捻デレ者と和菓子屋の娘 (グッバイぐら)
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人間って案外飛ぶもんなんだな...。

初投稿です。暖かく見守っていただければ幸いです。


「おーす八幡..ってどうした?そんな不機嫌そうな顔して。」

いつも通り、自分の席で1人静かにしていようとしていたらいきなり舞子が話し掛けてきた。ホントやめて欲しい、そういうの。うっかり友達かと勘違いするから。

「俺はいつもこんな顔だよ...。で、何?」

「いや、俺もさっき聞いたんだけどさ、今日うちのクラスに転校生が来るらしいぜ!しかも噂によれば美人!」

はぁ...朝から何かと思えば...

「知らねえし、別に興味もねえよ。どうせ俺とは関わることはないだろうしな。」

「はぁ...相変わらず冷めてるねぇ。」

「違う。別に俺は冷めている訳ではない。ただ過度な期待をしないようにしてるだけだ。」

「そういうのを冷めてるって言うと思うんだけどね。いや、八幡の場合は捻くれてるって言った方が正しいか。」

「うっさい。今回の場合はお前が都合の良い夢を現実と混同させてる可能性を疑っているだけだ。」

「いや、いくらなんでもそれは無いから!」

「おはよう、2人とも。何の話してたの?」

っと、いつの間にやら小野寺と宮本が来ていたようだ。

「あ、おはよう小野寺、るりちゃん。いや、別に?ただ八幡って捻くれてるよねって話してただけだよ。」

「そんなの今に始まったことじゃないでしょう?それに彼の場合捻くれてるというより捻デレなだけでしょう?」

ちょっと宮本さん?さらっと話に入ってきてさらっと俺の心抉るのやめてもらえません?あとできればその造語どこで聞いたのか後で詳しく教えてもらえませんかね?

「あなたの妹さんからよ。」

...俺今声に出してないよね?何この子エスパーなの?

その後も舞子達と話を続けていたら一条がはいってきた。

「..おっす..」

何故か鼻血を流して。

 

「はぁ?女通り魔にやられた?」

一条が入ってきた後、舞子が鼻血の理由を尋ねたところ、「塀を飛び越えてきた女通り魔に膝げりされた」だそうだ。...はぁ...。

「一条...悪いことは言わん。今すぐ帰って温かくして寝とけ。大丈夫だ。きっと明日にはよくなってる。」

「いやホントなんだって!」

「そんなことより、楽・・・」

一条の話を軽く流して舞子が再び転校生の話を始める。

...どうでもいいけど、小野寺に絆創膏はってもらってからの一条がやたらニヤニヤしてて正直キモい。あれもしかしたら「ちょっとケガして良かったかも」とか思ってんじゃなかろうか?

「ほらー、さっさと席つけー」

そんなことをやってたら日原先生が入ってきた。

「よーし、今日は転校生を紹介するぞー。入って。桐崎さん」

「はい。」

転校生?舞子の都合のいい夢ではなかったのか。

「初めまして!アメリカから転校してきた桐崎千棘です。」

しかも舞子の言う通りえらい美人だった。何か周りは凄い騒いでるし。どうやらハーフということらしい。何、舞子の情報網、超怖え。てか、さっきから一条が鳩が豆鉄砲くらったみたいな顔してるんだが。ついさっきまでニヤニヤしてたくせに。

「「あー!!」」

「あなたさっきの・・・」

「さっきの暴力女!」

は?暴力女?え?何?さっき言ってた女通り魔ってあの人?あの話マジだったの?

混乱している俺や周りの連中を置いて2人の言い合いはヒートアップしていく。

「この猿女!」

プチっ・・・

あ、ヤバい。今何かが切れた音がした気がした。具体的に言うと堪忍袋の尾的な物が。これヤバくね?とか思ってたら転校生の腕が引かれ・・・

「誰が猿女よ!!!」

怒号と共に腕が繰り出され、一条が吹っ飛んだ。距離にしてざっと4~5メートルくらい。

 

 

...人間って案外飛ぶもんなんだな...。

 

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました。好評でしたら続けるかもしれないです。


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仕事が増えちまったな...。

沢山の方々に読んでいただいてありがとうございます。今回は若干シリアス気味です。


「うるっせぇな!!!!だったらもう探さなくていいからどっか行けよ!!!」

今、俺と小野寺の視線の先では、そう叫んで雨ざらしになっている一条の姿があった。

 

~1週間前~

一条が吹っ飛ばされてから少しして、転校生こと桐崎の席が決定した。何故か一条の隣に。どうやら知り合いならば丁度いいということらしい。

「「抗議する!!断固抗議する!!」」

ま、そりゃそうだよな。ざっくり言ってぶっ飛ばした人とぶっ飛ばされた人なわけだし。今さら席を変えるわけもないだろうけど。

「申請は却下されました。」

やっぱそうなるか。つーか先生その笛どっからだした、おい。とか思ってたら急に一条が自分の体をまさぐりだして...

「あー!!?」

大声で叫んだ。かと思えば今度はぶつぶつ呟き始めた。何アイツ、怖い。さっきまで怒り顔になったりニヤニヤしたりと百面相になってたのに。..というか怒るのは分かるけど、なんでニヤニヤしてんの?Mなの?

「無い!!俺のペンダントが無い!!一体いつから...どこで...ハッ」

「一条うるさい。黙れ。」

 

「で?ペンダントがどうしたって?」

「いや、こいつに膝げりされたときに失くしちまって...。」

「ふーん。で?それを探すのを転校生さんに手伝ってもらおうと?」

「あ、なるほど。」

「ハァ!?なんで私が手伝わなくちゃなんないのよ?」

「てめーの膝げりのせいで失くしたんだからてめーにも責任あんだろ!!」

「一条君、手伝おうか?」

「い、いや大丈夫だ、小野寺。それにこいつのせいで失くなったんだし、こいつが探すのが筋ってもんだろ。」

「ハァ!?ちょっとあんた!あんたのせいで面倒くさいことになったじゃない!どうしてくれんの!」

そういって桐崎は俺を睨んできた。やめて、俺を睨まないで。めっちゃ怖いから。

「い、いやでも膝げりしたのは確かなんだし、これで貸し借りなしってことにしてはどうでしょうきゃ。」

噛んだ。テンパりすぎて最後に噛んだ。くそっ、恥ずかしい...とりあえずあっちで爆笑してる舞子は後でしばこう。

「ったく...。わかったわよ。」

ひとまずは納得してくれたようだ。

「じゃあそれを探すかわりに今後私に学校の中で話しかけないって約束してくれる?」

前言撤回。この女全く納得してねぇ。

「おー分かったよ。望む所だ。」

「手伝うの放課後だけだからね?あとあんた!」

と言いながら俺を指差してきた。

「俺?」

「そう、あんた!あんたも手伝いなさい!」

「何で?」

俺は何の関係も責任も無いはずだが。

「あんたのせいで私も手伝うはめになったんだから当然でしょ!?」

えーなにその超理不尽な理由。

「いや、俺この後アレがアレなんで。」

「何?何か文句あんの?」

怖っ!?なんでこんな低い声出んの!?背中ぞわってなったんだけど!?

「おい、比企谷を巻き込む必要は...「ビュンッ...!」なんでもありません。」

弱っ!一条弱っ!もっと頑張れよおい。いやまぁ俺もあれやられたら逆らわないけど。パンチ当たってもないのに頬赤くなってるし。

「...はぁ。分かったよ。ただし、家で妹が待ってるから俺は早めにあがらせてもらうぞ。」

「シスコン?」

「違う俺は断じてシスコンではない。」

本番仕込みの発音で言わないでもらえます?

「それは否定できないな。」

そこは否定しろよ一条。

 

「こっちにも無いな...。」

結局、放課後にも関わらず俺はペンダント探しという名の残業をしている。...どこの社畜ですか、俺は。

「比企谷君」

場所を移動しようとした所で後ろから声をかけられたので振り返ってみると小野寺が立っていた。

「えっと...い、委員会終わったから、私も手伝うよ。」

「...いいのか?」

「う、うん。どうせこの後用事も無いし。それより、あの2人は?」

「3人で同じとこ探しても非効率だからな。俺だけ別行動だ。」

「そっか。じゃあ私もこっち探すよ。」

笑顔でそういって小野寺も探し始めた。

...危なかった。危うく告白して速攻でフラれる所だった。フラれちゃうのかよ。

「あ、あの、比企谷君、小町ちゃん元気にしてる?」

「うん?まぁ、元気すぎるくらいにはな。」

「そっか。」

「ああ。」

その相槌を最後に、会話が途切れた。

...俺は2年ほど前、交通事故に遭っている。小野寺も一条もその事故の関係者だったため、2人や彼らの家族は未だに俺に気を遣っている。別に気にすることじゃ無いと言っているんだがな...。そういやあの猫今どうしてるかな...。

 

~30分前~

 

1週間、ずっと小野寺と一緒にペンダントを探し続けているが、一向に見付からない。ちなみに一条たちの方も見付かっていない。最もそれは探しながら喧嘩しまくってるのが原因っぽいが。あいつらよく飽きないな。

「これで実は家にありましたとかいうオチだったら一条を呪ってやる...。」

具体的には口内炎に悩まされる呪いとか。

「あはは...それは流石に無いんじゃないかな...。」

小野寺も若干苦笑い気味だ。...小野寺の苦笑いとかあんま見たこと無いけど、普通にかわいいな。」

「ひっ、比企谷君!?かわいいって!?」

「え?」

もしかして今声出てた...?マジですか...ん?

「なぁ、小野寺」

「ひゃい!?」

「うお、びっくりした!」

「あ、ご、ごめん。」

そんなに俺に声かけられるのが嫌だったのかな...いやそれよりも...

「一条のペンダントってこれじゃね?」

「え?」

形も教えてもらった通りだし、鍵穴ついてるし...

「ホントだ...きっとこれだよ!良かったね!早く渡してあげよう!」

近い近い近い!やっと見付かって、興奮してるのは分かるけど、こういう行為が多くの男子を勘違いさせて、結果死地へと送り込むことになることを理解してほしい。

「あっ...ゴメン。」

「い、いや...大丈夫。」

小野寺は、顔を真っ赤にして向こうの方を向いてしまった...超気まずい...。

 

~現在~

「ひ、比企谷君...。」

小野寺は一条の怒鳴り声で萎縮してしまっているようだ。

「...小野寺。とりあえず今日は帰らないか?」

「え?でもペンダントは...」

「今はちょっとタイミングが悪いだろ。それに...いや、やっぱいい。」

「え?何?」

「何でもない。 おい、一条!」

「...比企谷?今の見てたか?」

「まあな。それより俺はもう帰るぞ。お前も今日は早いとこ帰っとけ。」

「あ、ああ。分かった。...変なとこ見せて悪い。」

「別に謝ることじゃねぇよ。じゃあな。」

 

...仕事が増えちまったな...。

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました。次話で原作第1話終了の予定です。


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帰りにマッ缶買ってこうかな...。

こんにちは。ひとまず今回で原作第1話の内容は終了です。八幡が若干キャラぶれしてる感はありますので、そこはご了承下さい。

では、どうぞ。


どうやら桐崎は今日もペンダント探しに精を出すようだ。昨日、本人にもういいって言われたんだから探すの止めて帰っても何も言われんだろうに。

「...ちょっといいか?」

俺がそう声をかけると、桐崎は渋々といった感じでこちらに顔を向けた。

「何?今忙しいから後にしてくれない?」

どうやら相当にご機嫌斜めのようだ。まぁ、昨日の今日だし、分からんでも無いけど。

「いや、何?昨日一条にもういいって言われたのにまだ探すのかと思ってな。」

「...別に。あんたに関係ある?」

「まぁ関係は無いけどな。それより、探すならここじゃなくて校門の辺りの方が良いぞ。」

「...どういうこと?」

桐崎が訝しげな視線を俺に向けてくる。まぁ、大して話したことも無い奴にいきなりそう言われたら疑問符浮かべるのは当然だな。

「この辺は昨日、一昨日くらいに俺とあと小野寺が探したからな。お前らが探した場所も考えたら後探してないのは校門周辺くらいだろ。」

一応嘘は言っていない。昨日俺と小野寺は確かにここを探した。ただ少しばかり説明不足ではあるんだけど...。

「あんたは探さなくていいの?」

「生憎俺はそこまで社畜精神に溢れてはいない。それに俺に手伝うように言ったのは一条ではなくお前だろ。ならお前が解雇された以上、俺が手伝う義務もなくなったはずだ。」

「何それ...。」

桐崎はドン引きしていた。

「あんたあいつの友達じゃないの?」

「断じて違う。俺に友達は1人もいないからな。」

「...言ってて悲しくならないの?」

それを言うな。

「そんなことより、下校する生徒が少ない内に探した方が良いんじゃねーの?生徒が増えると目立つし。」

「...」

桐崎は俺に対し怪しげな視線を向けながらも校門まで走っていった。

 

その翌日、俺は1人ペンダント探しをしている一条の所に向かった。

「一条」

俺がそう声をかけると、昨日の桐崎と同じような感じでこちらに顔を向けた。

「桐崎がお前に来てほしいって言ってたぞ。」

「桐崎が...?」

「ああ。」

「...分かった。」

 

「・・・なんだよあいつ、こんなとこ呼び出して」

「さあな。一昨日のことで何かあるんじゃねーの?」

俺がそう言うと一条は顔を背けた。一条としても罪悪感に近いものは感じているらしい。

...ん?

「一条、あっち」

「え?」

「いや、あっちの方で振りかぶってるの、桐崎じゃね?」

「あ、ホントだ。あいつ何を...」

一条が言い終わる前に桐崎らしき人影は腕を降り下ろしていた。つーか何かがこっちの方に凄いスピードで飛んできてるんですけど...。

「ギャアーース!!!」

とか考えてたらその何かが一条の顔面に直撃した。マジで?あそこからここまで結構離れてるんですけど?どんな肩とコントロールですか?プロ野球のピッチャー顔負けのレベルだぞ...一条生きてるかな...。

「痛ってぇー!!何すんだあの野郎...!!」

あ、生きてた。

「大丈夫か?」

一応聞いてみた。

「何か目の前チカチカしてすげぇ頭痛いんだけど。」

「そうか。なら大丈夫だな。」

「話聞いてた!?」

いや、だっておれの問いに普通に答えてるし、大丈夫じゃね?

「それよりもさっき飛んできたもの見てみろ。」

「え...!これ...!!」

「お前のだろ?それ。」

「あぁ。でも何であいつが...」

「あー、何だ?あいつ、あの後も探してたみたいだぞ?」

「・・・!?」

おーおー、びっくりしていらっしゃる。

「ま、お前に見付からないように気をつけてはいたみたいだがな。」

「あいつが...ん?なんだこれ?」

「ん?」

見てみるとペンダントのチェーンに手紙らしきものが結んであった。そこには

『訳せるもんなら訳してみろ!!

I fulfiled my duty.

So don't talk to me anymore

scum bastard!!

Chitoge』

と書かれてあった。なるほど、さっぱり分からん。でも一条をバカにしてる事だけは何となく分かるな。

「・・・読めねぇけどバカにされてる事だけは分かるな。」

一条にもその部分は伝わったらしい。

「...あいつの言ってる事ももっともなんだよなぁ...。」

何かいきなり一条が語り始めたんですけど。

「何だ、いきなり。」

「ああいや、俺もこんな約束忘れちまった方がいいのかなって思ってさ。」

...コイツ本気で言ってんのか...?

「アホか。」

「え?」

いきなりの俺の発言に一条は戸惑っているが構わず続ける。

「約束ってのがとんな内容かは知らねぇけど、今重要なのはそこじゃねぇだろ。お前は相手が忘れてるならその約束とやらがどうでもいいのか?」

「・・・」

一条は黙って俺の話を聞いている。

「それにお前、約束すっぽかされた奴の気持ち考えろ。大抵の奴は自分が何かやったんじゃないかって疑心暗鬼に陥って最悪自己嫌悪にまで至るんだぞ。ソースは俺。」

これまでクラスメイトとの約束なんか守ってもらえた試しがない。しかも必ず俺に責任押し付けられたし。まあその言い分を真に受けてた俺も俺だけど。

「・・・そうだよな。もし今後その子に会えても会えなくても俺にとって大事な約束なのは変わんねぇ。大事に持っとくよ。」

どうやら一条の中で色々納得出来たらしい。...どうでもいいけど今の俺に話してたの?内容独り言じゃね?

