とある不幸少年と幸運の剣士 (魂魄木綿季)
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高校入学前〜出会い〜
プロローグ


pixivの方では投稿を続けているのですが
こちらではしばらくぶりの投稿となりますね。お許しくださいm(_ _)m
こっちで投稿している『ノゲラ』物ですが。pixivの方では投稿致しません。
また、あちらでも『単発投稿』のシリーズがあるのですがそちらも
ハーメルンには投稿しないつもりです。(2種サイト兼用)
ではでは、今回は『とある×紺野木綿季&紺野藍子』物です!!


今回限定で文字数が足りないため、1話と混合です。


夕焼けの街中を1人で歩く少年がいた。

?「(俺は自分で言うのもなんだが不幸な人間だ。街を歩けば犬に足等を噛まれ、不良に絡まれる)」

 

少年は自動販売機を見つけて財布の中身を確認する

?「さ、3千円。」

プルプルとした手つきで自動販売機にお札を入れる。そのままコーラを買おうとする。が

 

?「え?ええ?おい。コーラが出てこないんですが!?って返金もされねぇし!!

  (とまぁこんな具合に販売機にお金を突っ込めば呑まれそのまま帰ってくることは無い)」

 

?「あぁーもう!不幸だぁぁぁ!!!!(これこそが俺、上条当麻の日常なのだ)」

 

上条「もういいや。帰ろう。」

トボトボと自分の学生寮に向けて歩く

 

 

上条の学生寮

上条「あぁー今日何つくっかなぁ確か冷蔵庫にうどんが1玉

   入ってたはずだから。今日は寒いし鍋焼きにでもするか。」

 

?『お兄さんそこどいてー!!』

 

上条「ハ?」

と振り返る。その状況は女の子が不良に追われているという物

 

上条「うわっと!」

反射的に道を譲る

 

?『ありがとねー!』

と言って女の子と不良は瞬く間に上条の前を通り過ぎていった

 

上条「しゃーねー。晩飯前の運動だ。人助けしますか。」

と言って上条も女の子の向かって行った方角へ走り出した

 

 

=========

 

 

かなり走ると路地裏でさっきの女の子を見つけたどうやら袋路地に入ってしまい

逃げ場を無くしてしまったようだ

?「なんで僕をこんなに追い掛け回すのさ!!」

 

不良A「お譲ちゃんよ。

    さっきから何度も言ってるが金置いてきゃ許すって言ってんだ。さっさと金置いてけよ」

 

?「だから持ってないって言ってるじゃん!」

 

不良B「ンなら身ぐるみ置いてきな。それで勘弁してやるよ。」

 

上条「ハーイ。そこまでぇ~。女の子の身ぐるみを剥ぎ取るのは流石に見てられないなぁ~。」

と呑気な声が路地裏に響く。

 

?「あれ?きみさっきの」

 

上条「おーう。助けに来てやったぞ~」

 

?「ちょ!バカなの!?相手は10人以上居るんだよ!?」

 

上条「初対面でバカとは。アイツみたいなこと言うなよ」(・∀・;)

 

?「いンや。チビガキが正論だぞ上条ォ。毎回毎回お前が人助けやろォとして

  その手助けに来てる俺らに感謝しろよなァ」

と上から男の声が響く

 

?「まったくぜよ。そのくせデカイ問題の時には俺達(ダチ)を頼らずに動いて

  ボッコボコ状態で寮の目の前に倒れてるし。呼ぶタイミングを間違えてるぜよ」

と上条の後ろから金髪の男が気配を感じさせることなく出てくる

 

?「言っておきますけど。大きい問題にせよ小さい問題にせよ貴方達一般人は

  手を出さないで欲しいですの。毎度監視カメラのデータを改ざんしてるのは

  誰だと思っていますの!?」ヽ(*`皿´*)ノキィィ──!!!!

と上条の目の前に現れたのち上条に向け猛講義を始める声の高いツインテールの少女

 

?「毎回改ざんしてンのはお前じゃなくてあの花畑だろォが」( ・´ー・`)アホカ

と上条の横に降り立つ。よく見ると白髪のようだ

 

不良B「俺ら無視して呑気に楽しく話してンじゃねェぞ!」

と3人ほどの人数で白髪の男性に向け殴りかかる

 

?「あァ?」

と反応するのと不良の拳が当るタイミングは同時だったが

 

不良B「がァ!!」

と拳が当ったタイミングで殴りかかった不良達が路地の壁に向けて吹き飛ぶ

 

上条「あーらら。一方通行(アクセラレータ)に向けて無計画に突っ込むから」

と呆れ気味に声を漏らしたあと中腰になり合掌をした

 

一方「全くだ」

 

不良A「あ、一方通行だァ!?学園都市最強の・・・なら他のをやれ!」

というと再び3人ほど金髪の男のほうへ行く

 

?「あ?俺か?」

 

上条「ほらご氏名だぜ。土御門」

 

土御門「ったく。舐めてもらっちゃ困るぜよ」

と慣れた手つきで攻撃をかわしそのままグ-パンで相手の意識を刈り取っていく

 

不良「う、うわぁぁぁぁ」

と5人ほど逃げ出してしまう

 

?「まったく。」

というと少女が消えた。高速等ではない。また比喩でもない。文字どうり”消えた”

 

不良「ガハァ!!」

と逃げた不良達が背中から落下してくる。衝撃によりそのまま意識を失った

 

上条「早いな。白井そういや今年でLEVEL4になったんだっけ」

 

白井「そうですわよ。それと逃げようとしても無駄ですわよ。

   今の様に私の能力で1人ずつ意識を飛ばして差し上げますわ。

   『空間移動』を操る。”風紀委員(ジャッジメント)”として」

 

不良A「こ、こうなったら」

と右手を女の子に向ける

 

?「え?」

 

不良A「俺の能力は『発火能力』だ!」

と腕を覆うサイズの火を手のひらから発生させる

 

一方「ふーン。」 土御門「で?」 白井「それがどうかしましたの?」

 

不良A「は?驚けよ!LEVEL3だぞ!?3の発火能力だぞ!!」

 

土御門「一方通行はLEVEL5で白井さんはLEVEL4だし。」

 

一方「そンな能力に自信あンなら撃ってみるなりしてみろよ」

 

不良A「クソがァ!バカにしやがって!!」

と女の子に向けて火を撃つ

 

?「え、あ」

恐怖により腰が抜けたようで逃げられそうには無い

当る!と思った瞬間

 

バリィィン!!と火の玉が割れたガラスのように砕けた

 

上条「煽られたとはいえ本当に撃つなよ。」

と右手を向けた上条がいた

 

?「え?き、君・・・?え?」

状況が飲み込めていないのかしどろもどろな返事しか出来ていない

 

上条は一度振り返り

上条「すぐに終わらせるからな。」

 

不良A「は、はは。すぐに終わらせるだァ?

    今のは俺が演算ミスってお前に当る前に消失しちまっただけだ!」

ともう一度先ほどと同じサイズの火の玉を上条に向け発射する

 

上条「いいぜ。お前が俺を倒してこの子に攻撃当てられるってんなら!」

と手を前に出す。すると右手に当った瞬間に先ほどと同じく火の玉は弾ける。

そして弾けたのを確認すると不良Aに向けて走り出す。

 

上条『まずは、そのふざけた幻想をぶち殺す!!』

不良Aの顔にストレートパンチを入れる

 

---------

 

10分後 上条の寮付近 公園

上条「ほい。」

と金を飲まれたのとは違う自販機で買ったジュースを渡す

 

?「ありがとう。・・・炭酸飲料か。」

 

上条「あ、悪い。お茶の方が良かったか?」

 

?「うぅん。ちょっと前まで理由があって飲めなかったし。近くの自販機に

  炭酸飲料がなくて久しぶりに飲んだから驚いただけだよ。」

 

上条「なら良かった。そうだ!自己紹介がまだだったな。

   俺は【上条当麻(かみじょうとうま)】来月から高校1年だ。」

 

?「そういえばそうだったね。

  ボクは【紺野木綿季(こんのゆうき)】。確か来月から中学3年生だよ。」

 

上条「へぇ。やっぱ年下だったのか雰囲気が幼いからもしかしてと思ってはいたけどな」

 

ユウキ「むっなんか子供っぽいと思ってない?」(。¬Д¬)ジーー

 

上条「お、オモッテナイデスヨー」(・∀・;)

 

ユウキ「片言になった!絶対思ってるよー!!」(ノД‘)ウワーン

 

 

これが幻想殺しの少年と絶剣と呼ばれた少女の出会いであった




小説への質問、アドバイス、俺(魂魄)への質問
などはどしどしどうぞです!!


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予想外のお泊まりイベント

上条「へぇ。年下だったのか。てっきり気が強いから年上かと思ってたんだけどな。」

 

ユウキ「ボクは気が強いんじゃなくて “元気” なだけだよ。」

 

上条「それでもあの体格差と人数差にもしっかり反論出来るんだから勇気があるんだな。」

 

ユウキ「そうは言うけど君達だってあの人数差じゃないか。

    いくら強いとは言ってもボクと変わらないよ」

ユウキのその発言にふたりして笑い合う

 

 

数分後

ピピピッと上条の携帯がメールの受信を知らせる。

内容は黒子からで「後処理が終わりました。」との事だった。

上条「そういや、ユウキの学生寮は何処なんだ?もう遅いし送ってくよ」

 

ユウキ「あぁ。いいよ。お構いなく。」

 

上条「それはダメだ。さっきみたいな連中がまた来ないとも限らないしな。」

 

ユウキ「で、でも。ボクは・・・」

 

上条「・・・ならせめて晩飯だけでも食ってけよ。

   俺の寮はすぐそこだからよ。一時的な避難としてよ。」

 

ユウキ「いいの?お邪魔しても」

 

上条「もちろん!固定機あるから寮に電話入れろよ。」

 

ユウキ「うん!ありがとう!」

 

---------

 

10分後 学生寮  上条の部屋

ユウキ「へぇ〜。ボク、男子の部屋に上がるのって初めてだよ。」

と部屋の中を見て回る。

 

上条「特に珍しいものはないぞ。寒いしうどんでいいか?」

 

ユウキ「うん!ありがとう!」

 

上条「ほんとに元気だな。テレビの横に固定機置いてあるから使えよ。」

 

ユウキ「僕の取り柄だからね!分かった。ありがとね!」

と固定機にダイヤルを入れていく

 

上条「〜♪〜〜♪そうだユウキ。シャワー借りたらどうだ?走って汗かいたろ。 」

 

ユウキ「うーん。でもボク着替え持ってないよ?」

 

上条「まだ俺が使ってない高校の体育用のジャージがあるから

   そこのダンボール開けて使ってくれていいぞ。」

 

ユウキ「いいの?」

 

上条「もてなす時は誠心誠意もてなすのが俺のスタイルだからな」

 

ユウキ「それじゃあ、お言葉に甘えて。」

と、ダンボールの中を探し始める

 

ユウキ「それじゃあ、借りるね////」

と風呂場にジャージを持って入っていく

 

上条「〜♪〜〜♪」

トントンッと部屋には上条の料理をする音だけが響く

数分経つとプルルルッと固定機が着信を伝える

料理の手を止めて固定機を取りに行くと知らない番号だった

取ろうとするとちょうど切れてしまった。

 

上条「履歴はーっと。あ、同じじゃん。って事は木綿季にか」

とユウキに教えようと思い風呂場へのドアノブに

手をかける。{自分の部屋だと思い気が緩みノックせずに}

 

ユウキ「え?」

開けるとちょうどシャワーを終えたのか一矢纏わぬ姿の

ユウキと遭遇する。

 

上条「あ、(そういえば!)」

ノックをすればよかったと思うが後の祭りだ

 

ユウキ「で、出てけェェェェェ!!!!////////」

と鼻先にユウキの拳が飛ぶ

 

上条「ふ、不幸だー!」

と殴られてそのまま脱衣室から飛び出す。

 

---------

 

数分後 上条の部屋

上条「いや。ほんとに悪かった」

と土下座で謝罪を述べる

 

ユウキ「・・・//////」

上条のジャージを着たユウキは黙ったままだ。

 

上条「ゆ、許していただけませんでしょうか?」

と言うとピーーー!と甲高い音が部屋に響く。まさかと思い

台所に駆け込むとやかんが沸騰したらしい。

すると今度はグ〜。とユウキの腹部から音が鳴る。

 

ユウキ「早くご飯作って。そしたら。許す////」

 

上条「おう。腹ペコ姫に作りますよ。あと2、3分待ってくれ」

 

ユウキ「うん。分かった。」

 

 

数分後

上条「ほい。お待ちどう。上条さん特製うどんだ。」

と2つの器にうどんを入れテーブルの上に置く

 

ユウキ「ありがと。」

 

上条「そんじゃま。いただきます!」

 

ユウキ「いただきます!」

と言い終えるとさっそく食べ始める。勢いから見るにそうとうお腹が減っていたようだ。

 

上条「どうだ?少し味濃いめに作ったんだけど。しょっぱくないか?」

 

ユウキ「うん。ちょうどいいかな。ありがとう」

 

上条「そうか、なら良かった。そうだ。ユウキがシャワー浴びてる間に電話来てたぞ」

と手を伸ばし固定機を取ってユウキに渡す

 

ユウキ「もしかして、それで来たの?」

 

上条「取ろうとしたら切れちゃってな。番号を見てユウキから折り返した方がいいかなと思ってな」

 

ユウキ「なるほど。ゴメンね。そうとは知らずに」

 

上条「いいって。ノックせずに入った俺のミスだよ。」

 

ユウキ「うん。そうだね。」

 

上条「そこはフォローしてくれてもいいんじゃないか!?」

と上条が言い終えると2人で笑い合う

 

 

晩飯後 9時30分

ユウキはベランダで折り返し電話をして、上条は洗い物をしている

ガララッとベランダからユウキが戻ってくる。

上条「寮の方は何だって?」

 

ユウキ「うーんそのことなんだけどさ。今日、泊めてもらえない?」

 

 

上条「・・・・・・はい?」




俺(魂魄木綿季)、作品問わず質問はどんどんどうぞです!


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お泊まり〜翌朝

現在私、上条当麻は15年過ごしてきて人生1番困惑しております。

さっきユウキはなんて言った?「泊めてくれない?」

いや、もちろん他意はないだろうけどね。

俺だって男子なの!思春期真っ盛りなの!もうすぐ高校生なの!

