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1期編
1話「なんだかホントに入社した気分です!」


季節は春。桜が舞い散るこの日に1人の少女が歩いてた。

青葉『春です!高校を卒業して今日から社会人!』

少女の名は『涼風青葉』。高校を卒業してスーツを身に纏い、満員電車に乗る。そして駅に到着して降りて駅から出る。

青葉『就職先は、なんとゲーム会社!』

就職先はゲーム会社の『EAGLE JAMP』。会社前に到着して挨拶の練習をする。

青葉「涼風青葉です。宜しくお願いします。涼風青葉です。宜しくお願いします。」

顔を下に向けてぶつぶつと練習する。

青葉「(今日から大人の仲間入りです!)よし!!」

練習を終えて入ろうとするが。

青葉(って!本当に入って良いのかな!?)

オドオドして青葉が戸惑う。すると後ろから。

???「こら!」

青葉「ええ!?」

後ろから声を掛けられてびっくりした。

???「なーんて。ここは会社だから子供は入っちゃダメよ?」

優しい雰囲気を持った女性が優しく注意して、会社に入ろうとすると。

青葉「ご、ごめんなさい・・・って!違いますーーー!!」

女性の腕を掴んで止める。

青葉「今日からイーグルジャンプで働かせていただく涼風青葉です!宜しくお願いします!」

???「あら!新入社員さんだったのね。ごめんなさい私ったら・・・」

青葉「わ、私こそごめんなさい・・・涼風青葉です・・・入社するって聞いてますか?」

???「涼風・・・あ!聞いてます!一緒のチームだわ!私はADの遠山りんです。宜しくね。」

女性の名は遠山りん。EAGLE JAMPでADを担当している。

青葉(目の前にプロが!!)

プロが目の前に居る事に青葉が感動する。すると。

???「りんさんおはようございます。」

青葉「?」

後ろからボディバッグを背負ってる1人の男性が声を掛けた。

りん「あら優斗君!おはよう。」

優斗「ん?君は?」

青葉「あ!新入社員の涼風青葉です!宜しくお願いします!」

優斗「ああ!君が新入社員の涼風さんか。上司から聞いてるよ。俺は相葉優斗。りんさんの後輩で、VFXを担当をしてるんだ。宜しくね。」

男性の名は『相葉優斗』。りんの後輩社員でVFXを担当している。

青葉「こ、こちらこそ!」

挨拶を済ませてエレベーターのボタンを押す。

青葉「あ、あのぉ、ADって大変ですよね?テレビで良く観ますけど、色々細かい仕事が多くて、忙しそうなイメージだし。」

りん「ああ・・・私のADはアシスタントディレクターじゃなくて、アートディレクターよ?」

青葉「ん?相葉さん、ADはアートディレクターなんですか?」

優斗「大体ADはアシスタントディレクターの頭文字を取った奴だけど、アートディレクターも頭文字を取ったらADってなるからね。」

りん「だから、全てのグラフィックを管理するのが仕事なの。」

すると青葉はショックしてその場で土下座をした。

青葉「申し訳ありませんでしたーーー!!!」

りん「ええ!?い、良いのよ!?」

優斗「涼風さん大丈夫!?」


そして会社内に入った青葉は感動した。りんが社員証をタッチしてドアを開ける。

 

優斗「涼風さん入ろうか。」

 

青葉「あ、はい!」

 

 

 

 

 

 

オフィスに入る。

 

りん「ここがあなたの席よ。」

 

青葉に席を案内する。

 

りん「そうだ!何か飲む?」

 

青葉「あ、それじゃあ、オレンジ・・・(いけない!今日から社会人なんだ!)コーヒーブラックで!!」

 

りん「え・・・?」

 

優斗「じゃあ俺は仕事に入るから、分からなくなったら俺か誰かに相談してね。」

 

青葉「はい!」

 

 

 

 

 

 

その後席に座って落ち着きを取り戻した。

 

青葉「ふぅ・・・優しそうな人達で良かったぁ・・・これで私も!今日から働くんだ!」

 

???「うぅ・・・・疲れた・・・・」

 

青葉「ひぃ!?」

 

誰かの唸り声が聞こえて恐怖心が増した。

 

???「うぅ・・・もう嫌だ・・・」

 

後ろに振り向くとそこには。

 

青葉「きゃあああああ!!」

 

女性の足が転がってた。キーボードを持って少しずつ近付く。

 

青葉「お・・・お化け・・・?」

 

だがそこに居たのは、青のシートの上で寝てる金髪の女性だった。そして青葉は更に驚く。

 

青葉「おパンツーー!?」

 

その女性の下着が丸出しになってる事に驚く。すると女性は青葉の声で起きた。

 

???「ええ?」

 

すると青葉が女性を見てドキドキしてしまった。女性は青葉の顔をじっくり見る。

 

???「中学生?何で子供が居るの?」

 

青葉「子供じゃないです!!」

 

りん「あら起きたの?」

 

ブラックコーヒーを持って来たりん。

 

???「りん、この子誰?」

 

りん「今日から入社した涼風青葉さんよ。あ、これ私のだけど飲む?」

 

???「サンキュー。へぇ、何処の班に?う!?ゲホッゲホッ!!」

 

ブラックコーヒーを飲んでむせる。

 

???「これ砂糖入ってないじゃん!」

 

りん「ああ、逆だったわね。ごめんなさい。」

 

優斗「りんさんちょっと天然ですね。」

 

りん「あはは。」

 

青葉「相葉さん?」

 

優斗「俺ここのデスクで仕事してるんだ。あそれと、俺の事は名前で呼んでも構わないよ?」

 

青葉「はい、優斗さん。」

 

???「お?新しい後輩さん?」

 

ここにもう1人の男性が居た。

 

優斗「ああ、涼風青葉さんだ。涼風さん、此奴は秋山大輝。俺の同期でCG担当だ。」

 

大輝「秋山大輝だ。宜しくな。名前で呼んでも構わねえぞ。」

 

男性の名は秋山大輝。りんの後輩で優斗と同期でCGを担当している。

 

青葉「はい、宜しくお願いします。」

 

???「交換!ませてるなぁ。ブラック飲むの?」

 

青葉「大人ですから!これくらい余裕です!」

 

ブラックコーヒーをを飲む。

 

青葉「ゲホッ!ゲホッ!」

 

???「飲めないのかよ!!」

 

優斗「涼風さん無理しなくて良いよ!?」

 

???「っで、歳は幾つなの?」

 

青葉「18です!」

 

???「へぇ〜!高卒で来たの?珍しい!でも高校生には見えないな。あははは!」

 

青葉「あなたこそお幾つなんですか?」

 

???「幾つに見える?」

 

優斗・大輝(出たよその質問。)

 

青葉「(ど、どうしよう・・・適当な事言えないし・・・)ん?あれは・・・フェアリーズストーリーのポスター!」

 

大人気ゲーム『フェアリーズストーリー』のポスターを見付けた。

 

???「ああ知ってるんだ!私が初めて携わったゲームなんだ。」

 

優斗「そうそう。俺も制作に加わったゲームでもあるんだ。」

 

大輝「と言っても2からだけどね。」

 

青葉「ええ!?小学校の頃に凄いハマったんですよ!それでここの会社を知って・・・ま、まま・・・まさか!三十・・・!?」

 

???「そんなに行ってないわい!!25だよ。私も高卒で入ったんだよ。」

 

怒って膨れっ面になる。

 

青葉「ああ、あの・・・ごめんなさい・・・」

 

りん「良いのよ気にしなくて。因みに、私は幾つに見えるかな?」

 

青葉「23?」

 

???「同い年だよ!」

 

りん「良い子ね。」

 

優斗「涼風さん面白い冗談言うね。」

 

青葉「優斗さんと大輝さんは幾つなんですか?」

 

優斗「俺は22歳で2人の後輩。それと俺も高卒で入ったんだ。」

 

大輝「俺も22歳だ。」

 

青葉「そうなんですか!で、でも感動です!子供の頃好きだったゲームを作っていた人達が目の前に居るなんて!私、特にキャラクターのデザインが好きで。」

 

りん「あら。ならここに居る八神コウがフェアリーズストーリーのキャラデザだったのよ?」

 

青葉「わぁ・・・八神先生だったんですか!?」

 

コウ「急に態度変わったな。」

 

女性の名は「八神コウ」。フェアリーズストーリーのキャラデザを担当した人物。

 

りん「因みに今日から八神が涼風さんの上司だから、2人共仲良くね。」

 

青葉「が、頑張りま、す!」

 

コウ「あ、噛んだ。」

 

青葉「い、いい今のは無しです!!」

 

3人はちょっと笑う。

 

 

 

 

 

 

青葉『早々にチームの皆さんに挨拶を済ませて、そのまま仕事。今年の新入社員は私だけっぽい。何だか心細いなぁ。』

 

今年の新入社員は青葉だけだった。後ろで作業してる女性を見る。すぐに前に振り向く。

 

青葉「(ダメダメ!ネガティブよ青葉!まずはお隣さんから仲良くしなくっちゃ!)あのぉー・・・」

 

隣に声を掛けるが、飾りを見て気不味そうになった。

 

青葉「ダメだ・・・」

 

すると後ろの女性が急に立ち上がり、ライトセーバーを持って振り回す。更に様々なポーズをする。

 

???「このポーズで良いかな?」

 

青葉(何なのこの会社・・・)

 

すると誰かが出社して来た。

 

青葉(あの席の人は、休みなのかな?)

 

???「おはようございます。」

 

青葉「あ!おはようございます!」

 

1人の女性が出社した。青葉が挨拶すると、女性は挨拶を返さずそのまま席に座る。

 

青葉「あ、あのー!今日から入社した涼風青葉です!」

 

???「滝本ひふみ。宜しく。」

 

女性の名は『滝本ひふみ』。

 

青葉「滝本さんもキャラ班なんですか?」

 

するとひふみは、不機嫌そうな顔で青葉を見る。

 

青葉「ご、ごめんなさい・・・(どうしよう・・・誰とも仲良くなれそうにもない・・・)」

 

猫「ニャー。」

 

青葉「あ!え?何で会社に猫が?」

 

 

 

 

 

 

1匹の猫が社内を歩き回ってる。すぐに青葉が猫を捕まえる。

 

猫「ニャー。」

 

青葉「えへへ、可愛い。」

 

???「あー居た居た。こんな所まで遊びに来てたのか。」

 

すると猫が女性の方へ歩く。

 

???「新人の涼風青葉君だね。うちの子が失礼した。」

 

青葉「あ、いえ・・・」

 

すると女性は徐々に青葉に近付く。

 

???「可愛いね。」

 

青葉「え?」

 

???「私は、このチームが作っているゲームのディレクター葉月しずくだ。」

 

青葉「はい!宜しくお願いします!」

 

女性の名は『葉月しずく』。ディレクターを担当している。

 

青葉「あ、その猫ちゃんは?」

 

しずく「名前はもずく。たまに連れて来るんだよ。毎日留守番させとくと、退屈してイタズラするからね。」

 

???「葉月さん!探しましたよ?」

 

後ろに肌が茶色の女性が立っていた。

 

しずく「おやぁ?うみこ君何か用かい?」

 

うみこ「打ち合わせの時間、もう過ぎてるんですけど。」

 

しずく「ああいけないいけない。まっ怒らないでおくれよ。顔にシワが出来てしまうよ?」

 

するとうみこが怒って拳銃の銃口をしずくの下に向けて連射する。

 

しずく「うわわわわわ!!ごごごごめんごめん!」

 

うみこ「さぁ、行きますよ。皆待ってます。」

 

しずく「それじゃあ涼風君、お仕事頑張ってね。」

 

青葉「は、はぁ・・・」

 

しずくは打ち合わせへ向かう。

 

青葉(ディレクターってあんまり偉くないのかな?)

 

 

 

 

 

 

その頃。

 

大輝「ふぁぁ・・・・あぁ眠気が・・・」

 

優斗「大輝、お前本当よく寝るよなぁ。仕事中は我慢したらどうだ?」

 

大輝「仕方無えよ・・・最近疲れてるからな・・・でも下手したらぎっくり腰になるかも・・・」

 

優斗「爺ちゃんかお前は。」

 

大輝「だったら俺がお前の祖父になるか?」

 

優斗「いらん。」

 

 

 

 

 

 

その後青葉はテキストを見ながら仕事をする。すると。

 

青葉(ん?社内メッセ?)

 

突然の社内メッセ。メッセージを確認すると。

 

ひふみ『さっきはごめんね!私喋るのが苦手で(○>〰<○)』私もキャラ班だから、分からない事があったら何でも聞いてね!後ひふみで良いよ( ^ω^)』

 

それはひふみからの社内メッセだった。

 

青葉(ひふみ先輩・・・!)

 

コウ「おーい新人ちゃん!」

 

青葉「あ!は、はい!」

 

コウに呼ばれた。

 

コウ「3Dの経験は?」

 

青葉「あー、絵以外は何も分からないんですけど・・・」

 

コウ「OK!大丈夫!ではまず、この参考書の第1章をやるように。」

 

参考書を受け取る。

 

青葉「はい!」

 

コウ「じゃあ、宜しく。」

 

青葉「え?あれ?それだけ・・・?」

 

早速参考書を見るが。

 

青葉(どうしよう・・・早速分からない・・・でも誰に質問すれば・・・あ!)

 

するとひふみから来た社内メッセを思い出した。

 

青葉「あのーひふみ先輩、早速質問しても良いですか?」

 

だがひふみからの反応は無い。

 

青葉「あのー、ひふみ先輩ー?」

 

だがまたしても反応は無い。

 

青葉「あれー?」

 

するとひふみに社内メッセが来た。内容は『うしろ!うしろ!』。後ろを見ると青葉が涙を流して質問して来た。

 

青葉「あのー、えっと・・・えっと・・・」

 

2人の間に凄く気不味い雰囲気が増した。

 

コウ「ぷはははは!!彼奴ら何やってんだ?」

 

優斗「コウさんあんたは・・・」

 

ひふみ「何か・・・分からない事があるの・・・?」

 

青葉「え?あ、はい・・・でも良く考えたら分かりました!」

 

すぐに席に座った。すると。

 

青葉「ん?また社内メッセが来てる。」

 

コウ『ひふみんへの質問はメッセの方が良いと思うよ!』

 

それはコウからの社内メッセだった。

 

青葉「八神さん・・・よし!」

 

すぐにメッセージを入力してひふみへ送信する。

 

青葉『先程はご無礼しました。質問の件なのですが、参考書に選択したオブジェクト以外を非表示に出来るって書いてあるんですけど、そのツールボックスが見付からず、何処にありますか?』

 

するとひふみが青葉に社内メッセを送る。

 

ひふみ『そんな事しなくてもショートカットのCtrl+Hで出来るよー(` ゚Д゚)』

 

青葉『確かに解決しました。感謝です。ありがとうございました。』

 

ひふみ『いえいえ〜(※>ω<※)でもそんなに硬い文章じゃなくて良いよ!スマイル!スマイル!ヽ(※>∀<※)/』

 

青葉『え?でも私、新人ですし・・・』

 

ひふみ『大丈夫だよ!皆結構ラフだから問題無いと思うよ(>ω・)』

 

青葉『えっと、じゃあ・・・ありがとうございますー(>Д<)ー!!!・・・みたいな?(汗)』

 

ひふみ『good(人´3`※)』

 

そんなこんなで社内メッセでひふみと会話成功。

 

青葉(私・・・私・・・何だかイケる気がしてきた!!)

 

その頃コウは仕事をしてる。すると社内メッセが来た。

 

コウ「ん?青葉からメッセが来てるやんけ。」

 

青葉『参考書の指示があった項目を進めてます。よゆーデス(※`ω´)b』

 

コウ「影響されんの早!!」

 

上機嫌の青葉にまた社内メッセが来た。

 

コウ『ご苦労様です。ちょっと席まで来てくれるかな?メッセの使い方も含めて教える事があります。』

 

青葉「す、すみませんでした!!!」

 

コウ「少しは弁えような?」

 

優斗(涼風さんって影響されやすいのかな?)

 

 

 

 

 

 

その後も着々と仕事する。すると1人の女性が時間を確認する。午後12時1分になってる。そこで社内メッセで、青葉の隣の女性に送る。

 

???『ゆん、先輩として涼風さんをお昼に誘った方が良いんじゃない?』

 

ゆん『お昼は良えけど、はじめが誘えば良えやん?』

 

はじめ『ゆんが誘ってよ!』

 

ゆん『先輩の癖に意気地無しやなー(◯´艸`)』

 

少々はじめがゆんに対して怒ってるが、勇気を出して青葉を誘う。

 

はじめ「涼風さんお昼行こうか?」

 

青葉「うわっ!!」

 

ゆん「うちもうちもー。」

 

青葉「あ!あの、ひふみ先輩は?」

 

ゆん「あー、ひふみ先輩は何時もお昼取らへんから、今日は行きますか?」

 

ひふみ「あ、ご、ごめん・・・」

 

青葉「ああ、気を遣わせちゃってごめんなさい。でも、今度は是非!」

 

すると青葉がひふみに向かって笑顔になる。

 

ひふみ「青葉・・・ちゃん・・・や。やっぱり行く!」

 

だがもう3人は居なかった。

 

コウ「青葉ー!一緒にお昼ー!って居ない?」

 

するとひふみが落ち込んだ。

 

コウ「ど、どうしたの?」

 

優斗「おい大輝、そろそろ飯行くぞ。」

 

大輝「おう。」

 

優斗と大輝は社内のカフェへ向かう。

 

 

 

 

 

 

その頃青葉はゆんとはじめと一緒にお昼へ行ってる。

 

ゆん「挨拶遅れちゃってごめんな。うちはキャラ班の飯島ゆん。こっちとは同期。」

 

はじめ「私はモーション班の篠田はじめ!宜しく!・・・お願いします・・・駄目だ!後輩って初めてなんだよ!それに初対面だし~!」

 

飯島ゆんと篠田はじめ。この2人は同期。

 

青葉「気にしなくて良いですよ先輩なんですから。篠田先輩。」

 

はじめ「うは!?先輩!?何だか体が痒くなるからはじめで良いよ・・・」

 

青葉「じゃあはじめさんで!私も青葉で良いですよ!」

 

はじめ「宜しく!青葉・・・さん・・・いや可笑しいか・・・アハハ!」

 

ゆん「さっきも社内メッセで青葉ちゃんの事誘え誘えってうるさかったんやで。」

 

はじめ「ちょっ!!そう言う事言わないでよ!」

 

ゆん「良えやん。初めての後輩で緊張しとるんやろ?」

 

はじめ「それはゆんも同じだろ~!」

 

ゆん「え!?」

 

青葉「え?」

 

ゆん「さっき、青葉ちゃんがひふみ先輩と絡んでた時もずっと気になってたっぽいもんな〜。」

 

はじめ「そう言う事言わないでったら!!」

 

凄く仲が良いこの2人。その後3人でお昼を食べる。

 

青葉(良かった!皆良い人そうで!)

 

 

 

 

 

 

その後お昼を終えて、仕事に戻る。

 

青葉「さぁ!どんどん進めるぞー!」

 

参考書を見て頑張る。しかし。

 

青葉「その前に、ちょっとお手洗いへ・・・」

 

もずくは餌を食べてる。餌を食べ終えて寝る。

 

 

 

 

 

 

コウ「トイレ~トイレ~トイレにいっトイレ♪、え?」

 

トイレに向かう途中、目の前に座って泣いてる青葉を発見した。

 

青葉「や、八神さん・・・!」

 

コウ「な、何してるの・・・?」

 

青葉「お手洗いに行ったら社員証が無くて外から扉が開かなくて・・・」

 

コウ「あ~・・・ここトイレがオフィスの外にあるからな~。社員証が無いとオフィスの出入り以外にも出勤記録も取れないんだよ。それを忘れるなんて事務も適当だよな~。」

 

オフィスに戻れた。

 

りん「あ、コウちゃん。青葉ちゃんの社員証用の写真もう撮ってくれた?」

 

コウ「ほへ?」

 

りん「もう!朝頼んでおいたはずでしょ!」

 

コウ「あ!・・・今から撮って来ま~す。」

 

青葉を連れて行く。

 

りん「全く。」

 

優斗「相変わらずコウさんって天然ですね。」

 

りん「そうなのよ。」

 

大輝「でも、何処か可愛い一面ありますよね。」

 

 

 

 

 

 

カメラを持って青葉を被写体にする。

 

コウ「ほら、そこの壁際に立って。」

 

青葉「は、はい!」

 

コウ「・・・ねぇ、一応服装は自由なんだけどさ・・・何で学生服なの?」

 

青葉「やだなぁ~。学生服じゃなくてスーツですよこれ。社会人の基本じゃないですか。」

 

コウ(見えねぇ・・・)

 

スーツには見えないスーツ。

 

コウ「じゃあせめてスーツの正しい着方くらい覚えようぜ?」

 

ネクタイを外して第1ボタンを外す。

 

コウ「(うわ!童顔だからスーツが似合わない・・・)いや。良いや。」

 

青葉「今聞こえましたよ心の声!」

 

 

 

 

 

 

コウ「じゃあ気を取り直してっと・・・」

 

早速撮影を開始するが。

 

コウ「照明が足りない。はじめー。照明貸してよ。」

 

はじめ「え?私ライト何て持ってないですよ?」

 

コウ「あるじゃん!光る剣。」

 

はじめが持ってるライトセーバーを照明代わりにして撮影開始。

 

コウ「おお!!良い感じ良い感じ!」

 

 

 

 

 

 

数枚撮って撮影終了。

 

コウ「じゃあ完成を待つべし!」

 

カメラを持ってオフィスを出る。

 

はじめ「そっか、入れなくなっちゃったんだ。」

 

青葉「はい。もうどうしたら良いか分からなくて泣きそうでした。」

 

ゆん「大変やったね。おやつでも食べてリラックスしよ。」

 

するとゆんがテーブルを用意してティータイムの準備をした。

 

青葉「うわぁー凄ーい!」

 

社内メッセを入力。

 

青葉『ひふみ先輩もおやつ食べますか?』

 

ひふみ『食べるー!\( ^ω^ )/今日はお菓子持って来たよ!(`ω´ )』

 

お菓子を取り出す。

 

ひふみ「これ。」

 

3人「おおおお!!!」

 

優斗「お!ティータイムかぁ。」

 

ゆん「優斗さんと大輝さんもどうです?」

 

優斗「ああ。邪魔するよ。」

 

大輝「お邪魔しまーす!」

 

 

 

 

 

 

6人でティータイムをする。

 

ゆん「青葉ちゃんは3Dの勉強中やったっけ?」

 

青葉「はい。早く覚えて働きたいと思っています。」

 

優斗「大丈夫。涼風さんならすぐに出来るよ。」

 

大輝「そうそう!青葉ちゃんの実力なら如何なる時でも力を発揮出来そうな感じがするぜ!」

 

優斗「お前何言ってんだ?」

 

青葉「あはは、今作ってるゲームって何時発売何ですか?」

 

ゆん「何時発売やったっけ?」

 

はじめ「半年後だよ。噂では、そろそろ恐ろしく忙しい時期が来るんだって〜。」

 

青葉「えー?」

 

ひふみ「あるよ・・・家に・・・帰れなく・・・なるよ・・・」

 

3人が怯える。

 

はじめ(その喋り方・・・洒落になってないから・・・)

 

優斗「俺達もその経験者だからな。」

 

大輝「あの時は本当に帰って寝たいぐらいだったな・・・」

 

青葉「でも、八神さんはもう泊まってましたよね?リーダーだから?」

 

はじめ「あの人は会社に住んでるって言った方が正しいんじゃないかな?凄いよ?数人分の仕事こなしてるし。まあ!性格はあれだけど!あははははは!!」

 

青葉「・・・」

 

大輝「はじめちゃ〜ん、後ろ後ろ〜。」

 

はじめ「何です大輝さ・・・ん?」

 

 

 

 

 

 

その後はじめはコウから成敗を喰らった。

 

コウ「青葉お待たせー。はい社員証。」

 

自分用の社員証を受け取る。

 

青葉「なんだかホントに入社した気分です!」

 

コウ「いや、とっくに入社してるから・・・休憩も大事だけど、まだ終業前なんだからさっさと仕事再開してね。」

 

ゆん・はじめ「はーい。」

 

優斗「大輝、そろそろ再開するぞ。」

 

大輝「おいっす〜。」

 

コウ「それで、青葉はどれくらい進んだ?」

 

青葉「あ・・・はい。ここまで!」

 

今やってるページを見せる。

 

コウ「お~早いじゃん。それじゃもうちょっとしたら仕事振るから宜しく。細かい所は実践で覚えて行こう。」

 

青葉「はい!」

 

 

 

 

 

 

それぞれ戻って仕事を再開。

 

りん「青葉ちゃんの様子はどう?」

 

コウ「割と物分かりが良くて助かってるよ。期待出来るかも。」

 

大輝「物覚えが早いんですね。」

 

その頃青葉は社員証を眺めてた。

 

青葉「頑張るぞー!・・・その前にちょっとお手洗い。」

 

またトイレに向かう。社員証を忘れて行ってしまった。

 

 

 

 

それから数分後。

 

優斗「おっと、トイレ行くか。」

 

トイレに向かう優斗が青葉のデスクを見た。

 

優斗「ん?」

 

青葉のデスクに置いてある青葉の社員証を見付けた。

 

優斗(涼風さんの社員証?まさか。)

 

 

 

 

 

 

オフィスから出ると、座って落ち込んでる青葉を発見した。

 

優斗「す、涼風さん?」

 

青葉「うぅ・・・優斗さん・・・」

 

優斗「やっぱり・・・これ、忘れてたよ?」

 

社員証を青葉に渡す。

 

青葉「ありがとうございます・・・」

 

優斗「まあ、誰にだって忘れ物くらいあるよ。俺だって最初トイレから戻る時社員証無くて入れなかった事があるよ。」

 

青葉「へぇ〜、優斗さんも意外な一面もあるんですね。」

 

優斗「まあね。でもりんさんが来てくれたお陰で助かった。あの頃の俺が恥ずかしいな・・・忘れちゃいけないから首に下げたおいた方が良いよ。」

 

青葉「はい。」

 

社員証を首に下げる。

 

優斗「おっと!トイレ行かなきゃ。じゃあね涼風さん。」

 

青葉「はい!あ、私の事は青葉と呼んで下さい。」

 

優斗「そう?じゃあ改めて青葉さん、今後とも宜しくね。」

 

青葉「はい!」

 

優斗「じゃあね。」

 

トイレに直行する優斗と、オフィスに入る青葉。

 

 

 

 

 

 

時間が過ぎて夜の9時になった。全員が退勤する。優斗が鍵を閉める。

 

コウ「お疲れ様〜。」

 

大輝「あ〜肩が凝った〜!」

 

はじめ「八神さん今日は泊まりじゃないんですね。」

 

コウ「も〜毎日泊まってたら持たないよ~。りんにも怒られるし・・・」

 

ゆん「遠山さんも怒ったりするんですか?」

 

コウ「たま〜によく怒るよ?」

 

はじめ「どっちなんですか?」

 

優斗「因みに最初大輝はよくりんさんに怒られまくってたな〜。」

 

大輝「おいそれ言うなよ〜!」

 

全員が笑う。青葉は自分の社員証を見てる。

 

コウ「初日はどうだった?何か質問とかある?」

 

青葉「は、はい。あの・・・大事な事を聞き忘れてたんですけど・・・」

 

コウ「ああ。何でも聞きなよ?」

 

青葉「私達のチームが作ってる新しいゲーム・・・何て言うタイトル何ですか?」

 

コウ「あ・・・聞いてなかったの?」

 

ゆん「ああ、そう言えば・・・」

 

はじめ「私達も言ってなかったっけ?」

 

大輝「言うの忘れてたな。」

 

優斗「青葉さんが聞いたら驚くタイトルだな。」

 

するとコウから驚きの言葉を言った。

 

コウ「フェアリーズストーリーの3作目だよ!」

 

すると青葉が驚いて言葉も出なかった。

 

青葉「わ・・・私あのゲームでキャラクターデザイナーになりたいって思ったんです!私頑張ります!宜しくお願いします!」

 

 

 

 

 

 

それぞれが帰宅した。青葉は部屋のベッドに飛び込んだ。

 

青葉「あ〜疲れた〜。・・・フェアリーズストーリー、3・・・」

 

フェアリーズストーリー3を制作する事に喜びを隠せない青葉はベッドでゴロゴロ転がる。すると青葉のスマホに着信音が鳴った。

 

青葉「あ、ねねっちからだ。」

 

ねねっちとは、本名『桜ねね』で、青葉の幼馴染みの女の子である。電話に出る。

 

ねね『あおっち!ねえねえ聞いた!?ムーンレンジャー映画化決定だって!!』

 

青葉「え?何それ?知らないよ。」

 

ねね『人気のアニメだよ。昔から応援してた甲斐があったってもんですよ!上映されたら一緒に行こ!』

 

青葉「良いけど私今日は疲れてるから。切るよ。おやすみ~。」

 

ねね『ああ!!ちょっと待って~!』

 

青葉「何?」

 

ねね『ええだって、会社初日大変だったろうしまた家でお仕事の話させるのもなって・・・』

 

青葉「そんな事ないよ・・・ねぇねぇ聞いて!こっちも凄い事あったんだよ!八神コウさんって知ってるでしょ?その人と仕事する事になったの!」

 

ねね『え!?凄~い!』

 

青葉「私頑張るよ。頑張って私も早く仕事が出来るようになる!新しいゲームを作る為に!」

 

こうして涼風青葉は、フェアリーズストーリー3の制作を頑張る為努力するのであった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝比奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨

ねね「あおっち!ゲーム会社ってやっぱり忙しい所なの?」

青葉「どうかなねねっち?でも会社に泊まってる人は居たよ?」

ねね「パンツ1丁で寝ている人と遭遇しちゃったりして!」

青葉「え!?」

ねね「なーんてそんな大人居る訳ないか!」

青葉「近い!!」

次回「これが大人の飲み会・・・」

作者「顔文字作るの大変でした(笑)」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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2話「これが大人の飲み会・・・」

青葉『私が初めてフェアリーズストーリーをプレイしたのは、小学生の時。物語に感動し、世界観に魅せられ、何よりも魅力的なキャラクター達にのめり込んでしまいました!この時に初めてキャラクターデザイナーと言う仕事を知りました。このゲームのキャラクターデザイナーは八神コウと言う人でした。八神コウ・・・その名前は私にとって特別な物になりました!』


青葉『私は涼風青葉。1週間前にゲーム会社に入社したばかりです。会社の名前はイーグルジャンプ。なんと配属されたのはフェアリーズストーリーの3作目を作るチームです!』

 

エレベーターに乗ってオフィスへ向かう。そこにはコウが寝ていた。青葉はカバンを置いて、植木鉢に水やりともずくの寝床を掃除した。

 

コウ「おはよ・・・」

 

青葉「あ!おはようございます!」

 

そこにコウがやっと起きた。

 

青葉『さっきまで机の下で寝ていたこの人が八神コウさん。仕事熱心で昨日も会社に泊まったみたいです。何時佳自分も八神さんみたいなキャラクターデザイナーになりたい。それが今の私の目標です!でも、パンツのまま寝るのは見習いたくないと思ってます!』

 

昨日もズボンを脱いで寝てたらしい。

 

コウ「何だよ?」

 

りん「コウちゃん。後輩にだらしないとこ見せちゃ駄目よ。」

 

コウ「へーい。」

 

りん「おはよう青葉ちゃん。」

 

青葉「はい!おはようございます!」

 

りんが出社して来た。

 

青葉『アートディレクターの遠山りんさん。グラフィックの管理をするのが仕事だそうです。りんさんと八神さんは同期入社で仲が良いそうです。私は同期が居ないからちょっと羨ましいです。』

 

はじめ「おっはようございます!」

 

そこにはじめがテンション高めで出社した。

 

はじめ「青葉ちゃん見て!ムーンレンジャーの新しいステッキ買っちゃった!」

 

青葉「す、凄いですね!」

 

ムーンレンジャーのステッキを青葉に見せた。

 

青葉『モーション班の篠田はじめさん。私の席のすぐ近く。明るく元気な先輩です。』

 

ゆん「おはようさ〜ん。」

 

そこにゆんが出社した。

 

はじめ「振ると!」

 

ステッキを振るはじめ。

 

ゆん「わあっ!?」

 

するとステッキがゆんの頭に当たった。

 

ゆん「痛い・・・」

 

はじめ「わあああ!!ゆんごめん!!」

 

青葉「ゆんさん!!」

 

ゆんは頭を抑えて痛がる。

 

青葉『飯島ゆんさん。私と同じキャラ班。はじめさんと同期でしっかり者のお姉さんって言う感じ。』

 

ゆん「朝っぱらから何しとんねん!!」

 

はじめ「ごめんごめん、つい盛り上がっちゃって。」

 

ゆん「おお!」

 

するとゆんは、はじめが持ってるムーンレンジャーのステッキを取る。

 

ゆん「これは確かに振り回したくなる!!」

 

はじめ「おっと!!」

 

ゆんがステッキをはじめに向けて振るが、はじめがライトセーバーで間一髪防いだ。するとそこに。

 

ひふみ「おはようございます。」

 

青葉「あ!おはようございます!」

 

ひふみが出社した。ひふみはそのまま席に座る。

 

青葉『滝本ひふみさんもキャラ班。はじめさんとゆんさんよりさらに先輩。あまり喋らないし笑わないけど、社内メッセで質問すれば何でも教えてくれる親切な人です。』

 

優斗「おはようございます。」

 

青葉「あ!おはようございます優斗さん!」

 

そこに優斗が出社した。

 

青葉『VFX担当の相葉優斗さん。八神さんと遠山さんの後輩で優しい人。と言うか、VFXって何だろう?』

 

大輝「おっはよーさん!!」

 

青葉「おはようございます大輝さん!」

 

大輝が出社した。

 

青葉『CG担当の秋山大輝さん。優斗さんと同期で何時も元気な人です。因みに私達のチームはこう言う編成。全体を統括するのがディレクターで、グラフィックチームは背景班、キャラ班、モーション班、エフェクト班に分かれてます。』

 

 

 

 

ディレクター・葉月しずく。

 

アートディレクター・遠山りん。

 

キャラクターデザイナー・八神コウ。

 

キャラ班・涼風青葉、滝本ひふみ、飯島ゆん。

 

モーション班・篠田はじめ、他3人。図にされると寂しい。

 

エフェクト班・相葉優斗、秋山大輝、他3人。

 

 

 

 

青葉『八神さんは私達キャラ班のリーダーでもあります!』

 

仕事に入った青葉は真剣にやる。すると。

 

もずく「にゃ〜お。」

 

青葉「うわ!?ちょっともずくちゃ~ん・・・もう仕事にならないでしょ~?」

 

しずくの飼い猫のもずくが青葉の膝の上に乗った。

 

もずく「にゃ〜お。」

 

青葉「ごめんなさい。でしょ?」

 

しずく「随分手慣れてるわね。」

 

そこにしずくが来た。

 

青葉「わ!ごめんなさい。葉月さんの猫ちゃんを・・・」

 

しずく「構わないよ。悪いのは仕事の邪魔をしたもずくさ。何なら飼い主である私にもお仕置きしてくれて良いんだよ?」

 

青葉「え!?」

 

しずく「冗談さ。さっ、これ以上邪魔しちゃいけないよもずく。」

 

もずくを持って仕事に戻って行く

 

青葉『葉月しずくさん。今作ってるフェアリーズストーリー3のディレクターなんだけど・・・そうは見えない不思議な人です。もずくちゃんの名前は飼い主がしずくさんだから語呂で決めたそうです。』

 

ホワイトボードに『明日!(4/10)青葉の歓迎会あるよ〜。暴飲暴食に注意!』と書かれてあった。

 

ゆん「青葉ちゃんお昼どうする?」

 

はじめ「私達はお弁当買ってくるけど・・・」

 

時間はもう昼になってた。はじめとゆんが青葉をお昼に誘う。

 

青葉「このパートもうちょっとで終わるから一気にやっちゃいます。」

 

はじめ「そっか。でもお腹には何か入れとく方が良いと思うよ?」

 

ゆん「あ!せめて、これだけでも食べとき?」

 

カロリーメイトを青葉に差し出す。

 

青葉「このご恩は何時か必ず!」

 

ゆん「今度何か奢ってや?」

 

はじめ「本気だな・・・」

 

 

 

 

 

 

その後ゆんとはじめはお昼へ行く。青葉は休憩に入る。

 

青葉「ふぅ〜・・・やっと終わった〜・・・!ゆん先輩いただきます!」

 

貰ったカロリーメイトを食べる。後ろから作業しているひふみを見つめる。

 

青葉(ひふみ先輩って何時もお昼どうしてるんだろう?)

 

ひふみ「ん?わああ!!」

 

青葉を見て驚いた。するとイヤホンのコードが外れて音が漏れた。

 

優斗「のわ!?どうした!?」

 

青葉「ああ優斗さん!」

 

その後音を消した。

 

ひふみ「な・・・何か用・・・?」

 

青葉「いえ、ひふみ先輩はお昼ご飯食べないのかな~って・・・」

 

ひふみ「もう家で食べちゃったから。」

 

青葉「え?凄い!私そんな余裕ないです。出社お昼に近いし・・・」

 

優斗「ひふみさんは何時も家で食べてるからね。」

 

青葉「優斗さんはお昼食べたんですか?」

 

優斗「さっき弁当食べ終わったから。大輝はまだカフェで食事中。」

 

青葉「そうなんですか。」

 

ひふみ「宗次郎と一緒に食べたくて・・・」

 

青葉「そそそ宗次郎さんって・・・まさかかかか彼・・・!?」

 

ひふみ「見る?」

 

青葉「良いんですか!?」

 

スマホを操作するひふみ。

 

青葉(こう言う所は素早いのに・・・)

 

ひふみ「これ。」

 

青葉「ん?」

 

写真を見て青葉は唖然とした。たわしらしき物が写ってた。

 

青葉「たわし?」

 

ひふみ「ハリネズミ。」

 

宗次郎はひふみが飼ってるハリネズミの名前だった。

 

青葉「なんだ・・・宗次郎って言うからてっきり彼氏さんか何かかと・・・」

 

ひふみ「彼・・・氏・・・?男の人と居ると気が休まらないから・・・」

 

青葉「あ!分かります!ちょっと緊張しますよね!」

 

優斗「え?」

 

ひふみ「いや・・・想像だけど・・・」

 

青葉「ごめんなさい。私も想像でした。」

 

優斗「ひふみさん、俺と大輝はどうなの?」

 

ひふみ「優斗君と大輝君は大丈夫・・・」

 

優斗「良かった。本気だったら大輝の奴悲しむからな。」

 

ひふみ「他にもあるよ。」

 

宗次郎の顔の写真。

 

青葉「わ!可愛い~!」

 

ひふみ「でしょ?」

 

青葉「ハリネズミって懐くんですか?」

 

ひふみ「ううん、何時も巣穴に隠れてる。凄く臆病。」

 

青葉(何だかひふみ先輩と似てる・・・)

 

ひふみ「でも、素手で触れるぐらいには、慣らしたよ。」

 

するとひふみの笑顔の写真を発見。

 

青葉「あ!ひふみ先輩が笑顔。」

 

優斗「本当だ。ひふみさんの笑顔久々に見た。」

 

ひふみ「ふえええええ!?」

 

笑顔を見られて恥ずかしくなった。

 

ひふみ「忘れて・・・」

 

青葉・優斗「お金!?」

 

千円札2枚差し出す。

 

優斗「いやいやひふみさん!買収ダメだよ!」

 

青葉「そうですよ!」

 

ひふみ「いや・・・だって・・・こんな顔・・・」

 

青葉「そんな!笑顔も可愛いじゃないですか!」

 

ひふみ「え?」

 

青葉「だって凄く優しそうで、これなら話し掛けやすいのに。」

 

ひふみの顔全体が赤くなってる。

 

優斗「ひふみさん大丈夫?」

 

ひふみ「可笑しく・・・ないんだ・・・」

 

青葉「とんでもないです!」

 

優斗「そうそう!笑顔はおかしくないよ!」

 

ひふみ「じゃあ・・・」

 

頑張って笑顔を作るが、両手で顔を隠した。

 

青葉「いや!出来つつありました!」

 

ひふみ「無理~・・・」

 

優斗(可哀想になってきた・・・)

 

青葉「じゃあ私を見ずに宗次郎君を見ましょう!」

 

宗次郎の写真をひふみに見せる。

 

青葉「スマイル~。スマイル~。」

 

ひふみ「スマイル・・・スマイル・・・」

 

するとそこに。

 

コウ「ご飯〜ご飯〜♪うえ!?何やってんだ・・・?」

 

そこにコウが戻って来てコウが驚いた。青葉がひふみの顔を触って笑顔にする。

 

青葉「あ!」

 

優斗「コウさん!」

 

大輝「あ〜腹一杯〜!ん?何やってんの?」

 

今度は大輝が戻って来た。

 

優斗「おう大輝。青葉さんがひふみさんの笑顔の練習を手伝ってるんだ。」

 

大輝「何だそれ?」

 

コウ「青葉、昼飯は?」

 

青葉「ああ、参考書を進めたくて。」

 

コウ「休憩をちゃんと取るのも仕事のうちだよ。ほら、おにぎり。」

 

おにぎりを青葉に投げ渡す。

 

青葉「何かすみません・・・ゆんさんにもスナック貰ったりで・・・八神さんにも今度何か奢ります!」

 

コウ「新人に奢られるか!忙しい時は出社前に何か買っておくんだね。」

 

青葉「ありがとうございます!いただきます!」

 

 

 

 

大輝「あ〜腹一杯食った食った〜♪」

 

優斗「また何時ものパターンか?」

 

大輝「腹が減っては戦が出来ぬだからな!腹一杯食った方が体力付くからな!」

 

優斗「逆に腹一杯のせいで気力奪われそうだな。普通の人なら。」

 

 

 

 

青葉「うわ!もうこんな時間!早く食べなきゃ!」

 

貰ったおにぎりを急いで食べる。するとひふみが、おにぎりを食べてる青葉を見てご飯を食べてる宗次郎を想像した。

 

ひふみ(宗次郎!の仲間・・・)

 

すると青葉に近付いて青葉の頭を優しく撫でる。

 

ひふみ「あ!ごめん・・・」

 

青葉「あ、いえ。(ドキッとした~・・・)」

 

 

 

 

 

 

その夜、ひふみが帰宅した。

 

ひふみ「ただいま。宗次郎も・・・笑顔の方が・・・良いかな?」

 

だが宗次郎は巣穴に隠れた。どうやら嫌らしい。ひふみはとても不機嫌になった。

 

 

 

 

 

 

翌日の昼、カフェでひふみが弁当を食べてる。

 

青葉「あれ?今日はお弁当なんですか?」

 

ひふみ「うん。宗次郎と喧嘩したから・・・」

 

青葉「喧嘩!?」

 

ひふみ「宗次郎は・・・私の笑顔・・・嫌いみたい。」

 

青葉「えーー!?」

 

 

 

 

 

 

その後。

 

コウ「参考書どれぐらい進んだ?」

 

青葉「はい。何とかここまで・・・」

 

進んだページを見せる。

 

コウ「・・・よし!そろそろ本番と行くか!」

 

青葉「本番?」

 

コウ「仕事だよ。青葉に初仕事してもらうの。」

 

青葉「・・・はい!」

 

遂に青葉の初仕事が来た。早速開発中のゲーム画面を見せる。

 

コウ「これが今作ってるフェアリーズストーリーの主人公、ナイト君。」

 

青葉「何度見ても良いですね!本当に良いですね!でもこの街って人が居なくて寂しいですね。」

 

コウ「そう。青葉の初仕事はこの街を賑やかにしてもらう事。」

 

青葉「ど・・・どうやってですか?」

 

コウ「村人を1人1人作るんだよ。デザインは出来てるからそれをモデリングして3Dキャラに起こすの。因みにこう言った直接操作しないキャラの事をNPC。つまりノンプレイヤーキャラって言うんだ。逆に操作出来るキャラはPC。こっちの町のNPCは全部出来てるから参考にしてね。」

 

完成してるNPCを見せる。

 

青葉「ネコミミさんだらけ!可愛い!」

 

コウ「猫町だからね。ひふみんの力作。」

 

青葉「ひふみ先輩!私も頑張ります!」

 

ひふみ「ええ!?」

 

突然の意気込みでひふみが驚く。

 

 

 

 

 

その後ティータイムを始める。

 

ゆん「いよいよ青葉ちゃんも初仕事か~。」

 

青葉「はい!頑張ります!」

 

大輝「もう初仕事に入ったのか〜。早いもんだね〜。」

 

優斗「まあそこの坊ちゃんは初仕事入るのに3週間掛かったけどね。」

 

大輝「うぐっ!?」

 

図星した大輝だった。

 

大輝「この野郎・・・入社から5日目で初仕事入ったからって調子乗ってんじゃねえぞ・・・!」

 

優斗「俺でも苦労したんだぞ?」

 

はじめ「何か青葉ちゃん見てると自分が新人の頃思い出すな~。」

 

ゆん「はじめほど失敗しとらんけどね。」

 

はじめも図星した。

 

はじめ「私だってそんなに失敗しなかったよ!お茶溢したり間違えて他の会社に入っちゃったりしたけどさ・・・」

 

ゆん「やっとるやん。」

 

大輝「俺だって失敗しなかったぞ!仕事中寝ちゃったりもしたけどさ・・・」

 

優斗「お前もやってんじゃねえか。」

 

はじめ「でももう2年目もん。新人の時みたいな失敗はしないよ~。」

 

紅茶を飲む。しかし。

 

はじめ「熱!!」

 

熱い紅茶を飲んでしまって、カップを手放してしまった。テーブルの上に溢れてしまったが、クッキーはゆんが持ち上げた為無事だった。

 

大輝「フラグ回収。」

 

はじめ「のわああああ!!!」

 

青葉「拭く物持って来ます!」

 

ゆん「言うてるそばからもー!」

 

はじめ「ごめん・・・」

 

ティータイムを終えて、仕事を再開する。

 

 

 

 

 

その後。

 

青葉「やっぱり難しい・・・ひふみ先輩はどうやってるんだろう?そっか!ここがこうなって・・・」

 

コウ「青葉~!そろそろお店に行く時間だぞ〜。」

 

優斗「今日は歓迎会だよ〜。」

 

青葉「・・・」

 

だが青葉は仕事に夢中だった。

 

優斗「青葉さん?」

 

青葉「ここってどうすれば良いんだろう?」

 

コウ「青葉!」

 

青葉「え?あ!はい!!」

 

コウ「時間だよ。皆を待たせちゃうぞ。」

 

青葉「す・・・すみません!」

 

優斗「早く行こう?」

 

青葉「あ、はい。」

 

 

 

 

 

 

会社を出て店へ向かう。優斗は400Xを押して店へ向かう。

 

青葉「優斗さんはバイクで来てるんですね。」

 

優斗「うん。通勤に便利。それに俺、車も持ってるしね。」

 

青葉「そうだ、優斗さん。」

 

優斗「何?」

 

青葉「VFXって何ですか?」

 

優斗「ああ、VFXってのは、Visual(ビジュアル) Effects(エフェクツ)と言う略で、主に特撮を用いた映画やテレビドラマにおいて、現実には見る事の出来ない物、つまり特撮だとビームや、怪獣とかの画面効果を実現する為の技術の事を言うんだ。そしてアクション映画の役者のワイヤーの消す事も出来る。」

 

青葉「CGとは違うんですか?」

 

優斗「CGはコンピューターで制作された映像だからVFXとは違う。VFXは視覚効果とも言うから、そっちを覚えた方が良いかもね。」

 

青葉「成る程。視覚効果ですか。」

 

 

 

 

 

 

その後優斗は近くの駐輪場にバイクを停めて、『太平洋』と言う店に来店した。

 

りん「それでは涼風青葉ちゃんの新人歓迎会を行いたいと思います。乾杯!」

 

全員「乾杯!」

 

歓迎会が始まった。因みに青葉はオレンジジュースで、優斗はカルピス。

 

コウ「今日は会社の奢りだってさ!皆好きなだけ飲んで食べちゃおう!」

 

大輝「よっしゃ!飲むぜ飲むぜ!!」

 

コウ「よっしゃ!食うぜ!」

 

大輝「優斗!お前も鱈腹飲もうぜ!」

 

優斗「出来るか。俺バイクで来てんだ。飲酒運転はアカンだろ。それに酒は嫌いだ。」

 

大輝「でも将来下戸克服出来るかもだぞ?」

 

優斗「やれたらな。」

 

コウ「青葉、入社祝いにこれ食べてみ?」

 

青葉「え?何ですか?」

 

たこ焼き1個青葉に差し出す。

 

コウ「まあまあほれほれ〜。」

 

たこ焼きを食べる青葉。すると口を押さえた。

 

青葉「何これ辛い・・・!!」

 

コウ「からし入りロシアンたこ焼き大当たり~!」

 

優斗「コウさん見事に当てたな。」

 

りん「青葉ちゃんはこう言う飲み会は初めて?」

 

青葉「あ、はい。」

 

ゆん「と言うか、まだお酒飲めへんもんね~。」

 

もうゆんが酔ってしまった。

 

青葉「え?もう酔ってる?ゆんさん、寝ちゃダメですよ?(ひふみ先輩は強そう。)」

 

その後も飲み会が続く。

 

大輝「あ〜何だかふわふわな気分がしてきたな〜。」

 

優斗「酔うの早なお前。」

 

大輝「優斗〜、お前も飲めよ〜。」

 

優斗「俺はジュースで十分だ。」

 

大輝「これは失礼〜。」

 

りん「あ、葉月さん!」

 

そこにしずくが顔を出しに来た。

 

しずく「ちょっと覗きに来たよ。涼風君どう?ちゃんと歓迎されてるかい?」

 

青葉「はい!歓迎していただいてます!」

 

しずく「聞いたよ。もう仕事を振られたんだってね。」

 

青葉「はい。でも全然進んでなくて・・・」

 

しずく「まだお仕事初日だろ。1週間で3Dの作業に入るなんて早い方だろ。八神?」

 

コウ「まぁ意外と参考書が進んでたんで良いかな~って。」

 

しずく「相変わらず八神は素直じゃないね。」

 

素直じゃないの矢印がコウの頭に刺さった。はじめが笑い堪える。

 

しずく「素直に凄いって言ってあげれば良いのに。」

 

2本目の矢印がコウの胸部に刺さった。

 

しずく「涼風君。八神は素直じゃない上に実はナイーブだから優しくしてあげてね。」

 

コウ「もう帰って下さいよ!ここはキャラ班の歓迎会なの!」

 

はじめ「私モーション班なんですけどー。」

 

優斗「俺と大輝エフェクト班なんですけどー。」

 

コウ「話をややこしくしない!」

 

しずく「こんな所だけど上手くやっていってもらえると嬉しいよ。」

 

青葉「いえ。会社ってどんな所だろうって少し不安だったんですけど、皆さん優しいので安心してます!」

 

しずく「それは良かった。さて私はそろそろ行くかな。」

 

はじめ「え?本当に帰っちゃうんですか?」

 

優斗「もう少しここに居ても良いんですよ?」

 

しずく「私が居ないともずくが拗ねちゃうからね。」

 

優斗「あ〜もずくか。」

 

りん「外まで送りします。」

 

しずく「後、お肉ごちそうさま~。」

 

帰って行くしずく。コウは持ってる茶碗を確認すると。

 

コウ「あーー!!何時の間に!?」

 

優斗「しずくさん凄え・・・」

 

 

 

 

 

 

その後も歓迎会は続き、鍋にご飯を入れておじやにする。

 

大輝「あ〜・・・眠い・・・」

 

優斗「そのまま寝てろ。」

 

おじやを食べてる優斗。

 

コウ「青葉って、彼氏居んの?」

 

ゆんと大輝は寝ている。はじめとひふみは聞いてる。りんと優斗は黙ってる。

 

青葉「え!?い・・・居る訳ないじゃないですか!でも八神さんは居そうですね!」

 

ゆんと大輝は寝ている。はじめとひふみとりんと優斗は聞いてる。

 

コウ「え・・・居る訳ないじゃん・・・!」

 

はじめ「何初々しく照れてるんですか~。」

 

優斗(青葉さんの見事なカウンター攻撃。)

 

コウ「仕事ばっかしてっとよ~!そんな暇ね~っつ~の!優斗はもう居るよね?」

 

優斗「ええ妻ですけどね。」

 

コウ「良いよな〜恋人が居るなんて〜!」

 

優斗「大声で言わないで下さいよ。」

 

青葉「え!?優斗さん奥さん居るんですか!?」

 

優斗「ああ、青葉さんには話してなかったね。実は俺結婚してるんだ。去年に。」

 

左手の薬指に嵌めてる結婚指輪を見せる。

 

青葉「驚きました・・・優斗さん凄いです・・・」

 

りん「ちょっとコウちゃん飲み過ぎじゃない?これは私が飲むわ。」

 

コウ「ちょ・・・その酒強いよ・・・」

 

酒を取り上げてゴクゴク飲む。

 

りん「ぷはぁ〜。私も彼氏居ないわ・・・」

 

コウ「効いてね〜!!」

 

酒を飲んだりんが酔ってしまった。

 

優斗「りんさんが壊れた!?」

 

りん「青葉ちゃん!新人は先輩にお酒を注ぐものです!」

 

青葉「は、はい!!」

 

グラスにビールを注ぐ。結果、泡が少ない。

 

りん「はぁ・・・」

 

青葉「す・・・すみません!!」

 

優斗「パワハラが始まった!?」

 

注いだビールをりんが飲み干す。

 

りん「ビールの正しい注ぎ方ってのはね!こうするのよ!コウちゃん!」

 

今度はコウがビールを注ぐ。結果、泡が多い。

 

りん「これ。これが絵的にも味的にもベストなの。」

 

青葉「おおー!!」

 

はじめ「いやそこ感動する所違うから。」

 

優斗「はじめさんナイスツッコミ。」

 

するとりんがグラスを落としてその場で寝てしまった。

 

はじめ「大丈夫ですかー?」

 

コウ「アハハ!弱いのに飲むから〜。」

 

優斗「酔いってやっぱ怖えぇな・・・」

 

青葉「こ・・・これが大人の飲み会・・・」

 

するとひふみが青葉に注文表を見せる。

 

ひふみ「注文お願いします・・・」

 

青葉「あ、はい・・・あのーすみませーん!」

 

女性店員「はいただいまー!」

 

青葉「えっと・・・この・・・『もりむさし』?お願いします。」

 

女性店員「『もりたけぞう』ですね。」

 

青葉「あ!はい!もりたけぞう。」

 

女性店員「飲み方はいかがしますか?」

 

青葉「え?」

 

女性店員「ロックか水割りがありますが。」

 

青葉「ひふみ先輩。飲み方はどうします?」

 

ひふみ「あ・・・そのままで。」

 

青葉「そのまま・・・そのまま・・・だそうです。」

 

女性店員「ストレートですか?」

 

青葉「ストレー・・・え?」

 

女性店員「何も割らなければストレートになりますが・・・」

 

ひふみが頷く。

 

青葉「はい!それで!」

 

女性店員「森武蔵のストレート。しばらくお待ち下さい。」

 

青葉「ああ・・・でもお酒って高いな~。1杯800円のもある。漫画1冊買えるし・・・」

 

森武蔵のストレートが来た。

 

青葉「(ど、どんな味なのかな・・・?)あの、一口だけ飲ませて貰っても良いですか!?」

 

ひふみ「え!?」

 

優斗(え!?青葉さんあなたはまだ未成年ですよ!?)

 

ひふみ「ひ、ひ・・・一口だけ、だよ・・・」

 

青葉「やった!」

 

優斗(ひふみさん!?何故許諾しちゃうのですか!?)

 

20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

 

もりたけぞうを持つ青葉。勇気を出して飲もうとすると。

 

女性店員「お客様ー。」

 

青葉・ひふみ「ヒィーー!!」

 

良いタイミングで女性店員が来た。

 

青葉「ごごごめんなさい!でででもまだ何もしてないです・・・!」

 

女性店員「あの、ラストオーダーとなりますのでご注文がありましたらお願い出来ますか?」

 

コウ「え〜?もう?早。」

 

優斗「もうこんな時間か。」

 

青葉「ふぅ〜・・・ん?」

 

すると青葉のスマホに着信音が鳴った。LINEを見ると。

 

ひふみ『お酒は20歳になってからだぞ(ゝω・`)』

 

青葉(もっと早く止めて下さい・・・)

 

優斗「青葉さん、未成年の飲酒は犯罪だよ?さっきのは未遂で良かったけど、今度からは気を付けてね?」

 

青葉「は、はい。」

 

 

 

 

 

 

そしてラストオーダーが終わって、全員外へ出る。

 

コウ「え〜では!二次会来る人~!」

 

優斗「俺は帰ります。帰って風呂入りたいんで。」

 

はじめ「私はゆんを家まで送って帰ります。」

 

青葉「あれ?ひふみ先輩もう居なくなってる?」

 

りん「私は行けます!」

 

優斗「りんさんまだ酔ってる!?」

 

大輝「俺二次会行きま〜す!」

 

優斗「お前酔いから覚めるの早!では、俺も帰ります。」

 

ヘルメットを被って、バイクに乗って家に帰る。

 

コウ「よし!じゃあ4人で行こー!!」

 

青葉が強制的に参加させられた。

 

 

 

 

 

 

1軒のバーに来店した。りんは寝ている。青葉はぎこちない状況。

 

コウ「マスター、私ウィスキー。」

 

大輝「俺セレブレ。」

 

コウ「青葉は?」

 

青葉「もうお酒はこりごりなんでジュースって無いのかな・・・」

 

大輝(ここはバーだからジュースは無いけど・・・)

 

青葉「あ!私オレンジブロッサムで!」

 

コウ「それお酒じゃん。」

 

大輝「しかもカクテル。」

 

青葉「え!?」

 

大輝「ってかマスター何故出したんですか?」

 

 

 

 

 

 

その後二次会を終えた。青葉は家に帰って、風呂から上がって部屋のベッドに倒れ込む。

 

青葉「あぁ・・・お酒なんて飲んでないのに私も酔っ払った気分~・・・」

 

すると着信音が鳴った。

 

青葉「ん?はいもしもし?」

 

ねね「うわ〜んあおっち~!」

 

青葉「うわ!どうしたのねねっち!?」

 

通話の相手はねねだった。

 

ねね「聞いてよ!大学でね!皆が中学生扱いするの!酷いと思わない!?」

 

青葉『ああ・・・だってねねっち子供っぽいもん。しょうがないもん。』

 

ねね「あおっちに言われたくないよ!」

 

この2人は大人には見えない。

 

青葉「で・・・でも私社会人になって大人らしいこと覚えていってるし!成長してるし!」

 

ねね『どんな?』

 

青葉「え~と・・・お酒の頼み方とか・・・」

 

ねね『わー!悪い大人が居ます!』

 

青葉「飲んでないよ~・・・」

 

ねね「お仕事の方は順調?」

 

青葉『う〜ん、まだ分からない所だらけだけど面白いよ!今八神さんの設定画から3Dにしてるの。』

 

ねね「それってフェアリーズストーリーの3?」

 

青葉「え!?」

 

バレてしまった。

 

ねね「ええ!?まさか本当に!?」

 

青葉「ち・・・違う違う!今のはそうだった良いな~っていう間であって・・・大体今何作ってるかは言っちゃいけないんだよ。守秘義務ってのがあるの!」

 

ねね『ごめん今の忘れるから・・・あおっちが逮捕されるような事しないから!』

 

青葉「逮捕~!?」

 

この2人はとっても仲良し。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝比奈丸佳
     葉月しずく:喜多村英梨

      女性店員:下地紫野

青葉「ひふみ先輩って美味しそうにお酒を飲む姿が憧れちゃいます!」

ひふみ「そ、そうなの?」

青葉「炙ったエイヒレに七味を振ったマヨネーズをちょっと付けて、熱燗でしっぽり!そんな大人に私はなりたいです!」

ひふみ「未成年・・・だよね?」

次回「遅刻したらどうなるんだろう」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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3話「遅刻したらどうなるんだろ」

ある朝の涼風家。現在の時刻は8時50分。青葉は部屋で寝ていた。

青葉『涼風青葉です。雨にも負けず風にも負けず、ましてや布団の誘惑などに負ける訳も無く。今日も社会人として、自覚を持って頑張ります。』

そして青葉が起きた。

青葉「はっ!寝落ちしてた!」

すぐに時間を確認すると。8時51分になってた。

青葉「あああああああ!!!!遅刻だああああああ!!!」






その頃優斗はガソリンスタンドでガソリンを補給していた。数分前。

優斗「行って来ます。」

妻「行ってらっしゃい!」

家を出た優斗がヘルメットを被ってバイクに乗った時。

優斗「あ、しまった、ガソリンが少ないな。」

ガソリンの残りが少なくなっていた。

優斗「こんな時は。」

ヘルメットを外して、何処かへ電話する。






その頃EAGLE JAMP。りんの携帯の着信音が鳴った。

りん「ん?優斗君からだわ。」

優斗から電話が来た。

りん「もしもし優斗君?」

優斗『あ!りんさんおはようございます。ちょっとガソリン補給してから来ますので、ちょっと遅刻になりますけど。』

りん「分かったわ。皆に伝えておくから。気を付けてね。」

優斗『ありがとうございます。では失礼します。』

通話終了。





そして現在に至る。

優斗「補給完了!さてと行くか。」

バイクに乗ってEAGLE JAMPへ直行する。


その頃青葉は電車に乗ってる。

 

青葉「今日お母さんが居ない日って事忘れてた・・・って何学生みたいな事言ってるんだ私・・・遅刻したらどうなるんだろ・・・怒られるのかな・・・」

 

遅刻したらどうなるかを想像する。

 

りん『最近、青葉ちゃんが会社に慣れてきたのはありがたいんだけど・・・』

 

コウ『弛んでるね。罰として、今日はパンツで泊まってもらうから!』

 

青葉『ぱ、パンツーーーー!?』

 

想像終了。落ち込む青葉に。

 

ゆん「どないしたの?」

 

青葉「ゆんさん!?」

 

偶然にもゆんが同じ電車に乗っていた。

 

ゆん「もしかして青葉ちゃんも遅刻?奇遇やね」

 

青葉「随分余裕ですね・・・」

 

ゆん「まぁたまにやし、こう言う事もあるわ・・・」

 

青葉「で、でも!まだ遅刻って決まった訳じゃ!駅から走ればギリギリ間に合うかも。」

 

ゆん「残念やけどな〜、うちの足では走っても1分足らへんのや・・・せやから青葉ちゃん先行っても良えよ・・・」

 

青葉「経験済みですか・・・」

 

ゆん「青葉ちゃんって、運動神経良え方?」

 

青葉「いえ・・・凄く悪いです・・・学生時代でもクラスで一番ビリでした・・・」

 

ゆん「足遅い子って走り方も可笑しかったりするやん?そっち系?」

 

青葉「あ・・・はい・・・そんな感じです・・・」

 

するとゆんが喜んだ。

 

ゆん「仲間や!うちもごっつい遅くてビリやねん!走り方も可笑しいって言われんねん!」

 

喜んだゆんが青葉を激しく揺らす。

 

ゆん「よっしゃ!ほんならうちも一緒に走ったる!」

 

青葉(走ってる所見られたくなかったのかな・・・?)

 

 

 

 

 

 

そして阿佐ヶ谷駅に到着した。

 

青葉「着きました!行きましょう!!」

 

ドアが開いた瞬間、2人はダッシュで走る。改札口を出て走って直行。頑張って走る2人だが、徐々に青葉の速度が遅くなってる。

 

青葉「ゆんさ~ん!ごめんなさい・・・もう・・・走れません・・・!」

 

ゆん(うちより遅いやん!?)

 

心の中でそうツッコむゆんであった。青葉に手を差し伸べる。

 

ゆん「諦めたらあかん!最後まで一緒に走ろ!この調子なら絶対間に合う!」

 

青葉「ゆんさん!」

 

手を差し伸べる。そして2人の手が繋いだその時。青葉が足を滑らせて転んでしまった。

 

ゆん「ああ!!」

 

そしてカバンから道具が落ちた。その場にはなんとひふみも居た。

 

 

 

 

 

 

その頃EAGLE JAMPでは。

 

コウ「あれ〜?今日は随分と寂しいなぁ。」

 

りん「まだ連絡が無いから少し遅れるんじゃないかしら?」

 

するとそこに、遅れて来た優斗が出社した。

 

優斗「おはようございます。」

 

コウ「あ、おはよう優斗。」

 

りん「おはよう優斗君。」

 

優斗「あれ?青葉さんとゆんさんとひふみさんはまだ来てないんですか?」

 

りん「そうなの。連絡無いから遅れて来るかもね。」

 

優斗「そうですか。」

 

そのまま優斗は席に座る。

 

大輝「お前寝坊してたのか?」

 

優斗「違えよ。ガソリンの補給しに行ってたんだ。まぁ、予めりんさんに連絡しておいて良かった。」

 

コウ「3人も遅刻なんて気が緩んでるのかな。ちょっと厳格な態度で接するべきか。」

 

はじめ「出来るんですか〜?」

 

コウ「出来るよ失敬な!」

 

丁度そこに、3人が遅れて出社した。

 

3人「おはようございます・・・」

 

コウ「おいおい遅刻だってのに随分のんびりしてるね。自覚はあるの?」

 

青葉「ご、ごめんなさい・・・」

 

コウ「特に青葉!まだ入社1ヶ月も経ってないのに学生気分じゃ困るよ!」

 

青葉「はい!!」

 

ひふみ「コウちゃん、会社の・・・前、までは・・・」

 

コウ「ん?」

 

ゆん「青葉ちゃんがさっき転んでしもて鞄の中身を拾うてたら遅くなってしもうたんです・・・」

 

コウ「え!?ちょっとこけたって大丈夫なの!?」

 

青葉「え?」

 

よく見ると青葉の鼻が赤くなってた。

 

コウ「それで鼻が赤かったのか・・・そ・・・そうならそうと早く言ってよ!勘違いしちゃったじゃん。青葉は何時も頑張ってるし学生気分だとは思ってないよ。でも一応上司だし・・・とは言え酷い事言ってごめん・・・今日の所は遅刻じゃない事にしといてあげるけど、3人共遅刻届は出すように。」

 

はじめはクスッと笑った。

 

コウ「慣れない事したら失敗した・・・」

 

りん「コウちゃんまず事情聞かないから。」

 

大輝「まあ、早とちりしちゃったもんは仕方無いですよ。」

 

優斗「コウさんも上司として更に自覚しておけば大丈夫ですよ。」

 

コウ「うん・・・気を付ける・・・」

 

そして数分後。3人が遅刻届を提出した。しかしコウは凝視してる。

 

コウ「っで、これは何なのかな?」

 

青葉「え?遅刻届けですけど?」

 

コウ「そうじゃないよ!何で遅刻理由が青葉もゆんも「寝坊」なの!これじゃ帳消しに出来ないじゃん・・・書き直し!」

 

青葉・ゆん「あ!!」

 

この2人は正直者。

 

コウ「そしてひふみちゃん・・・これは何!?」

 

遅刻理由は『朝食に時間がかかりました( ;´A`A』と書かれてた。しかも顔文字付き。

 

ひふみ「朝・・・ごはんが・・・美味しくて・・・つい・・・」

 

コウ「んな事聞いてないよ!まず書類に顔文字書かないでよ!あ~もう反省して損した~!」

 

優斗「上司って大変なんだな。」

 

大輝「俺が上司だったら環境がズダズダになるな。」

 

 

 

 

 

 

その後青葉とゆんとひふみがそれぞれの席に座る。

 

青葉(八神さんは遅刻を帳消しにしてくれるって言ってはくれたけど、そもそもの遅刻の原因は自分の夜更かしなんだし・・・気を引き締めないと!)

 

気を引き締める為に準備運動する。

 

青葉「よし!っと!」

 

ゆん(青葉ちゃんって、何事にも全力やなぁ・・・)

 

そして青葉は自分の3Dキャラの試行錯誤して、最終確認をする。

 

青葉「出来た!!」

 

これをコウに確認してもらう。

 

コウ「初めて作った割には良く出来てるよ。でも全体的に陰影が弱いね。ぱっと見でひふみんのキャラと比べると印象が弱く見えるでしょ?それと表情がちょっと固いね。後一本筋が通ってないって言うか。もうちょっとバランスに拘って。」

 

青葉「え?でもこれって村人ですよね・・・そんなに見ないんじゃ?」

 

コウ「そう?私はしょっちゅう見てるけど。こーんな風に。」

 

キャラをズームして見る。

 

コウ「リテイクお願い。」

 

青葉「はい!」

 

すぐに青葉は席に座る。りんは心配しそうに見る。その頃ゆんは。

 

ゆん「何でうちの作ったキーちゃんが、そんなもっさい動きしてんの?」

 

はじめ「キモカッコイイでしょ!」

 

はじめがゆんの作ったクリーチャーにモーションを付けていた。

 

ゆん「もうちょっとシャープな動きの方がキーちゃんに似合ってんのに・・・」

 

はじめ「え〜?この子はそっち系じゃないでしょ?生息エリア洞窟だよ?」

 

ゆん「分かってへんな〜!」

 

はじめ「これが見解の相違って奴ですな〜。」

 

するとそこに。

 

コウ「ゆん、ひふみん。これ今週中に宜しく。」

 

そこにコウが追加書類を持って来た。ひふみが受け取る。

 

コウ「はい。」

 

ゆんも書類を受け取る。

 

ゆん「え!?こ・・・こんなに!?今週中ですか!?」

 

コウ「また良い感じのキモカッコイイのを宜しく頼むよ〜。」

 

ゆん「は、は〜い・・・」

 

はじめ「キモカッコイイのを宜しくね~。」

 

ゆん「これがそっちにも行く事忘れんときや〜。」

 

書類を見ると、かなり複雑なデザインのモンスターが描かれてた。

 

はじめ「うわあ!?」

 

優斗「ゆんさん、モンスターちょっと見せて?」

 

大輝「俺も見せてくれ。」

 

複雑なデザインのモンスターを拝見する。

 

優斗「フムフム・・・これだと爆発とか良い感じに出来そうだ。」

 

大輝「ゆんちゃん、このモンスター良い感じな演出が出来そうだぞ。」

 

ゆん「お願いしますね。」

 

そして優斗と大輝にも。

 

コウ「大輝にもこれ宜しく。エフェクト班から。」

 

書類を受け取る大輝。

 

大輝「な、何ですと!?これをやるんですか!?」

 

コウ「優斗にはこれ。」

 

書類を受け取る優斗。

 

優斗「これを!?マジかよ・・・」

 

コウ「良い感じで頼むよ〜。」

 

優斗「り、了解です。」

 

大輝「はぁ〜、これ結構苦労しそう・・・」

 

青葉は仕事に集中していた。途中で電気ポッドに水を入れる。そこに。

 

もずく「にゃ〜お。」

 

青葉「ん?もずく〜。」

 

もずくが青葉の足をすりすりしてた。

 

青葉「そんな甘い声出してもご飯はあげないから。」

 

少し離れたが、もずくは青葉に付いて来る。

 

もずく「にゃ〜お。」

 

青葉「甘え上手なもずくちゃんは、そんなわがままボディを手に入れちゃったのかな?」

 

もずく?「そうにゃんだ。だから私のわがままボディを思う存分いじめてくれないかにゃあ?」

 

青葉「え!?」

 

突然もずくが喋った事に青葉が驚く。だがしかし。

 

しずく「にゃんにゃら私のわがままボディにしてみるかい?」

 

ただしずくが、もずくの気持ちを代弁してただけだった。

 

しずく「・・・涼風君はうちのもずくの方が好みらしいね。いや~実に残念だ。何時でも貸し出し可だから、落ち込んだ時は存分に可愛がってくれて良いよ。」

 

そのまましずくが仕事に戻って行く。

 

 

 

 

 

 

その後青葉は村人制作を続ける。そして時間は夜になってた。そして青葉は今日の仕事を終わらせて、コウに挨拶しに行く。コウはまだ仕事をしていた。

 

青葉「お先に失礼します。」

 

コウ「ああ、お疲れ〜。夜遅いから気を付けろよ〜。」

 

青葉「はい。」

 

一礼して会社から出る。出た後も、自分の所のオフィスが気になっていた。そして自宅に帰った後、お風呂に入る。あの時のコウの目を見た青葉は何かを思った。

 

青葉「よし!」

 

そして翌日、出来た村人を確認してもらう。

 

青葉「八神さん!チェックお願いします!」

 

コウ「は〜い。」

 

チェックを開始。再度リテイク。残念がる青葉だが、気を引き締めてリテイクする。そしてまたチェックをお願いする。

 

コウ「実物を観察する事。」

 

またもやリテイク。そこで青葉はGoogleで『革靴 女性』と検索する。そして自分の靴も観察する。そしてチェックをお願いするが、またもやリテイク。

 

コウ「このキャラは何処がポイントなのかよく考えて。」

 

そこで青葉は、村人のリボンの大きさを調整する。お茶を飲むと。

 

青葉「熱!!」

 

その後も集中して作業する。

 

りん「青葉ちゃん。遅いから今日はもう上がって良いわよ。」

 

青葉「はい。」

 

 

 

 

 

 

その後会社から出ると、駐輪場からジェットタイプヘルメットを被った優斗が、バイクを押して出て来た。

 

優斗「あ、青葉さん。」

 

青葉「優斗さん。」

 

優斗「どう?進んでる?」

 

青葉「あ、はい。でも上手くいかなくて・・・」

 

優斗「心配無いよ。少しずつ分かれば後が楽勝になるからね。」

 

青葉「優斗さんの方はどうなんですか?」

 

優斗「結構拘り部分が多いからね。俺VFXだし、敵がやられた後の爆発とか魔法の視覚効果など色々作業が大変だからね。」

 

青葉「そうなんですか。エフェクトを作るのも大変なんですね。」

 

優斗「色々経験が必要だからね。もう時間は遅いし、気を付けて帰ってね。お疲れ様。」

 

青葉「はい。お疲れ様でした。」

 

バイクに乗って自宅へ直行する。青葉も帰る。

 

 

 

 

 

 

そして翌日。

 

コウ「う~ん・・・大分良くなったけどまだちょっと固いね。今日1日あげるからリテイクお願い。」

 

青葉「はい!」

 

優斗(青葉さん大丈夫かな?)

 

大輝(リテイク何回受けたんだろう?)

