を二人は目で追うと、その持ち主の手首に戻り、金色のダイヤモンド状の飾りがついた銀の腕輪に変わった。

 

その持ち主は二人と同じぐらいの巨体を持つ巨人で、体に赤と銀の模様があり、胸部にはリベット状の突起があった。

そして、二人はその巨人の姿を見ると警戒の体勢をとった。見ず知らずの者のいきなり話し掛けたら誰だって警戒するだろうが、巨人の姿は二人が知っている人物だったからだ。

 

その巨人の姿はあの宇宙警備隊 隊長の…………………………

 

ベリアル「ゾフィー。」

 

であった。ベリアルも一度光の国で彼とは戦ってことがあり、ギガバトルナイザーを持っているベリアルに対して、多少なりとも善戦できた強者だ。

 

ゾフィー「ホォー。俺の名は知っているとは、俺も少しは有名になったな。」

 

ベリアル「俺みたいな奴でお前を知らない奴なんざいねよ。」

 

ゾフィー「それは嬉しいな。」

 

この時ベリアルは不機嫌になった。何故なら、暫く会っていないとはゾフィーはベリアルに対して、まるで初めて会った奴の様に接しているからだ。

 

ベリアル「つーかゾフィー、テメーあんだけ叩きのめしてやったのによ。まさか俺のことを忘れたとは言わせねーぞ。」

 

ゾフィー「はっ?お前の様な奴なぞ、知らんな。」

 

ベリアル「そうか、だったらもう一度俺の恐ろしさを思い出させてやるよ。」

 

ベリアルは走り出し咄嗟にギガバトルナイザーで殴り掛かる。空かさずゾフィーもブレスレットをウルトラランスに変え、ギガバトルナイザーを防ぎ、ゾフィーはベリアルを押し返しウルトラランスで突き攻撃を仕掛けた。

 

しかし、ベリアルはその攻撃を次々と交わし、右手でウルトラランスを掴みゾフィーごとウルトラランスを持ち上げ、投げ飛ばし、そのままゾフィーをビルに激突させた。 ビルはあっという間に崩れた。

ゾフィーは倒壊したビルからゆっくり立ち上がるとゾフィーは指を鳴らし、赤黒いラグビーボールの様な物と三つのカプセルを出現させた。

 

ゾフィー「面倒な奴だな。かくなる上は………………

 

ゾフィーはそれらをベリアルに向け、放り投げた。

 

出でよ!ミクラス、アギラ、ウインダム、セブンガー。」

 

怪獣達「グォォォォォォォォォォォォォォ!!!!。」

 

ゾフィーが叫ぶと瞬時に四体の巨大生物達を出現した。それらは全てウルトラ戦士達と戦う怪獣達であった。

だが、全員が血の様な真っ赤な目をしていた。

 

ベリアル「数を増やしたか。」

 

ジャタール「陛下。助太刀しますぞ。」

 

ベリアル「丁度いい、こいつを早速試すか。」

 

ジャタールはベリアルの左隣に並んだ。するとベリアルはギガバトルナイザーを水平に持ち替え、叫んだ。

 

ベリアル「モンスロードーーーーーー!!!!!」

 

ギガバトルナイザーから赤い光飛び出し、赤い光はベリアルの右隣に着き、グリーザに姿を変えた。

 

グリーザ「キャッハッハッハッハッ。」

 

ゾフィー「何っ!?グリーザ、生きていたのか。」

 

ベリアル「ホォーお前グリーザつーのか。早速俺の為に働いてもらうぞ。」

 

グリーザ「ヒャッホッホッホッホッホッホッ」

 

ゾフィー「あのグリーザを従えているお前を倒したとなれば、“あの人”も俺の事を認めてくれる筈だ。さぁーお前ら死ぬ気でやれ!奴らを地獄に叩き落としてやれ!」

 

怪獣達「グォォォォォォォォォォォ!!!!」

 

怪獣達の咆哮と共に雷鳴が轟き、両陣営は睨み合い、辺りは静寂に包まれた。

 

ベリアル・ゾフィー「掛かれーーーー!!!!」

 

二人の激励により、静寂は切られた。両陣営は正面衝突して戦いの火蓋が切られた。

早速とミクラスはベリアルに突進を仕掛けたが、ジャタールが押さえつけたことにより阻まれた。しかしミクラスを助けようとアギラがツノを突き刺そうと突進を仕掛けた。だが、ジャタールはミクラスを台にし、飛び退けアギラの背後に蹴りを浴びせ、更にミクラスの顔に膝蹴りを浴びせた。膝蹴りをもろに顔面に受けたミクラスは顔を押さえながらジタバタしながら、倒れ込んだ。すると額にエネルギーを溜めていたウインダムはレーザー光線をジャタールに放った。ジャタールも胸のコア部分にエネルギーを溜めて、ブレストクラッシャーを放ちレーザー光線を押し返し、額にブレストクラッシャーを食らわせウインダムは悶絶した。

その間にベリアルはゾフィーに前蹴りを浴びせ押し返し、向かった来ていたセブンガーにギガバトルナイザーを振るいセブンガーを押し返した。

するとセブンガーは、足からロケットの様に火を吹き出し、飛ぼうとしたところをグリーザがグリーザ光線を浴びせ阻止させようしたが結局セブンガーは飛び立ってしまった。グリーザも追いかける為に飛び立った。

 

セブンガーはグリーザを撃ち墜とそうミサイルを繰り出した。しかし、グリーザは身体中を歪ませ高速移動でミサイルを次々と避け、グリーザ光線を放ちセブンガーに浴びせた。セブンガーは少しだけ体勢を崩したがすぐに体勢を整え、セブンガーは後ろに振り向くと目からレーザー光線を放った。見事にレーザー光線はグリーザに直撃したが一向に止まる事無く、グリーザは迫って来た。

 

グリーザ「キャッハハハハハハハハ」

 

するとグリーザはセブンガーの首元を掴み、鐘の音の様な怪音波(グリーザアクオン)を響かせた。グリーザアクオンはその場にいる全員に被害に及ぼした。

 

セブンガー「グォォォォォ………………」

 

ミクラス・ウインダム・アギラ「グォォォォォォ」

 

ゾフィー「ガァァァァァ!耳が潰れるーーーー‼︎」

 

ジャタール「グァーーーー‼︎それやめろーーーー‼︎」

 

グリーザアクオンへの抵抗の為、その場にいる全員が戦い放置して耳を塞いでいた。仲間であるジャタールの頼み聞かずにグリーザは攻撃を止める様子が無い。

 

ベリアル「グリーザ!それ今すぐやめろ!!!!」

 

グリーザ「ヒャッヒャッヒャッヒャッ…………」

 

流石に主人の命令には(渋々そうだが)言う事を聞いた。だが、両陣営はグリーザアクオンにより、フラフラしていた。実際今グリーザに首元を掴まれているセブンガーは、目の光は壊れたかけたテレビの様にノイズが入り、点滅しており、一言で言えば虫の息の状態だった。その有様を見て、カプセル怪獣達は悲しみを露わにした。

 

カプセル怪獣達「グォォォォォ。」

 

ゾフィー「セブンガー!貴様よくもセブンガーを……………許さん。」

 

セブンガーを苦しめられた事により、ゾフィーの怒りは絶頂に達した。

するとゾフィーはウルトラランスをブレストに戻し、カプセル怪獣達をカプセルにセブンガーをラグビーボール状にそれぞれ戻し、ブレストの宝石に仕舞った。

そしてゾフィー右手に青いエネルギーを纏い、右手を前方に伸ばした。

 

ゾフィー「散りと化せーーーー!!!!」

 

ゾフィーが叫ぶと同時に右手から必殺技のM87光線を繰り出した。

 

グリーザ「ヒャッホホホホホホホ」

 

ジャタール「陛下。ここは我々が「待て。」エ!?」

 

ベリアル「俺だけで充分だ。」

 

そう言うとベリアルはギガバトルナイザーを投げ捨て、首をゴキゴキと鳴らすと、デスシウム光線を放った。

 

ゾフィー「なめやがってーーーー!!!!絶対に許さん‼︎‼︎‼︎」

 

ベリアル・ゾフィー「ハァァァァァァァァァ!!!!」

 

ベリアルの余裕そうな態度を見て、更に苛立ったゾフィーはフルパワーを出した。

二つの光線は話ぶつかり合った。お互いフルパワーであるが更に火力を上げる為に二人は声を上げた。

 

しかし、徐々にデスシウム光線がM87光線を返し、M87光線を搔き消し、デスシウム光線がゾフィーに直撃した。

 

ゾフィー「グァァァァァ!!!!!覚えてろーーーーーー!!!!」

 

デスシウム光線が直撃したゾフィーは遥か彼方に吹き飛んでしまった。

すると勝利を確信した早速ベリアルに媚を売り始めた。

 

ジャタール「流石は陛下。見事な戦いぶりでした。よっ!宇宙一の漢。」

 

ベリアル「そいつはどうも。」

 

グリーザ「ヒャッハッハッハッハッハッハッ」

 

だが、突如グリーザが光だした。突然の出来事に二人は驚きグリーザに目を向けた。するとグリーザは徐々に縮小し、光が消えると同時にグリーザは元の姿から想像も付かない姿となって現れた。

 

妖艶で長い金髪に見ていると吸い込まれてしまいそうなハイライトの無い漆黒な瞳にぽってりとした艶やかな唇に世の男を魅了するグラビアアイドル顔負けなスタイルにグリーザの姿をモチーフにした谷間が目立つプリンセス衣装にグリーザの背中に付いている木の枝の様な突起が骨組みになっているパラソルを持つ美女となった。

 

ベリアル・ジャタール「ハァァァァァァァァァ!!!!!????」

 

突然しかも美女になったグリーザにベリアルも驚きを隠せずに間抜けな声を上げた。ベリアル達の様子を見て、グリーザはキョトンとしていた。

 

⁇「ありがとう‼︎」

 

ベリアル・ジャタール「ハッ⁉︎・エっ⁉︎」

 

突然ベリアル達にお礼を言う声が聞こえ、振り向くとそこには大きな三日月状の角に額の角にショートカットで薄めの茶髪に緑色の瞳に立派な尻尾にスクール水着の様な物を着こなしている少女がベリアル達をキラキラとした目で見つめていた。

 

少女「ありがとう!本当にありがとう!!」

 

お礼を言われる事なぞ何もしていないベリアルは唖然とした。

 

ベリアル「なっ何なんだ?いったい。」

 

 

 




今回は、戦闘シーンは自分で言うのもなんですが、あっさりしてました。何故、グリーザをメインヒロインにしたかと言うとこの二人がくっついたら面白そうというだけで選びました。
お気に入りに入れてくださった方々の為にも、これからも書き続けます。では、今更ですが良いお年を。


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エピソード4「イン・ザ・ドリーム」

今回長くて、戦闘描写が少なめです。後、とあるヒーローとウルトラ怪獣最強候補の一角でもあるあいつがまさかのパワーアップを遂げて登場します。相変わらず駄文ですが、皆様に楽しんでいただければ光栄です。


唖然としたベリアルとジャタールであったが、すぐに我を取り戻し、少女に問いただした。

 

ベリアル「誰だお前は?つーか、俺は感謝される様な事をした覚えは無いぞ。(こいつの姿、どっかで見た事がある気がすんな。)」

 

少女「まぁわざわざ、囮になっただなんて、自分から言う訳ないもんね。」

 

この少女は、先程ベリアルがビルに着地したのは、自分の囮になってくれたのだと勘違いをしている様だ。

 

少女「あっ!自己紹介が遅れたね。僕の名前は【古代怪獣ゴモラ】。」

 

ベリアル・ジャタール「ゴモラ!!!!」

 

ジャタール「ゴモラって、もしかしてあの【古代怪獣ゴモラ】なのか⁉︎」

 

ゴモラ「うん。そうだよ。」

 

ジャタール「たしかに、よくよく見れば面影があるな。」

 

ゴモラ「それよりもさっきのおじさん達の戦いずっと見てたよ!僕達が苦戦したゾフィー達を一方的に懲らしめるだなんて!」

 

少女は再度ベリアル達をキラキラしてる目で見つめた。

 

ベリアル「おい、もしかするとお前の様な怪獣は何体もいるのか?」

 

ゴモラ「うん。僕も含めて、一部の怪獣は何故か僕みたいに姿を変えられるんだよ。」

 

ベリアル「そういうことか。」

 

ジャタール「なるほど!という事は、あのゾフィーは…………」

 

ベリアル「この宇宙のゾフィーという訳だな。」

 

ゴモラ「もしかしておじさん達、相手の事を分かって無いのに、やっつけちゃったの⁉︎」

 

ジャタール「正当防衛だから別に構わないだろ。て、誰がおじさんだ‼︎私にならまだしも、陛下に向かってその様な口の聞き方は何だ!」

 

ゴモラ「えっ!?陛下って、黒いおじさんは、何処かの王様なの⁉︎」

 

ベリアルは、帝国の皇帝であった為、確かに間違ってはいない。彼は自分が一国の皇帝であった事をふと懐かしんだ。しかし、ここは話を合わせようとベリアルは、その事に表情を出さなかった。

 

ベリアル「まあ、そうだな。」

 

ゴモラ「そうだったんだ。」

 

ベリアル「そんな事はどうでもいい。まず、あいつらの事とこの星についての事を詳しく教えしてもらうぞ。」

 

ベリアルの質問によって、言おうかどうか迷っているのか、困っている様な素振りを見せた。暫くしてもゴモラは、迷っている様子であり、ベリアルも苛立っている素振りを見せた。

 

しかし、次の瞬間、突如何処からか、黄色の光線がベリアル達に降り注ぐ。とっさにベリアルは幾つかの光線を片手で弾き、弾ききれなかったのは、そのまま受け止めた。 そして、空かさずグリーザで傘で光線を防いで、当たった光線を球体に変え胸に吸収した。

続く様にジャタールも口(と思われる箇所)からヒッポリト・ファイヤーボムを連射し、光線を相殺させたが一つだけ当たらずにそのまま真っ直ぐこちらに向かって来た。

 

ジャタール「えっ」

 

そして、光線は見事にジャタールの顔に直撃した。

 

ジャタール「ギャペャーーーー!!!!」

 

顔に直撃したため、流石にジャタールも顔を押さえた。だが、そんなジャタールの事は無視をし、光線が飛んで来た方向に全員顔を向けた。

 

⁇「ゴモーーーーーー!!!!」

 

光線が飛んで来た方向から突如ゴモラの名前を叫ぶ声が響いた。

 

ゴモラ「あっ。あの声は、まさか。」

 

すると、空から突如『何か』が猛スピードでこちらに向かって来ていた。ベリアルは、向かって来たそれを撃ち墜とそうとギガバトルナイザーを構えるが、ゴモラが止めに入った。

 

ゴモラ「待って!あの娘は、僕の友達なの!」

 

ベリアル「何っ⁉︎」

 

そうこうしているとその『何か』はゴモラをかばう様に現れた。その正体は、褐色の肌にファーコートを纏いショートブーツを履いており、ファーコートで覆われても大きさが分かる胸にへそが五角形になっており、高身長な美女、改造ベムスターだ。

 

改造ベムスター「ゴモには、指一本触れさせない!」

 

ベムスターは、元々鋭かった目つきを尖らせベリアルを睨んだ。

 

ゴモラ「ベム、違うのこの人達は「ゴモラは下がってて、こいつらは私が相手するから、その間に逃げて。」だから、ベム」

 

ベムスターは、どうやら何か勘違いをしてる様だ。ゴモラは、ベムスターを説得しようと声を掛けるも、ゴモラをベリアルから守ろうと興奮しているベムスターは、聞く耳持たなかった。その様子を見て、グリーザが呆れていた。

 

グリーザ「何か、暫く時間掛かりそうね。」

 

ベリアル・ジャタール「そ、そうだな。」

 

グリーザの発言に二人はグリーザが喋れる事に若干驚きながら、同意した。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、宇宙に無数に浮かぶ星の中でも必ず目を疑う程、輝いている星があった。しかし、その星の輝きは恒星や太陽の様な光ではない。妖しく紫色に輝いているのだ。そして、その星には一人の宇宙人が向かって来ていた。

 

ゾフィー「なんて奴だ。この事を一刻も早く、“お爺様”に報告せねば。」

 

その正体は、先程ベリアルと戦い敗れたゾフィーであった。ゾフィーは、ベリアルとの戦いでかなり傷ついており、カラータイマーも点滅していた。よろよろで今にも倒れてしまいそうな体を必死に起こしながら、紫に輝く星へと向かった。

 

⁇「ゾフィー様!!」

 

突然ゾフィーの前に、ウルトラランスを持っている一般のウルトラ戦士が二人現れた。どうやら彼らは、ゾフィーの体勢が見て、慌てて駆けつけ様だ。

 

ウルトラ戦士A「ゾフィー様、そのお怪我はどうなされたのですか⁉︎」

 

ゾフィー「俺の……事は……どうでもいい。早く………お爺様に」

 

そう言うとゾフィーは、ゆっくり倒れてしまった。

 

ウルトラ戦士B「ゾフィー様!!しっかりして下さい。」

 

ウルトラ戦士A「急いで、治療せねば!ゾフィー様は、俺が保健所に連れてくぞ。」

 

ウルトラ戦士B「分かった!」

 

Bはゾフィーを担ぐと、すぐさま自分の星へと向かった。

 

 

ウルトラの星。それがこの星の名だ。しかし、この宇宙にあるウルトラの星は、我々が知っている様な場所ではなかった。緑色のクリスタル状で神秘的な物を漂わせる建物も、此処では紫色のクリスタル状で妖しいオーラを放っていた。だが、そこ以外は全て我々が知っているウルトラの星に酷似していた。

 

Bは巨大な建物の間を猛スピードで飛び、同じく飛んでいたウルトラ戦士を避けながら、ウルトラクリニック78へと向かう。すると、紫色のクリスタル状で出来ている如何にも病院の様な建物が見えた。どうやらこれがウルトラクリニック78のようだ。

 

Bはゆっくりと降り、ウルトラクリニック78の扉を乱暴に開けた。

突然凄い勢いで扉を開けられた事により、中にいた者たちは驚いた。すると、上から不機嫌そうな声が聞こえた。

 

⁇「どうした?扉は静かに開けろと言った筈だが。」

 

Bは、頭上に顔を向けた。その声の正体は、表地が鮮やかな赤で裏地が銀色の毒々しいマントを着用していたウルトラセブンであった。

 

ウルトラ戦士B「セブン様!大変です!ゾフィー様が。」

 

セブン「あーやっぱ、お前が担いでるそれゾフィーか。」

 

姿こそは我々が知っているセブンだが、性格そのものは我々の知っているセブンでなかった。実際、無惨にボロボロな姿になってるゾフィーを壊れたか物の様な扱いしていた。

 

セブン「まったく、こいつは強奪すらまともに出来ないのか?」

 

セブンは、ゾフィーに追い打ちを掛ける様に冷たい発言を吐いた。

 

セブン「おい!取り敢えず、こいつを医務室に運べ。」

ウルトラ戦士B「ハッ!」

 

Bは敬礼をし、医務室へと向かった。すると、セブンはどうやって回収したのか、ゾフィーが使ったカプセルと怪獣ボールをじっと見つめた。

 

セブン「しかし、あいつこいつら使ったのに負けたのか。此処は、怪獣退治専門の“あいつ”に任すか。」

 

セブンは呟くと不敵な笑い声を上げ、クリニックにいる者達を戦慄させた。

 

 

 

一方、とある子惑星の上では

 

「ギャハハハハハハハハハハハハハハ」

 

謎の巨人が一体の怪獣に馬乗りをし、自身の持っている槍を何度も突き刺し、狂った様な笑い声を上げていた。

しかし、謎の巨人は自身の腕につけている腕時計の様な物から突然(ピコンピコン)とカラータイマーが鳴ってる様な音がしだすとすぐさま惨殺をやめ、腕時計の様な物にあるスイッチを押した。すると、そこからモニターが現れ、モニターにはあのセブンが映っていた。

 

セブン「飽きずによくやるもんだ。惨殺すんのはそんなに楽しいか?」

 

巨人「えぇ、貴方にも是非オススメしますよ。この快感は、一度覚えてしまうとやめらないんですから。」

 

セブン「そうか。まぁ、今度暇な時にでもやるわ。それよりもどうだ?お前に今すぐ“惑星アルカディア”に向かってほしいのだが。」

 

巨人「惑星アルカディアに⁉︎是非とも行かせ下さい!!あそこには、前々から目をつけていたのですよ!!」

 

巨人は、惑星の名を聞いた瞬間、興奮した。先程怪獣を惨殺をするのを楽しんでいたので、おそらく怪獣が沢山いるのだろう。セブンは巨人の様子を見て、彼に忠告をした。

 

セブン「怪獣共は幾らでも殺していいが、首飾りをつけている怪獣とは違う奴は殺さずに引っ捕らえろ。」

 

巨人「それくらい、わかってますよ。」

 

セブン「そうか、では期待してるぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“レッドマン”。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レッドマン「了解しました。」

 

セブンがそう言うとモニターは消えた。すると、レッドマンは顔に手を当て、紫色の目が不気味に光り、レッドマンは狂った様に笑い出した。

 

レッドマン「ギャハハハハハハハハハハハハ」

 

レッドマンの狂った笑い声は広大な宇宙に響き渡った。

 

 

 

一方、ゴモラはようやく改造ベムスターを説得し、ゴモラは(勘違いだが)助けてくれた礼ということで自分達の隠れ家を紹介する事になり、ベリアル達は飛んで向かっていた。因みにゴモラはジャタールの手に乗っており、ギガバトルナイザーはきちんとベリアルが回収してる。

 

改造ベムスター「ねぇゴモ。本当にこいつら連れてっても大丈夫なの?」

 

ゴモラ「ベム、人を見た目で判断しちゃいけないよ。確かに、陛下はちょっと悪そうな顔してるけど、僕を助けてくれたんだよ。きっと、良い人だよ。」

 

改造ベムスター「そう。それよりもゴモ、あの、そのー」

 

ゴモラ「どうしたの?」

 

改造ベムスターは、顔を赤らめもじもじし始めた。

 

改造ベムスター「いつも通り、私に乗っても、良いんだよ////。」

 

ゴモラ「あぁーいつもベムには乗せてもらってばっかだし、今日はいいよ。」

 

その時、改造ベムスターはまるで絶望の淵に突き落とされ様な感覚に襲われ、顔も真っ青になった。

 

改造ベムスター「えっ‼︎⁇わ、私は大丈夫だから、ゴモはいつも通り遠慮なく私に乗ってもいi「ベム!少しは、体をリラックスしなきゃ。」うー。」

 

彼女は血涙を流し、歯を食いしばるとジャタールを睨んだ。ジャタールの全身に悪寒が走る。

今にも殺して来そうな改造ベムスターを見てジャタールの頭の中に死の文字が浮かんだ。しかし、その恐怖は一人の天使によって打ち消された。

 

ゴモラ「ベム。しっかり、休んでね。」

 

ゴモラは満面の笑みで改造ベムスターに言った。その笑顔は、まるで天使の様ないやそれ以上かもしれないくらい可愛らしかった。その笑顔により改造ベムスターは鬼神の形相から恋する乙女に変わった。

 

改造ベムスター「うん。」

 

その様子を見てグリーザは、訳が分からずキョトンとした。

 

グリーザ「ねぇー、あのこなんで顔赤くしてんの?」

 

ベリアル「さあな。」

 

グリーザ「ネエネエ。」

 

ベリアル「何だ?」

 

グリーザ「あの子達、食べていい?」

 

ベリアル「用済みになったら、好きなだけ食っておけ。」

 

グリーザ「ハァーイ。」

 

 

 

ゴモラ「あっ!見えて来た。あそこら辺に降りて。」

 

ゴモラが指差した方向にベリアル達も顔を向けた。しかし、ゴモラが指差した場所は何も無い大きな空き地であった。強いて言うなら、大きなドラマ缶が数個置いてある程度だ。

 

ジャタール「隠れ家など無いじゃないか。まさか、貴様ら我々を騙したのか⁉︎」

 

ゴモラ「まあまあ、降りればわかるよ。」

 

ベリアル達は、ゴモラの言う事を聞き、ゆっくりと降り立った。ゴモラはジャタールの手から飛び降り、見事に着地した。すると、ゴモラは先程上空から見たドラム缶の元まで小走りで向かい、その場に着くとゴモラは一つの黄色のドラム缶の中に入った。

 

ゴモラ「エスナさーん。開けてくれない?」

 

ドラム缶の中でゴモラが話し掛けると目の前にモニターが現れた。そのモニターには緑の長髪に右目ら辺に大きな黄色のフェイスポイントに頭に触覚の様な物を付いている美女、ゼットン星人エスナだ。

 

エスナ「ゴモラ!無事でよかったよ。今すぐ開けてあげるよ。」

 

エスナがそう言うとモニターは消え、ゴモラもドラム缶の中から出て行った。すると、突如地響きが鳴り、ベリアルとジャタールは警戒したがそれをゴモラがなだめた。

 

ゴモラ「そんな警戒しなくても大丈夫だよ。」

 

すると、空き地は二つに分かれ、中からベリアル達よりも倍の大きさを持つ、鉄の箱の様な物が現れた。

 

ゴモラ「付いて来て。」

 

ゴモラがそう言うと箱の様な物の扉が開いた。どうやらこれは巨大なエレベーターのようだ。ベリアル達はゴモラの後に続きエレベーターの中に入りと扉は閉まり、エレベーターは下に降り、空き地は元の形に戻った。

エレベーターの中は、とてつもなく広くベリアル達の大きさを持つ者が後5人ぐらい入っても余裕で入れる程だ。ベリアルはエレベーターの大きさに感心していた。

 

ベリアル「こんな物を作るとは、大したもんだな。」

 

ゴモラ「着いたよ。」

 

ジャタール「早っ!」

ジャタールはあまりの速さに驚いた。因みにベリアルはこの速さにも感心した。

すると、エレベーターの扉が開いた。そこには、一定の場所だけに整った道があり数個程の建物が並んでいた。後はそれらを取り囲むゴツゴツした岩がある程度だ。どうやら此処は地帯のようだ。

 

ゴモラ「ようこそ。僕達の隠れ家へ。」

 

ゴモラはベリアル達を歓迎した。しかしその時、今までの戦いの疲れが溜まった所為なのか、ベリアルはフラフラとし、膝をついた。

 

ベリアル「流石に今日は疲れた。寝る場所は何処にあんだ?」

 

ゴモラ「此処では大きい人たちはみんなカプセルに入ることになってて、カプセルならあそこの建物にあるけど。」

 

ゴモラが指を刺そうとしたその時、ベリアルはそれを止めた。

 

ベリアル「やめろ。カプセルの中に入るなんざごめんだ。」

 

ゴモラ「でも、そうしないと寝れる場所が無いんだよ。」

 

ベリアル「じゃあ、これなら文句ないだろ。」

 

すると、ベリアルはみるみると縮小し、人間に擬態した。

その姿は、真っ黒な髪に赤色の瞳に恐ろしくながらも整った顔に高身長でガタイが良く、元のベリアルの模様と似ているスーツを着こなしていた。一言で言えばダンディーな雰囲気を漂わせていた。

ゴモラ「へえー陛下って、僕たちのような姿になっても大きんだ!」

 

ゴモラはベリアルの人間態に驚いた。しかし、ベリアルはそんなゴモラに構わず、何処に寝れる場所があるかを聞き出した。

 

ベリアル「おい、それで寝る場所は何処だ。」

 

ゴモラ「あっ!ごめんごめん宿泊施設ならあそこだよ。」

 

ゴモラが指差した方向を見るとそこには宿泊施設というよりもホテルの様な建物があった。

 

ゴモラ「ところで、陛下はどんな部屋がいいの?」

 

ベリアル「一人で過ごせる部屋が欲しい。」

 

ゴモラ「だったら、078室がそうだからそこに行ってね。」

 

ベリアル「そうか。おい!ジャタール。俺は一旦寝ることにする。お前はグリーザに部下がいったいどうゆう事をすればいいのかきっちりと教えておけ。」

 

ジャタール「御意っ!!!!」

 

そして、ベリアルは宿泊施設に入り、078を見つけ早速中に入り、どんな部屋なのかも確かめず、ベッドに横倒れ眠りについた。

 

 

 

ベリアルは今寝たのにも関わらず何故だか目が覚めた。目をこすり辺りを見回すといつの間にか本来戻っており、今彼は廃墟と化した町に立っていた。

彼は急な出来事に唖然とし、暫し静寂が走った。だがその時、その静寂を破るかの如く、背後から無機質な機械音の様な咆哮が鳴り響いた。

 

「ギィィィィィィィィィィィ」

 

ベリアルが背後に振り向くと、そこにはかつてウルトラ戦士達を苦しめたジュダ・スペクターが召喚したスーパーグランドキング・スペクター(以降:sgキング・s)が右腕の大剣を上げ、ベリアルに振り下ろそうとしていた。咄嗟にベリアルは背後に飛び、大剣の直撃を避けた。

すると、大剣は地面に直撃し、巨大な亀裂が走り、その余波によりボロボロになっていたビルは崩れ、亀裂はおよそ1000kにも及んだ。

 

ベリアル「不意打ちとは、いただけんな。」

 

すぐさまベリアルはデスシウム光線を発射し、負けじとsgキング・sも胴体の発光部分を光らせ、赤い破壊光線を発射した。デスシウム光線と赤い破壊光線はぶつかり合いデスシウム光線が徐々に押し返した。だが、sgキング・sは光線の出力を上げて一気に押し返し、デスシウム光線を掻き消すと破壊光線は無数に分裂し、ベリアルに直撃した。

 

ベリアル「グァァァァァァァァ」

 

悲痛の叫びを上げベリアルは爆炎の中に呑まれた。しかし、ベリアルは爆炎の中から飛び上がり、sgキング・sの頭に殴りかかった。しかし、sgキング・sには効果がなく、その様子を見たベリアルはデスシウムクローを生とりそのまま斬りかかろうとしたその時、………突如sgキング・sが消え去った。

 

すると、ベリアルの背後から妙な気配を感じ振り向くとそこには右腕の大剣を振り下ろしたsgキング・sがいた。

流石のベリアルも対処しきれず、大剣はベリアルに直撃し、ベリアルは吹き飛ばされ、ビルに直撃した。ベリアルは、倒壊したビルから立ち上がり、雄叫びを上げ、デスシウムクローを生じ、sgキング・sへと向かった。

 

すると、sgキング・sはまた何処かに消え去った。どうやらこのsgキング・sは瞬間移動が使えるようだ。

しかし、やられてばかりでいるベリアルではなかった。咄嗟にベリアルは背後に現れたsgキング・sの攻撃を避け、デスシウムクローを斬りつけた。

だが、sgキング・sに傷を付けるどころか、逆にベリアルクローが折れてしまった。それでもベリアルは、sgキング・sの腹に前蹴りをし、またも頭と顔を集中的に殴りかかるがsgキング・sには全く効果が無い。

 

sgキング・sはまた瞬間移動をし、ベリアルの背後に現れ、sgキング・sはまたも大剣を振り下ろした。咄嗟にベリアルは大剣を避け、大剣を掴みそのまま投げ飛ばした。すると、sgキング・sはまた瞬間移動をし、ベリアルの背後に現れた。

 

sgキング・s「ギィィィィィィィィィィ!!!!」

 

だが、移動した先には突如デスシウム光線が現れ、そのまま直撃した。どうやらベリアルは先読みをしめデスシウム光線を発射したようだ。しかし、現実は無慈悲であった。sgキング・sには今だに傷一つ付いておらず、対してベリアルはそろそろ疲れが溜まってきた。だが、そんなベリアルに御構い無しにsgキング・sは今度は目の前に現れ、エネルギーを纏った左手の鉤爪で攻撃をした。

 

吹き飛ばされたベリアルが起き上がろうとしたその時、sgキング・sがベリアルの腹に大剣を突き刺した。

 

ベリアル「グァァァァ!!!!離せ!!」

 

ベリアルは全身に激痛が走り、今にも虫の息状態になった。すると、sgキング・sがトドメと言わんばかりに口にエネルギーを溜めだした。

こんな状態になったら誰もが死を覚悟するだろう。だが、ベリアルは諦めなかった。ただ一つの野望を叶える為に。

 

ベリアル「俺は……全宇宙……を手に入れるまで……こんな所で…死ぬ……訳には………いかねんだよ!!!!」

 

そして、遂に放たれると思ったその時、突如sgキング・sが動かなくなり、sgキング・sはまるで持ち上げられ様に飛び上がった。すると、何処からともなくsgキング・sに黒い光弾が直撃した。そして、sgキング・sは爆発し、跡形も無く消え去った。

その瞬間、何処からか聞き覚えのある声が聞こえた。

 

⁇「フハハハハハハハハハハ。私の助けが無かったら、今頃死んでいたな。」

 

ベリアル「この声は、お前ひょっとして、俺にギガバトルナイザーをくれたり、俺をこの宇宙に来させた奴だな!」

 

ベリアルは辺りを見回すが、声だけが聞こえて、他は何も無かった。

 

⁇「ご名答。ようやく直接話ができて、嬉しい限りだ。」

 

すると、ベリアル目の前に声の主が現れた。鬼の様なツノに血のような真っ赤な目。まるで嘲笑っているように並んでいるキバの様な棘。雪の様に美しい純白な体色。禍々しい姿をしているが、体色のせいもあり、何処と無く神々しさすら感じてしまう。

 

 

 

⁇「お初にお目にかかる。我が名は、“ゼラス”。全宇宙創造の前より存在する者だ。」

 

 

 




因みに、何故セブンがウルトラクリニック78にいたのかというと、劇中ではやってませんが、看護師達を口説いてる為にいたんです。口説いてる最中にBが現れ、不機嫌になったという訳です。


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エピソード6「赤き殺戮者」

今回も非常に文が長いです。後、これから大体此れくらいの量でいきたいと思います。お気に入り登録してくれた方々や新しく読んでくれる人に楽しんで頂ければ幸いです。


後、タイトルで分かった人もいるかもしれませんが今回赤いあいつが出ます。



ベリアルside

 

こいつが俺をこの宇宙に呼んだのか。俺が傷一つ付けられなかった、あの怪獣を倒しちまとは。にしても、なんつー威圧感だ。

 

ベリアルはゼラスから放たれる威圧感により、鼓動の心拍数が上がり、金縛りにあったかの様に動けなかった。

しかし、その緊張はゼラスの言動により、崩れさった。

 

 

 

ゼラス「もぉぉぉ、ベリちゃん堅くなり過ぎだよ。もっとリラックスしなきゃ〜〜。」

 

ベリアル「はっ!?」

 

ゼラスは、急に口調が軽くなった。その様子を見てベリアルは唖然とした。先程までは威厳がある者かと思ったら、のりの軽い奴に変貌したのだから無理はない。

 

ゼラス「あれ?もしかして、今までの我に少々ビビっておりましたか?だーいじょーぶ。これが素なんで。」

 

彼は開いた口が塞がらない状態にあったが、すぐに我を取り戻す。

 

ベリアル「それで、何故お前は俺をこの宇宙呼んだんだ?」

 

彼の質問にゼラスはクスクスと笑い始めた。

 

ゼラス「ベリちゃんは〜確か今は“守るべきもの”を探してるんだったよね?」

 

ベリアル「そうだが。それがどうかしたのか?」

 

ゼラス「我はね〜全宇宙を手に入れる為に“守るべきもの”を探すという結論に至った君に興味が湧いたんだよ。だから、そんなベリちゃんの手助けをしてやろうと思って呼んだのさ。」

 

ベリアル「じゃあ、俺にグリーザやグランドキングを仕向けたの貴様か!?」

 

ゼラス「グリーザちゃんは関係無いけど、スパグラキンクターは私が仕向けました〜〜。ギガバト無しのベリちゃんの実力がどれだけものか、試したかったんでね。あ、スパグラキンクターっていうのは、あれの本名スーパーグランドキング・スペクターつう、長い名前なんだよ。いちいち本名で言うのめんどくさくない?」

 

ベリアル「まあ、それは同感だ。」

 

ゼラス「でしょ!良かった〜共感ができるやつがいるっていいわ〜。あ、そうそう。一応あいつは宇宙の中でも上位の強さを持ってるけど、あいつを倒せないようじゃ全宇宙を支配するだなんて夢のまた夢だよ。」

 

不意に駄目出しを食らったベリアルは内心傷ついた。

 

ゼラス「とは言っても、ベリちゃんのカリスマ性や実力は本物だからね。そ・れ・で我がそんなベリちゃんを鍛えてやろうと思っるのよ。」

 

ベリアル「お前が俺を鍛えるだ?」

 

ゼラス「別に悪い話じゃないでしょ。そりゃ確かに修行は過酷だけど、強くなればゼロやケンよりも強くなれるんだよ。」

 

ベリアル「ゼロとケンよりも強く。」

ベリアルは、親友だったウルトラの父ことウルトラマンケンと今まで何度も自分の野望を打ち砕いたゼロをいたぶる姿を思い浮かべた。すると、ベリアルは甲高い笑い声を上げた。

 

ベリアル「フハハハハハハハハハハハハ。あいつらよりも強くなれる、良いじゃねーか!その修行受けてたってやるよ。」

 

ゼラス「それでこそ我の見込んだ男だ。」

 

ベリアル「まあーそれは良いにしても、取り敢えずここは何処だ?少なくとも、俺が寝ている間にこんな風になったとはありえん。」

 

ゼラス「その通り、ここは君の夢の中の空間だよ。」

 

ベリアル「ほぉ、何故わざわざ俺の夢の中に現れたんだ?」

 

ベリアルがその質問を聞いた瞬間、周囲は異様な空気に包まれた。すると、ゼラスの声が徐々にドスの効いた声になっていった。

 

ゼラス「さっきの我の一撃をもし現実で打ったら、“宇宙が消えるからだ。」

 

最後の言葉を言った時のゼラスは、凄まじい威圧感を放った。これにはベリアルも大きく後ずさる。その様子を見たゼラスはケタケタと笑う。

 

ゼラス「まあまあ、そんな怖がらないでよ。そのうちベリちゃんにもできるようになるよ。」

 

ベリアル「お、おう。」

 

ゼラス「とは言っても、本格的な修行は次からだよ。いつやるかは我の気分次第だからね。後、取り敢えずギガバトは暫く私が預かるから、あんたは基本素手で戦ってね。」

 

それを聞いたベリアルは鼻で笑った。

 

ベリアル「あんな物無くても十分だ。」

 

ゼラス「そうか、では期待してるぞ。現実でも頑張れよ。」

 

ゼラスがそう言うと、周囲は段々と黒ずみ歪み始めた。

その瞬間、ベリアルは勢い良く上体を起こし、ゆっくりと目を開け、ぼやけている目を擦り、周囲がはっきり見える様になると、自分が人間態に戻ってることにきずいた。

 

ベリアル「ありゃ、夢であって夢じゃねーな。ゼラス、彼奴はいったい何者何だ?」

 

ベリアルは考え込むが全く見当がつかない為、この事は取り敢えず後回しにし、ベットから起き上がった。すると、扉から3回程ノックをする音が聞こえた。

 

グリーザ「ベリアル陛下、居る?」

 

ベリアル「グリーザか。何の用だ?」

 

グリーザ「えーと、ジャタ何だっけ?「ジャタールな」あ、そうそう。あいつ体調が悪いって言ってるからちょっと来て。」

 

ベリアル「あいつの部屋は何処だ?」

 

グリーザ「付いて来て。ちょうど基地の事とか話すつもりだったし。」

 

そう言うとグリーザは歩み出し、ベリアルも黙ってグリーザに続いた。暫く歩いていると、奥に厨房の様な所に大きなテーブルが20個程のテーブルとイスが並んである場所に目がいった。その様子を見たグリーザは語り出した。

 

グリーザ「此処は食堂で、皆んなで食べる場所なんだって。」

 

ベリアル「そうか。」

 

そして、また暫く歩いていると聞き覚えのある声と初めて聞く声が聞こえた。曲がり角から現れたのはつい先日(勘違いだが)助けたゴモラと白衣を着ているエスナだ。モニター越しで分からなかったがグリーザに勝るとも劣らないスタイルだ。

 

ゴモラはベリアルに気づくと頭を下げ挨拶をした。

 

ゴモラ「あっ!陛下、おはよう。」

 

エスナ「貴方がベリアル陛下ですか。初めまして、私はゼットン星人のエスナと申します。以後お見知り置きを。」

 

続いてエスナも丁寧に挨拶をした。すると、ベリアルはエスナの格好からある事を察した。

 

ベリアル「もしかするとこの施設を作ったのはお前か?」

 

エスナ「いえいえ、この基地はみんなで作り上げたものですよ。」

 

ゴモラ「そんな事ないですよ。この基地ができた上がったのはエスナさんとマリナさんのおかげなんですから。」

 

エスナ「ハハハ。そんな事言われたら照れるじゃないか。」

 

ベリアル「そのマリナってのは何処に居んだ?」

 

エスナ「もう直ぐ皆んな食堂に集まるので、その時に会って方がよろしいかと。」

 

ベリアル「そうか。おい、行くぞ。」

 

そして、グリーザとベリアルは歩き続けた。すると、グリーザが旧に立ち止まった。

 

グリーザ「着いたよ。」

 

グリーザがそう言った瞬間ベリアルは扉を乱暴に開けた。中に居たにはベッドの上で咳き込んでいるのは白髪にジャタールを思わせる柄の服を着てる男がいた。その正体は人間態になったジャタールだ。

 

ベリアル「ジャタール、お前のその姿で大体察しがついたが、どうかしたのか?」

 

というのも、今のジャタールは顔が青ざめており、身体中震えているからだ。

 

ジャタール「陛下ゴホッ実は私昨日此処についてからゴホッ体調が優れないのでゴホッ今日測ってみたら、熱が50度ぐらいゴホッあったのですが、どうすればゴホッよろしいでしょうか?」

 

喋るたびに咳込むジャタールを見たベリアルはため息を吐いた。

 

ベリアル「今着いてこられても邪魔なだけだ。丁度この星に住む事になったし、さっさと治せ。」

 

ジャタール「申し訳ゴホッありません。明日にゴホッは直します。」

 

そして、ベリアルはジャタールの居る部屋から出て行き、グリーザと共に食堂に向かった。

 

ベリアルはグリーザ共に食堂に着くと、先程会ったエスナと黒髪でショートカットのゴスロリ風のファッションを着こなしている美少女と水色のロングヘアーにみかんのへたのような髪飾りを付けており、赤いマフラーを纏いシマシマ模様の服とパンストを着こなしているスタイル抜群の美女に、そのままの姿のマグマ星人とシャプレー星人が楽しそうに会話をしていた。すると、割って入ってくるかのようにベリアルが話し掛ける。

 

ベリアル「よぉー楽しそうにしてんな。」

 

エスナ以外は見知らぬ大男に話し掛けられるという状況になっており、皆んなが驚いている様子を見て、エスナは椅子から立ち上がり、ベリアルの側に寄る。

 

エスナ「皆んなに紹介にしよう。こちらは先日ゴモラを助けてくれたベリアル陛下だ。」

 

シャプレー星人「ホォーこの方がベリアル陛下か。確かに強そうじゃの。」

 

マグマ星人(以降:マベル)「俺たちも自己紹介をするっす!俺はマグマ星人のマベルだぁぁぁぁぁ!!」

 

シャプレー星人(以降:ダズ)「儂はシャプレー星人のダズというん者じゃ。よろしく。」

 

ペガッサ星人(以降:ミヤ)「はっ初めまして、わ、わ、私はペガッサ星人のミヤと申します。よっよろしくお願いします。」

 

他の面子がちゃんと自己紹介をする中、残っている美女はグリーザの元まで歩み、グリーザ手を握り、興奮気味に自己紹介をした。

 

ガッツ星人(以降:マリナ)「私はガッツ星人のマリナよ!!よろしく!!」

 

ベリアル「お前がマリナか。」

 

マリナ「だから何?」

 

ベリアルはマリナの自分への冷たい態度に少し腹が立った。その様子を見たエスナはベリアルの気を晒そうと話を進める。

 

エスナ「まっまぁ、取り敢えず人は大体これで全員ですよ。」

 

ベリアル「人は?そういや、ゴモラが元の俺のようなでかいやつはカプセルの中に入るとか言ってな。」

 

エスナ「その通り。怪獣達は外に出る時以外は、大体はカプセルの中に居る事になってるんです。」

 

ベリアル「じゃあ、ゴモラと改造ベムスターはカプセルの中に入らねーのか?」

 

エスナ「彼女達の様な者達は、普通にこの寮で生活してますよ。」

 

ベリアル「者達ってことは、他にもあいつらの様に、擬態出来る奴がいんのか?」

 

エスナ「いや、あの、そのー彼女達というか、私達のこの姿は擬態では無いんですよ。」

 

ベリアル「どういう事だ?」

 

エスナの話によると、あいつらのあの姿は擬態ではなく本当に人になったるらしい。そして、此処に居る奴らは何故か幾つかの記憶が無いそうだ。どうりで俺のことを知らない訳だ。今この星に居る者達で元の姿に戻れるのは、男とゴモラとゼットンとエレキングしかいないそうだ。そして、エレキングはゾフィー達により捕まったらしい。

 

ベリアル「そういや、ゼットンはどうしたんだ?」

 

エスナ「私の愛するゼットンは、今部屋で私の帰りを待ってますよ。いやーしかし、最近何故か急に素直になったんですよ。照れ屋なゼットンも良かったが、素直なゼットンも良いもんですよ。」

 

すると、エスナはゼットンの事を語り始めた。その様子を見たベリアルは逃げる様にグリーザと共に厨房に向かった。そんな中、ふと皆の顔を見ると、何故か全員悲しそうな顔をしていた。

 

 

 

 

一方、ゴモラは朝食を食べ終え、改造ベムスター共に干からびた象みたいな姿をしたサータンの頭に乗り町中を走り回っていた。すると、ゴモラが何やら目を細めた。

 

ゴモラ「あれ?ひょっとして、あれは…………サータンちょっとあっちに向かってちょうだい。」

 

サータン「ギャォォォォォォ」

 

サータンは答えるかの様に咆哮を上げ、全速力でゴモラが指差した方向に向かった。そして、徐々に近づいたことにより、ゴモラが気になったものの正体が分かった。それは人であった。紫色のツインテールに頭から二本の角を生やし、赤い瞳に背中から翼竜の様な翼にセーラースク水を着用してる美少女が体操座りをし、目から涙が滴り落ちていた。

 

少女「うー、ママごめん。」

 

ゴモラ「貴方は、もしかしてザンちゃん⁉︎」

 

少女「え!?」

 

少女は顔を上げた。少女は自身の赤い瞳に映ったゴモラ達を見ると涙で顔はぐちゃぐちゃになり、泣きながらゴモラに飛びついた。

 

少女「ゴモラぢゃん、ママがママが」

 

ゴモラ「落ち着いてザンちゃん。一体何があったの?貴女は確かお母さんと一緒に旅に出た筈だよね?」

 

少女は涙を拭い、話し始めた。

 

少女「実はママが殺されちゃったの。」

 

少女の発言に二人は驚愕のあまり声が出なかった。

少女の正体はザンドリアスが擬人化した姿であり、実は前に母親と些細なことで喧嘩をし、この星に来て擬人化したのだ。ゴモラ達の説得で二人を仲直りさせ、二人はまた宇宙に旅だった。だが、その時に不思議な現象が起き、この星を出た瞬間ザンドリアスは元の姿に戻ったそうだ。この事を聞いたゴモラ達が驚いたのは言うまでもない。

 

ゴモラ「一体誰にお母さんは殺されちゃったの?」

 

ザンドリアス「誰かは分からないけど、なんか全身がほぼ真っ赤で紫色の目をした奴だった。」

 

改造ベムスター「全身が真っ赤で紫色の目ってまさ危ない!!」

 

その時、突然槍がザンドリアスに向かって来ており、改造ベムスターはザンドリアスに飛び付き、回避させた。空かさずサータンは自慢の長い鼻で槍を弾き返し、槍はビルに刺さった。すると、ザンドリアスは背筋が凍える様な感覚に襲われ、まるで生まれたての子鹿のように震えだした。

 

改造ベムスター「どうしたの?」

 

ザンドリアス「彼奴だ。彼奴が直ぐ近くに居る。」

 

「ヒャハハハハハハハハハ」

 

ザンドリアスがそう言うとまるでそれに答えるかの様にあの狂った笑い声が響き、ゴモラ達の目の前に土柱を上げ空からレッドマンが降り立ち、ファイティングポーズを取ると先程の狂った笑い声が混じっている掛け声を上げた。

 

レッドマン「レッドファイトッ」

 

BGM(レッドマン(インストゥルメンタル))

 

レッドマンは中空に跳ぶとサータンに蹴りを入れようとするがサータンはそれを回避、レッドマンは着地するとサータンに横蹴りをし更に腹に拳を何度も入れ、サータンに巴投げをし、サータンはビルを巻き添えにし倒れた。サータンは怒りを訴えてるかの様な咆哮を上げるとサータンは突然と消えた。

 

すると、サータンはレッドマンの背後に突然現れ、自慢の長い鼻をレッドマンの首に巻き付けた。流石のレッドマンもこれには苦しく、解こうとサータンの鼻を掴み引っ張るがサータンの鼻は全く緩まない。

 

ザンドリアス「彼奴がママを私の前で………………許さない。」

 

ザンドリアスのレッドマンに対しての恐怖は憎しみに変わり、歯を食いしばり拳を握りしめ、レッドマンを睨み、レッドマンの元までかけ走ろうとするが、ゴモラがザンドリアスを取り押さえ、ザンドリアスはそれを離させようともがき始めた。

 

ザンドリアス「離して!!!!」

 

ゴモラ「ダメ!彼奴はザンちゃんが勝てる奴じゃないんだよ。もしザンちゃんが殺されちゃったら、ザンちゃんのママはきっと悲しむよ!」

 

ゴモラの言葉にザンドリアスは、もがくのをやめ渋々ながらも改造ベムスターと逃げることになった。その際、改造ベムスターとザンドリアスはゴモラに自分の思いを告げる。

 

ザンドリアス「無茶しちゃダメだよ!それこそ、ゴモちゃんが死んぢゃったらママも悲しむよ!!」

 

改造ベムスター「ゴモラ!とにかく、何があっても死なないでね!!」

 

そう言うと二人は凄まじい速さで飛び立ち、ゴモラも二人に手を振った。

 

ゴモラ「大丈夫だよ。サータンもついているんだし、僕は負けないよ。」

 

二人が見えなくなったのを確認し、ゴモラはサータンに顔を向けた。気づけばレッドマンはサータンの拘束から逃れていた。

その時、ゴモラは全身が光り出し気合いを入れる声を上げ50メートルくらいの高さまで跳ぶと瞬時にあの古代怪獣ゴモラへと姿を変えた。

 

ゴモラ「キャオォォォォォゥゥゥゥゥゥン!!!!」

レッドマンは急に現れたゴモラに驚愕を隠せなかった。だが、そんな事は御構い無しにゴモラは前転をしレッドマンに自慢の尻尾を叩きつける。しかし、レッドマンはゴモラの尻尾を真剣白刃取りの様に受け止め、そのまま掴み上げジャイアントスイングでゴモラを投げ飛ばし、ゴモラは頭からビルに激突した。

 

サータン「ギャォォォォ!!」

 

サータンはゴモラを心配し、瞬間移動でゴモラの元に駆けつけ、ゴモラを優しく起こした。そして、両者はうなづき合い迫り来るレッドマンに咆哮を上げた。ゴモラはレッドマンに突進を仕掛けるがレッドマンはゴモラを受け止め、頭にレッドチョップを数回入れる。すると、レッドマンの背後にサータンが現れ、鼻でまた首を締めつけようするが

 

レッドマン「レッドナイフッ!」

 

そう言うとレッドマンは掌から短剣を出し、短剣をサータンの鼻に投げ飛ばした。

 

サータン「ギャォォォォ!!!!」

 

すると、短剣が刺さった箇所が爆発し、鼻は真っ二つに切り裂かれ、そこからは大量の血が飛び散り、悶絶した。しかし、そんなサータンにとどめを刺すそうとレッドマンはにじり寄る。

 

ゴモラ「キャオォォゥゥゥゥン!!!」

 

仲間を助けようと先程攻撃を喰らった痛みを堪えながらもレッドマンに駆け寄るが

 

レッドマン「レッドアロー!!」

 

そう言うとレッドマンは拳の中から30メートルの大きさはある槍(以降:レッドアロー)を出現させ、それをゴモラに投げ飛ばした。そして、レッドアローはゴモラの腹部を貫通した。それでも勢いは止まらずにゴモラはビルに叩きけられた。

 

その様子を見たレッドマンはターゲットをサータンに変え、サータンの元に駆け寄り、サータンに馬乗りをすると

 

レッドマン「ヒャハハハハハハハハハハハ」

 

狂った笑い声を上げレッドナイフを取り出すと、レッドマンはレッドナイフでサータンを滅多刺す。サータンはもう息をしてない。だがそれでもレッドマンは止まない。

 

ゴモラ「キャオォォォォゥゥゥゥン!!」

 

ゴモラは腹部に突き刺さっているレッドアローを抜いた。それと同時に腹部から血が滴り落ちるが腹をくくり痛みを堪える。すると、ゴモラは三日月状のツノが輝き、鼻先のツノからビーム状の振動波(以降:超振動波)を発射した。

だが、レッドマンはそれを片手で受け止め、弾き返すと同時にレッドナイフを投げ飛ばした。

 

ゴモラ「キャオォォォォゥゥン!!!!」

 

自慢の技をあっさりと弾き返されたことにゴモラは驚愕を隠せなかった。だが、そんなゴモラに容赦無く弾き返された超振動波が顔面に直撃し、レッドナイフが額に突き刺さる。

 

ゴモラ「キャオォゥン」

 

ゴモラは弱々しい声を上げ、前のめりに倒れこむと同時に光に包まれ、擬人化の時の姿に戻ってしまった。

 

レッドマン「ヒャハハハハハハハハハ」

 

BGM(異次元怪獣の恐怖)

 

レッドマンは狂った笑い声を上げるとゴモラは探し始めた。それを見たゴモラは、体を起こし額と腹部から流れる血を押さえ、建物に隠れようとするが。

突然何か異様な気配を背後から感じ、恐る恐る振り向くとそこには血が滴り落ちている改造ベムスターとザンドリアスを担いでいる等身大の二人目のレッドマンが居た。

 

レッドマン「ヒャハハハハハハハ」

 

狂った笑い声を上げるとレッドマン二人をゴモラの元まで投げつけ、レッドアローを構えた。この時、ゴモラは殺される恐怖により逃げたくてもまるで金縛りにあったかの様に動かなかった。しかし、刻々とレッドマンはにじり寄り、レッドアローが振り下ろされた。

 

もうダメだと思ったその時、突然光弾がレッドマンに当たり、レッドマンが振り向くとそこにはダズが光線銃を構えていた。

 

ダズ「大丈夫かの、ゴモラ。」

 

ゴモラ「ダズさん!!」

 

その時、巨大なレッドマンの近くに円盤とスケルトン状の円盤が現れ、レッドマンを光弾や光線で応酬し始めた。更に突然何かが先程のゴモラと同様の高さまで上がるとそれはみるみると大きくなった。その正体はマベルだ。マベルはマグマサーベルをレッドマンに叩きつけた。

 

マべル「此処は俺たちに任せて、早く逃げるんだ。」

 

エスナ「私たちなら心配ない。」

 

マリナ「必ず帰るから、お礼はその時に頂戴ね。」

 

ゴモラ「分かったよ。」

 

ゴモラは意を決して、うなづき返答した。すると、エスナの乗っている円盤と同じタイプの円盤が降り、そこからミヤが現れた。

 

ミヤ「皆さん、こっちです!!」

 

そう言うとミヤは改造ベムスターをゴモラはザンドリアスを担ぎ円盤の中へと駆け込む。しかし、それをレッドマンが黙って見過ごす筈が無い。レッドマンは二人にレッドナイフを投げるがそれをダズが光線銃で撃ち落とす。

 

レッドマンはターゲットをダズに変え、レッドアローを投げるがダズはそれを躱すと光線銃をガトリング砲に変形させ打ちまくる。流石にこれは効いたのかレッドマンの動きが止まる。ダズはその隙を逃さず、今度は光線銃をバズーカに変形させ粒子状のエネルギーを溜め、巨大な光弾を放つ。それが直撃するとレッドマンは紅蓮の爆炎に包まれた。

 

巨大なレッドマンは蚊を追い払う様にレッドナイフを投げるが円盤はそれを躱し攻撃する。マベルもサーベルからビームを放ち追撃する。しかし、レッドマンは怯まずレッドアローを叩きつけるがマベルはそれをサーベルで受け止める。しかし、レッドマンはその隙を逃さずレッドナイフをマベルの腹部に突き刺す。

 

マベル「グハッ。」

 

マベルは血反吐を吐き倒れ込むがレッドマンは追い打ちに腹部に膝蹴りをし、拳を握りマベルの顔を何度も殴り始めた。勿論それを黙って見過ごすエスナとマリナでは無い。二機の円盤はそれぞれエネルギーを溜め、フルパワーの光線を放とうした。

 

レッドマン「ヒャハハハハハハハハ」

 

レッドマンは二人を嘲笑うと腕先から破壊光線を出し、二機に直撃させた。

 

エスナ・マリナ「キャアアアアアアア!!!!」

 

円盤の中は非常時のブザーが鳴り続け二人は絶叫が響き渡り、円盤は墜落した。

 

ダズ「エスナ、マリナ、マベル!!!!」

 

ダズは仲間を心配し、等身大のレッドマンがどうなったのかを確認するのをそっちのけで彼らに顔を向ける。すると、爆炎が徐々に薄れるとそれを掻き消すの様にレッドアローがダズに向かう。ダズもようやく気づくが時既に遅し、レッドアローはダズの腹部を貫通していた。

 

ダズに刺さったレッドアローから大量の血が流れる。だが、レッドマンはダズに刺さっているレッドアローを強引に引き抜く。その際、ダズから血が飛び散るが血を浴びたレッドマンは興奮したのかまた狂った笑い声を上げた。更に巨大なレッドマンもマベルに馬乗りをし、狂った笑い声を上げる。

 

レッドマン「ヒャハハハハハハハ」

 

二人のレッドマンの笑い声が合わさると同時に渾身の力でレッドアローを突き刺す。

二人は声にならない程の絶叫を発した。その様子をそれぞれ眺めるていたエスナとマリナは絶望の淵に突き落とされた感覚に襲われる。

 

エスナ「何も出来ないのか。こんな私を許してくれ、ゼットン。」

 

マリナ「そんな、こんな事って、嫌よ。イヤーー!!」

 

 

 

その頃、実はベリアルとグリーザはその様子をずっとビルの上で見ていたのだ。するとベリアルが呟く。

 

ベリアル「どうやら奴らは自分達の力を使いこなせてねーな。相手が悪いとはいえ、もう少し粘るとは思ったんだが。まあいい、行け!!」

 

グリーザ「はーい。」

 

グリーザはビルから飛び降りた。それを確認したベリアルは突然瞳を輝かせると人差し指から元の姿の彼を思わるカラーにアメジストが付いている指輪を生じ、それを天に掲げると同時に叫ぶ。

 

ベリアル「ウォォォォォァァァァァァァァ!!!!」

 

 

 

レッドマン達はトドメを刺そうとレッドアローを振り上げる。先端が禍々しく煌めきレッドアローを振り下ろそうとしたその時、突然ビルの上に赤い光が輝き、光から巨大なレッドマンと同様の大きさを誇る漆黒の巨人ベリアルが姿を現し、またビルを崩しかながら現れる。

 

レッドマン達はそれぞれ殺しに掛かった者達の側から離れ、ベリアルを凝視する。すると、レッドマン達はまた狂った笑い声を上げると突然巨大なレッドマンが喋り出した。

 

レッドマン「ヒャハハハハハ。お前がゾフィー様を倒した奴だな?」

 

ベリアル「その通り、ゾフィーを倒したのは俺だ。つーかてめー話せる知能があったんだな。」

 

レッドマン「私をなめるとは、いい度胸だな。」

 

レッドマンはフィティングポーズを構える。すると、ベリアルは腕をクロスさせるとベリアルクローを生やし、レッドマン同様のフィティングポーズを取ると両者は睨み合う。

 

ベリアル「ヘァッ!!」

 

レッドマン「レッドファイトッ!!」

 

両者は掛け声を上げると駆け出す。果たして、勝つのはベリアルか。はたまたレッドマンか。

 

 

 

 

 

 

 





























ゼラスさんによる次回よこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉく!!!!



