イーブイと愉快な仲間達が幻想入り (銀髪のナイフ使い)
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イーブイ達の人物相関図・一言コメント

ネタが思いつかないのでこれで茶を濁させていただきます(おい)
小説内でまだ絡みのない面子との関係も書かれているけど別にいいでしょそのくらいという判断です


◎…とても仲良し

○…普通に仲良し

△…ただの知り合い

✕…苦手

 

イーブイ

 

霊夢○ めんどくさいけど一応一緒に住んでるよ

魔理沙◎ いつも弾幕ごっこで遊んでるよ

紫○ ちょっと不思議だけど綺麗なお姉さん

藍○ 橙と一緒に尻尾に潜ったりもする

橙◎ いつも鬼ごっこしたり隠れんぼしたりね

射命丸△ たまに来てるけど写真撮って帰ってる

萃香✕ お酒飲むと絡んできて鬱陶しい…

 

サンダース

 

レミリア◎ たまにいじめると反応が楽しい

フラン◎ かわいい妹、守りたいこの笑顔

咲夜◎ ゲットされてる、たまに仕事も手伝う

美鈴◎ いつも寝てる、とりあえず10まんボルト

パチュリー○ 実験を見るのが面白い、よく失敗してる

小悪魔○ 話し相手、本探すの手伝ってくれる

魔理沙○ 本泥棒、いい加減懲りろ

チルノ○ たまに来る頭悪い妖精

大妖精○ チルノの友達、健気ないい子

霊夢△ イーブイの飼い主?

アリス△ パチュリーの魔法使い仲間らしい

 

ブースター

 

射命丸◎ 新聞に余計なこと書く癖直せ

椛◎ たまに手合わせしていつも勝ってる

にとり○ ポケセンの機械でも作れば?

早苗◎ カバルドンが今強いって言ったら驚いてた

神奈子○ ドータクンのだいばくはつやめろ

諏訪子○ あめふらしニョロトノが欲しいらしい

雛△ ヤジロンとかカポエラーの友達

静葉△ 紅葉は嫌いじゃない

穣子○ たまに焼き芋くれる、美味い

はたて△ 文をライバル視してるらしい、どうでもいい

天魔○ 山で一番偉いやつ、俺より強い

 

シャワーズ

 

永琳○ 家族だけどいつも忙しい、たまに手伝う

輝夜○ 妹紅さんが来なければただの引きこもり

鈴仙◎ 友達、いつも手伝ってる

てゐ○ 悪戯小僧、いい加減懲りて

わかさぎ姫◎ みずタイプ友達、一緒に泳いだりする

影狼◎ 筍美味しいよね、リンゴも美味しいけど

蛮奇○ 姫ちゃんと影狼ちゃんの友達、クールな子

妹紅△ 輝夜と頻繁に殺し合いしてるけどよく知らない

 

エーフィ

 

慧音◎ カタブツだけど面白えヤツ

妹紅◎ 不老不死とか関係ねえ、ずっと友達だかんな

チルノ◎ 捕まんねえ鬼ごっこしてて飽きねえのか?

大妖精◎ チルノに振り回されてる大人しいヤツだ

ルーミア◎ 普段ボーッとしてるけどめっちゃ強えぞ!

リグル○ バカ4人の中じゃ動きは1番速えな

ミスティア○ ルーミアとの連携が中々厄介なんだよな

影狼△ シャワーズの友達、よく知らねえけどな

 

ブラッキー

 

勇儀◎ 地底の中じゃ1番マシなヤツだ

パルスィ◎ やかましいが、嫌いではない

ヤマメ○ この蜘蛛女の糸は中々面白い

キスメ△ 蜘蛛女と一緒にいる桶女、興味はない

さとり◎ 心を読まれていようが俺は負けん!

こいし✕ ちょこまかと姿を消しやがって鬱陶しい

空◎ 火力は俺の想定を超えている、面白いヤツだ

燐△ 空の友達らしいが、興味はない

紫△ 廃墟に来たババなんだキサマおいやめぐはあ

 

リーフィア

 

幽香◎ 最初殺されかけたけど本当は優しいお姉ちゃん

メディスン◎ メディの毒はなぜか平気なんだよ

 

グレイシア

 

妖夢◎ 弟子みたいなもの、剣術はいずれ化けるだろう

幽々子◎ 飯は沢山食え、だがちゃん付けはやめてくれ

小鈴○ 人里の貸本屋の娘、お転婆という言葉が似合う

阿求△ 随分と大人びた娘、稗田家は何やら特別らしい

霧雨○ 古道具屋の店主、魔法使いの娘がいるらしい

霖之助△ 霧雨の弟子、辺鄙なものばかり扱っている

チルノ○ 馬鹿、食べ物をやれば言うことを聞く

レティ◎ 彼女の周囲が一番快適な温度だ

ルナサ○ やたらと暗い音を奏でる

メルラン○ ルナサと合わせると狂気的な音楽になる

リリカ○ ルナサとメルランのバランスを取る苦労人

アリス○ 人形使い、霧雨の娘とは知り合いのようだ

 

ニンフィア

 

ナズーリン◎ 頭いいけどどこか抜けてるんだよね

聖◎ 普段は優しいけど、怒るとめっちゃ恐い

寅丸◎ 宝塔をなくす天才、なにやってもなくす

村紗◎ 友達、修行が忙しくて遊べない

一輪○ 雲山と一緒にいる人、優しいお姉さん

雲山✕ ボクは好きだけど雲山がかくとうタイプでね…

響子○ 目覚まし時計、うるさい。

ぬえ◎ 中途半端なイタズラを完璧に破るのが好き

マミゾウ○ ぬえの友達、なんか口調が田舎くさい

神子△ 聖のライバル、どうでもいい

布都✕ 聖のライバルの部下、自己中でうるさい

屠自古△ 聖のライバルの部下その2、足がない

 



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本編 幻想入り?しちゃった!

この作品を読む際の注意事項!
・作者は東方に関してもポケモンに関しても知り尽くしている訳ではありません。なのでもしかしたら東方の設定への解釈に誤りがあったり、ブイズ達が本来覚えないような技を使うかもしれません。
・ブイズ達は普通に4つ以上の技を使います。
・もう6Vなんてレベルじゃねーぞ!ってくらいブイズ達の身体能力が高くなるかもしれません。
・ブイズ達は物理攻撃も妨害技も容赦なく使います。
以上です!…多分。それでもいいという方はどうぞ!


ここは幻想郷の博麗神社、博麗の巫女である博麗霊夢が境内を掃除していた。

霊夢は突然持っていた箒を投げ捨てる。

 

「あーーーーーもう!暇!」

 

やってはいけないとは思いつつも霊夢は石畳に仰向けに寝転ぶ。

 

「ほんっっっとに最近何も無さすぎよ!ある事と言えば萃香が酒呑みに来たり、魔理沙が冷やかしに来たり、文がありもしない特ダネ探しに来たり、紫が暇つぶしに来たりするだけよ!まともな参拝客も来やしない!」

 

駄々をこねる霊夢、しかし階段の方から足音がした途端に立ち上がって巫女装束に付いた砂を払う。

 

しかし、階段を上ってきたのは参拝客ではなかった。

 

それどころか人間でも、ましてや人型の妖怪でもなかった。小動物である。

 

「なにこれ、かわいい…」

 

「ブイ?」

 

全身を覆う柔らかそうな茶色っぽい体毛に、首の周りにはタテガミのように白い毛がもふもふと生えている。尻尾は膨らんでいて、狐を連想させる。そして何よりまんまるとした瞳がかわいさをいっそう引き立てている。

 

「かわいいいいいいいいいい!!!」

 

「ブイッ!?」

 

やっぱり女の子、かわいいものに目がない霊夢は早速その小動物を捕まえてもふもふする。

 

(やめて!やめてってば!)

 

「えっ?」

 

突然聞こえた声に手を止める霊夢、すると小動物は器用に腕をすり抜ける。

 

(ふぅ、窒息するかと思ったよ…)

 

「キェエエエエエアァアアアアアアアシャベッタァアアアアアアア!!!」

 

(いや、実際には喋ってないよ。テレパシーで君の頭の中に直接話し掛けてるの。)

 

「マタシャベッタァアアアアアアア!!!」

 

(……)

 

『スピードスター』

 

必要以上の反応をする霊夢に、小動物が星型の弾を撃つ。

 

「きゃあ!?」

 

(ねえ、僕の話聞いてよ。)

 

「えっと、ご、ごめん。」

 

(まず質問なんだけど、ここはどこ?)

 

「えーっと、そうね…。その答えは君の状況によるわ。君はどこからやって来たの?」

 

(僕の巣だよ。でも、昨日は巣で寝たはずなんだけど目が覚めたら知らない場所にいて、歩いてたら階段を見つけたから上ってきたんだ。)

 

「そう、じゃあ君も幻想入りして来たのね。」

 

(幻想入り?)

 

「そうよ。説明が面倒だからとりあえず異世界に迷い込んだって解釈していいわ。」

 

(えっ!?異世界!?)

 

「ええ。ここは幻想郷、多分君の巣がある世界とは違う世界よ。」

 

(えええええええええ!?)

 

(外の世界に念話が出来る小動物がいる筈がないし、間違いなく別世界から来た子よね…。じゃあ私じゃなくて紫に任せないとこの子は帰れないわね…)

 

小動物はしばらくその場に固まっていたが、突然その場で宙返りをして自分の尻尾を追いかけるかのようにクルクルと走る。

 

「…どうしたの?」

 

(決ーめた!ねえお姉ちゃん。お姉ちゃんの名前はなんて言うの?)

 

「私?霊夢よ、博麗霊夢。」

 

(じゃあ霊夢お姉ちゃん。僕ここに住んでもいい?この幻想郷ってなんだか面白そう!)

 

落ち着かない体をゆらゆらと揺らしながら小動物が霊夢に言うと、霊夢は目をキラキラさせながら何度も頷いた。

 

「ええ!いいわよ!君みたいなかわいい子なら大歓迎よ!」

 

(えへへ、やった!)

 

小動物はまたクルクルその場を3週すると霊夢の膝の上に座った。

 

(僕はイーブイって言うんだ!よろしくね!)




イーブイ(こんにちは。)

イーブイ(後書きは僕たちブイズがやっていくね。)

イーブイ(これからも。)

イーブイ(仲間が本編に出てきたらこっちにも登場するからね。)

イーブイ(ついでに、作者の推しブイズは圧倒的にサンダースだよ。)

イーブイ(チクチクしてるのがかわいいんだってさ。)

イーブイ(すばやさが高いから対戦でも使ってるみたい。)

イーブイ(でも、作者は厳選とかすぐ辞めちゃう人だから、性格が良くて個体値がそこそこあれば満足しちゃうんだって。)

イーブイ(じゃあまた次回会おうね!)


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紅魔と雷

オッス!オラ作者!話すことは特にねえぞ!


「ふぁ…、眠い…。けど寝る訳には…zzz…」

 

ここは紅魔館。吸血鬼であるレミリア・スカーレットが住む館である。紅魔館の門番である紅美鈴が立ったまま眠っているが、いつもの事だ。

ここにも小動物が一匹、現れた。

 

(…ここどこだよぉー。ていうかなんで目ん玉いっぱいな穴に入ったら僕こんな場所まで飛ばされたんだ?)

 

外見はどことなくイーブイに似ている。しかし体毛は黄色でチクチクと針のように立っている。

 

(お、建物が見えてきた。門の前にも女の人がいるぞ。ここがどこか聞いてみよう。)

 

小動物は門の前で眠っている美鈴の前へ行く。

 

(寝てるの?立ったまま寝るなんて器用だな…。これじゃテレパシーも通じないや。勝手に入っちゃ悪いし、この人が起きるまで待とうか。)

 

小動物が美鈴から少し離れて待とうしたその時、どこからともなくナイフが現れて美鈴の額を狙う。

 

(危ないっ!)

 

『でんきショック』

 

小動物は身体から電撃を発してナイフを弾いた。

 

(どこの誰がやったんだ?もしアレが刺さったら女の人は即死…)

 

「あら、見た事の無い小動物がいるわね。しかも電撃を放って私のナイフを弾いた…」

 

門の奥からメイド服を着た銀髪の女性が現れた。その女性は門から出てきてナイフを回収する。

 

(そのナイフはお姉さんのなの?)

 

「この子、直接脳内に…!テレパシーかしら?」

 

(そうだよ。なんでこの人にナイフを投げたの?)

 

「仕事中に居眠りをしてたからよ。あと美鈴は人じゃなくて妖怪よ。だからナイフが額に刺さった程度じゃ死なないわ。」

 

(へー、仕事中に寝るのはよくないね。バトル中に『ねむる』のならともかくだけど。僕が起こしてあげようか?)

 

「じゃあお願いするわ。」

 

(よっしゃおっけー!まかせて!)

 

小動物は宙返りをしながら後退して力を溜める。

 

『10まんボルト』

 

小動物は先ほどよりも強力な電撃を美鈴に浴びせた。

 

「あばばばばばばばばば!?」

 

強力な電撃を浴びせられ美鈴は一気に目を覚まし、その場で少し痙攣を起こす。

 

(あれっ、まひを引いちゃったか。)

 

小動物は辺りをキョロキョロと見回し、近くの低木に成っていたサクランボに似た木の実を取る。

 

(はい、赤色のお姉さんこれあげる。)

 

「あ、ありががが、とうござ、います」

 

美鈴は木の実を受け取って口にする。

 

「辛っ!?甘いかと思ったら辛い!あ、でも痺れが取れてきたかも…」

 

(やっぱりクラボのみだったんだ。サクランボにそっくりだけど辛いでしょ?でもまひが取れるんだよ。)

 

「詳しいわね。あなた、名前はなんて言うの?」

 

(名前?うーん…、サンダースだよ。種族名だけどね。)

 

「なんかフライドチキンが頭に浮かんできますね。」

 

『かみなり』

 

思ったことを口にしただけの美鈴にサンダースは更に強力な電撃を撃つ。しかし美鈴はそれを辛うじてかわした。

 

「わわっ!?何するんですかいきなり!」

 

(あ、ごめん身体が勝手に反応しちゃった。僕そう言われるのすっっっごく嫌いなんだ。ていうか僕が名前を教えたのにお姉さん達は教えてくれないの?)

 

「私は十六夜咲夜よ。」

 

「紅美鈴です。」

 

(咲夜さんに美鈴さんだね。よろしく!そうそう、質問したい事があるんだけどいいかな?)

 

「何かしら?」

 

(なんか目ん玉がいっぱいある穴に入ったらここに来たんだけど、ここどこ?)

 

「そうね、説明するとそれなりに長くなるかもしれないから…、少し待ってて。」

 

そう言って咲夜は一瞬で姿を消した。

 

(えっ?何今の、『テレポート』?それとも『しんそく』?)

 

サンダースが咲夜の立っていた場所を見るが、特に走ったりしたような痕跡は見つからない。

 

「咲夜さんの時止めですよ。」

 

(時止め?そんなことが出来るの?)

 

「はい、咲夜さんは『時を操る程度の能力』というのを持っているんです。」

 

(へぇ…、ディアルガみたいだ…。)

 

「ディアルガ?」

 

(うん、僕のいた世界に伝わってる伝説のポケモンだよ。時間を司ってるんだ。)

 

「ポケモンってなんですか?」

 

(えーっと…、生き物の名前だよ。僕のいた世界じゃ人間とポケモンしかいないんだ。もちろん植物もあるけどね。僕もポケモンの1種なんだよ。)

 

「不思議な世界ですね。」

 

(そうかな?それより美鈴さん妖怪なんだって?僕、妖怪なんて初めて見たよ。人間とそっくりな格好してるんだね。)

 

「そうですね、中には人間とは少し違う格好をしている妖怪もいますよ?例えば、この館の主にして、私達が仕える方でもあるレミリアお嬢様は吸血鬼なのですが、人間とは違って背中に翼が生えているんですよ。」

 

(ふーん、そうなんだ。そう言えば美鈴さんにも咲夜さんみたいな何かってあるの?)

 

「私はですね、『気を使う程度の能力』持っているんです!」

 

(へぇ、気ってなんなの?)

 

「全ての生き物に宿っている力というか…、まあオーラみたいなものです。例えば…」

 

美鈴は掌を正面に構える。

 

「波ッ!」

 

美鈴が力を込めると、その先にあった木が突然倒れた。

 

「これが気です。分かりましたか?」

 

(うん!凄いね!『はどうだん』みたい!)

 

サンダースが感動して目をキラキラさせていると、咲夜が戻ってきた。

 

「お嬢様の許可が頂けたわ。サンダース、中に入りましょう。美鈴は仕事に戻って。」

 

(また寝ちゃったら僕が起こしてあげるね!)

 

「そ、それは勘弁です…」

 

咲夜とサンダースは庭を通過して紅魔館の中に入った。

 

(おぉー、外から見ても大きかったけど中はもっと大きいね。)

 

「これは私の能力を使って空間を広げているのよ。」

 

(咲夜さんは時を操るんじゃなかったんでしたっけ?)

 

「美鈴から聞いたのね。これはその能力の応用よ。まあいいわ、付いてきて。」

 

咲夜は玄関に入ったら右に進み、サンダースはそれに付いていく。廊下で掃除をしている妖精メイド達の話し声が聞こえる。

 

「なにあの子、かわいー。」

 

「よく見たら後ろ脚が中々に発達してるわ。足が速いのかしら。」

 

「あのチクチクした毛触ってみたいなー。」

 

咲夜とサンダースは少し歩いた先の部屋に入った。そこにはカーペットが敷いてあり、床にも座れるようになっていた。

 

「それじゃあ、適当に座って。」

 

咲夜が部屋に置いてあるスツールに腰掛けたので、サンダースは部屋の端からクッションを取り出してその上に座る。

 

「ここは幻想郷。あなたのいた世界とは別の場所よ。」

 

(別世界かぁ…、他にポケモンがいなかったり妖怪がいたりするのは世界が違うからなのか。)

 

「ポケモン?」

 

(あ、美鈴さんには説明したんだけど咲夜さんはいなかったね。気にしないで。)

 

「ええ、あなたはその世界から目玉だらけの空間、『スキマ』を通じて幻想郷に来た。本来幻想郷は外の世界で存在が忘れられた者が迷い込む楽園なんだけど、あなたの場合は別ね。」

 

(外の世界と僕のいた世界は別なんだね。)

 

「そうよ。外の世界に帰るだけなら博麗神社にいる博麗の巫女…、霊夢に頼めばいいけど、別の世界の場合は幻想郷の創造者の一人、スキマ妖怪の八雲紫の力を借りる必要があるわ。」

 

(ふーん、でもいいかな、こっちの世界で暮らしても。)

 

サンダースが毛繕いをしながら言う。

 

「えっ?」

 

(だって、元々決まったような巣は作ってなかったし、別に何も変わらないよ。)

 

「そう…、まあ説明はこれだけよ。サンダース、お嬢様の所へ行くから着いてきて。入れてもいいけど私に一回会わせて、とお嬢様が申しておりましたので。」

 

(はーい。)

 

部屋を出て歩く咲夜の後ろをてくてくと歩くサンダース。その途中でお腹がクルクルと音を鳴らす。

 

(そういえば朝からなんにも食べてないや。)

 

「そう、じゃあお嬢様に会った後に何かあげるわ。苦手な物とかある?」

 

(お肉はあまり好きじゃないかな。)

 

「そう、分かったわ。…着いたわよ。」

 

そうこう言っている内に目的の部屋に着く。咲夜は部屋の扉を3回ノックした。

 

「入って。」

 

部屋の中から聞こえたその声は、サンダースが想像していたものよりかなり幼かった。

 

「失礼します。」

 

(失礼しまーす。)

 

サンダース達は部屋に入る。部屋の奥にある立派な椅子に座っていたのも、やはり声相応の幼い姿をしていたが、背中にはコウモリに似た翼が生えている。

 

「貴方が例のサンダースという名の小動物ね。私はレミリア・スカーレット、この紅魔館の主であり吸血鬼よ。」

 

(サンダースだよ。よろしくねレミリアさん…、さん付けでいいかな?)

 

「別に呼び捨てでいいわ。獣にさん付けされるのは多少違和感があるから。」

 

コウモリの羽と溢れるカリスマ、知り合いで言えば多くのズバットとゴルバットを纏めるクロバットに似ているなとサンダースは思った。

 

(そういえば挨拶だけでここに呼んだの?っと、そうじゃなかった。ここに入れさせてくれてありがとう。お礼くらい言わないと流石に失礼だよね。)

 

「まさか、私は貴方にお礼を言わせる為だけにここに呼ぶような輩じゃないわ。咲夜から大体の説明は聞いてる。貴方の力を試したいのよ。」

 

(つまりはレミリアとバトルすればいいの?)

 

「話が早くて助かるわ。咲夜、出来る限りこの部屋の空間を拡げて。」

 

「承知致しました。」

 

咲夜が答えると部屋がグングンと広くなっていく。

 

「さて、貴方の世界のルールは…。なるほど、中々に単純明快なルールね。基本的に禁止行為は無し、相手が降参するか瀕死になる。あるいは気絶するかで勝敗が決まるのね。」

 

(どうして分かったの?)

 

「貴方の運命を辿ったのよ。」

 

(運命?)

 

「私の能力は『運命を操る程度の能力』。運命とはあらゆる生物が辿ってきた道とこれから進む道。私はそれを見たり操ったり出来るのよ。」

 

レミリアはどこか自慢げに自分の能力について説明する。

 

(分かりにくいけどなんとなくは理解したよ。バトルもいいけどその前に少しでいいから何か食べたいな。咲夜さん、木の実ってある?)

 

「ええ、取ってくるわね。」

 

咲夜は時間を止めて赤色の木の実を持って来てサンダースに渡す。

 

(あっ、リンゴじゃん。ありがとう咲夜さん。)

 

サンダースはリンゴをがつがつと食べる。そして数秒の内に芯と種だけになった。

 

(えっと…、どうすればいいかな?)

 

「私が捨ててくるわ。」

 

咲夜がまた時止めをしてリンゴを捨ててきた。

 

(さて、僕も準備OKだよ。やろうかレミリア。)

 

「ええ、楽しくなりそうね。咲夜、開始の合図をお願い。」

 

「承知しました。それでは…………、始めっ!」

 

『でんこうせっか』

 

始まりの合図と同時にサンダースは先制攻撃を繰り出す。そしてレミリアに少しのダメージを与えた。

 

「なるほどね。」

 

『飛翔攻撃』

 

レミリアも空中からサンダースに襲いかかるが、サンダースは素早く走ってそれを避ける。そしてそのまま壁の上を走り始める

 

「随分と速いわね貴方!」

 

(すばやさはポケモンの中でもトップクラスだよ!)

 

『にどげり』

 

サンダースは壁を蹴ってレミリアへと襲いかかり2度の蹴りを喰らわす。レミリアはそれを1回目は受け止め、2回目の攻撃を躱してサンダースの体勢を崩そうとするが、サンダースは空中で3回転して着地する。

 

『10まんボルト』

 

サンダースは立て続けに攻撃するが、レミリアは簡易な結界を張ってそれを防いだ。

 

天罰『スターオブダビデ』

 

(!?)

 

レミリアが幻想郷特有の『スペルカード』発動による弾幕を展開する。稲妻のような攻撃がサンダースに襲いかかる。

 

(………)

 

「どうしたの?避けないのかしら?」

 

サンダースはそれにどうともせずに被弾する…。が、ダメージを受けた様子は無い。

 

「何故!?」

 

(僕の特性は『ちくでん』。でんきタイプの攻撃はやめといたほうがいいよ。)

 

『シャドーボール』

 

サンダースが球形の霊弾をレミリアに当てる。こちらもダメージは少ないようだ。

 

「お礼に私も教えてあげる。私に霊や魔の攻撃は通じにくいわよ。」

 

(ポケモンで言えばあく・ひこうって感じかな。)

 

『ほうでん』

 

サンダースが全方位に電撃を撒き散らすが、レミリアは飛びながらそれを躱す。

 

紅符『スカーレットシュート』

 

『みきり』

 

レミリアの弾幕をサンダースは確実に見切って全て躱しきる。

 

『でんげきは』

 

サンダースは高速で追尾性のある電撃を放ち、レミリアに命中させる。レミリアの羽に電流が走り、身体が地面に墜ちる。

 

「ッ…、中々効くわね…」

 

(まさか、まだまだ行けるでしょ?)

 

「もちろんよ…!」

 

必殺『ハートブレイク』

 

サンダースに向かって新たな一撃が飛ぶ。サンダースはそれを避けようと身体を動かすが間に合わず、貫くような一撃を喰らう。

 

(やああああ!)

 

『ワイルドボルト』

 

ダメージを受けても怯まずにサンダースは突進する。

 

「フフッ、甘いわね。」

 

獄符『千本の針の山』

 

幾本ものナイフがサンダースを囲む。しかしサンダースはそれさえ無視して突進する。

 

「何を考えているの…?ッ!!」

 

サンダースに襲いかかったナイフはなんとサンダースの纏う雷に触れた途端に激しく弾かれ、中にはレミリアに向かうものさえあった。

ナイフを腕で弾くレミリア。しかしその所為でサンダースへ向ける注意が散り、サンダースの突進を無防備に受けてしまった。

 

「く……ッ!!」

 

(…ッ!!やっぱり反動もそれなりに痛いなこれは…、まだ続けるレミリア?)

 

「いいえ、もうやめにしとくわ。貴方の実力の程はよく分かったから。咲夜、お疲れさま。空間は元に戻していいわよ。」

 

「承知致しました。」

 

部屋が元に戻る。能力をいつも以上に長時間使用していた咲夜はふらつきこそしないが少し顔色が悪い。

 

(咲夜さん大丈夫?)

 

「ええ、問題ないわサンダース。」

 

(後で何かいい木の実があったら取ってきてあげるね。)

 

「さて、と。」

 

レミリアは椅子に座って腕を伸ばす。

 

「サンダース、貴方は強いわ。そこで提案があるのだけれど。どう?私たちと紅魔館で暮らしてみない?」

 

(ここで?)

 

「ええ、寝床は庭に巣でも作ってくれていいし、部屋を用意して欲しいなら用意もさせる。食事も出来る限り不自由はさせないわ。どうかしら?」

 

レミリアが手に顎を乗せながら聞く。

 

(いいよ。面白そうだし!)

 

「決まりね。サンダース、貴方は今日から紅魔館の一員よ。」




イーブイ(読んでくれてありがとう!サンダース君はやっぱり強いね!速い!)

サンダース(そうでもないけどね。少なくともレミリアの物理攻撃がもっと強かったら危なかった。)

イーブイ(サンダース君はぼうぎょが低いもんね。)

サンダース(無駄にこうげきがぼうぎょより5だけ高いんだよね。)

イーブイ(でもサンダース君はやっぱりすばやさがミソだよね!)

サンダース(まあね。僕のすばやさの種族値は130、クロバットやプテラと同じなんだよ。マルマインは中々抜けないけどね。)

イーブイ(150だっけ?)

サンダース(そう。だけど僕達ブイズ特有の補助技で差別化は出来るよ。)

イーブイ(そういえばレミリアちゃんとバトルしてる時、変化技を『みきり』しか使わなかったよね。)

サンダース(たしかにね。『でんじは』でも使えば楽だったかもしれないけど、飽くまでも実力を測るためのバトルだったから、妨害はなしにしたんだ。)

イーブイ(なるほど!そういえばあの後咲夜さんには何かあげたの?)

サンダース(門の近くに『オボンのみ』と『ヒメリのみ』が成っていたから咲夜さんにあげたよ。)

イーブイ(そうなんだ。それじゃあ、せーの。)

サンダース・イーブイ(次回にまた会おうね!)


