やはり猫が可愛いのは間違っていない。 (如月の夢)
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寝起きの猫は凄まじい

『放課後』それは、1日の学業を終え、ある者は部活動へ、ある者は家族が待つ家へ、またある者はバイト先へ向かう。

ちなみに、本来なら俺は、可愛い妹が待っている我が家にすぐに帰宅するタイプである、そう可愛い、大事な事なので2回と限らず何回も言います、はい。

しかし、2年の初めに色々あって強制的(物理的な訴え)に入部することになった奉仕部のせいで、帰宅が出来なくなってしまった、平塚先生まじ許すまじ。

まぁそのお陰で、戸塚という天使に巡り会うきっかけを手にしたから良しとしよう、戸塚可愛い、うん、とつかわ。

 

話を戻そう、何故いきなり放課後について語り出したかと言うと、部活動も終わり、ある意味これが本来の放課後ではないか?と言う時間にまだ学校に残っているからである。

いや、本を教室に忘れただけなんだけどね?

 

 

取りに行くのはただのラノベだが、細心の注意を払わないといけない、だって俺だもの。

なんかこう言うと、み〇をって付けたくなるよね、え?俺だけ?

ともかく、誰かが教室に残ってる場合、

「え?ヒキタニ?あいつ何しに来たの?なんで生きてるの?」

とか、小声で囁かれるに決まってる。と言うか、妄想の中でも名前覚えてもらってない俺って・・・

 

教室に着きドアの前に立つと中から声は聞こえなかった、助かったと思いドアを開けると、無人だと思っていたが一人だけ残っていた。ただ、寝ているのか机に伏したまま顔をあげる気配がない、机には30枚近くの書類がつまれていた。

起こさないように注意して隣を通ると、その書類に目がいく、どうやら今朝集めたアンケートのようだ、集計をしていた痕跡があるから、途中で寝ちまったんだろ。

本来ならこのまま帰るのが俺だが、よく見るとかなり頑張っていたことが分かる、頑張っている人は嫌いじゃない、そして、最近あざとい後輩のせいで、事務仕事に慣れてきた為か、これならすぐ終わると判断したので、勝手ながら続きをさせてもらうことにした。

 

 

 

集計もほとんど終わりに近づいた時、突然着信音が鳴った。

え?俺のかって?そんなわけあるか俺だぞ?

あれ、目から汗が

 

しかし本人が起きる気配がない、起こそうか悩む。

だって目が覚めて一番先に見えた人が俺って叫ぶに決まってる、目から汗が止まらないよ。

机の上にあったスマホの画面を失礼ながら覗かせてもらうと事務所と書かれていた、流石にまずいと思ったので声をかけることにした。

「おい、起きろ、おい」

起きない・・・

「おーい、くっ、仕方ない恨まんでくれよ」

彼女の肩をつかみ揺する、名前は確か

「おーい、前川、起きろ、電話なってるぞ」

「ん、ん?」

「起きたか、ほれ、電話なってるぞ」

「や………にゃ」

「あ?」

「やらかしたにゃぁぁあ!」

いきなり叫んだ彼女は急いで電話に出る

「すいません、寝てしまいました、……はい、……はい」

段々声音が落ちていくところから怒られてるのだろ、

「……はい、委員長の仕事をしていたら寝てし……あ、」

いきなり顔を青くしだした、何事か思っていると、

「すいません、その仕事も終わってないんです……」

あ、そっか、寝落ちしたってことになるんだもんな。

「どうしよう……」

「電話中悪いが、アンケート集計ならたった今終わったぞ。」

「え?」

その、え?は、誰?って意味ですよね分かります。

「ほんと!?」

前のめりに尋ねてくる、いや、近いよ

「あ、あぁ、本当だから、あと近い」

ごめん、と言いながら後ずさる、顔真っ赤にして怒ってらっしゃる……理不尽な……

それからどうやら説明が終わったらしく、

「はい、分かりました、すぐ行きます」

電話を切り鞄を持ち走り出す……と思いきや振り返り、

「ありがとうね、比企谷くん!」

と、10人が10人可愛いって言ってしまうような笑顔でそう言った。

 

 

 

……名前知ってんのかよ

 

 

 

所変わって自宅

リビングのソファーでラノベを読みながら今日のことを思い出す。

面と向かって言われたありがとうの言葉、思い出しただけでも嬉しい、あれ、意外に俺、ちょろインの素質……

誰得だよ……

そんな事を考えていると隣に座っている可愛い妹に声をかけられる。

「どしたの、お兄ちゃん、ニヤケてて気持ち悪いよ?」

だめだぁ、気持ち悪いって、生きていけない。

「は?ニヤケてなんかいないだろ」

「ニヤケてたよ?なんかいいことでもあった?」

「何も無かったよ」

「ふーん、まぁそういうことにしといてあげる」

「なんだそりゃ」

 







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猫は大抵、昼寝する

亀投稿と言ったな、それどころのレベルでない!


昼休み、それは、リア充による、リア充のための、リア充の時間だ(迷言)。

あのリア充の

「一緒にご飯たべよー」

と言いながら、他人の席に勝手に座る事は未だに理解出来ん。

昼休みになった瞬間に、無言の『そこどけよ』というアイコンタクトは尚更わからない。

と言うか、アイコンタクト出来てる俺って実はあの子と友達なのだろうか?いや、それはないね、うん。

 

 

 

さて、冒頭から『わけがわからないよ』と言いたくなるような内容を語った理由だが。

俺は、普段からベストプレイスなる、購買裏にて昼食を摂っている。

そこは人通りがほとんどない場所であり、基本ここで1人、戸塚の天使の舞(何も間違っていない)を見るのが日課なのだが…

「んーー、ここは風が気持ちいいにゃー、ねぇ、比企谷くん!」

どうしてこうなった……

 

 

前川が寝落ちしてた!!的なことがあってから1週間経ち、

え?あれから何も無かったのかって?ある訳ない。

とにかく、あれから前川とは関わっていなかった。

だって、友達ならともかく、知り合いですらない彼女に自ずから関わりに行くなんてことあるわけないだろうが、寧ろ、友達すらいないからな。

そして、そんな崇高なる俺の考えを他所に、前川がやってきて、先程の言葉を述べた。

 

 

もう一度言おう、どうしてこうなった

 

 

 

 

 

 

「なぜお前がここに来るんだ」

「何か問題でも?」

「いや、問題は無いんだがな」

「ならいいでしょ」

あ、これ、何言ってもダメなパターンですね。

諦めた俺は、昼食を再開する

諦め肝心、これ社会で生きてくことの鉄則。

ちなみに、俺は、超諦めまくってる。

ほら?友達作ることとか?

諦めてなくてもダメでしたね、知ってました。

 

 

そうして数分、俺の飯が終わると同時に、前川が待っていました!、と言わんばかりに話し始めた。

「ねえ、比企谷くん?話聞くのって得意?」

「まぁ、一般的な会話技術なんてあったら、ぼっちじゃねーよ」

「んー、そうじゃなくてさー、まぁいいや、」

いいのかよ……

「まぁ、相談を受けるのは出来るぞ、聞くだけだが」

「本当?じゃあちょっとだけ聞いて?」

 

 

 

どれ位経っただろう、5分なのか10分なのか、

ともかく、前川の話をまとめると

アイドルとして活動しているが、あまり知名度が上がらない。

学校で、形としての変装でメガネをしているものの、ちっとも気づかれない。

このままでいいのだろうか、いや良くない。

だそうだ。

 

「で?結局の所校内での認知度を上げたいってことか?」

「まぁ、そんな所だけど、学業に支障が出るのはちょっと……」

「なんつーか、無理だな」

「だよね……」

と、うなだれている彼女……

悩んでいる彼女を見ていると、何故かほっておけない。

気づいたら、いつものような、奉仕部でしか言わないようなことを語り出していた。

 

 

「ある、俺の知り合いの話なんだが、

そいつはな、最初周りの悪ふざけで、人前に出される事になったらしい。

最初はなんにも仕事が出来なくて、同じ役員にも頼られない程の酷さでな?

しかも最初の仕事が、大掛かりなこともあって、

どんどん追い込まれて。

やばいですよ、とか泣きついてくるもんでさ、

まぁ、それはなんやかんやで成功を収めて、

それから自信がついたのが、すごく頑張るようになって、

頑張っているって事は以外に周りに伝わるもんでな?

頑張れば頑張るほど。周りに人が集まるらしい。

だから、あいつの周りは、今はちゃんと認めてくれる人が多いらしい。

何故か、俺が呼び出し食らう回数が増えたがな。」

「ふふ、」

俺の話を少し笑をこぼしながら聞いてくれる前川

「まぁ、なんだつまりは、頑張っていればいつか何とかなるんじゃねーの?」

「そっか……、うん、何かやる気が出たかも。」

「そりゃ、良かったな」

「ねぇ、比企谷くん?」

「あ?」

「またなんかあったらさ、お話聞いてくれる?」

「気が向いたらな、」

「何か、嫌そうだなー」

当たり前だろ、と答えようと振り向いた瞬間、体が固まる。

そして、目に入った人物が俺の代わりに答える。

「先輩は、なんだかんだ言って聞いてくれますよ、絶対」

 

うわ、終わった




上手くいかないもんですねー、
なんとなくの流れは決まってるんですけど、文に起こす作業……

まぁ、頑張っていきます!