えっ?いきなり何かって?作者が急に思い付いたらしいんだって。本当この作者って気紛れにも程があるよね〜〜〜。まあ、そんな事はさて置き、遂にベリちゃんが赤い通り魔こと、この宇宙では本物の殺人鬼ならぬ殺獣鬼となったレッドマンとの対決を見逃すな!!そして、この宇宙のウルトラ戦士達を束ねる王が遂に登場!!次回を見逃すな!!後、これからよろしくね〜〜〜〜〜。







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エピソード7「動き出す野望」

ベリアル「ヘァッ!!」

 

レッドマン「レッドファイトッ!!」

 

レッドマンは先手を打とうと殴り掛かるが、ベリアルはそれを片手で受け止め、お返しにとベリアルは爪で斬りかかるが、レッドマンはベリアルクローを捌き切りレッドナイフを取り出し、レッドナイフをベリアルの腕に突き刺そうとするが、予測したベリアルは腕を離し、攻撃を躱すと腹にヤクザキックを喰らわせる。

 

レッドマンもダメージを受け、痛さのあまりおもわず腹をくくる。だが、ベリアルは追い打ちにと顔面にアッパーカットを直撃させ、レッドマンはビルに吹き飛ばされ、ビルを巻き添えに倒れる。

 

その様子を見ていた等身大のレッドマンは分身を助けようと右手を上げるがその時、何処からか放たれた光線がレッドマンに直撃し、レッドマンは吹き飛ばされるが受け身を取り、着地したレッドマンは光線が放たれた方に顔を向ける。するとそこには仁王立ちしたグリーザがいた。

 

グリーザ「貴方の相手は私よ。さぁ…………………

 

すると、グリーザは瞳が不気味に光り、口端を吊り上げる。

 

楽しみましょう。」

 

そう言うとグリーザは掌からグリーザ光線を放つ。空かさずレッドマンは中空に跳び上がり回避すると、回転し蹴りを出す。しかし、グリーザは右腕を前に出すと掌からバリヤーを展開させ、攻撃を防ぐ。レッドマンは、バリヤーを破ろうと声を上げ気合いを入れる。

 

レッドマン「ハァァァァァッ!」

 

しかし、それを黙って見てるグリーザではない。グリーザはコア部分から破壊光線(以降:グリーザダークライトニング)を放出し、レッドマンをビルに吹き飛ばした。すると、レッドマンが吹き飛ばされたビルに亀裂が走るとビルはゆっくりと倒れた。

 

エスナ「凄い。これが彼らの実力なのか。」

 

エスナとマリナは自分達が敵わなかったレッドマンを一方的に痛めつけてるベリアル達の戦いを見て圧倒されていた。

その時、エスナはハッと声を上げ、スマホの様な無線機を取り出すとそれに話し掛ける。すると、マリナの無線機が鳴り出した。

 

エスナ「マリナ。彼等が戦っているうちに、急いでマベルとダズを基地に運ばなきゃ。」

 

マリナ「分かりました。では、マベルはミヤちゃんに回収させるから、私達はダズを見つけましょう。」

 

エスナ「了解っ」

 

すると、エスナは駆け出してダズを探しに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ミヤは基地の保健所に運んだゴモラ達の手当てをしていた。

 

ゴモラ「痛い!」

 

ミヤ「痛いでしょうけど、我慢して下さい。だいぶ酷い傷を負ってるのですから。それにしてもマリナさん達大丈夫でしょうか。」

 

ゴモラ「きっと大丈夫だよ。みんな僕なんかよりも強いし、いざとなったらきっと陛下が助けてくれるよ!」

 

ミヤ「フフッ。ゴモラさんは、よっぽど陛下を信頼してるのですね。」

 

ゴモラ「うん!陛下は見た目は怖いけど僕を助けてくれた正義のヒーローなんだよ!」

 

ゴモラは、興奮気味にベリアルの事を話した。そんな無邪気なゴモラにミヤは微笑んだ。

 

ミヤ「そうですか。」

 

すると、突然ミヤの無線機が鳴った。

 

ミヤ「こちらミヤです。応答を願います。」

 

マリナ「ミヤちゃん。ゴモラちゃん達はもう大丈夫なの?」

 

ミヤ「先程基地に着いて、ゴモラさん達の手当てをしました。傷はまだ残っていますが、大分治ってきました。」

 

マリナ「それは良かった。だけど、私達は円盤が壊れちゃって、マベルを運ぶことが出来ないから、マベルを貴方の円盤で運んでくれない?」

 

ミヤ「了解しました。マベルさんは私が無事に運びますから、マリナさん達も無事に帰って来てくださいね。」

 

マリナ「わかってるわよ。でも、ミヤちゃんも無理はしないでね。」

 

ミヤ「了解っ。」

 

ゴモラ「ミヤさん、気をつけてね。」

 

ミヤ「ゴモラさん達も早く傷を治してくださいね。」

 

そう言うとミヤはゴモラ達を残して駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方ベリアルは、左手でレッドマンの首根っこを掴み持ち上げ、残っている右手を手刀に構え、ベリアルクローに赤黒いエネルギー(以降:ベリアルウィルス)が迸せるとベリアルクローをレッドマンの腹に突き刺し、ベリアルウィルスを流し込む。

 

ベリアル「お前は、なかなか使えそうだ。特別に俺の僕にしてやるよ。フッハッハッハッハッハッ。」

 

悶え苦しむレッドマンをベリアルは嘲笑う。そして、その様子を青いモノアイの紫色の球体が観察していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この宇宙の光の国のとある場所

 

無機質なガラスに覆われている先程の球体の目と酷似した物から今ベリアルがやってる事を巨大なモニターで観察されていた。球体の目を中心にそれ以外全てが妖しく輝く紫色のクリスタル出来ている丸い部屋にリング状に並ぶ七つの玉座に腰掛けるもの達が居た。

 

セブン「バカな!!あのレッドマンがこのざまとは。」

 

セブンはレッドマンに過度な期待していた為、圧倒されているレッドマンに驚愕を隠せずにいた。すると、セブン同様の毒々しいマントを羽織っているご存知我らの初代ウルトラマンに酷似した者が話し掛ける。

 

ウルトラマン?「まぁ、セブン兄さんの部下ですから、所詮はこの程度なんでしょうよ。」

 

セブンはウルトラマン?の挑発的な発言に怒りが込み上がり、ウルトラマン?を怒鳴る。

 

セブン「何だと。少しは、口を慎め!!!ハヤタ!!!!」

 

どうやらこの宇宙の初代ウルトラマンは(ハヤタ)という、名前のようだ。

 

ハヤタ「おー怖い怖い。あ!でもーセブン兄さんに口を慎んだら、セブン兄さんに喋る事が無くなるんですけどーーアッハハハハハハハハハハハハハ。」

 

ハヤタの高笑いが部屋中に響き渡る。それにセブンは更に苛立ち、玉座から勢い良く立ち上がり、ハヤタの元に駆け寄り、込み上がる殺意を剥き出しに首を掴んだ。

 

セブン「てめー今日こそは、殺してやる。」

 

ハヤタ「ああ、殺しちゃってください。貴方にこうやって触られるぐらいなら、死ぬ方が良いんで。」

 

セブン「何だと!!!!」

 

ハヤタの挑発的な発言にセブンは怒りが頂点に立っし、頭上にあるアイスラッガーを手に取り、アイスラッガーをハヤタの喉元に突きつける。

 

セブン「じゃあ、今すぐあの世に送ってやるよ!!!!」

 

そう言うとセブンはアイスラッガーを振りかぶる。すると、セブンを止めようとゾフィーがセブンを押さえつける。

 

ゾフィー「セブン兄さん、落ち着いて下さい!!」

 

セブン「煩え!!!!負け犬が一丁前に俺に触るんじゃねぇ!!!!」

 

セブンはゾフィーを怒鳴り、ハヤタをぶん投げ、腕を振るいゾフィー薙ぎ払う。

すると、彼等と同じマントを羽織っているこの宇宙のウルトラマンジャックが彼等を怒鳴る。

 

ジャック「いい加減にしろ!!!!騒ぐのなら、外でやれ!!」

 

ジャックの迫力に恐れ、ハヤタとセブンは渋々だが、壁に激突して気絶しているゾフィーを無視し、席に戻る。すると、この宇宙のウルトラマンエースとウルトラマンタロウがその様子に溜め息を吐いた。

 

エース「まったく、貴方達そろそろ仲良くやってくれないかしら。貴方達の所為で場の空気が悪くなっちゃうもの〜。ねぇ、タロウ兄様。」

 

タロウ「その通りだ。俺達はゾフィーと違って、血の繋がってる兄弟だ。お互いに仲良くしろ。」

 

ハヤタ・セブン「そんなの死んでもできません!!!!」

 

無駄にタイミングが合い、それに苛立った二人はお互いを暫く睨み、やがてそっぽを向いてしまう。

 

その様子にジャックとエースとタロウは先程よりも深い溜め息を吐く。

 

タロウ「まったく、お前ら見ろ!父上もお前らに呆れて、見向きもしねーじゃねーか!!」

 

すると、全員(タロウとゾフィー以外)がタロウが父上と呼ぶ者に顔を向けた。やはりと言うべきか、その者はこの宇宙のウルトラの父ことウルトラマンケンであった。確かに父は彼等の事は見ていないが、どっちかと言うとモニターに釘付けになってるといった方が正しいと全員が思った。

すると、父は腕を組み、呟いた。

 

父「彼奴、何処かであったような気がするな。」

 

エース「あらお父様、あの黒い奴と知り合いなんですか?」

 

父「いや、こいつの事は今初めて見た筈なんだが、どうにも初めて見た気がしないんだ。」

 

父がそう言うと全員改めてモニターに映るベリアルを見つめた。

 

 

 

 

 

 

一方、等身大のレッドマンは瓦礫と化したビルの中から跳び上がり、着地し、グリーザを睨む。だが、分身がベリアルに苦しめられてる事に気づた。

 

その隙にと、グリーザは全身にエネルギーを溜めると、無数の光弾をレッドマンに向け放出した。それに気づいたレッドマンは咄嗟に腕を胸の前に交差する。

 

レッドマン「レッドバリヤーッ!」

 

そう叫ぶとレッドマンは紅いバリヤーを展開し、光弾を全部防ぐ。その様子にグリーザは驚愕する。そして、レッドマンは右を上げると全身が膨れ上がり、遂には分身と同じ大きさとなってしまった。

 

ベリアルは背後からレッドマンの気配を感じ、後ろに振り向いた。

 

ベリアル「チッ。グリーザの奴、失敗しやがったな。」

 

すると、目の前にはレッドマンの拳が迫っていた。空かさずベリアルは掴んでいるレッドマンを盾にし、顔面で攻撃を防いだ。

 

レッドマンは分身の顔面を殴ってしまった事に取り乱してまうが、そんなレッドマンに容赦無く追い打ち掛ける為、掴んでいるレッドマン(以降:レッドマンA)の背を蹴り飛ばし、取り乱しているレッドマン(以降:レッドマンB)にそのまま激突し倒れ込んだ。

 

ベリアル「どうした?二人掛かりでもこのざまか?」

 

ベリアルは倒れ込んだレッドマン達に悪態をつけていると、突然目の前に空中に浮遊しているグリーザが現れた。

 

グリーザ「ベリアル陛下、失敗しちゃった。」

 

ベリアル「まあいい、あの程度の奴が二人に増えたところでどうって事ねぇよ。」

 

グリーザ「そう…………あ。ベリアル陛下、後ろ。」

 

ベリアルはグリーザの言う通りに後ろに振り向いた。すると、そこにはレッドナイフに酷似している剣(以降:レッドソード)を振りかぶっているレッドマンBがいた。

 

空かさずベリアルは右に転がり攻撃を避ける。だが、レッドマンBは着地すると同時にレッドナイフをベリアル目掛けて投げ飛ばす。すると、体勢を戻したベリアルは近くにある自身よりも少し小ぶりのビルに両手を伸ばし、そのままビルを引き千切り、迫って来たレッドナイフに投げ飛ばした。

 

レッドナイフはビルに当たった衝撃で爆散し、周囲が見えなくなる程の土煙が生じる。

 

その時、突如ベリアルの肩に激痛が走った。それに耐え切れず、ベリアルを膝をついた。やがて土煙は晴れ、ベリアルは肩の方に顔を向けるとそこにはレッドナイフを突き刺しているレッドマンAが居た。

 

レッドマンA「ヒャハハハハハハハハハハハハハ」

 

すると、ベリアルは舌打ちをし、レッドマンAを怒鳴る。

 

ベリアル「やめろ!」

 

ベリアルがそう言うとレッドマンAの瞳が紫色から赤色に変わり、ゆっくりレッドナイフを抜き、後ずさる。

 

レッドマンB「ちょっと!本当にやめてどうするんですか!?」

ベリアル「殺れ。」

 

すると、レッドマンAの瞳が煌めき、レッドナイフをレッドソードに変化させると、側に居るレッドマンBの腹ににレッドソードを振るった。

 

レッドマンBはレッドソードが当たった箇所から火花を散らし、腹を押さえ大きく後ずさる。

 

レッドマンA「ウォオオオオオオオオオオ!」

 

レッドマンAは獣のような雄叫びを上げ、走り寄りレッドソードを突こうとするが、空かさずレッドマンBはレッドソードを取り出し、その攻撃を捌きレッドソードをはたき落とし、レッドマンBはレッドマンAの肩を掴み激しく揺らす。

 

レッドマンB「どうしたのですか⁉︎しっかりして下さい!私!!」

 

レッドマンBは必死に叫んだ。すると、レッドマンAは頭を抱え苦しみ始めた。どうやら、ベリアルウィルスに抵抗しているようだ。

その様子にベリアルは舌打ちし、悪態をつけた。

 

ベリアル「途中段階だったとはいえ、もう正気に戻りやがったか。」

 

そして、レッドマンAの瞳が赤色から紫色に戻ってしまった。すると、二体はそれぞれのレッドアローを取り出しベリアルに投げ飛ばしと二つのレッドアローは一つになり、赤いレーザーのような光(以降:フュージョンレッドアロー)と化した。

 

ベリアルはそれを空かさず避けようとするが、後ろにはマベルを回収しているミヤの円盤があることに気づくと、ある言葉が脳裏に走った。

 

ゼロ「何故、守るべものを持たない。」

 

自分が守るべきものを探しに此処まで来た事を思い出し、彼は考え込んでしまった。そして、これまでのツケが回ってしまったのか、フュージョンレッドアローは考え込んでいるベリアルに刻々と迫り、気づいた時はもう手遅れだった。

 

フュージョンレッドアローはベリアルの胸を貫いた。ベリアルは胸を片手で押さえ、よろめく身体を起こして立ち尽くす。

 

その様子にミヤは顔が真っ青になり、マベルを回収すると声を拡散する機能を使った。

 

ミヤ「だ、大丈夫ですか⁉︎ベリアルさん!」

 

ベリアル「心配するぐらいなら、とっとと失せろ。」

 

ミヤ「ヒッ。す、すみません!!」

 

ミヤは怯えながら返事をした。すると、二体のレッドマンはレオ兄弟が使うウルトラダブルフラッシャーと酷似した構えを取り、それぞれの腕先からレッドサンダーを放ち、それは極太のレーザーと化した。

 

レッドマンAB「レッドダブルフラッシャーッ!!」

 

そして、ベリアルも負けじと首を鳴らし、デスシウム光線を放ち、レッドダブルフラッシャーを受け止める。しかし、ベリアルは傷が癒えていない為、次第に押されてしまう。

 

ミヤ「このままじゃ、ベリアルさんが負けちゃう。どうすれば。」

 

押されいるベリアルを見て、ミヤは焦りだした。すると、円盤に何やらノックをするような音が聞こえ、ミヤはその正体を知る為その部分をモニターに写した。そこにいたのは、グリーザだった。ミヤは急いでグリーザと会話できるようにした。

 

ミヤ「グリーザさん、一体どうしたのですか!?」

 

グリーザ「ベリアル陛下を助けたいの。手伝ってくれる?」

 

ミヤ「私にできる事でしたら、何なりと!!」

 

グリーザ「そう、じゃあ………………」

 

ベリアルは気合いを入れるために声を上げるがそれでも少しばかし押し返せた程度ですぐに押されてしまう。その様子をレッドマン達は狂った笑い声で嘲笑う。

 

レッドマンAB「ヒャハハハハハハハハハハハ」

 

だが、その事に気を取られ、彼らの背後に回ってエネルギーを溜めているグリーザとミヤには気づかずにいた。

そして、グリーザはグリーザダークライトニングをミヤは円盤からレーザー光線を発射した。見事に二人の攻撃は直撃し、レッドマン達は怯んで攻撃をやめてしまう。

 

その隙を逃さず、デスシウム光線はレッドマン達に直撃し、レッドマン達は爆発した。

 

ミヤ「やったーーーー!」

 

レッドマン達が消えた事により、ミヤはしゃいだ。しかし、ベリアルとグリーザは黙ったままだった為、一人だけ子供のようにはしゃいだ事に顔を真っ赤にした。

 

 

 

 

場所は変わって、ベリアル達の戦いを見ていたセブンは唖然としていた。

 

セブン「バカな!レッドマンが敗れただと。」

 

ハヤタ「ですから言ったでしょう。セブン兄さんの部下なんざ所詮そんな物ですよ。あ、すいません訂正します。レッドマンは使えますが、主人がこうも無能だから負けたのでしょうねぇ。」

 

セブン「何だと!!」

 

また喧嘩しだしそうな二人を見て、ジャックとエースとタロウは深い溜息を吐いた。しかし、そんな中でも父はベリアルの事が気掛かりで、考え込んでいた。

 

父「やはり、あいつどこかで会ったことはあるんだが、思い出せん。せめて、名前さえ分かれば。」

 

⁇「奴の名はベリアルだ。ケンいやウルトラの父よ。」

 

父「ベリアル!?まさか……………はっ!失礼いたしました。お前ら、全員ひざまづけ!!!」

 

父の激励で全員ひざまづいた。すると、目の前にワームホールが出現し、そこから姿を現したのは、幾多の呼び名を持ち、伝説の超人と呼ばれる、“ウルトラマンキング”であった。全員がキングの威圧感により、おののいていた。。そんな中、気絶していたゾフィーが目を覚まし、小走りでキングの元までむかった。

 

ゾフィー「お帰りなさいませ、お爺様。もう惑星アロゲントの奴らを始末したのですね。」

 

キング「まぁな、宇宙最強を自称する程だから、どれ程の者達かと思ったら、実力の半分も出さずにすんだわ。」

 

ゾフィー「それはそれは、あっ!後、それから」

 

父「ゾフィーよ。キングと話をしたいのはわかるが、私も話したいことがあるんだ。悪いが、話は後にしてもらえないか。」

 

ゾフィー「申し訳ございません。」

 

そう言うとゾフィーは後ろに下がりひざまづいた。

 

父「キング、先程の話は誠ですか⁉︎あの者があのベリアルなのですか!!」

 

キング「ケンよ、落ち着け。彼奴はあくまでも別宇宙のベリアルだ。この宇宙にいたベリアルではない。」

 

父「そうですか、ならいいのですが。」

 

キング「ところで、お前達はちゃんと我等の支配域を上げてるのだろうな。」

 

父「その事でしたら、惑星アルカディアを除けば順調です。」

 

キング「やはり、新たな問題はベリアルか。ちょうど良い“デストロイ怪獣”達を使え。」

 

キングがそう言った瞬間セブンは反対の声を上げた。

 

セブン「キング!奴らを使ったらあの星が破壊される。奴らを回収出来ないじゃないですか!!」

 

キング「あれはあくまでも、私がやらずともお前達が別宇宙に行ける手段を一つ増やせればいと思っただけだ。私がいれば元々必要無い。それとも、私を殺した後にお前達だけでも行けるようにしたいが為にそこまで反対しているのか。」

 

図星を突かれたセブンはおののいた。

 

セブン「そ…そんな事は決して」

 

タロウ「しかしキング。デストロイ怪獣は我々でも操作不能の存在です。奴らを使うのは今暫くお待ちください。

 

キング「クックック、まあよかろう。デストロイ怪獣達による破壊のショーは後のお楽しみにしておこう。期待しているぞ。」

 

禍々しいオーラを出し。笑い声を上げ、それが王座だけに留まらず光の国全体に響いた。その様子に実の孫であるゾフィーでさえ戦慄していた。

 

 

 

 

場所は惑星アルカディア戻ろう。ミヤは礼も兼ねて、円盤から降り、人間態に戻ったベリアルとグリーザの元まで向かう。

 

ミヤ「ベリアルさん、その……お怪我は大丈夫ですか。」

 

ベリアル「こんなの大したことはねぇよ。」

 

ミヤ「本当にありがとうございます。あの時、あなたが助けてくれなかったら、今頃私は」

 

ベリアル「礼を言われる事をやった覚えはねぇ。ボーとしていたら当たっただけだ。」

 

ミヤ「そうですか。」

 

ミヤはベリアルが素直じゃない思い込んでしまい、微笑んだ。

 

グリーザ「とにかく、早く基地に戻って治療しなきゃ。」

 

ベリアル「ああん?だから、こんなの大した事ねぇーつっただろう。」

 

グリーザ「本当に?」

 

すると、グリーザはベリアルの胸を撫った。

 

ベリアル「痛っ!!何すんだ!!」

 

グリーザ「やっぱ大した事あるんじゃん。」

 

このベリアル達は気づかなかった。その様子を見ているサファイアのような首飾りをつけている女に見られていることに。

 

すると、女はベリアルを見ると口角を釣り上げる。

 

女「彼奴、使えそう。」

 

女はそう言うと振り返り、消え去った。そして、瓦礫と化したビルに風の音が木霊した。

 

 

 

 

 

 

 




次回予告

ゼラス「さてさて、無事レッドマンに勝ったベリちゃん。だが、敵は更に強力な奴にベリちゃんを襲わせる。そして、気になる次回の相手はな何とあの怪獣王と似ているあの怪獣が更に怪獣王ぽくなっちゃう!次回もお楽しみに!」




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エピソード8「破壊神 デストロイ怪獣襲来‼︎」

言い忘れておりましたが、ベリアル陛下の声は出来ればゼロファイト以降のでお願いします。

今回から、一言のだけの時はキャラの名前は省略させてもらいます。












レッドマン達との戦いで傷を負ったベリアルは今基地の治療部屋でミヤの治療を受けていた。

 

ベリアル「いって!もう少し、丁重にやれ!!」

 

ミヤ「す、すみません!!」

 

怒鳴ったベリアルに怯えるミヤ。すると、それに突っかかるようにマリナが話しかける。

 

マリナ「あんた、手当てしてもらってるのに、随分と上から目線ねぇ。」

 

ベリアル「ああん?俺はてめーらを守ってやったんだ。それぐらいの気遣いは当然だろ。」

 

すると、マリナは失笑した。

 

マリナ「あんたあれで私達を守れたと思ってんの?」

 

そう言うとマリナはベリアルの胸倉を掴む。

 

マリナ「あんたがもっと早く彼奴と戦っていれば私達は、幼いゴモラちゃんが傷付く事は無かった!何より、サータンは死ななかった!」

 

そして、それを止めようとミヤは慌てて、マリナを押さえる。

 

ミヤ「マリナさん、落ち着いて下さい!」

 

ミヤがそう言うとマリナはベリアルを離した。

 

マリナ「ミヤちゃんに感謝しなさい。何にも守れなかったあんたをここまで庇ってくれるなんて、せいぜい自己満足を楽しみなさい。」

 

そう言うとマリナは治療部屋を出ていった。

 

ミヤ「その、マリナさんをあまり悪く思わないあげて下さい。」

 

するとベリアルの形相が変わり怒りのオーラを露わにした。その迫力にミヤは圧倒され、腰の力が抜けてしまい、顔も血の気が無くなったように青ざめる。

 

そして、運が悪く部屋の扉が開かれた。扉を開けたのはジャタールだ。その後ろにグリーザもいた。

 

真っ先にジャタールは睨まれおののいた。だが、黙っているわけにいかない為、勇気を振り絞って恐る恐る話し始める。

 

ジャタール「へ、陛下、何やらご機嫌斜めのようですね。」

 

ベリアル「逆にこれが上機嫌に見えるか⁉︎」

 

グリーザ「全然見えない。」

 

ベリアル「だろうな、たく!あいつ、一体何なんだ!」

 

グリーザ「何があったの?」

 

ミヤ「実はその」

 

〜説明中〜

 

ジャタール「なんて無礼な奴だ!!せっかく、陛下がお怪我をしてまで、戦ったというのに!」

 

グリーザ「そうかな、私は彼女の言ってることは、三分の一は合ってると思うわ。」

 

ベリアル「ああん!言ってみろ!一体何が不満なんだ?」

 

グリーザ「あなたが最初から戦っていれば、サータンが死ぬことも彼女達も怪我をすることも無かったよ。助けてられたかもしれないのに、あの時暫くただ見ていただけでしょ。」

 

ミヤはそれを聞いた瞬間驚愕した。だが、そんなミヤに構わず二人は話を続ける。

 

ベリアル「それはこいつらがどれ程の力を持っているかどうかを確かめる為にだな。」

 

グリーザ「それでも見殺しにしたようなものでしょ。まぁ、一緒に見ていた私が言えた事ではないけど。」

 

それを言われた瞬間ベリアルは何も言えなくなった。すると、グリーザはまた何か言い始めた。今度は何を言われのかと思うとベリアルはそっぽを向いた。

 

グリーザ「でも、同時にあなたはゴモラやマリナ達の命を救った。」

 

その言葉にベリアルは耳を傾ける。

 

グリーザ「あなたが戦ったおかげでああして彼女達は生きている。だから、あなたは決して全て守れなかったんじゃない。」

 

すると、グリーザはベリアルの手を両手で優しく握る。

 

グリーザ「これからは全員の命を救いましょう。あなたならきっとできるよ。」

 

そう言うとグリーザはベリアルに笑みを見せる。すると、グリーザだけにはいい格好をさせまいと、ジャタールが割って入る。

 

ジャタール「陛下だけでも十分こなせる筈ですが、万が一という事があれば、私も全力でサポートしますぞ。いや、そもそも陛下にその様な事をさせぬよう、この私が」

 

ベリアル「そうか……………ミヤ。グリーザの言う通り、俺はサータンを見殺しにした、お前らの力を図る為にな。だが、お前らの力はもうわかった。次からは、指一本触れさねぇ、ましてや誰も死なせたりしねぇよ。これで文句は無いだろう。」

 

ミヤ「えーとその」

 

ベリアル「それにだ。もしかしたら、サータンは後に蘇る可能性もあんだ。」

 

その言葉にミヤは目を見開き驚愕した。

 

ミヤ「それは本当なんですか⁉︎」

 

ベリアル「確信は持てねぇがあの時、サータンが光に包まれた事を覚えてるか?」

 

ミヤ「覚えてますけど、それとサータンさんが蘇る可能性と一体何が関係あるのですか?」

 

ベリアル「俺のギガバトルナイザーは、中に入れた瀕死の怪獣を回復させる効果があんだ。現にグリーザもそれで回復したんだ。ひょっとしたら、死んだ怪獣を蘇えらせる機能がある可能性もあるってことだ。」

 

ミヤ「そういう機能がある可能性あるとはどういうことですか?ご自分の武器なのにその全ての性能をしらないのですか?」

 

ベリアル「あれはある奴に渡された物だ。はっきり言っちまうと今俺がフル活用出来ているかどうかは分からん。」

 

ミヤ「ベリアルさんはそんな物を扱っているんですね。」

 

そうこう話していると突然何処からか誰かの腹の虫が鳴く音がし、ベリアルは何故かジャタール睨む。だが、音を出した本人は意外にも自分から手を挙げていた。グリーザであった。

 

グリーザ「今の私。」

 

仮にミヤが音を出した本人だったら今頃顔を真っ赤にしてるだろうが、彼女は堂々と言った。その堂々ぶりに全員唖然とした。

 

ベリアル「お、俺もそろそろ腹が減ってきたし、なんか食うか。」

 

ジャタール「そ、そうしましょう。」

 

そう言うと全員食堂へと向かった。食堂に到着し、厨房に入るとエスナが何やら困り果てた様子が目に入った。

 

ミヤ「エスナさん、どうかしたのですか?」

 

エスナ「いやー実は自動調理機が壊れてしまってな。仕方なく私が作ることにして、何を作ろうか考えているところなんだよ。」

 

ミヤ「絶対に駄目です!!」

 

普段健気なミヤがいきなり大声を上げたことにジャタールとベリアルとエスナは驚いた。

 

エスナ「どうしたいんだミヤ。一体何が駄目なんだ?」

 

ミヤ「エスナさんが作る料理なんかとても食べられな……じゃなくて、先程のお怪我がまだあるでしょうから、無理をなさらな方が良いですよ。」

 

エスナ「傷ならこの通りすっかり良くなったさ。ミヤこそ今日は色んな人の治療をしたんだ。ゆっくり休みたまえ。」

 

ミヤ「私のことは構いません、ですが絶対に料理を作っちゃダじゃなくて、安静にして下さい!」

 

エスナ「わ、わかったよ。その代わりミヤも休むんだ。じゃないと私が料理を作る。」

 

ミヤ「えっ!?………わ、わかりました。」

 

渋々だがミヤはエスナの言う通りにした。エスナが席に座った事を確認すると、ミヤは頭を抱え悩み始める。

 

ベリアル「おい、どうしたんだ?何だか揉めてたみたいだが。」

 

ミヤ「そのー自分で言うのもなんですが、ここでまともな料理を作れる人って、私だけなんです。」

 

ベ・ジャ「はっ⁉︎」

 

ミヤ「先程から何度も言いかけているのですが、エスナさんのは食べた瞬間に仮死状態になりますし、私とマリナさん以外の人達は料理できませんし、肝心のマリナさんは料理の腕は良いんですが男の人にはわざと不味く作ったり、女の人のには変な薬を入れてる時がありまして。」

 

ベリアル「で、肝心のお前はエスナに料理を作らせない為に今日は作れないってわけか。」

ミヤ「そうなってしまいます。」

 

その言葉を聞いた瞬間ベリアルは苛立ち始める。

 

ベリアル「グリーザ、てめー料理作れるか?」

 

グリーザ「作ったことない。」

 

ジャタール「まったくしょうがない。陛下ここは私が陛下のお食事を作りましょう。」

 

その言葉を聞いた瞬間ベリアルは大声を上げた。

 

ベリアル「ふざけるなぁぁぁぁ!!てめーの作った飯は二度と食わねぇつったらだろが!」

 

ジャタール「たっ確かにそうは言っておられましたが、この場合やも得ずということで。」

 

ベリアル「ああん?てめーの飯を食うぐらいなら、餓死した方がマシだ!!」

 

【チーン】

 

ジャタールは壁の端っこで体操座りをした。しかし、ベリアルはそんなジャタールをガン無視し、話を続ける。

 

ベリアル「つーか、どいつもこいつも使えねぇな!!こんなんだったら俺がで作った方が早いわ!!グリーザ、てめーも一緒に来い。」

 

そう言うとベリアルはグリーザの腕を掴み厨房向かった。

 

グリーザ「えっ?何で私?」

 

ベリアル「取り敢えず今日は俺が一緒に作ってやるよ。俺はめんどくさいことが嫌いなんだよ。次からお前だけで作れるように調理器具の使い方を覚えろ。」

 

グリーザ「わかったけど、ベリアル陛下は料理作ったことあるの?」

 

ベリアル「流石に作り方が書いてる本ぐらいあるだろ。それを見ながらやるんだ。」

 

そう言うとベリアルとグリーザは料理本を探し始めた。

 

この宇宙のとある星から一筋の光が放たれた。その光が一つの別の銀河系にまで辿り着いた瞬間にその銀河系は白い光に包まれた。光が消えた先には何も無かった。元々何も無かったかの様に。

 

そして、光が放たれた星から突然、生物と金属音が混ざった様な咆哮が鳴り響いた。

 

「ウォォオィイィィィィィン」

 

すると、その星から赤い光球が飛び立った。赤い光球が向かう先にはあのゾフィーがネオバトルナイザーと酷似した物を掲げていた。赤い光球はそのままネオバトルナイザー?の中に入った。

 

ゾフィー「なんて奴だ。銀河系を消し去るとは。兄さん達が反対したのも納得がいく。クククッ、これ程の強さなら必ずやベリアルを倒してくれるだろう。期待してるぞ“デストロイゴメス”よ。」

 

ゾフィーがそう言うとネオバトルナイザー?からデストロイゴメスがまるでゾフィーに答えるているかの様な咆哮が宇宙中に木霊する。

 

 

俺とグリーザは料理本を見つけて一番簡単そうなカレーライスってやつを作った。本当は俺の分だけ作るつもりだったんだが、ゴモラの奴がつまみ食いしやがったんだ。最初は頭をブン殴ろうと思ったが、あいつが妙に幸せそうな顔しながら食ってるところを見たら何でかわからんが嬉しくなっちまった。

 

ベリアル「飯を作るのって、案外楽しいもんだな。」

 

無意識にそう言いったベリアルは気づいたら一人で勝手に作り出していた。グリーザは手伝おうとするがベリアルは一人で作ると言い、グリーザを追い出した。

グリーザ「せっかく手伝ってたのに追い出された。」

 

ゴモラ「まあまあ、元気出してよ。きっと、陛下はグリーザさんに気を使ってくれたんだよ。」

 

グリーザ「それならいいんだけど。ところで、あなたさっき私達が作ってたカレーを美味しそうに食べていたけど、そんなに美味しかったの?」

 

ゴモラ「うん!すごく美味しかったよ。」

 

マベル「助けてくれて更に飯まで作ってくれるだなんて、世話になりっぱなしでもう訳ない無いな。」

 

マリナ「何言ってんのよ!あいつはサータンを見殺しにしたのよ!それぐらい当然じゃない。」

 

ダズ「まぁ、その事に関しては良くないが、結果的に助けてもらったんじゃ。サータンには悪いが大目に見ようじゃないか。」

 

マリナ「わかったわ。」

 

マリナは渋々だが了解した。

 

ザンドリアス「あのーところでほっといていいのかなあの人。」

 

ザンドリアスが指差したのは、壁の隅っこで文句を言い、ドス黒いオーラを放っているジャタールだ。

 

ジャタール「陛下もあんまりだ。そりゃ私の料理は不味いかもしれないけど、あんな言い方は………あんまりだ!!!」

 

彼の様子に皆ドン引きした。

 

ダズ「ああいうのは、ソッとしておくもんじゃ。」

 

そんな事を話している食堂の扉を開ける音がした。ふと見ると、そこにはグリーザと同じプリンセスの様なドレスを着ており、茶髪の長い髪と青い目、全てにおいてスタイリッシュな体型でサファイアの様な宝石が付いている首飾りをつけている美少女だった。

 

少女「あれれ?もしかして〜〜来てなかったの私だけ?」

 

ゴモラ「アロアちゃん⁉︎病気治ったの?」

 

アロア「この通り、すっかり元通り!そんな事より新しく来た人の活躍見たよ!なんて言うか〜乱暴で〜〜素敵な人だね(//∇//)」

 

マリナ「そうよね。乱暴で素敵な………ん?素敵な人⁉︎あいつが⁉︎」

 

ベリアル「ホォー、お前嬉しい事言ってくれるじゃねぇか。」

 

突然ベリアルは会話に割って入った。自分の半分ぐらいの大きさはある鍋を平然持ちながら。

 

アロア「やっと会えた!ダーリン♡」

 

ベ「はっ!?」

 

アロアは目をハートとなり、呆然としているベリアルを見つめる。当然この場にいる全員(グリーザ以外)も驚愕している。

 

アロア「ダーリン、それ私達の為に作ってくれたんでしょ。」

 

ベリアル「あっあー、そうだ。お前らに飢え死にしてもらったら困るからな。仕方なく作ってやったんだ。ありがたく食え。」

 

その後、全員美味そうに俺の作ったカレーを美味そうに食ってくれた。何だか、こういうのって、悪くねーな。

 

ベリアル「皿洗いはお前らでやっとけ。後どうでもいいんだが一つ言わせろ。」

 

アロア「何?ダーリン。」

 

ベリアル「さっきから、腕に抱き付いてんじゃねぇ!邪魔なんだよ!」

 

アロア「もう、ダーリンったら、照れちゃって。(なわけあるか!)」

 

〜厨房〜

 

皿洗いはマベルとダズとミヤとマリナがやり、残りの全員は食器を拭いていた。

 

ザンドリアス「ねぇ、ジャタールさん。ベリアル陛下って、王様なのに料理が上手なんですね。」

 

ジャタール「そりゃ、ベリアル陛下は基本何でもこなす人なんだ。料理ぐらい朝飯前だ。」

 

ゴモラ「強いうえに手先が器用、いいなぁベリアル陛下は、僕もせめて強くなりたいよ。」

 

グリーザ「あなた強くなりたいの?」

 

ゴモラ「今のところ女の子で元の姿に戻れるのは、僕だけだもん。だから僕がみんなを守らなきゃ。」

 

全員(グリーザ以外)「ゴモラ。」

 

この場にいるゴモラに感心した。あのジャタールまでも。

 

グリーザ「じゃあ、私があなたを強くしてあげるよ。」

 

ゴモラ「えっ⁉︎それ本当⁉︎」

 

グリーザ「でも、あなたに扱える?私の力を。」

 

ゴモラ「絶対に使いこなしてみせるよ!」

 

グリーザ「ふふっ、頼もしわねぇ。 」

 

その後、全員後片付けを終え、全員で(男女はちゃんと別れてる)風呂に入り、歯磨きをしてエスナ以外は就寝に入った。因みにエスナは、監視室で何か以上が無いのを確認しており、三時間ごとに誰かと交代するという決まりだ。

 

その日は、特に何も起きなかった。まるで、嵐の前の静けさのように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォォォォォォォン

 

 

翌朝、突如轟音がこの星に鳴り響く。気持ちよくグッスリ寝ていたもの達は一部を除いて、起き上がった。

 

その際、ベリアルとグリーザとジャタール以外の者達は、皆監視室にむかう。

 

ベリアル達は外に出て、ビルに飛び乗り、辺りを見回した。すると、この都市から離れた海から巨大な水柱が噴き上がっていた。

 

監視室に来た者もモニターに釘付けとなる。そして、水柱が止むと突如あの咆哮が海から鳴り響く。

 

「ウォォオィィイィィィン」

 

咆哮と共に、巨大な頭会場から姿を現わす。

 

ジャタール「あれは、ゴメス⁉︎」

 

ベリアル「いや、確かにあれはゴメスだが、どうやら俺たちが知っているゴメスではないな。」

 

海上から姿を現わしたのは【古代怪獣ゴメス】であるが、姿が我々の知っているゴメスではない。

 

まず、大きさが元のゴメスの比ではない。最大級の大きさでも40メートルだが、この個体に至っては元のベリアルの二倍以上の大きさがあり、姿も少し異なっている。

 

左目は緑色のモノアイに覆われ、右目は蒼く血のような赤い重瞳になっており、左腕は無機質な黒い鉄で所々には緑色の波紋が迸り、右腕の爪も緑色になっており、腹はマグマのように赤くなっており、背中の甲羅も黒い鉄で出来ており、腰部も左腕と同じ様な構造になっており、尻尾は自分と同じくらいの長さで棘は変わらないが先端に樽のような黒い鉄の塊が付いており、右足も左手と腰部と同じ構造になっていた。

 

Dゴメスは、海水を滝のように落とし、上陸した。すると、上空からベリアル達には聞き覚えのある高笑いが聞こえた。

 

ゾフィー「フッハハハハハ。こないだは世話になったな。」

 

ベリアル「ゾフィー!大方あの怪獣はお前の差し金だな。」

 

ゾフィー「その通り、こいつは怪獣共を我等ウルトラ星人の科学で改造してやった“デストロイ怪獣”の一体だ。そいつはその第1号で初めての実験体だった為、不備が所々あってな。だから、あいつは体の半分が機械なんだよ。」

 

ベリアル「聞いてもいないことを随分ペラペラと喋るんだな。」

 

ゾフィー「そりゃ、これでお前と会話するのが最後だからな。せめて、ちょっとぐらいは喋ってやってもいいと思ってな。さて、そろそろ始めるか。デストロイゴメスよ!!この惑星アルカディアの全てを滅ぼせ!!」

 

そして、ゾフィーがネオバトルナイザー?を掲げると、デストロイゴメスの目が煌めき、咆哮を上げる。

 

「ウォォオィィイィィィン」

 

すると、デストロイゴメス(以降:Dゴメス)の甲羅に所々に穴が開くと、そこから無数のミサイルを発射した。

 

ミサイルはベリアル達に全て命中し、爆煙が生じる。モニターでその様子を見ていた者達は皆ショックを受ける。

 

ゴモラ「そんな、陛下が」

 

しかし、爆煙の中から元の姿に戻っているベリアルとジャタールが飛び出た。グリーザもバリヤーでミサイルを防いでいた。

 

ジャタール「でかい。私と陛下の大きさを足しても足りない程ですよ。」

 

ベリアル「ふん、でかけりゃいいってもんじゃねぇんだよ!」

 

ベリアルはDゴメスの足に殴り掛かるが、Dゴメスは平然していた。すると、Dゴメスは二つのモノアイを球体として出し、その球体(以降:ゴメスビット)からエメリウム光線と酷似したレーザー光線(以降:ゴメススラッシュ)を発射した。空かさず、ベリアルは横に転がり、ジャタールは飛んでレーザーを回避する。

 

Dゴメスは周辺を飛び回るジャタールを撃ち落そうとまた無数のミサイルを発射した。空かさずジャタールはヒッポリト・ファイヤーボムでミサイルを全て相殺し、胸からブレストクラッシャーを放つ。

 

「ウォォオィィィィイィィン」

 

見事にDゴメスの顔に直撃するが、全く効いておらず。しかし、その隙にベリアルは左足をベリアルクローで切り裂いた。その瞬間にDゴメスの左足は瞬時に再生して何事も無かったかのよう元戻りになった。

 

ベリアル「一瞬で再生するとは。」

 

Dゴメスの性質にベリアルは感心した。

 

ジャタールは頭の突起物と胸にエネルギーを溜めるが、ゴメスビットがジャタールを囲むと一斉にゴメススラッシュを発射し、ジャタールを撃ち落とした。

 

落ちてしまったジャタールは、悶え苦しんだ。Dゴメスは、ジャタールの様子を確認すると、ターゲットをベリアルに切り替えた。

 

そして、Dゴメスは尻尾をベリアルにと振るう。ベリアルはそれを受け止め、持ち前の怪力でDゴメスを振り回すが、突如尻尾の棘が紫色に発光すると尻尾の先端から極太の熱線が放たれ、ベリアルは吹き飛ばされ幾多ものビルを貫通し、巨大なビルに叩きつけられ、その衝撃でベリアルはビルの下敷きになってしまった。

 

ゾフィー「想像以上の強さだ!奴等にとどめを刺せ!」

 

そう言われるとDゴメスは左手を回転させ、腕の中に手を入られると、新たにドリルを出す。そして、Dゴメスはドリルを回転させ、ベリアルがいる倒壊したビルににじり寄る。

 

その時、突如Dゴメス顔にレーザー光線が次々と直撃した。振り向くとそこにはこの場まで駆けつけたマリナ達の円盤であった。

 

ミヤ「ゴモラさん、頑張って下さい!」

 

すると、円盤から光が放たれ、その光の中にはゴモラがいた。

 

ゴモラ「君も、僕と同じ怪獣なんだったのに、そんな姿にされてしまって。残念な事に、君を戻す手段は無いそうなんだ。僕は、皆んなを守らないといけないんだ。ごめんね。」

 

そう言うと、ゴモラは元の姿に変身した。

 

ゴモラ「キャオォォォォォン!」

 

ゴモラは凄まじい咆哮を上げた。そして、ゴモラは超振動波を放った。見事Dゴメスに命中するが、Dゴメスは何事も無いかのように歩き続ける。

 

ゾフィー「チッ、Dゴメス、まずはそいつから片付けろ!」

 

Dゴメス「ウォォオォィィイィィン」

 

Dゴメスは左手のドリルを元に戻すと、ゴモラを持ち上げ、右手を手刀に構え、爪を突き刺そうとする。その時円盤からDゴメスの右目にレーザー光線を直撃させた。流石に目をやれるのは効いたのか、ゴモラを離し、右目を押さえると動きが止まる。

 

その隙に、ゴモラは起き上がり、前転して自分の尻尾をDゴメスの右足に叩きつけるが、Dゴメスには効き目が無く、逆にゴモラが尻尾を痛めて、押さえている。

 

マリナ「ゴモラちゃん、私達も手伝うよ。」

 

円盤で援護しようとするマリナ達であったが、Dゴメスは何かに命令するかの様な咆哮を上げた。すると、先程までジャタールを攻撃していたゴメスビット達がターゲットを円盤に変え、猛スピードで向かってくる。

 

エスナ「危ない!」

 

瞬時にゴメスビットの突進を避けるが直ぐ様こちらに向かって来た為、ゴメスビットを攻撃しつつ、上空にと上がった。

 

 

ゴモラ「キャオォォォン」

 

Dゴメスにゴモラは殴る蹴るを仕掛け、超振動波を浴びせるが、どれも全く効果が無い。

 

グリーザ「苦戦しているようね、ゴモラ。」

 

ゴモラはグリーザを見つけると彼女を見つめた。

 

グリーザ「それじゃあ、頑張ってね。」

 

そう言うとグリーザは目が血の様に真っ赤に光ると、掌から黒い稲妻を生じ、それをゴモラに浴びせた。

 

ゴモラは頭を抱え苦しむ。すると、ゴモラの全身が刺々しい黒い鎧の様な皮膚に変わり、目が真っ赤に輝いた。

 

EXゴモラ「ウォギャォオォォン」

 

EXゴモラは先程の咆哮が小さく感じる程の咆哮を上げた。

 

その時、ミヤが乗っている円盤が二つのゴメスビットに追いつかれそうになっていた、EXゴモラは、尻尾を伸ばしゴメスビットを破壊した。

 

ミヤ「ゴモラさん⁉︎それがグリーザさんが言っていた力なんですね。」

 

EXゴモラ「ウォギャォオォォン」

 

EXゴモラは腹を発光させ、EX超振動波をDゴメスに放った。

 

Dゴメス「ウォォオォィィイィィン」

 

なんと、先程までの攻撃に微動もしなかったDゴメスがEX超振動波の威力に大きく後ずさった。

 

ゾフィー「何だと!」

 

その様子にゾフィーは驚愕した。

 

ミヤ「凄いです!!ゴモラさん!」

 

マリナ「流石だね、ゴモラちゃん。」

 

エスナ「私達もゴモラに負けていられないな。」

 

ゴメスビットを倒して、駆けつけたマリナとエスナもEXゴモラに感心した。

 

すると、EXゴモラはまた腹を発光させ、EX超振動波をDゴメスに発射する………………………と思った瞬間であった。

 

EXゴモラ「ウォギャォオォォン」

 

EXゴモラはそのままミヤの円盤に振り向くと、EX超振動波をミヤの円盤に目掛け放った。

 

ミヤ「えっ」

 

ミヤは驚愕して思考が一瞬止まってしまった。ハッとミヤは意識を取り戻すが、時既に遅し。EX超振動波が目の前で禍々しく、輝いていた。

 

 

ドゴォォォォォォォォォォン

 

ミヤの円盤の周囲は爆炎に包まれた。

 

エスナ「ミヤ!!!!」

 

マリナ「ミヤちゃん!!!!」

 

二人の叫び声が爆音と共に鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 




ゼラス「さぁー遂に登場!!この宇宙のウルトラ戦士達によって改造され、破壊神となった怪獣、その名もデストロイ怪獣!!こんな奴に果たして勝てるのか⁉︎そして、ゴモラちゃんは暴走したままなのか⁉︎ミヤちゃんは無事なのか⁉︎次回をお楽しみに‼︎」


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エピソード9「守るべき物」

ゼラス「言い忘れたけど、この宇宙にいるウルトラ兄弟はゾフィー君以外は全員君達が知っているウルトラ兄弟達と互角だよ。後、タイトルは誤字じゃないからね。」


マリナとエスナは、絶望の淵に突き落とされた。ミヤが殺された事に、そしてそのミヤを殺した張本人が今まで自分達を必死に守ってくれたゴモラである事に。

 

すると、そんな様子を見たDゴメスはなんと、低い男性の声にエコーが掛けたような声で笑い出した。

 

Dゴメス「グッハはハはハははは」

 

マリナ「こいつ、私達を笑ったな!」

 

マリナとエスナはDゴメスに笑われた事に苛立ち、攻撃を開始しようとするが、EXゴモラの伸縮自在の尻尾(以降:テールスピアー)に遮らてしまう。

 

エスナ「ゴモラ目を覚ましてくれ!」

 

音声機能を使って、EXゴモラに呼び掛けるが、そのまま暴れ続けた。

 

EXゴモラ「ウォギャォォォオン」

 

その様子にDゴメスは笑い続けた。

 

ゾフィー「何を笑っているんだDゴメス!仲間に仲間を殺された奴等を笑うとはなんと外道な。恥を知れ!」

 

ゾフィーはマリナ達を嘲笑うDゴメスを怒鳴った。すると、それに苛立ったDゴメスはゾフィーの方に振り向いた。

 

ゾフィー「なんだ!私に刃向かうというのか!Dゴメス!言うことを聞け!」

 

Dゴメス「グッハはハはははハハハ」

 

Dゴメスは、ゾフィーを嘲笑うと突然右目の二つの瞳孔から赤い稲妻を放った。

 

ゾフィー「何!グァァァァァァァ!」

 

絶叫を上げ、ゾフィーは吹き飛ばされ、大ダメージを負った。

 

ゾフィー「バカな!このカプセルを使えば、Dゴメスを制御できるのではないのか⁉︎」

 

