剣の帝の異世界冒険 (アルクロ)
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ハイスクールD✕D篇
一話「二天龍と戦乱の結末」


剣の帝の異世界冒険

 

ハイスクールD×D編

 

第一話「二天龍と戦乱の結末」

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此れは幻想郷の迷いの竹林にあるとある家に住む男の話

 

剣帝「……(´Д`)ハァ…クリスマスが近づいて来てるからかは知らないが、カップルを殺してくれって依頼が増えてる…(´Д`)ハァ…」

 

剣帝の横には大量のレッドブルの空き缶が積まれてる

 

剣帝「……このままじゃストレスが溜まる一方だ!夜鴉様ー!!!」

 

夜鴉「んだよ、俺は今リポD消費するのが今大変なんだよ」

 

剣帝「スイマセン、ちょっとお願いが有りまして…ちょいと異世界に行きたいんですが。行ける異世界有ります?」

 

夜鴉「今かぁ~、えっとハイスクールD×Dくらいかな?」

 

剣帝「ふむふむ、それじゃ、ハイスクールD×Dの世界に飛ばして下さい」

 

夜鴉「おっぱいでも揉んでくるのか?」

 

剣帝「違います!第一……そういうのなら嫁に頼みますし……単に強くなりたいしストレス発散したいんで行きたいんです」

 

夜鴉「なるほど、じゃあおっぱいと戦乱の世界にレッツゴーだな!クックックッ」

 

剣帝「何かそれ誤解招きませんかね?」

 

夜鴉「合ってるだろ?俺はそうだと思うぜ。じゃ、行ってらー!」

 

剣帝「はーい」

 

そう言った剣帝の足下にスキマが開いた

転送が終わりそしてついた先は紫の空に、激しい爆発音。

 

剣帝「…………何この世紀末」

 

ドライグ「悪魔ごときが!」

 

アルビオン「神ごときが!」

 

「「俺達の戦いを邪魔するな!!」」

 

剣帝「……なるほど、今は戦争時代か………時代誤差起きてるぅ!!」

 

爆発はその二匹の龍が起こしていた

 

剣帝「ゴラァ!ボンボン喧しいぞ!其処の二龍!!」

 

ドライグ「なんだ、貴様!我等の戦いを邪魔するな!」

 

ドライグはブレスを吹き掛ける

 

剣帝「………弱火だなぁ」

 

そう言って剣帝は片手振ってブレスを掻き消した

 

アルビオン「・・・ドライグ、こいつは舐めずに行くぞ」

 

剣帝「あーもー、五月蝿い奴等は嫌いなんだよねぇ」

 

剣帝は何時の間にかアルビオンの後ろに移動していた

 

アルビオンは尻尾で凪ぎ払った

 

剣帝「ウザい!」

 

剣帝はそう言ってアルビオンの尻尾を受け止めて掴んだ

 

アルビオン「Divide!」

 

剣帝「………(・д・)チッちょいと苛ついたから、やるぞ『ドライグ』三回だ」

 

『仕方無いな。必要は無さそうだがboothboothbooth』

 

剣帝「有り難うさんドライグ!オラァ!」(アルビオンを敵のドライグに向けて投げ飛ばした

 

アルビオン「ぐっ!」

 

ドライグ「貴様!!その力は何処で手にいれた!!アルビオン!邪魔だ!」

 

剣帝「何処でだって良いだろうが、(´Д`)ハァ…」

 

二龍にアッパーをかました

 

二天龍「「がぁ!!」」

 

剣帝「そぉらよっとぉ!」

 

二龍の尻尾を掴みグルグルと回り始めた、すると、回っている内に二天龍の尻尾がミシミシと鳴り始める

 

ドライグ「ぐっ、千切れる!」

 

剣帝「おらよっとぉ!」

 

剣帝が二天龍の尻尾を引っ張った

 

アルビオン「ぐわぁ!やめろ!」

 

剣帝「断る!」

 

そう言って剣帝は二龍の尻尾を引き千切るつもりで引っ張った

 

アルビオン「DivideDivideDivideDivideDivide」

 

ドライグ「boothboothboothboothbooth」

 

剣帝「大概コイツ等の尻尾が硬いから苛ついてきたし、たたっ斬るか」

 

二龍の尻尾を離してから手刀で二龍の尻尾を斬った

 

剣帝「ざっとこんなもんかねぇ」

 

ドライグ「このクソガキがぁぁぁ!!boothboothbooth」

 

ドライグはブレスを倍加させ剣帝に吹き付ける

 

剣帝「(´Д`)ハァ…ドラゴンショット!」

 

そう言って剣帝は左腕を突き出して、其処から赤い玉が出てきた

 

アルビオン「ドライグ!!くそっ!DivideDivide」

 

剣帝「先にテメェから片付けてやんよ」

 

剣帝そう言うとアルビオンを殴り始めた

 

アルビオン「ガハッ!」

 

ドライグ「俺を無視するなぁ!booth」

 

ドライグはアルビオンに集中する剣帝に爪で攻撃する

 

剣帝「いってぇなぁ、オイッ!」

 

ドライグを殴り飛ばした

 

ドライグ「ぐっ、まだまだぁ!」

 

ドライグは全力で突進してくる

 

剣帝「あーもー、面倒だなぁ、重付加10倍っと」

 

二龍は身体が急激に重くなった

 

ドライグ「うおおお!boothboothbooth」

 

剣帝「落ちろ」

 

剣帝はドライグに音速で踵落としをした

 

ドライグ「ぐっ、くそっ、こんな奴に殺されるくらいなら、アルビオンとの死闘で、死に、たかった」

 

ドライグは気絶した

 

剣帝「さてと、次はアルビオンだな」

 

アルビオン「ドライ、グ!うおおおお!」

 

アルビオンは加重をものともせずに己の爪で切り裂いてくる

 

剣帝「うっとぉしい!」

 

剣帝はアルビオンを音速で殴り飛ばした

 

アルビオン「グハッ、くそっ!」

 

アルビオンは立ち上がり剣帝を睨み付けそして白銀のブレスを吹き掛ける

 

剣帝「あーもー、流石二天龍だな、頑丈だ」

 

またもや片手で振り払った

 

剣帝「…その根性に称して一発だけ俺の技を見せてやるよ、死ぬなよ…蛇帝砲…」

 

そう言った剣帝の右手に灰色のエネルギーが集まり始めた

 

アルビオン「くっ、ドライグ、すまない、俺もここまでのようだ」

 

アルビオンは先程の一撃で精神力を使い果たしたのか気絶して倒れ伏せた

 

剣帝「………気絶してるのは撃つ気にならん」(空に向けてビームを放った

 

夜鴉「おいおい、時間間違えたとは言えこれはあんまりだろ」

 

ビームは触れた途端に消滅していく

 

剣帝「仕方無いじゃないですか。文句言ったら襲ってきたんですもん」

 

夜鴉「勘違いしてねぇか?てめぇが今、俺に光線打ちやがったことだよ」

 

剣帝「あっ…それはスイマセン」

 

剣帝は土下座した

 

夜鴉「じゃあ英雄君、本当の時間に行ってら」

 

剣帝のけつを蹴り飛ばして時間転移させる

 

剣帝「痛い!行ってきまーす」

 

夜鴉「さてと、ヤハ君久し振り殺してあげるからこっちにおいで」

 

剣帝は男性の断末魔を聞きながら時間転移した。

最後に見たのは黒髪の少女の姿だった

 

剣帝(さっきの娘は一体…)




今回は主人公のチート具合を軽く紹介するような話になりました。
さてはて、次回のどんな事になるのでしょうかねぇ。
書くのが遅いので次が出るのは時間が掛かります。
次回はゆったりとお待ち下さい


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二話「魔王少女との遭遇」

前回までのあらすじ

 

剣帝が夜鴉様に頼んでハイスクールD×Dの世界へと向かったが、ちょっとした手違いにより戦争時代に行ってしまい、二天龍をボコボコにした

――――――――――――――――――――――

 

―駒王町:河川敷―

 

剣帝「此処が駒王町かってハックション!寒っ!?もしかして今12月!?」

 

剣帝が駒王町に到着した日時は12月10日21時53分だった

 

剣帝「……もう夜だなぁ……泊まる宛も無いし…仕方無い此処で寝るか…掛け布団は…マント汚したくないし新聞紙でいっか」

 

剣帝はそう言うと時空を歪め自分の時空間からトランクを取り出しその中から新聞紙を出して掛け布団にしてからトランクを枕にして寝始めた

 

剣帝「うーっ…寒寒っ」

 

その晩剣帝はガタガタと寒さに震えながら眠ったという

 

次の日の朝、太陽が昇りだし日差しが剣帝の目に当たり眩しくて起きた

 

剣帝「眩しっ、寒っ、うーっ、寒いなぁ…取り敢えず暖でも取りにブラブラするか」

 

そう言うと剣帝は新聞紙をトランクにしまってからトランクを自分の時空間にしまってから歩き始めた

 

剣帝「何か面白い事ないかn…アレって…もしかして…」

 

剣帝が見たのは転移時に見掛けた黒髪の少女に似た少女がゲームセンターで不良に絡まれている姿だった

 

剣帝「……女の子に絡むとは苛つくし、助けるとするかな」

 

―ゲームセンター店内―

 

不良A「良いじゃんかさぁ、俺等と遊ぼうぜ?」

 

??「えー、でもこの後用事あるしなぁ〜」

 

不良B「用事なんて後回しでも大丈夫だろ」

 

??「でもでも、私はまだ此処で遊んでたいの」

 

不良C「此処より楽しい場所に連れて行ってあげるから、来なってな」

 

そう言って不良達は嫌がる少女を連れて行こうとしてる

 

??「ちょっと、良い加減にしてよ!」

 

剣帝「オイゴラ、其処のガキ共」

 

不良A「あぁ?何だテメェ、俺等に何か文句でもあんのか?」

 

剣帝「あぁ、有るね、取り敢えず、嫌がってる女の子に無理強いすんのは、格好悪いぞ?」

 

剣帝はそう言いながら不良達を睨んだ

 

不良B「……なぁ、コイツちょっと苛つかね?」

 

不良C「あぁ、ちょっと苛つくな」

 

不良A「1回締めるか」

 

不良BC「「おうっ!」」

 

そう言って不良三人は剣帝に殴り掛かった

 

剣帝「ウザい、五月蝿い、苛つく、つまり、こうだ!」

 

そう言って剣帝は不良三人に目にも止まらぬ速さでデコピンをした

 

不良ABC「「「いってぇぇぇ!!」」」

 

不良三人はデコを抑えてゴロゴロと転げ回っている、すると、ポケットに入れていたであろう財布を各自落とした

 

剣帝「んー…幾ら入ってるかなぁ…おっ、免許だ、えーっとぉ?コイツ等の名前はっとぉ…………富士田山尾(ふじたやまお)鷹岡空(たかおかそら)茄子森修平(なすもりしゅうへい)ってぇ!初夢か!」

 

そう言うと剣帝は財布と免許証を活き良いよく床に叩き付けた

 

剣帝「寒いネタ見せられたし、これはもう一発打ち込むか」

 

剣帝はそう言いながらデコピンの準備をした

 

不良ABC「「「ヒィィィ、御免ナサーイ!!」」」

 

不良達は財布と免許証を持って走って逃げて行った

 

剣帝「(・д・)チッ、暖を取りたいから来たのに逆に寒くなったし、腹たったから帰る!…(´Д`)ハァ…また河原で寝るハメになるのかぁ…」

 

そう言いながら剣帝は方向を転換しゲームセンターから出て行こうとし始めた

 

剣帝「今晩冷え込まないといいなぁ…」

 

???「あっあの!」

 

剣帝「ん?何でしょうか?」

 

???「さっきはありがとう。私はセラフォルー、レヴィアたんって呼んでね☆」

 

剣帝「あっ、はい、僕は妖悪剣帝と申します。以後お見知りおきを」

 

剣帝(まぁ、会わないだろうけどね)

 

セラフォルー「さっき行くとこ無いって言ってたけどどうして?」

 

剣帝「いやー、ちょっとした事情で今は家に帰れないので」

 

セラフォルー「じゃあ!家にくる?て言うかおいでよ!さっきのお詫びとして!」

 

剣帝「良いんですか?ご家族とかの迷惑になるのでは?」

 

セラフォルー「良いの良いの☆」

 

剣帝「そ、それならお言葉に甘えて」

 

セラフォルー「おっけー、じゃあ冥界にレッツゴー☆」

 

剣帝「………冥界…ですか…」

 

剣帝(まぁ、知ってたけど…さてはて、実際に行った事無いから楽しみだな)

 

セラフォルーは剣帝の腕を掴んで魔方陣に飛び込んだ

 

剣帝「おっと……ほぉ、此処が冥界の貴女の家ですか大きなお宅ですね」

 

セラフォルー「そうだよ私の家だよ!ようこそ☆」

 

剣帝「では、お邪魔します」

 

剣帝はそう言って家の中に入った




今回は剣帝が少しだけ怒ったのとヒロイン登場の回でした。
今回は早めに出せませたが次もそうとは限りませんので、ゆったりと待ってくださると幸いです


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三話「魔王少女と従者の帝」

前回のあらすじ

 

手違いによる時間誤差を治して貰ってからハイスクールD×Dの世界に改めて行った剣帝、着いたのは夜、寒い思いをしながら夜を越し散歩中に美人に絡んでる阿呆を追い払い、その美人の家に行く事になった

――――――――――――――――――――――

剣帝がセラフォルー・レヴィアタンに連れられてセラフォルーの家に入ると10人以上のメイドが出迎えた

 

メイド「「「「お帰りなさいませ、お嬢様……」」」」

 

メイド達は驚いた様子だったが、声には出さないようにしていたようだ

 

セラフォルー「うん、ただいま〜」

 

剣帝「流石、こんなに大きなお宅ですね。あんなにメイドさんが居るとは」

 

セラフォルー「そうでしょ〜、まず人間界だと見ないもんね、あんな人数」

 

剣帝「まぁ、そうですね」

 

二人が喋りながら歩いているとセラフォルーが一つの扉の前で止まった

 

セラフォルー「此処が私の部屋〜、ちょっと待っててね〜」

 

セラフォルーはそう言い部屋の中に入って行った

 

剣帝「あっ、はい、分かりました」

 

剣帝が部屋の前で待っていると部屋の中から声がした

 

セラフォルー「入って良いよ〜」

 

剣帝「………やっぱり結構です」

 

セラフォルー「え〜、何で?」

 

剣帝「だってまだ会ったばっかりですし。それで女子の部屋に入るってのは少し抵抗が」

 

セラフォルー「良いから良いから〜」

 

セラフォルーはそう言うと剣帝の腕を掴み部屋の中に引っ張った

 

剣帝「うおっと、危ない危ない、あやうくバランスを崩す所だった…それにしても綺麗な部屋ですね。整理整頓が出来ていますし」

 

セラフォルー「それ位は当然でしょ〜」

 

剣帝「ですよね。ん?何だこれ」

 

剣帝がセラフォルーのベットの下から紙の筒を引っ張り出した

 

セラフォルー「あっ!それは……」

 

剣帝がその筒を広げてみると、それは魔法少女のポスターだった

 

剣帝「ほぉ、魔法少女ですか。これは中々」

 

セラフォルー(う〜、また幼稚だとか思われてる〜)

 

剣帝「女性らしくて可愛らしい御趣味ですね」

 

セラフォルー「子供っぽいって思わないの?」

 

剣帝「えぇ、思いませんよ?」

 

セラフォルー「本当に!?」

 

剣帝「えぇ、本当です。それに、趣味なんて人それぞれでしょう。それを子供っぽいだの何だのとは言ったりしませんよ」

 

セラフォルー「そっかぁ〜、有り難う、剣帝君」

 

剣帝「はて?感謝されるような事をした覚え僕には有りませんよ?」

 

セラフォルー「剣帝君にとっては何気無い事でも私的には感謝したいことなんだよね、私の趣味を皆幼稚って言うし…あ~ぁ、剣帝君みたいなのが眷属になってくれればレーディングゲームにも勝てるんだろうなぁ」

 

剣帝「眷属?レーディングゲーム?」

 

セラフォルー「あぁ、ゴメンね、言い忘れてたけど私実は悪魔なの、それで悪魔同士の決闘でレーディングゲームってのが有るんだけど、それには自分が悪魔にした子を連れて行けるの、で、今度そのレーディングゲームをする事になってるんだけど私には眷属が一人も居なくて」

 

剣帝「ふむふむ、それでセラフォルーさんは困ってるんですか。ところでそのレーディングゲームのお相手は?」

 

セラフォルー「私の許嫁なんだけど……」

 

言っている途中でセラフォルーの顔は暗くなっていく

 

剣帝「………何か嫌な事でもあるんですか?」

 

セラフォルー「実は…その許嫁君、言っちゃ駄目なんだろうけどあんまり好まれないような性格しててね…正直私はその人と結婚したくないの…」

 

剣帝「で、それを言ったらレーディングゲームに?」

 

セラフォルー「……うん」

 

剣帝「ふむふむ」

 

剣帝(これが俗に言う政略婚って奴かねぇ、それにしても、こんな美人困らせるとか許せんなぁ……仕方ねぇなぁ!)

 

剣帝「それなら俺が貴女の眷属になりますよ!」

 

セラフォルー「えっ、良いの!?」

 

剣帝「構いませんよ。第一、貴女みたいな綺麗な女性が困ってるのは見過ごせませんし」

 

セラフォルー「有り難う〜!それじゃあこれを自分の胸に押し当てて?」

 

セラフォルーはそう言うとチェスの騎士の駒の様な物を剣帝に渡した

 

剣帝「これは?」

 

セラフォルー「それはイーヴィル・ピース(悪魔の駒)って言ってね、使われた相手を悪魔にするものなの」

 

剣帝「ふむふむ……あのー、押し込んでも何も起きませんよ?」

 

セラフォルー「あれ〜?おっかしいなぁ〜、それならこれは?」

 

セラフォルーはそう言うと今度は赤色の女王の駒を渡した

 

剣帝「おや、さっきのとは違って赤いですね。これは?」

 

セラフォルー「それは変異の駒って物なんだけど、普通なら沢山の駒が必要な場合でも一つで済ませちゃうっていう凄い駒なの」

 

剣帝「ふむふむ………あれ?やっぱり何も起きませんよ?」

 

セラフォルー「あれれ〜?何でかな〜?」

 

剣帝「………これって使われる相手が強過ぎたりすると使えなかったりします?」

 

セラフォルー「聞いた事無いけど、有り得るかも」

 

剣帝「つまり…それが理由なのでは?」

 

セラフォルー「どうしよう!?剣帝君が眷属になってくれるって言ってくれたのにこのままじゃ…」

 

剣帝((´Д`)ハァ…仕方無いなぁ…何割か封じて貰うかな)

 

剣帝「………入るようにしますかね」

 

セラフォルー「どうやって?」

 

剣帝「まぁ、ちょっとしたツテを使うんです。ちょいと窓開けさせて貰いますよ?」

 

セラフォルー「えっ、あっ、うん、別に構わないけど、何するの?」

 

それを聞いた剣帝は直ぐに窓を開け少し身を乗り出した

 

剣帝「夜鴉様ー!!スイマセンが少々頼み事が有るのです!来て頂けませんか!?」

 

剣帝はそう空に叫んだ…すると

 

夜鴉「俺!登場!」

 

剣帝「………相変わらずですね。夜鴉様」

 

剣帝は普通の様に対応したがセラフォルーは驚いている

 

夜鴉「で、俺を呼んだ理由を教えてくれ、知ってるけど」

 

夜鴉は剣帝に指を指してポーズを決めて剣帝に質問した

 

剣帝「知ってるなら言わなくても良いじゃないですか。まぁ、言いますがね。いやー、俺が悪魔になろうとしたんですが。力が強過ぎるのか出来ないんで、少し封じて貰おうかと」

 

そう言って剣帝は夜鴉に女王の駒を見せた

 

夜鴉「あー、これね、なるほどなるほど。じゃ、やろうか」

 

剣帝「ウィーッス」

 

夜鴉は剣帝の頭を鷲掴みにしてぶつぶつと何かを言い出した

 

剣帝(何だろう、地味に痛い)

 

夜鴉「宇宙天地 與我力量 降伏群魔 迎来曙光 吾人左手 所封百鬼 尊我号令よっと、これで大丈夫かな?」

 

剣帝「そんじゃ、少し試してみます」

 

そう言って剣帝は自分の胸に女王の駒を押し当てた、すると、女王の駒が剣帝の中に消え剣帝の髪色が銀混じりの白色に変わった

 

剣帝「これで良いんですかね?」

 

夜鴉「取り合えず大丈夫だとは思うが全盛期の一割も出せないからそこんところよろしく」

 

剣帝「………マジすか…此方に居る時はずっとそうっすか?」

 

夜鴉「さぁ?でも慣れれば解放していけると思うぞ」

 

剣帝「なら、さっさと慣らせるようにせねば………そういや魔力とかって有るんですよね?どう使えば良いでしょうかね?」

 

夜鴉「頑張って・・・ん?やべっ」

 

夜鴉は携帯を取り出して会話を始めた

 

剣帝「はーい……そちらも頑張って下さいね」

 

夜鴉「もし、大変だったら呼べよー。あー、今から帰るから大丈夫、」

 

剣帝「はーい、では、またお会いしましょう」

 

セラフォルーは頭を抑えながら青い顔で剣帝に質問した

 

セラフォルー「…………今のって…誰?」

 

剣帝「俺の友人ですよ?セラフォルー様」

 

セラフォルー「へぇ~、そうなんだ〜」

 

剣帝(あー、これ驚きすぎてる上に夜鴉様の言葉でダメージ受けてるわ……仕方無いなぁ)

 

剣帝「セラフォルー様!」

 

セラフォルー「な、何?剣帝君」

 

剣帝「眷属には成れましたがまだ魔力の操作とかが分からないので教えて下さりませんか?」

 

セラフォルー「あっ、うん!良いよ!!」

 

剣帝「後…翼の出し方も教えて下さりません?」

 

セラフォルー「そっちはね〜、出ろって念じたら出るよ」

 

剣帝「ふむふむ…こんな感じかな?」

 

剣帝の腰から一対の悪魔の翼が出て来た

 

セラフォルー「上手く出せたみたいだね、それじゃ、ちょっと私の持ってる山に行こっか」

 

剣帝「はい、了解しました」

 

二人は並んで飛んで行った




今回は剣帝がセラフォルーさんの眷属となった回でした。
次回は戦闘回にする予定です。
次回のは早めに出せるかやはり分かりませんので気長にお待ち下さい


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四話「理性と未知のステージ」

あらすじ

セラフォルーに家へ招待されセラフォルーの部屋に入った剣帝、その時にセラフォルーに認められ眷属となりレーディングゲームに参加する事となった

――――――――――――――――――――――

剣帝がセラフォルーの眷属となってから数日後、レーディングゲームの前日、剣帝達はシトリー邸に来ていた

 

剣帝「此処がセラフォルー様のご実家ですか…やっぱり大きいですね」

 

セラフォルー「そうでしょ〜?私の家より大きいからね〜」

 

そう話をしながら二人は一緒に歩いている

 

剣帝「近付いたらより大きく感じますね」

 

そう言いながら剣帝は扉を開けた

 

セラフォルー「あっ、有り難うね、剣帝君」

 

家の中に入るとやっぱりメイド達が出迎えた

 

メイド「「「「お帰りなさいませ、お嬢様………」」」」

 

やっぱり今回もメイド達は驚いている様子だった

 

剣帝(やはり驚かれるか、まぁ、良いけどな)

 

セラフォルーの自宅でもそうだったので剣帝はあまり驚いたりはしなかった

 

セラフォルー「うん、ただいま〜」

 

そう言いながら歩いていたら二階から誰かが降りて来ていた

 

??「セラ、お帰りなさい………隣の男性は誰かしら?」

 

剣帝「申し遅れました。数日前にセラフォルー様の眷属となりました。妖悪剣帝という者です」

 

フォルストゥ「これはご丁寧にどうも、セラの母のフォルストゥ・シトリーよ……えっ?セラに眷属が出来たの!?それも男性だなんて…」

 

セラフォルー「お母様、そんなに驚かないでよ〜、別に珍しくないでしょ?」

 

フォルストゥ「えぇ、でも貴女の場合は趣味が…」

 

セラフォルー「剣帝君は可愛らしいって言ってくれたもん!」

 

フォルストゥ「あら、そうだったの?それじゃあ剣帝君はどうしてセラの眷属になったのかしら?」

 

剣帝「単に俺がなりたいなと思ったのと彼女の手助けをしたいなと思ったのでなりました。それ以外に理由も何も有りはしません」

 

フォルストゥ「ふーん、そうなの……セラに恋してる、とかは無いのかしら?」

 

セラ「ちょっ!お母様!?」

 

剣帝「恋してる…かは会ってからはまだあまり経っておりませんし分かりませんが。常々綺麗だなとは思って居ます」

 

セラ「えっ!?」

 

セラ(そんな風に思ってくれてたんだ…嬉しい…)

 

フォルストゥ「……そうなのね、分かったわ」

 

剣帝「質問は以上でしょうか?フォルストゥ様」

 

フォルストゥ「あら、様付けじゃなくてさん付けで呼んでくれないかしら?」

 

剣帝「えっ、あっ、はい、畏まりました。フォルストゥさん」

 

そんな風に廊下で三人で話していると扉が開いて部屋の中から一人の男性が出て来た

 

??「セラ、帰って来ていたのか」

 

セラフォルー「あっ、お父様」

 

フォルストゥ「あら、アナタ見て下さい、セラに眷属が出来たそうなんです」

 

剣帝「始めまして、セラフォルー様の眷属となりました。妖悪剣帝という者です。以後お見知りおきを」

 

ジェラード「ほぉ、そうか、私はジェラード・シトリー、セラの父だ」

 

剣帝「ふむ……ところで一つ質問宜しいでしょうか?フォルストゥさんジェラード様」

 

ジェラード「構わないが、私もさん付けで呼んでくれないか?」

 

剣帝「あっ、はい、畏まりました。以後はそうします」

 

フォルストゥ「ところで、質問は何かしら?剣帝君」

 

剣帝「セラフォルー様の許嫁の件、用意なされたのはどちらで?」

 

ジェラード「私だ、セラには早く結婚して欲しいからな」

 

剣帝「ほぉほぉ、では、もう一つ聞きたい事が」

 

ジェラード「何かな?」

 

剣帝「明日のレーディングゲーム、我々が勝てばその許嫁の件は無しになるのですか?」

 

ジェラード「あぁ、そうだが?」

 

剣帝「そうですか…質問に答えて頂き、有り難う御座います」

 

ジェラード「いやいや、構わんよ」

 

セラフォルー(剣帝君、一体何を考えてるんだろ?あんな質問したりして)

 

ジェラード「さて、今日はもう遅い、泊まっていきなさい、セラ」

 

セラフォルー「は〜い」

 

その日の夜はシトリー邸に泊まる事となったセラフォルーと剣帝、その日の夜に剣帝はこう考えていた

 

剣帝(言質は取れた…明日は殺す気でやるか)

 

ドライグ『相棒、俺は使うなよ?俺の力で勝ったと思われるのは癪だろう?』

 

剣帝「あぁ、確かにそうだし、分かっている、それに俺の魔力の質ももう分かったからな」

 

次の日の朝

 

セラフォルー「ふぁーぁ、良く寝たー」

 

剣帝「お早う御座います。セラフォルー様」

 

セラフォルー「お早う剣帝君……何その服装!?」

 

剣帝は執事服を着ていた

 

剣帝「いけませんか?」

 

セラフォルー「いけなくはないけど……」

 

セラフォルー(格好良いなぁ…)

 

剣帝「セラフォルー様、そろそろレーディングゲームのお時間ですよ?」

 

セラフォルー「あっ、うん、分かった〜」

 

そう言い起きたセラフォルーと剣帝の二人はレーディングゲームの待合室に移動した

 

セラフォルー「勝てるかなぁ?ちょっと心配」

 

剣帝「大丈夫ですよ。俺も頑張るつもりですから」

 

セラフォルー「そ、そうだよね!きっと勝てるよね!」

 

そうやって二人で会話していると部屋に魔法陣が現れて一人の女性が出て来た

 

案内A「レーディングゲームの準備が整いましたのでお迎えに上がりました」

 

剣帝「だそうですよ。ほら、行きましょう?セラフォルー様」

 

そう言って剣帝はセラフォルーの手を取り魔法陣に入った

 

セラフォルー「わわっ、あー、吃驚したぁ」

 

二人が入ったら転送魔法陣が作動しレーディングゲームの舞台となる作られた都市に転送された

 

剣帝「ふむ、都市部ですか……狙撃がしやすそうですね…」

 

セラフォルー「それで剣帝君、どう勝つつもり?」

 

剣帝「此方は二人ですし。俺が敵の対応をしますのでセラフォルー様は待っていて下さいませ」

 

セラフォルー「あっ、うん、分かったけど、剣帝君一人で大丈夫?」

 

剣帝「問題有りません、それでは行って参ります」

 

そう言い剣帝は自分の陣地への道を一本に限定出来るように建物を一本の剣で斬り道を潰した

 

剣帝「( ´ー`)フゥー...これで奴等は此処に来るしかない」

 

剣帝が道を潰した数分後数名の武装をした男女がやって来た

 

剣帝「おや、意外とお早いご到着ですね。それでは、セラフォルー・レヴィアタンが眷属、妖悪剣帝、対処を開始します」

 

そう言って剣帝は二本の剣を抜いた

 

ポーンABCD「「「「うおぉぉぉぉ!!!」」」

 

4:1という一見勝てないように見える戦闘だが剣帝は何の苦しそうな顔もせずに対処をしている

 

ポーンA「ハァ…ハァ…何で剣がかすりもしないの…」

 

ポーンB「コイツ…強い!」

 

剣帝「(´Д`)ハァ…まだまだですねぇ。弱過ぎますよ?貴方達」

 

ナイト「それなら私と!」

 

ビショップ「私が倒す!」

 

ナイトが急接近をして剣帝とつばぜり合いに持ち込み、ビショップが魔法を唱え落雷を降らせ剣帝に命中し煙が起きた

 

ビショップ「やった、当たった!」

 

煙が晴れ始めるとそこには一人の影だけが残っていた

 

ビショップ「アンタまだ残ってたんだ、てっきり魔法で吹っ飛んだかと思ったんだけど……えっ!?何でアンタが無傷なの!?」

 

剣帝「この程度ですか?……(´Д`)ハァ…」

 

其処に立っていたのは無傷の剣帝だった、ナイトの姿は既に無い

 

ナレーション「ナイトA…戦闘続行不可につき、消滅を確認」

 

剣帝「さて、次は貴女ですかね」

 

そう言った次の瞬間、剣帝の姿が消えた

 

ビショップ「あ、あれ?相手のクイーンh……」

 

ビショップが喋っている間にポーン達とビショップは斬られていた

 

剣帝「(´Д`)ハァ…この程度で勝つ腹積もりだったとは」

 

ナレーション「ビショップA、ポーンABCD、戦闘続行不可につき、消滅を確認」

 

剣帝「さぁてとぉ、次は何処かなー?」

 

剣帝が周りを見回しているとまた目の前から敵が来た

 

剣帝「次はアイツか…さっきのよりかなり強いな…ん?」

 

敵は剣帝に目もくれず走り抜けようとした

 

ナイトB「アンタの相手なんかせずにキングをやれば私達の勝ちだからね!通り抜けさせて貰うy…」

 

剣帝「抜けたと思ったか?馬鹿が」

 

やはり何時の間にか追い付いていた剣帝に首を斬り落とされてしまった

 

ナレーション「ナイトB、戦闘続行不可につき消滅を確認」

 

剣帝「残るはルークが2、ビショップ1、クイーンとキングか……ん?」

 

三人の女性が飛んで来た

 

剣帝「あぁ、飛べるんだったな…仕方無い」

 

剣帝はそう言うと翼を広げ中に浮き…姿を消した

 

ビショップB「周囲に注意しろ!」

 

ルークA.B「「言われなくても分かってる!」」

 

剣帝「注意してた所で音を捉えられはしない」

 

剣帝はそう言いながら三人の後ろに立っていた

 

ビショップ「なっ!?何時の間に!」

 

ルークA「アンタを倒せば私達の勝ちの確率は上がる!」

 

ルークB「だから、私達に倒されて!」

 

剣帝「無理、俺がお前等をもう倒したから」

 

ビBルA.B「「「はっ?」」」

 

剣帝が言葉を言い終わり三人が動こうとした、だが、足が動かなかった、腰を斬られていた

 

剣帝「さてと、後はクイーンとキングかな……持ち場にかーえろっと」

 

ビショップ「せめて…道連れn…」

 

通り際にルーク達とビショップの首を斬った

 

ナレーション「ビショップB、ルークA、B、戦闘続行不可につき消滅を確認」

 

剣帝「さてと、キング達は何時頃来るかな?っと」

 

剣帝は遠くから飛んで来た弾丸を平然と躱した

 

剣帝「ほぉ?銃なんて近代武装が出て来るとはねぇ」

 

そんな事を言っている剣帝の頭上に魔法陣が展開され大量の氷が降り注いだが、剣帝はそれを難なく回避

 

剣帝「狙撃がキングで魔術はクイーンかな…」

 

そうこう喋っていると剣帝の後ろから声がした

 

セラフォルー「剣帝君」

 

剣帝「セ、セラフォルー様!?何故此処に?」

 

セラフォルー「剣帝君が大丈夫か見に来たんだけど、駄目だった?」

 

剣帝「駄目って訳ではないですが……よっと」

 

剣帝は平然と躱したが

 

セラフォルー「痛っ!…脚が…」

 

セラフォルーに当たった、いや、敵達は元々から今回はセラフォルーを狙って撃ったのだ

 

剣帝「………貴様等…俺の主を…俺の大切なセラ様を傷付けたな」

 

剣帝の髪がどんどん紅くなっていく

 

剣帝「…許しはせんぞ…絶対にだ」

 

そう言った剣帝の手には真紅に燃え盛る炎の玉が有った、そして、剣帝はセラフォルーを抱きかかえて空高く飛び上がった

 

剣帝「消えるが良い、灼熱乱舞(ゾンネ・エクスプロージョン)!!!!」

 

剣帝はそう言い放ち右手にあった炎球をレーディングゲームの舞台に投げ付けた、すると、炎球が大爆発を起こし舞台は消し飛んだ

 

ナレーション「え、えーっと…クイーンとキングの身体の消滅を確認…このレーディングゲーム、セラフォルー・レヴィアタンチームの勝利です!」

 

剣帝「フンッ、雑魚共が」

 

その後セラフォルーの許嫁は無しとなった、そして、セラフォルー達は転送魔法で自分達が居た部屋に戻っていた

 

セラフォルー「御免ね剣帝君…私が勝手な事をしたから剣帝君怒るような事になっちゃって」

 

剣帝「良いんですよ。俺の主を傷付けたアイツラが悪いんですから。ですから。顔を上げて下さい」

 

セラフォルー「で、でも…」

 

剣帝「良いですから。顔を上げてくださいってば、俺はセラフォルー様の顔が見たいんですから」

 

セラフォルー「………嫌」

 

剣帝「はい?」

 

セラフォルー「さっきみたいにセラ様って呼んでくれないと嫌!」

 

剣帝「………仕方が有りませんね…セラ様…お願いですから顔をお見せ下さい」

 

セラ「…分かった」

 

そう言いセラフォルーは顔を上げた

 

剣帝「やっと顔を上げて下さりましたか」

 

そう言ってる剣帝は眼鏡がない状態で笑っていた

 

眼鏡がない状態の剣帝を見てセラフォルーは驚いた様子で剣帝に首を傾げた

 

セラ「剣帝君、もしかして眼鏡無くても見えるの!?」

 

剣帝「えっ?あぁ、道理でよく見えると思った…いやー、あの眼鏡実は伊達なんですよ、だから、無くても見えます」

 

セラ「それじゃあ、今後は眼鏡しないでね!」

 

剣帝「えぇっ!?何でですか?」

 

セラ「だって、無い方が格好良いんだも〜ん、だから、主からの命令です!私が付けてって言わない限りは眼鏡するの禁止!」

 

剣帝「そ、そんなぁ〜」

 

そんな二人の様子を扉の隙間から見てる人が二人

 

フォルストゥ「あの様子では、セラは剣帝君が好きみたいですね。アナタ」

 

ジェラード「あぁ、彼ならばさっきの戦闘ぶりを見る限り文句無しだ」




今回は戦闘回でした。
途中で一度剣帝がキレて全部ふっ飛ばしちゃいましたからね。
対戦相手のトラウマになってなければいいのですが。
それでも皆様、次回もお楽しみに


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五話「魔王の従者との面会」

あらすじ

セラフォルーの眷属となった剣帝はシトリー邸に向かいセラフォルーの両親と挨拶を行った、その翌日レーディングゲームに初めて参加して敵を圧倒していた、だが、その途中に自分の主であるセラフォルーが傷付けられ激昂した剣帝はレーディングゲームの舞台を吹き飛ばす威力の魔術を撃ち放ち見事勝利を収めた

――――――――――――――――――――――

レーディングゲームから数日後、セラフォルー邸にて

 

セラ「ねぇねぇ、剣帝君」

 

剣帝「何ですか?セラ様」

 

セラ「こっそりソーたんに会いに行かない?」

 

剣帝「ソーナ様にですか?駄目ですよ。まだ仕事が片付いてませんし」

 

セラ「も〜、剣帝君の意地悪」

 

剣帝「そうは言われましてもね、終わらせないと休めませんよ」

 

セラ「………は〜い」

 

剣帝(………仕方無いなぁ)

 

剣帝「セラ様、そっちの書類渡して下さい」

 

セラ「えっ?あっ、うん、はいど〜ぞ」

 

剣帝「どうも……さて、やるかな」

 

そう言いながら剣帝はさっきまでの倍の速度で書類を片付け始めた

 

セラ「えっ!?剣帝君そんなに早くして大丈夫なの!?」

 

剣帝「なぁに、単なる体慣らしですよ。はい、お終い」

 

剣帝はそう言いながら全ての書類を片付けた

 

剣帝「さてと、仕事が終わりましたし、この後は何をします?ソーナ様に会いに行かれますか?セラ様」

 

セラ「うん!有り難う剣帝君!!」

 

剣帝「はて、何の事やら?それより急がないとまた仕事が舞い込んできますよ?」

 

セラ「あっ、そっか、それじゃあ、急いで人間界に行こっか」

 

剣帝「畏まりました」

 

そう言い二人は転送魔法陣を展開し人間界へ向かった

 

セラ「此処がソーたんの通ってる駒王学園だよ〜」

 

剣帝「ふむふむ、それでは私は少々散策して来ますので、ご用事の場合は此方の番号にかけて下さい」

 

セラ「えっ!?一緒に来てくれないの?」

 

剣帝「………ソーナ様を驚ろかせたくはないですか?例えば、俺の事を少し秘密にして後でバラすとかして」

 

セラ「あっ!それ楽しそう!」

 

剣帝「そうでしょう?でも、俺とセラ様が一緒だと驚かないかも知れませんし。ですので、後で俺の電話に掛けて呼ぶと言うのは如何でしょうか?」

 

セラ「うん!そうしよ!」

 

剣帝「それでは、また後で」

 

セラ「は〜い、また後でね〜」

 

剣帝「さてと……此処に来るのも数日ぶりか…」

 

そう呟きながら剣帝は町を散策し始めた

 

剣帝「えーっと、確かこの辺にあるゲームセンターでセラ様と会ったんだよなぁ…ん?」

 

ゲームセンターを見ていると店内に不良らしき人影が見える

 

剣帝「(´Д`)ハァ…何時の時も居るなぁ、あぁ言うの」

 

剣帝がゲームセンターの前を通り抜けようとしたら

 

富士田「あぁー!!テメェは!!」

 

剣帝「ん?何だ誰かと思ったら初夢三人集か」

 

三人「「「誰が初夢三人集だ!!」」」

 

そう叫んだ三人の後ろにはもう一人いる

 

剣帝「アレ?今回は人数増えてるな」

 

富士田「あぁ、やっと見つけたぜ、今日こそテメェをぶちのめしてやる、やって下さい!座頭市無華(ざとういちむけ)先輩!!」

 

富士田がそう言うと後ろからスキンヘッドで大柄で体格の良い筋肉質で背丈190は有ろう男がのっそりとやって来た

 

座頭市「ほぉ、貴様が俺の後輩を虐めたという輩か」

 

剣帝「別に虐めてねぇけど?」

 

座頭市「御託も言い訳も聞かん!」

 

そう言いながら座頭市は剣帝に殴り掛かった

 

剣帝「ふぅーん?あの三人よりは良さそうだが、鈍い!」

 

そう言うと剣帝は拳に向けて三人に撃ったものより少し強めのデコピンを放った、すると、座頭市の手が腫れ始めた

 

剣帝「まぁ、こんなもんか、それは単なる打撲だから一週間もすれば治る、もっと悪化させたきゃ来な、骨を叩き折ってやるから」

 

剣帝はそう言うと四人を睨んだ

 

三人「「「ひぃっ!!」」」

 

剣帝「あー、ちょいと疲れたなぁ………ん?」

 

剣帝が歩いていると電話が鳴り始めた

 

剣帝「はい、もしもし?あぁ、如何なさいましたか?セラ様……はい!はい!畏まりました。では、すぐにそちらに向かいます」

 

剣帝はそう言うと駒王学園に向かって走り始めた

 

―駒王学園:生徒会室―

 

ソーナ「お姉様、本当に眷属が出来たのですか?それも男性の方が」

 

疑っているような目をセラフォルーに向けながら質問している

 

セラ「うん、もうすぐ来るって!」

 

ソーナ「もうすぐですか…で、その方は現在何をなされてたと?」

 

セラ「町の散策って言ってたけどすぐにそちらに向かいますって言ってくれたし、後一分で来るんじゃないかな?」

 

セラがそう言った次の瞬間扉が開いて剣帝が入って来た

 

剣帝「( ´ー`)フゥー...セラ様、私来るまで何分程掛かりました?」

 

セラ「ん〜、三分だね」

 

剣帝「三分…ふむ、やはり少し鈍りましたかね…」

 

ソーナ「お姉様、そちらの方が眷属の方ですか?」

 

少し驚いたような顔をしながらソーナはセラフォルーに訊ねた

 

セラ「うん!剣帝君って言うんだけど、すっごく優しくて強いの」

 

剣帝、「どうも、ソーナ様、セラ様の眷属の妖悪剣帝と言う者です。以後、お見知り置きを」

 

ソーナ(どうやら本当だったようですね…それにしてもお姉様どうやってこんな方見つけたんでしょうか…)

 

疑う様に剣帝を見つめこう訊ねた

 

ソーナ「ところで、剣帝さんはお姉様の趣味はご存知ですか?」

 

剣帝「えぇ、知っていますよ?」

 

ソーナ「あの趣味をどう思われますか?」

 

剣帝「普通に女性らしくて可愛らしい趣味だなと思いますよ?というか、人の趣味にとやかく言うのは野暮ってもんです」

 

ソーナ「……一理ありますね…」

 

それを聞いた途端にセラフォルーが誇らしげにエッヘンとし始めた

 

剣帝「………セラ様?何をなされて居られるのです?」

 

セラ「ソーたんの眷属には男っ気が無いけど私には剣帝君が居るなぁって思って威張ってるの!」

 

ソーナ「私はちゃんと見定めてるんです!温情でなってもらったお姉様とは違うんです!」

 

ソーナがそう言って威張り始めた

 

セラ「うぅ…ソーナちゃんが無い胸を強調させながら虐めてくるよ〜、剣帝君! 」

 

セラフォルーはそう言いながら剣帝の胸に飛び込んだ

 

剣帝「よしよし、それは悲しいですねー、よしよし…ん?」

 

剣帝がセラフォルーを撫でながらソーナの方を見るとソーナも泣きそうな顔をしている

 

ソーナ(私もお姉様みたいな胸があれば……)

 

剣帝はその様子に気付いてソーナも撫で始めた

 

ソーナ「えっ?な、何をしてるのですか」

 

剣帝「ソーナ様も可愛らしいですからね。可愛らしい女性の顔を涙は似合いませんよ」

 

そう言いながら剣帝はソーナの涙を拭った

 

ソーナ「えっ、あっ、有り難う御座います…」

 

剣帝「いえいえ、普通の事ですよ」

 

剣帝は笑顔でそう言った

 

それを見たソーナは顔を伏せた、その顔は真っ赤だった




今回は剣帝がまたセラフォルー様とは別の方に好かれる回となりました。
いやー、これから先どう進展していくのでしょうかねぇ?
今回は早めに出せましたが。次回は遅くなるかもしれません。
ので、ゆったりとお待ち下さい


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六話「紅の魔王の品定め」

あらすじ

セラフォルーのちょっとしたワガママにより人間界の駒王学園へと向かった剣帝とセラフォルー、其処で生徒会長のソーナに会い話をした

――――――――――――――――――――――

剣帝が二人を撫でているとセラフォルーに電話が掛かって来た

 

セラ「電話だ、誰からだろ…あっ、サーゼクスちゃん

からだ…うん、サーゼクスちゃん?えっ?会議?今から?うん、うん、それじゃ、今から向かうね〜」

 

剣帝「セラ様、サーゼクス様は何と?」

 

セラ「この後会議だって、だから、帰ろ、剣帝君」

 

剣帝「畏まりました」

 

セラ「またね〜、ソーたん」

 

ソーナ「……ボソッ…もう来ないで下さい……」

 

ソーナが別れ際に言った言葉は剣帝は聞こえていたがセラフォルーには聞こえていなかった

 

剣帝「またお会いしましょうね、ソーナ様」

 

そう言い残して剣帝も退室した

 

セラ「剣帝君、後どれ位で魔法陣展開できる?」

 

剣帝「もう展開しました。ほら、行きますよ」

 

剣帝は自分の足下に転移用魔法陣を展開してセラフォルーを引っ張り転移した

 

セラ(剣帝君の腕の中ってやっぱり安心出来るなぁ…)

 

剣帝「セラ様?もう到着しましたよ?」

 

セラ「……えっ!?あっ、そ、そっか、うん、有り難うね剣帝君」

 

剣帝「いえいえ、お気になさらず」

 

セラ「そっか…あっ、そろそろ時間だし行こっか剣帝君」

 

剣帝「畏まりました。セラ様」

 

そう言い二人はとある館の中に入って行った

 

剣帝「此処は?」

 

セラ「此処はね〜、魔王として集まる場所だよ」

 

剣帝「ほぉ、つまり、仕事する場所ですよね?こういう場所があるのに何故、自宅で仕事してたんでしょうかね?」

 

そう言いながら剣帝はセラフォルーを見た

 

セラ「え、えーっとぉ、それはぁ……」

 

セラフォルーは冷や汗をかきながら困った顔をしている

 

剣帝「まぁ、俺の慣れてる場所の方が良く仕事出来ますし。文句なんか無いですがね」

 

セラ「も~、それなら問い詰めるようなことしないでよ!剣帝君!!」

 

剣帝「スイマセン、セラ様の可愛らしい困った顔を見たかったのでつい」

 

セラ「えっ!?そ、そうなんだ…」

 

セラフォルーは少し頬を赤くしてる

 

剣帝「えぇ、そうなんですよ。ですので、許して下さい」

 

セラ「………良いよ」

 

剣帝「有り難う御座います。セラ様」

 

二人が話していると上の会から声がした

 

??「セラ、着いていたのなら何故上に…隣の君はセラの眷属かい?」

 

セラフォルー達が見ると其処には紅髪の男性が居た

 

セラ「あっ、サーゼクスちゃん!そうだよ!剣帝君って言うんだけどすっごく優しくて強いの」

 

剣帝「お初に御目に掛かります。サーゼクス様、セラ様の眷属の妖悪剣帝と言う者です、以後お見知りおきを」

 

サーゼクス「ふむ、私はサーゼクス・ルシファー、現魔王の1人でセラの同僚だ」

 

剣帝「そうですか…そういえば、サーゼクス様には妹君や弟君は居られないのですか?」

 

サーゼクス「一人居るよ、リアスと言うのだがね、可愛いのだよ」

 

サーゼクスはニコニコしながら妹について喋り始めた

 

剣帝「そ、そうですか…そういえば、本日は会議と聞いたのですが?」

 

サーゼクス「おっと、危うく忘れる所だったよ、少し堕天使が人間界の駒王町で見られるようでね、それについて会議をするつもりなんだよ」

 

剣帝「だ、そうですよ?セラ様」

 

セラ「堕天使がソーたんの居る駒王町に……ソーたんが危ない!!」

 

出口に向かおうとした

 

剣帝「はい、ストップ」

 

剣帝が腕を伸ばして止めた

 

セラ「剣帝君!!離して!!」

 

剣帝「何もセラ様が手を汚す必要は無いでしょう…」

 

セラ「じゃあ、誰が堕天使を倒すっていうの!?」

 

剣帝「俺が行きますよ、だから、安心して下さい、良いですね?」

 

セラ「…………分かった…でも!ちゃんと無事に帰って来てね?」

 

剣帝「分かってますよ。それでは行って来ます」

 

そう言い残して剣帝は転移用魔法陣に消えた

 

サーゼクス「セラ、彼はどれ位強いのかな?」

 

セラ「多分、私より強いよ」

 

―駒王町―

 

剣帝「着いたな…さて、何処に糞烏共は居るかな?」

 

剣帝は音速で静かに足音をたてないように街の中を堕天使を探しながら走る、そして、人気の無い小道に辿り着いた

 

剣帝「この辺りで気配が…おっと!」

 

剣帝がバク転するとさっきまで剣帝が立っていた場所に光の槍が刺さった

 

堕天使A「悪魔風情が、我々の眼の前に現われよって…生きて帰れると思うなよ!」

 

空にはおよそ20人程の堕天使が飛んでいる

 

剣帝「あぁ、そういうの良いから、とっとと来な、雑魚共」

 

剣帝がそう言った次の瞬間20本の大小それぞれの光の槍降り注ぐ

 

堕天使A「フハハハハッ、どうだ!避けられまい!」

 

だが、光の槍は地面に当たるよりも前に全て爆発を起こして消し飛んだ

 

堕天使A「何!?」

 

剣帝「この程度か?(´Д`)ハァ…お前等がもうちょっと強かったら"アレ"が使えたのにな…残念だよ」

 

剣帝はそう言いながら姿を消した

 

堕天使A「フハハハハッ、口ではあんな事を言いつつ逃げたか!」

 

剣帝「誰が逃げたって?」

 

堕天使A「なっ!?貴様何時の間に」

 

剣帝「何時でも良いだろ?それにそんな事知った所でもう遅い、消えろ」

 

剣帝がそう言うと堕天使がAを残して全員爆発した

 

堕天使A「な!何をした!?」

 

剣帝「教えても無駄だから、教えない」

 

堕天使A「答えろ!!」

 

堕天使Aは剣帝に右腕を伸ばしたが…剣帝に触れる事なく右腕は地面に落ちた

 

堕天使A「な、何ぃぃぃ!?何時だ!何時の間に切られた!!」

 

剣帝「あーもー、うるさいなぁ」

 

堕天使A(ま、マズイ、今は逃げねば…コイツは強過ぎる…逃げて報告しないと!)

 

堕天使Aは飛んで逃げようと翼を広げたが、翼が動かなかった

 

剣帝「逃がすと思った?」

 

何故なら剣帝が掴んでいたからだ

 

堕天使A「ヒ、ヒィィィ!た、頼む!見逃してくれ!!」

 

剣帝「お前見逃して俺に何のメリットがある?」

 

剣帝はそう言いながら少しづつ翼を引っ張り始めた

 

堕天使A「うぅ…わ、私を見逃せば堕天使に恩を売れるぞ!」

 

剣帝「こんな物に興味無い」

 

堕天使Aの翼はブチブチと音をたてて千切れ始めた

 

堕天使A「ギャアァァァ!止めろぉ!!頼むから離してくれ!!」

 

剣帝「断る、堕ちた者にはもう翼なんて要らないだろ?」

 

剣帝はそう言うと堕天使の翼を活き良いよく引き千切った

 

堕天使A「ギャアァァァ!き、貴様!許しはせんぞ!必ず殺してやる!」

 

剣帝「あっそ、テメェにゃ無理だわ」

 

堕天使A「あぁ!確かに私には無理だろう!だがな、せめて一矢報いるくらいはしてやる!ウオォォォォ!!」

 

剣帝の首に向けて光の槍を投げようとしたが

 

剣帝「無駄だ」

 

剣帝が指を鳴らすと光の槍を投げる事なく堕天使は爆発した

 

剣帝「(´Д`)ハァ…汚え花火だ」

 

剣帝の周りには爆発した堕天使の死体が転がっている

 

??「な、何ですか?この惨状は」

 

剣帝「ん?誰だ!」

 

剣帝の後ろから声が聞こえて振り返った先に居たのは白髪の少女だった




今回はサーゼクス様との顔合わせと堕天使相手に無双する回でした。
最後に出て来た少々は分かる人には分かります。
次回は早めに上げれるかわかりません。
ので、ゆったりとお待ち下さい


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第七話「白猫と実力差」

あらすじ

サーゼクスに会議だと呼ばれたセラフォルーと剣帝、その議題は堕天使についてだった、駒王町に堕天使が居ると聞いて行こうとするセラフォルーを止め自分が向かった剣帝、そして、堕天使と戦闘を行い殲滅した、その際に白髪の少女に現場を見られた

――――――――――――――――――――――

剣帝(ヤッベェ、見られたなぁ…)

 

??「……これをやったのは貴方ですか?」

 

剣帝「え、えぇ?何の事かな?」

 

??「……こんな惨状の真っ只中に居たら惚けても無駄です」

 

剣帝「………それもそうか…で?警察でも呼ぶのか?」

 

??「……この羽根は…堕天使…」

 

そう言いながら彼女は地面に落ちていた黒い羽根を拾った

 

剣帝(ん?羽根を見て堕天使って言ったって事はつまり…悪魔側かな?)

 

剣帝「ひとつ訪ねたいんだが、君の名前は?」

 

剣帝は彼女に一歩近付いて聞いた

 

??「……人に名前を聞く時は自分から名乗るものですよ?」

 

剣帝が近付いたのに反応したのか少し後退りした

 

剣帝「あぁ、スマナイ、俺は妖悪剣帝、ちょっと前に悪魔になった者だ」

 

??(ちょっと前でこの実力?)

 

彼女は訝しそうに剣帝を見る

 

剣帝「さて、君の名前は?何て言うのかな?お嬢ちゃん」

 

小猫「………私の名前は塔城小猫です」

 

少し警戒しながらも自分の名前を教えた

 

剣帝「ふむふむ、可愛らしくて良い名前だね」

 

小猫「……初対面で女性にそんな事を言うなんて、貴方は変態ですか?」

 

剣帝「酷いなぁ、俺は単に思った事を言っただけだよ?」

 

小猫「……そうだとしても初対面で言う言葉じゃないと思うんですが?」

 

剣帝「…………それもそうかな…」

 

剣帝はそう言うと少し考えるような体制をとった

 

小猫(今の内に部長に連絡を!)

 

小猫は連絡用魔法陣を展開して自分の主に連絡した

 

剣帝「ん?何してるのかな?小猫ちゃん」

 

小猫「………貴方は知らなくて良い事です」

 

剣帝「えー、お兄さんちょいと気になるなぁ」

 

剣帝と小猫がそんな会話をしていると頭上から声がした

 

??「私の任されている町で何をしているのかしら?」

 

剣帝「ん?誰だ?」

 

剣帝が上を見ると其処には紅色の髪をした女性が居た

 

剣帝(あの髪色……あぁ、サーゼクスさんの妹君か…)

 

リアス「何をしていたかと誰の眷属か速く答えなさい!」

 

剣帝「えー、俺h…」

 

剣帝が喋ろうとしていたら剣帝の携帯が鳴り始めた

 

剣帝「ん?ヤベッ!流石に時間掛けすぎたか!?……あっ、はい…はい……はい、今から戻ります…はい、心配掛けてしまってゴメンナサイ…はい」

 

剣帝は通話を切ると即座に転移用魔法陣を展開した

 

リアス「ちょっと!待ちなさいよ!!」

 

剣帝「では、失礼します。私の主が呼んでいますのでね」

 

剣帝はそう言い残して魔法陣に消えた

 

リアス「………彼は何者だったのかしら」




今回はリアスさんとの顔合わせ的回となりました。
次回はどれくらいで出せるか分かりませんのでゆったりとお待ち下さい


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閑話「黒猫と神々の王」

これはハイスクールD×Dの二次創作品です
キャラ崩壊がある程度含まれるかもしれません
本編とはある程度関係無いです
それでも良いよって方はゆっくり見て行ってね



夜鴉「さぁて、来てみたけどまさかここに来るとはねぇ?」

 

??「いきなり魔方陣も使わずに転移してきた奴が居ると聞いて来てみたけど、流石にこれは勝てる気がしないにゃん。」

 

彼は大量の人間の山のてっぺんに座って欠伸をしていた。

 

夜鴉「黒猫ちゃん、可愛いね?俺の配下にならない?」

 

黒歌「私には黒歌って名前があるにゃん。」

 

夜鴉「じゃあ可愛い黒歌ちゃん。俺の配下にならない?」

 

黒歌「・・・メリットは?」

 

黒歌は彼を訝しげにジロジロ見るが夜鴉はそんな事を気にせず黒歌にウインクしながら答える

 

夜鴉「君の悪魔になってる原因の駒を取り除く事、そして自由だね。どうだい?」

 

黒歌「なっ!そんな事出来るわけがないにゃん!出来るならとっくにやってる者がいるはずにゃん!」

 

黒歌は驚愕したと同時に否定した。黒歌の常識には到底無理な事だったからだ。だが、彼は顔色を変えず、否むしろ先程より口角が上がったように黒歌は感じた。

 

夜鴉「たしかに君達じゃ出来ないしどんな魔王でも無理だろう」

 

黒歌「なっなら!」

 

夜鴉「しかし!俺は出来る、何故なら俺だから。俺に不可能は無い」

 

黒歌は驚きを通り越して呆れていたがここまで断言するのには理由があるはずだと考えたが答えは一向に出てこなかった。

 

それを見かねた彼は溜め息混じりに黒歌に質問した。

 

夜鴉「君は神達の神話と言うのは聞いたことはあるかい?」

 

黒歌「神の神話?神は神話で出てくる物にゃんよ?」

 

夜鴉「神々が神話として語り継いでる物さ。そこに出てくるのが俺なんだよ。天照にでも聞いてくると良い」

 

黒歌はもう驚かなくなっていた。嘘だと信じた方が楽だと感じたからだ。

 

だが彼は黒歌の事などお構い無しに続けた。

 

夜鴉「信じないなら良いさ、だけど本当の事さ。まぁこの話を断れば君の妹がどうなっても知らないがね」

 

黒歌は最後の一言に全身の毛を逆立てた。彼は先程までの飄々とした雰囲気とは一変して明確な殺意を感じ取ったからだ。

 

しかし黒歌は攻撃する事が出来なかった。ただただ恐怖し一歩も動けなかったからだ。だがそこに救いとも思える足音が聞こえた。

 

??「王、来るなら先に言う。皆、攻撃してしまう。」

 

夜鴉「オーフィスちゃんか、たまたまここに着いただけだからね。連絡出来る訳無いじゃん。」

 

オーフィス「なるほど、じゃあなんで黒歌と話してる?」

 

夜鴉「可愛いから連れて帰ろうとね」

 

黒歌は目を丸くしていた。あの無限の龍神、ウロボロスドラゴンと言われるオーフィスをちゃん付けしたのも驚いたがオーフィスは彼の事を王と呼んでいた。

 

黒歌は妹の身と自分の身の事を考え配下になることを決意した。

 

夜鴉「で、黒歌ちゃん。答えは決まったみたいだね。」

 

黒歌「わかったにゃん。あなたの配下になるにゃん。」

 

夜鴉「じゃあ、これを身に付けてね」

 

彼から黒歌に渡されたのは黒と白が混じりあった鎖であった。黒歌はそれを腕に近付けるとその鎖は黒歌の腕に巻き付いた。

 

黒歌「にゃん!!なんなのこの鎖離れないにゃん!」

 

夜鴉「カッカッカッ、黒歌ちゃんの手助けになる物だよ。次は黒歌ちゃんを妖怪に戻してあげるよ」

 

彼は人間の山から跳び降り、そして黒歌の胸を貫いた。

 

黒歌「キャア!あれ?痛くない。なんで?」

 

夜鴉「ほら、これが黒歌ちゃんを悪魔にしていた駒だね。」

 

彼は黒歌の胸から手を引き抜いて駒を砕き黒歌の頭を撫でた。

 

夜鴉「これから一緒に色んな所に行こう。大丈夫俺がついてるからさ。」

 

黒歌「わかったにゃん。じゃあ行くにゃん!・・・ありがとう。」

 

彼は空間をねじ曲げ冥界へ向かった。その後ろには黒い猫の妖怪がついて歩いていた。




前回が小猫ちゃんが主に出て来た回でしたので。
今回は黒歌さんの回となりました
次回は早く出来るかわかりませんのでゆったりとお待ち下さい


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第八話「二人の赤龍帝」

あらすじ

堕天使を爆殺していたのを塔城小猫に見られた剣帝、その後小猫にリアス・グレモリーを呼ばれ質問されたがセラフォルーに呼ばれ名乗る事なく冥界へと帰った

――――――――――――――――――――――

堕天使達を爆破してから数日後

 

セラ「ね~、ね~、剣帝君」

 

剣帝「何ですか?セラ様」

 

セラフォルーの前にはまだ書類が山のようにあるが剣帝の前には少ししかない

 

セラ「剣帝君の方が先に終わりそうだから、お願い聞いて?」

 

剣帝「何ですか?お願いって」

 

セラ「今日人間界で発売するグッズが有るの!それを買って来てくれない!?」

 

剣帝「………(´Д`)ハァ…仕方無いですねぇ。丁度今終わりましたし。良いですよ」

 

セラ「有り難~!」

 

剣帝「いえいえ、己が好んでなった眷属となった主のお願い位は聞きますよ。では、行って来ます」

 

剣帝はそう言って魔法陣に消えた

 

セラ「い、今、好んでって……よーし!!頑張るぞ~」

 

セラフォルーはその時赤面しながら必死に仕事をしていた

 

―駒王町―

 

剣帝「えーっとぉ、頼まれのはステッキとポスターと……多いけどまぁ、持ち帰れなくはないかな」

 

剣帝はそう言うとアニメグッズが売っている店へと足を運んだ

 

剣帝「えーっとぉ、セラ様からのお願いの品は……これとこれとこれだな」

 

剣帝はそう言いながら店内の魔法少女ブースにあるポスターとフィギュアを持った

 

剣帝「えーっと、他には何が有るかなぁ?……っと、その前に会計済ませてくるかな」

 

剣帝がレジに向かう途中面白そうな本を見つけた

 

剣帝(おっ、何だこれ?読んでみるか)

 

手に取ろうとしたら別の手に当たった

 

剣帝「おっと、スイマセン」

 

??「此方こそ悪いな…えっ?何だよこんな時に…」

 

手の主は茶髪の高校生だった

 

剣帝(左手…ふぅん、今の"アイツ"の持ち主かな…っと、その前に会計済ませてくるか)

 

剣帝は足早にレジに向かい会計を済ませた

 

剣帝「割と安かったな……(´ヘ`;)ウーム…用事を済ませたいし、転送するか」

 

剣帝はそう言うと狭い路地に入って手荷物を全て魔法陣に入れて冥界にあるセラフォルー邸に転送した

 

剣帝「さってっと、散歩でもするか」

 

そう言って剣帝は街をブラブラと歩き始めた、その後ろに二人の尾行者が

 

??「本当に彼に触れたら赤龍帝が?」

 

??「あぁ、間違いねぇ、アイツに触れた後すぐに俺に喋りかけてきたんだ」

 

剣帝「フンフフーン、セラ様にお菓子でも買うかな」

 

剣帝(後ろから俺を見てるのが三人…当代の赤龍帝と…一人はお仲間かな?まぁ良いや)

 

剣帝「スイマセーン、これとこれとこれ下さーい」

 

??「何でお菓子なんて買ってるんだ?」

 

??「さぁ?何でだろうね」

 

剣帝「さてと、帰るかな、腐ると不味いしな」

 

剣帝はそう言い人気の無い枯れ木道に向かった

 

剣帝「さってっと、其処に隠れてる二人、出て来いよ」

 

??「へぇ、僕等に気付いていたんだね」

 

剣帝に言われて木の影から金髪の男と茶髪の男が出て来た

 

剣帝「当然だろ、町中で魔力放ってんのテメェ等位だったし、もう一人に至っては……よぉ、久し振りだな」

 

剣帝は茶髪の男に向けてそう言った

 

??「一誠君、彼は君の知り合いなのかい?」

 

一誠「はぁ!?俺あんな奴知らねぇよ!」

 

剣帝「いやいや、君には言ってないよ、君の中に居る奴に言ったのさ、おーい、だんまりか?ドライグ」

 

その言葉に反応してか一誠の左腕が赤い篭手の様になり声がし始めた

 

ドライグ《やはりお前か》

 

剣帝「あぁ、そうだよ、俺だよ、懐かしいねぇ、お前等の尻尾を切り裂いてやったがあの後は無事に生え直したか?」

 

ドライグ《フンッ、心配されずともちゃんと治ったぞ、ところで、何故お前が生きている?》

 

剣帝「んー、秘密かな」

 

一誠「お、オイッ、ドライグ、アイツは誰なんだよ」

 

ドライグ《名前までは俺も知らん、だが、奴は俺よりも強いぞ、その上奴もブーステッドギアを持っている》

 

一誠「はぁ!?何だよそれ!!ブーステッドギアって一つじゃないのかよ!」

 

ドライグ《いいや、一つだとも、だが、奴も何故か持っているのだ》

 

一誠「何だよそれ!!」

 

剣帝「オイコラ、テメェ等の話なんざどうでも良いからとっとと来い、折角買った菓子が駄目になるだろうが」

 

そう言いながら剣帝は魔力を開放した

 

ドライグ《来るぞ!》

 

一誠「行くぞ!木場!!」

 

木場「あぁ!分かったよ一誠君」

 

剣帝「速急に片を付ける」

 

木場と一誠は剣帝に同時に攻撃した、だが、当たる前に剣帝は姿を消した

 

一誠「なっ!?アイツ何処行きやがった」

 

木場「居たよ!彼処だ」

 

木場は枯れ木の上を指差した、其処には枝の上に立っている剣帝が居た

 

剣帝「お前等鈍過ぎ、それでも悪魔か?」

 

剣帝(まぁ、この前の雑魚共よりは良い動きしてるけどな)

 

剣帝「さてと、それじゃ、片付けるかねぇ」

 

そう言って剣帝はまた姿を消した

 

一誠「今度は何処に行っ…ガハッ!!」

 

剣帝「先ずは赤龍帝からだ」

 

剣帝は一誠の鳩尾に一撃だけ軽く蹴りを入れた

 

一誠「グフッ…」

 

剣帝「一時間で動けるようになるから安心しろよっと」

 

木場「くっ、イッセー君。くそっ!うおぉぉぉ!」

 

剣帝に向けて斬撃が放たれた

 

剣帝「オイオイ木場とやら、人の話は最後まで聞けよ?」

 

木場「関係無い…僕は彼を…仲間を守る」

 

剣帝「あーそー…なら、掛かって来な」

 

木場「ハァァァァァ!!」

 

木場は剣帝に向けて思いっきり剣を振るった

 

剣帝「俺、鈍いって言わなかったっけ?」

 

だが、剣帝に剣はかすりもしなかった、指二本で受け止められたからだ

 

木場「何っ!?」

 

剣帝「(´Д`)ハァ…もうちょっと強くなりな」

 

剣帝はそう言い木場の鳩尾に一撃だけ軽い殴りを叩き込んだ

 

剣帝「ざっとこんなもんだろ、じゃあな、少年」

 

剣帝はそう言い残して魔法陣に消えた

 

―冥界―

 

剣帝「セラ様ー、只今戻りましたー」

 

セラ「お帰り、剣帝君」

 

剣帝「いやー、グッズ以外のお土産選んでたら帰るのが遅れました。はいこれお菓子」

 

そう言って剣帝は駒王町で自腹で買ったお菓子をセラフォルーに渡した

 

セラ「私が貰っちゃって良いの?剣帝君食べないの?」

 

剣帝「良いんですよ。元からセラ様に差し上げる予定で買ってきましたし」

 

セラ「ん~、剣帝君も一緒に食べよ!」

 

剣帝「えっ?あの、それ、俺のじゃないですし、セラ様に差し上げた物ですし」

 

セラ「良いから、良いから~」

 

剣帝((´Д`)ハァ…セラ様の我儘には勝てませんね)

 

そう思いながら剣帝とセラフォルーは一緒にお菓子を食べた




投稿遅れてスミマセン、少々用事がありまして投稿が出来ませんでした。
さぁ!今回遂に一誠君登場回ですが。
思いっきりボコボコにしてしまいました。
まぁ、きっと彼ならば立ち直るでしょう。
次回もお楽しみに!


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第九話「従者と不死鳥」

あらすじ

セラフォルーのお願いにより人間界に向かった剣帝、偶然そこで兵藤一誠に出会った

その後ドライグに気付かれ戦闘を仕掛けられたが一誠達を一撃で倒し冥界へと帰るのであった

――――――――――――――――――――――

一誠達を殴り飛ばしてから数日経過したある日

 

セラ「ね~、剣帝君」

 

剣帝「どうしました?」

 

セラ「またお願いが有るの」

 

剣帝「またですか?…今回はお使いとかじゃ無さそうですね…で?そのお願いの内容とは?」

 

剣帝がセラフォルーの方を見るとセラフォルーは真面目な顔をしていた

 

セラ「内容はね、ソーたんの護衛をして欲しいの」

 

剣帝「ソーナ様の護衛?暗殺予告でも来てるんですか?」

 

セラ「そうじゃないんだけどね…ちょっと、心配な事があるの」

 

剣帝「心配な事とは?」

 

セラ「近々フェニックスのライザー君って子が駒王学園に向かうらしいんだけど…ライザー君は女ったらしって噂を良く聞くから…」

 

剣帝「それでの護衛ですか」

 

セラ「駄目?」

 

剣帝「(´Д`)ハァ…俺が一度でもセラ様のお願い断った事有りましたっけ?」

 

セラ「それじゃあ!」

 

剣帝「行きますとも。大切な主の妹君ですし。では、失礼致します」

 

そう言い残して剣帝は魔法陣へと消えた

 

セラ「今度は…大切って……やったぁー!!!」

 

セラフォルーはゴロゴロと転がって悶絶していた

 

―人間界:駒王学園―

 

剣帝「これで来るのは二度目ですかね…さて、生徒会室にでも向かいますかね」

 

そう言いながら剣帝は生徒会室に脚を進めた

 

剣帝「えーっとぉ、生徒会室は何処だっけな?」

 

剣帝は少しだけ迷っていた

 

??「あのぉ、生徒会室に何か御用が有るんですか?」

 

剣帝が困っていると後ろから声がした

 

剣帝「えぇ、ちょっと生徒会長に少々用事があるので…す……ん?」

 

剣帝が後ろを振り返ると金髪の少女が立っていた

 

??「でしたら御案内致しましょうか?」

 

剣帝「良いんですか?見ず知らずの俺の案内とかしても」

 

??「見ず知らずの人でも助けます。ですから。付いて来てください」

 

剣帝「スイマセン、そんじゃ、お言葉に甘えて」

 

??「いえいえ、お気になさらないで下さい、あっ、彼処です」

 

剣帝「有り難う御座います。そうそう、名乗るのを忘れていました。俺の名は妖悪剣帝、貴女の名前は?」

 

アーシア「私はアーシア・アルジェントと申します。アーシアとお呼び下さい」

 

剣帝「では、アーシアさん、また会う機会があれば御会いしましょう」

 

アーシア「はい、またお会いしましょう」

 

アーシアはそう言うと何処かへ去っていった

 

剣帝「さてと…俺は自分の仕事するか」

 

剣帝はそう言いながら生徒会室の扉を叩いた

 

ソーナ「誰です?」

 

剣帝「ソーナ様、俺ですよ。剣帝です」

 

ソーナ「け、剣帝さん!?どうぞ入って下さい」

 

剣帝「それじゃ、失礼します」

 

剣帝はそう言いながら室内に入った

 

剣帝「こんにちは、ソーナ様」

 

ソーナ「こんにちは、剣帝さん、本日はどういった御要件で此方に?」

 

剣帝「いやー、セラ様にソーナ様の護衛を頼まれましてね、なので来ました」

 

ソーナ「護衛って…ハァ…何の為にですか?」

 

剣帝「近々来るライザーとやらが女ったらしって噂を良く聞くそうですからね。その対応にでしょう」

 

ソーナ「はぁ、お姉様ったら…」

 

剣帝「良いお姉さんじゃないですか。妹思いで」

 

ソーナ「そうだとしても、度々困ります…」

 

剣帝「ふぅーん、ところで、さっきからそこで俺を多少睨んで来てるのは誰ですか?」

 

剣帝は栗色の髪をした男を見ていった

 

ソーナ「コラ!匙、彼を睨んだりするんじゃありません!」

 

匙「スイマセン会長」

 

剣帝「まぁまぁ、こんなにカリカリせず、俺は怒った顔より笑顔のソーナ様がみたいですから」

 

そう言うと剣帝はソーナを撫で始めた

 

ソーナ「わ、分かりました…」

 

ソーナの顔が赤いのを剣帝は気付いていないが匙は気付いて剣帝に殴り掛かった

 

剣帝「おっと、危ないですねぇ」

 

不意を付いたようだったが剣帝はさも当然の様に受け止めた

 

匙「チッ、受け止めやがったか」

 

ソーナ「匙!剣帝さんに何をしているのですk」

 

剣帝「構いませんよ。匙君の軽い実力試しをしたいですし。主の妹君の眷属の力をね」

 

ソーナ「そ、それならば、分かりました」

 

匙(何だよ!俺何か軽く捻り潰せるみたいに言いやがって…)

 

剣帝「さぁ、掛かってきな」

 

剣帝は右手に剣を持ち左手でちょいちょいっと指を動かして挑発した

 

匙「嘗めんじゃねぇ!」

 

匙はそう言うと黒色のカメレオンのような神具を左手の甲にだしその神具から線の様な物を出し攻撃した

 

剣帝「ふぅん、ブリトラ系か…中々良い物だな」

 

剣帝はそう言いながら匙の出した線の様な物を弾いた

 

匙「なっ!?」

 

匙が驚いて居ると剣帝が眼前に急接近していて顔面に一撃叩き込んだ

 

匙「グフッ…」

 

剣帝「まだまだ終わんねぇぞ!」

 

剣帝は流れる様に胴体をタコ殴りにした

 

匙「ガハッ、グフッ、ゲホッ、ウグッ…」

 

剣帝「ふむふむ、硬いな、それだけ魔力でガードしているという事か…悪くないな」

 

剣帝はそう言って殴るのを辞めた

 

剣帝「さて、手合わせの勝者を言って貰いましょうかね」

 

ソーナ「勝者!妖悪剣帝!!」

 

剣帝「彼の強さの感想はまぁ、良い感じですね。ドラゴン系の神具持ちですし」

 

匙「チクショウ…俺相手にゃ素手で充分だって言うのかよ……」

 

剣帝「いやー、強かったよ?俺が殴らないといけないなんてさ、俺は大抵の相手ならデコピンで充分だしね」

 

剣帝(まぁ、加減はしたけどね)

 

匙「つまり、俺が強くなればアンタに剣を使わせる事も…」

 

剣帝「あぁ、出来るかもね」

 

ソーナ(やっぱり剣帝さんは優しい…匙が殴り掛かったりしたのに全く怒らなかったしその上励ましたりするなんて…)

 

剣帝「それはそうと、例の…誰でしたっけ?焼き鳥・フェニックスでしたっけ?」

 

??「誰が焼き鳥だ!!俺の名はライザー・フェニックスだ!!」

 

その声の直ぐ後に炎が部屋の中に入って来る

 

剣帝「へぇ、もう来ないと思ってたぜ」

 

しかし、生徒会メンバーには一人たりとも炎が当たっていなかった、何故なら剣帝が炎を全て爆風で掻き消したからだった

 

ライザー「ほぉ?俺の炎を防ぐ輩が居るのか」

 

生徒会室前には金髪の男が立っていた

 

剣帝「あんなチンケな炎なんざ簡単に弾けるっての」

 

ライザー「何だと!!俺の炎がチンケな炎だと!」

 

剣帝「あぁ、何か文句あるか?」

 

ライザー「見た所、お前は転生悪魔の様だな」

 

剣帝「それがどうした?」

 

ライザー「お前の主は後ろに居る女か?」

 

ソーナ「えっ!?いえ、私でh」

 

剣帝「どうだろうな?テメェ風情に教える訳ねぇだろ」

 

ライザー「フンッ、今は結婚前だからな、決戦は勘弁してやろう」

 

剣帝「ハッ、フェニックスの癖に腑抜けだな」

 

ライザー「良かろう!腑抜けかどうかその身で確かめるが良い!」

 

ライザーが炎を拳に纏わせて剣帝に殴り掛かった

 

剣帝「残念、甘い」

 

剣帝はそう言うとさも当然の様に拳を躱してライザーを上半身を殴って消し飛ばした

 

ライザー「…な、殴りだけで俺を消し飛ばすだと…何者だ…貴様は…」

 

ソーナ「その人は妖悪剣帝、私の姉、セラフォルー・レヴィアタンの女王(クイーン)だそうです」

 

ライザー「げ、現魔王のレヴィアタンの眷属だと!?」

 

剣帝「あぁ、そうだよ?」

 

ライザー「す、スミマセンでした…そうとは知らずに…」

 

剣帝「良いよ良いよ、俺が挑発しちゃったんだし、それより大丈夫かい?反射的に上半身消し飛ばしちゃったけど」

 

ライザー「だ、大丈夫です!はい!」

 

剣帝「なら、良かったよ」

 

ライザー(ま、マズイ…魔王の眷属にあんな事を言ってしまった…)

 

剣帝「さてさて~、ライザー君、君は此処には何をしに来たのかな?」

 

ライザー「せ、生徒会長が美人と聞いたので見に来ました」

 

剣帝「それなら用事が終わったし、帰ろうか、ね?」

 

ライザー「は、はい!」

 

剣帝「それじゃあまたお会いしましょう、ソーナ様」

 

剣帝がそう言うと剣帝とライザーはそれぞれの魔法陣に消えた




今回は匙君とライザーとの面会的な話となりました。
次回はどうなるでしょうかね?
次回もゆったりとお待ち下さい


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第十話「立場とは儚くそして強い」

あらすじ

セラフォルーの命(お願い)によりソーナの護衛をする事になった剣帝、その際に匙の怒りに触れてしまった、その後、匙の力試しという、戦闘を行った

その後に生徒会室にやってきたライザー、剣帝の立場を知らずに噛み付くが剣帝の立場を知り、謝り帰るのであった

――――――――――――――――――――――

セラフォルーに頼まれてソーナの護衛をしてから数日後

 

―剣帝の自室―

 

剣帝(えーっとぉ…此処にこれだけ回したら…此方がこうなると…(´ヘ`;)ウーム…セラ様は今はサーゼクス様に呼ばれてどっか行ってるし…まぁ、良いか、仕事仕事っと)

 

剣帝は自分の部屋で何時もの倍の量の仕事をこなしていた

 

セラ「剣帝く~ん!」

 

剣帝が仕事をしていると扉を勢い良く開けてセラフォルーが入って来た

 

剣帝「如何なさいました?セラ様」

 

セラ「サーゼクスちゃんにリアスちゃんの婚約パーティーに呼ばれたから一緒に行こ?」

 

剣帝「でも…仕事が…」

 

セラ「お願い…剣帝君と行きたいの…」

 

セラフォルーは上目遣いで剣帝に言った

 

剣帝「仕方無いですねぇ」

 

剣帝はそう言うと数秒掛けて全ての書類を片付けた

 

剣帝「さっ、行きますか」

 

セラ「相変わらず剣帝君は速いね」

 

剣帝「普通ですよ。普通」

 

セラ(剣帝君の普通ってかなりズレてる気がするなぁ…)

 

剣帝「あのー、セラ様?急がなくて良いんですか?」

 

剣帝が足下に魔法陣を展開してる

 

セラ「あっ、今行くね~」

 

セラフォルーが魔法陣に入ると二人は魔法陣に消えた

 

剣帝「はい、到着しました」

 

セラ「それじゃあ、私はサーゼクスちゃんに挨拶してくるから自由にしてなよ~」

 

剣帝「では、そうさせて頂きます」

 

剣帝(結婚パーティーねぇ…ハァー、色んな上級悪魔が居るなぁ……おっ、あの方は…)

 

ソーナ「リアス…やはり乗り気では無さそうね」

 

リアス「えぇ、でも、レーディングゲームで負けたから…」

 

ソーナ「それならば仕方無いわね」

 

リアス「えぇ…」

 

剣帝「こんばんわ、ソーナ様、リアス様」

 

剣帝はソーナとリアスが話していたのを発見近付いた後、二人の会話が一区切りしてから声を掛けた

 

ソーナ「えっ!?け、剣帝さん何故此処に!?」

 

剣帝「セラ様に連れられて来ました」

 

ソーナ「あぁ、またお姉様ですか」

 

リアス(ソーナのお姉様って事は…)

 

リアス「ちょっと貴方!何で魔王様をセラ様なんて呼んでるのよ!」

 

リアスは剣帝に向けてそう言い放った

 

ソーナ「リ、リアス!!この人はお姉様のクイーンよ!?」

 

リアス「えっ!?魔王様のクイーン!?」

 

剣帝「えぇ、まぁ、はい」

 

リアス「そ、そんな方とは露知らずあの様な事を言ってしまい…スミマセン!」

 

リアスは剣帝の地位を聞くと今までの自分の態度を思い返し反省した様に慌てて頭を下げ始めた

 

剣帝「良いですよ。俺が言ってないのが悪いんですし。それに、今回のパーティーの主役が謝ったりするのは良くないです。なので、頭を上げて下さい」

 

リアス「は、はい、分かりました…」

 

リアスはそう言って頭を上げた

 

剣帝「うーん、それにしても皆楽しそうですねぇ。花嫁が乗り気じゃないパーティーで」

 

リアス「き、聞いてらっしゃったんですか…」

 

剣帝「えぇ、まぁ、言いふらしたりしませんので、御安心を…」

 

不意に剣帝は腕時計に一瞬だけ目を向けた

 

剣帝「っと、そろそろセラ様のそばに戻りますかね。それでは、またお会い致しましょう」

 

剣帝はそう言うと方向を転換して人混みに消えた

 

ソーナ「やっぱり剣帝さんは優しいなぁ…」

 

リアス「えぇ…そうね…」

 

剣帝(さぁてとぉ、そろそろ来るかなぁ)

 

剣帝はニコニコしながらセラフォルーの元に戻って行った




今回は一誠くんが結婚式に殴り込む少し前の話になりました。
次回はどうなるか、お楽しみに


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第十一話「恋の気持ちは神を超えて」

あらすじ

セラフォルーに連れられライザーとリアスの結婚パーティーに行った剣帝、其処でソーナとリアスを発見し声を掛け己の地位をリアスに明かした

――――――――――――――――――――――

ライザーとリアスの結婚パーティーから三日後

 

―セラフォルー自室―

 

セラ(この前の結婚パーティー楽しかったなぁ、リアスちゃんの眷属君すっごく頑張ってたし…ウエディング姿のリアスちゃん綺麗だったなぁ……私も何時か剣帝君と……)

 

セラ「キャアァァー!!////」

 

セラフォルーはそんな想像をしてゴロゴロと転がっていた

 

剣帝「セラ様!!先程悲鳴らしきものが聞こえたのですが如何はされましたか!?」

 

セラフォルーの叫び声を聞いて剣帝が扉を蹴り開けた

 

セラ「け、剣帝君!?な、何でも無いよ?」

 

剣帝「本当にですか?」

 

セラ「本当に何でも無いよ」

 

剣帝「それなら良いのですが…心配ですので此方の部屋で仕事をするとします」

 

セラ「えっ!?良いの?剣帝君、自分の部屋の方が効率が良いって…」

 

剣帝「良いんですよ。効率よりも大切な人の安全第一ですからね」

 

剣帝はそう言うと机に書類を置いて仕事をやり始めた

 

セラ(け、剣帝君が私の事大切って…また大切って言ってくれた…キャアァァー!!)

 

セラフォルーは剣帝の前なのでゴロゴロと転がりたい気持ちと叫びたい気持ちを心の中に抑えながら仕事をし続けていた

 

剣帝(さぁってとぉ~、これ終わらせた後は~…適当に駒王町でも散歩しに行くかな…)

 

セラ(きっと剣帝君の方が先に終わっちゃうだろうけど待ってて貰えるかな…一緒に町を歩きたいし…)

 

二人はそんな事を考えながら仕事を進めていく

 

~十分後~

 

剣帝(さてと…半分終わらせたし、飲み物でも淹れに行くか)

 

剣帝は席を立った

 

セラ「剣帝君、何処行くの?」

 

剣帝「飲み物を淹れに行って来ます」

 

セラ「なら、私の分も淹れて来て~、何時ものを」

 

剣帝「はい、畏まりました」

 

剣帝はそう言いながらキッチンに向かいコーヒーとカフェオレをカップに淹れた

 

剣帝「はい、セラ様、何時ものカフェオレです」

 

セラ「有り難う、剣帝君」

 

剣帝「いえいえ、従者として当然の事ですし」

 

剣帝はそう言うと席に戻り作業を再開し始めた

 

セラ(あー、剣帝君が淹れてくれたカフェオレ…いっつも美味しいなぁ)

 

セラフォルーはそう思いながら作業を続けた

 

剣帝「はい、終わりっと」

 

剣帝は自分の前にあった書類の山を片付けて席を立とうとした

 

セラ「待って、剣帝君!」

 

剣帝「何でしょうか?セラ様」

 

セラ「あのね…偶には剣帝君と冥界の街を歩きたいなぁって思ったんだけど…駄目?」

 

剣帝「……(´Д`)ハァ…そういうことは先に言っておいて下さい」

 

セラ「剣帝君何か用事有るの?」

 

剣帝「えぇ、有りますよ」

 

セラ「そ、それならそっちを優先しt」

 

セラフォルーが喋っている途中でセラフォルーの前にあった書類の山が消えた

 

剣帝「セラ様と冥界の街を散策するっていう大切な用事がね」

 

書類の山が消えたのは剣帝がセラフォルーの書類の山を全て片付けたからだ

 

剣帝「だから、ほら、行きますよ」

 

セラ「…………うん!」

 

そう言って剣帝とセラフォルーは冥界の町を散策し始めた

 

セラ(剣帝君とお散歩…フフッ、まるでデートみたい…)

 

剣帝(あっ、そういや、アレ《三話参照》から夜鴉様に会ってないけど、夜鴉様何してるかなぁ)

 

剣帝「痛っ」

 

剣帝は夜鴉様の事を考えたのでダメージが入ったが顔などには出さないようにしながらセラフォルーは嬉しそうな表情をしながら、散策しているとセラフォルーがとある店の前で立ち止まった

 

セラ「綺麗…」

 

セラフォルーが立ち止まったのはショーウインドー内に有ったウエディングドレスを見ているからだ

 

剣帝「ふむ、ウエディングドレスですか……きっとセラ様にも良くお似合いですよ。きっとね」

 

セラ「えっ!?そ、そうかなぁ?」

 

剣帝「えぇ、勿論」

 

セラ「そ、それなら、もしも私がこれ着てたら剣帝君は私を奥さんにしてくれる!?」

 

剣帝「んー、7:3、いや、8:2ってところですかね」

 

セラ「7か8がしない…?」

 

剣帝「いえ、7か8がするで3もしくは2がしないですかね」

 

セラ「本当に!?」

 

剣帝「えぇ、本当にです」

 

剣帝はニッコリと微笑んでそう答えた

 

セラ(やったぁー!!それじゃあ、もうちょっと押したら…)

 

剣帝「さてと、何処に行きますか?」

 

セラ「う〜んっと、彼処なんてどぉ?」

 

セラフォルーが指刺したのはお化け屋敷だった

 

剣帝「お化け屋敷ですか…了解しました」

 

剣帝(はっきり言って冥界にお化け屋敷が有るのは驚いたなぁ、まぁ、幻想郷でお化けとか飽きるほど見た事あるし別にいっか)

 

セラ(やった!これで剣帝君に抱き着いても違和感が無い!)

 

剣帝とセラフォルーは各々そう考えながら一緒にお化け屋敷に入って行った




今回は剣帝達のデート回でした。
また次回更新は何時になるかは分かりませんのでごゆっくりとお待ち下さい


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第十二話「甘い月と二人の太陽」

あらすじ

何時もの様に二人一緒に仕事をしていたセラフォルーと剣帝、案の定剣帝の方が早く終わったがセラフォルーの提案により一緒に冥界を散策する事になった、その際発見したお化け屋敷に二人で入っていくのだった

――――――――――――――――――――――

剣帝「さてと、行きますか、セラ様」

 

セラ「うん!」

 

剣帝「あぁ、そういえば忘れちゃいけないな」

 

剣帝はそう言ってセラフォルーの方を向いた

 

剣帝「中はきっと暗いでしょうし、一応手を繋いどきましょう」

 

セラ「えっ!?良いの!?」

 

剣帝「?別に構いませんよ?」

 

セラ(やったぁー!!剣帝君から手を繋ごうって言ってくれた!)

 

剣帝「セラ様ー?如何なされましたか?ボーッっとしたりなさって」

 

セラ「えっ?な、何でも無いよ!?」

 

剣帝「それなら良いのですが。取り敢えず、行きますよ」

 

セラ「うん!」

 

そう言って二人は手を繋ぎながらお化け屋敷の中に入って行った

 

セラ「~♪」

 

剣帝「あのぉ、セラ様?」

 

セラ「なぁに?剣帝君」

 

剣帝「そんなに引っ付かれては歩き難いのですが…」

 

セラフォルーは剣帝の腕に引っ付くように抱き着きながら歩いている

 

セラ「だって怖いんだも〜ん、でも、剣帝君の近くなら怖くなくなるんだも~ん」

 

剣帝「そ、そうですか…」

 

剣帝(まぁ、良いか、歩けない訳じゃないし)

 

セラ(剣帝君の腕ってやっぱりガッシリしてるなぁ)

 

各々がそんな事を考えながらお化け屋敷をゆったりと歩いていた、その最中剣帝に向けて嫉妬の様な視線が向けられ続けていたのは本人達は知りもしない

 

剣帝(ウーム、まだ出口は先っぽいなぁ…)

 

そんな事を剣帝が考えてる矢先に剣帝達の近くの物陰から何者かが飛び出して来た

 

セラ「キャ~!」

 

セラフォルーは剣帝に抱き着くふりをしながら剣帝の腕に胸を押し当てた

 

剣帝「大丈夫ですよ。セラ様」

 

剣帝はそう言いながらセラフォルーを撫でつつ前に進んだ

 

セラ(あれ?剣帝君の反応薄いなぁ…)

 

剣帝(あー、いきなり強めに引っ付くから吃驚した、まぁ、セラ様の何時もの悪ふざけだろう)

 

セラフォルーの作戦は剣帝には特に効果が無かったようだ

 

―十分後―

 

その先もセラフォルーと剣帝は様々な驚かしに遭った、その度にセラフォルーは怖がるふりをしたが剣帝は何時も通りな反応しかしなかった

 

剣帝「セラ様、出口が見えてきましたよ…あれ?何でそんなに退屈そうな顔をしていらっしゃるのです?」

 

セラ「べっつにぃ~?」

 

セラフォルーは剣帝の反応の薄さに多少膨れていた

 

剣帝「ふむ……」

 

剣帝は少し時計を見た

 

剣帝「セラ様、そろそろお昼ですし。お腹が空いたでしょう。彼処にクレープ屋が有りますし。買いに行ってきますので彼処の椅子で待ってて下さいな」

 

セラ「…………うん」

 

剣帝(機嫌治らないなぁ…ん?あれ?このクレープ屋のメインメニューのSクレープってなんだろ…)

 

剣帝「スミマセン、店主」

 

店主「はい、何でしょう?」

 

剣帝「このSクレープっての二つ下さい」

 

店主「味は何にします?」

 

剣帝「それじゃあ、苺とバナナ下さい」

 

店主「はいよ、お待ち」

 

そう言って店主は苺タップリのクレープとバナナ盛り沢山のクレープを出した

 

剣帝「どうも、幾らです?」

 

店主「2500円になります」

 

剣帝「はい」

 

剣帝は2500円ぴったり置いた

 

店主「毎度有難う御座います。またのご来店をー」

 

剣帝はクレープを受け取りセラフォルーの方に

 

剣帝(そういえば、このSクレープのSってどんな意味なんだろう…スモールでは無さそうだし…まぁ、いっか)

 

剣帝「セラ様ー、あのクレープ屋のメインメニューらしきSクレープってのを買って来ましたよー」

 

それを聞いた瞬間セラフォルーは全身一瞬ビクッとした

 

セラ「け、剣帝君!?それって本当に!?本当に私に買ってきてくれたの!?」

 

剣帝「え、えぇ、他に誰に買って来るんですか?」

 

セラ(やったぁー!!剣帝君が恋人で食べるって噂のSクレープを買ってきてくれたよぉー!!)

 

剣帝「食べないんですか?」

 

セラ「勿論食べるよ!!」

 

剣帝「そ、そうですか」

 

剣帝(相当お腹空いてたんだろうなぁ)

 

剣帝とセラフォルーはお互いに思い違いをしたままクレープを食べ始めた

 

セラ「あ~、美味しいなぁ」

 

剣帝「此方も美味しいですよ」

 

セラ「そうなんだ…私もそっちも食べてみたいなぁ」

 

剣帝「なら、食べてみます?」

 

セラ「えっ!?良いの?」

 

剣帝「構いませんよ、はい」

 

剣帝はそう言うとセラフォルーの口にクレープを近付けた

 

セラ(こ、これって…はい、あ~んってのだよね!?本当に良いのかなぁ…いや、良いんだよね!)

 

セラフォルーはそう考えながら剣帝のバナナクレープを食べた

 

セラ「あっ、此方も美味しい~」

 

剣帝「出来ればそちらのクレープも食べみたいのですが…宜しいですか?」

 

セラ「う、うん!勿論良いよ!」

 

剣帝「それじゃあ、頂きます」

 

セラ「それじゃあ、はい、あ~ん」

 

剣帝は口に近付けられた苺のクレープを食べた

 

剣帝「ふむ……そちらも中々美味しいですね」

 

セラ「でしょ~?」

 

剣帝とセラフォルーはそんな会話をしながらお互いに食べ比べをしたりしてクレープを食べ終えた

 

剣帝「さってっと、食べ終わりましたし。次は何処に行きます?」

 

セラ「ん~っとねぇ、剣帝君が決めて?」

 

剣帝「………なら、少しブラブラしますか」

 

そう言った剣帝はフラリと何処かへと向かった

 

セラ「あっ、待ってよ~、剣帝君」

 

セラフォルーも後から付いて行った

 

剣帝「確かこの辺に…おっ、有った有った」

 

剣帝はとある建物の中に入って行った

 

セラ「此処って…図書館だね」

 

剣帝「えぇ、歩くの疲れたでしょう?此処で少しゆっくりして行きましょうや」

 

セラ「あっ、うん」

 

剣帝「うーむ、セラ様はこれを読んでみてはどうです?」

 

剣帝は一冊の本を手渡した

 

セラ(昔読んだ事あるけど…剣帝君の好意を無下にしちゃ駄目だよね)

 

セラ「うん、そうする」

 

剣帝「さてと、俺も読みますかね」

 

そう言って二人は読み始め…二時間ほど経過した

 

剣帝「終ーわりっと」

 

剣帝の前には十冊以上の小説が置かれていた

 

セラ「剣帝君、読み終わった?」

 

剣帝「えぇ…スミマセン!読むのに熱中していてお待たせしてしまいました!」

 

セラ「良いよ~、私が剣帝君に待たされる事って初めてだから何だか新鮮な感じがするし…」

 

セラ(それに読書中の剣帝君眺めてたら…フフッ、剣帝君可愛かったなぁ…)

 

剣帝「外は…もう夜みたいですね……本日は外食にしますか」

 

セラ「うん、そうしよっか」

 

そう言った二人は並んで歩いていたら剣帝が不意に上を見上げると満月が見えた

 

剣帝「……月が…綺麗ですね…」

 

セラ(そ、それってもしかして……えーっと…何て答えれば……そうだ!)

 

セラ「でも、太陽が無いと月は輝けないよ」

 

剣帝「……そうですね…」

 

セラ(あれ?反応が薄いけど…脈無しかなぁ)

 

剣帝「………ずっと前から月は綺麗でしたよ…」

 

セラ「えっ!?それって…」

 

ボソボソと剣帝は言ったがセラフォルーは何とか聞き取ったようだ

 

剣帝「///は、早く行きますよ!」

 

セラ「………うん!」

 

剣帝は足早に道を歩きセラフォルーはそれを追い掛けて腕に抱き着いた




今回も剣帝達のデート回でした。
因みに、途中に出て来たSクレープのSはSweetHoneyのSです。冥界で人気のカップルクレープってね
それでは皆様次回更新は何時になるかは分かりませんのでごゆっくりとお待ち下さい


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聖夜特別編「愛する者の為の聖夜」

剣帝は自室で何かを編んでいた

 

剣帝「よし!完成っと」

 

剣帝が編んでいたのは赤い帽子と赤い服だった

 

剣帝「今日はクリスマスだからね、サンタに扮してセラを驚かせよーっと」

 

剣帝はそう言いながらとある紙をポケットから取り出した

 

剣帝「いやー、前もってセラにサンタに貰いたい物書いといて貰ったからなぁ………何だこの内容は…」

 

紙にはミルフィのアニメ全巻とコスプレグッズのほぼ全てと書かれていた

 

剣帝「普通なら投げ出すレベルですよ…これ…」

 

剣帝は少し呆れたような顔をしたが

 

剣帝「まぁ、可愛い主の為ですからね。頑張りますかね」

 

剣帝はそう言うと魔法陣を展開し、こんな事を考えながらすぐに転移した

 

剣帝(今日中に集められるかなぁ…)

 

―駒王町:グッズ売り場―

 

剣帝「うぅーむ、取り敢えずDVD全巻は揃ったけど…限定品がマジで無い…」

 

剣帝は頭を少し抱えていた

 

剣帝(畜生ー、限定品とかこんな場所にあるわけ無いとは思ってたけど……マジでどうしよう…)

 

剣帝が頭を抱えていると

 

一誠「アンタ、剣帝さんだよな?どうしたんだ?」

 

剣帝「あぁ、一誠君か、いやー、セラ様にプレゼントを用意したいのだが…これが見つからなくてね…」

 

剣帝はそう言いながら一誠に紙を見せた

 

一誠「えーっと、どれですか……これなら俺のお得意さんが持ってますよ?」

 

剣帝「何!?それは本当かい!?」

 

一誠「は、はい、自慢気に見せられましたし…」

 

剣帝「よし!それならその人のところに連れて行ってくれるか?」

 

一誠「あっ、はい、分かりました…」

 

剣帝は嬉しそうに、一誠君は少し面倒そうに歩いて行った

 

剣帝「……一誠君、此処か?」

 

一誠「あっ、はい」

 

剣帝と一誠はとあるアパートの一室の前に居る

 

剣帝「それなら一誠君…呼んでくれないかな?」

 

一誠「分かりました…」

 

一誠がインターホンを鳴らすと誰か出て来た

 

??「誰ミル?あぁ、一誠君また来てくれたのミルね…隣の人は誰ミル?」

 

剣帝達の前にはツインテールのムキムキとした男性(?)が居た

 

剣帝「ど、どうも、妖悪剣帝と言います。一応、一誠君同様に悪魔です」

 

??「!!!それならミルタンに魔法を教えてミル!」

 

そう言いながらミルタンと自分を呼ぶ男性(?)は剣帝に迫った

 

剣帝「あっ、はい、分かりました」

 

一誠(えっ!?人間でも使える魔法とかあるのか!?)

 

ミルタン「それじゃあ、速く教えてミル!」

 

剣帝「但し、教える代わりと言ってはなんですが。これくださいませんか?」

 

剣帝はそう言いながらミルタンに紙を見せた

 

ミルタン「んー……あぁ、これなら良いミルよ」

 

剣帝「交渉成立ですね。それでは今から見せます。そして、今からする事は貴方も練習すればきっと出来るようになります」

 

剣帝はそう言いながら一誠に向けて拳を振るったが一誠自体には当てなかった、だが、一誠は勢い良く飛んで行った

 

剣帝「ハンズ・ウィンドってね」

 

一誠「それただの殴りだろうがァァァ!!」

 

一誠はそう叫びながら飛んでいったが、それは誰の耳にも聞き取れなかった

 

ミルタン「凄いミル!もっと教えて欲しいミル!」

 

剣帝「それでは、一誠君が帰って来たらもう1つ教えますのでそれで約束の物頂けますか?」

 

ミルタン「それで良いミルよ!」

 

剣帝「では、待つとしましょうか」

 

―10分後―

 

一誠「ハァ…ハァ…やっと帰ってこれた…」

 

剣帝「お帰りー、それじゃ、もうひとつだけ魔法を受けてみようか」

 

剣帝はそう言いながらおもむろにに一誠の手を握った

 

一誠「えっ!?はっ!?えっ!?」

 

剣帝「アームブレイク!」

 

剣帝がそう言いながら手を握るとゴキゴキと音を立てながら一誠の手の骨が折れる

 

一誠「イデデデデデ!!!!」

 

剣帝「ほら、これだけで簡単に相手の行動が封じられた」

 

ミルタン「凄いミル!凄い魔法ミル!」

 

剣帝「それでは、これからはこの魔法が習得できるよう頑張って下さいね、後、約束の物を下さい」

 

ミルタン「分かったミル!これあげるミル!」

 

ミルタンは剣帝にそう言いながらグッズの入ったビニール袋を手渡した

 

剣帝「はい、有り難う御座います。それでは、さようなら」

 

ミルタン「さようならミルー」

 

剣帝は一誠を引っぱりながら帰って行った

 

一誠「手が…」

 

剣帝「あぁ、悪かったね、今治すよ」

 

剣帝がぼそぼそと何かを言うと一誠の手が治った

 

一誠「あー、手が治った…てか!何するんですか!剣帝さn……何でそんなに汗かいてんだ!」

 

剣帝「( ´ー`)フゥー...少しだけ無理したから疲れただけだよ、気にしなくても良いさ」

 

剣帝は体を引き摺るように歩き魔法陣を展開した

 

剣帝「それじゃあね、今日は有り難うね、一誠君」

 

―冥界:剣帝の自室―

 

剣帝「ふぅ…あとはこれを袋に詰め込んでっと…」

 

剣帝は疲れた体に鞭打ちながら変装をし始めた

 

剣帝「これでセラ様を驚かせられる、喜ばせられる…」

 

剣帝はそんな事を呟きながらセラフォルーの部屋に向かった

 

―セラフォルーの部屋の前―

 

扉をそっと開けた

 

剣帝「セラ様は……よし、寝てるな…」

 

剣帝はさっきまでよりはある程度回復した顔になっていた

 

剣帝「さて、枕元にプレゼントを置いてっと…」

 

剣帝はセラフォルーの枕元にプレゼントをゴトゴトと置き始めた

 

剣帝「ふぅ……ふぅ……速く自分の部屋に戻らないと…」

 

剣帝はいそいそとセラフォルーの部屋から退室して自分の部屋に戻ろうとしたが

 

セラ「んん~?だぁれ?」

 

剣帝「!!!」

 

剣帝(起きたか……こういう時は…)

 

剣帝「フォッフォッフォッ、儂はサンタじゃよ」

 

剣帝は顔と声を変えて振り返った

 

セラ「えっ?サンタさんが何で私の部屋に?」

 

剣帝「君は仕事をよく頑張っておるからの、プレゼントじゃよ、それではまだ後が居るでな、これにてさらばじゃ!」

 

剣帝はそう言いながら空に飛んで行った

 

セラ「あっ!……行っちゃった」

 

セラフォルーは剣帝が飛んで行った空を見上げたが剣帝の姿は既に見えなかった

 

セラ「……有り難う、サンタさん」

 

セラフォルーはそう言うとベットでまた寝た

 

剣帝「ハァー……ハァー……何とか保ったな…ゲホッ!ゲホッ!」

 

剣帝はそう言いながら血を多少吐いた

 

剣帝「(・д・)チッ、多少無茶しただけでこのざまとは、俺の体も弱ったもんだ……まぁ、眠れば多少は和らぐかな」

 

剣帝はそう言い倒れるように眠りについた




今回はクリスマス版となりました。
剣帝の謎の他者回復性能が少し見えましたね。
次回は何時になるかはわかりませんがゆっくりとお待ち下さいな


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第十三話「暴走の恋心と信じる心」

あらすじ

一緒にお化け屋敷に入った二人、其処でセラフォルーは一生懸命に剣帝に怖がるふりをして構ってもらおうとしたが、剣帝は余り大きな反応は起こさなかった、それで不貞腐れたセラフォルーの機嫌をどうにか治そうと剣帝はセラフォルーとクレープを食べたり一緒に読書をしたりした…そして、最後に一緒に夜食を食べようと街を散策していると月を見てお互いの気持ちを知った二人であった

――――――――――――――――――――――

剣帝とセラフォルーが街を散策した翌日

 

剣帝(前にも増してセラ様が何だかスキンシップをしてくるんだが)

 

剣帝「あ、あのぉ、セラ様?」

 

セラ「なぁに?剣帝君」

 

剣帝「何と言いますか……近いです……」

 

セラフォルーは剣帝に寄り掛かるように剣帝の右隣に座りながら仕事をしている

 

セラ「だって、剣帝君の近くの方が仕事し易いんだも~ん」

 

剣帝「そ、そうですか…」

 

剣帝(こうはなるだろうとは予測はしていたが…まさか此処まで積極化するとは…どうすっかなぁ…そうだ!)

 

セラ(剣帝君にもっと構って欲しいなぁ…)

 

剣帝「セ、セラ様!」

 

セラ「なぁに?剣帝君」

 

剣帝「お飲み物を淹れて来ますので少々離れて頂けますか?」

 

セラ「嫌!」

 

剣帝「えーっとそれではお飲み物が淹れに行けないのですが…」

 

セラ「やだやだやだぁ!!剣帝君から離れたくなぁい!」

 

剣帝「そ、そんなワガママを言われましても…困ります…」

 

セラ「剣帝君が離れるんだったらもう私、魔王のお仕事辞めちゃうー!!」

 

剣帝「(´Д`)ハァ…分かりましたよ。俺は此処に居ますよ」

 

セラ「やったぁー!!」

 

剣帝「但し!セラ様もキチンと仕事して下さいね?宜しいですか?」

 

セラ「は~い」

 

こうして二人は仕事を進めていった

 

剣帝「ふぅ、一段落ついたぁ」

 

セラ「大丈夫?剣帝君疲れてない?」

 

剣帝「大丈夫ですよ。これ位」

 

そういう剣帝の前にはセラフォルーの3倍の量の書類が山の様に置いてある、だが、これは全てやり終えた物である

 

剣帝「さってっと、後一踏ん張り!」

 

剣帝はそう言って書類に向き直った

 

セラ(剣帝君の為に何かしてあげたい……そうだ!)

