不幸な憲兵が提督に!? (A・Dson)
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プロローグー不幸な憲兵着任す

どうもみなさんおはこんばんにちは。初投稿となります”A・Dson”と申します。学業の合間の息抜きがてらなので不定期かつ亀更新ですがよろしくお願いします。

なお自分はどうあがいてもシリアスにしきれない病なので締める場面はしっかり締めようと思いますができるかわかりません(-_-;)

とりあえずはだらだら進める予定ですのでよろしくお願いします。


ある日、ここ岩川鎮守府に一人の憲兵が着任した。

 

「ここが岩川鎮守府ねえ・・・つかなんで憲兵俺だけなんだ?珍しく無傷でここについたがこんなとこにも不幸がころがってんのかよ」

 

そんなことを一人愚痴る彼、見た目は若く二十代前半で鍛えられた体つきをしている。

腰のホルスターには拳銃があり着任初日ということもあり、軍服もきちんと着ている。

しかし、彼の持ち物には明らかにほかの憲兵とは違うものがあった。

 

「まさか初日からこいつを使う羽目になるとかないよな・・・?」

 

そういいつつ彼は肩に担いでいた槍をいじる。

 

そう槍である。明らかに普通の憲兵が持つものではない。しかも色も朱色と独特である。

 

閑話休題、とりあえず彼は槍を宿舎において提督にあいさつに行くことにした。

 

 

 

鎮守府に入って早速彼は異変を感じ取った。

 

(おかしい・・・人の気配が薄すぎる。周辺もボロボロなうえに修理の一つもされちゃいねえ。なにやらきな臭くなってきたぜ・・・)

と考えながら歩いていると、

 

バキッ!「うおお!?」

 

どうやら床を踏み抜いたらしい。

 

そして、不運の連鎖が唐突に彼に襲い掛かる。

 

「うおおおっ!!なんだなんだ!Gか!?」

 

足に黒光りするアレが大量にくっつき、

 

「きったねえなおい!くそ!離れろっtおわあ!」

 

ひきはがそうとして暴れた結果・・・さらに床を踏み抜き以下ループ・・・・・・

当然床はボロボロである。

 

なんとかGをまいて執務室前に到着した空。この時点で彼の疑念は確証じみたものに変わっていた。

 

(自分で言うのもなんだが・・・あんだけの騒ぎになって誰も出てこねえのは明らかに不自然だ。ったく、初っ端の着任が巷で問題になってるブラック鎮守府とはな。呪うぜ、この不幸体質をよお・・・)

 

そう考えつつ執務室の無駄に豪奢なドアをノックする。

 

「(ちっ、趣味悪い扉だぜ・・・)新しく着任した風林であります。着任のあいさつに参りました!」

 

「・・・入れ」

 

「失礼します。」

 

新人の彼自身でもなぜ気づいたのかはわからないが部屋に入ってまず感じたのは、血の匂いだった。そして赤いカーペットについているシミが違和感を際立たせていた。

 

「(・・・胸糞悪いな)今日から配属された風林 空憲兵大尉であります。」

 

そう言って彼は嫌悪感を隠しつつ敬礼する。

 

「・・・この岩川鎮守府の提督だ。よろしく頼む。」

 

相手も機微は読めないが敬礼を返した。

 

「今日はまだ初日だろうからゆっくりするといい。下がっていいぞ。」

 

「・・・了解いたしました。一つうかがってよろしいでしょうか?」

 

「・・・なんだ」

 

「ずいぶんと人気がなかったのですが今日は休養日などなのでしょうか?」

 

「・・・あれらは今ほとんどが遠征に出ていてね。さびれていたように見えたかね?」

答えた時の提督の眼は人を見るものではなかった。

 

「いえ、そのようなことは・・・」

 

「そもそも、あれは兵器なんだから休みなんぞいらんのさ。代わりだっていくらでもいるしな」

 

「・・・そうですか、では失礼いたします。」

 

部屋を出た空。その眼は・・・冷酷な炎を灯していた。

 

(ずいぶんな言い草だったなおい・・・さすがにキレそうだったぜ。さて、さっさと証拠を洗い出してあの野郎をしょっぴくとするか・・・)

そう考えつつ彼は宿舎への道をあるくのだった・・・

 

(そういやぶち抜いた床どうしよう・・・(-_-;))

 

一方執務室では、

 

「あの男の眼・・・気に入らんな。早いところ片づけるか・・・」

 

そういって彼はこの部屋の中にある隠し部屋へと姿を消した。

 

そこに何があるのかを知るのは今はこの提督ただ一人だった・・・

 

 

 

 

 




さて、初投稿いかがだったでしょうか?

正直文才のなさを痛感してます。
というより、文字数少ないなあ。これから精進します・・・(-_-;)

では気を取り直して、主人公の設定を、

風林 空 (かざばやし うつほ)

年齢 24  陸軍憲兵大尉

岩川鎮守府に新しく着任した憲兵。もともとの不幸体質からしょっちゅう怪我している。
槍術を習得しており大会などには出ていないが相当の腕前を誇る。両親は健在で仲も悪くないが、自身の不幸体質に巻き込みたくないと距離を置いている。関東出身である。

とりあえずはこのあたりで。またおいおい追加する予定です。元ネタが誰かは知っている人ならすぐにわかるかと・・・w

では次回でお会いしましょう! 感想、アドバイスなども募集してます!


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第一話 不幸な憲兵、襲撃される?

みなさんいかがお過ごしでしょうか。
秋イベE4の敵空母に大破撤退を強いられ続けている作者です。
拡張作戦に入ったとたんに難易度が跳ね上がった気がするのは私だけでしょうか(-_-;)

次回か次々回には憲兵編が終わる予定です。
因みにですが作者は艦これ歴半年の丙提督です。ぺーぺーですが頑張ります。
saratogaほしいな~(ボソッ


彼が鎮守府に着任してから一週間がたった。

今日も彼は鳥の糞を頭に食らった、因みにこれが四回目である。彼は今日も宿舎でシャワーを浴びなおすハメになったようだ。

 

着任から一週間が過ぎ、調査も進んでいた。同時に、彼は自身の感じていた予感が現実味を帯びてきたことを実感していた。

体には痣や生傷が絶えず、まともな補給がされてないのか異様に痩せている艦娘が多い。

また前者には明らかに人によってつけられたものもある。

彼もそれをほおっておくわけもなく提督に確認したものの、

 

「はて、なんのことだか。君があけた穴にでも引っかかったのではないかね?修繕費は給料から天引きするように本営にも伝えた。さて、ほかに用がないなら下がり給え。」

と厭味ったらしく追い返されてしまった。

 

とはいえただで引き下がるほど彼は諦めが良いわけではない。根気強く調査を重ね少しづつ核心に近づきつつあった。最も・・・

 

「どうも、嬢ちゃんたち。少しばかりききたいことがあるんだg・・・」

 

「こ、来ないでほしいのです!」「私たちにまで何かする気!」「死にたいのかい?」

と、第六駆逐隊には主砲を向けられ逃げ帰ったりしたが。他の艦娘たちも似たような対応で、肝心の証言がなかなか取れなかった。

 

憲兵宿舎

「憲兵相手にもあの反応かよ・・・男が信用ならないのか、「憲兵」そのものを信じてないのかわかんねえが、もう少しで陸軍への報告書も完成する。そうすりゃ、強制捜査にも踏み切れるはずだ。」

(・・・鎮守府の艦娘の表と実態もおそらくはあってねえし、事実、資材報告や戦果報告もでたらめときてる。こりゃ上にこういうことを黙認したり、摘発を握りつぶしてるやつがいるな・・・)

例を示すと、この鎮守府には暁型三番艦の「雷」が着任しているはずだが、一週間たっても姿を見ない。さらに資材、戦果の水増しも盛んに行われておりかつ黙認されている。

 

「さっさと俺一人でやれば終わりなんだがなあ・・・書類とか報告書出すのはめんどいから苦手なんだよ。」

と、

prrrrrrr・・・

携帯が鳴った。

 

「はい、風林です。・・・なんだ日宮か、どうした?・・・そうかい、わかった。明日には報告書を送る。明後日には強制捜査できるだろうよ。・・・は?戻ってこい?・・・少なくとも、目の前のことから逃げる気にはなれねえよ。なあに心配はいらねえ。生き残ることに関しては自信がある。じゃあな。」

 

一方の陸軍本営

 

日宮「ちょっと空先輩!?・・・切っちゃったよ。あの人も頑固だなあ・・・」

??「どうした日宮?風林のことか?」

日宮「そうなんですよデイル先輩。せっかく人がアドバイスしてるのにあの人は・・・!!」

デイル「ふっ、あいつらしいじゃないか。ただ、あの鎮守府だからな、報告書が来たらすぐ動けるように部隊を編制しておけ。頼むぞ、日宮憲兵中尉。」

日宮「・・・了解です、デイル憲兵大尉。」

 

場所は戻り憲兵宿舎

(「前の憲兵は懐柔された上に口封じされた・・・」ねえ。道理で信用が無いわけだ。はあ、めんどくさくなってきやがった。)

そう考えつつ報告書の作成に取り掛かろうとした次の瞬間、

 

宿舎が爆風に包まれた。

宿舎は木造のため引火し燃え落ちていく。

そしてそれを見る人影が一つ・・・

 

「これで・・・お姉さまが助かるんだ・・・ごめんなさい、憲兵さん。」

 

そう言葉を残して人影はその場を去った。

 

 

数十分後・・・

「・・・くそったれ。書類が全部焼けちまったじゃねーか。」

無傷ではなくあちこちに火傷や切り傷が見えるが、彼は生きていた。

 

(・・・あの威力から見るに、重巡洋艦以上の砲撃だな。ったく、ここまで信用がないときてるのか、はたまた上が口封じにかかってるかわかんねえが・・・ついてないぜ。)

 

宿舎は消火も済んで黒い煙がわずかに立ち上るだけの焼け跡になっていた。

 

「さてさて、なんか残ってないかなっと・・・おっ、こいつは焼けてなかったか。俺と一緒で悪運だけはいいらしい。」

焼け跡から自身の槍を引っ張り出し、彼は報告しに執務室へ向かった。

 

途中何人かの艦娘に心配そうな感じで見られたがとりあえず執務室で報告を済ませた。

 

「・・・そうか、それは災難だったな。原因は現在調査中だ。とりあえずは此処の部屋を使いたまえ。下がっていいぞ。」

 

「感謝いたします。では失礼しました。」

(・・・キレてる表情が隠しきれてなかった、つーことは口封じねらいか。やれやれ、不幸体質はなかなか消えないねえ・・・)

 

 

執務室内

 

「・・・・・・比叡め。しくじったか。まあいい、これで書類は焼けただろう。時間稼ぎにはなった。その間にあいつを消せばいい。」

そしてマイクを入れ、

 

「戦艦比叡、執務室まで出頭せよ。」

 

(さて・・・あれはどんな顔をするかな・・・)

 

 

 

その後比叡が部屋から出てきたのを見たものはいない・・・

 

 

 




さて、いかがだったでしょうか?
なんか無駄にヘビーな話になっている気がしますが・・・(-_-;)
エピローグ含め次々回までには憲兵編が終わると思います。
それ以降は提督編を進める形になります。

なんか主人公の不幸度合が足りないような気もしますが文才のなさです許してください何でもはしません( ー`дー´)

ではまた次回でお会いしましょう!


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第二話 不幸な憲兵激昂す!?

どうもみなさん、いかがお過ごしでしょうか?
E4輸送面を完走して、空母棲姫を吹っ飛ばしにかかってる作者です。

感想来ました!ありがとうございます!!
早速返信しようと思います。
HEBIさん
そうですね、いつの間にやら無駄にヘヴィーなお話になってしまいました(-_-;)
比叡は作者の艦隊でも初の戦艦でトップクラスの練度なので心が痛いです(´;ω;`)
もう一つについては、読めばわかるかと・・・

あとがきで、前回登場した陸軍の二人を簡単に紹介します。

では続きをどうぞ!!


宿舎砲撃事件の日の夜、空は着任日からやっている見回りをしていた。

 

(俺の予想が正しければ今日、何かが起こる・・・)

 

彼は見た目からすればガサツな人間に見えるがその実頭の回転もそこまで悪くはない。

彼は、「俺を殺せなかったストレスをあの提督がため込む」とは思えなかった。

事実、あの事件後に戦艦比叡が呼び出されてそれ以降姿が見えない。

 

パラパラ・・・

(っ!!そら来た!!だが・・・場所はどこだ!?)

僅かだが鎮守府が揺れた。それに加え、彼の耳はほんのわずかではあったが、砲撃音を捉えていた。

しかしそれをもってしても、場所が把握しきれない。

 

(考えろ・・・!!懐柔したとしてもそのあとに口封じをするような奴だ、性格は割とビビりなはずだ・・・そんなやつが何かを隠すとしたらどこだ?・・・自分の部屋のように安心できる場所・・・・・・執務室か!!)

考えをまとめ、彼は執務室へ向かって走り出した。

 

~~~~~~~~~~十数分前(視点が変わります)~~~~~~~~

 

私・・・比叡は、今牢獄にいる。

 

艤装も服もボロボロだ・・・体の節々も痛い・・・

 

・・・原因は私にある。金剛お姉さまのためとはいえ、あの憲兵さんを殺そうとした。そして殺し損ねた。無実の人を殺そうとしたばちが当たったのかもしれない。

あいつは私にこう言った

 

「あの憲兵を始末すれば、貴様の姉妹艦を・・・金剛お姉さまとやらを助けてやろう」

って。

 

そのためと言われ、弾薬を補給してもらった。これであいつを始末するよう言われた。

でも、私は弾薬を一発分多く取った。何かあった時のために・・・だから・・・ここであいつを、あの提督を殺そう。そうすれば、お姉さまはまだ助かるかもしれない・・・!

幸いなことに手錠は無い。牢獄で撃つからには自分もただでは済まないだろうし、直撃もしない。でも、あいつは人間だ。爆風でも殺すには十分のはず・・・

 

コツ...コツ...コツ...

来た・・・!

 

「やあ比叡、気分は・・・」

 

ドゴオオオオオオン!!

 

爆風が襲い掛かる。でも自分は艦娘だ、ボロボロとはいえこの程度では死なない。

でもこれで・・・!!

 

 

 

 

 

「・・・それで?私が死んだかと思ったかね?比叡。」

 

うそ・・・なんで・・・?確かに爆風に飲まれたはず・・・!!

 

「よくできていただろう?あれは試作品のデコイでね、実験への協力感謝するよ。そもそもだ、私が一発分余計な弾薬を取ったことに気づかないとでも思ったかね?甘い、実に甘い。私はそこまで慢心するような人間ではない。お前たちは兵器だ。いつ暴発するかわからないようなものだ、管理はきっちりしなければな。」

 

「あれが・・・管理といえるのか・・・!!」

 

「言えるとも、弾を込め、使いつぶして捨てる、同じことだ、この銃と一緒でな。」

そういってあいつは銃を向けてきた。

 

「確かに艦娘というのは頑丈だ。こんな銃弾では死にはしないだろう。だが・・・それは万全ならの話だ。ここまでのダメージを受けた上に、脳に銃弾を受けて果たして君は耐えられるかね?」

 

答えは・・・否だ。いくら艦娘といえども頭部へのダメージは致命傷足りうる。万全ならまだわからないが、今の状態で食らえば間違いなく死ぬだろう。

 

「試させてもらおうか。その手の実験はまだしてなくてね。あそこであの憲兵を始末できれば良かったものを、できなかったのならお前はもう用済みだ。次は他の奴らに姉妹艦を盾にしてやらせればいい。お前は他の姉妹艦よりも先に沈むといい。」

 

・・・良かった。まだ、金剛お姉さまは生きている。なら、私は・・・・・・

 

タァンッ・・・!!

 

 

~~~~~~~~視点を戻します~~~~~~~~

 

執務室内

 

「ここだ、ここに何かがあるはずだ。」

くまなく探すがそれらしきものは見つからない、焦りだけが募る。

 

(くそっ、あれ以降揺れはない。ということは、唯一あった夜間演習の線も無い。確実に何かが起きている・・・!!急げ・・・手遅れになる前に・・・!)

焦りが注意散漫を生み、棚に足をぶつけてしまう。

 

「いってえ!?・・・ん?レール・・・!?ここか!!」

急いで棚を押す。しかし動力なのかなかなか動かない。

 

「くそっ!!めんどくせえっ!!」

持ってきた朱槍で棚を解体する。

その先には、無機質な扉があった。

「ビンゴだ、急がねえと!」

 

扉を開け先に進む、そこは・・・

 

「おいおい・・・マジかよ・・・こいつは・・・」

 

そこにあったのは・・・牢獄だった。中には艦娘がいる。誰もがひどいありさまだ。中には四肢が一部欠損していたり、薬物を打たれたような痕跡もあった。

 

(そうか、そういうことかよ・・・艦娘を実験体にしてやがったなあの野郎!!)

 

奥で話し声が聞こえる、彼は牢内の艦娘たちに懺悔しながら先を急いだ。

 

そして・・・

(見つけた・・・!!銃を向けてやがる!射撃は苦手だがうだうだ言ってらんねえ!!)

 

ホルスターから銃を抜き発砲する。

 

タァンッ・・・!!

 

「ぐうっ!?貴様・・・!!」

 

「ようやく見つけたぜ、ずいぶんと派手にやったみてえだなおいっ!!」

 

「・・・兵器をどうしようと私の、提督の勝手ではないかね?」

 

「そういうてめえは提督以前に人でなしだろうが!!あぁっ!?」

 

「・・・ずいぶんと余裕ぶってるが私はまだ銃を持っている。最も足には当たったがね。」

実は彼、銃を弾き飛ばそうとしたが足が微妙に滑り狙いがそれてしまったのだ。最も、何とか足に当てているあたりはさすがだが。

 

「ちっ・・・!」

 

「さあ、彼女を助けたければその銃と槍を捨ててもらおうか。」

 

「・・・・・・ほらよ」

彼は槍と銃を投げ捨てた。

 

「そんな・・・なんでですか憲兵さん!?私は・・・あなたを・・・!!」

 

「・・・本当に殺したかったわけじゃねえんだろ?しゃあねえさ。」

 

「そんな・・・私のせいで・・・また・・・」

 

「ふん、話はそこまでだ。他の奴らにやらせる手間が省けたよ。自分で始末をつけることほど確実なことは無い。」

 

「・・・はっ、やってみろよ。言っとくが、俺は動ければ即座にお前を捕らえるからな」

 

「ふん、動ければ・・・な、」

 

「や、やめてえええええええっ!!」

 

カチッ・・・

 

「ジャムだと!?」

 

(今だ!!)

 

即座に前進して動きを止めるために近くにあった槍を提督の足を狙って投げた。

 

 

 

のちに彼はこう語る、

「いや~なんであの時素手で取り押さえに行かなかったんかねえ・・・」

 

彼は確かに足を狙った。しかし彼が次に見た光景は・・・

 

 

 

・・・・・・心臓を貫かれ息絶えた提督の姿だった。

 




いかがだったでしょうか?

次回は憲兵編エピローグです。
やっぱり悪運A+ですな(白目)

では、前書きにもあったように、陸軍の二人を紹介します。

日宮 楓 (ひのみや かえで)

年齢23    陸軍憲兵中尉
空の一つ後輩で陸軍では珍しい女性憲兵。空によく引っ張りまわされる苦労人。彼が岩川鎮守府に着任したときは、「これで引っ張りまわされなくて済むわ~」とか言ってたがその後の飲み会で酔ったはずみでさみしいことを暴露、まさかのツンデレ枠だと判明した。空と同じく関東出身。

デイル・フェルグス

年齢24    陸軍憲兵大尉
空の同期で親友。彼もまた槍を使い腕前は空とほぼ互角。空とは海外(日本)での研修で出会った。海外出身だが、研修後日本へ留まり空と共に陸軍に入隊した。既婚者であり、休日には妻のグラニアと仲睦まじい姿を見ることができる。

こんなところでしょうか。憲兵の一人はモチーフがバレバレな件について(笑)

ではまた次回でお会いしましょう!!


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第三話 不幸な憲兵、提督として着任す。

皆さんいかがお過ごしでしょうか?

未だに空母棲姫と6対12の戦いを繰り広げている作者です。
今回で憲兵編は終了の予定です。もしかしたら過去編を書くかもしれませんが・・・
感想もありがとうございます!では返信を・・・

只野 案山子さん
やっぱりわかる人にはわかりますよね、気分を害してしまったのなら申し訳ありません。ですが、楓は完全オリジナルです。強いて言うなら、作者がパワプロで作った選手からとってます。他のキャラについては、感想の通りでございます。
蛇足ですが・・・もしかしてコマンドーがお好きですか?

では、投稿します!!


「さて、風林憲兵大尉。何か申し開きすることは無いかね?」

 

「・・・・・・ありません。」

 

「よろしい。では、処分を伝える・・・」

 

~~~~~数日前~~~~~

「・・・嘘だろ?俺は確かに足を狙ったはずだ・・・」

目の前には物言わぬ提督の骸が横たわっている。

 

「・・・ああくそっ!!うじうじしててもしょうがねえ!!比叡っつったな、手伝え!この部屋にいる奴らを解放する!」

「は、はいっ!!・・・痛っ・・・」

「っと・・・すまねえ。先に服とか艤装とか直してからで頼む。」

「はいっ・・・ってどこみてるんですか!」

「悪い悪い、俺もちょいとばかし動揺しててな・・・」

 

その後高速修復材を使って戻ってきた比叡と共にとらわれていた艦娘を救出して医務室に送った。

 

 

その後空は海軍、陸軍に連絡して事態を報告した。

 

しかし・・・

「だから、ここの提督が艦娘たちを散々な目に合わせてたから介入してその・・・あれだ・・・ちょっとした事故があってな・・・」

「ほう?そのような報告は聞いていないが。なら、報告書の下書きでもあるのかね?」

「それは・・・その・・・宿舎が火事になって・・・」

「ないんだな。では一度本営に来てもらおう。急げ!」

「いってえな!ほらっ、急げばいいんだろ?」

報告書の焼失もあり、本営に連行されてしまった。

 

海軍本営

「・・・君が風林君か?」

本営に連行された夜、一人の男が空の元を訪れた。

「あぁ?誰だてめえ。」

「・・・その眼、実にいいな。俺は黒木 翔(くろき かける)。海軍少将の提督だ。」

「ほう?海軍少将様がおともひとり連れずどうしました?」

「とりあえず君に現状を伝えようと思ってね。まず一つ、君がいた鎮守府が俗にいうブラック鎮守府であることが艦娘の証言や周囲の状況から明らかになった。二つ目、君が救った艦娘たちは少しの間療養が必要だが一部の艦娘を除けば問題なく復帰できるはずだ。三つ目、君の行った提督殺害は越権行為とされ明日軍法会議が開かれることになった。」

艦娘たちがなんとか助かったことに安堵しつつ質問する。

「・・・で、俺はどうなる、銃殺刑か?」

「ハハハ、そんなわけないだろう。越権行為とはいえ非常事態だ。そこまで重い罰は無い。軍法会議だって形だけさ。・・・ところで、頼みがある。」

柔和な表情を浮かべていた顔が突如として真剣味を帯びる。

「・・・なんだ。」

 

「我々に力を貸してほしい。」

「・・・どういうこった。」

「俺たち海軍が裏では”穏健派”と”急進派”に分裂してることは知ってるか?」

「・・・初耳だが、予想はしてた。」

「穏健派は艦娘と共存し共に深海棲艦を撃滅ないし撃退しようと考えている。一方の急進派はどんな手を使ってでも可及的速やかに深海棲艦を滅ぼそうと考えている。俺は穏健派の人間でな、急進派のやり方をどうにかしたいと思ってる。だが内側だけで止めるのは難しい。なぜだかわかるか?」

「裏で糸引いて、いろいろやるやつがいるからだろ。」

「そうだ、君は見た目に似合わず頭の回転が速いな。」

「余計なお世話だ。」

「だからこそ、君を含む陸軍の力が必要になる。よろしく頼むよ。」

「・・・俺は職務を全うするだけだ。」

空は一言で返した。黒木はそれに納得したのか敬礼をして出て行った。

「・・・さて、どうなるのかねえ。」

 

翌日、軍法会議。

 

「さて、風林憲兵大尉。何か申し開きすることは無いかね?」

 

「・・・・・・ありません。」

 

「よろしい。では、処分を伝える。貴殿は違法行為を行った提督を殺害したことは問題だが非常事態であったことを鑑みて不問とし、岩川鎮守府へ提督として着任することを命ず。なお、任期は後任の提督が着任するまでの期間とする。これにて閉廷とする。」

 

・・・どうやら事態がややこしくなってきたようである。

 

釈放された後、彼はすぐに自分の上司に連絡を取った。

「おい!!どういうことだ!?なんで俺が提督になることになってんだよ!」

「・・・すまない。ちょうど陸軍内部でスキャンダルがあってそれを海軍にかぎつけられてしまってな。君を身代わりにしてしまった。本当にすまない・・・!」

「・・・ってことは俺はこれから海軍所属になるってことか・・・?」

「・・・そういうことになる。こうなってしまった以上何が起きるかわからない。監査の憲兵もえりすぐりの奴を送る。後任が見つかるまでの間だ。すまないがよろしく頼む。」

「・・・はあ、わかりましたよ。どうせすぐに変わるでしょうからね。では、お世話になりました・・・」

pi!

(さて・・・飼い殺す気かどうかは知らねえが、その判断、後悔しても知らねえぜ、海軍急進派さんよお・・・!)

 

決意を新たにしつつ、彼は岩川鎮守府へと向かっていった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

海軍本部のある一室

 

「執務お疲れ様です、ところで・・・あの憲兵はよろしいのですか?まして提督にするなど・・・」

「問題ない。陸軍管轄でいろいろと嗅ぎまわられるぐらいならこっちで手綱を握ったほうがいい。」

「・・・果たしてそううまくいくのでしょうか?」

「なに、所詮は陸軍の犬だ。躾ければおとなしくなるだろう。」

「そうですか、では失礼します。」

 

「・・・さて、穏健派勢力を抑えるのもそうだが、まずは陸軍の犬を躾けなければならんな・・・」

 

そういって男は執務を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
これにて憲兵編は終了となります。なんか話が急展開過ぎたりこじつけすぎましたかね・・・?
なにはともあれ、これからも精進してまいりますのでよろしくお願いします。

次回から提督編に入ります。
むしろこっちがメインです
もともと岩川にいた艦娘も何人かは途中から復帰する予定です。お楽しみに!
最も、あれだけの仕打ちを受けてただで復帰するとは思えませんがね・・・(-_-;)


ではまた次回の投稿でお会いしましょう!


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提督編の前に 世界観、人物設定

今回、様々なご指摘を受けましたので世界観設定を簡単にまとめてみました。

独自設定ましましですが、生暖かい目でスルーしていただけると助かります。
どうしても、「こんなくそ設定は無いわ」という方は感想欄にご意見をお願いします。

ではどうぞ!


世界観について。

時代は現代。深海棲艦の出現によってシーレーンは断たれ、空路も非常に不安定になってしまった。資源難に陥った世界は衰退の一途をたどる。

そんな中、深海棲艦に対抗できる「艦娘」の存在ががけっぷちの世界を救った。

彼女たちと彼女たちを指揮する海軍の提督によって何とか自国の領土防衛に関しては安定させた上に戦線をある程度押し返すことに成功する。しかし、海軍はこの功績に増長し、権力を巨大化させメディアなどを掌握。少しづつ腐敗が目立つようになっていき、艦娘への扱いも悪化していった。これらを危惧した陸軍は憲兵隊を組織したが、焼け石に水であり、挙句の果てに懐柔される者も出ていた。そんな事態が横行しているものの、深海棲艦との戦いは少しずつ優勢に立ちつつあった・・・

 

あらすじみたいな感じですが世界観はこんな感じです

次に海軍について、

現在の海軍は「穏健派」と「急進派」に分裂している。

詳細については第三話をご参照ください。なお、汚職の大半は急進派の物です。

空の提督殺害は急進派の隠ぺい工作によって提督の事故死という形にされている。(調べた結果で岩川の実態がばれることを恐れた)

そして、ブラック提督を(死んでいるが)摘発し、かつ優秀な人材と判断したので陸軍と「お話」して陸軍を免職させたうえで海軍に引き抜き、昇格させたと、表向きはそうなっている。実際は飼い殺す気のようだが・・・

以前は急進派が優勢だったが、現在は穏健派のほうが戦果を挙げており発言力が強い。

現在の登場人物

黒木 翔 (くろき かける)

年齢30 海軍少将

第三話で登場した穏健派の提督。確かな戦術眼を持っており、少将ながら注目を集めている提督の一人である。戦艦長門とケッコンカッコカリしている。早いうちから空を含めた陸軍に協力を頼むなど急進派の排除に力を入れている。

見ためは、DMC3のバージルの黒髪版?

 

陸軍

海軍と共に深海棲艦殲滅に参加するも海軍がほとんどの功績を持っていってしまったこともあり、発言力および権力を大きく低下させてしまった。海軍の腐敗を抑える目的で憲兵隊を編成、各鎮守府や本営に派遣するが、焼け石に水であった。つい先日にスキャンダルが発覚し海軍にかぎつけられ、この件を握りつぶす代わりに空を免職せざるを得なくなった。

 

艦娘

太平洋戦争までの軍艦および搭乗員の魂が人型になったもの。一般的に、「肉体」、「魂」、「精神」の三要素で構成されている。後述の妖精が、魂をサルベージすることで建造が行われる。常人よりも魂、精神が占める要素が強いため肉体の損傷に比較的強い。が、同時に精神的なコンディションに状態が大きく左右される。そのため本来はトラウマ(夜戦や機雷、水爆など)を想起してしまうようなことはできる限り避けるべきなのだが・・・

現状は深海棲艦に対して唯一の対抗手段となっている。また、沈んだ艦娘がどうなるのかはまだ定かではない。一説では深海棲艦になるという説もあるようだが・・・

 

妖精

ひとくくりに妖精と言っても色々な妖精がいる。また、どの妖精にも付喪神的要素があり、鎮守府内の妖精は大戦期の整備士なのではないかという説もあるが定かではない。ただ、人間に力を貸してくれていることに変わりはなく工廠に食堂と幅広く助けてくれる。どうやら甘いものが好きなようだ。

また、本人は気づいてないが、空の槍にも妖精がいるらしい。

 

 

 

 




今のところはこんなところでしょうか。

まだ聞きたいことがあったり、ここがわかりづらいなどという点があれば、感想欄にお願いします。返信、またはこの話に追記の形で回答を掲載しようと思います。

では、次回の投稿でお会いしましょう!


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第四話 不幸な提督、鎮守府に着任す。

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
E4を突破したもののE5の難易度の高さに豆腐メンタルが現在進行形で崩されている作者です。
ヲ級改flagがトラウマになりそうです(-_-;)
予想以上に時間が空いたので投稿します。

82式指揮通信車さんからのご指摘がありましたので内容を一部変更しました。
作者は軍事系統の知識が薄いためこれからも問題が出てくると思います。そういったものを見つけた場合は生暖かい目でスルーするか感想欄でのご指摘をお願いいたします。

では投稿します!


岩川鎮守府へ向かう空。その手には辞令の書類が握られていた。

 

「はぁ・・・陸軍を首にしてまでこっちに引き込んでくるとはなぁ。俺、そんなにすごいことした覚えはないんだがな・・・」

 

そう言いつつ、階級章に目を向ける。

「しかも少佐って・・・昇格してるし。飼い殺す気の人間にやることかよ・・・。」

最も、少佐の前に「新米」がつくが。

 

「・・・考えても始まらねえか。さっさと後任に後を託して陸軍に戻りたいぜ・・・まあ、戻れるかどうかもわかりゃあしねえがな。ったく、ついてねえぜ。」

 

岩川鎮守府まで、あとわずか。

 

 

~~~~~数十分後~~~~~

 

「・・・ここに来るのも久しぶりだな。」

書類によると、もともとここにいた艦娘の大半は現在精神療養中らしく復帰まではしばらくかかるとのことである。また、代理ではあるが新規着任ということで初期艦の艦娘を派遣しているとのことである。

 

「お?あれか・・・初期艦ってのは?」

鎮守府正門に一人の艦娘が立っていた。

 

「あんたが司令官ね。私は特型駆逐艦の叢雲。ま、せいぜい頑張りなさい?」

 

「お、おう。俺は風林 空だ。陸軍からの出向みたいなもんであんまり乗り気じゃねえんだが、お前たちを無茶して沈めさせたりする気はないからよろしく頼むわ。」

 

「乗り気じゃないって・・・あんた、酸素魚雷をくらいたいのかしら?」

 

「おっと、気を悪くしたら済まねえな。乗り気じゃないとはいったが、真面目にやるからよ。」

 

「ふん、まあいいわ。さっさと行くわよ。いろいろやらなきゃいけないこともあるしね。」

 

「おーけー、それじゃあ、提督業、始めますか!」

 

そういって彼は鎮守府に入っていった。

 

その後、門が無機質な音を立て閉じられた。

 

 

 

~~~~~一時間後~~~~~

 

「」死ーん

 

「ちょっとあんた!!まだ一時間しか経ってないじゃない!へたばるの早すぎない!?」

 

「だから~、俺は陸軍出身だからこういうのわかんねえんだよ。なんだよ、資材搬入とか食料以外にも種類があるし、つーかボーキサイトってなんだよ。そんなん知らねえぞ。」

 

「・・・・・・はあ。私もついてないわね。いい、ボーキサイトっていうのは・・・」

 

「ほお~、航空機とかの原料にね・・・」

 

~~~~~さらに二時間後~~~~~

「お、終わったぜ・・・」真っ白

「お疲れ様、って言いたいところだけど、明日からはもっと書類が増えるわよ?」

「・・・・・・」

「・・・返事がない。ただの屍のようね。ほら、起きなさい!」

「おう・・・現実逃避してたわ。」

「ほら、しっかりしなさい。さもないと酸素魚雷をくらわせるわよ?」

「はいはい、わーったよ。で、次は何をするんだ?」

「次は、装備の開発をしましょうか。とりあえず全部の資材を最低値で工廠の妖精さんに渡してきなさい。」

「妖精?そんなのいんのか・・・」

「・・・あんたまさか妖精の存在も知らなかったの・・・?」

「・・・おう。」

「呆れた・・・いい?妖精っていうのは・・・」

「なるほどね。そんじゃ叢雲は茶でも飲んで休んでてくれ。じゃ、行ってくるわ」

 

~~~~~工廠~~~~~

「おーい、妖精さん」

「ナンデスカ?」

「これで装備開発頼むわ。」

「(`・ω・´)ゞ」

 

その後・・・・・・

「b」

「お、出来たか・・・ってこれドラム缶じゃねーか。いらね。廃棄で。」

「(´;ω;`)」

「いや、お前を責めてるわけじゃねえんだ。ありがとな?」

「ドウイタシマシテ!」

 

 

・・・この後叢雲から怒られたのは言うまでもない。

 

~~~~~夜~~~~~

「さて、執務も片付いたし、飯にするか。」

「そうね、さすがにおなかが減ってきたわ。」

 

「失礼します!」

 

「ん?」

「お、お久しぶりです、憲兵さん!!金剛型2番艦、比叡改めてここ、岩川鎮守府に着任しました!」

「おお、比叡か久しぶりだな!ま、積もる話は後にして、歓迎するぜ。」

「比叡さん?司令官と親しいみたいだけど・・・それに着任って・・・」

「ま、まあいろいろあったんだよ。」

「そ、そうなのよ。あ、憲兵さん、ご飯食べましたか?」

「いや、まだだけど。」

「良かったー、私、カレー作ってきたんです。一緒に食べましょう!!」

「お、いいじゃねえか。叢雲もそれでいいか?」

「ええ、構わないわ。」

 

~~~~~では実食~~~~~

「「「いただきます」」」

 

・・・・・・

「」死ーん

「」死ーん

「」死ーん

 

 

 

・・・・・・気づいたら朝だった。当然比叡は調理場出禁になった。

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
・・・ぐだつきっぷりがやばい(-_-;)
因みにドラム缶の件は作者がリアルでやったことです(笑)
やったことある人いたりしないかな~|д゚)
ここからは作者が実際にプレイしたことにある程度沿って進んでいきます。
ヒロイン候補も出てくるかも・・・?

次回予告を試験的にやります。是非についてはご意見お待ちしてます。

次回!
この鎮守府、想像以上にぼろかった!
「しゃあねえ、日曜大工クオリティ、見せてやるぜ!!」
空は見事にこの鎮守府を劇的ビフォーアフターできるのか!?
そして、艦娘たちも少しずつ戻ってきて・・・?
「ハラショー、こいつは力を感じる。」
次回、「不幸な提督のビフォーアフター!?」
お楽しみに!では、次回の投稿でお会いしましょう!


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第五話 不幸な提督のビフォーアフター!?

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
E5のギミック解除が遅々として進まず危機感がすさまじい作者です。
空襲時の制空がとれません(´;ω;`)
今回は名前だけですが新オリキャラが出ます。名前がモチーフのヒントになってますがわかりますかね・・・?
基本的にオリキャラは少しづつモチーフのヒントを出していく形にしています。
それを探すのもまた一興かと・・・

では、投稿します!


夕食に比叡カレーを食べ睡眠、もとい気絶して朝を迎えた三人。

 

朝になりとりあえず身だしなみをどうにかしようとしたところで事件は起きた。

 

「ちょっとあんた!!此処の部屋どこもかしこもボロボロじゃない!どうなってんのよ!?」

ここで彼はこの鎮守府のぼろさを思い出した。

 

「・・・忘れてた。」

「そういえばそうでした・・・前の提督がいろいろと外道でみんなもいろいろ荒んでしまって大半の部屋はそんな感じなんです。」

「・・・これじゃあ出撃どころじゃねえな。拠点がこんなんじゃ、戻ってくる奴らにも申し訳が立たねえ。しゃあねえ、日曜大工クオリティ、見せてやるぜ!!」

「・・・大丈夫なの?ここって無駄に大きいけど・・・」

「・・・別に全てビフォーアフターしちまってもかまわねえんだろ?」

「あ、なんかダメなフラグが立った気がします。」

「奇遇ね比叡さん、私もよ。」

 

~~~~~二時間後~~~~~

「」返事がない、ただの屍のようだ

「「回収乙」」

「・・・うるせえ。」グッタリ・・・

「でも、最低限、人が暮らせる部屋にはなりましたね。二部屋だけ。」

「ま、頑張ったほうじゃない?途中何回か金づちで自分の指たたいたり木材のささくれが刺さったりしてたけど。」

「そもそも、このでかさを三人でやれってほうが無理だろ・・・」

その時、

「・・・」

「ん?なんだ?妖精か?見たことねえが・・・」

「・・・」身振り手振り...

「・・・部屋の改装をやってくれんのか?」

「(*・ω・)ウンウン」

「なんでわかるのよ・・・」

「あの動きで改装するってわかるわけないと思うんですけど・・・」

具体的にはモリヤステップとゲッダンを足して二で割ったような動きをしていた。

「・・・・・・」身振り(ry

「代わりに資材をよこせと。いいぜ、好きなだけ持ってきな、その代わり食堂とかなんだっけか・・・入渠ドックとかも頼んでいいか?」

「b」

グーサインをして妖精は去っていった。

「・・・執務するか。」

「そうね、なんか疲れたわ。」

「お昼ごはん作りましょうk」

「「却下」」

「ヒ( ´゚д゚`)エー」

「うどんでいいか?」

「ええ、構わないわ。」

「カレーは・・・」

「よしうどんで。」

「話聞いてくださいよー!」

比叡は調理場出禁だけでなく調理そのものも禁止になったようだ。

 

~~~~~昼食後~~~~~

「そういや、お前さんは大丈夫だったのか?まだ大半の艦娘は療養中だって聞いてるが・・・」

「療養中?」

叢雲は不審そうな表情をする。

「叢雲にはあとで教えるから・・・私は着任がかなり遅かったんです。おかげでといっては何ですけど、被害をあまり受けませんでした。」

「そうか、悪かったな、もう少し早ければ被害の拡大を防げたんだが・・・」

「そんなこと言わないでください!あなたのおかげでお姉さまや皆が助かったんですから!」

「ちょっと・・・どういうことよ・・・」

疑念の眼差しが強まる。

「この際だから言っちまうが、此処は俺が来る前から俗にいうブラック鎮守府ってやつでな・・・大破進軍は当たり前、補給もわずかなうえにここの前提督は艦娘を実験体にしてやがったんだ。」

「嘘でしょ・・・!?正気じゃないわ!」

「まあ落ち着けって、当時の俺は此処の憲兵でな、細かいことは端折るが、俺は此処の提督を摘発しようとして誤って殺しちまったんだよ。」

「殺し・・・!?」

「で、いろいろあってここの提督に後任が来るまでの代理ってことでなったわけだ。」

「なんというか、いろいろ重いわね・・・」

「え!?ということは後任の人が来たら憲兵さんはやめちゃうんですか!?」

「そういうこった。最も後任が来るまでしばらくかかりそうだがな。」

因みに今は五月。特殊な異動が無い限りは養成学校生が卒業する来年の三月までは一年近くの期間がある。

「そうですか・・・」

以降は他愛のない話をしていると、

「(`・ω・´)ゞ」

「お、あの時の妖精じゃねえか?」

「・・・・・・」身振り手振り

「相変わらずわかんないわね・・・」

「なんで司令はわかるんでしょうか・・・」

「早っ!?まだ二時間経ってねえぞ!?もうできたのかよ!」

「( ・´ー・`)ドヤァ」

「おう、自慢したいのはわかった。ありがとな。」

「b」

妖精はその場で消えてしまった。

「消えちまったな。さて、出来たみたいだし見てみるか・・・」

 

~~~~~確認後~~~~~

「「「本気出しすぎだろ(よ)(です)!?」」」

 

どの部屋もピッカピカにかつ家財も新品同様になって、というより新品と交換されていた。食堂や入渠ドックも新調されており万全の状態になっていた。

 

「ハラショー、こいつは力を感じる。」

「ん?お前は・・・」

「響だよ。その活躍から不死鳥の通り名もあるよ。久しぶりだね憲兵さん、いや、司令官って呼んだほうがいいかい?」

「それはまかせる。復帰第二号だな。・・・ところで、他の姉妹艦は大丈夫そうか?」

「暁ねえさんと電はもう少しで復帰できそうだ。ただ雷についてはまだ時間がかかりそうだ・・・」

「そうか・・・。陸軍を代表して、そして摘発が遅れちまったことについて、ほんとうにすまなかった!」

「・・・いいんだ。司令官はみんなを助けてくれた。今はそれで十分さ。ただ・・・前みたいなことになったら・・・」

「そん時は俺を殺せばいい。することは決してないけどな。」

「・・・わかった。Спасибо(ありがとう)。」

ロシア語がでたものの、言いたいことは何となく読めた。

「おう、なら適当に部屋選んで荷物とかを置いてきな。」

「了解・・・あ、そうだ司令官、呉鎮守府の矢代(やしろ)提督から伝言を預かっているよ。」

「矢代?知らねえやつだが・・・、内容は?」

「一週間後に一部の艦娘の引き渡しついでに話したいことがあるから夜の予定を開けておいてほしいそうだ。」

「それぐらい電話で言えよ・・・わかった。伝言ありがとな。」

感謝の意味を込めて頭をなでる。

「さすがにそれは・・・恥ずかしいな・・・///」

「おっと、悪い悪い。荷物を置いてきな。」

「失礼するよ。」

そういって響は艦娘たちの居住区(寮)に向かっていった。

「「・・・」」←完全に蚊帳の外だった二人

「さて、明日には出撃できそうだな。まずは正面海域だっけか。」

「・・・いよいよ戦場か、少し緊張するわね。」

「司令の役に立てるように頑張りますね!」

「おう!期待してるぜ!」

トコトコ・・・

「ん?妖精か。どうした?」

妖精は一枚の紙を渡してきた。

「ん?資材の消費について?・・・マジかこれ、ほぼ全部の資材持ってかれてるじゃねーか!?」

「b」

妖精はその場で消えてしまった。

「・・・緊張してた自分が馬鹿みたいだわ・・・」

「まずは資材の補充からですね・・・」

 

 

 

この鎮守府の初出撃はいつになることやら・・・

 




いかがだったでしょうか?
新オリキャラについて名前と簡単な経歴を。

矢代 海恵(やしろ みえ)
年齢24     海軍大佐、呉鎮守府の提督

海軍大佐で、呉鎮守府の提督を務める女性。岩川鎮守府の一部艦娘の精神療養を行っている。

今回は此処までで。詳細は後々わかってきますのでお楽しみに。
今回最初に現れた妖精は少し特殊な妖精です。見た目は赤紫の長い髪で、黒と紫の皮鎧(タイツ)を着ています。なお二頭身の模様。
またもやモチーフがバレバレである(笑)

では次回予告を、
大規模改装によって資材を大量に消費したものの、ようやく初出撃。
果たしてその結果は・・・?
「油断すんなよ?総員、抜錨!!」
そして、忍び寄る急進派の影・・・
「あの男を暗殺しろ・・・いいなーーー。」

次回、「不幸な提督の初出撃」
ではまた次回の投稿でお会いしましょう!