 

青葉「またダメだった・・・」

 

再度ひふみが作った村人と比較する。

 

青葉「確かにひふみ先輩のと比べたら、まだまだかもしれないけど・・・」

 

ゆん「八神さん厳しいみたいやね。ほいあめちゃん。」

 

そこにゆんが青葉にあめちゃんを差し上げる。

 

青葉「あ、どうも。今回は自信あったんですけどね~・・・」

 

ゆん「あんまり無理せんといてな。うちは青葉ちゃんのそのキャラ好きやで。」

 

青葉「ど・・・どうもです!」

 

 

 

 

 

 

その後も作業する青葉。

 

青葉「よし!」

 

そこで青葉はひふみに社内メッセで質問をする。

 

青葉『お疲れ様です。キャラの表情が固いと言われているのですが、どうすれば可愛く作れるのでしょうか?』

 

そこでひふみが社内メッセで返事を返す。

 

ひふみ『フィーリングかなー。青葉ちゃんのキャラ、可愛く出来てると思うよ〜☆o(≧▽°)o 』

 

青葉『ひふみ先輩はどういうところに気をつけてモデリングしているのですか?』

 

ひふみ『かわいくなれー(ー人ー)~~~ナムナムって念じながら作ってる!(●≧ω≦)q』

 

だが青葉は全く理解不能だった。だが。

 

青葉『ありがとうございます。頑張ってみます!』

 

ひふみ『☆⌒d(※^-°)bグッ!!』

 

そして大輝は優斗に社内メッセを送る。

 

大輝『やばい・・・これが限界か・・・』

 

優斗『頑張れよ。お前神ゲー作りたいんだろ?』

 

大輝『そう言ってたけどよ〜・・・』

 

優斗『この社内でCGの腕前が良いのはお前だけだってコウさんとリーダーが言ってたぞ。期待外れすんなよ?』

 

大輝『ま、まあ骨が折れるまでやってやるか!』

 

 

 

 

 

 

その夜も青葉が作業を進める。

 

はじめ「お疲れ様で〜す!じゃあね青葉ちゃん!」

 

青葉「え!?お、お疲れ様です!」

 

時間を確認すると。

 

青葉(どうしよう・・・終わってない・・・)

 

既に10時50分になってた。そこに。

 

りん「青葉ちゃん。調子はどう?」

 

大輝「進んでる?」

 

青葉「遠山さん、大輝さん・・・あの・・・まだ・・・」

 

りん「ちょっと見せて貰って良い?」

 

大輝とりんが青葉が作ってる村人を見る。

 

りん「しっかり出来てるじゃない。最初でこれは凄いと思うわ。」

 

大輝「俺感動しちゃったよ。」

 

青葉「で、でも、納得いってない箇所がいっぱいあって・・・八神さんは誤魔化せないです・・・」

 

りん「そうね。コウちゃん厳しいものね。遅れは大丈夫だから今日はもう遅いし帰りましょう。」

 

大輝「一緒に帰ろ?」

 

青葉「はい。」

 

 

 

 

 

 

3人が電車に乗って帰る。

 

りん「青葉ちゃん一人暮らし?」

 

青葉「いえ。実家からの通いです。」

 

大輝「そっかぁ、親父さんとお袋さんが居るんだね。」

 

りん「じゃあこんなに遅くなってご両親心配してるでしょ。」

 

青葉「はい。さっきお母さんに電話したら『お肌に悪いわよ~。』って心配してました。」

 

りん「心配するのはそこなのね・・・」

 

青葉「大輝さんは一人暮らしなんですか?」

 

大輝「まあね。俺の両親は今福島に帰ってるんだ。」

 

青葉「え?福島ですか?」

 

大輝「俺、福島で生まれて、小学生の頃に東京に引っ越したんだ。俺がイーグルジャンプに入社した時、両親は福島の方で仕事してるんだ。」

 

青葉「そうなんですか。」

 

大輝「一人暮らしを始めた時は自由の連発だったな。ゲームしたり酒飲んだり夜に外出しても自由。あ、でも自炊や料理は出来るけどね。」

 

りん「でも大輝君、最初の頃はCGのリテイクを何回も受けてたよね?」

 

大輝「のわああ!りんさんその事は言わないで下さ〜〜い・・・」

 

青葉・りん「あはは。」

 

2人が笑って、大輝が恥ずかしがる。

 

りん「NPCは作ってて楽しい?」

 

青葉「楽しい・・・です。だけどこんなに大変だとは思ってませんでした。今までは1人で絵を描いてそれで終わりだったから・・・修正が来るのも初めてだし・・・」

 

りん「そうね。それが物を作ってお金を貰うって事よね。」

 

するとりんが青葉の耳元に近付いてこう言った。

 

りん「実はね。今朝の青葉ちゃんが提出して来たの、本当ならOKなの。」

 

青葉「・・・え〜〜!?どう言う事なんですか!?OKなのにOKじゃないって~・・・」

 

アナウンス『まもなく中野。中野。』

 

りん「青葉ちゃんには通常のOKラインで満足して欲しくなかったんじゃないかな。期待してるのよあれで。」

 

そして中野駅に到着した。

 

りん「あ、私この駅で乗り換えだから。お疲れ様。頑張ってね。」

 

中野駅に降りたりんが手を振る。

 

青葉「あ!お疲れ様です!」

 

大輝「りんさんお疲れ様でした!」

 

青葉「私が・・・期待されている・・・」

 

大輝「期待の新人だね青葉ちゃん。」

 

その後途中で大輝が新宿駅に降りる。

 

大輝「青葉ちゃんお疲れさん。気を付けて帰ってね。」

 

青葉「はい。お疲れ様です。」

 

 

 

 

 

 

その後青葉が目的の駅に降りて帰る。その途中。

 

青葉「もしもし?」

 

ねね『もしもしあおっち。あれ?今外?』

 

青葉「そだよ~。今家の近く。帰ってるとこ。」

 

電話相手はねねだった。

 

ねね『ありゃりゃ。それはお疲れさんだね〜。』

 

青葉「お疲れさんだよ〜。」

 

ねね『お母さんが言ってたけど夜更かしはお肌に悪いんだって〜』

 

青葉「その話今日2回目~。」

 

ねね『何何?今日初めてだよ~。』

 

青葉「あはははははは。」

 

ねね『お仕事順調そうだね。もう完成した?何時発売するの?』

 

途中で青葉がベンチに座る。

 

青葉「完成はまだまだだよ~。」

 

ねね『最後の修羅場って奴じゃないんだ。ちゃんと休んでる?』

 

青葉「今やってる村人に苦戦してて・・・」

 

ねね『えー!?村人作ってるの!?』

 

青葉「そうだよー。」

 

ねね『フェアリーズのモブ結構作りこんでるから好きなんだよね~。』

 

青葉「・・・うん。八神さんも凄い拘ってるんだよ。」

 

ねね『フェアリーズの1作目から、キャラの説明欄も凄く細くて!あ!あおっち覚えてる?あの三バカトリオのとん・ちん・かん!今回ああ言うの出てくる?』

 

青葉「本当好きだね。私のは可愛い可愛い村の娘だよ。」

 

ねね『お花売り?』

 

青葉「そう!そう言うのが似合いそうな感じ。」

 

ねね『じゃあ夢見るほわほわタイプだ!』

 

青葉『ぶっぶー。もうちょっと親孝行しててしっかりした~元気な~・・・」

 

ねね『ストライク狭!似たようなもんじゃ~ん!』

 

青葉「え~?ほわほわタイプはふりふり~って感じで、親孝行タイプはもうちょっと・・・質実剛健!って感じで全然違うじゃ~ん!あ・・・」

 

すると青葉は何かを思った。

 

コウ『それと表情がちょっと固いね。』

 

この前コウから言われた事を思い出した。

 

ねね「ねぇどうした?ねぇ聞いてるの~?もしも~し。こちらねねっちで~す。聞こえてますか~?」

 

だが青葉からの反応は無い。

 

ねね「・・・あ・・・あおっち?大丈夫?お~い!」

 

青葉『あ!大丈夫!ごめん明日早いからもう切るね!』

 

通話終了。

 

 

 

 

 

 

翌朝、青葉が早起きして会社へ向かう。そして時間が過ぎて9時になった。

 

コウ「眠い・・・」

 

携帯の目覚ましでコウが起きた。すると、朝早く来て仕事している青葉を見付けた。

 

コウ「おはよう・・・今日は早いな・・・」

 

青葉「おはようございます。って!スカート履いて下さいよ!八神さんもう少し女の子らしく寝た方がいいと思いますよ。」

 

コウ「女の子って・・・テヘヘ。」

 

青葉「褒めてないです!・・・あの・・・遅くなってすいません!ちょうどさっき村人のモデルが出来たんです。チェックお願い出来ますか!」

 

スカートを履いて早速村人のチェックを始める。

 

青葉「ど、どうでしょうか・・・?」

 

緊張が走る。

 

コウ「うん。OK!凄く良くなった!」

 

遂にOKの言葉が出て来た。

 

青葉「やった!!」

 

コウ「どう?青葉的には満足?」

 

青葉「これは満足ですけどまた1から作ったらもっと良いのが作れる気がします。後ちょっと時間が掛かり過ぎです・・・」

 

コウ「そうだね。これは1週間以上掛かっちゃったけど次は3日で作ってみようか。」

 

青葉「え!?」

 

コウ「だから、3DAYS!」

 

青葉「せめて4日になりませんか・・・?」

 

コウ「何言ってんだよ?最終的には1日1体作ってもらおうと思ってんだからね。」

 

青葉「え!?まさかひふみ先輩の言ってた帰れなくなるってこう言う事ですか・・・?」

 

コウ「まぁ・・・終われば帰れるよ。」

 

青葉「嫌です~!私下着姿で寝るなんてありえないです~!」

 

コウ「な・・・何を~!今は履いてるだろ!」

 

青葉「寝てる時の話ですよ!!」

 

 

 

 

 

 

その夜。ねねに電話する。

 

ねね『はいは〜い。』

 

青葉「あ。ねねっち。昨日はいきなり電話切っちゃってごめんね。」

 

ねね『別に良いよ。どした~?』

 

青葉「ねねっちの声が聞きたくなっちゃったんだよ~。」

 

ねね『ど!どしたあおっち何か悪い物でも食べたの!?ま・・・まさかお酒飲んでるとかじゃないよね・・・私達まだ未成年なんだからね~!』

 

青葉「覚える事がたくさんあって大変だけどゲームを作るのって楽しいです!」

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝比奈丸佳
     葉月しずく:喜多村英梨

   車内アナウンス:金澤まい
      優斗の妻:榎本温子

コウ「まずは村人1体お疲れ。」

青葉「はい!村人もこうやって1つ1つ作ってるんですね!」

コウ「これからもじゃんじゃん作ってもらうからね〜!後100体くらいあるけど。」

青葉「え!?終わるんですか!?」

次回「初めての・・・お給料・・・」

コウ「終わらすんだよ!!」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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4話「初めての・・・お給料・・・」

コウ「う〜んそうだな・・・他のキャラより身長高過ぎるからちょい低くして。」

青葉「あ!確かに!」

その日のEAGLE JAMP、コウが青葉にアドバイスをしている。青葉がそれをメモする。

コウ「まっ、今日はもう遅いから後は明日だね。」

青葉「そうですね。すみません。」

りん「でも青葉ちゃん前に比べて段々早くなって来てるわよ。」

優斗「本当、青葉さん上達早いね。」

青葉「いえ!まだまだですよ!」


今日の青葉は、しずくともずくと一緒に帰ってる。

 

青葉「毎日もずくちゃん連れて来るのって大変じゃないですか?」

 

しずく「まぁこの子は重いからね。お陰で腕が鍛えられてるよ。」

 

青葉「ちょっとはダイエットしないとねー。」

 

もずく「にゃ〜お。」

 

しずく「そろそろ入社して1月と言う所だね。どうだい?仕事には慣れたかい?」

 

青葉「いえまだまだリテイクばかりで・・・でも楽しいです!」

 

するとしずくがスマホで青葉の笑顔を撮った。

 

青葉「な・・・何でいきなり撮るんですか!?」

 

しずく「とても良い笑顔をしてたからつい。」

 

青葉「ついって、それ理由になってませんよ。」

 

しずく「今は何の作業をしてるんだい?」

 

青葉「えっと、村人の3体目がそろそろ仕上がります・・・はいそろそろ・・・」

 

しずく「それの修正が続いてるんだね。」

 

青葉「はい・・・ただリテイクは確かに大変なんですけど修正するたび良くなってるのが分かるんです。最後に八神さんにOK貰えた時は本当に嬉しくて・・・こんな事言っちゃいけないかもですけど・・・」

 

しずく「何だい?気にする事は無いよ。ここだけの話さ。」

 

青葉「パンツで寝るのはいけないですよね!ちょっとだらしないです!」

 

パンツで寝るのはいけない。それは正論である。

 

しずく「あはは!そうだね。」

 

青葉「でも仕事をしてる時の姿勢って言うか知れば知るほど凄い人なんだなって思って。だから私の憧れであり目標なんです。」

 

しずく「そっか。」

 

 

 

 

 

 

その頃コウは。

 

コウ「ようやく一人の時間・・・さて。」

 

すると誰も居ない事を確認してスカートを脱いだ。

 

コウ「すっきりー!すっきりー!」

 

りん「何がすっきりなの・・・」

 

コウ「りり、りん!何で居るの!」

 

りん「終電が行っちゃってたの。はいこれ差し入れ。」

 

コウ「サンキュー・・・」

 

終電が行って帰れなくなってしまったのだった。コウにコーヒーを渡す。

 

りん「気を付けないとダメだよ。見付けたのが私だったから良かったけど・・・」

 

コウ「でも本当すっきりするよ。私以外誰も居ないんだし。りんも脱げば?」

 

りん「コウちゃんでも恥ずかしいわよ!こんな所で!」

 

その後。

 

コウ「あ〜!そこそこ〜!」

 

りんがコウの肩揉みをしている。

 

りん「泊まってばっかで肩凝ってるんじゃないの?」

 

コウ「これでも2日に1回は帰ってるって〜。」

 

するとりんが肩をきつく揉む。

 

りん「毎日帰って休まないとダメでしょ?」

 

コウ「いたたたた・・・!」

 

するとりんが周りを見る。

 

りん「こうして一緒に泊まってるとマスター前みたいだね。」

 

コウ「言えてる。もうすぐ夜も賑やかになるんだろうな。」

 

りん「そうならないようにするのが私達の仕事だからね。」

 

コウ「分かってるって〜。」

 

りん「ゲーム・・・しっかり売れるのかな。」

 

コウ「どうだろうね。私は自分が納得いけばそれで良いし。」

 

りん「強いな・・・」

 

コウ「初めてのADで胃が痛いって?」

 

りん「うん・・・ちょっと。やっぱりADはコウちゃんだって良く思うよ。ゲームの顔はコウちゃんだし・・・」

 

コウ「言っとくけど!りんが仕切ってくれるから安心して作業に専念出来るんだからね!それに背景だってゲームの顔だし。何より私の性格じゃ皆付いてこないと思うし・・・もう~!何で弱音みたいな事吐いてるんだ私!」

 

りん「こんな所、皆には見せられないね。」

 

コウ「でもさ・・・売れるかは私には分からないけど良いゲームにはなってるよ。多分。」

 

りん「うん。ありがとう。」

 

コウ「まぁ真面目な話新人の青葉が楽しそうな顔してるうちは大丈夫だよ。ゲームがつまらなかったらあんな顔しないって。」

 

りん「そうね。青葉ちゃんが良い子で良かったわ。」

 

コウ「でも、キャラデザがやりたいんだったらもっとガツガツして欲しい所なんだけど。」

 

りん「そうは言っても、まだ入社したばかりじゃない。」

 

コウ「そうだけど私なら好きな設定のキャラ見つけてダメ元でも描かせてって言いに行くよ。」

 

りん「厳しいなぁ。」

 

コウ「そう?」

 

りん「でも、村人の仕事でいっぱいいっぱいだと思うよ。それが落ち着いたら簡単なデザインでもさせてあげたら?」

 

コウ「そうだな~。しっかり村人を作り切ったら任せてみ・・・うわあああああああ!!!!」

 

突然コウが叫んだ。

 

りん「ど、どうしたの!?」

 

コウ「PCフリーズしてる・・・仕事再開したらこれって・・・」

 

PCでよくある事『フリーズ』。

 

りん「なぁんだ。」

 

コウ「なんだじゃないよ!もうやだ!これだから3Dは~!」

 

りん「じゃあ寝る?」

 

コウ「ううん!コーヒーも飲んじゃったしキャラデザやる!」

 

りん「はぁ・・・もう、無理しないでね。私は寝かせてもらうわ。」

 

コウ「うん、おやすみ〜。」

 

りんは自分の席の下に寝袋を敷いて寝る。こっそりキャラデザやってるコウを見る。微笑んでそのまま寝る。

 

 

 

 

 

 

そして翌朝の7時50分。りんが起きた。

 

りん「もう朝・・・?あ!またこんな格好で・・・」

 

スカート脱いだまま寝ているコウに布団を被せる。

 

りん「コウちゃん、風邪引くよ?」

 

するとりんが周りを見た。

 

りん「・・・本当にすっきりするのかしら・・・?」

 

すると驚くべき行動をした。するとコウが目を開けた。そこで見た物は、ズボンを脱いでるりんだった。

 

りん「うん。意外と良いかも・・・」

 

コウ「見〜ちゃった☆」

 

見られたりんが顔を赤くして否定する。

 

りん「違うの!!」

 

コウ「え~。何が違うの?」

 

りん「だからこれは・・・」

 

コウ「気を付けないと駄目だよ~。見付けたのが私だったから良かったけど~。」

 

からかうコウにりんが怒る。するとその時。

 

青葉「おはようございま〜す。」

 

りん「隠れて!青葉ちゃんだわ!」

 

コウ「ったく、何で私まで?」

 

青葉が出社した。青葉は席に座った。

 

青葉「今日も1日頑張るぞい!」

 

『今日も1日頑張るぞい!』名言誕生。

 

コウ「ぷふっ!ぞいって何・・・?」

 

そこにコウの声が聞こえた。

 

青葉「八神さん昨日も泊まったのかな?」

 

すると青葉がコウの様子を見に行く。

 

青葉「おはようございます。また泊まりです・・か!?」

 

青葉は驚愕の物を目にした。りんがコウを抑えて、しかも下の下着丸出し状態のりんとコウを見た。

 

青葉「ご!ごめんなさい!!」

 

りん「誤解だから!!誤解だから!!」

 

その後何とか誤解が解けた。

 

 

 

 

 

そして数日後。

 

りん「優斗君。今後も宜しくね。」

 

優斗「はい。ありがとうございます。」

 

給料明細を受け取る優斗。

 

りん「大輝君。」

 

大輝「はい。」

 

りん「はいこれ。」

 

大輝「どうもですー。」

 

給料明細を確認する2人。

 

優斗「お!今月もまた上がったな。」

 

大輝「うっひょーい!今月もアップしたぜい!」

 

りん「ひふみちゃん。はいこれ。」

 

給料明細をひふみに渡す。ひふみが一礼する。

 

りん「ゆんちゃん。今月もご苦労様。」

 

ゆん「ありがとうございますー。」

 

給料明細を受け取るゆん。後ろではじめがワクワクしている。

 

りん「はじめちゃん。」

 

はじめ「はい!!」

 

りん「来月も宜しくね。」

 

はじめ「頑張りま〜す!」

 

給料明細を受け取った。

 

りん「青葉ちゃん。」

 

青葉「はい?」

 

りん「はいこれ。」

 

給料明細を青葉に渡す。

 

青葉「えっと、何ですかこれ?」

 

りん「給料明細よ。後で中を確認しておいてね。」

 

青葉「お、お給料・・・!」

 

りん「青葉ちゃんは初給料ね。」

 

青葉「はい!バイトもした事無いので本当に初です。でも振り込みだとこう言う明細書だけなんですね。」

 

りん「ん?」

 

青葉「だって、お給料と言えば封筒の厚みで『お!今月は多いな!』とか、『少ないなぁ。』って一喜一憂するものかと。」

 

りん「青葉ちゃん本当に10代・・・?」

 

大輝「昭和のサラリーマンかよ。10代なのに知識高いな。」

 

そして給料明細を開き、青葉が喜んだ。これが青葉の初給料である。

 

青葉「で、でも、本当に貰って良いんですかね・・・まだこれしか作ってないのに。しかも残業代まで・・・」

 

ゆん「青葉ちゃんは毎日遅くまで残ってるんやし、遠慮する事は無いんよ。」

 

はじめ「そう!だから青葉ちゃんは早く会社に貢献出来るように頑張らないとね~。」

 

青葉「は、はい!」

 

はじめ「そして会社から評価されれば~・・・お給料も上がる訳ですよ!」

 

青葉「はじめさんお給料上がったんですね!」

 

はじめ「分かっちゃった?ま、ちょっとだけだけどね~。」

 

ゆん「どうせ机の上のおもちゃに全部消えるんやろ。」

 

はじめ「うぐ・・・良いだろ別に!資料にもなってるし八神さんだってよく持ってくし・・・特にこれ!」

 

ライトセーバーを見せる。

 

ゆん「好きやな~それ。何の役にも立たへんけど」

 

はじめ「何言ってんだよ〜。格好良いだけで価値があるだろ~?」

 

優斗「ライトセーバーか。」

 

大輝「スター・ウォーズ好きだねぇはじめちゃん。」

 

りん「気分を高めて仕事をするのも大事だけど。」

 

はじめ「ついでに西洋の剣もあります!」

 

青葉「何でもありますね。」

 

はじめ「青葉ちゃん持ってみ持ってみ?」

 

剣を持ったが青葉がフラつく。

 

青葉「細いのに凄く重い・・・」

 

はじめ「でしょ?鉄の塊だからね。」

 

大輝「鉄の塊って、ダイキャストか?」

 

優斗「結構重いぞダイキャストは。」

 

青葉「こんなの良く・・・振り回せるなぁ・・・」

 

すると青葉がバランスを崩してはじめの方へ倒れる。しかし。

 

青葉「ごめんなさい!」

 

はじめ「い、いやなんの・・・」

 

ライトセーバーで間一髪防いだ。

 

ゆん「ほんまに役に立ったなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

時刻は4時7分。ティータイムを始める。

 

りん「お給料の査定は年に1回だから、青葉ちゃんも来年には昇給してると良いわね。」

 

青葉「評価って良い仕事をしていれば上がる物なんですか?」

 

りん「青葉ちゃんだとまだ与えられた仕事をこなしてくれればそれで良いわね。でも目の前の仕事以外にもどれだけチームに貢献できたかも大事よ。因みに、青葉ちゃんやキャラ班はキャラリーダーのコウちゃんとADの私が評価して社長に報告するの。」

 

青葉「貢献・・・何だか難しいですね・・・」

 

りん「そうね。でも青葉ちゃんが良いと思った事をまずはやってみてね。」

 

はじめ「でもさ、八神さんって仕事に厳しいし大変だよねキャラ班。」

 

大輝「それ同じ事考えてた。」

 

青葉「そんな他人事みたいに・・・あ、そっか。モーション班とエフェクト班のリーダーは八神さんじゃないんですよね。あれ?じゃあ何でモーション班のはじめさんとエフェクト班の優斗さんと大輝さんがこのブースにいるんです?」

 

はじめ・優斗・大輝「うぐ!!」

 

突然3人が驚く。

 

はじめ「ごめんね・・・私もモーション班のブースに居たいんだけど・・・ごめんね・・・」

 

大輝「俺もごめんな・・・俺達エフェクト班なんだけど・・・」

 

優斗「おい落ち込むなよ。気持ちは分かるけど。」

 

りん「モーション班とエフェクト班の席が余って無くてね。まぁ隣だし・・・所で初給料は何に使うか決めてるの?」

 

青葉「え?あ〜、何にしましょう・・・全然考えてなかった。皆さんはどうだったんでしょうか?」

 

するとはじめがフィギュアを見せた。

 

はじめ「好きなキャラのフィギュアにすれば思い出が残るよ!」

 

青葉(復活した!?)

 

ゆん「うちは服やったなぁ。ちょっと奮発して良いブランドのを。」

 

しずく「服も良いねぇ。」

 

りん「葉月さん!」

 

優斗「しずくさん何時の間に!?」

 

何時の間にかしずくが来てた。

 

しずく「君達にはどんな物が似合うかな?うん。これ美味しい。」

 

紅茶を飲んで褒める。

 

ゆん「あ、ありがとうございます・・・」

 

青葉「葉月さんは初給料で何を買ったんですか?」

 

しずく「さぁどうだったろうね。随分昔の事で記憶が曖昧なんだよ。」

 

はじめ・大輝「それじゃあ今おいくつなんですか?」

 

2人の言葉で固い空気になった。

 

ゆん「ちょ!はじめ!そないのデリケートの話!」

 

はじめ「え〜?だって気になるじゃん。」

 

優斗「おい大輝!お前然り気無くやばい質問攻撃すんなよ!」

 

大輝「その気持ちは分かる。だが気になってしょうがねえぇ。」

 

しずく「そうだねぇ・・・20歳から年齢を数えるのをやめてしまったから、永遠の20歳とでもしておこうかな。」

 

優斗(何だそれ?)

 

うみこ「席に居ないと思ったらこんな所で油を売ってたんですか。」

 

後ろからうみこが出て来た。

 

しずく「おや!うみこ君。」

 

優斗「うみこさん。」

 

うみこ「休憩も大事ですが確認をお願いした資料、どうなってますか?」

 

しずく「そうだったね・・・まあ一息ついてから。」

 

うみこ「葉月さんの歳が気になるのでしたら私が教えましょうか?」

 

するとしずくが固まった。

 

しずく「行こうかうみこ君!チェックは早急に行うべきだしね!」

 

うみこ「全く、さぁ、行きますよ。」

 

しずく「それじゃあね。」

 

急いで仕事に戻って行く。

 

青葉(年齢不詳の20歳だなぁ・・・)

 

ゆん「っで、何の話やったっけ?」

 

ひふみ「初めての・・・お給料・・・」

 

はじめ「そうそう!」

 

ゆん「優斗さんと大輝さんは初めてのお給料何に使ったんです?」

 

優斗「う〜ん、俺は確か母さんの誕生日プレゼントを買ったな。ネックレスをプレゼントしたんだ。安い奴だったけど。」

 

大輝「俺は1人旅だったな。休みの日にゆったりと旅した頃が懐かしいな。今もやってるけど。」

 

はじめ「青葉ちゃんは結局どうするのさ?」

 

青葉「うーん・・・やっぱり貯金ですかね。」

 

全員(何て堅実なんだ・・・)

 

青葉「遠山さんは何に使ったんですか?」

 

りん「私?私は・・・」

 

コウ「何何?何の話?」

 

そこにコウが来てクッキーを食べる。

 

青葉「遠山さんが初給料どう使ったのかなって。」

 

コウ「私も気になる。何に使ったの?」

 

するとりんが唖然とした。

 

りん「覚えてないの!?信じられない!!」

 

コウ「え・・・?何かあったっけ・・・?」

 

覚えてないコウにりんが怒る。

 

コウ「何でそんなに怒ってるの・・・?いてててててて!!」

 

怒ったりんがコウの両頬を引っ張る。

 

りん「一緒に日帰り温泉に行ったでしょ!」

 

コウ「そうだったそうだった・・・」

 

優斗(温泉かぁ。今度妻と2人で行こうかな。)

 

コウ「そんなに怒る事ないじゃん温泉くらいで・・・」

 

りん「くらい!?2人で何処に行こうか決めたじゃない!」

 

コウ「ああ!そんな気がする〜。」

 

りん「じゃあ、何処に行ったか覚えてる?」

 

質問されたコウは無言のまま。そして一目散に逃げ出した。

 

りん「コウちゃん!!」

 

青葉「仲が良いですね・・・」

 

ゆん「入社も一緒みたいやしね。青葉ちゃんは同期おらへんからちょっと寂しいな。」

 

青葉「そうですね・・・でも皆さん年上って感じがしないからあまり気にならないですよ。」

 

ゆん「あんな~・・・うちらは青葉ちゃんが接しやすいように子供っぽく振る舞ってるだけなんやで。」

 

はじめ「うんうん!」

 

青葉「え!?そうだったんですか!?」

 

りん「私も初耳だわ。」

 

優斗「俺も初めて聞いたぞそれ。」

 

青葉「優斗さんと大輝さんは同期ですよね?」

 

優斗「まあね。最初此奴が俺と同じ日に入社した時はびっくりしたんだ。面接の時ぎこちなかったんだ。」

 

大輝「でも運良く入社出来たんだ!お陰で同じチームになれたんだし!」

 

青葉「ひふみ先輩は同期って居るんですか?」

 

ひふみ「違うチームに・・・居る。」

 

青葉「折角なのに離れ離れで何だか寂しいですね。」

 

ひふみ「別に・・・喋らないし・・・」

 

青葉・ゆん・はじめ・優斗・大輝(あ、そうですね・・・)

 

コウ「因みにひふみんは初給料何に使ったの?」

 

ひふみ「コスプレ・・・衣装に・・・」

 

全員「ええ!?」

 

ひふみの初給料に使ったのは、まさかのコスプレ衣装だった。

 

大輝「ひふみちゃんがコスプレだと!?」

 

コウ「嘘!?写真無いの!?」

 

ひふみ「秘密。」

 

優斗「だろうね・・・」

 

青葉「あはは・・・」

 

りん「ま、まぁ貯金も良いけど何か思い出に残る事をしておくのも良いかと思うわよ。忘れちゃう人も居るようだけど!」

 

コウは口笛吹いた。吹けてないが。

 

青葉「でもそうですよね。何か考えてみます。(初給料の使い道かぁ・・・)」

 

 

 

 

 

 

ティータイムが終わって仕事再開する。時間が過ぎて時刻は6時になった。

 

はじめ「よし!おしまい!さぁ!フィギュア買いに行くぞ!」

 

ゆん「また増やすんかいな。」

 

はじめ「ふふ〜ん良いだろ〜?」

 

ゆん「羨ましがって聞いたんとちゃうわ!でもうちも帰りに何か買うてこうかな?」

 

りん「青葉ちゃんも今日は良いわよ。折角なんだから早めに上がったら?」

 

青葉「あ、えぇそれじゃあ。」

 

パソコンをシャットダウンして帰る。

 

大輝「さてと!何か買おっかな〜?」

 

優斗「帰りに材料買おっか。帰って妻にご馳走作ってやるか。」

 

大輝「良いな〜結婚している家庭は。あやかりてぇな〜。」

 

優斗「だったらお前も彼女見付けろ。」

 

夜の帰り道。青葉は初給料の使い道を考え中だった。

 

青葉「う〜ん本当にどうしよっかな〜?」

 

途中で服を見た。

 

青葉「服かぁ・・・(あ、そう言えばこのスーツ、お父さんとお母さんが買ってくれたんだよね。結構高いのに。)よし!」

 

 

 

 

 

 

そして青葉は初給料である物を買って帰った。

 

青葉「ただいま~。」

 

母「あらおかえり。お風呂沸かしてあるから入っちゃいなさい。」

 

青葉「は〜い。(これ、喜んでくれるかな?)じゃ~ん!今日は初給料だったからケーキを買って来たのだ~!」

 

初給料で買った物はケーキだった。

 

 

 

 

 

 

時刻は9時5分。EAGLE JAMPのキャラ班のオフィスでは。

 

コウ「りん・・・まだ怒ってる?」

 

りん「別に。そんな事無いわよ。」

 

まだりんは怒ってた。

 

コウ「悪かったって!温泉の事ついポカーンと忘れちゃっててさ〜。」

 

りん「構わないわよ。2人で初めて行った旅行なんてどうせコウちゃんにとってはどうでも良い事なんでしょうし。」

 

コウは黙るしか出来なかった。しかし。

 

りん「嘘嘘。ごめんねコウちゃん。本当怒ってないから・・・」

 

コウ「じゃあさ!今から一緒に良い所行こうよ!」

 

りん「・・・え・・・?」

 

 

 

 

 

 

2人が行った場所はスパにある岩盤浴だった。

 

コウ「あ〜!ここのスパ一度来てみたかったんだよね~!」

 

りん「今日はどう言う風の吹き回し?」

 

コウ「え?ほらりん、ADで胃が痛いとか言ってたし・・・あ、お腹から先に暖めた方が良いみたいよ。」

 

りん「え?コウちゃんありがと。」

 

うつ伏せにしてお腹を暖める。コウはリラックスして満足しているりんを見詰める。

 

りん「な・・・何何?どうしたの?」

 

コウ「いや・・・何か・・・りん・・・・・・・・・・ちょっと太った?」

 

りん「え・・・?」

 

するとコウは、りんの二の腕を掴む。

 

コウ「この二の腕のあたりとか前に比べて・・・ん?りん?」

 

起き上がったりんは、枕を持ってガタガタしてる。

 

コウ「あ・・・」

 

りん「コウちゃん!!!」

 

そして枕でコウを叩く。その後コウは気絶した。この2人はとても仲良し。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨

      青葉の母:山村響

りん「青葉ちゃんはご両親にケーキを買ってあげたのね。」

青葉「はい!お父さんなんか泣いちゃって。」

りん「娘に優しくされたら嬉しいわよね。」

青葉「でもその間にお母さんが食べちゃって。」

りん「面白いご両親ね・・・」

次回「そんなに泊まり込むんですか?」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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5話「そんなに泊まり込むんですか?」

ある日、はじめが青葉が作ったキャラのモーションを制作している。

ゆん「それ青葉ちゃんのモデル?」

はじめ「そうだよ。今モーション付けてるんだ。」

すると青葉がビクッと反応した。

はじめ「待機モーションなんだけど、どうかな?」

ゆん「せやなぁ〜、折角可愛いモデルなんやからもっときゅんとするようなんが良えんとちゃう?」

はじめ「きゅ〜ん?」

青葉(自分のモデルの話をされると何だか恥ずかしいなぁ・・・)

ゆん「こないな感じは?」

きゅんとしたポーズをする。

はじめ「ちょっと媚び過ぎじゃない?ん?」

青葉「あ!」

気付かれた青葉が恥ずかしながらそっぽ向く。

ゆん「これが気になるんやない?」

はじめ「あ〜!」

ゆん(あ、そうや。)

するとゆんが何かを企む。

ゆん「へー、これが会話モーションなんや。へー、これが歩行モーション。へー、これが〜。」

青葉「意地悪しないで下さい!!」

ゆん「ごめんな。青葉ちゃん素直やからつい・・・」

はじめ「あぁ・・・」

青葉「あのー、ちょっと見せてもらっても良いですか?」

はじめ「良いけど、大した事無いよ?」

青葉「いえ!遠くから見ててもキャラが生きてるみたいに動いててずっと気になってて・・・はじめさん凄いなぁって!」

はじめ「ま・・・まぁね・・・でもちょっと努力すれば青葉ちゃんだって出来るよ。」

コウ「分かりやすいな〜。」

優斗「何だろうこの和む会話は?」

りん「あ、コウちゃん。タブレットペン余ってない?」

コウ「え?持ってないよ?」

優斗「どうかしたんですか?」

りん「困ったわ・・・何だか反応悪くなっちゃって・・・」

コウ「はじめと青葉に買いに行かせれば良いよ!うん。それが良い!」

りん「別に隣のチームから借りれば・・・」

優斗「そうですよ・・・」

コウ「はじめ〜!青葉〜!」

青葉「八神さん?」

はじめ「どうしたんですか?」

りん(分かりやすいわね。)

大輝「俺も同行しよっかな〜?」

優斗「ダメだ。俺達は作業優先だ。」

大輝「がびょ〜ん。」


買い出しを頼まれた青葉とはじめは、ヨドバシカメラマルチメディアakibaに向かった

 

青葉「おつかいって頻繁にあるんですか?」

 

はじめ「ううん、たまにあるくらいだよ?でも、次からは青葉ちゃん一人で行かされると思うから領収書とか捨てないように注意ね。」

 

青葉「あ、はい!気を付けます!」

 

はじめ(せ・・・先輩って気持ち良い~!)

 

心の中でそう思うはじめである。2人はタブレットペンを見る。

 

青葉「タブレットペンって太いのや細いのもあるんですね~。どれが良いんでしょう?」

 

はじめ「(う~ん・・・良く分かんないけど・・・)普通ので良いんじゃないかな?」

 

青葉「じゃあレジに持って行きますね。」

 

早速レジに向かおうとしたその時。

 

青葉「あ・・・」

 

はじめ「ん?」

 

青葉「す・・・すみません・・・お財布を会社に忘れて来ちゃいました・・・」

 

はじめ「ドジだなぁ。今度から注意するんだよ・・・」

 

財布を取り出そうとしたが。

 

はじめ「ん?」

 

ポケットの中も探るが。

 

青葉「もしかして、はじめさんも・・・?」

 

はじめ「落としたっぽい・・・何時もポケットだし・・・」

 

青葉「ええ!?」

 

何とはじめも財布を無くしてしまった。ピンチ到来。2人で財布を探すが何処にも無かった。これまたピンチ到来。

 

青葉「お店の中には落ちて無さそうですね・・・」

 

はじめ「私はサービスカウンターで聞いて来るから青葉ちゃんは会社に戻って自分の財布を取って来てくれる?」

 

青葉「分かりました。でも帰り道も探しながら戻りますね。」

 

すぐに青葉が財布を取りに会社に戻って行く。

 

はじめ(ああー!!私はなんて情けない先輩なんだ~!)

 

 

 

 

 

 

サービスカウンターに向かった。

 

はじめ「でも青葉ちゃんしっかりしてるなぁ。それに良い子だし可愛いし。しかもまだ10代!なんてけしからんのだ!」

 

篠田はじめはまだ21歳。サービスカウンターで待ってる間、アニメを観る。

 

猫耳少女『ミュ〜〜〜〜。』

 

顔にボールが当たり、猫耳少女が後ろに倒れた。

 

動物達『大丈夫!?』

 

はじめ「大丈夫・・・?」

 

猫耳少女『はっ!お日様が気持ち良くて、ぼ〜っとしてたニャ!えへへ。』

 

はじめ「あるある~。私もぼ〜っとしてたらお財布落としちゃったみたいなんだ~・・・」

 

するとそこに青葉が戻って来た。

 

青葉「あ!はじめさんここに居た!」

 

はじめ「青葉ちゃん・・・サービスカウンターにも届いてなかったよ・・・てへ・・・」

 

青葉「うふふ〜。これな~んだ?」

 

取り出したのは、何とはじめの財布だった。

 

はじめ「はっ!青葉ちゃん・・・!!」

 

財布を見付けてくれた青葉に対して嬉し泣きをした。

 

青葉「ちょ!はじめさん大袈裟・・・!」

 

 

 

 

 

 

その後タブレットペンを無事購入してヨドバシカメラから出る。

 

青葉「会社に戻ったらデスクに財布が置きっ放しになってたんですよ。」

 

はじめ「あ!そう言えばそうだった!おっちょこちょいな先輩でごめんね。」

 

落としたのではなく、会社に置きっ放しにしただけだった。

 

青葉「そんな!私もおっちょこちょいだからちょっと安心します・・・ってこんな事言ったら怒られちゃいますよね。」

 

舌をちょこっと出した。

 

はじめ「(可愛いなぁちくしょー!)青葉ちゃんはそれでも可愛いし・・・」

 

青葉「え?はじめさんだって可愛いですよ!」

 

はじめ「そう・・・?そうかにゃ?テヘ☆」

 

突然猫のポーズをした。

 

青葉「え!?か・・・可愛いなぁ・・・」

 

はじめ「やっぱ照れるなぁ〜!」

 

 

 

 

 

 

その後会社に戻った。

 

はじめ「八神さん!買って来ました~!」

 

コウ「ああ、お疲れー!え!?」

 

女の子らしいはじめを見てコウがビックリした。

 

はじめ「どうぞ〜!」

 

コウ「あ、ああ、ありがと・・・」

 

大輝「はじめちゃんが別人になった・・・!?」

 

コウ「ど、どしたの・・・?」

 

はじめ「ほへ?何がですか?」

 

コウ「ほ・・・ほへ?」

 

大輝(はじめちゃんに何があったんだ・・・?)

 

コウが青葉に顔を向けるが、青葉は顔を横に素早く振る。

 

ゆん「あはは!はじめったら自分のキャラ間違えてんで?」

 

するとゆんの言葉に反応したはじめが泣き出した。

 

はじめ「分かってたよ!!ちくしょー!!!」

 

青葉「はじめさーーん!!!」

 

 

 

 

 

 

季節が流れて夏になった。はじめが自転車に乗って颯爽と走る。会社に到着して駐輪場に自転車を停める。

 

はじめ「ふぅ。大分熱くなってきたなぁ。」

 

すると青葉が後ろから、はじめの顔にペットボトルに入った冷んやりしたポカリスウェットを当てた。

 

青葉「ばぁ!」

 

はじめ「うわ!?冷た!!」

 

青葉「おはようございます!」

 

はじめ「あ、青葉ちゃんおはよう。それ凍らして来たの?」

 

青葉「はい!暑い日にはこれです!」

 

すると駐輪場に400Xが到着した。乗ってる人物がジェットタイプヘルメットを外す。

 

優斗「おはよう、青葉さんはじめさん。」

 

はじめ「おはようございます優斗さん。」

 

青葉「優斗さんおはようございます!」

 

優斗「2人共同時に着いたの?」

 

青葉「はい。」

 

 

 

 

 

 

3人はエレベーターを待つ。

 

青葉「はじめさんって自転車通勤だったんですね。家近いんですか?」

 

はじめ「うん。まぁ5駅ぐらいかな。」

 

青葉「え!私だったら電車にする距離です・・・」

 

はじめ「でもこの仕事座りっぱなしだし少しは運動しないと、その学生服も着られなくなっちゃうよ?」

 

青葉「スーツですよ!優斗さんの家って近いんですか?」

 

優斗「いや、俺原宿に住んでるんだ。」

 

青葉「え!?そんなに遠いんですか?」

 

優斗「そうなんだよね。でも高校時代にバイク免許、イーグルジャンプに入社と同時に車の免許取ってるし問題ないよ。それに家は妻が選んでくれたんだから大事にしないといけないし。」

 

青葉「優斗さんって奥さんを大事にしてるんですね。」

 

優斗「うん。」

 

 

 

 

 

 

エレベーターに乗る。青葉がはじめの身体を見る。

 

青葉「でも確かにちょっとお肉が付いて来たかも・・・」

 

はじめ「せめて隣駅で降りれば?」

 

優斗「そうだね。そうすれば少しは良い運動になるよ。」

 

青葉「成る程。どんな自転車がおすすめですか?」

 

はじめ「え?」

 

優斗「何?」

 

青葉「だって隣駅から乗る自転車が・・・」

 

はじめ・優斗「歩きなよ・・・」

 

青葉「ですよね〜・・・」

 

 

 

 

 

 

エレベーターから降りてオフィスに入る。

 

青葉「はぁ〜。会社は涼しい~。」

 

優斗「良い感じの涼しさだ〜。」

 

はじめ「でも空調効き過ぎじゃない?」

 

青葉「それだけだと確かに。」

 

はじめ「上着着て来れば良かった〜。」

 

優斗「今は24度か。」

 

今の冷房は24度。

 

 

 

 

 

 

ゆん「おはようさん。今日は外暑いなぁ。」

 

青葉「真夏日になるみたいですね。あ、ゆんさんはまだ長袖。」

 

優斗「長袖着てるけど、ゆんさん外は大丈夫だった?」

 

ゆん「え?あ、そ、そうです!うちはまだ大丈夫です!(あかん・・・ちと太ってもうて、このぷよぷよの腕を見せとうないなんて言えん・・・)」

 

優斗(あ、ゆんさんまた太ったのか?)

 

ゆんが太ってる事に優斗は気付いてる。

 

青葉「隣駅から歩くだけで痩せますかね?」

 

はじめ「う〜ん・・・」

 

ゆん「何や?ダイエットの話?」

 

青葉「そうなんですよ。腕の肉がちょっとぷよぷよしちゃって・・・」

 

するとゆんの体にぷよぷよの矢印が刺さった。

 

青葉「あ、もしかして・・・」

 

ゆん(な、何や・・・やっぱり太って見えるんかな・・・どないしよ・・・)

 

青葉「影でダイエットしてるタイプですか!?」

 

気付かれてない事にホッとした。

 

ゆん「な・・・何もしとらんよ!(あ、焦った・・・)」

 

はじめ「どうでも良いけど、やっぱちょっと寒くない?」

 

ゆん(どうでも良くないわ!アホー!)

 

 

 

 

 

 

その後優斗が席に着くと、大輝が気持ち良さそうな顔をしながら作業している。優斗が社内メッセする。

 

優斗『おいそこの男、何ちゅう顔してんだ?』

 

大輝『外暑かったからクーラーに当たりながら作業してる〜。ここのデスク、クーラーの風が良く当たるんだ〜。』

 

優斗『お前は本当に夏に弱い奴だなぁ。たまには我慢したらどうだ?』

 

大輝『無理!干からびるから!』

 

優斗『この野郎・・・』

 

 

 

 

 

 

その後も着々と作業する。

 

ゆん(気付かれんうちに痩せんと・・・!)

 

クーラーの効き過ぎではじめが寒がる。

 

青葉「空調って上げちゃいけないんですか?」

 

はじめ(う〜ん・・・八神さんと優斗さん去年しょっちゅう操作してたし・・・まぁ良いか!)

 

空調を操作しに行く。

 

はじめ(2度くらい上げれば良いかな・・・いや4度ぐらい上げても分からないよね~!)

 

24度から28度に上げた。その結果、もあもあした暑さになった。

 

大輝(暑!何じゃこの暑さは!?)

 

コウ(暑い・・・!空調効いてないのかな?)

 

空調の温度を下げる。するとはじめがまた寒がる。

 

はじめ(何かさっきより寒いな・・・空調効いてないのかな・・・)

 

温度を見ると、22度になってる。さっきより6度下がってた。

 

はじめ(6度も下がってる!?誰だか知らないけど、やってくれるじゃないの!8度上げてやる!)

 

温度を8度上げた。結果、さっきより暑くなった。

 

優斗(何だこの暑さ・・・誰か空調上げたのか・・・?)

 

大輝(俺の血液が干からびて行く〜・・・)

 

 

 

 

その頃ゆんは、汗だくになってた。

 

ゆん(何ややけに暑いなぁ・・・はじめったらどんだけ上げたんや・・・汗でべとべとや・・・でも袖はまくりとうないし・・・あ!でもここで汗を掻けば痩せるやん!一石二鳥やん!ここは耐え時やでゆん!)

 

青葉(ゆんさん忙しそうだなぁ・・・私も頑張ろう!)

 

 

 

 

その頃コウは温度を見た。30度になってた。

 

コウ(誰だ!8度も上げた奴!)

 

温度を8度下げて22度にする。

 

コウ(今度また調整しに来た所を捕まえてやる!さあ来い!)

 

もずく「にゃ〜お。」

 

隠れて犯人を捕まえようとする。

 

 

 

 

優斗(さっきから空調上がったり下がったりしてるけど、誰かが悪戯してんのかな?俺だとりんさんに頼まれて操作してたけど。)

 

度々優斗が空調を操作して理由は、りんに社内メッセで頼まれたからだった。

 

ゆん(あかん・・・快適すぎる。まだコップ1杯の汗も掻いとらへん・・・こんなんじゃ半袖なんて夢のまた夢・・・!自分を甘やかしたらそれまでやでゆん!)

 

青葉(私もゆんさんの姿勢を見習わないと!)

 

 

 

 

そしてゆんは温度の調整しに行った。そして温度を上げる。コウはそれを見た。

 

コウ(え!?ま、まさか!)

 

そして温度を30度上げて戻ろうとしたその時。

 

コウ「ゆん!さっきから温度を上げてたのって・・・」

 

ゆん「八神さん!ちゃ・・・ちゃいますよ!」

 

コウ「だって今も結構高めに上げてたみたいだけど?」

 

ゆん「これはえと・・・その・・・(仕事中に汗かいてダイエットなんて言えへ~ん!)」

 

完全に濡れ衣を着せられたゆん。だがその時。

 

はじめ「待って下さい!」

 

コウ・ゆん「はじめ!?」

 

そこにはじめが現れた。

 

はじめ「さっきまで上げていたのは・・・私ですよ!」

 

まさかの自白。

 

はじめ「これではっきりしたじゃないですか。ゆんも高温を求めてるんです。つまり2対1でこの会社の温度は高温に決定なんです!」

 

コウ「3人でこの会社の温度決めるって可笑しいでしょ!」

 

はじめ「じゃあ八神さんが勝手に決めるのも可笑しいじゃないですか~!」

 

ゆん「(加熱させてどうすんねんあほ~・・・)2人共・・・うちはただ・・・」

 

りん「こら!さっきから上げたり下げたりしていたのはあなた達ね・・・!」

 

ゆん(遠山さんが怒っとるー!!)

 

結果、りんに見られて怒られてしまった。

 

りん「譲り合って仲良く出来ないの?」

 

コウ「だ・・・だって液タブの熱が・・・」

 

はじめ「上着が・・・」

 

りん「それが出来ないなら、今後あなた達には空調の操作を禁止します!」

 

コウ・はじめ・ゆん「は、はい・・・」

 

ゆん(治って良かった〜・・・)

 

この光景を青葉とひふみがこっそり見ていた。

 

青葉「遠山さんってビシッとして格好良いですね。憧れちゃいます。」

 

ひふみ「そこ・・・?」

 

 

 

 

 

 

そして翌朝。

 

青葉「やる気100%の青葉選手!早起きスキル発動だ~!」

 

今日の青葉は早起きして会社へ向かってる。そしてオフィスに入る。

 

青葉「おはようございま〜す・・・ってまだ誰も居ないや。」

 

カバンを置いて、コウの席を見る。

 

青葉「八神さんも居ない。珍しい。」

 

するとコウの席に座った。

 

青葉「八神さんの席~!キャラクターデザイナー!青葉!」

 

すると後ろから物音が聞こえた。振り向くとひふみが立っていた。

 

青葉「きゃああああああああ!!」

 

優斗「おはようございますってまだ誰も・・・あれ?」

 

そこに優斗が出社し、ひふみを見付けた。

 

青葉「いや・・・あの・・・ちょっとした出来心と言うか何と言うか・・・!」

 

ひふみ「青葉・・・ちゃん・・・えと・・・ね・・・ふぁいと・・・」

 

青葉「あ、ありがとうございます・・・」

 

優斗「ひふみさん何してるの?」

 

ひふみ「あ、優斗・・・君・・・」

 

優斗「あれ青葉さん?早起き?珍しいね。」

 

青葉「あ、優斗さん、おはようございます。」

 

優斗「青葉さん、コウさんのデスクで何やってたの?」

 

青葉「あ!いやこれは・・・その・・・」

 

優斗「ああ、別に否定しなくて良いよ。誰にも言わないから。」

 

青葉「あ、ありがとうございます・・・八神さんの机って何時も散らかってますね。」

 

優斗「コウさん仕事熱心だからね。」

 

青葉「前から気になってたけどこの紙・・・」

 

ひふみ「見てない・・・から・・・」

 

両手で両目を塞ぐ。

 

青葉「そんな悪い事しませんよ!」

 

ひふみ「いや・・・見るくらいなら・・・良いと思う・・・」

 

青葉「ですよね!」

 

キャラデザの絵を見る。

 

青葉「うわ!これ全部キャラデザの絵なんだ・・・微妙な違いだけど八神さんも結構ボツ出してるんですね・・・」

 

優斗「本当だ。微妙に違うのが分かる。」

 

ひふみ「コウちゃん・・・頭抱えてる事多いよ。」

 

青葉「へぇ〜、ちょっと意外です。」

 

今度はりんの机を見る。

 

青葉「遠山さんの机はやっぱり綺麗ですね~。」

 

???「そりゃあそうさ!」

 

優斗「のわ!?大輝何時の間に!?」

 

そこに大輝が出社した。

 

青葉「あ、大輝さんおはようございます。」

 

ひふみ「おはよう・・・大輝君・・・」

 

大輝「おはよう青葉ちゃんひふみちゃん。」

 

優斗「お前早起きしたのか?」

 

大輝「いや偶然早く起きて、暇だったから早く来たんだ。」

 

優斗「何だそれ?」

 

青葉「あ・・・これ昔の写真。フェアリーズのパッケージが写ってるって事は最初の頃の・・・」

 

大輝「そうそう。フェアリーズストーリー完成披露の時の写真だよ。」

 

優斗「2の完成披露の時は俺と大輝が写ってるのもあるよ。」

 

青葉「でもこの八神さん何だか雰囲気違う・・・」

 

写真を見ると、コウが緊張してる顔をしている。

 

ひふみ「昔は・・・無口だったし。」

 

青葉「え!?信じられない!」

 

 

 

 

 

 

2年前。

 

ひふみ「席が隣の頃があって・・・話し掛けて・・・来ないから・・・良い人だな・・・って思ってたのに・・・ある日突然・・・」

 

3ヶ月後・春。

 

コウ『滝本さん。ちょっと良い?』

 

突然話し掛けられてビックリした。

 

 

 

 

 

 

青葉「(ひふみ先輩は相変わらずだなぁ・・・)優斗さんと大輝さんは昔違う席だったんですか?」

 

優斗「いや、入社当初から既にコウさんと一緒だったよ。」

 

大輝「そうそう。優斗は入社後すぐ馴染んでたな。」

 

優斗「おいおいお前もすぐ馴染めただろ?」

 

大輝「いや俺は数日ちょっと遠避けてたし・・・」

 

青葉「いや・・・何か良く私も話し掛けちゃってごめんなさい。でも最初の頃に比べるとひふみ先輩も喋ってくれるようになりましたよね?」

 

ひふみ「あ・・・青葉ちゃんはちょっとだけ・・・話しやすい・・・から・・・」

 

青葉「え!?な・・・何だか照れちゃいます・・・」

 

大輝「微笑ましいなぁ〜。」

 

優斗「お前な・・・」

 

するとそこに。

 

りん「青葉ちゃん、ひふみちゃん、優斗君、大輝君おはよう。皆早いのね。」

 

青葉「あ、おはようございます。」

 

優斗「りんさんおはようございます。」

 

大輝「おはようございます!」

 

 

 

 

その後青葉はりんに尋ねた。

 

りん「え?昔のコウちゃん?確かに無口でギラギラしてて近付きにくい雰囲気はあったけど、それが格好良かったわね~!」

 

優斗「あのーりんさん?」

 

青葉「いやそう言う事じゃなく・・・」

 

りん「そうね・・・例えば先輩からお菓子を貰った事があったんだけど・・・」

 

 

 

 

先輩『これあげる。』

 

コウ『ありがとうございます。』

 

貰った飴を食べる。

 

コウ『微妙っすねこれ。』

 

正直に述べた。

 

 

 

 

青葉「ええ!?正直過ぎるんじゃ!?今も正直ですけど!」

 

りん「昔から実力は凄くて誰よりも頑張ってたんだけど・・・コミュニケーションが苦手だったのは確かね。でもそれだと指揮する立場になれないから自分なりに頑張ってるみたいだけど、まだちょっと空回りしちゃってるけどそう言う所も可愛いでしょ?」

 

青葉(八神さんの事になると遠山さんも空回りしてるんじゃ・・・)

 

りん「他の皆もそうだけど、コウちゃんと仲良くしてくれて私も助かってるのよ。ありがとう。」

 

青葉「い、いや!別に意識して仲良くしてる訳じゃないですよ!?結構、気を遣ってくれてたんですね・・・私も八神さんに合わせて子供っぽく振る舞うべきかな・・・」

 

りん「青葉ちゃんは今のままで良いのよ・・・それに、今のコウちゃんだって素だと思うわ。明るく振る舞うのが恥ずかしくて、照れ隠しでああしてるのかもね。」

 

青葉「成る程・・・お話聞いてると私は今の八神さんで良かったかな~ってちょっと思います。」

 

りん「それは良かったわ。」

 

ひふみ「あ・・・私も・・・イメチェン・・・したい・・・けど・・・」

 

急にガッカリした。

 

大輝「ひふみちゃん!?」

 

青葉「ああ!私は今のひふみ先輩が好きですよ!本当ですってば!」

 

りん「優斗君は、昔から凄く周りからモテたのよね。」

 

青葉「え?そうなんですか優斗さん?」

 

優斗「ああ、あの頃は大変だったよ。誕生日になると先輩達からおめでとうって言われたり、バレンタインになるとチョコを沢山くれちゃったり。」

 

りん「でも大変だったのは優斗君が結婚した時だったわよね?」

 

優斗「そうだったんですよ。花束沢山貰ったりと、あの時は仕事より疲れてしまいましたよ。でも嬉しかったですね。祝福されたら誰だって喜びますからね。大輝も早く彼女見付けろよ?」

 

大輝「何時になるか分からんな。でもお前より良い彼女を見付け出して自慢してやるからな!」

 

優斗「多分無理かもな。」

 

大輝「ガビーン!!」

 

全員が笑う。

 

 

 

 

 

その後作業をしてると、コウが出社した。

 

コウ「おはよー。」

 

青葉「おはようございます・・・凄い荷物ですね!」

 

コウ「しばらく泊まりで仕事やるから着替えとかもろもろ。」

 

青葉「そんなに泊まり込むんですか・・・?」

 

コウ「う~ん・・・夜の方が仕事しやすい・・・から?」

 

青葉「(やっぱり今でも人と関わるの重荷なんだな・・・)私応援してます!」

 

コウ「ああ・・・うん・・・どしたの?」

 

 

 

 

 

 

その夜、ひふみは家でハリネズミの宗次郎に質問した。

 

ひふみ「宗次郎も・・・私がイメチェン・・・した方が良いかな・・・?」

 

すると宗次郎が縮こまった。ご飯のりんごを差し出す。宗次郎が反応したが、ひふみが遠ざけられて、宗次郎がガッカリした。

 

ひふみ「青葉ちゃんに合わせて・・・子供っぽい・・・感じとか?」

 

するとまた宗次郎が縮こまる。ひふみがりんごを近付けると宗次郎が反応した。また遠ざけられた。

 

ひふみ「大人っぽい私とか・・・どうかな?どうかな?」

 

その言葉に宗次郎は呆れるしかなかった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       もずく:喜多村英梨

      猫耳少女:貫井柚佳
        先輩:前田玲奈

青葉「入社前の八神さんの印象って、もっと完璧な人だと思ってました!」

ひふみ「がっかりした?」

青葉「いえ!意外と努力家なんだな〜って。私も見習わないと!」

ひふみ「うん。私も・・・頑張る。」

次回「発売・・・中止とか?」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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6話「発売・・・中止とか?」

ある日、コウは村人のチェックをしていた。青葉が緊張する。

コウ「OK!これでお願いした村人の仕事は全部かな。」

青葉「大変でした〜!本当・・・」

遂にOKを貰った。

コウ「お疲れさん。じゃあ次は1体キャラデザして貰うから。はい仕様書。」

仕様書を差し出す。

青葉「・・・・・・え〜!?」

遂に青葉はキャラデザの仕事をする事となった。青葉はとても嬉しそうだった。

ゆん「青葉ちゃん次はキャラデザの仕事するんやな。」

青葉「あ、はい!」

はじめ「私達も去年やらされたんだよね~。チームが発足した頃だったからコンペで無理矢理さ。」

青葉「コンペ?」

はじめ「どんなデザインが良いか皆で書いて持ち寄るんだよ。もう何も浮かばなくなって頭痛くなって・・・」

ゆん「そう言えばパンクしとったな。」

はじめ「私は既にあるキャラを動かすのが好きなんだって気づいた・・・」

大輝「俺達もコンペしてたよな?」

優斗「ああ。でも俺とお前の奴ボツにされたんだよな。」

ゆん「どんなキャラを書くん?」

青葉「えと・・・サーカス団に入団したばかりの18歳の女の子。明るい色のツインテールが特徴。真面目で元気だが少し天然な所がある・・・あれ?何処かで・・・」

はじめ・ゆん・大輝(青葉ちゃんの事じゃん・・・)

優斗(自分だって気付いてないのかな・・・?)

自分だと言う事に気付いてない。

青葉「主人公一行を次のダンジョンに案内する途中に・・・盗賊に襲われて死んじゃうみたいです!」

ゆん(難儀やなぁ・・・)


青葉「やっぱりキャラデザって難しいな・・・少し資料揃えた方が良いのかな?」

 

キャラクターを多く描いて考える。

 

コウ(調子はどうかな?)

 

そこにコウが様子を見に来た。青葉はGoogleでツインテールを検索してた。

 

コウ「頭に付いてるだろ~?」

 

青葉のツインテールをグリグリする。

 

コウ「調子はどう?」

 

青葉「まだ全然・・・」

 

コウ「ちょい見せて。」

 

青葉が書いたキャラデザを見る。

 

コウ「まだ迷走中かな?」

 

青葉「中々自信を持って描けなくて・・・それに最近仕事で一杯一杯で絵も描いていませんでしたし・・・キャラデザをさせて貰えるって分かってたら・・・」

 

コウ「それは言い訳。」

 

青葉「そうですね・・・はい・・・八神さんも最初はコンペに参加したんですか?」

 

コウ「そうそう。我武者らに描いたかなぁ?」

 

青葉「それでメインキャラデザを勝ち取ったんですよね?」

 

コウ「うん。そっか・・・青葉の歳の頃にはメインやってたんだな私。ま、でも青葉の時は私という壁を越えないといけないから覚悟するように!」

 

巨大な壁を想像し、青葉が固まる。

 

りん「でもコウちゃんね。それで先輩達に目を付けられて良くいびられてたのよ?」

 

コウ「ちょお!?」

 

青葉「え?どう言う事ですか・・・?」

 

りん「突然入社して来た新人にメインを持って行かれたら面白くないんじゃない?」

 

コウ「あ・・・あれは私も生意気だったし・・・」

 

りん「それで私が毎日毎日愚痴を聞かされてたんだから。」

 

コウ「りん・・・やめてよ・・・」

 

青葉「でも少し分かります。私も今八神さんが私と同い年にはもうメインをやっていたと知ってちょっと悔しいと言うか・・・妬ましい気持ちは少しあって・・・ってダメですね私!何時までも子供っぽくて・・・」

 

コウ「私が青葉の立場でもきっと同じ事思うよ。だってこの仕事が好きなんだもん!青葉は村人作ってて楽しかった?」

 

青葉「え?あ、はい。端っこのお仕事だと思ってますけど楽しかったです!」

 

コウ「そっか。良かった。さっきその村人達がマップに載ってさ。それがサーバーに上がってるから見てみな。」

 

青葉「あ、はい!」

 

サーバーを確認すると、青葉が作った村人が映ってた。

 

青葉「凄いです!ゲームに載るとこんな風に見えるんですね!」

 

コウ「悔しいって気持ちも大事だけど、やっぱり楽しいって気持ちはこうして伝わると思うんだ。それが一番大事かなって。」

 

青葉「はい・・・!」

 

はじめ「私も青葉ちゃんの村人に動きを入れてて楽しかったよ。」

 

りん「そう。この場面を作るだけでもモーション班や背景班やエフェクト班、企画にプログラマー。いっぱい関わってるのよ。」

 

コウ「私の仕事は目立つ位置にあるけど一人じゃ作れないんだよ。青葉のキャラデザも。その事は忘れないようにね。」

 

青葉「責任重大過ぎて緊張してきました・・・」

 

大輝「良い話だなぁ〜。深イイ話に出したら採用されるかもな〜。」

 

優斗「おい急に話がガラリと変わったなおい。まずそれが深イイ話に採用されるかどうかだが。」

 

はじめ「因みに!私がメインになって八神さんの上司になったらまず八神さんを呼び捨てにしますね。」

 

 

 

 

 

 

自分が上司になってる想像をする。

 

はじめ『おい八神!ちょっと!』

 

コウ「その時は会社辞めるわ。」

 

ゆん「うちも。」

 

りん「あはは・・・」

 

倒産確定。

 

 

 

 

 

 

はじめ「青葉ちゃんは・・・?」

 

青葉「自信・・・無いかも・・・」

 

はじめ「そんな・・・私も悔しいです・・・」

 

コウ「ずっと落ち込んでれば良いよ。」

 

 

 

 

 

 

その後も作業して遂に。

 

青葉「八神さん!描いて来ました!」

 

キャラデザをコウに見せる。

 

コウ「うん。良いんじゃないかな。名前は考えて来た?」

 

青葉「一応は考えて来たんですけど・・・何か名前言うの凄く恥ずかしいですねこれ!」

 

コウ「躊躇ってるとどんどん恥ずかしくなるぞ~?」

 

青葉「ソフィアちゃんです!」

 

コウ「ソフィアちゃんかぁ。」

 

青葉「・・・あ~!これ私ですか!?」

 

コウ「今気付いたの?」

 

このキャラクターのモデルが自分だと気付いた青葉だった。

 

青葉「最悪です!八神さん大っ嫌いです!」

 

コウ「ソフィアちゃ~ん。怒らないでよ~。」

 

青葉「もー!!」

 

優斗(からかい上手だなぁコウさん・・・でも青葉さんが可哀想だ・・・)

 

りん「お疲れ様。明日は休日だからゆっくり休んでね。」

 

青葉「はい!」

 

りん「何か予定あるの?」

 

青葉「幼馴染みと映画に行く約束してるんです。」

 

りん「そう。良いわね。」

 

大輝「明日は楽しむぞ〜!」

 

コウ「明日は思いっ切り寝るかー!」

 

 

 

 

 

 

そして翌日。今日は休日。青葉が起きてリビングのソファに座る。

 

青葉「お母さ~ん。お腹空いた~。」

 

青葉の母「まだパジャマなの?着替えたら?」

 

青葉「休日ぐらい良いじゃ~ん。あ、お母さん麺類が良い!青葉はね~、毎日きちんと働いてお金を稼いでるんですよ。休む時はしっかり休みたいの~。」

 

青葉の母「お父さんに似てきたわね。」

 

青葉「嘘!?」

 

 

 

 

 

 

その頃はじめは、信号戦隊シグナルスリーのヒーローショーに行ってカメラで写真を撮ってた。

 

シグナルレッド「皆!今日は来てくれてありがとう!また応援してくれよな!」

 

はじめ「やっぱ凄ーや!」

 

 

 

 

 

 

そしてその頃ゆんは家でゲームをしていた。そこに。

 

れん「ゆんねーちゃん!」

 

弟のれんが泣きながらゆんに抱き付いた。

 

ゆん「はいはい。何があったん?」

 

れん「みうがぶったの!」

 

そこに妹のみうが来た。

 

ゆん「みう!ぶったらダメでしょ?」

 

みう「れんが先にうちの人形取ったんや~!」

 

2人は大声で泣いた。

 

ゆん「・・・あ~!分かったから泣かんといて!泣くん止めたら良い所連れてってあげる!」

 

すると2人がすぐに泣くのを止めた。ゆんが察した。

 

 

 

 

 

 

そしてその頃ひふみは自宅でパソコンをしていた。途中で笑ったりもしていた。宗次郎は呆れていた。

 

 

 

 

 

 

その頃コウは家でぐっすり寝ていた。そこにインターホンが何回も鳴った。ドアの鍵を開けると、りんが立っていた。

 

りん「まだ寝てたの?ご飯作ってあげるから上がって良い?」

 

家に上がってエプロンを着ける。

 

コウ「別に良いのに・・・」

 

りん「健康には気を付けないとダメでしょ。」

 

そしてご飯が出来た。コウが味噌汁を啜る。

 

コウ「あ、美味しい。」

 

りん「うふふ。ありがと。」

 

 

 

 

 

 

その頃大輝は、1人秋葉のヨドバシカメラに来ていた。

 

大輝「やっぱ秋葉は良いな〜!さ〜て何しよっかな〜?あそうだ!」

 

アミーボをじっくり見る。

 

大輝「アミーボ集めでも再開するか。最近やってないからな。お!カービィ発見ラッキー☆」

 

 

 

 

 

 

その頃青葉は私服に着替えてた。

 

青葉「先輩達はどんな休みを過ごしてるのかな?あ!もう行かなくちゃ!行って来まーす!」

 

 

 

 

 

 

その頃優斗は、妻と一緒に車に乗ってドライブをしていた。運転手は優斗で助手席に妻。

 

優斗「さて美佳さん、次は何処へ行く?」

 

美佳「久し振りに映画見に行こう?」

 

女性の名は「相葉美佳」。優斗の年上の妻。

 

優斗「映画かぁ。じゃあ新宿バルト9が近くにあるから行こう。」

 

新宿バルト9へ向かう。

 

 

 

 

 

そしてその頃青葉は、新宿バルト9前でねねを待っていた。

 

青葉(ねねっちと会うの久し振りだなぁ。子供っぽいしドジだし我儘だし、確か中学生ってからかわれてるって言ってたよね・・・まさか友達が出来なくて今日誘って来たんじゃ・・・)

 

ねね「あおっちー!お待たせー!」

 

そこにねねが来た。青葉がねねの両手を握る。

 

青葉「ねねっち!私が付いてるよ!」

 

合流して新宿バルト9へ入ってエレベーターに乗る。

 

ねね「えー?失礼だなー!」

 

青葉「ごめ〜ん、もしかしたらそうなんじゃないかな〜って。」

 

ねね「と、友達くらいもう出来てるし!あおっちこそ同期居ないって言うから寂しいかなっと思って誘っただけだし!」

 

青葉「そ、そうだよね。ねねっち優しいんだね。」

 

ねね「べ・・・別にそんなんじゃ・・・さっさとチケット買いに行こ?良い席取られちゃう!」

 

青葉「うん!」

 

エレベーターから降りてチケットを買う。

 

青葉「大学生1枚と・・・えと大人1枚。」

 

ねね「いや!大人2枚で!」

 

女性スタッフ「え?どちらですか?」

 

青葉「大学生1枚!大人1枚で!」

 

チケットを購入した。

 

青葉「安くなるんだから喜ぶ所じゃん。」

 

ねね「だって同い年なのに青っちだけ高いのもずるいし。」

 

青葉「・・・じゃあ2枚分の代金半分こしてくれる?」

 

ねね「仕方無いなぁ。ちょっとだけ払ってあげる。」

 

 

 

 

 

 

この映画館に優斗と妻の美佳が居た。美佳がチケットを買って来た。

 

美佳「お待たせ〜!」

 

優斗「本当にそれ観たいの?」

 

美佳「ええ!子供向けだと思ってたら負けだよ?」

 

優斗「美佳さんテンション高いな・・・まあでもムーンレンジャー結構面白いしね。ポップコーンかポテトどっち食べる?」

 

美佳「私ポップコーン食べたい。優斗君は?」

 

優斗「俺はポテトにする。」

 

 

 

 

 

 

その頃青葉とねねはポップコーンに目を付けた。

 

ねね「ポップコーン!ポップコーンも買う!」

 

青葉「塩味とキャラメル味と、季節限定のバナナキャラメル味・・・?」

 

ねね「美味しそう!」

 

青葉「え・・・そう?塩味とメロンソーダ下さい。」

 

ねね「保守的だなぁ。」

 

バナナキャラメル味を食べると。

 

ねね「バナナキャラメル味すっごい甘ったるい・・・」

 

青葉「名前からしてそうじゃん。」

 

スタッフ「小さいお子様には特典のスティックライトをお配りしています!はいどうぞ。」

 

女の子「ありがとー!」

 

ねね「あ・・・あれは欲しい!欲しいけど貰えない!大人だから!」

 

青葉「ねねっちなら貰えるんじゃな~い?」

 

女性スタッフ「はいどうぞ。」

 

ねね「良いの!?」

 

女性スタッフ「もちろんです。」

 

青葉(本当に貰えてる。)

 

女性スタッフ「そちらのお客様もどうぞ。」

 

青葉「え!?私も!?」

 

ねね「あははは!」

 

 

 

 

 

 

シアター内に着いたが、青葉は不機嫌だった。

 

青葉「何か納得がいかない・・・」

 

ねね「これ上映中に振ってムーンレンジャーを応援するんだよ!」

 

青葉「へぇ〜そうなんだ。」

 

ねね「今日はあおっちが居てくれて良かった~。」

 

青葉「え?何で?」

 

ねね「だってムーンレンジャーの映画見ようって友達を誘いでもしたら更に子ども扱いだもん!」

 

青葉「自覚はあるんだ・・・そこまでして見るほど魔法少女ムーンレンジャーって面白いの?」

 

ねね「勿論!子供向きだからってバカに出来ないよ!これからのブームになるんだから!あおっちの会社ってこういうアニメ好きな人はいるの?やっぱゲームばっかりしてる感じ?」

 

青葉「そんな事はないと思うけど・・・机にフィギュアいっぱい飾ってる先輩なら好きそうかな?」

 

ねね「え?会社の机でしょ?」

 

青葉「もうおもちゃだらけで凄いんだから。」

 

ねね「その先輩ここにいたりして。」

 

青葉「まっさか〜!」

 

だがその本人であるはじめが居た。青葉とねねの後ろの座席に座っていてくしゃみをしていた。

 

 

 

 

シアター内に入った優斗と美佳は一番後ろの座席に座ってた。

 

優斗「お客さん増えてきたなぁ。流石ムーンレンジャーだ。」

 

美佳「ねぇ優斗君。」

 

優斗「何?」

 

美佳「もし私達の間に女の子が出来たらムーンレンジャーを見せてあげようかな?って思ってるけど。」

 

優斗「急に話が飛んだね。でも良いかもね。」

 

美佳「私、絶対に女の子を産むんだから。」

 

優斗「ああ。応援してるよ。」

 

 

 

 

一方青葉はポップコーンを切らしてた。

 

青葉「あ、もう無くなっちゃった・・・」

 

ねね「早いよ。私のちょっと分けてあげる。」

 

青葉「本当?」

 

ねね「太りそうだし。」

 

この言葉で青葉が察した。

 

青葉「やっぱいい・・・」

 

ねね「え?何で?」

 

青葉「何でも!あ!始まるよ?」

 

ムーンレンジャーが始まった。

 

 

 

 

 

いよいよクライマックス。

 

筋肉大佐『来たなムーンレンジャー!』

 

子供達『助けてー!!』

 

ムーンレンジャー『子供達を悲しませるなんて私が絶対許さない!メガ粒子レクイエムシュート!』

 

筋肉大佐『うわ~!たまらん〜〜!』

 

 

 

 

 

 

上映終了。

 

ねね「あ~今作も面白かった~!」

 

青葉「私ちょっと感動しちゃった・・・ライトも振っちゃった。」

 

ねね「メガ粒子レクイエムシュート!」

 

青葉「違うよ。メガ粒子レクイエムシュート!」

 

みう「あはは!どっちも似てな~い!」

 

だが、ゆんの妹のみうに見られて笑われて逃げた。

 

ゆん「メガ粒子レクイエムシュート!」

 

どうやらゆんも来ていたようだ。

 

 

 

 

 

そして青葉とねねはグッズ売り場に来た。

 

青葉「でも本当に面白かったからパンフくらい欲しいな~。流石に恥ずかしいかな・・・」

 

ねね「あおっちは何も買わないの?」

 

既にねねはグッズを持っていた。

 

青葉(頼もしいな。でもやっぱちょっと恥ずかしいし・・・)

 

ねね「何赤くなってるの?」

 

青葉「五月蝿い!ねねっちは何買うの?」

 

ねね「パンフとサントラとポスター!と言いたい所だけど、お金が無いからパンフだけかなぁ・・・」

 

青葉「この間初お給料が入ったんだ。貸しといてあげようか?」

 

ねね「・・・いい!友達同士の貸し借りは友情の破綻の原因なんだよ!」

 

青葉「随分と難しい事を・・・でもそう言う所心配してくれてるんだよね。嬉しいな。」

 

ねね「と・・・当然でしょ!グッズに比べたら・・・グッズも欲しいけど・・・で・・・でも代わりにあおっちが今買ってさ。私のお金が貯まったら取りに行ってあげて良いよ。」

 

青葉「え~。それで取りに来なかったら友情が破綻しちゃうよ?」

 

ねね「それは大丈夫なの!」

 

その後ねねがパンフレットを購入した。

 

青葉「ん?」

 

すると青葉が誰かを発見した。ベンチに座ってる優斗と美佳だった。

 

青葉「優斗さんだ。」

 

優斗を見付けて走り出した。

 

ねね「ちょっとあおっち!?」

 

 

 

 

 

 

 

青葉「優斗さーん!」

 

優斗「あれ青葉さん?奇遇だね。映画観に来てたの?」

 

青葉「はい。幼馴染みと一緒に。優斗さんも?」

 

優斗「そう。妻とムーンレンジャー観てたんだ。」

 

美佳「優斗君、この子はもしかして?」

 

優斗「そうそう。今年入社した新人の涼風青葉さんだよ。青葉さん、隣に居るのはお友達?」

 

青葉「あ!はい!幼馴染みの桜ねねです。」

 

優斗「そうだったのか、初めましてねねさん。俺は相葉優斗。青葉さんの先輩だ。」

 

ねね「は、初めまして!凄く格好良い・・・」

 

青葉「所で優斗さん、その方は?」

 

優斗「おっと!初対面だったね。美佳さん、自己紹介して?」

 

美佳「うん。初めまして。相葉美佳と申します。何時も夫の優斗君がお世話になっております。」

 

青葉「え!?この方が優斗さんの奥さん!?」

 

優斗「そうだよ。因みに俺より年上だけどね。」

 

美佳「うふふ。」

 

青葉「は、初めまして!涼風青葉です!」

 

美佳「うん!宜しくね!」

 

青葉「凄く綺麗な人だなぁ〜・・・」

 

美佳「ありがとね青葉ちゃん。」

 

優斗「美佳さん、次何処へ行く?」

 

美佳「秋葉原まで一っ飛びして。」

 

優斗「分かった。じゃあね青葉さん、ねねさん。」

 

2人は去って行った。

 

青葉「優斗さんって凄い人だなぁ・・・」

 

ねね「あれ〜?あおっち惚れた〜?」

 

青葉「ほ!惚れてなんかないもん!」

 

 

 

 

 

 

 

休日が終わって翌日。

 

コウ「今日から青葉の仕事はソフィアちゃんの3Dモデル製作ね。ソフィアちゃんはイベントにも登場する重要NPC扱いだから村人より少し豪華に作る事。」

 

青葉「豪華?」

 

コウ「ゲーム画面に一度に表示出来る総データ容量は決まってるから、重要度に合わせて密度を調整してるんだよ。」

 

青葉「でも死んじゃうんですよね・・・ソフィアちゃん・・・」

 

コウ「そこは・・・どうしようもない。」

 

りん「コウちゃん。そろそろ会議よ。」

 

コウ「ああ了解。」

 

2人が用具を持って会議に行こうとすると、青葉は2人を見た。りんはきっちりしてるが、コウはテキトーだった。

 

青葉(私が目指すべきはどっちなんだろう・・・)

 

コウ「何か変な事考えてるだろ?」

 

 

 

 

 

 

2人は会議へ行った。青葉は席に座った。

 

青葉「会議って何してるんでしょうね?」

 

ゆん「あれ?青葉ちゃん知らんの?議事録はパソコンから見れるで。」

 

青葉「え!?初耳です!」

 

はじめ「まぁ、各リーダーとかディレクターが集まって問題ないか話してるんだよ。」

 

青葉「問題があったらどうなるんでしょうね?」

 

はじめ・ゆん・優斗・大輝「え!?」

 

はじめ「発売・・・中止とか?」

 

青葉「え!嫌です!」

 

ゆん「そうそうあらへんから・・・」

 

発売中止あります。

 

大輝「なぁ優斗、お前発売中止のゲーム何か知ってるか?」

 

優斗「あったな。スターフォックス2、カービィのエアライドの64版、コロコロカービィGC版、星のカービィGC。」

 

 

 

 

 

 

はじめ「じゃあ飯島君。進捗はどうかね?」

 

突然はじめが上司気分になってる。

 

ゆん「何や突然?」

 

はじめ「会議だよ会議!」

 

ゆん「・・・しっかり週1ペースでモンスターを作ってます。じゃあ篠田君は・・・」

 

はじめがウズウズしている。

 

ゆん「いや、自分から振る言う事はおもんんなさそうやから良えわ。」

 

はじめ「ちょ!?」

 

ゆん「青葉ちゃんはどうなん?」

 

青葉「いや・・・先にはじめさんに聞いてあげた方が良いんじゃ・・・」

 

先にはじめに進捗を聞く。

 

はじめ「・・・と言う訳で順調だよん。」

 

ゆん「はい。青葉ちゃんはどうなん?」

 

はじめ「ノーリアクションって!それでも関西出身か!」

 

今度は青葉に進捗を聞く。はじめは不機嫌な顔をしている。

 

青葉「私はちょっと遅れちゃいましたけど、キャラデザのOKが出たので今日からモデリング作業です。」

 

ゆん「青葉ちゃんは遅れも報告するえ良え子やな。」

 

微笑んで青葉を撫でる。

 

青葉「はじめさんからの嫉妬の目線が・・・」

 

はじめ「ちゃうわ!」

 

青葉「じゃあひふみ先輩は順調ですか?」

 

ひふみ「・・・キャラ班の残りキャラ数と・・・残り日数が・・・合ってないのが・・・怖いです。」

 

青葉・ゆん「ええ!?」

 

問題発生した。

 

青葉「・・・あ!じゃあ大輝さんは順調ですか?」

 

大輝「ええ。現在は敵キャラのCG製作が快調しております。この調子で進んじゃいます!」

 

優斗「お前急にノリに乗ってるな。」

 

ゆん「優斗さんはどうです?」

 

優斗「俺は今VFXで爆発を制作しています。今回も神ゲーを作りたいと思っています。」

 

 

 

 

 

 

その頃会議では問題が発生していた。

 

コウ「うわぁ・・・本当だ・・・こりゃ忙しくなるなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

その後2人は会議から戻った。

 

りん「ごめんなさい!私の計算ミスなの・・・キャラ班にはお泊りか土日どちらか来て貰う事になると思うけど・・・」

 

コウ「因みに会社命令の休日出勤は有給が増えるのでちょっとお得です!」

 

ゆん「そんな悠長な・・・ほんならうちは休日に来ます!」

 

ひふみ「私も・・・」

 

コウ「青葉は?」

 

青葉「有給って何ですか?」

 

コウ「そこからかよ!」

 

優斗「キャラ班って大変なんだなぁ。りんさんとコウさんの苦労が改めて分かった気がする。」

 

大輝「何の!俺達エフェクト班も負けてられるかっってんだ!」

 

優斗「何で張り合ってるんだおい?」

 

 

 

 

 

 

その夜。青葉が泊まる事となった。

 

青葉「買って来ました!寝袋!」

 

コウ「早速やる気だな・・・泊まりも休日出勤もだなんて。」

 

青葉「最初だけですよ。ソフィアちゃんは時間かけたいので!ついでに着替えもあります!」

 

コウ「楽しそうだけどこれ残業だからな?」

 

青葉「はい!」

 

コウ「夜中は自分の席の天井以外は電気を消す事。」

 

青葉「はい!」

 

電気を消灯する。恐る恐る見渡す。すると。

 

コウ「わ!」

 

青葉「わああ!!!」

 

後ろからコウが脅かした。怒った青葉はトイレの個室で着替える。

 

青葉「もう・・・ああいう所がなければ、八神さん尊敬出来るのに・・・」

 

 

 

 

 

 

着替えてトイレの個室から出て来た。

 

コウ「うわ!誰かと思った!ん?・・・ラフな格好も可愛いじゃん。」

 

可愛いと言われた青葉が怒ってトイレから出た。席に座って仕事をする。

 

青葉「よし!お仕事頑張るぞ!」

 

 

 

 

 

 

1時間経過。頑張って仕事してる。

2時間経過。途中で止まった。

3時間経過。欠伸をする。

4時間経過。遂に寝てしまった。

 

 

 

 

 

 

コウ「青葉!青葉!」

 

そこにコウが起こした。

 

青葉「はっ!ここ何処!?」

 

コウ「会社だよ。寝袋あるならそっちで寝な。体痛めるよ?」

 

青葉「ああ、そうでした。」

 

コウ「私もそろそろ寝るから・・・おやすみ〜・・・」

 

青葉「おやすみなさい。」

 

そして青葉も寝る準備をする。袋から寝袋を取り出した。

 

青葉「じゃーん!くまさん寝袋!」『くまー!』

 

くまさん寝袋に入って寝る。

 

青葉(職場で寝るって何か不思議だなぁ。それに何時もと違う景色が見えて面白い・・・)

 

 

 

 

 

 

寝ようとするが、はじめのフィギュアやゆんの飾りが気になって寝られない。

 

青葉(誰かに見られてるようで落ち着かない)

 

起きてコウを起こしに行く。コウは熟睡している。

 

青葉「八神さ~ん・・・八神さ~ん・・・」

 

コウ「ん・・・?」

 

突然起こされて目を開けると。

 

青葉「寝れませ~ん・・・」

 

コウ「うわあああああああああ!!!!」

 

目の前にくまが現れた事にビックリして叫んだ。

 

コウ「な、何だそれ・・・?」

 

青葉「くまさん寝袋です・・・」

 

コウ「眠れないならここで一緒に寝るか会議室が個室になるからそこで寝れば・・・」

 

青葉「会議室で寝て来ま〜す・・・」

 

コウ「はい、おやすみ・・・」

 

青葉は会議室で寝る。

 

 

 

 

 

 

そして翌朝。コウは起きた。その後社員達が出社する。コウはコーヒーを飲んでる。そこにりんが出社した。

 

りん「おはよう。青葉ちゃんは朝食?」

 

コウ「ん?・・・あ!!」

 

青葉はまだ会議室で寝ている。会議室へ行って青葉を起こしに行くが、鍵が掛けられてる。

 

コウ「青葉!起きろ!皆出社して来てるぞ!」

 

だが青葉は気持ち良さそうに熟睡中だった。

 

 

 

 

 

 

そしてその後、青葉とはじめがある話をした。

 

はじめ「へぇ〜!青葉ちゃん魔法少女ムーンレンジャーの映画観に行ったんだ。」

 

青葉「はい!幼馴染みに誘われて。」

 

はじめ「私も行ったんだよ!ヒーローショーの後に!」

 

青葉「そうだったんですか!?」

 

大輝「ヒーローショーって事はシグナルスリー?」

 

はじめ「そうなんですよ!メガ粒子レクイエムシュート!」

 

青葉「え~。こうですよ。メガ粒子レクイエムシュート!」

 

ゆん「どっちも似てないなぁ・・・うっ!」

 

思わず口を出してしまったゆんが口を塞ぐ。

 

はじめ「え?もしかして・・・ゆんも行ったの?ムーンレンジャー。」

 

ゆん「弟と妹が行きたい行きたいって五月蝿いから仕方無くな・・・」

 

はじめ「仕方無く?本当に~?」

 

ゆん「ほんまや!」

 

その証拠にゆんのカバンの中に、特典のスティックライトがこっそり入ってた。

 

青葉「あ!優斗さんもムーンレンジャー観に行ってましたよね?」

 

優斗「そうなんだよ。妻が観たいって言っててさ。でも面白かったよ。」

 

青葉「優斗さんの奥さん凄く綺麗でしたよ。」

 

優斗「ありがとね青葉さん。」

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝日奈丸佳

      青葉の母:山村響
      相葉美佳:榎本温子
  れん(ゆんの弟):松田利冴
  みう(ゆんの妹):川上千尋
 シグナルスリー・赤:濱野大輝
        子供:貫井柚佳
      筋肉大佐:木内太郎

ゆん「ムーンレンジャーって流行ってるん?」

はじめ「勿の論だよ!私のSNSなんて毎日その話題で持ち切りでさぁ〜!」

ゆん「それ同じ趣味の人ばかりフォローしとるからやろ?」

次回「新人の教育はしっかりしてください」


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7話「新人の教育はしっかりしてください」

ある日、青葉は仕事に集中している。そこに。

うみこ「お疲れ様です涼風青葉さん。」

青葉「あ、はい?」

プログラマーのうみこが来た。

うみこ「プログラムチームの者ですがあなたのNPCからエラーが出ています。」

青葉「あ、すみません。」

うみこ「調べたら単純ミスな物ばかりなんですが、何体もあって凄く困るんですけど。」

青葉「す・・・すみません!」

うみこ「これ・・・重要NPCですか?」

青葉「はい!今完成したばかりです。」

うみこ「凄く可愛いですね。」

青葉「ありがとうございます!」

うみこ「でもこれもエラーが出ています。凄く困るんですけど。」

青葉「エラー!?何処に・・・」

うみこ「ここ。エラーとその内容が書いてあるでしょう。」

画面左下にエラーが表示されてあった。

青葉「あ!本当だ。」

うみこ「これはゲーム画面と同じなので、ここに警告が出ないようにして下さい。」

青葉「表示出来てるからてっきり大丈夫かと・・・」

うみこ「今まで誰も注意してくれなかったんですか・・・?」

青葉「八神さんは特に何も・・・」

うみこ「チッ・・・あいつ・・・!」

舌打ちして怒りが高まった。

青葉「ええ!?」


うみこ「些細なエラーが大きなエラーに繋がる事もあるんですよ。」

 

青葉「ごめんなさい・・・ここにエラーが出てる以上気付かなかった私の責任です。すぐ直しますので。」

 

うみこ「当然です。さっさと直して下さい。相変わらずグラフィッカーは見た目しか気にしないから・・・」

 

落ち込んでる青葉を見てうみこはドキッとした。

 

うみこ「ま・・・まぁ直していただければそれで構いません。エラーをリストに纏めておきましたので修正出来たらご連絡を。」

 

エラーリストを置く。

 

青葉「分かりました。あの、何度かお会いしてますよね。改めてお名前伺っても良いですか?」

 

うみこ「うみこです・・・」

 

青葉「うみこっていう苗字なんですか?」

 

するとうみこがそっぽ向いた。

 

青葉「ご、ごめんなさい!」

 

うみこ「あ・・・は・・・です・・・」

 

青葉「あはさん?」

 

優斗「ふぅ〜。あれ?うみこさん?」

 

そこに優斗がトイレから戻って来た。

 

うみこ「あ、相葉さん。」

 

優斗「お疲れ様です。どうしたんですか?」

 

うみこ「い、いえ・・・」

 

青葉「優斗さん、うみこさんの苗字って何ですか?」

 

優斗「え?いやそれ言ってしまったら・・・」

 

青葉「ん?」

 

そこにコウがうみこを見付けた。

 

コウ「あ!阿波根だ!」

 

優斗「あ。」

 

するとうみこがハンドガンでコウにヘッドショットした。

 

コウ「うわ!!」

 

勿論エアガンである。

 

青葉「八神さん!?」

 

優斗「コウさん!」

 

うみこ「苗字で呼ぶなと何時も言ってるでしょう!」

 

コウ「だって阿波根って苗字見た目と合ってるよ・・・」

 

うみこ「合ってませんよ!」

 

エアガンを連射してコウの頭に全て命中した。

 

コウ「ゴーグル無い人撃つな~!」

 

優斗(あのハンドガン、ガスガンじゃねえのか?)