 

セラフォルーは何かを思い付いたように突然席を立ち部屋を退室した

 

剣帝「………セラ様?」

 

セラフォルーは退室してからキッチンへ向かった

 

メイド's「「「セラフォルー様、何故キッチンへ!?」」」

 

セラ「剣帝君にコーヒーを作ってあげるの」

 

セラフォルーは慣れない手付きでコーヒーを作っていく、メイドに度々聞きながら

 

セラ「出来たー、それじゃあねぇ~」

 

セラフォルーはそう言うと部屋に戻った、すると、其処には書類を片付けてから椅子に眠ってしまっている剣帝が居た

 

セラ(アレ?剣帝君寝てる?珍しいなぁ…)

 

セラフォルーがそう思ったのは基本剣帝はセラフォルーが寝たのを確認してからしか寝ないからである

 

剣帝「………Zzz」

 

剣帝「フフッ、か~わいい」

 

セラフォルーは剣帝の頭を魔力で浮かせてから剣帝の頭のある椅子に座り膝枕をした

 

セラ(起こさないように…起こさないように…)

 

セラフォルーがそんな事を考えていると剣帝が目を開けた

 

剣帝「………俺が寝てる最中に何してるんですか?セラ様」

 

セラ「え、えーっとぉ……」

 

剣帝「まぁ、寝心地が良かったのでもう少しやって頂けますか?」

 

セラ「えっ!?」

 

剣帝「駄目ですか?」

 

セラ「ううん!大丈夫だよ!」

 

剣帝「それと、此処だと身体が安定しませんので…」

 

セラ「……それなら此方で寝たら?」

 

そう言ってセラフォルーは寝ぼけてる剣帝の手を引いてベットに行った

 

剣帝「では、失礼して……Zzz」

 

セラ「…やっぱり剣帝君の寝顔って可愛いなぁ……ベットに来たからかな…私もちょっとだけ眠くなっちゃった…」

 

セラフォルーと剣帝はそのまま二時間ほど眠った

 

―2時間後―

 

剣帝「ふぁーぁ、良く寝た……何でセラ様も寝てんだろ?」

 

セラ「……スー………スー…」

 

剣帝「それにしても…もう九時か…大分と寝てしまったなぁ…」

 

剣帝がそう言いながら起きようとしたらセラフォルーも目を覚ました

 

セラ「ムニャムニャ……おはよ~、剣帝君」

 

剣帝「お早う御座います。セラ様」

 

セラ「今何時~?」

 

剣帝「21時46分です。お食事のお時間ですよ」

 

セラ「それなら呼びに来るんじゃないかな~?」

 

剣帝「………まぁ、それもそうですね…」

 

セラ「だから、一緒に寝よ?剣帝君」

 

剣帝「さ、流石に男女が同じベットで横になるというのは…」

 

セラ「………何で……何で剣帝君は私の気持ちに気付いてくれないの?…」

 

剣帝「へっ?……スミマセン…セラ様…」

 

振り返るとセラフォルーは涙を流していた

 

セラ「私が頑張って振り向いて貰おうとしてるのに…剣帝君は何時も何時も別の方を向いてる…昨日はあんな事言ってくれたのに…今日は私が寄り掛かってる時にそんな素振りは一切見せないし」

 

セラ「………剣帝君は私の事本当はどうでも良いんじゃないの?」

 

剣帝「!!そんな事は無い!」

 

セラ「それならそれを行動で示してよ!じゃないと…私心配なの…剣帝君が他の娘に盗られちゃうんじゃないかって…」

 

剣帝「…………」

 

剣帝は無言でセラフォルーを抱き締めた

 

剣帝「……ゴメン…俺が鈍感なばっかりに…」

 

セラ「言葉だけじゃなくて行動で示して………ね?」

 

剣帝「あぁ、分かったよ」

 

剣帝はそう言うとセラフォルーをベットに押し倒し、服を丁寧を脱がせ唇を重ね舌を絡め、ゆっくりと…ゆっくりと愛を確かめあった、そして、その間の剣帝の髪色は影のせいか黒く見えていた




今回は多少エロ要素が入った回になってしまいました。
さてはて、次回からはどうなるんでしょうかね?
次回をお楽しみに


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第十四話「バレる本心と今後の心境」

あらすじ

デートの後、仕事に追われる剣帝とセラフォルー、何時もとは違いセラフォルーが先に終わったので剣帝へコーヒーを差し入れようとしたが、コーヒーを作っている間に剣帝は睡眠していた、其処でセラフォルーは膝枕をした…数時間が経過し夜となって剣帝は何時も通り夜食を食べに向かおうとするが気持ちを応えてくれない剣帝に対してセラフォルーが泣き始め、その後は互いに抱き合い愛を確かめ合った

――――――――――――――――――――――

―翌日:セラフォルーの部屋―

 

剣帝が目を覚ますと剣帝とセラフォルーは抱き合う様に裸で眠っていた

 

剣帝「………昨日は余り寝た記憶が無いな…」

 

剣帝がそう言いながら少し頭を抱えているとセラフォルーも目を覚ました

 

セラ「んん……お早う、剣帝君」

 

剣帝「お早う御座います。セラさm」

 

剣帝が喋っている途中で唇に指を当てられた

 

セラ「2人っきりの時だけで良いからセラって呼んで欲しいなぁ…駄目?」

 

剣帝「仕方無いですねぇ、セラ」

 

セラ「敬語も出来れば辞めて欲しい…」

 

剣帝「(´Д`)ハァ…セラはワガママが多いなぁ」

 

セラ「有り難う剣帝君!」

 

セラフォルーはそう言うと剣帝に抱き着いた

 

剣帝「セラ、抱き着く前に服着ような」

 

セラ「えへへ~、だって、嬉しかったんだも~ん」

 

剣帝「全く、セラは可愛いなぁ!」

 

剣帝はそう言うとセラフォルーを押し倒した

 

セラ「まだするの?剣帝君」

 

剣帝「嫌かな?」

 

セラ「嫌じゃないけど、バレたらどうするの?」

 

剣帝「別に?それならそれで構わないさ…セラは嫌なのかい?」

 

セラ「うぅん、私もバレても良い」

 

剣帝「それなら続きをしようか」

 

セラ「うん!」

 

剣帝とセラフォルーはそう言って昼過ぎまで愛を確かめ合って居た…

 

―昼過ぎ:セラフォルーの部屋―

 

剣帝(流石に昼過ぎまでやるのはマズッたかなぁ、身体の疲労が明日に響きそうだ…)

 

何時もとは違いボサボサに乱れた頭を掻きながら剣帝は自分の服を着た

 

セラ「剣帝君」

 

剣帝「何だい?セラ」

 

セラ「また今度、しよう?ねっ?」

 

セラフォルーはそう言って笑顔を浮かべている

 

剣帝「あぁ、分かったよ…さてと、もうお昼だし昼食を食べに行こっか」

 

セラ「うん!」

 

剣帝とセラフォルーは昼食を食べに下へ降りた

 

セラ「ねぇ、剣帝君」

 

剣帝「何でしょうか?セラ様」

 

セラフォルーはそう呼ばれて一瞬不貞腐れた顔になったが

 

剣帝「…………ふたりっきりの時って約束だろ……」

 

剣帝に耳元でそう囁かれて仕方無さそうに何時も通りの顔をした

 

剣帝(……仕方無いなぁ)

 

剣帝「……隣に座って食べましょうか」

 

セラ「!うん!!」

 

セラフォルーは剣帝にそう言われて御満悦な表情で歩いて行った

 

セラ「剣帝君、早く早くー」

 

剣帝「はい、分かりました」

 

剣帝は少し早足で歩いて追い付いた後、二人は並んで歩いて行った

 

―食事後―

 

剣帝「ご馳走様でした」

 

セラ「ご馳走様」

 

メイドA「セラフォルー様、ご両親より一度帰って来いとのご連絡が…」

 

セラ「えっ!?お父様達から!?何の用だろ…」

 

剣帝「取り敢えず、行ってみましょうよ」

 

セラ「そうだね、それじゃあ、剣帝君、魔法陣お願い出来る?」

 

剣帝「お安い御用です」

 

剣帝はそう言って素早く転移用魔法陣を展開した

 

剣帝「終わりました」

 

セラ「それじゃ、行こっか、剣帝君」

 

剣帝「はい」

 

二人は一緒に魔法陣に入り転移した

 

―シトリー邸―

 

剣帝「到着致しましたよ。セラ様」

 

セラ「お母様!お父様!どの様なご用件で私を呼んだの?」

 

ジェラード「来たか、二人共」

 

上の廊下にジェラードとフォルストゥが立っていた

 

剣帝「お久しぶりです。ジェラードさん、フォルストゥさん」

 

フォルストゥ「あらあら、剣帝君はそんな他人行儀な呼び方せずに私の事をお義母様って呼んで良いのよ?」

 

剣帝「は、はいっ!?」

 

ジェラード「そうだぞ、剣帝君、君は私の事を遠慮無くお義父様と呼んで構わないんだぞ」

 

剣帝「えっ!?はいっ!?えっ!?」

 

セラ「ちょっ、ちょっと待って!?二人がそんな事言うから剣帝君が混乱してます!」

 

ジェラード「おっと、スマナイ、メイド達からセラ達が夜枷をしていたと聞いたのでな」

 

セラ「よ、よかっ…////」

 

そう言ってるセラフォルーは顔が真っ赤になってる

 

剣帝(………あー…防音対策忘れてなぁ…それでか…)

 

ジェラード「さて!剣帝君!」

 

剣帝「は!はい!」

 

ジェラード「君はシトリー家に婿入りしてくれるのだね?そうなのだよね!?」

 

剣帝「ま、まぁ、そうなるだろうとは思ってました…」

 

剣帝(もう少し後だろうと思ってたけど…)

 

ジェラード「それを聞けて安心したよ、いやはや、そういうのはセラよりもソーナに期待していたが…まさか…運命とは分からないものだね!」

 

剣帝「は、ハァ…」

 

フォルストゥ「アナタ、一方的に喋られ過ぎて剣帝君が困ってますよ」

 

ジェラード「おっと、スマナカッタね、私はどうにも気分が良くなると饒舌になりやすいようなんだ」

 

剣帝「そ、そうなんですか…」

 

ジェラード「とにかく、今晩はウチに泊まっていきなさい」

 

セラ「えっ!?そんな事言われても明日はお仕事が…」

 

剣帝「………セラ様…お忘れですか?数日休みが欲しいからって俺が一気にやったじゃないですか。その反動で寝ちゃいましたけど…」

 

セラ「あっ…そういえばそうだったね…」

 

フォルストゥ「まぁ、それなら大丈夫ね!さっ、今晩は剣帝君がどんな風にしてくれたか、聞かせてね?セラ」

 

セラ「は、はい…分かりました。御母様」

 

ジェラード「さぁ!今晩は飲もうではないか、剣帝君!」

 

剣帝「は、はい、畏まりました」

 

こうして夜は更けていくのであった




今回も少しだけエロ要素が入った回となりました。
それはそうと、皆さんはちゃんと防音対策はしてますか?
きちんと防音していないと隠し事なんてすぐバレますよ


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閑話「鴉は烏に優しいかも?」

前書き
これはハイスクールD×Dの二次創作です
今回は剣帝は一切出て来ません
オリ神様が色々とします。
それでも良い方は読んでいってね!


とあるマンションの一室で一人の男が酒を呑みながら呟いていた。

 

??「はぁー、仕事したくねぇ。こうやってサボって酒を呑み続けてたい。」

 

男はなんとも最低な事を話していると部屋のドアが三回ノックされているのに男が気付いた。

 

??「誰だよこんな時間に。面倒だから居留守しようか。うんそうしよう。」

 

夜鴉「折角来てあげたのにクズにも程があるだろう。アザゼル君。」

 

アザゼルは自分の後ろから声が聞こえて振り替えると同時に光の槍を突きつけたが彼には届かなかった。

 

それと同時にアザゼルは彼の顔を見て悟ったような顔をして光の槍を消してその後彼に話し掛けた。

 

アザゼル「!あんたは・・・そうか俺もここまでか。ほら、殺れよ」

 

夜鴉「なぁにを言ってんのか解らねぇけど俺は君に提案をしにきただけだぜ?」

 

彼はアザゼルにソファーに座るよう手で指示をしつつ笑顔で自分もアザゼルの反対側に座った。

 

アザゼル「あんた程の御方が堕天使になんの用だ。」

 

夜鴉「いや、なんだね。堕天使というか堕天使の総督であり独身総督とか閃光と暗黒の龍絶剣総督とか幹部に呼ばれている君にとても良い提案をしに来たんだ。まずはこれを見てくれ。」

 

アザゼル「はぁ!?誰だよそんな事言ってる奴は!?」

 

夜鴉「バラキエげふんげふん。取り敢えずこれを読みたまえ。」

 

彼はアザゼルに一つの紙束を渡した。そこには『おみぅあいようの書類』とクレヨンで適当に書いたであろう文字を見てアザゼルは思わず先程までの怒りが消えた。

 

夜鴉「さぁさぁ読みたまえ。」

 

アザゼル「・・・内容は読める物だと良いんだがな」

 

アザゼルがおそるおそる一枚捲ると中には恐らくパソコンで書いたであろう文字と紅い髪の美しい女性の写真が写っていた。

 

アザゼル「おっ!なんだこの美人な姉ちゃんは!ふむふむ。えっ?俺に興味が有ってお話ししたいですだってぇ?こいつは最高だ!俺の時代が来たんだ!」

 

夜鴉「良かったねぇ、アザゼル君。と言うかここまで喜ばれるとは思ってなかったんだがねぇ?」

 

アザゼル「ありがとう!あんたがこんなに良い奴だったなんて。」

 

アザゼルは彼の手を握り頭を下げた。

 

夜鴉「あはは。言っておくけどそれはお見合いのお誘いだから行かないと解ってるよね?」

 

アザゼル「おっおう。聖書の神みたくなぶり殺しにされたくはないからな」

 

アザゼルは聖書の神が鞭でなぶり殺しにされていたのを思いだし顔を青くした。

 

夜鴉「大紅竜ちゃんって言うんだけどアザゼル君は気に入ってくれたかい?」

 

アザゼル「おう!是非ともお話ししたいものだぜ!」

 

夜鴉「今から呼べるけどどうする?」

 

アザゼル「マジか!用意良いな!是非お願いするぜ!!」

 

後にアザゼルはその時の事を後悔する事になるとは今はまだ知らなかったのである。




今回の話は友人に書いて貰いました。
果たして大紅竜ちゃんとは誰なんでしょうかね?
分かる人にはきっと分かります。
では、次回もお楽しみに


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第十五話「剣帝の苦難の末の力」

あらすじ

セラフォルーと寝た剣帝、その後は一時的に目を覚ましたがまた昼まで寝始める、その後昼食の時間となり昼食を食べた後シトリー邸に呼ばれ、其処でセラフォルーの両親から祝われ宴会に参加した剣帝なのだった

――――――――――――――――――――――

―宴会の翌日:シトリー邸―

 

剣帝が目を覚ますと服がかなり乱れ寝ていたベットもかなり乱れていた、その後すぐに剣帝は頭を抱えた

 

剣帝(あー、やっちまった…幻想郷に居る時のノリで飲むんじゃなかった…めっちゃ頭痛い、何か記憶も曖昧だし…何したか覚えが…)

 

そんな事を考えながら剣帝は自分の服を整えた

 

剣帝「取り敢えず、セラ様起きてるかな?見に行くか」

 

そう言い剣帝が自分の部屋の扉を開けると部屋の前に一人のメイドが立っていた

 

メイドα「お早う御座います。剣帝様」

 

剣帝「………僕に何か御用でしょうか?」

 

メイドα「セラフォルー様より伝言を預かっております」

 

剣帝「……如何様な内容で?」

 

メイドα「『急にサーゼクスちゃんから会議に呼ばれたので行って来ます。剣帝君はお休みね』だそうです」

 

剣帝「了解しました。伝言お疲れ様です」

 

メイドα「では、私は仕事に戻ります」

 

剣帝「あっ、はい、頑張って下さいね」

 

剣帝はそう言いながら部屋に戻った

 

剣帝(さぁて…休みを貰ったのは良いが…何をしようかな……そうだ!"彼処"に遊びに行こーっと)

 

剣帝が何か思い付いたように指を鳴らすと床に転移用魔法陣が展開される

 

剣帝「ふふっ、どんな反応するかなぁ…」

 

剣帝はそう言いながら魔法陣に消えた

 

―人間界:駒王学園―

 

剣帝「はい、到着……何この状況…」

 

剣帝が転移した先は駒王学園、オカルト研究部の部室だった

 

??「……コイツもお前の眷属の一人か?」

 

青髪の少女が剣帝を見てから前に座っている紅髪の少女、リアスに聞いた

 

リアス「いいえ、彼は現魔王の一人の眷属よ」

 

??「ほぉ?つまり、お前よりも権力が有りそうだな」

 

剣帝「えっ?まさか…有りませんよ。権力なんて」

 

リアス「良くおっしゃいますね。セラフォルー様の唯一の眷属なのに」

 

剣帝「まぁ、そうですね。改めて名乗りますかね…セラフォルー・レヴィアタンの眷属、女王(クィーン)の妖悪剣帝です。以後、お見知りおきを……何だ天使側か」

 

??「あぁ、私達は聖剣を任された者だ」

 

青髪の少女と金髪の少女は誇らしそうに胸を張った

 

剣帝「………聖剣を任されたねぇ…天使は相当人手不足みたいだなぁ…こんな年端も行かない少女に聖剣なんて物騒な物を持たせるなんて」

 

剣帝がそう言うと金髪の少女が立ち上がった

 

??「何よ!私達じゃ役割不足みたいな口振りして!」

 

剣帝「そうは言って無いが……何と言うか…」

 

??「そんな風に言うんだったら私達の実力見せてあげるわよ!ねぇ、ゼノヴィア!」

 

青髪の少女に向けて金髪の少女は言った

 

ゼノヴィア「あぁ!私もそろそろ限界なのだったからな!イリナに同意だ!」

 

剣帝「…………ハァ…仕方無いなぁ…場所の提供お願いできますか?リアスさん」

 

リアス「はい、そう言う事ならば此処の施設の前が調度良いかと…」

 

剣帝「そんじゃ、そこでやりますかね」

 

剣帝がそう言うと剣帝達は移動した

 

剣帝「さぁ、何処でもどうぞ?」

 

剣帝は片手に木刀を一本だけ持って立っている

 

ゼノヴィア「木刀だと!?舐めるんじゃない!ちゃんとした武器を使え!」

 

剣帝「いや、君等を傷つける気は無いから…これで良いと思ってね」

 

二人「「堕天使の前に貴様(アナタ)を殺す!」」

 

そう言って二人が同時に剣帝に襲い掛かった

 

イリナ「やぁぁぁぁぁ!!」

 

ゼノヴィア「はァァァァァ!!」

 

二人が剣を振り抜いたが剣帝には当たらなかった

 

剣帝「甘い上に鈍い!」

 

理由は簡単、剣帝が紙一重で回避しているからだ

 

イリナ「何でかすりもしないのよ!」

 

剣帝「そんなの簡単だ、お前達の振りが鈍いからだよ」

 

剣帝はそう言った後イリナの脇腹目掛けて木刀を振るった

 

ゼノヴィア「クッ…」

 

だが、それに反応してかゼノヴィアがイリナに当たる前に木刀を受け止めた

 

剣帝「へぇ、防御は速いなぁ」

 

イリナ「貰ったわ!」

 

剣帝「(´Д`)ハァ…甘いってば」

 

剣帝は剣の横(峰)の部分を蹴って弾いた

 

イリナ「キャア!」

 

ゼノヴィア「イリナ!大丈夫か!?」

 

イリナ「私は平気だから前に集中して!」

 

ゼノヴィア「あぁ!分かっている!」

 

剣帝「……仕方無いなぁ」

 

剣帝はそう言いながら木刀をなおした

 

ゼノヴィア「どうした?勝てないと悟ったか?」

 

剣帝「んー…どうだろうね?」

 

剣帝はマントの下から木刀をもう一本取り出した

 

ゼノヴィア「何っ!?」

 

イリナ「どうやってそんな物なおしてたのよ!」

 

剣帝「二対一だからね、これぐらいは許してね、後、どうやって隠してたかは秘密だよ」

 

剣帝はそう言うと二本の長さの違う木刀を構えた

 

ゼノヴィア(さっきまでとは雰囲気が変わった…)

 

剣帝「行くぜ…」

 

そういった次の瞬間剣帝の姿が消えた

 

ゼノヴィア「なっ!?何処に行った!」

 

イリナ「隠れてないで出て来なさい!!」

 

剣帝「隠れてないよ、何処にもね」

 

剣帝は二人の後ろに回り込んでいた

 

ゼノヴィア「何時の間に周り込んだかは知らないがそんな場所に居るなんて自殺行為だな!」

 

イリナ「私達の攻撃を受けなさい!」

 

再度剣帝に向けて剣を突き立て切り裂こうとしたが

 

剣帝「危ないなぁ」

 

剣帝にはやはり当たらなかった

 

ゼノヴィア「ふっ、そう来るだろうと思ったよ!」

 

ゼノヴィアはそう言うと突き立てようとした剣を振り抜いた

 

剣帝「いっつ…油断したか…」

 

剣帝の腕に軽い切り込みが入った

 

ゼノヴィア「良しっ!このまま押し切るぞ!」

 

イリナ「えぇ!分かったわ!!」

 

剣帝「………調子に……乗るな!!」

 

剣帝は翼を広げ木刀に魔力を纏わせた

 

ゼノヴィア「何だ!?この気迫は…」

 

イリナ「近くに居るだけで…押し潰されそう…」

 

ゼノヴィア「私はまだ動けるから、私が相手だ!」

 

剣帝「ふんっ!」

 

ゼノヴィアの聖剣に剣帝の木刀が当たるとその部分が爆発した

 

ゼノヴィア「な、何が起きた!?」

 

剣帝「はぁ!」

 

ゼノヴィアに腹に一撃撃ち込んだ!

 

ゼノヴィア「グフッ……」

 

イリナ「ゼノヴィア!!」

 

剣帝「テメェも寝てな!」

 

剣帝はそう言うとイリナの首に手刀を撃ち込んで気絶させた

 

イリナ「うっ……」

 

剣帝「あーもー……セラ様に心配されるなぁ…」

 

剣帝は戦闘終了後に腕の傷を見ながらそう呟いた

 

夜鴉「カーッカッカッカッお前らしくねぇなぁ?まぁそんだけ力が封印されてたら当たり前か」

 

剣帝「封印かけてる本人…いや、本神がそれ言いますか?」

 

夜鴉「カッカッカッそれもそうだな。あーあ、そんな事を言うから少しだけなら解放できそうだからしに来てやったのにやる気失せるなぁ?」

 

剣帝「えっ!?そうだったんですか!?ゴメンナサイ!」

 

夜鴉「謝ったから許してやろう。俺は寛大だからな!!」

 

剣帝「有り難う御座います!」

 

夜鴉「で、解放前に聞きたいのだがね。そこで震えてるクズほどの力しか持っていないカス達は誰だい?」

 

夜鴉はリアス達を指差す

 

剣帝「んー……あぁ、リアスさん達ですか…」

 

夜鴉に言われてから剣帝もリアス達の方を少し見た

 

剣帝「まぁ、クズカスって言ってあげないで下さいな、彼等はまだ成長途中なんですから」

 

夜鴉「ふーんそうかい。あ、やべっあの黒猫ちゃんに怒られるわぁマジべーわー時間ねぇわぁべーわー」

 

剣帝「黒猫……あぁ、あの例の黒歌ちゃん…でしたっけ?」

 

夜鴉「そうそう。と言う事で早く頭出せ。じゃないと俺が搾り取られる性的に」

 

剣帝「あっ、はい、了解しました」

 

剣帝はそう言い頭を差し出す

 

「じゃあいくぜぇ?せーの!」

 

夜鴉の掛け声と共に轟音が鳴り響き剣帝の頭頂部にデコピンが叩き込まれた

 

剣帝「いったぁ!!」

 

夜鴉「カーッカッカッカッこれで全盛期の一割は出せるだろうな」

 

剣帝「やっと一割ですか……(´Д`)ハァ…先は長そうだ…」

 

夜鴉「ここからは早いとは思うがねぇ?まっ、そろそろ行かんと本当にヤバイから行くわ」

 

剣帝「了解しました。では、またお会いしましょう」

 

夜鴉「じゃあな!レッド!バイビー!」

 

空間に穴を開けて走っていく

 

剣帝「………さってっと、俺も帰るかな」

 

リアス「さっきの彼は誰ですか!?」

 

木場「さっきの剣術は何ですか!?」

 

小猫「さっき姉さんの名前を言ってましたが。さっきの方と姉さんはどういった関係ですか!?」

 

……………

 

それから夜になるまでリアス達の質問は続いた




今回は剣帝が剣術のみで聖剣持ち相手に無双する回となりました。
いやぁ、剣帝は元々どんな道を歩んできてたんでしょうね?
まぁ、それはおいおい分かりますので。
ゆっくりと待ちながらよんでいってください


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第十六話「愛ゆえに」

あらすじ

セラフォルーより休暇を言い渡された剣帝、なので、人間界の駒王学園に出向いた。丁度その時駒王学園には聖剣使いが二人来ていた剣帝と聖剣使いは偶々鉢合わせしてしまい剣帝が無意識の内に挑発をしてしまい二人の聖剣使いに戦いを挑まれる、戦闘には勝ったが切り傷を負わされてしまった剣帝…

――――――――――――――――――――――

質問攻めから開放された後

 

―冥界:セラフォルー邸―

 

剣帝(あー、やっと質問攻めから開放されたぁ……中々治らねぇなぁ、セラ様に見つかる前に隠すか治すかしないとなぁ)

 

剣帝が考え事をしていると扉が開かれた

 

セラ「剣帝く〜ん、居る~?」

 

剣帝「セ、セラ!?いきなり入ってこないでくれよ!驚くだろ!?」

 

剣帝は即座に腕を後ろに隠した

 

セラ「あっ、ゴメン…ナサイ…朝は私が会議に行ってたし…帰って来たら剣帝君外出してたし…剣帝君やっと帰って来たから構って貰えるって思ったから…」

 

剣帝「……俺こそスマン…いきなり怒鳴ったりして…」

 

セラ「うぅん、良いの、私がいきなり入ったのが悪いんだし…」

 

剣帝「それで…何の用かな?」

 

セラ「え~っとね…構って?」

 

剣帝「仕方無いなぁ、おいで」

 

剣帝は傷を付けられていない右腕で手招きをした

 

セラ「は~い」

 

剣帝「よしよし、ゴメンよ、寂しい思いをさせたな」

 

剣帝はそう言いながら右腕でセラフォルーの頭を撫でた

 

セラ「有り難う剣帝君、だぁい好き!」

 

セラフォルーが剣帝に抱き着くとセラフォルーの左手に何かが付いた

 

剣帝(痛っ)

 

セラ「ん?何だろう……何で…何で剣帝君血が!」

 

剣帝「いやー、ちょっとドジ踏んじゃってね、腕を切られちゃったんだよね」

 

剣帝はそう言いながら左の腕をヒラヒラと動かした

 

セラ「大丈夫なの!?剣帝君にそんな傷を負わせた相手って誰!?私が殺して来r」

 

セラフォルーがそう言っていると不意に口を防がれた、剣帝がキスをしたのだ

 

剣帝「セラ、俺は平気だから…落ち着いて…ね?」

 

セラ「………分かった…でも…」

 

剣帝「でも、何ですか」

 

セラ「速く傷治して、ね?」

 

剣帝「あぁ、分かってるよ、というか、もうすぐ治るよ」

 

セラ「えっ?どういう事?」

 

剣帝の腕を見るとみるみる内に傷が消えるように治っていく

 

セラ「えっ!?どうなってるの?それ」

 

剣帝「こういう身体なんですよ。ひきましたか?」

 

セラ「うぅん、ひかないよ、私は剣帝君のそういう所も好きになる!」

 

剣帝「………有り難う御座います…」

 

剣帝は少しだけ泣いていた

 

セラ「…よしよし…良い子良い子…」

 

剣帝「…スイマセンが今夜は甘えて良いですか?」

 

セラ「良いよ、おいで…」

 

剣帝は泣き終わると同時に髪が黒くなっていく、そして、髪が黒い剣帝とセラフォルーはそのまま夜にまた交わっていくのだった

 

―その頃の夜鴉は―

 

夜鴉「カッカッカッ!どうだいアザゼル君。君達もこのような恋をしなさい。」

 

アザゼル「出来るかぁ!あれはまだ対等な存在だから出来る訳であってだな。俺とこいつじゃ強さとか諸々違いすぎるんだよ!」

 

アザゼルは一人の女性に抱き付かれながら叫んだ。

 

??「そんな事を言わないで下さいよ。貴方とは対等ですよ?例え対等でなくとも私達の愛の前には関係ない物ですよあなた。」

 

アザゼル「ちょっと強いくらいの堕天使とグレートレッドじゃ釣り合わないっていってんだよ!解れよ!」

 

紅竜「そうですか。対等の存在になるために努力します!!」

 

紅竜は笑顔でガッツポーズをしたがアザゼルは頭を抑え溜め息を吐いた。

 

アザゼル「・・・これ以上強くなる気かよ。はぁ。」

 

そんなアザゼルの姿を見て夜鴉は笑顔で指を指した。

 

夜鴉「このリア充め☆」

 

アザゼル「うっせぇぇぇ!!この状態みて何処が充実してるように見えるんだよ!朝は布団の中にいてそれからずっと追い掛けられてんだよ!トイレも風呂もおまけに夜に布団のまでくっついて来やがるんだぞ!おちおち趣味も出来やしねぇ!」

 

アザゼルは捲し立てるように早口で愚痴を叫んだが夜鴉はにっこり笑っていた。

 

夜鴉「そのくらいで愚痴愚痴いってんじゃねぇよ。俺は24時間365日同じことが起きてんだからよう。カッカッカッ」

 

アザゼル「は?ちょっとまて、それって今もなのか?」

 

夜鴉「おう。勿論だ。俺の後ろにほら、居るだろ?」

 

アザゼルは夜鴉の指差した方向に集中していると、うっすら人影が見える事に解るが集中が切れると人影も見えなくなった。

 

アザゼル「それ、本当にいるのか?」

 

夜鴉「おう居るぜ。姿を現しやがれペタン。」

 

その声に反応し、人影はくっきりと見え、やがて女性の姿になった。

 

アザゼル「おっおう。てか、本当にずっと一緒にいるのか?」

 

ペタン「勿論です。愛する者の傍に常に居たいと思うのは間違ってますか?」

 

紅竜「合ってると思います!!」

 

アザゼル「お前はちょっと黙ってろ。う~ん相手が良いならそれでも良いんじゃねぇか?相手が良いならな!!」

 

アザゼルは最後の一言を強調させ紅竜に気付かせようとするが紅竜はにっこり微笑んでアザゼルを見つめるだけだった。

 

アザゼル「いや、気付けよ!!」

 

アザゼルの嘆きは夜の闇へと消えていくのであった。




今回は剣帝がセラフォルー様の暴走を止めつつ謎の回復性を晒す回とアザゼルが可哀想な回でしたね。
さてさて、次回はどうなるのやら、皆様お楽しみに!


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第十七話「ペットと悪魔と神様と」

あらすじ

剣帝がセラフォルーにバレないように腕の傷をどうしようか悩んでいると扉を開けてセラフォルーが入って来る、剣帝は隠そうとしたがバレてしまい腕の傷を見られ激昂し始めたセラフォルーを宥めていた

その後すぐに腕の傷が治る瞬間を見られひかれないかと剣帝が心配しているとそれは杞憂だった、剣帝はひかれなかった事よりもそれの心配で泣き始めてしまい、セラフォルーに甘えるように夜に愛を確かめ合った

――――――――――――――――――――――

―セラフォルー邸:セラフォルーの部屋―

 

セラフォルーのベットにセラフォルーと黒い髪の男が横たわっている

 

??「Zoo…Zoo…ムニャッ?」

 

黒い髪の男が起きると男の髪がみるみるうちに白くなっていく

 

剣帝(あー……ヤッちゃったぁ、しかも、途中から記憶全部無いし…)

 

剣帝が横に目をやると裸のセラフォルーがスヤスヤと寝息を立てて眠っている

 

剣帝「…………出掛けよ…仕事終わらせれるし…」

 

剣帝はそう言いながら歩いて行き、机の前で1分だけ止まって自分の分の仕事を終わらせた

 

剣帝「さぁてとぉ…何か面白い事あるかなぁ…っと、グッスリと休んでくれよ…セラ」

 

剣帝はそう言いながら布団を掛けた

 

剣帝「あー、頭痛いなぁ……」

 

剣帝はそう言って頭を掻きながら退室した

 

剣帝(取り敢えず何処に行こうかなぁ…うん、遊びに行く前に適当に食べ歩きでもするか)

 

剣帝「行って来まーす」

 

メイド's「「「「行ってらっしゃいませ、旦那様」」」」

 

剣帝「まだ結婚してませんよ!」

 

剣帝はメイド達にそう言ってから冥界の街に向かった

 

剣帝(あーもー、皆あぁ言う事言うもんなぁ………)

 

剣帝がそんな事を考えていると腹がなった

 

剣帝(うん、真面目に探そう、腹がかなり減ってきた)

 

―10分後―

 

剣帝「うん、中々やはり冥界の食べ物も旨いな」

 

剣帝は両手に食べ物を抱えながら歩いて行く

 

剣帝「うーん…セラ様にお小遣い増やして貰えるように相談しよっかなぁ…」

 

剣帝はそう言いながら財布の中を見る

 

剣帝「まぁ、、まだ大丈夫かな、あー、旨っ」

 

剣帝はそんな事を言いながら歩いているとふととある事を思った

 

剣帝(そういや最近ソーナ様が冥界に来てるって聞いた事無いな……うん、適当にお菓子でも買って持って行くか)

 

剣帝はそう思いながら饅頭を買って転移用魔法陣を展開した

 

剣帝「どんな反応するかなぁ…驚くかなぁ…フフッ」

 

剣帝はそんな事を呟きながら魔法陣に消えた

 

―駒王町:駒王学園前―

 

剣帝「はい、到着、さぁて生徒会室に行くk………何だこの結界…」

 

駒王学園を覆い尽くす様に結界が張られていた

 

剣帝「えーっ……何これ…」

 

剣帝がそう言って周りを見回すと上空に人影を見付けた

 

剣帝「あれは……ソーナ様か」

 

剣帝はそう言って飛んだ

 

剣帝「何してるんですか?ソーナ様」

 

ソーナ「け、剣帝さん!?何故此処に?」

 

剣帝「いやなんと言いますか。ソーナ様に冥界の食べ物を差し上げようかと来たら学園がこうなってて驚きまして……何かあったんですか?」

 

ソーナ「それが堕天使と人間が結託しまして…聖剣エクスカリバーを作り直そうとしていまして…そのエクスカリバーを治す際に起こる余波で街に被害が出ないようにしておりまして…」

 

剣帝「ふむふむ、なるほどなるほど…」

 

ソーナ「それでリアス達が中で戦闘をしているのですが…どうやら相手の堕天使の幹部が手強いらしくて…」

 

ソーナはそういうと少し不安そうに俯いた

 

剣帝「………結界を一部開けて貰えます?俺が入って倒してきます」

 

ソーナ「えっ!?で、でも剣帝さんには関係は…」

 

剣帝「有りますよ。俺の主の大切な妹さんが不安そうな顔をしている…それだけで俺にとっては戦闘する理由になるんですから」

 

ソーナ「えっ!?………」

 

ソーナの顔が真っ赤になった

 

ソーナ(い、今、剣帝さんが大切って、私の事を大切って言ってくれた…)

 

剣帝「ソーナ様?」

 

ソーナ「は、はい?何でしょうか?」

 

剣帝「早く開けて下さい」

 

ソーナ「………どうしても行くんですか?」

 

剣帝「はい、行きます」

 

ソーナ(この顔は何を言っても曲げそうにないですね…)

 

ソーナ「分かりました。少しだけ結界に穴を開けますので其処から入って下さい」

 

ソーナがそう言った少し後に結界に人一人分の穴が空いた

 

剣帝「有り難う御座います!それでは、行って来ます」

 

剣帝はそう言い残して結界の中に走って入って行った

 

―結界内:グラウンド―

 

剣帝(戦ってるっぽい気配がしてるのはこの辺りだな)

 

木場「同志達の思いと共に僕は居るんだ!」

 

??「折れたぁぁ!?」

 

剣帝が草むらから見たのは木場が白髪の男の剣を叩き折った瞬間だった

 

木場「これで君に戦う術は無くなったね」

 

??「あぁ、確かにそうだ、だから、はい、バイにゃら~」

 

木場の前に居た男の目の前から激しい光が放たれた

 

剣帝「うおっ、眩しいなぁ」

 

剣帝が眼を開けると白髪の男は公然と消えていた

 

剣帝(逃げた…か)

 

??「ハッハッハ、聖剣は折れてしまったか」

 

剣帝(ん?誰だ?笑ってるのは)

 

剣帝が声のする方を見ると其処には空中に浮く椅子に座っている黒髪の男が居た

 

剣帝(あっれぇ~?彼奴どっかで見覚えがあるんだけどなぁ)

 

??「オイッ、其処の草むらに隠れている奴、出て来い」

 

黒髪の男は剣帝に向けてそう言った

 

剣帝「別に隠れてなんか無かったけどな」

 

リアス「剣帝様!?何故此処に?」

 

剣帝「いやー、皆が大変そうだからね、手伝いに来た」

 

剣帝がそんな事を言っていると剣帝の前に木場が来て頭を下げ傅いた

 

木場「先日は魔王様の眷属とは知らずあの様な無礼をしてしまい申し訳有りません!」

 

剣帝「良いですから。気にしない気にしない、それよりも…今は戦闘相手に集中しますよ」

 

??「ハッハッハッハッハッ、魔王の眷属とはこれは丁度良いお前を殺して大戦の火蓋を切って落としてやろう」

 

剣帝「うっせぇよ、テメェなんぞにやられるか、えーっとぉ…お前の名前はー…前に資料で見たんだよなぁ……そうだ!コカトリスだ!」

 

剣帝は思い出したように指を立てたがコカトリスと言われた相手は震えている

 

コカトリス「誰がコカトリスだ!!!俺の名はコカビエルだ!」

 

剣帝「五月蝿いぞー?コカバクア君」

 

コカバクア「誰だそれは!!俺はコカビエルだ!」

 

剣帝「あーもー、キャンキャン喧しいよ?コカイン君」

 

コカイン「コ・カ・ビ・エ・ルだ!」

 

剣帝「はいはい、分かったよ、コカ・コーラ君」

 

コカ・コーラ「お前…俺の話聞く気無いだろ?」

 

剣帝「勿論だろ、一々堕天使の話なんぞ聞くと思うな」

 

コカビエル「良いだろう、ならばお前は俺のペットの餌にしてやる」

 

コカビエルがそう言うと地面に穴が開けられ其処から三首の大きな犬が出て来た

 

リアス「ケルベロス!?地獄の門に居る番犬を現界させるだなんて!」

 

剣帝「わぁい!ワン子だぁ!」

 

剣帝はそう言ってケルベロスに向かって走って行った

 

リアス「け、剣帝様!?危ないですよ!?」

 

リアスがそう言ったが聞こえていないのかケルベロスに向かう剣帝

 

コカビエル「ハッハッハ!わざわざ自分から餌になりに行くとはな!」

 

剣帝「ワン子ちゃん」

 

剣帝がケルベロスに抱き着くと

 

ケルベロスA「クゥーン」

 

ケルベロスが腹を見せてゴロゴロと転がってる

 

コカビエル「何!?」

 

剣帝「おー、よしよし、良い子だねー」

 

剣帝はそう言いながらケルベロスの腹を撫で始めてる

 

コカビエル(一体どういう事だ、ケルベロスが一瞬で手懐けられる等…だが!今ならば一匹で手一杯の筈だ)

 

コカビエルはそう考えもう一匹出した

 

剣帝「あっ、もう一匹居たんだ!」

 

剣帝は新しく出て来たもう一匹にも抱き着いて撫で始めた

 

ケルベロスB「ゴロゴロゴロ」

 

ケルベロスは喉を鳴らしてる

 

剣帝「よーしよーし、良い子だなぁ、二匹共」

 

剣帝はケルベロス二匹を可愛がっている

 

コカビエル「お前はケルベロス達に何をした!?」

 

コカビエルがそう叫ぶと剣帝はこう答えた

 

剣帝「可愛がっているだけだ、それ以外は何もしていない」

 

コカビエル「チッ、ケルベロス達が使い物にならないのならば俺が直々に殺してやるとするか」

 

コカビエルはそう言って椅子から降りてきた

 

剣帝「あー、コカトリス君が降りてきた……ほら、ケルベロスちゃん達、向こうで遊んで来なさい」

 

剣帝がそう言うとケルベロス達はグラウンドの端に向かった

 

剣帝「コレで良し……さぁ、来いよ、コカビエル」

 

コカビエル「ようやく俺の名を呼んだか、良いだろう!」

 

コカビエルはそう言うと巨大な光の槍を出した

 

剣帝(あー、これは…木刀じゃ無理だな…仕方無いなぁ、やるぞ、ドライグ)

 

ドライグ《漸くか、待ちわびたぞ!相棒!!》

 

剣帝「一誠君、良く見ておきなさい、これが君の持つブーステッドギアの本当の使い方だよ」

 

剣帝がそう言うと剣帝の左手に紅い籠手が現れた

 

コカビエル「何っ!?何故赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)が2つも有る!?」

 

剣帝「ブーステッドギア!バランスブレイク!」

 

《BoothgearBalancebreakerz!!!》

 

剣帝の左手の籠手からそんな声がしたかと思うと剣帝の全身が赤い鎧で覆われた

 

剣帝「さぁ、行くぜ、手始めに三回だ」

 

《Booth!Booth!Booth!》

 

剣帝の力が膨れ上がった

 

剣帝「そして、これが本当の龍の息吹だ!!」

 

《DragonBless!!》

 

剣帝が左手を前に突き出すと其処から赤い光線が放たれた

 

コカビエル「何だこの力の量は!?」

 

コカビエルは光の槍を投擲したがまるで何も無かったかのようにかき消されドラゴンブレスがコカビエルに激突した

 

コカビエル「グフッ……」

 

コカビエルは血を吐いて倒れた

 

剣帝(終わったかな?)

 

剣帝がそう考えていると

 

コカビエル「ま、まだだ!まだ終わらん!」

 

コカビエルは全身傷だらけになりながらも立ち上がった

 

剣帝(アレ受けても立ち上がるって根性あるなぁ…)

 

剣帝がそんな事を考えていると結界を突き破って白い何かが侵入して来た

 

剣帝「ん?誰だ?」

 

??「ふっ、無様だなコカビエル」

 

ドライグ『気を付けろよ一誠、白いのが来たぞ』

 

一誠「白いの?」

 

剣帝「あぁ、白龍皇か」

 

『この声はまさか!?ヴァーリ!気を付けろ!』

 

白い何者の翼から声がした

 

ヴァーリ「どうした?アルビオン」

 

白い鎧に包まれた者が反応した

 

アルビオン『奴は俺とドライグが共闘しても勝てなかった者だ』

 

ヴァーリ「ほぉ?そうか…」

 

剣帝「んー…君等が弱いからだろ?」

 

アルビオン&ドライグ『『貴様(お前)が強過ぎるだけだ!!』』

 

剣帝「だってさ、どう思う?ドライグ」

 

剣帝は自分の左手の籠手に話し掛けた

 

ドライグ《確かに相棒は強いな》

 

剣帝「そっかぁ…ふぅーん」

 

ヴァーリ「そんな事よりもだ、オイッ、お前」

 

剣帝「ん?俺?」

 

ヴァーリ「俺と勝負しろ」

 

剣帝「………はい?」

 

ヴァーリ「お前に勝てば二天龍よりも強い事が証明される…つまり彼奴に勝つ可能性が増える」

 

剣帝「えー、面倒だなぁ……ん?」

 

剣帝はヴァーリの後ろから飛んで来ている赤髪の女性を見付けた

 

??「餓鬼、アザゼルが待ってるから喧嘩するなら用事が終わってからにしろ」

 

そう言って赤髪の女性はヴァーリに対して怒る

 

ヴァーリ「しかし少しくらいは」

 

??「帰るぞ。アザゼルが待ってる」

 

ヴァーリ「い、いやしかしだな」

 

??「帰るぞ。アザゼルが待ってる」

 

ヴァーリ「・・・ああ、解った」

 

ヴァーリは赤髪の女性にそう言われ続けて渋々帰り始める

 

剣帝「………グレートレッド…」

 

剣帝(多分あの方の仕業だろうな、というか、それ以外あり得ないし)

 

剣帝がそう呟きながらそう考えているとそれから声がした

 

夜鴉「カーッカッカッカッ!」

 

夜鴉が空からゆったりと降りて来た

 

剣帝「やはり、貴方の仕業ですか。夜鴉様」

 

夜鴉「おっ?解ってた?」

 

剣帝「分かりますよ。グレートレッドをあぁいう姿に出来るのは貴方位ですし」

 

夜鴉「カッカッカッ!だろうな!あいつはアザゼルに一目惚れしたらしいからな!だから手伝ってやったのさ」

 

剣帝「……そうですか…でもあの娘…いや、何でも無いです」

 

剣帝はそう言いながら遠くを見た

 

夜鴉「命長し、恋せよ乙女ってな!」

 

剣帝「そうですか…さてと…俺は帰りますかねぇ。可愛い手土産出来ましたし。おいで!」

 

剣帝は二匹に向けて手招きしたすると二匹が勢い良く剣帝に突っ込んで来た

 

夜鴉「おっ?ケルベロスかぁ?」

 

剣帝「はいな、コカビエルが出したのを手懐けまして」

 

夜鴉「いいなぁ、ロッキーを脅しげふんげふん。説得して俺も貰いに行こうかな?」

 

剣帝「可哀想に…まぁ、良いか、それじゃ俺はこれで…良く考えたら家入れないじゃん二匹が…」

 

剣帝が困り果てていると

 

夜鴉「小さくしてやろうか?」

 

夜鴉がそう提案した

 

剣帝「あっ、はい、お願いします」

 

夜鴉「でもな~、何もしないでってのはなぁ~」

 

夜鴉はそう言って考え始めた

 

剣帝「何をしろと?」

 

夜鴉「う~ん、よし!今度アザゼルに会ったら全力で弄れ!!」

 

剣帝「はーい」

 

夜鴉「ここをこうしてこうやって~、はい、終わり~」

 

夜鴉がそう言ってケルベロスを弄るとケルベロス二匹が小さくなった

 

剣帝「有り難う御座います」

 

夜鴉「んじゃ、アザゼルを弄ってくるわ~じゃあねぇ~」

 

剣帝「あっ、はい」

 

夜鴉「ジュワ!!」

 

夜鴉はそう言って夜の闇に飛んで消えた

 

剣帝(ウル○トラ○ン……)

 

剣帝がそんな事を考えているとケルベロスが剣帝の手を舐めた

 

剣帝「おー、よしよし、帰ろうねー、良い子良い娘」

 

剣帝はそう言って転移用魔法陣を展開した

 

剣帝「じゃあ、またね~」

 

剣帝達はそう言って魔法陣に消えた

 

リアス「剣帝様は相変わらず嵐の様な方ね…」

 

オカ研一同「「「「「「確かにそうですね…」」」」」

 

オカ研一同は呆然と立っていた…




今回はコカビエル戦でした。
やっぱり無双しちゃいました。
後、ケルベロスは一匹すくなっております。
さて、次回はどうなるかなぁ?次回をお楽しみに!


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第十八話「神の遣い(パシリ)」

あらすじ

暇を持て余した剣帝が冥界の街を散策後、ソーナに土産を持って行き、その際にコカビエルを倒しケルベロス二匹をペットにして冥界へと剣帝は帰った

――――――――――――――――――――――

―コカビエルの起こした戦闘より3日―

 

剣帝「…Zzz…Zzz…」

 

剣帝が自分の部屋で寝ていると剣帝に向かって走って行き飛び掛る2つの影が…剣帝の腹の上にダイビング

 

剣帝「ゲホォ!!な、何だぁ!?敵襲か……何だお前達か」

 

剣帝に飛び掛かった先日剣帝が飼い始めたケルベロス達だった

 

剣帝「ふぅ…全くわんぱくな子達だなぁ、犬菜(けんな)と狗丸(いぬまる)は」

 

剣帝がそう言いながら撫で始めた、するとケルベロス達が剣帝の手を舐めたり転がって腹を見せたりし始めた

 

剣帝「どうしたんだ?何か用があって俺を起こしたんじゃないのか?それともこれが目的だったのか?」

 

剣帝がそう言いながら両手を使い二匹を撫でていると二匹は何かを思い出したかのように立ち、剣帝の袖を一斉に引っ張りはじめた

 

剣帝「うわわっと、何だ?散歩に行きたいのか?」

 

狗丸「ウォン!」

 

そうだと言わんばかりに狗丸が吠えた

 

剣帝「そうかそうか、それじゃあ、行くとしようか」

 

剣帝は昨日手に入れておいた犬の散歩セットを手に持ち二匹にリードを付け、引き連れて街への向かった

 

剣帝「いやー、動物の散歩なんて久々だからなぁ、楽しみだ」

 

そう言って剣帝は冥界の街へと向かった

 

剣帝「ふんふふーん♪」

 

剣帝は上機嫌で二匹と散歩をしていると

 

??「だからよぉ、何時迄アザゼルの所に居るつもりだ?ヴァーリ」

 

ヴァーリ「アザゼルの元にはグレートレッドが居るからな、奴は俺が倒す」

 

ヴァーリと呼ばれた白髪の男とそう呼んだ黒髪の男が並んで歩いていた

 

狗丸「ガルルルル」

 

犬菜「グルルルル」

 

剣帝「コラコラ、唸るんじゃ有りません」

 

剣帝はそう言って二匹を抱きかかえて物陰に身を隠した

 

剣帝(とっとと通り過ぎてくれよ、面倒はゴメンなんだ)

 

剣帝はそう願ったが、その願いを裏切るように2匹が唸り続け…

 

ヴァーリ「何だ?この唸り声h………」

 

剣帝「あっ……」

 

ヴァーリと剣帝は目を合わせてしまった

 

ヴァーリ「貴様は先日のもう一人の赤龍帝!」

 

ヴァーリはそう言いながら後ろに少し飛び、距離をとった

 

剣帝「あーもー、面倒な事になったなぁ」

 

剣帝はボリボリと後頭部をかきながら隠れていた物陰から出て来た

 

ヴァーリ「何故隠れていた?」

 

剣帝「お前が喧嘩吹っかけてきそうだから、俺は面倒が嫌いだ」

 

剣帝がそんな事を言っていると剣帝の後ろから声がした

 

黒歌「やっほー、剣帝君だっけ?何してるの?」

 

剣帝「おや、こんにちは、黒歌さん、いやはや、この前軽く会っただけのヴァーリに絡まれてます…(´Д`)ハァ…」

 

黒歌「彼が呼んでたよ?きゃっ!彼とかいっちゃった!」

 

黒歌はそう言って恥ずかしそうにしているが剣帝は謎だと言う顔をしている

 

剣帝「彼?……」

 

剣帝(黒歌さんがあんな事言いそうな相手……あぁ、夜鴉様か)

 

剣帝「了解しました……あっ、場所分かんねぇ…」

 

黒歌「教会でぼーっとしてるってさ」

 

剣帝「教会……あぁ、彼処かな」

 

剣帝はそう言いながら飛ぼうとしたが、狗丸達が鳴いたので屋敷に飛んで行った

 

剣帝「それじゃ、大人しくしてろよ?狗丸、犬菜」

 

狗丸「ウォン!」

 

犬菜「ワン!」

 

剣帝「良い子だ」

 

剣帝はそう言って二匹を撫でてから飛んで行った

 

―駒王町:教会―

 

剣帝「夜鴉様ー?」

 

夜鴉「ふわぁ」

 

剣帝「寝てました?」

 

夜鴉「お前が遅いからね」

 

剣帝「スイマセン、ところで、何の御用でしょうか?」

 

剣帝はそう言って謝った

 

夜鴉「いや、ちょっとこの手紙をサーゼクス君に届けてほしいんだよ」

 

夜鴉は剣帝に手紙を手渡した

 

剣帝「あっ、はい、了解しました」

 

夜鴉「あっ、ちょいまち、ハーデスへこの箱を渡して」

 

夜鴉は追加で剣帝に箱を手渡した

 

剣帝「これもですか…」

 

夜鴉「いやー、あいつがまさかマスターボール欲しがるとはね」

 

剣帝(何捕まえる気だろう…)

 

剣帝「こ、これでお終いでしょうか?」

 

夜鴉「そうそう。あとこれね。ミカエル君にこの箱を送ってね」

 

剣帝「ミカエルって……天使じゃないですか…」

 

剣帝は少し嫌そうな顔をした

 

夜鴉「そうだぜ」

 

剣帝「天使に届けるのかぁ…」

 

剣帝(まだ敵だからなぁ……調停結ぶ前だしなぁ…)

 

夜鴉「何?嫌なの?あのヴァーリ君との喧嘩を止めてあげた俺のお願いを断るの?」

 

剣帝「行きますよ。夜鴉様からの頼まれ事ですし」

 

夜鴉「じゃあ頑張ってねぇ」

 

黒歌「頑張ってねぇ♪」

 

剣帝「分かりました」

 

剣帝はそう言いながら魔法陣を展開し、其処に消えた




今回は夜鴉様に呼ばれてお使いを頼まれた回でした。
次回はどうなるのやら…
さて、次回をお楽しみに!


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第十九話「廻る神の遣い」

あらすじ

コカビエルからケルベロスを貰った(奪った)剣帝、その二匹と散歩中にヴァーリに見つかり絡まれるが黒歌に助けて貰う

その後夜鴉に呼び出された剣帝は夜に出された場所に向かう、其処で夜鴉に届け物を頼まれる

――――――――――――――――――――――

剣帝は自分の部屋で少し頭を抱えていた

 

剣帝(面倒さで考えると一番はミカエルさんだよなぁ…でも、距離的にはハーデスさんかなぁ…となると、最初は軽く終わらせられそうなサーゼクス様かなぁ……うん、サーゼクスさまにしよっと)

 

剣帝「さってっと、行くか……その前にちょいと武装強化しよ」

 

剣帝はそう言いながらまた考えはじめた

 

剣帝(投擲用のナイフは用意してるし…近接のもある…後はぁ…バレ難い暗器系が欲しいところだが…うーむ……そうだ!アレにしよう)

 

剣帝はそう言いながら何かを魔力で創造し、その後足下に転移用魔法陣を展開しすぐに消えた

 

―サーゼクス邸前―

 

剣帝「はい、到着…どうやって入ろっかなぁ」

 

夜鴉「派手に行けよ?」

 

夜鴉はトランペットのような銃を持ち出し剣帝の後頭部に突きつけた

 

剣帝「何で居るんですか?しかも、ぴったり俺が来たタイミングに……」

 

夜鴉「だって面白いだろ?このタイミングで現れて脅してるってさ?」

 

さらに強く押し付けた

 

剣帝「………(´Д`)ハァ…了解しました。よっ!」

 

扉を蹴り飛ばした

 

夜鴉「・・・良かった。もしも、行かないって言うならこいつを使わないといけない所だったぜ。」

 

夜鴉はトランペットの姿の銃ととある鍵を見つめて言った

 

剣帝「夜鴉様の持ってる物には警戒するのが普通ですからね…」

 

夜鴉「まぁ、もしも派手にしなかったらセラフォルー領にこいつらを呼び出していたからね」

 

沢山の鍵を剣帝に見せてにこりと夜鴉は笑った

 

剣帝「おー、怖や怖や、そんじゃら、行って来ます」

 

そう言ってサーゼクス邸に剣帝は入って行った

 

夜鴉「ふふふ。行ってらっしゃい。さぁてこいつで黄昏とか言ってる奴等をぼこしに行くかね~♪」

 

夜鴉は剣帝が入るのを見届けると空間に穴を開けて鼻歌混じりに歩いて行った

 

剣帝「あー…サーゼクス様にどう言い訳しよう…」

 

溜め息混じりで剣帝は進んで行く

 

サーゼクス「今の大きな音はなんだい!?」

 

サーゼクスが屋敷から出て来た

 

剣帝「おや、どうも、サーゼクス様」

 

サーゼクス「あぁ、剣帝君か、丁度良い今の音をさせた犯人誰か分かるかい?」

 

サーゼクスがそう問いかけると剣帝はこう答えた

 

剣帝「スミマセン、友人に脅されて俺がやりました」

 

サーゼクス「えっ?」

 

剣帝「友人に音も無く後ろに付かれまして頭に銃を突きつけられまして…それで致し方無く…ゴメンナサイ!!」

 

サーゼクス「そ、そうだったのか…うん!脅されたのだったら仕方が無いね」

 

剣帝「という事は…」

 

サーゼクス「扉を元通りにしてくれたら許してあげよう」

 

剣帝「有難う御座います!後はいこれ、お届け物です」

 

剣帝はそう言いサーゼクスに手紙を渡した

 

サーゼクス「ん?あぁ、手紙か、有難う」

 

剣帝「いえいえ、それでは私はこれで」

 

剣帝は扉を3分で修復してから飛んで行った

 

サーゼクス「セラに聞いた通り仕事が速い…」

 

剣帝(次は~……ハーデスさんかぁ…面識無いなぁ)

 

剣帝はそう考えながら冥界を通り過ぎ冥府へ飛んで行った

 

剣帝「確か聞いた話ではこの辺りに………アレか?」

 

剣帝の視線の先には大きな神殿のような建物があった

 

剣帝「ものは試しだ行ってみるか」

 

剣帝はそう言うと神殿に向かって飛んで行った

 

剣帝「うーん…誰か居るかなぁ」

 

??『フォッフォッフォッ、何者じゃ?お主は』

 

神殿内に声が響く

 

剣帝「俺は悪魔の者だが、ちょいとハーデスさん宛に届け物を預かってる…中身は…確かぁ…『マスターボール』だったかな?」

 

??『ほほぉ、つまりはお主が夜鴉様の使いという訳じゃな』

 

その声がした後に神殿の奥から一人の骸骨のような人物(?)が現れた

 

剣帝「貴方が、ハーデスさんですか?」

 

ハーデス『うむ、如何にも、儂がハーデスじゃ』

 

剣帝「それじゃあ、はい、これが届け物です。では!」

 

ハーデス『あぁ、ご苦労じゃったな』

 

剣帝は荷物を渡すとそそくさと神殿から飛び去った

 

ハーデス『悪魔…だけじゃないのぉ、アヤツは色々と"混ざって"おるな』

 

剣帝「(´Д`)ハァ…神様系と会うのは面倒が起きないか心配になる…さてはて、最後だな…」

 

剣帝は面倒そうに飛んで行く

 

剣帝(あー、ミカエルとかクッソダルい…会うのも今はまだ嫌なんだけど…まだ敵じゃん、会いたくない相手にも程がある……けどまぁ、夜鴉様からの頼みじゃ仕方無いか、とっとと終わらせてセラ様の居る屋敷にかーえろっと)

 

剣帝「という訳で、速度:音!加速:爆!」

 

剣帝は音速で飛びながら爆破を自分の後ろで起こして加速し始めた

 

剣帝「着くまで1分って所かな」

 

―一分後:天界―

 

剣帝「はい、到着っと」

 

剣帝は着いてから即座に周りを見回した

 

剣帝(天界だからなぁ、天使だらけだからなぁ…警戒は必要だもんな)

 

剣帝は多少警戒しながら飛んでいたが

 

天使A「何故悪魔が天界に来ている!」

 

アッサリ見つかった

 

剣帝「な、何でバレた!?」

 

天使A「バレない訳がないだろう!そんな人間界に有りそうな作り物の雲で」

 

剣帝はモコモコとした雲のハリボテに隠れながら飛んでいた

 

剣帝(バレないと思ったんだがなぁ)

 

剣帝がそんな事を考えていると天使がこんな事をぼやき始めた

 

天使A「くっ!見知らぬ妙な格好をした奴等を相手した後に悪魔も来るだと!」

 

剣帝(は?妙な格好した連中?)

 

剣帝がその言葉を聞いて疑問に思いながら周りを見回すと所々壊れていた

 

剣帝(あー、あの壊した形跡は……あの方達か…)

 

剣帝の頭に夜鴉の姿がよぎった

 

剣帝(コイツ等も災難だったなぁ、同情しないけど…)

 

剣帝がそんな事を思っていると天使は

 

天使A「いや!奴等より悪魔一匹の方がましだ!ごみ収集車で吸い込まれたり妙な剣からディスクを飛ばしてこないだけ安心だ!」

 

と言いながら剣帝に顔と意識を向けた

 

天使A「悪魔一人とはいえ警戒は必要だからな……」

 

天使Aはそう言い笛のような物を吹いた

 

剣帝「………なぁんか嫌な予感が」

 

剣帝がそんな事を言ったのも束の間、天使Aの後ろから10人以上の天使達がやって来た

 

天使B「どうした!?敵か?」

 

天使A「あぁ、悪魔が一匹でやって来ていてな」

 

天使C「さっきの仲間かもしれないから、警戒にという訳か」

 

天使A「そう言うわけだ!行くぞ!」

 

天使達「「「「「「「「おぉー!!!」」」」」」」

 

剣帝「(´Д`)ハァ…うっぜぇなぁ、ワラワラワラワラと集まってギャーギャー騒ぎやがってよ」

 

剣帝(まぁ、此処で殺すと後々の調停とかに響きそうだからな、気絶送りにするか)

 

剣帝はそんな事を考えながら敵の方を向いた

 

天使A「死ねぇ!」

 

天使Aが光の槍を持って飛び込んできたが

 

剣帝「うっせぇ!」

 

光の槍を難なく躱して天使Aの顎に一撃を加えた

 

天使A「ガッ……」

 

かなり速度が乗ったのか、天使Aは顎の一撃で気絶してしまった

 

天使B「Aがやすやすと倒された!お前達!個々では掛からず多人数で抑えるぞ!」

 

天使達「「「「「「了解!!」」」」」」

 

天使達はそう言って三人同時や四人同時に光の槍を突き立てようと飛び込んできたり光の槍を投げたりしたが

 

剣帝「うぜぇって」

 

剣帝は飛び込んで来た天使の内一人の頭を掴んで他の天使の顔に蹴りを撃ち込んだり天使の首を足挟み地面に叩き付けたり飛んできた光の槍を手で弾き飛ばしたりした

 

天使G「我々を素手で倒す事はおろか光の槍を手で弾くだなんて…ば、化物…」

 

剣帝「あぁ?俺が化物だぁ?今更かよ」

 

剣帝がそんな事を言いながら天使Gの方を向くと剣帝達の頭上にまばゆい光が

 

??「貴方はあの時二天龍を相手とり大立ち回りを行った方ですね」

 

剣帝に声を掛けたのは金色の翼を持つ天使だった

 

剣帝(……やっとお出ましか…っと、口調は戻しといた方が良いかな)

 

剣帝「えぇ、その通りです。貴方はミカエルさんで間違いはないでしょうか?」

 

そう剣帝が尋ねると

 

ミカエル「はい、確かに私がミカエルです」

 

剣帝「ふむ……では先に謝っておきます。申し訳御座いません」

 

ミカエル「はい?それはどういう事です。かっ!?」

 

剣帝は素早くミカエルに近付くと鳩尾に一撃殴りを撃ち込んだ

 

ミカエル「な、何故この様な事を…」

 

剣帝「ふぅ…スミマセン、知り合いにパシられた上に届け物を持って来ただけで天使にあんな仕打ちをされましたので少々頭に来まして…」

 

ミカエル「そ、そうでしたか…それは申し訳有りません」

 

ミカエルは腹部を抑えながら剣帝に謝った

 

剣帝「いえいえ、それとはい、これがお届け物です」

 

剣帝はミカエルの前に木箱を置いた

 

ミカエル「あ、有難う御座いました…」

 

剣帝「それでは僕はこれで…」

 

剣帝はそう言うと天界から飛び降り冥界へ帰った

 

天使G「ミ、ミカエル様、先程の悪魔は何者なのですか?」

 

ミカエル「先程の彼は大戦の時、二天龍の争いに割って入り、二天龍を斃した張本人だよ」

 

天使達「「「「え、えぇー!?そ、そんな相手なのに我々は一人たりとも命を奪われて居ません!」」」」

 

ミカエル「恐らく彼が死なないように加減をして下さったのでしょう」

 

天使G「そ、そうだったんですか……」

 

―冥界:街―

 

剣帝「あー、マジで疲れたぁ…早う帰って寝よう…」

 

剣帝はそう呟きながら街を歩いて屋敷に帰った




今回は剣帝が様々な場所の主要的な人(?)物に会う回となりました。
次回はどうなりますかね?
次回もお楽しみに


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第二十話「切り札」

あらすじ

神(夜鴉)にパシられた剣帝は口ではうだうだと言いながらキチンと運ぶ物を運んでいた、だが、3つ目宅配先の天界にて下っ端の天使達に攻撃を受け、殺さないように加減をしているとミカエルが上から降りてきたので腹いせ代わりに一発腹部に叩き込んでから帰宅した剣帝

――――――――――――――――――――――

剣帝が天界より帰還してから一日後

 

―セラフォルー邸:剣帝の自室―

 

剣帝「あー、昨日少し暴れたからかなぁ、ふぁーぁ、ちょいと眠い…」

 

剣帝はそんな事をボヤきつつ目を擦りながら書類を片付けて居た、すると

 

セラ「剣帝君!駒王町に行くよ!」

 

剣帝「えっ!?はいっ!?えっ!?し、私用でですか?それとも仕事でですか?」

 

セラ「仕事で行くの、堕天使総督と天使のリーダーとの会談なんだって、眷属を連れて行っても良いらしいから剣帝君も行こっ!」

 

剣帝「で、でも、書類が…」

 

セラ「うっ…うっ…剣帝君が行かないなら休んじゃう〜!!!会談なんて知らない!天使も堕天使も私が全部滅ぼしてやるんだからぁ!!」

 

剣帝「………ハァ…分かりましたよ。行きますよ」

 

剣帝は呆れながら書類を全て片付けて立ち上がりセラフォルーに近付いた

 

セラ「やった!それじゃ、行こっか、剣帝君」

 

剣帝「……はい」

 

剣帝が魔法陣を展開し、剣帝とセラフォルーは一緒に中に入った、セラフォルーは剣帝の腕に引っ付きながら

 

剣帝「そういや、会談の場所を聞いてませんでしたね」

 

セラ「駒王学園だって」

 

剣帝「また彼処ですか」

 

剣帝達はそんな会話をしながら転移した

 

―駒王町:駒王学園前―

 

剣帝「はい、着きましたよ。セラ様」

 

セラ「有り難~、剣帝君」

 

剣帝「あのぉ…スミマセンが目立つので少しだけ離れて頂けませんか?」

 

セラ「えっ…剣帝君に嫌われたぁ~…」

 

剣帝「………代わりにと言ってはなんですが。手を繋ぎますから…」

 

セラ「それなら良いよ!」

 

剣帝とセラフォルーは仲良く手を繋ぎ学園に入って行った、そして、剣帝の案じていた通りに目立った

 

男子A「お、お名前を聞かせて頂けませんか?」

 

女子A「スイマセーン、一緒に写真撮らせて貰っても良いですか?」

 

セラフォルーの周りに男子が、剣帝の周りに女子が集まった

 

剣帝「あの、写真はちょっと」

 

セラ「私はセラフォルー・レヴィアタンだよ!レヴィアたんって」

 

剣帝「とっとと行きますよ!」

 

剣帝が半ば強引にセラフォルーを引っ張って行く

 

セラ「も~、何で引っ張るの?名乗ってる途中だったのに」

 

セラフォルーがそうやって話し掛けると剣帝はこう返した

 

剣帝「セラ様?今目立つと後々での会談が面倒になります。それに…アイツ等の態度が…気に入らなかっんです。セラにちょっかい出してるようで…」

 

剣帝は伏目気味にそう答えた

 

セラ「も~、剣帝君って結構ヤキモチ妬きなんだね」

 

剣帝「………///」

 

剣帝は執事服の内側から狐面を出すと顔に被った

 

セラ「ちょっと待って!?それどうやって其処に隠してたの!?」

 

剣帝「別に良いじゃないですか。ほら、急ぎますよ」

 

剣帝は逃げるように足早に歩いて行く

 

セラ「待って!剣帝君、ね~、答えてよ~、ね~、剣帝君ってば~」

 

(数分後にはキチンと狐面を外して服の内側になおしました)

 

剣帝「会談場所は此処みたいですね」

 

セラ「えっ?うん、そうみたいだね」

 

剣帝「おや?どうしました?セラ様」

 

セラ「な、何でも無いよ~?」

 

剣帝「そうですか」

 

セラ(やっぱり剣帝君の服の中がどうなってるか気になる…どういう構造になってるんだろう…)

 

セラフォルーがそんな事を考えて居るが、そんなのお構い無しに剣帝は部屋の扉を開けた

 

―一方その頃三種会談襲撃予定の待機中カオスブリゲードは―

 

夜鴉「やっほーカテレアちゃん♪」

 

カテレア「ひぃ!なっなんで貴方が此処に!」

 

カテレアと呼ばれたメガネの女性は怯えたような反応をした

 

夜鴉「いやー、面白そうな事をしてるなぁってね」

 

カテレア「貴方も手伝ってくれるのですか?」

 

期待を含むようにそう尋ねたが

 

夜鴉「そんなわけないじゃん。でも面白い事を伝えに来たよ。」

 

カテレア「えっ?」

 

夜鴉「もしもこの作戦に失敗して逃げて帰ってくるような事があれば君の〇〇〇を×××してあげるから覚悟するようにね」

 

夜鴉は笑顔でそう告げた

 

カテレア「ひぃ!」

 

驚くように、いや、怯えるように後ろに下がった

 

夜鴉「じゃあね~♪」

 

夜鴉は鼻歌交じりに何処かへ消えた

 

カテレア「まっ!待って!ねぇ!ちょっと!行っちゃった。」

 

―場面は駒王学園へ戻る―

 

剣帝(あーもー、かなりヴァーリに見られてるよ…)

 

セラフォルーの後ろに立っている剣帝をヴァーリがずっと見ている

 

??「どした、ヴァーリ、アイツが気になるのか?」

 

茶髪の中年男性がヴァーリにそう尋ねた

 

ヴァーリ「あぁ、奴はアルビオン曰く、二天龍よりも強いらしいからな」

 

??「何?二天龍よりも強いだと…」

 

ヴァーリ「お前がそこまで驚く必要はないだろう、アザゼル、お前の側にはグレート・レッd」

 

アザゼル「あー、待て待て!その名を呼んだら恐らく来るから」

 

アザゼルと呼ばれた男性は驚きながらヴァーリの声を遮った

 

剣帝(あっ、何か向こう(幻想郷)に居る時の俺と同じ感じがするなぁ…夜鴉様の犠牲者か…)

 

剣帝がそう考えると少し頭痛がした

 

サーゼクス「では、これからは三種族協力関係を結ぶという事で宜しいかな?」

 

アザゼル「あぁ、俺は構わねぇぜ」

 

ミカエル「私もそれで構いません」

 

三人がそんな会話をしているとヴァーリが窓に近付いて

 

ヴァーリ「フッ、遂に天使や悪魔と手を組んだか」

 

アザゼル「何してんだ?ヴァーリ」

 

剣帝「……!!セラ!ソーナ様!」

 

剣帝は室内に居たセラフォルーとソーナを翼で近くにまで引き寄せた

 

セラ「えっ!?えっ!?きゅ、急にどうしたの?剣帝君」

 

ソーナ「い、いきなりどうしました!?剣帝さん」

 

剣帝「良いからジッとしてて下さいね」

 

剣帝はそう言いながら魔力で作られたバリアを目に見えるレベルで展開した、その次の瞬間周りに居た力の弱い悪魔や天使の動きが止まった

 

セラ&ソーナ「えっ!?これどういう事なの(ですか)?剣帝君(さん)」

 

剣帝「要するに彼が裏切ったって事ですよ。そうだろう?ヴァーリ君よぉ」

 

ヴァーリは白龍皇の翼(ディバインディバイディング)を展開し窓から外に出て行った

 

ヴァーリ「そういう事だ、俺は禍の団(カオス・ブリゲード)に所属する」

 

その時に空に見えた魔法陣から次々と魔術師らしき者達が現れて来た

 

剣帝「ふぅん…セラ様達は此処で待ってて下さいね」

 

剣帝は二人に向けてそう言った

 

ソーナ「えっ、でも、それじゃあ、剣帝さんは…」

 

剣帝「俺は大丈夫ですよ。ね?セラ様」

 

剣帝は笑顔で二人にそう言って空に向かって飛んで行った

 

セラ「あっ……頑張ってね…」

 

剣帝の背中を魔力の盾の内側から見送った

 

剣帝「さってっと、数が多いな…いっちょ吹き飛ばすか」

 

そう言った剣帝の周りに小さな炎の玉が出て来た

 

剣帝「行け」

 

その炎の玉が魔術師達に向かって飛んで行き

 

剣帝「弾けろ」

 

高温と共に爆発を起こした

 

魔術師「グッ……」

 

剣帝「ふぅん、それを耐えるんだったら!」

 

剣帝は大きな火炎弾を凝縮した

 

剣帝「ゾンネ・エクスプロージョン!!」

 

セラ「剣帝君!それは…」

 

剣帝「ver弱火!」

 

剣帝がそう言いながら凝縮した火炎弾を敵に向けて投げ飛ばすと…敵に当たる寸前で周りを巻き込んで大爆発を起こした

 

剣帝「ふぅ…ざっとこんなもんか」

 

魔法陣から出て来ていた魔術師は一人残らずその一撃で消し飛んでいた

 

ヴァーリ「やはりお前は強いな!」

 

ヴァーリはそう言いながら全身に白い鎧を纏った状態で剣帝に向かって行った

 

剣帝「ふぅん、来るんだ、ヴァーリ君、それなら此方も相応の対応をしよう、BalanceBreak」

 

剣帝がそう言うと左腕に赤い籠手が現れ、其処から声がした

 

ドライグ《ブーステッド・ギア、balancebreakerz!!!》

 

その声のすぐ後に剣帝は赤い鎧に包まれた

 

剣帝「さぁ、来いよ」

 

ヴァーリ「はぁ!」

 

ヴァーリが殴り掛かると剣帝は右腕で対応した

 

アルビオン・ドライグ〈《Divide》〉

 

ヴァーリ「何!?何故お前がディバインディバイディングを使える!」

 

剣帝「理由は…教えないよ」

 

ヴァーリ「ならば無理矢理聞き出してやろう!」

 

そう言った二人は空中で周りへの被害を考えずに飛び回りながら戦闘し赤と白の光の様に遠くからは見えた

 

―駒王学園:三種会談現場―

 

セラ「綺麗…」

 

セラフォルーはヴァーリと剣帝の戦闘を遠くから見てそう呟いた

 

??「では、それが遺言ということで宜しいですね?セラフォルー」

 

セラ「えっ?……あ、貴女h」

 

セラフォルーが何かを言い掛けてると??が爆発を起こした

 

―グラウンド:上空―

 

それを見た剣帝は

 

剣帝「セラ!!!」

 

全力で爆発が起きた地点に飛んで行こうとしたが

 

ヴァーリ「戦闘中には余所見とは余裕だな」

 

それを遮る様にヴァーリが剣帝の前方に現れた

 

剣帝「邪魔だ、退けぇ!!」

 

ヴァーリ「ならば無理矢理退けてみろ!」

 

剣帝「だったら、お望み通りそうしてやるよ!!」

 

剣帝とヴァーリは拳を同時に突き出し拳をぶつけ合った

 

―駒王学園:三種会談跡地―

 

爆発が起きた地点には魔力で構成された防御結界が張られていた

 

??「三種族のトップ共同で防御結界、何と見苦しい」

 

サーゼクス「どういうつもりだ、カテレア」

 

サーゼクス達の視線の先には褐色の肌の眼鏡を掛けた女性が立って居た

 

カテレア「単にこの会談のまさに逆の考えに至っただけです。神と魔王が居ないのならば神と魔王が居ないのならば、この世界を変革すべきだと」

 

セラ「カテレアちゃん!辞めて!どうして…こんな…」

 

カテレア「セラフォルー、私からレヴィアタンの座を奪っておいて良くもぬけぬけと…」

 

セラ「私は…」

 

カテレア「安心なさい、今日この場で貴女を殺して私が魔王レヴィアタンを名乗ります」

 

剣帝「させるかよ、そんな事を」

 

剣帝が一直線に魔王達とカテレアの間に落ちてきた

 

カテレア「貴様は誰だ!」

 

剣帝に向けてそう問いかけた

 

剣帝「俺は妖悪剣帝、セラフォルー・レヴィアタンのクィーンだ」

 

アザゼル「オイッ、赤龍帝」

 

剣帝「何だ、アザゼル」

 

アザゼル「ヴァーリはどうした?」

 

剣帝「奴なら俺の魔法で数十キロ先を飛んでる最中だ」

 

―少し時を遡り―

 

ヴァーリ「ハハハッ!どうした!俺を退けるんじゃないのか!」

 

ヴァーリはそんな軽口を叩きながら剣帝と戦闘していた

 

剣帝「良い加減…調子に…乗るな!」

 

ヴァーリ「おぉ、また力が上がったぞ、アルビオン」

 

アルビオン〈余り挑発するな、ヴァーリ、奴の真の力はまだ計り知れない〉

 

ヴァーリ「フッ、この程度なら幾ら赤龍帝で強化されようが何とも無いさ」

 

ヴァーリはそう言って一瞬、瞬きをした、それが命取りになった、その一瞬の内に剣帝はヴァーリの至近距離にまで近付き

 

剣帝「遙か彼方へ飛んで行くが良い、イグニッション・エクスプレス(爆豪炎華)!」

 

ヴァーリ「しまっ……」

 

零距離で魔法を放ち、大爆発を起こしながら進む光弾がヴァーリに引っ付きながらヴァーリを遠く彼方に吹き飛ばした

 

ヴァーリ「グフッ…」

 

剣帝「ふぅ、障害の排除を終了、セラ!」

 

ヴァーリを吹き飛ばした後直ぐにセラフォルーの元へと飛んで行った

 

―回想終了―

 

剣帝「って、訳だ」

 

アザゼル(あのヴァーリを一撃で…何もんだ?コイツ)

 

アザゼルがそんな事を考えていると突然校内放送が流れ始めた

 

夜鴉「ピーンポーンパーンポーン!ねぇ!聞こえてる?聞こえてるよね?僕だよモノクm夜鴉だよ!カテレアちゃーん。きちんと見ててあげるからねぇ」

 

その放送を聞き剣帝がアザゼル達の方からカテレアの方に向き直るとカテレアは震えていた

 

剣帝(ふぅん、夜鴉様の犠牲者か…まっ、今回は同情も何もしないがな)

 

カテレア(勝たないと…またあんな目に…)

 

カテレアはそんなふうな事を考えながら剣帝を睨み付けた

 

剣帝「さぁ、来いよ旧魔王」

 

カテレア「負けられない…負ける訳にはいかないのよ!」

 

カテレアはそう言いながら自分の周りに複数の魔法陣を展開し其処から蛇の様な攻撃を仕掛けた

 

剣帝「ウザイ!」

 

剣帝は手を袖の中に入れ、代わりに糸の付いたクナイの様な物を袖口から伸ばしそれで蛇の様な攻撃に対応した

 

カテレア「もうあんなお仕置きは嫌なの!!」

 

カテレアは更に魔法陣を展開し攻撃した

 

剣帝「ふぅん、それなら」

 

ズボンの裾からも袖口から出ている物と同じものを出しまた攻撃に対応した

 

剣帝((・д・)チッ、防ぐ事なら難なく出来るが…決定打が足りないな…どうにか…ん?)

 

剣帝はカテレアの後ろにとある人物を見つけた

 

夜鴉「剣帝君、プレゼントだ。それを使いたまえ」

 

そう言って夜鴉は剣帝に向けて特殊なベルトと黒いメモリの様な物を投げ渡した

 

剣帝「おっと…これは!…有り難う御座います。これでようやくコイツを…」

 

剣帝は渡されたベルトを腰に付けた、そのベルトの形はバックルの部分が片側だけ上に突出しており其処に何かを差し込めそうな形をしていた

 

剣帝「カテレアよ」

 

カテレア「何かしら?」

 

剣帝「どうやら切り札は常に俺の元へ来るようだぜ」

 

カテレア「はっ?それはどういう…」

 

剣帝「こういう事だ、行くぜ、むみょ…いけね何時もの癖が…」

 

そう言った剣帝は自分の手の内に有るメモリの差し込む部分のような場所の付近を押した、すると

 

メモリ《ジョーカー!!》

 

剣帝「変身!」

 

剣帝はそう言ってベルトに黒いメモリを差し込み、出っ張り部分をメモリごと弾いた、すると、出っ張り部分が斜めに倒れ

 

ベルト〈ジョーカー!!〉

 

という音声がベルトから鳴り響いた、すると、剣帝の全身が黒いライダー姿に変わった

 

剣帝「さぁ、お前の罪を数えろ」

 

剣帝はカテレアの方を指差すようにしてそう言い放った

 

カテレア「フンッ、私が数えるべき罪なんて、そんな物は有りはしなi…」

 

カテレアがそう言っている途中からカテレアに怒気が向けられた

 

剣帝「数えるべき罪は無い?テメェは何をほざいてやがる…テメェは今の所俺の眼の前で3つ、罪を犯しているぞ」

 

その怒気は剣帝から放たれているものだった

 

剣帝「まず一つ目は俺と敵対した事だ」

 

剣帝はそう言いながらカテレアに向かって歩みを進める

 

剣帝「そして、ふたつ目は三種会談現場を襲撃した事だ」

 

カテレア「ひっ…」

 

カテレアは近付いて来る剣帝の怒気に気圧され動けなくなってしまった

 

剣帝「そして、3つ目は…」

 

黒い姿に変わった剣帝の左手のみ赤い籠手が再度現れた

 

ドライグ《BoothBoothBoothBoothBoothBoothBoothBoothBoothBoothBoothBoothBoothBoothBooth》

 

剣帝「俺の前で俺の大切なセラを殺すと公言した事だ!!!」

 

ベルト〈ジョーカー!!マキシマムドライブ!!〉

 

剣帝「ライダーパンチ」

 

ドライグ《トランスファー!!》

 

剣帝は右手でカテレアにボディブローを叩き込んだ

 

カテレア「ガッハッ!!」

 

そして、カテレアはそのまま数十メートル吹っ飛んで行った

 

剣帝「ハァ…雑魚が…」

 

剣帝はそう言いながら変身を解除しセラフォルー達に向かって歩いて行くと、セラフォルーが走って近付いていった

 

セラ「剣帝君!カテレアちゃんを何で殺したりしたn」

 

セラフォルーはそう言って剣帝の胸を叩いた、が

 

剣帝「殺しちゃいませんよ、セラ様は助けようとしたでしょう?だから、殺しちゃいませんよ。まぁ、かなりの重症ですし。動けないとは思いますがね」

 

セラ「えっ…剣帝君、良いの?あんなに怒ってたのに…」

 

剣帝「俺の感情より主の願い、主の思いが優先ですから」

 

セラ「有り難う!剣帝君!!」

 

セラフォルーはそう言いながら剣帝に抱き着いた

 

剣帝「おっとっと、危ないですねぇ」

 

その後問題も無く会談は終わり、三種族は和平を結んだ




今回も読んで頂き有り難う御座います。
ようやく20話となりました。
いやはや、今回は剣帝が多少キレましたね。
ついでに、夜鴉様からまた新しい力を頂きましたし
次回はどうなるんでしょうね?次回をお楽しみに


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第二十一話「力の代償とオシオキ」


それでも良いよって方はゆっくり見て行ってね


あらすじ

事務作業中セラフォルーに呼ばれ三種会談に参加した剣帝、其処で起きたヴァーリの裏切りとカオスブリゲートの襲撃を受ける、そして、剣帝はカオスブリゲートの魔術師狩りへ、その際ヴァーリに勝負を挑まれ難なく相手を始める、一方セラフォルー達は会談現場に残っていた、其処へカトレアが襲撃を仕掛けて来たが魔王達の防御結界に護られ事なきを得た、そして、カトレアのその行動は剣帝の逆鱗に触れてしまい、カテレアは殴り飛ばされたのだった

――――――――――――――――――――――

―三種会談終了後―

 

セラ「剣帝君、何処迄吹っ飛ばしたの?」

 

剣帝「んー…取りあえず怒りの半分ですから…壁にめり込んでるんじゃないですかね?」

 

会談終了後、セラフォルーの提案によりカテレアの保護に向かっている二人

 

夜鴉「ふんふふ~ん♪」

 

カテレア「痛い痛いもっと優しく外して下さい!お願いします!」

 

その二人が見たのはカテレアが壁にめり込んでるのを頭だけ掴んで引っ張ってる夜鴉だった

 

剣帝(ん?あれは…)

 

剣帝「セラ、ちょっと待って」

 

セラ「なぁに?剣帝君」

 

剣帝「ちょいと友人が見えるから待っててくれないかな?」

 

セラ「友達ってもしかして…」

 

剣帝「そういう事だから、待っててね」

 

剣帝はそう言いながら数十m先から夜鴉の居る場所に向かって走った

 

カテレア「ああああ!!」

 

夜鴉「あっはっはっはっ!」

 

カテレアは壁から出たのは良いものの夜鴉にアイアンクローをされていた

 

剣帝「楽しそうっすね、夜鴉様」

 

剣帝(やっぱりセラ様連れて来なくて良かった、この場面は見せられない)

 

夜鴉「おお!剣帝君!」

 

カテレア「ぐべらっ!」

 

夜鴉は剣帝を目視するとカテレアを地面に投げ付けてその上に乗っかった

 

剣帝「あのぉ、夜鴉様?その女性はこの後どうするおつもりで?」

 

剣帝は恐る恐る尋ねた

 

夜鴉「この子と約束してたからね。ちょっとお仕置きするのさ」

 

剣帝「あー、そういやそんな事を校内放送で言ってましたね」

 

夜鴉「この子の負け姿しっかり見たからねぇ。お仕置きは少し辛いのをあげないとね」

 

剣帝「お仕置きの内容は……いえ、やっぱり聞かずに居ます。内容が怖いので」

 

夜鴉「ふむ。されたいかね?」

 

剣帝「結構です!」

 

剣帝はそう言いながら震える右腕を左手で抑えていた

 

夜鴉「カッカッカッ!だろうねぇ!」

 

剣帝「まぁ、あんまり重くしてあげないで下さいね?セラが悲しむので」

 

夜鴉「じゃあ負け犬ちゃんもといカテレアちゃん連れて帰るよ。」

 

剣帝「あっ、はい、さようなら」

 

夜鴉は気絶しているカテレアの頭を掴んだ。そして空間に穴を明け剣帝に微笑みこう言った。

 

夜鴉「カテレアちゃんは文ちゃんより酷い目にあってもらうぜ」

 

それを聞いた剣帝の顔は真っ青になった

 

剣帝「………マジすか」

 

夜鴉「マジマジ大マジだよ~♪」

 

剣帝「…………精神壊れますよ?」

 

夜鴉「知ってるよ~。じゃあねぇ~♪後、この子は幸せになるよ~。いずれね」

 

それだけ言って夜鴉は空間の穴に入っていった。

 

剣帝「それなら……報われる…かな」

 

セラ「剣帝君、文ちゃんって子誰なの?」

 

剣帝「えっ?せ、セラ!?待っててねって言ったじゃん!」

 

声が後ろからしたので剣帝が振り向くと其処にはセラフォルーが居た

 

セラ「そんな事より。ねぇ答えて?もしかして元カノ?まだ気があるとかじゃないよね?ねぇねぇ?」

 

剣帝「違うよ、単なる俺の友人だよ、元カノでも何でも無い」

 

剣帝が弁解してるとき空から剣帝君へと書かれた一枚の手紙が降ってきた

 

剣帝「ん?何だこれ」

 

平然とキャッチして読み始めた

 

夜鴉〈剣帝君へ、プレゼントの代価としてセラフォルーちゃんにヤンデレモードにしてみました~ww後、一日でもすれば治るとはおもうよ~♪〉

 

と手紙には書かれていた

 

剣帝(………マジかよ)

 

剣帝の顔がまた青ざめた

 

セラ「ねぇ?剣帝君?私以外を見てどうしたの?もしかして私以外の女を見たいの?じゃあ私だけに興味を持たすために首を固定するけど良いよね?愛ゆえにだもんね?ふふふ。」

 

剣帝(…ヤバイ向こう(幻想郷)のあの娘達と同じ気配がする…)

 

剣帝「い、いや~、それだとご飯食べたり仕事したりするの大変だから、駄目だよ?セラ」

 

背中に冷や汗をかきながら剣帝はそう言った

 

セラ「ふふふ。大丈夫、剣帝君には食べさせてあげるし仕事だって剣帝君ならそれでも出来ると解ってる。あっ!それとも仕事を直ぐに終わらすから待ってて欲しいって事ね!もう、そこまでして私だけを見たいだなんて剣帝君ってば大胆ね!」

 

剣帝「そ、そういう事だよ~、ハハハッ」

 

剣帝(ヤバイ方面への変換が速い…)

 

セラ「じゃあ早くいこっ!早く早く早く早く早く早く早くぅ!」

 

剣帝「あー、はい、分かりました」

 

そう言って剣帝はセラフォルーの一歩後ろを付いて行く

 

―???―

 

カテレア「う~ん。はっ!此処は?」

 

夜鴉「やっほー、負け犬ちゃん気分はどうだい?」

 

カテレア「・・・気分は最悪ですよ」

 

夜鴉「そうだろうねぇ!カッカッカッ!!」

 

カテレア「所でこの鎖を解いてくれませんか?邪魔で仕方ないのですが。」

 

カテレアの手足には枷と鎖が付けられカテレア自身は少しも体を動かせなかった。

 

夜鴉「俺との約束を覚えてるよね?」

 

カテレア「あっ、嗚呼、作戦は失敗したのですね」

 

夜鴉「そうだよ?だからさぁ解ってるよね?」

 

カテレアは少しずつ顔を青くしていきそれに比例するように夜鴉の口はつり上がっていった。

 

夜鴉「さぁさぁ、負け犬のカテレアさんにピッタリなオシオキを用意しました!HEY!カモン!オーフィス!」

 

オーフィスがバン!と扉を開けてカテレアへトテトテと近付いて行く。

 

カテレア「オーフィス?その手の物はまさか・・・」

 

オーフィス「これは、ナイフとフォーク、カテレア、知らない?」

 

カテレア「知ってますがそれをどう使うのかを聞いているんです!」

 

オーフィスはこてんと首を傾げてカテレアに近付きながらニヤリと笑って質問に答えた。

 

オーフィス「ふふん。ナイフとフォークはご飯のときに使う物、王から聞いた。」

 

カテレア「えっ?まさか私を?」

 

オーフィス「カテレア、ご飯。」

 

カテレアはオーフィスの言葉の真意はあなたを食べると言う事を察してカタカタと震え出した。

 

そこに夜鴉がカテレアにとってのとどめの一言を言い放った。

 

夜鴉「大丈夫だよカテレアちゃん。この部屋では傷は十秒程度で完治するからね。」

 

オーフィス「我、食べ放題。」

 

カテレア「ひぃ!オーフィス!こっちに来ないで!」

 

夜鴉はニヤニヤしながら扉を開けて後ろのオーフィスに大声で話し掛けた。

 

夜鴉「お腹ある程度膨れたら解放してあげろよ~」

 

オーフィス「我、食欲も無限。」

 

カテレア「いぎゃあああ!!」

 

その後その部屋に近付いた者は呪われるとの噂が立った。




今回は原作では死ぬ予定だったカテレアさんが生きてて酷い目に合う回でした。
次回は明日には投稿するつもりなので次回もお楽しみに


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二十二話「地獄の始まり」

あらすじ

カテレアを殺さずに居たので回収に向かうと其処には夜鴉様が居た、その後カテレアは夜鴉様に回収され拷問まがいのお仕置きを受けた、その間剣帝は力を貰った代償に一日だけヤンデレになったセラフォルーの対応をしていた

――――――――――――――――――――――

―三種会談より三日後―

 

剣帝は自室に居た

 

剣帝「さってっと、そろそろ沸いたかな?」

 

剣帝は自分の魔力で空中にヤカンを浮かせてお湯を沸かせていた

 

剣帝「さぁてとぉ、今日のお昼はカップラーメーン」

 

浮かせていたヤカンを手に取りお湯をカップラーメンに注いだ

 

剣帝「はい、タイマーもセットしたし、出来る迄に仕事終わらせるか」

 

そう言った剣帝の前には少し前の数倍の量の書類が山のように置かれていた

 

剣帝「さぁてと、始めるかな」

 

剣帝は書類一枚一枚に素早く目を通していった

 

―三分後―

 

剣帝「はい!お終い!」

 

剣帝は最後の一枚の書類に目を通し、隣にある書類の山に片付けたと同時にタイマーが鳴った

 

剣帝「はい、出来上がりっと、頂きまーす」

 

剣帝はズルズルと拉麺を食べ始めた

 

―五分後―

 

剣帝「ご馳走様でしたっと」

 

剣帝は食べ終えたカップラーメンの残りを軽い炎で焼き、焼失させた

 

剣帝「さってっと、腹も膨れたし、行くか」

 

剣帝は窓を開け勢い良く外に飛んで行った

 

―冥界:セラフォルー所有の山―

 

山の各所で岩が破壊されていた

 

剣帝「この程度じゃ駄目だ!もっと力を、大切な人を護れる力を!」

 

と言いながら岩を粉砕してる

 

夜鴉「馬鹿だろお前w」

 

と言って夜鴉が剣帝の後ろにいる

 

剣帝「あぁ、夜鴉様」

 

剣帝の髪は地味に黒くなってる

 

夜鴉「そんなので強くなれる訳が無かろうて」

 

剣帝「仕方無いじゃないですか。この付近で俺並みの強さいないんですし。こうでもしないとやってられないんですよ」

 

夜鴉「仕方ないなぁ。ペタン!こいつ連れてけ!」

 

ペタン「はっ!全ては我が主の為に」

 

ペタンと呼ばれた女性が剣帝を飲み込んだ

 

剣帝「えっ?えっ?」

 

剣帝は驚いては居たが直ぐに状況を飲み込んだ

 

剣帝(あー、夜鴉様の部下か何かが修業相手かなぁ)

 

剣帝は暗い空間を通りすぎ開けた草原に降り立った

 

剣帝「此処は…草原か、相手は何処だろう」

 

剣帝は周りを見回す

 

???「久し振りだなぁお前。久々の出合いに染みるわぁ」

 

剣帝「………なぁんか嫌な予感が…」

 

剣帝は恐る恐る後ろを振り返ったすると其処には青色のブリキの人形のような存在が立っていた

 

剣帝「ゲッ……」

 

少し剣帝は嫌そうな顔になった

 

アイガロン「げっ!ってなんだよこのアイガロン様を見てなんでその反応なんだよぅ?」

 

剣帝「いやー、だってお前滅茶強いじゃん、俺に圧勝できるじゃん」

 

剣帝は指差しながらそう言った

 

アイガロン「まぁ俺様、何万の構成員の部隊長だしなぁ」

 

剣帝「(´Д`)ハァ…流石は夜鴉様の部下」

 

剣帝は呆れ半分にそう言った

 

アイガロン「お前さぁ?何しに来たわけ?俺様何も知らないんだけど?」

 

剣帝「多分俺の修業相手に選ばれたんだろうさ」

 

アイガロン「修行?はっ!俺様自身でやる必要無さそうだな。今のお前ならな」

 

剣帝「夜鴉様の意思を無視すると?」

 

アイガロン「んな事ねぇよ。事前に念話とかで何も聞かされてないって事は俺様自身でやれって事じゃねぇ」

 

剣帝「あー、そうなるのか、まぁ、今の俺ならそうだろうなぁ、元からしたら100倍弱いからな」

 

アイガロン「そのくらいならなぁ誰が良いかなぁ?」

 

剣帝「さぁなぁ?俺ランクならゴロゴロ居るだろ?」

 

アイガロン「そうだ!オイ!ウィルスン!こいつの相手をしてやれ」

 

アイガロンが言うと草の中からドロドロした物が人形になっていく

 

剣帝(やっぱりこういうの多いなぁ、夜鴉様の配下って…)

 

ウィルスン「デーボウィルスンここに参上しました。で、アイガロン様何をご所望で?」

 

アイガロン「こいつを苛めてやれ。」

 

剣帝「苛めてやれっておいおいおい」

 

ウィルスン「はい。畏まりました。おい!お前。ちょっと歯を見せて笑ってみろ!」

 

剣帝「ん?こうか?」

 

ニッコリと笑った

 

ウィルスンはニヤリと笑いその歯に向けてビームを当てた

 

剣帝「うおっ!何だ?」

 

そうすると剣帝の歯は少しずつ虫歯になっていった

 

剣帝「普通に痛い…」

 

ウィルスン「ちっ!効きが悪いな」

 

剣帝「毒かよ…あっちでの俺なら効かねぇのに…やっぱり此方だと弱いなぁ」

 

そう言いながら項垂れた

 

ウィルスン「本来なら一瞬で全て歯が虫歯になるはずなのに」

 

剣帝「そんなもん撃つなよな、面倒臭い」

 

剣帝は項垂れながらそう言った

 

ウィルスン「まぁ良い。俺のすることは終わった。じゃあ!捕まえてみなぁ!」

 

ウィルスンはドロドロになって草の中に隠れていった

 

剣帝「はぁ?何それ、何処のドラ○ンボ○ルのポ○ゲーム?」

 

剣帝は軽く地面を殴って辺りに爆発を起こした

 

ウィルスン「俺を倒さない限りその虫歯は治らないし悪化するぜぇ!」

 

ウィルスンの声はあらゆる所から聞こえた

 

剣帝「はぁ!?余計質が悪かったよ!コンチクショウ!」

 

剣帝(あー、結界使いたい、でも今の俺が使うと確実に死ぬし…)

 

ウィルスン「おいおい。そんなに悠長にしてても良いのか?もう数本は完全に虫歯になってるんだぜ」

 

剣帝「だってよぉ、今の俺の弱さをより痛感してやる気が起きねぇんだよ」

 

ウィルスン「じゃあ守りたい物も守れないなぁ?俺を倒した女の子は無理だと知ってても諦めなかったぜぇ?」

 

ウィルスンの声は剣帝を嘲笑うように続けて言った

 

剣帝「…………」

 

剣帝は依然暗い顔のままだ

 

剣帝(しょうがねぇじゃん、今の俺そんなに強くないもん)

 

ウィルスン「色々考えるだけで俺はひどいやられ方で殺られたんだがな。本来の俺なら勝てるはずなのにな」

 

剣帝「知らねぇよ、俺にゃ関係ねぇだろ、(´Д`)ハァ…」

 

ウィルスン「お前はそうやって何も考えない状況のままで良いと思ってるのかよ?」

 

剣帝「思っちゃ居ねぇけどよ、仕方ねぇじゃねぇか、現状俺弱いんだし…」

 

ウィルスン「本来なら今のお前でも俺は一瞬で殺せるはずだぜ?」

 

剣帝「ふーん、そーなのかー」

 

剣帝は項垂れ過ぎてやる気がほぼ無くなってる状態になっている

 

ウィルスン「お前に今足りないのは力じゃない。考える頭だ」

 

剣帝「と、言われてもなぁ…俺基本ゴリ押し型だし…」

 

ウィルスン「その女の子もガッツリごり押し形だったぞ?」

 

剣帝「そんなの言われても俺は知らねぇって言ってんだろうが!」

 

剣帝はさっきの数倍の威力で辺り一面を消し飛ばした

 

ウィルスン「俺が言いたいのは何でお前は力を周りしか使えないんだ?って事だよ」

 

剣帝「自分に使うより周りに回した方が良いかと思うからだな」

 

ウィルスン「逆転の発想をしてみろよ?大きなヒントをやったんだからな」

 

剣帝「俺基本ドーピングしないし、した後の反動が面倒そうだから…そういう事で俺は自己強化基本しないんだよねぇ、緊急時以外はさ」

 

ウィルスン「その元の力の使い方の修行が俺の修行なんだよ」

 

剣帝「ふぅーん、そーなのかー」

 

やっぱりやる気がほとほと無くなってる

 

ウィルスン「仕方ないなあ」

 

ウィルスンはその姿を剣帝の目の前に現した

 

剣帝「………ダメ元だ」

 

剣帝は自分の足元からゾンネ・エクスプロージョンを発生させた

 

☡ゾンネ・エクスプロージョンは使用者にもダメージが通る面倒な技なのだ!以上、うp主より☡

 

ウィルスンの姿は無くなったが声は未だ聞こえる

 

ウィルスン「まぁそうすると思ってたぜ?」

 

剣帝「あーぁ、外れたか」

 

剣帝の全身は真っ黒に焼け焦げていた

 

ウィルスン「まず、標的が可笑しいからなぁ」

 

剣帝「そうかねぇ?俺は単に自爆ついでに吹き飛ばそうとしただけだが?」

 

ウィルスン「なんで姿が無いのに同じ声量で聞こえるかわかるか?」

 

剣帝「脳筋の俺にそんなの聞くな」

 

ウィルスン「じゃあ答えを教えてやるよお前の一番近くに居るからさ。俺は名前道理ウイルス。さて、馬鹿のお前に質問だ。俺がお前に接触したのはどんなときだ?」

 

剣帝「ビームの時だろ?」

 

ウィルスン「じゃあ何処に当たって俺は何処に居ると思う?」

 

剣帝「歯だろ」

 

ウィルスン「正解だ」

 

剣帝「なら、仕方無いか、あんまりやりたかねぇけども…」

 

ウィルスン「じゃあ俺を攻撃してみな?何処に居るかはわかっただろ?」

 

カチッ、と言う音が口内に響く

 

剣帝「ホイ、ガチ自爆用爆弾起動」

 

ウィルスン「ほうほう。ならこう言うのはどうだ?」

 

ウィルスンがそう言うと剣帝の爆弾は止まってしまった

 

剣帝「へぇ、それならこれは?」

 

剣帝はそう言うと爆破性の籠もった自作ナイフを口内に入れて起爆

 

ウィルスン「おわっ!アブねぇ事するなぁ?」

 

ウィルスンは剣帝の口から飛び出てきた

 

剣帝「うん、やっと出てきたな、ホイッと」

 

何時の間にか傷が全て治っている剣帝が軽く腕を引くとウィルソンの足元からクナイ状の刃物が出て来た、そのクナイ状の刃物からは細い糸が伸びてる

 

???「腹立たしいぜ!!」

 

突然雷が落ちてウィルスンごとクナイにおちた

 

剣帝「あーもー、ダル」

 

クナイから伸びてる糸を切った

 

???「何時まで待たせる気だ!時間の無駄だろうが!腹立たしいぜ!」

 

剣帝「まぁた、嫌な予感が…」

 

剣帝は面倒臭そうにしながら声のした方向を見た

 

ドゴルド「俺様はドゴルドだ!お前に剣術を教える為に来てやったのにおせぇんだよ!腹立たしい!」

 

剣帝「剣術ねぇ…」

 

剣帝の眼から軽く涙が落ちた

 

剣帝「師匠………」

 

ドゴルド「剣術を教えるとは言ったが俺は教えるつもりは更々ない!見て盗みやがれ!」

 

剣帝「んー、無理」

 

ドゴルドは雷を模したような刀をゆっくりとあげて雷を纏わせた

 

剣帝「無理だって言ってるだろうが…」

 

ドゴルド「良いから食らっとけ!雷電斬光!!」

 

ドゴルドは遠い場所に居たにも関わらず刀から雷を出して飛ばしてきた

更に雷を出して剣劇を飛ばしてきた

 

剣帝「範囲に入ったな」

 

剣帝の近くに雷が来た瞬間に雷が来た位置で爆発が起きた

 

剣帝「爆壁結界っと」

 

ドゴルド「ちっ!腹立たしいぜ!」

 

剣帝「当たるつもりなんて毛頭無いからな」

 

ドゴルド「お前の修行はこれがただの木刀でも出来るようになる事だ!普通の人間にも出来た技だ悪魔が出来なくてどうするよ」

 

剣帝「あー…確かに"今の"俺には無理だな、それとそれって雷斬持ってた偉人だろ?やったの」

 

ドゴルド「違うな、これをただの木刀でやった人間の剣道家が居るんだぜ。腹立たしい」

 

剣帝「へぇ、そうかい、まぁ、今の俺にゃ、出来んだろうな」

 

ドゴルド「そうやってウジウジしてやがるのが腹立たしいぜ!」

 

ドゴルドは剣帝に斬りかかってきた

 

剣帝「知らんな、俺は元々こういう性格なんだよ、(´Д`)ハァ…」

 

ドゴルドは剣帝に当てる寸前で止めた

 

剣帝「斬らないのか?」

 

ドゴルド「やめだ!今のお前は切るに値しねぇ」

 

剣帝「あーそーかい!」

 

剣帝が唐突にナイフでドゴルドに切りかかった

 

ドゴルドは指ひとつで止めた

 

剣帝?「(・д・)チッ、止められたか」

 

そう言った剣帝の髪は一本残らず真っ黒に染まっている

 

剣帝?「そーかそーか、そりゃ悪かったなぁ」

 

そう言うと剣帝の髪は元の銀混じりの白に戻った

 

剣帝「(´Д`)ハァ…今の俺じゃ無理だっての」




今回から修行会が始まりました。
無双系の剣帝ですが修行はします
まぁ、結果はどうなるかはわかりませんがねぇー


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第二十三話「言葉巧みな罠」

あらすじ

夜鴉様に連れられ夜鴉様の配下と修行を始め、自分の弱さを再度痛感しやる気の一切が無くなってしまった剣帝、剣帝はやる気と強さを得られるのだろうか

――――――――――――――――――――――

剣帝(あぁー…何で俺ってこんなに弱いんだろ…)

 

剣帝「………(´Д`)ハァ…」

 

剣帝は草原に寝転びながら溜息をついた

 

ドゴルド「てめぇの態度が気に入らねぇな。仕方ねぇな俺を倒せたらてめぇの能力封印緩和をあの方に俺から進言しておいてやる」

 

剣帝「えっ!?マジで!?」

 

ドゴルド「まぁ進言だがな。確定じゃないから」

 

剣帝「それだとしても構わんさ、さて、そうと分かればやる気だそうかねっと!」

 

草原にに転がって横になっるのを辞めすぐに飛び上がって立った

 

ドゴルド「おい!カンブリマ沢山用意しておけ!さぁやるか?」

 

剣帝「おうよぉ!」

 

ドゴルド「おら!喰らいやがれ!」

 

ドゴルドは雷を剣帝に絶え間無く降り注がせた

 

剣帝「食らうかよ!」

 

剣帝に近くに雷が来た瞬間に爆発が起き続けた

 

ドゴルド「腹立たしいぜ」

 

ドゴルドは剣帝の腹に剣を突き立てた

 

剣帝「ゴフッ……いってぇなぁ…お返しだ」

 

剣帝は服の下から数本のナイフを出してドゴルドに突き立てた

 

ドゴルド「ふん!俺の特技を見せてやろう!」

 

ドゴルドはその体をバラバラにして周りにいたカンブリマと呼ばれた怪物にまとわりついた。

そしてカンブリマはドゴルドに成っていった。

 

剣帝「ドゴルド……もしかして、怪獣だったかな?」

 

ドゴルド「あんな化物達と一緒にすんじゃねぇ腹立たしい、俺は怪人系統の幹部クラスだぞ」

 

剣帝「おっと、そりゃ、悪かったな!」

 

指をぱちんと鳴らすとドゴルドの身体に爆発が起きた

 

ドゴルドはバラバラになったがカンブリマにまとわりついて復活した

 

ドゴルド「ふははは!どうだ?倒してみろよ!」

 

剣帝「……ゾンネ…エクスゥ………プロージョン!!」

 

剣帝がそう言い放つとドゴルドを中心に大爆発が起きた

 

ドゴルドは剣帝の周りにバラバラになった

 

剣帝「………ヤベッ」

 

ドゴルドの仮面から声が聞こえてくる

 

ドゴルド「貰ったぁ!!」

 

剣帝「残念、外れだ」

 

剣帝の周りに細い糸が伸びてる

 

ドゴルドの鎧が剣帝に高速で細かくなりながら糸の隙間を通過してまとわりついた

 

剣帝「ゲッ、ミスったかなぁ……」

 

剣帝は顔を残して鎧がまとわりつき最後にドゴルドの仮面の部分が顔にせまる

 

剣帝「残念でした」

 

剣帝の口から一本だけクナイが出て来た

 

剣帝「爆ぜろ」

 

クナイが赤みを帯び、大爆発を起こした

 

ドゴルド「ちっ!エンドルフはいえねぇのか!」

 

エンドルフ「うるせぇな鎧。頭がイテェ。」

 

ドゴルド「お前の体を借りるぜぇ!!」

 

突然現れた怪人の体にドゴルドの鎧がまとわりついてドゴルドが復活した

 

剣帝「面倒だなぁ……まぁ、良いか」

 

ドゴルド「ふははは!これで腹立たしいお前に反撃出来るぜぇ!楽勝過ぎて頭がイテェゼ!」

 

剣帝「ところがぎっちょん!!」

 

剣帝がまたパチンと指を鳴らすとドゴルドの各場所が爆発した

 

ドゴルド「ふははは!何かしたか?」

 

爆煙の中から無傷でドゴルドが出て来た

 

ドゴルド「ふははは!お得意の爆発は聞かないぜぇ!」

 

剣帝「それなら仕方無い、焼き殺すか」

 

剣帝はドゴルドの近くに炎を発生させたがドゴルドはそれを無視するように蝋燭型の銃で発砲しながら雷を模した剣を振り上げて近付いてきた

 

剣帝「あーもー、ダッルイなぁ……ドライグ」

 

剣帝の左手に赤い篭手が現れた

 

剣帝「Balancebreak」

 

ドライグ《ブーステッド・ギア、Balancebreakerz》

 

剣帝の全身が赤い鎧で包まれた

 

ドゴルド「へぇ?少しは殺れそうじゃねぇか」

 

剣帝「どうだろうな!」

 

剣帝は音速で移動しドゴルドの腹に殴り込んだ

 

ドゴルド「おおっと、殺気が丸見えで攻撃の軌道が読み易すぎるぜ!!」

 

剣帝「なら、こうだ!」

 

首に回し蹴りを放った

 

ドゴルド「隙がデカイんだよ!腹立たしい!」

 

剣帝の攻撃の軌道に剣を降り下ろした

 

剣帝「おっとっと!」

 

剣がぶつかった瞬間に爆発が起きた

 

剣帝「あー、びっくりしたぁ。まぁ、大振りがすぎたな」

 

爆発に乗じて体制を整えた

 

ドゴルド「ふははは!空蝉丸との決闘ほどじゃねぇが血がたぎるぜ!」

 

剣帝「(・д・)チッ、無傷かよー、かってぇなぁ」

 

ドゴルド「腹立たしいか?腹立たしいよなぁ!ほら!俺を恨んでみろよ!」

 

剣帝「いいや、足りないね、俺の怒りはこれでは引き出せやしないぜ」

 

ドゴルド「ちっ!仕方ねぇ全力で行かせてもらうぜ!!」

 

剣帝「あぁ、来い!」

 

剣帝は身構えた

 

ドゴルドは全身に雷を纏い剣帝に向かって走った。

 

が突然ドゴルドの目の前に金色の盾が現れドゴルドを静止させた

 

ドゴルド「ちっ!どういう事だ!キング!」

 

