BLEACH《新たな歩み》 (白黒)
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最初

名前/先導 竜也

年齢/16歳

髪の色/藍色

職業/学生 高校1年

趣味/特にない。




全ては願ったから起こったこと。

願わなかったら何も起こらなかった。

 

何度こんなことを思うのだろう。

何を願ったのか。聞かれたって「覚えてない」しか答えが浮かばない。

 

ここは砂漠。暑い。熱い。

 

手に持つ弓。背中にある靫

きっと壊れかけているであろう。弦は緩み、矢は少し曲がっていることは見なくともわかっている。

 

自分は歩いてる。

何故と聞かれれば理由は言いたくない。言えない。

けど、何かしら理由があることは僕はわかる。

 

口は開かない。

塞いでるだけだが開かない。

自分の声のトーンなど忘れかけていた。

ただ覚えてるのは、「いい声」とは言われたことがないことだけ。

 

腰の刀。

鞘の中で砂と一緒に音を立てている。

いつから使ってたかはわからないが、長い時をこいつと過ごしてたのは違いない。手放したくない。

 

血。

太陽の暑さに負け、少しだが冷たいと感じる。

飲めば喉が潤うのか。いや止めておこう。何も変わらない気がする。

 

「ーーーーーーー!」

 

聞き取れない。

いや、何を話してるのかわからないと言ったほうがいいか。よく見ると相手の男は目の前の自分を男が持っているナイフで殺そうとしている。

 

「あーめんどくさい…」

 

久しぶりに自分の声を聞いた。

 

久しぶりに自分の声はとてもだが「いい声」とは言えない声だった。

 

「殺すか…」

 

矢を取り出し弦を引く。

狙わない。目を閉じていても相手を貫くことはできる。

 

手を離し聞こえたのは男のうめき声。男は刺さっている部位を抑え必死に悶えてる。

男に近寄り腰の刀を手に取る。

 

「ーーーーー!ーーーーーーーー!」

 

必死に何かを伝えてる。わからない。

自分にか?いや違うだろう。こいつは死にたくないだけ。俺を殺そうとしたのに、自分が死ぬのは嫌なだけ。こいつは神にでも伝えてるのだろう。

 

「煩いんだよ。喋るな…」

 

男の胸に刺さっていく刀の刃。男は叫ぶ。俺しかいないのに。地面には男の血が広がっていく。そして刀の根元まできた。男はまだ叫ぶ。

 

「目を閉じろ…」

 

男は従う。

俺の言葉は少なからず通じているらしいが、そんなのはどうだっていい。ただただ、男を殺すだけ。

 

矢を一本取り、弦を引く。そして離す。たった三つの動作でこの男を殺せる。

 

 

 

男の眉間に刺さった矢はまるで俺に白旗を立ててる様だった。

 

 

 

砂漠の風が男を叩く。

男は空を見上げ、手を伸ばす。

 

 

「まだ、届かない」

 

青い空。

快晴だ。こんなにいい天気ならなにが起こるのだろう。そんなことを考えながらまた歩き始めた。

 

 

「竜ちゃん…みぃつけた…」

 

不気味な女の声が聞こえた。

 

:

 

「お兄ちゃん!もう起きてー!」

 

毎朝、妹の声で僕は目覚める。

 

「あーいま起きたー」

 

体は起き上がらない。いまは冬に近い秋。そのせいかもしれない。

 

「なんか変な夢だったな…ん…えーと…なんだったけ…」

 

夢をすぐ忘れることなんかよくあることだと思い、老いた人のように起き上がる。

 

下に降りると、母がオタマを持ちながら洗濯機を回していた。

 

「なにやってんの。母さん」

 

「んー?ケチャップ飛んじゃった♪」

 

そんなドジっ子がやる「テヘペロ♪」をされても…と、思いながらなぜオタマを装備しているのかを聞かず、リビングに向かう。

 

「お兄ちゃん。おーそーい!早くしないと柚の特製《アボカドとグレープのジュース》が不味くなっちゃう!」

 

妹の柚は舌が馬鹿になってるのか、いつもアボカド+αのジュースを毎朝、作っている。今日はグレープか?

