僕と私の未来の覚醒。 (密告です。)
しおりを挟む

僕の人生。

さぁ~て!書くぞ~!
前書きって何書いたらいいんですかね...


第1話

 

僕の人生。

 

 

 

「…つまらない」ボソッと呟いた言葉だった。何の意味も無く言った言葉。どれだけ周りが明るくても自分だけは暗かった。僕は世界に絶望していた。どこに行っても自分の居場所が無かった。学校にも、家にも。ずっと僕は忘れ去られた存在。時折、自分でも生きているのか分からなくなる程に。だけどこの現状が嫌だと感じたことは無かった。いや、僕には感情が無かった。これが自分の人生なんだ。そう思うと全ての感情が何処かへ飛んでいってしまうのだ。時刻は深夜1時。こんな時間に出歩いても誰も怒らない。ふと、空を見上げた。そこには厚い雲が覆った星一つない真っ暗な空だった。だけど僕は目を閉じて想像した。大昔にあったと言われている満天の星空を。僕の人生で一番楽しいことは「想像」だ。人によっては妄想と言うかもしれない。けれど僕は想像するのが楽しかった。頭の中で街を作り、そこを自由に歩く。考えただけで気分が上がる。僕の楽しみはそれしかなかった。少しいや、かなり寂しい奴だがそんなの気にしない。どうせ誰も僕を見ていないんだから。僕は目を開けて時計を見た。もう2時だった。急いで帰って眠らないと、明日がキツイ。なにせ5時起きなのだ。今から寝てもたった3時間しか寝れない。少し溜息をし、そのまま重い腰をあげて家に帰った。

 

 

 

 

_________________________

 

 

朝。頭の中で物凄く五月蝿い音が鳴っている。僅かに布団を持ち上げ、また夢の中に戻ろうとしたが、ハッと目が覚め目覚ましを止め、急いで支度をした。何故こんなに朝が早いのかというと今日は教会に行かないといけないからだ。別に義務づけられている訳ではない。でもあそこは自分にはとても居心地がいい場所なのだ。あそこで住みたいと思ったが流石に教会をマンションにしているところはない。僅か数分で服を着、髪を整え鞄を持って外へ出た。協会につくと数人の人がそこに居た。僕も座り、神父を待つ。待っている間は目を閉じて想像した。すると誰かが隣に座った気配がしたので目を開けてチラッと見る。隣には自分と同じくらいの少女だった。不思議なことに右目に眼帯をしていた。僕は怪我でもしたのかと思い、どんな怪我をしてのだろうと、考えた。しかし、目を開けたままずっと彼女を見つめていたので、彼女は視線に気付きこちらを見た。慌てて目を反らすも、彼女は何かようか?と聞いてきたので反射的に僕は心に思っていたことを口に出した。「僕が見えるの?」と言ってしまった。言った後で僕は幽霊かよ!と自分で突っ込んだ。彼女はゴシゴシ目を擦り、見えるわよ。と、真顔で言われたので誤解を解き、本当は右目の怪我が気になったのだと言った。すると彼女は少し眼帯を触り、小声で猫に引っ掻かれたのだ。と答えた。そしてそれ以上の会話をすることも無く神父が出てきて話を始めた。最初は真面目に聴いていたが次第に眠気と闘わなくてはいけなくなってきた。しばしの闘いの後、眠気が勝利した。そしてそのまま眠ってしまった。気付くと、誰かに揺すられていた。何だと思い、目を開けると揺すっていたのはあの彼女だった。どうしたのかと問うと、自分が眠っていたから起こしてくれたそうだ。肩の辺りが少し痛かったので、かなりの時間を揺すってくれてたんだと察した。周りを見ると皆もうお祈りをしていた。結構な爆睡していたのだと気付き、彼女にお礼を言い、自分も信じてもいない神に祈りを捧げた。お祈りの時間も終わり、皆が三々五々に散っていった時に彼女は何やら神父と話し込んでいた。神父は落ち着いているようだが、彼女は何やら焦っていた。暫く眺めていると、話が終わったらしく彼女は僕の横を通り過ぎ、足早に去っていった。少しボーッとしていると神父がこちらに近づいて来た。神父は少し困った顔で彼女の事を話してくれた。彼女は生まれた時から両親が居なかったこと、新しい家庭にも馴染めず、色んな家にたらい回しにされたこと、学校で苛められていること、他にも色々彼女の辛い人生を聴いたが一番驚いたのは彼女は魔族と人間のハーフだということ。魔族とは300年程前に現れた異形種のことで、どんな種族よりも力があり、時には凄い力を持つ種族もいるようだが、彼らはとても危険だと言われていた。その一つが、魔族以外の者達を攻撃する傾向があるからだった。そのせいで魔族は人間に追われ、いつの間にか何処かへ消えてしまった。おとぎ話でしか聴いたことのない種族と彼女はハーフなのだと思うと、知らずの内に僕は彼女に興味を持っていた。その後、神父は彼女の心は傷ついているから、優しくしてやってくれ。と言われたので僕は素直に了承した。しかし何故僕に言うのかと問うと神父はニコリと微笑み「彼女はあなたが気に入った」からと言った。神父との話も終え、僕は直ぐに学校へ向かった。学校への道のりも僕は彼女のことで頭が一杯だった。次に会った時は、もう少し喋ってみようと、心に決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~僕は気付かなかった。これから始まる僕と彼女の物語を~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




かなり短いな...長くしたいけどネタがないんだよね~。という事で感想、評価、誤字報告受け付けております!次の更新は出来るだけ早めに努力します...


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

人間と魔族。

感想、評価、受け付け中です( ・ㅂ・)و ̑̑



 

 

 

 人間と魔族。

 

 

 

「恐ろしいな…」少女は一人、小さく呟いた。彼女は左手首にある魔族の印を摩った。どうして自分は人間では無いのだろう?もう何度も思ったことだ。生まれた時から両親は居らず、代わりに与えられたのは暴力と苦しみだ。

 沢山の人に育てられ、沢山の人に罵倒され、殴られた。

 

 ―生まれてきてごめんなさい―

 

 

家では殴られ、学校では苛められていた。でも誰も助けてくれなかった。自分が怪物だから。一度担任に相談したが、話も聞いてくれなかった。その日は更に激しく苛められた。何度も死のうと思った。こんな人生、捨ててしまおう…と。だが、出来なかった。自ら生を絶つのが恐いのだ。それに、自分に与えられたし使命もある。それを果たさなくてはならない。数少ない友人達も応援してくれている。だから戦い続けた。何をされても、どんなことを言われてもただ黙って終わるのを待つ。いつしか少女は笑い方を忘れていた。もしかしてら感情すらもうないのかもしれない。今夜も殴られ、悪口雑言罵られた。「お前は怪物だ」「死んでしまえ」「その醜い顔を晒すな」数時間に渡っての拷問も終わり、ようやく解放してもらったが少女の小さな身体はもう虫の息だった。少し動かすだけで激痛が走る。しかしここに居てはまた殴られるので仕方なく、ボロボロの体を起こして自室に向かった。また明日が来ると思うと、少し落ち込んだが直ぐに心が晴れた。明日は教会があるのだ。彼女にとってあそこは唯一の安らぎ場所だった。誰にも白い目を向けられず、暴力も振るわれない場所。早速目覚ましをセットして、あっという間に眠りについた。