剣帝「キング?………夜鴉様?」

 

キング「ボスから連絡があってね。ドゴルド、もういいそうだよ?」

 

キングと呼ばれた金髪の少年はドゴルドに宥めるように言い聞かせた

 

剣帝(あっ…違った)

 

キング「やぁ、初めましてだね?僕は第一部隊大隊長のコーカサスアンデット。キングって呼んでね」

 

剣帝「あぁ、俺は…名乗らなくても知ってるだろうが一応名乗るか、妖悪剣帝だ」

 

キング「うん、知ってるよ僕の部隊の下っぱレベル君?」

 

剣帝の胸に何かしらが刺さるような音がした

 

剣帝「やっぱ俺って雑魚なのなー」

 

キング「ボスが言うには僕の部隊が強すぎるだけらしいけどね」

 

剣帝「…………うがぁぁ!!まだ終われるかぁ!もっと強くなるんじゃあぁぃ!!」

 

剣帝は二人と離れた方向に向かって走って行った

 

キング「はぁ、これから案内しないといけないのに」

 

キングは剣帝に手を向けた

 

剣帝がピタッっと止まった

 

剣帝「案内って何処に?」

 

キング「次の修行場だよ」

 

剣帝「おっしゃー、行くぞー」

 

二人の方向に向かって歩いてきた

 

ドゴルド「おう、さっさと行ってこい」

 

剣帝「あいよー、そんじゃなー」




今回は剣帝が無くしたやる気を取り戻したりした回となりました。
さて、次なる修行場所はどんな場所でしょうかね?
次回もお楽しみに


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第二十四話「怪獣娘と剣の帝」

あらすじ

ドゴルドのとある言葉によってやる気を取り戻した剣帝、だが、取り戻したのも束の間、剣帝は次の修行場に移動する事に

――――――――――――――――――――――

キング「着いたよ。ここが神王のお膝元。超越死殿だよ」

 

キングに剣帝が連れて来られた場所は全てが黄金に輝く場所だった

 

剣帝「……何か空気が重い…ついでに眼も痛い」

 

キング「ここは生物には辛いと思うよ。生物はここの空気が辛いってみんな言うからね」

 

剣帝「そりゃ俺でも辛いわけだ」

 

キング「ここは生物には常に過重を掛けられてるからねぇ」

 

剣帝「あぁー、だから重いんだ」

 

キング「まぁ僕らみたいに死ぬと言う概念を逸脱した者達用の場所だからね」

 

剣帝「アレ?それつまり俺もだよな……まぁ、生物だから仕方無いか」

 

キング「君のは呪いのせいだろ?僕らは種族的な理由だからね」

 

剣帝「あぁ、そこで違いが…」

 

キング「そうだよ、さてそろそろ彼が来るはずなんだが」

 

剣帝「彼?」

 

キング「君の指導教官なんだけど」

 

剣帝(誰だろう…)

 

キング「あっ、来た来たおーい!」

 

???「やぁキング久しぶり、相変わらずだね」

 

青色のドレスを身に纏い、キングの身長ほどより大きなハサミを二つ背負った少女がフラフラと現れた

 

剣帝(………でっけぇ鋏…)

 

バルタン「やぁ!剣帝君。私はバルタン星人だよ~。バルたんって呼んでね!」

 

剣帝「………あっ、はい」

 

剣帝(ノリがセラに似てる…)

 

バルタン「・・・えっとこれで良かったよね。うん。合ってる。」

 

バルタンは後ろを向いて紙のような物を見ながらブツブツと何かを言っていた

 

剣帝「………台本読んでますよね?」

 

バルタン「いやいやいや!そんな事無いよ!私は完璧で幸福だからね!」

 

剣帝「パラノイアかよ」

 

バルタン「・・・まぁ私の世界はパラノイアより酷い世界ではあったよね」

 

バルタンは俯いてしょんぼりしてしまった

 

剣帝「あぁ、ゴメンよ?俯かせたりする気は無かったんだ」

 

剣帝はアタフタしながらそう言った

 

剣帝(駄目だ、セラの感じが強いからどうにもなぁ……)

 

バルタン「もういいよ、そうだよ!主も言ってたじゃない!あいつらより私は強いんだから!」

 

剣帝「…………」

 

剣帝(イカンな精一杯頑張ってるって感じがして可愛い)

 

バルタン「そうだ、ごめんね。ボーッとさせちゃってじゃあ行こうか!」

 

剣帝「了解しました」

 

バルタンは大きなハサミを使って空間に裂け目を作った

 

剣帝「………わーお」

 

剣帝は軽く驚いた反応をした

 

バルタン「おいで、私達の世界に連れていってあげる」

 

剣帝「了解しました」

 

剣帝は裂け目に入って行った、その後、剣帝が空間を通り抜けて出てきた場所は空には絶えず光線が飛び交い怪獣の叫び声が常に聞こえている世界だった

 

剣帝「何このウル○ラ◯ンの怪獣○場感……」

 

バルタン「みんな~、ちょっと良い~?」

 

バルタンがそう言うと直ぐに剣帝の周りに巨大な怪獣が取り囲んでいた

 

剣帝(威圧感パネェ)

 

バルタン「この子を虐めぬいてほしいらしいからみんな一斉に攻撃だー!」

 

剣帝「ファッ!?」

 

剣帝に明らかにヤバイ量の光線が襲った

 

剣帝「うっはぁー、危ねえ……マジ痛え」

 

当たる前に赤い鎧を身に付けたが大ダメージを負った

 

バルタン「あれれ?みんな手加減し過ぎだよ~」

 

???「そうは言っても全力でやってしまっては面白くないでしょう?」

 

バルタン「あはは、そうだけどさぁ」

 

剣帝「マジで痛いです」

 

剣帝の周りの怪獣は全員少女の姿になり一人の黒髪の少女がバルタンに近付いた。

剣帝は見た目の可愛さと明らかな強者の風格が混じった少女に違和感を感じ取った

 

剣帝(何か…変な感じがする…)

 

バルタン「でもでもゼットンちゃん。主も全力を期待してるでしょ?」

 

ゼットン「ふぅ、今回は特訓でしょう?あれを彼に着けましょう」

 

バルタンは軽くゼットンに引いたのが剣帝からも見てとれた

 

バルタン「いや、あれは駄目でしょ?駄目だよ」

 

剣帝(うーん、アレって何だろ、明らかにバルタンちゃんの反応からキツそうだけど気になるなぁ)

 

ゼットン「大丈夫です。見た目はパワードアーマーですしね」

 

バルタン「実際は逆の効果なのにね」

 

剣帝「弱める気満々かよ!」

 

ゼットン「ありました。テクターギアです。さぁ着けなさい」

 

剣帝「…………」

 

剣帝(俺ここで何回死ねば良いんだろ…)

 

ゼットンは赤い鎧のような物を剣帝に渡してきた

 

剣帝「…………」

 

剣帝は一切動かなくなった

 

バルタン「剣帝君、無理しないで良いんだよ。しかも教官は私達じゃないから手加減しないし」

 

剣帝「それ死刑宣告ですよね!?」

 

ゼットン「レオさんは誰にでも手加減しませんよ?」

 

剣帝「しかもウル○ラ○ンかよ!!」

 

???「わはは~捕まえたぞ~装着~」

 

剣帝に一人の怪獣の少女が引っ付いた

 

剣帝「ゲゲッ!?」

 

そうすると周りに居た怪獣が殆どいなくなりもういるのはバルタンとゼットンのみになってしまった

 

剣帝「俺死ぬんだよな?そうだよな?」

 

バルタン「あはは、ごめんね。私たちも離れないとヤバイから私達のも離れるよ」

 

ゼットン「御武運を・・・ぷぷぷ」

 

剣帝「もうヤダ確実に死ぬ」

 

ゼットンは笑っていたのを止めて真面目な顔になって剣帝に近付いた

 

ゼットン「本当に気を付けて下さいね。レオさんは手加減と言う物を知りませんから私もどうなるかわかりません。御武運を祈ってます」

 

それだけ言うとゼットンは瞬間移動をした

 

剣帝「はい…(´Д`)ハァ…死ぬな…」




今回は剣帝が新しい修行場へと移動する回でしたので短くなってしまいました。
次回はどんな内容になりますかね?
次回もお楽しみに


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第二十五話「拳の言葉の重み」

あらすじ

次なる修行場に移動した剣帝、其処に居たのは多数の怪獣だった、そして、其処でセクターギアを着せられ次の修行相手を待つ事となった

――――――――――――――――――――――

剣帝「あーもー、このアーマークッソ動きづらい…怠い!更にこの状態で戦えとか鬼畜だわ!」

 

剣帝はそう言いながら地団駄を踏んでる

 

レオ「ゼロもそれを着けて戦っていた。お前もそれくらい出来るようにしてみろ」

 

剣帝「アンタ等と一緒にすんなぁ!!」

 

レオ「大して変わらんだろう」

 

剣帝「変わるわ!!そっちは光の戦士!此方は大して強くもない悪魔!大分変わるわ!!」

 

レオ「生きているなら変わらんだろう」

 

剣帝「なんて大雑把な…」

 

レオ「精進し強くなれる。それで良いだろう?それとも守りたい物を守れずに負けたいのか?」

 

剣帝「それは嫌だ」

 

レオ「・・・守りたいのに己の力不足で守れない時もある。後悔しても遅いんだぞ。」

 

レオは少し暗い顔になった

 

剣帝「………あぁ、分かったよ、始めよう」

 

剣帝もそれを見て何かを察したのかそう言った

 

レオ「その前に、今回は近接戦闘のみだ。」

 

剣帝「つまり、武装は無しと?」

 

レオ「ああ、爆発、光線もなしだ」

 

剣帝「了解した、さぁ、早く始めよう」

 

剣帝(セラ様が寂しがってるかもしれないからな)

 

レオ「ああ、来い!」

 

剣帝「おらよっと!」

 

レオの頭に向けて蹴りを放つ

 

レオ「ふん。この程度か!」

 

レオは片腕で止めて弾いた

 

剣帝「まだまだぁ!」

 

即座に別の足をレオの頭に巻き付けて絞め始めた

 

レオ「その手は悪手だぞ」

 

剣帝の足を折って投げ捨てた

 

剣帝「いっつぁ!!」

 

即座にレオから離れて足を治した

 

レオ「隙が出来ているぞ!」

 

剣帝の頭を蹴っ飛ばした

 

剣帝「ゴフッ……いってぇなぁ!オイッ!!」

 

蹴り飛ばされたがすぐに体勢を立て直し音速でレオを殴った

 

レオ「軟弱な攻撃は隙を生むぞ!」

 

レオはあえて攻撃を受け、剣帝を殴り吹っ飛ばした

 

剣帝「忠告と攻撃痛み入る!」

 

殴られた瞬間にレオの腕を掴み腕十字をした

 

レオ「時に柔より剛を極めれば柔を超える!」

 

剣帝の拘束を無理矢理外し地面に叩き付けた

 

剣帝「ガフッ……痛えって言ってんだろうが!!!」

 

レオの顔に向けて真っ直ぐ蹴りを放つ

 

レオ「蹴りをする時は隙を減らせ!」

 

レオは剣帝の足を掴み膝を逆方向に曲げた

 

剣帝「あー、はいはい!」

 

今度は音速で放った

 

レオ「ぐっ、だが相手もカウンターをしてくる者も居る!」

 

レオは攻撃を受けていたが反撃で剣帝を空高く蹴り飛ばした

 

剣帝「ゲホッ!!……まぁ、確かにそういうのも居るだろね!」

 

蹴られた勢いを利用してレオを投げ飛ばした

 

レオ「反撃は時として攻撃に転じられる事もある!」

 

レオは飛ばされた勢いを生かして剣帝より高所に飛んだ

 

剣帝「だろうな!!」

 

そのままの勢いでレオを振り下ろした

 

剣帝「上に行ったのが仇だったな!」

 

レオ「相手の特性を理解しろ!」

 

レオは地面スレスレで飛び剣帝の頭を付かんで地面にたたきつけた

 

剣帝「あー……盲点だったわ、有り難うよ」

 

音も無くレオを顔を殴り飛ばした

 

剣帝「てか、離しやがれ!!」

 

更に腹に蹴りを二発連続で叩き込んだ

 

レオ「そして、これが人にもっとも効率的な攻撃方法だ」

 

レオは攻撃を無視し剣帝の首を締め上げた

 

剣帝「グェ……ウグッ…………」

 

剣帝はある程度抵抗すると気を失ったように首から力が抜けた

 

レオ「そしてこう気絶した際には胸をこう殴れば起きる」

 

首に一方の手をかけた状態から胸にもう一方の手を使い抉り込むようなパンチを繰り出した

 

剣帝?「おっと、危ねえなぁ」

 

さっきまでグッタリしていたがレオの殴りを受け止めた

 

レオ「貴様は」

 

レオは攻撃を受け止めた剣帝を睨み付けた

 

剣帝?「ヒヒャヒャ、そんなに怖い顔すんなよ」

 

レオの拳を捻って手首の骨を折った

 

レオ「ふん。手加減は要らぬようだな」

 

レオは折れたはずの手で相手を殴り付けた

 

剣帝?「そ~でもないんだよなぁ、俺が出れるのは此処までだし」

 

レオの殴りを受け止められず体に受けた

 

レオ「ふん。全力で殴らなくて正解だったと言うわけか」

 

レオは剣帝を放り投げ近くの岩に座った

 

剣帝「ゲホッ、ゲホッ……あー、痛い…」

 

そう言いながら平然と起き上がった

 

レオ「起きるのが遅い」

 

レオは空を見上げながら剣帝に駄目だしした

 

剣帝「スイマセンねぇ、今のこの身体はこれが精々なんですよ」

 

レオ「教えた事は覚えているか?」

 

剣帝「まぁ、はい」

 

レオ「ならば良い、テクターギアを外してやる」

 

プシュウと言う空気の抜ける音と共にテクターギアが外れた

 

剣帝「あー、軽っ、身体がかなり軽い」

 

剣帝は肩を動かしながらそう言った

 

レオ「あそこの穴から帰れ。帰りたいのだろう?」

 

レオが空を指差した先にはワームホールが出来ていた

 

剣帝「それでは、有り難う御座いました」

 

ワームホールに走っていった




今回は修行終了の回でした。
いやぁー、修行相手がまさかのウルトラ○ンレオさんでしたからねー。剣帝死にかけてましたよ。
まぁ何はともあれ剣帝はきちんと修行完了して帰りましたからねー。おそらく前より強くなってます
それでは次回もお楽しみに


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恋菓子特別話「茶色い菓子と恋の模様」

前書き
東方とハイスクールD×Dの二次創作です
これはうp主の自己満足品です
キャラ崩壊が多大に含まれます
これは駄文です
妹紅は俺の嫁、異論は認めん
後、オリ主はチートです
それでも良いよって方はゆっくり見て行ってね


2月14日、その日は女子が思い人に茶色い菓子と共に自分の気持ちを伝えるバレンタインのある日、女性にとっては大切な日です。

さて、そんな日ですので早速自分の恋の気持ちに正直な少女たちの様子を覗いてみましょう

 

―バレンタイン前日:セラフォルー邸―

 

セラ「明日はバレンタイン〜、剣帝君に私が初めて作る手作りチョコを贈る大切な日、だから、頑張らなきゃ!」

 

と言いながらセラフォルーはキッチンに立っていた

 

リオート「セラフォルー様、それでしたらもう少しですので集中なさって下さい」

 

そして、その隣にはメイド長のリオートが立っていた

 

セラ「あっ、ゴメンねリオートちゃん、折角手作りチョコの作り方教えてくれてるのに」

 

リオート「いえ、メイドである私に出来る事であればやるのが常識ですので…ですが私に教わるので宜しかったのですか?」

 

二人はコトコトとチョコの入った鍋を見ていたがリオートが疑問を投げかけた

 

セラ「えっ?何が?」

 

その疑問にセラフォルーが首を傾げた

 

リオート「剣帝様に教えてと頼めば二つ返事でOKして下さると思いますよ…剣帝様が時折料理をしているのは見かけますが…とても上手ですよ?」

 

リオートがそう言い終わるとセラフォルーはこう返した

 

セラ「駄目だよ、剣帝君を驚かせたいからこっそり教えて貰って作ってるのに、剣帝君に教わったらその意味無くなっちゃうでしょ?」

 

リオート「さ、さようですか。でしたら私は何も言えませんので…っと話している内に終わりましたね。さっ、チョコを型に流して下さい」

 

セラ「は〜い」

 

そうやって現魔王たる主(セラフォルー)と従者(リオート)はチョコを作っていた

 

―カオスブリゲイドの基地―

 

此処にもまた想い人の為にチョコを作っている一人の女性の姿が

 

黒歌「ふんふふ~ん♪」

 

キッチンに一人の黒い化け猫の少女、黒歌が立っていた

 

オーフィス「黒歌、何をしている?」

 

その後ろに黒髪の幼女、オーフィスが近付き問い掛けた

 

黒歌「オーフィスはバレンタインって知ってる?」

 

と黒歌が逆に尋ねると

 

オーフィス「聖バレンティヌスの死んだ日、バレンタインは本来男が女の子にチョコーレトなるカロリーの塊を渡す残酷な日。日本人は逆になっている。」

 

黒歌「よく知ってるみたいで良かったにゃ。」

 

オーフィス「ふふん、我も日々進歩する」

 

黒歌「そうだね。つまり私は彼にあげる為にチョコを作ってる訳だにゃん」

 

オーフィス「なるほど、我も何か手伝う?」

 

黒歌「う~ん、特には無いかにゃ~。と言うか私一人で作りたいにゃん」

 

とオーフィスに言った

 

オーフィス「何故?」

 

黒歌「そっちの方が気持ちとか色々込めれるからにゃん」

 

オーフィス「色々って?」

 

黒歌「色々は色々にゃん♪」

 

と黒歌は楽しげにチョコを作り続けてる

 

オーフィス「ふむ。では、黒歌頑張れ」

 

そう言いながらオーフィスは去っていった

 

黒歌「激励ありがとうにゃん♪」

 

こうやって神王の下に居る黒猫もチョコを作っていた

 

―???―

 

カテレア「バレンタインに合わせて彼に会えれば良いのですが…いえ!きっと会えますね。そして、その時にこれを渡して…」

 

カテレアは一人でじっくりゆっくりとチョコを作りながら独り言を言っていた

 

カテレア「しかし…彼の好みを聞いていないので苦いのが好みなのか、甘いのが好みなのか分からないので困りました……まぁ、チョコは基本甘い物ですからね。甘くしていても問題は無いでしょう」

 

そう言いながらカテレアはちゃくちゃくとチョコレートを作っていく

 

カテレア「彼は喜んでくれるでしょうね!セラフォルーも恐らく作ってるでしょうが…彼女には負ける気はしませんね」

 

こうして褐色の女性が愛しの歩兵に贈るチョコを作るのだった

 

―駒王学園:家庭科室―

 

此処では駒王学園の生徒会の会長と副会長が揃ってチョコを作っていた

 

ソーナ「椿、そちらのハートの型を貸して下さい」

 

椿「少々お待ち下さい、会長…どうぞ」

 

椿はそう言ってソーナにハート型の他の型を手渡し、ソーナはそれを受け取った

 

ソーナ「あの二人はまだ婚姻は結んでません、なのでまだ私にもチャンスはあります。そうでしょう?椿」

 

ソーナがそう問いかけると

 

椿「あり得るかも知れませんね。ですが、あのお二方の仲の宜しさを見ると剣帝さんを奪うのは難しいのでは?」

 

ソーナ「そうかも知れません。でも、可能性が少しは残っている筈です。その可能性に私は掛け今回のバレンタインを利用し剣帝さんの心を奪ってみせます!」

 

椿「御頑張り下さい、会長」

 

ソーナ「ところで椿、それは誰に贈る予定のチョコですか?」

 

椿「…………スミマセン会長、それは秘密です」

 

ソーナ「秘密にするという事は…なるほど…お互い頑張りましょうね。椿」

 

椿「了解しました」

 

こうして恋の想いの込められたチョコは贈り主の手によって作られ、受け取り主にある人は手渡しで、またある人は手紙を添えて、またある人は郵便で贈るのだった




今回はバレンタイン特別話となっております。
楽しんで頂けたなら幸いです。
後、これは報告なのですが。次回からとあるオリキャラに後書きを任せようと思いますので。お楽しみに


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第二十六話「会合の剣」

あらすじ

テクターギアを付けられた剣帝、次なる修行の相手は光の戦士、ウルトラマンレオだった、そして、その際にレオから格闘戦でのアドバイスを貰い、自宅に帰る剣帝だった

――――――――――――――――――――――

―セラフォルー邸:剣帝の部屋―

 

剣帝「あーもー、クッタクタだよ」

 

剣帝はワームホールから疲れきった様子で出ると即座にそう言いながらベッドに横たわった

 

剣帝「はぁーぁ、やった内容は殆ど物理の殴り合いだったなぁ……まぁいっか」

 

剣帝がそんな事を言っていると部屋の扉が開いた

 

セラ「アレ?剣帝君何時の間に帰って来てたの?」

 

剣帝「あぁ、ついさっき帰ってきたんですよ。そういえば、今何時ですか?」

 

セラ「んーっとねぇ、午前11時15分かな」

 

剣帝「ふむ、そうですか」

 

剣帝(一時間15分しか時間経過してないな…夜鴉様のお陰かな?)

 

剣帝がそんな事を考えていると

 

セラ「ところで剣帝君」

 

剣帝「はいはい、何でしょうか?」

 

セラ「何でそんなに服が汚れてるの?」

 

剣帝の服は修行の際に汚れた状態だった

 

剣帝「おっとっと、これはー…そう!修行して来ましたので…」

 

セラ「それなら汗流したら?」

 

剣帝「そうですね。そうします」

 

剣帝はトランクを開けて下着等の衣類を取り出して一階の浴室に移動した

 

剣帝「…………あのぉ、セラ様?」

 

セラ「なぁに?剣帝君」

 

剣帝「何でずっと付いてくるんですか!!」

 

セラ「だって……最近剣帝君がまた構ってくれないから……」

 

セラフォルーは今にも泣きそうな顔をした

 

剣帝「………あーもー、分かりましたよ!ほら、行きますよ」

 

セラ「わぁーい!」

 

剣帝はいそいそと脱衣所に向かって歩いて行きセラフォルーもその後ろを付いて行き、そして、剣帝は脱衣所前に付くと後ろを振り返り

 

剣帝「此処までです!此処以上は、流石に…」

 

と、剣帝が言うと

 

セラ「……私の事襲った癖に……」

 

とセラフォルーはボソリと呟いた

 

剣帝「ウグッ………其れでも駄目なものは駄目です!」

 

剣帝は冷や汗をダラダラとかきながらそう言った

 

セラ「えー、何で?」

 

剣帝「お風呂では一人ゆったりしたいので…申し訳ありませんが…」

 

セラ「……分かった…但し!上がったら構ってね!」

 

剣帝「了解しました。それではまた」

 

剣帝はそう言って脱衣所に入り浴室に入った、一枚の写真を持って

 

剣帝「完全防水仕様にしといて良かった……何時かは帰るからね……」

 

剣帝は風呂に入りそう言いながらニコニコとした笑顔で写真を見ていた

 

~30分後~

 

剣帝は入浴を終了し部屋に戻った

 

剣帝「あぁー、さっぱりした」

 

剣帝はタオルで頭を拭きながら部屋に戻った、戻っている最中周りから驚いた目で見られ、それを不思議がりながら、部屋にはセラフォルーが居た

 

セラ「あっ、お帰り剣帝君!?何で上半身裸なの!?」

 

剣帝「ん?あぁ、忘れてた」

 

セラ「そ、そーなんだ、へぇ~」

 

セラ(眼福だなぁ、あぁ、剣帝君って本当に良い身体してるなぁ)

 

剣帝の身体は筋骨隆々としており所々に傷跡がある

 

剣帝「いやぁ、メイドさん達が驚いてたのはこれが理由か」

 

剣帝はそう言いながら執事服を着た

 

セラ「いっつも思うけど、剣帝君ってすっごく着痩せするよね」

 

服を着る前に比べると一回り程細身に感じるような姿になった

 

剣帝「まぁ、確かにそうかもしれませんね。良く言われますし」

 

最後に髪を整えた

 

剣帝「さて…この後予定って有りましたかね?」

 

セラ「うん、有るね、北欧の主神のオーディンさんとの会談が」

 

剣帝「それでは、すぐに向かうとしましょう」

 

剣帝はそう言った次の瞬間自分とセラフォルーの足元に転移用魔法陣を展開した

 

―北欧との会談場―

 

会場には様々な上級悪魔が集まっていた

 

剣帝「はい、到着いたしました」

 

セラ「有り難う、剣帝君、まだオーディン様はいらっしゃってないみたいだし自由にして来て良いよ」

 

剣帝「ですが。クィーンがこういう場で離れているというのは宜しくありませんし。お近くに居ります」

 

セラ「もぉ、剣帝君、頭堅いよ?」

 

剣帝「それに…遠くに行ってはセラ様に構ってあげらないですし」

 

セラフォルーの耳元で剣帝はそう言った

 

セラ「そ、そういう事なら…近くに居て」

 

セラフォルーは顔を赤くしながらそう言った

 

剣帝「畏まりました」

 

剣帝はニコニコしながらそう言った

 

セラ「それじゃ、剣帝君、オーディン様が来るまでは一緒に歩き回っとこっか」

 

剣帝「はい、了解しました……ん?アレは…」

 

剣帝の視線の先には眼鏡をした見覚えのある少女が居た

 

剣帝「セラ様、ソーナ様を発見しました」

 

セラ「えっ!?何処何処?」

 

剣帝「ほら、彼処に」

 

剣帝はソーナの居る方向を指さした

 

セラ「えっ?あっ、本当だ、いらっしゃ~い、ソーナちゃん」

 

セラフォルーはそう言いながらソーナに向かって走っていった

 

ソーナ「お、お姉様!?」

 

リアス「セラフォルー様、お久しぶりです」

 

ソーナの近くには紅髪の少女、リアスが居た

 

セラ「うん、リアスちゃん達も、久し振り~」

 

剣帝「セラ様、いきなり走られては周りの方に迷惑が掛かりますよ」

 

セラ「も~、剣帝君はそういう所がちょっとだけ口煩いよね」

 

剣帝「貴女の身を案じて言っているのです」

 

セラ「そっか…有り難う剣帝君」

 

剣帝「いえいえ、クィーンとして当然の勤めですから」

 

セラフォルーは剣帝がそうやって話していると

 

ソーナ「ご、ゴホン…」

 

剣帝「おっと、御挨拶が遅れてすみません、ソーナ様、リアス様、それと眷属御一行方」

 

剣帝はそう言って頭を軽く下げた

 

ソーナ「別に謝って欲しかった訳ではありません。ただ、こう言う場では二人だけの空間を装うのは周りからの注目を集めますし」

 

剣帝「御忠告、有り難う御座います。ソーナ様」

 

剣帝はそう言ってソーナに微笑みかけた

 

ソーナ「い、いえ…別に感謝されたくて止めた訳ではありませんし…モゴモゴ…」

 

ソーナは剣帝の顔を見てすぐに顔を赤くした

 

匙「オイッ、剣帝さんよぉ」

 

剣帝「どうしました?匙君」

 

匙「前にアンタにやられた時から俺はアンタを倒す為に修行をしてたんだ、どれ位アンタに通用するか試させてくれよ」

 

ソーナ「匙!何を言って」

 

剣帝「俺は構いませんが、宜しいですか?セラ様」

 

セラ「うぅ~ん、あんまり暴れないでね?」

 

ソーナ「なっ!?お姉様!?」

 

剣帝「了解しました。では、早急に片を付けます」

 

剣帝はそう言って後ろに腕を組みながら匙に近付いた

 

剣帝「まさか君も修行をしていたとはね、試してあげるよ、君の力を」

 

匙「あぁ!存分に試してくれ、よっ!?」

 

剣帝は匙に近付くと匙の腹部に容赦無く殴りを一撃叩き込んだ

 

剣帝「どうした?神具を出さないのか?」

 

匙は腹部を抑えた状態で座りこんだ、剣帝はそれを見下ろしている、その眼は先程までとは違い何処か冷たい

 

匙「ゲホッ…ゴホッ…何だ…前より拳の威力が強くなってる…」

 

剣帝「当然でしょう?アレから色々有りましたし」

 

剣帝は匙の近くでそう言いながら立って居ると

 

ソーナ「け、剣帝さん!」

 

剣帝「何ですか?」

 

ソーナ「周りからの注目を集めてますよ」

 

剣帝「おっと、これは良ろしく無い、ほら、匙君、立ち上がって下さい」

 

剣帝はポケットから赤い液体が入った小さな小瓶を取り出して、中身を匙に飲ませた

 

匙「な…何だこりゃ……アレ?痛みが引いていく」

 

剣帝「中身は言えませんが…まぁ、治療薬とでも思って下さい」

 

ソーナ(一瞬で痛みを引かせ傷を治すなんて、そんな液体…フェニックスの涙くらいしか聞いた事は…でもアレはフェニックスの涙とは…)

 

剣帝「さて…皆様はこの後は如何なされるので?」

 

ソーナがそんな事を考えていると剣帝はソーナ達に向けてそう質問した

 

リアス「この後は若手悪魔の集まる控室に行くつもりです。ねぇ、ソーナ?」

 

ソーナ「えっ?えぇ、そのつもりです」

 

セラ「えっ!?彼処は危ないんじゃ…」

 

ソーナ「例年通りならそうでしょうね。でも、匙が居ますし。行かなければ」

 

セラ「そ、それなら…」

 

剣帝「俺が護衛で行きましょうか?」

 

セラ「えっ?でもこの後は会談が…それに…」

 

剣帝「セラ様が嫌なら行けませんし。まぁ、セラ様が呼びさえすれば俺は何時でも即座に来ますがね」

 

セラ「それなら…お願い出来る?剣帝君」

 

剣帝「畏まりました。では、行きましょうか。皆様」

 

剣帝はそう言ってセラフォルーに微笑みかけてからソーナ達と控室に向かった

 

一誠「そういや、部長、セラフォルーさん危ないんじゃって言ってたけど、どう危ないんです?」

 

リアス「着いたら分かるわよ、否が応でもね」

 

剣帝「見えてきましたよ」

 

剣帝がそう言って先導をしていると部屋の扉が勢い良く廊下の壁に向かって飛んで行く

 

??「どうしても死にたいのね、ゼファードル」

 

??「処女臭えって本当の事を言っただけだろ、このクソアマ」

 

部屋の中では褐色の肌をした虎柄の服を着た男と眼鏡をかけた金髪の女性が向かい合って居た

 

ゼノヴィア「何だ?」

 

匙「喧嘩か?」

 

リアス「やっぱり…」

 

剣帝「(´Д`)ハァ…資料で読んでたりしたから知ってたけどやっぱりか、仕方無い、皆様はちょっとお待ちを」

 

剣帝はそう言って部屋の中に入って行った

 

―若手悪魔控室内―

 

剣帝「さってっと、其処の喧嘩当事者のアガレス家の姫シーグヴァイラ!グラシャラボラス家の問題児ゼファードル!」

 

ゼファードル「誰が問題児だ!てか、テメェ誰だ!」

 

剣帝「俺はセラフォルー・レヴィアタンの眷属の者だ」

 

シーグヴァイラ「現魔王様の眷属ですって…」

 

剣帝「さってっと、最初で最後の通告となるが、今すぐ喧嘩を辞めろ」

 

シーグヴァイラ「………」

 

ゼファードル「…現魔王の眷属だからって俺に命令してんじゃねぇ!!」

 

剣帝に向かって走って行き、顔を殴ろうとしている

 

剣帝「まぁ、五月蝿い奴だ」

 

ソーナ「剣帝さん!危ない!」

 

室内にゴンッっと何かが当たった鈍い音が響いた

 

剣帝「大丈夫ですよ。ソーナ様」

 

剣帝は無傷でソーナの方を振り向いている、何故無傷なのかというと

 

ゼファードル「なっ…」

 

剣帝は片手で構えた木刀でゼファードルの拳を受け止めていたからだ

 

剣帝「(´Д`)ハァ…俺がかわしてたらソーナ様に当たってたじゃねぇか…加減と力の差を見定める目を養え、若造」

 

剣帝がそう言った瞬間にゼファードルの腹部に一撃叩き込んだ

 

ゼファードル「グッ……まだまだぁ!!」

 

ゼファードルは剣帝に懲りずに殴り掛かった

 

剣帝「一発では理解しないか……ならば仕方が無い」

 

剣帝はそう喋りながらゼファードルの拳を意図も容易く避けきり着実に連打を叩き込んでいる

 

ゼファードル(畜生…上級悪魔でもねぇ奴に何で俺が…)

 

剣帝「テメェじゃ力不足だ、失せろ」

 

数十の殴打を叩き込んだ後、廊下の壁に向けて剣帝がゼファードルを木刀で殴り飛ばした

 

剣帝「あの方の迷惑となるなら俺は容赦はしない」

 

剣帝はそう言い放ってからソーナ達の元へ戻った

 

??「噂には聞いていたが、それ以上だな」

 

ソーナ達の近くには黒髪の体格の良い男が居た

 

剣帝「若手最強と言われるサイラオーグさんにそう言って頂けるとは、恐悦至極ですね」

 

サイラオーグ「若手最強はまだ俺とは決まってないだろう、剣帝殿に勝てるか分からんのだから」

 

剣帝「さぁ?どうでしょうかねぇ?」

 

夜鴉『ナニイッテンダ、フジャケルナ!!』

 

剣帝(あぁ、また夜鴉様の念話か…スルーしよっと)

 

剣帝とサイラオーグは二人とも笑っていた、すると、唐突に剣帝の電話が鳴りはじめた

 

剣帝「おっと、セラ様からの呼び出しだ、それじゃ、俺は先に」

 

剣帝はそう言って走って主の元へ向かった

 

サイラオーグ「風の様な御仁だな、彼は」

 

リアス「えぇ、確かにそうね」

 

―北欧神話会談会場―

 

剣帝は会場内に入ると即座にセラフォルーを見つけて合流した

 

剣帝「お呼びでしょうか?セラ様」

 

セラ「うん、オーディン様がいらっしゃったから」

 

剣帝「了解しました。それでは行きましょうか」

 

セラフォルーの三歩後ろに剣帝が付いて歩いて行った

 

―三分後―

 

体格の良い男性に連れられて長い髭をした老人と白髪の女性がやって来た

 

アザゼル「久し振りじゃねぇか、北の田舎のクソジジイ」

 

オーディン「フンッ、久しいのぉ、悪ガキ堕天使」

 

サーゼクス「お久しゅう御座います。北の主神、オーディン殿」

 

剣帝(アレがオーディンか…)

 

オーディン「サーゼクスか、何か嫌な予感がするが、招きに応じて来てやったぞぃ」

 

オーディン達がそうやって会話していると、セラフォルーもオーディンに近付いて行き

 

セラ「ようこそおいで下さりました。オーディン様」

 

そうやって挨拶をしたセラフォルーを見たオーディンはこう呟いた

 

オーディン「ぬぅ、イカンなセラフォルー」

 

セラ「はい?」

 

セラフォルーはオーディンの言ったことに対して疑問を浮かべた、そして、オーディンはこう続けた

 

オーディン「折角の宴だと言うのに若い娘がそんな色気の無い服でどうする」

 

剣帝(こんのエロジジィ)

 

剣帝は殺気を放ちながらセラフォルーの後ろに立って居る

 

セラ「……君…帝君…剣帝君…」

 

剣帝「はい?何でしょうか?セラ様」

 

セラ「剣帝君は見たい?私の魔法少女姿…」

 

剣帝「んー…まぁ…はい」

 

セラ「それでは…」

 

セラフォルーがなにやら魔法詠唱を始めるとセラフォルーの姿が魔法少女のコスプレに変わった

 

剣帝「……可愛いなぁ」

 

剣帝がそう呟くと

 

セラ「有り難う、剣帝君」

 

セラフォルーが剣帝の方を振り向いてニコニコと笑った

 

オーディン「ほぉほぉ、セラフォルー」

 

セラ「はい、何でしょう?オーディン様」

 

オーディン「ソヤツはお前さんのこれかの?」

 

オーディンは小指を立てた

 

セラ「えっと…それは…///」

 

セラフォルーは顔を赤くして俯けた

 

オーディン「ふむふむ、なるほどのぉ」

 

オーディンがセラフォルーの様子を伺っていると視界に黒い服が入った

 

剣帝「あのぉ、俺の大切な主をあんまり虐めないであげて頂けませんかね?」

 

剣帝がセラフォルーとオーディンの間に立ったからだった

 

オーディン「別に虐めてなどおらんよ、それにしても、お主の身体…中々面白い事になっとるのぉ」

 

剣帝「……やっぱり貴方ランクだと分かるんですね」

 

オーディン「まぁのぉ」

 

剣帝とオーディンがそんな会話をしていると入り口から音がし始め

 

夜鴉「呼ばれず飛び出てジャジャジャーン!みんなの邪神こと夜鴉様だぜ!グレモリー君!遊びに来たぜ!」

 

夜鴉が扉を蹴破って飛び込んでキリッとした顔でポーズを決めていた




無名「よぉ、読者さんたち、前回主が言った通りオリキャラたる俺が後書き担当になった、まぁ、俺の事は俺に名は無いから無名とでも読んでくれや、さてさてさぁて、今回は異国と神との会談の回だったな、さて、次回はどんな回になるだろうな?まぁ、夜鴉様が出てる時点で割とぶっ飛んだ回になりそうだがな…それじゃ!また次回な!あぁ、それから主への質問とかは俺が返答するからなー」


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第二十七回「邪龍晩餐会」

あらすじ

修行から帰った剣帝、その後直ぐに北欧の主神との会談となった、そして、その際に若手悪魔の集まる場所へソーナ達を案内し、其処で起きた喧嘩を難なく処理して帰って来て、オーディンに苛つきながらもセラフォルーの後ろに居ると、入り口から夜鴉が会談場に突撃して来て

――――――――――――――――――――――

―北欧神との会談現場―

 

剣帝「…………」

 

剣帝以外は突然の来訪者に驚いていたが、剣帝だけは

 

剣帝(何してんだろ、夜鴉様………調度いいや、夜鴉様にちょっとあの娘達の様子とか聞きたいなぁ、でも、セラに聞かれるとなぁ…そうだ!あの言語ならバレない筈)

 

剣帝はそう考えた次の瞬間には夜鴉の近くに居た

 

剣帝「夜鴉様、ちょっと聞きたい事があるのですが」

 

夜鴉「それはリントの言葉で話すな。あれで話すぞ」

 

剣帝「了解しました。それでは」

 

剣帝は息を吸い、呼吸を整えた

 

剣帝「ギログドデビパギラゾグギデラグバ?」

 

夜鴉「ビビダギボバ?」

 

剣帝「ザギ」

 

夜鴉「ガンボパギラギソギソダギゼンバボドビバデデスベゾザギジョグヅザジョ」

 

剣帝「ギソギソダギゼンバボドドパ?」

 

夜鴉「ラァビビグスゾゾンボドジャバギガ。ダザバゲダダドビビギドシドサセスバブゴゾギデゴビバガギ。」

 

剣帝「………ショグバギギラギダ。」

 

話していた剣帝は(´Д`)ハァ…とため息を軽くついた

 

剣帝「ゴ、ルグレダヂパゾグギデラグ?」

 

夜鴉「ゲンビザダダ。ゴラゲビガギダガデデギダジョ。」

 

剣帝「ジャガ、ゴセンザギバダヂパゾグギデラグ?」

 

夜鴉「ゴセンザギダゲゲルゾブシガギデダサヅジザゼ」

 

剣帝「ジョバダダ…ガシガダグゴザギラグ。ログギラパビビダギボドパガシラゲン」

 

夜鴉「ゴグバ、バサダグギソンザンビャンバゴンジョレガンゾバンドバグスボグゲンベヅジャバギバ?」

 

剣帝「はぇ?」

 

剣帝は恐る恐る後ろに振り返った

 

セラ「ねぇ、何の話してたの?ねぇ?ねぇねぇねぇ?」

 

眼が座った無表情のセラフォルーが居た

 

剣帝「え、えーっとぉ…」

 

剣帝が一瞬だけ目線を逸らすと

 

セラ「何で目を逸らすの?そんなに言いたくないの?ねぇ?何で?」

 

剣帝「い、いやぁ、単なる世間話してただけだよ」

 

セラ「本当に?単なる世間話で変な言葉使ったりする?内容全く聞き取れなかったよ?」

 

剣帝「そ、そうなんだぁ、へぇ…」

 

セラ「ねぇ、愛してるって言ってくれたりしたのに何で隠し事するの?ねぇ?私に隠してる事って何?ねぇ?ねぇねぇねぇ?」

 

剣帝(ヤバイ…あれがバレたら殺される…)

 

剣帝「いやいや、隠し事なんてしてないよ?」

 

セラ「本当に?」

 

剣帝「本当本当」

 

剣帝の目は未だに多少泳いでる

 

夜鴉「そうだよなぁ剣帝君は分かりやすいから嘘をついたら目線を逸らすんだぜぇ」

 

剣帝「なっ!何を言ってるんですか!?」

 

剣帝は慌てたようになった

 

夜鴉「事実だろ?彼女の目の前でも良くやってたしな、おっとこれは言ってはいけないことかね?」

 

夜鴉は剣帝を見据えにやにやと笑っていた

 

剣帝「ヒャアァァァ」

 

剣帝の顔が青ざめて、剣帝は全速力で逃げ始めた

 

夜鴉「<動くな>ってね」

 

剣帝「ウグッ……」

 

夜鴉がそう言うと剣帝の動きが止まった

 

夜鴉「さぁてとお前はこれで動けないし本題に入ろう」

 

剣帝(また絞られるのは勘弁!!)

 

剣帝はガタガタと少し震えている

 

夜鴉「そこの老害どもに用事があってね」

 

夜鴉は剣帝の方から反対にいる悪魔の老人に向かって歩いて行った

 

剣帝(………あっ…老害って…また死亡者増えるのか………俺は何も見てなーい俺は何も聞いてなーい)

 

夜鴉「先日はこの俺の悪口で盛り上がってたみたいで結構結構。だがケジメは付けてもらうよ」

 

剣帝(聞こえない聞こえない…)

 

剣帝は記憶を見返し始め、声を聞かなくなった

 

夜鴉「アジ・ダハーカ、ヤマタノオロチ、ニーズヘッグ来い」

 

三種類の姿の龍が現れた

 

剣帝「邪龍じゃないですか!!( ゚д゚)ハッ!」

 

剣帝は反射的にツッコミをした

 

夜鴉「逃げれないようにこうしてやろう<全員動くな>」

 

夜鴉がそう言うと会場内の全ての者の動きが止まった

 

剣帝「邪龍の群れにプラスで縛りって…それ確定的な死刑宣告ですやん」

 

剣帝はそうツッコミをした

 

ニーズヘッグ『身体はおでがもらうど』

 

アジ・ダハーカ『心は俺が貰う』

 

ヤマタノオロチ『では魂は我の物だな』

 

剣帝「うわぁ、食べる物がそれぞれ完全に違う…」

 

夜鴉「じゃあお前ら手を合わせて」

 

邪龍『『『いただきます』』』

 

老人の悪魔達をぐちゃりぐちゃりとニーズヘッグが食べてそれから出た魂をアジ・ダハーカが捕らえ心を奪いヤマタノオロチが魂を喰らった

 

剣帝「…………」

 

剣帝(此方に来られたら困るなぁ…)

 

剣帝は食べてる様を見ながらそう考えた

 

ニーズヘッグ「おで食べたりない」

 

ニーズヘッグがそう言うと

 

剣帝「………」

 

剣帝(此方見んなよ…此方来んなよ…)

 

剣帝はそう考えた

 

夜鴉「仕方ないなぁ外にいた警備の悪魔を食べてこい」

 

ニーズヘッグ「あいつは?美味しそうだど?」

 

ニーズヘッグは剣帝を指差した

 

剣帝「………」

 

剣帝(いやぁァァ!!)

 

剣帝は冷や汗をかきはじめた

 

夜鴉「駄目だ、魂に戻すぞ」

 

ニーズヘッグ「おで、理解した。外の悪魔食ってくる」

 

剣帝「助かった…」

 

剣帝はホッとした

 

剣帝「あのぉ、そろそろ動けるようにしてくれません?」

 

夜鴉「動けば?」

 

剣帝「貴方が解除してくれなきゃ"今"の俺にゃ無理なんですよ!!」

 

夜鴉「そうだったな!カッカッカッ!」

 

夜鴉は剣帝に腕をグルグルと回しながら近付いて行った

 

剣帝「なので、早く解除して下さい…って、何です?その動作」

 

夜鴉「そりゃ、殴る為に準備運動だよ」

 

剣帝「ファッ!?ナンデディスカ!!」

 

剣帝は驚いた様子でそう尋ねた

 

夜鴉「アアン?ホイホイチャーハン?」

 

剣帝「ナニイッテンダ!フザケルナ!!」

 

夜鴉「俺に対してその口調ムッコロされても言い訳出来ないよな」

 

剣帝「うわァァァ、ゴメンナサイ!!」

 

夜鴉「良い台詞だ。感動的だな。だが無意味だ!」

 

剣帝「申し訳御座いません!!」

 

夜鴉「ゆ¨る¨さ¨ん¨」

 

剣帝「ウゾダドンドコドーン!!」

 

夜鴉は剣帝に腹パンを食らわせた

 

夜鴉「殴ったのに意味は特に無い。だが私は謝らない」

 

剣帝「ゲホッ、酷え」

 

剣帝は血を吐き、その後救護室に運ばれた




無名「よぉ、読者さん達よ、前回ぶりだな、さぁて、今回はっとぉ……案の定多少ぶっ飛んだ回になったな、まさか、夜鴉様が邪龍を読んだりするとはな…あー、怖や怖や、それと…オンドュル語にグロンギ語って仮面ライダー成分もかなりの量だな、さて!今回は最後に剣帝が夜鴉様にのされちまったからな、さてさてさぁて、次回はどうなるんだろうな?そんじゃ!次回をお楽しみにな!」


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閑話「神のハーフでの戯れ」

前書き
東方とハイスクールD×Dの二次創作です
これはうp主の自己満足品です
キャラ崩壊が多大に含まれます。
妹紅は俺の嫁、異論は認めん
後、オリ主はチートです
後、残酷な表現があります。
それでも良いよって方はゆっくり見て行ってね


ヴァーリ「くっ、俺は・・・負けたのか。」

 

アルビオン『ああ、あの剣帝とやらが顔色を変えた直ぐ後にな』

 

ヴァーリはカオスブリゲード基地の医務室で目を覚ました。

 

夜鴉「やぁ、目を覚ましたかい?ヴァーリ君。」

 

ヴァーリ「貴方か、俺を鍛えてくれ」

 

夜鴉「おいおい。起きて直ぐにそれかよ?」

 

ヴァーリ「俺は強くなりたいんだ。誰よりも貴方よりもね」

 

夜鴉は呆れたようにヴァーリに話し掛けた。

 

夜鴉「俺を越えても無駄なんだよ?俺は直ぐにさらに強い力を得てしまうからね。」

 

ヴァーリ「それでも!俺は強くなりたい!あいつを殺す為に!」

 

夜鴉「・・・力が欲しいね。少し彼と重なってしまったよ。仕方ない手伝ってあげよう。」

 

ヴァーリ「本当か!?」

 

夜鴉「近い!!キモい!!男は趣味じゃないんだよ!!」

 

ヴァーリは夜鴉が手伝ってくれると聞いた瞬間、離れていた夜鴉の顔に息が掛かるほど近付き真偽を確かめた。

 

ペタン「私の主から離れなさい!」

 

ヴァーリ「グフゥ!!」

 

ペタンは夜鴉の後ろから姿を現し、当て身をしてヴァーリを吹き飛ばした。

 

夜鴉「全く、調子に乗るからこうなるんだよ。ペタン、彼を引っ張って彼処へ行こうか。」

 

ペタン「はっ!全ては我が主の為に」

 

夜鴉は空間に歪みを発生させ、その歪みの中に入って行った。それに続きペタンも歪みにヴァーリを放り投げてから入って行った。

 

ヴァーリ「グフゥ!」

 

アルビオン『ヴァーリ、大丈夫か?』

 

ヴァーリ「ああ、しかしここは何処だ?動物の気配すらしないのだが?」

 

ヴァーリは目を覚まし周囲を見回し何もない草原に着いた事は解った。しかし、ヴァーリは直ぐに違和感に包まれた

 

ヴァーリ「しかし、本当に何もないな、地面の凹凸すら無いな。」

 

夜鴉「あはは、その事に気が付いたんだね?ここは俺が創った植物以外が存在しない惑星だからね。」

 

ヴァーリ「なるほど、植物だけか」

 

夜鴉「そうだよ。あるのは中心の微量の土と水だ。それ以外は植物だよ。」

 

ヴァーリは何故か納得した顔になり白龍皇の光翼を出現させ、夜鴉へ向かって笑いかけた。

 

ヴァーリ「さぁ!やろうか!」

 

夜鴉「精々楽しませてくれよ?じゃあ頼んだぜ、相棒達?」

 

???『『応!!』』

 

夜鴉は赤を基調に白のラインが入った龍の仮面を出現させ装着した。

 

ヴァーリ「それは?」

 

夜鴉「二天龍の仮面<ブーステッドディバインマジェスティー>って言ってね。二天龍の能力が1つに纏まった存在だよ」

 

アルビオン『そんな事は有り得ん!我等二天龍は相反する物だ!それを1つに纏まるなど冗談も程々にしておけよ』

 

夜鴉「ハッハッハッ!可能性としては有るんだよ。俺は可能性の神だぞ?その可能性を探すくらい雑作も無い!」

 

夜鴉は仮面の下の瞳を黒く濁らしてヴァーリの背中の白翼を睨み付けた。

 

夜鴉「まぁ良いよ、さぁ殺ろうか。行くぜ相棒達」

 

BootedDiviinMajestyBalancebreaker

 

夜鴉「これが二天龍の混沌鎧<ブーステッドディバインマジェスティー・スケイルメイル>だ」

 

夜鴉は紅の鎧にまるで木の枝の様に全身に白色のラインが入った鎧を身に着けていた。

 

夜鴉「さぁこいよ中途半端君」

 

ヴァーリ「俺は人間だ!」

 

夜鴉「駄目だよ。挑発に乗って攻撃が単純になってる」

 

ヴァーリはバランスブレイクして夜鴉に高速で近付いて殴りかかったがそれは夜鴉が体を少し反らして避けられさらに腹部へ強烈な蹴りを叩き込まれた

 

ヴァーリ「グハッ!クソッ!」

 

夜鴉「睨む暇があれば攻撃に転じようね~」

 

ヴァーリは反撃の為に夜鴉を見ようとするがそこには足を振りかぶった夜鴉の姿があった。

 

ヴァーリ「なっ!グフッ!」

 

夜鴉「ほらほら、もっと逃げなくても良いのかい?」

 

ヴァーリ「動けない、いや体から力が抜けていくだと」

 

夜鴉「無音ブーストと無音ディバイドこれがこれの効果さ。まぁ本当は言ってるんだが君たち生物には聞こえないほどの高次元な音が出てるんだけどね」

 

ヴァーリ「まさかこれは十秒毎ではなく毎秒か!」

 

夜鴉「正解だね。折角だから音声を君の頭の中に響かせてあげるよ」

 

ヴァーリ「グッ!なんだ・・・これは・・頭が、割れる!」

 

ヴァーリの頭の中では毎秒二十回のブーストとディバイドの音声が響きヴァーリは頭を抑えた。

 

夜鴉「最低このレベルになってもらわないとねぇ?」

 

ヴァーリ「なん・・だと?これが、最低だと?」

 

夜鴉「じゃあ続けようか!俺に修行なんてものを頼んだ事を後悔させてやるぜ!!」

 

ヴァーリ「地獄の始まりとは・・こう言う事を言うのだろうな・・・」

 

アルビオン『ヴァーリ!気をしっかり持て!』

 

ヴァーリは青い顔をしているのと対照に夜鴉は悦びに満ち溢れたような笑顔をヴァーリに向けて笑い続けていた。




無名「よぉ、読者さん達よ、今回はヴァーリが酷い目に遭ってたな、時間的にゃ剣帝が修行してるあたりの時間だな、いやー、同情するぜ…夜鴉様にしごかれて可哀想とは思うが…助ける気は起きん!野郎なんざ助けやしねぇ!っと少し脱線しちまったな…まっ、良いか!さて、本編次の話数はどうなるんだろうな?楽しみに待っててくれよ」


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第二十八話「灰色の苦痛の末に」

あらすじ

突如として来訪した夜鴉へと即座に近付き特殊な言語で聞きたいことを聞いた剣帝、その後夜鴉は三匹の邪龍を呼び出し悪魔を食べさせ始めた、そして、最後には剣帝の腹部を殴り、剣帝の意識を飛ばした

――――――――――――――――――――――

―???―

 

暗い闇の中で赤髪の少年と黒髪の男が相対している

 

??「イカンな、今のテメェじゃあの娘を護るには弱い、弱過ぎる」

 

黒髪の男は黒い服で身を包み、白い槍の様な物を手に持っている

 

剣帝「五月蝿え!今更テメェに指図されなくとも分かってんだよ!そんな事はよ!」

 

??「自覚はしている、それなのにも関わらずテメェは弱いまんまだ、そんな事だとこれから先も大切だと思う物を失い続けるぞ」

 

剣帝「黙れぇ!」

 

剣帝は黒髪の男性に殴りかかったが、黒髪の男はそれを難なく受け止めた

 

??「やっぱり今のテメェは弱いな、攻撃とはこうやるんだよ!」

 

そういった黒髪の男は剣帝の胸に槍を突きたてた

 

剣帝「ゲフッ……畜…生…」

 

??「じゃあな、弱き剣の帝よ、もっと強くなりやがれ、未来永劫あの娘を護り続けるためにもな」

 

―救護室―

 

剣帝「うーん…うーん…はっ!…」

 

剣帝が目を覚ますと其処はベットの上だった

 

剣帝「此処は…何処だ…」

 

??「此処は救護室ですよ」

 

剣帝にそう言ったのはナースだった

 

剣帝「俺は…そうか…腹を殴られて…」

 

ナース「驚きましたよ。運び込まれてきた時は血を吐いてたのに少し経つ間にみるみる回復したんですから」

 

剣帝「ふむ……俺が運び込まれてからどれ程経ちましたか?」

 

ナース「えーっと確か…」

 

ナースは目線を動かして時計を見た

 

ナース「一分程ですね」

 

剣帝「……1分か…まだまだ遅いな…」

 

剣帝はそう言って自分の体に触れた、すると胸に違和感を感じた

 

剣帝(ん?何だこれ)

 

剣帝はそう思い

 

剣帝「スイマセン、俺が寝てる間に誰か訪ねてきましたか?」

 

とナースに尋ねた

 

ナース「えーっとぉ…えぇ、一人だけ訪ねてきましたね」

 

そう言って居るナースの手に手紙が有るのに気が付いた

 

剣帝「その手紙は何ですか?」

 

ナース「ああ、そう言えばあなた宛に先程の話の人があなたが起きたらこれを渡してくれと」

 

剣帝「俺宛ですか。では、下さい」

 

そう言って剣帝はナースから手紙を受け取り読みはじめた

 

夜鴉『やっほー☆剣帝君。流石に脆くなりすぎだろ?鍛練してるのかな(;・ω・)

取り合えずそれは置いておいて君の心臓にはとある羽が刺さっているだよ。セラフォルーの魔力が近付くと発動する物だよ。どんな効果か知りたいよね(・∀・)ニヤニヤ

ならば教えてあげよう!セラフォルーが君に触れると君はオルフェノクになるか灰になるかのどちらかになるんだよ。適合したら良いねwじゃあ頑張ってね~♪』

 

と手紙には書かれていた

 

剣帝(夜鴉様…)

 

剣帝は手紙を読み終わるとベットから出て、救護室から退室した

 

剣帝「さて、運試しだな」

 

そう言って剣帝は会談会場に戻った、すると其処には白髪の男が飛んでいた

 

剣帝(………悪神ロキ、もうそんな時か!)

 

剣帝はそう考えた次の瞬間にはセラフォルーの元へと走っていた

 

セラ「け、剣帝君!?怪我はどうしたの!?」

 

剣帝「そんなもん既に治ってますよ!さて、北欧の主神さん…コイツはどうすりゃ良いです…か!?…グッ」

 

剣帝は突然胸を抑えて苦しみ始めた

 

剣帝(しまった…さっきの手紙の内容忘れてた…)

 

ロキ「フッ、助っ人かと思ったが、何て事は無いな、単に足手まといが増えただけか…」

 

ロキはそう言って攻撃態勢を取ったが直ぐに魔法陣に消えた、何故ならば

 

夜鴉「ロキ君にも困った物だね。強制送還しなきゃ駄目だったよ。もー、今剣帝君が異形になるか灰になるかの瀬戸際なんだから邪魔しないで欲しい物だね」

 

夜鴉が転送したからだ

 

剣帝「ハァ…ハァ…うっ…」

 

苦しむ剣帝の体が徐々に変質し始めた

 

夜鴉「おっ?死ぬ?それとも異形になる?確変タイムだね!」

 

剣帝「アグッ……ガハッ、ゲホッ…」

 

剣帝は血を吐き、体は白くなりはじめた

 

夜鴉「セラフォルーちゃんが触れるとこうなるって教えてたのにねぇ?どうして触れちゃったんだろうねぇ?あっはっはっはっ!」

 

夜鴉はセラフォルーを横目で見ながら大声で周囲の者達を嘲笑った

 

剣帝「ハァ…そんなの簡単ですよ…ハァハァ…主の…大切な人の…グフッ…危機を感じれば…ゲホッ…即座に近くに行くのが従者の勤め……ゴフッ……」

 

剣帝は血を吐きつつそう言った、そして、その体は少しづつだが、灰のようになりはじめる

 

夜鴉「ふーん。つまんない台詞だね。オーイ、おでん俺帰るから報告よろしく。もし詳細じゃなかったら俺の仕事全部押し付けるからねぇ」

 

夜鴉は剣帝から目を背けめんどくさそうに魔方陣を開き、消えていった

 

剣帝「楽しみを直では見ないのですか……フゥ…」

 

そう言った剣帝の手や足は既に灰となっている

 

セラ「剣帝君!死なないで!!」

 

セラフォルーは涙を流しながらそう言った

 

剣帝「大丈夫…俺は死なないよ…まだまだやりたい事有るし…まだまだ護り続けなきゃいけないからね…ゴホッ…」

 

そう言った剣帝の身体は半分以上灰となっていた

 

セラ「剣帝君!もう喋らないで、身体が!!」

 

泣いているセラフォルーの頬に剣帝は残った腕を伸ばした

 

剣帝「泣か…ない…で、セラ…泣いてる顔は…君には…似合わ…ない」

 

剣帝はセラフォルーの涙を拭うとそのすぐ後に全身が灰となった

 

セラ「あっ………剣帝君が…剣帝君!……嫌ぁぁぁ!!!」

 

セラフォルーは剣帝の遺灰を握り締め泣きじゃくった

 

―???―

 

黒い空間の真ん中で赤髪の青年が眠っていると近くに黒髪の男が歩いて近づいていく

 

??「全く、あの程度でテメェは死にゃしねぇだろ、オラ、とっとと起きろ、そんで、自分の大切と思うもんを護れ」

 

そう言って黒髪の男は赤髪の腹部に一振りの短剣を突き立てた

 

―会場:会談後―

 

剣帝の遺灰は棺桶の中に収められていた

 

セラ「剣帝君…何で…私に触れたら死ぬって分かってたなら…何で触れたの…何で私に…近付いたの…」

 

セラフォルーはそう言いながら棺桶に縋る様に居た

 

サーゼクス「セラ、そんな風にしていては彼も安心して冥府に逝けないだろう、さぁ、さぁ早く泣き止もうじゃないか」

 

サーゼクスはそう言ってセラフォルーの腕を掴んで引っ張ったが、セラは一向に棺桶から離れようとしない

 

セラ「嫌!剣帝君から離れたくない!剣帝君はきっと生き返る…彼ならきっと…」

 

そんなセラフォルーの様を見ていたサーゼクスはセラフォルーを思いっきり引っ張り

 

サーゼクス「フェニックスの一族ではない彼が蘇る筈が無いだろう!良い加減現実を見るんだ!」

 

サーゼクスはそう言ってセラフォルーの頬を叩こうと平手を振るったが

 

??「俺の大切な人に手をあげるとは…貴方を殺しますよ?」

 

黒い鎧の様な姿をした何者かに受け止められていた

 

サーゼクス「…何者だ?君は」

 

サーゼクスはそう鎧の姿を者に問い掛けた

 

??「俺は…」

 

セラ「もしかして…剣帝…君?」

 

セラフォルーがそう問いかけると鎧の様な姿をした者が振り返り

 

剣帝「えぇ、俺ですよ。生き返りました」

 

そう剣帝は優しげに言った

 

セラ「お帰りなさい!剣帝君!!」

 

セラフォルーは剣帝に抱き着いた

 

剣帝「えぇ、只今戻りました」

 

剣帝は倒れる事も無くセラフォルーの頭を撫でていた、だが、その身は元々人とは思えない、異形と呼ぶに相応しい姿だった

 

セラ「ところで、剣帝君」

 

剣帝「何ですか?セラ様」

 

セラ「前の…人の姿にはなれないの?」

 

剣帝「……怖いですか?今の俺は」

 

セラ「うぅん!格好良いとは思うけど、前迄の姿が見たいなぁって思って…」

 

剣帝「畏まりました。では」

 

そう言った剣帝の姿は変質し始め、前と同様の白髪の執事服の姿へと変わった

 

剣帝「これで宜しいですか?」

 

セラ「うん!」

 

そうやって二人は仲良しげに話していた、そして、それを見ていたサーゼクスは

 

サーゼクス(彼はフェニックス家では無い筈、それに…あの姿は一体…)

 

そういう疑問を頭に浮かべていた

 

剣帝「さて、戻ったのは良いのですが…少しだけ疲れてしまいました」

 

セラ「それなら一回帰る?」

 

剣帝「はい、申し訳御座いませんが…そうして頂けますか?」

 

セラ「分かった!それじゃちょっと待っててね」

 

セラフォルーはそう言って直ぐに魔法陣を展開した

 

セラ「さっ、帰ろ?剣帝君」

 

セラフォルーはそう言って剣帝の腕を引っ張った

 

剣帝「はい、分かりました」

 

そう言っても魔法陣に入り二人は転移しその場から消えた




無名「よぉ、読者さん達よ、前回ぶりだな、さて、今回は……やっぱり阿呆だろ剣帝、近づいたら死ぬぞって言われてんのに何の躊躇もせず近付くとか…まぁ、剣帝らしいっちゃらしいがな、それにしても…一回灰化したくせに其処から再生してその上オルフェノクになっちまうとはな、まっ剣帝ならありえる可能性か、っと!今回もまぁた妙な回になっちまったが楽しんでくれたかい?楽しんでくれたなら幸いだぜ、さてと…そんじゃ、また次回な!じゃあなぁ!」


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第二十九話「愛とは本能のままに」

あらすじ

腹部への暴行から目覚めた剣帝、最初に胸部、心臓のあたりに違和感を感じた、その理由は夜鴉からの手紙により直ぐに分かった、その後剣帝は即座に主の元へと向かった、だが、それを引き金に剣帝は灰化を始め、最後には完全に灰となって消えた、だが、その数分後、蘇るのだった

――――――――――――――――――――――

―セラフォルー邸:剣帝の部屋―

 

剣帝「……あのぉ…セラ?」

 

セラ「なぁに?剣帝君」

 

剣帝「帰って来てから何でずっと引っ付いてるんです?」

 

セラは剣帝の腕に引っ付いて一緒にベットに座っていた

 

セラ「だって…剣帝君…ちょっと前からずっとこういうスキンシップさせてくれなかったし…それに…」

 

剣帝「……ゴメンね、寂しかったね」

 

剣帝はそう言ってセラフォルーを抱き締めて撫でた

 

セラ「大丈夫…今構ってくれてるから許す…」

 

そう言ってセラフォルーは抱き締めていた腕を剣帝の腕から剣帝の身体に移動させて抱き締めた

 

剣帝「それはそうと…ねぇ…セラ?」

 

セラ「なぁに?剣帝君」

 

剣帝「……ボソボソ…が当たってるんだけど」

 

セラ「えっ?何?」

 

剣帝「だから…ボソボソ…が当たってるんだって」

 

セラ「えっ?えっ?聞こえないよ?何が当たってるって?」

 

剣帝「ですから!胸が当たってるんですって!」

 

セラ「うん、知ってるよ、だって、当たってるんじゃなくて当ててるんだもん」

 

剣帝「………あのぉ、それ俺が困るので…離れて頂けません?」

 

セラフォルーは剣帝が言い終わった次の瞬間に

 

セラ「嫌」

 

と言い放った

 

剣帝「即答ですか…因みに理由は?」

 

セラ「だって、剣帝君が疲れてる時位しかスキンシップ出来ないんだもーん」

 

剣帝「……まぁ、御最もっちゃ御最もですが…」

 

セラ「でしょ?だから、離れないもーん」

 

剣帝「……そういえば買物とかは」

 

セラ「腕に捕まってたら大丈夫でしょ?」

 

剣帝「会議は…」

 

セラ「今夜と明日は無いと思うから大丈夫」

 

剣帝「じゃあ、お手洗いは」

 

セラ「ドアの外で待ってて?」

 

剣帝「お風呂は…」

 

セラ「一緒に入れば大丈夫でしょ?」

 

剣帝(駄目だ…抜け目が無い…)

 

剣帝がそう考えていると

 

セラ「剣帝君、私と居るの嫌?」

 

剣帝「いえ?そんな事は有り得ませんよ?」

 

セラ「じゃあ何でさっきから一人になるような事聞くの?」

 

剣帝「そ、それはぁ……」

 

セラ「ねぇ、何で?ねぇねぇねぇねぇ、ねぇってば」

 

そう言い続けるセラフォルーの眼は何処か光が無い

 

剣帝「いやぁ…色々とね事情が有りまして……」

 

剣帝はその眼を見た瞬間に目線を逸らした

 

剣帝(……何でヤンデレ化してんだよ…)

 

セラ「ねぇ、ちゃんと私の眼を見てよ、何で見てくれないの?ねぇ、何で?ねぇ」

 

セラはそう言いながら剣帝に顔を近付けて行く

 

剣帝「そ、それはですねぇー」

 

剣帝はその眼をから必死に目線を逸し続けた

 

セラ「やっぱり剣帝君私の事嫌いなんでしょう?だから、目線を逸らすんでしょ?」

 

剣帝「いやいや、それは誤解だよ!?」

 

剣帝がセラフォルーの方向を向くと

 

セラ「剣帝君、私と一緒に凍って?そしたらずっとずっと一緒だから、ね?」

 

剣帝「待て待て待てぇ!!それは宜しかねぇだろ!!」

 

そう言う剣帝の腕を掴み、自分ごと剣帝を氷漬けにし始めた

 

剣帝「待てってば!!俺の話を聞いてくれ!」

 

セラ「剣帝君に嫌われる位なら……ブツブツ」

 

セラフォルーの耳には剣帝の声は届いていない様子だった

 

剣帝「聞こえてないか…だったら!」

 

剣帝はセラフォルーの顔に自分の顔を近付けて

 

剣帝「セラ!」

 

セラ「なぁに、剣帝くんっ!?」

 

セラフォルーにキスをした

 

剣帝「ふぅ…落ち着いたか?」

 

セラ「……うん」

 

剣帝「なら、一回氷を解いてくれか?そんで俺の話を聞いてくれるか?」

 

セラ「………逃げない?」

 

剣帝「逃げないから早く解いてくれ、というか、この体制じゃ逃げられやしねぇよ」

 

剣帝達の今の体制はセラフォルーが剣帝に馬乗りになっている

 

セラ「それもそっか」

 

セラフォルーは剣帝の手首の氷を解いた

 

剣帝「やぁと、自由になった……さて、最初に話すのは…やっぱりコレに関してかな」

 

剣帝は開放された手を自分の口に伸ばし口の端を引っ張り口の中にあるとある物を見せた

 

剣帝「これ、見えるか?」

 

セラ「ええっとぉ……牙?」

 

剣帝の口の中には一対の鋭い牙が生えていた

 

剣帝「そう…満月の夜だけ出て来るんだよね…血の関係で」

 

セラ「血?もしかして、剣帝君って…」

 

剣帝「あぁ、吸血鬼だよ、今は力が抑えられてるから満月の夜しか牙が出ないけどね」

 

セラ「もしかして…剣帝君が離れてって言ったのは」

 

剣帝「…………セラの匂いは良い匂いだから血が吸いたくなるからね…///」

 

剣帝は頬を赤くしながらそう言った

 

セラ「へぇ、そうなんだ」

 

それを聞いたセラフォルーは首周りだけ服をはだけさせた

 

剣帝「ちょっ!セラ!?」

 

セラ「良いよ、私の血を吸っても」

 

剣帝「い、いやいや、良くないよ!」

 

セラ「良いの!ほら」

 

セラフォルーは剣帝の上に寝そべり剣帝の口の近くに首を近付けた

 

セラ「ほら、目の前にあるんだから、ね?」

 

剣帝「うぅぅ……」

 

セラ「大丈夫だから、ね?剣帝君の好きにして良いんだよ」

 

剣帝「………分かった…」

 

そう言って剣帝はセラフォルーの首筋に噛み付き血を吸った

 

セラ「んっ///美味しい?」

 

剣帝「あぁ、美味しいよ、セラ」

 

セラ「そっか、それなら良かったぁ」

 

セラフォルーはそう言って笑顔を浮かべた、すると

 

剣帝「……マジ無理だわ」

 

セラ「えっ?キャッ!」

 

剣帝はセラフォルーを押し倒した、その背には一本の白色の尻尾が生えていた

 

剣帝「抑えるのはもう無理だ」

 

セラ「フフフッ、剣帝君の後ろに尻尾が見えてワンちゃんみたい」

 

剣帝「なら、獣欲的に襲ってやるよ」

 

セラ「うん、来て」

 

そう言って二人は獣のように交わった




無名「よぉ、読者さん達よ、今回も楽しんでくれたかい?さて今回はっとぉ………クカカカカッ!!剣帝は異世界に行ってもこういう目に逢うんだな!まぁ、これまた剣帝らしいか、っと、それにしても毎度アイツがモテてて腹立つな、まぁ仕方無いか…っと、後半愚痴みたいになっちまったな、悪い、さて、今回はこんなラブコメ回だったが、次回はどうなるんだろうな?次回もお楽しみにな!」


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第三十話「秘めた思いの交錯」

あらすじ

剣帝の部屋にて一緒に休んでいた剣帝とセラフォルー、そして、その際に剣帝が離れるように促すとセラフォルーが病んだように剣帝に近付き、果てには一緒に氷漬けになろうとしたが、剣帝にそれは防がれた、そして、剣帝が離れるように言った理由を明かし、二人の仲は更に深く良くなった

――――――――――――――――――――――

―満月の夜から数日後―

 

剣帝「あー、この数日は楽しかったが疲れたなぁ、まさか、あの次の日から人間界連れ回されるとは、遊園地やら海外やら行ったし」

 

剣帝はベットで起きてからそう言いつつ体を軽く動かしポキポキと体を鳴らしていた、すると、コンコンと部屋の扉がノックされる音がして

 

剣帝「ん?はいはーい」

 

剣帝が部屋の扉を開けると其処には

 

メイドα「お早う御座います。剣帝様」

 

剣帝「あっ、お早う御座います」

 

何時も御世話になっているメイドが居た

 

剣帝「で、何の御用でしょうか?えーっとぉ…」

 

リオート「リオートです」

 

剣帝「あぁ、リオートさん」

 

リオート「剣帝様宛の手紙を預かっておりますので御届けに参りました」

 

そう言ったメイドα事リオートの手には一通の封筒があった

 

剣帝「あぁ、こりゃどうも…」

 

リオート「それでは、私は仕事に戻ります」

 

剣帝「あっ、はい、お疲れ様です」

 

リオートが頭を下げ、下に降りて行くのを確認すると剣帝は扉を閉め、封筒を開き中身を読み始めた

 

『拝啓、糞野郎様。てめぇが転生者なのは解って居ます。なのでオリ主であるこの俺様が鉄槌を食らわせようと思いますので指定の場所まで来ていただこう。来ないとてめぇの大事な人が痛い目を見るから其処は御理解の上で判断していただきたい』

 

剣帝「はっ?」

 

剣帝は手紙を読みながら首を傾げた

 

剣帝「何だこの痛い手紙は…俺の大切な人…此方側で………セラ!」

 

剣帝は読み終えた後即座にセラフォルーに電話を掛けたが一向に繋がらない

 

剣帝「(・д・)チッ!俺とした事が油断してた!てか、指定の場所って何処だよ!」

 

剣帝は手紙や封筒を探り始めた、すると封筒から一枚の紙が落ちた

 

剣帝「何だこれ……」

 

それは駒王町の地図だった、そして、とある場所にバツ印がついていた

 

剣帝「なるほど…此処か…」

 

剣帝地図を確認すると冷静になり魔法陣を展開し、転移した

 

―駒王町:廃屋―

 

剣帝「さってっと、此処が相手さんの指定してきた場所だな…オイコラァ!来てやったぞ!」

 

剣帝がそう叫ぶと

 

男「フフフッ、来たなモブ転生者」

 

奥から声がした、声がした方向を見ると一人の男が居た

 

剣帝「………ハイハイ、戯れ言は良いからとっとと掛かって来い」

 

と剣帝が返すと

 

男「あ?なんだその口の聞き方は。俺はオリ主なんだぞひれ伏せよ。」

 

と、奥に居た男が叫んだ

 

剣帝「(´Д`)ハァ…夢見るのも良いが、別の場所でやれよ、夜鴉様に怒られるぞ、転生者君」

 

と剣帝が呆れると

 

転生者「うるせぇ!てめぇなんて雑魚直ぐに殺してやる!」

 

〈シュートベント〉

 

という音が聞こえると転生者の手元に銃が現れ剣帝に向かって弾丸を放った

 

転生者「吹き飛べや!」

 

剣帝「ほぉ、面白い物を持ってるな」

 

剣帝はそう言いながら黒いメモリを取り出し

 

《ジョーカー!!》

 

剣帝「変身」

 

ベルトに差し込み変身した

 

転生者「ちっ!特撮でこの展開は攻撃が通ってないパターンだな。ならばもう一発!!弾けろ!!」

 

そう言って転生者は再度剣帝に向けて弾丸を放った

 

剣帝「残念、攻撃はかわされてしまった」

 

剣帝はジャンプして攻撃を回避した

 

転生者「あー!もうめんどくせぇ!これで決める!!」

 

転生者は一枚のカードを取り出し、手に持っている銃のカートリッジに入れた、すると

 

〈ファイナルベント〉

 

と音声がしたかと思いきや転生者の前に一体の巨大な機械の様な牛の様な何者かが現れた

 

転生者「集中砲火だ!死に去らせ!!」

 

転生者がそう叫ぶと剣帝に向かって雨霰のように弾丸やミサイル等が飛んで行く

 

剣帝「あー、これはダルいわ…」

 

剣帝はメモリを取り出しベルトの横に刺し軽く叩いた

 

《マキシマムドライブ!!》

 

剣帝はジャンプして全弾回避して蹴りを放った

 

転生者「グハァッ!!」

 

転生者は蹴られた衝撃で変身が解除されバックルを落としてしまった

 

剣帝「さて、これは俺が有効活用する為に貰って行くぜ」

 

剣帝はバックルを拾い帰ろうと身を反転させた

 

転生者「糞が!俺が負ける筈がないんだ!てめぇなんて怖かねぇ!ライダーキック!!」

 

剣帝の背中に目掛けて転生者のキックが決まって剣帝は不意の一撃で少し吹き飛ばされてしまった

 

剣帝「ゲホッ……しくった…油断した…」

 

転生者「フッフッフッ、俺はライダーに変身するだけじゃなく生身なら一号の身体能力を使えるのさ。形勢逆転だな!いい気見だぜ!」

 

と、転生者は偉そうに笑っている

 

転生者「これで止めだ。ライダーパンチ!」

 

剣帝に転生者がパンチを当てようとしたがそれは届かなかった

 

剣帝(アレ?当たらなかった?)

 

剣帝が殴られなかったのを不思議に思い転生者の方を見ると、なんと転生者が氷漬けになっていた

 

夜鴉「プトティラはやっぱり使えるねぇ。こうやって相手を氷付けに出来るんだから」

 

剣帝「あー、スイマセン、夜鴉様、助けて貰っちゃって」

 

夜鴉「良いよ~。だけど今度代償は貰うからねぇ」

 

剣帝(代償が怖い…)

 

夜鴉はオーズの変身を解き転生者に近付いた

 

夜鴉「貴様は下級神を脅し能力を得た後に逃亡し我の手を煩わせる罪を犯した。よって死刑である」

 

転生者「糞が!雑魚神のせいで俺がこんな目に有ってるじゃねぇか!今度会ったらただじゃおかねぇ!」

 

剣帝(何だ、ただの罪人が逃げてきてたのか)

 

夜鴉「安心せよ、貴様がもう二度と生きれぬのだ。もう奴とは会うことは無かろう。さぁ、終わりの時だ。」

 

夜鴉は翼をはためかせ空高く飛び上がった。そして何時の間に手に持っていた一振りの剣の切っ先を転生者に向けた

 

剣帝「ヤベッ、俺此処に居たら巻き込まれる」

 

剣帝は即座に体を起こし、音速で逃げた

 

夜鴉「魂を消滅せよ、ハルマゲドンディストラクション。」

 

そう夜鴉が言うと氷漬けの転生者に向けて光線が放たれる

 

転生者「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ死にたくない死にたくない嫌だーー!!」

 

夜鴉の放った光線は触れた空気すら消滅させながら転生者に向かい飛んで言った。そして転生者は魂すら消え去った。

 

剣帝「うわぁ、コレはマジで受けたくねぇ、俺でも死ぬわコレは」

 

夜鴉「ふぅ、疲れた」

 

剣帝「お疲れ様です」

 

夜鴉「じゃあ俺は寝るわ。ペタン、後始末宜しく」

 

ペタン「はっ!全ては我が主の為に」

 

そう言いながら夜鴉の後ろから素肌を必要最低限しか隠していない、隠している部分が機械の少女が現れた

 

剣帝「お久しぶりですね。ペタンさん」

 

夜鴉は空間を開けて自分の所へ帰って行った後ペタンが剣帝に、にこりと黒い笑顔を向けた

 

ペタン「手伝いますよね?」

 

剣帝「あっ、はい」

 

ペタンは光線が当たり消え去った大穴をショベルカーを使い元に戻し出したが剣帝にはシャベル1つを投げて渡した

 

剣帝「これで整えろと?」

 

ペタン「勿論ですよ、修行だとでも思いなさい」

 

剣帝「………3秒有れば足りますよ?この量なら」

 

ペタン「そうそう。地面の土は全く別の場所から持ってくるように」

 

剣帝「……………了解」

 

剣帝はそう言った次の瞬間には姿を消した

 

剣帝「あー、疲れた」

 

そう言って剣帝は山盛りの土を積んだ手押し車を押してやって来た

 

剣帝「さて、ペタンコにするか」

 

剣帝はそう言いながら土を整え始めた

 

ペタン「残りは任せましたよ」

 

剣帝「ウィーっす」

 

剣帝はそう答えるとせっせと土を直し…気が付けば時刻は夜になっていた

 

剣帝「もうこんな時間か…セラ様が心配するかも…知れないし、終わったから帰ろ…」

 

剣帝はそう言いながら足下に魔法陣を展開し、転移した、手にバックルを持ったまま




無名「よぉ、読者さん達よぉ、毎回お馴染み無名さんだぜ、さてさて、今回の話はっとぉ……うわぁ、とんでもない馬鹿もいたもんだなぁ、そんで、アイツはまぁたパシられてんのか、まっ、仕方ねぇか、っとそんぞゃまた次回をお楽しみにな!」


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第三十一話「煙の意味と永久の契約」

あらすじ

朝、部屋で着替えを済ませ自室でゆっくりとしていた剣帝に一通の手紙が届く、その内容は剣帝の秘密を知っているという者からの手紙だった、その手紙に呼び出された剣帝はしふしぶ呼び出された場所へと向かった、そして、其処には自分こそが主人公だと言っている一人の男が居た、その男は剣帝へと勝負を仕掛けたが、結果は剣帝の勝ちとなったが勝利して油断した剣帝を男は襲い勝ちをもぎ取ろうとした、だが、その時夜鴉が現れ、男を跡形も無く消し飛ばした、その後剣帝は何事も無かったかのように自宅へと帰宅した

――――――――――――――――――――――

―セラフォルー邸:入口前―

 

剣帝(このままじゃ入りにくいなぁ、屋敷に汚れが付いちまう…)

 

剣帝は土が付いた自分の服を見てそう思っていた

 

剣帝「替え全部中だしなぁ…どうしよっかなぁ…」

 

剣帝はそうやって困っていると

 

セラ「お帰り!剣帝君」

 

セラフォルーが扉を勢い良く開けて剣帝に飛び付こうとしたが

 

剣帝「セラ様、今は飛び付かないで下さい、俺の服とか汚れてるんで」

 

そう言って剣帝が静止させた

 

セラ「わっ!本当に汚れてるね、何処で何してたの?」

 

剣帝「まぁ、色々とありまして…」

 

セラ「ふぅーん、それじゃ早くお風呂に入ったら?」

 

剣帝「でも、それだとお屋敷に汚れが…」

 

セラ「大丈夫だよぉ、リオールちゃんとかが綺麗にしてくれるだろうから、だから、ほら」

 

剣帝「主の命なら…まぁ、そうしますかね」

 

剣帝はそう言うと土が落ちないように急いで移動しつつ風呂場へと移動した、そして、脱衣所に剣帝が入ろうとしていると

 

セラ「ねぇ、剣帝君」

 

後ろからセラフォルーが声を掛けた

 

剣帝「何ですか?セラ様」

 

セラ「一緒に入っちゃ、駄目?」

 

セラフォルーが剣帝にそう問い掛けると

 

剣帝「………スミマセンが、今回も俺は一人で入らせて頂きます」

 

セラ「何で?何で一緒に入っちゃ駄目なの?」

 

剣帝「…色々と事情が有るんでね…後で構ってあげるから俺の部屋で待っててくれるか?セラ」

 

そう言って剣帝は土の付いていない右手でセラフォルーを撫でた

 

セラ「………分かった、絶対構ってね?」

 

剣帝「はいはい」

 

そう言って剣帝は脱衣所に入って行った

 

剣帝「ふぅ、風呂ではゆっくりしたいからねぇ、フフンフフンフフーン」

 

剣帝は上機嫌で風呂場に入り湯船に浸かった

 

剣帝「あぁ、良い湯だなぁ…妹紅…何時かは帰るから待っててね」

 

そう言って剣帝が写真を眺めながら湯船に浸かっていると

 

〈ヴモ゛ォォォォォ!!〉

 

風呂場全体に牛の様な鳴き声が響きわたった

 

剣帝「……この声…もしや…」

 

剣帝がそう言いながら戦闘態勢を軽く取ると

 

??〈ヴモ゛ォォォォォ!〉

 

水面から緑色の機械的な牛の様な頭をした何かが出て来た

 

剣帝「やっぱりお前か、マグナギガ」

 

剣帝はそう言いながら浴槽から上がった

 

剣帝「そーらよっと!」

 

剣帝はマグナギガに一瞬で近付き蹴り飛ばしその後即座に脱衣所に移動した

 

剣帝「あー、吃驚したぁ、まっ、セラ様に心配掛けないようにとっとと片付けたいけど……そうだ!」

 

剣帝はそう言うと脱いだ服の中から奪ったバックルを取り出し、それから一枚のカードを抜き、風呂場へ戻った

 

剣帝「さぁ、来いよマグナギガ!」

 

風呂場に戻ると体制を元に戻していたマグナギガが腕を剣帝の方向に伸ばして居た

 

剣帝「………もーしーかーしーてー…」

 

剣帝がマズそうな顔をするとマグナギガは伸ばした両椀から砲弾を放った

 

剣帝「うぉっと!」

 

剣帝は飛んで来た砲弾を避ける事無く魔法弾をぶつけて相殺した

 

剣帝「あっぶねぇ、修理すんの面倒なんだぞ!!」

 

剣帝はそう文句を言い放ってから再度マグナギガの懐に滑り込み

 

剣帝「喰らえボケェ!」

 

掌底を繰り出しマグナギガを再度吹き飛ばした、そして、壁にマグナギガが当たる前にマグナギガの背後で軽く爆発が起こりマグナギガは壁に当たらず倒れた

 

剣帝「ふぅ…大人しくしてろ」

 

剣帝はそう言いながらマグナギガに向けてカードを一枚投げた、そして、マグナギガにカードが当たると

 

《CONTRACT》

 

という音声と共にマグナギガはカードに吸い込まれ、カードは剣帝の手に帰って行った

 

剣帝「はい、契約終了っと、さて、少し壊しちゃったし、其処直したらゆっくり浸かり直すか」

 

剣帝はそう言いながら壁を直し、浴槽に再度浸かりゆっくりと休んだ

 

―20分後―

 

剣帝「あー、良い湯だったぁ」

 

剣帝は一部に龍の柄の入った黒い浴衣に身を包み脱衣所から出て来た、そして、ゆっくりと自分の部屋へと向かった

 

剣帝「ただいま戻りました。セラ様」

 

剣帝がそう言って部屋の扉を開き部屋の中に入るとセラフォルーが飛び付いてきた

 

セラ「お帰り!剣帝君!」

 

剣帝「おっとっと、危ないですねぇ」

 

剣帝は多少倒れかけたが体制を立て直し受け止めた

 

セラ「だって、朝から剣帝君居なかったんだもーん」

 

剣帝「あぁ、スミマセンね、ちょいと用事がありましてね」

 

剣帝はそう言いながらセラフォルーの頭を撫でている

 

セラ「そっか、それなら仕方無いね」

 

剣帝「さてと、少々月でも見たいので、離れて頂けます?」

 

セラ「うん、分かった」

 

セラフォルーはそう言って剣帝に抱き着くのを辞め腕に抱き着いた

 

剣帝「あのぉ、ちょいとトランクの中から取り出したい物あるので離して貰えます?少しの間だけで良いので」

 

セラ「え〜!」

 

剣帝「少しだけですから。お願いします」

 

セラ「………分かった…少しだけね?」

 

セラフォルーはそう言って剣帝から離れた

 

剣帝「有難う御座います」

 

剣帝は離さると自分の持ち物が入っているトランクを開け、中から龍を模した様な煙管を取り出しトランクを閉めた

 

剣帝「終わりました。セラ様」

 

セラ「それじゃあ、また抱き着くね〜」

 

セラフォルーはそう言って剣帝の左腕に抱き着いた

 

剣帝「本人の了承の有無聞いてませんよね」

 

セラ「剣帝君なら許してくれるでしょ?」

 

剣帝「まぁ、はい」

 

そういう会話をしながら二人は部屋に付いているベランダに出た

 

剣帝「いやぁ、月は何時も綺麗ですねぇ。フゥー( ゚Д゚)y─┛~~」

 

セラ「そうだね…それはそうと剣帝君」

 

剣帝「何ですか?セラ様」

 

セラ「今日は珍しく浴衣来てるんだね、それに煙管何て持ちだして」

 

剣帝「駄目ですかね?」

 

セラ「うぅん、すっごく似合ってる、格好良いよ剣帝君」

 

剣帝「そりゃどうも、有難う御座います」

 

剣帝は煙管を吸いながらお礼を言った

 

剣帝(うーむ……アレを試してみようかなぁ)

 

剣帝は何かを考えつきセラフォルーの方向を向いた

 

セラ「どうしたの?剣帝く、うわっ」

 

剣帝はセラフォルーの顔に煙を吹き掛けた

 

セラ「もぉ!何するの、剣帝君!」

 

剣帝「スイマセン、セラ様、ちょっとした悪戯心ご働きまして」

 

セラ「悪戯でもやって良い事と悪い事があるよ!」

 

剣帝「スミマセン、セラ様が可愛かったのでつい…それはそうとセラ様は御存知ですか?」

 

セラ「何を?」

 

剣帝「人間界では顔に煙草や煙管の煙を吹き掛けるのは」

 

剣帝は煙管を素早く浴衣の懐になおすとセラフォルーの顎に指を掛けて、クイッと自分の方向を向かせ自分の顔を近付け

 

剣帝「今夜お前を抱くぞって意味が有るらしいぜ」

 

と言いながら少し笑み浮かべるような顔付きになった

 

セラ「えっ、それって…つまり…」

 

剣帝「今晩は一緒に寝ような」

 

剣帝はそう言いながら不敵な笑みを浮かべていた、そして、その髪は黒くなっていた




無名「よぉ、読者さん達よぉ前回ぶりだな、毎回お馴染みの無名さんだぜ、っと、さてさて、今回の話はっとぉ…マグナギガに襲われるって結構な事の筈なんだがなぁ、それと…かんっぜんにアイツ暴走気味だなぁ…まぁ、良いか、こっちに戻って来る頃にゃ元に戻るだろし…さて、今回も楽しんでくれたかい?次回もお楽しみにな!」


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第三十二話「真実とは知らぬが仏」

あらすじ

泥だらけになりながらセラフォルー邸の前に戻った剣帝、そして、其処で屋敷を汚したくないからという理由で入るかどうかを迷っていた、だが、それを無駄な事に終わる、悩んでいるとセラフォルーが屋敷の中から出て来て剣帝に風呂に入れと命じる、その後剣帝が入浴中に突然な侵入者が入ったが、剣帝は何事も無いかのように侵入者を片付けたのだった

――――――――――――――――――――――

―翌日:セラフォルー邸:剣帝の部屋―

 

上半身が裸の黒髪の男とセラフォルーがベットに横たわっていた、そして、黒髪の男の髪が徐々に白くなり

 

剣帝「……まぁた記憶が曖昧だ…(´Д`)ハァ…」

 

剣帝は眠りから覚めるとそう言って溜息をつきながらベットに座っていた

 

剣帝「取り敢えず、服だ服」

 

剣帝はそう言ってベットから出て何時も通りの執事服に身を包み、そして

 

剣帝「さてと、ちょいと取りに行くか」

 

剣帝は部屋から退室した

 

―10分後―

 

剣帝は静かに入室してから

 

セラ「んん〜、朝ぁ?」

 

剣帝「はい、朝ですので起きて下さい、セラ様」

 

セラフォルーを揺すって起こし始めた

 

剣帝「ご洋服は用意しましたので、起きて下さい」

 

セラ「ん〜、嫌〜」

 

剣帝「はっ?」

 

セラ「キスしてくれないと起きないも〜ん」

 

セラフォルーはそう言いながら仰向けになった

 

剣帝「………///」

 

剣帝はセラフォルーから顔を背けている

 

セラ「どうしたの?剣帝君」

 

剣帝「あのぉ、そのぉ、見えてます。セラ様///」

 

仰向けになったセラフォルーは胸部が見えていた

 

セラ「剣帝君なら見ても気にしないよ?」

 

剣帝「いやあの、俺が気にするんで、早く服着て下さい」

 

剣帝は顔を背けながらセラフォルーに服を渡そうと腕を伸ばしていると

 

セラ「も〜、剣帝君ってそういう所意気地無しだよね〜」

 

セラフォルーはそう言いながら服を受け取り着始めた

 

剣帝「ふぅ、これでやっと見れる!?」

 

剣帝がセラフォルーの方向を向き直ると其処には、服のボタンを止めずにベットに座っていたセラフォルーが居た

 

セラ「どうしたの?剣帝君」

 

セラフォルーは意地悪そうな表情を浮かべている

 

剣帝「セラ様!ちゃんと着て下さい!」

 

セラ「剣帝君がキスしてくれたらちゃんと着る〜」

 

剣帝「あぁ言えば…こう言う…」

 

剣帝は顔に出さないように内面でイライラして居たが悪戯に成功して嬉しそう笑って居るセラフォルーを見てイライラが消え、そして

 

剣帝「……(´Д`)ハァ…仕方無いですねぇ。分かりましたよ」

 

剣帝はそう言いながらセラフォルーに近付き

 

剣帝「お望み通りしてあげますよ」

 

セラ「やったぁ〜、有難う剣帝君」

 

剣帝「但し、それで終わりですからね?」

 

セラ「分かってるもん」

 

剣帝「それじゃ、行きますよ」

 

剣帝はそう言いながらセラフォルーの唇に自分の唇を重ねた

 

剣帝「はい、終わり」

 

セラ「えー、短ーい!」

 

剣帝「これ以上我儘を言わないで下さい」

 

セラ「短い短い短ぁーい!」

 

セラフォルーはそう言いながら剣帝のベットで転がり始めた

 

剣帝「(´Д`)ハァ…朝ご飯に遅れますよ」

 

セラ「剣帝君がもう一回ちゃんとやってくれないと、行かなーい!」

 

とセラフォルーが駄々をこねると

 

剣帝「あーもー……」

 

剣帝は頭を抱えた

 

セラ「それとも剣帝君は私の事嫌い?」

 

剣帝「はっ?何を根拠にそんな事を仰るので?」

 

セラ「だって、お風呂一緒に入らせてくれないし、最近はデートにも誘ってくれないし、さっきだってキスとか私から誘わないとやってくれないし、しかも、やってくれるの短いし」

 

セラ「二人っきりの時はセラって呼んでって言ったのに時々しか呼んでくれないし、敬語も時々しか辞めないし」

 

剣帝「………」

 

剣帝はセラフォルーにそう言われて沈黙を始めた

 

セラ「ねぇ、やっぱり剣帝君は私の事嫌いなんでしょ、ん!?」

 

セラフォルーがそう言って剣帝の方向を見直ると再度キスされた

 

剣帝「……俺がセラを嫌いなんて言ったか?」

 

セラ「言ってないけど…でも、行動が…」

 

剣帝「二人っきりの時にセラって呼び捨てにしないのは自分を律するためだ、敬語を辞めないのも同じ理由だ、で、デートに誘わないのはセラが忙しいだろうと思ったからだし、お風呂は俺は一人で入るのが好きなんだよ悪い、で、さっきのキスはだな、長くすると俺の理性が消えて襲っちまいそうだからな、だからだ」

 

セラ「そうなんだ…」

 

剣帝「さて、そういう事だから了解してくれるか?」

 

セラ「う、うん…」

 

剣帝「でも、ゴメンな、そんな風に思ってたなんて知らずに…」

 

セラ「うぅん、良いの、剣帝君はいっつも私の我儘聞いてくれてるんだし…」

 

剣帝「セラ…」

 

セラ「剣帝君…」

 

二人がそう言って抱き合い、再度キスをしようとしていると

 

リオール「ゴホン!」

 

剣帝「( ゚д゚)ハッ!い、何時から居たんですか?リオールさん」

 

リオール「少し前からです。サーゼクス様より急ぎと言われた伝言がありますが。また後に致しましょうか?」

 

セラ「う、うぅん、大丈夫、今聞く」

 

リオール「了解しました。では、お伝えいたします。伝言は此方です」

 

サーゼクス『うぅーん、北欧の悪神ロキが再度攻め込んでくるようだ、なので一度会議を開きロキを迎え撃つ者を集おうと思う、なので、急ぎ来てくれないだろうか

PS:最近リアスに避けられてる気がするのだが、何故だと思う?』

 

リオール「以上が伝言の内容です」

 

剣帝(最後の一文絶対要らない気がする、さてと、そんな事よりセラ様にどうするかを聞かないと)

 

剣帝がそう思いセラフォルーの方向を向くと

 

セラ「ふっふーん、サーゼクスちゃんがリアスちゃんにうざったく思われてる証拠だね!その点私のソーナちゃんは絶対そんな事しないもーん。そうだよね!剣帝君!」

 

剣帝「は、はぁ、そうでしょうね…」

 

剣帝がそう返答すると

 

セラ「やっぱり!それじゃあ速く行ってサーゼクスちゃんに自慢しないと、だから剣帝君、早く魔法陣出して!」

 

剣帝「あっ、はい、了解しました」

 

剣帝(何だか趣旨がズレてる気がするなぁ)

 

剣帝はそう考えながら魔法陣を展開した

 

―対ロキ会談場―

 

剣帝「着きましたよ。セラ様」

 

セラ「何時も有難う、剣帝君」

 

剣帝「いえ、これ位は当然ですから」

 

そう言いながら剣帝はセラフォルーの少し後ろを付いて行く

 

アザゼル「相変わらずテメェ等は仲が良いみてぇだな」

 

アザゼルが椅子に腰掛けながら言った、すると

 

サーゼクス「この二人にとってはアレ位が当然なのだろう」

 

サーゼクスがそう言った

 

剣帝「まぁ、俺にとってはこれくらいは普通だと思ってますよ」

 

剣帝はセラフォルーの後ろを歩き付いていきながらそう言った、そして、その前を歩いているセラフォルーはサーゼクスに近付き

 

セラ「サーゼクスちゃんリアスちゃんにうざったく思われてるんだよ、きっとね」

 

と言った

 

サーゼクス「なっ…何を言っているんだセラフォルー!ウチのリーアたんに限ってそんな事が有り得る訳が無いだろう!」

 

剣帝(そう呼ばれる事が避けられる原因になってるとなぜ気付かない…)

 

セラ「その点私のソーたんはそんな事しないもーん」

 

と、セラフォルーは自慢を始めた

 

剣帝(あぁ、ウチの主もそっち側だったか…)

 

剣帝はそう言って頭を軽く抱えた、すると後ろから

 

アザゼル「お前さんも苦労してるみたいだな」

 

アザゼルが近付いて来て肩を叩いた

 

剣帝「い、いえ、この程度日常茶飯事ですから」

 

剣帝がアザゼルの方向を向いている後ろではセラフォルーとサーゼクスが互いに自分の妹自慢の言い合いをしている

 

剣帝「………(´Д`)ハァ…セラ様!サーゼクス様!会議をしないんですか!!」

 

剣帝がそう言い放つと

 

サーゼクス「おっと、リーアたんのことだからついつい脱線してしまった」

 

セラ「ゴメンね?剣帝君」

 

剣帝「いえいえ、これ普通な事ですから。して、ロキは今は何処に?」

 

サーゼクス「あぁ、その事なんだが、どうにもロキ以外にもう一人神が居るようなんだよ」

 

剣帝「はっ?」

 

セラ「えっ?」

 

剣帝とセラフォルーが驚いた様子で居るとサーゼクスはこう続けた

 

サーゼクス「なのでだ、すまないのだが剣帝君、君には是非悪神ロキとの戦いに加わって欲しいのだが」

 

セラ「えっ、それは…」

 

剣帝「俺は良いですよ。セラ様からお許しが頂ければ、ですがね」

 

剣帝はセラフォルーを横目で見ながらそう言った

 

サーゼクス「そうか…ならセラフォルー、剣帝君を貸してはくれないだろうか?」

 

セラ「うぅ〜、剣帝君は良いって言ってるし…良いよ」

 

サーゼクス「有難う、それじゃあ、剣帝君だけでは難しいだろうし、もう少し希望者が集まるまで待つとしようか」

 

剣帝「えぇ、その方が成功率が上がりますし。時間はまだ有りそうですし。宜しいかと」

 

そう言って剣帝達は対悪神ロキとの戦闘の準備を進めた




よぉ!読者様方よぉ、毎度おなじみの無名さんだぜ!前回ぶりだな
さて、今回の内容を振り返るとするか……あいっ変わらずイチャイチャしやがって…苛つくな
まぁ良い、スルーだ、それよりも…剣帝確実に思っただけで隠してる要素強すぎだろ、確定的に失礼な事考えてんじゃねぇかよぉ…まぁいい、バレてないみたいだしな…さて、今回はあんな話だったが次回はどうなるだろうな?次回を楽しみにな!


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第三十三話「死なぬドMはとても怖い」

あらすじ

悪神ロキの足止めの為一足先に出発した剣帝、その転移先に居たのは悪神ロキ、そして、その娘のヘルだった

そして、戦闘が開始されると先に攻撃してきたのは娘のヘルだった、そして、剣帝を吹き飛ばしたが剣帝にはあまり通じてはいないようでそのまま剣と鎌で戦闘は続行された、その後悪神ロキの不意打ちにより剣帝は一時的に戦闘不能に落ちいった、だが、その時夜鴉が降臨し、ヘルを連れて変えるのだった

――――――――――――――――――――――

~剣帝がロキの足止めに向かった後:対悪神ロキ会議現場~

 

其処には互いに向かい合うように机に向かって椅子に座り会議をしていたサーゼクス達とオーディン、それとリアス、その後方の壁にもたれ掛かっているアザゼルが居た

 

サーゼクス「足止め役を志願したいというのか?」

 

べルゼブブ「ロキを現在剣帝君が足止めをしてくれている現場に転送出来るのは10名程度、時間を置いてもあと一人か二人が限界だ、厳しい任務になるが」

 

サーゼクスとベルゼブブはリアスの方を向きそう問いかけた

 

リアス「危険な事は承知の上です」

 

リアスは真剣な顔つきでそう言った

 

セラ「ウフッ…志願者は、貴女達だけじゃなかったみたいね」

 

セラフォルーはそう言いながら自分の後方に見える扉の方向を向いた、そして、その扉が開くとその先から三人の人物が出てきた

 

リアス「あっ…」

 

リアスは少し驚いたような反応をした

 

セラ「ソーナちゃん」

 

扉の先に居たのはセラフォルーの妹のソーナ、そして、その女王(クィーン)の椿、更にソーナの歩兵の匙だった

 

リアス「ソーナ!」

 

ソーナ「私達シトリー眷属より三名、志願致します」

 

そう言いながら三人は机の近くに向かって歩いて行く

 

セラ「どーしてもって聞かなくて」

 

セラフォルーは少し困っているような手をしながらそう言った

 

セラ「まぁ、今回の件は私達の失態でも有るし、リアスちゃんもこの娘も魔王の身内だから、納得の出来る人選とも言えるんだけど、ねぇ」

 

そうサーゼクスの方向を向きながらセラフォルーは言った

 

アザゼル「既に二人は決まってるんだ、人選に時間を使う余裕はねぇぞ」

 

アザゼルがそう言うとリアスが不思議そうに

 

リアス「二人?」

 

と言った、するとミカエルが答えるように喋り始め

 

ミカエル「えぇ、此方からは…」

 

そう喋っているミカエルの後方の影にとある人物が見える

 

リアス「イリナさん!」

 

リアスがまた驚いていたがミカエルは話を続けるように喋りだし

 

ミカエル「今の彼女は、戦力として申し分有りません」

 

ミカエルがそう言うとイリナはそれに応えるように

 

イリナ「お任せを」

 

と呟いた

 

???「相手はアースガルズの神、私も参ります」

 

次にオーディンの後ろに居た白髪の女性がそう言った

 

サーゼクス「オーディン殿がミョルニルを転送するまでの間、時間を稼いでくれ」

 

サーゼクスがそう言った

 

~会議場施設前~

 

リアス「一緒じゃないのは心残りだけど、貴方達は防衛部隊に任せてあるから」

 

リアスはそう眷属のアーシアとギャスパーに向けて言った

 

アーシア「は、はい…」

 

アーシアは少し怖がっているような声で言った、そして

 

アーシア「一誠さん、必ず帰って来て下さいね」

 

と続けた、すると一誠はそれに返すように

 

一誠「心配すんなって、アーシアも他の悪魔達と仲良くな」

 

と言った、するとアーシアは少し元気が出たのか

 

アーシア「はい…」

 

と返答した

 

その近くに居るイリナは隣りに居るゼノヴィアにこう話し掛けた

 

イリナ「また一緒ね、ゼノヴィア」

 

ゼノヴィア「あぁ…しかしイリナ…悪魔になった私が言うのも何だが」

 

ゼノヴィアが心配そうにそう言っているとイリナが言葉を遮るように喋り始めた

 

イリナ「危険過ぎるって言いたいんでしょ?」

 

と言った

 

そして、そのロキ足止め部隊に近づく鎧姿の人物が1名

 

???「御挨拶が遅れました」

 

声がした方向を何人かが見ると其処には先程オーディンの後ろに居た白髪の女性が鎧姿で立っていた

 

ロスヴァイセ「主神オーディン様のお付きで参りました。ロスヴァイセです」

 

白髪の女性、ロスヴァイセはそう名乗った

 

そして、その鎧姿を見て邪な反応を起こしているのが二名…

 

匙「見ろ、兵藤」

 

匙がそう言うと、一誠は

 

一誠「前に見掛けた時はスーツ姿だったが…これはなんと言う素晴らしき御姿ぁ」

 

と言った…そして、その後は当然とも言えるが

 

一誠「いっででででで」

 

匙「あでででででで」

 

二人は各々主たるリアスとソーナに耳をつままれ引っ張られた

 

ソーナ「そろそろ時間です」

 

リアス「行くわよ」

 

引っ張っている本人達はこう言った

 

アザゼル「悪いなぁ、若いもんにやらせてよ」

 

とアザゼルは言った

 

サーゼクス「グレイフィア」

 

グレイフィア「はっ!」

 

サーゼクスがそう言うとその目線の先に居たメイド服の女性が応答しながら足止め部隊にとあるポーチを近付けた

 

グレイフィア「フェニックスの涙です。緊急時でこれしか集められませんでしたが」

 

ポーチの中には赤い小瓶が三本並べてある

 

サーゼクス「回復役のビショップを加える余裕が無い為せめてもの安全策だ」

 

とサーゼクスが説明した

 

リアス「有難う御座います」

 

とリアスが謝礼を言った

 

サーゼクス「だが、決して無理はするな」

 

サーゼクスはそう心配気に言った

 

リアス「はい」

 

リアスはそれに返答した

 

そのリアスを見つめる小猫は少しとある記憶を思い出していた

 

~塔城小猫の記憶~

 

小猫「私も連れて行って下さい」

 

小猫はリアスに頼み込んだ

 

リアス「小猫…でも貴女は…」

 

リアスは腕を組みながら応答した

 

小猫「もう迷いません…」

 

そう小猫が言うとリアスと小猫は少しの間見つめ合い…

 

リアス「…分かったわ」

 

と微笑みながら言った

 

~場面は元に戻り~

 

小猫は一誠の服の袖に手を伸ばし、袖を軽く摘み引っ張り声を掛けた

 

小猫「一誠先輩…」

 

その声に反応するように一誠は小猫の方向を向き

 

一誠「ん?」

 

と不思議そうな顔をした

 

小猫「私に…勇気を下さい…」

 

と頬を赤らめながら言った、すると

 

一誠「大丈夫、小猫ちゃんに何があっても、体を張って俺が守ってやるよ」

 

と肩を掴みながら一誠は笑顔でそう言った

 

そして、その言葉を聞いた小猫はまた顔を赤らめた、そして、それを見た朱乃が

 

朱乃「あらあら、一誠君、ついに小猫ちゃんの心まで掴んでしまいましたのねぇ」

 

と茶化した。すると朱乃の方に一誠が近付き

 

一誠「あ、朱乃さん…」

 

と狼狽えながら言った

 

朱乃「私も…一誠君に勇気を頂きたいですわ…」

 

とそう言うと一誠の居る方向とは別の方向を向いた

 

一誠「朱乃さん…?」

 

一誠は心配そうにその背中を見つめている

 

ベルゼブブ「では、転送を始める」

 

ベルゼブブがそう言うと魔法陣は光りながら足止め部隊を呑み込んだ

 

~紫色空の荒野~

 

足止め部隊は無事に荒野に転送され、初めに見た光景は

 

剣帝「ハァーハッハッハ!まだまだぁ!」

 

ロキ「我と殴り合いで引けを取らない者が神以外で居ようとはな!」

 

互いに殴り合って戦っている二人の姿だった




よぉ!読者様方よぉ、毎度お馴染みの無名さんだぜ!前回ぶりだな
さて、早速今回の話を振り返るとするかぁ………このヘルっ娘ドMにも程があるだろ、乗って帰ったって…その時は立って乗られてるからなぁ、普通ならイテェから嫌がられるもんなんだが……まぁ良いか
まっ、今回のは完全に戦闘回だったな、さて、次回はどうなるだろうな?次回を楽しみにな!