 

「あ、すまんすまん。しっかり飲むよ」

 

いくら不味いとわかってても、実の妹が頑張って作ってくれたものだ。と一気飲みする。最近は慣れたのか学校で昼休みにトイレで嘔吐することが少なくなった。

 

「親父は?飯食べなかったのか?」

 

「ジュース飲んだらトイレ行きたくなったって〜」

 

「そうか…」

 

この家の大黒柱(最近は母が上に立ちつつあるが)である父は毎朝トイレから始まっている。妹よ。そのジュースでなにを起こそうというのだ。

 

 

 

家を出て登校中。

 

「慣れてきても、腹にくるものだな…」

 

妹の特製ジュースを一気飲みしたせいでまともに朝飯を食べていない。重い腹をさすりながら、上り坂。

 

カツン!

 

靴に何かがぶつかり、いい音がした。石とぶつかる感触とは違った。

 

「なんだ?」

 

蹴ったものを拾い上げると、バツ印に重なってドクロのようなものが付いており、逆さの五角形のものが落ちていた。

 

「なんだこれ。ん?」

 

微かに聞こえる話し声。女だろうか…いや男もいる。

 

「なんだ…なに言ってんだよ…たす…て?は?」

 

その時、

 

僕は車に轢かれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




前に書いてるものの続きが思いつかず、暇だったので書いてみました。
読んでくれて嬉しいです。
暇だったらまた描きたいと思います。

それでは〜


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繋がれた始まり

地面で大の字。

車に轢かれた竜也は、いま道路の真ん中で大の字になっていた。


なぜ体が少し透明になってるのか。どうやら幽体離脱をしてしまったらしい。そして本体は足元にある。

腹部から血が出ていて、右腕はもう赤い。そして…鎖か?これ。胸に何かが付いている。

 

「なんだこれ…なんか蓋半分開いてるんだけど…死にそうってことか?」

 

浴槽の水抜きに使っている蓋が自分についている。鎖は自分の体と繋がっていた。

 

「ま、とりあえず戻るか」

 

このままいるのも良いとは思えないので本体へと戻ろうと本体の上に乗った時、一人の少女が驚いた顔でこちらを見ている。

 

「あ…」

 

「…」

 

初対面でなにを話せば良いのだろうと思い目が右へと泳ぐ。というか、話せるのか?

 

「あのー、見えてます?」

 

「…」

 

(あ、これ見えてないやつだ。戻って救急車呼んでもらおう)

 

「ぷは!いった…ぃ…」

 

本体へと戻ると、息をしていなかったためか、肺に凄い勢いで空気が入る。と同時に腹部に強烈な痛みが走る。

 

「だ、大丈夫…ですか!?」

 

「あーちょっと轢かれただけだ…いっ…」

 

「ちょっとって…今救急車呼びますね!」

 

少女は少し離れ電話する。

その後すぐに救急車が来て、病院に行った。結果は肋骨一本を軽く亀裂が入っていて、腹部は軽く切れてただけだった。医者もびっくりしていたがどうしてだろう。

その日は学校を休み、家で安静にしていた。

 

その後

 

生活中には色々な…人と言えばいいのか?

浮いてる人、透けてる人、すり抜けてる人。幽霊…と言えばいいのか。あの日の幽体離脱のせいなのかわからないが見えるようになった。

 

「あーわっかんねぇ…」

 

テスト前日、この苦しみはいつ終わるのか。そんな大事な事を頭の隅に考えながら数学の教科書とノートを開き、部屋の窓を横目で見てしまう。

 

そのとき、竜也は窓を二度見してしまった。

外に突然、顔には骨のような仮面をつけた大きく黒い怪物が現れた。

 

「え…」

 

言葉を失う。

今にもこちらに拳で殴ってきそうな雰囲気だ。いや、こちらに向かって手が伸びている。パリィンと窓が割れ、竜也に怪物の手が伸びる。

 

「やめろ…おい…う…」

 

竜也は壁際に逃げるが、あっさりと捕まってしまい、口へと運ばれる。

 

「おい!嘘だろ!やめろ!」

 

必死に抵抗するが、全然意味がない。

そして、音も無く竜也は怪物の口の中へと入ってしまった。竜也は落ちていき、胃の中にあった刃物が竜也の胸を貫く。

 

「うぐ…な…ん……だ…よ。お前は」

 

