やはり俺が轢かれないのはまちがっている。 (なゃ。)
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やはり真夜中にアニメを見るのは体に悪い。
翌日に嫌な予定があって、ついつい夜更かししてしまう--身に覚えのある人は少なく無いであろう。かく言う俺もその1人である。
妹の小町はもうとっくに寝ているだろう。もう深夜の3時半だ。あれ、もう予定があるのって当日じゃね?
......認めたくないので「『今日』は起きてから眠るまで」とかいう、シスコン廃人ゲーマーの理論を採用させてもらう。シスコンに悪い人はいないので、きっと許してくれるだろう。
翌日には入学式を控えている。入学式に参加するということは、すなわち春休みの終わりを意味する。
春休みが終わる。学校が始まる。
一般的な、或いは模範的な解答として入学式前日に眠れない理由を答えるのならば、それは高校への期待、もしくは緊張だろう。俺だって恐らくひと月も前であればそう答えたし、国語の設問で類似した状況における主人公の気持ちを聞かれれば、今でもそう答える。
合格通知を貰ったあの日、俺は高校に入れば何かが変わるのではないかと、そう期待していた。
しかし、今からちょうど1週間前、その希望は我が最愛のマイスウィートエンジェル小町によって打ち砕かれることとなる。所有格が2重になっているところが八幡的にポイント高い。進学校の生徒的にはポイント低い。
高校デビューについて指南して貰おうと小町に相談したら
「とりあえずー」
小町は痛いものを見るような目で、続けた。
「中学生に意見を求めるごみいちゃんは、期待しすぎるのやめたらー?」
小町の指摘により我に返った。てか、中学生の妹に高校デビューの指南を求めるとか、完全に黒歴史じゃん。小町も痛いものを見るような目、というか、痛い兄を見る目になるだろう。
その後、小町は洋服がどうとか、目がどうとか、今の小町的にポイント高いとか言ってた気がする。何だかんだで真剣に考えてくれる小町マジ天使。だが、直前に受けたショックがデカすぎてよく覚えてない。
それ以来、俺は高校生活に夢を抱かなくなった。中学時代の教訓を思い出したのだ。そして、現実を見るようになった。
現実を見て、その上で逃避を試みた結果、夜の3時半からアニメを見始めた。
見たいアニメも見終わり、ふと時計を見る。気がついたらもう5時になってしまってた。......あれ? マジで?
ここで選択肢は2つある。
ひとつ目は、このまま徹夜することだ。オールナイト八幡。徹夜のテンション楽しい。
もうひとつは、すぐさま寝ることだ。人間の睡眠サイクルは1時間半で1周期らしいから、今から寝てもひとサイクルできる。8万サイクルしたい。八幡だけに。だめだ、もはや訳が分からん。頭が回ってない。深夜のテンションいくない。
俺は寝ぼけた頭で考え、ひとつ思い出した。
春休みで生活リズムが狂ってる俺に対して、小町が苦言を呈したのだ。
いわく、眼がいつも以上に腐っていると。
原因は明らかだ。睡眠時間が確実に足りない。1日4時間半しか寝てない。徹夜明けのプログラマーとかに言ったらブチ切れられそうな発言だけど、本来若者の方が睡眠を必要とするらしい。体力があって、どうにかなっても、やはり寝た方が体にはいいそうだ。
以上の事と、小町のゴミを見る目(ここ重要)を思い出したため、今更ながら寝ることに決めた。
決めてからは早く、寝るまでに10分も要さなかったと思う。
朝は小町が起こしてくれたお陰で、ギリギリではあるが無事に、入学式に間に合った。
そう。
無事、怪我もなく、車に轢かれることもなく。
入学式に、間に合ったのだ。
ということで、初投稿です。
週2くらいで投稿できたら嬉しいです。
まぁ、そこは実生活との兼ね合いということで、温かい目で見てやってください。
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それでも雪ノ下の性格は変わらない。
柄にもなく、過去を振り返っていた。黒歴史くらいしかないのに。いや、マジで黒歴史しかねぇな。悲しくなってきた。
それにしても、どうして入学式前夜のことをこれほど鮮明に思い出せるのだろう。もう、2年生だというのに。
あるいは、青春時代の思い出とやらが少ないからかもしれない。まだ青春時代だけれども。俺の過ごしているこれを「青い春」と呼ぶのなら、永遠に冬は来ないのだろう。
流石に、中学時代よりはマシな生活だと自負している。イジメ......じゃなかった、弄られることも無くなったし。ステルスヒッキーは今日も健在だ。
高校内では人と関わらない。クラスメイトと関わらない。ただ、それだけだ。むしろ、学校外を含めても家族ぐらいしか関わらないまである。小町がいればそれでいい。
てか俺、小町のこと考えすぎじゃね? 当たり前か。小町以外と最近話してないし。小町バンザイ。
「おい、比企谷」
俺の人生の推しメンが小町に確定したところで、唐突に名前を呼ばれた。
俺が学校で名前を呼ばれる。
俺のステルスを見破れる奴がいるだと......驚愕しつつあたりを見回す。
「比企谷、放課後に職員室へこい」
平塚先生だった。考えてみれば当たり前だった。俺の名前を覚えているということは、つまりクラスメイトではないことを意味する。この教室に居てクラスメイトでないのなら、必然的に先生ということになる。今は現国の授業中なので、平塚先生以外の選択肢はなかった。
俺、クラスメイトに覚えられてないのかよ。知ってたけど。
「......うぃっす」
平塚先生の場合、行かないと後が怖い。成績が落とされるとかそういう次元ではなく、後が怖い。簡単に言うと、後が怖い(物理)。
俺は行きたくないオーラを全身に纏いつつ、遅くなるなら小町に連絡しないとな、とぼんやり考えた。
****
恐れていた放課後が来てしまった。先生から呼び出しを食らった場合、あまり遅くならずに帰れる確率は2割と言ったところか(俺調べ、調査対象はテスト後、数学の先生)。
あいにく俺に、2割に賭けるほどの度胸はない。よって、小町には「遅くなる。ご飯は俺の分を残して先に食べろ」との旨をメールで伝えておいた。
で、職員室に来たわけだが......