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唯一にして絶対なる王者

決してディスってる訳ではありません。


ここは妖怪の山、天狗を頂点に妖怪の社会が築かれている。

その中に、戸惑いながら歩く一匹の小動物がいた。赤い体毛に覆われ、イーブイのように首や尻尾にもふもふとしたクリーム色の毛が生えている。

 

(どこだよここは!!あーもー、テンガン山に行こうとしてたのに迷子になったじゃねえか!!)

 

意味も無く小動物は少し走ったが、すぐに減速した。お腹がゴロゴロと鳴り、小動物はその場に倒れる。

 

(あーーーー、腹減った!!冗談抜きで腹減った!もう餓死するわ俺!誰か助けてくれーーー!)

 

首を動かしてみるが木の実も何も見つからない。が、前日の晩に食事は摂ってあったのであと3日は普通に生存できる。

 

(腹減ったーーー、助けてくれーーーー。)

 

やはり山の中である所為か誰も通りかからない。

 

(…上に誰かいる!おーい!俺腹減って死にそうなんだ!下に倒れてるから助けてくれ!)

 

すると上から誰かが降りてきた。人間の姿をしているが、背中には鴉の羽が生えている。

 

「あやや?これは珍しい、と言うか見たことのない動物ですねぇ。お腹空いてるんですか?」

 

(うん、腹減った。ねーちゃん何か俺に恵んでください。)

 

「いいですよ。では幾つか採ってきた珍しい木の実をあげましょう。」

 

そう言って渡された木の実は小動物が知っている木の実ばかりだった。

 

(珍しい?別によく見る木の実だと思うんだが…。ま、いっか、いっただっきまーーーす!)

 

ガツガツと木の実を食べ始める小動物。木の実がみるみるうちに無くなっていく。

 

「よく食べますねぇ〜、あなたは一体何者ですか?どうやら山の妖怪でもなさそうですし。」

 

(うん?俺はブースター、ただのポケモンだぞ。)

 

「ポケ…モン?」

 

(え?ねーちゃんポケモン知らねーの?)

 

「はい、初めて聞きました。」

 

話している内に木の実は無くなり、食べられない種等が残っているだけになる。

 

(んぐ、ごちそーさま。じゃあ教えてあげるよ。ポケモンってのは生き物だよ。何種類くらいいたっけな…、700種類はいたはずだぞ。)

 

「そんなにですか?気になりますね…、もう少し詳しい話を聞きたいので私の家に来てくれませんか?」

 

(いいぞぉ!でもその前にねーちゃんの名前を教えてくれよ。)

 

「あ、言ってませんでしたね。私は射命丸文、です。よろしくお願いしますブースターさん。」

 

(よろしくな、文。あと敬語とか使わなくていいぞ。)

 

「あはは。私これでも新聞記者なのでこの口調が癖になってしまってるんですよ。」

 

(ふーん、じゃあせめて呼び捨てにしてくれよ。)

 

「分かりました。じゃあ行きましょうかブースター。ここからだと結構距離があるんですが、ブースターは飛べますか?」

 

(んなわけあるか。ほのおタイプだぞ俺は。)

 

「そうですか。では、少し失礼します。」

 

(お?うわぁぁぁああ!?)

 

文はブースターを抱きしめて空を飛ぶ。バトルだったらどう考えても『フリーフォール』だが、今はバトルではないので大人しくしておく。

 

「おお、やっぱりもふもふしてますね☆」

 

(俺はイーブイの進化系の中でも唯一もふもふを引き継いでいるんだ。だからどう考えても正統進化だぜ。攻撃力もイーブイの進化系の中では最強なんだ。)

 

「唯一にして絶対なる王者ってところですか?」

 

(そうだな。このもふもふの毛は特殊攻撃を防ぐんだ。つまり王者のマントって訳だ。)

 

しばらくして文の家に到着した。二人は家の中に入る。

 

「それではお話を聞きたいので、まあ適当に座ってください。」

 

(おう。)

 

ブースターは家の中にあるちゃぶ台の前に座る。すると文もその反対側に座った。そしてペンとメモ帳を取り出す。

 

「それでは、ブースターはどこから来たんですか?」

 

(さあな。決まった住処っていうのを持ってないから何とも言えないな。代わりにここに来た経緯を話そうか?)

 

「そうですね、お願いします。」

 

(OK。俺が生まれたのはシンオウ地方って所なんだ。んで俺はシンオウ地方や他の地方を当ても無くブラブラしてた。)

 

「ふむ、他の地方の名称は?」

 

(カントー、ジョウト、ホウエン、イッシュ、ランセ、カロス、そしてアローラだ。それで、シンオウ地方にはテンガン山って言う山が縦断しててな、俺はそこにいる友達に時々会いに行くんだ。…そいつはブースターじゃねえがイーブイの進化系なんだけど、まあそれはどうでもいいか。んで俺はそいつに会いにテンガン山に向かってた。そしたら俺は落とし穴か何かに落っこちて、気がついたらあそこにいたって訳だ。)

 

「なるほどなるほど…、ありがとうございました。そして貴方の状況が把握出来ました。貴方はどうやら幻想入りして来たみたいですね。」

 

(ふーん、異世界に迷い込んだ的な?)

 

「そういう事です。」

 

(マジかよ、まあ別にいいけど。ここで異世界生活を始めるってのも悪くなさそうだし。)

 

「随分と柔軟な思考をしてますねぇ。」

 

(別に?過去に戻れるのはディアルガとセレビィだけなんだし、後ろ向いてても仕方ないだろ?)

 

「私にはその考え方が羨ましいですよ。」

 

(にゃはは、そう大したものでも無いと思うけどな。そうだ。出会ったのも何かの縁かもしれないし、ここにしばらく住まわせてくれねえか?)

 

「ええ、いいですよ。その代わり…、今から私による圧倒的質問攻めに逢って貰いますよ!」

 

(臨むところだぜ!)




イーブイ(ブースターくんも登場したね!)

ブースター(オッス!よろしくな読者!)

サンダース(唯一王(ボソッ))

『フレアドライブ』

サンダース(わわっ!?いきなりなにするのさ!?)

ブースター(いらねえ事言うんじゃねえよ!)

サンダース(すばやさ65のくせに!)

ブースター(ニンフィアの方がおせーから!その代わりに攻撃は130もあるんだぞ!特防も110だぞ!)

サンダース(特防高い割にはHPも防御も少ないけどね。)

ブースター(ヤロウブッコロシテヤル!!!)

イーブイ(まあまあ、二人共落ち着いてよ。)

ブースター(うるせえ!)

サンダース(うるさい!)

『ほのおのキバ』
『かみなりのキバ』

イーブイ(わきゃあ!?もう!HPが1になっちゃったじゃなあか!僕もう怒ったよ!!)

『じたばた』×2

ブースター・サンダース(ごめんなさいっ!!!)

サンダースはたおれた!
ブースターはたおれた!

イーブイ(はあ…、後でオボンのみ4個食べとかなきゃ。次回もまた会おうね!)


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元探検隊のシャワーズ

ここは迷いの竹林、その地の事を詳しく知る者でなければ必ず迷ってしまう迷宮のような竹林だ。そこに、瑞々しい青い肌をした一匹の小動物が。

 

(あれれ?ボクってばなんでったってこんな所にいるんだ?)

 

小動物は首に掛けてあるバッグの中からリンゴを取り出して食べる。

 

(元探検隊じゃなかったら間違いなくお腹が空いて倒れちゃうところだね。)

 

小動物は自分の過去に感謝しつつ、竹林の中を彷徨ってみる。

 

(階段も無いって事はここは不思議のダンジョンじゃないか。ポケモンにも会わないし。)

 

またしばらく歩き回ると、何匹かの兎が集まっている場所に着いた。いや、兎と言うより兎の耳が付いた人間だ。

 

(うーん、ミミロルじゃないし…。テレパシーも通じるのか怪しいな…)

 

「うん?見ない動物ウサね。しかもテレパシーを使う奴なんてさ。」

 

集まっている兎人間の中の一人が話し掛けてくる。兎人間達は総じて背が低いが、その中では年齢が一つ上、程度に背が高かった。

 

(君にはボクの言葉が分かるんだね。)

 

「まあ確かに他の兎達に人語は通じないウサ。で、アンタはなんでこんな碌でもない竹林を彷徨ってるウサ?」

 

そんなにウサを語尾に入れる必要があるのかなと小動物は心の中で呟く。テレパシーには出さずに。

 

(ボクはシャワーズ。確か僕はハナダの洞窟にいたはずなのに、気がついたら竹林にいたんだ。)

 

「あー、なるほど。説明するのがめんどくさいから鈴仙に説明させよ。私は因幡てゐウサ。じゃあついてくるウサ。」

 

わけも分からないままにてゐに案内されるシャワーズ。しばらくすると一軒の建物に到着する。

 

「鈴仙ーー!でてこーい!」

 

「大声出さなくても兎なんだから聞こえるわよ!」

 

建物の中からてゐ達よりも背が高い兎の少女が出てきた。

 

「…なにその子?」

 

少女は冷静に振る舞うが、シャワーズはその手が小刻みに震えているのを見た。何らかの衝動を我慢しているように見える。

 

「こいつはシャワーズって言うウサ。幻想入りして来たから説明よろしくウサ。」

 

そう言っててゐは瞬く間にその場から消え去った。

 

「ホント、面倒臭い事はいつも私に押し付けて来るんだから。一応私が上司なのよ?」

 

(お気の毒ですね。)

 

「え?あなた、喋れるの?」

 

(テレパシーですよ。名前を聞いてもいいですか?)

 

「私は鈴仙・優曇華院・イナバよ。鈴仙って呼んでくれればいいわ。」

 

(長い名前ですね。あ、ボクはシャワーズって言います。)

 

「よろしく、じゃあざっと説明するわね…」

 

 

〜少女説明中〜

 

 

「…という事よ。分かった?」

 

(はい、説明ありがとうございます。)

 

シャワーズはバッグの中からグミが沢山入った箱を取り出す。

 

(よかったら食べますか?)

 

「いいの?」

 

(説明してくれたお礼ですよ。どうぞ。)

 

鈴仙は箱の中から幾つかグミを取り出す。様々な色のグミがあるが、あおいグミが心なしか多めに見える。シャワーズはその箱からあおいグミだけを器用に取って食べている。

 

「あおいグミが好きなの?」

 

(はい、なんせみずタイプですから。)

 

「ふーん…」

 

そのままぱくぱくとグミを食べている内に、今いる場所が建物の出入口である事に気付く。

 

「あっ、良かったら中に入る?」

 

(それじゃあお言葉に甘えさせてもらいます。ところで、ここの名前はなんと言うんですか?)

 

「そういえば言ってなかったわね。ここは永遠亭よ。私達の暮らしている場所で、一応診療所や薬局の様な事もしてるの。と言っても人里にも診療所はあるから、ここに来る人のほとんどはそこでも対処出来ないような重症の人だけどね。」

 

鈴仙とシャワーズは永遠亭の中に入り、近くにある部屋に入った。

 

「ここならゆっくり出来るわ。」

 

(不思議な場所ですね。廊下を見ましたけど、建物の外観よりも廊下がずっと長い。)

 

「もう気付いたの?」

 

(これくらいの観察力がないと探検隊なんてやってられませんから。)

 

「探検隊?」

 

(今はもう引退してますけどね。このカバンはその時に使っていた物ですよ。)

 

「シャワーズって色々とハイスペックそうね。」

 

(そうでもないですよ。まだまだレベル80ですから。)

 

「十分高い気がするんだけど?」

 

(そうですか?まあ、成長の限界に5分の4まで達していますから。言われてみればそうかもしれません。)

 

シャワーズはまたあおいグミを5粒取り出す。

 

「うどんげ、ここにいたのね。」

 

鈴仙とグミを食べていると、青と赤色の服を着た女性が部屋に入ってくる。

 

「あっ、師匠。」

 

(師匠?)

 

「その子は?」

 

女性がシャワーズを見て言う。シャワーズは女性に向かって頭を下げて自己紹介をした。

 

(はじめまして、シャワーズって言います。えーと、幻想入り?してきたようなのでてゐちゃんにここに連れてきて貰いました。)

 

「ふぅん?」

 

女性はシャワーズを興味深い様子でまじまじと見る。

 

(え、えっと…)

 

「両生類に近いけど、哺乳類としての特徴も持っている…。不思議な動物ね…」

 

(ボクはポケモンです!)

 

「ポケモン?」

 

(あ、えーっと…)

 

 

〜水獣説明中〜

 

 

(…というのがポケモンです。)

 

「へえ、とても興味深いわ。っと、紹介が遅れたわね。私は八意永琳。ここで薬師をしているわ。ところで貴方、この先はどうするつもりなの?」

 

(元の世界に帰るのは面倒そうですし、ここで安住の場所でも探そうと思います。)

 

「そう。なら…」

 

「師匠!提案があります!」

 

二人の会話の最中に鈴仙が手を挙げて口を挟む。

 

「何かしら?」

 

「シャワーズ、よかったらここに住まない?」

 

(え、でもボク水辺の方がいいんだけど…)

 

「大丈夫よ!ここの近くに小川が流れているから!」

 

(そうなんですか?ならいいかな…?)

 

「師匠、シャワーズもこう言ってますし、いいですよね?」

 

目を光らせながら言う鈴仙に、永琳も苦笑しながら言った。

 

「よほどその子のことが気に入ったのね。仕方ないわね。姫様にも紹介しなさいよ。」

 

「はい!行きましょうシャワーズ!」

 

(えっ、ちょっと、待ってくださいってば!)

 

小走りで部屋を出る鈴仙にシャワーズも慌てて付いていく。長い廊下を鈴仙はどんどんスピードを上げて走る

 

(人間のダッシュに付いていく程度なら造作ないけど、鈴仙さんは兎だからなのか速すぎる!ボクにはすばやさをあげる手段が…あった!)

 

シャワーズは一旦立ち止まり、カバンからしゅんそくのタネを取り出して口に含み、また走り出した。するとシャワーズの走る速度が倍になっていた。

 

(鈴仙さん…、走っているのに足音が全然してない…!ボクも気を付けないと!)

 

シャワーズは出来るだけ足音を殺しながら鈴仙に付いていく。

 

(鈴仙さん、スピード落として…、ボクもう…疲れた…)

 

シャワーズがその場にへたり込む。

 

「大丈夫よ、もう着いたわ。」

 

(ここの廊下は本当に長いな…、軽く200mはあったよ…、なんでこんな余計に長いのさ…)

 

『アクアリング』

 

シャワーズは水の輪っかで少しずつ体力を回復させる。そして鈴仙が目の前の襖を開ける。

 

「失礼します姫様。」

 

「イナバね。何かしら?」

 

二人に背を向けて座っていた少女がこちらを向く。その黒い髪は長く伸びていたが、乱れた様子もなくとても美しかった。シャワーズはこの人が高い身分にある事を何となく覚った。

 

「はい!この子が新しく永遠亭に住むことになったので紹介しようと思って!」

 

鈴仙はシャワーズの脇を掴んで持ち上げる。シャワーズの体重は29kgもあるのに中々の怪力である。

 

(ボクはシャワーズって言います。)

 

「そう、私は蓬莱山輝夜よ。住む分には全然構わないけれど、偶には遊び相手になりなさいよ。」

 

(分かりました。それでは失礼しました。)

 

「失礼しました!」

 

二人は部屋から出て襖を閉めた。

 

(ふぅ…、鈴仙さんテンション高いですね。僕が住むって言った辺りから。)

 

「だってシャワーズ可愛いんだもん♡」

 

(はあ…、こう見えてもボクはオスなんですけどね。シャワーズ…、と言うよりイーブイのメスは極端に少ないですから。)

 

シャワーズはくるりと後ろを向いて歩き出す。

 

(身体がすっかり乾いてしまいました。水浴びをしたいので小川まで案内してくれませんか?)

 

「いいわよ、これからよろしくねシャワーズ!」

 

(こちらこそ宜しくお願いします鈴仙さん。)




イーブイ(シャワーズはちゃんとケイゴが使えるんだね。)

シャワーズ(まあね、探検隊をやっていたら敬語は必要になるから。それより…)

サンダース(…………)

ブースター(…………)

シャワーズ(これは?)

イーブイ(このまえ二人がケンカしちゃったの、止めようとしたら二人共噛んできたからついカッとなってやっちゃった。)

シャワーズ(自業自得だね。)

サンダース(ふう、まったくひどい目に遭っちゃったよ。)

ブースター(ったく、余計な事はするんじゃなかったな。)

シャワーズ(ホント、二人共ホントはいい子なんだから、しっかりしてよね。)

イーブイ(なにはともあれ、これで赤緑青からいたメンバーは全員そろったね。)

サンダース(そうだね。それぞれすばやさの僕、耐久のシャワーズ、攻撃のブースター、そしてこらえるからの適応力込み『じたばた』が強力なイーブイ、違う長所がある。)

ブースター(俺は少しお荷物扱いされがちだけどな。ところでシャワーズ、お前の探検隊って他のメンバーは誰なんだ?あと探検隊の名前は?)

シャワーズ(探検隊の名前は『エボルプス』。リーダーはボク、その時はまだイーブイだったけどね。あと今はカポエラーになってるバルキーと、アゲハントになったケムッソがメンバーだよ。)

ブースター(なるほど、それぞれ進化に特徴があるから『エボルプス』か。)

シャワーズ(うん、ボクが進化したのは引退して解散した後だけどね。その時はレベル34だった。)

イーブイ(そうなんだ。それじゃあ…)

全員(また次回も会おうね!)


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自信満々なエスパーポケモン

今回は予想と違う性格かも?


ここは幻想郷の中で最も栄えている場所、人里。その中に、2本の尻尾を持ったピンク色の小動物が迷い込んだ。

 

(あり?オレ、ビレッジブリッジにいたはずなのにいつの間にこんな所にいてんだ?)

 

道行く人が小動物を物珍しい目付きで見る。

 

(なんだなんだ?みんなオレをジロジロみてっなあ。エーフィなんて特別珍しくもねえだろ?あ、もしかしてテレパシーが通じてんのか?)

 

とはいえ、周りの人間が小動物、エーフィに語りかけてくる様子はない。当てもなくエーフィがとことこと人里の中を歩く。

 

(どーしたもんだろ…、みんなトレーナーでもレンジャーでもなさそうだし…、もしかして異世界っちゅー所に来ちまったんか?)

 

「ん?テレパシーかこれは?君が発しているのかい?」

 

人里を歩いていると、銀髪を長く伸ばし、頭のサイズに合っていない少し小さな帽子を被った女性がエーフィに話し掛けてきた。

 

(あ、おめえオレの言葉が分かるんか?)

 

「ああ、テレパシーなのに凄く訛った口調だね。どこから来たんだい?」

 

エーフィは少し首を傾げ、答える。

 

(昔友達だった人間がこんな口調してたもんでなあ、オレにも移っちまった。んでオレはエーフィ、ビレッジブリッジに居たんだけどいつの間にかここに来ちまった。もしかしたら異世界っちゅーヤツなのかもなって思ってたとこだ。おめえはなんて言うんだ?)

 

「私は上白沢慧音、寺子屋で教師をやっているんだ。」

 

(へえー、先生やってんのか。そういや友達にジョバンニってヤツがいたなあ…、ちょっとヘンなヤツだったけど。)

 

「それより異世界ってどういう事だい?」

 

(いや、特に理由はねえんだけどもよぉ、そうだな…。慧音、ポケモンって知ってるか?)

 

「ポケモン?いや、聞いたこと無いな。」

 

(んじゃ、ここは異世界で間違いねーや。ポケモンってのはな…)

 

 

〜超獣説明中〜

 

 

(…ってんだ。オレのいた世界ではポケモンっちゅーのはフツーに子供でも知ってんだ。おめえらが動物を知ってるみてえにな。だからポケモンを知らねーヤツがいるってのは異世界って事で間違いねえって事だ。)

 

「つまりエーフィのいた世界の常識がこちらでは通じないから異世界だって言ったのか?」

 

(今慧音に聞いて確認できた事だけどな。まあこんだけ歩いて鳥ポケモン1匹見ねえってだけで十分確信できたかもしんねえけど。)

 

エーフィが脚を嘗めて毛繕いをする。

 

「まあそれなら、君は幻想入りして来たのだろうね。」

 

(げんそーいり?)

 

「ああ…」

 

 

〜少女説明中〜

 

 

「…という事だ。分かったか?」

 

(へえー!ここではオレみてえに幻想入りして来たヤツもいっぺえいるんだな!)

 

「そういう事だ。とは言え君はレアケースだろうね。博麗大結界の先にある外の世界からではなく、完全な別世界からやって来たのだから。」

 

(ふぅん…。ま、そんなことはどうでもいいさ。オレはここで新しい棲家でも見つけるよ。あんがとな慧音。)

 

「待って。」

 

礼を言って立ち去ろうとするエーフィを慧音が呼び止める。

 

「里の外には出ない方がいい。妖怪に襲われる危険がある。」

 

(大丈夫だって!オレは強えからな!ちょっとごめんな。)

 

『サイケこうせん』

 

エーフィが念動力の光線で慧音に攻撃する。無防備に攻撃を喰らった慧音は吹き飛びこそしないものの、全身にかなりの衝撃を受ける。

 

「なっ!?いきなり何するんだ!?」

 

(へへっ、悪ぃ悪ぃ。でもこれでオレが強えって分かったろ?言っとくけど今のも全然本気じゃねぇかんな。)

 

エーフィが自慢げに胸を反らす。

 

「ああ、エーフィが強いのは分かった。それでもやはり危険だ。里の外には出ない方がいい。」

 

(仕方ねえなあ…、おめえみてえなのは幾ら言っても無駄ってんのはオレ知ってるかんな。ガンコモノっちゅーんだろ?)

 

「そういう事だ。」

 

「あれ、慧音、こんな所にいたのか?」

 

談笑する二人の前に、赤いモンペを着て、銀髪を腰まで伸ばした少女が現れる。

 

(ん?慧音の友達か?)

 

「そうだ。彼女は藤原妹紅と言って…」

 

「私は不老不死なんだ。元々は普通の人間だったんだけど。」

 

(不老不死?老けねえし死なねえってことか?)

 

「そうだ。私を羨んだりする人もいるけど、不老不死には全く幸福なんて無い。」

 

(そりゃそうだろうな。おめえが不老不死なってからどんぐれえ生きたかは知んねえけど、長えこと生きてたら同い年の友達もじいちゃんばあちゃんになっちまってどんどん死んじまうもんな。オレだったら寂しくて死んじまうぞ…、って死にたくても死ねねえもんな…)

 

「分かるのか?賢いんだな。」

 

(だって生きてるってのは限りがあっから楽しいんだろ?無限にあってもそりゃ飽きちまうだけだ。)

 

「そうだな…、ほんとに君の言う通りだ。」

 

(あ、そういや名前言ってなかったな。オレはエーフィだ。よろしくな妹紅!)

 

「ああ、よろしく。」

 

エーフィは握手の代わりに妹紅の手のひらの上に前足を乗せる。つまり「お手」である。

 

(そういや妖怪ってどんなヤツなんだ?友達になってメダルでも貰うんか?そんなヤツならオレが片っ端から撲滅してやっぞ。)

 

「何が言いたいのかは分からないが、妖怪は人間の恐怖や畏怖心から生まれた存在だ。」

 

訳の分からない事を言うエーフィに慧音が半ば呆れた顔で言う。

 

(へえー、強いんか?)

 

「まあ、基本人間よりは強い。その程度は種族等によって様々だが。」

 

(そっかあ…、人間よりちょっとばかし強い程度じゃオレの相手にゃなれねえな。)

 

つまらなそうに毛繕いをするエーフィ。おまけに大きなあくびまでする。

 

「大した自信だな。だが慢心は敗北を招くぞ。」

 

(なら試してみっか?オレの実力をよ。)

 

「いや、そろそろ寺子屋の時間だ。私は行くよ。」

 

「私も買い物の途中なんだ。またねエーフィ。」

 

二人はエーフィとの話をやめて立ち去った。

 

(にひひ、面白そうだし慧音についてこーっと。)




イーブイ(エーフィの友達ってさ。)

エーフィ(何だ?オレの友達がどうかしたんか?)

イーブイ(もしかして孫〇空?)

エーフィ(何言ってんだおめえ。オレそんなヤツ知らねえぞ。)

イーブイ(ああ、そう。)

サンダース(でもその口調といい、どことなくバトルジャンキーな所といい、本当に孫〇空にそっくりだね。)

ブースター(俺もバトルは好きだけどな。)

シャワーズ(まあボクも嫌いと言えば嘘になるね。)

エーフィ(オレ達ブイズってのは他にも代わりになるようなヤツは結構いっけどな。)

イーブイ(僕の適応力じたばたの代わりは中々いないと思うけど。)

サンダース(僕の代わりとしてはライコウがいるね。)

ブースター(俺はオンリーワンだ!代わりなんて…)

サンダース(エンテイ、ヒヒダルマ。代わりどころか上位互換だよ。)

ブースター(言いやがったな!)

シャワーズ(ボクはスイクンやミロカロス辺りかな。)

エーフィ(オレはニャオニクスのオスとかがライバルだぞ。)

イーブイ(でも僕達には補助技があるし、便利な特性だってある。十分役に立てるよ。)

サンダース(僕も含めて一部耐久に不安はあるけどね。)

ブースター(俺を見て言うな俺を。とくぼうは高いんだぞ一応。)

エーフィ(オレも耐久にゃあちいっと自信ねえかな…)

イーブイ(そうだね。それじゃあ…)

ブイズ(次回でまた会おうね!)


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最強無敵の黒き獣

クリスマスはどうでしたか?自分はケンタッキー食べました。彼女なんていません。
カップルで熱い夜を過ごした人にはマルマインをパソコンが一杯になるくらいお届けします。


ここは地底の旧都、地上で拒絶された妖怪たちが暮らす街で、幻想郷の人里と比べても遜色無いほどに賑わっている。その中に黒い体毛をした小動物が迷い込んだ。

 

(チッ、どうやら訳の分からん場所に迷い込んじまったらしいな…。洞窟だってのにズバット一匹いやがらねえ)

 

小動物は不機嫌を露わにしながら旧都を歩く。道行く者は小動物を物珍しい目線で見る。

 

(こいつら…何をジロジロ見てやがる。ブラッキーたるオレがそんなに珍しいか。まあ仕方あるまい。野生のブラッキーなど滅多に見られるモノではないだろうからな!ハーッハッハッハッ!!)

 

「喧しいわよあなた…妬ましい…」

 

小動物、ブラッキーに通りすがった耳の尖った緑眼の女性が話し掛ける。

 

(む?キサマ、オレの声が聞こえるのか。)

 

「ええそうよ。」

 

(丁度いい、質問したい事がある。構わんか。)

 

「人に頼む態度が成っていないようね。妬ましい…」

 

(スマンな、戦いの業だけで生きてきたオレは敬語とかいうヤツの使い方を知らんのだ。許せ。)

 

「戦いの業?まあいいわ。妬ましいけどあなたの質問を聞いてあげる。」

 

(感謝する。だがここは人通りが多い。通行の邪魔にならんように人通りの少ない場所に案内してくれんか?)

 

「へえ、そういう気遣いは出来るのねあなた。名前はなんて言うの?」

 

(オレの名はブラッキーだ。オレが名乗ったんだ、こちらにもキサマの名前を聞く権利がある。)

 

「そう。私は水橋パルスィよ、よろしく。じゃあ付いてきて。」

 

パルスィとブラッキーは人混みを避け、人通りの少ない通りの外れへと行く。

 

「この辺りでいいかしら?」

 

(ああ、構わん。それでは質問するぞ。一体ここは何処だ?オレのいた世界ではない。あの世界の常識がここでは通らんからな。)

 

「…ここは地底よ。おそらくはあなたの世界とは物理的に繋がっていない異世界。幻想郷と繋がっている空間よ。そして地底には地上で、幻想郷で妬み嫉まれ、否定された妖怪が集う場所。」

 

(幻想郷だと?何だそれは?)