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第六話 不幸な提督の初出撃

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
いよいよE5ボスと対峙したもののあまりの硬さに驚き、ボーキの量がほかの資材の三割弱しかないことに気づき大慌てしている作者です。
ただいま全力で遠征部隊を出してボーキを稼いでいる状態でその空き時間を使って執筆しています。

では、投稿します。


大規模改装によって大きく資源を消費してしまったものの、何とか出撃できる程度の資源が補給された。

「さて、いろいろあったがいよいよ初出撃だ。」

「はあ、なんで出撃もしてないのにこんなに疲れてるのかしら・・・」

「まあそういうなって。これより正面海域に出撃する!旗艦叢雲!比叡、響でサポートを頼む。」

「任せてください!!」

「了解」

「じゃあ、どうなんだっけな・・・中破したら撤退な。」

「「「・・・え?」」」

「ん?なんかおかしいこと言ったか?」

「司令官、普通は大破撤退なんだよ?」

「あ?知るかよんなこと。沈んだら元も子もねえんだからよ、多少臆病なくらいがちょうどいいんだよ。それにまだ戦闘がちゃんとできるかもわかんねえしな。療養したといってもまだ本調子じゃないってこともあるかもしれねえしな。」

「・・・わかったわ。中破が出たら撤退ね。じゃあ行ってくるわ。」

「おう、大丈夫だとは思うが無事に帰って来いよ。」

 

 

~~~~~鎮守府正面海域~~~~~

「さあ、そろそろ奴らが出てくるエリアに入るわよ。警戒するように!」

「「了解!」」

その後、響が偵察に出ていた駆逐イ級を発見した。

すかさず叢雲は無線を取る。

 

「司令、敵艦を発見したわ。まだこっちに気づいてないみたいだけど・・・」

「OK.比叡の主砲なら遠距離からでも行けそうだが・・・行けるか?」

「任せてください!・・・主砲、斉射、始めぇーっ!!」

比叡の放った35.6cm連装砲が駆逐イ級を爆散させた。

 

「駆逐イ級の撃沈を確認したわ。こちらに損害は無し、先に進むわ。」

「了解だ。注意して進めよ。」

 

その後先に進み羅針盤を見る。

「こっちの方角ね、進むわよ。」

 

先に進むが・・・

「司令、どうやらはずれみたいね。主力艦隊らしき敵影は確認できないわ。」

「そうか、なら警戒しつつ帰投しt・・・」

その時だった、砲弾の飛来音が二つ聞こえた。

「待つんだ叢雲・・・!!くうっ!?」

とっさに気づいた響が叢雲を庇う。

「響!?隠れてたの・・・!?」

「撃ちます、当たって!!」

直後に比叡が放った主砲で奇襲をかけた駆逐イ級二隻を撃ち抜いた。

「おいどうした!?何かあったのか!?」

「奇襲を受けたわ・・・私を庇って響が中破したわ・・・」

「そうか・・・とりあえずそこから先は無いみたいだしここまでだな。」

「司令官、その・・・ごめんなさい。私のせいで・・・」

「気にすんな、ミスなんて人間だれしもするもんだ。いちいち気にしてたら身が持たないぜ?次にまとめて借りを返してやればいい。」

「・・・フフッ、そうね。そうさせてもらおうかしら。じゃあこれから帰投するわね。」

「おう、くれぐれも気をつけてな。」

 

~~~~~艦隊帰投~~~~~

「艦隊が帰投したわ。報告書は明日出すわね。」

「了解だ、響は大丈夫か?」

「ええ、今は入渠ドックで修復中よ。比叡さんは主砲の整備をしてるわ。」

「そうか。なんだかんだで比叡だよりになっちまったな。」

「そうね・・・私も負けてられないわ。」

「その意気だ。向上心は何につけても大事だからな。ほら、初出撃で疲れただろうゆっくり休みな。」

「ええ、そうさせてもらうわ・・・」

少し疲れたような表情をして叢雲は執務室を出て行った。

 

「さて・・・どうしますかねえ・・・」

空は物思いにふけりながら今後のことを考えていた。

 

~~~~~一方そのころ~~~~~

「いいか、君は岩川鎮守府にいる提督を暗殺するんだ。わかっているな・・・祥鳳。」

「・・・はい、わかっています。」

そう答える彼女の眼には光がなかった・・・

 

「さて、首尾はどうかね?」

「上々です。岩川鎮守府に復帰する軽空母「祥鳳」には「風林 空」という人間を暗殺するようにと催眠をかけました。」

「よろしい、では下がり給え。」

「はっ、失礼します。」

 

 

「上層部はあの男を飼い殺す気らしいが生ぬるい、後顧の憂いは断つべきだ。」

そう言ってある男は再び執務を始めた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
眠気が限界まで来てるので文字数が少なめです。
そしてどうやら私はカテゴリ別の最初の艦娘をいじめたいようです(-_-;)
作者にとっては祥鳳さんは初めての空母です。思い入れもひとしお・・・のはずなのに・・・なぜだ・・・。
では、次回予告を、
岩川鎮守府に新しく着任した軽空母、祥鳳。彼女には秘密があり・・・
そして、矢代提督との会談で事態は急変する。
「提督・・・私のために・・・死んでくれませんか?」
空と矢代提督はどうなるのか・・・!?

次回、「不幸な提督、暗殺の危機!?」お楽しみに!

では、次回の投稿でお会いしましょう!




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第七話 不幸な提督、暗殺の危機!?

皆さんいかがお過ごしでしょうか?秋イベお疲れさまでした。
体調を思いっきり崩した上に、ボーキが尽きたためE5攻略を断念した作者です。
皆さんも風邪には十分お気を付けください。

さて、今回、または次回から空に新しい力が!?
主人公モチーフのヒントになっています。とはいえ、わかっている人はもうわかっているとは思いますが・・・

では、投稿します!!

追記 12月11日 誤字修正をしました



初出撃の翌日、再び正面海域に出撃。同海域の主力艦隊を撃破。よって、これよりわが艦隊は南西諸島沖警備の任務に就く。

 

簡単にすればこんな感じの内容を本営に送り、空は考え込む。

(矢代提督ねえ・・・どんな奴なんだ?響からの話を聞く限りじゃ悪い奴ではなさそうなんだが・・・)

彼は未だに話したいと言っていた矢代提督のことを気にしていた。

 

「ほら、なにぼさっとしてるのよ、書類はまだ残ってるわよ?」

「おっと、悪い考え事してたわ・・・」

「ボケるにはまだ早いわよ、ほらさっさとやる!」

「へいへい・・・」

こんな感じに秘書艦を続ける叢雲に叱られつつ日々を過ごしていた空。

 

しかし、暗雲はすぐそこにまで迫っていた。

 

~~~~~数日後~~~~~

「矢代提督以外の鎮守府からも一人復帰するって?」

「ええ、軽空母の「祥鳳」さんが戻ってくるそうよ。」

「軽空母ね・・・今のうちにはいねえ貴重な戦力じゃねえか、楽しみだねえ。」

「司令官、もうすぐ矢代提督が到着するよ。」

「来たか・・・サンキューな響」

 

やがて、鎮守府の港に一隻の軍艦が停泊し、数人の女性が降りてきた。

「矢代提督に、敬礼!」

艦隊の皆も敬礼し、相手も同じようにした。

 

「やめ!・・・わざわざご足労いただきありがとうございます。矢代提督」

「・・・まずはその似合わない言葉遣いをやめたらどうだい?階級差はあるが、年齢は同じだし私は気にしない。素の話し方で構わないよ。」

「そうかい、じゃあそうさせてもらうぜ。かたっ苦しいのは苦手でね。」

「結構。じゃあ、艦娘の引き渡しに入ろうか。今回は「川内型」の三人と、特型駆逐艦の「白雪」、「吹雪」の引き渡しを行う。申し訳ないけど、ほかの艦娘たちはまだ療養が必要だ。」

「・・・わかった。まずは・・・」

そう言いながら空は引き渡しされる艦娘たちに向き直す。

「・・・すまなかった。陸軍の人間を代表してあやまらせてほしい。そして、摘発が遅れたことも申し訳なかった。」

5人は何も言葉を返さない。

「だからこそ、今度はそんなことはしないしさせない。今の俺は提督だが、あの野郎とは違うってところを見てくれたらうれしい。旅の疲れもあるだろうし宿舎も改装してあるから今日はゆっくりしてくれ。詳しいことは明日でいいだろう。叢雲、響、彼女たちの案内を頼む。」

「「了解」」

2人は5人を連れて宿舎へ向かった。

 

「・・・随分と板についているじゃないか。」

「ぬかせ。今日の夜だったな。何を話すつもりだ?」

「なに、軽い顔合わせの懇親会だよ。」

「ほう?そのためにわざわざ店まで用意して二人っきりで話すのかい?鎮守府内でもいいだろうに。」

「・・・君は見た目通り頭の回転が遅いのかい?提督だけだからこそ話せることもあるのさ。」

「・・・あぁ、そういうことかい。めんどくさくなってきたねえ。」

「そうだ、行くときには護身具を持っていくことを勧めるよ。」

「おいおい物騒だな、そんなことがあるのか?」

「・・・さあね。でも、無いよりはあったほうがいいでしょ?」

「・・・まあな。とりあえず鎮守府に戻るか。あんたも荷物を持ったら執務室に来な、書類も終わったし茶でも飲もうや。」

そう言って空は鎮守府へと戻っていった。

 

~~~~~船内~~~~~

「やれやれ・・・さあねとは言ったけど、十中八九これを使う羽目になりそうだ。まったく面倒をかけさせてくれるね。」

そう言って彼女は荷物の中に愛銃を忍ばせ鎮守府へ向かった。

 

~~~~~執務室~~~~~

「さてと・・・緑茶でいいか?」

「かまわないよ、いただこうか。」

その後、鎮守府運営について談笑していると、

「司令官、全員を宿舎に送ったよ。」

響が入ってきた。

「そうか、積もる話もあるだろうから今日はお前たちだけで過ごしな。俺は矢代提督との会食的なものがあるから帰りは深夜になる。」

「わかったよ。あとさっき伝えた祥鳳さんが来てるよ。今執務室の前にいる。」

「そうか。矢代提督、少しいいか?」

「かまわないよ。私はお茶でも飲んでゆっくりしてるさ。」

「そうかい、響、呼んできてくれ。」

その後、響は部屋を出て祥鳳を連れて戻ってきた。

「連れてきたよ、祥鳳さん、自己紹介を。」

「軽空母、祥鳳です。はい、ちょっと小柄ですけどぜひ提督の機動部隊に加えてくださいね。」

「よろしくな。軽空母としての力、頼りにしてるぜ。・・・どうした?気分が悪いのか?」

少し顔色が悪そうな祥鳳を不安げに見る空。

「・・・え?あ、すいません・・・少し疲れが残っているみたいです。部屋に戻ってもいいですか?」

「あ、ああすまない。ゆっくり休んでくれ、今日明日は出撃しない予定だしな。」

「はい、失礼します・・・」

そう言って祥鳳は執務室から退出した。

「さてと、祥鳳も明日には回復しそうだな・・・」

「果たしてそうだといいけどね・・・」

「なんか言ったか?」

「いや、何でもないよ。」

「・・・そうかい。」

 

~~~~~部屋の外~~~~~

「今度は・・・あの人をあの子たちみたいに・・・」

そうつぶやく彼女の手は震えていた。

 

~~~~~数時間後~~~~~

「さてそろそろ時間だ。会食に行こう。」

「もうそんな時間か。じゃあ、行くか。」

 

 

~~~~~会食の会場~~~~~

「で、なんのためにわざわざ呼び出したんだ?」

「なに、海軍の裏のことさ。海軍が穏健派、急進派に分裂していることは知っているね?」

「・・・まあな。」

「私は穏健派なんだけど、急進派について気を付けてほしいことがあってね。岩川鎮守府の艦娘が療養していることは知っていると思うんだけど・・・」

「あぁ、それが?」

「その艦娘の中に急進派の息がかかっている可能性がある。」

「・・・なんだと?」

「君が急進派の手によって飼い殺しにされていることは知っている。だが、一部の急進派はそれを快く思ってないんだ。」

空はその話を聞いても表情を変えず、

「・・・だろうなあ。わかってはいたがな。まあ、何とかなんだろ。」

「ずいぶんと楽観的だね。確証があるのかい?」

「いや?そんなんねえよ。強いて言うなら・・・」

「・・・?」

「悪運の強さかね。」

「・・・ハハッ、呆れた。でもそういう馬鹿っぽい考えも嫌いじゃないよ。」

「馬鹿とはなんだ馬鹿とはよ。」

こんな感じで会食も終わった。

 

会食後・・・夜12時

「さて、だいぶ歩いたが鎮守府まではあとどのくらいだ?」

「そうだね・・・あと十分ぐらいじゃないかな。最も、君が車で来たのにもかかわらず酒を飲んだからわざわざ歩く羽目になっているんだけどね。」

「悪かったって。でも気づかないお前さんや、店員も悪いんだぜ?」

「でも一番悪いのは君だよ。」

「そりゃそうだな・・・ん?」

 

目の前には和服を着た女性がいる。

「・・・祥鳳じゃねえか。こんな遅くにどうした?」

「提督・・・」

「・・・っ!!お前・・・」

空を見つめる祥鳳の眼には光がない。

「提督・・・私のために・・・死んでくれませんか?」

そういって彼女は弓をかまえる。

「っ!!やべえ!矢代!!」

矢代提督を引っ張り横っ飛びする。

爆音が周囲に響く。幸い周囲には人気はおろか、住宅もないため周りに被害が及ぶことは無いが・・・

「あぶねえだろうが!!俺だけならともかく、矢代にまで手を出すんじゃねえ!!」

「・・・死んでください。私のために・・・」

その言葉には気力が感じられず、うわごとのようにしか聞こえない。

「どうするんだ?あの爆撃をかいくぐるなんざ無茶だよ?」

「・・・祥鳳を無力化できるものがあるか?」

「・・・麻酔銃を持ってきて正解だったよ。」

「なら、俺がひきつける、その隙にそいつを撃ち込んでくれ。」

そう言って空は槍をもって走り出す。

「おら祥鳳!!俺はこっちだ!!」

「・・・・・・殺す」

彼女が放つ矢から艦載機が発艦し、空に向って爆撃していく。

「はっ!おせえおせえ!陸軍の訓練なめんなっ!!」

だが空はそのことごとくを回避する。

(普通の人間が艦載機の爆撃を回避できるわけないんだけど・・・これも悪運の強さなのかな?・・・まぁ今は、)

「そこの暗殺者を無力化するか。」

海恵は腰につけていた改造コルト・ガバメントを抜き発砲する。

 

「あっ・・・zzz」

銃弾は祥鳳に直撃し眠らせることに成功した。

 

「さてと、お前さんの言ってたことがさっそく現実になったわけだが・・・とりあえず怪我はねえか?」

眠った祥鳳をかつぎながら空は無事を確認する。

「大丈夫だよ。それにしてもすごかったよ。普通の人間が艦爆をよけるなんてね。」

「訓練のたまものさ。大したことじゃない。」

(訓練でどうにかなるものでもないとおもうんだけど・・・)

 

暗殺者祥鳳を無力化した二人は鎮守府への道を急いだ。

 




いかがだったでしょうか?
おかしいな・・・ギャグものにしたかったはずなのに・・・。
↑たぶん当分は無理です。

作者の秋イベ新規参入艦娘を載せます。明らかに不運ではないのですが、ほかの方がどんな感じかも知りたいので感想で意見をお願いします
天津風、瑞穂、春雨、Pola、舞風、谷風、浜風、秋月、Commandant Teste,早霜、速吸、江風、浦波が参入しました!!(順不同)
Saratogaもほしかったけどそこは致し方なし(´;ω;`)

では、次回予告行きます。
暗殺者だった祥鳳を捕らえた空。情報を手に入れるため尋問しようとするが、牢に入れた祥鳳が突然発狂してしまう。
どうにか彼女を落ち着かせようとする空の前にあの妖精が再び姿を現す。
「こいつは・・・ベオーク(Beorc)?つか俺はなんでこいつを読めるんだ?」
新たに得た?力で空は祥鳳を救えるか!?
次回、「不幸な提督の新たな力!?」
ではまた次回の投稿でお会いしましょう!!


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第八話 不幸な提督の新たな力!

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
専攻選抜に落選しSAN値が2D6で減少した作者です。

ここから話が少しづつ変化していきます。どんな感じかと言えば・・・主人公が人外じみてきたり、話の感じも明るくなる・・・はずです(-_-;)
ヒロイン候補は現在複数います。どうなるかは未だに不明ですが。さて、どうなるのか・・・

では、投稿します!!


~~~時は空が矢代提督と共に会食に行った後にさかのぼる~~~

食堂には体調不良のため自室で休んでいる祥鳳を除いた全艦娘がそろっていた。

 

「さて、時間も時間だし夕食にしましょうか。間宮さん、お願いします。」

 

「はーい。皆さん少し待っててくださいね。」

食堂には給糧艦「間宮」が着任しており、料理をふるまう。彼女は前提督時代からの艦娘ではなく、空の着任後に遅れながらも新規参入した艦娘である。最も、給糧艦という性質上戦闘はできないが。

 

「・・・皆さんは新しい提督、元憲兵さんについてどう思いますか・・・?」

待ち時間の間に、ポツリと吹雪が言葉を発する。

「・・・そういう吹雪姉さんはどう思うの?」

そう聞き返したのは同じ吹雪型の5番艦であり、妹であり、初期艦である叢雲。

「私は・・・まだ少し怖いわ。あやまってくれたのを見て悪い人ではないとは思うんだけど。」

・・・精神的なダメージはそう簡単に治るものではない。それは人間だろうと艦娘だろうと変わらない。

「私には・・・優しそうな人に見えたけど・・・」

そう答えたのは姉妹艦の白雪。

「私もそんな感じね。でも、どうしても前の憲兵を思い出しちゃうのよね。」

そんな白雪の言葉に同意を示したのは川内型1番艦の川内。彼女は前提督の行動を真っ先に憲兵に報告した艦娘の一人である。しかし、当時の憲兵は既に懐柔されており、このことが表に出ることは無かった。

「私は、少し怖いです・・・。でも、あの人・・・何かの武術をやっているように見えました。だから・・・一度手合わせしてみたいです・・・」

他と少し違う意見を出したのは川内型2番艦の神通。かつて華の二水戦の旗艦を務めた彼女は劣悪な環境にあれど高い実力を持っていた。

「さすがは神通さんだ。司令官は独学だが槍術を修めているらしい。前に鍛錬を見たけど・・・速い。その一言に尽きたよ。神通さんなら一度手合わせすれば、その人となりもわかるかもしれないね。」

「そう、ですね。今度お願いしてみます。」

「那珂ちゃんは~ライブさせてくれるかg「みなさーん、出来ましたよ~!」ちょっとー!!タイミング悪すぎない~!?」

「ご、ごめんなさいね。でもお料理冷めちゃうといけないから・・・」

「そうだよ那珂。ご飯食べながらでもお話はできるんだからさ。」

「う・・・ごめんなさい。」

「いいんですよ。さあ、冷めないうちに召し上がってください。」

~~~食事中~~~

今日の献立は豚肉の生姜焼きのようだ。

「うん、やっぱり間宮さんの料理はおいしい。」

「そうね、あっちにも間宮さんはいたけど、どっちもおいしいわ。あとは夜戦ができれば文句はないんだけどなあ。」

「・・・たぶんだけどしばらくは夜戦は無いと思うわ。」

「ええ~!?なんで!」

「司令官、基本昼戦で全部終わらせる人みたいだから。」

「・・・」orz

「吹雪ちゃん。」

「何?白雪。」

「此処には他の皆もいるから・・・司令官にはゆっくり慣れましょう?」

「そう・・・だね。時間はたっぷりあるもんね・・・」

「そうだ、皆に言ってなかった。司令官曰く、「もし、俺が前の提督みたいなことをしてたら俺の殺害を許可する」って言ってたよ。」

「・・・随分と自信があるのね。」

「それだけあの時のことが気に食わなかったんだね。」

この発言は概ね好印象を与えたようだ。

 

~~~食事後~~~

「これ以降は自由行動だけど、皆疲れているでしょうから早めに寝ることを勧めるわ。」

「間宮さん、祥鳳さんの様子はどうだった?」

「・・・食欲が無いらしいです。大丈夫かしら・・・」

「・・・明日を待つしかなさそうね。」

 

~~~夜11時~~~

「祥鳳さん、今大丈夫かしら?」

叢雲が祥鳳の自室を訪れる。

「・・・・・・」

「11時だしさすがに寝てるか・・・」

返事が無いのを、寝てると判断し彼女は夜間哨戒に向かった。

しかし、この時すでに祥鳳の自室はもぬけの殻だった。

 

~~~深夜12時過ぎ~~~

「はぁ・・・やっと着いた。」

「お疲れ様。彼女は重かったかい?」

「・・・いや。矢代提督、此処からは俺の仕事だ。あんたは先に休むといい。」

「いや、そういうわけには・・・」

「そんな寝ぼけ眼で言われても説得力ねえよ。ほら、さっさと寝る!」

「・・・わかった。明日の朝一で確認するからね。」

そう言って矢代提督はあてがわれたへやに向かっていった。

「・・・運ぶか」

 

~~~執務室~~~

「って、運んだはいいがこのままだとまた襲撃されるかもしんねえな。・・・確か今日の夜間哨戒は・・・」

「司令官、戻ってきてたのn・・・何をしているのかしら?」

「叢雲か、実は・・・」

~~~事情説明中~~~

「嘘でしょ?暗殺・・・!?」

「矢代提督の話だとそうらしい。つーわけで祥鳳の手を拘束しておきたい。また襲撃されちゃあたまんねえ。」

「・・・わかったわ。」

その後、叢雲が持ってきた手錠で祥鳳の腕を拘束した。

その後叢雲は「危なくなったらすぐに呼びなさい。」と空に伝え再び夜間哨戒に戻っていった。

 

~~~数十分後~~~

「ぁ・・・ここは・・・」

「おう、目が覚めたか。」

「・・・っ!!」

「お前さんの作戦は失敗だ。俺はこうしてぴんぴんしてる。」

「ぁ・・・あぁ・・・!!」

「・・・お前さんの身になにがあった。俺は前の奴とは違う、手助けもできるはずだ。」

「ああぁ・・・いや・・・!いや・・・!」

「・・・どうした?大丈夫か・・・?」

明らかに様子がおかしい祥鳳に空は手を伸ばす。

「いやあぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「っ!?おい、祥鳳!!落ち着け!!」

「来ないで!!私は、私はっ!!こんな!!こんなつもりじゃなかったの!!」

祥鳳は手錠で拘束されながらも暴れだす。

「うおっ!あぶなっ!・・・くそ!!すまない・・・!!」

危険を感じ、当身を喰らわせる。

「うっ・・・」

「・・・どうにかなったが・・・これじゃあ根本的な解決にならねえ。どうする・・・」

そんな時だった、

「・・・・・・」

「あんときの妖精か・・・どうした?」

「・・・・・・」身振り手振り

「ん?なんだこれ?ベオーク?つか、俺はなんでこれを読めるんだ・・・?」

「・・・・・・」身振り手振り~

「この文字をその木片に刻んで祥鳳に持たせろって?なんか胡散臭いが、なにもしねえよりはましか。」

槍で木片にベオークの文字を刻み祥鳳に握らせる。

「さて、やったぞ。次はどうすれば・・・っていねえし。どこ行ったんだ?」

妖精はいつの間にか姿を消していた。

礼の一つでも言おうと妖精を探していた空は祥鳳に握らせた木片が薄緑の輝きを放っていたことに気づかなかった。

 

~~~どこか、はるか遠い場所~~~

「フフッ、たとえ姿が変わり、記憶が消えようとも、その魂の奥底は変わらないな・・・セタンタよ。」

 

~~~執務室内~~~

あれから一時間がたった。

「あの文字に、なんか効果があるのか・・・?」

(つーかなんで俺はあの文字を読めたんだ・・・?)

「んっ・・・私は・・・」

「っ!起きたか。大丈夫か?」

「は、はい・・・なんだか気分が落ち着いてます。」

「お、おう、そうか。(効果出てる!?)」

「・・・提督・・・すいませんでした。私は・・・」

「なんとなくだが、正気じゃなかったのはわかる。なにがあったのかを聞きたい。」

「はい・・・私は・・・」

彼女は療養のために送られた舞鶴鎮守府の提督の一人に失敗したら精神を閉ざすことを含めて催眠術により空の暗殺を命じられていた。また彼女は前提督時代に反抗の兆しのある艦娘、人間の摘発または暗殺を実行していたらしく、そのことで脅されていたため反抗することもできなかった。本来なら精神を閉ざしてしまうはずだが、ベオークの木片がそれを防いだようだ。

当然だがそれを聞いた空は・・・

「面白いことをしてくれたじゃねえか・・・!!」

「提督、何をするつもりですか・・・!?」

「何、ちょっとした贈り物さ。俺からだと怪しまれるし人物も特定できないから矢代提督にお願いするか。」

「贈り物・・・?」

「あぁ、俺特製の贈り物さ。覚悟しろよ、舞鶴の提督さんよ!」

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

彼が刻んだ”ベオーク”という文字はルーン文字です。
効果には、精神を落ち着かせる、病を癒し健康を保つなどがあります。
これ以降空はルーン魔術を使用することができるようになります。
こうでもしないと艦娘の戦闘に関われなさそうなので・・・(-_-;)
後々、空も間接的に戦闘に参加するようになります。
途中に出てきた人・・・いったいなにサハさんなんだ(棒)

では、次回予告行きます
なんとか祥鳳を落ち着かせ情報を得ることに成功した空。
祥鳳も自らの罪を償うために空への忠誠を誓う。
空は事件の元凶への復讐にある贈り物を使う。
「覚悟しな・・・俺は仕返しに情けはかけないぜ・・・!!」

次回、「不幸な提督に容赦は無い!」
では、次回の投稿でお会いしましょう!


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第九話 不幸な提督は容赦しない!

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
毎朝の寒さに震えながら起床している作者です。

皆さんも寒さ対策はしっかりしましょう。作者みたいに風邪をひかないように気を付けましょう。
さて、これから先、少しづつ話の内容が変化していきます(たぶん、きっと、maybe)
明るくするつもりですが、うまく行くかな・・・(-_-;)

では、投稿します!!


祥鳳を落ち着かせ、情報を得た空。

時計を見るとすでに深夜の2時を回っていた。

 

「祥鳳、もう夜もおせえから自室で休みな。それと明日は朝一で執務室に来な。正気じゃなかったとはいえ他所の提督に手を出したんだから謝罪の一つはしないとな。」

「はい・・・あの、提督・・・」

空の言葉を聞いた祥鳳がおずおずとしながら爆弾(比喩)を落とす。

「今日は一緒に寝てもらえませんか・・・?また、あんなことをしてしまいそうで・・・怖いんです。」

「!?おいおいちょっと待て!流石に会ってから一日もたってない男と一緒に寝るのはまずいだろう・・・!」

「そうですよね・・・こんな危険な女と一緒なのは・・・嫌、ですよね・・・」

(ざ、罪悪感がやばい・・・!!)

「・・・しゃあねえ、寝付くまでな。」

「あ、ありがとうございます・・・!」

 

~~~提督の寝室~~~

「はあ、ここに来るのはお前が初めてだぜ・・・」

「そ、そうなんですか・・・」

「ほら、さっさと寝な。明日は早いぜ。」

「は、はい・・・・・・」

 

数分後・・・

「・・・zzz」

「・・・随分と寝つきいいな。じゃ、俺はソファーで寝るとしますかn・・・」

しかし、空の体は動かない。

「あれ・・・動かねえ・・・まさか・・・」

気づけば空は祥鳳の抱き枕にされていた。

(嘘だろ・・・?これはこれで役得なんだが・・・普通に事案だろ!?)

何とか抜けようとするがさすがは艦娘。びくともしない。

そうこうしているうちに空にも睡魔が襲い掛かり・・・

「「zzzzzz・・・・・・」」

 

~~~朝5時~~~

「さて、何か言い残すことはあるかい?」

「別に何もしてないんだg「言い訳は聞いてないよ?」はいすいませんでした。」

「あの・・・別に提督が悪いわけじゃ・・・」

「そうなのかい?正直に言っていいんだよ?」

「そ、その・・・私がお願いしたんです!!」

「ふうん、ま、本人がそういうならいいか。風林提督、以後こういった軽率な行動は慎むように。」

「はい、すいませんでした。(不幸だぜ・・・)」

「あ、あの、矢代提督先日は本当にすみませんでした・・・!!」

「・・・君が正気じゃなかったのは一目瞭然だ。私も無事だったし気にすることは無い。」

「あ、ありがとうございます・・・!!」

「さて、彼女の話を聞いて何かわかったことは?」

「あぁ・・・」

~~~状況説明中~~~

「なるほどね・・・ちょっと待っててくれ」

そう言って彼女は携帯電話を取り出す。

「・・・もしもし父さん?少しききたいことがあるんだけど・・・」

~~~矢代提督電話中~~~

 

「犯人は舞鶴鎮守府の切間提督だ。彼女の引き取り先はそこらしい。」

「ほう・・・じゃあ仕返しと行くか。つーわけで矢代提督、あんたに頼みがある。」

「なんだい?ことにもよるけど、出来る限り引き受けるよ。」

「そうか・・・じゃあ・・・」

 

~~~数日後舞鶴鎮守府~~~

(未だに何の連絡もないということは祥鳳はしくじったか。まあいい。代わりはいくらでもいるし失敗したところでばれる心配は無い・・・)

「提督、矢代提督より贈り物が来ています。」

すると、懐柔済みの憲兵が執務室を訪れ、贈り物の箱を置いて退出した。

 

「矢代提督から・・・?ふむ・・・彼女自身は穏健派だが、彼女の父親は急進派でもそれなりの勢力を持っているからな・・・コネを作って損は無いか・・・」

そう言って彼は箱を開ける。

「これは・・・懐中時計か?裏には・・・Nの文字?どういう意味だ・・・?まあいい。仕事に戻るか。」

懐中時計をポケットにしまった彼は、時計が薄く光ったことに気づかなかった。

 

執務中・・・

「ん?雨か・・・予報では晴れ続きのはずだが・・・」

雨雲に気づき開いている窓を閉めようとした次の瞬間、

執務室に雹が吹き込んだ。

「ほぐうぅ!?な、なんだこれは!?今は6月だぞ!?」

こうしている間にも雹は切間提督を痛めつける。

「く、くそっ!!どうなってるんだ!!」

流石に耐え切れず彼は執務室から逃げ出す。

そのポケットに懐中時計を入れたまま・・・

 

~~~工廠~~~

「はあっ・・・はあっ・・・ここまでくれば大丈夫だろ・・・」

この鎮守府の工廠には明石と夕張がいるが彼の態度が問題で部屋に引きこもってしまっている。最も、原因の彼には罪悪感など微塵もないが。

 

「明石!!夕張!!どこにいる!返事をしろ!」

しかし現在の工廠には妖精含めて誰もおらず返事は無い。

「・・・くそっ!!役に立たない奴らだ!!」

イラつきのあまり近くにあったドラム缶を蹴飛ばす。

ドラム缶は倒れ中身の燃料がこぼれだす。

「ちっ・・・中身は燃料か・・・!!面倒だな。」

愚痴をこぼしながら倒したドラム缶を立て直そうとした次の瞬間、

「ぎゃあああああああああ!!!!」

突如切間提督の体が火に包まれた。

近くには切れた回線。どうやらショートした際の火花が発火の原因らしい。

近くには誰もいない。

・・・実はこれは必然であった。急進派である彼は艦娘たちを物のようにしか扱っていない。故に彼女たちが部屋から出ることがほとんどなかったのだ。

助けも、気づくものも無く、後に残ったのは一つの焼死体と、裏の文字が消えた懐中時計だけだった。

 

~~~事件の翌日、岩川鎮守府~~~

「ふうん・・・切間提督が不慮の火災で死亡・・・ねえ。」

切間提督の事故はマスコミなどには伝わっていないが、提督間では有名な話になっていた。

「それにしても、「ハガル」のルーン・・・こいつはちょっとばかし強力すぎるな。使うのは控えるか・・・」

「提督、失礼しますね。」

すると、今日の秘書艦を務めている祥鳳が入ってきた。

「おう、祥鳳か。どうだった?」

「はい、烈風と九九式艦爆の開発に成功しました!」

「そうか、開発お疲れさん。で、調子はどうだ?」

「はい、以前に比べれば雲泥の差です!」

そう言う祥鳳は以前よりも明らかに調子がよさそうに見える。

「そうかい、そいつはよかった。(切間提督の話は伏せておくか)」

 

「提督・・・今度こそ、お役に立って見せますね!!」

「・・・あぁ、これからもよろしくな。」

 

本当の意味で新しい戦力を得た空。この岩川鎮守府も少しづつ正しい形に戻っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
一度書いたものが全部吹き飛んだ結果こんなに遅くなってしまいました。
まさか、ログアウト状態だったとは・・・(-_-;)
今回出たルーンは「ハガル」です。雹や災いを暗示するルーンですが書き方を変えることで吉兆を示すルーンになります。
そろそろ早い冬休みに入っている悪運A+にも仕事をしてもらいましょうかね。

では、次回予告行きます。
少しづつ復帰する艦娘たち。仕事や出撃も一段落し、久しぶりにまともな日常になるはずが・・・!?
「おいおい!?ちょっと待てそれは・・・!?」
彼は思い出した・・・自分の不幸体質を。
次回、「不幸な提督、久々の(不幸な)日常」
では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第十話 不幸な提督の(不幸な)日常

皆さんクリスマスをいかがお過ごしでしょうか?
前日の忘年会(男子会)のせいで胃がすさまじく重い作者です。

・・・どうせ私は非リアですよちくせう(´;ω;`)

さて、この小説ですが全てとはいきませんが作者の艦隊をできるだけ再現しています。
現在作者の艦隊に轟沈艦はいません。というわけで轟沈表現は無いです。
仮に沈めたりしたら、作者の豆腐メンタルが罪悪感で崩れていきます。

皆さんも大破進軍する際にはダメコンを積むなどの対策をしましょう。嫁艦を沈ませたらおそらくメンタルにクるものがあるでしょうし・・・

では、投稿します!



以前の一件後、比叡、叢雲、祥鳳、白雪、響、神通の六隻で南西諸島沖の警備を完了させた。

 

それについての報告書を海軍本営に送り、空は執務室の椅子にもたれかかる。

(明日は久しぶりに時間が取れそうだな・・・ここんところずっと執務室に缶詰だったからなぁ、久しぶりに鍛錬するか。鈍ってないか心配だしな。)

 

そんなことを考えながら空は寝室に戻り就寝した。

 

~~~翌日 05:00~~~

ちょうど夜明けの時間帯、鎮守府前の砂浜に空はいた。

その手に相棒ともいえる朱槍を握り、突き、払いなどの動作を最初はゆっくり、そして段々と早くしていく。

 

気づけばそのスピードは見る人が見れば神速と言われるような速度になっていた。

 

「・・・ふぅ。やっぱり鈍ったか・・・?」

本人はやや不満そうに槍をおろす。

「あ・・・提督。おはようございます。」

神通がややおどおどしながらも挨拶してきた。

「おお、神通か。早いな。いつもこの時間に起きてるのか?」

「は、はい。・・・て、提督。」

「ん?」

引っ込み思案な彼女の表情が変わり、

「一つ、手合わせ願えませんか?」

 

砂浜で互いに距離を取り、空は木の槍、神通は木刀を構える。

「やる分にはいいんだが・・・急にどうした?」

「・・・あなたを試させてもらいます。」

「ほう・・・いいぜ、来な!」

 

お互い一瞬で距離を詰め木と木がぶつかり合う。

一般的には槍と刀なら懐に潜り込めるか否かが勝敗に大きく関係する。

しかし、空にそれは当てはまらない。

「おらおらどしたぁ!」

「くうっ・・・!?」

空は刀の間合いで神通と互角以上にわたりあっている。

単純な膂力では艦娘である神通のほうが上だが、スピードでは空のほうが上である。さらに空は刀の攻撃を槍で受け流すことによって隙を作り畳みかけることで互角以上の戦いを演じている。

しかし、空は幸運の女神ととことん縁がない。例えば・・・

「あっ」ドテッ

「・・・・・・」

こんな感じで砂に足を取られてこけたりする。

「はぁ・・・降参だ。これじゃあどうにもなんねえ。・・・やっぱり鈍ってたか。」

普段なら砂にはまることなんてないのだが執務の忙しさから最近は鍛錬ができてなかったことが災いした。運がなかったと言えばそれまでだがそれを言えば空にはもとより悪運しかない。

「・・・十分です、ありがとうございました。」

そういって神通は砂浜を去った。

「・・・鍛えなおすかね。」

空も砂を払って鍛錬を再開した。

 

~~~視点変更 Side神通~~~

あの槍・・・速かった。

あのままだったら十中八九押し切られていたでしょう・・・

それでも、模擬戦の中で、私には彼が前の提督とは明らかに違う人物だとはっきり感じとることができました。

あんなにも純粋な目をした人間が前の提督みたいなことをするとはどうしても思えません・・・

でも、あのままだと負けていたと自分でも考えてしまっているのは悔しい。だから、もっと鍛錬をしよう。そして今度はあんな不運に邪魔されずに勝てるように・・・。

 

「神通?じーんつーう?」

「は、はい!?なんですか!?」

「いや、なんかぼーっとしてたからさ。」

「す、すいません。ちょっと考え事を・・・」

「そ、悩みとかあったらお姉さんに相談しなさいよ?」

「は、はい。」

 

・・・この鎮守府も明るくなってきました。

 

~~~視点変更 Side空~~~

鍛錬を終え、朝食を済ませ執務を始める。今日は出撃が一段落したので書類はだいぶ少ない。

「司令官、お茶をお持ちしました!」

今日の秘書官である吹雪がお茶を持ってくる。彼女も引き取り当初と比べると、だいぶ明るくなり、提督への嫌悪感もかなり薄れている。

「おぉ、ありがとな。今日は午前中に二人の艦娘が戻ってくる。案内は任せたぞ。」

「はい、因みに誰が戻ってくるんですか?」

「暁型一番艦「暁」と同じく四番艦「電」だな。本来は響に任せたほうがいいんだが今は遠征でいないしな。なら、特型のよしみってことで吹雪に頼むことにした。」

「わかりました!任せてください!」

 

~~~数時間経過 11:00~~~

「司令官、失礼します!!」

吹雪が暁と電を連れて執務室に入ってきた。

 

「暁よ。一人前のレディーとして扱ってよね!」

「電です。どうか、よろしくお願いいたします。」

「おう、新しい提督の風林 空だ。よろしく頼む。そして、今までのことをあやまらせてくれ。すまなかった。」

「・・・そうね、雷にもちゃんと言いなさい。そうすれば考えてあげる。」

「・・・響お姉ちゃんから話はきいてるのです。雷お姉ちゃんのことについて思うことはあるけど・・・憲兵さん・・・司令官さんのことを電は信じているのです。」

 

「・・・ありがとう。雷のことも約束しよう。案内は吹雪に頼んでいる。響は今遠征に行っていてな・・・すまん。」

 

少し不満そうな顔をされたが、吹雪と一緒に二人は執務室を出て行った。

 

 

~~~昼食後 13:00~~~

昼食の冷やし中華をいただき書類を済ませる。

残り少ない書類はものの数十分ですべてが終わった。

 

「ふぅ~、終わったぜ。さて何をしようかn・・・?」

何をしようか考えようとした矢先に聞こえる怪音。

 

「・・・なんだ?ここまで聞こえるって結構大音量だぞ・・・」

いぶかしむ空。すると、川内が息を切らしながら入ってきた。

「提督!!那珂を止めて!」

「・・・はぁ?」

 

~~~食堂~~~

「おいおい、ちょっと待て・・・!?こいつは・・・!」

そこは地獄絵図だった。

地に倒れ伏す艦娘たち、響く怪音、割れる食器。

 

「~♪~♪~~~♪」

「ぐうぅぅ!?なんだこりゃ、体が・・・軋む・・・!?」

(おおいなんだこの騒音は!----、妙な楽隊でも採用したのか!?)