「比企谷、私の出した課題を覚えているか」
「高校生活を振り返って、というテーマの作文でしたよね?」
「どうしたらこんな捻くれた作文を書けるんだ。どうしてこうなった。私には訳がわからんよ」
どうやら俺は、提出した作文のことで呼び出されたらしい。俺は国語に関していえば優秀な生徒であると自負している。学年3位だし。テーマが分かりやすかったということもあり、今回の作文は我ながらなかなかの出来だと思う。詳しくは原作参照。
いや、原作ってなんだよ。もし現実世界を題材に小説を書くとして、誰が俺を主人公に置くんだよ。
俺がわけも分からず自分を攻撃......じゃなくて、わけも分からず突っ立っていると、平塚先生の話は俺の身体的特徴にまで及んだ。
「君の目は、死んだ魚のような目をしているな」
「じゃあ、学校は死んだ魚を泳がせる水槽ってところっすね」
つい茶化してしまったが、俺の返しが気に入らなかったようで平塚先生の眼光が鋭くなった。
「真面目に聞け」
怖い。マジで怖い。
「ひ、ひゃいっ。ですが、テーマには沿っていると思いますっ。近頃の若者って、大体こんな感じじゃないっすか?」
そう、俺の作文は、間違いなく高校生活を振り返って書いたものだ。ただし、対象が俺ではなく、周りの生徒というだけで。
「小僧、屁理屈をこねるな」
「いや、小僧って。先生から見たらたしかに小僧かも知れませ--」
頬に風を感じた。一瞬遅れて認識する。俺の顔の横には平塚先生の拳があった。いや、だから怖いって。
「比企谷。女性に年の話をするなとは教わらなかったのか?」
「先生が先に小僧って--」
平塚先生は拳を素早く引くと、もう1度突き出してきた。ひらひらと舞い落ちる数本の髪の毛。次はない、ということか。
「すいません、作文は書き直すんで」
恐らく、平塚先生の要求は作文の修正だろう。ならば、自分から作文を修正すると提案する。平塚先生は意味の無い説教をクドクドとし続けるタイプではないので、これで帰れるはずだ。
俺は早く帰れることを小町に伝えておかないと、なんて考えつつ平塚先生の顔色を窺った。平塚先生はなにやら思案しているようだった。
あれ、なにか間違えたか? 一番ありえるのは、年齢について触れたことに対して反省文を書けってところか?
「よし」
先生は、笑顔で俺に宣告した。
「比企谷、私に付いてきなさい」
......なんで、そんないい笑顔が出来るのに、結婚出来ないんだろう。
****
平塚先生に案内されるままついていくと、ひとつの教室にたどり着いた。平塚先生は、俺に説明することもなくドアを開けた。
中では美少女が本を読んでいた。
「先生、ノックを」
「雪ノ下、君はノックしても返事をしないじゃないか」
「それは、返事をする前に先生が扉を開くからです」
まぁ、それより、と先生は俺を見やった。
「新しくこの部活に入部する比企谷だ。なかなかに捻くれた根性の持ち主でな。雪ノ下には比企谷の更生を依頼したい」
あれ、俺、知らない部活に入部することになってる?
「えっと、先生。俺は別に入部するなんて......」
「黙れ、比企谷。これはあのふざけた作文を書いた罰だ」
発言権を奪われた。人権侵害、いくない。
どうしたものかと考えていると、思わぬところに援護をしてくれる人がいた。
「先生、断らせていただきます」
部屋にいた少女--雪ノ下がその人だ。
雪ノ下雪乃。学年トップの秀才であり、容姿端麗な彼女は学内有数の有名人だ。ボッチの俺が知っていることこそ、その証明になっていると言えよう。
いや、待てよ? 俺が知っているということが有名人である証明になるのなら、俺ってもしかして超が付くほどの有名人? ボッチなのに有名人とはこれいかに。
まぁ、そんな冗談は置いておいて。雪ノ下が俺の入部を拒むというのなら、俺としては好都合だ。敵の敵は味方というが、平塚先生に反対している以上、雪ノ下は味方と言える。本人に言ったら絶対に否定されるけど。
「理由を言ってみろ」
「このゾンビみたいな目をした人と、部室でふたりきりになるという事態を避けるためです。貞操の危機を感じます」
「こいつをよく見ろ。まるで小悪党みたいだろう? これでいて、リスク管理は出来るやつだ。法律や校則に引っかかることはしないだろう」
「小悪党、ですか。......たしかに。引き受けましょう。先生の頼みですし、無下には出来ないので」
雪ノ下、陥落。いや、早くね? てか、俺は今の説明で納得出来ていないんだけど。
こうなったら、雪ノ下に俺を危険人物と認識してもらうことで入部を回避するか。出来ればこの手は使いたくなかったが。この作戦のデメリットは、目撃者の好感度を著しく下げることだ。しかし、よく考えたら、雪ノ下の好感度は第一印象でマイナスに振り切っているだろう。別に、どうでもいいけど。
それならば、デメリットは特にないといえる。
「先生、俺--」
「比企谷、まさか、雪ノ下を襲うかもしれないとか言わないよな? そんなことをしたら、今この場で通報するが?」
「いや、なんでもないっす」
先生、読心術でも使えるのん? 独身だけに。
そして、雪ノ下さんはなんで満足そうに頷いていらっしゃるのでしょうか?
「平塚先生の話は本当のようね。通報をチラつかされただけで引き下がったのだし」
雪ノ下から無害認定を受けた。やったね八幡、クラスメイトよりは好印象っ。クラスメイトからは有害だと思われてるのな、俺。
「では、よろしく頼むぞ。雪ノ下」
「はい、分かりました」
「私は仕事に戻るとしよう」
そう言って平塚先生は部屋を出ていった。踵(きびす)を返す際の所作ひとつとっても、白衣がファサッてなってかっこいい。平塚先生が結婚出来ない原因の一端を垣間見た気がした。気にしないことにする。
****
雪ノ下と2人で取り残された。これがもし一般的な男子高校生であれば、喜ばしい事態と言えるかもしれない。しかし、鍛えられしボッチこと俺としては大変まずい状況といえよう。
まず、話しかけることが出来ない。話しかけて拒絶されることには慣れているが、好き好んで拒絶されたがるほどマゾではない。かといって、何をしていいか分からない。雪ノ下は扉を開けた時、読書をしていた。そのため、俺も本を読んでおけば間違いはないのかもしれない。しかし、持ってきている本はあいにく全て読み終えている。
俺が困っているのを知ってか知らずか、驚いたことに雪ノ下から話しかけてきた。
「平塚先生から、どこまで聞いているのかしら」
「い、いや、なにも。そもそもここは何部なんだ?」
「ここは、奉仕部よ。活動内容は、読んで字のごとくと言ったところね」
奉仕部。奉仕という言葉から何だかピンクぃことを想像するのは俺だけだろうか。いや、違う(反語)。
「ということは、お前が依頼者の奉仕をする、という認識でいいか? 」
「あきれた。平塚先生から何を聞いていたの? あなたもこの部活に入部するのでしょう? 確かにあなたの更生は、私の活動として割り当てられたのだけれども、あなたも部員として奉仕するのよ?」
「えっと、イマイチ具体性に欠けるな。どんなことをすればいいんだ?」
いや、出来れば何もしたくないんだが。
雪ノ下は少しの考慮の後、質問してきた。
「例えば、あなたが最後に女子とお話しをしたのはいつ?」
「今日だ」
「そんな、かわいそうな...... 嘘? あ、私との会話は数に含めないでちょうだい」
「それでも、答えは変わらんぞ?」
「平塚先生は--」
「女子じゃないだろう。年齢的に」
廊下からダンッと床を踏みつけるような音が聞こえた気がする。多分、気のせいだ。
雪ノ下に対して、俺は何も嘘をついていない。事実、今日女子と会話した。返事があったから勘違いということもないだろう。なんなら、一緒に自転車に乗ったまである。
そう。小町と会話した。
いや、待て。俺は悪くない。雪ノ下の聞き方が悪い。例えばこれが「バレンタインに女子からいくつチョコを貰った」的な会話なら、妹は女子に含めないだろう。いや、俺ならカウントするけど。
しかし、今回はさしたる文脈もなく、いきなり女子という単語が出てきた。そのため、俺は一般的に女子と呼ばれる年代の女性と、最後に会話したのがいつであるかを聞かれた、と捉えたのだ。
小町は中学3年生だ。誰がどう考えても女子であろう。
以上のことから、雪ノ下の質問に対する答えは今日が正解となる。証明終了。
雪ノ下は心底意外そうな顔をしていた。俺としては、高スペックのこいつに虚をつけたので満足だ。