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猫は知らぬところで

終わった……



い、一色さん?いつからそこに?」

慌てたせいか、敬語になってしまった……

「んー、ある俺の知り合いの、らへんからですかね。」

最初からじゃねーか、

「そ、そうか」

「はい、てかあれわたしですよね、まず先輩の知り合いなんて、ほとんどいませんもんね。」

は、反論できん……

「にしても何ですか、あの話……は!もしかして、なんだかんだ俺はお前のこと見てるんだからなアピールですか!嬉しいですが、ふたりきりの時にしてください、ごめんなさい。」

「俺は、何故また振られた……」

 

 

「あ、あの、」

いかん、前川を放置していた。

「比企谷くんのさっきの話ってこの子……と言うか生徒会長!?」

「どーもです!」

「え、比企谷君って何者……」

「先輩は自称ボッチですね」

「自称ってなんだよ、正真正銘のボッチだろ、」

たはは、と笑う前川と、大きくため息をつく一色。

「この先輩は……」

「なんとなく、お察しします。」

 

 

それから残りの時間は、前川と一色がずっと喋ってた。

俺は、気を使って隅っこで、音楽を聴きながらぼけーっとしてる。

だって、そうでもしてないと、

何聞き耳を立ててるんですか、は!もしかしてストーカーですか!?とか言われそう。何もしてないのに……

 

 

 

side~みく

 

「にしても、比企谷君の知り合いが、あの、一色さんだとはね……」

「あ、別に敬語じゃなくていいですよ!先輩なんですし!」

「そっか、ありがと、」

「にしても、先輩が相談を聞くんですねー」

「ん?どういうこと?」

「いや、前川先輩は、知らないかもしれないんですけど、先輩は人を避けるんですよ、割と」

どういうこと?と思っていると、そのまま語り出す。

「去年の文化祭、そして修学旅行、この二つで思いつくことといえば?」

んー、なんかあったっけな…………あ、

「なんか、目の腐った男子が……っていう噂のこと?」

「そうですね、その張本人が、先輩なんですよ。」

「え、」

その時私は疑問しか浮かばなかった。

この前の事といい、今回の話を聞いてくれた事といい、そして、一色さんといい、彼は本当にそんなことするだろうか……

「驚きますよね、」

何か理由があったのだろうか……

 

「えっとですよね……先輩は聞いてないか、よし、」

なにか決心の付いた様子の一色さん

「前川先輩、これは、わたしの調べた結論、いわば推理になりますが、聞きますか?」

「う、うん、」

ここで聞かなきゃ、後悔する気がする……

もし、もしも、隠された真実があるなら。

「まず、文化祭からですかね。

わたし、先輩を知ってから、その噂のことを思い出して、過去の書類を引っ張り出したわけなんですよ。

何があったのかわかるんじゃないかなーって、

そしたらですよ?中身を見る以前に一つ気づいたんです。

見る書類、見る書類、半分位が似たような筆跡なんですよ、誰だと思います?」

「普通に考えたら、あの、えっと、相模さんだっけ?あの、委員長さんじゃないの?」

「ところがですね、先輩なんですよ、それ」

「なんで、そんなこと分かるの?」

「そりゃあ、先輩に生徒会長の仕事を押し…手伝ってもらってるからです。」

今この子明らかに押し付けるって言いかけたよね……

「とにかく、約半分もの書類、その上先輩の担当だった記録雑務以外の書類も、先輩の筆跡だったんですよ。」

なに、それ……

「さぁ、前川さん、ここから分かることは何でしょう」

「んー、比企谷くんは、わりと文化祭を楽しみにしてたとか?」

「あ、それは無いです。」

即答されちゃった……

「先輩が部活に入ってるのは知ってますか?」

「相談を受けることは慣れてるらしいね」

「まぁ、そんな所で、奉仕部って言うんですけどね?まぁ、詳しくは省きますが、恐らく、相模委員長から、多分依頼があったんでしょうね。じゃなきゃ、あの先輩は動きません、むしろ当日をバックれるまであります。」

良く理解されてるんだな比企谷くん…

「んでもって、何らかのトラブルがあり、その最低な解決策のため相模さんを泣かせた。ですかね。」

でも、なぜ言いきれるのだろう。

「?なんで信じて疑わないか?って感じの顔ですね。」

「う、うん」

「先輩ってぼっちだの云々言ってるじゃないですか?」

さっきも言ってた気がする。

「その、信憑性はともかく、先輩は目立つことを、嫌がるタイプなんです。

なんなら空気を読みすぎて、空気になってるまでもある!って言いそうなくらいにね。」

凄い自虐……

「だからですね?先輩にとって相模委員長を泣かせるメリットは何一つないんですよ。目立つことを本来避ける人が、葉山先輩という目撃者がいる状況で、女の子を泣かせる、そんなことすると思います?」

確に、それはおかしい。

「もし、もし仮にですけど、もしあそこで先輩が泣かせてなかったら、仕事を上手くこなせない上、エンディングに来ていなかったら。彼女はどうなってたんでしょうね……」

そこで、はっ、となる、

比企谷君が受けていたそれは、本来は……

「まぁ、つまり、あそこの自称ぼっちな、アホぽんたんは、助けられた本人さえ気づかない程、鮮やかに、自分を犠牲にすると言う、最悪な手段を用いて。救い出してしまう、悲しいヒーローなんです。」

「そ、そんなのってないよ……」

「あ、でも、本人に言わないであげてください。どうせ、同情はいらないとか、俺が言いたかっただけだー、犠牲になってない、とかいうに決まってます。」

「き、決まってるんだね」

「はい、今はちゃんと先輩を知ってますからね。」

 

 

 

 

 

きっと、修学旅行も何かあったのだろう、話を聞いてもらった時から、彼が優しいことは分かってる。

だから、私もそんな風にはさせたくない。

「ねぇ、一色さん」

「何ですか?」

「終わったことはしょうがないからさ」

そう、もう終わってしまったことなら

「次、比企谷君がもし、そういうことをする時が来たら……」

彼を否定しきらないためには。

「一緒に止めてくれる?」

そんな決意を一色さんは、生徒会長としてではなく、先輩を心から好き、そんなことが伝わるような満面の笑みで

「もちろんです!」




気づいたら、前回の2倍は文字ありますね……
一色、喋りすぎだぜ…既に量産型傾向が出てますが
最後のヒロインは前川になる予定です、知らんけど


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猫の朝は

一色と前川が、決意、団結した翌日。

 

 

 

「ごみぃちゃん、いい加減起きる!」

「ぐふ、」

突然の腹の痛みに目を覚ますと、妹が腹の上に……いる訳はなく、普通に殴られたようで、普通にってなんだよ……

「何その声、気持ち悪。」

「出させたのに、さらに罵倒されるのかよ。」

当然、どこぞのツインテールな妹の様な返しがある訳もなく。そして起き上がる。

身支度を整え食卓につく。

少し食べ勧めていると、

「お兄ちゃん、昨日何かあった?」

本当に、妹の鋭さには驚きを隠せないが、やましい理由はないので、

「何も無かったぞ?」

と、すっとぼけて見るが、

「ふーん……まぁ、悪いことではなさそうだから、今回はいいや。あ!お兄ちゃんを理解してるって所ポイント高い!」

「あー、高い高い。」

「もう!適当なんだから!」

はいはい、と適当にあしらいながら、食事を終え、支度を終え、玄関を出ると。

「ほら、お兄ちゃん、遅刻するよ!」

「何が遅刻するよ、だ。」

小町は、さも当然のように荷台に乗り、出発進行ー、とでも言い出しそうな体制だ。

「捕まってろよ?」

「分かってるよ、お兄ちゃんこそ、事故んないでよ?」

 

 

妹は今年からもう総武校生だ。

同じ学校に行くに当たって、妹には、一緒にいない方がいいんじゃないか、と提案したものの。

「これだから、ゴミぃちゃんは……」

と一蹴、あれ、目から汗が……

 

 

そんなこんなで、学校の付近に来たので、小町に降りるように指示を出し、自転車を押して歩く。

すると、昨日あった、一色がいた。

「せんぱーい!おはようございます。小町ちゃんも!」

「うす」

「おはようございます!いろは義姉e……いろは先輩」

小町さん?いつから、お姉ちゃん呼びになったの?それだと一色が、俺の妹になるんだけど……

うん、なんとなく、振られる気がする、というかいつもの流れが来る。

よってこの件には触れないものとしよう、うん。

「先輩、なんですか、うす、って怖いですよ。

おはようございます、って言えないんですか?」

「うっせーな……」

こいつ、ほんと面倒臭いな……

「はちまーん!おはよう!」

「戸塚!おはよう!今日もいい日だな!」

「うん!」

「「はぁ……」」

そんな、いつもの流れ(戸塚参拝)が終わり、校舎へ入ろうとする時、事件が起きた

「んじゃね、お兄t「おはよう、比k……ひーくん!」」

「?あぁ、前川か、おはよう。」

「え、誰?……」

「ん?ひーくん、その子は?」

「その質問に答える前に、ひーくんってのは俺のことなのか?」

「うん、そうだよ!比企谷だから、ひーくん!嫌だった?」

「そ、そんなことは無いぞ?」

「やった!」

 

そんな、パァアって効果音が似合いそうな笑顔を、向けないでくれますかね?勘違いしちゃうんだが。

「可愛い妹だ、可愛い」

「二回いうんだね……、初めまして!前川みくです!ひーくんにはお世話になってます!」

「あ、どーもどーも、うちの兄もお世話になってます!」

小町ちゃん?あなた、いつから、サラリーマンになったの……

「前川さんって、八幡と仲良かったんだね、知らなかったよ。」

「戸塚くんだったよね、昨日から仲良くなったんだ!」

「いや、なってないから。」

「せんぱい、ここは、そうだなって言うべきなんですよ?」

何なの、あだ名で呼んだら仲良しなの?

だったら、俺のことをヒキガエルと呼ぶ彼らは俺の仲良しさんなの?うん、ないな。

と言うかあいつら途中からカエルって言ってたし……

「ふむふむ、これは、新たな義姉ちゃん候補が…」

「小町?どうした?」

「何でもないよー!」

そうか、と軽く返事をしながら校内へと入っていく。

教室までの道は、何故か隣に前川が陣取るが、消して悪い気はせず。むしろ、なんだが居心地がよかった。

 

何故か一色は悔しそうに別れていき、戸塚は終始にこにこしていた。

戸塚可愛い、とつかわ。




あー、人が多すぎると話をまとめにくい……
文章力が欲しい……


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猫の集会は

どうも、しずねは最かわっ☆です
今回は人が多すぎ。
初めて小文字のカタカナ使いましたよ……



気分転換とは、単に気分を帰ることではない。

そう、本来なら明るい気分に転換するという意味である。

ちなみに、俺にとっての明るい気分とは、

小町とごろごろしているか、

小町の作った飯を食べている時か、

マッ缶を飲んでいる時である。

え?戸塚?あれはドキドキするから違うぞ。

 

 

つまり、何が言いたいかというと。

 

 

「受験シーズンにおける、ストレス解消及び気分転換のために、BBQを行うぞ!」

と、若返ったかのような平塚先生を見ているのは、何故か辛い。

本当、誰かもらってあげて……

 

 

「ではそうだな、男女3,3の六人組なんかでどうだ!」

ほらな?俺にとっての気分転換にならないだろ?

まぁ、こういう時は、人数が空いているグループに、

うわ、ヒキタニくんしかいねぇ最悪。

とか思われながらお情で参加するんですよね。

とそんなことを考えていると。

「はちまーん!」

天使が降臨した。

「どうした戸塚?」

「も、もしも、3人組決まってないなら、い、一緒にどう?」

「よし、そのまま結婚しよう……」

「も、もう!からかわないでよ!」

可愛い……は!いかん。

「あと1人はどうs「比企谷、」……なんだよ葉山、今は来るな、戸塚を拝んでいる。」

「はは、そんなことより、1人分枠余ってないか?」

「そんなことってなんだ、まぁ余ってるが、それが?」

「入れてくれないか?」

……は?

