やはり欠落者の青春ラブコメはまちがっている。 (アサリ||)
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序章
1


一話は、まったくクロスしておりません、すいませんでした!!タイトル詐欺とは言わないでください。


俺は、生まれて物心ついた時から、心に虚無感を感じていた。テストで満点を取っても、その虚無感は消えず虚しさが残り、かと言って人々に人気になってもこの心にポッカリと空いたような感覚は消えなかった。

何も失ってなどないはずなのに、俺の心は満たされなかった。そして俺は理解した、俺、比企谷八幡は欠落者だという事を。

 

____________________________________________________

 

朝の5時に起きる。そして憂鬱になる。

今日もつまらない1日の始まりだ。と

俺には、家族がいない。

俺には記憶がないが、父と母と妹がいたらしい。

もしかしたら、家族がいればこの心の穴は塞がっていたのかも知れない。

そう思うと絶望する一生俺はこの『心の穴』と向き合わねばならないのかと。

いつもどうり1人で、朝食を作り、1人で食べ、1人で片付ける。そしていつもどうり学校に向かった。

 

俺は欠落者でも、学年首席を維持している。

最初は続いていけば、この心を、とも思っていたが諦めた、だがやる事も無いため、勉強をしていたらこうなった。授業も、体育も、休みも、昼食も何もかも、つまらない。つまらない。大事な事なので二回言った。

 

放課後、先生に呼び出された。

「なぁ比企谷、私が出した課題はなんだったかな?」

平塚先生はこめかみに手を当てながら言った。

「はあ、『高校生活を振り返って』だったと思いますが?」

「わかっているじゃないか、ではなぜこのような作文を書いたんだ?」

そりゃわからないだろう、欠落者の書いたものが、他人に簡単に理解されると思ってもいない。

「それが事実だからです、振り返っても振り返っても、つまらないことしかありませんでしたから」

「まったく君は、つまらないという事は何もしてないだけじゃないのか?」

平塚先生はため息をつきつつ言った。

何もしていない?馬鹿な事を言うな、俺はやって、この結論に至ったんだ、自分が欠落者というのが。俺は多少の憤りを感じた。

「君の目は、とうの昔に死んでいるような目だな」

「そんなに濁ってますか俺の目は」

俺は苦笑しつつ、答えた。

「そういえば、比企谷部活はやっているか?」

「いえ、やっていません」

「そうか、ではこれから、この作文の罰として、奉仕活動を命じる、ついてきたまえ」

平塚先生は唐突に横暴に言った。

「はい、分かりました」

こんな命令でも、文句の一つも言わずついていく俺はまさに社畜の極みだな。ハァ俺の人生は社畜への一本道だなぁと思っていると、この総武高校の特別棟の3階のある教室についた。

平塚先生はからりと戸を開けた。

俺にはその教室がとても異質に感じられた。

それは、その教室に1人の少女がいたからだろう。

 

「雪ノ下、入るぞ」

「平塚先生、入る時は、ノックをとお願いしたはずですが?」

「ノックをしても、君は返事をした事がないじゃないか?」

「それは先生が、返事する間もなく入ってくるからです、それで、その後ろのぬぼーとした人は?」

「あぁ彼は比企谷、入部希望者だ」

「2年F組、比企谷八幡です、って入部ってなんですか?」

「比企谷、貴様にはあの作文の罰として、ここでの奉仕活動を命じる、異論反論抗議口答えは一切認めない。」

 

「お断りします。そこの男の目を見ていると、身の危険を感じます」

雪ノ下は、自らの体を抱き、こちらを睨みつけそう言ってきた。

はっお前の身体なんかに興味を持つのなら、この『心の穴』はない。

「雪ノ下、安心しろ、この男の目と性格はちょっとアレだが、刑事罰になるような事はしない、この男はそういうところは信用していい」

ハァ?なんだよ、目と性格は関係ないだろ。

ただ興味がないだけだ、あとつまらない。

「なるほど………分かりました。」

納得しちゃたよー( ゚д゚)

「まぁ私からの依頼という事で、この男の人格を矯正してくれ、ではあとは頼んだぞ雪ノ下、あとそいつが学年首席なんでな」ニヤッ

平塚先生は人の悪い笑みを浮かべ去っていた。

 