「色々サンキュー、比企谷。またな。」

「おう。...ふぅ。」

終わったか。いや、マジで疲れた。だって1週間ずっと働き詰めだったし、最後に余計な仕事が増えたし。

帰りにマッ缶買ってこうかな...。

 

~Side小咲~

委員会の帰り、一条君と比企谷君を見付けてさっきから様子を見ていた。...何で昨日の内にペンダントを一条君に返さなかったのか気になっていたけど、今の様子を見て納得した。...何てことは無い、自分が感謝されるより2人の仲を取り持つ事を優先したというだけの事だ。

「...ふふっ。」

それだけのことなのに何故か嬉しく思ってしまう。いや、理由も分かっている。自分の思い人の優しさを見ることが出来たからだ。おそらくあの後、折角見付けたペンダントを再びどこかに置いてきて、それを桐崎さんに見付けさせたのだろう。

言葉で言うのは簡単だけど、自分の名誉より他人同士の関係を優先させるというのは中々出来るものではないと思う。少なくとも私は。ましてや、その内の1人は転校して間もない、大した接点も無い、見ず知らずに等しい人。そんな人のために下心目的でもなく、迷わず自分の名誉を放棄するなど...

「やっぱり、優しいなぁ...。」

まぁ、そんなこと本人に言ったら

「教室の雰囲気が悪くなったら面倒くさくなるからやっただけだ。」

なんて誤魔化されそうだけど。...比企谷君は嫌がっているけど、そういう優しい部分が捻デレと呼ばれる由縁だったりする。

今日は金曜日だから、次会えるとしたら来週になる。

来週こそは、頑張って話しかけてみよう。

そんな決意をする今日この頃です。

 




ありがとうございました。今回書いて思ったのですが...女子視点、めっちゃムズイです...


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お兄ちゃんはそんな子に育てた覚えはありませんよ?

気付けばお気に入りが150を突破...とても嬉しいです!
今回、ついにあの子が出てきます。


休日とは、休む日と書いて休日と読む。人は皆、月曜日から金曜日まで会社へ、あるいは学校へ行き、仕事や勉学に励む。そして週末、その褒美として、仕事や勉学で疲労した身体をゆっくり休ませるために休日は存在するのだ。即ち、休日は疲れるような事はせず、各自家で休息をとるべきなのだ。...結論を言おう。

 

「俺が休日にショッピングモールへ出かける事は間違っている...!!」

 

「ほら、お兄ちゃん、アホな事言ってないでさっさと行くよ!」

俺が休日の正しい在り方を考えていると、俺の前方を歩く我が最愛の妹、小町が早く歩くように急かしてくる。

...ホント何でこうなった...。

 

~朝~

「お兄ちゃん、朝ごはんできたよ。」

ソファでだらけてた俺にいつものように声をかけてくる小町。

「おう、いつもすまないねぇ。」

「お兄ちゃん、それは言わない約束でしょ。小町は好きでやってるんだから気にしないでいいの。あ!今の小町的にポイント高い。」

...あざとい。

「最後の一言が無ければな...。」

ホント、そのポイントは何ですかね。貯めたら景品と交換でもしてくれるの?

 

「そういえばお兄ちゃん、午後何も予定ないよね。小町と出かけよ!」

「ちょっと小町ちゃん?勝手に予定ないって決めつけないでくんない?お兄ちゃん午後はちょっと溜まってたラノベを読破するという予定が・・・」

「はい決定!お兄ちゃん、出かけるまでに着替えといてよ?ご馳走さま!」

小町は俺の話を聞かずにそそくさと食器を片付けに向かった。

 

~現在~

「そうだった。お前が俺の話を聞かずに決定しちまったんだったな。」

「いきなり何言ってんの、お兄ちゃん。」

「いや、俺が今ここに来た理由について考えていただけだ。つーか、俺来る必要あった?」

「はぁ...これだからごみいちゃんは...」

とりあえずナチュラルに俺の心抉るの止めようね?何ごみいちゃんって?俺ゴミなの?粗大ゴミにでもだされるの?

「よく考えてみて、お兄ちゃん。小町は可愛いでしょ?」

「おう、そうだな。」

小町は可愛い。それは太陽が東から昇って西へ沈むくらいの常識だ。異議は認めん。

「即答って...しかもそれは重いよお兄ちゃん」

何でこの子今俺の考えてること分かったの?

「だって目がヤバいことになってるし...まぁそれは今更だから流すけど」

ちょっと?今聞き捨てならないこと言わなかった?俺の目ってこれ以上腐るの?あとやっぱり俺の考えてること分かってるでしょ君。

「そんな可愛い小町が1人で歩いてたら、そこらの男の人が放っとくと思う?」

「はっ!」

そうだ、何故気づかなかった俺!この可愛い小町が無防備にリア充どもの巣窟を歩いてたりしたらそこらの浮かれたリア充どもにナンパされるに決まってるじゃないか!!何ならその後小町が容赦なく振って純情な男心が傷ついちゃうまである。

「よし分かった小町に声をかけてくる男がいようものなら片っ端から足引っかけて転ばした後に小町連れて全力で逃げてやる。」

「情けないなー。」

「放っとけ。」

他にどうしろと?

「それに、最近一緒に出かける事なかったじゃん?妹としては、久しぶりに2人でお出かけしたいなって思ったり?あ、今の小町的にポイント高い。」

「はいはい高い高い。」

「うわー適当だなー。そこは愛してるでいいんだよ、お兄ちゃん?」

む、そうか。ならば要望に答えて・・・

「愛してるぞ、小町。」

「小町はそーでもないけどありがとう、お兄ちゃん!」

「...ひどい...。」

自分から言い出してこの仕打ち。お兄ちゃんはそんな子に育てた覚えはありませんよ?

「それで、結局どこ行くんだ?」

「ちょっと待って。多分もうそろそろ...あ、いた!おーい!」

...いた?おーい?どういうこと?

疑問符を浮かべている俺に構わずこっちに近づいてきたのは...

「あ、小町ちゃん、こんにちは...って、比企谷君!?」

「久しぶりね。」

「はい、お久しぶりです小咲さん、るりさん。」

小野寺と宮本でした。...え?何で?




ありがとうございました。果たして小町はうまく書けてるでしょうか...?


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あれ何でだろ...目からしょっぱい液体が...。

お気に入り200人&UA10,000人突破!嬉しい限りです!まさかこんなに多くの方々に読んでもらえるとは...
今回、後半がグダってしまいました...ホント、文才が欲しい...


「何でこの2人がここにいんの...?」

土曜日。小町とショッピングモールまで出てきたら、何故か小野寺と宮本の2人と合流してしまった...。

「そりゃ小咲さんたちと一緒に遊ぶからに決まってるじゃん!」

「ちょっと待って小町ちゃん?お兄ちゃんそれ全く聞いてないんだけど?」

「だって言ったらお兄ちゃん絶対来ないじゃん。」

当たり前だろ。女子と会話もままならないのに一緒に遊ぶとか無理に決まってる。どーせ「うわ、見てあいつのキョドリ方、キモイ、受けるw」とか言われるのがオチだ。あ、それ実際にあったことだったな...あれ、何か前がよく見えなくなってきた...。

「お兄ちゃん何泣いてんの?」

「うっせ、ちょっとトラウマ思い出したら涙が出てきただけだ。」

そう言いながら小野寺たちの方を見てみると...

 

(ちょっとるりちゃん!?比企谷君がいるなんて聞いてないんだけど!?)

(うっさい。言ったらどうせ恥ずかしいとか言って来ないでしょ。)

(それにしたっていきなり過ぎるよぉ...)

(いいから、今日中に少しでもアピールしときなさい。チャンスは作ったげるから。)

(そんなこと言ってもぉ~...)

 

...何か小声で話してる。あれかな?俺がいることが嫌すぎて影口言ってるのかな...。

「なぁ小町。やっぱり俺帰って...」

「良いと思う?」

デスヨネー。いや分かってはいたんだけどさ、でもなぁ...。

「この2人がいるなら俺のボディーガードとか必要なくね?」

「いやいや、るりさんと小咲さんも凄い可愛いじゃん。3人揃ってナンパされたらどうすんのさ?」

「...宮本ならそのナンパも撃退出来るだろ。」

いつも舞子をサンドバッグにして鍛えてるんだし。

「今何か言ったかしら?」

「いえにゃにみょいってません」

怖ッ!?怖すぎて噛んじゃったよ。この威圧感だけでナンパしてくるやつ皆逃げてくだろ!あっちの方のチャラ男どもみたいに。

というかこの子さっきまで小野寺と話してなかった?そう思って小野寺の方を見てみると...

(な、何でいきなり...比企谷君来るって知ってたら心の準備も出来たのに...)

何か顔を真っ赤にしてぶつぶつ呟いていた...呪詛?

「ほらほら、お話はそこら辺にして、そろそろ行きましょうよ!!」

俺が宮本にビビり、小野寺が顔を真っ赤にしてくねくねしてる間に小町が勝手に決めてしまった...何このカオスな空間。

 

「で、どこ行く?」

結局あの後、小町によって4人で遊ぶことが決まってしまった。

「そこは比企谷君が決めるんじゃないの?」

宮本が聞いてくる。ばかめ、そんな訳無いだろう。

「俺は1人で遊ぶときにはわくわくしながら綿密な計画を立てるが、同行者がいる場合は3歩後ろを黙ってついていくスタンスだ。」

「嫌な大和撫子ね...。」

「うちのごみいちゃんがホントすいません...。」

妹よ。他の人の前でごみいちゃんは止めなさい。ホントにゴミと間違えられて捨てられちゃうから...。

「じゃ、じゃあ映画とかどうかな?ほら、少しはゆっくり出来るんじゃない?」

俺がゴミ扱いされている所に小野寺からフォローが入った。・・・あなたが天使か...。

「おーいいですね!じゃあ早く行きましょ!」

小町も小野寺案に便乗し、めでたく映画を見ることに決まった。

「どういう映画見るんだ?」

「んー、今流行ってる映画って何がありましたっけ?」

「ちょっと待って・・・これなんかどうかしら?所謂ラブロマンスものだけど。」

え?男1人と女3人で恋愛もの見るの?それなんて拷問?

「いや、ちょっと待「いいですねー!それにしましょう!」...。」

俺の意見少しは聞いてくれない?いや確かにさっき3歩後ろを黙ってついていくって言っちゃったけど。

「えっと...比企谷君、それでいいかな?」

止めて!目をうるうるさせて上目遣いで見ないで!可愛いから!勘違いしちゃうから!

「...ま、いいんじゃねーの?」

今の小野寺の前で嫌だと言える男がいるとしたら、そいつはきっとちょっと特殊な性癖の持ち主だけだろう。

 

「じゃ、小町とるりさんでチケット買ってくるんで、小咲さんとお兄ちゃんはここで待っててください!」

「はいはい。」

小町と宮本がチケットを買いに行ったため、俺は小野寺と2人きりで待つことになった。・・・チケット買うのに2人で行く意味あったか?

「あー、何だ。悪かったな。小町が無理矢理誘っちまったみたいで。」

「ううん、そんなことないよ。小町ちゃん良い子だし、一緒にいると楽しいから。」

「そう言ってもらえると助かるが...俺がいると邪魔じゃないか?」

「え?何で?」

「いや、女子でわいわいやってる所に男がいたら気を遣っちまうだろ。それに小野寺は普段から俺に気を遣ってくれてるみたいだし。」

「別に気を遣うとかは考えてないんだけどな...。」

「ん?悪い最後の方聞こえなかったんだが。」

「え!?い、いや別に何でもないよ!?」

「何故疑問形?」

やっぱ俺といると気を遣わせてしまうのだろうか...?

「それよりほら!るりちゃんたちチケット買ったみたいだから早く行こ!」

話を逸らすように小町たちの方へ早足で行ってしまった。

 

その後、小町たちからチケットを受け取り、映画鑑賞を始めたのだが...俺は今、何故か小野寺と2人きりで座っている。

そう。小町たちが買ってきたチケットは何故か2人2組に別れるような席の配置になるものだったのだ。小町曰く

「いやーそれしか席が取れなくて...」

だそうだが...嘘だ!だって今席結構ガラガラだもん!4人並びの席絶対とれただろ!つーか逆になんでこんな席ガラガラなの!?今流行ってる映画じゃなかったの!?

とか思いながら隣にいる小野寺を見やると

(はわわ・・・!いきなり2人きりになっても恥ずかしくて何も喋れないよぉ...)

何か俯いてぶつぶつ呟いていた...顔色は暗くて分からないが...今日ずっとこんな感じじゃね?やっぱ俺といるの嫌なのかな...あれ何でだろ...目からしょっぱい液体が...。

ずっとそんなことを考えていたせいか映画の内容が全く頭に入ってこなかった...早く小町と合流しよう...これ以上は胃に穴が空いちゃう。

 

プルル...ガチャッ

 

『ああ小町今どこだ?』

『いやーそれがるりさんがポップコーン食べ過ぎちゃってお腹こわしちゃったみたいだから小町るりさん送ってそのまま帰るね。だからお兄ちゃんは小咲さんと2人で遊んでて!じゃーね!』

ガチャッ...ツー...ツー...

 

.........は?




ありがとうございました。
次回、2人きりでのデートです。
...うまく書けるかな...


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...憐れ、マイファザー

今回もグダってしまいました...スイマセン...自分にもっと文才があれば...
今回文字数今までより多めです。


...小町は今何て言った?2人きり?俺と小野寺が?マジで?

「えっと...小町ちゃん何て?」

俺が頭を抱えて悶々としていたら小野寺が聞いてきた。「あ、ああ...宮本がポップコーンの食いすぎで腹こわして、小町と宮本は帰るらしい。」

「ええ!?じゃあこの後は!?」

「小町には遊ぶように言われたけど...。」

「・・・ふ、2人で?」

「い、一応そういうことになるらしい。」

(るりちゃん...!小町ちゃんも!チャンスってこれのこと!?嬉しいけど、いきなり2人でなんて...!もうほとんどデート...!)

・・・小野寺が顔を真っ赤にして悶々としてる...やはり俺と2人きりで遊ぶとかは嫌なんだろうか...嫌なんだろうな...

「あーっと...2人でってのは嫌だろうし、今日は解散「い、嫌なんかじゃないよ!!」す・・・」

「え、えっと...比企谷君さえ嫌じゃなければ、その、あの、ふ、2人で遊ばない...?」

マジで?いや俺はいいんだけども...いいの?

「お、おにょでりゃがいいにゃら...」

あっやべ、噛んだ。

「?」

ほら小野寺首捻ってるし。つかその顔可愛いなおい。

「んっんん!えっと、小野寺がいいなら別にいいけど...。」

「ホント!?」

いやだからなんでそんな嬉しそうな顔して距離を詰めてくるんですか?止めてホント!つい勘違いしちゃうから!なんなら告白して秒で振られるまである。振られちゃうのかよ...。秒もつかな...

「ああ...だから少しはにゃれて...離れてもらえると...。」

「え...あ、ああごめんなさい!」

どうやら本人も気付いてなかったらしい。元々赤かった顔を更に湯気が出そうな程赤く染め上げた。

「と、とりあえずここにいてもあれだし、適当にどっか入らないか?」

「そっ、そうだね!」

ホント早くここを離れたい。注目浴びてるから。

 

「・・・で?この後どうすんだ?」

「えっと、比企谷君はどこか行きたい所はある?」

今俺たちは小野寺が案内してくれたモール内の喫茶店に来ている。よくこんなとこ知ってたな。

「いや全然全く。今日は元々小町の付き添いの予定だったし。」

「そ、そうなんだ。じゃあ普段休日はどこ行くとかは?」

「家。」

休日に外出とかあり得ん。せいぜい本買いに行ったりコンビニ行くくらいだ。一緒に遊ぶ友達とかいないし。

「あはは...できればそれ以外だと助かるんだけど...」

まあそう言われるとは思ったけど...

「いや、そう言われても俺コンビニか本屋くらいしか行かねーし...小野寺は?」

「え?」

俺が問い返すと小野寺はぽかんと首を傾げた。

「いや、今日小町や宮本と遊ぶ予定だったみたいだし。どっか行きたいとこあるんじゃねーの?」

「あー...実は今日って小町ちゃんとるりちゃんが強引に決めちゃって...」

何やってんだ我が妹は。ちゃんと相手の意思確認しとけよ。あと強引に誘ったんなら途中でいなくなるなよ。

「あー...じゃあ適当にモール内見て回るか?こんだけでかいんだし何かあんだろ。」

「そ、そうだね。うん。」

「じゃあ会計してくっから外出てて。」

「え?私も払うよ?」

「いや、女子に払ってもらったら後で小町に小言言われかねんからいい。」

「そ、そっか。じゃ、先いくね?」

「あいよ。」

 

モールを回るのはいいが...