(・・・なんだ?記憶にないことが・・・)

「那珂!ストップだ!」

声が聞こえたのか那珂は歌う(?)事をやめる。

「えぇ~せっかくいいところだったのに~」

「お前のそれは歌じゃねえ!ただの騒音だ!周りを見てみろ!」

那珂は周辺の地獄絵図を見て、

「那珂ちゃんの歌は気絶するほど良かったんだね、聞きほれさせるだけじゃなくて意識を奪うほどだなんて那珂ちゃんすご~い!」

(・・・・・・(#^ω^))

流石にカチンときた空。ルーンを刻み投げる。

ルーンは氷に変化して那珂の頭に落ちる。

「いったぁ!?何するのさ~!!」

「状況が何もわかってないな・・・気絶してるのはお前の歌が下手すぎるからだ!見ろ!食器が割れるレベルだぞ!?まともな歌って言えるか普通!?」

「えぇ~、でも那珂ちゃんは艦隊のアイドルだからぁ、歌はうまいんだよぉ?」

「ほう・・・この惨状を見てまだ言うか。那珂、お前は歌唱禁止な。さすがにこれは看過できねえ。アイドル=歌がうまいっていう理論は成り立たねえんだよ。裏山とかで練習してから出直してこい。」

「えぇ~!?なんで!?那珂ちゃんはセンターだかr「川内、自室に強制連行。」ちょっと川内ちゃん!?は~な~し~て~っ!!」

反省の色が見えないので川内に強制連行させる。

(次に会ったときは覚悟することねーーー----)

(・・・なんかまた浮かんできたぞ。)

記憶にないはずのことを思い出しながら彼は気絶している艦娘たちの介抱に当たった。

 

~~~夕食 18:00~~~

「はぁ・・・疲れた。」

「司令!お夕食をお持ちしました!」

「おお、比叡か・・・ん?おい、これ調理したの誰だ?」

あの地獄絵図は当然間宮さんにも襲い掛かっており、まだ間宮さんは体調不良のため静養している。あの歌の威力恐るべし。

「あの・・・その・・・」

「まさか・・・」

「はいっ、私ですっ!!」

「だからお前は調理禁止っつっただろうが!?俺たちがあの時どうなったのか知ってるだろうが!!」

「だからこっそり調理本読んだり練習したんd・・・あっ・・・」

「ほう?禁止事項を破っていたのか。明日トイレ掃除な。」

「・・・すいません」

「・・・練習したんだろ?なら食うさ。」

 

そういって空はカレーを見る。見た目は前回と違っていたって普通である。

「いただきます。」

そしてカレーを一口。

「・・・っ!!」

「ど、どうですか!?」

 

「・・・・・・やっぱお前、調理禁止な・・・」

空はそれだけ言い残して意識を失った。

 

 

・・・彼が起きたのは次の日の昼だった。

「俺の不幸体質、忘れてたぜ・・・」

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
さて、ついに私の艦隊にもケッコンカッコカリの書類が来ました。
それと、クリスマスということで年内には何か番外編を入れようと思います。

番外編は現在の作者の艦隊メンバーを出します。おそらく全員分は書けませんが(-_-;)

では、次回(番外編)予告行きます。
クリスマス・・・そんな日に岩川鎮守府にはある重要アイテムが届く。
それはいったん置き、サンタに扮した空がプレゼントを配りに行く。
しかし、悪運A+の空が何事もなく済むわけもない。果たして空はどうなってしまうのか!?
「俺が、いや、俺たちが、サンタムだ!!」
「一緒にしないでください!!」

次回(番外編)
「不幸な提督のメリークリスマス!」
では、次回の投稿でお会いしましょう!




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番外編 不幸な提督のメリークリスマス!

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
暖房機器に依存しつつある作者です。
さて、今回は番外編です。つきましては、
1、艦隊メンバーが変わっている。
2、時間が経過しているため改二になっていたりキャラが変わっています。
3、一応ifルート(一部適応予定)
以上の点にご注意ください。

では投稿します!

追記、文字抜け、誤字修正をしました。


時間がたつのは早いもので、クリスマスである。

 

空も着任してから半年がたち、それなりにではあるが戦果を挙げるようになった。

そんな中、海軍本営からあるものが届く。

「んだこりゃ・・・ケッコンカッコカリの書類?」

「わぁ、きれいな指輪ですね!」

今日の秘書艦である秋月と空の反応は違ったものだった。

「いや、そんなことよりも今日はクリスマスだろ。サンタからプレゼントが来るといいな。」

「はい、楽しみです!!」

 

その後は艦隊の皆とクリスマスパーティーをした。珍しく悪運が作動しなかった。

 

 

~~~深夜01:00~~~

「さて、駆逐艦の皆が寝たな。じゃ、プレゼントを配りに行きますかね。」

とはいってもさすがに一人では無理である。なので・・・

「こんな夜中に駆り出されるなんて・・・不幸だわ・・・」

「山城、そう言わないの。」

「これ終わったらボーキくれるんですよね!一航戦の誇り、お見せします!」

「赤城さん、ボーキでつられている時点で誇りも何もないと思うのですが・・・」

「気合、入れて、行きます!!」

「・・・なんであたしまで駆り出されてるのさ~」

 

「協力してプレゼントを配るぞ。行くぞ、俺が、いや、俺たちが、サンタムだ!!」

「「「「「「一緒にしないでください!」」」」」」

実は空の格好が明らかにおかしかったりする。

具体的にいうと月にいたどこぞの名無しがしていたような格好である。

 

~~~駆逐艦寮~~~

「さて、扶桑型の二人は陽炎型、初春型を。一航戦コンビと北上は吹雪型、綾波型、暁型を。俺と比叡でそれ以外だ。」

「司令官、私たちの数だけ多くないですか!?」

「あん?クリスマスパーティーの時に黙って調理しただろうが。その罰だ。」

「ひええ・・・・・・」

「じゃぁ、始めますか。」

 

しかしこのメンバーは知らない。一部の駆逐艦が好奇心故にサンタを捕まえようと画策していることを・・・

 

~~~Side空&比叡~~~

「まずは、睦月型からだな。」

「いないのは・・・卯月ちゃんと夕月ちゃんですね。」

「はやく会わせてやりたいな・・・よし、静かにいくぞ。」

「はい」

静かに部屋に入る。

「・・・ん?」

少し奥に行ったところで何かが光っているのが見えた。

「おい、比叡少し待て。・・・「シゲル(Sigel)」」

ルーンの力を用いて部屋を見る。

すると、

「なるほど、サンタを捕まえる気だったみたいだな。」

周辺にワイヤーが張ってあり触れると目覚ましが鳴るトラップが仕掛けられていた。

「危なかったですね。」

「まぁ、わかればどうってこともないんだけd「ジリリリリリッ!!!!」・・・」

実は空、足元を見落としていた。足元には通ると遠隔でアラームを鳴らすセンサーが仕掛けてあった。なお、明石はこれを作ったことで少し儲けたとか。

「やべ、急げ!」

急いでプレゼントを置き部屋を出る。

 

少し遅れて、

「サンタは!?サンタはどこにゃしか!?」

「あらら、逃げられちゃったわねぇ・・・」

「いない・・・です・・・」

 

 

少し離れた場所。

「あ、危なかったぜ・・・」

「しっかりしてくださいよ司令・・・」

 

その後、もう一つの睦月型の部屋にプレゼントを置いた。幸いなことに何もなかった。

 

その頃・・・

「ちょっと・・・こんな罠あるなんて聞いてないわよ・・・」←小破

「さすがにこれはちょっと・・・」←小破未満ダメ

 

二人は見事に被弾していた。どうやら陽炎型かなり力を入れてサンタ捕獲にかかったようである。しかし、さすがに航空戦艦だけあってダメージはそこまで大きくない。

「後で文句言ってやるわ・・・よりにもよって扶桑姉様にまで傷をつけるなんて・・・」

「まぁまぁ山城、子どもなんですから多少は大目に見ないと・・・ね?」

「まぁ・・・姉様がそういうのなら・・・」

「山城、次に行くわよ。急がないとね。」

「は、はい。」

 

場所は変わり、吹雪型の部屋。

「おわりましたよ~っと。」

「じゃあ次に行きましょうか。」

「・・・彩雲発艦。」

「どうしましたか・・・?」

「いえ、何か視線を感じたので・・・そこね。烈風、行きなさい。」

加賀が発艦させた烈風が何かを撃ち抜き破壊する。

「これは・・・監視カメラですね。」

「良く見つけられたね・・・これとても分かりづらくできてるのに。」

「そういったものには敏感なの。あの時からね・・・」

「加賀さん・・・」

「いえ、今は問題ないわ。むしろ助かってるから。」

「ほら、湿っぽい話は無しにして、次行こうよ。」

「そうですね、加賀さん。行きましょう。」

「・・・ええ。」

 

再度場所を変え、朝潮型の部屋

「此処は、二手に分かれるか。比叡はあっちを頼む。」

「わかりました!」

 

空は片方の部屋に入る

「見たところ部屋には何もないな・・・」

 

ルーン探知をしても何もなかったのでプレゼントを置こうとする。しかし、ルーンで上がった洞察力は朝潮の腕が動いたのを見逃さなかった。

「っ!?」

「そこまでです!っ!?きゃああああ!!」

「・・・っ!?」

「誰ですかあなたは!!みんな起きて!不審者よ!!」

「んぅ・・・!?誰ですか!?」

「んん・・・何よ・・・ヒィッ!誰よあんた!」

「あらあら・・・あららあらあら・・・」←荒潮混乱中

地味に様々な罵倒が心に刺さった空。しかし、今の彼はサンタム、姿なきウォッチメンなのだ。故に捕獲されることなどあってはならない(すでに姿を見られているが)。最も、逃走を図ったところで駆逐艦NO.2の練度を持つ朝潮から逃げられる可能性は低い。(因みにトップは叢雲)

「俺がサンタムだ!!つーわけでAdios!!」

空はこんな時のために用意したシゲルのルーンを投げる。シゲルは洞察力強化などもできるが本来の意味は太陽である。つまり、

「「「「っ!?」」」」

視界を光が埋め尽くす。

その間にサンタムは逃走に成功した。

「くっ・・・逃げられましたか。」

「あっ!!プレゼントがおいてあるよ!!」

「まさかあれがサンタってこと・・・?訳が分かんないわ・・・。」

「あらら・・・あらららららい・・・」←未だに混乱中

その後、荒潮はサンタムがトラウマになったとか・・・

 

「マジで危なかった・・・つーかこれ大丈夫か?」

「司令、どうしました?」

「比叡、俺の服装、おかしくないか?」

「え、今更ですか。おかしいに決まってるじゃないですか。」

「・・・OTL」

 

~~~十分後~~~

「さあ・・・次行くぞ。」←着替えた。

「はい、あ、ほかの皆さんは終わったそうですよ。どういうわけか扶桑さんと山城さんが中破してましたけど。」

「バケツ使っていいから入渠させてくれ。ったく、どういうこったよ・・・まあ想像はつくけどよ。」

「たぶん、同じような娘がいたんでしょうね・・・」

 

~~~島風、秋月、早霜の部屋~~~

「さぁ、プレゼントを置くぞ。」

「・・・はやく姉妹が揃うといいですね。」

「・・・ああ。」

此処に関しては何もなかった。

 

~~~ドイツ艦の部屋~~~

「此処が最後だな。」

「そうですね。」

部屋に入る。

「「・・・・・・」」

 

その部屋を見て言葉を失う。

「「ビスマルク(さん)・・・」」

これ見よがしにプレゼントを入れる靴下(特大)が置いてある。

「どうすんだよ、ビスマルクの分用意してねえぞ・・・」

「ですよねぇ・・・」

しかし、これで放置した場合ビスマルクが拗ねるのは目に見えている。

「・・・しゃあねえ、こいつをくれてやるか。」

「それ、司令の時計ですか?」

「あぁ、しかもルーンのお守り付きだ。」

「・・・うらやましいなぁ・・・」

「ん?なんかいったか?」

「い、いえ!何でもないです!は、早く終わらせましょう!」

「お、おう。そうだな。」

こうして、レーベ、マックスにもプレゼントを置きサンタとしてのミッションを完了させた。

 

~~~翌朝~~~

プレゼントはおおむね好評だったようだ。

 

皆の明るい笑顔を見ながら空は考えていた。

(指輪、どうするかなぁ・・・やっぱり・・・)

「提督、どうしたんですか?」

「ん?あぁ、飛龍か。いや、ちょっと考え事をしててな。」

「・・・指輪のことですか?」

「・・・何で知ってるんだよ。」

「秋月ちゃんと青葉が言ってましたよ。」

「まじかよ・・・」

「・・・そ、それ、どうするんですか?」

「ん?まだ考え中だ。第一、まだ練度最高艦もいねえしな。」

「・・・そうですか。」

「(約束するだけなら問題ないか)・・・飛龍、」

空の顔が真剣そのものになる。

「な、なんですか?」

「練度が最高になったら・・・その、指輪、受け取ってくれるか?」

「・・・え?ええ!?///」

「あぁ、すまん、いやだったか?なら忘れてくr「い、いえ!!」」

「そ、その・・・すごく、うれしいです///」

「な、なら・・・」

「浮気、しないでくださいよ・・・?」

「・・・あぁ、当然だろ?」

「提督・・・///」

「飛龍・・・」

 

 

・・・その後どうなったかは、言うまでもないだろう。

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

今回は作者艦隊で空母最高練度の飛龍ルートにしました。
前書きにも書きましたがこれはあくまでもifルートです。
実際のヒロインがどうなるかはまだ決まっていません。
候補は何人かいるんですが・・・。
恐らくですがジュウコンはしません。空の性格的にもそういうことはしないでしょうし。
まぁ、迫られたりしたらわかりませんが。

では、次回予告行きます、
製油所地帯沿岸に出撃した艦隊。
ついに現れる戦艦クラス。果たしてどうなる!?
その一方で空の前に現れた男。彼の正体は・・・!?
「・・・君の腕前、見せてもらうよ。」
次回、
「不幸な提督とスパイの邂逅」

では、次回の投稿でお会いしましょう!!



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第十一話 不幸な提督とスパイの邂逅

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
投稿が遅れてすいませんでした!
ソフィーのアトリエにのめりこんでしまいまして・・・(-_-;)
とりあえず今の心境(ゲームの進行状況)を一言で。

ルアードォォォォォッ!!(リディ並感)
・・・ネタが分かる人がいるだろうか。

何はともあれ、これからは通常運行に戻りますのでよろしくお願いします。

では、投稿します!

追記 1月9日誤字修正をしました


六月になり、空たち岩川鎮守府のメンバーは次の海域に進出することにした。

次に進出する製油所地帯沿岸は、戦艦クラスの深海棲艦が出現するこれまでよりも高難易度のエリアである。

 

「わかってるな。次のエリアは戦艦が出てくるぞ。気ぃ引き締めて行けよ。」

「わかってるわよ。で、今回も私が旗艦?」

「いや、今回は比叡に旗艦を任せる。できるな?」

「はいっ!任せてください!」

「叢雲はサポートを頼む、そんじゃ、行ってきな!飯を用意して待ってるからよ!」

 

そんな感じの会話を残し、前回と同じ艦隊メンバーで出撃させる。

 

その後執務室に戻り無線をつなぐ。

「さて、無線の調子はどうだ?」

「良好です!」

「そうか、道中も一応気は張っとけよ。何があるかわかんねえからな。」

「相変わらず慎重ですね」

「・・・ビビってるぐらいがちょうどいいんだよ、こういう時はな。」

 

その後も彼女たちの海域到達を待っていると、

「司令官さん、来客なのです。」

(来客?そんな予定はなかったがな・・・)

「矢代提督と言ってたのです。」

「なんだ、矢代提督か。通していいぜ。」

「はいなのです」

 

秘書艦代理をしている電が来客を告げる。矢代提督らしいので通す。

 

「・・・失礼する」

「・・・!?」

しかし、空の予想に反して入ってきたのは見た目は40代の男性だった。

「・・・電、少し外してもらっていいか?」

「は、はいなのです・・・」

少し不安げな表情をしながら電は執務室を後にする。

それを見てから空は敵意をにじませながら訪ねる。

「・・・あんた誰だ。俺が知る矢代提督は20そこらの女性なんだがな」

その敵意を感じたかどうかは定かではないが相手も自己紹介をする。

「おっと失礼、自己紹介をしてなかった。僕は矢代 渓雪(やしろ けいせつ)。海恵の父親で海軍中将だ。」

自己紹介を聞いて敵意が霧散する。

「・・・失礼しました。それにしてもどうしてここに・・・?」

「なに、娘がかっている男がどんなやr・・・んんっ、どんな人か見てみようと思ってね。」

(こいつ、なんとなくだが・・・もしかして親ばかなんじゃ・・・)

「あぁ、それとね、」

渓雪が突然銃を抜き空に突きつける。

「君に忠告をしに来たんだ。僕たち急進派を下手に嗅ぎまわらないようにね。」

「っ!?てめぇ・・・!」

「下手な行動は慎め。不用意な行動は自らの首を絞める。」

「・・・くそっ」

完全に進退窮まり空は悪態をつく。

「で、俺をどうするつもりだ。今ここで殺すか?」

「馬鹿を言わないでくれ。ここで君を殺すことには何のメリットもない。殺るなら人目につかない時間、場所でだ。ばれると後が面倒だしね。」

「・・・じゃあどうするつもりだ。」

「言ったはずだよ・・・忠告だって。」

そういって渓雪は銃をおろす。

「・・・?」

空は未だに疑問がぬぐえないがとりあえず距離を取り槍を構える。

「何のつもりだ。」

「だから忠告だって。それに僕は元急進派だ。」

「元・・・?」

「鞍替えしたんだ。今の僕は急進派にいながら穏健派についているスパイというやつだ。」

「・・・そうか。」

「でも、あの忠告は本当だよ。下手な真似をすれば上に消されてしまう。君は優秀な人材だ。海軍提督としても、陸軍の猟犬としても。だからこそ今は耐えて力をつけてほしい。」

「猟犬・・・ね。いいじゃねぇの。忠告、感謝します。」

「うん、それでいい。で、君と娘はどういう関係なんだい?」

「・・・は?」

「どういう関係なんだと聞いている」ズイッ

「なんか口調変わってません?」

「人には言えない関係なのか?ならこいつをもう一度向けなきゃならない。」

「そんな関係じゃねえよ!大体あったことだって数回なんだぞ!?そんなんでそういう関係になるわけねえだろ!」

「何!?娘のどこが気に入らないんだ!言ってみろ、言ったら最後お前の脳漿ぶちまけてやる。」

「(こいつめんどくせぇ!?)そんなんで言えるわけねえだろうが!」

もはや目上に対する敬語も忘れギャースカ言い合っている空。しかし、

「・・・提督?何をしていらっしゃるのですか?」

「し、翔鶴・・・いや、これは、その・・・」

現在、岩川鎮守府のメンバーに翔鶴はいない。つまり、

「提督はそこで座っていてくださいね?」

「・・・・・・」カタカタ・・・

「へ ん じ は?」

「は、はい!」

彼女は渓雪の鎮守府の翔鶴である。

「風林提督、すみませんでした。この人娘のことになると歯止めが利かなくなっちゃうんです。」

「い、いえ。こちらこそ海軍中将である方に様々な暴言を・・・」

少しは冷静さを取り戻した空も謝罪する。

「そうだそうだ、これでも海軍中将なんだぞ~」

調子を戻したのか渓雪の口調がまさしく酔ったおっさんの物になっているが、

「提督・・・?」

「すみませんでした」

目が笑っていない翔鶴の微笑みでおとなしくなる。

その後、

「では、風林提督、失礼しました。」

「忠告はした。これからも用心するといい。あと、海恵は渡さん。」

「まだ言うんですか・・・」

「だいたい、何も思わないのかい?海恵は僕達の娘なのに・・・」

「て、提督!!///」

「・・・!?」

なんというか、衝撃の真実を知ってしまったがお騒がせスパイは岩川鎮守府を去っていった。

 

~~~夕方 17:00~~~

艦隊が帰投した。なんと小破以上のダメージを受けた艦はいなかった。というのも、

「やりました!!」

「空母の先制爆撃で戦艦ル級を沈めたから・・・」

「うぅ~ほとんど叢雲ちゃん頼りだった・・・」

・・・どうやら比叡は旗艦に向いてないようだ。

「というよりも!なんであんた無線に出ないのよ!回線ひらきっぱにしてる意味がないじゃない!しかも途中からものすごくやかましかったし!しっかりしてよ!!」

叢雲さんからありがたい(?)お説教もいただいた。

 

その後は、夕食をみんなで取り就寝した。岩川鎮守府は今日もある意味で平和だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
やっちまった感がすごいですwww
では新キャラおよび追加設定いきます
矢代 渓雪
年齢45  海軍中将
元急進派で現在は穏健派に情報を流しているスパイ。海軍に入った理由は人の平和を守りたいと思ったから。
だが、実際は艦娘嫌いでブラック提督だった。その後上層部の実験対象になる。その実験とは、「艦娘と人間の子供は艦娘の力を持っているのか?」
その結果、正規空母翔鶴との間に娘の海恵を授かる。当時の彼は30代で性格も以前より丸くなり現在では完全なホワイト提督になった。その後、秘密裏に急進派を離脱。穏健派に入り急進派のスパイとして暗躍している。
産まれた海恵は艦娘の力を持っていなかった。しかし、性質の一部を受け継いだのか異様なスピードで成長した。彼女は書類では24歳となっているが実年齢はまだ10歳前後。その後海恵は本人の希望と親のコネを使って提督になった。事実、適性試験では圧倒的ともいえる適性を発揮したため文句もなかった。
現在翔鶴とはケッコンカッコガチをして、仲睦まじい(?)生活をしている。

矢代 海恵 年齢24→10歳前後
矢代渓雪と正規空母翔鶴との間に生まれた子ども。実験の結果で生まれた子どもだが、両親の愛情を受けまっすぐに育つ。艦娘の性質故か他の人よりも成長が著しく早く実年齢は10歳前後であるにもかかわらず見た目は完全に大人のそれである。また、提督としての適性が異様に高く、艦娘のコンディションを知覚することができる。銃の名手である渓雪と翔鶴の血をひくためか、弓や銃など、射撃系の武器の扱いに長けている。

なんかめちゃくちゃになってきた・・・(-_-;)
書いている本人もかなり自信が無いのでガンガン指摘をお願いします。場合によっては大幅な書き直しをします。
設定上深海棲艦との戦いは10年以上にわたる長期戦になっています。
設定に追加しておきます。10年も何をしていたのかは聞かないでください・・・(汗)

では、次回予告行きます、
衝撃の真実(?)を知ってしまった空。そんな矢先に海恵から演習の誘いがかかる。
対応に困る空。さらに艦娘たちも続々と復帰してくる。
疲労はたまる一方。空はどうなってしまうのか!?
「・・・・・・」←返事がない、ただの屍のようだ。
次回、
「不幸な提督は疲労困憊」
次回の投稿でお会いしましょう!!



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第十二話 不幸な提督は疲労困憊

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
凍った雪で足を滑らせ階段から墜落した作者です。
仰向けで寝れないぐらい尻が痛いです(´;ω;`)

さて、少しづつシリアスをかなぐり捨てていますが基本このスタンスを貫きたいと考えています。
作者にとってはシリアスは時々入れるぐらいがちょうどいいんです(-_-;)
SAN値が削れる音がするので・・・あぁ、ダイスの音が・・・:;(∩´﹏`∩);:

何はともあれ、投稿します!



矢代夫妻が来た夜、空は悩んでいた。

お騒がせ(?)スパイが言った驚きの事実もそうだが、それだけではなく・・・

「マジかよ・・・このタイミングでか・・・」

手元には海恵からの演習のお誘い。・・・割と気まずい。

渓雪は年齢の事実を言ってはいなかったが、艦娘との子どもである以上実年齢が10歳前後であることを空は察している。

かといって断るわけにもいかないのでとりあえず了承の返事を返す。

(断ったりしたらあのおっさんまた来そうだしな・・・)

さらに目の前には書類の束。今日の一件があったため全て終わらなかったのだ。

この時ばかりは空は午前中の慢心を嘆いた。

(今日は何時に寝れるのかねぇ・・・)

秘書艦も既に就寝している(空は秘書艦勤務を21:00までにしている)時間でも、空は黙々と書類と戦った。

 

~~~翌朝 06:00~~~

「司令官・・・?・・・珍しいね。」

今日の秘書艦である響が執務室に入ると珍しく椅子に座ったまま寝ている空。見たところ書類はすべて片付いているようだ。

そのままにしておくわけにもいかないので起こす。

「司令官、朝だよ。起きて・・・(こんなに無防備な顔は見たことがないな・・・)」

「んぅ・・・?やべぇ、椅子で寝ちまったか。ったく、体が痛いぜ・・・」

「そんなに執務が忙しかったのかい?」

「数はそれなりだったんだが内容が面倒でな、結局二時間ぐらいしか寝れてねえ。」

「・・・大丈夫かい?」

流石に心配なのか不安げな表情を見せる響。

「大丈夫だって、これでも元陸軍だぜ?体力には自信がある。」

「・・・そうだね。でも、辛くなったら言ってほしいな。司令官には・・・あまり無理をして欲しくないから。」

「・・・ありがとな。」

 

~~~朝礼 06:45~~~

「えぇ~今日は出撃無しだが午後から矢代大佐との演習だ。メンバーは叢雲、比叡、吹雪、響、祥鳳、川内だ。先に言っておくが夜戦はねぇぞ。後のメンバーは自由行動。外に出たいなら書類を渡してくれ。」

 

~~~朝食の後に執務 09:00~~~

「・・・ん?」

「どうしたんだい?」

「いや、資材の搬入がなんか遅いような・・・」

「・・・ホントだね。確認してこようか?」

「あぁ、頼んだ。」

 

(お上の奴ら・・・いよいよ本腰を入れてきたか・・・?)

今回の件を上層部の介入ではないかと勘繰る空。後にその予想は想像を超えて現実になることを彼は知る由もない。

 

一時間後・・・

「司令官、あっちは知らぬ存せずだったよ・・・」

「そうか、ありがとな。」

「・・・司令官。」

「・・・心配すんな。陸軍の猟犬は伊達じゃねえよ。」

 

~~~昼食の後演習 14:00~~~

「よろしく頼むよ、風林提督。」

「あ、あぁ・・・。」

「・・・どうしたんだい?」

「いや、いろいろあってな少し疲れがな・・・」

「・・・私のことなら父さんから聞いてるよ。」

「・・・!」

「気にすることは無いよ。むしろ同情とかを抱いてるなら願い下げだ。私は私。それは変わらない。私は人間の父と艦娘の母との間に生まれた誇りある”人間”だよ。」

「・・・そうか。悪かったな、なんか変に感傷的になっちまってな。」

「いいんだよ。みんなそうだったから。」

「・・・(なら、なんでそんな悲しい目をしてやがる・・・)」

 

~~~演習後 17:00~~~

「・・・完敗だな。」

「「「「「「・・・・・・」」」」」」

メンバーは沈黙している。前の提督のことを思い出してしまっているのかもしれない。

 

「ま、次につなげりゃいいさ。人間だろうと艦娘だろうと完璧なんてこたぁめったにねえ。ほら、暗い顔してねえで飯行こうぜ!」

 

「「「「「「・・・はい!!」」」」」」

着実に結束が強くなっているようである。

 

~~~夕食後 21:00~~~

「さて・・・残りを片付けますか。」

秘書艦の響も部屋に返したが書類はまだ残っている(響には伏せてあるが)

 

(やっぱり・・・書類が増えてるな。海域が増えたからかもしんねえがもしかすると・・・)

内に秘めた嫌な予感を振り払い書類を片付ける。

 

~~~執務終了 03:40~~~

「はぁ~終わった~、ってもうこんな時間か・・・最近いっつもこんな時間だな。はぁ、残業代は出ないのかねぇ・・・」

そんな愚痴をこぼしながら風呂に入りそのまま眠りにつく。

 

~~~空 起床 06:00~~~

「・・・たった二時間で疲れが取れるわけもないか。」

とはいえ弱音を吐くわけにもいかない。今日も執務が待っている。

 

~~~朝食 07:30~~~

空からすれば普通の朝食だったが、一部の艦娘は空の状態に疑問を抱いていた。

 

~~~執務開始 09:00~~~

「話は聞いてると思うけど艦娘が戻ってきたわよ。」

今日の秘書艦である叢雲が空に話を伝える

「・・・そうか、通してくれ。」

その言葉の後、4人の艦娘が執務室に入ってくる。

「駆逐艦朝潮です!」

「白露型2番艦、時雨だよ。」

「妙高型2番艦、那智だ。」

「同じく4番艦、羽黒です。」

「新しい提督の風林 空だ。とは言っても憲兵時代に面識はあるか。」

「あぁ。それと、貴様の今までのことは聞いている。故に謝罪は不要だ。私たちを救ってくれたこと、感謝する。」

「・・・まいったなこりゃ。とりあえず長旅ご苦労。部屋割りを叢雲と決めてくれ。」

 

その後4人は叢雲と別室で部屋割りを決めた。

~~~その後10:00 執務室~~~

「司令官、とりあえず報告を・・・」

「・・・・・・Ω\ζ°)チーン」←返事が無い。ただの屍のようだ。

「ちょ、ちょっとあんた!大丈夫なの!?」

流石に焦った叢雲。空を揺り起こす。

「・・・んぁ?・・・やっべ、気ぃ失ってたわ。」

「・・・夜中まで執務をやってたんだもの、当然ね。これに懲りたら少しは休むことを覚えなさい。」

「・・・何で知ってるんだよ」

「私はあなたの初期艦よ?これでもあんたの性格、多少は把握してるつもりよ。」

「はぁ、俺の負けだ。そうだよ夜中まで書類に追われてたさ。ったくめんどくせえったらねえっての。」

「・・・そうね。試しに矢代提督に聞いてみたら?」

「・・・そうするか。」

「の前に、今日は休みなさい。それに・・・あんたの状態に気づいていたのは私だけじゃないみたいだしね?」

「あぁ?そりゃどういう・・・」

「「・・・・・・」」

「・・・(;´・ω・)」

「司令官・・・あの言葉は嘘かい?」

「いや、違うんだ響!これはその・・・居眠りしちまったんd」

「提督?嘘はだめですよ?私、ちょっと手が滑って艦爆を発艦させちゃいそうです♪」

「・・・冗談だよな?」

「そう見えますか?」

「・・・ミエマセン(´・ω・`)」

「良かったです。目は異常なしです。」

「だぁーっ!!わぁーったよ!休めばいいんだろ!?ついでだから今日は全員休み!ゆっくりしてろ!」

「「「了解(よ、です)」」」

 

と、いうわけでこの日岩川鎮守府は完全休養に入った。こういう変化もまた彼女たちにとっては吉兆なのかもしれない。

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
・・・めちゃくちゃ難産でした。しかもぐだつくという(-_-;)
実はこの話、終わりそのものは完成しています。なのにその間ができてないと言うお粗末さである。
とはいっても作者のリアルが追い付いてないっていう話なのですが(-_-;)

一応結末は二通り用意してあります。どんなエンディングかは書けませんがお楽しみに。
エンディングは、中部海域完全制圧後の予定ですが、もしかしたら早まるかもしれません。
因みにですが続編を書くとしたらソフィーのアトリエです。ドールメイクの歌に耳が癒されました(´▽`) ほかに希望がありましたら感想欄にどうぞ。(作者が原作を知っているかはわかりませんが・・・)

次回予告は今回はお休みです。(ネタが浮かんでいないとは言えない・・・)
とはいえ来週はきちんと投稿します!
では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第十三話 出撃、南西諸島防衛線!前編

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
お気に入りが100件突破しました!ありがとうございます!
これからもこの拙作を楽しんでいただければ幸いです。
フィリスのアトリエはいくつかのエンドを見ました。あとがきに少しですが感想を。

もうすぐ冬イベでございます。覚悟はいいか、俺はできてない( ー`дー´)キリッ
・・・致命的にボーキが足りてないんです(-_-;)ただいま全力で回収中です。
・・・調子に乗って大型建造した結果がこれだよ!(大和、大鳳は既にいるのにもかかわらず)

さて、艦隊を遠征に出したところで、投稿します!



先日の完全休養後、大本営から次の海域攻略の催促が来た。書類によるとここには軽空母ヌ級が出現するらしい。しかし、前回の資材搬入の遅さから上層部の介入を疑っている空はそれも含めて矢代提督に確認を取ることにした。

すると、帰ってきた答えは

「なるほど、これは上が一枚かんでるね。その海域にはヌ級も出るけど主力部隊には正規空母ヲ級がいるはずだ。資材の遅れも嫌がらせだと思うよ。」

というものだった。

 

「(はあ・・・ついてねぇ。ま、それは向こうもか。)」

そう考えつつ空はあるものの準備とある人物への連絡を始めた。

 

~~~翌日 07:00~~~

「今日は先日の通達通り南西諸島に出撃する。メンバーは前回の演習メンバー。頼んだぞ!と、言いたいんだがな・・・」

「何?何かあるの?」

「あぁ、今回の出撃では主力部隊には手を出さない。」

「ちょ、どういうこと!?説明しなさい!」

叢雲をはじめ艦隊メンバーにも不審げな表情を見せる。

「あぁ、言い方が悪かったな。後々殲滅はする。ただ、一回目は主力部隊の陣容を見てほしいんだ。上からの書類と矢代提督からの情報が合わないんでな。」

「司令、それってもしかして・・・」

「あぁ、俺は上からの介入が来てると見てる。」

「上からの介入」、元は軍艦たる彼女たちもその意味が分からないわけではない。

「・・・まぁお前らの不安もわかる。だがすぐにどうこうなるって話でもないし俺もただ手をこまねいてるだけじゃないからな。今は作戦に集中してくれ。詳しいことを聞きたいなら作戦完了後に頼む。」

まだ不安は残っているようだが皆うなずき出撃の準備に取り掛かる。

 

~~~出撃後~~~

(さて、今回で少しは洗い出せるといいんだけどな・・・)

その時空の携帯電話が鳴る。

「ようデイル。尻尾はつかめたか?」

「あぁ、だがトカゲだ。」

「そうかい。後でデータとか証拠とかをいつものルートで送ってくれ。」

「任せろ。」

その言葉を最後に通話が切れる。

「やっぱり頭は取れないか・・・まぁいいか。いずれはその首にたどり着くだろうしな。」

 

~~~南西諸島海上~~~

空が裏で諜報活動をしているころ叢雲率いる艦隊メンバーは着実に進撃を続けていた。

 

「祥鳳さん、彩雲を!作戦通りにここは待機よ!」

 

「主力部隊確認!!陣容は・・・空母ヲ級が2隻に重巡リ級、軽巡ヘ級、駆逐ハ級が2隻です!」

「わかったわ!全員周囲に警戒しつつ撤退するわよ!」

作戦を無事に完了させ、艦隊は帰路についた。

 

~~~艦隊帰投中 14:00~~~

「よう、目ぇ覚めたか。」

空の目の前には猿轡に目隠しをされた男。

「~~~~~っ!~~~~っっ!?」

「おっと、落ち着けって。すぐに危害を加えようってわけじゃねえ。少しばかり聞きたいことがあってな・・・」

「・・・・・・・・・」

「おっと、これじゃしゃべれないわな。」

そう言って空は男の猿轡を取る。

「・・・俺を・・・どうするつもりだ・・・」

「だから言ってるだろ?聞きたいことがあるって・・・お前さん、誰の指示で此処の資材搬入を遅らせてんだ?」

「・・・そもそも遅れなんぞない、何をふざけたことw「おい、勘違いしてねえか?」ウゴォッ!?」

空は男を殴り飛ばす。

「お前さんと俺。少なくとも今の立場はわかるだろ?そもそもここにてめえを捕らえた時点でネタも証拠も挙がってんだよ。わかったら観念してさっさと情報を吐きな。」

「ぐぅ・・・」

その後、男は知っていることを空に伝えた。

「そうかい、ありがとよ。じゃあデイル、頼んだぜ。」

「任された。こっちに来い。」

「け、憲兵!?なんでだ!?情報は言ったぞ!」

「おいおい、誰が情報言ったら見逃すなんて言ったんだよ。お前は海軍の活動を妨害したんだ。捕まって当然だろ?」

「くそっ!陸軍の犬め!調子に乗りやがって・・・!」

「ハッ、言ってろ。それと犬は犬でも猟犬な。」

男はその後、陸軍に連行され罰を受けることになった。

 

~~~艦隊帰投 16:00~~~

「作戦完了よ、艦隊が帰投したわ。」

「おう、お疲れさん。ダメージを受けたやつは順にドックに入ってくれ。叢雲は入渠後に報告を頼む。」

「わかったわ。」

「じゃあ解散」

 

~~~作戦報告 17:30~~~

「・・・以上が偵察の結果よ。」

「・・・やっぱり上の報告が間違ってるな。つーかこれで俺たちを騙せるとでも思ってんのか?こんなの他の提督に聞けばすぐにばれると思うんだが・・・」

「どうせ陸軍出の奴に情報教える提督なんていないだろうって高を括ってたんじゃない?」

「ありうるな・・・」

「まぁ、相手が油断している分にはいいんじゃない?」

「まぁな。とはいえ、このままうまく行くとも思えないけどな。」

「でしょうね。で、明日からは本格的に制圧してもいいのよね?」

「あぁ。思いっきりやってこい。」

 

~~~夕食後 21:30~~~

「よし、出来た。」

彼の目の前にはルーンを刻んだ護符が六枚。執務の合間を縫って作り上げた渾身の作品である。(最近は時折祥鳳や響をはじめとした艦娘が夜中に空が頑張りすぎてないか監視してくるようになった)とはいえ、まだ空が未熟なせいでルーンを一つしか刻めなかったが。

 

「さて、執務も終わったし、風呂入って寝ますかね・・・こんなに早く寝るのはいつぶりだろうな・・・」

 

~~~空就寝後 23:30~~~

出撃前ということもあり皆早めに就寝した中、暗い廊下を歩く艦娘が二人。

「ほ、ほほら響!早く来なさいよ!」

「・・・明日出撃なんだけど。」

「あなたがトイレに行きたいって言うから仕方なくついてきてあげてるんじゃない!」

「そんなこと言ってないんだけd「いいい急ぐわよ!、着いてきなさい!」はぁ・・・」

そんなこんなでお手洗いを済ませたレディ(笑)。

「は、早く戻りましょ「グスッ・・・ヒック・・・」ヒッ!?だ、誰!?」

突如聞こえた声に驚く二人。響も眠そうな目を見開いて警戒している。

 

・・・しかし、何も聞こえない。

「そ、空耳だったのかな。」

「わ、わからないけど早く戻りましょ!」

そして部屋に戻ろうと後ろを振り向く、

「う~ら~め~し~や~・・・!」

「「あ、ああ・・・!!きゃあああああ!?」」

突如現れた紫がかった銀色の髪の女性に驚き全力で走り去る二人。

方向もわからず走った先の部屋に入り部屋のベッドに入り込む。

その後、恐怖に震えているうちに二人は寝てしまった。

 

因みに、

「・・・う~ん・・・」

彼女たちが入ったのは空の私室だったりする。翌朝何が起きたのかは言うまでもあるまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
今回は前編ということで次は後編になります。空、裏でいろいろやってます。

フィリスのアトリエをやってみた感想ですが・・・
BGMが秀逸でストーリーも面白かったです。初見でも全然楽しいと思いますが前作のソフィーのアトリエをやっているともっと楽しめるかと。

では、次回予告行きます
偵察を済ませ、本格的に作戦を進行することになった艦隊メンバー。
空は作戦の裏で暗躍する・・・
「さて、その首をさらしてもらおうかね・・・!」
次回、「出撃、南西諸島防衛線!後編」
では、次回の投稿でお会いしましょう!


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第十四話 出撃!南西諸島防衛線! 後編

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
テストが近づき戦々恐々の作者です。
春休み・・・早く来てくれ(´;ω;`)

ちなみにですが、前回登場した幽霊(?)さんはあくまでもゲストなので今後の登場予定はありません。(もしかしたら閑話扱いで一話書くかも・・・)
それにしても・・・アトリエシリーズのBGMにはずれはありませんな。良曲ぞろいです。
艦これとは畑違いですがBGMのイメージを少し参考にしたりしています。(出来がいいとは言ってない)

では、投稿します!



偵察を済ませた翌日、

「さて、今日が本番だ。主力部隊を撃滅するぞ。」

顔を真っ赤に腫らした空の言葉に艦隊メンバーも笑いをこらえながらうなずく。

先日(実際は今日だが)深夜に空のベッドにもぐりこんでいた響と暁。そして朝になりその光景を見た叢雲と神通に空(この日に限って目覚ましが故障)は誤解を解く間も無くボコられたのだった。(その後きちんと誤解は解けた模様)

「その前に祥鳳、今回はこいつを積んでくれ。」

そう言って祥鳳にようやく開発に成功した「烈風」を手渡す。

「頼んだぜ。今回の戦いはお前さんの制空にかかってるからな。」

「・・・はい!任せてください!」

傍から見れば良い光景のはずなのに空の顔のせいでどこか締まらない。

「ぷっ・・・あんたがその顔してると締まらないわねぇ。」

「誰のせいだと思ってやがる」

「悪かったわよ。で、今回も旗艦は私?」

「あぁ、そうしてくれ。おっと忘れるところだった。ほらよ。」

空はメンバーにお手製の護符(お守りとも言う)を投げ渡す。

「司令官、これは?」

「あん?お守りだよ。無いよりはあったほうがいいだろ?」

「「「「「「・・・・・・」」」」」」

「な、なんだよ悪いか?」

「いやその、司令って意外とゲンを担いだりするんだなって・・・」

「意外か?まぁ、そんなこともあるってことだ。」

照れくさいのか自作ということは言いたくないようだ。

そんなこんなで締まらないながらも艦隊は出撃した。

そして、

「・・・デイル、首尾はどうだ?」

~~~視点変更 SIDEデイル~~~

「問題ない。部隊員全員が配置についた。」

空からの電話に答える。今回は先日自白した急進派の一員から得た情報をもとに艦娘を売買しているという会場に来ている。当然会場には見張りがいたが特殊部隊によって制圧、無力化してある。

「全員配置についたか」

無言で全員が完了のサインを出す。

「良し・・・行け。」

隊員の一人が仕掛けた特殊爆薬を起動し、別の一人はグレネード弾で穴を作る。

そして、爆音とともに壁に穴が開き指揮官であるデイルの号令が入る。

「総員突入!」

その言葉で残りのメンバーが突入する。

大混乱に陥る会場、しかし突然動きが鈍りそして座り込んでしまう。

その間に虹霓のメンバーが逃走者を拘束する。

「な・・体が・・!?」

「隊長、任務完了です。」

急進派の一人がデイルに伝える。

「き、貴様・・・!」

「すみませんね、これでも虹霓の一員なんで。詳しいことは陸軍本営で聞きますよ。」

「虹霓!?・・・くそっ・・・」

「隊長・・・全員確保・・・でも・・・皆下っ端。」

「・・・そうか、容疑者、被害者を別にして本営に連行しろ!」

そう言ってデイルは空に連絡を取るのだった。

 

~~~視点変更 SIDE空~~~

「・・・来たか。」

携帯をとる。

「デイルか。どうだった?」

「・・・ダメだ、下っ端は捕らえたが、本営の奴らは既に逃げてたかそもそもこの作戦が漏れてたかのどちらかだな。」

「マジか・・・正直行けると思ったんだがなぁ・・・」

「だが、売買されかけてた艦娘を保護することができた。これで大本営に少しは圧力をかけられるはずだ。」

「そうだな・・・今は艦娘を保護できたことを喜ぶべきだな。デイル、ありがとな。」

「礼などいらん。俺は俺のなすべきことをしているだけだ。」

そう言って電話は切れた。

「今回もダメだったか・・・つーか上層部はともかくとしても、やっぱり下のほうの人間に急進派が多いか・・・面倒だな。」

空が考えこんでいると、

「敵主力部隊を発見、間もなく接敵するわ!」

叢雲から主力部隊発見の報が入る。

「了解だ、最大火力を保てる単縦陣で接敵。まずは制空戦になるはずだ。各自、爆撃に警戒しろ。」

 

~~~視点変更 SIDE叢雲~~~

司令からの指示を受け、皆が戦闘態勢を取る。そして遠目に敵空母が艦載機を発艦させたの確認した。

「祥鳳さん、お願い!!」

「はい!私だって航空母艦です、やります!!」

祥鳳さんの放った矢が艦載機になり敵に向かう。

「皆、爆撃に警戒して!」

皆が一度散開して爆撃を警戒する。

「・・・よし、航空優勢、敵空母一隻、重巡リ級を撃沈!」

祥鳳さんの報告を聞き、

「砲雷撃戦、行くわよ!」

その言葉と共に皆が砲撃を始める。

しかし、何かがおかしい。

今の艦隊メンバーの装備はそこまでいいものを使っているわけではない。火力もあまり高くは無いので比較的長期戦になるはずなのだ。なのに、

「突撃よ!」

「ヲッ!?」←大破

「沈みなさいっ!」

「・・・!!」←撃沈

自分を含めてやけに皆の火力が高いのだ。しかも何故か砲弾が微妙に逸れているようで被弾がほとんどないしあっても至近弾のような微小のダメージで済んでいる。そして、

「無駄だね、」

「ヲ・・・ヲヲ・・・」←撃沈

響の砲撃が艦載機を出せなくなったヲ級を直撃。その撃沈を持って作戦は成功した。

 

~~~視点変更 SIDE空~~~

「ふう・・・とりあえず一段落、か。」

叢雲から作戦成功の報を聞き、ひとまず安堵する。

(だが・・・肝心の上層部が出てこねぇ。今は、デイルの情報を待つしかないか)

 

今後のことを考えつつ空は間もなく帰投するであろう艦隊の迎えに行った。

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
今回出てきた護符(お守り)には「ティール」のルーンが刻まれています。
ティールの文字が示すのは「戦い」と「勝利」です。さらに、無意識ですが空が持っている力の一部が追加されます。
艦これ的ステータスにすると、「火力+3、回避+3、クリティカル率10パーセントアップ」ぐらいでしょうか・・・(一つおかしいですがお見逃しを・・・)
そして、陸軍特殊部隊「虹霓」について
陸軍が独自に編成した特殊部隊。隊長であるデイル・フェルグスを筆頭に各部門(諜報、交渉、狙撃、爆破解体など)の精鋭が揃った部隊である。名前の由来は部門ごとに隊を表すマークの色が異なっておりそれが全部合わさると虹になることから。
(メタ要素的に言ってしまえばレインボーシックスシージ)

では、次回予告行きます。
無事に南西諸島防衛線を突破し鎮守府海域を制圧した空。そして、艦娘がまた戻ってくる。そして同時に跳ね上がる鎮守府のエンゲル係数。
「うおお!?なんじゃぁこりゃあ!」
「提督!此処のご飯、おいしいですね!」
次回、「不幸な提督の(不幸な)日常 その2」
では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第十五話 不幸な提督の(不幸な)日常 その2

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
テストが終わり春休みに入りテンションが上がっている作者です。(単位が取れたとは言ってない)
春休みの投稿についてはまだ予定が決まってないのでわかり次第活動報告にのせておきます。
始めてしまった・・・新ロロナ。フィリス、ソフィーとはだいぶ違うんで混乱しました。
目標は春休み中にアーランド三部作をクリアしたいな~なんて・・・
さて、艦これですが、ボーキが・・・ボーキが溜まらない・・・。なんでだ・・・?
演習に空母ガン積みで行くからか・・・?←
・・・反省します。

では、投稿します!