 

 

 

 

 _____________________

 

 

 

 

 朝。私は目覚ましが鳴るよりも前に目が覚めた。こんな朝早くに目覚ましが鳴ると、後で何をされるか考えただけで冷や汗がでる。しかし、それでも目覚ましを掛ける理由は一種の危機感というもの。絶対に目覚ましが鳴る前に起きなければ。と思うと自然に脳が起こしてくれる。そうして、物音をたてずに用意をすますと、家を出て足早に教会へ向かった。

 教会に着くと、もうかなりの人が居た。座る席もさほど無く、私は慌てて開いている席に着いた。隣には自分と同じくらいの男がいたが、眠っているのか目を閉じていた。しかし、私が隣に座ると何やら視線を感じ、隣を見ると案の定彼が私を見つめていた。何かようか?と問いかけると、彼は驚いた様に「僕が見えるの?」と、衝撃発言をしてきた。自分は魔族だが、幽霊が見えることはないので驚いて目を擦ったがまだ見えるので「見えるわよ」と答えたら、彼が慌てて意味の分からないことを言っていたが、どうやら彼は生きているらしい。本当は私が付けている眼帯が気になって見つめていたそうだ。私は猫に引っ掻かれたのだ。と、言った。勿論魔族とバレない為の嘘だが、彼は信じたようだ。…意外と馬鹿だな。そう思っていると、神父が出てきて話を始めた。暫く聴いていると隣の彼がまた目を閉じていたので、また寝ているのかと思いそのままほっといた。しかし、彼は祈りの時間になっても起きないので仕方なく揺すって起こそうとしたが、中々起きず諦めかけた時に彼は目を覚ました。どうしたのかと聞いてきたので、貴方が寝ていたので起こしたんだと伝えた。もうお祈りが始まっていたので、彼は大人しく静かに祈りを捧げていた。お祈りの時間が終わったあと、皆が帰る中、私は神父と話をしようと向かった。以前から神父とはよく話、自分が魔族だと言っても、顔色ひとつ変えずいつも通り接してくれた。そんな態度を向けてくれるのは神父だけだった。神父は私が来るのを待っていてくれた。週一で来る私は一週間にあった事全てを話すようになった。その間神父はずっと丁寧に聴いてくれるのだ。

「先週はどうでしたか?」

 彼は優しく問いかけてくれた。私は先週あった事をゆっくり話した。でも、一つだけ言いにくい事があり少し落ち込んでいると、神父はそれに気付きどうしたのかと聞いてきた。私は躊躇したが、やっぱり話してしまった。

「実は、二日程前に母の夢を見たんです。母といっても見たことがないので、それっぽい人ですけど…そして、母が言ったんです。もう直ぐお前の救世主が現れる。近々、ZEROの覚醒が起こる…って」

 神父はいつもの様に優しく微笑んだまま、その夢は覚えていたほうがいい。と、言った。もっといいアイデアをくれるのではと期待していたが、無理だった。しかし、話を聴いてもらったことで少しばかり気が楽になった。時計を見ると、もう直ぐ学校が始まる時間なので急いで行こうと思い、後ろを振り向くとあの少年が遠くでこちらを見ていた。先程までの会話を聞かれているかもと思うと、腹が立ち目も合わせず教会を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ~私は知らなかった。これから始まる私と彼との物語を~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オリジナル小説って書くの難しいですな...次の更新は早めにしようと思います。お楽しみに♪評価ありがとうございました!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

僕の夢。

どうも~密告です~。今回新キャラ登場します~。感想、評価、受け付け中です~。


 

 

第3話

 

僕の夢。

 

学校に到着したが、かなり遅刻してしまった。でも僕はそんな事気にしない。僕が遅刻しようが何しようが誰も気にも留めないからだ。

ガラガラと大きな音を立てて教室のドアを開けるが誰1人僕を見なかった。まるで僕が存在していないかのように振る舞う。疲れるだろ逆に。そう思うが、僕は一人が好きだしもう慣れたので何も言わなかった。そのまま席につき担任の話を聞く。なにやら今年の行事のことや、勉強の辛さ等だ。正直面白くない。どうせ行事なんて観戦してるだけだし勉強はまあまあ出来る。担任の話にも飽きたのでさっき会ったあの少女の事を考える。見た目は他国な感じだった。髪は蜂蜜の様な黄金。目は片目だけだが優しそうな緑。顔は小顔でスタイルも抜群だった。僕のタイプ...ごほんごほん。きっと凄くモテるんだろうなと思う。何にせよ凄く可愛いかったのだ。そんな馬鹿なことを考えていたらチャイムが鳴った。席を立ち教室を出ると沢山の生徒が外に出て友達や恋人と仲良く話していた。暫くボーとしていると後ろから誰かに抱きつかれた。

「おい!今日遅刻しやがったな!何で遅れたんだよ」

僕は返事の代わりに親友である蓮に腹パンをした。蓮はすぐさま飛び退いた。蓮は僕の唯一の親友。つまり僕を無視しない変わり者だ。答えるのが面倒だったので寝過ごしたと言ったが蓮は納得せず僕に詰め寄った。

「おい!隠そうってのか!?お前今日何か良いことでもあったんだろ」

僕は驚いた。自分ではかなりの無表情で感情を読むことなんて難しいと思っていたからだ。何で分かったのか聞いてみると

「ふん!何年お前の親友やってると思っているんだ!」

と、かなり偉そうに言うのでもう一度腹パンをお見舞いした。蓮が痛さに呻いているのを見た後に彼女の事を話した。勿論魔族である事は隠してだ。話終えると蓮は僕を見つめ暫く考え込んでいたが、僕がどうしたのか聞くといつもの蓮に戻った。何を考えていたか分からなかったが別に良いだろう。何せあいつの事だ。考えることなんてたかが知れてる。

授業もいつも通り終わり、蓮とも別れ何事もなく家路についた。だけど僕は何故か胸がモヤモヤしていた。理由は分からないがとても嫌な予感がしたのだ。しかし、考えても分からないので取り敢えず寝ることにした。これが僕の得意技『現実逃避』である。

だが、夢でさえいつもと違った。膨大な数のナイフが迫ってくる。空からは血の雨。人々の悲鳴。僕は辺りを見渡し地面を見た。するとそこにはあの少女の胸にナイフが刺さっていた。血を流し目を見開いて死んでいた。僕は彼女を助けようと手を伸ばしたがその手にはナイフが握られていた。そこで気付いた。彼女を殺したのは僕だと...笑った。まるで自分の声じゃないみたいな気がした。僕は彼女を見つめ笑い狂っていた。

僕は目が覚め、勢い良く布団から起き上がった。まるで100mを全力疾走した後のように息切れがしていた。それに体も震え、激しい嫌悪感に襲われた。ただの夢なのにとても悲しかった。すると何故か涙が零れた。あの夢が何だったのかは分からないが僕は思いっきり泣いた。涙が出なくなるまで泣いた。