「何も買わなくていいのか?」

小野寺は店に入っては「いいな~」という表情で商品を見詰めて、結局何も買わずに店を出るということを繰り返していた。

「うん。こういうのって見てるだけでも楽しいから。」

「そういうもんか?」

「そういうものだよ。」

女子って生き物は全てそういうものなのか?...小町も少しは見習って欲しいな。あいつは欲しい物があったら俺か親父にねだってくるからな。そして最終的にはそれを買っちゃう。主に親父が。そういや前にアホみたいに高い服買ってやって、財布を見て泣いてたことあったな...しかもその服をほとんど着ないという...憐れ、マイファザー。

「それよりも、比企谷君は何か欲しい物とかないの?」

「特にねーな。あんまファッションとか興味ないし。」

今日着てる服だって小町がコーディネートした物だし。

「そっか...あ!ねぇ、次はあのお店入らない?」

「服屋か...別にいいけど。」

 

ありがとうございましたー。

 

本日、見ているだけで楽しいと言っていた小野寺が初めて購入した物は...

「随分男らしい時計買ったな。」

お世辞にも女性向けとは思えない腕時計だった。

「誰かへのプレゼントか...?」

「うん。まぁそんな感じかな。」

なるほど。だから俺に意見を求めていたのか。...べ、別に羨ましいとは思ってないぞ!?マジで!?ただその男はラッキーな奴だと思っただけで...。

「てっきり何か欲しい服があるのかと思ったがな。」

「うーん。あることにはあったんだけど...値段が、ね...。」

...世知辛い...。

「それよりも、比企谷君も何か買ったよね?何買ったの?」

「いやまぁちょっとな...」

目敏いな...小野寺には気付かれないように注意したつもりだったんだが...

「それよか、時間的にそろそろだと思うが、どうする?」

もうそろそろ5時も回る。もうそろそろ帰らねば帰る頃には日も落ちてしまうだろう。

「もうそんな時間なんだ...楽しいと時間が経つのが早いね。」

だからそういうセリフをやたらにはかないでもらえません?ホントに勘違いして告白して振られちゃうから。

「じゃあ近くの公園で少しゆっくりしていかない?」

つまりあれか。俺といるのが疲れたから休憩したいってことか。やっぱり無理してたんかな...。

「分かった。」

まあ俺にとっても都合がいいから構わないけど。

 

「...久しぶりに来たな。」

子どもの頃、小町がプチ家出したとき、ここの遊具に隠れてたんだっけか。いやあん時はホント焦ったわ。家帰ったら小町がいなかったんだから。誘拐されたのかと思ったわ。

「比企谷君来たことあったの?」

「まあちょっとな。」

「へえ...」

・・・会話が途切れた。なんだろう。宮本とか舞子相手だったら平気なのに、小野寺相手に沈黙とかすげー気まずい。

「あ、あの!」

「ひゃい!?」

びっくりした。いきなり大声あげるもんだから。

驚きながら小野寺の方を向くと顔を真っ赤にしてさっき買っていた時計の入った包みを俺に向けている。

「えっと...こ、これ...比企谷君に...」

「え?」

どういうこと?俺にそれくれんの?

「にゃ、にゃんで?」

俺も驚きすぎてまともに呂律が回らない。

「えっと...きょ、今日は楽しかったから...お礼?」

・・・や、やべぇ!この表情と仕草でこのセリフはホントヤバイ!何がって、破壊力が桁外れすぎる...!少し前までの俺だったら一発で陥落してるわ!つかこれで平静保てる男がいたらそいつはホモ以外あり得ない!

「お、おう...ありがとな...。」

もうまともに小野寺の方を向けない...。

「う、...うん。」

もうこの際だしこっちもさっさと渡しちまおう。

「お返しって訳じゃねえけど...これ...」

小野寺の顔も見れないまま、さっき買ったものを小野寺に渡す。

「え...?ええ!?私に!?何で!?」

「いや...ホントはもっと早くお礼っつーかなんつーか...」

そこで一旦区切って深呼吸する。これを口にだすのは俺にとってはかなり勇気の要ることだからだ。

「あの事故の直後、いろいろ気遣ってもらって本当に助かったから...その礼はいつかしないといけないってずっと思っててな...。」

俺が退院した直後、罪悪感からだと思うが小野寺が授業とか学校生活とか様々な面で助けてくれた。もし小野寺の助けがなければ、俺はもっと苦労していただろう。

そう考えると、むしろお礼をするのが遅すぎたかもしれないが。

「...私、気を遣うとか、そんなつもりじゃなかったよ?」

俺が一通り話したら、唐突に小野寺がそう口にした。

「確かに最初はそんな気持ちもあったかもしれないけど...でもそれはホントに最初だけだよ?

私は...」

そこまで言って小野寺はさっきの俺のように深呼吸した。そして次の言葉を発しようと口を開き...

 

 

「おー!!見たことあると思ったらやっぱ比企谷の坊主じゃねえか!!!」

...聞き覚えのあるごついおっさんの声に遮られた。

「こんな所で何してんすか、竜さん。」

 

~おまけ~

「ちょっと小町ちゃん?何かしらさっきの言い訳は?」

「いやー、とっさにいい理由が思い付かなくて。それにるりさんホントにポップコーンすごい量食べてたじゃないですか。...ってちょっと?なんで額に青筋浮かべてるんですか?」

「小町ちゃん...少しお話しましょうか?大丈夫よ。痛いのは一瞬だけだから。」

「え?るりさん?目が笑ってないんですけど...ちょっと止めて!引っ張らないで!」

 

あーーーー...




ありがとうございました。...デート回とか言っといてデートの詳細全然書けなくてスイマセン...だってデートとかしたことないもん!!!

...すいません。取り乱しました。
次回、これまでに何回か触れている事故について書く予定です。


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全身に痛みを感じる間もなく俺は意識を失った。

第7話です。一応今回でお出かけ編終了です。
...デートらしいデートをさせてあげられなくてすいません。
あと今回、今までに何回か触れてきた事故についても書きました。


佐々木竜之介。組の人には竜と呼ばれている、一条の家がやっている集英組というヤクザで若頭を務めている人物だ。

「こんなとこで何してんすか、竜さん。」

「いやー、実はとうとう坊っちゃんにも彼女が出来てな!!!わしらは坊っちゃんらのデートの手伝いでもできればと・・・」

 

そして2年前、俺と衝突した車を運転していた張本人だ。

 

 

あの日、何か特別な事があった訳ではなく、ただ俺が買っているラノベの新刊が発売されたから買いに行ったというだけだった。ただそれでも、欲しかった物を手にいれた直後で柄にもなくテンションがあがり、注意が散漫になっていたのは否めない。

そんな時にそれは起こった。

突然見知らぬ猫がそれまで遊んでいたらしき少女―小野寺-の手を離れ、突然道路に飛び出したのだ。いやそれだけならばまだいい。問題はその猫に向かって1台の大型車が迫っていることだ。タイミング的にもブレーキは間に合いそうもなく、このままでは数秒後あの猫が車にはね飛ばされてしまうだろう。

そう考えた時にはもう俺の体は車の前に飛び出し...

全身に痛みを感じる間もなく俺は意識を失った。

 

で、そのまま足を折って入院。

竜さんと小野寺は、家族を除いて俺のお見舞いに来てくれた唯一の人だった。

竜さんは俺を直接はねてしまった人として、小野寺は猫が道路に飛び出すきっかけを作ってしまった人として、それぞれ罪悪感を感じて...

 

 

「わしらは坊っちゃんらのデートの手伝いでもできればと思ってな!!!」

竜さんが嬉そうに話す。...一条に彼女...別に羨ましくはないけど。いやホントマジで!

「そっすか...どおりで見覚えある強面の人沢山いるなとおもいましたよ...ちなみに相手は?」

聞いても分からないだろうけど。

「あーほら、最近ここらに外人のギャング共が越してきてな、そこの一人娘じゃ!」

へー外人ギャング...ん?外人?最近越してきた?

「あ、あの竜さん!お久し振りです!」

俺が考えにふけっていると小野寺が竜さんに話かけた。そういや、俺の見舞いに来たときに会ってたんだっけか。

「おお、あん時の嬢ちゃんもおったんか!いや久し振りじゃの!」

「気付いてなかったんですか?」

「いやーすまんすまん。坊主の方は目とか髪の毛とか特徴的だからすぐ分かったんだが...」

ひでぇなおい。確かに俺のアホ毛は目立つかもしれんし、俺ほどに目の腐った人間もそういないだろうけど。

「・・・じゃ、小野寺。俺そろそろ帰るわ。そろそろマジで時間もやばいし。」

「え!?あ、うん、そうだね!?」

何でテンパってるんだ?...そういやさっき何か言おうとしてたな。

「なぁ小野寺。さっきは何言おうとしてたんだ?」

「え!?あ、えーっと...」

何か言いにくそうだな...

「た、大したことじゃないの。気にしないで」

「...そうか。じゃあな。」

あーよかった、変なこと言われないで。もし小野寺に絶縁宣言されたらその場で死んじゃうところだわ。

そんなくだらないことを考えながら俺は帰路についた。

 

 

~Side 小咲~

 

はぁ...

「えっと...何か余計なことしたか?」

「え!?いや別にそんなこと!そ、それよりも一条君のことはいいんですか?」

「おお、そうだった!じゃあ、またな!」

とてもヤクザとは思えない優しい笑みを浮かべながら竜さんが立ち去って行く。

「・・・はあー...。」

竜さんが見えなくなった所で私はさっきよりも大きなため息をついた。

こんなことってないよ...勢い任せな部分はあったけど、せっかく勇気振り絞ったのに...

「さっきの雰囲気だったら告白できたかもしれなかったのに...。」

もう少しで決定的な言葉を口にできたと思うとなおさら悔いが...

「はぁ...帰ろう...。」

結局最後に一つ、オマケのようにため息をはいて私は駅に向かった...。




ありがとうございました。
事故のくだりの設定は最初から決めていたのですが、うまく文章化できずにグダグダになってしまい申し訳ありません。


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...何あの不審者?

第8話です。相変わらずの駄文ですがよろしくお願いします。


週明けの月曜日。教室に入ってみると何故か空気が浮わついていた。

「おーす。おはよう比企谷。」

「ああ。」

「相変わらずテンション低いなー。」

「むしろ何でお前朝からそんなテンション高いんだよ。」

まあこいつは朝からとか関係なく大体テンション高いけど。割とうざいレベルで。

「いやー、それがよ?比企谷は聞いたか?」

「...何を?」

そんなん言われても分かる訳がない。つーかこれと似たやり取り、最近したような気がする。

「何でもー、一条と桐崎さんが付き合うことになったらしいぞ?」

「...あっそ。」

一条の相手ってやっぱ桐崎だったのか。竜さんに聞いたときになんとなくそんな気はしてたが。

「おろ?あんま驚いてないみたいだね?」

「いや、そんなことはないぞ。普通に驚いてる。...で?この空気はその二人を問い詰めようとしてるってことか?」

「そういうこと!」

「つーかそれどこ情報だ?」

もしかして小野寺か?あの後二人に会ったとか?

「むふふ...それはだな...」

 

「おーいみんな!二人が来たぞ!」

舞子が説明しようとしたところで件の二人が来たらしい。タイミング悪いな。

 

「おめでとー!!!」

 

「お前ら付き合うことになったんだってな!!」

 

「末永くお幸せにー!!」

 

出たよこのノリ。クラス内にカップル出来ると大抵こうなるんだよな。俺は参加しないけど。

 

「なんだよそれ!!一体なんの話・・・!!」

「とぼけんなって楽!!もーネタはあがってんだ!」

...舞子いつの間にあそこまで移動したの?さっきまでここにいたよね?

「一昨日の土曜日・・・!!街で二人がデートしてるのを板野と城ヶ崎が目撃してしまったのだよー!!」

あーなるほど。それでクラス内に広まってんのか。というか板野と城ヶ崎って誰?

「おー?何々お前ら付き合う事になったわけ?いいねー青春だねー。」

いやいや。先生はこの騒ぎおさめてくださいよ。マジで。

「ちょちょちょ待てよみんな!!みんなそれ誤解なんだってばー!!これには色々深い訳が...。」

何か言おうとしていた一条が窓の外を見るなり固まった。そして...

「そーそー誤解なんだよみんなー!俺達はカップルじゃなくて「超ラブラブカップルだっつーの~!!」」

と言いはなった。...え?何あの見え見えの芝居。つーか何でクラスの連中みんな信じてんの?つーか一条と桐崎、さっき何見て固まったんだ?

そう思って窓の外を見ると...

 

木の枝にのって双眼鏡で覗いているスーツ姿のおっさんがいた。

 

...何あの不審者?

 

-翌日-

「おはようダーリン!!早く会いたかったわ!!」

「おはようハニー!!僕もだよ!!」

一条たちのくさい芝居はまだ続いていた。

「...よくやるな。」

「ん?何が?」

...何で舞子はいつもしれっと俺んとこ来んの?

「とぼけんな。お前もあれが芝居なのは分かってんだろ。」

こいつは軽薄そうに見えて実際その通りだが、中々洞察力のある奴だ。気付いていないはずがない。

「まあそうだけどさ。でも!ノった方が面白いじゃん!?」

「...お前のそういうとこが嫌いだよ。」

「面と向かって酷くない!?」

「比企谷君、おはよう。」

「おう小野寺。何か用か?」

「えっと、大した話じゃないんだけど...ちょっと昨日・・・」

それから昨日の小野寺と一条の会話を聞いた。要約すると一条が桐崎の不満を垂れ流していただけのようだ。ま、どうせ誤解を解こうとしたけどヘタレただけだろうけど。

「せっかく付き合って、教室でもあんなにラブラブなのに...どういう事だと思う?」

なるほど。教室で「ハニー!」とか言ってる一条が不満を言ってたのが疑問だったのか。

「...窓の外の木の枝見てみろ。」

「え?...!?あの人誰!?」

どうやら小野寺も不審者の存在に気付いたようだ。

「それは知らんが多分あれが原因であーやってるんじゃねーの?あの双眼鏡ずっと一条の方向いてるし。」

うーん...あれマジでそろそろ通報した方がいいのではなかろうか?




ありがとうございました。そろそろ1巻の内容終わりそうです。
...最近締め切りに追われる作家の気持ちが分かるようになってきました。


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昨日通報しといたけど。

第9話です。
今回で原作1巻の内容終了です。


「ほう?俺に相談とな?」

「ああ、まぁちょっとな。」

昼休み。俺がいつも通りベストプレイスに行こうとした所で舞子が一条に呼び止められていた。それだけならいいのだが...

「何でここに来たんだお前ら...。」

何故その相談とやらを俺のベストプレイスでする?