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第三十四話「見える世界の裏側に続く表」

あらすじ

悪神ロキの足止めの為一足先に出発した剣帝、その転移先に居たのは悪神ロキ、そして、その娘のヘルだった

そして、戦闘が開始されると先に攻撃してきたのは娘のヘルだった、そして、剣帝を吹き飛ばしたが剣帝にはあまり通じてはいないようでそのまま剣と鎌で戦闘は続行された、その後悪神ロキの不意打ちにより剣帝は一時的に戦闘不能に落ちいった、だが、その時夜鴉が降臨し、ヘルを連れて変えるのだった

――――――――――――――――――――――

~剣帝がロキの足止めに向かった後:対悪神ロキ会議現場~

 

其処には互いに向かい合うように机に向かって椅子に座り会議をしていたサーゼクス達とオーディン、それとリアス、その後方の壁にもたれ掛かっているアザゼルが居た

 

サーゼクス「足止め役を志願したいというのか?」

 

べルゼブブ「ロキを現在剣帝君が足止めをしてくれている現場に転送出来るのは10名程度、時間を置いてもあと一人か二人が限界だ、厳しい任務になるが」

 

サーゼクスとベルゼブブはリアスの方を向きそう問いかけた

 

リアス「危険な事は承知の上です」

 

リアスは真剣な顔つきでそう言った

 

セラ「ウフッ…志願者は、貴女達だけじゃなかったみたいね」

 

セラフォルーはそう言いながら自分の後方に見える扉の方向を向いた、そして、その扉が開くとその先から三人の人物が出てきた

 

リアス「あっ…」

 

リアスは少し驚いたような反応をした

 

セラ「ソーナちゃん」

 

扉の先に居たのはセラフォルーの妹のソーナ、そして、その女王(クィーン)の椿、更にソーナの歩兵の匙だった

 

リアス「ソーナ!」

 

ソーナ「私達シトリー眷属より三名、志願致します」

 

そう言いながら三人は机の近くに向かって歩いて行く

 

セラ「どーしてもって聞かなくて」

 

セラフォルーは少し困っているような手をしながらそう言った

 

セラ「まぁ、今回の件は私達の失態でも有るし、リアスちゃんもこの娘も魔王の身内だから、納得の出来る人選とも言えるんだけど、ねぇ」

 

そうサーゼクスの方向を向きながらセラフォルーは言った

 

アザゼル「既に二人は決まってるんだ、人選に時間を使う余裕はねぇぞ」

 

アザゼルがそう言うとリアスが不思議そうに

 

リアス「二人?」

 

と言った、するとミカエルが答えるように喋り始め

 

ミカエル「えぇ、此方からは…」

 

そう喋っているミカエルの後方の影にとある人物が見える

 

リアス「イリナさん!」

 

リアスがまた驚いていたがミカエルは話を続けるように喋りだし

 

ミカエル「今の彼女は、戦力として申し分有りません」

 

ミカエルがそう言うとイリナはそれに応えるように

 

イリナ「お任せを」

 

と呟いた

 

???「相手はアースガルズの神、私も参ります」

 

次にオーディンの後ろに居た白髪の女性がそう言った

 

サーゼクス「オーディン殿がミョルニルを転送するまでの間、時間を稼いでくれ」

 

サーゼクスがそう言った

 

~会議場施設前~

 

リアス「一緒じゃないのは心残りだけど、貴方達は防衛部隊に任せてあるから」

 

リアスはそう眷属のアーシアとギャスパーに向けて言った

 

アーシア「は、はい…」

 

アーシアは少し怖がっているような声で言った、そして

 

アーシア「一誠さん、必ず帰って来て下さいね」

 

と続けた、すると一誠はそれに返すように

 

一誠「心配すんなって、アーシアも他の悪魔達と仲良くな」

 

と言った、するとアーシアは少し元気が出たのか

 

アーシア「はい…」

 

と返答した

 

その近くに居るイリナは隣りに居るゼノヴィアにこう話し掛けた

 

イリナ「また一緒ね、ゼノヴィア」

 

ゼノヴィア「あぁ…しかしイリナ…悪魔になった私が言うのも何だが」

 

ゼノヴィアが心配そうにそう言っているとイリナが言葉を遮るように喋り始めた

 

イリナ「危険過ぎるって言いたいんでしょ?」

 

と言った

 

そして、そのロキ足止め部隊に近づく鎧姿の人物が1名

 

???「御挨拶が遅れました」

 

声がした方向を何人かが見ると其処には先程オーディンの後ろに居た白髪の女性が鎧姿で立っていた

 

ロスヴァイセ「主神オーディン様のお付きで参りました。ロスヴァイセです」

 

白髪の女性、ロスヴァイセはそう名乗った

 

そして、その鎧姿を見て邪な反応を起こしているのが二名…

 

匙「見ろ、兵藤」

 

匙がそう言うと、一誠は

 

一誠「前に見掛けた時はスーツ姿だったが…これはなんと言う素晴らしき御姿ぁ」

 

と言った…そして、その後は当然とも言えるが

 

一誠「いっででででで」

 

匙「あでででででで」

 

二人は各々主たるリアスとソーナに耳をつままれ引っ張られた

 

ソーナ「そろそろ時間です」

 

リアス「行くわよ」

 

引っ張っている本人達はこう言った

 

アザゼル「悪いなぁ、若いもんにやらせてよ」

 

とアザゼルは言った

 

サーゼクス「グレイフィア」

 

グレイフィア「はっ!」

 

サーゼクスがそう言うとその目線の先に居たメイド服の女性が応答しながら足止め部隊にとあるポーチを近付けた

 

グレイフィア「フェニックスの涙です。緊急時でこれしか集められませんでしたが」

 

ポーチの中には赤い小瓶が三本並べてある

 

サーゼクス「回復役のビショップを加える余裕が無い為せめてもの安全策だ」

 

とサーゼクスが説明した

 

リアス「有難う御座います」

 

とリアスが謝礼を言った

 

サーゼクス「だが、決して無理はするな」

 

サーゼクスはそう心配気に言った

 

リアス「はい」

 

リアスはそれに返答した

 

そのリアスを見つめる小猫は少しとある記憶を思い出していた

 

~塔城小猫の記憶~

 

小猫「私も連れて行って下さい」

 

小猫はリアスに頼み込んだ

 

リアス「小猫…でも貴女は…」

 

リアスは腕を組みながら応答した

 

小猫「もう迷いません…」

 

そう小猫が言うとリアスと小猫は少しの間見つめ合い…

 

リアス「…分かったわ」

 

と微笑みながら言った

 

~場面は元に戻り~

 

小猫は一誠の服の袖に手を伸ばし、袖を軽く摘み引っ張り声を掛けた

 

小猫「一誠先輩…」

 

その声に反応するように一誠は小猫の方向を向き

 

一誠「ん?」

 

と不思議そうな顔をした

 

小猫「私に…勇気を下さい…」

 

と頬を赤らめながら言った、すると

 

一誠「大丈夫、小猫ちゃんに何があっても、体を張って俺が守ってやるよ」

 

と肩を掴みながら一誠は笑顔でそう言った

 

そして、その言葉を聞いた小猫はまた顔を赤らめた、そして、それを見た朱乃が

 

朱乃「あらあら、一誠君、ついに小猫ちゃんの心まで掴んでしまいましたのねぇ」

 

と茶化した。すると朱乃の方に一誠が近付き

 

一誠「あ、朱乃さん…」

 

と狼狽えながら言った

 

朱乃「私も…一誠君に勇気を頂きたいですわ…」

 

とそう言うと一誠の居る方向とは別の方向を向いた

 

一誠「朱乃さん…?」

 

一誠は心配そうにその背中を見つめている

 

ベルゼブブ「では、転送を始める」

 

ベルゼブブがそう言うと魔法陣は光りながら足止め部隊を呑み込んだ

 

~紫色空の荒野~

 

足止め部隊は無事に荒野に転送され、初めに見た光景は

 

剣帝「ハァーハッハッハ!まだまだぁ!」

 

ロキ「我と殴り合いで引けを取らない者が神以外で居ようとはな!」

 

互いに殴り合って戦っている二人の姿だった




よぉ!読者様方よぉ、毎度お馴染みの無名さんだぜ!前回ぶりだな
さて、早速今回の話を振り返るとしようか……うん、ほぼほぼ原作回だから説明不要だな、てか、あの馬鹿は相変わらずだなぁ、楽しくなるとあぁやって高笑いしながら戦闘しはじめるからなぁ……楽しそうだなぁ……っと!今回はほぼほぼ原作だったからなぁ、説明要らねぇからなぁ……と、取り敢えず次回はどうなるだろうな?次回を楽しみにな!


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第三十五話「悪神の悪心」

あらすじ

ロキの足止めとしてリアスとその眷属達が名乗り出た、そして、その前に名乗り出ていたソーナとその眷属と共にロキの足止めに向かったリアス達が目にしたものはロキと殴り合いながら、高笑いをする剣帝だった

――――――――――――――――――――――

~紫天の荒野~

 

剣帝「どうしたぁ?この程度かぁ?」

 

剣帝はロキを殴り続けている

 

ロキ「フッ、貴様こそこの程度で我を倒せると思っているのか?」

 

ロキは剣帝に殴られているのを気にも止めずに剣帝を殴り続けてる

 

剣帝(チッ、オイッ、魔力残量はどれ位だ、ドライグ!)

 

剣帝が体内に居るドライグにそう語り掛けると

 

ドライグ〈マズイな、俺の力だけでなく多くの魔力を消費して魔力の壁を作ったせいで殆ど無いぞ、このまま近距離で戦い続けるならばともかく、距離を開けられれば敗北は免れられないぞ〉

 

と返答が帰って来た

 

剣帝(やっぱりか…)

 

その返答を聞いてそう思いながら剣帝はロキを殴り続けていたが

 

ロキ「どうした?殴打の威力がさっきまでより落ちているぞ!それにどうやら息が上がっているようだな…フンッ!」

 

ロキはそう言い剣帝を殴り飛ばした

 

剣帝「しまっ!ぐはっ!!」

 

剣帝はロキはの殴打に対応出来ず、岩壁へ叩き付けられた

 

ロキ「あの方に創られたにしては貴様は随分と弱いな」

 

剣帝「ハァ…ハァ…黙り…やがれ…まだまだ…俺はやれる!」

 

剣帝はロキの発言に対して瓦礫から出て来ながらそう言い放った

 

ロキ「フンッ、その威勢が何処まで続くものか見物だな」

 

そう言いながらロキは大量の魔法弾を展開し、剣帝に向けて掃射した

 

剣帝「グフッ!…ガッ!…ウグッ!…グアァ!ち…畜生…」

 

剣帝は魔法弾に体を撃ち抜かれる度にうめき声を上げた

 

剣帝「ウグッ!…ハァ…ハァ…」

 

ロキの魔法弾が止んだ、剣帝はそれに合わせて残った魔力を手に集め爆炎の魔法弾を作り出した

 

ロキ「フッ、これだけ撃ち込んでもまだそんな事が出来る力が残っているとはな、ならばもう少し撃ち込むとするか」

 

ロキは剣帝が魔法弾を作っているのを確認すると再度魔法弾を大量に撃ち込み始める、そして、その内の一発が偶々剣帝の服の内側に仕込まれていた爆発性を有した武器に当たり、誘爆を引き起こした。その衝撃で剣帝の作った魔法弾は弾けた

 

剣帝「しまった!グアッ!」

 

ロキ「フッ、フフッ、フハハハハッ!弱い!やはり如何にあの方に創られたとはいえ所詮は元人間か、弱過ぎるぞ!」

 

ロキはそう笑いながら言いつつ、剣帝に近付いた

 

ロキ「どうした?近付いてやったぞ?殴りかかってはどうだ?」

 

ロキはそう言ったが、剣帝は殴れなかった、否、殴る事が不可能となっていた、何故ならば

 

ロキ「殴れる訳が無いか、両腕ともが吹き飛んでいるからな」

 

剣帝の腕はおろか肩から先が全て無くなっていた

 

剣帝「ウッ…ガッ…グッ…」

 

ロキ「まだ息はあるようだな、それにしても、この焼け跡からも見て取れるが己の武器の誘爆で腕が消し飛んだ様だな、これは傑作だ!己の武器で消し飛ばすようなヘマをやる様な輩が居ようとはな!」

 

ロキはそう言いながら剣帝を見下ろしつつ更に笑い始める

 

剣帝「まだ…終わってない……ぞ」

 

剣帝はロキの方を見据えながら魔法弾を再度生成しはじめた

 

ロキ「ほぉ?」

 

ドライグ〈辞めろ剣帝!死ぬ気か!〉

 

剣帝(ロキを倒せるなら死のうが問題はない!)

 

ロキ「撃たせると思ったか?雑魚が」

 

ロキは剣帝の行動を見て一瞬笑みを浮かべ、剣帝の胸、心臓付近を小さな魔力弾で撃ち抜いた

 

剣帝「グフッ……………」

 

剣帝は打ちぬかれた瞬間に口から血を吐きながら、絶命した

 

ロキ「フッ、所詮は雑魚、我の敵ではなかったな」

 

ロキはそう言いながら剣帝に背を向け、後から来たソーナ達の方向を向いた

 

ロキ「さぁ、掛かって来るが良い雑魚ども、さっき殺した男のようにお前達も一人残らず殺してくれる」

 

リアス達は戦闘態勢に入った、とある一命を除いて

 

リアス「ソーナ!早く身構えなさい!ロキが来るわ!」

 

リアスがそうソーナに向けて言い放ったが

 

ソーナ「嫌…剣帝様が死ぬだなんて…嫌…嫌…嫌ァァァァ!!剣帝様ぁぁ!!」

 

ソーナは泣き叫びリアスの声は届いていない様子だった

 

リアス(今のソーナの精神状況では戦闘は無理そうね、なら!)

 

リアス「ロキは私と私の下僕達でやるから貴方達はソーナを守っていてあげなさい!」

 

リアスは匙と椿にそう言ったが

 

ソーナ「私は貴方を許さない!剣帝様の仇!貴方は私が倒す!!」

 

ソーナはロキに向かって行ってしまった

 

リアス「あっ!待ちなさいソーナ!」

 

リアスはソーナを追いかけ止めようとしたが、相打ち覚悟で向かって行ったソーナに追い付けはしなかった

 

ロキ「ほぉ?次は貴様が我に向かってくるか、さっきの雑魚よりは楽しませよ?」

 

ロキはそう言いながら不敵な笑みを浮かべていた




よぉ!読者さん方よぉ、久し振りだな!無名さんだぜ!
っと早速今回の話について振り返らないとしばかれそうだけら、振り返るぜー……無駄にボコられたなぁ…まぁ、仕方無いか、弱くなってるし…まぁ良いや、今回は大雑把に行くとこんな感じだろ、そんじゃなー


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第三十六話「白き翼を与える黒き欲望」

あらすじ

ロキと殴り合っていた剣帝、だが、自力の違いにより徐々にスタミナが無くなっていく、それを見逃さずロキは遠距離から剣帝を滅多撃ちにして、更に剣帝の服に仕込まれた武器を利用し剣帝の両腕を消し飛ばし、果てには剣帝を殺害したのだった

――――――――――――――――――――――――――

~???~

 

とある場所に剣帝は目を瞑り浮かんでいた

 

剣帝「…………ハッ、ここは…」

 

その場所は真っ暗闇で地面も空も全てが見えない

 

剣帝「………なるほど、俺は死んでるのか…となると…オイッ!ドライグ!」

 

剣帝は暗闇に向けて叫んだ、すると闇の中から炎が剣帝の方へ走って来て辺り一面が火の海と化した

 

ドライグ〈俺の忠告を忘れて距離を取られてしまったな、剣帝〉

 

炎の中に真紅の龍、赤龍帝ドライグが居た

 

剣帝「うるっせえなぁ、で?俺が目覚めるまでどれ位掛かる?」

 

剣帝がドライグにそう問い掛けると

 

ドライグ〈おおよそで傷を治すのに一時間、目を覚ますのには2時間、合計で三時間だな〉

 

と問への返答を返した

 

剣帝「三時間か…なら、起きたら即効でロキを殴りに行くとするかな!」

 

剣帝がそう意気込んでいると

 

ドライグ〈辞めておけ、今のお前の実力では本気を出した所で奴には勝てない〉

 

とドライグは冷たく言った

 

剣帝「なら、無茶をするしかない…か」

 

と剣帝が言うと

 

ドライグ〈無茶をするならば体に戻ってからにしろ、ここで何をしようと無意味だ〉

 

とドライグが言った

 

剣帝「ふむ…確かにそうだな…なら、身体が治るまではここで作戦でも考えるか…」

 

そう言ってまた剣帝は目を閉じた

 

~紫天の荒野~

 

そこの上空では一柱の神へ一人の少女が挑んでいた

 

ソーナ「剣帝様を!私の大好きなあの方を返して!」

 

ソーナはそう泣き叫びながらロキに向けて氷の魔法弾を連射していた、だが

 

ロキ「フンッ、そんなに大切ならば何処かしらに隠しておけば良かったではないか」

 

ロキは自身の前に魔法陣を展開して氷を全て防いでいた、そして

 

ロキ「そら、お返しだ」

 

高出力の魔法弾を一撃だけ放った、それをソーナは魔法陣を展開し防ごうとしたが

 

ソーナ「キャアァァァ!!」

 

魔法陣が飛んで来た魔法弾の威力に耐え切れず、壊れてしまい真正面から魔法弾を受けてしまった

 

ソーナ(もっと私に力があれば…剣帝様の仇を討てたのに……もっと…彼の役に立てるような強い力が欲しい!)

 

ソーナが地に倒れそんな事を考えていたすると、大きな鉄の塊が擦れるような音ともにソーナの後ろに黒髪のメイド服の少女が突如現れた

 

その瞬間に周囲に居た者達は精神を黒いナニカに浸食されるような不快感と今すぐこの場から背中を見せて逃げ出したい程の恐怖に襲われた、そして、少女はソーナの近くに歩み寄り

 

少女「はいどーぞ、力が欲しいんでしょ?」

 

ソーナに白い白鳥のの絵が描かれたカードバックルを差し出した

 

ソーナ「…………えっ…?」

 

ソーナはその事柄に驚き一瞬声が出なかった、だが、少女はソーナがそんな事になっていることなど無視するかのように

 

少女「これでも邪神の端くれだからねぇ、悪魔の願いの1つや二つ叶えないとそろそろノルマが迫ってるの~だから、協力してくれるよね?」

 

と目に絶望と希望が入り雑じり世界を嘲笑ったかのような笑顔で言った

 

ソーナ「えっ……あの……えっと…」

 

ソーナが突然の事に動揺して決断を決めかねていると

 

少女「早く決めてくれない?これでも私忙しい身なのよねぇ?」

 

とメイド服の少女がソーナを急かした

 

ソーナ「えっ!?く、下さい!」

 

急かされて驚いてそうソーナが返答した。そして、ソーナは少女からカードバックルを受け取った

 

すると、それを見ていたロキが

 

ロキ「何故!このような雑魚に貴女様のような御方がこの様な真似を為さるのです!」

 

と少女に問いを投げかけたが

 

少女「嗚呼!主!ノルマはもうクリア致しましたので貴方の元へ帰りますわ!御待ち下さいませ!」

 

少女はロキの言葉が聞こえていないように喜んでいる

 

ロキ「クッ!御答え下さい!何故この様な真似を!」

 

ロキがそうやって再度少女に問いかけると

 

少女「五月蝿いですよ!この雑魚が!私と主の愛を阻む者は全て消し飛ばしますよ!解ったならその汚い口を閉じなさい!」

 

と少女はロキに対して激昂した。その姿に気圧されロキは少し後ろに後ずさりした

 

それを見た少女はソーナの方を振り替えって

 

少女「我が主は言いました。この愛の為に頑張る者助けると言う事を千人達成すれば頭を撫でてくれると!そして私はこれで千人目達成なのです!嗚呼!主!全ては我が主の為に存在します!主の為にこの黒冥神これからも貴方様の為に働きますわ!ウフフフフフ♪」

 

黒冥神と名乗った少女は嬉しそうにしていたが、何かを思い出したようにソーナへボソボソと耳打ちで言った、それを聞いたソーナは

 

ソーナ「えっ!!そ、それは本当ですか!?」

 

ソーナはそう黒冥神へと聞いたが、黒冥神は嬉しそうに彼方へと帰って行った、それを見ていたリアスはソーナの近くへと近づき

 

リアス「ソーナ、さっき何て言われたの?」

 

とソーナに聞くと

 

ソーナ「私が頑張れば彼が…剣帝様が生き返るって…」

 

ソーナがそう返答するとリアスは

 

リアス「えっ!剣帝様が生き返るですって!?」

 

と驚いた

 

ソーナ「私の努力次第で剣帝様が生き返るのならば…私は必ず勝ちます!」

 

ソーナはそう意気込んでカードバックルを握り締めた




無名「よぉ!読者諸君、前回ぶりだな、今回も楽しんでくれたかい?楽しんでくれたなら良しだ、それじゃ今回の話を見ていくとしようか…あの方はまたあの娘をあぁやるのか…それにしても…狛枝の怖いスマイルは…ソーナちゃん良く泣かなかったなぁ…っと、今回も割ととんだ回になっちまったな!次回をお楽しみにな!!」


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第三十七話「力の開放はウサミミと共に」

あらすじ

ロキによって殺害された剣帝、それに激昂してロキに向かっていくソーナに一つの力が授けられた、それは仮面ライダーに変身するための道具だった、それを受け取りその力を使い剣帝を復活させる為に頑張ろうと意気込むのだった

――――――――――――――――――――――――――

ソーナ(新しい力と言われてこの白い物を頂きましたが…どう使えば良いのでしょう…)

 

ソーナがそんな事を考えて下を見ていると足下に自分が写った水溜まりが見えたかと思えばその写った自分の腰にベルトが装着され、そのベルトは自分の体自体にも装着された

 

ソーナ「これは一体……もしかして!」

 

ソーナはベルトの全面部分にあるへこんだ部分に持っている白いカードバックルを差し込んだ、するとソーナの姿が白い聖騎士のような姿へと変わった

 

ソーナ「これがさっきの方が言っていた新しい力」

 

ソーナがそう呟きながら自分の姿を見ていると

 

ロキ「何時まで我を待たせるつもりだ!」

 

ロキが魔法弾を放った、が

 

ソーナ「ハァ!」

 

白鳥の翼のような薙刀で魔法弾を斬った

 

ロキ「ほぉ、やはりあの方から力を貰っただけあってこの程度では当たりはせんか、ならば、これならどうだ?」

 

ロキは自分の背後に魔法弾を大量に用意し、一斉に発射した

 

ソーナ(流石にこんな数は弾ききれない!)

 

ソーナがそう考えるとソーナの目の前に機械的なフォルムではあるが丸さの残る大きな白鳥が現れソーナを庇った

 

ソーナ「私を…庇った?」

 

ロキ「やはりあの方からの贈り物というだけあって硬いな、ならば!」

 

ロキはそう言うと魔力弾を収束して大きな魔法弾を作り出した、だが

 

白鳥「プェェェン!」

 

白鳥が翼をはばたかせて突風を起こした

 

ロキ「クッ、鳥風情が我の邪魔するな!」

 

ロキは白鳥に向けて魔法弾を放った

 

ソーナ「やらせはしません!」

 

だが、今度はソーナによって魔法弾は斬られて攻撃を防がれてしまった

 

ロキ「雑魚風情が………」

 

ロキは怒りで歯軋りをした

 

ソーナ(この力を使えば、悪神ロキに勝てる!)

 

ソーナ「悪神ロキ、覚悟!」

 

ソーナがそんな事を考え攻撃しようと薙刀を振るうと

 

ロキ「調子に乗るなぁ!」

 

ロキが衝撃波混じりの魔力を身体から発してソーナを吹き飛ばした

 

ソーナ「キャア!」

 

ソーナは軽く8m程後ろに飛ばされてしまった

 

ロキ「こちらが加減をして相手をしてやれば調子に乗るとは、雑魚風情が我に勝てるとでも思ったか!」

 

ロキは先程まで放っていた魔法弾の数段魔力のこもった魔法弾を大量に出現させソーナに向けて一斉発射した

 

ロキ「神々の黄昏(ラグナロク)が始まる前の死亡者となるが良い、フハハハハッ」

 

ロキはそう言って高笑いをした

 

ソーナ「ゴメンナサイ、剣帝様…」

 

魔法弾はソーナに向かって行き爆発して煙が起こった

 

剣帝「オイゴラ、ロキ、俺の大切な主の妹君たるソーナ様を傷付けようとするなよ」

 

だが、魔法弾は一発足りともソーナには当たっておらずソーナの前方には剣帝が立っていた

 

ロキ「何?貴様は確かに我がこの手で葬った筈だが、何故生きている?それにその身体は」

 

とロキは剣帝の身体を不思議そうに眺めた、何故ならば

 

剣帝「俺がそう簡単にくたばるかよ」

 

剣帝の身体は傷一つ無く、消し飛んだ筈の両腕も有り、手をゴキゴキと鳴らした

 

ロキ「……やはりあの方の創り出した者、だという事か」

 

と言いながら再度魔法弾を出現させた

 

剣帝「そういうこった、それと悪いが此処からは俺も本気でやらせてもらう」

 

剣帝はそう言うと懐から緑色の銃とカードバックルを取り出した。そして、それを持って腕を前に突き出した。その後、何時の間にか剣帝の腰に巻かれていたベルトにカードバックルをはめ、剣帝が

 

剣帝「変身!」

 

と叫ぶと剣帝の姿が緑の重戦士の様な姿に変わった

 

ロキ「ほぉ、やはり貴様もあの方から力を授かっていたか」

 

剣帝「まぁな、そらこれはオマケだ」

 

剣帝はそう言いながらカードバックルからカードをニ枚抜き、更にベルトの横に付いていた緑色の銃のようなものを手に持ち、その銃のカートリッジを開きカードを入れた、すると

 

《シュートベント》

 

と銃から音声がすると剣帝の両腕に大砲にも見えるライフルが出現した

 

剣帝「ついでにコイツもだ」

 

剣帝はそう言って再度カードを銃に入れた、するとまた

 

《シュートベント》

 

と音声して、剣帝の肩に先程剣帝の腕に出現した大砲とは別の大砲が出現した

 

剣帝「そーらよっとぉ!」

 

剣帝は両腕と両肩に装備されている大砲を同時に放った

 

ロキ「フンッ!こんな物は我には効かん!」

 

飛んで来た砲弾をロキは魔法弾で相殺した

 

剣帝「オイオイ、アレ防ぐのかよ…だったら!」

 

剣帝は急速下降して地に降り立つと一枚のカードを取り出して銃に入れた、すると

 

《ファイナルベント》

 

という音と共に剣帝の目の前の地面に急に鏡が出現し、其処から緑の機械のような牛が現れた

 

剣帝「さってっと、これならイケるだろ」

 

牛の背面にある窪みに持っている銃を差し込むと牛はロキの居る方向めがけて腕を伸ばし胸部を開いた

 

剣帝「当たってくれよぉ…ファイアー!!」

 

剣帝が引き金を引くと牛の腕や頭から砲弾なビームが放たれ開いた胸部からミサイルが放たれた

 

ロキ「ほぉ…」

 

そして、その攻撃は見事にロキに命中した

 

剣帝「オシッ!これなら流石に倒れただろ…」

 

ロキが居た場所は剣帝の攻撃により爆炎が起きていたが、徐々に晴れていった

 

剣帝「あー、これで終わり、か…な…?」

 

爆炎が晴れていくにつれて一人の人影が見えた

 

ロキ「フハハハッ!この程度か?」

 

其処にはロキが無傷で飛んでいた

 

剣帝「チッ、アレでも倒せねぇのかよ…チクショウ!」

 

剣帝は落ち込むように倒れながら地面を叩いた

 

ロキ「フンッ、雑魚の中では中々やる方だったが、我には及ば……ん?」

 

ロキが見下ろしていると剣帝の後ろに一人の少女が居た

 

ウサリア「教えろですぴょん!ふん!」

 

そう言いながら少女は剣帝に向けて手に持っていた大きな杵を勢い良く振り下ろした

 

剣帝「いって!誰だ!」

 

剣帝は大きな杵で叩かれ即座に叩いた本人の居る後ろを振り返った、すると其処には黄色いうさ耳を付けた幼女が居た

 

剣帝「え、えーっとぉ、君は確かぁ」

 

と剣帝が思い出そうとしていると

 

ウサリア「神王軍十番隊大隊長悪魔総統のウサリア。私は今、主を求めて三千里なんですぴょん!」

 

とうさ耳を付けた幼女、ウサリアが返答した

 

剣帝「そーですかそーですか。いきなり叩かんで下さい!痛いです!」

 

剣帝はウサリアに向けてそう言った、するとウサリアは

 

ウサリア「我等が王は言いました。『無視する雑魚は殴れば言う事を聞く』と言いましたですぴょん!」

 

と言い返した

 

剣帝「(´Д`)ハァ…流石だなぁ、あの方は真面目にブレないなぁ」

 

剣帝は溜息を軽く付き

 

剣帝「夜鴉様なら少し前にここに来てヘルって娘に乗って帰りましたよ」

 

と返答した

 

ウサリア「さっさと答えれば良かった物をふん!」

 

ウサリアは再度剣帝に向けて大きな杵を勢い良く振り下ろした

 

剣帝「二回も叩かんで下さい!痛いです!」

 

剣帝は叩かれる直前にガードした

 

剣帝(あれ?何でかちょっと前より力が漲るぞ?しかも、さっき殴られて更に湧いたような……)

 

と剣帝が考えていると

 

ウサリア「我等が王!いま参りますですぴょん!」

 

と言ってウサリアは去っていった

 

剣帝「やっと帰った……さて、待たせたなぁ、ロキ」

 

剣帝はロキの居る方向に向き直った

 

ロキ「さっきあの方の配下に殴られていたようだが?その体で我に勝てると思っているのか?」

 

剣帝「さぁなぁ?それはやってみないと分からん、ただなぁ」

 

剣帝の姿が瞬時に消えた

 

剣帝「さっきまでより数段力が漲ってるからな」

 

次の瞬間にはロキの近くに移動してロキを蹴り落とした

 

ロキ「何っ!?くっ…」

 

ロキは対応してガードはしたが地面に向けて蹴り落とされた

 

剣帝「取り敢えず、今日はもう疲れたから早く帰りたいんだ、とっととくたばれ」

 

剣帝はそう言いながら4つの小さな火球をロキの墜落位置に追撃に落とした

 

剣帝「四爆天(フィーア・ゾンネ・プラッツェン)」

 

火球が地面に落ちた瞬間に直径5kmはあろうかと言わんばかりの大きな爆発を起こした

 

ロキ「グッ!」

 

爆発に巻き込まれてロキが更に地面に押し込まれた

 

剣帝「さてと…やっと来たか」

 

剣帝がチラリと後ろを見ると天から光が地面に向かって伸びて来てその光の中に大きなハンマーが見えた

 

剣帝「さてと、あのままじゃアイツはアレで殴れねぇなっと、おらよっとぉ!」

 

剣帝がまた瞬時に消えてその次の瞬間にロキの墜落位置のガレキが吹き飛ばされた

 

剣帝「オイオイ、どうしたロキ、お前が雑魚と嘲笑った相手に圧倒されてるぞ?」

 

ガレキが吹き飛ばされた位置には全身にダメージの痕跡があるロキの首を持って持ち上げている剣帝が居た

 

ロキ「貴様は…何者だ」

 

とロキが尋ねると

 

剣帝「んー、敢えて答えるならば、此の世ならざる物…だな」

 

と小声で剣帝は返答すると空に向けて投げた

 

剣帝「ほら、一誠君!早くミョルニルでロキを殴りな!」

 

と剣帝が叫ぶとその少し後ろで大きなハンマーを構えた一誠が

 

一誠「分かった!行くぞドデカイハンマー!!!」

 

と言いながらその構えたハンマーをロキに向けて振り降ろした。するとロキの周りに魔法陣が展開された

 

ロキ「おのれ赤龍帝!おのれオーディーン!」

 

魔法陣が扉のようになり閉まり始めた

 

一誠「こんな悪の神より乳の神とかに会いたいもんだぜ」

 

その次の瞬間に扉のようになった魔法陣が閉じた、そして、足止め部隊はロキを倒したと安心した、とある三人を除いて

 

ロキ『ただではやられん………呪いあれ!…存分に苦しめ』

 

一誠(何だ今の…)

 

リアス(空耳?)

 

剣帝(呪い……か)

 

リアスと一誠は心の中でそう考え、そして、剣帝は

 

剣帝「さってと、俺は疲れましたんで先に戻ってますね」

 

と言いながら剣帝は自分の足元に魔法陣を展開しようとしていたが

 

匙「オイッ、剣帝さんよ」

 

と匙に呼び止められた

 

剣帝「ん?何かな?匙君」

 

と剣帝が質問すると

 

匙「さっきロキを圧倒していたあの速度といい、力は何だったんだ?」

 

と匙は返答した

 

剣帝「えっ?あぁ…アレね…アレはぁ…うん、秘密かな…」

 

と剣帝は口籠るように返答した

 

ソーナ「そうです剣帝様!あの力は一体」

 

一誠「それと途中でアンタを殴ってたあのウサミミの美少女とはどんな関係なんだよ!」

 

そう言った質問攻めを剣帝は一時間ほど受け続けた




無名「よぉ!読者諸君!毎度お馴染みの無名さんだぜ!っとそんじゃ、今回も早速内容の振り返りをっと………あーぁ、ウサリアちゃんのお陰で封印度合いが軽くなってロキをフルボッコかよ…あいっかわらず、ぶっとんだやつなぁ、まぁ良いや、そんじゃ、今回はこんなもんかな?次回もお楽しみにな!…………何か忘れてる気がする…何だろ?」


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第三十八話「飯マズ嫁は報われない」

あらすじ

授かった力の使い方が分からず困っていたソーナ、だが、奇跡的に地面にあった水溜りに体が反射してベルトが出現し、変身する事に成功し、ロキと互角の戦闘を行えるようになったソーナ、だが、攻撃を防がれ逆に攻撃を喰らわせられ続けたロキが激昂し、本気でソーナを殺しに掛かったが、それは傷が完治し目を覚ました剣帝により防がれてしまった、だが、やはりロキには剣帝の攻撃であろうと防がれてしまい、絶望を味わいかけたかと思うとウサミミの少女が現れ剣帝を二発程手に持っている杵で叩かいたかと思えば、その少女が去った後から剣帝の力が数段上がりロキを圧倒し、無事にロキを撃退することに成功したのだった

――――――――――――――――――――――――――

―セラフォルー邸:剣帝の部屋―

 

剣帝「(´Д`)ハァ…昨日のロキとの戦いは疲れたなぁ…」

 

剣帝は椅子に座りつつ赤い本を右手で開きながら左手を握ったり開いたりしたしながらそう呟いた

 

剣帝(やっぱりだ、昨日のロキとの戦闘途中でウサリアちゃんに殴られてから封印が緩んでる気がする、封印を10分割にすると、ウサリアちゃんに殴られるまでが1割でウサリアちゃんに殴られてからは3割ってくらいに変わってる…)

 

そう剣帝は思った

 

剣帝「……これからは物とか壊さないようにもっと注意しないとな……」

 

剣帝はそう言いながら左手にペンを持つと目の前にある机に持っていた赤い本を置いてペンを右手に持ち替えて向かった

 

―一方その頃セラフォルーは―

 

セラ(剣帝君がロキとの戦いから帰ってきてからよく疲れたって言ってるから疲れが無くなるような事してあげたいなぁ…そーだ!料理作ってあーげよっと)

 

と考えつつセラフォルーは厨房へと足を運んだ

 

セラ「という訳で料理するから味見宜しくね?リオールちゃん」

 

そう言われたリオールは少し困った顔をしていた

 

リオール(セラフォルー様の命は断れませんが…どうしましょうかね…セラフォルー様って料理が…)

 

リオールがはそう心の中で考えながらとある状況を思い出していた

 

―リオールの回想―

 

セラ「はい、剣帝君、私が一人で頑張って作ってみたから食べてみて?」

 

そういってセラフォルーは剣帝にカレーを食べさせようとしていた

 

剣帝「あっ、はい、頂きます」

 

剣帝はそのカレーを受け取り一口食べ

 

剣帝「美味しいですね」

 

と笑顔で言った

 

セラ「えへへ〜、有難う剣帝君」

 

剣帝「………セラ様、鍋の火はちゃんと消しましたか?」

 

と剣帝がセラフォルーに聞くと

 

セラ「う〜ん、もしかしたら消し忘れてたかも知れないから、ちょっと見て来るね」

 

そう言うとセラフォルーは厨房へと向かい、退室した

 

剣帝「…………」

 

セラフォルーの退室を確認した直後に剣帝の顔が急激に青ざめ始めたので、リオールが

 

リオール「どうなさいましたか?剣帝様」

 

と聞くと

 

剣帝「食べてみたら……分かります…ゴフッ」

 

剣帝は音を立てずに倒れてしまった

 

リオール「……まさか…」

 

リオールは恐る恐るセラフォルーの作ったカレーを食べてみた

 

リオール「……こ、これは…」

 

カレーの味は甘さと辛さが同時にやって来るような味で、更に野菜はゴロゴロと塊状で硬かった…はっきり言うと

 

リオール「……お、美味しくない…」

 

リオールも剣帝とほぼ同時に倒れ、その後はそこをたまたま通り掛かったメイド達により各自室へと運ばれた

 

―回想終了―

 

リオール(あんなふうな物をまた剣帝様に食べさせたりしたら…また倒れられる!)

 

リオール「セ、セラフォルー様」

 

リオールの頭をその考えが過ぎりリオールは急いでセラフォルーを止めようと声を掛けたが

 

リオール「なぁに?リオールちゃん」

 

セラフォルーの前方にある鍋には既に完成済みの味噌汁があった

 

リオール「あ、味見を致します…」

 

リオールがそう言うとセラフォルーは鍋の前を横に退いた

 

リオール(あの時よりは恐らくはマシな筈です…チョコを一緒に作った時はちゃんと作れましたし…なので、セラフォルー様には申し訳ありませんが。転けるフリをして鍋の中身を捨ててしまいましょう…)

 

リオールはそう決心すると、唾を飲み込み味噌汁の味をお玉ですくって確認した

 

リオール「………」

 

リオール(カレーの時と同じ様な味がする…)

 

リオールの頭にそんな思いが出たかと思えば、リオールはその直後に気絶した

 

セラ「リオールちゃん!?」

 

その後、リオールが倒れた事に驚いたセラフォルーがメイド数名を呼びリオールを部屋へ運ばせ看護をさせたので何事も無かったそうだ

 

―リオールが倒れた10分後:剣帝の部屋―

 

剣帝は部屋の外、厨房でメイド長が倒れている事などつゆ知らず、黙々と赤い本に向かってペンを手に取り文字を書き連ねていたが

 

剣帝「……ん?」

 

ペンを持っている右手に違和感を覚えた、否、力が入りにくいという事実を確認した

 

剣帝(……力が抜けて行く?……違うな…封印が強まって力が1割に戻されたか)

 

剣帝はそう思うと

 

剣帝「ハァー……」

 

と溜息を付いた

 

剣帝「折角力が戻ったと思ったんだがな…そんなに甘くないか…」

 

剣帝がそう言いながら落ち込んでいると、部屋の扉から

 

セラ「剣帝くーん、開けて〜?」

 

とセラフォルーの声がした

 

剣帝「あっ、はい!了解しましたー」

 

剣帝は声に反応してすぐに椅子から立ち、扉を開けた、其処には蓋を被った先程の鍋を持っているセラフォルーが立っていた

 

剣帝「セラ様、その鍋は一体…」

 

と剣帝が問うと

 

セラ「えっとねぇ〜、剣帝君疲れたっていう昨日から言ってるから、疲れが取れるようにってお料理作って来たから食べて?」

 

とセラフォルーは笑顔で言った

 

剣帝はそれを聞いて、見た瞬間に背中に冷や汗を掻きながら

 

剣帝「あ、有難う御座います」

 

笑顔で感謝の言葉を言った

 

セラ「いーのいーの、剣帝君はいっつも頑張ってくれてるからね〜」

 

セラフォルーはそう言いながら部屋の中にある机の上に鍋を運んだ、そして

 

セラ「剣帝君、この本なぁに?」

 

と赤い本を指差して聞いた

 

剣帝「!!!ヤベッ!」

 

聞かれた瞬間に剣帝は高速で移動して本を閉じ、自分の後ろに隠した

 

セラ「あ~!剣帝君何で隠すの~?」

 

セラフォルーが少し怒ったような口調でそう言うと

 

剣帝「い、いえ、隠してませんよ?」

 

と剣帝は顔をセラフォルーの居る方向とは別の方向に向けてしらばっくれた

 

セラ「さっき、後ろに隠したでしょ!」

 

セラフォルーがそう言いながら剣帝の後ろに周りこんだが

 

セラ「アレ?無い」

 

剣帝の手には何も無かった

 

剣帝「見間違いだったんじゃないですか?」

 

と剣帝が誤魔化すと

 

セラ「うぅ〜ん、そうなのかなぁ?」

 

とセラフォルーは考えはじめた

 

剣帝「そ、そうだ!鍋の中身頂きますね」

 

と言いながら剣帝は鍋の蓋を開け、一緒に置いてあったお碗に味噌汁を注いだ

 

セラ「えっ?あっ、うん、食べて食べて〜?それで感想きかせてね?」

 

セラフォルーは近くにあった椅子に座りながらニコニコとしている

 

剣帝「………」

 

剣帝(嫌な予感がするが…セラ様悲しませたくないし……えぇいままよ!)

 

剣帝は一気に味噌汁を飲み干した、すると

 

剣帝(………なんだろう、渋い上に酸っぱい…その上味噌が溶けきってないからかなりドロドロしてるし……何より塩っ辛い…うん、カレーの時より不味い…)

 

剣帝の頭にそんな考えが浮かぶと剣帝も瞬く間に倒れた

 

セラ「えっ?えっ?何で倒れるの!?」

 

セラフォルーが慌てて扉を開けてまたメイド数名を呼んだ

 

メイドA「それじゃ、せーのでいきますよ!せーの!」

 

メイド達数名が剣帝を持ち上げて運び始めると、剣帝の服の上着の裾から一冊の本が落ちた

 

セラ「アレ?これってさっき見た…」

 

それは剣帝が机に広げていた赤い本だった

 

セラ(剣帝君頑なにコレを隠そうとしてたけど、どんな事書いてあるんだろ…もしかして剣帝君の恥ずかしい事とか書いてあるのかなぁ……)

 

メイドA「それでは私達は従来の仕事に戻らせて頂きます」

 

メイド数名はセラフォルーにお辞儀をしてから部屋を出て行った

 

セラ「は〜い、急に呼び出しちゃってゴメンね~」

 

セラフォルーはメイド達が出て行ったのを確認すると赤い本を開き読み始めた、一頁目、其処には剣帝がセラフォルーと会う少し前、駒王町に来た時の事が書かれていた

 

~魔王少女黙読中~

 

剣帝が気絶してから十分程経過した後

 

剣帝「う…うぅーん…」

 

剣帝はベットで目を覚ました

 

剣帝(アレ?えーっとぉ…何で俺寝てたんだ?確か…朝起きて…本を書いてて…本を…)

 

剣帝は自分の身体の各所を触った

 

剣帝「本が無い!」

 

剣帝は慌てて上半身を起こして辺りを見回した

 

剣帝(あの本は此方の世界の人に読まれるとマズイ!本は何処だぁ!)

 

剣帝がキョロキョロと周りを見回していると探していた本はすぐに見付かった、だが

 

剣帝「……マズイ!」

 

剣帝は慌てる様子はないが嫌そうな顔で全身をベットから起こして、立ち上がりセラフォルーの近くへと移動した

 

剣帝「セラ様…」

 

と剣帝が声をかけると

 

セラ「えっ?あっ、お早う剣帝君」

 

剣帝「おはよう御座います……じゃなくて!本返して下さい」

 

剣帝がそう言うと

 

セラ「嫌!」

 

とセラフォルーは本を抱き締めてしまった

 

剣帝「嫌と言われましても……俺の大切な物なのです!返して下さい!」

 

と剣帝は必死な表情で訴えかけた

 

セラ「………なら、一つだけ答えて…」

 

セラフォルーは静かに剣帝の方を見据えてそう言った

 

剣帝「はい?……何でしょうか?」

 

剣帝はセラフォルーの目を見るまでは軽く笑い混じりの表情だったがセラフォルーの目を見ると真面目な表情へと変わった

 

セラ「貴方は……何者なの?」

 

セラフォルーがそう問い掛けると

 

剣帝「単なる一人の元人間ですよ。というか、その質問が出るという事は二天は読みましたか」

 

剣帝がそう聞くとセラフォルーはゆっくりと頷いた

 

剣帝「そうですか……まぁ、俺の力が何処かおかしいのは最初から知っていたでしょう?」

 

と剣帝が聞くと

 

セラ「まぁ、あんな力を見せられればね」

 

と答えた

 

剣帝「でしょうねぇ…それでもそれ程とは思わなかったって所でしょう?あっ、質問には答えたんで早く返して下さい」

 

剣帝はそう言いながらセラフォルーの方向に手を伸ばした

 

セラ「うん…何時も何時も強いなぁとは思っては居たけど、まさか全盛期の二天龍を相手にしても圧倒する位強いとは思わなかった」

 

セラフォルーは大人しく本を手渡した

 

剣帝「嘘偽り無く答えてくださいね?ひいたでしょう?こんな怪物みたいなだって知って」

 

剣帝は本を受け取り懐になおしながらそう言った

 

セラ「うぅん、頼もしいなぁって感じちゃった、事実私って立場上良く襲撃されるから強い人が近くに居てくれるのってすっごく頼もしいって思うの」

 

セラフォルーは笑顔でそう言った

 

剣帝「………ハァ…ポジティブと言いますか…何と言いますか」

 

剣帝はそう言いながら呆れたように息を付いた

 

セラ「もー!さっきの溜め息なぁにー?」

 

とセラフォルーは少し怒ったように言った

 

剣帝「別に何でもありませんよ。単に緊張していた自分が馬鹿らしく感じただけです。あぁ、それから言い忘れましたが。俺は今さっきの本に書いてあった時よりは弱くなってますからね。知ってるでしょうけどもね」

 

剣帝はそう笑顔混じりで答えた

 

セラ「えー、絶対嘘でしょー!」

 

セラも剣帝の返答を聞いて笑顔になりながら怒ったような口調で剣帝を追い掛けた

 

剣帝「アハハー、本当ですよ」

 

剣帝はそう言いながら逃げ回っていた

 

剣帝「あぁ、それから……セラ」

 

剣帝は逃げ回るのを辞めて止まった

 

セラ「なぁに?剣帝君」

 

と止まった剣帝に抱き着きながらセラフォルーは聞いた、すると

 

剣帝「今度教えるから、練習しような、料理」

 

味噌汁の入った鍋を持ち上げながらそう言った

 

セラ「………美味しくなかった?」

 

セラフォルーが頭を少しかしげながら聞くと

 

剣帝「うん、言っちゃ悪いと思って黙ってたけど、かなり美味しくない……だから、ちゃんと教えてあげるからな?」

 

剣帝は顔を笑顔にしていた

 

セラ(目が笑ってない……)

 

その時の剣帝は冷淡な目をして居たらしい




無名「よぉ!読者諸君!毎度お馴染みの無名さんだぜ!さて、今回も早速内容の振り返りをっと……何してんだよ剣帝、それ読まれちゃマズイだろう、まぁ、本当にマズイ部分は読まれてないっぽいが…気を付けないとなぁ…後、セラフォルーの料理の不味さはかなり物もらしいぞ!主情報だ」


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第三十九話「黒き世界の真実」

―セラフォルー邸:剣帝の部屋―

 

剣帝「…うぅ…うぅーん」

 

剣帝は自室で悪夢にうなされていた

 

??「剣帝なら私の事を裏切ったりしないって思ってたんだけどね……」

 

白髪の少女が涙を流しながら剣帝にそう言った

 

剣帝「待ってくれ…違うんだ!…誤解なんだ!」

 

剣帝はその少女に向けて手を伸ばすが一向にその手は届かない

 

??「さようなら剣帝…セラフォルーさんと幸せにね……」

 

白髪の少女はそうとだけ言うと闇の中へと消え行く

 

剣帝「待ってくれ!頼むから!待って!待ってよ!」

 

剣帝は悪夢から目を覚ますと同時に手を伸ばしながら飛び起きた

 

剣帝「妹紅!!!」

 

剣帝は机と椅子とベットとトランクしかない自分の部屋を見回した

 

剣帝「夢…だったのか…」

 

その時剣帝の頬を何かがつたい、そして、落ちた、それはその後もポタリポタリと落ち続けていた

 

剣帝「これは……」

 

剣帝が雫が伝う、それは涙だった

 

剣帝「ハハッ…アイツからのかなりな嫌がらせだな…」

 

剣帝は服の袖で涙を拭うと眼鏡を懐に入れ、ベットから起き上がった

 

剣帝「今日は…何だか嫌な予感がするな…」

 

剣帝はそう言いながら服を着終わり、ネクタイを着け、部屋を後にした。己の背に黒い禍々しい紋様が浮かび上がっっているとは知らずに

 

―セラフォルー邸:セラフォルーの部屋―

 

剣帝はセラフォルーの部屋の前に立つとノックをした

 

剣帝「セラ様、入っても宜しいですか?」

 

すると部屋の中から

 

セラ「良いよ〜、入って入って〜」

 

と声がした。なので剣帝は扉を開けて

 

剣帝「おはよう御座います。セラ様」

 

と言いながら入った、すると其処にはベットに下着で横になっているセラフォルーが居た

 

剣帝「………………」

 

剣帝は数分間眼を泳がせつつ考えると

 

剣帝「失礼致しましたー」

 

と言い頭を下げてから、扉の方へと向き退室しようとした

 

セラ「ちょっ、ちょっと待ってよ剣帝君、ちょっと驚かせようとしただけだから逃げようとしないでよ」

 

そう言いながらセラフォルーは扉を凍らせて開かないようにした

 

剣帝「………ハァ…悪戯も程々にして下さい、セラ様」

 

剣帝は扉の氷を溶かしながらそう言った

 

セラ「だってぇ〜、剣帝君がなんだか最近ピリピリしてるんだもん」

 

セラフォルーがそう言うと

 

剣帝「俺が苛々していると?」

 

と剣帝は確認を取った

 

セラ「うん、してるように見えるよ?だから和ませようと思ったんだけど……」

 

とセラフォルーは申し訳無さそうにしつつ言った

 

剣帝「………分かりました。確かに最近良く苛々してました。自分の非力さの余りね、その辺を汲み取って頂き有難う御座います」

 

と言いながら剣帝はセラフォルーの居る方向へ向き直り頭を下げた

 

セラ「い〜のい〜の、私がやりたいからやったんだし」

 

とセラフォルーはニコニコしながらそう言った

 

剣帝「………ところで、本日のご予定は何かありますか?」

 

と剣帝が頭を上げ確認を取ると

 

セラ「え〜っとねぇ…」

 

セラフォルーが思い出そうとしていると

 

リオール「セラフォルー様、サーゼクス様より伝言を預かっております」

 

と部屋の外からリオールの声がした

 

剣帝(あー、これはもしかして……)

 

剣帝は何となくで伝言の内容を察した

 

セラ「サーゼクスちゃんから?どんな伝言?」

 

とセラフォルーが聞くと

 

リオール「『禍の団(カオス・ブリゲート)の動きが活発になりつつあるので対策を打とうと思うので急ぎ会議を行いたい』との事です」

 

リオールはそう返答した。そして、それを聞いたセラフォルーは

 

セラ「そっか、伝言有難うリオールちゃん」

 

と言った

 

リオール「いえ、これが私の実務ですので、では」

 

そう言いながらリオールは下の階へと降りて行った

 

セラ「会議の連絡もあった事だし急いで行こっか、剣帝君」

 

とセラフォルーが言うと

 

剣帝「えぇ、急いで行かないといけませんね……ですので速く服を着て下さい」

 

と剣帝がツッコミを入れた

 

セラ「あっ……」

 

そのツッコミをを受けてセラフォルーは忘れてたと言わんばかりの表情になった

 

~少女着替え中~

 

剣帝「服は着終わりましたね?セラ様」

 

剣帝は部屋の外で確認をとった

 

セラ「うん、着終わったから入って来て良いよー」

 

その返答を聞いて剣帝は部屋の中へと再度入った

 

剣帝「それでは急いで行く為にも早速魔法陣作りますね」

 

剣帝はそう言いながら足下に魔法陣を展開した

 

セラ「うん、サーゼクスちゃん待たせちゃいけないもんね」

 

セラフォルーが剣帝の魔法陣に入ると転移が開始され二人の姿は消えた

 

―対カオス・ブリゲート会議場前―

 

会議場前に魔法陣が展開され剣帝達が現れた

 

剣帝「はい、到着しましたよ」

 

剣帝がそう言うとセラフォルーが剣帝から離れて

 

セラ「何時も有難うね、剣帝君」

 

と笑顔で言った

 

剣帝「いえ、これも眷属として、貴女のクィーンとして当然の事ですから」

 

剣帝はそう言いながらセラフォルーの少し後ろを歩き始めた

 

―対カオス・ブリゲート会議場:会議現場―

 

剣帝が扉を開けると其処にはサーゼクスとその隣に他の魔王達も並んで座っているそして、サーゼクスの正面に堕天使の総統のアザゼル、そして、そこから数席開けた隣に上位天使のミカエルが居た

 

セラ「もう皆来てたんだ…私達が最後みたいだね」

 

剣帝「遅れてしまってスミマセン」

 

剣帝は深々と頭を下げた

 

サーゼクス「いや、大丈夫だよ、我々も先程集まり終わった所だ」

 

とサーゼクスが言った

 

ミカエル「そうです。なので、顔を上げて下さい」

 

続けてミカエルが言った

 

剣帝「有難う御座います」

 

剣帝は顔を上げてそう言った

 

アザゼル(ミカエルのあの態度…ついでにコイツの顔…どっかで見覚えがある気がするんだよなぁ)

 

アザゼルは剣帝の顔を見ながらそう考えていた

 

剣帝「どうしました?アザゼルさん」

 

と剣帝は視線に気付きアザゼルに尋ねた

 

アザゼル「いーや、何でもねぇよ」

 

アザゼルはそう返答した

 

剣帝「そうですか…」

 

剣帝は何か疑うような眼を向けつつセラフォルーの後ろに立った

 

サーゼクス「では、早速会議を始めるとしよう、まず、現状のカオス・ブリゲートの動向だが…」




無名「よぉ!読者諸君!毎度お馴染みの無名さんだぜ!っと、早速内容の振り返りをっと………あー…こりゃ完全にアイツが出掛けてるな…黒い紋様が何よりの証拠だし…まぁ、その辺は剣帝がどうにかするだろ、俺行けてないししーらねー、っと、そんじゃ、また次回な!」


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第四十話「呪言の切り裂き悪魔」

あらすじ

剣帝は眠りながら悪夢を見てしまっていた夢の内容は大切に思う娘に離れられると言うものだった剣帝はその後悪夢から飛び起き、セラフォルーを起こしに行くとサーゼクスから会議の知らせが来た、なので剣帝はセラフォルーと対カオスブリ・ゲートとの決戦の為会議へと向かった

――――――――――――――――――――――――――

~三種頭目会議後~

 

サーゼクス「最後に、本来なら同族同士の戦闘は避けたい所だが今回は致し方ないからね。みんな全力で奮って貰いたい」

 

サーゼクスがそう言うと席に座っていた各々が立ち上がった

 

セラ「行くよ、剣帝君」

 

セラフォルーはそう言いながら会議場の外へと歩きはじめた

 

剣帝「了解しました。我が主」

 

剣帝はそのすぐ後ろを付いて行く

 

~???~

 

紅色の部屋の中で夜鴉が椅子に座っていた

 

夜鴉「あの餓鬼が調子に乗り出してるしそろそろ始末しないとな」

 

??「お呼びでしょうか?」

 

夜鴉が居る部屋の中に黒い鹿の角の様な物を付けた割烹着の女性が入って来た

 

夜鴉「鹿角、お前の旦那はまだ来ないのか?」

 

と夜鴉が問を投げ掛けると

 

鹿角「jud.まだ夢の中です。それと忠勝様は私の旦那ではありません」

 

と返答をしつつ間違っていると思った部分を否定した

 

夜鴉「カッカッカッ!もう認めちまえよ。何年このやり取り続けてると思ってんだよ」

 

その返答を聞いた夜鴉は軽く笑った

 

鹿角「jud.五十六年三ヶ月二十三日です」

 

鹿角は夜鴉が笑いつつ言った言葉へ正確な日数を言った

 

???「殿はそう言う事を言ってんじゃねえと思うぞ。てめぇはそう言う所が堅すぎるぞ」

 

そう言いながら更に部屋の中に白神の白ヒゲを生やした武者鎧姿の男性が入って来た

 

鹿角「忠勝様、おはようございます随分と遅い起床でございますね」

 

と鹿角が礼をしてから言うと

 

忠勝「うるせぇ!我の睡眠時間増やしたのはてめぇだろ!」

 

と忠勝は怒鳴るように言った

 

鹿角「余計な物を買ってくるからいけないのです。ただでさえ物価がどんどん高騰していくと言うのに」

 

と少し怒ったように、かつ問い正すように言った

 

忠勝「うぐ!でも、娘を焼肉に誘うの禁止とか有り得ねぇだろ!」

 

と忠勝は反論した

 

鹿角「夜鴉様、この事をどう思われますか?」

 

しかし、鹿角は夜鴉に自分と忠勝どちらが正しいか聞いた

 

夜鴉「鹿角が正しいな。年頃の娘を焼肉に誘うとか真面目に無いわぁ、スイーツパラダイスとかに誘えよ」

 

と忠勝に呆れたように言った

 

忠勝「そ、それは我が恥ずかしいと言うか何と言うか。それより!呼んだ用件は如何か!」

 

と忠勝は別の話題を切り出した

 

鹿角「話を反らしましたね」

 

しかし、その行為に鹿角にツッコミを入れられてしまった

 

忠勝「うるせぇ!殿、今回は何でしょうかい」

 

と忠勝が夜鴉に尋ねると

 

夜鴉「とある調子に乗った餓鬼を殺して欲しくてなぁ。途中の邪魔者は好きにしろ」

 

と忠勝が尋ねてきた事柄への答えを出し、命令を下した

 

忠勝「応!では言って参りますぜ」

 

忠勝はそう言いながら部屋を後にしようとしていると

 

夜鴉「終わったら酒でも呑もうや」

 

と夜鴉から誘われた

 

忠勝「うっし!やる気出てきたぁ!」

 

すると、忠勝はさっきにも増してやる気を出した

 

鹿角「ほどほどにしてくださいね?誰が介抱するとお想いで?」

 

だが、鹿角が注意するように言う

 

忠勝「うっ、わかってらぁ。では本多忠勝出陣する!」

 

と忠勝は部屋を後にした

 

夜鴉「鹿角、支えてやってくれ。後、俺の御気に入りは消さないようにな」

 

と夜鴉は鹿角にも命令を下した

 

鹿角「jud.では私も行って参ります」

 

鹿角は命令を聞くと部屋を後にした

 

夜鴉「さぁてと二世ちゃんと戯れてきますかね」

 

そう言って夜鴉も部屋から消えた

 

~朱天の荒野~

 

朱色の空にはカオスブリ・ゲートの所属員であろう、魔術師や悪魔、堕天使や天使と三界同盟の悪魔、堕天使や天使が戦っていた

 

剣帝「セラ様…」

 

剣帝がセラフォルーに向けて喋ろうとしていると

 

セラ「うん、行ってらっしゃい」

 

喋り始める前にセラフォルーはそう言った

 

剣帝「………有難う、セラ」

 

剣帝はそう呟き全身に赤い鎧を纏うと戦闘域に向かって飛んで行った

 

~朱色の荒野:戦闘中域~

 

剣帝「どうした?この程度か?この程度かで俺の主に挑もうと思ったのか」

 

剣帝は呆れたように言いながら魔術師や悪魔や天使や堕天使を薙ぎ倒して行くと

 

魔術師A「今だ!やれぇ!!」

 

一人の魔術師がそう言い放つと剣帝の近くに魔法陣が展開された

 

剣帝「これがどうし……」

 

剣帝が何時も通り爆炎の魔術を使おうとしたが

 

剣帝(魔術を使えなくなったか…)

 

剣帝がそう考えていると

 

魔術師A「今だ!今ならば奴は魔術を使えない!遠距離から攻めれば倒せるぞ!」

 

魔術師が周りの魔術師や悪魔や天使と堕天使に言った、すると、周りの魔術師達が魔術師を使って攻撃を仕掛けた

 

剣帝「……ハァ…未知の敵への警戒心が無さ過ぎるだろ」

 

そう剣帝はボソリと呟いた、そして、剣帝の指から青白い光が放たれ始めた

 

もと しょうげん

剣帝「求めるは焼原>>>

くれない

・紅蓮」

 

剣帝がそう言いながら天に向けて指を滑らせると魔法陣が展開され炎が天に撃ちだされその炎が砕けて降り注いだ

 

魔術師A「何っ!?グアァ!」

 

降り注いだ炎は周りの魔術師達に直撃した

 

下級悪魔A「何だその魔術は!」

 

と一人の悪魔が問い掛けると

 

剣帝「違うんだなぁ…これは魔術じゃないんだよなぁ……」

 

剣帝はニヤリと笑いながらボソリと囁き

 

もと らいめい

剣帝『求めるは雷鳴>>>・

いずち

稲光』

 

剣帝がそう言いながら悪魔の居る方向を向きまた指を滑らせると、剣帝の眼前に魔法陣が展開され、魔法陣から雷が放たれた

 

下級悪魔A「グアァァ!!」

 

雷が当たると下級悪魔は断末魔を上げながら焼け焦げ、炭になった

 

剣帝「記憶にある魔法ならやっぱり『眼』が無くても使えるみたいだな…でも、魔術は無理か」

 

剣帝は再度爆炎の魔術を発動しようとしたが、やはり発動出来なかった

 

剣帝「うぅーん……魔法と素手だけで片付けるとなると数が多いなぁ」

 

剣帝の目線の先には何百何千の敵勢力の悪魔や天使達が居る

 

剣帝「仕方無い…使う気は無かったんだがな…」

 

剣帝はそう言いながら腰に常に帯刀している木刀を抜き、刃に指を這わせ

 

剣帝「世を呪え…全てを喰らえ…敵を消せ…殺せ…倒せ…壊せ…全て…総て…全てを滅ぼせ」

 

剣帝がそう言いながら木刀を撫でると、木刀が変化し紅い刃の真剣となった

 

剣帝「さぁ、行こうか!」

 

剣帝は剣を握り締めながら敵のまっただ中へと飛んで行った




無名「よぉ、久し振りだな読者諸君、毎度お馴染みの無名さんだぜ、さてさてさぁて、今回の話を振り返るとするか……完っ全に他所の世界の魔法使ってやがるなぁ…加減しろよなぁ……ハァ取り敢えず今回も読んでくれて有難うな、次回をお楽しみにな」


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第四十一話「悪意の喪失と善意の悪意」

あらすじ

会議に呼び出された剣帝とセラフォルーは会議終了後、すぐに戦争に向かい始める、一方その頃夜鴉は自分の配下を何処へと向かうように命令していた

そして、開戦して少し経つと魔術師の策略により魔術を封じられた剣帝、だが、剣帝は記憶に存在していた魔法と自分の剣を使って敵を倒していくのだった

――――――――――――――――――――――――――

剣帝「よっ!はっ!せいっ!」

 

朱色の空で剣帝は悪魔や魔術師達からの魔術師を切り裂き発動者を切り捨てていた

 

剣帝「はぁ…はぁ…流石に少し数が多いな…」

 

剣帝の目線の先には500は超える敵が居る、剣帝がそれを見つめていると

 

魔術師B「今だぁ!」

 

剣帝の後ろから斬られたはずの魔術師が炎の魔術で攻撃を仕掛けた

 

剣帝「なっ!?しまっ!」

 

魔術は剣帝に直撃し煙が起きた

 

魔術師B「良しっ!」

 

魔術師が喜んでいると煙が徐々に晴れていき

 

剣帝「いってぇ……」

 

腕が焼けている剣帝の姿が見えた

 

剣帝(チッ、魔術が使えないってだけでこうもダメージを入れられるのか…あの魔法は速攻性は無いし…)

 

剣帝はそんな事を考えながら自分の傷付いた腕を見て、動くかどうかを確かめた

 

剣帝「………無理か、治るまでは30分って所かな」

 

剣帝がそう呟いていると

 

??「フンッ、流石に偽物の魔王の眷属と言う訳だな、中々硬いではないか」

 

と剣帝の後ろから声がした

 

剣帝「誰だ?お前は」

 

剣帝が振り返るとそこには茶髪の長髪で軽鎧にマントを付けた恰好をした男が居た

 

シャルバ「我が名は真の魔王、ベルゼブブの正当なる後継者、シャルバ・ベルゼブブ」

 

男は腕を組みながらそう答えた

 

剣帝「シャルバ・ベルゼブブ……」

 

剣帝は使えない左腕を体の後ろに隠しつつ右腕のみで剣を構えた

 

シャルバ「フッ、あの程度の魔術師に傷付けられるような雑魚がカテレアに勝つとはな」

 

シャルバが左手を剣帝にかざすと天から光が剣帝に向けて降り注いだ

 

剣帝「グゥッ……」

 

光に当たると剣帝は苦しそうにうめき声を出した、その様子を見ていたシャルバは

 

シャルバ「貴様の大切にしている物を全て私が破壊して、貴様の元へ送ってやろう、ゆえに、貴様のような赤い汚物はとく死ぬが良い」

 

と言い放った、すると剣帝の頭に一人の少女の姿が浮かんだ

 

??「剣帝~」

 

次の瞬間、その姿が消し飛ばされる情景も思い浮かんだ

 

剣帝「あ……あぁ……」

 

剣帝が絶望に打ちひしがれた様な声を出していると剣帝の頭に声が響いた

 

???(お前の大切な物、つまり、あの娘を殺すってよぉ……良いのかぁ?そんな事を許しちまってもよぉ…)

 

その声に呼応するように、剣帝の心にはとある感情が渦巻き始めた

 

剣帝(嫌だ…嫌だ…あの娘を失いたくない…あの娘は俺の光だ…あの娘を奪われたくない…)

 

剣帝にそんな思いが渦巻いていると

 

??(なら、あそこの敵を消さないとな…だがなぁ、今のお前じゃ無理だなぁ…こりゃ諦めるしかないなぁ)

 

その声を聞いた剣帝は

 

剣帝(無理…諦める…あの娘を護れない…嫌だ…そんなの…絶対に…嫌だ!)

 

剣帝の頭にその考えが浮かんだ瞬間に剣帝の髪が朱色に染まり剣帝の動かなくなった筈の左腕が紅く光り始め、剣帝に降り注いでいた光が弾かれた

 

シャルバ「何っ!?」

 

シャルバが驚いていると

 

剣帝『我、目覚めるは…』

<始まったよ><始まってしまうね>

 

剣帝が言葉を唱え始めると

 

剣帝『覇の理を神より奪いし二天龍なり―』

<いつだって、そうでした><そうじゃな、いつだってそうだった>

 

言葉を進めるに応じて剣帝の姿が変化し

 

剣帝『無限を嗤い、夢幻を憂い―』

<世界が求めるのは―><世界が否定するのは―>

 

大きく肥大化し始め

 

剣帝『我、赤き龍の覇王と成りて―』

<いつだって、力でした><いつだって、愛だった>

 

元の剣帝の姿では無くなってしまい

 

ドライグ≪何度でもおまえたちは滅びを選択するのだなっ!≫

 

剣帝が言葉を唱え終わると剣帝の姿は紅い蛇のような龍のような顔の巨大な怪物となってしまった

 

シャルバ「何だ…この力は…」

 

シャルバは変化した剣帝に畏怖を感じ転移魔法陣を展開し逃走した

 

剣帝『GAAARUUU!!!』

 

怪物になった剣帝は鳴き声を上げ辺りの敵味方を関係無く攻撃し始めた

 

セラ「何…あれ…」

 

セラフォルーは遠くから剣帝だった怪物の姿を見ていた

 

~???~

 

黒い空間の中に剣帝は眠った状態で浮かんで居る

 

剣帝「うっ…うぅん…此処は…」

 

剣帝は辺りを見回した

 

剣帝「…俺の精神内か…それにこの色」

 

剣帝がそんなことをブツブツと言っていると

 

??「ヒャーハハハハハハッ!起きたかクソ野郎!」

 

剣帝の頭上から喧しい笑い声がした

 

剣帝「ハァ…お前に唆されるとは俺も落ちたものだ」

 

剣帝がそう言って呆れていると

 

??「んだよ、お前が弱いから俺様が動いてやったんだから感謝しやがれよ」

 

と男は剣帝の目の前に降りて来ながら言った、その男の容姿は剣帝にそっくりだった、髪色が黒いことを除けば

 

剣帝「…うるせぇなぁ、黙ってろよ、黒」

 

剣帝は苛つきながら降りて来た男、黒を睨んだ

 

黒「ヒャハハッ、睨んだところでテメェが無力なのは変わんねぇんだからよ、諦めて俺様に完全に身体を寄越せよ」

 

黒はそう言いながら剣帝を見ている

 

剣帝「断る、誰がお前に明け渡すかよ」

 

剣帝は黒の持ち掛けを断った

 

黒「……チッ、今までは体が無くなると困るから力を少しやったりしたが、そういうんなら仕方ねぇ、ボコボコにして精神内に閉じ込めてやる」

 

黒はそう言うと剣帝の持っている剣そっくりの黒い剣を取り出した

 

剣帝「ヤダね、俺の体は俺の物だ」

 

剣帝も自分の近くに浮遊していた紅い剣を持って構えた、そして、双方同時に切りかかり鍔迫り合いになった

 

黒「大体!最初からお前がこっちの世界に来たいとか言わなきゃこんな面倒な事しなくて良かったんだよ!」

 

黒はそんな文句を言いながら剣を押した

 

剣帝「知るかよ!俺が何をしようが俺の勝手だろうが!」

 

剣帝も剣を押し返した

 

黒「俺様が体内に居るの知ってた癖にそれを言いやがるか!」

 

黒は鍔迫り合いを止め剣帝から距離を取った

 

剣帝「あぁ、言うね!」

 

剣帝も黒から距離を取った

 

黒「昔からテメェはそうだよな!自分勝手に決めて俺様の事情なんぞ完全無視だもんな!」

 

剣帝と黒は同時に切りかかり刃をぶつけ合った

 

剣帝「俺の体なんだから俺がどうしようが勝手だろうが!」

 

剣帝はぶつけ合いの隙を付き黒の鳩尾を蹴り、黒を吹っ飛ばした

 

黒「ガハッ!!いってぇなぁ」

 

数百m吹っ飛ぶと体が止まり、剣帝に向かって飛んで行った

 

剣帝「流石黒だな、力の開放率が5割になってる俺の蹴り受けても数百mだけだもんな」

 

剣帝の体は身は力に満ちていた

 

黒「やっぱり開放率上がってたか!道理で俺様も力が湧き出る訳だな…」

 

黒はニヤリと笑った

 

黒「さぁ!楽しい楽しい争いの続きを始めようぜ!」

 

剣帝と黒はまた剣と剣の撃ち合いを始めた

 

~朱天の荒野~

 

セラ「辞めて剣帝君!」

 

セラフォルーは必死に怪物と化した剣帝の足を凍らせていたが

 

剣帝『GAAARUUU!!!』

 

剣帝の首と思われる場所から生えている頭の上に存在している角から放たれた紅い雷に氷は破壊されてしまった

 

セラフォルー「キャア!」

 

セラフォルーは氷が破壊された際に起きた爆風に押されてしまった

 

サーゼクス「やはり彼はもう戻らないようだ」

 

サーゼクスはそう言いながら右手に魔力を溜めている

 

アザゼル「まっ、仕方ねぇわな」

 

アザゼルも巨大な光の槍を出現させた

 

ミカエル「彼には申し訳ありませんが、コチラの陣営にこれ以上被害を出す訳にはいきません」

 

ミカエルもそう言いながら巨大な光の槍を剣帝に向けた

 

セラ「待って!!」

 

セラフォルーは三人を止めようとしたが

 

サーゼクス「フンッ!」

 

アザゼル「おらよっ!!」

 

ミカエル「ハァッ!!」

 

剣帝に向けて攻撃が放たれ爆発が起きた

 

セラ「嫌ァァァ!!剣帝君!!」

 

セラフォルーが剣帝のち核へと飛んでいこうとしたが

 

サーゼクス「待つんだセラフォルー!彼はもうさっきの攻撃で」

 

サーゼクスが腕を掴んでセラフォルーを引っ張ろうとすると、剣帝の居た方向の煙からゴキュッゴキュッ、と何かを飲むような音がした

 

サーゼクス「この音は一体……」

 

煙が晴れると其処には変わらず怪物と化した剣帝の姿があり、身体の所々に何かが流れているような動きが見える

 

サーゼクス「あの光の動き…そして、この音……まさか!?」

 

サーゼクスは一つの結論を導き出した

 

ミカエル「恐らく貴方の考えの通りでしょう」

 

とミカエルも何かしらの答えを導き出していたようだ

 

アザゼル「まっ、それしか有り得ねぇわな」

 

アザゼルも納得したような顔をしている

 

セラ「えっ?えっ?どういう事?」

 

セラフォルーがそんな疑問を浮かべていると

 

サーゼクス「彼は我々の攻撃を受けたのにも関わらず無傷だった」

 

サーゼクスが説明を始めた

 

セラ「うんうん」

 

サーゼクス「そして、攻撃され後に聞こえるあの何かを飲み込むようなこの音」

 

セラ「もしかして…」

 

サーゼクス「先程より強くなった攻撃、つまり、彼は我々の攻撃を」

 

サーゼクスが説明していると

 

剣帝『GAAARUUU!!!』

 

怪物の身体から無数の触手が伸びて空中にいる魔術師を捕まえ

 

魔術師C「な、何をする!?離せ化物ぉ!!」

 

触手ごと口の中へと放り込んだ、その次の瞬間からまた、ゴキュッゴキュッゴキュッゴキュッ、と言う音が聞こえ始めた

 

魔術師D「よ、よくも仲間を……死ねぇ!!」

 

魔術師は激昂しながら剣帝の頭部目掛けて魔術を放った、それは剣帝の顔に命中し煙がまた起きた

 

魔術師D「死ねぇー!!!」

 

魔術師は次々と魔術を放ち続ける

 

サーゼクス(これでまたあの音がしたら確定だ)

 

全て命中しているかと思った、だが、一発目以降からはゴキュッゴキュッゴキュッゴキュッ、と音がするだけで爆発は一切起こらなくなった

 

魔術師D「ハァ……ハァ…どうだ」

 

魔術師は魔術を放つのに必死で爆発が起こらなくなった事に気付けなかった、そして、疲労している魔術師に向かって触手が容赦無く伸び、また一人が剣帝に食われた

 

サーゼクス「やはり彼は我々の攻撃を吸収しているようだ」

 

それを聞いた瞬間に両陣営の部隊員は顔を青ざめさせた

 

~剣帝の精神内~

 

剣帝「お前との戦いを飽きたからな…そろそろケリを付けてやる」

 

剣帝は疲労しながらそう言い右手に灰色、左手に赤黒い光球を出現させた

 

黒「ゲッ……そう来るんだったら俺はこうだ!」

 

黒はそう言いながら黒い太陽を作り出した

 

剣帝&黒「「スペルカード宣言突破!!」」

 

剣帝と黒は同時に叫ぶと

 

剣帝「双蛇龍砲『ダラ・ツイン・バーストォ!!』」

 

剣帝は黒に向けて灰色と赤黒い色が混ざり合った極太ビームを放った

 

黒「落天『中天から堕つる黒い焔』!!」

 

黒も剣帝に向けて黒い太陽を数十倍の大きさにして落とした

 

剣帝「負けるかァァァァ!!!」

 

黒「死ねぇぇぇ!!」

 

剣帝と黒が放った技はぶつかりあい、互いに押し合い、黒い空間を光で包むような大爆発を起こした

 

~朱天の荒野~

 

剣帝『GAAARUUU!!!』

 

剣帝だった怪物は突然唸り声を上げると動きを止めた

 

セラ「止まっ……た?」

 

セラフォルーがゆっくりと剣帝に近付くと

 

剣帝『GARUU!!!』

 

剣帝はセラフォルーに向かって口を開いて首を伸ばした

 

サーゼクス「セラフォルー!」

 

~剣帝の精神内~

 

剣帝「ふぅ……俺の勝ちだ」

 

剣帝は傷だらけの姿で立っていた

 

黒「チッ…流石に…ゲホッ…体の所有権を…ゴホッゴホッ…元から持ってるテメェにゃ勝てねぇ…か」

 

黒は剣帝の前に仰向けになって倒れている

 

剣帝「さて、これで終いだな」

 

剣帝がそう言いながら黒に近付くと、空間に亀裂が走った

 

剣帝「なっ!?まさか!」

 

剣帝が驚いていると

 

黒「ヒヒッ、現界の身体が俺の敗北にに引っ張れて崩壊し始めたか」

 

黒はニヤニヤとし始めた

 

剣帝(俺の体が壊れたら俺は無事だ…だが黒が笑っていられるりゆうって……!!)

 

剣帝は考え、そして、即座にとある事柄を思い出した

 

ロキ『呪いあれ』

 

剣帝「………まさかお前、元からアレを狙って!」

 

剣帝は黒の狙いに気が付いたが

 

黒「せぇいかぁい、まぁ、もう打つ手なんて無いけどなぁ?」

 

黒がそういった次の瞬間には空間が砕け散った

 

~朱天の荒野~

 

剣帝「…………此処は…」

 

剣帝が目を覚ますと元の朱色の荒野に倒れていた

 

セラ「剣帝君!目が覚めたんだ!」

 

剣帝が上半身を起こすとセラフォルーが抱き着いた

 

剣帝「うおっ…セ、セラ様!?どうしたんですか?」

 

突然抱き着かれて剣帝が困惑していると

 

セラ「化物の姿から剣帝君元に戻っても全然起きないから心配したんだよ?」

 

とセラフォルーが説明した

 

剣帝「そうでしたか……御心配をお掛けしました」

 

すると、剣帝はセラフォルーに頭を下げて謝罪した

 

セラ「えっ!?謝らないでよ、剣帝君は何も悪くないんだし、だから顔を上げて?」

 

とセラフォルーがそう言うと剣帝は頭を上げ、立ち上がり戦闘の後始末に行こうとした、が

 

セラ「そういえば剣帝君…この写真の娘誰?剣帝君とどんな関係?」

 

セラフォルーがそう言って剣帝に呼び止めた

 

剣帝「えっ?誰の…事……です…か?」

 

剣帝が振り返るとセラフォルーが一枚の写真を持っていた、その写真には幸せそうに笑う剣帝とその隣に白髪の少女、そして、その少女に良く似た黒髪の少女と剣帝の頭の上に楽しそうにピースをしながらこれまた剣帝の隣の少女に良く似た猫耳の付いた少女が写っていた

 

剣帝「えーっとぉ……それはぁ…そのぉ…」

 

剣帝が背中に冷や汗をかいていると

 

黒「その写真の娘達は…ゼェ…剣帝の…ハァ…娘さん達と…奥さんだ…」

 

剣帝が倒れていた位置から少し離れた所から黒が出て来た

 

セラ「えっ?えっ?剣帝君が二人居る!?」

 

セラフォルーがそう言って驚いていると

 

剣帝「てんめぇ……やっぱり出て来てやがったか…」

 

剣帝はそう言うと、右手で魔術を使おうとした、だが、その瞬間に立ち眩みが起きた

 

剣帝(しまった…魔力切れ…)

 

剣帝がそう考えながら体制を持ち直そうとしていると

 

魔術師「フハハッ!今が奴を討つ絶好の好機!!死ねぇ!!」

 

剣帝の後ろの瓦礫の中から1人魔術師が魔術を放った

 

剣帝「ゲッ……しまっ」

 

剣帝に向かって飛んで行った火球は剣帝が驚いている間に剣帝に当たり、爆炎が起きた

 

魔術師「良し!魔王セラフォルーのクィーンを討ち取った……ぞ?」

 

煙が晴れていくと、其処には変わらず無傷の剣帝とその真後ろに一人の女性が立っていた

 

??「妾の大切な主たる剣帝様に牙向こうとは、殺されたいらしいのぉ」

 

その女性の見た目は褐色の肌に白髪の長髪に着物姿、そして、一番の特徴は髪にまぎれて見える先端の黒い狐耳に八つの狐の尻尾が生えていた

 

黒「なっ…俺が出たのに乗じてテメェも出てきたのか?」

 

黒が驚いていると

 

剣帝「八剣!」

 

と剣帝が狐耳が生えている女性を見ながら言うと

 

八剣「久方振りじゃのぉ!妾の愛しき主、剣帝様よ~!」

 

八剣は剣帝の居る方向を向き剣帝に抱き着きキスをした

 

剣帝「んぐっ!?」

 

剣帝が驚いていると

 

セラ「あー!!私の剣帝君に何してるのぉ!!」

 

セラフォルーが急いで駆け寄り剣帝から八剣を引き剥がそうとし始める、が、八剣の力が思っていたよりも強く引き剥がせない

 

八剣「何じゃお主は!妾の愛しき剣帝様との楽しみを邪魔するでない!!」

 

セラフォルーが引き剥がそうとしている事に腹を立てた八剣がそう文句を言った

 

セラ「剣帝君は私のだもん!私の眷属だもん!!」

 

セラフォルーは対抗するかの様にそう言って怒り始めた

 

八剣「ほほぉー、剣帝様がお主の眷属…のぉ…つまり、お主は剣帝様より強いのか?」

 

八剣は黒い笑みを浮かべながらセラフォルーにそう質問した

 

セラ「それは………剣帝君は私よりゴニョゴニョゴニョゴニョ……」

 

その質問をされた瞬間にセラフォルーは口篭った

 

八剣「おやおや、どうしたのかのぉ?それでも剣帝様の主かのぉ?疑わしいのぉ、カカカッ」

 

八剣がそう言いながら嘲笑うと

 

セラ「そう言う貴女は剣帝君の何?すっごく仲良さ気だけど」

 

セラフォルーが反撃とばかりに質問した

 

八剣「妾か?妾は剣帝様の……妻じゃ…///」

 

八剣はそう言いながら頬をポッと赤くした

 

セラ「なっ…どういう事なの!剣帝君!さっきの写真の……アレ?剣帝君が居ない」

 

セラフォルーは辺りを見回したが剣帝の影も形も見当たらなかった

 

八剣「それならば、黒様じゃ!黒様!剣帝様は……何処へ行ったのじゃ…黒様も居らぬし…」

 

黒も姿を消していた

 

~瓦礫の下~

 

剣帝「危ねえ……あやうく俺の過去を探り入れられる所だった…」

 

剣帝は魔術師が出て来た瓦礫の下に隠れていた、実は剣帝は二人が口論を始めた隙にセラフォルーから写真を回収し唖然としていた魔術師を倒し、その魔術師が居た場所に隠れたのだ

 

黒「テメェがそんな写真持ち歩いてるから探られんだろうが!…このタコ!」

 

そして、黒もその時に便乗して動き同じ瓦礫の下に隠れていた

 

剣帝「うるせぇやい、第一写真の事バレたのは元はと言えばお前のせいだろうが!」

 

剣帝と黒は隠れながら小さな声で口論を始めた、そして、その間に黒は

 

黒(さて…慌ててたからなぁ…ボケの剣帝の近くに一緒に隠れちまった…今やり合うと俺確実に負けて体内に戻されるだろうなぁ…どうするかなぁ…困った…)

 

と逃げる手立てを考えていたが

 

黒の隠れている場所にどんどん近付いてくる足音が聞こえる

 

黒(あっ…)

 

黒が足音に気付くと

 

剣帝(バレたかな?)

 

剣帝も気付き、唾を飲んだ

 

??「さぁ来なさい」

《Drive typeNEXT!》

 

黒の首を謎の腕が掴みあげた

 

黒「うぐっ……」

 

黒は苦しそうな声を上げ、足をジタバタとバタつかせた

 

剣帝「ソイツを連れて行かれると困るんですよねぇ」

 

黒が掴み上げられた所を見ていた剣帝はメモリを取り出し

 

《Joker!!》

 

とメモリを鳴らし、変身した

 

??「ふむ。だから何だと言うんだ?」

 

と謎の二人組の片方が構えもせずに剣帝を見ていると

 

少女「あはっ♪ここは僕に任せたまえよ」

 

ロングの黒髪ストレートの白いワンピース姿の少女が剣帝を蹴り飛ばした

 

剣帝「グハッ!この力はもしかして……夜鴉様の命令ですか?」

 

剣帝は蹴り飛ばされ数m吹っ飛ぶとすぐに体制を持ち直した

 

??「貴様、ここがどの場所か解っているのか!」

 

と現れた謎の二人組の片方がもう片方のワンピースの少女に対して言った

 

少女「わかってるよ~?でもでもこんな事しないと彼に構って貰えないしね~♪それとこいつを殴りたかったのもあるしねぇ~」

 

とワンピースの少女は言い返した

 

??「ふん。勝手にせよ私はこいつを連れていくだけだ」

 

と謎の二人組の片方は黒を持って去っていった

 

少女「解っているよ~で、何だっけ?」

 

彼女達は剣帝を無視して話をしていた後に少女は剣帝に向き直った

 

剣帝「………流石夜鴉様の配下ですね…興味が無いと話をあまり聞かない」

 

剣帝はそう言いながら変身を解いた

 

少女「ん~、僕は彼の配下でも何でもないよ。どちらかと言うとライバルだもん♪」

 

と楽しそうに少女は言った

 

剣帝「…………」

 

剣帝は絶句して居た、そして、その心の中は

 

剣帝(あっ、勝つの無理ポ、\(^o^)/)

 

と完全に諦めていた

 

古城「僕は古城恵、またの名を本筋の守護者だよ」

 

と少女は自分の名を名乗った

 

剣帝「…………何でそんなに強い方が来るんですか。本来の俺でも手も足も出ない相手じゃないですか」

 

剣帝はそう言いながら小さな白旗を振った

 

古城「何で来ているかって?簡単な話だよ。君が気に食わないからに決まってるだろ?」

 

と少しだけ怒気を交えた声で言った、すると

 

剣帝「何で初対面で気に食わない発言されにゃならんのですか!?」

 

剣帝は理不尽な意見に対して驚きを示した

 

古城「何で君なんかが彼に気に入られているの?彼は僕だけの物の筈なのに死んでも彼は僕の元へ戻ってきたんだよ。つまり彼と僕は繋がっていると言う事だよ。前世でも恋人同士だったからね。ああ、でも喧嘩別れしたときに彼は死んでしまったから本当の意味で別れた訳じゃないだよね彼はその事を忘れているみたいだけどね。ああ、でも僕は君が気に食わない理由だったね。君なんかが彼に色々貰っている事と彼の一部を持ってるからだよ。理由はそれだけさ」

 

と古城は言い連ねた、そして

 

剣帝「あー……えー…あのぉ…」

 

その様を見ていた剣帝は古城恵に気圧されると同時にとある事柄を思い出した

 

??『剣帝様、何故貴方は何時も何時も私達からお逃げになるのです?私達の何が気に食わないのですか?何処ですか?お応え下さい、さぁ、さぁさぁさぁ!』

 

剣帝はその記憶を思い出し、顔を青ざめさせた

 

剣帝「ヤン…デレ…」

 

と剣帝が呟くと

 

古城「僕はヤンデレじゃないよ。彼に依存してるだけだよ」

 

古城恵はそう言って剣帝の言った事を否定した

 

剣帝「依存って…」

 

剣帝は更にそう呟いてから余所見をした

 

古城「さぁてと時間稼ぎはそろそろ良いかな」

 

古城は剣帝を見ながらそう言った

 

剣帝「時間稼ぎ…あっ…」

 

剣帝は黒を持ち逃げされた事を忘れていた

 

「じゃあ僕は帰るよ。ふふふ、これで彼にまた虐めて貰えるよフフフフフフフフフ」

 

古城はそう笑いながら去って行った

 

剣帝(どう見てもヤンデレ……いや、ドMか…)

 

剣帝がそう考えていると後ろから八剣とセラフォルーに捕まり、セラフォルーには質問責めをされ、八剣からは襲われかけた




無名「よぉ、読者諸君、毎度お馴染みの無名さんだぜ、っと、さてさてさぁて、早速今回の話を振り返るとしようか………相変わらずあの二人は仲悪いのか良いのか…まぁ、アイツは剣帝の影みたいなもんだし……っと今回はこんなもんだな、それじゃまた次回な!」


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第四十二話「見えぬ壁の先」

あらすじ

剣で敵を切り倒していた剣帝、その剣帝の前に突如として一人の男が現れた、その男の発言により剣帝の姿は巨大な龍へと転じてしまう、その間剣帝は己の内側に住まう別の存在、黒影と戦い無事勝利を納めたのだった

――――――――――――――――――――――――――

~戦争の翌日~

 

―セラフォルー邸:剣帝の部屋の前―

 

セラ(あのあと結局剣帝君が持ってたあの写真の女性については答えて貰えなかったけど…今日こそは聞き出してみせる!)

 

セラフォルーはそう心に決め、剣帝の部屋の前に立っていた

 

セラ(剣帝君起きてるかなぁ…)

 

セラフォルーがそう思いながら扉に聞き耳を立てると部屋の中から

 

八剣「のぉ、剣帝様、良いじゃろう?久方振りに妾が出ておるんじゃし…アレをやってくれんかのぉ?」

 

八剣の声が聞こえた

 

セラ(アレ?アレって何なんだろ……)

 

セラフォルーは食い付くように更に聞き耳を立てた、すると続きが聞こえて来た

 

剣帝「駄目だアレは疲れる…」

 

八剣「良いじゃろうが別に…どうせあのセラフォルーとかいう女子にもヤッたんじゃろう?」

 

剣帝「ヤッてねぇよ!」

 

八剣「真かのぉ?疑わしいのぉ」

 

剣帝「そんなに疑うんだったらヤッてやるよ!但し!本当だって分かったらもう疑うなよ?」

 

八剣「良かろう」

 

八剣がそう返事した後にベットに何かが乗る音が聞こえた

 

剣帝「そんじゃ、始めるぞ?」

 

八剣「別に構わんぞ…早う初めておくれ」

 

剣帝「そんじゃ、よっこらせ」

 

そんな風な剣帝の声がした後に布が擦れるような音がし始め

 

八剣「んっ///……ふふっ、相も変わらず剣帝様は女性を喜ばせるツボを良く知っておるのぉ」

 

八剣がそう言うと布が擦れるような音が止み

 

剣帝「うるせぇ、黙ってお前は俺に突かれてろ」

 

剣帝がそう言うと布が擦れるような音が再度し始めた

 

八剣「んっ//あっ//そこは……んんっ///」

 

部屋の中からそんな声がし始め

 

剣帝「どうした?八剣、お前がこんなになるなんて」

 

八剣「仕方無いじゃろうが……んっ//…久方振りなんじゃし」

 

剣帝「だろうけどなぁ、何で他所で処理してねぇんだよって俺は言ってんだよ」

 

八剣「剣帝様以外にはヤラれたくないのじゃ……あんっ///」

 

剣帝「あっそ……」

 

部屋の中からはそんな会話が聞こえて来て

 

セラ(やっぱりあの二人ってそんな関係だったのぉー!?)

 

セラフォルーは部屋の前で聞き耳を立てながら赤面していた

 

そして、部屋の中からは続けてこんな会話が聞こえ始め

 

剣帝「さて、次は下だが……大丈夫か?」

 

八剣「あぁ、問題無いから早う初めておくれ」

 

剣帝「あいあい」

 

そんな会話を聞いていたセラフォルーは

 

セラ「だ……駄目ぇぇぇ!!」

 

と剣帝の部屋の扉を飛び開けた

 

セラ「今の剣帝君は私のクィーンなんだから、私以外にそういうことしちゃ!」

 

セラフォルーが目を閉じながらそう叫んでいると

 

剣帝「せ、セラ様!?」

 

八剣「おやおや、いきなりどうしたのかのぉ?自称剣帝様の主とやらは」

 

と部屋の中に居た二人は驚いていた

 

セラ「そりゃ二人は私と知り合う前はそんな関係だったのかもしれないけど今は」

 

そう言いながらセラフォルーがゆっくりと目を開けていくと

 

セラ「駄目……なんだよ?」

 

其処には剣帝のベットに寝そべっている八剣にマッサージをしている剣帝が居た

 

~10分後~

 

部屋の中には机を挟んでセラフォルーと剣帝、そして、剣帝の隣に八剣が座っている

 

剣帝「それで、いきなり飛び込んで来た御要件は何ですか?セラ様」

 

と剣帝が訊ねると

 

セラ「昨日見た剣帝君の持ってるあの写真の人達と剣帝君の関係について聞きたいんだけど…」

 

セラフォルーが珍しく真剣な表情で剣帝に聞き始めた

 

剣帝「あの写真の人達?……あぁ、この写真ですか」

 

剣帝は思い出したように懐から一枚の写真を取り出した。写真の表が自分の方を向くように

 

セラ「そう…其処に写ってる娘達って剣帝君の何なの?」

 

セラフォルーがそう言ってまた聞こうとすると

 

剣帝「言えません」

 

と剣帝は断った

 

セラ何で!剣帝君は私のクィーンでしょう!?」

 

とセラフォルーが叫ぶと

 

剣帝「だからといって人の過去や大切な記憶にズカズカと入ろうとするのは違うと思いますが?」

 

剣帝は冷たくそう言った

 

セラ「…うぐぐっ…」

 

セラフォルーがそう軽く唸った

 

八剣「諦めい自称剣帝様の主とやら」

 

二人の会話に八剣が口を挟んだ

 

セラ「何なの?今は剣帝君に聞きたい事があるから口を挟まないで!」

 

とセラフォルーが怒ると

 

八剣「そうか、ならば、黙らずに言わせて貰おうかのぉ、お主が幾ら詮索しようと剣帝様はその写真の女性については語らんぞ」

 

八剣はそう言い切った

 

セラ「何でそう言い切れるの!?」

 

とセラフォルーが怒鳴るように聞くと

 

八剣「何故かじゃと?フッ、そんな事は簡単な事じゃ、妾はお主よりも長く永く剣帝様と同じ時を生きてきたからじゃよ」

 

と八剣は馬鹿にするように鼻で笑ってから言った

 

セラ「長くって何年位?」

 

とセラフォルーが八剣達に聞くと

 

剣帝「黙秘します」

 

八剣「言いたくないので回答はお断りじゃ」

 

と二人は冷たく断った、すると

 

セラ「うぅ……いいもんいいもん!それならこうするもん!」

 

セラフォルーはそう言いながら部屋を凍らせ始めた

 

セラ「剣帝君はこれを溶かせないでしょう?」

 

とセラフォルーは言いながら辺りを凍らせていくが

 

剣帝「ハァ…八剣」

 

と剣帝が言うと

 

八剣「あい分かった」

 

と八剣が応える様に立ち上がり

 

八剣「我が主妖悪剣帝の命じに従い妾は、妖狐八剣は狐の為の焔をいざ火炎とせん!」

 

と言いながら八剣は狐火を発生させるとそれを急激に巨大化させ、炎を作り出し辺りの氷を溶かし始めた

 

セラ「何で…剣帝君は無理だったのに…」

 

とセラフォルーが落胆していると

 

八剣「それは何割の剣帝様じゃ?お主忘れては居らぬか?剣帝様は今力を削ぎ落とされて」

 

と八剣が言っていると

 

剣帝「八剣…」

 

と剣帝が制止した

 

八剣「………あい、分かった」

 

八剣は不貞腐れる様にベットに横たわった

 

剣帝「さて………これで分かったでしょう?」

 

と剣帝がセラフォルーに声を掛けようとすると

 

セラ「うっ………うぅ……剣帝君が……私の剣帝君が遠くに行っちゃうー!!!」

 

とセラフォルーは涙を流しながら泣き始めた

 

~一方その頃~

 

夜鴉「てめぇは!何時も!何時も!邪魔しか!出来ねぇのか!」

 

そう怒鳴りながら夜鴉はワンピースの女性にキレていた

 

恵「あはん!ごめんね!そして!ありがとうございます!」

 

一方その怒鳴られている女性、恵は嬉しそうな顔でお礼を言っている

 

夜鴉「ケンダマジック!オラオラ!」

 

夜鴉はそう言いながらオリハルコン製のけん玉で恵をボコボコに殴り始める

 

恵「あぁん!もっとぉ!」

 

だが、その殴られている当人は嬉しそうにしている

 

ペタン「主、その辺で宜しいかと。そして少々お話が」

 

そんな風にしていると夜鴉に話し掛ける一人の少女、ペタンが現れた

 

夜鴉「ちっ!で、なんだペタン」

 

夜鴉は舌打ちをしながら殴るのを辞めペタンの居る方向を向いた

 

ペタン「これを持ってきました」

 

ペタンはそう言いながら一人の男を、連れ攫われていた黒を投げた

 

夜鴉「ほう?ならば早速実験しようか。こいつがこの毒性に何処まで耐えられるかをな!」

 

夜鴉はそう言いながら黒に近付いた

 

ペタン「此方をどうぞ」

 

ペタンはそう言って夜鴉に龍の頭の付いたゲームソフトのような物を渡した

 

夜鴉「さぁゲームスタートだ!」

 

夜鴉が龍の頭の付いたゲームソフトのような物に有る出っ張りを押すとドラゴナイトハンターZの音声が響き渡る




無名「よぉ、読者諸君、毎度お馴染みの無名さんだぜ、っと早速今回の話を振り返るとするか…………いや、あんな会話聞いてたらそりゃ誰だって勘違いするぜな…まぁ、八剣はわざとやってた節あるがな……そんな事より俺は夜鴉様がボケ黒にやってた事が気になるぜ…まぁ、その辺もそのうち分かるだろうな!つう訳でじゃあな!!」


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第四十三話「焼き鳥はタレ派か塩派か?」

あらすじ

前々回剣帝の落とした写真について聞き出そうとしたセラフォルー、だが、剣帝は一向に答える気配を見せなかった

だが、それで諦めるセラフォルーではなく、翌日聞こうとしたが、その時は剣帝の怒りを呼んでしまい、冷たくあしらわれてしまったのだった

――――――――――――――――――――――――――

―セラフォルーの問い掛けの翌日―

 

剣帝「…………ハァ」

 

剣帝は自室の椅子に座り本へ書き込みをしながら溜息をついていた

 

八剣「溜息なぞついてどうしたのじゃ?剣帝様よ」

 

そう言いながら剣帝の背後に八剣が現れた

 

剣帝「いやなぁ…昨日セラ様に冷たく当たっちゃったじゃん?」

 

八剣「確かにそうじゃな…じゃがそれはあの自称剣帝様の主が剣帝様の…」

 

剣帝「止めろ、聞き耳立てられてたらマズイ」

 

と剣帝が八剣の話を止めた

 

八剣「それもそうじゃな…スマヌ剣帝様」

 

剣帝「次から気を付けろ、それで良いから……」

 

剣帝は八剣の謝罪に対してまるで問題の無い様に言った

 

八剣「あい分かった…」

 

剣帝「…………書き終わったが……暇だ」

 

と剣帝は呟きながら本にペンを挟み込んだ

 

八剣「ならば剣帝様よ、あの火の鳥小僧があのエロい小僧に倒されて落ち込んどるじゃろうし、おちょくりに行ってはどうじゃ?」

 

と八剣が巫山戯半分で提案すると

 

剣帝「そうだな…此処に居るのもちょっと辛いし…行くか」

 

剣帝がそう言って悪魔の翼を広げ、窓を開け、窓から外に出て

 

八剣「ほれ、お前が提案したんだ、付いて来い」

 

八剣「あぁ、了解じゃ」

 

八剣は自分に向けて剣帝が伸ばした手を掴み、姿を剣帝の八つの尻尾へと変えた

 

―フェニックス家:門前―

 

剣帝が軽い飛行で数分間飛び続けると、火柱が門前の柱から上がる豪邸の前に着いた

 

剣帝「さて…どう入ろうか…」

 

剣帝がそう言いながら頭を悩ませていると

 

??「あら、何方ですの?」

 

と豪邸の扉を金色の髪をした少女が開けていた

 

剣帝「えぇっとぉ…君はぁ……」

 

と剣帝が首を傾げていると

 

レイヴェル「フェニックス家のレイヴェル・フェニックスですわ」

 

と胸を突き出し、威張るような体制で名乗った

 

剣帝「あー…ライザー君の妹ちゃんか…思い出した」

 

レイヴェル「御兄様を君付けで呼ぶなんて…貴方何様です!?」

 

とレイヴェルは剣帝が貴族の兄を君付けで呼ぶことに対して多少の苛立ちを見せながら言うと

 

剣帝「ん?魔王セラフォルー様のクィーンだけど?」

 

と惚けた様子で剣帝は返答した

 

レイヴェル「えっ?そ、そうでしたの?…そうとは知らずとんだご無礼を…」

 

剣帝「あぁ、気にしなくて大丈夫だよ、ところでライザー君は部屋かい?」

 

レイヴェルが謝ろうとしながら門に近づき門を開け、謝ろうとしていると剣帝は謝罪を止めてから、質問した

 

レイヴェル「えぇ、つい先日一誠様が修行を付けて下さった後に神と名乗る男が現れまして…その男に連れて行かれて帰って来てから何だか怯えるようになってしまって……」

 

剣帝(神?…この世界の神は死んだ筈…でも誰に殺された?…殺す要因となる筈の二天龍は俺が気絶させたし…となると誰だ?…神を名乗る俺より強い…あっ…)

 

レイヴェルはそう言いながら剣帝をライザーの部屋の前まで案内した。そして、案内されている間に剣帝はライザーをボコボコにした相手を察した

 

レイヴェル「お兄様、剣帝様がお見舞いに来て下さりましたわ」

 

ライザー「け、けけ、剣帝様だとぉ!?」

 

レイヴェルが部屋の扉をノックしてそう言うとライザーは慌てて扉を開けた

 

ライザー「ど、何処だ!剣帝様は何処に居る!」

 

レイヴェル「何を仰っているのです?剣帝様なら私のお隣に居るではありませんか」

 

ライザーはそう言いながら周りを見回した。

 

ライザー「何ぃ?セラフォルー殿のクィーンがそんな執事みたいな格好をして女が好んで染めそうな髪色をした男な訳がっ!?」

 

剣帝「テメェ、今俺の頭の色の事何言った!あぁ!?」

 

ライザーが剣帝の姿を見た感想を言っていると、剣帝の髪色について言った瞬間に剣帝に首を掴まれ持ち上げられた

 

ライザー「ぐっ…がっ…あがっ…」

 

剣帝「誰の髪の色が女の好きそうなピンクだってぇ?」

 

剣帝は自分の髪色について悪く言われたと感じ、苛立ち、ライザーの首を掴んだままへし折ろうとし始める

 

ライザー「あぐぁ……がっ……く…苦し…い」

 

レイヴェル「お辞め下さい!剣帝様!!」

 

レイヴェルが必死に剣帝の腕を外そうと引っ張り続ける

 

剣帝「……………ライザーよ…良く出来た妹に感謝しろ」

 

ライザー「ガハッ!!」

 

剣帝はレイヴェルの頼みを聞き入れライザーを部屋の中へと投げ飛ばす形で開放した

 

剣帝「傲るなよ、傲慢に成れば己の身を滅ぼすぞ」

 

ライザー「ならば……それは貴方にも言えるだろう!」

 

ライザーは自分に背を向け帰ろうとしている剣帝に向けて炎を放った

 

剣帝「………ハァ…八剣」

 

八剣「何じゃ剣帝様、妾は今虫の居所が悪い」

 

だが、炎は剣帝には当たらず八剣が全て弾き、かき消し、更にはライザーの首を切り落とそうとしている

 

ライザー「お、俺は不死身だ…首を切り落とされようとも…」

 

八剣「ならば、無限に切り続けられるのぉ」

 

八剣はライザーが不死身だと改めて聞いてにやりと笑い刀を振り上げる

 

剣帝「辞めろって言ってるだろうが」

 

八剣「離せ剣帝様、妾はこの焼き鳥小僧に灸を据えねば腹の虫が治まらん」

 

剣帝は八剣の振り上げた刀の切っ先をつまみ止めていた

 

剣帝「良いから、帰るぞ」

 

八剣「………チッ、命拾いしたのぉ、焼き鳥小僧」

 

剣帝と八剣は二人並んで帰って行った

 

レイヴェル「何だったのでしょう…あの二人…」

 

ライザー「………不死だからと調子に乗るなと言う事か…」

 

ライザーは何かを掴んだ様子で部屋の中に戻った

 

レイヴェル「えっ?えっ?何がどういう事ですの?」

 

レイヴェルだけは状況も何も掴めずその場でクエスチョンを浮かべていた

 

その後日、ライザーの元へと剣帝から贈り物が届けられた、その贈り物の中身は大きさの20cmほどの鴉の人形だったそうだ、それを見たライザーは絶叫し、また引き篭もったそうな




無名「よぉ、読者諸君、毎度お馴染みの無名さんだぜ、早速今回の話を振り返るとするか……完全にライザーで遊んだなアイツ、最後ライザーの精神ズタズタになってるじゃねぇか、まぁ、不死相手に助言とかもするからなぁ、あのバカは……まぁ、今回はこんな感じで少し短めだったからな、次回をお楽しみにな!!」


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四十四話「迫り来る黒きドラゴンの影」

あらすじ

自室でセラフォルーに冷たく当たってしまったことを嘆いていた剣帝、そこに八剣が現れライザーをからかいに行く事を進言する、そして、剣帝はその言葉に乗り二人でライザーの元へと向かった、そして、ライザーの家へと着いてからレイヴェルに出迎えられライザーと対面した剣帝、そこでライザーが剣帝の髪色について悪く言ってしまい半殺しにされ、更にその後日嫌がらせとばかりにトラウマの鴉の人形を送り付けられた

――――――――――――――――――――――――――

―ライザーの見舞いに行き、贈り物をしてから数日後:剣帝の自室―

 

剣帝は自分の部屋にある机に向かいながら白いレース状の何かを丹念に編んでいた

 

八剣「剣帝様よ……その編んでいる物はもしや…」

 

剣帝「あぁ…そうだよ、八剣」

 

剣帝が何かを編んでいるとまた後ろから突然八剣が現れ、剣帝の行動を覗き込んできた

 

八剣「それを贈る相手は居るのか?」

 

剣帝「さぁなぁ、どうだろうな?」

 

剣帝がある程度編み終わると部屋の外の廊下から足音が聞こえてくる

 

剣帝「…………八剣、トランクと窓」

 

八剣「あい分かった」

 

八剣は剣帝の命令の内容を瞬時に理解して、剣帝のトランクを開け白い織り物を仕舞い、更に窓を開け放った

 

八剣「剣帝様!」

 

剣帝「あいよ、御苦労!!」

 

剣帝は後ろで開かれた窓から全速力で出て行った、そして、剣帝が出て行った後の部屋にはセラフォルーが入って来ていた

 

セラ「剣帝君……」

 

その顔はとても寂しそうな顔つきをしていた

 

~冥界:上空~

 

剣帝は白い8つの尻尾をはためかせながら飛んでいた

 

八剣『良かったのか?あの自称剣帝様の主は寂しそうな顔を浮かべて居ったぞ』

 

剣帝『良いんだよ、俺の秘密は詮索されると厄介だからな』

 

剣帝は精神内で八剣と会話をしながら冥界の上空をゆったりと飛び続ける

 

八剣『して、剣帝様よ、この後は如何なさるお積もりじゃ?』

 

剣帝『そうだなぁ……冥界に居たら何時か見つかるかも知れんし…人間界に行くか』

 

剣帝はそう言うと悪魔の翼をはばたかせ、自分の上に魔法陣を展開しその中へと飛んで行った

 

~人間界:駒王学園~

 

剣帝は駒王学園の校舎の上に転移し、そのまま校舎の屋上へと降り立った

 

剣帝「八剣、Purge」

 

八剣「あい、分かった」

 

剣帝が指を鳴らすと剣帝の周りに煙が起き、八剣が剣帝の後ろに現れた

 

剣帝「ゲホッ!ゲホッ!無駄に凝った演出しやがって…ゲホッ!…」

 

八剣「カカカッ、コチラの方が面白いじゃろうと思うてな」

 

剣帝「面白さより周りへの被害考えろ!」

 

剣帝はゲホゲホと言いながら翼で風を起こし煙を払った

 

八剣「カカカッ、スマンのぉ剣帝様よ」

 

剣帝「全く……さて、暇つぶしに来たは良いが…やる事が決まってねぇから暇だな………ん?」

 

剣帝がそう言い、屋上の外周部に近付き旧校舎の方を見下ろしていると

 

~駒王学園:旧校舎入り口前~

 

黒歌「無能の姫は人任せ~♪赤龍帝の後ろで乳出してる~♪」

 

一誠「リアス部長を悪く言うんじゃねぇ!!」

 

という、一誠の怒号が黒歌の歌の後に聞こえてきた

 

黒歌「赤龍帝はヘタレ~♪エロい癖に相手に迫られてビビる~♪」

 

小猫「一誠先輩はビビリなんかじゃありません、撤回して下さい姉さん」

 

剣帝「…………1人で何してるの?黒歌ちゃん、夜鴉様は?」

 

黒歌が歌い続けて居ると小猫が怒ったように黒歌に抗議した。そして、それを見ていた剣帝が上空から降りて来た

 

黒歌「ん?彼は今現在職務中なのよ。そして私はここにおちょくりに行ってこいって言われたからおちょくりに来ただけにゃんよ」

 

剣帝「ハァ…やっぱり夜鴉様からの命令だったか」

 

八剣「仕方ないじゃろう、あの神様は何時もそうじゃし、さしずめ妾達も含めて全員玩具と思われとるじゃろうよ」

 

剣帝が頭を抱えるような仕草をしているとやはり剣帝の後ろから八剣が現れた

 

一誠「おいっ!剣帝さんよ!」

 

剣帝「何だい?一誠君」

 

一誠「アンタの後ろに現れたその巨乳のお姉さんとはどんな関係なんだ!?」

 

そして、八剣が現れると一誠が剣帝と八剣の関係について聞こうとしてきた

 

黒歌「じゃ、白音の言ってたから訂正しておくにゃん。赤龍帝はハーレム厨~♪だけど心はピュア過ぎて手を出せない~♪」

 

剣帝「さっきから聞いてたけどまだ続くのその歌!?」

 

黒歌が再度歌い始めると剣帝がすかさずツッコミを入れた

 

八剣「まぁ、内容的には大体合っとるじゃろ」

 

剣帝「はい、八剣も此処の子達に喧嘩売るような真似しなーい」

 

八剣が嘲笑うような目付きで一誠達を見つめながら言っていると剣帝がそれを辞めさせた

 

黒歌「剣帝はチート能力~♪本来の力使えば世界壊せる~♪はっ!おちょくれなかった。まぁ良いかもにゃん」

 

剣帝「辞めろぉ!!それを言うなぁ!てか、それも夜鴉様からの命令かぁ!?」

 

黒歌の歌を聞いていた剣帝は自分の事を言われた瞬間に焦りながら黒歌の方向を向き怒った

 

黒歌「わたしはあの神様の配下にゃんよ?混沌とかは専売特許だにゃん」

 

剣帝「あー、うん、そうだよね…あの方の配下だもんね…」

 

剣帝が頭を抱えて顔を覆って涙目になっていると、剣帝達の居る場所の上からビュインビュインと風を斬るような音が聞こえて来て

 

剣帝「……………この音なんか聞き覚えあるな…」

 

八剣「奇遇じゃな、妾もじゃ」

 

剣帝と八剣が顔を合わせてから上を見ると其処には赤髪の天狗の面をはめた男が飛んでいた

 

??「殿ぉ!漸く見つけましたぞぉ!」

 

剣帝「あんのぉ、馬鹿ぁ…悩みの種増やしやがって…オイゴラァ!とっとと降りて来い!天翔!」

 

天翔「ハッ!只今!!」

 

剣帝は空を飛んでいた天狗面の男、天翔に叫んだ、すると、天翔は剣帝に向かって飛んで来た、そして、剣帝の腹にクリーンヒット

 

剣帝「うぐおっ………」

 

八剣「コラ!天翔!!何故剣帝様の腹を目掛けて突っ込んできたのじゃ!」

 

天翔「ややっ、これは申し訳御座らん、殿ならば避けて下さると思ったのですが」

 

剣帝は天翔にぶつかられた衝撃で腹を抑えながら倒れている

 

剣帝「あー、いってぇ……マジで痛え」

 

天翔「スミマセヌ…殿…」

 

剣帝「良いからとっとと黒歌ちゃんの方を向け、夜鴉様の配下の前だ」

 

天翔「御意に!……殿ぉ!あの女子の衣服がきわどく拙者はアチラを向けませぬ!!」

 

少し経って起き上がった剣帝が天翔の頭を掴んで黒歌の方向を向かせた、すると、天翔は黒歌から即座に顔を背けた

 

黒歌「何だにゃん。この童貞ぽい残念な奴は?説明するにゃん」

 

剣帝「アホがぁ!それなら八剣はどうなる!」

 

天翔「八剣は姉上のような物ですし…BB…」

 

八剣「阿呆の様なコントをやってないでとっとと黒歌とやらの方向を向かぬか餓鬼天狗が、周りが皆ポカーンとしとるではないか」

 

剣帝が天翔に怒鳴ってそれに反論していた天翔の頭を八剣が掴んでそのまま捻ろうとしている

 

天翔「イダダダダ!!八剣ぅ!拙者はこう見えても3500年間殿の配下として付き従ってる者じゃぞう!!」

 

八剣「ハンッ、妾よりも500年も劣っておいて良くもそんなに威張れるのぉ」

 

と天翔は八剣の拘束を解いてから八剣と面と向かった、そして、二人はそのまま口論している

 

剣帝「あー、うん、アイツね…俺の配下の六翼 天翔(むよく てんしょう)君、残念とか言ってあげないで、俺の翼としてずっと頑張ってた子だから…」

 

剣帝は天翔達を放置して黒歌の方向を向き天翔の説明をした

 

黒歌「残念は残念にゃん。これくらいで動揺していては彼の配下にはもっときわどいのがいっぱいいるにゃんよ?」

 

天翔「ややっ、それはまことで御座るか!イデデデデ!!」

 

八剣「そんな言葉に反応して動くでないわぁ!技が掛け難いじゃろうが!」

 

天翔「出来れば技なぞ掛けないで欲しいので御座るがぁ!いったぁ!!」

 

天翔は八剣にコブラツイストを掛けられながら黒歌の言葉に反応した

 

黒歌「同じ猫とかでは裸エプロン着た奴もいたにゃんし常時競泳用水着を着て彷徨いてる声の大きい女もいたにゃん」

 

剣帝「裸エプロン……まさか…」

 

八剣「どうしたのじゃ?剣帝様」

 

剣帝「あー、うん、あのぉ…1人、そんな格好しそうなのに心当たりが…でも彼奴は狐だし…」

 

剣帝はブツブツと言いながら頭を抱えて考え込みはじめた

 

黒歌「キャットとか自分で名乗ってたしセーフにゃん」

 

剣帝「あぁ、予感的中だ……てか!何やってんのあの娘ぉ!!」

 

剣帝は予想が当たってスッキリしたような顔をした後即座にツッコミを入れた

 

八剣「何じゃ?誰じゃ?」

 

剣帝「俺とずっと一緒に居るお前ならこの単語で分かると思うが…獣、狂戦士、ぶっとび狐」

 

八剣「あぁ、アヤツか」

 

八剣は剣帝の言葉聞くと納得したような顔付きをして頷いた

 

八剣「というか、剣帝様の元にはアレの元というか、本体というかががおるじゃろ」

 

剣帝「居るけどさぁ…あの娘とはもう別物じゃん…」

 

一誠「なんの会話をしてるのかが全く分からねぇ」

 

小猫「私もです…」

 

剣帝と八剣は会話をし続ける、周りに居る一誠と小猫を放置したまま

 

天翔「八剣ぅ…?そろそろ離してくれんかのぉ?」

 

八剣「何じゃ、もうギブか?根性の無い奴じゃのぉ」

 

天翔はずっと八剣から掛けられ続けていた拘束から開放されてゼーハーと肩で息をしていた

 

剣帝「さて……んで、改めて聞きますが黒歌ちゃんは何故ここに?」

 

黒歌「あー、そう言えば言付けを預かってきたんだっけ。なんだったかにゃ~確か改造が何とかって」

 

剣帝「ハァ?改造?」

 

剣帝は黒歌の言葉聞いた直後に顎に手を当て首を傾げた

 

黒歌「何か玩具が手に入ったからゲームのソフトを物理的に刺してるらしいにゃん」

 

黒歌「人体実験楽しいって喜んでたにゃん。っと時間になってきたにゃん。それではまた会う日までバイバイにゃ~」

 

剣帝「最近手に入った玩具?…それに体に指すゲームソフト?……まさか!」

 

黒歌が魔法陣を展開して闇に消えると剣帝も魔法陣を展開した

 

剣帝「八剣!天翔!帰るぞ!大至急だ!」

 

八剣「あい分かった」

 

天翔「御意に!」

 

そして、八剣と天翔は剣帝の手に触れ、二人は同時に消滅した、そして、剣帝はその後即座に魔法陣に入って行った

 

一誠「何だか嵐みたいだったな小猫ちゃん……あれ?小猫ちゃん?」

 

剣帝達が去った後には一誠一人だけが取り残されていた




無名「よぉ、読者諸君毎度お馴染みの無名さんだぜ、早速今回の話を振り返るとするか………あー…玩具ねぇ、この前のはそういう事か…何とも面倒になりそうだなぁ、まぁ、剣帝ならどうにかするだろ、つう訳で次回をお楽しみにな!!」


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第四十五話「ゾンビの竜は剣を折りたい」

あらすじ

セラフォルーと相変わらず顔を合わせられないで居た剣帝はセラフォルーに見つかりたくないと人間界、駒王学園へと向かった、其処で小猫、一誠と黒歌の会話を聞き、その場へと降り立った、そして、その時天を飛んでいた2色の翼を持つ剣帝の配下、天翔と再開を果たし、黒歌の忠告を聞いて急いで冥界へと帰ったのだった

――――――――――――――――――――――――――

―冥界:セラフォルー邸前―

 

剣帝「うし、到着っと……でさぁ、何で小猫ちゃんまで来てるのかな?」

 

小猫「黒歌姉さんが何故あぁなったのか、そして、黒歌姉さんの今の主に一番詳しそうなのが貴方だったので」

 

剣帝と小猫はセラフォルー邸の前に横並びで立っていた

 

剣帝「あぁ、そう…まぁ、確かに黒歌さんの今の主様は良く知ってるよ」

 

小猫「それなら私に知ってることを全て教えて下さ」

 

剣帝「断る、それは俺の秘密を教える事に同義だ」

 

剣帝は小猫が夜鴉について聞こうと発言している最中に割り込むように断りを入れた

 

小猫「………そんなことを言われてもようやく見つけた姉さんの手掛かりなんです!お願いします!」

 

剣帝「そうは言われてもねぇ……ん?…げっ!」

 

剣帝が不意に小猫の居る方に目を向けると小猫は涙目になっていた

 

小猫「お願いします……姉さんとまた一緒に暮らしたいんです……」

 

剣帝「………あーもー!!分かったよ!」

 

小猫が涙目ながら懇願すると剣帝は観念したように話そうとし始め

 

小猫「それじゃあ!」

 

剣帝「但し、知ってしまえばもう戻れなくなるよ?一誠君達の元へと」

 

と剣帝が注意勧告をするように言うと小猫の口が閉じ、黙り混んだ

 

小猫「……………」

 

剣帝「…………決意が纏まったらまた話し掛けて来なよ」

 

剣帝は口篭った小猫を門の中へと招き入れてから屋敷の中へと入って行った

 

剣帝「只今戻りました!」

 

リオール「あら?もうお戻りになられたのですか?セラフォルー様は何処に?」

 

屋敷に入るとリオールが剣帝を出迎え、すぐに頭を傾げた

 

剣帝「はい?俺はさっきまでずっと駒王学園の旧校舎前に居ましたよ?」

 

リオール「えっ?でも先程セラフォルー様とご一緒になってお出掛けなさると…」

 

剣帝がリオールの言葉に頭を傾げ、リオールはまた不思議な事を言い始め

 

剣帝「……………」

 

剣帝(何故だ?何かしら話がズレている気がする…というか…何か…忘れている…ような)

 

剣帝が顔に手を当て考え込んでいると、剣帝はとある事を思い出した

 

剣帝(夜鴉様は最近新しい玩具を手に入れた………あの方が玩具と呼ぶのは俺とかだ…だが、最近俺の周りで消えた…の…は…黒!黒の能力は『完全模倣(パーフェクトコピー)!』姿を完全に真似るなんて朝飯前だ!)