いや、そりゃ7時過ぎてるから完全下校時刻過ぎてるわけだし今外出したら

確実に警備員(アンチスキル)に御用されるユウキが目に浮かびますよ!?

夕方の不良みたいなのが来ないとも限らないわけですし!だけど

中学3年生になる女の子が高校生になる男子の部屋に止まるのはモラル的にィィィィ!!

 

ユウキ「あ、あのどうしたの?突然ブリッジなんかして。」

 

上条「い、いや。なんでもないんだ。(落ち着け俺ぇぇぇぇ!!!!)」

 

ユウキ「も、もしかして迷惑かな?」

コテン。と首を傾げる

ユウキは美少女だ。これで否と言える男はいないだろう

 

上条「そそんなわけないだろ!気にすんなって!(ァ”ァ”ァ”ァ”!!)」

 

ユウキ「でも、ボク何処で寝ればいいかな?」

 

上条「あぁ。俺のベット使っていいぞ。俺は風呂場で寝るから。」

 

ユウキ「そ、そんなダメだよ!

    今季節は冬なんだよ!?冬!!絶対明日風邪ひいちゃうよ!?」

 

上条「ダイジョーブダイジョーブ上条さんの身体はとても強いんですよぉ〜」

 

ユウキ「・・・ならここで寝なよ。流石に泊めてくれる人が明日の朝『風邪ひいてました』

    なんて嫌だしさ!ボクは気にしないし!」

 

上条「・・・わかった。ありがとな。(俺の理性。持つだろうかヽ(;^o^ヽ))」

 

ユウキ「ううん!泊めてもらうんだし!それに当麻はお姉さんがタイプなんでしょ?」

純粋無垢な表情でアッサリと爆弾を投下する

 

上条「ゑ!?・・・あ!!」

ここでハッとする。確か高校のジャージを入れていたダンボールの隣には

私物入りダンボール(いかがわしい本含む)が置いてあった事。

さらにユウキがシャワーを借りる時、微かに顔を赤らめていたことを。

 

ユウキ「だから大丈夫でしょ?」

再びの純粋な笑顔。

 

 

結局ユウキの誤解などを特には40分程の時間を使用した

その後、とりあえず敷布団を用意し。ベットの反対側。

つまりテレビとテーブルの間に配置した。これは寝惚けたユウキが落ちてきて

ボディプレスを受けないようにするためと、朝ユウキが隣にいたりしないようにだ。

 

上条「エアコンは効かせておくけど寒かったら言ってくれよ。」

 

ユウキ「うん。お休み」

 

上条「さて、上条さんも寝ますか。」

と、布団に入り目を瞑る。が

 

ー眠れないー

 

理由はハッキリしている。従娘ならともかく他の女性と同じ空間で

寝ることに慣れていないことが確実な原因だ

上条「(まぁ、ベットじゃなく敷布団と言うのもあるだろうけどね。)」

アホなこと考えてないで寝よう。と思い瞼を閉じる。

その後、2、3時間後にやっと眠れたとか。

 

---------

 

朝。上条当麻の朝は体にかかる重みで起きた。

里帰りした際に従妹が布団に潜り込んで来た時のような。

 

---え?

 

ユウキ「うぅ。ぅん」

掛け布団から覗いてる顔は明らかに昨日上条が寝るまでベットで寝ていた

少女の顔だ。元気で可愛らしい容姿をした紺野木綿季の。

 

上条「(ど、どどどどうしよう!?)」

先程から可愛らしい寝言やらのせいで落ち着いてなど居られない。だが

 

上条「・・・髪。綺麗だな。」

ユウキの綺麗な黒髪が眼前にあり、ほんのりいい匂いもする。

 

上条「あれ?俺ん家のシャンプーこんな匂いするっけ。」

と優しく髪を撫でてやる

 

ユウキ「うぅ。」フフフ

撫でられた猫のように閉じた瞼をさらに細める。

 

超可愛い。そう思うが。

上条「!...ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!!!」

なりふり構わず急いで布団から抜け出し、トイレに駆け込む。

布団をユウキに優しくかけ直すのも忘れなかった。

 

 

数分後

目を覚まし、周りを見渡す。ここはいつも自分のいる部屋ではない

昨日自分を助けてくれた少年の寮の一室だ。

すると、ジャーという。音が聞こえたのちにキッチン横のドアが開く

 

ユウキ「おはよう当麻。あれ?なんか顔やつれてない?」

 

上条「おっおう、おはよう。ユウキも顔洗ってこいよ、ハハ//」

 

ユウキ「?...分かった。」

すこし顔が赤く見えるが気にせずに当麻の隣を通る

 

ユウキ「スンスン。当麻香水かなにか付けた?なんだか鼻を抜ける匂いが。」(・ω・ )

 

上条「い、いや何てもないんだ!朝飯はトーストとベーコンエッグでいいよな!」

そそくさとキッチンでフライパンや食器を出しはじめる

 

ユウキ「?」

 

 

10分ほど後

上条 「ごちそうさまでした」

ユウキ「ごちそうさまでした」

 

上条「ところでユウキはこの後どうするんだ?

   帰るんなら送っていくけど。もうちょいゆっくりしてくか?」

食器を洗いつつテーブルを拭いてくれているユウキに問いかける

 

手を止め

ユウキ「うーん。流石にこれ以上迷惑かけるのもイヤだから真っ直ぐ帰ろうかな。」

人差し指を顎に当て、少し上を向き考える仕草をする

 

上条「んじゃあ上条さんが送って行って差し上げよう!

   今日は何も用事がないからな。」

食器洗い中に手に付着した泡を流す

 

ユウキ「いいってば。」

 

上条「ならせめて途中までは送らせてくれよ。どうせ俺も食材の買い出しとかあるし」

携帯や財布をポケットに入れ家の鍵を取る。

 

---------

 

セブンスミスト前

ユウキ「ここでいいよ。ありがとね!」

 

上条「こんなとこでいいのか?」

 

ユウキ「うん。ここからならすぐだからね!」

 

上条「なら別に真ん前まで送るぞ?」

 

ユウキ「いいって、それじゃあ!」

当麻の返答を待たずに走ってゆく

 

上条「お、おいユウキ。ってもう見えねぇし。」

 

 

ユウキ「はぁはぁ。ここまで来れば大丈夫かな。」

細い裏道を通り、ユウキは目的地の前まで来ていた

 

 

『第七学区 病院』

よく当麻がお世話になる病院だ。

 

ユウキ「」

なにも言わずに入っていく。

 

しかしユウキは気づいていなかった。

今通ってきた裏道の出口に、黒髪のツンツン頭の少年がいた事に。




質問は受付中ですので御自由にどうぞです!!


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高校入学前〜里帰り〜
木綿季の事情と里帰り


とりあえずpixivで投稿し終えている範囲での最後の4話です!
感想などは来ると気持ち悪いくらいに喜ぶので遠慮なくどうぞです!


?「悪いんだけど病院内でそんなSPみたいに壁に張り付いて尾行なんて

  やめてくれないか?ほかの人にも迷惑だろう?」

 

直後今の今までユウキを壁に張り付きながら尾行していた上条の肩が震える

上条「や、やだなぁ先生。こういうのは見て見ぬ振りするのがやさしさですよ〜?」

 

上条に先生と呼ばれたのはカエルにソックリな顔をした巷では『冥土帰し』

と呼ばれている医者だ。ちなみに当麻が一番お世話になる医者でもある

冥土「僕もそうしたいんだけどね、僕の患者をこっそり追いかけてる不審者がいたら

  相手がいくら君でも無視はしてあげられないんだね?」

 

姿勢を正し冥土帰しに向き合う

上条「“僕の患者”ってことはやっぱり木綿季は。」

 

冥土「...僕は患者のプライバシーを守るのも仕事のうちだから

    出来れば帰したい所なんだけど。君の性格上ここに残りそうだしね?」

ハァ。とため息をつくと「ついて来なさい」と上条に声をかける

 

---------

 

冥土帰しの医者は診療室を借りて上条に木綿季の事情を話し出した

冥土「君は【後天性免疫不全症候群】を知っているかい?」

 

上条「えっと、AIDS。でしたっけか?」

 

冥土は1度だけ頷く

冥土「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染し、

   免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こす免疫不全症のことで

   実態は慢性ウイルス血症による「全身性炎症性疾患」ある

   一般には君の言ったエイズ(AIDS)の略称で知られているね?」

 

上条「・・・それじゃあ」

 

再び一度だけ頷く

冥土「彼女達がここの病院に運び込まれて来たのは4ヶ月と3日前。

   外の病院から来た娘でね。身体の状態が末期寸前でゾッとしたよ。

   まぁ、外では無理でもここ(学園都市)でなら医療も発達していたからね

   見事に2人の治療は成功。3ヶ月の期間でウイルスを消滅させたんだね?」

 

上条「待ってください先生!今、“達”って言いませんでしたか?それに“2人”って」

ガタッと座っていた丸椅子を倒して冥土帰しに詰め寄る

 

冥土「まぁ落ち着きなさい。・・・これは出来れば話したくなかったんだけどね。

   彼女は家族と一緒に転院して来たんだ。夫婦と彼女の姉の紺野藍子さん。

   家族4人とも、AIDSに感染していて、夫婦の方はあと数日持つかどうかだった」

 

冥土「でもね?夫婦は涙を流しながら口を揃えて言ったよ。

   『私達のミスで娘達に辛い思いをさせてしまった。どうか娘達だけでも助けて』

   と、もう喉を使うのすら辛いのに声を上げてね」

 

上条「・・・」

 

冥土「結局のところ夫婦は翌朝の同じ時刻に息を引き取った。

   そして木綿季君は完全にウイルスが消え、藍子さんもあと少しで完全に

   ウイルスを消して、リハビリをすれば日常生活は遅れるだろう。

   木綿季君はリハビリもしっかりこなしているからスポーツは無理でも

   ある程度の運動は出来るように回復したし、藍子さんも木綿季君が

   毎日御見舞に通っているお陰で勇気を貰っているらしいんだね?」

 

上条「・・・酷い、話ですね。ユウキも木綿季の親父さん達も不幸な目に

   理不尽な目にあったんですね。」

悲しそうな顔しか出来ない。既に瞳も潤み涙が出る寸前だ

 

『あぁ〜あ。だから知られたくなかったのにな。』

突然、背後からアノ元気な声が聞こえる

 

ガバッと振り向き

上条「ユウキ。」

感極まり、頬を涙が伝う

 

ユウキ「・・・ごめんね、当麻。ボクなんかを助けてくれて」

言い残すと廊下を走り去ってしまう

 

上条「ユウキ!」

急いで診療室から飛び出すが既にユウキの姿は無かった。

 

---------

 

診療室から走り去ったはいいが、大して走りきれずある病室の前にたどり着いていた

ユウキ「(はは。忘れ、てた。ボク、今あんまり走れないじゃん。)」

 

 

[紺野藍子 様]

姉の藍子の居る病室だ。扉を開けて部屋の中に入る

ベットの上には布団を腰のあたりまでかけて本を読む姉の藍子の姿があった

藍子「木綿季?どうしたの?汗だくじゃない。」

本を読む手を止めて、すぐ側に置いてあるタオルでユウキの額の汗を拭き取る

 

ユウキ「姉ちゃん。ボク。」

綺麗な瞳が徐々に潤んでいき、少しづつ涙が頬を流れる

 

藍子「・・・辛いことがあったのね。いいわ、言ってみなさい」

やさしくユウキの体を抱きしめる

 

ユウキ「ボク、昨日不良に絡まれて、助けてくれた男の子が居て、

    ボク、その人が大好きなのに、AIDSの事知られて、突き放すみたいに

    その人置いてきちゃって、」

とめどなく涙を流しながら一言一言を大事に発音する

 

藍子「そう......いいわよ、私の胸で好きなだけ泣きなさい。」

抱き締める力を少し強める。その後、ユウキが泣き終えるまで数分間ずっと

やさしく抱きしめていた。

 

 

数分後

藍子「落ち着いた?」

まだ自分の胸の中にいるユウキに問いかける

 

木綿季「うん。ありがとう姉ちゃん。」

 

藍子「いいのよ、妹が泣いてたら抱き締めてあげるのも姉の務めよ。」

ニッコリと笑い、やさしくユウキの抱擁を解く

 

藍子「それで?、いつまでそこにいるのかしら?木綿季の想い人さん?」

木綿季が「え?」という顔をするが藍子の視線は病室の入口に向いている

 

ガララッと入口の扉が開けられ、ユウキの知るツンツン頭の少年が入ってくる。

上条「よぅ。」

と片手を上げて2人に特にユウキにアピールする

 

ユウキ「当麻。気を使わなくていいよ。ボクとなんかいたくないでしょ?」

オロオロしながら言葉を繋げていく

 

上条「藍子、さん?木綿季を抑えといてもらえますか?」

 

藍子「えぇ。いいですよ」

またもや「え?」という顔をするが問答無用で藍子に羽覆い締めにされる

 

上条「木綿季、さっきの言葉。『気を使うな』だ?」

 

ユウキ「そ、そうだよ。もうウイルス持ってないけどボクなんかといたr『うるせえ!』」

言葉を続けようとするが当麻の言葉がそれを遮る

 

上条「『ボクなんかと居たくないでしょ?』だと、人を勝手に値踏みしてんじゃねぇ!」

 

ユウキ「えっ、えっと」

 

上条「俺はな!お前がどう思おうが誰がどう言おうが“紺野木綿季の友達”なんだよ!

   こっから仲を深めていけば親友にだってなれるし俺でよけりゃなってやるよ!

   だから諦めるんじゃねぇよ!昨日お前を助けてくれた一方通行だって土御門だって

   もちろん白井だってお前の友達になってくれるよ!・・・・・・だから。」

ゆっくりと近付き、藍子に負けないほど優しく木綿季の体を抱き締める

藍子は気を使って木綿季の羽覆い締めを解く

 

木綿季「え。?」

 

上条「俺を信じてくれよ。『元気な女の子の木綿季』の友達の俺をさ。」

ポスっと抱き締めながら木綿季の頭を右手で撫でる

 

 

瞬間。木綿季のなかの何かが崩れた

そして、病室内に木綿季の泣き声が響き渡った

 

---------

 

数10分後 病院内 休憩所

まだ目頭が赤いユウキと上条が黒豆サイダーとコーヒー(微糖)を飲みながら

座っていた。藍子はと言うと検査の時間のため2人だけで来ていた

ユウキ「そういえば、どうして姉ちゃんの病室に来れたの?