 

僕はひたすら思った。彼女に会いたい。名も分からない彼女を守りたい。魔族である彼女を救いたいと...。

 




新キャラ
蓮(れん)登場~。
彼は主人公の唯一の友達です(笑)
かなりのワンコ系男子でして、主のタイプ...ゴホンゴホン。
さて、主人公がみた夢はどういう意味があるのでしょうか~?それは...私にも分かんない(笑)
誤字などあったら報告お願いしますm(_ _)m


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

出会い。

どうも~密告です。今回はかなり長いです。自分の中ではね(笑)これからもっと長く書けたらいいんですけどこれ以上長いと更新ペースが格段に落ちる...今回は視点の切り替えがあります。そして、ちょっとグロイかも...?
ということで~必死に書き上げたこの1話をご覧下さい(笑)


出会い。

 

 

 

それから一週間が過ぎ、教会に行く日になった。僕はかなり早く目覚めちょっとだけワクワクしていた。彼女にあったら何を話そう?彼女が魔族だっていうことを知らない振りをした方がいいのか?彼女はどんな魔族なんだろう?そんな事ばかり考えて教会につくとまだ人はほとんどいなかった。そりゃ、神父さんの話まであと一時間近くあるから居ないのも当然か。と、一人納得する。勿論あの少女も来ておらず 暇な僕は時間潰しに想像する。

けれど始めて早々辞めた。あの悪夢の後想像しようとすると、何故かとても気分が悪くなる。そのせいで想像することが出来なくなった。

一人小さく溜息をつく。あの夢のせいで自分の雄一の暇つぶしが出来なくなったのだ。仕方が無いのでひたすらボーとしていると隣に誰かが座った気がした。チラリと横目で見るとあの少女だった。僕は一瞬心臓がドキッとした。あの夢のことを思い出し、物凄い罪悪感に襲われた。そしてどうやって声を掛けようか考えていたら驚く事に向こうから話しかけて来てくれた。

「ねぇ。あなたこの前も会わなかった?」

「う、うん。会ったよ。あの時は起こしてくれてありがとう」

一瞬言葉が突っかえたがどうでもいい。すると彼女は僕の事をジーと見つめて来たので思わず目を逸らした。顔が真っ赤になっているのが自分でも分かる。このままだと自分の顔が爆発するんじゃないかと思ったので、意を決し彼女を見つめ返して「どうかした?」と、聞こうとしたが、言えなかった。

彼女と目が合った瞬間意識がグラッと揺れた。耳鳴りがし、頭が割れそうな程頭痛が酷い。目の前が真っ赤に染まり、気が狂いそうになる。パッと彼女の方を振り向くと何故かとてつもなく殺意が湧いてきた。彼女を殺したい。ぐちゃぐちゃにして、ただの肉塊と化した彼女を見たいと思った。彼女はびっくりした顔で僕を見ている。何か呟いているが、何を言ったのか聴こえない。次第に意識が朦朧としてきたが、彼女は僕の頭に手を置いた。僕はその手を払い除けて相手の首を絞めたくなったが、僅かばかりの自制心で、震える腕を押さえ付けた。彼女は僕の頭に手を置き、何かを唱え始めた。すると、彼女の手からじんわりと温かさが伝わってきた。そして、徐々に僕の変な現象が無くなっていった。完全に異変が無くなると、彼女は手を頭から離し、少し溜息をついた。

僕は先程の現象に恐怖していた。何故自分は一瞬でも彼女を殺したいと思ったのだろう?それにさっきの異変は何だったのだろう?そんな事を考えていたら、彼女がツンツンと僕をつついた。

「ねえ。大丈夫?凄い汗だけど...」

そう言って僕の来ているシャツを指さす。見ると、まるでさっきまで川に浸かっていたかのようにぐしょ濡れだった。僕は大丈夫だと言ったがまだ彼女は心配そうな顔で見てくる。勿論顔は合わさない。そんな行動に気付いたのか、彼女は少しムスッとした顔で言った。

「ちょっと。どうして私を見ないのよ!」

と、言ってきた。本当の事を言えば怒られそうだが、答えなくても怒られそうだ。という事で嘘を言うことにしたが、あっさり見破られた。嘘をつかれたことで逆にもっと怒らせてしまった。そして、いつまでたっても頑として目を合わせない行動に痺れを切らしたのか彼女は無理矢理僕を引っ張り、かなり強引に目を合わせた。

僕は予想外の出来事と、先程の異変を思い出しビクッと体を震わせ、本能的に目を瞑ったが、何も起きなかった。おかしいと想いつつ僕はそっと目を開けると彼女は僕を見て微笑んでいた。その笑顔はまるで天使のようで、僕は不覚にもドキっとしてしまった。彼女は明るい笑顔で話し続けていた。

「貴方って不思議な人ね。私、貴方みたいな人と出会うのは始めて!ねえ、友達になりましょ?」

友達になろうだなんて初めて言われたので僕は驚いて彼女を見た。当の本人は大真面目なようだが僕は何故友達になりたいのか理由を聞いてみた。

「だって、貴方ってとっても面白いんですもの。貴方といれば楽しい冒険が出来そうな予感がするの。それに...」

ここで彼女は少し目を伏せて言った。

「貴方の周りにあるオーラって私が今まで見てきた中で一番輝いているの」

あまりにも予想外な答えが返ってきたので僕は何も言えなかった。僕の周りのオーラが輝いている?そんな訳ないじゃないか。自分は今まで誰にも存在自体を忘れられていたのだから。チラリと彼女を見やると期待した顔で僕の返事を待っている。僕は断ろうとしたが、少し考えた。そもそも、僕だって彼女ともっと近づきたかったのだ。だったらこの申し出は願ってもない事なんじゃないのか?それに、断らなくても自分にはなんのデメリットもない、逆に断ればそれこそデメリットだらけだ。魔族の友達なんて、作ろうと想っても出来ない事だし...そう考えて僕は彼女と友達になることにした。

彼女は大層嬉しそうで、見ているこっちまで嬉しくなる。早速自己紹介から始める事にした。纏めると、彼女の名前は

『ラミア・フロディ・デス・アルミス』

名前を言うのに苦労していると、彼女はラミアか、アルと呼んでくれ。と言ってくれた。だから僕は彼女の事をラミアと呼ぶことにした。高校は、『聖薔薇女子学園』に通っているそうだ。あそこの学校はお嬢様や、エリートしか入れないと僕の高校でも有名だった。一度は聖薔薇の女子学生と恋人になりたい!というのが我が男子高校生の密かなる夢なのだ。ラミアは現在高校三年生で、もうすぐ卒業らしい。僕と同級生なのか...と心の中で驚いた。彼女はどちらかというと子供っぽい容姿だ。なので最初に見た時は僕より2、3歳年下だろうな。と思っていたのだ。