南西諸島防衛線を突破した鎮守府の面々。虹霓の活躍もあり現在急進派は混乱状態にあるらしい。

また、空は急進派から「陸軍の猟犬」と呼ばれ恐れられるようになった。最も、

「ハッ、恐れてるってこたぁ自分が後ろめたいをことしてるって言ってるようなもんだぜ」

とまったく意に介してないが。

そして今日、本営からの任務達成と同時にまた艦娘が戻ってきた。

「航空母艦、赤城です。」

「同じく、飛龍です!」

新たに復帰したのは正規空母、由緒ある一航戦、二航戦の二人である。

「おう、よろしく頼む。正規空母は今はお前さんたちだけだ。・・・すまなかった。」

「私も憲兵、いえ、提督のことは聞いています。だから、あまり重く受け止めないでください。なんであれ私たちを救ってくれたことに変わりはありませんから。」

「・・・ありがとな。」

「ところで・・・」

「ん?」

「「お腹が・・・空きました。」」

「ふっ、そうか、なら食堂に行くといい。間宮と伊良湖が担当だからはずれは無いだろうよ。」

「「間宮さん!!提督、行ってきます!」」

そう言って二人は空腹とは思えないスピードで執務室を出て行った。

「あいつら・・・さて、あと少し、気合入れていきますか!」

このとき彼は食堂が大ピンチに陥っていることなど知る由もなかった。

 

空が昼前の書類を片付けているころ・・・

~~~12:30 食堂~~~

お昼の食堂、そこは艦娘たちの癒しの場所の一つである。

しかし、今日に限っては違う。そこは今修羅場と化していた。

「間宮さん!今度は麻婆豆腐と餃子です!」

「わかったわ!伊良湖ちゃん!これお二人に!」

「はいっ!あっ、那智さん注文ですか!・・・間宮さん、日替わり定食入りました!」

「はぁ~い!那智さん少し待っててくださいね!!」

「あ、あぁ。その・・・無理はするなよ・・・?」

「ふふっ、ありがとうございます。でも、これが私の仕事ですから。」

因みに話をしながらも彼女は手を止めない。ここまで忙しい理由だが、言うまでも無く・・・

「やっぱり間宮さんのご飯はおいしいですね!」

「そうね。保護してもらった鎮守府ではあまり多く食べるわけにもいきませんでしたからね。」

と言っている一航戦の赤いほうだが、それでも十人前を普通に平らげたりしている。加減はどこ行った加減は。

そうこうしているうちに空が書類を済ませたのか食堂にやってきた。そして、空母お二方が平らげた料理の皿を見る。

「うおおおい!?なんじゃこりゃあ!」

「あ、提督!此処のご飯すごくおいしいですね!」

「おう、そりゃ良かった・・・ってこれ全部お前ら二人で食ったのか!?」

「「はい( ー`дー´)キリッ」」

「シンクロして決め顔するのやめろ。つーかこんだけ食うのか・・・正規空母なめてたわ。」

「大丈夫ですよ、食べた分はきちんと戦果でお返ししますよ。」

「ほぅ、流石は二航戦。赤城共々期待してるぜ。つーわけで間宮さん、日替わり定食一つ。」

「あっ、提督・・・その・・・」

「ん?」

「さっきの注文で材料が終わっちゃって・・・」

「マジか・・・ついてねぇ。」

「す、すみません・・・!」

「・・・いや、いいさ。今回は事が事だしな。さて、飲み物飲んで午後の執務に行きますかね。」

「あ、ちょっと待っててください!」

「お、おう。」

 

~~~数分後~~~

「すいません、簡単なものですけど。」

申し訳なさそうな表情で間宮から渡されたのはおにぎりとたくあんのセット。

「おお、ありがとな!」

そう言って空は執務室へ戻った。

 

~~~午後の執務開始 13:00~~~

「さて、じゃあやりますかね。」

「し・・・司令官、新しい書類です・・・」

「ん?多いな!?つか大丈夫か朝潮!?」

「この程度・・・なんてことは・・・あっ」バッサァァァァ

「ほら言わんこっちゃねぇ・・・」

「し、司令官・・・」

「ほら、まずは書類を集めるぞ。」

「は、はい・・・」

回収後・・・

「・・・・・・」ズーン…

「ほらそう落ち込むなって、オレンジジュース飲むか?」

「・・・はい、いただきます。」

「朝潮、人間ミスはつきものだ。いちいち気負う必要はねえんだよ。次に気を付ければいいのさ。」

「・・・はいっ!」

「よし、それでこそ朝潮だ。じゃあ・・・この書類の山を片しますか・・・。」

「司令官・・・はいっ朝潮、いつまでもお供します!」(注 ただの書類処理である)

こうして、今日の秘書艦の朝潮と共に地獄ともいえる書類作業が始まった。

 

~~~夕食 18:00~~~

「もう驚かねえぞ・・・」

目の前の惨状を見て空はつぶやく。幸いあらかじめ空たちの分を取っておいてくれたらしく昼のようなことにはならなかった。

 

~~~執務終了 21:00~~~

「・・・終わったー!」

「はいっ!お疲れさまでした!」

「いや~助かったぜ・・・だが・・・」

「・・・はい、食料品の予算拡張は急務かと。」

「だよなぁ・・・」

今はまだ平気だが、あの二人の参入によって食料品の予算拡張が必須かつ急務になるのは自明の理である。

「まぁこればっかりは上と掛け合わないとだめだからな・・・ともかく、今日はお疲れさん。もう休んでいいぞ。」

「はい、お疲れさまでした!」

そう言って朝潮は退出した。

「さて、俺も風呂入って寝ますかね・・・」

と、自分も執務室の戸締りをしようとしたその時、

prrrr…

「あぁ?」

電話を取ると、相手はデイルだった。

「デイルか。どうした?わざわざこっちの電話にかけてくるなんて・・・」

「あぁ。良いニュースと悪いニュースがあるがどっちからがいい?」

「・・・良いほうから聞く。」

彼はこういう時のデイルのニュースはたいてい碌なことにならないと知っているため内心は複雑だ。

「あぁ、前回の事件で売り物にされかけていた艦娘の中に岩川所属の艦娘がいた。」

「はぁ!?ってことはなんだ、保護先の提督がやったのか!?」

「どうやらそうらしい。本人たちに話を聞いたが三人ともそちらに戻りたいそうだ。数日後にはそちらに着く。うち二人はお前とも話が合うだろうよ、不幸談義で。」

「後で覚えとけよ・・・で、悪いニュースは?」

「お前、今日付けで岩川の憲兵が一人やめただろ?」

「あぁ。それが?」

「その後任なんだが・・・どうやら日宮に決まったらしい。」

「・・・いやそれ悪いニュースじゃ無くね?むしろ知り合いが来るんだったらありがたいぐらいなんだが・・・」

「はぁ・・・まぁ骨は拾ってやるよ。」

「は・・・?おい、どういうこった!?・・・切りやがった・・・!」

事情は分からないがなんとなく嫌な予感が頭をよぎり続ける空だった。

 

一方その頃・・・

「あはは…やっと会える。また先輩に会える・・・!!今までの寂しさどうやって埋めてもらおうかしら・・・うふふ、楽しみだわ・・・」

自室でうつろな瞳でつぶやく一人の女性がいたそうな。

 

空は(いろんな意味で)どうなってしまうのか・・・

 

 




いかがだったでしょうか?
いやもうほんと・・・どうしてこうなった。だが私はあやまらない( ー`дー´)
さて、話が広がってきましたね。収集つくかなこれ・・・。
さて、実はリアルだとこのあたりから戦力追加がすさまじいことになるうえに艦隊メンバーも戦艦空母メインになるんですが描写の偏りが出る可能性があるので少しリアルとは描写を変えます。もちろん描写を増やしたいのですが、文才のなさが響いております。そのあたりをご了承願います。
では次回予告行きます、
新たに復帰した三人の艦娘。そしてまた跳ね上がるエンゲル指数。さらに、ツンデレ枠だったはずの元同僚はハイライトが消えていて・・・!?
「ねぇ先輩・・・?私・・・寂しかったんですよ・・・?だから・・・」
次回、「不幸の三乗は絶望!?」
では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第十六話 不幸の三乗は絶望!?

春休みということで連続投稿でございます。

まずは感想が来ましたので返信を、
如月遥さん
感想ありがとうございます。
はい、恐らくは考えている通りだと思います。型月モチーフのキャラクターが数人いますので(一人はバレバレですが)もしよろしければ見つけて名前の謎を考えてみてはどうでしょうか?(結構安易に作ってます)

さて、冬イベまで一週間を切りましたね。作者は安定の丙出撃です。今度こそEO含めて完全制覇したいところです。実は作者の艦隊の欠点は高速戦艦不足なんです。まともに運営できるのが89LVの比叡改二ぐらいです(-_-;)残る金剛型姉妹のうち誰を優先して育てるべきなんですかね・・・?感想欄などでお教えしていただけると幸いです。

では、投稿します!!




デイルの不穏な電話から数日が経過した。今日は楓と先日の事件の被害者である三人の着任予定日である。

 

「うおぉ・・・なんで着任がかぶるんだよ・・・」

「落ち着きがないわねぇ・・・大丈夫なの?」

流石に不安だったので秘書艦は最大級の信頼を置く叢雲に頼んだ。

「まぁ、大丈夫だとは思うんだがな・・・さっきから嫌な予感が頭の中をよぎりまくってるが。」

「それは大丈夫なのかしら・・・?」

「まあ何とかなるだろ。」

そんなことを話していると、

「提督、失礼します。」

ノックと共に三人の艦娘が入ってくる。

「航空母艦、加賀です。」

「扶桑型戦艦、扶桑です。」

「同じく、山城です。」

「・・・風林空だ。なんというかいろいろ災難だったな。そしてすまなかった。」

「いえ、今回の件は提督に責はありません。」

「もうなんというか・・・慣れてしまいました・・・」

「あぁ姉様・・・なんといたわしい・・・提督、姉様に何かしたら砲撃の餌食にしますからね。」

「お、おう。」(こりゃまたずいぶん姉にご執心なことで・・・)

三者三様の反応に少し悲しくなった空だが、気を取り直して加賀にあることを聞く。

「なあ加賀。ここには先日戻ってきた赤城がいる。」

「そうですか。」

心なしか嬉しそうである。

「お前さんも赤城ぐらい食うのかい?」

「え、ええまぁ・・・。」

「・・・予算追加か」ボソッ

「何か言いましたか・・・?」

「いや、こちらの話だ気にすることは無い。」

「そうですか・・・っ!?提督、何かが高速で近づいてきます。」

「ん?高速で?一体何d「先輩っ!!」・・・なるほど。」

ノックも無しに部屋に入ってきたのは空の後輩で元同僚の日宮楓。今日から此処の憲兵として着任予定である。

「どうした日宮憲兵中尉、いや昇格して憲兵大尉か。何か急を要する要件か?」

艦娘の手前、仕事モードで話す空。

「先輩・・・?何でそんな他人行儀なんですか?私ですよ?あなたがよく引っ張りまわしたかわいい後輩ですよ?」

どことなく虚ろな雰囲気を出しながら空に近づく楓。

「修羅場に巻き込まれるなんて・・・不幸だわ・・・」

「そうですね・・・これで何回目でしたっけ・・・不幸な目にあったのは・・・」

「三桁言ってから数えるのをやめたわ・・・」

修羅場の雰囲気に不幸オーラをにじみだしている不幸・・・コホン、扶桑姉妹。

しかし、状況は彼女たちを無視して進んでいく。

「先輩・・・なんで海軍に行っちゃったんですか・・・?」

「いや、それは海軍急進派の策に引っかかって・・・」

「なんで連絡の一つもよこさなかったんですか・・・」

「あっ・・・・・・」←完全に忘れていた。

「先輩・・・まさか・・・忘れてたなんて言いませんよね・・・?」

((((あっ・・・これ忘れてたやつだ))))

その場の艦娘は空が彼女に連絡を一つもよこしてないことを察した。

「へぇ・・・忘れてたんですねぇ・・・」

楓の歩みが早まり、足音すらも消える。

(やべぇマジ切れしてやがる!)

楓がマジ切れしているときは歩くときの足音が消えることを知っている空は彼女の機嫌が最悪であることを察した。

「いやそのあれだ・・・最近忙しくてな・・・」

「デイル先輩に電話する時間はあったのに・・・ですか・・・?」

「お前何で知って・・・まさか・・・」

「えぇ・・・先輩。私、これでも虹霓の一員なんですよ・・・」

「・・・マジか。マジですか・・・そしてなんであの野郎そのことを俺に言わねえんだ。」

「先輩・・・私・・・寂しかったんですよ・・・?だから・・・お仕置き、しますね?」

「いや、ちょっと待て!話せば、話せばわかr・・・」

 

~~~ただいま諸事情により皆様にお見せすることができません~~~

「」返事が無い、ただの屍のようだ。

「ふぅ・・・あ、申し遅れました。今日から着任する日宮 楓憲兵大尉です。よろしくお願いしますね?」

「「「「あっ、はい。」」」」

お仕置きが完了し人が変わったかのように挨拶する楓。しかしあいさつされた側はお仕置きの凄惨さから乾いた声しか出なかった。

「あ、先輩なら大丈夫ですよ。大方数時間で目を覚ましますから。」

((((いや、数時間って・・・))))

この時ばかりはみんなの思考が一致していた。

 

~~~数時間後 医務室 17:00~~~

「ん・・・ぁぁ?此処は・・・!?」

空は目を覚まし、同時にあのお仕置きを思い出す。

(あ、あれはやばかった・・・前の5割増しだぜ・・・)

「あら、提督・・・?」

「おう、扶桑か。悪かったな、初日からこのざまで。」

「いえ、私は大丈夫ですから・・・お気になさらず。」

その後、改めて扶桑の手当てを受け、少し雑談にふける。

「ったく・・・最近はマシになったと思ったんだがな・・・」

「?、何がですか?」

「あぁ、知ってるわけないわな。俺は生まれついての不幸体質でな、よくこんな感じの不運に出会っちまうのさ。」

「・・・私もです。私や山城は不幸型とも揶揄される欠陥戦艦。運がよかった試しがありません。」

「へぇ、あんたらもか。話が合いそうだ。」

「不幸談義で話が合うなんて・・・」

「あっ、いや、その・・・気分を悪くしたならすまねえ。だが、そんな沈んだ表情はして欲しく無くてな。」

「クスッ・・・お気遣い、ありがとうございます。では、そろそろ自室に戻りますね。」

そう言って扶桑は医務室を後にした。

「・・・・・・」

 

~~~夕食 18:00~~~

治療も済んだので食堂に訪れた空。そして目の前に広がる多量の空き皿。そして、まだ尚食事を続ける正規空母’s。

「これ、どんだけ予算増やせばいいんだ・・・?」

だんだんと銭感覚がおかしくなりつつある空であった(空の分はキープ済み)

 

~~~執務室 21:00~~~

どうやら気絶している間に叢雲ができる範囲の書類をやってくれていたようで執務はスムーズに終わった。

コンコンコン…

「いいぞ。」

「先輩、失礼しますね。」

楓が入ってきた。

「お、おう・・・つーか性格が変わってねえか?」

「気のせいです。さて、虹霓、それも護衛、諜報担当隊員である私が来た意味...お分かりですね?」

「あぁ、奴さん、俺の首を狙いに来たか。」

「その通りです。念のため私も護衛につきますが、警戒はしておいてください。とりあえず伝えることは以上です。では、」

「日宮、」

「・・・なんですか?」

「その、なんだ・・・悪かったな、連絡しなくて。」

「ふふっ、わかってくれればいいんですよ。では、」

そう言って今度こそ楓は部屋を出て行った。

「・・・ふぅ、とりあえず機嫌は直ったか。しっかしまぁ・・・恐ろしかったなぁ・・・」

 

~~~憲兵宿舎~~~

「うふふ・・・これでいつでもあなたを監視、違う、護衛できますね・・・」

彼女が見ているディスプレイには穏やかな寝顔の空が写っていた・・・。

 




いかがだったでしょうか?
実は結構戦闘能力高い楓さんでした。彼女は虹霓の護衛担当を務めています。護衛メインのため武装は特殊サプレッサー付きハンドガンと短剣のみです。
つーかこれ虹6のカベイラ・・・
さて・・・節分って年の数だけ豆を食べるじゃないですか。鎮守府だとどれくらい必要になるんですかね。皆進水時期を考えると軽く70を越えtうわ何をするやめ・・・・・・

「申し訳ありません。作者は現在艦隊メンバーからフルボッコにされているのでわたくし、加賀が代役を務めさせていただきます。次回は節分の番外編を挟むそうです。恵方巻・・・さすがに気分が高揚します。ではみなさん、また次回・・・」


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番外編 不幸な提督の節分!

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
女性に年の話は厳禁ですと、作者です。
さて、今回は再び番外編です。つきましては、
1、艦隊メンバーが変わっている。
2、時間が経過しているため改二になっていたりキャラが変わっています。+空も強化。
3、一応ifルート(一部適応予定)
以上の点にご注意ください。

では、投稿します!!



今日は節分である。そしてこの鎮守府でも豆まきを行うことになった。

~~~当日の執務室 14:00~~~

 

「で、俺が鬼役ってことか。」

「ええ。お願いできますか?」

「当然。お前たちにやらせるわけにもいかんだろ。」

「・・・そういうところはしっかりしてるんですね~」

「それは普段の俺はガサツだって言いてぇのか?夕張。」

「いえいえ、そんなことは!じゃあ鬼役やるときはこれを付けてくださいね。」

「おう・・・お面だな。」

「ふっふっふっ・・・これはただのお面じゃないんですよ~?私と明石さんが共同で作った「オーメン君1号」です!」

「お、おう・・・で、その効果は?」

「これを付けると相手からは本物の鬼に見えます!」

「・・・おい。」

「なんです?」

「これ・・・大丈夫だよな?なんか嫌な予感がするぞ・・・」

「大丈夫ですって!・・・たぶん。では、私は準備があるので!」

そんなことを言い残して夕張は執務室を出て行った。

 

一方、鬼迎撃組は・・・

「皆さん、鬼は17:30ごろにここにやってきます。皆さんはあらかじめ渡される改造した連装砲(豆まき仕様)で迎撃してください。」

リーダーの大淀が皆に指令を伝える。

迎撃組は駆逐艦を中心としている。念のため各組に一人は戦艦OR空母組がついている。

そして・・・

~~~豆まき開始 17:30~~~

「時間ですね。総員、迎撃用意!」

大淀の言葉でみんなが連装砲を構える。皆楽しそうな表情をしており、ほのぼのした豆まきになるだろうと誰もが思っていた。

・・・そう、思っていたのだ。

 

その頃空は、オーメン君1号を付けて食堂に向かっていた。

(なんだ・・・嫌な予感が強くなってるんだが・・・)

 

そして空は食堂のドアを開ける。自分が今、鬼は鬼でも空母棲姫の姿に見えていることに気づかずに・・・

 

「ワルイコハ・・・イナイカ・・・?」

(あぁ・・・?なんで深海棲艦の声なんだ・・・?)

「っ!?総員!緊急事態です!!迎撃用意!!」

大淀もパニックなのか実弾なのか豆まきなのか分からない命令を出してしまう。

「ちょっと!なんで空母棲姫がいるのよ!?」

「あっ・・・」

「どうしたの夕張!!」

「・・・間違えて深海棲艦に見える奴を渡しちゃいましたっ」

「「「馬鹿ーっ!?」」」

(空母棲姫だと・・・!?ってことは・・・まさか!!)

空の目の前には連装砲を向ける艦娘たち。しかし中には実弾を持っている艦娘もいる。

つまり何が言いたいのかというと・・・

(うおおおおおおっ!?)

響く爆音と共に吹き飛ばされる。大した傷は無いあたり、彼の悪運の強さがうかがえる。

「みんな落ち着いて!!あれは提督です!!」

流石に焦った夕張が声を上げ皆をいさめる。

「「「え!?」」」

「夕張・・・明石、おめぇら・・・」

「「ヒィッ!」」

「工作部の予算三割カットな。」

「「・・・すいませんでした。」」

 

その後、改めて豆まきが行われた。因みにその様子だが・・・

「全員、撃てーっ!!」

「はははっ!!甘え甘え!!」

空が豆を全部槍ではじき、槍を置けと言われれば、

「なんで当たらないの!?」

「なんでだろうなぁ・・・」

ほんのわずかではあるが、矢避けの加護が働いてるためか(本人は自覚無し)豆が当たらない。そのためうやむやなまま豆まきが終わった。(最も駆逐艦娘たちは何とかして当てようとして楽しんでいたが)

 

その後・・・

「さぁ皆さん、出来ましたよ~」

「おぉ~・・・!!」キラキラ…!

間宮&伊良湖のちらし寿司などに舌鼓を打ち、

「今年の恵方ってどこだっけ・・・?」

「確か北北西じゃなかったかしら?」

「正確には北北西やや右だな。」

皆で恵方巻を食べた。(正規空母組はなぜか5,6本食べてたが)

 

~~~その夜 22:00~~~

「ふぅ・・・全然終わらねぇ・・・」

「司令、入りますよ?」

「比叡か、いいぞ。」

「失礼します、夜食をお持ちしました!」

「・・・大丈夫だよな?」

「・・・それは司令が一番わかってるんじゃないですか?」

「・・・だな。」

「司令・・・私は今まで金剛お姉さま第一でここまで来ました。」

「あぁ、そのために俺を殺そうとしたしな。」

「あ、あれは忘れてください!・・・でも最近よくわかんなくなってきちゃったんです。」

「・・・?」

「最近・・・金剛お姉さまと同じぐらい、司令のことも・・・その・・・好きになっちゃいました・・・///」

「・・・本気か?」

「わ、私がこういう時に冗談を言う人に見えますか!?」

「・・・違うよな。・・・ありがとな。」

「・・・それはどっちの意味なんですか?」

「もちろん後者だ。なんだかんだでお前さんとは料理が殺人兵器だったころを知ってる分には付き合いも長いしな。俺もお前さんのことは好きだぜ?」

「し、司令・・・///」

「比叡、まだ練度は足りてねぇが、そん時は指輪、受け取ってくれるな?」

「・・・はいっ!!」

想いを伝えあった二人は甘い雰囲気を醸し出しながらその後の書類処理を行っていた・・・

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
結構急いで書いたので短いうえに低クオリティになってしまいました。すみません。
今回は比叡ルートにしてみました。作者の艦隊の中でも最古参でお世話になってます。
・・・あくまでもIFルートですが。

さて、明日から少し所要があるので投稿頻度が落ちます。ご了承ください。
次回予告はまたまたお休みです。(やっぱりネタが思いつかない・・・)

では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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番外編 不幸な提督のバレンタイン!

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
洗濯機が壊れたり、Wi-Fiがお亡くなりになったりと最近空の悪運がこっちにも来たのかと感じている作者です。
二月と言えばこのイベントがあることを素で忘れていました。(どうせチョコなんてもらえませんし・・・)
さて、番外編ということで例にもれず、
1、艦隊メンバーが変わっている。
2、時間が経過しているため改二になっていたりキャラが変わっています。+空も強化。
3、一応ifルート(一部適応予定)
以上の点にご注意ください。

では、投稿します!(次回からはきちんと本編に戻ります!)

追記 2017/02/22 誤字修正をしました。


今日は二月十四日・・・すなわちバレンタインデーである。

しかし、海軍提督である空にそんなことにうつつを抜かしてる暇は・・・

 

「おう叢雲、これどうにかしてくんねえか?」

「・・・自分でどうにかしなさい!」

案外あった。(暇を作らざるを得なかったともいう)目の前にはチョコの山。当然書類も埋もれている。

 

「大体、なんでそんなにあるのよ。あなたそんなに好かれてたかしら?」

「さぁな、というか大半は上司への義理だろうしな。」

本人は気づいていないがもらったチョコの約半数はいわゆる’’本命’’というものである。

「あなた・・・そういうところには本当に無頓着よねぇ。」

「・・・まぁな。ところで、」

「何?」

空の顔が叢雲のすぐ近くに来る。

「っ!?///」

「お前さんからは無いのかい?」

「あ、ああああんたには無いわよっ!!勘違いしないで頂戴っ!!」

「・・・そうか。さて、じゃあこの大量にあるチョコをどうしますかね・・・」

そう言って空は一旦チョコの山を机から降ろす。

「・・・私は一旦部屋に戻るわ。何かあったら放送で呼んでちょうだい。」

そういって叢雲は執務室を後にした。

「やっぱり負い目に感じてるのかねぇ・・・あの時のことを。」

そう言って空は自身の群青に変色した髪をかいた。

 

~~~吹雪型の部屋 視点変更SIDE叢雲~~~

「はぁ・・・」

自室に戻った私は部屋に戻ってから何度目かわからないため息をついた。

思い返されるのは艦隊作戦第三法。大破した自分を庇い被弾する彼の乗艦。作戦は成功したものの、彼の意識は一週間戻らなかった。そして彼が目覚めたとき私は愕然としてしまった。彼は確かに意識を取り戻した。しかし、何かが違う。比較的長く共にいた私はそのことを感じ取った。髪は群青色になり瞳も赤くなっていたがそういうことではない。もっと奥底の、それこそ魂が変わってしまったかのような・・・

当然私はあやまった。それこそ涙を流しながら。それでも、あの人は笑って許した。戦場なんだからこんなことはいくらでもあるって。そう言って私を撫でるその手は、やっぱり変わってなくて。

それから私は貪欲に強さを求めた。あの時の過ちを繰り返さないために。彼に頼んで槍の扱いも習った。砲撃もより正確に、より早く撃つことを目指した。

そうしているうちに自分は鎮守府でもトップクラスの戦力になっていた。練度が上がり近づく練度限界。でも・・・私には指輪を受け取る資格は無い。

 

彼を含めた皆は気にするなという。でも、それは私のプライドが許さない。思えば、あの作戦以前から私は彼のことが好きだったのだろう。だからこそ、あれだけの傷を負わせ、彼を変えてしまった自分が許せない。

「私は・・・このままでいい・・・」

そう、私たちの距離はこれでいい。そう自分に言い聞かせ私は彼に作ったチョコを捨てようと・・・

 

~~~執務室 視点変更SIDE空~~~

「はぁ・・・やっぱり吹っ切れてねぇか・・・」

俺は執務をこなしながら朝の出来事を思い出す。

昨年秋にあった艦隊第三法。そこで俺は大破した叢雲を庇い意識不明の重体に陥った。実際このままだと俺は死ぬはずだったらしい。しかし、俺は意識を取り戻した。そこまではよかった。その後、鏡を見たら自分が変わってた。そして何より、自分の名前が二つあることに気づいた。

風林 空

ーー----ー(ネタバレ防止のため伏せますby作者)

そして混ざる二つの記憶。しばらくは頭痛で動くこともままならなかった。

頭痛が収まってきたころ、叢雲が来た。あいつは泣きながら今回のことを謝ってきた。

当然俺は気にしてない。むしろ守れてよかったと思ってる。いつからだろうか、いつも隣に立つ彼女のことを気にしだしたのは・・・。思えば、彼女は着任のころからの付き合いだ。秘書艦を務めた回数も鎮守府一だろう。冷めた言動の中の優しさ。ちょっとしたことで照れる顔の愛らしさ。いつの間にか、惹かれていたんだろうな。事実、あの時も叢雲が沈むって考えたら体が自然に艦を動かしてた。さて、どうしたものかねぇ・・・。

 

「・・・こうやって悩むのも、俺らしくないか。思い立ったら即行動、ってな。」

 

~~~その日の夜  19:30~~~

「おう、集まってくれたか!」

空は艦娘たちを食堂に集めた。

「なにかお話があるんですか~?」

疑問を持った山雲が空に尋ねる。

「いやぁ、流石にあれだけのチョコを一人で食べるのは無理があってな・・・そこで、」

空は巨大なチョコレートケーキを前に出す。

「「「おお~っ!!」」」

「さ、皆で食おうや。」

そう言って皆の分を切り分ける。

「それにしても・・・どうやってこんな短時間でこれほどの物を・・・」

「わりぃ、そいつは秘密ってことで。」

この催しは予想以上に盛り上がった。

 

~~~その後 22:00 鎮守府灯台~~~

「・・・来たか。」

「・・・まったく、こんな寒い中外に呼んでまで・・・何の用?」

「・・・お前さん。まだあの時のことを気にしてるのかい?」

「っ!」

「・・・何度も言うが気に病む必要はないんだぜ?あん時だって・・・」

「私が!!」

「っ・・・!」

「私が・・・私自身が、許せないのよ。あなたに傷を負わせて、あなたの中の何かを変えてしまった自分が。」

「叢雲・・・」

「話は終わり?なら寒いしさっさと帰らせて「待てよ・・・!」・・・まだ何かあるの?」

「俺は・・・お前のことが好きだ・・・!!」

「っ!?」

「最初は自分でも自覚が無かった。でも、あの時、お前が死ぬと思ったら、自然と体が動いた。何よりも、お前を、失いたくなかった。」

「・・・・・・」

叢雲は何も言わない。

「だからここで言わせてくれ。俺は、お前とケッコンしたい。戦いが終わったら、その先もな。」

「・・・あんたは、あなたは・・・それでいいの?」

「叢雲・・・」

「あなたを変えてしまった私でも・・・?」

「・・・お前だからいいんだ。俺は、お前と、結ばれたい。」

言い聞かせるように、自分の気持ちを伝える。

「私は・・・今までの距離でいいと思ってた。でも・・・」

叢雲の眼に涙が浮かぶ。

「そんなこと言われたら・・・我慢・・・できないじゃない・・・!!」

叢雲が空に抱き着き嗚咽を漏らす。

 

数分後・・・

「落ち着いたか?」

「グス・・・えぇ。」

「で、返事は?」

「・・・いいわ。あんたに一生ついて行ってあげる。だから・・・」

「・・・だから?」

「・・・浮気したら許さないわよっ!!」

そう言って叢雲は走り去る。

彼の手に、捨てきれなかったチョコを渡して。

チョコを受け取った空は一口食べつぶやく、

 

「・・・甘くて、うまいな。」




いかがだったでしょうか?
・・・今回は真面目なお話にしてみました。(割と行き当たりばったり)
お相手は作者の初期艦こと叢雲さんです。駆逐艦トップの練度は伊達ではありません。
こういう話を書いているとなんというか・・・空しくなりますね(-_-;)
皆さんはチョコレートはもらえましたか?作者の場合は・・・お察しください。

では、次回予告行きます、
正規空母が増えたのにもかかわらず降りない予算。このままでは鎮守府の食卓が危ない。
そんな中で空がとった行動とは・・・!?
「金が無いなら、自分で取りに行くしかないだろ!!」
次回、「不幸な提督、漁に出る!?」
では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第十七話 不幸な提督、漁に出る!?

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
リアルが忙しく冬イベが全く進んでいない作者です。
マジでどうすんべやこれ・・・(-_-;)

次回予告に誤字があったことをお詫びします。
正しくは、「不幸な提督」でした。修正しておきます。
はぁ、艦これもそうだけどトトリのアトリエも全然進んでない・・・春休み中に黄昏三部作まで一通りエンドを見るのが目標なんですが・・・
まぁなにはともあれ失踪するつもりはありません。

それでは、投稿します!!


七月に入り、暑さも増してきた岩川鎮守府。

空の機嫌は悪かった。

「ったく、何が艦隊の数が少し増えた程度で予算は増やせないだよ。あいつらきちんと状態を把握してないのかよ・・・いや、把握してても同じか。」

先日から正規空母である赤城、加賀、飛龍が参入し、鎮守府の食費は大惨事に陥っていた。

これではまずいと上層部に彼女たちの復帰を伝えたうえで予算の追加を訴えた。

しかし、上からは先程のような言葉と共に却下されてしまった。

ある程度こうなる可能性があるとわかっていてもさすがに機嫌の一つや二つは悪くなる。

 

「提督、どうしたんだい?なんだか機嫌が悪そうだけど・・・」

「あぁ、時雨か・・・いや、ちょっと此処の食費をどうするかな~ってな。」

「・・・正規空母はよく食べるからね。で、台所事情はそこまで逼迫してるのかい?」

「今はまだいいが、一か月後にはやばくなると思う。さて、どうしたもんかねぇ・・・」

「・・・提督、こういうのはどうかな・・・?」

 

~~~時雨説明中~~~

「なるほどな、やり過ぎはまずいが加減すればどうにかなるか。よし、明日の朝04:30に駆逐艦か軽巡の艦娘をお前さん抜いて2人くらい連れてきてくれ。誰にするかは任せる。」

「了解。」

 

~~~そして次の日 鎮守府港前 04:30~~~

「提督、おはよう。連れてきたよ。」

「司令官、おはようございます!」

「てーとくー?おはようございま~す。」

「おい、艦隊のアイドル。お前さんそんな寝ぼけ眼で大丈夫なのか・・・?」

「大丈夫なんじゃないかな。」

「・・・何をもってそう言えるのか知らんがまぁいいか。」

「司令官、そもそもなぜこのような時間に我々を?」

「あれ、時雨から聞いてなかったか?これから、鎮守府正面海域に出て哨戒がてら魚を取ろうと思ってな。」

「え!?待ってください!まさか・・・司令官も出るのですか!?」

「当たり前だろ、哨戒二人、俺の護衛兼爆雷による爆破漁担当が一人として、誰が取れるであろう魚を運ぶんだよ。お前さんたちだけじゃ運べる量も少ないからし、ちゃんとした船で保存しないといけないからな。」

「なるほど・・・わかりました!朝潮、全力で任務を遂行します!ところで・・・」

「なんだ?」

「そこの船はどうやって手に入れたのですか?」

「あぁ、ちょいと陸軍のダチに頼んで盗んd・・・いや、借りた。(返すとは言ってない)」

「そうなんですか。」

「さて、いつまで寝ぼけてんだアイドル(笑)」

「いたっ!?顔はやめてって言ってるでしょーっ!」

「よし起きたな。じゃあ行くぞ。」

「ちょっとー!!無視しないでよーっ!!」

 

~~~鎮守府正面海域 04:50~~~

「さて、朝潮、那珂は哨戒を頼む。俺と時雨は漁を始めるぞ。」

「了解しました!」

「了解、じゃあ行こうか。」

「お仕事ですね!」

 

~~~漁開始~~~

「・・・時雨、十時の方向、10メートル先だ。」

「了解、それっ!」

時雨が爆雷を投げる。そして爆音と共に魚が打ちあがる。

そしてそれを二人で空の船に運ぶ。

「よし、これで三回目だが、だいぶとれたな。少し休憩にするか。哨戒の二人にも伝えてくれ。」

「了解。」

「さて、その間に釣りでもしますかね・・・」

そう言って空は持ってきていた釣り竿から釣り糸を垂らす。

 

少しすると、

「おおっ!?珍しくかかりやがった!!」

どうやらあたりが来たらしい。

「うお!?なんだこの引き!間違いねえ、こいつは、大物だ!!」

恐ろしく強い引きに釣り竿も大きくしなる。

「とはいえ、このままじゃ竿が持たねぇな。時雨たちも戻ってきてないし、使わせてもらいますかね、ガンド!!」

竿を支えながら、獲物に向かってガンドを放つ。本来は相手に病を与える呪いの一種だが、空は射撃弾として扱う方法を自身の槍にいた妖精から習得していた。

そして魔弾が直撃したのか引きが弱くなる。

「よっしゃ!今だ!!」

好機と見た空が一気に竿を引っ張る。そして、

「よし!!釣れ・・・た・・・?」

「ヲ・・・ヲ・・・」

まさかのヲ級である。

「・・・・・・」

空は無言でヲ級を水中に沈め糸を切った。

「はぁ・・・ついてねぇぜ。」

 

その後、時雨たちが戻ってきたため、少ししてから、一行は帰路に就いた。

 

~~~帰港 06:10~~~

この日はあらかじめ総員起こしを30分遅らせてある。本来なら必要ないのだが、船の件を彼女に知られたくないためわざわざ遅らせたのだ。

しかし、

帰港した一行の前に一人の女性が立っていた。

「先輩、すこ~しお話があるんですけど♪」

「・・・魚持ってく時間ぐらいはダメか?」

「ダメです♪」

「・・・デスヨネー」

 

この日、空を見たのはこれが最後であった・・・

 

 




いかがだったでしょうか?
今回はあまり大筋には影響しない話ということもあって内容がかなり薄くなってしまいました。
文字数が少ないのも・・・見逃してください(-_-;)
そう言えば知り合いがトトリのことをキラークイーンと評していたのですが何でですかね?
「いいや限界だ、押すねっ!!」とでもやるんでしょうか・・・(-_-;)

次回から南西諸島海域への出撃が始まります。
空もついに戦場に・・・!?そして、急進派の策謀が岩川鎮守府に襲い掛かる。
「なるほどね、これが艦娘の戦場か・・・!!」
「いいからやれ、どんな手を使っても構わん。速やかに、あの男を始末しろ。」
「狙うは敵旗艦・・・!!主砲、副砲、撃てーっ!!」
次回、南西諸島海域攻略編 「不幸な提督は出撃について考える」

では、次回の投稿でお会いしましょう!! 


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第十八話 不幸な提督は出撃について考える

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
リアルが忙しく春休みのくせしてなかなか投稿できない作者です。
本当にすみません・・・(-_-;)

それにしてもEpic of remnantが始まりましたね。ちょこちょこ進めてますがストーリーはやっぱり面白いですね(ガチャ結果から目をそらしつつ・・・)

あと、申し訳ないのですが誰かこのアホの作者に潜水艦の扱い方を教えてください。
未だに使い方が全く分かりません。というのもあって私の鎮守府はオリョクルバシクルを一切やってない超ホワイトな鎮守府です。

さて、いろいろ話しましたが、投稿します!


漁に出てから二日後、ついに岩川鎮守府も次の南西諸島海域に進出することが決まった。

 

海軍本営からの司令書を見ながら空は考える。

「(いよいよ次の海域か・・・さて、こっちはこっちでやるとして、上がどう出るかだな・・・)」

最近になって上層部からの妨害を警戒するようになった空。

今でも、予算拡大の拒否や、偽情報が送られるなど妨害は続いている。幸いにも、偽情報は意味をなしていないが、予算の問題は漁に出たりもしたが一時しのぎにしかならないため早急な対応が必要になる。そして、今の空にはもう一つ考えていることがあった。

 

「俺も出撃できるかもしんねえな・・・」

先日の漁の時、彼はヲ級をガンド撃ちによってダウンさせている。そのこともあり自分が出撃することで何かしらのサポートができないかと空は考えるようになった。

 

「ま、艦が無いから現状はどうにもなんねえか・・・あの船も日宮にばれて押収されちまったしなぁ・・・」

と書類仕事をしながら考えていると、

「何がどうにもなんないですって・・・?」

「っ!?・・・叢雲か。」

「艦が無い・・・ね。出撃でもする気かしら・・・?」

「いや、その・・・な?」

「あんたは人間でしょ。言い方は悪いけどこういうのは私たちに任せとけばいいのよ。」

「・・・そうか。」

「そうよ。あんたは司令官、提督なんだから私たちを信じて待つのが仕事なのよ。」

そう言って叢雲は書類仕事を始めた。

(そうはいってもなぁ・・・)

もやもやが抜けない空であったが現状どうにもならないのは事実なのでひとまずおとなしくすることにした。

 

~~~その日の夜~~~

「わかっているな。ターゲットは此処の提督、風林空。各員速やかに、かつ発見されないように侵入しターゲットを暗殺しろ。」

ある部隊が空を暗殺しようと密かに鎮守府に侵入しようとしていた。

しかし、この部隊はある重大なミスを犯していた。

それは、

「・・・やっぱり来ましたか。さて、狩りの時間ですね。」

陸軍最高峰の護衛、暗殺技能を持つ彼女に発見されていたことである。

 

~~~鎮守府内~~~

暗殺部隊は鎮守府内への侵入に成功していた。

しかし、順調かと思われた作戦状況が一変する。

「隊長、こちらアルファ1。ターゲットの部屋をかくにnグゥッ!?」ブツッ

「アルファ1!どうした、応答しろ!」

一人の隊員との通信が途絶える。

「こちらアルファ2!援護をたのmウッ・・・!」

また一人。

「アルファ2!?くそっ、アルファ3、アルファ4、速やかにターゲットを暗殺しろ。」

「「・・・・・・」」

そして二人。これで自分以外全員からの応答が無くなる。

「どうした、応答しろ!!」

「うふふ、」

「っ!?」

いつの間にか隊長自身も組み伏せられていた。

「さぁ、誰の指図で来たのか吐いてもらいましょうか。」

「・・・他の奴らはどうした。」

「あぁ、あの人たちですか。捕まえましたよ。あっ、二人は殺しちゃいました。こんな感じに頸動脈をグサッと・・・ね。尋問対象は五人もいりませんから。」

そう言って彼女は首にナイフを当てる。

「ヒッ、わかった!話すから、命だけは・・・!」

「えぇ・・・では、誰の指図で来たんですか?」

「く、詳しいことは知らん!!代理人を通してきたからな。だ、だが、海軍の上層部の人間、それもいわゆる急進派ってやつらしい。そ、それが全部だ!!ほら、話したぞ。命だけは・・・!!」

「ありがとうございます。じゃあ、さようなら。」

そう言って彼女は首に短剣を突き立てる。

「グフッ・・・!?話が・・・違うぞ・・・」

苦し気につぶやき隊長は事切れた。

「・・・そもそも助けるなんて一言も言ってませんし、何より、先輩に手を出した時点で万死に値しますから。あーあ。死体、片づけないと。」

そう言って彼女ー楓は死体の後始末を始めた。

 

~~~翌日 09:00~~~

執務をこなしていると、楓が入ってくる。

「先輩、早速来ましたよ、暗殺者。」

「マジか・・・!気づかなかった・・・俺がこうして生きてるってことはやってくれたんだろ?」

「えぇ、尋問の後、あの世に行ってもらいました♪」

「なんでそんなに明るい声なんだ・・・」

「だって、先輩に手を出す輩から先輩を守れたんです。もう気分が高揚しっぱなしです!」

「おうおう、そうか、サンキューな。にしても、海軍仕事に浸かりすぎたか、いろいろと鈍ってんな・・・」

「確かにそうですね。今回は五人でかつある程度散開してましたから私ひとりで対処できましたけど・・・」

「人数が増えたりすれば危うい・・・か。まーた問題が増えたぜ・・・」

「どうしますか・・・?こういった感覚ってなかなか戻りませんよ・・・?」

「やっぱ暇を作って鍛錬するか・・・やっぱり・・・やるしかないのかねぇ・・・」

「何か言いましたか?」

「いいや、なんでもねぇよ。」

 

ひっそりと、出撃の意志を固める空。そのためにまず空は・・・

(艦・・・どうにかして用意しないとなぁ・・・)

最も重要な艦を用意すべく空は書類仕事をしながら考えを巡らせるのだった・・・

 




いかがだったでしょうか?
はい、出撃したくても足がありませんでした。空の出撃はしばらく先送りです。

楓さんマジで虹6のカベイラですな・・・(-_-;)(因みにイメージは某真っ黒系ヒロインです(笑))
不定期ですがなんとかして週一更新を維持しつつ失踪しないように頑張ります。

では次回予告行きます。
南西諸島海域攻略が始まりカムラン半島へ出撃する艦隊。
新たに参入した艦娘たちの実力は・・・!?
「ここは譲れません・・・」
次回、「出撃、カムラン半島!」
では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第十九話 出撃、カムラン半島!

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
ようやく休みが取れて歓喜の作者です。
ですが敢えて言わせてください・・・
もっと早く休みにして欲しかった・・・!!(全く進んでない冬イベ画面見つつ)
・・・そもそも書いてる時点でイベント終わってるというね。
皆さん冬イベお疲れさまでした。
春イベ、春イベこそはぁぁぁ・・・(´;ω;`)

最近妙に水難の相が出ているのか水回りのトラブルが多発しております。
空の悪運がこっちに回ってきたんですかね・・・?
少し冷や汗を流していますが、投稿します!!