    あと、病院にボクが行くっていうのも」

 

上条「あぁ、病室はあのカエル顔の医者だよ。

   『多分お姉さんの病室だと思うよ?』ってな病院の方は偶然。

   だな、追っ掛けてたらユウキが病院に入って行ったから着いてきただけだ。

   ......あ!そうだった。ちょっと待ってくれ」

ポケットから携帯電話を取り出し相手を選んでコールボタンを押す

すると、3コールほどすると相手が出た

 

『あらあら、当麻さんの方から電話だなんて。明日は槍でも降るのかしら』

 

上条「ちょ、俺の運じゃ洒落になってないからな?母さん」

相手は、上条当麻の母親『上条詩菜』だ

 

詩菜『それで?当麻さんから連絡だなんて何かあったの?

   冬休み中も帰ってこないのですか?刀夜さんが寂しがっていますよ』

 

上条「え?そこに親父いるのか?」

 

詩菜『えぇ。そうですよ。』

 

『トウヤサンートウマサンガデンワシテキマシタヨー!』

『ナニ?アシタハヤリデモフルンジャナカロウカ?』

 

上条「父さん。」(  ;∀;)

 

『トウマーソロソロカエッテコイ。トウサンハライシュウマデハイエニイルカラナー』

 

詩菜『だそうですよ。』

 

上条「分かった。今日は金曜日で明日行くと混むから月曜日にそっちに行くよ。」

 

詩菜『ええ。分かりました。トウヤサーン、ライシュウカエッテクルソウデス-』

 

上条「それでさ、その時、知り合いを2人連れて行ってもいいか?」

 

詩菜『いいですよ。もし近くにそのお2人が居るのなら代わってもらえますか?』

 

上条「1人だけだけどそれでもいいなら。

   あ、でもそっちに行く事は秘密にしてくれないか?」

 

詩菜『えぇ。それじゃあ、お願いしますね。』

 

上条「ユウキ。母さんがお前に代わってくれってさ。」

 

危うく、飲んでいた黒豆サイダーを吹き出しかけるが止めて携帯を受け取る

ユウキ「えっと、もしもし?電話を代わりました紺野木綿季です」

 

詩菜『あらあら、また女の子ですか。当麻さんったら。

   私は当麻さんの母の上条詩菜です。木綿季さんですね?』

 

ユウキ「はい。えっと、ところでなぜ電話を代わったのでしょうか?」

 

詩菜『使い慣れていないのなら敬語でなくてもいいですよ。

   いえ、少し貴女と話してみたくなりまして。

   木綿季さん、貴女から見て当麻さんはどんな人ですか?』

 

ユウキ「ふゅえ!?////ボ、ボクはべ、べつに////////」

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ。と、真っ赤になった顔から湯気が出始める

 

詩菜『あらあら』

 

---------

 

翌日(土曜日) 午前9時 第七学区病院

[紺野木綿季 様]

木綿季の病室内では車椅子で木綿季の隣にいる藍子もだが木綿季は開いた口が閉じない

その原因は当麻が手に持っている2枚のA4サイズの用紙。

『外出許可書』紺野木綿季

『外出許可書』紺野藍子

学園都市外、神奈川県内部限定の明後日。月〜金曜日の外出許可書だ。

AIDSが完治した木綿季と外出程度なら問題ないとされる藍子。

2人のために当麻がカエル顔の医者に頼み込み。

スイーツで揺すった初春にハッキングしてあるモノを探してもらい

一方通行と土御門に裏からの手回し。小萌先生の署名付きの正真正銘の外出許可書だ

上条「ふっふっふ。上条さんやってやりましたよ!」

 

藍子「で、でも神奈川県と言ってもどこに?」

 

上条「あぁ。俺の実家だ。里帰りするから一緒に来れるように。

   流石にこんな機械だらけの街じゃ飽きるだろ?だから。ほい」

と、2人に用紙を手渡す

 

木綿季「りょ、旅費は!?ボクら持ってないよ!?」

 

この問に答えたのは上条ではなく、今病室に入ってきた学ランにアロハを来た男だった

土御門「それなら大丈夫なんだにゃ〜。2人ともここ(学園都市)に住んでる時点で

    学校に通ってなくてもこの学園都市じゃ学生として判断されるんだぜよ」

意図的に言葉を区切る

 

すると今度は2人の担当医が入ってきた

冥土「この街は超能力のレベルに応じて奨学金が貰えてね。

   君らは開発を1度も受けていないからレベル0として判定されてるけど。」

 

土御門「2人とも病院に入院してて入院費は保険でカバーしても保険で余分が出ちまう。

    んでぇ、その余分とレベル0の奨学金が手付かずで口座に入ってたわけ!

    つまりは、カミやんが羨ましがるくらいにガッポリお金があるわけだにゃー!」

ポケットから2つの通帳を取り出しそれぞれに渡す

 

ケタは、・・・うん。ゼロがいっぱい。と2人して思考を放棄する

言い表すのなら一軒家が2つは建てられる程と言っておこう

 

上条「まぁ、口座探すのには知り合いの力を借りたけどな」

昨日、上条の奢りでスイーツ食べ放題に行った時の初春の笑顔を思い出す

 

上条「んで?他に質問は?」

 

ユウキ「え、えっと、ボクも姉ちゃんも服とか。」

 

黒子「それなら今日これから買いに行けばいいですわ」

テレポートでユウキの隣に現れる。藍子はガタタッと車椅子が揺れるほどに驚いた

 

上条「ってことだ。俺も土御門も今日は予定がないから荷物持ちは心配いらないぞ」

 

土御門「ま、あんまり重くならないことを祈りたいぜよ」

 

アハハッと病室内が笑いで溢れる

 

---------

 

第七学区病院前 午後6時

旅行先で必要な着替え(木綿季の試着中にカーテンが落ち、上条に白の下着を見られた)

日用品の補充、荷物を入れるバックなどを購入し病院に戻ると

空は既に少し暗かった。ちなみに藍子の車椅子は黒子が風紀委員の研修で習った

気遣いのおかげで揺れる事すら無かった。上条にコツを細かく教えていた

黒子「では、私はこれで失礼致しますわ。」

 

上条「手伝ってくれてありがとな。」

と、右手で黒子とハイタッチを交わす。

 

黒子「いえいえ、この程度。それでは門限がありますので」

と言って嬉しそうな顔をしながらテレポートで消える

 

土御門「んじゃあ俺も失礼するぜぃ。舞夏のカレーが待ってるにゃ〜」

 

上条「おう。サンキュー土御門。」

 

土御門「それじゃあにゃ〜カミやーん!」

 

上条「んじゃ、木綿季と藍子さんの荷物持ってくか。」

土御門の姿が見えなくなったのを確認すると2人の購入した荷物を持ち、

藍子の車椅子を押してゆく。黒子直伝の押し方故、揺れる事はまず無い

 

 

ユウキ「でも、驚いたよ。まさか知り合って数日後にその人の実家に行くなんて」

 

藍子「そうね。まるで付き合ってるカップルが親御さんに挨拶に行くみたいね」

木綿季に視線を送りながら言う

 

ユウキ「!!////」シュゥゥゥゥゥゥゥゥ//////

 

藍子「フフッ」

 

上条「それにしても、藍子さんはしっかり者だからともかく。

   ユウキは明後日寝坊すんなよ〜?」

バカにするように言う

 

ユウキ「な、寝坊なんかしないよ!ね?姉ちゃん!//」

 

藍子「木綿季は前日に眠れなくなって結局徹夜してバス内で寝ちゃうタイプだもの。

   寝坊なんて有り得ないですよ。

   それに寝坊しても当麻さんに起こして貰えばいいじゃないですか。」

 

ユウキ「!!////ダメダメダメッ!絶対にダメ!」

朝起きた瞬間に目の前に当麻の顔がある事を考え思わず赤面する

 

 

朝の病室のように3人で笑い合う

 

---------

 

月曜日 朝7時半 第七学区病院前

黒子「・・・どうなさったんですの?その顔」

彼女がこう聞くのは上条の顔に赤い足跡が着いてるからだ

 

上条「案の定蹴られましたよコンチクショウ」

 

冥土「まぁ、酷くないから大丈夫だよ。」

病院前まで木綿季と藍子を見送りに来た冥土帰しが言う

 

ユウキ「と、当麻がボクの寝起きの部屋に入ってくるのが悪いよ!////」

 

上条「・・・なんつー理不尽。」

 

藍子「まぁまぁ。せっかくの旅行なのに気落ちしてはダメですよ」

 

黒子「藍子さんの言う通りですの。それでは、駅に行きましょうか」

黒子がここにいるのも木綿季達を駅まで送っていくためだ

 

上条「だな。乗り遅れなんざお断りだ」

 

ユウキ「それじゃあ、しゅっぱぁぁつ!!」

 

 

数10分後

学園都市外 東京駅 新幹線ホーム

黒子「それでは、言ってらっしゃいですの」

風紀委員の当番の日のため、ホームから急いで出ていく

 

上条「さて、乗り込みm『おィ、上条!』」

 

一方「これ、持ってけ。」

と、畳まれた状態の車椅子を手渡す

 

上条「でも、車椅子あるぞ?」

 

一方「違ェよ。圧倒的にこっちの方が軽いンだ。

   あっちではお前の家でレンタカー借りンだろォ?だったら極力軽い方が

   速度出るぜ?ってこったァ。そっちの車椅子は俺の方から医者に渡しとくぜ。

   あと、こっちのは足元に物置けるようにタラップ付けといた。

   機能性もこっちが遥かに上だろォ。ちょっと我慢しろよ」

と、藍子の腕に触れると体が重力を物ともせずに持ち上がり一方通行の持ってきた

車椅子に乗る。さらに藍子の荷物も足元のタラップに乗る

 

一方「あと、これ。」

と、軽い工具系と3枚ほどの用紙を受け取る。

 

一方「そう簡単に壊れたりはしねェはずだが万が一があるからなァ。」

 

上条「え?もしかしてこの車椅子手作りなのか?」レベル5パネェ

 

一方「普通の車椅子じゃあ、段差でタイヤ傷んだりするからな。

   その点、俺が作ったンだ。安心感が違ェだろォ?」

 

上条「その、サンキューな。」

 

一方「なァに言ってンですかァ?ダチ助けンのは当たり前。

   そう言ったのはお前だろォが。」

少し、照れくさそうに頬をかきながら答えた

 

 

ドアが締まります。ご注意ください。

色んな人の手伝いの元の里帰りが今始まる




感想、質問問わず。俺にも作品にもお好きなだけどうぞ!


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里帰り一日目 神奈川駅到着

どうもみなさん。あけましておめでとうございます。魂魄木綿季です!

誠にお久しぶりですね。

今回はバイト中に携帯が壊れたためネタのデータも吹っ飛んで

投稿が遅れてしまいました。本当に申し訳ありません。

個人的には年明けに間に合わせる気では居たのですが( ̄▽ ̄;)

どうにも上手くいかないものですね。

 

 

それでは今年の投稿パターンですが。今までと変わりません。

ネタが思いついたら書いて、ネタが出なくなったら出るまでは投稿しない

という去年と全く変わらないスタイルで行かせてもらいます。

強いて言うならたまに「あ、コイツの更新されてる〜」くらいの

気軽な気持ちでどうぞです。投稿頻度は早くなる時期と遅い時期があるので

そのくらいの気持ちでお願いします。

 

 

しかし今年はいろいろ忙しいので遅めだと想います。

魔法科とバイオ、SAOの映画を見に行かなければですし(^^;)

それと、劇場版艦これ観てきました。俺は四週目だったので

瓶を開けるアレでした(名前忘れた)ステンレス製です。

 

感想は、一言で言うなら睦月可愛い。ですかね(✿´꒳`)

睦月大好き提督としては保護欲と父性を刺激されたのです。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

上条の実家のある神奈川県までは新幹線で行く。

駅に着いた後は刀夜の借りてきたレンタカーで

上条家に向かい今日はゆっくりする。

観光は明日からの予定だ。

今は暇を持て余した結果、3人でババ抜き中だ

上条「あのー。なんでさっきから俺ばっかりjokerが来るんでせうか!?」

 

木綿季「ボクとお姉ちゃんは1回もババ見てないのに。」

 

藍子「ある意味すごい運勢よね。」

ちなみに現在上条は8連続でビリである。

 

木綿季「ところでさ、当麻の父親さん達ってどんな人なの?」

 

上条「うーん。どんなって言われてもなぁ。普通だぞ?」

 

藍子「それでは困るのですが。そうだ!お仕事は何を?」

 

上条「親父は外国とか飛び回ってて母さんは主婦。」

 

木綿季「普通だね。」

藍子 「普通ですね」

 

上条「だろ?」

 

まもなく〜神奈川〜神奈川です。

 

上条「お、そろそろか。降りようぜ。」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

神奈川駅 駅前広場

上条「おっかしーな。父さんからここで待っててくれってメール来てんだけど。」

まさか誤送信。などとマイナス思考に入りかかる

 

藍子「まぁまぁ、もしかしたら道が混雑してるのかも知れませんし。」

 

木綿季「そうそう。明るく行こーよ。」

 

上条「お、おう。(だけど、もしかしたら場所が。)」

再び悪循環思考にハマるが

 

?「おっにいちゃーーん!!」

 

上条「どわぁ!?」

背中に突然衝撃が来たため前によろけ、そのまま倒れる。

 

?「元気にしてた?学園都市ってどうなの?あっちでも不幸。不幸って言ってるの?