 

剣帝「………チィ、やってくれたなぁ、クソ黒が!」

 

剣帝は答えが分かり歯ぎしりをすると自分の部屋へと走り、自分の部屋の中に変化が無いか見た、すると、机の上に一枚の紙が置いてある事に気が付き、それを剣帝は見た、そこには

 

黒『よぉ、クソ剣帝、セラフォルーちゃんは預かってるぜ、返して欲しけりゃ、駒王にある、あの教会に来な、そんじゃなー』

 

剣帝「あんの、クソ野郎……ナメやがってぇ!」

 

剣帝は紙を握り締めクシャシャにすると机に叩き付けた

 

剣帝「八剣!天翔!」

 

八剣「何じゃ?」

 

天翔「お呼びで御座るか?殿」

 

剣帝「ド阿呆退治だ、本気で行くぞ」

 

剣帝は自身の後ろに現れた二人を怒りの籠もった目で見ながら命令する

 

八剣「あい分かった」

 

天翔「殿の御兄弟を手に掛けるのは少々気が引けますが。殿のご命令とあらば!」

 

八剣と天翔はそう言うと二振りの刀へと姿を転じた、こうして剣帝の腰には刀が三振り装備された

 

剣帝「これ羽織るのも久し振りだな」

 

八剣『おぉ、剣帝様がその布を羽織るのは久方ぶりに見たのぉ』

 

剣帝「布じゃなくてマントな!」

 

剣帝はドラゴンが刻印されたマントを身に纏い、転移の魔術を発動させた

 

~駒王町の外れ:教会~

 

教会の地下の奥、巨大な十字架のようなものの前の階段に腰掛けて座っている黒髪の男、黒が居た

 

黒「ヒヒヒッ、何時頃来るかねぇ?なぁ、セラァ」

 

セラ「……………」

 

黒の傍らには虚ろな目をしたセラフォルーが座っていた

 

黒「あー、暇だなぁー………来たか」

 

黒が階段に寝そべろうとしていると教会の外から魔力を感じ取り、起き上がった

 

~教会外周~

 

剣帝「さて、着いたな…黒は何処かな?」

 

八剣『少々待って居れ、今探し始めて…必要無かったようじゃな』

 

剣帝達が魔法陣から現れて教会の外周部の教会の前に立っていると教会の扉が開き、其処から黒が現れた

 

黒「よぉー、クソ剣帝」

 

剣帝「よぉ、よくもまぁ、俺の目の前に顔を出せたなボケ黒」

 

剣帝は黒を見た瞬間に黒を睨み、黒はニヤニヤとした顔で剣帝を見つめる

 

黒「セラちゃんなら、中で寝てるぜ」

 

剣帝「あーそー…なら、とっととお前を片付けてセラ様を連れ帰らせて貰うぜ」

 

黒「出来るかねぇ?今の俺相手にとっととなんてよぉ」

 

剣帝が二本の刀、天翔と八剣を構えると、黒は胸にある白い機械と首の根元に刺さっている黄色い機械を更に深く押し込んだ

 

《ドラゴナイトハンター!Z!!》

 

【デンジャラス・ゾンビィ!!】

 

音声が鳴り響き、黒の体が腐敗し崩れかけた竜人の様なおぞましい異形に変貌した

 

天翔『ムムッ、アレは何の術で御座るか?殿』

 

剣帝「ゲームガシャット……夜鴉様の仕業か…しかも、ゾンビとドラゴナイト……」

 

黒【ヒヒッ、せいかぁい、流石は剣帝、良く知ってるな】

 

剣帝が黒の変身する為に使った機械に付いて言うと、おぞましい声で黒は笑った

 

剣帝「さて、下らない会話は終わりにして、お前のお遊びも終わりにしてやるよ」

 

黒【ヒャハッ!今回こそお前を倒して俺が身体を頂くとするぜ!】

 

剣帝と黒は互いに地を蹴り、黒は薙刀の様な武器を、剣帝は二本の刀をぶつけ、鍔迫り合いを始める

 

剣帝(やはり腕力が馬鹿にならないな…かなり上がってやがる)

 

黒(やっぱしこのボケ腕力がおかしいんだよなぁ、普通なら押し切れるのに持ち堪えられちまったし)

 

剣帝と黒は互いに思考を巡らせながら、薙刀と刀で切り結ぶ

 

剣帝「…やっぱりガシャットの力は馬鹿にならないな、お前にここまでの恩恵を与えるとは」

 

黒【それならこっち的にはお前の力が馬鹿らしいわ、10分の1の上の力半減でこれって、元が壊れすぎてるだろ】

 

剣帝と黒は一旦距離を取り、相手の動向を警戒しながらまた考え始める

 

剣帝(恐らく力の主な部分はドラゴナイト…だが、ゾンビの効果もあるだろうから幾ら殴っても無駄になる…それなら先にアレを引きぬかなければ!)

 

黒(アイツは多分次で俺のガシャットのどちらかを奪いに来るだろうな…その時を狙って腕を切り飛ばすか)

 

剣帝と黒は考えが纏まると相手を睨みつけながら攻撃のタイミングを計りながら横に移動する

 

剣帝「…………」

 

黒【…………】

 

そして、剣帝が唐突に黒に向かって駆け寄り、黒の胸に手を伸ばす

 

剣帝「まず先にその厄介な不死性を取り除いてやるよ!」

 

黒【そうはさせるかよ!】

 

黒は手に持っている薙刀で剣帝の腕を切り落とそうとした。だが

 

黒【なっ!?】

 

剣帝「炎精爆華(イフリート・ボム)ってな」

 

薙刀は剣帝の肌に近づくと爆発が起こり剣帝の腕をガードした

 

剣帝「さぁ、お前のデンジャラスゾンビを頂くとするか!…ウググッ!抜けねぇー!!!」

 

黒【グッ…止めやがれ!!】

 

剣帝は黒の胸に刺さった白い機械、デンジャラスゾンビを引き抜こうとしたが、デンジャラスゾンビは思っていたよりも強く黒の胸に突き刺さっていたらしく、微動だにしない、更に、抜かれると激痛が走るのか黒は必死に薙刀で剣帝に攻撃を仕掛ける

 

剣帝「こうなったら、こうするかな!爆豪炎華(イグニッション・エクスプレス)!」

 

黒【グッ…ガッ…ガハッ……ギャアァァァァ!!!】

 

剣帝は引き抜こうとしていた右手を一旦離してガシャットの付いていない黒の胸に当て、爆豪炎華を使い無理矢理引き抜いた

 

剣帝「ふぃー…やっと抜けた」

 

黒【ガハッ……ゲホッゲホッ…やりやがったなこの野郎…】

 

黒は少し吹き飛ばされるとゲホゲホと咳き込みながら戻ってきた

 

剣帝「生きてたか…やはり頑丈だな、黒」

 

黒【黙れ馬鹿剣帝】

 

剣帝がニヤニヤとした顔で傷付いた黒を見てながら、そんなことを言い黒がそれに文句を言っていると

 

??「双方動くな!」

 

剣帝「…………なぁ、アレはお前の指図か?」

 

黒【チゲぇなぁ…何してんだよ、テメェ等】

 

二人に行動を止めるように突然魔術師教会の中から現れ、何時でも魔術が当てられる距離にセラフォルーを連れて来ていた

 

剣帝「お前…そんな事をしてただで済むとでも」

 

魔術師「おおっと、少しでも動けば貴様の主はただでは済まんぞ?」

 

剣帝「…………チッ」

 

剣帝が魔術師に近付こうとすると、剣帝の方向にセラフォルーを動かし、そのすぐ後ろで攻撃魔術の魔法陣を展開した

 

黒【オイッ、俺はそんな事を許可した覚えは】

 

魔術師「黙れ!運であの方に拾って貰ったからとお前に命令される筋合いなんてない!」

 

黒【コイツ……】

 

剣帝と黒がセラフォルーを人質にされて尻込みしていると

 

剣帝「ん?」

 

黒【アレは……】

 

魔術師「これでこの三人を始末すれば……俺も一躍…」

 

魔術師が三人を倒した後を考え、ニヤニヤと笑みを浮かべ今にも笑い出しそうになっていると

 

??『アイドルの前に立つんじゃねぇ!』

 

魔術師「ゲフゥ!!」

 

魔術師は後ろから突然と現れたフリフリでピンクのアイドル衣装を身に纏った猿の少女が回り蹴りを放ち魔導師は消し飛んだ

 

剣帝「…………ハッ!セラ様!」

 

黒【ヤベッ、吃驚してボゥとしちまった!】

 

剣帝と黒は慌ててセラフォルーに元に向かい……剣帝がセラフォルーを抱き締めた

 

黒【チッ、一足遅れたか……】

 

剣帝「さて、これでセラ様の安全は確定されたし…どうする?続きをするか?」

 

剣帝がセラフォルーを抱き止め、自分の後ろよ少し離れた場所にセラフォルーを寝かせると、黒の前に戻った

 

黒【あぁ!それじゃあ続きを!】

 

??『実験体が逃げ出してんじゃねーぞ!私とご主人様の至福の時間を邪魔しやがって!おらこっちに来やがれクソ餓鬼!』

 

黒【グェッ!】

 

黒が剣帝に斬りかかろうとすると、アイドル衣装の猿の少女が黒の首を掴んだ

 

黒【せ、せめて一矢……】

 

剣帝「グッ……最後の最後に攻撃しやがって…あの野郎……」

 

黒は猿の少女に引きずられながら剣帝に向けて一本の針を投げつけてた、そして、そのまま闇の中へと消えていく

 

剣帝「まぁいい、さてと、帰ろうか、セラ様…」

 

セラ「…………」

 

剣帝は眠っているセラフォルーを抱きかかえると魔法陣を展開して、家へと帰った




無名「よぉ、読者諸君、毎度お馴染みの無名さんだぜ、早速今回の話を振り返るとするか………敵意剥き出しだなぁ、しかも、時事ネタ的にドラゴナイトハンターZまで出て来やがったし……ゾンビは剣帝パクったみたいだから、次はどうなるかねぇ?…まぁ、その辺はいずれ分かるか…まぁ、今回はこんなもんで終わりにするか、次回をお楽しみにな!」


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第四十六話「変わる世界観と変わらぬ主人公」

黒歌の言葉をヒントに何かを感付いた剣帝、慌ててセラフォルー邸に戻った、だが、セラフォルーは既に攫われていた、その攫った犯人は剣帝から分かたれたもう一人の剣帝、黒影だった、それを知った剣帝は一人で黒影との戦いを始め、見事に勝利を収めたのだが

――――――――――――――――――――――――――

―黒との戦いの翌日:セラフォルー邸:剣帝の部屋―

 

剣帝は自分の部屋のベッドの上で横になっていた

 

剣帝(アイツが掛けてた催眠が軽いもので助かった…多分間に合わせで作ったものか何かを使ったんだろう……)

 

剣帝「でもまぁ、心配だし様子でも見に行こうかな……」

 

剣帝が何時も通り執事服を着ていると、どうにも胸が苦しい

 

剣帝(アレ?何か胸が窮屈な気がするが……あぁ、アレか、きっと数日間避けちゃったからその罪悪感だな、うん)

 

剣帝「さぁ、行こうっと」

 

剣帝が自分の部屋の扉を開け、廊下に出て、セラフォルーの部屋に向かっていると

 

メイドa「ちょっと、貴女!」

 

剣帝「はい?何でしょうか?」

 

たまたま後ろに居たメイドに急に呼び止められた

 

メイドa「何でしょうか?じゃないわよ!貴女一体何処から侵入してきたの!?というか、貴女誰?」

 

剣帝(なぁにを言ってるんだろう…アレかな?目が悪くなってるのかな?)

 

剣帝「嫌だなぁ、俺ですよ。剣帝ですよ」

 

剣帝が呆れ半分笑い半分でメイドaの質問に答えると

 

メイドa「いやいや、剣帝さんは'男性'じゃないのよ」

 

剣帝「えぇ、そうですね。俺は男ですね」

 

メイドa「いやいや、貴女何処からどう見ても'女性'じゃないの!」

 

剣帝「ハッ?………」

 

剣帝がメイドaから言われた言葉に少し驚いた表情で丁度近くにあった姿鏡で自分の姿を確認すると、其処には金色の長髪で巨乳なスタイル抜群の女性が映っていた

 

剣帝(……………どうしてこうなった……)

 

メイドa「頭を抱えてないで本当の事を言いなさいよ!」

 

剣帝「いやいや、本当の事も何も俺にも何故こうなったか………あっ…」

 

剣帝が自分の身体に起きた異変の理由を思い出そうとしていると、一つだけ思い当たる物があった

 

黒【一矢報いる!】

 

剣帝(まさか………あの時の針かぁぁぁ!!)

 

剣帝の頭には昨晩戦い、そして、その際に受けた一本の針の事が浮かんだ

 

剣帝「そういう事かぁ……」

 

メイドa「ちょっと!頭を抱えて座ってないで事情を!」

 

メイドaが剣帝の正体を疑い、聞き出そうとしていると

 

リオール「ちゃんと魔力を調べなさい、あの方は間違いなく剣帝様ですよ」

 

メイドa「メ、メイド長」

 

リオールがメイドaの後ろの階段から上がってきてメイドaを叱り始める

 

リオール「分かったら早く自分の仕事に戻りなさい」

 

メイドa「は、はいぃー!」

 

メイドaはリオールに怒られると急いで翼を出し、下の階へ降りて行った

 

剣帝「あぁ、リオールさん…助かりました…」

 

リオール「いえ、セラフォルー様のクィーンである貴方を助けるのは当然ですから。ところで、何故そのようなお姿に?」

 

剣帝「まぁ、これにはちょいと事情が……」

 

剣帝はリオールにメイドaをどうにかしてくれた礼を行ってから自分が何故女性の体になっているのかを説明した

 

リオール「なるほど…つまり、先日セラフォルー様を攫った賊にそのような作用のある針を刺され、そうなったと?」

 

剣帝「そういう事です」

 

リオール「にわかには信じがたいですが…実際に目の前で起きてしまってますからね」

 

リオールは半信半疑な様子だったが、剣帝の現状を見て呆れた様子で状況を把握した

 

リオール「取り敢えず、そのお姿ではセラフォルー様が困惑なさるので…お出掛けして下さい」

 

剣帝「どうしても…ですか?」

 

リオール「はい、お断りするようならば…」

 

リオールがニコニコと笑ったような怒ったような表情で言ったの発言に対して剣帝が顔を引き攣らせながら立っているとリオールは魔法陣を展開し始め

 

剣帝「……………あーもー、分かりましたよ!出掛けますよ」

 

リオール「ならば良かったです。勝てはしなくとも手傷を負わせる位は私でも出来ますが…なるべくお互いにこの館を傷付けたくないですからね」

 

剣帝「えぇ、そうですねぇ」

 

剣帝は根負けしたように自分の足元に魔法陣を展開してセラフォルー邸の中から怒りで顔を少し歪ませながら消えた

 

―駒王町:駒王学園校舎屋上―

 

剣帝「………ハァ、どうにもあの顔をする女性には頭が上がらん」

 

八剣『カカカッ、剣帝様の妹君の狼娘と同じ様な表情を浮かべよるからのぉ』

 

剣帝が屋上で項垂れていると剣帝の頭の中に八剣の声が響き

 

剣帝『うるせぇやぃ、アイツにも手ぇ焼かされるけどリオールさんの場合は普通に怖いからなぁ』

 

八剣『そうかそうか、ところで剣帝様や』

 

剣帝『何だよ』

 

剣帝が困った表情で頭を抱えて居るとまた八剣の声が響き

 

八剣『旧校舎の入り口の辺りからあのエロい小僧がブーストの無駄遣いをしながらコチラを見ておるようじゃぞ』

 

剣帝「はぁ!?」

 

剣帝が旧校舎の方向を向くと、確かにブーステッドギアを発動させてコチラを見ている兵藤一誠が居た

 

剣帝「…………遊んでやるとするかな」

 

八剣『剣帝様の悪い癖が出たようじゃな……』

 

剣帝は悪巧みを思い付いたような笑顔を浮かべながら悪魔の翼を広げ旧校舎の方向へと飛んで行った

 

―駒王学園:旧校舎前―

 

剣帝「よっと…」

 

一誠「アンタ、何処の悪魔だ?」

 

剣帝は一誠の目の前に降り立った、そして、一誠はそんな剣帝を見つつ警戒しながら質問して来る

 

剣帝「……ハァ…ちゃんと魔力を探りなさいよ、お馬鹿な赤龍帝さん」

 

一誠「初対面でいきなり馬鹿ってなんだよ!」

 

剣帝「あら、馬鹿を馬鹿と言って何が悪いのかしら?」

 

一誠は剣帝の他愛無い挑発めいた発言に苛立ちをあらわにした

 

一誠「初対面で馬鹿馬鹿言いやがって……良いおっぱいしてるからって許さねぇぞ!」

 

剣帝「そんなに頭に来たのなら私に負けと言わせてみなさいな、ほら、私に攻撃を当ててみなさいよ」

 

一誠が怒りのあまり多少怒鳴り始めるが剣帝は平気な顔をして挑発を繰り返す

 

一誠「こっの!」

 

剣帝「ウフフッ、そんな遅い動きじゃ私には当てられないわねぇ」

 

一誠は素早い突きを剣帝に当てようとしたが、剣帝はヒラリと宙返りをしながら回避をし、その突きを放った拳は地面にぶつかり地面を砕いた

 

剣帝「それが全力かしら?赤龍帝さん」

 

一誠「んな訳ねぇだろぉ!」

 

一誠は剣帝の足を払おうとするがやはり剣帝はその行動を先読みして回避する

 

一誠「なら!」

 

《Boost!》

 

剣帝「あら、ようやく本気を出してくれるのね」

 

一誠は左手を突き出し赤い籠手、ブーステッドギアを発動した。それを見ていた剣帝は喜々とした表情に変わり

 

剣帝「さぁ、何処からでも掛かってらっしゃい」

 

一誠「だったら!こうだ!!」

 

一誠は瞬時に剣帝の真後ろに回り込み剣帝の肩に触れようとしたが、剣帝に手首を掴まれ投げ飛ばされる

 

剣帝「アラアラ、軽く投げたつもりなのに、随分と軽いのね赤龍帝さんは」

 

一誠「このお姉さんなんつぅ力してんだ、小猫ちゃん以上の力してやがる」

 

一誠はある程度投げ飛ばされると受け身の姿勢を取り、着地をしてから勢いを滑って殺した

 

剣帝「あら、体術はしっかりと出来るてるのね」

 

一誠「アンタ、マジで何者だ?」

 

一誠は滑り終わり体が止まると剣帝の方を見て質問を投げ掛ける

 

剣帝「それを答えちゃったら面白くないから秘密よ」

 

一誠「なら、言いたくなるようにしてやるよ!」

 

剣帝が口に手を当て挑発すると一誠は剣帝に向かってまた左腕を伸びして飛びかかった、すると、また剣帝はその左腕を掴んで投げ飛ばした

 

剣帝「あらあら、さっきので学ばなかったのかしら?」

 

一誠「いいや、これで終わりだ、洋服崩壊(ドレスェ・ブレイク)!」

 

剣帝に投げ飛ばされる一瞬、一誠は剣帝の肩に触れてから投げ飛ばされ、その一瞬の間に剣帝の衣服に魔力の起点を作り剣帝の衣服を崩壊させた

 

剣帝「そういえば、赤龍帝さんにはこんな必殺技があったわね」

 

一誠「うひょー、やっぱり思ってた通り中々なオッパイしてるぜ!……ん?」

 

衣服がボロボロと壊れていくが剣帝は全く動じる様子も無く左手に紅い籠手を出現させる

 

剣帝「ブーステッドギア、バランスブレイク」

 

《Welsh Dragon Balance Breaker!!!》

 

一誠「なっ、何でアンタもブーステッドギアを持ってんだよ!」

 

一誠がブーステッドギアを見て驚いている内に剣帝の全身は紅い鎧に包まれたが、腹部はガーターのようなものでつなぎ合わされ、胸部は豊満なバストを包む為に多少盛り上がっている

 

剣帝「ほら、掛かっていらっしゃい?」

 

一誠「あくまでも答えないって訳か……それなら!ブーステッド・ギア・バランスブレイク!!」

 

《Welsh Dragon Balance Breaker!!!!》

 

剣帝が悠然と立って指を動かし挑発し一誠も全身を紅い鎧で包みだ、拳を構えた

 

一誠「質問に答えて貰うぞ!」

 

剣帝「出来るかしらね?ウフフッ」

 

一誠は剣帝に飛び掛かり、剣帝はまるで罠を張っているように笑みを浮かべながら立っている、そして、一誠の拳が剣帝に当たる寸前

 

リアス「そこまでよ、一誠!」

 

一誠「ぶ、部長!?」

 

剣帝「あら、バレちゃったのね」

 

旧校舎の入り口の扉を開き、悠然と立っているリアスとその周りには一誠と小猫以外のリアス・グレモリーの配下がいた




無名「オーっす、久しぶりの俺だぜ、長らく待たせたな………まぁ、これからもクソ主は用事が立て込んだだの何だの言って休むと思うが気長に待ってやってくれるか?
それから、ここの小説の書き方はこんな感じの台本的な感じだ、まぁ理由としては誰がどんなセリフ言ってるか分かりやすくする為だからよ、だから、まぁ、これからもうちの書き方はこんな感じだからな、変わらないと思っといてくれるとすっげぇ有り難い
さぁてと、それじゃ、俺はそろそろ消えるかねぇー
はてさて、クソ兄貴は何時頃になったら帰ってくるのやら……」


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第四十七話「女体化の説明と墓穴」

あらすじ

黒影との戦闘に勝った剣帝、その後疲労からかすぐに眠った、そして、目を覚ました剣帝は普段に比べ服がキツイことに違和感を覚えた、その理由は剣帝の姿が女性に変わっていたのだった、そして、その姿ではセラフォルーを驚かせてしまうと駒王学園へと向かい、自分を見ていた一誠に勝負を仕掛け、遊んでいた途中でリアスに止められたのだった

――――――――――――――――――――――――――

~駒王学園:旧校舎オカルト研究部部室~

 

リアス「つまり、セラフォルー様を攫った賊のせいでその様な姿になったという訳ですか?」

 

剣帝「えぇ、そうなりますね」

 

剣帝とリアスは対面する形で机一つ挟み、ソファに座って話し合っている、そして、リアスの眷属は部屋の各場所に立っている

 

リアス「それで、何者なんですか?その黒影という男は」

 

剣帝「まぁ、言うなれば私の影、私の分身みたいなものよ、この前其処の一誠君の偽者現れたんでしょう?それみたいなものよ」

 

剣帝は説明をすると同時に一誠が居る後ろをチラリと見た

 

リアス「…………何故貴女がそれをご存知なんです?」

 

剣帝「色々とツテがあるのよ、ウフフッ」

 

剣帝はリアスから投げ掛けられて疑問に対し、口に手を当てながら笑い、軽く濁した

 

リアス「…………」

 

リアス(前から思っていたけど、この方は謎が多過ぎる、何故あそこまで強いのか、何故ブーステッドギアを持っているのか)

 

リアスが怪しみを込めているような目で剣帝を見つめていると

 

剣帝「私の顔に何か付いてます?」

 

リアス「い、いえ……」

 

リアスは剣帝が質問をすると、少し顔と視線を逸らした、逸らした先には一誠が立って居り小さくガッツポーズをしていた

 

リアス(一誠……何故ガッツポーズをしてるのかしら?)

 

一誠(朱野さんや部長に加えて…剣帝さんまであんなナイスオッパイをしてるだなんて、いやー生きてて良かったぁ)

 

一誠がガッツポーズをしなかがらそんな事を考えていると、何処からともなく何かが切れるような音が聞こえ

 

八剣「オイッ、エロガキ」

 

一誠「へっ?エロガキって俺の事かっ!?」

 

八剣が剣帝の背後から現れたかと思えば、次の瞬間には一誠に近付き、一誠を殴り飛ばした

 

八剣「貴様以外に誰が居る!妾の愛しい主たる剣帝様をいやらしい目付きで見るないわ!」

 

一誠「ガハッ……」

 

一誠は壁を壊し貫通して旧校舎の外まで吹き飛んでいた

 

八剣「一度殺してやろうかのぉ?そうすれば馬鹿も治ろう」

 

剣帝「八剣!止めなさい」

 

八剣が8本の尻尾の先端部分を剣に変えながら一誠に近付こうとしていると、剣帝が怒号を飛ばして止めた

 

八剣「……………仕方が無いのぉ、剣帝様に免じて許してやるとするか」

 

剣帝「それで良いのよ、さぁ、戻ってらっしゃい」

 

八剣は剣帝に止められ、しぶしぶという様子で剣帝の近くへと戻って来た、が、剣帝の目の前に座っているリアスからかなりの殺気が放たれている

 

リアス「よくも私の可愛い一誠を……私は貴女を許さな」

 

八剣「黙るが良い、この乳デカ無能娘」

 

リアスが八剣に文句を言おうとしていると八剣が先にリアスに文句のようなものを言った

 

リアス「なっ……私が無能?」

 

八剣「あぁ、何時も何時も後手でしか問題を解決せず、更には少し前は敵だった堕天使が街に拠点を放置して、さっき吹き飛ばしたエロガキを一度死なせたり、あのシスター娘を死なせたりと、完全に無能ではないかのぉ?」

 

黒歌「そうだにゃ!無能無駄乳姫にゃん」

 

八剣がリアスを問い詰めていると突然窓の外に黒歌が現れて、リアスへの言葉を言い放ってきた

 

剣帝「あのぉ、何故貴女がここに?」

 

黒歌「ん?剣帝が何か面白い事になってるみたいだから見てこいって彼からのお達しだからにゃ~」

 

剣帝が疑問を投げ掛けると黒歌はニコニコ笑いながら返答してきた

 

剣帝「夜鴉様はまたそうやって私を玩具に……まぁ、もう慣れましたがね」

 

黒歌「被害者だにゃ~」

 

剣帝は呆れたように頭を抱えて居てと黒歌はまだ笑い続ける

 

剣帝「まぁ、この命は夜鴉様のお陰で存在してるようなものですし。文句なんて言いませんよ」

 

黒歌「ここで言うと面倒になるのにね墓穴だにゃ」

 

剣帝のサラリと言った発言に対し、八剣と黒歌以外は驚いた表情や、疑問を浮かべた表情になっている

 

剣帝「アチャ、やっちゃいました」

 

八剣「ハァ、剣帝様はおっちょこちょいじゃのぉ」

 

黒歌「面白い物は見れたし帰るにゃ~。ばいにゃ~」

 

剣帝「え、えぇ、さようなら」

 

黒歌は最後までニコニコと笑いながら魔法陣展開して消え、剣帝は少しの間舌を出していたが、黒歌が消えると同時に別れを告げた

 

八剣「ふむ、面倒になる前に逃げるとするかのぉ」

 

剣帝「そうねぇー、また質問攻めにされるの嫌だものね」

 

剣帝もまた魔法陣展開して、八剣と共に消えた

 

リアス「ハッ、しまった、剣帝様を逃がしてしまったわ」

 

朱野「夜鴉、様とおっしゃてましたわね。何者なのでしょうね?リアス」

 

残されたオカルト研究部の部員にはまた一つ疑問が増えた

 

~セラフォルー邸:剣帝の部屋~

 

剣帝「あー、まぁたやっちゃったわ」

 

八剣「全くじゃよ、剣帝様のおっちょこちょいもなかなかに面倒を起こす」

 

剣帝と八剣は並んで魔法陣から出て来た、そして、部屋の中では天翔と小猫が仲良く遊んでいた

 

天翔「ややっ、お帰りなさいませ、殿」

 

小猫「剣帝さん…お帰りなさい」

 

剣帝「ただいま、二人共仲良くしてたみたいね」

 

小猫は剣帝が戦いから戻ってきてもまだ屋敷の前に居たので部屋の中に招いて居たのだ、そして、今では天翔とある程度仲良くなり一緒に遊んでいたのだった

 

天翔「いやー、小猫殿中々に強いでござるよ、将棋」

 

小猫「天翔さんが弱いだけです」

 

剣帝「言われてるわねぇ、天翔」

 

剣帝は二人の会話を聞きながらフフッと笑みを零しつつベットに腰掛けた

 

天翔「小猫殿はやはり辛辣で御座るなぁ」

 

剣帝「事実を言ってるだけよ」

 

天翔がウダウダと言っていると剣帝に否定の言葉を投げかけられる

 

天翔「グヌヌヌッ」

 

剣帝「ハァ…何だか疲れたし、私は少し寝るわね、そこのエロ天狗が何もしないように見張っててね、小猫ちゃん」

 

小猫「はい……」

 

剣帝はベットに横になりゆっくりと目を閉じ、スヤスヤと眠りはじめた




無名「オイーっす、毎度お馴染みの俺だぜ
今回はまぁ……剣帝が結構な割合で馬鹿をやらかしてたなぁ
最早アホの域だ、まっ、別世界に居る俺には関係無いけどな
さてと……今年は暮れがもう近いなぁ……
そういや番宣だが、来年に来るハイD第四期には間に合うように残りの話を書き上げて投稿するって主が言ってたな
と言う訳で悪いが緩りと待ってくれよー
そんじゃあなぁー、また次の話で会おうなぁー」


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第四十八話「暴力を超えた暴力」

あらすじ

旧校舎にてリアスと対面していた剣帝、そして、なぜ自分の体が女性になっているのかを説明した。その後もリアスと話していると剣帝の姿を見ていた一誠は八剣に吹き飛ばされ、八剣は一誠にトドメを刺そうとしたがる、剣帝はそれを止めるために八剣と共にセラフォルー邸に帰り、止めて疲れたのかすぐに眠るのだった

――――――――――――――――――――――――――

~剣帝の夢の中~

 

真っ暗闇の空間の中で虚ろな目をした白髪の少女と黒髪の青年、黒影が並んで立っていて、それを鎖に繋がれた剣帝は見せられている

 

黒「ヒャハッ、良い気味だなぁ、剣帝」

 

剣帝「………黙れよ、ボケ黒」

 

黒影は剣帝を嘲笑いながら見下し、剣帝はそんな黒影を見上げながら睨み付ける

 

黒「ヒヒッ、あー、怖や怖や、なぁ、怖いよなー、■■■ちゃん」

 

??「あぁ……」

 

虚ろな目をした少女は黒影の言葉に反応して頷く

 

黒「だよなぁー……こんな怖い奴は放置して向こうへ行こうぜー?」

 

???「…………あぁ」

 

黒影は白髪の少女の肩に手を回し闇の中へと連れて行こうとしている

 

剣帝「待て!!待ちやがれ!!」

 

黒影「ヒヒヒッ、返して欲しけりゃ戦争があったあの場所に来な」

 

黒影は剣帝に方を首だけ振り返り、剣帝に向けての言葉を言い放つと闇に消えていった

 

~剣帝の自室~

 

剣帝「待ちやがれ!」

 

天翔「うぉう!如何なされたので御座るか?殿」

 

剣帝はベットから腕を伸ばしながら飛び起きた、そして、そんなことが起きたので近くに居た天翔が驚き

 

剣帝「………天翔、八剣、俺が覇龍化した場所覚えてるか?」

 

八剣「無論じゃ」

 

天翔「少し分からないで御座る」

 

剣帝の言葉に八剣は頷いたが天翔は首を傾げた

 

剣帝「そうか……まぁ良い、取り敢えずボケ黒が遠回しに喧嘩売ってきたから………殺しに行くぞ」

 

八剣「何じゃ、またか」

 

天翔「あの方も懲りませぬなぁ」

 

剣帝がベットから立ち上がると八剣と天翔が剣帝の体と融合して、一人となった

 

剣帝「さて、行くか」

 

小猫「待って下さい、剣帝さん」

 

剣帝がマントを羽織り窓からまた出て行こうとしていると小猫が呼び止め

 

剣帝「何だい?小猫ちゃん」

 

小猫「私も連れて行って下さい…剣帝さんの戦いに興味があるので」

 

剣帝「……そういう事なら速く行こうか」

 

小猫は少し俯いて意見を言うと剣帝は手を伸ばし小猫を連れて行こうとする

 

小猫「有難う御座います…」

 

剣帝「気にしなくていいから、速く行こうか」

 

小猫は剣帝の手を掴み、剣帝はその瞬間に冥界の空を高速で飛んで行った

 

~紫天の荒野~

 

黒「ヒヒッ、来たか」

 

剣帝「よぉ、クソッタレ」

 

黒影は荒野の真ん中で堂々と剣帝を待ち構えていて、剣帝は黒影の目の前に着地した

 

黒「ん?……何でその娘連れて来たんだ?」

 

剣帝「本人の意志だ、小猫ちゃんは少し離れた岩の影にでも隠れてな」

 

剣帝は小猫の手を離し、遠くへ行くように指示したが、小猫は尻尾と耳を出し、臨戦態勢に入り

 

小猫「私も戦えます!だから」

 

剣帝「良いから下がってな……天翔」

 

剣帝は小猫を見下ろしてから天翔を呼び出し、小猫を多少離れた位置に連れて行かせた

 

黒「ヒャハッ、足手まといは遠くに避難か?」

 

剣帝「うるせぇよ、一回俺に負けてるくせにいきがりやがって」

 

無名は懐からロストドライバーとジョーカーのメモリを取り出し、ジョーカーのメモリを押した

 

《ジョーカー!!!》

 

剣帝「変身」

 

そして、剣帝はロストドライバーを腰を付けてからジョーカーメモリを差し込み、変身した

 

剣帝「さぁ、お前の罪を数えろ」

 

黒「ヒヒャヒャ、最初っからトバすなぁ」

 

黒影は慌てる様子もなく首に刺さったドラゴナイトハンターZのガシャットを押し込み、体の表面に鱗が生え背中からは黒い龍の羽が生えた存在へと昇華した

 

黒『これが俺様の新たな力だぜぇ!!』

 

剣帝「ほぉ、それなら俺も隠し玉を使うかな」

 

剣帝は黒の姿を見ると剣帝は左手にブーステッドギアを出現させ

 

剣帝「ブーステッド・ギア、BalanceBREAK!!」

 

《Welsh Dragon Balance Breakr!!!!》

 

剣帝は変身を解き、全身に赤い鎧を纏った、そして、ジョーカーのメモリをブーステッド・ギアに差し込んだ、すると紅い鎧が黒くなり始め、口の部分が裂け、牙の生えた口のようになった

 

剣帝「ブーステッド・ギア・スケイルメイル・ジョーカー」

 

《Welsh Dragon Balance Breakr Joker!!!!》

 

黒『ヒヒッ、それで俺様に勝てるかな?』

 

剣帝と黒は同時に翼を広げ、天高く飛び上がり、戦闘を始めた

 

黒『ヒヒャヒャ!どうしたぁ!この程度かぁ?』

 

剣帝「チッ…この前より数段強い…」

 

剣帝と黒影は上空で激しい殴り合いを繰り広げている

 

黒『そーらよっと!!』

 

剣帝「ガハッ!!」

 

黒影は上手く剣帝の攻撃の隙をつき、剣帝の鳩尾に蹴りを叩き込んだ

 

剣帝「いってぇじゃねぇか!!」

 

無名『グオッ!』

 

剣帝は蹴られて吹っ飛ぶと黒影に向けて高密度の光線を口から放った

 

黒『ヒヒャヒャ、危ねえじゃねぇか』

 

剣帝「チッ、弾きやがったか」

 

黒は剣帝の光線を左手一本で弾き飛ばし、防御した

 

黒『お返しだ』

 

剣帝「!!!」

 

黒影は剣帝に向けて剣帝の放った数倍の大きさの光線を口から放った、そして、それは剣帝に見事に直撃し、剣帝は地面に向かって落下していった

 

剣帝「グフッ………」

 

黒『ヒヒッ!これでフィナーレだ!!』

 

黒影は左手に黒い機械的な籠手をはめ、その籠手にダイヤルの付いた大きなガシャットを差し込んだ

 

〈キメェワザァ!ガシャット〉

 

そんな音声がすると、黒影がダイヤルを半回転させて

 

〈ガッチャーン!!グランドォディスティニィー、クリティカァルスマァーシュ!!!〉

 

籠手からそんな音声が響き黒影の全身に力が漲るような様子が現れると、剣帝に向かって黒影が猛スピードで飛んで行き

 

黒「これで終いだ!!!」

 

剣帝「くっ……」

 

剣帝に黒影の拳が当たる刹那、剣帝と黒影の間に黒い羽が舞い

 

夜鴉「天が呼ぶ、地が呼ぶ、我を呼ぶ。愚者を殺せと我を呼ぶ。強化の恩を忘れ我の創造せし武器を勝手に持ち出し使用した罪、万死に値する」

 

黒「アイェェェ!夜鴉さん、夜鴉さん、ナンデェェェ!?」

 

黒いスーツを身に纏い、大きな漆黒の羽根が24枚羽ばたかせた夜鴉が攻撃を羽根で受け止めた

 

夜鴉「逃亡だけなら許さん事も無かったが貴様は我の創造せし武器を持ち出し使用した事は確認済みだ。よって殲滅する」

 

黒「…………やっちゃったぜ……でも良いのか?俺が死ぬとそこに倒れてるアホに確実にめちゃくちゃな悪影響が出るぜ?」

 

黒影は夜鴉の後ろに倒れている剣帝を指差した

 

夜鴉「ふむ。ならば九部九割九厘殺しで止めてやろう」

 

黒「それ瀕死じゃねぇか!!」

 

夜鴉「ならばこれを使ってやろう」

 

夜鴉は懐からダイアルの付いたガシャットを取り出しダイアルを右に回した

 

〈ワールドクラフト〉

 

 

〈Let's The Next Craft?Let's The Next Craft?〉

 

夜鴉「終焉の時だ」

 

〈Dual up!〉

 

〈A new world that breaks and creates!

This is the power of God!

World craft!〉

 

夜鴉は背中に四枚の天使の羽根が生えた炭坑夫のような姿になった

 

夜鴉「仮面ライダーワールドレベル90」

 

黒『ゲェェ、それ俺死ぬだろうが!』

 

黒影は慌てて逃げようとし始める

 

剣帝「……にが…すか」

 

黒『グエッ』

 

剣帝の袖口から伸びた暗器が黒影の首に巻き付き、黒影を引っ張る

 

黒『………俺死んだわ』

 

黒影は夜鴉の姿を見て暗器を引き千切ろうとするが、なかなか切れず、黒影は覚悟を決めた様子で

 

「ワールドクラフトはゲームエリアの全ての物を自由に作り替える事が出来る。例えばこの沢山のエナジーアイテムを全て自分の好きな物に変える事など造作もない」

 

夜鴉の周囲にゲームエリアに散らばっていた全てのエナジーアイテムが集まり変化をし始めた。混乱等のエナジーアイテムも全てマッスル化に変わっていった

 

『マッスル化!』

 

全てのエナジーアイテムがマッスル化に変わり一斉に夜鴉に付与された

 

黒「………やべぇなぁ……」

 

剣帝「良く分かってるじゃねぇか」

 

黒影が苦虫を噛み潰したような顔をしていると、剣帝が何時の間にか回復しきり、黒影の後ろに回り込んでいた

 

黒「しまっ!!」

 

剣帝「コイツは頂く」

 

剣帝は黒影が反応するまでの瞬時に黒影から黒い機械的な籠手に差し込まれているダイヤルの付いたガシャットを奪い取った

 

夜鴉「さぁ行くぜ?」

 

<キメワザ!WorldCriticalRemake>

 

夜鴉は黒を剣帝から引き剥がし上空へ投げてキックを当てた

 

夜鴉はキックを当てると同時に刺さっていたドラゴナイトハンターZのガシャットとキメワザ用の武器を回収した

 

<Beautiful>

 

黒「ゲフェッ………」

 

剣帝「流石ですねぇ。夜鴉様」

 

夜鴉「まだまだこれからだぜ?」

 

倒れた黒に近付いて近くの石を回復のエナジーアイテムに変え黒に与えた

 

剣帝「うわぁ、エゲツねぇ」

 

黒「九割九分九厘死ってそういう事かよ……」

 

黒影はみるみる内に回復し、また逃げようとし始め

 

夜鴉はダイアルを左に回した

 

<デビルズキングダム>

 

<It's show time! Let's break concept>

 

夜鴉「逃がさん」

 

<Dual up!>

 

<Being a demon king! himselfDestroy everything and go to the top!

Devil's Kingdom!>

 

夜鴉は黒い闇に包まれその姿を変えた

 

頭には黒い悪魔の角が生え、魔王のようなマントを羽織ってはいるが他に鎧は無く体には鎖を巻き付けた姿になった

 

黒「ヤバイ今度こそ死ぬ……」

 

剣帝「うーむ……ドライバーさえあれば俺も変身出来るんだがなぁ」

 

剣帝は黒影から少し離れた位置でデュアルガシャットを弄っている

 

夜鴉「デビルズキングダムは単純にパワーのみを特化させた物だ。さぁ破壊の権化の前にひれ伏せ」

 

黒「面倒は勘弁だ!!」

 

剣帝「うぐっ………」

 

黒影は近くにあった影に触れて、その瞬間に影に消え、影を伝って剣帝の影に入った

 

夜鴉「この力だけで充分だ」

 

剣帝の影に手を差し込んで力業で黒を引きずり出した

 

剣帝「かなり痛い!!」

 

黒「グアッ……」

 

黒影は影から引っぱり出されるとジタバタと暴れ

 

夜鴉「万物を力業で攻略するのがこのゲームだ」

 

黒「ただの脳筋ゲームじゃねぇか……」

 

剣帝「夜鴉様ー、俺もゲーマドライバー欲しいです」

 

夜鴉は黒の言葉を聞くと笑顔になって黒の首を掴み空中に投げて連続で殴り続けた

 

夜鴉「ゲーマドライバー?仕方ねぇなほれやるよ」

 

夜鴉は黒を殴りながら剣帝へゲーマドライバーを投げて渡した

 

黒「ゲホァッ……」

 

剣帝「有難う御座います」

 

黒影は殴られてぐったりとし始め、剣帝はゲーマドライバーを貰って喜んでいる

 

夜鴉「さぁフィニッシュだ」

 

<キメワザ!DevilsCriticalBurst>

 

夜鴉は黒を殴り飛ばし即座に後ろに回り込み上空に蹴り上げてそして地面へ叩き落とした

 

黒「ガハァ!!」

 

剣帝「うわぁ、痛そう」

 

黒影は叩きつけられた衝撃で血を吐き出し、剣帝はゲーマドライバーを腰に付けながら眺めていた

 

そして地面へめり込んでる黒へ上空からキックを当てさらにめり込ませた

 

<Excellent>

 

黒「……………」

 

剣帝「……死んではいないかな」

 

黒影はめり込んだ状態でビクビクとしていた

 

夜鴉「ゲームクリアって所だな。さぁて剣帝元々これはお前にやるように創ってた物だ受け取れ」

 

夜鴉はキメワザ用の武器を剣帝へ振りかぶって投げて渡した

 

剣帝「あっ、はい、有難う御座います」

 

剣帝は飛んで来たキメワザ用武器の黒い機械的な籠手を受け取った

 

夜鴉「じゃあな。粛清完了」

 

夜鴉は変身を解除して次元を力業で破って帰っていった

 

剣帝「さようならー……さて、回収するかな」

 

黒「………いってぇぇぇ!」

 

剣帝が黒影を引き抜くと黒影はバタバタと暴れ始めた

 

剣帝「全く…悪ふざけも大概にしとけよ?」

 

黒「ヒヒャヒャ、久々に遊べる状態だったからな、遊びたかったんだよ」

 

引っこ抜かれた黒影は地面に座りケタケタと笑い、剣帝はそんな黒影を見て呆れて頭を押さえている

 

剣帝「取り敢えず、帰って来い」

 

黒「あーいよ」

 

黒影は剣帝の影に入り、剣帝は黒影が影に入ると剣帝は小猫を連れて高速で空を飛びながらセラフォルー邸に帰って行った




無名「はいよー、本日三度目の俺だぜ、今回の話は完全にボケナスの黒がボッコボコにされる回だったな……まっ、黒がボコられるのは自業自得だから致し方ねぇけどな
それにしても、夜鴉様は容赦ねぇなぁ………あんな威力でボコられたら誰でも死ぬぞ……まぁ、俺喰らってねぇから関係無いけどな
さってと、今回はこの辺りで俺は帰るかな
そんじゃ、また次回の話で会おうぜ、じゃあなぁー」


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第四十九話「伝説へ至る英雄伝」

あらすじ

セラフォルー邸に戻ってから眠りについていた剣帝、その夢の中で又もや黒影からの挑戦状が送られてきた、剣帝はその挑戦状に乗り、今度は自分が暴走して大暴れをした場所に飛んで行った、其処には何時も通りの格好をした黒影が待ち構えていた、そして、剣帝と黒影は戦闘を始め、黒影は前回よりもかなり強化されていて剣帝は苦戦していた、だが、其処に夜鴉が現れ、剣帝を守って黒影をボコボコにし倒した、そして、剣帝に様々なアイテムを渡し、剣帝はそれと黒影を回収してセラフォルー邸へと帰ったのだった

――――――――――――――――――――――――――

~セラフォルー邸:剣帝の部屋~

 

剣帝は椅子に座りながら机の上に置いてあるゲーマドライバーとデュアルガシャットγを見詰めている

 

剣帝「これの試運転をしたいが……どうするかなぁ…相手が居ねぇ」

 

黒「ヒヒャヒャ、悪かったなぁ、俺様が弱くて」

 

剣帝が頭を抱えて居ると剣帝の影からぬるりと黒影が剣帝の後ろに現れて

 

剣帝「そう思うんだったら、強くなりやがれボケ」

 

黒「ヒヒャヒャ、俺様は楽して強くなりたいんでな、お断りだ」

 

黒影がケタケタと笑っていると頭を抱えていた剣帝が突然何かを思いついたのか頭を上げて

 

剣帝「そうだ、サイラオーグさんかヴァーリに喧嘩を売ろう」

 

黒「……相変わらず突拍子もない事言うなお前」

 

剣帝の発言に黒影は呆れたようにハァと溜息を付いたが剣帝はそれを無視するように動き始め

 

剣帝「そうと決まれば即行動だ!行くぞ黒!!」

 

黒「はいはい、勝手にしろ」

 

剣帝はゲーマドライバーとデュアルガシャットγを持って窓縁に脚を掛け、黒影はその剣帝の影に溶けるように入り、黒影が入ったことを確認すると剣帝は冥界の空に飛んでいく

 

~冥界上空~

 

剣帝「うーむ…飛び出して来たは良いけど、どっちに先に行こうかなぁ」

 

無名『ヴァーリを探したらどうだ?アレからあいつも強くなってるだろうしな』

 

剣帝が顎に手を当て考えていると頭の中に黒影の声が響き

 

剣帝「そうだな、ヴァーリ君を探すとしようか」

 

剣帝は黒影の提案に従い、ヴァーリを飛びながら探し始めて

 

剣帝「見当たらねぇぇぇぇぇ!!!」

 

黒『そんなに叫ぶなよ、周りに迷惑だろ』

 

剣帝は岩山に囲まれた岩石場で空に向かって叫んでいた

 

剣帝「だってよぉ、ヴァーリ見付からないんだぞ!?要らない時には簡単に出会う癖に必要な時は出会えないってなんだよ!!」

 

黒『マジギレしかけんなよ、てか、デュアルガシャットの性能実験ならその辺の岩山で試せよ鬱陶しい』

 

剣帝はイライラしながら黒影の言葉を聞き入れ、腰にゲーマドライバーを付け、銀色のボディのダイヤルの付いたガシャット、デュアルガシャットγのダイヤルを右に回した

 

《グランド・ディスティニー!

 

War on which a hero is fitted

 

War on which a hero is fitted》

 

ダイヤルを回すと音声が鳴り響き、そして、二回程鳴り響くと剣帝はガシャットを右手から左手に持ち替えて、ゲーマドライバーに差し込んだ

 

剣帝「第50砲門解放」

 

《Dual Up!!

崩れる未来

英雄蔓延る

救うマスター》

 

ゲーマドライバーから変身音声が鳴り響くと、剣帝の姿が代わり、顔には黒い騎士甲冑の様な物を着けて覆い隠し、手には一見顔のような物が見える巨大な爪の付いた籠手が付き、脚には膝部分に鋭い角が付いた鎧を纏い、更にドラゴンの尻尾の様な物が付いた黒い鎧を全身に纏った

 

剣帝「ふむ、変身するとこうなるのか……ん?」

 

剣帝が自分の全身を眺めていると右の手首辺りに様々なマークが書かれた細かいルーレットが配置されていて、剣帝が見ると同時にルーレットが回り始め、魔術師のマークの場所で止まった

 

《Caster!MEFISUTOFERESU!!》

 

剣帝「メフィストフェレス………あぁ、アイツか」

 

剣帝が手にハメられた巨大な真紅の爪を地面に突き立てると地面が爆発した

 

剣帝「メフィストフェレスの爆弾(ボム)か…」

 

??「相変わらず凄まじい事をしているようだな、剣帝殿」

 

剣帝は突然声を掛けられ、少し驚きながら声のした方向を見ると、其処にはサイラオーグが座っていた

 

剣帝「お久しぶりですね…サイラオーグ様」

 

サイラ「あぁ、俺はこんな場所で剣帝殿に会えるとは思いもしなかったがな」

 

剣帝は首だけ振り返り挨拶をし、尻尾で岩に座っているサイラオーグに攻撃を仕掛けた、が、サイラオーグは何事も無く回避をした

 

サイラ「いきなり何をするんだ、剣帝殿」

 

剣帝「いえね、単にちょいと力試しに付き合ってほしいなと思いまして、ね!」

 

剣帝はサイラオーグの着地地点に向かって剣帝は走り出し、サイラオーグの足下に剣帝が爪を突き刺すとその場所がまた爆発したが、サイラオーグはやはり上手く回避していた

 

剣帝「良く避けますねぇ」

 

サイラ「フッ、本気を出していない剣帝殿の攻撃には当たってやれないな」

 

剣帝とサイラオーグはお互いに一定の距離を保って向き合っていた、が、剣帝はデュアルガシャットをゲーマドライバーを抜き、デュアルガシャットノダイヤルをまた右に回した

 

剣帝「第50砲門解放」

 

《Legendmonsters!!

 

Fight against a monster and get a monster

 

Fight against a monster and get a monster

 

Dual up!!

レジェンドモンスターズ!

 

世界を廻れ

 

レジェンドモンスターズ!

 

頂点目指せ

 

チャンピオォン!》

 

再度ゲーマドライバーにデュアルガシャットγを差し込むと剣帝の姿が大きな黄色いのリュックに赤い上着、そして、その下には黒いシャツを着て、青いジーパンを履き、頭には全体的に赤いが、つばの部分が白く、更に前面のつばの付け根に半月状の模様の入った帽子を被り、其処から黒い髪の毛がはみ出している姿に変わった

 

剣帝「さてと…何が出るかなぁー」

 

剣帝が赤と白の半々になっているボールを鞄から取り出して空に投げるとボールが割れ、中から首に赤いマフラーのようなものを付け、指が三叉で指と指の間に大きな水掻きが有る、二足歩行の青色の蛙が出て来た

 

剣帝「おー、お前かゲッコウガ」

 

ゲッコウガ「コウガッ」

 

剣帝は自分で呼び出した蛙、ゲッコウガの頭を撫でてから辺りを見回し

 

剣帝「ゲッコウガ、高速移動しながら赤と黄色の丸いアイテムを集めて来い」

 

剣帝が命令をするとゲッコウガは一度頷いた後に少し鳴き、高速で走り出した

 

剣帝「良し、それじゃ俺はっと!!」

 

剣帝は鞄を再度探り中から取り出した竿でサイラオーグに殴り掛かった

 

サイラ「なるほど、先程の蛙は陽動という訳か」

 

剣帝「さぁ、どうでしょうかね!」

 

サイラオーグは余裕で剣帝の振るう竿を拳で受け止め、剣帝はそれでもまだ振り続け、その間もゲッコウガは走り回りエナジーアイテムを取っている

 

《マッスル化!高速化!高速化!マッスル化!収縮化!マッスル化!マッスル化!高速化!》

 

剣帝(フフッ、着々と積んでる……)

 

剣帝が軽くニコニコと笑っているとサイラオーグの拳が眼前に迫り

 

剣帝「ウォウ!」

 

サイラ「俺との闘いの最中に余所見とは、剣帝殿は余裕だな」

 

剣帝は拳が当たる間一髪の所で後ろに大きく飛び拳を避けた、そして、その拳が振られた空間から衝撃波が放たれた

 

剣帝「おー、危ない危ない」

 

サイラ(やはり剣帝殿本人は回避能力を向上させているようだな)

 

サイラオーグが剣帝の能力に考えを巡らせていると、剣帝が溜息を付きながら頭をかいた後、突然地面に鞄を起き、鞄の中から自転車を取り出し、鞄を背負ってから自転車に跨った

 

剣帝「よっこらせ、さて、行きますよ」

 

サイラ「剣帝殿の攻撃手段は多彩だな、だが、それは派手なだけとも捉えられる!」

 

剣帝はサイラオーグに向かって真正面から走って行き、前輪でサイラオーグをはねようとしたが、サイラオーグは難なく前輪を掴み止めた

 

剣帝「クッソ、やっぱりか」

 

サイラ「フッ、万策尽きたようだな、では、今度はこちらの」

 

剣帝「なんちゃって…ゲッコウガ!水手裏剣!」

 

剣帝が自転車に跨りながら舌を出し、命令をすると二人の周りを走っていた高速のゲッコウガがサイラオーグ目掛けて水で出来た手裏剣を大量に投げつける

 

サイラ「クッ、先程から走っていた蛙の目的はこういう事か!」

 

剣帝「フフッ、そういう事ですよ」

 

サイラオーグは飛んできた手裏剣を弾く為に両手を自転車の前輪から手を離した、剣帝はその隙にサイラオーグから離れ、また前輪浮かせた状態でサイラオーグをはねようとする

 

サイラ「クッ、二方向から同時とは厄介だ」

 

剣帝「厄介で済ます辺りサイラオーグさんは強いですね!」

 

剣帝は前輪を落とし、走りながら竿を振りエナジーアイテムに釣り針を引っ掛けながら走行し、赤と黄色のエナジーアイテムを取得した

 

《マッスル化!高速化!》

 

剣帝の自転車を漕ぐ速度が大幅に速くなり、更に竿を振るいサイラオーグに当てた際の威力が上がった

 

サイラ「クゥ、先程よりも剣帝殿の竿の威力が上がってっている…あの落ちている物のせいか」

 

剣帝(アチャー、気付かれたか、まぁ、当然か……それならば!)

 

剣帝はサイラオーグから少し離れ、ガシャットを抜き、一度右に回してから元の位置に戻そうと左に回した

 

《キメェ、ワザァ、デュアル・ガシャット

レジェンド、モンスターズ!!

クリティカァル!チョイス!!!》

 

剣帝「来いっ!ゲッコウガ!そして、出て来い!マフォクシー!ブリガロン!」

 

剣帝は自転車に乗りながら2つの紅白半色のボールを投げると中から魔法使いのような見た目をした、黄色と赤色の毛色をした二足歩行の狐と全身に刺の付いた緑の二足歩行している亀が出て来た

 

剣帝「さぁ、行こうか、華麗に激しく!手始めに、マフォクシー、大文」

 

黒『剣帝、辞めにしろ』

 

剣帝がマフォクシーに命令をしている最中に頭の中に黒影の声が響いた

 

剣帝「何だよ、黒」

 

黒『ドライグの野郎が面白い事を言っててな、空の上、つまりは宇宙から強力な白龍皇の力を感じるとな…』

 

剣帝は黒影の言葉を聞くとニヤリと笑いゲーマドライバーからデュアルガシャットγを抜いた

 

剣帝「まぁ、大体の力の仕様は掴めました。有難う御座いますね。サイラオーグさん」

 

剣帝はサイラオーグに感謝の言葉を伝えると髪を銀色に変え、音を超えた速度で上昇して行った

 

サイラ「………最後まで遊ばれてしまったようだな…剣帝殿の力は底が見えんな」

 

サイラオーグは剣帝が飛んで行った空を見つめていた




無名「はいよー、これで本日四度目俺事無名さんだ
さって今回の話は………最早アイテムそのものがチートと化してるな、夜鴉様制作のガシャットは、馬力がこっちの十分の一しか出てない剣帝が割とな強さ誇ってるし……あぁ、そうそう、剣帝の姿が良くわからないって人は、グーグルでレジェモンはポケモン レッドって調べたら出るぜ、グランドディスティニーはクリードコインヘンって調べたら出ると思うぜ
そんじゃ、またなー」


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第五十話「半減の頂点と付加の帝」

あらすじ

黒影との戦闘から1日経った後、自室で剣帝は手に入れたデュアルガシャットγを見ながら考え事をしていた、そして、唐突にヴァーリを探して力試しをしようと思い付き、即座に行動を起こした。そして、ヴァーリは見つからなかったがサイラオーグが見付かり、剣帝はサイラオーグで力試しをした後に宇宙から迫るヴァーリの魔力に惹かれ飛んで行った

――――――――――――――――――――――――――

~駒王町上空~

 

剣帝は音速で宇宙に向かって飛んでいた、そんな剣帝の少し後ろに赤い影と白い影が近付いて来る、そして、剣帝はその2つの影に気が付き後ろを振り向いた

 

剣帝「来たか、二人共」

 

八剣「何故そんなにも楽しげな顔で飛んで居るのじゃ?剣帝様よ」

 

天翔「殿のその様な嬉しそうな顔は無名殿と本気で遊んで居られる時以外は見た事無いで御座るな」

 

剣帝が振り返るとそこには八剣と天翔が並んで飛んできていた

 

剣帝「久方振りに面白い闘いが出来そうだからな、本気で行くつもりだ、だから二人共俺の体に戻れ」

 

八剣「了解じゃ」

 

天翔「御意!!」

 

剣帝が少し速度を落とすと天翔と八剣が剣帝の体に触れ、二人は姿を消した

 

剣帝「よっしゃあ!!これで本気で飛べる!」

 

剣帝はそう言いながら悪魔の翼を体内に戻し、今度は背中から合計四枚の白と黒の天使のような翼を白を右にニ枚、黒い翼を左にニ枚展開し、先程までよりも速く宇宙に向かって飛び始めて

 

~宇宙空間~

 

剣帝「さて…ヴァーリ君は何処…か…な…」

 

剣帝が宇宙空間に出て辺りを見回すと明らかなまでに異質な程の強い魔力を月から感じ取った

 

剣帝「オイオイ、ウル○ラマンじゃねぇんだからよぉ!」

 

剣帝は月まで全力で飛んで近付いて行った

 

~月:表面~

 

剣帝「久し振りだねぇ、ヴァーリ君」

 

ヴァーリ「久しぶりだな、セラフォルーのクィーン」

 

剣帝が月に降り立つとそこにはバランスブレイク済みのヴァーリが待っていた

 

剣帝「あぁ、そういえば名乗ってなかったね俺の名前は…」

 

ヴァーリ「名乗る必要は無い、お前の名前を覚えておくつもりがないからな!」

 

ヴァーリは剣帝が喋っている途中に剣帝に向かって殴り掛かった、だが、剣帝はその攻撃を難なく回避した

 

ヴァーリ「良く回避したな!流石にあの方のお気に入りなだけはある!」

 

剣帝「あの方って……もしかして…夜鴉様か?」

 

ヴァーリが満足気に頷くと剣帝は憐れむような目つきでヴァーリを見て

 

剣帝「お前が前に戦った時に比べて、妙に素早いなと思ったが…夜鴉様に修行付けられたな?」

 

ヴァーリ「あぁ、死ぬような思いをしながら修行をしていた」

 

ヴァーリの言葉に反応するように剣帝は同情する様な表情で見るがヴァーリの表情はどことなく満足気で

 

ヴァーリ「あんな経験をしたからな、今ではグレート・レッドにも負ける気がしないな」

 

剣帝「…………」

 

剣帝は同情する様な表情が呆れた表情に変わり

 

剣帝「同情するだけ無駄って訳ね……ハァ…」

 

ヴァーリ「さぁ、続きを始めるぞ、今度こそ俺が勝つ」

 

剣帝は溜息をついてすぐにヴァーリから距離を取り、ヴァーリは剣帝が距離を取るとすぐに詰めようと走って来て

 

剣帝「こっち来んな!」

 

ヴァーリ「近接戦闘ならばお前も得意な筈だろう、何故距離を取るんだ?」

 

剣帝はヴァーリの脚を払って転ばせようとするが、ヴァーリは足払いを回避した

 

剣帝「お前に触られると嫌な予感がするからだ!!」

 

ヴァーリ「フッ、怒りに任せると速度が上がっても動きが大雑把になり、注意力も散漫になっているぞ!」

 

ヴァーリは剣帝の振るった拳を回避し、剣帝に足払いを仕掛け、剣帝はその足払いを回避した、だが、足払いは少しだけ剣帝の身体に掠った

 

剣帝「チッ、少し掠った………か」

 

ヴァーリ「どうした、身体が急激に重くなったか?」

 

剣帝は喋っている途中で突然体制を少し崩した、その際にヴァーリの翼から悍ましい程のDividの音声が聞こえた

 

剣帝「お前…さては…ハァ…Dividを強くする…修行を…受けたんだな…ふぅ…」

 

剣帝は息を整えると、体制を元に戻しヴァーリに向かって拳を構えたが、やはり弱々しい

 

ヴァーリ「どうした!お前の力はこの程度か!」

 

剣帝「ヴっ…ガッ…ガハッ!!」

 

ヴァーリは剣帝を殴り始め、剣帝は殴られる度に力を奪われて動けなくなっていき

 

剣帝「…………」

 

ヴァーリ「フンッ、あの方のお気に入りとはいえ、この程度だったのか…弱いな」

 

剣帝は力を奪われ過ぎて指一本すら動かせなくなり、月に倒れ込んだ

 

ヴァーリ「この程度の奴ならば殺す価値すら無いな…いや、そういえばお前はブーステッド・ギアを使っていなかったな………そうだ、俺がこれからお前の本当の妻を殺してきてやろう!」

 

剣帝「!!!」

 

ヴァーリがそう言い残して立ち去ろうとすると剣帝の身体がゆらゆらと揺れながら立ち上がり

 

剣帝「テメェ…今すぐ消えるか?」

 

立ち上がった剣帝からは悍ましい程の殺気が立ち昇り、剣帝の髪は銀色で長髪に伸びていた

 

ヴァーリ「全て奪いきったと思ったんだがな、まだそんな演出をする程度の力が残っていたのか!」

 

ヴァーリは立ち上がった剣帝に再度殴り掛かった、だが、剣帝はそのヴァーリの拳を受け止め、握り潰し始める

 

ヴァーリ「クッ…何処からこんな力が…」

 

剣帝「不思議か?それなら教えてやるよ、お前は確かに力を付けた」

 

ヴァーリは完全に潰される前に急いで手を引っ込めた、そして、その潰そうとしていた剣帝の髪は段々と短くなっていき、紅く染まり始める

 

剣帝「だがな…お前は前に負けた相手から力を奪っただけで命を奪おうともせず、放置しただろう、そして、戦闘を楽しみたいからと煽っただろう、それが今回のような事の引き金になるんだよ、覚えてやがれ!」

 

短く紅くなった剣帝の髪が今度は段々と分け目から半分黒に染まっていった

 

ヴァーリ「何だ…さっきまでとは様子も雰囲気も…全く…」

 

剣帝「余所見してんなよ」

 

ヴァーリが剣帝を見てから自分の拳を一瞬見て再度剣帝の方を見ると剣帝の姿が消えていて、剣帝はヴァーリの頭を蹴り飛ばした

 

ヴァーリ「グフッ……何時の間に後ろに………何だその姿は…」

 

頭を蹴り飛ばされ後ろを振り向いた、其処には八本の狐の様な尻尾を腰から出し、頭からは狐の様な耳を出している剣帝が居た、そして、その尻尾と耳は朱くなっていて、更に剣帝の全身には赤い紋様が刻まれていた

 

剣帝「さぁ、物理を超えた速度を味わいな」

 

剣帝はそう言ってまた瞬時に姿を消して、今度は真正面からヴァーリに右手で殴り掛かった、そして、その際に剣帝の左手が輝き剣帝もバランスブレイクした

 

ヴァーリ「舐められたものだな!正面からとは」

 

剣帝「そらよ!」

 

剣帝とヴァーリは互いに白い鎧をぶつけ合い、殴り合いを始めた




無名「はいよー、毎度お馴染みの無名さんだ、さて、この小説が異世界冒険今年最後の小説だ
まぁ、毎度お馴染みのクソ小説だが、皆がそれなりに楽しんでくれてたら何よりだ
さてさて、今年も残す所もう数時間しか残っちゃいねぇなぁ
ちゃんと飯食って年越しそば食って、たっぷりゆっくりと休んで来年も頑張ろうぜ!
そんじゃ、読者諸君、また来年に会おうぜ!
良いお年を!」


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第五十一話「白翼への英雄の一撃」

あらすじ

宇宙にヴァーリの魔力を感じ取ったと聴いた剣帝は即座に宇宙に向かっていた、そして、ヴァーリの魔力を月から感じ取り月へ向かい、ヴァーリとの戦闘を開始した、序盤は剣帝が優勢だったが、ヴァーリの蹴りが剣帝の足にかすってからは剣帝は力を大幅に吸われヴァーリに言いように殴られていた、だが、ヴァーリのとある一言が剣帝の逆鱗に触れ、剣帝は怒りをあらわにしながらヴァーリに反撃を始めた

――――――――――――――――――――――――――

~宇宙:月の表面~

 

月の表面の空中では何度も目に見えないほどの速度で剣帝とヴァーリが殴り合いを続けていた

 

剣帝「ハァ……流石にこの姿でも何度も吸われるとキツイな…」

 

剣帝は少し狼狽した様子で膝をついて居たが少し経過するとその様子も無くなり

 

ヴァーリ「フッ、激昂して強くなった割には容易く膝をつくものだな」

 

ヴァーリも一見すると平然と立っているように見えるが、鎧の中では中々倒れない剣帝に冷や汗をかき続けていた

 

剣帝「だがまぁ…大概面倒だからな……本気で行くとするか」

 

ヴァーリ「ほぉ?まだ本気は出していなかったというのか」

 

剣帝「まぁな、見せてやるよ俺の力をよ」

 

剣帝はバランスブレイクを解除し、懐からゲーマドライバーを取り出して、腰に付けてそのすぐ後にデュアルガシャットγを取り出してダイヤルを右に回した

 

《グランドディスティニー!

 

War on which a hero is fitted

 

War on which a hero is fitted》

 

待機音声が二回鳴り響くと剣帝がデュアルガシャットγをゲーマドライバーに差し込んだ

 

剣帝「第50砲門開放」

 

《Dualup!!

崩れる未来

英雄蔓延る

救うマスター》

 

すると、変身音声が鳴り響き剣帝の目の前に上方に向かって吠える黒い怪物のような物が描かれたパネルが現れた、そして、剣帝にそれが被さると、顔は黒い騎士甲冑の様な物が覆い隠し、手には一見顔のような物が見える巨大な爪の付いた籠手が付き、脚には膝部分に鋭い角が付いた鎧を纏い、更にドラゴンの尻尾の様な物が付いた黒い鎧を全身に纏った姿に剣帝の姿が変わった

 

剣帝「さて、今回は何が来るかな?」

 

剣帝が右手首を見ると右手首に付けられたルーレットが回り始め、今回は騎乗兵のマークに止まった

 

《Rider!Usiwaka!!》

 

剣帝「今回は牛若丸か……身軽だな」

 

剣帝は黒い全身鎧を着込んでいるにも関わらず、その重みを一切感じさせないような軽やかな動きを取り始める

 

ヴァーリ「準備は終わったか?」

 

剣帝「あぁ、待たせたな」

 

ヴァーリは剣帝が変身し終わるまで律儀に待っていて、変身し終わると同時に構えて殴り掛かった、だが、剣帝には剣帝は拳を掠らせることなく後方に宙返りをしながら回避した

 

剣帝「うーん、速いがまだダメだな、そんなんじゃ一艘足りとも舟を超えられないよ」

 

剣帝は着地すると同時に地面に手を付いた、すると、剣帝の着地地点から謎の波紋が周りに放たれ、大量の水が剣帝の手の下から湧き出て来た

 

ヴァーリ「ウッ…これは、海水か」

 

剣帝「正解、ちゃんと乗らないと溺れるよ」

 

剣帝は自分の後ろから大量に出現した木製の船に跳び乗った

 

剣帝「さぁ、白龍の皇よ、この俺を倒せるか挑戦してみな」

 

剣帝が指を前後にチョイチョイと動かし、ヴァーリを挑発するとヴァーリも剣帝の乗っている舟と同じ舟に飛び乗った

 

剣帝「いらっしゃい……俺の世界へ」

 

ヴァーリ「お前の…世界?」

 

剣帝「その通り、だ!」

 

剣帝がガチンと手甲の爪をこすり合わせてハンドスナップをするとすべての舟が揺れ動き始め

 

ヴァーリ「フッ、この程度の事ならば問題無いな」

 

剣帝「ほほぉ、ならこうだな」

 

ヴァーリは戸惑う事無くまた剣帝に殴り掛ったが、それは剣帝の足元の舟底から現れた赤黒色の槍の束で防がれた

 

ヴァーリ「何っ?」

 

剣帝「残念、あと少しだったのにな」

 

剣帝が手を前に振るうとその槍はヴァーリに向かって伸びて行く、ヴァーリは今度は多少同様しながらも後ろに跳躍し、別の舟に乗り移って回避した

 

ヴァーリ「中々恐ろしい力だが、当たらければどうという事は無い」

 

剣帝「確かにそうだな、だが、こうしたらどうかな?」

 

剣帝が二、三度舟を靴底を叩くとその衝撃が船から海へと伝わり、海から地面に伝わって、地揺れを起こしながら夥しい量の赤黒の槍を出現させる

 

剣帝「さぁ、どうする?」

 

ヴァーリ「クッ!この量は流石に避けられない……と言うとでも思ったか?」

 

ヴァーリは上空に飛翔し赤黒の槍を全て回避しきった

 

ヴァーリ「フフッ、この程度が隠し種だとしたら興醒めだな」

 

剣帝「そうかぁ、興を醒めさせてしまったかぁ……そういえばヴァーリ君は知っているかな?槍の数え方を」

 

ヴァーリが上空で剣帝の攻撃を嘲笑っていると剣帝から謎の質問が投げ掛けられた

 

ヴァーリ「槍の数え方だと?そんなもの''槍(そう)''だろう?」

 

剣帝「そうだね、そして、俺とヴァーリ君の間には''八槍(そう)''の槍がある」

 

ヴァーリ「それがどうした!」

 

剣帝「いやぁー、ヴァーリ君は気にしなくても構わないよ」

 

剣帝はベルトからガシャットを抜き、ガシャットのダイヤルを一度だけ右に回してから直ぐに今度は左に回して、右手に装備していた穴の開いた出っ張りのある籠手にガシャットを差し込んだ

 

《キメェ、ワザァ!…デュアルガシャット…グランドクリティカァルタクティクゥス!!》

 

音声が鳴り響くと剣帝の全身を赤と黒のオーラのようなものが包み、剣帝の体に青色と黄色のエナジーアイテムが取り込まれた

 

《高速化!ジャンプ強化!》

 

剣帝はエナジーアイテムを取り込み終えると大きく跳躍し、槍の穂先から穂先へと跳び移りながらヴァーリに向かって行き

 

剣帝「壇ノ浦八槍飛び!!」

 

ヴァーリ「ガハッ!…グフッ!…ゴフッ!…グハッ!」

 

剣帝はヴァーリの近くにやってくるとヴァーリを何度も爪で切り刻んでからヴァーリの腹に拳を突き立てた、すると、ヴァーリの身体から無数の槍が飛び出し、ヴァーリは墜落して行った

 

《Game Clear!!!》

 

今度は音声が鳴り響くと同時にヴァーリが居た位置にGame Clearのロゴが現れ剣帝の姿が変身前の姿に戻った、そして、辺りの風景も元のただの月に戻り

 

ヴァーリ「クソッ、まだお前に勝つには足りないのか……あれ程の死ぬ思いをしたのに……」

 

剣帝「死ぬ程の思いか……まだ死んでないんだね」

 

剣帝はニコニコとした顔でヴァーリの近くに降りてきた

 

ヴァーリ「当然だろう!フェニックスでもなければ死ぬ様な事は出来ん!」

 

剣帝「それじゃあ、俺はどうなるのかな?俺は何度も死んだよ?この世界で」

 

ヴァーリ「何っ?なら、何故お前はここに立てている」

 

ヴァーリが剣帝の言葉に驚きを顕にしていると剣帝はニコニコとした顔で言葉を続ける

 

剣帝「だって、俺は…神の呪いで死ねないんだよ、永遠にね」

 

ヴァーリ「神の呪い…まさか…あの方からの呪いを常に受けているのか!?」

 

剣帝「うん、その通りだよ」

 

ヴァーリの質問に対して剣帝は頷き、中に羽ばたいた

 

剣帝「それじゃあね、白龍皇」

 

剣帝は来るときの3倍の速さで地球へと帰って行った

 

ヴァーリ「俺よりもずっと前からあの方の玩具な訳か…ならば今はまだ勝てんな」

 

ヴァーリも立ち上がりゆっくりと地球へと向かって飛んで行った




無名「はいよー、毎度おなじみの俺だぜ。今回も最後まで読んでくれて有り難うな、それと、何時も何時も不定期でゴメンなぁー、中の人が最近就職したからよぉ、これまで以上に不定期になるかもしれないが、もしかすると暫くは一週間ごとにもなるかもしれねぇから、その辺楽しみにしててくれよ、じゃあな!」


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第五十二話「忘却の彼方の帝」

~駒王町:上空~

 

剣帝「ヴァーリがあんな事言うもんだからあの娘が心配になってきたな…そろそろこの世界でもやれる事やったし帰るかなぁ……」

 

剣帝は一対の白黒の翼で羽ばたきながら頭を抱え始めて

 

剣帝「うん!帰るとするかな……あーでも記憶消しに行かなきゃなぁ…追い掛けて来られても面倒だし…」

 

剣帝がうーんうーんと頭を抱えて、悩ませていると八剣が剣帝の精神内で喋り始めて

 

八剣『そろそろ頃合いじゃと思っておったからヴァーリとやらと戦う前に消して回っておいたぞ』

 

剣帝「でかした!ちゃんとアザゼルとかの記憶も消したんだよな?」

 

剣帝が嬉しそうな表情で八剣に質問すると八剣は剣帝の精神内で口ごもり

 

八剣『………じ…実はぁ…』

 

剣帝「……消したんだよな?」

 

八剣の態度に不信感を覚えた剣帝は疑いをかけるような雰囲気を醸し出しつつ八剣に問い掛けた

 

八剣『ア…アザゼルとやらの場所からは……トンデモ無い力を感じたらから行って居らぬのじゃ……』

 

剣帝「ほほぉー、そうかそうか…それからもう一つ質問なんだな………ファムの変身道具回収は?」

 

剣帝がもう一つ質問を投げ掛けると八剣は剣帝の精神内で気まずそうな顔付きになり

 

剣帝「回収してないのな……ハァ…」

 

八剣「スマヌ剣帝様!すっかりアレの存在を忘れて居ったのじゃ!」

 

八剣は慌てた様子で剣帝の前に現れると必死に頭を下げ、剣帝はそれを怒るかと思いきや頭を撫で始め

 

剣帝「構わんさ、お前は俺が呼び出しを掛けてからの短時間で俺の行動を先読みし、俺の得となる事をしてくれたんだ、褒める道理はあるが怒る道理なんてないさ」

 

八剣「うっ……ぬっ……///」

 

剣帝「さぁ、そうと決まればまず先に駒王学園へと向かうとするか、戻れ八剣」

 

八剣は剣帝が撫で終わると嬉しそうな表情で剣帝の体内へと消え、剣帝は八剣が戻り終えると駒王学園へと向かった

 

~駒王学園:校門前~

 

剣帝(さて、着いたが……皆記憶が無いからな…どーするかなぁ)

 

一誠「オイッ、アンタ、俺の通う高校に何の用だ?」

 

剣帝が困った様子で頭を掻いていると後ろから一誠が近づいて来て声を掛けて来た

 

剣帝(うっわぁ、割と面倒なのに見付かった…どうするっかなぁ……)

 

一誠「速く答えろよ、何の用だ?それにアンタからは大量の魔力がって、オイッ、待ちやがれ!」

 

剣帝は一誠が話している最中に突然と前方に向かって走り始めた

 

剣帝「面倒だから逃げる!」

 

一誠「逃がすかよ!ドライグ!脚に譲渡だ!!」

 

《Transfer!!》

 

一誠の左腕に赤い篭手、ブーステッド・ギアが現れると光り輝くと一誠の走る速度が上がり剣帝に追い付いた

 

一誠「さぁ、もう逃さねぇぞ」

 

剣帝「あぁ…何とも面倒だ…」

 

剣帝はハァと溜息をついてから一誠に向けて鬱陶しいという感情を込めた視線を送った

 

一誠「俺の大切な部長や朱野さん達には手出しさせやしねぇ!」

 

剣帝「なら、死力を尽くして掛かって来い」

 

一誠「舐めやがって、なら受けてみやがれ!Dragon Shot!!」

 

剣帝は指をクイッと動かして一誠を挑発した。すると、一誠は剣帝に向かって紅い光弾を撃ち放った、すると剣帝の顔面に光弾は直撃した

 

一誠「よし!これで倒し……」

 

剣帝「どうした?この程度か?これがお前の思い描く龍の一撃か」

 

しかし、剣帝は光弾を生身で受けたにも関わらず平然とした顔で立ち続けていた、そして、その左手には一誠と同じブーステッド・ギアが展開されていてその篭手の先には一誠の光弾よりも濃い朱色の光弾が展開されていた

 

一誠「何なんだよ…それは…」

 

剣帝「これが本当の龍の一撃だ…Dragon Bless」

 

剣帝が光弾を一誠に向けると一誠の光弾とは違い朱色の光弾からは放射状に光線が放たれた

 

剣帝「…………防がれたか」

 

リアス「大丈夫かしら?一誠」

 

一誠「あ、有難う御座います!部長!!」

 

剣帝の放った光線は小猫以外のオカルト研究部の部員達の全力の力で防がれてしていた

 

剣帝(相変わらず仲が宜しいですねぇ…)

 

木場「魔剣創造(ソードバース)!」

 

一誠の前方に出て来た木場が手に持っていた剣を地面に突き刺して剣帝に向けて剣を地面から出現させたが、その剣山は剣帝に当たる事はなく、剣帝に後ろからに現れた八剣によって全て叩き折られた

 

木場「なっ!?僕の魔剣創造(ソードバース)を素手で砕くだなんて!」

 

八剣「この程度の硬さ、剣帝様の物に比べれば豆腐に等しいわ!」

 

そう言って両勢力が睨み合いをしつづけていると校舎の方から数名の生徒が歩いてきた

 

ソーナ「リアス、一体何の騒ぎですか?」

 

リアス「丁度いいわソーナ、禍の団(カオスブリゲード)の勢力員と思しき者が攻めて来たわ!」

 

剣帝(うっわぁ…まぁた面倒が濃くなった……)

 

剣帝がそう考えながら困っているとオカルト研究部との後ろから一人の男が歩いて来た

 

アザゼル「お前ら止めとけ、お前らじゃその男にゃ勝てねぇよ」

 

リアス「あの男を知っているの?」

 

アザゼル「あぁ、アイツは何十年も前にあった大戦時に急に現れて二天龍相手を遊びながらボコボコにした怪物だ」

 

後から現れたアザゼルが生徒会メンバーとオカルト研究部の部員全員を静止した

 

一誠「本当かよドライグ!?」

 

ドライグ『あぁ、俺は白いのと共に掛かったが…ボロボロにされた』

 

リアス「何でそんな怪物が禍の団(カオスブリゲード)に…」

 

リアスやオカルト研究部の部員が困り果てていると剣帝が否定を始めた

 

剣帝「いやいや、俺等は彼処にゃ所属してないですよ?」

 

八剣「そうじゃ、誰が好きこのんであんな烏合の衆に参加するものか」

 

リアス「なっ、なら、何でこの学園で暴れていたのかしら?」

 

リアスが剣帝に向けて疑問を投げ掛けると剣帝は一誠を指差しながら答えた

 

剣帝「だって、一誠君が追い掛け回してきた挙句攻撃して来たんですもん」

 

一誠「あんなに魔力垂れ流した状態で校門前に立ってたら誰だって疑うぞ!」

 

剣帝の発言に対して一誠は怒りを交えたように怒鳴った

 

剣帝(まぁ…それもそうかもなぁ)

 

アザゼル「取り敢えず、アンタが何しに来たか聴かせてくれるか?」

 

剣帝「えっ、あっ、はい、良いですよ」

 

剣帝が考え事をしているとアザゼルの提案に多少驚きながらも剣帝はその提案を了承し、剣帝とアザゼル含めたオカルト研究部の部員と生徒会メンバーはオカルト研究部の部室へと歩いて行った




無名「はいよー、毎度おなじみの無名さんだぜ、さて、今回の話からはもうあらすじ無くすそうだ、何でも忙しいから書けないんだとよー、つう訳で話の内容がわからないって人は前の話とか見てきてくれよー?」


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第五十三話「大紅龍ちゃん大勝利」

あらすじ

自分の関わりのあった者達の記憶を全て消した剣帝、そして、自分が居た痕跡を完全に消すために駒王学園へと降り立った、その時を一誠に見られ後ろから追い掛けられてしまい、戦闘に入ったがやはり封印が解けた剣帝に勝てる訳も無くズタズタにされかけたところでアザゼルが間に入り剣帝はオカ研の部室へと向かった

――――――――――――――――――――――――――

~駒王学園:オカルト研究部部室~

 

アザゼル「で、何で俺以外がアンタの事忘れてんだ?」

 

剣帝「理由は簡単です。単に俺がそろそろこの辺りから去るから全員の記憶を消させたんです」

 

剣帝とアザゼルは机を挟んでソファに座り、アザゼル以外は警戒するように剣帝から少し離れた位置から剣帝を睨み付けている

 

八剣《周りの連中の視線が不愉快じゃ、剣帝様を睨みよって…殺してくる》

 

剣帝《止めろ八剣、それを俺は望まない》

 

八剣が周りに居るメンバー達に斬りかかろうとするが剣帝に静止された事により大人しく止まった

 

アザゼル「さて…早速だが質問しても良いか?」

 

剣帝「えぇ、答えられる範囲なら」

 

アザゼル「なら、単刀直入に聴くぜ?お前は何者だ?」

 

アザゼルが真剣な顔付きで剣帝に質問をすると剣帝の顔付きがヘラヘラとした物から真面目な物に代わった

 

剣帝「お答え出来ません」

 

アザゼル「なら、アンタが本来住んでたのは何処だ?」

 

剣帝「お答え出来ません」

 

剣帝が質問に黙秘権を行使していると徐々に場の空気が悪くなって行き

 

アザゼル「なら、アンタの本当の力はどれ位だ?」

 

剣帝「お答え出来ません」

 

一誠「オイッ、テメェ!さっきから答えられないばっかり言ってんじゃ……」

 

剣帝の黙秘に対して痺れを切らした一誠が剣帝に向けて文句を言った次の瞬間、剣帝の体から八剣がが現れ一誠の近くに移動し刀を振り、一誠の首を少し切った

 

八剣「剣帝様の発言に文句を飛ばすで無いわ、小童風情が」

 

剣帝「八剣、止めろ」

 

剣帝が八剣に対して睨むような目付きで注意をした。すると、八剣は苛々しながらも刀を消し剣帝の側に戻った

 

アザゼル「なら、最後の質問だ、何で俺以外の記憶を消した?」

 

剣帝「それにはお答えしましょう、理由は簡単です。俺がそろそろこの街から居なくなるので皆には俺の存在を忘れて貰うつもりでした」

 

アザゼル「つもり、って事は予定が変わったのか」

 

剣帝はアザゼルの質問に対して簡単な答えを言い、そのまま言葉続けた

 

 

剣帝「えぇ、予定が狂ったんですよ。貴方の所に居る大紅龍のお陰でね」

 

アザゼル「……なるほどな……」

 

剣帝がアザゼルを指差しながら問に対しての答えを言うと、アザゼルは納得した面持ちになった

 

一誠「大紅龍ってなんだよ、アザゼル」

 

アザゼル「聞くな!というか、その名前を出すな!出したりしたら」

 

??「呼びましたか?アザゼル」

 

アザゼルが怯えた様に一誠に文句を言っているとアザゼルの真後ろに真紅の髪をした綺麗な女性が現れた

 

アザゼル「だ…大紅龍…」

 

大紅龍「はい、何でしょうか?アザゼル」

 

アザゼルは真紅の髪の女性、大紅龍の声に反応してか後ろを振り向くと口を引きつらせながら大紅龍を見た、そして、アザゼルに見られると大紅龍は嬉しそうな表情でアザゼルを見つめていた

 

剣帝「いやぁ、仲睦まじい夫婦ですねぇ?アザゼルさん」

 

アザゼル「テメェそれは嫌味か?」

 

剣帝「いえいえー、単純なまでの見た感想ですよぉ?」

 

剣帝はニヤニヤとした表情でアザゼルをおちょくる様に喋り、アザゼルもそれに対して怒りを顕にしたような表情で文句を言った

 

剣帝「なぁ、八剣、天翔、あの二人仲睦まじい夫婦だよな?」

 

八剣「そうじゃなぁ、長年連れ添った夫婦の様じゃ」

 

天翔「確かにそうで御座るな、あれ程仲睦まじい夫婦はそうそう居ないと思いまするぞ」

 

剣帝が自分の後ろに居る八剣と天翔を見ながら意見を聞くと二人も剣帝の意見に便乗してニヤニヤしながら意見を言った

 

アザゼル「テメェ等なぁ…おちょくる為に残したんならそう言いやがれ!」

 

剣帝「いやいや、残したのは真面目にわざとじゃない、てか、残された理由はそこの大紅龍ちゃんが居るからですって、なぁ?八剣」

 

八剣「まぁのぉ、そこに座って居るアザゼルとやらに手出しをすれば妾が殺されかねんからの」

 

剣帝と八剣は困り果てたような表情を浮かべ手を頭の横で上向きに手を開きながら首を横に振った

 

アザゼル「マジかよ…」

 

アザゼルが再度後ろを振り向くとまた大紅龍は嬉しそうに笑顔をアザゼルに向けている

 

剣帝「あぁ、そういえば俺がここに来た理由は二つあります。一つはアザゼルさん、貴方の記憶を消す為…でしたが。どうにも無理そうなので、もう一つの方だけやりますかね」

 

アザゼル「まぁ、俺の記憶が消せない理由はもうわかった、それでもう一つの目的ってのは何なんだ?」

 

アザゼルがまた剣帝に向けて疑問を投げ掛けると剣帝はソーナを指差して

 

剣帝「ソーナ様、俺は貴女の持っている仮面ライダーの変身道具の回収が目的です」

 

ソーナ「嫌です!これは邪神様から頂いた大切な品!絶対に渡しません!」

 

ソーナは剣帝の発言に驚きを顕にしてから部屋の鏡に自分の体とカードバインダーをかざして白い騎士のような姿に変身した

 

剣帝「そうなると思ってましたよ……なので」

 

ソーナが変身した事を確認すると剣帝もカードバインダーを取り出し、剣帝は緑の重戦士のような姿に変身した

 

剣帝「強奪させて頂きます」

 

ソーナ「渡しはしません!」

 

ソーナと剣帝は同時に別々の鏡や窓から鏡世界へと突入し、互いにソードベントとシュートベントを発動して交戦状態に入った




無名「おーいすー、毎度おなじみの無名さんだぜ、いやー、前回はあらすじが無くなったって言ったな、悪い、ありゃ間違いだったわ、今回は有りみたいだったわ、まぁ、多分だが次回からはもうないと思うからよ、悪いが前の話の流れとか知りたい人はきっちりと読んでくれよ、じゃあな!」


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第五十四話「鏡の中の大戦闘」

~駒王学園:ミラーワールド~

 

剣帝とソーナは睨み合いを続けるように武器を構えたまま膠着していた、が、それに耐えられなかったのか剣帝が大砲のトリガーに指を掛け

 

剣帝「スミマセンが急いでいるのでね……速攻で潰させていただきます」

 

ソーナ「お姉様の従者だったそうですが。貴方の様な得体の知れない男性に私は負けません」

 

剣帝とソーナは互いに横方向に向かって走り始め、剣帝は手に持っている大砲の重さを感じさせない程軽快な足取りで走ってソーナと並走し続けながら砲弾を発射していた

 

ソーナ(何なの…この男は何故あんな武装をしていながら私の互角の速度で走れるの)

 

剣帝「………面倒だなぁ」

 

剣帝は一旦走ることを辞めて止まり首を左右に傾け、コキコキと鳴らした、そして、その後にまた動き始めたが、今度はさっきまでの数段速く動き始めた

 

ソーナ「えっ?な、何が起きて、キャァ!」

 

剣帝「どうしました?鈍いですよ」

 

剣帝はソーナを背後を取りつつ一切近付く事無く遠距離からひたすらに手に持っている大砲でソーナを撃ち続ける

 

ソーナ「私は…負けられないんです!!」

 

ソーナがカードバックルから白鳥の絵が描かれたカードを取り出すと腰に付けた剣の様な物の柄を引っ張り鍔の部分を開き、そこにカードを入れて鍔を閉じた

 

《アドベント》

 

音声が鳴り響くと窓を突き破ってカードに描かれていた機械的な姿の白鳥が飛び込んで来た

 

剣帝「ふぅーん、そう来ますか」

 

ソーナ「これで貴方を倒しま…え?」

 

ソーナが白鳥を一旦見てから剣帝の方を向き直ると剣帝はカードバックルに描かれている牛の模様と同じ模様が描かれたカードを取り出し、それを腰に付けていた小銃のカートリッジを開きそこに入れ、カートリッジを閉じた

 

《ファイナルベント》

 

音声が鳴り響くと今度は剣帝の目の前に機械的な姿の牛のような頭部をした緑色の巨人が現れた

 

剣帝「これで終わりです」

 

剣帝が緑色の巨人の背部にある窪みに持っている小銃を差し込むと緑色の巨人は胸部を開き、両腕を前に向け更に脚部から2本の大砲が現れ頭部にも一本の大砲の様な物が現れた

 

剣帝「エンド・オブ・ワールド」

 

剣帝が小銃のトリガーを引くと次の瞬間、緑色の巨人の脚部からはレーザー、胸部からは大量のミサイル、頭部からもレーザー、右手からはガトリング弾、左手からは先程まで剣帝が放っていたものと同じ砲弾が連射された

 

ソーナ「キャァァァ!」

 

剣帝「フィー」

 

突如発動したファイナルベントに対してソーナは慌てたのか動作が遅れてしまい、ほぼ全弾命中してしまった

 

剣帝「これで理解出来ましたか?俺と貴方では力の差と言うものが有るんです」

 

ソーナ「そうだとしても…私は、キャッ!」

 

剣帝「グダグダ言ってないで戻りますよ」

 

剣帝はソーナを軽々と持ち上げ脇に抱えながらミラーワールドから出て来た

 

~駒王学園:オカルト研究部の部屋~

 

剣帝「これで俺の勝ちですね」

 

リアス「ソーナ!」

 

剣帝がミラーワールドから帰ってくると同時に変身が解けたソーナを床に寝かせるとリアスが急いで駆け寄って来た

 

剣帝「さてと、これは頂いていきますね……離して下さりませんかね?」

 

リアス「嫌よ、これはソーナが大切にしている物、貴方なんかには」

 

剣帝「離せよ」

 

剣帝がソーナが腰に付けている変身ベルトとカードバインダーを手に掴み自分の方へ引き戻そうとしているとリアスがその手を横から掴み持ち去られる事を防ごうとしていた、だが、その行為が剣帝の怒りを誘ってしまい、怒気だけで部屋の中か振動し窓などのガラスが一斉に割れ始めた

 

リアス「嫌よ!絶対に」

 

剣帝「離せって言ってんだろうがよぉ」

 

剣帝はイライラしながら掴まれていない右手に魔力を集中させて焔の球を創り出し、それに力を注ぎながらある程度の大きさで留めていた

 

剣帝「離せって言ってるんだよなぁ、離せの意味、Do you understand?」

 

剣帝は右手に溜め込んだ炎球を下に落とそうと手を傾け始めた、がその手は突如何者かに掴まれた

 

??「窃盗の現行犯で逮捕だ」

 

剣帝「誰だ…お前」

 

剣帝は怒りを込めたような目で腕を掴んだ相手を見据えていた

 

ドギー「私か……私はドギー・クルーガー。神王警備部門最高管理者だ」

 

剣帝「神王……夜鴉様の配下か」

 

剣帝は神王という単語に反応して怒りを抑え始めた

 

ドギー「その変身用アイテムは早めに離した方が良いぞ。そろそろ時間になるからな」

 

剣帝「…………了解」

 

剣帝(時間って何の事だろうか)

 

剣帝は疑問を抱きつつ渋々ソーナの腰を付けられていた変身道具一式から手を離した

 

ドギー「それは神の呪いが付いていてな。所有者以外が長時間手にしていると呪われてそこに閉じ込められると言う一品だから危なかったな。カードにならなくて良かった良かった」

 

剣帝「夜鴉様、なんつぅ面倒な事を」

 

剣帝はブンブンと手を払いながら手を引いた、その間もリアス等のオカ研メンバーは剣帝を睨んでいた

 

ドギー「そして現行犯逮捕だ。さぁ行くぞ」

 

剣帝「…………了解」

 

剣帝は手を引かれながらドギーの後ろを付いて行った

 

空間に手が現れてスーツ姿の男性が現れた

 

ドギー「おや?荻野警部どうかしたのか?」

 

荻野「いえ、あの方がお呼びだから呼びに来ただけです」

 

剣帝「…………鉄人だァァァ」

 

剣帝はスーツ姿の男、荻野警部を見て多少叫んだ

 

荻野「鉄人か………久しく呼ばれてなかったな」

 

剣帝「あっ、スミマセン」

 

剣帝は荻野警部に近づき頭を下げた

 

荻野「いや、良いんだがまぁ俺より鉄人が居るから言われてなかっただけなんだろうけどな」

 

剣帝「そうなんですかー………それで俺はどこに連れて行かれるんですか?」

 

荻野「我々の主の所に決まってるだろう?」

 

ドギー「さぁ行くぞ」

 

剣帝「了解しました。行くぞ、八剣」

 

八剣「了解じゃ、そういえば忘れるところじゃったな」

 

八剣が地面に何かしらの小瓶を投げると其処から煙が発生し、反射的に反応した大紅龍と大紅龍が口を塞いだアザゼル以外をその煙を吸い倒れた

 

剣帝「記憶消しの煙、残ってたのか」

 

八剣「まぁのぉ、さて、行くのじゃろう」

 

八剣はそう言って剣帝の体内に戻り剣帝は八剣が体内に戻った事を確認すると二人の後ろについて歩いて行った




無名「はいよー、毎度おなじみの無名さんだぜ、さて、今回の話は………剣帝は相変わらず目的の為なら女の子相手でも容赦ねぇなぁ、まぁ、盗みとか強盗行為はだめだよな!皆もするなよ!」


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第五十五話「帝王の帰還」

~神域~

 

剣帝「それで、俺はこれからどうなるんですか?」

 

ドギー「審判の間と呼ばれる場所だ、それ以上の事は俺も知らん」

 

剣帝「審判の間…つまり、俺は裁判に掛けられる訳ですか」

 

ドギー「そう言う事だな」

 

剣帝「ふむ……俺はどんな罪になりますかね?」

 

剣帝はゆっくりとドギーの話を聞きながら前方に伸びている廊下を歩き進めていく

 

ドギー「さぁな。だが最悪極刑も考えておくといい」

 

剣帝「極刑……あの娘を残しては死ねない…」

 

剣帝はドギーに極刑と言われた瞬間顔を真っ青にしてから暗くした

 

ドギー「まぁ裁判長の気分一つで決まってしまうからな」

 

剣帝「そうなんですか……」

 

ドギー「ああ、主の食べたパンの屑を拾ったと言うだけで極刑になったり主に怪我を負わせたのに無罪放免とかな」

 

剣帝「ま、マジですか……」

 

剣帝は困惑した様子を隠せずにいる

 

ドギー「何がアウトで何がセーフなのかは俺達も解らん」

 

剣帝「そ、そうなんですか…あっ、そろそろ着く」

 

ドギー「………グットラック」

 

剣帝「………はい」

 

剣帝が暗い顔のまままっすぐ進むとそこには大きな裁判所が広がっていた

 

???「やぁやぁ。初めまして犯罪者君」

 

剣帝「…………始めまして」

 

クロウ「私はクロウと呼ばれてる公平な裁判長だよ」

 

夜鴉と瓜二つの男が高い位置に椅子にふんぞり返っていた

 

剣帝「あっ…はい…」

 

剣帝はクロウの様子を見ながら周りの様子を確認した

 

周囲は壁と天井、床等全て真っ白で構成させた裁判所が創られていた

 

剣帝「それで、俺の罪はどうなりますかね?」

 

クロウ「う~んう~んちょっと待ってね」

 

剣帝「了解しました」

 

剣帝はゆっくりと罪の宣告を待っている

 

剣帝(さて、どうなるかな)

 

クロウ「もしもし~、うん俺俺。そうそう息子のたかしだよ~。いや~ちょっと仕事でへましちゃってさぁ」

 

剣帝(ん?誰への電話だろうか)

 

クロウ「そうそう。至急500万必要なんだよ~。かぁちゃん息子を助けると思って振り込んでくれよ~」

 

剣帝(振り込め詐欺!?)

 

剣帝はこっそりとクロウの電話が終わる寸前に心の中でツッコミを入れていた

 

クロウ「うん、うん。ありがとうかぁちゃん」

 

剣帝「終わったみたいですね」

 

クロウ「よし、詐欺成功したし無罪で!」

 

剣帝「えっ、あっ、有難う、御座います」

 

クロウ「いや~、成功しなかったら極刑のつもりだったけどまぁ成功したし大丈夫だよ」

 

剣帝「怖えぇ!!あっぶな!それじゃ、俺は俺が元居るべき家に帰ります。宜しいですよね?」

 

クロウ「ん~、一応主に連絡は入れてるから此処でて左に曲がって一光年先に戻れる場所があるから帰った帰った。あ、出てから決して振り返ったり自力でドアを開けたりしたら駄目だからね」

 

剣帝「了解しました」

 

クロウの話を聞いた剣帝はもと来た道へクルリと体を反転させて歩き始めた

 

剣帝「道が長い!走ったら一時間も要らない可能性あるけど」

 

剣帝は屈伸や前屈等の準備運動を始めた

 

クロウ「早く行ってくれ。私はこれから女の子をナンパしたり色々やらないといけないことがあるんだ」

 

剣帝「あっ、はい!」

 

剣帝はクラウチングスタートで走り出し、すぐに姿が見えなくなった

 

クロウ「………これで良いんだよね。主様」

 

夜鴉「あはは。お前にしてはよくやったよじゃ、俺はゴールに居なきゃだからバイバイ~」

 

剣帝(ようやく帰れる!あの娘の元へ!俺の愛しい愛する嫁の、妹紅の元へ帰れる!)