~~~執務室 09:00~~~

カムラン半島出撃当日、執務室にはいつもとはやや違う面々が集まっていた。

「あら、今回はいつもとは違ったメンバーね。」

「あぁ、今回は復帰艦の腕試しといったところだ。旗艦も今回は叢雲に変わって扶桑に任せる。叢雲は比叡の時みたくサポートを頼んだ。」

「任せなさい。」

「はい、旗艦の務め、果たして見せましょう。」

「他のメンバーもまぁ、久しぶりだろうしあんまり気負わずにやってくれ。この海域は今回が初めてだから無理に主力を落としに行く必要もないしな。もちろん、行けるようなら行ってもらうけどな。」

「私と加賀さんの一航戦の力、お見せしましょう!」

「姉様は私が守りますから・・・!」

「司令官のためにが、頑張ります!!」

「それにしても今回のメンバーはかなり重量級ね。私以外は戦艦か空母じゃない。」

「今回の海域は比較的狭いが、空母と戦艦両方が出るらしい。だから両方に対応できるようにな。」

「では提督、出撃しますね。」

「っと、忘れるところだった、叢雲、比叡以外はこいつを受け取ってくれ。」

そう言って空は四人に前回叢雲たちに渡した護符を渡す。

「これは・・・?」

「まぁそのなんだ・・・お守り的な?」

「大事にしなさいよ?これ司令官のお手製だから。」

「ちょ!?なんでバレて・・・!」

「あら、バレてないと思ってたの?」

「~っ。ほ、ほら、そのことはもういいから油断せずにさっさと行ってこい!」

メンバーからニヤニヤされる空であった。

~~~出撃後~~~

「扶桑、無線の調子はどうだ?」

「良好です、間もなく指定海域に到達します。」

「了解だ。潜水艦が出るという報告は無いから、奇襲に警戒しつつ戦闘は基本最大火力を出せる単縦陣で挑んでくれ。」

 

~~~カムラン半島~~~

「っ!敵艦隊を発見、重巡リ級、軽巡ヘ級、駆逐ハ級、駆逐ハ級、駆逐ハ級を確認。複縦陣で進行しています。」

「皆さん、単縦陣で行きます。空母のお二人は先制攻撃の準備を、他の皆さんは砲雷撃戦の用意を!」

 

そして数分後、

「此処は譲れません。」

「第一次攻撃隊、全機発艦!!」

空母勢二人が艦載機を出す。敵艦隊には空母がいないため制空権を確保、先制攻撃に入る。

轟音と断末魔のような叫びがが響き渡り、数十秒後、静寂が訪れた。

「先制攻撃で敵艦隊の殲滅を確認しました。」

「これが正規空母・・・さすがね。」

「いえいえ、それほどでもありませんよ。預かり先の鎮守府から余りの艦載機をいただきましたからそのおかげでしょう。さて、周囲に敵影なし。扶桑さん、提督に連絡を。」

「わかりました。提督、敵艦隊を殲滅しました。これより進軍を再開します。」

「了解した、音は入ってきてたからわかるが正規空母、それも由緒ある一航戦は伊達じゃないってことだな。損害は無いな。周囲の警戒を忘れずに進軍を再開しろ。」

「わかりました。妖精さん、次はどちらに行けばいいのかしら?」

そう言って扶桑は羅針盤を回す。

「こっちね。皆さん、進みましょう。」

羅針盤の示す方向へ艦隊は進軍を再開する。

 

~~~その後~~~

「あら、これは・・・」

「鋼材、ですね。」

「少し持っていきましょうか。叢雲ちゃん、お願いできるかしら。」

「大丈夫よ、うちの鎮守府なんだかんだで資源に余裕ないしこういう所の資材も大切にしないとね。」

「ふふふ、」

ぶつぶつ言いながらも資材回収に励む叢雲を赤城はほほえましく見つめる。

「な、何よ。なんかおかしいことでもあるの?」

「あっ、ごめんなさいね。叢雲ちゃんがなんというか、家計をやりくりするお母さんに見えちゃったのでつい。」

その赤城の発言で笑いやニヤニヤを誤魔化す一同。

「なっ///」

その発言に顔を真っ赤にする叢雲。

「そ、それは事実でしょ!!///」

「ま、まぁそうなんですけどね。」

予想外の反応に少し焦る赤城。

「まぁまぁそのあたりにして、そろそろ行きますよ。ここから先は一本道ですよ。」

扶桑のその言葉と共に再び気を引き締め再度進軍を始めた。

 

~~~その後~~~

「敵艦隊を確認、敵護衛空母群のようです。敵は軽母ヌ級、軽母ヌ級、重巡リ級、重巡リ級、駆逐ハ級、駆逐ハ級。」

「主力部隊からは外れたわね・・・」

「羅針盤にも嫌われるなんて・・・不幸だわ・・・」

「山城、そう言わないの。私たちはやるべきことをやるのよ。敵には空母がいます。赤城さん、加賀さん、お願いします。」

「了解しました。赤城さん、」

「えぇ!艦載機の皆さん、用意はいい?」

前回とは違い接敵の前に航空戦を挟む。

「他の皆さんは単縦陣で敵航空機の攻撃に警戒してください!!」

扶桑の号令と共に皆が動き出す。

 

空では、艦載機同士のドッグファイトが繰り広げられる。

しかし、相手は軽空母二隻に対してこちらは正規空母が二隻。少しづつこちらの艦載機が優勢に立ち敵の艦載機を落としていく。その中で落とし漏れた艦載機の爆撃が落ちてくるが、

「・・・危なかったわね。」

「くぅっ、至近弾とは言え被弾するなんて・・・」小破未満のカスダメ

「高速戦艦は伊達じゃありません!」

山城以外は被弾無し、被弾した山城も至近弾のためほとんどダメージは無い。

そして、

「ヌ級一隻、駆逐ハ級二隻撃沈。重巡リ級の一隻が中破。制空権を確保しました。皆さん、好機です・・・!」

「山城、皆さん、砲戦よ!!」

航空戦の後、砲雷撃戦に移る。ここで活躍するのは、

「主砲、副砲、撃てーっ!!」

「主砲、よく狙って・・・撃てーっ!!」

「撃ちます、当たって!!」

高い火力を持つ戦艦たちである。

制空権を失い、かつ爆撃によって陣形が乱れ潰走状態にある敵艦に彼女たちの砲撃を回避するすべは無く、

轟音と共に敵艦は水底に沈んでいった。

「戦闘終了・・・ですね。」

「周囲の確認をしておきます。」

「加賀さん、お願いします。」

「・・・すごいわね。私の出番がなかったわ。」

「不幸型と揶揄されようと、戦艦ですから。射程、火力は自慢できるわよ。」

「そうね。後は速力、防御力があればいうことなしだったんだけど・・・」

「私はその火力がうらやましいです。速力はありますけど、他の戦艦と比べると少し低火力ですから・・・」

 

~~~その後~~~

「索敵完了。周囲に敵影はありません。」

「わかりました。提督、敵艦隊を撃滅しました。」

その知らせを聞いて扶桑は空に報告する。

「おう、お疲れさん。海図を見る限りそこ以降には何にもねぇな。気を付けて帰ってきな。飯を用意して待ってるからよ。」

 

「皆さん、此処までだそうですから帰還しましょう。提督がご飯を用意させているそうですから少し急ぎましょうか。」

「ご飯!」

「・・・さすがに気分が高揚します。」

戦闘時の勇猛さはどこへやら、艦隊メンバーは少し急ぎ目に鎮守府への帰路につくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
真面目な戦闘回は久しぶりです。うまくかけてるのか心配ですが・・・
先程大型回したら矢矧が来ました!これで残す阿賀野型は酒匂のみ。でもドロ限なんですよねぇ・・・頑張って取るべ。

冬イベですが、前書きにも書いたようにまったく進みませんでした。というわけで新規艦娘はいません。
次のイベントは何とかして参加したいです・・・(-_-;)

では次回予告行きます、
主力部隊撃滅こそならなかったものの圧倒的な力を示した扶桑達。
しかし、空、扶桑、山城の不幸(?)トリオが原因なのか・・・
「あら、羅針盤の方向が・・・」
「また・・・はずれの方向ですね。」
「・・・これで何回目でしたっけ?」
「・・・四回目よ。」
果たしてどうなる!?
次回、「出撃、カムラン半島!その2」
では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第二十話 出撃、カムラン半島 その2

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
昨日書いていたはずの物が全部消えていて萎えている作者ですOTL
そしてそういう時に限って下書き保存してないという・・・(-_-;)
皆さんは大丈夫だと思いますが気を付けましょう。
そして、トトリのアトリエをクリアしました!!ですが、エ〇〇フェ〇スが倒せないという不完全燃焼っぷりなので二週目に突入することにしました。(目標が遠のく・・・)

それでは、3-3を攻略しながら投稿します!!


先日の出撃で、圧倒的な実力を示した扶桑達復帰組。

此処の海域はすぐに突破できる・・・皆がそう思っていた。

しかし、皆は忘れていたのだ。

海域攻略における真のラスボスを・・・

 

~~~最初の出撃から数日後~~~

「どうなってやがる・・・」

空は悩んでいた。確かに彼女たちの練度的にも攻略は容易なはずである。しかし、そんな艦隊の進軍を阻むものがあった。

 

羅針盤。

一般的には方位磁針の別名であり、磁石の針が南北を指すことを利用して、船や航空機の方位・進路を測る器械。コンパス、羅盤、羅針儀とも呼ばれるものである。

しかし、艦隊が使うそれは特別で妖精が羅針盤を回し進路を示す。

そのせいか、艦隊の進路はランダムになることが多い。しかし、

「これで四回目か・・・」

四回連続で同じ方向、しかもはずれの方向を示しているのだ。

一方の艦隊でも・・・

 

~~~カムラン半島~~~

 

「あら、羅針盤の方向が・・・」

「また・・・はずれの方向ですね。」

「・・・これで何回目でしたっけ?」

「・・・四回目よ。」

 

「・・・またはずれだな。その先の艦隊を撃滅し帰還だ。」

空からの無線を受け艦隊は進軍する。その中で、

「山城・・・私たちは・・・どうすればいいのかしらね?」

「悩んでいらっしゃる姉様も素敵です・・・」

「(やはり、私は・・・)」

当てにならない妹を見ながら扶桑は一人決意を固める。

 

その後、危なげなく艦隊を撃滅し艦隊は帰還した。

 

~~~艦隊帰還後~~~

「お疲れさん、今日は此処までだ。皆少し疲れがたまってるだろうから明日は休みにして次の出撃は明後日にするぞ。扶桑は一応報告書を頼む。」

そう言って空はメンバーに解散を命じた。

 

~~~その日の夜 22:00~~~

「提督、扶桑です。報告書をお持ちしました。」

「おう、いいぞ。」

返事の後、扶桑が報告書をもって執務室へ入ってくる。

「・・・・・・よし、大丈夫だ。明日は休みだからゆっくりするといい。」

「提督、少しよろしいですか?」

「あぁ、なんだ?」

扶桑の真剣みを帯びた表情を見て空も姿勢を正す。

「次の出撃から・・・私を外してください。」

「そいつはまた・・・随分と突然だな。どうした?」

「・・・艦娘になろうと私は不幸型と揶揄される欠陥戦艦です。私がいないほうが戦果だって上がるはずなんです。ですから、試すだけでも構いません、一度、私をメンバーから外してください・・・」

「おいおい・・・馬鹿言うんじゃねえよ。」

扶桑の願いを空はばっさりと切り捨てた。

「不幸だから?居ないほうが戦果が上がる?ハッ、知ったこっちゃねえよ。むしろお前さんがいないほうが戦力低下だっつの。それにお前さん外したら俺が山城に撃たれるしな。」

「は、はぁ・・・」

山城が空に砲撃するシーンが脳に浮かび苦笑いする扶桑。

「それに不幸ってのは案外心の持ちようでどうにかなるもんだぜ?まぁお前さんたちはちょっとばかし特殊だけどな。」

「心の・・・持ちよう・・・?」

「例えばだ。今回の件で羅針盤がまた逸れたとする。どう思う。」

「それは・・・不幸だな・・・と。」

「まぁそうだよな。じゃあ仮にだ、羅針盤が逸れてなかった場合に何らかの形で艦隊に大きな損害が及ぶとしたら?羅針盤が逸れたのは不幸か?」

「それは・・・」

「違うだろ?不運か幸運かなんて考えようでいくらでも変わるもんなんだよ。目先の不運は後に幸運となって帰ってくる。俺はそう思ってる。まぁ帰ってきたためしは無いけどな。」

「・・・それではダメじゃないですか?」

否定の意見を述べる扶桑。しかしその表情はどこか晴れやかに見える。

「いいんだよ。普段の俺からすれば後々どんな幸運で返ってくるか楽しみで仕方ねえよ。」

「そうですか・・・私も、提督の期待にこたえられるように頑張りますね・・・?」

「・・・おう、頼んだぞ。」

少し恥ずかしそうに微笑む扶桑に不覚にもドキッと来た空だった・・・。

 

そして休みを挟んで五回目の出撃。

 

「提督、主力部隊を発見しました。敵艦隊は戦艦ル級、空母ヲ級、軽母ヌ級、重巡リ級、駆逐ハ級、駆逐ハ級です。」

「よし、単縦陣で会敵だ。今までの鬱憤、存分にぶつけてやりな!」

 

その後、艦隊は小破以上の損害を受けることなく敵主力部隊を撃滅し海域の攻略に成功したのだった。

 

~~~その日の夜 執務室~~~

「提督、報告書をお持ちしました。」

扶桑が出撃の報告書を持ってきた。

「おう、お疲れさん。こっちに置いといてくれ。」

空はまだ書類が残っているようでその処理に追われている。

「あまり無理はなさらないようにしてくださいね?」

「大丈夫だよ、頑丈さには自信あるしな。」

「それでもです。体を壊しては元も子もありませんから。」

「・・・そうだな。」

「・・・提督、」

「なんだ?」

「不幸かどうかは心の持ちよう。その通りでしたね。」

「・・・だろ?」

「ええ・・・帰還するときに空の青さをひがむことも無くなりました。」

「そりゃ良かった。さて、報告書はっと・・・・・・よし、問題なし。改めて、お疲れさん。ゆっくり休んでくれ。」

「はい。提督も夜更かしはほどほどにしてくださいね?」

「あいよ。」

そう言って扶桑は執務室を後にした。

 

「さて、目指すは次の海域だな・・・っと。」

最後の書類を片付け、空は私室へと戻っていった。

 

 




いかがだったでしょうか?
ものすごい難産でした・・・(-_-;)

WBCが始まりましたね。現時点で先制されてるけど侍JAPANには頑張ってほしいものです。
私は見る専門ですが楽しみにしてます。(山田のHR関係でネットが荒れてますが)
艦これの方は3-3を攻略中です。ワンパン大破で即撤退しましたが。
練度平均は80前半ぐらいだから余裕・・・のはず。

では、次回予告行きます。
カムラン半島を攻略した岩川鎮守府。多少の遅れはあれど十分な戦果を挙げている空に急進派の一部が空を亡き者にしようと刺客を送り込む。
「てめぇ・・・何者だ。」
「・・・・・・」
「語るに及ばず・・・か。いいぜ、かかってきな!!」
次回、「不幸な提督、また襲われる!」
では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第二十一話 不幸な提督また襲われる!?

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
なんとか週一投稿をキープしている作者です。
ただ、クオリティを落としてまで週一にするつもりはないのでこれから先は週一投稿すらできないかもしれません。
これもひとえに作者の能力不足が招いた事態です。本当にすみません。

忙しくて艦これもややご無沙汰でございます(-_-;)

でも失踪はしません。ゲッシュ立てます。

では投稿します!


カムラン半島を攻略してから数日後、艦隊にまた艦娘が戻ることが決まった。

以前までは、多くても5人ぐらいだったのだが・・・

「はぁ!?15人だと!?多すぎるぞ・・・予想よりも早くこっちの補給が間に合わなくなっちまう・・・」

送られてきた書類を見て空は愕然とする。以前はこちらの受け入れ態勢の問題もあり比較的少人数での復帰だったがここにきて体制が整ったこともあり一気に復帰艦が入ってくることになったのだ。

戦力の増強は確かに重要だが、補給が立ちいかなくなればそれ以前の話になってしまう。

以前からの問題がさらに重くなって空にのしかかる。

 

そんな時、電話が来た。

「久しいな。風林提督。」

電話の主は、空が拘留されたときに来た黒木提督だった。

「久しぶりだな。俺が拘留されて以来か?」

「そうだな。今回はそちらに演習を申し込もうと思ってな。」

「そりゃあいいが随分急だな。」

「・・・そちらにもいろいろあるだろう。例えば・・・補給が危うい、とかな。」

「・・・何で知ってるんだよ。」

「うちには優秀な諜報員がいるとだけ言っておこう。」

「・・・はぁ。わかった。で、いつだ?」

「明後日の午後でどうだ?場所はそっちの鎮守府でやろう。艦隊の練度はそちらに合わせておこう。」

「ありがとな。準備をして待っているぜ。」

 

~~~佐世保鎮守府 執務室~~~

「助かったぞ青葉。」

「いえいえ、司令官のためですから~。」

 

~~~岩川鎮守府~~~

「と、いうことで明後日に佐世保鎮守府の黒木提督と演習を行う。第一艦隊メンバーは準備しといてくれ。旗艦はそうだな・・・加賀、頼めるか?」

「了解しました。ところで、ご飯の量が少なくなっている気がするのですが。」

「食い過ぎなんだよ少しは自重しろ。太るぞ。」

「・・・頭に来ました。」

「ちょっ!?艦載機はやめろ!!叢雲ヘルプ!!」

「これは自業自得よ。おとなしく喰らっときなさい。加賀さんも死なない程度には抑えてくれるでしょ。」

「んな殺生な!?」

その後何土下座と外食のおごりで許された。

 

~~~二日後、岩川鎮守府演習場~~~

「よろしく頼むぞ、風林提督。」

「こちらこそよろしくお願いします。黒木提督」

 

~~~艦隊演習中~~~

「ふむ・・・こちらの負けだな。」

結果は岩川鎮守府チームの勝利に終わった。

 

「よくやった。MVPは旗艦撃破の扶桑だな。」

「はい、ありがとうございます。」

「ただ、相手はこっちに練度を合わせてくれてたからな。さらなる練度向上に努めてくれ。俺は今夜は黒木提督と会食がある。叢雲、扶桑を中心にこの後は任せるぞ。あっちの艦隊メンバーを来客用の宿舎に案内してくれ。」

 

「「了解よ(です)」」

 

~~~夕食 19:00SIDE艦娘~~~

提督たちが会食に行っている間、互いの鎮守府メンバーは夕食もそこそこに話に花を咲かせていた。

「そっちの提督もなかなかに男前だね。」

そういうのは佐世保鎮守府のZ1(レーベレヒト・マース)。

「デリカシーには欠けますがね。」

そう返すのは加賀。先日のことをまだ根に持っているらしい。ただその表情は比較的柔らかくからかい交じりなのが見て取れる。

「此処の料理、なんか魚が多い気がするにゃ。多摩にとっては天国だにゃあ・・・」

魚料理にかぶりつく多摩。(佐世保)

「私たちが獲ってるのよ!!」

自慢げにふんぞり返る暁(実際多くは電と響が獲っている)

「お酒は無いんですか~?」

「こら!演習相手の鎮守府に来てまでお酒をねだらないの!」

酒をせびり怒られるpolaと怒るzara。

「構いませんよ。ここの娘たちはあまりお酒を飲みませんからそれなりに数はありますし。」

 

そんなこんなで酒が入った結果・・・

 

「こりゃまたひどいことになってるわね・・・」

周囲には酒瓶が散乱し、酔いつぶれた艦娘たちと何が何だかわからずあわあわしている駆逐艦娘たちの構図が出来上がっていた。

「・・・とりあえず運びましょうか。」

「まともそうなのは・・・私と扶桑さんと・・・夜間哨戒メンバーと駆逐艦の娘達ぐらいしかいないじゃない。加賀さんまでつぶれてるなんて・・・。」

「まぁたまにはいいんじゃないかしら。」

つぶれた山城を運びながら扶桑はつぶやく。

「・・・そうね。はぁ、皆、手伝ってちょうだい!」

艦娘たちの夜は賑やかに更けていく・・・

 

~~~夕食 SIDE提督~~~

「つーわけで、補給が遅かったり予算が降りなかったりするんだが。」

夕食もそこそこに空は鎮守府内の問題点について翔に話した。

「なるほどな。まずは前者だが、穏健派の独自ルートを仲介してやる。それなら妨害も入らないだろう。後者だが・・・これは少し時間がかかるかもな。」

「どういうことだ?」

「海軍の予算を管理している部署は急進派、穏健派の勢力が拮抗しているところなんだが・・・そこの穏健派の中には陸軍嫌いな人がいてな。お前に関してはそいつが急進派に寝返ってるから予算がうまく下りないんだろうな。」

「マジかよ・・・」

「こちらでも説得するが時間がかかるかもしれん。なかなかに頑固な方だからな。」

「・・・そうか。時間がかかるようなら教えてくれ。俺が直接話を付ける。」

「わかった。他に何か聞きたいことはあるか?」

「いや、特には・・・あったな。」

「何だ?」

「少し確認したいことがあってな・・・」

 

~~~夕食後 帰り道~~~

「今日は助かったぜ。おかげでこの問題もどうにかなりそうだ。」

「それは良かった。こっちも陸軍の猟犬の力は頼りにしてるんだ。」

「一応今は海軍なんだがなぁ・・・」

「陸軍出なんだからそんなものだろう。・・・!!」

話の途中で翔の言葉が詰まる。

「・・・気づいてるか。」

「・・・あぁ、つけられてるな。ただ、気配の一つは味方だ。」

「・・・そうなのか?」

「俺の後輩だ。一応俺の護衛をしてる。・・・ここに来る命令は出してないんだがな。」

「・・・巻くぞ。走れ・・・!!」

その言葉と共に二人は走り出す。

 

「・・・!!」

追跡者は尾行が気づかれたとさとるやすぐに無線を開き、指示を出し始めた。

 

~~~十分後~~~

「・・・ある程度距離は離せたはずだ。」

「ったく、またこれか。勘弁してくれ・・・」

 

ほっと一息ついたのもつかの間、

「・・・見つけた。」

「「!?」」

冷たい声と共に黒装束をまとった部隊が二人を取り囲む。

 

「囲まれたか・・・」

「ちっ、ついてねぇ・・・」

囲みがじりじりと縮んでいく。さらにこんな時に限って楓の気配が感じられない。

「・・・てめぇら、何者だ。」

「・・・・・・」

「語るに及ばずか・・・いいぜ、かかってきな!!。アンサズ(ansuz)!」

囲みの一角が燃え盛るのと同時に空は囲みに突っ込み慌てている部隊を格闘で無力化していく。一方の翔は、

「遅い・・・!!」

いつの間にか持っていた刀で相手を無力化していく。どうやら居合を得意としているらしい。

 

数分後には残りはリーダー格と思われる者のみになっていた。

「さて、おとなしく投降してもらおうか。」

しかしその声に相手は答えず、

カッ!!

「「!?」」

スタングレネードを投げ、逃走してしまった。

 

「・・・逃がしたか。」

「くそっ、警戒の一つでもするべきだったぜ。」

「大丈夫ですか、先輩。」

「・・・楓か。あぁ、大丈夫だ。」

「すいません、どうやら囮にかかってしまいました・・・」

「ってことは楓にも気づいてたのか・・・結構手練れの部隊かもな。」

「すまない、助かったぞ。」

「こちらこそ助かった。・・・その刀はどこから出したんだ?」

「・・・企業秘密だ。そういうお前もあの炎はどうやった?魔法とでもいう気か?」

「・・・企業秘密さ。」

「なら、お互いこのことは他言無用ということで頼むぞ。」

「当然。さて、いったん鎮守府に帰りますか。」

 

そんな空の軽い言葉と共に三人は鎮守府への帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
珍しく長めになりました。

WBCは無傷で6連勝ですね。果たしてどこまで行くのやら・・・

黒木提督についてですが、どこの鎮守府の提督かを書いていなかったのであとで書き足しておきます。

次回予告は今回お休みです。(理由についてはいつもの通りでございます(-_-;))

では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第二十二話 不幸な提督の(不幸?な)日常

皆さんいかがお過ごしでしょうか?

最近ガチャとかの爆死が多すぎて心が荒んできてる作者です。
なぜ星5はおろか星4さえも当たらぬのか・・・(´;ω;`)
stellaでも聞いて心を落ち着かせます・・・(stellaの中だとその2が一番好きです)
こういう時のアトリエシリーズの曲は心が落ち着きます・・・

3-3が進まん!!おのれ羅針盤・・・

何はともあれ、投稿します!!



~~~謎の一団による襲撃を受けた翌日 岩川鎮守府港~~~

 

「では、あっちに戻り次第補給などの手配をしよう。・・・もちろん、あれのこともな。」

下手人を楓率いる憲兵隊に引き渡し、黒木提督も佐世保鎮守府に戻る時間になった。

 

「助かる。頼んだぜ、黒木提督。」

提督同士でそんなやりとりをしているころ・・・

 

「また来てくださいね。」

「魚とお酒を用意して待ってますね。」

艦娘同士もにこやかに再開を約束していた(一部艦娘は二日酔いでダウン。)

 

~~~その後 執務室 10:00~~~

「先輩、彼らの件ですけど・・・」

楓が尋問を終えて報告に来た。

「で、どうだった。」

「ダメです、何も知らされていなかったようです。やはり隊長格を捕らえられなかったのは痛かったですね。」

「・・・そうか。長時間の尋問ご苦労、昼でもおごるぜ?」

「・・・はい、ごちそうになります。」

やや疲れた表情を見せながらも微笑みながら楓はうなずいた。

「とは言っても疲れてるだろうしな、昼までは少し時間もあるだろうし休んどきな。」

「いえ、ほかの皆さんが頑張ってるのに自分だけ休むわけには・・・」

「それもそうか・・・うーん・・・そうだな、そらよ。」

空は少し考えたのちに楓に何かを投げ渡す。

「これは・・・鍵?」

「俺の私室の鍵だ。そこなら休んでも大丈夫だろ。」

「え!?いいんですか!?」

「空の私室」その言葉に目を輝かせる楓。

「いいも何も、俺から言ってんだ。気にすんなって。他の奴らには言っとくからよ。」

「わかりました!!失礼しますっ!!」

そう言って楓はものすごい速さで執務室を出て行った。

 

「・・・そんなに休みたかったのか。よっぽど疲れてたんだな。」

 

~~~空の私室~~~

「こ、これが・・・先輩の私室・・・」

空の私室を見た楓はその性格とはまた違い整理整頓の行き届いた部屋に少し驚くも、疲れもあってベッドに倒れこむ。

(あ・・・先輩の匂いだ・・・)

ベッドの暖かさもありすぐに瞼が降りた。

 

~~~二時間後 12:00~~~

お昼時ということで空は楓を起こそうと自室に入る。

 

「楓~?そろそろ時間だぜ?」

「・・・ぁあ、せんぱいだ~」

「うおっ!?おいおい寝ぼけてないでおkぐぅえっ!?」

どうやら寝ぼけているようで空をベッドに引きずり込んだうえで抱きしめているのだが、異様に力が強い。

「せんぱい・・・もう・・・はなしませんよ・・・?」

「放すも何も、動けないんだが・・・」

「とうぜんです~。だってはなしたらせんぱいにげちゃいますもん。だからぁ・・・こうやってぇ・・・」

その言葉の後、

「~~~!?」

楓は自身の年の割には控え目な胸部装甲(比喩)を空の顔に押し付ける。

(これはこれで役得なんだが息が出来ねぇ・・・!!)

流石にやばいと思いジタバタしていると。

「・・・あれ?先輩!?やだ!?すみません!!」

流石に目が覚めたようで大慌ての楓。

「お、おう。まぁ気にすんな・・・飯行こうや。」

「は、はい・・・」

精神的にゲッソリしながら昼食に向かう空だった。

 

~~~昼食後~~~

「・・・・・・・・・」←書類処理中

「提督・・・その・・・お茶です。」

「おっと、ありがとな神通。」

「いえ・・・提督、その、また手合わせしてもいいですか?」

「全然かまわねぇぞ。むしろこっちから頼みたいぐらいだぜ。やっぱり実戦感覚が鈍りきっててな。」

神通と再度手合わせの約束をしながら書類を片付け・・・

 

 

~~~夕食後 22:00~~~

「さてと、」

執務も一通り終わり秘書艦の神通も部屋に戻った。

空はあることの進捗を確かめるために黒木提督に電話を掛ける。

「・・・風林提督か。」

「あぁ。とりあえず進捗を確かめようと思ってな。」

「補給路の件については準備が整った。次の補給からはちゃんとした補給が行われるはずだ。予算についてはまだ何とも言えないな。」

「で、あの件はどうだ?」

「問題ない、うちの明石夕張コンビが急ピッチで作業を進めている。まあもう少し時間がかかるだろうがな。」

「すまないな。こっちでやると流石にバレるしろくなことにならなそうだからな。」

「そうだな、流石に艦娘達も反対するだろうしな。」

「でもあんたはやってくれるって言ってくれたな。」

「・・・お前さんの気持ちはわからなくもないからな。」

「・・・ありがとな。」

「それと、先日の襲撃の件だが・・・」

「何かわかったのか?」

「いや、詳しいことは何もわからなかったが予想通り急進派の一派の仕業のようだ。」

「やっぱりか。ということはこっちの事情が漏れてるかもしれないってことだよな。」

「そういうことになる。周囲には気を配っておけ。重大な予定などはあまり周りに漏らさないほうが良いだろう。たとえそれが艦娘であってもな。」

「・・・艦娘相手に疑うような真似はしねぇよ。たとえそうだとしてもな。」

「・・・信頼してるんだな。」

「これでも鼻は利くと自負してるんでな。」

「なら何も言わんよ。気を付けろよ。暗殺されたなんて報せは聞きたくないからな。」

「・・・そうやすやすとくたばるつもりはねぇよ。」

「だろうな。時間だ。失礼するぞ。」

そして電話が切れる。

 

「いい感じだな。まぁ少しは警戒しときますかね、フェオ、ベルカナ。」

探知と増幅のルーンを用い周囲を確認する。

 

「・・・人影は無し。さて、こいつを張ってから寝ますかね。」

部屋の入口に保護のルーンをかけ空は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

日本負けちゃいましたね・・・まぁ過ぎたことは仕方ないので反省、課題を踏まえシーズンを過ごしてほしいと思います。

さて、トトリ二週目は時間の都合で中断し現在メルルのアトリエをプレイしております。
なぜあの仮面男の正体がわからないのだろうか・・・(-_-;)

では次回予告行きます。
補給路が正常化し、新たに15人の艦娘が戻ってくる。
戦力の増強と共に悩みの種も増える・・・?
「だ、誰があんたなんか信じるもんですか!!」
「近づくなこのクソ提督!!」
「いい気になんないで頂戴!!」
「こりゃまた随分と威勢のいい奴らだな・・・」
次回、「不幸な提督のストレスがマッハなようです。」
では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第二十三話 不幸な提督のストレスがマッハなようです

皆さんいかがお過ごしでしょうか?

遅れてしまい申し訳ありません、作者です。
お仕事がきつく疲労困憊でございます・・・(-_-;)
肩と足がめっちゃ痛いです。誰か助けてクレメンス・・・(ネタは知らない)

プロ野球も開幕しましたね。今年こそは・・・連覇、日本一になるんや・・・。昨年の悔しさを糧にしてほしいと思います。

では、投稿します!!


~~~執務室 20:00~~~

 

「ふぅ・・・疲れた。」

「お疲れ様です。お茶、どうぞ。」

執務が一区切りしたので秘書艦の加賀と共にお茶を飲む。

 

「ところで、」

「ん?」

「新しい娘たちが戻ってきたわね。どう?変わったところは無かったかしら?」

「・・・あの三人はあれが素か?」

「・・・あの娘たち?まぁ大体そんなところかしら。」

「マジか・・・話には聞いてたがな・・・戦力と一緒に悩みの種が増えたんじゃあな・・・困ったもんだ。」

 

空が悩むそもそもの原因は15人の艦娘達が復帰した昨日にさかのぼる。

 

~~~二日前 執務室 10:00~~~

「・・・これだけ人数が揃うとなかなかに壮観だな。」

「そうですね。私も楽しみです。」(´~`)モグモグ

「おう、赤城。ならせめて目の前でおにぎり食うのだけはやめてくれや、周りの眼があるんだぜ?」(#^ω^)

「はい、食べ終わりました!!」

「・・・そうかい。」

 

「提督、そろそろよろしいですか?」

「おう、悪い。じゃあ始めるか。すまんな、いかんせん人数が人数だから手間取っちまった。一応確認するぞ、金剛型4番艦霧島、伊勢型1番艦伊勢、同じく2番艦日向、朝潮型3番艦満潮、同じく4番艦荒潮、6番艦霞、綾波型8番艦曙、同じく10番艦潮、初春型1番艦初春、白露型1番艦白露、同じく4番艦夕立、球磨型3番艦北上、千歳型1番艦千歳、同じく2番艦千代田、天龍型2番艦龍田。以上15名でいいな?」

「ええ、全員揃っています。」

「よし、じゃあ話を始めよう。まずは陸軍の奴らが使いもんにならなかったのと、あいつの告発が遅れたことを謝らせてくれ。」

「・・・いえ、こちらも事情は把握しています。思うところが無いわけではありませんがそれを提督に言うのは筋違いですからね。」

艦娘たちを代表している霧島の発言に何人かは複雑そうな表情をしている。

 

「それでもだ。お前さんたちは本来あんな目にあっていい存在じゃないんだ。これからもこの国を守るために力を貸してくれ。」

そう言って空は頭を下げる。

「わかりました。私たちも全力を尽くしましょう。」

「助かる。とりあえず鎮守府の当面の運用について説明しよう。」

 

~~~提督説明中~~~

 

「・・・まぁこんなところか。」

「要約すると、『しばらくは遠征や演習で様子を見つつ機を見て艦隊に組み込む』ということですね?」

「まぁそういうことだ。皆も長旅で疲れただろう?宿舎の部屋割りは秘書艦の赤城か叢雲に聞いてくれ。」

と、話も済みこのまま解散になる・・・はずだったのだが。

 

「・・・納得いかないんだけど。」

「ん?お前は・・・曙か。何について納得がいかない?」

「何って・・・全部よ。そもそもなんであんたが提督やってるかもわかんないし私はあんたを信用してないから。」

「・・・ほお。ならこの場で聞いておくか。現時点で俺のことを信用に足りないと考えてるやつは此処に残れ。他は解散して良いぞ。」

「・・・わかりました。」

 

その言葉と共に艦娘が出ていく。そして残ったのは・・・

「曙、満潮、霞、龍田の四人か。とりあえず理由だけ聞いていいか?」

「理由も何も・・・単純に提督とか、憲兵とかが信用できないの。あれだけの扱いを受けてたのよ?実際あの中にも信用できてないって人はいるんじゃないの?」

曙の言葉に残りの3人も同意を示す。

「なるほどな・・・まぁ仕方ないっちゃ仕方ないか。俺たちの問題だからな。まぁ少しずつ信用を勝ち取ることにするぜ。つーわけで一緒に飯でもどうだ?」

そう言って空は彼女たちに近づく。すると、

「だ、誰があんたとご飯食べなきゃいけないのよ!」

「近づくなこのクソ提督!!」

「いい気になんないで頂戴!!」

「ごめんなさいね~少なくとも天龍ちゃんが戻ってくるまではそういうことをするつもりはないの~。」

言葉の強弱こそあれどそこには明確な拒絶の意志があった。

「・・・そうか。無理を言って悪かったな。解散していいぞ。」

その言葉の後4人は執務室を出て行った。

 

「・・・お疲れさまでした、提督。」

「あぁ、お疲れさん。」

「・・・あの娘たちは特に扱いがひどかった娘達ですから・・・龍田さんは天龍さんが陰で庇ってたおかげであまりそういうことは無かったみたいですけど・・・」

「・・・ったく、またあいつか。くたばっても尚こっちの頭を悩ませて来るとはな。」

「いろいろあると思いますけど無理だけはしないようにしてくださいね?」

「・・・わかってるよ。」

 

~~~場面は元に戻り~~~

「はぁ・・・あいつらの手前信用を勝ち取るなんて言ったが、どうすればいいと思う?」

ため息をつきながら加賀に尋ねる。

「そうね・・・とりあえず変なことはしないほうがいいわね。今はじっと耐えるべきじゃないかしら?」

「やっぱそっちのほうがいいか。ある意味俺の今の信用はそこらの紙にも劣るからな・・・」

「あまり言いたくはないけどそういうことね。私たちからもそのあたりのことは言っておくわ。」

「おう、頼んだぜ・・・」

 

 

~~~夜 22:00~~~

夜、空のもとに電話がかかってきた。

「風林提督、黒木だ。」

「おう、どうした?」

「件の物が用意できた。あす、そちらに送る。それと予算の件だが・・・難航している。

もしかしたら直接話をつけてもらうかもしれん。」

「そうか、助かる。予算の件はまた連絡してくれ。」

 

その言葉と共に空は電話を切った。

 

 

「次の海域から・・・試すか。」

 




いかがだったでしょうか?

駄文決定でございます(-_-;)
どうしてもうまく書けませんでした・・・今回はあくまでも導入ですが・・・

さて、来週からは大学の方も再開するので週末更新に戻ります。

次回予告はお休みです。では次回、またお会いしましょう!


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閑話 艦娘達の日常~珊瑚海、ミッドウェーの悪夢を乗り越えて

皆さんいかがお過ごしでしょうか?

再履科目が出てしまい泣きそうな作者です。
・・・辛いです。
これからはかなり多くの講義を取らなければならないのと実習系科目があるのでもしかすると週末に投稿できないことがあるかもしれませんがご了承ください。

さて、今回は閑話ということで空ではなく艦娘にスポットを当てた話にしようと思います。
今回はあくまでも試験的なものなので継続するか否かは現在未定です。そのあたり感想などで意見を頂けると幸いです。

では、投稿します!


~~~艦娘寮 06:00~~~

「ん・・・」

いつものように朝の陽ざしを受けて目を覚ます。

私は姉妹の中では秘書艦勤めの長さゆえに時間に正確になったからか一番早起きだ。

だから、

「吹雪姉さん、白雪姉さん、朝よ。起きて頂戴。」

姉を起こすのは私の仕事である。

 

その後、着替えなどを済ませ今日も一日が始まる。

 

~~~食堂 06:30~~~

食堂の朝食は和食と洋食を日ごとに変えている。

今日は和食の日らしく焼き鮭や梅干しなど様々なおかずが並べられている。

ちなみに最近は・・・

「なぁ、飯ぐらいいいじゃねえかよ何がそんなに嫌なんだよ?」

「しつこいのよ!少しは限度ってものを覚えなさいよ!!」

司令官が何かと曙たち提督不信組に構ってる。加賀さんから余計なことはしないように言われてたはずなんだけど・・・。

そんなことを考えていると、

「提督・・・私はきちんと忠告したはずですが。」

加賀さん、襲来。

「・・・悪かったよ。」

流石にまずいと思ったのか司令はそそくさと立ち去った。

司令は仕事面は比較的真面目だけどこういった対人面では軽薄な人間に見えるところがある。

まだ着任してから日の浅い曙たちにはわからないと思うけど時期にその軽薄さが他者との交流を持ちたいが故だということに気づくでしょう。

冷めるといけないしまずはご飯を食べましょうか。

 

~~~執務室 09:00~~~

今日は秘書艦担当の日なので執務室で作業をする。

それが無い日は、個人または何人かの組で訓練をしたり書類を出して外出したりと個人で思い思いに過ごしている。(もちろんある程度の制約はあるけど。)

 

「・・・・・・」

「・・・まだ悩んでるのかしら?」

「・・・俺は普段からこんな感じだからどうすりゃいいのかいまいちわかんなくてな。」

「無理に変える必要は無いわよ。ただ、少しは気遣いってものを覚えなさいな。あなたと違ってあの娘達は繊細なのよ。」

「そうだな・・・もう少し考えてみるわ。ありがとな。」

「初期艦だもの。これくらい私にとっては当然よ。」

 

~~~空&叢雲執務中~~~

 

「ふぅ、少し休憩にしましょう。さすがに目が疲れたわ。」

「おぅ、お疲れさん。お茶でいいか?」

「ええ。ありがとう。」

普通こういうことは秘書艦の私がやるべきなんだけど司令官はそういうことをまったく気にしない。気が向いたら自分でやるし気が向かなかったら秘書艦に頼む、良くも悪くも気まぐれな人だ。

 

司令が入れたお茶で一息ついていると、

「提督、失礼します。」

「赤城か。どうした?」

「それが・・・祥鳳さんの様子が少し変で・・・」

「・・・詳しく聞かせな。」

どうやら祥鳳さん関連の話らしい。知ってるのは私と当人同士だけで本人も正気じゃなかったとはいえ彼女は一度司令官を暗殺しようとした。何かあってもおかしくは無い。

そう言えば司令官はどうやって祥鳳さんを落ち着かせたのかしら?気になるけど今は話を聞くことに集中しましょうか。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

「とりあえず様子を見ないことには始まらないか。叢雲、ついてきてくれ。」

「ええ。赤城さん、祥鳳さんはどこかしら?」

「たぶん自室にいると思うわ。提督、叢雲ちゃん、祥鳳さんをお願いしますね?」

 

 

~~~艦娘寮 11:00~~~

祥鳳さんの部屋の前についた。

「祥鳳、俺だ。入っても大丈夫か?」

司令官がノックするとすぐに

「提督!?は、はい!どうぞ!!」

祥鳳さんがドアを開けてくれた。見た感じおかしなところは無いけれど・・・

「赤城からなんだか様子がおかしいという話を聞いてな。何かあったのか?」

「・・・夢を見たんです。誰もいない海の中に一人沈んでいく・・・」

「・・・なるほどな。」

時期としてはだいぶ遅いけど、正気ではなかった時期を考えるとこの時期にずれ込む。

・・・・・・珊瑚海海戦。

「それに最近提督ともあまりお話しできなくて・・・妹もいませんし・・・」

確かに妹に当たる瑞鳳さんはおろか今の鎮守府には軽空母自体祥鳳さんしかいない。もの悲しさを覚えるのもわかる気がする。

「・・・寂しい思いをさせちまったみてぇだな、悪かった。だが、俺だけに頼っちゃいけねえ。ここにはお前さん以外にも多くの艦娘がいる。皆でそういうことを乗り越えていこうや。赤城とかの様子も一応見ておくか。ミッドウェーもこの時期だったはずだ。」

確かに今月はミッドウェー海戦、さらに言えばマリアナ沖海戦があった月でもある。

私たちは艦やその乗組員の魂が人型になったもの。当然自らが沈んだ時のことがフラッシュバックすることがあるらしい。まして自らが沈んだ月であればそれは顕著なのだろう。

10月になれば私も見るのかしら・・・見るのでしょうね。

「お前は一人じゃない。少なくともこの鎮守府のメンバーがいるし一応俺もいるしな。あまり抱え込まず無理はしないようにな。」

「はい・・・お手数をおかけしました。」

「よし、また何かあったら気軽に来てくれて構わねぇぞ。叢雲、行くぞ。」

「・・・ええ。」

 

~~~食堂 12:30 ~~~

「赤城、加賀、飛龍、隣いいか?」

「いいですよ。」

「じゃあ失礼してっと。叢雲、あくまでも個人的な話になるからお前さんは吹雪とかと飯を食ってきな。」

・・・さすがにここに割り込む気はしないわね。

「そう?じゃあ失礼するわね。」

 

・・・視点変更SIDE空・・・

「相変わらず食うな・・・」

「正規空母ですから。」

「赤城、祥鳳の件はとりあえずは解決したと思う。まだ様子を見る必要はありそうだけどな。」

「そうですか。提督、ありがとうございます。」

「それで思い出したんだが・・・お前さんたちは大丈夫か?」

「それは・・・MI作戦のことですか?」

MI作戦。その言葉を聞いて加賀、飛龍の箸が止まる

「・・・そうだ。」

「・・・何も感じない、と言えば嘘になります。でも、少なくとも私は乗り越えて見せようと思ってますよ。せっかく二度目の生を手に入れたんです。なら、今度こそ運命の五分間を乗り越えようって。」

赤城の言葉に加賀、飛龍もうなずく。

「・・・強いな。」

「誉ある一航戦と二航戦ですから。」

「そうだな。これからも頼むぜ。」

 

~~~執務室 13:30 視点変更SIDE叢雲~~~

「で、どうだったのかしら?」

「二度目の生を得たからには乗り越えて見せるとさ。一航戦と二航戦は伊達じゃねえな。」

「・・・そう。さぁ、午後の執務を始めましょうか。」

「そうだな。」

 

~~~夕食 19:00~~~

今日の夕食はロールキャベツだ。

「間宮さん!お代わりください!」

「はい、吹雪ちゃん、前よりも随分あかるくなったわね。」

前は司令官を怖がっていた吹雪姉さんも随分と明るくなった。これもひとえに司令官や周りの人達のおかげだろう。

「叢雲ちゃん、表情が緩んでるわよ?」

え?

「そう・・・かしら?」

「ええ。いつも違って随分幸せそうな顔してたわよ?」

自覚は無いけど・・・

「そんなときもあるでしょ。ご馳走様。」

 

「そんなこと言いながらも姉思いなのも・・・わかってるからね。」

白雪姉さんの言葉が聞こえて顔が真っ赤になったのは内緒だ。

 

~~~執務終了 吹雪型(特型)自室 22:00~~~

「ただいま~。」

何回もやっているとはいえやはり秘書艦業務は疲れる。

「お帰り叢雲ちゃん、お疲れさま。」

「ええ、明日は吹雪姉さんが秘書艦よ。忘れないようにね。じゃ、私は寝るから。」

返事もそこそこに敷いてあった布団に横たわる。

疲れ切った体は睡魔にあらがうことは無かった。

 

・・・・視点変更 SIDE吹雪・・・・

「叢雲ちゃん・・・?もう寝ちゃったんだ。」

普段はきりっとしてる叢雲ちゃんも寝顔は年相応になる。秘書艦としてとても優秀で頼りになるって司令官も言ってたけど・・・無理してほしく無いなぁ。

「・・・しっかり休んでね。」

明日は私が秘書艦。しっかり休んで頑張ろう!!

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
今回は、叢雲、祥鳳、赤城、加賀、飛龍に焦点を当ててみました。
ホントはもう少し軽くなる予定でしたが、ちょうど小説内のこの時期がミッドウェー、珊瑚海海戦(こっちは五月ですが)だったのでこういう形にしました。
というかサブタイトルのセンスのなさに泣けてきた・・・(´;ω;`)
次にやるときはもっと軽くなる・・・はず。
お話の希望等ありましたら感想欄にお願いします。

では、次回予告行きます。
ついに東部オリョール海へと出撃する岩川鎮守府メンバー。
しかしいつもと違う点が一つ・・・
「あんた・・・ふざけてるの?」
「提督・・・さすがにそれは・・・」
「いいじゃねえか、俺は黙って見てるのは性に合わなくてな。」
次回、「出撃、東部オリョール海!」
では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第二十四話 出撃、東部オリョール海! ブリーフィング編

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
リアルな講義に、自動車教習と、過労死するのではと少し不安な作者です。
疲れがなかなか抜けません・・・(-_-;)
これで春イベとか不安しかない・・・まぁ、どうにかしますけど。
さて、今回から東部オリョール海編です。(2~3話で終わる予定)
その後、沖ノ島海域に出るわけですが・・・今までの海域よりもかなり長くなる予定です。
まぁそれだけ時間がかかったということなんですがね。
後、今回はブリーフィング回なので文章量が少なくなると思われます。
では、投稿します!!
誤字報告について、
SERIOさん報告ありがとうございます。修正しました。


ついに東部オリョール海攻略作戦「O1号作戦」の決行を翌日に控えたこの日、ブリーフィングをして艦隊メンバーは前回と変えないということが決まったのだが・・・

 

「あんた・・・ふざけてるの?」

「ふざけてるも何も本気なんだが・・・」

「なおさらたちが悪いわよ!」

空が持ち出した案件が物議をかもすことになった。

「俺は単にお前らが心配で・・・」

「提督・・・お気持ちはわかりますがさすがにそれは・・・」

もともと反対していた叢雲はもとより、扶桑も語気の差こそあれ反対のようだ。

「ま、予想はしてたけどな。」

肝心の空はケロリとしてまったく意に介していないが・・・

「つーか、お前さんたちはなんも言わないのかい?」

「提督のことですから自信がおありなのでしょう?」

「こりゃまた変な信頼感を与えちまったか・・・?」

「私はあまり勧めませんが。」

「だろうな。まぁ、大方反対だろうがこっちにもいろいろ理由があってな。」

「へぇ、なら聞かせてもらおうじゃないの?」

「まず一つはさっきも言った通りお前さんたちが心配だからだ。まぁ、これは時期に無くなる。二つ目は海戦をこの目で見ることだ。そうすれば俺も少しは作戦を立てやすくなる。そして三つ目、俺の現時点での実力を見たいからだ。」

「最初の二つはいいとして、三つ目が分からないわね。」

「まぁこればっかりは出撃してからだな。つーわけでまずは一回!どうにかできねえか?」

「まったく・・・一回だけよ。どうせあんたのことだから曲げる気はないんでしょ?」

「・・・当然!」

「・・・叢雲ちゃん、本当にいいの?」

「扶桑さん、司令官はこういう人だから仕方ないのよ。」

「・・・やっぱり叢雲ちゃん、お母さんみたいですね。」

飛龍の一言にその場の全員が笑ってしまった。

「ははっ、違いねぇ・・・ククッ、似合ってるぜ・・・」

「・・・・・・」(#^ω^)

「ハハハ・・・叢雲、連装砲は人に向けるもんじゃないぜ?」

「・・・・・・」

「・・・すんませんした。」

「・・・よろしい。」

 

最後はグダグダになってしまったがこんな感じでブリーフィングは終わった。

 

~~~工廠  22:00~~~

明日の作戦を考慮して皆を早めに休ませたあと空は一人工廠に来ていた。

「これが、俺の船ねぇ・・・」

目の前には黒木提督から贈られた船。そこまで大型ではないがスピードは速く、駆逐艦娘よりも少し遅いぐらいとのことだ。

「さてと・・・やらないよりはやったほうがいいだろうしな・・・」

ボソボソとつぶやきながら船の船体に硬化のルーンを刻んでいく。

「よし、出来た。あとはこいつの名前か・・・」

名前に悩むこと数分・・・

「よし、ちょっと他の奴らには合わんが・・・「セングレン」頼むぜ?」

 

~~~翌日 岩川鎮守府港 09:00~~~

「さて、皆、準備はいいか~?」

「提督はこれで行くんですか・・・?」

艦隊メンバーの目の前には小型の艦―セングレン

「まぁそこまで大きくないのは予想してたけど・・・小さすぎない?」

山城の質問に空は、

「これでも結構頑丈なんだぜ?佐世保鎮守府の明石夕張コンビお手製って話だがかなり頑丈だったぞ。それにルーンも刻んだしな」ボソッ

「・・・そろそろ行くわよ。準備しなさい。」

「さて、と。よし!行くぞ!!」

 

空の号令と共に艦隊は作戦遂行のために東部オリョール海への道を進んでいく・・・

 

 




いかがだったでしょうか?
今回は作者の疲労がすごいのと、導入を書きたいという都合からいつもの半分ぐらいになりました。(作者は一種の引きこもりなので体力がありません。)

次からは元の文量に戻ります。
では次回予告行きます。
空の初出撃、艦娘たちは空の異能を知ることとなる。
「何よ・・・それ・・・」
「ま、これが自信を持ってた理由ってやつだ。そらよ!」

次回、「出撃、東部オリョール海! その2」
では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第二十五話 出撃、東部オリョール海! その1

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
再履科目でメンタルがずたずたになった作者です。

皆は必修科目を落としちゃだめだぞ、お兄さん(?)との約束だ。

ダンテルさん感想ありがとうございます。
感想のネタについてはあとがきの方にのせます。

最近は艦これできてないです・・・誰か休みをくれ(切実)

では、投稿します!!