 

「まあそれについては…、代わりに説明してくれない?勇儀、見てるんでしょ?」

 

「まあ、流石にバレてるよね。」

 

建物の陰から女性が姿を現す。女性にしては背が高く、しなやかな筋肉も付いている。そして額から角が生えていた。手には酒の入った盃を持っている。

 

「アンタ、ブラッキーだったか?私は星熊勇儀。まあアンタの発言を聞く限りアンタは知らないだろうが、昔は『山の四天王』の一人だったよ。」

 

(どこから聞いてやがったかは気になるがまあ、どうでもいい事だ。山の四天王?まあ、四天王なんて称号を持っているからには相当な実力者なんだろうなぁ?)

 

「…で、説明任せてもいい?流石にここからは説明が長くなるし、私は食材の買い出しの途中なの。」

 

「構わないさ、私に任せな。」

 

パルスィはその場を立ち去り人混みへと戻って行った。

 

(いいからとっとと説明しやがれ!)

 

「へいへい、せっかちだねアンタも。じゃあ説明してやるよ。」

 

 

〜少女説明中~

 

 

(成程な。通りでズバット一匹いない訳だ。)

 

ブラッキーは耳を動かす事で相槌を打つ。

 

「で?どうするんだい?アンタが望むなら帰る手段を教えてやるが。」

 

(フン、あっちの世界はザコばかりで飽き飽きしていたところだ。オレはこの世界で頂点を目指してやる。)

 

「へえ?アンタも相当な実力者らしいね。どうだい?ここは一度私と手合わせしてみないかい?」

 

(良かろう。では広くて邪魔の入らん場所へ移動するぞ。勇儀、案内しろ。)

 

「あいよ、じゃあ付いてきな。」

 

ブラッキーは勇儀の後に続き旧都を離れ、何も無い岩場に到着する。

 

(ルールはどうするんだ。まさか、殺し合いなんて事は無いだろう?まあ、オレは殺し合いでも全く構わんが。)

 

「ふん、じゃあそうするかい?」

 

(…冗談だとキサマの顔に書いてあるぞ。)

 

「アッハハ!やっぱりバレるね。冗談は好きでも嘘が嫌いなんでな。じゃあ殺しは禁止だ。降参か気絶させたら勝ち、でどうだい?」

 

(まあ、妥当だろう。それでは見せてやろう、元の世界、フェルムでは負け無しのブラッキー様の圧倒的な戦闘技術をな!)

 

「ああ、たっぷり見せておくれよ!」

 

(待て、まさかその盃を持ったまま始めるつもりじゃあるまいな。オレにはハンデなど無用だ。さっさとそんなもの仕舞って掛かってくるがいい。)

 

「そんなもの…って言っても、これは星熊盃って言う鬼の道具の中でも1級品なんだけどねえ…、まあいい。それじゃあ遠慮なく!」

 

勇儀は星熊盃を仕舞って早速ブラッキーに殴り掛かる。しかしブラッキーはそれを甘んじて受け入れる。

 

(フン、それでオレに攻撃しているつもりか?笑わせるぜ。)

 

「まるで効いてないみたいだね。本当に只者じゃないよアンタは…!」

 

(なぁに、キサマの攻撃は評価に値する。少なくともカイリキーのバーストアタックよりは強力な攻撃だ。ただオレが余りにも強すぎるだけだ!)

 

ブラッキーは勇儀の鳩尾に蹴りを入れる。反応する暇なく勇儀は軽々と吹き飛ばされる。

 

「か、はっ!み、見えない…。この私にさえ…!」

 

(そらそらどうした!言っておくがオレは手加減が苦手なんでな!本気で来なければ誤ってキサマを殺すぞ!)

 

『あくのはどう』

 

ブラッキーは勇儀を吹き飛ばした先に回り込み、漆黒の波動で勇儀を追撃した。

 

「全く…、所詮小動物だって甘く見てたよ。こんな一瞬で本気を出さないといけない状況になるなんてね。」

 

(御託はいいからとっとと本気を出しやがれ!)

 

「分かってるさ!」

 

勇儀は腰を低くして力を溜める。

 

「ずあぁぁあああ!…これが私の本気さ。」

 

(ほう…、面白い。久々にマシな勝負が出来そうだぜ。)

 

 

 

 

 

一方、二人から少し離れた場所ではパルスィと二人の少女が二人の戦いを観ていた。

 

「へえ、勇儀姐さんがもう本気を出すなんて。あの子、どんなヤツなんだ?本気を見るのすら久しぶりなのに。ねえキスメ?」

 

「そうだねヤマメ。」

 

「勇儀に早速本気を出させるなんて…妬ましい、妬ましいわ…パルパルパルパルパル…」

 

「パルスィ少し落ち着いて。」

 

 

 

 

 

(どうした?そんなトロい攻撃じゃ掠りもしないぜ?)

 

「くっ…!速さだって、全開なんだけど、ねっ!」

 

(スキあり!)

 

「が…っ!」

 

ブラッキーは100分の1秒もない一瞬の隙に強烈な蹴りを勇儀の脇腹に入れた。

 

(これでこのブラッキー様の実力が分かったか?)

 

「残念ながら、ダメージ自体はまだ大丈夫なんでね!」

 

勇儀の豪腕をブラッキーは左前脚で受け止めた。

 

(…チッ、ブラッキーとしての能力が祟ったか。まあいいだろう。次で決めてやる。)

 

ブラッキーはその場で強く踏み込み、その振動で勇儀を大きくよろめかせる。その隙に両後脚で勇儀を蹴り飛ばす。

 

『はかいこうせん』

 

ブラッキーの口元から放たれた極太の光線が勇儀の身体を飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

(おい、大丈夫か。)

 

ブラッキーの声で勇儀は目を覚ます。

 

「アハハ、負けちゃったみたいだね…、地底じゃ最強だった私が…」

 

(気にするな。さっきも言ったがオレが強すぎるだけなのだからな。パルスィ、いるんだろう?あともう二人程いるな。勇儀を介抱してやれ。オレには鬼の治療など出来ん。)

 

ブラッキーの声を聞いたパルスィ達が勇儀の元へと走って来る。それを見てブラッキーは踵を返した。

 

「…行くのか?」

 

(いいや、オレはここが気に入った。しばらく住まわせて貰おう。どうやらあの街にいたヤツの半分以上が好戦的な野郎みたいだからな。暫くは退屈しなさそうだ。当然キサマのリベンジも受けてやる。今度もオレが勝つがな。)

 

「ははっ、ブラッキーを超えるには一体何年掛かるだろうな。」

 

(そんなものオレが知る訳無かろう。ではな。)




イーブイ(読んでくれてありがとう!ブラッキーさんとっても強いね!)

ブラッキー(当然だ。フェルム地方でブラッキーと言えば大抵サポートポケモンとして駆り出されるが、オレはバトルポケモンとしてダークミュウツーとやらを屠ってやったからな。)

ブースター(なんか、もうブイズとしての枠を超えてるな。大体ブラッキーと言えば大体のろしっぺとどくどくがメインウェポンだろ?)

サンダース(やっぱりブラッキーとしての硬さは残ってたね。勇儀さんの攻撃にビクともしないなんて。)

シャワーズ(勇儀さんって幻想郷やそれと繋がる空間を引っ括めても指折りの剛力らしいよ?)

エーフィ(いやぁー!ブラッキー、おめえホント強えんだな!今度オレと勝負してくれよ。)

ブラッキー(果たしてキサマで相手になるかな?地力の差もそうだが、キサマはエスパーでオレはあくだぞ。)

エーフィ(でぇじょうぶだ。オレには得意技があっからな。)

ブラッキー(どうせ『シグナルビーム』だろう?)

イーブイ(じゃあ今日はここまで!せーの!)

ブイズ(次回もまた会おうね(な)!)


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迷い子リーフィア

あけおめことよろ~


太陽の畑、幾本もの向日葵が立ち並ぶその場所は幻想郷でも指折りの絶景だが、とある理由からそこに訪れる者はまずいない。

そこに、緑色の髪を肩にくすぐる程度に伸ばした女性がいた。

 

「さて、今日も水やり頑張りましょうか。」

 

彼女の名は風見幽香、太陽の畑に咲く向日葵を管理している者であり、花畑を荒らそうとする者は問答無用で排除する。そして、彼女こそが太陽の畑に人が寄り付かない理由である。

 

不運にも、そこに迷い込んでしまった小動物が一匹。

 

(弱ったな…また知らない場所に迷い込んでしまった。でも、こんなに綺麗に咲き揃っているんだから、きっとここを管理している人が居るはずだ。)

 

小動物は植物に似た特徴も兼ね備えており、尻尾は葉っぱになっている。小動物は向日葵を傷付けないようにゆっくりと向日葵畑を掻い潜る。

 

「…?」

 

小動物の存在に幽香が気付く。

 

「…今日は珍しいお客さんね。」

 

幽香は気配を消し、小動物の様子を見続けた。

 

(広い…これは管理者を見つけるのに苦労しそうだ。向日葵を傷付けないように配慮するのも厳しいし…)

 

小動物は向日葵の無い通路を見つけた。管理者が水撒きをする時に通るのだろう。

 

(やった…!)

 

小動物は通路に出る。そして緊張させていた身体を大きく伸ばす。

刹那。

 

(…!!)

 

小動物は素早くバックジャンプをとる。小動物の立っていた場所にレーザーが通り抜け、地面から煙が上がった。

 

(危なかったー!一体誰が…)

 

「全く、いつも懲りずに荒らしがやって来るわね。」

 

小動物は宙に浮く幽香の存在に気付く。

 

(貴女がここの管理者ですか?)

 

「ええ、私は風見幽香。ここの管理者であり、守護者よ。だから貴方のような侵入者は排除する。」

 

(待ってください!僕は侵入者では…あるかもしれませんが、好き好んでここにやって来た訳じゃないんです!)

 

「問答無用ッ!!」

 

幽香は手に持っている日傘からレーザーを連発する。小動物はそれを回避しながら風見幽香に話しかける。

 

(話を聞いてください!)

 

「『元祖マスタースパーク』!」

 

(わわっ!?)

 

幽香がより太く強力なレーザーを発射する。小動物は高く跳躍してそれを回避する。

 

(…どうやら闘わざるを得ないようですね。仕方ありません。リーフィア、参ります!)

 

『にほんばれ』

 

リーフィアは天高くへと吠える。すると太陽がより強く大地を照らし始める。

 

(はああああああ!!)

 

「ちぃっ!!」

 

リーフィアは素早い動きで幽香の狙いを狂わせる。

 

(隠れ特性『ようりょくそ』で素早さ2倍だぁーーっ!)

 

『はっぱカッター』

 

幽香と一定の距離を保ちながらリーフィアは葉っぱの刃で幽香に攻撃する。

 

「邪魔よ!」

 

幽香は刃を日傘で叩き落とす。

 

(まだまだぁ!!)

 

『ソーラービーム』

 

リーフィアは更に距離を取り、額の葉っぱに日光を集めてレーザーを放った。

 

「無駄よ!」

 

幽香は日傘を開いてレーザーを防ぎ、空いている腕でリーフィアを掴む。

 

(は、放せ!)

 

幽香はリーフィアの横腹に日傘の先を当て、魔力を込める。これ程の威力のレーザーを横腹に撃ち込まれたら風穴が開きそうだ。

 

「マスター…」

 

(決まれっ!)

 

『エナジーボール』

 

リーフィアは口元にエネルギーを発生させ、幽香にぶつける。しかし幽香は怯む様子もない。

 

(ダメか…知らないうちに迷い込んだと思ったら誤解されたまま殺されるハメになるなんて…)

 

「…え?」

 

途端、傘の先端に込められた魔力が解ける。

 

「貴方、花畑を荒らしに来たんじゃないの?」

 

(何度も言ったじゃないですか。僕は知らないうちにこの向日葵畑に迷い込んでしまったんです。)

 

「ごめんなさい、話を聞いて無かったわ。」

 

(ひどい!)

 

話を聞かれなかっただけで殺されかけたリーフィアは余りの不遇さに涙目になる。

 

「うっ…」(か、可愛い…!)

 

(もう、帰りたい…)

 

リーフィアは幽香の腕を振りほどき、通路の上に落ちてそっぽを向く。

 

「え、ええと。残念だけどすぐには帰れないと思うわよ。」

 

(…そうだ、死のう。)

 

『おきみy

 

「待って!早まらないで!100%帰れない訳じゃないから落ち着いてリーフィア!」

 

(うああああああああああああああああああああ!!!!)

 

全力でリーフィアをホールドする幽香、そしてそのまま幽香の家へと連れ込む。

 

(うっ、ぐすっ…)

 

泣き続けるリーフィアを幽香は喋ることなくゆっくりと撫でる。

 

「…落ち着いた?」

 

(はい、すみません。取り乱してしまって。)

 

「じゃあそのまま聞いてリーフィア。貴方はこの世界、『幻想郷』に『幻想入り』したの。」

 

 

~少女説明中~

 

 

「だから外の世界から来た『外来人』は博麗の巫女に頼めば外の世界に帰れるの。」

 

(じゃあ僕も博麗の巫女の所へ行けば…?)

 

「いえ、貴方の場合多分無理でしょうね。」

 

(・・・・・・)

 

『だいばk

 

「落ち着きなさい。」

 

リーフィアの頭を叩いた幽香の日傘がゴスッ、と音を鳴らす。

 

(す、すみません。)

 

「…理由を言うと、貴方のいた世界と、幻想郷の外の世界は違うからよ。」

 

(何故そう断言出来るのですか?)

 

「幻想郷にも外の世界にも、リーフィアの様に脊椎動物と植物が合わさったような見た目の生物は存在しないの。そういった記述は人間の資料には勿論、私達妖怪にも伝わっていないわ。」

 

(そうですか。幻想郷と僕のいた世界は全くの別世界という事ですね。)

 

「そうよ。でもそんな貴方でも元の世界へ帰れる方法がひとつだけある。」

 

(………)

 

「それは『スキマ妖怪』を見つけて頼むこと。」

 

(スキマ…?)

 

「スキマ妖怪、八雲紫は幻想郷の創造者の一人よ。私も一応知り合いだけど、アイツが何処に住んでいるのかも知らないし、神出鬼没だから動きを予測するのも難しいわ。」

 

(そうですか。ならその八雲紫さんって人を見つけたらいいんですね。)

 

「ええ、まあ極々稀にここにもやって来るけどここに残るか、それとも幻想郷中を歩き回って探すかは貴方次第よ。」

 

(うーん、じゃあここでお世話になっても良いですか?)

 

リーフィアは目を擦って涙を拭いながら言った。

 

「随分あっさり決めるのね。私は全然構わないけれど。」

 

(僕、すごい方向音痴で気が付いたらすぐ迷っちゃうんです。)

 

「へえ、例えば?」

 

(山に行こうとしたら、いつの間にか海に着いていた事があります。)

 

「そんなに極端なのね…」

 

(あはは、じゃあよろしくお願いします、幽香さん!)




イーブイ(リーフィア。)

リーフィア(はい、なんですか?)

イーブイ(なんでおきみやげとかだいばくはつ使えるのさ!)

リーフィア(詳しくは1話の前書きを見てください。)

イーブイ(理由としちゃもっともだけどメタい!)

サンダース(いいんじゃないかな。後書きだし。)

イーブイ(もっとメタいヤツがいた!)

ブースター(お前その発言が一番メタいって分かってる?)

イーブイ(反論できない…!)

シャワーズ(まあ、ご都合主義っていうのじゃない?)

エーフィ(そんな細けえことはどうだっていいじゃねえか!)

ブラッキー(フン、いちいちそんな事を気にしていたらポケモンとしての生を損するぞ。)

イーブイ(なんで僕がツッコミ役なのに他が全員ボケに回ってるのさ…)

サンダース(それじゃ、せーの!)

ブイズ:イーブイ以外(次回もまた会おうね(な)!)

イーブイ(こらー!無視するなー!)


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沈着冷静グレイシア

音速でS102のガブリアス
じゃあS130のサンダースは?


少し昔の話、幻想郷から『春』が奪われるという異変があった。暦が4月を迎えても雪は一向に止まず、花が咲く事も無く、人々は危うく食糧難に陥りかけた。しかし博麗の巫女、霊夢によってその異変は解決された。

異変の黒幕は亡霊で、冥界の姫である西行寺幽々子。冥界に佇む巨大な桜の木、『西行妖』に封印された何者かを目覚めさせる為、その桜を満開にしようと幻想郷の春を集めていた。

その冥界の姫が冥界の屋敷、白玉楼で昼食を待ちわびていた。

 

「妖夢~、お昼ご飯はまだかしら~?」

 

「もう少し待ってて下さい!」

 

白玉楼の庭師兼幽々子の剣術指南役、半人半霊の魂魄妖夢がいそいそと料理を作る。本来は料理係の幽霊がいるのだが、あまりの重労働にストライキを起こしているのだ。

 

「ええと…次は…なんだか幽霊であろうとストライキを起こす彼らの気持ちが分かってきた気がします…」

 

そんな切羽詰まった状況の白玉楼に、一匹の小動物が紛れ込んだ。水色の肌に、頭に生えた青い毛がもみ上げのように垂れている。

 

(何処だ?ここは。)

 

小動物は音がする方へと歩く。間もなく台所に着き、その中に入った。

 

(これは…凄まじい光景だな。)

 

部屋に埋もれんばかりの料理と食材が並び、妖夢が一人でそれを調理しているのだ。

 

(…手伝ってやるか。)

 

小動物は匂いを嗅ぐ、独特なスパイスの匂いがする。そして妖夢の周りには牛肉、ジャガイモ、人参、玉ねぎその他…そして釜ではお米を炊いている。

 

(カレーライスだな。)

 

小動物はジャガイモを取り、氷の刃でカットしていく。妖夢もそれで小動物の存在を認識する。

 

「あなたは…?」

 

(…この量を一人なんて無茶だろう。)

 

「え、ええ…ありがとうございます。」

 

小動物は切り終わったジャガイモを纏めてボウルの中に入れる。

 

(入れるタイミングは君に任せる。俺は知らないからな。)

 

「は、はい。」

 

小動物は具材を次々と切っていき、妖夢がその具材を鍋に入れていく。そして後はカレールーが温まり、お米を蒸すのを待つだけになった。

 

「ありがとうございます。あなたがいなければ倍ぐらい時間が掛かっていました。」

 

(礼には及ばん。)

 

「しかし…そうだ。お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

 

(グレイシア。そう呼べ。)

 

「はい、グレイシアさん。私は魂魄妖夢と言います。」

 

(もう温まったぞ。米ももう十分だろう。)

 

「あ、盛り付けをしないと…!」

 

妖夢はそう言うと規格外に大きな皿を取り出す。そして大量の白飯を盛り付け、その上に作ったカレールーの9割程をかける。

 

(妖夢、それは一人分か?)

 

「はい。幽々子様はこれくらいお食べになります。」

 

(凄い量だな…人間で言えば20人前はあるんじゃないのか?)

 

「グレイシアさんも食べますか?」

 

(遠慮しておく。熱いものや辛いものは苦手だ。)

 

「そうでしたか。」

 

妖夢はその皿とカレースプーンを台車に乗せて運ぶ。グレイシアはその後ろに続いた。

ある部屋の前に着き、妖夢は障子を開けた。

 

「幽々子様、昼食をお持ちしました。」

 

「もー、遅いわよ妖夢。」

 

「勘弁してください!幽々子様の分を一人で作るのがどれだけ大変な事かお分かりですか!?もし途中でグレイシアさんが助けてくれなかったら倍はかかってましたよ倍!!」

 

「グレイシア?なあにその子?」

 

(俺だ。)

 

妖夢の後ろで佇んでいたグレイシアが前に出る。

 

「あら、可愛い小動物さんね。私は西行寺幽々子よ、よろしくね。」

 

(グレイシアだ。ところで質問したいのだが構わんだろうか。)

 

「う~ん…私はご飯食べるから妖夢に聞いて。」

 

(了解した。)

 

グレイシアは部屋の外に出て妖夢を促す。

 

「それでは失礼しました。」

 

妖夢は台所に戻って今度は自分の分のカレーライスを盛り付けてスプーンを取り、幽々子とは違う部屋に入る。グレイシアは一言も喋らずにその後ろに付くて行く。

 

「いただきます…と、グレイシアさん。質問にお答えしますのでどうぞ。」

 

(うむ。一つ目、ここは何処だ?少なくとも俺はここに来た経験は無い。それにここまで来た手段を一切覚えていない。)

 

「はむっ、んぐんぐ…ごくり。ここは冥界です。死者の魂が集う場所ですが…」

 

(俺は生きている。死んだ記憶はない。)

 

「はい、そうなんです。あなたは確かに肉体に宿る魂がある。おそらくはここと幻想郷と繋がっているから起こった事故でしょう。」

 

(幻想郷?)

 

~少女(食事しながら)説明中~

 

 

「ごちそうさまでした…説明は以上です。ご質問ならお答えしますが。」

 

(ならば疑問が1つ。それと口元にルーが付いているぞ。)

 

「ひゃふっ!?」

 

妖夢は慌ててちり紙で口元を拭う。それを見てグレイシアは続ける。

 

(…その春を奪う異変はもう終わったのだろう?今の話を聞く限り、幽々子の力であれば幻想郷と冥界の境界にある結界を戻す事も可能な筈だ。ならば何故放置している?)

 

「ああ、それは幽々子様が幻想郷を気に入られたのでいつでも立ち寄る事が出来るように、だそうです。」

 

(そんな個人的な都合でいいのか。)

 

「まあ、食材の仕入れもしているそうですし。」

 

(なるほどな。)

 

グレイシアは合意を示す。

 

(世話になった。礼をしたいところだが、生憎何も持ち合わせが無いものでな。)

 

「そうですね…グレイシアさんは闘いに関する心得を何かお持ちでしょうか?」

 

(そうだな。妖夢の言っていた妖怪とやらに後れを取る事は無いだろう。)

 

「そうですか。」

 

妖夢は立ち上がって障子を開ける。

 

「では、試させてください。」

 

(突然闘いを挑む理由は解らんが、食器を片付けて洗うのが先だろう。)

 

「あ、そうでしたね。幽々子様ももう食べ終わったでしょうし。」

 

(あの量をもう食べ切ったのか…カビゴンだな、まるで。)

 

「カビゴン?」

 

(俺の世界にいた大食らいの代名詞たるポケモンだ。一日に400キロは食べないと気が済まないらしい。)

 

「400キロ!?流石に幽々子様もそこまでは食べませんよ~。」

 

妖夢は自分の食器と幽々子の食器を洗って片付ける。

 

(で?何故俺の力を試す?)

 

「私は幽々子様の剣術指南役だと言うのに、まだまだ未熟過ぎます。ここで出会ったのも何かの縁、私の自己研鑽の為にお相手してくれないでしょうか。」

 

(…ふん、いいだろう。相手になってやる。開けた場所に出るぞ。)

 

妖夢とグレイシアは白玉楼の庭に出る。妖夢は二本の刀、白楼剣と楼観剣を抜く。

 

「弾幕も近接攻撃も有り、降参するか倒れたら負けでよろしいでしょうか。」

 

(構わん。)

 

グレイシアも後ろ脚を引き、臨戦態勢を取る。

 

(先手は譲ってやる。)

 

「それでは…!」

 

妖夢は地面を蹴って一気に間合いを詰め、グレイシアに斬り掛かるが、グレイシアは軽い動きでそれを躱す。

 

『こごえるかぜ』

 

グレイシアは冷気を纏った風を起こし、妖夢の動きを阻む。

 

「このくらい!人符『現世斬』!!」

 

妖夢は刀を振り、その衝撃波でグレイシアに攻撃する。グレイシアはバックジャンプでそれを躱すが、耳の先に衝撃波が掠った。

 

(ちっ…)

 

『こおりのつぶて』

 

グレイシアの周りに現れた氷の礫が妖夢に襲いかかる。それを妖夢は全て斬り落とした。

 

(あれを全て斬るか。やるな妖夢。)

 

「断命剣『冥想斬』!!」

 

(ふん、戦で語れという訳か。)

 

『アイアンテール』

 

妖夢の斬撃を鋼鉄となった尻尾で受け止める。そしてそのまま弾き返し、妖夢の脇腹に一撃を叩き込む。

 

(胴あり、だな。)

 

「まだっ!餓王剣『餓鬼十王の報い』ッ!」

 

(む…!)

 

弾幕を展開する妖夢。グレイシアは密度の高い弾幕に慣れない動きで対応するが、数発掠ってしまう。

 

(初めて見る戦法だ、これが幻想郷の弾幕ごっことやらか。)

 

『れいとうビーム』

 

グレイシアは冷気の光線で妖夢の弾幕を凍らせていく。そしてそれが盾となり妖夢の弾幕を防ぐ。

 

(敵を狙いつつ逃げ場所も潰す、か。中々使い易そうな戦法だ。)

 

『ふぶき』

『こおりのつぶて』

『れいとうビーム』

 

グレイシアは凍てつくような吹雪で妖夢を飲み込み、氷の礫で包囲する。そして更に妖夢を挟むように冷気の光線を発射し、妖夢の動きを制限する。

 

「くっ…寒過ぎて身動きが取れない…!こうなったら!」

 

妖夢は自分の半身である幽霊をグレイシア目掛けて飛ばす、しかしその幽霊さえ凍りついてしまった。

 

『はかいこうせん』

 

グレイシアが最後に特大級の威力を持つレーザーを放ち、妖夢に命中した。

 

(ちっ、ワザを同時に幾つも出すのは負担がかかる…、1度の戦闘に3回が限界か。)

 

グレイシアははかいこうせんの反動でしばらく動けない。

 

「あ…がっ、ぐっ…」

 

妖夢は倒れてこそいないものの、既に満身創痍の状態だ。

 

(俺は今、ワザの反動で身動きが取れん。まだ続けるか妖夢?)

 

「せあああああっ!」

 

妖夢はボロボロの身体に鞭打ってグレイシアに斬り掛かる。

 

(降参はしないか…まあいいだろう。)

 

グレイシアは妖夢の斬撃を無防備に受け、皮膚に傷が付く。

 

「人鬼『未来永劫斬』!!」

 

妖夢は怒涛の攻撃を続け、グレイシアはそれを甘んじて受け入れる。

 

(さて…もう反動は回復した。反撃させて貰うとするか。)

 

全身傷だらけになったグレイシアが動き始める。

 

『みきり』

 

グレイシアは妖夢の攻撃を瞬時に読み取り回避する。

 

『でんこうせっか』

 

そして後ろに回り込み、強烈な体当たりをぶつける。妖夢の体制が大きく崩れた。

 

(こいつで最後だ!)