 

剣帝はルンルン気分で全速力で廊下を走り抜けて行った

 

夜鴉「おっせーよ、次からは三十分で来い」

 

剣帝「スミマセン、愛する嫁に久し振りに和える気分だったのでつい速度に気がいかずに遅れました」

 

夜鴉「仕方無いな。んじゃ、入れよ」

 

目の前の扉を開けて剣帝を押し込んだ

 

剣帝「はいなって、んぎゃっ」

 

剣帝は押し込まれると少しの痛みを感じつつも笑顔で入った

 

夜鴉「クックックッ。お前の嫁達の居る家に帰れよ。あっはっはっは!」

 

剣帝(ん?嫁''達''?複数形……ってまさか!?)

 

剣帝は一つの疑惑を抱きつつ自分が元々住んでいる本来の自宅へと帰って行った

 

~剣帝の自宅:剣帝の部屋~

 

剣帝「……ただいま~……」

 

剣帝は空間に空いた穴からこっそりと自分の部屋の中に入り込んだ

 

剣帝「えーっとぉ…誰も…居な」

 

??「お帰りなさいませ、剣帝御兄様」

 

剣帝「シィーッ、静かにしろ剣狼」

 

剣帝がコソコソと部屋の中に入って行くと、突然剣帝の傍らに紫色の髪色をした長髪の人狼の少女、妖悪剣狼が現れた

 

剣狼「静かに…ですか。何故ですか?」

 

剣帝「いやー、ちょっと妹紅に勘付かれると………さ…」

 

剣狼「もう手遅れですわね」

 

剣帝が屈んで剣狼に命令をしていると剣帝が現れた穴が閉じ、穴が空いていた位置に白髪長髪の写真の少女、藤原妹紅が立っていた

 

妹紅「わたしに勘付かれると…何か問題でもあるのか?剣帝」

 

剣帝「あっ…いや…えっと……ただいま~」

 

妹紅「お帰りなさい、剣帝」

 

剣帝「……………」

 

妹紅「……………」

 

剣帝が背中に大量の冷汗を掻きながら後ろを振り返ると妹紅はニッコリとした恐ろしい程の笑顔を浮かべていた、そして、二人の間にヒヤリとした空気が流れていく

 

剣帝「……………ご」

 

妹紅「ご?」

 

剣帝「ゴメンナサイ、許して下さい!」

 

妹紅「何を許して欲しいんだ?剣帝」

 

剣帝は屈んだ体制が飛び上がり必死に土下座をして妹紅に謝り始めたが、妹紅はニコニコとした笑顔を浮かべ続けていた

 

剣帝「あっ…えっと………」

 

妹紅「……はぁ、取り敢えずリビングに来てくれるか?剣帝」

 

剣帝「はい…」

 

剣帝は妹紅に命令されるとモゾリと動いて立ち上がってゆっくりと妹紅の後ろに付いて行き、木造の廊下を軋ませながらリビングに歩いて行った、そして、リビングに着くとそこには黒髪のツインテールの見覚えのある後ろ姿があった

 

剣帝「………やっぱり」

 

セラ「あー、やっと来たんだね、剣帝君」

 

剣帝「何でここに貴方が居るんですか?セラフォルー様」

 

セラ「えーっとねぇ、剣帝君のお友達の神様のあの人に連れて来て貰ったの」

 

剣帝「………あぁ、あの方のあの言葉の意味はこういう事か」

 

剣帝は夜鴉が言っていた言葉を思い出しながら頭痛に悩んでいた

 

剣帝「それで、何でこっちに来たんです?セラフォルー様」

 

セラ「えっ?何でって剣帝君から離れたくなかったから」

 

剣帝「……見ての通り俺には奥さんが……」

 

剣帝はセラフォルーに喋りかけている途中で黙り込み、顔を俯け、リビングから出ていこうとした

 

セラ「どこに行くの?剣帝君」

 

剣帝「ちょっと、夜風に当たってきます」

 

剣帝は暗い顔のままリビングから出て行った、そして、それをセラフォルーが引き留めようと手を伸ばすが、剣帝がリビングから出て行った瞬間に剣帝は家の中から消えていた

 

セラ「あ、あれ?剣帝君は?」

 

妹紅「剣帝なら外に行ったわ………」

 

剣帝が消えた後、妹紅は俯き、セラフォルーは頭に疑問符を浮かべていた

 

~幻想郷:迷いの竹林~

 

剣帝「ゴメンな、妹紅…」

 

剣帝は月が夜空に輝く竹林にある家の縁側に座り込み、涙を流していた




無名「はいよー、毎度おなじみの無名さんだぜて、今回の話でようやくあの阿呆が帰ってきたみたいだが……相変わらず阿呆臭い真似ばっかりしてんなぁ、まっ、あのボケナスのやる事なんざ興味はほとほと無いけどな、さて、そんじゃ、また次回な、じゃな!」


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第五十六話「仲睦まじき不死夫婦」

~幻想郷:迷いの竹林~

 

剣帝「はぁ……」

 

黒影「ヒヒャヒャ、どうしたぁ?そんなに落ち込んだりしてよぉ」

 

剣帝「……お前なら理由も原因も分かってるだろうが」

 

黒影「知らねぇなぁー?」

 

剣帝が近くの竹にもたれ掛かりつつ下を俯きながら溜息を付いていると剣帝の影から黒影の声が聞こえてきた、そして、剣帝は黒影の言葉に苛立ちを見せている

 

剣帝「テメェなぁ……んっ?」

 

セラ「剣帝く〜ん、何処に…あっ、居た!」

 

剣帝「…………何の御用です?セラフォルー様」

 

セラ「剣帝君が出て行ってから十分以上経ったのに戻って来ないから迎えに来たの、帰ろ?剣帝君」

 

剣帝「………いえ、もう少し一人になりたいので俺はまだ帰りません」

 

セラ「えー!何でそんな事言うの~?」

 

剣帝「いや…何だか気分が落ち込んでいるので…」

 

セラ「なら、気分転換にワタシと話そう?ねっ?」

 

剣帝「そういう気分でもないので……失礼します」

 

セラ「えっ、あっ、ちょっと、待って、キャッ!」

 

竹にもたれ掛かって居るとセラフォルーが竹林の中を歩いてやってきて、剣帝を自宅へ連れ戻そうとしたが、剣帝は上空高くにたった一回のジャンプで飛び上がり竹林から出て行った

 

セラ「何…あの身体能力…」

 

妹紅「何って、アレが剣帝本来の身体能力だ」

 

セラ「嘘っ!剣帝君がワタシのクィーンをやってた時はあんな事出来なかったもん!」

 

妹紅「そりゃあそうだ、剣帝はそっちの世界に行ってた時は身体能力とかガタ落ちだったろうしな」

 

セラフォルーが剣帝の飛び抜けた身体能力に驚いていると後ろから妹紅が現れ、淡々と剣帝について話始めた、そんな妹紅の話を聴き続けるにつれてセラフォルーの表情は不貞腐れていき

 

セラ「随分と剣帝君の事に詳しいんだね」

 

妹紅「まぁ、仮にも剣帝の奥さんだからな」

 

セラ「わ、ワタシもお嫁さんになるもん!向こうの世界でも何回も好きって言ってくれたし!告白もしてくれたもん!」

 

妹紅「その時の剣帝の髪色は何色だった?その告白の言葉はどんな言葉だった?」

 

セラ「えっと…髪色はね……たしか半分黒色だったかな、それで告白の言葉は…月が綺麗ですねって…」

 

妹紅「……あぁ、それは剣帝ではなく剣帝の中に居る黒影が言ってたな」

 

セラ「何でそんな事が分かるの!?」

 

妹紅「髪が半分黒色って事は黒影が表に出てきている証拠だし、剣帝の告白の言葉はその言葉とは全く違ったから」

 

セラ「むぅ~!」

 

妹紅がセラフォルーの聞いた告白の言葉や剣帝の姿を聞くだけで剣帝の状態をはっきりと言い当て、更に、剣帝に告白されたと言う事すらも否定されてセラフォルーは涙目になりながら膨れていた

 

~その頃の剣帝:謎の森~

 

剣帝「やっちゃったなぁ…」

 

黒影「ヒヒャヒャ、そうだなぁ、やっちまったなぁ、まさかセラ相手に逃げたりしてよぉ」

 

剣帝「…まっ、やっちゃった事は仕方ないし…今居る場所が丁度森だから、やるべき事を片付ける、かっ!」

 

黒影「うげっ!」

 

剣帝は天高くジャンプしてから迷いの竹林から少し離れた位置にある森の中に降り立っていた、そして、剣帝は自分の影の中でうだうだ言ってくる黒影に狙いを定めると自分の影に手を突っ込み黒影を引っ張りだした

 

剣帝「テメェのせいで色々面倒な事が起きてんだよ、どうしてくれんだ」

 

黒影「グフッ……だがよぉ、元はと言えばお前さんが異世界に行って、セラにお節介焼いたのが原因じゃあねぇのかぁ?」

 

剣帝「まぁ、確かにそうだ…だが、セラフォルー様とそういう関係を築いたのはテメェだろう?」

 

黒影「うるせぇ…なぁ、俺様は単に、お前が妹紅ちゃんから離れて性欲を溜め込んで、それがウゼェから発散してやった、だけだろうが!」

 

剣帝は引っ張り出した黒影を近くの木に押し付けると、そのまま首を木に押さえ付けた、そして、二人はそのまま喋り合う

 

剣帝「まぁ、確かに溜まっている自覚はあった、だが、精々一年程度じゃあ、俺も抑える事は可能だ」

 

黒影「そうだろうなぁ、テメェは自分の心や感情をある程度抑えたりする事が出来るもんなぁ、でも、それはあくまでも表面上だ、心理の部分に居たりする俺からしたら普通に見えるし、ウザかったんだよ!」

 

剣帝「あーそーかい……まぁ、起きちまってるものは仕方ないし、あんまり遅過ぎるとまずい気もするから帰るとするか」

 

黒影「ガハッ、ガハッ…ふぃー、やっと自由だ」

 

剣帝「ほれ、帰るぞ」

 

黒影「あいーあい」

 

剣帝は黒影が自分の影に溶けて戻ると真正面の空間に黒い穴のようなものを開き、そこに入って行った

 

~剣帝の自宅:剣帝の部屋~

 

剣帝「今度こそ…誰も居ないな」

 

剣帝は先程自分の目の前に開いた黒い穴のようなものから首だけ出すと部屋の中を確認し、誰も居ない事を確認すると安心して自分の部屋の中に入った

 

剣帝「さて…今日は疲れたし寝るかな」

 

黒影「そんじゃ、俺様も俺様の部屋に帰るとするわ、そんじゃなー」

 

剣帝「おう、お休み」

 

黒影「お休みーっと」

 

部屋に入り剣帝がベットで横になると黒影はまた実体化して、剣帝が開いていた黒い穴のようなものに入って部屋から出て行った

 

剣帝「………さて、寝るか」

 

剣帝は、掛け布団に包まると死んだように眠り始めていた

 

 

~剣帝が寝てから数分後~

 

剣帝の部屋の扉が静かに開き、何者かが部屋の中に侵入して、剣帝の寝ているベットに潜りこんだ

 

剣帝「んんっ……?」

 

妹紅「剣帝……」

 

剣帝「妹紅か…どうした?俺みたいな浮気者の布団に潜り込んだりして」

 

妹紅「剣帝は浮気なんてしてないでしょう?」

 

剣帝「…………」

 

妹紅「だって、剣帝は向こうの世界でもずっと肌身離さずわたしの写真を持っていてくれたでしょう?」

 

剣帝「………あぁ」

 

妹紅「それに、剣帝の手の甲に刻まれている証が消えて無いし、それにセラフォルーさんを誑かしたのは黒影でしょ?」

 

妹紅は剣帝の右手を布団の中から引っ張り出すと手の甲に刻まれている尻尾を噛もうとしている翼の生えた蛇とそれに囲まれる様にある六芒星その中にある炎の紋様をみて安心した顔を浮かべた

 

剣帝「……………」

 

妹紅「剣帝はいつも言ってるものね、沈黙は是なり、つまり、否定してないのよね」

 

剣帝「だが、俺の身体が浮気じみたことをしていたのは紛れもない事実だ」

 

妹紅「大丈夫、剣帝の心は、剣帝自身はそんな事して無いってわたしは知ってるもの」

 

剣帝「俺を…許してくれるのか?」

 

妹紅「許す許さないじゃなくて、わたしは元々から怒ってないわ、だから、泣かないで?剣帝」

 

剣帝「あぁ…すまない……」

 

剣帝は手で自分の顔を覆いながら涙を流し始めていた、そして、剣帝が涙を流すと同時に剣帝の体に異変が起き、剣帝の側頭部に左右対称に龍の角が生えた

 

剣帝(ヤバイ!安心したせいで龍の部分が……今の季節は秋か!ちぃ、発情期真っ只中じゃねぇか!)

 

剣帝は涙を流している最中に思考をめぐらせ、カレンダーを確認した、すると、そこには10月と大きく書かれていた

 

妹紅「どうしたの?剣帝、目が怖いわよ?」

 

剣帝「いや…あの…えっと…」

 

妹紅「もしかして、発情期?」

 

剣帝「えっと…うん」

 

妹紅「そっか……良いわよ、わたしで発散しても…」

 

剣帝「いや、でも…」

 

妹紅「大丈夫、わたしなら平気だから、ね?」

 

剣帝「うぅっ、あぁ、ガアァァ!!」

 

剣帝は妹紅に誘われると我慢の限界が来たのか妹紅を襲い始め、自分の内に渦巻く獣欲のままに妹紅と体を重ね、交わった

 

〈そして、忘れられていたのか天翔が二匹の犬を連れて剣帝の自宅に帰ってきたは剣帝が妹紅と交わり始めてから三時間経過した後だったそうだ〉




無名「オイーっす、俺こと無名さんだぜー、今回の話は………あめ、何というか色々と言いたくないな、面倒だし、という訳で俺は寝る!次回からは後書きクソ主にパスだ!それじゃ!次回もお楽しみにな!」


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第五十七話「小さき王とその秘密」

~剣帝が自分の本来の家に帰った翌日~

 

剣帝「んぅ……ふぁーぁ…昨日はヤリ過ぎ…た…な…」

 

剣帝が目を覚ますと自分の体に違和感を覚えた、それもその筈、剣帝の姿が昨日とは違って赤髪の身長140程の子供の姿になっているからだ

 

剣帝「…………ヤベェなぁ」

 

妹紅「んんっ……どうしたの?剣帝」

 

剣帝「あぁ、お早う妹紅、今晩はどうやら新月みたいだ」

 

妹紅「………みたいね」

 

剣帝が自分の体の変化に困っていると裸の姿に掛け布団を体に被った妹紅も目を覚まし、剣帝の姿を見た、すると、妹紅はすぐに剣帝の状態と原因を把握した

 

剣帝「………取り敢えず、妹紅…悪いんだが血を…んっ?」

 

セラ「おっはよー!剣帝…君?……アレ?剣帝君は?」

 

剣帝「……朝っぱらからお元気ですね。セラフォルー様」

 

セラ「えーっとぉ…君は誰?」

 

剣帝が自分の口の中にある一対の牙を鋭く輝かせながら妹紅に噛み付こうとしていると扉が勢い良く開かれてセラフォルーが入って来た

 

剣帝「俺は剣帝ですよ」

 

セラ「へぇ~、君も剣帝って名前なんだね、ところで、君と同じ名前で君よりもずっと身長の高い赤髪の男の人を知らない?」

 

剣帝「ですから、俺がその剣帝です。今日は新月ですので元々が人間である俺は新月の時だけは力が著しく弱くなるんです」

 

セラ「それって……本当?」

 

剣帝「本当です」

 

セラフォルーは子供になった剣帝に疑いの目を向けつつ本当に剣帝か確認しようと剣帝に近付いてくる

 

セラ「何だか嘘っぽい」

 

剣帝「なら、本来の姿に戻るので少々お待ちを……あぁ、目を逸らして下さりますか?」

 

セラ「えっ?何で?」

 

剣帝「見られていると……少し…」

 

剣帝はセラフォルーから目を逸らして横に居る妹紅の首筋を見ている

 

セラ「少し、何?」

 

剣帝「いいから向こうを見ていてください!」

 

セラ「仕方無いなぁ……」

 

セラフォルーは渋々剣帝達の居る方向から顔を背けて別の方向を向く、フリをしながら剣帝達の居る方向をコッソリと見ていた

 

剣帝「妹紅…悪いが」

 

妹紅「大丈夫だ、速くしろ」

 

剣帝「あぁ、それじゃあちょいと失礼をして」

 

妹紅「んっ…」

 

セラフォルーが目を背けているふりをし始めるとすぐに剣帝は妹紅の首に顔を近づけて妹紅の血を吸い始めた、すると、剣帝の身体が徐々に大人の姿に戻っていく

 

セラ「えっ!?何をしてるの?剣帝君」

 

剣帝「…………俺は目を逸らして下さりますかと言いましたよね?」

 

セラ「う………だって、気になるんだもん!」

 

剣帝「はぁ、見られたのなら仕方が無い……俺は妹紅の血を飲ませて貰ってたんですよ」

 

セラ「へ、へぇ~、そうなんだ……それってワタシの血じゃ駄目なの?」

 

剣帝「駄目ではないと思います」

 

セラ「それじゃあ、はい、吸ってみて?」

 

セラフォルーは剣帝が妹紅の血を飲んでいたと聞くとセラフォルーは剣帝に自分の首筋を見せた、が、剣帝は興味が無さそうな顔をしている

 

セラ「………何で吸おうとしないの?」

 

剣帝「いや、俺は妹紅の血が吸いたいのでセラ様の血は別に…」

 

セラ「何でわたしは別にで妹紅ちゃんのは吸いたくなるの!?」

 

剣帝「だって、妹紅は俺の奥さんですし。まず根本的に俺にとって口から吸う吸血って結婚のキスとあんまり変わりませんからそんなにホイホイとは出来ませんし」

 

剣帝が淡々とセラフォルーから血を吸わない理由を話すとセラフォルーの眼には涙が溢れ始め

 

セラ「剣帝君…こっちに来てからわたしに優しくしてくれなくなった……あっちではあんなにたくさん襲ってきたのに」

 

剣帝「えーっとぉ……俺言いませんでしたっけ?それは俺ではなく」

 

黒影「俺様がやってた事だぜ」

 

剣帝が喋っているとベッドに座っている剣帝の影がザワザワと蠢き、その影から剣帝にそっくりの姿で黒髪で右目から体全体に掛けて入れ墨のような黒い文様が入った男、黒影が出て来た

 

セラ「剣帝君が……二人?」

 

黒影「あり?そこだけ記憶が飛んでんのか?それとも自分に有利なように改変でもされてんのかねぇ?」

 

剣帝「その辺りはどうとも言えないな……取り敢えずセラ様の相手宜しくな、黒」

 

黒影「あーいあい、好きにヤラせて貰うとするわ」

 

黒影はセラフォルーに近付くと片腕で軽々とセラフォルーを持ち上げて剣帝の寝室から出て行った

 

妹紅「剣帝、さっきのはちょっと冷たかったんじゃないの?」

 

剣帝「そうかも知れんな…だが、妹紅も目の前で浮気紛いの事はされたく無いだろう?」

 

妹紅「まぁ、そうだけど…それでもちょっと可哀想かなって思ったわ」

 

剣帝「まぁ、本来こっちに連れてくる気はなかったしなぁ…まっ、元々セラ様の相手は黒影がやってたし、多分どうにかなるだろう」

 

剣帝が妹紅と並んで座って話していると寝室の扉がノックされた

 

剣帝「誰だ?」

 

天翔「拙者で御座る、殿」

 

剣帝「なんだ、天翔か、何の用だ?」

 

天翔「殿があちらの世界で飼われて居た二匹の犬を連れて参りましたので、処遇を聞きに参りました」

 

剣帝「だからお前だけ遅かったのか……んー、そうだなぁ、犬菜は剣狼の所に連れて行け、んで、狗丸は後で俺が店に居るだろう仁君の所に連れて行くから待ってろ」

 

天翔「御意」

 

剣帝が命令をすると扉の前にあった天翔の気配が消え、狗丸の気配だけ残った

 

剣帝「という訳で、スマン妹紅、ちょっと行ってくる」

 

妹紅「ワタシは平気だから速く行って来てね?」

 

剣帝「おうさ、行って来ます」

 

妹紅「んっ…行ってらっしゃい」

 

剣帝は妹紅に別れを告げてからキスをして、その後に服を瞬時に着て、寝室から出て部屋の扉の前に座っていた狗丸を拾い上げると剣帝は家から出て行った

 

~幻想郷:迷いの竹林入り口~

 

剣帝が迷いの竹林を歩いて出てくると剣帝の目の前に何か白い物と黒い物が跪いた

 

剣帝「よぉ、ルー、鼬」

 

ルー「こんにちは、剣帝様」

 

鼬「御主人がコチラに来られるのは約一週間ぶりですね」

 

剣帝「一々数えるなよ」

 

鼬「申し訳ありませんが、御主人に会えない期間を数えないと気が立ってしまいまして」

 

ルー「イヤねぇ、万年発情期の陰獣は」

 

鼬「何か言いましたか?白蜥蜴」

 

剣帝の目の前に跪いたのは髪は黒い長髪で白い短めの和服を身に纏った女性、鼬と髪は白髪短髪で体を白いビキニのようにも見える鎧に包んだ女性、ルーだった、そして、その二人は剣帝の目の前に跪いている間に互いの視線をぶつけあわせて今にも喧嘩を始めそうな気配を漂わせる

 

ルー「あーら、この獣畜生は耳まで遠くなったのかしらねぇ?何なら今すぐこのアタシが副店長の座を全部請け負ってあげましょうか?」

 

鼬「いえ、請け負っていただかなくて結構です。第一貴女の様な白い蜥蜴に任せては店の経営に関わってしまいます」

 

ルー「何ですって?」

 

鼬「何か?」

 

二人は剣帝に跪いた体制から立ち上がると互いに体ごと向き合い視線をぶつけあいながら殺気を放ち始め、二人の間からはバチバチと言う音が聞こえてきそうだ

 

ルー「やっぱり一回龍と獣の格の違いってのを思い知らせてあげないとわかんないわよね」

 

鼬「私は獣ではなく妖怪だと何度言えば理解するのでしょうかね?この蜥蜴は記憶する力すらないのでしょうか」

 

ルー「あ゛ぁ゛!?消し炭にするわよこのピーー」

 

鼬「やれるものならやってみて下さいな、この○○○!」

 

ルー「良い度胸じゃない、ふっ飛ばしてあげるわ!」

 

鼬「こちらこそバラバラに切り裂いてあげますよ!」

 

剣帝「両方止めぃ!」

 

ルーが両手を合わせてから離すとそこに紅い雷が走り、それと同時に鼬が両腕を振るうと鼬の腕から暴風が発生し、その暴風が鼬の腕を包み込んだ、そして、二人が互いの腕をぶつけ合おうとした瞬間に二人から放たれている数倍の殺気が剣帝の身体から放たれて剣帝が二人の腕を掴んで喧嘩を止めた

 

ルー&鼬『剣帝(御主人)様……』

 

剣帝「全く……お前等は何時もそうだよな、何なら今すぐお前等の役職を解雇にしてやろうか?」

 

鼬「お、お辞め下さい!」

 

ルー「ご、ゴメンナサイ!」

 

剣帝「分かればいいんだ、そういやルーよ」

 

ルー「な、何かしら?剣帝様」

 

剣帝「仁君は今は何処に居る?」

 

ルー「じ、仁君なら多分倉庫だと思うわ」

 

剣帝「ふむ、有難うな」

 

剣帝が二人に怒号を飛ばして怒ると二人は震え始めて剣帝に必死に謝った、すると、剣帝の表情がニコニコとした笑顔に変わり、剣帝は竹林の先にある建物に向かって行った




はい、どうも、うp主です。
申し訳ありませんね。何ヶ月も投稿期間開けちゃって、色々とゴタゴタが有りましてこんな時になっちゃいました。
まぁ、これからも度々上げていくと思いますのでご愛読の程お願いしますね


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第五十八話「外敵の侵略」

~迷いの竹林入口前~

 

剣帝は狗丸を両腕でお腹の前に抱きかかえながら大きな平屋のようなお店とその隣にそびえる蔵のような倉庫の前に立っていた

 

剣帝(そういえば二人に大まかな位置は教えてもらったけど細かな位置は聞いてないな……まぁいっか、こうすりゃあさ)

 

剣帝は喉の調子を確認するように「あー、あー」と言い始め、確認が終わり問題が無いと確認出来ると同時に息を軽く吸い始めて

 

剣帝「出て来やがれジン!!」

 

剣帝が短い言葉を喋ると剣帝の前方の空間がビリビリと振動した、そして、その声に呼ばれてか木緑色の作業着に身を包んだ白髪長髪で頭には鉢巻のようなものを巻き、その鉢巻の上に一対の角を頭の形に沿わせるように生やし顔の横からは獣のような耳が見える目つきの鋭い男性が倉庫の中から出て来た

 

ジン「うるせぇなぁ、何だよクソ店長」

 

剣帝「オイオイ、店長に向かってクソとはなんだクソとは」

 

ジン「仕事を良く他人に押し付けてるような店長はクソ店長だろうが、で?何の用だ?」

 

剣帝「まぁ、説教とかは面倒だからしないけどねーっと、まっ、用ってのはこの子に修行付けてやってくれないかって話をしに来た」

 

木緑色の作業着の男性、ジンと呼ばれた男性は頭をボリボリとかきながら剣帝に悪態をつきつつ近付いて来た、そして、剣帝はそれを気にも止めない様子でジンに向けて腕を伸ばし、狗丸を手渡そうとしている

 

ジン「あぁ?何で俺がこんな犬っころの相手なんざ」

 

剣帝「やってくれたらタマちゃんとまた今度3日間好きなだけデートする権利をやろう、その間は俺がお前の雑務を変わってやる」

 

ジン「…………チッ、わぁーったよ、やりゃあ良いんだろ、やりゃあよ」

 

剣帝「流石ジン君、話が分かる」

 

ジンはハァと溜め息をつきながらも狗丸を剣帝の手から受け取った

 

剣帝「さてと…俺の用事は終了っと」

 

ジン「用事はって事は、何かすんのか?」

 

剣帝「んっ?まぁ、ちょっと遊ぼうかなってね」

 

剣帝は狗丸をジンに渡すと懐をガサゴソと探り、懐の中からトランプのデッキを一つ取り出した

 

ジン「遊ぶって…よりにもよってトランプかよ、何だぁ?ポーカーでもするのか?」

 

剣帝「うん、そのつもりだよ、あぁ、ジン君は強制参加ね」

 

ジン「そんなこったろうと思ってたぜ」

 

剣帝「さぁー、そうと決まれば早速風嵐のおやっさんのところに行こーっと」

 

剣帝はトランプをシャッフルしながら倉庫に向かって歩いていった

 

~倉庫内部~

 

剣帝「よっこらせ」

 

剣帝が軽く扉を押していくと扉はギギギと重厚感のある音を奏でながらゆっくりと開いていった、そして、扉が開かれた倉庫の中には推定10mは有りそうなスペースが幾つもある鉄製の棚が奥に向かって伸びていき、その最奥には鋼色の作業着に身を包んだ銀髪で髪はオールバックにしている年配の男性が何かの箱を椅子代わりにして腰掛けていた

 

剣帝「オーイ、風嵐(かざあらし)のおやっさんやーい」

 

風嵐「おぉ、殿、今日はどの様なご用件で此方に?」

 

剣帝「ん?遊びに来た」

 

風嵐「遊びに、で御座りますか」

 

剣帝「うん、だから、一緒に遊ぼうぜ?風嵐」

 

風嵐「御意に」

 

剣帝はニコニコとした笑顔のまま倉庫の奥までズンズンと進んでいき、剣帝がある程度進むと銀髪の男性、風嵐が箱から立ち上がり剣帝を出迎えた

 

剣帝「そんじゃー、早速ポーカーを始めるとしようか」

 

ジン「三人じゃ少なくねぇか?」

 

剣帝「………それもそうだな、アイツでも呼ぶか」

 

剣帝がポーカーを始めようとしているとジンからツッコミが入れられた、すると、剣帝はジンの言葉に賛同し、懐から金のようなカラーリングのスマートフォンを取り出し、通話を始めた

 

剣帝「あー、もしもし?あぁ、うん、俺、どうせ今暇だろ?うん、今すぐ倉庫に来い、あぁ、ポーカーするんだよ、あぁ、そんじゃ早めに来いよー」

 

剣帝は通話で話し終えると通話を即座にブツリと切り、カードをシャッフルし始めた

 

ジン「誰と通話してたんだ?」

 

剣帝「ん?無名」

 

風嵐「無名殿ならば即座に来るじゃろうな」

 

剣帝「まぁ、アイツは素早いから……って話してる内に来たし」

 

無名「オイーっす、暇だから来たぜー」

 

剣帝達が楽しげに談笑していると倉庫の扉がバンと開かれ、黒髪ロングの男、無名がズカズカと入ってきた

 

剣帝「相っ変わらず乱雑だな、お前は」

 

無名「テメェにゃ言われたかねぇな、で?何時始めるんだ?」

 

剣帝「今からだよ」

 

無名「んじゃ、さっさと始めようぜ」

 

剣帝がシャッフルし終えると風嵐がさっきまで自分が腰掛けていた箱を全員の居る場所の真ん中に置いた、そして、剣帝がカードを配り始め、配り終えるとその箱の中央部にカードを置いた

 

剣帝「さぁ、誰が最初に下着になるかな?」

 

剣帝達は自分の持ち札を確認する為に自分の目の前にあるカードを手に取った

 

~十分後~

 

剣帝「さて、今回は誰が勝ってるかなー?」

 

剣帝はニヤニヤとした笑みを浮かべながらカードを眺めている、そして、剣帝の周りにはポーカーを始める前と何ら変わらない姿の無名と焦った顔をしている上半身がタンクトップのジン、服装がツナギから和服に変わっている風嵐が座っていた

 

剣帝「んじゃ、出そうか、せーの」

 

剣帝「ロイヤルストレートフラッシュ」

無名『ストレートフラッシュ』

ジン【ストレート】

風嵐〈フルハウス〉

 

無名「……………なぁ、オイッ、剣帝」

 

剣帝「何だ?無名」

 

無名「お前、確実にイカサマしてるだろ」

 

剣帝「えー、何の事だか、俺分かんないなぁー?」

 

無名「良く言うぜ、さっきからテメェ、ストレートフラッシュかロイヤルストレートフラッシュかもしくはフォーカードって、完全にイカサマ確定じゃねぇか」

 

剣帝「いやいやー、たまたま運が良かっただけだろー」

 

無名が剣帝にイカサマの有無を問いつめるが剣帝は余所見をしながら腕を組み口笛を吹いていた、そんな風なやり取りを二人がしていると倉庫の扉が勢い良く開かれた、その扉を開いたのは白いアーマーに身を包んだルーだった

 

ルー「剣帝様、外界からのお客人よ」

 

剣帝「………誰?」

 

ルー「それが不明なのよねぇー、まぁただ、この郷にとって良くないものってのは確かよ」

 

剣帝「……………マジ?」

 

ルー「大マジよ」

 

剣帝はルーから謎の敵の襲来を聞くと「マジかー」と言いながら頭を抱え始めた、そして、無名はそんな剣帝の横で嬉しそうにクスクスと笑っている

 

剣帝「無名テメェ、笑ってんじゃねぇよ」

 

無名「これが笑わずに居れるか?久し振りにウチの郷に俺等に逆らう阿呆が来たんだぜ?殺しても差し支えない連中が来たんだぜ?」

 

剣帝「その楽しそうな悪どい笑みを浮かべすぎると人里の女性たちから気味悪がられるぞ」

 

無名「おっと、ソイツはイケねぇな、そういや、オイッ、ルーちゃんよ」

 

無名が呼ぶとルーは店に戻ろうとしていたが倉庫の入り口に戻ってきて

 

ルー「何かしら?無名様」

 

無名「その阿呆共はどこから来てるんだ?」

 

ルー「妹達の報告によると、北西らしいのだけど、どうやらこの郷の各有名な場所を攻めるつもりみたいね、バラけてるわ」

 

無名「ほー、有名な場所ねぇ……剣帝、有名な場所って事は迷いの竹林や永遠亭にも当然来るだろうな」

 

剣帝「………そんじゃ、集めるとするかな」

 

剣帝は腹部に力を込めながら倉庫の外に出て行き倉庫からある程度離れると上空に向かって声を上げた

 

剣帝「死帝(してい)!剣狼(けんろう)!双月(そつげつ)!来いっ!」

 

死帝「なぁに~?剣帝兄」

 

剣狼「お呼びでしょうか?剣帝御兄様」

 

双月「双を呼びましたか?剣帝兄さん」

 

剣帝「うしっ、全員集まったな、そんじゃあ、今この郷に来てる外敵の対処の担当区域を割り振るぞー」

 

剣帝が叫び終わると同時に紫髪の獣耳の少女、剣狼と黒髪サイドテールに外見は小学生のような少女、死帝とメイド服に身を包んだ紫髪で短髪の少女、双月が上空から降りてきた、そして、剣帝は三人が集まった事を確認すると説明を始めた

 

剣帝「取り敢えず、俺は迷いの竹林担当だ、んで、死帝、お前は紅魔館な、フランちゃんと仲良いだろう?」

 

死帝「は~い」

 

剣帝「そんで剣狼、お前は妖怪の山だ、椛ちゃんに話をして天魔にでも会わせて貰え、無理そうなら最悪俺の名を出しても構わん」

 

剣狼「畏まりました」

 

剣帝「んで、双月、お前は人里及びに博麗神社だ、出来るな?」

 

双月「勿論です。双にお任せ下さい」

 

剣帝「んで、無名、テメェは残りだ」

 

無名「俺だけ重たくね?」

 

剣帝「ここで奮闘すりゃ神子ちゃんとかあり得るかもな」

 

無名「うしっ、頑張るとすっかな!」

 

剣帝「んじゃ、各自持ち場に行け、散っ!」

 

剣帝が割り振りを言い終わり散の号令と共に剣帝の目の前に居た四人は各自、言われた持ち場に移動していった




はい、最新話で御座います。
剣帝達は変わらず高性能ですねぇ。
あんなのがポンポン居たら簡単に世界は守れてしまうでしょう。
あぁ、可哀想な侵略者達


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第五十九話「各々の対応」

~Side:死帝~

 

死帝「とーちゃーく」

 

死帝は剣帝から命じられた後すぐに飛び始め、紅魔館の前まで飛び、紅魔館の前に無事に着いた

 

死帝「えーっとぉー…あっ、美鈴さん、おーきーてー!!」

 

美鈴「うぅーん……」

 

死帝はどうやって紅魔館に入ろうかと考えて周りを見回し美鈴を見付けて美鈴の腕を引っ張った

 

死帝「起きないなぁ……そーだ!…美鈴さん…美鈴さん」

 

美鈴「ふぁっ?」

 

死帝「咲夜さんが来てるよー」

 

美鈴「ふぇっ!?ね、寝てませんよ!?って、どうしたんですか?死帝さん」

 

死帝は美鈴の腕を引っ張り自分の顔の近くに美鈴の顔を近付けると美鈴の耳元で囁いた、その囁きの内容を聞いた美鈴は慌てて起きた

 

死帝「えっとねー、剣帝兄が外界から侵略者が来てて、紅魔館にも向かってるから紅魔館の方達に手伝って貰って倒して来いって言ってたから来たのー、だからー、通してくれる?」

 

美鈴「で、ですが。その様な場合であろうと門を通すにはお嬢様許可を頂かないt」

 

レミリア「良いわよ、通してあげなさい」

 

美鈴が死帝の対応でアタフタしていると紅魔館のバルコニーからレミリアの声が聞こえ、その言葉に従って美鈴は門を開けた

 

死帝「お邪魔しまーす」

 

レミリア(これで彼女の手助けをして彼女がそれを彼に伝えれば彼に恩が売れるかもしれないわ)

 

フラン「お姉様、どうしたの?」

 

レミリア「何でも無いわ、それよりも死帝さんが来てるそうだから遊んできたらどうかしら?フラン」

 

フラン「えっ!?死帝ちゃんが来てるの?」

 

レミリア「えぇ、来てるわ」

 

フラン「それじゃあ、遊んでくるねー!」

 

レミリアは悪巧みをしたような顔でバルコニーから降りてきていた、そんなレミリアの目の前に金髪の少女、妹のフランドールが偶然通りかかり、死帝が来ていると教えられるとフランドールは嬉しそうな顔で紅魔館の入り口に走っていき、レミリアはその姿を後ろから見送っていた

 

~Side:双月~

 

双月「人里は恐らく慧音さんが隠すでしょうし…ここは結界の管理役の所にでも行きますかね」

 

双月はメイド服のスカートをはためかせながら博麗神社へと飛んで向かっていた

 

双月「出て来なさい、当代の博麗の巫女!」

 

霊夢「何よ…今結界に穴を開けられてその対応に困ってるって時なのに…」

 

双月「やはり結界に穴が空いているのですね……ふむ、それならば話が早いです」

 

霊夢「何の話?」

 

双月が博麗神社に着き、鳥居の下で霊夢の名を呼ぶと奥の居住スペースから霊夢が頭を抱えてやってきた

 

双月「いえ、ただ単にこれからこの郷にやってきた侵略者を討伐するのでその際に郷が多少壊れる可能性があるので暴れる許可、及びに侵略者を討伐する手伝いを要請に来たのです」

 

霊夢「剣帝さんも動くのよね?」

 

双月「えぇ、侵略者はこの郷の各有名所に向かっているので剣帝兄さんは迷いの竹林で対応します」

 

霊夢「なら、わたしが動く必要感じないけど……まぁ、剣帝さんには何時もお賽銭貰ってるし………しょうがないから働いてあげるわ」

 

霊夢は双月の話を聞き、うーんと頭を抱え首を傾げ、少しの間悩んでから侵略者への対応を決めたようだ

 

双月「フフッ、上手く役に立って下されば兄さんに伝えてお賽銭の金額を上げていただけるよう、双が相談してあげますね」

 

双月は霊夢の返答を聞くと口に手を当てて笑みを浮かべてから双月は体の方向を180°回転させて人里の方向へ向かった

 

~Side:剣狼~

 

剣狼「にとりさん、いらっしゃります?」

 

剣狼は山の麓にある玄武の沢の辺りで膝を折り、水に向かって声を掛けてにとりを呼び始めた、すると、沢の水面にブクブクと泡が現れ、その泡が現れた地点から緑の帽子を被り、髪は水色のツインテールの大きなリュックを背負った少女、河城にとりが現れた

 

にとり「ワタシに何の御用ですかね?」

 

剣狼「簡単な用事ですわ。貴女は確か、椛ちゃんと仲が宜しいですわよね?」

 

にとり「まぁ、それなりには良いですねー」

 

剣狼「なら、椛ちゃんに伝言を頼みたいのですわ」

 

にとり「ほぉほぉ…伝言ですかー…その位ならお安い御用ですが…幾ら積みます?」

 

にとりは剣狼の要件を聞き終えると親指と人差し指を繋げてお金を要求する手つきをし始めた

 

剣狼「…………貴女にお願いすると、何時もそれ(お金)ですわね」

 

にとり「当然でしょう。人に何か頼む際にはほぼお金は必要ですからねー」

 

剣狼「仕方が有りませんわね……胡瓜を500、お金を五万で如何です?」

 

にとり「胡瓜を七百、お金を八万に」

 

剣狼「高過ぎますわ。胡瓜を550でお金を六万にして下さりません?」

 

にとり「こちらも開発を抜けてきてるので、その分割増で、胡瓜を650、金額は7万は如何です?」

 

剣狼「それなら胡瓜を600、金額は六万五千で勘弁して下さります?」

 

にとり「ふむ………良いですよ。それで手打ちとしましょう。それで伝言の内容は?」

 

にとりは剣狼と交渉を終えると水にブクブクと沈み始めながら剣狼に質問の内容の確認を始めた

 

剣狼「あぁ、椛ちゃんに天魔さんに繋いで欲しいのですわ。剣帝御兄様からの言伝があると」

 

にとり「て、天満様ですか……分かりました」

 

にとりは一瞬顔を青ざめさせてからブクブクと水の中に入っていき、そのまま滝を登っていった

 

剣狼「行きましたわね…さて、ゆっくりと待つと致しましょうかね」

 

剣狼は近くの岩に腰掛けてにとりの帰りを待ち始めた

 

~十五分後~

 

剣狼が岩に腰掛けながら本を読んでいると沢の水面にまたブクブクと泡が現れ始め、剣狼はそれに反応するように岩から立ち上がった

 

剣狼「随分と時間が掛かりましたわね」

 

にとり「えぇ、まぁ、色々とありまして……取り敢えず、呼んできたので報酬のほどを…」

 

剣狼「分かりましたわ、受け取りなさい」

 

剣狼は自分の懐をゴソゴソとまさぐり、にとりと交渉した時の分の胡瓜、及びにお金を取り出しにとりに手渡した、すると、にとりは嬉しそうな顔を見せながら報酬をトランクに詰めて水に潜っていった

 

剣狼「さってっと、お待たせ致しましたわ。天魔さん」

 

天魔「いえいえ、ワタシも今しがた来たばかりですし」

 

剣狼がにとりを見送ってから顔を上げると其処には緑のロングスカートの装束でロングスカートの横には武者鎧のようなものを付けた長槍を持った黒髪長髪で大きな一対の漆黒の翼を持った女性が飛んでいた

 

天魔「それで、ワタシに何用ですか?」

 

剣狼「これから外界からの侵入者と戦うので、その際に手助けが欲しいのと、ここの近辺を破壊してしまう可能性があるので許可が欲しいのですわ」

 

天魔「その程度ならば構いませぬ、どうぞ我が天狗の里に居る白狼天狗や烏天狗を使って下され」

 

剣狼「有難う御座いますわ。それでは遠慮なく必要時は呼ばせて頂きますわね」

 

剣狼は天魔の返答を聞くと嬉しそうに笑顔を見せながらクルリ右方向に回転し、山の麓に降りて行った

 

~side:剣帝~

 

剣帝「全員、所定の場所に難なく着いたみたいだな……さて、久し振りの戦闘だ、争いだ……虐殺だ、存分に楽しもうじゃないか」

 

剣帝は自分の背中から六枚の白と黒の翼を出し、大きく広げ、更に10本は軽く超えているであろう白銀の狐のような尻尾を何度も地面に叩きつけながら、口を開き、牙のような物を見せつけるようなあくどい笑顔を浮かべて立っていた




はい、最新話で御座います。
毎日投稿していれば一日に慌ててこんなに投稿しなくて済むんでしょうね……
まぁ、書き溜めとは大切な事だとは思いますので、それでは


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第六十話「偵察の次男」

~時間は少々遡り~

~剣帝達が持ち場に着く前:幻想郷外周:霧の湖付近~

 

銃やヘルメットで武装した男達はザワザワとした喧騒のある鉄やコンクリートのある道から急に爽やかな風が吹く野原へと移動した

 

男a「ココがあの男達が言っていた未開の土地か……」

 

男B「ここを手にいれれば新たなる我々の土地となるな」

 

男C「だが、あの男の話ではここには不思議な力を持った女性達が居るそうだが、大丈夫だろうか?」

 

男a「問題無いだろう、我々には銃が有るんだからな、襲ってきたのならば撃ち殺せば良い、それに…あの男が渡してきたこれも有るしな」

 

男達のリーダー格と見られる男が一発の銃弾を懐から取り出した、その銃弾には封という文字が書かれている

 

男a「あの男が言うには、これを撃ち込めば相手の能力を封じて確実に殺せるそうだ…つまり、不死身だろうが殺せる筈だ」

 

男B「それでは、部隊編成を決めてくれるか?リーダー」

 

男a「あぁ、A班は俺と来い、B班は湖の先にある館だCとDは神社と人里と呼ばれる場所だ、そして、E班はここから最も離れている山に迎え」

 

男達「「「「了解!!!」」」」

 

男達は緑色の迷彩服に身を包み、周りを警戒しながらバラバラに散開をしながら歩いていく、その肩には上から青い太い線白い細い線赤い太い線白い細い線青い太い線が引かれ、赤い線の中に白い丸がありその中に赤い星が描かれた国旗のマークが付いていた

 

~時は元の時間まで進み~

~無名の丘~

 

白い鈴蘭の花が咲き乱れる丘の上に白の反対色である黒色のコートや黒色のスーツで全身に包んだ黒髪の男、無名が立っていた、そして、無名は穴が空いた位置と思われる草原の方向を見据えている

 

無名「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、…ふむ、軽く見積もっても100は居るな、それにあの肩のマーク…クカカッ、今回の相手は日本人じゃあねぇなぁ、これなら俺も本気を出せそうだっと、一応報告しとくか」

 

無名は懐から携帯を取り出して電話を掛け始めた

 

無名「あー、もしもし、剣帝か?あぁ、俺だ、おう、偵察は完了だ、今回の相手は北だな、おう、あっちの方にも干渉は多々届いてるみたいだからな、どうせ土地欲しさだろうさ、おう、おう、あいよ、叩いて潰せばそれで終いだな、おうよ、それじゃあなぁ、クカカッ」

 

無名は通話を終えると携帯をスリープモードにしてから懐に仕舞い込み、歩き始めた、その顔には残虐性抜群な笑みが現れていた

 

~side:剣帝~

 

剣帝は剣で作られた玉座に腰掛けながら携帯の通話を切り、画面を消してスリープモードにしてポケットに仕舞っていた

 

剣帝「敵はあの国の兵隊か……フフフッ、それなら加減の必要はないな」

 

剣帝が玉座に腰掛けていると剣帝の携帯に電話が掛かって来た、剣帝がその電話に反応してポケットから携帯を取り出すと画面には死帝とという文字が表示されていた、剣帝はそれを確認すると通話ボタンを押した

 

剣帝「もしもし、俺だ、どうした?死帝」

 

死帝『敵が来たから~、その報告~』

 

剣帝「あぁ、そうか、出現位置的にそこが一番だったか、敵の数はどれくらいだ?」

 

死帝「分かんなーい、取り敢えずいーっぱい」

 

剣帝「OK、了解だ、そのまま相手さんを殲滅しな」

 

死帝「は~い」

 

死帝は元気に返事をするとブツリと通話を切った、そして、通話が切れたことを確認すると剣帝も通話を切り、また画面を消してからポケットに携帯を仕舞った

 

剣帝「やっぱりかぁ……まぁ、アイツなら負けないだろ」

 

剣帝は紅魔館に襲撃者が来たという一報を聞いても動じる事なく、波打つように動いている姿の龍が刻印されている煙管を咥えて、煙を吐いていた




はい、最新話で御座います。
えっ?内容が短い?
スミマセン、忙しくて中々内容が思いつかなくて
えっ?書き溜め分だろうって?
…………まぁ、他の話が長くなってますから。他のでその分愉しんでください


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第六十一話「無双の兄妹:前編」

~side:死帝~

 

紅い煉瓦造りの門の目の前で迷彩服や軍服に身を包んだ男達が死帝に向けて銃を乱射してたが一発たりとも死帝にはかすりもせず門の前の草むらは穴だらけになっていた

 

男A「クッ、チョロチョロと鬱陶しい!」

 

死帝「アッハハ~、たっのしぃ~♪」

 

男A(何故だ……何故一発たりともあの娘に当たらない)

 

死帝「あれ~?もう終わりなの~?つまんな~い!!」

 

男達は死帝に向けて高速で弾丸を連射していたが撃ち続けている間にトリガーを引いてもカチッカチッという音しかしなくなった、どうやら残弾が切れてしまったようだ

 

死帝は飛んでくる弾丸を完全に見切り体を反らしたり時には手に持った刃が黒い短刀で切り落としたりしつつ笑顔で回避し続けていたが、男達が銃を撃てなくなると頬を膨らませて怒り始め、男達に向かって走り始めた

 

死帝「ならもう、死んで?」

 

男A「やはり子供か!近づいてくるのならば銃で殴ってしまえばっ、ギャアァァァァァ!!!」

 

死帝「あ~!やっぱり人肉の斬るのって楽しい~♪堪んない!」

 

死帝は自分に向けて振られてきた銃に当たる寸前その銃に手に持った短刀を斜めから切り込み、そのままその銃を切断してから男の手首も切り落とし男Aの後ろに周り込んだ

 

男A「アァァァァァ!!!」

 

死帝「次は何処を斬ろっかな~♪」

 

男B「化物が!」

 

死帝「えー、女の子に対して化物ってそれ酷くな~い?」

 

死帝は手首を切り落とされ悶絶している男Aの近くに死帝が歩いていくと男Bが死帝に向けてナイフを振り、斬りつけようとしたが死帝はそれを事前に知っていたかのように回避し男Bの身体をバラバラに切り捨てた

 

死帝「あぁ、良い、やっぱり人を刻むのって楽しい♪」

 

男A「く、狂っている……」

 

死帝「アタシは別に狂ってないも~ん、アタシはただ単に楽しい事を楽しんでるだけだも~ん♪」

 

手首を斬り落とされている男Aは死帝の様子を見て恐怖の表情を浮かべていた、それもその筈死帝は男Aの手首を斬り落とし、男Bをバラバラに切り捨てた時の返り血を浴びても嫌な顔など一切せずに幸悦とした嬉しそうな表情を浮かば続けているからだ

 

男A「く、クソッ、今はとにかく逃げ」

 

死帝「逃がすと思った~?」

 

紅魔館に攻め込もうとしていた男達は死帝の様子を見て心の中を恐怖で満たしてしまい、リーダー格の男Aから我先に逃げようと走り始めたが、瞬時に幼いようで狂気を含んだ笑顔を浮かべている死帝が男達の目の前に周り込んできて手を体の後ろに回してゆっくりと男たちに近づいていく

 

男A「く…来るな……こっちに来るなァァァァ!!!」

 

死帝「バイバァーイ♪」

 

死帝は男Aの首を切り落とすとそれを皮切りに次々と別の男達の身体をバラバラに切り捨てていった

 

死帝「あ~、楽しかった~♪ん?」

 

死帝が血の雨を浴びながら満足げな笑顔で立っていると霧の湖の方角から何か一つの影が歩いてきた

 

~side:双月~

 

双月「ハァ……暇です」

 

人里の入り口の前に頭にカチューシャのような物を付けた髪色が青みがかった淡い紫色で髪型が短髪

 

そして、服装は中心から一直線を描くように半分が白色半分が黒色の服に身を包んだ目の色が左右で目の色が赤と青でバラバラのオッドアイになっている少女、双月が退屈そうな顔をしながら立っていた

 

双月「幾らなんでも……ん?」

 

双月が空を見ながらグチグチと愚痴を溢していると人里の前に広がっている草原の方向から迷彩服に身を包んだ男達が歩いてきていた

 

双月「ようやくですか……ハァ…」

 

男B「分隊長…アレも危険分子です」

 

男A「ならば、警戒しつつ蜂の巣にするぞ!総員掃射開始!」

 

リーダー格の男Aが命令を下すと男達は有無も言わぬ内に双月に向けて銃を連射し、双月が立っている位置に砂煙が立ち上った

 

男A「撃ち方止め!」

 

男B「流石にこれだけの銃弾を浴びせれば殺せたでしょu」

 

双月「ハァー、いきなり銃弾プッパなすとかアンタ等どういう脳内神経してんの?信じらんないんだけど」

 

男B「何っ!?」

 

砂煙が晴れていくと双月が居た位置の目の前に分厚い氷の壁が現れていてそれが砕け散ると双月の居た場所には赤みがかった紫色の髪色の短髪の少女が立っていた

 

その身体には先程の双月同様に中心から一直線を描くように白と黒に別れた色をしているワンピースを着た背中からピンク色の一対の翼を持った頭に大きな赤いリボンをつけたオッドアイの少女が立っていた

 

男A「お前は何者だ!」

 

双月「はぁー?何でアタイがアンタ等みたいなムサイ臭いオッサン共に名前名乗らないといけないのよ、頭にウジでも湧いてんの?」

 

男達「ムサッ……クサッ…」

 

双月「あー、マジイライラする、アンタ等のせいで剣帝さんに抱き着く時間減るじゃん、取り敢えずイラ付くからアンタ等とっとと片付けるとするわ、拒否権は無し」

 

双月はそう言うと翼をバサリと大きく広げ、スカートの裾に付いている白い雪吹雪の描かれたホルダーと黒い炎の描かれたホルダーからそれぞれ同色の黒いマグナムと白いハンドガンを取り出した

 

そして、銃を自分に向けて構えている男達に向けて手に持っている二丁の拳銃を向けた

 

双月「さぁて、ぶっ飛ばすわね」

 

男B「そんな二丁の単発銃で我々に勝てるとでも思っているのか!」

 

双月「えぇ、当然思うけど?何なら試すけど?」

 

男B「やれるもんならやってみn」

 

男Bが喋っている最中に突然男達の真ん中辺りで大きな爆炎が上がった、その際双月は黒い方の銃のトリガーを引いていた

 

男B「何が……起きてるんだ…」

 

双月「ん?アンタがやれるもんならやってみなって言ったからふっ飛ばしたんだけど?何か文句でもあんの?」

 

男B「その銃、徹甲弾でも詰まっているのか!?」

 

双月「聞く馬鹿がどこに居んのよ、答える馬鹿も居ると思う?」

 

男B「クッ、答える気は元々から無いと言う訳」

 

双月「でもアタイは自慢しちゃうのよねぇ!」

 

双月は高らかに黒い方の銃を掲げると自分の胸に手を当てて自慢をし始めた

 

双月「アタイのこの黒い銃には炎の邪神、クトゥグアの力が宿ってるのよ、だから、射出した弾丸が炎にまつわる事柄なら大抵起こせるのよ、例えば火炎放射器のように炎を吹いたり、打ち出した弾丸の着弾点に爆炎を起こしたりって感じに」

 

男B「邪神……だと、神などこの世の中に居る訳が…」

 

双月「へぇ~、アンタはこの郷に来ても尚神や幻想の存在を否定すんのね……んじゃ、アンタはやっぱり消えて…いいえ、活きて貰うわね」

 

男B「な、何を……ひっ、止めろ…止めてくれ!寒い…嫌だァァァ!!」

 

双月は驚いたような表情を浮かべている男Bの足元に白い銃を向けるとそのまま弾丸を発射した

 

だが、白い銃の弾丸は黒い銃の弾丸とは違い爆発は起こさなかった、但し、着弾地点から男の体を凍り付かせ、男の体を氷塊に変えてしまった

 

双月「これでお終いっと…さぁ、運びましょう?氷月(ひょうげつ)」

 

双月が自分の目の前の空中に向けて白い銃を投げると双月の髪色が紫から徐々に赤に変わり、それと同時に服の色も真っ黒に変化していき、目の色も両目とも朱色に変化した

 

そして、空中に投げられた銃は形を変化させて徐々に少女の姿を取っていった、その姿は戦闘を始める前の双月の姿に酷似していて違う点といえば服の色が真っ白になった点と髪色と目の色が両目とも青くなったところぐらいなものだ

 

氷月「炎月(えんげつ)姉さん、何時も思うのですが。敵への自慢話などは止めたほうが良いのではないですか?それをするだけで隙が出来てしまいますし」

 

炎月「良いじゃないのよ別に、お馬鹿な敵に死ぬ前に知恵を得る機会を与えてやってるんだから」

 

氷月と呼ばれた少女と炎月と呼ばれた少女は互いに氷塊になった男を足元から持ち上げ、そのまま飛び去ろうとしていた、そんな二人に近づいていく一つの人影

 

炎月「…………氷月…」

 

氷月分かってます。剣帝兄さんの元へこれを運ぶのはこの方を倒してからですね」

 

炎月と氷月は氷を砕かないように降ろすと、氷月は白い銃を手に持ち、炎月は黒い銃を手に持って、両者同時に自分たちに向かってくる人影に向けて構えた

 

~side:剣狼~

 

剣狼「はぁ…やはり雑魚ばかりですわね」

 

濃い紫色の長髪を流しながら黄色いドレスのような服に身を包んだ狼のような尻尾と耳を生やした女性、剣狼は山の中腹部の木の太い枝の根本に腰掛けながら対物ライフルで襲撃してきていた男達の頭を打ち抜き、的確に殺していた

 

剣狼「この程度の実力しかないにも関わらず剣帝御兄様に逆らおうとするとは、万死に値しますわね」

 

剣狼はそう言いながら対物ライフルの空になった弾倉を抜き取るとそのまま流れるようにポーチに仕舞い込んで別の弾倉を取り出して弾丸を装填した

 

だが、剣狼は装填後にも関わらず対物ライフルを打とうとし始めず考え始めてしまった

 

剣狼「剣帝御兄様のお手伝いの為にこれを頂きましたが…どうにも私の手にはあまり合いませんわねぇ」

 

剣狼がボソボソと独り言を言っていると剣狼の後ろの木々から迷彩服に身を包んだ男がナイフを片手に飛び掛ってきた

 

男G「貰ったぁ!………ぁ?」

 

剣狼「やはり、私といえばこちらですわね」

 

男のナイフが剣狼の体に当たる寸前、ナイフは突如叩き折られ、男の首も男の身体から離れた、その要因となったであろう物の正体は剣狼の手に握られていた刃が剣狼の髪色同様に濃い紫色に禍々しく輝く大鎌だった

 

剣狼「さて、御兄様からは好きにやれと言われましたし…殲滅を開始しますわ!」

 

剣狼は腰掛けていた木から降りると、口の中の大量の牙を見せつけるような笑みを浮かべながらその手に持った大鎌を構えた

 

男C「う、撃て!どうせ奴の獲物はこの木々の広がる中では十分に発揮できはしない!」

 

剣狼「ウフフッ、貴方達はどんな声を上げて鳴くのでしょうか?」

 

剣狼は自分に向かってくる弾丸に恐怖する様子もなく大鎌を振り始めた、すると、剣狼の周りにあった木々や岩、更には剣狼に向かって飛んできていた弾丸までもが元々からそういう形であったかのように綺麗に切れてしまった

 

剣狼「さぁ!貴方達の悲鳴を聞かせてくださいまし!貴方達の肉を食べさせて下さいまし!」

 

男達「「「ヒィィィ!」」」

 

男達は自分たちに向かって走って来る剣狼に向けてマシンガンを連射するが、剣狼は飛んでくる弾丸を大鎌を片手で回して弾きながら走り続ける

 

剣狼「ウフフフフッ、アハハハッ!さぁ!貴方達は早く死んで頂戴!ワタシが剣帝御兄様に褒めて貰うためにも!」

 

剣狼は飛び上がり両手で大鎌を構えると眼下に広がる男達の首を一線、手に持っている大鎌で薙ぎ払い男達の体を切り裂いた

 

すると、男達の身体はぬちゃりという音を立てながらバラバラに倒れ辺りには大きな血溜まりが出来た

 

剣狼「ウフフッ、さぁ、貴方達のお肉、食べさせて貰うわね」

 

剣狼がそう言っていると剣狼の足下の影に突如白い牙や大きな眼が現れ、それらは剣狼の後ろの木陰にも現れた

 

その影の口や眼は剣狼が腕を男達の死体に向けて振るうとその振るわれた腕に従うように真っ直ぐに男達の死体に向かって行き、バリボリと骨を砕き、肉を裂きながらクチャクチャと咀嚼し食べ尽くした

 

剣狼「あまり美味しくはありませんわね。やはり数千年前に一度だけ食べた剣帝御兄様のお肉の方が数段美味しかったですわ」

 

剣狼は自分の口周りに向かって飛んできた血飛沫を拭くと男達を食べた感想のような悪態をつき始めた、そんな剣狼に向かってゆっくりと近づいてくる一つの影があった

 

剣狼「あら、久し振りですわね。剣帝御兄様の元を離れたから数世紀は経ってますし。てっきりもう死んだものと思ってましたわ……まぁ、どうせこれから私が殺して差し上げますが」

 

剣狼はニッコリとした笑顔を浮かべながら大鎌を両手で持ち、ゆっくりと自分に向かってくる人影に向かって歩いて行った

 

~side:剣帝~

 

剣帝「さて、そろそろかなっと」

 

剣帝は相変わらずビールケースに腰掛けて、自分の店の前で侵入者たちを待ち構えていた、そんな剣帝の居る場所に向かって明らかに他の場所に向かった男達とは気配が全く違う男達が歩いてきていた

 

剣帝「…………中の連中じゃないな…お前等」

 

??「おぉ、アイツの言ってた通りマジで居るなぁ」

 

剣帝の視界の先から歩いてきた男達は他の場所に行っていた連中とは違い、顔はマスクとヘルメットでほぼ隠していて見えず、唯一見えるリーダー格と思われる男は色黒の肌に全身黒い警備員のような服を身に付け、頭にも黒い帽子を被っている口や鼻、耳、目の下に金色のピアスをした男が居た

 

剣帝「何ともまぁ、見覚えがある軍団だな、どこで見たか忘れたけどな」

 

??「なら、思い出す間もなく死んだらどうかねぇ?撃て」

 

リーダー格の男が命じると後ろにいた五十人は超えるであろう男達が一斉に手に持ったマシンガンを連射し始め、剣帝はその全ての弾丸を中指を軽く動かし、謎の力で落とした

 

剣帝「これがどうした?」

 

??「ヒヒャヒャ!そうこなくっちゃねぇ!ここに来るまで何も会わずにツマンネェと思ってたんですわ!」

 

リーダー格の男が剣帝に向けてハンドガンを撃つと、他の弾同様に落とされるかと思いきや、その弾丸は剣帝の力を砕くように掻き消し、剣帝の肩に着弾した

 

剣帝「なっ…」

 

??「ヒヒャヒャヒャヒャヒャ!!マジでアイツのくれた弾丸相手さんの能力らしいもんを砕きやがったよ、そら、今の内に蜂の巣にしちまえ」

 

剣帝が自分の肩を抑えてながら自分の肩に気を取られていると、剣帝の肩に弾丸を打ち込んだ男の後ろにいる集団が剣帝に向けてマシンガンを掃射し、剣帝を蜂の巣にした

 

??「よぉーし、それじゃあコイツの奥さんってやつを殺しに行くかねぇ」

 

剣帝を蜂の巣にし終わり、剣帝が前のめりに倒れて周囲に血溜まりを作ると男達は剣帝に興味を失ったように歩いて竹林の中に入って行った

 

~迷いの竹林:内部~

 

??「それにしても、例の最高危険人物ってのはやすやすと片付いちまったなぁ、正直拍子抜けって感じだ」

 

男達は列をなすように迷いの竹林をズンズンと進み、剣帝の自宅に近づいて行く

 

??「さぁてぇ、アイツから地図も貰ってるから迷う心配無しだ…んっ?」

 

男達が悠然と進んでいると突如男達の間を細い糸のようなものが走ったかと思いきや、リーダー格の男咥えていた煙草が切れ男の斜め後ろに並んでいた男二人の体が突然断ち切れ、肉片がバラバラと飛び散り、その肉片から周囲に血を撒き散らした

 

剣帝「ふむ…外したか、やっぱり普段のようにはいかないな」

 

??「な、なんでテメェが生きてやがる!テメェはさっきキッチリ」

 

剣帝「殺した筈、か?残念、お前らの弾丸じゃ俺は殺せない」

 

??「!!撃てぇ!!」

 

リーダー格の男がまた命令を出すと後ろの男達が一斉に銃を掃射するが、剣帝は即座に先程男を断ち切るのに使ったであろう糸を自分の正面に張り巡らせた

 

更に、その糸の残りの部分を銃を掃射してきている男達の方に向かわせた

 

剣帝「……やっぱり予想通りか、動きが妙に鈍いし、人間の匂いもしない…お前等、グールだな?そんで、グールをそんな風に従えて銃を持たせてる奴を一人だけ俺は知ってる、おまえの名前は、ヤン・ヴァレンタインだな?」

 

ヤン「何で…俺の名前を…」

 

剣帝「気にするな、どうせお前はこれから死ぬからなっと」

 

剣帝は喋り終わると同時に手の近くにある糸を引いた、すると、剣帝の周りの竹が切れ、更にそれと同時にヤンと呼ばれた黒人の男の後ろの兵隊たちの体が断ち切れた

 

剣帝「さて、お前等、小便は済ませたか?邪神様にお祈りは?竹林の隅でガタガタ震えて、命乞いをする心の準備はOK?」

 

ヤン「誰がそんな真似するかぁ!テメェを殺してしまいだぁ!」

 

??「少しは落ち着け、お前一人でその男に勝てる筈が無いだろう」

 

ヤン「あ、兄貴…」

 

ヤンが両手に二丁のマシンガンを構えて突撃しようとしていると、ヤンの後ろの男達の更に後ろから声が聞こえて来て、ヤンの動きを止めた

 

その声を発した主は髪は金色の長髪ストレートで腰の辺りで髪を括り服装は白いロングコートを肩から掛けて羽織り、その内側には白いタキシードを着ていた

 

剣帝「……お前は」

 

??「始めまして、妖悪剣帝様、私は」

 

剣帝&??「『ルーク・ヴァレンタイン』だろ?」

 

ルーク「ご存知でしたか」

 

剣帝は男達の後ろから金髪の男、ルークが自己紹介をしていると、名を名乗ると同時にルークの名を呼んだ

 

剣帝「さて、ルーク君、君は俺を倒す自信でもあるのかな?」

 

ルーク「その通り!貴方の不死伝説も今日終わるのです」

 

剣帝「ほぉー?つまりは、俺を殺すって訳か、だが、どうやるつもり……だ?」

 

剣帝がルークに斬りかかろうとしているとルークはロングコートを翻してロングコートの下から一人の少女を出した、その少女が剣帝の視界に入ったと同時に剣帝は動きを止めた

 

剣帝「妹…菜…」

 

ルーク「やはり貴様の関係者か!この竹林に歩いている様子が見えたのでな、そうだろうと思ったぞ…さて、剣帝よ、この娘がどうなってもいいのか?」

 

剣帝「止めろ!!その娘には…手を出すな…」

 

ルーク「ならば、貴様はこれから一切抵抗せずに我々に倒されろ、それでこの娘は開放してやろう」

 

ルークが少女、妹菜の首にナイフを押し当てようとしていると剣帝がルークの行動を止めるように言い、武装を解除した

 

剣帝「これで、良いんだろう?」

 

ルーク「あぁ、それで良い、それで十分だ」

 

妹菜「パパ!」

 

剣帝「妹菜、お父さんは大丈夫だから、目を閉じて待っていなさい」

 

妹菜「で、でも…」

 

剣帝「良いから早く、目を閉じなさい!」

 

妹菜「うぅ……はいっ!」

 

妹菜は剣帝に怒鳴られると涙目になりながらも必死に目を瞑り始めた、その様子を見ると剣帝は穏やかな表情を浮かべ、こっそりと指を鳴らし、妹菜の耳に小さな遮音性の高い膜を貼った

 

ヤン「健気だねぇ~、父親の言う事を正直に従う娘」

 

剣帝「黙れゴミ吸血k」

 

ヤン「口を慎みやがれってんだよ」

 

ヤンは剣帝に黙れと言われると頭に来たようで怒った表情を浮かべながらさっき店の前で撃ったものと同じ銃で剣帝の左膝を撃った

 

ヤン「さぁてぇ、テメェはどんな風に殺してやろうかねぇー?」

 

ルーク「ヤン、そんな事を考える暇が有るならばとっととこの男を蜂の巣にしろ」

 

ヤン「はいはい、分かりましたよ~っと」

 

ヤンが指を鳴らすと同時にヤンの後ろの男達が剣帝に向けてマシンガンを掃射し、剣帝を蜂の巣にしようとし始め、剣帝の居る位置に砂煙が巻き起こる

 

??「あっぶねぇな。この俺様に当たる所じゃねぇか」

 

ヤン「あん?誰だぁ?アンタは」

 

ヤンの後ろに並んでいる男達が撃った弾丸は、ヤン達と剣帝の間に現れた男に当たる寸前で男に当たる弾道だった弾丸だけ弾き消されていた

 

剣帝「夜鴉様……当たるわけ無いなぁ……あの娘が確実に守るだろうし…」

 

夜鴉「えーっとこういう時はなんて言うんだっけ?」

 

??「主、悪党に名乗る名前等ないではありませんか?」

 

夜鴉「あー、それだ」

 

夜鴉が目を閉じ少し考えていると夜鴉の少し後ろから身体の様々な場所に機械的な物が付いた、栗色の髪の長髪の少女が現れ、夜鴉に喋り掛け、その後すぐに姿を消した

 

剣帝「助けて下さり有難う御座います」

 

夜鴉「何言ってんの?たまたま歩いててたまたま攻撃が飛んできただけだぞ」

 

剣帝「そ、そうでしたか。何はともあれ助かりました……が」

 

夜鴉は剣帝の感謝の言葉を聞くと何がといわんばかりの顔をしながら剣帝に返答した、剣帝はその内容を聞いてから顔を一度俯け、夜鴉の向こうに居るだろう、ヤンとルークを睨みつける

 

夜鴉「さて、この子お前の娘?女の子が囚われてたから取り敢えずパチってきたけど」

 

剣帝「あ……有難う御座います」

 

ルーク「なっ!何時の間に!?」

 

夜鴉がバサリと身に付けている黒いマントをはためかせると、そこにはルークに捕まっていたはずの妹菜が居た、そして、妹菜は自由になると同時に剣帝に抱き着いた

 

妹菜「パパ!!」

 

剣帝「おー…よしよし、ゴメンな、怖かったな」

 

剣帝は自分に抱き着いてきた妹菜を受け止めると、妹菜の後頭部を撫でながら優しい笑顔を浮かべている

 

夜鴉「あー、やだやだ。こんな感動物語みるために女の子助けたんじゃないけどな。腹いせに男を殺すか」

 

ルーク「何っ!?」

 

ヤン「はぁ?!」

 

剣帝「あぁ……俺の命日は今日か」

 

夜鴉の言葉を聞くと自我のある夜鴉の周囲の男性は同時に顔を青ざめさせ始め、ヤンとルークは抵抗しようとするが、剣帝は妹菜に自宅へと行くように言ってから白拍子に着替えた

 

夜鴉「さて。男性諸君、君達の股間をもぎ取るから覚悟しなさい」

 

ルーク「やらせるものか」

 

ヤン「近付いてきたら蜂の巣にしてやるぜ!」

 

剣帝「・・・・・・ポンッ」

 

ルークがナイフを構え、ヤンが二丁のマシンガンを構えていると、夜鴉の後ろで剣帝は瓶に入った薬を飲み、姿を変えていた

 

夜鴉「あはは、お前ら行動遅いんだよ。これなーんだ?」

 

ルーク「また…」

 

ヤン「俺のまでが!?」

 

剣帝「何でお薬持っていくんですか……自決用なのに」

 

ルーク、ヤン、剣帝の各自は自分が持っていたものを夜鴉に盗られている事に気付くとヤンとルークはまた驚いた反応をしているが、剣帝だけはシクシクと涙を零している

 

夜鴉「あはは、さてとどうしようかな?素手が良い?刀?それとも鋸?」

 

ヤン「やられてたまるかよ!逃げるぜ兄貴!」

 

ルーク「あぁ、当然だ!」

 

剣帝「出来れば落とすから股間をではなく首を落として下さい」

 

ヤンとルークは連れてきていた男達を盾にして逃走を図り始めたが、剣帝は夜鴉に向けて頭を下げ始めた

 

夜鴉「あーあ、終わっちゃった。もう落ちてるのにね」

 

剣帝「…………お手数おかけしました」

 

剣帝は血をボタボタと流しながら立ち上がり、剣帝が立ち上がると同時に竹林の外からガラス状の物が砕け散る音が幾つもした

 

夜鴉「良い、俺は帰る。しかし用心しろよ。これでも持っとけ」

 

剣帝「はい?何ですか?これは」

 

夜鴉は剣帝の手に自分の手をかざし、何かを手渡してきた

 

夜鴉「オーフィスの蛇。要らんからやる。でも今日1日過ぎれば無くなるから気をつけろ」

 

剣帝「了解しました」

 

剣帝は蛇を受け取るとその力を自分の全身に回し、全身に力を込めた、すると、剣帝の股の血が瞬く間に止まった

 

夜鴉「じゃあな。俺は帰る」

 

剣帝「はい………」

 

剣帝は空へと消え去っていく夜鴉に向けて頭を下げ、夜鴉が完全に消えるまで頭を下げ続けていた




はい、どうも、うp主です。
今回の話は前回が短くなってしまったので長いものにしてみました。
まぁ、テキトウに読んでくれ出されば幸いです。
それでは、また次回をお楽しみに


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第六十二話「無双の兄妹:後編」

~迷いの竹林:内部~

 

剣帝「…………出せる範囲は…三……五割か…」

 

剣帝は片手を握ったり開いたりを繰り返して自分の体の調子を確認した

 

剣帝「……さってっと、虐殺を始めるとしようか…行くぞ黒」

 

黒『へいへい、好きにしな』

 

剣帝が迷い竹林の外へと歩きながら黒影に話し掛けると剣帝の近くの竹の根本の影から黒影の声が響き、その後、竹の影から剣帝の影へ黒い何かが移動すると剣帝はニヤリと口を歪ませながら竹林の出口へと背中に手と足と大きな翼のある龍が刻印された白いマントを羽織り、そのマントをはためかせながら歩いて行った

 

~迷い竹林出入り口付近~

 

剣帝「一、ニ、三、四………多いなぁ」

 

剣帝が竹林の外へと歩いて出るとそこには剣帝が先程倒した虚ろな男性達とは違った五十人を超える軍服の男達が立っていた

 

剣帝(なるべく使いたくなかったんだがなぁ……これ使うとつまらないし……まぁ、そんな事を言ってる余裕はあんまりないか…)

 

男α「最重要危険人物が現れたぞ!総員、撃t」

 

剣帝「『喰らい尽くせ』」

 

剣帝が右手を伸ばし前に向けると剣帝の袖から大量の蛇が現れ、その蛇の軍団は男達に向かっていった

 

男α「な、何だこの蛇は!」

 

剣帝「それは俺のペットだ…可愛いだろう?」

 

男α「撃て!早く撃ち殺せ!俺は…蛇が…苦手なんだ!!」

 

剣帝「………蛇が苦手とは可哀想に、ならば、蛇に包まれて、体中を噛まれ、締め付けられて、死ぬが良い」

 

剣帝は喋りながら腕を伸ばし続け、その剣帝が伸ばしている右腕の袖からは剣帝が伸ばし続けている間ずっと蛇が湧き出続けた、その蛇の群れは男達の足元まで這って行き、男達の足に噛み付き、絡み付き、全身を取り囲み、締め付け、毒を流し込み、包まれた男達は一人残らず断末魔を上げながら、苦しみながら息絶えた

 

剣帝「………そろそろ全員死んだかな?さぁ、ご飯を食べて戻っておいで」

 

黒影『相変わらずエゲツねぇなぁ……幾ら蛇が好きだからって数千を超える蛇を体内に飼うのはどうかと思うぜ?』

 

剣帝「良いじゃないか、別に」

 

剣帝は断末魔が止むと同時に手を降ろしていた、そして、それと同時に男達が居た場所では、グチャグチャという肉が裂かれる音やボキボキと骨が砕かれる音、そして、クチャクチャという咀嚼音がした後、それらが止むと蛇達は剣帝の身体を這って登り、剣帝の袖の中を蠢きながら消えていった

 

剣帝「ご馳走様…五十人以上は居るなぁとは思ってたけど、まさか七十八人居たとはなぁ……まぁ、蛇たちの腹の足しにはなるか」

 

黒影『肉は蛇に、魂はお前に喰らい尽くされ、アイツ等の痕跡は血だけだな』

 

剣帝「それもどうせ消えるけどね」

 

剣帝がそう言いながら血溜まり、いや、最早血の海と呼ぶに相応しい物を見ていると剣帝の足元の影が急激に広がり、その影には大量の目や口が現れた、そして、影は剣帝の見つめている血の海に向かって伸び、血の海を全て覆うと血の海を一滴残らず吸い尽くした

 

剣帝「はぁーぁ、やっぱり朝に飲んだ妹紅の血の方がよっぽど美味しかったなぁ」

 

黒影『食事が済んだんなら次行かねぇとな』

 

剣帝「あぁ、分かってるよ、侵入者は全員……ん?」

 

剣帝が黒影と喋りながら次の標的を探しに行こうと足を踏み出そうとしていると、剣帝達の目の前に前髪の一部分だけが青く、そこ以外が全て黒い短髪の人物が歩いてきた

 

??「久々っすなぁ、剣帝ニィ二」

 

剣帝「………お前、未だに生きてたのか」

 

??「当然っすよ、オレっちはこれでもニィ二と同じ妖悪の姓を冠するもの、そうやすやすとは死にゃしないっすよ」

 

剣帝「なら、キッチリお前を殺してやるよ、今回みたいな事を起こされてちゃ面倒だ」

 

剣帝が右手を両腕を真横に向けて伸ばすと、その腕を這って数匹の蛇と一際大きな蛇が一匹、這い出てきた、そして、一際大きな蛇が口の中から刀の刃を出すと、それ等の蛇は一本に纏まり、二振りの刀が現れた

 

??「おやおや、本気っすなぁ!」

 

剣帝「そういう、お前もな」

 

剣帝が刀を出し終わった次の瞬間、剣帝の顔に向かって黒い線がヒュルンと音を立てながら伸びて行った、だが、剣帝は特に慌てる様子もなく、その自分の顔に向かって飛んできた線を右手の刀ではたき落とした、すると分かったが、その線の正体は青と黒の入り混じった髪の男の左手から伸びていた一本の剣の刃のようなものが付き節々で分かれるようになっている鞭のような武器だった

 

剣帝「蛇腹剣(じゃばらけん)、俺が作った武器の中では四番目に当たる作品だ」

 

??「さっすが、製作者はその辺もきっちり覚えてるんっすな」

 

剣帝「当然だ、あの時は離反されるとは思ってなかったからな、中、近距離武器として重宝するつもりだったんだがな!」

 

男は蛇腹剣を剣帝と会話している最中でも振るい、剣帝に攻撃を浴びせようとするが、剣帝はその尽くを斬り落とし、弾き落としていた

 

??「流石はオレっち達の創造主、オレっちの攻撃は全部捌かれるっすか」

 

剣帝「当然だろう、お前の攻撃じゃ俺に当てる事は」

 

??「なら、こんな手はどうっすか?」

 

男は剣帝の持っている蛇刀の刃に蛇腹剣をグルグルと巻き付け、ギリギリと言う金属音を鳴らしながら引っ張り始めた

 

??「オレっちがこんな手を使うとは、思ってなかったっすね?」

 

剣帝「まぁな、だが、問題は無い」

 

剣帝が巻き付かれた右手の蛇刀を手放すと、刀の刃は蛇の内側に収納され、蛇達はバラバラになり、地面に落ちた、そして、その蛇達は剣帝の足を這いずって登り、また剣帝の右手で刀の形を取った

 

??「うげぇー、そう来るっすか」

 

剣帝「俺がそうやすやすと武器を取られると思ったか?」

 

??「まっ、半分予想してたっすけどね!」

 

??(ニィ二が奥の手をまだ使ってないのも使う気がないもの……な)

 

男は蛇腹剣の刃を地面に跳ねさせながら剣帝に向けて伸ばすが剣帝はその軌道を読み、二振りの刀で弾き続けた

 

~Side:剣狼~

 

剣帝が竹林で男と戦い始めていた時、剣狼は霧の湖の湖畔で一人の女性と睨み合っていた

 

??「貴女は相変わらず獣臭いですわねぇ」

 

剣狼「そういう貴女こそ相変わらず、塗料臭いですわよ?」

 

??「ウフフッ、貴女の獣臭には負けますわ」

 

剣狼「そんな事ありませんわぁ、間違いなく貴女の方が臭ってますわよ?映菜(えいな)」

 

剣狼と向き合っている女性、映菜の服装は全身に白いキャンバスの様な真っ白のワンピースを着込み、着こなしている、そして、髪の毛は剣帝と同様に紅く、髪型は腰に届くほど長い髪をたなびかせていた映菜はニコニコとした笑顔を見せながら相手、剣狼への敵意と殺意で辺りの空気を重くし続ける

 

剣狼「フフフッ」

 

映菜「ウフフフッ」

 

剣狼「このモノマネ女!」

 

映菜「このヤンデレ狼!」

 

剣狼&映菜「『気に入らねぇ!』!」

 

剣狼と映菜はお互いに憤怒を顕にしながら相手に向かって走って行き、剣狼は大鎌を再度出現させ映菜の首に向けて振るった

 

映菜「そんなの、このわたくしに当たる訳が無いでしょう?」

 

剣狼「チッ、剣帝お兄様のお力を無闇やたらに真似て使うんじゃありませんわ、虫唾が走ります」

 

映菜「嫌ねぇ、わたくしの力を否定するのですわね?」

 

剣狼「否定はしませんわ、ただ、単に虫唾が走るので殺すだけですわ!」

 

映菜「それを世間一般では、否定している、と言うのではなくって?」

 

剣狼は映菜に激しい怒りを向けながら鎌を振るい続ける

 

剣狼「第一、貴女も剣帝お兄様を敬愛しているでしょう!なのに、何故お兄様を裏切ったのかしら!?」

 

映菜「そんな事、理由は簡単ですわ。あの方はわたくしを選ばずにあの女を選んだからですわ!」

 

剣狼「そんな事は理由にならないわよ!剣帝お兄様が妹紅さんを愛し始めていたのはずっと昔、私達が作られる前から変わらない、それは貴女の知っている筈でしょう!」

 

映菜「えぇ!でも、それでも、心変わりをしてわたくしを選んで欲しかった!いいえ、選ぶべきだったのですわ!わたくしはあの女よりも役立ってみせたのに!」

 

映菜は剣狼の大鎌での攻撃の回避を辞めると、剣狼の鎌を片手で止めた

 

剣狼「………この力は……怪力乱神、『星熊勇儀』さんの力ですわね……」

 

映菜「えぇ、流石は剣狼姉さんですわ。わたくしの使う能力をズバリと言い当てるとは」

 

剣狼「当然でしょう?私はあの方のお近くにずっと居続けた、貴女が創られるよりも前からずっと、だから、どんな力だろうと私には分かりますわ」

 

映菜「ならば、たっぷりと堪能させてあげますわ。わたくしの力を!」

 

剣狼と映菜は叫び声を上げながら互いの力をぶつけ合っている

 

~side:死帝~

 

死帝「久し振りねー、鏡花(きょうか)ちゃん」

 

死帝は紅魔館の前の霧の湖の畔で髪型と髪色が透き通るように白い長髪で、服装は上に白いカーディガンを羽織り、その下に水色ワンピースを着た、高身長の女性、鏡花と対面し、近寄っていた

 

鏡花「えぇ、お久しぶりですわ。死帝御姉様………相変わらず若作りしていらっしゃいますわね」

 

死帝「えー、酷ーい!アタシ若作りなんてしてないもーん!!」

 

鏡花「よく言いますわ………というか、そんな子供の姿でワタクシに勝てるとお思いですの?」

 

死帝「むぅー!………まぁ、この姿じゃ鏡花ちゃんには、勝てないのも事実ねぇ」

 

死帝は鏡花の発言にプンプンと怒っていたが、改めて言われるとハァー、と溜め息をつき始めた、すると、死帝の周囲に煙が起き、死帝がその煙に全身を包まれ、一分後にその煙の中から突如黒いサイドテールのスタイルの良い大人の女性が現れ出た

 

鏡花「そのお姿こそ、ワタクシが憧れ愛したお姿ですわ。死帝御姉様!」

 

死帝「その辺も相変わらずなのね、鏡花ちゃん」

 

鏡花「あぁ、その冷ややかな瞳、堪りませんわ!」

 

死帝「ハァ………どうしてこんなレズっ娘になっちゃったのかしらねぇ」

 

煙から現れた死帝に向かって鏡花はハァハァと息を荒くし、鼻息も荒くしながら近付いていくか、死帝は呆れたような軽蔑しているような、冷ややかな眼を向けながら、一定距離を保つようにしていた

 

鏡花「それは死帝御姉様や剣帝御姉様や無名御姉様の様にとても綺麗な女性に囲まれていたから仕方の無い事ですわ!」

 

死帝「意味が分からない上に近寄らないでくれるかしら?ついでに言うと剣帝兄は男性のお兄ちゃんが一番よぉ?」

 

鏡花「何を仰っているですか?剣帝御姉様や無名御姉様は女性の御姉様が一番ですわ!」

 

死帝(これだからこの娘は苦手なのよねぇ……)

 

鏡花「あぁ、気持ち悪がってる御姉様の御顔も素晴らしいですわ!」

 

死帝「気持ち悪いって思われてると分かってるなら、その気持ち悪い発言やめてくれるかしらぁ?」

 

死帝は鏡花の発言に顔をとても嫌そうなものに変え、鏡花が近づいてくる度に身体から殺気を放ち始めた

 

鏡花「嫌ですわ!ワタクシは御姉様達を愛しているのです!それとも、御姉様はワタクシ等を否定するのですか?」

 

死帝「別に否定はしないわぁ、ただ貴方がアタシに向けてくるその感情を気持ち悪いって言ってるのよ」

 

死帝は鏡花の発言が頭に来たのか懐から子供の姿の時に振るっていたものよりも刃渡りの大きな短刀を二本取り出すと逆手持ちで構えた

 

鏡花「怖がらなくても大丈夫ですわよ!すぐにワタクシの考えに賛同できるよう染め上げて差し上げますわぁ!」

 

死帝「やれるもんならやってみなさいよ、この曇り鏡!」

 

死帝は怒り心頭の表情をしながら鏡花に切りかかったが鏡花は片手に小さな手鏡を出すと、死帝が持っている二本の短刀を出現させ、死帝が振ってきた短刀を受け止め、弾いてガードした

 

死帝「こんの糞ガラス……」

 

鏡花「ウフフッ、今回こそは勝たせて頂きますわ、御姉様」

 

死帝「ほざくんじゃないわよ!」

 

二人は互いに短刀をぶつけ合い、戦闘を行い始めた

 

~サイド:双月~

 

氷月と炎月は自分達に向かってくる人影に警戒をしながら銃を構えている

 

氷月「炎月姉さん」

 

炎月「何?氷月」

 

氷月「一旦一つに戻りましょう」

 

炎月「まぁ、様子見にはなるものね」

 

炎月と氷月は相手には聞こえないよう小さな声で会話をすると、同時に銃を上に投げてそれぞれ右手と左手を合わせて、双月に戻り、上に投げた銃が降ってくるとそれをシッカリとキャッチして片手づつで構えた

 

双月「この病愛郷に如何なる御用件でしょうか?侵入者さん」

 

??「侵入者とは随分なあいさつじゃぁねぇかぁ、一応これでもお前さんらの兄妹なんだぜぇぇ?」

 

双月に向かってきた人影の姿は髪色は金髪で爆発したように髪の毛が逆立っていた、そして、服装は耳にピアスを付け下にはダメージジーンズを履き、上は髑髏が背中に描かれたスカジャンを着ていて中には爆発したような絵が描かれた服を着ている男だった

 

双月「双達の……兄妹?」

 

音刃「あぁ、そうだぜぇ、オレは音刃(おんば)、あのいけすかねえ剣帝の野郎が作ったお前らの兄妹だ!」

 

音刃と名乗った男が怒鳴るように大きな声を出すと、周囲に衝撃波が走り、双月の耳に耳鳴りが鳴り始めた

 

双月(音刃………あぁ、剣帝兄さんの下さった資料に載っていましたね……確か武器は)

 

音刃「どうしたどうしたぁ!!掛かってこいやぁ!!」

 

双月「うる………さい……です!」

 

音刃「良いねぇ良いねぇ!!!もっと来いやぁ!!!!」

 

音刃が叫ぶように声を出し続けると、突如音刃の周囲が爆発し始めた

 

双月(間違いありませんね……音刃、能力は声を爆弾にする力……と声が衝撃波に変わる力……そして、武器はマイク……)

 

音刃「オラオラぁ!本気で行くぞぉ!!!」

 

双月「出て……来ましたか……」

 

音刃が片手にマイクを出現させ、そのマイク越しにでも叫ぶと、音刃の叫び声が可視化出来る様になり、双月に向かって飛んできた

 

双月「来ましたね。爆裂音声」

 

音刃「やっぱりオレの能力は筒抜けって訳かぁ!!」

 

双月「当然でしょう!」

 

音刃「ハッハァー!!!面白いじゃねぇかぁ!!」

 

双月は音刃が放ち続ける叫び声に苦しそうな顔をしながら距離を取り、双月は音刃に向けて二丁拳銃を撃ち放ち始め、音刃も双月に向けて大音量の声と爆発する声を放ち続ける



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第六十三話「黒幕の正体」

~side:剣帝~

 

剣帝「…………チッ」

 

男「ウケケッ」

 

剣帝と青と黒が入り混じった髪色の男は互いに持っている剣の刃をぶつけ合い、鍔迫り合いをしていた

 

剣帝「やっぱり決め手に欠ける……か」

 

男「当然っすよ、本気のほの字も出してないニィ二に負けるオレッチじゃねぇっすから」

 

剣帝「……………はぁ、それなら本気を出してやるよ」

 

男「まぁ、だからって本気を出させる隙なんて与えたりはs」

 

剣帝は男との鍔迫り合いを止めると、男と一旦距離を取ろうとしたが男は剣帝に向けて蛇腹剣の切っ先を伸ばしてきた、だが、剣帝は一切動揺する仕草もなく口を開き

 

剣帝「………ダラ、止めろ」

 

男「ゲッ………面倒な奴が出てきたっすなぁ」

 

剣帝がダラと言う言葉を発すると、剣帝の後ろの剣帝の少し上の空間が砕けて、そこから超巨大な蛇が現れ、剣帝に向かって伸びてくる蛇腹剣の切っ先を弾いた、そして、ダラと呼ばれた蛇の頭が剣帝の前に来ると、剣帝は申し訳なさそうな顔つきでダラの頭に引っ付いて撫で始めた

 

剣帝「ゴメンな、ダラ、痛いだろうけど我慢していてくれよ」

 

ダラ「シャアァ…♪」

 

剣帝「有難うな、少しの辛抱だからな」

 

剣帝が撫でるとダラは嬉しそうな声を出し、剣帝の周囲を取り囲み、必死に剣帝を守り続けている、そして、ダラに守られている間に剣帝は自分の腰に赤い出っ張りが2つ前方に付ける部分があるベルトを装着した

 

~side:無名~

 

~時間は少々遡り~

 

無名「はぁー……ダッル」

 

無名は博麗大結界に空いた穴がある場所に向かってため息をつきつつも歩いていた

 

無名「面倒事はその根本から断つに限るだろっと…アレか」

 

無名の視界の先には確かに事前のあふれるのどかな風景から一転、近代的な建物などが広がる景色が空中を突き破って見えていた、そして、その穴の目の前に何万を越える兵士が立っていた

 

無名「さぁーてとぉー、面倒だからさっさと片付けるぜぇー」

 

兵士長「ハッ、て、敵だ!俺を守れ!!そうしたら向こうに帰った後相応の報酬をくれてやる!」

 

無名「……………一人一人殴ってやろうかと思ったが、止めだ、アイツだけ先に消し飛ばしてやる」

 

無名は兵士達のリーダー格らしき男の発言が少し頭に来たらしく右手を銃のような形にしてから伸ばすと、手の形を銃のようにしてから、指の先端部から小さな黒い球体を発射し、少し息をついた

 

無名「ふぅ………」

 

兵士長(な、何だ、もしかして大して警戒しなくても良い相手、雑魚なのか?だったら俺が片付けてやろう!)

 

兵士長「フンッ、見掛け倒しの雑魚風情が!この俺に楯突いた事を後悔しながら死ぬが良い!」

 

無名「ハンッ、どう後悔させてくれるのか教えてくれや、雑魚野郎」

 

無名に雑魚野郎と言われると途端に兵士長は顔を赤くしながら無名に向かって走ってきた、二人の間にある黒い謎の玉の存在を忘れて

 

無名「速く来いよ、ヘタレ成金童貞君」

 

兵士長「何だとぉ!?お前は必ず俺の手で殺してやるぞぉ!!」

 

無名「クカカッ、殺れるもんなら殺ってみな」

 

兵士長「クソ野郎がぁぁ!!其処にいろよぉ!」

 

兵士長は無名に更に煽られると無名に向かって猛ダッシュを始め、無名はその様子をニヤニヤしながら見つけていた、そして、兵士長は存在を忘れていた黒い球にぶつかり、その玉に吸い込まれ始めた

 

兵士長「あ……あぁ……ァァァァァ!」

 

無名「バーカ、金だけで成り上がろうとするからそうなるんだってーの、さぁて、テメェ等はどうする?」

 

兵士長が黒い玉に吸い込まれ終わると、無名はニヤリとした不敵な笑みを浮かべつつ残った兵士達に自分へ勝負を仕掛けてくるかどうかを聞き始めた、すると、残された兵士達はオロオロとして返答を濁らせていた

 

無名「まぁ、所詮は金持ちのボンボンの兵士長なんぞに連れられてた雑魚共だしな、興味すら湧かねぇし、シッシッ」

 

無名が手を払い、あっちに行けと言いつつ挑発をすると、残された兵士達の怒りを買ったようで兵士達は無名への殺意が満たされた瞳で無名を見て、銃を無名に向けて構えた

 

無名「ほぉー?俺とやろうってのか?………良いぜ、全員殺してやるよ」

 

無名は六枚の白い大きな翼を広げると、両手に黒い刃の刀を出現させ、自分に向かって兵士達が発射してきた弾丸を全て斬り落とし、兵士達に向かって飛んできた

 

無名「消えろ、雑魚共が」

 

無名はすれ違いざまに兵士達の胴体の腹と首に斬り込みを入れて、兵士達の身体を輪切りに斬り捨てた、そして、斬られた兵士達は無名に斬られた事に気付かず、無名の動きを追って体を動かすと体がグラリと崩れ、バラバラになってしまった

 

無名「鈍感な野郎共だぜ、斬るついでに言ってやるべきだったかな?『振り向くな』とでも」

 

兵士a「えっ?………えっ?ひっ!」

 

無名がニヤリとした笑みを浮かべながら振り向くと、そこにはさっきまで一緒に立ち向かうとしていた仲間が見るも無残な姿になって死に絶えた事に驚愕と恐怖を隠せずに居る兵士達が立っていた

 

無名「さぁて、次はどいつにしようかなぁー?」

 

兵士J「…………やぁ!」

 

無名が自分の右肩に黒い刃の刀をの刃の反りを当てていると、無名の背後から突如一人の兵士が切りかかり、無名の服の背中の部分を切る事に成功した

 

兵士J「や、やった!当たっt」

 

無名「テメェ!何しやかんだよ!」

 

無名は服を切られた事に怒りを覚え、その自分の服の背部を切った兵士が喋っている途中でバラバラの肉片になるまで切り捨てた

 

無名「俺のお気に入りを斬りやがって、直すの面倒なんだぞ全く……」

 

服の切られた部分からは無名の背中に刻まれていたとある文様のような入れ墨が見えた、その入れ墨は残虐な笑みを浮かべた六枚の翼を持つ、天使のような入れ墨だった

 

無名「あっちゃぁ………見ちまったんなら仕方無いなぁ……全員バラバラの、物言わぬ肉片になって貰おうかねぇ」

 

無名はニコニコとした笑みを浮かべたまま二振りの刀を頭上で打ち合わせると、そのまま体の横に向けて開き始めた、すると、その二振りの刀の軌道上に幾十、幾百もの黒い刃の刀が現れ、その全ての刀の切っ先が兵士たちに向かい始めた

 

無名「さぁ、死の舞踏を踊りな、『エンドレスワルツ』」

 

兵士g「ヒィィィィ!!」

 

兵士a「ギャアァァァ!!」

 

無名が音楽の指揮者が指揮鞭を振るうかのように刀を振るうと同時に軌道上に現れた刀は全て兵士達の後ろを追い掛け回しながら、兵士達の体を貫き、それと同時に刀はねずみ算式に増殖し、兵士達を追い続け、兵士達の体をバラバラにしていく

 

無名「はぁーぁー…もっと骨のある奴は居ねぇもんかねぇー?……ん?」

 

無名が兵士達の呆気なさに呆れていると、無名の腰の辺りに剣帝がはめていた物と同様の赤い出っ張るのあるベルトが出現した、無名はそのベルトを見ると、懐から緑色のメモリを取り出し、メモリの差込口付近のボタンを押した

 

《サイクロン!》

 

無名「さぁて、次の相手は誰かなぁー?………」

 

無名がメモリをベルトの右の出っ張りに突き刺すとメモリは消滅し、無名の意識が同時に切れた、そして、それと同時に機械的な姿の鳥がどこからともなく現れ、無名の身体に光を当てて、無名の体が地面に当たる前に回収し、どこかへ向かって飛び去って行った、そして、無名が居た場所付近は無名が殺した兵士達の死体だけが残っていた

 

~そしで、時間は剣帝がダラに包まれた後まで戻る~

 

剣帝「………来たか」

 

剣帝がベルトを付けてから少し立つとベルトの右側の赤い出っ張り部分に無名が自分の腰に現れたベルトに差し込んだ筈の緑色のメモリが現れた、剣帝はそのメモリをベルトに押し込むと同時に、懐から前もって取り出していた黒いメモリの差込部近くのボタンを押してからベルトに差し込み、押し込んだ

 

《ジョーカー!!》

 

剣帝「変身……は、これを付けてからだな」

 

剣帝はダラの体の隙間から入ってきた機械的な姿の鳥を掴むと、その鳥をベルトの前部分に取り付け、鳥の頭のような場所がちょうど半分になるように開いた、すると、剣帝の目の下に涙のような模様が現れ、剣帝の体が中央部に白い線が走り、左が黒右が緑色の仮面ライダーWエクストリームに変身した

 

無名「何だ、ダラちゃんが守ってたのか」

 

剣帝「まぁな、有難うなダラ、もう大丈夫だから店に行ってお菓子食べてきなさい」

 

ダブルの右と左の赤い瞳がそれぞれ光ると右のタイミングで無名の声が聞こえ、左のタイミングで剣帝の声が聞こえた、そして、剣帝から命令を受けるとダラと呼ばれた巨大蛇はスルスルと身体を伸ばし、発光を始め、小さな蛇のような尻尾が生えた少女の姿に変身した

 

ダラ「はーい、行ってきまーす」

 

剣帝「あぁ、たんと食べて大きくなるんだぞ………っと、待たせたな 」

 

男「ウケケッ、オレっちは別に待っちゃ居ないっすよぉ?」

 

無名「良く言うぜ、隙間が有ってもダラちゃんにしか攻撃してなかっただろうがよ」

 

剣帝はダラに行ってらっしゃいというと、男の居る方向へ向き直った、そして、無名と剣帝は男との会話を始めた

 

無名「どうでも良いからさっさと始めようぜ?」

 

男「望む所っすなぁー」

 

剣帝「それじゃ、行くぞ」

 

剣帝&無名「『さぁ、お前の罪を数えろ!』」

 

剣帝は男との会話を終えると、中央に走る白い部分から円形の盾とそれに付属するように刺さっている剣を出した、そして、その剣の柄頭の部分に一本のメモリを差し込み、剣を引き抜いた

 

《プリズム!》

 

剣帝「さっさと片付けるぞ」

 

無名「あーいよ」

 

男「そう簡単には片付いてやらないっすよぉー!」

 

剣帝が盾と剣を構えると、男は剣帝に向けて蛇腹剣を伸ばしてきたが、剣帝は盾でその蛇腹剣への切っ先を弾き、男に向かって走り始めた

 

~side:剣狼~

 

剣狼「この気配は………剣帝御兄様が御遊びを終えたようですわね……ならば私も本気で潰すとしようかしらね!」

 

映菜(御遊びを終えた…本気で潰す……まさか!)