「いや、その、比企谷にも話を聞いて欲しくて。」

「舞子いるなら俺いらないだろ...。」

「...集だけだと何か脱線しそうだから...。」

...なるほど。確かに舞子だけだと面白半分で話が明後日の方向に飛びかねんな。

「ちょっと楽、酷くない~?」

「そういうことなら仕方ない。」

「比企谷も!?」

だってお前前科多いし。

「それで?どうだね彼女の唇の柔らかさは?」

「してねーよんな事・・・!!」

...早くも脱線し始めたし...。

 

一条の相談は、『桐崎に「親しい友達相手なら秘密を言ってもいいんじゃないか」と言ったら逆ギレされた』というものだった。

「俺にはあいつがどこにキレたのかさっぱり分からん。...まぁ単純に虫の居所が悪かっただけかもだけど...。」

「んー...と言うよりかはよ、その秘密とやらを『言える友達がいりゃ苦労しねーよ!!』...って事なんじゃねーの?」

...やっぱ舞子がいれば十分だったろ。俺が思ったことそのまんま言ってくれたし。

「・・・は?...友達いねーの?あいつ。」

「いや知らんけど。お前彼氏だろ。」

「...でも俺あいつが女子と楽しげに話してるとこみたことあるけど...。」

「バカかお前は。楽しげに話してるからって仲がいいとは限らんだろ。」

「でもあいつあんな性格してるし...」

...ダメだ。こいつ何も分かってねぇ。

「どんな性格だ?」

「え?」

「いやだからどんな性格だって言ってるんだ。」

「それは...社交的っつーか、何つーか...」

「それをクラスの連中がみんな知ってると思ってんのか?あいつが転校してきてまだ一ヶ月も経ってないんだぞ?」

「あ...」

何故そこを失念してんだこいつは...。

「それに良くも悪くもあんな目立つ容姿で帰国子女だ。しかもお前と話す時とそれ以外と話す時とで明らかに壁つくって態度も違うときたもんだ。つまり今はクラスの連中があいつを敬遠してるんだよ。お前の言う秘密ってのがどういうのかは知らんが、そんな現状でそこまで心を許せる相手が出来るわけねーだろ。」

「...」

「ま、俺も桐崎さんがお前以外の特定の誰かと仲良くしてるとこって一度も見たことねーんだよなぁ。」

追い討ちするように舞子が続けた。

「...確かに俺、普段のあいつの事なんて全然見てなかった...。」

「...とにかく、お前の意思がどうだろうが、今桐崎と最も近い位置にいるのはお前だ。なら直接何かしてやるのはお前の仕事だろ。何なら昔お前がしてもらったみたいに橋渡しでもすればいい。」

「ちょ!?何でそれを知ってんの!?比企谷に言ったことないよね!?」

俺の最後の一言に、一条ではなく舞子が反応した。

「前に一条に聞いた。」

「楽!何話してんの!」

お、舞子が顔赤くして照れるなんて珍しいな。

 

~放課後~

「小野寺?」

日原先生に頼まれていた案件が終わり鞄を教室に取りに行く途中、既に帰ったはずの小野寺がいた。

「比企谷君?どうしたの?もう帰ったと思ってたけど。」

「いや別に?先生に押し付けられた案件が終わったから教室に鞄取りに行くだけだ。そっちは?」

「えっと、ちょっと忘れ物しちゃって。」

「そうか...。」

「うん...。」

...沈黙が重い...。

一条とか舞子相手なら別に気にしないが、小野寺相手だと何か重い。

「え、えっと先生に何頼まれてたの?」

小野寺も沈黙に堪えかねたのか、多少慌てた様子で話題を振ってきた。

「主に荷物(プリント)運びだな。...ったく、舞子あたりにでも頼めばいいだろうに。あいつなら喜んで引き受けるぞ。」

「あはは...いくら舞子君でもそれはどうだろう...」

「小野寺は何忘れたんだ?」

「えっと筆箱とか...」

「ふーん。」

「...」

「...」

俺の相づちを最後に会話が途切れ、さっきよりも気まずい空気のまま教室前に着いた。

「・・・!」

「・・・!!」

...教室の中から言い合いのような声が漏れてくる。

「何だ?誰か教室いるのか?」

「この声って一条君と桐崎さんじゃない?」

 

「しょせんあんたとの仲なんて演技なんだから・・・!!」

「分かってるっつーの!!」

 

「え...演技...?」

「あーやっぱそうだったか。」

つかあいつら、バレたくないなら教室でんな大声でそのこと話すなよ...。

「比企谷君...演技ってどういうこと...?」

どうやら小野寺は桐崎のセリフを正しく理解できていないらしい。

「あー...これは俺の推測だけど多分あの二人、別に付き合ってないんじゃね?」

「え?でもいつも教室ではあんなにラブラブなのに?」

「ほら、ここ最近教室覗いてた不審者いたろ?」

ま、昨日通報しといたけど。

「う、うん。」

「多分あれとか、あとは一条の家の人達にはあの二人が付き合ってるように思ってもらう必要があるんじゃね?竜さんの言ってたギャングの娘って桐崎の事だろうし。」

「...そっか。でもだったらその事情って何だろう?」

「それは俺も知らん。つーかそろそろ鞄取りたいんだけど。」

もう入っていいかな?入っていいよね?

 

ガラガラ

「入るぞー。」

「うおわっ!ひひひっ比企谷!?お、小野寺も!?」

何それ?笑ってんの?

「あ、あんた達いつから!?」

「ついさっき。今まで仕事してたから鞄取りに来ただけだ。」

「き、聞いてた!?」

...ばっちり聞いてはいたけど、ここは・・・

「何を?」

すっとぼけよう。

「あ、えっと、何でもない...。」

「そうか。なら俺は帰るぞ。じゃあな。」

「あ、ああ。また明日。」

 




ありがとうございました。
...調理実習編についてはごめんなさい。うまい具合に書ける気がしなかったし、ヒロイン小咲なのに今まであまりにも千棘メインすぎたので...


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やっぱりその手の質問か...。

すいません、投稿するとこ間違えてました...。投稿し直します。


~Side 小咲~

「あの二人ほんといつも一緒にいるのね。よくやるわ。」

屋上から桐崎さんと一条君を見て、るりちゃんがぼやいた。

「...うん。いいよね...ラブラブで...。」

ホントはあの二人付き合ってないみたいだけど...比企谷君に広めない方がいいって言われているのでそう返す。

「...あんた人のこと気にしてる余裕あるの?」

「え?」

るりちゃんを見ると、何やらこっちを睨んでいる...結構怖い...。

「え?じゃないでしょ。あんた結局あのデート以降比企谷君と何も進展ないでしょ。」

「うっ...。」

それを言われると何も言い返せない。実際あの後は一条君達のことでゴタゴタしてまともに話せてないし....。

「うう....」

「...ったく情けない。まぁいいわ。チャンスぐらいは作ってあげるから。」

そういったるりちゃんの瞳は、何やら怪しく光っているように見えた....。

「え・・・!?ちょ・・・るりちゃん待って何する気!?」

「いいから...」

「よくないよ!?」

 

Side out

 

「比企谷君ちょっといいかしら?」

「....宮本?」

珍しいな。宮本が俺に話しかけてくるとは。

「何か用か?」

「今日私達あなたの家で勉強会開きたいんだけど構わない?」

「........は...?」

何を言ってるんですかこの子は?勉強会?どこで?我が家で?

「Why?」

「何で英語?」

「うるさい舞子黙れ。...で?なんで?」

「...何?文句ある?」

怖っ!怖ーよ。なんでこの子こんな威圧感出せんの?

「因みに小町ちゃんの許可はとってあるから。」

何でそっちが先なの?というかそれだったら俺に聞く意味無かったよね?

 

 

「皆さん~!どうぞいらっしゃいませ!ささ、どうぞ!お茶用意してありますから!」

結局連れてきてしまった。それにしても何故宮本はウチで勉強会したいと言い出したのだろうか?小町に会うため?

「おお!あなたが桐崎千棘さんですね!うわーるりさんに聞いてた通りすごいキレイ!あ、千棘さんって呼んでいいですか?」

流石は小町だ。初対面の相手でもズケズケふみこんでらっしゃる。

「え、ええ。別にいいけど...。」

「わー!ありがとうございます!あ、ではこっちです!」

...

「ねぇ、あの子ホントにあんたの妹なの?」

「そう聞きたい気持ちはよく、物凄くよく分かるが、間違いなく妹だよ。」

「うっわ...」

ちょっと?聞いといてドン引きすんの止めてもらえます?

「...何であなたまで付いてくるの?舞子君。」

「えー?まーまーいいじゃないの。同じメガネのよしみでさぁ!」

「嫌なカテゴリーね。...そんなよしみはない。」

宮本は舞子と何か言い合ってるし...無理やり連れて来られた感のある小野寺はどうなのだろうか?

 

サッ...

 

......何か目逸らされた...。まぁそっすよね。来たくないっすよね...あれ、何か無性に悲しくなってきた...。

(もう!るりちゃんいきなりすぎ...!どうしよう...顔見れないよ。)

因みに後ろでは一条と桐崎がそわそわとかわくわくとか言ってる。

 

「お兄ちゃん、お茶入ったよ。」

「サンキュ。適当に配っといてくれ。」

勉強会はリビングでやることになった。この人数でできそうな所ってここだけだし。

パチッ

サッ

「「あっ」」

...何かさっきから小野寺に目逸らされまくってるん

すけど。俺何かやったかな...ヤバイ...心当たりスゲーあるわ。

(ああ...またやっちゃった...。)

「はあ...もういいからさっさと勉強会始めない?」

桐崎ナイス!

 

「...」

もともと生真面目な面子ばかりなので、いざ勉強会が始まれば静かなものだ。口を開くにしてもせいぜい分からない所を質問する程度だ。

「...ねぇるりちゃん、ここ解ける?」

ほらこんな風に...

「んー?...ねぇ比企谷君。ここ小咲に教えて欲しいんだけど。」

「ハァ!?」

ちょっと待て!突然何言ってんだこのちびっこは!?

「るっ...!るるるるりちゃ...「あーごめん私これ全然分かんないから...」この前もっと難しそうなの解いてたじゃ」

「いいから行け!そして二度と戻るな。」

酷え!それ友達に対して言う台詞か!?というか

「おいそれ数学だろ?俺数学は無理だぞ。」

前回のテスト、数学だけは学年最下位だったし...。

「チッ」

え!?今舌打ちした!?何で!?そんなに教えられないのがだめなの!?

「あーそれ?先にα代入しないと解けないわよ?」

いきなり桐崎が横から口を出してきた。

「おい桐崎。あんま邪魔しねーで自分のやれよ。」

「もう終わった。」

「は!?バカ言え今日の宿題ってプリント三枚も「ほら」...」

おお...すげえなあいつ。この短時間でもう全部終わったのか...さっきまで桐崎につっかかってた一条は何かうちひしがれてるんですけど...というか結局小野寺には桐崎が教えることになったのね...

「ねーねーところで小野寺さんは好きな人とかいないの?」

「「ブー!!」」

うわっ汚ねっ!一条動揺し過ぎだろ。小野寺好きなのバレるぞ...。

「わ...私は今はそういう人は...。」

...今度は安心しきって顔がすげえにやけてるし...ぶっちゃけ気持ち悪い。

「そっかー。私もまだそういう人いなくてさー。早く素敵な恋とかしてみたいんだけどねー...。」

ーーー

「ジョ、ジョーク!ジョークです今の!!」

「こ、こら酷いぞハニー!僕という人がありながら!!」

いやもうそのクサイ演技いいから。お前らホントに隠す気あるの?

「なあなあお二人さん。俺もちょっち聞いていい?」

あ、これ絶対ロクなこと聞かないやつだ。

「お前らってぶっちゃけどこまで行ってんの?」

やっぱりその手の質問か...。

「「ブー!!」」

汚ねっ!!だからお前ら動揺し過ぎだろ。

「ど、どどどどどこまでとおっしゃると?」

「そりゃもちろんキ「お前ちょっとこっち来い!」ええー?なんだよー?」

...行ってらっしゃい。

 

 

「あれ?舞子さんと一条さんは?」

「どっか行ったぞ?」

「ふーん...で、何で千棘さんは赤くなってるの?」

それは聞かないでおいてやれ妹よ...。




ありがとうございました。お騒がせしてすみません。


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小町には二度と逆らわないようにしよう。

第11話です。
気付けばUA40000突破!...なんだか感慨深いものがあります。
今後ともよろしくお願いします。


~Side 楽~

「...なるほどねー。そういう理由で恋人のフリしてたのかー。まさかそんな大事になってるとは...」

...こいつまさか

「...恋人のフリって気付いてたのかよ。」

「ははは!そら見てりゃな...あと比企谷も気づいてるぞ。」

...確かにあの無駄に観察眼の鋭い比企谷なら気付いてても全くおかしくない。

「まあぶっちゃけると『楽ー!!』ってお前揺らした時点から気付いてたかな。」

「それ最初の最初じゃねーか!」

「だっはっは!あんな面白そうなことノらない手はないだろ!?」

くっそー...だから嫌だったんだ。こいつに話すの...。

「んで、お前は小野寺に誤解されたままは嫌だと。」

「そりゃあ...まあ。」

小野寺に誤解されたままでは告白しようにも出来ない。

「だったら簡単だろ。」

「は?」

どういうことだ?何が簡単なんだ?

「小野寺に教えちまえばいいじゃん。」

「はぁ!?出来る訳ねーだろ!告白と間違われたらどうすんだ!?」

それにあの眼鏡が見張ってて話す暇が...あれ?そういやここ数日見てないよーな...

「いやいや間違われないでしょ。考えすぎだよ。」

考えすぎなことないだろ!なんで女子は小野寺だけってなったら...

「ま、楽がいいならいいけどね。早めに言っておけば良かったって後悔するかもよ?」

後悔?言わないことが?

「どういうことだ?」

「いんや何でも。それより早く戻ろうぜ?」

「あっ、おい!!」

 

~Side out~

 

「へー。じゃあ千棘さんと一条さんってホントに出会ってすぐ付き合い始めたんですね!!」

一条たちが出ていってからしばらくして、桐崎と小町は意気投合したのか、やたら会話が弾んでいる。ただ、一条と付き合っている云々の話になると、桐崎の口調が露骨に辿々しくなった。

「ま、まあね~。」

「ただいま~。」

と、丁度桐崎が挙動不審になったタイミングで舞子と一条が戻ってきた。

「別に待ってないわ。戻ってこなくてもよかったのに。」

「ちょ、るりちゃん酷くない!?」

や、お前の扱いはいつもそんなもんだろ。

 

「で?俺らがいない間、何の話してたの?」

勉強会が再開してすぐ、舞子が桐崎に話しかけた。

「いいいや別に何も!?」

...何故焦る?

「いやー、小町が色々聞いてたんですよー。一条さんとの馴れ初めとか。」

「な、馴れ初め!?」

「はいー。それと一条さんにも聞きたいことがあるんですけどー。」

「え?何?」

いきなり話を振られる形になった一条が首を傾げて問い直す。...女子がやると可愛く見える動作も、男がやるとキモいだけだな。

「小町の記憶が正しければ確か一条さんって・・・」

...ドガーン......!!!

「お嬢ーーー!!!」

玄関の方で爆発音が聞こえ、いつぞやの不審者が思いきりドアを開けた。...え?何であの人ここにいるの?通報したはずなんだけど。

つーかさっきの爆発音って...

「...玄関吹っ飛ばされてんじゃねーか!!」

ホント何やってくれてんのあの不審者!器物損壊と不法侵入とストーカーとあと多分銃刀法違反だよ!?

「大丈夫ですかお嬢!帰りが遅いので発信器を辿ってみれば「あの」...何だ貴様は話しは後に...」

「うちの玄関跡形もなく吹き飛んでるんですけど...」

...ヤバイ。何がヤバイって小町がマジ怒りなんですけど。あの不審者も徐々に怖じ気づき始めてるし..。

「許可なく人の家入ってきて許可なく人の家の玄関吹き飛ばすって...何考えてるんですか?」

...近年稀に見る完璧な笑顔なんだけど...目が笑ってねぇ...

「そ、それはお嬢の安全を第一に...「正座。」ハイッ!!」

「今からたっぷりお話しましょうね?」

「......。」

もうあの不審者声出なくなってるし...

今のうちに通報しとくか...。

 

その後たっぷりお説教された不審者は俺が呼んだ警察に連れていかれた。

 

小町には二度と逆らわないようにしよう。

 

連れていかれる不審者の後ろ姿を見て俺は改めてそう決心した。

 

 

 

 

 

 

 

~おまけ~

 

...次のニュースです。本日16時頃、千葉県千葉市の一軒家に銃を持った男が押し入ったという事件が発生しました。

男は拳銃を所持しており、その家の玄関を破壊して侵入したとのことです。

容疑者は以前にもストーカー容疑で通報されており、調べに対し「ただお嬢が心配だっただけ」と供述しています。

それでは次の...

 

 

 

 

 




ありがとうございました。

...すいません。クロードファンの方は特にすみません。 あの方が今後出てくるかは未定ですが、暖かく見守っていただければ...

一応言うとこれがきっかけでシリアスにはなりませんのであしからず...


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...うちの妹ってこんな黒かったっけ...?

第12話です。
...難しい...。クロードが逮捕されちゃったし...この後の展開ホントどうしよう...