 

『ギガインパクト』

 

最後に残った体力の全てを注ぎ込んだ一撃を喰らわせ、妖夢を吹き飛ばした。

 

(俺の勝ちだな。)

 

吹き飛ばした先で妖夢がうつ伏せになって倒れている。

 

「うふふ~、凄かったわよグレイシアちゃん。妖夢もね。」

 

いつの間にか2人(?)の闘いを観ていた幽々子がグレイシアの元へ来た。

 

(むう…幽々子よ、ちゃん付けはやめてくれんか。俺はオスなんだ。)

 

「あら、ごめんなさいグレイシアちゃん。」

 

(………)

 

見られないように小さく溜息を吐いたグレイシアは起き上がった妖夢へと寄る。

 

(中々だったぞ。ガブリアスのきりさくすら受け付けん俺の皮膚に傷を付けるとはな。)

 

「その例えは私達に通じませんよ。」

 

(そうか。ガブリアスは俺のいた世界で強さの象徴みたいな奴だ。マッハで飛べるらしい。)

 

「マッハ…?」

 

妖夢はマッハという単位を知らないようだ。グレイシアが付け足す。

 

(音の速さと同じと言えば分かるか。)

 

「え?そんなにですか?イメージ湧きにくいですね…」

 

(ついでに速さだけならガブリアスを上回るヤツが知り合いにいる…)

 

「本当に生き物なんですか…?」

 

 

〜紅魔館~

 

 

(くちゅん!)

 

「ダースお兄ちゃんどうしたの?」

 

(うーん、風邪かなぁ?まあ心配ないよフラン。くしゃみしただけ。)

 

 

~白玉楼~

 

 

部屋に戻って身体を休める3人、グレイシアは台所にあったオボンのみとヒメリのみを食べている。

 

(さて、これからどうしたものか…特にあの世界に未練がある訳でも無いが。)

 

「ならグレイシアちゃん、ここで一緒に暮らさない?」

 

(ふん、そう言うと思ったぜ。だが悪くない。幻想郷に降りれば妖夢程かそれ以上に強いヤツだっているだろう。それにあの世界の闘いには飽きた。)

 

「そうなんですか?」

 

(あの世界のルールは単純過ぎる。この世界の『スペルカードルール』『弾幕ごっこ』の方が面白味があるだろう。)

 

「まあ、こっちのルールも単純明快には違いありませんけど。」

 

(違いないな。では、よろしく頼む。妖夢、幽々子。)




ブラッキー(あれがグレイシアの弾幕か。)

イーブイ(ああっ!後書きの最初の台詞取られた!)

グレイシア(4つのワザを同時に出すのは疲れたぞ。)

エーフィ(仕方ねえさ。オレ達は普通1個ずつしかワザ使わねえんだからよ。)

サンダース(こんな感じ?)

『ほうでん』
『10まんボルト』
『めざめるパワー(氷)』
『かみなり』

リーフィア(隙がない…!)

シャワーズ(ほうでんの所為で容易に近づけないよ!)

ブースター(地味にじめんタイプ対策もしてやがる。天才か、こいつ。)

サンダース(ふぅ、疲れた。確かに何回も使うのは無理かな。)

ブラッキー(危うくマヒするところだったぜ…!)

エーフィ(サンダース、おめえホント強えなぁ。)

イーブイ(あばばばばばば)←HP1・マヒ

リーフィア(イーブイが倒れそうだよ!)

サンダース(ええっ!?)

ブースター(イヤな予感がする…)

イーブイ(´^ω^`#)

サンダース(勝てるわけがない!逃げるんだぁ…)

『じたばた』

サンダース(イ゙エ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!)

ブイズ:イーブイ、サンダース除く(……)

ブイズ:(じゃあまた次回会おうね(な)。)


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健気でふてぶてしいニンフィア

自分自身の性格もこんな感じなんですよね。


命蓮寺、聖白蓮の開く寺で、数人の妖怪と共に人間と妖怪の共存を目指しつつ暮らしている。そして同時に空飛ぶ船『聖輦船』でもある。

 

「あーーーっ!」

 

「どうしたご主人。宝塔でも無くしたか?」

 

「その通りです…」

 

「いつものことだ。全く…大事な物なんだからしっかりと管理しておくれよ。」

 

毘沙門天の代理を務める寅丸星が宝塔を無くしてしまい、部下であるナズーリンがそれを探す。

 

「ん?どしたのナズーリン?」

 

「村紗か。またご主人が宝塔を無くしたんだ。」

 

「またぁ?」

 

「ま、私の能力で直ぐに探し当てられるんだけどさ。」

 

聖輦船で船長を務めていた、元地縛霊の村紗水蜜が水撒きをしながらナズーリンと話す。

 

「ん、こっちの方角か?」

 

「ナズーリンさん!おはよーございます!」

 

「響子、もう少しボリュームを下げられないのか?」

 

「山彦の妖怪なので!ぎゃーてー!」

 

「ああ、そうかい。」

 

命蓮寺の門で掃き掃除をしている幽谷響子が大きな声で挨拶をする。

 

「んーと、宝塔の反応はこっちからするな…」

 

ナズーリンがペンデュラムの様子を見ながら宝塔の落ちている場所を探す。

 

「お、近いぞ…わふっ!?」

 

ペンデュラムばかり見ていたナズーリンは何かにぶつかって尻餅をつく。

 

(大丈夫ですか?)

 

ナズーリンはぶつかった何かが話しかけてきたのでその相手を見る。

最初に目に留まったのはリボン、ではなくリボンのような触覚だった。大きな瞳に白い肌、そしてピンクに水色のカラーリングにはまず可愛らしさが感じられる。しかしその外見は…

 

「動物?」

 

(あ、すみません。ボクはニンフィアって言います。)

 

「私はナズーリンだ。謝るよ、探し物をしていたので注意を払ってなかった。」

 

(もしかしてこれでしょうか?)

 

ニンフィアが触覚である物体を持って差し出す。それは紛れも無くナズーリンの探していた宝塔そのものだった。

 

「おお!それだよ、それを探していたんだ。」

 

(そうでしたか。もちろんお返ししますけれど、何か食べ物ありませんか?今朝から何も食べていなくて。)

 

「む、そうかい。まあ確かにこの辺りにはろくなものがない」

 

(そもそもどうしてボクがこんな所にいるのかも分からないんです。)

 

「ふーん、じゃあ一旦寺に来なよ。ついて来い。」

 

(ありがとうございます!それではどうぞ。お返しします。)

 

「ご丁寧にどうも。」

 

宝塔を受け取り、ナズーリンはニンフィアを連れて命蓮寺に戻った。戻ると星が村雨と話をしていた。

 

「もーさー、星ってば宝塔無くさない為になんか出来ないの?ほら、袋に入れたりさ。」

 

「すみません…検討しておきます。」

 

「ご主人、戻ったぞ。」

 

「あ、おかえりなさいナズーリン。」

 

ナズーリンは黙って宝塔を星に渡す。

 

「ありがとうございます。これからは無くさないように何か工夫を試みる事にします。」

 

「そう頼むよ。」

 

「何この子?あ、ほっぺぷにぷにじゃん!」

 

星とナズーリンが短い会話を交わしている内に村紗はニンフィアのほっぺを引っ張ったりしていた。

 

(痛いです、やめてください。)

 

「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!」

 

(ギャアアアアアアアアアアアアア!!)

 

「村紗、過剰に反応し過ぎ。ニンフィアがビックリしてるじゃないか。」

 

突然大声で叫ぶ村紗にニンフィアもビックリして上に2m程飛び上がり、ナズーリンの後ろに隠れる。

 

「ニンフィア、落ち着いて。」

 

(きゅ~。)

 

「あー、まあこの子はニンフィアだ。宝塔を拾ってくれていた。朝から何も食べていないらしいから連れてきたんだ。」

 

「朝から?もうお昼前じゃないですか!聖に頼んできます!」

 

星は走って寺の中に入る。ついでに受け取った宝塔を落としていった。

 

「やれやれ…」

 

ナズーリンは呆れた様子で宝塔を拾う。

 

「えっと、ニンフィアだっけ?なんか、うん、ゴメン。」

 

(え、あ、はい。)

 

「私は村紗水蜜。水蜜って呼びにくいと思うから村紗でいいわ。」

 

(は、はい。)

 

ナズーリンが壁にもたれ掛かり、なんだか微妙な空気になる。村紗とニンフィアも話す事がないかそっぽを向きながら考えるが、無い。

ふと、ナズーリンが思い出したように言う。

 

「ニンフィア、君は知らない内にここに来たと言ったね。」

 

(はい。岩場で寝ていたのに目覚めたら草原だったんです。)

 

「食事の時に説明しよう。丁度ご主人が来たみたいだし。」

 

「ニンフィアさん!聖が食べ物を出してくれるので中へどうぞ!」

 

(お邪魔します。)

 

星に案内されて命蓮寺へ入るニンフィア。ナズーリンと村紗もその後に付いて行った。

 

「そう言えば挨拶が遅れましたね。私は寅丸星と申します。毘沙門天様の代理を務めています。」

 

(ビシャモンテン?)

 

「ざっくりと言えば神様です。」

 

「ざっくりし過ぎだぞご主人。」

 

「まあいいじゃん。ニンフィアに毘沙門天の事を詳しく説明しても分かんないだろうし。」

 

(難しい話は苦手です。)

 

「ほら、ニンフィアもこう言ってるでしょ?」

 

「まあ、いいか。」

 

本当の毘沙門天の遣いでもあるナズーリンは頬を掻く。

先頭を歩く星が部屋と廊下を隔てる障子の前で立ち止まった。

 

「聖、私です。」

 

「入ってください。」

 

(失礼しまーす。)

 

部屋の中へ入ると金髪に紫のグラデーションが入った髪を長く伸ばした女性が正座していた。服はゴスロリ風と言えばいいのか、独特なデザインをしている。

 

「あら、貴方がニンフィアさんですね?星から可愛らしい容姿をした四足歩行の動物さんとは聞いていましたが、まあその通りみたいですね。」

 

(ボクはこう見えてもオスなんです。可愛らしいとかあまり言わないで下さい。恥ずかしいです…)

 

「あれ、そうだったのかい?私はてっきりメスなのかと。」

 

「私もです。」

 

「とても女の子らしい容姿ですし。」

 

ナズーリン、星、聖が立て続けに言う。

 

「私は気付いてたよ。なんとなくだけど男の子だって感じしてた。」

 

(……)

 

ニンフィアはさささっ、と村紗の傍に寄る。

 

「うん、地雷を踏んじゃったかな?」

 

「え、えーっと、とりあえず食べ物ここにありますから!さて、みんなの分も作ってきますね!」

 

白蓮が微妙な空気になった部屋をそそくさと抜ける。

 

「ねえ、ニンフィア。」

 

(なんですか村紗さん?)

 

「とりあえず食べたら?」

 

(そうですね。)

 

ニンフィアは白蓮が置いて行った食べ物を食べ始める。肉類が全くないのは肉メインなニンフィアにとっては少しショックだが、ご馳走してもらっているのだから文句は言えない。

 

「えーと、さてニンフィア。今の君の状況について説明させてもらうよ。食べながらでいいから聞いてくれ。」

 

(うん。)

 

「まずは基本となる情報を伝えておこう。ここは幻想郷。君のいた世界とは隔離された、所謂別世界だ。」

 

(えっ、別世界?)

 

「…あまり驚かないんだね。」

 

(まあ、未来に行ったことのある友達もいるし。別世界も未来も同じような物じゃないんですか?)

 

「ヘンな所は肝が据わってるな。まあいい、幻想郷は妖怪の賢者が外の世界では存在が否定され、消滅しかねない妖怪や妖精達の安住の地として設けられた。」

 

(でもボクはそんな存在じゃないし、ニンフィアなんて種族何匹もいます。)

 

「そうかい。でも、稀に起こるらしい。結界に緩みが出来るか、あるいはスキマ妖怪の気まぐれか。存在が明らかな者が『幻想入り』することが。」

 

(へえ、詳しいんですね。)

 

「私の想像も混じってはいるが、殆どは幻想郷の民であれば知っているような事だ。」

 

(そうなんですか。あ、ごちそうさまです。)

 

「では私が食器を洗ってきますね。」

 

星が食器の乗ったお盆を持って部屋を出る。そしてその数秒後、「きゃあっ!?」という悲鳴と共に何かが割れる音がした。

 

「はぁ…」

 

ナズーリンが溜息を吐く。毘沙門天の代理があんなにドジでいいのか。

 

(あはは、まあ個性なんじゃないですか?)

 

「説明を続けよう。と言っても後は帰る方法くらいだ。」

 

(特に帰る場所は無いですけどね。)

 

「どういう意味だい?」

 

(気に入った場所に住んで、飽きたら他の場所に移る。ボクはずっとそんな暮らしをしてきたんです。)

 

「へえ、ニンフィアって結構自由な暮らししてたんだ。」

 

ニンフィアの自由奔放とも言える生活に村紗が感心する。

 

(まあ、安住の地が無いのは結構辛かったですけど。)

 

「何なら帰らずに、ここで暮らしてみるかい?」

 

ナズーリンがそう提案する。ニンフィアの住んでいた世界がどのような場所だったのかは想像もつかないが、幻想郷ほどに特色溢れる世界もそうありはしないだろう。

 

(んー、そうですね。じゃあお世話になっちゃいます。飽きるまでは。)

 

「飽きるまでは、か。と言うか、いつの間にかテンションが変わってないかい?」

 

「確かにね。最初は健気でいい子だったのに、今はなんかふてぶてしい感じよね。」

 

(んー、まあよく言われますよ。能天気とか、気まぐれとか。ボクでも時々分からなくなりますから。)

 

「これは、また個性的なメンバーがウチに加わるね。」

 

(じゃ、よろしくお願いします。)




イーブイ(やっとだ!やっとみんなが揃ったよ!)

サンダース(現時点では、だけど。)

ブースター(どういう意味だ?)

シャワーズ(確かに次の世代で新しいのが来そうだよね~。)

エーフィ(金銀でオレとブラッキーが増えて、RSEを開けてDPt、HGSSの世代でリーフィアとグレイシア、BWとBW2世代も開けてXY、ORASの世代でニンフィアが来た。)

ブラッキー(そしてSM世代では追加なしだ。金銀から1世代ずつ開けて俺達の仲間は増えていっている。)

リーフィア(次に出るのは多分SMと同世代。)

グレイシア(おそらくDPtのアレンジだろうな。)

ニンフィア(つまりその更に次でボク達の仲間が増えるんだね。)

グレイシア(その可能性が高い。と認識する方が正しいだろうな。)

イーブイ(ところでさ、気になる事があるんだけど。)

サンダース(どうしたんだ?)

イーブイ(最近、ポケモンレンジャーをあまり見かけないんだよね。)

ブースター(そう言えばレンジャーなんざ滅多に見ないな。)

エーフィ(あのコマみてえなヤツ…スタイラーだったっけ?あれ避けんの結構おもしれえんだけどな。)

ブラッキー(俺は1度、そのスタイラーとやらを粉々に粉砕してやったぜ。)

シャワーズ(まあ、キャプチャするよりも普通にゲットした方が手っ取り早いんじゃない?)

イーブイ(ま、いっか。レンジャーの人にも友達がいたんだけど…)

サンダース(それじゃ、せーの!)

ブイズ(次回もまた会おうね(な)!)


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普通の魔法使いと普通のしんかポケモン

環境に適応するイーブイは時折性格も環境によって変わってしてしまうかもしれません。某野菜人の王子みたいに。


イーブイと霊夢が出会って数日、僅かでも時間があれば霊夢はイーブイにちょっかいを出すようになった。

 

「イーブイ~、どこ~?」

 

霊夢はイーブイを探している。もふもふしたくなったのだ。イーブイを可愛がる一方で、参拝客の来ない博麗神社の客寄せに出来ないかとも考えている。

一方イーブイは屋根の上でのんびりと眠っていた。

 

(ん~むにゃむにゃ…ヨプのみ大盛り…オボンのみ…モモンのみも追加で…)

 

かなり贅沢な寝言を呟くイーブイ、程なくして霊夢に発見される。

 

「見つけた!」

 

霊夢はイーブイを抱きしめて気が赴くままにもふる、もふる、もふる。

 

(んんんん…にゃあああああ!!)

 

『じたばた』

 

「ぎゃふっ!?」

 

怒ったイーブイの攻撃が霊夢の顎と鳩尾その他にクリーンヒットし、霊夢はその場で悶える。

 

(はあ…)

 

すっかり目が覚めてしまったイーブイは屋根から飛び降りる。

 

(もう僕が安眠できる場所って無いのかな…?)

 

物置の影で捕まり、縁側の下で捕まり、屋根裏でも捕まった。霊夢の執拗さはイーブイにとっては最早恐怖に近い物となっている。

 

(なんでここに住むとか言っちゃったんだろう…)

 

それでも立ち去らないのは妖怪という存在が霊夢以上に怖いからであるが。

霊夢が悶えている途中、イーブイは遠くから何かが神社に向かって飛んで来るのを見た。イーブイが来てから神社に誰かが来るのは初めてで、どう対応すればいいか分からないイーブイはもう一度屋根に上って霊夢の頬に肉球を当てた。

 

「イーブイ~☆」

 

すると一瞬で復活して抱きついて来ようとする霊夢の腕を素早く躱し、屋根から突き落とす。

 

(お客さん来たよ、多分。)

 

霊夢がこの程度で怪我しないのは知っている。イーブイはその防御力の根源を主人公補正かギャグ補正のどちらかだと睨んでいる。

 

「おーっす!って何やってんだ霊夢?」

 

空を飛んできた客を屋根の上から見る。どうやら箒に乗って飛んできたようだ。大きな帽子を被り、白黒のエプロンドレスを着たその少女はいかにも『魔法使い』と言える服装だった。

 

「あ、あら、魔理沙?ちょ、ちょっと転んだだけよ。」

 

「動揺が丸見えなんだぜ。」

 

無理矢理冷静を装う霊夢だが、噛みまくってる上に顔も紅潮している。

魔理沙と呼ばれた少女は屋根の上から自分を見下ろしている小動物、つまりイーブイの存在に気付く。

 

「あれ?霊夢ペットでも飼い始めたのか?」

 

(ペットじゃないよ。)

 

イーブイは屋根の上から霊夢の隣へ飛び降りる。

 

「ん、テレパシーか。珍しいな、お前名前はなんて言うんだ?」

 

(イーブイだよ!)

 

「イーブイか。私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだぜ。」

 

「で、何の用よ。言っとくけどお茶を貰いに来ただけとかだったらぶっ飛ばすわよ。」

 

平静を取り戻した霊夢が服についた土を払い落としながら言う。

 

「別に、暇だったから来ただけだぜ。…にしても、似てるな。」

 

「何がよ?」

 

「霊夢昨日の文々。新聞見てないのか?」

 

(新聞?)

 

「あんなゴシップ誌、買うだけ無駄よ。それがどうしたの。」

 

霊夢はそう言うが、ただ単に新聞を購読するだけの金が無いだけである。

 

「文々。新聞にイーブイに似てる奴の写真が載ってたんだよ。名前確かブ…えーっと…ブー…」

 

(ブースター?)

 

「そうそうそれそれ!ってなんでイーブイが知ってるんだ?」

 

(僕の進化先の一つ、ほのおタイプ、ほのおのいしに触れば進化できるんだ。)

 

「へー、進化?石に触るだけで進化出来るのか?」

 

(イーブイという種族は様々な環境に適応可能な遺伝子を持ってるんだよ。ほのおのいしは主に気温の高い場所にあるから、その環境に適応する為に進化するんだ。)

 

「他にはどんな進化先があるの?」

 

(他?えーっと…

でんきタイプのサンダース、

みずタイプのシャワーズ、

エスパータイプのエーフィ、

あくタイプのブラッキー、

くさタイプのリーフィア、

こおりタイプのグレイシア、

そしてフェアリータイプのニンフィア。

今のあの世界での環境ではそれだけだと思うよ。)

 

「8種類か、結構多くないか?」

 

(まあ、ポケモンとしては複数の進化先がある事自体特殊だからね。)

 

「ふーん、同じ世界から幻想郷にやって来るなんて、珍しいわね。誰かの工作があるならともかくだけど。」

 

(まあ、偶然も普通に起こるよ、8192分の1だって当たるんだから。)

 

イーブイの発言に霊夢と魔理沙が一瞬目を丸くする。

 

「8129分の1…?」

 

「百分率に直すと…」

 

(約0,012%だよ。)

 

「「早っ!?」」

 

(この確率は僕のいた世界ではまあまあ重要な確率なんだ。)

 

「はあ…」

 

「因みになんの確率なんだ?」

 

(色違いのポケモンが発見される確率だよ。ごく稀に普通とは違う毛や目の色のポケモンが出現するんだ。すっごくレアなんだよ!)

 

「へえ…なあイーブイ。」

 

魔理沙がポケットから八角形の物体を取り出しながらイーブイに問う。

 

(なぁに魔理沙さん?)

 

「お前って強いのか?」

 

(戦えないという事はないけど。ただあの『弾幕ごっこ』は少し…)

 

「分かった、直接攻撃も有りで行こう。」

 

「ダメよ!イーブイが怪我するじゃない!」

 

(霊夢は黙っててよ。)

 

「イーブイが不良になっちまっただああああああ!!」

 

霊夢が気絶してその場に倒れこむ。イーブイは霊夢相手には少し当たりがキツくなっている。

 

(誰のせいだと思ってるのかな?)

 

「ま、いいじゃん。やろうぜ。」

 

倒れた霊夢を縁側に寝かせて、お互いに10m程の距離を取る。

 

「先手は譲ってやるぜ。」

 

(じゃあ遠慮なくっ!)

 

『でんこうせっか』

 

戦いの火蓋が落とされる。

イーブイは目にも留まらぬ速さで魔理沙の目の前に迫り、体当たりで攻撃する。魔理沙はそれをすんでのところで躱し、イーブイの背中に星型の弾を数発撃ち込んだ。

 

「ひゅ~、いきなり速すぎだぜ。妖夢レベルか?」

 

『スピードスター』

 

イーブイは素早く体勢を立て直して星型の弾同士を相殺する。

 

『アイアンテール』

 

更に鋼鉄と化したイーブイの尻尾が魔理沙に振り下ろされるが、魔理沙は簡易結界でそれを防ぐ。

 

「魔符『スターダストレヴァリエ』!!」

 

(!!)

 

魔理沙がスペルカードを発動し、星型の弾幕がイーブイに襲いかかる。

 

(…ッ!)

 

イーブイはそれを一つずつ、自分に襲いかかる弾だけを確実に躱す。

 

(やるね…!)

 

「お前もなっ!」

 

(だけと勝つのは僕だ!)

 

『とっておき』

 

イーブイが壮大な力を纏って魔理沙に攻撃する。魔理沙はその力を正面から受けてしまうが、ギリギリやられはしなかった。

 

「危なかった…今の一撃、勇儀や萃香のそれを超えてるぜ…!」

 

『でんこうせっか』

 

「わわっ!?」

 

イーブイのとっておきを耐えるので精一杯だった魔理沙はでんこうせっかに反応出来ず、勝負に決着が付いた。

 

(僕の勝ちー!)

 

「イーブイでこれかよ…そのブースターとかの進化はどれだけ強いんだ?」

 

(うーん…強いかどうかはレベルによるから…)

 

「レベル?」

 

(そうだよ。僕の場合はレベル60、イーブイとしてならかなり強い方に入るよ。)

 

「ふーん、そういや霊夢どうする?」

 

(ほっといていいと思うよ。僕はそろそろ寝ようかな?)




イーブイ(霊夢はとにかく僕にちょっかい出し過ぎなんだよね。)

ブースター(お前今度文ん家来いよ。俺はそこで寝させてもらってるんだ。)

イーブイ(うん!考えとくね!)

サンダース(霊夢の事だと辛辣だけどやっぱ他の事じゃ元のイーブイなんだな…)

エーフィ(オレも早く戦えけえてえなぁー。)

ブラッキー(キサマは俺と戦え。やはり他じゃあ相手にもならん。)

シャワーズ(……)

リーフィア(うぅっ、ぐすっ…)

グレイシア(ふざけやがって…)

ニンフィア(なんかお花畑が…)

イーブイ(みんな死にかけるし!まいっか。今回は後書きこれで終わり!)

ブイズ:一部除く(次回もまた会おうね(な)!)


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でんこうせっか鬼ごっこ

知ってると思うけど結構メタい発言多いよ!


「ダースお兄ちゃん!」

 

(フラン、どうしたの?)

 

「弾幕ごっこしよ!」

 

(いいよ、でも今はレミリアに頼まれてる事があるから、後でね。)

 

サンダースはレミリアの部屋へ行く。

 

(レミリアー、来たよ。)

 

「サンダース、待ってたわ。」

 

レミリアがドアを開ける。中にはレミリアと咲夜と、そして何故かポケモンセンターにある体力を回復する機械があった。

 

(ふぁ?なんでこれがここにあるのさ?)

 

「細かい事は気にしてはいけませんよ。この話はギャグがメインなんですから。」

 

(そこ、メタい話しない。)

 

「まあ、とりあえず私はこの機械がどう動く物なのか知りたいのよ。だから電力供給源として貴方を呼んだの。」

 

(分かった、任せて。どこかではピカチュウの電気を電力供給源にした施設もあるって聞いたし。)

 

サンダースは電極に手を当てて、電流を送る。

 

テンテンテテテン♪

 

聞き慣れた音が鳴り、機械が点滅する。

 

「…え?それだけ?」

 

レミリアがキョトンとした顔で首を傾げる。

 

(まあ、せめてポケモンとモンスターボールがないと。)

 

「モンスターボール、とはこれの事ですか?」

 

そう言って咲夜は上半分が赤、下半分が白で、その間にボタンがある球体、つまりモンスターボールを取り出す。

 

(咲夜さんなんでそれ持ってるの。)

 

「落ちてました。魔法の森の中に。」

 

(ダウジングマシンで拾える見えない道具か!なんで魔法の森に!?)

 

魔法の森とは霧の湖の先にある魔力が漂う森だ。魔法薬の材料になる虫やキノコが生息している。

 

(つまり後はポケモンがいれば…)

 

「いるじゃない。私と咲夜の目の前に。」

 

(え?僕?)

 

咲夜がサンダースにモンスターボールを投げつける。

 

ウィン...ウィン...ウィン...カチッ

 

さくや は サンダース を つかまえた !

 

咲夜はサンダースの入ったモンスターボールを拾う。そしてポケモンセンターの機械にある窪みにセットする。

 

「で?電力は?」

 

「パチュリー様をお呼びしましょうか?」

 

(その必要はないよ。)

 

サンダースは独りでにモンスターボールから飛び出す。

 

(まあ、この機械はポケモンの体力を回復する機械なんだよ。だから今の僕に使ってもなんの意味も……ってレミリア、なんでスピア・ザ・グングニル構えてるのさ?)

 

レミリアが身の丈の倍ほどもある巨大な槍を構える。

 

「つまるところ、サンダースの体力を減らせばいいのでしょ?攻撃して。咲夜、貴女も手伝いなさい。」

 

「承知致しました。」

 

咲夜が右手の指の間にナイフを、そして左手には懐中時計を持ちながらサンダースににじり寄る。なんとなく、前に戦った時の100倍くらい強い気がした。ギャグ補正の力だろうか。

 

(…逃げた方がいいかなぁ!?)

 

『でんじは』

『でんじは』

『こうそくいどう』

『こうそくいどう』

『こうそくいどう』

 

サンダースはレミリアと咲夜をまひさせて、その上素早さも最大まで上げて逃げ出す。

 

「あっ!逃げたわ!し、しかもまひを貰っちゃったし!けど、咲夜!あの木の実あるわよね!?」

 

「はい、お嬢様。クラボのみです。」

 

レミリアと咲夜は前にサンダースが美鈴に食べさせた木の実を口に含む。すると途端にまひが取れ、2人はサンダースを追いかける。

 

「待ちなさいサンダーーーーーーース!」

 

「お嬢様の命令ですから、恨まないでください!」

 

(クラボのみ持ってたのぉ!?てか速いよ!速すぎるよ!わーーっ!フラン助けてぇーーーーー!レミリアと咲夜さんがぁーーーーっ!)