そこにいたのは黒の服の男。自分の前に飲み込まれたらしい。着ている服はボロボロになっており、右腕は無くなっている。

男は竜也に刺さった刀を再度握り、

 

「いいタイミングだ。俺の代わりに死神をやってくれよ…坊主…」

 

「死…神…?」

 

竜也を中心に光が広がった。

 

「おい。これなんだよ…」

 

目の前の男と同じ服を着て腰には刀が付いている。

 

「死神だ。今日からお前は…」

 

「なんだよ死神って!」

 

「こいつを倒せばわかる。すぐにな…あーこれで任務は達成したん…だ…眠らせて…」

 

男は静かに目を閉じた。

 

「おいじじい!死ぬんじゃねぇぞ!おい!」

 

男の心臓は動いていない。呼吸もなく、本当に死んでしまったようだ。

 

「くっそ…とにかくこいつの腹をこれで斬れば…」

 

腰の刀を抜き、怪物の腹を縦一直線に斬る。

 

グガアアアア!

 

「よいしょっと…うぅ気持ち悪い…」

 

怪物の腹の中にいたので身体中に怪物の体液がべっとりついている。

 

「おい。じじい!死ぬんじゃねぇぞ!おい!なんだよこれは!」

 

竜也は男の心臓近くを思いっきり叩きながら言う。それでも男が目覚めることは無かった。

 

すると先日、竜也が拾った物から声がした。

 

「よし。繋がったぞ!」

 

声からして男だろう。なにか急いでるのか、それとも電波が悪いのか音質が悪くプツプツと雑音混じりの声が聞こえた。

 

「おい。誰か出てくれ。くそ!繋がったのはいいけど誰も出てくれねぇぞ!」

 

声の主はまるで天から地獄に落とされた雰囲気を出しながらも、誰かに繋がることを願っているようだ。

 

「俺は…竜也…なんだよこれは…」

 

目の前で人が死ぬのを見るのが初めてな竜也は声を出すだけで精一杯だった。

 

「竜也…そうか。成功したのか。今救援部隊を送る。そいつらの指示に従ってくれ」

 

「わかり…ました…」

 

その後、すぐに救援部隊が来て竜也を連れて何処かへと消えるように行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




《死神の力を貰う》
原作では一護が二回ルキアから死神の力を貰ってますが、なにかの条件がないか調べてみましたが…トホホ…

結果、情報はゼロでした泣

自分の中では霊力がある人は貰うことができると考えてますが、本当のところはどうなんですかね笑
ん!竜也くん!?あなたもしかして…

まぁそれについてはこれからわかってくると思います。

あと、読んでくれた方!本当にありがとうございます!
作中におかしい点や指摘などありましたら、感想お願いします。
どんなに厳しい指摘でも耐えられる…と思います。

それでは〜また次回!





…(出せるかな…)








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「大……で…か…」

やめてくれ。

「大丈夫…ですか…」

今はほっといてくれ。
思い出したくないんだ。あの頃を。


「竜ちゃん」

 

誰かが読んでいる。

僕は目を開け、声の主の方を見る。

 

「みぃつけたぁ」

 

緩い口調で少女は言う。その声に反応して目を向けるが、木々の隙間から差し込んで見える光に思わず目を閉じてしまう。

目を擦りながら立ち上がった竜也に少女は、

 

「竜ちゃん、次は私が隠れるね!」

 

「え、ちょっとまっ…て」

 

少女は森の中に走り去ってしまった。

しばらくしてもういいかい?と大声で叫ぶ。だが、その声に対する返答がなく、ただ木や草の擦れた音、小川が流れる音だけが鳴っている。

 

「ったく…なんだよ」

 

少女が走って行った道をゆっくりと辿る。小川で熊を見つけたり、木の枝にとまる梟を見つけたり都会っ子の竜也にとってはかなり驚きのある発見だった。

すると、森の出口が見えてきたので、竜也は森を抜けた。

 

 

 

「もう竜ちゃん!やっと見つけた〜」

先ほど隠れた少女の声が背後から聞こえた。

 

「え…」

 

「どうしたの。そんな驚いた顔して…ほら行くわよ。今日の皿洗いは竜ちゃんだからね〜」

 