そう言うとネオバトルナイザー?は粉々になった。そして、巨大なビルが倒壊し、ゾフィーに降り注いだ。その様子に再びDゴメスは笑い始めた。

 

 

 

 

〜この宇宙のM78星雲〜

 

「アハハハハハハハハ」

 

突然、前にこの宇宙のウルトラ兄弟が集結した王座から高笑いが響き渡った。笑い声を上げたのはハヤタだ。

 

ハヤタ「あのマヌケ顔最高です!!まさか、自分が不良品を摑まされただなんて、夢にも思ってなかった顔ですね!そう思いませんか?セブン兄さん。」

 

ハヤタはセブンに質問するが、返事が来なかった。何事かと思い、セブンを見ると何やらモニターに大きく写っているゾフィーを見ておらず、画面の端を見ていた。

 

ハヤタ「あーあ、またセブン兄さんの女好きが始まったようですね。」

 

一人で納得したハヤタはセブンの返事を諦めてモニターを見つめた。

セブン「(まさかグリーザがあんなふうになるとは、アロアも良いが奴も美しい。欲しい、欲しい、欲しい、欲しい、欲しい、欲しい、欲しい、欲しい。あいつらが欲しい。)」

 

腹の底でそう考えているセブンの目に写っているのは、画面の端にいるグリーザだった。

 

 

 

 

〜惑星アルカディア〜

 

Dゴメス「グははハハハはハはハは」

 

Dゴメスの笑い声と共に、荒れ狂うEXゴモラの咆哮が鳴り響いた。

 

「おいおい、お前何さっきからバカ笑いしてんだ?」

 

突然、爆煙の中から聞き覚えのある声がした。Dゴメスは笑うのを止め振り向いた。

 

爆煙が徐々に晴れていくと、そこには腕をクロスさせているベリアルがいた。

 

マリナ「あいつ!!」

 

エスナ「ホォー、流石は陛下。」

 

マリナは驚愕し、エスナは感心した。そして死ぬ恐怖で気を失ったていたミヤも目を覚ました。

 

ミヤ「うーん、あれ?私生きている⁉︎も、もしかして、陛下が守ってくれたのですか?」

 

質問されたベリアルは答える為に、上半身だけミヤに振り向いた。

 

ベリアル「言っただろ。誰も死なせねぇってよ。」

 

質問に答えたベリアルはミヤに背を向け、EXゴモラを睨んだ。

 

ベリアル「ゴモラ。お前のその姿はどうしたんだ⁉︎」

 

ベリアルは先程までビルの下敷きになっており、一部始終を見ていないため、ゴモラがEXゴモラになった理由を知らないのだ。

 

グリーザ「ゴモラは私の力であの姿になってしまったの。」

 

ベリアル「お前の力だ⁉︎」

 

グリーザ「私には、怪獣や宇宙人を凶暴化させ強化する事ができる、ダークサンダーエナジーが使えるの。力が強い人だったら、凶暴化はしないのだけど、どうやら彼女は力が足りなかったようね。」

 

ベリアル「おま……まぁいい、じゃあお前がゴモラを制御する事はできないのか?」

 

グリーザ「残念ながら、それは無理。」

 

すると、ベリアルは溜息を吐き、地上に降り立ち、EXゴモラににじり寄る。

 

EXゴモラ「ウォギャォオォォン」

 

EXゴモラは咆哮を上げると、EX超振動波を放つ。それをベリアルは、右手から赤いバリヤー(以降:ベリアルシールド)を生じ、それでEX超振動波を受け止めながら歩み続け、EXゴモラの目の前に立つと左手でEXゴモラの首根っこを掴み、持ち上げる。

 

ベリアル「これを使うのが一番手っ取り早いんだ。少しの間だけ我慢しろ。」

 

そう言うとベリアルはベリアルクローからベリアルウィルスを生じ、ベリアルクローをEXゴモラの腹に突き刺し、ベリアルウィルスを注入する。

 

それを妨害しようとDゴメスは左手をガトリングガンに変えると、ガトリングガンから無数の光弾を発射した。しかし、ベリアルは光弾が迫り来るのに対して余裕の素振りを見せる。

 

すると、突然ジャタールが目の前に現れ、三つの突起物からヒッポリトビームと胸からブレストクラッシャーを放ち、Dゴメスの放った光弾を防ぐ。

 

しかし、Dゴメスも追い打ちに甲羅から無数のミサイルを発射した。ジャタールも負けじとヒッポリト・ファイヤーボムを放ち、ミサイルを相殺するが、流石に全てを壊す事が出来ず、数個程のミサイルがベリアルに迫る。

 

しかし、それをエスナやミヤが宇宙船から放つ光弾で相殺した。

 

 

EXゴモラは刺されている箇所を押え苦しむ。そして、EXゴモラを心配したマリナはベリアルに怒鳴った。

 

マリナ「ちょっと!!あんた何やってるの!!」

 

ベリアル「見りゃ分かるだろ。このまま暴れられてもしょうがねえから、俺の部下にしてDゴメスをぶっ潰すんだ。」

 

マリナ「それって、洗脳じゃない!どうせあんたこの戦いが終わった後もゴモラちゃんを自分の手元に置いておくつもりでしょ!」

 

ベリアル「そりゃ、俺の気分次第だ。」

 

マリナ「このロリコンオヤジ!だったら、あのデカ物を操ればいいじゃない!」

 

ベリアル「誰がロリコンオヤジだ!俺は断じてそんな趣味は無ね!!それにあそこまで図体がでかい奴を洗脳するには時間が掛かる。あいつが何時間も待ってくる筈ないだろ。」

 

マリナ「じゃあ、ゴモラちゃんを正気に戻せる方法を探せばいいじゃないの!」

 

ベリアル「じゃあ、一つ聞くがお前はこいつを制御できんのか?こいつはミヤを殺そうとしたんだ。どう考えても今は話し合える状況じゃねぇ。それともお前には他にいい方法でもあんのか?」

 

マリナ「それはその」

 

マリナはこの状況をどう乗り越えようか考えた。しかし、ゴモラは話し合いは不可能で、Dゴメスはいつ攻撃してくるか分からない中で、この状況を打破するのは不可能だ。

 

マリナ「……本当に、戦いが終わったらゴモラちゃんを返してくれるの?」

 

ベリアル「この戦いが終わったら取り敢えず返してやるよ。まぁ、お前らの態度によっては変わるかもしれないがな。」

 

マリナはベリアルの態度に腹を立てるが、それをエスナが宥める。

 

エスナ「マリナ、確かにゴモラの事が心配なの分かるが、今は奴を倒さなければこの星に未来は無い。ここは耐え凌ぐんだ。」

 

マリナ「わ、分かりました。」

 

マリナは渋々だが、了解した。

 

そして、ベリアルはEXゴモラから爪を引き抜いた。

 

ベリアル「さぁ、俺の部下として暴れてもらうぞ!」

 

EXゴモラ「ウォォギャォォオォン」

 

EXゴモラはベリアルに返事をする様に咆哮を上げ、EX超振動波を放った。

 

Dゴメス「ウォォィイィィィン!!」

 

DゴメスにEX超振動波が直撃し、体制を崩し、攻撃をやめた。

 

ベリアル「かかれ!」

 

激励ともに戦いの火蓋は切られた。

Dゴメスは空かさずガトリングガンで迎え撃つが、EXゴモラは高速で回転し、大量の火花が散るがそれでも何事も無かったかのように進み続け、ガトリングガンに体当たりをした。そして、怯んだところを空かさずジャタールはブレストクラッシャーをベリアルはデスシウム光線で追い打ちを掛け、木っ端微塵に爆散した。

 

Dゴメス「ウォォィイィィン!!」

 

Dゴメスは自分の一部が破壊されたことに驚愕するが、すぐに落ち着き、元の手に戻すと、その手をロケットの様に飛ばし、EXゴモラを殴り飛ばし、ビルに叩きつけた。

 

Dゴメスは空かさず手を戻そうとするが、ベリアルはそれを受け止め、闇のエネルギーをDゴメスの手に流し、それを力一杯投げ付けた。

 

闇のエネルギーを纏ったDゴメスの拳は見事に顔面にヒットした。

 

Dゴメス「ウォォィイィィィン!!!」

 

Dゴメスはあまりの痛さに顔を抑えた。それに追い打ちを掛ける様にジャタールは禍々しいエネルギーを纏っている手(以降:タールハンド)を伸ばした。

 

しかし、Dゴメスもやられているばかりではない。尻尾を振るい、ジャタールを薙ぎ払った。

 

すると、Dゴメスの機械部分の溝が紫色に禍々しく輝き始めた。それに続く様に胸やモノアイの目など次々と輝きを放ち、口を大きく開け、口の中に膨大なエネルギーを溜め始めた。

 

ベリアル「させるか。」

 

そう言うとベリアルはデスシウムクローを生じ、Dゴメスを切り掛かる。しかし、Dゴメスは背中の甲羅を翼の様に真っ二つに開くと腰部から煙が生じる。すると、上半身だけが宙に浮かび、そのまま飛んでデスシウムクローを回避した。

 

ベリアル「逃がすか!!」

 

地面を蹴り上げ、両腕を後ろに伸ばし、猛スピードで暗雲に飛び去ったDゴメスを追いかける。続く様にジャタールも飛ぼうとすると、突然背後から攻撃を受けて撃ち落とされる。振り向くと捨てられたと思った下半身が上半身があった部分から光弾を発射していたのだ。

 

ジャタール「我々の相手はこいつか。」

 

そう言うとジャタールはEXゴモラとマリナ達の乗る円盤と共に駆け寄る。負けじと下半身も無数の光弾を放つが、彼等はそれを難なく避ける。下半身は光弾だけでは無駄と判断し、自身の巨大な尻尾を振るい、ジャタールとEXゴモラを吹き飛ばした。しかし、ジャタール宙に浮かび、EXゴモラは難なく着地した。

 

ジャタール「ゴモラ行くぞ!」

 

EXゴモラ「ウォォギャォォォオン」

 

すると、EXゴモラはまた高速で回転をし下半身に向かう。そして、ジャタールはヒッポリトビームをEXゴモラ放った。すると、ヒッポリトビームは回転しているEXゴモラに纏わり、そのまま突撃する。

迎え撃とうと、下半身は尻尾から熱線を放とうとしたその時、尻尾の先端がブロンズ化していた。

 

ジャタール「ヒョホホホホホホ。私がタダで吹き飛ばされたと思ったのか?」

 

実は最初に尻尾で吹き飛ばされた時に、ジャタールは尻尾に触れ少しずつブロンズ化させていたのだ。

 

そして、回転しているゴモラはヒッポリトビームを纏い(以降:HBローリングアタッカー)、尻尾の先端を粉砕し下半身に直撃した。かなりダメージが大きかったことと尻尾の武器を失ったことに大きく後ずさる。

 

ジャタール「さぁートドメだ!」

 

そう言うとジャタールは胸の発光体と三つの突起にエネルギーを溜める。それに続きEXゴモラとマリナ達の円盤が並び、それぞれエネルギーを溜め始めた。

 

そして、ジャタールはヒッポリトビームとブレストクラッシャーをEXゴモラはEX超振動波をマリナ達の円盤から極太のレーザー(以降:レーザーシュート)をそれぞれ放ち、下半身に直撃した。

 

ジャタールとEXゴモラは振り返り、彼等の背後で下半身は爆散した。

 

 

 

その頃、上半身は今だに妖しく輝きながら暗雲を抜け、上空を飛んでいた。すると、赤いレーザーが上半身目掛けて来た。空かさず上半身はそれを避けた。レーザーが来た方向に顔をむけると、そこには猛スピードで接近しているベリアルがいた。

 

ベリアル「待ちやがれ!」

 

そう言われて待つはずがなく、上半身は逃げ続けた。しかし、ベリアルは徐々に距離を縮めていた。追い付かれる事を悟った上半身は、ゴメスビットを大量に出現させ、更に無数のミサイルを発射すると、そのまま上へと飛び去った。

 

ゴメスビットは迫り来るベリアルにゴメススラッシュを次々と放つが、ベリアルはそれを難なく避け、デスシウムクローを振るい、ゴメスビットを全て切り裂いた。その次にミサイルの雨がベリアルに降り注ぐがそれを全て避け、デスシウムクローを刀の鞘の様に消すと、ベリアルのバックで全て爆散した。

 

上半身は惑星アルカディア外に出ると、動きを止めこの星を見つめると、口を大きく開けた。

 

Dゴメス「ウォォィイィィィン」

 

そして、溜めに溜めたエネルギーを発射しようとしたその時、ベリアルが猛スピードでこちらに向かって来たかと思うと、彼は拳を握り、上半身の顎にアッパーカットを食らわせた。

 

すると、Dゴメスは上を向いた状態で極太の光線(以降:デストロイキャノン)をそのまま吐いてしまったため、その衝撃により上半身は小惑星に叩き付けられた。そして、デストロイキャノンは本来放とうとした軌道から逸れ、銀河系に当たった刹那に銀河は消え去った。

 

これ程の威力を見せられたら、大抵の者は戦慄するが、ベリアルは寧ろその威力に感心した。そしてベリアルは小惑星に叩き付けられた上半身を睨んだ。

 

ベリアル「あの星もあいつらも全て俺の物だ!貴様等なんざに渡すつもりはねぇんだよ。」

 

彼は首を回し、デスシウム光線と同様に右手に赤黒いエネルギーを纏った。すると、今度は左手にも右手と同じエネルギーを纏った。

 

ベリアル「本当はゼロのイージスに対抗する為に編み出した技だが、てめーに使ってやるよ。ありがたく思いな。」

 

そう言うと、ベリアルは目が赤く光り手を十時に構え、自分の体よりも巨大なデスシウム光線(以降:ネオ・デスシウム光線)を放った。その威力が強すぎるため、ベリアルは飛ばされそうになるがなんとか堪えてその場に踏み止まった。

 

そして、ネオ・デスシウム光線は上半身だけとなったDゴメスに直撃した。

 

Dゴメス「ウォォィィイィィン」

 

Dゴメスは断末魔を上げると、小惑星ごと遥か遠くに飛ばされ、星をも巻き込む程の爆発を起こした。

 

ベリアル「ハア、ハア、ハア、なかなか、手強い相手だったな。」

 

ネオ・デスシウム光線を使ったため、ベリアルを息切れをし、疲れてしまった。

 

 

 

〜惑星アルカディア〜

 

気づけばもう夕日だった。夕日が無いにも関わらず何故か夕焼けに包まれていた。ジャタールは自身の耳を澄まし、Dゴメスの断末魔が聞こえたため、ベリアルが勝ったことに確信をした。

 

ジャタール「流石は陛下。どうやら、奴を倒したようだ。」

 

彼の発言を聞くと、全員一気に力が抜けてしまう。

 

マリナ「ところで、どうやってゴモラちゃんを元に戻すの?」

 

グリーザ「それなら、私に任せて。」

 

そう言うと、グリーザは腕を伸ばし掌をゴモラに向けると、突然ゴモラから先程の暗黒の稲妻が現れ、グリーザの掌から体の中に入っていった。

 

すると、EXゴモラは気を失っているが元の少女に戻った。

 

マリナ「良かった。どうやら、ゴモラちゃんは無事なようね。」

 

ミヤ「でも、気を失っていますよ。急いで手当てしなくては。」

 

そう言うと、ミヤは円盤から光を浴び、ゴモラを回収した。

 

ベリアル「どうやら、何事も無そうだな。」

 

突然ベリアルが降りながら話し掛け、ミヤは少し戸惑った。

 

ミヤ「ハ、ハイ。あの、その、ゴモラさんには何処も異常はありません。」

 

ベリアル「それならいいんだが。」

 

マリナ「ちょっと、あんた忘れてない?ゴモラちゃんを早くあんたの洗脳を解きなさいよ。このままだと何しでかすかわかったもんじゃないからね。」

 

ベリアル「だから、俺はそんな趣味はねぇ!たく、しょうがねぇ。」

 

そう言うと、ベリアルはミヤの円盤に手を添えた。すると、ゴモラからベリアルウィルスが出て行き、ベリアルクローに入っていった。

 

だが、ベリアルはある事に気付いた。それはグリーザが居ないことだ。

 

ベリアル「おい、グリーザは何処にいった?」

 

エスナ「そういえば、見かけなくなったな。先に基地に戻ったのではないでしょうか?」

 

 

この時、彼等はグリーザ以外にも忘れている者がいる事に気付かなかった。そう、ビルの下敷きになったゾフィーだ。

 

ゾフィー「なんということだ!Dゴメスがやられるとは。」

 

彼はDゴメスが負けた事に驚愕していた。

 

ゾフィー「しかも、この状況で奴等に勝てる見込みは無い。ここは引くとするか。」

 

そう言うとゾフィーは人間大ぐらいの大きさになった。瓦礫をどかしながら進むと、なんと瓦礫の下に目が点滅してるレッドマンがいたのだ。

 

ゾフィー「レッドマン‼︎どうやら、まだ生きているようだな。」

 

そして、ゾフィーはレッドマンを担ぎビルの下から出ると、彼等に見つからないように離れていった。

 

 

マリナ「グリーザちゃん、どうやら基地にもいないみたい。」

 

基地にいるザンドリアスに報告をし、グリーザを探させたようだが、何処にもいないという。すると、ベリアルは周囲を見回した。

 

ベリアル「たく、あいつ何処に…………ん?」

 

彼は微かにだが、グリーザの姿をビルの上で確認した。

 

ベリアル「あいつあんな所にいやがって。お前らは先に行ってな。俺は後でグリーザと一緒に戻る。」

 

ベリアルはジャタールとマリナ達を基地に戻るように命じ、彼等が行ったのを確認するとグリーザの元に歩み寄る。

 

グリーザ「あれ?ベリアル陛下、なんでこんな所にいるの?」

 

ベリアル「それはこっちのセリフだ!お前こそ何でこんな所に居るんだ?」

 

すると、グリーザは何を戸惑っているのか、そっぽを向きなかなか話そうとしなかった。

 

ベリアル「話が長くなるようでも構わねぇ‼︎とっとと言え!!!!」

 

ベリアルの発言を聞くと、やっと口を開き始めた。

 

グリーザ「私のせいで、ゴモラにミヤを殺させるところだった。彼女達と何だか顔を合わせずらくなっちゃたの。いったい私はどうすればいいの?」

 

グリーザの発言を聞くと、ベリアルはため息を吐くと、グリーザに語り出した。

 

ベリアル「お前、あいつらに悪かったと思うんなら、逃げずに目合わせな。あいつらのことだ、すぐに許してくれるだろう。」

 

そして、グリーザはベリアルと目を合わせ再び喋り始めた。だがその際、夕焼けに照らされ笑みを浮かべるグリーザの長髪が風に靡く。

 

グリーザ「ありがとう。私少しだけだけど自身がついた。ベリアル陛下の言う通りにしてみる。」

 

ベリアル「…………あ、あ、そうか。」

 

グリーザ「じゃあ、帰りましょう。」

 

 

ベリアルside

 

なんてこった。まさか俺があいつに見惚れちまっただなんて、死んでも言えねぇ。まぁ取り敢えずこれは置いておいてだ。

 

基地に帰ってすぐにグリーザは意識を取り戻したゴモラやミヤ達に謝ってた。案の定全員許していた。

改造ベムスターの奴はゴモラが許したからと言って、あっさりと許したのは以外だったな。

 

その後俺は自分から料理を買って出て、筑前煮と春巻きってのを今度はグリーザと一緒に作った。今回も美味そうに食ってくれて俺は満足した。ああん?何故今回グリーザと作ったか?流石に量が多かったからな。

 

勿論、皿洗いはあいつらに任せて風呂に入って後に歯を磨いて、寝る準備に入った。後どうでもいいがマベルとダズが今回戦闘に出なかった理由は改造ベムスターからドクターストップを受けていたからだそうだ。

 

ベリアル「あいつを倒したところで、今度は奴よりも強力なデストロイ怪獣達が来るのか。」

 

彼はゾフィーが言っていたことを思い出していた。Dゴメスは言ってしまうと失敗作だ。失敗作であれ程の力を持っていたとなると完成した個体はいったいどれ程の力を持っているのか。

 

ベリアル「しかし、どうでもいいがこの星の名前はアルカディアというのか。じゃあ、この宇宙もいっそのこと“アルカディアスペース”とでも言うべきか。」

 

これ以上考えるのはやめにしてベリアルは寝ることにし、毛布を捲り布団に入ろうとした刹那、扉が勢い良く開かれた。何事かと思い、扉の方を見るとそこには何故か息切れをしているグリーザだ。

 

ベリアル「どうしたんだ?なんか疲れてるみたいだが。」

 

グリーザ「匿って。」

 

そう言うと彼女はあろう事かなんとベリアルがいる毛布の中に入って来たのだ。

 

ベリアル「お、おい!お前急に何」

 

グリーザは文句を言い出したベリアルの口を両手で塞ぎ黙らせる。すると、彼女は突然涙目になりながら言い出した。

 

グリーザ「お願い、私が此処にいることは内緒にして。」

 

そう言うとグリーザは両手を離し、ちょうど扉の死角になっている壁の端まで行くと毛布にくるまって震え始めた。

 

その時、突然扉の先から異様な気配を感じた。これにはベリアルも肩をビクッと震えた。そして、扉はキィキィキィという音を立てて開かれ、その先には目を見開いて瞳孔が鋭くなっているマリナが居た。すると、マリナはいつもよりもドスの効いた声で話し始めた。

 

マリナ「ねぇベリアルさん、正直に言ってよ。“私のグリーザちゃん”が何処にいるか知らない?」

 

マリナの威圧感は正直言うとDゴメスの比では無かった。一瞬口を滑らせそうになるが、震えているグリーザを横目で見ると正気を取り戻した。

 

ベリアル「あいつならさっきあっちに行くって言ってたぞ。」

 

ベリアルは廊下の方に指を指した。

 

マリナ「本当に?嘘じゃないですよね?」

 

ベリアル「本当だ。第一に俺が嘘ついて何の得あるんだ?」

 

彼は堂々と嘘を言った。マリナの眼差しに刺され、冷や汗が出た。

 

ベリアル「(さっさとどっか行け!こっちは色んな意味で心臓がうるさいんだよ‼︎)」

 

そして、マリナはベリアルの堂々とした態度に此処には居ない判断し、扉を閉めた。ベリアルは扉に耳を当て、マリナの足音が遠ざかっていくのを確認した。

 

ベリアル「おい、もう行ったぞ。」

 

グリーザ「そう、ありがとう。」

 

彼女の顔を確認すると、やっと泣き止んでいた。

 

グリーザ「ねぇベリアル陛下。お願いあるんだけど。」

 

ベリアル「今度は何なんだ?」

 

グリーザ「私と一緒に寝て。」

 

すると、彼は深いため息を吐いた。

 

ベリアル「俺も歳だな。この距離で聞き間違えるとは。もう一回言ってくれ。」

 

グリーザ「私と一緒に寝て。」

 

ベリアル「ハァァァ⁉︎……おっと。」

 

大声を上げたら、マリナがやって来る事を悟ったベリアルは口を塞いだ。

 

 

〜アルカディアスペースの光の国・王座

 

七つの玉座に五人が腰掛けていた。すると、その内の一人のセブンが急に立ち上がった。

 

セブン「ハァ、美しい奴だった。あいつは必ず俺の物にしてやる!」

 

邪な事を考えいるセブンは思ってることを全部口に出した。

 

セブン「ゾフィーの奴は今頃やられてるだろうから、今度はこの俺が惑星アルカディアに行き、アロマとグリーザをいやあの星にいる全ての女を俺の物にしてやる‼︎ヌワッハハハハハハハハハハ。」

 

すると、玉座に座ってる内の一人ウルトラの父が深いため息を吐いた。

 

父「残念な事にもうハヤタが行ってしまったぞ。」

 

セブン「何ですと⁉︎」

 

父「まぁハヤタに女どもだけは引っ捕らえるのだと伝えることだな。」

 

そして、セブンはよほど悔しかったようで、走り出すと柱に殴り掛かり、柱を粉々にした。

 

セブン「ハヤタの奴!覚えておけ‼︎」

 

 

〜惑星アルカディア〜

 

ベリアルside

 

話を聞いたところ、最初にエスナを怒らせて、その迫力にビビって一人で寝れなくなってマリナと一緒に寝ようとしたら……後は察してくれ。

 

 

ベリアル「お前なぁ、だからと言ってなんで俺なんだ?」

 

グリーザ「だって、頼りになるのベリアル陛下以外いないもん。」

 

ベリアル「他の男共もここまで言われると哀れだな。」

 

彼はここにいる男達に同情した。しかし、グリーザはそんな事にも話し続ける。

 

グリーザ「ねぇお願い。今日だけでもいいから。」

 

ベリアル「あのなぁ、俺だって男だ。マリナのようにお前を襲う確率はゼロではないぞ。」

 

グリーザ「えっ!?ベリアル陛下は私をDゴメスみたいに殺すの?」

 

ベリアル「いや、ああゆうのじゃなくってな」

 

グリーザ「それなら安心。早く寝ようよ。」

 

ベリアル「だからお前なぁ」

 

彼が何かを言いかけると、再びグリーザは泣き出したかと思うと今度はその状態で上目遣いをして来た。

 

グリーザ「ダメなの。」

 

これにはベリアルも心臓が震えた。ここまでされたら流石のベリアルも断り切れなかった。

 

ベリアル「たくしょうがねぇな。その代わり」

 

グリーザ「やった!じゃあ早く寝よう。」

 

彼女はまるで子供のように無邪気な笑顔を浮かべ、ベリアルの腕を引っ張りベッドに連れ込んだ。

 

ベリアル「お、おいだからな(いや、待てよ。もしかたらこうやってバニートラップを仕掛けられるかもしれん。だったら今の内に慣れておいた方がいいかもしれんな。)そうだなとっとと寝るか。」

 

そう言うとベリアルは毛布を被り、グリーザも毛布を被った。

 

ベリアル「(こいつは特に俺を落とそうとする気はさらさらねぇ。これぐらい余裕だ。)」

 

すると、グリーザはベリアルの腕にその大きな胸を押し付けて抱きしめた。

 

ベリアル「お、おい!お前急に何してんだ‼︎」

 

グリーザ「だって、こうしてるほうが落ち着くの。何か問題あるの?」

 

ベリアル「(平常心を保て俺。)いや、特に問題はねぇ。」

 

グリーザ「そう、じゃあおやすみ。」

 

そう言うと目を閉じ、すぐに眠りに就いた。

 

ベリアル「(何なんだこいつ。こいつからは何だか体温が感じられなぇな。まぁどうでもいい。このまま俺も寝ちまえばいいんだ。)」

 

彼は最初にグリーザに腕を抱き着かれて時は心拍数が異常に上がったが、徐々に慣れて来たベリアルは眠りに就こうとするが、彼は本当にグリーザが寝ているのか顔を確認した。

 

ベリアル「(よく眠ってるな。人の気も知らないでよ。しかし、改めて見るといい顔してんな。特にこの艶のある唇を奪いてえなって、何考えてるだ俺!平常心を保て。)」

 

しかし、寝ているグリーザはそれに追い打ちをかけるように(本人に悪意は無い)熱気のある吐息を吐き始めた。それにより、心拍数は更に上がり、ベリアルが抑えている欲望を高めた。

 

そして、無意識のうちにグリーザに手を伸ばすが、我に帰ったベリアルは必死に自分の手を止める。

 

ベリアル「(何やろうとしてんだ俺は!自分の部下を襲うとするだなんて恥晒しもいいところだ!)」

 

心の中で彼は必死に自分と凄まじい格闘を繰り広げた。すると、ドアを誰かがノックする音が聞こえた。そして、ベリアルは小声で悪態をつける。

 

ベリアル「嘘だろ。こんな状況を見られたらまずいぞ!」

 

しかし、そんな彼に御構い無しにノックを繰り返し、流石に鬱陶しくなり、グリーザを布団で深く被せ見えなくした。

 

ベリアル「誰だ!入って来い!」

 

すると、ドアを開けたのはゴモラだった。

 

ゴモラ「こんな夜遅くにすみません。」

 

ベリアル「謝る必要は無え!とっとと用件を言え!」

 

ゴモラ「陛下、その、僕を、僕を陛下の弟子にして!」

 

ベ「はっ!?」

 

彼は驚愕し、間抜けな声を出した。

 

 

 

 

 

 

 




ゼラス「さてさて、ゴモたんが何故ベリちゃんに弟子入りを申し込んだのか。そして、次に来るデストロイ怪獣は色々と扱いが不遇なあの彗星怪獣だ!そして、何故グリちゃんがエスナやマリナを怖がったのかも分かるぞ‼︎次回をお楽しみに!!!!」


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エピソード9「一つの声があるかぎり」

前回、グリーザさんがエスナとマリナを怖がった理由が書けませんでした。次回は必ずエスナに怖がった理由を書きますが、マリナは当分書くつもりはないので、あらかじめご了承下さい。本当に申し訳ありません。







ゴモラ「ぼ、僕を弟子にして!」

 

ベ「は⁉︎」

 

彼はゴモラの言ったことに驚愕し、間抜けな声を出した。しかし、ここでグリーザを起こしては厄介と思ったベリアルは小声で喋る。

 

ベリアル「いったいどういう風の吹き回しだ?」

 

ゴモラ「僕、ミヤさんをもう少しで殺しちゃいそうになったことがショックだったの。皆んなを守りたかったのに逆に僕が皆んなをダメでしょう。もう皆んなを傷つけたくないの。お願いします!僕を陛下のように強くして!」

 

彼女は真剣な眼差しでベリアルを見つめた。

 

ベリアル「ああん?そういうのは自分でやれ!修行なんざめんどくせえんだよ‼︎」

 

ゴモラ「そこをなんとかお願いします‼︎」

 

ベリアル「(つーか、逆にこっちが修行つけてもらいたいのに、あの野郎あれ以来声もかけてこねぇな。)ダメなものはダメだ。」

 

しかし、ゴモラは諦めずに今度は毛布を掴み、揺らし始める。

 

ゴモラ「お願いします‼︎」

 

ベリアル「バカ!毛布を掴むんじゃねえ‼︎」

 

彼は毛布を揺らすゴモラを怒鳴りつけた、その時ゴモラは毛布を強く引っ張り、毛布が剥がれるベリアルの腕を抱いて心地良そうに眠っているグリーザにゴモラは驚愕した。

 

ゴモラ「えっ⁉︎グリーザさん⁉︎なんでベリアル陛下と一緒に、あっ!」

 

ふと何かを思ったゴモラはジト目でニヤニヤしながらベリアルを見つめる。

 

ゴモラ「やっぱり、グリーザさんとベリアル陛下って、ラブラブだったんだ〜〜。」

 

ベリアル「ハア⁉︎「静かにしないとグリーザさん起きちゃいますよ。」チッ、何わけわからなぇこと言ってんだ?」

 

ゴモラ「グリーザさんって、陛下と喋る時基本タメ口だから、てっきりできてるのかと思ってたんですよ。」

 

ベリアル「ああん⁉︎そりゃこいつが礼儀を知らないだけだ!」

 

ゴモラ「じゃあ、なんで直せさせないの?」

 

ベリアル「俺に忠誠心があるのなら、別に言葉遣いは気にしねぇよ。」

 

ゴモラ「ふーん。なんだ、つまんないな。じゃあ今日はもう寝ますね。」

 

しかし、ベリアルはこの事を言い触らされる事を怖れ、ゴモラを呼び止めた。

 

ベリアル「待て‼︎弟子にしてやるから、今日あったことは絶対に言うなよ。」

 

ゴモラ「えっ!?お、お願いします。」

 

ゴモラはこの事を言うつもりは無かったので、幸運だと思いながら大人しく帰った。ベリアルはこんな結果になった原因のグリーザを恨んだ。

ベリアル「たく、こいつ。心地良そうに眠っているのが余計に腹が立つな。」

 

〜翌朝〜

 

グリーザは、昨夜のことなぞ知る由もなく、気持ちよく目が覚めた。

 

グリーザ「ふああああ。よく寝た。」

 

あくびをして、ベッドから起き上がった彼女はベリアルの顔を伺った。

 

グリーザ「まだ寝てる。起こさないでおこう。」

 

そう言うと彼女は、物音を立てずに部屋を出ていった。そして、廊下を走りある部屋と向かう。

 

グリーザ「着いた。」

 

039と書いている部屋に立ち尽くす。緊張で彼女は胸に手を添える。しかし、意を決してドアノブに触れ、扉を開ける。

 

グリーザ「エスナ、居る?」

 

エスナ「お⁉︎グリーザじゃないか。おはよう。」

 

グリーザ「昨日はその、ごめんなさい。」

 

エスナ「いやー、あの時は私もつい興奮してしまってあまり、あんなことを、こちらこそ申し訳なかった。」

 

そう言うと彼女は手を差し出した。これが何の意味かよく分からないグリーザは取り敢えずマネをした。そしてエスナはグリーザの手を握った。

 

エスナ「これで、互いに許そう。」

 

その言葉にグリーザも頷いた。

 

エスナ「そうだ。グリーザは本は好きか?」

 

グリーザ「そんなに、まず読んだことないから字も読めない。」

 

エスナ「そうだったのか⁉︎じゃあ、今から私が教えてあげよう。」

 

その後、以外にというべきかグリーザは物分かりが早く、文字を読めるようになると、エスナから恋愛小説を渡され、それを手に持ち彼女と共に部屋を出ていった。

 

 

 

〜アルカディアスペース 光の国 とある場所〜

 

この宇宙の光の国は殆どが紫色のクリスタルで作られていることは、知ってるだろう。しかし、その中には例外もある。ここは床も壁も全てがサイバーチックな構造になっており、多数の無機質なガラスが並べらており、その中には緑色の液体につかされている怪獣達が幾つもいた。

 

そんな中、一人だけガラスの前で椅子に腰をかけて、鼻歌を歌っているウルトラ星人がいた。そのウルトラ星人は、頭部が人間の髪型のようで、目と口はセブンに似ており、ウルトラ星人には珍しく鼻が着いており、白衣を着ている“ウルトラマンレオ”だ。

 

レオ「いやー、怪獣供を改造するのは実に面白い。あの破壊することにしか、生き甲斐を感じないあの目は特に素晴らしい。」

 

レオが独り言を言っていると、足音が聞こえ、振り向くとそこにはセブンがいた。

 

セブン「レオ兄さん、奴を今すぐデストロイ怪獣に改造してもらいたいのですが、よろしいですか?」

 

レオ「構いませんよ。でも、少々お待ち下さい。もうすぐでこの方が完成するので。」

 

そう言うと、レオは突如出て来たホログラムのキーボードをピアノを弾いてるかのように入力した。

 

すると、幾つもあるガラスの一つが赤黒く輝き、やがてその輝きは徐々に青白くなった。

 

レオ「これで、後は時間が過ぎるのを待つだけです。では、早速奴の改造を始めますか。」

 

セブン「えっ!?まだ、私は誰を改造するかは言ってませんよ。」

 

レオ「ゼットンを改造するのでしょう?あなたが考えていることは、だいたいわかりますよ。」

 

セブン「流石はレオ兄さん。話が早くて助かります。」

 

そう言うと彼等は研究室から去った。そして、青白く輝いているガラスの中では、何やら手足のような物が模っていた。

 

 

 

 

〜惑星アルカディア 秘密基地 〜

 

ベリアルside

 

今日は、ゴモラとの特訓をする羽目になっちまったから、飯を作るのはミヤとグリーザに任せて、俺はある物を作る為に研究所に行った。以外にも設備が充実していた。例えば、薬剤やら機械部品など、色々な部品が集まっていた。

 

 

彼は体が大きいが故に手も大きいが、以外にもその大きな手でドライバーを器用に使いこなし、瞬く間にバラバラだった部品は何やら色々なボタンが着いている掌サイズの鉄で出来ている樽のような物に変わっていった。

 

すると、彼は汗を拭いドライバーを工具箱の中に投げた。

 

ベリアル「こんなもんか。さっさと飯にするか。」

 

その後、彼は食事を終えた後、ゴモラを人気の無い岩山へと連れて行った。

 

ゴモラ「これからお願いします。」

 

彼女は深くお辞儀をした。

 

ベリアル「じゃあ、早速元の姿に戻れ。」

 

彼がそう言うとゴモラは元の姿へと戻る。すると、ベリアルは先程作った機械を宙に浮かせ、数キロメートル離れた場所に置くと、人差し指を軽く振り下ろす。

 

その刹那、ゴモラとベリアルに凄まじい重さがのし掛かり、ベリアルは何ともないがゴモラは四つん這いに倒れてしまう。

 

ゴモラ「キャオオオン⁉︎」

 

突然の出来事にゴモラの頭に?字が浮かぶ。すると、ベリアルはゴモラを見て解説を始める。

 

ベリアル「あの機械は一定空間の重力を倍増させる装置だ。これで、修行が捗るだろ。」

 

ゴモラは起き上がり手を叩いて納得した。

どんな訓練なのか期待しているゴモラはキラキラした目でこちらを見つめた。

 

その後、重くなった岩を持ち上げたり、攻撃を受け止めてやったりなどをした。

 

〜秘密基地〜

 

グリーザside

 

エスナから貸してもらった小説は中々面白かった。内容は子供の頃からの幼馴染と数年ぶりの再会を果たして、話していく内にお互いを意識し始めるという話よ。

後、この小説を読んで重大な事に気づいた。それは、男と一緒のベッドで寝る事が恥ずかしい事に。これから辞めた方がいいのかな、ベリアル陛下はなんか温かいし抱き心地が良いから今日も寝ようと思ったのに。

 

すると、彼女はふと顔を上げ、近くにある時計を見た。

 

グリーザ「何だかんだ言ってもう5時間ぐらいたってる。なんか持っててあげよ。」

 

 

〜岩山〜

 

ベリアル「流石に疲れてきたな。」

 

彼は手を重力を倍増させる装置(以降:重力装置)の方に向け、人差し指を軽く振り下ろした。

 

すると、ベリアルとゴモラの体は一気に軽くなり。ゴモラは前回しをした後に伸脚をし軽くなった事に喜んだ。

 

ベリアル「取り敢えず、休憩にするぞ。」

 

そして、彼等は人間の姿へと戻る。当然というべきか2人は汗だくで、両者共々汗を拭いながら、話し始める。

 

ゴモラ「陛下、ありがとうございます。僕何だか自信がつきました。今度こそグリーザさんのあの力を使いこなせる気がします。」

 

ベリアル「そうか、まあ頑張れよ。」

 

ジャタール「陛下ーーー!!!!」

 

話していると、突然ジャタールの声が聞こえ、その方向に2人は顔を向けた。向かって来ていたのは、タオルと大量の水を持って来た人間態のジャタールとグリーザだった。

 

ジャタール「特訓お疲れ様です。」

 

そう言うと彼はベリアルにグリーザが持っているタオルと水を差し出す。

 

ベリアル「気がきくじゃねぇか。」

 

ジャタール「勿体無いお言葉を。」

 

グリーザ「ゴモラ、調子はどう?」

 

ゴモラ「バッチリだよ。これで、グリーザさんのあの力を使いこなせる筈です。」

 

彼女の言葉を聞いたグリーザは微笑して、持っているタオルでゴモラの汗を拭く。

 

グリーザ「今度こそ、皆んなを守れるといいね。」

 

ゴモラ「うん。」

 

ゴモラは笑顔で返事をした。

「キャアーーーーーー」

 

突如空から不気味な咆哮が鳴り響く。彼等は空を見上げると、猛スピードで黒い何かが秘密基地がある。都市部へと向かっていた。

 

ベリアル「何だ?あれは。」

 

ジャタール「と、とにかく後を追いましょう!」

 

そう言うと彼等は二人は元の姿へと戻り、ジャタールはゴモラを手に乗せ、追いかける。

 

 

 

その黒い何かは、あの彗星怪獣ドラコと酷似していた。だが、決定的に元のドラコと異なる箇所が幾つか存在していた。両目はDゴメスの右目と同じ蒼く血のように赤い重瞳なっており、鎌だった手は日本刀の様な刃となっており、大きさは元の二倍以上はある。

 

正しく光の速さと言っていい程の速さで飛んでいるドラコ?の風圧を受け、幾つものビル群のガラスが割れた。そして、ドラコ?は地面を滑りながら着地した。

 

すると、空から赤い球体が現れ、その中からハヤタの笑い声が聞こえた。

 

ハヤタ「アッハハハハ。どうも惑星アルカディアの皆さん、私はウルトラ兄弟の一人ハヤタです。以後よろしく。しかし、残念な事に今ここでお別れです。何故ならお前達は私とこの“デストロイドラコ”(以降:Dドラコ)によって滅びるからです!」

 

ベリアル「お喋りなのはゾフィーと変わんねえな。」

 

ハヤタは急に黙り込んだ。すると、先程の声とは似ても似つかないドスのきいた声で喋り始める。

 

ハヤタ「私をあんな奴と一緒にすんじゃねぇ。せっかく、部下にでもしてやろうと思ったのだが、気が変わった。全員皆殺しにしてやる!」

 

そして、ハヤタの声に反応し目を光らせ、巨大な翼を広げ咆哮を上げる。

 

ベリアル「ゴモラ!特訓の成果を見せてやれ。」

 

ゴ「はい!」

 

そう言うとゴモラはジャタールの掌から跳んで、元の姿へと戻る。そして、颯爽とゴモラはハヤタに、ベリアルとジャタールはDドラコに駆け寄る。

 

ハヤタ「ヘアッ!」

 

(bgm:進め‼︎ウルトラマン)

 

ハヤタはかけ声を上げ、迫り来るゴモラにボディーブローを仕掛けるが、ゴモラはそれをはたき落とし、回転し尻尾でハヤタを攻撃するがハヤタは尻尾を掴み投げ飛ばすが、ゴモラは難なく着地した。だが、ハヤタはその隙をつき、ゴモラの頭を鷲掴みし、チョップを連打する。

 

ゴモラ「キャオオオン」

 

しかし、ゴモラは反撃にと、腕を掴み、一本背負い投げをする。怯んだハヤタにゴモラは尻尾で空かさず攻撃し、追い打ちをかける。

 

だが、ハヤタは横に転がり回避し、起き上がるとギザギザなリング状のエネルギー(以降:八つ裂き光輪)を生じると、それを投げ飛ばしす。ゴモラはそれを真剣白刃取りの要領で受け止め、何処かへ投げ飛ばした。しかし、その隙を狙っていたハヤタは手を十字に構えるとスペシウム光線を腹部に目掛け発射した。

 

ゴモラ「キャオオオオオン!」

 

ゴモラは大ダメージを受け、前のめりに倒れる。

 

 

〜ベリアル&ジャタールvsDドラコ〜

 

ベリアルとジャタール二手に分かれる。ベリアルはベリアルクローを生やし、Dドラコに斬り掛かる。しかし、Dドラコはそれを難なく片手で受け止める。彼は空かさずもう片方の手で斬り掛かるがそれも難なく受け止められる。

 

Dドラコ「キャアーーー」

 

そのまま両者は取っ組み合いになる。体格差もあり普通はDドラコの方が圧倒的に有利だが、ベリアルは持ち前の怪力で持ち堪え、その場に留まる。

 

そして、その隙にジャタールは大剣で翼に斬り掛かる。だが、大剣が当たる刹那、Dドラコの翼が鉄のように硬化し、ジャタールはその硬さに腕が痺れる。

 

ジャタール「か、かか、か、硬い。」

 

Dドラコ「グハはハははハははハ」

 

Dドラコはジャタールを嘲笑うと、ベリアルの腹部に膝蹴りを入れ、ベリアルは腹を押さえ大きく後ずさる。そして、背後に振り向きざまに重瞳から赤い稲妻(以降:デストロイサンダー)をジャタールに放った。ジャタールは叫び声を上げ、吹き飛ばされ地面に倒れる。

 

しかし、痛みが和らいだベリアルはデスシウム光線を放つが、Dドラコは翼を広げ猛スピードで飛び立ち、これを回避する。

 

ベリアル「チッ。待ちやがれ!」

 

彼も飛んでDドラコを追う。それに続き起き上がったジャタールも飛び立つ。

ベリアルは凄まじいスピードで飛び、ジャタールも付いて行くのがやっとな程だ。だが、そんなベリアルでさえDドラコに追いつけなかった。

 

すると、Dドラコは旋回したかと思ったら、突然姿を消した。

 

ベリアルとジャタールは辺りを見回す。すると、その刹那、ベリアルの懐に斬撃が走った。その正体はDドラコだ。実は姿を消した訳ではなく、目に見えない程の速さで動いていたのだ。

 

ベリアル「グアアアアア‼︎」

 

激痛が走り、彼は懐を押さえる。だが、現実は無慈悲だ。次々と身体のあちこちに斬撃が走る。斬撃が走る箇所からは幾つも切れ目が出来ており、そこから赤い粒子が流れ出る。

 

ジャタール「陛下!!!!」

 

そんなベリアルを助けようとジャタールは大剣を振るうが、それも難なく避けられる。そして、Dドラコは彼等の前に堂々と現れると、鎌を鞭のように長くし(以降:ウィップシックラル)、しならせるとそれを延ばし彼等を斬り刻んだ。

 

ベ・ジャ「グアアアアアア!!!!」

 

身体中に斬撃が走る。そして、ベリアルのカラータイマーが心臓の鼓動のように点滅し始めた。実はあの時の特訓でゴモラにはこの星の通常の重力の五倍の重力が掛かっていたに対して、ベリアルには十倍の重力が掛かっていたのだ。

 

本来ベリアルはレイオニクスになったことにより、ウルトラ戦士達の弱点でもある時間制限を克服しているが、特訓の疲れとDドラコの攻撃によるダメージが重なり、カラータイマーは命の危険を知らせているのだ。

 

 

 

ゴモラvsハヤタ

 

ハヤタ「流石は、完成したデストロイ怪獣。奴らはああも圧倒するとは、Dゴメスはやはり不良品だったことがよく分かる。さてと、そろそろ奴にとどめを刺すか。」

 

そう言うと、ハヤタは腕を振り下ろし、八つ裂き光輪をゴモラに目掛けさせる。

 

ハヤタ「アッハハハハハハ。終わりだ‼︎」

 

その時、馬鹿笑いをしているハヤタの背後にグリーザの暗黒の稲妻が接近していた。避けようとしても時すでに遅し、ハヤタは暗黒の稲妻を浴びる。そして、暗黒の稲妻はハヤタを通り抜けると、ゴモラに降り注いだ。

 

ハヤタ「こ、これは“ダークサンダーエナジー”⁉︎しまった、奴がいることをすっかり忘れていた。」

 

ハヤタは先程よりも弱々しく話し始める。反対にゴモラは赤い目のEXゴモラにパワーアップした。

 

EXゴモラ「ウォギャオオォオン」

 

EXゴモラは倒れながらも咆哮を上げる。そして、八つ裂き光輪がEXゴモラの背に直撃するが、EXゴモラには効果は無く、それどころか八つ裂き光輪が粉々に砕け散った。

 

ハヤタ「ホォー、暴走してでも私を倒そうとしてるのか。無駄だよ。どうせお前はまた仲間を傷つける。私を倒してもお前がこの星を滅ぼすんだよ!!!!」

 

そして、EXゴモラはEX超振動波を放とうとした刹那、グリーザはEXゴモラの側によると、大声で話し始める。

 

グリーザ「ゴモラァァァァァ‼︎貴女なら出来る頑張って‼︎」

 

すると、ゴモラはグリーザに言った言葉が脳裏に浮かぶ。

 

グリーザ「頼もしいわね。 今度こそ皆んなを守れるといいね。」

 

更にベリアルの言葉も浮かぶ。

 

ベリアル「やれば出来るじゃねえか。 特訓の成果を見せてやれ。」

 

更に改造ベムスターが涙を流しながら自分に言った言葉が浮かぶ。

 

改造ベムスター「私達を守ろうというゴモの気持ちは嬉しいけど、私はゴモラがいなかった生きていけないの。お願いだから、無事に帰って来て。」

 

更に次々と仲間達の姿と声が脳裏に響き渡った。すると、EXゴモラは唸りながら頭を抱える。

 

(bgm:レイの戦い)

 

そして、血のように真っ赤な目が白目に変わると、EXゴモラはまた咆哮を上げた。

 

EXゴモラ「ウォギャオオォオン」

 

すると、EXゴモラはサムズアップをグリーザに見せた。グリーザはこれの意味は分かってないが、良いことではあると認識し、同じポーズを取る。

 

ハヤタ「小癪な!弱体化したところで、私がお前に負けるか‼︎」

 

そう言うとハヤタは掌から八つ裂き光輪を生じ、駆け寄る。ハヤタは八つ裂き光輪を叩きつけるが、EXゴモラは平然としていた。

 

そして、EXゴモラはお返しと言わんばかりに、ボディーブローを直撃させ、追い打ちにとハヤタを殴り続ける。その攻撃にハヤタが怯むと空かさずEXゴモラは高速回転し、突進する。

 

グリーザはその様子を見て一息つくと、ベリアル達のを見つめ、また大声を出した。

 

グリーザ「ベリアル陛下‼︎後ついでにジャタールも頑張って!!!!」

 

彼女はひたすら叫んだ。そして、その声はベリアルとジャタールに聞こえた。

 

ベリアル「(何故だ?別に100体の怪獣を集めてもなければ、エメラナ鉱石を吸収した訳でもねえのに、なんで、なんでこうも、力が漲ってくるんだ‼︎)」

 

ジャタール「わ、私はついでかよ。」

 

すると、ベリアルはデスシウムクローを生じると、ウィップシックラルを斬り裂いた。

 

Dドラコ「キャアーーーー!!!!」

 

Dドラコは驚愕した。だが、そんなDドラコにお構い無く、ベリアルは奴に斬り掛かる。しかし、瞬時にDドラコは鎌を再生させると、それを受け流した。

 

そして、両者は斬り合いを演じる。その余波で周りの建物は豆腐のように斬り裂かれていった。

 

しかし、当然と言うべきかこれまでの疲労が溜まっているベリアルは徐々に動きが鈍くなる。

 

すると、ジャタールは大剣を捨てDドラコの右の翼にしがみ付く。

 

ジャタール「斬るのが無理なら、引っこ抜くまでだ‼︎」

 

なんとジャタールはDドラコの翼を引き千切ろうとしているのだ。しかし、Dドラコは気にも留めない。

 

すると、ようやくミヤの円盤が上空に現れ、円盤の光の中からマベルが降り、巨大化してDドラコのもう片方の翼に飛び乗る。

 

マベル「ジャタールさん、これを使って下さい。」

 

そう言うと、マベルはマグマサーベル状のビームサーベルを取り出す。

 

マベル「こいつはなんとあらゆる物の硬さと関係なく、斬ることが出来る優れ物だ。」

 

ジャタール「では有難く使わせてもらうぞ。」

 

そう言うと二人はビームサーベルを振りかぶると、それを翼に振り下ろした。

 

Dドラコ「キャアーーーー⁉︎」

 

自分の翼を斬られた事に驚愕し、Dドラコは地上に落ちていく。そして、ベリアルはすれ違いざまにDドラコを斬り裂いた。

 

 

 

 

ハヤタはその様子を見ると、勝てないと判断して消えていった。

 

EXゴモラ「ウォギャオオオン」

 

EXゴモラはターゲットを落ちて来たDドラコに変えた。EXゴモラはテールスピアーでDドラコを串刺しにして、天へと放り投げた。

 

 

そして、EXゴモラはEX超振動波、マベルはマグマサーベルに持ち帰るとその先端からサーベルビーム、ジャタールはヒッポリトビームとブレストクラッシャー、ベリアルはデスシウムクローを消しネオ・デスシウム光線を放った。

 

それぞれの光線を全て浴びてしまったDドラコは悲鳴を上げ、球体状の大爆発を起こした。

 

 

〜ベリアルside〜

その後、瀕死の重傷を負った俺はミヤの円盤に急いで緊急手当てを受けた。まあ当然俺は強靭な生命力によりすぐに傷は癒えた。そして、俺はジャタールを反対を押し切り、飯を作り出した。今回は俺も疲れたから簡単なカレーと似ているハヤシを作った。

 

ゴモラ「今日のも美味しい!」

 

グリーザ「何皿でも食べられる。」

 

ジャタール「正に宇宙一うまいハヤシです。陛下。」

 

ベリアル「そうか。」

 

ベリアルは彼等の言ったことに嬉しさを隠せず、自然に笑みがこぼれる。すると、エスナがベリアルに話しかけた。

 

エスナ「そういえば、陛下に一つ聞きたいことがあるんだけど。」

 

ベリアル「なんだ?」

 

エスナ「陛下達はこの星に来る前に何をしてたのですか?」

 

その言葉を聞いた瞬間ジャタールは固まる。

 

ゴモラ「あ!それ僕も聞きたかったの!教えて教えて!」

 

グリーザ「私にも教えて。」

 

ベ「はっ?」

 

ベリアルは他の者達が聞きたがるのは想定していたが、グリーザが聞いてくるのは予想外だった。そして、ベリアルはテレパシーでジャタールに話しかける。

 

ベリアル『ジャタール、お前グリーザに俺たちがしてきた事を言ってねぇのか?』

 

ジャタール『申し訳ございません。言わない方が都合がいいと思いまして。』

 

ベリアルはため息を吐いた。そしてテレパシーをやめて話し始める。

 

ベリアル「詳しい事を話し始めると色々と長くなる。後で話してやるよ。」

 

エスナ「では、後で私の部屋でゆっくり話しましょう。」

 

その後、彼等(ベリアル以外)は食器を片付けて、それぞれ用を済ますと自分の部屋に入り、就寝に入る。

 

そして、ベリアルとグリーザとジャタールはエスナの部屋へ向かう。

 

ベリアル「(しかし、さっきのは何だったんだ?グリーザはあのダークサンダーエナジーとかいうのを使ったわけじゃねえのによ。何でただの応援で力が出たんだ?)」

 

先程の戦いでグリーザの応援で力が湧き出た事を疑問に思っていた。

 

そんな事を考えているとあっという間にエスナの部屋へ着いた。

 

ベ「ここか?」

 

グ「ええ。」

 

ジャタール「しかし、何故陛下も来たのですか?伝えるのは私のなのだから、陛下はお休みになれた方がよろしいのでは?」

 

ベリアル「少し、この部屋で見たい物があってな。」

 

そう言うと彼は扉を開けた。

 

エスナ「陛下、待ってましたよ。早速、これまであった事を話して貰えないでしょうか?」

 

ベリアル「それはジャタールが話す。それよりも、“ゼットン”は何処だ?」

 

エスナ「ああ、ゼットンなら、ベッドで寝てますよ。」

 

そして、ベリアルとグリーザは部屋の奥に行く。そこにはベッドと二つの枕があり、その一つには綿が所々はみ出ているボロボロになっている“ゼットンのぬいぐるみ”があった。

 

 

 

アルカディアスペース 光の国 研究室

 

呑気に鼻歌を歌い、モニターのキーボードを入力しているレオの姿が確認された。

 

レオ「まったく、私が創ったデストロイ怪獣じゃ不満なのですか?わざわざ、封印した帝王を蘇らせようとするだなんて、冗談じゃない!絶対に私の創ったデストロイ怪獣でベリアルを葬ってくれる‼︎」

 