「は?」

あ、声に出ちゃったよ……

「いやー、それがさ。」

と言って後方を見る葉山。

つられて視線を動かすと、既に葉山を抜いたトップカースで3人組まれていた、ふむ、なるほど。

「なるほどね……ハブられたのか。」

「どうしてそんなに、嬉しそうにいうんだ…」

「当たり前だろ。」

「当たり前なのか、まぁいい。比企谷も、俺がいなかったら、グループメンバー足りなかっただろ?」

ニタァと笑ってみせる葉山、と言うか。

「普通に比企谷って呼んでるぞ?」

「まぁ、戸塚くんしか聞いていないし。」

「使い分けるとは、いい身分ですね。」

「まぁまぁ、八幡落ち着いて。」

「よし、落ち着いた。」

「早い!?」

いや、戸塚に言われたら、聞くべきだろ。

「だがなぁ、お前が入ると問題があるんだ。」

「「問題?」」

「葉山目当ての女子が来る、そんでメンバーの俺を見る、一瞬落胆し、ヒキタニくんの面倒を見る葉山くんカッコイイが始まる。あぁ、すごく面倒だ」

「「はは……」」

うん、決まっているよな。決定事項とでも言っていい。

「まぁ、極力俺は目立たないようn「ひーくん!」

突然の声に驚くも、この呼び方をする人間を、俺は一人しか知らないわけで……

「なんだよ前川、静かにしろ、目立つ」

「ご、ごめん、そのさ?女の子のグループって決まってる?」

「決まってねーけど?」

「なら一緒に行こうよ!」

「そういうのは葉山に言え、俺は知らん。」

「もちろんいいよ!」

「やった!」

嬉しそうですね、そんなに葉山と一緒がよかったのか。

後ろのよく知らん二人の女子も嬉しそうだ。

余計肩身狭くなったな……

 

 

 

 

「概ね、グループは出来たようだな。今回のBBQだが、飲み物と食器類は持参だ、各自持ってくるのもよし、話し合いでまとめるのもありだ。」

と、なると話し合いで決めるわけだが……

「どうする?」

やはり、こういう時に口火を着るのは葉山だ、いいぞそのままやれ、そして俺のは何もやらない。

「んー、そうだな」

前川は、少し考える素振りをしたあと。

「よし!食器類…紙皿、紙コップ、割り箸は私たちが用意するよ!」

と元気よく言ってみせた。

後ろ二人と、仲良くお買い物ですかね……

「だから、今週末、空けといてね。ひーくん!」

………………は?

「は?」

またもや、口に出しちまった……

「いや、なんで俺なんだよ、葉山といけよ。」

「え……ダメなの?」

そんなに、目をうるうるされても困る。

エ、マエカワサン、ホンキナノ?

ほら、取り巻きもなんかいってるし。

でも泣かれても困る。

「はぁ、分かったよ。」

「やった!」

なんで、今日一の笑顔なんですかね、勘違いするんだけど。

 

それから、少し経ち、SHRを終え、部室へ向かおうと立つと、ちょこちょこと近づいてくるもの、というか前川。

 

「ね、ねぇー、ひーくん」

「あ?」

「連絡先……」

「あー、ほらよ」

とスマホを放る。

慌ててキャッチする前川は、驚きながらも操作していくと、突然顔を伏せるが、そのまま操作を続け、

はい、と手渡してくる。

よく分からんが、少し不機嫌だ。

「どうした?」

「!……何でもないよ。それより、絶対返信はすること!分かった?」

「は、はい。」

そうして、連絡のやりとりは終わり、帰宅した。

後日連絡先を見られた時に、小町にニヤニヤされたのは別の話。

何故だ……

 

 

 

sideみく

ひーくんの連絡帳、殆ど女の子しかいなかった……

由比ヶ浜さん、雪ノ下さん、一色さん、それに川崎さん。

ひーくんって何者……

驚きと一緒によくわからない感情が湧いてくる。

すこしだけ、ムッとする気持ち。

なんでだろう。

まぁいいや!お買い物一緒に行って。

他になにかしようかな?

服は何にしようかな!メガネは必須でしょ?

んー、

あ!メガネ、ひーくんに掛けてみようかな。

 

 

 

その少しの興味が彼の立場を変えるものとは知らずにいた。




はい、ありがとうございました。
お付き合いありがとうございます。
みくにゃん、いいっすねぇ。
ぶっちゃけ、前川要素0に近いから、誰お前状態ですよね。
次回あたりは意識したい……


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猫に休日は

なんか、着々とお気に入りが増えて嬉しい作者、しずねは最かわっ☆です。
さぁ!本編をどうぞ!
てか、結局前川のキャラがててない……


休日、それは読んで字の通り、休む日である。

だから、俺はその通りに体を休めるべく、朝からプリティでキュアキュアなアニメを見ていた。

そう、過去形である。

今現在、午前10時を迎える少し前、俺は駅の前にいる。

久しぶりに、あのセリフを使おう。

「どうしてこうなった・・・」

 

 

先日のBBQの件が、来週の頭、つまり月曜ということなのだが、何故か食器類の買い出しに……

土曜日の夜まで、なんの通達もこなかったから、てっきり

『ごめん、やっぱ家にあるもので足りそう。』

と、残念、デート出来ると思った?きゃは。

って遊ばれたのかと思い、ショックを受けていた。

 

まぁ、そんなこと忘れてプリキュアを見ていたわけだが。

あれはいい、教育番組で使えるレベル。

全人類が見れば、この世界から戦争が消えると思う。

……それはないですね、はい知ってます。

 

とにかく、プリキュアを見ていたら、多機能目覚まし時計が鳴り響く。

何事かと思いディスプレイを覗くと、『みく』との表示。

本能的に、出たら後戻りができないと察する。

どうでもいいが、ゲームで、

ここから先に進むと、もう戻れませんが、よろしいですか?

って聞くのはやめて欲しい。

まぁ、後戻り不可能を察した時、同時に

『出なければ、社会的に後戻りできませんが、よろしいですか?』

と幻覚が見えたので、出ることにする。

「どうした、前川。」

「あ、あの、今日なんだけど、買い物、行けるかな?」

何故か、ものすごい緊張気味だった。

「大丈夫だが?」

「じゃあ行こ?」

その後、集合場所などを決め、適当に着替えて家を出た。

こうして、俺の休日が、休日ではなくなった。

 

「ひーんくん!ごめんね、待った?」

「別に、今来たところ。」

「そっか。」

だって、本当に来たばかりだった。

「ふ」

「どうした?」

「なんか、カップルみたいだなぁって」

「思ってないこと言うなよ。」

「はぁ……」

なんで、残念そうな顔するの、勘違いする!

 

 

ついでに洋服も見る!なんていうイベントもなく、

すぐに売り場につくが、そこで問題が起きた。

いや、予想できた問題だった。

今回使ったショッピングモールは、学校から一番近いもので、知り合いとの遭遇率は、高いことを忘れていた。

おいそこ、知り合いとかいるのか?って言うな。

とにかく、知り合いの中でも2番目に会いたくないやつ、と言うか戸部と会った。

ちなみに、一番は雪ノ下さん。

 

野生のリア充と遭遇した。

 

八幡はどうする。

 

あいさつ

たたかう

どうぐ

にげる 

 

 

しかし、回り込まれてしまった。

「うお!比企谷くんじゃん!うぇい!」

八幡に8万の精神的ダメージ。

八幡は死んだ。

 

なんて、くだらない事を頭中で行い、進行形で教会の音楽が流れているが、一つ気になったことがある。

「うっさい戸部、てか何で名前」

「うっわ、マジ優美子だわー。名前に関してはこの前」

 

 

「いやー、ハヤトくん、ヒキタニくんと組むとか、超珍しいっしょ!」

「それな」「だな」

「いや、彼とは前から仲がいいからな、それに翔、彼は比企谷だ」

「え、マジかー、っべー、失礼だった感じ?今度謝らんとだわー、」

 

 

「ってことがあったんだべ、つーわけでごめん!」

「いやいや、まずあいつと仲良くないし。」

有り得ない、今から世界戦争が起こるくらい有り得ない。

「そんなことはないっしょ、俺とも友達だし」

…………は?

「あん?」

いや、そこは、は?って出ないのかよ。

「うっわ、こわ、え?違うん?」

「俺には友達なんぞいない、ちなみに戸塚は天使だからカウント外な。」

「お、おう」

何故か若干引かれるが知らん、だって戸部だもの。

「じゃあ今から友達って事で!」

「嫌だ」

「即答するんだ!?」

あ、前川のことすっかり忘れてたわ。

「今、ちょっと私のこと、忘れてたよね!?」

えぇ、なんでバレた、エスパーなの……

「あれ?前川さん?っべ!比企谷くん、もしかしてデートだった?うっわー、邪魔したわー、まじ反省だわ」

「いや違「そ、そうだよ!だからほら、じゃーね!」」

「おう!じゃあデート楽しんでな!」

と足早に帰っていく戸部…………

「いや待て待て待て、ダメだろそんなこと言っちゃ……」

「ひーくんは、私とデートは嫌なの?」

「いや、そういう話でなくてだな…」

「嫌なの?」

と、今にも泣きそうな顔になる。

周りの人も、あの男、彼女泣かしているよ、と避難の目を向けてくる。

そして電話を構え出す人……ってちょっと待て、通報はいかん!

「い、いやそんなことは無いぞ、むしろ嬉しすぎて、何回もしたいレベル!」

と、若干キャラを崩壊させながらも慰める。

「本当に?」

「あぁ」

「何回も?」

「え?あ、あぁ」

その瞬間、ぱぁあ!と明るい笑顔になる。

なるなら、幻覚で、花が咲くレベル。

その笑顔に、直視出来なくなり、横を見るが、

前川自身、顔お真っ赤にさせている。

傍から見たら、バカップルである。

心なしか、周りの人の目が、蔑みから呆れに変わっている気がする。

「や、約束ね!」

 

その後、何故か前川の提案で、伊達メガネを買いに行った。

試しにと、前川が選んでくれたメガネを掛けたが、

何故か、前川と対応してくれた女性スタッフが急に黙り、あまりにも似合わないので絶句したのかと思いきや

急に顔を真っ赤にさせて、やたら購入を勧めてくるので買った。

なぜ店員も怒りながら勧めてくるのかは謎である。

 

 

 

それから時間は過ぎ、今は夕食の時間である。

定位置である席につき、可愛い小町の作った可愛いご飯を食べる……

大事な事なので、二回言おうと思ったが、可愛いご飯ってなんだ……

「んで?ごみぃちゃんは朝からどこに行ってたの?」

「デート」

「そっかー、デートね……デート!?」

「ちっ」

何事もなく、ごまかせると思ったのに。

「あのお兄ちゃんがデート!?騙されてない?大丈夫?」

「酷すぎないか?、というかデートじゃない。

前川と買い物に行って、色々あってデートって事になっちまったんだよ」

「前川さん意外に攻めるなぁ……」

「あ?なんつったんだよ聞こえねーよ」

「お兄ちゃんに関係ないことだよー」

「さいですか。」

 

その後、小町のダメ出しが始まり、色々喋らされた挙句、件のメガネを掛けろと言われ、仕方なくと着けると、大絶賛を受けた。

少なくとも学校に行く時には付けとくように!