竜也は周りを見渡す。さっきまで自分はどこにいたのか。本当に森の中にいたのかを疑うくらい、今竜也が立っている場所は木・雑草・小川がない。デパートにフードコート。バイクに車。どんだけ頑張っても今自分がいる場所は森ではなく、自分の住んでいた日本の東京、都会と言った方が納得がいく。

 

「どういうことだよ…また意味わからん夢なのか?」

 

「何意味わからないこと言ってるの?行くよ竜ちゃん」

 

少女は長い髪を揺らしながら竜也に背中を向け、歩き出した。

 

「ねぇ…」

 

竜也は少女に恐る恐る話しかける。

 

「君は…」

 

「誰?」

 

 

竜也が最後の言葉を言った時、周りの人・生き物・物体・店などが黒くなり、空は赤黒く染まっていく。月なのか太陽なのか、黒く染まりかなり地球に近づいている。

 

そこに黒い刀を持った白く美しい着物を着た少女がいた。

 

「今度は…」

 

少女が喋り出した途端、竜也の頭に電気のような激しい痛みが走る。

 

「うがっ!」

 

竜也は頭を抑えながら膝をつけるように勢いよく腰を落とす。

 

「わた…みつけ…ね…」

 

意識がだんだん薄れていく。

うまくバランスをとり倒れそうになる体をなんとか踏ん張っていたが、耐えられなくなり倒れてしまう。

 

 

「竜ちゃん…」

 

 

ニゲナイデネ

:

 

ここはどこか。そう聞かれたらわからないと答えるしかないが、自分の中では初めて来る感覚より、懐かしく感じる。自然と進む自分の足が気持ち悪く思えてきた。

 

「前にも来たことがあるか…な?」

 

進むことは体に任せ、屋敷内を徘徊する。 誰も居ないことで不思議に思っていると後ろから、

 

「おい。そこのボウズ」

 

振り向くとそこにはオレンジ色の髪の黒装束のおっさんがいた。

とても体格はよく、腰と背中に付けている刀は包帯のようなもので刃の部分が隠されている。その人からはなぜか自分と近いものを感じた。それは雰囲気や性格の話ではなく、存在や役目などだ。なぜここにいるのか。何をしなくちゃいけないのか。この人は全てを教えてくれそうだ。

 

「おい。何してんだ?」

 

「あ、えーと…起きたらここにいて、周りには誰もいなくて散歩していたところです」

 

「そうか、なら俺について来い。ちょうど暇してたとこなんだ」

 

おっさんの暇に付き合うため俺はついて行く。その間にここについてのことや建物、外にある設備など教えてくれた。もちろんここが尸魂界ってこともだ。

 

「そういえばおっさん。名前は?」

 

「あぁ名乗ってなかったな。俺は『黒崎一護』死神代行だ。ボウズは?」

 

「俺は先導竜也。俺も、死神代行?ってやつぽい。なんか知らないおっさんに力を貰ったんだ」

 

「そうか。運が良いか悪いかはわからんがまぁ仲間ができてよかった」

 

おっさんは俺の肩を叩きながら嬉しそうに言ってくれた。

 

「よし着いた。この部屋に入ってみればみんながいる。俺は用事があるからこれで。また会えると良いな」

 

目の前には大きな扉。自分の身長の二倍、いや三倍はあるだろう。そのぐらい大きい扉がある。

 

「ありがとう、ございます」

 

ギクシャクした下手くそな笑顔を見せ、竜也は手を振る。一護も手を振っていたが、その姿はいつの間にか消えていた。

 

「よし」

 

扉を開けて進む。

白い大部屋に十人ぐらいの黒装束に白い羽織を着た人達がいた。

 

「お〜来た来た。おはよう!竜也くん!」

 

そして、竜也の正面にテンション高めの男が話しかけて来た。

 

「おはよう…ございます…」

 

ハイテンションで白髪の男が手を振っている。いきなりテンション高めでくるこういう人とは関わりにくい。と本音は心にしまって竜也は挨拶をする。

周りは殺気だった雰囲気。まるで戦場に行く前の会議に自分は寝坊してしまった感がすごい。一刻も早くこの場から逃げたい。

 

「おい霧丸!こいつぁなんだ?どうせ弱っちいやつを連れ込んだんだろ?どうせ死ぬやつなんかここで殺した方がいいんじゃねぇか?」

 

いかつく目が細い男はテンションの高い男に怒鳴りつける。

 