「比企谷~。昼飯食おうぜ~。」

勉強会の翌日の昼休み。いつもであればベストプレイスへ行くのだが、今日は雨なので教室で過ごすしかない。

そこへこの誘いである。断りたいのは山々なのだが、口実がない。

「はぁ...分かった。」

かくして、いやいやながらも誘いを受けてしまった。

 

「いやー、楽の弁当って相変わらず健康的だなー。これ母ちゃんとかが作ってんの?」

「アホ言え。俺が作ってるに決まってんだろ。」

いや、高校生が自分の弁当を自分で作るのは普通じゃないだろ。しかも何でおかずのラインナップが精進料理みたいになってんだよ。

「今日はこのれんこんと里芋の煮物が自信作でな。」

あとなんで自信作がその地味な料理なの?他に無かったの?というかそんなキラキラして言うことでもないだろ。

「じゃあ比企谷のは?お前のも結構うまそうだけど。」

「あ?あー、俺のは小町に作ってもらってる。」

こうして思うと妹に毎日弁当作ってもらってる俺も大概だな...

「ふーん...なぁ比企谷、いやお義兄さん!」

「お義兄さん言うな。」

気持ち悪い。

「妹さんを俺にください!」

「ふざけんな妹は絶対にやらん特にお前には!」

間違っても舞子のような軽薄野郎になどやるものか。もし小町が舞子と付き合いたいとか言い出したらお兄ちゃん泣いちゃう。

「そんな必死にならなくても...。」

「必死になるに決まってるだろ!小町のことだぞ!」

逆に俺がそれ以外のことで必死になることなどない。

「はぁ...ほんととことんシスコンだな...。」

 

「...しかし楽の弁当とは対照的に桐崎さんの弁当はまたでけーな。」

「ん?」

「...まぁ確かに。」

つっても実家がギャングって聞いた後だと特に驚かないけど。

 

 

~クロード連行後~

 

 

「ごめんなさいごめんなさい本ッ当に申し訳ありませんでしたー!!」

勉強会に参加したメンバー全員に恋人のフリをしていること、実家がギャングであることを説明した桐崎はものすごい勢いで土下座した。

「あーいえいえ、千棘さんが謝ることないですよ。」

そんな桐崎に答えたのは先程ギャングの大幹部様を正座させてた我が恐るべき...愛すべき妹だった。

「ただ、壊れた玄関については...」

「あ、うん!それはもちろんうちの方で直すから!!」

「そうですか~。それならいいです。」

...うちの妹ってこんな黒かったっけ...?

 

 

 

 

 

「で?結局クラスの奴らには秘密でいいのか?」

「ああ。どこからうちのもんとかあいつのとこの人の耳に入るか分からねーし。」

まあ、噂好きな奴らがこんな短期間で飽きるわけもないだろうけど。

 

 

 

~Side 小咲~

 

 

「キャビアにフォアグラ、トリュフ...」

「オマール海老にフカヒレの春巻き...ウニの素揚げにフィレ肉のステーキ...」

「?どうかしたの?」

「昨日聞いたけど...桐崎さんの家ってホント金持ちなんだね...。」

私こんな高級料理少しも食べたことない...。

「え!?...私のお弁当って普通じゃないの?」

「んな訳あるか!?」

桐崎さんのズレた驚きにるりちゃんがつっこんだ。...これが普通だったら私たちが普段食べてるご飯って?餌?

「あ、それより宮本さん、小野寺さん。」

「るりでいいよ桐崎さん。」

「ほんと!?じゃあ私も千棘って呼んで欲しい!」

「あ、なら私も小咲って呼んでよ。」

1人だけ名字だと何か寂しいし...。

「るりちゃんに小咲ちゃんね。分かったわ!」

(((和むわぁ...。)))

...何だろう、クラスの男子がにやにやしてこっちを見てるような...。

「昨日は本当ごめんね。うちのバカが迷惑かけて...。」

「なんだそんなこと。別に私たちはいいわよ。」

「うん。むしろ比企谷君や小町ちゃんの方が大変なんだし...。」

「うっ...。」

桐さ...千棘ちゃんが言葉に詰まってしまった。本人も思うところがあるみたいだけど...。

「その2人も昨日許してくれたんだし、いいんじゃないの?」

「うーん...そうなのかな...」

「うん。比企谷君の場合あんまり気を使うと逆効果かも...。」

「え?どういうこと?」

「...比企谷君は本当に優しいから。あまり気を使っちゃうと比企谷君が自分のせいで気を使わせてるっていう感じに罪悪感感じちゃうんだよ...。」

あの事故の時もそうだったし...

「...そうなの?何か意外~。」

「うん。」

...何だろう?何か2人が生暖かい眼差しを向けてきてるんだけど...

「それにしても小咲ちゃん。随分熱く語ってたね。」

「ふぇ!?」

え!?ホントに!?

「なんか遠くを見ながら話してたわよ。」

え!?ウソ!?

「ねぇ、もしかして小咲ちゃん...あいつのこと好きなの?」

「うぁえ!!?」

ウソ!?付き合いの浅い千棘ちゃんが1発で分かっちゃうレベルなの!?

「そ、そそそそんなこと...「バレバレよ...。」あうう...」

恥ずかしすぎて火出そう...。

「そっか...ねぇ?あいつのどこが好きなの?」

「え?」

いきなりなのでポカンとしてしまう。どこ?

「いや、だって小咲ちゃんって凄い可愛いしいい人じゃない?どう考えてもあんな腐った魚みたいな眼してるやつと釣り合わないと思うんだけど...。」

ひ、ひどい言われよう...確かに比企谷君、眼は個性的というかなんというか...って感じだけど...。

「その...前にちょっとあったんだよ。...比企谷君に関係することだから詳しくは言えないんだけど...。その時に、ね...。」

事故のことは比企谷君に広めないように言われているので、肝心な部分はぼかしたけど...うう...恥ずかしい...。

「ふーん...そんなに好きなんだ...ならさ、いっそ告白しちゃえば?」

「ええ!?」

こっ、こここ告白!?告白ってあの告白!?

「い、いやそんな...告白とかいきなりそんな...。」

「...いいかもね。」

「るりちゃん!!?」

るりちゃんまで何を!?

「だってあんた結局昨日も進展なく終わったじゃない。あいつを好きなんて奴そうそういないだろうけど、誰かに取られちゃってからじゃ遅いかもだよ?」

うう...それはそうだけど...

「そうだよ小咲ちゃん!ほら、私も手伝うからさ!」

千棘ちゃんも言ってくる...

「...うん。そうだね。その通りだと思う...!」

「...小咲?」

よく考えたらもう2年も何も出来てない...それに...

「比企谷君は優しいから...その優しさに気付いて比企谷君のことを好きになる人だっているかもしれない。」

私みたいに...。

「頑張るよ2人とも。私...この気持ち伝えてみる...!!!」




ありがとうございました。
プール回を飛ばしたことについてはすいません。あれを小咲と八幡中心に進めるのは難しくて...。まさか八幡に千棘を救出させる訳にもいかないし...


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...俺は、未だに彼女に重荷を背負わせてしまっているのだろうか...。

こんにちは。
少しの間更新止まっちゃってすいませんでした。


~Side小咲~

 

 

「で?改めて聞くけど小咲は比企谷君のどこが好きなの?」

放課後。委員会が終わり、帰る準備をしていたらるりちゃんが唐突に聞いてきた。

「...え?」

「前に何かあったってのは聞いたけど、まさかそれだけじゃないでしょ?それとも何?その出来事でコロっと一目惚れでもしちゃったの?」

「えっと...」

...改めて聞かれると意外と難しい...。比企谷君の優しさって周りからは分かりづらいし...。

「優しいところというかなんというか...態度や言動は捻くれてるんだけど気を遣ってくれるところ、とか?」

「...私にはさっぱり分からん。」

うう...だよね...。さすがに今の説明じゃ分かりづらすぎるよね...。

「うう...どう表現すれば伝わるかな...。」

「...私が知るか。」

 

...ガラガラガラ...

 

 

~Side out~

 

 

「...小野寺、宮本。お前ら何やってんだ、こんな時間まで。」

日原先生に頼まれた雑用が終わり、教室に戻ったら何故か小野寺と宮本がいた。

「比企谷君。...えっと、私は委員会で...るりちゃんは「じゃーね小咲私急用があるからすぐ帰らなきゃバイビー。」って、るりちゃあぁあぁん!!?」

おおう...何か宮本がものすごい勢いで帰っていった...。俺とは極力同じ空間に居たくないってことですかそーですか...。というかそれを差し引いてもすごいなあいつ...残像見えたし...。

(るりちゃんのバカ~...!!)

小野寺は何もない虚空に両手を伸ばしてる...と思ったら真っ赤になって...何か血の気が引いてるんですけど。...何この百面相、ちょっと面白い。

(...どうしよう。告白なんてまだ先だと思ってたのに...心臓が壊れそう...どうしよう、いつもみたいに振る舞えない...やっぱり今日告白は無理だよるりちゃん...!)

...何かまた赤くなってんな。何?風邪?

「小野寺、お前体調悪いのか?」

「...え?」

「いや、さっきから真っ赤になったり逆に真っ青になったり、かと思えばまた真っ赤になってるから。」

「ぴえ!?い、いやこれはその、違くて...。」

おー...更に真っ赤になってらっしゃる...というかぴえって...慌てすぎだろ。可愛いなおい。

「まぁとりあえず早いとこ帰った方がいいんじゃねーの?なんなら送るか?」

体調崩した女子を放って帰ったら後で小町に何を言われるか分からんし...。

「え!?送ってって!?」

...この過剰反応。そんなに俺と帰るの嫌なのかな...。何かショックだ。

「...とりあえず何か飲み物買ってくるからちょっと待ってろ。」

「あっ...ちょっと待って比企谷君!」

 

 

~Side 小咲~

 

 

「ちょっと待って比企谷君!」

...勢いで教室を出ていこうとした比企谷君の手を掴んでしまった...どうしよう!?この後のどうするかなんて全く考えてないよ!?

そんなことを思って顔を上げたら...

「「...」」

比企谷君の顔が目の前にあった...

「...小野寺?」

自分の顔がどんどん赤くなっていくのが自分でも分かる...。でも...こんな機会これからあるか...

 

...今なら...

「比企谷君。私、実はね...今までずっと言えなかったんだけど...」

一文字ずつ、一文字ずつ音を紡ぐ...

「私ずっと...比企谷君のこと...」

あと...あと二文字...

「す...す...好《ガシャァァきァァァン...》」

...二文字は窓の割れる音に遮られた...。

 

 

~Side out~

「うわっヤベー!!」

「バカ何やってんだよ!!」

「つーかこれはマジヤバイっしょー!!」

「すいませーん!!誰か当たってないですかー!!?」

...先ほどまでのシリウスな空気は飛び込んできたボールによって粉々にぶち壊された。

「くそっ、危ねーな!」

とりあえず腹いせに飛び込んできたボールを思いきり投げとこう。結果ボールが1個紛失したとしても俺は知らん。おれのせいではない。

「悪い小野寺。先生に知らせてくるから少し待っててくれ。」

「へ?あ、ひゃい...」

 

(こ...こんな事って...ひどいよ神様...。)

 

 

...俺は難聴系主人公のように都合のいいように聞き逃したりはできない。だからこそ聞こえてしまった...。

 

『比企谷君のこと...好き』

 

「はぁ...。」

もし聞こえなかったら、あるいは俺の聞き間違いであればどれだけよかったか...。

彼女は、あの事故のことを未だに気にしているのだろうか...自分のせいだと思っているのだろうか...でなければ、俺の様な奴を好きになるなど...好きだと勘違いすることもあり得ないだろう。

「はぁ...。」

 

 

 

...俺は、未だに彼女に重荷を背負わせてしまっているのだろうか...。

 

 




ありがとうございました。
戸部に関しましては、あくまでゲスト出演というかネタなので、今後出演することはありません。
今後もよろしくお願いいたします。


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...何かホント不憫だな...あの人...。

こんにちは。14話です。今回はかなり短めです。

全く関係ないですが、最近Angel Beatsを見て割と本気で泣きました。



「...転校生?」

朝登校したら舞子が項垂れながら俺に絡んできた。

「らしーよ。何か突然決まったことらしくてさ。生徒にゃ通知が遅れたんだと。」

...桐崎の時もそうだったがこいつは一体どっからそんな情報仕入れてくるんだ?

「しかもその転校生男なんだとよ。しかも噂によれば美男子!...マジテンション下がるわー。」

...ホント分かりやすく自分の欲望に忠実なやつだなこいつ。...そんな事言ってるからいつも宮本にボコられてるんだろうに。

「ふーん...私はちょっと楽しみだわ!同じ転校生だし。」

「...俺は転校生ってもんにいい思い出がないからなぁ...」

あー、確かに一条はそうだよなぁ。転校生が来た結果心の安らぐ場所が無くなったんだし、そもそもその転校生に開幕いきなりぶっ飛ばされたんだし。

「なんか言った?」

「何も言ってません。」

...だから一々怖いっすよ、桐崎さん...

 

 

「...はじめまして。鶫誠士郎と申します。どうぞよろしく。」

...

「きゃーーー!!どうしよう、すっごいイケメン~!!」

「モデルさん!?」

「顔ちっちゃーい!」

日原先生の案内で入ってきた転校生は確かに作り物のような中性的な整った顔立ちをしていた。確かに女子達が騒ぐのも納得できる...のだが、

(...何か違和感あるな...。)

その立ち姿...というか...何か分からないが違和感を感じた。舞子を見れば目を細めて何やら怪しげな視線を転校生に向けていた。まるで自分の想定と結果が食い違ったかのような...

「......!!つぐみ...!?」

俺が首をひねっていると唐突に桐崎が立ち上がった。って、え?知り合い?

「お嬢...!」

お嬢?何か聞き覚えがあるような...

「お久しぶりですお嬢ーー!!」

桐崎の反応に皆が呆然としている中、転校生がいきなり桐崎に抱きついた。

...は?

 

 

「...突然申し訳ありません。こちらも急だったもので...皆様も驚かせてしまわれたようで...。」

昼休み。クラスの騒ぎも収まり、普段桐崎と話す機会の多い、というより桐崎の家がギャングであることを知っているメンツが集まり転校生から事情を聞いていた。

「まぁそれはいいから。それより何で突然転校なのよ?」

「はい。それは丁度アメリカでの任務も終わり、クロード様と連絡を取ろうとしても繋がらず...やむを得ず日本に来てみれば逮捕されてしまったと聞いたので...。」

それを聞き、思わず頭を抱えてしまった。

あの人を通報したのは俺だぞ!?ヤバイ、もしかしたら俺復讐っつって殺されるんじゃ...。

「じゃあ何?クロードを助けようってこと?」

「いえ、それが...ボスにそう提案したところ、反省を促すためにもこのままにしておけと...」

「え?どういうこと?」

思わず転校生をガン見してしまった。反省?というか提案はしたのか...。

「何でもクロード様のお嬢が絡むとやり過ぎてしまう所にはボスも頭を悩ませていたようで...」

......

「なので、今回の1件はむしろいい薬になると...。」

...何かホント不憫だな...あの人...。




ありがとうございました。
正直結構ギリギリまで鶫を出そうかどうか悩んでました。


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何かまた面倒なことになる気が…

こんにちは。15話目です。

クロード不在の為、すごい難しくなってきました。


 「…じゃあ結局あんたなんで転校してきたのよ?」

俺があのストーカーさんを哀れんでいると桐崎が話を最初に戻した。確かにそうだ。

 あのストーカーを救出するためでないのに…いや、もしそれが目的だったとしても、わざわざ学校に転校してくる必要はないだろう。考えられる理由としては一条の監視だろうか…しかしそれを桐崎の父親が容認するとは思えない。何と言っても桐崎と一条に恋人のふりをするように頼んだ張本人の1人なのだから。

 「実はボスの指示でして…クロード様のように過干渉する構成員が出てくる恐れがあるので、監視という名目でお嬢の傍にいろと…。」

ああなるほど。つまり「もう既に監視はつけてあるからお前らは余計な事はしないでおとなしくしてろよ?」って牽制するために転校させたのか…ってことはこいつは桐崎と一条の仲についてそれなりの理解があるってことか?

「ところでお嬢?お嬢には最近とても素敵な恋人ができたとか。」

「ええ!?」

…こいつ恋人については聞いてても、フリについては聞いてないのか?

「よろしければ私にも紹介して頂けませんか?」

「あーと…そーね…」

桐崎は戸惑いながら一条を指し、一条のことを紹介した。

「おお…!お噂はかねがね聞いておりましたが、こうして直にお会いすると何とも頼りがいのある方ではありませんか…!素晴らしい!!!これでビーハイブも安泰ですね…!!」

…確かに満面の笑みではあるんだがどこか嘘くさい。もしかしてこいつも一条と桐崎が恋人になることを良しとはしないのだろうか?