体感時間にして3秒程度だろうか。雪ノ下は驚くのをやめた。なにか思い当たる事があったようだ。やばい。
雪ノ下は推理ドラマに出てくる探偵のように、確信に満ちた声色で聞いてくる。
「比企谷くん。それは、姉? それとも、妹かしら」
「......妹だ」
俺の答えを聞いて、雪ノ下は続ける。
「そんな、家族以外の女子とろくに会話できない比企谷くんに、女子と会話をする機会を与える。このように、持たざるものや求めるものに救いの手を差し伸べるのがこの部活の活動よ」
「いや、求めてねーし」
実際、俺の対女子コミュニケーションは小町だけで充分だ。なんなら、男子を含めても小町だけで充分である。必要以上のものを求めても仕方がない。
「あなたはまず、自分の問題を自覚するところから始めた方が良さそうね。人間として社会に出るために、必要最低限の能力が欠落しているのだから」
「だから、別に困ってな--」
俺が言い切る前に、突然扉が開いた。訪問者は平塚先生。俺を睨んでる気がするのは気のせいでしょうか。床が少し凹んでいる気がするのも気のせいですよね。
先生はひとしきり俺を睨んだ後、雪ノ下の方を見やった。
「雪ノ下、手こずっているようだな」
「彼が自身における欠如を自覚しない限り、改善は見込めません」
「いや、だから、俺は別に困ってないっつーの」
「それが最大の問題だと言っているのよ」
平塚先生は、俺と雪ノ下がこのままヒートアップすることを妨げるように、大きく1回咳払いをした。
「君たち、意見が食い違っているようだね。大いに結構。そういう時にどうするのが良いか、知っているかな?」
「口論により、間違った意見を叩き潰します」
「確かに今まできみはそうしてきた。だが、お互いに譲れない意見があるようだからね。信念と信念がぶつかりあった時、やることは1つだ」
「もったいぶらないでください」
「きみたちには、これから奉仕部としてどれだけ奉仕することができたか競ってもらおう」
「「は?」」
俺と雪ノ下が初めてハモった。雪ノ下は俺の方を見て嫌そうな顔をしている。さいですか、そんなに俺と一緒は嫌ですか。
「つまり、だ。意見がぶつかりあった時、熱い戦いをもって雌雄を決する、ということだ。少年漫画では王道だな」
この人、絶対ジャ〇プとか好きだろ。
「罰ゲームは、勝った方の言う事をなんでも聞く、ということでどうだ?」
「嫌です。この男の言う事をなんでも聞くだなんて、自殺行為です」
ほう、と平塚先生は大袈裟に驚いてみせる。
「意外だな。雪ノ下雪乃ほどの人でも、恐れることがあるのだな」
「......いいでしょう。その、安い挑発に乗りましょう」
......こいつ、挑発への耐性低すぎないか?
雪ノ下の返事を聞き、平塚先生は満足そうに頷いた。
「よし、じゃあ決まりだな」
「いや、俺の意見は?」
「聞くと思っていたのか?」
「......なんでもないっす」
こうして、雪ノ下とどれだけ奉仕できたか競うことが決まった。俺の意思とは関係なく。
というわけで、原作と同じ流れの部分を1話に纏めてみました。正確には、この後も少しだけ同じ流れなのですが、キリがいいところまでということで。
原作に沿った部分を書くことに関しては賛否両論あると思いますが、少しでも書いた方が練習になるのかなと思い書かせていただきました。
......というのは建前で、所々に小町を挟むことが目的です。個人的には小町といろはすが好きなので。
そもそも手元に原作が無いので、原作コピーにはならないかなと思います。しかし、不快に思った方がいらっしゃいましたら、この場で謝罪させていただきます。
......後書きって、どれくらい砕けた文章にしていいかわからないです。本当は砕けた文章にしたい、なんて。
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なぜか由比ヶ浜は奉仕部へ来る
翌日、俺が奉仕部の扉を開けると、雪ノ下が読書をしていた。真っ直ぐここに来た俺よりも早く来ていたということになる。
「......誰?」
「いや、1日で忘れるなよ」
「ごめんなさい。記憶力には自信があるのに、不思議とあなたのことは覚えていないの。話は変わるのだけれど、人間って嫌なことを忘れることで脳を整理するみたいね」
「それ、話変わってないから」
どうやら、俺のことや昨日のことは記憶から消し去りたいらしい。ちなみに、俺も昨日のことは忘れたい。忘れて下校できたらどれだけ楽か。しかし、どうしても職員室で顔の横を通り抜けた、平塚先生の右ストレートが脳裏をよぎる。
「それにしても驚いたわ、比企谷くん。あなたはもう来ないと思っていたから」
「それは、まぁ、あれだ。平塚先生に逆らうとあとが怖いからな」
「つまり、平塚先生に殴られるか私に窘(たしな)められるの二択で、後者を選んだということね」
「いや、お前のは窘めるじゃなくて罵(ののし)るっつーんだよ」
「では、あなたは罵られることに喜びを感じる、特殊な嗜好の持ち主ということね。控えめに言って気持ち悪いわ」
「いや、ちげーから」
あと、全然控えめにいってねーから。
こいつ、絶対に分かってて言ってるよな。俺にそんな性癖があると本気で思っていたら、恐らくこいつは罵ってこないだろう。もしくは全力で罵って心を折りに来る。
そんなことより、と言って俺は反撃を試みる。
「なんでおまえは、こんなに早く部活に来ているんだ? 俺だって授業が終わってすぐ来たぞ?」
「私のクラスの方が部室に近いのよ。あなた、2年生にもなって、まだ学校の見取り図を覚えていないのね」
いや、確かに見取り図という形式では覚えていないけど。必要な教室がどこにあるのかは分かるし、雪ノ下のクラスがどの辺にあるかもおおよそ分かる。
というか、なんでこいつは教室の位置関係が分かるというだけで、こんな自慢げな表情を浮かべているんだ? まさかこいつ、実は方向音痴とか。
......ないな。友達から聞いたわけではない噂によると、やたらと高スペックな訳だし。俺、誰から聞いたんだよ。
「そうじゃなくて。教室で友達と喋ったりしないのか?」
友達がいると少しだべってから解散するらしい。ソースは俺ではなく、クラスのリア充ども。あいつら、平気で30分とか喋ってたりするもんな。話すネタも尽きるだろうに。
「友達、ね。まずは友達の定義から教えてもらいましょうか」
「いや、もういい。友達がいないのは分かったから」
その返しは友達がいない奴のものだ。ソースは今度こそ俺。
でも、そんな友達のいない俺と雪ノ下なら、もしかしたら--
「......雪ノ下。俺と--」
「ごめんなさい。お断りします」
「いや、なんで言い切る前に断ってんの」
「だって、告白よね? もしかして私が受け入れると思っていたの? 嫌に決まってるじゃない」
どうやら、俺が告白すると思ったらしい。たしかに、いくら性格が悪いと言っても俺に話しかけた女子だ。中学の時なら、勘違いして告白して振られるかもしれない。
......いや、ないな。なにせ中学生の俺はガラスのハートの持ち主だ。雪ノ下では、出会って10秒で砕いてしまうだろう。大魔王ゆきのん。ゆきのんってなんだ、語呂がいいな。絶対に呼ばないけど。
それにしても、告白したと勘違いされて振られるのは想定外だ。
「告白じゃない。俺は、暴言を吐かれて惚れるほどマゾではないからな」
雪ノ下がひどく驚いているように見える。まさかこいつ、本気で俺が惚れていると思っていたのか? ......そうだろうな。美人だし、自信満々に断ってきたし。
「それなら、どういう用件かしら? 私と比企谷くんですることなんて、奉仕部の活動以外、何一つないと思うのだけれど」
「俺と、友達に--」
「お断りします」
どうやら、友達でもダメだったようだ。
べ、べ、別に、俺が友達になりたかったわけじゃないんだからねっ。雪ノ下に友達がいなさそうで、かわいそうだと思っただけなんだからねっ。
......別に、友達がいないイコールかわいそうというわけではないことは、知ってるけどな。俺、友達いないけど超充実してるし。特に、日曜の朝とか。小町の作った夕食を食べてる時とか。
それでも、友達になるのさえ拒否されれば、言い訳の一つもしたくなる。
中学時代に俺の告白を断った、あの子ですら友達だしな。友達からお願いしますって言ってたし。なお、その告白以降は1回も話していない模様。あれ、友達ってなんだっけ?