ラミアは僕に子供っぽいなんて言ったら怒るわよ。という眼を向けていたので敢えて口には出さなかった。殆ど自己紹介も終わり、――どの教科が好きとか、家はどこら辺だとかだ――今度はこっちが自己紹介する番だなと思ったのだが、ラミアはまだ言いたい事があるようで、僕の方をみて口を開くも何も出てこずまた口を閉ざすという動作ばかりしていた。彼女はようやく決心したのか途切れとぎれに少し早口で喋った。

「私ね、まだ貴方に隠している事があるの。あのね、私...貴方達の世界で言う――魔族――なの」

彼女は僕の反応を伺っているようだが、僕は先程のラミアのように優しく微笑んで頷いた。ラミアはそんな反応をする僕に驚いたのか、次々と質問を投げ掛けられた。

 

「何故怖がらないのか?」―勿論怖がったりなんてしない。だって、君は魔族だろうが怪物だろうが、今こうやって僕と話してくれているから―

 

「私は貴方とは違うのよ?」―だから何?僕だって普通の人間じゃないよ―

 

「貴方を襲うかもしれないのに?」―良いよ別に。どうせこの世に未練なんてないし。それに、ラミアみたいな美人に殺されるなら本望だよ―

 

最後のはちょっとかっこつけたが、それを聞いたラミアは顔を真っ赤にして、でもでもとまだ納得していないようだったので、僕は思い切って彼女の手を掴んで目を合わせた。

「大丈夫だよ。僕はラミアを変な目で見たりしないし、怖い事なんて何もしないよ。だから信じてよ」

ここで少し僕は彼女に意地悪したくなった。

「それとも、僕に嫌って欲しいの?ラミアは僕の事嫌いなの?」

彼女は慌てて首をブンブンと横に振った。ラミアはようやく僕を信じてくれたらしい。その後に僕は簡単に自分の自己紹介を済ました。彼女の事をもっと知りたいが、その前にラミアは僕に魔族であることを教えてくれたのだ。僕も本当のことを言う決心をした。

「実はね...ラミアと最初に合った時、『僕の事が見えるの?』

って聴いたよね。あれは、今までの環境のせいなんだ」

 

そう前置きして、僕は語った。彼女は最初は真剣に聴いていたが途中から怒った顔で聴いていた。全て話し終わったると、ラミアは言った。

「そんなのおかしいわ!どうして皆貴方を無視するの?こんなの絶対間違ってる!!」

彼女がかなり怒っているのを見て、僕は不謹慎だと分かっていながらも笑ってしまった。ラミアはそれに気付き、何故なのか聞いてきた。僕は恥ずかしかったが本音をいった。

「実はこうやって誰かに怒って貰うのが初めてでさ。なんか嬉しいんだ。当たり前なのかも知れないけど僕にとっては特別なんだ」

それを聞いたラミアは少し機嫌を治したようだ。それからは二人共他愛もない話をして楽しんだ。話の途中で分かったが、彼女は吸血鬼の魔族らしい。最初聞いた時はびっくりしたが、確かに注意深く観察するとそんなふうに見える。(僕の思い違いかも)

そんなこんなんであっという間に時間が過ぎて、神父がやって来た。いつも通りの話をして、僕達はお祈りをした。協会も終わり、皆三々五々に散って行く中、僕は次の週に会おうと約束していた。ラミアは少し考えた後に快く了承してくれた。僕は軽い足取りで学校へと急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

*****ラミア視点*****

 

私は彼が協会を出た後に一人考えていた。今までしたことがない程頭をフル回転してさっき話したことの情報を纏めていた。彼は私が魔族と知っても顔色一つ変えず受け入れてくれた。前例が無かった訳じゃない。神父だって私を受け入れてくれた。だけど、皆が私を忌み嫌っているのは重々承知の上だったのだ。なのに何故?

でも、彼が歩んできた人生を聞くと、自分を受け入れるのもそこまで抵抗がないのかもしれない。だけどあんなに直ぐ友達になってくれるだなんて...彼の笑顔を思い出し、ラミアは思わず顔が熱くなった。だが、直ぐに元の平常心に戻り、彼の情報を纏める。彼の名前は

『新塚 隼人(しんづか はやと)』

私は彼の事を隼人と呼ぶことにした。一度名前を呼んだが、隼人はとても不思議な表情をしていた。自分と同じ高校三年生で、近くにある『林咲空覇高校』に通っているそうだ。

家族構成は母親、父親、そして妹が一人居るだけとの事だ。正直に言って私は彼の事をあまり知らない。隼人は自分の事を詳しく話さなかったし、あまり話したくなさそうだったからだ。元々彼自身そんなに話すことが無かったのかもしれない。

私は小さく溜息を漏らし、神父の所へと向かった。神父は穏やかに私の話を聴いていたが、珍しく神父から質問してきた。

「先程話していた彼とはどんな関係ですか?」

見ていた事に驚いたが落ち着いて話した。彼との経緯や、どういう関係かを短調に説明した後、いよいよ話の本題に迫った。

「神父さん。私見つけました。彼こそが私の探し求めていた人なんです。彼は****の覚醒の力を持っています」

神父はいつも通り微笑み、そうですか。と繰り返すだけだった。結局何も解決出来ぬまま、ラミアも学校へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

*****視点OFF*****

 

僕は学校に付き、昼休みの休憩で蓮を探した。蓮は自分が見つけるよりも先に僕を見つけ、走って近付いて来た。二人で人気のないベンチに腰掛け、昼食を食べることにした。席に付くと同時に蓮は僕に質問してきた。

「おい。今日は協会の日だろ?彼女と会えたのかよ」

僕は驚いた。蓮はいつも協会の話をすると嫌そうな顔をするのに今日は自分から話題に出すなんて信じられなかった。それほど蓮も彼女の事が気になっていたのだろうか?

僕は少し黙った後に協会であったこと全てを話した。僕が喋っている間、蓮はずっと無言だった。それがなんだか気味が悪かったのだ。一通り話終えると、蓮はまだ一口も手をつけていない弁当を置き、僕と見つめあった。最初は戸惑ったが、蓮の顔は真剣そのものだったので僕は目を反らせなくなった。

「お前、そのラミアって女どう思ってるんだよ?」

質問の意味が分からず、黙っていると蓮はまた質問してきた。

「その女とどうなりたい?付き合いたいとか、キスしたいとかっていう感情はあるのか?」

それを聞いた瞬間僕は驚きのあまりむせてしまった。そして急いで否定した。

「そ、そんな訳ないじゃないか!ぼ、僕はか、彼女と友達でいたいだけだよ!」

この答えを聴いて蓮は少し怒ったように僕に言った。

 

「いいか。あの女は必ずお前に近付いてくる。お前はもう女に近づくな。今でももう危ないのに!」

これを聞いた僕は少し腹が立った。

「なんで蓮にそんな事言われなくちゃならないんだよ!!なんだよ危ないって!?それに、どうして蓮に彼女が会いに来るって分かるんだよ!適当な事を言うなよ!」

そう言って僕は蓮を置いて教室に戻った。あの後から蓮とは話していない。そのまま仲直りも出来ず、家に帰った。少し頭痛がして、イライラしていたので僕は早々に寝てしまった。

 