レオは独り言を呟いた。その時、先程の青白く光ったガラスに罅が入り、ガラスは砕け散り、緑色の液体が飛び散る。

 

レオはそれに驚くどころか、興奮する。そして、青白い光はやがて人のような形となる。

 

レオ「遂に、遂に成功した!あっ、おっと、失礼ですが、貴方のお名前は?」

 

⁇「俺か?俺は

 

やがて、青白い光は消えて、その正体が明らかになる。その姿はウルトラ戦士であった。しかし、ウルトラ戦士にしては珍しく顔と目つきが鋭く、体にあるラ タトゥーに似た複雑な模様。

 

「ウルトラマン。ウルトラマンベリアルだ。」

 

 

 

 




ゼラス「次回予告!!!!何と何と、二人目のしかも光のベリちゃんが登場‼︎そして、次回はグリちゃんがセブンに狙われる⁉︎果たして、次回はどうなのか?お楽しみに。」


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エピソード10「光と闇」

最初のいらなくね?と思っても目を瞑って下さい。

後、話し変わりますけど、ジードメチャクチャおもろしろいです。


殺風景な部屋の中にある数少ない家具のベッドの上にあるゼットンのぬいぐるみを見て、グリーザはベリアルの背に隠れ怯えていた。

 

ベリアル「これがあいつがお前にキレた原因か。」

 

〜回想〜

 

エスナはグリーザのダークサンダーエナジーがどうゆう仕組みなのかを聞くために、グリーザを部屋へと招き入れた。

 

グリーザ「此処がエスナの部屋なんだ。」

 

エスナ「そうだ。やっぱ、殺風景でつまらないか?」

 

グリーザ「いや、別に。」

 

話が少し脱線するが、ベリアルの部屋も殺風景な場所なため、ベリアルの部屋を行き来しているグリーザはそれが普通と思っているため、特に気にしてはいない。

 

部屋を見渡しているとある物が目に入った。ボロボロになっているゼットンのぬいぐるみだ。そして、彼女はぬいぐるみに指差しそれが何なのかを問う。

 

グリーザ「ねぇ、あれ何?」

 

その質問を聞いた瞬間、先程まで上機嫌だったエスナは薄ら笑いを浮かべているがが明らかに不機嫌になっていた。

 

エスナ「人の妹に向かって、“あれ”はないだろう。グリーザ。」ふ

 

グリーザ「えっ!?妹?でも、あの人?って、どう見ても生き物じゃな」

 

彼女が言いかけると、エスナは懐から光線銃を取り出し、なんと引き金を引き光弾を発射した。幸いにも頰を掠っただけで済んだが、グリーザはすっかり恐怖で怯えていた。

 

いや、光弾の方にはそれほど怯えてはいない。グリーザは殺気に満ちた目でこちらを睨むエスナに怯えていたのだ。

 

エスナ「どうして皆んなゼットンの事をそんな風に言うの?ゼットンはこの通り、ちゃんと生きているのにさ。もしかして、グリーザの目は目は節穴なのか?なら、そんな目を今すぐくり抜いてあげよう。」

 

このままでは無事では済まない

 

悟ったグリーザは瞬間移動をし、その場から消えた。

 

〜回想終了〜

 

グリーザは静かに頷いた。すると、ベリアルはそのゼットンのぬいぐるみを持ち上げた。

 

ベリアル「しかし、もうこれ崩れてもおかしくねえぞ。」

 

その刹那、光弾が一直線にベリアルに目掛け発射された。だが、ベリアルは掌から紫色の光弾を放ち相殺させる。

 

光弾が放たった犯人は殺気で満ちた目でこちらを睨むエスナだった。

 

エスナ「陛下、あなたが私達を守ってくれてるのには感謝します。ですが、妹に手を出すようであれば、いくら陛下でも許しませんよ。」

 

今の彼女はグリーザの時のように薄ら笑いを浮かべておらず、眉間にしわを寄せ明らかに激怒していることが伺える。

 

ベリアル「妹だ?お前の目こそが節穴じゃねえか。それはゼットンじゃねえ、ただのぬいぐるみd「黙れ!」

 

エスナは怒鳴り声を上げると彼にその銃口を向け引き金を引こうとするが、ジャタールに銃を掴まれ、銃を取り上げられる。

 

銃を失ったエスナは何もできなかった。身体能力は並の人間より遥かに高いが、ベリアルはそれを上回っているためまず彼とタイマンでは勝てない。更にジャタールとグリーザもいるので、彼女に到底勝ち目は無い。

 

ベリアル「お前がそれをゼットンと思うなら勝手だ。だが、現実から逃げんな。失ったものがあるのはお前だけじゃねえんだよ。」

 

彼は言いたいことを言い終わると扉に歩み寄る。グリーザとジャタールは働きアリのように並び着いていく。

ベリアルはドアノブに手を掛け、部屋を出て行った。

 

 

因みにジャタールは、ベリアルは自分の国のやり方に反対したら、即刻牢獄に幽閉され、何万年もかけようやく出た矢先に、ゼロという悪ガキにやられて別宇宙に飛ばされ、その宇宙で出会った奴らを部下に引き入れ、自分の国を建国した。とここまで話していたら、先ほどの状況になったというわけだ。

 

 

 

 

エスナは今拳を握り締め、扉を睨む。(正確には、出て行ったベリアルを睨んでいる。)

 

エスナ「現実から逃げるなだと。これは嘘じゃない。“あれ”はゼットンだ。そうじゃなかったら私は。」

 

彼女の頬から涙が伝っていた。

 

エスナ「私は、耐えられないんだ。あの子がいないと、私は生きてる意味なんて。」

 

すると、彼女の脳裏にある言葉が走る。

 

 

失ったものがあるのはお前だけじゃねえよ。

 

エスナ「そうか、私は悲しくてみんなの気持ちを考えてなかった。みんなだって悲しかった筈なのに、私は自分の事だけを考えてた。」

 

そして、彼女は何かを決意し、涙を拭う。

 

 

 

 

一方、ベリアル達は廊下を歩き、何やら話をしていた。

 

ジャタール「陛下、一つお聞きたいことが。」

 

ベリアル「なんだ?言ってみろ。」

 

ジャタール「ハッ。先程、エスナを正気に戻そうとしていたのは何故でしょうか?はっきり言ってしまうと、あまり戦闘に支障が出てる訳じゃなさそうですし。」

 

ベリアル「まあ、一応守ってやってる奴らの一人が狂ってだなんて、気持ち悪いだろ。」

 

ジャタール「そうでしたか。要らぬ質問してしまい、申し訳ありません。」

 

ジャタールはお辞儀をしながら謝罪する。そして、ジャタールは丁度自分の部屋に着いたため、ここでベリアル達達と別れることにした。

 

ジャタール「では、私はもう就寝に入りますので、これで失礼します。お休みなさいませ、陛下、“グリーザ様”。」

 

ベリアルはジャタールがグリーザに敬語を使ったことに疑問を抱き、質問する。

 

ベリアル「おい、お前いつからこいつより下になったんだ。」

 

ジャタール「それは、その、グリーザ様は私よりも上になると確信したので、今のうちに慣れておこうと思いまして。」

 

ベリアル「まあ、お前がそうしたいならそうしとけ。」

 

ジャタール「はっ。では改めて、お休みなさいませ。」

 

そして、ジャタールはベリアル達を見届け、部屋に入る。すると、彼は両手を口にそえ何やらニヤつき始める。

 

ジャタール「グフフフフフ。陛下、私は知ってますぞ。あなたがグリーザといやグリーザ様と共に一夜を過ごしたのを。」

 

ジャタールとて、ヒッポリト星人だ。人間態でも耳を澄ませば、10キロメートルぐらいの音は聞き分けられるのだ。

 

ジャタール「あの陛下を押し切るとは、必ずやあのお方は、お怒りした陛下を止めてくれる筈だ。」

 

〜妄想〜

 

ベリアル「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

彼の怒号が地を揺るがし、ダークネスファイブの面々ににじり寄る。怒りに満ちたベリアルに威圧され、彼等は逃げることすらままならず、ただただ震えているだけであった。

 

その時、突如グリーザ(擬人化している方)がベリアルの前に現れ、彼の腕に抱きついて止めに入る。

 

グリーザ「まあまあ、怪獣百体紹介はまた今度でいいでしょ。」

 

すると、ベリアルの怒りが収まった。

 

ベリアル「たく、しょうがねえ。また今度にしてやるよ。」

 

その様子を見て、ダークネスファイブの面々はホッとした。

 

〜妄想終了〜

 

ジャタール「流石にこうはいかなくても、きっと陛下のことを止めてくれる筈だ。それにグリーザ様は美人だ。あわよくば陛下も気に入り、マリーさん(ウルトラの母)の事を諦めて、グリーザ様と結ばれてくれれば一石二鳥だ。」

 

そう言うと彼は高笑いを上げた。しかし、この後彼はうるさいという理由で部屋の前を通りかかったマリナにぼろ雑巾のようにされたとか。

 

その頃、ベリアルとグリーザは何やらもめていた。

 

ベリアル「あんな女共如きにいつまでもびびってんじゃえよ。とっとと自分の部屋で寝て来い。」

 

グリーザ「流石にエスナはもう大丈夫だけど、やっぱマリナが怖いの。お願い、私と一緒に寝てちょうだい。」

 

ベリアル「大体な、お前俺を男だって事を分かってんのか?俺だって男なんだ。お前を襲っても、一緒に寝ることをせがんで来たのはお前なんだから、何も言えねえぞ。」

 

グリーザ「そんな………じゃあ、私が女でなければ良いの?」

 

そう言うと彼女は紫色に輝きいた。そして光が消えると、そこに立っていたのは確かにグリーザではあるが、今までの姿とは異なっていた。

 

先程までは、プリンセスのような衣装から、グリーザの第三形態を元となっているだろう、王子の衣装を着ており、手には元の姿と酷似している手袋をはめており、髪もロングヘアからショートカットになっており、その姿は正に白馬の王子様と言ってもいい程の美少年だった。因みにも声も心なしか低くなっている。

 

グリーザ「あれ?私男になりたいって思った瞬間にこんな姿になってる。」

 

どうやら、彼女いや彼も自分の意思ではなく、自然となったようだ。

 

グリーザ「でも、これなら一緒に寝ても大丈夫「なわけねえだろ。」

 

その後、結局ベリアルはせがんでくるグリーザに心が折れ、あの後直ぐに女性に戻ったグリーザと一緒に寝ることになった。

 

そしてもう慣れたのか、何事も無かったかのように起床したベリアルは特訓場所の岩山へと向かう。

 

 

 

〜岩山〜

 

ベリアル「お前達を集めたのは、ちょっとした実験に付き合ってもらう為だ。」

 

ゴモラ「実験って、何の?」

 

ベリアル「グリーザが出す、ダークサンダーエナジーっていったか?あれをお前だけに効くかどうかを試すんだ。」

 

ゴモラ「え?でも、それなら僕必要無いと思うんですけど。」

 

ベリアル「お前には俺の特訓相手になってもらうんだよ。グリーザ、ダークサンダーエナジーを俺達に向けて放て。」

 

グリーザは頷き、天高く飛び上がり、目が赤く光ると掌からダークサンダーエナジーを彼等に発射した。

 

ゴモラはEXゴモラへと変化した。コントロールできるようになったため、常に白目をむいた状態である。一方、ジャタールは目の糸目部分が無くなり、目が一色になっただけで、ベリアルに至っては何も変わってなかった。

 

すると、ジャタールは頭を抱え、苦しむ。

 

ジャタール「何なんだ?この闘争心は、暴れたい暴れたい!!!!」

 

頭の中にダークサンダーエナジーが迸り、彼は徐々に呑み込まれそうなる。しかし、彼は頭を横に振り、自分の顔を叩く。

 

ジャタール「グヌヌヌ。私が私で無くなってきてる。だが、こんな物に負ける程、私はやわじゃない!!」

 

そう言うとジャタールは、フンッと力を込めどこぞの超古代戦士のように両手を額に交差し、左右に降ろす。

 

そして、頭からダークサンダーエナジーと思われる紫色の稲妻が出て行く。

 

ジャタール「ハアハアハア、何とか耐えきった。」

 

流石にというべきか、ジャタールは息切れを起こし、疲れていた。

 

ベリアル「疲れているようだが、早速俺の変化したところを言ってくれ。」

 

ジャタールは了解をし、ベリアルが変わってないかを確認するが、何処も変わっていなかった。

 

ジャタール「何処も特に変化した様子は見られません。」

 

彼の報告にベリアルは少し驚いた。

 

ベリアル「もしかたら、姿形は変わらないで強さが上がったのかもしれないな。よし、ジャタール。早速俺のサンドバックになれ。」

 

その言葉を聞いた瞬間、彼はショックで倒れそうになる。

 

ジャタール「そんな。私はまだ生きていたいのですが。」

 

ベリアル「ん?お前は運が良いな。どうやらサンドバッグにならずに済みそうだな。」

 

 

〜惑星アルカディア 都市部〜

 

この星は空が暗雲に覆われているのにも関わらず、太陽の光があるという奇妙な光景である。しかし、今は空を覆うほどの巨大な何かによって、真っ暗闇となっていた。

 

その何かとは白金色の巨大な渦巻き模様で中心に竜の頭みたいな物がある円盤だ。その大きさは直径300メートルはあった。ベリアル達と今回はエスナが不在なためアロマを含めたミヤ達の円盤にマベルと新しく開発された装置により巨大化したダズは駆けつけると円盤を見上げ、唖然とする。

 

すると、巨大円盤から一筋の光が放たれ、その光の中からあのセブンがゆっくりと降り立った。

 

セブン「よお、待たせたな俺の女達よ。」

 

セブンの言葉を聞いた瞬間、女性陣は皆(グリーザとアロマ以外)ドン引きする。

 

マリナ「なんなのあいつ気持ち悪い。」

 

ミヤ「あんまり関わりたくない人ですね。」

 

そんな中、アロアは血走った目でセブンを睨らんでいた。

 

セブン「やっと会えたなアロマ、俺の妻よ。」

 

全員(グリーザ以外)「エェェェ・ハァァァ!?」

 

全員セブンの言葉に驚愕した。しかし、アロアはそれを不快に思い舌打ちをした。

 

アロア「ハア?あんなので結婚したと思ってんの?笑わせないで。他の兄弟達ならまだ我慢できるけど、あんたみたいなキモい男の妻だなんてごめんだわ〜。それに〜私は今はベリアル陛下のお嫁さんなのよ〜。」

 

セブン「なんだと⁉︎貴様はとうとう俺の嫁にまで手を出したのか!」

 

ベリアル「ハア?こいつが言ってるだけで俺はそんな気は全くn「ダーリン、あいついじめてくるの〜だから〜やっつけちゃって。」だからその呼び方は止めろつっただろうが!」

 

二人のやりとりを見ていたセブンは苛立ちを覚えた。

 

セブン「ま、もうお前のことはいいんだ。それよりもグリーザ、お前がまさかそこまで美しくなるとは思わn「あなたの顔は二度と見たくなかったのになんで来たの?とっとと消えて。」なんだと。」

 

セブンは散々な言われように逆上しだした。

 

セブン「てめーら、俺を侮辱するとはいい度胸だな。そんなてめーらにはお仕置きが必要のようだな。」

 

そう言うとセブンはネオバトルナイザー?を取り出し叫ぶ。

 

セブン「デストロイナァァァス!!起動っ‼︎」

 

すると、白金の巨大円盤は渦巻き模様の溝が光ると巨大な円盤はぐるぐる巻きにされた縄が解けるようにバラバラになると1200メートルの白金の金属質の東洋の竜のような姿へと変わった。

 

デストロイナース(以降:Dナース)「ガァァァアアアアァァァ」

 

Dナースは咆哮を上げ威嚇した。

 

ベリアル「ホォー、今回の相手は的がでかくて楽そうだな。」

 

セブン「こいつを舐めていると痛い目を見るぞ。だが、残念ながら黒ベリアルよ、お前の相手はこいつではない。お前の相手はこのお方だ。」

 

その刹那、上空からベリアルにスペシウム光線が一直線に向かって来た。しかし、ベリアルはそれを片手で受け止め、腕を振るい搔き消した。

 

??「ホォー、腐っても俺だけのことはあるな。」

 

すると、上空から赤い光球がベリアル達の前に降り立ち、ベリアル達がおもわず腕で光を遮るほどの眩い光を放つ。

 

そして、やがてその光は人の形へと変わり、徐々に光は消えて、その姿を露わにし、その姿にベリアルを驚愕させた。

 

ベリアル「何っ‼︎まさかお前は、俺⁉︎」

 

その正体は、闇に堕ちる前のウルトラ戦士だった頃のベリアルに酷似していた。

 

ベリアル・アーリースタイル・クローン(以降:ベリAK)「そうさ、悪に堕ちた俺。俺はレッドマンから採取されたお前のウィルスを光の力に変え、作り出されたお前のクローンだ。」

 

ベリAKの発言に全員目を丸くした。

 

グリーザ「エッ?堕ちたって、どういう所に落ちたの?」

 

ミヤ「いや、そっちの落ちたではないかと。」

 

ベリアル「あいつの言ってることをを真に受けるな。」

 

そう言うと彼は首を回し咄嗟にデスシウム光線を放つ。しかし、ベリAKも首を回し右手に緑色のエネルギーを纏い、手を十字に構え緑色の光線(以降:ライトニングスペシウム)を放ち、互いの攻撃がぶつかり合い、数十kmにわたる爆発が起こる。

 

爆発にその場にいた全員吹き飛ばされそうになるが何とか堪える。爆煙の中でベリアルの目が禍々しく光り、足で地面を強く押し、その勢いでベリAKの元まで飛び立ち、ベリアルクローを振るう。

 

しかし、ベリAKはそれを難無く避け、腹に蹴りを入れ、ベリアルを後退させる。その隙を突こうとベリAKは腕を交差させるとベリアルクローを思わせる緑色の爪(以降:ライトクロー)を生やした。

 

ベリAKはライトクローを突こうとするが、ベリアルはそれを腕を掴むことによって防ぎ、ベリアルもお返しにとベリアルクローを突こうとするが、ベリAKもベリアルと同様な方法で攻撃を防ぐ。

両者は取っ組み合いになり、お互いを睨む。

 

ベリアル「俺のクローンとかでかい口叩いた割には大した事ねえな。」

 

ベリAK「そっちこそ、もっと本気を出したらどうだ。」

 

お互いを挑発し、両者はそのままの状態で駆け出すと、猛スピードで飛び去って行った。

 

Dナース「ガアアァァァアァァア」

 

すると、Dナースは咆哮を上げ、尻尾を振るうが、その攻撃をEXゴモラが受け止める。しかし、Dナースは目からデストロイサンダーを放ち、攻撃を仕掛けるがジャタールがヒッポリトビームを放ち、相殺させる。

 

ジャタール「凄い。これがダークサンダーエナジーで強化された力。感謝しますよグリーザ様。」

 

そう言うとジャタールは宙に浮き、瞬時にDナースの周囲を翻弄するように飛び回り、ヒッポリト・フャイヤーボムを放つが、Dナースは何事も無かったようにジャタールに突進しようとするが、尻尾を掴んでいるEXゴモラがDナースを振り回すことにより、突進を中断させる。

 

しかし、Dナースは槍のような尻尾の先端から赤い光線(以降:デストロイ光線)を放つ。

 

EXゴモラ「ウォギャォォオオォォン」

 

デストロイ光線を浴びたEXゴモラは吹き飛ばされ、ビルを倒壊させる。更にDナースは狙いをジャタールに定める。すると、体の一部の部位が穴が開くと、そこから無数のミサイルを発射する。

 

ジャタール「ホォー、そう来たか。」

 

ジャタールはミサイルを次々に避けるが、追尾型のミサイルのためすぐに追ってくる。しかしジャタールは余裕の笑みを浮かべると、上空に向かい加速を上げミサイルとの距離を広げる。

 

そして、ジャタールは急降下をし、Dナースがいる方向へとミサイルを誘導する。だが、Dナースもただ見てるだけではなく、何と手を猛スピードで伸ばし、ジャタールを捕まえる。

 

ジャタール「パワーアップした私をナメるな!」

 

そう言うと彼は力ずくで拘束を解こうとする。すると、Dナースが握っている手がどんどん開かれてく。だが、Dナースは手から電流を流す。

 

ミヤ「ジャ、ジャタールさんを離しなさい!」

 

震えながらもミヤはそう言うとマリナとアロアの円盤と並ぶと、レーザーシュートを放つ。しかし、Dナースは何事も無かったように佇んでいた。その様子に彼女らは驚愕した。

 

彼をミサイルの大群に投げ飛ばす。彼にミサイルの雨が降り注ぎ、爆煙が生じる。更にDナースはデストロイサンダーとデストロイ光線で追い打ちをかける。

 

爆煙の中からジャタールは墜落して、地に叩きつけられる。フラフラになりならがらも彼は体を起こし、体勢を整える。

 

ジャタール「なかなか手強い奴だな。マベル、ビームサーベルを貸してくれ。」

 

マベル「それが、今手が離せないんです。」

 

マベルが今手が離せない理由は、セブン戦っているからだ。

 

【BGM:ウルトラセブンの歌】

 

セブン「デュワッ」

 

掛け声を上げ、構えるとセブンはダズの腹にヤクザキックを浴びせ、彼を怯ませせるとアイスラッガーを構える。

 

ダズ「おのれ、セブン。」

 

マリナ「セブン‼︎」

 

ミヤ「セブン。」

 

アロア「セブン。」

 

ジャタール「セブン!セブン!セブン‼︎貴様、邪魔立てしよって!」

 

セブンは駆け出すとアイスラッガーでダズを切り裂こうとするが、マベルが両腕にマグマサーベルを取り出し、それを受け止める。

 

だが、セブンは逆水平チョップをかまし、マベルを後退させる。更にセブンはアイスラッガーを頭に戻し、追い打ちにとエメリウム光線を放つ。

 

マベルはエメリウム光線をマグマサーベルで受け止めるが、何とマグマサーベルは爆散してしまい、その衝撃でマベルは吹き飛ばされ、地に叩きつけられる。

 

ダズ「よくも、マベルをやってくれたな。これでも喰らえ!」

 

そう言うと彼は光線銃を取り出し、その光線銃をバズーカに変形させると、巨大な光弾を発射した。

 

セブン「ダァァァァァァ!」

 

掛け声を上げると、アイスラッガーを投げ飛ばし、光弾を切り裂く。だが、それだけは終わらずアイスラッガーはダズの左手を切り落とした。

 

ダズ「グアアアア!!!!」

 

激痛が走り、叫び声を上げ血が垂れる。

 

セブン「見てくれてるか?グリーザ。」

 

自分をアピールするセブンだが、グリーザはミヤの円盤に乗っており、更にはダズ達の事を気にかけているため、全くもって見ていない。

 

セブン「畜生!こうなったら、てめーらで八つ当たりだ!」

 

そう言うと彼は彼らににじり寄る。その様子を見て、焦り出す。

マリナ「まずい!あんた達出て来て!」

 

そう言うとマリナはキングパンドンとアロンのカプセルを取り出し、それを嵌め込むような窪みに嵌る。

 

すると、マリナの円盤から光が放たれ、そこから【双頭怪獣キングパンドン】と【豪力怪獣アロン】が現れる。

 

キングパンドン(以降:KP)「ガァアア!ガァアア!」

 

アロン「グォォアアア‼︎」

 

二体の怪獣は咆哮を上げ、威嚇する。

 

 

 

 

場所は変わって、ベリアルとベリAKはお互いほぼ同時に蹴飛ばし、赤い球体になると火花を散らしながら激突し合う。

 

やがて、戦いの場は溶岩地帯へと変わる。そしてベリアルはベリAKをマグマの中へと叩き落とした。しかし、マグマの中からライトニングスペシウムが放たれ、ベリアルは元の姿に戻り、マグマの中へと落ちていった。

 

体に着いたマグマを払い、佇んでいるベリAKを睨む。両者はファイティングポーズを取り、掛け声を上げる。

 

ベリアル「ヘアッ!」

 

ベリAK「シュアッ!」

 

両者は拳を握り締め、駆け出してお互いの顔に拳がぶつかる。

そしてベリAKはヤクザキックを浴びせ、ベリアルを後退させ、飛び乗って馬乗り状態になると、彼の顔を集中的に殴り続ける。

 

しかし、ベリアルはベリAKの腕を掴み右に転がることにより立場を逆転させた。そしてベリアルはトドメにとベリアルクローを生やし、ベリAKの胸に突き刺さうと腕を振り下ろす。

 

だが、ベリAKも咄嗟にライトクローを生やし、ベリアルクローを受け止める。するとベリアルは後ろに飛び跳ね距離を置いた。ベリAKも立ち直り体勢を整える。

 

両者は同時に駆け出し、爪で切り裂こうと腕を振う。赤い一閃が走り、互いの爪が砕ける。そして、ベリAKの顔の左側とベリアルの顔の右側に斬撃が走り、そこから亀裂が入り、それぞれ痛々しい傷が出来てしまう。

 

ベリアル・ベリAK「よくもやりやがったな!」

 

お互いに傷付いた箇所を押さえ、怒りの声を上げる。すると、両者はまた赤い球体になると何処かへと飛び去る。

 

 

 

一方、ジャタール達とセブン達との戦いを熾烈を極めていた。

 

KPは双頭撃炎弾を放つが、セブンはそれを難無く受け止める。しかし、背後からアロンが殴りダメージを与える。

 

セ「小癪な!」

 

彼はアイスラッガーを投げる。だが、KPはアイスラッガーをキャッチし、それを投げ返し、セブンにまたダメージを与えた。

 

 

Dナースはとぐろを巻いて円盤形態に戻ると、下部からエネルギー弾連射をし、更にミサイルとデストロイ光線を次々と放つ。

 

ジャタール「味方を巻き込むつもりか!?」

 

Dナースの攻撃が雨の様に降り注ぐ。セブンはウルトラバリヤーを展開し、攻撃を防ぐ。

 

KP「ガァアア!ガァアア!」

 

アロン「グォォアアア‼︎」

 

EXゴモラ「ウォギャオオォォン‼︎」

 

正しく死の雨が飛べないもしくは逃げ遅れた怪獣達に降り注ぐ。しかし、そこに攻撃を避けながらアロアとマリナの円盤が怪獣達に目の前に着くと、マリナはKPとアロンとマベルの前にアロアはダズとEXゴモラの前でバリヤーを展開し、怪獣達を守る。

 

ジャタール「いい加減にやめろ!」

 

彼はブレストクラッシャーを放ち、Dナースを止めようとするがそれでも効き目が無い。そしてDナースは咆哮を上げデストロイサンダーを放つが、ヒッポリトビームで相殺させる。

 

その隙にとミヤの円盤がレーザー光線がDナースの口の中に当たる。

 

Dナース「ガァアアアアア!」

 

すると、今までノーダメージだったDナースは明らかにダメージを受けている様子だった。その様子を見たジャタールは不信感を抱く。

 

場所は打って変わって、Dナースの攻撃が止み、セブン達はまた戦闘を開始しようとする。すると、それぞれの円盤の中にエスナのメッセージが鳴る。

 

エスナ「みんな、待たせてすまなかった。」

 

エスナの円盤は戦闘の場からおよそ500m離れた所に佇んでいた。そして、彼女は円盤のハッチを開けると、中からサイバーチックなバズーカ砲を取り出した。狙いをセブンに定め、粒子状のエネルギーが幾つも集まり、バズーカ砲から円盤よりも巨大な光線が発射された。

 

エスナ「我ながら凄い威力だ。」

 

しかし、バズーカ砲の威力が強すぎる余り狙いが逸れてしまい、なんと光線はアロンに直撃してしまい、アロンは消し炭と化した。

 

マリナ「アロン!」

 

マリナは仲間のアロンを失ってショックを受ける。しかし、一番ショックを受けたいたのはエスナであった。最愛の妹を失って、仲間を守る為に作った平気で仲間の一人を葬ってしまった事に唖然としていた。

 

エスナ「私は、ただみんなを守ろうと、ゼットンとの思い出の場所であるこの星を守ろうとしたのに、私は仲間を殺してしまった。」

 

全身の力が抜け、膝をついたまま固まってしまう。

 

 

場面はジャタール達の戦いに変わる。

 

猛スピードで彼は地上に降り立つ。

 

ジャタール「ゴモラ、協力してくれ。」

 

すると、彼はEXゴモラの耳元でゴニョゴニョ話す。EXゴモラは頷き、ジャタールはゴモラを抱え、飛び立つ。

 

ジャタール「お前達、いくぞ!」

 

そう言うと彼は猛スピードでDナースにと向かう。Dナースは迎え撃つ為に無数のミサイルを発射するが、ミヤの円盤から放たれたレーザーシュートにより全て爆発する。ジャタールは爆炎の中から飛び出し、尚進み続ける。

 

Dナースは彼らを確実に撃ち落とす為に、エネルギーを貯め、最大出力のデストロイ光線を発射した。彼も対抗し、ブレストクラッシャーとヒッポリトビームを同時に放ち、それを融合させ、ヒッポリトビームを纏ったブレストクラッシャー(以降:ヒッポリトクラッシャー)を放った。

 

デストロイ光線とヒッポリトクラッシャーがぶつかり合う。そして、徐々にデストロイ光線が押し上げると数十キロにわたる爆発が起きた。

 

Dナース「ガァアアアアア!!!!」

 

Dナースは勝利の雄叫びを上げる。すると、上空からEXゴモラのEX超振動波が一直線にと向かって来ていた。そして漸くDナースは攻撃に気づくも、時既に遅し。EX超振動波は奴の口の中へと入り、風船が膨らむみたいに少し膨らむとDナースは大爆発した。

 

 

地上にいる者達は、Dナースの撃破された事を確信すると喜びの声を上げた。

 

しかし、まだセブンが残っている事に気づくと全員身構える。そんな中、セブンはアロアの円盤を見詰めると瞬時にその場へと移動し、円盤を掴み上げる。

 

アロア「離して!」

 

すると、セブンは小声で何やら話し始める。

 

セブン「……………」

 

アロア「それは本当なの⁉︎」

 

セブン「本当さ。」

 

すると、背後からダズの光線銃の光弾が直撃する。流石にこれ以上は無理だと悟った彼は飛び立つ。それと同時にベリAKが赤い球体の状態で戻って来た。

 

セブン「その傷はどうしたのですか?ベリアルさん。」

 

ベリAK「気にするな。それよりも今回は撤退するぞ。」

 

ベリAKがそう言うとセブンも赤い球体になり、宇宙へと飛び去った。

そこに漸くベリアルは追いつき、逃げられた事を悟ると球体から元の姿に戻る。

 

ジャタール「どうしたのですか⁉︎そのお怪我は!」

 

上空から彼は話しかける。

 

ベリアル「今は面倒だから後でな。」

 

その後、彼らは基地に戻り、ベリアルはボロボロになっていながらも、料理(今回は親子丼)を作り、さっさと食べ終え、食堂を出て行った。

 

マリナ「エスナさん、アロンのことは気にする必要無いから元気出して下さい。」

 

基地に着いてからもまるで人形の様に全く喋らなくなり、まともに食事も取らずに、食事を出て行った。

 

ゴモラ「エスナさん、次頑張ろうよ。僕だって、最初はダークサンダーエナジーを使いこなせなかったけど、今はあの通り「ゴモラ。」ハ、ハイ?」

 

エスナ「あれは君だから出来た事なんだよ。もう私は何も出来ない。生きてる価値なんて無いダメな奴なんだ。」

 

そう言うと彼女は走り去って行った。

 

ゴモラ「さっきの戦いから、陛下とエスナさん全然話してくれなっちゃった。しかも、エスナさんに至っては生きてる価値が無いだなんて言ってましたよ⁉︎」

 

マリナ「どうすれば、どうすればいいの?」

 

彼女達は頭を抱えてしまう。

 

 

 

 

燃え盛る街の中心に一人の美女が仰向けの状態で倒れていた。その美女はなんとあのゼットンを思わせる格好をしていた。

 

エスナ「ゼットン⁉︎」

 

颯爽とエスナは美女の元へと走るが、突如目の前に爆発が起きる。やがて、爆炎が消えると美女の姿はゼットンの姿になっており、そしてその上にはベリアルが馬乗り状態で乗っていたのだ。

 

エスナ「えっ?陛下⁉︎」

 

すると、ベリアルはあろうかと突如ゼットンを殴り始めた。そして、今度はベリアルクローを生やすと、顔や胸を切り裂き始める。

 

エスナ「何をするのですか⁉︎何故ゼットンを殺そうとするのですか⁉︎やめて下さい‼︎」

 

しかし、ベリアルはエスナの訴えを無視し、尚且つ攻撃をやめない。

 

ゼットン「ゼッッットォォン」

 

ゼットンは助けを求めてるかのように声を上げた。

 

エスナ「ゼットン!!!!」

 

彼女はそう叫ぶと共にゼットンを助けようと手を伸ばす。しかし、いざ触れてみるとそこにあったのは、ベリアルでもゼットンでもなかった。

 

エスナ「これは、何?」

 

それは2mはある巨大な石でだった。それはとある“ストーンフリューゲル”と呼ばれている物だ。

 

 

 

 

 






ゼラス「次回は、なんと日常回だ!ベリちゃん達はウルトラ戦士達が来ない時はどうゆう感じに過ごしているのか?お楽しみに‼︎」






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エピソード11「ベリアル陛下の日常」

タイトルは「ベリアル陛下の日常」とは書いていますが、これ日常?と思っても、目を瞑ってください。


疼く。あの野郎につけられたこの傷が疼く。

 

ベリAKとの死闘によりおった傷を右手で押さえながら、ベリアルは言った。

すると、部屋にグリーザが入って来て、彼に話し掛ける。

 

グリーザ「ベリアル陛下?あ、いた。その傷本当に大丈夫なの?」

 

ベリアル「さっきも言っただろ。この傷はあいつらへの屈辱を晴らすまではあえて残す。」

 

グリーザ「そう。それじゃあ、おやすみ。」

 

彼女は布団にさり気なく入り、毛布を掛けて就寝に入る。ベリアルはもう言っても無駄だと思ったのか、特に何も言わなかった。

 

そして、ベリアルも寝ようと彼女が掛けている毛布の一部を取り上げ、就寝に入った。

 

因みに、流石に慣れたため体は何処も変化してない。

 

 

 

〜アルカディアスペースの光の国 王座〜

 

玉座は七つだった筈が八つに増えていた。そして、佇んでいるベリAKを父が玉座から立ち、紹介していた。

 

父「今日から新しい仲間となった、あの悪に堕ちた黒ベリアルのクローンのウルトラマンベリアルだ。」

 

ベリAK「よお、俺はウルトラマンベリアルだ。ケンの息子達って聞いたからどんなのかと思ったら、随分頼もしそうな奴らだな。」

 

エース「ゴメンあそばせベリアルさん。頼もしいって言ってくれたのは、嬉しいけど。私はこう見えて女なのですよ。ですから、息子達と娘って、言わないとダメですよ。」

 

ベリAK「そうか、それは悪かったな。」

 

そして、父は玉座に腰掛けると兄弟達はそれぞれ自己紹介をした。

 

タロウ「俺はウルトラマンタロウと申す。よろしく。」

 

エース「改めまして、私はウルトラウーマンエースでございます。」

 

ジャック「俺はウルトラマンジャックつうんだ。よろしくな。」

 

ハヤタ「私はウルトラマンハヤタと申しますwww.よろしくお願いしますwww.」

 

ゾフィー「自分は、ウルトラマンゾフィーという者です。これからよろしくお願いします。」

 

兄妹?達はそれぞれ自己紹介をし、この場にいる全員玉座に腰掛けた。

 

ジャック「父上。セブンは今回失敗したのだから、次は俺が言ってもいいよな?」

 

彼は父に聞くが、父は首を横に振る。

 

ジャ「何故ですか⁉︎」

 

父「今日は全員に休暇を与える。ジャック、お前は今のうちに作戦をもう一度練っておけ。」

 

ジャック「わ、わかりました。」

 

彼は渋々了解した。

 

ベリAK「今日は休暇か、だったら誰か俺の特訓に付き合ってくれよ。」

 

ゾフィー「でしたら、自分がやります。」

 

ベリAK「ホォー、お前が付き合ってくれるのか?俺と一緒に強くなろ ってやろうぜ。」

 

ゾ「はい‼︎」

 

そう言うと、ベリAKはゾフィーを連れ、何処かに行ってしまった。

 

 

 

 

 

〜少し前のこと〜

 

それは、ベリAKがこの宇宙の父と初めて会った時の事だ。

 

父「おお!ベリアル、遂に目覚めたのだな。」

 

ベリAK「ケン!起きたら急にお前の息子を名乗る奴に此処に行けって、言われて来たけどよ。此処は何処なんだ?」

 

父「おいおい、此処はプラズマスパークタワーだぞ。まあ、長い間眠っていたんだ。無理も無い。」

 

ベリAK「眠っていただ?」

 

父は彼に「お前は宇宙ガンという病にかかり、深い昏睡状態に陥ったたのだ。」と言った。だが、ベリAKはある不信感を抱いた。

 

父は自分が病気にかかったというが、ベリAKは自分が病気にかかった覚えはない。仮にもし自分が病気にかかったいたら、普通は病院で治療を受ける筈だ。

 

そして、ベリAKは父を観察していると、自分の知っているケンとは明らかに違う箇所を見つけたため、彼は自分の知っている父ではない事を確信する。

 

ベリAK「お前、ケンじゃねえだろ。」

 

父「何を言ってるんだ?私はお前の戦友である正真正銘ウルトラ星人ケンだぞ。」

 

ベリAK「いい加減にしな。つくならもっとマシな嘘をつけ。第一此処は俺の知ってるプラズマスパークタワーじゃねえ。」

 

父「何を言ってるんだ?何処にそんな証拠があるんだ。」

 

ベリAK「まず、色があからさまに違い過ぎる。リフォームしたとかふざけた事吐かすなよ。俺たちウルトラ星人の生命線である此処をそんなことする筈がねえ。それにお前、何で色が黒ずんでるんだ。」

 

今更だが、アルカディアスペースのウルトラマン達は我々が知っているウルトラマン達よりも赤色の部分が若干黒ずんでるのだ。隣に並んでいなければ分からない程の違いだが、ベリAKは父とは窮地を過ごした中であるため、父の姿はしっかり把握している。

父もこれ以上騙し通すのは無理だと判断した。

 

父「出来ればお前を傷つけずにこのまま行きたかったが、本当の事を言おう。その通りだ。そして、お前はお前が元いた宇宙からやって来たお前の本体から摂取されたウイルスから生み出されクローンだ。」

 

ベリAK「元いた宇宙に本体だ?てっことは、此処は別宇宙って訳か。ところでその俺の本体はどうゆう奴なんだ?」

 

父「残念な話だが、お前の本体は悪に堕ちてしまったんだ。」

 

ベリAK「悪に堕ちた⁉︎」

 

父「そうだ。お前の本体は力を求めるあまり、自分の国を…………親友を裏切ったんだ。」

 

父の言うことに、ベリAKはショックを受けた。

 

ベリAK「俺がケンを裏切った⁉︎デタラメ言うんじゃねえ!」

 

父「お前の気持ちは分かるが、本当のことだ。あの映像を見ろ。」

 

ベリAKは突然現れたモニターを凝視する。モニターには、禍々しい姿となったベリアルがギガバトルナイザーを振るい、ウルトラ戦士達を薙ぎ払っている映像が映っていた。

 

ベリAK「これが…………俺なのか。」

 

彼は映像を見て唖然とした。ベリアルが高笑いしながらギガバトルナイザーを振るい、ウルトラ戦士達を薙ぎ払う姿はまるで悪魔のようであった。

 

そしてモニターがプツンと切れると、ベリAKは拳を握り締める。

 

ベリAK「何やってんだ俺は、力に溺れたために、ダチを、愛していた女を、殺したのか。許さねえ。」

 

父「傷をついているところで申し訳ないが、私達は今お前の本体に狙われているんだ。」

 

ベ「何?」

 

父「奴は各宇宙に居る私達ウルトラ星人を根絶やしにする気だ。私では奴には勝てん。だから頼む、どうか我々と協力して奴を倒してくれ。」

 

ベリAK「いいぜ。しかし、お前は何も関わりのない俺を気遣ってくれるとは、別宇宙とはいえやっぱお前はお人好しだな。」

 

父「ハハハハッ。それは光栄だな。」

 

そして、両者は手を差し出し、握手を交わした。

 

〜そして現在〜

 

タロウ「父上、お聞きしたい事があるのですが。」

 

父「何だ?」

 

タロウ「あいつはいえベリアル殿は、別宇宙の父上との格差にプライドを傷つけられ、父上を見返そうとプラズマスパークに手を出したと我々は報告した筈ですが、先程父上がベリアル殿に告げていた事と我々が調べ上げた事と少々誤差があると思うのですが。」

 

すると、不敵な笑い声を上げた。

 

父「私が本当の事を言うと思うか?本当の事を言ったら、私の“愛する妻”を取られる可能性があるのでな。最初は危ない思ったが、別宇宙のあいつもこっちの言う事を簡単に信じてくれる“使える駒”である事は、変わりないようだな。」

 

そう言うと父は高笑いを上げた。その様子にハヤタとジャックとエースとタロウは戦慄させた。

 

兄弟達「恐ろしいお方だ・ねえ。」

 

 

〜惑星アルカディア 基地内 翌朝〜

 

朝食の時間になっても食堂にエスナの姿が見えないため、心配してマリナが様子を見ようと、エスナの部屋の前に行き、ドアノブに手を掛けドアを開けようとするが、鍵が掛けられており、ドアを開ける事が出来なかった。

 

マリナ「エスナさん、どうかしたのですか⁉︎アロンの事なら私は気にしてないから、お願いだから出て来て下さい!」

 

マリナは扉を叩き、叫んだ。すると、扉越しから小さな声が聞こえて、

 

エスナ「気遣いありがとう。でも、私は今一人で居たいんだ。朝食なら後でとっておくよ。」

 

マリナ「そう言っておきながら、昨日の夜から食事してるところを私は見てませんよ。皆んなと喋ろとは言わないから、せめて食事だけでもとってよ。」

 

エスナ「今の私が居たら、変な空気になって会話も楽しく無くなるだろ。お願いだから、私のことはほっといてくれ。」

 

マリナはこれ以上言っても無駄と悟り、エスナの部屋を後にし、食堂へと戻った。

 

 

〜食堂〜

 

ミヤ「マリナさん、エスナさんは大丈夫だったのですか?」

 

マリナ「今は何言っても聞く耳を持ってないわ。いちよう後で一人で食べると言ってたから、取り敢えず私達だけで食べましょう。」

 

そして、全員手を合わせて。

 

全員(一応ベリアルも言ってる)「いただきます。」

 

そう言うと、朝食に用意されていたホッケとみそ汁に白飯を食べ始めた。どれも絶品で皆美味そうに頬張る。因みにこれも全部ベリアルが作ったものだ。

 

後、ベリアルが「いただきます。」などと言いそうにないかもしれないが、ゴモラとかに「何で言わないの?」と聞かれるのを予想し、仕方なく言っているのだ。

⁇「驚きました。陛下がこれほどのものを作れるとは。王国に戻ったら、皇帝兼料理長とかやってみてはどうですか。」

 

ベリアル「そうだな、気が向いたらやってみるか。」

 

今ベリアルに料理長になる事を進めたのは、今朝突然やって来た赤髪と赤目の美青年だ。アロアの話によると知り合いの【赤井 文月(あかい ふみつき)】という人物だそうだ。

 

全員「ごちそうさま。」(しつこいようだがベリアルも言っている)

 

皆、朝食を食べ終わると厨房に行き、食器を洗った。因みに、今回は気が向いたのかベリアルも手伝ってる。(アロアと文月以外)

 

廊下に二つの足音が響き渡る。その正体はアロアと文月だ。二人は食堂から走っていた。そして、ある程度食堂から距離を置くと二人は止まった。

 

アロア「ここなら、誰もいないわ。」

 

文月「そうですか。」

 

アロア「あの時言った事は本当なんでしょうね。」

 

文月「本当ですよ。少しは私を信じてくださいよ。」

 

アロア「取り敢えず、私はあんたの手助けはしてあげるけど、口説くのは自分でやりなさいよ。」

 

文月「言われずとも分かってますよ。私もあなたの手助けはして上げますから、お互い頑張りましょうね。“エンペラ星人アロア”さん。」

 

すると、アロアはその美貌が台無しなるほどの殺気立った目で文月を睨み付けた。

 

文月「おっと、ここでその名前は口にしてはいけないんでしたっけ?申し訳ありませんwww.」

 

先程からもそうだが、口調こそ丁寧だが明らかに文月はアロアを小馬鹿にしている。それに苛立ったアロアは殺気立った目が光り出すと、文月の体が宙に浮くと、壁に叩きつけられる。

 

アロア「次そんな態度をとったら、殺すよ。」

 

並大抵な者ならこれだけで恐怖を抱くが、文月は余裕の笑みを浮かべる。

 

文月「いいんですか?今ここでそんな事をしてしまったら、奴等に感づかれますよ。そうなったら、恋人を救えませんよ。」

 

アロアは舌打ちをすると、目の輝きが消えた。

 

文月「まあ、力を失ったあなたの念力では、私を殺すのは無理でしょうけどねwww.」

 

アロアは彼の言葉を無視し、その場から離れた。

 

〜またもや食堂〜

 

アロア「たく、あいつ本当ムカつくわ!でも、これもあの人を救うための辛抱よ。」

 

彼女は自分にそう言い聞かせ、怒りを抑える。

そして、丁度皿洗いを終えて、ベリアル達は何やら話をしていた。

 

ゴモラ「陛下いや師匠、今日も修行に付き合ってもらえませんか?」

 

ベリアル「まあ、少しぐらいならやってやるよ。」

 

ゴモラ「ありがとうございます。」

 

ゴモラはお辞儀をしてお礼を言う。

 

グリーザ「じゃあ、私はタオルやお茶を用意しとこ。」

 

彼女は走って食堂から出ようとした。すると、アロアは後ろを確認して、何処から出したのかは不明だが、バナナの皮を取り出し、それを床に投げる。

 

そして、グリーザはバナナの皮を踏んで、転び落ちる。すると、そこに文月が走った来る。

 

文月「すみません。お手洗いに行ってたもので、皿洗いを手伝えn」

 

文月は走った勢いをすぐには止めれず、そのままグリーザと一緒に倒れてしまう。

 

ザンドリアス「二人とも大丈…………エッ⁇」

 

二人の様子を見ると、グリーザと文月は口が重ね合っていた。

 

ミヤ「いくら、事故とはいえ皆んなの前で(//∇//)」

 

グリーザがすぐに起き上がると、文月も起き上がり、何やら笑みを浮かべた。

 

文月「おやおや、申し訳ありません。事故とはいえ、あなたのファーストキスを奪ってしまい申し訳ありません。」

 

グリーザ「ファーストキスって、何?」

 

文月「簡単に言うと、異性いえば男性と女性かどちらかが、初めてキスした事を言うのですよ。」

 

グリーザ「それなら私ファーストキスじゃないよ。」

 

彼女の発言に文月だけでなく、この場にいる全員が驚いた。

 

ザンドリアス「グリーザさん、いったい誰とやったの?」

 

マリナ「まさか、マベルじゃないわよね!」

 

そして、全員がマベルを見つめた。

 

マベル「エッ?俺した覚えが無いぞ。」

 

グリーザ「大丈夫。この人としてないし、頼りない男とはしたくない。」

 

【チーン】

 

彼は壁に隅っこで体育座りをし、ブツブツ呟きながら落ち込んでしまう。

 

マベル「頼りない男頼りない男」

 

マリナ「それじゃ、ダズ?」

 

グリーザ「この人も頼りないから無理。」

 

【チーン】

 

ダズもマベルの隣に座り、マベルと同じ事を呟きながら落ち込んでしまう。

 

ダズ「頼りない頼りない」

 

マリナ「じゃあ、ジャタールwww.」

 

もはや面白半分でマリナは質問した。

 

グリーザ「頼りになるにはなるけど、顔が無理。」

 

【ドォーーン】

 

ジャタールもダズとマベルの隣に座り、ブツブツ呟きながら落ち込んでしまう。

 

ジャタール「顔が無理顔が無理」

 

マリナ「じゃあ、あれ?まさか、ベリアルと⁉︎」

 

グリーザはようやく頷いた。やはりと言うべきか、皆驚いた。特に文月に至っては、怒りのオーラを上げていた。だが、ベリアル本人は頭にハテナマークを浮かべていた。

 

ベリアル「いや、した覚えがねえぞ。」

 

グリーザ「まあ、寝てる時にやったから、覚えていないのは当然。」

 

ベ「ハッ?」

 

グリーザ「ちょっと前にエスナに貸してもらった小説でキスは甘酸っぱいみたいな事が書いていたから、本当にそうなのかベリアル陛下が寝てる間にしてみたの。」

 

ザンドリアス「で、その味の方はどうだったのですか?」

 

グリーザ「よくわかんなかった。」

 

【BGM:カイザーベリアルのテーマ】

 

ベリアル「お前、よくも」

 

すると、彼は周囲の空気を変える程のオーラを上げた。

 

ジャタール「あ、マズイぞ。あれが来る。」

 

落ち込んでいたジャタールは異様な空気を察知し、ベリアルの様子を見て、ガタガタと震え始めた。

 

ベリアル「よくも、俺の“初めて”を奪いやがったなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

彼は基地全体が揺れるほどの怒号を上げ、人間態の大きさのまま元の姿に戻った。

突然の事にジャタールとグリーザ以外アタフタし始めた。

 

ザンドリアス「ジャタールさん、ベリアル陛下どうしちゃったんですか?」

 

ジャタール「説明は後だ!取り敢えず、マベル、ダズ、我々で止めなくては!」

 

そして、ベリアルはグリーザににじり寄る。

 

ベリアル「お前、大事な時までにとってたのよ!俺はお前の興味本位で“初めて”を奪われたのかよ‼︎」

 

ミヤ「エッ!?陛下って、誰ともキスした事なかったのですか?」

 

ジャタール「実は言うと、それは私も初耳だ。」

 

すると、ベリアルはベリアルクローを生やし、右腕を振り上げ、振り下ろす。しかし、そこにジャタール右腕を掴み、ダズとマベルがしがみつき攻撃をやめさせる。

 

ジャタール「陛下、落ち着いて下さい!その、グリーザ様も悪気があった訳では無いのですから。」

 

マベル「そうっすよ。ファーストキスの一つや二つぐらい、取られたって何の問題も無いっすよ!」

 

ダズ「もしかしたら、これが新しい恋に繋がる可能性だって、あるかもしれませんぞ‼︎」

 

ベリアル「うるせぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

三人の言う事に聞く耳も持たず、ベリアルは彼らを薙ぎ払う。そして、彼は右手から赤黒いギザギザのリング状の光輪(以降:デスシウム光輪)を生じ回転させると、ゆっくりとグリーザににじり寄る。

 

その威圧感にマリナとエスナを除く女性陣は皆慄く。

 

グリーザ「その、ごめn「待って下さい。」ん?」

 

彼女が何かを言いかけると、目の前に文月が腕を広げて彼女を庇う体勢で立っていた。

 

文月「待って下さいよ、陛下。こんな美女とお互いファーストキス出来たのですから、寧ろ喜ぶべきですよ。そんなのにも気づかないだなんて、あなた相当アホですねwww.」

 

しばらくの間、沈黙が続くとベリアルは無言で腕を振り下ろした。

 

文月「えっ?」

 

彼は一瞬何が起こったのかが分からず、一瞬思考が停止した。そして我に帰り、恐る恐る顔を右に向けると、右腕が綺麗に切り落とされていたのだ。

 

文月「ギャァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

その刹那、文月の右腕があった箇所から燃えるような激痛が走った。

すると、文月は落ちた右腕を持って何処かへと走り去った。

 

アロア「(あのバカ!折角好感度上げるチャンスだったのに、何やってのよ!)」

 

腹の底で文月にアロアは悪態をつけた。すると、グリーザは何を思ったのか、ベリアルの目の前に自ら近づいた。

 

ベリアル「なんだ?態々自分からやられに来たのか?」

 

グリーザ「ベリアル陛下がそんなに起こるなんて思わなかったの。もう二度とやらない。本当にごめんなさい。」

 

彼女は頭を下げ、謝罪した。流石に、女に謝られて、それを許さないとなると、大人気ないと思ったのかベリアルは人間態に戻った。

 

ベリアル「まあ、アレだ。次からはせめて俺に許可を得てからやれよ。」

 

 

 

〜アルカディアスペース とある惑星〜

 

ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハ

 

何処かで聞いたことがある狂った笑い声が燃え盛る炎の中から木霊した。

 

レッドマン「やっぱいいですね!この快感、堪らない。」

 

彼は血塗れになり体の箇所が曲がってはいけない方向に曲がってるシーボーズの亡骸をうっとりして眺める。

 

⁇「お前がレッドマンか?」

 

彼は突然背後から声を掛けられ、構えを取り、背後に振り向いた。

 

レッドマン「おや?ゾフィー様とその連れの方は誰でしょうか?」

 

彼は自分に声を掛けた人物がゾフィーと共にいたことで、警戒を解いた。

 

ベリAK「俺はケン、お前たちで言うところのウルトラの父と同盟を組んだウルトラマンベリアルだ。」

 

レッドマン「ということは、あなたがベリアルじゃなくて、黒ベリアルのクローンなのですね。」

 

ベリAK「ああそうだ。お前のお陰で、俺は生まれたんだ。その礼を言う為にここに来たんだが、邪魔だったか?」

 

レッドマン「お気になさらず。寧ろ私で役に立てたのなら、光栄です。」

 

ゾフィー「なあ、レッドマン。取り敢えず、場所変えないか?俺には此処は耐えられん。」

 

ゾフィーは今にでも吐きそうなのか、口を押さえながら喋っていた。

 

まあ、無理もない。本来この星は怪獣達が暮らしている緑豊かな平和な星だったが、レッドマンの手によって、綺麗な自然は全部血で覆われてしまい、草木の匂いは鉄臭い匂いに染まってしまっているからだ。

おそらくいや絶対に我々みたいな地球人はその場にいるだけで嘔吐してしまう程だ。

 

ベリAK「取り敢えずこの星から出たら、手合わせ願えないか?」

 

レッドマン「私でよろしければ、喜んで。」

 

そう言うと、レッドマンは紫色の目を妖しく光らせる。

 

ベリAK「しかし、レッドマン。お前、怪獣を殺すのが趣味なのか?」

 

レッドマン「はい。あの活発な怪獣達が無残にも死んでゆく様は芸術そのものです。なんなら、ベリアルさんもやりますか?」

 

ベリAK「いや、遠慮しておく。」

 

レッドマン「そうですか。まあ、やりたくなったらいつでも申して下さい。どの殺し方が一番快感なのか教えてあげます。」

 

ベ「お、おう。」

 

怪獣殺しを熱く語るレッドマンにベリAKは若干引いていた。

 

ベリAK「なあ、ゾフィー。」

 

ゾフィー「何ですか?」

 

ベリAK「俺は本当にこいつによって、生み出されたのか?」

 

ゾフィー「残念な事に事実です。まあ性格はあれですが、頼りになる仲間ではありますよ。」

 