だそうだ、はぁ、めんどくさい。

 

明日はBBQ当日、果たしてどうなることやら……

 

 

そんな悪態をつきながらも、笑っていることに、本人すら気づいていない。




戸部ぇ
書きながら
「うっぜぇ喋り方だな」って言ってしまうほど。
それでも、何故か使える……戸部ぇ


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猫は乗り物に

どうも、文章力がミジンコ以下のしずねは最かわっ☆です。
いやー、評価ってすっごいバラつきますね、
でも低い評価でも、しっかり見てくれたんだな、
って思うと、何だか嬉しいです。

それでは本編へ!


突然だが、自宅にあるものの中で、一番生活のリズムを崩すものをご存知だろうか。

テレビ?ゲーム?パソコン?

正解は布団である。

ベッド、お布団、その違いはあるにせよ、寝床というものは、一度入ったらなかなか出られない。

それが冬ならなおさらである。

 

さぁ、お馴染みの開幕から、訳が分からないことを言ったが、これには理由がある。

学校に行きたくない。

何故ならBBQ、しかもあの葉山とグループを組んでだ。

行きたくない……

 

 

 

まぁ、そんな朝の葛藤も無駄になり、小町のゴミを見るような目で見送られ、学校に来たわけで……

あ、メガネはしっかりつけてきた。

今現在は、バスに乗って移動しているが、バスに乗るまでに何故か視線が気になった。

なに?あいつ来たのかよ、休めばいいのに。

とか思われてんだろうな……

 

普段、バスに乗るときは基本ひとりで座る。

俺の隣に座る強者は、やはりいないのである。

普通はね……

あ、戸塚ならwelcome、むしろ俺は、立っているまでもある。

 

まぁ、そんな戸塚は、何故か葉山の隣に座っているわけで、

八幡、なんだか胸が苦しい、やだこれ病気?(病気)

 

戸塚が隣にいない今、普通なら隣は空席のはずである。

そう、普通なら。

しかしながら、そうはいかないようで、隣から僅かな人の体温、及び寝息が聞こえてくる……

「んにゃ……」

うん、どうしてこうなった・・・

俺の隣で寝るって、無防備過ぎないですかね?

可愛いから余計に困るんだが……

「いいな、みくちゃん、ずるい……」

由比ヶ浜さん、聞こえてますよ。何がずるいんですかね。

葉山とグループがそんなに組みたかったのか?

「んー、んふー」

なんの夢見てたら、そんなに楽しそうなんですかね

「ひーくん、んー、」

やめて!八幡死んじゃう!勘違いして振られる!

告白する課程すらないのかよ……

てか、すこし涎……こいつほんとアイドルって自覚ありますかね……

しょうがないので、前川の手に持っていたタオルの端を借りて、口元を拭ってやる。

カシャ

ん?気のせいか?

 

 

 

暫くして目的地に着き、前川を起こすと、顔を真っ赤にして、友達のところへ行ってしまった。

しかし、何故か、さらに顔を赤くしていた。

何を言われたんだ……

 

 

side みく

 

 

本日はBBQ!仕事が入らなくて本当に良かったにゃ!

まぁ、Pちゃんが上手いこと調整してくれたみたいなんだけどね。

 

学校の前に止まっているバスに、出席確認を受けながら乗ると、既にひー君は乗っていた。

メガネをかけている分やっぱりかっこよくなっている

でも、なんか辛そう……あ、戸塚くんが葉山くんのところにいるからか。わかり易いな……

戸塚くん達と目が合うと、突然、そのまま視線を後ろへ移される。

視線を追っていくと、そこにいるのはひーくん……

 

それを理解した瞬間、ふたりが何をしたいか理解する。

「な、なっ……」

二人は何故かとてつもない笑顔、戸塚くん、それ、アイドル顔負けだよ……

ま、まぁ、席が空いているなら座らなきゃね、うん、しかたない。

そして、さも当然のように、すっと座る。

だって、許可をとろうもんなら、絶対に拒否される。

「なっ?」

ふふ、慌ててる

「なんで隣なんだよ……」

「空いてたから」

「でも後ろの方だっt」

「空いてたから!」

「お、おう」

 

それから出発してまもなく、襲われた睡魔に身を任せた。

 

 

 

体が、揺さぶられる感覚がする。

うっすらと目を開け、状況を確認していく頭。

!?

いい?落ち着くのよ。

頭はひーくんの肩……

そして彼の右肩に抱きついている……

よってかなり密着している……

んにゃぁぁああ!

 

顔が真っ赤になる、

「ご、ごめん!」

「いや、大丈夫、寝てたから。」

「そ、そっか」

ムッ、ちょっとは慌ててくれて良かったのに……

でも、やっぱ恥ずかしい。

すぐにでも離れたい、その一心で降りた直後に友達の元へ向かう。

 

 

 

 

そこで、さらなる追撃があるとも知らずに。




えっと、次回にあたって、予定になかったオリキャラを二体入れさせていただきます。
キャラが確立できそうなら、今後も出るかも……

それでは今日もとつ可愛い!


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猫の友達は

どうも、不定期更新な、しずねは最かわっ☆です
今回からオリキャラが出ることと、今後大人数での絡みがあると予想されるため
「」の前に名前を入れることにしました。

それでは、相変わらずの文章力のなさですが。
本編をどうぞ!


sideみく

 

ひーくんから離れて友達のところへ向かう。

息を切らしている私を見て、心配をしだすが、私の顔が赤いと気付くと、何故かニヤニヤし始める。

?「あらあら、みくちゃん、顔がりんごみたい」

?「ま、まさか!魔族の襲撃でも!」

この2人が私の友達。

1人目が、新谷理沙、面倒見がよく、私もお世話になる時がある。

2人目の、よくわからないことを言い出すのが、霧谷琴音、

理「いやいや、魔族っていうより、勇者って感じかな。」

琴「なるほど、前川殿の"あれ"か」

み「ちょ、ちょっと!」

理「いやいやいや、誤魔化さなくていいんだよ?

みくが、あの話してから、ちゃんと分かってるんだから。」

琴「うむ、この双眼が、すべてお見通しである!」

み「う、」

理「と、言うよりも」

突然スマホを取り出し画面を操作する。

理「ほれ」

と、突然目の前に突きつけられた、画面に写っていたのは

み「に、に、に、にゃ、」

自分の口元を拭いてくれている、ひーくんだった

み「にゃ、にゃんで」

理「いや、比企谷くんが嫌がっている顔をとろうと思ったんだけどね?なんか優しさ溢れる場面を見たからさ」

琴「うむ、この前言っていた、あの、ディセイバーの真の姿というやつが、より証明されたってことか」

理「そう言うことになるね」

 

この2人には、比企谷君のことを話してある、

一色さんの受け売りだけど、知っている事実をすべて告げた。

2人は偏見を持つことなく、しっかり信じてくれた。

その際、何故か2人共彼を気に入り、なんとかして話しかけようとしていたけど、邪魔していたら。好きな人と勘違いされる事となった。

いや、なんだかんだあって今は好きで、気になっているからいいんだけど、その話はまた今度。

ちなみにディセイバーは、

文化祭の件を聞いた琴音ちゃんが、欺くという意味deceiveのから来ているらしい。

 

 

理「いやぁ、にしてもお熱いですねぇ、あ、この写真ほしい?」

と、すごい笑顔、うぅ、

み「ほ、欲しいです」

理「よろしい」

琴「私もやってもらいたかったなぁ」

理・み「素に戻ってる!?」

琴音ちゃんは、彼の優しさと、中二関係を理解できる、と聞いてからかなり気になって、落ち着かないらしい。

ひーくん、頼られると助けちゃうからなぁ、本人も嬉しそうに手伝うし。

う、ふたりに頼んでまでも、同じ班になったのはやはり不味かったかな。

 

 

何はともあれ、待ちに待った、アピールt…じゃなかった、BBQが始まる

 

 

side八幡

 

葉「ついたな」

戸「着いたね」

八「……」

葉「そうだ、比企谷」

八「なんだよ」

葉「こ☆れ」

若干キャラを崩壊させているが……

突き付けられたスマホ画面、そこに写ってたのは、

前川が肩に頭を載せ、その頭に自分の頭を寄せ、ふたりして寝ている寝ている写真だった。

八「お前…何をするつもりだ」

葉「要らないかい?」

八「なん…だと」

葉「俺が何をすると思ったんだ……」

八「ばらまいて、俺を前川から引き剥がすとか?」

葉「酷くないか?」

彩「でも、八幡のパーソナルスペースに、入れるってすごく珍しいよね。」

確かにそうだ。

普段の俺なら、絶対に近づかせない。

ちなみに由比ヶ浜は、操作不能。

八「勝手に入ってくるんだよ、あいつが」

彩「そっか」

八「で?葉山、その写真、」

葉「あぁ、あげるさ、ただし」

消えろ、とか言われるのですかね……

しかし、そんな予想を裏腹に、真剣な顔付きになった葉山は、こう告げる

葉「彼女からの"こうい"を避けるなよ?」

…………それは単に、行為なのか、それとも……

八「どっちの意味だ」

きっと、葉山ならこれで通じる。

葉「もちろん両方だ」

八「俺に、その資格は無い」

葉「今はね」

八「どういう意味だ」

葉「さぁ?まぁ、何かあったら、頼ってみてくれ。」

八「誰がそんなことするかよ」

彩「はちまーん、葉山くん!行くよー」

今行く、そう答えて歩き出すが、頭は葉山のせいでフル回転している。

どうするべきなのか、自分に正直になるべきなのか、今までどうりにするべきなのか。

けれど、何故かその手段を取れない。

前川、お前は一体、俺にとってのなんなんだ。

 

 

 

お前の、その"好意"は本物なのか……




オリキャラって、名前作ると、なんか愛情出てきちゃいますね?
え?そんなことは無い?

ちなみに、作者はオリキャラ系でいったら"アイゼロ"さんの作品が、一番好きです。


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猫のアピールは

どうも、不定期更新なんとかしろ
と自分でも思う作者
しずねは最かわっ☆です
今回はオリキャラが攻めますかね。


"食事"それは生きてく上で大切なものの一つである。

そんな、食事についてだが2つのパターンがある。

ひとつ目は、静かな食事。

人数の問題ではなく、黙々と食べる、と言うもの。

家庭によっては、食事中は、私語を禁止しているのかもしれない。

ふたつ目は、賑やかな食事。

家族間良く、全員が食卓に揃う家庭にあるパターンだ。

学生同士での食事などは基本こっちだろう。

ちなみに、俺は静かな方である。

小町とふたりきりで食うので、基本的に騒がしくはならない。

 

ともかく、毎度のことながら、序盤から意味がわからないことを言ったが、今回も、訳がある

結論から言おう。

 

BBQって、騒がしいし、俺何してればいいの?