 

剣狼「卍解…牙剣狼王(がけんろうおう)!」

 

剣狼が地面に鎌の刃を叩き付け、円を描くように走らせると、鎌の通った軌跡から紫色の光が走り、剣狼の姿を隠した

 

映菜(剣帝お兄同様に剣狼も卍解は使える……だけと、ワタシは一度も見た事が無かったわ……理由を昔剣帝お兄に聞いたらこう答えられた……)

 

剣帝『剣狼が何で卍解しないかって?俺がするなって言ってるんだよ、俺でも手を焼くくらい強いから』

 

映菜(でも、今ならワタシでも勝てるはz)

 

映菜は剣狼が光に包まれている内に片を付けようと銀色の刃の剣を手元に出現させると、そのまま構えていたが、突如光から放たれてきた紫色の斬撃に剣を持っていない方の腕が肩ごと切り落とされた

 

映菜「…………えっ?」

 

剣狼「あら、外しちゃったみたいね…まぁいいわ、ずぐに片付けられるし」

 

斬撃が飛んできた場所から光は地面に治まる様に消えていき、光の中から一対の大鎌を携えた紫色の二股の尻尾を持った剣狼が歩いてきた、そして、剣狼はすぐに何度も映菜に向けて斬撃を飛ばしてくる

 

剣狼「さっさとバラバラになってくれる?じゃないと剣帝御兄様の元に行けないし」

 

映菜「誰が……言う通りに……なるもんですか」

 

剣狼「そう……だったら仕方ないわね」

 

剣狼が大鎌の刃を再度地面に叩き付けると、突如大鎌の刃が峰の部分から割れて、その割れた部分に鋭利な犬歯のような牙が現れた

 

剣狼「噛み千切るしかないわよね」

 

映菜「………これが本気のアンタの姿なのn」

 

剣狼「黙って死んでなさい」

 

剣狼が瞬時に姿を消すと次の瞬間、映菜の首から上が消滅した、そして、それと同時に剣狼が映菜の後ろに現れ、その手に持っている大鎌はクチャクチャと咀嚼音を立てていた、そして、映菜の体が前のめりに倒れ、地面に当たると、硝子が砕けるようにパリンと音を立てて消えた

 

剣狼「…………ふぅん、そういう事でしたか」

 

剣狼は卍解を解除して砕け散った映菜だった物の残骸を拾ってから、剣帝が戦っている迷いの竹林の方向に向かって歩いていく



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第六十四話「帝王の夜」

~side:死帝~

 

死帝「あら、この気配は…」

 

鏡花「隙だらけですわ!死帝御姉様!!」

 

死帝が動きを止めると鏡花は手に持った銀の刃の直剣を死帝の体に向けて振るってきたが、鏡花の刃が当たる前に死帝の姿はするりと消えた

 

鏡花「あら?………後ろですわね」

 

死帝「流石にバレちゃったわねぇ…まぁ、仮にもワタシの妹だものねぇ」

 

鏡花「えぇ、その通りですわ。そして、今度は逃しませんわ!」

 

鏡花は死帝が自分の後ろに姿を現すと同時に指を鳴らした、すると死帝が移動した位置の地面から糸のような物が死帝の体に向かって伸びてきた、そして、死帝はその糸に拘束されてしまった

 

死帝「あら、随分と硬い糸を用意したものね」

 

鏡花「えぇ…この日の為に剣帝御姉様の使う剣糸の三倍の強度の糸を沢山用意しましたわ」

 

死帝「ふぅん、頑張ったのね……でも、無意味ね」

 

死帝が糸に拘束されたまま自分の体に巻き付いている多数の糸に触れていくと、その糸は音を立ててブツリブツリと切れていった

 

死帝「ワタシ以外になら効いてたでしょうけど、ワタシには効かないわねぇ」

 

鏡花「…………死帝御姉様、何故それほどにこちら側へ来る事を拒むのですか?」

 

死帝「そんなの答えは簡単じゃないの、ワタシは剣帝兄が大好きなの、そして、そんな剣帝兄が護るこの郷やあの家庭が好きなの、だから、それを壊そうとする貴方達は嫌いなのよ」

 

鏡花「単純にして明快な答えですわね……良いですわ!ワタクシはワタクシの力で御姉様を自分の物に致しますわ!」

 

死帝「それは今回は無理ね」

 

鏡花は死帝に掴みかかろうと走って来たが、死帝はまたもや瞬時に移動して鏡花の後ろに周り込んでから喋り始めた

 

鏡花「何故、そう言い切れるんですの?」

 

死帝「だって、あなた本体じゃないでしょ?」

 

鏡花「………何時から気付いていらっしゃいました?」

 

死帝「何時からって……顔を合わせた時からかしら」

 

鏡花が振り返りながら口元を歪ませて質問すると、死帝は淡々と返事をし始めた

 

死帝「だって、アナタの気配、離反した時よりもずっと弱くなってるし………能力で作った複製体よね?」

 

鏡花「その通りですわ。ワタクシは複製体、本体ではありませんわ」

 

死帝「そうでしょうね。だからこそ、倒すのも容易いのよね」

 

鏡花「そう……でした…か…」

 

死帝が手に持った二振りの短刀を納刀すると同時に死帝の背後に居た鏡花の身体にヒビが入り、ガラスの様に砕け散った

 

死帝「さてっと……アタシも行かなきゃね!」

 

死帝は鏡花が砕け散った後、自分の周囲に煙を発生させると子供の姿に戻り、テトテトと迷いの竹林に向かって歩いて行き始めた

 

~side:双月~

 

双月は音刃からある程度距離を取りながら手に持った2丁拳銃を撃ち、音刃に向けて弾丸を放っていた

 

音刃「んなもんがオレに当たるかぁ!!!」

 

双月「やはり普通の弾丸では近付ける事すら不可能ですか…」

 

しかし、音刃はマイクを口元に近付けて衝撃波の領域に入っている大音量の声を出し、弾丸を止めて落として、自分に当たる事を防いでいた

 

音刃「オレに弾丸なんぞが当たるかぁ!!」

 

双月「えぇ、そうでしょうね。先程も弾かれていたから分かります」

 

音刃「そうと分かってるならとっとと降伏しろよ!」

 

双月「嫌です。それに、手がもう無い訳では有りませんし」

 

双月は音刃の発言を聞きながらハァーと口から大きく息を吐き出し全身の力を抜き始め、その次に今度は息を大きく吸い込み、音刃を見据えるように睨み付け始めた

 

双月「あまり、兄さんを待たせるのは出来る妹にあるまじき行為なので、さっさと片付けさせて頂きます」

 

音刃「ハァッハァー!!オマエの攻撃はオレには通じねぇぜぇ!?どうする気だ!?」

 

双月「こうするんですよ」

 

音刃「だから、そんなもんはオレにはあだっ!」

 

双月が音刃を見据えつつ今まで同様に黒い銃から弾丸を撃ち出すと、音刃は笑いながらまた衝撃波の声を出し弾丸を弾こうとした、だが、弾丸は音刃の衝撃波に当たると弾かれるどころか爆発をして音刃の顔に爆炎と爆風、弾の破片が当たってきた

 

音刃「小娘が…ナメたマネしやがって…」

 

双月「うるさい方です。とっとと黙って消えて下さい」

 

双月は音刃に向けて呆れたような口調で喋りつつ、音刃の周囲に白と黒の銃で交互に弾丸を撃ち込み、その後音刃に向けて黒い銃で弾丸を撃ち込んできた

 

音刃「同じヘマをオレがする」

 

双月「連鎖爆裂(チェイン・ボム)」

 

音刃「熱っ!冷てっ!」

 

双月がボソリととある単語を言うと同時に音刃の周囲の足元に撃ち込まれていた弾丸が爆発を起こし、音刃の周囲の足元から大量の火炎と大量の氷が音刃に向かって飛んできた

 

音刃「イテテテッ!!」

 

双月「これで終わりですね」

 

音刃が足下の氷や火炎に気を取られていると双月は銃の先端に炎と氷を混ぜたようなエネルギー弾を作り出し、音刃に向けて発射した

 

そして、そのエネルギー弾が音刃に命中すると大爆発が起こり、その大爆発の間に何かが砕ける音が聞こえた

 

双月「さて、兄さんの元に一番に着いて双が一番良い妹だと証明しないと♪」

 

双月は楽しそうな表情を浮かべつつ、スカートの裾をはためかせつつ剣帝が戦っている迷いの竹林に飛んでいった

 

~side:剣帝&無名~

 

???「どうしたんすかぁ?ニィ二達、随分と弱くないっすか?」

 

剣帝「チッ、うるせぇなぁ」

 

剣帝は左手で持っている円形の盾で男から伸ばされてくる蛇腹剣を弾きつつ、右手で持つ剣で切り付けようとするが、男は軽やかな動きで剣帝の剣を回避しつつ距離を取る

 

???「オレッチが居なくなってからの方が弱くなったんじゃないっすか?えっ?どうなんすか?」

 

剣帝「あー……苛々する…」

 

???「何すか?オレッチへの怒りっすか?」

 

剣帝「チゲぇよ、俺自身の弱さに苛立ってんだよ」

 

剣帝はハァと溜め息をつきながら自分の弱さに嘆き、右手に持った剣を首の付け根の辺りにカンカンと当て始めた

 

???「なら、大人しくオレッチに殺され」

 

無名「そんな弱さに嘆いてる剣帝に朗報だぜ……時間が経ったぜ」

 

剣帝「ようやくか」

 

???「時間?何の時間が経ったん……まさか!」

 

無名「まぁ、お前の予想してる通りだと思うぜ?剣帝と駄弁る時間がありゃ闇討ちでもすりゃ良かったのによ」

 

無名が担当する右側の目の部分が光り、剣帝が剣を天に向けて上げ、軽く振るうと、それまで満天の青空だった空が砕け散り

 

黒い空に星々が輝き、その中で一際大きく赤い月が輝く夜に突然変化した

 

???「い……何時の間に…」

 

無名「ちょっと前だな、まぁ、取り敢えず……時間切れだな」

 

男が驚きながら空を見上げてから剣帝達の方向を向き直すと、そこには月と同じくらい紅い髪をした男、剣帝とその横に黒髪長髪の男、無名が立っていた

 

剣帝「さぁ…お仕置きの時間だ」

 

???「…………に、逃げるが勝ちっすね!!」

 

剣帝「逃がす訳無いだろ」

 

???「グェっ!」

 

男が剣帝から逃げ出そうと走り出した、だが、その次の瞬間剣帝が目の前の空間を握ると男の体に周囲からでも見て取れるような窪みが現れ、男を拘束した

 

剣帝「散々コケにしやがって……偽物風情が」

 

???「あっ、やっぱりバレてたっすか?」

 

剣帝「当然だろう、お前を作ったのは他でもない俺だ、その俺の弱体時で善戦できるとかあり得ないだろう」

 

???「いやー、おっかないっすねぇ」

 

剣帝「馬鹿にしてんのか…まぁいいや、今度は本体で来いや」

 

剣帝は右手で男を掴み続けながら男に向けて左手を伸ばし、灰色の極太のビームを放ち、男を消し炭にした

 

剣帝「ふぅ………これで終わりだな」

 

無名「そうだなぁ………ところでもう切っても良いか?」

 

剣帝「あぁ、悪いな、手間を掛けさせた」

 

無名「全くだ」

 

無名が全身から力を抜き、ハァーと息をつくと剣帝達の上で輝いていた赤い月が消え、元の新月に戻った

 

無名「あー……マジで疲れた」

 

剣帝「お疲れさん」

 

無名「お前もな……さて、帰るか」

 

剣帝「おうよ、そうだな」

 

剣帝達があくびをしつつ自分達の目の前の空間に黒い穴を開いていると、双月、死帝、剣狼が駆け付けてきて、全員黒い穴の中に消えて行った

 

~???~

 

周りの壁が機械的な部屋の中の中央の大きな銀色の机に足を掛けながらとある一つの人影が騒いでいた、そして、その人影にスタスタと一人の女性の人影が近づいて来ていた

 

???「だぁぁ、負けたっすぅ!!」

 

鏡花「申し訳有りません、ワタクシの力不足のせいで」

 

???「あー、気にするなっすよ、あのクソニィ二達が異常なだけっすから」

 

机に足を掛けていた男は少し前まで剣帝と戦っていた男と同じ姿だった、そして、その男に近付いていたのは死帝と戦っていた鏡花だった

 

鏡花「ですが…ワタクシがもっと力を付けていれば」

 

???「良いから気にするなって、それよりあのクソニィ二達をぶっ倒す方法考えるっすよ、鏡花」

 

鏡花「はい!分かりましたわ。裏切(りせつ)御兄様」

 

青と黒が入り混じった髪の男、裏切と呼ばれた男は腰掛けていた椅子から立ち上がり、鏡花の頭をポンと優しく叩いてから鏡花を連れて退室していった



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第六十五話「強大な兄弟の組手」

第六十五話「」

前書き

東方とハイスクールD×Dの二次創作です

これはうp主の自己満足品です

キャラ崩壊が多大に含まれます

これは駄文です

妹紅は俺の嫁、異論は認めん

後、オリ主はチートです

後、残酷な表現があります。

それでも良いよって方はゆっくり見て行ってね

――――――――――――――――――――――――――

あらすじ

――――――――――――――――――――――――――

~裏切と戦ってから数日後~

 

セラ「剣帝く〜ん、何処に居るの~?」

 

黒影「どうしたぁ?セラちゃんよ」

 

セラ「あっ、黒影君、剣帝君って今何処に居るかなぁ?」

 

黒影「剣帝の居場所だぁ?………あー、今は止めとけ、100%怪我するぞ」

 

セラフォルーが剣帝の屋敷の中で剣帝を探していると部屋の中から首だけ黒影が顔を出してきた、セラフォルーはそんな状態の黒影に剣帝の居場所を聞くが、黒影は辞めるように言ってきた

 

セラ「何で怪我するって分かるの?」

 

黒影「剣帝と無名の居場所がほぼ揃ってるからな、確実に組手中だだろうからな、余波がヤベェんだよ」

 

セラ「組手?何で二人が組手なんてするの?」

 

黒影「さしずめ剣帝が体の調子確認の為に無名に頼んだって辺りかねぇ」

 

黒影はソファで横になりながらセラフォルーから投げかけられてきた質問に返答していく

 

セラ「へぇ~、そうなんだぁ……それで剣帝君達は今何処に居るの?」

 

黒影「俺の話聞いてたか?今行くとほぼ確定的に怪我をするぞ?」

 

セラ「ワタシって実はそれなりに強いから平気だも~ん」

 

黒影「あのな………はぁ、廊下の奥の階段を降りた先の地下室だ」

 

黒影はセラフォルーに再度剣帝の居場所について聞かれるとまた答えることを断ろうとしたが、セラフォルーの発言に呆れつつも行き方を教えてくれた

 

セラ「有り難うね、黒影君、それじゃあねぇ~」

 

黒影「はぁ………後で見に行くか」

 

黒影はセラフォルーがルンルン気分で走っていくのを見送ってから軽い睡眠を取ろうとし始めた

 

~剣帝邸:地下~

 

セラ「剣帝君~、キャァッ!」

 

無名「どうしたどしたぁ!?剣帝!随分と弱いじゃねぇか!」

 

剣帝「喧しい!長期間力を封じられて過ごした上にその後の帰還後も新月で力が出しにくいんだよ!」

 

無名「長期間って、今回はどれ位だったんだ?」

 

剣帝「二年」

 

無名「うっわ、ちと長いな!」

 

セラフォルーが地下室の入り口に着き、地下室の中を覗くと其処では剣帝と無名がお互いの体目掛けて目にも止まらぬ速さで拳や蹴りを放ち、互いにそれを受け止めていた、そして、その受け止めた際に互いの位置から強い衝撃波が放たれる

 

剣帝「まぁ、もうちょいしたらまた行くけどな」

 

無名「へぇ、御苦労なこったなぁ、修行か?」

 

剣帝「まぁな、今回の騒動で俺の力不足は痛感したからな、まだ弱い」

 

無名と剣帝は会話を続けながら互いに蹴りや拳を相手に向けて撃ち放ち続ける、その攻撃の余波で辺りには強い衝撃が走る

 

無名「力不足って……現状のお前はこの世界での生物内最強じゃねぇか」

 

剣帝「だが、生物を超える相手には勝てない」

 

無名「それは神って部類だろう、が!」

 

剣帝「その通り、俺はいずれ神も超える程強くなり続けなければならないんだよ、あの子の為に」

 

無名「ばっかだなぁ」

 

黒影「馬鹿はてめぇら二人だろうが!ちゃんと周り見やがれ!」

 

剣帝の言葉を聞くと無名は剣帝の頭に向けて岩をも粉々に砕きそうな蹴りを放ったが、剣帝はそれを右腕一本で難なく止めた、だが、その蹴りを受け止めた際には今までで最も大きな衝撃波が発生した

 

剣帝「どうした?黒……あっ」

 

無名「うるせぇなぁ、誰が馬鹿、あっ……」

 

セラ「………」

 

黒影「テメェ等はもう少し加減を覚えろや!この部屋の壁ってブラックダイヤより硬いはずなのになんで余波だけでボッロボロに傷が入ってんだよ!」

 

無名と剣帝に向けて文句を言っている黒影の腕の中には剣帝達の組手の余波で倒れてしまったセラフォルーが居た

 

剣帝「かなり加減してるけど?」

 

黒影「…………あぁ、そうだよな、テメェの場合は加減してこれだもんな」

 

無名「第一、倒れる側が悪いだろ」

 

黒影「テメェは理不尽を辞めろやボケが」

 

黒影が幾ら文句を言っても無名は知らんなと言わんばかりの反応で剣帝は申し訳無さそうな表情をしている

 

黒影「ったく……まぁ、幸いセラちゃんは余波で気絶してるだけだし……取り敢えず俺様はセラちゃんをベットで寝かせてくるわ」

 

無名「あいよー………さて、続けるか」

 

剣帝「おうさ、と言いたい所だがここでやると確実に家に響くから終わりだ」

 

無名「ちぇっ、ツマラン」

 

黒影は気絶しているセラフォルーを脇に抱えるとそのまま階段を上がって部屋に向かった

 

そして、無名は組手を続けるかと提案したが剣帝はそれを却下し、無名はしょぼくれた感じで部屋に向かって歩いて行った

 

剣帝(…………さて、適当に散歩しに行こっかな)

 

剣帝は自分の目の前に黒い穴を出現させると、その穴の中に消えていった

 

~幻想郷:森奥地~

 

鳥が鳴き、風が吹き抜ける音等の自然の音以外が一切聞こえない森の中に突然黒い穴が開かれ、その穴から剣帝が出てきた

 

剣帝「ふぁーぁ……さて、情報抹消の煙使っちまったからなぁ……居るか?、ジャック」

 

ジャック「なぁに?おかあさん」

 

剣帝「そうか居たか、なら、おいで」

 

ジャック「はぁい」

 

剣帝が左手を突き出しつつジャックという名前を呼ぶと剣帝の前の木の上にある枝に白髪の目の辺りに縫い跡がある少女が現れた

 

そして、剣帝がその少女に向けて腕を広げていると少女は嬉しそうな顔をしながら剣帝の胸に飛び込んできた

 

剣帝「よしよし、ジャックは良い子だな」

 

ジャック「えへへ♪」

 

剣帝「さてと…ジャック、少し悪いとは思うんだがお願いがあるんだ」

 

ジャック「おねがい?」

 

剣帝「そう、ジャックが宝具を使う時に発生させる霧に情報抹消を混ぜ込むのをくれるように時々頼むだろ?それをくれないか?」

 

剣帝は自分の胸に飛び込んできたジャックと呼ぼれる少女を抱き止めると優しく頭を撫で始めた

 

そして、剣帝は少し撫でてからジャックの顔を自分の胸から離すとジャックと目線を合わせてジャックにおねがいをし始めた

 

ジャック「は~い、何時も通りわたしたちがそれを作り出したらおかあさんが取るんだよね?」

 

剣帝「うん、そうだよ」

 

ジャック「それじゃあ今から出すね」

 

剣帝「何時もゴメンな、疲れるだろうに」

 

ジャック「大丈夫、わたしたちはおかあさんに喜んで欲しいもん」

 

剣帝「有り難うな、ジャック」

 

ジャックが腰に付けたナイフポーチの様なものからナイフを取り出し、両手でナイフを構えているとジャックの足下から白い煙のような霧が発生し始めた

 

すると、剣帝がすかさずその霧を小さな瓶で回収し始めた

 

剣帝「これで良しっと」

 

ジャック「これで良いの?お母さん」

 

剣帝「あぁ、これで充分だよ、お疲れ様、さぁ、俺の店にお菓子が置いてあるからそれを食べておいで」

 

ジャック「うん、またね、お母さん」

 

剣帝が煙を回収し終わり小瓶に蓋をすると、ナイフをポーチにしまったジャックが近付いてきた、すると剣帝はジャックの頭を撫でながらジャックの後ろに黒い穴を展開し、話し終わったジャックは穴の中に消えていった

 

剣帝「さってっと……出て来いよ無名」

 

無名「クカカッ、気付いてたか」

 

剣帝「当然だろう、それで、何の用だ?」

 

無名「んなもん言わなくても分かってるだろ?」

 

剣帝「………まぁな、さしずめ組手をまたしたいんだろ?」

 

無名「御明察」

 

剣帝がジャックが入って行った穴を消し自分の斜め後ろの木の方に意識を向けつつ無名の名を呼び声を掛けると、丁度その位置から無名が現れた

 

そして、剣帝が無名の要望を言い当てると無名はニヤニヤとした顔付きになり、無名が肯定すると同時に二人は拳を構え、同時に臨戦態勢に入った



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第六十六話「剣帝の逆鱗に触れた結果」

~幻想郷:とある森の奥地~

 

無名「さぁ、始めようぜ」

 

剣帝「まぁ……ほどほどでな」

 

互いに拳を構えている二人の周囲が陽炎の様に歪み、剣帝の周りには蜷局を巻く、金色の龍の様な幻影が現れ

 

無名の周りには大きく口を開けた六枚の翼のようなものが付いた人骨の頭のような幻影が現れ、互いにぶつかり合いを始め、ぶつかった箇所では赤と青の電流が走り始めた

 

無名「さっきみたいにテキトウな加減して俺を落胆させんなよ?」

 

剣帝「そんな事言ってる場合か?馬鹿が」

 

無名「クカカッ、無駄口叩く余裕が有るんなら問題ねぇな」

 

剣帝「お前こそな」

 

剣帝と無名がそれぞれ左手と右手をまっすぐ横に伸ばすと、無名の右手には黒色の鞘に収まった柄が真っ黒な脇差が現れ

 

剣帝の伸ばした左手の先には剣帝が再三開いた黒い穴が開きそこから剣帝の髪の色と同じ赤色の鞘に収まった剣が出てきた、そして、剣帝はその剣の柄を握り、穴から剣を引き抜いた

 

無名「へぇ、それを出したって事は俺がある程度本気出しても平気だな」

 

剣帝「まぁ、そうだな」

 

無名「んじゃ、今回こそは勝たせて貰うぜ」

 

剣帝「やれるもんならやってみな」

 

剣帝が剣を背中に背負い、無名が腰に刀を帯刀すると、剣帝が無名に向けて右手を伸ばし指を動かして無名を挑発すると、無名はそれに乗るように剣帝に向かって走ってきた

 

そして、無名は剣帝に向けて目にも止まらぬ速さで刀を振るってきたが剣帝はさも当然のように左手で剣を掴んで刃を鞘から引き抜くと無名が振るってきた刀の刃を受け止めた

 

無名「やっぱ受け止めるか」

 

剣帝「まぁな、音速程度じゃ遅過ぎるからな」

 

無名「普通は音速は充分過ぎるくらいの速さなんだがなぁ……」

 

剣帝「俺等の間じゃそんなの通用しないだろうが」

 

無名「そりゃそうだ!」

 

剣帝「おっと」

 

無名は剣帝に刀の刃を受け止められて残念そうにしながら剣帝の顔目掛けて突きを放ったが、剣帝はそれを見切って難なく回避した

 

無名「チッ……」

 

剣帝「加減も過ぎるとつまらないからもう少し本気でやろうや」

 

無名「クカカッ、良いぜ」

 

剣帝「んじゃ、仕切り直しだなっと!」

 

無名「うおっ!」

 

剣帝が無名と鍔迫り合いしていた状態から剣を力強く振ると、無名は後方に吹き飛び、それと同時に大きな風が辺りに吹き荒び、剣帝と無名を包むように風が竜巻に変化した

 

~迷いの竹林:剣帝宅~

 

セラ「ねぇ、黒影君、幾つか質問良い?」

 

黒影「どしたぁ?セラちゃん」

 

セラ「あの竜巻……何?」

 

黒影「あー…アレは剣帝と無名が軽い戦闘してるからだな」

 

セラ「それと、何だか体が重たいんだけど……何で?」

 

黒影「それはアレだな、剣帝と無名の相手への殺気とか闘志とかのぶつかり合いのせいだな」

 

セラフォルーと黒影は少し距離を開けながら二人並んで縁側に座り、セラフォルーが少しつらそうな顔をしながら黒影に質問していき、黒影はその質問に余裕の表情をしつつお茶を飲みながら返答していく

 

セラ「それじゃあ……アレが剣帝君のホントの本気って事?」

 

黒影「いやー?出して二割か三割だろうなぁ、その程度じゃないと衝撃があんな小規模な訳ねぇし」

 

セラ「えっ!アレで小規模なの!?あの竜巻周りにあるおっきな木まで吹き飛ばしてるけど」

 

黒影「あぁ、小規模だぜ、剣帝と無名が五割の力とか出したらそれこそこの郷なんぞ軽々と消え去るし、本気なんぞ出したら最早太陽系が消し飛びかねんからな」

 

セラ「…………剣帝君って何者なの?」

 

黒影「ん?剣帝は簡単に言うと怪物だな」

 

セラフォルーは若干怖がるような様子を見せながら剣帝と無名が戦っている竜巻を見つめ、黒影は特に興味も無さそうにお茶を飲んでいる

 

~幻想郷:とある森奥~

 

無名「さぁて、行くぞぉ!!」

 

剣帝「良しっ、来いっ!」

 

無名は一見恐ろしい笑顔を見せながら剣帝に切りかかり、剣帝も恐ろしさが滲み出ている楽しげな笑顔を見せて互いに相手の身体を切り裂いていた

 

だが、傷付いた端から無名と剣帝の身体は瞬時に傷口を再生して辺りにはただ血飛沫だけが飛び散っている

 

剣帝「あー、久々の切り合いは楽しいな、無名」

 

無名「そういうのはもっと本気に出してから言いやがれ!つうか眼鏡外せ!」

 

剣帝「………あー……悪い、忘れてた」

 

剣帝は無名に眼鏡を外すように文句を言われると、ニコニコとした笑顔のまま眼鏡を外し、自分の真横に黒い穴を小さく開き、そこに眼鏡を入れて閉じた

 

その次の瞬間、剣帝の髪の色が頭頂部から変色し始め、赤色から銀髪に変化し、それと同時に後方に向かって二塊の髪の毛が跳ねた

 

剣帝「そら、掛かって来いよ」

 

無名「けっ、ようやく四割出しやがったな、このクソ兄貴が」

 

剣帝「無駄口叩かずとっととやるぞ」

 

無名「あぁ、分かってるが、武器はどうする?」

 

剣帝「………要らんな」

 

無名「だな」

 

剣帝と無名は互いに自分の後ろに黒い穴を開くとそこに剣と刀と鞘を投げ入れ、入り切ると同時に穴を閉じ、相手に向かって殴りかかった

 

無名「クカカカカカッ、テメェとの殴り合いなんざ久し振りだよなぁ!」

 

剣帝「確かに、そうだな!」

 

無名「腕は鈍ってねぇよなぁ!?っと、胴体がら空き!」

 

剣帝「グフッ!……そっちこそ鈍ってんじゃねぇのかぁ!?脳天ガラ空きだぞ!」

 

無名「うぐぉっ!……やるねぇ」

 

剣帝「テメェこそなぁ」

 

剣帝と無名は互いに互いの身体を拳一つで殴り始め、互いの拳が身体にぶつかる度にビキビキと体の骨にヒビが入り

 

時にはゴキリという骨が折れる音やボキャッと言う骨が砕けるような音が聞こえてくる、だが、二人は楽しそうに互いを殴りながら高笑いをしている

 

剣帝「ハァーハハハハハッ!!」

 

無名「クカカカカカカカッ!!」

 

そして、二人が互いに相手へのトドメの一撃を叩き込もうとした瞬間、二人の周囲の風や草木の動きが止まった

 

剣帝「………無名、お前、時間停止使ったか?」

 

無名「いんや、使ってねぇよ?つか、こんな楽しい時にんな不粋な真似するかよ」

 

剣帝「と、なると別の誰かか……」

 

無名「そういや剣帝、妹紅ちゃんは今何処だ?」

 

剣帝「…………今晩の飯を買いに人里だな」

 

無名「……行くか」

 

剣帝「あぁ」

 

二人は互いに拳を納めると、まるで我が子を盗られた獅子のような目付きをしながら時間が止まった世界の中を歩いていく

 

~幻想郷:人里~

 

??「デュヘヘッ、偶々手に入れたこの時計がまさかどこぞの薄い本に出てくるような時間停止アイテムだっただなんて」

 

時間が止まってしまった人里の中で下卑た笑い声を出しながらブクブクと太った不潔そうな見た目の男が歩いていた

 

太男「しかも、運が良い事に今、正に目の前に藤原妹紅ちゃんが居る……デュヘヘッ、たぁっぷりと調教して、僕のお嫁さんにしてあげるからねぇ」

 

太った男が妹紅に触れようとした瞬間、その妹紅に向かって伸びた腕を掴み取り、握り潰そうとする手が横から伸びてきた

 

太男「ブヘッ!?だ、誰だお前!!」

 

剣帝「あぁ!?俺はこの娘、妹紅の夫だよ!このクソ野郎が!」

 

太男「ふ、ふぅーん、だったら大人しく止まって妹紅ちゃんが犯されて僕の物になるのを大人しくアホ面しながら見てるが良いさ!」

 

男はそう言いながら何度も手に持った時計のボタンのような場所を押し、周囲の時間を止めては動かし止めては動かしを繰り返すが、剣帝は余裕で動き続ける

 

太男「な、何で止まらないんだよぉ……」

 

剣帝「残念だったな、俺は妹紅をそういう輩から守る為にその手の類の術を無効化出来るようにしてるんだよ」

 

太男「だ、だったらこれで!」

 

剣帝「………」

 

男は剣帝に時間停止が聞かないと分かるとすぐに時計に付いたもう一つの能力を発動させた

 

太男「お、お前は今から『僕の奴隷』だ!良いな!!」

 

剣帝「はっ?断る、何で俺がお前みたいなグズの奴隷なんぞしなきゃならないんだよ」

 

太男「こ、これも効かないのか!?」

 

剣帝「お前、ちゃんと俺の話聞いてたか?俺はその手の''類''の手を無効化するって言ったよな?類って事は複数種、つまりは、催眠とか洗脳も無効化出来るんだよ、ボケが!」

 

太男「ひ、ヒェェェ!!化物だぁ!!」

 

剣帝「第一、俺はろくに努力もしねぇ様なテメェみたいなカスが、かわいい女子に相手して貰えるとかって妄想を押し付けようとしてるのが一番苛つくんだよ!」

 

太った男は四つん這いになりゴキブリのように必死に手足を動かし剣帝から逃げていくが、剣帝はその後ろからずんずんと歩いて近づき、人里から出た辺りで男を捕まえた

 

剣帝「テメェみたいな奴は普通の痛め付け方じゃあ俺のイラつきが収まらねぇ」

 

太男「や、辞めてくれ……た、助けてぇ…見逃してくれぇ…」

 

剣帝「はぁ?お前はそうやって言って嫌がって助けを求めてくる女の子を見逃した事あるのか?」

 

太男「そ、それは……」

 

剣帝「やっぱ無さそうだな……うん、クロだな」

 

剣帝は男を右手で捕まえるとそのまま片腕で難なく持ち上げ、左手で空のドラム缶を創り出した、そして、そのドラム缶の中に男を投げ入れ

 

その後、何処からともなく出したボンベの様なものを背負い、そこから伸びるシャワーのノズルのような物をドラム缶の空いた上側に付け、ノズルからとある液体を男に向けて流し始めた

 

太男「な、何だこの水は……あ、暑い!!肌が焼けて溶けるように、あづっ!!」

 

剣帝「そら、硫酸風呂の湯加減はどうだ?」

 

太男「や、辞めっ……どげる……じ、じ…ぬ゛…」

 

剣帝「あぁ、死ねよ、今すぐに死ねよ」

 

剣帝は太った男の頭から大量の硫酸をかけ、男が溶けた事を確認すると何かしらの能力で硫酸だけを消してから自分の指を咬み、ドラム缶の中に血を一滴だけ垂らした

 

すると、どういう訳か骨の欠片や少しの歯しか残っていなかった太った男の身体が元通りになり蘇った

 

太男「あ、アレ?……な、なぁんだ元々から僕を殺す気なんて」

 

剣帝「……はぁ、お前の頭は相当におめでたいらしいな」

 

太男「ふぇっ?」

 

剣帝「あのなぁ……俺が愛する嫁さんを汚されそうになってて、その犯人を捕まえて、一回殺しただけで済ませると思うか?」

 

剣帝は冷徹な、まるで家畜を見るような目で男を見ると、男の頭上に手をかざした、そして、服の袖口から多種多様なおぞましい姿をした虫や多様の寄生虫、加えて大量の毒虫、更には殆どの人間が嫌悪対象とするゴキブリなどを放ち、ドラム缶に蓋をした

 

太男「や、止めっ、来るな!来るなァァァ!!オゲェェェェ!!」

 

剣帝「そのドラム缶がお前の墓標だ」

 

剣帝はドラム缶の蓋が開かないように重りを乗せてから、そのドラム缶を自分の店の裏まで運んでいった

 

剣帝「さて、蠱毒の実験だ」

 

剣帝は店の裏の地面に人が二人は入りそうな大きな穴を掘ると、其処に重りが外れないようにぐるぐる巻きにしたドラム缶を投げ入れ、埋めた

 

剣帝「そのうち掘り返してやるよ」

 

剣帝はそう言いながらスタスタと自宅へと帰って行った

 

《後日、掘り起こされたドラム缶の中身は見るも無惨な程に体中を虫に喰われ、更には多様な寄生虫に寄生され苗床となってもまだ剣帝の力のせいで死ねずに居た、体の各部に骨が見え隠れしている男の姿があったそうな》



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第六十七話「茶色い血の味」

~二人が殴り合いをしてから数日後、今日はバレンタイン~

 

~迷いの竹林奥地:無名の家~

 

無名「はぁー……暇だなぁ……」

 

無名は迷いの竹林にある永遠亭より更に奥に有るとある一軒家の中のリビングでホットカーペットを付け、テレビを見ながらオレンジジュースを飲んでいた

 

無名「世間は今、バレンタインかぁ……こっちにもバレンタイン流れて来ないかなぁ…そしたら何人か俺にチョコくれるだろうしn」

 

無名がオレンジジュースを飲みながら天井を見上げて居ると、突然家中に警報音が鳴り響く

 

無名「はぁ?……俺の家にチョコってまさか!もうバレンタインは幻想入りしてたのか!?」

 

無名が半分ウキウキ気分でテレビの入力切替をして、画面の内容を監視カメラに切り替えると、そこには

 

無名の家の廊下に仕掛けてある直径10m以上は確実にある針だらけの鉄球や明らかなまでに当たると体に食い込み噛み千切りそうなトラバサミを気合と拳のみで叩き壊す剣帝の姿が

 

無名「…………何でアイツはあんなに殺意放って来てんだよ…」

 

剣帝『無名……見ているなぁ?』

 

無名「げっ!気付かれた!」

 

剣帝『今からそっちに行くかなぁ?』

 

剣帝が監視カメラに指差しをして予告をすると、その次の瞬間テレビ画面が砂嵐になり、状況が分からなくなった

 

無名「B級のホラー映画かよ……」

 

無名(にしても、何で剣帝があんなに殺気を放ってこっちに来てるんだ?………うーん、思い当たる節があり過ぎて困る)

 

無名が自分の顎に手を当て、困っていると、一つ、とある事柄が思い浮かんできた

 

無名(まさか…昨日の…)

 

~遡る事一日前~

 

無名「ほーれ!高い高ーい!」

 

妹志「たかいたかーい!アハハーッ!」

 

無名「妹志ちゃんは元気だなぁー」

 

妹志「エヘヘ~、無名おじちゃんやしゃしい~」

 

無名が剣帝の自宅の庭で剣帝の娘の次女、妹志(もか)と戯れ、妹志に頼まれて高い高いをしていた

 

無名「そういや、妹志ちゃんは何歳になったんだっけ?」

 

妹志「んー……四ちゃい」

 

無名「そうかあ、四歳かぁ……将来は美人さんになるなぁ」

 

妹志「ママみたいにー?」

 

無名「おうさ」

 

妹志「わぁーい!」

 

無名が妹志を抱きかかえて可愛がっていると妹志は嬉しそうに両手を上げて喜んでいた

 

無名「あー……美人と言えば、明日はバレンタインかぁ……」

 

妹志「バレンタインってなぁに?」

 

無名「ん?女の子が好きな人にチョコを送ったり、友達にチョコを送ったりする日だぜ?」

 

妹志「しょうなんだぁ……無名おじちゃんもチョコ貰いたいの?」

 

無名「まぁな、どうせ妹志のパパは一杯貰うだろうけど、俺はあんまり貰えないしな」

 

妹志「無名おじちゃん可哀想……妹志があげるね!」

 

無名「クカカッ、有難く貰おうかねぇ」

 

~そして、現在に戻る~

 

無名(まさか……アレか?アレが原因で…か?)

 

無名が記憶を思い出す事に集中していると、後ろの扉が強く叩かれる

 

無名「まさか……もう」

 

そして、また力強く扉が叩かれると、扉は勢い良く開いた、そして、そこには可視化された燃える炎のような気を纏った剣帝がチョコを3つ握っていた

 

剣帝「よぉ、無名」

 

無名「よ、よぉ、剣帝……どうした?そんなに殺気だって」

 

剣帝「喜べ無名、俺の愛する嫁からの義理チョコと、俺の愛する娘達からのチョコだ!」

 

無名「そ、そうかぁ……どうせ全部義理だろ義理」

 

剣帝「因みに、娘二人から俺へのチョコは無い……」

 

無名「…………逃げろ!」

 

無名が何かしらの危機を察知したのかポチリと手元のボタンを押すと、無名の足下が開き、無名はそこに開いた穴に落ちていった

 

無名「んじゃ、ばいちゃー!」

 

剣帝「…………」

 

剣帝は無名が逃げた様子を見ると、クルリと体の方向を転換して無名の家の外に向かって歩いていく

 

~迷いの竹林:内部~

 

無名「何で!……俺の位置が!……分かるんだよ!」

 

剣帝「逃げる事無いじゃないか、無名、可愛い妹菜と妹志が丹精込めて詰めたチョコの詰め合わせだぞ」

 

無名「チョコの詰め合わせは嬉しいが、持ってくるテメェは願い下げだボケェ!!」

 

剣帝「ならばチョコはくれてやるから止まれ」

 

無名「そんなに殺気立ってるお前を信用出来るかぁ!!!」

 

無名は走って逃げていたが、剣帝はその後ろをスタスタと早歩きで走っていく、その二人の距離の差は一向に伸びない

 

無名「というか!渡すなら普通にポストに入れとけや!」

 

剣帝「…………断る!」

 

無名「はぁ!?」

 

剣帝「さっきくれてやると言ったな、アレは嘘だ、欲しければ俺を倒せ!要らぬと言うならお前を殺す!」

 

無名「どっちにしろBadendじゃねぇか!!!」

 

剣帝「さぁ!勝ち取るが良い!」

 

無名の後ろをずんずんと進んでいく剣帝の髪は一旦銀色の長髪になったが、すぐにまた赤髪の短髪に戻り、更には剣帝の姿が黒いロングコートに変化し、剣帝の後ろに後光のようなものが現れた

 

無名「テメェェェ!!一々弟にチョコ渡すだけで本気出すなよ!」

 

剣帝「貴様が何時までも逃げるからだ」

 

無名「し、る、か、ボケェぇぇぇ!」

 

剣帝「さぁ!俺からチョコを勝ち取ってみろ!」

 

無名「無理じゃボケェ!テメェはもう既に生物の域を超えてるじゃねぇか!」

 

剣帝「それは要らないと判断する、なので貴様を殺す!」

 

無名「理不尽じゃねぇーかぁー!!!」

 

無名は必死に剣帝から逃げる為に走るが、剣帝はその後ろを小走りで追い続け徐々に近付いていく

 

無名「クッソ、が!」

 

剣帝「おっと」

 

無名「無かったことにすんなクソが!」

 

剣帝「知らんなぁ」

 

無名は逃げている最中に後ろを振り向き、剣帝に向けて黒い球体を投げ付けるが、剣帝が右手を目の前で軽く振るうと、黒い球体は元からそこになかったかのように消えてしまった

 

剣帝「さぁ、大人しく勝ち取れ!」

 

無名「支離滅裂なんだよ!」

 

剣帝「知らん、な!」

 

無名「クソ兄貴がぁぁ!!」

 

無名は黒い球体が消された事を見てから、今度は地面から剣帝に向けて大量の剣を発生させつつ、走らせた、だが、剣帝はそれと同等の勢いで無名に向けて剣を発生させつつ走らせ、相殺した

 

無名「はぁ………クソ兄貴がぁ……無駄な体力使ってんじゃねぇよ……」

 

剣帝「ふぁーぁ……そうは言ってもな……お前が妬ましいからな」

 

無名「どうせ、お前の娘ちゃん達がお前にチョコを渡さなかったのは、アレのせいだろ」

 

剣帝「…………多分な」

 

無名と剣帝は互いに向き合いつつ話し合い、無名は話している最中に竹林の外にある剣帝の店の前を親指で指差した、そこには山盛りに積まれた包装されたチョコの箱が見える

 

無名「お前が毎年のごとくあの山を貰ってるから、お前の体を心配してるんだろ」

 

剣帝「それでもやっぱり俺は娘二人からのチョコが欲しい!」

 

無名「あっそ、取り敢えずこれは俺が貰っとくわ」

 

剣帝「あっ………まぁ、それも一応勝ち取った、に入るかな?」

 

剣帝がチョコの山を見つめながら娘二人からチョコが貰えない事を落胆していると、その隙に無名が剣帝の横を通り過ぎつつ包装されたチョコの詰め合わせを持っていった

 

剣帝「………あぁ、そういえば、無名!」

 

無名「んだよ!まだなんか有るのかよ!」

 

剣帝「いや、近々俺が休眠するから、その間のあの娘等の警護宜しく」

 

無名「はっ?何する気だよ」

 

剣帝「いやー、外界からの侵攻でちと警備を厚くしようと思ってな、とある物作るつもりなんだわ、俺の見立てだと一年は寝る」

 

無名「…………はぁー、了解だ、で、何作るんだ?」

 

剣帝「白い文明破壊兵器」

 

無名「…………なるほどな、理解した」

 

剣帝はチョコを持って帰っている無名の横に並び帰り始めつつ、無名に近々自分がやる事等を伝えていった



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第六十八話「紅き王の眠りと白き巨兵機」

~剣帝が無名を押し掛け回していたすぐ後:剣帝の店の目の前~

 

剣帝「ふぁー……皆、良く集まったな」

 

剣狼「いえいえ、剣帝御兄様からの呼び掛けとあらば例え家事の途中であろうと駆け付けますわ!」

 

双月「それの後片付けやるのは双なので出来れば控えていただきたいのですが……」

 

死帝「どうでも良いけど、なぁに?剣帝兄」

 

剣帝は黒いロングコートの姿のまま剣狼、双月、死帝、無名の目の前に立っていた、そして、眠そうにしながらも話し始め

 

剣帝「えー……今からちと前から作ろうと思ってた、とある巨大兵器を作るんだが」

 

剣狼「どう致しました?」

 

剣帝「いや、作るとそのまま一年間ほど寝るからな、あの娘達の警護、任せたぞ?」

 

双月「分かりました!双にお任せ下さい!」

 

剣狼「双月には負けませんわ!」

 

剣帝「気合があるのは結構……それじゃ、作るからちと離れてろ……それから無名」

 

無名「何だ?」

 

剣帝は段々瞼を降ろしつつ、眠そうな目を擦りつつ無名に話し掛ける

 

剣帝「俺が今から作る物、誰にも触られないように保管宜しく」

 

無名「あいあい、わぁったよ」

 

剣帝「………頼んだぞ」

 

無名「んじゃ、後始末は俺等がやっとくからよ、きっちり作って、ゆっくり寝な」

 

剣帝「あぁ」

 

剣帝は無名と喋り終わると全身に力を込めて、自分に備わった能力を使って自分の目の前に何か白い物を作り出し始めた

 

そして、その作り出されていく白い物はどんどん形が出来上がって行き、剣帝が立っている場所辺りには一見人の足のようにも見えるものがあった

 

更に、剣帝が作っている物はそのまま上に向かってまっすぐ伸びていき、胴体らしき場所には無数の管が伸びていて、その中央部に目立つように赤い球体が嵌められていて、そこから上に更に伸び、龍のような頭をした白い巨大なロボットが出来上がった

 

剣帝「はぃ……完せi……Zzz」

 

無名「おっと、危ない危ない」

 

死帝「無名兄、これってもしかして」

 

無名「あぁ、製作者が近くに居ない状態で起動すると自己判断で悪い文明と判断した物をぶっ壊す、ギャラクトロンだな」

 

死帝「やっぱり……」

 

剣帝はギャラクトロンと呼ばれた白い巨大な機械を作り終えると同時に前のめりに倒れ込んだが、無名がすかさずその身体を支えて抱えた

 

死帝「で、剣帝兄はどうするの?」

 

無名「何時も通りあそこにポイだな、起きたらどうせすぐに戻ってるだろうし」

 

死帝「………あのー、えっと、セラフォルーちゃん、だっけ?あの人にはどう説明するの?」

 

無名「適当に嘘で誤魔化しときゃ良いだろ、じゃ、俺は行ってくるわ」

 

死帝「行ってらっしゃーい…」

 

無名は剣帝を抱えたまま自分の目の前に自分が入れるほどの黒い穴を開き、そこに入るまでに首だけ後ろに振り向き、死帝からの質問などに答えてから穴の中に入って行った

 

死帝「さぁて、どんな嘘にしよっかなぁ~」

 

死帝は黒い穴が閉じると同時に面倒そうな顔をしつつ、剣帝の屋敷に向かって、スタスタと歩いていった

 

~??~

 

無名「よっこらせっと」

 

無名は謎の真っ黒い空間に眠っている剣帝の身体を優しく置いた

 

無名「これで良しっと」

 

剣帝「妹紅~……むみゃ」

 

無名「寝言を言うんだったら俺が帰ってからにしてくれよなぁ」

 

無名はブツブツと文句を言いながらも歩いていき、黒い穴の中に入り、そのまま元居た場所に帰って行った

 

《迷いの竹林:内部》

 

無名「ただいま~っと」

 

死帝「お疲れ様、無名兄」

 

無名「有難うな、死帝」

 

双月「大した事もしてない癖に、無駄に偉そうですね。女たらし」

 

無名「テメェは少しは義兄を敬う気はねぇのか」

 

無名が黒い穴から出てくると、死帝が無名の目の前まで走ってきて、労いの言葉を掛けた、無名はその言葉に有難うなと言いつつ死帝の頭を優しく撫でている

 

そんな様子を死帝の少し後ろから見ていた双月が不機嫌そうな表情をしながら無名に嫌味のような言葉を言ってきた

 

双月「有りませんね。第一、双達は剣帝兄さんや死帝姉さんは兄妹と姉妹と認めていますが。貴方のような女たらしは兄としては認めていません」

 

無名「あっそ……死帝、悪いがビール取ってきてくれよ」

 

死帝「は〜い」

 

双月「少しは自分で動いたらどうですか?」

 

無名「知らんなぁ、っと、有難うな死帝」

 

無名は双月からの嫌味を聞き流しつつ死帝に飲み物を取ってくるように頼み、死帝は頼まれた飲み物を取りにキッチンに向かって行った

 

そして、死帝が走っていく姿を見ながら双月は更に無名に文句のような物を言っているが、無名はその言葉もスルーして、帰ってきた死帝から飲み物の缶を受け取り、開けて飲み始めた

 

無名「くぅぅ、美味い」

 

剣狼「剣帝御兄様が居ないからと飲み過ぎないで頂けますか?無名御兄様」

 

無名「別に樽ごと飲んでるんじゃねぇんだし、良いじゃねぇかよ」

 

剣狼「剣帝御兄様が居ないので追加が用意出来ないので」

 

無名「はぁ……はいよ」

 

無名が美味しそうに飲み物を飲んでいると、死帝が飲み物を持ってきた方向から剣狼がゆっくりと歩いて来た

 

そして、剣狼は無名に小言を言い始め、無名は仕方無いなと言わんばかりの態度をしながら剣狼の小言を聞いていた

 

無名「さて……セラフォルーちゃんにどう言おうかねぇ…」

 

無名はビールを飲み終わって、空き缶をゴミ箱にポイと投げてから、セラフォルーへの言い訳を部屋の中で椅子に座りながら天井を見つつ考えていた



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第六十九話「双子と次男は仲悪し」

~剣帝が眠りについてから数時間後~

 

《迷いの竹林:剣帝の自宅の前》

 

文「えー、本日はこの幻想郷設立に関わった三人の内の一人!妖悪剣帝さんに取材をしてみたいと思います!」

 

剣帝の自宅の目の前で黒髪に頭に赤い山伏を被っているような帽子を乗せた背中に一対の烏のような翼を生やした少女、射命丸文が喋っていた

 

文「では、早速突撃したいと思いまs」

 

無名「うるせぇ!」

 

文「あっ、こんにちは無名さん」

 

無名「おうよ、こんにちは、文ちゃんよ」

 

文「どうしたんですか?不機嫌ですね」

 

無名「あぁ、何処ぞの誰かさんが家の前で喧しかったからなぁ、機嫌も悪くなるわ!」

 

文が剣帝の自宅の扉を押し開けて突撃しようとしていると、文の頬を掠めるように扉が竹林を飛んでいった

 

そして、その扉があった位置には両手をポケットに入れている不機嫌な顔付きの無名が立っていた

 

文「えーっと………もしかして、私のせいですか?」

 

無名「あぁ、文ちゃんのせいだな」

 

文「それは……その…スミマセンでした」

 

無名「…………はぁ、良いぜ、許してやるよ、ところで何の用だ?」

 

文「えー……実は、本日は剣帝さんに密着取材したいなと思ってきたんです」

 

無名「あぁ?剣帝に密着取材だぁ?………悪いが剣帝は今、用事で出掛けてるから一年ほど帰ってこねぇぞ」

 

文「えっ!な、何でですか!?」

 

無名「外にデカイ機械あるだろ?」

 

文が剣帝の自宅の前にやってきていた理由を話すと、無名は剣帝は今不在である事、しばらく帰ってこない事、そして、その原因を文に話した

 

無名「あのデカイの作り出して、剣帝今寝てるんだわ」

 

文」「なるほど………では、今回は主旨を大きく変更して無名さん達に取材をさせて頂きますね!」

 

無名「………はっ?今何つった?」

 

文「ですから。取材ですよ。取材、普段は剣帝さんと抱き合せ的に取材してましたので、今回は無名さんや他の御兄妹に根掘り葉掘り聞くつもりです!」

 

無名「…………仕方ねぇなぁ……但し、答えられねぇ質問は答えねぇからな?」

 

文に取材をしたいと言われて、無名は後頭部をボリボリと書きながら質問に答え始める

 

文「有難う御座います!では、早速、質問なのですが。無名さんの好物ってなんですか?」

 

無名「俺の好物だぁ?俺の好物は日本酒、お菓子、酒の肴になるような料理とかだな」

 

文「まんま酒飲みですね…」

 

無名「うるせぇ!酒が好きで何が悪い!剣帝も好きだろうが!」

 

文「あー、そういえば剣帝さんも度々宴会の場に現れては鬼の方々と飲み比べをなさってますね………何故か剣帝さんが全勝してますが……」

 

無名「アイツ色々と桁が違うから飲めるんだとよ」

 

文は無名への取材を開始し、そして、無名からの返答を逐一メモ帳にメモしていった

 

文「なるほどなるほど………ところで、また質問なのですが」

 

無名「何だぁ?」

 

文「無名さんは普段は何を為さっているのですか?」

 

無名「あぁ?警備だよ警備、幻想郷内部で問題が起きてないかの巡回だよ」

 

文「はぁー、だから何時も人里の中などを歩き回って居るのですk」

 

双月「そんな訳が無いでしょう。こんなちゃらんぽらんがそんな責任感ありそうな人がやる事をやると思いますか?」

 

文が無名からの返答をメモ帳にメモしていると、文の後ろに突然双月が現れ、ツッコミをしてきた

 

無名「誰がちゃらんぽらんだと、この半分女」

 

双月「あなたの事ですよ?この女ったらし!」

 

無名「あ゛ぁ゛ん゛?」

 

双月「やりますか?この男女」

 

無名は双月に煽られると、玄関から双月に向かってスタスタと近づいていき、無名の周囲には剣帝と戦ったとき同様に六枚の翼がついた天使の頭蓋骨のようなオーラが現れた

 

それに対して双月も自分の周りに半分が業炎を纏うタコのような頭部、もう片方が吹雪が周囲に起きている白い猿人の様な顔のオーラを発生させている

 

無名「全くもって可愛くねぇ妹が……」

 

双月「あなたに可愛いと思われても微塵も嬉しくないので、結構です」

 

無名「あぁ、そうかい!」

 

双月「今度こそは倒してあげます!」

 

無名は双月に近づくと同時に両手に黒いハンドガンを創り出し、双月に向け

 

対する双月も腰に付けたガンホルダーから黒と白の2丁拳銃を素早く取り出し、無名に向けた

 

無名「死に散らせぇ!!」

 

双月「あなたこそぉ!」

 

無名「ぐっ!」

 

双月「がっ!」

 

そして、二人は同時に引き金に指を掛けて、今にも銃撃戦が始まろうとした、その次の瞬間、無名と双月の頭に勢い良く紫の刃の大鎌が振り下ろされ、二人は痛そうに頭を抑えている

 

剣狼「全く……無名御兄様、双月、お二人共いい加減して下さいませ」

 

双月「だって、あの女ったらしが」

 

剣狼「だっても、へったくれも、有りませんわ!剣帝御兄様が不在の時にこの郷を壊して剣帝御兄様に大目玉を食らいたいんですの!?」

 

双月「そ、そんな事有りません!」

 

剣狼「なら、大人しくしていて下さいませ!無名御兄様も宜しいですわね!」

 

無名「あー、はいはい、わぁったよ」

 

剣狼は二人の頭へ大鎌を振り下ろした後すぐさま大鎌を消し、二人への説教を始めた

 

そして、双月と無名はそれぞれ説教を受け、双月は剣狼に敬礼しながら反省し、無名は『テメェの説教は聞き飽きた』という感じで反応した

 

文「あ、あのぉ……剣狼さん」

 

剣狼「はい、何ですの?」

 

文「剣狼さんって……無名さんよりも強いんですか?」

 

剣狼「いいえ?本来は私は序列四位、無名御兄様が二位なので無名御兄様の方がお強いですわ」

 

文「序列、とは何の事ですか?」

 

剣狼「序列というのは私達の強さをランキングにした物ですわ。私は四位、無名御兄様が2位、剣帝御兄様が1位、上に行けば行くほど強くなりますわ」

 

文「そうなんですか………それじゃあ、何故、無名さんを剣狼さんが止められたんですか?」

 

剣狼「あぁ、その答えは簡単ですわ、実は……」

 

無名「剣狼!」

 

文は剣狼へ質問をし始めた、すると、剣狼はすぐさま振り返り文からの質問に返答し始めた

 

そして、文はその質問への返答の内容を聞き、また別の質問が頭の中に思い浮かび、その質問を剣狼へとして、剣狼もその質問に答えようとしたが途中で無名が怒鳴った

 

剣狼「………分かりましたわ。無名御兄様」

 

文「あのぉ、先程の質問への返答は」

 

剣狼「申し訳ございませんが、あの質問への返答は無しとさせて頂きますわ」

 

文「そう……ですか。分かりました」

 

文は質問への返答をされないと分かると一瞬だけ嫌な顔をしたがすぐにその顔を辞めて、メモ帳を閉じて空中に浮いた

 

無名「何だ、もう取材は良いのか?」

 

文「あっ、いえ、まだ質問したい事は有りますが。このままここに居ると命の危機を感じるので……」

 

無名「そうかぁ、じゃあ、またな」

 

文「はい、またお会いしましょう」

 

文は無名達へ別れの言葉を告げると、竹林の外へと飛び上がり、そのまま自分の新聞を作る事務所のある山に向かって飛んで行った

 

無名「さってっと、戻るぞ」

 

双月「…………あなたに命令されるのは癪です」

 

剣狼「双月、そんな風に言ってないで戻りますわよ」

 

双月「分かってます」

 

文が飛び去ると無名、剣狼、双月は剣帝の自宅に戻って行き、三人が家の中に入ると、無名が蹴り飛ばした扉が自動的に戻って来て、修復された



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第七十話「帝王の再来の決定」

~剣帝が眠りについてから一年後~

 

《???》

 

剣帝「ふぁーぁ………良く寝たぁ」

 

剣帝は周囲が完全に闇に包まれた真っ暗闇の中で上体を起こして、眠気眼を右手で擦っている

 

剣帝「あー………もう一年も経ったのかぁ」

 

剣帝は今現在、自分が居る場所と現在に到るまでで一番新しい記憶に残っている、自分が言った言葉を思い出していた

 

剣帝「………一年もあの娘に会えてないからな、早く帰らないとな」

 

剣帝はそう言いながら、自分の目の前に黒い穴を展開し、そのすぐ後に自分の顎に手を当て考え始めた

 

剣帝(普通に帰ったんじゃ、サプライズ感無いなぁ……そうだ、アレをやろう)

 

剣帝はニヤリと笑みを浮かべると右手を強く握りながら黒い穴の中に入って行った

 

《剣帝の自宅》

 

剣帝「ただいまぁ~、って言っても誰も反応しないだろうけど、ねっ!」

 

剣帝が自分の自宅に帰ると、そこには全ての動きが停止した世界が広がっていた

 

剣帝「いやぁ、こうすれば多分妹紅をびっくりさせられるだろうなぁ」

 

剣帝はぶつぶつと独り言を言いながら、自分の部屋から出ていき!リビングへと向かった

 

そして、剣帝が向ったリビングには妹紅がソファに座っており、剣帝は妹紅の姿を見つけると妹紅の後ろに周り込んでから、右手を開いた、すると、同時に止まっていた時が全て動き始めた

 

剣帝「ただいま!妹紅」

 

妹紅「わっ…何するんだ、剣帝」

 

剣帝「いやぁ、会うの一年ぶりだからさ、驚かせたくてね」

 

妹紅「それなら他の方法を使ってくれよ、流石に怖い」

 

剣帝「ごめんゴメン」

 

剣帝に突然抱き着かれると、妹紅は一瞬驚いたが、抱き着いた人間が剣帝と分かるとすぐに驚きが消えて何時もと変わらない表情に戻った

 

妹紅「そういえば、今回の眠る原因は外に立ってた、あの白い巨大な機械のせいか?」

 

剣帝「あー……うん、そうだね、ゴメンね?前もって言わずに寝ちゃって」

 

妹紅「別に気にしちゃ居ない……剣帝が突然なのは何時もの事だし」

 

剣帝「本当にゴメン……妹紅」

 

剣帝は何度も妹紅に謝りながら妹紅の頬を優しく撫でている、そして、そんな状態の二人の後ろに突如黒い穴が開き、そこから剣帝の頭に向けてチョップが振り下ろされてきた

 

無名「イチャつくなら自室に…しやがれ!」

 

剣帝「……フンッ」

 

無名「………何で見もせずに平然とチョップを止めて、更に俺の手首を折ってんだよ」

 

剣帝「いきなり攻撃してくるお前が悪い」

 

だが、剣帝は自分の顔を微動ださせずに一切後ろを見ることも無く、その振り下ろされてきた無名のチョップを片手で受け止めて、当然のように無名の首をゴキリッと音を鳴らしながらへし折った

 

しかし、無名は『あー、イテテ』とだけ言って、何事も無かったかのように振り下ろした右手の手首をまたゴキリと鳴らして元に戻した

 

無名「つうか、お前、どうやって俺のチョップを………あー、そういう事か」

 

剣帝「さて、どういう事だと思う?」

 

無名「テメェもその力に随分と馴染んだなぁ、神の力を目だけに部分展開して、正に''神眼''を使って…さしずめ未来視でもしたか?」

 

剣帝「正解、奇襲されたら面倒だからね」

 

無名が剣帝に文句を言う為に剣帝の目を見ると、剣帝の目は普段の黒色から金色に変色していた

 

無名「まぁ、それが出来れば探知とか簡単だもんなぁ」

 

剣帝「まぁ………なぁ」

 

無名「どした?剣帝」

 

剣帝「えーっと……人里にちょいと懐かしい人が居るから会ってくる、ゴメンね?妹紅」

 

妹紅「大丈夫だから、行ってらっしゃい」

 

剣帝は無名と話している最中に三秒間だけ止まると、妹紅から離れて近くのコート掛けに掛けて有った、コートを着てから帽子を右手で取り

 

そして、妹紅に謝罪をしてからリビングの出口を開き、帽子を頭に被ってからそのまま玄関の扉を開いて外に出て行った

 

無名(それにしても……剣帝が懐かしいって言う相手……誰だか気になるし付いて行ってみるか)

 

そして、剣帝に続いて無名も家から出て行った

 

~幻想郷:人里~

 

剣帝(んーっと…あの人は……おっ、居た)

 

剣帝は人里の中で人混みをすり抜けるように歩き、とある一軒の茶屋の店先の長椅子に座った

 

剣帝「スミマセン、みたらし団子と三色団子を六本」

 

店員「はい、承りました」

 

そして、お店の中に居る店員に注文をすると、帽子を脱ぎ、自分の横に置いてから口を再度開き、自分の斜め後ろに座っている三度笠を被った男性に話しかけ始めた

 

剣帝「…………お久しぶりですね。師匠、相変わらずお元気そうで何よりです」

 

男「フッ、お主に心配をされるとはな…」

 

剣帝「そりゃあ、長い間姿が見れなきゃ心配しますよ。お孫さんも心配してますし」

 

男「あの子にはもう教えるべき事は教えたから、問題は無い筈なんじゃがな」

 

剣帝と喋っている男性は顎から生やしている白い髭を触りながら剣帝に応対をしている

 

剣帝「一応、血の繋がった数少ない親族の安否ですし。そういう事関係無く心配すると思いますよ?」

 

男「まぁ……それもそうじゃな」

 

剣帝「………納得してるフリして、本当は納得なんてしてないんでしょう?違いますか?妖忌師匠」

 

妖忌「無論、あの子に儂が付いていてはあの子が儂に頼ってあの子の成長の妨げとなってしまうからのぉ」

 

剣帝と話していた男性、妖忌は頭から三度笠を脱いで自分の隣に置いた

 

剣帝「妨げ……ですか」

 

妖忌「うむ、故に今のところは儂は戻らぬつもりじゃ」

 

剣帝「それでも偶に位は」

 

店員「お待たせ致しました」

 

剣帝「あぁ、スミマセン」

 

剣帝と妖忌は背中越しに喋り続け、妖忌の発言に反応して剣帝が後ろを振り返ると同時に店員が注文していた団子を皿に乗せてやってきた

 

剣帝「とにかく…モギュモギュ……一回は…ゴックン……戻った方が良いのでは無いですかね?」

 

妖忌「儂は別に逃げるつもりはないから食べるか喋るかどちらかにした方が良いと思うがのぉ?」

 

剣帝「………そういう事ならそうしますかねぇー」

 

??「ギャッ!」

 

剣帝は団子をモグモグと食べ進め、串を一本食べ終わると、妖忌の方向を向きつつ串を後方に弾き飛ばした

 

すると、剣帝が串を飛ばした方向に居た剣帝に銃を向けていたと思われる黒い服装の男のオデコにクリーンヒットした

 

剣帝「ワァー、キズカナカッタナァー、ソンナトコロニイタラアブナイゾー?」

 

妖忌「わざとらしいにも程が有るのぉ?剣帝」

 

剣帝「まぁ、気付いてましたからね。店の屋根の上に後二人と…近くの民家の間に後三人、それから、店の店員もグルですかねぇー」

 

店員「な、何の事でしょうか?」

 

剣帝「惚けなくても良いですよ?団子の味が変でしたし、さすじめ麻痺の薬ってところですかね。まぁ、人間が作った薬程度の毒みたいな薬じゃ、俺には通じませんから。問題無いですけど、ね♪」

 

剣帝は黒い服装の男の近くに座り込み男のオデコから串を引き抜き、喋り始め、ある程度喋ってから店の方向に向き、自分に向かって放たれてくる銃弾の軌道を串一本で逸らしつつ、店員の近くに歩いていく

 

店員「ば、化物め……」

 

剣帝「今更気付いたのかな?俺は紛れもない化物だよ?っと」

 

男「グフッ……あ……あぁ……」

 

剣帝「おいおい、剣狼、勝手に殺すなよ」

 

剣帝が店員のすぐそばに立ち、店員を見下ろしながらニヤリと笑みを浮かべていると

 

剣帝が少し前まで居た場所に寝そべっている状態の男の腹部の背中に何処からともなく紫色の刃の大鎌が飛んできて男の体を貫通して突き刺さった

 

そして、剣帝が男のその状態に気付くと振り向きながら剣狼の名前を呼んだ、すると、大鎌の形がグニャリと歪み初めて、人の形を取った

 

剣狼「剣帝御兄様に敵意を向ける途方も無い阿呆を見逃すなど、私には出来ませんわ!!」

 

剣帝「あー、うん、忠義心は結構なんだが、俺的には情報欲しいから……ね?」

 

剣狼「………なるほど、了解致しましたわ!」

 

剣狼は剣帝に軽く抗議をしてから、剣帝の言い分と聞くと二秒間だけ顎に手を当てて考えてから納得をして、腹部に穴を開けられた男の横腹を蹴り上げ始めた

 

剣狼「貴方達は一体誰の差し金ですの!?何処の誰が私の愛する剣帝御兄様に貴方達のような輩を差し向けたんですの!?」

 

男「グッ!……ガハッ!……ゲホッ!……オエッ……うぅ……」

 

剣狼「早く答えなさい!」

 

剣帝「剣狼~?ステイステイ」

 

剣狼は男の横腹を蹴り続けながら男に質問し始め、男が痛みで呻いて質問の返答を中々しない事に腹を立てたのか剣狼は剣帝を止める直前、男顔面を全力で蹴ろうとしていた

 

だが、剣帝にステイと言われると、ニッコリとした笑みを浮かべながら足を揃えて剣帝の方を振り向いた

 

剣狼「何ですの?剣帝御兄様」

 

剣帝「ソイツ、もう腹に風穴開いてるから、な?そんなにお前が蹴っちゃ死んじまうだろう?」

 

剣狼「そんな……御自分の身体を狙ってきた阿呆の傷を心配するだなんて!私、感激致しましたわ!」

 

剣帝「あー、はいはい、そんな事はどうでも良いから全員捕まえて来い…よっと」

 

剣帝が自分の後頭部を掻きながら倒れている男に歩いて近づいていると、剣帝の後頭部目掛けて風を切りながら一発の弾丸が猛スピードで飛んできた

 

そして、その弾丸が剣帝の後頭部に当たる直前で、剣帝はその弾丸を人差し指の親指の二本だけで摘んで止めて、その弾丸の形状を見てから飛んできた方向を見つめた

 

剣帝「んー………イマイチ見えないなぁ……仕方無い、ちょっと''視''えるようにするか」

 

~人里から五キロ離れた地点~

 

狙撃手「嘘だろ!?あの弾丸も止めるのかよ……」

 

剣帝の居る位置から五キロほど離れた位置に居た狙撃手は剣帝の行動に驚いて一旦スナイパーライフルのスコープから目を離し、そのすぐ後に剣帝の様子をスコープで確認した

 

すると、狙撃手がスコープを覗いた瞬間に見えたのは変わらず狙撃手の居る方向を見ていた剣帝の姿だったが、ただ唯一、剣帝の顔付きがニッコリとした笑みに変わっていた

 

~人里~

 

剣帝「見ぃ付けたぁっと」

 

剣狼「行ってらっしゃいませ、御兄様」

 

剣帝「ん?行かないよ?向こう行くまでで逃げられたら面倒だからね」

 

剣狼「では、どうなさるおつもりですの?」

 

剣帝「こうする」

 

剣帝は自分の懐に手を入れ、そして、ゆっくりととある銃を引き抜いた、その銃の銃身にはXという文字が刻印されていた

 

剣狼「あぁ……その銃を使われると言う事は…一応周りへの被害削減の配慮ですの?」

 

剣帝「まぁねぇー」

 

剣狼「それでは、私はこの阿呆共を連れて先に戻って居ますわね」

 

剣帝「あー、速攻で終わるからちょい待ち…なっ!」

 

剣帝が取り出した銃のトリガーを引き絞ると、剣帝の持っている銃からは橙色の炎の塊のようなビームが放たれ、そのビームは狙撃手の元に難なく届き、狙撃手を骨一つ残さずに焼き尽くした

 

剣帝「さっ、帰るぞー」

 

剣狼「はい、分かりましたわ」

 

剣帝はビームを撃ち終わると、銃を懐に仕舞い込み、自分を狙ってやってきていた連中を目にも止まらぬ速さで気絶させていき、脇に抱えた

 

そして、剣狼と合流してから妖忌に『それでは師匠、また何処かで』と言い残して人里から歩いて帰って行った

 

~剣帝の自宅前~

 

剣帝「聞き出し宜しくなー、まぁ、大体の予想は付けてるけど」

 

剣狼「畏まりましたわ」

 

剣帝「んじゃ、また後でなーっと」

 

剣帝は持ってきていた刺客たちを全て剣狼に渡すと、扉を開けて自宅の中に入っていった

 

剣帝「ただいまぁーっと」

 

セラ「あっ、丁度良い時に帰ってきてくれたね、剣帝君」

 

剣帝「どうしました?セラ様」

 

セラ「こっち来てから一年経ってるし、ちょっと里帰りしたいの」

 

剣帝「…………ちょっと待ってて下さいね、夜鴉様に許可取ってきますので」

 

剣帝はセラフォルーに里帰りしたいと言われると溜息をつきながら再度家の外に出て、空を見上げて息を吸い込み

 

剣帝「夜鴉様ー!」

 

ペタン「主への連絡ですか?」

 

剣帝「あっ、はい……実は……」

 

剣帝が再度ハイスクールD×Dの世界に夜鴉に送って貰おうと夜鴉の名前を呼ぶと、やってきたのは夜鴉ではなく、その部下のペタンだった

 

剣帝「俺の家に居るセラ様が里帰りをしたいと言っていまして」

 

ペタン「そうですか……理由は?」

 

剣帝「一年間会ってないから寂しくでもなったんじゃないですかね?」

 

ペタン「ではもう帰ってこなくてもいいですね。何度も何度も次元超えるのは私共としても面倒なので」

 

剣帝「…………一応、俺も同伴しなきゃいけないんで、結果的に俺も帰れなくなってしまいます」

 

ペタン「次元の壁越えるのは私なんです。主が送るのに壁を穴を開けるのは私です。素手で開けるので案外痛いんですよ」

 

剣帝「それはぁ……スミマセン……」

 

ペタン「貴方単体なら別に少し開けて放り投げるからいいんです。ですが複数になるとその三倍以上の穴を開けなければ行けないのです。なのでその女を投げ入れるだけなら楽なのでもうそれでいいですか?それなら試練等はもういいので」

 

剣帝「………申し訳無いんですが。俺自身もう一度向こうに行って鍛えたいんで、お願いします」

 

ペタン「はぁ……では後日その女と一緒に試練受けさせますので…はぁ……」

 

剣帝「スミマセン…………」

 

ペタン「多分主は前同等の事させますのでその女を守りなさい。」

 

剣帝「…………了解しました」

 

剣帝はペタンとの話を進めると、剣帝はペタンに申し訳無さそうに頭を下げてから、試練についても了解した

 

剣帝「それでは」

 

剣帝はペタンにお辞儀をしてから自宅に戻っていった

 

剣帝「只今戻りました」

 

セラ「お帰りなさい、剣帝君、それで行けそう?」

 

剣帝「条件付きでなら行けそうです」

 

セラ「そっかぁ、それじゃあちゃんと準備してから行かないとね」

 

剣帝「そうですねぇー……」

 

剣帝が家の中に戻り、セラフォルーに行けるかどうかの報告をすると、セラフォルーは嬉しそうにハイスクールD×Dの世界に行く準備を始めようと部屋に向かい、剣帝はその様子を疲れた眼差しで見送っていた、そんな様子の剣帝にゆっくりと妹紅が近付いてきた

 

妹紅「なるべく早めに帰ってきてね?剣帝」

 

剣帝「分かってるよ」

 

妹紅「それじゃあ、行ってらっしゃい」

 

剣帝「あぁ、行ってきます」

 

そうお互いの顔を見つめ合った二人はそのまま互いに顔を近づけてキスをし始め、そのまま十数秒間互いの舌を絡めつつキスし続けた

 

そして、その数時間後、剣帝とセラフォルーは空中に空いた穴に入っていき、ハイスクールD×Dの世界に転移していった



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第七十一話「再来の帝王」

~駒王町:河川敷~

 

駒王町に流れる大きな川の河川敷に突如黒い穴が開かれ、そこから赤髪で長身の男、剣帝が大きなスーツケースの様なものを片手で軽々と持ちつつ現れ

 

その後ろからゴロゴロと車輪のようなものが付いたケースを引き摺って、セラフォルー・レヴィアタンが出て来た

 

剣帝「まさか、また来る事になろうとはねぇ」

 

セラ「剣帝君自身はもう来ないつもりだったの?」

 

剣帝「まぁ、一年前、元々は向こうに一人で帰るつもりでしたからね」

 

セラ「そうだったんだぁ、ふぅ~ん」

 

剣帝達が完全に出てくると、次元に空いた穴は塞がり、剣帝はその穴が完全に消えた事を確認すると、自分の近くにスーツケースを落としてからそれに座り、セラフォルーからの質問に答えた

 

剣帝「さってっと、それじゃあ、ささっと今がどんな状況か、調べますかねぇ」

 

セラ「頑張ってね、剣帝君♪」

 

剣帝「分かってます。よっと」

 

剣帝はスーツケースから退くと、地面を触り始めた、そして、自分の魔力を周囲に放ち、探知する為の結界のようなものを張った

 

剣帝「んー……んん?……あー、なるほどなるほどぉ」

 

セラ「何か分かったの?」

 

剣帝「まぁ、色々と分かりましたよ。まず一つ目に、今はカオス・ブリ・ゲイドと三界連合が戦争してますね。それも終盤です」

 

セラ「……えっと、どういう事?」

 

剣帝「つまり、少しだけ俺達は過去に飛んでるか、前とは少しズレた世界に飛びましたね」

 

セラ「へぇ~、そうなんだぁ」

 

剣帝は調べ終わると、その結果をセラフォルーに報告した後すぐに、自分の足元に転移用の魔法陣を展開し始めた

 

セラ「で、剣帝君は何してるの?」

 

剣帝「いやぁー、暇なので一誠君のところにでも行こうかなと思いまして」

 

セラ「じゃあ、ワタシも行こっかな♪」

 

剣帝「それじゃあ、しっかりと捕まってて下さいね」

 

セラフォルーが剣帝に抱き着くと、二人の足下の魔法陣が輝き始め、転移が始まった

 

~倒壊した戦場~

 

剣帝「はい、転移完了っとぉ!」

 

剣帝達が転移し終わると剣帝達が転移してきた場所に丁度、ブレスが放射されてきた

 

だが、剣帝は即座にブーステッド・ギアを出現させ、そのまま流れるようにバランスブレイクを発動して、ブレスを弾き飛ばした

 

剣帝「あー、危ない危ない」

 

セラ「大丈夫?剣人君」

 

剣帝「んー………問題無さそうですね。軽く痛いだけなので」

 

剣帝はセラフォルーに怪我の有無を心配されると、右手を開いたり閉じたりをニ、三回繰り返して、問題なしと判断し、その後セラフォルーと一緒に地表に降り立った

 

剣帝「それにしても、まさかまだ戻っていなかったとはなぁー」

 

ヴァーリ「お前は……まさか」

 

剣帝「やぁ、久し振りだねヴァーリ君」

 

ヴァーリ「……俺と戦った後、帰ったとあの方から聞いたが?」

 

剣帝「まぁ、色々とあって、戻ってきたんだよ」

 

リアス「ヴァーリ、あの男は貴方の仲間かしら?」

 

ヴァーリ「いや、アイツはセラフォルー・レヴィアタンのクィーンの筈だぞ?」

 

ヴァーリが剣帝の説明を終えるとリアス達は驚いた表情のまま立ち尽くしていた

 

リアス「ほ、本当なの?」

 

剣帝「本当ですよ?ねっ?セラ様」

 

セラ「うん、剣帝君はワタシの大切なクィーンよ?」

 

剣帝「有難う御座います。まぁ、俺からしてもセラ様は大切なキングなので………傷つけられそうになって少し、イラッと来ました」

 

剣帝は自分の後ろから現れた、セラフォルーにお辞儀をしてから上空に飛び上がり、赤い龍を見つめている

 

剣帝「ちょっとお痛が過ぎる後輩君にお仕置きしてきますね」

 

セラ「やり過ぎちゃ、駄目だよ?剣帝君」

 

剣帝「分かってます」

 

剣帝は顔のバランスブレイクを戻すと、そのまま赤い龍に向かって飛んで行った

 

リアス「彼は……何をする気なの?」

 

ヴァーリ「恐らく覇龍化した兵藤一誠を疲弊させて、覇龍化を解除するつもりなのだろう、あの姿で」

 

リアス「バランスブレイクで覇龍に勝てるのかしら?」

 

ヴァーリ「通常は無理だ……が、あの男なら話は別だ」

 

リアス「どう言うこと?」

 

ヴァーリ「アルビオン曰く、あの剣帝と呼ばれているもう一人のブーステッドギア保持者は、二天龍が相手でも遊びながら勝ったそうだ」

 

ヴァーリやセラフォルー等の残された者達は剣帝が飛び去り、一誠の近くに降りる姿をただ呆然と遠目で見ていた

 

~荒れ果てた戦場の中心部~

 

剣帝「やぁ、一誠君」

 

一誠「ガアァァァ!」

 

剣帝「よっと!」

 

剣帝が赤い覇龍と化した一誠ノ前に降り立つと一誠は何の躊躇も無く剣帝を踏み潰そうとした

 

だが、剣帝は自分に向かって振り下ろされてくる一誠の片足を難なく右手で受け止めた、そして、剣帝が受け止めると同時に右手の甲に付いている玉が輝き始め、それに呼応するように左手の甲にある玉も輝き始め、交互に音声が鳴り始めた

 

《Divid Boost Divid Boost Divid Boost Divid Boost Divid Boost Divid Boost Divid Boost Divid Boost Divid Boost Divid Boost Divid Boost Divid Transfer Divid 》

 

剣帝「さて、まだまだ吸おうかな?……ん?」

 

剣帝は一誠の状態を見つつ、自分の吸い取る力を、ブーステッドギア本来の能力であるブーストで高め、一誠が元に戻るまで吸い取りきろうとしていた

 

そして、剣帝が未だに人型に戻らない一誠の状態を見て、更に力を吸おうとしていると、突如巨大な映像が二人の近くで流れ始めた

 

剣帝「この映像は…うわぁ」

 

一誠「ガァァァ……ァァァ……」

 

その映像がある程度流れると同時に突然一誠が苦しみ始め、徐々に人型に戻ろうとし始め、剣帝も一誠の足から手を離し、少し距離を取った

 

剣帝「これで良いのかよ……ハァ」

 

ドライグ『どうした?相棒』

 

剣帝「萎えた、戻るぞドライグ」

 

ドライグ『フッ、了解だ』

 

剣帝は呆れたように手を頭に当てると、そのまま上空に飛び上がり、まっすぐセラフォルーの元に戻ってきた

 

~荒れ果てた戦場の端~

 

セラ「お帰り、剣帝君、お疲れ様」

 

剣帝「あぁ、有難う御座います。ハァ」

 

セラ「どうしたの?そんなに疲れたの?」

 

剣帝「いえ、疲れとかは全く無いんですが……ちょっと…ね」

 

剣帝はセラフォルーの近くに戻ってくると溜息をつきながらセラフォルーの側の岩に腰掛け始めた

 

剣帝「………多分、もう一誠君は大丈夫だと思いますので帰りませんか?セラ様」

 

セラ「嫌~、一応最後まで見届けたいの」

 

剣帝「そうですか……なら、魔法陣だけは展開しておくので終わったら帰って来てくださいね、俺は興味無いんで帰ります」

 

剣帝は岩から立ち上がると、フラフラと歩いていき自分の足元に魔法陣を展開して、そのまま転移を始めた

 

そして、自分とセラフォルーが住んでいた屋敷の自分が寝泊まりしていた部屋に入り、ベットで横になり始めた




無名「はいよー、またまた向こうに剣帝が行っちまったなぁ……お陰で妹紅ちゃんやら八剣ちゃんが元気なくなってやがる、まぁ、そのうち帰って来るだろうし気長に待つかな、んじゃ、またじかいもたのしんでくれよー?」


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第七十二話「そうだ!京都に行こう」

第七十二話「そうだ!京都に行こう」

―――――――――――――――――――――――――

~幻想郷から渡ってきた後日~

 

剣帝「暇だ………」

 

剣帝は自分の眠っていたベットの上で横になりながら独り言のように文句を言っていた

 

剣帝「仕事はもう昨日の内に全部片付けちゃったし……」

 

黒影「ならよぉ、遊びに行かねぇか?テキトウに例のハーレム野郎のキングの実家のある領地によぉ」

 

剣帝「グレモリー領にかぁ………面白そうだし、そうするか!」

 

黒影「んじゃ、とっとと行こうぜ」

 

剣帝「あーいよっと!」

 

剣帝が文句を言い続けていると、影に潜んだまま黒影が提案をしてきた、そして、剣帝はその提案を聞くとそれに賛成してからベットから飛び起き、窓に近づいた

 

剣帝「さってとぉー、グレモリー領って割と遠いからなぁ………ドライグ」

 

ドライグ『何だ…』

 

剣帝「悪いんだが、Boost……三回宜しく」

 

ドライグ『良いだろう』

 

剣帝は窓を開けると、空を見上げながら自分の内に居るドライグの名前を呼んだ、すると、剣帝の左手に赤い手甲が出現し、その手甲からドライグの声が聞こえてきた

 

そして、剣帝がドライグに頼みを言うと、ドライグはそれを了承し、強化を剣帝の身体に掛け始めた

 

剣帝「んじゃ、翼と足に譲渡だ」

 

《Transfer!!》

 

剣帝「さて、行くか!」

 

剣帝は窓から屋敷の外に出ると、窓縁を掴みながら屋敷の外壁に足を付き、足に力を込めてから一気にジャンプをするようにグレモリー領に向かって飛んでいった

 

~グレモリー領:上空~

 

剣帝「で、飛んで来たは良いけども、何をしようかな……」

 

黒影『普通に領主さん所に行ってみたらどうだ?』

 

剣帝「見ず知らずの俺が行っても警戒されるだけだわ!」

 

黒影『なら、どうすんだよ』

 

剣帝「取り敢えず、何か面白い事が起きてないか、軽く調べる」

 

剣帝は目を閉じると、周囲に巨大な探知式の結界を展開して、グレモリー領全域を調べ始め、そして、五分ほど経ってからニヤリと笑みを浮かべた

 

黒影『何か見つけたか?』

 

剣帝「あぁ、領主さんのお屋敷で、どうやら一誠君と……これはサイラオーグ君かな?が戦ってるっぽい」

 

黒影『んじゃあ、行くか』

 

剣帝「おうさ」

 

剣帝は意識内部の黒影と喋り終わると同時に自分ノ目の前に転移用魔法陣を出現させて、その中に入って行った

 

~グレモリーの屋敷:闘技場~

 

サイラ「並の悪魔なら、今の拳で倒せるだろう!」

 

一誠「なんて速さだ……痺れて感覚が無いけど…動く!」

 

グレモリーの屋敷にある小さな闘技場の様な場所の中で黒髪の筋骨隆々とした男性、サイラオーグと、全身を赤い鎧で包んでいる人物、一誠とが戦っていた

 

そして、一誠の右腕の鎧はサイラオーグに殴られた衝撃でヒビのようなものが走っていた

 

サイラ「まぁ、今のは挨拶代わりのようなものだ」

 

一誠「挨拶代わり!?素手で俺の鎧を壊すなんて冗談じゃねぇ!」

 

一誠がサイラオーグの言葉に驚きながらも両手を自分の体の前に出して構えていると、サイラオーグが不意に闘技場の外の観客の居る場所を見つめながら口を開き始めた

 

サイラ「覗き見とは趣味が悪いな、大人しく出て来い!」

 

リアス「えっ?な、何を言っているのかしら?サイラオーグ」

 

サイラ「リアス、お前の後ろの壁に転移魔法陣を開き、こちらを覗いている者が居るんだ」

 

リアス「えぇっ!?」

 

剣帝「あっちゃー、バレちゃいましたかぁ、流石は『若手最強悪魔』さん」

 

サイラオーグに出て来いと言われると、少し経ってからリアス・グレモリーの後ろの壁に大きな魔法陣を出現させ、そこから剣帝がひょっこりと出て来た

 

リアス「貴方は、セラフォルー様のクィーンの!」

 

剣帝「どうも、先日ぶりですねぇ。リアスさん」

 

サーゼクス「ほぉ?つまりは君はセラの居場所も知っているのかな?」

 

剣帝「えぇ、知ってますよ?お教えするのは………そうだなぁ……」

 

剣帝はサーゼクスにセラフォルーの居場所を聞かれるなと考えると、自分の顎を軽く触りながら周囲を見回し始め、何かを思いついたような表情を浮かべると口を開き始めた

 

剣帝「一誠君とサイラオーグさんと戦わせて下さったらお教えします」

 

サーゼクス「一誠君とサイラオーグとか……構わないかぃ?リアス」

 

リアス「えぇ、ワタシの一誠とサイラオーグならきっとこの男にも勝てる筈です」

 

剣帝「じゃあ、決まりですね」

 

剣帝は両手をブラブラと振りながら闘技場の中央部に向かってゆっくりと歩いていき、闘技場に着くと二人に向けてゆっくりとお辞儀をして

 

剣帝「それじゃあ、お手柔らかにお願いしますね」

 

一誠「アンタ、何か武器とかは使うのか?」

 

剣帝「えーっ……一応普段なら剣の一本でも使う所ですが……それじゃあツマラナイので、今回は素手でお相手しますよ」

 

剣帝は自分が腰に帯刀していた木刀を引き抜くと自分の後方に向けて放り投げ、放り投げられた木刀は石の床なのにも関わらず、刃先が床に突き刺さった

 

剣帝「まっ、ささっと勝負が付いてもツマラナイので、一分間、俺は一切攻撃しないでおきましょうかね」

 

一誠「舐めて掛かってるんなら、後悔させてやる!プロモーション、ルーク!!」

 

サイラ(この男、相当に強いな……それに、何処かで見覚えが)

 

剣帝「ほらほら、どうしました?速くして下さいよ」

 

一誠「言われなくてもボコボコにしてやる!」

 

一誠は自分の体に何度も強化を掛けてから剣帝に向かって走り出し、剣帝の鳩尾や腹部に殴りを叩き込み、脚部に蹴りを叩き込んだ

 

しかし、剣帝はその全てを受け止めきり、痛がる素振りを一切見せる気配が無い

 

剣帝「…………これで終いですか?」

 

一誠(何だコイツ…殴られても全く痛がらねぇ上に、殴ってる感覚がまるで岩だ)

 

ドライグ《…………思い出した…》

 

一誠「どうしたっ?ドライグ」

 

ドライグ《この男の顔を、何処かで見覚えがあるなと思っていたが、マズイぞ、この男は間違い無い》

 

剣帝「んーっと………」

 

一誠が剣帝から少し距離を取り自分の体の内にいるドライグの言葉に耳を傾けて居る間に、剣帝は懐から蓋の付いた懐中時計を取り出し、時間を確認した

 

剣帝「もう一分経過してますね」

 

ドライグ《!!避けろ!相棒!当たれば即死だぞ!》

 

一誠「はぁ!?それってどういu」

 

剣帝「スゥー………フンッ!」

 

剣帝がバッと立っていた場所から跳躍すると、一誠のすぐ側まで近付き、一誠の胸部に当たれば胸骨が砕け散りそうな拳を叩き込もうとしてきた

 

だが、剣帝の拳が当たる寸前でサイラオーグが一誠を跳ね飛ばし、一誠は何とか無事だったが、代わりにサイラオーグは壁に叩きつけられる形で弾き飛ばされた

 

剣帝「ありゃ、そちらが代わりになりましたかぁ……うーん、目的から逸れたけど…まぁいいか」

 

一誠「テメェ!!」

 

剣帝「一誠君にはこれかな」

 

剣帝は右手をグッと握り、その後右手を開くと、其処には煌々と輝く小さな炎球が現れた

 

剣帝「ほら、爆裂しろ、コロナ・ボム゙ッ!?(陽炎爆弾)………チッ、まだ終わってなかったか」

 

サイラ「俺があの程度で倒しきれると思っていたのか?」

 

剣帝「思っては居なかったですが……そこまでケロリとされると少し……腹が立ちました」

 

剣帝が炎球を一誠に向けて投げ飛ばそうとしていると、少し前に剣帝に殴り飛ばされたサイラオーグが剣帝の頬を殴って吹き飛ばした

 

が、剣帝は何事をなかったかの様に体制を立て直し、サイラオーグを見詰めながらイライラした顔になっていた

 

剣帝「なので…ほんの少しだけ本気を出します」

 

サイラ「ほぉ?先程の一撃は全く本気ではなかったという訳か」

 

剣帝「えぇ、そういう事です……ドライグ」

 

ドライグ『何だ、相棒』

 

剣帝「ちょっと力を貸せ」

 

ドライグ『良いだろう』

 

剣帝がイライラした状態のまま自分の目の前で握り拳を作ると、剣帝の左手を一誠が全身に纏っている様な赤色の籠手が出現した。そして、それを見ると周囲は同時に驚きに包まれた

 

剣帝「さて………サクッと片を付けましょうかね」

 

一誠「何するつもりだよ!」

 

剣帝「そんなの聞かれても、答えるとでも?」

 

サイラ「答えるつもりがないのならば、発動する前に叩くだけだ」

 

剣帝「それができますかねぇ?」

 

剣帝は左手を自分の体に前で構えつつ、何かの準備を始め、その準備が始まるのを聞くと同時に一誠とサイラオーグはいっぺんに剣帝に殴りかかった

 

しかし、その拳は一つたりとも剣帝にはモロには当たらず、剣帝はすんでのところで回避し続けていた

 

剣帝「っと、危ない危ない」

 

一誠「ちょこまか逃げるんじゃねぇ!」

 

剣帝「嫌ですよっと」

 

サイラ(この素早さ……身のこなし……やはり何処かで……)

 

剣帝「さぁて、それじゃあ、もう終わりにしますね」

 

『Boost、Boost、Boost、Boost、Boost、Boost!!』

 

剣帝は逃げ回るのを辞めて立ち止まると、二人との距離を一気に詰めて、二人の胸部に強烈な一撃を叩き込んだ

 

一誠「ガッハッ!!ゴフッ!」

 

サイラ「くぅっ……」

 

剣帝「うーん………一誠君は鎧でダメージが多少軽減、サイラオーグさんにはガードされちゃいましたかぁ」

 

ドライグ『オイッ、剣帝』

 

剣帝「何かな?ドライグ」

 

ドライグ『お前、さっきかなりの力を込めて拳を放っただろう……あの小僧死にかねんぞ?』

 

剣帝「へーきへーきぃー、どうせここには回復役さんも居るしぃーっと……そろそろ帰るとしますかねぇー」

 

剣帝は二人を吹き飛ばした後、右回りに反転して、屋敷から出ていこうとしていた、だが、そんな剣帝の目の前に一誠の仲間達が立ち塞がった

 

リアス「貴方、ワタシの可愛い一誠を瀕死にしておいて、ただで帰ることが出来ると思っていたのかしら?」

 

ゼノヴィア「一誠の痛みはわたし達が返してやる!」

 

木場「僕の大切な友人を傷付けたんだ、君にはある程度傷ついて貰うよ!」

 

剣帝「はぁー………面倒臭ぁ………まっ、仕方無いか……」

 

剣帝は一誠の仲間達の言葉を聞くと、大きく溜息をついてから、自分の体に横で右手を大きく開いた、すると、剣帝の開かれた右手に向かって剣帝が突き刺した木刀が勢い良く飛んで来て、柄の部分が剣帝の右手に収まった

 

剣帝「退け…邪魔だ」

 

一同「「「!!!?」」」

 

剣帝が目を見開き、全身からおぞましいまでの殺気を放つと、剣帝の目の前に立っていた者達はおろか、それ以外の人達まで口をパクパクとさせ、恐怖を感じ取っていた

 

リアス(何なの…この男…このワタシを殺気だけで威圧するだなんて……)

 

剣帝「それじゃあ、さようならぁー、また何処かでお会いしましょうね。''若手最強''さん」

 

剣帝は殺気を放ちながらゆっくりと闘技場の外側まで歩いていき、転移用魔法陣で何処かへと転移した

 

サイラ「…………若手最強…か、あの男に言われると、皮肉にしか聞こえんな」

 

サイラオーグは剣帝が消えて行った方向を見つめながらフフッと少し笑みを溢していた

 

~その翌日~

 

剣帝「駄目だ……今日も暇だ……」

 

黒影『今度はどうすんだよ』

 

剣帝「どうしよっかなぁー……」

 

剣帝はまた独り言のように文句を言いながら自分の部屋のベットの上で横になっていたが、不意に何かを思いついたのか上体を起こした

 

剣帝「そうだ、前は何かと戦闘が多かったからろくに観光が出来てないし、観光して来よう」

 

黒影『観光に行くのは良いとして、何処に行くんだよ?』

 

剣帝「ん?そうだなぁ………まっ、ここはベタかもしれないが、京都にでも行こう」

 

剣帝はそう言って、荷物が入った鞄片手に転移魔法陣を展開すると、その中に入り、京都へと転移を始めた




はいどうもー、うp主でございます。
投稿が遅れて申し訳ありません。ちょっと体調を崩してて書くのが遅れていた上にぼーっとしていて出すのを忘れていました。
次回の話は出来る限り間にあわせるように努力したいと思っていますので、ゆったりとお待ち下さいな


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第七十三話「不穏漂う魔都」

~京都:路地裏~

 

京都の人通りが無さそうな路地裏の地面に魔法陣が展開され、そこから剣帝が現れ出てきた

 

剣帝「あー、着いた着いた……さて、観光と行こうかな」

 

剣帝は路地裏から大通りにこっそりと出ていくと京都を観光しようと街の中を歩き始め

 

剣帝(………適当に腹に何か入れたいし…何か買おうかなぁ…)

 

剣帝が周りを見回していると、ふと焼き鳥屋が目に止まり、剣帝は口元に笑みを浮かべてからその焼き鳥屋に近づいた

 

剣帝「スミマセーン、タレの焼き鳥を十本と塩の焼き鳥を十本下さいな」

 

剣帝は焼き鳥屋に入ると、持ち歩きながら食べる為の焼き鳥を多数注文した、その注文を聞くと店員は多々慌てつつも焼き鳥を用意して剣帝に手渡した

 

剣帝「有難う御座います。はいこれ、お釣りは要りません、これからも頑張って下さいね」

 

剣帝は焼き鳥を受け取るとお会計の金額を聞くと同時に三万円財布から取り出して、カウンターに置き、そのまま店から出て行った

 

剣帝(ん~、やっぱり焼き鳥は良いなぁ)

 

黒影『オイッ、ボケ』

 

剣帝(何だよ、黒)

 

黒影『何だよじゃねぇよ、三万も一気に置いてきやがって』

 

剣帝(別に良いじゃんか、美味しい焼き鳥を作るお店には繁盛して貰いたいんだよ)

 

黒影『はぁ~……相っ変わらずの焼き鳥贔屓だな』

 

剣帝はルンルン気分で焼き鳥を食べながら町中を歩いていき、そんな様子の剣帝を剣帝の内側から見ていた黒影は溜息をついていた

 

剣帝(それはそうと……次はどこに行こうかなぁ?)

 

黒影『適当に町中を散策で良いんじゃねぇのか?』

 

剣帝(それだとここ、京都に来た観光の意味が無くなるだろうが………そうだ、伏見稲荷大社でも行くか)

 

黒影『オイゴラ、お前、今現在は仮にも悪魔だろうが、頭痛喰らうぞ?』

 

剣帝(平気平気~、耐えれるから)

 

黒影『普通は無理な筈なんだがなぁ……つくづく常識外れなやつだ』

 

剣帝は少し前に買った焼き鳥のタレの五本目を食べつつ、伏見稲荷大社に向かって歩いていく

 

~京都:伏見稲荷大社前~

 

剣帝「はぁ~、やっぱりデッケェなぁ、鳥居」

 

剣帝はユラユラと歩きながら鳥居に近づいて行き、鳥居の下を潜ろうとした、その瞬間、剣帝は何かに衝突した

 

剣帝「あ痛っ」

 

黒影『結界だな、どうするんだ?剣帝』

 

剣帝「んー、ちょい待ち………あー、ブチ抜けるし、通るわ」

 

黒影『ゴリ押しじゃねぇか』

 

剣帝が軽く目の前でデコピンをすると、鳥居の下に貼られていた結界の一部が砕け、人一人入れる程の隙間が空いた

 

剣帝「さっ、バレる前に行くぞー」

 

黒影『相変わらず過ぎて笑えてくるな……』

 

剣帝「俺はお参りがしたいんだよ!」

 

黒影『信心深い悪魔だこって……』

 

剣帝は神社の敷地内に入ると同時に頭痛を多少感じつつも歩みを進めていき、本殿に四十五円を入れて御参りをしていた

 

剣帝(これからも末永く妹紅や八剣と一緒に居れますように)

 

黒影(俺に見合ったサンドバック(玩具)が手に入りますように)

 

剣帝「さってと、千本鳥居に行くか」

 

黒影『今度はブチ破るなよ?量が多そうだし』

 

剣帝「多分大丈夫大丈夫」

 

剣帝はユラユラと身体を揺らすように歩きつつ焼き鳥を食べ続け、神社の境内を奥へ奥へと歩いていく

 

すると、剣帝の視界内に最近見た見覚えのある後ろ姿が見えてきた

 

剣帝「えーっとぉ……あの後ろ姿はー……もしかしてぇ……」

 

黒影『十中八九、あのエロガキ一味だな』

 

剣帝「少し前に一悶着起こしたし…あんまり顔は合わせたくないなぁ」

 

黒影『なら、こっそりと行くとするか』

 

剣帝は修学旅行で京都に来ていた一誠達を見付けると、少し困った表情を浮かべつつも、距離を取りながら歩いていき

 

剣帝「おっ、見えてきた見えてきた……ん?」

 

黒影『なぁんか上の方から妙な気配がするな』

 

剣帝「………この気配は……向こうでも度々感じた事あるのが有るな…これはー」

 

黒影『烏天狗だな』

 

剣帝「あー………」

 

剣帝はさっきよりも困った表情を浮かべ、少しの間考え込んでからまた前方に向かって歩いていく

 

黒影『良いのか?バレかねんぞ?』

 

剣帝「その時はその時、どうにかするよ…」

 

黒影『九尾の力でも振るうのか?』

 

剣帝「場合によっちゃね」

 

剣帝は焼き鳥のタレ残りの二本をゆっくりと食べながら歩き続けていきつつ、前方を歩いていく一誠達を見つめていた

 

すると、突然一誠が他の仲間を置いて走り出していき、それを見ていた剣帝は少し驚いた表情になっていた

 

黒影『剣帝、上の気配が荒立ってきてるぞ』

 

剣帝「んー……仕方無い、行くか」

 

黒影『あいよ』

 

剣帝は頂上付近の気配の動きを察知して、脚に多々力を込めて、勢い良く階段を駆け上がっていく

 

~伏見山:頂上~

 

一誠「何言ってんだ!俺はお前の母ちゃんなんて知らないぞ!」

 

??「嘘をつくな!わたしの目は誤魔化しきれんのじゃ!」

 

山の頂上の神社で一誠は石鳥居の上に立っている謎の巫女服を身に纏った頭から狐耳を生やし、背部には狐の尻尾を携えた少女に喧嘩を売られていた

 

そして、少女が一誠に向けて手を振るうとその少女の下に居た山伏のような格好をした烏のような見た目の生物が錫杖を片手で持ちながら、一誠に向かって飛んでいった

 

一誠「うおっ!」

 

その烏のような見た目の生物が振るった錫杖を避けようと一誠を身を低くしていたが、何時まで経っても錫杖は一誠の頭上を通り過ぎなかった

 

そして、それを不審に思った一誠が自分の目の前を見ると、其処には、素手の右手一本で錫杖を受け止めている、和服に身を包んだ剣帝が立っていた

 

剣帝「やぁ、一誠君、先日ぶりだね」

 

一誠「なっ!?テメェが何でここに居るんだよ!」

 

剣帝「そんなに怒らないでよ……先日はゴメンね、少し一誠君の実力が知りたくってさ…痛かったかな?」

 

一誠「あぁ……問題ねぇよ、アーシアに治療して貰ったし」

 

剣帝「それは良かったよ」

 

剣帝は片手で錫杖を握りながら一誠の方向を向き、少し前に一誠を殴り飛ばした事を謝っていた

 

その間に錫杖を握られていない別の烏のような見た目の生物が剣帝の頭部目掛けて錫杖を振るってきた

 

一誠「危ねえ!」

 

剣帝「心配有難う、でも、問題無いよ!」

 

剣帝は空いていた左手でもう一本の錫杖も握り締めて平然と受け止めた

 

剣帝「さぁ、一誠君は早くお逃げ、ここは俺が引き受けとくからさ」

 

一誠「そんな事させられっかよ!俺も戦うぜ!」

 

剣帝「………有難うね、一誠君」

 

??「ぬぅぅ……不浄なる魔なる者共めぇ……」

 

剣帝「不浄なる……ねぇ?」

 

剣帝は狐耳の少女に不浄なる者と言われて少し頭に来たような表情を一瞬だけ見えた後、すぐに平常の顔に戻した

 

剣帝「それにしても……数が多いなぁ、狐が十は居るし……烏天狗もだな……仕方無い」

 

??「掛かれぇ!!」

 

一誠「クッソ、何でいきなり襲われなきゃならねぇんだよ!」

 

剣帝「一誠君、ちょいと伏せてね!」

 

一誠「へっ?……うわっ!」

 

剣帝は両手で持っていた錫杖を少し勢いを付けて押しつつ離し、その後すぐに右手の指を鳴らした、すると、剣帝の背後に巨大な九本の狐の尻尾が現れ、周囲に居る妖怪達の腹部に勢い良く当たった

 

??「なぬっ!?」

 

一誠「はぁ!?何だよそれ!」

 

剣帝「俺の秘密アイテムだよん…まっ、気にしない気にしない」

 

??「何故、妖怪が魔なる者なぞに……」

 

剣帝「そこも気にしない、さて、一つ提案だ、大人しく俺にボコられるか、大人しく帰るか、選べ」

 

??「て……撤退じゃ……おのれ邪悪な存在め!必ず母上は返して貰うぞ!」

 

少女は剣帝の提案を聞き入れたのか苦虫を噛み潰したような顔をしながらも周囲に撤退を命じて、竜巻と共に消えて行った

 

剣帝「ふぅ……良かった良かった、帰ってくれた」

 

一誠「剣帝……アンタ一体」

 

剣帝「まっ、その辺は気にしないでくれるかなっと、そんじゃあねぇー」

 

剣帝は一誠に自分の狐の尻尾について聞かれそうになると慌てて飛びさって行った

 

~京都:町中~

 

剣帝「はぁー、危ない危ない……ん?」

 

剣帝が息をついていると剣帝の耳元に通信用の魔法陣が展開されてきた

 

セラ『もしも~し、剣帝君?』

 

剣帝「はい?何ですか?セラ様」

 

セラ『今ね、サーゼクスちゃんに頼まれて京都の方に来てるの、剣帝君来てくれない?』

 

剣帝「…………了解しました」

 

剣帝はセラフォルーからの連絡を聞き終えると、自分の足元に魔法陣を広げてセラフォルーの元に転移し始めた

 

~京都:宿~

 

剣帝「申し訳有りません、遅れました」

 

セラ「やっと来たのね、剣帝君」

 

剣帝「着替えるのに多少手間取ったんですよ」

 

剣帝は転移してから少しの間部屋で寛いだ後、服を和服からいつも通りの執事服に着替えて部屋に入った来た

 

そして、剣帝は客間に入ると、セラフォルーの側に座り込み、テーブルの上に並んでいる料理を食べ始めた

 

剣帝「………美味しいですね。鳥料理」

 

セラ「でしょ~?ここの鳥料理は絶品ってサーゼクスちゃんが言ってたの」

 

剣帝「へぇ~、そうなんですかぁ……」

 

アザゼル「………なぁ、さっきから思ってたんだがよ、お前さん等何時こっちにきたんだ?」

 

剣帝「ん?んーっと……少し前からですかね。大体そこに座ってる一誠君がジャガーノートで暴走した時です」

 

アザゼル「あの時のヴァーリの話はマジだった訳か………」

 

剣帝は料理を食べ進めながらアザゼルから向けられてきた質問に返答していく

 

剣帝「そういえば、アレからも大紅竜さんとはアツアツですか?」

 

アザゼル「アンタ………それは嫌味か?」

 

剣帝「いえ?違いますが?」

 

アザゼル「嫌味にしか聞こえねぇよ………」

 

剣帝とアザゼルが会話をしていると、横から一誠等が口を挟んできた

 

一誠「アザゼル先生、剣帝とはどういう関係だ?」

 

アザゼル「どういう関係も何も………あー、そういや、お前等は剣帝に記憶消されてんだったな」

 

一誠「はぁ?記憶を消されてる?」

 

剣帝「………さて、そろそろ俺は退室しますねぇ………アザゼルさん、無駄口叩いてると大紅竜さん呼びますからね?」

 

アザゼル「っとと、悪いが俺からは話せねぇな」

 

剣帝「それじゃあ、セラ様、御用の際は通信用の魔法陣でお願いしますね」

 

剣帝はアザゼルが自分について話そうとしている様子を見ると、自分が使った食器を片付け、立ち上がってから、退室しようとし始めた

 

そして、退室する際にアザゼルが自分の事を喋らないように釘をさしてから出て行った

 

剣帝「はぁ……疲れる」

 

剣帝は宿の廊下でため息をつきながら、自分が泊まっている部屋に向かって行った



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第七十四話「英雄と覇王」

~京都:宿~

 

剣帝「んんぅ……妹紅ぉ…」

 

黒影『オイゴラ、ボケ兄貴!もう朝だ!起きろ!』

 

剣帝「後五分~」

 

黒影『…………寝坊する奴は妹紅ちゃんに嫌われんぞ』

 

剣帝「お早う」

 

剣帝は宿の自分の部屋で布団に包まりながら眠り続けていたが、黒影に起きろと言われ、とある事を言われるとおとなしく起き上がった

 

剣帝「ふぁーぁ………今何時だ?黒」

 

黒影『んなもん自分で確認しろや』

 

剣帝「………ケチだなぁ」

 

黒影『黙れポンコツ兄貴』

 

剣帝「はぁー………何だ、もう八時だったのか」

 

剣帝は精神内に居る黒影と喋りながら執事服に袖を通して、キッチリと着こなし、最後に眼鏡を掛けた

 

そして、剣帝が服を着終わると同時に剣帝の耳元に通信用の魔法陣が展開された

 

剣帝「はい、何の御用でしょうか?セラ様」

 

セラ『今から妖怪さん達の所に行くから剣帝君も来てくれる~?』

 

剣帝「了解しました。今から向かいます」

 

セラ『それじょあ、また後でね☆』

 

剣帝はセラフォルーからの通信を聞き終えると、右手の指を鳴らして自分の足元に転移用の魔法陣を展開して、セラフォルーの元に転移を始めた

 

~妖怪の隠れ里~

 

剣帝「お待たせ致しました」

 

セラ「大丈夫よ、わたし達も今着いたところだもん」

 

剣帝「そうなんですか………で、何ですか?」

 

セラ「えーっとね、これから妖怪さん達が剣帝君とかを襲った理由を聞くから、一応ね?」

 

剣帝「なるほど」

 

剣帝は妖怪の隠れ里に居るセラフォルーの目の前に転移してきて、セラフォルーに呼び出した理由を聞き、その理由を聞いてから納得をしていた

 

そして、セラフォルーの横に昨日襲ってきた狐耳の少女の姿を確認した

 

剣帝「やぁ、昨日ぶりだね」

 

九重「わたしは、表と裏の京都に住む妖怪を束ねる者、八坂の娘、九重(くのう)と申す、先日は申し訳無かった、お主の事情も知らずに襲ってしまった…どうか許して欲しい!この通りじゃ」

 

剣帝「んー……誤解は解けてるみたいだし、別に気にしなくても良いよ?こっちは特に怪我とかしてないし」

 

九重「し、しかし……」

 

剣帝「それに、九重ちゃんはお母さんが心配なんでしょう?」

 

九重「と、当然じゃ!」

 

剣帝「それなら仕方が無いと言えるだろうからね、攫ったと思われるのは悪魔とか、そして、俺は現在は悪魔だ、疑われるには十分な理由だからね」

 

剣帝は自分に向けて頭を下げて謝罪してくる九重の頭を優しく撫でながら九重に向けて喋りかけた

 

剣帝「ついでに、聞きたいんだけど」

 

九重「な、何じゃ?」

 

剣帝「俺がこの前ふっ飛ばした妖怪達、平気?怪我とかしてない?」

 

九重「だ、大丈夫じゃ」

 

剣帝「なら、良かったよ、幾ら襲い掛かられたとはいえ、お互い事情も知らないでふっ飛ばしちゃったからね、ゴメンね?」

 

九重「う、うむ………」

 

剣帝は屈んで九重と目線を同じくらいの高さにして、九重に質問をしてから謝罪をしていた、そして、剣帝は自分がふっ飛ばした相手の安否を聞き終えると安堵したような表情をしながら足を伸ばした

 

剣帝「ところで、セラ様、今回の騒動の経緯などの説明頂けます?」

 

セラ「それは一誠君とかが来てからで良い?」

 

剣帝「分かりました」

 

剣帝はセラフォルーに今回九重の母親が攫われた経緯などを聞こうとしたが、その内容などを聞けるのは後回しと言われ、少し残念そうな顔をした

 

そんな剣帝の足元で九重が剣帝の服の裾を引っ張り、セラフォルーとアザゼルの近くから少し離れさせようとした、すると、剣帝は大人しくその誘導に従い、二人から離れた位置に移動し、再度屈んだ

 

剣帝「何かな?九重ちゃん」

 

九重「お主は……九尾の妖狐で間違いなかろう?」

 

剣帝「そうだよ…………まぁ、色々と事情があってね、今は悪魔だよ」

 

九重「ふむ………ならば余計な詮索はすべきではないな」

 

剣帝「そうしてくれると助かるなぁ」

 

九重「承知した」

 

剣帝は九重と話し終えると、足をまた伸ばして立ち上がり、セラフォルーの側に戻っていった

 

セラ「何の話をしてたの?」

 

剣帝「まぁ、軽い世間話ですよ」

 

セラ「ふぅ~ん?」

 

剣帝「さて……そろそろ一誠君達来るんじゃないですかね?」

 

剣帝がそう言っていると、剣帝達の正面から一誠やアーシア等が歩いてやってきていた

 

そして、一誠等が到着すると、剣帝やセラフォルー達は後ろにあった大きな屋敷の中に入り、今回の騒動の経緯を聞き始めた

 

剣帝(英雄派……)

 

黒影『面白そうじゃねぇか、ブッ飛ばしてやり甲斐が有りそうだしな』

 

剣帝(まぁ、その辺はその時の相手の力量次第だな、下手すりゃこっちが吹っ飛ばされかねん)

 

黒影『ヒャハハッ!そうかもな!』

 

剣帝が黒影との話に集中していると、セラフォルーやアザゼルの話が終わり、剣帝達の目の前にとある一枚の巻物が開かれた

 

そこには金髪で長い髪をした背後に大きな狐の尻尾を持つ大人の女性の絵が大きく描かれていた

 

剣帝「………………」

 

セラ「えっ!?け、剣帝君!?何で震えてるの?」

 

黒影『はぁー………』

 

剣帝はその絵を見た瞬間に周囲から見ても異常なほどに震え始め、その状態を体内から見ていた黒影が剣帝の体から出てきた

 

黒影「セラちゃん、こりゃ発作だ」

 

セラ「へっ?発作?」

 

黒影「あぁ、一分も経ちゃ回復するし、その間の話はちゃんと聞いてるから話を進めな」

 

剣帝「…………」

 

セラ「へ、へぇ~」

 

剣帝「…………はっ!」

 

大天狗(この男に任せて、大丈夫じゃろうか)

 

剣帝のそんな様子を見て、剣帝の正面に座っていた大柄の赤い顔をした天狗は事態がちゃんと解決させられるのか心配になっていた

 

アザゼル「まっ、そういう訳だから、何かあるまでは旅行を満喫してても良いが、いざという時は頼むぞ?」

 

一誠「はいっ!」

 

アザゼル「それと明日は、取材と交流を兼ねて姫様が観光案内をしてくれるそうだ」

 

九重「宜しく頼むぞ」

 

剣帝はアザゼルの説明などを聞き終えると、ふらりと立ち上がり、自分の部屋に帰ろうとし始め

 

~翌日:宿~

 

剣帝「………さて、観光と行こうか」

 

黒影『と、言いつつ、どうせ警護だろ?』

 

剣帝「まーな」

 

黒影『んじゃ、とっとと行こうぜ』

 

剣帝「はいはい」

 

剣帝はまた右手の指を鳴らしてから起き上がり、今回はスタスタと宿の入り口から出て行った

 

~京都:駅前~

 

剣帝「はぁー、楽しそうだなぁ」

 

黒影『まぁた焼鳥食ってんのかお前は』

 

剣帝「もっちろーん、っと移動し始めた」

 

黒影『行くぞー』

 

剣帝はモグモグと焼き鳥を持ちながら一誠達にバレないように後ろから歩いていっていた

 

九重(…後ろからあの男の気配が……そういえば、あの男の名前を聞いて居らなかった…そういえば、剣帝と呼ばれて居ったな)

 

剣帝「あぁ…美味い」

 

黒影『護衛中に食いもん食うなよ』

 

剣帝「良いじゃん別に、反応はちゃんとするからさ」

 

剣帝は焼き鳥を食べ進めながらスタスタと一誠達の後ろをついて行き続け

 

~渡月橋:橋の上~

 

剣帝「流石に此処はマズそうだ……な?」

 

黒影『来たみたいだぜ、お客さんだ!』

 

剣帝が渡月橋に差し掛かる瞬間、剣帝の周囲が突然紫色の霧に包まれ始め、剣帝の頭上をアザゼルが飛び去っていった

 

剣帝「急ぐぞ、黒」

 

黒影『あいよ』

 

剣帝は大きく足を踏み込み、全速力で一誠達の元へと走って行った

 

そして、剣帝が一誠達の側に着く直前、一誠達の前方の霧が濃くなっている部分に見えていた人影のうちの一人が長い槍のような物を一誠達に向けてきて、光の線を打ち放ってきた

 

剣帝はその光線を見た瞬間に全身に赤い鎧を纏い、その光線を右手で受け止め、弾き飛ばした

 

剣帝「ふぅ……」

 

??「始めましてアザゼル総督、そして、赤龍帝」

 

紫色の霧の中からは大きな槍を片手で持った黒髪の男がニヤリと笑みを浮かべながら現れ出てきた

 

その男を剣帝は右手を振りつつ鎧の内側から睨みつけていた



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第七十五話「覇王の悦楽」

伝説の勇者の伝説要素あり


~渡月橋:橋上~

 

曹操「曹操を名乗っている、三国志で有名な曹操の子孫、一応ね」

 

九能「母上を攫ったのはお主達か!?母上をどうするつもりじゃ!」

 

曹操「御母上には我々の実験にお付き合い頂くのですよ」

 

九能「実験……じゃと」

 

剣帝に向けて光線を放ってきた、曹操と名乗った男は九能に何をするつもりなのか質問されると、大人しく自分達の企みを話し、九能はそれを聞き驚いたような表情になっていた

 

曹操「だが、その前にアザゼル総督と噂の赤龍帝殿に挨拶と少し手合わせを願いたい」

 

アザゼル「それは構わん、だが九尾の御大将は返して貰おうか?こちとら妖怪との大事な会談を無事に成功させたいんでな」

 

曹操「それでは力ずくでどうぞ」

 

剣帝は笑みを薄っすらと浮かべている曹操を見つめながら拳を構えていたが、突然何か悪巧みを思い付いたかのように鎧の内側で笑みを浮かべていた

 

剣帝(アイツの口振りがちょっとムカつくから屈辱的な倒し方として、盾だけ使って倒してやろっと)

 

曹操は剣帝がそんな事を考えているなど露程も考えず、自分の隣にいるフードを被っている少年に命令をしていた

 

曹操「レオナルド、悪魔用のアンチモンスターを頼む」

 

レオナルド「……………ハッ!」

 

曹操に命令されたフードの少年、レオナルドはフードを脱いでから両手を地面に付いた、すると、レオナルドの足下から橋全体に波紋のような物が広がり

 

その次の瞬間、剣帝達と曹操達との間に全身が真っ黒色で顔と思しき場所が真っ白の人型のようなものが多数現れた

 

アザゼル「アナイ・アレイションメーカー……」

 

曹操「御名答、使い手の念じるままに如何なる魔獣をも創り出す事が出来る神滅器」

 

アザゼル「世界を滅ぼす事も可能とする最悪の力が……貴様等の手に…」

 

剣帝「何とも面倒臭そうですねぇ」

 

一誠「そんな…ヤバイじゃないですか!」

 

一誠が戦闘態勢に入る為に左腕を自分の体の前に構えると一誠の全身を赤い炎が包み込み、一誠の身体は真紅の鎧で包まれた

 

曹操「ん?何故赤龍帝所持者がふたりも居るのかね?」

 

一誠「さぁな!俺が知るか!!」

 

剣帝「気にする必要無いと思うな!」

 

曹操が何故ブーステッドギアの所持者が二人も居るのかを不思議がっている間に剣帝は素早く曹操に近付いた

 

そして、曹操の腹部に向けて裏拳を叩き込む要領で片手で持てそうなサイズの盾を曹操の鳩尾に叩き込もうとした

 

曹操「おっと…」

 

剣帝「チッ………アザゼルさん、コイツは俺が相手しときますんで一誠君達の援護、お願いしますね!」

 

アザゼル「あ、あぁ、分かった!」

 

剣帝(ついでに、お前も手伝って来い、黒)