 

「え?どしたのダースお兄ちゃん?」

 

廊下をブラブラしていたフランにサンダースは助けを乞う。そしてサンダースを追いかけるレミリアと咲夜を見て、フランは状況を察した。

 

「…禁忌『フォーオブアカインド』。」

 

フランは四手に分かれて姉と咲夜の捕縛に取り掛かった。

 

 

スピア・ザ・グングニルが飛んでくる。それをサンダースは廊下を曲がって避けるが、時を止めてその前に咲夜が立ちふさがる。

 

『にどげり』

 

「あぐっ!?がふっ!?」

 

走る勢いを緩めずに強烈な蹴りを2発、咲夜の鳩尾にぶち込む。咲夜はどこかの大乱闘か、或いは怒ると金髪になる宇宙人が主人公の漫画の如く吹っ飛んだ。しかし、ギャグ補正の力で咲夜は一瞬で復活し、そして時間を止めてサンダースの周りを幾本ものナイフで包囲する。

 

『みきり』

 

サンダースはそれをすべて躱しつつ咲夜の股を潜って走り抜ける。そしてその脇にいた妖精メイド達が苦笑した。

 

「サンダース君…またお嬢様の我が儘に付き合わされてるのね…気の毒だわ…」

 

「付き合わされてるというか巻き込まれてるというか…」

 

「メイド長も大概巻き込まれてる側よね…」

 

(ねえ君たちも手伝ってよーーーーーー!)

 

「それはちょっと…」

 

「お仕置き喰らいたくないし…」

 

「実力が不足してるのよね…ごめんね。」

 

(うわああああああ!)

 

逃げる、逃げる、逃げる、そしてまた逃げる。

レミリアが回り込むが、サンダースは全速力のままその下を通り抜ける。

 

「『きゅうけつ鬼ごっこ』!」

 

(ださっ!スペカの名前ださっ!)

 

「私のネーミングセンスにケチつけるのね!でもこれならどう!?魔符『全世界ナイトメア』!」

 

(別方向にださい!中二病くさい!)

 

「こんにゃろー!」

 

レミリアが突進してくる。それでも逃げる。

 

(そうだ!今は昼だから外に出ればレミリアはもう追ってこないはず!)

 

サンダースは空いている窓から外に飛び出す。咲夜はそれを見て同じく窓から飛び出すが、レミリアは恨めしげに窓の外を睨む。

 

「ぐぬぬぬ…」

 

『お〜ね〜え〜さ〜ま〜?』

 

おぞましい声が聞こえ、レミリアが後ろを向くと、そこにはフランが2人。

 

「な、な、ななななななにかしらフラン?」

 

「ダースお兄ちゃんを…」

 

「いじめるなーーーっ!」

 

『禁弾『スターボウブレイク』!!』

 

凄まじい音が館に響くが、逃げるサンダースとそれを追いかける咲夜の耳には届かなかった。

 

(へへへへへ、咲夜さん一人ならまだ何とかなるもんねーっ!)

 

『でんじは』

 

「くっ…またまひしてしまったわ…。そしてもうクラボのみは無い…」

 

(ざまあみろ!)

 

「でも、お嬢様のためにもここで引くわけには…」

 

(しつこいなぁ…こうなったらこの身体を生かした作戦に出てやる!)

 

サンダースは走るのを止めて咲夜の方を向く。

 

(咲夜さん、追いかけるの止めてくれたらすんごい情報教えてあげるよ?)

 

「そんな手段に私が乗ると思う?」

 

咲夜がナイフを投げるが、サンダースは軽い身のこなしでそれを避ける。

 

(そっかそっかー、残念だなー。さっき見えたのに、レミリアのぱ〇〇の模様。)

 

「なっ!?」

 

咲夜の動きが止まる。ナイフを持った左手がぷるぷると震えている。

 

(そうだねー、その左手のナイフを仕舞って両手を挙げたら教えてあげるよ?)

 

「…………そ、それでも従わないって言ったら?」

 

(咲夜さんのぱ〇〇のこと言いふらす。)

 

「………」

 

咲夜は黙ってナイフを仕舞い、両手を挙げた。

 

(じゃあ教えてあげる。レミリアのぱ〇〇はピンクと赤の横縞にコウモリのバックプリントだったよ〜。)

 

「お嬢様のぱ〇〇…………ブフッ!!」

 

咲夜は盛大に鼻血を出して気絶した。

 

(…駄目だこりゃ。)

 

咲夜の綺麗だったメイド服が赤く汚れる。しかしサンダースにとってそれは大した問題ではない。それよりも問題なのは…

 

(僕、咲夜さんにゲットされちゃったんだな〜。)

 

とりあえず、とことこと玄関まで歩く。ついでに美鈴が壁にもたれて寝ていたのででんきショックで起こした。

 

「ひでぶっ!?」

 

サンダースは玄関の扉を開ける。取手が高くて中々開けづらい。今度自分用の小さい扉でも作らせようかと考えている。

 

『ダースお兄ちゃん!!』

 

(フラン!手伝ってくれたんだね!)

 

「うん、ダースお兄ちゃんをいじめる悪者は捕まえたよ!」

 

扉を開けた先で4人のフランが出迎えてくれる。なおそのうち2人がレミリアを縛っている。そのレミリアと言えば、恨めしげな視線でサンダースを睨みつける。

 

(そんなに迫力無いにらみつけるじゃ防御も下がらないよ。)

 

「うるさいわね!待ってなさい、この縄を引きちぎって今度こそ貴方をとっ捕まえてやるわ!」

 

(へえ、いいんだ。そんなこと言っちゃって。じゃあ僕はレミリアのぱ〇〇のこと皆に言いふらそうかなー!)

 

「え、なになに?お姉様のぱ〇〇?」

 

「おしえておしえて!」

 

「なんで伏字なの?」

 

「フランは4人ともおんなしぱ〇〇だよ!」

 

「ダメ!分かったからそれだけはやめて!分かったから!」

 

そう言った途端にレミリアが涙目になる。なお既に咲夜に言った事は内緒である。

 

(それじゃ、鬼ごっこは僕の勝ちだね。じゃあフラン、弾幕ごっこだった?だったら地下に行こうか。)

 

「うんっ!ダースお兄ちゃん大好き!」




イーブイ(レミリアさんのぱ〇〇の事は分かったけど咲夜さんのぱ〇〇は一体どんなのだったんだろう…?)

ブースター(そこにもナイフ仕込んでるんじゃねえの?)

サンダース(ううん、流石にそれは無かったよ。)

エーフィ(へーっ、どんなだったんだ?)

サンダース(ボソボソッ)

ブイズ:サンダース以外(ッ!?)

グレイシア(なんだと…!)

ブラッキー(それは…R-15不可避だぞ。いや、既に限りなく黒に近いグレーだが。)

リーフィア(そろそろぱ〇〇の話はやめにしよ?)

ニンフィア(確かに。)

シャワーズ(下品だね。)

サンダース(まあ実際どんなのかは全く考えてないし、ご想像にお任せするんだけどね。)

シャワーズ(で、サンダースは咲夜さんにゲットされちゃったみたいだけどどうするの?)

サンダース(捕まえたからって言うことを聞くと思ったら大間違いだね。)

ブースター(まあ、そんなだろうとは思ってた。)

エーフィ(トレーナーが弱え時にゃあ目も当てらんねえからな。オレは友達がトレーナーだったけど、すんげえ頭悪くてどんどんポケモンが離れてったぞ…)

イーブイ(まあ、今日はこんなところかな、それじゃ行くよ!せーの!)

ブイズ(次回もまた会おうね(な)!)


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ブースターと元ガチ勢の邂逅

今更だけどうちのブイズは全員オーバースペックです。


ブースターと文が出会って10日程が経った。ブースターは河童や厄神、秋の神とも顔見知りになり、ある程度普通に暮らしている。

しかし、一つ問題があった。

 

「ブースターさん、あなたが住んでいた世界について詳しく…」

 

(断る。)

 

「あー、ほら、木の実ならいっぱい採ってきてあげますから。」

 

(だが断る。)

 

「…なんだったら、私がなんでもひとつブースターさんの言うことを聞くというのは?」

 

(丁重にお断りする。)

 

そう、文がやたらとブースターのことを取材したがるのだ。ハッキリ言って最初の日に6時間ほど取材に付き合ったのでもう大したエピソードは無いのだが、そう言っても聞かないので時々…

 

「でしたら…」

 

『ほのおのキバ』

 

実力行使に出る。しかし、文は飛ぶ速度だけはやたらと速いので、避けられてしまう。

 

「あやっ!?頑なに口を開きませんね!」

 

(なぁ文、お前いい加減しつこい!もう語れるようなエピソードは無いって言ったはずだけど?)

 

「ですから〜、他人には話せないようなエピソードをお願いします!」

 

ニヤニヤとした顔でブースターに迫る文、どうやら文は何か勘違いをしているようだ。

 

(そういう意味じゃない。面白い話がないってだけだ。もう俺が知ってるポケモンの話は全部したんだ。)

 

「そうでしたか…私はてっきりそういう意味かと。」

 

文は笑顔を保つが、特ダネを無くして少しがっかりしているのが見て取れる。

 

(まあ、そこはちゃんと言わなかった俺も1%くらいは悪いかな。いや、0.1%くらいは。)

 

「え!?下げるんですかそこ!?」

 

(まあ、細かいことは気にすんなって。今日はちょっとあの神社に行ってみようと思う。)

 

「守矢神社ですか?」

 

ブースターは首肯する。ついでに前脚で顔をゴシゴシとする。

 

(確かそんな名前だったかな。雛とか秋姉妹の二人から話を聞いてたから、一度行ってみたいと思ってたんだ。)

 

「そうですか。あ、そうそう。あそこの巫女は妖怪と見るなりいきなり襲いかかることがあるので気をつけてくださいね。」

 

(辻斬りか?)

 

「いえ、辻斬りは別にいたんですよ。今はもうしてないみたいですが。」

 

割と物騒な幻想郷の情報を聞いたブースターだが、特に驚いたりはしなかった。

 

(まあ、行ってくるか。)

 

「あ、はい。行ってらっしゃい。」

 

ブースターを見送った文はカメラを肩にかけ、メモ帳とペンを胸ポケットに入れる。

 

「それじゃ、私も特ダネ求めて飛び立つとしましょうか!」

 

 

 

 

参道があると聞いたので、ブースターはとりあえずそこに出ようとする。

 

「あ、ブースターさん。おはようございます。」

 

歩くブースターに話しかけたのは白狼天狗の一人、犬走椛だった。彼女とは文の次に親しく、初めは侵入者と見なされて斬りかかられたものの、それを返り討ちにして誤解を解いた後は時折ブースターが仕事について行ったりしている。

 

(あ、おはよう椛。こんな所であうなんて奇遇だな。)

 

「はい。今日、私の隊は非番なんです。ブースターさんは何をしているんですか?」

 

(守矢神社に行こうとしてるところだ。)

 

「なるほど、この先にある参道に先に出ようという事ですね。」

 

(そそ。一緒に来るか?)

 

ブースターの提案に、椛は首を横に振る。

 

「遠慮しておきます。私、あの緑の巫女が少し苦手なんです。」

 

(そうか。じゃあな。)

 

椛と別れ、参道に出たブースターは長い道を上っている。

 

(…そろそろ着くかな?)

 

ブースターが住んでいる文の家が元々結構高い場所にあるので、割とすぐに大きな木造の建物が見えた。

わくわくしてきたブースターは走って道を上っていく。

頂上の神社に着くと、緑色の髪に独特な蛙や蛇の髪飾りを付けた少女が掃き掃除をしていた。その少女はブースターの気配に気づき、目線を足元からブースターへと移す。

 

「あ!参拝客の方…では無さそうですね。って、え?あの、お名前を伺ってもいいでしょうか?」

 

ブースターを見て不思議な反応をする少女。疑うことも無くブースターは答えた。

 

(俺はブースターだ。にしてもヘンな反応するな、緑の巫女の姉ちゃん。)

 

少女はぷるぷると震える。まるでずっと会いたかった者に出会って、感動を抑えているかのように。

 

「ブースターってあのブースターですか?あのイーブイにほのおのいしを与えたら進化するあのブースターですか?攻撃が130もあるのにほのおのキバが覚えられるうちで最強のほのおタイプ物理技のブースターですか?」

 

(ちょっと情報古いけどそのブースターだと思うぞ。)

 

「やっぱり!感動です!幻想郷に来てポケモンに会えるなんて!神奈子様ー!諏訪子様ー!ポケモンですよ!ポケモンがやって来ましたよ!」

 

「なんだって!?」

 

「もしかしてニョロトノかい!?」

 

少女が叫ぶと、神社の中から紫色の髪の女性と、目玉のついた帽子を被った金髪の少女が満面の笑みを見せて出てきた。

 

「あ、いえ、ブースターです。」

 

「「なんだ、ただの唯一王か。」」

 

(なんでテンション下げてるんだ?…なんか腹立つな。)

 

『フレアドライブ』

『フレアドライブ』

 

なんとなくバカにされているような気がしたブースターは神社から出てきた2人に全力の一撃をぶつけた。

 

「なっ!?」

 

「ちょっとぉ!?」

 

紫色の方にはあまり効いていないようだが、帽子を被っている方は大きく吹っ飛んだ。

 

「ちょっと、何してるんですかブースター!」

 

(別に?あいつらが俺をバカにしてる気がしたからぶっ飛ばしただけだ。)

 

「まあ、それはいいんですけど何ですか今の攻撃?明らかにほのおのキバより強いですよね?」

 

(フレアドライブだ。威力120。)

 

「え?フレアドライブって…たしかゴウカザルの技ですよね?」

 

(まあ、シンオウ地方で初めて見られた技ではあるけど。姉ちゃん、お前の知ってる地方を全部上げてくれるか?)

 

ブースターは少女の情報の鮮度を測るためにそう問う。

 

「えーっとですね…カントー、ジョウト、ホウエン、シンオウ…これくらいでしょうか。」

 

(なるほど、大体分かった。)

 

「それより、別にいいなんて事は無いだろう早苗?」

 

「あ、神奈子様。」

 

二人の会話に割って入ったのは、ブースターがフレアドライブをぶち込んだ2人のうち、あまり効いていなかった方だ。

 

(ところでその人は誰なんだ?緑の巫女の姉ちゃんの話は聞いてるけどその人の話は聞いてないんだ。)

 

「ああ、私は八坂神奈子、この神社の二柱の一人だ。この娘は東風谷早苗、ここの風祝をしている現人神だ。そしてあっちで伸びてるのは二柱のもう1人の洩矢諏訪子だ。」

 

「あ〜う〜…」

 

呼ばれたのに気づいたのか、帽子を被っている少女は変わった呻き声を上げる。

 

「ちなみに私の事はどう聞いているんですか?」

 

(妖怪と見るなり問答無用で潰しに来るとか。)

 

「………」

 

それを聞いた早苗は黙りこくる。言い返さないのは大体合ってるからだろうか。

 

「それで?何が大体分かったんだ?」

 

(早苗の情報の古さだ。大体10年くらい情報が遅れてるぞ。)

 

「えっ?そんなに遅れてるんですか?私達が幻想郷に来てから5年も経ってないはずなんですが。」

 

ブースターは首を傾げるが、深く考える必要も無いので適当に答える。

 

(まあ、時間の流れ方が違うんだろうね。まあとりあえず今気にするべきは俺がフレアドライブを覚えたという事実だけだ。)

 

「ブースターがついにフレアドライブをですか…もしかしてほのおタイプ物理アタッカーとして最高火力?」

 

早苗がそう呟く。情報は古くても、種族値等に関しては結構把握出来ているのかも知れない。確かにシンオウの頃まではブースターはほのおタイプの中で1番攻撃の種族値が高かった。

 

(だと良かったんだけど、既に俺達ブースターより強いほのお物理アタッカーは存在しちゃってるんだ。シンオウの次に発見された地方、イッシュ地方でね。)

 

「それは残念だね。今まで散々言われてきたブースターの逆転は成されず、か。」

 

(まあ、そうだな。飽くまでも種族としてはそいつに劣っているね。へんか技とかの差別化は別として。だけど、俺個人としてはそいつに負ける要素はほとんど無い。)

 

「大した自信だね。」

 

いつの間にか起き上がって話に入る目玉のついた帽子を被った少女、諏訪子が言う。

 

(まあ、俺はブースターとしての限界を超越してるんだよ。レベルはまだ87だけどレベル100のそいつにも勝てる確信がある。)

 

自信満々に宣言するブースター。但し、簡単に信じられるはずも無い。

 

「そうか。でも法螺を吹くことは誰にでも出来る。本当に君がそれほどの力を持っているのか、見せてもらおう。…早苗、相手してやれ。」

 

「はい、分かりました。」

 

早苗は神奈子に言われてブースターの前に出る。そして何やら呪文のようなものを唱え始めた。

 

「………やあっ!」

 

数分に渡る詠唱の末、早苗の周りに六つの丸い物体が現れた。

 

(モンスターボールにハイパーボール、クイックボール…どういうことなんだ?)

 

「これが私の能力、『奇跡を起こす程度の能力』です!」

 

「早苗の能力は主に雨乞いなどに使われるものだが、呪文の詠唱によって様々な奇跡を起こす事が可能だ。おそらく、お前という存在によって幻想郷とお前のいたポケットモンスターの世界の繋がりが強くなっているのだろう。おかげで早苗は私達の世界で『ゲーム』となっているポケットモンスターでの手持ちポケモンを呼び寄せるという奇跡を起こすことが出来たんだろう。」

 

早苗が細かい説明抜きで自分の能力を宣言し、神奈子がそれを補足する。

 

(んー、まあ難しい事は分かんねーけど、とりあえず早苗の手持ちポケモンと戦えばいいんだな?)

 

「そういう事さ。シングルバトル、早苗はポケモン育成が好きだったからね。手持ちはみんな理想の個体値、努力値、性格、そしてめざパだよ。もちろん全員レベル100だ。」

 

(とことん強いってことだな。いいぜ、かかって来いよ。)

 

早苗は周りのボールを拾い、その内1つのボールのボタンを押して、高く放り投げた。

 

「お願いします、ガブリアス!」

 

「グルルァウ!」

 

早苗が出した1匹目のポケモンはマッハポケモンのガブリアス、ドラゴン・じめんタイプの優秀なポケモンで、普通に考えればブースターの攻撃は通りにくくガブリアスの攻撃はブースターにこうかばつぐん。普通に考えて勝てる相手ではなかった。

 

「それでは、……始めっ!」

 

神奈子の合図と同時にブースターとガブリアスは駆け出す。

 

「ガブリアス!『じしん』です!」

 

早苗の命令でガブリアスは地面を踏みつけ、大きな地揺れを起こす。しかしブースターは跳躍することでその衝撃をやり過ごす。

 

「そんな!?」

 

(早苗達の世界でどうだったのかは知らないけど、俺達が戦ってるのは飽くまでも現実なんだ。そんな簡単に攻撃は当たらないさ!)

 

『ニトロチャージ』

 

ブースターは炎を纏って空中からガブリアス目掛けて突進する。しかしこうかはいまひとつ、あまりダメージは入らなかった。

 

「ストーンエッジ!」

 

ガブリアスは腕に岩の刃を纏ってブースターに斬り掛かる。

 

『シャドーボール』

 

ブースターは闇色の球をガブリアスの顔面にぶつけて一瞬だけ視界を奪い、狙いを逸らせる。

 

「そんな方法もあるのか…驚いたな。」

 

「やっぱり生き物なんだね、ポケモンも。」

 

二人のバトルを眺める神奈子が素直に感心する。そして諏訪子もポケモンが生物であることを改めて認識した。

 

『アイアンテール』

『たいあたり』

『ほのおのうず』

 

ブースターは休むこと無く立て続けにガブリアスの体力を徐々に削っていく。

 

「えっ!?あ、あっと…ガブリアス!げきり…」

 

『ばかぢから』

『フレアドライブ』

『ギガインパクト』

 

最後に強烈な一撃を3発喰らわせ、ガブリアスをノックアウトした。

 

「ガブリアス!!…凄いですね。完全に有利な筈なのに、全くダメージを与えられませんでした。」

 

(だから言っただろ。ブースターの限界を超越してるって。さあ、次もかかってこい!)

 

 

 

 

「きゅるる…」

 

「ラティオス、戦闘不能。ブースターの勝ちだ。」

 

その後もメタグロス、バンギラス、マニューラ、スイクン、ラティオスと、優秀なポケモンが沢山出てきたが、ブースターはそれを全員倒した。

 

「参りました。まさか全員倒されてしまうなんて。最早ブースターの限界どころかポケモンの限界も超えてませんか?」

 

(言われてみればそんな気もするかな。まあ、楽しかったよ。また今度、トリプルバトルでやろうぜ!)

 

「「「トリプルバトル?」」」

 

(あ、そういや知らなかったのか。)

 

その後、日が暮れるまでブースターは早苗達にポケモンの様々な最新情報を教えた。特に反応が大きかったのはメガシンカとフェアリータイプとアローラのすがたの話だった。何故かZワザは思っていたより反応が小さかった。

 

「おや、もう日が暮れちゃったね。」

 

(ホントだ。じゃあ俺は帰るよ。暇な時は大体文の家に居るから、また話したかったりバトルしたかったりした時は呼んでくれよな。)

 

「はい!さようなら!私、結構負けず嫌いなので、またポケモン達を鍛えたら何度でも勝負を挑もうと思います!」

 

(…また面倒くさいのと友達になった気がするな。)

 

テレパシーに出さずにそう呟いたブースターは3人から見えないようにため息を吐いた。




ブースター(長話なのには変わりないのに文の取材より最新情報を話してる方が楽しかったぞ。)

イーブイ(まあ、話したいことを話してる方が楽しいに決まってるよ。)

シャワーズ(早苗さんのパーティホントにガチっぽかったね。)

サンダース(てっきりニョロトノとかハブネークとかを使ってるのかと思ってたよ。レミリアはクロバットなイメージかな。美鈴さんはゴウカザルで、咲夜さんは…ディアルガは強すぎるな…、フランは…うーん…ヒメグマかな?)

エーフィ(サンダースの基準で考えっと…慧音はケンタロスな気がすっぞ。)

ブラッキー(イメージで考えてか。勇儀のヤツは…鬼か。オニゴーリでは無さそうだが。)

リーフィア(うーん、幽香さんはやっぱりキマワリやキレイハナなのかな?)

グレイシア(妖夢は剣か…コバルオンでは無さそうだ。キリキザン辺りだろう。幽々子はフワライドか、あるいはゲンガーか。)

ニンフィア(だったら聖は…分かんないなー。…ナズーリンはコラッタな気がする。)

イーブイ(うーん。霊夢、魔理沙…わっかんないや!じゃあ今回はここまで!)

ブイズ(次回もまた会おうね(な)!)


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シャワーズと竹林の怪談

コマスターやりたいけど容量が足りない…スマホのストレージ13GBってどう考えても少ないと思います!


永遠亭にて暮すことになったシャワーズは、時々永遠亭で診療所兼薬局の手伝いをしながら、普段は竹林にある小川でくつろいでいた。

 

(ボクはダンジョン慣れしてるからいいけど、普通なら出られなくなるよね?この竹林。姫ちゃんは川を泳いで来てるから分かんないかな?)

 

昼食のおおきなリンゴを食べながらシャワーズは呟く。独り言ではない。ちゃんとシャワーズにも話し相手がいた。

 

「大丈夫じゃないかな?たしか竹林を案内してくれる人がいるって聞いたわ。」

 

水面から顔をだしてそう言うのはわかさぎ姫。普段は霧の湖に棲む人魚なのだが、運動するためにほぼ毎日この小川にも泳いでやって来ている。

 

(ふーん、その人もよく迷わないものだね。頻繁に竹が生え変わって不思議のダンジョン状態なのに。)

 

おおきなリンゴを食べ終わったシャワーズはリンゴの芯と種をそこら辺の地面に埋める。そうすればいずれは土に還るだろう。

 

「今日もいっぱい筍が採れたわ。あ、シャワーズに姫!ちょうどいいところにいたわ!」

 

(やあ、影狼ちゃん。どうしたの?また差し入れ?)

 

「ええ。つい筍刈りに夢中になっちゃって。私一人じゃ食べ切れないからみんなで食べましょ。」

 

筍が沢山入った籠を持って現れた少女は今泉影狼。迷いの竹林に棲んでいる人狼だが、大人しい性格をしていて、普段から暇つぶしがてらに筍刈りをしている。

 

「ちょうどお腹が空いてたところだったの。ちょうどいいわね。」

 

(ボクはさっきおおきなリンゴを食べたところなんだけど…折角だし貰おうか。)

 

おおきなリンゴを食べたとはいえ、もう食べられないほどにお腹が膨れた訳ではないのでシャワーズは影狼から筍をもらう。

 

(あむあむ…うん、採れたてなだけあって美味しいね。調理とかをすればもっと美味しくなるだろうけど、その必要もないかな。)

 

「そう?良かった。…ねえ、昨日の夜遅くの話なんだけどさ。」

 

(ん?)

 

世間話をするにしては随分と神妙な面持ちをしている、それに合わせて夜遅くの話と言うことは…

 

(姫ちゃん、確か怖い話は苦手だったね?)

 

「こ、怖い話?うん、苦手…かな。」

 

「あ、そうだったわね。ごめんね姫、今から少し怖い話になるから、無理だったら耳を塞いでて。」

 

「そう、でも聞けるところまで聞いてみる。」

 

「それでね、昨日の夜遅く、私この竹林で散歩してたんだけど、ふと声が響いたんだ。」

 

(………)

 

「………」

 

「たしか『腹がへった』みたいな感じだったんだけどね…どこから聞こえているかが全く分からないの。私は辺りを見回したわ。けど見えるのは竹ばかり。でもその後に足音が聞こえて、足音をした方を向いたの。そしたら、ゆらゆらと、ぼんやりと赤く光る玉が漂ってたの。」

 

(…そして?)

 

「………」ドキドキ

 

「その玉は私に気づいて、いきなり私に飛びかかってきたのよ!必死に逃げたらなんとか撒けたけど、かなりびっくりしたわ。」

 

(ふーん…そんなに怖い話でもない気がするね…)

 

「え、え、ええ!そ、そそそうよね。そこまでこ、怖い方じゃない…かな?」

 

(姫ちゃん、怖かったんだね…)

 

はっきり言って子供騙しになるかどうかも怪しいレベルだ。実際の出来事らしいし、当の本人は相当驚いたようだが。

 

「そうだったかしら?まあ、話す分には私も怖くなかったし、そうかもしれないわね。」

 

(それにボクにはなんとなくオチが読めたような気がするし。)

 

「えっ?」

 

(実際に行ってみる?そんなに時間はかからないと思うけど。)

 

「そうね、それじゃあシャワーズについて行こうかしら。」

 

「私は遠慮しようかな…そろそろ帰るね。」

 

(そう?姫ちゃん一人で帰れる?もし怖いならボクがついて行ってあげるけど。)

 

「流石にそこまでじゃないわ、……大丈夫。」

 

一瞬言葉が詰まったのは気になるが、本人が大丈夫と言っているのだから大丈夫だろう。

 

(分かった。バイバイ、姫ちゃん。)

 

「またね、姫!」

 

わかさぎ姫は小川を登って帰って行った。そして、シャワーズと影狼も件の赤い光の正体を探しに行く。

 

(影狼ちゃん、その光を見たのってどの辺り?)

 

「もう少し川沿いに行った辺りよ。ほら…ここら辺よ。ここで例の赤い光を見たの。」

 

(分かった。……なるほど、やっぱりね。)

 

シャワーズは地面についた足跡を見て、予想を確信へ変えたようだ。足跡を追って行くと、桃色の体毛に包まれた小動物を見つけた。

 

(ほらね。やっぱりエーフィだ。おでこに赤い宝石みたいなのがあるでしょ?これが光ってたんだよ。後、本当は目も光るはずなんだけど…単純に影狼ちゃんが気づかなかっただけかな?)