俺が断られたショックのついでに黒歴史を思い出して暗くなっていると、ドアをノックする音がした。ついに平塚先生もノックをするようになったのか。
「はい、どうぞ」
「しつれいしまーす」
その声は、平塚先生ではなかった。え、まじで?
今まであまり考えていなかったが、奉仕をするということは大なり小なり依頼人とコミュニケーションをとる必要があるのか。え、なにそれ。嫌なんですけど。
とりあえず、風邪かなんかで声が著しく変化した平塚先生であることを願いつつ、目を閉じた。これで、シュレディンガーの猫的に、平塚先生である可能性はまだ残されている。現実逃避ともいう。
あら、と驚きの声を上げたのは雪ノ下だった。
「比企谷くんにしては気の利いた判断ね。確かにあなたが目を閉じていれば、依頼人があなたを恐れてそのまま引き返してしまうこともないもの。むしろ、ずっと目を閉じていてくれないかしら」
とりあえず現実逃避を諦め、目を開けた俺は反論してみる。
「ずっと目を閉じている男っていうのは怖くないのか? 」
「事情があるのかもしれないし、依頼人もそのまま引き返したりはしないでしょうね」
「俺の目を見て、事情を考えてくれる可能性は?」
「そんな低い事象を考慮する必要はないと思うのだけれど。あなたは一等が当たる確率と得をする確率を計算した上で、宝くじを買うのかしら?」
俺の目を見て引き返さない確率は、宝くじで一等を取る確率と大差ないようだ。つまり、俺たちのことをぽけーっと見ているこの依頼人らしき人は、相当珍しい人間に分類されるのだろう。
依頼人は知らない女子だった。残念、平塚先生じゃなかったか。というか、よりにもよって最初の依頼者がビッチっぽい女子かよ。
特徴としては、胸がでかい。それと、ピンク色の髪の毛にお団子を付けている。あと、胸がでかい。大事なことなので二回言いました。
どれだけ奉仕することができたか、という勝負の記念すべき1回戦は、雪ノ下の勝ちで確定したようだ。俺、多分こいつとちゃんと話せない。雪ノ下が依頼を達成出来なければイーブンとなるので、その方がいいかもしれない。一年くらい経って勝負自体があやふやになれば一番いい。
俺が依頼人の方に目をやると、雪ノ下も目線を依頼人へと向けた。あれ、今こいつ、一瞬驚いたような顔をしなかったか? まぁ、気のせいだろう。
「依頼ということでよろしいわね。とりあえず、そこの席へどうぞ」
「あ、はいっ。えーっと、ここは奉仕部で、あなたは雪ノ下さんだよね? 平塚先生に相談したらここを紹介されたんだけど......」
そう言いつつ、その女子は席に座った。ちなみに依頼人用の席は、机を挟んで雪ノ下の向かいに位置している。俺の席は雪ノ下から3mほど離れているので、依頼人が雪ノ下に1対1で依頼をしているように見える。
「ええ、そうよ」
「由比ヶ浜結衣です。よろしくっ」
雪ノ下に向けてそう言うと、依頼人改め由比ヶ浜は俺の方を見やった。
「それと、そっちの男の子は、えーっと......うちのクラスの子だよね?」
え、こんなやつ、クラスにいたっけ。俺は、クラスメイトの顔を思い出して照合しようと試みる。
しかし思い出せたのは、一番最初に隣の席だった子だけだった。あいつの顔はよく覚えている。名前は知らないけど。俺の隣がよほど気に食わなかったようで、心底嫌そうな顔をしていたのが印象的だったからな。
「名前は確か......そうだ、ヒキタニくんだっ」
「正答率50%といったところだな。俺は比企谷だ」
赤点は回避したようだ。褒めてやろう。何様だ、俺。
「てかお前、同じクラスにいたっけ?」
「人のこと採点しといて、自分は覚えてないんだ。サイテー。」
「い、いや、覚えてるぞ。名前は確か、由比ヶ浜だよな?」
「いやそれ、さっき名乗ったのを聞いてただけでしょ」
そう言った由比ヶ浜は、ジト目で俺を見てくる。雪ノ下も便乗して、批難するような目で俺を見る。いや、お前は関係ないだろ。
形勢不利と判断した俺に残された選択肢は、話題を逸らすことくらいだろう。
「え、えーっと、本題に入ろう。由比ヶ浜はどういう依頼でここに来たんだ? 平塚先生の紹介と言っていたが」
俺がそういうと、由比ヶ浜ははっとした表情をし、改めて雪ノ下を見た。
「雪ノ下さん、奉仕部は困っている人の問題を解決してくれるんだよね?」
「少し誤解しているわね。正しくは、困っている人のお手伝いをする、と言ったところかしら。だから、最終的に解決するかどうかは自分次第になるわね」
この部活は手伝いをするだけで解決はしないらしい。なにその活動理念。部員の俺も初めて聞いた。
由比ヶ浜はほへー、そうなんだーと呟き、遂に依頼の内容を口にした。ほへーってなんだ、ほへーって。こいつ、ちゃんと理解してるのか?