東部オリョール海への道を行く艦隊。

 

一回羅針盤を挟んでそれなりに時間がかかったがようやく当該海域に到着した。

 

「そう言えば、戦闘中の操縦とかあんた大丈夫なの?」

「あぁ、そん時はこいつらが担当してくれる。」

船の中から数人の妖精が出てくる。

「マカセローバリバリ、」

「なんか嫌な予感するからそこまでだ。とまあこいつらが戦闘時の操舵や機銃射撃を担当してくれる。」

「へぇ、結構考えてるのね。」

「なんか普段はあんまりもの考えてねぇような言い方だな・・・」

「あら、違うの?」

「・・・違わないな。赤城、索敵はどうなってる?」

「・・・・・・いました、敵艦隊は重巡リ級のelite、重巡リ級、軽巡ト級、軽巡ヘ級、駆逐ハ級、駆逐ハ級です!!」

「よし、お前ら、単縦陣だ。空母部隊、先制攻撃の用意を!!」

「お任せください!第一次攻撃隊、全機発艦!」

「五航戦の子なんかと一緒にしないで。」

「第一次攻撃隊、発艦!!」

空の号令と共に空母勢の艦載機が襲い掛かる。

 

機銃と爆音、敵艦の断末魔がこだまする。

「これが空母の力か。実際に見ると圧巻の一言だな・・・」

「残りは中破のリ級elite、中破のト級です!!」

「お前ら、操縦は任せたぜ。行くぞ!」

妖精の操舵によりセングレンが動き出す。

 

「砲雷撃戦、用意って、提督!?」

「・・・あのバカ!一人で突っ込んでるじゃないの!!」

一人突出する空を見て急いで援護に入ろうとするメンバー。

しかし、

「アンサス!!」

空の声と共に放たれた火炎弾を見て動きが止まる。

「何・・・あれ・・・?」

「火の玉・・・?」

その火の玉は中破して動きの鈍くなったリ級eliteに着弾し、

「ギャアァアアッ!?」

爆発した。そのままリ級eliteは沈んでいった。

「・・・道理で自信があるはずだわ。」

「やっぱり考えを持ってたみたいですね。」

「というかあれ人間なのかしら・・・」

「司令・・・やっぱりすごいです!」

皆それぞれの反応を示し動きを止めるが、

「グ、シズメ・・・」

残っていたト級の砲撃がセングレンに迫る。

「しまった!!」

「提督!!」

扶桑、叢雲の叫び空しく砲撃が着弾。爆発と共に爆風が吹く。

 

「嘘でしょ・・・!?」

「そんな・・・」

爆風が晴れる。そこには、

「・・・硬化のルーンってやっぱり便利だな。」

多少の焦げがついた程度で大したダメージを受けていないセングレンと甲板でニヒルな笑みを浮かべる空がいた。

「・・・あの船頑丈ね。」

「いや、そもそもなんで甲板にいる提督が無傷なの・・・?」

「そもそもどうやったんだろう・・・」

各々の反応の中、空は間髪を入れることなく、

「焼けちまいな、ソウェル!!」

その言葉の後、

「・・・!?アァァアァァァ!?」

ト級の身体が突如として発火する。

「え!?」

「ど、どうなってるのかしら・・・」

さらに、潜っても火が消えず燃え盛る。

数十秒後、

「ァ・・・ァァ・・・」

ト級はそのまま燃え尽き沈んでいった。

「・・・ふぅ。どうだい?ある程度の戦力にはなるってわかってくれたか?」

「戦力になるとは思いますけど・・・」

空の心境に反して扶桑やその他メンバーの口は重い。

「おいおいどうしたよ?なんかまずいことがあんのか?」

「・・・正直戦力としては十分だけど、連携も何もないからこっちが困るのよ。後ろからの援護メインだとものすごい助かるんだけどね。」

元陸軍の人間として連携の重要性を知る空自身としても耳が痛い話だった。

「・・・すまん。」

「わかればいいのよ。それと、あんたのそのよくわからない力についてもあとで教えてなさい?」

「もちろん。ま、理解できる保証はないけどな・・・」

 

その後、改めて編成を確認し艦隊は先へと進む・・・

「羅針盤は・・・こっちか。」

「提督、その方向だとはずれというわけではありませんが主力部隊への到達は難しくなりますが、いかがしますか?」

「う~ん・・・まぁ行けるとこまで行こうか。先に進むぞ。」

 

~~~艦隊進軍中~~~

「敵艦隊を発見!!陣容は重巡リ級、軽母ヌ級、軽母ヌ級、軽巡ヘ級、輸送ワ級、輸送ワ級!!」

飛龍の艦載機が敵艦隊を発見する。

「よし、さっきと同じ陣形で行くぞ、俺は後ろで援護する。頼んだぞ!!」

「「「「「「了解!!」」」」」」

 

~~~艦娘戦闘中~~~

 

結論から言おう、圧倒的だった。

空母の攻撃で多少の被弾こそあったが小破にも満たず、敵の砲撃も空のガンドで撃ち落とすという曲芸射撃もあり一方的な蹂躙と化した。

 

しかし、

「・・・・・・はずれた。」

羅針盤ははずれの方向を示してしまったため帰還することになった。

 

~~~艦隊帰還中~~~

「で、あんたが使ってたあれは何?」

「そうだな、あれはルーン魔術って言ってな、いろいろな力を秘めた文字を刻んでいろんな恩恵を得る魔術だ。」

「へえ・・・あの火の玉もそれで?」

「あぁ、あれはアンサスってルーンだな。他にもあるらしいが俺はまだ未熟らしくてな全部は使えねぇ。」

「あの、そういうことができる人って他にいたりするのですか?」

「・・・たぶんいないだろうな。俺だって妖精から学んだしな。おっと、このことは他言無用で頼むぜ。変な尾ひれがついたりしたらたまんないからな。」

「わかりました。」

 

こうして空を含めた艦隊は岩川鎮守府への道を行く・・・

 

~~~帰還後~~~

「・・・おい、ちょっと待て。」

空は妖精からの話を聞き愕然とする。

「この船、燃費悪すぎだろ!!」

・・・空はこの先何回出撃できるのだろうか。

 

 




~~~NGシーン~~~
「よし、ゲイボルカヌー、頼んだぞ!」

翌日・・・帰還中
「それにしても、あの船ものすごいスピードだったわね。」
「ええ。敵も唖然としてたわね。」
「すげえなこいつ・・・これならもう何も怖くねえぜ!!」
「っと、そろそろ鎮守府につくな。ブレーキブレーキ・・・おい、ブレーキ無いじゃねえか!?どうする・・・碇降ろす、エンジン切る・・・間に合うか・・・!?うおおおおおおお!?」
ボコオオオオン!!

「提督が死んだ!!」
「この人でなし!!」

~~~~~~~~~~~~~
というわけで、いかがだったでしょうか?
NGシーンを書くのは初めてなのでクオリティはお察しください・・・
カニファン面白かったですよね。ゲイボルカーとブーメランサーには爆笑しました。

では、次回予告行きます。
実は恐ろしいまでの燃料食いだったセングレン。空の出撃はどうなってしまうのか?
そしてオリョール海に暗雲が立ち込める・・・
「何が起きてるのかわからんが警戒を厳に。輪形陣で奇襲を警戒しろ!」
次回、「出撃、東部オリョール海! その3」
では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第二十六話 出撃!東部オリョール海!その2

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
片頭痛があまりにひどく辛い作者です。
GWですね!教習所詰めですが・・・
FGOイベに艦これの春イベと忙しくなりそうです。

・・・完走できる気がしない(-_-;)でもやるしかないのです!


何はともあれ、投稿します!!


一回目の出撃後、その結果を踏まえて次の出撃への会議をした。

「いや・・・まさかの燃料食いだったぜ・・・」

「そんなに燃料を使うんですか?」

「少なくとも戦艦空母並には食うぞ・・・あんまり余剰資源も無いから少し考えねえとな。」

「少し艦隊の編成も考えないとだめかもしれませんね・・・」

「あぁ、遠征部隊にも燃料を優先するように伝えておく。」

「わかりました。では、海域攻略の話に入りましょう。」

旗艦である扶桑の言葉を皮切りに本来の海域攻略の話に入る。

「さて、とりあえず一回出撃したわけだが・・・どんな感じだった?」

「とりあえず・・・現状勝てない敵ではないと思います。ですが問題は羅針盤にあるかと思います。」

「だろうな。まぁそれは妖精の気分だからどうにもなんねえな。・・・何もないようなら現状の編成で問題なさそうだな。」

「そうね。で、あんたの艦はどうするのかしら?」

「そうだな・・・空母戦艦勢で曳航できたりしないか?」

「できるかもしれませんけどやりたくないです。」

「だよな・・・」

「赤城さんに同じく。」

「あはは・・・さすがにそれは・・・ね。」

「・・・ごめんなさい」

「・・・知ってた。さて、じゃあどうするかだなぁ・・・」

「余剰資源は現状どれくらいあるのかしら。まずはそこからだと思うのだけれど。」

「まぁざっと1000から1500ってとこだ。」

「そう。」

「確かに少し心もとないですね・・・」

「だろ?出撃する分にはいいかもしんねえが損傷の修復とかをやってたらあっという間に使い切っちまう。」

「・・・とりあえずは提督も出ていいとは思うわ。ただし、資源がきつくなってきたらいったん提督無しで行くことにするわ。」

「資源がなきゃどうにもなんねえしな。それで行こう。じゃあ明日の出撃のために英気を養ってくれ。そんじゃ解散。」

 

その言葉で会議は終わり、翌日のために解散した。

「司令官!失礼します!」

会議の後、空は吹雪と朝潮を呼んだ。

「おう、来たか。いやちょっと遠征部隊旗艦の二人に頼みごとがあってな。」

「なんでしょうか?」

「いや、これからの遠征では、燃料をメインにして回収してほしいんだ。」

「了解です!ところで、理由を聞いてもいいですか?」

「・・・いや~俺が出撃しているのは知っているな。」

「はい。なんというかすごいなとは思いましたが。」

「そん時に使う船がかなり燃料を食うんでな。このままだと燃料の余剰資材が心もとないからな。そういうことだ。」

「なるほど・・・わかりました!!任せてください!」

「お任せください、必ず期待に応えて見せます!」

「お、おう。そこまで重く取んなくてもいいんだがな・・・とりあえずよろしく頼むな。」

「「はいっ!」」

 

~~~翌日 岩川鎮守府港 09:00~~~

「さて、二回目の出撃なんだが、現地は少し天気が悪いらしい。視界が悪くなるかもしんねえからいつもより警戒を高めてくれ。」

「「「「「「了解。」」」」」」

「よし。じゃあ行くぜ!!」

 

空の号令と共に、二回目の出撃が始まる。

 

~~~現地東部オリョール海~~~

先程空が言っていた通り、東部オリョール海は分厚い雲に覆われていた。

「・・・こりゃ一雨きそうだな。天気によっては進行を止めたほうがいいかもしれないな。」

「そうね。この天気でさらに雨が降ってきたら艦載機の発着艦が難しくなりますね。」

「視界もきちんと取れるかわからないわね。」

「よし、雨の降り方によっては途中で進行を止めるぞ、いいな。」

「了解しました。」

 

そして、艦隊メンバーは進行していく。

 

~~~一回目~~~

「敵艦隊を発見!!陣容は雷巡チ級elite、軽巡ト級、軽巡ホ級、軽巡ホ級、駆逐イ級、駆逐イ級!!」

「単縦陣を組め!!行くぞ!空母勢は先制の用意!」

 

~~~艦娘+提督戦闘中~~~

「ふぅ、片づいたな。赤城、加賀は周囲を警戒。扶桑、損害確認頼む。」

「・・・山城、飛龍さんが至近弾による小破以下の損害。それ以外は損害ありません。」

「・・・提督、索敵終わりました。周囲に敵影はありません。」

「よし、進行するぞ。羅針盤は・・・こっちか。」

「前回とは違う航路ですね。」

「後は天気がこれ以上悪くならないことを祈るだけだな・・・行くぞ。」

 

~~~艦隊進行中~~~

「こいつは・・・弾薬か?」

「そうですね、ありがたくもっていかせてもらいましょう。」

「これ海に浮かんでたけど・・・使えるのか?」

「妖精さんが使えるようにするらしいですよ。」

「妖精ってやっぱすげえな・・・よし、弾薬はセングレンに積んでくれ。」

「提督、艦載機から伝令!「コレヨリサキ、ウテンナリ」だそうです。」

「ちっ、降ってきたか・・・とりあえず行くぞ。まだ本降りじゃないんだろ?」

「ええ。行きましょう。」

 

~~~艦隊進行中~~~

「ドラム缶だな・・・」

「燃料が入ってるものがあるわね。」

「よし、回収してセングレンに積んでくれ。飛龍、索敵を頼む。」

「わかりました!」

~~~艦娘燃料積み込み中~~~

「提督、艦載機から報告「コノサキアメハゲシクハッチャクカンコンナン」とのことです。」

「・・・マジか。」

事実、先程から雨脚はどんどん強くなっている。

「しゃあない。撤退だ!」

 

天候を理由に空は撤退を決めた。しかし、

「提督!前方に黒い霧が!」

「あぁ?どういうこった!」

メンバーの目の前一帯に黒い霧が立ち込めている。

「くそっ、何が起きてるのかわからんが警戒を厳に。輪形陣で奇襲を警戒しろ!このまま突っ切るぞ!!」

「「「「「「り、了解!!」」」」」」

 

艦隊は黒い霧の中に突入する。

(視界はかなり悪い。こういう時は・・・)

「ベルカナ!」

ベルカナのルーンを使う。

(・・・なんだ・・・左舷にやばいのがいる!)

「お前ら!!右舷に回れ!左舷にやばいのがいる!!」

「了解!!」

ルーンの探知で感じ取った脅威を伝え回避するように伝える。

その結果か、何事も無く霧を抜けることができた。

「・・・ノガシタカ。マァイイ、ダガ、カナラズ・・・」

霧の中に響くその声を聴く者はいなかった。

 

 

~~~岩川鎮守府港~~~

「・・・雨で冷えただろ。損傷艦以外も入渠してゆっくり休んでくれ。」

空はそう言って艦娘たちをドックに送り出す。

 

(全容は見えなかったが・・・明らかに他の奴らとは違うのが感じ取れた。・・・一筋縄じゃいかないかもしれねぇな・・・)

 

空の先行きの不安を物語るかのように雨は岩川鎮守府にも降り注いでいた・・・




いかがだったでしょうか?
今回はいとまじめなお話になりました。
次回は軽いお話にする予定です。

が、ネタがまだまとまっていないので次回予告は無しです。

GWですが、投稿はいつも通り週末に行わせていただきます。
教習所通いなので時間が思いのほか取れないのが原因です。

では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第二十七話 雨中、艦娘達の日常

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
GWイベントがいろいろ忙しい作者です。
春イベは現在E-3を攻略中です。
今のところは資材にもある程度の余裕があるのでこの調子で行きたいところです。
FGOイベはメルトリリス出たので勝ちです。のんびり進めていきます。
所で、海防艦ってどんな用途があるんですかね?国後が落ちたのですが遠征要員ですかね?

さて、今回は小休止のお話です。
では、投稿します!!


二回目の出撃の翌日、日本は全国的に雨雲に覆われ、大雨となった。

当然、大雨の中での出撃は困難を極めるため今日は出撃を見送ることになった。

 

「・・・今日は出撃、遠征含め全出撃中止だな。」

「そうですね。さすがにこの雨では視界は取れないですしね。」

「だよな。加賀、全員に通達頼む。あと夜間哨戒は通常通りにすることも一応頼む。」

「了解しました。では、失礼します。」

加賀は通達のために退出した。

 

~~~執務中 09:00~~~

「出撃は無くても執務はあるんだよなぁ・・・」

出撃は無いが当然のように執務はある。書類の山と格闘する空。

一方、秘書官の加賀はというと・・・

 

~~~艦娘寮~~~

「加賀さん、今日秘書艦でしたよね?いいんですか?」

「ええ、出撃も混んでたので提督が今日は休んでくれということだそうです。」

「そうですか。で、加賀さん」

「なんですか?」

「何してるんですか?」

「洗濯ですが?」

「・・・洗剤入れ過ぎです。」

「えっ」

「・・・も、もしかして使い方知らないの!?」

「・・・使い方ぐらいわかります。」

「加賀さん、そこは洗剤を入れるところじゃないですよ?」

「・・・//////」

「はぁ・・・」

加賀は意外と生活面がポンコツだったりするようだ・・・

 

そのころ他の艦娘はというと・・・

~~~艦娘寮~~~

「姉様、お茶を入れましたよ。」

「あら、ありがとう。」

「姉様・・・それは・・・てるてる坊主ですか?」

「ええ。早く晴れますようにってね。」

「あぁ・・・願いを込める姉様も素敵です・・・」

「ありがとう、山城。」

「でも姉様・・・雨・・・強くなってます。」

「・・・はぁ。」

「あぁ・・・愁いを帯びた顔も素敵ですぅ・・・」

 

扶桑型姉妹は雨の日でも通常運転です。

~~~別の部屋では~~~

「zzz・・・zzz・・・」

「~~~♪~~~♪~~~♪」

「・・・・・・」←瞑想中

三人はそれぞれのことに熱中している。(ある一名のせいで窓ガラスがひび割れている)

因みに三女が原因でこの姉妹の部屋は他の艦娘と一部屋分余計に開いている。

というよりもその歌声(物理)を聞いても平気なあたり慣れというものは恐ろしい。

 

一方その頃執務室では・・・

~~~執務室~~~

「提督、お茶をいれましたよ。」

「あぁありがとな祥鳳。つーか全員休みにしてんだからわざわざくる必要はないんだぜ?」

「いえ、私もお手伝いしたいと思ってましたし、提督ともお話したいかなぁ・・・なんて。」

「そうかい。じゃあ休憩がてらちょいとばかし話し相手になってもらおうかね。」

「はいっ!」

「さてと・・・最近はどうだ?出撃メンバーに入れてない分関わりが薄くなっちまったことは申し訳ねぇがな。」

「そんなことはないですよ、私は今のままでも十分ですから・・・」

「・・・あんまり無理すんなよ?実はな、今度鎮守府近海の対潜哨戒をしろっていう司令が来ていてな。その部隊の旗艦を祥鳳、お前に任せたい。」

「・・・!!」

「やってくれるな?」

「・・・はいっ!」

(良かった。ずいぶんと精神状態も落ち着いてきたっぽいな・・・)

「あ、忘れてました!」

「ん?なんだ?」

「提督、昨日も夜中に執務をしてたみたいですね?」

「!?い、いや?昨日は出撃もしたからぐっすり寝てたぜ?」

因みに昨日、空はやり残していた執務を夜中にやっている。

「提督・・・忘れてませんか?嘘をついたら艦爆を発艦させちゃいそうだって」

(あれ・・・なんか雲行きが・・・)

「提 督 ?本 当 に 寝てたんですか?」

「祥鳳・・・?あの~もう彗星が発艦準備してるのは俺の見間違いか?」

「いえ?見間違いじゃないですよ?」

「むしろ見間違えたほうが良かった・・・!」

「さぁ提督・・・本当は?」

目のハイライトが行方不明になった祥鳳が空に迫る。

空がとった決断は・・・・・・

「すいません。夜中に執務してました。」

正直に話し、許しを請うことであった。

「ふふっ、いいんですよ。でも、あんまり無理はしないでくださいね?それと・・・変にはぐらかされると・・・不安になっちゃうので・・・」

「・・・わかった。すまないな。」

「いえ。私のわがままですから・・・」

「それでもだ。よし・・・執務を始めようぜ。サポート頼む。」

「・・・はい!」

因みにこの日、空は偶然巧妙に隠された誰かの艦載機を発見し冷や汗をかいたとか・・・

 

そして時間は経過し・・・

~~~執務室 21:00~~~

「明日は晴れるみたいよ。出撃するんでしょ?」

今日の夜間哨戒担当の叢雲が空に問う。

「あぁ。視界も取れそうだしな。気を付けるべきは海の状態だな。あんまり荒れてないといいんだけどな・・・」

「ま、そこは私たちの腕の見せ所ね。わかったわ、じゃ哨戒に行ってくるわね。・・・夜中まで執務するなんてことが無いようにね?」

そう言って叢雲は夜間哨戒に向かっていった。

「・・・叢雲にもバレちまってるか。はぁ、かなわないねぇ。」

 

空はぐったりしながらもいつもよりも早く寝室へ向かっていった。

 




いかがだったでしょうか?

次回はまた東部オリョール海攻略に戻ります。
前回張った伏線の回収はだいぶ後です。気長にお待ちください・・・(-_-;)
祥鳳の性格はあくまでも作者の妄想の範疇の話です。本来はもっと明るい女性のはずです。

次回、「出撃!東部オリョール海!その3」

では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第二十八話 出撃!東部オリョール海! その3

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
遅れてしまい申し訳ありません。何考えてんだってぐらいの課題につぶされかけた作者です。
何とか課題は終わったので、通常運転に戻していこうと思います。

E-3進まねぇ・・・これ月曜までなんですけど・・・(忙しさと練度不足故完走は諦めました。)

何とか・・・なるのか・・・?

・・・投稿します!!(投げやり感)


先日の雨も止み、太陽が水面を照らす快晴になった。

少し波はあるが大きな支障はなさそうだ。

 

「いい天気だな、8月ぐらいの暑さじゃねえか?」

「そうね、今日は30℃を越えるらしいわ。」

「道理で。水分補給忘れずにな。いくら艦娘とはいえ熱中症は怖いだろ?」

「了解しました。」

 

そして、鎮守府港に艦隊メンバーが揃う。

「よし!三回目だ!行くぞ!!」

 

三回目の出撃が、始まる。

 

 

~~~当該海域到着~~~

「さて、羅針盤は・・・おっ?」

「また違う方向ね。」

「よし、進行するぞ。輪形陣を組め。」

 

~~~艦娘&提督進軍中~~~

「・・・燃料だな。」

「そうね・・・うっ!?この燃料ダメになってるじゃない!」

「こっちもダメですね・・・」

「昨日の雨かしら・・・?」

「まぁしゃあねえこのまま進むぞ。」

 

羅針盤に従い先へと進む。

「提督・・・!敵艦隊です数分で会敵します!」

「陣容は?」

「雷巡チ級elite、軽巡ト級、軽巡ホ級、駆逐イ級が二隻ずつです。」

「よし、単縦陣を組め!制圧するぞ!」

 

なお、先制爆撃と戦艦勢の砲撃によって敵艦隊はなすべくもなく壊滅したもよう

 

「やっぱり火力超過の気があるな~。」

「そうね。空母2、戦艦3そして私。それとあんた。戦艦か空母を入れ替えてもいいかもしれないわね。」

「そうだな。少し俺も考えてることがあるしな。」

空が最近恐れていること・・・それは。

(俺が出撃してることは上層部も知ってる・・・もし、俺や主力部隊が留守の間に鎮守府を制圧されるなんてことがあったら・・・)

 

空の恐れは核心を得ていた。そのことがわかるのは後のことである。

 

~~~艦娘&提督進軍中~~~

「また燃料か・・・」

「・・・これもダメになってるわね・・・」

「はぁ・・・ついてねぇ。先行くぞ。」

「羅針盤は・・・こっちね。」

「こっちはたしか・・・」

「敵艦隊を発見!・・・これは・・・強襲揚陸部隊です・・・!」

「主力じゃねぇのか・・・だが・・・」

「見逃すわけには・・・いかないわね。」

「だな。艦隊そっちに向かうぞ!」

 

~~~艦娘&提督進軍中~~~

「間もなく会敵します・・・!陣容は戦艦ル級、重巡リ級、軽母ヌ級と輸送ワ級が二隻です・・・!!」

「単縦陣だ!行くぞ・・・!!」

 

「「第一次攻撃隊、発艦!」」

「総員、爆撃に備えろ!!来るぞ!」

「制空権確保!ですが・・・敵艦隊は健在です!」

「俺も行くぞ!派手に行くから巻き込まれないように気をつけな!!ソウェル!!」

空の言葉と共に爆炎がほとばしる。

爆発音と共に煙が上がる。

「やった!」

「いや、まだだ!!」

「えっ?」

直後に響く爆音。

「比叡!!」

「ぐぅう・・・お姉さまの装備が・・・」

「比叡が中破だ!扶桑、山城!カバーしてくれ!比叡は一度俺のラインまで下がれるか!?」

「「了解!!」」

「な、なんとか・・・!」

比叡がいったん下がり、空もカバーに入る。

「軽母ヌ級が2隻とも撃沈です!」

「「主砲!撃てーっ!!」」

その後、扶桑姉妹の連撃によってル級を沈める。

さらに赤城の艦爆でリ級が、加賀の艦攻で輸送ワ級が、空のアンサズによる追撃によって最後のワ級も沈んでいった。

「・・・終わったか。比叡、自分で動けそうか?」

「何とか、動けそうです・・・」

「そうか、無理すんなよ?比叡を中心にして輪形陣を組んで帰るぞ。」

 

~~~艦娘&提督帰還中~~~

「司令・・・すいません・・・」

「気にすんな。むしろあれは俺が悪い。見た目は派手だったがそれがあだになっちまったしな・・・すまん。」

「い、いえ!そんなことは!!油断したのは私です!!」

「・・・まぁ過ぎたことだしなお互い反省ってことで手打ちにしようや。」

「・・・はい。」

「提督、もうすぐ着きますよ。」

「おう、帰ったらまず比叡は入渠してそれから飯だな。詳しいことは飯の後にしようや。」

 

~~~その日の夜 08:00~~~

「さて、今回は赤城、加賀、扶桑、山城、比叡、叢雲で出撃したんだが・・・資材とかの消費や思うところがあってな。戦艦勢の中から一人、鎮守府の防衛に回ってほしい。」

「私たちの中で、ですか・・・」

「わ、私は姉様と離れるなんて嫌ですよ!!」

「えぇ・・・」

「・・・とりあえずじゃんけんするか。」

 

その結果・・・

「姉様!やりましたね!!」

「え、ええ・・・」

「つーことで比叡、悪いが任せたぞ。」

「・・・はい!任せてください!!」

「よし、解散!明日も出撃するから早めに休むように!」

 

 

こうして、三回目の出撃が終わった。

 

~~~その後~~~

「司令官!朝潮、参りました!」

「おう来たか。悪いなこんな時間に。」

「いえ、で、話とは?」

「あぁ、明日からお前と比叡を入れ替えて出撃することにした。急で悪いが準備を頼む。」

「はい!!了解しました!!」

「よし、いい返事だ。期待してるぜ?」

「お任せください!!」

意気揚々と朝潮は退出していった。

 

「さて、俺も寝ますかね。」

そして空も就寝するため私室へと向かった。

 

 

その日やるはずの執務を放置して・・・。

 

翌日どうなったかは言うまでもないだろう・・・




いかがだったでしょうか?

つ、疲れました(-_-;)
自動車教習も副免科目も楽じゃないです・・・

何とかペースを落とさずに行きたいと思いますのでよろしくお願いします。
次回予告は未定ですがちょっとした閑話を挟むかもしれません。

では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第二十九話 不幸な提督緊急事態!?

皆さんいかがお過ごしでしょうか?

時間には勝てなかったよ・・・・・・(´;ω;`)
無常にも間に合わずタイムアップでございました(体調不良のおまけつき)
今回の新加入艦娘は 神風と国後でした。
枠がそろそろ危うくなってきました。

皆さんも気温差激しい中で体調管理に気を付けてください。
今回はそれを題材にした閑話になります。

では、投稿します!!


前回の出撃の翌日、気温が大きく下がった中で出撃。

 

しかし、ルートが大きくそれてしまい撤退。

明日再度出撃することにして解散した。

 

話はその翌日から始まる。

 

~~~空の私室 06:00~~~

「・・・ゴホゴホッ・・・風邪ひいたか?」

起き上がろうとするも思うように起き上がれない。

「くそっ・・・マジか・・・?」

そうこうしているうちに時間がたち・・・

「提督?すでに総員起こしの時間なんですけど・・・?」

「あ・・・?扶桑か・・・?」

「提督?その・・・声がおかしいですけど大丈夫ですか?」

「悪い、風邪ひいちまったらしい・・・」

「えっ・・・!?大丈夫ですか?」

「いや・・・起き上がるのも、少しきつくてな・・・」

「そうですか・・・提督、今日はお休みください。出撃については艦隊の皆さんと相談しますので。あと誰かにおかゆと風邪薬を持ってくるようにお願いしてきますね。」

「・・・悪い。頼んだ。」

その言葉を聞いて扶桑が出て行ったのを見た後、空は再び眠りに落ちていた。

 

~~~食堂 06:30~~~

「はぁ?風邪ひいたの?司令が?」

「えぇ、見た感じだと結構重そうだったわね。」

「へぇ・・・意外だわ。なんというか風邪とは無縁に見えたんだけど。」

心底驚いた表情をしている叢雲。心配よりも先に驚きが来る当たり彼への評価が分かる。

「確かに、提督はそういう病気にはならなそうね。」

「扶桑さん、今日の出撃はどうなるんですか?」

「そうね・・・私としては提督抜きで出撃してもいいと思うわ。提督のサポートがない場合のことも想定しておきたいしね。」

「提督のことは予定が空いている他の子にお願いすればいいかしら?叢雲ちゃん、お願いしてもいいかしら?」

「わかったわ。任せて頂戴。」

「じゃあ、決まりですね。」

「私は提督にお伝えしてきますね。他の皆さんは各自準備をして昨日の予定通りに出撃します。では、解散。」

 

~~~07:30 鎮守府港~~~

「じゃあ、行きましょう。」

空から出撃の許可を取った扶桑が号令をかける。

「朝潮、大丈夫?緊張してない?」

今回初の艦隊メンバーとなった朝潮を叢雲が気遣う。

「叢雲ちゃん・・・うん、大丈夫、やって見せるわ。」

「そう。」

その言葉に叢雲は満足げな表情を浮かべた。

 

~~~一方その頃~~~

「提督、おかゆと薬を持ってきたよ。」

「ぉぅ・・・サンキュー時雨。染しちまうといけねぇから、部屋に戻ってな。」

「・・・わかった。時間が立ったらお皿を下げに来るね。」

そう言って時雨は部屋を出て行った。

「さて・・・おかゆはっと。・・・・・・・・・うん、うまい。けど物足りねぇなあ。ま、無理は禁物だし薬飲んで寝るに限るぜ。」

 

おかゆをしっかり平らげたあと薬を服用した空。すぐに睡魔が訪れる。

 

 

~~~1時間後~~~

「提督・・・寝てるのかい?」

先程言っていた通り、時雨が食器を下げに来た。

 

(こんなに無防備な顔するんだね。意外だったよ。)

空を起こさないように慎重に食器を片付け、時雨は部屋を出て行った。

 

~~~その頃 憲兵詰所~~~

(先輩が風邪先輩が風邪今すぐにでも行きたいでも仕事があるしサボったら怒られちゃうしあ~もうどうしよう・・・!!)

 

理性(職務)と本能(見舞いついでになにかしら)の間に苦しむ憲兵がいたとかいないとか・・・

 

 

~~~夕方 17:00~~~

「・・・もうこんな時間か。ん・・・少しはマシになったかな・・・」

「提督、おはようございます。」

「扶桑か。出撃したんだろ?どうだった?」

「それが・・・またルートが外れてしまったのですぐに撤退しました。こちらに損害はありませんでした。」

「・・・損害無し、ね。さすがだな。お疲れさん。明日は休みにするから出撃は明後日からな。それまでには俺も体調を戻しとくからよ。」

「はい、かしこまりました。」

 

~~~夜 22:00~~~

「・・・zzz」

「先輩・・・寝ちゃってますか?」

・・・後輩 襲来

「うふふ、相変わらずの寝顔ですね。ふぅ・・・カメラカメラ。こんな機会いつあると知れませんからね・・・」

携帯の無音カメラ空を激写し楓は部屋を出て行った。

 

(あいつ・・・後で説教とメモリ破棄だな。)

 

空が眠れずにいたことも知らずに。

翌日、空によって携帯のメモリを破棄され悲しみに暮れる憲兵がいたとか。

 




いかがだったでしょうか?

今回も短くなってしまいました。すいません。

今週も少し忙しくなりそうなので少し投稿が心配です。
次回でオリョール海編が終わる予定です。

では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第三十話 出撃!東部オリョール海!! その4

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
・・・忙しく遅れてすみません。
なんでこんなに課題があるんだよぉ・・・(´;ω;`)

さて、今回でオリョール海編は終わりです。
そして次回からついに難所 沖ノ島海域編に突入します。

お楽しみください。 これから二週間に一話の投稿になるかもです。
・・・忙しすぎぃ!!

では、投稿します!!


空の風邪も治り、ようやく次の出撃ができるようになった。

 

「よし、ようやく出撃だ。皆準備はいいか?」

「ええ。そろそろ攻略しないとね。」

実は今までの中で一番時間がかかっているため少し焦っている空だったりする。(主に攻略の催促的な意味で)

 

「よっしゃ!行くぞ!」

 

今日も晴れやかな海を艦隊は進む・・・

 

~~~10:00 東部オリョール海~~~

「羅針盤はっと・・・こっちか。」

「あぁ、あの大して使えもしない燃料があるところね。」

言葉の端に棘が見え隠れする叢雲。

「叢雲・・・機嫌悪かったりするのか・・・?」

「いえ?別にどこかの誰かさんが前に出撃の疲れで執務をほっぽりだしたことを思い出したりしてないわよ?」

先日、空が執務を放置していたことを根に持っているようだ。(現在執務の代行は叢雲、扶桑、赤城が行っている。)

「うっ・・・すまん・・・」

「よろしい。次やったら楓さんに言うわよ?」

「げっ・・・」

「そうですよ提督。いくら私たちでもできる執務には限界があります。」

「そうですね・・・さすがに執務を放り出すのは・・・」

・・・味方がいない。

「悪かった悪かった。もうサボったりしないから勘弁してくれ・・・」

 

そんなこんなで艦隊は先へと進む。

「敵艦隊を発見!!重巡リ級、雷巡チ級、軽巡ト級elite、軽巡ヘ級、駆逐ロ級が二隻です!」

「単縦陣を組め!初戦だからって気ぃ抜くなよ!」

 

~~~提督&艦娘戦闘中~~~

 

「・・・終わったか。」

「敵艦隊全員の沈黙を確認しました。先に進みましょう。」

「おう。にしてもあれだな、朝潮はまだ二回目だってのに随分とスムーズに動いてるな。」

「今まで鍛錬を欠かしたことはありませんから!」

そういう朝潮の顔はどこか誇らしげだ。

「そうか、まぁ自信を持つのはいいが。慢心するのはダメだぜ?」

「はいっ!!お任せください!」

 

~~~提督&艦娘進軍中~~~

「そういや此処も燃料だったな。・・・おっ、こいつは使えそうだな。」

「まぁあまり質はよくないけど、無いよりはましね。」

「おう、たのんだぜ?叢雲オカン(笑)」

「・・・・・・(#^ω^)」

「悪かった。悪かったからその連装砲降ろしてくれ。12.7cmの連装砲とか普通に俺死ぬからな?」

「あらそう?てっきりそういうのが好きなのかと思ったわ。」

尚目は笑っていない模様。

「まぁまぁ痴話喧嘩その辺にして。」

「だ、誰が痴話喧嘩よ!!」

「じゃあ夫婦漫才かしら?」

「ふ、扶桑さんまで・・・!?ほらあんたも何か言って・・・」

「さーて羅針盤羅針盤。」

「無視するんじゃないわよ!!」

「うおっ!?あぶな!わかったから少し待てって、・・・!!そこまでだ、主力へのルートを指したぞ。」

「「「「「「!!」」」」」」

「弾薬、燃料問題ないな?よし、決めに行くぞ!!」

 

~~~提督&艦娘進軍中~~~

「提督!!敵主力部隊を発見!!戦艦ル級elite、戦艦ル級、空母ヲ級、重巡リ級、軽巡ヘ級が二隻です!!」

「単縦陣だ!!対空防御を徹底しろ!!空母勢先制爆撃の準備だ!!」

「「「「「「了解!!」」」」」

 

そして、

「「「第一次攻撃隊、全機発艦!!」」」

会敵。

 

「提督、制空権確保です!」

「重巡以下三隻を撃沈、ノーマルのル級が中破、それ以外は無傷です。」

 

「了解した、砲雷撃戦、用意!!」

 

まず、扶桑姉妹の砲撃で空母ヲ級が沈む。

「シズメ・・・ナニ!?」

その後ル級eliteの砲撃が飛来するが、空がガンドによって砲弾を撃ち落とす。

そして、その隙を飛龍は見逃さなかった。

「ァァアァ!!」

艦攻、艦爆の猛攻を受けル級eliteは沈んでいった。

「残りは、あいつだけか。」

「アイツハ、ニンゲン・・・ナノカ!?ナゼ・・・アンナコトガ!?」

「此処は譲れません。」

こうなってしまえば勝負ありである。

結末は語るまでもないだろう。

 

~~~提督&艦娘帰還中~~~

「ふぅ・・・ようやく攻略できたか。」

「次は沖ノ島海域ね・・・かなりの難所だと聞いてるけど。」

「あぁ。でも、このメンバーならいけるだろ。」

「・・・そうね。違いないわ。」

 

空は、この海域の怖さをまだ知らない。そして、それを思い知るのはもう少し先のことになる・・・。

 

 

~~~その日の夜~~~

「さて、送信っと。」

東部オリョール海攻略を終えたことを上層部に送り一息つく空。

すると、

「・・・電話か。もしもし。」

「久しいな。風林提督。」

「渓雪のおっさんか。どうした?」

「おっさんいうな。まぁそれぐらいの年ではあるがな。もうそろそろ沖ノ島海域に入るだろう?」

「あぁ。次からはそこの攻略に入る予定だ。」

「そうか。こちらからの連絡は二つだ。一つ目、現在沖ノ島海域には一定周期ごとに謎の黒い霧が出るらしい。今のところ被害はないが、注意しておくといい。二つ目、これは確証ではないが・・・どうやら一部急進派勢力がまた何かするつもりらしい。詳しいことが分かり次第伝えるが警戒をしておくといい。」

「・・・わかった。」

「それだけだ。あぁそれと海恵にもあってやってk・・・」

空は電話を切った。

「黒い霧・・・ねぇ。まさかとは思うが・・・くそっ、いやな予感が収まらねぇ・・・!」

なかなか消えない予感にいら立ちを隠せない空。しかし、

(いや、先ずは鎮守府の防衛網を固めるのが先か。俺一人を狙うならまだしもあいつらまで狙わない確証はどこにもねぇからな・・・)

 

様々なことを考えながら、岩川鎮守府の、空の夜は続いた・・・




いかがだったでしょうか?

次回から沖ノ島海域編に入ります。
恐らく最長になるでしょう。そして作者はきれいに伏線を回収できるのか?
・・・自信がないです。

さて、現在思いのほか忙しく週一更新が難しくなっています。
活動報告にできる限り乗せるようにはしますが、もし何もなくても二週に一度の投稿は最低ラインとして守るのでそこはご安心を。

・・・休みが欲しい(切実)

次回予告はお休みです(現在沖ノ島海域での思い出を整理中)

では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第三十一話 決戦!沖ノ島海域! ブリーフィング編

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
忙しさが倍プッシュ、作者です。

現在レポート課題に追われております(-_-;)
何とか二週に一度の更新は守っていますがいつまでもつのか・・・
二週以上更新が空く場合は活動報告にのせます。

由良の改二が来ましたね。なお練度が全く足りない模様。
祥鳳の改二こないかな~|д゚)

さて、今回から沖ノ島海域に入ります。
まぁ、初回なので恐らく文量は少ないでしょうが・・・

投稿します!!


東部オリョール海を攻略し、次の海域、沖ノ島海域に出撃することになった岩川鎮守府。

 

初出撃を前日に控え、出撃メンバーである扶桑、山城、赤城、加賀、叢雲、比叡(火力重視の編成のため朝潮と入れ替え)の六人を交えてのブリーフィングが行われた。

「これが沖ノ島海域の海路図なんだが・・・だいぶ複雑だなこりゃあ。」

「そうですね・・・これだけ複雑だと主力部隊への到達自体も難しくなってくると思います。」

扶桑の意見はもっともで、最初の分岐だけでも三方向、それ以外にも複数分岐が多い。羅針盤に嫌われやすい空にとっては十分すぎる懸念事項である。

さらに、

「あと、ルートによっては弾薬や燃料の消費がきつくなりそうね。これだと主力に到達してもおそらく勝てないわ。」

加賀はルートによる燃料や弾薬の消費を懸念する。

「これは・・・いくつかのルートは捨てるべきだな。まずは・・・このルートだな。遠回りな上に分岐が多すぎる。」

と、海路図にバツを書き込む。

「後は逆方向に向かっているところにも・・・と。」

その他、海路図をいじっていき、

「こんなところか。今回の攻略はかなりの長丁場になりそうだ。長期間の出撃になるから気を抜き過ぎないように頼む。じゃあ解散!っといけねえ忘れるところだった。比叡、今すぐ工廠に行ってくれ。」

「はい、でも・・・何でですか?」

「いや、もう改装練度をとうに過ぎちまっててな、改装してもらってきてくれ。」

唐突な改装指令。

実はブリーフィング前・・・

「さてと、資料はできたし・・・ん?」

「・・・・・・」ミブリテブリ

工廠妖精が入ってきて空に伝える。

「ん?比叡は改装できるのに何でしないのか?はっ?改装?」

「・・・・・・」ミブリテブリ

「そんなことも知らないの?バカなの?死ぬの?・・・余計なお世話だっつの。・・・悪かったな。ブリーフィング後に比叡に工廠に行かせるから改装の準備があるならしておいてくれ。」

「・・・・・・」ミブリテブリ

「了解」の言葉を残し工廠妖精は帰っていった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

「とまぁそんなわけで頼むわ。」

「呆れた・・・改装のことを知らないなんて。」

「・・・わりぃ。」

「ま、これで学んだんだからもう間違わないでしょう。」

「じゃあ!改装に行ってきます!!」

テンションマックスの比叡はそのまま工廠に走っていった。

「はは・・・相変わらずの活発さだな・・・」

「そうね、艦隊のムードメーカーになれると思うわ。」

 

こうして沖ノ島海域出撃のブリーフィングは終わった。

 

~~~その日の夜 21:00~~~

「もしもし、デイルか?」

「あぁ、どうした空。お前から電話が来るなんて珍しいな。」

「あぁ少し頼みたいことがあってな。」

「なんだ?俺個人にか?」

「できればな。きついなら虹霓を使ってもらっても構わない。」

「そうか、で内容は?」

「それは・・・・・・

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

「つーことだ。」

「了解だ。任せてくれ。」

「頼んだぜデイル。」

 

そう言って空は電話を切った。

「これで何とかなるといいんだが・・・」

 

明日から・・・今までで最も困難な進軍が始まる。

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

やっぱり少なくなりました(-_-;)
ブリーフィング回ということで許してください。
何でもはしません。

恐らくこれからは二週に一度の投稿になります。
何度も読者の皆様にはご迷惑をおかけします。本当にすみません。

それ以上に間隔が空く場合には活動報告に書かせていただきます。

次回予告は今回お休みです。

では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第三十二話 決戦!沖ノ島海域! その1

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
ようやく一区切りつきましたと、作者です。
長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした(土下座)
一応の理由として、以前から言っていたことに加えてPCがいかれてしまったことが原因です。(現在は実家のPCでやってます。)
期間が大幅に開いてしまいましたが、何とか更新再開です。
現在夏イベをやってますが一言、
まとも艦これ触れてない上にPCいかれた状態で大規模作戦なんてできるわけないじゃないですか(´;ω;`)
というかほかのゲームのしすぎで時間が取れてなかったり・・・(汗

さて、なにはともあれ、投稿していこうと思います!