 

青葉「阿波根さん、変わった苗字ですね。」

 

うみこ「こう書きます。沖縄出身なので。」

 

紙に阿波根と書いた。プログラマーの『阿波根うみこ』。

 

青葉「へぇ〜。」

 

うみこ「でも涼風さんも、う・み・こと呼んで下さい。良いですね?」

 

紙をくしゃくしゃにして物凄い威圧を放つ。

 

青葉「は・・・はい・・・」

 

うみこ「コウさんも新人の教育はしっかりしてください。皆に迷惑が掛かるんですからね。失礼します。」

 

ハンドガンを仕舞って仕事に戻って行く。青葉は落ち込んだ。

 

コウ「落ち込むなって。私も悪いんだし。あれでも良い人だよ阿波根。言い過ぎたって落ち込んでるんじゃないかな今頃。」

 

青葉「え?」

 

 

 

 

 

 

そしてその言葉が的中した。

 

うみこ「言い過ぎた・・・涼風さん結構怯えてましたし絶対嫌われましたよね・・・そう言えば反省してるお猿さんみたいでしたね・・・何を考えてるんですか私は・・・でも本当にお猿さんならおもちゃか餌付けをすればご機嫌直してくれますよね・・・飼った事はないですけど。」

 

自分の席には、多くのモデルガンが飾られてた。

 

 

 

 

 

 

その頃皆はティータイムをしていて、青葉はエラーの修正をしている。

 

ゆん「そっか。青葉ちゃんうみこさんに叱られてもうたんか。」

 

青葉「仕方無いです。エラーに気付かなかったのが悪いんですから。でも銃で撃たれなくて良かったです。」

 

ゆん「うみこさんってそんな無闇に人撃ったりせーへんよ。怒らせるような事したら出来やけど。」

 

青葉「阿波根って苗字は珍しいですね。」

 

優斗「そうだね。実際沖縄県民は珍しい苗字が多いし、うみこさんは苗字で呼ばれると不機嫌になるからね。大輝は最初苗字で呼んで怒らせてヘッドショットされたよな。」

 

大輝「ああ、何発喰らったのか数えたくもねえよ。」

 

はじめ「てかあのコレクション凄いよね!」

 

ゆん「あ〜、ちょっとあんたと通じる所あるかもな。うみこさん。ちょっぴり短気そうなのは確かやね。聞いた話やけど去年の健康診断で看護士さんが注射に戸惑ってたら焦れて自分で注射しようとしたって。」

 

大輝「俺も聞いた事あるぜ。まるで軍人みたいだったって。」

 

青葉「いくら何でもそれはデマじゃ・・・」

 

はじめ「噂って大きくなりがちだし・・・」

 

ひふみ「あながち・・・ただの・・・噂じゃ・・・ないかも・・・」

 

しずく「私も滝本君に賛成だな。」

 

青葉・ゆん・はじめ「葉月さん!?」

 

優斗・大輝「しずくさん!?」

 

忽然としずくが混じってた。

 

しずく「うみこ君ならそれくらいすると思うよ。」

 

青葉(またこの人は忽然と・・・)

 

大輝(あなたは忍者か何かですか?)

 

しずく「モデルガンを撃つのは勘弁して貰いたいけど、ああ言うしっかりしたスタッフが居てくれると心強いものだよ。」

 

 

 

 

 

 

ティータイムを終えて仕事に戻る。再びそこに。

 

うみこ「涼風さんお疲れ様です。」

 

青葉「あはご・・・うみこさんお疲れ様です。」

 

うみこ「早速修正していただいてありがとうございます。ばっちりです。」

 

青葉「本当ですか?良かった~。」

 

笑顔の青葉を見て顔を赤くした。

 

うみこ「それで・・・さっきは少し言い過ぎてしまったのでお詫びを。」

 

青葉(本当に気にしてたんだな・・・)

 

うみこ「私の宝物の一つなんですが、是非受け取っていただけると嬉しいです。」

 

青葉「そんな!悪いのは私ですし、申し訳ないです!」

 

うみこ「いえ、気にしないで下さい。」

 

青葉「でも・・・」

 

うみこ「どうぞ。」

 

青葉(な、何これ・・・?)

 

取り出したのは薬莢だった。

 

うみこ「あー、散弾銃の空薬莢です。本物なんですよこれ。」

 

優斗(本物の薬莢持ってるんですかい!?)

 

大輝(どんだけ〜!?)

 

うみこ「これ凄いでしょ?地元のアメリカ兵さんに頂いた物で貴重って程でもないんですが、火薬の香りが少し残っていて興奮してしまいます。ああ失礼しました。私ったら。どうぞ。」

 

空薬莢を青葉に差し出す。青葉は戸惑ってる。

 

うみこ「・・・どうぞ。」

 

青葉「・・・あ!どうも・・・」

 

戸惑いながら受け取る。

 

うみこ「私のデスクに他にも色々あるので興味があればいらしてください。」

 

青葉「はい。」

 

うみこ「と言っても、本物の銃は持ってないですが。」

 

青葉「持ってたら犯罪ですよ・・・ありがとうございます。大切にしますね。うみこさんってミリタリーが好きなんですね。」

 

うみこ「そうだ。今度サバゲーに参加しませんか?楽しいですよ?」

 

青葉「いや・・・運動神経無さ過ぎなのでちょっと・・・」

 

うみこ「確かに体力は使いますね。銃も軽くはないですし。」

 

青葉「はい。ですから・・・」

 

うみこ「ならばFPSゲームなんてどうでしょう?」

 

青葉「えっと・・・FPSゲームと言うのは・・・」

 

うみこ「一人称視点の銃撃戦ゲームと考えて下さい。それなら初心者でも入りやすい。」

 

青葉「でもそう言うのって運動神経が良くないと無理・・・」

 

うみこ「いやいや。」

 

青葉「私にはちょっと・・・」

 

うみこ「重要なのは操作より立ち位置なので慣れなんです」

 

青葉「でも・・・」

 

うみこ「対人1キルの快感を知ってしまうともうたまりませんよ・・・」

 

青葉(気に入りられてしまった・・・)

 

心の中でそう思う青葉だった。

 

うみこ「それに対人が嫌ならCOOPと呼ばれる協力プレイなんかもあります・・・上手く連携出来た時が気持ちが良いんです。とは言え、最初は上手い人のプレーを後ろから。」

 

青葉(早く帰ってくれないかな・・・)

 

コウ「何何?青葉もサバゲーやるの?」

 

青葉「いえ。お話を聞いてただけで・・・」

 

うみこ「確かに初心者にはハードルが高いかもしれません。しかし私のような経験者が一緒なら・・・」

 

コウ「でもブチギレて敵も味方も攻撃しちゃったりしない?」

 

うみこ「私をどう言う目で見てるんですか!」

 

コウ「ってほら。すぐ怒るし。」

 

うみこ「怒らせるような事言うからでしょう!」

 

そして時間は夜7時13分になった。

 

うみこ「そろそろ就業時間も終わりですね。この際涼風さんにサバゲーの魅力を体感していただきましょう。」

 

青葉「体感・・・?」

 

うみこ「私の秘密訓練場にご案内します。」

 

 

 

 

 

 

そして就業時間が終わり、青葉とコウは屋上に来ていた。

 

コウ「見ろ青葉!夜景が綺麗だ!」

 

青葉「わぁー!何だかワクワクしますね!」

 

優斗「何で俺達までここに来てるんだ?」

 

大輝「うみこさんに誘われて来ちまった。」

 

何故か優斗と大輝も来ていた。うみこさんに呼ばれたからだった。

 

うみこ「何であなたまで居るんですか?」

 

コウ「固い事言わない。私も阿波根の趣味って興味あるし。」

 

うみこ「まあ良いです。別に隠す事の程ではありませんから。」

 

マスクを装備して、軍服に着替えた。

 

うみこ「ようこそ。秘密の訓練場へ。」

 

コウ「なぁうみこ・・・」

 

大輝「ここ屋上ですよね?」

 

うみこ「ちゃんと許可は貰ってます。安心して下さい。」

 

大輝「許可あんのかい・・・」

 

 

 

 

 

 

そして4人も軍服に着替える。

 

コウ「装備OK!」

 

顔にマスクを装備。

 

青葉「あ、あの、宜しくお願いします!」

 

帽子とゴーグル装備。

 

大輝「I'm not gonna make it!(手を貸してくれ!)」

 

バイオハザード5のクリスと同じ装備。

 

優斗「ショータイムだ!」

 

メタルギアソリッド4のスネークと同じ装備。

 

 

 

 

 

 

うみこ「そう。もう少し足を開いて。狙いを定めて、ゆっくり引き金を引きます。落ち着いて絞り込むように。」

 

的に狙いを定めてトリガーを引く。見事命中。

 

青葉「当たった!」

 

うみこ「お見事涼風さん!筋が良いですよ!」

 

青葉「気持ち良いですねこれ!」

 

うみこ「因みに練習すればこんな事も出来るようになりますよ。」

 

ハンドガンを連射する。全弾命中。そして2挺拳銃で連射する。全弾命中。

 

青葉「うわあああ!!!凄ーーい!!」

 

優斗「さて、俺もやるかな。」

 

P90を持って的を狙って連射する。殆ど命中した。

 

優斗「ふぅ〜、結構バランス取らねえと下手したら周りに当たっちまうな。練習すればBB部隊倒せるかもな。」

 

大輝「優斗優斗!俺もやらせてくれ!」

 

今度は大輝が的の前に立って、AK47を連射する。3発命中した。

 

大輝「うっひょー!難しいけどサバゲー面白ぇな!このままウェスカーが出たら面白そうだ!」

 

優斗「見事にバイオハザード気分だなお前。ウェスカー出たらヤバイだろ。」

 

コウ「そんぐらいなら私にも出来そうだな。」

 

うみこ「おや?仰いましたね。」

 

コウ「仰いましたとも!やってみるから貸して。」

 

うみこ「う〜ん、ただ貸すだけじゃつまりません。こう言う趣向はどうでしょう?」

 

コウとうみこが背中合わせで立つ。

 

青葉「あの・・・危なくないですか?」

 

優斗「早打ち勝負か。」

 

うみこ「西部劇スタイルの決闘です。柔らかいペイント弾だから危険はありません。」

 

コウ「おお!!こう言うの1回やってみたかったんだー!」

 

うみこ「行きますよ。」

 

コウ「良いよ!」

 

大輝「さてどっちが勝つんだ?」

 

うみこ・コウ「1、2、3、4、5。」

 

コウ「6、7。」

 

うみこ「8。」

 

コウ「9。」

 

2人「10!!」

 

同時に発砲した瞬間、後ろに倒れて避けた。

 

うみこ「逃げたら当たらないでしょ!」

 

コウ「逃げなきゃ当たっちゃうじゃん!」

 

その後も勝負が続く。

 

青葉「仲良いのかな・・・悪いのかな・・・?」

 

 

 

 

 

 

そして1週間が過ぎて、病院で健康診断。女子更衣室では。

 

看護士A「それではこの検査着に着替えましたらロビーでお待ち下さいね。」

 

青葉「会社の健康診断って病院でやるんですね!バリウム初体験なんですよ~!ドキドキです!」

 

はじめ「あれ?バリウムなんてあったっけ?」

 

ゆん「若い内はそう言うの無いで。」

 

青葉「な〜んだ・・・」

 

はじめ「いや無い方が良いでしょ!!やった事無いけど・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃男子更衣室では、2人が青色の検査着に着替えていた。

 

大輝「なあ優斗、バリウム検査って何歳からだっけ?」

 

優斗「バリウム検査は30代から40代。俺達はまだ20代だから大丈夫だ。」

 

大輝「そっか〜。」

 

優斗「まあお前結構飲酒してるから問題あったらヤバイかもな。」

 

大輝「うぐっ!俺は気を付けてるぞ!依存症にならない為にも。」

 

優斗「もし依存症になったら俺がお前に喝をプレゼントしてやるからな。」

 

 

 

 

 

 

その頃女子更衣室では、皆ピンクの検査着に着替える。

 

ゆん「あ!青葉ちゃんのブラ可愛えな。何処の?」

 

青葉「え?何処だろう・・・ブランドとか気にしなくて。」

 

ゆん「何処かに書いてない?」

 

青葉「う〜ん、あ!これかな?」

 

はじめ(ああ言う会話は何と無く苦手だ・・・なっ!!この検査着薄いな!パッドもないし胸の形が・・・)

 

ひふみの胸を見る。

 

はじめ「うわあ!!」

 

顔を赤くしながら見る。

 

青葉「よし!準備完了!」

 

今度は青葉とゆんを見る。

 

はじめ「良いね2人は・・・」

 

 

 

 

 

 

その後着替えて出て来た。同じく男子更衣室から優斗と大輝も出て来た。そして聴力検査、視力検査、レントゲンを終えてロビーに戻った。

 

青葉「あ!遠山さん!」

 

りん「お疲れ様。」

 

青葉「って!八神さん!どうしたんですか!?」

 

コウがりんの膝の上で苦しそうに寝ていた。

 

優斗「りんさん、コウさんに何かあったんですか?」

 

りん「採血で自分の血を見たら気分が悪くなったみたいで。」

 

大輝「そうですかぁ。」

 

コウ「違う・・・それだけじゃない・・・気を付けろ・・・あの・・・看護士・・・に・・・」

 

大輝「コウさんしっかり!!」

 

青葉「どど、どどどう言う事ですか・・・!?」

 

看護士「滝本さん。」

 

ひふみ「え!?あ、はい・・・」

 

 

 

 

 

 

看護士「まずは血圧を測って、そのまま採血しますね。」

 

血圧計に右腕を入れる。ひふみはぎこちなかった。

 

看護士「大丈夫。落ち着いて。」

 

ひふみ「あ、はい・・・」

 

看護士「まずは深呼吸しようか。」

 

ひふみ「・・・ひっひっふー・・・ひっっひっふー・・・」

 

青葉「ひふみ先輩、それは違います・・・」

 

優斗「出産の掛け声だろあれ・・・」

 

するとそこに。

 

山田「す・・・涼風さん!」

 

青葉「あ、はい!」

 

山田「ま・・・まず血圧を測ってそのまま採血しますので・・・!」

 

青葉「あ、はい!」

 

大輝(コウさんが言ってた看護士ってこの人の事か〜。)

 

青葉が右腕を血圧計に入れる。

 

山田「き・・・緊張すると血圧が上がってしまうので・・・まずは深呼吸しましょう!」

 

青葉「わ・・・分かりまし・・・」

 

山田「私はまだ経験は浅いですが教科書は暗記してますので安心して下さい!」

 

青葉(この人の事かー・・・)

 

心の中でそう確信した青葉だった。

 

山田「あ、はい・・・血圧はこれで大丈夫です・・・」

 

青葉(絶対高い気がする・・・)

 

立ち上がった瞬間転んでしまった。

 

山田「で・・・では次は採血を・・・」

 

青葉「ちょ!ちょっと待って下さい!一度落ち着きましょう!」

 

山田「そ・・・そうですね・・・」

 

青葉「深呼吸です深呼吸・・・」

 

山田「ひっひっふー・・・ひっひっふー・・・ひっひっふー・・・」

 

青葉(移った!?)

 

山田「はぁ・・・すみません・・・先程目の前で倒れられた方がいて、少し緊張してしまって・・・」

 

青葉「はい・・・多分それ私の上司だと思います。」

 

山田「・・・そうなんですか。申し訳ない事をしました。血管の細い方で何度も刺す事になってしまい・・・でも大丈夫です。血管が浮いて来ました。これなら行けます・・・」

 

注射器を持つ。

 

山田「では・・・!」

 

注射器を刺す。

 

山田「終わりました・・・」

 

2人はお互いにホッとした。

 

はじめ・ゆん・大輝(おばさんの方に呼ばれますようにおばさんの方に呼ばれますように!)

 

看護士「ちょっと席外すけど一人で大丈夫よね?」

 

山田「あ、はい。大丈夫です。」

 

その願いが潰えてしまった。

 

青葉(大丈夫かな・・・)

 

するとうみこが青葉の肩に手を置く。青葉が振り向いた瞬間に指を指す。

 

うみこ「隙だらけですよ。」

 

青葉「突然やめて下さい・・・」

 

そしてその後3人無事に終わった。

 

ゆん「終わった〜。」

 

はじめ「そんなに痛くなかったね。」

 

大輝「ちょっと不安だったけどな〜。」

 

青葉「お疲れ様でした。」

 

山田「そ、それでは・・・なにね?あわね?」

 

うみこ「阿波根うみこです・・・!」

 

優斗(うみこさん、そこだけは許してあげても・・・)

 

山田「でででで・・・では!血圧を測った後採血を・・・!え・・・えっと・・・あれ?これどうするんだっけ・・・?ああそっか!教科書に書いてあった通りに・・・つつつ次は採血です!心の準備は宜しいですか・・・?」

 

うみこ「ちょっと待って下さい・・・あなたの言動を見ていると、不安が詰まります・・・本当に大丈夫ですか・・・?」

 

山田「だ、大丈夫ですよ!教科書は暗記して・・・ってあれ?色黒の方って初めてなので血管が・・・」

 

うみこ「ええい焦れったいですね!!」

 

注射器を取った。

 

うみこ「私が自分でやります!!」

 

自分で採血をする。

 

山田「わあああああ!!!!それは絶対ダメですーーーー!!!」

 

青葉・ゆん・はじめ・大輝(デマじゃなかった!)

 

そして採血完了。

 

青葉「何事もなくて良かったですね。」

 

ゆん「ほんまに。」

 

うみこ「何かあったら困ります。」

 

山田「では・・・相葉さん・・・」

 

優斗「はい。」

 

最後は優斗が検査を受ける。血圧計に右腕を入れる。

 

はじめ「優斗さん大丈夫かな・・・?」

 

注射器を持つ。少し震えてるが、採血完了。

 

山田「終わりました・・・」

 

優斗「ありがとうございました。」

 

採血が終わって戻る。

 

大輝「お前怯えなかったな。」

 

優斗「ああ言う新人さんは何処でも居るからな。」

 

ゆん(でも、本番はこれからや・・・!)

 

 

 

 

 

 

そして次は身体測定。

 

看護士A「ウエスト測りますね。」

 

ゆん(ダイエットと昨日の絶食の成果!)

 

看護士A「次の方どうぞ。」

 

次はゆんの番。

 

ゆん「お願いします!」

 

腹を出して腹を引っ込める。

 

看護士A「もう良いですよ。」

 

そして腹を戻す。

 

看護士A(はい。ここっと。)

 

そしてゆんはルンルンしながら喜んだ。

 

看護士A「引き締まって綺麗なウエストですね!」

 

はじめ「そうですか?どうもです。」

 

看護士A「運動とかされてるんですか?」

 

はじめ「ちょっとだけ。でもそんな努力してないんですけどね。」

 

するとゆんが不機嫌になった。

 

青葉「本当だ。はじめさんのお腹綺麗!」

 

はじめ「ちょ、くすぐったいよ。」

 

ゆん「はじめ。う・・・うちも触ってかまへん?」

 

はじめ「え?良いけど。」

 

腹を触るゆん。

 

ゆん「認めたるわ!!」

 

はじめ「何を?」

 

看護士A「あなたのウエストも綺麗ですね~。あ!腹筋もしっかりしてる。」

 

うみこ「ありがとうございます。日頃から鍛錬してますから。」

 

看護士A「日頃の鍛練って・・・やっぱり?」

 

うみこ「はい。サバゲーです。プログラマーチームはしばしばハードワークになりますからそれに負けない健康的な体を維持しないと。」

 

青葉「何かプロフェッショナルって感じで格好良いです!」

 

次は大輝のウエストを測る。

 

看護士A「綺麗ですね。でも去年より少し太りました?」

 

大輝「え!?マジですか!?あっちゃ〜・・・日頃飲み食い過ぎたかも・・・」

 

看護士A「今度から気を付けて下さいね。」

 

大輝「はい・・・努力します・・・」

 

そして最後は優斗のウエストを測る。。

 

看護士A「あなたのウエスト引き締まってますね。」

 

優斗「そうですか?」

 

看護士A「日頃運動とかされてるんですか?」

 

優斗「そうですね、アウトドア派なので多分そのお陰だと思います。」

 

するとそこにしずくが戻って来た。苦しそうな表情をしていた。

 

青葉「葉月さん。どうしたんですか?」

 

しずく「バリウム飲んでね・・・慣れてないもんだから・・・」

 

優斗「ありゃりゃ〜、それはそれは。」

 

しずく「うみこく~ん。膝枕して貰えないか?君のハリのあるふ・と・も・もで~。」

 

するとハンドガンを取り出して銃口を顔に向けた。

 

うみこ「撃ちますよ?」

 

大輝(しずくさんに対しては容赦無しだなぁうみこさん。)

 

 

 

 

 

 

その頃りんはドラマを観ていた。

 

男子『こうしてると、とても落ち着くよ。』

 

女子『私も。』

 

りん「あ!ち、違うの!これはそう言うんじゃなくて・・・」

 

だがコウは気持ち良さそうに寝てる。

 

 

 

 

 

 

そしてやっと健康診断が終わった。全員着替えて病院から出た。

 

コウ「良く寝た~。何か食べて帰ろうか。もうお腹がぺこだよ。」

 

はじめ「良いですね!ごちそうになります!」

 

大輝「一杯食べましょうよ!」

 

コウ「誰も奢るなんて言ってないし!」

 

ゆん「うちはカロリー控えめな所が良えです!」

 

優斗(ゆんさん、またリベンジするのか。)

 

しずく「私は会議があるから先に戻ってるよ・・・」

 

りん「残念だけど私も。今月のスケジュールの確認があるの。」

 

コウ「スケジュールか~。そろそろアルバイトも入ってくる時期だな。」

 

優斗「もうそんな時期かぁ。」

 

青葉「アルバイト?」

 

コウ「デバッグ要員とか。社員だけだと足りないから。」

 

うみこ「これからマスターアップに向けてさらに忙しくなりますよ。なので暇のあるうちにサバゲーの体験を。」

 

青葉「だからそれは・・・遠慮しますってば~!」

 

 

 

 

 

 

その夜、青葉がねねに健康診断の話をした。

 

ねね『へ~。会社で健康診断なんてやるんだ。身長伸びた?』

 

青葉『そんなに変わってなかったかな。ねねっちの方は?』

 

ねね「もうすぐテストだから準備で大変だよ~。これを乗り切れば夏休みだけど!」

 

青葉「夏休みか~。会社の夏休みってどれくらい貰えるんだろう。」

 

ねね「そんなに休めなさそう?」

 

青葉「うん。アルバイトを補充しないといけないって聞いたし・・・でも日曜とかなら大丈夫だからまた遊びに行こう!」

 

通話終了。

 

ねね「あおっち頑張ってるな~。会社で働くってどんな感じなんだろう?」

 

後にねねはそれを体験する事となる。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨

        山田:藤田咲
       看護士:和久井優
           天野真実
        男子:木内太郎

うみこ「お疲れ様です。涼風さんは健康診断の結果はどうでしたか?」

青葉「オールAでした!」

うみこ「でも、無理な働き方はいけませんよ?」

青葉「気を付けます!では次回!」

ねね「夏休みだぁああ!!」

うみこ「誰ですか今の声・・・?」

次回「夏休みだぁああ!!」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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8話「夏休みだぁああ!!」

ある夏のとある大学に予鈴が鳴った。

ねね「やったー!テスト終わったー!夏休みだぁああ!!」

テストが終わり夏休み突入。ねねはテンションMAXになってた。





大学から出て青葉に電話する。

ねね「あ。もしもしあおっち。そっち夏休みどれくらい?」

青葉「あ、う・・・」

ねね「凄いんだよ大学!夏休み2ヶ月もあるんだって!良いでしょ〜?フフーン!・・・ん?あおっち?」

青葉『・・・こっち夏休み無いみたい・・・』

ねね「ご・・・ごめん・・・」

青葉「開発終盤で忙しくてさ。夏休みはゲームが完成した後貰えるんだって・・・」

ねね『じゃあ働き尽くめじゃん・・・』

青葉「でもその分、良い物出来てるよ?発売したら買ってよね?」

ねね「勿論買うけどさ・・・」

青葉『わあ!!ごめん!お昼休み終わっちゃう!またね!!』

電話が切られた。

ねね「あおっち大丈夫かな・・・ん?」

するとねねは、掲示板に何かを発見した。それは何とイーグルジャンプの求人だった。


うみこ「初めまして。皆さんの担当をさせていただくうみこと申します。本日よりアルバイトとして来ていただいた皆さんには・・・おや?一人足りませんね・・・全く、初日から遅刻とはいただけませんね・・・クビにしてもらいましょうか。」

 

女性アルバイト「あの・・・あそこに・・・」

 

ドアの方にねねがガクガク震えてた。

 

ねね「く・・・クビ!?」

 

うみこ「あなた名前は?」

 

ねね「さ・・・桜ねねです・・・!遅刻してごめんなさい!」

 

うみこ「今日の所は大目に見ますが、気を付けて下さい。」

 

ねね「は、はい・・・」

 

 

 

 

 

 

そしてうみこはアルバイト達をオフィスへ連れて行く。

 

うみこ「このフロアでゲームを作っています。現在3チーム程動いてます。」

 

ねね(壁が邪魔であおっちが何処か分かんない~。)

 

するとねねはジャンプして青葉を探す。

 

うみこ「ぴょんぴょんしない!」

 

もずく「にゃ〜お。」

 

 

 

 

 

 

そしてアルバイト達をあるブースへ案内する。

 

うみこ「ここが皆さんにデバック、つまりテストプレイしていただくブースです。今回皆さんデバッグしていただくタイトルはフェアリーズストーリー3です。」

 

するとアルバイト達は声を上げた。

 

うみこ「まだ非公開ですので社外秘と言う事をお忘れなく。」

 

ねね(ふふふーん知ってます。何故ならあおっちから聞いていたから。)

 

うみこ「どうかしましたか桜さん?」

 

ねね「い・・・いや~!何も知りませんでした!」

 

うみこ「説明は以上です。何か質問はありますか?・・・桜さん先程から落ち着かないようですね。」

 

ねね「え!?そ、そうですか・・・?」

 

うみこ「あなたもしかして、他社からのスパイだったりして。」

 

まさかのスパイ容疑に掛けられた。

 

ねね「ただの大学生だよ!・・・です!」

 

うみこ「・・・まあ良いでしょう。では何かありましたらご連絡を。私も様子を見に来ますので。」

 

そう言ってうみこは仕事に戻って行く。

 

 

 

 

 

席に座るねねだが、不安をしていた。

 

ねね「(あおっちの会社って結構厳しそうだな・・・増々心配になって来た・・・)ちょっとトイレに行ってこよ~っと・・・わ?!」

 

はじめ「ん?」

 

すると途中ではじめと会った。だがねねは口笛吹きながら去って行く。

 

 

 

 

 

 

その頃青葉は、コウからのチェックを受けていた。

 

コウ「そうそう、このへんのバランスが悪いから・・・」

 

青葉「ふむふむ・・・ん?」

 

すると青葉はある人物を発見した。それは親友のねねだった。

 

青葉(ねねっち!?)

 

すると青葉は、ねねから隠れてしまった。

 

青葉(反射的に隠れてしまった・・・何でねねっちがここに?そっくりさんかな・・・?)

 

コウ「どした?」

 

するとねねは青葉へ近付く。

 

青葉(こっちに来る!)

 

するとねねは、はじめのコレクションを見て目を輝かせた。

 

青葉(やっぱりねねっちだ・・・)

 

本物のねねだと確信した。

 

青葉「や、八神さん、新入社員か何か入ったんですか?」

 

コウ「え?聞いてないけど・・・あ、デバッグのバイトって今日からだっけ?」

 

大輝「そうか、今日からでしたっけりんさん?」

 

りん「そうよ。うみこちゃんが担当だったかしら。」

 

青葉(成る程。ねねっちの事だ。黙って来たと言う事は私を驚かすつもりだったんだろうな・・・でもそれだけの理由でバイト来るかな・・・?)

 

コウ「だからどうしたんだよ?」

 

青葉「よし、決めた!な、成る程ー。分かりましたー。」

 

大輝「青葉ちゃん、何か棒読みだけど?」

 

青葉「だ、大丈夫ですよー。」

 

するとねねが青葉の声を聞いた。

 

ねね(見ー付けた。しかもこっちに気付いてないみたいだし・・・驚かせちゃお~。)

 

うみこ「桜さん。こんな所で何をしているんですか?」

 

驚かせに行こうとするが、うみこに見付かって逆に自分が驚いてしまった。

 

ねね「え・・・ああああの・・・」

 

うみこ「勝手に社内をうろうろと・・・やっぱりあなたは企業スパイですね。ちょっと来なさい!」

 

ねね(た・・・たた逮捕されちゃう~!)

 

するとそこに。

 

優斗「うみこさんどうかしたんですか?」

 

トイレから優斗が戻って来た。

 

うみこ「相葉さん、いえ企業スパイの方を。」

 

優斗「企業スパイ?ってねねさん!?」

 

ねね「あ、相葉さん・・・!?」

 

優斗「企業スパイってまさかのねねさん?」

 

ねね「違いますよ!」

 

優斗「ごめんごめん。」

 

うみこ「お知り合いなんですか?」

 

優斗「この前知り合った方です。あ、ちょっと待って下さい。」

 

青葉(あれ?来ない?)

 

優斗「青葉さん青葉さん。」

 

青葉「ん?」

 

優斗「ねねさんが企業スパイ容疑掛けられてるよ?」

 

青葉「ええ!?」

 

 

 

 

 

 

その後青葉はねねの事を話す。

 

うみこ「成る程。涼風さんのお友達でしたか。」

 

ねね「ごめんなさい・・・」

 

青葉「私からもごめんなさい。」

 

コウ「言う事が大袈裟なんだよ。大体スパイなんか居る訳無いじゃん。」

 

うみこ「そうですか?私も最初スパイとして入社したんですよ。」

 

コウ「え!嘘!?」

 

うみこ「冗談です。」

 

ねね「ねぇあおっち・・・」

 

青葉「ん?ああ、そうそう。此方は今回のADの遠山さん。」

 

りん「遠山りんです。宜しくね桜さん。」

 

青葉「ADって言ってもアシスタントディレクターじゃなくて・・・」

 

ねね「それくらい分かってるって。アートディレクターでしょ。」

 

青葉の顔が真っ赤になった。

 

優斗「へぇ〜。ねねさん知識あるね〜。」

 

青葉「そ、それでこちらがキャラクターデザイナーの八神コウさん・・・」

 

コウ「ああ。宜しくね。」

 

ねね「八神コウ!?あのフェアリーズのキャラデザの!?」

 

青葉「ちょっとねねっち!?」

 

ねね「わー!本物の八神コウだー!」

 

うみこ「桜さん。」

 

ねね「ヒィ!?ご・・・ごめんなさい。」

 

青葉「それで、此方がCG担当の秋山大輝さん。」

 

大輝「秋山大輝だ!ねねちゃん宜しくね!それと優斗と同期だ!」

 

優斗「お前急にフレンド気分全開だな。ねねさん宜しくね。俺ここではVFXを担当してるんだ。」

 

ねね「VFX?」

 

優斗「簡単に言えば、現実には見る事の出来ない物、つまり怪獣とかの画面効果を実現する為の技術の事を言うんだ。視覚効果と言った方が覚えやすいかな。」

 

 

 

 

 

 

その後ねねは仕事に戻ってプレイする。

 

ねね「はぁ・・・逮捕されなくて良かった〜。あ、でも発売前のゲームがただでやれてお金まで貰えるなんて案外お得なアルバイトだったかも。」

 

するとプレイ中に画面がフリーズした。

 

ねね「あ、またフリーズ・・・もう!こんなにフリーズしたらまともにプレイ出来ないじゃん!」

 

青葉「それを報告するのが仕事でしょ!」

 

そこに青葉が来た。

 

ねね「あおっち!」

 

青葉「そろそろ休憩時間だよね。お昼一緒に食べよ?」

 

ねね「わーい!行く行くー!ん?」

 

するとそこに青葉の先輩達が来た。

 

青葉「後、他の先輩も紹介するね。」

 

するとねねは青葉の後ろに隠れた。

 

ねね「あの・・・桜ねねです・・・宜しくお願いします。」

 

ゆん「何かさっきは騒がしかったのに大人しい子やな。青葉ちゃんの後輩なん?」

 

ねね「がーん!」

 

後輩と言われてがっかりした。

 

青葉「ほら、ねねっちの方が子供に見えるじゃん。」

 

はじめ(どっちも子供に見える・・・)

 

 

 

 

 

 

その後カフェで昼飯を食べる。

 

青葉「ご馳走様でした。」

 

優斗「ふぅ〜。」

 

ねね「はぁ・・・何かデザート買えば良かった・・・」

 

はじめ「あ。ちょっと待ってて。」

 

するとはじめは何処かへ行く。

 

優斗「にしても驚いたな〜。まさかねねさんがバイトとしてここに来るなんて。」

 

大輝「何何!?お前ねねちゃんの知り合いなのか!?」

 

優斗「この前美佳さんとムーンレンジャー観に行った時に会ったんだ。にしても大輝、お前テーブルの上の奴全部食うのか?」

 

テーブルの上には大量の弁当が置かれてあった。

 

大輝「沢山食わねえと気が済まねえんだよ俺は。」

 

優斗「お前はジャイアント白田かギャル曽根か?」

 

ねね「・・・秋山さんってあんなに食べるんですか・・・?」

 

優斗「まあね、此奴昔から大食いでな。毎日あんなにガツガツ食うんだよ。」

 

するとそこに。

 

しずく「おや~?企業スパイの子発見。」

 

ねね「えええーー!?」

 

しずくがねねを見てスパイ発見と言った。

 

ねね「ち、違います!!」

 

青葉「もう、葉月さんまでそんな事を?」

 

ねね「葉月、さん?」

 

優斗「そう。葉月しずくさんだよ。」

 

青葉「今回のフェアリーズストーリー3のディレクターさんだよ。」

 

ねね「じ、じゃあ一番偉い人!?」

 

しずく「もしスパイがこんなに可愛かったらどんな秘密も漏らしてしまうね。」

 

ねね「は、はぁ・・・」

 

しずく「そうだ。社員証用の写真は私が撮っておこう。ほら!もっと肩を寄って!」

 

何故か青葉まで巻き込まれてた。

 

ゆん「それじゃあ証明写真には使えへんやないですか?」

 

優斗「しずくさんそこまでにして下さいよ。青葉さんとねねさん困ってるでしょ?」

 

しずく「だったら相葉君、君が私を縛ってくれるかな?」

 

優斗「嫌ですよ!強姦は犯罪ですよ!」

 

青葉「もう、そう言うのはいいですから。」

 

大輝「美味い美味い!」

 

優斗「お前何時かしたらゲロ吐くぞ?」

 

ねね(こんな状況なのに誰も気にしてない!あ、あおっちの会社ってやっぱり変なんじゃ・・・)

 

はじめ「お待たせ~!はいどうぞ〜!」

 

そこにはじめがデザートを持って来た。

 

ねね「美味しそう!貰っちゃって良いんですか!?」

 

しずく「取引先からお中元でいただいたものだからね。こう言うのは皆で分けているんだよ。」

 

はじめ「冷蔵庫の方に置いてあるから自由に食べて良いよ。」

 

ねね(何て良い会社なんだ〜〜!!)

 

大輝「お!優斗!デザート全部食って良いか!?」

 

優斗「バカか。お前皆にボコられたいのか?」

 

大輝「冗談冗談。」

 

 

 

 

 

 

それからねねのバイト生活が始まって数日が経った。

 

ねね「来る日も来る日も同じ事ばっかり・・・デバッグって辛いんだな~。」

 

そこにうみこが様子を見に来た。

 

うみこ「桜さん、今だらけていませんでしたか?」

 

ねね「い・・・いえ!そんな事は!」

 

机の上にあるねねのメモを見る。

 

ねね「あ、あの・・・何か・・・?」

 

うみこ「いえ、何か気になる事がありましたら何でも結構です。全て報告書に書いて提出して下さい。」

 

ねね「は、はい。」

 

うみこは仕事に戻って行く。するとねねの腹が鳴った。

 

ねね「きゅるるる~。腹が減っては何とやら、ってね~。」

 

腹が減っては戦ができぬが正解。ねねは冷蔵庫で1つのプリンを発見した。

 

ねね「おっと!プリン発見!ラス1だ。ラッキ~!」

 

 

 

 

 

 

外では雨が降ってる。

 

ナイト『ソフィアには手を出させない!!』

 

プリンを食べ終えたねねは、プレイを続けていた。

 

ねね「後はここの隙間にはめて剣を振り続ければ・・・あおっちのソフィアちゃんやられないよ~!」

 

青葉「おお~!ソフィアちゃん生還ルート!」

 

ねね「でも何時までも終わんないんだけどね・・・」

 

青葉「あ!遠山さん!見て下さい!」

 

ねねのプレイを見る。

 

りん「これ不具合だから報告ね・・・」

 

青葉「ですよね~・・・」

 

りん「それはそうと青葉ちゃん。まだ就業時間なんだからあんまり席を外しちゃ駄目よ。」

 

青葉「ああ、ごめんなさい・・・」

 

りん「桜さんも気持ちは分かるけどあんまり誘わないようにね。」

 

ねね「は、はい!」

 

うみこ「りんさんちょっと良いですか?背景データで伺いたい事が。後葉月さんがお呼びでした。」

 

りん「あ、はい。今行きます。」

 

コウ「りん~!大変~!私のプリンが無いんだけど~!」

 

するとねねは密かに何かを察した。

 

りん「もう何かと思ったじゃない!」

 

コウ「だって冷蔵庫に入れといたのに~!」

 

りん「コウちゃんのは後回し!」

 

うみこに付いて行く。

 

青葉「遠山さん忙しそうですね・・・」

 

コウ「明日β版の提出だからね。」

 

青葉「β版?」

 

コウ「うん。パブリッシャーに提出するサンプルだよ。報告した予定通りの所までプレイ出来たクオリティも目標値に達してるかを判断されるの。て言うか本来はほぼ完成状態が理想なんだけどね。これが通らないと発売出来ませ~ん!」

 

青葉「ええ!?」

 

コウ「だから青葉も忙しいんだぞ。残りの村人遅れてるだろ?」

 

青葉「わ、分かってますよ!それじゃあね。ねねっち!」

 

急いで青葉は仕事へ戻る。

 

コウ「本当何処へ行ったのかな〜私のプリン・・・」

 

そしてコウはその場から去った。そしてねねはゴミ箱から邪悪な気配を感知した。プリンのカップを見ると、コウの名前がマジックで書かれてた。ねねが食べたプリンはコウのプリンだと確信した。

 

ねね(謝らないと!)

 

うみこ「桜さん。今は就業時間中ですよ。みだりに席を離れないように。」

 

ねね「あ、あのでも私・・・」

 

うみこ「でもじゃありません。早く戻って下さい。」

 

ねね「は、はい・・・」

 

 

 

 

 

 

その後りんが戻って来た。

 

りん「はぁ。」

 

コウ「りん。青葉の遅れ少し補填しといたから確認しといて。」

 

りん「何時も助かるわ。ありがと。そう言えばプリンは見付かった?」

 

コウ「全然。」

 

大輝「何かあったのか?」

 

優斗「コウさんのプリンが行方不明になったらしい。」

 

りん「盗難だなんてこの会社も物騒になったわね。」

 

コウ「そこまで深刻ではないでしょ。」

 

りん「駄目よ。β版が終わったらもうラストスパートだし、チームが一致団結する為にも放っておけないわ!」

 

コウ「え~。でもどうすんの?」

 

りん「私に考えがあるの。」

 

大輝「何か閃きましたか?」

 

その頃ねねはプレイを続けてた。そこに社内メッセが来た。そこに書かれてあったのは『皆さんお疲れさまです。本日、冷蔵庫にあった八神コウのプリンが盗まれました。食べた方は怒らないので、遠山のデスクまでお願いします。』と書かれてあった。

 

ねね(何ってこったーー!!)

 

コウ「こんな小学生みたいな方法で自首して来る訳ないでしょ・・・」

 

りん「あら?そうかしら?」

 

青葉「八神さんチェックお願いします。」

 

コウ「お。はいよ〜。」

 

青葉「メール見ましたけどそんな大切なプリンだったんですか?」

 

コウ「いや。コンビニの100円くらいのだよ。」

 

青葉「え!?それだけの為に全社員に一斉メールを!?」

 

コウ「ほら~!大事になっちゃったじゃん!」

 

ねね(大事!?もしここで名乗り出たら・・・)

 

 

 

 

 

 

名乗り出た後の想像をする。

 

りん『そう・・・桜さんが犯人だったのね。』

 

コウ『私のプリンをよくも!!』

 

ねね『ご!ごめんなさい!!』

 

青葉『私からもごめんなさい!!』

 

2人一緒に土下座をする。

 

りん『こんな悪い子と友達なんて実は青葉ちゃんも悪い子なんじゃないの?』

 

そして想像終了。

 

 

 

 

 

 

ねね「あおっちに迷惑掛けちゃう!」

 

りん「青葉ちゃんに迷惑?」

 

そこにりんがねねを見付けた。ねねは持ってるプリンのカップを隠してしまった。

 

りん「どうしたの?」

 

ねね「あの・・・その・・・何でもありませ~ん!」

 

そしてねねは逃げ出してしまった。

 

りん「どうして逃げるのかしら・・・あっ。」

 

 

 

 

 

 

コウ「もしかして、大輝が食べたんじゃないの?」

 

大輝「いや!食べてませんよ!?」

 

優斗「正直に白状しろ。お前よくガツガツ食うから無我夢中でコウさんのプリン食ったろ?」

 

そう言いながら優斗が大輝を詰める。

 

大輝「食ってねえよ!本当だ!嘘は付かねえ!!」

 

優斗「・・・どうやらその目は嘘じゃねえな。よし。お前は無罪確定だ。」

 

大輝「た、助かった・・・」

 

優斗「だが!もしお前が犯人だと分かったら、その無罪は撤回して毎日徹夜作業の刑を下す!良いな?」

 

大輝「お、おう・・・」

 

 

 

 

 

 

そして次の日のカフェ。ねねは元気無さそうな顔をしている。

 

青葉「ねねっち何か疲れてる?」

 

ねね「え?ううん・・・」

 

優斗「どうした大輝?お前何時ものテンションはどうした?」

 

大輝「いやぁ・・・ちょっとな・・・」

 

優斗「もしかしてお前が犯人じゃねえのか?」

 

大輝「だから違えぇよ!!」

 

そこにコウとりんが来た。

 

りん「お疲れ様。」

 

青葉「お疲れ様です。」

 

優斗「コウさんりんさんお疲れ様です。」

 

コウ「ここ良い・・・?」

 

青葉「はい。どうぞ。どうしたんですかその顔!?2人とも眠そうですね・・・」

 

優斗「コウさん、目の下にクマ出来てますよ?」

 

コウ「昨日の深夜β版をディスクに焼く直前に不具合が見付かってさ・・・朝まで対応してたから・・・」

 

青葉「た、大変でしたね・・・」

 

りん「でも、しっかり出来たから、これで審査も大丈夫だと思うわ。」

 

優斗「本当にお疲れ様です・・・あんまり無理しないで下さいね・・・?」

 

コウ「うん・・・」

 

青葉「あの・・・これ食べて下さい!八神さんには遅れを補填して貰っちゃったんで!」

 

袋からプリンを取り出した。

 

コウ「おお!ありがとー!」

 

青葉「結局プリンの犯人は見つかったんですか?」

 

コウ「分かんないまま。ま、良いよ別に。」

 

りん「でも本人は反省してるんじゃないかしら?」

 

コウ「そうかなー?」

 

オフィスにある冷蔵庫を見るとそこにあったのは。

 

りん「コウちゃん。」

 

持って来たのは、プリンだった。しかも手紙付き。

 

コウ「あ!これ!まさか帰って来るなんて!」

 

するとねねはドキッとした。

 

コウ「まぁりんのお陰だしな。あげるよ。」

 

りん「うん。ありがと。」

 

青葉「良かったですね。ね。ねねっち。」

 

ねね「え!うん・・・」

 

優斗「どうやら大輝は犯人じゃなかったようだな。判決は白だ。」

 

大輝「だから言ったろ!俺じゃないって!」

 

優斗「でも毎日徹夜作業させるのも面白そうだな。」

 

大輝「何でや!!その罪消してくれよ!!」

 

優斗「どうしよっかな〜?」

 

大輝「優斗〜〜〜!!!」

 

りん「やっぱりメールして正解だったでしょ?」

 

コウ「まあね。」

 

青葉「でも直接謝りに来ないなんて私はいけない事だと思います!」

 

大輝「そうですよ!その犯人見付けたら俺が懲らしめてやりますよ!」

 

コウ「真面目だな・・・」

 

りん「実はね。昨日こっそり謝りに来てたのよ。」

 

コウ「嘘!?」

 

青葉「誰ですか!?」

 

大輝「教えて下さい!俺が懲らしめてやります!」

 

優斗「お前それしか言えんのか?」

 

りん「内緒。」

 

青葉「ええ〜!?」

 

りん「私のメールで返って言いだしにくくなったかもしれないし、こうして謝る意志も見えたんだから青葉ちゃんと大輝君も、もう犯人の事は責めないで上げてね。」

 

青葉「そうですか・・・意外と良い人だったんですね犯人。」

 

りん「ねねちゃんも。ね。」

 

ねね「・・・はい。きっと反省していると思います・・・」

 

青葉「ねねっち、さっきから大人しいね。」

 

ねね「え!?いや別にそんな事・・・」

 

りん「あ!このプリン美味しい!」

 

コウ「だろ〜?・・・食べたら眠くなって来た・・・」

 

りん「そうね。私も。」

 

コウ「今日は早退して良いかな・・・」

 

りん「駄目よ~。定時まで我慢よ。」

 

するとねねは微笑んだ。

 

青葉「どうかした?」

 

ねね「ううん。会社ってもっと怖いイメージの所だったんだけど、あおっちは良い先輩に囲まれてるんだなって!」

 

青葉「そうでしょ!」

 

ねね「うん!」

 

大輝「りんさんコウさん!もし俺が犯人見付けたら徹夜作業させてやります!」

 

すると優斗が大輝を殴った。

 

大輝「ぶべら!」

 

優斗「責めるなってりんさんに言われたろ!今日から徹夜作業させるようにしずくさんに言うぞ!」

 

大輝「いやもうごめんなさい!」

 

 

 

 

 

 

そしてその夜。就業時間が終わった。

 

ねね「今日も真面目に働いたな~!あ!」

 

エレベーターのドアが閉まる直前。

 

ねね「ちょ・・・ちょっと待った~!」

 

そしてギリギリエレベーターに乗った。

 

ねね「セーフ・・・」

 

うみこ「お疲れ様です桜さん。」

 

ねね「え!?」

 

最初にエレベーターに乗ってたのはうみこだった。エレベーターで1階へ下がる。

 

うみこ「・・・桜さん。今日も遅くまでご苦労様でした。」

 

ねね「は・・・はい・・・」

 

うみこ「桜さん。今回旧作を知った上でバグ以外に気付いた点も報告してくれて大変助かると企画の人が言っていました。」

 

ねね「は、はぁ・・・」

 

うみこ「それではお先に。」

 

ねね「褒められたの・・・かな・・・あっ。」

 

エレベーターのドアが閉まった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨

     バイトっ子:貫井柚佳

ねね「あおっち入社当時は何か失敗した?」

青葉「八神さんに顔文字のメッセージを送信しちゃったよ・・・」

ねね「ええ!?まあ私も失敗しちゃったけどさ・・・」

青葉「お互い気を付けないとね・・・」

次回「出勤しちゃいけないんですか?」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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8・5話「そこまで両親の影響受けてないけどね」

作者「8話と9話の間を描いた番外編です。番外編は2話制作します。」


桜ねねがバイトして数日が経ったある日。優斗がカフェで弁当を食べていると。

 

青葉「優斗さん。」

 

優斗「あ、青葉さん。」

 

青葉が優斗の方に来た。

 

優斗「今日は1人?」

 

青葉「そうなんですよ。ねねっちはまだデバック受けてますし。一緒に食べましょ?」

 

優斗「良いよ。」

 

そして2人は一緒に弁当を食べる。

 

青葉「大輝さんは居ないんですか?」

 

優斗「彼奴今、エフェクト班のリーダーから説教受けてるんだ。」

 

青葉「ええ!?何か悪い事したんですか!?」

 

優斗「いや、最近サボってばかりの理由で説教されてるんだ。あの時俺に助けを求めてたな。」

 

 

 

 

 

 

数分前。

 

大輝『頼む優斗助けてくれ!お前だけが頼りなんだ!』

 

優斗『無理だろそんなのそれを知ってまだ5分も経ってねえだろ。諦めなよ。』

 

大輝『こんちくしょー!!』

 

 

 

 

 

 

そして現在に至る。

 

優斗「今頃まだ受けてる最中かもな。」

 

青葉「優斗さんって結構Sですね・・・」

 

優斗「やっぱそう思う?俺大輝に対して容赦無いからね。」

 

青葉「そうだ。優斗さん、ちょっと聞きたい事があるんですが。」

 

優斗「何?何でも言って。」

 

青葉「イーグルジャンプで働こうと思った理由って何ですか?」

 

優斗「ああ〜、そうだね〜。そもそも俺がゲームを作りたいと思ったのは、両親の影響かな?」

 

青葉「両親ですか?」

 

優斗「うん。俺の両親ゲーム会社で働いてるんだ。青葉さんはスクエア・エニックスって知ってる?」

 

青葉「確か、ファイナルファンタジーを作ってる所ですよね?」

 

優斗「そう。親父はスクエア・エニックスで、母さんはコナミの主要子会社のコナミデジタルエンタテインメントと言う所に所属してるんだ。親父はプロデューサーで、母さんはシナリオライターをやってるんだ。」

 

青葉「凄いです!優斗さんのご両親って凄いんですね!」

 

優斗「それで俺は幼い頃からゲーム好きで、両親とよくゲームで遊んでたよ。」

 

青葉「優斗さんのゲーム好きは両親の影響なんですね。」

 

優斗「そこまで両親の影響受けてないけどね。そんなに重度じゃないし。それで高校の時に、大輝と一緒に映画同好会に入って、大輝がCGで俺がVFXを使って編集してたんだ。」

 

青葉「映画同好会ってあるんですね。」

 

優斗「そして俺は親父に何処かゲーム会社に就職したいって言ったら、このイーグルジャンプを勧めてくれたんだ。大輝と一緒に面接を受けて、その一週間後に合格通知が来たんだ。そして今に至る。」

 

青葉「そうだったんですか〜。」

 

優斗「そして去年に、高校時代の先輩だった美佳さんと結婚した。そして今でも良い夫婦生活を送ってる。」

 

青葉「成る程〜。結婚って聞くと何かドキドキしちゃいますね。」

 

優斗「そうかな?」

 

青葉「優斗さん、美佳さんとの出会い教えてくれませんか?」

 

優斗「ええ?それ聞く?」

 

青葉「だって気になりますよ。」

 

優斗「う〜ん、それはまた今度話すよ。あそうだ!ねえ青葉さん。」

 

青葉「はい?」

 

優斗「今度うちに来ない?」

 

青葉「ええ?」

 

優斗「実はこの前美佳さんが。」

 

 

 

 

 

 

それは数日前。2人で夕飯を食べてる最中。

 

美佳『ねえ優斗君。今度青葉ちゃんをうちに招待してよ。』

 

優斗『え?青葉さんを?』

 

美佳『あの時会って、またお話ししたいな〜って。何時でも良いから招待してくれる?』

 

優斗『そうだね・・・分かった。今度話すよ。』

 

美佳『うん!宜しくね!』

 

 

 

 

 

 

そして現在に至る。

 

優斗「って言ってたんだ。どうかな?」

 

青葉「う〜ん・・・私もお話しがしたくなりましたね・・・」

 

優斗「いやそこまで無理しなくても・・・」

 

青葉「分かりました!」

 

優斗「え?良いの?」

 

青葉「はい!私も美佳さんの事色々聞きたいです!」

 

優斗「そう?ありがとう。じゃあ日程はこっちで確認しとくよ。青葉さんは両親と話しをしてね。」

 

青葉「はい。あ!そろそろお昼が終わりますね。」

 

優斗「お!丁度良いね。じゃあ決まったら言うから。じゃあね。」

 

青葉「はい!」

 

2人は弁当を収めて仕事に戻って行く。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      相葉美佳:榎本温子

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9話「出勤しちゃいけないんですか?」

今日もねねのバイト生活が続く。村人を見付けて立ち止まる。

うみこ「はい。それで宜しくお願いします。」

ねね「中々タイミングが合わないなぁ・・・」

うみこ「?」

するとねねはコントローラーのスティックを器用に操作する。そして。

ねね「よし!履いてる!!」

村人のスカートの中が見れた。

ねね「問題無し!」

うみこ「ちょっと待ちなさい・・・」


うみこ「何ですか?履いてる履いてないって。」

 

ねね「いや~。履いてないキャラが居たら大変だな~って・・・」

 

うみこ「確かにそれは大問題ですが、そもそも下着が見える事は想定していないのでこれはバグです。報告して下さい。」

 

ねね「は〜い。」

 

しずく「いや。それは仕様だよ。裏のね。」

 

話を聞いたしずくが来た。

 

うみこ「初耳ですけど・・・」

 

しずく「だって仕様に書いてしまったらつまらないだろう?偶然見えるパントゥ・・・そこに浪漫があるのさ。それにキャラ班が好意で作ってくれたパントゥを見せないまま終わらすなんて勿体無いと思わないかい?」

 

ねね「た、確かに!」

 

うみこ「分かりました・・・それならショーツのチラ見せは仕様と追加しておいて下さい。誤解を招きます。」

 

ねね「ショーツのチラ見せだとショーチラ・・・?何かパッとしない・・・」

 

しずく「うみこ君は照れてるだけだから突っ込んではいけないよ。」

 

ねね「意外と硬派なんですね!」

 

うみこ「五月蝿いですね!」

 

足元にハンドガンを乱射する。

 

ねね・うみこ「うわあああああ!!」

 

 

 

 

 

 

一方その頃、りんがマスクを着けて咳き込んでた。

 

りん「コホッコホッコホッ・・・」

 

優斗「りんさん大丈夫ですか?」

 

りん「うん、大丈夫よ・・・ありがとう・・・」

 

コウ「風邪?大丈夫?」

 

りん「うん、ごめん、咳が止まらなくて・・・」

 

コウ「風邪なら帰った方が良いよ。皆に移したら大変でしょ?」

 

りん「大丈夫よ咳くらいだし。それにこんなに忙しいのに休めないよ・・・」

 

するとまた咳が出た。

 

大輝「いやいや無理しちゃダメですよ。」

 

コウ「帰ろう。ダメだよ休まないと。無理にでも私が連れて帰るから。」

 

りん「分かったわよ・・・1人で帰るからコウちゃんは仕事してて。」

 

コウ「ダメ。帰っても働く気でしょ。」

 

りん「・・・分かる?」

 

コウ「分かるよ。ずっと一緒にいるんだから。」

 

そしてりんを連れて帰る事に。

 

コウ「私りんを家まで連れて帰るから後は宜しく。私が居なくても大丈夫よね?」

 

青葉「大丈夫ですけど、遠山さんそんなに辛いんですね・・・お大事に。」

 

りん「ううん・・・そんな事は無いんだけど・・・」

 

コウ「ほら帰るよ。青葉達に移しちゃう。」

 

りん「もうコウちゃん大袈裟よ・・・」

 

コウ「優斗、大輝、皆の事宜しくね。」

 

優斗「分かりました。りんさんお大事に。」

 

大輝「お任せ下さい!」

 

そしてコウはりんを家まで連れて帰る。

 

ひふみ(わ・・・私が一番上の先輩になっちゃった!)

 

 

 

 

 

 

そしてコウとりんが行った瞬間、はじめがライトセーバーとムーンレンジャーのステッキを持って振り回していた。

 

ステッキ『ダブルムーンシャワー!!』

 

ゆん「あ~もう五月蝿いな!音出すなや!」

 

はじめ「ごめん・・・八神さん達居ないからつい・・・」

 

優斗「さっきの行動はついなのか?」

 

青葉「でも遠山さんの為に早退って驚きました。」

 

ゆん「あ、確かに。あんなに男らしい八神さん初めてやな。うちが遠山さんやったら惚れてまうかも~。」

 

大輝「惚れてまうやろー!」

 

優斗「チャンカワイの真似せんでええ。」

 

はじめ「私さ、八神さんって病気でも「気合いで何とかしろ~」って感じの人かと思ってたよ。」

 

青葉「厳しそうだけど優しい所がありますよね。」

 

 

 

 

 

 

その頃コウはりんを家まで連れて帰った。

 

コウ「ヘトヘトじゃん。もぉ・・・」

 

りん「大丈夫・・・」

 

額に手を当てる。

 

コウ「凄い汗・・・汗拭いて着替えないと。」

 

りん「だるいから良いよこのままで・・・」

 

コウ「駄目だよ着替えないと。タンス開けるよ。」

 

 

 

 

 

 

そしてその頃青葉達は。

 

青葉「う~ん・・・コートの皺ってどうなってるんだろう・・・あ!はじめさん。あのモニターの上のダンディマックスのフィギュア見せてもらっても良いですか?」

 

はじめ「青葉ちゃんダンディ知ってるの!?」

 

突然はじめのテンションが上がった。

 

青葉「え?あ、はい。小さい頃一度テレビで見て・・・面白かったから何となく覚えてて・・・」

 

はじめ「そっか〜知ってたか〜!隠れた名作だから知る人ぞ知る映画なんだよね~。それにこのリアルフィギュアシリーズも凄く良く出来てるから興味そそられて当然だよね~!似てるでしょ〜?」

 

青葉「あ、はい。確かに似てますね・・・」

 

はじめ「俺に似せた偽物ですら人の心を惹いちまう。俺の100分の1の魅力しかないこんな人形でもな。ダンディ、ダンディ。」

 

青葉「え?・・・あ、ああ!ダンディトーク!」

 

はじめ「YES!」

 

青葉(どうしよう・・・資料として見たかっただけなんだけど・・・)

 

ゆん「まーた騒いで。」

 

青葉(良かった!助け船!)