 

黒影「へいへーい、わぁったよぉー」

 

しかし、剣帝の盾を曹操は手に持っている槍の柄で受け止めていた、その状態を確認すると、剣帝はそのまま殴り抜き、曹操を吹き飛ばしてから黒影と分離し、曹操を追い掛けて行った

 

黒影「さぁてとぉー、これからどうなるかねぇ」

 

そして、剣帝と分離された黒影は剣帝の命令に従うかと思いきや、ニヤニヤしながら一誠達の様子を眺め始めた

 

~渡月橋:橋の端~

 

剣帝「いやぁ、英雄派なんて呼ばれてるからどんな豪傑かと思っていたら……随分と若いですね」

 

曹操「若いからと言って弱い訳では有りませんよ?」

 

剣帝「………あぁ、俺が若いって言ってるのは、相当な信念が有るのかな?と思ってたのにそんな気配が一切無い輩だなって思っただけだから」

 

曹操「………何っ?」

 

剣帝と曹操は渡月橋の端の方で槍と盾を打ち合わせ戦い合っていた

 

剣帝「だって、自分達の目的の為にならば他者の大事な母親攫って、更にそれを悪びれる様子も無いって…英雄としてそれはどうなのかなぁ?」

 

曹操「英雄の子孫でも無い貴方に何が分かる!」

 

剣帝「知らないよ?分からないし分かる気もないよ、お前らとかどうでも良いし」

 

曹操は剣帝に言われた言葉に少し腹が立ったのか剣帝に向けて光線を放ってきたが、剣帝はその光線を手の甲に装備している盾で逸らして回避した

 

だが、光線を一撃逸らしただけで剣帝が装備していた盾は簡単に砕けちってしまった

 

剣帝「あちゃ、ミスったミスった、砕けちゃった」

 

曹操「隙有り!」

 

剣帝「うおっと……危ない危ない」

 

剣帝が砕かれた右手に付けていた盾を残念そうに見ていると曹操は剣帝の腹部目掛けて槍を素早く放ってきた、だが、剣帝はその槍の一撃をギリギリのところで盾で受け止め、受け流した

 

だが、やはり当然というべきか受け止めた際に衝撃で剣帝の身体は大きく後方に吹き飛ばされ、同時に左手の盾も砕けてしまった

 

剣帝「ありゃ、こっちも……か?」

 

曹操「取った!」

 

剣帝が左手の手の甲を見つめていると、その隙をついて曹操は剣帝の心臓目掛けて槍を伸ばした、そして、剣帝はその動きに反応しきれず、心臓を突き穿たれてしまった

 

剣帝「……ゴフッ」

 

曹操「どうやら、こちらの赤龍帝は偽物だったようですね……仕方が無い、向こうに戻るとしよう」

 

剣帝の心臓を突き、剣帝の死亡を確認すると曹操は槍を片手で持って、一誠達の側まで走って行った

 

~剣帝の意識内~

 

剣帝『あー……ミスった、相手を嘗めすぎた……』

 

黒影『バーカ、流石に盾だけでは無理だろ』

 

剣帝『まぁ、仮にも相手は曹操だもんなぁ……で、何でお前はこっちに戻って来たんだ?』

 

黒影『だって、曹操はアザゼルと槍対槍で遊び始めたと思ったら、何か馬鹿デカイ人型の兵器が川から出て来たからなぁ』

 

剣帝は傷が一切無い姿で真っ暗闇に包まれた空間に浮かんでいた、そして、その空間でポケーとしていると黒影が現れ、外の状況の報告を始めた

 

剣帝『仕方無いなぁ……そろそろ起きようか』

 

黒影『だな、じゃなきゃマズそうだしな』

 

精神世界内の剣帝が目を閉じると現実の方の剣帝の傷が急激に塞がり始め、剣帝が目を覚ました

 

~渡月橋:橋の外側~

 

ロスヴァイセ「人が気持ち良く寝ていたら…近くでドッタンバッタンチュドンって……うっさいですよぉ!!……喰らえぇぇ!!」

 

剣帝「何あれぇ」

 

黒影『酔っぱらいの八つ当たりじゃね?』

 

剣帝「だがまぁ、体力の回復としては丁度いいや」

 

目を覚ました剣帝が最初に見たのは、橋の外側から歩いてきた白髪のスーツの女性、ロスヴァイセが自分の後ろに大量の魔法陣を展開し、攻撃を始めようとしている様子だった

 

そして、剣帝が眺めていると数秒でその魔法陣全てから一斉に多種多様な光線や炎の線等が橋に向けて放たれていった

 

剣帝「あぁ……美味そうだ!頂きまーす!!」

 

剣帝が大きく口を開くと、橋に打ち込まれていた光線等の一部が剣帝の口に向かって伸びていき、剣帝の口の中にスルスルと消えていった

 

剣帝「ふぅー……ご馳走様っと」

 

ロスヴァイセ「ふぅ……はぁ……あぁぁぁぁ…………」

 

剣帝「おっと、危ないですよ?こんな場所で倒れたら」

 

ロスヴァイセ「んんっ?あぁ、有難う御座いまぁす」

 

剣帝「全く………ロスヴァイセさんは髪とか長くて綺麗だし、美人さんなんですから。ヤケにならずに相手を探したらきっと良い相手に巡り会える筈ですよ?」

 

ロスヴァイセ「ふぇっ?そうですかぁ?」

 

剣帝「そうですよ。きっとね」

 

ロスヴァイセ「えへへ……有難う御座いまぁ……スゥー……スゥー……」

 

ロスヴァイセは魔法を放ち終えると背中から倒れ込むように後ろに向かって倒れて行った、が、その背中は勢い良く地面に当たる事は無かった

 

何故ならば、当たる寸前で剣帝がお姫様抱っこのようにして、ロスヴァイセを支え、優しく地面に降ろしていたからだ

 

剣帝「さってっと……逃げられたか」

 

黒影『お前がその女に気ぃ取られてるからだろうが』

 

剣帝「とにかく武装解除だ」

 

黒影『まっ、それが最優先だわな』

 

剣帝が右手を振るうと剣帝の全身を包んでいた真紅の鎧が消えた、そして、剣帝は鎧を脱ぐとロスヴァイセを背負って、アザゼルに近付き、ロスヴァイセをアザゼルに托した

 

剣帝「それじゃ、俺はこれで」

 

アザゼル「お、おう、それじゃあまた後でな」

 

剣帝「はい」

 

剣帝は右手の指を鳴らして自分の足に倍加を付与してから周囲の人間に気付かれない内にささっと人混みをすり抜けるように歩いていった

 

~京都:町中~

 

剣帝「あー……ダルい」

 

黒影『やる気出せよー……後、どっから焼き鳥買ってきたんだよ』

 

剣帝「偶々見つけた店」

 

黒影『お前、焼き鳥持ってない時焼き鳥屋に引き寄せられてねぇか?』

 

剣帝はモグモグと焼き鳥をまた食べながらスタスタと町中を歩き回っていた

 

黒影『というか、お前、曹操相手で加減し過ぎだろ、どの位でやったんだ?』

 

剣帝「んー…………あー…1部?」

 

黒影『加減し過ぎだわ!数字に変換すると0.01位じゃねぇか!』

 

剣帝「だって……手加減しないとあの空間その物に影響が有るかと思ったから……」

 

剣帝の言い分を聞くと、黒影は剣帝の精神内でハァーと溜め息を漏らしていた

 

黒影『んな事言ってるから、規格外って言われんだよ!』

 

剣帝「まぁ……事実だからね、俺がおかしいのは」

 

黒影『分かってるんなら、もうちょいと普通の行動しろよ』

 

剣帝「善処しまーす」

 

剣帝は黒影の言葉にテキトーに反応を示しながらフラフラと町中を歩いて、京都タワーの方へ行った

 

~京都:夜~

 

剣帝「………そろそろかな」

 

黒影『だなぁ、ヒャハハッ、楽しみだねぇ』

 

剣帝「まぁ、そうだな………で、何をしに来たのかな?九能ちゃん?」

 

九能「やはり只者ではなさそうじゃな、ワタシが気配を消して近付いても当然の様に気付くとは」

 

剣帝は京都の町中を全貌する為にか京都タワーの上に座り込み、前方だけを見つめつつ、後ろから近付いて来ていた九能にやすやすと気付き、声を掛けた

 

九能「お主は戦いには行かぬのか?」

 

剣帝「行きますよ。貴女のお母さんを助けるって約束もしましたし」

 

九能「ならば、お願いじゃ!ワタシも連れて行ってくれ!母上はワタシが救いたいのじゃ!」

 

剣帝「…………それじゃあ、必ず俺や一誠君の側に必ず居る事、約束出来ますか?」

 

九能「無論じゃ!」

 

剣帝「分かりました。なら………連れて行って差し上げますっと…始まったか」

 

剣帝は九能に戦場に連れて行って欲しいとねだられると剣帝は九能に約束を取り付けてから、九能のお願いを了承して、タワーの下に広がる京都の町中を包み込む煙を確認した

 

剣帝「んー………どうやら複数箇所にバラけてるな」

 

黒影「なら、仕方ねぇよな?剣帝」

 

剣帝「あんまりやりたくはないけどねぇ………フンッ!」

 

九能「な、何をして居るのじゃ!?」

 

剣帝は黒影に横から話し掛けられると同時に大きく溜め息をつきながら立ち上がり、自分の背部に生えている大きな狐の尻尾を思いっきり引っ張り、四本ほど引き千切り、近くにバラバラに置いた

 

すると、剣帝の引き千切られた尻尾から剣帝そっくりの人影が四体現れた

 

剣帝?1「わぁい!久し振りにバラけるね!嬉しいなぁ!」

 

剣帝?2「何で俺とかを呼ぶんだよ、頭に来るぜ……」

 

剣帝?3「別れてすぐにこんなに五月蝿くする者達と元が同じだなんて、私は哀しいです……」

 

剣帝?4「アッハハハッ!大丈夫だと思うよ!きっとこれから楽しくなるさ!」

 

剣帝「五月蝿いぞぉー、全員俺だけど……」

 

黒影「ヒャハハッ!流石は喜怒哀楽、それぞれの状態が精神面でも色濃く出てんなぁ」

 

剣帝が引き千切った尻尾から出てきたのはどうやら剣帝の喜怒哀楽の各感情が形を成した剣帝の分身のようだ

 

そして、剣帝の本体は全員の顔を見てから自分の懐に自分の手を入れて、何かを取り出した

 

剣帝「取り敢えず、全員分かりやすいようにこれを付けろ」

 

剣帝?2「あぁ?何だ?これ」

 

剣帝?1「ワハハっ!鉢巻だね!運動会でもするの?」

 

剣帝?4「それじゃあ、存分に楽しまないとね!」

 

剣帝「運動会はしないけど、戦闘はする、ついでにこれはお前等を俺以外が判別しやすくする物だ」

 

剣帝が自分の懐から取り出した物は、四枚の鉢巻だった、そして、その鉢巻にはそれぞれ喜、怒、哀、楽、の文字が書かれていた

 

剣帝(怒)「んじゃあ、俺はこれだな、あぁ、面倒臭え!何で俺がそんなに手間掛けなきゃならねぇんだよ!」

 

剣帝(楽)「良いじゃん良いじゃん!きっとこれを付けて戦えば楽しくなるよ!ねっ!喜び!!」

 

剣帝(喜)「うんうんっ!きっと皆楽しくなってくれるだろうなぁ!嬉しいなぁ!」

 

剣帝(哀)「相変わらず、喜楽の二人は阿呆な感じがして……同じ存在として私は哀しみが抑えられません……」

 

剣帝の本体から鉢巻を受け取った剣帝の分身体達は各々それぞれの感情を吐露しつつ、本体からの命令を待っていた

 

剣帝「取り敢えず、お前等各々が負けるとか確実に有り得ないから、一誠君達の手伝いに行け、其処に着くまでの足なら俺が出しといてやるからよ」

 

剣帝(怒)「ケッ!何で俺が雑魚のおもりなんぞしながら雑魚の相手をしなきゃならねぇんだよ!」

 

剣帝「良いから、やれ」

 

剣帝(怒)「…………わぁってるよ!」

 

剣帝の分身体の内怒りの分身体だけが愚痴を溢していると、剣帝は怒りの分身体を睨みつけながら命令をした、すると、怒りの分身体は抗う様子も特に見せずに剣帝からの命令に従った

 

そして、剣帝は他の分身体からも異論や反論が無いと確認すると、右手の人差し指に漆黒の指輪を嵌め、自分の体の前に右手を広げて構え、再度口を開き始めた

 

剣帝「《闇よ、あれ》」

 

そして、剣帝がボソリと呪文のような言葉を発すると、剣帝の足下の影から六体の黒い狼のような物が飛び出してきた

 

剣帝「んじゃ、また後でな」

 

剣帝(楽)「皆楽しんで行こー!♪」

 

剣帝(喜)「嬉しいなぁ!これから暫く楽しめるんだもん!」

 

剣帝(哀)「あぁ…哀しい……何故敵の元へわざわざ出向かなければならないのか………哀しい……」

 

剣帝(怒)「苛つくから雑魚をとっととぶっ飛ばして俺は戻らせて貰うがな!」

 

黒影「まったなぁー」

 

剣帝の分身体達は各々剣帝に一時的な別れを告げると、それぞれバラバラの方向を向いている黒い狼のような物に跨り、それぞれの方向に向かって飛んで行った

 

剣帝「それじゃあ、俺達も向かうとしますか……しっかりと後ろから捕まってて下さいね?」

 

九能「うむっ、良きに計らえなのじゃ」

 

そして、全員が飛び去った後、剣帝も自分の正面で待っていた黒い狼のような物に跨った、その後九能を自分の背中に抱きついているように言って九能が抱きついてくると同時に狼のような物を走らせ始めた

 

剣帝(取り敢えず、一誠君の所に行くかな)

 

剣帝が一誠の元へ向かうと考えながら狼のような影に乗っていると、その思考通りの動きを狼のような影が取り、京都の空に6つの影が飛び散って行った




剣帝の使用武器紹介
《黒叡の指輪》
自分の影を自由自在に操る事が出来る様になる黒い指輪、『闇よ、あれ』の一言で自分の影を狼や巨人に変化させて戦う事が可能になる


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第七十六話「龍帝の逆鱗」

七十六話「加速する龍帝」

――――――――――――――――――――――――

~京都:結界内部~

 

剣帝「さぁてさてさて、一誠君が居るのはまだ先かなぁ……ん?」

 

剣帝が自分で呼び出した黒い狼のような影に跨って進んでいると、剣帝の周囲の風景が一気にどこかしらかの駅のホームへと変化した

 

剣帝(………入れたか、さて、一応警戒はしておくが吉だな)

 

剣帝が周囲に気を張りながら進んでいると、前方から話し声が聞こえてきた

 

??「もう逃げられんぞ…赤龍帝!」

 

一誠「くっ……」

 

剣帝(うっわ…何あれ、誰が得するんだよ、あんな一誠君の貼り付けとか……)

 

剣帝が少し進むと、全身黒色の人影のような物が、片手を刃物のように形状変化させ立っていた、そして、その人影のような物の視線の先には柱に黒い糸のようなもので貼り付けにされている一誠が居た

 

そして、人影はその刃物のように変化させている片手を構えながら一誠に向かって走って行った、だが、その人影の片腕は一誠の身体にかすりともせず、一誠は床に降り立った

 

剣帝「危なそうだし……一応援護をっと」

 

??「くっ……狐火ですか。それにしても不意打ちとは」

 

剣帝「あぁ、やっぱりこの程度じゃ効かないか」

 

一誠達から少し離れた位置の柱の陰に隠れていた剣帝が片手で作り出した、直径50cmの狐火を人影に向けて放った

 

しかし、その狐火を当たる寸前で察知した人影が受けとめ、そのまま握り潰されてしまった

 

剣帝「いやぁ、流石にあの程度の攻撃じゃあ、攻撃にすらならないかぁ」

 

一誠「け、剣帝!?」

 

剣帝「やぁ、一誠君、元気そうだね」

 

??「オイッ、俺を無視して話してんじゃねぇよ!」

 

人影は自分の事を無視して一誠と話している剣帝に向かって、右手を刃物に変化させたまま走って近付き、そのまま流れるように剣帝の体を切ろうとした

 

だが、その右腕は剣帝の身体には当たる事は無かった、何故ならばその右腕は突然剣帝の後ろから現れた巨大な手に受け止められていたからだ

 

??「何だよ……これ」

 

剣帝「危ないじゃァないかぁ……まぁ、良いや、殺れ」

 

剣帝がそう口に出すと剣帝の後ろに何時の間にか居た巨大な手の持ち主と思われる真っ黒な巨人が人影を掴み、そのまま持ち上げて握りつぶそうとし始めた

 

??「ぐぅっ……グアァァァ!!何故だ!何故影である筈の俺に触れられる!?」

 

剣帝「だって、それ、一応影だもん、巨大な影が小さな影を飲み込むのと同様に、影が影を触れない道理がある訳無いだろ?」

 

??「チク……ショォ……ォォ……オッ……」

 

剣帝「まぁ、濡れるのは勘弁ね」

 

巨人の様な影は左手で捕まえた人影をそのまま顔と思われる場所の前まで持ち上げると、込める力を強くし、そのまま握り潰した

 

すると、巨人の影の左手からは大量の赤黒い血が雨の様に降り注ぎ、その血が当たる前に剣帝は赤色の番傘をどこからともなく取り出し、開いて血の雨が自分の体に当たることを防いだ

 

剣帝「ふぅー、これで一人倒せたね、一誠君」

 

一誠「何で……何でアイツを殺したんだよ!」

 

剣帝「はぁ?何でって……敵だからだよ?敵は殺すもんだろう?」

 

一誠「別に殺さなくても一時的に倒しておけば良かったんじゃ……」

 

剣帝「そんな甘い事ばっかり言ってると……何時か寝首をかかれるよ?」

 

一誠「いっ……」

 

剣帝は番傘を閉じつながら一誠に話し掛けて、剣帝が一誠の居る方向を向くと、番傘の処理を終えた剣帝の胸倉を一誠が掴み、文句を言ってきた

 

だが、剣帝は一誠に幾ら文句を言われても、ハァとため息を付きつつ呆れたような表情を浮かべ、一誠の手首を掴み、無理矢理一誠の手を離してから二条城に向かって歩き始めた

 

九能「剣帝よ、アレは少し厳しいのではないか?」

 

剣帝「良いんですよ。彼はこれからもっと血生臭い凄惨な場に立ち会うでしょうから、敵の死には大量に立ち会わせておくべきなんですよ」

 

その間尻尾の束の中に隠れていた九能に軽く文句のような事を言われたが、剣帝はそんなの知らないと言わんばかりの反応をしていた

 

~二条城:門前~

 

一誠「よぉ、待たせたな!」

 

木場「無事で……何でその男が一緒に居るんだい?イッセー君」

 

剣帝「おやおやぁ?俺は非歓迎ムードですかねぇ?」

 

ゼノヴィア「英雄派の曹操達と戦う前にお前をワタシの新しくなったデュランダルの錆にしてやる」

 

剣帝「フフッ……ハハハッ!やりますかぁ?甘ちゃん共」

 

駅のホームから出て行った一誠や剣帝達は二条城の門のすぐ前に集まっていた他メンバー達のもとに向かって、一誠は走り、剣帝はその後ろを悠然と歩いて付いて行った

 

そして、一誠が他メンバー達と合流すると同時に、そのメンバーに居た木場とゼノヴィアが剣帝に向けて、木場が白色と黒色が入り混じった剣、ゼノヴィアが全体的に金色の装飾の付けられた剣を構えていた

 

それに対して剣帝は右手に漆黒の指輪に加えてもう一つ金色の指輪を中指に付け、更には左手に赤い刀身の剣を持ち、構えていた

 

九能「ま、待つのじゃ!今からその様に仲間同士で闘う必要なぞ無いじゃろ!!」

 

剣帝「…………まぁ、俺は冗談ですがね」

 

剣帝は自分の背後から現れた九能に文句を言われると、つまらなさそうにしつつ左手に持っていた剣を木刀に変化させつつ、二条城の門に向かって歩いて行った

 

木場「イッセー君、彼は協力していると考えても良いのかな?」

 

一誠「大丈夫……だと俺も思いたいんだがなぁ……多分ここに居るメンバー内で一番強いからなぁ」

 

ゼノヴィア「だが、私たち全員で掛かれば勝てるんじゃないのか?」

 

そうやって、剣帝から離れた位置で一誠や木場、ゼノヴィアなどがコソコソと話していると、その頭上を5つの影が通り過ぎて行った

 

剣帝(怒)「何だよ!もう既に本体が着いてるじゃねぇか!あぁ、苛つく!」

 

剣帝(哀)「あぁ…哀しい…分裂したにも関わらず、禄に敵には会わず、骨折り損のくたびれ儲けとはこの事……」

 

剣帝(楽)「空の旅的なの楽しかったんだし別に良かったジャーン!」

 

剣帝(喜)「そーそー、楽の言うとおりー、それにー、誰かが傷ついてる姿とか見なくて済んで僕は嬉しいなぁ」

 

剣帝「お前等ー、うだうだ言ってないでとっととこっちに戻れ、これから戦闘だ」

 

その影に気付いた剣帝達が空を見上げると、其処には京都タワーの上で別れた喜怒哀楽の剣帝と黒影の姿があった

 

すると、剣帝は自分の分裂体達に向かって手招きをしてから右手の掌を向けた、すると、剣帝の分裂体が黒影を残して全て剣帝と一体化した

 

剣帝「黒は戻らないのか?」

 

黒影「面倒だし、頭数的に俺も居た方が良いかと思ったんでな」

 

剣帝「了ー解」

 

一誠(今のは何なのか聞きたいが……下手に質問するとヤバそうだし…辞めておこう)

 

剣帝が自分の分裂体を全て取り込み終えると同時に二条城の城門がギギギィと重々しい音を鳴り響かせながらゆっくりと開いていった

 

そして、剣帝や一誠達が二条城の敷地内部に入っていき、ある程度歩いていくと、城の瓦の上に何人かの人影が並んでいるのを発見し、その中に昼間に会った曹操の姿を見付けた

 

曹操「君達は正に驚異的だ!とある一名を除いて」

 

一誠「曹操!!」

 

剣帝(一名って多分俺の事言ってるんだろうなぁ……面倒なんで無視しようっと)

 

一誠達と曹操達が対面していると、一誠達の後ろの茂みの中から左右を黒いスーツのような服に包んだ男に挟まれた、金髪の見目麗しい着物を着た頭に狐の耳を生やした女性が現れ出てきた

 

九能「母上!!母上!九能です!!母上!どうしたのですか!?お目覚め下され!」

 

剣帝「九能ちゃん、今のお母さんに何を言っても聞こえないと思うよ、多分、変な術か催眠か何かを掛けられてる」

 

曹操「その通り、そこに居る赤龍帝の偽物の言う通り、御母上には我々の実験に協力して頂く為に少々術を掛けて細工をさせて頂きました」

 

剣帝(偽物って……)

 

剣帝が自分の事を偽物呼ばわりされている事に少しムッとしていると曹操は片手で持っている槍の柄の先を自分の足元に打ち付けた

 

すると、剣帝や一誠の背後に居る九能の母親が頭を抱えて苦しみ始めたかと思えば、またたく間に巨大な九尾の狐の姿に変化した

 

一誠「これが伝説の妖怪……九尾の狐」

 

九能「母上……」

 

曹操「九尾の狐は妖怪の中でも最高クラスの存在、そして、九尾と切っても切り離せない関係である京都は、その存在自体が強力な気脈に包まれた術式都市だ、その都市の力と九尾の狐を使い、この空間にグレートレッドを呼び寄せる」

 

一誠「何だと!?アイツは次元の狭間を泳ぐのが好きなだけで、実害はない筈!」

 

剣帝(まぁ、今は別の事、というか、物?人ぉ、に執心だろうけどね、別に言わないし誰とは指名しないけど、まぁ、京都に既に来てるのは変わりないか)

 

剣帝は曹操の実験の概要の説明を聞きつつ、一誠の物言いを聞きながらボケーッと自分の心の中で独り言を言っていた

 

曹操「その通り、だが俺達のボスにとっては邪魔な存在らしい、故郷に帰りたいのに困ってるそうだ」

 

一誠「やっぱり……オーフィスか…それで、グレートレッドを呼び寄せてどうする!殺すのか!?」

 

曹操「どうかな?とりあえず捕らえてからだな」

 

剣帝「悪い事は言わねぇから、諦めろ、お前等じゃ絶対に捕らえるとか無理だから」

 

曹操「赤龍帝の偽物風情は少し黙っていてくれないか?というか、何故君の様な弱者がこの場に来ている?また俺に負けたいのか?」

 

剣帝「弱者…ねぇ?人の加減すら見抜けないような奴に弱者と言われるとは心外だな?」

 

剣帝が一誠と曹操の会話に口を挟むと曹操はムッとした表情を浮かべつつ剣帝に黙るように言ってきたが剣帝は一向に黙る気配を見せず喋り続け

 

剣帝の話の内容を聞き続けていた曹操は段々と表情の怒りを強めていった

 

曹操「手加減、つまりは昼の戦闘の時は一切本気を出していなかったと?」

 

剣帝「そうだねー、出して二厘……かな?」

 

曹操「二厘…割合の単位の中で最も小さな単位の厘か」

 

剣帝「そうだよぉ、ゲームの難易度で例えるならベリーイージーなチュートリアル、勝てて当然、その程度に勝って誇ってるようじゃ、英雄の名が泣くよぉ?」

 

曹操「ならば今度こそ本気となった君に勝ち、本当に君を弱者と呼ぶとしよう」

 

剣帝「なら、俺達の戦争を始めようか」

 

ゼノヴィア「なら、会話中にスマナイが、先制攻撃をさせて貰うとしよう!」

 

剣帝と曹操の会話が終わったと同時にその刹那、剣帝の右斜め後ろに居たゼノヴィアが空に向けて手に持っていた金の装飾の施された剣を掲げた

 

すると、その掲げられた剣から天空に向かって一本の光が走り、ゼノヴィアはその光を剣ごと曹操達に目掛けて振り下ろした

 

剣帝「ヒュー、派手にやるねぇ」

 

ゼノヴィア「ハァァァ……」

 

一誠「ハァじゃない!ハァじゃ!一仕事終えたみたいな顔しやがって!」

 

ゼノヴィア「開幕の一発は大切だ!」

 

一誠「オイオイオイ……」

 

ゼノヴィアがその光の一撃を叩き込んだ後、それが振り下ろされた場所には超巨大なクレーターが出来ていて、曹操達の姿は消えていた

 

だが、その1分後ほどにクレーターになった地面からボコボコと曹操とその仲間達が出て来た

 

剣帝「うっわ、ゾンビだぁ、紛い物の英雄のゾンビだぁ」

 

曹操「いやぁ、良いねぇ、君達もう上級悪魔の眷属と比べても遜色が無い、いや、上級悪魔よりも強いのかもしれないね」

 

剣帝「んん~?俺の顔に何か付いてるかな?パチモン曹操君」

 

曹操「いや何、本物の元魔王レヴィアタンの眷属である君よりもそちらのグレモリー眷属達の方が強いなと思ったに過ぎないよ」

 

剣帝「ハッハッハッハッハ、そうかいそうかい」

 

剣帝と曹操はお互いに笑顔を見せつけながら相手の顔を見つつ、互いに双方に向けて殺気を放ちながら互いを挑発しあっていた

 

剣帝「まぁ、つべこべと無駄口を叩かずに掛かってきたらどうかな?パチモン曹操君」

 

曹操「あぁ、そうさせて頂くとしようか!」

 

剣帝「あっ、そーだ、一応っと」

 

剣帝は自分に向かってきた曹操が伸ばしてきたトゥルー・ロンギヌスの一撃を、腰に帯刀していた木刀を変化させた赤い刃の剣で防ぐと同時に自分の分裂体を創り出した

 

剣帝「全員、グレモリー眷属の援護!」

 

剣帝(分)「「「「了解」」」」

 

剣帝「あぁ、それから一応リーダー格同士って訳で君も来てね」

 

一誠「何で俺までぇぇぇ!!」

 

剣帝は左腕一本で剣を持ち続け曹操の一撃を真正面から受け、後方に押し込まれながら右手で一誠の制服の襟首を掴み、そのまま連れ去って行った

 

剣帝「一誠君も、曹操ぶっ飛ばしたいだろう?」

 

一誠「それは……そうだけどよ」

 

剣帝「それなら良いじゃないか、曹操君も良いだろう?発展途上の赤龍帝と偽物の赤龍帝だ、相手するのは厳しいだなんて言わないだろ?」

 

曹操「勿論だとも、逆に君達は精々死なないように気を付ける事だね、これは聖槍、聖なる槍だ、悪魔にとっては弱点に他ならない」

 

剣帝「まっ、なるようになる、さ!」

 

剣帝は曹操と一誠に問題が無いか確認を取ってから、曹操に向かって走って近付き、曹操に向けて兜割りを仕掛けた、だが、その一刀は曹操の槍の柄で防がれてしまった

 

曹操「確かに、昼間に戦った時よりも素早い上に重たい一撃だ、だが、まだまだ足りないな」

 

剣帝「だろうな、こんなもんでへたばられちゃ面白くも何ともない」

 

一誠(は、速え……何て速い戦闘だ、一瞬の内にお互いに何発も相手に叩き込もうとしてやがる)

 

剣帝「コラコラ、一誠君、ボケーッとしてないで君も戦う」

 

曹操「余所見とは余裕だね」

 

剣帝「そっちも余程実験が気になるみたいじゃないか、何度も余所見をしてるし、余裕満々だねぇ?」

 

曹操「そりゃあ、相手が赤龍帝の偽物じゃ、余裕が出来るというものだよ!」

 

剣帝「そりゃ、良かったなっと!」

 

曹操は剣帝から放たれてくる剣戟を躱したり槍で軌道を逸らしつつ、剣帝の体に向けて何度も槍の鉾先を放つが、剣帝はとある部位を狙われる以外は全て紙一重で躱していた

 

だが、右胸を狙われた瞬間だけそこ以外の箇所を狙われた時の数倍の素早さで、槍の鉾先を剣で弾いて逸していた

 

曹操「右胸が余程大事と見える、何か有るのかな?」

 

剣帝「誰が教えるか、知りたきゃ俺を倒してから自分で確認しな」

 

曹操「あぁ、そうさせて貰おうかな!」

 

剣帝「うおっ!危n………」

 

曹操「君は右胸を庇い過ぎだからね、そこを突けば必ず隙が出来る」

 

剣帝「しまっ……ゴフッ……」

 

曹操は再度剣帝の右胸を狙い、今までの中で最も素早い速度で槍の鉾先を放ってきた、だが、やはり剣帝の右胸には槍の鉾先はカスリともしなかったが、鉾先を弾かれた瞬間に曹操は剣帝の脇腹に槍を突き立てた

 

曹操「これで俺の勝ちだ、さて、早速右胸が大事だった理由を確認させて貰おうか」

 

黒影「死にたくないなら辞めておいたほうが良いぞ~?それすると藪からキングコブラやらアナコンダやらが群れを成して出て来て、死ぬぜ?」

 

曹操「誰かな、君は」

 

黒影「俺か?秘密だ、取り敢えず、忠告はしてやったからな?」

 

曹操「見るなと言われれば見るのが人の道理というものだ!」

 

剣帝の脇腹に深々と槍の鉾先を突き立て、曹操は剣帝を倒した。そして、その後すぐに剣帝の着ている執事服の右胸に手を入れようとしている曹操の後ろから何者かが歩いてきた

 

??「そっちはまだやってるんだぁ」

 

一誠「イリナ!」

 

??「まぁ、本物の赤龍帝だからさ、彼等よりはやるんじゃない?」

 

一誠「木場!ゼノヴィア!」

 

??「俺がそっちの赤龍帝とやれば良かったぜ」

 

一誠「ロスヴァイセさん!」

 

曹操の後ろから歩いてきた者達はそれぞれ、金髪の女性が栗色のツインテールの一誠の仲間の少女、紫藤イリナと喜楽の剣帝を

 

白髪の男が背中から生やした四本の白い腕で木場とゼノヴィアと哀の字が書かれた鉢巻を巻いた剣帝を

 

そして、最後に現れた大柄の男が全身に鎧を纏ったロスヴァイセと怒りの鉢巻を付けた剣帝を運んできた

 

曹操「君達は強い、強いよ、だが、まだその力では俺達には勝てない」

 

黒影「それはどうかねぇー?」

 

曹操「また君か……なんだい?また忠告かい?」

 

黒影「まぁ、そのつもりだぜ?剣帝の右胸にはもう手を入れるなよ?というか、右胸に入っている物に触れるなよ?」

 

曹操「だが、断る」

 

曹操は黒影の忠告を無視するかのように剣帝の執事服の右胸に手を突っ込み、服の内側から一枚の写真を取り出した

 

そこにはニコニコと笑顔で笑っている妹紅の姿が写っていた

 

曹操「これは……この偽物の赤龍帝の関係者かな?」

 

黒影「あーぁ……俺様はもう知らねぇぞ?どうなってもな」

 

曹操「フッ、どうにもなりはしないよ、現にこの男はもう倒しt」

 

曹操は油断しきった態度で自分の後ろに居る黒影と会話をしようとしていると、突如、剣帝の写真を持っていた方の曹操の腕が中を舞った

 

そして、曹操の足下からその腕に向かって何か白い物が飛び上がり、写真を回収した

 

曹操「なるほど……これが君の本気と言うわけか」

 

剣帝「穢らわしい手で俺の嫁の写真を触ってんじゃねぇよ、殺すぞ」

 

その白い物の正体は九本の大きな狐の尻尾を背後に出現させた剣帝で、その剣帝は曹操達英雄派全員におぞましいまでの殺気をうちはなっていた

 

その殺気を受けた曹操達は各々の武器を構え、双方臨戦態勢となっていた




剣帝が今回出した武器
《雷獣の指輪》
装備してとある単語を言うと雷で出来た獣を召喚使役出来る様になる金色の指輪、前回の話で剣帝が使っていた黒叡の指輪と同等の性能を発揮する
《黒叡の指輪》
前回も剣帝が使っていた漆黒の指輪、影で出来た巨人を出し、使役したり出来る
《赤い刃の剣》
剣帝が普段から護身用という名目で腰に帯刀している木刀が変質した物、切ろうと思えば雷だろうと魔力の弾丸だろうと豆腐のように軽々しく切る事が可能、トゥルーロンギヌスと打ち合っても刃こぼれ一つしない


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第七十七話「王の怒りと刑罰執行」

~京都:疑似空間内部~

 

剣帝「さて、英気取りの阿呆共よ、覚悟は良いな?」

 

曹操「英雄気取りとは言ってくれるじゃないか」

 

剣帝「英雄気取りは英雄気取りだろう…あっ、オイッ、黒、これ預かっとけ」

 

黒影「ヘイヘイ、あー、人使いの荒い兄貴だぜ……」

 

剣帝は曹操達を睨みつけながら、曹操達を英雄『気取り』と呼び、多少挑発しつつ、自分の近くに黒影を呼び出した

 

そして、黒影に自分の大切な写真を持って離れておくように命じると、黒影もそれを承諾し、写真を受け取ってからさっさと剣帝から離れて行った

 

剣帝「さて、掛かってこいよ、雑魚共」

 

??「多少見た目が変わった程度で粋がらないでくれるかな!?」

 

曹操「待て!ジークフリート!」

 

剣帝「確かに六本の腕とその腕がバラバラに振るう剣は脅威的だ……だが、それは本物のジークフリードの様な達人が扱うならの話だ」

 

曹操は剣帝に切り飛ばされた腕を片腕の脇に挟みつつ、自分の腕の切られた部分にフェニックスの涙を垂らしていた

 

その間も続いた剣帝からの挑発についに耐えられなくなったのかジークフリートと呼ばれた白髪の男性が、背中から四本の白い腕を出し、その四本の腕と元々からある腕に剣を持ち、合計六本の剣で剣帝に斬りかかった

 

しかし、ジークフリートの剣は剣帝にはカスリともしなかった、何故ならば、剣帝の足下の影が剣が振るわれてくる軌道に当たるように垂直にまっすぐ上に伸び、剣帝の体を守っていたからだ

 

剣帝「だから、お前みたいな気取りの攻撃は脅威でも何でもねぇ、もういっぺん素振りからやり直しな」

 

ジーク「グゥッ……!?」

 

剣帝の影はジークが振るってきた剣を完全に止めきると、ジークの腕や剣に絡み付き、ジークの身体を空中で固定するように拘束した

 

それを見ていた剣帝はジークが身動きが取れなくなった事を確認すると、ジークの腹部に灰色の光弾を一撃だけ叩き込んだ、すると、ジークの身体は後方に向かって勢い良くふっ飛ばされてしまった

 

剣帝「まぁ、こんなもんだろ」

 

曹操(なるほど……ジークフリートでは相手にすらならないか……)

 

剣帝「さて、あんまり時間を掛け過ぎて面倒事が起きても嫌だし、さっさと片を付けるとするか」

 

剣帝は表情を瞬時に冷静な、というよりも、冷徹さすら感じられるような表情に変え、曹操達に向けて右腕をまっすぐ伸ばし、右手を開いていた

 

すると、剣帝の右手の前にジークフリートの腹部に打ち込まれた光弾と同じく灰色の光の塊が出現し始め、それは時間が経つごとに大きくなり、三秒ほどでハンドボール位の大きさになった

 

曹操(何だ……この男の異様な力の変わり様は……)

 

剣帝「これで終わりかな」

 

曹操「!?避けろ!」

 

そして、エネルギーチャージが終了すると、剣帝の手の前に浮いていた灰色の光球がバチバチと電流のようなものを周囲に軽く展開してから曹操達に向けて極太の光線になって伸びていった

 

それを見た曹操は慌てて光線の射線から仲間を蹴って退避させつつ自分も退避し、無事に光線を避ける事に成功した、だが、その光線が通った後はジュワァと音を立てて地面が溶け、その数秒後に疑似空間が大きく揺れた

 

剣帝「あっちゃー、外しちゃったかぁ」

 

??「凄え……」

 

ジーク「何て威力だよ、疑似空間が歪むか」

 

剣帝「さぁて、まだまだ終わらないから楽しませてくれよ?」

 

剣帝は自分が放った光線に驚いている曹操達を見詰めながらにやりと笑みを浮かべ、今度は無数の小さな菱形の光弾を掌の上に出現させた

 

そして、それを一気に曹操達に向けてバラ撒くように掃射し始めた

 

剣帝「『シャインスコール』」

 

曹操「フフッ、この程度では我々は倒せはしないぞ?」

 

剣帝「だろうな、知ってる、だから、こうした」

 

剣帝は掃射し終わると、曹操達にバレないようにコッソリと左手に凝縮していた雷を全身に纏い、曹操に向かって超高速で近付いた

 

その後、曹操の槍をアッパーカットで上に弾いてから、曹操の腹部に目にも止まらぬ速さで連打を叩き込んで来た

 

曹操「くっ……ガハッ!ゴホッ!」

 

剣帝「そーらよっとぉ!」

 

曹操「グハァッ!!」

 

剣帝「ふぃー……」

 

そして、剣帝はトドメと言わんばかりに曹操の鳩尾を目掛けて鋭いストレートを叩き込み、曹操を近くの岩壁に向けてふっ飛ばした

 

剣帝「さて、まだやるか、リーダー格の曹操はふっ飛ばした、ぞ?」

 

曹操「怒りのあまりのとんでもない変化だ…槍で受けなければ死んでいたよ」

 

剣帝「チッ……まだ動けんのか」

 

曹操「だが、その力は悪魔としての力では無いだろう?その疲労している状態が良い証拠だ」

 

剣帝「……んだよ、バレてんのか」

 

剣帝が曹操をふっ飛ばしてから汗だくの額を拭いつつ曹操の仲間の方を見ようとしていると、曹操がふっ飛ばされた岩壁の方向からガラガラと音を立てながら曹操が現れ出て来た

 

どうやら、曹操は剣帝の右ストレートが当たる寸前で槍の柄を剣帝の拳にぶつけてギリギリで防御していたようだ

 

曹操「では、今度こそ本気となった赤龍帝を倒させて貰うとしようか!」

 

黒影「おおっと、そいつは駄目だぜ」

 

曹操が剣帝に向けてトゥルーロンギヌスを伸ばしていると、上空から何本もの金色の細い糸がトゥルーロンギヌスに絡み付き、トゥルーロンギヌスの動きを止めた

 

剣帝「遅いぞ……黒」

 

黒影「仕方ねぇだろうが、一旦屋敷まで戻ってたんだからよ、忘却欠片(ルール・フラグメ)をよ」

曹操「忘却欠片?何かな?それは」

 

黒影「テメェは知らなくても良い存在だから気にすんなっと、ほれ、ドルエリの剣鱗とエレミーオの櫛だ」

 

剣帝「どうせならアイルクローノの鎌とエレミーオの櫛にしてくれよ……」

 

黒影「無茶言うなよ、アレはでか過ぎるからトランクから出せねぇんだよ、俺じゃあな」

 

剣帝「あっそ……」

 

その上空から伸びてきていた糸の出本には黒影がフワフワと飛んでいた、そして、黒影は剣帝に向けて赤い刃のまるで龍の鱗の様な短剣と赤色の十字架が描かれた髪留めの櫛を投げてきた

 

剣帝はその2つを受け取ると、櫛を自分の懐に仕舞ってからドルエリの剣鱗と呼ばれた短剣を自分の右腕に突き刺した。すると、剣帝の右腕がみるみる内に赤い龍の頭に変貌した

 

剣帝「さぁて、まだやるか?俺と黒、二人が相手だぞ?」

 

ジーク「流石に分が悪そうだ、曹操!撤退しよう!」

 

曹操「…仕方が無いか………赤龍帝よ!今よりももっと強くなれ!そうすれば槍の本当の力を見せてやる!」

 

曹操は槍を構えて二人に敵対行動を取ろうとしていたが、ジークフリートから提案を受け、更に周囲の状況を見た、すると、曹操の仲間全員の首にトゥルーロンギヌスに付いている物と同じ金の糸が掛かっていたので仕方無く槍を構えるのを辞めて仲間たちの元に戻って行った

 

すると、曹操達から少し離れた位置に居た眼鏡を掛けた男が曹操達の元に飛んできて、曹操達の足元に転移用の魔法陣を展開し、曹操達は撤退していった

 

剣帝「ふぃー………危ない危ない……」

 

黒影「なぁんて、行き着く暇無さそうだぞぉ?」

 

剣帝「分かってるよ、最後の大仕事だな、やるぞ?黒」

 

黒影「あいよ」

 

剣帝は曹操達が去るとはぁー、と溜め息をついてから後ろを振り返った、そこには黒い蛇のような龍にのしかかっている九尾の狐が居た

 

それを見ていた剣帝はゆっくりと上空に浮かび上がっていき、黒影と並んだ、そして、二人が同時にお互いに向けて拳を伸ばすと二人の体はギュルギュルと混ざり始め、二人が居た場所から突如巨大な銀色の毛を持つ九尾の狐が現れた

 

剣帝「クォォォン!」

 

九尾「キュォォォン!」

 

一誠「何だよ……これ」

 

そこから先は最早巨獣対巨獣、と呼ぶに相応しい戦いだった、いや、戦いと呼ぶには些か一方的だった

 

先ず、狐に変化した剣帝は九尾の狐の身体を尻尾でひっくり返してから押し倒し、狐の首筋に噛み付いた、そして、そのまま狐の首筋に向けて大量の狐火を吐きかけ、狐の状態を一気に弱体化させていき、身動きが取れなくなった事を確認すると、狐から離れ、変化を解いた

 

剣帝「ふぅ…さて、仕上げだな」

 

九能「母上にこれ以上何をするつもりじゃ!」

 

剣帝「何をするつもりって……術を解くんですよ。じゃないと貴方の声がお母さんに届かないでしょう?」

 

剣帝が疲れきった表情で体を揺らしながら九尾の狐に向かって近づいていくと剣帝の目の前に九能が立ち塞がり、その後ろに一誠とその仲間達が立ち塞がった

 

一誠「信じられるかよ!アンタは得体がしれ無さ過ぎだ!」

 

剣帝「はぁーぁー、そんな風に言われると傷付くなぁ……」

 

黒影『ヒャハハッ、まぁ、事実だから仕方ねぇだろうさなぁ?』

 

剣帝「うっさい、黒……丁度いいからお前、櫛を持っていって来い」

 

黒影「アイアイサー」

 

剣帝は面倒くせえと言わんばかりの表情を浮かべながら懐に手を突っ込んでいると、剣帝の影から黒影の声が剣帝にだけ聞こえてきた、すると、剣帝は何かを思いついた様な表情を浮かべ懐から櫛を取り出して自分の影に向けて投げた

 

投げられた櫛はクルクルと回転した後、九能達には見えないように黒影にキャッチされた、そして、櫛をキャッチした黒影は剣帝の影から別の影別の影と転々と移動し、九尾の狐の頭頂部に持っていた櫛を押し当てた

 

すると、パリンという音を立てて九尾の狐に掛けられていた魔術が全て同時に解けた

 

黒影「終わったぜー、剣帝ー」

 

剣帝「ごっくろうさーん」

 

一誠「なぁっ!?何時の間に!」

 

九能「母上!!ご無事ですか!」

 

九能は黒影の声が聞こえてから数秒経った後大急ぎで母親の側に駆け寄り、母親でおる九尾の狐に声を掛けた

 

すると、九尾の狐は目を開き九能の名前を呼んだ、そして、その直後九尾の狐の体が光り始め、人型に変化していった

 

九能「母上!母上ぇ!!」

 

剣帝「はぁー、これで役割終わりーっと」

 

黒影「とっとと帰ろうぜ?もう疲れたしよぉ」

 

剣帝「そうだなー………んー…『いや、ちょっと待て黒』」

 

黒影『何だぁ?内部連絡に変更って事は何か聞かれたくない事でもすんのか?』

 

剣帝『いや何、今のままの一誠君だと確実にヴァーリ君とかに殺されるからちと修行をね』

 

黒影『好きだなぁ、お前も』

 

剣帝は狐の親子の対面に背を向けながら転移用の魔法陣を展開しようとしていたが、それを一旦中止して、一誠の首根っこを掴んだ

 

剣帝「一誠君、ちょっと良いかなぁ?」

 

一誠「はぁ!?な、何だよ!てか、離してくれよ!」

 

剣帝「断る!というか、君ら確かサイラオーグ君とレーディングゲームするんだろ?」

 

一誠「な、何でそれを……」

 

剣帝「風のうわさで聞いたから、じゃなくて、今のままだと君等多分負けると思うからさ、修行を付けてあげるよ!」

 

一誠「そんなの要らねぇよ!」

 

剣帝「そんなに遠慮しなくても良いから良いから~」

 

剣帝は一誠の意見を一切無視してズルズルと一誠を引き摺って何処かへと魔法陣で転移して連れ去って行った

 

~???~

 

剣帝「ほいっと、着いたよ」

 

一誠「いって!何すんだ!」

 

剣帝「だからぁ、修行だよ、君のね」

 

一誠「はぁ!?何でアンタが俺の修行なんでするんだよ!」

 

剣帝「いやね?今のままの君だと、ヴァーリ君に百%負けるし、殺されかねないからね?だからさ、修行を付けてあげようかなってね、因みに拒否権は無い」

 

剣帝は一誠をズルズルと引きずりながら転移用の魔法陣から現れ、一誠を自分の目の前に放り投げた

 

一誠「………で、いったい俺はここで何をすれば良いんだ?」

 

剣帝「んっとねぇ、取り敢えず今から俺が出す人形と戦って、倒して貰います」

 

一誠「人形と戦う?随分と簡単そうな修行だな!タンニーンのオッサンのシゴキに比べりゃ楽が出来そうだ!」

 

剣帝「さぁー?それはどうかなぁ?まぁ、君が強くなれる''可能性''を信じるとしようかな!」

 

剣帝が地面に手を付くと、地表に巨大な魔法陣が形成されていき、剣帝の手の下から剣帝と同じ姿の人形が出て来た

 

剣帝「ほいっと……じゃ、この人形と戦って貰うからね」

 

一誠「速攻で終わらせてやる!」

 

剣帝(さぁてと、俺はゆるりと読書でもするかなぁ)

 

剣帝は人形を出し終えると、懐から赤い背表紙の本を取り出し、ゆっくりと読み始めた

 

一方その頃一誠は余裕だと思っていた人形相手に悪戦苦闘していた

 

一誠(何だコイツ……ヴァーリとかより断然早え!)

 

人形「……………」

 

一誠「グァッ……ガハッ!このっ!」

 

人形「……………」

 

人形は一誠の目が追いつけない程の速度で一誠の体を殴ってきていた、だが、その速度の分多少威力は弱いようで一誠もすかさず反撃を繰り出していた

 

だが、剣帝の人形は自分の体に付いた傷を自動的に急速に修復し続けていた

 

一誠「オイっ!剣帝!!」

 

剣帝「何だよ一誠君、人が気持ち良く本読んでる最中に」

 

一誠「その人形本当に倒せるかよ!?」

 

剣帝「倒せるよー?傷は付くんだから、修復が追い付かない位の速度で叩けば壊れるよ」

 

剣帝が一誠に文句を言われたのでヒントを与えると一誠は考え込んでから少しの間動かなくなった

 

剣帝(んー……こりゃ面白くなりそうだ)

 

一誠「………ブツブツ……ブツブツ……」

 

人形「………」

 

剣帝がニヤニヤしながら一誠を見つめていると周囲に不穏な空気が流れ始め、一誠の目の前の地面から何やら大量の人のような陽炎が現れ始めた

 

そして、その陽炎はグルグルと円を描いていき、少し経つと大きな魔法陣を形成した

 

一誠「サモン……オッパァーイ!!」

 

剣帝(うわぁ……見ない見ない……)

 

剣帝は一誠の行動に呆れたような態度を示しつつ再度本を読み始めた

 

その剣帝が目の離している間に、バンッ!と何かが割れるような音が聞こえてきた

 

剣帝「ありっ?この音はもしかして……」

 

一誠「良しっ!倒したぜ!」

 

剣帝「ほほぉ、やるねぇ」

 

剣帝が音に反応して一誠の居る方向を見ると、其処には破裂した姿の剣帝の人形と何だか今までよりも細身の身軽そうな赤い鎧に身を包んだ一誠が立っていた

 

剣帝「んじゃあ、次は超遠距離戦闘ね」

 

一誠「それじゃあ、コッチだな!ビショップブラスターモォード!!」

 

剣帝が指をならして、自分たちの立っている位置から数キロ離れた位置に自分の人形を創り出した次の瞬間、一誠の鎧の背部から大きな砲座が二本飛び出してきた

 

そして、その砲座から放たれた赤色と緑色の入り交じる極太の光線が剣帝の人形に見事命中し、剣帝の人形はグズグズに溶けてしまった

 

剣帝「ほぉほぉ、それじゃあ、最後はこれね」

 

一誠「こういうタイプなら、これだ!」

 

剣帝が三体目に呼び出したのはとても肉厚な体をした剣帝らしき人形だった

 

その人形を見た一誠は背部に出していた砲座を消してから、両腕と両足を肥大化させ、打撃の一撃一撃が重そうな状態に変化した

 

剣帝「素晴らしい、三種三様の変化とは、その上チェスの駒それぞれに王の許可無しで変化するとはね、良いね、これなら大丈夫じゃないかな?………ある程度は」

 

一誠「それじゃあ、今すぐ俺を部長のところに連れて行ってくれよ!」

 

剣帝「はいはい」

 

剣帝は右手の指を鳴らし、一誠の足元に転移用の魔法陣を展開した

 

そして、一誠は鎧を解除してからその魔法陣を通って、自分の自宅の今に転移していった

 

剣帝「まっ、アレなら多少は問題無いだろー」

 

黒影「お前のもあんな感じの進化出来たら良いのになぁ?」

 

剣帝「無理無理、俺のは彼のよりもよっぽと封印が硬い上に外れる兆しなんざ一切無いからねー」

 

黒影「まっ、仕方ねぇな!」

 

一誠が帰った後、剣帝がボケーッとしていると、剣帝の影から黒影が現れ、二人はゆっくりと話し込んでいた




《剣帝の使用アイテム》
《ドルエリの剣鱗》
剣帝が黒影に持って来させた赤い刃の短剣、突き刺した場所を龍の頭に変化させる効果がある、ただ、この龍は使用者の意志に従う為、地面などに突き立ててもただ単に鳴くだけの巨大な龍が現れて終わりである
《エレミーオの櫛》
ありとあらゆる、魔術や魔法を無効化する効果のある櫛、例を上げれば自分に向かって飛んできている魔力などに櫛を当ててしまえば滅びの魔力だろうと無効化出来る
《ラッツェルの糸》
黒影が曹操達を拘束する際に使った物、銀の針のようなものから無限に伸びる滅多な事では切れない金色の糸を無数に出せる道具、糸の強度がとても高い為、ワイヤーのように肉を切る事が楽々可能


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第七十八話「酒盛り乱心」

《一誠から別れてから二時間後》

 

~京都:町中~

 

剣帝「あぁー……不味い…」

 

黒影『確かに不味いが、口に出すなよ、店の人間に聞かれたら面倒だろ』

 

剣帝「いやでもさぁ………失敗だなぁ、うっかハズレ引いたわ」

 

黒影『何だ?どっかで口直しでも食べに行くのか?』

 

剣帝が一誠と別れた後、すぐに転移用の魔法陣を自分の足元に開き、セラフォルーの側に戻り、その翌日にセラフォルーの警護という形で京都観光を続行していた

 

そして、黒影の提案を聞くと、少し考えるような素振りを見せつつ会計を終わらせてから周囲を見回し、口直しに良さそうな店を探し始め、目星を付け始めた

 

剣帝「んじゃあ、どれに行こうかなぁっと」

 

黒影『テメェはどうせ焼き鳥しか食わねぇだろ?』

 

剣帝「いんやぁ?俺も一応甘味は好きだからね、今回は団子にしようかなと思っているよん」

 

黒影『ヒャハハッ、そうかそうか』

 

剣帝は黒影と話し続けながらゆっくりと歩き進めながら周囲を見回し続け、店先で売ってある生八つ橋を見つけた

 

剣帝「おっ、この店の生八つ橋美味しそう」

 

黒影『そだなー』

 

剣帝「んじゃあ、買うとしようかっと」

 

剣帝は生八つ橋の入っている箱を5つ程手に取ると店内に入っていき、レジで会計を終わらせた

 

剣帝「これで良しっと」

 

黒影『だがよぉ?それだと買い食い出来なくね?』

 

剣帝は黒影からの指摘を受けると、ハッとした顔になってから店から出て行った

 

そして、剣帝はショボーンと顔を下に向けながらトボトボと町中を歩いていき、テキトーに目に付いた酒を二十本ほど瓶ごと買って行った

 

黒影『何で酒買ってんだよ』

 

剣帝「何となく飲みたくなった、からかな?」

 

黒影『お前、こっちじゃもう酒飲まねぇんじゃねぇのかよ!』

 

剣帝「うるせぇよっと」

 

剣帝は路地裏に入ると、酒瓶が入った紙袋を持った右手を下に降ろし、自分の影の中に酒瓶を押し込んでいった

 

すると、剣帝のやりたい事を理解した黒影はしぶしぶ酒瓶を受け取り、抱えていた

 

そして、剣帝は続けて生八つ橋の箱の入った紙袋も影の中に押し込み、手ぶらになってから路地裏から出ていった

 

黒影『オイコラ、剣帝』

 

剣帝「何かね?黒影君」

 

黒影『俺様にばっかり持たせてんじゃねぇよ!』

 

剣帝「利用出来る物は最大限利用しなきゃ駄目じゃね?」

 

黒影『テメェ、何時か某首の骨折られた仮面ライダーみたいな死に方するぞ?』

 

剣帝「平気平気、俺の首折れるのなんて極々限られた一部だけだし」

 

剣帝はヘラヘラと笑いながら黒影との会話を行っていて、そんな剣帝の様子を黒影は苦笑いを見せながら見ていた

 

黒影(まぁ……コイツの場合は防御力が高過ぎて折る、折らないの話にならないからなぁ)

 

剣帝「何か言いたげだな?黒」

 

黒影『何でもねぇよ、このクソダイヤモンド野郎』

 

剣帝「俺の何処が?全然キラキラしてないじゃん?」

 

黒影『良く言うぜ、鉄バットで殴られても怪我一つしない上に逆に鉄バットを折るくせに』

 

剣帝「はって、何の事だろ?」

 

剣帝は黒影から文句を言われると惚けきったような表情を浮かべていた、その表情を見た黒影は少しだけ眉間に皺を寄せてから、はぁーとため息をついていた

 

剣帝「っと、そろそろ暗くなってきたし宿に戻るか」

 

黒影『お前、セラの警護はどうすんだよ』

 

剣帝「大丈夫じゃ無いかなぁ?アザゼル居るし」

 

黒影『どうだろうかねぇ?』

 

黒影は剣帝の言葉に疑問符を浮かべながら対応していた

 

剣帝「取り敢えず、俺は宿に帰って酒が飲みたい気分なんだよね」

 

黒影『クソだな、主放置するなよ』

 

剣帝「………まっ、自分でやるって言った事を途中でほっぽり出すのは俺の性分に合わないし、宿に戻るまでは警護するかな」

 

剣帝は黒影に文句を言われると仕方が無いという表情を見せてから、目に付いた店で三色団子とみたらし団子を買って、食べながら警護し続けていた

 

《京都:宿》

 

セラ(今日、警護してくれてた剣帝君、退屈そうだったなぁ)

 

八坂「どうしたのじゃ?レヴィアタン殿」

 

セラ「あっ、い、いえ、何でもありませんよ?」

 

八坂「そうは見えぬが……加えてレヴィアタン殿の眷属の方の姿も見えぬ様じゃが?」

 

セラ「多分、昼間退屈そうだったので宿泊してる部屋で寝てるんだと思います」

 

セラフォルーは九尾の狐、八坂と同じ部屋で対談をしている最中に剣帝の事が気になっていた

 

それに感づいた八坂はセラフォルーに剣帝の事を聞いていた

 

八坂「ならば呼びに行くべきじゃろう、何ならわらわ等が呼びに行こうかの?」

 

セラ「い、いえ、大丈夫な筈です!ワタシが呼びますから」

 

セラフォルーひゆっくりと立ち上がろうといた八坂の動きを静止すると同時に剣帝に通話用の魔法陣を繋いだ

 

セラ「もしもし、剣帝君?」

 

剣帝「はぁい?何れすかぁ?」

 

セラ「…………剣帝君、酔ってない?」

 

剣帝「酔ってませんよぉー?俺は至って平常運転れす!」

 

黒影「嘘だぞー?顔真っ赤だからなー」

 

剣帝「五月蝿いぞ!黒!!」

 

黒影「ブベら!」

 

魔法陣を繋いだ先からは呂律がおかしい剣帝の声や黒影の声、加えてキンッキンッというガラスとガラスがぶつかり合う音が聞こえていた

 

セラ「スミマセン、八坂さん、ちょっと失礼させて頂きますね?」

 

八坂「ふむ……酔った男の元に向かうのに一人では厳しかろう、わらわも行くとしよう」

 

セラ「えっ……あっ、有難う御座います」

 

セラフォルーは剣帝との通話用の魔法陣を閉じると剣帝を直接呼びに行こうとし、その後ろから八坂もついて行った

 

そして、セラフォルーが部屋の前に着いて部屋の扉を開けると、同時に部屋の中から酒の匂いが濃く漂ってきた

 

剣帝「さぁてぇ、次はどっちが酒を取りに行くぅ?黒」

 

黒影「その辺はゲームで決めようや、剣帝」

 

剣帝「そだなー、ハハハッ!」

 

黒影「んじゃ、行くぜぇー」

 

剣帝&黒影「『最初はグー!ジャンケンポンッ!』」

 

部屋の中では大量のビール瓶に囲まれ畳の上であぐらをかいて座りこんでいた黒影と剣帝の姿があった

 

そして、二人はどちらが新しいビール瓶を取りに行くのか決める為にじゃんけんをしていて、剣帝はグー、黒影がチョキを出していた

 

剣帝は自分が勝ったことを確認すると同時に、じゃんけんに使っていなかった右手で近くにあった空のビール瓶を握り、黒影の頭に向けて勢い良く振り下ろした

 

黒影「いってぇ!!」

 

剣帝「よっしゃー!俺の勝ちぃ!!ほぉれ、行ってこぉぃ!」

 

黒影「クッソー、次は俺が勝つからなぁー!」

 

黒影はビール瓶で頭を思いっきり殴られたにも関わらずヘラヘラと笑いながら走ってビール瓶を取りに部屋の外に出て行こうとしていた

 

黒影「おんっ?どうしたんだ?セラ」

 

セラ「えぇっとぉ、剣帝君はぁ……もう既に?」

 

黒影「あぁ、俺同様に完全に出来上がってるから、会談に参加は無理だわ、ワリィな」

 

セラ「会談は大丈夫だけど……剣帝君、明日とか大丈夫なの?」

 

黒影「まっ、アイツの回復能力はかなり高いからな、平気だろう………」

 

黒影はまだ酔いがそこまで回っていないのかペラペラとセラフォルーと喋っていた、そして、その最中に何か悪巧みを思い付いた様な表情を浮かべていた

 

セラ「どしたの?黒影君」

 

黒影「んぁ?あぁ、何でもねぇよ、取り敢えず俺等は無理なんで悪いが帰っといてくれるか?」

 

セラ「え、えぇ、分かったわ」

 

セラフォルーが黒影のお願いを聞いて退室していくと、黒影はクルリと反転して、ゆっくりと剣帝に近づいて行った

 

剣帝「んぁー?どうした黒」

 

黒影「いやぁ、ちょいと面白い事を思い付いたからな?」

 

剣帝「面白い事ー?何だそりゃあ?」

 

黒影「なぁに、ただ単なる……」

 

剣帝「ゴフッ………テメェ……この剣は……」

 

黒影はニヤリとした笑みを浮かべてから自分の側に近寄ってきた剣帝の腹にとある剣を五本同時に突き刺した

 

すると、その剣は剣帝の体内にズブズブと入っていき、その剣の傷跡は跡形も無く消えてしまった

 

黒影「ヒャハハッ、流石に製作者、一瞬柄を見ただけで分かるか」

 

剣帝「当然だろ……今のは封印剣『鈎針』、刺した相手の体内に侵入してその相手の能力値を一部封印するって剣だ……」

 

黒影「その通り!まっ、今回のはコッチの世界で限定的に使われるのだがな」

 

剣帝「で、何で俺にアレを刺した?」

 

黒影「いやな?お前が無双し過ぎてツマラナイだろうからよ?面白くしようと思ってな?五分封印って訳よ」

 

剣帝は黒影に腹を刺した事よりも封印の剣を刺した理由を問い質した、すると、黒影は刺した理由をべらべらと喋り始め

 

剣帝はそれを聞き終わるとはぁー、と大きく溜息をついてから理由に納得していた

 

剣帝「要は俺の修行の為か」

 

黒影「そゆこと、頑張れー」

 

剣帝「無責任だなぉ、オイッ」

 

黒影「勿論さぁ」

 

黒影は剣帝に無責任と言われても一切怒る素振りを見せず、逆に剣帝の事を茶化してきた

 

対する剣帝も黒影の茶化しを怒る気配を見せずに、仕方ねぇなぁと言いながら完全に納得し、また修行しないとなと前向きな事を言っていた



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第七十九話「痛みの代償の強さ」

~酒盛りしてから数日後:剣帝の部屋~

 

剣帝「最近暇だなぁ……何か面白いこと無いかなぁ」

 

黒影「面白いかは知らんが、俺的に面白いことなら今目の前で起きてるぜ」

 

剣帝「ん?何それ」

 

黒影「お前の現在の状態が常識外れ過ぎて笑える」

 

剣帝が寝泊まりしているセラフォルー領の屋敷の一部屋で黒影は剣帝のベッドに座りつつ、部屋の中で上半身裸で筋トレをしている剣帝を見ていた

 

その剣帝の筋トレの内容は、先ず逆立ちをしてから左腕の指先だけを床に付け、そのまま腕立て伏せをすると言うものだった

 

更に回数が五百回に行く度に小指から指の数を減らしていき、最終的には親指のみで自分の体を支えるという内容のようで、現在剣帝の体は中指と人差し指と親指の三本で支えられていた

 

黒影「ほんっとテメェは頭がおかしいんじゃねぇのかねぇ?」

 

剣帝「だぁまぁれ、お前に頭がおかしいとか言われたら他人に言われるより苛つくわ」

 

黒影「あっそー、そんな事言うんならお前が興味出しそうな事が新聞に書いてあったけど教えてやんねぇー」

 

剣帝「俺が興味出しそうな事?何だそれ」

 

剣帝は黒影の言葉に反応を示し、腕立て伏せを終えようとたった三本の指の力だけで自分の体を空中に押し上げて飛び上がらせて着地し、黒影の側に近寄った

 

そして、剣帝が近寄ってくると黒影は剣帝に見えるように冥界の新聞のとある一面を見せてきた、それを見た剣帝はニヤリと笑みを浮かべた後、服をちゃんと着てから何処かに向かおうと部屋を出て行った

 

~人間界:駒王町上空~

 

剣帝「さってとぉー、探すかな」

 

黒影「見つかるまで何分掛かるかねぇ?」

 

剣帝「さぁなっと」

 

剣帝は自分の気配を消しつつ駒王町の上空に転移してくると街全域に探知用の結界を展開し始めた

 

剣帝「……………アレ?学園に居ない」

 

黒影「なら、冥界にでも居るんじゃねぇのかね?修行とかで」

 

剣帝「それ、勘付いてたなら先に言ってくれねぇかな?余計な手間になるじゃん」

 

黒影「いやぁ、どうせ学園に居るんじゃぁねぇかなと俺様も思ってたんでなぁ?」

 

剣帝「嘘ばっかりだな、クソ野郎」

 

剣帝は五分程かけて駒王町全域を結界で誰かを探していたが、どうやら探していた人物は駒王町には居ないようだ

 

そして、黒影の言葉を聞いた剣帝は自分の真下に転移用魔法陣を展開し、すぐさま冥界に転移していった

 

~冥界:セラフォルー領~

 

剣帝「さぁて、居るっかなぁー?っと」

 

黒影「てか、見つけてどうすんだよ」

 

剣帝「んー?秘密」

 

黒影「あっそーかい」

 

剣帝は冥界に戻ってくると同時に探知用の結界を大規模に展開し、とある人物を探し始めた

 

そして、二分経った後、ようやく探していた人物の反応を察知した

 

剣帝「見っけ…」

 

黒影「んじゃあ、さっさと行こうぜ」

 

剣帝「あぁ」

 

剣帝は探していた人物を見つけられた事が嬉しかったのか少しだけ笑みを浮かべながら爆炎で加速を掛け、自分の後ろにソニックウェーブを出して飛んで行った

 

~セラフォルー領の外れ~

 

剣帝「この辺に居る筈なんだよなぁ、おーい!匙君やーい!」

 

黒影『そんなに叫んで、本当に出て来たら笑うぜ?』

 

匙「さて、今日も会長の為に修ぎょ…う……何でアンタがココに居るんだよ!」

 

黒影『ブッハ!マジで出てきやがった!!』

 

剣帝が探していた人物、匙の名前を叫びながら周りを見回していると、剣帝の後ろからその匙当人が歩いてやってきた

 

剣帝「やぁ、匙君」

 

匙「やぁ、じゃねぇよ!俺の質問に答えてくれよ!剣帝さん!」

 

剣帝「いやー、この新聞を見てね、良ければ君に修行を付けてあげようかと思ってね」

 

剣帝は匙から質問をされると、手に持っていた新聞を匙に見せながら自分がやってきた理由をつらつらと話していった

 

それに聞いた匙はふむふむと頷きながら剣帝の言ってきた理由に納得していた

 

剣帝「って訳だから、構えろ」

 

 

匙「!!」

 

剣帝「とっとと、構えろ、じゃなきゃ………死ぬぞ」

 

剣帝はゴキリと自分の右手の指の骨を鳴らすと、握るようにしながら自分の体の前に出し、構え始め、同時に殺気を放ち始めた

 

それを見た匙も慌てて自分の神具を展開し、剣帝の行動に対応しようとし始めた

 

剣帝「それで良い、と言いたいところだが、匙君、スマナイんだが本気で来てくれるかな?」

 

匙「本気って事は……ヴリトラになれって事か」

 

剣帝「勿論、さぁ、さっさとしてくれるかな?」

 

匙「…………どうなっても知らねぇぞ…ヴリトラプロモーション!」

 

剣帝が本気で来てくれというと匙は全身に力を込め始め、巨大な蛇の様な龍に化身した

 

剣帝「おぉー、これが龍王ヴリトラ……素晴らしいねぇ」

 

匙『コレなら流石のアンタでも苦戦するだろ』

 

剣帝「さぁ?どうだろう、ねっ!」

 

匙『なっ、消えっ、ガハッ!!』

 

剣帝「図体がデカイのとは割と戦ってるんだよね、コレでもさっと!」

 

剣帝は音と共に姿を消すと、次の瞬間、ヴリトラに化身した匙の顔を殴り飛ばし、その次に顎を下から蹴り飛ばした

 

匙『何て素早さだよっ!』

 

剣帝「いやいや、俺が素早いんじゃなくて……君がまだまだなだけだよ」

 

匙『何で!一発も!カスリすら、しねぇんだよ!』

 

剣帝「それはね、狙いが大振りだからだよ」

 

匙は剣帝に蹴り飛ばされた顔をすぐさま持ち直すと、自分の体を捩り、周囲を払う様に動いた

 

しかし、匙の攻撃を剣帝はするりと隙間を縫うよう回避しつつ喋っていた

 

剣帝「仕留めたいなら、敵の隙を狙って叩き込まないとね」

 

匙『隙って……そんなの戦闘中じゃ狙えないんじゃ』

 

剣帝「いいや?そうでも無いよ?隙ってのはどんな状況だろうと必ずあるからね」

 

匙『例えば、今、とかか?』

 

剣帝「そうそう、その通りぃーって、あっつぅ!!」

 

匙『よっしゃぁ!ようやく当たった!』

 

剣帝が回避行動を辞めてべらべらと喋っていると、その間に匙は剣帝に向けて黒色の炎のブレスを吐きかけた

 

剣帝「あー……アチチッ」

 

匙『今のでもアチチッだけで済むのか……やっぱりアンタは規格外だな』

 

剣帝「でも、普通は俺にアチチッって言われられるだけでも凄いんだよ?基本的に俺言わないし、良い成長だね匙君」

 

匙『アンタにそう言われると嬉しい気がするぜ』

 

剣帝「そんな匙君にはご褒美をあげよう、目を閉じて口を開けなさい」

 

匙『こ、こうか?』

 

黒炎を吐きかけられた剣帝はその数秒後に炎の中から飛び出してきて、体に付いた黒炎を手で払っていた

 

そして、前に会った時よりも匙が成長していた事を嬉しく思ったのか剣帝は匙に目を閉じさせてから自分の指を少しだけ切り、自分の血を匙に飲ませた

 

匙『んっ……がはっ!熱い!!体が燃えるように熱い!!!』

 

剣帝「頑張って耐えるんだ、そうすれば君はもっと強くなれる」

 

匙「何なんだよ!これ!!!」

 

剣帝「秘密、良いから頑張ってその痛みに耐えるんだ、そうすればこれから先、君が大切とする人達を護れるぞ」

 

匙「大切とする人達……会長……カテレア……」

 

剣帝(へぇ~、匙君の口からまさかまさかの人物の名前が出たなぁ)

 

匙は剣帝の血を飲むとヴリトラの姿から元の人間の姿に戻り、地面にのたうち回っていた

 

しかし、剣帝のとある一言に反応して、蹲りながらも全身の痛みに匙は必死に耐えていた、そして、匙の体を襲っていた激痛はものの五分ほどで全て消えた

 

匙「はぁー……はぁー……」

 

剣帝「まさかマジで耐え切るとは……やはり君は素晴らしいね」

 

匙「何だか……体に…力が漲ってくる」

 

剣帝「だろうね、それが君が耐えた痛みの恩恵だよ、但し、その力は振るい過ぎると自分の身を滅ぼす毒になってしまうから使うタイミングはちゃんと見計らうようにね」

 

匙「あ、あぁ、有難うな」

 

剣帝「気にしない気にしない、それは君が頑張ったからこその物なんだからさ」

 

剣帝は匙に謝辞を言われると俺は何もしてないよと言ってから、自分の後ろに転移用魔法陣を展開し、そのまま屋敷に帰っていった

 

そして、匙は剣帝が居なくなった後もずっと修業と言いつつ、自己修練に明け暮れていた



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第八十話「偽りと真実の激突」

《匙に力を与えてから数日後》

 

~セラフォルー邸:剣帝の部屋~

 

剣帝「さて、そろそろ匙君とか一誠君とかがレーティングゲームをしてる頃か」

 

ドライグ『お前は行かなくて良かったのか?お前の主であるあの女はもう会場に着いている筈だぞ?』

 

剣帝「あぁ、良いんだよ、俺は俺で別に用事あるし、それにセラ様には黒影が付いて行ってるから問題無いだろうしな」

 

ドライグ『用事?』

 

剣帝「そう、用事、俺自身の更なる強化の為にジャガーノートドライブを制御下に置くって超重要な用事」

 

ドライグ『つまり、神具に潜るんだな』

 

剣帝「そういう事、それじゃあ始めるか……」

 

剣帝は自室のベットに座りながら自分の左腕に現れたドライグの宿る赤い籠手と喋り終わると、ゆっくりと目を閉じてから、自分に宿っている神具に意識を集中させていった

 

~神具内部:精神世界~

 

剣帝「よっと…ここが神具の内部か…」

 

ドライグ「そうだ、良く着たな相棒」

 

剣帝「おっすドライグ、こうしてお互いに神具通さずに会うのは久しぶりだな」

 

ドライグ「確かにそうだな、前に会った時は俺がまだ生きていて、お前に殺された時だな」

 

剣帝「確かにそうだなぁ、いやぁ、お前はマジで強かったなぁ」

 

ドライグ「それを真正面から単純な力のみで捩じ伏せたのは何処の誰だ?」

 

剣帝「ハハハッ…それは俺だな、でも、あの時の俺に奥の手を切らせてる時点でこの世界ノドライグよりも圧倒的にお前のが強いからなぁ?」

 

ドライグ「フンッ!御世辞なら辞めろ」

 

剣帝「別にお世辞じゃないんだけどなぁー……まぁ、良いや」

 

剣帝が神具に集中して入り込んだ場所は周囲が轟々と赤黒い炎で包まれた真っ黒な空間だった

 

そして、その空間の中からまるで剣帝を待って居たかのように全身が真紅の鱗に包まれた龍、ドライグが現れ出て来て剣帝と喋っていた

 

剣帝「取り敢えず、ジャガーノートを暴走させない為に呪いを解かないとな」

 

ドライグ「それは構わんが………確実に試練があるぞ?」

 

剣帝「やっぱりそうだよねぇ………それもかなり難しいだろうよな?」

 

ドライグ「あぁ、普通ならば不可能と言わざるおえない程に困難な試練だぞ、それでもやるか?」

 

剣帝「勿論」

 

ドライグ「ならば、送ってやろう、精々頑張れ」

 

剣帝「あいよっと!」

 

ドライグが剣帝の意志を聞き届けて口を大きく開くと剣帝の足元に魔法陣が展開され、その魔法陣が光り始めた

 

そして、数秒後に剣帝はその光に体を飲み込まれ、ただただ広い原っぱのような場所に転送されていた

 

剣帝「ここが試練の場所か……」

 

??「その通り、さて、お前は試練を上手く攻略出来るかな?」

 

剣帝「………確かにこれは困難な試練だな…自分が相手とは……それもこの気配は…」

 

転送されたばかりの剣帝がゆっくりと首を自分の後ろを覗き込むように動かすと、剣帝の視界に自分と良く似た姿の男が居た

 

だが、その男の姿は剣帝の姿とは多少違う部分があった、まず服が黒いロングコートの下に黒いスーツを着込み、背中からは黒い天使のような翼を二対出している

 

剣帝「神化………」

 

??「正解!流石は俺(剣帝)!」

 

剣帝「分かって当然だろ、本来の世界の自分自身の一番の奥の手だぞ、てか、その姿が相手って事はほぼ100%全力の俺が相手かよ……」

 

剣帝(偽)「さぁ、俺に勝ってみよう!俺自身だし可能だろ?」

 

剣帝「…………はぁー、やるしかないか……」

 

剣帝は草原に現れた自分が相手と認識すると溜息を大きくついてから剣を構えた

 

それを見たもう一人の剣帝も赤い刃の剣を抜き、剣帝に向けてきた、そして、二人は同時に移動を始め、姿を消した、その次の瞬間から草原の様々な場所で金属と金属がぶつかり合う音と火花が飛び交っていた

 

剣帝(やっぱり辛いなぁ………剣圧が桁違いだし……)

 

剣帝(偽)「ハッハッハ!まだまだ終わらんぞぉ!」

 

剣帝(………なぁんか俺とは違うような気もがするんだよなぁ……喋り方とか)

 

剣帝(偽)「戦闘途中に他の事にうつつを抜かすのは感心しないなぁ?」

 

剣帝「ヤッベ!ガハッ!」

 

本物の剣帝が偽物剣帝の言動で少し引っかかる部分がありそれを考え込んでいると、偽物の剣帝がその間に本物の剣帝の脇腹に向けて一太刀薙ぎ払ってきた

 

すると、剣帝は慌ててそれを防ごうと自分の持っている剣を振るわれてきた剣にぶつけたが、限りなく本来の剣帝の力に近い偽物の剣帝と力が落ちている本物の剣帝では力比べをするまでもなく、本物の剣帝の脇腹にガードの上から偽物の剣帝の剣が押し付けられ、剣帝はそのまま勢い良くふっとばされ、何もない場所にぶつけられた

 

剣帝「何だ……これ……壁?」

 

剣帝(偽)「その通り!この空間は縦450m横800mの四角い空間だからな、逃げられないぞ?」

 

剣帝が自分がぶつかった見えない壁のような物を軽く叩くと、コンコンッとガラスのような音が辺りに響き、その音を聞いた偽物の剣帝が自分達が今現在居る場所についての説明をしてきた

 

剣帝「元から……ペッ!逃げるつもりなんざサラサラ無いっての!」

 

剣帝(偽)「それでこそ俺だ!」

 

剣帝「黙ってろよ!偽物が!」

 

剣帝は自分の傷を完全に治し切ると同時に偽物の剣帝に向かって壁を蹴って勢い良く飛んで近づき始めた

 

そして、一方の偽物の剣帝は自分に向かってくる剣帝を迎撃しようと剣を片手で構え、左手をフリーな状態にした

 

剣帝(偽)「そら、これは十八番技だろう?」

 

剣帝「!!!ヤッバ!」

 

剣帝(偽)「ダラァ・ブラストォ!!」

 

偽物の剣帝は本物の剣帝との距離を把握仕切ると空けていた左手を剣帝に向け、その左手の前に灰色の光弾を作り出した

 

そして、そのまま本物の剣帝を焼き殺そうと本物の剣帝が最も良く使うであろう大技、ダラ・ブラストを剣帝に向けて撃ち放った

 

剣帝(偽)「これで終わりかな?」

 

剣帝「な訳あるか、自分の得意技でやられるってどんな阿呆だよ」

 

剣帝(偽)「それ、結構な数のアニメとか特撮の敵キャラとかを阿呆って言えるよな……例を上げるとマガグランドキングとか」

 

剣帝「あんなのはノーカンだ」

 

しかし、本物の剣帝は自分に向かって放たれてきたダラ・ブラストを何事も無く無事回避し、今度は右手だけで剣を持ち、左手を空けた

 

剣帝「片手空いてりゃ魔法とか使えるもんな」

 

剣帝(偽)「俺の真似じゃん」

 

剣帝「知るかよっと!」

 

剣帝(偽)「おっと、遅い弾速の弾だなぁ、それに随分と狙いも甘いし、やーい、下手くそー」

 

本物の剣帝は偽物の剣帝に自分の真似をしたと言われると、偽物の剣帝に向けて自分の爆炎の魔力を込めた光弾を投げつけようとした

 

だが、その光弾を偽物の剣帝は軽々しく回避し、下手くそーと言ってきた

 

剣帝「さぁ、それはどうだろうなぁ?」

 

剣帝(偽)「ハッ?それってどういう、ンギャッ!」

 

剣帝「爆炎ブーメランってな」

 

剣帝(偽)「巫山戯た真似しやがって………」

 

そう言われても、本物の剣帝は全く動じる事も無くただ偽物の剣帝の言葉を受け流していた

 

そして、偽物の剣帝が本物の剣帝をおちょくる事に夢中になっていると、偽物の剣帝が回避した光弾が弧を描くように曲がり、偽物の剣帝の背中にクリーンヒットし、多々大きめの爆発を起こしていた

 

剣帝「悔しけりゃ俺を倒してみな?」

 

剣帝(偽)「その挑発、乗ってやるよ、そんでそんな挑発した事を今に後悔させてやる」

 

本物の剣帝に挑発しかえされた偽物の剣帝は頭に血を昇らせて、かなり苛々した表情で本物の剣帝に向かって歩き始め

 

それを見ていた本物の剣帝もニヤニヤと挑発をまたしようかと考えているかのような表情を見せながら偽物の剣帝にゆっくりと近づいていった



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第八十一話「虚実の強さ、真実の脆さ」

~剣帝と偽者の剣帝が戦い始めてから十数分後~

 

剣帝(チッ………面倒な事になりつつあるなぁ)

 

剣帝(偽)「どうしたどうしたぁ?さっきまで俺を挑発してきてたくせにこの程度かぁ?」

 

剣帝「うるせぇよ、俺の偽者の癖に」

 

剣帝(偽)「なら、その偽者に未だに勝ててない本物さんは何なんでしょうかねぇ?」

 

剣帝と偽者の剣帝は互いに片手で剣と刀を構えつつ、相手をジッと見据え、相手の動きを監視して、警戒しあっていた

 

剣帝(コイツ、戦い始めに比べるとかなり動きにキレがあるんだよなぁ)

 

剣帝(偽)「どうしたぁ?反論して来ないのかぁ?」

 

剣帝「うるせぇって言ってるだろうがよっと!」

 

剣帝(偽)「おぉっとぉ、危ない危ない」

 

剣帝「良く言うよ、余裕バリバリのくせに」

 

剣帝は自分の偽者に軽く煽られ、ムッとした表情を見せながら偽者に斬りかかった、しかし、剣帝の偽者はその斬撃を楽々と回避し、余裕を見せつけてきた

 

剣帝(それにしても………やっぱりアレかねぇ、腐っても俺なのかねぇ?)

 

剣帝(偽)「さっきから黙ってどうしたぁ?俺の顔に何か付いてるか?」

 

剣帝「あぁ、お前には無用の物が大量に付いてる、耳とか口とかな」

 

剣帝(偽)「要は俺に、聞くな、喋るな、息するなってか?」

 

剣帝「そう言ってるつもりだが?」

 

剣帝(偽)「はぁー、うっぜぇな!」

 

剣帝「危ねっ!」

 

今度は剣帝が自分の偽者へ挑発を仕掛けると、剣帝の偽者は元々立っていた位置から一切動かずに、剣帝に向けて衝撃波のような斬撃を地面に這わせるようにしながら放ってきて

 

その斬撃の通った後は何と真っ二つに切り裂かれていて、それに気付いた剣帝は横方向に向かって跳び、斬撃を上手く回避した

 

剣帝「ひゃー、危ない危ない」

 

剣帝(偽)「チッ、やっぱり回避だけは上手いんだよなぁ、回避だけは」

 

剣帝「そこだけ強調すんな」

 

剣帝(偽)「事実だろう?攻撃は総じて軽い、足も遅い、但し回避能力だけが高い」

 

剣帝「それは………うん、今現在の俺だとお前に勝つのは厳しいかな」

 

剣帝(偽)「だろう?だからとっとと諦めて俺に」

 

剣帝「だがまぁ、かの赤い流星はこんな名言をこのしている……『当たらなければどうと言うことはない』ってな」

 

剣帝(偽)「…………何が言いたい…」

 

剣帝「俺の癖に分からないのか?じゃあ、もっと簡単に言ってやるよ、お前の攻撃はノーコン過ぎるから俺には当たりゃしねえって言ってんだよ、下手くそぉ」

 

剣帝が自分の偽者の攻撃を回避してから偽者に向けて挑発をすると、剣帝の偽者からブツリと何かが切れるような音が聞こえてきて

 

剣帝(偽)「だったらテメェの腸ぶった切って殺してやるよぉぉ!!」

 

剣帝「うっわ、キレた、フフッ」

 

剣帝(偽)「何笑ってんだテメェ!!」

 

剣帝「いや、だってお前の攻撃当たらないし……」

 

剣帝(偽)「それは遠距離ならの話だろうがっと!」

 

剣帝「うぐぇっ!」

 

偽者の剣帝は本物の剣帝に挑発されて頭に来たのか剣帝に向けて叫び声のような物を浴びせ、それでも挑発し続けてくる剣帝のすぐ側に目にも止まらぬ速さで近付き、剣帝の腹部に向けて一太刀叩き込んだ

 

それに受けた剣帝は口から血を吐きながら体をくの字に折り曲げて壁に向かって吹き飛んでいった

 

剣帝「ガハッ、ゲホッゲホッ」

 

剣帝(偽)「当たらなければ、何だってぇ?」

 

剣帝「あー、やっぱり我ながら頭おかしい攻撃力だなぁ……」

 

剣帝(偽)「オイオォィ?さっきだけで随分と声が小さくなったなぁー?んー?」

 

剣帝「はぁ……はぁ……うっぜぇ……なっと!」

 

剣帝は吹き飛ばされ見えない壁に叩きつけられた衝撃で麻痺している自分の体を無理矢理動かして偽者の剣帝に向けると、爆炎の塊を放った

 

しかし、偽者の剣帝はその塊を手に持った剣で難なく弾いて掻き消して、剣帝に向けて剣を持っていない方の手を向けた

 

剣帝(偽)「何だぁ?今のしょっぼいのはぁ?攻撃のつもりかぁ?」

 

剣帝「チィ………」

 

剣帝(偽)「良いか?攻撃ってのはなぁ、こう撃つんだよ!」

 

剣帝(やっべぇ……動けねぇ)

 

そして、偽者の剣帝は本物の剣帝に少し前に回避された灰色の極太ビーム、ダラ・ブラストを再度発射した

 

それを見ていた剣帝はさっき無理矢理体を動かした反動で指先すら動かせず、ダラ・ブラストを真正面から受けてしまい、その体はボロ炭のようになった

 

剣帝(偽)「ハハッ、ハハハッ!ハァーハッハッハァッ!俺の勝ちだぁ!」

 

偽者の剣帝はボロ炭になった剣帝の死体を見ると、上機嫌で高笑いしていた



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第八十ニ話「執念の真、敗北の嘘」

第八十二話「」

―――――――――――――――――――――――――――

~神具の中~

 

剣帝(偽)「それにしても、予想よりも随分と弱かったな、あの男が言っていた事が本当だという証拠かな?」

 

偽者の剣帝は本物の剣帝だったボロ炭の近くまで歩いていき、本物の剣帝の顔を覗き込みながらしゃがみこんでいた

 

剣帝(偽)「この男の、剣帝の本当の強さを見たいなら……やっぱりあの女、藤原妹紅が邪魔になるのか、なら、仕方無いな、コイツの体を使って殺すか」

 

偽者の剣帝は本物の剣帝の姿をジッと見詰めた後立ち上がると、そのまま神具を通して剣帝の体を操ろうとし始めて居た

 

そして、その時剣帝の影にとある一つの影が紛れ込んできた

 

~剣帝の精神内部~

 

黒影「おーい、剣帝やーい、何処だー?」

 

真っ暗闇に包まれた剣帝の精神内部を泳ぐように移動しながら黒影は剣帝の精神を探していた

 

黒影「おーい……何処に居るん……見ぃ付けたっと」

 

黒影が平泳ぎをする要領で精神内部を移動していると、すぐに剣帝の精神は発見された

 

その剣帝の精神は深い眠りに付いているかのように静かに目を閉じ、横になりながら浮かんでいた

 

黒影「起きろー!剣帝ー!!!」

 

剣帝「………………」

 

黒影「チッ、起きねぇか……なら、仕方ねぇなぁ」

 

黒影は剣帝の側に近寄ると、剣帝の顔に少し自分の顔を近づけて大きな声を出して剣帝を起こそうとしたが。剣帝は微動だにせず、目を閉じ続けていた

 

そんな剣帝の様子を見ていた黒影ははぁーと溜め息をついてから剣帝の耳元に口を近付けて

 

黒影「このまま寝たままだとあの娘が殺されんぞ?」

 

剣帝「……んぅっ…」

 

黒影「良いのか?あの娘が殺されても」

 

剣帝「………だ……」

 

黒影「良いのか?『お前の愛するあの娘が誰かに殺され』ちまってもよ」

 

剣帝「んな事嫌だね!あの娘は俺が護り続けんだよ!」

 

黒影が剣帝ノ耳元でとある事柄を囁くと剣帝は目を開き、バッと上半身を叩き起こした

 

剣帝「黒、あの娘を殺そうとしてんのは誰だ」

 

黒影「ん?お前の偽物だぜ」

 

剣帝「あぁ、さっきのアイツか」

 

黒影「だけどまっ、お前じゃ勝てねぇんじゃねぇの?火力の桁が違い過ぎるし」

 

剣帝「どうってことは無いさ、アイツの癖とかは全部見たし、覚えたから」

 

黒影「あっそ、それなら俺様が手を貸さなくても平気か?」

 

剣帝「いや、一応は火力が欲しいからな、手を貸せ」

 

黒影「あーいよっと」

 

目を覚ました剣帝は、自分が大切にしている女性を傷付けれる事に激昂を見せながら、黒影にその対象を聞いた

 

そして、剣帝は自分が倒すべき相手を黒影に確認すると、黒影に力を貸せと言ってから黒影と手を合わせて、己の身と黒影の身を融合させてから、身体を急速に再生させていった

 

~神具内部~

 

剣帝(偽)「さぁて、そろそろ完全に乗っ取りが終わっ、危ねっ!?」

 

剣帝「殺らせはしないぞ?あの娘は俺の大切な嫁だ」

 

剣帝(偽)「はぁー、我ながらしつこいねぇ?」

 

剣帝「何が我ながら、だよ、お前は俺じゃねぇだろうが」

 

剣帝(偽)「はてはて?何の事やら?」

 

剣帝「何がはてはてだ、お前は俺じゃなくて、ドライグの記憶を元に創られた俺の贋作、偽者だろうが!」

 

偽者の剣帝が剣帝の肉体の乗っ取りはまだかまだかと待っているとその後ろから複数個の斬撃が地面を走るように飛んできた

 

が、偽者の剣帝はそれをサッと回避して後ろを振り返った、そこには右半分の髪が赤、左半分の髪が黒色に染まった剣帝が立っていた

 

剣帝(偽)「……………」

 

剣帝「図星、だろ?」

 

剣帝(偽)「何でぇ、バレてんのかよぉ」

 

剣帝「当然だろう、お前は俺とは違い過ぎる」

 

剣帝(偽)「例えばどんな所かねぇ?」

 

剣帝「剣筋、癖、技が大技ばっかりだし、何より妹紅を殺そうとした、それら全部ひっくるめてお前は俺じゃねぇ」

 

剣帝は偽者の剣帝に何処が違うかと聞かれるとスラスラと自分との違いを答えていき、偽者の剣帝もそれを大人しく聞いていて

 

剣帝(偽)「チェッ、そんなに違いを挙げられたら否定できねぇじゃん」

 

剣帝「否定なんぞさせるつもりは無い」

 

剣帝(偽)「あっそー、まっ、俺が偽者だろうがお前が本物だろうが、俺にお前が勝てなきゃ無意味だろう、さっ!」

 

剣帝「問題無い、お前の癖はもう見飽きた」

 

偽者の剣帝は本物の剣帝の言い分を聞き終わると本物の剣帝に向けてまた斬撃を飛ばしたが、本物の剣帝はそれを軽々と回避して

 

剣帝(偽)「俺の癖ぇ?何だそりゃ」

 

剣帝「言う訳無いだろ?それで対策されたら元も子もない」

 

剣帝(偽)「ケッ!このケチ野郎が!」

 

剣帝「ケチで結構、俺はただただお前を倒したいし、試練に勝ちたい、それだけだからな」

 

剣帝は偽者の剣帝に文句を言われても全く動じる気配を見せず、ただ淡々と偽者の剣帝に向かって近づいていって

 

剣帝「さぁ、第二ラウンドをさっさと終わらせて貰おうか」

 

剣帝(偽)「そりゃこっちのセリフだ!」

 

剣帝「おっと」

 

偽者の剣帝が自分の近くまで歩いてきた剣帝に向けて剣を振るったが、本物の剣帝はそれを一瞬見てからスルリと剣の横を通り抜けるように回避した

 

剣帝「だぁかぁらぁ、お前の癖はもう見飽きたんだよ、つまりどういう事か分かるか?」

 

剣帝(偽)「知るかよ!そんなの!」

 

剣帝「はぁー、身体の性能は俺ト瓜ふたつでも脳までは真似られなかったんだなぁ」

 

剣帝(偽)「あぁぁ!ウゼェ!ウゼェウゼェウゼェ!!!」

 

剣帝「ハッハッハ、かなり化けの皮が剥れてるぞぉ?」

 

本物の剣帝は偽者の剣帝が何度も自分に向けて振ってくる剣をやすやすと回避し、偽者の剣帝の事を味笑っていた

 

剣帝「癖を見飽きたって事は、お前の攻撃はもう当たらないって事だよ、それ位理解してくれよなぁ」

 

剣帝(偽)「ウッゼェ!!」

 

偽者の剣帝は本物の剣帝が頭を抱えて呆れている姿を見て頭に来たのか本物の剣帝に向けて至近距離でダラ・ブラストを発射した

 

剣帝(偽)「ハッ、ハハッ!この距離でなら避けられなかっただろ!」

 

剣帝「いやいやぁ、そうでもないんだなぁ、これが」

 

剣帝(偽)「何ぃっ!?」

 

剣帝「何度も言ったろう?癖は見飽きたって、お前の攻撃の予備動作ももう見切ってるんだよ、それにその技は俺の十八番技、発射までの時間程度なら身体が完全に覚えてるから対応出来るし」

 

しかし、偽者の剣帝が放ったダラ・ブラストは本物の剣帝には一切当たって居らず、本物の剣帝は無傷の状態で偽者の剣帝の後ろに回り込んでいた

 

剣帝(偽)「クソが、クソが、クソがぁぁぁ!!」

 

剣帝「そうやって叫ぶのも悪い癖だなぁ、まぁ、これから死ぬお前には治せとか言わないけど」

 

剣帝(偽)「俺は死なねぇ!逆にお前を殺して俺はドライグを自由にするんだよ!」

 

剣帝「それは無理かなぁ……だって」

 

本物の剣帝は偽者の剣帝の言い分を聞きながらはぁー、とため息をついて、右手を強く握り締め、偽者の剣帝の顔面に向けて握り拳を振るった

 

剣帝「もう、お前は終わりだからな」

 

剣帝(偽)「アッ!ガッ!ガハッ!!」

 

剣帝(偽)(な、何だ……さっきとは攻撃の速度も重さも段違いに速いし重い)

 

剣帝「とっとと俺にぃ!ジャガーノートドライブのぉ!制御権をぉ……寄越しやがれぇ!」

 

剣帝(偽)「グゥッ!ガハァッ!」

 

本物の剣帝は偽者の剣帝が困惑していようと関係無いかのように、偽者の顔面の頬を殴り飛ばしてから腹部を殴り、最後に昇龍拳でも撃ち込むかのようなアッパーを食らわせた

 

剣帝「所詮偽者じゃ本物にゃ勝てやしねぇんだよっと」

 

黒影『さっすが剣帝、武器使うよりステゴロのが強いっていうアホさだな』

 

剣帝「だぁまぁれ、黒」

 

黒影『へぇいへいっと』

 

剣帝「さて………どうせまだまだ平気なんだろ?」

 

本物の剣帝は偽者の剣帝を殴り飛ばしてから黒影と会話した後、偽者の剣帝近くに歩いていった

 

剣帝(偽)「いやいやぁ……俺はお前みたいに再生とかは出来ないから、はっきり言ってもう動ける気がしねぇ……」

 

剣帝「なら、お前はもうギブか?」

 

剣帝(偽)「そうはしたくないんだがなぁ……ダメージがなぁ……」

 

剣帝「なら、さっさと消えろ」

 

本物の剣帝は偽者の剣帝の近くまでやって来ると、偽者の剣帝の顔をじっと見下ろしていた、偽者の剣帝の顔には汗がびっしりとついていて、今にも死にそうなほど疲弊した顔になっていた

 

なのでなのかは分からないが、本物の剣帝は偽者の剣帝に向けて最大威力の爆炎魔術をぶつけて、偽者の剣帝の身体を消し飛ばした

 

剣帝「これで試練は終わりだな」

 

黒影『んじゃあ、帰ろうぜー』

 

剣帝「あぁ、分かっているともさ」

 

剣帝は掛けている眼鏡をクィッと上げると、そのまま上空に飛び上がり、偽者の剣帝を消し飛ばすと同時に空に現れた黒い穴に入っていった



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第八十三話「銀の神と紅の帝王の激突」

第八十三話「銀の神と紅の帝王の衝突」

――――――――――――――――――――――――

《セラフォルーの屋敷:剣帝の部屋》

 

~ジャガーノート取得の試練終了後~

 

剣帝「………んっ……んんっ……んっ?」

 

黒影「よっ、ようやく起きたか寝ぼす剣帝」

 

剣帝「黙れ黒、俺をその呼び方していいのは妹紅と娘達だけだ、てか、ようやくってどういう事だ?アレから数分しか経過してないだろ?」

 

黒影「何言ってやがんだよ、お前、丸3日は寝てたぞ?」

 

剣帝「はぁ!?3日ぁ!?」

 

黒影「おう、3日、その間にセラは里帰り済ましちまったしよぉ」

 

試練が終わった後、剣帝が目を覚ますと、剣帝の身体は何故か試練開始時と状態が変わっていて、ベットで横になっていた

 

それもその筈、剣帝は試練を始めてからずっと意識を身体から手放して眠り続けていたのだ

 

剣帝「なら、さっさと向こうに帰らないとな、妹紅が心配だしよっ」

 

黒影「それが可能ならもう夜鴉さん来てんじゃねぇのかねぇ?だが、未だに夜鴉さんはきてない、つまりは分かるだろ?」

 

剣帝「…………そういや、送られる時に言われてた試練してないじゃん……」

 

黒影「まっ、帰れない理由は十中八九それだろうな」

 

剣帝「はぁー、面倒臭え………とっとと帰って妹紅に抱き着きたいのに……」

 

黒影「うだうだ言ってねぇで、とっととセラを連れて試練に行くぞー」

 

剣帝「何でセラ様連れて行かなきゃならないんだよ?」

 

黒影「あぁ?お前はペタンちゃんから言われた事を忘れてんのかぁ?『二人でクリア』しろって言われたろ?」

 

剣帝「………………あっ!あー、そうだったそうだった」

 

剣帝はベットの横に立っている黒影に退くように手で指示を出して黒影を退かせるとベットから飛び降りるように立ち上がり、そして、黒影と話しながら部屋を出ようとしていた

 

剣帝「それにしても、面倒な条件だなぁ………俺一人なら気楽にやれるのに……」

 

黒影「そだろうなぁ、お前一人なら何回でも死にながら相手を殺すまで戦い続けるだけだもんな」

 

剣帝「そうそう、でも、セラ様を連れて行かなきゃならないなら、セラ様守らないといけないじゃん………はぁー」

 

黒影「面倒臭そうにため息つくなよ、気持ちは分かるがよ」

 

剣帝「まぁ良いや、連れて行ってから手を打とう」

 

黒影「姑息だねぇ」

 

剣帝「姑息言うなバーカ」

 

剣帝は黒影との会話を続けつつ、自室の床に置いてある鞄の持ち手に手を通して持ち上げてから部屋の扉を開き、そのまま屋敷の廊下を歩いて進み、セラフォルーの部屋に喋りながら向かって行き、すぐにセラフォルーの部屋の前に着き、剣帝はセラフォルーの部屋の扉にノックをして

 

剣帝「セラ様、いらっしゃいますか?」

 

セラ「起きたのね!剣帝君!!」

 

剣帝「えぇ、つい先程起きました」

 

セラ「そっかぁ………心配したのよ?剣帝君」

 

剣帝「御心配をお掛けしました。それでセラ様」

 

セラ「なぁに?」

 

剣帝「そろそろ夜鴉様より通達されていた試練に向かうので、準備をして下さい」

 

剣帝がセラフォルーに扉越しに声を掛けるとセラフォルーは扉を破るかのような勢いで部屋から出てきて、剣帝に抱きついてきた

 

そんなセラフォルーを身体から引き剥がすと、自分が部屋を訪ねた理由を剣帝はセラフォルーに告げた、すると、セラフォルーの表情が曇っていき

 

セラ「それって……どうしてもやらなきゃ駄目?」

 

剣帝「どうしてもやらなきゃ駄目です」

 

セラ「…………終わったら向こうの世界に戻るんでしょ?」

 

剣帝「そうだと思いますよ?少なくとも俺はそうだろうなと思っておりますし」

 

セラ「………剣帝君は戻りたいの?」

 

剣帝「はい、戻りたいです。妹紅に会いたいですし」

 

セラ「そっか……それじゃあ向かいましょっか」

 

剣帝「有難う、"セラ"、それじゃあ、俺は先に屋敷の外に居ますので準備をして来てくださいね」

 

剣帝はセラフォルーの頭を優しく撫でてからセラフォルーから離れて、そのまま屋敷の外に向かって歩いて行った

 

その数分後、荷物をまとめたセラフォルーも屋敷から出てきた、すると、剣帝は自分の足元に魔法陣を開き、転移を始めた

 

《???》

 

剣帝「さて、今回の試練の相手は誰かなぁっと?」

 

黒影『この街並みを見る限り、俺様の予想では何かしらのゲームのラスボスだな』

 

剣帝「奇遇だな、俺もそう思ってた」

 

セラ「えっ?なになに?何の話?」

 

剣帝「今回の試練の相手の予想ですよ。多分相当に強いのが来ると思いますので、セラ様は避難しておいて下さりますか?」

 

セラ「嫌、ワタシの剣帝君と一緒に戦うわ」

 

剣帝「…………はぁ、了解しましたが。危なくなったら即座に逃げて下さいね?庇えないと思うので」

 

黒影『そうこう話してる間に、相手さん来たみたいだぜ』

 

剣帝とセラフォルーが転移した先に広がっていたのは、倒壊したビルや家屋が並ぶ、何かしらに滅ぼされた後の都会の町中だった

 

その町中で剣帝とセラフォルー、そして黒影が話していると、三人の立っている地点付近の上空に、何やら卵型の浮遊物体が飛来し、その浮遊物から巨大な銀の肌の空飛ぶ人らしき物が降りてきた

 

剣帝「これはぁ……もしかして」

 

黒影『あぁ、間違いねぇな』

 

剣帝「やっぱり、アレだよな、うん、せーの」

 

剣帝&黒影「うっわ!『ペプシマンだぁぁぁ!!』ダルイ!」

 

セラ「ペプシマン?ってあの巨人の事?」

 

剣帝「そうですよ。あの銀色の巨人は通称、うわっと!」

 

剣帝は何故自分が銀色の巨人をペプシマンと呼んだのか、セラフォルーが疑問符を浮かべている事に気付くと、その理由を説明しようとし始めた

 

しかし、剣帝が口を開いた瞬間、銀色の巨人の掌から剣帝達に向けて光線が放たれてきて、剣帝はそれを回避する為にセラフォルーを抱えて後ろに飛んだ

 

剣帝(うーん………やっぱりセラ様が居ると戦いづらいなぁ……そうだ)

 

剣帝「オイッ、黒」

 

黒影『何だぁ?剣帝』

 

剣帝「セラ様連れて離れとけ」

 

黒影『了ー解』

 

セラ「えっ!?ちょっと!剣帝君!?」

 

剣帝「とっとと行け!黒!」

 

黒影「あらほらさっさー」

 

光線を回避した剣帝は、現状で勝つ事が厳しいと感じたのか自分の影に潜んでいる黒影にセラフォルーを連れて離れるように指示を出した

 

すると、剣帝の影からズルリと現れた黒影はセラフォルーを慌てて抱えて、瓦礫から瓦礫へ飛び移りながら逃げ去っていった

 

剣帝「これで良し……さて、待たせたな、神様よぉ?」

 

剣帝がくるりと振り返ると相変わらず宙に浮いている銀色の巨人は剣帝に向けて再度光線を手から放ってきて

 

《荒廃した街:戦闘域外》

 

セラ「離して!ワタシも剣帝君と一緒に戦うの!」

 

黒影「あー、それは止めておいた方が良いと思うぜぇ?相手が相手だしなぁ」

 

セラ「そういえば、何者なの?あの巨人」

 

黒影「アレはなぁ……地球防衛軍5って名前のゲームに出てくるラストボスだ、それがあのペプシマンって俺等が呼んだ銀の肌の巨人」

 

セラ「えっ?ゲームのラストボスが何でこんな場所に?」

 

黒影「まっ、どーせ、夜鴉さんの仕業だろうさ、気にすんな………とにかくアイツと現状マトモに戦えんのは剣帝位だ、だから、俺様達は足手まといにならないように逃げるのが正しい判断って訳だ」

 

セラ「………」

 

黒影「それに、離れておかねえと剣帝があの姿になれねぇしな」

 

黒影は剣帝からの命令を聞いてセラフォルーを抱えて、剣帝の居る場所から数百メートル離れた地点まで逃走し、自分とセラフォルーの身の安全を確認してからセラフォルーを降ろし、剣帝からの命令の理由等を説明した。それを聞いたセラフォルーは顔を俯けて、地面を見つめ、黒影は剣帝の居る方向を見つめていた、そして、その瞳には赤い角を生やした巨大な怪物の姿が写っていた

 

《荒廃した街中:戦闘域》

 

剣帝「セラ様達は充分離れたみたいだし、これで心置きなく戦えるな?神よぉ」

 

剣帝は首を左右に振り、首の骨をゴキゴキと鳴らしつつ神と呼んでいる巨人を見つめ、話しかけていた、だが、神からの返答は特になく、剣帝に向けて神は再度光線を放ってきた

 

だが、剣帝はその光線が放たれるのを確認してからバク転をして光線を軽々と回避していった

 

剣帝「おっと、危ない危ない……まっ、お前は俺が何言っても返答しないよな、それよりとっとと片付けさせてもらうとしようかな」

 

剣帝はバク転で回避してから左手の指をゴキゴキ鳴らしてから構えを取り、ブーステッドギアを出現させ、目を閉じてから呪文を唱えはじめた

 

剣帝「我、目覚めるは……覇の理を神より奪いし二天龍なり……無限を嗤い、夢幻を憂う……我、赤き龍の覇王と成りて……汝を紅蓮の煉獄に沈めよう……JaguarNoteDrive」

 

呪文を唱えていた剣帝の身体は瞬時に赤い鎧に包まれ、その後すぐにブクブクと肥大化し始めた、まず剣帝の脚が人のものではなく怪物としての足に変化し、手は小さな頭のような形に変化していった

 

そして、剣帝の背は前屈みに折れ曲がり、デコの辺りからは赤いクリスタルのような角が生えてきて、最後に剣帝の口が大きく広がり、顔は赤い目が前方に2つ、その少し後ろに2つ有るように見える醜悪な怪物のようなものに変わり、剣帝の頭部からは黒い触手のようなものが伸びていき、その触手は剣帝の全身を包み込み、その触手の下からは赤い棘が生え出てきた

 

剣帝「さぁ……終わりにしようか」

 

剣帝は変身し終わると、銀色の巨人に向けて、大音量の方向を放ち、方向を放ち終わると同時に頭のクリスタルから巨人に向けて赤黒い太い光線を放った

 

《荒廃した街中:戦闘域外》

 

セラ「アレは……前にも見た事がある剣帝君の暴走形態?」

 

黒影「正確にはジャガーノートドライブな?」

 

セラ「えっ!?でも、資料で見た一誠ちゃんのはあんな姿にはなってなかったわよ?」

 

黒影「そりゃそうだろ、あの乳龍帝のはあくまでもドライグの力を開放したジャガーノートドライブ、だが、剣帝のはドライグと剣帝の力が混ざって出来たジャガーノートドライブ、まず根本的に物が違う」

 

セラ「それで……あんなに禍々しい姿に」

 

黒影「まぁ、あの姿の名前は覇竜じゃなくて、マガタノオロチだからな」

 

セラ「マガタノオロチ?」

 

黒影「そっ、とある特撮番組で出てきたラスボス、それが今の剣帝が変身してる姿」

 

黒影(まぁ、夜鴉様の仕業だろうから……多分弱点も再現されてんだろうなぁ)

 

セラ「ゲームのラストボスと特撮のラストボス………それじゃあ剣帝君は勝てるんでしょう?」

 

黒影「さぁてなぁ?一応あの姿にゃ弱点あるからな、そこ突かれたらアウトだわ」

 

黒影はセラフォルーに勝てるかどうか聞かれると、分からないと返答をしながら剣帝の戦っている様子を見つめていた




えー、最終話まで残り一話か二話になりました。後一話か二話だしたらこの話は最終話になり完結となります


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