ブリーフィングの翌日、朝日が水面を照らすころ、

「・・・よし、全員揃ったな。」

艦隊メンバーが揃う。

「おそらくこれまでの中で最も激しく、きつい戦いになるだろう。それでも、俺たちは進まなきゃなんねえ。誰も沈むことなく攻略するぞ!」

 

「「「「「「了解!!」」」」」」

朝日に向かい七人が海上を駆ける。

 

~~~09:00 沖ノ島海域~~~

「さて、着いたな。加賀、彩雲を出してくれ。」

「了解。行きなさい。」

加賀が彩雲を発艦させる。

「他は周囲を警戒だ、いつでも撃てるようにしておけよ。」

 

索敵すること数分・・・

「提督、敵艦隊を発見しました。陣容は、重巡リ級、雷巡チ級elite、雷巡チ級elite、軽巡ト級、駆逐ハ級、駆逐ハ級です。」

「さすがに初っ端からやばい奴は来ねえか・・・単縦陣を組め!!油断すんなよ!」

 

~~~提督&艦娘戦闘中~~~

 

「やっぱり空母の先制攻撃は強烈だな・・・」

結論から言えば赤城たちの先制攻撃で敵艦隊を一掃してしまった。

 

「ふふ・・・ここは譲れません。」

「そうだな、さて、羅針盤はっと・・・おいおい」

羅針盤は一番遠回りのルートを指していた。

「こりゃあどうする?今回は初回だしある程度先に進んでもいいとは思うが。」

「流石にこれだけじゃ情報も何も入らないでしょう。もう少し先には進むべきだとは思うわ。」

叢雲の意見に反対するものは居ないようだ。

「決まりだな、とりあえずもう少し進むぞ、輪形陣を組んで各自警戒を怠るなよ。」

艦隊は先へと進んでいく・・・

 

「加賀、この先の様子はどうなってる?」

「敵影は・・・発見できません。代わりに小さなコンテナがあるくらいです。」

「そうか。警戒しつつコンテナをあさるか。」

「もう海上の物をあさるのにためらいがなくなったわね・・・」

「別に咎める奴はいないだろ?もらえるものはもらっとくってことさ。」

 

~~~該当地点~~~

「さてさて中身はっと・・・こいつは・・・弾薬か?」

コンテナの中には火薬と薬きょうが入っていた。

「これは・・・持って行って妖精さんに渡しましょう。弾薬にしてくれるはずよ。」

「毎度の事だが妖精の技術はどうなってんだ・・・?」

「それは聞いてはいけないことよ?」

「・・・いやでも気になr」

「わ か っ た?」

「・・・はい。」

何かの地雷を踏んでしまったようだ・・・

 

「ま、まぁ、回収も済んだし先に行くか。」

 

~~~提督&艦娘 進軍中~~~

 

「提督・・・!敵艦隊を発見しました、戦艦ル級、重巡リ級、重巡リ級、軽巡ト級elite、駆逐ハ級eliteが2隻です!」

「いつもどおりに行くぞ!負ける要素はどこにもねぇ!」

 

~~~提督&艦娘 敵艦隊蹂躙中~~~

 

「空母はチート、はっきりわかんだね。」

「あんた、最近ワンパターンすぎて飽きてきてない?」

むらくもは

「提督・・・」

扶桑はなんというか・・・生暖かい目をして空を見ている

「まてまて扶桑お前さんまで引くな、別に変なこたぁ言ってないだろ!?」

「姉さまのためにもやっぱり機を見て・・・」ボソッ

「山城・・・小声のつもりだろうが聞こえてるからな。」

「・・・不幸だわ。」

「まぁとにかくだ!今回はルートも厳しいから予定通りここで撤退するぞ。各自警戒しつつ戻るぞ。」

 

こうして、艦隊は一回目の出撃を終えた。

(今回の敵はあんまり前と変わんなかったな・・・こいつは案外楽にいけるか?)

 

このときの空はこの海域の本当の恐ろしさをまだ知らない・・・

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

活動報告で言っていた期間よりも大きくあいたこと、再開しておいてこの文章のざまにまずはお詫びを。

ほんとにすみませんでした!
これからの更新ですが、下宿先に戻ったときにpcが戻っているかを確かめてからの判断になります。遅れそうなら活動報告に載せます。問題がなければ今週末または来週頭に投稿します。

次回予告はお休みです。まだ少し感覚が・・・(汗

では、次回の投稿でお会いしましょう!!


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第三十三話 決戦!沖ノ島海域! その1.5

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
とりあえずパソコンは無事でしたと、作者です。

ようやく艦これに触ることができましたが、もう手遅れ感が・・・(;´・ω・)
あ、浴衣を着た扶桑姉様は美しかったです(小並感)
時間は空きましたができる限り進めていこうと思います。

余談ですが・・・デレステ2周年でガチャ引いてるんですけど、SSレアが4人出て平均年齢11.7歳という驚きの低さでした。(なお限定は出ず)

では、投稿します!!



一回目の出撃を終え、鎮守府へと戻った艦隊。

補給を行い、次の出撃に向けた作戦を練るはずだったのだが・・・

 

「何?ボーキサイトが資料の量よりも少ない?」

「ええ、資料の量の6割ほどしかボーキサイトが無かったわ。」

「どういうこった・・・?加賀、その減りは一気にか?それとも徐々にか?」

「今回の補給で分かったことだから一気に減ったわね。」

「そうか、赤城、飛龍を呼んできてくれないか?」

「・・・まさか二人がやったとでも?」

「一応話は聞いておかねえとな。(あの二人なら食欲に負けて食い荒らしかねないしな)」

「・・・了解しました。」

 

~~~十数分後~~~

「提督、二人を連れてきました。」

少ししてから、加賀が二人を連れてきた。心なしか二人の表情に焦りが見えるのは気のせいか・・・

「ありがとな。さて加賀、少し外してもらっててもいいか?」

「わかりました。」

加賀、退出。二人の焦りが濃くなったように見える。

「さて、今回呼んだのは他でもない。」

「「な、なんでしょうか?」」

「今回の補給の際にボーキサイトががっつり無くなっていてな、少し話を聞きたくてな。」

「「そんな!?」」

「っ!?どうしたよそんなに取り乱して?」

「だって提督!ボーキサイトが無くなったんですよ!?私たちにとっては(いろいろな意味で)死活問題ですよ!?」

「赤城さんちょっと落ち着いてください!?で、提督、どれくらい無くなったんですか?」

「・・・加賀からの報告によれば4割ほど無くなったらしい。」

4割と言えば軽く聞こえるかもしれないが、ただでさえ空母重視の編成にしているため、出撃ごとの消費が激しくボーキサイトは結構少ないのである。そんな中での4割は空母勢にとってはかなりの重荷なのである。

「よ、4割・・・!!」

「そ、そんな・・・!!」

「・・・あれ、お前らじゃないのか?」

「「・・・提督?」」

「・・・なんだ。」

「提督は私たちを資材を問答無用で食い荒らすような節操無しと思っているんですか?」

「えっ?違うのか?」

これを見ている皆さんははわかるだろう、明らかに地雷を踏み抜いた。

「「「・・・・・・」」」

・・・沈黙が痛い。

「・・・すまん。言い過ぎだった。」

「・・・後でご飯おごってください。それで許します。」

「お、おう。だが・・・二人じゃないとすると・・・誰なんだ?」

今回の補給時に分かったことのため犯行は前回の出撃から今回の出撃までの間に行われたことになる。

「とりあえず目を光らせておくか。悪かったな、話は終わりだ。飯のおごりは今日でいいか?」

「「はい」」

「息ぴったりだな。」

 

当然のことだが財布の中身が寂しくなったのは言うまでもない。

 

~~~00:00 資材保管倉庫~~~

日付も変わったころ、空は資材保管倉庫にいた。

他の艦娘達も夜間巡回担当の龍田を除いて既に就寝している。

 

(まず原因がわからない以上はどうにもならないからな・・・)

その時空意外誰もいないはずの資材倉庫でかすかだが物音がした。

「っ!!誰だ!」

「っ!?」

そこにはかつて空と舞鶴の黒木提督を襲撃した黒装束の人物がいた。

「てめぇか!!」

「ちっ・・・!」

顔が見えないため表情は読めないが、声に焦りを浮かべ懐から手榴弾らしきものを取り出した。

資材の中には当然燃料もある。引火した場合この中の資材はもちろん、中にいる二人も確実に全滅するだろう。

「マジか・・・!?おい、やめろ!!」

既に手榴弾のピンは抜かれている。

(くそ!間に合え!!アルギス!!)

 

~~~同時刻 巡回所~~~

「っ!?何かしら・・・倉庫の方ね・・・」

倉庫の方の爆発音が巡回を行っている龍田に聞こえた。

 

~~~数分後~~~

「これは・・・」

「よぉ龍田、驚かせちまったな。」

「何があったんですか~?」

「いや、資材泥棒だかわからんがネズミが入り込んでいてな、危うく手榴弾で倉庫ごと吹っ飛ばされるとこだったぜ。」

「・・・あなたも色々大変ね~。」

「いや他人事みたいに言うなよ・・・」

「まぁはやいところ天龍ちゃんを助けて頂戴ね。私からはそれだけよ~」

そう言って龍田は巡回へと戻っていった。

 

「いや俺の話はスルーかよ・・・」

 

(まぁ奴には逃げれられたが、アルギスが間に合ってよかったぜ・・・だが、なんでわざわざ盗むような真似をしたんだ?俺やこの鎮守府の活動が邪魔ならさっさと爆破させればいいような気もするが・・・)

考えがまとまらないながらも空は自室へと戻っていった。

 

~~~某所~~~

ほうほうのていで逃げ延びた黒装束の人物は撒いたことを悟り足を止めた。フードを外すと、白い髪がなびく。その顔立ちは中性的だが、恐らくは女性だろう。

 

「・・・ごめんなさい。」

そう一言つぶやき彼女(?)は何者かに電話をかけ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
作者にとって週頭は木曜日なのか(白目)ホントすいません。次は2週間以内には上げます。

とりあえずE-1は突破しました。
E-2も思いのほか楽そうなので早く進めるかもしれません。
ただルートが確定できてないので非効率的なのが問題です(;´・ω・)
誰かE-2のルート確定条件教えてくださいなんでもしまむら。(´;ω;`)
(なんでもするとは言ってない)

すごい久しぶりに次回予告行きます。
アクシデントはあったものの2回目の出撃が始まる。
そして、ついに沖ノ島海域の深海棲艦たちが牙をむく。
「うそ、直上!?」
「こいつはやべえ!いったん引くぞ!急げ!!」
次回、
「決戦!沖ノ島海域! その2」
では、次回の投稿でお会いしましょう!!





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番外編 不幸な提督とアズールレーン その1

お久しぶりでございます。体力切れを頻発している作者でございます。
修正についてですが・・・なんも進んでません(;´・ω・)
考える暇もくれないよね・・・(レポートやらなにやらを見つつ。)
そいつらがようやくいろいろ落ち着いてきたのと、友人に勧められてアズールレーンを始めたので今回は番外編という形で投稿しようと思います。
さて、番外編ということで、つきましては、
1、艦隊メンバーが変わっている。
2、時間が経過しているため改二になっていたりキャラが変わっています。+空も強化。
3、一応ifルート(一部適応予定)
以上の点にご注意ください。

あととりあえず一言言うとすれば、

あーあ、出会っちまったか・・・



戦線もある程度落ち着き比較的平和な日々が続いていたある日のこと、空は突如明石に呼び出され工廠に来た。

 

「で、わざわざ俺を呼び出して何の用だ?これでも一応執務とかあるんだぞ?」

「あ、提督!お待ちしてました!見てくださいこれ!!」

「これ・・・?建造ドックだな。」

「ええ、でもただの建造ドックじゃないんですよ!いわゆる艦娘の魂の別側面を出すことができるんです!」

「ほぅ・・・ところで明石、近頃資材の消費、特にボーキサイトが何故か多くてな。まさかとは思うが・・・」

「・・・ななな何のことですか?」

「よし、空母勢に言っとくわ。」

「ちょ、勘弁してください!加賀さんのラリアットめちゃくちゃ痛いんですよ!?」

「ならそんなことしなきゃいいのに・・・つかもらったことあんのか・・・」

「大鳳さんの艦載機をいじりすぎてエメラルドフロウジョンを喰らったこともありますよ!」

「いや自慢することじゃねえからな。それにしても別側面・・・ねぇ。」

もう一人の自分(××××××××)がいる空にとっても興味のある話であった。

「まぁ、作っちまったものは仕方ねぇし俺も気になるからな。ちょっとやってみてくれや。」

「はい!お任せください!よいしょっと。」

そう言って明石は資材を入れる。その資材もおそらく無許可使用なので余罪が増えたことは言うまでもない。

「で、待てばいいのか。」

「はい、妖精さんのお墨付きです!」

「OKしたのか・・・」

 

~~~その頃  ???~~~

「できたにゃ・・・これで海域までの移動がすぐにできるようになるにゃ。」

「ずいぶんと面白いものを作ったな。で私たちに実験台になれと?」

「そういうことにゃ。死にはしないから使ってみてにゃ。」

「その他のことはあるかもしれないんだな・・・」

「大丈夫にゃ、せいぜい指定とは他の場所に行くくらいだにゃ。」

「・・・仕方ない。何人か呼んでおこう。」

 

~~~数分後~~~

「連れてきたぞ、明石。指揮官も来たのか。」

「あぁ、話は聞いていたが一応確認だな。気を付けてくれよ?」

「あぁ、任せておけ。」

「じゃ、起動するにゃ。」

スイッチが入り装置が起動する。

「では、艦隊、出撃する。」

「あぁ、気を付けてな。」

装置を通った艦隊メンバーが消える。

そして、メンバー全員が通った後、

ボン!!

・・・装置が爆発した。

「おい、これ大丈夫なのか・・・?」

「大丈夫なはずにゃ・・・たぶん。」

「・・・減給な。」

「そんにゃ~」

 

~~~岩川鎮守府~~~

「おい、なんかおかしくないか・・・?」

建造開始から数分後、ドックから煙が上がり始めた。

「た、確かに・・・」

「大丈夫なんだろうな?」

「たぶん・・・」

そのまま数十分経過するが何も起こらない。

「あれ・・・もう建造終わってるはずなんだけどな・・・?」

「故障したのか・・・?」

「・・・そうみたいですね。結構資材使ったんだけどなぁ・・・」

「そうか、お疲れさん。とりあえず酒保に逝っていいぞ。」(空母勢に話をしておこう)

「なんかニュアンス違いませんか!?」

「いやいや違わない違わない。」

 

その後、明石の悲鳴がこだましたのは言うまでもない。

 

~~~岩川鎮守府 00:30~~~

深夜になりいつものように施設の見回りをしていた空。

工廠の見回りをしていた時に事件は起きた。

「・・・なんだこりゃ。」

明石製建造ドックがあったところによくわからない穴が開いている。さながらドラ〇もん

のタイムマシンで通っているような穴である。

(いやいや、何が起きてんだ?つかどうすりゃいいんだこれ?正直何か出てくるフラグしかないからふさぎたいんだが。)

ちなみに、空がフラグと認識してかつそれが空にとってマイナス方向の物である場合それはほぼ100%現実となる(秘書艦叢雲調べ)

そして今回もその例に漏れず、

「・・・どこだここは?」

やっぱり誰か出てきました。

「ここは岩川鎮守府だが・・・あんただれだ?」

「・・・いや、指揮官ではないな。すまない、私は呉鎮守府所属のヨークタウン級航空母艦2番艦、エンタープライズだ。」

「は?呉所属?エンタープライズ?・・・ちょっと執務室まで来てくれないか聞きたいことがある。」

 

その後、エンタープライズ(?)を連れ執務室に戻り、呉鎮守府の矢代提督に電話をかける。

「・・・なんだいこんな夜中に。」

流石に深夜とあって彼女も機嫌が悪そうだ。

「いや、申し訳ないとは思ってるんだが要件が要件でな・・・」

空は今回の経緯を説明した。

「・・・なるほど。まず日本のどの鎮守府にもエンタープライズは存在しない。」

「だよな・・・」

「とりあえず話を聞いておいてくれないか、私も父さんに聞いてみる。」

「わかった。頼む・・・」

そう言って電話を切る。

「話は済んだか?」

「あぁ、まず、呉はおろかこの日本にエンタープライズという艦娘は存在しない。」

「何・・・?なら私は・・・?」

「俺も少し気になることがある。お前たちの敵はなんだ?」

「何を当たり前の事を・・・セイレーンに決まっているだろう。」

「・・・マジか?」

全く聞き覚えのない言葉を聞き空はある可能性にたどり着く。

「どういうことだ。」

「お前さんの世界とここは全くの異世界かもな・・・ったくおとぎ話かよ・・・」

「だからどういうことだ!」

「俺たちの世界にセイレーンなんてのは居ねえ。代わりにいるのは深海棲艦っていうバケモノさ。だから異世界って言ったんだが・・・」

「そんな・・・私は・・・帰れないのか?」

彼女は不安をあらわにする。突然異世界(?)に放り込まれたのだから無理もない。

「そんなことにはさせねえよ。ちゃんと元の場所に帰れるようにしてやる。(俺たちに責が無いわけじゃないしな)」

あのドックが十中八九原因なので空も罪悪感を感じていた。

「とりあえず帰れるまではうちにいてくれて構わねえからな。」

「・・・わかった。だが私以外にも何人か一緒に行動していたはずだ。彼女たちの行方も探してはくれないか?」

「わかった。約束しよう。もう夜も遅い、寝室へ案内しよう。」

 

そのまま彼女を空いている部屋に送り空も就寝した。(監視用ルーン設置済み)

 

~~~翌朝 食堂 07:00~~~

朝、艦娘達が集められた。

目の前には空とエンタープライズ。

「あぁ・・・明石のドッグについてはみんな聞いていると思うが、昨日の夜実はあのドックが動いてな・・・彼女が出てきた。」

「やっぱり成功だったんですね!!」

「少し黙れ、お前のせいで結構厄介な話になりそうだからな。」

「えっ・・・」

「とりあえず自己紹介を。」

「わかった。私はヨークタウン級航空母艦2番艦、エンタープライズだ。」

皆がざわめく。空は失念していたが、エンタープライズと言えば太平洋戦争における武勲艦である。おまけにこの場にいる艦娘の何人かは彼女によって殺されていると言っても過言ではない。

「提督さん!正気!?そいつが私たちに何をしてきたと思ってるの!!」

真っ先に反論した瑞鶴は弓を向ける。

「そうか・・・ここには重桜の船も多いのか・・・だが、私も抵抗しないわけではないぞ。」

エンタープライズも艦を模したアーチェリーを構える。

「そこまでだお前ら。瑞鶴、いくら因縁があるとしても客人に弓を向けんじゃねぇ。エンタープライズ・・・なげぇな。ここには日本の艦も多い、あんたは確かに客人だが変な挑発は慎んでほしいな。」

一触即発の雰囲気を空が抑える。

「・・・悪かったわよ。」

「・・・すまない、ついあっちの彼女を思い出してな・・・。」

「・・・そっちにも瑞鶴がいるのか?」

「あぁ、私たちの艦隊には日本やアメリカ、イギリス、ドイツの艦がいる。」

「結構多国籍なんだな。っとすまん。彼女だが・・・おそらく他の世界から無理やりこっちに放り出されちまったらしい。また、仲間もいるらしいから合流できるまでしばらくここに滞在する。まぁいろいろあるとは思うが仲良くしてほしい。」

皆の反応は様々だったが少なくともすぐに戦闘になるということはなさそうだ。

 

この後あちらの世界の話などが原因で鎮守府がカオスなことをまだ知る由もない・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。
いやはや進歩がない・・・(;´・ω・)
この番外編ですが、まだまだ続きます。
次回については・・・気長にお待ちください。
この後また忙しくなってしまうので・・・(;´・ω・)
因みにアズレンでの作者の嫁艦はエンタープライズではありません。この後出るのでそのあたりも気長にお待ちください・・・

では、次回予告行きます、
エンタープライズがいた世界の話を聞く鎮守府メンバー。しかし、
「なんであっちの私はそんなに大きいのよ!?」
「わたし・・・そんなに黒いんですか・・・?」
「私たち・・・完全に悪者じゃない・・・」
さらに、
「指揮官様~!!」
「うおぉぉ!?なんだ!」
どうなる岩川鎮守府!?
次回、「不幸な提督とアズールレーン その2」
では、次回の投稿でお会いしましょう。


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番外編 不幸な提督とアズールレーン その2

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
ようやく忙しさに一区切りつきましたと、作者です。
はぁ~大変だった・・・(-_-;)

というわけで今回は前回の続きの番外編ですのでその1を読んでいただければと思います。
更新してない間にもいろいろ艦が増えましたね。綾波改がめっちゃ可愛かったです。
ジャベリンに改造図使い切ってもうたよ・・・
冬イベはE3の輸送部隊が組み切れず断念。頭打ちの弊害が・・・
ごめんよ姉様、ごめんよぉ・・・(´;ω;`)
冬イベはきっちり突破するから・・・。
デレステはSSRが少しずつ増えてきました(Co5人、Cu3人、Pa2人)
FGOは今頃英霊剣豪やってます。アビゲイル、エレシュキガルは来ませんでした。
とまぁこんな感じで現在のゲーム進捗をお話ししつつ投稿していきます!
あ、各ゲーム共々フレンド募集中です。(アズレンは呉鯖。FGOはフレ枠が残り僅かです、Lvはたしか123だったはず。)



エンタープライズが一時的に着任した翌日、彼女は空母勢の誘いを受け談話室にいた。

「で、わざわざ私を呼び出して何の用だ?」

「それは・・・その・・・あんたたちの方の私たちについて聞いてみたかったから。」

「なんだ・・・瑞鶴らしくないな。もっと食って掛かると思ってたんだがな。」

「なっ・・・!余計なお世話よ!!」

そのやり取りに他の空母たちも毒気を抜かれたようだ。

「少し待ってくれ、確か皆で撮った写真がある。」

そう言って彼女は懐から写真を取り出す。

「お守りみたいなものとして持っているんだ。」

「へぇ・・・なんかケモミミついてない?」

「重桜の艦娘だな。私たちの世界の敵、セイレーンの力を一部取り込んでいるらしい。」

「えーと、つまり日本の艦ってことでいい?」

「あぁ。因みにお前が指差している白い髪の艦娘が私たちの世界の翔鶴だな。」

「うっそ!そっくりじゃない!」

「そ、そうね・・・少し意外だわ。」

「・・・性格も似てるのか?」

「え?いや、翔鶴姉はみんなにやさしいし頼りになるけど・・・」

「そうか、性格は似てないな。」

「え?」

その言葉に空母勢が固まる。

「え?そっちの翔鶴姉優しくないの?」

「うーん・・・妹や同じ重桜の艦には優しいんだが・・・私たち他国の艦には結構黒い。」

「あはは・・・まぁいろいろあるからねぇ。」

「あと一航戦を毛嫌いしてる。」

「!?」

衝撃の事実に赤城と加賀が固まる。

「嘘でしょ!?何で!?」

「まぁ知らないからしょうがないが、こっちの一航戦は翔鶴を生贄にしようとしたからな。」

「え``」

「まぁそれが原因で瑞鶴が裏切った形になったがな。」

「「」」

「ちょ、二人とも白目向いてるんだけど!?」

「赤城さん、加賀さん!?しっかりしてください!?」

割と既に阿鼻叫喚になっているがそのあたりの空気に疎い彼女は話を続ける、いや、続けてしまった。

「で、翔鶴の隣にいる彼女がこっちの瑞鶴だな。」

「あら、そっちの瑞鶴も随分凛々しいわね。あとは・・・」

翔鶴の眼が瑞鶴の胸部装甲(比喩)に行く。

「何よ!悪いの!?」

「いや・・・その・・・ね?」

「翔鶴姉・・・ひどい・・・」

「あ・・・だ、大丈夫よ瑞鶴!小さいのもステータスって誰かが言ってたわ!」

「・・・それはフォローになってないぞ。」

「・・・(´;ω;`)」

被害担当艦と揶揄されることもあった翔鶴だが、これは流石に自業自得である。

余りのカオスっぷりに流石にエンタープライズも気づきあたふたし始めたころ、

工廠ではもう一つ事件が起こっていた。

 

~~~13:00 工廠~~~

空は明石と共に工廠の謎の穴を見に来ていた。

「つか、マジでこの穴どうにかなんねえのか?」

「できるならやってますって。」

「ところでだ明石、」

「・・・なんです?」

「大丈夫だったか?」

「大丈夫だと思いますか?この鎮守府の最高練度艦勢との演習ですよ?一発で大破ですよ。」

「だろうな。」

そんな他愛のない話をしていると、

「なぁ明石。」

「なんですか?」

「穴光ってないか?」

「光ってますね。」

「最近ついてない気がするんだけど気のせいか?」

「いつもの提督だと思いますよ。」

「はぁ・・・ついてねぇぜ。」

そんなことを言っていると穴から一人の女性が出てくる。

「・・・!」

「・・・あんたもエンタープライズと一緒の鎮守府にいt「指揮官様~~~~~!!」

ごふぅ!?」

話を聞こうとした矢先、現れた女性に抱き着かれた空。

「なんだなんだ!?つか誰だあんた!」

「・・・え?」

どうやら彼女も気づいたらしい。すぐに離れる。

「ごめんなさい!指揮官様にあまりに似ていたものですから・・・」

「まぁいいや、あれか?エンタープライズと同じ呉の艦娘か?」

「え、ええ。わたくしはイギリス海軍空母、イラストリアスと申しますわ。」

「今度はイギリス艦か、本当に多国籍なんだな・・・」

そこで空は彼女にはめられている指輪に目が行く。

「指輪を付けているってことは・・・」

「あ、はい。指揮官様とは婚姻関係を結ばせていただいていますわ。」

少し照れながら彼女は教えてくれた。

「まぁいろいろ思うところが無いわけではないがエンタープライズはたぶん空母寮にいるはずだ。詳しい話も彼女に聞くといい。明石、案内してやってくれ。」

「わかりました。」

「あら、そちらの明石は随分と大人びてますのね・・・猫でもないし・・・」

「え・・・?」

「いえ、何でもありませんわ。行きましょう?」

明石に連れられイラストリアスは工廠を後にした。

「・・・あの格好で寒くないのか?」

考えていることが少し場違いな空であった。

 

~~~13:10 空母寮~~~

何やら空母寮が騒がしい。

「あらあら、随分賑やかなのですね。」

「いえ、普段はこんなに騒がしくはないはずなんですけど・・・」

少し不審におもいながら談話室に入る。

「エンタープライズさん、お仲間の人が見つかりましたよ!」

「何・・・イラストリアスか!無事で何よりだ。」

「ええ、そちらも無事で何よりですわ。」

「あ、明石さん!この三人を助けてください!」

翔鶴の視線の先には

「「」」

「ワタシハ・・・ワタシハ・・・」

未だに白目をむいている一航戦と話し方がどこか深海棲艦っぽくなってしまった瑞鶴がいた。

「いや、私は損傷修理がメインでメンタル面はちょっと・・・」

「そんな・・・」

すると、

「あら、どうかしましたか?」

「いえ、ちょっと・・・」

明石は簡単に事情を説明する。

「まぁ、それはいけませんわ。」

そう言ってイラストリアスは瑞鶴を抱き寄せる。

「・・・!」

「大丈夫よ、大丈夫・・・誰もあなたのことを悪くは思ってないわ、ただ・・・少し言葉が足りなかっただけ。だから、ね?」

そういって瑞鶴をやさしくあやす。

「・・・うん。わかったよ、お姉ちゃん。」

「!?」

話し方は戻ったが、別の意味で問題発生。

「ちょ、瑞鶴の姉は私です!」

「・・・違う。おねぇちゃん、こっち。」

「」←大破

微妙に幼児退行(?)を起こした瑞鶴の一言で(精神面で)大破した翔鶴。

両者とも復帰にしばらくかかったそうだ・・・




いかがだったでしょうか。
因みに、もうちっとだけ続くんじゃ。次回でアズレン編は完結予定です。翔鶴は本来そこまで一航戦の二人を嫌ってはいませんが表の発言しか見てないエンタープライズさんが誤解したということで一つ。そして登場作者の嫁艦イラストリアス。長いのでリアスと呼んでます。執筆中にダイヤが溜まったのでエンタープライズにも指輪を渡しておきました。航空戦力がはかどるぜ。こっちも長いのでアイズと呼んでます。(なんか某DDなアニメとダンジョンなアニメのヒロインと名前が被ったけど気にしないでください。)
そういえばもう少しでリディ&スールのアトリエ発売ですね。年明けには買う予定ですが楽しみです。(現在アーシャのアトリエをプレイ中。)フィリスがかわいかったですね。そして年を経ても変わらぬリアーネの妹愛・・・(-_-;)
おっと、話過ぎましたね。次回予告行きます。
さらに惨事になった空母寮。しかし、他の寮でも・・・
「こ、これが私!?」
「・・・?」
「似ているような・・・」
「似てないような・・・」
果たして、どうなる!?
次回、「不幸な提督とアズールレーン その3」
では、次回の投稿でお会いしましょう!


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番外編 不幸な提督とアズールレーン その3

皆様、あけましておめでとうございます。
本年も何卒よろしくお願いします。

さて、今回でアズレン編は終了の予定です。
今までの話の修正については・・・まぁおいおいやっていきます(←絶対やらない奴)
これからの予定ですが・・・しばらくは期末試験やら何やらがあるので二月の前半くらいまでは更新できないと思われます。+もう少し艦これ熱を充電したいので何かしら短編を書いてお茶を濁したいと思います。(現在は冬イベのため目下資材貯蓄中)
美に入り彩を穿つが神曲過ぎて辛い(唐突)

では、投稿します!


イラストリアスが仮着任した翌日、食堂にて。

「はい、ということで自己紹介。」

「イギリス海軍空母、イラストリアスと申しますわ。」

ざわつく面々。

「気持ちはわかるが落ち着け。敵対するわけでもないし数日の間限定だからな。」

しかし、前例もあったため少しすると静かになる。

「今日は出撃は無しだが、遠征はいつも通りだから忘れんなよ特に暁。」

「わ、忘れないし!!」

「お前そう言ってこの前忘れたじゃねえか・・・」

 

~~~10:00 執務室~~~

「なんか悪いな、何にもわからないなかで執務まで手伝ってもらっちまって。」

「そんな中で私たちを保護してくれているのですから少しはお手伝いさせてください、これでも指揮官様の第一秘書艦なんですよ?」

「正直ホント助かるわ・・・」

秘書艦の山城と手伝いを買って出たイラストリアスと共に執務を片付ける。

「それにしてもこっちの山城は随分おしとやかですのね、私たちの世界の山城はもっと人懐っこくて可愛らしい娘なんですよ。」

「正直信じられないわね・・・」

「えぇ、そのせいか指揮官様との距離が近いのよね・・・今度シーファングでも撃ち込もうかしら」ボソッ

「?何か言いましたか?」

「いえ、何でもありませんわ。」

「(何言ってるか聞こえちまったが聞かなかったことにしよう・・・後が怖すぎる。)」

執務自体はイラストリアスの手伝いもあり素早く終わった。が、空の背中は冷や汗で濡れていた・・・

 

~~~14:00 工廠~~~

「さてと、流石に三日連続で来るなんてことは・・・あったわ。」

昨日のように光るゲート。光が収まると、

「・・・?此処は、どこなのですか?」

「今回はなんというか・・・ちんまいな。」

「えい。」

素早い踏み込みから脛を蹴られる

「痛ぁ!?何しやがる!」

「ちんまいとか言うからなのです。綾波はまだまだこれからなのです。」

「綾波!?」

「・・・?」

こちらの綾波との差が激しいせいか驚きが大きい空。

「考えても仕方ねえ、とりあえず執務室まで来てくれ。細かい話はそこでしよう。」

 

~~~14:05 執務室~~~

「此処は、私たちがいる世界ではない・・・ですか。」

「あぁ、もう少し驚くと思ったが。」

「顔に出てないだけなのです。内心驚いてます。でも、空母の二人がいるならたぶん大丈夫なのです。」

「ずいぶんとあの二人を信頼してるんだな。」

「昔の事は気にしないようにしているのです。実際二人ともとてもいい人なのです。(指揮官が関わらなければ)」

「(なんか大事な部分が抜けてるような気がするが・・・)そうか。とりあえず寝泊まりは駆逐艦寮で頼む。誰かに案内を頼まねぇとだな。」

案内のために誰か手が空いている人を呼ぼうとしたとき、

「司令官、失礼します。」

「あっ」

「司令官、寮の備品の件でお話が・・・」

「あなたは・・・綾波?なのですか?」

「こ、これが私!?」

「一目見ただけで分かるもんなのか?」

「何となくですけど、目の前の子が(綾波)だってことはわかります。」

「不思議なもんだ、異世界の同一存在を理解できるなんてな。」

「綾波も、あなたが「綾波」だということがわかるのです。」

「ちょうどいい。綾波、彼女を駆逐艦寮まで案内してくれ。部屋も一緒でいいか?」

「はい、大丈夫です司令官!じゃあ行こう!」

「あ、ちょ、早いのです・・・」

綾波が綾波に引きずられていくという何とも言えない光景を目の当たりにした空。

そんな時、遠征艦隊から連絡が入った。

「珍しいな、どうした?」

「提督・・・それが・・・」

「・・・マジか。」

 

~~~少し前 遠征海域~~~

「・・・そろそろ戻りましょうか。」

遠征部隊の旗艦を務める神通が艦隊メンバーに帰還の命令を出そうとしたとき、

「神通さん!あそこに誰かいるよ!」

「え?」

水無月からの話を聞いて彼女が指さした方を見ると、

「くっ、此処はどこだ・・・?」

そこには見たことのない艦娘がいた。しかし、遠目に見るだけでもひどく消耗していることがわかる。おそらく燃料もほとんど残っていないのだろう、足取りもひどく重い。無傷なのが唯一の救いだろう。

「これは・・・見過ごせませんね。提督が言っていた艦娘の可能性もあります。皆さん、ついてきてください。」

そう言って神通は艦隊を引き連れて彼女の元へ向かった。

 

「・・・!何奴か!」

「軽巡洋艦、神通です。あなたは?」

「おお、重桜の仲間か。助かったぞ、拙者は高雄だ。」

重桜、高雄の言葉を聞いて神通は彼女が提督の言っていた存在ということに気づいた。

「いえ、私は重桜の所属ではありません。ですが、私たちの鎮守府にあなたの仲間と思われる方々を保護しています。一緒に来てもらえませんか?」

「問題ない、だが、あいにく拙者はもう燃料切れ寸前でな・・・」

「なら私が曳航しましょう。他の皆さんは警戒をお願いします。」

彼女が高雄ということに驚く艦隊メンバーをよそに神通は冷静に指示を出す。

「提督に連絡しておきましょう・・・」

神通は連絡用の通信機の電源を入れ空にコールをかけた。

 

~~~16:30 岩川鎮守府港~~~

空は、報告にあった高雄に会うためこの鎮守府の高雄と共に鎮守府港で待機していた。

「・・・来たか。」

 

「あなたがここの司令官か。拙者は高雄。仲間たちの保護、感謝する。」

「ほ、本当に(高雄)ですね・・・」

「な、拙者がもう一人!?」

「ちょいと落ち着いてくれ、こんがらがってきた。」

 

提督&艦娘状況整理中・・・

「まぁ、そんなところか。高雄、重巡寮までの案内を頼む。確か使える空き部屋がいくつかあったはずだ。そこを使ってもらおう。あと、拙者な高雄に聞きたい。飛ばされた艦娘はエンタープライズ、イラストリアス、綾波、そして拙者な高雄でいいのか?」

「拙者な高雄とはいったい・・・。あの場にいたのは拙者を含めてその4人で相違ないはずだ。」

「了解した。じゃあ案内やらなにやら終わったら全員集めて飯にするか。」

 

 

~~~18:30 食堂~~~

「さて、ここ最近いろいろあったが、はぐれ艦娘たちを全員保護することができた。まぁまだ元の世界に戻る目途はついてないがしばらくはゆっくりするといい。とりあえず歓迎会だ!乾杯!」

その言葉を皮切りに皆思い思いに飲み食いを始めた。

「ほらもう一人の姉さん、せーの、」

ぱ、ぱんぱかぱ~ん・・・///」

「こっちの綾波ちゃんの耳フカフカだぁ・・・!」

「ケモミミktkr!」

「は、恥ずかしいのです・・・」

「グレイゴースト!飲み比べで勝負よ!」

「ほぅ・・・いいぞ。LukeyEの力、見るがいい・・・!」

「あらあら、羽目を外しすぎないようにしてくださいね・・・」

「あ、あの・・・」

「あら、え~と・・・電ちゃん、よね?」

「はいなのです!その・・・どうしたらイラストリアスさんみたいな立派な女の人になれるのですか?」

「そうね・・・誰にでも優しく、いろんなことに努力することかしらね。でもね、電ちゃん、だからといって焦ってはダメよ?あなたはまだ幼い。女らしさと言ってもたくさんあるんだからゆっくり考えてみてね。」

「は、はいなのです。」

「(いい感じにメンバーともなじんでいるな・・・だが・・・)」

彼女たちはあくまでも異世界からの来訪者。遅かれ早かれ別れは来る。もし、関係が深くなりすぎてから別れが来たとき果たしてこちらの艦娘たちは大丈夫なのだろうか。

一抹の不安が脳裏をよぎる。が、

「そんなことでダメになるようなあいつらじゃないな。」

それは長らくこの岩川鎮守府の提督として皆を見てきたが故の自信だった。

「おい、せっかくだから全員で写真撮ろうぜ。青葉、頼むわ。」

「わっかりました!!」

 

~~~

「皆さん、準備はいいですか~?笑顔でお願いしますね~!ほいっと!」

タイマーを押し青葉が列に入る。

タイマーの間隔が小さくなり、パシャッ、とカメラが光る。

青葉がカメラを手に取り確かめる。

そこには笑顔で写っている岩川鎮守府メンバーと同じく笑顔で写っている異世界呉鎮守府のメンバーがいた。

「はい、OKで~す!じゃあ提督、早速現像してきます!」

「おう、じゃあ後は自由ってことで。写真は後で青葉からもらってくれ。」

そう言って空は執務室に戻った。

「さて、この先どうなるのかねぇ・・・ん・・・飲み過ぎたか・・・」

そのまま空は睡魔に流されていった。

 

~~~09:00 執務室~~~

「・・・ん?・・・そういや、昨日・・・」

寝ぼけ眼で昨日のことを思い出す。すると、

「提督(司令官)さん!!」

「うお!?どうしたんだ!?」

「エンタープライズさんもイラストリアスさんも皆いなくなってるの!」

「・・・あぁ?」

~~~09:10 工廠~~~

「穴が・・・ふさがってる・・・」

「ねぇ提督さん・・・」

「・・・たぶん、元の世界に帰ったよ。」

不思議と空にはそれを確信することができた。

「そんな・・・まだ話したいことあったのに・・・」

「挨拶も無しとはな・・・ん?」

制服の内ポケットに何か入っていることに気づいた空。

「こいつは・・・」

そこには昨夜撮った写真。そして裏にはきれいな英語でこんな文章がつづってあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「I wish you to come light divine.See you later!《光の加護があなたたちに届きますように。また会いましょう!》」

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。
今までやったことのなかった、というよりやり方を知らなかった手法を使ってみました。
最後の英文については基本直訳ですので間違いがあれば教えてくださると幸いです。
久々にこんなに気合の入った文章書いた気がする・・・(-_-;)

最後の文章はわかる人ならわかると思いますがイラストリアスが書いています。
彼女たちがどうしてすぐにいなくなったかについては・・・
今度書く予定のアズレン短編集で書きたいと思います。
まぁ、あくまでもおまけのつもりなのでいつ書くのかとか、誰をメインにしようかなんて全く考えてないんですけどね。←

何はともあれ、此処での番外編ラッシュは終わりです。次回の更新ではしっかり先に進みます。
では、次回の投稿でお会いしましょう!