  ダメだよ。不幸とかって言うと幸せが逃げちゃうんだから。

  明るく行こうよ!あ、刀夜さんが集合場所変更って言ってたよ!」

尚も倒れた上条背中の上でマシンガン式に質問と報告を述べる

 

上条「あの、色々言いたいけどとりあえず俺の背中から退けてくれ乙姫。」

 

乙姫「あぁ。そうだね。」

上条に乙姫と呼ばれた少女は素直に降りる

 

立ち上がるとまずは放心状態の2人の意識を現実に戻す。そして

上条「えっと、紹介するよ。コイツは竜神乙姫。俺の従姉妹だ。

   んで、こっちは『紺野木綿季』とその姉の『紺野藍子』さん。」

 

乙姫「紹介に預かりました!竜神乙姫です!お兄ちゃんとは従姉妹です!」

 

木綿季「え、えっとよろしくね。乙姫ちゃん...?」

 

藍子「えぇ。よろしく。乙姫さん。」

 

上条「まぁ、仲良くしてやってくれ。

   それにしても乙姫。こっちに来てたんだな。」

 

乙姫「よろしくお願いします!

   うん!詩菜さんが電話でお兄ちゃんが帰ってくるって

   言ってたから用事ほぼ吹っ飛ばしてこっちに来たんだ!

   それで?この人達はいつも通りお兄ちゃんが助けた人達?

   あ、さっきも言ったけどお父さん達はちょっと離れた所で待ってるよ。

   それと今日の晩ご飯は私も作るから感想聞かせてね!

   あとあと、質問だけど学園都市っt『ストップ!ストップ!』

 

上条「んな一気に聞かれても答えらんねえって。」

 

藍子「すごい速度で言葉を繋げてますね(^^;)

   (それと、木綿季は仲良くできそうにないわね)」

流石にこの速度はついていけないようだ。

 

木綿季「・・・」

 

乙姫「それじゃあ行こうよ!お兄ちゃん!」

自然な流れで上条と腕を組む。

 

上条「あ、あぁ。親父達のところまでの案内は任せるぞ。」

 

乙姫「任っかせてよ!...?」

ふと、なにかに気付き視線を当麻から変える

 

木綿季「」

視線の先には頬を膨らまし、不貞腐れたようにする木綿季。

 

乙姫「(あぁ。これは)」

またか。と思いもするが今は当麻と会えた事の方が嬉しいためそっちが優先だ。

・・・・・・ある程度カバーと応援はするが。

上条の服の裾を引っ張り、気づいた当麻に自分の頬と木綿季を指さす。

 

上条「ん?どうした乙ひm、....。」

乙姫のサインに気付き、木綿季の膨らんだ頬を人差し指でつっつく

1、2回付いた後に強めに再度つく。すると膨らんだ頬は潰れてゆく

 

木綿季「ふぁにふんろ!(なにするの!)」

 

上条「いや、膨れっ面なんかするとせっかくの可愛い顔が台無しだなと。」

 

木綿季「////」シュゥゥゥゥゥゥ

 

 

乙姫の案内で3人(藍子の車椅子は当麻が押している)移動をするとすこし離れた

スーパーマーケットの駐車場に到着した。

刀夜『おぉ!当麻!母さん、当麻だぞ!』

一行がスーパーに着くと、出入り口からパンパンになった袋を両手に持った

男性が袋ごと手を上げる。後ろの女性にも声をかける

 

詩菜『あらあら、当麻さん!』

すると当麻の名前を呼びながら片手を上げる

 

木綿季「あの人たちが当麻のお父さんとお母さん?」

目を丸くしながら刀夜と詩菜を交互に見る

 

藍子「・・・失礼でしょうけど。年の差いくつですか?」

藍子も同様だ。

 

すると当麻と乙姫が頬をかき。

上条「あぁ〜。実はほぼ同い歳です」

乙姫「あぁ〜。実はほぼ同い歳です」

 

木綿季「うそでしょ?」

藍子 「うそですよね?」

 

乙姫「これが本当なんだな〜。」( ̄▽ ̄;)

上条「あ、年齢の基準は親父ね」('ω')



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里帰り〜上条宅での一幕

どうも魂魄木綿季です!
ココ最近はpixivでの投稿も百合小説率が高くて
魔法科シリーズ等を
全然更新出来ていない事に気付きました。
本当に申し訳ない。今回はトウユウの続きとなります!
魔法科シリーズも完成しだい続々と投稿するので
気長にお待ちくださいませm(_ _)m
今の所8割ある内2割くらい作った所です。


そして今更ながらキャラ紹介をします。

『上条当麻』

右手にあらゆる能力と幸運や神の加護を打ち消してしまう

[幻想殺し(イマジンブレイカー)]という能力を持っている

だが学園都市の技術では判断されず残念なことにLEVEL0である

そのため毎月LEVEL0の少ない奨学金で生活している。

学園都市内でもっとも平凡とも呼ばれる「とある高校」に

1ヶ月後に土御門元春と共に入学予定。

 

一方通行や土御門元春、白井黒子と初春飾利などの面々と

既に知り合っており、一方通行と土御門元春は親友(腐れ縁)

白井黒子と初春飾利はジャッジメントとしてお世話になっている

最近はネット関連の調べ物は初春に『なんか奢るから』と調べて(職権乱用)貰っている

ちなみに奢っている最中にフラグを立て掛け、初春の親友(T督)から

殺気を何度か送られたことがある。

 

 

『紺野木綿季』

学園都市外の医療機関からAIDSの患者として搬送されてきた。

現在親は両方とも少し前に他界しており、姉である藍子のみが唯一の肉親。

普段は元気いっぱいで走り回ったりはしゃいだりするがまだリハビリを受けた程度のため

スポーツなどはまだ不可能である。

治療目的で学園都市に来たため能力開発は受けていない。

それによりLEVEL0して判断されている。

しかしずっと入院していたので奨学金は入院時の保険分も

含めると恐ろしい額になるらしい

年齢上はあと1ヶ月で中学3年生になる。

病院の食事中心のためまだ発達していないとかなんとか。

 

※この小説では藍子との関係は姉妹であり、双子ではありません

 

 

『紺野藍子』

木綿季と同じく学園都市外の医療機関から搬送されてきた。

木綿季よりも少しばかり症状が重く、リハビリが遅れ現在も車椅子に乗って生活している。

それでも『冥土帰し』曰く、

「4月には余裕で歩けるし走れる」とまで言われるほど

身体もリハビリなどで回復している。

本人曰く、「木綿季が元気すぎて私まで元気になっちゃう」とのこと。

木綿季と同じく治療目的での学園都市入りのため

能力開発は受けておらず、木綿季共々LEVEL0判定されている。

あと1ヶ月で高校2年生になる。

編入試験は入院中に受けており、高得点で入学したらしい。

ちなみに普段の食事が木綿季とほぼ同じ病院のご飯のはずなのだが

出るとこ出て引っ込むところが引っ込んでいる。

そのうえ身長もそれなりのためモデル顔負けのスタイルを持っている

 

 

とりあえずはこの3人だけ書いておきます。

ほかのキャラは書ける時にって事で。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

変な夢を見た。

家族がお姉ちゃん以外居なくなったボクに

新しく家族が出来る夢だ。

 

ー妹流!フライングボディープレス!ーーゴァッ不幸だ。ー

 

夢の中にいた人達はすっごく優しそうで

1人は黒髪のツンツン頭の人。ボクの大好きな。

 

ー木綿季さんにもフライングボディ...ーーやめなさいーーアウッー

 

ーお兄ちゃんってば。冗談だってーーお前が言うと冗談に聞こえねぇー

 

『木綿季さん。起きてください。朝ですよー!』

 

「んぁっ?」

体を揺さぶられる感覚に起こされた。

起こしてくれたのはどうやら乙姫ちゃんらしい。

 

乙姫「あ、おはようございます!昨日はよく眠れましたか?

   お兄ちゃん横で寝てたしセクハラされたりしてません?

   ハッまさか木綿季さんからお兄ちゃんに!?

   こうなると私の立場が危うい!

   あ、そうだ。朝ごはんの時間なので起こしに来ました。」

 

木綿季「う、うん。起こしてくれてありがとう。

    それとほとんどの質問の答えはNOだからね?」

 

乙姫「良かったです。でもそれって今日の夜は分からないって意味なんじゃ。

   いやでもお兄ちゃんの好み的には、でも木綿季さん可愛いし。アイタッ!」

表情が一瞬一瞬細かく変わる。すると乙姫の脳天にチョップが叩き込まれる

 

上条「馬鹿なこと言ってないで。母さんの手伝いしてこいよ。」

朝から不幸だ。と付けたす

 

乙姫「う〜痛いよお兄ちゃん。ハッこれはもしかしてお兄ちゃんが私に触れる

   手段としての行動なのでは!?なら私にもまだ望みg...イタァイ!」

自分の思考回路にハマった乙姫に本日2度目の脳天チョップが炸裂した

 

上条「ほれ、早く手伝いに行けよ。」

乙姫の背中を押して自分の部屋から押し出す

 

上条「悪いな。朝から騒がしい従兄妹で。」

 

木綿季「ううん。気にしてないよ。でも、当麻//」

 

上条「うん?」

 

木綿季「当麻が部屋から出てくれないと、ボク着替えられないんだけど////」

赤くなった顔を鼻まで布団の裾で隠しながら言う

 

上条「あ、わ、悪い!」

自分はさっきの乙姫と木綿季とのやりとりの間に着替えたが木綿季は

まだパジャマである事をすっかり忘れていた。

そのため、そそくさと部屋を後にする。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

木綿季「おはようございます。」

眠たい目を擦りながら上条家のリビングに行くと自分以外の全員が席に付いていた

 

詩菜「おはようございます。木綿季さん」

 

刀夜「おはよう。木綿季さん。」

 

藍子「おはよう。木綿季」

 

木綿季「あ、もしかして待たせました?」

 

詩菜「いいえ。気にしないでください。

   当麻さんなんて乙姫ちゃんに起こされでもしないとお昼まで寝てる気だったんですから」

詩菜が視線を送ると上条の肩が震える。

 

刀夜「それに今ここにいる間は木綿季さん達は俺達の家族も同然だ。

   家族に気を使って過ごしたりはしないでしょう?

   同じ対応でいいんですよ。」

 

藍子「私も昨日同じ事を言われたの。木綿季、いつもの貴女でいいのよ。」

 

木綿季「うん。ありがとう!」

 

当麻「んじゃ食うか。乙姫」

 

乙姫「はーい!いっただっきまーす!」

 

 

木綿季「詩菜さん!この野菜シャキシャキで凄く美味しいです!」

 

詩菜「あらあらぁ。」

 

上条「母さんの料理はやっぱ美味いんだよなぁ」

感想を述べると服の袖をクイクイッと引っ張られた

 

乙姫「お兄ちゃん。私の作った目玉焼きは?」

なんとも自身のなさそうな顔だ。

 

上条「確かに形は悪いし黄身も破れてる。」

上条は食べてきた料理への愛着ゆえウソはつかない

 

乙姫「じゃ、じゃあ」

不安が酷くなりとうとう俯く。

 

すると乙姫の頭を撫でながら

上条「でもな、美味いよ。一生懸命作った気持ちは感じる。

   昨日のと同じだよ。乙姫のは愛情が入ってるから外見なんか当てにならないさ。」

 

乙姫「うん!もっともっとがんばるね!」

 

上条「おう!」

 

藍子「(やっぱりこの娘も。確かに従妹なら可能だものね)」

 

上条「ん?どうしたんだ?」

 

藍子「いえ、そういえば当麻君は高校に入るんですよね?」

 

上条「あぁ。そうだぜ。」

 

藍子「私も高校に通うんです。」

 

上条「へぇ〜。それじゃあ同い年なのか。」

とそこまで言うとその場の空気が止まった。

 

上条「え?」

 

刀夜「お、おい当麻。まさかお前」

 

詩菜「気付いてないのですか?」

 

乙姫「え?私でも分かったのに?」

 

上条「え?え?」

 

すると藍子が優しく笑った後、

藍子「私は『高校2年に編入』するんです。」

イタズラが成功した子供のように笑う

 

上条「す、すいませんでしたァァァァ!年上に向けての敬語を使わずに。」

 

藍子「いえいえ。いいんですよ。これからも今まで通り接してくれれば。」

 

上条「わ、分かった。ん?木綿季?」

 

木綿季「・・・なに?」

 

上条「どうした?機嫌悪そうだな。」

 

木綿季「べつに。」

 

刀夜詩菜乙姫藍子「(朴念仁。)」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

上条の部屋(木綿季の寝床)

木綿季「・・・」

現在木綿季は押し入れの中から発見したアルバムを見ていた

 

不意に部屋の扉が開き

上条「木綿季〜」

 

木綿季「うひゃあぁ!!」

手に持っていたアルバムを思い放る

 

上条「危ねぇ!」

 

ドンッ。バサバサー

 

木綿季「・・・?。」

アルバムが当たる感触がせず不思議になり目を開ける

 

上条「いっつつ。」

目の前にあるのは当麻の顔

 

木綿季「うひゃい!?ととととととと当麻!?////」

 

上条「おう。悪ぃ。アルバムが落ちてきてたからさ。

   俺の背中で受け止めるくらいしか...て、どうした?」

 

木綿季「ああああのね!ボボボク達はまだ学生だからそういう事をするのは流石にね!?////

    い、いやボクはいんだけど今は壁一枚先に乙姫ちゃんとかお姉ちゃんもいるわけで///////」

そう。現在の2人の体制は、

『傍から見たら上条が木綿季を押し倒した。』

 

上条「ストップ!どうしたんだよ?」

 

木綿季「どどどどうしたもこうしたも////」

 

藍子「木綿季。詩菜さんと買い、物。行くわ、よ・・・・・・(ニッコリ)」

あらぁ〜そこまで進んでたのね//。と言いながらドアを閉めて行ってしまった

 

上条木綿季「・・・」

両者沈黙

 

 

この後上条が裁判(一方的な)にかけられたのは言うまでもない。

上条「母さんの笑顔が一番怖かった。」

ちなみに刀夜は「当麻、時と場所を考えろ。ムードを意識しろ」等と小声で

当麻に言ったのがバレて詩菜に怒られた。



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学園都市への帰省と『家族』

上条家にお邪魔して数日。明日のお昼すぎの電車に乗り学園都市に戻るため

細かな荷物を乙姫ちゃんの手伝いの元一緒に整理する。

一段落がついた頃に充電していたデジカメが充電完了を知らせた

乙姫「木綿季さん。これはどうしま...何してるんですか?」

 