「黙ってよ。そういうのだるいから。だけど霧く〜ん?今回は異常だよ。たかが斬魄刀が消えただけだろ?そんなの適当に流しとけばどうにかなるだろ」

 

目のクマが酷く、整えてない髪の女はだるそうに話す。

何を言っているのかわからない竜也は頭を掻きながら会話のやり取りを聞く。まるで自分はいない扱いにされている雰囲気に少しイラっとする。

 

「んでだ。他の奴らはこねぇのか?」

 

「他の隊長は任務だよん。まーだいたい暇なのは君達だからねぇ。召集かけたのも君たちだけだし」

 

「霧丸!それじゃあ俺らが暇人みたいじゃねぇか!」

 

今にも喧嘩しそうな雰囲気が漂う。いやもうしてるな。

もう帰ろうかな。そう思いドアを閉めようとする。

 

「おっと、何しようとしてるのかね」

 

霧丸。この人物は何者だ。ただ俺は睨まれただけ。ただそれだけなはず。なのに、動けない。恐怖、怒りなども感じない。だけど腕一本、いや、指一本動かすことができない。

 

「まだ自己紹介してないんだから待ってよ。竜也くん」

 

気づくと俺は膝から倒れ気を失っていた。




久しぶりに出してみた…

今回はほとんどオリジナルキャラで進んで行こうかなと思っています。

まーいずれ原作キャラは全員出しますけどね!うん!(頑張ろう…


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本性

夢だと思いたかった。

ここにいる事自体、不正解だと感じる。いや、正解などないのかもしれない。だが、自分がここにいる事は不正解だと思う。

 

「尸魂界…か…」

 

何時間ここに寝ていたのだろう。

 

「おー竜也くん!起きたのかい。さっきはごめんね。挨拶程度に僕の力を少しだけ出して見たんだ。でも気を失うとは」

 

あーなんだろう。このいかにも失敗したことを気にしないてへぺろは。前にも見たような…

 

「僕は霧丸。走馬 霧丸。よく走馬を名前だと思われるけど、霧丸が名前だよ。よろしくね」

 

竜也の気も知らず、霧丸は自己紹介をして握手を求める。

 

「竜也…先導 竜也です…特に何もありません」

 

それに対し竜也は無愛想に自己紹介。霧丸の手を取らず目線を下に向ける。意外と人見知りな竜也にとって初めて会った人(と言っても二回目だが)と握手するのは難関である。

少し困った顔して霧丸は手を引っ込めた。

 

 

竜也が倒れた大部屋の戻り、さっきいた2人は不機嫌顔で竜也を睨む。また喧嘩したのか2人とも服がボロボロだ。

 

「さぁて、質問していいかい?竜也くん」

 

霧丸明るい笑顔では竜也に問いかける。竜也は頷く。

「君の斬魄刀はどこだい?」

 

「斬魄刀?なんですか?それ…」

 

一瞬、謎の静けさが部屋に流れる。

竜也の身の回りには武器一つなかった。その姿を見て霧丸は警戒を強めたのか眉を少し上げた。

「君は…どうやってやつを倒したのだ?」

 

少しトーンが落ちた声が竜也に問いかける。

 

「あの怪物ですか?腰にあった刀で…あれ…」

 

竜也は自分をボディチェックするようにぽんぽんと叩く。

 

「失くしてしまったようでーー」

 

竜也が言い切るその前に霧丸は竜也の胸元を掴み力を込めて外に追い出す。

竜也は勢いよく跳ねてはまた跳ねる。勢いを殺せないまま壁にぶつかりミシッと骨にヒビが入った感覚が竜也の全身に行き渡る。

 

「ふざけないで欲しいなぁ。そういうの一番嫌いだよ《穿て》」

 

そういうと霧丸は鞘から刀を抜き出し解号を唱える。その瞬間周りの空気の温度が一度下がった。

 

「もう一度聞くよ。君の斬魄刀は、どこ、だい?」

 

構えながら霧丸は竜也に聞いた。温度がまた下がる。

 

「失くしてしまいました…」

 

「ふざけるな!」

 

その瞬間、霧丸の周りに鋭い氷柱が数十本出てきた。

氷柱は竜也を狙っている。竜也はそれを見て逃げようとするがもう遅かった。竜也の手足は凍って身動きが取れない状況だった。

 