 

今現在の状況を説明しよう。

既に全ての班の火はついている。

まぁ、平塚先生がワイルドにサラダ油をぶっかけて行くからなんだがな。

カッコイイけど、良い子は真似しないように。

 

そして、各班野菜を並べたりしている。

俺の班はというと、基本的に男子は見てろ、という態度でいる。

まぁ、葉山に女子力アピールするつもりなんだろう。

まぁ、もともと、働かない主義である俺にとっては、この上ない待遇なのだが。

食事にありつけないのは、さすがにきつい。

どうしようかと思っていたが、前川がいる事もあり、全く無いなんてことは無いだろう。

ないよな?……

 

 

天気がいい為、空を見ていれば大抵の時間は過ぎていく。

と思いたかったが、焼かれた野菜、肉などから漂う臭いに、空腹が刺激される。

どうなったものかと、女子の方を伺うと、どうやら出来てきたらしく、せっせと皿に盛っている。

そして、とことこ、なんて効果音が似合うかのように前川が来る。

「はい、ひーくんの分」

「いいのか?」

「なんで不思議がるのにゃ……」

その顔は完全に呆れてる顔ですね。

「まぁ、なんだ、ありがとう。」

例を言い、受け取ったものを食べる。

美味かった、嬉しかった。

きっと、そんな感情が入れ混ざったのだろう。

次の瞬間には、とんでもないことを口にしていた。

「うまい。毎朝作ってくれ。」

「にゃ!にゃにを言ってるの!?」

顔を真っ赤にさせて怒っている前川を見て、

俺なんかに言われても嫌だよな、と謝る俺。

何故か班のメンバー全員から、ため息をつかれた。

解せぬ。

 

 

そんな事をしながらも、着実に箸は進む。

皿が空になりそうな頃、何故かわからんが、前川の取り巻きが来た。

 

まぁ、戸塚の命令により、男3人で食っているため、恐らく葉山に用があるのだろう。

ただ、おかわりは欲しいため、前川に頼もうと席を立とうとする。

しかし、彼女は葉山でなく俺の方を見て、

「ディセi……ひ、比企谷さ…比企谷くん!」

と、顔を赤くさせながら、迫ってくる。

だせぇ、って言いかけなかったか?

メガネがダメなのか、俺がダメなのか……

俺ですねわかります。

「一回落ち着け、な?大丈夫か?」

「あ、あの、えっと、その」

「良いから、一旦深呼吸しろ、ほら、吸って、吐いて」

それに沿って、すーはー、と深呼吸する。

大分落ち着いたようだ。

「んで?何のようだ?」

「そ、その、食べ物の追加を……」

「え?」

え?……って先に口に出てるよ……

「め、迷惑だったのかな…」

 

 

突然だが、名前も知らない彼女、その容姿、見た目は小町に似ている。

具体的に言うと、髪の毛の長さ以外は基本似ている。

つまり、

 

 

「いや、そんなことは無い、ありがとうな。」

「/////」

気づいたら、小町対応スキルが暴発し、お礼を言いながら頭を撫でていた。

あ、社会的に終わった……

「でぃ、ディセイバーに、あ、頭撫でられてる。えへ、えへへ。」

彼女は顔を伏せたまま、ブツブツ言っている。

呪われてるんですよね、知ってますよ。

「す、すまん!あ、あの、アレがアレでだな」

と、理由になって無い事を繰り返す俺。

手を離した時に、あ、って寂しそうな顔をしたのは、気のせい。

「き、きちんと食べないと、ゆ、許さないから!責任取れぇえ!」

と、叫びながら前川たちのところへ戻っていく。

 

 

「葉山、俺は学校に行くのやめる」

「比企谷、早まるな、いろんな意味で」

「たはは…」

 

 

sideみく

ひーくんにおかわり持っていこうとしたところを、琴音ちゃんに見つかり、

「今度は私の番!」

と、勝手に持って言ってしまった。

私の仕事なのに……

 

そして、その数分後、私たちの元に戻ってきたのは、乙女がそんな顔をしていいのか?ってほどの、緩みきった顔であった。

「えへ、えへへ、うへへ」

と言いながら、頭を抑えている彼女。ダメだ気になる。

「琴音ちゃん、何かあったの?」

と理沙ちゃんが聞いてくれた、ナイス!

「えへ?聞いちゃう?前川殿も気になる?えへ」

「気になるに決まってるにゃ!」

「聞いて驚け!」

とない胸を張る琴音ちゃん

「あの、ディセイバー殿に頭を撫でて貰ったのだ!」

「「な、なんだって!」」

「って理沙ちゃんまで!?」

「ノリだよ、ノリ」

 

 

side八幡

多少の混乱はあったものの、無事片付けまで終わり、帰りのバスへ乗り込む。

先に乗った前川が、俺の隣ではない席に行ったので、帰りは1人かと思ったが、何故か前川がうかない顔をしていた気がする。

 

ひとりは楽だと思い、窓によさりかかり寝る体勢をとる。

そのまま睡魔に従い、眠りについた。

 

数分後、バスの揺れに伴い、ガラス窓に頭を打ち付け、目が覚める。

これ本当に痛いよな。

しかし、その痛みより気になることが。

隣に人の体温を感じる、戸塚、戸塚だな!

と振り返ってみると、あの小町に似ている女の子が抱き着いて寝ていた。

何でこんなに懐かれてんの……

とは言えまだ春先、前の人が窓を開けているためか、少し寒そうだ。

「しょうがねーな」

小町に似ているから、そう、妹に似ているから。

と訳の分からない言い訳をしながら、来ていた制服を被せる。

文句言われねーかな、大丈夫なはず、だよな?

にしてもこの風、気持ちいな…

気づいたら視界は暗転していた。

 

「ねぇ、ねぇ起きて。」

と肩を揺らされて目を覚ましてみれば、既に見慣れた町並みに変わっていた。

そろそろ着くのだろう。

大きく伸びをして、こった体を解していると、制服を貸していたことを思い出した。

「なぁ、俺の制h……」

よし、落ち着け、確かに俺は貸した、だから、こいつがどう扱おうと、破ったりしなければ問題ない。

そう、たとえ着ていたとしても……

「あ、これ?比企谷殿のだったな。」

「なんで着てんの……」

「い、嫌だったのか、そうだよな……」

「いや、妹に似てるから大丈夫だ」

「そんな理由、初めて聴いたぞ…まぁ、もう少しだけ貸してはくれまいか?」

「捨てんなよ?」

「私をなんだと持っている!?」

「しらん」

「そう言えば比企谷殿には名を言っていなかったな。」

「お、おう、」

なんだろう、薄々気付いていたが、知り合いに似たようなのが……

「我が名は水を司りし者、霧谷琴音!」

「あぁ、そういうのお腹いっぱいだわ」

「あう…」

「悪かった、泣くな?な?」

そう言って頭を撫でる。

「/////」

どうやら落ち着いたらしい、嫌がりはしないんだな。

 

 

そんな事をしながらも時間は進み、

学校に無事到着、解散も終えた。

何故か、もの寂しそうに制服を返してきた霧谷には首をかしげたが、ほかの班員はため息を付いていた。

え?俺が悪いの?

 

 

「たでーまー」

「おかえりー」

リビングにいたらしい小町が出てくる。

あぁ、本物最高、可愛い、可愛い。

「どしたのお兄ちゃん、キモいよ?」

「うっせ」

「はいはい、制服匂い着いちゃうから、早く貸して。」

「おう、すまねぇーな、小町さんや」

「それは言わない約束ですよ」

くだらないやり取りをしながら制服を渡す。

すると小町が突然

「女の臭いがする」

え、何小町さん、いつからヤンデレを?

「嗅いだことのない……」

何故だろう、まだまだ疲れる気がしてきた。

「お兄ちゃん、小町聞きたいことがあるなぁ」

二コォっと笑う妹は天使ではなく、小悪魔だった




キャラが安定しない……
感想など随時募集しています!
誤字脱字誹謗中傷蔑み等々、なんでも受けます。
豆腐メンタルですが(死亡フラグ)


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猫の寝相は

どうも、しずねは最かわっ☆です
私事ですが、進路が決まった時からやることが無くてですね……
え?あ、はいちゃんと書きますよ……


寝不足または睡眠不足、読んで字のごとく、睡眠時間が足りないことを示す。

寝不足の症状として一般的に有名なのが、目眩や頭痛などである。

他にも、ストレスが溜まりやすくなったり、記憶力が低下したりもする。

つまり、寝不足、睡眠不足は女子の言う『お肌に悪いから。』どころでは済まないのだ。

 

何故そんなことを語るのか、それは、

昨晩、小町による質問という名の尋問を受けたため、絶賛寝不足なのである。

 

 

 

今現在は既にお昼休みで、ベストプレイスにていつもの食事を取り終えたあとだ。

本当なら今すぐにでも寝たいのだが、今寝たら夕方まで起きないことは明白である。

ちなみに、教室で寝るという考えは一切無い。

恐らくだが、昼休みがまだ半分以上は残っているため、教室は賑やかなことだろう。

最近噂で、葉山と並ぶようなイケメンがクラスに現れたらしい。

なんとも急な話らしく、そいつの情報はなかなか手に入らないらしい。

「あれが噂の…カッコいいね」

などの会話も耳にしたことから、伝わっている人には伝わるらしい。

それに加え、最近は何故か人の視線を感じる。

そして何故か、前川がそれを見て唸る。

その後で霧谷も。何故だ

 

さて、どうしたものか。

俺が悩んでいる、そんな時、普段なら人が来ないはずこの場所に、足音が響く。

「ひーくん、やっぱここにいたか。」

「なんだよ前川」

「別にー、隣、お邪魔するね」

と、横に腰掛ける前川。

ここで新喜劇よろしく、邪魔するなら帰りな!って言いたいとこだが、通じそうにないので止めておく。

「そう言えばひーくん、朝からねむそうだったね。」

「なんで知ってんだよ。」

「えぇ!?いや、ほ、ほらたまたま目に入ったから」

そこで慌てられると、些か好意がバレますぞ?とは口が裂けても言えない。

あの時、葉山に言われた、好意を避けるな、という言葉は、未だに頭を悩ませる種である。

「まぁ、実際眠いんだよ…」

「そ、そうだ!私ここに居て起こしてあげるから、寝たらどう?」

普段なら断るような提案だが、状況が状況だけにとても有難い。

「なら少し寝ていいか?間違っても置いていくなよ?」

「し、信用なさすぎるにゃ」

んじゃあ、と言って横になる。

普段人といると警戒心しかわかないが、心がとても落ち着いている事に気づく。

きっとその原因は……

 

そこで俺は意識が遠のいた。

 

 

 

どれ位経っただろうか、ふと目を覚ます。

目の前にあるのは、なんとも幸せそうな寝顔。

そんな彼女に少しだけ見とれていた。

「やっぱり、許されるのであれば、この寝顔は他のやつに見せたくないな」

それは、高望みだな、と小さな声で呟いたそれは、風の音でかき消された。

 