そして、朝を迎え僕は憂鬱な気分で学校へ行った。蓮が僕に話し掛けようとしたけど僕は敢えて無視した。自分が悪いのは分かっていたが、それでもまだ蓮とは話したくなかった。そして教室につき、先生が入ってきて朝のニュースを告げる。この時僕は直感で嫌な予感がした。そしてその直感は当たっていた。蓮が言っていた事は現実になった。彼女は、ラミアは僕の学校に転校生としてやって来たのだ......。




さてさて、主人公はいったいどうしたいのでしょうか~?そして意味深な言葉を言う蓮君...さらにラミアは一週間も待てずに学校まで追っかけ...物語は急速に進みます~
感想、評価受け付け中です!
誤字などありましたら報告お願いしますm(_ _)m


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

人間の闇。

投稿遅れて申し訳ございませんんん!
今回は鬱要素、そして若干の戦闘シーンがあります。苦手な方はご注意下さい。
今回でストックがなくなったので格段に投稿ペースが落ちます...一ヶ月に1話がいい所かな(笑)
気ままに長く待っていてくれるとありがたいです。


 

 

人間の闇。

 

ラミアが自分の学校に来て早3日。彼女の評判は男女共に最高だった。それもそうだろう、見た目が良いのもあるが性格はもっと良かったのだ。外見はフランス人形のような整った顔でどこか近寄り難い顔立ちだが、彼女はクラスメイト達に積極的に話し掛けて行く。そんな性格が女子には受けが良かったのだ。男子は見た目と性格、それに元『聖薔薇女子学園』の生徒だったことも人気の一つにある。これを聞けば男がどんなに単純かよくわかるだろう。そんな彼女も一番よく話し掛けているのがこの僕だ。どうでもいいことから、言ってはいけないことまで色々僕に話し掛けてくる。しかも人が多い時に限ってだ。まるでここに僕がいる事を皆に知らしめているかのようだ。僕としてはあまり嬉しくないが、彼女がどんなに話しかけても皆は僕を無視するのだ。何か僕の周りに見えないバリアが張ってあるみたいだ。今日もまたラミアは僕に話し掛けてくる。

「おはよ!隼人。昨日の宿題ちゃんとやってる?私5分で終わらせちゃった!今年の行事って何があったっけ?凄く楽しみなんだ~」

とまあ、こんな感じだ。僕は適当に相づちを打っていたが、ラミアは怒った顔をして僕に近付いて来た。しまった!と思い、咄嗟に逃げようとしたが彼女は僕が立ち上がるよりも早く僕の腕を掴んだ。

「ちょっと!!どこ行くのよ!また蓮の所に行くんじゃないでしょうね?隼人ってずっと蓮といるからホモみたいよ。私も隼人の友達なんだから一緒に喋ってよ!」

彼女は僕が蓮の所に行くのをいつも嫌そうにする。何故か聞いてみたがその度に話題を変えられる。多分蓮の性格が嫌いなのかな?おっと、一応言っておくが僕は至ってノーマルだ。これだけは間違えるなよ。

「悪かったよ。でも蓮の所じゃないよ。次の授業体育だろ?着替えなくちゃいけないからさ」

ラミアは思い出したようで、急いで謝ってきたが僕は気にしなくていいと返した。だけど、ラミアはまだしょんぼりしている。今日は彼女の初めての体育だから喜ぶと思っていたのにおかしいなと思いつつ更衣室に行く。最後にチラリとラミアを見たが、彼女は僕と目を合わさず自分の手首を気にしていた。更衣室に入ると先に来ていた男子数名がラミアの事を話していた。

「なあ、ラミアちゃんってさ、すげー美人だよな」「ああ。肌もツルツルで色白だし、性格も明るいし、何よりあのスタイル!まさしくボン・キュッ・ボンじゃねぇか!!」「そんなラミアちゃんの体操服姿...涎もんだぜ」

その二人はまだ話していたが、僕は聞くのを辞めた。これ以上聞けばイライラしそうだからだ。僕が着替えていると、後ろから蓮の声がした。あの日から僕は蓮と喋っていない。何度か仲直りしようとしたが恥ずかしさと、プライドから中々出来ずにいた。

「よっ!お前さっさと着替えろよ?もう始まんぞ」

軽い調子で蓮が僕に話し掛けてくれたお陰で心の中にあった何か重たいものが無くなった。

「分かってるよ。蓮が先に行くからじゃん」

蓮はニヤッと笑って僕の背中をバシバシ叩いた。

「悪かったよ!それにしても、お前って本当に分かりやすいな!」「何がだよ?」

蓮は僕の顔を除きこみ、僕の頬をつねった。

「お前、ラミアのこと好きだろ?」

聞いた瞬間僕の顔が真っ赤になってしまった。蓮はそれを見て爆笑した。

「ぶはははは!!ほんっとに分かり易い!!で?ラミアのどこがいいんだよ?」

僕は思わず蓮を睨んだ。

「す、好きじゃないよ。大体、この前までラミアのことを嫌っていたのになんだよ?蓮はどうして彼女のことが嫌いなの?」

それを聞いた蓮は少し困ったような顔をした。

「それは、教えられねぇんだ。すまないな...いつか時が来れば分かるよ。お前も、彼女もな...」

訳の分からないことを言って、蓮は更衣室を出て行った。

 

 

 

体育の時間になり、皆グランドに集まった。だけど、僕は直ぐに異変に気付いた。女子のラミアに対する態度がおかしいのだ。いつもならラミアの周りは女子でいっぱいなのに、今は皆がラミアを避けているみたいだ。ラミア自身、少し俯いて元気が無さそうだった。僕が不審に思っていると、女子が大きな声で言った。

「ねぇ~!びっくりよね~!どうしてラミアちゃん教えてくれなかったの~?皆知ってた~?」

この声にクラスの皆が集まって行く。僕もついて行く。女子が数名クスクスと笑い、その他はラミアを睨んでいる。

「おい。一体どうしたんだよ?」男子が聞くと、女子の一人がニヤニヤしながら言った。僕は瞬間的にこれ以上は聴きたくないと思ったが、手遅れだった。

 

「あのね~!ラミアちゃんって~実は、魔族なんだって~キャハハハ!」女は言った途端ラミアのお腹を殴った。「本当、な~んで教えてくれなかったの~?私達友達でしょ~?まあ、今はもう違うけどね~!」

そう言って女子数名が彼女を殴りつける。それを見た僕は止めようとするが、何故か体が動かなかった。いくら動かそうとしても、脳が言うことをきかなかった。男達を見ると皆ショックを受けたようだが、誰も止めようとしなかった。数人はラミアの事を軽蔑した目で見下している。ラミアは只ひたすら殴られ続けた。ようやく体育の先生が来た所で皆辞めた。しかし、先生は彼女が殴られているのを見ても見て見ぬ振りだった。皆の行動に僕は激しい憤りを感じていた。いや、もしかしたら絶望していたのかも。今日のこの数十分で、人間の闇を見た気がする。その後の体育は彼女を気にしすぎて僕は集中出来なかった。僕が必死にラミアと目を合わせようとするが、彼女は僕を避けているようだった。

 

 