木綿季「あぁ。乙姫ちゃん。今回の旅行で撮った写真をね。」

画面を切り替え色んな写真が表示される

2日目に行った七沢森林公園でのキャンプの様子。

何故か自分にだけ突風が吹いて火花が飛びまくりパニックになってる当麻と

急いで水を持っていってる乙姫ちゃん。

驚いた顔をしているお姉ちゃん。そんな様子を優しく見守ってる詩菜さん達

次の写真はその日の夕方の当麻と乙姫ちゃんが並んで寝てる写真だ。

当麻の腕枕で寝てる乙姫ちゃんにジェラシー感じなくもないけど絵になる光景だ

3日目に行った野毛山動物園で馬に鼻息をかけられてる当麻。

4日目に行った新江ノ島水族館。イルカのジャンプで水を被った当麻。

他にはクラゲとかペンギンとかの写真

次は今日当麻の家でやった焼肉会の写真だ。

久しぶりに美味い肉を食った。って当麻がマジ泣きしていた

木綿季「こうして見ると結構色んなところ回ったんだね。」

 

乙姫「そうですね。特に水族館とか楽しかったです。」

 

木綿季「そう言えば乙姫ちゃんは当麻にぬいぐるみ買ってもらってたよね?」

 

乙姫「そうですね。

   お兄ちゃんが水被るか被らないかで賭けて私が被る方を選んだので景品に

   そうだ。木綿季さん。次の写真見せてくださいよ」

と乙姫がデジカメの操作をして写真を切り替える

 

木綿季「あ、ちょっと待t...」

慌てて止めようとするが時すでに遅し。

表示されたのは上条の寝ている寝顔の写真

 

乙姫「...」

 

木綿季「...///」

 

乙姫「木綿季さんってストーカーの才n...」

 

木綿季「やめて!言わないで!////」

穴があったら入りたいレベルだった。

 

藍子「どうしたの?騒がしいけど」

と若干微笑みながらお姉ちゃんが入ってくる。けど次の瞬間

 

藍子「あらぁ〜」

とすっごくいい笑顔になった。あ、これはマズイ

 

 

結局その後はお姉ちゃんと乙姫ちゃんの2人に弄り倒され

当麻が話があるとの事でボク達を呼びに来るまでボクはオモチャにされた

 

 

・・・・・・・・・

 

 

話があるとの事でボク達3人と当麻が席に座ると刀夜さんが驚くべき事を言った

刀夜「木綿季さん。唐突なんだが私達の家族にならないかい?」

 

木綿季「え?」

 

詩菜「正確には養子という形になるのだけれど。

   貴女が『なりたい』と言ってくれれば私達夫婦と当麻、もちろん乙姫ちゃんも

   満場一致で貴女を受け入れるわ。もちろん藍子さんの事も」

その場にいる全員がうなづく

 

木綿季「あ、う。ぇ」

頭の中で情報の整理が追いつかない

 

詩菜「突然ごめんなさいね。

   でも私達は真面目よ。養子という形で私達の家族になってくれませんか?」

 

当麻「細かくいうと俺の義妹。藍子さんは俺の義姉って事になるんだけど」

義姉、という単語に慣れていないのは藍子の年齢を聞いたのが最近だからだろう

 

木綿季「えっと、あの」

ふいに藍子の方に視線を逸らすが

 

藍子「ごめんね、木綿季

   私は1日目の夜に聞いていたの。」

とイタズラの成功した子供のように舌を出す。

 

木綿季「え?じゃあ、」

と乙姫にも視線を逸らすが

 

気まずそうに頬を書きながら、

乙姫「すいません。私も知ってました

   木綿季さんたちが来た日の夜にお兄ちゃん達が話してるのを聞いてしまって」

 

当麻「俺も乙姫の寝付きが悪いのを完全にド忘れしてたよ。」

はぁ。と頭をガジガジとかく

 

刀夜「藍子さんは『木綿季がOKを出したら私も』との事でした。

   『これからのあの娘の生活はあの娘に決めさせるの』ってね。」

 

木綿季「・・・その、ボクは。」

躊躇ってる理由は分る。今この人達の家族になると

お父さんやお母さんとの繋がりが切れちゃう気がするからだ

 

藍子「木綿季あなたの考えてる事は分かるわ。でもね?

   大丈夫よ。私達が忘れない限り家族の縁は切れないわ。」

 

木綿季「ボク。ボクは」

 

上条「木綿季、お前は多分。

   親御さんを差し置いて自分が幸せになっていいのかって思ってるんだろうけど」

詩菜に視線を繋ぐ

 

詩菜「木綿季さん。貴女と藍子さんは既にいっぱい苦しんだわ。

   重い病との闘病。家族の死。とっても苦しんだじゃない。」

 

刀夜「当麻はその手の苦しんでる人は放って置けないタチでね

   木綿季さん達が来た日の夜に相談を受けてたんだ。

   私と妻も人の子。息子が助けたいと言ってる人達を見捨てようとは思わない。」

 

上条「普段から不幸不幸って言ってる俺が言うのもなんだけどよ。

   苦しんだからにはそれ以上の幸せを得たっておかしくないんじゃないか?」

 

乙姫「私には難しい事は分からないですけど。

   幸せになるのに対価は要らないと思いますよ。」

 

藍子「と、言うことらしいわ。

   私も最初はお断りしてたんだけど負けちゃった。」

ペロっと舌を出す。その姿はとても楽しそうだ

 

木綿季「ボクが、幸せに。」

 

上条「木綿季、お前の親御さんも言ってたんだろ?

   『どうか娘達だけでも助けて』。多分その助けってさ。

   病気からの助けじゃねんだ。

   不幸な人生から一変、幸せな毎日を与えたかったんじゃねぇか?

   自分の子供のありふれた幸せな日々を願ったんじゃねぇかな。」

 

木綿季「当麻...」

 

 

・・・・・・・・・

 

 

数日後 学園都市 上条の部屋前

?「そーなのか。それじゃあ木綿季は上条当麻を追っかけて家族になったのか。」

この学園都市製掃除ロボットの上に乗るメイドさんはボクの親友。『土御門舞夏』

当麻のお隣さんでボクを助けてくれた『土御門元春』さんの義妹さんらしい

 

木綿季「ちょっと!色々誤解があるよね!?

    それじゃあボクがストーカーみたいじゃないか!」

 

舞夏「だってそうだろー?」

 

木綿季「ちちち違うよ!ボクは、その。//」

 

舞夏「ほほぅ。」

あ、悪い顔になった。ボクがそう思った直後に少しずつ

舞夏が近付いてくる

 

舞夏「なるほど。動機はラブなのだなぁ」

ニッコリと笑う

 

木綿季「・・・///」

 

舞夏「ただなぁ。上条当麻争奪戦は大変だぞー?」

舞夏が学生寮の入口を指さす

 

チョットマチナサイッテ!!

イヤ、マッタラビリビリニビリビリサレテオレガビリビリスルダロウガ!

ワタシノナマエハビリビリジャナイッテイッテルデショウガ!(放電

ギャー!!フコウダー!!

 

 

・・・・・・・・・

 

 

数日後 第七学区 上条の部屋

木綿季の荷物も病院から移動し、木綿季とは義兄妹としての生活を初めてから1週間

現在は自宅で日曜大工(笑)に励んでいる

上条「〜♪・・・??????」

上条は木綿季と共に組立式二段ベッドの説明書と格闘をしていた

 

木綿季「当麻。それ多分このパーツじゃない?」

といって小さな金具を手渡す

 

上条「そうそうこれこれ。」

受け取ったパーツと組み合わせやっと二段ベッドが完成した。

所要時間、計1時間と5分42秒。

 

上条「いやぁー途中で上条さんの不幸スキルが発動して

   骨組み用のパーツが足に落ちてきたり組み立て順間違えて1からリスタートしたり

   大変でしたねぇ。もうぜってぇこんなの作らねぇ。」

最後の一言は個人的な私怨全開だ。

 

木綿季「ボクには『任せろ!10分で作ってやる!』って言ってたのにね〜」

となりの木綿季も上条と似たような雰囲気だ

地味に上条を睨んでいる

 

上条「あの〜。頼むんで傷口を抉らないでくださいませ。

   ていうか、ネットには所要時間10分って書いてあったんだ!俺は悪くない!」

 

木綿季「所要時間10分って言っても最初の15分は勘で組み始めたんだから

    当麻にも充分に原因があると思う。」

 

上条「そのへんに関しては本当に申し開きのしようがないな。

   ともあれ取り敢えずこれで木綿季の寝床は準備できたな。」

 

木綿季「ボクは別に床でも良かったんだよ?敷布団敷いて」

 

上条「だってまぁ、作るのはともかくとして

   届くだけならa○azonに頼んでヤ〇ト運輸に配送してもらうだけだったからな。

   あとは組み立てるだけだったわけだし。」

 

木綿季「当麻。ヤ〇ト運輸も大変なんだよ?最近はa○azonが増えて来て

    配達が回らないってニュースでやってるし。」

 

上条「だな。今度からは店舗受け取りにするべきだな。」

 

木綿季「そういえばどっちが上で寝る?」

 

上条「俺は出来れば下がいいです。」

 

木綿季「確かに、不幸スキルが発動して落ちてくる当麻が想像できるよ」

アハハと呑気に笑うが上条からすればたまったもんじゃない

 

 

上条の部屋 お昼頃

キッチンからは鼻をくすぐる美味しそうなチャーハンの匂いと上条の鼻歌が聞こえる

 

木綿季「お姉ちゃんもう寮の前だってさ。」

パタン、と上条と同じ黒色の携帯電話(ガラパゴス)を閉じる

木綿季が言い終えるとそれを見計らったかのようにチャイムが鳴った

 

ピンポーンッ

 

木綿季「多分お姉ちゃんだ。」

 

上条「んじゃ悪いが出てくれないか?俺は離れられないから」

上条の頼みを二つ返事でOKして木綿季はドアまで行く

 

藍子「こんにちわ、木綿季」

ドアを開けた先に居た優しく微笑んだ女性は今ではすっかり歩けるくらいに

回復した紺野藍子だった。

 

木綿季「こんにちわ、お姉ちゃん!」

 

藍子「こんにちわ木綿季。

   その感じだと、当麻さんとの義兄妹(新婚)生活は楽しいみたいね」

少しばかり茶化しつつ手に持ったお菓子を木綿季に渡す。

 

木綿季「////」

 

上条「よ!藍子。ちょうど昼飯が出来たんだ上がってくれよ。」

 

藍子「それじゃあお邪魔しますね。」

 

 

食後のひと時

上条「へぇ。それじゃあもう明後日には退院なのか。」

 

藍子「えぇ。あのお医者さんには『こんなに早く退院出来るとは思わなかったよ』って

   言われたんですよ。それもみんなこの子が毎日面会に来てくれたからですけど」

隣に座る木綿季の頭を撫でる

 

上条「そういえば家はどうするんだ?」

今までは病院だったからよかったけど。と繋ぐ

 

藍子「それなら黒ちゃんのお陰でなんとかなりました」

 

上条「く、黒ちゃん?」

 

木綿季「お姉ちゃんのつけた黒子のあだ名だよ。

    まぁ黒子も気に入ってるみたいだしいいんじゃないかな。」

初めて藍子にそう呼ばれた際の幸せそうな黒子の顔を浮かべる

 

藍子「黒ちゃんの風紀委員の先輩が住んでる部屋に空き部屋があるらしくて

   そこにルームシェアという形で住まわせて貰えることになったんです。

   実は編入先もその人の学校で学年も同じなんですよ?」

 

上条「あぁ。なるほどなそれは良かったじゃねぇか。」

 

藍子「私はいい物件知りませんか?って聞いただけだったんですけどね。

   たった2日で先輩の許可と学校からの住居変更の書類まで持ってきてくれて」

 

木綿季「黒子って優しいんだね。」

 

上条「アイツは基本面倒見がいいからな。」

 

木綿季「何だかんだでボクの編入先も柵川中学校だから黒子から初春に話通してくれて

    登校初日に友達作りからスタートはしなくてすみそうだよ」

 

上条「木綿季はいいじゃねぇか。俺なんか土御門や一方通行と登校すんだぜ?

   ぜってー浮くに決まってる」

はぁ。と項垂れるがその顔は満更でもなさそうである。

すると何かを思い出したかのように顔を上げる

 

上条「そういや2人は【身体検査】、システムスキャンはどうなるんだ?

   確か2人とも入院してたから受けてねえだろ?」

 

藍子「私達姉妹は編入試験時に受けているんですよ」

 

上条「あ、そうなの?」

 

木綿季「うん。ボクはレベル4でお姉ちゃんはレベル3みたい。

    ちなみにボクら2人とも力学系らしいから一方通行の所で力の使い方を

    細かく教えてもらうんだ。」

 

上条「へぇ。つか、妹に能力レベル負けてる兄貴とは...不幸だ」

 

 

そんな会話を交わすうちに夕方になり、藍子を病院まで送り届け2人は帰路に着いた

 

 

・・・・・・・・・

 

 

おまけ 『同居生活、初めての夜』

 

これは木綿季が退院、上条の部屋に移り住んだ日の事

当麻「それでだ。木綿季」

いつになく真面目な顔で木綿季を見る

 

木綿季「なに?//」

 

当麻「木綿季は俺のこの部屋に住むのがお前の意見と土御門達の手伝いの元認められた。

   それはいい。だがここで問題が出てくる。」

 

木綿季「問題??」

上条の言う問題が特に思いつかないため返すが

 

当麻「あぁ。それは、【風呂の時間】と【洗濯】だ」

 

木綿季「ッ!!////」

そう。木綿季も上条も年頃、風呂はどちらが前後に入るか考えなければだし

洗濯も自分と当麻の服。主に下着などを洗う際に問題が発生する

 

当麻「今までは俺1人だったから良かったが。これからはそうはいかない。」

 

木綿季「・・・いいよ。」

勇気を出して消え入りそうな声で伝える

 

当麻「ん?なんだって?」

 

木綿季「だから!ボクは洗濯一緒でもいいよ!//////」

半ばヤケクソ気味に大声で宣言する

 

当麻「!・・・わかった。」

とても重く感謝した声で応える

 

木綿季「その、意識しないようにするから。////」

 

当麻「・・・え?意識?」

 

木綿季「え?//」

 

当麻「もしかしてお前も水道代の事を気にしてくれてたのか!?」

上条の目が十字の星になった

 

木綿季「水道、代?」

 

上条「そうだ!いくら地球が水の星と言えど水には限りがあり、

   さらには料金が発生する。俺1人だったから今までは俺の少ない奨学金でも

   綱渡りしながらカバー出来ていたが今後は木綿季の分も入る。

   まして女の子は風呂でのシャワーが長いと聞く。つまりは水道代が跳ね上がる」

やっと口を止めて木綿季を見るが目の前の木綿季はフルフルと震えている

 

木綿季「と、」

 

上条「と?」

 

木綿季「当麻のバカー!」

手元にあったおしぼりを上条の顔面に投げつける

 

上条「痛ってぇぇぇぇ!!??」

この距離だ。まず避けれなしない

 

木綿季「当麻のバカ!!とーへんぼく!!