 

「目も光ってたら本格的に驚いてたと思うわ…」

 

赤い光の正体はエーフィだった。しかしエーフィは力なく倒れていた。

 

(うう…腹減っちまった…食いもんくれ…誰かオレに食いもんを分けてくれ…)

 

(お腹が空いてるみたいだね。)

 

「籠を持って来ておいて良かったわ。ほら、筍よ。食べて。」

 

(おっ!サンキュー!)

 

影狼が取り出した筍を見た瞬間にエーフィは元気になり、筍をガツガツと食べはじめた。シャワーズもトレジャーバッグからリンゴを1つ取り出し、エーフィに分け与えた。

 

(うんめぇー!)

 

(ははは、懐かしいな。ボクもプクリンのギルドにいた頃はこんな感じだったよ。)

 

エーフィはあっという間に筍とリンゴを平らげ、大きく欠伸をした。

 

(ふあぁ…ごっそーさん。サンキュー、ってシャワーズじゃねえか!)

 

(こんにちは、エーフィ。偶然だね、こんな異世界で同じイーブイの進化系と会うなんて。)

 

(もしかしたら他にもいるかも知んねえな。…なんとなくもう何回か会ってる気がすっけど。)

 

(それはなんとなくメタい気がするよ…)

 

「えーっと…シャワーズと、その…エーフィ?は知り合いなの?」

 

話についていけない影狼が質問する。普通知り合いでもない限りは突然こんなに親しく話せるなんてことは無いだろう。

 

(んー、別に知り合いじゃあ無いかな?こんなに個性的なエーフィ、会ったら忘れないと思う。)

 

(確かに、おめえみてえな性格のシャワーズとは会った記憶がねえな。)

 

「え?でもなんだかお互いのことをよく知ってる喋り方のような…」

 

(知ってはいるよ。『エーフィ』という種族に関してはね。)

 

(オレとシャワーズはポケモンなんだ。しかも進化前はイーブイっちゅー同じポケモンだしな。だからお互い種族としてはよーく知ってるのさ。)

 

「ふ、ふーん。なるほど、分かったわ。(分かってない)それで、なんでエーフィはこんな所にいたの?」

 

(あっはは。いやー、昨日慧音の授業にちょっかい出したあと、妹紅についてったらはぐれちまってな。ずーっと迷ってたんだ。多分おめえらが来てくんなかったらオレ腹減って死んじまってたかもな。)

 

(それは良かった。じゃあ行こうか。君の足跡を辿って戻ったら小川が見える。まずはそこまで戻ろう。)

 

1人と2匹は小川まで戻る。ここからはそれぞれ行く道が変わるようだ。

 

「小川を上流に向かって歩けば竹林から出られるから、そこからはもう帰れるわよね?」

 

(おう、ここから出られりゃ大丈夫だ。サンキュー!シャワーズ……悪い、名前聞いてなかったな。)

 

「ああ、そう言えばそうだったわね。私は今泉影狼、影狼でいいわ。」

 

(そっか、オレも簡単に自己紹介すっか。オレはエーフィ、エスパータイプのポケモンだ。サイコキネシスとかテレキネシスとかが得意なんだ。あと、シャワーズとかよりもテレパシーが遠くまで届くぜ。)

 

(そのテレパシーでその妹紅って人に連絡したら良かったのに。)

 

(いや、良くわかんねえんだけどよ、この竹林の中じゃそこまで遠くにテレパシーが届かねえんだ。まあ、とりあえずありがとな!)

 

エーフィは小川を登って帰って行った。上手く人里に着くといいが。

 

(じゃあボクも帰るね、そろそろお昼休みも終わりだろうし。)

 

「そう。私は…暇だし蛮奇の所にでも行こうかな。じゃ、またね!」

 

(ばいばーい!)




シャワーズ(ねえエーフィ、今度人里に遊びに行ってもいいかな?)

エーフィ(いいぜ。今度シャワーズの番が回ってくるまでどれくらいかかるかは分かんねえけどな。他のみんなはどうだ?)

イーブイ(僕は博麗神社のマスコットにされてるしその内行くことになりそう。)

サンダース(フランと遊ぶ時以外は暇だし行ってもいいけど、魔法の森を抜けるのは面倒かな…)

ブースター(俺もその内行くことになりそうだ。それが文と一緒か、早苗なのか、はたまた雛や秋姉妹なのかは分からんが。)

ブラッキー(パルスィが言うには地底の奴が地上に出るのはあまり好ましいことではないらしい。だからオレが来れるとは思えんな。まあ、キサマと戦うためにに行ってやってもいいが、地底と地上を繋ぐ大穴を抜けるのはかなり面倒そうだ。)

リーフィア(幽香さんはあまり人里に行かないし、僕もあんまり行かないかな…)

グレイシア(妖夢の買い出しに付き合うことはある。ただ、それ以外で行く気は無いな。)

ニンフィア(ボクはたまに行ってるよ。宝塔を探すのを手伝う時もあるし、布教してるのを見てる時もあるよ。)

イーブイ(事情はそれぞれだね。じゃあ今回はここら辺でお開きにしようか。それじゃあ…)

ブイズ(次回もまた会おうね(な)!)


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エーフィが解き放つ全力の…

今までほとんど見向きもしなかった多機能フォームを使ってみた
あとその内ポケモンセンター行かないとダメだな…(義務)
サンダースグッズを買い漁るまでは何があっても死ねない!たとえ地震だろうが噴火だろうが北のミサイルだろうが!


寺子屋の屋根の上、そこがエーフィ御用達の昼寝場所だ。

 

(むにゃ…オッスオレエーフィワクワクすっぞ…)

 

「エーフィめーっけた!よーし、今度こそ最強のあたいが捕まえてやる!」

 

「エーフィって美味しそうだよなー。」

 

「物騒なこと言わないでよルーミア…」

 

「まあいいんじゃないリグル?エーフィが捕まるはずないじゃない。」

 

(ん、またおめえらか…仕方ねえなぁ…)

 

慧音の授業が終わった後、チルノ、ルーミア、リグル、ミスティアの妖精妖怪4人組と鬼ごっこをするのは恒例行事である。まあエーフィが4人を翻弄していたら疲れて勝手に帰るのだが。

 

(鬼さんこちら尻尾鳴る方へ〜!)

 

「とりゃー!」

 

「わはー!」

 

エーフィはチルノとルーミアのダイビングキャッチをジャンプして軽々と躱す。その結果、チルノとルーミアはお互いの頭をぶつけてしまう。

 

「そりゃあ!」

 

『テレキネシス』

 

着地したところをリグルが狙ったが、エーフィがテレキネシスを自分に使うことで回避する。

 

「闇に飲み込まれろー!」

 

「こんなことに能力使うのもなんだかなあ…」

 

頭の痛みから立ち直ったルーミアが『闇を操る程度の能力』でエーフィの周囲を真っ暗にして、ミスティアが『鳥目にする程度の能力』でエーフィの夜目を効かなくしようとしたが、エーフィの特性、『マジックミラー』でルーミアとミスティアに跳ね返った。

 

「ちょっとー!何も見えないじゃない!」

 

「そーみたいだなー。」

 

(まあ、オレとかブラッキーじゃなかったら捕まえれてたんじゃねえか?)

 

チルノはまだ頭をぶつけた衝撃で目を回しているし、リグル1人だと最早捕まえようがない。鬼ごっこは終わりと判断して、エーフィは4人をオドオドとした様子で見守っていた大ちゃんこと大妖精の傍へジャンプする。

 

「あ、エーフィさん。もうやめちゃうの?」

 

(まあな。チルノとルーミアが動けなくなったらもうお終いみてえなもんだし。リグルとみすちーってチルノとルーミアに仕方なくついてってる感じだろ?)

 

「でも、エーフィさんは楽しんでるよね?」

 

(そりゃ、こうやって友達とバカやってんだから楽しいだろお!いっつも思ってっけど、大ちゃんも参加すりゃいいのによ。)

 

「チルノちゃんから言われてるの。私の瞬間移動がなんかズルいって。」

 

(おめえ瞬間移動なんて使えたんか?)

 

「数メートルだけなんだけどね。」

 

(へーっ、ケーシィのあれとはちょっと違うんかな…)

 

ケーシィが使うテレポートは、使えばどこへでもワープ出来る。おそらく大妖精のそれとは根本的な仕組みが違うのだろう。

とにかく、大妖精のそれがあればエーフィもたぶん捕まるだろう。

 

(どっかに強えヤツはいねえかなあ…妹紅は全然相手してくれねえしよ。慧音も忙しいから邪魔するわけにゃいかねえし。)

 

ちなみにこの間妹紅と、あるいは妹紅がいつもケンカしている相手と戦いたいと思って勝手に妹紅について行ったが、途中ではぐれて道に迷い、謎の落とし穴に落ちたところをシャワーズに助けられた。

 

「チルノちゃん、そろそろ帰るよ!」

 

大妖精がチルノを起こして寺子屋前の庭から出る。その時、チルノがぐぬぬといった感じでエーフィを睨んでいたが、エーフィはそれに気付くことなく前脚で顔を洗っていた。

 

(おーい。ルーミア、みすちー、大丈夫か?今明るくすっぞ。)

 

『フラッシュ』

 

2人にまとわりつく闇を、それを超える光でかき消す。

 

「あれー?チルノちゃんは帰ったのー?」

 

(ああ、さっき帰ってったぞ。どうする?おめえら3人とオレで続きやっか?)

 

「私はもう帰るね。屋台の準備をしないといけないし。」

 

ミスティアが空を飛んで竹林のある方角へ飛んでいく。彼女は竹林の近くで屋台を開いているらしい。

 

「私も。さっき捕まえようとした時にずっこけて服汚れちゃったし。」

 

「そーなのかー。じゃあ私も帰るかなー。1人じゃ流石に無理だし。」

 

(おーう、またなー。)

 

リグルとルーミアも各々の住処へと帰っていくが、そこでエーフィはあることに気付く。

 

(ん?あのルーミアのリボンからすんげえ力を感じるぞ…ちょっと付いてってみっか。)

 

エーフィは気配を消してルーミアの後を付けていく。そして、人里から離れた魔法の森という場所に入っていった。

 

(おーい、ルーミアー!)

 

「わふっ!?…なんだ、エーフィかー。びっくりした。」

 

(悪い悪い、ちょっと聞きたいことがあってよ。)

 

「んー?」

 

(おめえのリボンからすんげえパワーを感じるんだけどさ、そのリボンってなんなんだ?)

 

「あー、これかー。…これね、お札なんだー。」

 

ルーミアがバツの悪い顔で目を逸らし、頬を掻く。

 

(お札ぁ?)

 

「私ねー、元々はとんでもなく強い妖怪だったんだけど、あんまりにも強すぎるからこのお札で力を抑えてるの。」

 

(抑えてんのか?抑えられてるんじゃなくってか?)

 

「そーだよ。私から霊夢のいっこ前の博麗の巫女に頼んだの。わざわざリボンの形にしてるのは私がそー頼んだから。」

 

(ふーん、そっかぁ……………いや………でも……)

 

「もしかしてだけど戦いたいって思ってたりするー?」

 

(ああ、戦いたくてウズウズしてんだけど、ルーミアが自分で抑えてもらってんのにわざわざその封印解くのは悪い気がしてよ。)

 

「いいよー、別に。」

 

ルーミアが大した問題でもないようにそう言って、エーフィは素っ頓狂な顔をする。

 

(へ?いいんか?)

 

「ただこれ、自分で付けることは出来るんだけどー、外すことが出来ないんだよなー。」

 

(分かった、そのリボンを外せばいいんだな。)

 

『ねんりき』

 

エーフィは超能力でリボンを解く。しかし、そのリボンは地面に落ちることなく、ルーミアの頭上に浮いていた。

 

「やったね、これで十数年ぶりに本気が出せるよ。はああああああああああっ!」

 

ルーミアが力を溜めると、ルーミアの身体が成長し、20歳前後の容姿になった。そしてその周囲には体内で抑えきれない闇を纏っている。赤い瞳も爛々と輝き、右手には魔力で構成された長剣を携えていた。

 

(それがおめえの本気か。これはちょっと気張ってかねえとヤバいかもな…!)

 

「リボンを外してくれてありがとうね。体内に魔力が溜まり過ぎてモヤモヤした感覚が消えなかったんだ。先手はエーフィにあげるよ。さあ、かかって来てよ!」

 

(そんじゃ遠慮なく…いくぜっ!)

 

『サイケこうせん』

 

エーフィの念力が螺旋状のレーザーとなってルーミアを襲うが、ルーミアは剣を振り払うだけでそれをかき消した。

 

(うぇ!?マジか…ポケモンで言ったらあくタイプか?ちょっとやべえかもな。)

 

「それじゃ、私の番だね。」

 

闇符『ディマーケイション』

 

ルーミアはスペルカードを宣言して弾幕を展開した。闇符『ディマーケイション』はルーミアが使う中でも弱い部類のスペルだが、力を持つ解放されたことにより、その密度と速度、そして威力は異常な程に高まっていた。

 

(いぃーーっ!?こんなん避けきれねえぞぉ!)

 

エーフィもまた常軌を逸したスピードと卓越された身のこなしで弾幕を避け続けるが、その圧倒的な物量には勝てず、一撃もらったのを境にして次々と被弾していった。

 

(痛っちちち…こりゃあ手加減はやめた方がいいかもな。今度はフルパワーだっ!)

 

『シグナルビーム』

『シャドーボール』

『めざめるパワー(炎)』

 

極彩色のレーザーでルーミアを狙い撃ち、霊力が込められた闇色の弾が逃げ場を塞ぐ。そして熱気の篭った謎のエネルギーがその周囲を囲んだ。

ルーミアは極彩色のレーザーを剣で防ぐが、その隙に周りの弾が四方八方からルーミアを襲った。

 

「へえ、やるじゃん。これならどう?」

 

ルーミアはエーフィに急接近して剣を突き刺す。エーフィはバックジャンプでそれを躱すが、ルーミアはその着地点を目掛けて斬撃を飛ばした。

 

(やべっ!)

 

『みがわり』

 

エーフィは自分自身の体力を削り、その場にみがわり人形を出現させる。ルーミアの斬撃に触れたみがわり人形は一瞬で消滅したが、必要以上のダメージを防ぐことはできた。

 

夜符『ナイトバード・斬』

 

ルーミアは自分の闇を剣に纏わせ、剣先が見えない状態でエーフィに斬りかかる。

 

(そこだーっ!)

 

『ギガインパクト』

 

エーフィは敢えてルーミアの懐に潜り込み、正真正銘のフルパワーを込めた一撃を鳩尾に叩き込む。

 

「うぐっ…けほっ、けほっ…今のは流石に効いたよ…でも、そっちにも反動がいくみたいだね。」

 

(よく分かったなあ。オレはしばらく動けねえけんど、今のうちに攻撃すっか?)

 

「もちろん!」

 

月剣『ムーンライトブレイド』

 

ルーミアの剣に光と闇が宿り、打ち消し合うことなく混ざり合う。そしてその剣を振りかぶり、エーフィ目掛けて振り下ろした。

 

(ぐっ…がっ…ぎぎっ…)

 

エーフィの無防備な身体に無数の斬撃が降り注ぐ。それでもエーフィは踏ん張り続ける。

 

『まもる』

 

間もなく反動から立ち直り、絶対防御のワザで斬撃を防ぐ。

 

(はぁっ…はぁっ…危なかったぁ!オレが普通のエーフィだったら死んじまってるかもな!こりゃあ限界以上にやる必要がありそうだ…!)

 

『めいそう』×6

『とぎすます』

 

(だりゃああああああああああ!!!!!)

 

エーフィは自分自身の力を最大まで高め、さらに精神を研ぎ澄まし、無我の境地へ踏み入る。

 

「これは…次が最後になるのかな?まあ、させるつもりは更々ないけどね!」

 

闇符『ダークサイドオブムーン』

月符『ムーンライトレイ』

 

ルーミアも同時に2つのスペルカードを使用し、重厚な弾幕で全力のエーフィを迎え撃つ。

 

(…いくぜっ!)

 

エーフィは一直線にエーフィへと突撃する。無数の弾幕が襲いかかっても、エーフィが纏うオーラがそれを跳ね除ける。

 

「嘘!?こうなったら…!」

 

ルーミアは全ての妖力、魔力を刀身に込める。刀身がどす黒いオーラに包まれ、全てを呑み込まんとするほどの闇が溢れ出る。

 

『ダークネスストームブリンガー』

 

その剣をエーフィに向けて構え、その力を極太のレーザーとしてエーフィに放った。

 

(だりゃああああああああああああああ!!!!!)

 

エーフィが纏うパワーは、そのレーザーすら突き破り、ルーミアの眼前へと迫っていく。

 

 

 

 

 

エーフィが 解き放つ

全力の Zワザ!

 

 

 

 

 

ウルトラダッシュアタック

 

そして、幻想郷全土が揺れた。

 

 

 

「ん…」

 

ルーミアが目を覚ますと、空はすっかり暗くなっていた。自分の姿は封印された時のものに戻り、そして隣にはエーフィが座っていた。

 

(おっ、目ぇ覚めたみてえだな。いやー、悪い悪い!ついアツくなりすぎちまった。ふっかつそうがなかったら結構やばかったぞ。)

 

「へっ?」

 

そう言えば、口の中が変な感じがする。

 

「にっっっっっっっがァッ!?」

 

口の中が苦い。今まで経験したことがないくらいに苦い。もはや生きていることが不思議なくらいに苦い。

 

(やっぱそうか…オレは嫌いじゃねえんだけどな、それ。)

 

「あぐっ…うぐっ…ぐすっ…ぐすっ…」

 

あまりの苦さに、涙が出てきた。

 

(いいーっ!?あ、そうだ!ルーミア、これ食え!)

 

エーフィは近くの木からマゴのみをもぎ取り、ルーミアに渡す。ルーミアはそのきのみを食べたことはなかったが、お腹が空いていたのもあって考える前にかぶりついた。

 

「んぐ…甘い。助かったのだ。」

 

(まあ、仕方なかったとはいえふっかつそうを勝手に食わせたのもオレだしな。こいつでチャラにしてくれよ。)

 

「…だめ。」

 

(ええ…じゃあどうすりゃあいい?)

 

「………なでなでしたい。」

 

(へっ?)

 

「いつもエーフィ逃げ回っててできないし。」

 

(ははっ、分かった。好きなだけ撫でていいぞ。)

 

エーフィがそう言うとルーミアはにわかに元気を取り戻し、エーフィを抱き上げて身体中を撫で始めた。

 

(へへっ、くすぐってえぞ…ふぁ…眠くなってきちまった…)

 

「ん…私も…眠い…」

 

エーフィは大きなあくびをして、ルーミアも眠気に抗うように目をこする。

 

(ZZZ…みんなオレに元気を分けてくれ…むにゃ…)

 

「くー…すぴー…」




ブラッキー(ほう…)

エーフィ(いやー、強かったぁ!まあぶっちゃけめいそうは積みすぎたと思うけどな。Zワザはぜってえないと負けてたな。)

イーブイ(ルーミアちゃん、リボンを外したらすっごい性格変わってたよね。)

ブースター(ああ、なんか余裕のある感じだったな。元々はのびのびのほほーんって感じだったのに。)

サンダース(のびのびのほほーんってなんだ…)

グレイシア(だが、あの力を解放したルーミア。幻想郷ではトップクラスの実力だったな。)

ブラッキー(勇儀よりは強いな、間違いなく。エーフィが苦戦するんだ。さぞ手応えのある相手に違いない。)

リーフィア(そう言えば幽香さんもとっても強いけどどうなんだろう…?)

ニンフィア(さあねー?そんなら聖とかぬえっちだってかなり強いと思うよー?)

ブラッキー(ククク…幻想郷は強者揃いか…柄にもなくワクワクしてきたぜ…!)

サンダース(のびのびのほほーん…ぷっ…くくっ、あっははは!)

ブースター(お前…っ、その話はもういいだろ!)

『ひのこ』

サンダース(熱っ!?分かった、悪かったから!)

ブースター(分かりゃいいんだよ分かりゃあ。)

イーブイ(それじゃ、今回はここまでだね。)

ブイズ(次回もまた会おうね(な)!)


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ブラッキーとウルトラビースト

みんな大好き(?)アイツが登場します。
東方要素はただいま迷子です。


地底の中で最も大きい建造物である地霊殿、その屋根の上でブラッキーは退屈そうに欠伸をした。

 

(ったく…暇でならん。)

 

勇儀以外の奴らは目を閉じたまま1歩も動かずに勝った。この建物の主のペットだという霊烏路空の全力の一撃によって傷を負ったが、それだけだ。

 

(勇儀を中心に大勢でオレを押さえつけ、そのうちに空があの一撃を立て続けに放つ…いや、かすり傷しか与えられん一撃を何発喰らおうが大したダメージにはならんし、そもそもオレを押さえつけることすら出来んか。というより何故オレはどうやったら負けるかを考えているんだ。)

 

それほどまでに退屈なのだ。ブラッキーとしては育ちすぎた攻撃と特攻、素早さ。そして元々高い耐久がさらに限界突破しているのだから、手応えのある戦いなどできるはずもない。

ちなみに本人はかすり傷だと言い張っているが、実際は最大HPの3分の1も削られていた。実際なんらかの方法でブラッキーを縛ることが出来たら彼女の攻撃で敗北を喫するだろう。

 

(やはり気にするべきはこの間の地揺れ…単なる地震でも『じしん』や『じならし』でもない…圧倒的な力に大地が戦慄くような…それに、アローラのZクリスタルと似たオーラも感じた。)

 

ブラッキーの闘争心が疼く。今すぐにでも戦いに行きたいのだが、居場所も顔も分からない相手を探すなどという愚行に走るほどブラッキーは馬鹿ではない。

 

(まあいい。そうとなれば己を高め続けるだけだ。確か西に進んだ先にでかい廃墟があったな。そこで特訓するついでに寝床にしてやろう。)

 

地底の遥か西の先には地霊殿に勝るとも劣らない大きさの廃墟がある。ブラッキーの特訓にはもってこいだ。早速その廃墟に移動する。

 

(しかしなぜ誰もこの廃墟に近寄らない?)

 

理由は分からないが、旧都の住人達は誰一人としてこの廃墟に近寄ろうとしない。あの勇儀でさえだ。だからこそここを特訓場所に選んだのだが。

 

(さて…中はどうなっている?)

 

床は石で出来ている。どうやら三階建てのようだ。あちこちに蜘蛛の巣が張ってあり、埃まみれではあるが特訓場所としては十分だ。

 

(…はっ!)

 

まずは準備運動として1階から3階まで天井を突き破りつつジャンプする。

 

(だらららららららららららぁ!)

 

続いて後脚での連続キック。最低でも1秒につき500発は維持する。

 

(でりゃああああ!)

 

ブラックホールイクリプス

 

ブラッキーは全てを呑み込む極大な闇のエネルギーを放ち、屋敷全体を揺らす。壁や柱がミシミシと音を立てる。

 

(…やはり違う。力を放つだけでは物足りない。力を相手にぶつけ、己の力を示すことが。あるいは攻防の駆け引きが出来なければ。)

 

欲求が満たされないイラつきにブラッキーは地団駄を踏む。

 

すると、目の前の空間にヒビが入った。

 

(…?なんだこれは。空間にヒビだと?オレが放ったエネルギーが原因ならZワザを放ったときに既にこうなっていないとおかしい。)

 

ブラッキーが考える暇もなくそのヒビは拡大し、果てには空間上にワームホールのような大きな穴が空いた。

 

(こいつは…!見たことがある。これはたしかウルトラホール。この穴の先には別の世界があるということか…面白い。どんな奴が来るかは知らんが誰であろうと俺の特訓相手にしてやる。さあ来い!)

 

「ババァルクウッ!」

 

ウルトラホールから巨大な蚊のような生物が飛び出した。屋敷の中に降りたそれは自分の筋肉を見せつけるようにポージングをする。

 

(ほう…お前が相手か。悪くない。)

 

穴の中から現れたウルトラビースト、マッシブーン。高い攻撃力、圧倒的な物理耐久。素早さも高くはないが低くもない。そしてブラッキーにとって最悪の相性。特訓相手にはもってこいだ。

 

(行くぞマッシブーン!いざ尋常に勝負!)

 

『じごくづき』

 

先手必勝といわんばかりにブラッキーはマッシブーンの喉元(?)に強烈な一撃を叩き込む。しかし、マッシブーンはビクともしない。

 

『とびかかる』

 

マッシブーンはブラッキーにとびかかって攻撃する。ブラッキーは高速で回避するが、立て続けにとびかかられ、最終的に避けきれずに攻撃を食らう。

 

(フン、流石ウルトラビーストと言ったところか。そんじょそこらの雑魚とはわけが違う。)

 

『とっしん』

 

飽くまでも物理攻撃でブラッキーは攻める。特殊攻撃ならば一瞬で倒せるのだが、それではつまらない。相手の得意分野において勝利するのがブラッキーの矜恃というものだ。

マッシブーンはブラッキーのとっしんを胸筋で受け、受けたところでポージングを決める。

 

(ちっ、ふざけやがって!)

 

『ダメおし』

『ダメおし』

『ダメおし』

 

反撃を許さないブラッキーの連続攻撃がマッシブーンを襲うが、やはり殆ど効いていない。

 

『アームハンマー』

 

マッシブーンはブラッキーが攻撃し終わった隙に腕をブラッキーの背中に叩きつける。

 

(がっ…今のは流石に効いたぜ…だが、やはりこれくらいでなければ張り合いがない。こんなに燃え上がるバトルはいつ以来だろうな…!)

 

『ふるいたてる』

『きあいだめ』

 

ブラッキーは己を奮い立たせ、気合を入れる。攻撃と特攻が上がり、集中することで急所へと狙いを定めやすくなる。

 

「マブシッ!」

 

『ドレインパンチ』

 

不思議なエネルギーを纏った拳がブラッキーに迫るが、ブラッキーはそれを回避して突き出されたマッシブーンの腕に乗る。

 

『ずつき』

 

そのままマッシブーンの頭部を目掛けて攻撃、脳天へと直撃させる。

 

「マシ…バルゥク!」

 

マッシブーンは一瞬頭をふらつかせたがすぐに調子を取り戻す。

 

(ちっ、結構いいセン行ったと思ったんだがな…)

 

『ばかぢから』

 

マッシブーンが力任せに攻撃してくるが、ブラッキーはそれを跳んで回避する。

 

『おいうち』

『メガトンパンチ』

 

『しっぺがえし』

『かわらわり』

 

『アイアンテール』

『きゅうけつ』

 

『ギガインパクト』

『きあいパンチ』

 

繰り返される技と技の応酬。挙句の果てには床が割れ、柱が砕け散り、廃墟が崩れ落ちる。

 

(最高の気分だぜ…ククク、これが笑わずにいられるか…!)

 

(やるなぁお前、ちびっこいクセに滅茶苦茶強いじゃねえか。)

 

ブラッキーの脳内に突然響く陽気な声。この声の主など考えなくともわかる。

 

(!?…キサマ、テレパシーが使えたのか。)

 

(おうよ。いやー、まさか物理攻撃で痛手を受けるとは思わんかったわ。ところで聞きたいんやけど、ここどこ?さっきまで仲間とポージング大会してたんやけど。)

 

(ここは幻想郷とか言うところの地底だ。お前はウルトラホールを介してここにやって来たんだ。)

 

(ウルトラホールぅ?ああ、あの青い網みてえな穴な。…あれ通れば帰れんの?)