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第三十四話 決戦!沖ノ島海域!!その2

皆さんいかがお過ごしでしょうか。
まず初めに、

・・・すいませんでした(土下座)今後もこういうケースが多々あるとは思いますが、決して、失踪はしません。ゲッシュも立ててますんで(-_-;)
さて、冬イベですね。作者は早速丁作戦に甘えてますが・・・皆様はどういった感じでしょうか?現在PCの不調もあってE3で止まってますがルート自体は確定できたので時間の問題でしょう。イベントラッシュでパンクしそうです。まぁ、頑張ります。

今回は作者が初めて攻略で挫折したときの話です。ただでさえあってないようなギャグ成分がさらに薄くなっていますのでご了承ください。
では、投稿します。



倉庫襲撃というアクシデントはあったものの、ボーキサイト以外のダメージが無かったことが幸いし、そこまで甚大な被害にはならなかった。そして翌日。

 

「よし、二回目の出撃だ。ボーキサイトが持ってかれたが、今遠征部隊が頑張ってくれている。できるだけ早く済むように気合入れてくぞ、それが遠征部隊の負担を減らすことになる。」

「さぁ皆さん。準備はできましたか?」

今回旗艦を務める扶桑が確認を取る。

 

全員準備は完了している旨を伝える。

「提督、準備が整いました。」

「よし、じゃあ行くぞ!!」

 

今日も彼らは暁の水平線に勝利を刻みに行く。

しかし、彼らはまだ沖ノ島の恐怖を知らない。そして、その時はすぐそこまで迫っているということも。

 

~~~10:30 沖ノ島海域到着~~~

「よし、加賀、偵察頼む。」

「ええ。・・・敵艦隊確認。陣容は・・・前回と同じね。」

「単縦陣を組め!ウォーミングアップと行こうぜ!」

 

 

・・・艦娘&提督戦闘中(空母により先制制圧)・・・

 

「こうもあっさりだとなんというか・・・作業感が出てくるな・・・」

「こっちは真剣にやってるしここは戦場よ。気を抜けばやられるわよ?」

「・・・だな。」

叢雲の苦言に気を入れ直し羅針盤を回す。

「お?このルートは・・・」

「確か・・・主力艦隊の方向ですね。」

「珍しくツイてるな。よし、先に行くぞ。」

 

艦娘&提督進軍中・・・

「提督、敵艦隊を発見、戦艦ル級、重巡リ級、軽巡ト級、軽巡ト級elite、駆逐ハ級eliteが二隻です。」

「少しは堅そうだな、単縦陣だ!気合入れてくぞ!」

 

・・・艦娘&提督戦闘中(やっぱり空母による先制制圧)・・・

「流石は一航戦。馬力が違うぜ。」

「・・・そうね。おかげでこっちの出番が無いわね・・・」

 

これまで、大半の戦闘が一航戦の二人による先制攻撃によって片づいてしまっている。これは楽と言えば楽なのだが・・・この状態の大きな弊害をこの後空は思い知る。

 

「ここは・・・何もないな。羅針盤でも外すことがあるんだな。」

心なしか元気がない羅針盤妖精をしり目にまた羅針盤を回す。

「・・・こっちだ。行くぞ。」

 

沖ノ島海域の恐怖が彼らに襲い掛かる。

 

「提督、敵艦隊を確認。・・・!空母ヲ級flagship、空母ヲ級elite、空母ヲ級elite、戦艦ル級、駆逐ニ級elite、駆逐ニ級eliteです・・・!」

「ずいぶんな航空戦力だな。・・・行けるか?」

「お任せを。一航戦の力、存分に見せつけます。」

「よし、単縦陣だ!こっからがヤマだぞ!!」

 

「「第一次攻撃隊、全機発艦!!」」

 

お互いの艦載機が空に舞う。

激しい航空戦が繰り広げられるが、やがて、こちらの艦載機が圧倒し始める。

「くっ・・・さすがに制空権までは取れませんでした、航空優勢です。」

「十分だ!それにル級とヲ級eliteを落としたんだ、よくやったさ。戦艦トリオ、頼んだぞ!!」

「なんですかそのネーミング・・・主砲、よく狙って、撃てーっ!!」

山城が呆れながらもう一隻のヲ級eliteを沈める。

「・・・!!赤城さん!!」

しかし、叢雲が叫びながら機銃を撃つ。しかし、すべての敵艦載機を撃ち落とすことはできなかった。

「くそっ、ガンド!!」

空もガンドを撃つが細かく動き続ける艦載機に当てることができない。

 

「くっ、!?、直上!?」

響く爆音。黒煙が上がる。

「赤城!!大丈夫か!!」

 

「くっ・・・一航戦の誇り、こんなところで失うわけには・・・!!」

見たところ、致命傷ではなさそうだが航空甲板が破損してしまっている。

恐らく艦載機を出すことはできないだろう。

「ちっ、叢雲、赤城のカバー頼む!俺も壁役くらいやってやらぁ!!」

「ちょ!無茶よ!?・・・あぁもう!!」

赤城の代わりに前に出る空に愚痴を言いつつ叢雲が赤城をカバーしながら後退する。

「くっ、なかなか当たらないわね・・・」

「このままだともう一度艦載機が来るわね・・・」

「当たらない・・・フフフ・・・不幸だわ。」

「おらおらぁ!どきなぁ!」

「「「!?」」」

なかなか砲撃が当たらない中、空とその愛船であるセングレンが突貫してきた。

「ちょ、ちょっと!何やってんの!?」

「うわ・・・二級が弾き飛ばされてるじゃない・・・」

「えぇ・・・」

流石に戦艦トリオもドン引きである。

「てめぇが旗艦か!ガンド!!」

そんなことをしているといつの間にかヲ級flagshipに肉薄していた空がほぼ0距離でガンドを撃ち込んでそのまま海上を走り抜けていった。

「!今です、主砲、副砲、撃てーっ!!」

ガンドで動きの鈍ったヲ級flagを扶桑が主砲で貫いた。

「・・・はぁ。」

加賀は空の行動に呆れながらも、跳ね飛ばされた二級を艦載機で沈めていった。

 

・・・戦闘終了・・・

「あんた!ふざけるのも大概にしなさいよ!!」

「すいません・・・頭に血が上ってしまいました。」←土下座

「そうです。さすがに肝が冷えました・・・」

流石にあれだけの独断専行をしておいてお咎めが無いわけも無く説教される空。

 

~~~艦娘説教中~~~

「はぁ・・・もういいわ。」

「さて・・・あぁ膝いてえ。」

「問題はこの先ですね・・・」

「私は中破状態なので、動きにはあまり支障はないですけど・・・」

「その航空甲板じゃ艦載機は出せないわね。」

「どうしますか?一度引くのもありだとは思いますが・・・」

「・・・お前らはどうしたい?」

「私は進軍したいわ。この先が主力部隊なんでしょ?逃す手はないわ。」

「私は・・・進軍に。」

「姉様がそう言うなら、私も。」

「私は赤城さんのことを考えれば一度体勢を立て直したいのだけれど・・・」

「加賀さん・・・気持ちはありがたいけど今回は先に進みましょう。目の前に主力艦隊。私ひとりのせいで引くわけには・・・!」

「これで4進軍・・・か。比叡・・・は、」

「?」

「進軍として、加賀。どうする?」

「赤城さんがそういうのなら・・・進軍しましょう。」

「・・・わかった。海図によればこの先が主力艦隊のはずだ。戦力が少し欠けたが、やってやるぞ!」

 

~~~艦娘&提督進軍中~~~

「敵主力と思われる艦隊を発見・・・

戦艦ル級flagship、戦艦ル級elite、!?…艦載機が落とされました・・・!」

「何・・・?」

「ですが少なくとも大型艦が4隻いました。」

「戦艦が最低2隻さらに大型2隻・・・か。いや。迷うことは無い。最大火力を出さざるを得ないな。単縦陣だ!最大火力で押し切るぞ!」

 

数分後・・・

「敵艦隊を肉眼で確認!!戦艦ル級flagship、戦艦ル級eliteが二隻、戦艦ル級、駆逐ニ級eliteが二隻です!!」

「戦艦4!?水上打撃部隊か!!だが、空母が0か。加賀、頼むぞ!」

「了解・・・五航戦の子たちと一緒にしないで。」

加賀の艦載機が先制攻撃を仕掛ける。

「・・・あの戦艦たち、硬いわね・・・」

駆逐艦二隻は落ちたが戦艦四隻に関しては普通のル級が中破している程度で他の三隻には大したダメージが入っていないようだ。

「まじか・・・」

「次は私たちです・・・主砲、副砲、撃てーっ!!」

扶桑以下戦艦トリオが砲撃を始めるが、eliteにはともかくflagshipには砲撃自体が当たらない。そして、

「きゃあっ!!こんな姿じゃ…レイテ突入は無理ね…」

扶桑が、

「くぅっ!!お姉さま譲りの装備をこんなに……」

比叡が、

仲間が一隻ずつ大破に追い込まれていく。

「・・・嘘だろ?」

甘く見ていたつもりはなかった。しかし、目の前の光景は現実である。

(どうした・・・このままではあ奴らは沈むぞ?)

「!?・・・なんだ?」

どこからか声が聞こえた気がするが、それが空を正気に戻した。

「お前ら、目ぇ閉じてろ!!シゲル!!」

太陽の意を持つシゲルを刻んだ石をもっているだけ投げる。

次の瞬間常識では考えられない強度の光が広がる。

「「「!?」」」

それを間近で受けたル級三隻は声にならない声を上げながらのたうつ。

「今だ!!持てる全速力を回して後退しろ!!」

その号令と共に艦隊が離脱を始める。気配を感じ取ったのか見えないながらの砲撃があったが流石に見えてないためか意味不明な方向に飛んで行った。

 

 

~~~艦娘&提督離脱中~~~

「あれが・・・主力艦隊か。」

「いつつ・・・潮風が傷にしみますぅ・・・」

「はぁ・・・不幸だわ・・・」

「俺だってそう言いてぇよ・・・」

「すみません・・・あの時中破してなければ・・・」

「たらればは無しだ、赤城。今はこうして離脱している現実をかみしめろ。必ずだ。必ずリベンジしてやるからな。」

 

初めて味わった敗北。そして沖ノ島の高い壁。空はそれらをかみしめながら鎮守府への撤退を進めていった。

 




いかがだったでしょうか?

あの時はホント、参りました・・・(-_-;)
戦艦四隻って反則でしょ!?って思ってました。
さて、この後空や艦隊メンバーがどうするのかお楽しみに。(次回予告で思いっきりネタバレしてますが。)

さて、E3攻略中なんですが・・・保有艦数がやばい(-_-;)課金しようにも現在金欠故なかなかできない現状。・・・最悪何隻かロック解除して解体しなきゃかなぁ・・・

次回予告行きます
沖ノ島海域の壁を痛感した空。
そんな中、大本営から鎮守府近海の哨戒を命じられる。
練度を上げるためにもと、それを快諾する空。詳しい情報を聞かぬまま・・・

次回、
「哨戒!鎮守府近海 その1」
では、次回の投稿でお会いしましょう!


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第三十五話 鎮守府近海を哨戒せよ! その1

皆さんいかがお過ごしでしょうか。
遅れてしまい申し訳ありませんでした。バイトで体力使い切ってましたと、E4突破して力尽きた作者です。
この前戦艦4隻は反則とか言ってたな。今回のE4で戦艦6隻出てきたんだが・・・(-_-;)
やっぱ夜戦カットインは最強だって、はっきりわかんだね。最後が時雨の雷撃っていうのも何かの縁だったりするんですかねぇ・・・。
ただ、練度の頭打ちという課題がやはり残っているのでそこをまずはどうにかしないとですね。

さて、話を戻して今回は鎮守府海域のEOのお話です。当時の作者のアホなミスをお楽しみください。




沖ノ島海域で手痛い敗戦を喫した岩川鎮守府メンバー。

各々ダメージを修復したりなど、リベンジのために体制を整えていた。

そんな中、空宛てに大本営から厭味ったらしい文面で辞令が送られてきた。

「なに・・・鎮守府近海の哨戒を行え?いや、今でもやってるじゃねぇか。」

「此処でいつもやってる哨戒じゃなくて鎮守府海域の少し離れたエリアの事ですね。」

「そんなところがあったのか・・・」

「えぇ。ですがあるのはわかっていてもどういう海域かまではわからないんですよね・・・」

「そうだな・・・文面には哨戒をしろとしか書いてないしな。でも、沖ノ島に行く前にもう少し練度を上げてもいいと思うんだが、どう思う?」

「いいと思います。大本営からの指令を無視するのもよくありませんし。ところで・・・」

「なんだ?」

「お腹が・・・空きました。」

「まだ09:30なんだが・・・朝飯食ってないのか?」

「いえ?今日もしっかりいただきました。」

「・・・さて、仕事しますか。」

「えっ、何か食べ物持ってるんじゃないんですか!?」

「あるわけねぇだろ!?此処は食堂じゃねぇ!おら、さっさと仕事しろ!」

「そんな!?このままじゃ私倒れちゃいますよ!?」

「どんだけ燃費悪いんだよ!?はぁ・・・食堂で間宮からなんかもらってこい。ただし、仕事サボるようなら没ss「わかりました!!行ってきます!!」話聞けよ!!」

その後赤城が戻ってきたのは1時間後だった。あと間宮から内線で苦情が来たため赤城はしばらく減給ならぬ減ボーキに処された。

そして時間が過ぎ、

~~~20:00 執務室~~~

空は鎮守府近海攻略のためのメンバーを執務室に呼んだ。

「司令官、メンバーを集めたわ。」

今回集まったのは叢雲、扶桑、朝潮、時雨、神通、山城である。

「さて、今回お前たちには鎮守府近海海域の哨戒をしてもらう。」

「それはいつも僕たちがやってるのとは違う場所の哨戒ということかい?」

「そうだ、いつもと違うエリアを哨戒してもらうことになる。何があるかわからないからとりあえず足の速いメンバーと高火力の扶桑型に行ってもらうことにした。」

「出撃は明日?」

「あぁ。今回俺は通信でのサポートに専念する。何かあったら逐一報告を頼む。今回の出撃は情報収集の面が強いことを念頭においてほしい。出撃は明日の09:00だ。何か質問は?」

「提督、この海域の深海棲艦についての情報はないのですか?」

「あぁ、今回の海域の情報はないが大型艦は出てきて重巡洋艦だろう。海図を見たがこの海域はあまり広くないからな。戦艦、空母が出るとは考えにくい。とはいえ推測に過ぎない。気を抜かないでほしい。」

「なるほど・・・わかりました。」

「他に質問はないか?・・・よし、じゃあ解散。」

 

簡単にブリーフィングを終えた艦隊メンバー。既に今回の出撃、対策は穴だらけなのだが、空や艦隊メンバーがそれを知るのはもう少し先のことになる。

 

~~~翌朝 09:00 鎮守府港~~~

翌朝、天気も良く絶好の出撃日和となった。

「じゃ、行ってくるわ。」

「おう、行ってこい。いつも通りに中破撤退だぞ。後報告忘れるなよ。」

「わかってるわよ・・・あんたの初期艦よ?少しは信頼しなさいな。」

 

艦隊が叢雲を旗艦として出撃した。

「さて、戻るか・・・」

 

~~~09:30 鎮守府近海海域~~~

「該当海域に到達したわ。指示をお願いするわ。」

「了解した。とりあえずは索敵しながら進んでくれ。」

「わかったわ。指示は聞こえた?このまま進むわよ。」

 

艦娘索敵&進軍中

進んでいくうちに叢雲はこの進軍に違和感を感じていた。

(おかしい・・・あまりにも敵が()()()()()()。水雷戦隊や補給部隊はおろかはぐれすらいないなんてことがあるのかしら・・・?)

少しの間考え込み、そして、叢雲は核心にたどり着いた。

(海上には見当たらないけど、まさか・・・!!)

とっさに海面に目を向け、遠くから、雷撃の軌道を視認する。

「全員散開!!相手は潜水艦よっ!!雷撃が来てるわ!!」

叢雲の素早い判断により全員が雷撃を回避することができた。

駆逐、軽巡組がすかさずソナーを起動する。

「まさか潜水艦なんてね・・・まずいわね。」

今回の出撃メンバーの編成は駆逐3、軽巡1、戦艦2である。本来なら潜水艦を相手にするのに不足はないのだが、今回は奇襲を受けたため陣形が崩れていること、そして何より()()()()()()()()()()()()()()()()()。一応備え付けの爆雷があるが、情報が少ない今ではあまりに心もとない。そんな中叢雲がとった判断は、

「朝潮、敵潜水艦は何隻!?」

「1隻だけよ!」

「なら何とかなりそうね。陣形を単横陣に組むわ、扶桑さんたちは周囲の警戒を!他のメンバーで沈めるわよ!」

叢雲の指示のもと陣形を切り替える。以前よりも組むスピードが上がっているあたり演習を繰り返し行っていたのだろう。

「朝潮は位置報告をお願い。時雨、私、神通さんの順に行くわよ。」

「動きはあまり早くないわね、2時の方向、距離120!」

「見つけたよ!」

時雨がまずは爆雷を投擲する。爆発と共に水しぶきが上がる。

「命中確認!でも沈んでないわ!」

「第二射、行くわよ!」

次に叢雲が爆雷を投げる。再び爆発。

「・・・反応消失。撃沈したみたいね。」

「叢雲ちゃん、周囲は潜水艦含め異常は無かったわ。」

「ありがとうございます。司令官、聞こえるかしら。」

「あぁ、戦闘音も聞こえてた。潜水艦か・・・正直俺の知識が足りなさすぎるな。」

「ちょっと、提督なんだから流石に勉強しときなさいよ、私たちだって将来潜水艦を運用するかもしれないじゃない。」

「う・・・すまん。」

「まぁいいわ。損害はないけど私は撤退を提案するわ。情報が無い上に、今回は1隻だからどうにかなったけどこのまま潜水艦を相手にするのは厳しいと思うわ。」

「そうか。なら現場の判断を尊重すべきだな。撤退してくれ。その間に俺は対潜装備の開発を進めておく。」

「了解したわ。」

 

こうして初戦を勝利で飾ったものの新たな脅威を知った艦隊メンバー。

因みに鎮守府に戻って最初に見たのは。開発に失敗しまくり綿あめもどきに埋もれていた空だった。

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
言わなくてもわかると思いますが、改めて書いてみると・・・馬鹿ですね。
対潜は詰まない、そもそも4隻以下じゃないとボスに行けないなどなど当時の作者のガバガバ状態が分かります。

さて、来週から大学が始まります。まさかの今年が一番忙しいという想定外の事態もあり、ただでさえ不定期でクソ遅い投稿がさらに遅くなりそうです(-_-;)

つまり何が言いたいかというと、トランキーロ、あっせんなよってことです。
・・・調子に乗りました。すいません(-_-;)
できるだけ早く投稿できるようにするので気長にお待ちください・・・

では、次回の投稿でお会いしましょう。


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第三十六話 鎮守府近海を哨戒せよ! その2

皆さんいかがお過ごしでしょうか。(土下座)
最近土下座が定例化してきたと、作者です。いやほんと二か月も空けるとかもうね・・・土下座どころか割腹ものですわ・・・(-_-;)
話が変わりますが、先日、ついにある艦娘に指輪を渡しました。長かった・・・。
(ついでに次話投稿までの期間も。)
シャニマスやDbDなどをやっていたせいもあり時間がかかってしまい申し訳ありません。少なくとも今年度いっぱいはこんな感じで隔月一(?)投稿になりそうです。
リアルの方がちょっと大変で・・・土曜日にも講義とかもうむぅーりぃ。
食料イベ?・・・一つもできてませんけど(逆切れ)


とりあえず、どうぞ。


鎮守府近海の哨戒を終えてから三日後、ようやく二回目の出撃のめどが立った。

ちなみに、準備に三日もかかってしまった理由は、どこぞの誰かさんの対潜装備の作成が全くと言っていいほどうまく行かなかったからである。これにはさすがの叢雲も、

「あんた、今度お祓いいってきた方がいいんじゃないの・・・?」と、引いていた。

(なお、それで不幸体質が治るのなら今頃俺の体質は無くなっているとは空談)

さらに、矢代提督からの情報によって、この海域には、

「5隻以上の編成では羅針盤が主力部隊から外れる方向に固定されてしまうこと。」

「逆に、4隻以下でかつ軽空母、航空巡洋艦、水母、揚陸艦のうちいずれか1隻のみを含む編成にすることで羅針盤を主力部隊の方向に固定できる。」ということが分かった。

「というわけで、次からはお前たちに出撃してもらうことになった。頼むぞ。」

今回以降の編成は、叢雲、朝潮、時雨、祥鳳である。

「は、はい!!必ず、提督のお役に立って見せます!」

中でも祥鳳は久しぶりの主力艦隊入りとあって気合全開である。

「ははっ、気合を入れるのはいいが気負い過ぎるなよ。まぁ今回の祥鳳の役割は主な活躍にはならないかもしれないがとても重要な役割になるから気持ちはわかるけどな。」

今回の彼女の役割にはルート固定の意味もあるが最大の役割は敵艦隊の陣営把握である。

対潜水艦戦の場合、T字不利になると撃沈が非常に困難になる。よって、この鎮守府唯一の軽空母である祥鳳に彩雲を乗せることでそれを回避することが主な狙いである。

 

「出撃は明日の朝09:30だ。解散。」

皆が退出し執務室には空一人になる。

「そういやこれどうすっかな・・・考えてなかった。」

そう言って空は目の前に大量に積んである綿雲もどきとペンギンもどきを見上げる。これらはすべて、対潜装備を作る際に出てきたものである。全員分の対潜装備を用意するため少なくない量の資源、資材が飛んだ。正直二度と開発はしたくない。(なお今回以降開発、および建造は秘書艦がやることになった。)

(つか、よくあいつらあの山を見て突っ込まなっかったな。)

山自体の大きさも実は結構あり、空の身長位はある。単に慣れたのか、それとも気にならないのか、真相は闇の中だ。

「ま、いいか。さて、仕事仕事。月月火水木金金っと。」

最近、ブラック企業も真っ青の鎮守府勤務に慣れつつある空であった。

オリョクルなどを知ったのちの潜水艦娘たちの将来が不安である。

 

~~~翌日  09:30 鎮守府港~~~

「よし、全員揃ったな。というか祥鳳。お前いつからいた?」

「え?08:30にはいましたけど・・・」

「・・・さすがにもう少し余裕持ってもいいんだぞ。ま、いいや。気を付けてくれよ。旗艦は叢雲。いつも通りに頼むな。」

「中破撤退ね、任せなさい。あんたこそ執務サボったらただじゃ置かないわよ?」

「へいへい。・・・最近ますますオカンになってきてないか?」

「うっさい!!」ゴスッ

「前が見えねぇ。」梅干しフェイス

「ほら!!第一艦隊抜錨するわよ!!」

イラつき先を行く叢雲に慌ててついていく他メンバー。

「・・・戻るか。」

梅干しフェイスのまま空は執務室に戻った。(なお戻った際、秘書艦の暁が泣いてしまった模様。)

 

~~~12:00 鎮守府執務室~~~

「えぇ・・・」

艦隊からの報告が入ってきたのだが、

「全員、被弾ゼロで敵主力艦隊を撃滅」ということだった。

正直あまりもあっけない結果に空も呆然としている。

因みに艦隊メンバーも「こんな簡単でいいの?」と困惑している模様。

とりあえず、主力部隊を撃滅したので海域制圧の報告書を作ろうとしたとき、執務室の電話が鳴る。

「岩川鎮守府提督の風林です。・・・なんだ矢代か。どうした?」

「いや、伝え忘れていたことがあってね。あの海域の主力艦隊はなぜか小分けされて出てくるんだ。だから何回かに分けてつぶさないとまた元の状態に戻ってしまうんだ。そのことを言い忘れてたよ。」

「・・・マジか。」

「もしかして・・・主力部隊を撃滅したから制圧報告書を作ってたのかい?」

「いや、作ろうと思ったとこだった。助かったぜ。二度手間はいやだからな。」

「そうか。それはなにより。あと、もう少しで一人そっちに復帰できそうだから。受け入れ準備をしておいてくれると嬉しい。」

「わかった。こちらの方で準備しておく。因みに誰なんだ?」

「あぁ、陽炎型二番艦、不知火だ。少し気難しいところはあるが艦娘だ。必ず君の力になるよ。」

「そうか。助かる。」

「そういうことさ、じゃあ切るよ。」

その言葉の後電話は切れた。

「とりあえず、あいつらにも伝えないとな・・・」

 

~~~ 鎮守府近海海域 帰還中 ~~~

「え?主力艦隊は全滅してない?」

「あぁ、矢代提督曰く「小分けされて出てくる」らしい。だから何回かに分けてつぶす必要があるんだと。」

「めんどくさいことするわねぇ・・・」

「まぁ、今回は撃滅できたからまた日を改めて出撃することになる。他のメンバーにも・・・聞こえてるな。」

「えぇ。皆やる気満々よ。」

「そりゃ結構。気を付けて戻ってこい。昼飯が待ってるぞ~。」

「はいはい。楽しみにしてるわよ。」

 

なお昼飯になすが出て電は泣いた。でも残さず食べた、えらい(確信)

 

~~~22:00 鎮守府倉庫~~~

いつも空は22:30に倉庫の見回りを行っているが、あらかじめ仕掛けていた探知のルーンに反応があったため急いで倉庫に駆け付けた。すると、

「っ!!」

「見つけたぞ…!おとなしくしやがれ!」

「・・・」

下手人は無言のまま常人とは思えない速さで距離を詰めてきた。

「うおっ!?」

かろうじて反応できたが、次の手に対応できずヘッドロックを決められる。

(くそっ、なんて力だ!解けねぇ!!)

そのまま下手人は倉庫の壁に向かって駆け出す。

(壁にぶつけるつもりか・・・?)

そう考え、次の瞬間渾身の力を込めて相手のみを押してカウンターを狙うが、

「・・・」ニヤリ

相手はそのまま壁を蹴り上げ空の首を抱えながら着地し床に空の後頭部を叩きつける。

「がっ!?」

唐突な後頭部への一撃に意識が一瞬飛ぶ。たかが一瞬、されど一瞬。その隙に下手人は懐からナイフを取り出し肉薄する。

「くっ・・・そが・・・!!」

すんでのところで手元を捕らえこらえる。一瞬でも力を抜けばその刃がたやすく空の心臓を貫くであろう絶体絶命のせめぎあいをしているうちに、

「そこまでだよ。」

時雨が単装砲を下手人に向けていた。

「・・・」

下手人はそのままナイフを落とし両手を上げた・・・瞬間

「!!」

閃光が走る。視力が戻ると、

「・・・逃げられちゃったね。」

「くそっ、やられた。時雨、わりぃが肩貸してくれ。フェノメノンDDTは流石に効いた・・・」

「いや、そもそもなんで床にたたきつけられて意識があるのか僕は不思議だよ・・・」

「なんでだろうな・・・」

事実床にはひびが入っておりその威力を物語っている。

 

その後、他の艦娘達による捜索も空しく下手人は発見されなかった。

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

とりあえず用語解説
フェノメノンDDT
本来は、コーナートップからのムーンサルト(後方宙返り)で、相手の背後に着地しながら
首を脇で抱え込みリバースDDT(要約すると相手の後頭部を打ちつける。)を決めるプロレス技。コンクリの床に常人がたたきつけられれば普通首や頭がいかれる。今回は倉庫の壁を蹴り上げる形で倉庫侵入の下手人が実行。

作者はプロレスファン歴1年未満のにわかなので解説の雑さは許してください。
久しぶりということもあってこれじゃない感がすごいです(-_-;)。
そしていつもの如く次の投稿は未定です。次回は鎮守府近海哨戒編最終回となります。

では、次回の投稿でお会いしましょう!


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第三十七話 鎮守府近海を哨戒せよ! その3

皆さん、酷暑の夏いかがお過ごしでしょうか。
G1クライマックスで叫びまくって近所に迷惑をかけまくっていますと、Dsonです。
昨日の石井ケニー戦、内藤飯伏戦はやば過ぎました。
恒例の隔月投稿ですが、夏休みに入ったので少しはペースが上がるかな・・・
そして第二期突入時に海域進行がリセットってなかなかえげつないことするな(-_-;)
俺は気にしてないけど一部の方にとっては辛いどころじゃなさそう・・・


さて、今回は鎮守府近海哨戒編最終話になります。というか、これ海域進行リセットしたら話の進め方どうしよ・・・たぶんこのまま進むとは思います。

では、投稿します!








鎮守府近海の敵主力部隊の撃滅に成功した岩川艦隊。しかし、敵の主力は一部隊のみではなく複数存在していることが分かった。さらに、謎の人物による鎮守府襲撃もあり空は対応に苦慮していた。

 

~~~敵主力撃滅の翌日  08:00~~~

「ちょ、あんたどうしたのその首!?」

昨日のダメージから首をテーピングでぐるぐる巻きにされている空にさっそく突っ込みが入る。(テーピングは自分で巻いたらしい。どうやったんだ・・・)

「いや、昨日ちょっとDDTを喰らってだな・・・」

「にしても、なんかこう・・・怪我してるのも様になってるというか・・・」

「こんなのが様になってるとか冗談でも勘弁してくれ・・・」

・・・鎮守府が襲撃された上に曲がりなりにも提督が負傷しているのだがこんなに落ち着いていられるものなのだろうか。

「まぁ、どうせ悪運の強いあんたのことだからなんだかんだで生き残ってなんだかんだで海域も落とすでしょうから。」

「・・・そりゃどうも。」

叢雲からの熱い(?)信頼をよそに空は今日も鎮守府業務に精を出す。

出撃については潜水艦が来るとさえ分かっていれば言葉は悪いが、限りなく危険性が薄く、主力部隊の漸減も順調に進んでいた。

 

~~~2日後の夜 鎮守府倉庫 22:30~~~

「今日は・・・いないな。」

空はいつもの見回りを行っていた。件の下手人の襲撃がまたないとも限らない。まして、此処には資材の大半が保管されているため、落ちれば艦隊の維持は絶望的になってしまう。

(さて・・・これをこうして・・・)

そして今日はいつもとは違い、倉庫の中でゴソゴソ何かをいじっている。

「・・・できた。」

倉庫の床と壁が薄く光を放つ。

(悪いが今度は逃がさないぜ・・・)

 

 

~~~~~~~

どこか遠い、はるかかなた。われわれ人間が言う世界には存在しない場所。そんな場所に空は立っていた。

(こ、こは・・・どこだ・・・?)

しかし、空の意識はほとんどない。立っているだけ、心ここにあらずという言葉がふさわしい。

 

そして、そんな空を見るものがいた。しかし、その姿は靄のようで全く分からない。

「・・・小さきもの、何故この地に立つ。ここが■■■■と知っての事か。」

しかし、今の彼はその問いに答えるすべを持たない。そのまま時が流れる。

「・・・まぁよい。私もなぜ知らないはずのこの地を知っていて、この地に立てるのかがわからない故な。」

名も、姿もわからないが、その存在が話している間に、空の意識は完全に失われていた。

「ふむ・・・小さきものながら面白い魂を持っているな。どれ、少しいじってやろう。」

何を勝手な、と意識があれば空はそう言いあらがっただろう。しかし、彼の意識は既にない。故にあらがうすべはない。最もあらがったところで意味はないが。

「フフフ・・・精々楽しませよ、小さきもの。」

 

 

~~~翌日  06:00~~~

この日、空は体に違和感を感じていた。体調に問題はない、いたって健康だ。メンタルだっていつも通りだ。しかし、何かが違う。

「なんだ・・・この感覚・・・」

そんな違和感を感じながらも艦隊の出撃と執務をこなしていくが、その違和感は全く消えなかった。

 

そして、今日、敵主力部隊の完全撃滅に成功したとの報が届いた。

 

~~~夜 鎮守府食堂 19:00~~~

「おし、それじゃあ海域突破を祝って、乾杯!!」

空が音頭を取り、祝勝会が始まる。空が、あまりなじみのない艦娘達との交流を図るため、もとい、海域攻略などをダシにして飲み会をしたいだけともいう。

因みに、艦娘ゆえに駆逐艦のような見た目は幼い少女でも酒を飲むことはできるが、鎮守府規律によって禁じられているため酒を飲んでいるのは空を含めた一部の艦娘のみである。

 

「提督、グラスが空いてますよ?はいどうぞ。」

「おう、千歳、悪いな。」

「提督、結構いける口かい?」

「まぁ、普通よりは強いと思うが・・・」

「そうか、ならば特別な瑞雲をやろう。」

「日向・・・お前もう酔いが回って・・・」

空、千歳、伊勢、日向の飲兵衛組(日向は弱い)はのんびり酒を酌み交わしている。

「いや~悪いな、あんまり出撃に出せなくて。」

「う~んまぁ仕方ないよね。ここの資材ってあんまり豊富じゃないし。でもいつかはちゃんと出撃させてよね。」

此処にいる艦娘たちは、現時点での艦隊編成からは外れており、鎮守府の警備を担当している。単純に資材の問題もあるが、やはり、練度が低いのが最大の理由である。資材が少ないゆえに、必定、艦隊編成は特定艦のみに絞ったほうが効率が良いからである。最も、この後そのやり方があだになることを彼はまだ知らない。

(この日本酒熱燗の割にぬるいな・・・アンサズ)

ぬるい熱燗を温めるためにルーン魔術を使う空。師匠は草葉の陰で泣いてるに違いない。

「あつッ!?」

しかし、加減を間違えたのか温度が上がりすぎたようだ。

「ちょ、大丈夫かい?」

「あぁ、悪い、一気に行き過ぎたわ。」(ちゃんと加減したつもりなんだが・・・)

 

そんなこんなで宴の時は過ぎていった。

 

 

~~~深夜 鎮守府倉庫 01:00~~~

「・・・」

私は、何度目かの岩川鎮守府前の倉庫に立つ。

(もう・・・ごまかしはきかない。失敗すれば、私は・・・)

今までは、あいつへの反抗を込めてほんの少しずつしか資材も取らなかったし、提督の暗殺も最初の1回と前回以外は全部サボってた。でも、昨日それがばれた。

痛い思いをたくさんした。次は無いとも言われた。私は死にたくないし実験体にされるのもごめんだ。だから私は、手加減なしで行く。

今日は海域突破の祝勝会をしていたみたいだからこの時間なら確実にいけるはず。

そして倉庫に足を踏み入れた私。中には誰もおらず、資材がそのままになっている。

(鍵もしてないなんて無用心にもほどがあると思うけど・・・・ん?)

私は此処で少し違和感を覚えた。ここは倉庫で今は7月、深夜1時ごろ。日の当たらぬ倉庫ではあるが、夏の夜にしては気温が低すぎる。

「・・・!?」

周囲に白い霧が立ち込め、気温がどんどん下がっていく。

このままじゃまずい。急いで脱出を図る。しかし、

「扉が・・・!凍って!?」

唯一の出口であるドアが凍り付き動かなくなっている。その間にも霧は濃くなり、温度も下がっていく。手足の感覚が少しづつ消えていく。

(・・・これが私への罰なの?ただ、従うことしか許されなかった私に、どうしろというの?)

さっきまであんなに死にたくないと思ってたのに、避けられない死を目の前にして不思議なほど冷静な私。もうほとんど感覚はない。

(あの世っていうのは此処より少しはマシなのかな・・・?なら、きちんと海の上を走りたいな・・・・)

そう考えたのを最後に私の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。
久しぶり過ぎて感覚がつかめん・・・(-_-;)

いろいろおかしい部分が多いとは思います。(ひとえに作者の情報量不足)おかしい点がありましたら是非突っ込みをお願いします。

次回から、沖ノ島海域攻略再開となります。そして、夢の中の人(?)いったい何サハ・何ディさんなんだ・・・(棒読み)作者は1枚ゲットしました。

久しぶりに次回予告行きます、
酒飲み過ぎて、寝て起きたら倉庫が氷漬けになってた。何が起きたのかわかんねえと思うが俺だって何が起きたのかわかんねえ。資材・・・やばいよな・・・。あぁ、ついてねぇ。
次回、「不幸な提督と不幸な艦娘」
「お前さんは不幸じゃねぇ。ただただかわいそうな被害者なんだよ・・・」

では、次の投稿でお会いしましょう。


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第三十八話 不幸な提督と自由無き艦娘

皆さん、酷暑と台風の中いかがお過ごしでしょうか。
最近運がめっきり悪くなっているDsonです。

ついにきました艦これ第二期。つけて早々PC落ちたけど(-_-;)
ホントに海域進行リセットされてるし、最初の海域の羅針盤5連続で外すしもう通常運転ですわw


あと、前回の次回予告を見直したら違和感があったのでタイトルを変えました。
では、投稿します!


宴会の翌日の朝早く、空の私室に今日の秘書艦である神通が焦ったような感じで入ってくた。

 

「提督!起きてください!!」

「あ・・・?今何時だ・・・まだ4時じゃねぇか。もうちょいねかせ「いいから起きてください!!」ごほぉ!?」

二度寝を決めようとした空だが、神通渾身のボディブローによって強制的にお目覚め。

「ってぇな!何だってんだ!!」

事情も知らずにこの仕打ち。さすがに空も半ギレで言い返す。

 

「鎮守府倉庫が・・・!!」

「何・・・!?」

 

~~~鎮守府倉庫 04:10~~~

「こいつは・・・!?」

空が急いで倉庫に向かうとそこには鎮守府倉庫()()()ものがあった。 

らしきというのはそれは倉庫というにはあまり透明で、というより氷に覆われ氷塊になっていた。

「おいおいおい・・・どうなってんだこりゃ・・・?」

いろいろおかしなものを見てきた空もさすがに困惑が隠せないでいた。

「あの・・・提督・・・」

「なんだ?」

「あれに砲撃する許可をもらえませんか。」

「いや、流石にダメだろ。中身まで消し飛ぶわ。」

最も中身が無事だという保証もないのだが。

「しゃあない、神通。今からやることに関しての第一艦隊メンバー以外の艦娘への他言を禁じる。」

「?・・・了解しました。」

何をするのかと少し怪訝な表情の神通をよそに、

「いくぜ・・・ソウェル!」

近くの石にソウェルのルーンを刻み放つ。

「!?」

突然の炎に神通は絶句していた。

「ふぅ・・・思いのほか溶けねぇなこれ。」

本人としては倉庫全体の氷を溶かしきるつもりだったが、倉庫の入り口のあたりを溶かすのみにとどまった。

「まぁ、これで中には入れるだろ。・・・神通?」

「は、はいっ!?」

「何とか中に入れそうだ。何があるかわからん、護衛頼む。」

「了解しました。」

 

~~~倉庫内部~~~

「これは・・・」

「見事に全部氷漬けですね。」

やはりというべきか、倉庫の中にあった資材はすべて氷漬けになっていた。そして、

「こいつは・・・巻き込まれたのか?」

倉庫襲撃の犯人も物言わぬ氷像になっていた。

「提督・・・この人はどうするんですか?」

「どうするって・・・もちろん」

空はいつの間にか手元に持っていた朱槍をふるい犯人周辺の氷のみを切り抜いた。

「よし。」

「お見事です、提督。前の手合わせの時よりもまたスピードが上がりましたか?」

「そうか?少しはマシになったってことかね。つーことで、これ入渠ドッグにぶち込んどいてくれ。お湯かけりゃ溶けるだろ。」

 

~~~入渠ドッグ 05:00~~~

「提督、お湯をかけても全然溶けないんですけど・・・」

「・・・よくよく考えてみりゃ、ソウェルでも少ししか溶けないんだもんな。悪い、少し離れてくれ・・・ソウェル!」

再び、ソウェルのルーンを刻む。今度は中まで燃やしきらないよう少し火力を落として氷を溶かしていく。

やがて氷が溶け、犯人が倒れこむ。

「おっと。」

「じゆうが・・・ほしいよ・・・」

「・・・神通、彼女を医務室へ。明らかに低体温症だ。」

「わかりました!」

「あ、一応両手の拘束を忘れないでくれよ!」

 

 

~~~執務室 09:00~~~

あの後、急いで倉庫の解凍を進めたが、流石に燃料などの引火しそうなものにソウェルを使うわけにもいかないので半分ほどはそのまま天日干ししている。

その結果、燃料が使用不能になってしまったため今日は一切の出撃を見送り、遠征部隊に新たな燃料回収をお願いした。(艦娘達には原因不明ということ以外はありのままを伝えた)

そして空自身は、今回の氷漬け事件の原因にうすうす気づいていた。

(どう考えても、あれはイスの暴走だよな・・・どういうことだ?)

イスのルーン、氷、停滞を意味しそれに応じた効果をもたらすものだが、今回は明らかにルーンが持つ効果が空の予想の範疇を越えていた。

そして、空自身が暴走自体の原因を把握しきれていないのである。

そんなこんなで考え込んでいると、

「・・・なんだ?久しぶりだな。」

目の前には自身の槍の妖精がいた。

「・・・・・・(#^ω^)」

どうやらお怒りの様子。

「・・・すまねぇな。せっかく教えてもらったってのに。」

「・・・・・・」ミブリテブリ

 

「なに?中身がいじられてる?・・・意味が分からん。」

「・・・・・・」ミブリテブリ

「どうにもならないから慣れろ?まぁ丸投げだこと・・・特に氷や死のルーンは気を付けろ、ね。わざわざありがとな。」

「提督、捕虜が目を覚ましました。」

「あ、あぁ神通か。今行く。」

 

神通の報告に目を離した一瞬で妖精は姿を消していた。

 

~~~医務室 09:10~~~

「入るぞ。」

「・・・・・・」

「お前は・・・」

そこにいたのは長く白い髪をもつ幼い少女だった。そして、空はこの少女の姿に見覚えがあった。

「島風型1番艦、島風。」

「・・・・・・」

「何か食うか?腹減ったろ?体は大丈夫か?見たところ低体温症みたいだったが。」

「・・・この状態じゃ食べれないでしょ。」

島風は現在両腕を拘束されている。たしかにこれでは食事はできない。

「あぁ・・・すまん。さすがにそれを今外すことはできねぇ。」

「そもそも、あんたに話すことなんてない。さっさと大本営につきだしたら?」

「いや、お前さんが急進派の息がかかってる以上はいそうですかとつきだすわけにはいかないんだわ。第一、お前さんだって下手したら居場所がなくなってるんじゃないか?」

「・・・!」

島風の表情が曇るのを空は見逃さなかった。

「こういう裏工作の人間は捕まったら基本切られちまうからな。あんたの居場所はもうないだろうよ。」

「・・・・・・」

「そこでだ、取引をしたいんだ。」

「・・・・・・」

少し表情が変わる。

「今回の件、俺は真犯人を知りたい。だからそれを教えてほしい。その代わりにこの鎮守府をお前さんの新しい居場所にする。どうだ?」

「・・・・・・」

「そもそも艦娘なのになんで陸戦、裏工作をさせるのかね・・・。お前さんだって海の上を全力で駆けたいだろ?」

「!!」

「かつて最速の軍艦と言われた島風がその真価を発揮できないなんてあほらしい。俺ならそんなことさせない。お前さんをその腐ったしがらみから解放してやる。」

「・・・・・・わかった。」

そう言って彼女は自分の生い立ち、そして目的など、細かく教えてくれた。

「いざ話してみると、私って随分不幸だよね・・・」

そう自重する島風。

「お前さんは不幸なんかじゃない。ふざけた人間たちに翻弄されたかわいそうな女の子さ。」

「・・・・・・ずいぶんきざなこと言うのね。」

「悪いかよ。俺は事実を言ったまでだ。」

「そう。なら、今度こそ・・・自由に海を駆け回りたいな。」

「あぁ、約束する。だから少しだけ・・・待っててくれ。」

 

確固たる決意を込め空は部屋を出た。

 

 

 




いかがだったでしょうか。

うーんこの読者を置いてけぼりにしている感。
もう少しわかりやすくできるように努力します・・・
というわけで島風が仮加入です。リアルだと沖ノ島でのドロップで手に入れました。

さて、今回は月2投稿ができました。夏休み様様ですね。
申し訳ないんですけど次回予告はお休みで。

では、皆さん。次回の投稿まで、トランキーロ!!あっせんなよ。


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第三十九話 不幸な提督は会合へ!

皆さんいかがお過ごしでしょうか。

プロレスはいいぞ。Dsonです。

安定の隔月投稿ですが何とかやっていきましょうね・・・
さて今回は提督中心のお話をしようと思います。数名オリジナルキャラが出ますのでご了承ください。

今度、アイマス系の短編を書くかもです。多分ヤンデレになるのかな・・・。
お楽しみに。(いつにとは言ってない)
では、投稿します!


島風の一件の翌日。空のもとに大本営からの通達が来た。

 

「提督同士の会合ねぇ・・・つーかこれ三日前に送るかよ!」

文字通り提督どうしで交流するというものだ。最近の戦況ではあまりないが過去には他の鎮守府との連携による作戦が多くその時に開いていたものの名残である。

 

「同伴者は艦娘かそうではないかを問わず2名までみたいね。」

「うおっ、いつの間に。」

「あんたが無駄に集中してたんでしょ。で、どうするの?」

「いや、これは行くしかないだろ。曲がりなりにも大本営からだしな。」

「それくらいわかるわよ、誰を連れてくかってことよ。」

「そうだな・・・」(俺が鎮守府を空ける以上、メンバーの指揮をとれる叢雲、赤城、扶桑は除外。深海戦艦の襲撃も考慮すると戦艦、空母の火力は欲しいところだ。なら・・・)

考えること数秒、

「よし、楓と神通を連れてくか。」

「決まりね。じゃあ神通さんに伝えておくわ。」

「頼んだ、会合は三日後に横須賀でやるから明後日に出れるように準備を頼む。」

「わかったわ。」

「さて、俺も「先輩!!明後日に出れるように準備ですね!!」・・・お、おう」

楓(天井から頭だけだしてる)にひきながらなんとか話す。まさに神出鬼没、どこのy2jだ。

 

因みに空はメンバー考慮の中で一つだけ大きな見落としをしている。そしてそれは本来防げたことであるが、空がそれに気づくのは三日後の事だった。

 

そして三日後、横須賀にて。

 

「やっぱでけえな。」

大本営の大きさに感嘆しながら会場へ向かう。途中楓が憲兵隊にあいさつするために離脱し、空と神通の二人で廊下を歩いていると、

「風林君ではないか。」

「っ!!」

神通が刀の柄に手をかけるが空が住んでのところでそれを制す。

「神通、その手をおろせ。失礼しました。元帥。」

「なに、かまわんよ。彼女はいい目をしてる。いずれ素晴らしい戦果を挙げることを期待しているよ。」

そう言って元帥は立ち去った。

「楽しみにしているよ。猟犬の残滓がどこまでやれるのかをね。」

その言葉が空に届くことは無かった。

 

「提督、あの人は危険です。」

「いや、それはわかるがこの場でそれはヤバいだろ・・・」

(いや、わかっていてもそうしなければならないと感じたのか・・・)

 

緊張の糸が張り詰めたまま二人は会場入りした。

 

~~~会合会場~~~

会合と言ってもそこまでかしこまったものではないようで皆、思い思いに話をしていた。

人が多く心なしか視線が集まっているため若干気後れしてる空だったが、

「あんたが風林提督?」

一人の男に話しかけられる。

「は、はぁ。」

「俺は呉鎮守府の高藤広也っていうんだ。最近有名な、風林提督と話してみたくてね。」

「ゆ、有名?俺が?」

「あんた、提督界隈では結構有名なんだぜ?ブラック鎮守府をつぶした英雄ってさ。」

「お、おう・・・」

「階級も同じだし、お互い頑張ろうぜ?あと連絡先くれない?今度飲もうよ。」

話し方が若干挑発気味だが、性格が空と似ているためあっという間に打ち解けた。

「あぁ。作戦の合間にでもどうだ?」

「いいねぇ。場所は・・・サイ〇リヤとかどう?」

「なんで飲みに行くのにファミレスなんだよ・・・」

 

一度誰かと話して警戒心が溶けたのかそのうちいろいろな人と話すことができた。

大半は他愛のない内容だったが、いくつか役立つ情報も手に入った。

 

 

そして、少し落ち着いてきたころ。

「風林提督、ちょっといいか?」

「あぁ、」

 

別の若い提督に呼ばれ人ごみを離れる。

「で、なんだ?」

「急に悪いな、俺は大湊鎮守府の岡本っていうんだ。あんた確か陸軍出身だったよな。」

「あぁ、そうだが・・・」

「気を付けてくれ。あんた含め、あんたみたいな陸軍出身者や穏健派の人間を狙ってるやつらがいる。」

「・・・急進派の奴らか?」

「流石に知っているか。あんたは特に急進派に目を付けられてる。あんまり急ぎ過ぎるなよ。あと、近くの鎮守府と先にコネクションを用意しとけ。近々大規模作戦が開始されるらしい。その時周りと組めばだいぶ楽になるからな。」

「助かるぜ。あんたも頑張ってくれよな。」

「あぁ、お前もな。」

その後も急進派についての対策などについて話していたが、

「先輩!!」

「楓か。急にどうした?」

「鎮守府詰めの憲兵隊との連絡が途絶しました。」

「何・・・!?」

 

 

岩川鎮守府に危機が迫る・・・!?




いかがだったでしょうか。
今回は導入なのでただでさえ短い文量がさらに短くなっておりますがご了承ください・・・。

11月になればに少しは時間が空くので投稿ペースが上がると・・・いいな。
今回登場した提督のモチーフは友人と制御不能なあの人たちです。
今後ちょくちょくプロレス要素が入ると思いますが気楽にお楽しみください。

次回予告はお休みです。
では、次回の投稿まで、トランキーロ!あっせんなよ。


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