「じゃあ、お願い。雪ノ下さん。私がまた、犬を触れるように手伝ってっ」
......あくまで、雪ノ下に依頼するのな。俺、帰っていいのかな。
というわけで、由比ヶ浜の登場です。
思ったよりも登場するまでに時間がかかりました。
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どうやら俺は奉仕部に向いていない。
由比ヶ浜が雪ノ下に依頼内容を伝えた後、しばらく静寂が訪れた。由比ヶ浜は雪ノ下の返答を待っているようだ。しかし、雪ノ下は黙ったままでいる。依頼を受けるか判断しかねているのだろうか。もしくは、質問する内容を練っているのだろうか。
俺が雪ノ下に声をかけるか悩んでいると、ようやく雪ノ下が口を開いた。
「つまり、犬が苦手だから、それを治してほしいということね?」
「苦手じゃなくて、なんというか、すごい好きなのに触れないって感じ?」
「以前は問題なく触れたのよね?」
「うん。大好きだったもん。......大好きだもん」
もともと大好きだった犬を触れなくなった。触れなくなる原因としては、物理的なものと精神的なものがあるだろう。すなわち、アレルギーとトラウマだ。
ただし、奉仕部に依頼として持ってきたということはアレルギーという可能性は考慮しなくていいだろう。アレルギーなら、奉仕部で出来ることはないからな。平塚先生が俺たちを紹介するとは思えない。
つまり、依頼内容はトラウマの解消だと考えられる。であれば、トラウマの原因を直接聞くべきか。もしくは、原因については由比ヶ浜から話してくれるのを待ち、どの程度重症か、と言った話からするべきか。
俺が最善の質問を考えていると、雪ノ下が質問をした。なお、俺は考えているだけで、質問する気はなかった模様。由比ヶ浜とのコミュニケーションは最低限に抑えたいし。由比ヶ浜はなんか、ビッチっぽくて怖い。雪ノ下は普通に怖い。
「では、触れなくなった原因を教えてもらえるかしら」
「その、ちょっとトラウマになっちゃって」
俺の予測は当たったようだ。あとは、トラウマの内容か。触れにくい話題であるため、雪ノ下はどのように聞き出すか。腕の見せどころだろう。俺、何様だ。
「そんなことは分かっているわ。だから、そのトラウマについて語りなさいと言っているのよ」
雪ノ下はそう言って語気を強めた。すかさず俺は止めに入る。
「おい、雪ノ下。落ち着け。由比ヶ浜を責めてどうする」
「あ、ごめんなさい。由比ヶ浜さん」
「ううん。私のためだもんね。ちゃんと、話すから。ちょっと、準備をさせて」
そう言って、由比ヶ浜は目を瞑った。過去に起きた、辛い出来事を話すための心の準備だろう。自然と、全員が沈黙する。
雪ノ下の先ほどの発言には違和感があった。しかし、そもそも俺が雪ノ下と知り合ったのは昨日だ。恐らく、雪ノ下に対して俺が抱いたイメージと雪ノ下雪乃という人物の間に差異があったのだろう。
ぼっちの特技、人間観察の精度も当てにならないなーなんて考えていると、由比ヶ浜が決意を固めたようで、目を開いた。
しかし、由比ヶ浜が喋り始めるより早く、雪ノ下が由比ヶ浜に話しかけた。
「由比ヶ浜さん、無理しなくていいのよ」
「え、でも、話さなきゃ前に進めないし......」
「あなたの依頼は、あなたを犬に触れるようにすることよね?」
「うん」
「確かに、トラウマを解消する方法として、その内容を人に話したり紙に書いたりして客観視することは有効だと言われているわ」
「なら、やっぱり、辛くても向き合った方がいいんじゃない?」
「でもね、由比ヶ浜さん。やっぱり、トラウマについて語るのは辛いでしょう。解消する方法は他にもあるのだから、無理はしなくてもいいの」
「う、うん。分かった。じゃあ、私は何をしたらいいの?」
そうは言っているものの、由比ヶ浜はなおも釈然としないようだ。当たり前だ。由比ヶ浜の立場でいえば、トラウマについて語るように言われ、そのために心の準備をしていたのに、それを遮られた形になる。
「例えば、安全な状況下でトラウマの原因となったものと触れ合う、という方法があるわ。例として、犬に噛まれたことや犬の死を身近に体験したことが原因としましょう。その場合は、そのような事態にはなり得ない写真の犬から、徐々に慣らしていくという方法が挙げられるわね」
「え......? う、うん、わかった。じゃあ、まずは犬で慣らせばいいの?」
「実は、私も犬は得意ではないの。決して苦手という訳では無いのだけれど」
「いや、その言い方は絶対苦手だろ」
「比企谷くんは黙ってなさい。......だから、トラウマを克服するのに適した犬の写真というものを見極められないわ。そこで、ひとつ質問なのだけれど」
「うん」
「由比ヶ浜さんは犬以外の動物は大丈夫なのかしら? トラウマがペット全体に渡っているのであれば、私に考えがあるわ」
「えーっと、猫も少し苦手だけど......」
「なら、ちょうどいいわ。明日、また部室に来てちょうだい」
雪ノ下のその発言により、今日の奉仕部は解散となった。
****
帰り道、雪ノ下は鍵を職員室に届けるということで、俺は由比ヶ浜と途中まで一緒に帰ることにした。
いや、下心とか、そういうのじゃない。断じて違う。なんなら、小町に誓うレベル。小町に誓うということは、すなわち天使に誓っているとも言える。天の使いに誓っているのだから、間接的に神に誓っていることになるだろう。ならないか。
......というか、そもそも由比ヶ浜と一緒に帰るというのは、できる限り避けたい行為である。クラスの連中に見られたら、主に被害があるのは由比ヶ浜だろう。俺、ちょっかい掛けてくる友達とかいねーし。
それに、振られることが分かっているのに惚れたら、俺にも被害があると言える。主に精神面で。
俺が由比ヶ浜と帰ることにしたのは、単に聞きたいことがあったからだ。
「なあ、由比ヶ浜--」
****
翌日、俺が部室へ向かうと、またもや雪ノ下が先にいた。なお、由比ヶ浜は案の定、友人と喋っている。どうやら俺よりは少し遅れる模様。まあ、狙い通りとも言える。
「雪ノ下。少し聞きたいことがあるんだが」
「そう。残念ながら私は、あなたに聞かれたいことなんて何一つ無いわ。」
「由比ヶ浜のトラウマについて。今回の件の本質について、お前は知りたいと思っているのか?」
「......あなたは、どこまで知っているの?」
「お前は何か、知っているんだな」
少し考えて、雪ノ下は答える。
「では、あなたは何も知らないのね」
「俺はただ、疑問に思ったことを聞いただけだ」
「そう。では、私の勘違いかもしれないわ。気にしないで」
そういって、雪ノ下は紅茶の準備をし始めた。あらかじめ依頼人が来るとわかっているため、もてなすのだろう。
昨日の由比ヶ浜と雪ノ下の会話で、疑問に思ったことが三つある。