レッドマン「あれ?あそこにもまだ生き残りがいますね。すみません、先に行っておいて下さい。私はまだ殺り足りないので。ヒャハハハハハハハハハハ。」

 

また、あの狂気の笑いを上げ、走って行く。

 

ベリAK「宇宙ってのは、広いもんだなぁ。あんな奴が仲間になるとはな。」

 

ゾフィー「あ!そういえば、違う宇宙では性格はあのままで性別が変わってるレッドマンがいると耳にした事がありますよ。」

 

ベ「マジか。」

 

ゾ「マジです。」

 

 

 

〜惑星アルカディア 岩山〜

 

岩山の何処かから、三日月状の斬撃(以降:ベリアルリッパー)がEXゴモラに襲い掛かる。EXゴモラは高速回転し、ベリアルリッパーに突撃する。すると、ベリアルリッパーは爆発を起こし、EXゴモラは爆炎に包まれた。

 

しかし、爆炎の中からEXゴモラは元の姿で飛び出し、着地するとEX超振動波を放つ。そして、ベリアルも岩陰から颯爽と現れ、その直後にデスシウム光線を放つ。

 

互いの攻撃がぶつかり合う。だが、EX超振動波は徐々に押され、遂にはデスシウム光線をモロに受けてしまう。

 

ベリアル「今日のところはここまでだ。」

 

彼がそう言うとEXゴモラは肩から力を抜き、光に包まれると元の少女の姿に戻った。

 

ゴモラ「あーあ、また師匠に負けちゃった。悔しいな。」

 

ベリアル「お前が俺に勝とうなんざ、2万年いや4万年早えよ。」

 

ベリアルの言葉にゴモラはしょんぼりする。

 

改造ベムスター「ちょっと!幾ら陛下でもそこまで言う必要ないじゃない‼︎」

 

岩陰から現れた改造ベムスターはベリアルに文句を言い始めた。勿論、彼は彼女の話は一切聞いてない。そして、文句を言い終えた改造ベムスターは真っ先に用意していたタオルを取り、ゴモラの元に向かう。

 

改造ベムスター「ゴモ、お疲れ。今日も頑張ったね。」

 

ゴモラ「ベムありがとう。でも、できれば陛下にも用意してあげようよ。」

 

改造ベムスター「ああ、それならグリーザさんが用意してるから大丈夫だよ。」

 

確認してみると、グリーザがベリアルにタオルを渡していた。しかし、先程の事があってか、全然会話をしていなかった。

 

一息入れ、いざ基地に戻ろうとしたその時、突然ベリアルの目の前が真っ暗になった。気づくと彼は元の姿に戻っており、今にでも崩れそうなビルが幾多も並んでいる都市部の中心にいた。

 

ベリアル「この光景、まさか。」

 

ゼラス「やあ、ベリちゃん!お久ぶり‼︎」

 

案の定というべきか、背後に振り向くと、そこには彼をこの宇宙に導いたゼラスが立っていた。

 

ベリアル「今回は夢の中では、無いようだな。」

 

ゼラス「毎回夢の中だと飽きるでしょ?まあ、そんなことよりもベリちゃんあの娘が好きなの?」

 

ベ「はっ⁇」

 

ゼラス「だーかーら、ベリちゃんはグリちゃんのことが好きなんでしょ‼︎」

 

何を期待してるのか。物凄くキラキラした目でこちらを見つめてくる。血のような真っ赤な目で見つめられるのはなんとも不気味なため、ベリアルはかなり引いていた。

 

ベリアル「そんな訳ないだろ。」

 

彼は軽く流そうとするが、ゼラスはこの話をまだ続けようしている。

 

ゼラス「そんな訳ない訳ないでしょ!知ってるよ、君がいつもグリちゃんと寝てること。」

 

ベリアル「何故それを!?誰かに言ったりしてねよな!!」

 

ゼラス「安心して、言ってないから。それに言う人いないし。」

 

ベリアル「寂しい奴だな。」

 

ゼラス「さて、雑談はここまでにして、本題に入ろう。」

 

自分から振っといて、この変わり様にベリアルも動揺した。しかし、ゼラスはそんな彼に御構い無しに話を進める。

 

ゼラス「君はまず、超能力を上げることだね。君は技が少ないからね。取り敢えず、まずはこれから得よう。」

 

ゼラスは指を鳴らすと、彼の目の前に突然ブラックホールみたい穴が出現する。

 

ベリアル「何だこれ?」

 

ゼラス「これはね。あらゆるものを消滅させる空間の穴だよ。因みに、私をこれをバニシングゾーンって呼んでるよ。早速、君にこの空間を作る事ができる能力を授けよう。」

 

彼はまた指を鳴らした。

 

ベリアル「特に変化は無いが、本当にそれを出せる様になったのか?」

 

ゼラス「疑うのなら、念じてこの場で出してみれば、いいじゃないか。」

 

ベリアルは気合いを入れて、声を上げて念じる。すると、ゼラスのよりかは小さいがバニシングゾーンを出現させた。

 

ゼラス「まあ、これくらいあれば十分だね。じゃあ、早速こいつと戦ってもらうよ。」

 

また彼が指を鳴らすと、空に一つの黒雲が生じその中から、赤黒いエネルギーを纏った何かが降って来た。その衝撃で、幾つものビルが倒壊し、凄まじい土煙が上がる。

 

「ウォキャアァァァァァァン!!!!」

 

土煙の中から四つ目を光らせ女性の悲鳴の様な咆哮が鳴り響く。

やがて、土煙は晴れるとその正体が姿を現わす。

 

正体は案の定怪獣であった。無数の触手に覆われ、蛇のような物が複数巻きついた丸っこい体に四つ目のワニの様な顔が付いている怪獣だった。

 

ベリアル「何だ?こいつは。」

 

ゼラス「こいつは【超大魔王獣マガタノオロチ】ていう、怪獣だよ。勿論、私が愛情を込めて育てた怪獣だから、そう簡単に勝てる相手ではないよ。」

 

ベリアル「(確かに並みの怪獣とは比べ物にならない程の力を感じるな。)やってやろうじゃねえか。よおは、あの穴に奴を入れれば、勝ちなんだろ?」

 

ゼラス「まあ、確かにそうだけど、それじゃあつまらないから、“縛りタ〜イ〜ム”‼︎」

 

ゼラスがそう言うとベリアルの体が一気に重くなる。

 

ベリアル「おい!これはどういうことだ!」

 

ゼラス「こうゆうのは、縛りプレイをするともっと楽しくなるでしょう?だから、君は今10万tの重りを付けた状態で戦うということだね。」

 

ベリアル「お前、マジで悪魔だな。」

 

ゼラス「よく言われるよ。」

 

そして、ベリアルとマガタノオロチは死闘を繰り広げた。どうよう戦いになったのかは、また別の話でしよう。何故って?だって、これ以上書いちゃったら、先に進めないからだ。

 

 

 

 

ベリアルはマガタノオロチとの戦いでボロボロになっていた。気がつくとベリアルは先程飛び立とうとした場所にいた。実は先程ゼラスと一緒にいた空間での時間はこちらではまだ1秒も立っていないため、グリーザ達からすればベリアルは一瞬でボロボロとなったという感じになっている。

 

現にその事にはグリーザも驚いている。

 

グリーザ「あれ⁉︎ベリアル陛下どうしたの?なんかボロボロだけど。」

 

ベリアル「こんなの少し手当てをしたら直ぐに治る。気にするな。」

 

その後、基地に戻ったベリアルは至急手当てを受けた。傷は癒えたが完全ではないため、今回はしないことにする。

 

皆んなが何にしようかと悩んでいると、ベリアルはピザを要求したため、みんなでピザを作ることになった。

 

因みに、ジャタールとダズとマベルは生地を作ることと焼き上げる担当で、アロアとミヤが具材の盛り付け担当である。

 

そして、ジャタール達が運んだ生地をアロア達は盛り付けをし、ジャタール達がかまどに入れて生地を焼き上げる。香ばしい香りが広がり、待ってる者たちの腹の虫が鳴る。

 

ゴモラ「いい匂い、早く食べたい。」

 

改「そうだね。」

 

マリナ「グリーザちゃん、こうやって話すのは久しぶりだね。どうして今まで避けてたのかな?」

 

グリーザ「エスナ、助けて。」

 

エスナ「私には何も救えないよ。寧ろ、私が余計な事をやったら、みんなが傷つく。」

 

【シーン】

 

ベリアル「なんか、お前のせいで空気が悪くなっちまったじゃねえか!」

 

エスナ「そんなんだ、この世の環境汚染は全てのせいなんだ。やっぱり私って、生きてる意味無いな。」

 

そうこうしてると、焼き上がった皿に乗ったピザがテーブルの上に運ばれる。

 

アロア「お待たせ、ゆっくり召し上がれ。」

 

そして、全員手を合わせて「いただきます。」と言うと、皆んなピザを一つづつ取って、食べ始める。

 

グリーザ「陛下、これ美味しい。」

 

ベリアル「確かにそうだな。」

 

ゴモラ「陛下が作ったら、どんな感じなんだろ?」

 

ベリアル「気が向いたら、いつか作ってやるよ。」

 

ゴ「やった!」

 

改「よかったね、ゴモ。」

 

ゴ「うん。」

 

マリナ「ねえねえグリーザちゃん、後で一緒に作りましょう。」

 

グ「何もしない?」

 

マリナ「何もしないわよ。今は。」

 

グリーザ「えっ?今は?」

 

ベリアル「やめてやれ、怖がってんだろ。

 

マリナ「まったく、冗談に決まってるでしょ。さっきのは嘘だから、気にしないでね。」

 

皆んなが楽しく話し始め、ベリアルも自然と笑みがこぼれる。だが、彼はふと思った。

 

ベリアル「(こいつらは、俺が今までやってきた事を知ったら、一体どう思うんだ。今までのように、こうやって話してくれるのか?それとも、俺にこの星から出て行けって、言ってくるのか。)」

 

そんな事を考えながら、彼は食べ続けた。因みに、担当はちゃんと今食べてる者たちと交代してるのでご安心を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピポポポポポポポポポポポポポ ゼーットーン

 

暗闇で一つの紫色の光と二つの赤い光が輝き、電子音のような音が暗闇の中で木霊する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




三途リバーさん、ネタだけとはいえあなたのキャラクターを出させていただきありがとうございました。いつか、またネタとしては出てくるので今後もよろしくお願いします。



ゼラス「次回予告!!!!改造されたゼットンのデストロイゼットンちゃんが現る!ベリちゃんはベリアルウィルスで正気に戻そうとするが、闇トラマン兄弟の手によって、その手は通用しない。その時、ベリちゃんが取る行動とは⁉︎次回、“私にできること”。少しだけ期待してあげてね。」







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エピソード12「私にできること」

お知らせした通り、書き換えました。展開は結構変わりましたが、衝撃的な展開は前と同じです。これで楽しんでいただけたら幸いです。


後、話が変わりますが、自分は決してウルトラマン達のアンチではないですよ。敵にした理由はこうした方が面白いのでは、と思いやっただけなのです。
ウルトラマンシリーズはどの作品も自分は愛してますよ。




〜都市部〜

 

本来、今は朝である筈なのに夜のように真っ暗になっていた。

そんな中、ベリアルとゴモラとマベル達は立ち尽くしているベリAKとジャックを睨み合っていた。

 

特にゴモラに至っては、普段の(今は元の怪獣の姿とはいえ)純粋な少女とは思えない程の怒りの表情を浮かべていた。

 

そこにジャタールとグリーザにマリナ達が駆けつけた。すると、マリナ達もゴモラと同様に怒りの表情を浮かべた。

 

ミヤ「あいつは、あの時の。」

 

マベル「貴様!よく俺たちの前に堂々と現れたな‼︎」

 

ベリアル「何だ?お前達あいつになんかされたのか?」

 

マリナ「こいつはゼットンちゃんとエレキングさんを誘拐して張本人よ。」

 

ベリアル「そうか。戦う前に一つだけ聞くがゼットンとエレキングはもう殺したのか?」

 

ジャック「そんなの態々敵に教える程、俺はバカじゃねえよ。」

 

彼はネオバトルナイザーを出現させ、天に掲げる。

 

ジャック「出でよ。デストロイプリズ魔ァァァ!!!!(以降:DP魔)」

 

アァァァァアアアアアアアアア

 

女性の歌声のような音が闇に包まれた都市部に響き渡ると、空か、オーロラが現れると同時に霧が発生し、やがてその霧が晴れると、そこには80メートルはある凹凸状の紫色に輝いている結晶のような物が現れた。

 

ベリアル「意外なのが出て来たな。」

 

彼はクローを生やしDP魔の元まで走る。しかし、突然背後から何者かの火球が炸裂した。

 

ベリアル「チッ新手か。俺に不意打ちとはいい度胸だ……なんだと。」

 

彼に攻撃をしたのは、大きさこそ変わらないものの色が元の個体とは異なる【デストロイゼットン】(以降:DZ)だった。

 

顔の発光体が紫に胸の発光体が赤にそれぞれ発光しており、体の白い部分も青色になっており、元の姿とはかなり違う印象を受ける姿だった。

 

みんなゼットンの変わり果てた姿に唖然としていた。

 

マリナ「ゼットンちゃんなの。」

 

ミヤ「酷い、ゼットンさんと戦わないいけないだなんて嫌です!」

 

ベリアル「生きているなら好都合だ。姿が変わってるとはいえ、エスナの妹である事は変わらねえ。こっちに戻らせてあいつに会わせれば、あいつも戦闘に復帰するだろう。」

 

と彼はゼットンの元まで駆け出しとDZにクローを突き刺し、ベリアルウィルスを注入する。だが、DZを取られそうになっているのにも関わらず、彼らは何もして来ない。

 

それに違和感を感じた彼はウィルスを注入するのをやめ、試しに命令を下す。

 

ベリアル「……おい、俺と共に奴らを倒せ。」

 

だが、DZは微動も動かずそれどころか先程ベリアルにくらわせた火球を放たれ、彼はもろに火球をくらってしまう。

 

ベリアル「俺のウィルスが効かないだと⁉︎」

 

ジャック「いつまでも対策を取らない俺たちではないわ。お前のウィルスは例えこいつらを倒せても今後来るデストロイ怪獣にも一切通用せんぞ。」

 

ジャック達はベリアル達を高笑いを上げた。

 

ベリアル「めんどくせえ事しやがって。まずはてめぇから始末してやる‼︎」

 

彼はデスシウム光線を放つ。しかし、ベリAKがライトニングスペシウム(以降:Rスペシウム)で相殺させる。

 

ベリAK「俺がいることを忘れるなよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰かが目を覚ました。まだ寝ぼけているのか、周りの景色がボヤけていた。

彼女は、エスナは目を擦った。そして、彼女は自分が燃え盛る炎の様な空間の中にいる事に気がつき、驚きを隠せずにいた。

 

エスナ「ここは、いったい。」

 

その時、突如目の前にウルトラ戦士達が現れた。だが彼らはある一点の方向を向いていた。彼等が視線を向けていたのは、エスナが最愛に思ってるゼットンだ。

 

彼女は真っ先にゼットンの元に向こうとするが、別の方向でなんとボロボロになったマリア達にウルトラ戦士にトドメを刺そうとしていたのだ。

 

エスナは悩み出した。マリア達の方へと向かうかゼットンの方へと向かうかを。

 

エスナ「(どうすればいいんだ。どっちかを選ぶだなんて、私には)」

 

すると、彼女はある言葉を思い出した。

 

数時間前の事だ。実は彼女はみんなを足を引っ張っているという思いを抱き、そんな自分に嫌気が刺し自殺をしようとしていたのだ。

 

当然みんなでそれを止めようと必死に声を掛けた。その中でグリーザの言葉が今彼女の頭の中に走っていた。

 

グリーザ「貴女が貸してくれた小説に「あいつは死んだけど、子供達とこの場所。そして、俺があいつを忘れない限り、あいつはいつまでも生き続けている。」っていうセリフがあるの。

 

仮にゼットンが死んでても貴女やみんなが、そしてこの星がある限りゼットンはいつまでも貴女の中で生き続けると思うよ。

だから、生き続けようよ。」

 

 

 

彼女はゼットンを見つめた。すると、彼女は涙声を発した。

 

エスナ「ごめんね。」

 

そして、彼女はマリナ達の方へと駆け出した。

 

エスナ「ヤメロォォォォ!!!!!」

 

彼女が喉が潰れるのではないかと思う程の声を上げた。その瞬間に彼女は目を覚まし、ベッドから起き上がった。

 

エスナ「夢だったのか。」

 

そう言うと彼女は拳を握り締め、意を決して扉を見つめた。

 

エスナ「みんなの所に向かおう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベリアルvsベリAK

 

彼らは空へ飛ぶとベリAKがウルトラスラッシュと酷似しているカッター光線のライトギロチンを手裏剣を投げるように放つ。

 

ベリアルも負けじとベリアルリッパーで反撃。そしてベリアルリッパーがライトギロチンとぶつかり合うと突如爆発を起こした!

 

彼等の周囲が爆煙に包まれ互いが見えなくなる。しかし、ベリAKは体勢を直すとRスペシウムを放った。ベリアルも負けじとデスシウム光線を放ち、二つの光線がぶつかり合った。

 

 

 

 

 

DZvsEXゴモラ&マリナ&ダズ

 

DZは顔の発光体からデストロイサンダーで攻撃を仕掛けるが、EXゴモラが腕をクロスさせマリナとダズを守る。だが、DZは追い打ちに波状光線を放つ。しかし、それを円盤からのレーザーシューターとダズの光線銃の光線で相殺させる。

 

彼女らは、相手がDZである以上攻撃ができずに唯々攻撃を防ぐ事しかできなかった。

 

DP魔vsジャタール(ダークサンダーエナジーver)&ミヤ&マベル

 

ジャタールは早速DP魔にパンチのラッシュを仕掛けた。しかし、キンキンという音がするだけでダメージは見られない。あまりの硬さにジャタールは手を振って痛みを和らげる。

 

マベル「悪いが、俺はお前がどれだけ硬かろうが怖くないんだよ。」

 

彼はマグマサーベルをビームサーベルに変えるとDP魔に切り掛かるが、DP魔は中央の丸く盛り上がった部分から赤い光線(以降:Dプリズ魔光線)を放つ。

慌てて彼はビームサーベルでDプリズ魔光線を防ぐとビームサーベルはDP魔の中に吸収されてしまい、マベルは驚愕する。

 

DP魔「アアアアアアアアアアア」

 

今度はマグマサーベルを取り出して再び切り掛かるが、またもDP魔はプリズ魔光線を放った。空かさずマベルはそれを避けた。

そして光線はDZに向かっていたのだ。

 

すると、EXゴモラはDZの前に立つとEX超振動波で迎え撃ち。

DZ「ゼットーーン。ピポポポポポポ」

 

だが、DZはEXゴモラに光弾を放った。マリナ達はまた先程と同じやり方で相殺させようするが爆発を起こしてしまい、逆に視界を見えなくしまう。

 

DZは顔に腕をクロスさせ紫色の炎を生じると、それを火球(以降:デストロイ火球)として発射した。

デストロイ火球はEXゴモラに当たり、EXゴモラは怯んでしまうとEX超振動波が無くなり、Dプリズ魔光線を浴びてしまった。

 

EXゴモラ「ウォギャオォォォン」

 

弱々しい鳴き声を発すると、EXゴモラは光に包まれて少女の姿に戻り、倒れ込んでしまう。

 

 

ベリアル「ゴモラ!」

 

彼はデスシウム光線の出力を上げてライトニングスペシウムを押し返した。そしてベリアルは両腕を伸ばし掌を広げるフンッと力を込めると、なんとバニシングゾーンが現れベリAKを吸い込もうとした。

 

 

彼は必死に逃げようとした。その隙にベリアルはゴモラの元へと駆け寄り、彼女を拾う。

 

彼女の体は既に殆んどが結晶化しており、もう虫の息状態だった。

 

ゴモラ「師匠。僕、師匠の弟子でいれて良かったよ。」

 

ベリアル「バカ言ってんじゃねえ!俺の弟子はこんなもんで死ぬ程ヤワじゃねえぞ‼︎」

 

ゴモラ「僕のことを弟子だって思ってくれてたんだね。ありがとうございます。」

 

すると彼女は涙を流した。

 

ゴモラ「ベム、遊んであげられなくてごめんね。」

 

そしてゴモラは全身が結晶化すると、跡形も無く消滅してしまった。

 

皆、ゴモラが消滅してしまった事にショックを受けた。すると、ミヤの円盤から涙を浮かべているグリーザがベリアルの元に寄ってきた。

 

グリーザ「ベリアル陛下、大丈夫?」

 

ベリアル「お前こそ、泣いてるじゃねえか。」

 

グリーザ「ねえ、これが悲しみっていうの?」

 

ベリアル「そうだな。………なあ、グリーザ。」

 

グリーザ「どうしたの?」

 

ベリアル「やっぱり、俺が“誰かを傷つけずに守る”だなんて、無理だったようだ。」

 

グ「えっ?」

 

そう言うと彼は立ち上がり、DZを睨み付けると体の赤いラインと目が赤く輝き、地が揺れるほどの野獣のような雄叫びを上げた。

 

彼はDZの元まで走り出した。しかし、DZも負けじと光弾を連射するがベリアルは微塵もダメージを受けていなかった!

 

ベリアルはDZに殴りかかるがDZはテレポートで回避する。すると彼はデスシウム光輪を右手に生じる。

 

そしてDZが出現する場所を予測した彼は後ろ蹴りを仕掛けるが、また瞬時にテレポートで攻撃を回避する。

 

すると、彼はデスシウム光輪を何故か目の前に投げる。次の瞬間デストロイ火球を発射しようとしていたDZがベリアルの予測通りに現れ、デスシウム光輪がDZの左腕を切り落とす。

 

DZ「ゼットーーン!!!!」

 

左腕に突然激痛が走ったDZはその場に倒れ込む。そして、ベリアルは馬乗り状態でDZに乗り掛かるとひたすらに殴りかかった。

 

マリナ「ちょ、ちょっと何やってんあんた!何んでゼットンちゃんを襲ってんのよ‼︎」

 

ベリアル「ああん?うるせえんだよ!!!」

 

今度はクローを生やし、切り裂き始める。

マリナ達はベリアルを止めようとするが、いつも頼りになるベリアルとは一変したベリアルに威圧されて慄く。それにジャックまでもアタフタしていた。

 

ジャック「予定が全てパーだ。ベリアルさん、一時撤退しますよ。」

 

そこにバニシングゾーンからようやく逃げれたベリAKが来た。彼はジャックの提案に了解した。そして、ジャック達はDP魔を回収すると、上空へと飛び立った。

その際に都市部の暗闇が晴れたが、もう既に夕方になっていた。

 

 

すると、そこにエスナの円盤が来てしまった。

 

エスナ「みんな、待たせてすまなかった。えっ?もしかして、今ベリアル陛下が襲っているのは、ゼットンなのですか⁉︎」

 

ベリアル「エスナか?まあその通りだ、俺は今からこいつを殺す。」

 

彼はクローをしまうとまたひたすらに殴りかかった。

 

エスナ「あの時見た夢は、正夢だったのか。」

 

彼女がその様子に呆気に取られているとDZは胸の発光体を光らせるたと、なんと自分の分身を召喚した。ベリアルは軽く舌打ちをした。

 

ベリアル「チッ。流石に二人相手となると少し部が悪いな。」

 

エスナ「陛下!私にやらせて下さい。ですから、貴方は分身を倒していただけませんか!?」

 

ベリアル「……頼んだぞ。」

 

マリナ「エスナさん、どうして。」

 

仲間達が疑問に思ってるの中でも、彼女はゼットンを見つめた。

 

エ「ゼットン。」

 

そして、DZはテレポートで体勢を一瞬で立て直した。すると、DZはデストロイ火球をなんとマリナ達に向けて発射した。

 

エスナは慌てて、円盤を火球の近くに移動させるとレーザーシュートで火球の速度を落とした。

 

エ「今のうちに逃げて!」

 

マリナ「で、でも」

 

エ「速く行け!」

 

ミヤ「わ、わかりました。」

 

彼等はエスナの迫力に圧倒され、逃げ出してしまった。そして無慈悲にも火球は速度を取り戻し、円盤とマリナ達に向かっていた。

 

エスナは時間を稼ごうとレーザーの出力を上げた。

 

エスナ「ゼットン、私に君のためにも、君からこの星とみんなを守るために、君を倒す‼︎」

 

次の瞬間、彼女の目の前に短剣の様な物が現れると無意識で鞘を右手で抜き、短剣の本体を天に掲げると眩い光を放った。

 

火球は円盤を爆発させ、この星から離れた星を破壊した。

 

ミヤ・マリナ「エスナさぁぁぁん!!!」

 

マリナ達はショックのあまり叫んだ。マベルとダズとジャタールとベリアルも動揺した。

すると、DZはテレポートでマリナの円盤との間合いを詰めると、右手を上げチョップを仕掛けた。

 

マリナが目を瞑ったその時、突如巨大な光の柱が現れた!

DZも攻撃をやめてこの場にいる全員がその光の柱を凝視する。

 

やがて、光が消えると、そこにはウルトラマンネクサス(アンファンス)が右腕を天に掲げて佇んでいた。

 

この場にいる全員がネクサスの登場に警戒体勢をとった。

だが、ネクサスはいやエスナは自分がどうゆう状態なのか把握できておらず、辺りを見回しているとビルに夕焼けの光に照らされているアンファンスを凝視する。

 

ベリアルもネクサスを警戒するが、先程からの様子に違和感を感じていた。アンファンスの様子は遥か昔にM78星雲人がウルトラマンに初めてなった時の反応と同じであったからだ。

 

ベリアル「お前はエスナか?」

 

アンファンスは静かに頷いた。すると、マベルとダズはアンファンスの側による。

 

マベル「さっきは見てるだけですまなかった。」

 

ダズ「どうやってその姿になったかは知らんが。お主がゼットンと戦うのであれば、儂等も共に戦うぞ!」

 

しかし、アンファンスは手を出なという合図なのか右腕を彼等の前に出した。彼等も静かに頷くと円盤を守るためにそれぞれ円盤の前へと向かう。

 

ベリアル「ジャタール、お前もあいつらの元へ行け。こいつは俺一人で十分だ。」

 

ジャ「は、はっ!了解です。」

 

彼は敬礼すると、ダズ達の元へと走る。

 

【BGM:ネクサスーHeroic】

 

アンファンス「ショアッ」

 

アンファンスは土柱を立てながら走り出すと、跳び上がりDZの胸を殴ろとするが、テレポートで避けられ、背後に現れるとそのままアンファンスにヤクザキックを入れ、アンファンスを後退させる。

 

しかし、体勢を直しアンファンスも負けじと体を光らせると目にも留まらぬ速さで高速移動をして、DZの間合いを詰め取っ組み合いとなる。すると、アンファンスはそのまま巴投げしてDZにダメージを与えた。

 

その隙にアンファンスは抜刀の様なポーズを取り、腕を十字に構えアンファンスの必殺光線クロスレイ・シュトロームを放った。

DZはテレポートで体勢を整えると、右腕でクロスレイ・シュトロームを吸収した。

 

そしてDZは右腕を突き出し、波状光線を放とうとしたその時、なんと自分の頭を抑え始めた。

 

アンファンス「ショアッ‼︎」

 

アンファンスはいやエスナは気づいた。まだゼットンの自我が残っていたんだ。

 

DZ「ゼットーーン。ピポポポポポポ」

 

自分を殺してくれ。アンファンスは確かではないが、ゼットンがそんな事を言っている気がした。

 

そしてアンファンスはゼットンを見詰めると、全身が光り出した。やがて光が晴れるとそこには先程とは違う姿のネクサスがいた。

 

今の姿をわかりやすく言うと、ジュネッスのが赤い部分が緑色になり、黒いラインが黄色になっていた。

このネクサスの名は【ウルトラマンネクサス ジュネッスグリン】と言ったところだろうか。

 

ジュネッスグリン(以降:ジュネッスG)は、右腕を前に出して掌をDZに向け、掌から緑に輝く粒子(キャニング・コンフォート)をDZに浴びせる。

 

すると、DZは徐々に力が抜けているのか、フラフラと体が揺れていた。そしてジュネッスGは右腕から緑色の光の帯キャッチングビュートでDZの縛り付け動きを止めた。

 

すると、ジュネッスGは目から水色の粒子を放出し始めた。それはまるで泣いている様に見えた。

 

そしてジュネッスGは目を拭い、両腕を下方に交差させ、ゆっくりと広げエネルギーを生み出し、腕をL字に構える。すると、虹色に輝く光線【ヒール・シュトローム】をDZに向けて発射した。

 

DZはそれをゼットンシャッターと酷似したデストロイシャッターで防ごうとするが、なんとヒール・シュトロームはデストロイシャッターをすり抜けてDZに直撃した。

 

その様子に、マリナ達はジュネッスGを止めようと必死に声を掛ける。

 

ミヤ「エスナさん!やめて下さい‼︎」

 

マリナ「まさか、あれ程大事に思っていた妹を自分の手で殺すのですか⁉︎」

 

しかし、ジュネッスGはそれでも攻撃を止めようとはしない。その様子をベリアル達は唯々見ることしかできなかった。

 

ゼットン「ゼットーーーーン。」

 

ゼットンは叫ぶと爆散した。悲愴なる戦いは終わった。普段なら歓喜の声が上がっている状況だが、誰もその気になれなかった。

その時、ジュネッスGの体が光り出した。

 

エスナが目を開けると、彼女は光り輝く空間に浮かんでおり、目の前にいるネクサスを見上げていた。

 

エスナ「ありがとうございます。貴方のおかげで、私はみんなを救うことができました。」

 

ネクサスは頷くと全身が光り、周りの空間も視界が見えなくなるほどの光を放った。

 

光はエスナを残して飛び立った。

 

 

 

一方、ベリアルは何やら落ち込んでいた様子で彼女達を見ていた。彼女達もベリアルの様子に気がつくと、彼女達はベリアルのそばによる。

 

マリナ「どうして、どうしてあんな事したの?答えてよ!」

 

ベリアルは彼女の問いに答えず、無言のままでいた。

 

すると、高笑いをしながらまたベリAKが現れた。

 

ベリAK「そりゃそうだろうな。今まで、そうやってやってきたんだからなぁ。」

 

マベル「えっ?」

 

ダズ「今まで、こうやってきたじゃと⁉︎」

 

ベリAK「どうやら、お前ら何も知らないでそいつと一緒に居たんだなぁ。なら教えてやるよ。」

 

ジャタール「止めろ‼︎」

 

ジャタールはベリAKを黙らせようと飛び立つが、ベリAKはそれでも喋り続ける。

 

ベリAK「そいつは、別の宇宙の出身の正義のウルトラ星人にして、自分の欲望のあまり悪に堕ちた奴だ!」

 

マリナ達はベリAKの言葉に驚愕した。

そして、ジャタールはタールハンドでベリAKをブロンズ像にしようとするが、ベリAKは腕からイナズマ状の光線スペシウムサンダーをジャタールに浴びせる。

 

ジャタール「アババババババババババ」

 

彼は煙を上げて地へと叩き付けられる。

 

ベリAK「そいつは何の罪も無い奴らを虐殺しては、あらゆる者を力と恐怖で支配してきた奴だ。大方、お前らもそいつに利用されたんだよ。」

 

ミヤ「ベリアル陛下がウルトラ戦士達と同じ事を。そんなデタラメ誰が信じるものですか!」

 

マベル・ダズ「そ、そうだ/そうじゃ‼︎」

 

ベリAK「信じないのは勝手だ。だが、そいつの反応を見れば、一目瞭然だと思うがな。」

 

そう言われベリアルの顔を見ると、彼は何も言い返せず無言でいた。

 

ベリAK「フッハッハッハッハッハ。お前の計画もこれで終わりだな。」

 

そう言うと彼は赤い球体となり、飛び立った。

 

マベル「ベリアル陛下、どうなんですか⁉︎答えて下さいよ‼︎」

 

ミヤ「さっきウルトラ星人が話していた事は本当なのですか⁉︎」

 

ベリアル「(もう、無理な様だな。)」

 

二人の質問に彼は頭の中で思った。

 

すると、ベリアルは突然笑い声を上げ始めた。

 

ベリアル「ああ、その通りだ。俺はあいつの言う通り、別宇宙では力と恐怖であらゆる者を支配してきた恐怖の銀河皇帝ベリアルだ!」

 

皆、彼の言葉にショックを受けた。それでも尚ベリアルは喋り続ける。

 

ベリアル「お前達のことも、役に立ちそうな奴等だと思っていたのだが、こうなった以上ここに用は無えな。あばよ。」

 

彼は笑い声を上げ続け、赤い球体となり何処かへ飛び去った。

 

ジャタール「へ、陛下!待って下さい‼︎」

 

彼も緑の球体となり、ベリアルの後を追う。

そして、グリーザはベリアル達が行った方向とマリナ達の方をどっちにしようかなという感覚で交互に見て、彼女はマリナ達にお辞儀をすると、紫の球体となり飛び去ったいった。

 

マリナ達はその様子に唖然としながらベリアル達が行った方向を見続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ゼラス「次回予告!!!遂にベリちゃんがやってきた悪行がマリナちゃん達に知られてしまった‼︎一体どうなってしまうのか⁉︎次回をちょっとだけ楽しみにしてあげてね。後、実は予定を変更してある戦士達が登場するよ。」


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エピソード13「皇帝の悩み」

今回は戦闘短めで会話ばっかりです。


突然だが、アルカディアスペースとはまた違う宇宙にある、とある惑星の現状を教えよう。

 

草木は燃え、水は枯れ、地は真っ二つに割れて、都市部全てが焼き尽くされていた。

そんな惑星の空である者達が激闘を繰り広げていた。

 

一人は、我等のウルトラ兄弟の末っ子のおそらく最強形態の【ウルトラマンメビウス フェニックスブレイブ】(以降:メビウスFB)がメビウスブレードを構えていた。

 

もう一人は、鎧のような黒い外骨格にその溝にある金色の体が輝いており、背にはおよそ10個はある黒く金色のラインがあるアイスラッガーが羽のように浮かんでおり、マッシブな体型とその胸には金色に輝くカラータイマーがある、その名は【ウルトラダークキラー デルタ】だ。

 

デルタは、腕からメビウスFBに向けて破壊光線を発射した。

しかし、メビウスFBはメビウスブレスを光らせるとメビウスブレードを星をも凌駕する大きさの炎の剣(以降:フェニックスブレード)を生じ、それを振るいデルタを切り裂いた。

 

デルタ「グァアアアアアアア‼︎」

 

彼は苦痛のあまり叫び出した。しかし、メビウスFBはデルタにトドメを刺そうと、ブレスにフェニックスブレードを収納させ、自身の肉体をエネルギーに変換し、炎の様な姿(以降:メビュームフェニックス)になり、デルタに突撃した。

 

メビュームフェニックスはデルタの体を貫いた。そしてそのままメビウスFBは惑星から少し離れると、体を元に戻してメビュームナイトシュートを惑星に直撃させた。

 

すると、爆炎の中に包まれたデルタは一粒の涙を流した。

 

デルタ「すまない。この宇宙を守れなかった。」

 

惑星はウルトラダークキラー デルタを巻き込んで大爆発を起こし、跡形も無く消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルカディアスペース 光の国 王座

 

八つの玉座に五人のウルトラ戦士達が腰掛けていた。

 

ハヤタ「セブン兄さんどうしたんですか?その包帯www.」

 

ハヤタは挑発的な態度でセブンに質問した。

セブンは今この星で使われている、身につけている箇所の傷を癒す包帯を腕に巻いていた。

 

セブン「これは、その、新しいファッションだ。」

 

ハヤタ「アハハハハハハハハ。今の聞きました?言い訳だっさwww.それで、よくあのグリーザを口説こうとしてますねwww.」

 

ーーーーーープチンーーーーーー

 

その時、セブンの何かが切れた。

 

セブン「お前、いい度胸だな。そんなに、俺に殺されたいか。」

 

ハヤタ「嫌ですよ。貴方に殺されるぐらいでしたら、ゴキブリに殺される方が、マ・シ・ですよwww.」

 

そして、両者は立ち上がると取っ組み合いの喧嘩をしだした。

その様子を見て、エースとタロウは呆れていた。

 

エース「まったく、どれだけ仲がいいのかしら。」

 

タロウ「せめて、外でやってくれないか。」

 

すると、カラータイマーが鳴る音が王座に響き渡る。因みに、ハヤタとセブンは喧嘩に集中しているため、まったく音に気づいていない。

 

父「ほう、メビウスの奴、任務を遂行したようだな。」

 

エース「えっ?メビウスお兄様から通信が来たのですか⁉︎」

 

父が腕を振るとモニターが現れ、そこには先程戦いをしていたメビウスFBの姿が映っていた。

 

メビウスFB「父上、そして我が兄妹達よ。久しいのう。」

 

話が少し変わるが、我々が知っているメビウスは末っ子というイメージが強いため、いささか頼りない印象(あくまでもウルトラ兄弟の中で)があるかもしれないが、アルカディアスペースのメビウスはそれとは打って変わって、長男ということもあり威厳に満ち溢れていた。

 

エース「キャアアアアアア!メビウスお兄様!♡」

 

タロウ「………お久しぶりです。メビウス兄さん。」

 

父「こうやって通信を送信したということは、ちゃんと任務を遂行したのだな。」

 

メビウスFB「当然です。余にかかれば、あの様な星にいる生命体を根絶やしにすることなぞ、造作もない。」

 

父「流石はウルトラ兄弟の長男だ。では早速だが、こいつらを黙らせろ!」

 

ハヤタとセブンは今だにメビウスFBに気づかず、喧嘩をしていた。

 

メビウスFB「くだらん争いはやめい‼︎ハヤタ!セブン!」

 

彼が一喝すると、二人は喧嘩をやめて、ようやくモニターに映っているメビウスに気づいた。

 

ハヤタ・セブン「メビウス兄さん⁉︎も、申し訳ありません。」

 

コンマ数秒の間も無い程、一緒の事を言った両者はまた睨み合うとするが、今そんな事をしたら無事ではすまないと悟った両者は堪えた。

 

メビウスFB「ようやく気づいたか。まあ、特別に許してやろう。」

 

ハヤタ・セブン「ありがとうございます。」

 

父「まあ、何はともあれご苦労だった。褒美として貴様に少しだけ休暇をやろう。」

 

メビウスFB「では、ありがたく休暇を楽しませてもらうとよう。」

 

プツンッと通信を遮断すると、急にため息を吐いた。

 

メビウスFB「休暇と言っても、 余は特にする事がない。まあこの宇宙にも星々は腐る程ある。暇潰しにこの宇宙を星全てを根絶やしにしてみるか。」

 

ガッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ

 

彼は高笑いを上げ、その笑い声をこの宇宙に響き渡らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜惑星アルカディア 都市部〜

 

マリナ達は唖然としながらベリアル達が飛び去った方法を見つめていた。

 

エスナ「みんな、しっかりしなよ。」

 

突然、何食わぬ顔で背後からエスナが声を掛けて来た事に皆が驚いた。

 

エスナ「そんなビックリする事ないじゃないか。まあ取り敢えず、私はゴモラゼットンの肉片が無いか探すけど、君達はどうするんだ?」

 

彼女がそう言うと、暫しの間沈黙が続く。そして、マリナは拳を握り締めると意を決して、口を開く。

 

マリナ「エスナさん、どうして、ゼットンちゃんを殺したのですか⁉︎もしかして、さっきのウルトラ戦士かベリアルに操られていたのですか⁉︎」

 

彼女の問いにエスナは笑みを浮かべて答えた。

 

エスナ「そんな事は無いよ。あっ、さっきのウルトラ戦士、ウルトラマンネクサスは私の手助けをしてくれただけだよ。それに陛下にも、操られてはいないよ。」

 

マリナ「じゃあ、ゼットンちゃんを倒したのも貴女の本心のですか⁉︎」

 

エ「ああ、そうだ。」

 

マ「どうしてあんな事を。」

 

エスナ「私は気づいたんだ。例え、ゼットンが死んでもみんなやこの星がある限り、ゼットンは私の中で生き続けている。だから、私はゼットンからみんなを守った。それだけさ。」

 

ミヤ「マリナさん。」

 

彼女達はエスナの思いに涙を浮かべた。

 

エスナ「それに確信は持てないけど、多分陛下も同じ考えだったんだと思うよ。」

 

マリナ「えっ?」

 

エスナ「陛下ももしかしたら、みんなに嫌われてでも、みんなを守りたかったんじゃないかなって思うんだ。」

 

マベル「陛下が、俺たちを。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ベリAK達は惑星アルカディアの近くを浮遊している小惑星の上にいた。

 

ジャック「まさかあの状況を使って奴等の信頼を崩してしまうとは流石っすね。ベリアルさん。」

 

ベリAK「お世辞を言ったところで何も出ないぞ。まあいちよう褒め言葉して受け取っておくがな。」

 

ジャック「アザっす。しかしDZがやられたのはかなりのまずいっすね。」

 

ベリAK「ああ、ハッキリ言うと今の俺とあいつでは、実力は明らかにあっちの方が上だ。確実に奴等に勝つためにも他の兄弟達を呼ぶのはダメなのか?」

 

ジャック「ダメに決まってんだろ‼︎」

 

先程から自分よりも目上であるベリAKにジャックなりの礼儀で対応していたが、ベリAKの言葉にジャックは荒い口調を上げ怒鳴った。

 

しばらくの間、沈黙が続いた。

 

ジャック「俺たち兄弟は自分の手柄が欲しいんですよ。ですから、兄弟達と協力するだなんて、真っ平御免っすよ。」

 

ベリAK「じゃあどうするんだ?奴等の信頼は今は崩れているが、いずれ和解する可能性だって無くは無い。攻めるんなら、今がチャンスな筈だ。」

 

ジャック「あんたに言われたくてもわかってますよ。」

 

ベリAK「だがもし黒い俺が来た時のことを考えると、ハッキリ言って心許ない。いったいどうするんだ?」

 

彼の言う事は一理ある事はジャックも理解しているため、ジャックは考え込んでしまう。

 

ベリAK「そんなに自分だけが天辺取りたいのか。手柄を分け合うっていうのはダメなのか?」

 

ジャック「何度も言わすな!ダメに決まってんだろ‼︎」

 

彼の態度にベリAKは呆れて大きなため息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、先程ベリAKに自分のやって来た悪事をバラさられて、何処かへと去ってしまったベリアルをグリーザとジャタールは飛んで探し回っていた。

 

ジャタール「まったく、陛下は何処に行かれてしまわれたのやら。」

 

グリーザ「ジャタール。白いベリアル陛下が言ってた事って本当なの?」

 

ジャタール「(今更隠しても無駄か。)ハッキリ言ってしまうとその通りです。陛下は貴女と出会う前から我々と共に悪行を働いて来ました。」

 

彼はベリアルがこれまでしてきた事を正直に細やかに話した。

 

グリーザ「なるほど。そのゼロって奴も、一回ぐらい陛下に勝たせてあげたらいいのにね。」

 

ジャタール「まったくそうですよ。陛下がどれだけ努力しても、あいつが毎回邪魔するんですよ。本当に忌々しい奴ですよ。」

 

グリーザ「ねぇ、あなたを入れてそのダークネスファイブってどうやって出来たの?そもそもなんであなたは陛下に仕えてるの?」

 

ジャタール「少々長くなりますが、よろしいですか?」

 

グリーザ「わかった。だから早く教えてよ。」

 

ジャタール「ダークネスファイブはメフィラス星人魔導のスライああこいつの事はスライと呼んでやって下さい。陛下が提案して出来たチームです。」

 

〜回想〜

 

スライ「陛下のご命令により、これから私達五人でチームを組む事になりました。」

 

ヴィラニアス「成る程、その方が陛下をお守りするのもやりやすいかもしれんな。」

 

グロッケン「で、俺たちのチーム名とかは決まったのか?」

 

スライ「残念なことにまだ名前は決まっていませんね。」

 

グロッケン「じゃあ今決めようぜ。例えば、ベリアル親衛隊ってのはどうだ?」

 

ジャタール「随分、微妙な名前だなwww.」

 

グロッケン「うるせぇ!」

 

彼は怒鳴り声を上げると、ジャタールに向かって極低温度の息(以降:ヘルフローズンブレス)を吐いた。

 

ジャタール「ギャアアアアアア‼︎何もそこまですることないだろぉぉぉぉ!!!」

 

彼は氷漬けとなった。

 

スライ「私はそうですね。ダークキラーファイブってのはどうですか?」

 

グロッケン「ダークキラーってのは、どっかの怨念野郎と被るから却下だ。」

 

デ「ゴォォォォォォォ。」

 

デスローグは手を上げると、グロッケンの耳元でコソコソと話し始めた。

 

グロッケン「ん?何々えーとじゃあ、ダークファイブはどうだってか?」

 

デスローグ「」コクコク

 

グロッケン「悪くはねえかもしれないけど、なんかどっかの少女アニメの敵組織の幹部と被るから却下だ。」

 

ヴィラニアス「では、我輩達のそれぞれの名称を取って極暴魔氷炎ファイブってのはどうだ?」

 

ス「却下です。」

 

スライの発言にイラついたヴィラニアスはスライに向かって超高熱ビームを発射した。しかしスライが攻撃を避けてしまい、見事にジャタールに当たる。

 

ジャ「何でこうなるんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

彼は火を消そうとジタバタと暴れる。

 

ジャタール「ていうか、何気にヴィラニアスが私の名称をつけ忘れてる事には誰も突っ込まないかのか⁉︎」

 

ヴィラニアス「では、お前はどんな名を思いついたんだ?」

 

ジャタール「私の質問はガン無視かよ。まあ良い。勿論決まってるとも、その名もへルファイブだ!」

 

グロッケン「それお前がリーダーみたいな名前じゃねえかよ!」

 

ジャ「違うのか!?」

 

グ「当たり前だろ!」

 

ジャ「こりゃ、ショック。」

 

グ「んーー、ならベリアルファイブってのはどうだ?」

 

ス「陛下がメンバーの一人であるならば良いと思いますが、陛下が作り上げたとはいえ陛下はメンバーではありません。なので、その名は相応しくないかと。」

 

グロッケン「じゃあ、どうすればいいんだ?」

 

??「貴様ら!何をしてる!?」

 

突然後ろから声が聞こえ、彼等は背後に振り向いた。そこにいたのはワカメのような質感の紫髪、目玉焼きのような目、両腕が鋭利なハサミ、彼等が特徴的な宇宙人であった。

 

スライ「誰かと思ったら、ネスマリ星人ですか。」

 

ジャ「驚かせおって。で、こいつの始末は誰がやるんだ?」

 

デ「ゴォォォォォォ」手を上げている。

 

グ「じゃあ、頼んだぜ。」

 

ヴィ「ん?ダークファイブ。ネスマリ星人。」

 

すると、ヴィラニアスはひらめいたとわかりやすく左手を右手にポンと叩く。

 

ヴィ「さっきデスローグが言っていたダークファイブにネスを足して“ダークネスファイブ”というのはどうだ?」

 

グ「おおそれそれ!その方がしっくり来るな!」

 

ス「では、その名前で決まりですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜回想終了〜

 

ジャタール「という事があって、ダークネスファイブはできましたね。」

 

グリーザ「なんか、あなたひどい目にあってばっかだね。」

 

ジャタール「おお、陛下の次に私を気にして下さる方がようやく出てきた。」

 

ジャタールは感動のあまり涙が出そうになるが、グリーザはそんなジャタールに遠慮無しに質問を続けた。

 

グリーザ「で、どうしたジャタールは陛下に仕えてるの?」

 

ジャタール「長くなりますがよろしいですか?」

 

彼女は頷いた。

 

 

ジャタール「実はですね。私はこう見えてもヒッポリト星では中々の名家の生まれなんですよ。タールを使わなくても相手をブロンズ像にする事が出来る革命氏とまで言われていました。

 

ですが、私はその力を使えずにいたため、父は私の事を息子とは見てくれませんでした。そのせいで私は周りからバカにされましたよ。「名家の恥」「ヒッポリトの面汚し」とまで言われましたよ。

 

そして唯一の救いが母でした。母はよく私を慰めてくれました。

 

そんなある日のことです。母は私に「私をお父さんから助けて。」と言ってきたんです。私は最愛の母の為ならばと思い、不意をついて父を殺しました。

 

その後母の元に行ったその時でした。母は私に父を殺した事は全て私の意思だという濡れ衣を着せたんです。私が連行される時に母は私が知っている限りでは本当に嬉しそうにこう言われました。

 

「ようやく、ゴミ屑から離れられるわ。」

 

結局私は母から誰にも必要とされて、いやそれ以前に生きてることすら不快に感じられていたのです。その瞬間に私は絶望し、自分はもう生きている理由なぞ無い事に気付きました。

 

私は同族を況してや親を殺したという事で私は怪獣墓場でブロンズ像にされ、永久に死ぬ事すら許されないという刑を下されました。

 

そして怪獣墓場に連れられ、タールに閉じ込められたその時、陛下と出会ったんです。

 

〜回想 怪獣墓場〜

 

ヒッポリト星人A「お前も馬鹿な奴だな。愚かな母親なんて見捨てれば助かったのによ。あ、でもお前はそうでもしないと誰の役にも立たなくて、生きててもなんの価値もない奴だからなぁ。」

 

今ヒッポリト星人達はジャタールを除いて三人おり、そのリーダー格がバカ笑いを上げると後者の二人もバカ笑いを上げた。しかし閉じ込められてるジャタールは何も言わずに黙り込む。

 

ヒッポリト星人B「じゃあ、あばよ。出来損ないwww.」

 

ジャタールは自分がブロンズ像になると覚悟したその時、突然ヒッポリト星人達の頭上から赤黒い稲妻が降り注いだ。

 

ヒッポリト星人達「ギャアアアアアア!!!」

 

彼等は断末魔を上げながら跡形も無く爆発四散した。ジャタールもこの状況に驚きを隠せなかった。すると、雷鳴が轟き、空に青い稲妻が走ると、突如目の前に禍々しい黒い鎧アーマードダークネスを纏った者が現れた。

 

⁇「騒々しいと思ってきてみれば、ヒッポリト星人の仲間割れか。」

 

ジャタールは鎧を纏った者を凝視した。そしてその者の正体に気づいたのか、目をこすって彼を二度見した。

 

ジャタール「あんたは、ベリアル⁉︎」

 

ベリアル「やっと気づいたか。だが今の俺の名は【カイザーダークネス】だ。ところで、何故ヒッポリト星人がここにいるんだ?」

 

ジャタールはベリアルもといカイザーダークネス(以降:カイザーD)に全てを話した。

 

カイザーD「そんな事があったのか。で、お前はこの先行く宛はあるのか?」

 

ジャタール「私にはもう帰る場所は無い。それに生きてる価値すらないんだよ。」

 

カイザーD「それなら、これから俺について来い。」

 

ジャ「お前に?」

 

カイザーD「俺が全宇宙の支配を目論んでいることは聞いているだろ。」

 

ジャ「噂で聞いた事はあるな。」

 

カイザーD「そうだ。そこで俺は今優秀な部下を今集めているところなんだ。」

 

ジャ「いちよう言うが私は出来損ないだぞ。」

 

カイザーD「お前が出来損ないのかは俺が決めることだ。」

 

そう言うと彼は三つ叉の刃を両端に付いている槍ダークネストライデントをタールに突き刺し、タールを粉々にした。

 

ジャ「聞きたい事があるのだが、いいか?」

 

カイザーD「何だ?言ってみろ。」

 

ジャ「あんたはどうして全宇宙を支配しようとしてるんだ?」

 

カイザーD「俺が全宇宙を手に入れれば、あらゆる者共が俺にひれ伏す。そうなったら全宇宙は平和になるだろ。」

 

ジャ「じゃあ、あんたは平和の為に戦ってるのか?」

 

カイザーD「まあ、結果に的にそうなるな。」

 

ジャ「その考えが間違ってるとか、考えたことはないのか?」

 

そして、彼は断言した。

 

カイザーD「無いな。俺は、俺の考えが間違ってるなんて、一度も無いな。」

 

ジャタールはカイザーDから放たれる圧倒的なオーラに息を呑んだ。

 

カイザーD「そういや、お前の名前を聞いていなかったな。名はなんだ?」

 

ジャタール「ジャタール。ヒッポリト星人ジャタールだ。」

 

カイザーD「じゃあ期待してるぞ。ジャタール。」

 

私は陛下から感じたカリスマ性に惹かれ、あのお方に仕える事にしたのです。

 

グリーザ「ふーん、色々とあったんだね。ところで、さっきから陛下見かけないね。」

 

ジャタール「確かに先程から見かけませんね。」

 

グリーザ「だったら、手分けして探さない?」

 

ジャタール「では、そうしましょうか。」

 

二人は別れてベリアルを探す。

グリーザは海に浮かぶ島々を見渡す。そして、彼女は人間態になったベリアルを見つけた。

 

彼女はその島に降り立つと小走りをして、ベリアルの元へ行く。

 

グリーザ「陛下、こんな所で何やってるの?」

 

ベリアル「ん?何だ、お前か。少し考え事をしていただけだ。」

 

しかし彼の顔は悲しそうな表情を浮かべていた。

 

ベリアル「後でジャタールを見つけたら、すぐにこの星を出るぞ。」

 

グ「どうして?」

 

ベリアル「あいつらを守るだなんて、もうめんどくせえんだよ。とっととこんな所から出て行くぞ!」

 

グ「逃げちゃうんだ。」

 

ベ「ああん?」

 

彼女の言葉にベリアルはイラつき、怒りの表情を浮かべた。しかし、恐ろしい形相となっているベリアルに怯まずに喋り続ける。

 

グリーザ「何だか、今の陛下はまるでみんなから逃げてるみたいに見えたの。」

 

すると、ベリアルは右手でグリーザの首を鷲掴みにし、持ち上げた。

 

ベリアル「もう一度言ってみろ。その瞬間、お前を殺す。」

 

彼の発言は目を見れば明らかに本気なのが伺える。普通この状況なら誰もがベリアルに恐れて喋るのを止めるだろう。だがそれでも彼女は喋り続けた。

 

グリーザ「私を殺すの?私もゴモラみたいに死んじゃうの?」

 

ベリアル「そうだ。それが嫌なら、余計な口を叩くな。」

 

グリーザ「いいよ。陛下が私を殺したいのなら、それでもいいよ。」

 

ベリアルは彼女の言葉に目を見開いた。

 

グリーザ「ジャタールから聞いたよ。私達のような部下は貴方のために死ぬ事だって、聞いたよ。」

 

ベリアル「そうか。じゃあ、今すぐ殺してやるよ。」

 

グリーザ「別にいいけど、最後に聞いて欲しい事があるの。それだけで良いから言わせて。」

 

ベリアル「…いいだろ。最後の言葉ぐらい聞いてやるよ。」

 

そう言うと彼はグリーザを離した。

 

グリーザ「ありがとう。今の陛下はさっきも言ったけどまるで逃げてる様に見えるの。もしかして、マリナ達に何を言われるのかを考えたら、怖くなったの?」

 

ベリアル「……別に、そんなんじゃねえ。さっきも言った通り、もう飽きたんだ。やっぱ、俺が誰かを守るなんざ性に合わなかったんだよ。」

 