 

(ああ。おそらくはな。)

 

(お、マジか!サンキューな。多分仲間も待ってるし帰るわ!)

 

(おい待て、戦いの決着はまだついてないぞ。)

 

(ん?あー、そうだな。内容的にはギリ俺の勝ちじゃね?お前、俺の渾身のアームハンマーで結構食らってたろ。)

 

(認めたくはないがな。オレもまだまだのようだ。)

 

(いやいやいやいや、俺相手にあんだけやってまだまだとかお前なに目指してんの?お前あくタイプやろ?俺むし・かくとうタイプやで?俺の得意技みんな効果抜群でお前の得意技効果いまひとつやで?)

 

(俺は…頂点を目指す。全てを、何もかもを超越した、更にその先だ。)

 

(はえー、なんやよう分からんけどお前なら行けそうな気ぃするわ。頑張れよ。俺も帰ってから応援しとくわ。そんじゃ、またな!)

 

マッシブーンは羽を動かして自分が出てきた穴へと戻っていった。あの巨体を特別大きくもない羽で浮かせるにはどのくらいの力がいるのだろうか。

 

「またこの辺りで空間の綻びが…!あら?廃墟が崩れてる…」

 

マッシブーンが帰った直後、突然空間にウルトラホールとは別の、目玉だらけの穴が空き、その中から紫色の服を着た金髪の女性が現れる。

 

(誰だキサマは。廃墟ならオレが戦っているうちに崩れたぞ。)

 

「あ、貴方がブラッキーね。噂は聞いてるわ。私は八雲紫、スキマ妖怪よ。それより、さっきこの辺りで空間の綻びがあったのだけれど、何かご存知ないかしら?」

 

(空間の綻び?ウルトラホールのことか。)

 

「ウルトラホール…?」

 

(そこから出てきた奴はもう帰ったしホールも消えた。それより何故あそこにウルトラホールが出てきたんだ。そして、また空間の綻びがと言っていたのはなんだ?)

 

「…まあいいわ。そもそもこの廃墟は別の世界から幻想入りしてきたのよ。だからなのか、この辺りは空間の状態が不安定で何が起こるか分からない状態だったのよ。そしてこれまでも何度か空間の綻びが発生したのよ。」

 

(…よく分からんが、シリアスな展開になってきたのはわかる。)

 

「貴方、その発言少しメタいわよ?とにかく、この辺りは何が起きるか分からないから、貴方も気をつけてね。」

 

(フン。で、結局キサマは何をしに来たんだ。様子を見に来ただけか?)

 

「まあ、とりあえず屋敷以外に被害はないみたいだしね。それでは、ごきげんよう。」

 

そう言って紫はスキマの中へと戻っていった。

 

(ククク、そうか。この辺りは空間が不安定か…ならば奴以上の相手が出てくる可能性もある。ワクワクしてきたぜ…!)




エーフィ(いいなあ、ブラッキーのヤツ、オレもウルトラビーストと戦えてえぞ。)

サンダース(僕は嫌だなぁ…あの筋肉は天敵の匂いがする。)

ブースター(まあお前物理耐久紙だもんな。)

サンダース(ブースターに言われる日が来るとは思ってなかったけどね。)

イーブイ(ウルトラビーストかあ…僕も一緒に遊んでみたいな…)

ブラッキー(最も友好的なウルトラビーストはマッシブーンだぞ。)

グレイシア(奴は自分の筋肉を自慢するのが趣味だからな。それを褒めてやれば遊んでもらえるんじゃないか?)

シャワーズ(フェローチェとかも足が滅茶苦茶速いだけのゴk…ウルトラビーストだし、ツンデツンデも石垣に擬態して驚かせてくるだけだから特に危険じゃないと思うよ。)

ニンフィア(ベベノムでよくない?あれ子供でしょ?毒にさえ気をつけたら楽しく遊べるんじゃない?)

リーフィア(幽香さんはテッカグヤを見つけたら…即刻排除しそうだね。)

ブースター(なんだっけあいつ、空を飛ぶついでに森を焼き払うんだったか。そら幽香なら即刻排除だろうな。)

エーフィ(妹紅のやつもテッカグヤ見っけたら潰しそうだな、名前的に。)

イーブイ(それじゃあ今回はここまで!)

ブイズ(次回もまた会おうね(な)!)


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リーフィアのお昼寝タイム

Let's goイーブイ発売決定ッ!!!!!
買いますとも、勿論買いますとも!イーブイを頭に乗せてサンダースを後ろに連れますとも!
GOで一部戦力外となったサンダース4匹とブースター4匹にも出番がやって来ましたよ!
ストーリーは初代と一緒なのかな?とにかくオラワクワクすっぞ!


(ふあぁ…)

 

リーフィアは幽香のベッドの中で目覚める。身動きを取ろうとするが、幽香に強い力で締め付けられているので脱出できない。

 

(…ホント、参っちゃうよ。)

 

幽香は何故かリーフィアのことを溺愛している。基本は優しい彼女だが、流石に度が過ぎている。

 

「んっ…おはよう、リーフィア。」

 

(おはようございます幽香さん。苦しいです。)

 

「あら、ごめんね。」

 

目が覚めてから30分、幽香がやっと目を覚まし、身動きが取れるようになった。

 

「ほら、朝ごはんよ。」

 

(いただきます!もぐもぐ…)

 

リーフィアの朝ごはんは幽香が用意するきのみ盛り合わせだ。どのきのみが出てくるかは幽香の気分次第だが、すなおな性格のリーフィアはどんなきのみでも美味しく食べられる。

 

(ごちそうさま!)

 

リーフィアは朝ごはんを食べ終えると、幽香の家の屋根の上で日向ぼっこをする。初めは向日葵に囲まれながら日向ぼっこをしていたのだが、帰る時に迷ってしまった。向日葵畑を歩いていたはずなのに、気が付けば鈴蘭畑を歩いていたのだ。

 

「おはようリーフィア。」

 

(おはようメディ、珍しいね。)

 

人形の妖怪、メディスン・メランコリーがふわふわと飛んできてリーフィアの隣に座る。彼女とは鈴蘭畑で知り合い、意気投合して今では時々遊ぶくらいの仲だ。

 

「リーフィアに会いたくなってね。リーフィアと一緒にいると楽しいし。」

 

(うん、僕もメディと一緒だと楽しいよ。メディのどくは何故か平気だしね。)

 

リーフィアはくさタイプ故に、どくタイプは苦手なのだが、メディスンの操る毒だけは平気で、2人でじゃれあってもリーフィアは元気なままなのである。

 

「あら、メディスンも来ていたのね。」

 

しばらく日向ぼっこを楽しんでいると、幽香が様子を見にやってきた。

 

「あ、幽香。」

 

(幽香さん、水やり終わったの?)

 

「ええ。やっぱり太陽が出ていると水やりも捗るわ。私も隣いいかしら?」

 

(もちろん!)

 

幽香、リーフィア、メディスン。3人並んでの日向ぼっこ。幽香はリーフィアの背中を撫で、リーフィアはメディスンの指を甘噛みする。メディスンもお返しと言わんばかりにリーフィアの顎の下を撫でる。

 

(うみゅ…すぴー…)

 

「すやすや…」

 

「すぅ…すぅ…」

 

穏やかな日差しに当てられると不思議と眠くなるもので、3人は寝息を立てて昼寝タイムに突入した。

 

「幽香さんいますかー…って寝てる。この真ん中の子は誰だろう?なんとなくエーフィに似てる気がするけど…起こしちゃ悪いし、帰ろうかな。」

 

寺子屋が休みなので退屈を持て余したリグルが遊びに来たが、皆が寝ていたのですぐさま退散しようとする。

 

(すぴー…すぴー…)

 

「うーん…皆を見ていると…なんだか私も眠くなってきた…私も昼寝してから帰ろ…くぅ…すぅ…」

 

屋根の上、幽香の向かい側でリグルもまた眠り始める。

 

「向日葵の種を分けて欲しくて来たんですけど、寝ちゃってますね…って、リーフィアがいるじゃないですか。もしかしてブイズみんな幻想入りしてたりするんでしょうか?」

 

境内の庭で向日葵でも育てようかと思いついた早苗もやって来たが、やはり皆眠っているのでそれも出来ない。

 

「ふあぁ…まあ、急いでる訳でもないですし、今日は一日暇なので私も昼寝しましょうか。屋根の上で昼寝、密かに憧れてましたしね。」

 

早苗もまた、リグルの隣で寝転がる。

 

「ていうかこれ、屋根は私達の重みに耐えれるんでしょうか…幽香さんの家ですし、かなり頑丈だと思うんですけどね…まあ、100人乗っても大丈夫でしょう。きっと…多分、おそらくは。」

 

一抹の不安を残しながらも、眠気には逆らえずに大人しくなる。睡眠は人間の三大欲求なのだから、勝てるわけがない。

 

(はぁ…村紗さんも遊んでくれないし、ナズーはどっか行ったし、雲山も戦ってくれないし、それにさ…)

 

ブツブツと文句を言いながらニンフィアが歩く。雲山は彼のフェアリースキン込みのハイパーボイスでワンパンされてからニンフィアを恐怖の対象としている。

 

(ぶつぶつぶつ…あれ?どこここ?向日葵いっぱいじゃん。アレかな、向日葵を一本でも折ろうものなら罠が作動して瞬殺されるタイプのステージかな?ってなんだあそこ、みんな寝てるし。面白そうだしボクも寝よっと。)

 

特に意味もなく皆が寝ている屋根の上に登り、0.3秒で眠りについた。

 

「さーて、ブースターに類似してる生物が複数目撃されているようですけど…おや?おやおやおやぁ?これはこれは、噂をすればというヤツでしょうか?」

 

新聞のネタ探しに奔走していた文が不幸にもリーフィア達の昼寝現場を発見してしまう。

 

「それに、幽香さんの昼寝姿なんて、激レアものじゃないですかぁ。撮るしかありませんねこれは!」

 

パシャリ

パシャリ

パシャパシャ

パシャリ

 

そして文はその昼寝現場を撮影してしまった。その後に降りかかる不幸も知らずに。

 

「いやぁ〜思わぬ拾い物ですよこれは!早速記事を書き上げちゃいましょうか!」

 

その後、ブースターに怒られ、早苗にどつかれ、リグルの超次元サッカー級のキックを食らい、メディスンにどくどくをかけられ、ニンフィアのムーンフォースで吹き飛ばされ、リーフィアのリーフブレードで切り刻まれ、幽香のマスタースパークで消し炭にされるとは知らず、文は悪い笑顔を浮かべてその場から飛び去った。




イーブイ(射命丸さん…)

リーフィア(だって…幽香さんが好きにやれって言うから…)

ブースター(自業自得って知ってるか?そういうことだよ。)

ニンフィア(許可もなく写真を撮る…よくないと思うんだ。)

サンダース(リグルの超次元サッカー級のキックって何!?)

エーフィ(あれか?皇帝ペ○ギン1号とか言ってたけどソレか?)

シャワーズ(それ使っちゃダメなやつじゃ…?)

グレイシア(『ン』のところを伏字にしても効果は薄いぞ。)

ブラッキー(キサマのせいでその伏字が全く意味を成さなくなったがな!)

グレイシア(元からバレバレなんだ。気にするな。)

イーブイ(でも、消し炭って…流石に…)

サンダース(そこら辺はギャグ補正でなんとかなるから大丈夫だって。)

イーブイ(まあ、それもそうかな。それじゃあ…)

ブイズ(次回もまた会おうね(な)!)


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知り合いだったのか

ちょいと愚痴失礼します
感想にて「原作未プレイってのはどうかと思うから作者はにわかってタグ付けたら」って態々二回に分けてコメントした方がいらっしゃるんですね。
原作未プレイって作者はにわかだって言ってるようなモンだよな…?キャラ改変とかも他の人が二次創作でよくやってるようなものばっかだし…
ん?もう1つ批判的な感想書いた人がいるって?あれはその方の価値観を元にケチ付けてるだけじゃん?つまりどういうことかと言うと…
苦 痛 感 じ る な ら 他 当 た っ て ど う ぞ
勝 手 に 萎 え と け
あ、そうそう。今回は新メンバー(グレイシア回)加入だからギャグ要素少なめ(投稿ペースナメクジ以下なのに大丈夫かそんなんで)(大丈夫だ、問題ない(死亡フラグ))


どうやら、幽々子と妖夢が大事な話をしているらしい。グレイシアは細かい内容は知らないが、幽霊に関する話のようだ。

 

(軽食があった方がいいだろう。ハムレタスサンドだ。)

 

「ありがとグレイシアちゃん。」

 

(…俺は人里へ買い出しに行ってくる。)

 

グレイシアが立ち去り、妖夢と幽々子の二人きりになる。

 

「妖夢、この前の外来人の霊のことなのだけれど…」

 

「はい、分かっています。外来人の霊を新たに受け入れるのですね。」

 

妖夢は話をしながらハムレタスサンドに口を付ける。

 

(!!!!!!)

 

しかし、その味を噛み締めたが最後。舌で踊る感覚に意識を持っていかれ、思考を乱される。

 

(このサンドイッチ…ハムの味をレタスの食感が否応なく伝わってくる…!パンに塗られたこのソースは…マヨネーズをベースに様々なきのみを混ぜ合わせ、ハムの旨味を数倍…いえ、何十倍にも引き立てているというの!?)

 

元々天才肌であるグレイシアは、白玉楼で料理の手伝いをしている内に腕前がみるみる上達し、今や三ツ星顔負けの料理人…いや、料理ポケモンになっていた。

 

「…妖夢?聞いてる?」

 

「…はっ!あ、はい!聞いてますよ!」

 

そのすぐ後に、ハムレタスサンドを食べた幽々子が同じような反応をしていたのは、また別の話。

 

(戻ったぞ。)

 

買い出しを終え、白玉楼に帰ってきたグレイシア。骨抜き状態になっている二人を見て疑問符を浮かべるものの、構わず食料庫の方へ向かった。

 

「…ってあれ?今まで気にすることもなく買い出しを頼んでいたんですけど、グレイシアさんって飛べましたっけ?」

 

白玉楼のある冥界と幻想郷を繋ぐ門は空高い場所にある。優れた身体能力を持つグレイシアでも、ジャンプして届くような高さではない。

 

(今更か。…近くを通る氷精や雪女、騒霊姉妹や人形使いに頼んでいる。)

 

「チルノにレティさん、それにプリズムリバー三姉妹にアリスさんですか。」

 

(知り合いだったのか。まあそういうことだ。…それはそうと、幻想郷では既に俺と同じイーブイの進化系が複数確認されているらしい。)

 

「そうなんですか?」

 

「それなら聞いたわよ。紫がこの間、…ブラッキー?とかいう子と話したって言ってたわ。」

 

(ああ。俺も実際、人里にある寺子屋とやらにいるエーフィ、紅白の巫女に振り回されるイーブイとは面識がある。)

 

「…なるほど、幽々子様。もしかすると彼も、グレイシアさん達と同じ世界から…?」

 

「その可能性が高いかもね。グレイシアちゃんにも紹介しておくわ。入ってちょうだい。」

 

幽々子がそう言うと、幽々子の後ろにある障子が開く。そこには茶色いスーツに身を包む、背の高い壮年の男性がその場に立っていた。

 

「失礼致します。」

 

(…!!!)

 

「彼が今日から新しく白玉楼で受け入れる外来人の霊、ハクセツさんよ。」

 

「…久しいな、グレイシアよ。死して霊となった影響か、お前の声もよく聞こえる。」

 

壮年の男性ハクセツはグレイシアを見て微笑む。グレイシアもまた、ニヒルな笑みをハクセツに返した。

 

(ハクセツ…しばらく見ないとは思ったが、幻想郷に来た挙句老いぼれてくたばったか。)

 

「え、知り合いなの?」

 

「知り合いなんですか?」

 

(ハクセツは互いにに研鑽を積み重ねてきた仲だ。俺がまだレベル10のイーブイだった時、こいつと出会った。)

 

「儂もまだ7つの時よ。両親とスキーをしに雪山へ行ったのだが、雪崩が起きたのだ。」

 

(こいつの両親は雪崩に飲まれ帰らぬ人となったが、こいつは運がいい。雪遊びに夢中になっていた俺が、偶然死にかけのこいつを見つけたんだ。)

 

「グレイシアさんでも雪遊びとかするんですね。」

 

(ガキの頃の話だ。)

 

「その後、山の麓のレスキュー隊へと運んでもらいましてな。それからはずっと一緒だよ。」

 

(そしてハクセツが10歳になり、ポケモントレーナーとなった。俺はこいつの相棒として戦い、経験を積み重ねてきた。)

 

「こやつがグレイシアへと進化したのは、儂が15の時だった、217番道路でな。忘れもせんよ。」

 

(キッサキジムリーダーに負けて、お前が不貞腐れていた時だな。カイリキー…いや、あの時はまだゴーリキーだったか。奴すらも呆れていたぞ。)

 

「野生のニューラやらユキカブリやらに八つ当たりしていたバカがよく言うの。カモネギがお前を止めんかったらひんしまっしぐらだったろう。」

 

(はっ、何もしないよりはマシだろう?)

 

「はい、思い出話はそこまでね。私達を置いてかないで。」

 

幽々子が合いの手を入れて、ヒートアップしかけていた二人を止める。

 

「おっと、これは失礼。」

 

(ふん。ところでハクセツ、あいつらはどうしてるんだ?)

 

「おっと、大切なことを忘れていたな。皆もここに呼んでおる。今、皆で家事の手伝いをしておるよ。」

 

「そうそう。彼のポケモンと一緒に使用人になってくれるからここで受け入れたのよ〜。」

 

「まあ、特に幽々子様の食事を準備するにあたっては、人手が多いに越したことはありませんからね。」

 

(そういうことだったのか。まあ、意外な形ではあるが、またよろしく頼むぞ、ハクセツ。)

 

「うむ。よろしくなグレイシア。」

 

ハクセツのサムズアップにグレイシアも尻尾で反応する。

 

「そう言えば、話を聞く限りだとハクセツさんとグレイシアちゃんはずっと一緒に旅していたのに、どうして会うのが久しぶりなの?」

 

(俺に守るべきものが出来たからだ。)

 

「…家族、ですか?」

 

(いや、そうではない。親を失ったり、或いはトレーナーに捨てられたりした、居場所のないポケモン達だ。彼らを守り、育て上げるために俺はこいつの旅から外れた。時折こいつが様子を見に来ていたが、最近めっきり来なくなっていたんでな。まさか幻想入りしていたとは。)

 

「それで、お前が面倒を見ていた彼等はどうなった。」

 

(俺が面倒を見てた奴らは全員独り立ちした。同じ境遇のポケモンを守ってる奴も少なくない。俺が世話していた場所も、数年前にレントラーが引き継いだ。)

 

「そうか。あのコリンクも今はレントラーになっているのか。時が経つのは早いものだな。」

 

「ちょっとちょっと、ほかのポケモンの名前を出されたら私達がついていけなくなるでしょ。」

 

(…まあ、積もりに積もった話は後にするか。)

 

「そうだな。やはり、話し出したら止まらんのが儂らの悪いところだ。」

 

「はいっ!ということでよろしくねハクセツさん!」




イーブイ(ハクセツさんとグレイシアの冒険…気になる…!)

グレイシア(そんなに面白いものではないぞ。)

ブラッキー(なんならオレのフェルムでの無双物語でも聞かせてやろうか?)

サンダース(いらない。)

シャワーズ(ブラッキー、戦闘描写の表現下手そうだもんね。)

エーフィ(ドガガガーンとかズバーンとか言いそうだよなブラッキーのヤツ。)

ブースター(エーフィ、それお前にも言えるぞ。)

リーフィア(うん、そもそも戦闘描写って細すぎてもなんか、違うと思う。)

ニンフィア(そだね。ボクもニンフィアに同感だよ。簡潔に、分かりやすくまとめて欲しいよ。作者にはまだそれが出来ないけど。)

ブラッキー(キサマら好き勝手に言いやがって…後で覚えてろよ…)

エーフィ(ところでよ。ハクセツ…?あいつ、ジムリーダーに負けちまっただけでそんなにいじけてたんか?)

グレイシア(まあ、あの時のあいつは、中途半端に実力を付けて調子に乗っていた。その自信を正面から打ち砕かれたからだろうな。)

ブースター(それで?ハクセツの冒険は最終的にどこまで行ったんだ?)

グレイシア(カントー、ジョウト、シンオウ、カロスのジムを制覇。最後に会った時はイッシュのジムバッジを6つ集めたくらいだったな。)

イーブイ(なるほど…ハクセツさんは最後にはとても強くなったんだね!それじゃあ今回はここまで!)

ブイズ(次回もまた会おうね(な)!)


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ニンフィアとナズーリンの紛失物探し

公式のマッシブーンのアクセントが納得いかない。『マッシブ』の部分よりも『ブーン』の方にアクセントを置いてほしい。
若干ゃネタ切れ気味(早すぎ)


(やっと2回目のボクの番だよ。ねえ、リーフィアのターンでお邪魔したとはいえ1年半ぶりだよ?作者なにやってんの?)

 

「君は何を言ってるんだい。」

 

開始早々メッタメタな発言をぶちかますニンフィアにナズーリンは呆れながらツッコミを入れる。

 

(さて、宝塔探しだったね。もうさ、寅丸って物を紛失する才能あるよね。能力が反作用起こしてたりしないの?)

 

「流石に能力が無意識の内に反作用を起こすことはないと思うが…」

 

ナズーリンは相変わらずペンデュラムの振れ方を見ながら宝塔を探す。

 

「ん?ちょっと待てよ。」

 

(どしたのナズー?)

 

「ペンデュラムの様子がおかしい。これは…同時に2箇所を示している?」

 

(ほえー、じゃあ手分けして探した方がいいかな?)

 

「片方は…南南西の方角にあるようだ。ニンフィアはそっちを頼めるか。」

 

(がってんしょうち!で、南南西ってどっち?)

 

「あっちだ。」

 

ニンフィアはナズーリンが指さした方角にひたすらに歩く。3分で飽きた。

 

(ん?もしかしてこれは宝塔ジャマイカ?)

 

偶然足下に落ちていた宝塔を拾い上げ、本物かどうか確認する。

 

(うーん…あれ、これは…ま、まさか…)

 

「めぇたもん。」

 

宝塔が突如変形し、紫色のスライムのような生き物になった。

 

(いや、なんでメタモンがここにいるのさ、君も幻想入りしてきた感じ?)

 

「もんもん!」

 

(やっぱりそうなんだ。ああ、そうそう。ここじゃあ無闇に『へんしん』しない方がいいと思うよ。やりすぎたら妖怪認定されて紅白の妖怪退治専門巫女とか緑色の妖怪絶対殺すマン系巫女とかが来るから。)

 

「めたっ!?」

 

(或いはいっそのことボクみたいに誰かと一緒に暮らすのもアリだと思うよ。っと、それよりさ。君が今へんしんしてたのってどこに落ちてた?)

 

「めたもん!」

 

『へんしん』

 

メタモンはニンフィアの姿を真似て、歩き出す。完璧なへんしんに見えるが、顔だけは元のメタモンのままである。

 

(へんしんに慣れてないメタモンか、珍しい。)

 

「もんもーん♪」

 

ニンフィアが歩いてきた道の延長線上を進み、10分ほど進んだところでメタモンが立ち止まる。

 

「…めぇた?めたもん。」

 

(ここにあったんだ。でも誰かが持ってったみたいだね。ありがとメタモン。)

 

「めたもぉん!」

 

(うん、またね。…さてと、いったん目印だけ置いてナズーの方に行ってみよ。)

 

『みがわり』

 

ニンフィアはどこからともなくみがわり人形を取り出し、その場に置いて来た道をもどる。

 

(ん…?あれはどこかで見覚えのあるツラ…うぉい!そこの緑色の!)

 

「へ?私ですか?って、あなたもしかしてブースターが言ってたニンフィアという新ブイズですか?」

 

ニンフィアに呼ばれた緑色の妖怪絶対殺すマン系巫女こと早苗が地面に降りる。

 

(ブースターもここに来てるのか。リーフィアもこないだ見たし、エーフィとも面識ある。イーブイもなんか新聞に載ってたし、そーいえばエーフィがシャワーズと会ったとか言ってた気が…あれ?これ探せば残りのも全員見つかるパターン?)

 

「エーフィとシャワーズも来てるんですか!っと、それよりなんでしょうか?」

 

(宝塔見なかった?えっと、宝塔っていうのは…)

 

ニンフィアは触覚を動かして、上から三角、丸、四角を繋げたものを象る。

 

(こんなの。)

 

「んー、見てませんね…宝塔ってあれですよね?毘沙門天の代理してる虎の。」

 

(知ってるの?)

 

「一応知ってるレベルですけどね。フェアリータイプでしたっけ?新タイプたるあなたと話したいのは山々なんですけど、残念ながら私もヒマじゃないのでこれで失礼しますね。」

 

(うん、忙しいところありがと。)

 

早苗は名残惜しそうにニンフィアに手を振りながら立ち去った。

 

(よく見たらモンスターボールじゃんあれ。)

 

早苗の腰に6つのモンスターボールが付いていることに遅まきながらも気付く。

 

(ブイズに限らずポケモンが増えてきたなあ。)

 

自分の目的に飽きているニンフィアは、とりあえずナズーリンと合流する。

 

「ニンフィア、そっちはどうだった?」

 

(落ちてたらしいけど誰かが持ってったぽいよ。それとそのペンデュラムは多分、宝塔に擬態してたのに反応したんだと思うよ。)

 

「そうか、偽物に反応するような代物じゃないはずなんだけどな。まあ、そういうこともあるか。ところで少し厄介なことになっていてね…」

 

(ん…ああ、そういう。)

 

ペンデュラムが示す先には、ワームホールのようなものがあった。

 

(ウルトラホールかぁ、これ入ったら帰って来れるかわかんないんだよね。どこに繋がってるかもわかんないよ?)

 

何故ここにウルトラホールがあるのかは突っ込まない。本質はスキマ妖怪のスキマとさほど変わらないので、幻想郷の住人にとっては大した脅威と見られないことが多い。

 

「そうなのか、弱ったな…あれはご主人の物である前に、毘沙門天様の所有物なんだ。出来れば取り戻したい。…この穴の向こう側にいる誰かが届けてくれたりしないだろうか?」

 

(呼ばれて飛び出てマッシブーーーーーーーーーーン!!!!!)

 

(あ、宝塔だ。ありがとう見知らぬウルトラビースト君。)

 

(願いは叶えてやった!では、さらばだ!)

 

ウルトラホールから出てきた赤い筋肉が宝塔を持ってきたのでニンフィアは考える前に受け取り、その赤い筋肉は宝塔を渡した瞬間、さっさとウルトラホールに戻って帰っていった。

 

「な、なんだったんだ今のは…?」

 

(考えるだけ無駄だと思うよ。)

 

「そうか?…そうか、そうだな。幻想郷じゃ常識が通用しないなんてザラだ。さて、帰ろうか。」

 

『賢将』と呼ばれるナズーリンでさえも理解が遠く及ばないような出来事はあったが、結果的に宝塔を見つけることが出来た。結果オーライである。




ブラッキー(アイツ…意外とヒマなのか?)

エーフィ(マッシブーンのことか?)

ブラッキー(そうだ。…ところで他の奴らはどうした?)

エーフィ(それがよ、気が付いたらこんな書き置きがあったんだ。)

『みんなで映画見に行ってくるからエーフィとブラッキーで後書きよろしく byサンダース』

ブラッキー(……はぁ?)