 

ゆん「でも俺の話題じゃしょうがねぇ。分かったよ。主役の俺が少し話し相手になってやる。ダンディオンダンディ。」

 

だがゆんもダンディトークしていた。

 

青葉(駄目だ~・・・)

 

はじめ「ゆんも知ってたの!?」

 

ねね「あ!ダンディの話してるの!?」

 

そこにねねも来た。

 

はじめ「何だって!?ねねちゃんまで知ってるの!?」

 

ねね「おいおい。俺の名前は教科書にも載る予定だったんだぜ・・・ダンディ~!」

 

はじめ「こんなにダンディを知ってる人が周りに・・・私はなんて幸せ者なんだ!」

 

青葉「え!そんなになんですか!?」

 

大輝「ダンディトーク俺も混ぜろー!」

 

そこに大輝も来た。その後もダンディの話が続く。だがひふみは1人戸惑っていた。

 

ひふみ(ど・・・どうしよう・・・まだ遊んでちゃいけない時間なのに・・・や・・・やっぱり・・・私が・・・しっかり・・・しないと・・・)

 

そしてひふみが注意しようと決心した。

 

ひふみ「あの・・・」

 

うみこ「皆さん何騒いでるんですか。まだ就業時間ですよ。」

優斗「皆何騒いでるんだ。まだ就業時間だぞ。」

 

そこにうみこと優斗が注意しに来た。2人の言葉がハモった。

 

うみこ「りんさんもコウさんも早退していないからと気が緩むのは分かりますが、コアタイム中は静かに仕事して下さい。それが常識です。」

 

はじめ・青葉・ゆん・ねね・ひふみ・大輝「ご、ごめんなさい・・・」

 

うみこ「桜さん、戻りますよ。」

 

ねね「は、はい!!」

 

優斗「おい大輝!仕事に戻るぞ。」

 

大輝「お、おう・・・」

 

 

 

 

 

 

ねねが仕事に戻る途中。

 

うみこ「桜さん。あなたは何をしにこの会社に来たんですか?涼風さんがいるから?遊び感覚ですか?」

 

ねね「・・・違!あおっちが夏休みが無いとか泊まりとか言うから心配で・・・」

 

うみこ「涼風さんが心配?」

 

ねね「だってあおっちここに来る前進学か就職か凄く悩んでて・・・仲の良い友達と美大にも合格してたのに自分の夢を追い掛けたいからって就職を選んだんですよ。そんな思いまでして来た会社が変な所だったら嫌だなって思って・・・それで来てみたら割と良い所だったけど・・・」

 

うみこ「割と・・・」

 

ねね「私が落ち着きが無いのは・・・えと・・・性格だけで・・・あおっちが携わってる大事な仕事に対して巫山戯たりしません!」

 

うみこ「そうですか。分かりました。確かにデバッグの仕事はきちんとしてますし今は信じましょう。ただどんなに気持ちが真っ直ぐでも表の態度で判断されてしまうと言う事は覚えておいて下さい。良いですね?」

 

ねね「はい・・・」

 

反省してるねねを見て、うみこは言い過ぎたと思ってしまった。

 

うみこ「・・・桜さん。涼風さんとは何時から知り合いなんですか?」

 

ねね「ずっとだよ!・・・ですよ!家が近くで幼稚園に入る前から高校までずっと一緒なんですよ。」

 

うみこ「それは凄いですね・・・私はそんなに付き合いの長い友人はいませんよ。」

 

ねね「うん!私もあおっちだけですよ!でもあおっち割とドジな所多いから私が付いてないといけないんだ~!」

 

 

 

 

 

 

そして一方コウとりんは。

 

コウ「はい。お粥作って来たよ。」

 

りん「ゴトゴト音してたけど大丈夫だった?」

 

コウ「うん・・・まぁね・・・大丈夫。」

 

台所は少し散らかってた。

 

りん「嬉しいけど、コウちゃん帰っても良いんだよ。忙しいのに。」

 

コウ「私の心配は良いの!りんはさっさと風邪を治す!・・・食べられる?」

 

りん「食べさせて・・・」

 

コウ「え!?」

 

衝撃の発言。

 

りん「食べさせてって言ったの!」

 

コウ「もう元気になったんじゃない・・・?」

 

りん「ううん、まだクラクラするし・・・落としたら大変でしょ?」

 

コウ「はぁ〜・・・」

 

レンゲでお粥を掬う。

 

コウ「はい。あ~ん。」

 

お粥を食べる。

 

りん「ちょっと味濃いかも。」

 

コウ「はぁ!?何それ贅沢だなもう・・・」

 

りん「でも美味しいよ。」

 

 

 

 

 

 

夕方になり、イーグルジャンプでは。

 

青葉「え?出勤しちゃいけないんですか?」

 

うみこ「ええ。明日からの土日はビルの電気点検で、PCなども使えなくなるので出勤しても何も出来ませんよ。りんさんもコウさんも早退されたのでもしやと思いましたが、やはり知りませんでしたか。」

 

ねね「あ!やった!そしたら今週の土日は休めるね!」

 

青葉「ねねっち・・・でもスケジュールが・・・」

 

うみこ「後、カメラがキャラに寄った時に見える事があるショーツのチラ見せが仕様になったので数体不備があるようです・・・りんさんを通して後日修正の発注が来ると思います。」

 

ねね「へっへーん。私が見付けたんだ!」

 

青葉「それだと益々厳しいですね・・・今日泊まろうかな・・・」

 

ゆん「うちも明日来れへんのやったら泊まるわ。」

 

ひふみ「わ、私も。修正が来るなら。」

 

はじめ「え!?皆泊まるの!?モーションの方はまだ忙しくは無いんだけど・・・皆が泊まるなら私も泊まろうかな?」

 

ゆん「楽しそうやけど、お泊まり会やのうて仕事やからなこれ。」

 

優斗「だったら俺達も泊まるよ。」

 

大輝「え!?俺も!?」

 

優斗「お前神ゲー作りたいんだろ?」

 

大輝「それもそうだが・・・」

 

ねね「もしかして私が変なの見付けちゃったから・・・皆が忙しく・・・」

 

青葉「違うよ!ねねっちは気にしないで!」

 

うみこ「そうですよ。桜さんのせいではありません。思い付きで仕様書を変更する人のせいですから・・・」

 

しずく「デクシュ!」

 

ねね「なら良いけど・・・あ!そうだ!私も一緒に泊まって夜食とか買いに行ったり手伝ってあげるよ。タイムカード押しちゃえば問題ないでしょ?」

 

うみこ「それでは寧ろ涼風さん達の邪魔になってしまうでしょう。」

 

青葉「その気持ちだけで十分だよ。」

 

ねね「分かった・・・お仕事も程々にね。」

 

青葉「お疲れ様。」

 

うみこ「お疲れ様です。暗いので気を付けて。」

 

ねね「お疲れ様!」

 

うみこ「桜さんは変わっていますね。」

 

青葉「え?あ、はい。そうですね。」

 

そしてオフィスから出て帰って行く。

 

青葉「でも、何時も元気くれるんですよ。ねねっちは。」

 

うみこ「昔からの知り合いだと聞きました。」

 

青葉「はい。ずっと一緒で。高校を卒業して初めて別々になったんですけど、ドジな所も多いから私がいなくても大学でしっかりやってるかなぁってちょっと心配で。」

 

するとうみこは微笑んだ。

 

青葉「?」

 

うみこ「いえ。桜さんも同じ事を言ってたので。」

 

青葉「同じ事・・・?」

 

うみこ「気にしないで下さい。ただ桜さんの言う通りお仕事も程々に。無理をして倒れてしまったら元も子もないでしょう」

 

青葉「皆に心配を掛けてしまいますもんね。」

 

 

 

 

 

 

すぐに優斗は、妻の美佳に電話する。

 

美佳『もしもし優斗君?』

 

優斗「ああ美佳さん?今日俺泊まりで帰れないけど。」

 

美佳『そうなの?分かったわ。』

 

優斗「でも土日休日になるから。」

 

美佳『本当?じゃあ土日思いっきり遊ぼうね!』

 

優斗「勿論そのつもりだよ。じゃあね。」

 

美佳『うん!じゃあね!』

 

電話を切る。

 

優斗「よっしゃ!張り切ってやるか!」

 

大輝「先輩と一緒だなんてあやかりてぇな〜。」

 

優斗「だったら早く彼女を見付けろ。」

 

 

 

 

 

 

そして夜になった。りんの家では、りんはベッドでぐっすり寝ている。コウはシャワーを浴びていた。

 

 

 

 

 

 

同じ頃イーグルジャンプでは、青葉達6人が仕事を続けていた。

 

はじめ「あ~疲れた・・・帰ろうかな私・・・」

 

ゆん「はぁ?終電終わった途端何言い出すんや?」

 

はじめ「だって私自転車通勤だからそんなの関係ないし。優斗さんだってバイク通勤してますよね。」

 

優斗「そうだね。俺とはじめさんは終電終わっても帰れるし。」

 

青葉「近いって良いですよね。私の家はちょっと遠いので。」

 

大輝「俺の家もちょい遠いしな〜。」

 

はじめ「でも青葉ちゃんもゆんも優斗さんも実家でしょ?帰ったら布団が整えてあるだけでも羨ましいよ。」

 

青葉「考えた事も無かったですけど、確かに。」

 

ゆん「実家暮らしやからって、家事しとらんなんて思わんとってや?」

 

青葉「いっそ1日中電車が動いてれば皆何時でも帰れるのに!」

 

はじめ「いや寧ろ終電を理由に本来帰れてた人が帰れなくなるんじゃ・・・」

 

優斗「それにそんな事になったら、運転手さん達が過労するでしょ?ある意味ブラックだよ。」

 

青葉「成る程・・・」

 

ひふみ「あ、あの・・・チョコ、食べる?」

 

はじめ「あ!いただきま〜す!」

 

青葉「私も〜!」

 

ひふみ「優斗君と、大輝君も・・・食べる?」

 

優斗「ありがとうひふみさん。」

 

大輝「ひふみちゃんありがとー!最高の夜食だ!」

 

ゆん「・・・・・」

 

はじめ「ん?ゆんは体重が気になって食べないのかな〜?」

 

ゆん「当たり前やろこんな時間に!!」

 

ひふみ「で、でも、疲れてるなら、糖分も必要だよ?」

 

ゆん「ほ、ほんなら・・・」

 

優斗・大輝(チョロいな・・・)

 

 

 

 

 

 

その後も仕事は続き、時間は遂に深夜3時15分になった。

 

青葉「う~・・・ノルマ終わった・・・もう限界・・・」

 

ゆん「うちも、もう無理・・・」

 

優斗「ふぃ〜、これで終わったか〜。」

 

青葉「泊まりって疲れちゃうからそこまで効率良くないですよね。八神さんの体ってどうなってるんだろう・・・」

 

ゆん「見た目は細くてか弱そうなのにな・・・」

 

 

 

 

その頃コウは。

 

コウ「イックシ!」

 

寝ながらくしゃみをしていた。

 

 

 

 

ひふみ「コ、コウちゃんは、ただ頑張り屋さんなだけだと、思うよ。」

 

青葉「じゃあ私は気合が足りないのかな・・・」

 

ゆん「青葉ちゃんは十分頑張っとるって。」

 

青葉「始発まで十分時間ありますけど寝ますか?どうしましょう?」

 

ゆん「そやな〜・・・でも会社で寝ても寝た気もせえへんし・・・」

 

ひふみ「あ、あの・・・近くにあるけど・・・」

 

スマホを見せた。近くにある銭湯『いやしの湯』を紹介した。

 

青葉「あ!良いですね!」

 

ゆん「ひふみ先輩ナイスアイデアや!」

 

青葉「はじめさんはどうしま・・・ね、寝てる・・・」

 

はじめは既に寝ていた。

 

青葉「はじめさーん。」

 

ゆん「待ちや。」

 

するとゆんが何かを取り出した。それはムーンレンジャーのステッキだった。

 

ムーンレンジャー『メガ粒子レクイエムシュート!』

 

はじめ「うわ~!たまら~ん!」

 

音声ではじめが起きた。

 

はじめ「あ、あれ?ここ何処?」

 

ゆん「会社や。」

 

優斗「調教されてる・・・」

 

ゆん「優斗さんも銭湯行きます?」

 

優斗「そうだね。銭湯で疲れを吹き飛ばすか。」

 

青葉「大輝さんも・・・こっちも寝てる・・・」

 

大輝も熟睡していた。

 

青葉「優斗さんどうします?」

 

優斗「No problem。」

 

青葉「え?」

 

すると優斗は不敵な笑みを浮かべて大輝に近付く。

 

優斗「笑いのツボON!」

 

大輝「ぐ!?ぐわっはははははははは!!!!!」

 

笑いのツボを押して大輝を爆笑させた。

 

青葉「え!?大輝さんが笑いましたよ!?」

 

優斗「笑いのツボを押したんだ。これが大輝を起こす作戦の一つだ。」

 

青葉「って事は、まだ作戦はあるんですか・・・?」

 

優斗「まあね。でもここで起こすのは笑いのツボが有効だ。」

 

大輝「はぁ・・・はぁ・・・ここ何処だ?」

 

優斗「会社だ。よく来たな。」

 

 

 

 

 

 

そして6人はいやしの湯へ行った。

 

女風呂では。

 

青葉「あ~、生き返ります~。」

 

ゆん「ほんまに~。」

 

青葉「この為に1週間頑張って来たんだって感じがします。」

 

ゆん「何やおっさんみたいやな。でもその気持ち分かるわ~。」

 

はじめ「はぁ・・・」

 

だがはじめは不機嫌になってた。

 

青葉「ん?はじめさんどうしたんですか?」

 

はじめ「いやいやいや!皆さん!深夜料金高すぎるでしょう!ドン引きですよ~!」

 

青葉「ああ。確かに高かったですよね。」

 

ゆん「でもまぁたまにやし良えんやない?」

 

はじめ「そうなんだけどさ・・・シグナル3の新武器とかでお金使い過ぎちゃったし・・・来週発売のフィギュアとか買ったら今月後幾らで生活すれば・・・」

 

ゆん「何やおもちゃ買わなきゃ良えやん。」

 

はじめ「ダメだよ!私はそれを楽しみに生きてるんだよ!」

 

玩具やフィギュアを買うの止めないオタクの鑑。

 

ゆん「はぁ、何でそんなにギリギリで生活出来るんや・・・うちやったら怖いわ・・・」

 

青葉「私もです・・・ひふみ先輩は何か趣味とかあるんですか?前に言ってたコスプレ衣装とか・・・」

 

ひふみ「え?いや・・・あの・・・コスプレって言っても簡単なのだから・・・」

 

ゆん「ひふみ先輩スタイル良えし何でも似合いそうで羨ましいですね~。」

 

ひふみ「そ、そんな事・・・ないけど・・・」

 

ゆん「はぁ・・・切ないわ・・・」

 

 

 

 

男風呂。

 

大輝「ほへ〜。日頃の疲れがどんどん溶けていく〜。」

 

優斗「風呂に入ったら急にテンション変わったな。」

 

大輝「毎日家の風呂も良いが、銭湯に入るのも悪くねぇな〜。」

 

優斗「まあ確かにそうだな。今度美佳さんと日帰り温泉行こうかな。」

 

大輝「なぁ優斗!彼処の壁から女風呂覗いても良いか?」

 

優斗「ならお前を警察に通報するぞ。」

 

大輝「冗談だ。でも会話だけ聞こえるからそれだけで十分だ。」

 

優斗「はぁ、お前は中学の頃からアホだなおい。」

 

 

 

 

そして女風呂では。

 

はじめ「はぁ〜〜〜。」

 

ゆんがはじめの体を見て怒りを覚えた。そして手水鉄砲ではじめに飛ばした。

 

はじめ「うわ!?何すんだよ!」

 

ゆん「すまんな~。無性に腹が立ってもうて。」

 

はじめ「よく分かんないけど・・・やられたらやり返す!」

 

倍返しする。その後も2人は手水鉄砲で遊ぶ。

 

青葉「本当仲が良いですね~。」

 

すると青葉の顔にお湯が飛んだ。

 

ゆん・はじめ「仲良くない!」

 

青葉「もう・・・やりましたね!なら私も!」

 

途中から青葉も参戦。ひふみはただ1人眺めていた。

 

ひふみ(誰も私には掛けてくれない・・・)

 

それに気付いた青葉がひふみにお湯を飛ばした。

 

青葉「ひふみ先輩隙あり~!」

 

するとひふみは顔を俯いた。

 

青葉「あ~!ひふみ先輩ごめんなさ~い!」

 

ひふみ「ううん・・・ありがとう。」

 

だがひふみは喜んでた。

 

 

 

 

男風呂。

 

優斗「何か楽しそうな声がするな。」

 

大輝「何だろう〜?想像するだけでムズムズする〜。」

 

優斗「お前鼻血出てんぞ。」

 

 

 

 

その後風呂から上がって、はじめとゆんが牛乳を飲み、ひふみがドライヤーで青葉の髪を乾かす。

 

ゆん・はじめ「ぷはぁ〜!」

 

 

 

 

 

 

優斗と大輝も風呂から上がって、大輝がマッサージチェアに座り、優斗はドライヤーを使って自分の髪を乾かす。

 

大輝「あ〜〜〜〜。」

 

優斗「ふぅ〜。」

 

 

 

 

 

 

全員が仮眠スペースで寝る。

 

 

 

 

 

 

そして朝になり、青葉が帰り道を歩く。

 

青葉「気持ち良かったな~。それに結構眠れたし・・・」

 

すると着信音が鳴った。

 

青葉「ねねっち・・・」

 

ねねからLINEが来た。ねねに電話する。

 

青葉「あ。ねねっち。おはよ~。今帰ってる所だよ。先輩達と銭湯に行ったんだ~。え?遊んでた訳じゃないって。ちゃんとお仕事してました~。」

 

 

 

 

 

 

そして月曜日になり、ある異常事態が起こった。

 

青葉「え~!?八神さんと遠山さんお休みなんですか!?」

 

しずく「遠山君の風邪が八神君に移ったみたいだね。遠山君はまだ長引いてるらしい。」

 

優斗「まさかコウさんまでもが風邪を引いてしまうとは。」

 

大輝「何時もパンツ1丁のコウさんが風邪ブフォア!?」

 

言ってる途中、優斗に脳天ゲンコツされた。

 

優斗「少々黙れテメェ。」

 

青葉「大丈夫なんでしょうか2人共・・・?」

 

しずく「ま、あの2人は働き過ぎなくらいだしたまにはゆっくり休めば良いんだよ。そして私達も病気にならないように栄養を付けないとね!」

 

シュークリームを差し出す。

 

青葉・ゆん・はじめ・ひふみ「おおー!!」

 

優斗「シュークリームですか!」

 

大輝「うっひょ〜シュークリーム!!」

 

ねね「わあー!美味しそー!」

 

しずく「桜君も食べるかい?」

 

ねね「ありがとうございます!葉月さん好き!」

 

しずく「そうだ。うみこ君にも一つ持って行ってあげれば?きっと喜んでくれると思うよ。」

 

ねね「ええ、そうですか・・・?」

 

しずく「そうだよ。あれで単純なんだから。」

 

優斗「ねねさん、俺も一緒に行くよ。」

 

 

 

 

 

 

2人はうみこのデスクへ向かう。ねねがシュークリームを持って行く。

 

ねね「失礼しま〜す・・・」

 

優斗「うみこさーん、居ますかー?」

 

だがうみこは居なかった。

 

ねね「って居ないや。」

 

優斗「うみこさんのデスク凄ぇな。エアガンばっかだな。」

 

ねね「うみこさんってやっぱりミリオタなんだ・・・」

 

デスクにあるエアガンを眺めてると。

 

うみこ「桜さん?相葉さん?」

 

ねね・優斗「!」

 

驚いてシュークリームを落としたが、優斗が間一髪キャッチした。

 

優斗「危ねぇ・・・」

 

ねね「ご、ごごごごごめんなさい・・・・」

 

うみこ「桜さん、あなたって人は・・・」

 

 

 

 

 

 

そしてその後。

 

ねね「皆さん今日までお世話になりました!」

 

パソコンを持って移動する。途中で青葉が発見した。

 

青葉「ねねっちどうしたの!?」

 

ねね「あおっち~・・・」

 

うみこ「これから桜さんには私の隣の席に移動してもらってデバッグの仕事に集中してもらいます。もう遊ばせませんよ。」

 

ねね「うえ〜〜〜ん!!!怖いよーーー!!」

 

 

 

 

 

 

今後ねねはうみこの隣でデバックする事となった。そして移動を終えた。優斗がそこで待っていた。

 

優斗「ねねさん大変だね・・・それとうみこさん、渡し忘れましたがこれ差し入れのシュークリームです。良かったら食べて下さい。」

 

うみこ「ありがとうございます。」

 

優斗「では失礼しました。じゃあね、ねねさん。」

 

ねね「相葉さん!助けて下さーい!」

 

優斗「その気持ちは分かるけど、今度から慎重に行動すれば上手く行けると思うよ。じゃあね。」

 

ねね「うう・・・・」

 

優斗は仕事に戻って行く。うみこはシュークリームを食べて、微笑みながらねねを見る。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨

      相葉美佳:榎本温子
  ムーンレンジャー:山村響
 ダンディーマックス:三宅健太

しずく「開発も終盤だねうみこ君。」

うみこ「そうですね。」

しずく「良いゲームになってるか?」

うみこ「まあまあでは?」

しずく「もっと良くする為に新しい仕様書をううう撃たないでーーー!!!」

次回「正社員ってお給料を安くするための法の抜け穴・・・」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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9・5話「夫婦の愛って素晴らしいんですね」

番外編2話です。


ある土曜。青葉が旅行カバンを持って阿佐ケ谷駅で誰かを待っていた。そこに1台のCX-3が停まった。中から優斗が出て来た。

 

青葉「あ!」

 

優斗「お待たせ青葉さん!」

 

青葉が走って来た。

 

優斗「待たせてごめんね。」

 

青葉「いえ、とんでもありません。」

 

優斗「ありがとう。じゃあ行こうか。」

 

青葉「はい!」

 

 

 

 

旅行カバンを後部座席に置いて、助手席に青葉が乗って、運転席に優斗が乗って運転する。

 

優斗「今日から3連休だから都合良かった。両親から許可貰った?」

 

青葉「はい。お母さんは喜んで行ってらっしゃいって言ってました。でもお父さんはちょっと怒ってました。『青葉にはまだ早い!』って。」

 

優斗「早い?あ〜そう言う事かぁ。俺の事、青葉さんの恋人だと思ってたのかぁ。」

 

青葉「でも、優斗さんは既婚者だよって言ったら、『楽しんでおいで。』って許してくれました。」

 

優斗「面白い親父さんだね。もし俺が独身だったら許してくれなさそう。」

 

青葉「私、先輩の人の家にお邪魔するのは初めてなんです。」

 

優斗「そうなんだ。まぁこの間は銭湯で寝泊まりしたしね。それに青葉さんが家に来る事大輝に話したら怒ってたな〜。」

 

 

 

 

 

 

数日前の出来事。

 

大輝『この野郎。青葉ちゃんを取ろうとしてんのか?』

 

優斗『誰がそう言った。美佳さんが誘ってくれって言われたんだ。』

 

大輝『クソッタレ!』

 

優斗『今度変な言葉言うと口を縫い合わすぞ。』

 

大輝『お願いだ!まだ死にたくないよ!』

 

 

 

 

 

 

そして現在。

 

青葉「優斗さん、大輝さんに対して容赦ないですね・・・」

 

優斗「大輝は昔からああだからね。」

 

 

 

 

 

 

そして数分後。優斗と美佳の家に到着した。

 

優斗「着いたよ。」

 

青葉「素敵な家ですね〜!」

 

優斗「そうかな?」

 

車から降りて家に上がる。優斗と美佳の家は一戸建ての家。そこに美佳が出て来た。

 

美佳「青葉ちゃんいらっしゃい!来てくれてありがとう!」

 

優斗「美佳さんただいま。」

 

青葉「お、お邪魔します!」

 

美佳「良いのよそんなに緊張しなくても。ささ!上がって上がって!」

 

青葉「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

リビングに入る。

 

美佳「ようこそ青葉ちゃん!我が家へ!」

 

青葉「あ、はい!あ、ありがとうございます。」

 

優斗「美佳さん、青葉さんちょっと戸惑ってるよ?青葉さん大丈夫?」

 

青葉「は、はい、美佳さんは本当に元気なお方なんですね。」

 

優斗「うん。・・・それに引き換え、何で大輝がここに居るんだ?」

 

そして何故か大輝が来ていた。

 

大輝「いやぁ〜実は美佳先輩から誘われて来ちまった。テヘペロ☆」

 

優斗「きめぇ。」

 

美佳「折角だから大輝君も誘って賑やかにしようと思ってね。」

 

優斗「そう言う事なら良いが。大輝、もし変な事したら追放するからな。」

 

大輝「任せろって。」

 

子猫「ニャ〜。」

 

すると何処からか子猫の鳴き声が聞こえた。

 

青葉「え?子猫の鳴き声?」

 

美佳「あの子起きたのね。おいで〜!」

 

猫用ケージを開けると茶色の子猫が出て、美佳の胸に飛び込んで来た。

 

青葉「わぁ!子猫だ!」

 

優斗「実は子猫飼ってるんだ。種類はスコティッシュフォールド。」

 

美佳「青葉ちゃん持ってみる?」

 

青葉「え?良いんですか?」

 

美佳「うん。この子人懐っこいから喜ぶよ。」

 

すると子猫が青葉に向かって飛び、青葉が見事キャッチした。子猫が青葉にスリスリした。

 

青葉「わぁ〜可愛いです!この子何て名前ですか?」

 

優斗「ユユだよ。美佳さんが名付けたの。」

 

美佳「猫可愛いでしょ?」

 

優斗「そうだね。見てるだけで和む。」

 

大輝「本当本当。子猫は癒しの切り札だしな。」

 

青葉「何時から猫飼ってるんですか?」

 

美佳「つい最近なの。この子捨て猫だったの。」

 

青葉「え!?捨て猫だったんですか?」

 

優斗「そうなんだよ。工事現場の近くのゴミ捨て場から発見したんだ。目立った外傷や障害が無くて良かったけど。」

 

青葉「酷いですよね・・・こんな可愛い子猫を捨てるなんて・・・」

 

優斗「やっぱり分かる?俺も子猫を捨てた奴許さないからね。」

 

大輝「もし会ったらボッコボコにしてやりてぇよ!」

 

優斗「見付けるの不可能に近いな。」

 

 

 

 

 

 

その後美佳がお茶を出した。

 

美佳「紅茶お待たせ。」

 

優斗「ありがとう。」

 

大輝「どうもです先輩。」

 

美佳「青葉ちゃんも。」

 

青葉「はい。頂きます。」

 

紅茶を啜る。

 

青葉「あ!この紅茶美味しいです!」

 

美佳「良かった〜!」

 

優斗「うん。やっぱり美佳さんが淹れる紅茶は美味いな。」

 

大輝「そうそう!先輩の紅茶は最高だな〜!」

 

青葉「あれ?美佳さん、前に会った時よりお腹が。」

 

以前会った時よりお腹が膨らんでる事に気付いた。

 

美佳「気付いた?私妊娠中なの。」

 

青葉「え!?妊娠!?」

 

美佳「そうなの。そろそろ子供が生まれそうなの。」

 

青葉「あ、だから子供用のおもちゃがあるんですね。」

 

リビングには子供用のおもちゃやベッドなど沢山あった。

 

優斗「そうそう。1ヶ月前に買ったからね。」

 

大輝「もうそんな時期になりましたね先輩。」

 

美佳「それで今は保育園をお休みしてるの。」

 

優斗「青葉さん、うちに結構ゲームあるけど見る?」

 

青葉「あ!見たいです!」

 

 

 

 

 

 

液晶テレビ50型フルハイビジョンの下にある棚からゲームを見せる。持ってるゲーム機はWiiとWii UとPS3とPS4。そしてスーパーファミコンとニンテンドー64までもある。

 

青葉「結構ゲームあるんですね。」

 

優斗「まあね。まずは俺が好きなゲームがこれだね。キングダムハーツシリーズとメタルギアシリーズ。」

 

キングダムハーツとメタルギアソリッドのゲームを見せる。

 

青葉「あ、キングダムハーツは昔やった事がありますけど、結構難しかったです。」

 

優斗「やった事あるの?」

 

青葉「はい。このメタルギアって言うゲーム知らないですね。」

 

優斗「メタルギアはステルスゲーム。つまり潜入をテーマにしたアクションゲームだよ。隠れながらステージを進むと言うアクションが堪らないんだよこれが。」

 

大輝「俺のバイオハザードも負けてられないぞ!」

 

優斗「何でバイオで張り合ってるんだ?」

 

美佳「こっちが私の好きなゲーム揃い。」

 

今度は美佳のゲームを見せる。

 

美佳「マリオとカービィだね。子供から大人まで大好きなゲームよ。」

 

青葉「あ!マリオとカービィなら今でもねねっちと遊んでます!」

 

美佳「後マリオパーティは何時も優斗君と楽しく遊んでるの。」

 

優斗「本当にマリオは面白くてさ。将来子供が出来たら一緒に遊びたいって言ってた。」

 

大輝「俺も早く子供が欲しいよ〜優斗ちゃ〜ん。」

 

優斗「何度も言わせんなよ。早く自分の彼女見付け出せよ。あ!そうそう。これもあった。」

 

取り出したのは、フェアリーズストーリー1と2。

 

青葉「あ!フェアリーズストーリー!」

 

優斗「本当に良いゲームだよこれ。2から俺と大輝が携わった。」

 

大輝「優斗のVFXと俺のCGが迫力あるぜ!」

 

優斗「おいキャラと背景とストーリーの迫力はどうした?」

 

 

 

 

 

 

その夕方、皆で夕飯を頂く。今回は餃子、焼売、小籠包、麻婆豆腐の中華料理フルコース。ユユもご飯を食べる。

 

美佳「青葉ちゃん沢山食べてね。私と優斗君の共同中華料理よ。」

 

青葉「はい!どれも美味しいです!」

 

美佳「良かった〜!」

 

優斗「どうだ大輝?俺と美佳さんの共同料理は。」

 

大輝「ガチ美味だぜ!これなら毎日食っても飽きないぜ!」

 

優斗「後でレシピ送るわ。」

 

大輝「サンキュー。」

 

美佳「ねえ青葉ちゃん。」

 

青葉「はい?」

 

美佳「聞きたい?」

 

青葉「何をですか?」

 

美佳「私と優斗君の出会いを。」

 

青葉「あ!今それを言おうと思ってました!聞きたいです!」

 

大輝「先輩!俺も聞きたいです!」

 

優斗「お前結婚式の時に聞いたろ。」

 

美佳「じゃあ話すわね。あれは高校時代の時だったの。私が学校へ行ってる途中に、中年男性が私をナンパして来たの。私は恐怖のあまり動けなかった。でもその時助けてくれたのは優斗君だった。私は助けてくれた優斗君に惚れたの。」

 

優斗「そうそう。その男は俺に喧嘩したがあっさり負けて『ナンパしてごめんなさい!』って深く反省したんだ。」

 

青葉「そうだったんですか。優斗さん凄いですね。」

 

優斗「あの時は助けたいと思ったから動いたんだ。」

 

美佳「それと私が優斗君に惚れたのはこれだけじゃなかったのよ。」

 

青葉「え?」

 

美佳「確か2年前だった頃、休みの時にパパが私と一緒にショッピングモールに行ってた時にね、パパが突然体調を崩したの。病院へ連れて行こうとしたけど、病院は遠かったの。私はあの時免許も車も無かったし、ママもこの時居なかったの。その時にたまたま優斗君と高校以来に会ったの。」

 

優斗「そして俺が事情を聞くと急いで親父さんと美佳さんを俺の車に乗せて病院へ連れて行ったんだ。」

 

美佳「そしてパパに胃癌が見付かった。でも早期発見だったから奇跡的に1週間で完治されたの。私のパパを救ってくれた優斗君に感謝しなきゃね。」

 

大輝「お前余程先輩が好きだったのか?」

 

優斗「いやあの時は本当に偶然だったんだ。」

 

青葉「優斗さん凄いですね。美佳さんのお父さんを助けてくれたなんて感動です!」

 

優斗「いやぁ、褒められると照れるよ青葉さん。」

 

美佳「そして私はその後パパに優斗君と結婚したいって話したら快く許してくれたの。」

 

優斗「その後美佳さんの親父さんから『娘を幸せにしてやってくれ。』って言われて結婚を勧めてくれたんだ。俺もその言葉を受けて去年に結婚したんだ。りんさんやコウさん、それにゆんさんやはじめさんやひふみさんやしずくさんやうみこさんやイーグルジャンプの皆も祝福してくれたんだ。」

 

青葉「それが切っ掛けだったんですね!でも途中に喧嘩とかありました?」

 

美佳「それは無い無い。私と優斗君は共に優しい性格で喧嘩とか無くてもう毎日幸せに過ごしてるの。」

 

優斗「何時も俺の弁当は美佳さんの愛妻弁当だしね。」

 

青葉「成る程。夫婦の愛って素晴らしいんですね。」

 

優斗「それと、何で大輝は泣いてんだお前?」

 

大輝「だってよ、全部感動するんだよ〜!」

 

優斗「お前本当涙脆いよな・・・」

 

 

 

 

 

 

そして夕飯を食べ終えた。

 

青葉「ご馳走様でした。」

 

美佳「お粗末様でした。」

 

大輝「ご馳走さん!食った食った〜!でも物足りん気がする。」

 

優斗「お前の胃はブラックホールかよ。」

 

美佳「あ!そろそろお風呂が入る頃ね。青葉ちゃん、一緒にお風呂入る?」

 

青葉「え!?私とですか!?」

 

美佳「そうだよ!秘密の花園で2人きりでお話しでもしましょうよ〜。」

 

青葉「あ!ちょっと美佳さ〜ん!」

 

美佳が青葉を連れて浴室へ向かう。

 

大輝「先輩!俺も同行しま〜ぐへあ!?」

 

そう言った瞬間優斗に殴られた。

 

優斗「俺達は待機だ。」

 

大輝「へぇ〜い・・・(待てよ?先輩と青葉ちゃんが入った後の浴室も良いかもな〜。)」

 

優斗「何て考えてねえだろうな?」

 

大輝「読まれた!?」

 

 

 

 

 

 

美佳と青葉が風呂に入ってる間、優斗はキングダムハーツ2ファイナルミックスをプレイしている。

 

優斗「そう言えば最近どうよ。CGの出来は。」

 

大輝「順調だぜ。お前はどうなんだ?」

 

優斗「お前と同じさ。爆発の加工も良い具合に出来上がってるぜ。」

 

大輝「このまま良い感じに出来上がったら良いゲームの完成も夢じゃねえな。」

 

優斗「まだ分からんぞ。最終マスターが成功しなきゃ発売中止になってお蔵入りになって俺達の苦労が徒労になるぞ。」

 

大輝「それだけは嫌だな・・・だが俺達で発売中止のフラグをゴミ箱に捨ててやるぜ!」

 

優斗「それが大きな大惨事を引き起こしそうな感じ。」

 

数分後に青葉と美佳が上がり、優斗と大輝の順に風呂に入った。

 

 

 

 

 

 

その夜。大輝が風呂に入ってる間、優斗と美佳がリビングで布団を敷いてた。

 

優斗「布団OK。」

 

青葉「ここで寝るんですか?」

 

美佳「寝床は何時もここなの。」

 

そこに大輝が風呂から上がった。

 

大輝「優斗〜上がったぞ〜。風呂も抜いたぞ〜。」

 

優斗「おうサンキュー。」

 

美佳「さてと青葉ちゃん、折角だから皆で一緒にマリオパーティやらない?」

 

大輝「お!良いっすね!やろうよ青葉ちゃん!」

 

青葉「私も?」

 

優斗「あはは。」

 

 

 

 

 

 

早速マリオパーティ5をWiiに入れてプレイする。1Pの美佳はマリオを選択。2Pの優斗はルイージを選択。3Pの青葉はピーチを選択。4Pの大輝はテレサを選択した。

 

 

 

 

ゲームの中。優斗はルイージコス。大輝はテレサになってる。美佳はマリオコス。青葉はピーチコス。

 

優斗「おお、俺ルイージコスチュームか。」

 

美佳「私はマリオね。青葉ちゃんのピーチ姿可愛いね。」

 

青葉「そ、そうですか?」

 

大輝「俺テレサそのものになってんな。」

 

優斗「結構似合ってんなお前。」

 

大輝「この姿でも良いな。ケケケ〜!」

 

美佳「負けないわよ〜!」

 

優斗「よっしゃ!」

 

青葉「頑張ります!」

 

大輝「勝っちゃるぜ!ケケケ!」

 

ミニゲームスタート。

 

 

 

 

最初はラッキーコインマシーン。

 

『スタート!』

 

美佳「はい!」

 

優斗「よっと!」

 

青葉「それ!」

 

大輝「どりゃ!」

 

結果は。マリオは1コイン。ルイージはドッスン。ピーチは30コイン。テレサはドッスン。

 

優斗「ぐえっ!」

 

大輝「ぶえっ!」

 

「フィニッシュ!」

 

マリオ・ピーチ勝ち。

 

美佳「やったー!勝ったー!」

 

青葉「やりました!」

 

 

 

 

ペンギンだいこうしん。

 

『スタート!』

 

4人が次々とペンギンを避けながら進む。

 

青葉「退いて下さ〜い!」

 

美佳「ごめんね、通して!」

 

優斗「この野郎通せ!」

 

大輝「退きやがれ!」

 

次第にペンギンが多くなり。

 

大輝「落ちた〜!」

 

美佳「あ〜!」

 

青葉「落ちちゃいました!」

 

『フィニッシュ!』

 

ルイージ勝ち。

 

優斗「おっしゃ〜!」

 

 

 

 

ギリギリワンワン。

 

『スタート!』

 

徐々にワンワンが近付く。最初に照らしたのはピーチ。記録9m。

 

青葉「あ、早過ぎちゃったかも・・・」

 

次に照らしたのはマリオ。記録は5m。

 

美佳「良い感じかな?」

 

そしてテレサはアウト。

 

大輝「ぎゃ〜!欲張り過ぎた〜!」

 

そして最後にルイージが照らした。記録は7m。

 

優斗「惜しい!」

 

『フィニッシュ!』

 

マリオ勝ち!

 

美佳「やった〜!また勝った〜!」

 

青葉「これ凄く楽しいですね!」

 

大輝「いてて〜・・・ワンワン強烈過ぎだろ・・・」

 

優斗「お前大丈夫か?」

 

 

 

 

フラワーガーデン。

 

『スタート!』

 

4人が落ちて来た花を多く取る。

 

『フィニッシュ!』

 

結果は、マリオ23。ルイージ25。ピーチ34。テレサ33。ピーチ勝ち。

 

青葉「あ!また勝ちました!」

 

美佳「青葉ちゃん強いね!」

 

青葉「そ、そうですか?」

 

大輝「今の所俺0勝・・・」

 

優斗「まあ後にラッキーが来るかも知れねえぞ?」

 

 

 

 

ころころペッタン。

 

美佳「じゃあ大輝君、鬼宜しくね〜。」

 

大輝「え〜!?」

 

優斗「ほいっと!」

 

青葉「それ!」

 

美佳「よっ!」

 

3人がでかいブロックに入った。

 

大輝「・・・先輩に言われたからやるしか無え!」

 

小さいブロックに入った。

 

テレサVSマリオ、ルイージ、ピーチ。

 

『スタート!』

 

大輝「助けてくれ〜〜!」

 

優斗「待てやこの野郎!」

 

青葉「大輝さん覚悟です〜!」

 

美佳「潰すわよ〜〜!」

 

だがテレサは華麗に避けながら逃げ回る。

 

優斗「くそ此奴!」

 

青葉「待って下さ〜い!」

 

美佳「速いよ大輝君!」

 

『フィニッシュ!』

 

テレサの勝ち。

 

大輝「よっしゃ〜!初勝利獲得!」

 

優斗「やるなお前。」

 

大輝「何せ俺ドッジボールでは回避のプロとも呼ばれてたからな!」

 

青葉「そうなんですか?」

 

優斗「自称だけど。」

 

 

 

 

UFOでつかまえろ。ルイージVSマリオ、ピーチ、テレサ。

 

『スタート!』

 

優斗「逃げろ逃げろ!」

 

美佳「優斗君大人しくしなさ〜い!」

 

大輝「逃げても無駄だぜ優斗〜!」

 

青葉「優斗さん捕まえちゃいますよ〜!」

 

そして遂に。

 

優斗「あ〜捕まっちゃった〜!」

 

『フィニッシュ!』

 

マリオ、ピーチ、テレサ勝ち。

 

大輝「やったぜ〜!また勝ったぜ〜!」

 

 

 

 

ボムへいどうかせん。マリオ、ピーチVSルイージ、テレサ。

 

美佳「さぁ〜優斗君大輝君!私と青葉ちゃん組の対決よ〜!」

 

青葉「勝負です!」

 

優斗「望む所だよ!」

 

大輝「負けへんで〜!」

 

『スタート!』

 

優斗「おい大輝そっち消してくれ!」

 

大輝「任せろ!」

 

ルイージとテレサは余裕で火を消し続ける。

 

青葉「美佳さんそっちを頼みます!」

 

美佳「任せて青葉ちゃん!」

 

マリオとピーチも余裕で消し続ける。そして後半になると。

 

美佳「青葉ちゃんそっち大丈夫?」

 

青葉「大丈夫です!」

 

優斗「おい大輝そっち消してねえぞ!」

 

大輝「あーしまったー!!待ってくれー!」

 

優斗・大輝「ぎゃああああ!!!」

 

ルイージとテレサが負けた。マリオ、ピーチ勝ち。

 

美佳「やったね青葉ちゃん!」

 

青葉「ふぅ〜。危機一髪でした〜。」

 

 

 

 

たたいてハンマー。

 

『スタート!』

 

4人が必死にハンマーを叩く。

 

美佳「うお〜〜〜!!」

 

青葉「お〜〜〜〜!!」

 

優斗「どららららら!!」

 

大輝「おりゃりゃりゃりゃ!!」

 

結果。マリオ、ピーチは171。ルイージ、テレサは256。ルイージ、テレサ勝ち。

 

優斗「勝った・・・」

 

大輝「体疲れる・・・」

 

青葉「2人共凄いですね・・・」

 

美佳「やっぱり連打は苦手だな〜私・・・」

 

 

 

 

そろってスロット。

 

『スタート!』

 

4人がブロックを叩く。

 

『フィニッシュ!』

 

結果。マリオ100点。ルイージ70点。ピーチ100点。テレサ0点。マリオ、ピーチ勝ち。

 

美佳「勝った〜!」

 

青葉「偶然ですね!」

 

優斗「また負けたか。」

 

大輝「俺揃ってね〜・・・そうだ優斗!デュエルミニゲームで勝負しようぜ!」

 

優斗「お!良いだろう!」

 

 

 

 

ギリギリカウントダウン。大輝がマリオコスになった。

 

『スタート!』

 

風船に空気が入れられて徐々に大きくなっていき、タイムが迫って来る。

 

優斗・大輝「せーの!」

 

同時にカウントダウンをストップした。マリオ0,4秒。ルイージ0,39秒。

 

『フィニッシュ!』

 

大輝「うそ〜ん!」

 

ルイージ勝ち。

 

優斗「ギリギリだったな。」

 

青葉「優斗さんと大輝さん熱心ですね・・・」

 

美佳「2人は対戦になると凄く燃えるのよ?」

 

 

 

 

うえからブロック。

 

『スタート!』

 

最初はYブロック。

 

優斗「よっと。」

 

大輝「余裕余裕。」

 

次はBブロック。

 

優斗「おっと。」

 

大輝「これも余裕。」

 

次はXブロック。

 

優斗「うおっ!」

 

大輝「腕が!」

 

そして次はRブロック。

 

優斗「ちょ!?」

 

大輝「ちょ、ちょっと待って!」

 

そして今度はLブロック。

 

優斗「重過ぎる!」

 

大輝「だが負けるか!」

 

しかしマリオが負けた。ルイージ勝ち。

 

優斗「腕痛って〜!」

 

大輝「無理だろこれ・・・」

 

 

 

 

えらんでロープ。

 

『スタート!』

 

優斗「これだ!」

 

大輝「俺これ!」

 

マリオは左のロープ、ルイージは真ん中のロープを選んで引く。

 

優斗「ぐへ!」

 

ルイージは重り、マリオが紙吹雪。マリオ勝ち。

 

大輝「よっしゃ勝った〜!」

 

 

 

 

がんばってもダメなのだ。大輝がテレサに戻り、青葉と青葉が戻って来た。

 

『スタート!』

 

美佳「逃げて逃げて!」

 

青葉「あわわわわ!」

 

優斗「ちょちょちょ!」

 

大輝「当たるな当たるな!」

 

そして。

 

美佳「危ない!」

 

青葉「きゃ!」

 

優斗「よっと!」

 

大輝「あちゃちゃちゃ!」

 

ピーチとテレサが火の粉に当たってアウト。

 

『フィニッシュ!』

 

美佳「青葉ちゃん大丈夫?」

 

青葉「熱いです・・・」

 

大輝「負けた・・・」

 

優斗「此奴は影を見れば回避出来るんだよ。」

 

 

 

 

次はかんがえてもムダなのだ。

 

『スタート!』

 

大輝「なぁ試しに全員同じ壺入ろうぜ?」

 

美佳「一緒の?」

 

優斗「それ負けフラグ立てまくりだろ。」

 

大輝「負けても良いから早く。皆Xを選べ〜!」

 

青葉「あ、はい!」

 

優斗「仕方無え!」

 

美佳「待って〜!」

 

全員Xの壺に入った。クッパが壺を選ぶ。まずはAの壺にブレスした。今度はBの壺をブレスした。

 

『フィニッシュ!』

 

青葉「皆さん勝ちました。」

 

大輝「ほらな。」

 

優斗「フラグが折れたな。」

 

美佳「大輝君冴えてる〜!クッパごめんね〜!」

 

その後もミニゲームを楽しむ4人。

 

 

 

 

 

 

そして相葉家。

 

美佳「ふぅ〜。楽しかったわ〜。」

 

青葉「私も楽しかったです。こんなにはしゃいだのは久し振りでした。」

 

優斗「大輝お前汗掻き過ぎだろ・・・」

 

大輝「ハァ・・・ハァ・・・燃え過ぎた・・・タオル何処だ・・・?」

 

優斗「ほれ。」

 

タオルで汗を拭く。

 

青葉「凄い汗ですね大輝さん・・・」

 

大輝「ふぅ〜、しかしやり過ぎて眠気が・・・」

 

美佳「じゃあそろそろ寝ましょうか。おやすみなさい。」

 

青葉「おやすみなさい。」

 

優斗「おやすみ。」

 

大輝「おやすみです〜。」

 

電気を消して寝る準備に入る。青葉は美佳の左。優斗と大輝は個別の布団に入って寝る。ユユは青葉と美佳の間に入って寝る。

 

 

 

 

 

 

そして翌朝7時30分。青葉が目を覚ます。

 

青葉「ふわぁ〜・・・もう朝・・・?」

 

台所を見ると、優斗と美佳が朝食作っていた。

 

青葉「おはようございます・・・」

 

優斗「あ!青葉さん起きた?」

 

美佳「おはよう青葉ちゃん。」

 

優斗「大輝は?」

 

青葉「まだ寝てます。」

 

そして大輝は爆睡中だった。

 

美佳「そろそろ朝食が出来るから待っててね。優斗君、大輝君を起こして。」

 

優斗「分かった。」

 

そして寝てる大輝の方へ寄った。

 

優斗「おい大輝起きろ。」

 

大輝「zzzz・・・・」

 

優斗「おい起きろこの野郎。」

 

大輝「zzzz・・・・」

 

優斗「完全に絶賛熟睡中だな。こうなったら、美佳さんあれ。」

 

美佳「うん。」

 

すると美佳が優斗にある物を渡した。そして優斗はそれを大輝の口に突っ込んだ。すると大輝が一瞬にして目を開けた。

 

大輝「不味ーーーーー!!!」

 

優斗「起きたか。」

 

大輝「お前何しやがった!?」

 

優斗「お前が起きないからトマトを食わせた。」

 

大輝「がーーー!!お前俺がトマト嫌いだって知ってるだろ!」

 

優斗「起きないお前が悪いだろ。」

 

青葉「美佳さん、大輝さん起きましたよ?」

 

美佳「ありがとうね。皆朝食出来たわよ〜。」

 

 

 

 

 

 

その後朝食を食べる。今日はトーストとスクランブルエッグとサラダ。

 

大輝「朝から飯が生々しくなった・・・」

 

優斗「お気の毒。」

 

大輝「てめぇ・・・」

 

青葉「大輝さん大丈夫ですか?」

 

大輝「ありがとう青葉ちゃん!君は優しいね〜!」

 

青葉「あ、はい。」

 

美佳「朝から賑やかで良いわね〜。」

 

優斗「殆ど大輝が賑やかにさせてるしな。」

 

 

 

 

 

 

その後朝8時になり、朝食を食べ終えて優斗が皿洗いしてる。青葉と美佳は大輝がプレイしているスーパーマリオRPGを見てる。

 

青葉「この人の会話速いですね。」

 

大輝「これ早口で言える人居るんかいな?」

 

美佳「多分居ないでしょ?」

 

大輝「よっしゃ!ひまんパタこうらゲット!」

 

優斗「おい俺のデータで進むなよ。」

 

大輝「さっきのトマトのお返しだよ〜。」

 

全員が笑う。するとその時。

 

美佳「う・・・!」

 

突然美佳が苦しむ。

 

青葉「美佳さん!?」

 

大輝「先輩!?」

 

優斗「え!?美佳さん!?」

 

美佳「じ・・・陣痛が!」

 

優斗「陣痛!?大輝!美佳さんを車に乗せてくれ!」

 

大輝「わ、分かった!」

 

青葉「美佳さん大丈夫ですか!?」

 

美佳を急いで車に乗せる。大輝と青葉が後ろの座席に乗り、優斗が運転席に乗って病院へ直行する。

 

 

 

 

 

 

病院では美佳が大部屋に入って、優斗と大輝と青葉は廊下で待機してる。

 

青葉「美佳さんまさか・・・」

 

優斗「陣痛が来たって事は、念願の出産だ。」

 

大輝「やっとお前と先輩の間に子供が生まれるのか。」

 

優斗「あぁ〜・・・緊張する・・・」

 

青葉「わ、私も緊張しています・・・」

 

大輝「俺も・・・」

 

そして、遂にその時が。

 

赤ちゃん「おぎゃ〜〜〜!!」

 

優斗「はっ!」

 

青葉「あっ!」

 

大輝「おっ!」

 

遂に子供が生まれた。

 

 

 

 

 

部屋に入ると美佳がベッドで横になっていた。

 

優斗「美佳さん。」

 

青葉「美佳さん。」

 

大輝「先輩。」

 

美佳「優斗君、青葉ちゃん、大輝君。」

 

優斗「赤ちゃんは?」

 

美佳「私の横に居るわよ。」

 

横に小さなベッドがあり、そこに赤ん坊が寝ていた。

 

優斗「お・・・!」

 

大輝「お〜!」

 

青葉「わぁ〜!」

 

美佳「喜んで優斗君。元気な女の子だよ。」

 

優斗「女の子!願いが叶ったね美佳さん!」

 

美佳「うん!」

 

生まれた子供は女の子だった。

 

大輝「可愛い女の子だ〜!」

 

青葉「大輝さんちょっと静かにして下さい。」

 

大輝「おっと、ごめんごめん。」

 

青葉「私この出来事初めて見ました。感動しました!」

 

優斗「青葉さん、また良い物見れて良かったね。」

 

大輝「なあ優斗、お前と先輩の子供に名前付けねえのか?」

 

美佳「そうよ名前だわ!優斗君決めてくれる?」

 

優斗「俺が?う〜んそうだな・・・ん?」

 

すると優斗は外を見た。中庭で看護婦が水やりをしていて、水で虹が現れてた。すると優斗が名前が浮かんだ。

 

優斗「この子の名前は奈々だ。」

 

美佳「奈々?」

 

優斗「そう。ずっと家族を虹色に輝かせてくれるだろうと言う意味で名付けたんだ。」

 

美佳「良いわね奈々!可愛い名前だわ!」

 

青葉「私も賛成です!」

 

大輝「お前らしい考えだ。良い名前だな。」

 

優斗「ああ。お嬢さん、君の名前は奈々だよ。」

 

こうして優斗と美佳の間に女の子が生まれ、奈々と名付けた。

 

 

 

 

 

数日後のイーグルジャンプ。優斗が社内のカフェで弁当を食べてると。

 

りん「優斗君。」

 

優斗「あ、りんさん。」

 

そこにりんが優斗の方に来た。

 

りん「青葉ちゃんから聞いたわよ。出産おめでとう。」

 

優斗「ありがとうございますりんさん。この話コウさん何て言ってました?」

 

りん「コウちゃん凄く驚いてたわよ。」

 

 

 

 

コウ『嘘!?子供生まれたの!?』

 

 

 

 

優斗「そうなりますよね。青葉さんに昼まで内緒にしていてねって頼んでましたからね。他の皆はどんな反応してました?」

 

りん「皆も驚いてたわよ。」

 

優斗「あはは。」

 

りん「それで子供は男の子?女の子?」

 

優斗「女の子です。名前は奈々って言って、俺が名付けたんです。スマホに奈々の写真があるんです。」

 

スマホのギャラリーから、奈々の写真を見せた。

 

りん「あら可愛い!優斗君、これから子育ても頑張ってね。」

 

優斗「勿論です。子供を育てるのも親の仕事ですから。」

 

オフィスに戻ると、社員達から出産祝いが殺到した。

 

 

 

 

 

 

その日の夜、優斗が父親と電話していた。

 

優斗の父『そうか。お前と美佳さんの子供が生まれたのか。』

 

優斗「ああ。しかも女の子だ。名前は奈々。美佳さん喜んでたぜ。」

 

優斗の父『早いもんだな。もうお祖父ちゃんになったのか私達は。』

 

優斗「どうだ親父?孫が出来た気分は。」

 

優斗の父『最高の気分だ。今度是非顔を見せてくれよな。』

 

優斗「来てくれよ。可愛くてメロメロになるかもだぞ?」

 

優斗の父『おいおい。優斗、仕事も大事だけど子育てもしっかりな。』

 

優斗「承知してる。今の美佳さん、凄く嬉しそうだ。」

 

そして美佳は、奈々に乳を飲ませてる。

 

美佳「奈々、ママとパパが一生懸命育ててあげるね。」

 

子供が生まれてとても満足の優斗と美佳であった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      相葉美佳:榎本温子

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣

      優斗の父:浜田治貴

と言う訳で番外編全2話終えました。急展開として優斗と美佳の子供を誕生させました。

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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10話「正社員ってお給料を安くするための法の抜け穴・・・」

土曜のある日。青葉は電車に乗って眠っていた。そして阿佐ケ谷駅に到着したと同時に青葉が起きた。

青葉「うわあ!!すみませ~ん!降りま~す!」

走って降りる。そしてギリギリ阿佐ケ谷駅に降りた。

青葉「うぅ・・・眠いし疲れが取れない・・・土曜なのに会社だから土曜って感じもしないし・・・」

その途中。

女の子「キリンさんが見たい!」

父親「キリンさんかぁ。」

女の子「うん!」

父親「パパもキリンさん好きだぞ〜?」

女の子「本当!?」

父親「でもやっぱり像さんが一番かな?」

女の子「私も像さんが好きー!」

楽しい家族を見て青葉は心を痛めてた。

青葉「何だろう・・・会社は楽しいのにこの複雑な気持ち・・・」

コウ「ダメだ!見ると心を痛めるぞ!」

後ろからコウが青葉の両目を塞ぐ。


目隠しされて青葉が足掻く。

 

青葉「や・・・八神さん!何ですかいきなり・・・」

 

コウ「いや~。青葉が何かぼーっとしてたからさ。大丈夫か?」

 

青葉「あ・・・ちょっと寝不足かもしれません。」

 

コウ「マジでしんどい時にはちゃんと言うんだぞ!」

 

青葉「はい!」

 

 

 

女性店員「本日ドーナツ全品半額中です!半額中でーす!お買い得でーす!」

 

ドーナツ屋を発見した。

 

 

 

青葉「あのドーナツ屋さん美味しいらしいですよ?」

 

コウ「へ~。どうせ皆出社してるだろうし差し入れに買ってこうか。」

 

青葉「良いですね!早速並んできます!」

 

コウ「全然元気じゃん・・・」

 

 

 

 

 

 

ドーナツを買って出社する。

 

コウ「な〜んだ。まだひふみんしか来てないし。」

 

まだひふみしか来てなかった。

 

青葉「ひふみ先輩おはようございます」

 

ひふみ「おはよう。」

 

青葉「ってこれ!」

 

デスクの上にあのドーナツが2箱置いてあった。

 

ひふみ「あ、これ・・・あの・・・おやつにと思って・・・」

 

優斗「おはようございます。」

 

青葉「あ!優斗さんおはようございます!」

 

そこに優斗が出社した。優斗の手には1箱のドーナツがあった。

 

優斗「あれ!?このドーナツ同じの!?」

 

青葉「優斗さんも?」

 

 

 

 

 

 

現在ドーナツは5箱になった。

 

青葉「ドーナツ・・・被っちゃいましたね。」

 

コウ「5箱も・・・まぁ企画やプログラマーに配るんだなこれは。」

 

青葉「土日じゃなければねねっちも食べられたのに・・・」

 

コウ「ねねちゃんはアルバイトだから無理だな。」

 

青葉「何でアルバイトは土日来ちゃダメなんですか?」

 

コウ「あ~・・・会社によるけど時給だから残業や土日まで働かれると青葉より高い給料になっちゃうし・・・」

 

青葉「ま・・・まさか!正社員ってお給料を安くするための法の抜け穴・・・」

 

コウ「その事については今度話そ~う。」

 

青葉「そうだ!写メ撮ってねねっちに飯テロしちゃお~!」

 

ドーナツを撮って写メを送る。

 

コウ「意外とSっ気あるな・・・」

 

優斗「だったら俺も。美佳さんに写メ送ろう。」

 

ドーナツを撮って写メを送る。

 

コウ「じゃあ企画に一箱渡して来る。青葉は阿波根にでも渡しといて。」

 

青葉「はーい!」

 

コウがドーナツを企画班へ渡しに行く。すると青葉のスマホに着信音が鳴った。メールを見ると。

 

青葉「あはは!」

 

それをひふみが見ていた。

 

青葉「?」

 

ひふみ「ああ・・・」

 

青葉「ああ・・・ねねっちが悔しがってるので少し可笑しかっただけですよ。」

 

ひふみ「あ・・・青葉ちゃんって仲良くなると意地悪に・・・なっちゃう・・・方?」

 

優斗「ひふみさんどうしたの?」

 

青葉「え?や・・・やだなぁ!そんな事ない・・・と思います多分・・・ねねっちだけです。」

 

ひふみ(青葉ちゃんとは仲良くしたい。でも仲良くなり過ぎると意地悪な青葉ちゃんになっちゃうかもしれない・・・)

 

小悪魔青葉『うふ。ひふみ先輩またびくびくしてる。面白いです。』

 

そんな事を想像すると、ひふみが怖がった。

 

優斗「ひふみさん大丈夫?」

 

青葉「じゃあ私はうみこさんに一箱持って行きますね。」

 

ひふみ「わ・・・私も・・・行く。」

 

優斗「何なら俺も一緒に行くよ。」

 

青葉「本当ですか?じゃあ一緒に。」

 

ひふみ「う、うん。(そんな事もない・・・か。)」

 

 

 

 

 

 

一方その頃ねねは、部屋でドーナツの写メを見て不機嫌になってた。

 

ねね「美味しそう・・・良いな~ドーナツ・・・あおっちだけずるいずるいずるいずるいずるい~!」

 

ベッドの上で駄々を捏ねる。すると外から会話が聞こえた。

 

母親「走らないの。シグナルスリーのステージはお昼からでしょ?」

 

男の子「早くしないと始まっちゃうよー!」

 

母親「大丈夫。シグナルスリーのステージはお昼からだから。」

 

男の子「僕大きくなったらシグナルスリーになるんだ!それでね!悪い奴から皆を守るのー!」

 

母親「うふふ。そうなの?」

 

男の子「ママの事もちゃんと守るからね!」

 

母親「わあ!ありがと!」

 

男の子「行こー!ママー!早くー!」

 

ねね「今日土曜日だもんね・・・土曜日なのにあおっちまた今日も会社行ってるんだ・・・」

 

 

 

 

 

同じ頃相葉家では。

 

美佳「美味しそうなドーナツね〜。優斗君が帰ったら3人と一緒に食べようかな。」

 

あのメールを見た美佳は、すぐにドーナツを買って帰ったのだった。大量に買って来た。

 

美佳「こっちは先生方の分で、こっちは子供達の分にしようかな。うふふ。きっと皆喜ぶと思うわ〜。」

 

ユユ「ニャ〜。」

 

美佳「ん?ユユもドーナツ食べたいの?」

 

ユユ「ニャ〜。」

 

美佳「ごめんね、猫にドーナツは危ないの。でも代わりに猫用のケーキをあげるわ。」

 

ユユ「ニャ〜。」

 

猫用ケーキを食べるユユ。

 

美佳「やっぱり、猫可愛いね〜。」

 

 

 

 

 

そしてその頃青葉達は震えてた。プログラマー班が半分倒れ込んでた。うみこは平然と作業している。

 

青葉「あの・・・」

 

うみこ「ああ、一番酷いタイミングでいらっしゃいましたね。ようこそプログラマーブースへ。」

 

青葉「み、皆さんお疲れですね・・・」

 

うみこ「ええ。まぁでも楽しいですよ。戦場みたいで。」

 

優斗「それうみこさんの場合でしょ。他の皆さん蛻の殻状態ですよ。」

 

うみこ「バグの報告が予想より多くててんてこ舞いなんです。桜さんも細かく報告を入れてくれてます。」

 

青葉「へぇ〜、ねねっち頑張ってるんですね。」

 

うみこ「実際企画も評価してるそうですよ。旧作を熟知してないと分からない指摘もあり助かっていると。」

 

青葉「昔からゲームが好きで特にフェアリーズは凄くハマってましたから!」

 

うみこ「そうですか。まぁ桜さんの問題は素行・・・ですが。」

 

優斗「素行、と言うと?」

 

うみこ「そうですね・・・勝手に何処かへ行ったり、じっと立ってると少し動いてる事が多いです。」

 

優斗「あ〜それ多分、多動性障害だと思います。そう言った障害持ってる人多いですし。」

 

うみこ「多動性障害ですか。」

 

青葉「多動性障害って何ですか?」

 

優斗「障害の一種だよ。まあ簡単に言えば集中力が無いとか、じっとしてられないとか、考える前に実行してしまう障害だよ。」

 

青葉「気を付けるよう言っておきます・・・あそうだ。これ差し入れです。八神さんと滝本さんと相葉さんと私からです。」

 

うみこ「これはどうも。後で皆でいただきます。滝本さんも相葉さんもありがとうございます。」

 

ひふみ「い・・・いえ!そんな・・・」

 

優斗「いえいえ、そんな事は。」

 

うみこ「お礼にこの空薬莢を差し上げます。ペン立てにもなりますよ。」

 

優斗(今度は戦車砲?いくら何でもそれは・・・)

 

ひふみ「・・・あ・・・ありがとうございます・・・大切にします。」

 

優斗(いやひふみさん受け取るんですかい!)

 

うみこ「そうだ!今度サバゲーでもどうでしょう・・・」

 

青葉「え!?」

 

優斗「いやうみこさんそれは・・・」

 

うみこ「安心して下さい。私がサポート・・・」

 

青葉「あ!用事を思い出したのでその話はまた今度!ひふみ先輩行きましょう!」

 

ひふみを引っ張って去って行った。

 

優斗「青葉さんひふみさん!うみこさん失礼しました。では!」

 

それに続いて優斗も去って行く。うみこは何も理解してなかった。そして空薬莢を並べてマトリョーシカにする。

 

うみこ「マトリョーシカ風にする事も出来ます。」

 

そして後ろを向く。

 

うみこ「そろそろ起きませんか?」

 

 

 

 

 

青葉「うみこさん良い人なんですけど趣味の話になると長くなるので気を付けた方が良いです・・・教訓です・・・」

 

優斗「そうだね。」

 

ひふみ「あ、あの・・・ありがとう。助けてくれて。」

 

青葉「そんな!だってひふみ先輩困ってたし!」

 

ひふみ(やっぱり優しい青葉ちゃんが好き。)

 

青葉「でも困ってるひふみ先輩ってちょっと可愛いのでもう少し見てても面白かったかも。」

 

小悪魔青葉『うふふふふ~。もっと困らせちゃおっかな~?』

 

ひふみ「ええ!?」

 

青葉「な~んて。冗談ですよ~。」

 

ひふみ(冗談・・・ではなかった・・・今の顔・・・)

 

青葉「あ!おはようございます!」

 

 

 

 

 

戻って来るとはじめとゆんが来ていた。

 

はじめ「青葉ちゃん・・・」

 

ゆん「あははは・・・」

 

青葉「あれ!また増えてる!」

 

ドーナツが増えてた。

 

はじめ「半額だって言うからさ・・・」

 

ゆん「皆で食べようと思ってな。」

 

コウ「考える事は一緒だな。え!?」

 

そこにりんとしずくがドーナツを持って出社した。

 

りん「おはよー。」

 

しずく「土曜日出勤ご苦労様。これ皆で食べると良いよ。」

 

りん「あ!ドーナツばかりになっちゃったわね・・・」

 

しずく「いや?甘いものばかりでは面白くないと思ってね。」

 

取り出したのは煎餅だった。

 

青葉「お煎餅、ですか?」

 

しずく「ああ。甘いしょっぱい甘いしょっぱい甘いしょっぱい甘いしょっぱい甘いしょっぱい甘いしょっぱいー!の炭水化物無限ループでもずくのようなわがままボディになってみないかい?」

 

優斗「カロリー高過ぎるでしょ・・・」

 

青葉「えと・・・葉月さん・・・」

 

ゆん(あかん・・・あれ絶対食べたらあかん奴や・・・)

 

はじめ「いくら何でも食べ切れないよね・・・」

 

コウ「他の部署に配るしかないな・・・」

 

りん「そうね・・・」

 

青葉「私行って来ます。」

 

ひふみ「(意地悪な青葉ちゃん怖いから・・・)今度は私・・・行かない・・・」

 

青葉「ん?」

 

ひふみ(そんな目しないで!)

 

大輝「おはようございまーす。」

 

優斗「お。やっと大輝来た・・・か!?」

 

大輝を見て優斗と全員が驚いた。大輝が10箱持って来たからだった。

 

コウ「ちょっと大輝!どんだけ買ってんだよ!?」

 

優斗「おい大輝!何でこんな大量に!?」

 

大輝「いやぁ〜、ドーナツ久々に食いたいと思って思い切って10箱買っちゃった。テヘペロ☆」

 

優斗「これだから大食いのお前は・・・それ全部食うつもりか?」

 

大輝「YES!10箱全部昼飯として食うぜ!」

 

優斗「お前糖分過剰摂取し過ぎじゃねえか?」

 

 

 

 

 

 

そしてその夜、ひふみが宗次郎に話していた。

 

ひふみ「宗次郎。宗次郎は優しくしてくれるよね?」

 

宗次郎は欠伸をした。ご飯をあげると、宗次郎が食べる。

 

ひふみ「可愛い。やっぱり餌付け・・・かな。」

 

 

 

 

 

 

月曜日、青葉は電車で眠たそうに欠伸をする。隣にねねが座ってる。

 

ねね「最近何時も眠そうだね。」

 

青葉「ああ・・・大丈夫だよ。うん・・・」

 

ねね「昨日どれくらい寝たの?」

 

青葉「う〜ん・・・4時間ぐらいかな・・・帰って絵描いてたら時間なくなっちゃって・・・」

 

ねね「寝てないじゃん!此間の土曜日も会社行ってたし倒れちゃうよ!」

 

青葉「休日はしっかり寝てるし平気だって。」

 

ねね「会社に泊まったりとかしてたし、そんなに頑張らないと出来ない仕事があるってあおっちの会社ってやっぱり可笑しいんじゃないの?」

 

するとそれを聞いた青葉が怒った。

 

青葉「ねねっちには分からないだろうね。私には夢があるし。」

 

ねね「なっ!?」

 

青葉「大体夏休みって宿題とかレポートとか無いの?毎日会社来て大学生って暇なの?」

 

ねね「バカーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

その後会社でうみこに今朝の事を話した。

 

ねね「・・・でね。あおっちったら急に怒り出して。」

 

うみこ「涼風さんも怒るんですね。意外です。」

 

ねね「そっち!?あおっちたまに怒りますよ。確かに珍しいけど・・・」

 

うみこ「例えば?」

 

ねね「・・・私が虐められた時に怒って守ってくれたとか・・・」

 

うみこ「何ですかその良い話・・・?」

 

するとねねは昔を思い出した。

 

 

 

 

 

 

小さい頃、砂場で遊んでる時に、3人の男子がねねに、蛇と蛙と蜘蛛を見せ付けてねねを泣かせた。するとそこに。

 

幼い青葉『こらーーー!!!』

 

それを目撃した青葉が怒りながら走って向かう。しかし走る速度はかなり遅かった。

 

幼い青葉『こーーらーー!やーめーろー!!』

 

そして男子達の前に着いて疲れる。男子達は「え〜・・・」と言ってるように呆れた。

 

幼い青葉『ね!ねねっちを虐めるなーー!!』

 

幼いねね『あおっち・・・!』

 

その後男子達は反省して謝ったのだった。

 

 

 

 

 

 

そして現在。

 

ねね「でも今日のはあおっち酷い!む〜!」

 

今朝の事を思い出して頬を膨らませた。

 

うみこ「まぁ涼風さんも疲れて余裕が無かったんでしょう。すぐに仲直り出来ますよ。」

 

ねね「べ・・・別に仲直りしたい訳じゃないし!」

 

うみこ「でも、このままバイト期間が終了したら疎遠になってしまいますよ。」

 

するとねねがうみこを見て涙を流した。

 

うみこ「ツンうるですか・・・?」

 

 

 

 

 

 

その頃青葉は作業していた。時間を見ると12時3分になってた。

 

青葉「もうお昼・・・お腹空いたな〜。(ああもう・・・午前中気が散って仕事にならなかった・・・ねねっちが朝から変な事言うから・・・)」

 

今朝の事で集中出来なかったらしい。

 

青葉「皆さん!お昼どうします?」

 

はじめ「ああごめん!ここで軽く済ますよ。」

 

ゆん「うちもや。ごめんな・・・」

 

青葉「分かりました・・・ひふみ先輩は居ないのか・・・(誘わなかったらねねっちも1人かな・・・知らない!)」

 

 

 

 

 

 

カフェで青葉がテーブル席1人お昼を食べる。しかし青葉は元気が無かった。

 

青葉「はぁ・・・」

 

優斗「青葉さん1人?」

 

青葉「優斗さん。」

 

そこに優斗が来た。

 

青葉「大輝さんは?」

 

優斗「ああ彼奴、この前のドーナツの食い過ぎで腹を壊しちゃって今日休んでる。」

 

青葉「そうなんですか・・・」

 

優斗「彼奴食い過ぎだっての。一緒に食べよ?」

 

青葉「はい。」

 

優斗が青葉の右の椅子に座る。するとそこに。

 

コウ「あれ?2人じゃん。」

 

青葉「八神さん。」

 

コウも来た。

 

優斗「コウさん。」

 

コウ「珍しいな。」

 

青葉「八神さんもお1人ですか?」

 

優斗「りんさん居ないですね。」

 

コウ「そうなんだよ~。りんにふられちゃってさ。」

 

青葉・優斗「へー。」

 

コウ「つっこんでよ!・・・ん?何かあった?」

 

青葉「っ!・・・実は・・・朝ねねっちと・・・」

 

今朝の事を話す。

 

 

 

 

 

 

コウ「・・・ふ~ん。それで喧嘩したと。」

 

青葉「酷くないですか?私頑張ってるのに・・・」

 

コウ「分かる分かる。私のマ・・・」

 

優斗「マ?」

 

コウ「母さんもよく電話して来るんだよね。四六時中仕事ばっかりして体は大丈夫なのか~とかさ。」

 

青葉「良いお母さんじゃないですか。」

 

コウ「まぁ、確かに心配してくれるのは嬉しいんだけど・・・」

 

優斗「美佳さんは何時も俺の事心配してくれてるんですよ。帰ったらご飯作って待っててくれてますし。」

 

青葉「良い奥さんですね。」

 

コウ「良いな〜優斗は。」

 

青葉「中々分かってもらえないですよね・・・」

 

ガラス越しからねねが青葉を覗いてた。青葉がガラス越しを見ると誰も居なかった。

 

コウ「ん?何かあんのか?」

 

青葉「あ!いえ、別に・・・」

 

ねねはそのままコソコソ去って行く。

 

コウ「何だ〜紛らわしい・・・」

 

青葉「あはは・・・」

 

ねね(あおっちが心配でこの会社に来たのに、どうしてこうなっちゃったんだろう・・・)

 

 

 

 

 

 

その後デスクに戻ったねねはパンを食べる。

 

うみこ「・・・お昼休みが終わるまでまだ10分ありますよ。」

 

ねね「え?」

 

ゲーム画面を見ると、ソフィアが映ってた。

 

ねね「やっぱりこのままじゃやだ!仲直りしないと!」

 

仲直りする為、ねねが走り出した。うみこは密かに笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

カフェの中を見ると、青葉の姿は何処にも無かった。次は青葉のデスクへ向かった。

 

ねね「あおっ・・・」

 

だが青葉は居なかった。

 

ゆん「青葉ちゃんなら八神さんに頼まれておつかいに行っとるよ。」

 

ねね「そうですか・・・ん?これみんなあおっちが作ったんですか?」

 

パソコン画面を見ると、大量の村人があった。

 

ゆん「せやで。4~50体?クオリティを揃える為にそうやって確認するんや。」

 

ねね「でもソフィアちゃん以外皆村人・・・」

 

ゆん「もう開発終盤やったからな。名前のあるようなキャラは殆ど揃ってて・・・でも青葉ちゃん頑張ってるから次のラインではもっと良え仕事も貰えるんやないかな?」

 

するとねねは走り去った。

 

ゆん「ねねちゃん!?」

 

ねね(頑張らないと良いお仕事貰えないんだ!)

 

青葉『私、頑張るよ!頑張って私も、早く仕事が出来るようになる!新しいゲームを作る為に!』

 

ねね(あおっち!)

 

するとその時。

 

ねね「うわ!?」

 

足が躓いて飛んだ。青葉を通り過ぎて転んでしまった。

 

ねね「ヴェッ!!」

 

そのまま倒れ込んでしまった。

 

青葉「ね・・・ねねっち!大丈夫!?」

 

転んだねねに手を差し伸べる。青葉の手を掴んで立つ。

 

ねね「あ・・・ありがとう・・・」

 

青葉・ねね「・・・あの!」

 

青葉「な・・・何?」

 

ねね「あおっちお仕事頑張ってるのに馬鹿にするような事言ってごめん・・・って。」

 

青葉「ううん・・・私こそねねっち心配してくれたのに怒ってごめんね・・・」

 

2人はお互い謝って仲直りした。

 

ねね「で・・・でもだから無理しちゃ駄目なんだからね!」

 

青葉「分かってるよ。健康には気を付けるから。それに、ねねっちが心配してくれてるって事は、本当に嬉しいんだよ。」

 

ねね「な・・・なら良いし!あ・・・あともう一つ!今のゲーム開発楽しみにしてるし・・・後えっと・・・応援もしてるんだから・・・あおっちのキャラデザの夢が叶ってそのゲームが発売されたら最初にサインをくれる事!」

 

青葉「叶うか分からないけど約束するよ。」

 

ねね「叶うの!」

 

こうして2人は和解した。

 

 

 

 

 

 

仕事に戻ったねねは足を揺らして上機嫌だった。

 

うみこ「何だ。もう仲直りしたんですか。」

 

ねね「ふふーん。まぁ?私の気持ちが伝わったって言うか?何て言うか〜。」

 

するとその時、足に引っ掛かったコンセントが抜けてしまい、うみこのパソコンの画面が消えてしまった。キーボードを操作しても反応無し。ねねは戦慄して固まった。

 

うみこ「桜さんは・・・まず自分の心配をしましょうか。」

 

ねね「ごめんなさ〜〜〜〜〜~い!!」

 

この叫び声は青葉達にも響いた。

 

青葉・はじめ「ん?」

 

優斗(やっぱり注意欠陥多動性障害かな・・・)

 

 

 

 

 

 

その後、誰かが青葉のデスクに小さな箱を置いた。青葉が後ろを見ると、皆作業をしている。すると社内メッセが来た。

 

青葉「え?」

 

ひふみ『いつまでも優しい青葉ちゃんでいてね( ※´ ▽ ` ※)』

 

突然のひふみからの社内メッセで青葉は戸惑っていた。

 

 

 

 

 

 

その頃、コウのスマホに着信音が鳴った。着信相手を見ると。

 

コウ「ゲッ!?」

 

着信相手を見て驚いたコウが走って行った。りんがそれを目撃した。

 

りん「コウちゃんったらあんなに慌てて一体誰から・・・まさか!」

 

こっそり尾行して、誰を電話してるかを確かめる。

 

コウ「だから土曜も仕事なの!ママ大丈夫だって!もう子供じゃないんだから・・・え!いいよ来なくて~!」

 

電話相手はコウの母親だと言う事に安心したりんであった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨

      相葉美佳:榎本温子
      お父さん:伊達忠智
        店員:武藤志織
       男の子:金澤まい
      お母さん:今村彩夏

コウ「よく母さんが家に来て掃除して来んだよねー。」

りん「それでコウちゃんの部屋は綺麗だったのね。」

コウ「それでって酷くない!?」

りん「今度ご挨拶してみたいわ。ママさんに。」

コウ「マ、ママとは呼んでないからな!」

次回「リーク画像が昨日、ネットに出てましたよ!」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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11話「リーク画像が昨日、ネットに出てましたよ!」

数日後。青葉達にあるイベントのチケットが配られた。

青葉「東京ゲーム展・・・でも今日って木曜日ですよね?」

コウ「木金は企業日って言って業界関係者だけが行ける日なんだよ。」

青葉「へぇー!」

コウ「そして本日ようやくフェアリーズストーリー3の映像がメディアに発表されまーす!」

大輝「お!遂にこの日が来たか!待ち侘びてたぜ!」

青葉「あ、でもゲーム雑誌のリーク画像が昨日、ネットに出てましたよ!」

コウ「うん。知ってる・・・じゃあ5人でゲーム展行って来な。」

青葉「え!?八神さんは行かないんですか?」

優斗「そうですよ。折角の東京ゲーム展なんですし。」

コウ「マスター前で余裕が無いんだって・・・」

はじめ「私達だって十分忙しいんですよ!」

コウ「いや、その分の遅れは大目で見るからさ。行けばきっと面白いよ。ひふみんも先に行ってるみたいだし。」

大輝「だからひふみちゃん居ないのか。」

コウ「ほら!グズグズしてないで早く行きな!」

青葉「ああ!分かりましたってば!」

ねね「良いなぁゲーム展。」

青葉「ねねっち!」

ねねは頬を膨らます。

うみこ「あなたはまたこんな所で油を・・・」

ねね「うみこさん!私もゲーム展行きた。」

うみこ「駄目です。」

即断られた。

うみこ「バイトの分のチケットはありません。なので桜さんはお留守番です。」

ねね「そんな~!」

うみこ「私も忙しくて行けないんですから我慢して下さい。」

ねね「い~や~!」

強引にねねを引っ張り去る。

5人「そ、それじゃあ、行って来ま〜す。」

コウ「行ってらっしゃ〜い。」

青葉達を見送る。

りん「青葉ちゃん達行かせたのね。」

コウ「まあね。確かに忙しい時期だけどゲーム展でのお披露目なんて折角なんだしさ。」

りん「じゃあコウちゃんにはゲーム展に行ってる皆の分まで頑張ってもらおうかしらね。」

コウ「え!?えーー!?」






そして5人は幕張メッセに到着した。

青葉「うわ~。これ皆業界の人なんですか?」

ゆん「企業日に来るんは2度目やけど、ほんまにぎょうさんおるもんやな~!」

優斗「俺と大輝はもう3回くらい来てるしな。結構多いもんだな。」

大輝「やって来ました幕張メッセの東京ゲーム展!!」

優斗「完璧にテンション高めだなぁ此奴。」

はじめ「ねぇねぇ早く早く!!」

ゆん「ちょ、あんたしぶっとった癖に・・・」

はじめ「うぐっ!」

青葉「あはは。行きましょうか。」

5人は走り出した。

そしてフェアリーズストーリー3のPVが流れた。


東京ゲーム展内で、青葉がひふみに連絡するが、連絡は来なかった。はじめと大輝はワクワクしてる。

 

ゆん「ひふみ先輩とは連絡ついた?」

 

青葉「全然です・・・メールは何時も早いんですけど・・・」

 

ゆん「何処に居るんやろうな〜。」

 

優斗「多分電波が悪い所に居るんじゃないのかな?」

 

青葉「そうかも知れませんね。」

 

 

 

 

 

 

すると後ろの女性達がはしゃいでた。目線の先にはコスプレしてるひふみが立っていた。連絡が来ないのはこの理由だった。女性達が写真を撮りまくる。

 

女性A「はぁ〜。企業日にこんな素敵なコスプレが拝めるなんて!」

 

女性B「公式レイヤーさんかな?」

 

女性C「裁縫凄〜い!」

 

女性D「あれ何のゲーム?」

 

女性E「こっち向いて下さい!ありがとうございまーす!」

 

するとひふみはある人物を見た。青葉達だった。気付かれないように後ろを振り向く。

 

女性A「うわぁー!意地悪な所も素敵ー!!」

 

 

 

 

 

 

その頃青葉達は。

 

はじめ「う〜ん、フェアリーズ3の展示はこの辺りのはずなんだけど・・・」

 

青葉「あ!ありましたよ!」

 

目の前にフェアリーズストーリー3の展示があった。

 

青葉「あ~!ソフィアちゃんが映ってる!」

 

はじめ「あ!私が作ったモーションも!」

 

ゆん「うちのモンスター!」

 

優斗「俺が作ったVFXめっちゃ綺麗!!」

 

大輝「俺制作のCGもイカす!!」

 

女性F「フェアリーズ3だー!」

 

女性G「キャラ可愛いよねー!」

 

女性H「楽しみー!」

 

青葉「・・・でもこんな沢山の人が見てる中何だか恥ずかしい・・・」

 

はじめ「うん・・・」

 

ゆん「せやな・・・」

 

優斗「確かに・・・」

 

大輝「同感だね・・・」

 

男性A「これあれだろ?イーグルジャンプさんの!」

 

男性B「前作好きだったな〜!」

 

青葉「だから八神さん行け行けって言ってくれ・・・て・・・」

 

4人は真剣な目でフェアリーズストーリー3のPVを見ていた。

 

青葉(そっか・・・はじめさんもゆんさんもこれが初めてなんだよね。作ってたゲームがこうして人前に出るのって。しかも入社したての私なんかより1年も多く作業してて・・・発売・・・されるんだ・・・)

 

 

 

 

 

 

そして夕方になり、青葉達が戻って来た。

 

コウ「お!おっかえり~。どうだった?」

 

5人は真剣な顔をしていた。

 

青葉「あの・・・何て言うか・・・頑張ります!」

 

コウ「え?」

 

そして5人は仕事を始める。

 

ゆん「さ、働くで~!」

 

はじめ「遅れを取り戻さなきゃね!」

 

大輝「俺達で最高の神ゲーを作らなきゃな!」

 

優斗「ラストミッションまで後少しだ!」

 

コウ「本当分かりやすいな。」

 

りん「良かったねコウちゃん。」

 

コウ「しっかしそれに比べてひふみんは何してんだ?」

 

 

 

 

 

 

その頃ひふみは東京ゲーム展であるゲームの体験版をプレイしていた。

 

女性スタッフ「お客様お上手ですね。」

 

ひふみ「いえ。まぁまぁ・・・です。」

 

女性スタッフ「凄い!最速クリアですよ!」

 

プレイしていたのはフェアリーズストーリー3の体験版だった。自分が携わったゲームの体験版の最速クリアは当たり前。

 

ひふみ「どうも。」

 

 

 

 

 

 

季節が流れて遂に秋を迎えた。紅葉が実ったこの季節。

 

青葉の母「青葉ー起きなさーい。会社でしょー?」

 

青葉「でも・・・寒い~・・・」

 

青葉の母「あなた冬用のスーツが無いけどクリーニング出したままじゃないの?」

 

青葉「だー!忘れてたー!」

 

冬用のスーツが無い事を忘れてた。代わりの私服を選ぶ。

 

青葉「派手かなぁ・・・」

 

可愛い私服。

 

青葉「これは・・・子供っぽいかな?」

 

少年っぽい私服。

 

青葉「う~・・・何時もスーツだから私服なんて恥ずかしいよ・・・」

 

大人っぽい私服。

 

青葉の母「何してるの。遅刻するわよ。」

 

青葉「あ~もう・・・お母さん決めて~!」

 

仕方無く母親に決めて貰う事になった。

 

 

 

 

 

 

そして出社した。

 

青葉「おはようございま〜す。」

 

コウ「ん?うわ!?誰かと思ったら、青葉じゃん!!おはよう。」

 

私服は青いジャンパースカート。そして可愛らしい帽子を被ってる。だが青葉はぎこちない。

 

コウ「この間のゲーム展から気合い入り過ぎじゃな~い?」

 

青葉「スーツがクリーニング中なんですよ!」

 

大輝「おはようございますコウさん。」

 

コウ「ああ。おはよう大輝。」

 

青葉「お、おはようございます大輝さん。」

 

大輝「うわお!青葉ちゃんがまさかの私服!こいつぁレアだぜ!ねぇねぇ!写真撮っても良い!?」

 

青葉「あ、あの・・・」

 

大輝「ジャンパースカート・・・結構俺好み!」

 

優斗「ていっ!」

 

大輝「はうっ!?」

 

すると優斗が後ろから大輝の脛を強く蹴った。

 

大輝「痛ええええええ!!!!」

 

その場で足を抑えながらゴロゴロ転がる。

 

優斗「弁慶の泣き所でも喰らってろ。」

 

青葉「優斗さん、おはようございます。」

 

優斗「おはよう青葉さん。私服なんて珍しいね。」

 

青葉「はい・・・スーツがクリーニング中で。」

 

優斗「そっか〜。でも私服姿も可愛いよ。」

 

青葉「本当ですか?ありがとうございます!」

 

大輝「何しやがるんだ優斗!脛痛って・・・!」

 

優斗「写真撮らせろって、お前はナンパ野郎か。もしくは悪質パパラッチか。」

 

大輝「だってぇ!私服姿の青葉ちゃん見た事無ェしぃ!激レアだしぃ!」

 

優斗「お前な・・・」

 

 

 

 

その後。

 

コウ「今度ゲーム雑誌に設定画もちょろっと載せるんだけど青葉のソフィアちゃん。そのまま載せちゃっても大丈夫?」

 

青葉「え?どう言う事ですか?」

 

コウ「攻略本とか設定画集ってそれ用に描き下ろしたりもするんだよ。まー私はあまりしないけど。加筆修正もする人はするし。だからゲーム制作中には無かった三面図とかも載ってたりするの。」

 

青葉「そ、それは設定画集ではなく設定っぽい画集では・・・」

 

コウ「まあ・・・うん、そうだよ・・・攻略本で描き直すなら今回の雑誌の掲載は見送っても良いけど・・・」

 

青葉「えっと・・・私は・・・あれは全力で描いたものなので、そのまま載せて下さい!」

 

コウ「OK。じゃあこれが初披露だ!」

 

青葉「私の絵が本に載るんですね・・・うふふ!」

 

りん「おはよう。何だか嬉しそうね。」

 

青葉「あ!いや!何も・・・」

 

優斗「りんさんおはようございます。」

 

大輝「おはようございますりんさん!」

 

りん「おはよう。あら今日はおしゃれして。青葉ちゃんもインタビュー?」

 

青葉「え?インタビュー?何ですかそれ?」

 

りん「今日はゲーム雑誌の取材が来るのよ。気合いが入った服装だったからてっきり。」

 

青葉「あ〜はい・・・スーツがですね・・・って!だから遠山さんもおしゃれしてるんですね。素敵です!」

 

大輝「本当に素敵でございます!」

 

りん「ありがとう。後コウちゃんの服も持って来たからね。」

 

コウ「うぐっ!!え〜・・・いいよ私は・・・面倒臭いし・・・」

 

りん「面倒臭い!?しっかり選んで来たのに!大体毎日毎日同じ服着て!たまには女の子らしくしたら!?」

 

優斗「何時も同じ服装で恥ずかしくないんですか!?」

 

青葉「そうですよ!服を選ぶのって大変なんですよ!」

 

大輝「コウさんも女性らしくちゃんとして下さい!!」

 

コウ「何で青葉と優斗と大輝までムキになってんだよ?」

 

 

 

 

 

 

第1会議室でコウが着替える事に。

 

りん「ほらもう時間よ。脱いで。」

 

コウ「わ・・・分かったけどそんなに見られたら恥ずかしいや・・・後ろ・・・向いててよ・・・」

 

りん「し・・・仕方無いなぁ・・・」

 

コウ(な~んて。りんになら見られても良いんだけど。着替えるのは嫌なのだ!)