 

だとすると何かまた面倒なことになる気が…

 

 

 …何だこれ?思い切りそう言ってやりたい衝動を何とか抑えて現状を把握する。 

 あの後、各々に別れて昼食を取り始めたのだが…転校生と桐崎が一緒に飯を食っている。昔の知り合いなんだし、転校生…鶫さんは桐崎の実家の人間なのだ。色々積もる話もあるのだろう。そこまでは何も問題ない。

 

 …問題は鶫さんが人目を憚らず一方的にイチャコラしていることだ。

 

 いきなり桐崎に「あーん」をし始めたかと思えば、どこから取り出したのかお茶(アッサムティーというらしい)を用意して、挙句の果てに「昔は一緒にお風呂に入った仲」とか言い出した。

 おかげで周りはわーきゃー騒ぎ出すし、一条は思いっきりお茶噴き出すし。つか割と危なかったな。一条がこっち向いてたら俺にお茶かかってたところだ。...ところで何故舞子はびしょぬれになっていたのだろうか?

 

「あーもう、私ちょっとトイレ行ってくる…!付いて来ないでよ!!」

「ごゆっくり。」

羞恥に耐え切れなくなったのか桐崎は肩を若干怒らせながら教室を出て行った。

「…一条さん。少し聞いてもよろしいですか…?」

「ん?ああ、別にいいけど…。」

桐崎が出て行ったと思ったら今度は鶫さんと一条が連れ立って教室を出て行った。

 

 「…で?舞子、お前なんでそんなびしょびしょなの?」

「いやー、さっき楽にお茶ぶっかけられちゃってー。」

…そうか。こいつ俺の代わりにお茶被ってたのか。お気の毒に。

「それより、何であいつあんなカッコしてんだと思う?」

「あん?そんなん制服が間に合わなかったとかじゃねーの?」

「いやそーじゃなくて…」

ん?こいつにしては何か歯切り悪いな。

「え?もしかして気づいてないの?楽ならともかく比企谷なら気づいてると思ってたんだけど。」

「あ?どういう意味だ」

気づいてない?どういうことだ?

「んー…面白そうだから楽には伏せといてな?」

舞子はそう前置きして…

「あいつ…女の子だぜ?」

「・・・は?」

驚愕の事実を口にした。




ありがとうございました。

駄文に加えて無理矢理感半端なくなっちゃってすいません。


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色々つっこみたい所はあるが、とりあえず1つ。

どうもこんにちは。第16話です。
最近話が浮かばな過ぎて困ってます...あんまりうかばないので、原作読んでないけどGGOクロス書いてやろーかとか思っちゃうくらい...書きませんよ?


放課後。何故か一条と転校生である鶫さんが決闘...みも蓋もない言い方をすると喧嘩することになったらしい。それは別にどうでもいいのだが...

「キャー!!鶫くーん!」

「鶫くん頑張ってー!!」

...何でこんなにギャラリーいるの?

「さあさ張った張った!!一口食券1枚だよ!?〆切目前だよ!?」

「鶫君に3口!!」

「私10口ー!!」

そして何故俺にそのことを教えた舞子が学年全体を巻き込んだ賭けを主導しているの?というか一条の不人気っぷりが泣ける...。少なくとも50人以上は参加してるのに一人も一条に賭けてないとか...。

「おい舞子。お前何やってる訳?」

「んん?見ての通りだよん?」

いや、だからそれそのものについて聞いてるんじゃなくてだな...

「いやー、だってさ?桐崎さんを取り合って現彼氏と転校生が決闘するんだよ?こんな面白そうなのに、盛り上がらなかったら嘘でしょ?」

...お前あいつらが本当に付き合ってる訳じゃないの知ってるだろとか、転校生は女だって言ってたじゃねーかとか、色々つっこみたい所はあるが、とりあえず1つ。

「お前、毎度毎度そういう情報どっから仕入れてくるの?」

今回の決闘云々の件にしても、桐崎や鶫さんたちのような転校生の詳細にしても、なんですぐに情報を仕入れることができるのだろうか。正直怖い。

「いやー、人脈が為せる業ってやつ?」

「いやおかしいだろ。一体どんな人脈を築けばそんなに情報が手に入るんだよ。怖えーよ。」

こいつ、学校の教師とかの権力者と太いパイプとか持ってるんじゃなかろうか...。

「...まぁいい。俺は帰るわ。」

「えー?比企谷は見てかねーの?せっかく面白そうなのに?」

「別にどうでも。あ、桐崎。」

「ん?何?」

「ダメ元でちょっと頼みたいことがあるんだが...」

 

 

 

「ここか。」

帰り道の途中、俺は少し遠回りをして、ファミレスに来ていた。

「いらっしゃいませ。何名様のお越しですか?」

「あっと...待ち合わせなんですけど...」

待ち合わせに慣れていないため、どう言えばいいのか分からない。そもそも、よく考えてみれば、その待ち合わせ相手の外見を俺は知らないし...どうしたものか...

「ああ、すまない。その少年は私の待ち合わせだよ。」

困っていたら、その人とおぼしき外国人男性が店員に説明してくれた。

俺が桐崎に頼んだのは、ある人物の呼び出しだ。ダメ元で頼んだのだが、相手は意外な程あっさりOKしてくれた。立場上それでいいのかとツッコみたい所ではあるのだが。どうやらこの人がそうらしい。

「やあ、はじめましてかな?」

席に案内され、注文を済ませた所で、あちらが話しかけてきた。

「そうっすね。もっとも、ドアの件でうちの親とは会っていると思いますが。」

「いや、あの件については完全にこちらの不手際だった。本当に申し訳ない。」

そういって男性は俺に頭を下げてきた。...こうしてみるとこの人の職業とこの人の印象があまりにもミスマッチすぎる気がする...。優しそうな顔してるし、腰も低いし。

「いつも娘がお世話になっているようで。

 

桐崎千棘の父で、ビーハイブのボスを務めている、アーデルト・桐崎・ウォグナーです。」

...ホント、なんでこんな人がギャングのボスなの?




ありがとうございました。
桐崎父、登場です。何で八幡が桐崎父を呼んだかは次回ということで...


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・・・なんでそこまでするんですか?

こんにちは。グッバイぐらです。
今回は、八幡と桐崎父の話し合い会です。よって、他の主要キャラは出てきません。



「・・・で、そろそろ何故私を呼んだのか、教えてもらっていいかな?」

俺が注文した物がテーブルに置かれ、一息ついたところで桐崎父が切り出してきた。

「...その前に、よく俺みたいなただの高校生の呼び出しに応じてくれましたね。正直、俺としてはダメ元のつもりだったんですけど...。」

「まぁ、クロードの一件で、君や君の家族に迷惑をかけた自覚はあるからね。さすがに金が絡むものや、こちらに損失が出ることが明らかな内容ならともかく、極力要望には答えたいと思っている。...ああ、もしかしたらそのクロードの一件についてなのかな?」

...この人ホントにいい人過ぎるだろ。あのドアについては修理代全額出してもらったし、俺も親もあんまり気にはしてないんだけど...むしろ通報してすいませんでしたって感じだし...。

「いえ、それとは別件です。」

「ふむ...ならば…鶫君についてかな?」

…すげーな。当たりだ。

「まあ、そうっすけど・・・よく分かりましたね?」

「いや何、鶫君は今日転校したばかりだからね。時期的に考えると、その2つ以外には心当たりがなかっただけだよ。」

「…なるほど。」

そう言われれば納得できる。できるんだが、ノーヒントで言い当てられる側としてはびっくりするわ。

 まあそれがそれとしてそろそろ切り出しますか。

「じゃ、単刀直入に聞きますけど、何であの転校生・・・鶫さんに、恋人の件が演技だって教えなかったんですか?」

「・・・何故、とは?」

「他の組員の暴走を防ぐために、ポーズとして転校させるって所までは納得出来ます。」

桐崎父はここまでは黙って聞いていた。

「でも、その牽制目的で送り込んだ張本人が真相を知らなかったら意味ないでしょう。実際、今学校では鶫さんが暴走してややこしいことになってますし。」

そう、俺が聞きたかったのはこのことだ。

 他の組員の暴走を防ぐ必要性は理解できるし、そのための最良の手段がこの転校措置だというのもまあわかる。

 だがその牽制役が暴走してしまっては何も意味がない。いや、暴走する人数が減ったという意味はあるかもしれない。だが結果として一条やその周りの人間に危害が及んでしまっては、むしろ逆効果だろう。

「・・・私がそこまで読むことができなかったとしたら?」

「それはないでしょ。」

話してみた感じ、桐崎父がそこまで読めない人間とは思えないし、大事な案件をうっかり伝え忘れるとも思えない。なら、わざと伝えなかったのだろう。だがその意図が分からない。

「・・・まあ君には迷惑をかけたからね。他言無用で頼むよ。」

「もちろん。」

「では…。

2人の監視というのは建前でね。正直な所、彼女が学校に通ってくれるなら理由はなんでもよかったんだよ。」

 

 

 ・・・学校に通ってくれるなら?どういうことだ?

「彼女はまあ生真面目な性格だからね。こういう理由でもない限り、転校なんてしてくれなかったんだよ。」

「えーと…つまり、桐崎ではなく、鶫さんのためってことですか?」

「ああ。」

・・・全てが納得できないわけではない。ボスとして、組員を気遣うのは当たり前のことなのだろう。だが何故学校に通わせることが鶫さんのためになる?

「彼女はクロードが拾った孤児でね。クロードが面倒を見ていたのだが、幼少期からずっと訓練訓練で、学校はおろか、同年代の友人も千棘や組織内の子供を除けば誰もいなかった。」

「・・・そうですか。」

…あいつ孤児だったのか。というかあの眼鏡。せめて学校くらい通わせてやれよ。

「彼女の直属の上司はクロードだから、私も無闇に口出しする訳にもいかなくてね。」

「・・・つまり、その直属の上司様がいない今のうちに学校に通わせようってことですか?」

「ははは。そう言ってしまうと身も蓋もないが、まあ概ねそんな所だね。自己満足だが、少しでも普通の女の子としての生活を送ってほしいと思って、ね。これまでの環境のせいか、言動や考え方は大分男勝りになってしまったが、それでもやはり年頃の女の子だからね。」

・・・やっぱこの人、ギャングのボスなんて肩書き似合わないくらいの善人だ。部下を見捨てず、結果的に部下のためのなるであろう決断を下す。まさに大きな組織のトップの理想像だろう。と、ここまで考えた所で1つの疑問が生まれた。

「・・・なんでそこまでするんですか?」

確かにこの人は人格者なのだろう。だがそれにしても少し情が入りすぎている気がする。眼鏡には丁度いいと言って救出せず、鶫さんに関しては暴走するのを予想した上で転校させた。年齢差を考えても扱いの差が大きいだろう。

しかも鶫さんの暴走を予想していて、それでもポーズとして転校させたということは、他の組員の暴走は認めないが、鶫さんの暴走に関しては黙認するということになる。

 いくら何でも贔屓しすぎじゃないか?

「・・・まあ、あの子には千棘の親として感謝してるんだよ。」

「桐崎の親として、ですか?」

鶫さんの親代わりとして、なら分かる。だが桐崎の?

「千棘は昔からギャングの娘として見られていたのと、クロードの過保護のせいで中々友達が出来なくてね。そんな中、鶫君は千棘の友人になってくれて、千棘のために色々な努力をしてくれた。それが親として嬉しくてね。だからまあ、多少私情が混じってしまうのかな。…今のもオフレコで頼むよ。恥ずかしいからね。」

「…言いませんよ。」

本当に、この人はとんでもない善人だ。人としても、親としても。

 

 

 

 

 

 「ところで、なんで鶫さんの下の名前が≪誠士郎≫なんですか?」

「ああ、それはクロードが彼女のことを男だと勘違いして、テキトーに名付けてしまってね。」

「・・・え?」

「ちなみにクロードは今も彼女のことを男だと思っている。」

「・・・え⁉」




ありがとうございました。
鶫の転校理由、ちょっとクサいですかね?
クロードがいない今、転校理由がほかに思いつかず…。


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もう少し肩の力抜いていいんじゃねーの?

こんにちは。更新遅れてすみません。ここんとこ風邪ひいて体調崩してしまいまして。
あと、4月になり、色々と忙しくなってきたので、更新ペースはかなり落ちるかもしれません。
ご迷惑をおかけしますが、今後ともよろしくお願いいたします。


 噂の転校生、鶫誠士郎が転校してきて、一条との決闘に負けてから3日が過ぎた。

「それでは改めて自己紹介を。・・・鶫誠士郎です。名前は男のようですが、正真正銘女です。」

俺や一条の目の前では、転校初日には付けていなかったリボンを装備した鶫さんが宮本と小野寺に今更ではあるが自己紹介していた。

「お二人はお嬢のご学友だと聞きました。日頃お世話になっているにも関わらず挨拶が遅れて申し訳ございません。」

「いえいえそんな…!!」

しかしまあ固いな。今までの癖もあるだろうから仕方ないかもしれんが。この分だと桐崎父が望んでいる普通の女子としての生活が送れるようになるのはいつになるのだろうか…世話を焼こうとか思っている訳では決してないが…。

「でもびっくりしたよー。私も男の子だと思ってたから…。」

「そうなの?私は分かってたけど。」

「そーなの!?」

そーなの!?いやまじびっくりだわ。というか舞子といい宮本といい、何?眼鏡ってそういう機能が標準搭載されてんの?

「聞いた所だと日原先生も気づいてたみたいだけど?」

...マジですか。というかまた眼鏡キャラ。ホント怖いわメガネーズ。

「...ねえ、るりちゃん。その眼鏡ちょっと貸してくれない?」

「は?何で?」

「いや...なんとなく...眼鏡ってそういう機能でもあるのかなーって...。」

「そのカテゴリー止めて。」

何か本気で嫌そうだな...。まぁ別に舞子に同情なんてしないけど。

「おはよー桐崎さん!!今日もかわいいねー!!」

「なんだ貴様は...お嬢に向かって馴れ馴れしい...!」

噂をすれば...とか思ってたらいつの間にか鶫さんが舞子に銃を突き付けてた。つーかはえーなおい。いつ移動した?そしてどっからその銃取り出した?