グリーザ「じゃあ、何でゼットンを殺そうとしたたの?」

 

ベリアル「そりゃ……ただ単に目障りだと思ったからだ。」

 

グリーザ「嘘つき。今言ってる事が全部本当なら、すぐに答えられるはずだよ。なのに、さっきから空いている微妙な間は何?多分考えてるから空いている間なんだろうけど、何で考えるの?私の言っている事が全部図星だから変な間が空くんでしょう?」

 

ベリアルは彼女の質問責めに黙り込んでしまう。

 

グリーザ「本当の事を言って。誰にも知られたくないのなら、誰にも話さないって約束するよ。だから、ベリアル陛下の本当の気持ちを言ってよ。」

 

ベ「……本当に誰にも言わないんだな。」

 

彼女は頷いた。

 

ベリアル「ハッキリ言っちまうと、お前の言う通りだ。俺はあいつらに何を言われるのかを考えたら、怖くなっちまったんだ。」

 

グ「何で怖くなったの?」

 

ベリアル「それはな。あいつらとのくだらねえ日常が過ごせなくなると思ったからだ。まあ、ゼットンを殺そうとした時点でもう二度とあの日常を送ることは無くなっちまったけどな。」

 

グ「どうして、もうマリナ達と一緒に暮らす事が出来ないの?」

 

ベリアル「そりゃあ、あんな事しちまって、しかも俺がこの宇宙のウルトラ戦士達と同じことをやってきた事が知られちまったんだ。流石のあいつらも俺にはもう会いたくないだろうよ。」

 

グリーザ「あいつらに悪いと思っているのなら、逃げずに目を合わせな。」

 

彼女の言葉にベリアルは見開いた。

 

グリーザ「前にベリアル陛下が私に言ってくれた事だよ。私もあの時にみんなと顔を合わせたくなかったよ。でも、ベリアル陛下が勇気付けてくれたから、私はみんなとまた目を合わせて話せるようになったよ。だから、ベリアル陛下もみんなと目を合わせようよ。」

 

ベリアル「さっきも言っただろ。流石のあいつらも今回ばかしは許してくれねよ。それに、俺はもう誰かを守れない辛さを味わうのはもうごめんなんだ。

 

結局、俺は何かを奪う事しか出来ねえんだよ!俺が誰かを守るなんざ無理なんだよ!」

 

彼がそう言うと、グリーザは首を横に振った。

 

グリーザ「そんな事ない。確かにベリアル陛下はそれこそ私から自由を奪ったけど、そのおかげで私はみんなと出会えて、今では楽しい思い出を作れてる。だから、無理なんて言わないで。 」

 

すると、彼女の言葉を聞いた影響なのか…ベリアルは笑みをこぼした。いつもとは違い、恐ろしい形相が何処か優しく見えた。

 

ベリアル「グリーザ、お前………ありがとよ。取り敢えず、マリナ達の所に行ってみるとするか。」

 

その言葉を聞いた瞬間に、グリーザも笑みを浮かべて頷いた。

 

グ「うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、小惑星の上でジャックはまだどうやって勝つかを考えていた。

そしてベリAKは

大きなため息を吐いた。

 

ベリAK「悪いがもう俺は降りるぞ。じゃあな。」

 

彼はそう言うと赤い球体となり、飛び去ってしまった。

 

ジャック「ケッ、老いぼれが調子に乗りやがって。しかし本当にどうするべきなんだ。」

 

頭を抱え考え込んだ。すると、突然モニターが現れ、そこに映っていたのタロウであった。

 

タロウ「ジャックよ、手間取ってる様だな。手を貸してやろう。」

 

ジャック「やめてくれ、俺は自分の手柄が欲しいんだよ!タロウの兄貴なんざ信用できねえよ。」

 

タロウ「そう言うな、安心しろ。手柄は全部お前のものだ。」

 

ジャック「手を貸すっつっても、いったい何をするつもりだ?」

 

タロウ「黒ベリアルがここにいる目的はどうやらあの者達を守るためにいるそうだ。その守る目的は奴らとの生活らしい。なら、奴等とは二度と生活を送らないようにすれば、奴もこの星から出て行くだろう。」

 

ジャック「しかし、いったいそんなことをどうやってやるんだ?」

 

タロウ「それは、こいつを使うんだ。」

 

タロウが指をさした先には、ウルトラホーン、アイスラッガー、プロテクター、ビームランプ、カラータイマーなどウルトラ兄弟達の特徴を肥大化させた外骨格の様な体をしており、ビームランプとカラータイマーの色が紫色になっており、両腕にアイスラッガーを装着しており、眼が赤い、禍々しいウルトラマンという表現がよく似合う姿をしている。

鎖で拘束されている、第一形態のウルトラダークキラーであった。

 

 

 

 

 

 

 

一方、ベリアル達はマリナ達がいる都市部へと向かい、飛んでいた。

 

ベリアル「そういやジャタールを見かけないが、いったい何処に行ったんだ?」

 

グリーザ「さっきまでは一緒に居たんだけど。まあ、そのうち戻ってくるんじゃない?」

 

ベ「それもそうだな。」

 

グリーザ「それにしても、ベリアル陛下も落ち込む事があるんだね。」

 

ベ「その事は絶対に言うなよ!」

 

グリーザ「はーい。あ、それってベリアル陛下と二人同士の秘密って訳ね。何だか得した気分。」

 

ベ「そうか?」

 

グリーザ「この前、エスナを貸してもらった小説は二人同士の秘密から恋が始まったの。これを読んで時から私も二人同士の秘密とかそういうのにちょっと憧れてたの。」

 

ベリアルは彼女の意外な面を知って、少し驚いた。

 

そうこうしていると、海の向こうから先程ベリアル達が戦っていた都市部が見えた。ベリアルは都市の中心に降り、マリナ達がいないか辺りを見回した。

 

ベリアル「おーい、マリナ、エスナ、ミヤ、ダズ、マベル、いるんなら出て来い。お前らと話がしたいんだ。」

 

彼は先程共に戦った者達(ジャタールは除く)の名を叫んだ。

すると、三機の円盤と巨大化したマベル達が現れた。

 

ベリアル「よお、お前ら。さっきの件について何だがな。」

 

彼が話をしようとしたその時。突如三機の円盤からベリアルに光弾が放たれた。

 

ベリアル「イッテ!さっきの事で話があるって言ってんだろうが!話を聞け!」

 

彼がいくら呼びかけても、彼女達は何も言わずに攻撃を続けた。

更に今度はマベル達も攻撃を仕掛けるが、ベリアルは後ろへと跳び彼等との距離を遠ざけた。

 

すると、グリーザが彼女達の円盤の前に現れた。

 

グリーザ「みんなやめて。今すぐ攻撃をやめてベリアル陛下の話を聞いてよ。」

 

グリーザの言葉を聞いた瞬間、彼女達は怒りの表情を浮かべた。

 

マリナ「ゼットンちゃんを殺しただけじゃなく、グリーザちゃんまでも操るだなんて。」

 

ミヤ「何て、卑怯なの。」

 

エスナ「グリーザ、今すぐ助けてあげるよ。」

 

グリーザ「違う!そんな事はな」

 

彼女は誤解を解こうとするが、彼女達の耳には届かず、攻撃を続けようとしていた。

 

ベリアルは両手から赤黒いエネルギーの壁(以降:ベリアルウォール)を張り、彼女達からの攻撃を受け止めた。

 

ベリアル「グリーザ、取り敢えず今は何も聞いてくれそうにねえ。一旦引くぞ。」

 

彼がそう言ったその時であった。空からジャタールが土柱を上げ降り立った。

 

ベリアル「丁度いいところに来たな。何とかしてこいつらを説得してくれ。」

 

しかしジャタールはベリアルが命令しているにも関わらず、無言で立ち尽くしていた。するとジャタールは三つの突起からヒッポリト光線でベリアルを攻撃した。

 

ベリアル「てめえ、主人であるこの俺にこんな事したら、後が無いぞ。」

 

ジャタール「貴様こそ何を言っている!貴様なんかが私の主人ではない‼︎」

 

彼は断言した。

 

ジャタール「私の主人は、このお方だ‼︎」

 

彼がそう言うと、天から禍々しいオーラを纏った紫色の球体が降り立った。そして、その球体は禍々しいオーラを纏う禍々しい巨人となった。

 

ベリアル「てめえ、何者だ‼︎」

 

⁇「俺の名は、この星の守護神“ウルトラダークキラー”だ!」

 

 

 

 




ゼラス「次回予告!!!!せっかく、謝ろうとしたベリちゃんの前にまさかのウルキラちゃん登場‼︎そしてジャタなんとかの裏切り!?このままベリちゃんはこの星を去ってしまうのか!?
次回をちょっとだけ楽しみにしてあげてね。」


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エピソード14「失われた記憶」

そう言えば前回登場したウルトラダークキラーの説明を忘れてました。

ウルトラダークキラーとは簡潔に言うと、タイラントやグランドキングの様に怪獣の怨念で生まれた超人でパチンコ限定のキャラだったが、今年のウルフェスでスーツが出たと聞いたので、もしかしたらいつかはテレビ本編に出るのではないかと作者は思っている。

因みに今日から沖縄の修学旅行に言ってるので、先週放送したウルトラマンジードの「ストルムの光」と同じ舞台に行けてなんか嬉しい。





最強の怨念超人と最強最悪のウルトラマンとの戦いが今幕を開けた。

 

ウルトラダークキラー(以降:ダークキラー)は両手から無数の怨念エネルギーの光弾(以降:キラークラスター)を飛ばした。

 

ベリアルは空かさずベリアルクローを生やすと、キラークラスターを切り裂きながら間合いを詰める。キラークラスターは並みの怪獣なら一二発命中すれば倒せる程の破壊力を持っているがベリアルはそれを物ともせず突き進む。すると、ダークキラーは腕に装着している二本のアイススラッガーいやデススラッガーを飛ばした。

 

二本のデススラッガーはそれぞれ赤と青のオーラを放ちベリアルに襲い掛かる。ベリアルはデスシウムクローを生やし、両腕をx字に振るいデススラッガーを弾いた。

 

しかし、弾かれた二本のデススラッガーは重なり合うと、強大な力を持つ紫色の光弾となり、ベリアルに襲い掛かる。 ベリアルは両手をクロスさせ光弾を受け止める。

 

ベリアル「ヌォォォォォォォォ!」

 

だが彼は光弾の威力に押され、堪えようと地面を削りながら幾多ものビルを貫通し巨大なビルに激突。かと思いきやベリアルはその場で踏み止まり、光弾に膝蹴りをし上空へと弾き飛ばした。

 

光弾はその場で消えるとデススラッガーに戻り、ダークキラーの腕に戻る。ベリアルがやってのけた行動にダークキラーは感心した。

 

ダークキラー「ホォ、なかなかやるではないか。」

 

ベリアル「俺の実力はまだこんなもんじゃねえぞ。」

 

そう言うと彼は走り出してダークキラーとの距離を詰める。そしてベリアルはダークキラーに殴り掛かるが、ダークキラーはベリアルの重い一撃を片手で止める。

 

しかしベリアルは怯まずに手を払いのけると、連続パンチを仕掛ける。

 

ダークキラーは暗黒のバリアを張り攻撃を全て防ぐが、ベリアルは押し切ろうと手から赤黒いエネルギーを放ちその禍々しい拳(以降:デスシウムナックル)で暗黒のバリアを粉砕し、強烈なパンチがダークキラーの腹部を貫く。

 

ダ「カハッ。」

 

今の一撃は流石に効いたようで、殴られた箇所を押さえる。ベリアルはその隙を見逃す事無く、奴の後ろへと回り込むと頭を鷲掴みにして、近くにあるビルに叩きつけ、ビルを倒壊させる。

 

奴は体に着いた瓦礫を揺らしながら落とし、体勢を立て直す。

 

ダークキラー「その調子だ、もっと来い。」

 

奴はまるでこの戦いを楽しんでるかのよう声を上げた。

ベリアルは彼の言動に失笑する。

 

ベリアル「さっきお前はこの星の守護神だとか言ってたな?

だったら、何で最初からこいつらを守ってやらなかったんだ?

何故、ゴモラを救わなかったんだ?

それにウルトラダークキラーってのは、確かウルトラ戦士達に敗れた怪獣と宇宙人共の怨念できた存在だろ?そんな奴に何かを守れる訳ないだろうな。怨念によって作られた復讐道具がよ‼︎」

 

ベリアルの言葉にダークキラーは頭を抱え、苦しみ始めた。

 

ダークキラー「違う。俺は、俺は復讐の為の道具ではない。“あいつ”が“あいつ”はそうでは無いと言っん?あいつ?あいつとは誰だ?」

 

貴方ならきっと守れる。私は信じてる。

 

 

そんな言葉がダークキラーの頭の中に木霊した。すると、ダークキラーの眼は赤色から青色へと変わり始めた。だがその時、ダークキラーの頭の中で別の声が木霊する。

 

憎め。全てを憎め。我々以外の者は全て敵だ。

 

 

ダークキラーの眼はまた赤色へと戻る。そこに奴を心配したジャタールが駆け寄る。

 

ジャタール「ダークキラー様。大丈夫ですか?」

 

ダークキラー「問題無い。黒きウルトラの戦士よ。そろそろ決着をつけるぞ。」

 

奴は怨念のエネルギーでポッカリ空いた腹の穴を修復し、デススラッガーを構える。

 

ベリアル「グリーザ、今のうちにあいつらを適当な場所に誘導しろ。」

グ「うん。」

 

彼女はマリナ達の目の前に寄る。

 

グリーザ「みんな、ここは危ないから離れようよ。」

 

マリナ「グリーザちゃん何を言ってるの?」

 

ミヤ「今こそ、あの黒いウルトラ星人を攻撃するチャンスじゃないですか‼︎」

 

グリーザ「そんな事言わないでよ!確かに陛下は本当は正義の味方じゃなくて本当は悪い人だったの事実だよ。

でも、陛下は今まで私達に美味しい料理を作ってくれたり、私達を守ってくれたじゃん‼︎」

 

普段は感情をあまり出さないグリーザ声を上げた事にマリナ達は驚いた。しかしマリナ達は信じられない返事を返した。

 

マベル「何を言ってるんだ?」

 

ダズ「奴が儂等に飯を作った?」

 

ミヤ「私達を守った?」

 

彼女達は心配そうな顔でグリーザを見つめた。彼女達は本気でこちらを心配している目だった。その事にグリーザはショックを受けた。

 

ベリアル「何をしてるんだ!?さっさとしろ!」

 

ダークキラーと激しい斬り合いを繰り広げている中、 ベリアルは内心では傷ついているがそれを敢えて見せずに苛立ち怒鳴り声を上げた。彼女もハッと本来の目的を思い出す。彼女は考えていると突然閃いた。胸にある発光体の様な箇所からグリーザダークライトニングを放った。

彼女の取った行動にマリナ達は動揺してその場から離れる。

 

マリナ「グリーザちゃんどうしたの!?」

 

ダズ「もしや、あの黒いウルトラ星人がグリーザを操っているのかもしれん!」

 

誤解を受けているグリーザはすぐにでも誤解を解こうと話をしたいところだが、彼女はその気持ちを堪えてベリアルに下された命令を実行する。

 

ベリアル「ようやくやってくれたか。」

 

グリーザが自身の下した命令を実行した事にホッとした。

 

ダークキラー「よそ見をされるとは舐められたものだな。」

 

奴はデススラッガーを腕に戻すと、胸のカラータイマーにエネルギーをチャージし極太怨念破壊光線ダークキラーシュート放つ。ベリアルはそれを横に転がって避ける。

 

光線は一直線に空の彼方へと飛んでいった。そしてその光線はこの惑星アルカディアの近くにある星々を貫通し星々を破壊した。

 

破壊された星の風圧にグリーザ達は吹き飛ばさそうになっていた。

そんな中でもベリアルとダークキラーは平然としている。

 

ダークキラーは超スピードで一気に間合いを詰めベリアルに激突する。

流石に今の一撃には彼も怯んだ。その隙にダークキラーはエネルギーをチャージし、ダークキラーシュートをベリアルに浴びせた。

 

ベリアル「グァァァァァァァァ」

 

暗雲がある晴空という奇妙な光景をバックにベリアルの絶叫が響き渡る。

そして追い打ちにと言わんばかりにダークキラーはデススラッガーでベリアルの全身を切り裂いた。

彼は身体中のあちこちから紫の粒子が鮮血のように流れ、激痛が迸る。

 

 

マベル「そこだ!そいつを倒せ‼︎」

 

ダズ「そのままゼットンとエレキングの仇を取るんじゃ!」

 

マリナ・ミヤ・エスナ「頑張れぇぇぇぇ‼︎」

 

今まで一方的に痛めつけられる事が無かったベリアルが苦しんでいる姿は悪夢のような光景だった。そんな悪夢を見せつけられているというのにも関わらず彼女達は何故だかダークキラーを全力で応援していた。

 

グリーザ「みんなやめてよ。何でそんな事言うの?」

 

その様子にグリーザは耳が痛く、心が張り裂けそうだった。

 

グリーザ「陛下、私が今すぐ助けるよ!」

 

彼女は自分が奴に勝てる見込みは全く言っていいほど無いのを。何の助けにもならない事は充実理解していた。しかしいつも自分達を守ってくれた主人のあまりの痛々しい姿に彼女は居ても立っても居られなかった。忠誠心とは関係なく、彼女は自分の守りたいという意思で動いた。

 

彼女はグリーザダークライトニングをダークキラーに浴びせるが全く効果は無かった。

 

グリーザ「何で…何で、何でやめてくれないの。」

 

彼女は涙を流しながら光線を浴びせ続けた。仮にも自分に他者と過ごす楽しさを与えてくれた恩人、そして守るべき主人が痛めつけられるのに何の助けにもなっていない悔しさのあまり涙を流した。

 

しかしそんな彼女の気持ちとは裏腹に、ダークキラーの猛攻は増していた。

 

 

彼は四方八方から来る攻撃に今にでも倒れそうだがそれすらさせない程の猛攻を続ける。

やがて光線はベリアルの重い体を持ち上げ、一直線に空の彼方へと飛び、凄まじい大爆発を起こした。

 

グ「陛下‼︎」

 

彼女は無意識のうちに主人の名を声を上げて叫んだ。グリーザはベリアル元に猛スピードで飛び立った。しかしそんな彼女を目障りに思ったダークキラーはキラークラスターを一発グリーザに向けて放った。

 

マリナ「ちょっと!あんたグリーザちゃんに何をするつもりなの!?」

 

しかしダークキラーは自分に怒鳴るマリナを無視した。

グリーザはキラークラスターに気づいて飛ぶ速度を上げるが、キラークラスターはそれ以上の速さでグリーザを追いかける。

彼女はクラスターに気づくと速度を上げるが、クラスターはそれ以上の速さで彼女に迫り突撃する。

 

上空で小規模な爆発が響き渡る。それにマリナ達は唖然とする。

 

ミヤ「何故、グリーザさんを!?」

 

マベル「そうだ!そりゃ、あいつの味方をしていたとはいえ、操られているだけかもしれかった奴を何で殺した!?」

 

皆グリーザを殺したと思われるダークキラーを批判した。

 

ダークキラー「目障りなのを消しただけだ。」

 

奴は皆の批判を軽く受け流しそのまま歩み出した。

 

マリナ「グリーザちゃんを目障りだなんて。これならあいつの方が良かった……あれ?あいつって誰?。」

 

 

 

黒い稲妻が迸る赤い空間の中でグリーザはプカプカと浮かんでいた。だが彼女はキラークラスターのダメージが大きく瀕死の状態であった。そんな状態の中で彼女は呟いた。

 

グリーザ「私……死んじゃうの…かな。ゴモラ………みたいに。」

 

ベリアル「いや……お前には俺のためにも…まだ生きてもらうぞ。」

 

今までのように荒々しい口調とは一変。彼もグリーザ程ではないが相当応えているのか弱々しい口調で喋る。

 

グ「陛下……生きてたんだ。」

 

ベ「当たり前だ。俺があの程度で死ぬ訳無いだろ。」

 

グリーザ「そう……ごめんなさい。私……貴方の役に…立てなかった。」

 

ベ「謝る必要は無え。」

 

グリーザ「ありがとう。そう……言ってくれると嬉しい。少しは……気が楽になるよ。」

 

 

私はそう言って死んだ様に目を瞑った。その瞬間に私はベッドの上で目を覚ました。

 

グリーザ「あれ?私死んだんじゃ。」

 

ミヤ「どうやら、無事な様ですね。」

 

後ろからミヤの声が聞こえたから私は振り向いた。そこには目を細めてじっくりと私を見ているミヤがいた。しばらくの間、私を見ていたミヤは突然ホッとした顔で私に言った。

 

ミヤ「あの黒いウルトラ戦士はもうダークキラーさんが倒したから、きっと洗脳も解けたのでしょうね。」

 

彼女がそう言うと次の瞬間にグリーザの脳裏に怒りの声が響き渡った。

 

「勝手に殺すな‼︎」

 

あまり感情とかを理解できていないグリーザも流石に今のには驚愕し、辺りを見回した。

 

ミヤ「どうしのですか?」

 

グ「今なんか聞こえなかった?」

 

ミヤ「私には聞こえませんでしたよ。あ、グリーザさんが無事だった事をみんなに言ってくるのを忘れてたので、今すぐ行ってまいりますね。」

 

ミヤが部屋から出て行くと、また先程の声が聞こえた。

 

「これでようやく話せるな。グリーザ。」

 

グリーザ「やっぱり。さっきの声は陛下でしょ?」

 

ベ「その通りだ。」

 

彼女はベリアルを探そうとするが、彼は制止させた。

 

ベリアル「やめておけ。探したところでお前は俺を見つける事は出来ん。俺は今お前と一体化してるからな。」

 

グリーザ「私と一体化!?ってどういうこと?」

 

ベリアル「そうだな。柄に合わない事を言うが、今の俺はお前の心の中にいるって事だ。」

 

グリーザ「うーん。何となくわかった。じゃあ何でこんな事するの?」

 

ベリアル「あいつらの様子を見る限り、俺には敵意を向けてるがお前には全く敵意を向けてない。だから俺はしばらくお前の中にいることにした。その方が色々と行動しやすいだろ。」

 

グ「たしかに。」

 

ベ「とりあえず今から部屋を出ろ。後言い忘れてたが基本動くのはお前だ。そのでかいのをぶら下げてるんじゃ動きにくそうだからな。」

 

グ「はーい。」

 

 

 

 

 

 

 

アルカディアスペース 光の国 王座

 

八つの玉座の間に一人だけポツンと座り込んでいたゾフィーは大きなため息を吐いた。

 

ゾフィー「俺って、何でこんなに弱いんだろうか。ベリアルさんがせっかく俺に合わせて修行を手伝ってくれてるっていうのに全く進歩が無い。おかげでベリアルさんは黒ベリアルとの実力差が出てしまっている。このままだと完全に俺はベリアルさんの足手まといだ。」

 

彼はまたため息を吐くと頭を抱えた。しかしその時、後ろからこちらへと近づく足音が聞こえた。彼は警戒し後ろへと振り向くとそこには奇妙な結晶を持って立ち尽くしているウルトラセブンだった。

 

セブン「我が弟ゾフィーよ。何やら悩んでいた様子だったが。兄であるこの俺が相談に乗ってやろうじゃないか。」

 

ゾフィー「結構です。お気持ちだけいただきます。」

 

ゾフィーは日頃からセブンから酷い仕打ちを受けているため冷たく断った。だが、セブンはそれを予想していたのかように不敵な笑みを上げた。

 

セブン「自分の無力さが腹立たしいんだろ?ベリアルさんの足手まといになってるのが悔しいんだろ?どうなんだゾフィー?」

 

奴はゾフィーを挑発した。そしてゾフィーは挑発に乗ってしまい激怒する。

 

ゾフィー「ええその通りですよ。私は自分の不甲斐なさに……ベリアルさんの足手まといになってるのが悔しいんですよ‼︎

どうせ、何かしてくれる訳でも無いあなたが話しかけないで下さい‼︎」

 

彼の怒り様にセブンはほくそ笑んだ。

 

セブン「おいおい、今回はお前を助けてやろうと思って来てやったのに、その口の利き方はないだろう。」

 

ゾフィー「へえ、セブン兄さんが私に何をしてくれるのですか?」

 

セブンは彼の問いに返事をするかの様に、先程から持っている紫色のクリスタルを掲げた。

 

ゾフィー「何ですか。それは。」

 

セブン「これはデストロイクリスタル。」

 

ゾフィー「デストロイ?デストロイ怪獣と何か関係があるのですか?」

 

セブン「ほお、察しがいいな。その通り。これはデストロイ怪獣達に埋め込まれているエネルギー源そのものだ。それこそこのサイズの物をエネルギー波として撃てば銀河系をも破壊する程の力を秘めている正に究極の力を秘めている代物だ。」

 

ゾフィー「成る程。ん?もしかして、そのデストロイクリスタルを私に使わせてくれるのですか!?」

 

セブン「そうだとも。俺が短気なばっかりにいつもお前に八つ当たりをしてしまって申し訳ないと思っていてな。せめてもの詫びだと思って受け取ってくれ。」

 

セブンの言葉を聞いた途端にゾフィーは感激していた。

 

ゾフィー「…私は今まであなたを誤解していました。詫びを渡さないといけないのは私の方だと言うのに。本当にありがとうございます。」

 

セブン「気にするな。それよりも早くクリスタルを使ってみろ。」

 

ゾフィー「では、これはいったいどうやって使うのですか?」

 

セブン「カラータイマーにクリスタルを掲げろ。そうすればクリスタルは自ずとお前の一部となる。」

 

ゾフィーはセブンの言われた通りにカラータイマーの前でクリスタルを掲げた。クリスタルは禍々しい光を放つと、ドロドロに溶けてしまいカラータイマーに付着する。

 

ゾフィー「これでいいので」

 

彼はセブン問い掛けようとした刹那。抉られる様な痛みが全身を駆け巡り、ゾフィーはその場に倒れ込んだ。

何故自分はこうなっているのかと問い質そうと痛みを堪え、顔を上げるがそこにセブンの姿は無かった。

 

ゾフィー「や…やっぱり、兄さんは……わタしをリよウしタノカ。」

 

彼はセブンに自分は利用された事を悟った。

全身に駆け巡る痛みに耐え切れず、彼はまた倒れ込み悶え苦しむと、彼の銀色の体色がどんどん紫色に変色しだす。すると、ゾフィーはゆっくりと立ち上がる。

 

 

 

グはハははハははハはははハハハはははハハははハははハははハはは

 

 

ゾフィーはデストロイ怪獣と同じ笑い声を上げた。笑い声は王座に、光の国に、m78星雲に、その周りの星々に木霊した。

 

 

 

 

 

 

月明かりに照らされる都市部に一体の怪獣をその怪獣よりも大きな体を持つ怪獣からから守ろうとしているダークキラーがいた。

 

その怪獣とは、二つの青い目と人間でいうと眉間のところに赤い目を持ち、金色の鎧を纏った様な姿、その大きな肩にある赤く光る発光体と無数の棘、4本の三つの爪のあるアーム状の触手を備え持つ。正に破壊と殺戮のためだけに生まれたとも言えるべき存在。【究極超獣Uキラーザウルス】であった。

 

奴は触手を伸ばし怪獣に襲い掛かる。しかしそれを黙って見てはいない。ダークキラーはデススラッガーを飛ばし触手を切り裂く。

 

Uキラーザウルス「ガアオォォォォォンンン!?!?!?」

 

 

奴は自慢の触手が切られた事に驚くが、直ぐに落ち着き肩に無数の棘のミサイルを発射した。

 

ダークキラー「そんな物、片腹痛い。」

 

彼はUキラーザウルスの攻撃に鼻で笑うと、キラークラスターでミサイルを全て相殺し爆散させる。

 

ガアオォォォォォンンンンンンンン

 

ダークキラー「…!?。何が言いたい。」

 

彼はUキラーザウルスの咆哮に動揺した。

 

ガアオォォォォォォォォンンンンンンンンンンン

 

さっきよりも凄まじい咆哮を上げるUキラーザウルス。すると、ダークキラーは突然頭を抱え苦しみ始めた。

 

ダークキラーの様子にUキラーザウルスは嘲笑うかのように雄叫びを上げた。

 

 

キャンオオォォォォゥゥゥゥゥゥ!!!!!

 

 

突然ダークキラーに守られていた怪獣は何やら伝えようとしているのか、ダークキラーに向かって鳴いた。

 

キャンオォォォォォォゥゥゥゥゥゥ

 

ダ「お前。」

 

ガアオォォォォォォォォンンンンンンンン

 

Uキラーザウルスはダークキラーに語りかけている怪獣を不愉快に思い、怒りの咆哮を上げると触手の爪先からエネルギーを生じ爪先からエネルギー波を放ち、怪獣を攻撃した。

 

キャンオォォォォォゥゥゥゥゥゥ

 

叫び声を上げ怪獣は吹き飛ばされ地面へと叩きつけられる。

 

ダークキラー「貴様、よくも。」

 

その時、彼は奴への激しい殺意憎しみが生まれた。

 

ヌウウウウウウオワワワワァァァァァ

 

彼は野獣のような雄叫びを上げると、ダークキラーの体から禍々しい紫色の炎が燃え盛る。そしてUキラーザウルスへと飛び掛った。

 

ガアオォォォォォォンンンンンン!!!!!!

 

Uキラーザウルスは自身にしがみついてるダークキラーを離そうと暴れるが、怒りで我を忘れているダークキラーには全く効果が無かった。

 

キャンォォォゥゥゥ!!!

 

怪獣の声に彼はハッと気がつき我を取り戻すが時既に遅し。ダークキラーは膨大なエネルギーを辺り全体へと放ってしまう。

 

都市は紫色の爆炎に包まれ、Uキラーザウルスと守ろとしていた怪獣までも包み込んでしまう。

 

 

 

 

 

アルカディアスペース 基地内

 

彼女は…ザンドリアスは目を覚ました。

 

ザンドリアス「今の夢は、何だったんだろう。」

 

彼女は何故さっきの夢を見たのかを考えた。普通ならただの夢として受け流すと思うが、彼女の中ではあの夢が妙に気になったのだ。

 

ザンドリアス「……まあ、考え込んでもしょうがない。」

 

彼女は考えるのを止めると部屋を後にした。

 

 

 

 

ベリアルside

 

俺はグリーザにあいつらが俺の事をどう思ってるのかを聞かせてみたら、あいつらは俺を「自分達を騙した嘘つきの黒いウルトラ戦士」「ゼットンとエレキングの仇」って言いやがった。前者は分からないことはないが、後者については一体何のことだ?ゼットンはエスナが自分で倒したはずなのにはにあいつらはまるで俺が全部やったみたいに言いやがって。しかも、ジャタールに至ってはあのダークキラーが主人とか言いやがったんだ。

だから俺は今機嫌が悪いんだよ!!!

 

グリーザ「これ美味しい。(ベリアル陛下の料理ほどじゃないけど。)」

 

顔だけ見れば嘘をついている様にしか見えないが、グリーザは幸せそうにラーメンの麺をズルズルという音を立て啜っていた。

 

ベリアル「(どうでもいいがこいつどんだけ食うんだ?これでたしか19杯目だぞ。)」

 

ミヤ「グリーザさん、今日も凄い食べっぷりですね。今ので20杯目ですよ。」

 

ベ「一つ数え間違えたか。しかし、あいつはいつまであそこに居る気なんだ?」

 

彼がグリーザの中から見た目の先には、腕を組んで立ち尽くしているダークキラーがいた。

 

ジャタール「ダークキラー様は食べなくてもいいのですか?」

 

ダークキラー「俺は体内の中にあるキラープラズマがエネルギーを生成してるからな。だから、俺にはお前達のように食事を摂取する必要は無いんだ。」

 

ジャタール「では、何故わざわざここに居るのですか?」

 

ダークキラー「お前達をいつでも守れるようにここで見張っているんだ。」

 

ジャタール「流石はダークキラー様。そのお気遣いは正に守護神の鏡ですよ。」

 

ベリアル「(あいつ、その内しばく。)」

 

彼はジャタールの胡麻擂りに余計に腹が立った。そして、皆夕食を食べ終わると皿を洗い綺麗に片付けた。

 

マリナ「じゃあ、片付けも終わった事だし、お風呂に入りましょう。」

 

グ「ハァーイ。」

 

ベリアル「(ハッ!?ちょっと待て‼︎まさかこのまま行く気じゃねえだろうな!?)」

 

グリーザ「別にいいじゃん。ベリアル陛下も偶にはいっしょに入ろう。」

 

ベリアル「(一緒のベッドで寝ると、風呂を一緒に入るのは訳が違えんだよ!)」

 

グリーザ「そうなの?でも、もう浴場の目の前に着いちゃったよ。」

 

ベリアル「(ハアァァァァ!?もう着いたのか!?と、取り敢えずこの事は絶対に言うなよ。何があってもだ!)」

 

彼の要求にグリーザは頷いた。悪名をつけられるのは平気でも変態流石にというか誰でも嫌である。

 

しかし、彼女達はなんと何も脱がずに浴場に入ったのであった。この行動にベリアルは絶句した。

 

ベリアル「(おい、服は脱がねえのか?)」

 

グリーザ「(服?もしかして私達が今まで服着ていると思っての?)」

 

ベ「(違うのか?)」

 

グリーザ「(私のこの格好っていうか、これは服じゃなくて皮膚だよ。)」

 

ベリアル「(ハッ!?皮膚だ!?もしかして全員そうなのか!?)」

 

グリーザ「(そうだよ。)」

 

ベリアルはグリーザの言葉に内心少しだけショックを受けた。

だが、その落胆は一気に吹き飛ぶ事になる。当たり前だが彼女達は体を洗うためにシャワーを浴びるのだが、その時に彼女達の可愛さ美しさを引き立てる自慢の髪がいい感じに濡れていた。それに気のせい?かもしれないが皮膚がまるで服が濡れているかのようになっていたのもあり、これを見れば興奮しない男なぞ絶対にいない様な光景である。

 

ベリアル「(こういうのも、アリだな。)」

 

 

 

〜男性浴場〜

 

残っている男性陣は人間態になっており、何やらニヤニヤしていた。

 

ダズ「グフフフフフフフ。ジャタールよ。ここが手頃じゃぞ。」

 

ジャタール「ヒョホホホホホホホ。お前も随分と悪だな。」

 

彼等は覗き穴を開け女湯を覗こうとしていたのだ。

 

ダークキラー「何をやっているんだ?」

 

突然ダークキラーに後ろから話し掛けられ彼等はビックリした。

 

マベル「決まってるじゃないですか〜。女湯を覗くんですよ〜。」

 

ダークキラー「何故、覗くなどという事をするんだ?」

 

ダズ「そりゃ、濡れた女を見たら興奮するのですじゃよ。」

 

ダークキラー「では、覗くのではなく堂々と見ればいいではないか。」

 

男性陣「ダメに決まってるじゃないですか!!」

 

 

〜女性浴場〜

 

一方、こっちはこっちは大変な事になっていた。

 

ベリアル「(なあ、お前良いのか?)」

 

グ「(何が?)」

 

ベリアル「(お前、さっきから胸を揉まれてるぞ。)」

 

彼の言う通り、グリーザは今マリナに自身の大きな胸をいやらしい手つきで揉みしだかれていた。

 

マリナ「ハァ、ハァ、グリーザちゃん♡今日も、この素敵な物を洗ってあげる♡」

 

彼女は息が上がり、顔を赤らめ、泡をつけた手でグリーザの胸を揉みしだく度に彼女の乳肉がはみ出てて、マリナの息がより一層に息が上がる。

 

ベリアル「(おい、こいつ今今日もって言ってたぞ!毎日こんな事されてるのか!?)」

 

グリーザ「(そうだけど、なんか問題あるの?)」

 

ベリアル「(あるだろ!!!どう考えてもこの手つきはまずいだろ!!!!!)」

 

そしてマリナは行動をどんどんエスカレートしよう、その片手をグリーザの股に伸ばす。

 

ベリアル「(まずい!!!このままだとこの小説が別物になっちまう!!!おい!体貸せ!!!)」

 

彼がそう言うとグリーザの漆黒の瞳が赤色に変色した。すると、グリーザはマリナの手を払い除けると無言でマリナに迫る。

 

マリナ「えっ?ど、どうしたのグリーザちゃん?」

 

無言で迫り来るグリーザに彼女は恐れおののき後ずさる。そしてグリーザはマリナを壁際に追い詰めると、グリーザは壁をドンと叩いた。いわゆる壁ドンというやつだ。(なお、本人にマリナを口説こうとかそうゆう思いは一切無い。)

 

グリーザ「これからは気安く私に触れるな。」

 

そう言われるとマリナは尻餅をついた。それをグリーザは鼻で笑いシャワーを浴びたいた場所へと戻った。

 

ミヤ「だ、大丈夫ですか!?」

 

マリナ「さっきのグリーザちゃん。カッコよかった//」

 

ミヤ「えっ???」

 

その様子を見ていた改造ベムスター達は絶句していた。

 

改造ベムスター「いったい、グリーザさんどうしちゃったんだろうね。ゴモ。」

 

彼女が話し掛けたのは三日月状の角を生やしスクール水着を着用している少女ゴモラであった。

 

ゴモラ「そうだね。ベム。」

 

そう言うと彼女はニヤリと口角を上げほくそ笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ゼラス「次回予告!!!遂にキラーちゃんとの決着が決まるのか。そしてキラーちゃんの過去が明らかに!そしてベリちゃんとも因縁のあるあのウルトラ戦士が登場!!ちょっとだけ期待してあげてね。」


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エピソード15「一つとなる意思」

今更ですがジードが終わって寂しい。





































ネタバレ注意

ベリアル陛下からレイブラッド抜けたけど、正直いつか平然と蘇りそうで怖い。.ダークネスファイブの方々戦死してしまったのかな。ツイッターでも言ったけど、そうだったら物凄く悲しい。




ゴモラは誰もいない都市部の中を一人で歩いた。すると、彼女は周りを見回し本当に誰もいないのを確認するとひざまづいた。

 

ゴモラ「ご報告があります。ヤプール様。」

 

突然目の前がガラスの様に割れその中には、肩に無数の棘を生やし右手が鎌状になっているカニと閻魔大王を合わせた様な姿をしている【異次元超人巨大ヤプール】(巨大といっても今のゴモラのサイズに合わせてか人間大の大きさ)が居た。

 

巨大ヤプール「早速聞かせてもらおうか。」

 

ゴモラ?「ハッ。現状は一部を除いて全員記憶の塗り替えは完了しており、戻っている様子は見られません。」

 

巨大ヤプール「やはりな。この宇宙のエースとタロウから授かった改造した【宇宙化け猫】を使った作戦は上手くいったな。」

 

ゴモラ?「ええ。奴らは完全にベリアルがゼットンとエレキングを殺したと信じ込んでます。そして更には、あのダークキラーでさえ自分はこの星の守護神と思い込んでいます。」

 

巨大ヤプール「そうか。しかしあのデストロイクリスタルをエネルギー源にしてデストロイ怪獣を作っている様だが、本来あれは並みの怪獣そして我が超獣ですらエネルギー源にしたら肉体が朽ちてしまう代物な筈だ。それを朽ちること無く兵器として完成させる辺り奴等は恐ろしいものだ。」

 

ゴモラ?「まったくです。」

 

巨大ヤプール「では、引き続き奴等の監視は任せたぞ。“バキシム”。」

 

バキシム「御意。」

 

そして割れたガラスの破片が集まり巨大ヤプールと異次元空間は姿を消した。

 

 

 

 

 

一方、とある辺境の惑星である者達が闘っていた。

 

??「クアトロスラッガー。」

 

四つの光の刃がベリAKに直撃し彼はダメージを受ける。

 

ベリAK「やるな。なら、これでどうだ!!」

 

そう言うと彼はライトギロチンを降り注ぐ雨の様に無数に発射。

 

⁇「ワイドビヨンドショット!!!」

 

金色の破壊光線がライトギロチンを全て爆発させ搔き消す。

 

⁇「さあ、次はどうくる!」

 

爆煙が晴れるとその場にベリAKはいなかった。

 

ベリAK「背中がガラ空きだぞ!」

 

なんと彼は地中からライトクローを生やした状態で??の背後から現れるとライトクローで切り掛かったが……

 

??「甘い!」

 

そう言うと銀をベースに青紫のラインがある体、頭に四つのスラッガーと三つのビームランプを持ち、両肩には槍の様なアーマーを装着している“ゼロビヨンド”は懐からゼロツインソードを出しベリAKの腹を切り裂いた。

 

ベリAK「カハッ。」

 

彼は傷口を押さえ地に膝をついた。そして懐から薬品を取り出すと傷口に塗り傷を癒した。

 

ベリAK「今回は俺の完敗だ。特訓に付き合ってくれてありがとよ。」

 

ゼロビヨンド「あんたも中々の強さだった。アタイからも礼を言わせてもらうよ。」

 

両者は固い握手を交わした。

 

ベリAK「さて、光の国にそろそろ戻るとするか。」

 

彼らはこの星から去ろうとすると、突然タロウがテレパシーを送った。

 

タロウ「(ベリアルさん、至急惑星アルカディアに行ってもらえませんか。)」

 

ベリAK「(ホオ、何故また?)」

 

タロウ「(今の奴等では何も出来ないでしょうが。念には念を入れようと思いまして。)」

 

ベリAK「(了解した。)」

 

タロウ「(ありがとうございます。)」

 

ベリAK「ゼロ。」

 

ゼロ「今の話は全部聞いていた。早速行こうぜ。惑星アルカディアに。」

 

 

 

 

惑星アルカディア 基地内

 

ザンドリアス「な、な、何をしてるの////////」

 

彼女は目覚めたら自分を抱き締めてるダークキラーに動揺した。

 

ダークキラー「何故だか私にも分からぬのだが、お前の事は放って置けなくてな。だからこうやってお前と離れないようにしてるんだ。」

 

ザンドリアス「いい、いいいから早く離れて!////////」

 

そう言われるとダークキラーはザンドリアスを離しベッドから降りた。そして彼女も顔を真っ赤にしたままベッドから降りようとすると、ダークキラーはなんと彼女をお姫様抱っこで持ち上げたのだ。

 

ダークキラー「では、食堂に行くぞ。」

 

ザンドリアスは湯気が出るほど顔を真っ赤にした。

 

ザンドリアス「この分からずやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!。」

 

彼女の叫び声が基地全体へと木霊した。

 

 

 

〜食堂〜

 

アロア「まあーまあ、キラーちゃんだって〜反省してるだろうし〜許してあげよ〜よ。」

 

ザンドリアスは先程ダークキラーにされた事に腹を立てそっぽを向いていた。

 

ザンドリアス「だって!あの場で降ろしてくれればまだ良かったのに。「遠慮するな」なんて事言ってそのままここに来たのですよ!本当に恥ずかしかったんですから!!!」

 

ダークキラー「いったい、何がいけないんだ?」

 

ザンドリアス「ほら見て下さい!反省の色なんて何処にも無いじゃないですか!」

 

アロアはその様子に苦笑いをした。

 

ベリアル「(まったく、少しはこっちに身にもなって欲しいもんだ。)」

 

自分が会話の輪に入れないのに彼イライラしだした。その時…突然いつかの時のように周りの時が止まり、気がつくとベリアルは元の姿の状態で森に立ち尽くしていた。すると、何処からか聞き覚えのある声が響き渡った。

 

 

「ピンポンパンポーン。緊急速報です。只今から落ちてくるギガバトにご注意下さい。」

 

そして頭上から降りてくる何かに気がつくと彼はそれを片手で掴んだ。

 

ベリアル「これはギガバトルナイザーじゃねえか。」

 

パチパチパチパチ

 

拍手の音が鳴り響くとスゥーと現れたのはゼラスだった。

 

ゼラス「ナイスキャッチ!あ、どもお久〜。」

 

ベリアル「めんどくせえ奴だな。用件を言え。」

 

ゼラス「つれないな〜。まあお望みならさっさと言うよ。いやね、最近ベリちゃんもギガバト無しで頑張ってるからそろそろそれ返そうかなっと思ってね。」

 

ベリアル「だがタダでは返さん、だろ。」

 

ゼラス「流石ベリちゃん察しが良いねえ。勿論それだけじゃないよ。一回ギガバト持ったベリちゃんの実力が知りたくてねえ。だから今から私と戦ってちょっとでも傷を付けれたらそれを返して上げるよ。後、サービスでご褒美もあげちゃうよ。」

 

ベリアル「そうか。なら容赦はせん!」

 

彼は間合いを詰めゼラスをギガバトルナイザーで殴りまくる。しかしゼラスは何事も無かったかのように立ち尽くしており、ベリアルは舌打ちをした。

 

ベリアル「一筋縄ではいかねえか。ならこれでどうだ。」

 

彼はデスシウムクローを生じゼラスにその爪で連続攻撃を喰らわせ、後ろへ跳び間合いを開けると、ベリアルの腕からギガバトルナイザーに赤黒いイナズマが迸ると、ギガバトルナイザーの先端をゼラスに向けると赤黒いイナズマ(以降:デスシウムジェノサンダー)を放った。

 

その余波で木々は薙ぎ倒され、ゼラスの周りは巨大なドーム状の爆発が生じた。それに巻き込まれないようにとベリアルは更に後ろへと飛んた。

 

ゼラス「君の攻撃はこれで終わりかい?」

 

爆炎が晴れるとそこにはクレーターが生じているにも関わらず、一切のダメージを受けていないゼラスがいた。

 

ゼラス「じゃあ……今度は私の番だ。」

 

今の声はいつもの軽い口調とはかけ離れており凄まじい威圧感があった。その様子に彼は呆然とし気づいた頃にはゼラスの重たい拳が腹にめり込む。

 

ベリアルはあまりの衝撃に口から血反吐を吐いた。そして彼はいくつもの木々を潰しながら倒れてしまう。

 

ベリアル「……まだ……だ。」

 

彼はフラフラの状態で立ち上がり腹を押さえながら武器を手に取ろうしたが、なんと先程の一撃だけでギガバトルナイザーごと折られて吹き飛ばされた事を知り絶句した。

 

だがそれでも彼は折れたギガバトルナイザーを杖代わりにして立ち上がろうとするが、そこで力尽きてしまい倒れてしまう。

 

ゼラス「あらぁちょっとやりぎたかな。まあそれでも凄いよ。試験は合格だ。まさか、こんな所に傷を付けられるとは。」

 

彼の三つの目に0.1センチの傷が出来た自分の指が映っていた。

 

 

 

 

 

 

惑星アルカディア 基地内 廊下

 

また景色がガラスの様に割れると空間の中に巨大ヤプールが叫んだ。

 

巨大ヤプール「今こそ実行する時だ。」

 

ヤプールの声に反応するかのように空が暗くなり突然大地が揺れた。

都市部の中央に地割れが発生。そして地の底uキラーザウルスが姿を見せた。しかし、なんと下半身が六本足にクワガタの様な顎がある生物に変化になっていた。この姿は奴が強化されたuキラーザウルス・ネオだ

 

ガオォォォォンンンン

uキラーザウルス・ネオは凄まじい咆哮を上げ、触手から破壊光線フィラーショック、目からキラーアイレイ、無数の生体ミサイルキラー・ウォーヘッド等を放った。降り注ぐ死の雨に都市部は一瞬にして焦土と化した。

 

ダークキラー「これ以上好き勝手はさせん。」

 

そう言うと彼はuキラーザウルス・ネオに無数のキラークラスターを全て命中させ奴にダメージを負わせた。だがヤプールはその様子を異次元空間の中で嘲笑っていた。

 

巨大ヤプール「ヌハハハハ。お前の守護神の役目は終わった。今度こそ私の復讐道具として働いてもらうぞ。」

 

ヤプールは不吉な事を呟くと急にダークキラーの動きが止まった。

その様子に心配したマリナは円盤の拡声機で話し掛ける。

 

マリナ「どうしたの?まさかあの怪獣を怖がってるわけないでしょうね。」

 

ダークキラーはマリナの声に反応しこちらへと顔を向けた。すると彼は掌に一つのキラークラスターを生じるとそれをなんとマリナの円盤へと発射した。

 

彼女は突然の出来事に体が固まってしまうが直ぐに我を取り戻し直撃は免れたが円盤のハジ部分には当たってしまい、円盤は墜落してしまった。

 

ミヤ「キラーさん!?あなた何したのか分かってるんですか!?!?」

 

ヌハハハハハハハハ

 

ヤプールは今度はミヤ達にも聞こえる高笑いを上げた。

 

マベル「テメェはヤプール‼︎」

 

巨大ヤプール「ヌハハハハ、その通り俺がヤプールだ。そしてそのウルトラダークキラーの主人だ。」

 

アロア「えっ!?!?」

 

ダズ「どうゆうことなんじゃ?」

 

巨大ヤプール「俺はこの宇宙のウルトラ兄弟達と手を組み全宇宙の制服を実行する事にした。そしてそいつは邪魔な貴様らを抹殺する為に送り込んだ工作員だ。」

 

このやり取りを円盤からの中継で見ていたザンドリアス達は驚愕の表情を露わにした。

 

ザンドリアス「そんな。…キラーさんが…スパイ。それじゃあ、今朝のアレも嘘だったて事なの。」

 

 

 

 

 

 

 

巨大ヤプール「こいつのおかげで貴様らの戦力は全て把握した。

まあそもそもベリアルがいないこの星を征服することなぞ元々造作もない事だったのだがな。」

 

ヤプールは異次元空間から大量のカプセルを取り出し、更にミヤ達の失望をマイナスエネルギーに変換しそれらを集めたエネルギーの球体を生じた。

 

ミヤ「あれは、怪獣さん達を入れてるカプセル。」

 

ダズ「どうやら盗まれたようじゃの。」

 

巨大ヤプール「さあuキラーザウルスよ。怪獣供とこいつらのマイナスエネルギーを喰らいさらなる進化を遂げるのだ。」

 

そしてヤプールはカプセルをuキラーザウルスの口の中へと放り投げた。uキラーザウルスはカプセルを飲み込み、体から禍々しいエネルギーをメラメラと燃え上がる。

 

巨大ヤプール「ウルトラダークキラーよ。用済みとなったそいつらを始末しろ。」

 

下された命令に返事をする様に目をギラリと光らせると、ダークキラーはマベル達にゆっくりにじり寄る。

 

マベル「た、た、例えあんたが敵でも俺だって男だ!く、く、来るなら来やがれ‼︎」

 

彼は迫り来るダークキラーの迫力に圧倒され、怯えながらもミヤ達を守ろうとマグマサーベルの刃先をダークキラーへ向ける。

 

ダークキラー「散れ。」

 

冷酷に彼への処刑宣告を告げると、ダークキラーはデススラッガーを二つに合わせて怨念光弾として放った。

 

ダズ「避けるんじゃマベル。」

 

マベル「こ、腰が抜けちまって動かねえんだよ。」

 

彼は恐怖のあまりその場から離れる事も動く事も出来なかった。自分の死を覚悟した。しかしその時、一つの影が現れ怨念光弾を弾いた。

 

マベル「あ、あんたは。」

 

ダズ「昨日の黒いウルトラ戦士。」

 

ベリアル「1日ぶりだな。」

 

巨大ヤプール「ベリアル!?貴様、死んでいなかった様だな。」

 

ベリアル「生憎だ、俺は死んでも死ねない奴なんでな。」

 

巨大ヤプール「まあ良い。ならば貴様をこの場で捕らえ我が超獣へと改造してやろう。殺れウルトラダークキラー‼︎」

 

ダークキラー「…今度の俺は…一味違うぞ!」

 

真紅の目に閃光が走ると全身に力を込め雄叫びを上げると、二つの光となりやがて光が消えるとそれぞれ異なる姿となって現れた。

紫色の体色にスリムかつ邪悪な風貌を漂わせている【ウルトラダークキラーシャドー】。もう一人は赤色の体色に屈強な巨躯を誇る。悪魔の様な風貌を漂わせている【ウルトラダークキラーマイト】。

 

マイト「存分に楽しませてもらうぞ。闇のウルトラの戦士よ。」

 

シャドー「ヒッポリト星人よ。貴様も戦え。」

 

ジャタールは拳を握り締めベリアルを睨みタールハンドを構える。しかし彼は何故だか分からぬ罪悪感に囚われその場から動こうとはしなかった。だが、意を決して彼は突起物からヒッポリトビームを放った。

 

ジャタール「申し訳ありません!!(何故だ?こいつは敵の筈なのに何故私は謝っているんだ。)」

 

ベリアルはジャタールの攻撃を片手で受け止め、腹にヤクザキックを喰らわせジャタールを怯ませ彼の首を鷲掴みにし持ち上げた。

ジャタールは苦しみながらもベリアルの腕に触れ、彼の腕を少しずつブロンズ像にしていった。

 

ジャタール「ヒョホホホホ。貴様はもうブロンズ像へとなるのだ。今の内に好きなポーズでも取っているんだな。」

 

ベリアル「よくもそんな事が言えたもんだな。さっきからお前は攻撃を躊躇っている様に見える。それは何故だ?」

 

ジャタール「そそ、そ、それはお前の気の所為だ!」

 

ベリアル「じゃあ何故ブロンズ化がここまで遅いんだ?いつもならとっくにブロンズ像になってる筈だぞ。」

 

彼の言葉にジャタールは驚愕し声を上げた。

 

ジャタール「なっ!そ、そんな事を何故お前が知っているんだ!!」

 

ベリアル「そりゃあ、俺はお前の主人だ。お前の事はよく知っている。」

 

ジャタール「何を言っている。私の主人はダークキラー様だ!!!」

 

ベリアル「お前は俺が見込んで入れてやった奴だ。そんな奴がいつまでも俺の事を忘れてんじゃねえ!!!!!」

 

怒鳴り声を上げたベリアルはブロンズ化した手で腹を殴った。あまりの痛さにジャタールは腹を押さえ地に膝を着いた。

 

 

 

 

 

 

ミィヤアアアアアアアアアアアア

 

月に猫の様な悲鳴が上がった。月に鳴き声を響き渡らせているのは、球体状の黒い100メートルの巨体に至るところに聳え立つ棘があり、細長く鋭利な鉤爪がある手足に外見からして違和感のある猫の様な尻尾に巨大な一つ目に赤い瞳孔に青い目を持った【宇宙化け猫デストロイリン】(以降:Dリン)がいた。

 

実はベリアルは皆の記憶が消えたのはもしかしたら何か裏があるのではないかと睨み、グリーザにこの星と別の星を探す様に命じた。

 

なので惑星アルカディアから出たことによって元の姿に戻ったグリーザと交戦していた。

 

キャーホッホッホッホッホッ

 

グリーザは笑い声の様な鳴き声を上げると、グリーザ光線をDリンに浴びせる。Dリンは大量の火花を散らし悲鳴を上げた。

 

ミィヤアアアアアア!!!!!

 

ダメージを負わされた事に激怒したDリンは電流を纏った鉤爪でグリーザを引っ掻くが、火花が散るだけでグリーザには全く効いていなかった。

 

ミィヤアアアアアアア!!!