 

 

前川が寝ていたこともあり、俺らは二人共、5時間目のスタートを寝過ごした様だった。

にしても、何故かやられただけでは気が済まない。

そして、起こさないように細心の注意を図り、立場を逆へ。

つまり、俺が膝枕をする側へ。

ささやかな仕返しのつもりだったが、寝ている姿はやはり可愛かった。

いつからかは分からない、それでもきっと好意なるものを向けられているのだろう。

自意識過剰、そんな物で終われるなら、その方が良かったのかもしれない。

それでも、やはり彼女の行動は、俺にそうさせるだけの事はあった。

彼女の気持ちが本当なのだろうか、それは許されるのだろうか、そもそも彼女の隣にいていいのだろうか。

思考は止まらない。

でも何はともあれ

「今だけは、今だけはどうか」

そう呟き彼女の頭を撫でる。

その呟きは再度、風に流されどこかへ消えてしまった。

 

 

 

その数分後、前川は目を覚まし、状況を把握し顔を真っ赤にして怒ってきた。

やれ反則だの、やれ起こしてくれても良かっただの。

口が裂けても寝顔を見ていたかったなどとは言えない。

でも、いつか言えるのなら、正面を向いて堂々と言いたいものである。

 

 

それから、ふたりで一緒に行くのは、まずいだろうということで、タイミングをずらし教室に入る。

 

「あ、はちまん!どうしたの?保険室?」

「戸塚、まぁ、そんな所だな」

「そっか…?はちまんなにか悩んでる?」

「……特には」

「……そっか、八幡がそう言うなら、でも!頼る時は頼ってよね!」

「あぁ、ありがとうな。」

「うん」

戸塚可愛い!とつかわ!

 

 

6時間目が数学だったので、前川について考えていた。

そうして出た2つの選択肢

1つ、逃げる

現状から全力で逃げ、前の俺、完全にぼっちへ戻る。

2つ、自分を変える

現状を変え、向かい合う資格を手に入れる。

どうする……

結局、結論の出ないまま、放課後になる。

人通りの少ない廊下を歩きながら考えるが、結論は出ない。

そうして、目的の場所に着いた。

奉仕部、そう書かれたプレートを見て思い出す。

「ふっ、何やってるんだか、こんな時にこそ、奉仕部、だったな」

おそらく笑われるだろう、俺がこんな依頼をしに来るなんて。

もしかしたら、由比ヶ浜は泣くかもな、それでも俺は……

そうして部室のドアへ手をかけた。




前回同様、感想はいつでも!


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猫の外側の世界

私事ですが、49日などがあって投稿が遅れました。
いや、それを抜いても遅いんですけどねw


ノックをしてから、奉仕部のドアを開ける。

3回な?2回はトイレだから。

「よぉ、」

「あら、由比ヶ浜さん、ドアがひとりでに開いたわ、どうしましょう。」

「ゆきのん、いきなり厳しすぎだし!?」

「せんぱーい、遅いですよー、何してたんですか?」

「お兄ちゃん遅かったね。」

雪ノ下は初っ端からトップギアだな、そんなんじゃ体力持たないぞ?

「なに、俺はここでもステルスでヒッキーなの?」

「冗談よ、また、平塚先生あたりにでも捕まってたのかしら。」

またってなんだよ、とはあえて口にしない。

そのまま俺は、椅子を取り出してきて座った。

その様子を見て、全員の目が見開かれる。

俺が"依頼者の座る"方に座ったからだ。

深刻な事と取ったのか、雪ノ下は一呼吸入れると、優しい笑を向けて、こう言い放った。

 

「今度は、どんな軽犯罪をしたのかしら、不審谷くん?」

俺は頭を、机にぶつけてしまった。

「まてまて、なんで俺が、犯罪を起こした前提なんだ。」

「あら?軽犯罪と言ったはずよ。」

「そこじゃねーよ…………」

「ヒッキー!なんかやらかしたの?なんて言うか、キモい!」

「お前はもっと、語彙力をつけろ。」

「せんぱい……」

「ごみぃちゃん……」

と、いつもの様な空気ができた所で、んん、と雪ノ下が咳払いをし

「それで?依頼は何かしら、比企谷くん。何か悩んでいる様だけど。」

こいつわざと……

「依頼、そうだな、これはある意味、既に依頼してあるようなもんだが。」

雪ノ下以外は、皆首を傾げる。

「あの依頼ね…比企谷くん、貴方にそう思わせたのは、あなた自身?それとも……猫かしら。」

「ゆきのんがいつも通りだ!?」

「猫だな……」

「「「?」」」

「そう、やはりね。」

「あぁ」

「私は、あの時言ったわよね。本人が自覚してないので、と」

「確かに言ったな。」

「なら、自覚を持ったって事でいいのかしら」

「根本的な性格を治す気は、無いがな。ただ、隣に堂々と並びたいんだ。」

「そう、」

俺は、あいつの隣に並ぶだけの、権利が欲しい。

「結衣先輩、せんぱい達は、なんの話をしてるんですか?」

「私にも何だかさっぱり。」

「小町も分からないです。」

「そう言えば、貴方たちは彼がここにいる理由を、知らなかったわね。」

「強制的に入った、って所までしか知りませんね。」

確かに小町には、詳しくは伝えてなかったな。

「彼は元々、人格や考え方の矯正を目的として、平塚先生に連れてこられたのよ。」

「そうだったんですか、せんぱい!?」

「考えてみろ、俺だぞ?部活入ると思うか?」

「あぁ……」

なんだその、ゴミを見る目は。

「そして彼は、1度拒否したその依頼を、再び持ち出した。それはつまり。」

「変えるつもりになった、って事だよね、ゆきのん。」

「そうなるわね。」

「じゃあですよ?さっきの猫って言うのはどういう事ですか?」

「猫と言っても、本物ではないわよ。と言うか、猫にそんなこと、させるわけないじゃない。」

「なら、人?んー……あ、」

「そっか…ヒッキーは、あの子のために、変わるんだね。」

「あぁ……」

「ごめん、ゆきのん、私、ちょっと飲み物買ってくるね……」

そう言って、由比ヶ浜は出て行く。

「一色」

「なんですか先輩。」

「由比ヶ浜を追いかけてくれないか?」

「人に任せるんですか?それ、」

「最後には自分でやる、ただいますぐ行くのは、まずいだろ。」

「はぁ、しょうがないですね。まぁ、お世話になってますし。後輩らしく先輩の為に動きます。」

では、そういう事で、と由比ヶ浜を探しに行く一色。

「貴方はそういう人よね。」

「どういう事だよ。」

「一色さんと我慢していたこと、見抜いたんだから」

「ちゃんと分かるようになったね、お兄ちゃん。」

「そんなんじゃねーよ、一番の適任に任せただけだ。」

「あら?慰めるのなら、私の方がいいんじゃないかしら。」

「……俺の負けだよ。」

「そうね、あの二人が帰って来るまで、待つかしら?」

「あぁ、俺はあいつらにも頼りたい。」

「そう、では、紅茶でも入れようかしら、飲む?」

「頼むわ。」

「手伝いますよー」

 

 

奉仕部には紅茶を入れる音が響くのみ。

そんな静かな空間が、この後、何が起こるかわからない恐怖心を、少しだけ落ち着かせた。

 

 

 

 

sideいろは

 

先輩に頼まれて、教室を出てから10分もしない内に、目的の人物を見つけた。

「結衣先輩、やっぱりここでしたか。」

ここは、先輩のいうところの、ベストプレイス。

「いろはちゃん……」

「あの先輩は、結衣先輩の気持ちにも気付いてます。」

「うん……」

「でも、私に慰めに行くように、頼んだんですよ?」

「うん……」

「あんな先輩のどこがいいんですか。目が腐ってて、ぼっちで、なんでも面倒臭い、とか言ったり、あざといとか平気で行ってきたり、それに……」

そこで、私の言葉が途切れる。

結衣先輩が、抱きしめてきたからだ。

「いろはちゃん、やめて、分かるよ、分かるんだよ……」

「何がですか……」

「いろはちゃん泣いてるよ…」

「……っ、あの、あの先輩は…あんなに最低なのに…困ってる人がいると、見境なしに助けて…捻くれてるのに、時々見せる優しさがずるくて…なんで、なんであの先輩は……あんなにも優しいんですか……」

「いろはちゃんも、ちゃんと見てもらえてるから、きっと、部室から出させられたんだと思うよ。」

「分かってますよ。あの、馬鹿ぁ……」

そうして、2人して泣いた。

涙と、その声で、少しでも気持ちを出すために…

そして数分。

「……結衣先輩。」

「なに?」

「先輩を手伝いましょう。」

「……」

「勘違いしないでください。」

「え?」

「いいですか?前川さんの隣に立てるだけの、権利を得るってことですよね?今回の依頼」

「そうだね……」

「でもそれって」

そう、それは。

「達成したら、私たちも堂々と、先輩に接触出来るんですよ?」

「あ……」

「だからですね?先輩が、変われたら、これまで以上に攻めれるんです!ね?このチャンスどうします?」

「……そっか、そうだよね、うん!絶対成功してみせる!」

「そのいきです!」

「じゃあ、いろはちゃん!勝負だよ!」

「負けませんよ!」

 

そうして、恋する乙女同盟は成り立った。

 

 

「あ、そうそう、比企谷くん。」

「急にどうした。」

「いつかさされないようにね。」

「いや、怖ーよ。」

「今のお兄ちゃんなら刺されるよ?」

「えぇ」




ぽやしみ……


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人を繋ぐ輪は

お、お久しぶりです…………
い、いやー、FF15いいっすねぇ…………



ごめんなさい……
久しぶりの更新です、どうぞ。


突然だが、今現在、スタバなるものに来ている。

マッ缶を飲むより高いお金を、別の飲み物を買うために使うのは癪だが、この際良しとしよう。

問題なのは状況だ。

このテーブルは4人用である。

ぼっちの癖にそんな広くテーブルを、なんて思わないでくれ。

そもそもひとりでは来ない。

それに、しっかり"4人"座っているので、問題ない。

いや、俺からしたら大問題だ、なので久しぶりに、かつ不満げに、こう呟く

「どうしてこうなった…」

「いやー、テンション低すぎっしょ、上げてかなきゃ」

「いや、騒がしくしてどうするんだよ。」

「八幡?元気ないの?」

「たった今出た、ありがとう戸塚。」

「君は、どんだけ戸塚くんが好きなんだ……」

「お前嫌いだけどな。」

そう、何故か戸塚、葉山、戸部の3人と相席している。

いや、何故か、じゃないな。

 

 

 