 

りんが後ろを向いた瞬間、こっそり逃げ出そうとドアを開けた瞬間。

 

青葉「痛っ!」

 

優斗・大輝「グヘァ!!」

 

青葉が頭を抑えて縮こまり、優斗が頭を片手で抑え、大輝が俯せで倒れてた。

 

コウ「ちょ・・・扉の前で何してんの!?」

 

青葉「逃げないように見張ってろって遠山さんが・・・」

 

優斗「俺達もりんさんに頼まれて・・・」

 

大輝「コウさんを逃がさないようにしろって・・・」

 

コウの後ろからりんが笑ってコウの肩を掴む。だがその笑顔は笑ってないと確信した。

 

青葉「何でそんなに着替えるの嫌なんですか?」

 

コウ「いや・・・だっておしゃれって恥ずかしいじゃん・・・私胸も無いし色気もないか・・・男っぽい方が似合うんだよ。」

 

大輝「いやいや、コウさんは女性ですし、素敵な所もありますよ。」

 

優斗「コウさんスタイル良いし、オシャレしないと勿体無いですよ。青葉さんもそう思うでしょ?」

 

青葉「そうですよ!遠山さんのコーデならきっと大丈夫ですって!」

 

コウ「じ、じゃありんを信じるよ。あ・・・あんまり期待すんなよ・・・」

 

こうしてコウの着替えが始まった。青葉と優斗と大輝は外で待機してる。

 

 

 

 

 

 

そして数分後。ドアが開いた。

 

青葉「おお〜!」

 

優斗「わお!」

 

大輝「うっひょ〜!」

 

出て来たのは、お嬢様みたいな美人になってるコウだ。

 

コウ「普通でしょ・・・」

 

青葉「凄い!八神さん可愛いですよ!」

 

りん「本当。コウちゃん可愛い!」

 

コウ「え!?嘘・・・」

 

りん「可愛い!」

 

青葉「可愛い!」

 

優斗「可愛い!」

 

大輝「めっちゃ可愛い!」

 

可愛いと言われてコウの顔が真っ赤になった。りんと大輝がスマホで写真を撮る。するとそこに。

 

しずく「おや?八神可愛いね。」

 

優斗「しずくさん。」

 

しずくがスマホで写真を撮る。

 

コウ「マスター前のこんな忙しい時にインタビューなんか入れないで下さいよ・・・」

 

しずく「取材も仕事の一環だからね。これも会社の為。作品の為さ。」

 

コウ「りんも何とか言ってやってよ!」

 

りん「コウちゃん可愛い~!」

 

コウ「優斗も何とか言ってよ!」

 

優斗「可愛過ぎて、何も言えません・・・」

 

コウ「・・・」

 

青葉「あ!以前の攻略本のインタビュー記事に確か・・・あった!」

 

攻略本のインタビュー記事を見ると、コウの写真が載ってあった。

 

青葉「この人と八神さんって雰囲気違うなって思ってて・・・初めて会った時も分からなかったんですけど・・・写真映りのせいじゃなかったんですね!可愛い!」

 

コウ「後で覚えてろよ・・・」

 

大輝「何か、サラッと酷い事言ってるみたいだ・・・」

 

 

 

 

 

 

そしてインタビュー記事を載せる為の撮影をする。

 

山田「それでは最初に八神さんから写真撮影させていただきます。」

 

カメラマンの山田が数枚シャッターを切る。

 

山田「出来れば笑顔でお願いしまーす。」

 

コウは頑張って笑顔を作った。そして山田が数枚シャッターを切る。

 

山田「はいOKです!次にインタビュー記事の中で挟む写真なのでこう、喋ってるようなしぐさでお願い出来ますか?」

 

コウ「え!?まだあるの!?・・・こ、こうですかね・・・?」

 

山田「良いですねー!可愛いですよ!」

 

するとコウがまた照れた。

 

山田「はい。いただきましたー。照れ顔とっても可愛いかったです。」

 

コウは両手で顔を隠した。

 

りん(やっぱり着替え持って来て良かったわ!)

 

こうしてインタビュー記事に載せる写真が出来上がった。

 

 

 

 

 

 

数日後。今日は雨。

 

青葉「八神さん、エラー報告のあった箇所の修正終わりました。」

 

コウ「お疲れー。じゃあ後はデバッグしてて。」

 

青葉「はい。何だか明日がマスターアップって感じしませんね。平和と言うか何時も通りと言うか・・・」

 

コウ「今回はりんがスケジュール管理してくれたからね。それにグラフィックの仕事が先に終わってるって事もあるけど。」

 

りん「本当。何か事件が起こる前触れみたいよね。」

 

コウ「変なフラグ立てないでよ!」

 

 

 

 

 

 

そしてその頃ねねは、ドス黒い雰囲気に包まれてた。

 

ねね「あ・・・あの~・・・うみこさん?指定個所のデバッグなんですけど・・・」

 

うみこ「停止バグでもありましたか?」

 

ねね「正解。」

 

するとデスクを『ドンッ!!』と叩いた。ねねにまた戦慄が走った。

 

ねね「ヒィーーー!!ごめんなさーーーい!!!!」

 

うみこ「すみません取り乱しました・・・まぁこれぐらいなら対応出来る範囲内かと思います・・・担当者に直接報告して下さい。」

 

ねね「は〜い。」

 

うみこ「後今日は皆泊まりになります。これで皆の分の栄養ドリンクや差し入れを買って来て下さい。」

 

1万円札を差し出す。

 

ねね「イエッサー!」

 

うみこ「心配なので涼風さんや相葉さんも一緒に・・・」

 

ねね「信じて下さいよ!」

 

 

 

 

 

 

こうしてねねは、青葉とおまけに優斗と大輝を連れて買い出しに行く。

 

青葉「へー。そっちそんな事になってるんだ。」

 

ねね「凄い皆殺気立ってるし・・・」

 

優斗「まあうみこさん真面目だからね。」

 

大輝「でも怒らせるとヤバイしね。」

 

青葉「そうだねねっち。おつかいの時はね~。しっかり領収書を貰わないといけないんだよ。」

 

ねね「ふ〜ん。レシートじゃダメなの?」

 

青葉「え・・・どうだろう?優斗さん、レシートでも良いんですか?」

 

優斗「いや領収書じゃないとダメなんだ。領収書は代金の受取人が支払者に対して、何らかの対価として金銭を受け取った事を証明するために発行する書類の事。それにちゃんと領収書は領収書。レシートはレシートって分けられてるからね。」

 

青葉「そうなんですか〜。分かりました。」

 

大輝「お前物知りだな〜。」

 

優斗「そう言うお前は物知らずだな。」

 

大輝「ぶべら。」

 

 

 

 

 

 

4人はドリンク剤の売り場へ向かった。

 

ねね「あ!彼処だー!栄養ドリンク栄養ドリンク〜!」

 

青葉「どれが良いんだろう?」

 

ねね「あ!凄そうこれ!ケロリン大魔王!」

 

青葉「な・・・何これ高すぎじゃない!?」

 

優斗「税込で2858円って・・・」

 

ねね「え〜?でもうみこさんだよ?安物じゃ効かないって。何ですかこの安物。水ですか?って言われちゃうって!」

 

青葉「ありそうで怖いよ・・・」

 

大輝(そんなだったっけうみこさん?)

 

ねね「ね!絶対これだって!」

 

青葉「う〜ん・・・でもお酒も1杯千円くらいのあったしな・・・ならこの大魔王だけうみこさん用に1本買えば良いんじゃないかな。後は普通ので。」

 

ねね「それで残りでお菓子とかジュースとか買って皆でお泊りだね!」

 

青葉「ねねっち泊まって良いんだ!」

 

ねね「今夜だけだけどね。今日でバイト最後だし。」

 

青葉「そっか・・・寂しくなるな・・・」

 

大輝「ねねちゃんのバイト生活は今日で最後かぁ〜。早いもんだね〜。」

 

優斗「でもねねさん。今日がバイト最後だからって油断しちゃダメだよ。しっかりしないとゲームは完成出来ないんだからね。」

 

ねね「分かってますよ。」

 

 

 

 

 

 

そして買い出しを終えて戻った。うみこに大魔王を差し出した。

 

うみこ「こ・・・これは・・・」

 

ねね「うみこさんはこれかなって!」

 

うみこ「よく分かりましたね。これじゃないと疲れが取れないんですよ私は・・・ってそんな訳ないでしょ!!」

 

大輝(見事なノリツッコミ。)

 

ねね「テンション可笑しいようみこさん!?」

 

青葉「ほらやっぱり違うじゃん・・・」

 

ねね「あおっちだって納得してたじゃん!」

 

優斗「うみこさん。これ領収書です。」

 

うみこ「どうも。」

 

領収書を受け取る。

 

うみこ「まぁでもちょっと飲んでみますか・・・私も流石に飲んだ事はなかったので少し気になってはいましたし・・・」

 

箱を開けると。

 

ねね「説明書!?」

 

うみこ「流石高級ドリンク・・・」

 

青葉「緊張しますね何か!」

 

大輝(どうなるか試してみるか・・・)

 

優斗(下手したらどうなるんだろう・・・)

 

大魔王の栄養ドリンクを試し飲みする。するとうみこの目がバッチリ開いた。

 

うみこ「こ・・・これは・・・何だか眼が冴えて・・・」

 

ねね「そんなに!?」

 

うみこ「飲んでみますか?」

 

今度はねねが飲んでみる。

 

ねね「ぶぇ~・・・何か薬臭くてやだ~・・・」

 

青葉「あはは。ねねっち舌がお子様だから。貸してよ。」

 

今度は青葉も飲んでみる。

 

青葉「ゲホッゲホッゲホッ!!」

 

うみこ「桜さんより子供っぽいですよ・・・」

 

大輝「お!ストローもう2本あった!青葉ちゃんちょっと飲ませて。」

 

もう1本のストローで大輝も飲んでみる。

 

大輝「な・・・何だこれ・・・不味過ぎ・・・優斗飲んでみるか?」

 

優斗「俺も?」

 

もう1本のストローで今度は優斗も飲んでみる。

 

優斗「ん!?何だこれ!?気力がチャージされていく!」

 

大輝「えええ!?」

 

どうやらうみこと優斗には効果絶大だった。

 

 

 

 

 

 

そしてその頃しずくは黙々と作業している。

 

しずく「ラーメン食べたい・・・」

 

そう呟くしずくだった。

 

 

 

 

 

 

その後も全員作業を進める。

 

青葉「深夜3時なのに殆ど明るい・・・」

 

コウ「皆居るのに静かでしょ。疲れてるから。」

 

青葉「ああ、お疲れ様です。」

 

コウ「最近夜も人がいるから脱げないんだよね~。」

 

青葉「私はその方が良いです・・・八神さんも終わったんですか?」

 

コウ「うん。もう触るなって。」

 

どうやらコウの作業は終えたらしい。

 

青葉「遂に完成なんですね!」

 

コウ「長かったような短かったような。」

 

青葉「私はあっと言う間でした!って半年ぐらいですけど・・・」

 

コウ「半年とは思えない程会社に馴染んだじゃん。・・・私はさ・・・入社して長いこと馴染めなかったから。青葉みたいなのは羨ましいよ。」

 

青葉「八神さん・・・」

 

ねね「あおっち~!」

 

青葉「どうしたの?」

 

ねね「3時過ぎてるのに全然眠くならない!ケロリンパワーかな?」

 

コウ「ケロリンってそんなに効かなくない?」

 

青葉「だって私達が飲んだのは大魔王ですから。」

 

コウ「え・・・どう言う事?」

 

ねね「ねえねえ!もう仕事はいいから始発で帰って良いんだって。あおっちは何時帰るの?」

 

青葉「えと・・・」

 

コウ「明方にはマスターしてるはずだからそれ確認したら青葉も帰って良いよ。」

 

青葉「だって。」

 

ねね「そっか。じゃあ一緒に帰ろ。」

 

優斗「おっしゃー!完成だぁああ!!」

 

青葉「優斗さん完成したんですね!」

 

優斗「ああ!長かったー!苦労したー!」

 

大輝「優斗ー!こっちも終えたぜー!」

 

優斗「やったな大輝!」

 

大輝「ああ!これで新たな神ゲーが完成したぜ!」

 

優斗「まだ神ゲーって決まった訳じゃねえけど。」

 

大輝「俺には見えるんだよ!フェアリーズストーリー3が神ゲーになる瞬間を!」

 

青葉「大輝さんもお疲れ様です。」

 

ねね「後今日で最後だからお疲れって事と・・八神さん!今後ともあおっちを宜しくお願いします!」

 

コウ「保護者か・・・」

 

ゆん「そっか~。ねねちゃんギリギリまでほんまお疲れさんやったね。」

 

ねね「い・・・いえ・・・お茶御馳走様でした!」

 

ゆん「ええって。何時でも飲みに来てな。」

 

ひふみ「お、お菓子も・・・用意しとくね。」

 

はじめ「またおもちゃトークしよ!」

 

りん「そうね。完成後はしばらく落ち着くと思うし、また遊びにいらっしゃい。」

 

しずく「ああ。この子もきっと心待ちにしてるはずさ。」

 

もずく「にゃ〜お。」

 

優斗「また来たら一緒にお話しでもしようよ。」

 

大輝「またねねちゃんが来るの待ってるよ!」

 

ねね「あおっちの会社皆良い人で安心したよ!私もこれから大学頑張るから!」

 

青葉「うん。お互い頑張ろうね。今日はお疲れ様。」

 

するとねねが泣き出した。

 

青葉「もう。何泣いてるの?お別れじゃないから。」

 

ねね「分かってるけど~・・・皆さんも・・・あおっちの事を・・・宜しくお願いします~!!」

 

はじめ「青葉ちゃん良い友達持ったね〜!」

 

大輝「嬉しいよ〜!」

 

青葉「もう・・・ねねっちたら・・・」

 

 

 

 

 

 

数分後。優斗がボディバッグを背負った。

 

優斗「帰って寝るか。」

 

帰ろうとしたその時だった。

 

しずく「相葉君。」

 

優斗「しずくさん?どうしたんですか?」

 

しずく「これを渡したくてね。」

 

渡されたのは1通の手紙だった。

 

優斗「これは?」

 

しずく「それは帰って開けてみれば分かるよ。」

 

そのまましずくは歩き去った。

 

優斗「帰って開ける?何だろう?」

 

 

 

 

 

 

そして青葉とねねは始発で帰る事に。青葉が欠伸をする。

 

ねね「あおっち眠いの?」

 

青葉「うん・・・一息付いて気が抜けちゃったのかな・・・大丈夫?」

 

ねね「うん!まだ大魔王パワーが効いてるし!」

 

青葉「一口だけなのに・・・」

 

ねね「あおっち寝てて良いよ。私が起こしてあげるから。」

 

青葉「それじゃちょっとだけ・・・ごめんね・・・」

 

そして青葉が寝た。

 

ねね(あおっち。本当にお疲れ様!)

 

そして2人が降りた駅は、辺境駅だった。

 

ねね「ここ・・・何処・・・?」

 

青葉「起こしてくれるって言ったじゃーん!」

 

起こしてあげるって言ったのに、最終的にねねも寝てしまってたのだった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨
      青葉の母:山村響
 山田(カメラマン):藤田咲

        女子:貫井柚佳
           珠宮夕貴
           和久井優
        モブ:伊達忠智
           木内太郎

青葉「遂にゲームが完成しましたね!ドキドキしてます!」

コウ「遠足前の子供みたいじゃん。」

青葉「八神さんはやっぱり慣れっ子なんですか?」

コウ「そんな事ないよ。でも今回は良いマスターアップだったかな。」

次回「ひとつ夢が叶いました!」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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12話「ひとつ夢が叶いました!」

冬の季節になり、青葉が新宿東口を降りてメールを見る。

青葉「えーと、待ち合わせ場所は・・・あ!」

すると遠くにコウを発見して走った。

青葉(八神さん、何してるんだろう?)

コウが見てる方を見るとあの掲示板があった。コウが写メを撮る。

青葉「おはようございます!」

コウ「早いね〜。まだ私しか来てないよ?」

青葉「じーっと見てましたね。」

コウ「いやぁ、扱い良いなって思ってさ。」

それは、フェアリーズストーリー3の掲示板だった。


その後りんとゆんと優斗と合流してヨドバシカメラ新宿西口本店 ゲーム・ホビー館へ向かった。既に行列が出来ていた。

 

青葉「凄ーい!少し行列が出来てますよ!はじめさんとひふみ先輩と大輝さんは先に来てるはずなのに居ないですね・・・」

 

するとゆんと優斗がある物を見た。

 

ゆん「いや、彼処や・・・」

 

優斗「青葉さん、居るぞ。」

 

行列の方を見ると、ひふみとはじめと大輝が並んでた。

 

青葉「並んでる・・・私達はスタッフだからソフトって貰えるんじゃ・・・」

 

コウ「特典目当てでしょ。私とりんはリーダーだから貰えるけど青葉達はソフトだけだからね。」

 

青葉「え~。ずるい~。」

 

りん「貰えないわよ。経費削減で私達もソフトだけよ。」

 

コウ「・・・私も並んでくる!」

 

青葉「あ・・・じゃあ私も!」

 

ゆん・優斗「結局並ぶんかい!」

 

そして結局全員も並ぶ事となった。

 

ゆん「何でや・・・何で自分達で作ったゲームの発売列に並ばないかんのや・・・」

 

青葉「無理に付き合わなくても良かったんですよ・・・?」

 

ゆん「せやかて、後で後悔しとうないし・・・」

 

りん「ね。」

 

ゆん「でもソフト1本余らせて勿体無いな・・・どないしよ。」

 

青葉「売れば良いんじゃないですかね?」

 

ゆん「天才!」

 

コウ「おいおい・・・」

 

優斗「売るんですかい・・・」

 

りん「でも思い出すなぁ・・・私達も初めての時はこうして並んだよね。」

 

コウ「りんは特典貰えないから私も付き合ったんだっけ。」

 

りん「覚えててくれたんだ・・・」

 

コウ「覚えてるよそりゃ・・・あの時は二人だったけど・・・賑やかになったね。」

 

りん「うん。そうだね。」

 

そして遂に。

 

女性レイヤー「きゅぴ~ん!これよりフェアリーズストーリー3の販売を開始しま~す!」

 

コウ「あれ誰?知り合い?」

 

りん「お店の人じゃないかしら?でも嬉しいわね。カレンちゃんのコスプレ。」

 

ゆん「いやでもよう見るとデザインが少しちゃいますよあれ。」

 

優斗「ゆんさん細いな〜。」

 

青葉「良いじゃないですか。気持ちだけでも。ほらお客さん喜んでるし。」

 

ゆん「まぁそうなんやけど、ああ言うの気になってしもうて・・・」

 

優斗「ゆんさんのその気持ち分かるよ。」

 

はじめ「お姉さん!こういうポーズしてもらえますか?」

 

女性レイヤー「こ、こうですか?」

 

はじめ「そうそうそうです!そのキャラはそう言うポーズを取るんですよ!」

 

女性レイヤー「詳しいですね。」

 

はじめ「実はちょっとした関係者で・・・」

 

ゆん「めっちゃ喜んどるし・・・まあ良えか・・・」

 

青葉「そうですね・・・」

 

優斗「何気にはじめさん少しバラしちゃってるね・・・」

 

 

 

 

 

 

そして店内に入った。

 

青葉「皆嬉しそう・・・」

 

コウ「その期待に応えられれば良いけどね。」

 

りん「ダメ・・・そう言う事考えると胃が痛くなってくるわ・・・」

 

優斗「りんさん大丈夫ですか?ってか俺も胃が痛いです・・・」

 

青葉「確かに・・・売る側ってこんなに緊張する物なんですね・・・」

 

ゆん「人さんの作品は気軽に見れるのに不思議やね。」

 

女性店員「次のお客様〜!」

 

青葉「あ!はい!(とは言っても、やっぱり嬉しいなー!)」

 

次は青葉の番になった。

 

女性店員「私もずっと楽しみにしてたんですよ!」

 

青葉「え・・・ありがとうございます!」

 

女性店員「え?」

 

優斗「青葉さん?」

 

青葉「あ!いや!私も楽しみです〜!あはは〜!」

 

優斗(嬉しくなる気持ちは分かる・・・)

 

 

 

 

 

 

そして特典付きを購入して店から出た。

 

はじめ「あ、帰って来た。買うなら一緒に並べば良かったのに。」

 

ゆん「逆に一緒じゃなくて良かったわ。堂々と関係者なんて言うて・・・」

 

はじめ「良いじゃん別に。こんな事滅多に無いよ。」

 

大輝「そうそう。滅多に無い事を少し出さねえとな。」

 

優斗「だがな、お陰でチョロチョロ見てる人が続出してるかもしれねえぞ。」

 

はじめ「嘘!?何か私、有名人みたい!?」

 

ゆん「ちゃうから!」

 

優斗「悪い意味で有名人になってるかもね。」

 

青葉「ん?はじめさん2つも買ったんですか?」

 

はじめ「え?ああこれ、ねねちゃんの分だよ。」

 

青葉「え?ねねっち!?」

 

はじめ「あ!話をすれば。」

 

丁度そこにねねが来た。

 

ねね「お久~。別店舗特典手に入れて来たであります!」

 

はじめ「助かる〜!お疲れ〜!」

 

ねね「お安い御用でありま〜す!」

 

青葉「何時の間に仲良くなってたの・・・?」

 

ねね「店舗ごとの特典のドラマCDの内容と出てるキャラが違うんだよね~。」

 

はじめ「そうそうメインキャラそれぞれのスピンオフだからね。どれも外せないんだよ。」

 

大輝「そうだよね〜!こいつは最高の特典だぜ!見逃すでは無い!」

 

青葉「あれ?ねねっち3つも買ったの?」

 

ねね「うん。これ秋山さんの分だよ。」

 

優斗「おい大輝!何時の間にねねさんに頼んでたんだ?」

 

大輝「いや〜。ねねちゃんにお願いしたら即交渉成立したんだ〜。勿論俺の代金渡したから問題無し!」

 

優斗「お前な・・・」

 

コウ「別に音源は会社にあるだろ・・・」

 

はじめ「夢が無いですね~。」

 

ねね「うんうん!」

 

大輝「全くです!」

 

はじめ・ねね・大輝「限定版だからこそ価値があるんですよ!」

 

コウ「・・・」

 

青葉「息ピッタリだね・・・」

 

優斗「意気投合トリオが結成された・・・」

 

はじめ「それに皆だって限定版買ってるじゃないですか。ソフトは会社で貰えるのに~。」

 

コウ「そりゃあ記念に一つくらい欲しいじゃん。」

 

優斗「俺のは美佳さんにプレゼントしたくてな。」

 

青葉「このお店はどのキャラのドラマCDなの?」

 

ねね「ヒロインのカレンだよ。だからカレンのコスプレじゃないのかな。」

 

青葉「どうしよう・・・ナイトも好きだからそっちも欲しい・・・」

 

コウ「商戦って怖いな・・・」

 

ねね「私はそのナイトの親友のコナー君が一番のお気に入りだからね~。まさか闇落ちしてラスボスになるとは思ってなかったけど・・・」

 

優斗「ちょっとねねさん!?」

 

はじめ「そうそう!意外だったよね~!」

 

優斗「はじめさん!?」

 

大輝「俺もビックリだぜその展開!」

 

優斗「大輝のバカヤロー!」

 

ねね「でもあの平和主義のナイトとは違う考え方は結構好きなんだよね~!だから最後の一騎打ちも・・・」

 

青葉「ちょ・・・ちょっとねねっち!」

 

周りを見ると、人々がざわついてた。青葉達に戦慄が走り固まった。

 

コウ「ヤバイ・・・帰ろう・・・!」

 

 

 

 

 

 

全員日本政策金融公庫新宿ビルまで逃げた。

 

りん「どうしよう・・・怒られるかもしれない怒られるかもしれない・・・最悪クビ・・・」

 

ひふみ「青葉・・・ちゃん・・・これ・・・」

 

青葉「もう広まってる~!」

 

ツイッターを見ると、完全に広まってた。

 

コウ「早いよ!」

 

優斗「がああああ!!!!ネタバレ発言した時点でお終いだあああああ!!!」

 

ゆん「ちゃ・・・ちゃいますよ!きっとフラゲしてもうクリアした人が書き込んでるんですよ!」

 

コウ「成る程それだ!そう言う事にしておこう・・・」

 

青葉「もう~!折角の発売日が~!」

 

 

 

 

 

 

その後カフェに移動してりんがツイッターを見る。

 

りん「確かに・・・フラゲしてクリアした人がちらほら感想を書き込んでるわ・・・」

 

ゆん「じゃあさっきの話が広まった訳やなさそうですね・・・」

 

優斗「助かった・・・」

 

はじめ「ですよね~・・・いくら何でも早いと思ったんですよ拡散するの・・・」

 

コウ「って言っても情報漏洩はご法度だからね!言動は慎重に!」

 

はじめ「わ・・・分かってます。以後気を付けます・・・ね?」

 

ねね「はい!ソフィアちゃんが死んじゃうのは・・・」

 

すると青葉が口を塞いでネタバレを防いだ。

 

青葉「言ってる傍から・・・」

 

優斗「おい大輝!公の場でネタバレすんじゃねえよ!」

 

大輝「いやぁ〜、ねねちゃんとはじめちゃんの話の盛り上がりを見てつい口出ししちまった。」

 

優斗「さっきのはフラゲだけで済んだのは良かったけど、下手したら全国にばら撒かれて俺達お終いだぞ!」

 

大輝「うう・・・」

 

優斗「今度またネタバレ発言したら、しずくさんに頼んで毎日徹夜作業させるぞ。良いな!」

 

大輝「イ、イエッサー・・・」

 

ゆん「優斗さん、それはやり過ぎじゃ・・・」

 

優斗「ゆんさん、大輝は昔からアホだからこれくらいの説教しないとダメなんだよ。」

 

そこに特典を買ったうみこがカフェに来た。

 

うみこ「桜さん。また何かやったんですか?」

 

ねね「ヒィーーーー!!!」

 

青葉「うみこさん!」

 

優斗「奇遇ですね。」

 

コウ「何何?阿波根も特典目当て?」

 

うみこ「その呼び方やめて下さい。」

 

ハンドガンを取り出して脅す。

 

コウ「分かった分かった・・・」

 

うみこ「で、桜さんは何を?」

 

ねね「な・・・何でもありませ~ん・・・」

 

うみこ「本当に?」

 

青葉「あの・・・!そのお店の特典CDは誰が主役なんですか?」

 

うみこ「私の推しはクライフです。若かりし日の修業時代を描いたプレストーリーですね。」

 

はじめ「あー!あの武器や暗器使うのが得意なおじさまの!」

 

大輝「おお!クライフかぁ!」

 

コウ「やっぱり武器とか好きなんだな阿波根は。あはは〜!」

 

うみこ「・・・私は用事があるのでこれで。そうそう。会社にこれが届いていたので借りて来たのですが。」

 

優斗「お!ファミ通ですか。どうもです。」

 

インタビュー記事を見ると。

 

コウ「なっ!?」

 

全員「おおーー!!」

 

青葉「八神さん!凄く可愛く撮れてますよ!」

 

はじめ「八神さんにこんな一面があったとは・・・」

 

ゆん「ほんま可愛えなー!恥じらいがあると言うか・・・」

 

ひふみ「可愛い。」

 

ねね「私も買って来なくっちゃ!」

 

りん「もう本屋さんに並んでるかしら?」

 

大輝「流石ですコウさん!」

 

優斗「この可愛さなら人気者になれますよ。」

 

コウ「もう嫌ーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

そして数日後。フェアリーズストーリー3の打ち上げパーティーの開催日になった。会場はサンシャインシティアルパ2階。

 

青葉「打ち上げってこんなに沢山の人が開発に関わってるんですね。」

 

ゆん「営業さんや外注さんやクレジットに名前が載ってる人には全て声を掛けてるみたいやからな。」

 

優斗「でもまさか美佳さんまでも呼ばれるなんてね。」

 

美佳「そうなのよ〜。私関係者じゃないのに呼ばれちゃって〜。」

 

優斗「この前しずくさんから渡されたのが美佳さんへの招待状だったとはね。」

 

あの時しずくに渡された手紙は、優斗の妻の美佳へのパーティー招待状だった。

 

青葉「本当に驚きです。美佳さんお久し振りです。」

 

美佳「久し振りね青葉ちゃん。ゆんちゃんとはじめちゃんも。」

 

ゆん「はい。美佳さんお久し振りです。出産おめでとうございます。」

 

はじめ「出産おめでとうございます美佳さん!」

 

美佳「ありがとう。」

 

因みに美佳は、コウやりん達と顔馴染みである。

 

優斗「奈々は家で寝てる?」

 

美佳「いいえ、1人で家に居るのは可哀想だから隣の家のおばさんに世話を頼んでおいたわ。」

 

優斗「そうか。隣のおばさん優しいし良かった。引っ越しした時猪の肉くれてたし。」

 

美佳「また猪食べたいね。」

 

大輝「先輩!ご無沙汰しております!」

 

美佳「あら大輝君。あの時以来ね。成果はどう?」

 

大輝「見ての通りです。俺達で神ゲーが完成したんですよ。」

 

美佳「サボったりしてた?」

 

大輝「勿論サボらず仕事してました!」

 

優斗「ぷぷぷ〜。」

 

大輝「な、何だよ優斗!」

 

ねね「ま。私も呼ばれてるくらいだしね~。そして・・・声優さんも来てるからサインを貰うのだ~!」

 

はじめ「私も私も〜!」

 

大輝「俺もサイン貰うのだー!」

 

青葉「用意良いね・・・」

 

優斗「ちゃっかりしてるね・・・」

 

 

 

 

 

 

するとコウが壇上に上がった。

 

青葉「あ!八神さん!」

 

りんからマイクを受け取る。

 

コウ「え~・・・キャラクター周りを任せて貰った八神コウです・・・えと・・・あれ?何言うか忘れちゃった。すみませんこう言うの慣れてなくて・・・」

 

はじめ「何時も通りで良いんですよ~!」

 

青葉「八神さん!頑張って下さ〜い!」

 

美佳「コウさん!何時も通りで頑張って下さ〜い!」

 

コウ「・・・私は三部作の一作目からキャラデザとして携わってこの7年の間色々な事がありました。辛い事も多かったですが・・・でも今作の開発、楽しい事ばかりだったような気がします。スタッフの皆、ありがとう。今後とも宜しく。」

 

周りから拍手が上がってコウが一礼する。そして壇上から降りる。

 

りん「では最後にディレクターの葉月から。」

 

しずく「まさか八神からありがとうの言葉が出るとは。7年前ではありえなかったですね。」

 

コウ「うぐっ!」

 

しずく「ディレクターの葉月しずくです。お陰様で売り上げも好調のようで。これでまた新たな一歩を踏み出せるかなと思います。先程八神が言った通り一作目のスタートから7年程が経ちます。最初から開発に携わって来た者、途中から参加した者、全てを含めると、とても多くの人間の力でこうして発売まで辿り着けたと思います。皆ありがとう・・・それでは乾杯!」

 

全員「乾杯!!」

 

 

 

 

 

 

ねね「葉月さんがあんな真面目な事言うなんてびっくり。やっぱりただの面白お姉さんじゃなかったんだね~。」

 

青葉「失礼だよ?」

 

りん「それではしばしご歓談下さい。」

 

はじめ「よし!早速サインを貰いに行こう!」

 

ねね「イエッサー!」

 

大輝「ラジャー!」

 

3人はサインを貰いに行く。

 

青葉「好きだな〜。」

 

優斗「本当に。」

 

ひふみ「青葉・・・ちゃん・・・付き合って・・・」

 

青葉「ひふみ先輩も・・・ですか。」

 

ひふみもサイン貰いに行く。

 

青葉「あの~・・・サインいただいても良いですか?」

 

女性声優「大丈夫ですよ。」

 

青葉「さぁひふみ先輩!」

 

背中を押す。

 

ひふみ「あの・・・ムーンレンジャーからファンで・・・」

 

女性声優「あ、ありがとうございます。メガ粒子レクイエムシュート!ですね。」

 

本家の声を聞いてひふみが興奮する。

 

青葉「あ!知ってます!映画面白かったです!」

 

ねね「気付くの遅いよ!!」

 

サインを貰ったひふみは満足した。

 

大輝「お〜い優斗〜先輩〜!サインGETしたぜ〜!」

 

優斗「お前テンションMEGAMAXだなぁ。」

 

大輝「だって!こんな体験滅多に無いんだぞ!」

 

美佳「まあ大輝君の気持ちは分かるわ〜。」

 

大輝「優斗はいいのか?」

 

優斗「もう美佳さんが貰ってる。」

 

美佳「フフ〜ン♪」

 

既にサインを貰ってる。

 

大輝「流石先輩。」

 

ねね「あおっちも何処かにサインして貰えば良いのに。」

 

青葉「いいよ私は・・・それに最初に貰うサインはこの人にって決めてるし・・・」

 

ねね「ん?誰誰?」

 

青葉「内緒。」

 

コウ「何の話?」

 

青葉「わ!お疲れ様です!」

 

ねね「?」

 

 

 

 

 

 

りん「それではお待ち兼ね。記念品の抽選大会を始めます!」

 

大輝「おお!!待ち兼ねてました!!」

 

ねね「あ!私番号カード貰うの忘れちゃった。」

 

コウ「受付に言えばくれるよ。」

 

ねね「本当ですか?すぐ行って来ま〜す!」

 

番号カード貰いに行く。

 

コウ「元気な子だなぁ〜。」

 

青葉「・・・そうだ!八神さんさっきの挨拶格好良かったですよ。」

 

コウ「いや~・・・緊張しちゃって・・・でも声掛けてくれたお陰で助かったよ・・・」

 

するとしずくがシャッターを切った。

 

青葉「葉月さん!また~!」

 

しずく「さっきの八神の挨拶を撮りそびれたからね。代わりにと。」

 

コウ「撮らなくていいですよ!」

 

しずく「涼風君も良く頑張ってくれたね。お陰でソフィアも人気が出たよ。」

 

青葉「ありがとうございます!」

 

しずく「君にソフィアの仕事を振った八神が正しかった訳だ。」

 

コウ「べ、別にたまたま面白そうだったから振っただけですよ・・・」

 

しずく「そう言う事にしておこう。次は八神にアートディレクターをやってもらうつもりだから八神をこれからも宜しくね。」

 

青葉「凄いですね!」

 

コウ「ちょ!私がAD!?りんのままで良いでしょ!」

 

しずく「遠山君には今のプロデューサーと共同でプロデューサーになってもらう予定だよ。本人の希望もあるしね。」

 

コウ「聞いてないですよ・・・私じゃ皆付いて来ないですって・・・」

 

しずく「そうかな?まぁ無理強いはしないけど考えておいておくれよ。」

 

 

 

 

 

 

その頃抽選会では。

 

りん「次の当選番号、景品は3等。87番の方!」

 

ねね「あ!はいはい!は〜い!」

 

3等にねねが当選された。

 

りん「プログラマー班の阿波根さんよりM16アサルトライフルモデルガンです。」

 

うみこ「阿波根ではなくうみこです。まさか桜さんに当たるとは。ま、デバッグを頑張ってくれたお礼になりますね。」

 

ねね「何これ。いらな・・・」

 

うみこ「桜さんにはBK-47の方がお似合いでしたね。」

 

ねね「そのネタがそもそも分かんないんだよ!」

 

優斗「うみこさーん!銃の名前言ってもねねさん分かんないと思いますよー?」

 

うみこ「野蛮な銃、って事ですよ。」

 

大輝「うわあああ!!!良いなーーー!!ねねちゃんそれ俺に譲ってーーー!!」

 

優斗「大輝は黙っとけ!!」

 

 

 

 

 

 

その後うみことねねは別の場所で会話する。

 

ねね「ミリタリーって良く分かんないんだよね。」

 

うみこ「製造の歴史を知れば少しは興味が沸くかもしれませんよ。」

 

ねね「本当?じゃあ次のデバッグの時までに調べておきますです!」

 

うみこ「残念ですが今度から専門の会社に発注する予定なのでデバッグの募集はもうありませんよ。」

 

固まってM16アサルトライフルを落とした。

 

うみこ「大丈夫ですか?」

 

ねね「私絵も描けないしそんな頭も良くないし想像力もないし・・・じゃあ本当にこれでお別れ・・・」

 

うみこ「それは桜さん次第でしょう。何かあれば連絡して下さい。」

 

名刺を貰ったねねは泣いた。

 

ねね「うみこさん・・・」

 

うみこ「泣き言は聞きませんからね。」

 

大輝「ねねちゃん!ミリタリーなら俺に任せてくれ!俺が分かりやすく教えてやる!」

 

ねね「秋山さん!」

 

 

 

 

 

 

青葉はパーティーを眺めてた。

 

女性声優「じゃあシュートのポーズで。」

 

はじめ・ゆん「はい!」

 

ひふみは酒を飲んでる。

 

優斗と美佳は会話していた。

 

りん「それではいよいよ、1等に移りたいと思います。」

 

青葉「あ!そうだ!八神さん・・・」

 

だがコウの姿は無かった。

 

青葉「ってあれ?居ない・・・」

 

するとコウが会場から去る所を見た。

 

青葉「八神さん・・・」

 

しずく「何で八神がADを嫌がるのか知りたい?八神は一度ADになった事があるんだ。フェアリーズ2の時にね。」

 

青葉「初耳です。相当若い時ですよね。」

 

しずく「でも本人は苦い経験でね。何時も一生懸命でそれが空回りして周りに厳しく当たり過ぎてね。皆付いて来れなかったんだ。丁度涼風君ぐらいの新人の子が半年程で辞めてしまって・・・落ち込んでいたのを今でも覚えてるよ。結局別の人間に交代してもらってゲームは完成したんだけど、流石に3では受けてくれなくてね。」

 

青葉「でも・・・やっぱり八神さんは昔も優しい人だったんですね。」

 

しずく「どうして?」

 

青葉「だって、本当に無神経な人だったら人が傷付いてるのを見て落ち込んだりしませんよ。」

 

しずく「うん。私もね。そう思うんだ。そうだ。八神に用事があったんじゃないの?」

 

青葉「あ、そう言えば戻って来ないですね。」

 

しずく「恐らく外で休憩してると思うよ。行って来れば?」

 

青葉「そうですね。ちょっと探して来ます!」

 

 

 

 

 

 

外へ行くと、コウが休んでた。コウは上を見ていた。

 

青葉「あ!本当に休んでる!」

 

コウ「青葉・・・いや・・・人が沢山いる所って苦手でさ・・・」

 

青葉「じゃあちょっと私も休憩させて下さい。」

 

コウ「別に青葉は大丈夫でしょ。良いんだよ?店に居て。」

 

青葉「そんな事無いですよ!私だって疲れちゃいますよ。それに・・・えと・・・あの!一つお願いしても良いですか!?サ・・・サイン下さい!」

 

パッケージを差し出してサインをお願いする。

 

コウ「・・・なぁ~んだ。目的はそれか。良いけど。」

 

パッケージを取ってサインをする。

 

コウ「はい。」

 

青葉「ありがとうございます!ひとつ夢が叶いました!」

 

コウ「恥ずかしいって・・・」

 

青葉「私八神さんには感謝してるんですよ。仕事も沢山教わりましたけど何時も然り気無く声を掛けてくれて。それが・・・私・・・とっても嬉しかったんです。昔の八神さんがどんな人だったか私は知りません。でも・・・少なくとも・・・」

 

すると青葉がコウの手を掴んだ。

 

青葉「少なくとも今の八神さんは私の尊敬できる上司です!だから八神さんがアートディレクターになっても私は付いて行きますから!」

 

コウ「そ・・・その前に同じチームになるかも分かんないっての・・・」

 

青葉「え!嘘・・・」

 

コウ「嘘。多分一緒。でもお陰で自信が付いたよ。少し・・・ありがとう・・・青葉。」

 

 

 

 

 

 

そして2人は会場へ戻って行く。

 

ねね「あ!戻って来た!」

 

うみこ「全く・・・取引先の人が探してましたよ。」

 

はじめ「そうだ。八神さんもサイン下さいよ。」

 

ゆん「素直に欲しいって言えば良えやろ。」

 

大輝「お!コウさんが戻って来たぞ!」

 

優斗「青葉さんも戻って来たか。」

 

美佳「喜んでるわね。何か嬉しい事があったのかしら。」

 

りん「おかえり。青葉ちゃんも連れて来てくれてありがとうね。」

 

青葉「はい!」

 

こうしてパーティーはまだまだ盛り上がるのだった。

 

 

 

 

 

 

ナレーション「きらら警察24時!!」

 

K「ラララ〜♪いてっ!」

 

途中で電柱にぶつかったKさん。

 

K「あ・・・ごめんなさい・・・」

 

A「わ〜!××さん!それ電信柱ですよ!」

 

そこにAさんがKさんを見付けた。Kさんは座った。

 

A「もう、飲み過ぎなんですよ・・・」

 

K「うん・・・」

 

Y「Aさん!大丈夫?」

 

M「Aちゃ〜ん!」

 

そこにYさんとMさんが来た。

 

A「あ!YさんMさん!!」

 

Y「もう××さん、大丈夫ですか?」

 

K「うん・・・」

 

するとそこにRさんが来た。

 

R「だいじょうぶ〜?でも××ちゃんだけにコウ通事故じゃなくて良かったね。なんて・・・ぷっ、あははははは!」

 

Y「いやRさん!上手い事言ってる場合ですか!」

 

Rさんも座ってしまった。

 

山田「どうしました〜?」

 

A「あ、すみません。」

 

Y「すみません、この2人が酔ってしまいまして・・・」

 

山田「もう夜ですからね、もし女性だけだと特に危ないですよ。」

 

A「はい・・・」

 

Y「Aさん、俺の車で送るよ。2人も乗せて。」

 

A「すみませんYさん。Mさんも。」

 

M「気にしなくて良いよ。」

 

Y「すみませんねお巡りさん。」

 

するとそこに。

 

N「何してるの?」

 

D「お〜い皆〜!」

 

N「皆行っちゃ・・・」

 

アサルトライフルを持ったNさんとDさんが来た。山田が振り向いた瞬間銃を隠した。するとその時画面が暗くなった。青葉がテレビを消した。さっきのはテレビの中での出来事だった。

 

青葉「あは・・・あはは・・・」

 

因みにあの後、Yさんが事情を説明してくれたお陰でNさんが解放されたのだった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨
      相葉美佳:榎本温子
      女性声優:山村響
    山田(婦警):藤田咲

    コスプレ店員:角元明日香
        店員:貫井柚佳
         客:木内太郎

優斗「フェアリーズストーリー3がやっと完成したな〜。」

大輝「やっとこの日を待ち侘びてたぜ!これで神ゲー決定か!?」

優斗「いや半年かすれば結果が出るぞ。それとネタバレしないようにしてるか?」

大輝「心配すんなって!今度は気を付けてるしよ。でもまさかコナーが。」

優斗「これ以上バラすんじゃねえよこんにゃろー!」

次回OVA「私、社員旅行って初めてなので・・・」

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13話(OVA)「私、社員旅行って初めてなので・・・」

ある日のスキー場。リフトに乗ってる青葉が緊張している。隣にはコウが乗ってる。

青葉(よりにもよって社員旅行がスキーだなんて・・・大丈夫!怖くない。しっかり降りられる・・・大丈夫!)

コウ「よっ!」

リフトからコウが降りた。だがしかし。

青葉「うわぁぁぁ!!やっぱり無理ーーー!!!」

コウ「青葉ーーーー!!!」

リフトから降りる事が出来なかった。






青葉「うわ!?」

場所が変わって夜の旅館。先程の出来事は青葉の夢だった。周りを見ると青葉以外全員寝てた。優斗と大輝は隣の部屋で寝ている。

青葉「良かった・・・夢か・・・」






別の部屋では、しずくがウィスキーを持ちながら外を見ていた。その横にはもずくが寝転んでた。

しずく「ふふ。遂に来たね。お楽しみの社員旅行。」

もずく「にゃ〜お。」

そう。今日から社員旅行が始まったのだった。


外では強い吹雪が降っていた。そして青葉は先程の出来事が夢だと安心していた。

 

青葉「はぁ・・・」

 

すると隣で寝ていたコウが起きた。

 

コウ「大丈夫?」

 

青葉「あ、大丈夫です。起こしちゃってごめんなさい。」

 

コウ「魘されてたけど、お化けの夢でも見てたのか?」

 

青葉「違いますよ!」

 

コウ「な〜んだ。手を繋がないと眠れません〜って泣き付いて来ると思ったのに〜。」

 

青葉「そんなイメージですか?私。」

 

するとその時『ゴロゴロゴロ!』と巨大な雷が鳴り始めた。

 

青葉「ん?嵐凄いですね。」

 

コウ「そ、そうだね・・・」

 

そして再び『ゴロゴロゴロ!』と雷が鳴り始めた。コウが縮こまった。

 

青葉「ん?」

 

雷に怯えるコウを見た青葉は、笑って頭に悪魔の角を出した。小悪魔青葉再び。

 

青葉「えい!」

 

コウ「!?」

 

横を見ると、青葉がコウの手を握っていた。

 

青葉「これで、安心ですよ?」

 

コウ「ば、ば、バカ!平気だよ別に!」

 

青葉「くすっ。さっきの夢、私スキー苦手で、それが夢に出て来ちゃって・・・」

 

コウ「へぇ〜。青葉って何でも卒無くこなしちゃうイメージだったけど。」

 

青葉「そんな事無いですよぉ。実は小学校のスキー教室の時・・・」

 

 

 

 

 

 

それは青葉とねねが小学生の頃にスキー教室に行った時の事だった。

 

青葉・ねね『スキーだー!!』

 

早速スキーを体験しようとするが。

 

青葉『うわ!?うわ!滑るよねねっち!』

 

ねね『こんなの慣れればスス〜イだよ〜!・・・あれ?ああああーーーあおっちーー!!』

 

青葉『ねねっち!?うわああああ!!!』

 

スキー板に乗ってる為止まる事が出来なかった。そして2人はそのまま滑って、目の前の雪の壁にビターンしてしまった。

 

 

 

 

 

 

青葉「なので、スキーと言うと、嫌な記憶ばかり浮かんで・・・」

 

コウ「なら別に無理して行かなくても良いんだよ?私もダラダラしようと思ってるし。」

 

青葉「そうなんですか?じゃあ、私も八神さんと一緒に居ようかな?」

 

 

 

 

 

 

そして朝になった。外は銀世界になっていた。

 

青葉「うわあー!銀世界ー!ねねっちにも見せてあげよう。」

 

 

 

 

 

 

銀世界の写メを撮って、ねねに送信する。そして場所が変わってねねの部屋。フェアリーズストーリー3のプレイ中に青葉から写メが来た。

 

ねね「お〜!綺麗じゃん!でもあおっち、スキー大丈夫かな・・・?」

 

 

 

 

 

 

そして青葉にメールを送る。『ケガするんじゃねえぞ!』のメールを送った。

 

青葉「今日はホテルでのんびりするつもり。送信っと。」

 

はじめ「うわあ!積もったね〜!」

 

ゆん「真っ白や〜!」

 

ひふみ「綺麗・・・」

 

コウ「昨日はこんなに積もってなかったのにね〜。」

 

青葉「嵐のお陰ですね!きっと。」

 

 

 

 

 

 

そして隣の部屋では、優斗と大輝が銀世界を見ていた。大輝は浴衣を着てるが、優斗は普段のパジャマを着ている。

 

大輝「うっひょ〜!雪だ雪ー!銀世界来たー!!」

 

優斗「お前小学生かよ。」

 

大輝「何言ってんだよ優斗!こんな雪景色見てテンション落ちる奴なんて何処に居るんだよ!」

 

優斗「いや居ねえけど。」

 

大輝「だろ?」

 

優斗「そうだ。美佳さんに写メ送るか。」

 

 

 

 

 

 

場所が変わって相葉家。美佳のスマホに優斗からの写メが受信された。

 

美佳「あら!雪凄いわね!奈々も見てみる?雪だよ?」

 

奈々は銀世界の写メを見て興味津々だった。美佳は奈々を見て微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

そして場所が変わって青葉達の部屋。りんが着替えている。

 

コウ「りんは今日どうする?」

 

りん「・・・え?あ〜、どうしよう・・・」

 

コウ「元気無いけど、風邪?」

 

りん「そう言うんじゃないわよ!コウちゃんこそ、少し顔が赤い気がするけど、大丈夫?」

 

コウ「え?そう?」

 

りん「何時もと気候が違うんだし、何か羽織るか着替えたら?」

 

コウ「え〜?大丈夫だよ〜。部屋の中暖かいし。それより青葉!朝ご飯行こう朝ご飯!」

 

青葉「え?あ、はい!」

 

コウ「ご飯〜ご飯〜何食べようかな〜♪」

 

歌を歌いながら食堂へ向かう。

 

青葉「カニとかあったら良いですね!」

 

コウ「え!?朝からカニ!?」

 

部屋はりん1人になって、浴衣を折り畳む。

 

 

 

 

 

 

隣の部屋では、優斗が私服に着替えていた。

 

優斗「さて行くか。」

 

 

 

 

 

 

食堂では、イーグルジャンプの社員達が朝食を食べていた。

 

大輝「美味いな〜やっぱ〜。」

 

優斗「大輝お前、今日もおかわりムード発動か?」

 

大輝「いや!朝飯は控えておく!」

 

優斗「あら珍しいな。何時も暴食なお前がおかわりを控えるなんて。」

 

大輝「食い過ぎたら気力が低下するってお前が言ってたしな。」

 

優斗「あ、気にしてたんだ。」

 

そして青葉は、卵をご飯に入れて満足そうな顔をしていた。

 

ひふみ「どうしたの?」

 

青葉「あ、私、社員旅行って初めてなので・・・」

 

ゆん「うちもや!」

 

はじめ「私もだよ?」

 

優斗「俺と大輝は1回体験したからね。なあ大輝?」

 

大輝「おうよ。」

 

コウ「うちはマスター開けに社員旅行をするのが恒例なんだ。」

 

ひふみが頷く。

 

青葉「何か、こう言うの嬉しいです!皆で旅行なんて!」

 

はじめ「そうそう!折角来たんだから早く滑りに行こうよ〜!」

 

優斗「はじめさんウキウキしてるね〜。」

 

青葉「わ、私は1日ホテルでのんびりしょうかな〜って・・・」

 

コウ「私も〜。」

 

はじめ「え〜?2人共スキー行かないんですか?勿体無い・・・」

 

青葉「私スキー滑れないんです・・・」

 

コウ「私はまぁ気分で?」

 

はじめ「優斗さんと大輝さんは?」

 

優斗「そうだね。折角だから滑ろうか。」

 

大輝「俺も俺も!」

 

優斗「りんさんはどうします?」

 

りん「私も、止めとくわ。」

 

コウ「え?りんは滑れるんだから行けば良いのに。」

 

りん「私はコウちゃんと違って忙しいの。」

 

コウ「酷!?」

 

すると青葉が何かを見て気付いた。

 

青葉「八神さん、朝ご飯朝ご飯って言ってた割にはあまり食べてないですね?」

 

コウ「え?あ〜何だろう?食欲が無くなって来ちゃって・・・ちょっと水取って来る。」

 

コップを持って水を取りに行こうとしたが、手が滑って落として割ってしまった。

 

コウ「わあ!」

 

女性従業員「大丈夫ですか?」

 

コウ「あぁ、すみません・・・」

 

りん「ちょっとコウちゃん!」

 

コウの額に手を当てる。

 

りん「やっぱり少し熱がある・・・」

 

コウ「これくらい大した事無いって。」

 

りん「何時もそうでしょ?今日は大人しくねて居よ?後数日あるのに。風邪で潰す気?」

 

コウ「・・・りんがそう言うなら、分かった・・・青葉ごめん。移すといけないから今日は別行動で。」

 

青葉「あ、はい。じゃあ私もスキー場へ行くくらいはしようかな?」

 

するとひふみがピクッと反応した。

 

ひふみ「青葉、ちゃん・・・なら、私が・・・スキー・・・教えて・・・あげる。」

 

青葉「は、はい・・・」

 

優斗「そうだ。」

 

急いで食べ終えて、部屋へ向かう。

 

大輝「どうした優斗?トイレか?」

 

優斗「違えよ。ちょっとりんさんに渡す物があってな。」

 

 

 

 

 

 

その頃コウとりんは部屋に居た。りんが濡れたタオルを絞って、コウの額に置いた。

 

優斗「りんさん。」

 

そこに優斗が入って来た。

 

りん「優斗君?どうしたの?」

 

優斗「これ使って下さい。」

 

渡したのは、風邪薬。

 

優斗「美佳さんから、念の為に持って行ってって言われたんで、良かったらコウさんに飲ませてあげて下さい。」

 

りん「ありがとう。優斗君、良い奥さん持って良かったね。」

 

優斗「あ、ありがとうございます。コウさん、お大事に。」

 

コウ「うん・・・」

 

優斗「ではりんさん、失礼します。」

 

部屋から出て、スキー場へ向かう。りんはノートパソコンで仕事をする。

 

コウ「別に1人で寝てるから良いのに・・・」

 

りん「この間私が風邪引いた時は、コウちゃんが看病してくれたじゃない。」

 

コウ「でも忙しいんでしょ・・・?」

 

りん「ええ忙しいわ。どうせこうなると思ってたから、青葉ちゃんを巻き込まなくて良かったわ。」

 

コウ「・・・青葉に・・・こんな所を見られなくて良かったよ・・・」

 

するとコウはりんに手を少し伸ばした。りんがコウの手を握る。

 

りん「甘えん坊。」

 

コウ「うるさい・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃青葉達は外に出ていた。優斗と大輝はスノーボードを持ってる。

 

はじめ「スキーだーーー!!!」

 

大輝「スキーキターーーーー!!!」

 

青葉「うぅぅ・・・本当に来ちゃった・・・やっぱり怖いな・・・スキー・・・」

 

すると雪の中から何かが浮き出た。浮き出た物が青葉達に近寄った。そして浮き出た物が姿を現した。

 

青葉・ひふみ・ゆん・はじめ「うわあああーーーーー!!!!」

 

優斗・大輝「どわあああーーーー!!!!」

 

???「おっと。」

 

青葉「う、うみこさん!?」

 

その正体はうみこだった。

 

優斗「何してるんですか!?」

 

うみこ「あぁ失礼。プログラマー班でサバゲーの演習をしていましてね。」

 

ハンドシグナルを送ると、隠れてたプログラマー班のスタッフ達が姿を現した。

 

大輝「そう言う事ですか・・・」

 

優斗「うみこさん本当に抜け目無いですね・・・」

 

うみこ「一緒にやりませんか?こんな環境で出来るチャンスは滅多にありませんよ?」

 

青葉「・・・わ、私達!スキーするの凄くすっごく楽しみにしていたので!」

 

ひふみ・ゆん・はじめ・優斗・大輝「え?」

 

うみこ「そうですか。では後ほど。」

 

再び雪に潜ってサバゲーを再開しに向かった。

 

大輝「また潜るんですかい。」

 

はじめ「さっき、スキー怖〜いっとか言ってたのに?」

 

青葉「だって・・・」

 

優斗「でも青葉さんのお陰で助かったよ。」

 

はじめ「早く行こ?」

 

ゆん「うちも滑られへんのやから教えてよ?」

 

はじめ「OK!はずはリフトへGO!」

 

滑ってリフトへ向かった。

 

ゆん「ああもう!待ってってー!」

 

大輝「俺達も行くぞ優斗!」

 

優斗「おい待てよ!」

 

 

 

 

 

 

一行はリフトへ到着した。青葉はまだ緊張してる。

 

青葉「ひ!ひひ、ひふみ先輩!お手柔らかに・・・お願いします・・・!」

 

ひふみ(弱気な青葉ちゃんも可愛い。)

 

そしてリフトに乗って頂上へ目指す。青葉は滑ってる人を見てる。すると今度は

 

青葉「あ!先輩あれ!」

 

下を指差した。謎の足跡があった。

 

ひふみ「足跡?」

 

青葉「うさぎかな〜?可愛い〜!あっ!」

 

目の前を見てビクッとした。到着までもう少し。

 

青葉(大丈夫!怖くない・・・!しっかり降りられる・・・!正夢になんかならない!大丈夫!)

 

ひふみ「怖かったら、私に掴まって、良いからね。」

 

青葉「は、はい!ありがとうございます!」

 

そう言ってひふみに掴まる。

 

大輝「青葉ちゃーん!ひふみちゃーん!こっちこっち!」

 

青葉「うぅぅ・・・うわああああああああ!!!!」

 

叫び声を上げて前に進んだ。見事到着出来た。

 

青葉「え・・・?正夢じゃなかった!」

 

優斗「青葉さんどうしたの?」

 

 

 

 

 

 

そして一行は滑る。はじめはゆんに滑り方を教える。

 

はじめ「あはは!」

 

ゆん「うわあああ!」

 

優斗「ヒャッホー!」

 

大輝「イヤッホー!」

 

その後優斗と大輝も華麗に滑る。ひふみは青葉に合図を送った。青葉は勇気を出して滑る。すると上手に滑れるようになった。そしてひふみの前に止まった。

 

ひふみ「もっと、脇を締めて?」

 

青葉「はい!」

 

 

 

 

 

 

その日の夜の女湯。はじめとゆんがサウナに入ってる。ゆんは顔にタオルを被せてる。

 

はじめ「スキー楽しかったね〜。」

 

ゆん「ほうやへ。」

 

はじめ「ん?・・・ねえ?寧ろ息苦しくないそれ?」

 

ゆん「ほないなことないへ?」

 

はじめ「え!?何だって!?」

 

ゆん「そないな事無いでって言うたの!」

 

はじめ「そうなんだ・・・」

 

タオルを被ったゆんに手を振る。

 

ゆん「何や!?」

 

はじめ「何だ見えるんだ。」

 

すると今度はゆんの腕をツンツンした。

 

ゆん「うわ!?ーーーー!!!」

 

はじめ「篭って聞こえないよ!」

 

すると誰かがサウナに入って来た。ゆんがタオルを取った。

 

はじめ「何で取ったの?」

 

ゆん「だって格好悪いやん。」

 

 

 

 

 

 

その頃男湯のサウナでは。

 

優斗「ふぃ〜。サウナも良いね〜。」

 

大輝「なあ優斗、どっちが多く汗を流すが勝負しようぜ?」

 

優斗「だったらお前はそこで干からびろ。」

 

大輝「おいおい怖い事言うなよ〜。勝負しようぜ〜?」

 

優斗「本気でサウナに閉じ込めるぞ?」

 

大輝「止めてくれ!」

 

 

 

 

 

 

そして女湯のサウナでは。

 

青葉「うぅぅ・・・暑い・・・」

 

ひふみ「うん・・・」

 

青葉「ちょっと涼んで来ます!涼風だけに!」

 

そんなダジャレを言いながらサウナから出た。

 

ひふみ(突っ込めなかった・・・)

 

しかし青葉が早く戻って来た。

 

青葉「ひゃーー!外寒いーー!!」

 

ひふみ(早い・・・)

 

青葉「じゃん!雪だるま2号!」

 

ひふみ(2号?)

 

何時の間にか雪だるまを持って来た。そして青葉が雪だるまに話し掛ける。

 

青葉「どうだ?ん?この故郷とは違う気候。一体何分耐えられるかな?・・・案外溶けないな!?我慢強いね君・・・でも、雪だるま君が居ると気持ち良い〜。」

 

ひふみ「私、そろそろ出るね。」

 

青葉「あ!私も。だが雪だるま2号!君はダメだ!」

 

するとサウナにしずくが入って来た。

 

青葉「あ!葉月さん!お疲れ様です!」

 

しずく「何だ入れ違いかぁ。残念。」

 

雪だるま2号を発見した。徐々に溶けてる。

 

しずく「雪だるま君。君も大変だね。涼風君に良いように弄ばれて。でも涼風君がたまに見せるダークサイドにはちょっとドキドキしてしまうよ。出来れば変わって欲しいくらいに。な〜んて。」

 

青葉「タオル忘れちゃいました〜!」

 

しずく「っ!?ゲホゲホ!」

 

急に青葉が戻って来た事に驚いて噎せた。

 

 

 

 

 

 

その頃コウとりんの部屋。コウが目を開けると、雪だるまが置いてあった。

 

コウ「ん?」

 

りん「青葉ちゃんがお見舞いにって持って来てくれたのよ?雪だるま君1号ですって。」

 

コウ「1号?」

 

あの時サウナに持って来たのは2号で、1号はコウのお見舞いに持って行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

そして外では、うみこが雪原の中を歩いてた。すると何かの気配を感じ取ってショットガンを向けた。向けた先に居たのはうさぎだった。ショットガンを向けられて怯えてる。

 

うみこ「これは失礼。」

 

 

 

 

 

 

その頃優斗と大輝は、部屋でカービィハンターズZをプレイしている。

 

大輝「やっぱ社員旅行って楽しいな〜。」

 

優斗「そう言えばお前、去年の社員旅行で落とし穴に落ちたよな?片足だけ。」

 

大輝「お前そこまで覚えてるのか?」

 

優斗「当たり前だろ。あの時助けてくれ〜って叫んでたしな。」

 

大輝「あの頃が恥ずかしいわ・・・」

 

優斗「そう落ち込むなよ。でもまた落ちたら面白いかもな。」

 

大輝「おい!」

 

 

 

 

 

 

そして社員旅行は続く。青葉は上手に滑れるようになった。

 

優斗「そうそう!青葉さん良い調子!」

 

大輝「良いよ青葉ちゃん!上手上手!」

 

青葉「優斗さんと大輝さんも上手ですね!」

 

 

 

 

 

 

場所が変わって大学。ねねが青葉から来たメールを読む。

 

ねね「『ねねっち、2日間練習したら結構滑れるようになったよ!』へぇ〜?あおっち凄〜い!」

 

友人「え?」

 

ねね「あ!あおっちって言うのはね。」

 

 

 

 

 

 

その後スキー場は夕方になり、青葉がまたも上手に滑れるようになった。

 

ひふみ「大分、上手に、なったね。」

 

青葉「ひふみ先輩と優斗さんと大輝さんのお陰です!」

 

優斗「流石だね青葉さん。」

 

大輝「青葉ちゃん上手いなー!」

 

青葉「スキーって結構楽しいかも!」

 

そこにはじめが滑って来た。

 

はじめ「ふぅ〜。」

 

青葉「はじめさん格好良い!」

 

はじめ「そ、そんな事無いけど・・・」

 

ゆん「もう、待ってって言うたのに・・・」

 

そこにゆんが横歩きで降りて来た。

 

はじめ「だって途中で止まれないし。」

 

ゆん「もう温かいお風呂に入りたいわ〜!」

 

青葉「あ!良いですね!」

 

ひふみ「じゃあ、今日はもう、終わりにする?」

 

青葉・ゆん・はじめ「賛成〜!」

 

優斗「じゃあ大輝、露天風呂へ行くか。」

 

大輝「良いね良いね!」

 

 

 

 

 

 

その夜の女風呂の露天風呂。青葉とゆんとはじめが露天風呂で満喫していた。

 

青葉「ん?八神さん!?風邪大丈夫なんですか!?」

 

露天風呂にコウとりんが居た。

 

コウ「昨日も今日もずっと寝てたからもうすっかり元気〜。」

 

青葉「良かった〜!」

 

するとこの露天風呂に何者かが出て来た。

 

全員「うわ!?」

 

その正体はうみこだった。特別な許可を得て潜っていました。

 

青葉「う!うみこさん!?」

 

コウ「何やってんの!?」

 

うみこ「サバゲーで冷え切った体が温まりました。ではお先に。」

 

露天風呂から出た。

 

ゆん「神出鬼没やな・・・」

 

はじめ「満喫してるね・・・」

 

青葉「そう言えば、葉月さんは入らないんでしょうか?」

 

りん「お部屋には居なかったみたいだけど。」

 

部屋にはもずくだけだった。そして露天風呂にひふみが来た。桶に何かが入ってる。

 

青葉「ひふみ先輩それって。」

 

コウ「日本酒?」

 

桶に入ってたのは日本酒が入った徳利だった。

 

りん「風流ね〜。」

 

コウ「・・・限界!出る!」

 

りん「待ってコウちゃん!私も。」

 

コウ「・・・あ!そうだ!後で上がったら飲みに行かない?」

 

青葉「私はもうちょっとお風呂に入ってます。お酒も飲めませんし。」

 

コウ「はじめとゆんは?」

 

はじめ「私はサウナへ行って来ま〜す!」

 

ゆん「うちも!」

 

コウ「そっか。じゃあ阿波根と大輝でも誘ってやるか!」

 

りん「良いわね。」

 

コウとりんが上がり、はじめとゆんがサウナへ行った。

 

 

 

 

 

 

そして男湯の露天風呂。

 

優斗「ふぃ〜。露天風呂良いね〜。」

 

大輝「寒い所で温かい露天風呂って最高だな〜。」

 

優斗「やっぱ冬の露天風呂って気持ち良いよな〜。」

 

大輝「じゃあ俺行くわ。」

 

優斗「え?もういいのか?」

 

大輝「ちょっと飲みに行きたいのさ。」

 

優斗「そっか。じゃあな。」

 

大輝「おう!」

 

 

 

 

 

 

その頃女風呂の露天風呂。

 

青葉「はぁ〜。極楽極楽〜。雪の中の露天風呂だなんて素敵〜。」

 

すると青葉は、また雪だるまを作り始めた。

 

青葉「お〜!ん?」

 

日本酒を飲んでるひふみを見る。

 

青葉「・・・お酒、美味しそうですね。」

 

ひふみ「ん?飲む?」

 

青葉「いや!まだ未成年ですから!」

 

 

 

 

 

 

その頃コウとりんは、うみこと大輝と一緒に近くの居酒屋に来た。

 

コウ・りん・うみこ・大輝「カンパーイ!」

 

乾杯してビールを飲む。

 

コウ「ぷはぁ〜!風呂上がりの1杯は最高だね〜!」

 

大輝「その気持ち分かりますコウさん!ビール美味え!」

 

うみこ「病み上がりでお酒なんて飲んで大丈夫なんですか?」

 

コウ「もう全然平気だってば〜!」

 

店員「お待たせしましたー!」

 

そこに刺身が来た。

 

コウ「おおー!」

 

りん「美味しそう!」

 

大輝「美味そー!」

 

コウ「絶対美味い!」

 

刺身を試食する。

 

コウ「ん〜!」

 

大輝「美味えな〜!」

 

コウ「青葉達も来れば良かったのに。」

 

大輝「本当ですね。俺も優斗を誘えば良かったな〜。」

 

 

 

 

 

 

その頃優斗は、部屋に居た。

 

優斗「さて、2人と通話するか。」

 

スマホを出して、LINEのビデオを開いた。

 

 

 

 

 

 

その頃露天風呂では、青葉とひふみがまだ満喫していた。

 

青葉「八神さん達もゆっくり温泉に入れば良いのに〜。だって湯の中は温かいけど、外は寒いーーーー!!」

 

そう言って立ち上がった。それと同時に寒い風が吹いて来た。

 

青葉「ヒィィィ!本当に寒い!はぁ・・・だからずっと入ってられます〜・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃居酒屋では、コウ達がカニを食べている。

 

コウ「スキーはやっぱりダメだけど、温泉にハマったらしいな。青葉。」

 

大輝「コウさん、青葉ちゃんスキー楽しんでましたよ?」

 

コウ「え?そうなんだ。」

 

うみこ「それに、まだ今年入社したばかり。私達に囲まれては気も休まらないでしょう。」

 

コウ「え〜?そうかな〜?」

 

うみこ「たまに1人で居る時を見掛けるんですが、変な独り言をブツブツ呟いてるんですよね。」

 

コウ「あぁ!あるある!おにぎりに話し掛けてたり!」

 

青葉『くまった〜くまった〜。』

 

大輝「青葉ちゃんそんな事してたんですか?」

 

うみこ「何時も皆に気を遣って疲れてるんですよ。」

 

コウ「ただの素じゃない?」

 

りん「あはは・・・」

 

 

 

 

 

 

そんな青葉は今。

 

青葉「ほら喋るんだ!白状すれば楽になれるんだぞ?」

 

自分が作った雪だるまに話し掛けてた。

 

雪だるま?「へん!誰が喋るもんか!」

 

自分が作った雪だるまと1人2役で喋ってた。

 

青葉「ならば、こうしてくれる!」

 

すると雪だるまを湯の中に入れた。

 

雪だるま(青葉)「ぐわああ!溶けるーーー!!はぁ・・・はぁ・・・絶対喋るもんか・・・!」

 

青葉「体重が軽くなっても口は軽くならないようだな。では沈むが良い!」

 

雪だるま(青葉)「ゴボボボボボ・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃居酒屋では、コウが酔っていた。

 

コウ「ちょっと酔って来ました・・・」

 

大輝「俺も酔ってしまいました・・・」

 

りん「もう?」

 

コウ「あはご、うみごんは酔わないのかい?」

 

大輝(うみごん?)

 

うみこ「うみごん!?・・・ええ、あまり酔いませんね。周りが先に潰れてしまいますので。」

 

コウ「飲む酒が弱いんじゃないの?すみませ〜ん!この44度の焼酎ボトルで!」

 

うみこ「ボトル!?」

 

大輝「あ!すみません!水下さい!」

 

 

 

 

 

 

その頃優斗は、ビデオ通話で美佳と通話していた。

 

美佳『そう。青葉ちゃんスキー上手くなったのね。』

 

優斗「ああ。青葉さんスキーが苦手だったけど、大輝とひふみさんと一緒に教えてあげたからね。そう言えば、奈々は起きてる?」

 

美佳「ええ。起きてるわ。今ユユと遊んでる。」

 

奈々は飼い猫のユユと遊んでた。

 

優斗『そうか。ちょっと奈々の顔が見たいな。』

 

美佳「分かったわ。奈々!パパがお話したいって。」

 

奈々に近寄って、優斗が映ってるスマホを見せる。

 

優斗「奈々〜。パパだよ〜。」

 

奈々は優斗を見て笑った。優斗も笑う。

 

優斗『ユユ〜、奈々と遊んでて楽しいか?』

 

ユユ「ニャ〜。」

 

 

 

 

 

 

その頃露天風呂では、まだ青葉とひふみが居た。

 

青葉「お酒って、どんな味がするんですか?」

 

ひふみ「え?う〜ん・・・」

 

日本酒を口に入れて味を確かめる。

 

ひふみ「・・・分かんない!」

 

青葉「そんなに美味しそうに飲んでるのに!?」

 

 

 

 

 

 

その頃居酒屋では、まだコウ達が飲んでた。大輝は水を飲んでる。

 

大輝「はぁ〜、水美味い。」

 

コウ「ぶは!この焼酎辛!」

 

うみこ「お子様舌だから?」

 

コウ「嘘!?可笑しいでしょ!?」

 

焼酎をごくごく飲むうみこが遂に。

 

うみこ「もう1杯・・・」

 

大輝「うみこさんが酔った!?」

 

 

 

 

 

 

その頃部屋では。

 

美佳『じゃあ優斗君。私達そろそろお風呂に入るね。』

 

優斗「分かった。今度皆で温泉へ行こう?」

 

美佳『うん!何時か行きたいね!バイバイ。』

 

優斗「じゃあね。」

 

ビデオ通話を終了して通話を切った。

 

優斗「さてと、布団敷くか。」

 

 

 

 

 

 

その頃露天風呂では。

 

ひふみ「ちょっと舌で舐めるくらいなら、良いと思うよ?料理にも、お酒入れる事あるし。」

 

青葉「成る程〜。」

 

日本酒を少し舐めてみる。

 

青葉「う〜ん・・・苦臭い・・・ジュースの方が美味しいかも。」

 

 

 

 

 

 

その頃居酒屋では。

 

大輝「あぁ〜、酔いから覚めた。」

 

うみこ「そう言えば・・・うみごんって何ですか?うみごんって・・・海の生物ですか!?私は!」

 

コウ「気にしてたのかよ・・・」

 

りん「うみこちゃん、お酒はそのくらいで・・・」

 

大輝「そうですよ・・・幾ら何でも酔い過ぎじゃ・・・」

 

うみこ「大丈夫です!私わね・・・うみごんでは無く阿波根なんです・・・知ってましたか・・・?」

 

コウ(あ、何か面倒臭くなって来た。ってか!阿波根で良いのかよ!)