体育の授業も終わり、更衣室に戻るとまたもや男子が興奮したように話していた。

「マジでびっくりだよな!ラミアが魔族だったなんてさ」「いや、俺は言われても納得できるよ。なんかそんな感じしてたもんな」「まあ、魔族なんて生きてる価値もないゴミだからな。何しても怒られないし、今度ラミア使って色々ストレス発散しようぜ!」

先程までの態度とはガラリと変わっている男達に俺は怒りをぶつけることも無く無言で着替えた。更衣室を出るとそこに蓮がいた。僕は蓮と目を合わせたが、何も言葉が出てこなかった。そんな僕を見た蓮は呆れたように言った。

「なにシケたツラしてるんだよ。お前がそんな顔してたら彼女、もっと元気なくすだろ?」

僕は俯いて拳をギュッと握った

「だって、皆おかしいじゃないか。どうして魔族ってだけであんなに性格が変われるんだ!?同じ生き物なのになんであんなにも残酷になれるんだ!?」

また蓮を怒鳴ってしまったことに気付き、急いで謝った。

「ごめん。お前のせいじゃないのに。八つ当たりしt!」話の途中で蓮にデコピンされ、あまりの痛さによろめいた。

「バーカ。別に謝ることねえだろ?俺だって魔族と人間の差別とか意味わかんねえし嫌いだよ。だから気にすんなって!」

蓮の言葉に何だかとても救われた気がした。僕は照れ隠しに蓮にエルボを食らわせた。蓮は痛いと言っていたが勿論嘘だ。なにせ僕はほとんど力を入れていなかったのだから...。

 

教室に入るとラミアが一人ポツンと机に座っていた。でも僕はそれを見てホッと胸を撫で下ろした。まだ暴力や暴言を吐かれていないだけマシだと思ったのだ。僕はわざと無視している彼女達を睨んだ後、ラミアの所へそっと近づいていった。

「ねぇ。大丈夫?」ラミアは僕の声に気付き、慌て僕から離れようとしたが、僕がラミアの腕を咄嗟に掴んだ。これじゃあ、今朝の逆だな。などと思いながらラミアの肩を掴み向かい合わせにした。

「どうして僕を避けるの?僕はラミアが魔族だって知っているんだよ?それでも友達でいたいのに...あんな奴らと同じじゃないって分かってるんだろ?なのになんで僕を避けるの?」

ラミアは少し抵抗したが、諦め、小さな声で答えた。

 

「だって、私と友達になったら隼人までとばっちりにあっちゃう」

それを聞いて僕は不謹慎にも笑った。

「ラミア。僕はみんなに見えてないんだよ?大丈夫だって。僕は透明人間なんだ。だから誰も僕を虐めたりしないよ」

それでもラミアは頭を横に振り、尚も引かないようだったので最後の手段を放った。

「別に僕は虐められてもいいよ。ラミアと一緒に居れればそれで満足だよ」

言った瞬間後悔した。なにせこれはダメージがでかい。相手に羞恥心をプラスする代わりに自分の羞恥心もプラスされるという、僕の最終奥義だ。両者共に顔を真っ赤にさせながらしばらく見つめ合った。結局ラミアが折れた。僕は内心冷や汗が止まらなかった。

「私ね。前の学校でも虐められていたの...」

突然ラミアが話し出したので慌てて、耳を傾ける。

 

「入学して半年ぐらい経った時に担任にバラされたの。それまで仲良くしてくれてた友達も、皆態度が変わって私を虐めるようになった。でもそれが仕方ないことだって思ってたの。自分が魔族になったのが悪いんだって」

 

僕は思わずそんなことない!と言いたかったが出来なかった。ラミアの表情はどんよりと沈んでいて、胸が締め付けられたのだ。ラミアは淡々と喋っている。

 

「魔族である私を信じてくれたのはあの協会の神父さんだけ。とても楽しくて、週に一度の癒しの時間だったの。だけど隼人と出会ってからもっと楽しくなった!隼人ともっと話したい、一緒に居たいって思ったの」

僕は恥ずかしいと思ったが、ラミアは普通の顔をしていた。そこで自分も言わなければと思いつい口に出してしまった。

「ぼ、僕も!君と出会ってからとっても人生が明るくなったよ!その前まで世界は灰色だったのに君の声を聞いて、君の顔を見たら全てが色付いたんだ!だからさ、笑ってよ。ラミアのそんな姿見たくないよ」

ラミアは優しく微笑んで僕にお礼を言った。心臓が口から出そうだったが彼女の反応を見てホッとした。しばらく二人共黙っていると突然ラミアが明るい声を出して手をパチっと叩いた。

「そうだわ!ねぇ、隼人。私の家に遊びに来ない?隼人ともっとお話したいの」

 

彼女が何を言ったのか理解するまでに僕は5分という時間を要した。

 

 

 

ラミアと別れて僕は溜息をつきながら帰り道を歩いていた。何故僕はラミアの家に呼ばれたんだろうか?その事を蓮に話すと彼はニヤニヤしながら僕の背中を叩き言った。

「そこで決めろよ!怖くて出来なかったって言えばお前は男じゃなくなるぞ!」

その時は何の事か分からないととぼけていたが、本当は意味が分かっている。でも僕達はまだそんな関係じゃないしラミアもそんな事望んでないはずだ......多分。

こんな事ばかり考えていると4人の少年が目に入った。3人が1人の少年を囲み、何やら怒鳴っているようだ。僕は正直どうでも良いと思い通り過ぎようとしたが、ふと今日の体育の授業を思い出した。虐められている彼女を見て僕は何ができた?また僕は逃げるのか?そう思うと怒りが体中から湧いてきた。くるりと向きを変え、少年達に向かっていく。何故か体がとても速く、軽くなった気分だ。一人の男が僕に気付いたらしく仲間に教えている。残りの男達も僕を下卑た目で見た。何故だろう。あんな奴ら3秒でヤれる。何時もの自分だと到底敵わないような相手なのに、今の僕には赤ちゃんのような弱さしか感じない。男は僕に話し掛けてきた。

「おいおい。坊や!何ジロジロみてんだ!?お前もボコられたいのか?」

ふと男達を見ると手をポキポキと鳴らし威嚇している。虐められていた少年は僕に同情や、安心の意味が込められた目で見つめている。僕は余りにも虐めていた少年達が馬鹿らしくなった。上から睨んでくる少年を見、僕は笑った。それに気付いた男はみるみる顔を歪め、僕に怒鳴り散らしている。そして、一際大きい少年が僕に殴りかかって来た。だけど僕は異変に気付いた。

遅い。遅すぎるのだ。まるでスローモーションでも見ているみたいだ。僕はそのまま最小限の動きで向かって来た拳を避けた。避けられた当の本人は力の行き場を失い、ヨロヨロとバランスを崩した。仲間達は僕を睨み、息も出来ない程殴ってやる。などと言って襲い掛かって来た。一人が僕の顔を狙ってきたので、僕はそのまま避け、逆に彼の顔を地面に打ち付けた。この時僕は殆ど力を入れて無かったのに男は頭から血を流していた。そして向かってくる二人には、腹と足を狙っていたので、先ずは足を狙う少年の横に行き、首元を軽くチョップした。すると面白い程綺麗に失神した。腹を狙っていた少年は怖気づき、顔を真っ青にして後ずさった。それを見て僕は嗤った。