「こらこらこらこらー!!その人も一応友人だからー!!」

いや一応って...どいつもこいつも舞子の扱い酷いな...人のこと言えないけども...。

 

「あー...ところで鶫さん?ちょっと聞いてもいいか?」

舞子の乱入のゴタゴタが落ち着いたところで、今度は俺が切り出した。

「む?何だ?」

まだ俺と会話したことがないからか、俺には舞子や一条とは違う形で警戒心を露にしている。まあもしかしたらクロードとやらが逮捕された原因が俺だと知っているからかもしれんが。

「お前の転校理由、確認のためにもう一回聞かせてもらっていいか?」

「...何故だ?」

「いや、ただの確認だ。」

「ふむ...まぁ別に構わん。

私が転校してきたのはお嬢と交際しているというその男の監視のためだ。」

その男、のところで一条に視線を向けた。

「でもあくまでポーズでいいんじゃなかったか?」

「ボスにはそう言われたがな。私はこの男を認めてなどいない。この男がいつお嬢に危害を加えるか、分かったものではないからな。」

「...つまり、個人的に一条が気に食わない、って解釈でよろしいか?」

「...その言い方は著しく不本意だが、まぁその通りだ。」

...やっぱこいつは組織や桐崎への忠誠心の塊だな。まあだからここまで張りつめて一条の監視をしてるんだろうし、その忠誠心があるからこそ今まで普通の女子学生としての生活を送る暇もなく働く日々に疑問を感じなかったんだろうけど。...俺にはそんな生活無理だな。

「もう少し肩の力抜いていいんじゃねーの?」

「...なんだと?」

俺の一言に鶫は鋭い視線で睨んできた。それこそ視線で殺せるんじゃね?ってレベルで。いやマジで怖いわ。

「よく考えろよ。一条みたいな武器ももってない、武術も身に付けてないってやつがダンベルやら何やらを放り投げられるほどの怪力を持つ桐崎を傷つけられる訳ないだろ。万が一、一条が桐崎に危害を加えようとしたら、多分お前より先に桐崎が一条をぶっ飛ばすことになるぞ?」

一条が何か言ってるが、無視だ。俺は事実しか言ってない。

「だったら、せめて学校の中でくらい肩の力を抜いても誰にも文句は言われないだろ。護衛や監視が不必要なんて言うつもりは無いがな。」

もし俺が同じ立場なら喜んでだらけるわ。だって働きたくないし。

「ぬう...。」

「あと、学校でそんなに張りつめて銃ちらつかせない方がいいぞ。いくら何でも不自然すぎるから。最悪、学校関係者の誰かに通報されるかもな。」

もしそうなったら一条たちを見張れなくなる。こいつにとってそれは今現在最も避けたいことだろう。

俺の言葉を聞いてか、顎に手を当てて、色々考えているようだ。

「ま、取りあえずそろそろ次の授業始まるし、早く席つかね?」

これ以上話すことも無かったし、何か返されても面倒なので、一先ずその一言で話を打ち切った。




ありがとうございました。
具体的にどのくらいのペースになるか、それとも不定期更新になるかは分からないので、気長に待っていただけたらと思います。


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同情的になっているだけかもしれない。

こんにちは。グッバイぐらです!
間が空いてしまってすいません!ぶっちゃけ今後もかなり遅いペースでの投稿になってしまうと思いますが、呆れずに読んでいただけると幸いです。


「あ、比企谷君。今帰り?」

帰り際。いつものように帰宅部の特権で早く帰ろうとしたら小野寺に呼び止められた。

「あー...まぁ、な。小野寺もか?」

「うん。今日は委員会も無かったから。」

「ふーん...。宮本は?」

「るりちゃんは部活だよ。水泳部。」

...ということは、俺は今小野寺と2人きりということか。

...小野寺は告白が失敗したとして気にしないことに決めたようだが、俺はというとそういうわけにはいかない。何せクラス、学年どころか校内でも屈指の人気を誇る女の子から告白されたのだ。その話題は出さないようにはしているし、結局聞こえなかったことにはしたが、個人的に気まずさを感じてしまうのは仕方のないことだろう。だから極力小野寺と2人きりになることを避けていたのだ。

...まあ小野寺も、「好き」という感情と、感謝か、あるいは罪悪感とを勘違いしているんだろうが。そうでなければ、俺のような人間に好意を持つなどあり得ないだろう。

「...ねえ、何も無いなら一緒に帰らない?」

そんな俺の心中を知るはずもない小野寺は無邪気にそんな声をかけてきた。...いやだからホントやめてくれ。気まずいから...。

「あ、いや俺は...。」

何か断る理由を探している時だった。

「...グズグズするな!」

「えっ...待てよ。まだ準備が...!」

 

「あれって一条君と...鶫さん?」

「みたいだな。何やって...あ、鶫さん桐崎に捕まった。」

「...何か連れていかれたね。」

「一体何を...お、戻って来た。」

「...何か着替えてるけど。」

「...桐崎が着替えさせたんだろうけど...何であいつ学校に私服なんて持ってきてんだ...?」

しばらく小野寺と首を捻っていたが、一条と鶫さんが移動を始めてから小野寺にある提案をした。

「...あいつら尾行してみるか?」

 

 

「...ペットショップか。」

「多分、飼育係関係で何か必要なんじゃない?」

あの後、小野寺は俺の提案に驚くほどあっさり首を縦に振った。正直意外だったが。

「でも比企谷君。今更だけど、何で尾行?」

...ホント今更ですね、小野寺さんや。

別に意味はない。普段の俺ならこんな面倒くさいことを提案などしないだろう。

そんな俺が何故こんな提案をしたか、正直よく分からん。ただ桐崎の父にあいつの生い立ちを聞き、同情的になっているだけかもしれない。もしくは小野寺との気まずい空気を早く取っ払いたかったからだろうか。

「...さあ?単なる気まぐれじゃね」

そう言い繕う俺をじっと見つめている小野寺の瞳が正直痛い。

「...そっかぁ。」

何か言いたいことがあったようだが、小野寺はそれを飲み込み飲み干した。

「それにしても...目立ってるね、鶫さん。」

「まあ、そりゃな...。」

小野寺の言う通り、ペットショップに入る前もペットショップを散策している今も周囲の目は鶫さんに集まっている。まぁ、もともと美形なのに加え、中々どうして桐崎の服のセンスはいい。むしろ目立たない方が不自然なレベルだ。ただ、これまでヒットマンとしての仕事をこなすだけの人生を送ってきた彼女が、あの高いヒールで自由に動けるとは思えないのだが...

「あっ!」

そんなことを考えていたら、案の定鶫さんがスッ転んだ。...俺がフラグ立てたせいじゃないよね?

「あー...大丈夫かな、鶫さん?」

「一応、一条が支えてたし、大丈夫だとは思うが...足抑えてるし、捻ったか、それとも靴擦れでもしたか。」

「え?なんで靴擦れ?」

「いや、あからさまにヒールに慣れて無かったっぽいし。」

...言っちゃなんだけど、この子結構抜けてるよね。

 




ありがとうございました。
間が空いた割には内容薄っぺらくてすいませんでした。


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何と言えば良いのか分からず誤魔化してしまった。

こんばんは。
ここんとこ更新できてなくて大変申し訳ありません!
何せ今年の夏は夏休みのはずなのに全く休めず、夏休みが終わったと思えば学校の方がスタートからやたら忙しくて…
 いえ、自分がうまく文章化できなかったのが最たる原因です!本当に申し訳ありませんでした!


「うわ!!なんじゃこりゃ!すげぇ靴擦れしてんじゃねぇか!」

どうやら一条も鶫さんの靴擦れに気付いたらしい。それで鶫さんに何やら説教しているみたいだが、それは一条のお人好しな性格の表れだろう。

「うひゃあ!!?」

...だからといって本人の同意なしにおんぶはどうかと思うのだが。もし俺がやったら頭頂部殴られた後に警察に通報される所業だな。

「うわわ...ためらいなく...」

隣にいる小野寺なんか顔真っ赤にしながら手で顔を覆っている。...あ、指の間からちらちら見てる。

「...羨ましいのか?ああいうの。」

「え!?べ、べべべ、別に!?そういう訳じゃないんだけど...。ただ、ああいう少女漫画チックなのは、女の子なら誰しも憧れがあって...ね?」

...その「ね?」のところで首を傾げながら上目遣いになるのは止めてほしい。...ほんと可愛いから。

「つまりは羨ましいと。」

「はい...。」

いや、だから顔真っ赤にしながら俯くとかそういうことを止めろとね?

「...はぁ。もういいや...。」

狙ってやってるならまだしも小野寺の場合天然なんだろうし...もし小町がこういう仕草したらあざといと思うんだろうけど...。いやもちろん可愛いからいいんだけどもね!

「...?もういいって何が?」

「なんでもない。ちょっとした独り言だ。」

 

 

 

 「まさかあそこまであっさり鶫さんが堕ちるとは…。」

「あはは…びっくりだね…。」

現在俺たちは近くの喫茶店でコーヒー片手に話している。尾行?…そんなん見てらんなくなって打ち切ったわ。

 だっておんぶして少し言葉を交わしたと思ったら、鶫さん顔真っ赤にして取り乱すんですよ?しかもいかにもツンデレなセリフ大声で叫んで。いくらなんでもチョロすぎでしょうよ…。

「何言われたらああなるんだか…。」

いや、何となく想像はつくんだが…大方女の子らしいとか、お前に惚れるやつは沢山いるとかだろう。あの人、女の子じゃなくてヒットマンとして自分を見てるみたいだし。

「ところでさ…」

「ん?」

何やら小野寺がもじもじしながらこっちに目を向けてるんですが…いやだからさっきから言ってるけどそういう仕草をですね?

「ひ、比企谷君は、鶫さんみたいな子が好きなの?」

「はい?」

いきなり何を…好き?俺が?鶫さんを?

「いや別にそんな感情は一切ないが…どしたいきなり?」

「い、いや…何と言うか…比企谷君随分鶫さんのこと気にしてるみたいだし…もしかして好きなのかなって…。」

…ああそうか。確かに周りから見れば過度に鶫さんを気にしてるみたいに見えるか。実際には生い立ちなんかを聞いたから意識的に気に掛けてるようにしてるってだけなんだが…。しかしそのことを言ってはいけないだろう。口止めもされてる訳だし、個人のプライバシーにも関わる話だし…

「あー…ほら、あいつ自分は桐崎の護衛って言ってたからな…いわゆる年相応の生活ってのをしたことが無いんじゃないかな、と邪推を、な。」

何と言えば良いのか分からず誤魔化してしまった。いやまあ「年相応の生活」って部分はその通りだから、完全に誤魔化せたかと言えば微妙なんだが…。

「そ、そうなんだ…じゃあ」

 

 

 

「比企谷君って今好きな人いるの?」




ありがとうございました。時間を置いた割りに相変わらずの駄文で申し訳ないです…。


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一周年記念!捻デレ者と和菓子屋の娘 座談会

こんにちは。グッバイぐらです。
私がこの作品を投稿し始めてから早いもので1年です。
という訳で今回は友人たちと一緒に作品について色々と話す特別企画です!
楽しんで見ていって下さい!


ぐら「はいという訳で始まりました、一周年記念座談会! 作者のグッバイぐらです!」

ワー…

「参加してくれる友人はこの3人でーす。」

「よっし~です。」

「Ansemです。」

「にどりーのです。」

 

 

ぐら「はいじゃあいきなりだけど何か質問ある人?」

 

よっし~「何で始めたんですか?」

 

ぐら「うーん…原作をニセコイにした理由と被るけど、ニセコイの連載終わったじゃん?それで小野寺さんめっちゃ不遇の終わり方だったじゃん。だから小野寺救済とか、小野寺のハッピーエンドを書こうって言ったのがきっかけかなぁ。」

 

Ansem「そーだよね。ちょっと楽が屑過ぎたもんね。」

 

ぐら「まーそーだね。」

 

にどりーの「カレーうめぇ。」

 

よっし~「あ、じゃあニセコイ以外の候補はあった?」

 

ぐら「まぁ今実際に連載してる『学戦都市アスタリスク』のやつと…あと『魔法科高校の劣等生』のクロス?」

 

友人「ふぅん?」

 

ぐら「アスタリスクの方は、俺がss書くのも面白いかもなって時に丁度ドハマりしたのよ。で、劣等生の方はぶっちゃけ理由一つしかないんだけど…雫大好き過ぎて。」

 

Ansem「俺も雫好きです!」

 

よっし~「可愛いよね。」

 

ぐら「雫大好き過ぎて書こうとしたのはいいんだけど、「やべぇ、書くの難しいわ」ってことに気付いて断念した。」

 

にどりーの「ごめんなさい。ほのか派です。」

 

ぐら「まさかのほのか派来た!いや別にまさかではないんだけど。」

 

Ansem「でも俺もね、雫とほのかの絡みは大好きだよ!」

 

よっし~「うん。いいよね。」

 

ぐら「その絡みは俺も好き。」

 

にどりーの「てかその絡みだから好き。」

 

ハハハ…

 

にどりーの「じゃあ、書いてて一番辛かった話数は?」

 

ぐら「一番辛かったの?あー…まぁ19、20辺りかな?何かね、当初の予定では20~25くらいで終わりにする予定だったのよ。何だけど意外と続いて「終わりどころ分かんねぇ」ってなってきたのが丁度その辺りだったからさ。」

 

よっし~「なるほど。」

 

ぐら「で、ネタバレになるかもだけど、最近ようやく終わりが見えてきて、そのための話をようやく書けた感じかな…」

 

にどりーの「なるほど…とりあえず

ハンバーグ美味しいことは分かった。」

 

ぐら「全く関係ない件について。」

 

Ansem「どうして俺ガイルのほかのキャラを出さなかったの?」

 

ぐら「んー…ガイルのメインキャラって少なからず八幡に好意持ってるじゃん。するとクロスオーバー先のキャラをヒロインにするのが大変になるってのがあったかな。あとは露骨なアンチヘイトを書きたくなかったからさ。」

 

Ansem「あー…話複雑になるからね。」

 

ぐら「ただし小町に関してはクロードが逮捕されるくだりで重要になってくるから登場させた。」

 

よっし~「小町は可愛い。」

 

ぐら「まぁ可愛いよね。…おい、今更小町ヒロインに加えろとか言うなよ?」

 

Ansem「水がうめぇ。」

 

ぐら「また唐突な…あ、ちなみに今ファミレスで話してます。」

 

よっし~「まぁハンバーグとか言ってるしね。」

 

ぐら「こんな企画やってる暇あるならさっさと続き書けよって人いるかもしれないけど、まぁそこは容赦してもらって。」

 

 

 

ぐら「あー…じゃあここにいない人がずっと俺に提案してた終わり方でも暴露するかな。

まあ簡単に言っちゃうと八幡と小咲のdeadエンドなんだけど。」

 

Ansem「あー、ハッピーエンドの真逆の…。」

 

ぐら「うん。やれ海岸で手繋いで死ぬだの二人揃って崖から飛び降りるだの。」

 

にどりーの「素晴らしい…」

 

ぐら「ハッピーエンドだっつってんだろって一蹴したんだけどね。」

 

ぐら「あと編集長とかいたねー。投稿する度にリアルで「ここ誤字あるよ。」とか言ってくんのよ。

それがきっかけで彼のあだ名は編集長に決定しました。」

 

よっし~「ssを書き始めたことで何か変わった?」

 

ぐら「え?えっとねー、締め切りに終われる作家の気持ちが分かった。」

 

にどりーの「ズバリ越えたい相手は?」

 

Ansem「いや、やっぱり目標じゃないすか?」

 

にどりーの「誰々さんみたいになりたいとか、このレベルに達したいとか。」

 

Ansem「誰々さんの書いてるやつを参考にしてるとかさ?元々いいな、と思った作品とか?」

 

ぐら「あー…参考にっつーか、ニセコイクロスが候補に入ったきっかけになったのがmikktubさんの「目が腐った王子様」って作品なんだよね。」

 

三人「ほう?」

 

ぐら「実はこれ裏話的な話しになるけど、この作品の影響でヒロイン春にしようか迷ったんだよね。で、迷ってる間にニセコイの原作が終了して小咲ヒロインにするのを決めた。」

 

Ansem「報われないからね。」

 

にどりーの「ポテトうまいね!」

 

ぐら「さっきから一人何の話だよ…。」

 

ぐら「あとは…ニセコイクロスではないけどローリング・ビートルさんの影響は受けたかな?あの人の作品の書き方とかはちょっと参考にしたところはあるな。」

 

にどりーの「ふんふん?」

 

ぐら「あと、投稿始めてすぐに「タイトルがローリング・ビートルさんの作品とめっちゃ似てるんですけど」的なコメントもらったんだよね。その辺りから察せられるように結構影響は強く受けてるなぁ。」

 

にどりーの「ガイル関連以外にのssを書く予定は?」

 

ぐら「ん?…まだ今んとこ完全に未定なんだけど、そのうち完全オリジナルの何かを書きたいとは思ってるかな。本当に何も決まってないけど。」

 

Ansem「一番難しいやつですよ?(。-∀-)」

 

にどりーの「怖い奴お願いします。」

 

ぐら「いや、俺がホラー苦手だから無理。」

 

Ansem「ホラー?好物(^ー^)。」

 

よっし~「なんならdeadエンドが好物。」

 

Ansem「よっし~最近deadエンドはまってるんだろ?」

 

よっし~「最近、○○喰種っやつ見てね。いいなって思った。」

 

Ansem「あと○○ゲームだろ?」

 

よっし~「うん。」

 

ぐら「いや、俺基本ホラーとグロは無理だっての。」

 

Ansem「いや、俺的に思うんだ。

 

グロとエロは一緒だ( ・`д・´)

これは最高!」

 

よっし~「なるほど。」

 

にどりーの「分かる。」

 

ぐら「え、トラ○○とか?」

 

Ansem「うん。あとパニック物も好きだよ?○○ぐらしとか。」

 

 

 

 

 

 

 ~会話が盛大に脱線し始めたので少々お待ち下さい~

 

 

 

 

 

 

よっし~「では話を戻して…他のヒロインも報われなかったと思うんだけど、なんで小野寺ヒロインにしたの?」

 

ぐら「あー…他のヒロインの場合はさ、片思いが実らずっていうまぁよくあるエンドだったじゃん。それこそリアルでもありそうな。でも小野寺の場合は両思いで、本当は報われるはずだったのに報われなかったじゃん?だからより一層インパクトが強かったのかな。」 

 

よっし~「あ、じゃあもし別のヒロインでニセコイクロスを書くとしたら小野寺以外で誰をヒロインにする?」

 

ぐら「そうなったら春かな?その二人で迷ってたわけだし。」

 