「君には説明してなかったね。今、とても強力な斬魄刀が消えててね」

 

「しらねぇよ…そんなの…」

 

「その斬魄刀は凄いんだ。今までとは違う…技量、力量そんなもの必要としない。利用方法を理解していれば誰でも最強になれる斬魄刀だ」

 

霧丸は微笑む。

 

「まぁ今から死ぬ君に話しても無駄だね」

 

そういうと霧丸は刀を突き、

 

《氷狼》

 

数十本の氷柱は竜也に向かって飛んでいく。そして、心臓に刺さる瞬間、

 

解号を…言え…

竜也の脳に命令してくる。

 

解号は《消し現れろ》だ。

 

謎の声の主は誰なのか。そんなことは考えてられないと、竜也は言われた解号を強く念じる。

 

《消し現れろ》

 

目の前には漆黒のように刀身は黒く、柄がなく生身の刀が竜也の前で地面に刺さっていた。

 

「なんだ。その刀は…斬魄刀なのか?」

 

刀が出てきた時なのか、霧丸は構えてた立ち位置から約1メートルほど下がっていた。

竜也は操られたように刀を抜き取り口を開き言葉を発する。

 

《消》

 

竜也の手足を封じてた氷。霧丸の周りに浮いていた氷柱。竜也の発した一文字で消えていった。

 

「な!?」

 

霧丸は想定外なことが起こったため、抑えてた力を少しだけ解放した。部屋に侵入するほど凍って行く。止まることなく少しずつ。

 

《現》

 

竜也の口がまた開く。その瞬間、霧丸の手足を封じるように氷が出現し、竜也の周りには氷柱が数十本できていた。

 

「ただ消すだけではないと…これは困ったねぇ」

 

「……」

 

「やめてくれ…と言っても無駄そうだね。君が所有者だったとは…早めに殺しておけば良かったよ」

 

霧丸は竜也に察知されないよう手足を封じてる氷に熱を与えるが、溶けても溶けても凍ってしまい、自分の手首で血が止まりそうなほどまで狭まってしまった。

 

《穿て。氷狼》

 

一瞬だった。霧丸の体に氷柱が刺さっていき、首が落ちる。それでも止まない。自分で出した氷柱に霧丸はただ刺されていくだけ。

そして竜也の目の前は氷柱によって部屋も地面もボロボロになっていた。

 

「あーめんどくさい…」

 

なにを見てそう思ったのか、竜也はあの日の夢に出てきた男の言葉を吐く。

 

「また、始まるのか」

 

竜也は空を見て、手を伸ばし、

 

「やっと届いた」

 

その場には霧丸の無残な死体が静かに転がっているだけで、そこにはもう竜也の姿はもう消えていた。

 

 

 

 

「はぁはぁ…」

 

竜也はやつれたように森の奥で倒れていた。

 

「なんで、こんなとこに…おうぇ…」

 

吐き気がする。俺はなにを見た?なにをした?霧丸に殺されそうになってどうした?どうなったんだ?

服は血まみれ、生臭さが残っていた。

 

「もう少し、寝よう…」

 

そう言って竜也は目を閉じ死んだように寝始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




結構オリジナル感をだした…つもりですw

斬魄刀って解号が必要なの忘れてて最初、開放無双してる主人公がwww

こっからどのような展開になるのか!!誰が死んでいくのか!!あれ、死ぬのかなぁ

できればハッピーな終わり方をしたいなぁ…頑張ります…

誤字や下手くそな表現、アドバイスなどあれば嬉しいです。
それでは♪


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帰還 1

「誰だ…お前は…」

 

不気味な笑みを浮かべる着物の女性に男は問う。

 

「あなたはもう私を使えない」

 

男は驚いた。言葉がわかる。ただそれだけのことなのに男は驚いた。

「がっかりですわ。今回のあなたならと思っていたのに…」

 

何言ってるんだ?今回の俺?意味がわからない。

 

「次のあなたはもう目覚めました。もう用済みですわ。もう死んでもいいのですよ」

 

死ぬ?俺が?何を言っている。まだ約束を果たしていな…

 

一瞬だった。二、三十メートルは離れている距離にいた女性が目の前にいる。

 

「うがっ…」

 