「はぁ」

雪ノ下はため息をつきつつ、文庫本に目を落とした。

俺には説明の一つも無しかよ

「あなた、座ったら?」

「ん?あぁそうする」

俺はひとつ聞いてみた。

「なぁここなんなんだ?」

「えっ平塚先生から聞いてないの?」

雪ノ下は驚いたような顔でこちらを見てきた。

「ああ、丸投げされただけだからな」

「まず、ここは部活なのか?」

 

「えぇそうよ、ここは奉仕部、飢えた人には、魚を与えるのではなく、魚の取り方を教えるような、手助けをするような部よ」

その後、雪ノ下は無表情で言った。

「ようこそ奉仕部へ、歓迎するわ学年首席の比企谷君」

嫌味たっぷりの歓迎だった。




二話からクロスさせてゆこうと思うので、暖かい目で見守ってください。


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2話

奉仕部に強制入部させられた俺はMy houseへと向かっている。

家と言ってもマンションの一室だ。この部屋を用意してくれた事だけは、「あいつ」に感謝できる。

部屋に入ると、固定電話に留守電が入っていた。

憂鬱な気持ちになりつつ、ボタンを押した。

「八幡君、知っていると思うが『あの儀式』の開始まで時間がない、早くしなければあと2つの席が埋まってしまうぞ、いい報告を期待する。」

相変わらず偉そうな奴だと思った。

今の奴は教会の奴だ。

俺は、「代行者」言峰綺礼の弟子と言ってもいい、形式的には、養子になるが、あいつと同じ名字になるのは嫌だったのでやめた。

まぁ言峰は今から3年前に眠る様に亡くなった。

その日、俺は唯一の理解者を失った。

俺の『心の穴』を理解してくれたのは、言峰だけだったからな。

俺はまたもや憂鬱な気持ちになりつつ、自らの目的のために動き出した。

『あの儀式』聖杯戦争に参加するには、条件がある。

それは、サーヴァントと呼ばれる英霊を呼び出す事。

サーヴァントにはそれぞれクラスがあり、

セイバー

アーチャー

ランサー

ライダー

キャスター

アサシン

バーサーカー

と7つのクラスに分けられている。

もう、セイバーとアーチャー以外のサーヴァントは呼び出されているらしい。

俺の役割は、言峰から継いだ聖杯戦争の監督役、そして教会の者以外を排除する事だ。表向きはな。

教会の奴らも、何もかもの理想を叶える聖杯には目が眩むらしい。

だが俺は聞いている、言峰から聖杯の中身を『この世全ての悪』を

教会の奴らは知らないらしいがな。

言峰は死ぬ間際に俺に言った。

「八幡、貴様は私に似ている、聖杯ならばその心の穴を埋めてくれるかもしれん」と

俺はそれに希望を持ち、聖杯戦争に参加する事を決めた。

 

サーヴァントを召喚するには、血で描かれた魔方陣が要る。そしていい者を召喚するには、自らの魔力が一番高まる時間にすれば良いと言峰は言っていた。

俺は一般の家庭生まれだが魔術の才能があるらしく、魔力と魔法回路は少なからず、持っている。マキリの奴らとは大違いだと言峰は笑っていたか。

 

俺は黒鍵の柄を持ち、黒のコートを着、静まり帰った街へ繰り出した。

俺はあのツインテールのアカイアクマの様な、宝石を血の変わりにする事は出来ないため、血は自ら獲得するしかない、教会の奴らも手を貸してはくれない、役立たず共がと心の中で毒を吐きつつ、ある家の前にたどり着いた。

 

この家の主は幸せな家庭を持っている。

俺は何故かその光景を見るたびに、イラついた。

ただこの家の奴らには、俺の『心の穴』を埋めるために生贄となってもらおう!!

そう思いつつ、俺はインターホンを押した。

 

_______________________________________________

 

俺は真っ赤に染められたコートから一冊の本を抜き出した。この本には、魔方陣と召喚するための呪文が書かれている。

俺はこのただの屍から真っ赤なインクを抉り出す。

そして俺はこの本に書かれているとうり、魔方陣を描き、

そして俺は呪文を唱えた。

 

「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。

降り立つ風には壁を。

四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。

 

閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する

 

―――――Anfang(セット)。

――――――――――――

――――――――――――

――――――――――――

――――――――告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

 

誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷く者。

 

汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

その瞬間俺の右の手の甲に焼ける様な痛みがはしる。

そして、黄金の光に包まれた。

そして嗤い声が響いた。

「フフハハハハハハ、我を喚ぶとは、運を使い果たしたな、雑種」

俺の目の前には黄金の男がいた。




この作品のギルガメッシュは、全ての作品を合わせて、書くつもりなので、壊れるかもしれません。
そして言わずとも分かると思いますが今回はリュウノスケ回でしたね。
評価や感想、アドバイスなどあれば教えてください。
難しいです。
八幡じゃない。


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3

サーヴァントを召喚したその翌日、俺は寝坊してしまった。寝坊したのは何年ぶりだろうか?