 

ダメ押しにDリンは破壊光線を連続で放つ。グリーザはそれらを球体状のエネルギーに変え胸のコアに吸収し、禍々しいエネルギーに変化した破壊光線をため、巨大な光弾にして発射した。

 

ミィヤアアアアアアアアア!!!!!!!!!!

 

Dリンは耳が潰れそうなほどの悲鳴を上げ、大爆発した。

 

 

 

 

 

マイト・シャドー「纏めて散れ!」

 

マイトは破壊光線を最大出力で放ち、ダークキラーはジャタールをベリアル諸共消し去ろうとした。

 

ベリアルは空かさずデスシウム光線で迎え撃った。その光景をジャタールは凝視した。

 

ジャタール「禍々しい赤き光。私は何処かでこの光を目にした。」

 

そして彼は次々と記憶が蘇った。生きる目的を失った事。そして、自らの命をベリアルに救ってもらった事を。

 

ジャタール「ヌォォォォォ!!!!これ以上陛下に手を出すなぁぁぁぁ!!!!!」

 

そう叫ぶとジャタールは立ち上がりベリアルの横に立ちヒッポリトクラッシャーを放ち破壊光線をベリアルと共に押し返し、シャドー・マイトにダメージを負わせた。

 

ベリアル「……ジャタール。お前の主人は誰だ。」

 

ジャタール「私の主人は…あなた様。ベリアル陛下ただ一人です。」

シャドー「小賢しい奴らめ。」

 

マイト「纏めて倒す。」

 

シャドーは高速移動でベリアルに飛びかかるがそれをジャタールに遮られる。

 

ジャタール「貴様の実力がどれ程のものか試させてもらうぞ。」

 

シャドー「なら、俺も試させてもらうぞ。」

 

目で捉えられない速さでシャドーはジャタールを攻撃する。反撃にジャタールはヒッポリトビームとヒッポリト・ファイヤーボムを次々と発射するが、高速移動で悉くジャタールの攻撃を避けた。

 

ジャタール「おのれ。ちょこまかとすばしっこい奴だな!」

 

若干イライラしながら攻撃を続けるジャタール。

そして背後へと回り込んだシャドーは胸のカラータイマーから紫色のレーザ光線(以降:ダークキラーシュート・シャドー)を次々と放ちジャタールを吹き飛ばした。

 

 

 

一方、ベリアルもマイトと互角の勝負を繰り広げていた。

 

マイト「お前を倒す。」

 

ベリアル「言う事はそれだけか。」

 

互いの拳がぶつかり合いその余波で幾多ものビルが揺れ窓が割れた。

 

マイトに先手を取られベリアルはアッパーカットをモロに受け、更に腹を殴られる。

 

攻撃に苦しむベリアルに容赦無くマイトは近づき彼の首を腕で締め付け苦しめるが、ベリアルはデスシウムクローをマイトの目に突き刺した。

 

マイト「ぐあああああ!!!…目が…見えん。」

 

失明し悶え苦しむマイトにベリアルは容赦無く攻撃を続ける。

足払いでマイトを転ばせると、自分の頭上まで持ち上げそのまま放り投げビルに激突させた。更にベリアルはマイトを背負い投げで何度も追い打ちをかける。

 

さっきよりも苦しんでいるマイトにトドメを刺そうとベリアルはデスシウムクローを生やし躙り寄る。しかし目の前にシャドーが現れ攻撃を遮られる。

 

シャドー「よくも俺をこんな目に遭わしたな。」

 

分身とはいえ自分が完膚なきまでに酷い目に遭わされた事に憎悪を抱き、眼光に真紅の閃光が走る。だがその時、ダークキラーよりも恐ろしい存在がいよいよ覚醒してしまう。

 

 

グゴガォォォォォォォォォォォォォン

 

 

メラメラと燃え盛る禍々しいオーラの中から星を揺らす咆哮が上がり、ベリアル達はたまらず耳を塞いだ。

 

巨大ヤプール「ヌハハハハハハハ。uキラーザウルスは遂に進化した!出でよ、【ダークキラーザウルス】!!!!!」

 

咆哮で禍々しいオーラを払うと、外見こそ元のuキラーザウルスと大差が無いが金色の部分が骨のように白くなっており両目も青から真紅の色に染まっていた。

 

巨大ヤプール「ダークキラーザウルスよ。全てを壊せ!!!」

 

ヤプールの冷酷な命に応えるかのように真紅の目に閃光が走るとダークキラーザウルスは咆哮を上げ、一つの触手の爪から破壊光線ダークフィラーショックを発射。

 

ベリアルはそれを迎え撃とうとするがそこにジャタールが現れヒッポリトクラッシャーでダークフィラーショックを受け止める。

 

ジャタール「私がこいつをなんとか食い止めます。陛下はダークキラーを先に倒して下さい。」

 

ベリアル「分かった。この場は任せるぞ。」

 

 

ジャタールside

陛下はそう言って元主人の方へと向かった。少しでも私は陛下のお役に立たなければならん。記憶失った時の陛下への無礼な数々。陛下が許してくれていてもスライ達に殺される。だから私はせめての詫びに今まで以上に陛下のお役に立たなければいけないんだ。

 

ジャタール「す、凄い力だ。このままでは押されてしまう。」

 

なんて力だ、たった一つの触手だけでこの力。私はまだ何もしていない触手の数を見て戦慄した。

 

 

そしてダークフィラーショックの出力が上がりジャタールはどんどん押し返されていく。だがその時彼の隣で一つの影が跳び出し触手を切り裂いた。

 

ジャタール「マベル。お前何故私を。」

 

マベル「あんたが例えゼットンとエレキングを殺した奴の仲間でも、ダチを助けるのは当然だろう。」

 

ダズ「そうじゃよ。儂らは友じゃ。改めてこれからもよろしくの。」

 

ジャタール「マベル。ダズ。…全くバカな奴らだな。」

 

彼は口でそう言いつつも嬉しさのあまり涙が出ていた。

 

 

シャドー「こうなったら、俺の究極の姿を見せる時だな。」

 

そう言うとシャドーはマイトをカラータイマーの中に吸収すると、バキリゴキリと鈍い音を立ててデルタの姿となった。

 

デルタ「お前の力の全てを示せ。」

 

デルタは三つの金色の光弾と後光のような背中にある翼のような構成をしているデススラッガーを放つ。

 

攻撃は全てベリアルに命中しあまりのダメージにベリアルも膝をついた。

 

ベリアル「これでも喰らいな!!!!」

 

反撃にデスシウム光線を発射。だがデルタはその屈強な肉体で受け止める、更にシャドーよりも早いスピードで間合いを詰め、その豪腕でベリアルを吹き飛ばす。

 

巨大ヤプール「ダークキラー、ベリアルは後回しにしてこのクズどもを始末しろ!」

 

デルタは高速移動で素早い動きでダークキラーザウルスの攻撃を避け続けているダズをはたき落とし、更にジャタールとマベルを持ち上げ、はたき落したダズの方へと放り投げ光弾で彼らを撃ち落とす。

 

アロア「あわわわわ。どうするの〜!?」

 

エスナ「ダークキラーザウルスがもうすぐ側まで来ている。」

 

迫り来るダークキラーザウルスを見て、ミヤは悶々とコックピットにあるスイッチを見つめる。そして覚悟を決めスイッチをパソコンのキーボードを押すように押した。

 

ミヤ「……こうなったら、この人を出すしかありません。」

 

マリナ「……ん?えっ!?!?ミヤちゃん何をやってるの!?!?そいつ出したら、この星が食い尽くされるかもしれないのよ!!!」

 

ミヤ「あの悪魔を倒さなかったら、どちらにしろこの星は滅びます。この人に賭けるしか無いんです。」

 

最後のスイッチを押すと目の前に、黒いカプセル怪獣カプセルが現れた。

 

ミヤ「あなたのお力を、お借りします!」

 

怪獣カプセルを怪獣カプセルと同サイズの穴にセットした。

そして円盤から光が放たれ、光の中から翼の様な突起物と腹に六つの目玉の様な模様が特徴の【大魔王獣マガオロチ】が現れた。

 

 

カルルルウォイイイイイイン!!!!!

 

 

 

人の金切り声の様な鳴き声を上げると、マガオロチは口から雷マガ迅雷を放ち、ダークキラーザウルスの体勢を崩した。

 

 

ミヤ「マガオロチさんがあいつの相手をしている間に、ジャタールさん達を援護しましょう。」

 

そしてミヤ達はジャタール達にとどめを刺そうとしているデルタを目の当たりにする。

 

デルタ「終わりだ。」

 

アロア「やめて〜!!!!!」

 

二機の円盤からレーザーシュートを放ちデルタを攻撃する。

 

デルタ「忌々しい奴らめ。先にくたばれ。」

 

効いてはいないものの彼女等の攻撃を鬱陶しく思ったデルタは破壊光線を円盤に向けて発射した。

 

アロア・ミヤ・マリナ・エスナ「ッ!!!!」

 

避ける間も無い速度で迫り来る破壊光線に彼女達は声にならない絶叫を上げた。誰もが自分の終わりと思ったその時、一つの影が聳え立った。

 

ベリアル「さっさと失せろ。」

 

なんとベリアルは腕をクロスさせ破壊光線を受け止めていたのだ。その光景に彼女達は凝視した。

 

ミヤ「私は前にも、この人にこんな風に助けてもらった事がある。」

 

彼女は前にEXゴモラの攻撃から守ってくれた記憶が蘇る。

 

マリナ・エスナ・アロア「私達は、あいつ・あの人にこうやって守ってもらっていた。」

 

彼女達もこれまでベリアルが戦って来た光景を思い出した。

 

ベリアル「だから、さっさと失せろって言ってんだろう!!!」

 

しかし彼女達はベリアルが言っている事とは逆に円盤を前へと出る。すると円盤からベリアルを包み込むバリヤーが展開され破壊光線から身を守ったのだ。

 

マリナ「あんたにいつまでもいい格好させる訳ないでしょう。」

 

エスナ「そうですよ陛下。私達はいつもあなたに守られているばかりでした。」

 

ミヤ「だから、今度は私達が陛下を守る番です。」

 

アロア「それに〜、私達はダーリンが今まで悪い事していたからといって〜、ぜ〜ぜん気にしてないよ〜。」

 

マリナ「あんたが今までどんな事をして来たは知らない。」

 

ミヤ「けど、陛下は陛下でしょう。」

 

エスナ「今ここにいる陛下が本当のあなたであるのなら、私達はあなた受け入れる。」

 

ベリアル「お前ら……。」

 

デルタ「ごちゃごちゃ忌々しい!」

 

デルタは背中のデススラッガーを飛ばそうとするが、ダークサンダーエナジーを浴びパワーアップしたジャタール達の攻撃を受け、怯んでしまう。

 

ダズ「儂とマベルもようやくお主の事を思い出せた。」

 

マベル「ああ、一緒に俺達の星を守ろうぜ!」

 

ベリアルは彼等の言葉を聞いて、紅い瞳から涙と思わしき紫の粒子を流した。

 

グリーザ「陛下。あんな奴早く倒して、みんなに料理を作ってよ。」

 

ベリアル「……そうだな。さっさと終わらせて、俺が飯をたっぷりと作ってやるよ!!!!!」

 

その時、始めて全員の気持ちが一つなった。自分達の星を守り抜こうという意思が一致した。

 

すると突然赤い雷が降り注ぎ、雷はギガバトルナイザーへと変化した。

 

ベリアル「あの野郎。やっと返しやがったか。」

 

彼はギガバイトナイザーを振り回し、先端をデルタへと向ける。

 

ベリアル「ここからが本番だ。」

 

 

 




ゼラス「次回予告!!!!!いよいよヤプちゃんとキラーちゃんとの決戦が始まる。更にまた乱入者が続出!?!?次回をちょっとだけ楽しみにしてあげてね。」

余談だけど今回のヤプちゃんは初代を意識したそうだよ。


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エピソード16「絶望ーヤプール」

前置きに言いますと、今回決着つけようとしたのですが、色々あって今回は決着つきません。誠に申し訳ありません。


 

ベリアル「ここからが本番だ。」

 

 彼がそう告げるとジャタール達はデルタの横を通り過ぎダークキラーザウルス(以降:DKザウルス)の元へと向かう。その場に残ったデルタとベリアルは睨み合う。

 

 デルタ「…そんな物を持ったところで、俺には勝てん。」

 

 デルタは破壊光線をベリアルに向けて発射。ベリアルはデルタの元へ跳び間合いを詰めながら、ギガバトルナイザーを回転させ光線を掻き消す。そしてベリアルはデルタにギガバトルナイザーを押し当て電流を流し込んだ。

 

 デルタ「…おのれ。」

 

 苦しみながらもデルタはベリアルを剛腕で殴り体勢を崩させる。その隙をデルタが見逃すはずも無く、宙を横一直線になぞり複数の光弾(以降:キラークラスター・デルタ)を並べるとそれらを一斉に放った。

 

 だがベリアルはすぐに体勢を立て直し、デスシウムクローで搔き消す。

 

ベリアル「どうした?お前の力はこんなものか?」

 

デルタ「思い上がるな!」

 

 デルタは背中のデススラッガーを全て飛ばす。ベリアルはギガバトルナイザーで全て弾く。次にデルタは破壊光線を放つのだが、なんとデルタは破壊光線をベリアルがいる所とは全く別の方向へと放った。

 

 ベリアル「バカめ。何処を狙っている。」

 

 彼はデルタを嘲笑う。しかしデルタはなんと破壊光線をデススラッガーで反射させていたのだ。いち早くそれに気づいたベリアルはその場から飛んで躱し、そのまま上空へと向かった。デルタもベリアルを追う。

 

 

 

 一方、ジャタール達もDKザウルスとの死闘を繰り広げていた。

 

 ミヤ達の円盤とグリーザは一斉にレーザーシュートとグリーザダークライトニングをを放つ。しかしDKザウルスにはまるで効いていない。DKザウルスはダークフィラーショックでミヤ達の円盤を撃ち墜とそうとする。

 

 しかし、その攻撃はマガオロチのマガ迅雷により相殺されてしまう。

 

  カルルルウォイイイインンン

 

 咆哮で威嚇をしてマガ迅雷を再び放つ。ミヤ達の円盤はマガ迅雷に当たりそうになったが間一髪で避けた。

 

 ミヤ「やっぱり、私達を助ける気は無い様ですね。」

 

 彼女は苦笑しそう呟いた。それにマリナは同意した。

 

 

 ジャタールはDKザウルスの顔へと向かう。

 

  グゴガォォォォォォォォン

 

 彼はダークキラーザウルスの威嚇に圧倒されそうになるが、それを堪えてヒッポリトクラッシャーを浴びせる。ダメージを負わせるが決定打には至らず。鬱陶しいと感じたDKザウルスは触手でジャタールを捕え、自身の目の前に移動させ彼を睨む。

 

  ジャタール「離せ!離すんだ!」

 

 彼は必死にもがくが触手は固定された様にビクともせず、目からダークキラーアイレイを発射しようとするが、偶然にもマガオロチのマガ迅雷により軌道が逸れてしまう。ダークキラーアイレイは宇宙へと向かい別の星に直撃するとその星は塵と化した。

 

 マベル「ジャタールさん、今助けるぜ!」

 

 彼はその場から跳び上がり触手の元まで辿り着くとビームサーベルで触手を斬りジャタールを救出する。彼もマベルを受け止めその場から一旦距離を置いた。

 

  ジャタール「なんて奴だ。我々の攻撃がどれも決定打になっていない。」

 

 ダズ「今のところ精々マガオロチの攻撃が少し効いてる程じゃぞ。」

 

  マベル「あの触手なんて斬っても斬っても生えてきやがる。」

 

 今の様子をモニターで見ているザンドリアス達は懸念を抱いた目で見詰めていた。すると突然ザンドリアスは頭痛がすると脳裏に前に見た夢の光景が浮かんだ。

 

改造ベムスター「ザンドリアスちゃん?どうしたの?」

 

彼女はザンドリアスを心配し側による。

 

 

 

 〜アルカディアスペース 宇宙空間〜

 

  一方、タロウからの連絡を受け、ベリAKと通常の姿になっているこの宇宙のウルトラマンいやウルトラウーマンゼロは惑星アルカディアに向かっていた。

 

  ベリAK「ゼロ。もう時期着くぞ。用意は出来てるか?」

 

  ゼロ「ああ。準備は万端だ。」

 

  彼女はベリAKにサムズをアップ向けた。

 

 

 

  アタイはようやくこのライザーを手に入れたことにより、ケンの爺さんの同期であるベリアルにすら渡り合えた。この力を使って今度こそアタイは今度こそ認めてもらうんだ。親父の娘であることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  暗雲の中でベリアルとデルタは火花を散らし激しく激突していた。

 

  デルタはキラークラスター・デルタを無数に発射。ベリアルはギガバトルナイザーの先端に金色の光に纏わせそれを回転させクラスターを搔き消しそのままデルタとの間合いを詰め、ギガバトルナイザーを振るいベリアルデスサイズを放ち、デルタを切り裂いた。

 

  デルタ「………やはり俺は…何も守れはしないのか。」

 

  デルタはダークキラーの姿に戻るとそのまま地上へと落下していった。その時の彼の目は憎悪を抱いた真紅の瞳の色は消えた。

 

 

 

ダークキラーザウルスはマガオロチにダークフィラーショックを直撃させ四散爆発。マガオロチは光の粒子となりカプセルへと戻った。ミヤはこの状況に顔を青ざめた。

 

  グゴガォォォォォォォォォォン

 

  勝利の雄叫びを上げ、6本足で地を揺らしながら歩行する。ジャタール達は身構えた。しかし、上空からダークキラーザウルスの顔面に赤黒い稲妻が直撃する。すると、上空からベリアルもジャタール達の前へと降り立つ。

 

  ベリアル「あいつは片付けた。後はあのデカブツだけだ。」

 

  そう言うと彼はダークキラーザウルスに飛び掛かる。だが、突如上空から一つの光線がベリアルに直撃し彼は後退した。また攻撃を遮られたことに腹を立てた彼は怒鳴り声を上げた。

 

  ベリアル「次々からへと、今度は何処のどいつだ!?」

 

  その時、空から赤い球体とエメラルド色の球体が降り立った。やがて球体は消えるとそれぞれの球体からベリAKとゼロが姿を現したのだ。

 

  ベリAK「やはり居たか。黒い俺。」

 

  彼はほくそ笑みベリアルを見つめた。ベリアルも嫌悪感を露わにし軽く舌打ちをした。

 

  巨大ヤプール「何故お前達が此処に!?俺は応援なぞ頼んではいないぞ!!!!」

 

  ベリAK「安心しな。俺とこいつは手柄なんざ要らねえよ。ただ実力を試したいだけなんだ。だから、手柄は全部お前のものだ。」

 

  彼の発言にヤプールは態度をコロリと変えた。

 

  巨大ヤプール「そうか。では、頼んだぞ。」

 

  ヤプールがそう言うとDKザウルスは後ろへと下がる。

 

  ベリAK「いくぞゼロ。俺達の力を知らしめてやろうじゃねえか。」

 

  ゼロは何度も声を掛けられても反応しなかった。ベリAKはゼロが何かを見つめていることに気づき彼女の目線の先を見ると彼女はベリアルを見て固まっている事に気づいた。

 

  ゼロ「あ……ああ」

 

  ベリAK「もしかしてあの野郎に怖気付いたのか?なら安心しr」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ゼロ「ベリアル様だぁぁ♡♡♡♡♡///////」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ベリAK「ハッ??????」

 

目にハートを浮かべ顔を赤らめている彼女の言い放った事に動揺したベリAKは間抜けな声を上げた。

 

  ジャタール「陛下!!よく見てみれば我らが憎っくきウルトラマンゼロが居ますよ。」

 

  先程からベリAKに気を取られていたため、ようやくゼロがいることに気づくとベリアルはニヤリと笑いゼロに歩み寄る。

 

  ベリアル「よお、会いたかったぞぉ。ゼロ。俺は“お前に会えて嬉しいぜぇ”。」

 

  ゼロ「えっ!?…(トゥンク)……会えて嬉しい!?!?!?///////」

 

  そう言われるとゼロは顔から湯気が出るほど顔を赤くした。ベリアルはゼロの様子を見て疑問に思う。

 

  ゼロ「ア、ア……アタイも会いたかった。……ベリアル様ァァ♡♡♡♡/////」

 

  また目にハートを浮かべ叫んだゼロはベリアルに飛び付き力一杯抱き締め、頭をスリスリとベリアルの胸筋に押し当てる。ベリアルもゼロの言葉に呆然と立ち尽くしまい、何も出来ずにいた。

  そしてそれはベリアルだけでなく、この場にいる全員も呆然とし、暫し沈黙が続いた。

 

 

 

 

 

 

  一方、ザンドリアス達は戦場となっている都市の中をビルの物陰に隠れて低空飛行で飛んでいた。

 

  改造ベムスター「ザンドリアスちゃん!悔しいけど、私達が行っても足手まといになるだけだよ。早く基地に戻ろうよ!」

 

  彼女はザンドリアスを止めようと必死に声をかける。しかし、彼女は猛スピードで何処かへと行ってしまい見失ってしまう。

 

  先程モニターでベリアルがダークキラーを倒したと聞いた瞬間にザンドリアスは顔を青ざめ、急に駆け出したのだ。因みに改造ベムスターはザンドリアスを連れ戻そうと追いかけているのだ。

 

  ザンドリアスは辺りを見回しているとビルを下敷きに倒れているダークキラーを見つけると、その場に降り立ち彼の側に寄り添った。

 

  ザンドリアス「大丈夫?キラーさん。」

 

  彼女のまるで子を心配する母の様な母性を感じる声に反応するかのように、ダークキラーは瞳を光らせ弱々しい声で返事をした。

 

  ダークキラー「…何だ?…負けた俺を…笑いにでも来たのか。」

 

  ザンドリアス「違うよ。ただ、確かめたい事があるの。」

 

  ダークキラー「何だ?」

 

  ザンドリアス「あなたは本当にあのヤプールの手下なの?

 私達を守るって言ったのも嘘だったの。」

 

  返ってくる返事が質問した事と一致していた時の事を考えると、彼女は怖くて震えてしまう。

 

  ダークキラー「…信じては…もらえんだろうが。……俺は…お前達を本気で……守ろうとは思っていた。」

 

  彼の回答にザンドリアスは顔に喜色を浮かべた。しかしダークキラーは彼女とは対照的にそっけない態度を取っていた。

 

  ダークキラー「……だが…結局俺は…いいように利用されただけだった。…まあ、それもそうだな。………“たった一体の怪獣ですら………守れなかった”この俺が………誰かを守るわけがなかったんだ。」

 

  ザンドリアスはダークキラーのある言葉が気になり、彼女は彼に質問した。

 

  ザンドリアス「その怪獣って、誰なの?」

 

  ダークキラー「お前が…それを知ったところで何になる?……まあ、…いいだろう。……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ベリアル「………って、お前何言ってんだ!?!?」

 

  ゼロ「あんな事言っといて今更照れるなよぉ。ベリアル様はかわいい一面もあるんだなぁ♡」

 

  ベリアル「だから、お前本当にどうしたんd…ん?」

 

彼はある事に気付いた。グリーザ程ではないが、胸に女性特有の大きな胸が当たってることに気づいた。そして彼は察した。このゼロはベリアルが知ってるゼロでないことを理解した。

 

  ベリアル「サッサと離れろ!さっきのは人違いで言っただけだ!!!それにテメェの顔なんざ二度と見たくねえ!!!!」

 

  ゼロ「え………」

 

  テメェの顔なんざ二度と見たくねえ テメェの顔なんざ二度と見たくねえ テメェの顔なんざ二度と見たくねえ

 

 彼女の脳内にベリアルの言葉が何度も木霊した。ショックのあまりその場に四つん這いに倒れると、目から光の粒子を涙のように流した。

 

  ゼロ「そりゃ、アタイらは敵同士だし、ベリアル様が人違いで言っちまった事を、アタイも勘違いして馴れ馴れしくしちまったのが、悪いとは分かってるけどよ………あんな言い方はあんまりじゃねえか。」

 

  彼女はそのまま泣きじゃくってしまう。そんなゼロにマリナ達は同情してしまった。

 

  ミヤ「陛下、今の断り方は酷いですよ!!!」

 

 

ベリアル「ハッ?」

 

 

  マリナ「敵とはいえ、女の子を泣かせるなんて、あんたやっぱ最低ね。」

 

ベリアル「ハッ!?」

 

 

エスナ「今すぐにでも、謝った方がいい思いますよ。」

 

  アロア「いくらダーリンでも、今の許せない!速く謝って!」

 

  ジャタール「と、取り敢えず、サッサと、謝りましょう。」

 

 

 

 

 

ベリアル「ハッ!?!?!?!?」

 

  マベル「陛下、今のは流石に酷いぜ!最低だ!」

 

  ダズ「最低じゃな。」

 

  ベリAK「最低だな。」

 

  グリーザ「最低?」

 

  巨大ヤプール「最低だ!!!」

 

  ベリアル「五月蝿えんだよ!!敵に謝れとかお前らお人好しか!!!つーか、ヤプール!!!貴様だけには一番言われたくねえ!!!!」

 

  ベリAK「ゼロのためにも、お前を倒す!」

 

  ベリAKは掛け声を上げ、ライトクローを生やし切り掛かるがギガバトルナイザーで脇腹を殴られ、その隙に腹にヤクザキックの重い一撃を喰らい、吹き飛ばされてしまう。

 

 しかし、ベリAKは空中で急停止し、ライトギロチンを無数に発射。 ベリアルはギガバトルナイザーを回転させ、ライトギロチンを搔き消した。そしてベリアルはギガバトルナイザーを肩に乗せ右手をくいくいと振るい、ベリAKを挑発する。ベリAKは彼の行動に軽く舌打ちした。

 

  一方、ゼロは泣きじゃくっているところをエスナ達に慰められていた。

 

  ミヤ「大丈夫ですよ。その、えーと、こんな状況ですから、陛下もピリピリしているだけですよ。」

 

  エスナ「きっとチャンスはあるぞ。」

 

  ゼロ「う、うう、……ありがとよ。」

 

  ゼロは彼女達からの言葉に癒され元気を取り戻す。だが、その時に自分が何のためにこの星に来た事を思い出し、涙をぬぐい、彼女達を振り払った。

 

  ゼロ「ドケ!気安くアタイに話しかけんじゃねえ!」

 

 彼女はベリアル達の頭上よりも高く跳び上がり、ウルトラゼロキックを仕掛ける。しかし、ベリアルはそれをなんと片手で受け止めると、そのまま投げ飛ばされてしまう。

 

  ベリAK「大丈夫なのか?ゼロ。」

 

  ゼロ「ああ、おかげさまでな。」

 

  ベリAK「そうか。それじゃあ、行くとするか。」

 

ベリAKは腕を十字に、ゼロはゼロスラッガーをカラータイマーに装着しエネルギーを溜め、それぞれRスペシウムとゼロツインシュートを放った。ベリアルはギガバトルナイザーからデスシウムジェノサンダー(以降:DZサンダー)で迎え撃つ。

 

ゼロ達は気合いの掛け声を上げる。しかし、次第にベリアルが押していき、彼等は苦悶の表情を浮かべながらも声を上げ続けた。

 

巨大ヤプール「このままでは奴等が負けてしまう。それなら……」

 

ヤプールの目から閃光が走ると、ゼロ達の両脇の光景がそれぞれ二つずつ割れ、4人の宇宙人達が現れた。

 

ゼロの隣には、赤い四つ目が特徴の青い宇宙人、その隣には角と牙と背びれが赤い結晶の様な物になってるのが特徴の怪獣、ベリAKの隣には、黄土色の五角形の様な肉体と頭部にある赤い発光体と尻尾の生えている宇宙人、本来は地球人と変わらない大きさなのだが何故か三者と同じ大きさになっている細身で機械の様な体と畳まれている蝙蝠の様な翼が特徴の宇宙人達が並び立った。

 

ベリアル「ダークゴーネ!ザウラー!アイアロン!グラシエ!」

 

ジャタール「なんと!という事は、あの三方が旧ベリアル軍の幹部なのですか。それにグラシエまで。」

 

ジャタールはベリアルが言い放った発言に目を見開いた。すると、ダークゴーネ達は苦しみながらも喋り出した。

 

ダークゴーネ「カイザーベリアル陛下、申し訳ありません。」

 

ザウラー「グルルルルル。ヤプール、必ズ殺シテヤル!!!」

 

アイアロン「ブルアアアアアア!陛下ぁぁ!面目ありません!」

 

グラシエ「陛下、我々の事は気にせずにご自分の目的を果たして下さい!」

 

ベリアルは憤怒の形相でヤプールを睨み付けた。その様子にヤプールは高笑いを上げ、残酷な命令を下す。

 

巨大ヤプール「さあ、ベリアルを殺せ!」

 

彼等は心を激しくを痛める。だが、それとは裏腹に無情にも体が勝手に攻撃体制に入ってしまう。

 

ダークゴーネは胸の発光体から赤い破壊光線ゴーネビーム、ザウラーは口から熱線、アイアロンは赤い発光体から衝撃波アイアロンソニック、グラシエは剣を取り出し斬撃、それぞれの得意技が放たれ、ベリAK達と共にBZサンダーを押し返す。

 

咄嗟に彼はギガバトルナイザーで防ぐが、そこにダークキラーザウルスがダークキラーアイレイでギガバトルナイザーを吹き飛ばされ、彼は集中砲火を受けてしまう。

 

ベリアル「ぐうわぁぁぁぁぁ!!!!!

 

彼の絶叫が辺りに木霊する。ジャタール達は助けに向かおうとするが、ダークキラーザウルスの触手に捕らえられてしまう。

 

巨大ヤプール「どうした?お前らはベリアルに見物しておけ言われたんだ。女達は兎も角、ヒッポリト星人にグリーザは主人の言いつけはちゃんと守らないといかんなあ。ヌハハハハハ。」

 

奴はジャタール達を嘲笑った。

 

 

 

 

 

一方、ザンドリアスはダークキラーからある事を聞き出していた。

 

ダークキラー「……俺は…かつて…ウルトラ戦士達と戦いに負けま後…気づけば…見知らぬ星に居た。その当時、俺は……自分が…何者であった事を忘れ、目に入る物……全てに恐怖した。………そんな俺に、優しく……接してくれた奴がいた。

そいつこそが…俺が初めて守りたい思った相手……お前と同じ種族の“ザンドリアス”だ。」

ザンドリアス「私と同じ種族。」

 

彼女はダークキラーの話に怪訝な顔をした。

 

ダークキラー「……そんなある日…ヤプールが現れ……俺が今まで……何をしてきたかを……何者であるかを…告げられた。けど、それでも……あいつは俺の事を受け入れてくれたんだ。」

 

ザンドリアスは彼の話を聞いてある事を思い出した。

 

ザンドリアス「(確か前にママが、「私はある人に助けてもらったんたのよ。そのおかげで今のあなたがいるんだよ。」って言っていたことがあったけ。)」

 

ダークキラー「…その後…ヤプールの奴は…再び俺と共に……ウルトラ戦士達への復讐を…果たそうと誘った来た。……当然、俺は…そんなものには…興味が無くなった事を言った途端に…あいつはザンドリアスを殺そうとした。……俺は…あいつを守るために戦った…だが……ヤプールは倒せたが…あいつを守ることは出来なかった。」

 

彼はそう言い切るとまた瞳の輝きが消えてしまった。

 

ザンドリアス「……しっかりして!!!!あなたなら、きっとできる。」

 

彼女に掛けられた言葉に驚愕した。

 

ダークキラー「何故、その言葉を」

 

ザンドリアス「ママから嫌ってほど聞かされたからね。」

 

ダークキラー「お前の母親……!?!?まさか、お前はあいつの子なのか!?!?」

 

ザンドリアス「うん。あなたが“守った”ザンドリアスは、私のママだよ。小さい頃、旅をしてる時によく聞かれたんだ。昔悪い事をしていた人から守ってもらったって。」

 

ダークキラー「(ザンドリアス。お前はあの爆発から生き延びていたのか。)」

 

ザンドリアス「その時、聞いた話ではママはあなたが起こした爆発でこの宇宙に飛ばされただけで済んだの。」

 

そう言うと彼女は彼の頰に寄り添う。

 

ザンドリアス「やっぱり、キラーさんは強いんだね。あなたがママを守ってくれたおかげで、私はこうして生きている。本当にありがとう。」

彼女は満面の笑みで感謝の言葉を告げた。すると、ダークキラーの瞳は憎しみ燃え上がる血の様な赤色から優しさと何処か悲しさを青色へと変色した。

 

ダークキラー「俺は恨みで生まれた存在。だから、俺は恨みを晴らす事が、自分の使命と言い聞かせて戦った。だが、こんな俺でも…大切な存在を守ることができた。

俺はこんなにも気分が晴れたのは初めてだ。

俺の方こそありがとう。ところで、お前の母は何処にいるんだ?」

 

彼女は彼から質問を受け、顔を曇らせた。

 

ザンドリアス「それが…」

 

 

 

一方、ベリアルはダークゴーネ達の集中砲火にカラータイマーを鳴らし苦しんでいた。

 

巨大ヤプール「さて、そろそろ終わりにしてやろう。ダークキラーザウルスよ。ベリアルに止めを刺せ!!!!!」

 

ヤプールに命令を下されたダークキラーザウルスは、6本足のある下半身の目の様な部分に膨大なエネルギー溜めると、ヤプールは不敵な笑みを浮かべた。

 

巨大ヤプール「お前は我々の脅威。永久に復活できぬよう消し去ってやろう!!!」

 

ヤプールの叫びに反応し、ダークキラーザウルスは自身の究極必殺光線【ザウルス・ダーク・フルバースト】を放出した。

 

そこに触手をブロンズ化させたことにより抜け出したジャタールが猛スピードで触手を避けながらベリアルの元へと向かう。

 

ダークキラーザウルスの光線がすぐそばに来たのを見たベリAK達は攻撃をやめてその場から離れる。ベリアルもボロボロになった体を奮い立たせ回避しようとするがもう間に合わない。

 

だがしかし、ベリアルは突然誰かに突き飛ばされた。それはジャタールであった。

 

ジャタール「あなたにお仕え出来た事を、誇りに思います。」

 

彼は感謝の言葉をベリアルに伝える。そして、彼は光の中に消えていった。 光線はなんとこの星を飛び出し、別の銀河系に降り注ぐと跡形も無く消え去った。

 

グリーザ達「ジャタール!!!!!」

 

ジャタールの死にショックであのグリーザですら叫んだ。

ベリアルも唖然とし、攻撃により出来たクレーターを凝視した。

 

巨大ヤプール「おのれ!あんな虫ケラごと如きが邪魔をしよって!!!!!まあ、よい。お前達もあの虫ケラ同様に消し去ってやろう。」

 

奴は高笑いを響かせる。笑い声を聞いたベリアル達は憤怒の形相で睨みつける。すると、グリーザが普段からは全く想像出来ないドスの効いた声で喋り出した。

グリーザ「よくも、よくも……ジャタールの事をバカにしやがって。私は……お前を許さない。」

 

次の瞬間、彼女の瞳が燃え上がる憎しみの様な赤色に染まり、全身が光り出した。

 

 

 

 




ゼラス「次回予告!!!!!
ジャなんとかのまさかの死。そしてグリちゃんにいったい何が起きたのか?次回こそ決着が着くのか!!少しだけ、期待して上げてね。」


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エピソード17「フュージョンライズ」

 

私は正直なところ、色々な事をまだ知らない。感情がなんなのか、よく分からない。だけど何も分かっていないわけじゃない。

 

嬉しいという感情は心が晴れ晴れつと明るくなってはしゃぎたくなる。悲しいっていう感情は心が痛くなって涙が出てくる。

 

そして、今日この瞬間に、新しい感情を知った。

 

 

 

“怒り”

 

 

あのヤプールとかいう奴が、ジャタールを殺しただけでなく言った言葉に、私は怒りが芽生えた。その時私は思った……“あいつを無に還したい”と。

 

 

 

 

 

今この場にいる全員がグリーザに目を向けた。

マリナ「あれは。」

 

エスナ「…ゴモラやゼットンが怪獣の姿になれた時と似ている。」

 

ミヤ「でも、あの時と違って、その、なんというか、怖いです。」

 

キャッハッハッハッハッハッハッハッ

 

笑い声のような鳴き声を発したグリーザはグリーザ光線をDKザウルスに連続発射。大量の火花が散り奴にダメージを与えた。

 

グガオオオオオオオンンンンンン

 

怒りの咆哮を上げたDKザウルスは、捕まえていたマリナ達を投げ捨て全ての触手の爪先からダークフィラーショック(以降:DHショック)を一斉発射。

 

その瞬間、グリーザはなんと当たる直前に攻撃をエネルギーの球体にしてしまい胸のコアに吸収してしまうと、発光部分から闇のエネルギーを溜め、巨大なエネルギー光球を発射。

巨大ヤプール「迎え撃て!!!」

 

DKザウルスはダークキラーアイレイ(以降DKAレイ)を放ち、相殺させるが、互いの余りの威力に数キロに及ぶ爆炎が発生しグリーザ達を飲み込んだ。

 

しかし、DKザウルスはそれに一切動じず、身体中の棘をミサイルの様に飛ばした。爆炎で前が見えなかったため、グリーザは避ける事が出来ずに全て命中してダメージを受ける。

 

DKザウルスは地響きを立てにじり寄り、グリーザを踏み潰そうと巨大な足を上げる。

その様子を見たマリナとエスナとミヤとアロアは思わず目を覆う。マベルとダズも助けに向かおうとするが、戦いで出来た傷の痛みで動けずにいた。

 

遂にDKザウルスは足で振り落とした。グリーザは受け止めるが何10万トンもの巨体を支えるのは無理があったのか徐々に押されてしまう。

 

そこに、ようやく立ち上がれたベリアルがボロボロの体に鞭を打ち、グリーザの元へと向かう。

 

しかし、目の前にヤプールが異次元から出てベリアルの前に立ち塞がる。

 

巨大ヤプール「今度こそ、貴様を俺の手駒にしてくれる!」

 

そう言うとヤプールは手をかざしてベリアルに念力を掛ける。ベリアルも満身創痍の状態という事もあり、頭を抱え苦しむ。

その様子を見たベリAKはヤプールに向かって怒鳴る。

 

ベリAK「おい!何勝手な言ってんだ!?」

 

ゼロ「その方…いや、そいつを倒すのはアタイ達だ!!」

 

巨大ヤプール「耳障りだ。お前ら、こいつらを黙らせろ!!」

 

彼らの事を目障りに思ったヤプールはダークゴーネ達に彼らを襲わせた。そしてその隙にヤプールはまた念力を掛ける。

 

巨大ヤプール「さあ、我が怨念と闇の力の前に屈するがよい!」

 

苦しむベリアルの姿を見てヤプールは高笑いを上げた。

 

ベリアル「……いつまでも…その耳障りな声上げんじゃねえ!!!!!」

 

彼は怒号を上げ、闇の力を放出しヤプールの念力を弾き返し、DKザウルスをも押し倒してしまう。ヤプールはベリアルがやってのけた事に驚愕する。

 

巨大ヤプール「バカな!瀕死の状態だった貴様が何故!?」

 

ベリアル「……今の俺には…死んでも守りてえ奴らがいんだよ!なのに……部下一人守られなかった怒りを…力に変えただけだ!!」

 

巨大ヤプール「守りたい奴ら?フッハハハハハ。お前も所詮ウルトラ戦士だったということか。そんなもの、なんの力にもなりはせんわ!」

 

ヤプールがベリアルを煽っていると、一つの赤い破壊光線がヤプールに直撃し怯ませた。光線が放たれた方を見ると、そこには身構えているダークゴーネ達がいた。

 

すると、彼等はベリアルの元まで走り寄り、跪いた。

 

ダークゴーネ「陛下が放った力により、ヤプールの呪縛から解放されました。しかし、操られていたとはいえ我々は陛下になんと恐れ多い事を…」

 

ベリアル「お前らの処罰は後で決める。謝罪よりも、まずやるべき事があるだろ。」

 

ザウラー「…了解シマシタ。」

 

アイアロン「俺達の力を奴に思い知らせてご覧に入れてやりますぜ。」

 

グラシエ「私共がヤプールめをサクッと倒してみせましょう。

その間にベリアル陛下は、ゆっくりとお休みして下さい。」

 

彼等はベリアルにそう告げるとグリーザの元による。

 

グラシエ「あなたはベリアル陛下の新しい部下ですか?」

 

フェンフェンフェンフェンフェン←コクコクと頷く

 

アイアロン「さっきの戦いぶりは中々ものだったぞ。」

 

グラシエ「共にジャタールさんの仇をとりましょうね。」

 

そうこう話していると、巨大ヤプールはDKザウルスの目の前に浮上し、高笑いを上げた。

 

ヤプール「貴様らが俺を倒すだと?寝言は永遠の眠りについてから言うのだな。」

 

ヤプールは怨念と化しDKザウルスと融合した。

 

ヤプール「さあ、地獄で後悔しろ!!!」

 

ダークゴーネ「地獄で後悔するのは、どちらか思い知らせてやりましょう!!!!」

 

DKザウルスは雄叫びを上げ、また身体中のミサイルを無数に発射。空を覆い尽くすほどの量のミサイルに全く動じず、ダークゴーネ達はそれぞれの得意技を発射して相殺する。

 

そして、ダークゴーネとグリーザとグラシエは飛び立ち、アイアロンも駆け出し、DKザウルスへ襲い掛かる。ザウラーは雄叫びを上げると、地面に手を突き刺し、自身の何倍もある岩を投げ飛ばした。

 

しかしDKザウルスはそれを腕を振るい怪力で粉々にしてしまう。ザウラーは腹を立てて地面を踏みつけ八つ当たりをする。

一方、アイアロンはDKザウルスの真下へと行き、攻撃を仕掛ける。

 

アイアロン「食らえ!アイアロンソニック!!!」

 

アイアロンは得意技をDKザウルスの下半身に直撃させ奴を苦しめた。

 

アイアロン「陛下に逆らう奴らは全て消えるがいい!砕けろ!消えてなくなられぇ!!!」

 

ヤプール「小賢しい奴め!」

 

奴がそう言うと下半身から破壊光線を放ち、アイアロンソニックとぶつかり合う。しかし徐々に破壊光線が押し返していきアイアロンに迫る。万事休すかと思われたその時、ザウラーがアイアロンに飛び蹴りをし、吹き飛ばしたことになんとか逃れる。

 

一方、ダークゴーネ達は迫り来る触手を掻い潜り翻弄していた。そしてダークゴーネは腕を剣に変形させ、グラシエも剣を取り出し、DKザウルスに切り掛かる。

 

しかし、DKザウルスはそれを受け止めてしまう。だが、その隙にと現れたグリーザは膨大なエネルギーを溜めたグリーザダークライトニングを放つ。

 

顔面に直撃したということもあり、相当なダメージを受けたDKザウルスだが、それにより奴の怒りを買ってしまう。

 

ヤプール「忌々しい!纏めて吹き飛ばしてくれる!!!」

 

 

 

一方、ベリアルも休んだ事により体力が多少は回復してきたため、彼等の元へ向かうとするが、それをベリAKが遮る。

 

ベリAK「よお、休憩は済んだようだな。だったらもう俺とも遊べるだろう?」

 

彼は先程ベリアルが落としたギガバトルナイザーを取り出す。

 

ゼロ「おっと!アタイの事を忘れちゃ困るぜ!ベリアルさじゃなくて黒ベリアル!」

 

彼女はそう言うと、なんと別宇宙のベリアルとゼロが使ったライザーと装填ナックルと二つのニュージェネレーションカプセルを取り出した。

 

しかし、それを黙って見ているベリアルではなかった。ベリアルは念力でライザーと装填ナックルを取り上げた。

 

ゼロ「コラァ!!アタイのナックルとライザーを返せ!!!」

 

彼女は怒鳴ると殴りかかるが、それを片手で受け止め彼女の腹に蹴りを入れ彼女を後退させる。

 

ベリAK「大丈夫か!?お前、よくもゼロを。」

 

彼がギガバトルナイザーを構えると無数の青いランプの一つが赤く光り出し、その光はベリアルの手元に行く。光りはなんと、かつてベリアルが怪獣化した姿のアークベリアルが描かれているカプセルとなった。

 

ベリアル「これは前に、俺が変身した姿じゃねえか。」

 

更に、アークベリアルのカプセルに反応してマガオロチのカプセルもベリアルの手元に渡る。彼はライザーと装填ナックル二つのカプセルをジッと見つめ、不敵な笑みを浮かべた。

 

ベリアル「見せてやろう。俺の新たな力を。」

 

 

背景にベリアルの顔がある赤い空間に二つのカプセルが浮かび、それぞれのカプセルのトリガーを引かれると、マガオロチのアークベリアルの鳴き声が響き渡る。

 

そしてカプセルは装着ナックルに装着され、ナックルにライザーをリードし、トリガーを引いた。

 

フュージョンライズ!

 

ライザーからその言葉が流れた瞬間、赤黒な空間とそこに浮かんでいる巨大な黒い球体を背景にベリアルが現れ、それぞれのカプセルが彼の両側に浮かび、怪獣と化した。

 

マガオロチ アークベリアル ウルトラマンベリアル!

禍々アークベリアル

(BGM:マガタノオロチのテーマ)

 

大地から赤緑色の光が溢れ、大地から大怪獣が現れる。

 

その正体はアークベリアルの顔にマガオロチの一角、背中にある翼のような突起に肩と膝に凶悪な顔、そして巨大な尻尾を持っている文字通り最凶最悪な大怪獣【禍々アークベリアル】に変貌を遂げたベリアルだ。

 

 

ウォォウイイイイイイン・ウォォウンンンンンン

目を赤く光らせ咆哮を上げる。その姿を見ているベリAKとゼロは唖然としていた。

禍々アークベリアル「体中から力がみなぎってくるぞ。これでお前らに勝ち目は無いな!」

 

ベリAK「ケッ、姿を変えただけで勝てると思うな!!!」

 

彼は叫ぶと電流が迸るギガバトルナイザーで殴るが、禍々アークベリアルは微塵のダメージを受けず、そのままギガバトルナイザーを弾き飛ばし、ベリAKに尻尾を巻きつけ電流を流す。

 

その様子を見ているゼロは焦り始めた。そして、持っている二つのカプセルをジッと見つめる。

 

ゼロ「これしか方法は無さそうだな。」

 

覚悟を決めた彼女はカプセルをカラータイマーに吸収した。彼女は突然苦しみ始めると、ゼロビヨンドの姿となった。

 

ビヨンド「ライザー無しでなったこの姿は1分ぐらいしかもたないし、体力を激しく消耗する。一気に決着をつけてやる!!!」

 

彼女は周囲に八つの光球を生じ、体を大の字に広げる。

 

バルキーコーラス!!

光球から光線が一斉発射され、全て禍々アークベリアルに命中した。だが、それすら禍々アークベリアルには何のダメージも至らなかった。

 

禍々アークベリアルは標的を変え、地響きを立て走り出す。ゼロは奴の殺気と威圧感に圧倒されかけるが、それを振り切って

ゼロツインソードを生成し、体のラインを光らせエネルギーを剣に流し込み、ゼロツインソードを更に大きくする。

 

ツインギガブレイク!!

 

大剣で切り掛かるが、禍々アークベリアルはそれを片手で受け止めてしまう。そして力を入れるとゼロツインソードに亀裂が走り粉々に砕け散ってしまう。

 

更にビヨンドも制限時間を過ぎてしまい、元の姿へと戻ってしまう。彼女は殺されると覚悟したが、なんとベリアルは彼女を無視してそのまま走り去って行った。

 

DKザウルスは肩の発光体からドーム状の衝撃波を放ち、グリーザ達を吹き飛ばした。だが、そこに禍々アークベリアルが念力を使いグリーザ達ををゆっくりと地上に降ろした。

 

彼女とダークゴーネ達は姿がかなり変わったベリアルを凝視する。

 

グリーザ「なんか、随分変わったね。」

 

ダークゴーネ「いや、それだけですか!?」

 

ベリアル「もっと良い反応を期待していたが、まあその方がお前らしいな。」

 

彼らが話していると、DKザウルスは全ての触手を伸ばした。しかし、禍々アークベリアルは片手を突き出しリンゴを潰すような仕草を取ると、なんと触手は血しぶきを上げ潰れていった。

 

ベリアル「お前らはゆっくり見物しとけ。」

DKザウルスは痛みのあまり悲鳴を上げた。だが、すぐに体勢を整えると全身の棘を無数に発射。だが、禍々アークベリアルは掌から黒い蒸気のような物を放ち、全て相殺してしまう。

しかし、DKザウルスは巨大な足を上げると、ベリアルを踏み潰そうと振り下ろす。だが、なんと禍々アークベリアルは奴の巨体を片手で持ち上げ、そのまま投げ飛ばしてしまった。

 

禍々アークベリアルの強大な力にダークゴーネ達は息を呑んだ。

 

ダークゴーネ「流石は陛下。」

アイアロン「俺達が全く敵わなかったあいつを。」

 

ザウラー「圧倒シテイル。」

 

DKザウルスはバタバタと暴れ抵抗するが、それを物ともせず禍々アークベリアルは念動力で奴を宙に浮かせ、何度も地面に叩きつける。フラフラになりながらも立ち上がったDKザウルスは、なんと口から取り込んだ怪獣達のカプセルを吐き出した。

 

その次の瞬間、DKザウルスの色が変色し、uキラーザウルス・ネオに戻ってしまった。弱体化した事により、勝ち目を失ったuキラーザウルスは大きく後ずさる。だが、そんな中でもヤプールは不敵な笑みを浮かべた。

 

巨大ヤプール「俺にトドメを刺してもいいのか?」

 

ベリアル「ハァン?今更何言ってんだ?」

 

巨大ヤプール「俺を殺せばこいつの中にいるゴモラが死ぬぞ!」

 

ベリアル達はヤプールの言葉に驚愕の表情を浮かべた。

 

??「残念だが、それは出来んぞ。ヤプール。」

 

聞き覚えのある声が響き渡り声がした方へと振り向くと、そこにはなんとダークキラーがいた。

 

巨大ヤプール「ダークキラー!?まだ生きていたのか!?」

 

ダークキラー「お前の言うゴモラって奴はこいつだろう?」

 

彼がそう告げると掌にゴモラが現れた。

 

巨大ヤプール「いつの間に!?!?(さあやれ、バキシムよ。瀕死のそいつならお前にも倒せるはずだ。)」

 

ゴモラ(バキシム)「陛下、僕はもう大丈夫。思いっきりやっちゃって!」

 

巨大ヤプール「貴様!裏切るのか!?」

 

ゴモラ(バキシム)「最初から君なんかに従ってつもりなんてないよ。(ごめんなさいヤプール様。私は勝てる見込みが無い奴と相手するほどバカじゃないのよ。)」

 

禍々アークベリアルは目を細めゴモラ(バキシム)を睨むが、すぐにuキラーザウルスの方へと振り向くと、また口に膨大なエネルギーを溜めた。

 

巨大ヤプール「おのれ!使えぬ奴などいらぬわ!」

 

そう言うとヤプールはuキラーザウルスから分離し、この星を後にした。

 

ガオオオオオオオンンンン!!!