にどりーの「次の投稿はいつ?」

 

ぐら「また唐突な…ぶっちゃけ今完全に止まってるからな…何とかアスタリスククロスを年内に1話出したいとは思ってるけど…ぶっちゃけ課題やら何やらで書く暇ないし…だからこの座談会でお茶を濁してるわけだし。」

 

にどりーの「一番嬉しかったコメントは?」

 

ぐら「ん…一番嬉しかったのは「ニセコイクロスオーバー物で一番惹かれた。二次創作ものとして商品化して欲しい。」ってコメントかな?」

 

にどりーの「なお商品化する予定は?」

 

ぐら「ないです!」

 

Ansem「やっぱりさ、そういうこと言ってもらうと嬉しくなるよね!」

 

ぐら「確かに嬉しくはなるよ?嬉しかったけどさ、そんなコネも伝手もねーよ!」

 

Ansem「でもまぁやる気はでるよね。」

 

ぐら「まぁそりゃね。」

 

Ansem「そういえば原作のどこまで書くつもりだったんだっけ?」

 

ぐら「あー…ネタバレになっちゃうけど…」

 

~マジでネタバレになってしまうので伏せさせて頂きます~

 

Ansem「まぁその辺は区切りもいいからね。あんま長くするのもね。

じゃあさ、こういうところを見てもらいたいってポイントあ何かある?」

 

ぐら「ポイント?作品の中で?んー…

俺ってさ、原作の流れや設定を大きく変えすぎないように書いてるのよ。だからまぁ、原作と同じ話の流れの中で八幡達がどうなるのか、ってとこかな?」

 

にどりーの「じゃあ今更だけど、作者の名前の『グッバイぐら』ってどこからきたんですか?どんだけぐらを消したいんですか?」

 

ぐら「あ、いやそれは違う。俺よくトプ画に『ぐれたぐら』の画像使うじゃん?だから名前それでいいかなって思って『ぐ』って打ったら間違えて予測変換の『グッバイ』ってのを押しちゃったのよ。で、もうそれでいいかなって。」

 

にどりーの「あ、じゃあ Ansem「待て待て、俺に言わせて欲しいことがある」…何?」

 

Ansem「そろそろデザートじゃね?」

 

ぐら「あ、じゃあ行ってら~。

で?にどりーの君何?」

 

にどりーの「なんでクロード逮捕させたんですか?親でも殺されたんですか?」

 

ぐら「あー、確かに原作知ってる人だと疑問かもねそれ。」

 

にどりーの「どっち?どっちが殺されたの?それとも両方?」

 

ぐら「いや別に殺されてないけど。まぁ理由としてはその方が面白いかなって思ったのと、原作で逮捕されなかったのがものっそい疑問だったから。」

 

三人「あー…」

 

 

 

 

Ansem「じゃ、最後は作者のグッバイぐらに締めてもらわないと。カッコいい一言ね。」

 

よっし~「最後だからね。」

 

にどりーの「私がルールだ!」

 

ぐら「ハードル上げて上げてからの『わたしがルールだ!』って意味わからないんだけど!?」

 

ぐら「んー…まぁ恐らくは30までには終わらせるつもりなんですが…あ、これで4、50いったらごめんなさい。

で、自分の中での満足な終わり方で、皆さんにも満足感を感じて頂ければ幸いです。

ありがとうございました。」

 

 

 

Ansem「はい、じゃあこれで座談会を終了したいと思います。」

 

ぐら「お前が締めるの!?」

 

にどりーの「ではまた次の機会に。」

 

よっし~「ありがとうございました!!」

 

ぐら「…締めを持ってかれた…」

 




ありがとうございました。
これからもエタらないよう、ゆっくりにはなってしまいますが書いていきたいと思います!







別に話が書けないからこれでごまかそうなんて思ってませんよ…?


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ひどく悲しく、そして重いものだった

こんにちは。グッバイぐらです。
最近、自分の体がボロボロになってるな~って実感します。
久しぶりの投稿ですが、相変わらず文才0ですいません。


 「比企谷君って今好きな人いるの?」

 

 

 「はぁ...」

部屋に入って早々にベッドになだれ込んでしまう。まさかあんな直接的に聞かれるなどとは思ってなかった。

「...どうすりゃ良かったんだよ...。」

誰に向けた訳でもないその言葉はスッと虚空に溶けて消えた。

 

 

 

 「...さぁな。」

小野寺に返した言葉はこの短い言葉だけ。

「さ、さぁって...」

「なぁ小野寺...」

小野寺が何か言う前に口を開く。

「なぜ俺に好きと言ったんだ?」

「...え?」

俺が知っているはずが無いと思っていたのだろう。小野寺はその場で固まった。

「お前、前に教室で俺に「好き」って言っただろ?まぁボールに遮られたけど。」

「き...聞こえてたの?」

「まぁな。」

その言葉を最後に2人とも黙ってしまう。本来ならば沈黙は苦でもないのだが、この時ばかりはとても重苦しく、居心地悪く感じてしまう。

「小野寺...」

それでも...

「多分、お前の好意は俺への罪悪感とかと間違えてるんだと思う...。あの事故の時のやつだな。」

このまま間違いの関係を続けるべきではないと思った...

「あんなもん、いつまでも気にする必要はない。それさえなきゃ、小野寺なら俺なんぞよりも良い相手がいくらでもいるだろう。誰からも好意を持たれている、人気者のお前と、ほとんどの人間から認識すらされない俺なんかとじゃどう見たって不釣り合いだしな...。」

それが俺の為にも...そして小野寺の為にもなると思ったから...

 

だから...

 

「だから...終わりにしないか...?」

罪悪感と負い目で成り立っているこの関係を...

 

 俺の言葉をどう受け止めたのだろうか。小野寺の顔を見ることが出来なかった俺にはそれが分からない。

「...比企谷君...」

ただ一つ分かるのは...その時、泣きながら俺にかけられた彼女の言葉が...

 

「...ごめんね...。」

 

ひどく悲しく、そして重いものだったということだけだ。

 

 

 

 

 

 「...どうすりゃ良かったんだよ...。」

俺は間違えたことはしていないと思っている。

 小野寺はずっと俺に対して罪悪感を感じていたのだろう。そんなものを感じる必要など何処にもないのに。

 そして、俺はそんな彼女に対して負い目を感じていた。俺のせいで罪悪感を感じている彼女に。

 これまでのおれと彼女の関係はその負い目と罪悪感によって成立していた。だからこそ、俺たちの関係そのものをリセットすれば、彼女は罪悪感から解放され、俺も負い目から解放される。

 そう。間違えてはいないはずだ。それなのに...

『...ごめんね...。』

何故彼女はあんな悲しく、重い声で謝ったのだろう。何故必死に涙を堪えようとして...それでも堪えることが出来ていなかったのだろう。

 分からない。分からないことだらけだ。

 だが一番分からないのは...

 

「なんで...なんで俺は悲しんでるんだよ...。なんで自分の言葉を後悔してんだよ...。」

 

俺の心だ。




ありがとうございました。
唐突なシリアス展開です。
なぜ彼は自分の言葉に後悔し、悲しんでいるのでしょうか...

次話以降も是非よろしくお願いします


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もはや否定する気も起きなかった

こんにちは、グッバイぐらです。
前回の投稿から大分開いてしまい申し訳ございません!
内容は決まっていたんですが、いかんせんうまく文章化できませんで...。


 小野寺を泣かせてしまって以降、俺からも彼女からも声を掛けることはなくなった。何となく事情を察しているらしい舞子や一条、小野寺から軽く話を聞いたらしい宮本や桐崎、鶫さんが幾度か俺に話掛けて来ることはあったが、それでも俺は誤魔化し続け、明言は避け続けている。

 そんな一週間が過ぎ、今、俺は...

「「「ギャアーーーー!!」」」

後ろの座席から聞こえる一条、桐崎、鶫さんの絶叫に辟易していた。

 

 うちの学校では、今日から2泊3日で林間学校が催される。これは毎年1年生を対象に催される行事で、6~7人で班を作り、その班のメンバーで3日間一緒にハイキングしたりするだけのありきたりな行事だ。当然、今1年生である俺も参加者に含まれている。それ自体は何も問題はない。一番の問題は...

「おい舞子。」

「ん~?」

「何故俺がお前や小野寺と同じ班なんだ?」

俺の所属する班に小野寺がいることだ。ちなみに俺をこの班に決めたのは、後ろの一条たちを見ながら俺の隣で爆笑しているこの男である。もっと言えば一条の両サイドに桐崎と鶫さんが来るように仕組んだのもコイツだ。

「え~?だって比企谷他に入れる班ないじゃん?」

ニコニコ顔で容赦なく心を抉ってきた。いやまぁ確かにこいつの言う通りなんだが。

「...余ったとこ入ればいいだけだろ。決まれば黙って後ろを歩くだけだ。」

「いや人数的にお前以外余るやついないから。7人班うちだけだから。」

...抉った傷にたっぷりと塩酸をぶっかけてきた。俺焼けただれちゃうよ? 

 心の中でそっと涙を流している俺に、舞子はそれに、と続ける。

 

「お前は何も話してくんないから何があったかは知らないけど、早いとこ小野寺と仲直りしてほしいのよ、俺としては。」

 

「...だからくどいぞ、お前。別にケンカなんかしてないって言ってるだろうが。」

「...ふーん。」

舞子は急に真面目な顔で視線を向けてくる。

「ま、確かにケンカじゃないのかもね。」

いやに俺の主張をあっさり受け入れた舞子。こんなあっさりだとなんか裏がありそうな気がしてしまう。

「ケンカというよりはすれ違いって感じなのかな?」

「っ!?」

舞子の言葉につい動揺してしまう。クソっ、こんなのカマ掛けたに決まってるのに...

「やっぱりそうなんだ。」

「...なんでそう思った?」

なにかしら思うところがあったからこそカマを掛けてきたのだろう。そう思って俺はコイツに聞いてみた。

「ん?だって小野寺がお前を怒らせるとは思えないし。」

「...まぁ、あいつは誰に対しても波風立てたりはしないだろうしな。」

小野寺は本当に優しい女の子だ。誰かを怒らせることも、ケンカになる程相手に怒りをぶつけることもないだろう。

「いや、そういうことじゃなくてさ。」

「あん?」

どうやらそういうことではないらしい。

 

 

 

「小野寺が好きな相手を怒らせる訳がないじゃん?」

 

 

 

「...は?」

コイツ今何て言った?

「...小野寺から聞いたのか?」

俺のことを好きと思っていることを...。

「いやいや、聞くまでもなく見てれば分かるよ。その様子だと比企谷も知ってたんだな?」

「...」

無言で舞子を見やる。小野寺の好意が勘違いであると思っている俺はなにも言えないのだから。

「...なるほどね。その辺りが今のギクシャクに関係してるんだな。」

「...まぁな。」

もはや否定する気も起きなかった俺はそれだけ返して窓に視線を向けた。




ありがとうございました。久しぶりなのに内容も文字数もペラペラですいません...。
今後もかなりスローペースの更新になってしまうも思いますが、暖かい目で見守っていただければ幸いです。


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至って普通のカレーだった。

こんにちは、グッバイぐらです。
お久しぶりです!全然投稿できてなくてすみません…
中々執筆時間が取れなくて…今回のもテスト期間の合間に書いてます…。
なのでクオリティはいつもどおりどころか、いつもよりもガクンと落ちるかもしれませんが…どうか目を瞑って頂ければ…


 目的地に到着したが、俺の心は虚ろだった。

 

『小野寺が好きな相手を怒らせる訳がないじゃん?』

 

バスで舞子に言われた言葉がずっと胸につっかかっていた。...いや違うな。現在進行形でつっかかっているのだ。

 

 

 小野寺の好意は誤解、勘違い。少なくとも俺はそう思っている。だが第三者である舞子から見たとき、()()はどう見えているのだろうか。俺と同じように罪悪感からくる誤解に見えるのか、あるいは本物の...。

 

 

 そんなことをずっと考えていたら、いつの間にかバスは目的地に着いていた。既に出ている解に対して思い悩むなんて、自分でも馬鹿馬鹿しいことだと思う。だが、なぜか頭から離れないのだ。

 ちなみに悩みの原因をぶつけてきた当の本人はバスで女子2人に板挟みにされていた一条を見て腹を抱えていた。...今度一回本気で殴ってやろうかな...。

 

 

 

 「小野寺と宮本は薪をもらってきてくれ。」

 

 目的地に着いた俺たちを待っていたのは、飯盒炊さん、カレー作りというキャンプの定番とも言える作業だった。それは別にいいんだが...

 

「桐崎、お前はここで俺が指示する。勝手に動くなよ?」

 

あいつは何であんなやる気なの?何?小野寺にでもアピールしたいの?そういう年頃なの?

 

「...そういや、家カレーって作る人によって個性出るよな。何か色々入ってて。厚揚げとか。」

 

「あー、あるね~。うちいつだったか麩が入ってたことあったよ~。」

 

一人言のつもりだったのだか、耳敏く舞子が話題を広げてきた。別に拾わなくてもいいのに。

 

「小野寺んちはどう~?何かそういう家の定番みたいのある?」

 

...ほんと余計なことしかしねーなあいつ。何故小野寺に...。

 

「えっ!?わ、私の家!?えっと......」

 

何か答えているが、相変わらず俺の方は見ない。正確には、視線は向けてくるのだが、すぐに反らしてしまうのだ。余程俺と話すのが気まずいのだろう。だったら別に無理しなくてもいいんだがなぁ...。

 

 

 まぁ班員の一部が会話しようがしまいが、カレー作りにさしたる支障など有るわけもなく、ごく普通の、特にツッコミどころのないカレーライスが完成した。

 

「「「いただきます。」」」

 

当然味の方も、至って普通のカレーだった。皆口々にコメントしてるが、そんなん知らん。むしろ何をそんなに語ることがあるのだろうか。

 

「わー!これすごい美味しい!」

 

そして桐崎。何でお前そんなにテンションが高いの?お前普段絶対これよりうまいもん食ってるだろうに。

 

「やっぱり自分たちで作るとすごい美味しいわね!こんな美味しいの初めて食べたかもー!」

 

それは絶対ないから安心しろ。

 

「...ねぇ、なんであんた黙ってんの?」

 

「は?」

 

いきなり何だ?

 

「せっかく一緒に食べてるんだから、あんたも一緒に喋ればいいじゃん!」

 

...こいつは普段1人で飯食ってるボッチに何を求めてるんだろう?喋りながら食事?無理です。

 

「ほら、小咲ちゃんも何か言ってやってよ。」

 

「ふえ!?」

 

そして何故よりによって小野寺に振る!?俺と小野寺が気まずくなってるのは知ってるでしょうよ!?

 

(なぁ、これって...)

 

(恐らくそうだろう...)

 

(桐崎さんなりに気を遣ってるんだろうね...)

 

何やら一条達がこそこそ話しているが、いかんせん小声過ぎて何の話をしてるのか分からない。というかこっちに助け船出してくんないかな...

 

「あ、あの、えっと...。」

 

案の定小野寺は言葉に詰まっている。...こうなるとすげぇ気まずいんですけど...仕方ない...

 

「カレー、お代わりよそってくるわ。」

 

一旦離れよう。...なんで鍋が2つあるんだろう?他の班のやつ?

 

「頑張って小咲ちゃん!今がチャンスだよ!?」

 

戻ってみると桐崎が小野寺に何か吹き込んでた。...何のチャンスなのか...まぁ俺絡みなんだろうな...仲直りしろとかか...?まぁいいや、せっかくよそったし食うか...っ!?

 

「ごはぁっ...!!?」

 

「うわぁっ、比企谷!?」

 

なんだ、この強烈な不味さは...カレーなのに苦味と酸味とあとよく分からん味がっ…!

 

「ちょ、ちょっと!?どうしたの!?しっかりしなさいよ!?」

 

だ…ダメだ…意識が…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと、これどうしたのよ!?」

 

「カレー食べたらこうなったよね!」

 

「なぁ、俺らカレー鍋1つしか作ってないよな?…なんで鍋がもう1つあるんだ?」

 

「あ…あの…るりちゃん…」

 

「?どうしたの、小咲?」

 

「えっと...材料が余ってたから...勿体無いかなって…私が…」

 

「…何やってんのよ、こんのバカがー!!!」




ありがとうございました。次は一体いつ投稿できるか全く分かりませんが…どうか気長に待って頂きたく思います。
…本当にすみません。


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