一つ目は、由比ヶ浜を厳しい口調で問い詰めようとしたことだ。確かにこいつは俺に対しては毒舌である。しかし、それはあくまで雪ノ下が、俺の考え方が間違っていると考えているからだろう。平塚先生には一応敬語を使っていたわけだし、依頼人であり、雪ノ下に敵意がないであろう由比ヶ浜にまで突っかかることには違和感がある。それに、問い詰めると由比ヶ浜が萎縮して、答えにくくなるかもしれない。それは、こいつにとっても本望ではないだろう。
二つ目の疑問は、由比ヶ浜がトラウマについて話そうとしたタイミングで、それを止めたことだ。厳しい口調で聞き出そうとしたことと整合性が取れていないし、こいつがわざわざ最短手順から遠ざかろうとするとは思えない。
三つ目の疑問は、犬の話題をしていたのに、ペット全般に話を広げたことだ。無闇に問題を大きくすることは、問題の解決に遠ざかるだろう。
最初は、俺が雪ノ下のことを理解していないだけだと思った。実際、こいつのことは一割も理解していないだろう。
語気を強めたのは早く依頼を遂行したかったからかもしれない。トラウマについて話さなくていいと言ったのは、由比ヶ浜を思いやっただけで、ペット全般に話を広げたのは、自分の得意分野から突破口を開こうと考えただけかもしれない。
考えればいくらでも可能性は思いつくが、どうしても俺は最初に思いついた仮説を捨てることが出来なかった。
あるいは、雪ノ下は、問題の本質に近づくのを恐れているのではないか。
最初は、焦りが先行してしまい、由比ヶ浜を問い詰めた。しかし、今度は由比ヶ浜から何があったのか聞くことが怖くなった。そのため、出来るだけ遠回りして問題を解決しようと試みた。
つまり、雪ノ下が由比ヶ浜のトラウマに関わっているのではないかという、我ながら滑稽な推測である。人を疑うから友達が出来ない、と言われてもしょうがないであろう。俺としては順番が逆だと声を大にして言いたいが 、どちらにせよ現在の俺が疑り深いという事実に変わりはない。
あるいは俺は、ただ否定して欲しかっただけかもしれない。妙な疑いをかけた俺を、雪ノ下に一蹴してもらうことで、安心したかったのかもしれない。
しかし、否定は得られなかった。むしろ、雪ノ下になんらかの心当たりがあると捉える方が自然と言える解答である。
ほんと、俺はどうすればいいのだろう。
投稿ペース、分かりません。
週に1回5000字程度投稿するのと、週に2回3000字投稿するの、どっちがいいんでしょうね。
あと、ぶっちゃけサブタイトル考えるのめんどくさいです。もっと、数字で振ったりした方がいいんですかね。
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おそらく雪ノ下は猫が好き。
「しつれいしまーすっ」
どうしていいか分からなくなった俺を偶然にも救ったのは、由比ヶ浜だった。てかこいつ、無駄にテンションたけーな。アロハのおっさんに、何かいいことでもあったのかい? とか聞かれそう。
「こんにちは、由比ヶ浜さん。紅茶は飲むかしら」
「紅茶? ありがと、ゆきのんっ」
「えっと、そのゆきのんっていうのは私のことかしら?」
そう言って困惑しつつ、雪ノ下は紅茶の準備を続ける。
「うん。依頼を受けてもらうんだし、仲良くしたいなってっ」
「出来ればあだ名はやめて欲しいのだけれど」
「えー、なんでっ。かわいいじゃんっ」
由比ヶ浜の発言が、なんつーか、リア充っぽい。うーん、ちょっと違うな。あ、あれだ。
「リア充っぽいというより、ビッチっぽい」
「いきなりなんだしっ。ヒキタニくんの変態っ」
いけね、声に出しちまった。あと、由比ヶ浜はどうやら俺とも仲良くしたいらしい。あだ名ってことはそういう事だよな。断じて、名前を覚え間違えているわけじゃないよな。
......一応、訂正しておくか。
「残念ながら俺はヒキタニじゃない、比企谷だ。あと、変態でもない」
「ヒキタニくんじゃないんだった......紛らわしいからヒッキーでいーや。ヒッキーの変態っ」
訂正したらますます悪化した。ヒッキーってなんだ、ヒッキーって。ただの悪口じゃね?
「由比ヶ浜さん。彼の名前から取って、ヒキガエルくんというのはどうかしら。彼にぴったりのあだ名だと思うの」
「追い打ちをかけるな。てか、なんで小四の時のあだ名を知ってるんだよ」
懐かしいな、おい。懐かしすぎて思わず泣いちゃいそうなレベル。断じて黒歴史を思い出したとか、現在進行形のイジメに屈したとか、そういうのじゃない。
「ヒキガエルくんかー。うーん、やっぱヒッキーにするっ。なんか、雰囲気とかヒッキーっぽいし」
ヒッキーっぽいってなんだよ。確かに、家にいるのとか、ひとりでいるのは好きだけども。あれ、ヒッキーっぽいな。
「ヒッキーっぽいかどうかはさておき、ヒッキーって呼ぶのはやめろ。あだ名とかいらないから」
「ヒッキーとゆきのんで決まりだもん。ヒッキー呼びやすいし。ゆきのんと仲良くしたいし。......あ、別に、ヒッキーと仲良くしたくないわけじゃないよっ」
そういって、由比ヶ浜はわたわたし始めた。仲良くしたくない訳じゃない、か。これが、俺とも仲良くしたいけど直接そう言うのは恥ずかしい、的なやつならかわいいのにな。てか、昔の俺ならそう解釈してた。
だが、こいつは素で言っているのだろう。つまり、雪ノ下とは仲良くしたくて、俺とは関わった以上仲が悪いのは嫌だなーと、そう思っているのだろう。
別に傷つくようなことはなにもない。俺も別に由比ヶ浜と仲良くしたいわけじゃないからな。むしろ、この部室以外で話したくない。
今日、さり気なく由比ヶ浜の動向を窺ったが驚くことなかれ。こいつは俺のクラスのトップカーストに位置していた。教室で話しかけると注目されそう。怖い。
まだ、由比ヶ浜はわたわたしているが、俺は無視してバッグから本を取り出す。いざ読もうといったところで、紅茶ができたらしい雪ノ下から静止がかかった。
「はい、由比ヶ浜さん。......比企谷くん。まさか、依頼人をほったらかしにして本を読もうとしているのかしら。あなた、何のためにここにいるのよ」
由比ヶ浜がありがと雪のん、とか言ってる。なお、雪ノ下は口調こそ厳しいが、俺にも紅茶を出してくれた。入れる人数が変わっても手間はあまり変わらないのだろう。1口飲んで、雪ノ下に答える。
「いや、今回の依頼は恐らく、雪ノ下に任せることになりそうだからな。俺は控え要員でいいかなって。ほら、ほかの依頼とかくるかもしれないし」
何事にも控えや遊びといったものは重要だからな。奉仕部にも1人、控えがいても問題なかろう。
しかし、雪ノ下はあきれた様子だ。
「あきれた。依頼が来ているのだから、奉仕部として活動しなさい」
ほんとにあきれられていたようだ。しょうがない。雪ノ下の指示に合わせて最低限の作業をやろう。平塚先生にサボってたとか告げ口をされると、あとが面倒だ。
「わかった、わかった。じゃ、俺は何をやればいいんだ? そもそも、何をやるつもりなのか知らないんだが」
俺がそう尋ねると、雪ノ下はなにやらバッグから取り出して、机に置いた。
......猫の写真集?