    ボクお風呂入るから!覗かないでね!!??」

完全に怒りながら着替えと寝間着を取り風呂場へ入っていった。

 

当の本人といえば

当麻「・・・え。俺なにかしたか?」

この調子である。ちなみにこの後、

木綿季の入った後の風呂と洗濯カゴに服を入れる際に少し戸惑ったのは言うまでもない

 

 

ちなみにその日の流れで

風呂は先に木綿季、後に上条で洗濯は同時。

家事は基本的に日替わりの分担となった

あと、上条の要望で呼び方が『当麻』から『お兄ちゃん』呼になった。

「遊び半分で呼び方を頼んだんだが。予想以上に耐え難いものがある。」との事

翌日、木綿季にお兄ちゃん呼びさせた事で上条が土御門に弄られたとかなんとか



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本編開始 夏休み前日~
7月19日 超電磁砲side


数ヶ月後 7月19日 朝

木綿季「あー暑いよ〜」

このままじゃボク溶けちゃうよ〜。と木綿季

 

上条「夏なんだからしょうがねぇだろ。なによりもこの部屋だけエアコンが

   暑さに負けたんだからよ〜」

そう、この7月後半の時期に見事上条の部屋のエアコンは故障

窓を開けて風を通す以外には暑さを紛らわす方法が無かった

さらに現在、木綿季は窓際に座っているが上条は絶賛料理中である

 

木綿季「うに〜。うん?」

携帯に着信があり確認。そこには『白井黒子』の表示だった

 

上条「どした?」

 

木綿季「黒子から電話みたい〜。はいもしもし木綿季です

    うん。それでそれで?うん、放課後の予定は空いてるからボクも行くよ。」

 

上条「なんだって?」

 

木綿季「放課後に学校付近のジェラート屋さんに行かないかってさ。」

 

上条「へー。あれ?俺は誘われてないの?え、ハブ?」

 

木綿季「だってお兄ちゃん昨日小萌先生から

    『上条ちゃんはバカなので明日の放課後は居残り補修でーす』

    って昨日の夜に電話貰ってたじゃん。」

 

上条「・・・。」

 

木綿季「まぁ家の中にいるよりは学校の方が涼しいんじゃない?

    あと多分そのまま夜ご飯も食べてくるからボクの分はいらないね。」

 

上条「分かったよ。っとほれ、朝飯だ。

   これ食って夏休み前の今日一日耐えきろうぜ。」

 

木綿季「わーい。いっただっきまーす。」

 

上条「無視かよ。」

 

 

数十分後

木綿季「でもボクがいないからって手抜き料理食べちゃダメだよ?

    お兄ちゃんの手抜き料理は栄養バランスが取れてないんだから。」

 

上条「分かってるよ。いざとなればファミレスにでも行くさ。」

そんな会話を繰り返しながら歩くいつもの登下校路が木綿季は好きだった

 

木綿季「それじゃあボクこっちだから。」

 

上条「おう。気を付けてな。」

 

木綿季「お兄ちゃんに言われたらおしまいだよ。」

 

上条「それが兄貴へのセリフかよ。」

 

木綿季「本当のことだろう!(カミ〇ユ風)」

 

上条「著作権的に危うい上に似てねぇ!」

俺のツッコミも無視して木綿季は学校、柵川中学校の方へ学生鞄を持って走っていく

 

 

・・・・・・・・・

 

 

放課後 木綿季Side 柵川中学校門前

初春「それでですね木綿季さん。今日行くジェラート屋さんはかなり有名なんですよ

   確か最近の人気店ランキングでもかなり高ランクみたいで。」

 

木綿季「へー。でもそれって並んだり高かったりするんじゃないの?

    それだけ有名なら今日行った時も売り切れてたりするんじゃない?」

 

初春「そこは大丈夫ですよ。

   私の友達が優先チケットを5人分用意してくれましたから」

どうやらこの待ち時間はその友達待ちだったようだ

 

木綿季「へぇ。それなら安心かn『うーいーはーるん!』」

 

元気な声とともに初春の制服の一部が裏返る。紺色の、スカートが...

初春「・・・へ?〜〜〜!!」

 

?「うんうん。今日は朝から変わらない青のストライプか。」

 

初春「〜〜////!!!!」

初春の声にならない悲鳴が校門前で響いた。

せめてボクの方を向いて叫ぶのはやめて欲しかった。耳が痛い

 

 

あの後、初春が立ち直ったのを確認してから

ボク達3人は軽い自己紹介を含みながらジェラート屋の方へ向かった

初春「えっと木綿季さん、こちら私のクラスメイト兼友人の【佐天涙子】さんです」

 

佐天「どうも!佐天涙子です!以後よろしくお願いします!」

 

初春「佐天さん、こちらはこの間話した編入生の【紺野木綿季】さんです。」

 

木綿季「よろしくね。佐天、でいいかな。ボクの事も好きに呼んでね」

 

佐天「了解しました!それじゃあ木綿季さんって呼びますね!

   それで、木綿季さんは趣味とかありますか?」

 

木綿季「趣味か。剣道は部活の一環だし素振りもその延長線だし

    強いて言うなら家族に振る舞えるよう料理の勉強かな」

 

佐天「へぇ。家族ってお姉さんとかですか?」

 

木綿季「一応お姉ちゃんも居るけどどちらかと言うと兄かな//」

上条の事を考え頬が熱くなる。それを隠すためにそっぽを向いた

 

しかし佐天はそれを見逃さなかった

佐天「ほほぅ。さては木綿季さん、お兄ちゃんっ子ですなぁ!?」

 

木綿季「ちち、違うよ!そんな人をブラコンみたいに言わないで!//」

 

初春「木綿季さん、いい加減諦めましょうよ。

   何時も『今日もお兄ちゃんが〜』って聞いて辟易しt「わー!わー!////」」

 

佐天「木綿季さん顔真っ赤ですよ。」

 

木綿季「うぅ〜////初春のバカ。」

 

初春「日頃の惚気話のお返しですよ。この間なんて「もうやめて!////」」

木綿季の必死の抵抗に対し、一瞬怪しく初春が笑ったのを佐天は見逃さなかった

 

 

・・・・・・・・・

 

 

ジェラート屋の付近に着いたが黒子ともう1人が来ていなかった為

自己紹介兼情報交換を続けていた

佐天「というか初春〜そろそろ敬語外しなよ。もう出会ってから3ヶ月だよ?

   木綿季さんもやめて欲しいって思ってるんじゃない?」

 

初春「そ、それは分かっているんですけど。

   というか佐天さんが気楽なだけじゃないんですか?

   それに木綿季さんに敬語は当然ですし。」

 

佐天「え?なんで木綿季さんに敬語が当然なの?」

と、初春と木綿季の顔を見る

 

初春「えぇっと。」

気まずそうに顔を逸らす

 

木綿季「ごめん。ボク3年生なんだよ。」

 

佐天「・・・すっすんませんでした!年上に対してタメとか使っちゃって!」

これまた見事に綺麗な土下座をしてみせる

 

木綿季「あ、その。気にしないでよ!ボクも気にしてないから!」

周りの目が『え、なにあれ?』という視線が辛い。

このままだと確実に知り合い(風紀委員の)にエンカウントする。

と、その時携帯がメールの着信を告げた

 

――――

From.黒子

『待ち合わせ場所付近で不審者が出たと

 聞いたのですが心当たりがあったりしますの?』

――――

 

あ、これはやばい。と思った時には手遅れだった。

黒子「まさか、件の不審者が木綿季さんだったとは...」

妙に悟ったような表情の黒子が後ろにたっていた、携帯で『11』まで

プッシュした体制でだ。

 

 

30分後

なんとか誤解を解いたボク達は佐天の手に入れた優先権で

ジェラートを購入した。ボクはグレープ味だ

黒子「と、紹介が遅れました木綿季さん。こちら私と同じ常盤台中学校に属する

   学園都市のLEVEL5第3位の【御坂美琴】さんですの」

と、黒子が連れてきた常盤台の制服を着た女生徒を紹介してくれた

 

美琴「ありがとう黒子。私は御坂美琴よ。

   これからよろしく。」

と、手を出して握手を求めてくる

 

木綿季「えっと、柵川中学校所属の紺野木綿季です。

    よろしくお願いします。あ、あと一応3年生です。」

ボクも握り返す。と触った瞬間に『ビリッ』ってしたけど『電撃使い』かな

それとボクが3年生って言った瞬間佐天さんがビクッとした。

・・・なんだかごめんね、佐天さん

 

美琴「えぇ。よろしく紺野さん。」

 

木綿季「えっと、年上だからって敬語じゃなくてもいいよ。

    ボクは気にしないタイプだし。それと紺野さんはやめてくれない?

    風紀委員にお姉ちゃんが居るから紛らわしいしね」

 

美琴「分かった。それじゃあ木綿季って呼ぶわ。」

ニッと笑う姿は彼女らしいという印象を与えてきた。

 

木綿季「それじゃあボクは美琴って呼ぶよ。

    お姉ちゃんは御坂さんって呼ぶだろうから区別として。よろしく美琴」

 

美琴「えぇ、よろしく木綿季。と少し聞きたいんだけど、

   私とどこかで会ったことある?なんだか初めてあった気がしないんだけど

   なんというか、その。雰囲気が知ってるやつに似てるのよね。」

 

木綿季「知ってる人か、それなら多分おn『ドォォォォンッ!!』!」

 

美琴「なに!?」

ボクと美琴が爆発音の音源に目を向けたのは同じタイミングだった

 

 

・・・・・・・・・

 

 

ジリリリリイッ!という火災報知器の音とともに

道路を挟んだ向かい側の銀行の割れたシャッターから覆面をした男が3人

飛び出してきた。

男1「オラッ!早くずらかるぞ!!」

 

男2「分かってるって!」

 

男3「車をとってくるぞ!」

最後の男がどこかへ走り去ると彼らは背負っていた袋を担ぎ直す。

話の流れと雰囲気からして彼ら3人は銀行強盗だろう

 

黒子「佐天さん。これ、持っててくださる?」

食べかけのジェラートを佐天さんに預けて

黒子はボク達の目の前から消えた。ボクの横では佐天さんが

ギョッとしてるがボクや初春からすれば見慣れた光景だ

 

『風紀委員(ジャッジメント)ですの!』

いつの間にか腕に巻いた腕章を見せ付けながら黒子は犯人達の前に立っていた

 

木綿季「あぁ〜あ。黒子また始末書が増えるよ。」

風紀委員の基本的な職務は2つ

1、風紀委員生徒の所属する学校の風紀維持。

これは状況次第では能力使用も認められる

 

2、要請時の警備員の任務遂行補助。

これは相手に能力者がいたりする時に警備員の要請があれば

能力を使って事態の収束を補助する役割だ

 

つまり、今回のように校外で問題が起きた時は要請がない限り

警備員の指示待ちをしつつ避難誘導をするのが最適だ。

ちなみに、校外で能力を使った場合は『自衛目的外』なら風紀委員は

始末書と反省文の提出を命じられるとか。

木綿季「黒子、またお姉ちゃんと固法先輩のお説教だよ」

 

初春「まぁ、白井さんらしいと言えばらしいですけどね」

と苦笑いをしつつ初春は付近の市民の避難誘導を開始する。

 

佐天「大丈夫かな。白井さん」

 

美琴「大丈夫よ。あれでもLEVEL4の【空間転移】の能力者だし」

 

木綿季「それに黒子はこういうのしょっちゅうだから慣れてると思うし」

 

佐天「しょっちゅうなんですか?」

 

木綿季「うん。」

偶にお姉ちゃんに用事があって風紀委員支部に行くと8割方の確率で

始末書と反省文を書きながら固法先輩のお説教を受けている。

最近ではお姉ちゃんも参戦してるらしいからなお大変だろう

 

男2「風紀委員だ?そこをどきなお嬢ちゃん。火傷するぜ?」

そう言って彼は手のひらに炎を出す。【発火能力】か。

というか、あの男。かなり前にボクを追いかけ回してた奴じゃん。

なんかボクも参加したくなってきた。

10割私情で。・・・それって全部じゃない?

 

黒子「キザったらしいセリフですわね。

   それ、かっこいいとでも思ってますの?」

嘲笑うかのように黒子が男に言い放つ

 

男2「はぁ!?驚けよ!LEVEL3だぞ!!」

すると逆上し黒子に向けて能力を放つ、でも。

 

木綿季「それじゃあ黒子には届かないよ。」

 

ボクの言葉を証明するように男は次の瞬間に空を見ていた。

男2「・・・は?」

次の瞬間にドサッという落下音がすると次はカッカッカッ!と言う音が響く。

音がした瞬間には黒子の空間移動の能力で鉄釘を使い男を地面に縫い付けたのだ

 

黒子「お生憎と、その程度の速度では空間移動の私には一生届きませんわ。」

見れば黒子は男の眼前で腰に手を当てて呆れた風の態度を取っている

 

男1「クソッ!」

そう叫んでボクの方へ。正確には佐天さんに向けて走る。

人質を取るつもりだろう。

 

佐天「ヒッ!」

手に持ったジェラートを震えさせながら怯える

 

木綿季「どいて、」

ボクは肩に下げていた竹刀袋から竹刀を取り出す。

これは当麻がボクの誕生日にバイトまでしてプレゼントしてくれた物だ

 

男1「どけぇ!!」

無防備に突っ込んでくるこの男。それだけで素人だと分かる

 

木綿季「ボクは友達を守る!」

竹刀を一瞬引いて即座に突き出す。

 

男1「ぐぇっ」

ボクの突きを受けて男1は意識を失った

 

木綿季「ふぅ。大丈夫?佐天さん。」

竹刀袋に竹刀を戻しつつ佐天さんに駆け寄る

 

佐天「う、うん。ありがとう」

見れば佐天さんはジェラートを持ったまま尻餅をついてしまっている

こういう時はジェラート手離してもいいと思うけど。

 

男3「おい!持ってき、って風紀委員!?畜生め!」

黒いバンが走ってきたかと思うとその中から銀行強盗のうち一人が降りてくる

少し周りを見渡すと彼はお金を入れたと思われるカバンを持ち車に駆け込んだ

あぁどうしようかな。能力は使いたくないしなぁ

 

美琴「黒子ぉ!」

声に驚き発生源を探すと美琴は道路のど真ん中に立っていた。

それも車の進行方向に

 

黒子「は、はいですの!」

 

美琴「風紀委員の治安活動ってのは一般人も協力していいのよね!」

 

黒子「え、えぇまぁ」

 

美琴「別に私の制服にジェラートぶちまけさせられた事に怒ってるんじゃないけど

   ないけど。佐天さんを友達を怖がらせたからには仕返しするわよ!」

・・・明らかに私情混じってるよ。というかよく考えれば美琴の

制服には確かに黄色のアイス系のシミが出来ている。

 

男2「お、思い出したぞ!」

 

黒子「はい?」

 

男2「風紀委員に常盤台所属のツルペt...可愛い空間移動がいて

   そいつと常に行動を共にするっていうLEVEL5の噂!」

黒子に縫い付けられたままでよく喋るなぁ。というか黒子、鉄釘を向けるのやめなよ

恐喝事件だよ。明日の朝刊は『風紀委員鉄釘で学生を脅迫!』

とかになっちゃっいそうだよ!?