 

 

 

 

 

 

露天風呂では、青葉がひふみに酒を入れてる。

 

青葉「ひふみ先輩って、何時も静かに美味しそうに飲んでるので、酒飲みって感じがします。」

 

ひふみ「そう?でもあまり、強くはないよ?」

 

青葉「う〜ん・・・何と言うか、どっちが強いかって競い合うより、ひふみ先輩の方が大人の飲み方って気がすると言うか・・・」

 

ひふみ「・・・やっぱり、一緒に飲もうか?」

 

青葉「だからダメですってば!」

 

 

 

 

 

 

その頃居酒屋では。

 

りん「でもこの焼酎、本当に辛いわ・・・」

 

大輝「確かに、俺でも辛いです・・・」

 

コウ「りんと大輝まで酔わないでよ?」

 

そしてうみこは、サザエの壺焼きに苦戦していた。

 

うみこ「ぐっ!・・・このサザエの壺焼き・・・!」

 

コウ「あはは!下手だな〜!こんなのクルクルポンだよ〜!」

 

大輝「壺焼き美味い。」

 

すると何処からかハンドガンを取り出して、壺焼きに銃口を向けた。

 

うみこ「私ならバンと1発ですよ!」

 

コウ「うわああ!!止めろバカ!!」

 

大輝「うみこさん!気を確かに!!」

 

 

 

 

 

 

その頃優斗は、布団を敷いてた。

 

優斗「よし。これでOKだ。大輝が帰って来る間にマリオやっとこ。」

 

バッグからスイッチを取り出して、マリオカート8デラックスをプレイする。

 

 

 

 

 

 

その頃露天風呂では、ゆんとはじめがサウナから戻って来た。

 

はじめ「はぁ〜!涼しい〜!」

 

ゆん「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

青葉「ずっとサウナに入ってたんですか!?」

 

ゆん「はじめが意地張るから!」

 

はじめ「ゆんだって。でも、外の空気は気持ち良い〜。」

 

すると冷たい風が吹いて来た。

 

はじめ「やっぱ寒い!!」

 

ひふみ「デジャヴ・・・」

 

青葉「気持ち良いな〜。今度はねねっちと来よう。」

 

 

 

 

 

 

その頃ねねは、風呂に入ってた。タオルを湯に沈めて頭に乗せる。

 

ねね「ぶくぶくぶくぶく〜。ふぇ〜・・・今頃あおっちもお風呂かな〜?」

 

 

 

 

 

 

その頃奈々はぐっすり眠ってる。美佳は寝てる奈々を見て微笑んだ。

 

美佳「おやすみ。奈々。」

 

 

 

 

 

 

居酒屋では、うみこがウトウトしていた。

 

コウ「やっと黙ったか。阿波根は酔わせたらダメだな。」

 

大輝「コウさん、また苗字で呼んでちゃ・・・」

 

するとうみこが目を覚ました。

 

うみこ「わ、私酔ってましたか!?申し訳ない・・・」

 

コウ・大輝「酔い覚めるの早いよ!」

 

 

 

 

 

 

その頃露天風呂では、しずくが隠れながら青葉達を見ていた。

 

しずく「あぁ〜。眼福眼福。1人酒も良いよね〜。」

 

 

 

 

 

 

その後大輝が居酒屋から戻って来た。

 

大輝「ただいま〜。」

 

優斗「帰って来たか。どうだった?」

 

大輝「うみこさんを酔わせるのは危ないと思うんだ。」

 

優斗「何かあったのか?」

 

大輝「コウさんとりんさんとうみこさんで飲んでたんだけど、うみこさんが強い焼酎の飲み過ぎで予想以上に酔ってしまってな。サザエの壺焼きに対してハンドガンを出したりしてたんだ。丸でキャラが崩壊したかのように。」

 

優斗「そうなのか。」

 

大輝「あ、お前マリカーやってるな?俺と勝負だ!」

 

優斗「ならスペシャルカップを200ccだ!」

 

 

 

 

 

 

その後の隣の部屋。

 

りん「それじゃあ、おやすみなさい。」

 

全員「おやすみなさ〜い。」

 

電気を消して寝る。

 

青葉「社員旅行、楽しかったです。」

 

コウ「うん。」

 

はじめ「また行きたいな〜。」

 

ゆん「今度は何時やろうな〜?」

 

りん「次の仕事が終わったら、また皆で来られるわ。」

 

青葉「はい!」

 

そして青葉は眠った。

 

 

 

 

 

 

同じ頃の優斗と大輝の部屋。

 

大輝「また負けちまった・・・」

 

優斗「また勝っちゃったな。」

 

大輝「じゃあ勝負は終わった事だし、そろそろ寝るか。」

 

優斗「あぁ。おやすみ。」

 

大輝「おう。おやすみ。」

 

電気を消して布団に入る。

 

大輝「なあ優斗、社員旅行ってやっぱ楽しいよな。」

 

優斗「そうだな。次の仕事が終わったら何処へ行くんだろうな。」

 

大輝「また皆で楽しもうぜ?」

 

優斗「ああ。」

 

こうして青葉達は楽しい社員旅行を満喫したのだった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨
      相葉美佳:榎本温子

      お姉さん:貫井柚佳

大輝「そう言えばお前、俺が居酒屋行ってる間何してたんだ?」

優斗「美佳さんと電話してたんだ。奈々も一緒に。」

大輝「なあ今度の社員旅行は先輩と奈々ちゃんも連れて行ったらどうだ?」

優斗「それはちょっと困るんじゃねえのか?」

次回「恥ずかしいところを見られてしまいました・・・」

作者「やっとOVAが届きました。次回は第2期編を投稿します。」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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オリジナル
0話「あなたに出会えて良かった」


優斗と美佳の出会いから結婚までのお話。


これは、あの頃から始まった。

 

 

 

 

優斗と美佳夫妻が出会ったのは高校時代の頃だった。美佳が学校へ向かう途中に1人の中年男性にナンパされてた。

 

中年男性「お嬢ちゃ〜ん。私と一緒に遊ばない?」

 

美佳「止めて下さい。私これから学校へ行くんです。」

 

彼女は松田美佳。当時高校2年生。

 

中年男性「ええ〜?学校なんて休めば良いじゃん。良いから私と一緒に遊びましょう。」

 

すると中年男性が美佳の右腕を強引に掴んだ。

 

美佳「いや、止めて下さい・・・!」

 

???「待て!!」

 

すると1人の男子学生が割り込んだ。

 

美佳「あなたは・・・?」

 

中年男性「誰だお前は?私の邪魔をする気か?」

 

優斗「彼女が困ってるだろ。人の気持ちを考えろ。」

 

彼は相葉優斗。当時高校1年生。

 

中年男性「彼女が困ってる?いやいや、彼女は緊張してるんだ。」

 

優斗「何に?」

 

中年男性「私と遊ぶ事に緊張してるんだよ。」

 

優斗「うわぁ〜サイコだなぁあんた。これじゃあ詐欺師と同じだな。」

 

中年男性「何だと・・・!?」

 

すると美佳が隙を見て中年男性から逃れた。

 

優斗「大丈夫ですか先輩?」

 

美佳「私を知ってるの?」

 

優斗「ええ。松田美佳先輩ですよね?書道部の。」

 

美佳「え、ええ。」

 

優斗「俺の同級生が先輩と同じ書道部に入部してて、先輩を見て美しいって言ってましたよ。」

 

美佳「そんな・・・美しいだなんて・・・」

 

美しいと聞いて頬が赤くなった。

 

中年男性「何を呑気に話をしてるんだ!こうなったら力付くで!」

 

優斗「良いだろう。後悔させてやる!」

 

中年男性がダッシュしてパンチを繰り出すが、優斗が軽く避けて腕を掴んで背負い投げして、優斗が高速パンチで中年男性の顔すれすれに止めた。中年男性が冷や汗掻いた。

 

優斗「どうだ?まだやるか?」

 

中年男性「か、勘弁して下さい!私が悪かったです!許して下さい!」

 

優斗「最初からそうすれば良いのに。何故ナンパしたんだ?」

 

中年男性「実は、先週会社をリストラされて、その腹癒せでやってしまって・・・」

 

優斗「そう言う事か。リストラされたのは可哀想だが、腹癒せでそんな下らねえ事を考えてんじゃねえぞ。」

 

中年男性「はい・・・ごめんなさい・・・」

 

優斗「謝るなら、俺じゃなくて彼女に謝れ。」

 

中年男性「本当にごめんなさい!ナンパしてごめんなさい!」

 

美佳「良いですよ。今度は新しい職場を見付けて頑張って下さいね。」

 

中年男性「は・・・はい!頑張ります!」

 

激励された中年男性は走り去って行った。

 

美佳「ありがとう。助かったわ。」

 

優斗「いえいえ。無事で何よりで良かったです。早く学校へ行きましょ?」

 

美佳「ねぇ、名前教えてくれないかな?」

 

優斗「1年の相葉優斗です。」

 

これが2人の初めての出会いだった。

 

 

 

 

 

 

そして時が過ぎて2年後。美佳は高校を卒業して保育士養成学校で保育士になる勉強に勤しむ。

 

 

 

 

 

 

そしてその1年後、優斗は親友の秋山大輝と共に、大人気ゲーム・フェアリーズストーリーシリーズを製作しているゲーム会社の「EAGLE JAMP」に高卒で入社した。

 

優斗「相葉優斗です。宜しくお願いします。」

 

大輝「秋山大輝です!宜しくお願いします!」

 

2人は高校時代に映画同好会に入部しており、エフェクト班に配属された。優斗はVFX担当。大輝はCG担当になった。

 

 

 

 

だがスペースが無くて、キャラ班のブースに移された。

 

大輝「何だか違うブースに入ると緊張するな・・・」

 

優斗「お前珍しいな。何時もはマイペースなのに。」

 

大輝「あ!でも馴染めば問題無しだ!」

 

優斗「おいさっきの緊張はどうした。」

 

???「新入社員の相葉君と秋山君ね。」

 

優斗・大輝「え?」

 

声がした方を見ると、優しい雰囲気を持った女性が声を掛けて来た。

 

優斗「はい。エフェクト班でVFX担当の相葉優斗です。」

 

大輝「同じくエフェクト班でCG担当の秋山大輝です。」

 

???「私は遠山りんよ。キャラ班でADを担当してるわ。」

 

女性の名は遠山りん。キャラ班でADを担当している。

 

優斗「宜しくお願いします。えっと、遠山さんで良いですか?」

 

りん「ええ。」

 

大輝「じゃありんさん!」

 

優斗「お前フレンド気分全開だな。じゃあ俺も、りんさんで良いですか?」

 

りん「うふふ。宜しくね。優斗君、大輝君。」

 

???「りん、この2人が新人?」

 

優斗・大輝「ん?」

 

今度は金髪の女性が来た。

 

優斗「あなたは?」

 

???「私は八神コウ。キャラクターデザイナーをやっている。」

 

大輝「八神コウ・・・もしかして、フェアリーズストーリーの?」

 

コウ「お?フェアリーズ知ってるの?」

 

大輝「それは勿論!あのゲームめっちゃ面白くて何回もプレイしてます!」

 

コウ「それは嬉しいね。2人共名前は?」

 

優斗「相葉優斗です。エフェクト班のVFX担当です。」

 

大輝「秋山大輝です。エフェクト班のCG担当です。」

 

優斗「でもエフェクト班ブースの席が無くて、ここに移されたんです。」

 

コウ「へぇ〜。まあリラックスしておけば良いよ。」

 

 

 

 

 

 

その日の昼。優斗と大輝がカフェで昼飯を食べる。

 

大輝「優斗優斗。」

 

優斗「何だ?」

 

大輝「噂によれば、俺達が配属されたチームには、女性しか居ないらしいぞ?」

 

優斗「ほんまか?俺別にそんな事考えてねえけど。」

 

大輝「これってもしかしたら・・・俺達天国に入られたとしか思えねえ!」

 

優斗「お前の頭の中に何が入ってんだよ。」

 

???「おや。ここに居たか。」

 

そこに、1人の女性が来た。猫を抱えてる。

 

大輝「お?またもや麗しいお方が。」

 

優斗「お前少し調子乗ってねえか?」

 

しずく「麗しい方とは嬉しいね。私はディレクターの葉月しずく。宜しく。」

 

優斗「相葉優斗です。」

 

大輝「秋山大輝です。」

 

優斗「ん?猫?」

 

しずく「ああ、この子はもずく。私の飼い猫だよ。」

 

大輝「もずくですか〜。もずくカモーン。」

 

もずく「にゃ〜お。」

 

するともずくが跳んで、大輝の頭の上に乗っかった。

 

大輝「おっと!?結構重いな〜お前〜。」

 

優斗「お前大丈夫か?」

 

大輝「心配ご無用。バランスならお任せってね。」

 

しずく「秋山君が気に入ったみたいだね。」

 

大輝「俺に懐くとは、お前愛くるしいな。」

 

笑顔でもずくの顎下を撫でる。

 

もずく「にゃ〜お。」

 

優斗「しずくさん、何故俺達は女性しか居ないチームに?」

 

しずく「そうだね〜・・・強いて言えば、私達のチームに欲しい男達と言おうか。」

 

優斗「欲しい?」

 

しずく「実はこの会社には君達の他に男が居るんだけど、別のチームのディレクターが全員持って行っちゃってね。」

 

優斗「はぁ。」

 

しずく「そのディレクターが君達を持って行こうとしたんだが、私が君達を欲しいと言ったんだ。そして今に至るって訳。」

 

大輝「成る程〜。」

 

優斗「それで、俺達を欲しがった理由は?」

 

しずく「中々クールで可愛いと思ってたからだよ。」

 

優斗・大輝「へ?可愛い?」

 

しずく「うん。2人共結構可愛かったから欲しがったんだよ。」

 

優斗「まさか俺達を女性扱いですかい・・・」

 

しずく「ってのは冗談で、君達のような男が欲しいってだけ。君達なら私のチームを和ませてくれるだろうってね。」

 

優斗「和みねぇ〜。」

 

 

 

 

 

 

そして昼飯を食べ終えて、戻った時。

 

優斗「ん?」

 

キャラ班ブースに、1人の女性社員が居た。

 

優斗「あの。」

 

???「えっ!?」

 

優斗「おっと!ごめんなさい。脅かすつもりは無いです。」

 

???「あぁ、こっちこそ・・・ごめん。」

 

大輝「名前は何ですか?俺は秋山大輝です。」

 

???「滝本・・・ひふみ・・・」

 

優斗「ひふみさんか。俺は相葉優斗です。」

 

ひふみ「・・・・・・・・」

 

優斗「あのぉ、ひふみさん?」

 

ひふみ「ご、ごめん・・・私、人と接するの苦手で・・・」

 

優斗「あ〜そう言う事かぁ。」

 

2人が自分の席に座ると、社内メッセが来た。

 

優斗「社内メッセ?」

 

ひふみ『ごめんね。私人と話すのは苦手だけど、社内メッセなら会話出来るよ。』

 

優斗「成る程。」

 

大輝『安心したぁ〜。ひふみちゃんと会話出来るなんて光栄だよ\(^o^)/俺の事は大輝で良いよ。』

 

ひふみ『私もひふみで良いよ(*´ω`)p。優斗君もひふみで良いよ(*´ω`)p。』

 

優斗『じゃあ、ひふみさん。宜しくお願いします。』

 

ひふみ『あ、話す時は普通で良いよ(◍ ´꒳` ◍)b』

 

優斗(顔文字で会話とか、個性あるな・・・)

 

 

 

 

 

 

入社から1ヶ月後。優斗が高校時代に取得した自動二輪免許に続き、念願の自動車免許を取得した。両親からお祝いのCX-3をプレゼントされた。

 

優斗「マイカーゲット!」

 

 

 

 

 

 

そして2人はフェアリーズストーリー2制作スタッフに加わった。

 

優斗「遂に俺達もフェアリーズストーリー2の制作スタッフに加わるとは。」

 

大輝「こりゃあ忙しくなりそうだな。」

 

優斗と大輝は、高校時代に入部した映画同好会の実力と経験を活かし、ハイクオリティのVFXとCGを作り上げた。そのハイクオリティに葉月しずくや他の社員達から高評価を得た。

 

しずく(凄いなぁこの2人。素晴らしいよ。)

 

それから数ヶ月後、フェアリーズストーリー2が発売され大ヒットを記録した。

 

 

 

 

 

 

それから1年後、美佳は保育士養成学校を卒業して保育士の資格を取得して保育士となった。

 

美佳「はぁ〜い!それでは皆でお絵描きしましょうね〜。」

 

園児達「は〜い!」

 

 

 

 

 

 

同じ頃イーグルジャンプでは、篠田はじめと飯島ゆんが入社した。2人はキャラ班に配属された。

 

大輝「遂に俺達に後輩が出来たのか〜。」

 

優斗「ああ。優しくしてあげなきゃな。」

 

 

 

 

その日の昼。優斗と大輝がはじめとゆんに近寄る。

 

大輝「篠田ちゃ〜ん、飯島ちゃ〜ん。初めまして〜。」

 

ゆん「ん?」

 

はじめ「お?先輩ですか?」

 

大輝「大正解!俺達と一緒に仲良くやろうぜ〜!」

 

優斗「ていっ!」

 

大輝「あばす!?」

 

言ってる途中に優斗から尻にタイキックされた。

 

優斗「ナンパ気分で仲良くなろうとすんな。ごめんね、大丈夫だった?」

 

ゆん「え、ええ。」

 

優斗「俺はエフェクト班でVFX担当の相葉優斗。隣で痛がってるバカは同じエフェクト班でCG担当の秋山大輝。俺の同期だ。宜しく。」

 

大輝「おいバカって何だよバカって!」

 

優斗「お前少し弁えろよ。」

 

はじめ「面白い先輩達ですね。私はモーション班の篠田はじめです。」

 

ゆん「うちはキャラ班の飯島ゆんです。」

 

優斗「宜しく。はじめさん、ゆんさん。」

 

大輝「そう言えばはじめちゃん、モーション班なのに何でキャラ班に居るの?」

 

はじめ「実は・・・モーション班の席が無くて・・・」

 

優斗「それ、俺達も同じだよ。エフェクト班の席が無くて、キャラ班のブースに移されちゃったんだよ・・・」

 

はじめ「そうだったんですか・・・私達同じですね・・・」

 

大輝「ま、まあまあ。気楽で居れば大丈夫だよ。落ち込んでたら何も始まらないから。ホラ!俺みたいに元気いっぱいに!」

 

元気にガッツポーズ。

 

はじめ「そうですね!」

 

大輝「はじめちゃんって、何か趣味とかある?」

 

はじめ「私、ヒーロー物が好きなんです!」

 

大輝「マジか!?今度ヒーロー物トークでもしようよ!俺そう言うの詳しいんだ!」

 

はじめ「本当ですか!?いやぁ〜楽しくなりそうだな〜!」

 

意気投合してる2人を優斗とゆんが見ていた。

 

ゆん「完全に意気投合しとるな・・・」

 

優斗「そうだね・・・ゆんさん、俺と大輝はエフェクト班だけど、同じ社員として宜しくね。」

 

ゆん「はい。宜しくお願いします。」

 

 

 

 

 

 

そしてそれから数ヶ月が流れて冬頃、優斗と大輝の高校時代の先輩だった美佳は、父親と一緒にショッピングモールに来ていた。

 

美佳「パパー。今日は久し振りにパパと一緒に買い物に来たから楽しもうよ〜。」

 

美佳の父「そうだな。最近仕事が多かったから息抜きも大事だしな。」

 

その後美佳は父親と一緒に服を選んでた。色々服を試着したりなど楽しんだ。

 

 

 

 

その後ベンチに座って休憩する。

 

美佳の父「ふぅ〜、疲れたな。」

 

美佳「でも楽しかった〜。パパのお陰で可愛い服が買えたし。」

 

美佳の父「っ!?ぐ!!」

 

すると美佳の父が突然苦しんだ。

 

美佳「パパ?どうしたの?」

 

美佳の父「ぐっ・・・!腹が・・・!」

 

美佳「お腹痛いの!?(どうしよう!病院へ連れて行かなきゃ!でも遠いし、救急車呼んでも時間掛かるし・・・どうしよう・・・)」

 

突然の出来事に美佳が戸惑う。するとそこに。

 

優斗「松田先輩?」

 

美佳「あ、優斗君!」

 

偶然にも優斗と出会った。

 

優斗「お久し振りです。どうしたんですか?」

 

美佳「パパが苦しんでるの!どうしよう!」

 

優斗「え!?あ、でしたら病院へ連れて行きましょう!」

 

美佳「でもどうやって!?」

 

優斗「実は俺車持ってるんです!駐車場にあります!俺の背中に乗せて下さい!」

 

美佳「ありがとう優斗君!さあパパ!」

 

そして父親を優斗の背中に乗せて、優斗の車へ向かう。美佳と父親は後部座席に乗り、優斗が運転席に乗って病院へ直行する。

 

 

 

 

 

 

病院に到着して父親が手術を受ける。その後手術が終わった。

 

美佳「父はどうですか・・・?」

 

医者「手術の結果、胃癌を発見しました。」

 

美佳「癌が・・・!?」

 

医者「でも早期発見でした。癌を摘出したので手術は成功しました。もう大丈夫です。」

 

美佳「あ・・・!良かった・・・」

 

成功を聞いた美佳は安心したかのように涙を流した。優斗が慰める。

 

優斗「先輩、良かったですね。」

 

美佳「優斗君ありがとう・・・」

 

 

 

 

その後優斗と美佳は病室で父親と話した。

 

美佳「パパ、大丈夫?」

 

美佳の父「すまないな美佳。折角の楽しみを癌で台無しにしてしまって。」

 

美佳「ううん、パパが無事で良かった・・・」

 

美佳の父「君が相葉優斗君だね。助けてくれてありがとう。」

 

優斗「無事で良かったです。」

 

美佳の父「それと、あの時娘を助けてくれてありがとう。」

 

優斗「あの時?・・・あ!高校の時に中年男性のナンパから助けた時ですか?」

 

美佳の父「覚えてていたんだね。実はあの時、美佳から話を聞いたんだ。娘を助けてくれてありがとう。」

 

優斗「いえいえ、どう致しまして。」

 

そして1週間後に父親が退院した。

 

 

 

 

 

父親が退院して数ヶ月後の春。

 

美佳「ねえパパ、ちょっと相談があるの。」

 

美佳の父「何だ?」

 

美佳「多分これ反対するかも知れないけど・・・その・・・優斗君との結婚を考えてるの・・・それを言いたかったけど言い出せなくて・・・」

 

美佳の父「う〜ん・・・」

 

美佳「パパ・・・どうかな・・・?」

 

美佳の父「・・・美佳もそろそろ結婚しても良い年頃だからな〜。確かに優斗君は私達を助けてくれた良い男だ。彼は美佳に相応しい男だ。」

 

美佳「それじゃあ!」

 

美佳の父「うむ!そうと決まれば娘の結婚式を盛大に祝おう!」

 

美佳「っ!ありがとうパパ!」

 

 

 

 

 

 

その頃優斗はイーグルジャンプで作業をしていた。するとスマホが振動した。

 

優斗「ん?誰だ?」

 

メールを見ると。

 

優斗(松田先輩からか?えっと?)

 

メールの内容は『明日はお休み?もし休みだったらうちに来てくれる?お話があるの。』だった。

 

優斗(話?何のだ?まあメールしとくか。)

 

そして優斗は『明日休日だから丁度良いですね。ではまた明日。』と打って返信した。

 

 

 

 

 

 

翌日になり、優斗は美佳の家にお邪魔した。リビングには優斗と美佳が居た。

 

優斗「松田先輩、お話って何ですか?」

 

美佳「ちょっとね。」

 

するとそこに美佳の父親が来た。

 

美佳「あ!パパ!」

 

優斗「え?親父さん?」

 

美佳の父「やあ優斗君。」

 

優斗「体は大丈夫ですか?癌とか。」

 

美佳の父「ああ。あの時以降癌は再発されてない。君のお陰だよ。」

 

優斗「良かったです。」

 

美佳の父「それで優斗君。君に話がある。」

 

優斗「何ですか?」

 

美佳の父「娘を君が貰ってくれないか?」

 

優斗「娘さんを貰う・・・え?それって結婚!?先輩と!?いきなり!?」

 

美佳の父「そうだ。君は娘と私を助けてくれたからな。実は美佳が昨日私に優斗君と結婚したいと相談したんだ。君は美佳に相応しい男だ。頼む。娘を幸せにしてやってくれ。」

 

深く頭を下げる。

 

優斗「まさかの結婚の話ですか・・・そうですね・・・分かりました!結婚して、俺が先輩を幸せにします!」

 

すると美佳の父が優斗の両手を握った。

 

美佳の父「そうか!ありがとう!」

 

優斗「いえいえ。あ、それと親父さん。癌を予防ならニンニクとキノコ類とナッツが最適ですよ?」

 

美佳の父「本当か!ありがとう。」

 

 

 

 

 

 

そして数日後のイーグルジャンプ。就業時間が終わった直後。

 

優斗「りんさん、コウさん。」

 

りん「何?」

 

コウ「どうした優斗?そんなに笑顔になって。」

 

優斗「これ受け取って下さい。」

 

今日の優斗はご機嫌上昇だった。2人に手紙が入った封筒2枚を差し出した。

 

 

 

 

今度はゆん達にも手紙を渡す。

 

優斗「ひふみさん、ゆんさん、はじめさん。これ受け取って。」

 

ひふみ「これは?」

 

ゆん「手紙ですか?」

 

はじめ「優斗さん、これは?」

 

優斗「帰ってから見てね。」

 

 

 

 

次はしずくに2枚の手紙を渡した。

 

優斗「しずくさん。受け取って下さい。」

 

しずく「相葉君、この手紙は?」

 

優斗「帰ってから見て下さい。もう1枚はうみこさんに渡して下さいね。」

 

その後優斗はスタッフ達に手紙を渡す。

 

 

 

 

そして最後は大輝に手紙を渡す。

 

優斗「大輝もこれ受け取ってくれ。」

 

大輝「なあ優斗、これ何だ?」

 

優斗「帰ってから見ろよ。では皆さん、お疲れ様〜。」

 

彼は一足先に帰って行った。

 

りん「優斗君どうしたんだろう?」

 

コウ「何か終始凄く機嫌が良かったよな?大輝、優斗に何かあったのか?」

 

大輝「いえ、俺もあんな優斗初めて見ました。何時もはクールで俺に容赦無くツッコミを入れて来るんですが。そうだ、ゆんちゃん達は何か知ってる?」

 

ゆん「いえ、うちも分かりません。」

 

はじめ「私も分かりません。」

 

ひふみ「私も。」

 

 

 

 

それぞれ帰って、手紙を見ると全員が驚いた。

 

りん「え!?」

 

コウ「嘘!?」

 

ひふみ「っ!?」

 

はじめ・ゆん「ええ!?」

 

しずく「ん?」

 

うみこ「え?」

 

大輝「マジで!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして更に数日後。遂に優斗と美佳の結婚式の日が来た。

 

 

 

結婚式会場の教会の新婦控え室では、美佳がウェディングドレスを着ていた。そこにりん達が入って来た。

 

はじめ「わぁ〜!綺麗な人だ〜!」

 

ゆん「はじめ少々静かに!」

 

はじめ「ごめんごめん。」

 

美佳「あ、皆さん初めまして。松田美佳と申します。」

 

りん「こちらこそ初めまして。遠山りんです。」

 

美佳「まぁ!あなたが遠山りんさんですね!優斗君から聞いてます。そして八神コウさんと、飯島ゆんちゃんと、篠田はじめちゃんと、滝本ひふみちゃんね。」

 

ひふみ「は、初めまして・・・た、滝本ひふみです・・・」

 

ゆん「初めまして。飯島ゆんです。」

 

はじめ「篠田はじめです。」

 

コウ「八神コウです。」

 

美佳「此方こそ。皆さん、優斗君から手紙を貰いました?」

 

りん「貰いました。まさか招待状だったとは驚きました。」

 

数日前に優斗から渡されたのは、優斗と美佳の結婚式の招待状だった。そこに2人の女性が入って来た。

 

美佳「あら!みさとちゃんにいおりちゃん!」

 

みさと「美佳先輩!お久し振りです!」

 

いおり「結婚おめでとうございます!」

 

この2人の女性は「野々崎みさと」と「大空いおり」。優斗の幼馴染みで大輝の中学時代からの同級生。

 

 

 

 

 

 

そしてその頃新郎控え室では。白いスーツ姿に着替えた優斗が大輝と会話していた。優斗の幼馴染みである「栗谷えいすけ」も来ていた。

 

大輝「いやぁ〜まさかお前が結婚するなんてなぁ!びっくりしたぜ!しかも相手は、学園のマドンナと呼ばれた松田美佳先輩だとはな〜。」

 

えいすけ「優斗羨ましいなぁ〜。学園のマドンナの先輩と結婚だなんて。結婚の切っ掛けを教えてくれるか?」

 

優斗「先輩の親父さんが結婚して幸せにしてやってくれって言われて勧められたんだ。俺の両親も賛成してくれたからな。」

 

大輝「めでたいな〜。結婚おめでとう!」

 

えいすけ「おめっとさん!優斗!」

 

優斗「ありがとな大輝。えいすけ。」

 

大輝「じゃあ俺、会場行ってるぜ。良い式を期待してるぜ。」

 

優斗「OK。期待に応えてやるから待っとれよ。」

 

えいすけ「俺が精魂込めて、お前と先輩の結婚式を綺麗に撮ってやるからな!」

 

優斗「頼んだぜえいすけ。良い写真期待してるぜ。」

 

 

 

 

 

 

そして時間になり、結婚式が開かれた。りん達は教会の席に座ってる。

 

司会「まずは、新郎相葉優斗の登場です。」

 

会場に優斗が登場して、牧師の前に立つ。

 

優斗「ふぅ・・・」

 

少し緊張してる優斗。外では、美佳と父親が待っていた。

 

司会「それでは、新婦松田美佳の登場です。皆様、拍手でお出迎え下さい。」

 

 

 

 

美佳の父「美佳、行こうか。」

 

美佳「うん。」

 

 

 

 

ドアが開き、美佳が父親と共にバージンロードを歩き出し、招待客が拍手を送った。2人が教会の奥に着くと、美佳の父親は近くの席に座った。

 

牧師「汝、相葉優斗は。何時如何なる時も、松田美佳と永遠に愛し合う事を誓いますか?」

 

優斗「誓います。」

 

牧師「汝、松田美佳。何時如何なる時も、相葉優斗と永遠に愛し合う事を誓いますか?」

 

美佳「はい、誓います。」

 

牧師「それでは、誓いの接吻を。」

 

指輪を交換し、優斗が美佳のベールを捲り、唇と唇を重ね、優斗と美佳は夫婦となった。

 

 

 

 

 

 

その後、優斗と美佳が教会の外に出ると、フラワーシャワーが舞い上がった。えいすけがカメラで撮影していた。

 

りん「優斗君、美佳さん、おめでとー!」

 

優斗「ありがとうございます皆さん!」

 

大輝「優斗ー!おめでとー!」

 

えいすけ「おめでとう優斗ー!」

 

みさと「優斗おめでとー!」

 

いおり「おめでとうございます!優斗!」

 

美佳「皆さんありがとうございます!それじゃ、ブーケトスを始めましょうか。」

 

はじめ「よーし!取るぞー!」

 

ゆん「はじめ気合い入っとるな。」

 

ブーケトスが始まる直前には、りん達を含んだ女性達が集まっていた。

 

美佳「それじゃあ行きますよー!それ!」

 

後ろ向きになってブーケを投げる。投げたブーケは、りんの手元に渡った。

 

りん「あら?」

 

大輝「お!りんさんがキャッチした!」

 

りん「何だか恥ずかしいわね〜。」

 

次にウエディングケーキの入刀が行われ、ファーストバイトも行われた。

 

 

 

 

 

 

その次はビュッフェタイプの宴席が行われ、食事をする者や、優斗と美佳を祝福する者と様々だった。

 

りん「優斗君、結婚おめでとう!」

 

コウ「おめでとう優斗!」

 

優斗「ありがとうございますりんさん、コウさん。」

 

ゆん「優斗さんおめでとうございます〜!」

 

はじめ「お幸せに優斗さん!」

 

ひふみ「おめでとう、優斗君。」

 

優斗「ゆんさん、はじめさん、ひふみさんもありがとう。」

 

しずく「まさか相葉君が結婚するなんて急展開だね。」

 

優斗「あ、しずくさん。どうも。」

 

うみこ「相葉さん、ご結婚おめでとうございます。」

 

優斗「うみこさんもありがとうございます。皆さん、祝福のお言葉ありがとうございます。」

 

美佳「私からも言わせて下さい。皆さん祝福してくれてありがとうございます。」

 

りん「いえいえ。美佳さん、優斗君とお幸せにして下さい。」

 

美佳「りんさんありがとうございます。」

 

えいすけ「いやぁ〜まさかお前が結婚するとは最初思ってなかったぜ。優斗は幸せ者だな〜。」

 

みさと「何言ってんのよえいすけ。盛大に祝いなさいよ。」

 

いおり「そうですよ。おめでとうございます優斗。」

 

優斗「ありがとな、いおり。みさとにえいすけも。あれ?大輝は何処だ?」

 

コウ「大輝なら彼処に。」

 

 

 

 

大輝「こんなにご馳走たっぷり!美味い美味い!」

 

ご馳走たっぷり食べてる。

 

 

 

 

優斗「相変わらずだなぁ彼奴・・・」

 

えいすけ「おーい大輝ー!呑気に何やってんじゃー?」

 

大輝「おっと、食ってる場合じゃねえ。」

 

食べるのを中断し、優斗の方に寄った。

 

大輝「お〜い優斗〜!結婚おめでとう!」

 

優斗「ありがとな大輝。」

 

大輝「美佳先輩も、おめでとうございます!」

 

美佳「大輝君、ありがとう。」

 

りん「ねぇ優斗君。」

 

優斗「はい?」

 

りん「聞かせて?」

 

優斗「何をですか?」

 

りん「美佳さんとの出会いを。」

 

ゆん「うちも聞きたいです!」

 

はじめ「私も!」

 

優斗「分かった分かった、押し寄せないで・・・出会った切っ掛けは、高校時代に先輩が中年男性がナンパから助けた事が始まりでした。」

 

美佳「そうなんです。優斗君が助けてくれたんです。それと父を助けてくれたのも優斗君なんです。父が癌で苦しんでる所に、優斗君と偶然会って病院へ運んでくれたんです。」

 

コウ「へぇ〜、優斗お前男気あるな〜。」

 

優斗「そしてあの時以降、親父さんの癌は再発は出てないんです。」

 

美佳「本当にありがとうね。そうだ!ねえ優斗君、これから名前で呼んでね。」

 

優斗「え?先輩を名前で?」

 

美佳「こら!先輩じゃなくて名前で。」

 

優斗「え、じゃあ・・・美佳さんで。」

 

美佳「宜しい!」

 

大輝「美佳先輩、末長く優斗の事を宜しくお願いします!」

 

美佳「勿論よ!」

 

大輝「優斗!美佳先輩を幸せに出来なかったら、ただじゃおかねえぞ?」

 

優斗「その時になったら容赦無く本気で成敗してくれ。」

 

えいすけ「はいはいお2人さん!こっち向いて!」

 

カメラを優斗と美佳に向けた。

 

美佳「優斗君。」

 

優斗「ああ。えいすけ、良いぞ!」

 

えいすけ「おう!はい撮りまーす!」

 

シャッターを切った。

 

 

 

 

その後優斗は、美佳の父と会話をする。

 

優斗「まさか俺が美佳さんと結婚する日が来るとは思ってませんでした。」

 

美佳の父「そうかい?美佳と優斗君は結婚しても良い年頃だからな。」

 

優斗「でも本当に良かったんですか?俺で。」

 

美佳の父「ああ。君は高校時代にナンパを受けていた美佳と、以前に胃癌になった私を助けてくれた。本当に感謝してるよ。君は私達の恩人だ。」

 

優斗「そんな、当然の事をしただけですから。」

 

美佳の父「そんなに謙遜しないでくれ。君のお陰で美佳は幸せを手に入れたんだ。」

 

りん達と会話してる美佳を見る。

 

美佳の父「優斗君。」

 

優斗「はい?」

 

美佳の父「末長く、娘を宜しくお願いします。」

 

優斗「はい。お義父さん。」

 

その後もビュッフェタイプは続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、優斗と美佳は新しい新居で暮らす。場所は原宿にある一戸建て。

 

優斗「良い家だね。居心地が良い。」

 

美佳「そうでしょ〜?私とお母さんが選んだ新居だよ〜。」

 

優斗「日当たりも良いね。アイランド型のキッチンもあるな。後で今日の夕飯の材料でも買いに行こうか。」

 

美佳「うん。・・・ねえ優斗君。」

 

優斗「何?」

 

美佳「私、あなたに出会えて良かった。」

 

優斗「え?急にどうしたの?」

 

美佳「えへへ。私、優斗君と会ってなかったらここまで来れなかったかも知れない。ありがとう優斗君。」

 

笑顔で優斗を見る。優斗は少し顔を赤くした。

 

優斗「・・・美佳さん。」

 

美佳「何?優斗君。」

 

優斗「改めて宜しくお願いします!」

 

美佳「うふ。こちらこそ宜しくお願いします!」

 

優斗「そうだ、新婚旅行何処に行きたい?」

 

美佳「大阪行きたい!」

 

こうして優斗と美佳の夫婦生活が始まったのであった。そして1ヶ月後、新婚旅行は大阪であった。

 

「END」




         キャスト

      相葉優斗:石井マーク

      松田美佳:榎本温子

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨

    栗谷えいすけ:鈴木達央
    野々崎みさと:鬼頭明里
     大空いおり:茜屋日海夏

      中年男性:木内太郎
        医者:濱野大輝
        牧師:内野孝聡

      美佳の父:谷昌樹


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オリキャラ紹介

相葉優斗(あいばゆうと)

 

役職・エフェクト班VFX担当

 

誕生日・6月2日

年齢・23歳→24歳(21話から。)

血液型・A型

身長・164Cm

体重・62kg

星座・ふたご座

性格・優しい、ツッコミ

好物・魚介ラーメン

苦手・きな粉、酒全般

特技・励ます事、家事全般

出身地・東京

 

モデル・中尾暢樹

 

髪型・癖っ毛で青髪

 

私服・青のシャツ、赤のジャケット、青のジーンズ、白のスニーカー

 

通勤カバン・ボディバッグ

 

好きなゲーム・キングダムハーツシリーズ、メタルギアシリーズ、星のカービィシリーズ

 

憧れの人物・野村哲也

 

初めてプレイしたゲーム・スーパーマリオRPG

 

マリオシリーズで好きなキャラ・ルイージ

 

EAGLE JAMPに就職してる男性社員。

VFXを担当しているコウとりんの後輩で、青葉とはじめとゆんの先輩。

家族がゲームスタッフである。

高校3年の時に家族から勧められ、高卒でEAGLE JAMPに就職した。

青葉の事を『青葉さん』と呼んで、他の社員にも名前にさん付けで呼んでる。

同期であり親友の大輝に対しては容赦無くツッコむ。

弟と妹の世話をしてるゆんとは気が合う。

高校時代の頃に大輝と映画同好会に入部した経験があり、VFXの腕が良い。

かなりの下戸であり、飲み会の時は何時もジュースや水やお茶を飲んでる。本人曰く「酔うのが怖い」とコメントしてる。

現在は原宿にある一戸建ての家に住んでいる。

 

通勤手段はバイクを使ってる。

 

愛車バイク・400X(プロミネンスレッド)

 

バイクの他に車も所有している。

 

愛車・CX-3(ソウルレッド)

 

席はりんの隣。エフェクト班のスペースが無くなったらしい。

 

既婚者であり、去年に高校時代の先輩だった美佳と結婚している。

美佳は保育士を務めている。

夫婦仲は超良好。

薬指に結婚指輪を嵌めている。

お昼は何時も美佳の愛妻弁当である。

家に子猫を飼ってる。種類はスコティッシュフォールド。

自分のデスクに美佳との2ショット写真が飾られてある。

更に会社から毎月の給料と児童手当が支給されている。

 

結婚と同時に、高校時代の友人達から羨望のメールが大量に受信された事があった。

 

現在家族に娘の奈々が生まれ、仕事と育児の両立をやっている。

 

デスクに美佳と奈々との家族写真が飾られてる。

 

イメージキャスト・石井マーク

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

秋山大輝(あきやまだいき)

 

役職・エフェクト班CG担当

 

誕生日・10月5日

年齢・23歳

血液型・O型

身長・165Cm

体重・65kg

星座・てんびん座

性格・テンション高い、ボケ

好物・オムライス、酒全般

苦手・ごぼう、トマト

特技・常にポジティブ

出身地・福島生まれで東京育ち

 

モデル・鈴木裕樹

 

髪型・緑髪

 

私服・黄色のシャツ、水色のジャケット、赤のジーンズ、赤のスニーカー

 

通勤カバン・リニアショルダーバッグ

 

好きなゲーム・バイオハザードシリーズ、ファイナルファンタジーシリーズ、モンスターハンターシリーズ

 

憧れの人物・三上真司

 

初めてプレイしたゲーム・星のカービィSDX

 

マリオシリーズで好きなキャラ・テレサ及びヨッシー

 

EAGLE JAMPに就職してる男性社員で優斗と同期。

CGを担当している。

優斗とは中学時代からの親友。

コウとりんの後輩で、青葉とはじめとゆんの先輩。

高校時代は優斗と一緒に映画同好会に入部した経験がある為、CGの腕前は良い。

常に元気である為、失敗してもポジティブなのが彼の長所。

かなり大食いであり、ギャル曽根やジャイアント白田に匹敵する胃袋を持つ。

大の酒好きで、酔ってから数分で目を覚ます体質。

現在は新宿にあるマンションで一人暮らしをしており、電車で通勤してる。

百合的な光景を見ると微笑む癖がある。

もずくが頭に乗る事が多い。

 

仕事中熟睡してる事があり、コウやりんやエフェクト班のリーダーにたまに怒られてるが信頼はかなり上。

 

席はコウの隣。彼もスペースが無くなったらしい。

 

20話からエフェクト班ブースに移った。

 

イメージキャスト・下野紘

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

相葉美佳(あいばみか)

 

職業・保育士

 

誕生日・9月2日

年齢・24歳→25歳(23話から)

血液型・B型

身長・166Cm

体重・63kg

星座・おとめ座

性格・優しい、元気

好物・パスタ

苦手・大葉

特技・元気付ける事、家事全般

出身地・東京

 

イメージ容姿・大沢ひかる

 

髪型・茶髪でロングヘアー

 

私服・チューリップハット、白のロングワンピース、青のブーツ。

 

好きなゲーム・マリオシリーズ、星のカービィシリーズ

 

初めてプレイしたゲーム・スーパーマリオワールド

 

マリオシリーズで好きなキャラ・マリオ

 

相葉優斗の年上の妻で近くの保育園で保育士を務めている。

保育園の園児達から凄く人気が高い。保育士になった切欠は母が保育士だったからである。

旧姓名は『松田』。

高校時代は優斗と大輝の先輩で、中年男性にナンパされた時、助けてくれた優斗に惚れたのが始まりだった。

更に高校時代は『学園のマドンナ』と呼ばれる程人気が高かった。

優斗との結婚の話を父に話すと、快く受け入れてくれた。

父は現在、会社の部長を務めている。

3姉妹の末っ子であり、姉達は現在父親と同じ会社で働いてる。

両親も大のゲーム好きでもある。

イーグルジャンプの皆とは知り合い。

青葉を気に入ってる。

 

夫である優斗の事を『優斗君』と呼んでおり、優斗からは『美佳さん』と呼ばれてる。

 

夫婦仲は超良好で、今でも新婚ホヤホヤ気分である。

薬指に結婚指輪を嵌めている。

実は妊娠中であり、保育園を休んでる。

女の子を産みたいと思ってる。

家に子猫を飼ってる。種類はスコティッシュフォールド

 

現在は待望の長女の奈々を出産し、保育士と育児をしながら楽しい家庭を過ごしている。

 

イメージキャスト・榎本温子

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

相葉奈々(あいばなな)

 

9・5話から登場。

 

年齢・1歳

誕生日・8月12日

好きな物・いちご、青葉

 

優斗と美佳の間に生まれた長女。

名前の由来は「ずっと家族を虹色に輝かせてくれるだろう」と言う意味で優斗が名付けた。

現在は少しだけ歩けるようになってるのと、少し喋れるようになってる。

ペットのユユと遊ぶのが好き。

青葉に凄く懐いている。

ゆんとはじめとひふみにも懐いており、よく可愛がられてる。

 

イメージキャスト・内藤穂之香

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『ユユ』

 

9・5話から登場。

 

性別・オス

 

相葉家のペット。

スコティッシュフォールドの子猫で茶色。

とても人懐っこい性格。

元は捨て猫で、原宿の工事現場の近くのゴミ捨て場で美佳に発見された。

まだ生まれたばかりの奈々と遊んであげてる良い猫。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

木崎(きざき)あや』

 

20話から登場。

 

役職・エフェクト班CG担当

 

誕生日・10月25日

年齢・20歳

血液型・O型

身長・162Cm

体重・63kg

星座・さそり座

性格・元気、活発、フレンドリー

好物・寿司、ジュース

苦手・退屈な休日

特技・料理、運動、パソコン

出身地・北海道

 

モデル・岡本夏美

 

髪型・金髪ショート

 

私服・青いジャケット、白いシャツ、青いズボン、白いスニーカー

 

通勤カバン・リュック

 

好きなゲーム・星のカービィシリーズ、ピクミンシリーズ、三國無双シリーズ、ドラクエシリーズ

 

憧れの人物・桜井政博

 

初めてプレイしたゲーム・ゼルダの伝説 風のタクト

 

マリオシリーズで好きなキャラ・デイジー

 

望月紅葉と鳴海ツバメの親友で幼馴染みで、イーグルジャンプの研修生として入社した。

パソコンが得意であり、過去に自作CGを作った事もあり、両親に褒められた事ある。

何時も人見知りの紅葉をツバメと一緒に強くフォローしている。

幼い頃から運動神経抜群であり、運動部から勧誘を受けた過去もあり。

ゲーム好きの一家に生まれ、自由でテンション高い両親に育てられた為、何時も元気で居られる。

東京に祖父が住んでる。

家とかによく出る黒い奴が現れてもマイペースで居られる程の精神力を持つ。

両親の勧めと後押しを受け、紅葉とツバメと共に上京して東京ゲーム専門学校に入学した。

かなりフレンドリーな性格で、大輝と意気投合してる。

紅葉とツバメの悩みや過去を人一倍よく知っている。

 

席はエフェクト班ブースで、大輝の隣となった。

 

イメージキャスト・伊波杏樹

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

栗谷(くりや)えいすけ』

 

職業・カメラマン

 

誕生日・2月15日

年齢・25歳

血液型・A型

身長・167Cm

体重・69kg

星座・みずがめ座

性格・調子者

好物・ビール

苦手・写真と動画のブレ

特技・ナンパ

出身地・東京都

 

モデル・宇治清高

 

髪型・茶髪

 

私服・黒のシャツ、白のジャケット、黒のジーンズ、黒のスニーカー

 

愛車・NOAH

 

好きなゲーム・モンスターハンターシリーズ、ソニックシリーズ、ラストストーリー

 

初めてプレイしたゲーム・スターフォックス

 

マリオシリーズで好きなキャラ・クッパ

 

優斗の幼馴染みの1人で、大輝の中学時代からの親友の1人。

フリーのカメラマンをやっており、1日に数百枚撮る程である。

小学校時代、虐めを受けてた少女を助けた事がある。彼曰く「かなり可愛い子だった」と言ってる。

実家が写真館であり、写真を撮りに行く以外は手伝いをしている。

よくナンパをしており、何時も失敗ばかりしていた。

実は幼い頃から僥倖や超金運の持ち主であり、よく宝くじで高額当選した過去を持ってる。

更に競馬やボートレースでも予想が全て的中し、高額金を獲得した事がある。

その大金で自由を満喫したり、寄付などをしている。

現在の貯金はかなりの大金であるが、機密事項である為不明。

 

イメージキャスト・鈴木達央

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

野々崎(ののざき)みさと』

 

職業・看護婦

 

誕生日・5月2日

年齢・24歳

血液型・AB型

身長・164Cm

体重・64kg

星座・おうし座

性格・元気

好物・クレープ

苦手・数学

特技・患者の対応

出身地・東京都

 

モデル・山谷花純

 

髪型・黒髪ポニーテール

 

私服・赤い服、赤いジャケット(腰巻)、黄色いズボン、茶色のスニーカー

 

好きなゲーム・どうぶつの森シリーズ

 

初めてプレイしたゲーム・ヨッシーアイランド

 

マリオシリーズで好きなキャラ・デイジー

 

優斗の幼馴染みの1人で、大輝の中学時代からの親友の1人。

両親が経営している病院で看護婦として働いてる。

実は男性医師に恋している。

妹が2人居り、次女は高校生、三女も高校生。妹達とは何時も仲良し。

 

イメージキャスト・鬼頭明里

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大空(おおぞら)いおり』

 

職業・女優

 

誕生日・9月1日

年齢・24歳

血液型・B型

身長・163Cm

体重・63kg

星座・おとめ座

性格・礼儀正しい

好物・カツ丼

苦手・無し

特技・アドリブ

出身地・東京都

 

モデル・星名美怜

 

髪型・青髪ツインテール

 

私服・ピンクのワンピース、青のローファー

 

好きなゲーム・ポケモンシリーズ

 

初めてプレイしたゲーム・カービィボウル

 

マリオシリーズで好きなキャラ・ロゼッタ

 

優斗の幼馴染みの1人で、大輝の中学時代からの親友の1人。

高校3年の時にスカウトされ、女優として活動中。

誰に対しても敬語で話す。

実はかなりの大食いであり、過去に大食いコンテストで優勝した事がある。

 

イメージキャスト・茜屋日海夏



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2期編
14話「恥ずかしいところを見られてしまいました・・・」


あれから1年が経って2度目の春。

青葉『春です!イーグルジャンプに就職して丁度1年!会社にもすっかり慣れてきました!』

イーグルジャンプ社員の「涼風青葉」は、満員電車に乗って、阿佐ヶ谷駅に降りて人混みの中を余裕で掻い潜った。

青葉「先輩の涼風青葉だよ。宜しくね。先輩の涼風青葉だよ。宜しくね。」

そしてゲーム会社「EAGLE JAMP」前で練習をする。

青葉『そして、とうとう私も、先輩になる日がやって来たのです!』

???「おはよう。どうしたの?」

横から聞き覚えのある声が聞こえた。

青葉「うわあ!?遠山さん!おはようございます!」

アートディレクターの「遠山りん」。すると今度は。

???「おはよう青葉さん。」

青葉「うわあ!?優斗さん!おはようございます!」

エフェクト班でVFX担当の「相葉優斗」。

優斗「会社前で何かあったの?」

青葉「いやぁ〜、今日から私も先輩だなぁ〜って思うと緊張しちゃって・・・」

優斗「あぁ青葉さん・・・その事なんだけど・・・」

青葉「ん?」

りん「今年は新入社員居ないわよ・・・?」

何と今年の新入社員は居なかった。

青葉「え?・・・えええーーーーー!?」

新入社員が居ない事に驚愕した青葉だった。


3人はイーグルジャンプのオフィスに入る。

 

りん「ごめんね、大きな会社じゃないから。」

 

青葉「うぅ・・・恥ずかしいところを見られてしまいました・・・」

 

優斗「勿論秘密にしておくから安心して?」

 

りん「そうだ!何か飲む?」

 

青葉「すみません、それじゃあ・・・コーヒーでお願いします!砂糖とミルク入りで。」

 

りん「ふふっ。分かった。優斗君も何か飲む?」

 

優斗「じゃあ俺もコーヒーでお願いします。ちょっと眠気がするので。」

 

りん「分かったわ。」

 

 

 

 

 

 

そして青葉は自分の席に座る。

 

青葉「ふぅ〜。」

 

???「うう・・・」

 

すると誰かの声が聞こえた。

 

青葉「八神さん、泊まってたんですか?」

 

コウ「おはよう・・・さっさと終わらせたいのがあってさ・・・」

 

フェアリーズストーリー3のキャラクターデザインを務めた「八神コウ」が起きた。何時もの格好で寝ていた。

 

優斗「コウさん、またその格好ですか・・・?」

 

青葉「丁度1年前も、何だかこんな感じでしたよね?」

 

コウ「1年前?」

 

優斗「あったねそれ。」

 

コウ「あぁ、もう4月かふぁ〜・・・」

 

青葉(はっ!私、八神さんのパンツ姿に慣れてしまってる!?)

 

コウ「どうした?」

 

青葉「さ、さっさと何か履いて下さい!」

 

コウ「え!?何だよ突然!?」

 

りん「おはよう。コウちゃんも飲む?」

 

そこに、りんがコーヒーを持って来た。

 

コウ「おお!サンキュー!」

 

コーヒーを貰う青葉とコウ。

 

りん「はい優斗君。」

 

優斗「どうも。」

 

コーヒーを貰って飲む。

 

優斗「ふぅ〜、旨い〜。」

 

コーヒーをふーふーする青葉。

 

コウ「青葉のそのコーヒー、ブラック?」

 

青葉「違いますよ。ブラックは美味しくないので、砂糖とミルク入りです。」

 

コウ「えぇ〜?ちょっとは成長したじゃん。」

 

不機嫌になる青葉。するとそこに。

 

はじめ「おっはようございま〜す!」

 

青葉「あ!おはようございます!」

 

優斗「おはようはじめさん。今日は何時もより元気だね。」

 

モーション班の「篠田はじめ」が出社した。

 

はじめ「今日ってもしかして、新入社員とか来るんですよね!?今年はテンパらないようにしないと!」

 

青葉・優斗「え?」

 

はじめ「先輩の篠田はじめだよ。宜しくね!ん?あぁ、はじめさんで良いよ!」

 

さっき練習した青葉の真似をした。

 

はじめ「ですかね〜?」

 

青葉「はじめさん、さっき見てました?」

 

はじめ「え?何を・・・?」

 

優斗「図星?」

 

りん「うふふふ。」

 

ゆん「おはようさ〜ん。」

 

はじめ「ゆん!おはよう。」

 

青葉と同じキャラ班の「飯島ゆん」が出社した。

 

ゆん「何?新しい子が来るん?」

 

はじめ「うん。緊張しないようにしないとねって。」

 

青葉「あぁ、いやぁ・・・」

 

大輝「おはようございまーす!」

 

青葉「大輝さん、おはようございます。」

 

優斗「よう大輝。」

 

更に、優斗の同期でエフェクト班でCG担当の「秋山大輝」が出社した。

 

優斗「やけにテンション高えな。何かあったか?」

 

大輝「優斗優斗、噂に聞いてたが、俺達にまた新しい後輩が出来るって?」

 

優斗「いや、それなんだが・・・」

 

ひふみ「あ、新しい・・・人・・・?」

 

今度は、青葉とゆんと同じキャラ班の「滝本ひふみ」が出社した。

 

青葉「あ!ひふみ先輩、おはようございます。」

 

ひふみ「悪い子だったら・・・どど、どどど・・・どうしよう・・・」

 

青葉「いやいや!今年は来ないみたいですよ!」

 

ゆん「何や、はじめの早とちりかいな。」

 

はじめ「ちょっと残念したような、安心したような・・・」

 

大輝「あ〜あ、新入社員が居ないとか寂しい感じがするな〜。」

 

優斗「まぁお前の気持ちは分かる。けど仕方無えだろ。」

 

ゆん「なら、今年も青葉ちゃんが1番下の後輩やな。」

 

青葉「そうなんですよ・・・」

 

大輝「だったら今年も、青葉ちゃんを可愛がってやるか。」

 

優斗「お前変な事したら成敗するから覚悟しとけ。」

 

りん「コウちゃん、いい加減にして履いたら?」

 

コウ「いっけね!忘れてた!」

 

急いでスカートを穿く。

 

ゆん「八神さん、泊まりやったんですか?」

 

はじめ「今はそんなに忙しくないでしょ?他のチームのヘルプでやってるだけだから。」

 

コウ「キリの良い所で終わらせたくてさぁ。うちの新作が始まる前に、やれる所までやっちゃい〜って。」

 

はじめ「新しい企画、まだ決まらないのかな?」

 

りん「葉月さんの準備が遅れ気味なのよね。」

 

するとそこに、猫の「もずく」が来た。青葉が持ち上げる。

 

青葉「ねぇもずくちゃん、君のご主人様どんなゲーム考えてるか知らない?」

 

もずく「にゃ〜お。」

 

するとそこに。

 

うみこ「葉月さん、何処に居るか知りませんか?」

 

プログラマーの「阿波根うみこ」が来た。

 

青葉「うみこさん、おはようございます。」

 

優斗「しずくさんですか?」

 

りん「葉月さんならもう出社してるはずだけど、もずくちゃんも居るし。」

 

もずく「にゃ〜お。」

 

うみこ「困りましたね・・・次回作のテスト版を早くチェック貰いたいんですけど・・・」

 

コウ「そう急がなくて良いって。始まったらどうせ忙しくなるんだし、今の内にのんびり遊んでおきたいじゃん。」

 

優斗「遊びたいんですかい・・・」

 

うみこ「そう言うあなたこそ、また泊まりで仕事をしていたようですね?因みに私は先日も、サバゲーで夜通し山を走っていました。」

 

コウ「げ、元気だな・・・」

 

優斗「そのショットガンは何処から・・・?」

 

大輝「その元気は何処から来るのやら・・・」

 

はじめ「確かに!忙しくなる前に遊んどいた方が良いかもなぁ〜!」

 

ゆん「あんたは言われんでも遊んどるやろ!」

 

優斗「確かに。」

 

青葉「そうか。本当にもうすぐ、新作が始まるんですね。」

 

するとコウが何かを見付けた。

 

コウ「青葉、ちょっと。」

 

青葉の髪留め部分を触る。出て来たのは、1枚の桜の花弁だった。

 

コウ「明日、花見でもしようか。」

 

 

 

 

一方その頃ディレクターの「葉月しずく」はと言うと。

 

しずく「ん〜・・・困った。もう一息なのに、今一テンションが上がらないから、作業が進まない・・・ん?」

 

テンションが上がらない事に悩んでた。キャラ班ブースに顔を向けた瞬間、ひふみの笑顔が見れた。

 

しずく(はっ!滝本君が笑ってる!か、可愛い!!)

 

早速キャラ班ブースに顔を出した。

 

しずく「ゴホン。楽しそうだね。」

 

ゆん「あ!葉月さん!」

 

はじめ「おはようございます!」

 

しずく「何を話してたのかな?」

 

青葉「はじめさんの提案で、動かしやすいモデルの試行錯誤をしてまして。ひふみ先輩が色々アイデアを出してくれて、凄いんですよ!」

 

ひふみ「え?そ、そんな事・・・無い、けど・・・」

 

するとしずくがスマホでひふみを撮った。

 

ひふみ「ふぇ!?」

 

優斗「しずくさん何してんですか?」

 

しずく「はっ!ごめん、可愛かったからつい。」

 

大輝「ナチュラルに撮るとは、抜け目無いですね。」

 

しずく「だって滝本君、昔と比べて表情が柔らかくなったから、良い事だと思うよ?」

 

ひふみ「・・・はい。」

 

またスマホでひふみの笑顔を撮った。

 

優斗「ひふみさん、抵抗しても良いんだよ?」

 

大輝「でも確かに、昔のひふみちゃんは笑顔を見せる事は殆ど無かったからな。」

 

優斗「青葉さんのお陰かも知れんな。」

 

青葉「あの、さっきも話してたんですけど、新しいゲームって、どんな感じになりそうなんですか?」

 

しずく「うみこ君に、仮使用に沿ってテスト版を作って貰って、色々試しているんだけど・・・中々難しくてね。」

 

青葉「そうなんですか。」

 

しずく「別に涼風達でも良い企画書が作れれば、それが採用されるんだよ?」

 

青葉「え?本当ですか!?」

 

はじめ「じゃあ私、戦隊モノが良い!!あ!でも、魔法少女も捨て難い・・・」

 

大輝「俺は赤の魔法使いにでもなるか。」

 

優斗「話に乗るな。マジレッドかよ。」

 

大輝「優斗はそうだな・・・大空の王者とか?」

 

優斗「俺を巻き込むな。ってか俺ジュウオウイーグル?」

 

ゆん「そればっかやん。」

 

はじめ「じゃあゆんは?」

 

ゆん「うちはシリアスっぽいのかな?」

 

はじめ「優斗さんと大輝さんは?」

 

優斗「そうだな・・・俺はRPG系かな。スーパーマリオRPGみたいな。」

 

大輝「俺はゾンビ系!バイオハザード的な!」

 

青葉「私はやっぱり、ファンタジーかな?」

 

しずく「何でもってなると迷ってしまうよね・・・滝本君は?」

 

ひふみ「え!?わ、私も・・・青葉ちゃんと、一緒で・・・」

 

しずく「そっか。やっぱり作り慣れたファンタジーかな?」

 

はじめ「そうだ!明日お花見するんですよ!」

 

ゆん「他のチームの方達にも声を掛けるそうなんです!」

 

優斗「しずくさんも一緒にどうですか?」

 

しずく「是非、交ぜて貰うよ。差し入れ付きて。」

 

青葉達「やったー!」

 

優斗「美佳さんに電話しとこうかな。」

 

 

 

 

 

 

その日の夜の渋谷。青葉の幼馴染みで大学生の「桜ねね」が、望遠鏡でうみこを発見した。

 

ねね「ぷぷぷ〜。ターゲット発見。どう脅かしちゃおうかな〜?ぷぷぷぷ〜。」

 

するとうみこが、ねねの方を見た。

 

ねね「うわ!!」

 

びっくりしたねねが木の後ろに隠れた。

 

ねね「見付かった!?ま、まさか・・・大分距離があるのにそんな訳・・・偶然偶然・・・」

 

もう1度望遠鏡を覗くが、うみこの姿が無かった。

 

ねね「あれ?居ない?」

 

すると自分のスマホの着信音が鳴った。

 

ねね「もしもし?」

 

うみこ『見付けた。』

 

ねね「ええええーー!?」

 

うみこ『甘いですね。ターゲットから目を反らすなんて。』

 

気付かれてしまった。

 

ねね「ど!何処に居るんですか!?」

 

うみこ『後ろですよ。』

 

ねね「ええ!?」

 

後ろに振り向いたが、誰も居なかった。しかし。

 

うみこ「バン!こっちでした。」

 

ねね「も〜〜!!」

 

 

 

 

 

 

その後2人でファミレスへ行った。ねねがパフェを美味しそうに食べる。

 

ねね「うまうま!」

 

うみこ「相変わらずですね・・・」

 

ねね「あ!白玉餡蜜も美味しそう!」

 

うみこ「食べますか?」

 

ねね「良いの!?じゃあ、あ〜〜。」

 

口を開ける。

 

うみこ(っ!?まぁ、動物にエサをやってると思えば良いか・・・)

 

スプーンで餡蜜を掬って、ねねに食べさせる。ねねは美味しそう食べる。

 

ねね「じゃあ、お返し!」

 

突然のお返しでうみこがびっくりした。

 

うみこ「私は結構です・・・」

 

ねね「あれ?もしかして、照れてるんですか〜?」

 

うみこ「照れてない、ですよ・・・」

 

ねね「ふ〜〜ん?」

 

うみこ「分かりました!食べますよ!」

 

ねね「じゃあ、あ〜〜ん・・・なんちゃってあげな〜い!」

 

自分の口の中に持って行った。するとうみこが無表情で怒った。

 

ねね「冗談!!冗談ですよ!!」

 

今度こそうみこに食べさせた。

 

ねね「にしし〜。」

 

その後パフェと白玉餡蜜を食べ終えた。

 

うみこ「っで、今日は相談って何ですか?大学の勉強の事なら役に立てないと思いますよ?」

 

ねね「違いますよ。・・・えっと・・・笑わない?」

 

うみこ「場合によっては笑います。」

 

ねね「意地悪!!」

 

バッグからノートパソコンを取り出して、1つのゲームを見せた。

 

うみこ「ゲームですか。桜さんが作った?」

 

ねね「そうですよ!凄いでしょー!」

 

ゲームをプレイする。キーボードで馬に乗った騎士を操作する。

 

うみこ「確かに凄い絵ですね。」

 

ねね「しょうがないじゃん。絵描けないんだもん・・・でも、しっかり動いてるでしょ?ほら!ジャンプもするし、攻撃も出来るし!」

 

するとエラーが発生した。

 

ねね「あ!また止まっちゃった・・・」

 

うみこ「要するに、プログラムの事で質問がある。それで私を呼び出したと?」

 

ねね「前はそもそも起動しなかったし、でも動く時はずっと動くんだけど・・・」

 

うみこ「こっちに来て見せて下さい。」

 

ねね「っ!お願いしまーす!」

 

隣に座って、作ったゲームのエラーを見せる。

 

うみこ「ほらここ。分かりますか?」

 

表示されてるエラーに指差した。

 

ねね「あ!同じ処理を何度もしてたんだ!成る程!流石プロ!」

 

うみこ「プログラマーは楽しいですか?」

 

ねね「ん〜・・・分かんない。難しいし・・・でも、あおっちの気持ちはちょっと分かった気がする。絵とは違うけど、こうやって形になってくって面白いし、後、バグ見付からないで!って言うプログラマーの気持ちがちょっと分かった。」

 

うみこ「分からずデバックしてたんですね・・・でも、全く見付からないと、逆に不安になってくるモノですよ。」

 

ねね「そうなんですか?」

 

うみこ「バグなんてあって当然。それを直しながら良くしていくのが当たり前の流れなんです。それが無いなんて、イレギュラーですよ。」

 

ねね「そっか、バグがあって当然なんだ。ちょっと安心したかも。」

 

うみこ「そしてそのバグの程度で、実力も知れる訳です。」

 

ねね「分かってますよ〜!」

 

うみこ「まっ、また済んだら見せて下さい。」

 

ねね「・・・もしかして私、素質あった!?」

 

うみこ「ポジティブ過ぎますね・・・」

 

ねね「あ!あおっちには秘密ね。取り敢えずこのゲームが完成するまでは、秘密!」

 

うみこ「はいはい。」

 

 

 

 

 

 

そして場所が変わってひふみの自宅。

 

ひふみ「昔は、表情固かったけど、頑張ってたら、分かって貰えたよ。宗次郎。」

 

宗次郎「キュー!」

 

ハリネズミの宗次郎が転がって、ひふみの顔まで近寄った。ひふみがスマホで撮った。

 

 

 

しずく『滝本君は?』

 

ひふみ『え!?わ、私も・・・青葉ちゃんと、一緒で・・・』

 

 

 

あの時の言葉を思い出した。宗次郎がひふみの上で寝てる。

 

ひふみ「でも、自分の意見は、言えなかったんだ・・・あっ!こんな顔をしてちゃ、ダメなんだ!」

 

 

 

 

 

 

翌朝の相葉家。

 

優斗「じゃあ美佳さん、俺今日花見だから。」

 

美佳「うん。楽しんで来てね。」

 

この女性は、優斗の年上の妻の「相葉美佳」。

 

優斗「行って来ます。」

 

ドアを開けて外に出て、400Xに乗って会社へ向かう。

 

美佳「花見かぁ〜。良いな〜。奈々も行きたい?」

 

そしてこの子は優斗と美佳の娘の「相葉奈々」。今は少し自立して歩けるようになってる。

 

美佳「あ!そうだわ!良い事思い付いちゃった!」

 

何かを閃いた美佳は、キッチンで何かを作り始める。

 

 

 

 

 

 

その後のイーグルジャンプのミーティングルームでは。

 

青葉「前作の、開発の感想ですか?」

 

りん「そう。4月には、昨年度の感想を皆に訊くのが通例なの。良いと思った所や反省、これからの目標でも良いのよ。何か無い?」

 

青葉「あ、あの・・・もしここで変な事言ったら、評価下がります・・・?」

 

りん「そ、そんな事無いわよ?」

 

青葉「じゃあ・・・何でうちのチームって、女性だけなんですか?」

 

しずく「ブーーーッ!」

 

コーヒーを吹いてしまった。

 

しずく「気付かれてしまったか・・・でも、案外それも良いモノだろ?」

 

青葉「つ、つまり葉月さんの趣味?」

 

りん「いやいやいや!確り実力と相性を見て選んでるわよ!女性ばかりなのは偶々!それにエフェクト班には優斗君と大輝君が居るし!葉月さんは冗談ばかりなんだからもう・・・」

 

しずく「でもだよ?もし相葉君と秋山君以外の男を入れて、八神が取られちゃったら、遠山君耐えられるの?」

 

りん「・・・・・私の話はいいんですよ!!」

 

テーブルをバンッと叩いて大声を上げた。

 

しずく「涼風君!他に感想とか無いかな・・・?」

 

青葉「はい。えっと・・・憧れてた八神さんの元で、お仕事のお手伝いが出来て、これ以上無いくらい、充実した1年だったと思いますけど、もう少し、役に立てたらって、村人以外のキャラも沢山作らせて頂けたらと思います。」

 

しずく「成る程。しかし、もっと欲張りでも良いんじゃないかな?」

 

青葉「欲張り・・・お給料の事ですか?」

 

しずく「それも大事だけどね。」

 

 

 

 

次はコウの面談。

 

コウ「反省?今回は割と上手く行ったんじゃないかなっと自分では思ってますけど。」

 

しずく「2人の相性も良かったしね。良いチームだったよ。」

 

コウ「ええ。りんには助けられてばかりで。」

 

りん「でも・・・何時までも同じ関係だとは限らないわ・・・」

 

コウ「え!?」

 

りん「コウちゃん!もし誰かと結婚したくなったら正直に言ってね!?それは仕方の無い事だから!」

 

コウ「はぁ!?」

 

しずく「やっぱり男性厳禁って話。」

 

 

 

 

そして次はひふみの面談。

 

ひふみ「目標・・・ですか・・・?えっと・・・えっと・・・あの・・・コミュ症が・・・治したい・・・です!」

 

しずく「うんうん!応援してるよ!」

 

りん「真面目にやって下さい。」

 

ひふみ「あ、あの・・・私、昨日・・・青葉ちゃんと同じが良いって言ってましたけど・・・その・・・本当は現代モノって言うか・・・スタイリッシュな世界が好き・・・です・・・以上、です・・・」

 

しずく「くすっ。」

 

ひふみ「っ!?」

 

しずく「あ、いやぁごめん。違うんだ。びっくりしただけだよ。よく言ってくれたね。ありがとう。参考にさせて貰うよ。」

 

ひふみ「は・・・はい。」

 

笑顔を撮った。

 

りん「面談中に何してるんですか。」

 

しずく「そうだ滝本君。キャラリーダーをやってみる気はないか?」

 

ひふみ「ええーー!?」

 

しずく「次回作は遠山君がプロデューサーで、八神がアートディレクターになる。だから、キャラリーダーは他の誰かをっと思っていたんだ。」

 

りん「べ、別に無理にとは言わないから・・・」

 

しかしひふみは困惑中だった。

 

りん「びっくりして聞こえてないみたいですけど・・・」

 

 

 

 

そして次はうみこの面談。

 

うみこ「私がメインプログラマー?はあ、まあ妥当なんじゃないでしょうか?」

 

しずく「その肝の座り具合の半分を、滝本君に分けて貰いたいよ。」

 

うみこ「よく分かりませんが、メインになるには条件があります。」

 

しずく「何だい?」

 

うみこ「仕様変更したら、お仕置きに・・・デコピン。」

 

しずく「なっ!!仕様変更は仕方無いだろ!?つまらないまま出す気!?」

 

うみこ「分かっています。責任を持って変更して下さいって言う事です。突然ブースにやって来たと思ったら『新しい仕様を持って来たよ。』と、さも嬉しそうですが、分かりますか?また作り直す私達の気持ちを。泊まりが決定した時の気持ちを。」

 

しずく「何時も厳しそうな顔をしてる割に、仲間思いで可愛い所があるよね。う・み・こちゃん。」

 

何処からかモデルガンを取り出して、スライドして銃口を向けて脅す。

 

うみこ「此方の方が良いですか?」

 

しずく「デコピンの方が良いです!!!」

 

りん「まぁ今回は私も管理してるから、早々無茶な事にならないようにするわ。」

 

しずく「それに、女の子からのデコピンは寧ろご褒美ですよ!例えうみこ君でもねぇ〜。」

 

モデルガンを仕舞って微笑んだ。

 

うみこ「商談成立ですね。」

 

この時、デコピンくらいならと、OKした事を後悔する日が来ようとは思ってもいなかった葉月しずくであった。

 

 

 

 

次ははじめの面談。

 

はじめ「企画書!書いて来ました!」

 

何時の間にか出来上がった企画書を見せた。

 

りん「企画書?」

 

しずく「ああ、昨日私がちょっとね。でも一晩で書き上げて来るとは思わなかったよ。」

 

早速企画書を拝見する。はじめに緊張が走る。

 

しずく「まだまだかな。」

 

はじめ「やっぱり・・・」

 

しずく「何でダメか分かるかい?」

 

はじめ「だって戦隊モノじゃ通る訳無いし、でもダメ元で・・・」

 

しずく「そうだね。でも、好きって気持ちは伝わって来る企画書だと思うよ。そこはとても大切な部分なんだ。このターゲット層はどの辺?」

 

はじめ「子供向けのつもりでしたけど・・・バトル部分は割と大人向け、ですね。あ!それを何方かに絞れば!」

 

しずく「そう!もっと良くなるね。」

 

はじめ「また持って来て良いですか!?」

 

しずく「勿論。私的にはバトル部分が良く出来てると思うから、そこから広げて欲しいかな?」

 

はじめ「頑張ります!」

 

企画書を持って退室した。

 

りん「良ければ通ると言う訳でもないですよ?」

 

しずく「私が迷惑を掛けさせないよ。」

 

 

 

 

そして次はゆんの面談。もずくがゆんの足をスリスリしてる。

 

ゆん「そうですね・・・双子の弟と妹がおるんですけど、2人におもろいって言って貰えて嬉しかったですね。」

 

りん「それは良かったわ。」

 

ゆん「後、青葉ちゃんにしても、はじめしても、ちゃんと目標ややりたい事があって凄いなって思います。せやから、この会社に何となく入ったうちが、ここに居ってて良えんかなって・・・」

 

りん「今の仕事が嫌?」

 

ゆん「そないな事ないです!まだまだやけど、モンスターや動物も好きなんで楽しいです!」

 

りん「ゆんちゃんの仕事の内容も熱意も、何方も評価してるし、周りと比べて卑下する事は無いわ。自分が何をやりたいのか見付けるのは大変な事だけど、少なくとも、それが分かるまでは会社に居て欲しい。ゆんちゃんも、チームメンバーの大事な1人よ。」

 

ゆん「はい・・・」

 

 

 

 

そして次は大輝の面談。もずくが大輝の頭の上に乗ってる。

 

大輝「今回の目標は、今まで以上に良いエフェクトのクオリティを上げる事ですね。後話逸れますけど、何時も余計な事が多いのでそれを直したいと思ってます。フェアリーズストーリー3の発売日にねねちゃんとはじめちゃんと一緒にネタバレしちゃった事は反省しています・・・」

 

りん「確かにあの時は本当に大変だったのよ。」

 

大輝「はい・・・本当に・・・はい・・・」

 

りん「でも、大輝君は仕事の腕はとても良いって評価されてるわ。」

 

大輝「っ!」

 

しずく「そうそう。秋山君、不安な事は考えずに自前のポジティブを活かしてしっかり頑張りたまえ。」

 

大輝「そうでしたね・・・はい!ありがとうございます!」

 

 

 

 

最後は優斗の面談。

 

優斗「また凄く良い作品が出来上がった時はとても嬉しかったです。」

 

しずく「そっか。」

 

優斗「それに俺、何か恵まれてるような気がします。青葉さんやコウさんやりんさん達と楽しく仕事してますし。2年前に先輩だった美佳さんと結婚して、去年に奈々が産まれて、楽しい家庭を過ごしています。えへへ・・・」

 

りん「良かったわね優斗君。」

 

優斗「毎日仕事が頑張れるのは、美佳さんと奈々の応援のお陰です。」

 

しずく「良い家庭に恵まれて良かったね。相葉君、今後の目標はあるかい?」

 

優斗「これからも良い作品を作る事と、美佳さんと一緒に奈々を育てる事ですね。」

 

しずく「仕事と子育ての両立は大変だと思うが、無理はしないようにね。」

 

優斗「はい。美佳さんからもそう言われてます。」

 

りん「優斗君、私と葉月さんから1つお願いがあるわ。」

 

優斗「何ですか?」

 

りん「もし奈々ちゃんに何かあったらすぐに行ってあげてね。」

 

優斗「え?でもそれだと仕事は・・・」

 

りん「勿論仕事は大事だけど、子育てはもっと大事なのよ?もし奈々ちゃんに何かあったら、優斗君無視出来る?」

 

優斗「いえ、無視出来ません。奈々は俺の大事な娘ですから。子供を守るのが親の務めです。」

 

りん「そうでしょ?これは私達上司からのお願いよ。」

 

しずく「その時にもし残ってる仕事があったら、他の子に渡しておくから。だから相葉君、遠慮しなくて良いんだよ。」

 

優斗「・・・はい。ありがとうございます。」

 

しずく「そして君に、これを。」

 

1枚の書類を渡した。

 

優斗「ん?・・・え、児童手当ですか?」

 

しずく「そう。君は今後子育てとか色々大変になるからね。だから、社長と遠山君と話し合って君にね。」

 

優斗「・・・何か、色々すみません。俺だけこんな待遇を受け持ってしまって。」

 

りん「気にしないでね?それと、保育園でのイベントの参加と、美佳さんや奈々ちゃんにも何かあったらすぐに駆け付けてね?」

 

しずく「それと家族が病気になったら出勤は禁止。必ず看病してあげる事。良いね?」

 

優斗「嬉しいですね。奈々も美佳さんも喜びます。」

 

しずく「それともう1つ。」

 

優斗「何ですか?」

 

しずく「君の可愛い娘の奈々ちゃんをもっと可愛く育ててくれ!そうすれば私の天国に新しい天使が舞い降りて来る!」

 

優斗「あ、多分奈々が嫌がるので諦めて下さい。」

 

しずく「ガ〜ン・・・」

 

 

 

 

 

 

そして全員の面談が終了した。

 

しずく「ふぅ〜、終わった。」

 

りん「これで全員ですね。」

 

しずく「うん。皆可愛かった!とても良いチームになったね。そう思わないかい?」

 

りん「はいはい。その可愛い皆が、新作が始まるのを待ってますよ?」

 

しずく「ああ。とても気分が良いから頑張るよ。さて、今夜はお花見かぁ。差し入れ何にしようかなぁ?」

 

りん「お仕事がまだならお留守番ですよ?残念です。」

 

しずく「嘘!?」

 

 

 

 

 

 

その日の夜、イーグルジャンプ社員全員でお花見をする。りんが手作り弁当を持って来てる。

 

りん「お料理作って来たの。良かったら食べて頂戴。」

 

青葉「とっても美味しそうです!」

 

大輝「めっちゃ豪華ですね!」

 

優斗「やっぱりんさん凄いな。」

 

しずく「私はお寿司を買って来た。遠山君のように手作り料理は用意出来なかったからね。」

 

差し入れの寿司を持って来た。

 

はじめ「おお〜!太っ腹!」

 

大輝「寿司!」

 

ゆん「うちは、甘い物とか適当に。」

 

マカロンを持って来た。

 

ひふみ「私も、お酒、持って来た。」

 

酒を持って来た。

 

大輝「マカロンに酒・・・良いね良いね!今夜はパーティだ!」

 

???「お花見、良いですね。」

 

全員「ん?」

 

そこに、見覚えのある女性が立っていた。

 

 

 

 

青葉「美佳さん!」

 

 

 

 

何と優斗の妻の美佳だった。奈々も一緒だった。更に飼い猫の「ユユ」も一緒だった。

 

優斗「美佳さん!何でここに?」

 

美佳「お花見するって優斗君が言ってたから、何処かな〜って探してたんだ。」

 

優斗「まさかその為に奈々と一緒に来たの?」

 

美佳「ピンポーン!」

 

大輝「先輩アグレッシブですね。しかもユユちゃんまで。」

 

ユユ「ニャ〜。」

 

美佳「皆さん、お久し振りです。」

 

りん「美佳さんお久し振りです。」

 

ゆん「あ、美佳さん、その子はもしかして。」

 

美佳「そうだよゆんちゃん。娘の奈々よ。奈々、挨拶の笑顔見せて?」

 

奈々は皆に笑顔を見せた。

 

はじめ「うわぁ〜!可愛いですね〜!」

 

コウ「良かったら美佳さんも一緒に花見どうですか?」

 

優斗「え?コウさん?」

 

美佳「良いんですか?お邪魔します。」

 

優斗「コウさん、良いんですか?」

 

コウ「折角美佳さんが来てくれたんだし良いじゃない。何時も美佳さんに色々世話になってるし。」

 

優斗「ありがとうございます。」

 

青葉「美佳さん、その大きいお弁当は?」

 

美佳「これ?何時もお疲れの皆さんの為に手作り弁当を作って来ました。」

 

優斗「マジか!」

 

青葉「わぁ!ありがとうございます美佳さん!」

 

こうして美佳と奈々、更にユユも加わり、花見が始まった。

 

全員「カンパーイ!」

 

皆賑わって花見を楽しむ。ユユともずくはご飯を食べてる。コウはりんの手料理を食べる。

 

コウ「美味しい〜!やっぱりりんの料理は最高だよ!」

 

褒められたりんが顔を赤くして照れた。

 

りん「もう1回言って・・・」

 

コウ「え?何で?」

 

りん「何でも!!」

 

コウ「あ!でもこっちも美味しそう!」

 

りん「え?」

 

コウ「大トロいただき〜!」

 

大トロを食べる。りんが固まってしまってる。

 

はじめ「あああ!!人数分ないのに!!」

 

りんは不機嫌になりながらビールを飲む。大輝もビールをゴクゴク飲んでる。

 

大輝「ぷはぁ〜!ああ良いね!花見に飲むビールは格別だ!」

 

美佳「もう大輝君、酔わないでよ?」

 

大輝「ご心配無くぅ〜!酔ってすぐ覚める体質を持ってますから大丈夫ですぅ〜!」

 

美佳「そのテンションだと、もう酔ってるね。」

 

コウ「青葉も1周年記念に、ほれほれ〜。」

 

大トロを差し出す。

 

青葉「え?良いんですか?」

 

すると青葉は察した。中にわさびが入ってる事に。

 

青葉(あ、わさび・・・どうしよう・・・)

 

コウ「お?わさび苦手だったかな?」

 