雪ノ下はあきらかにゴキゲンなご様子。それに対して由比ヶ浜はなにやら渋い顔をしている。だが、そんなことよりも気になることがひとつある。
「えっと、これはお前のか?」
「ええ、私のよ。とはいっても、私が買ったわけじゃないわ。親戚の方から貰ったの。捨てるのも悪いということで、仕方なく置いておいたものよ」
雪ノ下は、自分の所有物であることと、自分の趣味で手元にある訳では無いことを主張した。早口で。まるで、台本でも読んでいるみたいに。
「えーっと、じゃあ、由比ヶ浜にそれをあげて、ペット全般に慣らしていこうということでいいか?」
「確かに、本来依頼のことを考えるとそうなのかもしれないわ。でも、親戚の方は私に、と言って買ってくださったの。つまり、これが私の手元にあるのは言わば出資者の意向ということになるわね。そういうわけで、由比ヶ浜さんには悪いのだけれど、譲るということはできないわ」
雪ノ下は写真集を自分の方へ少し近づけ、そう言った。早口で。台本でも(ry
少し揺さぶってみるか。
「その、親戚っていうのは--」
「雪ノ下三郎太よ。仮想の人物とかじゃなく、実在しているわ。なんなら、家系図を見せてあげてもいいわよ」
どうやら、予想される質問の答えは全て用意してあるらしい。恐らく、三郎太さんというのは実際に雪ノ下の親戚でいるのだろう。その人が猫の写真集を買ったかどうかはともかくとして。
「別に、家系図はいい。それで、その猫の写真集を使って由比ヶ浜の犬に対するトラウマを治せるのか?」
表紙をみた限りでは、猫を好きになることはあっても犬へのトラウマは治せそうにない。
「無理でしょうね。でも、少しでもマシになれば、自分で犬の写真を選んだりできるようになるかと思ったの。猫も苦手ということは、おそらくトラウマはペット全体に及んでいるのでしょうし」
「あの、ゆきのん......」
ここまで俺たちのやり取りを見ていた由比ヶ浜が、申し訳なさそうに声を上げる。
「私、ペット全般っていうか、ダメなのは犬と猫だけなの。それも、猫は猫で別の理由があって......」
どうやら、前提から間違っていたご様子。あれ、雪ノ下って優秀なイメージあったけど、思ったより早とちりとかするんだな。いや、俺もペット自体、ダメになってるんだと思ったけど。
****
しばらく、首脳会議(参加者は俺と雪ノ下)が行われた。それを由比ヶ浜が黙って聞いている。なんだこれ。雪ノ下いわく、依頼人をほったらかしにしちゃいけないんじゃなかったか。
何はともあれ、5分にわたる相談の末、方向性が決まった。首脳会議、短いな。
「由比ヶ浜さん。ここは、猫を好きになるということで手を打たないかしら。ちょうど、トラウマもあるらしいし」
「そうだな、それがいい。ちょうど写真集もあるし」
「え、えっ? 私、犬を触れるようになりたいんだけどっ」
「そうか、それはまたの機会ということにしよう」
「代案はまた、機会があったら考えるわ」
「ゆきのん、それ、絶対考えないやつじゃん」
どうやら、由比ヶ浜の説得は難しいようだ。
「まあ、冗談はさておき。今日は犬に関するものはなにもないのは、確かだ」
今日ちょうど、犬ハサ持ってきてるけどな。求めているものはこれじゃなかろう。
「うーん、じゃあ、またあしたー?」
「そうか、由比ヶ浜は土曜日にも学校に来るのか。偉いな」
「むー、ちょっと間違えちゃっただけじゃん。茶化すなし」
ヒッキーキモい、とでも言いたそうな目でこちらを見てくる。流石に、出会って2日でキモいとは言わないか。変態とは言われたけど。
「悪い、悪い。とりあえず、ここには猫の写真集しかない。そこで、だ」
ちょっと大げさに溜めて、俺は提案する。
「猫の方のトラウマも治さないか?」
「なに、その言い方。ヒッキー、変。」
由比ヶ浜と雪ノ下から白い目で見られた。え、そんなに変だった?
前回の反省。
どうやら、僕が書くとシリアスな文章にならないらしいです。読み直してて思った。
次、何か書くとしたら、真面目な話はやめようと思いました。まる。
本編とは全く関係ないですが、trpgについて宣伝をば。
自分がキーパーをやった卓を含め、1週間で5卓参加しました。自分ではない誰かになりきって問題を解決するというのは、特に小説とか仮想の世界が好きな人は好きだと思います。読んでる方も是非やってみてください。
あと、私生活について、ちょっと。多分テストまで1ヶ月切りました。確認してないけど。
なので、更新遅くなったらごめんなさい。とはいっても、テスト1週間前までは勉強しないと思うので、もうしばらくは大丈夫かな。
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だから俺はマックスコーヒーを止められない。
俺が由比ヶ浜の猫へのトラウマを治す、という提案をした理由は簡単だ。この提案により猫へのトラウマが治れば、もし雪ノ下が依頼を解決しても、ある程度俺の功績を確保できるかと考えたのだ。
別に勝負に勝って雪ノ下に命令をしたい訳では無い。いや、男子高校生である以上? 必然的に? したい命令は、無くも無いことも無きにしもあらずといったところか。
ぶっちゃけあとが怖いし。総合的に考えると、やはりこいつにやらせたいことは、俺の更生とやらを諦めろとかその程度のことになる。
俺の狙いは、むしろ雪ノ下に勝たせないことだ。何やらされるか分かったもんじゃないし。そのためには、雪ノ下の手柄100%の状態を阻止し、勝負を長引かせる。勝負をうやむやに出来れば最高だし、時間があれば弱みの一つでも握れるかもしれない。仲良くなるのは無理っぽいので、罰を手加減してもらうのはなしの方向で。
あれ、冷静になって考えると、勝負を有耶無耶にするか弱みを握ることで潰そうって、どうなんだろう。まあ、そもそも俺の意思無しで始まったことだし、問題ないか。
何はともあれ、由比ヶ浜の猫に対するコンプレックスから治すことになった。そのため、とりあえず雪ノ下の持ってきた写真集を3人で見る。
ページをめくるのは雪ノ下で、由比ヶ浜はそのすぐ後ろからのぞき込んでいる。俺は、もともと由比ヶ浜の座っていた、雪ノ下の向かいの席で見ている。
なお、座った時、ほんのりあたたかかった。いや、なんでもない。女子の温もりとか、ただの熱伝導だし。なんなら、同じ温もりを持つものでも、女子より布団の方が俺に優しい。
いや、最初は「俺は見なくていい」とかいって、断ったのよ? でも、そうしたら雪ノ下に断ることを断られた。なんでも、猫の良さを知ることが俺の目、引いては精神の改善に繋がるらしい。訳が分からないよ(QB並感)。
まあ、家ではかまくらを飼っているわけで、猫の写真を見ること自体に抵抗はない。むしろ、よそ様の猫とやらにも少し興味はある。