女性の手を見なければ気づかなかった。俺の心臓が取られているなんて。

 

「もういいですよ。倒れなさい。あなたは成し遂げられなかった、それだけです」

 

男の息はもうない。

 

「ただ…求めすぎたのかもしれませんね。死神も、滅却師も、虚もいない世界なんて…」

 

静かな砂漠に不気味な音をたてながら一部の時空が歪む。その歪みに女性は入っていく。

 

「次はどのような物語を刻んでいくのですか?…竜也くん…」

 

その場から女性はいなくなり、冷たい男がただ倒れているだけとなった。

 

だが…

 

歪みが閉じる瞬間だった。

 

《消し現れろ》

 

来世の俺よ。すまない。この呪いは止められなかったよ。

 

《存在の刀。第零の型》

 

女は閉じて行く歪みを止めた。

 

《卍…解…》

 

周囲の空気が一瞬で冷たくなる。

女は男の卍解をみて動いた。まるで一瞬の突き。鋭い爪が手を槍としてみせる。

 

男はそれを防ごうともせず、

 

《虚化…》

 

男の顔半分に骸骨のようなお面。指が鋭い鎌のようになりその手で女の突きを掴む。背中には膜のない翼。その翼から無数の玉ができ、

 

王虚の閃光(グラン・レイ・セロ)…」

 

女を貫いて行く。

 

「混合種ごときが!!!」

 

ボロボロになりながらも男に向かって行く。

 

《存在の刀!第六!卍解!》

 

白く綺麗だった着物が一瞬にして血の色に染まっていく。次の瞬間、

 

《消》

 

「何度も言わせるな。玲。俺に卍解をみせるなと…」

 

「な!?」

 

女は一瞬で卍解が解ける。

ありえないスピードで動いていた女は集中が途切れ地面に肩から滑り転げた。

 

《現》

 

男の髪が腰まで伸び血の色に染まって行く。

 

「ふふふ…卍解を奪えたからといって何ができる!お前は私より強くはなれない!」

 

男は全身を脱力させ、胸に刀を刺しながら、

 

「竜也…託すぞ」

 

「ッ!」

 

胸を貫通したその瞬間、男の卍解、奪った力、虚化、全てが解け光の粒となって消えていく。

 

「貴様…」

 

「力は来世に授けた」

 

女は一瞬で男に近づき、ありもしない力を求め右手に力を込めて男の右肩から左ももまで切り裂く。

「くそが…」

 

もう力も何も残ってなく、男は動いていない。そしてもう、普通の死体となっている。

 

「しょうがないですわね…まぁ失敗したら殺す。それだけです」

 

女は歪みをもう一度作りその中へと入って行く。

 

「玲…先導 玲…久しぶりに名前を呼んでくれましたね」

 

歪みは閉じると跡形もなく消えてしまった。

 

 

 

:

 

「…なさいよ!朝飯できてるんだよ!」

 

ゴフッ!?

 

雀の鳴き声が聞こえる晴天の朝。まるで平和な日常を語り出しそうな風景だ。なのに、俺 竜也は知らない女性の強力な肘打ちを食らった。

 

「こ、ここは…?」

 

「昨日来ただろ。…たく、霧丸の奴。変な奴を捕まえてきてなにが世話をしろだ」

 

「霧…丸?」

 

俺が殺した人の名前。なんで生きているんだ?

 

「君今、酷いことを考えたでしょ」

 

後ろから囁かれた声、声の主はわかる。霧丸だ。

 

「いやぁごめんね。でもでもあんな簡単に殺されないよ」

 

霧丸は笑顔で言う。竜也少しホッとしながらも昨日の出来事を思い出し身構える。

 

「そんな硬くならなくて大丈夫だよ。もう君を襲ったりはしない。だから…」

 

怪しい。逃げよう。

 

そう思った時にはもう遅かった。なぜ気づかなかったのか。部屋はとてつもなく寒く下半身全てが凍っていた。竜也は完全に動けない状態でいた。

すると後ろの女性が霧丸に飛びかかり、

 

「朝飯が冷えたらどうすんだ!ゴラァ!」

 

霧丸の頭に強烈な肘打ちが舞い降りた。

神の怒りの一撃に感じた。

 




最近寒くないですか!?

皆さん、暖かい格好してくださいね!


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