青葉「ち、違いますよ!食べられます!」

 

コウ「へぇ〜?」

 

青葉「余裕です!」

 

わさび入りの大トロを食べる。しかし辛過ぎて涙を流した。

 

コウ「あははははは!」

 

ゆん「青葉ちゃん、別に無理せんでも・・・」

 

大輝「青葉ちゃん水。」

 

水を青葉に渡した。優斗は美佳の手作り唐揚げを食べている。

 

優斗「美佳さんの手料理は本当に美味いな。やっぱり夫の好物は妻の料理だな。」

 

美佳「嬉しい!ありがとう優斗君!奈々、はい。」

 

奈々に小さく分けた卵焼きを食べさせる。

 

うみこ「葉月さん、さっきの話、忘れてないでしょうね?」

 

酔ったうみこがしずくに近寄る。

 

うみこ「仕様変更したら、その度に・・・バン!」

 

モデルガンでビールの缶を当てた。

 

しずく「デコピン!デコピンだよね!?」

 

大輝「何があったんだ?」

 

はじめ「企画書のバージョン2で〜す!バトルのアイデア、パワーアップしました!」

 

しずく「え?もう書き直したの?」

 

はじめ「味方だけじゃなくて敵も5人衆にして、1人1人にライバル関係を作ってみたんです!これで2倍面白くなりますよ〜!」

 

しずく「あ、いや、そんなに張り切り過ぎなくてもね・・・」

 

 

 

 

その後も花見は続く。奈々は青葉とゆんとはじめとひふみの4人と遊んでる。

 

青葉「奈々ちゃん、お姉ちゃんを覚えてるかな?」

 

奈々は青葉をじっと見る。すると思い出したかのように笑った。

 

ひふみ「可愛い。」

 

すると奈々は、青葉の頬を触った。

 

青葉「くすぐったいよ〜奈々ちゃん。」

 

ゆん「青葉ちゃん、奈々ちゃんに懐かれてるな〜。」

 

美佳「青葉ちゃん、お姉ちゃんみたいね。」

 

はじめ「そうですね。こうして見ると姉妹みたいです。」

 

青葉「お姉ちゃん・・・ですか。」

 

笑ってる奈々を見て、青葉も笑った。

 

大輝「確かにそうですね先輩。良い姉妹になりそうですね。そうだ!一層の事青葉ちゃんの家庭に住まわせたらどうですか?」

 

優斗「養子か。」

 

ユユ「ニャ〜。」

 

するとユユが奈々に寄ると、奈々がユユに近寄って遊ぶ。

 

大輝「彼奴、奈々ちゃんに懐いてるな。」

 

優斗「ああ、ユユは毎日奈々と遊んであげてるんだ。」

 

大輝「まさに奈々ちゃんの兄貴だな。」

 

ゆん「奈々ちゃんおいで〜。」

 

ひふみ「奈々ちゃん、こっちにおいで。」

 

はじめ「おいで〜!奈々ちゃん!」

 

奈々が3人の方へ歩いた。

 

優斗「奈々凄く楽しんでるね。」

 

美佳「ええ。連れて来て良かった。」

 

奈々はひふみとゆんとはじめの3人と遊んでる。

 

 

 

 

花見はまだまだ続く。すると。

 

しずく「はーい!注目ー!」

 

全員がしずくの方を見る。

 

しずく「宴も酣ではございますが、そろそろお開きの時間です。最後に私から、重大発表をさせて頂きたい。」

 

コウ「重大発表?」

 

青葉「何でしょうね?」

 

優斗「何の発表だ?」

 

しずく「次回作の仕様は、ほぼ纏まりつつある。そこで、今回もキャラコンペを開催しようと思う。」

 

青葉「っ!」

 

大輝「キャラコンペですか?」

 

しずく「次回作に合わせて、自由にイメージを膨らませ、好きなようにキャラクターを描いてみて欲しい。」

 

青葉「え?それって採用されたら・・・」

 

コウ「勿論その人が、次回作のキャラクターデザイナーだよ。」

 

青葉「そ、それって、私も参加して良いんですよね!?」

 

コウ「当然だろ。」

 

りん「コウちゃんは入社してすぐコンペに参加して、それがフェアリーズストーリーのキャラクターに採用されたのよ。」

 

風が吹いて、桜の花びらが舞い散った。

 

青葉「わ、私もやってみます!精一杯・・・頑張ります!」

 

全員が青葉を見て微笑む。

 

しずく「期待してるよ。涼風君。」

 

青葉「はい!!」

 

大輝「俺達も頑張るか!」

 

優斗「だな。」

 

美佳「皆頑張ってね。」

 

青葉『私がこの会社に入ったのは、八神さんみたいなキャラクターデザイナーになりたいと思ったからです。チャンスがあったら、挑戦してみたい!それが、私の夢だから!』

 

こうして青葉は、次回作のキャラクターデザイナーになる為に努力するのであった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨
      相葉美佳:榎本温子

青葉「小学生の頃のあの日、フェアリーズストーリーをプレイして、私は初めて八神コウさんの名前を知ったんです!」

コウ「私は、青葉くらいの年齢だった。」

青葉「凄いですよね!やっぱり、キャラデザに選ばれて嬉しかったですか?」

コウ「そりゃあ勿論!でも、その後も大変だったけどね。」

青葉「私の夢は、キャラクターデザイナーになる事です!まだまだ八神さんには敵わないと思いますが、精一杯頑張ろうと思います!」

コウ「ああ!期待してるぞ!」

次回「これじゃあただのコスプレだにゃー!」

コウ「ん?青葉は何をやってんだ?」

作者「2期編がスタートしました。」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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15話「これじゃあただのコスプレだにゃー!」

それは、青葉とはじめとゆん、更に優斗と大輝がイーグルジャンプに入社する前の事だった。イーグルジャンプでキャラコンペが開催されてた。

しずく「っ!」

ディレクターの葉月しずくが、1つの新規プロジェクトを見て驚いた。それと同時に、1人の女性社員もピクッと反応した。しずくは微笑んで企画書を拝見した。

しずく「これ、書いたの誰?」

すると、1人の女性社員が名乗り出た。

コウ「私です。」

当時新人だった八神コウだ。

しずく「先月入社したばかりの八神コウかぁ・・・うん。決めた。八神君に新作のキャラクターデザインを担当してもらうよ。」

彼女は入社僅か1ヶ月でキャラクターデザイナーに抜擢された。これが、八神コウがキャラクターデザイナーになった切っ掛けだった。


そして現在のイーグルジャンプでは、キャラコンペが開催間近になった。

 

青葉「とうとうキャラコンペなんですね!」

 

コウ「まずは、葉月さん達企画班が作った企画書を読んでからイメージを膨らませてね。」

 

はじめ「私のアイデアも入れてもらってるんだ~。ちょっとだけだけど。」

 

青葉「凄い!!」

 

大輝「はじめちゃん凄え!!」

 

ゆん「え?じゃあ企画班に?」

 

はじめ「ううん。モーションも続けるよ。どっちもやるんだ~。」

 

ゆん「へ、へぇ〜、凄いな〜。」

 

青葉「私も応援してます!」

 

はじめ「えへへ〜、ありがと!」

 

青葉「ダンジョンごとにステージをクリアして進行するアクションゲームかぁ・・・」

 

大輝「今回のジャンルはアクションゲームかぁ。面白そうだな!」

 

はじめ「ダンジョン内にいるモンスターや動物を吸収する事で、それぞれの特殊能力が発動するんだ!」

 

青葉「成る程〜!」

 

優斗「カービィ要素満載だな。」

 

青葉「火を囮に使って敵を一か所に集めて経験値稼ぎも出来る・・・」

 

はじめ「一網打尽の大技を繰り出す!」

 

青葉・はじめ「必殺!レッド・ファントーム!」

 

優斗「盛り上がってるなぁ・・・」

 

青葉「楽しそう!はじめさんらしいですね!」

 

ゆん「レッドファントーム?・・・あぁ!レッドファントムって熱帯魚の名前やん・・・」

 

優斗「はじめさん、ちょっと良い?」

 

はじめ「何ですか?」

 

優斗「世界観の設定が何処にも書いてないけど・・・」

 

はじめ「嘘!?」

 

ゆん「企画書の全容も把握しとらんのかぁ・・・」

 

コウ「今回は、この企画書に沿ったバトルが出来るデザインなら自由みたいだよ。」

 

青葉「それは所謂、丸投げって奴ですか!?」

 

コウ「私達を信頼してるんだよ・・・取り敢えず第一回コンペは一週間後。参加希望者は描いて来てね。」

 

青葉「はい!・・・あ・・・あの・・・八神さんもコンペに出るんですよね?」

 

コウ「勿論!」

 

意気込んで仕事へ戻って行った。

 

青葉「どんなのにしようかぁ〜?」

 

ゆん「青葉ちゃんやる気やな・・・」

 

大輝「まさかコウさんと対決とは。」

 

青葉「はい!キャラクターデザイナーはずっと憧れてたお仕事なので!」

 

優斗「目標があって良いね。」

 

ゆん「・・・でもやっぱり八神さんになるんと違う?めっちゃ上手いし。これは皆を納得させる為のコンペで・・・出来レースな気がするし・・・」

 

青葉「そうかもしれないですけど・・・駄目でも納得出来ればそれで良いですよ私は。」

 

そう意気込む青葉に、ゆんが落ち込んだ。

 

青葉「ゆんさんは出るんですか?」

 

ゆん「え?うち?うちはそんな上手くないし、落ちるの目に見えとるからやめとくわ・・・」

 

青葉「そうですか・・・ひふみ先輩は?」

 

ひふみ「私は3Dに専念したいから・・・だから・・・青葉ちゃんのデザイン、楽しみにしてる!」

 

青葉「頑張ります・・・」

 

優斗「大輝はどうすんだ?」

 

大輝「勿論参加するぜ!優斗は?」

 

優斗「俺は今回リタイアしとく。」

 

大輝「え?何でだ?」

 

優斗「今回は、青葉さんに期待してるからな。」

 

大輝「そっか。」

 

 

 

 

 

 

青葉「敵を吸収・・・動物を吸収か・・・」

 

吸収した自分を想像する。

 

犬青葉『犬を吸収して、ワンワン!』

 

牛青葉『牛を吸収して、モ〜モ〜!』

 

猫青葉『猫を吸収して、ニャンニャン!』

 

想像終了。

 

 

 

 

 

 

青葉「違〜う!これじゃあただのコスプレだにゃー!」

 

ゆん・はじめ(大丈夫だろうか・・・)

 

青葉「何も思い付かない・・・ちょっと、敵情視察して来よう!」

 

コウの様子を見に行く。

 

青葉「八神さん。調子はどうです・・・」

 

コウ「ん?」

 

デスクの上には、出来上がったデザインが大量にあった。

 

青葉「(早い・・・!)す、凄いですね・・・もうこんなに・・・」

 

コウ「伊達にずっとキャラデザしてないよ〜。」

 

青葉「ちょっと、見せてもらっても良いですか?」

 

コウ「うん。良いよ。」

 

出来上がったデザインを見る。

 

青葉(やっぱり凄いなぁ。でも今までずっと好きだったのに・・・何だろ・・・この気持ち・・・悔しい・・・)

 

悔しい気持ちが湧いてしまった。コウは不機嫌そうな顔をしていた。

 

青葉「(やっぱ、出来レースなのかな・・・ダメだ!楽しまなくっちゃ!)ありがとうございました!私も頑張らないと!」

 

コウ「お、おう・・・」

 

すると大輝が、優斗に社内メッセを送った。

 

大輝『青葉ちゃん張り切ってるようだな。』

 

優斗『そうだな。お前はどうなんだ?デザインの方は。』

 

大輝『完成したら見せてやるから待っとれや!』

 

もずく「にゃ〜お。」

 

 

 

 

 

 

翌朝。青葉と優斗がエレベーターを待ってると。

 

はじめ「おはようございます青葉ちゃん・・・優斗さん・・・」

 

眠そうなはじめが到着した。

 

優斗「お、おはようはじめさん。」

 

青葉「どうしたんですか?」

 

はじめ「・・・ああ!大丈夫!昨日ちょっと無理しちゃって・・・」

 

青葉(はじめさん、初めての企画の仕事で睡眠時間を削って・・・!)

 

大欠伸するはじめ。

 

青葉(やっぱり!)

 

はじめ(昨日、帰ってきたダンディマックス見始めたら徹夜になっちゃったんだよね~・・・)

 

 

 

 

 

 

昨日の夜、はじめが家で『帰ってきたダンディマックス』全話観ていた。

 

ダンディマックス『帰って来たぜ!皆!俺に付いて来い!』

 

 

 

 

 

 

そしてオフィスに入る。

 

はじめ(やっぱり、ダンディは情けなくて熱い所が最高なんだよな~。)

 

しかし他の皆は企画の仕事だと勘違いしてた。

 

青葉「企画の仕事で疲れてるみたいですね・・・」

 

コウ「のめり込むタイプだとは思ってたけど・・・」

 

ひふみ「はじめちゃん、企画の遅れを、頑張ってる・・・」

 

ゆん「そんな責任感あるタイプやないと思ってはいたんですけど・・・」

 

大輝「流石だよはじめちゃん。会社の鑑だ。」

 

優斗「・・・」

 

はじめ「取り敢えず、今日は乗り切ろう。」

 

すると優斗を除いた皆が驚いた。

 

 

 

 

 

 

仕事中に、はじめが寝てしまった。するとそこに。

 

コウ「はじめ。」

 

はじめ「うわああ!!はい!すいません!」

 

コウ「疲れてるなら少し仮眠とったほうが効率良いよ。」

 

はじめ「え?あ、はい・・・」

 

気遣ってくれた。今度は。

 

ひふみ「はじめちゃん。」

 

はじめ「はい?」

 

ひふみ「甘い物、食べる?」

 

はじめ「あ!ありがとうござい、うわわわわわわ!」

 

大量のチョコを貰った。

 

はじめ「ど・・・どうも・・・」

 

大輝「はじめちゃん!」

 

はじめ「はい?」

 

大輝「今日買ったプリンもあげる!栄養たっぷりだからしっかり食えよ!」

 

はじめ「あ、ありがとうございます・・・」

 

ひふみから貰ったチョコを食べる。

 

はじめ(何だか、皆が優しい・・・・はっ!わ、私の人徳パワーか!?)

 

 

 

 

 

 

そして昼になり、青葉達がエレベーターに乗る。

 

青葉「今日のお昼、何にしましょう?」

 

はじめ(なんとか午前中を乗り切った〜・・・)

 

ゆん「せやなぁ〜、今日は景気付けにトンカツ屋でも行こうか?誰かさんがお疲れみたいやし。」

 

はじめ(何時もヘルシーだのカロリーだの乙女みたいな事言ってるゆんがトンカツ屋!?)

 

青葉「一からものを作り出すのって難しいですね。使う脳みそが違うと言うか・・・何から手を付けて良いのか・・・」

 

ひふみ「新しい事に挑戦するのは大変・・・」

 

はじめ(っ!?)

 

完全に勘違いされてると確信したはじめが、顔を青くした。

 

ゆん「応援しとるで〜。」

 

そしてエレベーターが1階に着いたと同時に。

 

はじめ「あ・・・あのですね・・・今日体調悪そうに見えたのはダンディを見返し始めてしまってですね・・・寝不足なだけでして・・・あの・・・頑張ります・・・」

 

そのままエレベーターのドアが閉まった。5階に到着すると。

 

コウ「おっ!はじめ!」

 

はじめ「!?」

 

コウ「丁度はじめの話をしてた所でさ。」

 

するとりんが、はじめの方に手を置いた。

 

はじめ「ヒィッ!?」

 

りん「楽しみにしてるからね。」

 

はじめ「は・・・はい・・・頑張ります・・・」

 

その後、昼飯を食べてオフィスに戻ると。

 

大輝「はじめちゃん!」

 

はじめ「!?」

 

大輝「何時も仕事お疲れ様!これ朝に買った鮭おにぎり!遠慮せずに食ってくれ!」

 

鮭おにぎりを貰った。

 

はじめ「あ・・・ありがとう・・・ございます・・・」

 

 

 

 

 

 

終業時間になって、駐輪場に向かう途中。

 

優斗「はじめさん。」

 

はじめ「っ!?」

 

今度は優斗が話掛けて来た。

 

はじめ「あの・・・頑張ります・・・」

 

優斗「今日のはじめさん、寝不足になってたけど、何かあったの?」

 

はじめ「え、いや・・・これは・・・その・・・」

 

優斗「正直に言ってくれ。俺怒ったりしないから。」

 

はじめ「は・・・はい・・・実は・・・」

 

昨日ダンディマックスを徹夜で観た事を話した。

 

優斗「そうかぁ。はじめさんダンディマックス好きだからそうかなって思ってたんだ。」

 

はじめ「でも他の皆が勘違いしてしまって・・・」

 

優斗「勘違いは誰にだってあるよ。これは俺とはじめさんだけの秘密にしとこう?」

 

はじめ「ありがとうございます優斗さん。」

 

 

 

 

 

 

その日の夜、青葉が残業していた。キャラコンペの締切が明日である為だった。

 

青葉「明日は締切日~。」

 

すると青葉のテンションが可笑しくなった。

 

鉛筆君「おい消しゴム君!何か良いアイデアはないのかね?」

 

消しゴム君「鉛筆君。僕にそれを期待するのはお門違いだよ。君はアイデアを生み出しそれを修正・消す事が僕の仕事じゃないか。」

 

鉛筆君「むむむ?融通が利かない消しゴム君なんて角が取れて丸くなってしまえば良い!」

 

顔が書かれた鉛筆と消しゴムを1人2役で喋ってた。

 

消しゴム君「うわ~!やめてくれ~!こんのぉぉぉ!やめてぇぇ!」

 

そして消しゴムを擦る。すると途中で止まった。

 

青葉「・・・こんな事してる場合ではない。」

 

我々はこう思った「当たり前だ!」だと。

 

青葉「はぁ・・・明日のコンペに備えて泊まりもありかな~・・・」

 

傍にあるくまさん寝袋を見る。すると何かが閃いた。

 

 

 

 

 

 

そして後日。遂に第1回キャラコンペが開催した。

 

しずく「それじゃデザインのコンペを始めるよ。まずは八神からいってみようか。」

 

コウ「はい!」

 

青葉「こんな大勢の前でプレゼンするんですか・・・?」

 

ゆん「せやで。チームの人は参加自由やし。」

 

最初はコウがプレゼンする。

 

コウ「武器、防具に変化。成長、進化と幅を持たせ、自由度の高いアクションが出来るようファンタジー寄りにしてみました。」

 

しずく「相変わらず素晴らしいね八神の絵は。大好き。でもね、これだとフェアリーズと世界は同じだよ。八神にはもっと自分の世界を広げて欲しい。」

 

コウ「じゃあ・・・全部ダメ・・・?」

 

しずく「勿体無いけど、自由に描いてもらってるからこそもっと遊んで欲しいんだ。」

 

優斗「コウさんが駄目出しされた・・・!?」

 

青葉「あれでダメって・・・厳しいですね・・・」

 

ゆん「ほんまに・・・でも八神さんに期待してるっぽいな・・・」

 

しずく「次は涼風君。」

 

青葉「あ、はい!」

 

優斗「頑張って青葉さん。」

 

青葉が書いたデザインを拝見する。

 

しずく(涼風君もフェアリーズっぽい・・・八神を意識し過ぎたかな・・・)

 

途中でクマの着ぐるみを来たキャラが出て来た。

 

しずく(な・・・何これ・・・?)

 

後ろのスクリーンに映されてるクマのキャラを見て青葉がビビった。

 

青葉「わ~!すみません!これは私の寝袋を元に描いたもので落書きと言うか・・・」

 

あの時閃いたのは、くまさん寝袋を元にした落書きだった。

 

青葉「でも、面白いかなって・・・」

 

しずく「成る程ね。確かに面白い。て言うかこれじゃあキャラが吸収されてるよね。」

 

青葉「ですよね、あはは・・・」

 

しずく「・・・うん!決めた!」

 

青葉「ですよね〜・・・って、嘘?」

 

しずく「勿論このままでは使えないから、次のコンペまでにブラッシュアップしてくれるかな?それ次第!」

 

青葉「・・・は、はい!」

 

まさかの落書きが採用された。

 

はじめ「青葉ちゃんやったじゃん!」

 

ひふみ「おめでとう。」

 

優斗「凄いよ青葉さん!」

 

青葉「いやいやまだ決まった訳では・・・でも頑張ります!」

 

 

 

 

第1回キャラコンペが終了した。

 

しずく「第1回コンペは終了。それじゃあ第2回は来週。私から指示があった者はそれを、新たに参加したくなった者も自由だから宜しく。」

 

青葉「あ。八神さ・・・」

 

するとコウが静かに去って行こうとした。

 

コウ「・・・ん?何?」

 

青葉「いや・・・なんでも・・・」

 

 

 

 

 

 

オフィスに戻った。

 

優斗「くふふふふ・・・」

 

何故か優斗が笑い堪えようとしていた。

 

大輝「な、何だよ優斗?」

 

優斗「お前・・・これが通ると思ってたのか・・・?」

 

笑い堪えてる理由は、大輝が書いたデザインを見たからだった。

 

優斗「お前これ・・・完全ワドルディじゃん・・・!」

 

デザインはワドルディに似ていた。

 

大輝「これしか思い浮かばなかったんだよ!」

 

優斗「ってか何でワドルディ?コピー能力出来んのカービィじゃねえの?」

 

大輝「ワドルディが吸収能力取り入れたらおもろいかなって。」

 

優斗「ってかワドルディ出てる時点で完全パクリじゃん。任天堂からクレーム来るぞ。」

 

大輝「あっ。」

 

優斗「把握してなかったんかい!」

 

 

 

 

その頃青葉は苦戦中。

 

青葉「う~ん。難しいよ~。どうやったら良くなるんだろう・・・・・・大丈夫だよ!八神さん優しい人だし・・・」

 

勇気を出して、コウにアドバイスを貰いに行った。

 

青葉「あの~・・・八神さん。」

 

コウ「ん?」

 

青葉「デザインで悩んでて・・・何かアドバイスを貰いたくて・・・って八神さんもまだ何も描けてないんですね。」

 

コウ「まだ・・・」

 

青葉「ん?」

 

コウ「・・・さっき全否定されたんだ・・・そうそう新しいの思い付く訳ないじゃん!」

 

青葉「っ!」

 

あの時の事が原因で怒りがいっぱいだった。怒って青葉に八つ当たりしてしまった。

 

コウ「・・・ごめん。」

 

青葉「い・・・いえ・・・私も悪かったです。もう少し自分で考えてみます!」

 

走って自分のデスクへ行った。コウが止めようとしたが、言葉が出なかった。コウはそのままデザインを描き続ける。

 

 

 

 

 

 

青葉(決定ではないけどデザインが通って嬉しい・・・でも、もしこのまま私のが通ってしまったら・・・八神さんが・・・私が思い描いてた夢ってこう言う事だったのかな・・・)

 

ゆん「青葉ちゃん!さっきはおめでとう!頑張ってや!」

 

青葉「え?あ、ありがとうございます。」

 

ゆん「・・・うちな・・・ほんまは正直落ちるの分かってて頑張ってる青葉ちゃん見てて格好悪いなって思ってて・・・はじめの事もそう。企画なんか通る訳ないのに企画書作って格好悪いなって・・・気付いたらうちだけ何も進んでへん。うちが一番格好悪い!」

 

青葉「ゆんさん・・・」

 

ゆん「ちょっと出遅れてしもうたけどうちも次のコンペ出ようと思うんや!プランから努力して来やんかったから駄目やと思うけど・・・でも頑張ってみる!せやから格好悪いと思っとったこと堪忍な~!」

 

青葉「そ・・・そんな!気にしないで下さい・・・」

 

ゆん「でもはじめには内緒やで。なんや癪やから・・・」

 

青葉「素直になれば良いのに・・・でもそうですよね・・・これで良かったはずなのに・・・私八神さんに憧れてこの会社に入って八神さんの下で働けて・・・それで・・・満足だったのに・・・」

 

彼女は泣いてしまった。

 

青葉「八神さんのあんな顔・・・見たくなかった・・・」

 

ゆん「ちょ!青葉ちゃん・・・優斗さん!大輝さん!」

 

優斗「ゆんさんどうしたの?」

 

大輝「何かあった?」

 

ゆん「青葉ちゃんが・・・」

 

泣いてる青葉を見た。

 

大輝「青葉ちゃん!?大丈夫!?おい優斗!どうしよう!ん?」

 

青葉の前に止まってしゃがんだ優斗がハンカチを差し出した。

 

優斗「青葉さん。」

 

青葉「・・・?」

 

優斗「辛い事があったら、俺達が力になるよ。だから困ったら、俺達の誰でも良いから相談して良いよ。」

 

青葉「優斗・・・さん・・・」

 

ハンカチを貰って涙を拭いた。優斗は青葉を優しく撫でる。

 

 

 

 

 

 

イーグルジャンプの屋上では、コウが1人で黄昏てた。

 

???「こんな所に居た。」

 

そこに、りんがコウを発見して歩み寄った。

 

コウ「私さ・・・青葉に八つ当たりしちゃった。」

 

りん「うん。見てた。」

 

コウ「コンペの事よりそっちの方がショックでさ・・・自分が情けないよ・・・」

 

りん「・・・私達が入社した頃ちょうどコンペがあって、コウちゃんがキャラデザ決まったじゃない?」

 

コウ「あの時と同じだって?確かに・・・私は意地悪な先輩役だね・・・」

 

りん「だからだよ。だから今の青葉ちゃんにどうしてあげるべきか一番分かってるのは、コウちゃんなんだよ。青葉ちゃんにどうなって欲しい?これはコウちゃんが決める事なんだよ。」

 

コウ「それこそ丸投げじゃん・・・」

 

りん「ううん。私の知ってるコウちゃんは正しい選択が出来る人だよ。」

 

近くに居たもずくが静かに去って行った。

 

 

 

 

 

 

その頃青葉は、黙々とデザインを描いていた。

 

青葉「はぁ・・・」

 

コウ「あーおば。」

 

突然呼ばれた事にびっくりした。

 

青葉「お・・・お疲れ様です・・・」

 

コウ「さっきデザインが分からないって言ってたな。見せて。」

 

青葉「え?・・・あ、はい!」

 

迷走中のデザインを見せる。

 

コウ「ゲッ!本当に・・・迷ってるな・・・」

 

くまがかなり筋肉モリモリになっていた。

 

コウ「まずさ、あ、ここに描いて良い?」

 

青葉「あ、はい!大丈夫です。」

 

迷走中のデザインに描き足した。

 

コウ「この辺が良かったんだからさ。」

 

アドバイスしてくれてるコウを見て、青葉に笑顔が戻った。

 

コウ「・・・なんだよ。私の顔に何か付いてる?」

 

青葉「い・・・いえ・・・なんでもないです。」

 

コウ「これは青葉のデザインなんだから、全部描かせようとすんなよ?」

 

青葉「分かってますよ!」

 

2人を見たゆんと優斗と大輝が密かに微笑んだ。

 

優斗「良かった。2人が元気になって。」

 

大輝「でもあの2人、結構良い雰囲気〜。」

 

優斗「お前な・・・」

 

 

 

 

 

 

そして1週間後。第2回キャラコンペが開催した。スクリーンに、青葉とコウが共同でデザインしたキャラが映し出された。

 

しずく「・・・どっちが描いたの?」

 

青葉「・・・八神さんにアドバイスを貰ったり、どうしてもバランスが取れない所は描いてもらったり。」

 

コウ「でも基本青葉に。」

 

青葉「いやでも八神さんが居なかったら描けてないし・・・」

 

コウ「私も自分のアイデアだけでは・・・」

 

しずく「分かった分かった。面白いね本当に。うん。とても良いと思うよ。プロトタイプはこれで行こう。キャラデザは2人で調整して行う事。ただし決定などの責任はADの八神に負ってもらう。プロデューサーの2人も良いかな?」

 

りん・和子「はい。」

 

2人がキャラクターデザイナーに抜擢された。

 

しずく「それじゃ八神コウと涼風青葉君、今後キャラクターデザインを宜しくね。」

 

青葉・コウ「はい!」

 

2人はハイタッチした。

 

 

 

 

 

 

その後、終業時間になり、青葉が帰ろうとすると。

 

優斗「青葉さん。キャラデザ抜擢おめでとう。」

 

青葉「優斗さん、ありがとうございます!」

 

優斗「まさかコウさんと共同とは前代未聞だよ。」

 

青葉「私、今後キャラクターデザイナーとして頑張っていきます!」

 

優斗「期待してるよ。」

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
     葉月しずく:喜多村英梨
クリスティーナ・和子:名塚佳織
 ダンディーマックス:三宅健太

  コンペ会場の人々:鈴木亜理沙
           篠原侑
           三宅晴佳
           岩井映美里

ねね「タタッツッタタッタタタッターン!どうですか?」

うみこ「どうですかとは・・・?」

ねね「プロののプログラマーっぽかったでしょ!」

うみこ「はぁ・・・先が思いやられますね・・・それに、プロだったらこうですよ。タタタタタタタタタタタタッタン!どうですか?」

ねね「凄〜い!プロっぽい!」

うみこ「そうでしょ?」

次回「・・・うー、恥ずかしい!」

ねね「タータタタタタタッターン!うお!?あーーーー!!!止まったーーーー!!」

うみこ「まだまだですね。」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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16話「・・・うー、恥ずかしい!」

ある日、滝本ひふみが服を試着していた。選んだ服を次々と試着する。

ひふみ(買うの・・・決めた!)

そして決めた服をレジに持って行く途中。

女性店員「お客様。何かお気に召した商品はありましたか?今年流行の物も揃えていますので、宜しければ。」

急に声を掛けられてパニック状態になった。

女性店員「お客様、お綺麗なので何でもお似合いに。」

そして買おうとした服を店員に返却した。

ひふみ「ま・・・また来ます!」

返却して店を出た。

先輩店員「あのお客様は強く押しちゃダメなんだって・・・」

女性店員「えええー!?」


後日のイーグルジャンプ。

 

コウ「まずは主人公のペコのキャラから固めないとね。」

 

青葉「そうですね!」

 

今日の青葉はテンション高い。

 

コウ「この後、結構細かい所まで修正したり、書き直しなんて事もあるだろうし・・・リテイクに備えて早めにね・・・」

 

青葉「任せて下さい!」

 

すぐに仕事に戻る。

 

コウ「大丈夫か・・・?」

 

優斗「今日の青葉さん張り切ってるな。」

 

大輝「余程嬉しいだろうな。何せコウさんと一緒にキャラクターデザインに抜擢されたんだから。」

 

優斗「上手くいけば良いんだが・・・」

 

 

 

 

 

 

そして青葉がある物を見た。

 

青葉「おお!もう3Dになってる!」

 

自分がデザインしたキャラクターが、ひふみの手で3Dになっていた。

 

ひふみ「これはプロトタイプ版に使うテストモデル・・・だよ。」

 

青葉「成る程。何かデザインで質問があったら遠慮なく言って下さいね!」

 

ひふみ「うん。」

 

その後も作業を進めるが、青葉に見られて落ち着かない。

 

青葉「遠慮しなくて良いんですよ!」

 

ひふみ「え、え!?本当にない・・・よ?」

 

青葉「そうですか・・・」

 

ひふみ「え?」

 

青葉「いや!自分でデザインしたものを人に作ってもらうって初めてなので・・・形が分からないとか立体にならないとかそう言う質問があるのかと思って・・・」

 

ひふみ「そう言うのは・・・別になかったけど・・・あ!デザインが単純過ぎて・・・誤魔化さなくて難しい!」

 

青葉「それは今後の参考にさせていただきます・・・」

 

コウ「なーにやってんだよ。」

 

青葉「うわ!?」

 

コウ「青葉はデザイン進めなきゃだろ?」

 

青葉「ごめんなさい・・・」

 

コウ「ひふみんの方は調子どう?」

 

ひふみ「うん。あ、そうだ。ここなんだけど・・・ぬいぐるみの質感ってどうする?ファーとか使う?」

 

コウ「ん〜どうしよっか・・・絵っぽく仕上げたいしな〜。」

 

青葉「デザインの質問なら私に!」

 

急にまたやる気になった青葉。

 

コウ「質問って言っても、まだ3Dの事はそんなに分からないでしょ?」

 

青葉「うっ!・・・で・・・でも一応1年間やって来ましたし・・・」

 

コウ「たった1年だろ?」

 

青葉「うぅ・・・」

 

コウ「まぁ良いや・・・質感をファーにするかって話。青葉はどう思う?」

 

青葉「・・・ファーって何ですか?」

 

コウ「やっぱり分かんないんじゃん。」

 

すると優斗に社内メッセを送る大輝。

 

大輝『優斗、ファーって何だ?』

 

優斗『毛皮だ。それくらい覚えとけ。』

 

ひふみ「ファーって言うのはね、例えば・・・仮だからちょっと変だけど。」

 

3Dモデルの毛皮を増やした。

 

ひふみ「こんな感じに、毛の質感をリアルに出来るの。」

 

青葉「おぉ〜!ふわふわ〜!良いじゃないですか!これで!」

 

コウ「う〜ん・・・そうだな・・・」

 

ゆん「ちょ・・・ちょっと待って下さい!ファーは反対です!」

 

青葉「え?」

 

ゆん「仕様やと同じ熊のモンスターが何体も入るんですよ。ファーはリアルやけど多用すると重いし描写も安定せんので問題が多過ぎます。」

 

コウ「ん〜そうなんだよなぁ・・・そうだ!フェアリーズの時のゆんの毛皮のモンスターってファー使ってないよね?」

 

ゆん「使ってませんよ。ここぞと言う時にしか使いません。使わなくても表現出来ます!」

 

コウ「本当?じゃあ見せてくれる?」

 

ゆん「はい!」

 

大輝「優斗、俺達も見に行こうぜ?ゆんちゃんの説明。」

 

優斗「良いけど、戻ったらちゃんと仕事しろよ?」

 

大輝「分かってるって。」

 

 

 

 

 

 

早速ゆんが作ったキャラクターを見せる。

 

ゆん「前にCG映画で良えな~と思ったの参考にした奴なんですけど・・・」

 

コウ「あー。このキャラで使ってた奴か~。」

 

ゆん「そうです。」

 

優斗「凄いなゆんさん。」

 

コウ「ほら。青葉にはまだまだ3Dやってもらうんだからね。ゆんの説明を聞く!」

 

青葉「は、はい!」

 

ゆん「こう言う感じのテクスチャーなんですけど。」

 

コウ「へぇ〜。」

 

大輝「本当に凄えなゆんちゃん。」

 

ひふみ「色の境目も、リアルに見えるけど、どんな風に作ったの?」

 

青葉(どうしよう・・・全然意見が出せない・・・私がデザインしたキャラなのに・・・何か言わないと・・・何か良い意見・・・早く・・・早く・・・私は・・・キャラデザなのに・・・)

 

心の中が黒く染まってしまった青葉。両手の力が抜けてしまった。ひふみと優斗が青葉に気付いた。

 

ゆん「ちょっと時間もらえれば別の資料も用意しときますよ。」

 

コウ「本当?じゃあ・・・あ、もうすぐお昼だし休憩の後にまた。」

 

ゆん「はい!了解です!」

 

青葉が椅子に座ろうとした時。

 

ひふみ「あ・・・青葉ちゃん・・・」

 

青葉「はい?」

 

ひふみ「えと・・・あの・・・一緒にお昼・・・行こうか!」

 

青葉「え!?あ、はい・・・」

 

大輝「優斗〜、俺達も飯食いに行くぞ〜って、あれ?」

 

優斗「青葉さん、俺達も昼飯入れて良い?」

 

青葉「え?は、はい・・・」

 

優斗「ひふみさん、俺達も同行して良い?」

 

ひふみ「う、うん。」

 

優斗「大輝、今日は青葉さんとひふみさんと4人で食いに行くぞ。」

 

大輝「お、おう。」

 

 

 

 

 

 

4人は近くのレストランで昼食を食べる。青葉とひふみはカニパスタ。優斗はカルボナーラ、大輝はイカスミパスタ。

 

大輝「お前まさか、青葉ちゃんとひふみちゃんと一緒に昼飯食いたい思考が湧いたのか?」

 

優斗「んな訳ねえだろアホ。ちょっと青葉さんの事が心配でな。」

 

大輝「心配?」

 

優斗「ああ。」

 

青葉「おぉ〜!」

 

当の青葉は、スマホでカニパスタを撮った。

 

青葉「ひふみ先輩から誘ってくれるなんて、ちょっと前ならなかったですよね?」

 

ひふみ「うん・・・少しずつでも・・・話すの苦手なの・・・治そうと思って。」

 

青葉「そうなんですね〜。それで私をお昼に。」

 

ひふみ「でも今日は・・・青葉ちゃんが気になったからだよ!」

 

すると青葉の手がピクッとした。

 

ひふみ「なんだか・・・様子が変だったから・・・」

 

青葉「あはは・・・やっぱり分かっちゃいますか・・・さっき全然意見が言えなくて・・・」

 

優斗「そうだったんだ。」

 

青葉「私キャラデザなのに皆の力になれなくて・・・ダメダメです・・・ってやっぱり私ダメですね。愚痴ったりして・・・」

 

ひふみ「違うの!何て言うか考えてて・・・ごめんね・・・私も上手く意見が言えないから・・・だから・・・えと・・・そういう焦る気持ち・・・分かるんだよ!」

 

青葉「・・・分かりますか・・・?」

 

優斗「青葉さん、俺もその気持ち分かるよ。」

 

青葉「優斗さん・・・」

 

ひふみ「だからね・・・青葉ちゃんが皆の力になれてないなんて・・・思ってないよ!あのデザインも・・・可愛いし・・・」

 

青葉「ひふみ先輩・・・」

 

ひふみ「それに3Dの意見が言えないのは経験が浅いんだもん!当然だよ!」

 

青葉「うっ!!」

 

当然と言う名の矢印が刺さった。

 

ひふみ「あ!ごめん!」

 

優斗「ひふみさん、ちょっと言い過ぎじゃ・・・」

 

ひふみ「ごめん・・・」

 

青葉「そうですよね・・・私何か勘違いしてたんです!きっとキャラデザになって何でも出来るような気がして・・・それとこれとは違う事なのに・・・うー、恥ずかしい!まだまだ勉強です!」

 

ひふみ「・・・うん。一緒に頑張ろ。」

 

大輝「良い話ありがと〜・・・」

 

優斗「涙拭け。泣き止め。後おかわりすんな。」

 

 

 

 

 

 

昼飯食べ終えて戻って来た。

 

青葉「あの!午後もご教授お願いします!」

 

ゆん「お~!任しとき~!」

 

コウ「じゃあ早速さっきの続きを・・・あれ?」

 

青葉「どうしたんですかひふみ先輩!?」

 

優斗「ひふみさんが寝てる!?しかしその枕は何所から?」

 

戻った直後、ひふみが枕の上で寝ていた。

 

ひふみ「喋り・・・過ぎて・・・疲れたから・・・もう・・・ダメ~!」

 

青葉「え~!?さっき一緒に頑張ろうって!」

 

大輝「ひふみちゃんのトークは力使うの!?」

 

 

 

 

 

 

そしてその頃とある大学の図書室では、ねねがゲームを作っていた。

 

ねね「よ~し。ゲームも結構出来てきたぞ~。ドラゴンファイヤー、実装~!」

 

しかし動作が停止してしまった。

 

ねね「む〜〜・・・・・」

 

 

 

 

 

 

同じ頃イーグルジャンプのプログラマーブースでは。

 

コウ「阿波根~。例の処理って出来てる?」

 

うみこ「うみこだと言ってるでしょう。まっ、今丁度できる所です。」

 

しかし動作が停止してしまった。

 

 

 

 

 

 

大学の図書室では、ねねが説明書を見ていた。

 

ねね「そっか!これで・・・ったん!」

 

動作が正常に動いた。

 

ねね「やった!」

 

 

 

 

 

 

イーグルジャンプでは。

 

うみこ「ちょっとしたミスです・・・」

 

コウ「本当に~?」

 

うみこ「これで・・・タン!」

 

動作が正常に動いた。

 

コウ「おぉ〜!良い感じ!綺麗に燃え落ちた!」

 

うみこ「余裕です。後の見栄えはそちらで調節を。」

 

 

 

 

 

 

大学の図書室では。

 

岡田「凄ーい。火吹いてる。」

 

ねね「でしょでしょ!頑張ったんだから!エンジンに頼らず1からプログラミングしてるんだ~!」

 

岡田「へぇ〜。あ、そうそう。時給の良いバイト見付けたんだけど一緒にやらない?」

 

ねね「あ・・・今はこれで忙しいからいい!」

 

岡田「何怒ってるの?」

 

ねね「怒ってないし!」

 

岡田「分かったよ。今はそれが楽しいんだね。でも気が変わったら言ってね?」

 

図書室から出て行った。

 

ねね「ごめん・・・本当に凄いって思ってもらうのって大変なんだな・・・もっと改良しないと!」

 

 

 

 

 

 

イーグルジャンプでは。

 

しずく「うん。描写は良いね。因みに何体くらいなら同時に燃えても処理落ちしない?」

 

うみこ「10体程度ですね。」

 

しずく「う~ん・・・100!とは言わないまでも20か30くらいは同時に燃えても大丈夫な速度にならないかな~?」

 

うみこ「相変わらず簡単には納得してくれませんね・・・」

 

しずく「当然。それに・・・困ってるうみこ君の顔も見れるしね!」

 

うみこ「改良してあげませんよ。」

 

 

 

 

 

 

そして夜になり、ねねはまだ大学に居た。

 

ねね「これで・・・どう・・・かな?」

 

炎のエフェクトが増えたが、動作が停止しなかった。

 

ねね「ちょっと良くなった!」

 

 

 

 

 

 

そしてイーグルジャンプでも。

 

うみこ「こんなものでしょうか・・・」

 

数十体燃えても動作が停止しなかった。

 

うみこ「まずまず・・・でしょうか。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃大学では。

 

ねね「疲れた〜頭パンクしそ〜・・・前より結構出来てきたし・・・うみこさんに見せたら何かアドバイスもらえるかな・・・」

 

 

 

うみこ『こんな画期的なコード・・・天才ですか?』

 

 

 

ねね「な~んて!あ!でも・・・」

 

 

 

うみこ『しょぼいですね。』

 

 

 

ねね「だったらどうしよ~!怖い・・・」

 

 

 

 

 

 

イーグルジャンプでは、うみこがコーヒーを飲んでた。

 

うみこ「ま、今日はこんな所で帰りましょうか・・・」

 

帰ろうとした時、良いタイミングでねねからの着信が来た。

 

うみこ「はいもしもし、うみこです。・・・お久し振りです。・・・はい、はい。構いませんよ。・・・音沙汰がないので心配してましたよ。」

 

 

 

 

 

 

月曜日のイーグルジャンプ。

 

コウ「このチョコ美味いよ。食べる?」

 

りん「いただくわ。」

 

優斗「おはようございます。」

 

りん「あら。優斗君おはよう。」

 

優斗「ん?チョコですか?」

 

コウ「うん。優斗も食べる?」

 

優斗「良いんですか?じゃあ1つ貰います。・・・甘いですね。」

 

コウ「だろ?」

 

青葉「おはようございます・・・」

 

りん「あら。おはよう。」

 

優斗「おはよう青葉さん。」

 

コウ「月曜から何だらけてんだよ。休みボケか?」

 

青葉「あ!いえ、そんな事は・・・」

 

大輝「おはようございます・・・」

 

りん「おはよう大輝君。」

 

優斗「何だ大輝?お前も休みボケ全開か?」

 

大輝「んな事ねえよ。夜遅くまでバイオハザード6やってただけだ。」

 

優斗「してんじゃん。」

 

りん「青葉ちゃん、昨日はどこか遊びに行ったの?」

 

青葉「ねねっちと久しぶりに会おうと思ったんですけど最近忙しいみたいで・・・結局家でだらだらしちゃいました。」

 

りん「まぁお休み出来て良かったわね。」

 

コウ「ああそうだ。今日の昼前にプロトタイプ版の会議するから青葉も資料用意しといて。」

 

青葉「あ、はい!よし!私も気合入れなきゃ!」

 

大輝「ん?優斗、何食ってんだ?」

 

優斗「コウさんからチョコ貰った。」

 

大輝「良いな〜。俺の分あるか?」

 

優斗「残念。残りはコウさんが全部食った。」

 

大輝「あばす!」

 

 

 

 

 

 

昼になり、しずくとうみこがカフェで昼飯食べてる。

 

しずく「も~。週明け早々会議会議で疲れちゃったよ・・・」

 

うみこ「お疲れ様です。今回は珍しく順調ですね。」

 

しずく「そうだろ!褒めてくれて良いんだよ?」

 

うみこ「流石です。りんさんのマネジメント能力が。」

 

しずく「あははは、素直じゃないんだから〜。」

 

うみこ「素直ですよ。私は。」

 

しずく「まぁでも、遠山君も八神も立派に育ってくれて私は安心だよ。」

 

うみこ「そう言えばコウさんも今回は上手くADをこなせてるようですね。」

 

しずく「そうだね。」

 

うみこ「と言っても、私がここに転職した時にはコウさんは既にADを降りていたので実際に以前の状況を見た訳ではないのですが・・・」

 

しずく「悩んでる八神ねぇ・・・可愛かったよ〜!」

 

うみこ「そこは聞いてないです。」

 

しずく「でもね、過去も含めて今の八神があるのさ。それも必要な事だったんだよ。」

 

 

 

 

 

 

キャラ班ブースでは。

 

はじめ「青葉ちゃん、お昼どうする?」

 

青葉「お弁当買って来ようかなって。」

 

コウ「じゃあ皆で食べに行こうか。」

 

 

 

 

 

 

そしてカフェ。

 

しずく「辞めていった子達には悪いけどね。それに責任の話をしたら上司である私の責任だし。だから私は部下を選ぶときに何時も決めてる事があるんだ。」

 

うみこ「何ですか?」

 

しずく「この子の失敗なら受け止められるって思えるような可愛い子を部下にしようってね!」

 

うみこ「真面目に聞いた私がバカでしたよ。」

 

しずく「おいおい。うみこ君もその一人なんだよ。だから、ね。ちょっと仕様書で変更したい所があるんだけど~・・・」

 

仕様書の変更と言う言葉を聞いたうみこが反応した。

 

しずく「私の失敗も受け止めてくれ・・・るか・・・な・・・?」

 

うみこ「は?仕様書の変更はデコピンの約束です。」

 

しずく「いやぁそれは・・・」

 

うみこ「デコピンを受け止めなさい。」

 

しずく「で、でも・・・」

 

うみこ「デコピン。」

 

強烈なデコピンを放った。

 

しずく「いったーーーーー!!!!」

 

額が赤く腫れてしまった。

 

しずく「もう!やっぱり仕様変更は仕方無いだろ!」

 

うみこ「違います。私のデコピンは、仕様変更に対するデコピンではありません。それを誤魔化そうとする心へのデコピンです。コウさんのように反省の色が見えるならデコピンも優しくなりますよ。」

 

しずく「本当?」

 

うみこ「反省してませんね。」

 

しずく「うぐっ!」

 

丁度そこに。

 

しずく「お・・・おーい!涼風君達じゃないかー!」

 

青葉「あ!お疲れ様です!」

 

優斗(しずくさんどうしたんですか?)

 

 

 

 

 

 

テーブルの上に豪華な弁当を置いた。

 

しずく「あれ?そのお弁当は・・・」

 

はじめ「なんと!ひふみ先輩が持って来てくれたんです!」

 

しずく「おお!ひふみ君の手作り?」

 

ひふみ「は・・・はい。皆で・・・どうかなって・・・」

 

するとしずくが涎を少し垂らした。

 

ひふみ「よ・・・良ければどうぞ・・・」

 

しずく「嬉しいなぁ。いただくよ。」

 

ひふみ「あの・・・出来合いのもあるんですけど・・・」

 

しずく「美味しい・・・これがひふみ君のだし巻きの味・・・」

 

ひふみ「それは・・・はい・・・」

 

大輝(何か下ネタにしか思えない台詞だな・・・)

 

青葉(あれが出来合いだったんだな・・・)

 

皆で弁当をいただく。

 

大輝「こんな豪華な弁当作れるひふみちゃん凄えな〜!」

 

優斗「おい大輝、1人で全部食うなよ?」

 

大輝「大丈夫だって!」

 

ひふみ「青葉ちゃん、こっち。肉じゃがも作って来たから。」

 

肉じゃがも持って来たのだった。

 

ひふみ「食べて。」

 

コウ「あ!美味しそう!いただき〜!美味〜い!」

 

しかしコウに少し横取りされた。ひふみが怒った。

 

コウ「あ、ごめん・・・で・・・でもまだあるんだし良いじゃん?ね?そ、それに本当に美味しかったよ?りんの肉じゃがより美味しかったかも!」

 

するとりんの嫉妬の炎が燃えた。

 

りん「ひふみちゃん。私も貰って良いかしら。素手で失礼。・・・コウちゃんはこう言う味が好みなの?」

 

コウ「何ムキになってるの・・・?」

 

優斗「りんさん大丈夫ですか?」

 

しずく「そうだ。うみこ君も弁当いただけば?美味しいよ?」

 

大輝「そうですようみこさん!弁当ガチ美味ですよ?」

 

優斗「ガツガツ食ってんじゃねえよ。」

 

しずく「ほら。あーんしてあげるよ。」

 

割り箸で卵焼きを掴んでうみこに出した。するとうみこが自ら行った。

 

しずく「あ・・・あれ?」

 

うみこ「確かに美味しいですね。お店で買ったような・・・どうしました?」

 

しずく「いや・・・てっきり恥ずかしがるものかと・・・」

 

うみこ「ああ、そう言う魂胆でしたか。相変わらずですね。残念ですが最近慣れたので別に・・・」

 

全員「ええ!?誰に!?」

 

うみこ「何ですか皆して。まぁ・・・内緒です。」

 

大輝「うみこさんに恋人が出来たのか!?これは調べてみる必要あり!」

 

優斗「すんなボケ!」

 

 

 

 

 

 

数日後、うみこがねねが通ってる大学に訪れた。

 

うみこ「ここが桜さんの大学ですか。良いんですか?勝手に入って。」

 

ねね「良いの良いのー。ここの食堂すっごく美味しいから後で食べに行きましょ!」

 

早速ノートパソコンを開けた。

 

うみこ「読み込んでますね・・・」

 

ねね「うん!その本読みやすいんだ~!因みに!こっちの本はもっとボロボロなんだから!」

 

もう1冊はコーヒーの染みが入ってた。

 

うみこ「コーヒーでも溢したんですか?で、今日の用事は何ですか?」

 

ねね「用事って言うか・・・前と一緒だけど・・・」

 

うみこ「もじもじして、桜さんらしくないですね。」

 

ねね「分かってるでしょ!」

 

うみこ「ならさっさと見せて下さい。」

 

そう言ってねねの隣に座った。

 

ねね「・・・はい!」

 

現在作ってるゲーム、「NENE QUEST」を見せる。そして時間が過ぎて夕方になった。

 

ねね「でね、ボスも出て来て炎とか吐くんですよ?」

 

うみこ「ここの炎の処理頑張ってますね。わざわざプログラムで・・・」

 

ねね「へへ~。でしょでしょ?私って凄いでしょ!」

 

うみこ「そこまで褒めてないです。」

 

ねね「そんな!」

 

スペースキーを数回押す。

 

うみこ「だいたい重いですね。この程度の描写で処理落ちはないでしょう。」

 

ねね「え!?嘘!?そうかな・・・ちょっとカク付いてはいるけど・・・」

 

うみこ「ちょっとでも処理落ちは処理落ちです。当たり判定も雑だし、この辺はさんざんデバッグでチェックした立場でしょう。」

 

ねね「え~。だって実際やってみると面倒で・・・」

 

うみこ「面倒?なら止めますか。」

 

ねね「ちょ・・・!止めるとは言ってないですよ~!頑張りますって~!」

 

うみこ「そうだ。涼風さんの事は聞いてますか?」

 

ねね「へ?」

 

 

 

 

 

 

その日の夜。ねねが青葉と通話している。

 

ねね「え〜!?すっごいよあおっち!新人なのにキャラデザなんて八神さんみたいじゃん!」

 

青葉『ぜ、全然そんな事ないって!あまり詳しく言えないけど・・・支えて貰いながら一緒にやってるんだって・・・私なんてまだまだだよ・・・』

 

ねね「そっか〜!」

 

青葉『ごめんね連絡空いちゃって・・・』

 

ねね「大丈夫だよ。やる事いっぱいだったし。」

 

青葉『バイトとか始めたの?』

 

ねね「ふっふ~ん。ちょっとね~。」

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨

        岡田:貫井柚佳
      女性店員:濱口綾乃

青葉「ひふみ先輩!質問です!」

ひふみ「な、何?青葉、ちゃん。」

青葉「先日の肉じゃが、凄く美味しかったんですけど、料理の秘訣とかってあるんですか?」

ひふみ「何だろう・・・私も気になるわ・・・う〜ん・・・文量を、守る事とか・・・」

青葉「成る程〜!やっぱり基礎って大事ですよね〜!」

ひふみ「でも、1番大事なのは・・・」

青葉「大事なのは?」

ひふみ「愛情・・・かな?」

青葉「愛情!?ゴクリ・・・!ひふみ先輩の愛情たっぷりの肉じゃが、また食べたいです!」

コウ「私もー!」

りん「コウちゃん!」

大輝「俺も俺もー!」

優斗「おい大輝ゴラー!」

次回「この・・・にぶちんめ!」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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17話「この・・・にぶちんめ!」

ある日のイーグルジャンプの女子トイレ。

はじめ(AM10時、イーグルジャンプ社員業務開始。ムーンレンジャーファイナルライブ一般チケット販売・・・開始!!)

10時になったと同時にムーンレンジャーファイナルライブの一般チケット販売が開始された。はじめが女子トイレ内でスマホを操作してチケット入手を開始した。

はじめ(ぬお~!獲得してみせる~!)


ムーンレンジャー。それは、女児向けとして始まったアニメだったが、その出来の良さから大人からの支持も獲得。劇中歌の評価も高く、ライブも盛況を収める程の大人気魔法少女アニメである。

 

はじめ(先行抽選は落ちてしまった・・・だからここで・・・ここで獲得しないともうチャンスが無い!)

 

しかしアクセス集中でサーバーが落ちてしまった。

 

はじめ(な~!チケット販売サイトが落ちた!最初の頃は小さい箱で平和だったのになぁ・・・それも1年半前の事か・・・2年半続いたムーンレンジャーも3月で終了。でも4月からは主人公の交代で新スタート。悲しい気持ちもあり嬉しい気持ちも・・・でも初代レジェンドを応援出来るのもこれが最後なんだ!だから繋がって!繋がってくれ~!)

 

 

 

 

 

 

それから30分後。ゆんがトイレから出ようとしたその時。

 

はじめ「な~!販売終了してる~!?」

 

突然のはじめの大声を聞いてびっくりした。はじめが個室のドアを開けた。

 

ゆん「サボってたん?」

 

はじめ「こ・・・これには事情が・・・」

 

ゆん「ふーん。やっぱりサボってたんや。皆は働いとるのに何考えとるん?」

 

はじめ「分かってるよ・・・その分お昼休みを削るつもりだったし・・・」

 

ゆん「なら良えけど。うちやのうて八神さんとかやったらもっと怒られとったんやで?」

 

はじめ「うん・・・」

 

ゆん「ほんま気い付けや〜。」

 

はじめ「ごめん・・・」

 

ゆんに怒られながら仕事へ戻る。先程の会話を聞いた人物が、はじめが入ってた個室の隣に居た。ひふみだった。

 

 

 

 

 

 

そしてお昼になった。

 

しずく「もずく、さぁランチタイムだ。遠慮無く食べたまえ。」

 

もずく「にゃ〜お。」

 

餌をパクパク食べるもずく。

 

 

 

 

 

 

その頃優斗はカフェで弁当を食べていた。大輝は今日外食すると言って居なかった。するとスマホが振動した。

 

優斗「ん?」

 

メールを見ると、優斗が唖然とした。

 

優斗「え?」

 

 

 

 

 

 

その頃キャラ班のブースには、はじめとひふみが残ってる仕事をしていた。

 

ひふみ「はじめちゃん。」

 

はじめ「ん?何ですかひふみ先輩?」

 

ひふみ「トイレでのゆんちゃんとの話聞いてたんだけど・・・」

 

はじめ「はっ!ごめんなさい!どうしても我慢出来なくて!」

 

ひふみ「いや・・・そうじゃなくて・・・実は私も同じ事してて・・・ソロ席だけど・・・取れたんだ。夜の部のチケット。」

 

あの時ひふみがトイレに居たのは、はじめと同じチケットを入手する為だった。チケットが取れた事を話した。するとはじめから、『いいないいないいな』のオーラが溢れ出た。

 

ひふみ「それでね・・・私よりムーンレンジャー好きそうだしチケット・・・譲って・・・あげようかなって・・・」

 

今度は『ほしいほしいほしい』のオーラが溢れ出た。

 

はじめ「い・・・いやダメです!ひふみ先輩が当てたんだからひふみ先輩が行くべきです!本当は凄く行きたいですけど・・・ひふみ先輩だって好きで取ったんですから・・・ムーンレンジャーを応援する気持ちは私と一緒ですよ!だから・・・私の分も応援してあげて下さい!」

 

ひふみ「わ、分かった・・・」

 

はじめ「お気持ちだけ貰っておきます・・・すみません・・・」

 

チケットが欲しいと言う欲を抑えたはじめは、まさにファンの鑑である。

 

 

 

 

 

 

ゆん「はい。食べんと夜まで持たんやろ。腹に入れときや。」

 

コンビニのサンドイッチをはじめのデスクに置いた。

 

はじめ「ありがとう・・・」

 

ゆん「全く世話が掛かるんやから。子供みたいや。それとな・・・昼間開催の子供同伴のチケットもあるで。弟と妹のれんとみうもな、ムーンレンジャー好きでライブ取っておとんと4人で行くつもりやったんやけど、おとん元々そう言うのあんま興味ないから聞いてみたら譲ってくれるって。あの光る棒みたいなの?とか振っちゃあかんライブやけどそれで、良ければ行かへん?」

 

天の恵みが舞い降りた。

 

はじめ「ゆん大好き~!」

 

嬉しくなったはじめがゆんに抱き付いた。抱き付かれたゆんが顔を赤くした。

 

 

 

 

 

 

後日の東京ドームシティホール前。ゆんと弟と妹のれんとみうがはじめを待っていた。するとそこに。

 

はじめ「お待たせーー!!」

 

れん「あ!はじめお姉ちゃん!」

 

みう「久し振りー!」

 

久し振りに会えたみうを高い高いした。

 

はじめ「おう久し振りー!小学校入学おめでとー!」

 

れん「僕も僕も!」

 

はじめ「メガ粒子レクイエム〜・・・」

 

はじめ・れん・みう「シュート!!」

 

ゆん(子供が3人居る・・・)

 

???「あれ?ゆんちゃんはじめちゃん?」

 

はじめ「ん?あ!優斗さん美佳さん!奈々ちゃんも!」

 

そこに、優斗と美佳と奈々の相葉家一家が来た。

 

ゆん「奇遇ですね。」

 

美佳「何何?ゆんちゃん達もムーンレンジャーのファイナルライブ観に来たの?」

 

ゆん「そうなんです。弟と妹とはじめと一緒に。」

 

れん「優斗お兄ちゃん美佳お姉ちゃん久し振りー!」

 

みう「久し振りー!」

 

優斗「れん君久し振りだね。」

 

れんを持ち上げる優斗。

 

美佳「久し振り〜みうちゃん!お兄ちゃんとお姉ちゃんの結婚式以来だね。」

 

みうを撫でる美佳。

 

はじめ「優斗さんと美佳さんと奈々ちゃんもムーンレンジャーを?」

 

優斗「そうなんだよ。美佳さんが子供同伴のチケット取れたから観に行こうってメールが来たんだ。」

 

美佳「ラス1取れちゃったの。ラッキー!」

 

優斗「おっ、そろそろ始まるな。早く行こう?」

 

 

 

 

 

 

東京ドームシティホールに入る。れんとみうはパンフレットを見てる。はじめは興奮している。

 

ゆん「大人は立っちゃあかんのやからな?」

 

はじめ「うっ、分かってるって・・・」

 

美佳「奈々も思いっ切り応援しようね?」

 

するとステージのスポットライトが光った。

 

れん「あ!始まるよ!」

 

ゆん「あ、こら!」

 

ムーンレンジャー1「皆~!今日はありがと~!メガ粒子レクイエム〜・・・」

 

子供達「シュート!」

 

ムーンレンジャー2「皆ありがとう!それじゃ早速1曲目、いっちゃうよ!」

 

劇中歌や主題歌のライブは大盛り上がり。

 

 

 

 

 

 

そして夕方になり、ライブが終了した。

 

はじめ「あぁ・・・1年ちょっと前はどきどきしながら歌ってたのに今はあんなに立派になって・・・そしてこうして次の世代にバトンを渡す所まで見られるなんて・・・感動~!」

 

優斗「はじめさんご機嫌上昇だね。」

 

ゆん「そんなに喜んでくれたなら誘った甲斐もあったわ。」

 

はじめ「ありがとう!やっぱりゆん大好き!」

 

ゆん「っ!?・・・か、感謝しいや!」

 

美佳「あの2人、結構良い雰囲気あるね〜。」

 

優斗「美佳さん百合に目覚めたの?」

 

 

 

 

 

 

そしてファイナルライブ夜の部。

 

ひふみ「よし!やったるで!」

 

今日のひふみはガチモード。するとその時。

 

???「あれ?ひふみ先輩?」

 

ひふみ「っ!?・・・青葉ちゃん!?ねねちゃん!?大輝君!?」

 

偶然にも青葉とねねと大輝とばったり会った。

 

大輝「ヤッホーひふみちゃん!」

 

青葉「偶然ですね!」

 

ねね「当てたんですか!?あの熾烈な争いを!」

 

 

 

 

 

 

ライブの客席に座る。しかも4人全員隣同士。

 

青葉「ってごめんなさい・・・プライベートの邪魔しちゃって・・・しかも席まで隣なんて。」

 

大輝「ごめんねひふみちゃん。」

 

ひふみ「そ、そんな事無いけど・・・」

 

ねね「でもせっかくだし一緒に楽しみましょう。おー!」

 

大輝「おー!!」

 

ひふみ「お、おー!」

 

 

 

 

 

 

そして翌日のイーグルジャンプ。青葉達がカフェで昼食を食べていた。

 

はじめ「いやぁ〜楽しかった〜!ライブ最高だった〜!」

 

大輝「はじめちゃん元気になったね〜。」

 

青葉「私も楽しかったです!ねねっちが誘ってくれたお陰です!」

 

はじめ「私はゆんのお陰!ね〜!」

 

ゆんの頬をスリスリするはじめ。

 

優斗「ちょっとはじめさん・・・」

 

ゆん「もうええって・・・ライブの時はひふみ先輩盛り上がってたん?」

 

青葉「そうですね〜・・・はい!結構盛り上がってました!」

 

ゆん・はじめ「へ〜。」

 

大輝「あんなに盛り上がるひふみちゃん初めて見たな〜。」

 

優斗「にしてもお前、何時の間にチケット取れたんだ?サーバー落ちたはずだろ?」

 

大輝「サーバー落ちたけど、回復したらラス1で取れたんだ。幸運の女神が俺に味方してくれたんだ。」

 

 

 

 

 

 

その頃キャラ班のブースでは。

 

コウ「く~まくまくまくまったな~♪」

 

謎の歌を歌いながらコウが仕事をしていた。すると後ろに立ってるひふみに気付いた。

 

ひふみ「あっ!」

 

びっくりして持ち場に戻った。

 

コウ(まぁひふみんの事だ・・・目が合った事にびっくりして目を逸らしただけだろ・・・)

 

ひふみ(どうしよう・・・変に・・・思われてしまったかも・・・)

 

時間を見ると、まだ昼休憩。コウとひふみは黙々と作業を進める。

 

ひふみ・コウ(話し掛けづらい。)

 

元コミュ障とコミュ障の2人。

 

コウ(でもな~・・・なんで笑ってたんだろ。気になる~・・・あ、メッセなら!)

 

早速社内メッセをひふみに送信した。

 

コウ『なに?』

 

ひふみ(お・・・怒ってる!?)

 

怒られてると勘違いした。

 

ひふみ『いやいや〜、たまたま目が合っただけでござるよ!すみませぬ〜(;^_^A』

 

コウ『ならいいんだけど・・・なんか笑ってたから気になって』

 

ひふみ『あ〜!それは、コウちゃんが笑顔でお仕事してたからだよ〜』

 

コウ『え?笑ってた私?』

 

ひふみ『うん、キュートスマイルであった╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ!』

 

それを見たコウが吹いた。

 

コウ「ひふみん!」

 

ひふみ「な、何!?」

 

コウ「いや、何って訳じゃないんだけど、珍しかった?笑ってるの・・・」

 

ひふみ「ううん・・・最近はよく笑ってるよ。コウちゃん昔は仕事中ずっと真剣な顔で仕事してたから安心する。」

 

コウ「別に昔だって笑う事あったって~!」

 

ひふみ「ええ〜!?」

 

コウ「でもさっきはひふみん達から上がってきたキャラモデルが良さげだったからそれで笑ってたのかもね・・・」

 

ひふみ「ありがとう・・・」

 

笑顔でお礼を言う。

 

コウ「あ~!ひふみんだって笑うようになったじゃん!表情筋が柔らかくなったんじゃないの~?」

 

ひふみの頬を引っ張る。

 

 

 

 

そんな2人を覗いてる人物が居た。りんだった。

 

りん(何事!?)

 

優斗「〜♪ん?」

 

口笛吹きながらカフェから戻ろうとした優斗が見たのは、コウとひふみの話し合いを見て戸惑ってるりんだった。

 

りん(いやいや待って!ただお話してるだけだわ!でもこの間ひふみちゃんの肉じゃが美味しいって言ってたしコウちゃん・・・あ~!コウちゃんが周りと仲良くなれるようになってきた事が素直に喜べない私が悲しい!)

 

優斗「りんさん?」

 

りん「っ!?ゆ、優斗君?」

 

優斗「何やってるんですか?こんな所で。険しい顔してましたけど。」

 

りん「い、いえ、何も無いわよ〜?」

 

優斗「?」

 

目を逸らしながらキャラ班ブースへ向かった。優斗も向かった。

 

 

 

 

りん「あら~。2人だけで話してるなんて珍しいわね。どうしたの?」

 

コウ「え〜?いいじゃん何だって~。2人だけの秘密だよ。ね?ひふみん。」

 

ひふみ「え?う、うん・・・」

 

りん「あらあら。それは妬けちゃうわ。お邪魔だったみたいね~。」

 

ひふみ(何かまずい空気を感じる・・・人の顔色を伺うひふみの鋭い観察眼が自身に訴え掛けた!)

 

その空気を感じた人物はもう1人居た。

 

優斗(りんさんから邪悪、もしくは嫉妬のオーラを感じた優斗だった・・・)

 

りん「私は退散するから続けてどうぞ。」

 

優斗は戻る途中こっそりひふみに頷いた。ひふみも優斗を見てこっそり頷いた。

 

コウ「もぉ、何怒ってるんだか。」

 

ひふみ(そうそう気付いてコウちゃん!りんちゃんの気持ちに・・・)

 

コウ「そうだ!この間の肉じゃが本当に美味しかったんだけどもう作らないの?」

 

ひふみ「っ!(ひふみは知っていた・・・長年2人の関係が全く進展しない理由を・・・コウの鈍感さを・・・)りんちゃんに・・・作って・・・もらえば?」

 

コウ「まぁ確かにりんの肉じゃがは美味しいよ。」

 

ひふみ「うんうん!」

 

優斗(りんさんが元気になった。)

 

コウ「でもやっぱりひふみんのも美味しかったから忘れられなくて。」

 

優斗(りんさんからどす黒いオーラが・・・!!)

 

ひふみ・優斗(この・・・にぶちんめ!)

 

そこでひふみはある行動を取った。

 

ひふみ「えっと・・・その・・・作り方のメモ、無くしちゃって・・・もう・・・無理・・・」

 

コウ「そっか〜残念・・・美味しかったのにな〜。」

 

仕事場へ戻って行った。

 

ひふみ(りんちゃんに肉じゃがのレシピを教えておこう・・・)

 

社内メッセを送った。するとすぐに返信が来た。

 

りん『気にしてないわよ別に?』

 

ひふみが暗い顔をした。

 

りん『でも、参考にさせてもらうわありがとう。』

 

ひふみ『はい、是非に〜ヽ(◯´w`◯)ノ愛情がこもってた方が絶対に美味しいですよ!!』

 

りん『そうね。あ、ところで・・・さっき何の話をしてたの?』

 

ひふみ(何もしてないよ~!)『お互いに表情筋が柔らかくなってきたね〜って話してましたヽ( ゚ω ゚)ノ』(そのままだけど、大丈夫かな?)

 

りん『そうよね〜。2人とも頑張ってると思うわ。応援してるね!』

 

ひふみ(あ~・・・解決した・・・やった~・・・)

 

ようやく解決した。引き出しに仕舞ってあった枕を取り出す。

 

ひふみ(人付き合いってなんて大変なんだ・・・それでも今日は頑張れたぞ私・・・でもその分疲れちゃった・・・少し寝よう・・・)

 

そして寝始めた。だがしかし。

 

うみこ「滝本さん。」

 

ひふみ「はっ!ごごごごめんなさい寝てて・・・」

 

うみこ「いえ・・・まだ昼休みが終わるまで5分あるので良いんじゃないでしょうか。こちらこそ起こしてすいません。携帯が落ちてましたよ。」

 

落ちてたひふみのスマホを渡した。

 

ひふみ「あ、ありがとうございます・・・」

 

うみこ「寝不足ですか?睡眠はとても大事です。寝不足は仕事にも影響しますし、何より健康に良くありません。」

 

ひふみ(うあ~!1人になりたい~!)

 

その後昼休みが終わるまでうみこの話を聞いてしまったひふみであった。

 

 

 

 

 

 

数日後、青葉がプロトタイプをプレイしている。

 

青葉『不思議の国に迷い込んでしまった少女。そこに住む生き物はなんとぬいぐるみ!生きねば!後ろから忍び寄りえいっ!ちょっきんちょっきん!ぬいぐるみは着ぐるみに!それを着た少女はぬいぐるみの中へ紛れ込んでしまう。隠れながら邪魔な敵を倒しこの世界の謎を解き明かそう!』

 

敵のぬいぐるみを脅かして、すぐにぬいぐるみに姿を変える。

 

青葉「これ繰り返してるだけで楽しー!」

 

コウ「呑気そうだけど、今日プロトタイプ版の提出日だからな。」

 

青葉「分かってますよ・・・」

 

大輝「遂に今日プロトタイプの提出日か〜。やっとここまで来れたな〜。」

 

優斗「しかしさっきのぬいぐるみめっちゃ可哀想だったな。カービィでもあんなサイコ的な事しねえと思うが。ってか可愛い絵なのに中身バイオレンスだな。」

 

大輝「これぞまさに、あクマ!」

 

優斗「・・・・・・・・」

 

大輝「どうした優斗?」

 

優斗「お前もう黙っとけ。」

 

青葉「でもこれが通らなかったら開発も中止なんですよね・・・」

 

コウ「まぁ出資元から資金が止まる訳だからね。」

 

青葉「良かったんでしょうか・・・私がキャラデザで・・・やっぱり八神さんの方が有名だし、実力も・・・」

 

ゆん「なんや青葉ちゃんがそんな弱気やったら付き合ってるうちらばかみたいやん。冗談半分やけど・・・せやから気持ち分かるけど自信持ちや!」

 

青葉「ゆんさん・・・!」

 

ひふみ「私も・・・大丈夫だと思うよ!」

 

青葉「ひふみ先輩・・・!」

 

優斗「だから青葉さん、自信を持てば勇気が付くよ。俺達はエフェクト班だけど、応援してるよ。」

 

大輝「俺も応援してるから頑張って青葉ちゃん!」

 

青葉「優斗さん・・・大輝さん・・・」

 

コウ「じゃあちょうど良いし、プロトタイプ版前最後のキャラ班会議やっちゃうか!」

 

青葉・ゆん・ひふみ「はい!」

 

はじめ「は~・・・なんで私キャラ班じゃなかったんだろう・・・」

 

青葉「いや別に仲間外れとか思わないで下さい!」

 

はじめ「うん分かってる続けて続けて。」

 

青葉「はい・・・」

 

優斗「じゃあ大輝、仕事に戻るか。」

 

大輝「よっしゃ!」

 

青葉「え~進捗ですが、提出用の資料画像の修正やレタッチも後少しで終わりそうなので大丈夫です。」

 

ゆん「モデルのエラー系統も概ね取り除いてあります。」

 

ひふみ「今出来る範囲でモデルのクオリティを上げ続けてます。」

 

しずく「キャラ班は順調そうだね。」

 

そこにしずくが顔を出した。

 

青葉「葉月さん・・・ってどうしたんですか!?」

 

額に包帯が巻かれてあった。

 

しずく「これ?名誉の負傷・・・と言った所かな?」

 

優斗(名誉の負傷って・・・デコピン喰らったのか・・・)

 

大輝(うみこさんのデコピンがそんなに痛いのか・・・?)