事の始まりは、先日の依頼である。

眼鏡をかけ始めたことにより、見た目は確保出来ているらしい。

どれだけ目がやばいんだよ、自覚してるけど。

なので、由比ヶ浜曰く、

「私達のグループに入ってみれば?」

と、今世紀最大の無茶を言ったのである。

どれ位の無茶かというと、由比ヶ浜が総武に入学することと同等……

出来てるじゃねーか……ほんと、なんで。

 

 

「にしてもー、比企谷くんゲームうますぎっしょ。勝てないわー。」

「うん!あれは凄かったよね、こう、ずばばばーんみたいな感じ!」

やばい、戸塚可愛いな、可愛いです。

「材…材木君あたりとやってたりするのか?」

あの葉山ですら、名前覚えてないのかよ……

「どちらかと言うと、観察が得意だからなあ、パターン掴めるだけだ。」

しかも、戸部は典型的なパターン、やられたらやり返す。

それがわかるから、こっちはカウンターし放題である。

「戸部は、わかりやすいんだよ、もう少し頭を使って生きろ。」

「なんか、生き方を注意されたべ!?」

「にしても、疲れたお前といると人の目を集めるんだよ。」

と、若干キレ気味に、殺意の込めた目線を葉山に送る。

殺意を込めてる時点で、若干じゃないな。

「そうとも限らないぞ、今日は君にも目は向いていた。」

「それは場違いだからだろ。」

リア充2人に、天使が1人、ゴミ1人。

自分で、ゴミって言っちゃったよ……

「それはどうかな…」

「いやー、でも、眼鏡かけた比企谷くんまじイケメンだべ、隼人くんと並ぶくらい!」

「お前は今すぐ、乱視かどうか調べてこい。」

「さっきから辛辣すぎるべ……」

「辛辣って言葉知ってたのか。」

「なんか、結衣と同じ扱いされてる気がするべ。」

分かるもんなのな…

「まぁ、とにかく、君と遊んでいれば、君の立ち位置は…君の言葉を借りるならカーストが、確実に上がるだろうね。」

「そんなもんか?金魚の糞みたいなもんだろ。」

「仮にそうだとしても、自分で言うのか……」

「まぁ、変わるためにはそれも厭わない。」

「難しい事言ってるけど、ようは、比企谷くん前川さんの事が好きって話だべ。」

「…………まぁ、そういう事…なんだが。」

「八幡が頑張るなら、なんでも手伝うからね!」

「おう、」

「俺のことも、借りを作りたくないと思うなら、利用するって思うんだな。」

「既に、そうしている。」

「俺のことは、海老名さんのこともあるし?じゃんじゃん使っていいべ!」

「なら焼きそばパン買ってこい。」

「それは、パシリだ!?」

 

 

そんな事があってから、だいぶ経った。

そして、あの日がやってくる。

一年前に、カーストを大きく落とすこととなった。

そう"文化祭"

今年は役員を回避できたが、いろんな意味で疲れる。

なにせ、気づいたら葉山達のメンバーの一部と認知されるようになった。

同時に不幸の手紙も増えた……

ピンクの封筒にハートマークのシールって……

まぁ、当然のごとく破り捨てるけどな。

ちなみに、文化祭の出し物は、2つの教室を使い、キッチンとフロアを用意して、メイド喫茶を行うらしい。

働かないことを信条とする俺は、当然サボろうと思ったのだが…

 

「ほら、ヒキオ!さっさと作れ、お客さんが待ってる。」

「なぜ、俺だけに言うんですかねぇ」

「あ?」

「喜んで作らせていただきます。」

こえぇよぉ…

「何にせよ、調理班のリーダーはヒキオでしょ?」

そう、リーダーなのだ。

専業主婦志望を掲げていたが為に、料理スキルはあるという事で、全体の指揮を任されたのだ。

「はいはい。」

「いいからしっかりやりな!美味しいって評判出てるみたいだから、頑張れ。」

最後の最後で背中を押す辺り、オカン特有ですかね……

 

そうして無事にピークを通り過ぎた…

待てよ、今日は校内公開だから、明日はそれ以上来るのか…

サボ……たら殺されますね、分かります。

「比企谷、お疲れ。優美子が休憩入っていいってさ。」

「やっとか……」

エプロンを取り、隣の教室へはいる。

「ひ、比企谷くん」

と、見知らぬ生徒に話しかけられる。

ひ、って言うのは悲鳴ですね、慣れてます。

「どうした?」

「料理、上手いんだね。」

「お、おう?」

「今から暇?」

「そうだが?」

「な、ならさ、良かったらいっs「比企谷殿!」」

「うぉっ。」

突然の体当たり、正面から突っ込んできたものの、構える時間もなく、衝撃を殺せなかった。

つまり倒れた……

腰を強く打つが、それどころではない。

「いってぇ、離れ…ろ!」

肩を掴み引きはがす。

「あう…」

いや、あう、ってなんだよ、可愛いなこんちくしょう。

「俺は、今こいつと話していただろ。」

と、先程話しかけてきていた方を伺うと

「……」

ぷるぷる震えていらっしゃる……

「お、おい大丈夫か?」

「レ…た…ぎ……」

「ん?」

「レベル高すぎぃぃい」

「あ、おい!」

走り去って行った……レベル?

「なぁ、比企谷殿!」

何だったんだ、あの子……

「なぁ、なぁ!」

と言うか、腰痛が…

「八幡!」

「うぉ!な、何だよいきなり。」

「いきなりでは無いわ!」

「わりぃ、聞いてなかったわ」

「むぅ、まぁ、そんなことより」

と、突然、くるっと回って見せた。

メイド服がふわっと舞った。

「どうだ?」

小町に似た容姿のため、出る言葉はひとつ。

「あー、世界一可愛いよー」

「棒読みすぎるぞ!?」

「悪かったな」

「もういい!とにかく文化祭回るぞ!」

「はぁ、面倒臭いから嫌だ、むしろ帰りたい。」

「嫌だ!今日が最後なんだし、絶対に回るの!」

「は?文化祭は、明日もあるだろうが。」

「最後の我儘何だよ……」

「…………行くぞ」

「うん……」

最後の我儘、その言葉が、心に大きな影を落とす。

 

 

 

 

そうして、一日目の文化祭は終わった。

あの後、霧谷と共に、各教室へ見学しに行った。

お化け屋敷もあれば、縁日をテーマにしていたところもあった。

射的は霧谷の厨二を加速させたが……

今は放課後、明日の本番を控えたスタッフの人は、足早に帰り、体力の回復を図るのだそう。

俺は、最後に明日の備えのため、教室へ向かう。

なぜか、霧谷も一緒に……

そして、ひと通りのチェックが終わった時。

 

「比企谷殿……」

「……なんだ」

空気が重くなる。

「その、だな…」

俺は言葉を発せない、だが、最近のこいつを見ていると、何を言うかは予想できる。

しかしきっと、それは言わせてはいけない。

「ひ、比企谷どの。わ、私は貴殿のこt「なぁ、霧谷」…なんだ?」

「俺さ…凄く大事な奴がいるんだよ。」

「……」

黙ってしまったが、そのまま続ける。

「最近さ、らしくも無く、葉山達とつるんだり、こうやって、リーダーになったり……」

そう、昔の俺からしたら、驚愕な事ばかり。

「変わろうとしているんだ、そいつのために、隣に立つために。」

「みく、だよね……」

「……」

無言は肯定の意を示す。

「だよね…」

「あぁ」

「そして、やっぱり比企谷くんらしいよね」

「キャラ崩れてるぞ…」

「ううん、こっちの方がいい。」

「俺らしいってなんだ…」

「私の告白を遮ったところ。」

「…………」

「直接的に振られるよりは、諦めるしかない、そんな状態の方がいい、って考えでしょ?」

「そんなことは無い。」

「そうかな?でも、少なくとも、今はそうなっている。」

「……」

「でもね、やっぱり言いたいの、無理だってわかってても。伝えられずにはいられない。」

「わかってても…か。」

「私、霧谷琴音は、比企谷八幡が大好き。」

「悪いが、俺には好きな人がいる。」

「うん。幸せにするんだよ?みくの事」

「努力する、というか、そもそも付き合えるかわからんだろ。」

「そうでもないかもね……」

「ん?」

「何でもないよー、あ、気まずくはならないから!

結婚がゴールなんだからね、容赦しないよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだった、八幡」

「おい、呼び方」

「細かいことは気にしない、それより」

「細かい事じゃねーよ」

「明日、体育館で私達でバンドやるから、見に来いよ☆」

「徹底的にキャラ壊れてるぞ……」

 

 




突然ですが!この作品、あと2話程度で完結します。
(絶対できるとは言ってない)
頑張りますんで、応援?しなくてもいいですけど、して下さい!

「長くやってなかったくせに、生意気にゃ……」
「うっ……」


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猫の思いは高まる

今年の文化祭は面白くなかったなぁ、って言うのが作者の感想……
あ、ぼっちじゃないよ?


「えー、本日は総武高校の文化祭に(ry」

おい作者、一行目からサボるな。

とにかく、本日は文化祭の一般公開である。

OBはもちろんの事、近所の中学生が、学校見学を兼ねて、文化祭を見に来るのだ。

廊下を歩けば、懐かしい先輩と、まだ中学生の後輩と、話に花を咲かせるものが多い。

俺?いる訳ないだろ。

各教室は、昨日よりやる気が上がっているようで、クラスの出し物の広告を、首にぶら下げ声を出し宣伝していたりする。

「中広場で、焼き鳥売ってまーす!ぜひ寄ってくださーい」

「特別棟、奥の教室にてお化け屋敷やってます!みんな来てねー」

だの、いろいろである。

さて、そんなことをなぜ知っているのか。

それは現在、強制的に文化祭を回ることになったからである。

「どうしたの?ひーくん」

そう、前川と共に……

「もしかして嫌だったかにゃ?」

「いや、そんなことはないぞ」

そんな事は無い、急にこうなった原因は、霧谷が

「あーお客さん少ないねー、こんなに人いらないよね?」

などと、完全に棒読みをした発言があったのだが、何故か、前川と俺に休憩が与えられたのである。

教室を出る時、葉山がサムズアップして来たのは、後で覚えとけ。

 

 

「ひーくん!なにか食べる?」

「あー、適当に買うか。」

「うん!」

そして、行列の出来ている、焼鳥の出し物があった。

本来なら人混みは嫌いなのだが、まぁ、ここまで列ができるのも珍しい、との事で並ぶことにした。

15分以上並び、ようやく順番が来た。

これ程までに人気のある店だ、誰が作っているのか見たくなったので、ふと奥を見る。

…………………………

何も見ていない。

「?どうしたのひーくん。」

「嫌、なんでもない、なんでもないんだ。」

何事も無かったかのように注文を済ませ、品を受け取ると、頼んだ数より多い気がする。

嫌な予感がして、奥を見ると、涙を流してサムズアップする

 

 

材木座がいた…………

 

 

 

 

 