何故自分でもこんなに可笑しいのか分からないけれど人が恐怖している顔が余りにも面白かった。そして、僕は無意識に口を開いた。

「どうしたの?ほら、立ちなよ。さっきまであんなに僕を馬鹿にしてたのにもうおしまい?なんて言ってたっけ。息も出来ない程殴ってやる!!...だったっけ?ねぇ...殺ってみなよ」

僕はどうしてこんな事言ったのか分からないが、疑問に思うより先に体が動いた。体が恐怖で震えている少年に向かって人差し指を向けた。僕はニヤリと口を歪めて一言いった。

「バンッ!」言った瞬間少年に向けた人差し指から炎が上がった。僕が驚くよりも先に彼等が声を上げて飛び上がったので、また僕はニヤリと嗤った。

「ね。僕は君達と違って人間じゃないんだ。分かったらとっとと失せな。今すぐ僕の前に消えてくれたら命は許してあげるから」

それを聞いた彼等は慌てて逃げようとしたが、僕はある事に気付き引き止めた。

「ちょっと待て!」僕が言うと少年達はヒッと声を漏らし、ぎこちなくこちらを振り向いた。

「彼を置いて行かないでくれるかな?じゃまだから」

僕が指さす方向を見ると失神した少年が横たわっている。彼等は仲間を担ぎ、一目散に逃げていった。それを見送った後に僕はくるりと振り返り、虐められていた少年に目を向けた。少年は僕を見て僅かに後ずさった。折角助けてあげたのにこんな態度をとられて僕は多少イラッと来たが顔には出さなかった。僕は優しく彼に話しかけた

「大丈夫かい?どこか怪我はしてない?」少年は小さい声で大丈夫だと言い、僕をチラチラ見ている。僕はそんな彼ににっこりと笑った。

「良かった。あとさ、僕のさっきの魔法?かな。あれ、誰にも言わないでね」

少年は頭を縦に振った。まあ、言っても誰も信じないだろが...。彼は気まずそうに僕に質問してきた

「どうして僕を助けてくれたんですか?」彼は僕の反応を伺っている。僕は考えたが、結局正直に話す事にした。

「いや、これと言って理由は無いよ。ただ今日は凄くイライラしてたから何かに八つ当たりしたかったんだ。そしたらたまたま君達が目に入ってね。彼等でストレス発散したわけ」

僕はこれ以上時間を無駄にするのも嫌なので会話を終わらせる事にした。

「じゃあ、僕は帰るよ。もう虐められんなよ」そう言い、早足で家に向かった。実を言うと少年達が逃げるのを見送った瞬間から冷静になり、頭の中がパニックになっていたのだ。なので取り敢えず落ち着きたかった。しかし、そんな彼を見ていた人物がもう一人いた。

ラミアは隼人が急いで家に帰るのを見送っていた。彼を見る彼女の目は期待と不安で輝いていた。ラミアは震える声で言った。

「やっぱり私の目に狂いは無かった。ようやく始まる...***の覚醒が...」

そう言って彼女は音もなく消えていった。




閲覧ありがとうございました~!
感想、評価、誤字報告受付けております。
次の更新は早くて12月になると思います!
お楽しみに...


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

謎の友達。

長らくお待たせしました。えー。約半年ぶりぐらいですかね?
書こうとは思っていたんですが中々やる気が起きず←
今回の放置っぷりは反省しておりますんで次こそはもう少し早く更新出来ることを目標にします(´・ω・`)
追記:タイトルを「謎の出会い。」から「謎の友達。」に変更させて頂きました。さっきみたらもう出会いって他のタイトルに使っちゃってました(汗


閑静な住宅街では皆が寝静まっている。人々がまだ目覚めるには早いと決めつけ深い寝息を立てている頃一人の少年が目覚めていた。隼人は自分のベッドで横になり、ただ呆然と暗闇を見つめていた。しかしその目の先には暗闇ではなく違うものを見ていた。僕は昨日の出来事を遡っていた。結局あの後頭がパニックになったまま寝てしまい、まだ何も解決出来ていなかった。

取り敢えず昨日起こった事を思い出そうと脳をフル回転させている。虐められている少年を助けようと他の者達を殴り倒したのだ。だけどどうして自分が彼らに勝てたのか分からない。いつもなら1分も経たずにノックアウトされている筈なのだがあの時ばかりはまるで自分が世界最強になったかのようだった。しかし、それよりもっと重要なのがこの後だ。二人の少年を殴り倒し残り一人の少年に僕は魔法を使った。あれはもう魔法としか言い様がない。

何せ手から炎とかまともじゃない。炎が出た手を見ても火傷などの怪我は全くない。自分は一体どうなってしまったんだろう?これは夢なのか?夢ならいっそ覚めてくれ。そうやって現実逃避しようとするが、一つの思いつきで現実逃避を辞めた。もし今ここで魔法を使ってみたらどうなるのだろう?その思いが頭を支配し、直ぐに行動に移した。これで魔法が発動しなかったらあれはただの夢だったと結論づけよう。そしていつもと変わらない毎日を送るのだ。そう期待を込め、頭の中で火を灯せ!と必死に念じた。しかし、その期待もあっけなく裏切られた。

 

―――魔法が発動したのだ。

 

指先から小さな火を出しながら暫くボーッとしていたが慌てて我に帰り声にならない悲鳴を上げた。

そのまま5分間火の消し方が分からずあたふたしていたが、ふと頭の中で消えろと念じれば先程まで指先に灯っていた炎が嘘のように消えた。火が消えた瞬間疲れが一気に襲いかかりドサッという音と共にベッドに倒れ込んだ。

まだ日が昇り始めたばかりなので部屋は薄暗い。しかし、僕は部屋を隅々まで見ることが出来た。これはおかしい。何せ僕は、いや昨日の僕ならこんな暗がりでここまで目が見える筈がないのだ。眼鏡をかけなければいけない程悪くはないが、ここまで暗いと流石にこんなにハッキリ見えない筈だ。

暫く部屋の周囲を伺っていると、僕は気づいた。

違う。目が良くなっただけじゃない。人間に備わっている五感全てが圧倒的にパワーアップしている。

まず視覚。これは先程発見したが、まだ少し違和感がある。

そして聴覚。よく耳を澄ませば隣の部屋から妹の寝息が聞こえてくる。何故か盗聴している様な気分になり、少し不快だ。

次に味覚。思い過ごしかも知れないが部屋の中にある空気などに味がある気がする。こんな事言ってる僕がおかしいのだろうか。

さらに触覚。今触っている布団の細かい線維までハッキリと分かる。これは...羽毛か。

そして最後に嗅覚。なんと、隣の家や目の前の家の匂いが分かる。戸締りをしっかりしていても僅かな隙間から匂いが伝わってくる。これだけはただ単に鼻がいいだけじゃ済まない程異常だ。