魔力を多く消費した事もあるが、問題は召喚された黄金のサーヴァントだ。

 

奴の名は、「人類最古の英雄王」ギルガメッシュ、クラスはアーチャー。

俺の部屋は、俗に言う金持ちが住む部屋、まぁこの部屋を用意してくれたのが、金持ちだからなのだが、設備が充実している。俺は言峰から色々なものを受け継いでいる。

 

なぜこの話をするのかというと、ギルガメッシュが俺が言峰から受け継いだワインを勝手にワインセラーから出して飲んでいたからだ。

 

「アーチャーなぜ勝手にワインを飲んでいるんだ」

「フッ可笑しな事を聞くな、ただ我が飲みたかっただけだからだが?」

そう奴はサーヴァントのくせに、傲慢である。

 

「それは俺は飲めないといえども、俺のなのだが?」

「貴様のものは我のものだ」

人類最古のジャイアニストだったのか!!

 

「比企谷、一つ聞こう、貴様は聖杯に何を求めている?、貴様の暮らしは充実していると思うが?」

 

答えはひとつだ。

 

「ただ俺は、この心にある穴を埋めるための何かを求めているだけだ、いくら求めても手に入らない何かをな」

「フゥン、貴様は目だけでなく、感性も言峰に似ている様だな」

ん?こいつ今、言峰と言ったか?

「アーチャー、お前言峰を知っているのか?」

「あぁ言峰は我の前のマスターだが、しかしまたこの時代に喚ばれるとは思わなんだ」

言峰お前も大変だったな。

 

「比企谷、貴様は言峰とはどの様な関係だ?そして今奴はいるか?」

「おれは言峰の養子と言ったところか?残念ながら言峰は3年前に死んだよ」

「そうか!死んだか!フッしかも貴様は奴の養子と来たか、聖杯も粋な演出をしてくれる」

 

「王とは、道を導くものとライダーは言っていたか、では我も、道を示してやるとしよう」

「比企谷、貴様は愉悦を求めているのだろう?」

「あぁまぁそういう事になるな」

「愉悦とは、つまりは魂の形だ、比企谷、貴様はまだ自らの魂の形が分かっていない。」

 

「魂の、形?」

 

「あぁそうだ、比企谷、貴様は愉悦とは、どの様なものだと思っている?」

「愉悦?自らの楽しい事だろう」

 

「そうだな、では比企谷気付いていたか?、我を召喚した際、自らが笑っていたのを」

 

何だと、俺が笑っていた?

 

「気付いていなかった様だな、つまりは貴様はその時、愉しんでいたのだ、自分でも分からないうちにな、いや心が貴様の善意が、それを伏せていた、というのが正しいか」

 

俺があの時した事?何だ?

 

「どういう事だ、教えろアーチャー」

「此処で言ってしまっては、面白くあるまい、そうだな、貴様が気付くまで我の愉悦の手伝いをしてみろ」

 

「アーチャー、俺は一応お前のマスターなんだか?」

「粋がるなよ雑種、我は誰にも仕えん、だがこの俺のプライドを踏みにじるためだけにその令呪とやらを使うんだな」

「分かったよ、じゃあ何をすればいいんだ?」

「我は人の業を愛でる、マスターとやらには、聖杯に選ばれるだけの、理由があるのだろう?その理由を調べ、我に語り聞かせろ」

 

まぁ無理ではないな。

 

「分かったでこれからお前はどうするんだ?」

「我は、まだこの時代の興を貪り尽くして、おらんからな、選別が終わるまでこの時代を愉しむとしよう」

 

そういうと、奴は霊体となり消えた。

 

「愉悦か」

と俺は1人でこの言葉を噛み締める様に呟いた。

 

____________________________________________________

 

翌日、学校に登校する。

廊下にて、会いたくない奴に出会った。

 

「あら、比企谷君 おはよう」

この上品な喋り方をする奴は、遠坂 凛、アカイアクマだ。

俺の住んでいる、マンションの一部屋を用意してくれた、金持ちだ。

「おう、おはよう遠坂」

 