行儀が悪いのは承知だが、歩きながら食べていると、ふと前川が廊下の隅を歩き出した。

何事かと考えていると、目の前にはお化け屋敷。

「ほほう。」

「い、いきなりどうしたのかにゃ……」

「いや?面白そうなお化け屋敷を見つけてな。」

すごく悪い顔をしている自覚はある。

「そ、そうなんだ…」

「どうした?苦手なのか?」

「へ、平気だにゃ!……あ」

「よし、入るぞ。」

「ふぇ」

ふぇ、ってなんだよ。

 

 

 

結論から言おう、疲れた。

何があったのかといえば簡単で、京都のお化け屋敷の時のように、横から前川が抱きついて、離れなかったのである。

お化け役の人が、うわ!と出て来る度、抱きつかれるので、少し痛い。

なんなら、抱きつかれるのを目撃する度に飛んでくる、殺意的な視線も痛い。

今は、近くの休憩スポットにいる。

「うぅ、ひーくんのばか……」

「悪かったって」

さながら、喧嘩したカップルの様だが、そんなことはもちろん無い。

 

 

約束の時間になり、休憩をやめ、本格的なピークを迎えた。

「ほら、ヒキオ!さっさとするし!」

「いって、何そんなに慌ててんだよ。」

「それは俺から説明するよ」

 

 

葉山曰く、昨日の評判が、認知していたよりはるかに高く、SNSを通してかなりの口コミが広がり、わざわざ、この出し物目当てで来る客もいるのだという。

「ヒキオ!あんたの考えた商品なんだから!早く!」

考えた商品とはスイーツである。

まぁ、マッ缶の甘さがベースだがな。

流石女子、甘いものには目がなく、団結力(笑)が高い。

 

 

そんな大反響のおかげで、客が溢れ、接客に葉山を投入するが、余計に溢れ、在庫は瞬く間になくなった。

後の話だが、制作している写真を撮られ、学校中に出回ったとか、無かったとか。

 

 

在庫がなくなったため、クラスは解散することとなり、各々、ほかのクラスへ向かう。

俺は、教室で寝てようかと思ったが、バンドを見に来るよう、強制されていることを思い出し、体育館へ向かうことにした。

廊下に出ると、背後から衝撃が走る。

それは、小町だった。

「よぉ、小町。」

「お兄ちゃん!すっごい美味しかったよ!」

「おう、サンキューな」

「友達と食べに来たんだけどね、あまりにも美味しくて。これ、お兄ちゃんが作ってるんだよ!って言っちゃった。てへっ」

「あざとい……」

「いやぁ、美味しかったよぉ、あ!前川さんも可愛かったよ!」

「それがどうした。」

「お兄ちゃんなら、気になるかなぁって。」

「そうだな。」

「お、おお、お兄ちゃんが…み、認めた……」

「驚きすぎだろ。」

「あの、お兄ちゃんだよ?」

「あーはいはい。」

「んもー、適当だなぁ」

「とにかく、体育館に行くんだよ、俺は。」

「なにしに行くの?」

「ライブでも見に。」

「珍しいね。お兄ちゃんが進んで、うるさい所に行くなんて。」

「あぁ、呼ばれてなかったら、行かないな。」

「?だれに?」

「霧谷」

「ほほう、それは女の子ですね。旦那」

「小町ちゃん、はしたないわよ。」

「キモいよ、ごみぃちゃん」

酷すぎる……

「新たなお嫁さん候補かな?」

と、その発言を聞いた途端、俺のテンションがわかりやすく下がる。

「お兄ちゃん、どうしたの?」

「霧谷には、告白された……」

目を丸くする小町。

「だか、俺が振った……」

「だから、少し元気なかったのか…」

「あぁ」

「まぁ、それだけ、前川さんへの気持ちが強い、ってことだよね。」

その言葉に頷き、体育館への歩を進める。

そして、何故か葉山が待ち構えていて、観客席の最前列真ん中に座る。

「おい、葉山なんだこれは。」

「まぁ、いまにわかるさ。」

どういう意味だ…

 

 

「さぁ!皆さん、お次はこちら!3年生仲良し3人組によるバンドだよ!去年のバンドを超えられるか?

それではどうぞ!」

そうして、舞台の幕は上がった。

 

 

 

 

sideみく

時は遡り今日の朝。

前川は昨日と同じく、支度をしていた。

つもりだった。

集中できない理由は、明白。

昨日、琴音ちゃんが、ひーくんに、告白したかもしれないからだ。

もし、付き合っていたらどうしよう。

小町ちゃんに似てるし、ひーくんの好みだよね……

そんな、暗い思いで登校した。

 

教室へつくと、朝から、文化祭のお客さんの予想をたてるみんながいた。

そんな中、琴音ちゃんの表情は、憑き物が取れた、そんな明るい笑顔だった。

成功したのかな……

そんな私の視線に気づいたのか、トコトコとやってくる。

「みーくちゃん!元気ないね?どうしたの?」

「いや、その……」

「ん?……あ、そっか!」

「?」

「私ね!振られたよ?」

「!?」

「やっぱり気にしてたかー」

バレていたか……

「大事な人がいるんだってさ。」

「大事な人?」

「そう、だから、まだ分からないでしょ?諦めちゃダメだよ!」

「……うん、そうだね!」

「頑張れ!」

 

 

そうして、文化祭2日目は始まり。

周り?の取り計らいで、デートが出来た。

材木座くんがなぜかサムズアップしていたりしたけど……

 

 

 

 

 

とにかく、時間は過ぎ、今はライブ目前だ、

アイドルの時の曲は使えないけど、

私は、この歌に君への思い全てを乗せる!

 

司会の紹介と共に、幕が上がる。

そして始まる、私の君の心への大きな1歩が。




短くてすいません。
かける時はネタがポンポン出ますよね、
分からんけど……
次で終わります、多分。


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猫の歌は心に

なんかなぁ


幕は上がる、前川の表情は、さすがアイドル。

すごく自然な笑みを浮かべている。

周りの席は、可愛いと口々にする。

俺も、同じく目を奪われる。

そして、

「みんなー、見に来てくれてありがとう!」

「「「「「おぉおお」」」」」

湧き上がる体育館。

「今日のこのライブは特別!」

?と会場の人々は疑問を浮かべる。

「すぅーはー」

突然、深呼吸をする前川。そして

「ひーくん!!!」

ビクッと体が跳ね上がる。

何やってるんだあいつ…

「この歌を、この気持ちを受け取るんだにゃ!!!」

「え?……」

戸惑う俺を他所に、カッカッとリズムが取られる。

そして、歌が始まった。

 

 

 

「今、瞬間を生きる君に、この唄を贈ろう

下ばっかり向いてる今の君に…」

 

 

その歌は心に響く。

歌詞が、気持ちが伝わってくる。

 

曲が終盤に入る頃、俺は泣いていた。

 

「いつも頑張る君だから 本当頑張りすぎる君だから

もう頑張らなくていい たまにはズルだってすればいい

不器用にしか生きれない君の生き方が好きさ

笑った時のその瞳が 僕は本当に好きだよ」

 

 

それは、心が救われていくようだった。

 

 

「だから君よ 独りで苦しまないで。」

 

 

歌い上げた前川は、満足そうにこっちを向き、ウインクをしてきた。

 

「彼女の気持ちに、答えないのか?」

「まだだ、ダメなんだよ」

「そうかな、ただしかし、気持ちは受け止めるべきだよ。」

 

お前に言われなくてもわかる……

「うっせ。」

もう気持ちは抑えきれない…

「前川ぁあ!」

ステージから、退散しようとしていた動きが止まる。

「お前がいるなら、俺は笑って居られる。だから隣にいさせてくれ!」

前川は振り返るが、顔がうまく見えない。

そのまま、ステージから降り、目の前にやってくる。

「ま、前川?」

「よ…」

「ん?」

「よがっだぁぁあ」

突然、泣きながら抱きついてくる。

「うぉっ、」

「ごわがっだよぉ、振られるかと思ったよ…」

「ありがとうな、唄、凄かったぞ。」

「うん」

「お前の隣を歩けるように、色々頑張ったんだ。」

「うん」

「本当は、またまだのつもりなんだ。

けど、抑えきれなかった。」

「うん」

「前川みくさん、俺と付き合ってください。」

「喜んで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日談だが、文化祭が終わってからというもの、平塚先生が泣きながら、成長に感動したと言ってきた。

葉山や戸部から祝福され。

戸塚が跳ねて喜んだ、眼福…

他の生徒からも、羨まし、リア充は死ね。などと、口々に言われた。

人の悪口はいうもんじゃねぇ、そう学習した日だった。

 

 

 

そんなことを思い出しながら、アルバムを閉じる。

あれから15年は経った。

「お父さん、何してるの?」

と娘がやってきた、アホ毛は当然のごとく遺伝した。

比企谷家の血筋よ、それで良いのか。

「ん?あぁ、俺が高校生の時のアルバムを見つけてな。」

「本当?お母さんどれ!」

「これだな」

「眼鏡かけてるの?」

「そうだな、学校では、変装なんだにゃ!とか言ってたっけな。」

「変装?」

「そっか、お前には言ってなかったな。」

「どういうこと?」

「お前のお母さんは、昔アイドルだったんだよ」

「えぇ!?」

「ひーくんの隣にいるためには、アイドルなんて邪魔だー、なんて言い出してな?大変だったんだぞ。」

「どんだけ、お父さんのことが好きなんだ……」

「まぁ結局、大学出るまでは続けたんだがな。」

「なんでお母さんを好きになったの?」

「あいつのおかげで、生き方が変わったんだよ。」

「生き方?」

「あぁ、高2までの俺からしたら、未だに葉山や戸部達と関わってるなんて、考えられないだろうな。」

「すごく仲いいのに、信じられない…」

「まぁ、そんなもんさ。」

「じゃあお母さんは、お父さんの救世主なのかな。」

「救世主ねぇ。」

と過去に思いふけってると

「ご飯できたよー」

「じゃあ、お母さんが呼んでいるから、行くか」

「うん。私にも、そんな人生を変えてくれる人が、現れるかな?」

「候補がいたら、名前を教えろ、お父さんシメに行かなきゃ。」

「過保護過ぎる……」

「当然だ」

そんなやり取りをしながら、リビングのドアを開ける。

そこには、ニコニコした妻の顔。

あぁ

やはり猫が可愛いのは間違っていない。




なんか、滑り込みみたいな終りになってしまいました。
まぁでも、頑張ったつもりです。


作品中の曲ですが。

アーティスト ひいらぎ
曲名 今、このとき


です。夏目友人帳 肆 のOPに使われた曲ですね。
歌詞を全部使う訳には行かなかったので、省きまくりましたが、結構いい曲なので、是非聴いてみてください。


それでは、
やはり猫が可愛いのは間違っていない。
ここまで、稚拙な文に付き合っていただき、ありがとうございました!

次、何を書こう……


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