エーフィ(オレ達はみんなより先に映画見に行ったろ?だからだよ多分。…そういやおめえ、映画でもらったゼラオラはどうしてるんだ?)

ブラッキー(いのちのたまを持たせてスペレで使っている。でんきタイプの物理アタッカーは貴重だからな。)

エーフィ(普通じゃ威力90で反動ありのワイルドボルト止まりだかんな…)

ブラッキー(ったく、こんな馬鹿馬鹿しい話をするのも面倒だ。とっとと締めに入るぞ。)

エーフィ(おう!次回もぜってえ見てくれよな!)

ブラッキー(ふっ、また次回後書きで会おう。)


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イーブイウルトラスーパーハイパー大量発生!?

スマブラSPのガオガエン参戦リークされてるらしいね…アニポケ見てないから去年映画のクロスしかイメージないんだけどそんなに人気あるのか…?


(…ねえ、どういうことなの?)

 

(僕に聞かれても…朝出る時には僕だけだったはずなのに。)

 

「ぶい!」

「いぶいーぶ!」

「いーぶい!」

 

イーブイが魔法の森の散歩(サンダースも一緒)から帰ってくると、博麗神社には別個体のイーブイが散乱していた。数えるのが面倒だが少なくとも100匹はいるだろう。木陰、屋根の上、軒下といたるところをイーブイが埋め尽くしていた。

 

「いっぶ!」

「ぶいぶい!」

「いーぶーい!」

 

(ふむふむ、なるほどね。君達も例の目玉だらけのとこに入ったんだ。)

 

(これだけ沢山のイーブイ…どうしてこんなに…?)

 

「犯人は私よ。」

 

イーブイとサンダースの背後に目玉だらけの空間が開き、そこから紫色の服を着た金髪の女性が姿を現す。

 

(あ、紫さんだ!)

 

(でたな噂のスキマ妖怪。…事に至った経緯は予想できるよ。)

 

「そう?」

 

(あの子達が使ってるワザを見ていれば分かるよ。)

 

一部ケンカしているイーブイ達が使っているワザ。産まれたばかりのイーブイが使える『てだすけ』『たいあたり』『なきごえ』『しっぽをふる』の他に、『じたばた』『のろい』『アシストパワー』『あくび』『あまえる』『ねがいごと』も見える。

 

(あれはあの子達が親から受け継がないと覚えられないワザだ。あの子達はトレーナーがタマゴを孵化させて強い個体を産まれさせるための副産物だね。大体のトレーナーはそれを野生に返す…というのはおかしいな。捨ててるよ。それでもみんな元気そうなのはどんな環境にも適応できるイーブイだからこそかな。)

 

「流石ね。紅魔館の吸血鬼に一目置かれているのも分かるわ。」

 

(でも、全員ここで迎え入れる…っていうのは無理があるんじゃない?)

 

「そうじゃないわ。ここに全員がいるのは一時的なものよ。既にこのイーブイ達を受け入れてくれる場所は決まってるの。」

 

(え?折角霊夢のもふもふ攻撃のみがわりがいっぱい出来たと思ったのに…)

 

何気に酷いことを言うイーブイだが、霊夢があまりにもしつこいから嫌になっただけで、本来はイーブイはもふもふされるのが大好きな種族なので問題ない。

件の霊夢は大勢のイーブイ達に囲まれて普段なら絶対にしないような顔をしている。

 

「大丈夫よ。博麗神社でも既に5匹育てることが確定しているわ。…後の内約は…藍、どうだったかしら?地霊殿に40匹渡すのは覚えているのだけれど。」

 

紫の後ろから9本の尻尾を持つ狐の妖怪が現れ、メモ用紙を見ながら受け入れ先、匹数を言っていく。

 

「受け入れ匹数が多い順に言いますと、

地霊殿に40匹、

守矢神社に24匹、

妖怪の山の河童の集落に20匹、

天狗の集落、博麗神社に5匹、

白玉楼、紅魔館、香霖堂に3匹、

霧雨魔法店、永遠亭に2匹、

アリス・マーガトロイド宅、鈴奈庵、命蓮寺、そして私達のところに1匹。

合計111匹です。」

 

「あや?河童のところに20匹ですか?」

 

藍が受け入れ先を言い終わると、イーブイの山の中に隠れていた文が姿を現す。

 

(いたのかブン屋。)

 

(射命丸さん…いつからそこに?)

 

「藍さんが出てくる少し前ですよ。ここに来たのはブースターに頼まれたからです。記事にはしませんのでご心配なく。」

 

「あなたの言葉はあまり信用できないのだけれど…まあ、あなたは最近ブースターに絞められているようだし大丈夫かしら。」

 

(そう言えば霊夢がこの間射命丸の新聞記事がマシなものになってるわって言ってた気がする。)

 

「あやや…最近、上に提出する前にブースターにチェックされるものですから、余計なものを書いたら即ひのこを使われてあぼんなんですよ…」

 

(それはそれで酷くない…?)

 

(ブースターも居候の分際でなんでそんなことができるんだ。)

 

「最初にチェックを頼んだのは私なんですけど…いや、それよりですね、河童のところには実験台にして傷つけることが無いように念押ししておいてくださいよ?一応私からも言っておきますけど。」

 

イーブイもとい、ブースターが関わる案件では文の言葉の端々から恐怖の欠片が感じられる。正義感の強いブースターの前では幻想郷最速の鴉天狗も無力なのかもしれない。

 

「にとり曰く進化によるエネルギーの動きを見たいだけらしいから、進化する時に近くにエネルギー観測機が置かれるだけみたいよ。」

 

(進化エネルギーね。まあ僕達ブイズの進化遺伝子は特殊だから、そのエネルギーを詳しく解析すれば有効利用出来るかもね。)

 

(難しい話はよく分かんないんだけどな…)

 

「自分自身のこととはいえ随分と博識だな。」

 

(僕がイーブイだった頃、色々な姿に進化する自分がどんな存在なのかが知りたくて仕方がなかったんだ。それでポケモン博士を名乗ってる人間が書いた資料を読み漁ったんだよ。)

 

「なるほどねえ…よく飽きなかったわね。大変だったでしょう?」

 

サンダースの身体だと本を開くだけでも一苦労するだろうに、その知識欲の深さに紫は感服する。

 

(そんなことないよ。イーブイは特殊なポケモンだったから、イーブイに関する資料は案外早く見つかったんだ。)

 

「知識欲旺盛なのは良いことだ。物事を知って必ずしも得するとは限らないが。」

 

(それは確かにね…ま、とにかく進化エネルギーの観測は技術進歩に繋がってもおかしくないから、よろしく言っといてね。)

 

「それじゃあそろそろ受け入れ先に渡しましょうか。…霊夢、とりあえずあなたから5匹選びなさい。」

 

「はーい。えっとね…」

 

霊夢は111匹のイーブイの中から特にもふもふがすごいイーブイを選び、決定する。

 

「後はそれぞれの場所に配るだけね。…藍、橙も手伝わせて手っ取り早くやるわよ。」

 

「了解です。橙、1匹の所と2匹の所を頼んだ。」

 

スキマの中、藍の隣に猫耳の少女がひょっこりと顔を出す。

 

「はいっ、分かりました!」

 

藍がイーブイをそれぞれの行き先別に纏め、紫がそれを1グループずつスキマで転送していく。橙もイーブイを1匹ずつ抱えてスキマを経由して受け入れ先へと届けていく。

 

(幻想郷がイーブイだらけになるね。)

 

(まあ、悪いことではないよ。そのうち幻想郷の人達がポケモントレーナーになって大会が開かれるかもね。)

 

サンダースは自分が咲夜にゲットされているのをふと思い出す。幻想郷にモンスターボールが流れ着いたということは、誰かしらがそれを解析して量産しそうだな、と思った。

 

(それじゃあ僕はそろそろ帰るよ。藍さん曰く紅魔館にも3匹来るみたいだし、僕が世話しないと。 フランもそろそろ起きるしね。)

 

『こうそくいどう』

『こうそくいどう』

『こうそくいどう』

『やけどだま』

 

サンダースは隠れ特性の『はやあし』まで使って最高速で帰っていった。散歩途中に寄り道したことがバレないようにするためだけにそうする。バレたとしても特に何もないのだが。

 

(ばいばーい!…お腹空いたな。んーっと、霊夢は…もふもふで死んでるか。ちょっと早いけどお昼ご飯はそこら辺のきのみでいいや。それにあの子達の分も用意しないとね…)




ブラッキー(おい、お前ら!強くなりたいやつはこっちへ来い!)

イーブイA「ぶい!」
イーブイB「いーぶ!」
イーブイC「いぶいっぶ!」

ブースター(何やってんだよお前は…)

ブラッキー(これがさとりの方針だ。強くなりたいやつがいたら自由にしてくれだとよ。)

エーフィ(霊夢がもふもふでくたばっちまったけど大丈夫なんか?)

イーブイ(問題ないよ、3時間もすれば正気に戻るから。)

シャワーズ(イーブイって霊夢に対しては物凄く辛辣だよね…)

イーブイ(博麗神社を立ち去るのも視野に入れてるよ。)

リーフィア(大変だね、イーブイも…ところで、話は変わるけどさ、もう紫さんに会っても帰る気にはならないよね。)

サンダース(言われてみればそうかな。幻想郷の方があっちの世界よりも楽しいんだよね。もう毎日が退屈しないというか。図書館の本も読み応えがあるし。)

ニンフィア(そだね。命蓮寺の布団もなかなか寝心地が良いし。)

ブースター(お前布団で寝てるのかよ…)

グレイシア(すまん、誰か助けてくれ。大至急だ。幽々子がイーブイを見て涎を垂らしやがった。子守はマリルリとエルレイドに任せてはいるが…万が一ということもある。)

ブラッキー(フン、いいだろう。じごくづき一発で終わらせてやる。)

サンダース(いや、なんでそんなに好戦的なのさ。イーブイ達を守るだけだからね?ブラッキーから攻撃仕掛けちゃダメだよ?)

イーブイ(それじゃあここまでかな。…せーのっ)

ブイズ(次回もまた会おうね(な)!)
イーブイブ「ぶいぶいっ!」


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世紀の問題児出現!?

スマブラにも参戦したガオガエン、前回では疑問符つけてましたがレスラーだけあって海外ではかなりの人気があったみたいですね。
イーブイのスピリットは灯火の星の最序盤で手に入るからみんな使おう!(強くはない)
…他のブイズ?知らん、多分ない!少なくとも俺は見てない!


(なあ文、こいつはどうしたんだ?)

 

「ぶー…すぅ…」

 

ブースターが朝起きると、なぜか座布団の上で1匹のイーブイが丸まっていた。

 

「その子ですか?ブースターの住んでいた世界から保護されたイーブイを里で5匹受け入れましてね、そのうち1匹をうちで面倒見ることになったんです。」

 

(んー…そういやそんなこと言ってたっけか。1匹面倒見るのは初耳だけど。)

 

「因みに他のイーブイは天魔様がおとなしい子2匹の面倒を見ておられるのと、むじゃきな子といじっぱりな子が哨戒部隊と一緒に走り回ってます。」

 

(まあ、イーブイはどんな環境にも適応するし好きなようにやらせたらいいと思うぞ。…で、こいつはどんなヤツなんだ?)

 

「この子は…少し難があるというか…」

 

(なるほどな。まあとりあえず起きるまではそっとしておくか。朝飯もまだだし近くのきのみを採ってくる。)

 

「えっ、いや、あの。ちょっとブースター!?」

 

ブースターは窓から家を出て近くでなっているきのみを収穫していく。こやしこそないが、河童から貰ったコダックじょうろで定期的に水やりをしているのでそれなりの量のきのみがある。

 

(ズリのみ5個、モモンのみが3個、ナナのみが8個にマトマのみ20個…きんのズリのみが採れたのはラッキーだな。)

 

きのみを入れたカゴを背負って文の家に戻る最中、ブースターの後ろ足が何かに引っかかる。

 

(ん?これは…もしかしてノワキのみか?)

 

赤い棒に棘が生えたような見た目をした辛いきのみに足をひっかけたようだが、ブースターにとっては寧ろ幸運だった。

 

(ラッキー!マトマじゃそろそろ物足りなくなってきたし、より辛いのが手に入れば加工にも色々使えるからな。)

 

ブースターはきのみを加工するのが趣味であり、文の家の調理器具を借りてはズリのみジャムを作ったりマトマふりかけを作ったりしている。

そしてノワキのみは最近天狗の間でもめっちゃ辛いきのみとして有名になってきたマトマのみよりも更に辛い。ブースターたちの世界でも挑戦してもらう系の激辛料理を作る時くらいにしか使われないほどだ。

 

(とりあえず種だけとって埋めとかないと…)

 

ブースターは前足で穴を掘ってその中にノワキの種を入れ、埋める。あとはコダックじょうろで定期的水をやっておけばすくすくと育つだろう。

 

(ただいま…ってどうなってんだこれ。)

 

「ブースターさあああああん!あの子を止めてください!早くしないと家の中ぐちゃぐちゃにひでぶっ!」

 

「えぶふふふ!いぶいぶぅ!」

 

文の家に戻ると、潰れたマトマのみ…ではなく普通のトマトを頭に被っている文とそれを見て大笑いしているイーブイがいた。それ以外にも食べ物や食器、筆記具が床に散乱していてインクは零れてコップは割れていたりと、散々な事態になっていた。

 

(難があるって人見知りが酷いとかだと思ってたけどそういう系か。)

 

「考えてないで助けてくださいよ!」

 

(了解、さーて…いたずらっ子にはお仕置きしないとな。『おしおき』は覚えないけど。)

 

『だいも

 

「家焼いたら弁償ですからね!」

 

(分かってるって。そんじゃあこれでいくか!)

 

ブースターは背中のカゴからナナのみを取り出し、イーブイに向かってひょいと投げる。

 

「えぶぅ!」

 

イーブイは目を光らせてナナのみに飛びつき、もぐもぐと食べ始める。

 

『うたう』

 

「んぐんぐ…いぶぅ〜…………すぅ。」

 

(ら〜らるる〜ら〜らる〜る〜れる〜り〜…っとこれで大丈夫か。)

 

興奮を抑える効果があるナナのみを食べさせ、ブースターの『うたう』でイーブイは眠りにつく。

 

「やっと落ち着きましたね…まったく、酷い有様ですよ。インクも買い足さないといけなくなりました。」

 

(もうこいつ他のやつに押し付けたら?)

 

「流石の私でもこれを他の人に押し付ける気にはなりませんよ…」

 

(…ったく、俺は今日からこんなやつの面倒見なきゃならんのか。)

 

文は新聞のネタ探しで普段は朝から夕方前まで外出しているので、このイーブイの面倒を見られるのはブースターしかいない。

 

「あやや…実は天魔様にこの子の面倒を見れるのはブースターしかいないだろうって言われたからうちで面倒見ることになったんですよ。」

 

(まあ、事実なんだろうなあ…こいつの言ってることを理解できるのも俺だけなんだし。つーかそれだったら遊びに行けねえじゃん。)

 

「そこは連れていくなり更生させるなりすればいいじゃないですか。」

 

(更生させる…ねえ。一発フレドラでもぶちかましてやれば落ち着くか?)

 

「それはそれで問題ありですよ!」

 

躾と称して暴力を振るうことは現実世界だけでなく、幻想郷でも特に人里においては問題視されつつある。ポケモンといえど、その問題行動を行うのは好ましくないということだろう。

 

(なにいきなり真面目くさい説明してんの。)

 

「…誰に話しかけてるんですか?」

 

(なんでもねえよ。それよりさっさと掃除しようぜ。鬼の居ぬ間に洗濯とも言うしな。)

 

「そうですね…あーあ、このコップ結構新しいやつだったのに…」

 

ブースターがちりとりを持ち、文が箒で床に散乱したゴミとなったものを集める。こぼれたインクも雑巾で拭き取るが、床に染みてしまったので上に絨毯を敷いて誤魔化す。

 

(…多分そろそろ起きる頃だ。)

 

「うぐっ…」

 

(また暴れだしたらナナのみを食べさせたらいい。冷蔵庫の中にもぎんのナナのみが幾つか置いてあったはずだしな。)

 

「…いぶっ?」

 

イーブイは目を覚ますや否や、机の上にあるマグカップに興味を示す。

 

『にらみつける』

 

「いぶっ!?」

 

しかしブースターが鋭い眼光でにらみつけることで威圧し、悪戯を未然に防ぐ。

 

(ったく、厄介なやつが増えたもんだ。それじゃあいつも通り外にきのみを干してくる。マトマのみより辛いきのみが見つかったからな。早速加工してみたいんだ。)

 

「マトマのみより辛いんですか!?あれでさえ並大抵の唐辛子より辛いと言われるのに!?」

 

(流石にそれは俺用だ。辛いもの好きのポケモンでもない限り耐えられない辛さだからな。まあノワキとマトマだけ干してズリのみはイーブイの食用に取っといて…)

 

「いぶぶ…ぶいっ!」

 

イーブイは退屈を余して窓から外に飛び出したが、きのみの使い道を考えていたブースターとそれに注目していた文がそれに気づくことはなかった。

 

「いぶいぶ!いぶぶ!」

 

文の家から脱出したイーブイは山を駆け下り、幻想郷中を旅する…ということはなく、今はただ所々になっているきのみを食べ尽くすのに夢中なようだ。尻尾の先の模様がハートになっている彼女の冒険はここから始まる…

 

(ちょっと待てイーブイ!勝手に家を出たら駄目だろ!きのみなら用意してあるから帰ってこい!)

 

ことはなさそうだ。




イーブイ(♀)「いぶいぶ!いーぶい!」

サンダース(ここにまで来ちゃったんだけど!)

イーブイ(君が来ると僕の影が薄くなるじゃないか!帰って!)

イーブイ(♀)「いぶ?」

エーフィ(まあいいんじゃねえか?こいつはテレパシー使えねえみてえだし、親切にも(♀)の表記が用意されてるしよ。)

ブースター(…はあ、後書きの時まで世話するのはゴメンだからな。賛成派の奴だけで世話してくれ。)

シャワーズ(ボクは構わないよ。永遠亭に来た子がみんなお利口な子だったからね。こういうやんちゃな子もいなきゃ面白味がないよ。ほら、こっちおいで。)

イーブイ(♀)「いぶっ!」

『たいあたり』

シャワーズ(痛っ!あはは…まあ、元気があるのはいいことだと思うよ。)

リーフィア(あまり関わりたくない…元気がありすぎるのも問題ある…)

ニンフィア(まーまー、そうネガティブになんなくてもいいでしょ。)

ブラッキー(……磨けば光るものがあるな。)

グレイシア(この戦闘狂が…ところでブースター、今度ズリのみジャムとマトマふりかけを分けてくれないか。)

ブースター(お、いいぞ。ナナスムージーとモモンシャーベットもあるけどいるか?)

グレイシア(いや…それはまた今度でいい。幽々子が外出する気分になった時に頼む。)

イーブイ(そういう話は後書きが終わってからにしてよ。)

サンダース(とはいえもう締めていいんじゃない?)

イーブイ(それもそうだね。それじゃあみんなせー

イーブイ(♀)「ぶいぶーい!」

のって早いよ!せーので一拍置いてから言うの!それじゃあもう一度…せーの!)

ブイズ(次回もまた会おうね(な)!)

イーブイ(♀)「………ぶいぶーい!」

サンダース(今度は遅い…)


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幻想郷ポケモンチャンピオンリーグ! その1

私の力量ではもう日常回のネタを用意できません…だからしばらくの間バトル回を入れさせていただきます!
これが終わったらまた日常回もといギャグに戻りますのでご安心を!(いつ終わるとは言ってない)


幻想郷の至るところにイーブイがやってきてから半年が経ち、ポケモンという存在が幻想郷において普遍的なものとなってきた。その影響かイーブイ以外のポケモンが幻想入りしてくることも多くなった。

 

サンダースは人里に近い場所に建てられた巨大な建物の中にある広場で咲夜と一緒に歩いていた。他にもそれなりの数の人間や妖怪がポケモンと一緒に行動している。

 

(咲夜さん、ここは一体?)

 

「さあ…?つい数日前に建てられたと噂では聞いていたけれど…八雲紫、何を考えているのやら。」

 

「うーん、私にもよくわかんないけど凄いことが始まる気がするね、エーフィ!」

 

「フィー!」

 

咲夜のドレスエプロンの胸ポケットには紫から届いたこの建物への招待状が入っている。咲夜とサンダースに宛てられたものだ。フランにも同じものが届いていて、紅魔館に来たイーブイの1匹が進化したエーフィと来ている。

 

(…ん?あれ魔理沙じゃない?)

 

サンダースの目線の先には魔理沙が白い金平糖のような頭部から束ねた黒いケーブルのような手足が生えたポケモンと並んでいた。

 

「本当ね。…魔理沙の連れている生き物、本当にポケモンなの?」

 

(多分そうだと思うけど。僕が知らないってことは異世界のポケモンかもしれないね。)

 

他にも咲夜達の知り合いも多くみかけたが、このタイミングで突如建物の照明が落とされる。

 

(…何!?)

 

「…!あそこ…」

 

広場よりも高い場所にあるマイクの前にスポットライトが当てられ、そこに展開されたスキマから紫が飛び出してくる。

 

「ポケットモンスター、縮めてポケモン。幻想郷にやってきたふしぎなふしぎな生き物。幻想郷に住むのはイーブイやその進化系が大多数を占めるけれど、彼らの住んでいた世界ではその種類は700を超えると言われているわ。」

 

紫はマイクに向かってそう語りかけ、広場の中央にあるスピーカーから広場全体へと伝えられる。

 

「今日、幻想郷で最もポケモンとの絆を深め、信頼し、技を鍛え上げた者が決まる。第1回、幻想郷ポケモンチャンピオンリーグの開催をここに宣言します!」

 

建物の中の広場、すなわち幻想郷PCL(ポケモンチャンピオンリーグ)会場に集まっていた人々は数秒の困惑の後、どっと盛り上がる。ここに集められていたのは言うまでもなくこの大会の参加者達、紫と藍が幻想郷中のポケモントレーナー達の実力を総合的に比較し、特に優れていると判断された32名のトレーナーだ。

 

「早速ですが、ルールを説明します。」

 

会場の照明がつき、紫に代わって藍がマイクの前に立ち、ルール説明を始める。

 

「幻想郷PCLはトーナメント制で行われます。お互いのポケモンは1体、戦闘不能になった側の敗北となります。試合時間は5分、時間切れになった場合は3人の審判による合議で勝敗が決められます。そしてこの会場にいる限り、全てのポケモンの能力がレベル50のものに揃えられます。尚、トレーナー及び協力者の能力や道具によって自分のポケモンの補助、相手ポケモンの妨害を行うことは反則、失格といたします。」

 

「それじゃあ早速トーナメントの組み合わせを発表するわ!」

 

紫がそう宣言すると、会場の中央にある河童製のモニターにトーナメント表が映し出され、それぞれのトレーナー達が自分の対戦相手を確認する。

 

(えーっと、僕達は…)

 

「第九試合みたいね。対戦相手は…封獣ぬえ。」

 

「私は…えっと…第七試合だって!相手は…魔理沙だ!」

 

(僕達とフランが当たるなら決勝戦になるね。上手く勝ち上がれるといいけど。)

 

「やるからには優勝を目指しましょう。お嬢様が呼ばれなかったのは心残りですが…」

 

(仕方ないよ。レミリアはまだゴルバットと仲悪いから。)

 

 

「私の相手は…と。第一試合、対戦相手はにとりか。まあ、イーブイなら楽勝よね!」

 

(うん、やれるだけやってみるよ!)

 

 

「私達は…第五試合のようですね。まあ、相手が誰でもブースターならなんとかなりますよね!」

 

(対戦相手は藤原妹紅か。エーフィの奴は慧音と一緒にいるのを見たけど…妹紅は誰を連れてるんだ?)

 

「えーっと妹紅さんは…トサカや翼が炎になっている鳥ポケモンのようですよ。」

 

(炎のトサカって…マジかよ。)

 

 

(鈴仙・優曇華院・イナバ…あった。ボク達は第八試合みたいだね。文字が小さい枠に無理矢理押し込まれてるから見つけやすいや。)

 

「はい、対戦相手は師匠みたいですね。」

 

「私が連れてるのはブースターだからうどんげとシャワーズには不利だけれど…タイプ相性だけがポケモンバトルじゃないのよ?」

 

「ぶーすた!」

 

 

「十二試合目か。対戦相手は…チルノ!?」

 

(ホントか!チルノいつの間にポケモンゲットしてたんだ?えーっと、チルノ…いた!隣にいるんは…嘘だろぉ!?キュレムじゃねえか!)

 

「キュ…キュレム?そんなに強いポケモンなのか?」

 

(強えも何も伝説のポケモンだ!くぅ〜、ワクワクすんなあ!)

 

 

「私達は第三試合みたいね…」

 

(ああ…)

 

「あなたがこういうことで黙っているなんて…妬ましい。」

 

(何故オレがお前と組まされたのかを考えていた。確かに地底で初めて俺に話しかけてきたのはお前だが…)

 

「勇儀はあなたが前に戦ったっていう筋肉まみれのと意気投合したから…ああ、妬ましい…ぱるぱる…」

 

(ったく、面倒くさいやつだ。まあ、優勝はこのオレがいただく!)

 

 

「十六試合目、最後だけれど…リーフィア?」

 

(幽香さん…僕、あんまり戦ったりするのは好きじゃないんだ。)

 

「ええ、知っているけれど…せっかくだから楽しみましょうよ!メディスンも応援に来てくれるみたいだし。」

 

(…わかった。僕、頑張るよ。メディにかっこ悪いとこ見せたくないし、それに幽香さんと一緒ならなんでも出来る気がするんだ!)

 

 

「第十五試合目ですか…対戦相手は洩矢諏訪子のようです。」

 

(そうか。…相手が誰であろうと関係ない。優勝を狙うぞ、妖夢!)

 

 

「第十三試合だってさニンフィア。」

 

(はあ…めんどくさいなあ…村紗、目標はどうする?優勝は無理だよね多分。)

 

「そうだね…ベスト4を狙ってみよう。それならまだ現実的でしょ?」

 

(三連勝か…そうだね、やってみるか!)

 

 

「5分後に赤の第1ステージで第一試合を、青の第2ステージで第二試合を行います。第一試合と第二試合に出場するトレーナーは各ステージへ、そしてその試合が終わってすぐに第三試合と第四試合を行いますのでそれぞれのトレーナーは会場出入口で待機を、それ以外のトレーナーは控え室が用意されていますのでそちらでの待機をお願いします。」

 

幻想郷最強のトレーナーを決める戦いが、今始まる…!




イーブイ(まさかポケモンチャンピオンリーグが幻想郷でも開かれるなんて!)

サンダース(僕達は一回戦じゃ当たらないようになってるみたいだね。)

ブースター(順調に行けば準々決勝は全員俺達で埋まるが…)

シャワーズ(そうはならないだろうね。流石につまらないし、会場にやべーやつも混ざってたし。)

エーフィ(まさかのキュレムだもんなー…ちゅーかチルノのヤツどうやってキュレムと仲良くなったんだ?)

ブラッキー(見間違いでなければ他にも数匹伝説のポケモンがいたぞ…勇儀のヤローはマッシブーンと組みやがったしな。)

リーフィア(とりあえず…初戦だけでも勝ってみせる…!)

グレイシア(行けるところまで行く。正々堂々と戦うだけだ!)

ニンフィア(まあまあ、そう熱くならずに気軽に行こうよ。)

イーブイ(♀)「いぶうっ!」

サンダース(この子も応援してるみたいだね。それじゃあ今日はここまで!)

ブイズ(次回もまた会おうね(な)!)


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