 

自分を捨てた主人に助けを求めるが、奴がそれを聞くはずもなかった。倒すのには絶好のチャンスだが、こいつを倒してもヤプールがいる限り何度でもこいつと同じ強さの奴が生み出されることはベリアルも分かっていた。

 

そして、禍々アークベリアルの超絶必殺光線【マガマガアークデスシウム】を上空へと放った。

 

巨大ヤプール「ベリアルめ、俺はいずれまた貴様に復讐する!その時を楽しみにしていろ。」

 

ヤプールが高笑いを上げていると、禍々アークベリアルが放ったマガマガアークデスシウムが大気圏を突破し、ヤプールに直撃した。

 

巨大ヤプール「グアアアア!バカな!?」

 

ヤプールの悲鳴が虚無の宇宙空間に響き渡り、跡形も無く木っ端微塵となった。

 

奴の断末魔を聞いたuキラーザウルスは・ネオは慄いた。禍々アークベリアルは怯えるuキラーザウルス・ネオを睨みつけ、またエメラナ鉱石を光らせた。すると、uキラーザウルス・ネオは赤い光に包まれ、何処かへ行ってしまった。

 

ベリアル「あの野郎。俺のギガバトルナイザーをそのまま持っていきやがったな。」

 

ひとまず、ヤプールとの戦いは終わった。気づけば、ベリAK達とダークキラーはいなかった。

 

しかし、ベリアルはふとある事を思い出した。それは、ダークゴーネ達の処罰である。

 

ベリアル「そういや、お前らの処罰を決めていなかったな。」

 

彼らはベリアルが告げたことに動揺するが、覚悟を決めベリアルの側による。

 

ダークゴーネ「……陛下、私共の処罰を…」

 

ベリアル「お前らの処罰はもう既に決めている。」

処刑宣告か、はたまたクビになるのか、彼らに緊張が走る。

 

ザウラー「……」

 

アイアロン「……」

 

ダークゴーネ「……」

 

グラシエ「……」

 

ベリアル「お前らはこいつらを死ぬまで、どんな手を使ってでも守れ。それだけだ。」

 

グラシエ「なっ!?そ…それだけなのですか!?」

 

ベリアル「同じことを二度言わすな。そうだと言ってるだろ。いつまでもボーっとしてんじゃねえ!」

 

彼の言葉に四人は敬礼した。そして彼は空を見上げる。

 

ベリアル「守るべきものは手に入った。いよいよ、俺たちベリアル軍団は本当の覇道が始まるんだ!」

 

ダークゴーネ・アイアロン・ザウラー・グラシエ「ハッ!!!!」

 

グリーザ「」フェンフェンフェンフェン

 

 

〜怪獣墓場〜

 

闇の瘴気がブラックホールに吸い込まれるようにある一点の場所に集まっていた。そこから何者かの高笑いが木霊した。

 

 

〜アルカディアスペースの光の国 王座〜

 

一方、モニターでベリアル達の戦いを見ていたウルトラ兄弟達はそれぞれの意見を言い合っていた。

 

エース「ヤプールちゃん、やられちゃったわね。かわいそうに。」

 

ジャック「エースのあnじゃなくて、エースの姉貴は甘すぎんだよ!あんな使えない奴に同情なんざ、する必要も無い。」

 

エース「うーん、言われてみればそうかもね。」

 

ハヤタ「どうでもですけど、黒ベリアルって言い方ダサいからブラックベリアルにしません?」

 

タロウ「黒が英語になっただけじゃないか。でもまあ、その方がいっか。しかし、黒ベリアル改めブラックベリアルは更にパワーアップしてしまったぞ。それにあいつに惚れているとは、娘の教育がなってないじゃないかセブン。」

 

セブン「何のことですか?俺に娘なんざいませんよ。」

 

タロウ「おい!私達は善人ではないが、今の言葉は親として最低だな!それで子供がどれほど傷つくのか分かってんのか!?最初から面倒を見る気が無いのなら、子供を産むんじゃねえ!!!」

 

説教を受けたセブンは素っ気ない態度で返事をした。その様子を見てタロウは大きなため息を吐いた。

 

 

 

〜惑星アルカディア 都市部〜

ダークゴーネ「全く、ヤプールがまだ序章に過ぎないというのが恐ろしいものです。」

 

ベリアル「そうだな。そういやグラシエ、何故お前その大きさでいられるんだ。」

 

グラシエ「ダークゴーネさんに改造してもらったんです。」

 

ベリアル「そういうことか。」

 

 

一方、ザウラーとアイアロンはマリナ達を見つめていた。

 

マベル「ダズお前なんか話しろよ。」(小声

 

ダズ「お主も無茶を言うでない!」(小声

 

ミヤ「なんか、ジャタールさんと違ってなんか近づきにくいですね。」(小声

 

マリナ「あんた達さっきからずっとこっち見てるけど、言いたいことがあるのなら、ハッキリ言いなさいよ。」

 

エスナ「そうだ。もしかして緊張しているのか?心配はいらない遠慮なく話してくれ。」

 

ミヤ・ダズ・マベル「(緊張しているのは私・儂・俺達の方です・じゃ・だ!)」

 

ザウラー「ソウカソウカ。スマナカッタ。」

アイアロン「何せ、俺たちはしばらく自分達以外の奴と喋ってなかったからな。どう話したらいいのか分からなくてな。」

 

ミヤ・ダズ・マベル「(あれ?以外とフレンドリー!?)」

その後、ザウラー達はマリナ達とすぐに打ち解けた。そして、ミヤ達は基地へと戻り、ベリアルが作ったカレーを食べ、風呂に入り、就寝する事となった。 因みにザウラー達は機械の機能で小さくなって過ごしている。

 

〜廊下〜

 

ゴモラ「どうしたのですか陛下?こんな夜中に。」

 

ベリアルは無言でゴモラを睨み、ゴモラを持ち上げ壁に叩きつけた。

 

ベリアル「お前、ゴモラじゃねえだろう。」

 

その言葉を聞いた瞬間にゴモラ(バキシム)は血の気が引く。

 

ゴモラ(バキシム)「そ…そんな訳ないじゃないですか。何言ってるのですか?」

 

ベリアル「ここまで言われてもしらを切るつもりか?」

 

彼の迫力に圧倒されたゴモラ(バキシム)はとうとう白状してしまう。

ゴモラ(バキシム)「はい。本当に申し訳ありません。私偽物です。」

 

ベリアル「お前、これから何をするつもりだ?」

 

ゴモラ(バキシム)「今はここで平穏な日々を過ごそうと思っています。最初はヤプールの工作員として派遣されたのですが、あなた方の強さを見て寝返ったのです。」

 

ベリアル「俺達の力を見て寝返っただ?ということは、お前いずれ俺達を裏切る気だろ?」

 

ゴモラ(バキシム)「めめめめ…滅相もございません!あなた様を裏切るだなんて(汗。」

 

ベリアル「……まあ今は取り敢えず許してやろう。そのかわり、あいつらに何かしたら。………死をも凌駕する恐怖と絶望を与えてやる!……その事を忘れるな!!!!!」

 

ゴモラ(バキシム)「わ、わわかわか……分かりました!!」

 

そう言うと彼女は一目散に逃げていった。

 

〜宇宙空間〜

 

ベリAKはギガバトルナイザーに映っているuキラーザウルスを見てめていた。

 

ベリAK「あいつも力を手にしたようだが、俺もこのギガバトルナイザーつう代物を手に入れられ、それに強力な奴まで味方につけることもできた。これで、元は取れたな。」

 

彼は呟いているとふと黙り込んでいるゼロが目に入った。

 

ベリAK「…まあ…その……元気出せ。…お前にはきっt」

 

ゼロ「ベリアル様ぁ、アタイに気があってトドメを刺さなかったんだ。きっとそうに違いない!アタイにも、まだチャンスがあるんだ!」

 

ベリAK「思ったんだが、お前なんであいつに惚れてんだ?」

 

ゼロ「一目惚れって、やつさ♡」

 

彼女は恍惚な表情で答えた。その様子にベリAKは唖然としていた。

 

ベリAK「(つーか、こいつ自分の物を盗られたのに、よくそんな風な考えができんな。)」

 

 

 

 

 

 

〜アルカディアスペースの光の国 レオの研究室〜

 

黒いローブを着た何者かがレオと話をしていた。

 

??「本当にいいのか?俺たちに手を貸すということは、お前は反逆罪に問われるっていうことだぞ。」

 

レオ「いいんですよ。それに私がいなかったらこの軍は成り立たないので、 許してはくれるでしょう。」

 

彼はモニター式のキーボードを打ち、話し続ける。

 

??「そうか。(しかし、故郷を滅ぼしたお前に軍の復活を任せることになるとは。皮肉ものだな。)」

 

すると、レオはモニターを消し、こちらへ振り向く。

 

レオ「復活装置は完成しました。後はできるの待つだけです。」

 

??「よくやってくれた。これで、我らが“グア軍団”を蘇らせることができる。」

 

 




ゼラス「次回予告!!!!!遂に動き出すベリちゃんの全宇宙制覇!なんか、他の連中も動き出しているけど気にするな!次回は“ある意味”作者がやりたかった奴を書くらしいよ。まあ、読書のみんな作者が書きたいことなんて分かるわけないけどね。」

そして、今回出て来たビヨンドちゃんはジード本編で出たビヨンドちゃんと互角だよ。あ、弱体化した状態のやつね。


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エピソード18「光から闇へ」

ウルトラマンルーブ面白いですね。これから毎週の楽しみがまた増えたぜ。


目を瞑りたくなるほどの眩い光。

 

禍々しいあの光の名は“プラズマスパークコア”。この星に聳え立つプラズマスパークタワーの心臓にしてこの星の心臓でもある。

 

どんなことをしても、それこそ何千万人殺そうがどれだけ心を弄ぼうがそいつが強者なら何でも許されるこの国でも、唯一キング以外の者が触ったら処刑を免れないものだ。

 

今その光の前にこの宇宙のウルトラマンことウルトラウーマンゼロとセブンがいた。

 

彼女は父に「お前がもし、プラズマスパークの力を使いこなしたら、俺の娘と認めてやる。」と言われこの場に来た。だが、触れれば処刑されると分かっている物をそう易々と触れるはずもなかった。

 

ゼロ「親父。アタイ、やっぱ死ぬのは嫌だ。」

 

ゼロはプラズマスパークコアに触るのを拒んだ。すると、セブンはなんと彼女を優しく抱き締めた。

 

セブン「お前は俺の自慢の娘だ。必ず使えこなせるさ。それに何があっても、俺はお前の味方だ。」

 

ゼロ「親父。(やっぱ、親父はアタイのことを思ってくれてたんだ。親父はアタイに期待してんだ。なら、アタイもその期待に答えねえと。)」

 

セブンから後押しする言葉を掛けられ、意を決してプラズマスパークコアに手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アタイの人生はここで大きく変わった。

 

彼女の手は焼き焦がされそうな程の痛みに襲われ、喉が張り裂けそうな悲鳴を上げた。

 

グワアアアアアアアア

 

その悲鳴はプラズマスパークタワー内部に響き渡り、サイレンが鳴った。

 

痛みのあまりにその場で悶え苦しんでいるゼロは涙目でセブンに助けを求める。

 

ゼロ「…親父………助けて。」

 

しかし、そんな彼女を横目にセブンは駆けつけたウルトラ星人達に告げた。

 

セブン「その裏切り者を処刑しろ。」

 

ゼロ「えっ。」

 

彼女は、想像もつかなかったセブンの残酷な言葉に唖然とした。

 

命令を下されたウルトラ星人達はゼロを取り押さえる。彼女は必死に暴れるが、数十人の数には勝てなかった。突然の出来事に頭が追いつかずにいたゼロだが、ようやく意識を取り戻すと恐ろしい形相で

 

ゼロ「親父!アンタは…アンタはアタイの味方じゃなかったのかよ!」

 

彼女の叫びをセブンは何事も無いように聞き流し、何処かへと飛んで行ってしまった。彼の飛び去った方向を睨みつけ、怒号を放った。

 

……絶対に……地獄を味合わせてやる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

惑星アルカディアでいつもデストロイ怪獣と激戦を繰り広げている都市のど真ん中で禍々アークベリアルは、グリーザ達に見守られ、前のめりに倒れピクリとも動かずにいた。だが次の刹那、その凶悪な瞳に光が灯ると起き上がり始める。

 

ウォウイイイイン・ウォウンンンンンン

 

大地を揺らすほどの雄叫びを上げた禍々アークベリアルは、通常のベリアルに戻り見守っていたグリーザ達に元による。

 

グリーザ「いったい何をしてたの?」

 

ベリアル「じきに分かる事だ。楽しみに待っておけ。」

 

直ぐに知ろうとしたグリーザは渋々了解する。

 

そして上空に巨大な鉤爪のようなクレーターが浮かび上がると、そこから光が放たれた。このクレーターの正体は、かつてベリアルが本拠地とした【帝都要塞マレブランデス】だ。ダークゴーネとマリナ達が協力し再建したものである。

 

ベリアル「俺の留守は任せたぞ。」

アイアロン・グラシエ「御意ッ!」

アイアロン達に見守られながら、ベリアル達は光へと吸い込まれていき、マレブランデスはこの星から離れて行った。

 

エスナ「マリナ!陛下達に迷惑をかけるんじゃないぞ。」

 

改造ベムスター・ザンドリアス・バキシム「行ってらっしゃい。」

 

 

彼女らはマレブランデスが見えなくなるまで手を振り続けた。

 

因みに、【帝国戦列艦ブリガンテ】と【時空揚陸舟艇デルスト】は残念ながら時間が無かったため作ることができなかったらしい。

 

 

 

ベリアルはゼラスが作った時空間で離れ離れになってしまったダークネスファイブ達を見つけるためにこの星を離れることにした。

 

無論、ベリアルの留守中をウルトラ兄弟が見逃すはずがないのは、全員分かっている。なので、彼らは対策を取った。

 

まず、アナザースペースにいるレギオノイド達を集結させ、全てこの宇宙に送り警備を強化した。因みに、レギオノイドを運送したのは大きく尚且つ新たに次元移動が可能になったマレブランデスだ。

 

そして、構成メンバーも残る者達と行く者達に分けた。

 

残る者達は、アイアロン、グラシエ、エスナ、ザンドリアス、改造ベムスター、アロア、その他カプセルの中にいる怪獣達にレギオノイド10億体。

 

行く者達は、ベリアル、グリーザ、ダークゴーネ、ザウラー、マリナ、マベル、ダズ、その他エスナ達から借りたカプセルの中にいる怪獣達にレギオノイド5億体。

 

えっ?何故マベルとダズとマリナが行くことになってるのかだって?

 

それにレギオノイドの数が異常じゃないかだって?

 

レギオノイドはアナザースペースを実質ほぼ支配していたと言えるベリアル銀河帝国の軍勢なのだからこれぐらい居て当然であろう。

 

マベルとダズは強くなるという信念を抱き、正式にベリアル軍へと加わったのだ。マリナは軍に入ってはないが、本人曰く、むさ苦しい男ばかりの所にグリーザを一人にできないということで付いて来たらしい。

 

 

 

 

マレブランデス内部

 

ベリアルから自由行動をしろと言われたグリーザ達はそれぞれ別行動を取っていた。

 

ザウラー達はマベル達のトレーニングに付き合い、グリーザはマレブランデスの内部をマリナに案内してもらっていた。

 

マレブランデスは通常時のベリアルの大きさに合わせて作ったため、マリナ達が豆粒みたいな大きさに見えていた。なので、ザウラーとかに踏み潰されそうになった事があったので、円盤に乗って内部を移動していた。

そんな中、奥の一面がガラス張りの壁に両脇に無数の砲塔が聳え立っている部屋に着いた。すると、グリーザはキラキラと輝く星々が無数に浮いている宇宙を見つめていた。

 

グリーザ「宇宙って綺麗なんだね。」

 

マリナ「そうだね。でも、グリーザちゃんの方が綺麗だよ。」

 

グリーザ「ありがとう。そんなマリナも可愛いよ。」

 

マリナ「グリーザちゃん////!?もう、グリーザちゃんったらぁ///」

 

マリナはグリーザとの距離を縮めると彼女の手を握ろうとに手を伸ばした。

 

ベリアル「何やってんだ貴様。」

 

人間体の彼が彼女達の間に割って入り、マリナを妨害した。

 

マリナ「ちょっと!いいところなんだから邪魔しないで!」

 

ベリアル「いいところだ?それを聞いたらますます邪魔したくなったなぁ。」

 

どれだけ回り込んでもベリアルの妨害を受け、グリーザに近づけない彼女は悔しがった。

 

そんなやり取りを楽しんでいる一同だったが、突然として平穏な時間は終わり告げた。

 

 

 

 

 

 

突如鳴り出したサイレンの音に一同(グリーザ以外)は警戒体制に入る。

 

【ここからおよそ293キロメートル先に8体のウルトラ戦士達を確認。直ちに戦闘体制に入れ。】

 

 

 

 

 

逃げねえと。今捕まったら殺される。兎に角今はひたすら逃げるんだ。じゃねえと、あの男に復讐できないまま終わっちまう。

 

彼女は…運良く拘束から逃れたゼロはひたすら逃げた。

 

 

ウルトラ戦士F「待ちやがれ!俺たちの為にもとっとと諦めて死にやがれ!」

 

彼女を追い掛け回すウルトラ戦士達も何やら焦った様子だった。それもそのはず奴らはゼロの処刑を命じられているため、もし失敗すれば自分達が殺されてしまうからだ。

 

彼らはゼロを撃ち墜とそうと光線を次々に放った。

 

ゼロもそれを回避し続けるが、次々と来る攻撃に対処出来ず背に攻撃が直撃してしまう。今まで蓄積されたダメージの量に耐え切れず彼女は気を失ってしまった。

 

任務を遂行したと確信したウルトラ戦士は歓喜の声を上げた。

 

ウルトラ戦士F「よっしゃ!これで俺たちは処刑を免れるぜ!」

 

だが喜んでいたのはFだけであり、他のウルトラ戦士は唖然していた。周りの様子を怪訝に思い背後へ振り向いた。

 

 

 

ダークゴーネ「やれ。」

 

数万体も並んでいるレギオノイドのレーザーの雨がウルトラ戦士達に降り注ぐ。

 

宇宙の塵と化す彼らを見てダークゴーネは高笑いを上げた。

 

攻撃を制止させ、一欠片の肉片も残らず消し炭に出来たのかを念のために確認すると、ダークゴーネは命令を下した。

 

ダークゴーネ「捕獲しなさい。」

 

 

 

 

 

 

ゼロは目を覚ました。だが、体力の激しい消耗により、一番エネルギーの負荷がかからない人間態の姿だった。

 

グレーの髪をゼロスラッガーに似たシュシュで結んだツインテールに金色の鋭い目付きに元のゼロを模したボーイッシュな格好をしている美少女であった。

 

彼女は先程グリーザ達がいた部屋の中心に置かれてるガラス張りの半球形の円蓋の中に閉じ込められていた。

ベリアル「やっと目が覚めたようだな。」

 

ガラス張りの窓の反対側から自分を呼びかける声が聞こえた。

 

振り向くと、階段の上にある玉座に腰掛けているカイザーベリアルがいた。普通ならこの状況に怯える筈だが、ゼロはベリアルに恋をしてしまっているため、マントを羽織っているベリアルの姿に見惚れてしまっていた。

 

ゼロ「ベリアル様。カッコイイ♡……じゃない!」

 

うっとりしてしまっている自分の顔を軽く叩き正気に戻ったゼロはベリアルを睨んだ。

 

ベリアル「おいおい、そんな顔をしたら綺麗な顔が台無しになるぞ。」

 

彼の言葉にハートを射抜かられたゼロは顔を真っ赤にした。

 

ゼロ「えっ?////アタイが綺麗……って何言ってんだ!てテメェにそそん事をい言われても嬉しいぞ!じゃなくて嬉しくねえよ!」

 

満更でもない表情をしている彼女は動揺して噛みまくった。恥ずかしさのあまり顔を隠し更に真っ赤になった。

 

ベリアル「話を変えるが、お前何があったんだ?どう見てもあの状況は一緒に俺を倒しに来たとは思えんが。」

彼の言葉を聞いた瞬間にゼロは暗い表情を浮かべた。

 

ゼロ「親父に…親父に裏切られたんだよ。」

 

彼女は今まであった事を全て話した。

 

ベリアル「お前は親父に売られたのか。…それで今お前は、親父の事をどう思ってるんだ?」

 

ベリアルはゼロを煽るような質問をした。

 

ゼロ「……そんなの決まってるだろ。」

 

ゼロはベリアルの煽りに乗ってしまう。彼女は拳を握り締め怒りの形相を浮かべた。

 

憎いに決まってんだろ!

 

彼女は八つ当たり気味に自身を閉じ込めているガラスの壁を殴った。殴った箇所から亀裂が走りミシミシと音を立てて壁は砕け散った。

 

あのガラスの檻は地球人のような大きさの宇宙人が壊さないように設計されており、壊された事にベリアルは驚きつつも感心した。

 

ベリアルは玉座からゼロがいるところまで飛び降りた。ゼロに顔を近づけた。

 

ベリアル「お前は、父親に復讐するためなら何でもするか?」

 

ゼロ「あのクソ親父に復讐するためなら、アタイは“悪魔にでもなってやるよ”!」

 

彼女は更に声を上げて叫んだ。すると、ベリアルは高笑いを上げた。

 

ベリアル「お前のその父親への恨みと執念気に入った。」

 

ベリアルは彼女の変身アイテムのウルトラゼロアイを取り出した。だが、元のウルトラゼロアイとは違いベリアルの様な赤黒い色に染まっていた。

 

念力でゼロにウルトラゼロアイを渡した。

ゼロ「これは…アタイの。」

 

当然彼女は自身の変身アイテムが黒く染まっている事に驚き、黒いウルトラゼロアイをじっくりと眺めた。

 

ゼロ「ベリアル様と同じ色。」

 

ベリアル「父親への憎しみが本当なら、使い熟せる筈だ。お前は強大な力を持つ闇の戦士へと生まれ変わる。」

 

ゼロ「えっ?それって、もう元の姿には戻れないっていうのか!?」

 

ベリアル「まあ、そうなるな。それでどうするんだ?このまま死ぬか。闇の戦士へと生まれ変わるのか。」

 

ゼロ「ん?ちょっと待て。今「このまま死ぬか」とか言ったよな。もしかして、もし断ったら」

 

ベリアル「殺すに決まってんだろうが。」

 

ゼロ「ええええええ!?!?結局アタイ助からねえのかよ‼︎」

 

ベリアル「何言ってんだ?闇に染まってもお前の意思は消えない。」

 

ゼロ「…信じていいんだよな。」

 

ベリアル「それはお前が判断する事だ。」

 

彼女は少し考え込み、その中でセブンの姿が頭に浮かぶ度にセブンへの憎しみは増幅し、黒いウルトラゼロアイを握り潰してしまうのではないかと思うほど強く握った。

 

ベリアル「決心はついたか?」

 

ゼロ「ああ…これが、アタイの答えだ。」

 

そう言うと、黒いウルトラゼロアイを両目に充てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、マリナ達はようやく王座に召集をかけられ、王座へと向かっていた。

 

マリナ「あのゼロって娘どうなったのかしら?」

 

ザウラー「陛下ノ事ダ。嬲リ殺シテルダロ。」

 

ダークゴーネ「他のウルトラ戦士なら、あのまま放っていたでしょうが、あのゼロと瓜二つの彼女をゼロと重ね合わせてるのでしょう。」

 

グリーザ「なんか可哀想。今頃陛下にあんな事やそんな事をされているだなんて。」

 

ダークゴーネ「非はないのでしょうが、まるで陛下が強姦してる様な言い方はやめなさい。」

 

話をしているとあっという間に着いてしまった。すると、グリーザ達はベリアルの隣でメラメラと燃える紫色の炎に視線を向けた。

 

グリーザ「陛下、それ何?」

 

ベリアル「それは本人の口から聞くんだな。」

 

彼がそう言うと、紫色の炎が消え、そこにはなんと色がベリアルと瓜二つのゼロがいた。

 

ザウラー「何!?何故ウルトラマンゼロガ此処二!?」

 

ゼロ「アタイは、ウルトラマンゼロなんかじゃねえ。そうだな、“ゼロダークネス”とでも呼んでくれ。」

 

 

 




ゼラス「次回予告‼︎の前にゼロちゃん闇落ちしちゃったね。まあ、父親にあんなことされちゃ仕方ないのかな。

では、改めて次回予告。次回は惑星アルカディアに残ったグラちゃん達に注目だ。少しだけ期待しやがれ!!!!!」


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番外編
エピソード1「ベリアル陛下再臨!?銀河皇帝総進撃Ⅰ」



※今回キャラ崩壊が激しいです。







ゼロ「よぉ〜、みんな大好きウルトラマンゼロだ!今日はなんと【番組ウルトラマンゼロ】が100話目を突破した!!!!!
これもみんなの応援があったからだ!早速、今まで俺たちがやって来た事を振り返ってみようぜ!」

ザアア ザアアアア ザアアアアアア←ノイズが走る音。

ゼロ「えっ?この展開、まさかまた……一旦カメラき」

プツン




【BGM:ベリアル−登場~優勢】

 

景色が赤紫色の岩場におられるのはご存知我らがウルトラマンベリアル陛下…いや、今は真紅のマントを羽織って足を組み玉座に腰掛け、右目にある大きな傷が威圧感を上げている正しく皇帝(カイザー)の名に相応しいお方。その名も【カイザーベリアル陛下】であらせられる。

 

陛下「よぉ、俺は【銀河皇帝カイザーベリアル】だ!今回はなんとこの俺がダークゴーネ達に俺がしてきた事を説明するついでに番組ウルトラマンゼロ100話目の放送記念も兼ねて、俺が今まで送って来た物語をお前らに知らしめてやる!!!!!」

 

グラシエ「流石は陛下。やる事がグレート!」

 

そこに幹部の方々が陛下に拍手を送りながら現れた。

 

陛下「お前らか。マレブランデスの再建は進んでいるんだろうな?」

 

ダークゴーネ「はい、後は動くかどうかをテストするだけです。」

 

参謀の仰った言葉に少しばかし驚いていらっしゃった。

 

陛下「思ったより早いじゃねえか。」

 

ダークゴーネ「そりゃ、内部の構造は頭の中にインプットされております故、再建なぞ容易いな」

 

マリナ「ちょっと!手柄を横取りするんじゃないわよ!」

 

ダークゴーネ「す…すいません。つい、魔が差してしまい。」

 

陛下「ほぉ、まさか国民が自らが帝国を築き上げてくれるとは、それでこそ俺の国民だ。」

 

陛下は感心し、彼女達を褒め称えた。(いいなぁ。by作者)だが、マリナは陛下のお言葉に困惑していた。

 

マリナ「ハァ?いつ私達があんたの国民になったわけよ!?」

 

陛下「お前らは俺の守るべきものだ。俺の帝国住んでるんならお前らは国民だ。王が国民を守るのは当然のことだろう。」

 

マリナ「まあ、そうゆう事にしといてやるわ。」

 

陛下「じゃあ早速いくぞ!」

 

 

 

 

(注:陛下達が書かれた描写のところしか、流れないということにして下さい。かといって、ゼラスさんと話したところも流れません。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜第1話感想〜

 

陛下「俺はプラズマギャラクシーと呼ばれる宇宙で「プラズマソウル」という強大なエネルギーを持つ鉱石を体内に宿した「プラズマ怪獣」をハンティングしていた。そして、この宇宙に着く直後に戦ったプラズマ怪獣がこいつだ。」

 

陛下がそう仰るとプラズマソウルの力によって強化されたレッドキングの映像が流れる。

 

変わり果てたレッドキングその姿を見たエスナ達は驚愕した。

 

エスナ「レッドキング!?まさか、君までデストロイ怪獣に。」

 

陛下「落ち着け。こいつはデストロイ怪獣じゃなく、プラズマ怪獣だ。ところでそのレッドキングはカプセルにいるのか?」

 

エスナ「いえ、実は言いますと、我が妹のゼットンとゴモラ以外にこのような擬人化と元の姿を自由に変化できる者達がいるのです。

彼女達は他の星にいるウルトラ星人達の犠牲者を少しでも減らすため…そして、奴らに対抗するために戦力を集めに行ってるんです。」

 

陛下「ん?そんな奴らがいるんなら、何故今まで助けを呼ばなかったんだ?」

 

エスナ「何故だか連絡が取れなくなってしまったんです。おそらくあっちの通信機が壊れてしまったのかと。あっちの娘達は全員機械が苦手ですから。」

 

陛下達が話しておられると、場面はレッドキングとの対決が終わった後である。

 

アイアロン「あんな巨大な奴を遊ぶ半分で倒しちまうとは、陛下はやっぱスゲェぜ!」

 

将軍が改めて陛下の凄さに感心していると、突如出て来たダークネスファイブの方々に将軍とザウラーさんは怪訝そうに眉を顰めた。

 

ザウラー「ムッ⁈」

 

アイアロン「敵襲か!?」

 

ダークゴーネ「落ち着きなさい。あくまでもこれは映像ですよ。それに彼等は我々の後輩です。」

 

お二方は参謀の告げた事に動揺してしまう。

 

アイアロン「何ッ!?こいつらが俺達の後輩だ!?」

 

ザウラー「ムッ。ヨク見レバ、コノ間陛下ヲ庇ッタタコミタイナ奴ガイ居ルナ。」

 

グラシエ「ジャタールさんの事ですね。あの人は一番仲良くさせていただいた故にもう会えないと思うと悲しいです。」

 

グラシエさんは白いハンカチを取り出し、目を抑える。

 

そして場面はスライのゴマすりに切り替わった。

 

グラシエ「出ましたね!この人お得意のゴマすり!!映像で見るだけでも腹ただしい!」

 

ダークゴーネ「(このスライという者。中々気が合いそうですね。今度会ったらゆっくりお話でもしましょうかね。)」

 

場面は陛下が初めてゼラスさんに声を掛けられたところに切り替わる。(だが、映像でも陛下以外の方々はゼラスさんの声が聞こえない。)

 

グラシエ「おやおや。陛下はいったいどうなさったのでしょうか。」

 

ダークゴーネ「ん?この者達、今陛下が可笑しくなったと言いましたね!なんと正直な者達なんでsズドォォォォン(←デスシウム光線をモロに食らった音)アアアアアアア!!!!!」

 

 

 

参謀、ご愁傷様です。(勝手に殺すんじゃありませんよぉぉぉ!!!)

 

アイアロン「ダークネスファイブか。今度会ったら本当に陛下の部下に相応しいかどうか手合わせしてやろう。」

 

そして、場面は第2話の空間の中でダークネスファイブが散り散りになるところへと移り変わる。

 

〜第2話感想〜

ダークゴーネ「どうやらあの空間は、力量がない者達にはまともに移動することすら出来ないところなのでしょうね。」

 

ザウラー「確カニナ。映像越シデモアノ時空ノ衝撃波ノ強サガ伺エル。」

 

グラシエ「アッ!ジャタールさんが吹き飛ばさr陛下!?」

 

マリナ「ヘェ〜、あんたもなんだかんだ言って私達と会う前からいいこともしてたのね。」

 

からかうように言う彼女の言葉に陛下は鼻で笑いながら答えた。

 

陛下「まぁな。」

 

すると、場面はグリーザさんが飛来して来たところへ移り変わる。

 

マリナ「グリーザちゃん!?はしゃいだりしちゃってかわいい♡」

 

ザウラー「イヤ、ツッコムトコロソコジャナイダロウ!!!」

 

アイアロン「なるほど、高貴なイメージを持たせておいて、敢えて子供っぽいところを見せるとは……お前絶対にモテるぜ。」

 

ザウラー「オ前ハオ前デ、何言ッテンダ!!!」

 

 

 

 

ザウラー「シカシ、陛下ヲ相手ニコノ戦イブリ。オ前幹部ノ中デ最強ナンジャナイカ?」

 

グリーザ「ありがとう…え?私って幹部なの?ていうか、幹部って何?」

 

ザウラー「マサカノソコカラカ!!」

 

グラシエ「幹部っていうのは我らベリアル軍ような軍の中でも陛下の次に偉い人達のことですよ。」

 

グリーザ「へぇ、じゃあ同じ幹部同士頑張ろうね。」

 

 

グラシエ「あの………………私幹部じゃないんです。」

 

負のオーラがグラシエさんに漂う。

 

グリーザ「なんかごめん。」

 

陛下「そういや、お前何故この時俺を見て怖がったんだ?」

 

グリーザ「実は、私あのウルトラ星人達がいっぱい居るところに行た“真っ黒い奴”と色が似てたから最初はそいつかと思ってすぐに違うとは分かったんだけど。てっきりそいつの仲間かと思って、今更だけどごめんなさい。」

 

陛下「ホオ、まさか俺みたいに単身で光の国に行って生きているとは、改めて考えるとお前は凄い奴だったんだな。あと、もう特に気にはしちゃいねえよ。」

 

グラシエ「しかし、あなたがこの宇宙の光の国に行ったことがあるとはビックリです。」

 

ザウラー「ソレデコソ最強ノ幹部ダナ。」

 

 

ダークゴーネ「しかし、陛下が我々と出会う前に持っていらっしゃったギガバトルナイザーを元の性能まで強化して、陛下にアッサリ返してしまうとは、いったい何者なのでしょうか?」

 

陛下「あいつの事は俺も何も分かってねえ。ただ一つ言える事は、俺を遥かに凌ぐ実力者という事だな。」

 

ザウラー「陛下ヲ遥カ二凌グ実力者。考エタダケデモ恐ロシイ。」

 

陛下「全くだ。今のところ俺はあいつに遊ばれている。だが、いずれ俺はあいつの力を手に入れ今度こそ全宇宙を手に入れてみせる!」

 

グリーザ「そうそう。陛下が誰かに弄ばれるのは陛下じゃない。やっぱ陛下は誰かを弄んで散々こき使った挙句に捨てるという最低野郎がお似合いだよ。」

 

陛下「お前俺を何だと思ってんだ!?それに、それをやったのは別宇宙の俺だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜第3話感想〜

 

場面はいきなりゾフィー戦から。

 

グラシエ「宇宙とは広いものですねぇ。まさかあのゾフィーいや…ウルトラ星人達が根っからの悪人でいる宇宙があるとは。」

 

ミヤ「逆に私達からしたら、彼等が全宇宙の平和を守る正義のヒーローだなんて想像できません。」

 

マリナ「ていうか、あんたこれまでウルトラ星人達みたいに多くの星を侵略してきたのでしょう。今考えてみたらあんたと奴等が同盟とか組んでたら、私達完全に終わってたわね。」

 

彼女の発言に全員が共感した。

 

ダークゴーネ「全くその通りですよ。瀕死の状態だから楽勝できるかと思ったら、逆に返り討ちに遭ってしまいましたからね。」

 

参謀の言葉にマリナ達は驚愕の表情を浮かべた。

ミヤ「えっ!?ゴーネさんって、元々陛下と敵対していたのですか!?」

 

ダークゴーネ「ええ。私だけでなく、アイアロンにザウラー、更に後から聞いた話だと、このグラシエとグリーザ様も陛下と合間見えています。考えてみたらよく部下に入れたものですよ。」

マリナ「よく敵だった奴を部下に出来たわね。それを考えると、あんたのカリスマ性は本物ね。」

 

陛下「俺の軍は実力主義だ。使えそうな奴は使う。それだけだ。」

 

ザウラー「因ミニ、作者ガコノ話ヲ書イテイル時、途中段階デハウルトラ星人達デハナク、ジャッカル軍団二スル予定ダッタラシイゾ。」

 

陛下「何の前触れもなく急なメタ発言やめろ!」

 

そして場面はグリーザさんのある攻撃を開始するところに変わる。

 

陛下「ん?不吉な予感が。」

 

キャッハハハハハハハハハ

 

グリーザさんのグリーザアクオンが鳴り響き、陛下達は耳を塞いだ。

 

陛下「ぐわあああああ!!!!完全にこれを忘れていたぁぁぁぁぁ!!!!」

 

グリーザ「これうるさいね。誰が出してんの?」

 

陛下「お前だ!!!!!」

 

グリーザ「ええ〜。嘘つき。」

 

陛下「嘘じゃねぇ!!!事実だ!!!」

 

 

マリナ「あ、ゴモラちゃん。」

 

陛下「思えば俺はゴモラのおかげでお前らと接する事が出たんだったな。」

 

ダークゴーネ「ほう、この少女がいたおかげで今の陛下があるというわけですか。」

 

ミヤ「でも、ゴモラさんはもう。」

 

エスナ「まさか途中からバキシムがゴモラに入れ替わっていたと本人から聞いた時は驚いたよ。」

 

マリナ「あの娘、泣きながら土下座して謝ってたわね。」

 

陛下「あれだけで許すお前らは本当甘いな。まあ、俺もお前らのその甘さ(優しさ)に救われたようなものだけどな。」

 

〜第4話感想〜

 

場面は改造ベムスターがゴモラが陛下に襲われていると勘違いして攻撃をしているところである。

 

ミヤ「うわぁ。全然信用されてませんね。」

 

グリーザ「陛下見た目怖いからね。」

 

陛下「うるせえ‼︎」

 

ダークゴーネ「まあ前に別宇宙に行って知った話ですが。

陛下よりかは恐ろしい姿をしていないジード様も弱い地球人であるとはいえ彼らに恐れられていましたからね。」

 

実はエスナ達が陛下が別宇宙に行くためにと作った宇宙船で今まで陛下がしてきた事は全て空想の産物という扱いになっている宇宙へと行き色々な事を知ったり

 

特にご子息であるジード様の事を知った際には、声を上げ過ぎて恥ずかしいめにあったとか。

 

アイアロン「ん?お前が今言ったジードってのは何者だ?」

 

ダークゴーネ「あの方の事について話すと話が長くなるのでまた後日にでも話します。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜第5・6話感想〜

 

場面はレッドマンとのバトル。案の定皆さん引いていた。将軍に至っては悪レッドマンの戦法に顔を青ざめ、嘔吐した。

 

アイアロン「うわキモ。惨すぎる。」

 

ダークゴーネ「あなた意外にこうゆうの苦手なんですね。」

 

ザウラー「レッドマン。恐ロシイ奴ダ。」

 

ダークゴーネ「たしかに。我々も多くの命を奪ってはきましたが、ここまで残酷な殺した方はした事がありませんからね。」

 

アイアロン「それで俺たちと同じぐらいの強さとは、とんでもない奴だ。」

 

ザウラー「ソレ二、陛下ノ守ルベキ者ノ一人デアル、ザンドリアスノ母親ヲ惨殺シタト聞イタ。」

 

ダークゴーネ「いずれにせよ、始末するのには変わりないということですね。」

 

グラシエ「しかし、流石は陛下。ダークゴーネさん達と同じぐらいの強さはあるレッドマンをフルボッコにしてますね。」

 

ダークゴーネ「当然ですよ。我々は瀕死であった陛下にすら、勝てなかったのです。万全な陛下に勝てる者なぞいません。」

 

グラシエ「グリーザさんも流石ですね。人間態であるにも関わらずレッドマンを圧倒していますね。」

 

アイアロン「悔しいがやはり今居る幹部の中ではグリーザが一番強いようだな。だが、俺はいずれその座を奪い取ってみせるぞ!」

 

ザウラー「ソレハ俺モ同ジダ。首ヲ洗ッテ待ッテオケ!」

 

グリーザ「待つのはいいけど、一々首を洗うのはめんどくさいなぁ。」

 

ザウラー「イヤ、本当ニ洗ウ必要ハ無イゾ。」

 

グラシエ「あっ!考え込んでいる陛下に不意打ちをするとは、なんて卑怯な奴なんでしょう‼︎」

 

ダークゴーネ「あのガラクタ(ジャンボット)のところに居るチビ怪獣を人質にとってゼロを追い詰めた者の言葉とは思えませんね。」

 

気にしていたのかグラシエさんは落ち込んでしまった。

 

グラシエ「そ…そこは触れないで下さい。」

 

アイアロン「そう言えばこのレッドマンを気に入って、うちのダメ作者にこいつのアレンジキャラを志願して来た奴がいたな。確か名前は三」

 

ザウラー「ソレ以上言ウナ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜第7話・8話 感想 〜

 

グラシエ「デストロイ怪獣。ヒジョーに恐ろしい敵ですねぇ。まさかあのゴメスをここまで強く出来るとは。」

 

アイアロン「うわ。笑い声鬼キモ!」

 

ダークゴーネ「ん?グリーザ様が何かしようとしていますね。」

 

アイアロン「はっ!?お前折角の鬼かわな顔を鬼怖くしてんじゃねえ!」

 

ザウラー「オ前ハギャルカ!」

 

グリーザ「正直何言ってるのか分からない。」

ダークゴーネ「「はっ!?お前折角のとてもかわいい顔を怖くしてんじゃねえ!」と言っているのですよ。」

 

グリーザ「ありがとう。ていうかあなたマネするの上手いね。」

 

ダークゴーネ「モノマネは得意でして。ん?どうやらグリーザ様が出すあの黒い稲妻は怪獣をパワーアップさせることができるようですね。」

 

グリーザ「うん。あと、私のダークサンダーエナジーは怪獣だけじゃなくて宇宙人も強化できるよ。」

 

ダークゴーネ「様子を見る限りだと暴走してしまうようですが。」

 

グリーザ「うん。力が足りないと暴走しちゃうね。」

 

グラシエ「アチャー。ゴモラやっちゃいましたねぇ。これだから、怪獣は使えないですねぇ。」

 

グラシエさんの最後の一言を聞いた瞬間、皆怒気の帯びた顔でグラシエさんを睨みつけた。

 

グラシエ「皆さん何を怒ってるのですかぁ?私は当然の事を言っただけですよ。怪獣だなんて、言うことを聞かなければただの巨大な生ゴミじゃないですか。」

 

陛下「グラシエ。」

 

陛下が放った一言で場の空気が凍りついた。いつもよりも声のトーンが低くドスの効いた声で放った時の陛下は別人のように恐ろしかった。

 

流石のグラシエさんもこれには焦り、冷や汗を垂れ流しガクガクと震えていた。

 

陛下「グラシエ………こっちに来い。」

 

グラシエさんは恐る恐る返事をした。

 

グラシエ「………はい。」

 

かなり落ち込んでいるのかグラシエさんは肩を落とし、陛下についていった。

 

エスナ「ま…まあ、陛下がああ仰ったのだから、取り敢えず私が進行します。早速話を戻しますが、あの時陛下がいなかったらゴモラは私達を殺したかもしれない。」

 

マリナ「そうですね。あの時ベリアルがゴモラちゃんを洗脳してくれ…………ん?洗脳………ウヘヘへへ。」

 

ミヤ「今陛下のウィルス使っていやらしいことを考えてましたよね!?」

 

ダークゴーネ「そんな事はないですよ。きっと、ウイルスを強化して陛下に貢献するんでしょう。そうですよね?」

 

マリナ「そ、そうだよぉ。参謀の言う通りだよ。」

 

参謀に言われたことにテキトーに返事をするが、興奮のあまり鼻血を垂らしているため説得力0だ。

 

ミヤ「その顔で言われても説得力0ですよ!?ていうか、ダークゴーネさんもマリナさんの顔見たら普通は魂胆がわかりますよね!」

ダークゴーネ「ん?違うのですか?てっきり、マリナは陛下に媚びを売りに行くと思ったのですが。それでニヤニヤしてるのかと。」

ミヤ「あなたピュアですか!?この笑い方は絶対にそうゆうので笑ってんじゃありませんよ!」

 

ザウラー「オ前ラ感想言エヨ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダークゴーネ「しかしどうします?陛下は何処かに行かれてしまわれてしまいまし、どうせなら私が調べた事でも教えてさしあげましょう。」

 

ザアア ザアアア ザアアアアアアア

 

 

突然画面にノイズが発生し、参謀達は戸惑った。そして、参謀は何かを察し慌てだした。

 

 

ダークゴーネ「ま、まずい!今すぐこちらの電波最大限に上げて下さ」

 

 

 

 

 

 

時既に遅し。画面は黄金の空間に浮かぶウルトラマンゼロに切り替わった。

 

ゼロ「ふう。そう何度も番組を乗っ取られる俺じゃねえよ!じゃあ、早速今まで振り返ってだな……っておい!!また放送時間無えじゃねえかぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

 

 

to be content?

 




ゼラス「今回は全話紹介するのに失敗しちゃったけど、次回はちゃんと全話紹介できるのかな?次回を少し期待してあげてね。」


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エピソード2「ベリアル陛下再臨!?銀河皇帝総進撃Ⅱ」

グラシエside

 

先程、私は当然の事を言っただけなのに、何故私は怒られないといけないのですか!?理解できません。分からないです。

 

陛下「グラシエ、お前に話がある。」

 

体の震えが止まらないです。全身から放たれる威圧感。そして一言一言放つ言葉に混じった押し潰されそうな圧力。もし、これを地球人が受けたら汚い言葉を言いますがチビるでしょうね。

 

陛下「あいつらと今すぐ仲良くしろとは言わん。ただ、あいつらは俺の守るべき存在だ。時間をかけてでもいいから仲は良好にしろ。」

 

グラシエさんは陛下のお言葉に不満を抱き、恐る恐る質問をする。

 

グラシエ「陛下は、“怪獣”達も守りたいのですか?」

 

陛下「まあ、そうなるな。」

 

グラシエ「陛下。私は生まれた頃から怪獣は戦うための道具(捨て駒)だと教えられてきました。そんな奴らを今更…対等な立場として接するだなんて、出来るわけないじゃないですか!!」

 

この人にとっては、生まれた時から教えられて来た常識を変えろと言われているのだ。いくら陛下からのお言葉でも文句の一つや二つ出てもしょうがない。

 

すると、そんなグラシエさんの様子に陛下は大きなため息を吐いた。

 

陛下「お前、俺たちベリアル軍団がどうゆう事をする軍団なのか言ってみろ。」

 

急な質問にグラシエさんは戸惑ってしまい、アタフタと答えてしまう。

 

グラシエ「えぇと…その、全宇宙を支配すること、そ…それから…欲しいものは力づくで奪う…あと………陛下の邪魔をするものは容赦なく滅することです!」

 

陛下「そうだ。俺たちは邪魔なものは壊す!なら、お前の中にある常識もぶっ壊すばいいじゃねえか!なぁに、案外お前の方が奴らとは打ち解けられるだろう。」

 

陛下のお言葉にグラシエさんは渋々納得した。

 

グラシエ「………分かりました。なるべくスムーズにいくよう頑張ります。」

 

 

 

 

 

 

一方、参謀達は電波を逆にジャックされてしまったことに頭を抱えていた。因みに余談だが、仮にあのままゼロにジャックされてなくとも、自動的に途中で切れてしまっていた。

 

アイアロン「マゾいぞ!もし、もうこれが放送されてないと陛下に知られたら。」

 

ザウラー「サゾオ怒リナサルゾ!」

 

将軍達はお怒りなさっている陛下のお姿を想像し、恐怖で震え上がった。

 

アイアロン「誰か陛下にこの事を伝えねば……!?あいつら、どこ行ったんだ?」

 

辺りを見回すと、女性陣の姿が見当たらなかった。

 

マベル「あいつら逃げたなぁ!」

 

「お前ら、俺がいない間もちゃんとナビゲートしてたよなぁ?」

 

後ろから聞こえる声に背筋を凍らせる参謀達。勇気を出した振り向くと、やはりそこにはベリアル陛下とグラシエさんがいた。

 

ダズ「陛下。お、お話は済んだようですのう。」

 

陛下「ああ。」

 

グラシエ「おや?マリナさん達は一体何処に行かれたのですか?」

 

陛下「そういやいないな。」

 

アイアロン「えーと、そのー、そうだ!たしか、女子会に参加するとか行って、アルカディアに帰りましたぜ。」

 

陛下「お前ら、何か隠してるだろう。」

 

図星を指され、更に参謀達は動揺してしまう。そして、これ以上は隠し切れないことを悟った参謀は正直に言うことを決心する。

 

ダークゴーネ「陛下……実は…実は番組をゼロにジャックされてしまい。…もうこれは放送されてないのです。なので、振り返りはまた次回ということに………」

 

陛下「………………ゼロに番組を取られただ?」

 

(BGM:カイザーベリアルのテーマ)

 

陛下の怒りと苛立ちを含んだ声と共に周りの空気が一変。

 

マベル「えっ?なんか、もの凄い嫌な予感がするんだけど。」

 

ダズ「この雰囲気絶対に只事ではないぞ。」

 

恐れ慄く二人の様子を見て、ザウラー軽く彼らの肩を叩く。

 

ザウラー「ココカラガ、大変ダゾ。」

 

陛下「もう紹介ができない……だったら……」

 

陛下は右手に赤い稲妻を纏う。

 

陛下「だったら!………」

 

そして次は左手に赤い稲妻を纏う。

 

陛下「ハー○ルンをぶっ潰せばいいじゃねぇかぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

全員「えぇぇぇぇぇぇ!!!!!??????」

 

赤いオーラを爆発させ暴れ回る陛下のお言葉に驚愕した参謀達はギャグ漫画のように顔を歪めた。

 

グラシエ「そんなことをされたら」

 

ダズ「儂らの存在が消されてしまうわい!」

 

急いで止めようと、参謀達は陛下を抑えようするが逆に吹き飛ばされてしまう。

 

陛下「ウォォォォォ!!!!!俺の小説しか投稿できなくしてやる!!!!!」

 

すると、陛下はなんとライザーと装填ナックルと二つの怪獣カプセルを取り出し、そのままフュージョンライズし、禍々アークベリアルと変貌した。

 

ウォォイイイイイイン!・ウォォウンンンンン!

 

地を揺るがせるほどの咆哮を上げた禍々アークベリアル陛下。そのお姿を見た参謀は思った。

 

全員「………終わった。」

 

 

 

 

〜しばらくお待ちください〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

必死に止めようとするも禍々アークベリアル陛下の強大な力を前に、なすすべもなく参謀達はやられてしまった。その後、気になって駆けつけたグリーザさん達の手によって何とか陛下を抑えられた。

 

当然だが、男性陣は全員ミイラ状態である。

 

抑えたとはいえ、ご機嫌を損ねてしまっている陛下に皆さん怯えていらっしゃる。そこで何かを思いついた参謀は陛下に声を掛ける。

 

ダークゴーネ「陛下。先程は大変申し訳ありませんでした。」

 

一様話は聞いているものの、そっぽを向いてしまわれている陛下。

 

ダークゴーネ「そこで代わりといってはなんですが、先程陛下がフュージョンライズした怪獣達を彼女達にお教えしようと考えたのですが、いかがでしょうか?」

 

参謀の言葉に陛下は耳を傾けた。マガオロチのことはフュージョンライズしてから少し興味を持っていたようだ。

 

陛下「…いいだろう。手短に説明しろ。」

 

ダークゴーネ「ハッ!それでは早速、まずマガオロチについて説明しましょう。」

 

参謀がそう言うとモニターが現れ、そこにマガオロチの姿が映し出された。

 

マガオロチ。それは魔王獣と呼ばれる“世界を滅ぼす”といわれる強力な怪獣達を束ねる首領の様な者です。

 

マリナ「そういえば前試しに召喚したら、本当にこの星を破壊されそうになったけ。」

 

ダークゴーネ「星をも食らい尽くすと言われる程の存在です。そんなのから、よくもまあ生きていられましたね。」

 

エスナ「その時は私達以外にも強い娘が居たのでな。協力してなんとか取り押さえたんだ。」

陛下「そういや前回もそいつらとは別行動を取っていると聞いたが、いい加減いつ戻って来るんだ?」

 

エスナ「連絡が取れないので、今のところは分かりません。」

 

ダークゴーネ「まぁ、その方々についてまた次回お話ししましょう。では、話を戻します。」

 

そして、マガオロチの最も恐ろしいのはその生態です。調べた限りでは、オロチは惑星内部に卵を産み落とし、卵から生まれた幼体が惑星自体を喰らい、成体へと成長すると今度はその星に存在する生命体やあらゆる物を喰らい死の星へと変えるというものです。

 

ミヤ「その完全体がこのマガオロチ。」

 

ダークゴーネ「いえ、違います。」

 

ミヤ「えっ!?」

 

ダークゴーネ「この姿はまだ幼体にしかすぎませんよ。ついでに完全体の姿も見せておきましょう。」

 

その完全体の姿がこちらでです。

 

モニターに映っているのがマガタノオロチへと変化した。モニターの映っているその姿を見た陛下は何やら驚いていた。

 

マベル「なんか、さっきの方が完全体ぽいんっすけど、本当にこれが完全体なんっすか?」

 

陛下「ああ、おそらく完全体だ。俺が苦戦がした敵だからな。まぁ、俺の新技の餌食にしてやったがな。」

 

ダークゴーネ「なんと!超大魔王獣と呼ばれているマガタノオロチを既に倒していたとは驚きです!」

 

とまぁ、マガオロチについてはこんなところですかね。

 

陛下「マガオロチの卵については、調べていないのか?」

 

ダークゴーネ「一応、調べておきましたが。」

 

陛下「それについても教えろ。」

 

ダークゴーネ「ハッ!ではマガオロチの卵ことも少し教えましょう。」

 

マガオロチの卵は、マガ魂と呼ばれるている代物です。そして、そのマガ魂のエネルギーが惑星に寄生した惑星のエレメントと共鳴し誕生するのが星の環境の属性を司る魔王獣です。

 

陛下「つまり、魔王獣はマガオロチの子供の様なものか。その生まれる魔王獣については調べたのか?」

 

ダークゴーネ「申し訳ありません、流石に各魔王獣については調べてありません。」

 

陛下「そうか。……よし。」

 

陛下は不敵な笑みを浮かべた。

 

グリーザ「陛下どうしたの?」

 

陛下「少しいい事を思いついただけだ。」

 

ダークゴーネ「そして、最後はやっぱりこのお方、その名はアークベリアル陛下!」

 

モニターに映っているのがアークベリアル陛下へ変わった。

 

アークベリアル陛下とは、陛下がウルトラマンゼロに更なる絶望を与えようと、大量のエメラナ鉱石のエネルギーを吸収し、強化なされたお姿です。

 

マリナ「ん?たしかに凄いとは思うけど、なんで怪獣になってんの?」

 

陛下「さぁな。実は俺もよく分かってねぇ。強いて言うなら、レイブラッドの血の影響だろうな。」

 

マリナ「レイブラッド!?あ、そうか。あんたレイオニクスなの。」

 

ダークゴーネ「口を慎みなさい!まぁ、陛下にレイブラッドの血が流れていることは事実ですけど。」

 

話を戻しますよ。元々強大な陛下が強化なされたというのもあり、その力は絶大。握力だけでこの通りゼロを追い詰めています。なにより最大の武器は、チャージして放つ破壊光線アークデスシウム光線です。その威力はなんと星を一撃で破壊する威力があるのです。

 

ダークゴーネ「如何でしょうか。陛下。」

 

陛下「お前のおかげで良いことを思いついた。それに免じて許してやるよ。」

 

ダークゴーネ「ありがとうございます。」

 

アイアロン「全く1時はどおなること思ったら、今回はお前に助けらちまったな。」

 

ダークゴーネ「礼に及びません。陛下があのままだと私も居心地が悪いですからね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陛下「今回はこれで終わりだ。軽くお遊び程度で書いたものだから、内容の薄っぺらい話になっちまったが、次回からはちゃんと本編書かせてやるから安心しろ。」

 

グラシエ「それでは、また次回に。」

 

 

 

 

 

 

 

 




次回予告!!!!!ッて、今回ベリちゃん公式に喧嘩売っちゃったけど大丈夫かなぁ。存在が消されないことを祈るよ。
次回は、とある娘が闇に堕ちちゃうよ。お楽しみに。


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ベリアル物語外伝 エピソード0

皆さんお久しぶりです。今回は非常に短いです。エピソード19まだ執筆中もう暫くお待ちください。


男は愛する者達を守ろうと力を手に入れた。だが、その力はあまりにも強大だった。

そのせいで男は畏怖された。男の存在は驚異になると判断されたため、抹殺対象となった。自分の身を守ろうとしただけだったが、誤って辺り一帯を消滅させた。恋人、友、家族を守る為、手に入れた力で愛する者を滅ぼしてしまった。

 

 

あの時、何が起こったのか分からなかった。でも、残酷にも頭が状況を把握した。ショックを受けた。泣いた。絶望した。

 

私がやった事は瞬く間に広がった。私を恐れた者達全力で殺しにかかって来た。私も迎え撃とうと全力の一撃を放った。全て崩壊した。“全宇宙が消えた”。

 

 

 

 

何も無い漆黒の空間。宇宙も、星も、生物も、物質も、原子も、何も存在しない。

 

そんな中、何万年いや、何億年…いや、何兆年。もしかしたらそれ以上かな。私は孤独に長い年月を過ごした。自殺しようとしたけど死ねなかった。

 

私はふと気付いた。何も無いのなら創りあげればいいと。だから、宇宙を創造した。私はこれで孤独では無くなると思った。けど、結局新しく生まれた生命にも恐れられた。

 

もう、疲れて来た。こんな力はもういらない。だからと言って安易に力を渡してもまた悲劇を繰り返すだけだ。なら、この力を渡してもいい様な者を見つけなければ。

 

私は正義感溢れる者にこの力を託そうと思い、正義感の強く確かな実力を持った青年を導いた。青年は事情を話すと納得してくれ、小手試しとして1万分の一程度の力を分け与えた。

 

だが、期待外れだった。その青年は自分の正義を貫く奴だった。自分が間違ってると思うともせず、他者に自分の正義を押し付けた。少しでも背くのであれば抹殺する。結果は青年は暴走した。

 

あの青年いや、奴に力を与えたらダメだ。私はすぐに別の者に力を与えては様子を見たが、結果は全部期待外れだった。こいつならやってもいいかもしれないと確信に至るまでいった者もいたがダメだった。むしろ、そいつの方が今まで一番凶悪な奴になった。

 

正義か…この言葉は反吐が出る。正義ってのは正しい道理っ意味だけど、そんなものは存在しない。自分の正義が相手にとっては悪にもなる。その相手を殺してまで正義ってのは貫かなきゃいけないのだろうか。反対する者がいる時点でそもそも正しい道理じゃない。

 

だから、私は正義だ正義だとか言ってる奴に力を与えらのはやめた。多少が間違っていても暴走しないで、全宇宙を崩壊させる様な破壊神にでもならない限りいい。

 

けど、大抵な奴はその力を使ってすぐ暴れ出す。どうすればいいのやら。私は宇宙中を観察した。そんな中、面白い事を言い出した者がいた。

 

「それじゃ、行こうじゃねえか。俺の、いや、俺達の守るべき者を探しに。」

 

確か、この者は悪に堕ちたウルトラマンだったな。悪に堕ちてもウルトラマンであることには変わらないってことか。こうゆう者は大体がそれを消し去ってやるとかそうゆう風に考えるのが多いが、こいつは逆に守るべき者を得ようとしている。

 

この者は、正義なんだの言わない。それに少しは部下をよく思ってる。此奴がもし、私の力をどうなるのか。守るべき者を手に入れさせたらどうなるのか…予想もつかん。

 

 

早く、我のお家に案内しようっと

 

 

 

 

 

 



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