 

黒子「・・・まぁ、他所でどんな噂が流れているかは知りませんが。」

そう言って美琴に視線を向ける。すると美琴はポケットに手を入れ

 

木綿季「...ゲームセンターのコイン?」

美琴が取り出したのは文字通りコインだった。

 

黒子「あの方こそが、我が常盤台中学校が誇る学園都市に7名しかいない

   LEVEL5が内1。この街最強の電撃使い。」

 

男3「クソが!退かねぇなら轢いてでも通るぜ!」

そう言ってアクセルを踏み美琴に向けて真っ直ぐに進む

 

それでも美琴は動かない。普通なら危ないと感じ助けに行くところだが

何故か木綿季は『大丈夫』と確信していた

美琴「アンタらがどんな連中かなんて知らないし知りたくもないけど...」

取り出したコインを親指で弾き上へ飛ばす。やがてコインは重力に従って落ちる

 

美琴の体に青白い電流が迸る

美琴「せめて、私の服と佐天さんを怖がらせた落とし前は付けさせてもらうわよ!」

落ちてきたコインを今度は前方、男3の乗る車に向けて弾く。

本来ならそんなの威力はもちろん届くことすらないが

 

『上条妹よォ。俺の他にもこの街には6人、俺よりは弱くても

 お前よりは強ェのがいる。そん中でもお前にとって一番面倒臭ェのが...』

 

木綿季「超電磁砲(レールガン)。」

フレミングの運動量を利用し砲弾等を高速で撃ち出す為の技術。

まさか人間で出来る技術だとは思わなかった

 

美琴の能力でコインはアスファルトを抉りながら真っ直ぐに飛び

車の少し手前の路面アスファルトに美琴の超電磁砲は着弾する

そして盛り上がった地面は男3の操る車の制御を失わせ、路面に横転した。

美琴「...フン。」

 

 

・・・・・・・・・

 

 

黄泉川「市民の通報と初春の連絡で駆けつけてみれば。

    当の銀行強盗は1人が白井の能力で文字通り地面に釘付け。

    1人は顎を竹刀で突かれ脳震盪で地面に爆睡。

    最後の1人はLEVEL5第3位【御坂美琴】の『超電磁砲』で逃走用

    車両を横転させられショックで失神。」

 

黒子「・・・」ダラダラ

 

黄泉川「なぁ、白井。風紀委員の基本職務はなんだ?」

ギロリと白井を睨みつける

 

黒子「は、はい!!校内風紀の維持と要請時の警備員の補佐ですの!!」

ピシッと背を伸ばし顔を青くしながら答える

 

黄泉川「へぇ。じゃあ今回のは校内の出来事か?

    それと!一般市民は基本的に即刻避難誘導!

    有事の際は警備員の到着を待つ!違うか!?」

軍人ばりの気迫で黒子を追い詰める

 

黒子「い、いえ!その通りです!」

 

黄泉川「それなら今回の正しい対処法は!?」

 

黒子「今回の出来事は校外での事件のため

   事件発生後即時避難誘導及び逃走車両のナンバー記録!

   さらに警備員の到着までの現場維持です!」

 

黄泉川「・・・」

 

黒子「・・・」ダラダラ

黒子はもはや脱水症状になるのではないかという程にこの数分で汗を流していた

 

黄泉川「はぁ〜。なんでそこまで分かっててやっちゃうかねぇ

    やっぱアイツの影響か?白井。」

ため息をついた後に纏っていたお説教モードを解除する

 

黒子「それは、可能性としてはあるかもしれないですね」

それに気づいたのか黒子も緊張をとく。冷や汗は出続けているが

 

またもやため息をつくと

黄泉川「んじゃそこの常盤台の奴と柵川中学のやつ。

    悪いけど事情を聞かせてもらうじゃんよ」

 

美琴「・・・分かりました。」

 

黄泉川「・・・なんだ?不満か?」

ムカついてます。という気配を隠しもせずに美琴に問う

 

美琴「いえ、判断基準に驚いただけです。」

 

美琴の返しに鳩が豆鉄砲を食らったような顔をし

黄泉川「・・・よく見ているな。いい目だ」

今度は優しい笑顔へと変わった

 

黒子の方は黄泉川の相手を美琴に任せ木綿季と初春の方へ来ていた

白井「こうなってしまっては木綿季さんの帰りは遅くなりますね

   アノ人。夜遅くになんて帰ったら心配するのでは?」

確かに。変なところで過保護気味で心配症な兄の事だ

完全下校時刻を過ぎた瞬間に『今どこにいるんだ?』ってメールが飛んでくる。

 

初春「それなら木綿季さんは私の部屋に泊まりますか?

   白井さんもその方が早く帰れますし。

   何より風紀委員と一緒なら安全ですからね。」

 

木綿季「そうだねぇ。ごめんね初春、お邪魔するよ」

 

初春「いえいえ寧ろ私の部屋なんかですみません」

 

木綿季「いいよ、初春のせいじゃないしね。」

ボクは事情聴取の前にメールをした

 

――――

From.木綿季

『今日は初春の家に泊まる』

 

 

・・・・・・・・・

 

 

7月19日 上条side

――――

From.木綿季

『今日は初春の家に泊まる』

 

全然補習がうまくいかず完全下校時刻が過ぎさった頃にやっと解放され

重い足取りでスーパー向かうとに着くかというタイミングで

妹から『友達の家に泊まる』のメール。

上条「お前(妹)の為に朝食用食材を買おうとした俺(兄)の努力は?不幸だ...」

 

そんな鬱憤を晴らすためもともと晩飯は外食する気満々だった俺は

スーパーに対して回れ右をし迷わずに第七学区内にある『繁華街』

目指してゆっくりと歩みを進めた。のだが

上条「・・・と、言いますと?」

 

目前には「本日貸切」のマーク。店内から聞こえる声からして

夏休み前のお疲れ会と言ったところか。

上条「まだだぞ。普段の俺の不幸度に比べればこれくらい...」

 

その後も彼はめげずに繁華街を歩み続けた。が、

『本日休業』、『営業時間外』、『本日貸切』、『満員』の連続だった

上条「ふ、不幸だ。というか最後の『満員』ってなんだよ。『満車』ですか?」

 

もはや希望を感じず地面に手すらつく

上条「もういい。ファミレスでもなんでも次に見たとこに行こう。」

 

 

そんな自暴自棄な考えの元彼は立ち上がり保を進めた

そして1時間後某有名ファミレスを見つけた

上条「神よ。貴方様はまだ俺を見捨ててはいなかったのですね!」

 

つい涙を流してしまうがそんな事をしながら入店した暁には

店員全員に引かれるため涙を止め、入店する。

ここの立地は端っこの方にあるのと完全下校時刻後というのもあり

店内には上条も含めて7人くらいしか客はいなかった。

『お一人様ですか?』

 

上条「はい。」

 

『ではお好きな席にどうぞ。』

そんなマニュアル通りの応対をして店員は店の奥へと戻る。

ここはセルフサービスらしく、お冷も自分で取りに行くしかないようだ

 

上条「さぁて。どこに座ろうか...あ。」

店内を見回しなんとなく端の席に座ろうと歩み始めた瞬間だった。

 

「なぁ、一緒に遊ぼうぜ」

「・・・」

見た目から既にチャラい感じの男が常盤台中学の制服を着た女子をナンパしていた。

ナンパといっても女生徒の方は無言で意に介していない当たり希望はZEROだが。

 

上条「・・・見ちゃった以上は助けなきゃなぁ」

そんな、ヒーロー気取りの気持ちで俺はその2人の元へ歩み寄った。



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7月19日 禁書目録side

7月19日 21時頃 学園都市 第7学区

完全下校時刻はとうの昔に過ぎ去り。街の灯りすら消え始めるこの時間帯

昼間の活気が嘘かのように静かな第7学区。

 

カラーンッ

そんな中で空の缶を蹴飛ばす音が街に響いた

そして瞬く間に...

 

「待てコラ、クソガキ!」

「逃げてんじゃねぇぞこの逃げ足ウニ頭坊主!」

そんな罵倒を背中に受けつつも走るのを止めない人間がいた...

 

「ヒッヒッ、あーもー!不幸だー!」

そう。俺、上条当麻さんですよ!!畜生!!

 

 

・・・・・・・・・

 

 

30分前 第7学区端サイゼリアにて

そう。物語は少し時間を遡る。

義妹の明日の食事の用意をする必要がなくなった上条は

『明日から夏休み』という浮かれた感情でファミレスに入り

偶然にも不良にナンパされている後輩と同中と思われるとある女の子

を見かけて『助けてやろうかなぁ』と思ったのが運の尽きだった

 

 

「・・・」

「なぁ、いいだろ?常盤台の子ならお金もってるでしょ?

 遊びに行こうぜ。」

なお無視を続ける常盤台の少女を

舐め回すような視線でナンパを続ける不良

 

上条「お、おほん!すみませんその子困ってるじゃないですか。」

一つため息をつき喉を落ち着かせる。そして言い切った。

そこまでは良かったのだ

 

「・・・。」

「あぁ?ンだテメェ?」

ナンパを中断し上条に向き直る

 

上条「流石にこの時間帯にナンパはどうかと思いますよ。

   あぁっと。抵抗しないでくださいよ。俺、喧嘩結構強いんで」

よし、決まった!と言わんばかりドヤ顔までしてナンパ男を見る。

しかし、上条は今の時点で自分の判断ミスに気付けていなかった。

なぜなら上条の後ろにあるトイレから男の声(8人程)が聞こえてくる

 

上条「と、言いますと?」

 

「ンだテメェ。」

「なんか用か?あ?」

というわけで今現在上条は第7学区内を走って逃げ回っていた

 

 

第7学区 とある鉄橋

上条「はぁはぁ。何とか撒いたか」

走っていた時間は感覚麻痺してしまいもはや分からなかった

 

『何やってんのよアンタ』

後ろから飛んできた声は上条にとってに聞きなれてしまった声

 

上条「ビ、ビリビリ中学生...」

 

美琴「誰がビリビリ中学生よ!

   まったく。不良を守って善人気取りか、熱血教師ですか?」

馬鹿にするように上条を睨む

 

上条「もしかして、アイツらが追って来なくなったのって。」

 

美琴「うん。面倒だから私が焼いといた。」

髪のあたりから電流を迸らせる

 

上条「...まったく、アイツら人の親切をなんだと。」

そう、上条は目の前の少女

『御坂美琴』を助けようとしたのではない。

不用意に彼女に近付いた不良達を守ろうとしたのだ

 

美琴「アイツらもバカよね。私がLEVEL5だとも知らずに

   LEVEL0の無能力者共が私をナンパだなんて。」

声は嘲るように出し、顔は失笑である。

 

上条「お前がこの街に7人しかいない。

   LEVEL5の1人ってのは知ってるけどさ...

   あんまり人をバカにしたような態度。取らない方がいいぞ?」

出ないと今後社会に出たりした時に損するからな。と付け加える

 

美琴「・・・まったく、強者のセリフよね。」

美琴の間を置いた声には明らかな敵意が含まれていた。

 

上条「ちょっ、オイオイオイ!俺だってLEVEL...ッ!」

美琴の怒号に続き上条に向けて電気の塊が飛ぶ

 

ドォォォンッ!

鉄橋の上には美琴の飛ばした電気が地面などを這い回っていた

 

美琴「それで?そのLEVEL0のアンタが...」

美琴言葉に応えるかのように飛ばした電気が霧散してゆく

 

上条「・・・」

霧散してゆくその中心には上条が立っている

 

美琴「なんで、五体満足出たっているのかしら?」

 

上条「...ホント、ついてねぇよ。不幸っつうかなんて言うか。

   お前、ホントにツイてねぇよ!」

上条の声にはハッキリとした怒りが混じっていた

 

美琴「ッ!〜〜〜クッ!!」

三度、彼女を中心に電気が迸る。

そして彼女の元に電気柱が立ち上がった。

より正確には、雷が落ちた。

 

 

・・・・・・・・・

 

 

ミーン!ミンミンミーン!

この音を聞くと嫌でも夏だと意識させられる。

上条「〜〜〜はっ!」

虫の音と熱気のコンボにより嫌でも目を覚ます。

クーラーの故障により俺の部屋は茹だるような熱気に支配されていた

卓上時計の表示では30.2℃の表示。

俺は嫌々ながらも二段ベットの下段から這い出る

しかし、ここで違和感に気付いた。

 

上条「あれ?テレビがつかねぇ。」

新着ニュースなどはないかと思い付けようと

リモコンを操作したのだのだが

画面が点灯せず仕方なく側面のスイッチで電源を入れようとしたが

案の定点灯することは無かった

 

しかし、その原因はかなり早く判明した。

上条「・・・あんのビリビリ電撃娘め」

そう、昨日の雷によって俺の部屋は完全に停電になっていた

 

上条「...ちょっと待てよ、まさか!!」

そしてそれは、

 

上条「・・・嘘だろ。全滅かよ。」

それは冷蔵庫の中身が完全に傷んで全滅していることを意味する

 

上条「残ってるのはこの焼きそばパンくらいなもんかよ。トホホ」

やべぇ。マジ泣きたい。

そう思っていた俺に何故か無事だった固定電話が着信を知らせる。

ちなみに焼きそばパンは異臭を放っていたので放り投げた

 

『あ、もしもし上条ちゃんですかー?