と挨拶をすると、周りの男共から嫉妬の混じった目で見られる、まぁ遠坂も人気のある方だからな。

だがこいつらは知らないだろう、こいつの性格の悪さを。

と思いつつ、教室に入ると、見慣れた顔が声をかけてきた。

「おはよう、比企谷」

こいつは衛宮 士郎 俺の名前を間違えずに言えるクラスメイトだ。

そして机につき、イヤホンを耳に突っ込み、俺はいつもと変わらぬ、つまらない日常を謳歌した。

 

放課後、からりと部室の扉を開けると、雪ノ下がこの前と同じ様に本を読んでいた。

 

「あら、来たの?」

「そりゃ来るだろう、強制的でもここの部員になったんだからな。」

「変な所で律儀なのね」

「まぁな」

と軽い会話をし、カバンから聖書を取り出し、読み始める。

「貴方、聖書なんて読むのね」

「あぁ育ての親が一応、神父なんでな」

「へぇそうなの、貴方はどっちかっていうと悪魔の方が似合っていると思うのだけど?」

「そう思うのならそうでもいいさ」

 

そう言い聖書に目を落とすと、雪ノ下は溜息をついた。

「貴方は本当に不思議な人ね」

 

何がだ?と聞こうと思ったが止めた、なぜかって?

それはこの部室のドアがノックされたからである。

そして、奉仕部最初の活動が始まったのだった。




ギルガメッシュが難しい。ギルっぽくなくても、許してくださいm(._.)m


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第4話

「しっ失礼しまーすってなんでヒッキーがここにいんの!?」

「まぁ俺がここの部員だからだが…(え?ヒッキーって俺の事、俺引きこもりじゃないんだけど?)」

 

「2年F組、由比ヶ浜結衣さんね」

雪ノ下が分かっていたかのように、対応した。

「えっ?2年F組って俺のクラスじゃん」

「まさかとは思うけど貴方、知らなかったの?」

「えっ、ヒッキーサイテー」

なんで最低って言われるんだか…

「お前1度も喋った事無いやつの事覚えるのか?」

「フツー自分のクラスの人覚えるじゃん」

 

あっ、そういえばこいつなんかウェイウェイやってる奴らにいたっけ?あいつらを見てると無性にムカつくんだよな

自分が充分してるくせに、自ら欺瞞を演じるあいつらが

 

「で由比ヶ浜さん、ここに来たということは何か依頼があるのでしょう?」

「あ、うん、そうなんだけどー」

 

とこちらをチラチラ見ながら、恥ずかしそうにモジモジしていた。

あっそういうこと。

 

「じゃあ俺飲み物買ってくるわー」

「そう、空気は読めるようね、そういえば紅茶の葉が切れていたわね、野菜生活を頼むわね」

 

なんでこいつは自然に俺をパシリにするんですかね?

まぁ文句を言わずに買いに行くあたり、俺はやはり社畜体質のようだ

そう思いながら、自販機の前につき、雪ノ下注文の野菜生活を買い、俺は「MAXコーヒーブラック」を買った。

このMAXコーヒーブラックは、くそ甘いMAXコーヒーの反対のクソ苦いコーヒーだ、俺はこの味が好きなんだ。

 

飲み物を買ったあと、部活に戻ると話は終わっているようだった。

「ほらよ」

雪ノ下に野菜生活を渡す。

「貴方そんな、苦い物を飲むの?」

「ん?あぁ俺の好物だ」

「貴方は味覚がおかしいようね」

「はぁ?この味の良さがわからないのかよ」

そう言うと雪ノ下は、こめかみに手を当て呆れたように言った

「私の生きている中で、それを自分から好きに飲むのは、貴方しかいないわ」

「まぁいいや、雪ノ下?こいつの依頼は?」

「ある人に、クッキーを渡したいそうよ、手作りのね、だから私達は、クッキーの作り方と、味見をすればいいのよ」

 

「あぁそういう事、じゃあ今から家庭室に行くのか?」

「えぇもう許可はとってあるから」

 

_____________________________________________________

 

家庭室しつき、雪ノ下が由比ヶ浜にクッキーの作り方を教えていると、由比ヶ浜は、料理が壊滅的だと言う事がわかった。

ミスにミスを重ね、できたものが目の前にある炭である。

「何故あなたはあそこまでミスを重ねられるのかしら」

雪ノ下は疲れたように机に突っ伏していた。

 

