戦国†恋姫X 僕と外史と果実の鎧武者 (T&Y-Tiga)
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プロローグ 過去、出会い、誓い、そして予兆

数年前

 

ある街

 

side・・・少年

 

あの日、

 

僕は

 

死の淵にたたされていた。

 

『グルルルルル』

 

少年「ハァッ、ハァッ、ハァッ!」

 

あの時の僕は・・・

 

少年『うっ!っぅ・・・!!ハァッ!』

 

 

無力だった・・・

 

僕は走っていた。

 

僕の命を狩ろうとする異形の魔の手から必死に・・・

 

少年「ハァッ、ハァッ、く、来るな!」

 

『グルルルルル!』

 

叫んでも聞く耳は持たない異形に僕は叫ぶ

だが異形は僕を追う。

 

少年「そ、そんな!行き止まり!?ッ!」

 

『グルルルルルゥ・・・』

 

前は行き止まり、後ろには異形が僕に迫る。

 

少年「ハァ、ハァ、ハァ・・・」

 

迫る死への恐怖に僕は尻餅を着き後ろへ動くが

その先へは行けない。

 

少年「い、いや、だ・・・いやだ、嫌だ!」

 

『グルゥア!』

 

異形は飛びかかりその鋭い爪で僕の命を狩ろうとする。

 

少年「もう、だめだ!」

 

 

 

『誰か!助けて!!』

 

 

 

その時

 

 

 

 

『待ってろ!今行くぜ!』

 

 

少年「え?」

 

 

『オリャアッ!』

 

『グギャッ!』

 

すると目の前に僕よりも年上のお兄さんが異形の前に割って入り

殴ったり蹴ったりして異形を下がらせた。

 

 

『この子は俺が守る!変身!!』

 

 

『オレンジ!・・・ソイヤッ!オレンジアームズ!花道オンステージ!』

 

 

『オゥラァッ!!』

 

『グギャッ!?』

 

 

僕は

 

出会った

 

そして・・・

 

命を救ってくれた。その人は

 

『もう大丈夫だ!君は俺が守る!!』

 

ベルトを巻き、果実の鎧を纏った戦士だった。

 

 

『早くここから逃げるんだ!早く!!』

 

 

その戦士は僕の命を救いそのまま異形へと果敢に挑んだ。

 

 

その光景は今でも覚えている。そしてあのセリフも

 

 

 

『ここからは俺のステージだ!!』

 

side・・・少年end

 

 

Another view side

 

もう俺の身体は"普通の人間"じゃないんだな

でも俺は後悔していない。

さっき俺が言ったじゃないか

"今とは違った自分になりたいって、今の俺なら正しい人達の味方が出来る"って

俺のこの力なら"あいつ"を止められる。

あいつを止められるのはこの俺だけなんだ。

待ってろよ・・・

 

 

『もう、だめだ』

 

!?

この声・・・子供なのか!?

この街にまだ人がいたのか!?

声はあの方から聞こえたな

 

 

『待ってろ!今行くぜ!』

 

 

Another view end

 

 

 

僕は憧れた。

 

 

『オリャアッ!』

 

 

その戦士に

 

 

『ハアッ!』

 

 

その戦う姿に

 

 

『これで決めるぜ!』

『オレンジスカッシュ!!』

 

戦士は高く飛び上がると空中で一回転しオレンジ色に輝く

右足を異形に向けその前に現れる無数の果実『オレンジ』の断面に突き進んでいく

 

 

『グルル!?』

 

『セイハァァァァア!!』

 

戦士が繰り出した飛び蹴りをくらい異形は倒され

こっちと目が合うと僕にゆっくりと近づく。

 

僕はそのゆっくりと歩く姿に目を奪われた。

 

そしてこう呟いた

 

少年『カッコいい・・・』

 

そして僕と目線を同じにするためにしゃがみ頭を優しく撫でてくれた。

 

『無事で良かった。怪我はないかい?』

 

その仮面から伝わる強さ、僕の頭を撫でてくれる優しさ

今でも脳裏に焼き付いている。

 

僕は涙を浮かべ声が枯れるくらいに泣いた。

その人は僕の背中を優しく擦りながら抱き締めてくれた。

 

そのあと僕は自衛隊に救助されヘリに乗り街から脱出した

その時窓にはあのお兄さんの姿があり僕に手を振っていた。

 

その日以来、僕は二度とお兄さんと会うことはなかった。

二度と・・・

 

でも僕は信じてる。きっといつかまた会えると信じていたから

 

 

僕はあの日誓った

 

僕もいつかあの人の様に誰かを守れる強くて優しい男になりたいと

 

 

 

これが僕、吉井明久の"過去と出会いと誓い"の話だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在・・・

 

あれから何年経ったのか・・・

あの頃少年だった僕は今では高校二年生になっていた。

 

僕は空を見上げる。蒼く広い何処までも続く空を僕は見上げる。

 

あの空の向こう側にあのお兄さんがいるような気がして・・・

 

 

 

明久「お兄さん・・・いつかきっとまた会えるよね・・・」

 

 

「おーーーい明久!早く来ーーい!修行に遅れるぞーー!」

 

 

明久「はーーい!一刀おじさん!今行くからーー!」

 

 

だけどこの時の僕はまだ知らなかった。

僕が運命を掴むその時が直ぐそこまで来ていたことを

 

 

 

 



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