 えっと上条ちゃんはまだまだ補講が間に合わないおバカ

 ちゃんなので今日も補習です!』

担任教師からの電話は非常にも追試の追加を知らせるものだった。

 

上条「・・・不幸だ。」

一気に肩を落とすが俺の成績が原因である以上は仕方がない。

諦めて補講を受ける事にしよう。

こんなバカな俺でもあの先生は見捨てないでくれているんだから

 

上条「...何時までも気を落としていても仕方ないか。

   布団でも干して気持ちを切り替えよう。」

俺はそう決心すると二段ベットの敷布団を干すために

自分の分の敷布団を抱えベランダへと向かった。

 

すると、グニュッ

上条「いッ。この感触は...ま、まあいいさぁ。

   まったく、空はこんなに青いのにお先は真っ暗d...」

明らかに先程までの投げた焼きそばパンを踏んだらしいが

気持ちを切り替えて布団を干しにベランダの戸を開ける。

この切り替え能力は俺の体質柄恐ろしいほど早く身についた

そして、ベランダに出た俺。だが、

 

上条「・・・あれ?もう干してある?」

ベランダの柵にかかっているのは真っ白い何か。

既に干したかと思いベットを確認するが俺の掛布団は腕の中だし

義妹のはまだベットに乗ったままだ。

 

上条「・・・この子、シスターさんか?」

見れば白い何かはすれ違えば10人中10人が振り向くであろう

美少女だった。水色の髪と白い肌が彼女の着ている真っ白の修道服と

よく似合っている。

 

「・・・う、うぅん。」

俺の声に反応したのか美少女は目を覚まし辺りを見回す。

 

上条「そ、その。大丈夫ですか?」

あまりに現実離れした光景に抱えた布団を落とす

 

「・・・お、」

 

上条「お?」

 

 

グギュルルルル

「お腹減った。」

その一言に俺はそれは見事にコケた。

 

「お腹いっぱいご飯を食べさせてくれると嬉しいな!」

 

 

・・・・・・・・・

 

 

「あむっ。〜〜♪♪」

 

「お気に召していただけましたでしょうか。」

現在俺はシスターさんに料理(?)を振舞っている。

 

「うん!すっごく美味しんだよ!!

 それに何気なくすっぱい味付けにして疲労を回復を狙ってくれてる

 のがものすっごく嬉しいかも!!」

シスターさんの表情は本心から言ってる事を証明しているが...

それどころではない。

 

「む、無理して食うなよ!?こんな男料理じゃ美味いわけねぇし」

そう、『なんでもいいから食べさせて』その一言に俺は

踏んづけた焼きそばパンを差し出したが

天丼と言うべきか俺の腕ごとパックリいかれ

今は“全滅した冷蔵庫の中身をぶち込んだ野菜傷めもどき”

を彼女に出しているのだ

※“野菜傷め”は誤字ではありません。

 

「そんな事ないよ!

 見ず知らずの私に無償で出してくれたご飯だもん!

 優しさを感じるし美味しくないわけがないんだよ!!」

 

上条「く〜!!地獄には俺が1人で落ちる!!」

俺は罪悪感に耐えきれずシスターさんの手から野菜傷めを奪い取り

口に勢いよく放り込む。

味は酸っぱいなんてものじゃない。むしろこれは、死ね...る。

 

 

数分後

上条「んで?なんで家のベランダに干されてたわけ?」

 

俺の問にキッチンから見つけだしたクラッカーを

ポリポリと食べながら答える

「落ちたんだよ。

 本当は屋上から屋上に飛び移るつもりだったんだけど。」

 

上条「え?でもここ7階建てだぜ?飛び移るったって。」

 

俺の次の言葉を理解したかのようにシスターさんは答えた

「しょうがなかったんだよ。急いでたからね」

 

上条「ふーん。」

 

「・・・自分から聞いておいて興味なさげだね?

 と、自己紹介がまだだったよね?

 私は禁書目録(インデックス)っていうんだよ!」

 

上条「(インデックス...)」

 

 

《科学と魔術が交差する時、物語が始まる》



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とある不幸少年と幸運の剣士 過去編〜白井黒子〜

数年前 学園都市 第七学区

?「〜♪♪」

上機嫌で歩く小学生くらいの少女

 

固法「随分機嫌がいいわね?」

その隣を引率の先生のように歩く中学生くらいの女性

 

?「えぇそれはもう!嬉しくて嬉しくて」

 

固法「LEVEL2からLEVEL3だもんね。嬉しくてたまらないわよね

でも、力に溺れてはダメよ。慢心もダメ

特に貴女は猪突猛進気味なんだから。ね、白井さん」

 

白井「えぇ心得ております。

私達《風紀委員》は生徒の模範となるべき。ですもの。」

 

固法「それが分かっているなら命令無視はしないで欲しいんだけどなぁ」

 

白井「うっ。そ、それは...」

 

固法「ま、そこはこれからに期待するとするわ。

そうだ!それならパトロールもそろそろ終わりだし、

このあと何か甘い物でもご馳走するわ。

白井さんの昇格祝いにそうね...駅前のケーキ屋さんでどう?」

 

白井「そ、そんな別にそこまで気にして頂かなくとも...」

 

『助けてください!!』

 

白井「!?」

固法「!?」

 

『私を助けようとしてくれた人が私の代わりに不良たちに!!』

 

『お願いします!!相手は8人もいるんです!!誰か!!』

 

 

数分後

?「あ、あの本当に良かったんですか?」

 

白井「なにがですの?」

 

?「いえ、さっきの人だけで...」

彼女の言いたい事はこうだ

『2人共風紀委員なんだから2人で行けばいいんじゃ』

 

白井「安心しなさいな。私の先輩は不良の10人や15人程度、瞬殺ですわ

それに、こうして貴女を護衛しながら待機するのもしっかりとした

風紀委員の職務ですもの。」

 

?「ほへぇ...」

 

白井「...例えの話ですわ。

もし今私たちがいる通りに貴女を襲った不良の仲間がいる場合、

もし私達が2人共路地裏に向かってしまったなら、えっと...」

 

?「あ、すみません!初春です、初春飾利。」

 

白井「失礼しました。風紀委員の白井黒子ですの。

話を戻しまして。初春さん、貴女はこの場に1人になります。

そうなってしまえば貴女は一瞬で拐われてしまうでしょう?

そういう事にならないように私がこうしt...どうしましたの?」

 

初春「す、すみません!白井さんって私と同じくらいなのに頭がいいなぁってかっこいいなぁ風紀委員。」

 

白井「ま、まぁそういう事ですわ//」

 

初春「あ、照れてるんですか?」

 

白井「照れてなんかいませんの!!」

 

―――――――――

 

数日後 第七学区 病院

白井「では、あの人はあと数日で退院と」

 

冥土帰し「あぁ。幸いにも今回は打撲と打ち身だけだったからね。

普段は一週間は入院するから今回はむしろ拍子抜けだったよ?」

 

白井「それにしても今回に普段とは...

まるであの人が頻繁に入院しているような口ぶりですわね」

 

冥土帰し「それが当たらずとも遠からず。

彼ほど医者泣かせの患者はいないよ。

骨折や脳内出血での入院なんて頻繁な出来事だからね。

彼ほどの患者なら専用に病室を一つ用意しようかと思ってるくらいだ」

 

白井「はぁ。あなたも苦労してるんですわね。」

冥土帰しとの会話を切上げ診療室を後にする

 

 

病院 中庭

そこにはブランコに乗る幼稚園くらいの女の子と

「おにいちゃん!もっとつよくおして〜」

 

その少女のブランコを押すツンツン頭の少年

「無茶言うなってお兄さんは片手しか使えないんだぞ?」

 

女の子「だって〜」

 

「お兄さんはな。君の事が心配なんだよ。」

ブランコをとめて話しかける

 

女の子「え?」

 

「お兄さんが強く押したら君が落ちて怪我しちゃうかもしれないだろ?

お兄さんは君が怪我をするのはやだなぁ」

 

女の子「おにいちゃん...分かった。ゆっくり押してね!」

 

「ごめんな。ありがとう。」

オーダー通りにゆっくりと押し、自然と笑みをこぼす...

 

白井「貴女。もしかしてロリコンですの?」

しかしそんな空気を一瞬にして凍らせた

 

「あれ?たしか風紀委員の...黒井白子さん?」

 

白井「白井黒子ですの!し・ら・い!!

これで会うのは3度目ですしそろそろ覚えて欲しいですの。」

 

「悪いな。ところでなんか用か?」

上条はブランコの少女に手を振り、こちらに駆け寄ってくる

 

白井「ところでって...まぁいいですわ。本日はただのお見舞いですの。」

手に持っていた菓子の入った袋を渡す

 

「とと。悪いな気を使ってもらっちゃって」

 

白井「別に気にしたくてもいいですわ。

体の方は大丈夫ですの?」

 

「あぁ、ここの病院にさえくればな。と、立ちっぱなしもなんだし

あそこのベンチで話そうぜ。」

 

白井「えぇ。それでは」

そこから2人は他愛のない話を続けた

 

―――――――――

 

「っと、もうこんな時間か白井さん、そろそろ起きてください」

ベンチに座りながら眠っていた少年は目を覚まし携帯で時間を確認すると

自分の膝を枕にして寝ている少女に声をかける。所謂膝枕だ

 

白井「...〜〜あなたは、かみじょーさん。・・・ッ!!////」

うっすらと目を開け上条の姿を確認すると『空間移動』で離れる

 

「あのぉ〜白井さん?そんなに拒絶されると悲しくなっちゃうなぁと...」

 

白井「あぁあぁあなた!寝ている私に何を!!////」

懐から鉄杭を取り出す

 

「なぁッ!?ちょっと待て!俺は何もしてねぇよ!!」

 

白井「そのような虚言が私通じるとお思いですの!?////」

 

「わわ分かった!

土下座でもなんでもするから許してください白井様!!」

 

白井「黒子ですの!!」

 

「へ?」

 

白井「黒子で、いいですの。親しい方にはそう呼ばれてますし

貴方にもそう呼んでもらえると嬉しいですわ」

 

「あ、あぁ。分かったよし...黒子!」

改めて名前呼びをされた白井は機嫌を良くし、歩いていった

 

―――――――――

 

数分後 病院付近の大通り

『黒子で、いいですの。親しい方にはそう呼ばれてますし

貴方にもそう呼んでもらえると嬉しいですわ』

 

白井「うがぁぁぁぁ////なぜ!私はあのようなことを!!////」

顔が紅潮するのが嫌でもハッキリとわかる。恐らく茹でたこ等とは

比較対象にならないほど今の自分の顔は赤くなっているはずだ

 

『あ、あぁ。分かったよし...黒子!』

―黒子――黒子――黒子――黒子―

白井の頭の中は先程まで一緒にいた

青年のことで既にいっぱいいっぱいだった

嫌でも彼の読んだ自分の名前が頭の中をリフレインし続ける

 

白井「......まったく。私にこのような感情を与えて...//

本当に、この街は退屈しませんの」

いくらか落ち着いた白井は空を見上げる。

今の自分と同じくらい赤くなった空を

 

Pipipipi!!...

上着のポケットに入れていた携帯電話が着信を告げた

 

『あ、白井さん?非番のところ悪いけどセブンスミスト付近で喧嘩よ。

現場へ行ってもらえないかしら。』

 

白井「えぇ。もちろんですとも、固法先輩」

通話を切ると同時に先程までいた病院へ再度振り返る

あの殿方は今、何をしてるでしょうか。

傷の具合を診てもらっているのか。

それとも自分の病室で暇を持て余しているか。

怪我をしているのを承知で事件に向かう私を追いかけるか。

 

今度は視線を進んでいた方向に向ける

―私にとって貴方はヒーローですの。―

危険を顧みず初春を助けたヒーロー白井の理想とする

ヒーローのあり方

 

―それならばヒーローの代わりをするのは―

―ヒロインにしかできない仕事ですわよね♪―

持っていたカバンから風紀委員の腕章を取り出し袖に装着する

「風紀委員、白井黒子。参りますの!!」

 

ヒュンッという風切り音と共に白井の姿はその場から消えた




お久しぶりの魂魄木綿季です。
リアルで就活やら卒業を賭けた試験があったりで
やはり多忙な毎日を過ごしています。

今回は読んでの通り、『トウユウ』の過去編。
『白井黒子との出会い』を書かせてもらいました。
内容自体は自分の妄想を書き出しただけですが
個人的には満足のいく出来です。


次回の更新は『たつかす』の予定です。
ただ、戦闘描写が上手く出来ていないので半泣きです。

もしたつかすが上手く書けない場合は
とある不幸少年と幸運の剣士
を更新することになると思います。
ステイル戦までは終わらせたいかなぁ(独り言)


P.S
今回はSS掲示板などを読みふけっていたので
“ある程度”は話をまとめられたのではないかと思っています

ちなみに個人的に好きな掲示板のSSは
一方通行「友達になってやンよ」上条「ハイ?」
http://matomeee.blog123.fc2.com/blog-entry-270.html
が大好きです。
作家さんの考えたと思われるネタパートと
かつていがみ合った一方通行と○○さんが親友となったり
とても面白いのでオススメです!


今回も当然の如くコメント欄でのアドバイス等を
受け付けておりますのでよろしければとうぞ

Twitterの方でもメッセージやアドバイス。リクエストなども
受け付けているで気が向いたら下からどうぞです
※リクエストは余裕があれば執筆する形ですので期待はしないでください
魂魄木綿季(Twitter)
https://mobile.twitter.com/ssKonpaku_yuuki

また、pixivの方でも活動を再開するので
よろしければどうぞ!
魂魄木綿季(PIXIV)
https://www.pixiv.net/member.php?id=16236773


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