何故か雪ノ下が許嫁になった (ネムリン)
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何故雪ノ下が許嫁になったのか

雪ノ下のマンション

 

昼過ぎ頃

「で、何の用かしら?姉さん、それに母さん」

休日、その、パンさんと猫に癒されていたらインターホンがなり、ドアを開けると姉さんと母さんが居た。今日は厄日かしら‥‥‥

「まあまあ、話ってのはお母さんからあるの」

「実はね、雪乃を許嫁に欲しいって、葉山さんから言われてて」

「ああ、相手は隼人ね」

「お断りします」

「即答‥‥‥雪乃、隼人君の何が嫌なの?」

「全てです」

「あはは、雪乃ちゃんらしいね~」

「陽乃、笑い事では無いんですよ。では雪乃、どんな男性なら付き合えるのですか?」

「それは‥‥‥‥っ/////」

考えてるとすぐにある男性の顔が浮かんだ。 ひねくれてて、目が腐ってて、でも今まで見たどの人とも違う、何故か引かれてしまう、彼を‥‥‥

「雪乃、顔真っ赤よ」

「ふえっ!!だ、大丈夫よ」

思わず変な声が出たわ‥‥‥、姉さんは大笑いしているし‥‥‥やっぱり、今日は厄日かもしれないわね。

「もしかして、雪乃ちゃんは比企谷君が良いのかな~」

「なっ////」

姉さんに確信を突かれ、恐らく私の顔は茹たこのようになってることでしょう。

「比企谷‥‥‥誰なのですか?」

「比企谷八幡君、雪乃ちゃんと同じ部活で、私のお気に入りの子なんだ」

その事に母さんは目を大きくしていた。そうよね、姉さんが男性に興味を持つなんてあり得ないに等しいことなのだから。

「陽乃、貴方から見て、その、比企谷君はどんな子?」

「そうね~、社会が求めるスペックでは隼人より下だね」

「えっ?」

「でも、それだけ、比企谷君の凄さってのはそんなんじゃ無いんだよ。う~ん、言葉にするのが難しいんだけど、自分を犠牲にすることに何も躊躇いもなくて、その癖、臆病、でも、誰よりもその人の事を見ている。そんな感じかな」

姉さんの中で、比企谷君はここまでの評価を得ていたなんて驚きだった。

「‥‥‥‥雪乃」

「な、何ですか?」

「一度、戻ります」

「は、はい」

「行くわよ、陽乃」

「え~、まだ連れ回されるの~」

「貴女なら比企谷君の居場所、知ってるでしょ」

「お、それなら付いていくよ~」

玄関前で何かを話していたけど、私には良く聞き取れなかった。その日の夜、比企谷君と許嫁になったと姉さんから来たときは、喜びの声を上げてしまったわ

 

 

昼過ぎ頃、家でゲームしてるとインターホンが鳴った。まあ、小町も居るし、ほっとけば良いか。そう思い、ゲームを続けていると小町が

「お兄ちゃん~、お客さーん」

えっ?俺に?マジかよ、誰だよ、俺の貴重な休日を潰すのは‥‥‥。嫌になりながら玄関前に行くとそこに居たのは

「ヤッホー、比企谷君」

「どうも、比企谷さん」

陽乃さんと、確か雪ノ下のお母さんだっけか?が居た。

「何のご用ですか、二人とも」

「長くなるから上がっても良いかな~」

「長くなるんなら、上がらないで下さい」

「まあまあ、そう言わずに~」

そう言って雪ノ下親子はリビングに向かった。しかし、話って何なんだ?

 

「で、話って何ですか?」

「単刀直入に言います。雪乃と婚約してください』

「‥‥‥陽乃さん、ドッキリの看板はどこですか?」

「ね、面白いでしょ」

「ええ、確かに」

「いや、何を確かめあってるの?」

なにこれ?ドッキリ?にしては唐突すぎないか?

「実はね、隼人が早く雪乃ちゃんと婚約したいみたいなんだけど、雪乃ちゃんが嫌がってるの。そこで隠れ蓑として比企谷君を使おうって事になったの」

「はぁ‥‥‥それはそれは」

面倒なことに。つーか、やっぱり、葉山って雪ノ下の事が好きだったんだな。

「私からもお願いします」

雪ノ下母が頭を下げる。

「‥‥‥はぁ、分かりました。相手が諦めるまでなら」

「さっすが比企谷君」

「それでは、雪乃の事、お願いしますね」

こうして、俺と雪ノ下の奇妙な婚約生活が始まるのだった。



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