「いやーでも、見た目はあれでも美味しいかもしれないじゃん?」

と本人は凄くポジティブ。

 

「味見が依頼だが〜もうこれは毒味だな」

「どこが毒だし!!」

と由比ヶ浜は、自らが作ったクッキー?を持ち不安になったように聞いてきた。

「毒かな?」

 

「一応食べられる物しか使ってないから食べられると思うわ」

「いや、これは食べない方が身のためだな」

そう俺が言うと、由比ヶ浜は怒ったように聞いてきた。

 

「そこまで言うならヒッキーは料理できるの?」

「あぁ人並み以上にはな、これでも一応、中華料理店のバイト兼シェフやってるからな」

「貴方がアルバイトなんて、ってきり貴方は入って一週間ぐらいでやめる人だと思っていたわ」

「子供の頃からの付き合いのある店だからな」

「その店の名前聞いてもよろしいかしら」

「あぁ紅州宴歳館・泰山だが?」

 

そういうと、2人は驚いたようにこちらを見てきた。

「えっ泰山ってあの食べられないような激辛麻婆で有名な?」

「はっ?美味しいだろあの麻婆」

「貴方味覚大丈夫なの?」

子供の頃言峰によく連れて行かれていつの間にか好きになっていたんだよね。

「まぁそんな事はどうでもいいじゃん、今は由比ヶ浜のクッキーの話だろ?」

「それは由比ヶ浜さんが2度と料理しない方がいいんじゃないかしら」

「ちょ雪ノ下さん!?それはひどいよー」

「まぁそれは最後の手だな」

「それで解決しちゃうんだ!?」

「ここまでの物を見せられたらな」

そう言うと、由比ヶ浜は肩を落とした。

 

「やっぱり、こういうの才能ないんだよ」

と由比ヶ浜は、照れ隠しのようにテヘへと笑った。

俺はその言葉にイラついた、それは雪ノ下も同じようだ。

 

「由比ヶ浜さん、才能がないと言う見方は変えた方がいいわ。才能がある人の努力を知らないの?」

と雪ノ下が言うと、

 

「いやーでもさ、最近みんなこういうのやってないし、やっぱ向いてないんだよ、こういうの」

由比ヶ浜はまたテヘへと照れ隠しのように笑う。

 

「由比ヶ浜さ、そう思うなら最初からの誰かに手作りクッキーなんて渡そうと思うなよ、そういうの苛つくからさ」

「貴方と同じ考えなのは、気に障るけども、私も苛つくわ、そう自分を曲げて他人に合わせようとするのは」

 

そう言い切ると、由比ヶ浜は下を向いて気を落としているようだった。

そして由比ヶ浜は口を開いた。

「カ、カッコイイ!!」

 

「「は!?」」

雪ノ下とハモってしまった。

 

「建前とか全然言わないんだね、そういうのって何かカッコイイと思う、ごめんね次頑張るから」

「そ、そう今結構キツイことを言ったと思うのだけど」

「うん言葉はキツかったけど、私、人に合わせてばっかりでそういう事言われたことあんまり無かったから!!」

と由比ヶ浜はグッと手を握った。

 

「雪ノ下、もう一度教えてやれよ」

「はぁ、で貴方は?」

「俺はちょっと用事があるから帰るわ」

そう言い俺は家庭室をでる。

 

今の時間は午後5時、今からは魔術師たちの時間だ。

俺は一応参加者であって監督役だから協会に行かなくてはならない。

 

俺が学校から出ると、校門にあくまがいた。

「あら、比企谷君随分と遅かったじゃない?」

「まぁな、平塚先生に強制的に部活に入れられてな」

「そう、一応、比企谷君は監督役だから、今何体サーヴァントが呼び出されたのか聞いておこうと思って」

「あとセイバーだけだな、まだ聖杯戦争は始まっていない」

「そう、じゃあまた明日」

「あぁまた明日」

 

だが俺は気付いていた、今日衛宮と話した時、やつの手の甲に令呪が宿っていたのを。

 

「はぁ明日から忙しくなりそうだな」

そう呟くと、俺は一度、家に戻った。

 

そして扉を開けると、そこには朝は無かった高そうなベットとその上でワインを飲んでいる子供がいた。




由比ヶ浜って個人的に原作読んでると苛つくキャラなんですよね〜
由比ヶ浜ファンの人たちには申し訳ないですが由比ヶ浜アンチになりそう。


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