自分は化け物にでもなってしまったのだろうか...今まさにこの瞬間FBI等に攫われたりしないだろうか。脳内はまたもやパニックに落ちかけ、慌てて気を取り直した。今ここで頭を悩ませるだけじゃ何も変わらない。そう思い、僕は急いで服を着て街に出る準備をしだした。こんな状態で街に行くのは少々危険だと思うが、今体を動かさないと頭がどうにかなりそうだ。前まで運動はそこまで好きじゃなかったのに。これも異変の一つだろうか。まあ、これは悪い気はしない。

足音を忍ばせ外に出た。まだ夜が明ける直前なので少し外は寒い。街に付くとこんな時間なのに人はかなりいる。それもその筈。ここは都会のど真ん中。言わば眠らない街なのだ。そんな人々の足音や笑い声などを聞きながら自分の足が赴くままに進んでいく。次第に人の足音がうるさくなってきた。僕は人が全くいない公園へと足を運んだ。壊れ掛けのブランコに乗り、リズム良く揺らす。すると目の前に人の靴が見えた。何だと思い顔を上げるとそこには綺麗な顔立ちをした男性がいた。しかし、僕はその顔に見惚れる事もせず恐怖に陥った。何故こいつは足音一つ立てなかったのか?僕の5感は人より強い筈だ。それは色んな所で実感出来た。ならばこの男はどうやって?それに匂いも全くしない。普通人間はどんなに若くても体臭はある筈だ。結論は一つ。

こいつは人間じゃない。

僕がそう結論付け一層注意深くなると男はニコッと笑い、僕にお辞儀をした。僕はブランコから降り、相手と距離を取った。そんな態度も気にせず男は美しい声で言った。

「初めまして。新塚殿。早速ですが貴方とお友達になりたくて来ました」

僕が疑問を口にするよりも早く男は僕に近寄り、僕の目を思い切り開いた。逃げようと動いたが男は僕の右腕を掴み全く身動き出来なかった。

なんだこれは。まるで金縛りみたいだ。

しばらくすると男はニヤリと笑い離れた。

「お前一体何なんだよ。人間じゃねぇだろ。それに何で僕の名前を知ってる?」

男は怪しげに微笑み人差し指を口もとに持っていった。

「本当はこの話、内緒なんですが伝えておきます。実は...ある人に頼まれて貴方と顔見知りになっておく様に言われたのです」

「ある人って誰だよ」

男はパチンという音が聞こえるのではと言うほど綺麗なウィンクをした。

「それは...まだ秘密です。おっと!私とした事が自分の自己紹介を忘れていました」

男はお辞儀しながら言った。

「私の名前は『ジャハット・フェンロー』

と申します。貴方の従者であり、友人でもある男です。身長183cm。体重69kg。好きなタイプは貴方です。これからよろしくお願いしますね。隼人君」

最後にサラッとタイプがどうのこうのと言われた気がしたが敢えてここは無視しよう。それより重要なのがこいつの...ジャハットの正体だ。

こいつが俺より強いのなんて当たり前かの様に分かる。ではこいつが今言ってきた友達...の様な関係なると言う申し出は受け取った方がいいのだろうか。いや、断ったら何をされるのか分からない今では断るというのは危険な行為だ。ここは素直に受け取っておこう。

僕はニコッと出来るだけ自然に微笑んだ。

「いいですよ。よろしくお願いします。フェンローさん」

ジャハットは目を細め口から息を吐き出した。

「ありがとう隼人君。でも私の事はジャハットとお呼びください」

そう言ってジャハットは右手を差し出してきた。僕はチラッと彼を見たが相手は何か企んでいるような素振りは全く見せない。少し緊張しながらも僕はジャハットの手を強く握った。数秒の固い握手の後、そのまま手を離した。僕は改めて彼の顔をまじまじと見た。

さらさらの黒髪に切れ長の茶色の瞳。普通の表情は優しげだが怒らせるととても怖そうだ。そして綺麗すぎる歯を並ばせたその口を僕はジーっと見ているとジャハットはクスッと笑った。今自分が少しでもジャハットに見とれていたことを知り、顔から火が出るほど恥ずかしくなった。だけど僕はまだ相手の事を信じきっていない。それは彼も分かっているのだろう。だからこんなことを言ってきたのかも知れない。

「そうですね...お友達になってくれたお礼にどんな質問にも一つお答えしますよ」

それを聞いて僕は大いに迷った。いったい何を聞けばいいのだろうか。ジャハットに聞きたい事は山ほどある。ジャハット自身何者なのか?僕はどうなってしまったんだろうか?どうやったら元に戻れるのだろうか?僕はこれからどうなるのだろうか?等、考えれば考える程疑問がでてくる。頭がグルグルしかけたがようやく質問が決まった。僕は大きく息を吐いて言った。

「貴方が言ったある人って言うのはラミアの事ですよね?」

一瞬の沈黙。その後ジャハットは声を殺して笑っていたが次第に大声で笑い出した。そしてとことん笑った後涙を拭きながら僕に言った。

「いや~隼人君。そんな質問がくるとは思っていませんでしたよ。もっとありきたりな私の正体は何か。とか、自分のこれからの事とか聞いてくるかと...何故その子だと?」

僕は落ち着いた微笑みを浮かべて真っ直ぐジャハットを見つめて言った。

「僕も最初はありきたりな質問をしようとしました。ですが、あなたはそんな質問をしても答えないと思ったんです。何故かは分からないけど、僕はこの直感を信じて見ようと思ったんです」

彼は少し驚いた顔をしたが僕は目線を下にしていたので気づかなかった。

「それと何故ラミアだと思ったかはとても簡単です。彼女以外僕に友達を増やそうとする人なんて他にいないからですよ」

ジャハットは少し空を見上げ何か考え事をしていたが直ぐに視線を戻した。

「お見事です。隼人君。どうやら君は中々面白い人の様だ。ますます興味をそそられるね。だけどそろそろ帰らなくては。長いこと留守にすると心配なんでね。では隼人君、また近いうちに会おう」

そう言うと彼は一瞬で消えてしまった。

僕は一人呆然と立ち尽くして困惑していた。せっかく自分の正体を知れるチャンスがあったのにみすみすそれを逃してしまったのだろうか、という後悔が今になって押し寄せて来たが僕はそれを無理やり断ち切った。こうなってしまってはもう後の祭りだ。ここはいっそプラスに考えよう。取り敢えずジャハットとラミアが繋がっている事は分かった。そうすると彼も魔族である可能性が高い。ラミアが前に言っていたのを思い出した。

『魔族の生き残りはかなりいるの。だけど皆身を潜めているだけ。外に出ればたちまち人間の標的にされるから』

それと魔族以外にももう一つ種類があったと聞いたがどうしても思い出せない。また今度ラミアに聞いてみようと考えが纏まり、ふと時計をみるともう外に出てから三時間程立っていた。僕はそろそろ家に帰ろうと家路についた。




さてさて、またもや新しいキャラが登場です。
蓮「それにしてもジャハットってなにもん?」
密告「いやいや、それはまだ教えられませんよ」
蓮「次はもっと早く更新しろよな」
密告「うっ...。が、がんばります...」


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。