よって、断った理由は、こいつらと関わるより本を読みたいとかその程度のものだ。雪ノ下が説得してくるなら、大人しく写真集を見た方が楽ということになる。
それにしても、雪ノ下の説得には鬼気迫るものがあったな。なんというか、オタク友達に自分の好きな作品について勧めているやつみたいな、気迫が......これ以上考えるのはやめておこう。万が一、雪ノ下に「猫、好きなんだな」とかいったら傷ついちゃうだろうし。主に俺が。否定とともに飛んでくる罵倒で。
俺がオタクと雪ノ下の思わぬ共通点について考察していると、雪ノ下が写真集のページをめくった。写真集はどうやら、色々な家庭の猫を撮影し、載せているもののようだ。
「この子、かわいーっ」
「その子はマンチカンね。見かけの割に運動神経がいいのよね。その子が気に入ったのなら、ぜひ実際に動いているところを見るといいと思うわ。なんなら、その子の見れるペットショップをしようかしら?」
「え、えーっと、また今度お願いするね。あ、こっちの子もかわいーっ」
「いわゆる三毛猫ね。雑種の猫なのだけれど、そもそも日本だと雑種の猫が一番飼われているのよ。例えば、そこの黒い猫ちゃんも雑種ね」
「へ、へぇ......」
由比ヶ浜は雪ノ下の猫好きに呆れているご様子。いや、それよりも。
「おい、雪ノ下。お前今、猫ちゃんって言ったか?」
「何を言っているの比企谷くん。私がこんな......このような生き物のことを猫ちゃんと呼ぶ妄想をしていたのかしら。きっと、あなたのように永らく女子と会話しなかった人間は、女の子はみんな猫のことを猫ちゃんとか、猫様と呼ぶと、勘違いしているのね。やはり、平塚先生の言っていたとおり改善する必要があるみたいね」
猫様ってなんだ、猫神様の仲間か? しかし、残念ながら俺は生憎変態な王子でも笑わない猫でもないので、猫神様に願うことはない。
「はいはい、俺の聞き間違えだった、すまんってことにするから」
「謝るのなら、その妄想癖の改善に努めて欲しいわね」
あくまで俺の妄想だったことにするらしい。由比ヶ浜が可哀想な目でこちらを見てくる。こいつも聞いていただろうし、俺の処遇を不憫に思っているだけだよな? 妄想を垂れ流した俺を可哀想な目で見てるわけじゃないよな?
季節は春で暖かいが、女子の目が恐ろしく冷たい。間をとると肌寒いので、俺は買ってきておいたMAXコーヒーで暖を取ることとした。
****
写真集を開き始めて一時間半が経過した。雪ノ下はまだ、写真集をめくっている。
いや、なげーよ。何周目だよ。最初はかわいーなーとかガラにもなく思ったりしたけど、流石に飽きたよ。
ほら、由比ヶ浜を見てみろ。雪ノ下があまりに写真集に熱中するもんだから、ケータイいじり始めちゃったよ。雪ノ下も早く気付けよ。
このまま雪ノ下が写真に熱中していても、雪ノ下以外は幸せになれない。そう判断した俺は、由比ヶ浜に質問することにした。
「......由比ヶ浜。これを見ていて、猫のこと、嫌いじゃなくなりそうか?」
由比ヶ浜は慌てたように、携帯を閉じて後ろ手に持った。てか、携帯ごついな。そんなにアクセサリーつけて重くないのか?
なお、雪ノ下は変わらず写真集を見ている模様。こいつ、目的忘れてね?
「うーんと、もともと嫌いじゃなく苦手なだけなんだけどね」
嫌いと苦手。俺としてはどちらも、女子から言われて受けるダメージに大差はない。しかし、どうやら女子の側には明確な違いがあるらしい。
中二の時に同じクラスだった吉田さん、別に面と向かって「あなたのこと、苦手なの」とか言わなくてもいいのにな。別に俺からなにかした訳でもないのに。
あれは日常の一コマだった分、ある意味、小学校で河合さんに告白した時に「わたしは嫌いよ」って言われた時よりダメージでかかった。あれ? もしかして、嫌いより苦手の方がダメージ大きくない?
颯爽と俺の地雷密集地域を歩いていく由比ヶ浜(ただし踏んでいないとは言っていない)は、笑顔で続けた。
「でも、こうやってお家で楽しそうにしている猫を見てると、苦手じゃなくなってくかもね」
その笑顔やめろ。惚れるから。あれ、もしかして俺ってちょろすぎない?
俺の願いが通じたのか、由比ヶ浜は満面の笑みを浮かべるのはやめた。代わりに、控えめに笑う。その顔はどこか寂しげだ。
「あのね、私、昔団地に住んでたんだ」
俺は、黙って続きを促す。雪ノ下も流石に空気が変わったことに気がついたのか、写真集を閉じて由比ヶ浜の方を見た。
「その団地でね、猫を飼うのが流行ってたの。お家に連れていくのは禁止だから、野良猫なんだけどね。で、私も一緒に飼ってたんだ。ねえ、ゆきのん、ちょっと貸して」
由比ヶ浜は雪ノ下から写真集を借り、ちょうど真ん中位のページを開いた。
「この子が似てるかな。尻尾のあたりが違うけど、こんな感じの子。かわいかったんだよねー」
由比ヶ浜は、ありがと、ゆきのんと言って写真集を返すと、続けた。
「別に、死んじゃうところ見たとかじゃないんだ。ただ、いつもみたいに餌をあげに行ったら、居なくなっちゃってたの。何も言わずに」
猫なんだから当たり前だけどね、と言う由比ヶ浜の顔は、やはり寂しそうで。
「だから、仲良くして、大切にしているつもりでも、いつかはいなくなっちゃうかなって思って。それで、猫が苦手になったの」
「離れる時に寂しい思いをするなら、いっそ会わなければいい、というわけね」
雪ノ下にも由比ヶ浜は寂しそうに見えたらしい。雪ノ下にそう言われると、由比ヶ浜はハッとした表情を浮かべる。
「そっか、私、猫を見ると寂しい気持ちになっちゃうから苦手だったんだ。なんか、自分でもよく分かってなかったかもしんない」
自覚して、認めて。やはり、トラウマを乗り越えるためには必要な過程なのだろう。由比ヶ浜の決意を固めた目が、その証拠だ。
「でも、寂しいのが怖くて関われないなんて、悲しいもんね。私、決めた」
そう言って胸を張る。立派なやつだ。
「まずは、このまま猫を好きになる。それから、犬をまた触れるようになる。苦手じゃなくなる。それでいつか、また犬を飼うんだ」
思ったより早く、依頼を完遂できるのかもしれない。俺は、呑気にそう思った。雪ノ下が青ざめていることにも気が付かずに。
サブタイトルがどんどん適当になっている今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
まあ、それはさておき。犬に関する依頼を受けていたはずなのに、いつの間にか猫の話になっていました。そんなこともあるよね。課題をやってたはずなのに漫画読んでるとかよくあるし。
というわけで、もうしばらく猫が続くかも知れません。猫については詳しくないので、情報が間違っていたら優しい目で見守ってください。きっと、そういう世界観なんです(暴論)。
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