 

じずく「これでゲームが良くなるなら安い物だよってね。そうそう八神。」

 

コウ「はい?」

 

じずく「終わったらちょっと滝本君とちょっと会議室まで来てくれるかな?例の件。」

 

コウ「ああ、はい。」

 

 

 

 

 

 

そしてその数分後。汗だくのうみこが来た。

 

うみこ「お疲れ様です・・・葉月さん見ませんでしたか・・・?」

 

青葉「さっき会議室に・・・ってお疲れですね。」

 

うみこ「ええ・・・仕様変更をデコピン程度で許した私が甘かったのです!」

 

青葉「あ、成る程・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃会議室では。

 

しずく「忙しい時にすまないね。滝本君に1つお願いがあって。」

 

ひふみ「は、はぁ・・・」

 

しずく「以前にも一度聞いたけど八神に代わってキャラリーダーやってみる気はないかい?」

 

ひふみ「私が・・・ですか?」

 

しずく「良かった・・・取り敢えず固まらないでくれて。」

 

コウ「前回何があったんですか!」

 

この前の開発の感想で、ひふみにキャラリーダーを指名したが、ひふみが固まってしまった事に不安を持っていた。

 

ひふみ「私なんかがやって・・・良いんでしょうか・・・」

 

しずく「実力は十分だよ。現に今メインのキャラモデルを作っているのは滝本君だろ?それに現状の困った時は何でも八神に任せてしまっている部分は直していきたいんだ。将来のチームの為にもね。そして滝本君が、コミュニケーションに苦手意識を持っている事もそれが日々良くなっている事も分かっている。」

 

ひふみ「・・・私青葉ちゃんみたいに大きな夢を持っている訳でもないしゆんちゃんみたいにしっかりしてないし。でも2人共優しいから付いて来てくれるとは・・・思います。だけどそんな不甲斐ないリーダーじゃ何と言うか・・・皆をがっかりさせて・・・しまいます・・・」

 

コウ「私だって自分の事何時も、駄目だな~って思ってるよ。それにひふみんも見てるでしょ?前に私がADを降りた時の・・・皆をがっかりさせちゃった時の事・・・だから今皆が付いて来てくれる事がそれだけで嬉しくて・・・その分皆の事も信じようと思ってるんだ・・・私はひふみんに何があってもがっかりしないよ!私を・・・信じてほしい!」

 

ひふみ「・・・・・・」

 

コウ「ってごめん・・・嫌なのに無理強いしちゃダメだよね・・・」

 

ひふみ「ううん・・・コウちゃんが頑張って来たのは知ってるよ。これでもずっと傍で見て来たから。だから・・・分かった!コウちゃんの言葉を信じてみようと思う!」

 

コウ「良かった・・・ありがとう。」

 

遂にひふみは、キャラリーダーになる事を決意したのだった。

 

しずく「別に私はここに居なくても良かったくらいだったね。さぁ、まずは滝本君の決断を無駄にしない為にもまずはプロトタイプ版を通さないと。」

 

コウ「まぁ実際やってみてもしきつかったら変わってあげるから。」

 

しずく「心配しなくても立場が人を変えるって事もあるものだよ。」

 

ドアを開けて会議室から出ようとしたが。

 

 

 

 

うみこ「立場?まず自分が弁えては?」

 

 

 

 

しずく「うわああ!?」

 

待ち伏せしていたうみこに見付かってしまった。

 

しずく「やぁうみこ君・・・どうしたのかな?あは、あはは・・・」

 

動揺するしずくの腕を強く掴んだ。

 

うみこ「どうしたのかな?ふっ、分かってるでしょ?プログラマーの皆が待ってます。早く来て下さい。」

 

しずく「ちょ・・・!もうデコピンは許して~!」

 

ひふみ「うみこさんとも・・・会議とかで・・・話すの・・・?」

 

コウ「ま、まぁね・・・でも真面目な人には優しいよ?」

 

その後強烈なデコピンを喰らったしずくであった。

 

ひふみ「どどどどどうしよう・・・・・・」

 

コウ「大丈夫だって。」

 

 

 

 

 

 

それから数日後。

 

クリスティーナ「大和です。皆さんプロトタイプ版の制作お疲れ様でした。」

 

青葉「あの人たまに見ますけど・・・」

 

ゆん「出資会社のプロデューサーや。」

 

優斗「名前は大和・クリスティーナ・和子さん。」

 

大輝「チームで1番偉いお方だ。」

 

クリスティーナ「弊社で製品を評価した結果ですが・・・」

 

全員に緊張が走る。評価の結果は。

 

 

 

 

 

 

クリスティーナ「とても高評価でした。」

 

 

 

 

 

 

高評価を得た。

 

クリスティーナ「この調子で気を引き締めてまずはα版まで頑張りましょう。」

 

はじめ「ふぅ〜・・・」

 

コウ「取り敢えずはホッとしたな。」

 

大輝「よっしゃラッキー!」

 

優斗「あ〜緊張した〜・・・」

 

青葉「やったー!」

 

ゆん「まあ当然やって!」

 

ひふみ「青葉ちゃん、ゆんちゃん!これからキャラリーダーとしても宜しく・・・」

 

青葉「勿論です!」

 

ゆん「はい!宜しくお願いします!」

 

ひふみ「うん!」

 

こうしてプロトタイプが高評価を得た。そしてひふみはキャラリーダーとして頑張っていくのであった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨
      相葉美佳:榎本温子
クリスティーナ・和子:名塚佳織
        れん:松田利冴
        みう:川上千尋
 ムーンレンジャー1:山村響
 ムーンレンジャー2:藤田咲

はじめ「う〜〜ん・・・・」

ゆん「何やはじめ?企画の仕事をやるようになってから頭抱えてる事多いな。」

はじめ「そうなんだよ〜、アイディア業なんだからね〜・・・思い付かないと始まらないし遅れっ放しだよ〜・・・」

ゆん「お疲れさん。まぁうちも遅れ気味やけど・・・」

はじめ「でも、キャラ班のリーダーってひふみ先輩になったんでしょ?優しそうで羨ましいよ〜!」

ゆん「逆に何しても遅れても怒ってくれなさそうで、ひふみ先輩大丈夫なんかな〜?」

はじめ「そうかな〜?普段怒らない人程、怒る時怖いって言うから〜。案外ひふみ先輩も〜!」

ゆん「そ、それはそれで嫌やな・・・」

はじめ「我儘だな〜!」

次回「や、変なとこ触らないでよ!」

はじめ「体に教え込むタイプ?」

ゆん「それはちょっとゾクゾクするな・・・」

はじめ「え?」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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18話「や、変なとこ触らないでよ!」

ある日、ひふみが緊張していた。

コウ『キャラリーダーの仕事は、まずADである私のグラフィックへの意図の理解。その上でキャラモデルのチェックと管理。後は各班との連携の為の会議かな?』

ひふみ『え!?』

コウ『まぁそこは私も居るし気楽にね。』

ひふみ『う・・・うん。』

以前にコウからそうアドバイスされた。




ひふみ「・・・よし!」

勇気を出して、ゆんに近寄る。

ひふみ「あ、あの・・・ゆんちゃん。」

ゆん「何ですか?」

ひふみ「進捗どうですか~!?」


突然の大声でびっくりしたゆん。ひふみは落ち着いてゆんに進捗を聞く。

 

ひふみ「明日締切りだと思うけど大丈夫そう・・・?」

 

ゆん「はい・・・大丈夫ですよ。」

 

ひふみ「分かった。頑張って・・・ね?」

 

ゆん「は、はぁ。」

 

次は青葉の進捗を聞く。

 

ひふみ「あ・・・青葉ちゃん。」

 

青葉「はい?」

 

ひふみ「進捗・・・」

 

青葉「えと・・・ごめんなさい・・・キャラデザに手間取ってたせいで、3D作業の方がそのまま遅れてて・・・2日程追加でお願い出来ませんか?」

 

ひふみ「分かった。じゃあ頑張ってね・・・」

 

青葉「・・・ごめんなさい!追加1日で良いです!」

 

ひふみ「え?」

 

青葉「いや・・・八神さんだとそのままじゃ許してくれないから鯖を読む癖が・・・なんて。」

 

ひふみ「そう、なんだ。」

 

青葉「ごめんなさい・・・」

 

ひふみ「ううん、良いよ。また遅れそうになったら言ってね。」

 

青葉「はい!」

 

ゆん(あかん・・・実はうちも明日じゃ終われそうにないんやけど・・・)

 

心の中で本音を言うゆん。

 

ゆん「あ、あの・・・」

 

コウ「ひふみ〜ん!会議の時間。」

 

ひふみ「う、うん。分かってる・・・行こ。」

 

コウ「青葉、さっきの会話聞こえてたからな。」

 

青葉「ええ!?い、いやだって、正直に言って通った試しないじゃないですか!」

 

コウ「あはは!まあそうだけど、新リーダーにはあんまり意地悪しないようにねん。」

 

そう言い残して会議に向かった。

 

青葉「分かってます!!」

 

 

 

 

その頃優斗は、大輝に社内メッセを送った。

 

優斗『俺今日残業して帰るから宜しく。』

 

大輝『何故故?』

 

優斗『いや、今やってる所のVFXをどう仕上げるか迷走中なんだ。』

 

大輝『珍しいな〜。お前が迷う事があるなんて。』

 

優斗『毎回俺が完璧の人間だと思ってんじゃねえぞ。』

 

 

 

 

ゆん「(あ~・・・言いそびれてしもた。どないしよ・・・間に合わんかったらひふみ先輩どないな顔するんやろ・・・これが八神さんやったら軽く叱ってくれて終わりやのに・・・)青葉ちゃん。ひふみ先輩がリーダーになってどう思う?」

 

青葉「え?どうって?」

 

ゆん「八神さんと比べてやりやすいとかそう言うの。」

 

青葉「あぁそうですね・・・八神さんと違って厳しくはなさそうだけど・・・」

 

ゆん「怒ってくれなさそうやろうな・・・」

 

青葉「もしかしてゆんさんも鯖読んでました?」

 

ゆん「し・・・仕方ないやん!もうあれが普通って言うかまかり通ってた訳やし・・・」

 

青葉「でも正直に言った方が良いですよ。ひふみ先輩泣いちゃうかも。」

 

ゆん「え!?」

 

 

 

 

泣いてるひふみを想像する。

 

ひふみ『私の・・・管理が・・・ダメダメだからだね・・・ごめんなさい・・・ううぅ・・・』

 

 

 

 

大輝『泣いてるひふみちゃん・・・良いかも〜。』

 

優斗『お前姦しいから黙っとけ。』

 

 

 

 

ゆん「あかんあかん!タイミング的にもう言えへんよ!間に合わせるしかない!あ~もうやりにくい~!」

 

はじめ「ダメだ~!何も思い浮かばない~!」

 

青葉「企画のお仕事も大変そうですね・・・」

 

はじめ「うん、アイディアが中々思い浮かばなくて・・・」

 

青葉「何か相談に乗れる事があれば何でも乗りますよ?」

 

はじめ「ありがとう・・・でももう少し1人で考えてみるよ。」

 

この日は、ゆん、はじめ、そして優斗が煮詰まっていた。

 

 

 

 

 

 

その日の夜。ゆんと優斗が残業していた。

 

ゆん「こないな遅くまで残ったの新人以来かも・・・」

 

するとゆんのスマホが振動した。

 

ゆん「はいもしもし。あ、お母さん?うん。今日は泊まろうかなって・・・みうとれんの朝食?明日お母さんが作る番やろ?仕事って・・・あぁ分かった分かった。帰ります。もぉ。仕方あらへん・・・」

 

優斗「あ〜終わったぁ〜!やっと出来たぁ〜!ん?ゆんさん、帰るの?」

 

ゆん「はい。明日弟と妹の朝食を作らないといけませんし。」

 

優斗「そうか。ゆんさんも大変だね。」

 

ゆん「優斗さんはどうですか?」

 

優斗「俺も丁度終わったよ。」

 

ゆん「そうですか。」

 

優斗「ねぇ、良かったら送ってあげようか?」

 

ゆん「え?」

 

優斗「予備のヘルメットがあるし、1人で帰るのは危険だと思うから。」

 

ゆん「すみません・・・お願いします。」

 

その夜、ゆんは優斗のバイクで家まで送って貰った。

 

 

 

 

 

 

翌朝、ゆんが家で朝食を作っている。

 

みう「ギューーーー!」

 

突然妹のみうが後ろから抱き付いて来た。

 

ゆん「あ、危ないやろ!?」

 

みう「えへへへ〜。」

 

ゆん「ほら、さっさと着替えや。」

 

れん「ゆんねえちゃん~。筆箱がない・・・」

 

ゆん「昨日の内に用意せんから。」

 

れん「用意してたもん・でも・・・お絵描きしたかった・・・」

 

みう「ああ、ゆん姉ちゃん泣かした!」

 

ゆん「ああもお!」

 

飯島家はとても大変だった。

 

 

 

 

 

 

その後イーグルジャンプに出社した。駐輪場から優斗が顔を出した。

 

優斗「あ、ゆんさんおはよう。」

 

ゆん「優斗さん、おはようございます。」

 

 

 

 

2人はエレベーターに乗る。

 

ゆん「昨日はありがとうございました。」

 

優斗「いえいえ。昨日帰ったらね。」

 

ゆん「?」

 

優斗「帰ったら美佳さんに、『無理し過ぎると体壊しちゃうよ。』って注意されてね。」

 

ゆん「美佳さん優しいですね。」

 

優斗「そうだね。何時も俺の事を心配してくれてるから毎日頑張れるよ。奈々に『ぱぱ、めっ。』って怒られちゃって。」

 

ゆん「あはは。あんまり無理しないで下さいね。」

 

優斗「勿論そのつもり。ゆんさんの方はどう?」

 

ゆん「今日の朝、とても大変でしたよ。」

 

優斗「やっぱり、れん君とみうちゃんの世話って大変?」

 

ゆん「はい・・・」

 

優斗「分かるよその気持ち。俺も子育てしてる身だからね。」

 

 

 

 

エレベーターから降りた。

 

ゆん「優斗さんも後に苦労するかもですよ?」

 

優斗「苦労?もしかして、奈々のイヤイヤ期?」

 

ゆん「はい。」

 

優斗「そう言えばそうだった・・・でも美佳さん、この前からイヤイヤ期に備えて色々考えてるしね。」

 

ゆん「そうなんですか?」

 

社員証をパスしてオフィスに入る。

 

 

 

 

オフィス内。

 

優斗「美佳さん、奈々の事を考えてるからね。」

 

ゆん「本当に良い奥さん持ちましたね。優斗さん。」

 

優斗「ありがとうゆんさん。それと、れん君とみうちゃんの世話は無理しないようにね。休息取らないと体がしんどくなるから。」

 

ゆん「おおきに。ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

2人はキャラ班ブースに来た。

 

ゆん「おはようございます。」

 

ひふみ「お、おはよう。モデルの提出大丈夫そう・・・?」

 

ゆん「・・・ごめんなさい!無理そうです!」

 

ひふみ「え?」

 

ゆん「いや!ほんまははよ出社しようと思ってたんですけど色々用事もあって・・・その・・・」

 

ひふみ「ううん。怠けてるなんて思ってないよ。でも遅れの原因も一緒に考えようか。」

 

ゆん「っ!」

 

優斗(大丈夫みたいだな。)

 

安心して仕事に向かう優斗。

 

 

 

 

 

 

ひふみ「クオリティは問題ないけど・・・単純に時間掛かっちゃった?」

 

ゆん「はい・・・まぁ・・・(そもそも初めから終わらんと思っとったし・・・)」

 

ひふみ「分かった!」

 

ゆん「え?」

 

ひふみ「画面見てて思ったけど、あんまり便利なショートカット持ってないでしょ?私がよく使ってるのあげるね。」

 

ゆん「は、はぁ。ありがとうございます・・・(何やひふみ先輩・・・凹む所か真っ直ぐうちの事見てくれて・・・それやのにうちは一方的な想像で・・・)ほんまは最初から1日遅れるって分かってたんです!」

 

ひふみ「え?」

 

ゆん「せやのにうちひふみ先輩に嘘付いてもうて・・・うちを叱って下さい!」

 

優斗(っ!?)

 

ひふみ「別に・・・気にしてないよ・・・」

 

ゆん「うちが気になります!それでスッキリするんです・・・」

 

優斗(ゆんさんどうした!?)

 

ひふみ(叱るって・・・どうしよう・・・でも・・・そうだ!コスプレする時みたいにキャラになりきれば・・・)

 

キャラになりきって叱る。

 

ひふみ「嘘を付くなんて悪い子ね。ダメでしょ?」

 

そして、ゆんに顎クイをする。

 

ひふみ「ごめんなさいは?」

 

ゆん「ご・・・ごめんなひゃい・・・」

 

ひふみ「どうして嘘付いたの?言ってみなさい?」

 

ゆん「そ、それは・・・」

 

するとそこに。

 

青葉「おはようございま〜・・・え?」

 

大輝「おっはよー・・・ほえ?」

 

青葉と大輝に見られた2人はすぐに距離を取った。

 

ひふみ「調子に乗り過ぎた〜!」

 

ゆん「ただ叱ってもらってただけで~!」

 

大輝「いえいえお2人さん。続けてどうぞ。」

 

優斗「おい大輝、続けさせんな。」

 

 

 

 

 

 

その頃はじめは、しずくにアイディアを見せた。

 

しずく「水中では魚人の着ぐるみ、か。」

 

はじめ「そうです!それを着る事で水中では自由に動けて地上では動きが鈍くなる~、みたいな。」

 

しずく「もう少し、水の中ならではの変化は付けられないかな?」

 

はじめ「ですよね~・・・」

 

しずく「息が出来ない、動きが鈍くなる。よくある水中のハンデだよね。」

 

はじめ「それで魚人を出したんですよ。」

 

しずく「ただ、ハンデを解消してる最中にも代償がいるものだよ。」

 

はじめ「代償ですか?」

 

しずく「眼鏡で私の可愛さ半減!とかね。」

 

はじめ「あ!河童なら頭の皿が弱点になりますよね!」

 

スルーされた。

 

しずく「そうだね・・・でももう一押しかな?こんな風に話してると不思議とアイデアが出て来るものだよ。誰かと相談してみた?」

 

はじめ「いえ。これは私の仕事だし・・・」

 

しずく「もぉ、変な所でプライド高いなぁ。涼風君はキャラデザだし、飯島君はモンスターや動物に詳しいし、相葉君はVFXだし、秋山君はCGだし、頼る事は恥でも何でもないよ。」

 

 

 

 

 

 

そうアドバイスされたはじめは、仕事に戻る。

 

はじめ「でもなぁ・・・ゆんに頼っちゃうとダメな奴って思われそうだし・・・青葉ちゃんの前で頼りないとこ見せるのも・・・」

 

青葉「私が何か?」

 

はじめ「うわ~!何でもない何でもないよ~!」

 

青葉「そうですか。なら良いんですけど。」

 

はじめ「・・・あの、青葉ちゃん!後ゆん。ちょっと相談に乗ってもらって良いかな・・・」

 

ゆん「後ってうちはついでなん?」

 

はじめ「もぉ、ごめんってば。優斗さんと大輝さんもちょっと相談に乗ってもらえませんか?」

 

優斗「俺達にも相談?良いけど。」

 

大輝「良いぞはじめちゃん!力になるぜ!」

 

 

 

 

 

 

5人でアイディアを話し合う。

 

青葉「水の中での仕様・・・ですか。」

 

はじめ「うん。」

 

青葉「種類によっては特徴を生かしたデザインにしようかなって思ってて・・・」

 

魚の口から顔を出してるペコを描いた。

 

はじめ「な、何これ・・・」

 

青葉「仮ですよ仮。」

 

優斗「カインに入ってるカービィっぽいな。」

 

はじめ「でもこれじゃ手足がなくて攻撃出来ないしな・・・」

 

ゆん「ならシュモクザメみたいなんは?あれ目なんやけどナイフにすれば良えかも。」

 

青葉「成る程!強そう!そしたらフグみたいなトゲトゲも良いかもですね!」

 

優斗「カジキマグロの上顎を付けて、それをドリルにするのも良いかもな。」

 

大輝「どうせだったら背鰭を全部ノコギリにしたらどうだろう!」

 

優斗「ガイガンみたいだな。」

 

はじめ(本当だ・・・どんどんアイディアが出て来る。)

 

青葉「じゃあ後は巨大な鯨とか。」

 

クジラの絵を描いた。

 

ゆん「青葉ちゃん、鯨の尾ヒレは縦やのうて横やで?」

 

青葉「あ、そう言えば。」

 

はじめ「ゆんってそう言うの詳しいよね。」

 

ゆん「あ・・・当たり前やろ。伊達にずっとモンスターとか作ってへんし・・・」

 

大輝「あら^~。」

 

優斗「おいそこ。」

 

ゆん「でも代償って何やろな?」

 

青葉「そうですよね。攻撃方法変えただけで、意味としては魚人と変わらない気が・・・」

 

5人「う〜ん・・・」

 

はじめ「・・・あ!最初ので良かったんだよ!」

 

4人「え?」

 

はじめ「これ。」

 

ゆん「でもそれじゃ戦えへんやん。」

 

はじめ「戦わなくたって、隠れながら進むのもこのゲームスタイルじゃん?それに戦いたければ着ぐるみを脱げば良いんだよ。」

 

大輝「メタルギアの段ボール的な?」

 

はじめ「でもそうすると動きが鈍くなるし息も出来ない。一匹となら戦えてももし敵の中で囲まれてしまったら・・・」

 

青葉「成る程!スリルが出ますね!」

 

優斗「難易度高え・・・」

 

はじめ「そう!水の中のスリル!凄いや!こんなにすぐ解決するなんて・・・実は相談するのって格好悪いな~って思ってたんだけど。助かったよ。ありがとう!」

 

ゆん「何や水臭いな。」

 

青葉「そうですよ。」

 

ゆん「でも、手柄は山分けな。」

 

はじめ「そんな!」

 

青葉「うふふ。」

 

ゆん「冗談。冗談や。」

 

優斗「かなりアイディアが続出したな。」

 

大輝「ナイス俺達!」

 

 

 

 

 

 

早速しずくにアイディアを持って行った。

 

しずく「成る程!スリルが出て良いね!結構早かったね。」

 

はじめ「相談したらすいすいアイデアが出て来て!これなら次もやれるっすよ!」

 

しずく「調子に乗らなければもっと良いんだけど・・・」

 

 

 

 

 

 

数日後、青葉が悩んでいた。

 

青葉「う〜〜ん・・・・」

 

ひふみ「青葉・・・ちゃん・・・そろそろ新しいデザイン来ないとキャラ班の手が空いちゃうんだけど大丈夫そう・・・?」

 

青葉「ごめんなさい!もう少しだけ待って下さい!」

 

ひふみ「何日くらい?」

 

青葉「それも分からなくて・・・」

 

キラキラした目でひふみに言う。

 

ひふみ「ううん。良いの。」

 

チョロいひふみであった。

 

ゆん「待て待て~!」

 

 

 

 

 

 

その後、コウに相談しに行った。

 

コウ「う~ん・・・確かに意地悪なおばさんだけど、ラスボスの女王様にはなぁ。」

 

青葉「ですよね~・・・」

 

コウ「青葉の中でしっかり女王様の事見えてる?描き手が一番理解してないといけない所。」

 

青葉「うぅ・・・」

 

コウ「例えばさ。こう言う感じでも・・・」

 

描いてる途中に止まってしまった。

 

コウ「止めた。私が描いて答えを出すと描けちゃうから。もうちょっと悩みな。」

 

青葉「分かりました・・・でも早く上げないとキャラ班のスケジュールが・・・」

 

コウ「なら私がモブキャラのデザインして仕事回しとくから。その間に何とかしてよ。」

 

青葉「え~!八神さんにそんな雑用みたいな事!」

 

コウ「まぁ私も初心に戻ったみたいで楽しいし良いよ。だから時間あげた分きっちり良いの上げて来いよ~。」

 

青葉「う・・・変なプレッシャーを・・・」

 

社内メッセで優斗と会話する大輝。

 

大輝『コウさん、青葉ちゃんを悩ませてるな。』

 

優斗『あれがコウさんの良い所だ。ああやって後輩に悩ませてあげるのも教育の1つだからな。良い上司だよ。』

 

 

 

 

 

 

青葉「う〜〜ん・・・・」

 

りん「調子はどう?」

 

青葉「遠山さん。」

 

りん「あ、この下の女王様これから会う取引先の人にちょっと似てるわ。」

 

青葉「え!?怖い人なんですか?」

 

りん「ちょっとね。でも話してると案外良い人だったりするのよ。」

 

青葉「へぇ〜。」

 

りん「青葉ちゃんはこの女王様の事好き?」

 

青葉「そうですね・・・主人公のペコ以外で唯一の人間のキャラでぬいぐるみ達に恐怖政治を敷いてるんですよね。何でそんな事をするんだろうって・・・あ!良さが分からないからデザインも中々固まらないのかも!」

 

りん「そうかもね。」

 

青葉「私なりに楽しめる好きなポイントを見付けたいと思います!まずは女王様の事をよく知ろう!」

 

 

 

 

 

 

最初にしずくに相談する。

 

青葉「葉月さん、お疲れ様です。」

 

しずく「お疲れ様。どうしたんだい?」

 

青葉「ラスボスの女王様の事をもっとよく知りたくて・・・今ってお時間大丈夫ですか?」

 

しずく「構わないよ。」

 

青葉「この女王様って生まれはやっぱり人間の世界なんですか?」

 

しずく「そうだね・・・ペコと同じ現代のヨーロッパ地方の人かな。」

 

青葉「ペコと同じでぬいぐるみの世界へ1人で?」

 

しずく「今考えてる途中なんだけど、案外この女王様が作り出した世界なのかも。辛い事があったのか、女王様は自分の殻に閉じこもって自分だけ人間と言う状況の中で孤独を感じてるはずさ。」

 

青葉「孤独・・・寂しくて周りにつらく当たってるって事ですか?」

 

しずく「人に優しくする余裕がないのは確かだね。お城に閉じこもって逆らえないぬいぐるみ達に、ああでもないこうでもないと我儘の毎日さ。」

 

青葉「同じ人間のペコに出会って、仲良くしたいとは思うんですかね?」

 

しずく「でも仲良くなる方法が分からなくて意地悪しちゃうのかも。」

 

青葉「何だか子供みたいですね。」

 

しずく「おお良いね!いっそ子供にしちゃおうか。」

 

青葉「え!?大人じゃなくても良かったんですか?」

 

しずく「うん。良い案なら合わせるよ。そうだな・・・女王様はとある街に住む病弱な女の子。部屋の中は大好きなぬいぐるみだらけ。そんな彼女の作り出した世界にペコは迷い込んでしまう。」

 

青葉「どうして迷い込んだんですか?」

 

しずく「女の子を心配した一匹のぬいぐるみが手引きしたのかも。ぬいぐるみ達は女王様が大好きだけど同時に心配もしている。でも自分達じゃ女王様の孤独は癒せない。ぬいぐるみだから・・・」

 

青葉「ペコに友達になって欲しい!」

 

しずく「そう!そしてペコは女王様の心を癒す存在になるんだ。」

 

青葉「成る程!ありがとうございます!」

 

しずく「八神は1人でデザインしてしまうけど涼風君は涼風君なりに答えの導き方を模索していけば良いんだよ。」

 

 

 

 

 

 

戻って再び考える。

 

青葉「う~ん。病弱な女の子か・・・寂しくていじけてるなんて助けてあげたいなぁ・・・この子割と好きかも!」

 

アイディアが浮かんだ。

 

 

 

 

 

 

そして後日。

 

青葉「出来ました!」

 

コウ「結構時間掛かったなぁ・・・」

 

青葉「ほんとごめんなさい・・・」

 

コウ「でも、良いの描けたじゃん!」

 

高評価を得た青葉。

 

青葉「ありがとうございます!所で八神さんだったらどんなのにしてたんですか?」

 

コウ「私?そうだな・・・私だったら・・・こんな感じ?」

 

あっさり描き上げた。

 

青葉「な・・・なんでそんなさらさらっと一瞬で良いの描くんですか・・・嫌味ですか?」

 

コウ「そっちが聞いて来たんだろ!」

 

大輝「コウさんも相変わらずですね。」

 

コウ「大輝!!」

 

優斗「お前少し弁えろボケ。」

 

大輝「あばす!」

 

 

 

 

 

 

戻った青葉はがっかりしていた。

 

青葉「やっぱり八神さんにはまだまだ敵わないなぁ・・・」

 

するとスマホが振動した。LINEを見ると、1人の少女の写真とメールが来ていた。

 

青葉「ほたるん!」

 

ほたるんとは、本名『星川ほたる』。青葉の高校時代の親友である。

 

りん「ただいま~。あら。嬉しそうだけどデザイン通ったの?」

 

青葉「ああいえ、デザインもですけど同じ高校だった友達が留学から帰って来るみたいで。」

 

りん「留学?凄いわね!何処?」

 

青葉「フランスです!そうだ、写真もあって・・・これ!卒業式の写真です!」

 

その写真には、青葉とねねとほたると先生が写っていた。

 

りん「あら!皆可愛い!」

 

青葉「凄く絵が上手いんですよ。私に絵の基礎とか色々教えてくれた友達の・・・」

 

中には、ほたるが青葉の頬にキスしてる写真もあった。

 

青葉「わ~違います!フランスの挨拶みたいでその時巫山戯て撮ってしまって~!」

 

 

 

 

 

 

数日後の休日、青葉はねねとほたると一緒に旅館に来て、露天風呂に入ってる。青葉はほたるにこの前の事を話した。

 

青葉「・・・と言った感じで上司にキスされてる写真を見られてしまってさ~・・・はぁ・・・」

 

ほたる「恥ずかしくないし慣れれば普通だよ。こんな風に〜。」

 

そう言って、青葉の頬にキスした。

 

青葉「突然止めてよ!!」

 

ほたる「えへへへ。ん?ねねっち大人しいね。」

 

ねね「え?いや・・・だって・・・」

 

すると今度は、ねねにもキスした。

 

ねね「お・・・面白がってるでしょ!」

 

ほたる「異文化コミュニケーションだよ~。」

 

ねね「でも、裸でキスって~・・・」

 

ほたる「そ・・・そうだったね。ごめん・・・」

 

それを見ていた青葉に、また小悪魔モードが発動した。

 

青葉「あ~。裸だとほたるん恥ずかしいんだ~。」

 

ほたる「え?」

 

青葉「仕返し!!」

 

ほたる「きゃああああああ!!!」

 

ねね(凄い・・・相手の弱みを見付けるや否や攻めに回るあおっち・・・恐ろしい子!)

 

小悪魔青葉を見て、恐ろしい子と確信したねねだった。

 

青葉「ねねっちぃ〜?」

 

ねね「そ・・・そう言う事って無理矢理するのは犯罪なんだよ!」

 

青葉「挨拶だから良いんだよ!」

 

ねね「きゃあああ!!そ・・・そしたら私だって~!」

 

青葉「や、変なとこ触らないでよ!」

 

ねね「スキンシップです~!」

 

そしてほたるは逆上せてしまっていた。

 

ねね「ん?」

 

青葉「え?」

 

逆上せたほたるが湯の中に沈んでしまった。

 

青葉・ねね「ああ!!ほたるん逆上せる〜〜〜!!」

 

 

 

 

 

 

すぐに上がって、ほたるを部屋まで運んだ。ねねは買い物に出掛けてる。

 

青葉「大丈夫?」

 

ほたる「相変わらずだね私・・・」

 

青葉「ごめんね、調子に乗って。」

 

ほたる「変わらないね。2人の笑顔を見てると高校の頃思い出すよ。」

 

青葉「もう1年だもんね・・・色んな事があったなぁ。」

 

ほたる「ねねっちは今もあおっちの会社でアルバイトしてるの?」

 

青葉「もうやってないよ。でもねねっちは自分のやりたい事を見付けるべきだと思う。私の心配じゃなく・・・」

 

ほたる「大丈夫だよ。ねねっちなら。」

 

青葉「そうかなぁ?」

 

ほたる「会社は楽しい?」

 

青葉「楽しいよ。会社の人達は皆良い人だし大変な事も沢山あるけどそれも含めて楽しいよ。ほたるんと美大に行ってても楽しかったかもしれないけど。」

 

ほたる「何言ってんだか。絶対後悔してたよあおっち。」

 

青葉「うん。そうかも。」

 

ほたる「安心した。あおっちが後悔してなくて。前に進めて。」

 

青葉「ほたるんは何時も優しいね~。私がほたるんだったら素直に応援出来てないかも。」

 

ほたる「そんな事ないよ。」

 

青葉「私・・・私ね。高校の時の夢叶ったんだ。でもその夢が叶ったと思ったら、そこから階段がまだまだ続いてて。」

 

ほたる「上れそう?」

 

青葉「上るよ。でも前に見てたものは憧れだけでもっと朧気で。それこそ夢って感じだったんだけど・・・今ははっきりしてるんだ。」

 

ほたる「目標って感じ?」

 

青葉「そう!そんな感じ!まあ、私の上司を見ていると、その目標が遠くなるって感じで・・・」

 

するとそこに、買い物に出掛けたねねが戻って来た。

 

ねね「ただいま~。じゃ~ん。コンビニでアイス買って来たよ!」

 

青葉「さっき食べたばっかじゃん。太るよ~。」

 

ねね「だって美味しそう・・・あ!ほたるんさっきまで逆上せてたから冷たい物が欲しいかな~って思って。」

 

青葉「え〜?怪しい。後付けでしょそれ。」

 

ねね「後付けじゃないし!」

 

ほたる「うふふふふ。あはははは!」

 

青葉「ちょっとほたるん!?」

 

ほたる「丁度食べたいと思ってたんだ。」

 

ねね「ほたるん優しい!はいどうぞ。」

 

ほたる「ありがとう。」

 

ねね「じゃああおっちは太るからいらないね~。」

 

青葉「え!ちょそれはずるい!」

 

ねね「ずるくないです〜!」

 

この3人は今でもとっても仲良しであった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝日奈丸佳
     葉月しずく:喜多村英梨
     星川ほたる:石見舞菜香
        れん:松田利冴
        みう:川上千尋

ほたる「憧れは夢に、夢は目標に。あおっちの次の目標は何?」

青葉「今のゲームで、沢山良いデザインを描く事かな?そして、今の八神さんみたいに立派なキャラクターデザイナーになる事が、今の私の夢。」

ほたる「あおっちなら、きっとそれも目標に出来るよ!そして何時か叶う。」

青葉「うん!私頑張るよ!」

次回「あぁ・・・すごいなあ・・・」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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19話「あぁ・・・すごいなあ・・・」

青葉「うげ~、疲れた~・・・」

ある日、青葉が作業中疲れてしまった。

青葉「ん?」

彼女のデスクには、描いたデザインが山積みのように置かれてあった。

青葉「殆ど没とか微調整チェックのプリントだけど厚くなったな~。」

ゆん「青葉ちゃん沢山描いたな~。」

青葉「はい。気付いたらこんなに溜まるもんですね。」

ゆん「うちこの狐型のが好きやから今のが終わったら担当させてくれるよう頼んでるんや〜。」

青葉「ありがとうございます!」

そしてはじめは何故かボクシングをしていた。

はじめ「私はボクシングゴリラかな~。腕も長いしこれは面白い動きが作れそう~。」

大輝「ARMS的な?」

はじめ「と言う事でこの紐ちょっと結んでくれない?」

ゆん「また何か買ったんか~・・・」

グローブの紐を結ぶ。

はじめ「いやいやゴリラのモーション付けるから資料だよ資料。それにほら気分は物からって言うじゃん?」

ゆん「言わんわ。別にマジックテープのがあるやろ。面倒臭い・・・」

はじめ「だって紐の方が格好良いじゃん。」

青葉「え?紐の方が人気あるんですか?ゴリラはマジックテープにしちゃいましたけど。」

はじめ「て言うか・・・あ。紐緩めて。」

ゆん「はぁ!?」

大輝「おい!」

グローブを外して、肩に掛ける。

はじめ「こう言うポーズ取ったりフックに掛けとくのって浪漫じゃん?」

青葉「私そこまで考えが及びませんでした!」

ゆん「本気にせんで良えから・・・」

はじめ「キービジュアルではボクシングゴリラのこう言うポーズでっかく描いてよ!」

ゆん「そんな需要あらへん・・・」

大輝「どんだけゴリラ推し?」

青葉「キービジュアル・・・」

はじめ「そう!ほら!こう言う雑誌用に載る絵!後電気街にでっかい看板出たり!」

ファミ通に載ってるフェアリーズストーリー3のキービジュアルを見せた。

コウ「今回は青葉がメインのキャラデザだから、青葉に描いてもらう事になるよ。」

ゆん「わぁ!やっぱり!」

青葉「私が、キービジュアルを?」

コウ「気合い入れろよ~。絵描きの晴れ舞台だぞ~。ゲームの顔だし~売上も直結するからな~。」

大輝「あ!この前電気街へ行ったらPECOの看板がありました。」

優斗「俺もこの前見ました。店内にPECOの予約日やティザーPVがありました。」

はじめ「責任重大だ。」

すると青葉がとてつもないプレッシャー攻撃を受けて固まってしまった。

ゆん「青葉ちゃん!?」

はじめ「ごめん!プレッシャー掛けるつもりじゃ!」


数日後のねねの部屋。遂に自ら作ったゲームが完成した。

 

ねね「やった~!ゲーム完成した~!」

 

大満足し、ベッドに寝転がる。

 

ねね「半年以上・・・長かったな・・・よし!あおっちをびっくりさせちゃうんだから!でもあおっちプロだから驚いてくれるかな・・・」

 

 

 

 

 

 

後日、公園でねねが緊張しながら青葉とほたるを待っていた。

 

ほたる「ねねっち~。お待たせ〜。」

 

ねね「あ!ほたるん!」

 

そこにほたるが到着した。

 

ほたる「今日はどうしたの?」

 

ねね「うん、実はね・・・じゃじゃーん!自分で作ってたゲームが完成したんだ~!」

 

ほたる「え、ゲーム!?自分で!?」

 

ねね「それで来てもらったの。ほたるんとあおっちに見てもらおうと思って。」

 

ほたる「凄いね!どんなゲーム?早くやってみたい!」

 

ねね「でもまだあおっちには秘密だからね。ぎりぎりまでひ・み・つ!」

 

青葉「秘密?」

 

ねね「っ!うわあああああ!!」

 

後ろから青葉が顔を出した。

 

 

 

 

 

 

その後3人でパフェを食べに行った。

 

女性店員「お待たせしました。」

 

ね「ここのパフェ美味しいんだ~!」

 

ほたる「本当美味しそう!いただきま〜す!」

 

青葉「秘密ってこれだったんだね。」

 

ねね「え?う、うん・・・そうでもあるけど・・・(うみこさんに見せる時も緊張したけどでもあの時はまだ未完成だったし・・・そうだ!まだ未完成だけど~って付け足してみればちょっと気が楽になるかも・・・いやいや駄目だ!これは完成させたんだ!言い訳はしたくないよ~!)」

 

むしゃくしゃしながらパフェをガツガツ食べる。

 

ほたる(凄い葛藤してる・・・)

 

するとねねのスマホが振動した。

 

ほたる『ねねっち緊張してる?』

 

ねね『うん・・・あおっちどう反応するかなって・・・』

 

ほたる『そう言うものだよ、私だって描いた絵を初めて人に見せる時は緊張するよ?』

 

ねね「ほたるんも!?」

 

青葉「え?」

 

ほたる「う、うん。私もパフェ美味しいよ〜。あはははは・・・」

 

再びLINEでメールを送る。

 

ほたる『緊張するって事はそれだけ一生懸命になってたって事だよ。』

 

ねね(一生懸命・・・)

 

ほたる『でも、ねねっちが胃が痛そうにしてるのって意外たい・・・なんちゃって。』

 

自分が考えた駄洒落に笑い堪えてるほたる。

 

ねね(自分で言って自分でウケてる・・・)

 

勇気を出して青葉に言った。

 

ねね「あのねあおっち!私・・・ゲームを作ったんだ!」

 

青葉「え?作ったって、ねねっちが?」

 

ねね「うん、あおっちには黙ってたけどイーグルジャンプ辞めてからずっと・・・それが完成して・・・」

 

青葉「嘘!ねねっちが!?」

 

予想以上にびっくりした青葉だった。

 

青葉「ご、ごめん。でもびっくりしちゃって・・・」

 

ねね「だって驚かせるつもりだったんだもん。取り敢えずやってみてよ。イヤホンとコントローラー持って来たんだ。」

 

パソコンとイヤホンとコントローラーを取り出した。青葉とほたるがイヤホンを付けて、コントローラーを持つ。

 

ねね「ほら!ここのタイトルの文字が3Dなの!」

 

タイトル画面が3Dになっていた。

 

青葉「へぇ〜!」

 

 

 

 

 

 

早速2人でプレイしてみる。

 

青葉「あ、2Dになった。」

 

ねね「3Dは表示させるだけで精いっぱいだったから今のだけなの~!」

 

青葉「絵もねねっちが描いたの?」

 

ねね「そうだよ。でもBGMとか効果音はフリー素材だけど後は全部私!」

 

青葉「言ってくれれば少しは描いたのに。」

 

ねね「だってあおっちはプロだからお願いしたらお金掛かっちゃうじゃん・・・」

 

青葉「あ、ありがとう。」

 

ねね「と、当然だよ。」

 

ほたる「私は学生だから手伝えたのに・・・」

 

ねね「もう!プログラムの勉強のつもりだったから絵は良いの!早くプレイして!」

 

途中で猪が突進して来て、ダメージがゴリゴリ減った。

 

青葉「ちょ・・・この猪強くない?」

 

ねね「一直線にしか突っ込んで来ないから避けて攻撃するんだよ。」

 

ほたる「こうじゃない?えい、えい!・・・やった!」

 

ねね「そうそう!ほたるんの方が上手い!」

 

青葉「こうでしょ!・・・ってあれ!?」

 

ねね「その牙がでかいのはフェイントを掛けて来るんだ~。引っ掛かった~。」

 

青葉「意外と作り込んでるな〜・・・」

 

ほたる「うん。のめり込んじゃう。」

 

青葉「こう、こうか?」

 

ほたる「当たった!」

 

青葉「よぉし、これで進もう!」

 

ほたる「うん!」

 

楽しくプレイしてる2人を見て、ねねは密かに喜んだ。プレイ中ゲームオーバーになった。

 

ほたる「あぁ・・・」

 

青葉「ごめん、私が突っ込んだから・・・」

 

ほたる「ううん。」

 

ねね「えへへ~。ボス強いでしょ~。」

 

青葉「もう1回!」

 

リトライする。

 

青葉「ほたるん邪魔邪魔!」

 

ほたる「あ!ごめん!」

 

再びゲームオーバー。

 

3人「あぁぁ・・・」

 

ねね「ちょっと、難し過ぎたかな・・・?」

 

青葉「ううん、もう1回!」

 

またリトライする。

 

ほたる「今度は私弓矢で牽制してるからあおっちは自分のタイミングで攻撃して!」

 

青葉「分かった!」

 

協力プレイでボスに挑む。そして、遂にボスを倒した。

 

3人「やったーーーー!!!」

 

女性店員「お客様。他のお客様のご迷惑になりますので・・・」

 

3人「ごめんなさい!!」

 

店員さんに注意された。

 

青葉「でも、ねねっちがゲーム作ってるなんて知らなかったよ私。」

 

ほたる「私もさっき聞いてびっくりしたよ〜。」

 

ねね「後ね。うみこさんによくアドバイスもらってたんだ~。」

 

青葉「うみこさんも知ってたの!?」

 

ねね「あおっち静かに!」

 

これまたびっくりした青葉だった。

 

青葉「ねねっち凄いよ・・・私一人で作ろうなんて考えた事無かったし・・・ちょっと見直した。」

 

ねね「でも言い訳したくないけど駄目な所も分かってるんだ・・・」

 

青葉「ううん。でもね。ねねっちの心がこもってるって事は凄く伝わってきたよ。」

 

ねね「あぁ〜、見せて良かった〜・・・」

 

ほたる「見せる前、凄く緊張してたんだよ?」

 

青葉「え?ねねっちが?」

 

ねね「私だって緊張するよ・・・」

 

青葉「あ〜、それでさっきスマホでこそこそしてたんだ〜。」

 

ねね「む〜〜〜〜〜。」

 

2人「あはははは。」

 

ほたる「あおっちは仕事順調?」

 

青葉「う、うん。スケジュールは大丈夫そうなんだけど・・・」

 

ねね「何何?難しい仕事で引っ掛かってるとか?」

 

青葉「難しいって言うかプレッシャーって言うか・・・(あ~・・・キービジュアルの事思い出しちゃった。私がキービジュアルなんて責任重過ぎるよ~。そんなの全然頭になかったのに~!でも自分の絵がいろんな所に出るのはやっぱり嬉しい!それを大勢の人に見てもらえるなんて!だけどそれで売れなかったら私の責任・・・逆に言うと絵の評判が良ければ売れる!)」

 

悩みながら紅茶を飲み干す。

 

ほたる「今度はあおっちが・・・」

 

 

 

 

 

 

後日のイーグルジャンプ。

 

クリスティーナ「おはようしずく。」

 

しずく「おはようクリスティーナ。今日は朝から?」

 

クリスティーナ「ええ。今日はずっとここに居るわ。α版の事もあるし。こっちの社内でも評判よ今作。何より社長が気に入ってるわ。」

 

しずく「うふ。それは嬉しいね。でもどうしたんだい?浮かない顔して。」

 

クリスティーナ「ちょっと問題がね・・・涼風さんの事なんだけど・・・」

 

コウ「青葉ー!会議!」

 

青葉「あ、はい!」

 

会議に向かう。

 

ゆん「青葉ちゃん忙しそうやな。」

 

はじめ「ゲームも面白くなりそうだし青葉ちゃん有名になっちゃうね~。青葉さんって呼ばないといけないかも!な~んて。」

 

ゆん「はじめ最悪~。青葉ちゃん真っ直ぐ頑張っとるやろ。馬鹿にしたらあかん!」

 

はじめ「別にそんなつもりじゃ・・・」

 

ひふみ「でも、2人とも頑張ってると思うよ・・・はじめちゃんは幾つか企画も通してるしゆんちゃんには女王様のモデリングをお願いする事になる・・・よ!」

 

ゆん「ええ!?ラスボスうちで良えんですか!?」

 

ひふみ「うん、頑張って!」

 

はじめ「やったじゃん!」

 

ゆん「ああ・・・頑張っとると良え事あるな~。お茶にしよか~。」

 

はじめ「早速油断かい!」

 

ひふみ「お菓子・・・あるよ。」

 

ゆん「あ、おおきに!食べよ食べよ~!」

 

優斗「ゆんさん意外とチョロいな。」

 

大輝「ゆんちゃん可愛い〜。俺らも参加しようぜ〜!」

 

優斗「お前さっきの言葉忘れねえからな。」

 

5人でお茶を頂くが、はじめはグローブを嵌めてる為参加出来ない。

 

はじめ「食べさせて~!」

 

ゆん「えぇ・・・」

 

優斗「誰か外しちゃれよ。」

 

グローブの紐を解いた。

 

 

 

 

 

 

その頃会議室では。

 

クリスティーナ「では新作のタイトルは「PECO」。α版までの予定も問題ないと言う事で。この調子で進めてもらえればと思います。PECOの評価はこちらの社内でも高く注目されています。ただ新規IPと言う事でα版通過後の早い段階で宣伝を打って確実に売りたいと弊社では考えています。」

 

コウ「ならもうキービジュアルを用意って事ですかね。」

 

クリスティーナ「そうなります。」

 

コウ「じゃあ青葉。まずはラフからだね。」

 

青葉「頑張ります!」

 

しかし周囲に不穏な空気が漂った。

 

コウ「あれ?どうしたんですか?」

 

しずく「八神。あのね・・・」

 

クリスティーナ「いえ。私から説明させていただきます。」

 

そしてクリスティーナから驚きの言葉が出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリスティーナ「キービジュアルは涼風さんではなく八神さん、あなたに描いていただきます。」

 

青葉「・・・!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウ「え?私はキャラデザを手伝っていますけど、飽く迄メインは青葉ですよ?私が描いたら・・・」

 

クリスティーナ「クレジットに変更はありません。ただフェアリーズシリーズの葉月しずくディレクターとメインビジュアル・八神コウのタッグの新作、と言う事で宣伝します。」

 

コウ「はぁ!?何でですか!納得いく訳ないでしょ!りんや葉月さんもそれで良いんですか!?」

 

これにはコウも怒った。しかししずくとりんは。

 

しずく「私は納得したよ。」

 

りん「沢山のお金が動いてるの。確実に売る方法がこれなのよ。」

 

コウ「んなバカな!!」

 

青葉「・・・・・」

 

コウ「嫌ですよ・・・私は描きません。青葉がメインなんだから青葉に描かせるべきです!青葉だって嫌でしょ・・・」

 

青葉「あ・・・私は・・・私は・・・皆さんがそう言うならそれで・・・良いです・・・」

 

コウ「何でそんなに物分かりがいいんだよ!!」

 

激怒して机を『バン』と強く叩いた。

 

うみこ「少し落ち着きなさい。」

 

少し落ち着いて椅子に座る。

 

コウ「・・・フェアリーズ1の時はこんな事なかったですよね。私も新人でした。それでも描いたでしょ。」

 

しずく「私にとっても初の監督作品だったからね。誰からも期待されてなかったんだよ。開発予算もお察しさ。」

 

クリスティーナ「八神さんが描かないなら、外部の有名なイラストレーターに頼む事になります。」

 

コウ「っ!?」

 

これにはコウも逆らえなかった。しかしそこに、青葉が口を開いた。

 

青葉「あの・・・私も・・・本心で言えば悔しいです。大和さんの提案の意味も分かります。このゲームは私だけのものじゃないですし・・・でも…1回だけ…1回だけチャンスをもらえませんか?八神さんともう一度キービジュアルを賭けたコンペをやらせてもらいたいんです!」

 

クリスティーナ「駄目です。」

 

しずく「良いよ。」

 

クリスティーナ「しずく!?」

 

しずく「でも最初に言っておくけどこれは出来レースだよ。仮に八神より上手く描けた所で決定は覆らない。涼風君が相手にするのは八神がこの8年間積み上げて来た実績さ。でもそれで2人の納得がいくならやれば良い。」

 

りん「では、α版の納期と同じ1週間後を締め切りとして、2人共キービジュアルを1枚ずつ用意して下さい。それで良い?」

 

青葉「はい。」

 

しずく「八神、手加減したらダメだよ?」

 

コウ「分かってますよ・・・全力で描きます。」

 

 

 

 

 

 

後日、青葉が目覚ましで起きて、スーツに着替えて気合を入れる。

 

青葉(締め切りまで後4日・・・)

 

 

 

 

 

 

イーグルジャンプに出社。

 

青葉(キービジュアルのオーダーは主人公のペコが着ぐるみを着れる事が分かる事。ただし現段階で公開して良い種類は熊のみ・・・キャラデザは沢山やったけどイラストのお仕事は初めてだし頭の使い所が違うのか全然ラフが進まない・・・こんなんで八神さんより良いものが描けるのかな・・・ダメだダメだ!折角貰ったチャンスは生かさないと!)

 

はじめ(何だろうこのピリピリした空気・・・話し掛けづらい・・・)

 

社内メッセでゆんと会話する。

 

はじめ『ゆん〜、青葉ちゃん大丈夫かな?』

 

ゆん『分からん。』

 

はじめ『ひどっ!』

 

ゆん『でもこれは青葉ちゃんが選んだ道や。うちらはそっと見守ってよう。』

 

はじめ『ゆん・・・』

 

そして大輝も社内メッセで優斗と会話する。

 

大輝『青葉ちゃん大丈夫かな・・・?優斗はどう思う?』

 

優斗『青葉さん、会議で1度切りのチャンスを貰ったんだ。無駄にしないよに頑張ってる。』

 

大輝『けど俺心配だよ・・・』

 

優斗『お前の気持ちは分かる。俺も応援したい。けど下手したら青葉さんのチャンスが失ってしまう。密かに見守ってやろうぜ。』

 

大輝『そうだな。俺達も仕事を全力出してやるか。』

 

優斗『ああ。』

 

ひふみ『青葉ちゃん頑張って!応援してる╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ!』

 

送信しようとしたが。

 

ひふみ(う~ダメだ!何て言ったら良いか分からない!)

 

 

 

 

 

 

その日の夜。

 

ゆん「お疲れ様〜!」

 

ひふみ「お疲れ様。」

 

青葉「あ、お疲れ様です。」

 

ゆん「青葉ちゃんあんまり無理せんようにな。」

 

青葉「はい!ありがとうございます!でも、頑張らないと。」

 

ゆんとひふみは心配しながら帰って行った。

 

優斗「青葉さん、お疲れ様。」

 

大輝「お疲れさん。青葉ちゃん。」

 

青葉「あ、優斗さん大輝さん。お疲れ様です。」

 

大輝「頑張ってね。俺達応援してるぜ。」

 

青葉「ありがとうございます。」

 

優斗「無理しないようにね。」

 

2人も帰って行った。

 

 

 

 

 

 

その後も青葉は黙々とキービジュアルを考えてる。

 

コウ「はい青葉。」

 

そこにコウが来て、青葉にコーヒーを差し出す。

 

青葉「八神さん・・・」

 

コーヒーを受け取る。

 

コウ「どう?進んでる?」

 

青葉「いえ・・・全然です。」

 

すると青葉が噎せた。

 

青葉「ゲホゲホ!これブラック~!」

 

コウ「引っ掛かった~!」

 

青葉「うぅ・・・何なんですかもぉ・・・」

 

コウ「辛気臭い顔してるからだよ。ほい砂糖。」

 

持ってた砂糖を青葉に渡す。

 

コウ「悪いね。変な事になっちゃって。」

 

青葉「いや・・・八神さんが謝る事じゃ・・・」

 

コウ「だって私がコンペの時青葉を助けてなければ青葉にこんな半端な思いさせなくて済んだのに・・・」

 

青葉「こ・・・子供扱いしないで下さい!確かに八神さんの助けがなければキャラデザは通ってませんでしたけどそれを受け入れたのも私の意思です!」

 

ブラックコーヒーを一気に飲み干す。

 

コウ「青葉!?砂糖は!?」

 

ブラックコーヒーを飲み干したが、あまりの苦さに涙を流した。

 

青葉「ちょっとくらい辛い事があっても私は我慢出来ます!」

 

真剣な目を見たコウが微笑んだ。

 

コウ「分かった。全力で掛かって来な!」

 

青葉「宜しくお願いします!」

 

 

 

 

 

 

そして土曜日の朝。

 

青葉(土日は自宅作業。ここで何とか進めないと!)

 

土日休みでも、作業は欠かせない。しかし。

 

青葉「・・・あ~ダメだ~・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃優斗は家で、美佳と会話していた。

 

美佳「青葉ちゃんにチャンスが来た?」

 

優斗「ああ。この前の会議のキービジュアルの事で色々問題があってね。青葉さんじゃなくコウさんに描いて欲しいって要望が来たんだ。」

 

美佳「それでどうなったの?」

 

優斗「青葉さんが1回だけチャンスを貰ったんだ。コウさんも参加してる。キービジュアルの採用はどっちかになる。」

 

美佳「青葉ちゃん大変だね。優斗君、私の分まで応援してあげて。」

 

優斗「分かった。今度青葉さんに伝えておく。」

 

 

 

 

 

 

その頃青葉はファミ通を読んでた。

 

青葉「ペコ・・・ペコ・・・」

 

再び気合を入れて頑張るが、また悩んでしまった。

 

青葉「ペコ・・・ペコ・・・ペコってどう描けば良いんだろ・・・どんな風に描けば・・・」

 

この前しずくから言われたアドバイスを思い出した。

 

しずく『涼風君なりに答えの導き方をを模索していけば良いんだよ。』

 

その言葉を思い出した青葉が閃いた。自分がペコになりきり、熊のぬいぐるみを着て、街中を走る。途中で女王の手下の熊達に囲まれた。1匹の熊のぬいぐるみの背中を抉って綿を取り除く。それを見た別の熊が怯えた。女王の手下の熊達に追い掛けられて崖まで追い詰められてしまった。勇気をだして崖に向かって飛んだ。

 

 

 

 

 

 

後日の朝、青葉が起きると焦った。寝過ごしたのだった。その後ギリギリ遅刻回避した。

 

青葉(明日が締切り・・・楽しんで描けてる。描けてるけど終わりそうにない・・・でも・・・やれるだけやろう。八神さんもきっと受け止めてくれる。今の私の・・・全力を!)

 

全力を出して描いたキービジュアルが完成間近に迫った。

 

 

 

 

 

 

その日の夜。

 

はじめ「お疲れ様〜。」

 

青葉「お疲れ様です。」

 

ゆん「青葉ちゃん、応援しとるで!その絵うちも好きやし!」

 

青葉「あ、ありがとうございます!」

 

はじめ「私だって応援してるよ!」

 

ひふみ「私も。」

 

青葉「頑張ります。」

 

大輝「青葉ちゃんお疲れ様〜!」

 

青葉「あ、お疲れ様です。」

 

大輝「青葉ちゃんが描いたキービジュアル可愛いな!」

 

青葉「ありがとうございます大輝さん!」

 

優斗「青葉さん、俺達も応援してるけど、美佳さんも応援してるよ。」

 

青葉「え?美佳さんも?」

 

優斗「美佳さんの分の応援も無駄にしないように頑張ってね。」

 

青葉「ありがとうございます優斗さん!美佳さんにありがとうございましたって伝えておいて下さい!」

 

優斗「分かった。」

 

5人は帰って行った。

 

 

 

 

 

 

その後も青葉は黙々とキービジュアルを描き進む。

 

コウ「青葉今日泊まり?」

 

青葉「はい。ちょっと終わりそうになくて・・・」

 

コウ「結構良いの描けてるじゃん!」

 

青葉「本当ですか!?」

 

コウ「うん!楽しんで描いてるのが伝わって来るよ!」

 

青葉「あの・・・八神さんはもう描けたんですか?」

 

コウ「うん。何とかね。でも他の仕事が終わってないから私も泊まり。」

 

青葉「・・・見せてもらっても良いですか?」

 

早速コウは、自分が描いたキービジュアルを青葉に見せる。

 

コウ「こう改まって見られると私も緊張するな・・・」

 

そしてコウが描いたPECOのキービジュアルが表示された。

 

青葉「・・・・・!!(あぁ・・・すごいなあ・・・)」

 

コウ「まぁこんな感じだよ・・・」

 

突然青葉が泣き始めた。泣いてる青葉を、コウが自分の方へ寄せた。そして肩を掴もうとした時、青葉が離れた。

 

青葉「ごめんなさい!泣いたりして!絵の続き・・・頑張らないと!最後まで描かないと!」

 

コウ「ああ。最後まできっちり描き。待っててあげるから。」

 

頭を下げてキービジュアルを描きに行った。青葉は涙を拭いて再び描き始める。コウが静かに見守ってる。

 

 

 

 

 

 

数日後、ファミ通にコウが描いたキービジュアルが載ってあった。

 

はじめ「おぉ〜載ってる!しかも裏表紙!」

 

ゆん「実際に載るとほんまに発売するんやって実感沸くな〜!」

 

青葉「分かります!」

 

はじめ「でも私は青葉ちゃんの絵の方が好きだな~。こう八神さんのは完成し過ぎてるって言うかさ~。」

 

大輝「分かるよはじめちゃん。俺も青葉ちゃんのキービジュアルが載ればスッキリするのにな〜。」

 

コウ「どうでも良いけど、そう言うのは私が居ない所で言ってくれないかな?」

 

はじめ「げっ!聞こえてた・・・」

 

大輝「やべっ!」

 

優斗「まぁ、向こうが決めた事だから仕方無えよ。」

 

大輝「待てよ?青葉ちゃんのキービジュアル、攻略本の表紙とか使えそうかも。」

 

優斗「あぁ攻略本の表紙はアリかもな。でも載れるかどうか分かんねえけど。」

 

青葉「だけど私も納得いったから良いんです!」

 

ゆん「青葉ちゃんほんま良え子やな~。」

 

青葉「あ!でもまたチャンスがあったら今度こそ掴んでみせますよ!」

 

コウ「楽しみにしてるよ。」

 

ゆん「って冬発売なんやな。初めて知ったわ。」

 

青葉「本当だ~!忙しくなりますね~・・・」

 

はじめ「今くらいの忙しさが丁度良いのに〜・・・」

 

優斗「これからが本番だな。」

 

大輝「集中し過ぎて筋肉痛になりそう・・・」

 

優斗「だったら湿布でも携帯してろ。」

 

こうしてキービジュアルは、コウが描いた方に採用された。青葉はチャンスを掴む為努力するのだった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨
      相葉美佳:榎本温子

クリスティーナ・和子:名塚佳織
     星川ほたる:石見舞菜香
    ウエイトレス:川上千尋

ねね「苦難の日々を乗り越え・・・遂に、遂にこの日がやって来たぞ!!あおっちを驚かしちゃうんだから!にしし〜。」

青葉「ねねっち〜!とうとう新しい人が入って来るんだって!」

ねね「え!?」

青葉「グラフィックに2人、プログラムに2人だって!どんな人かなぁ?」

ねね「な、なんだ・・・知ってるのかと思った・・・」

青葉「え?知ってるって何が?」

ねね「いやぁ〜!何でもないよ!」

次回「凄く熱い視線を感じる」

ねね「うぅ・・・プログラマーってどんな人だろう・・・」

青葉「楽しみだね〜!遂に私も先輩だよ!」

作者「もう1人女性オリキャラを入れようと思います。」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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20話「凄く熱い視線を感じる」

夏のある日、イーグルジャンプに新入社員の面接会場があった。

青葉「私、プログラムの事なんて分からないんですけど面接官やって良いんですか?」

うみこ「構いません。実力は把握くしてます。素行調査だと思っていただければ・・・」

面接官は青葉とうみこ。するとノックが聞こえた。






会場前には、スーツを身に纏ったある人物が深呼吸していた。

うみこ「どうぞ。」

その人物がドアを開けた。

青葉「え?」

ドアを開けた人物を見た青葉が驚いた。その人物の正体は。









ねね「し・・・失礼します!!」

青葉「ねねっち!?」


ねね「あ・・・あおっち!?何で・・・」

 

うみこ「あおっちとは何ですか。面接中ですよ。」

 

ねね「え?あ・・・涼風さん?」

 

青葉「はい、正解です。」

 

ねね(何なんだこれ~!めっちゃ遊ばれてる・・・)

 

緊張しながら椅子の横に立つ。

 

うみこ「自己紹介。」

 

ねね「は・・・はい!きらら女子大学の桜ねねと申します!」

 

うみこ「お座り下さい。」

 

ねね「失礼します。」

 

 

 

 

 

 

椅子に座る。すると青葉が小さくクスクスと笑った。

 

ねね「ど、どうしましたか・・・?」

 

青葉「いえ・・・マナーを守っているので・・・」

 

ねね(っ!?)

 

 

 

 

 

 

うみこ「それではまず志望動機をどうぞ。」

 

ねね「あお・・・涼風さんの前で本当に言うんですか・・・」

 

うみこ「涼風さんに聞かれてはまずい動機なんですか?」

 

ねね「そんな事・・・ないですけど・・・えと、昨年御社でデバッグのアルバイトをさせていただいた事で、御社の雰囲気や作品に対する姿勢に感銘を受け是非入社させていただきたいと思い、プログラマーとして志願させていただきました。」

 

青葉「凄い・・・そんなこと考えてたんですね。」

 

ねね「やりにくい~!(でもこんな事をするって事はもう合格なのかな・・・いやいや待て待て!うみこさんの事だ・・・きっと何かの罠だ!あおっちが居ると私は・・・気が緩んじゃう!そうだ!ここで怠けたら終わりだきっと!)」

 

うみこ「涼風さん。何か桜さんに質問はありますか?」

 

青葉「えと・・・何時から弊社に入社したいと考えるようになったんですか?」

 

ねね「(どうせ取り繕うってのもバレるし・・・)ほ・・・本当はデバッグのバイトしてた時はただ楽しかっただけで、またデバッグ出来たら良いなと思っているだけでした。でも・・・でも・・・!デバッグの募集はもう無いと聞いて、最初はなんとなくプログラムを初めてみただけだったんですが・・・創ってるうちにあお・・・涼風さん達が凄く頑張ってゲームを作ってる気持ちが分かって来て・・・」

 

そして密かに右手を握り締めた。

 

ねね「ゲームを1本自作していく中で自然ともう一度御社で働いてみたいと思うようになりました!」

 

うみこ「結構です。涼風さん、他に何かありますか?」

 

青葉「い、いえ・・・今は別に・・・」

 

うみこ「それでは涼風さんお疲れ様でした。御退室下さい。」

 

青葉「私がですか!?」

 

立ってドアの方へ歩く。

 

青葉「失礼しました〜・・・ねねっち頑張ってね・・・」

 

ドアを閉めて退室した。

 

 

 

 

 

 

ねね(わ~!ここからが本番だ~!)

 

緊張が更に高まった。すると。

 

うみこ「おめでとうございます。」

 

ねね「え?」

 

うみこ「よく気を緩めませんでしたね。桜さんは合格です。」

 

なんと合格と言う結果になった。

 

うみこ「まだ在学中と言う事でご希望通り週3日出勤、まずは3か月間の契約でのアルバイトと言う事で宜しくお願いします。」

 

ねね「ありがとうございます!」

 

うみこ「ただ、幾つか注意があります。」

 

ねね「ん?」

 

うみこ「桜さんはまだ弊社のプログラマーとしての基準を満たしていないと言う事です。桜さんのこれまでのやる気、成長速度を見て私が社長に掛け合って許可を頂きました。当面は課題や雑用のような仕事が続きます。実力が伴わない桜さんにとって苦になるかもしれません。ただ・・・良いですか?これは一度しか言いませんよ。私は今桜さんに期待をしています。」

 

激励を受けたねねが涙を流した。

 

うみこ「まずは3ヶ月後の契約更新を目指して頑張って下さい。」

 

ねね「へへ・・・期待してるなんて生まれて初めて言われました・・・頑張ります!」

 

 

 

 

 

 

面接を終えて、すぐに青葉の元へ向かった。

 

ねね「あおっち~!合格したよ!」

 

青葉「もう!?」

 

はじめ「え!?ねねちゃん入社するの!?」

 

ねね「はい!アルバイトからですが宜しくお願いします!」

 

大輝「マジか!ねねちゃんが入社する日が来るなんて・・・よっしゃラッキー!!」

 

優斗「テンション高えなお前。合格おめでとうねねさん。」

 

ねね「ありがとうございます!」

 

青葉「おめでとうねねっち!」

 

ねね「ありがとうあおっち!あ、あおっちそれって・・・」

 

青葉「え?」

 

ねね「ほんとにキャラデザしてる~。見て良い?」

 

青葉「う・・・うん。」

 

デザインを見る。

 

ねね「やっぱりPECOだったんだね。ゲーム雑誌の表記が八神さんだったから違うのかなって思ってて。」

 

青葉「あ・・・八神さんが広告とかのキービジュアルを担当する事になって・・・だから私は内部デザイナーなんだ。」

 

ねね「凄いよあおっち!大出世じゃん!」

 

青葉「え?」

 

ねね「あおっちのシュールさと言うか黒い所が出てる!楽しい!えへへ〜!」

 

青葉「・・・・・・・」

 

ねね「ん?どしたのあおっち?」

 

青葉「ううん・・・良い時に来てくれたよ。ねねっち。」

 

嬉し涙を流した。

 

 

 

 

 

 

その日の夜の相葉家。

 

美佳「え!?ねねちゃん合格したの!?」

 

優斗「うん。今は3ヶ月契約のアルバイトと言う事になってる。」

 

美佳「そうかぁ〜。優斗君にまた新しい後輩が出来て良かったね〜。」

 

優斗「あはは。」

 

奈々「ぱぱ〜。」

 

そこに奈々が優斗に近寄った。今は少しだが喋れるようになってる。

 

優斗「どうした奈々?パパと遊びたいのか?」

 

奈々「あそぶ〜。」

 

優斗「じゃあ遊ぶか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜のとある居酒屋。

 

クリスティーナ「うわあああ〜〜〜〜ん!!」

 

しずく「まだ気にしてるのかい?綺麗な顔が台無しだよ。」

 

プロデューサーの大和・クリスティーナ・和子が号泣していた。

 

クリスティーナ「私にもっと力があれば会社の言いなりにならずに済んだのに~!絶対絶対PECOを売ってみせるから~!」

 

しずく「頑張ってくれよ。」

 

クリスティーナ「だから今日は朝まで飲むぞ~!」

 

しずく「はいはい付き合うよ。」

 

ビールをガブガブ飲む。

 

クリスティーナ「でも・・・あのキービジュアルのお陰で、雑誌の特集オファーが沢山来てるし良い仕事なの!」

 

しずく「そうだね。」

 

クリスティーナ「でもやり方がダメな仕事なの・・・今回の事でキャラ班から嫌われてるし、書き下ろし版権頼み辛い・・・」

 

しずく「キャラ班の子達と仲良くなる秘策があるんだけど・・・試してみるかにゃん?」

 

 

 

 

 

 

後日のイーグルジャンプ、クリスティーナがキャラ班ブースに向かっていた。彼女の左手にはお守りがあった。

 

 

 

 

 

 

数分前。

 

しずく『これに私の愛を詰め込んでおいたから。大船に乗ったつもりでどーんとぶつかって来なよ。』

 

クリスティーナ『はぁ・・・』

 

渋々お守りを受け取る。

 

しずく『そして上手くいった暁には熱~い抱擁を・・・』

 

クリスティーナ『では遠山さんスケジュールの調整をお願いします。』

 

りん『はい・・・』

 

 

 

 

 

 

そして現在。お守りを内ポケットに入れる。

 

もずく「にゃ〜お。」

 

 

 

 

 

 

その頃コウは仕事をしていた。するとその途中。

 

クリスティーナ「ちょっとダメよ・・・もずくちゃん今仕事中だから・・・ほらもう・・・また後でね・・・?」

 

コウが様子を見に行くと。

 

クリスティーナ「え!?」

 

もずくに懐かれているクリスティーナが居た。

 

クリスティーナ「あの・・・八神さん少し良いですか?初公開の評判も良かったので、各社からこれだけオファーが来ています。」

 

大量のオファーが記入されてる用紙を渡した。コウは不機嫌そうに受け取った。

 

コウ「描き下ろしは良いですけど・・・多過ぎでしょこれ。私はゲームを作るのが仕事なんですけど・・・」

 

クリスティーナ「ゲームを宣伝するのも仕事です。八神さんの描き下ろしを条件にページを確保していただいてるんです。締切りにも余裕を持っていただいてますし金銭的にも・・・」

 

コウ「ちょ・・・ちょっと待って。」

 

もずくが気になってしょうがなかった。もずくをクリスティーナから外した。

 

クリスティーナ「すみません・・・それでお願い出来ないでしょうか?」

 

コウ「・・・分かりましたよ。描けば良いんでしょ。調子狂うなもう・・・」

 

クリスティーナ「良かった・・・助かります。」

 

先程の会話は、青葉、ひふみ、はじめ、ゆん。そして優斗と大輝も聞いていた。

 

クリスティーナ(はぁ・・・やっぱり嫌われてる?)

 

心の中で不安を抱えていた。

 

クリスティーナ「では、私はここで。」

 

コウ「あ、はい。」

 

その場から去ろうとした瞬間。

 

 

 

 

 

 

コウ「あっ!」

 

もずく「にゃ〜〜お!!!」

 

突然もずくがクリスティーナに向かって飛んだ。

 

 

 

 

 

 

クリスティーナ「え?・・・きゃあああ!!!」

 

青葉「どうしましたか!?」

 

優斗「何事ですか!?」

 

大輝「何だ何だ!?」

 

青葉達が様子を見に行くと、クリスティーナが倒れていた。コウがもずくを抱えてる。どうやらもずくに襲われたらしい。

 

大輝「クリスティーナさん!?」

 

優斗「どうしたんですか?」

 

するとコウが、ピンク色のお守りを持った。

 

コウ「マタタビ?」

 

優斗「え?コウさん。」

 

お守りの中を見る。

 

優斗「マタタビだ。」

 

マタタビが入ってた。

 

大輝「もずくカモン。」

 

もずく「にゃ〜お。」

 

するともずくが大輝の頭の上に乗った。

 

青葉「大丈夫ですか?」

 

倒れたクリスティーナに手を差し伸べる。クリスティーナが青葉の手を握って立つ。

 

クリスティーナ「どうも・・・ありがとうございます。」

 

青葉「いえ。」

 

クリスティーナ「え?」

 

すると突然、クリスティーナがガタガタ震え始めた。そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

クリスティーナ「ち・・・近付かないで下さい!!」

 

 

 

 

 

 

青葉・ひふみ・はじめ・ゆん・優斗・大輝「え!?」

 

突然の大声でびっくりした。

 

青葉「あ、ご・・・ごめんなさい。」

 

クリスティーナ「あ・・・いや・・・ただ私は・・・人に触れられたり接近されたりするのが苦手で・・・」

 

優斗(クリスティーナさんの意外な一面!?)

 

大輝(クールな人で、まさかの人見知りだったとは・・・)

 

クリスティーナ「・・・ごめんなさい・・・」

 

青葉「あぁ、そうだったんですね・・・ごめんなさい、知らずに・・・」

 

クリスティーナ「いえ・・・分かっていただければ・・・」

 

青葉「あの・・・大和さんのフルネームって大和クリスティーナ和子さん・・・ですよね?」

 

クリスティーナ「え・・・?はいそうです。母がフランス人のハーフです。」

 

青葉「フランス人ですか!あ・・・友人から挨拶でキスするのが習慣だって・・・」

 

クリスティーナ「あぁ・・・確かにそうですね・・・」

 

青葉「な・・・何かあったんですか?」

 

クリスティーナ「いえ・・・フランスに居る家族が・・・特に妹が必要以上に挨拶好きなのでその・・・ちょっと・・・」

 

青葉「成る程・・・」

 

大輝「ほほえま〜。」

 

優斗「おい。」

 

青葉「じゃあ日本には1人で。」

 

クリスティーナ「はい。私は日本のゲームが好きで日本に来ました。妹もフランスでゲームを作ってるんですよ。」

 

大輝「やはり外国人は日本が好きなんだな。」

 

優斗「良い事だな。」

 

はじめ「どんなゲーム作ってるんですか!?」

 

クリスティーナ「そうですね・・・古代の街を歩き回るような体験型ゲームです。」

 

 

 

 

 

 

その後、もずくを抱えてしずくの元へ帰って来た。

 

しずく「おかえり。どうだった?」

 

クリスティーナ「八神さんは版権の仕事を受けてくれたわ。」

 

しずく「え?そうじゃないだろ?キャラ班と相葉君と秋山君とは仲良くなれたかい?」

 

クリスティーナ「ああ。助かったわ。ありがとうもずく。」

 

もずくにキスした。

 

しずく「あ~!ずるいぞもずく!私だってキスしてもらった事ないのに~!」

 

クリスティーナ「しずくには絶対しないわ。」

 

 

 

 

 

 

更に数日後のイーグルジャンプ。青葉に朗報が舞い降りた。

 

青葉「と・・・とうとう私も・・・せ、先輩になれるんですね!」

 

はじめ「おめでとう青葉ちゃん!」

 

ゆん「何余裕振ってるんやはじめ~。」

 

大輝「青葉ちゃんおめでとう!」

 

優斗「お前も何余裕振ってんだよ。」

 

青葉「あっ!と・・・年上だったらどうしましょう・・・」

 

コウ「まぁそこはお楽しみに。私は知ってるけど。」

 

青葉「あ・・・だけどここのブースは既に席が・・・」

 

コウ「新人を私の隣に座らせるのも緊張させちゃうだろうし・・・ここの誰かに移動してもらうのが一番なんだけど・・・」

 

全員がはじめを見る。

 

はじめ「ちょ・・・ちょっと待って!席どうこうって言ったらモーション班の私じゃん!」

 

ゆん「寂しくなるなぁ。一番の賑やかしやったのに。」

 

はじめ「決定!?本当にゆんは私が居なくなっても良いの?」

 

ゆん「え?そ・・・それはよく・・・あらへん事もあらへん事もあらへんけど・・・」

 

はじめ「どっちなんだ?」

 

青葉「一層ここの真ん中に席を!」

 

コウ「可哀想だろ。」

 

優斗「目立ち過ぎでしょ。」

 

大輝「あ、そうだ。」

 

優斗「どした大輝?腹減ってんの?」

 

大輝「違う違う。俺今度エフェクト班のブースに移る事になったんだ。」

 

優斗「え!?初耳だぞそれ!?」

 

大輝「リーダーから、今度エフェクト班に配属する新人が来るから、先輩としてやってくれって。」

 

優斗「エフェクト班に新人社員が?」

 

大輝「ああ。」

 

優斗「そっか〜。」

 

大輝「優斗、俺の分まで青葉ちゃん達の面倒を見てやってくれ!」

 

優斗「ああ良いけど。」

 

大輝「後俺の愛情も。」

 

優斗「破棄しろ。」

 

青葉「大輝さんが居なくなるとは・・・」

 

大輝「気にしないで青葉ちゃん。後は優斗に面倒を任せとくよ。」

 

優斗「それで、新人さんの席はどうするの?」

 

青葉「そうですね・・・」

 

ゆん「まぁじゃんけんやろな・・・」

 

ひふみ「あの・・・」

 

青葉「そうですね!恨みっこ無しで!」

 

ゆん「そうそう。最初は・・・」

 

ひふみ「あの!!えと・・・私が・・・コウちゃんの・・・隣に行く。」

 

自ら声を出して言った。

 

コウ「まぁそれが妥当かな。ひふみんはキャラリーダーだし。」

 

青葉「でもやっぱりちょっと寂しくなりますね。」

 

ひふみ「ううん。大丈夫。毎日進捗確認しに来るから!」

 

青葉「いや・・・普通に来て良いんですよ?(新しい人かぁ、楽しみだなぁ〜。)」

 

大輝「新人さんどんな子かなぁ?」

 

優斗「あんまり困らせるなよ?」

 

 

 

 

 

 

一方とあるレストランに3人の少女が居た。1人目は赤髪、2人目は黒髪、3人目は金髪。赤髪の少女がファミ通を読んでいる。

 

少女A「どうしたもも?」

 

もも「PECOのデザイン、八神コウさんのデザインっぽくない。」

 

少女A「どこらへんが?クレジットも八神コウさんじゃん。」

 

少女B「そうだよ。あの八神コウだんだよ?」

 

もも「うん。だけど・・・なんと言うかバカっぽい?」

 

少女B「え?バカっぽい?」

 

 

 

 

 

 

数日後、あの3人がイーグルジャンプ前に来た。

 

少女A「良かったね。一緒にインターンに来れて。」

 

もも「うん。」

 

少女B「ここがイーグルジャンプかぁ!」

 

3人が入ろうとしたその時。

 

青葉「あの!もしかしてイーグルジャンプの新入社員さんですか!?」

 

少女A「はい・・・そうですけど・・・」

 

青葉「やっぱり!私ここに勤めてる涼風青葉と申します!」

 

もも「よ・・・宜しく。」

 

少女A「ダメだよもも!挨拶は元気良くしないと。」

 

少女B「そうそう!私達みたいに元気出さないと!」

 

すると今度は。

 

優斗「青葉さんおはよう。」

 

青葉「あ!おはようございます優斗さん!」

 

優斗「ん?君達もしかして、イーグルジャンプの新入社員さん?」

 

少女A「あ、はい。」

 

優斗「やっぱり。俺はここに勤めている相葉優斗です。青葉さんの先輩です。宜しく。」

 

ツバメ「私は鳴海ツバメです!今日から東京ゲーム専門学校よりインターンシップで来ました!」

 

あや「私は木崎あやです!同じく東京ゲーム専門学校よりインターンシップで来ました!宜しくお願いします!」

 

2人の少女の名前は、「鳴海ツバメ」と「木崎あや」。

 

優斗「へぇ〜、東京ゲーム専門学校かぁ。」

 

もも「・・・・・」

 

ツバメ「此方は望月紅葉。宜しくお願いします!」

 

赤髪の少女は「望月紅葉」。

 

青葉「分かります・・・最初は緊張しますよね。」

 

紅葉は外方向いた。

 

ツバメ(相変わらずだなぁ・・・)

 

あや(人見知りが激しいんだから全く・・・)

 

 

 

 

 

 

エレベーターを待つ。

 

優斗「3人は友達同士?」

 

ツバメ「はい!同い年の幼馴染みで、私がプログラム志望で、もも・・・望月紅葉と木崎あやはグラフィック志望です。」

 

青葉「へぇ。じゃあ望月さんはきっと私と同じキャラ班ですね。」

 

紅葉「・・・・」

 

青葉(ひふみ先輩っぽい・・・)

 

あや「ほらほら紅葉!頑張って何か話してみて!」

 

紅葉「うん・・・あの・・・」

 

青葉「はい!」

 

紅葉「学生服がここの制服なんですか・・・?」

 

青葉「いや!スーツですからこれ!」

 

優斗(また勘違いされてる・・・)

 

紅葉「ご・・・ごめんなさい。」

 

青葉「いえ・・・私は何だかこれで慣れちゃって・・・先輩は皆私服です。」

 

優斗「俺は私服着てるから大丈夫だよ。」

 

青葉「って、後輩って初めてで私・・・望月さん!年齢を・・伺っても良いですか?」

 

優斗(新人さんが年上かどうかまだ気になってたんだ・・・)

 

紅葉「・・・19・・・です。」

 

青葉「あ~!同い年だ!」

 

 

 

 

 

 

イーグルジャンプのオフィス。

 

優斗「ここがキャラ班のブースだよ。」

 

青葉「あ・・・少し待ってて下さい!(この時間は大丈夫なはずだけど・・・)」

 

すぐに何処かへ向かった。

 

ツバメ「どうしたんだろ。見られて恥ずかしい物でもあるのかな?」

 

あや「それ私気になる〜!」

 

ツバメ「相葉さん、何か恥ずかしい物とかあるんですか?」

 

優斗「いやそれは無いよ。」

 

すると紅葉がある物を見付けた。

 

紅葉(PECOのポスター・・・まだ見た事無いイラスト・・・それにキャラデザの紙がいっぱい・・・もしかして・・・八神コウさんの机!)

 

しかしその席は青葉の席だと言う事を知らない。

 

青葉「ごめんなさい!たまに寝てるので初対面のイメージを悪くしちゃうかもな~って思って・・・」

 

紅葉「っ!?」

 

青葉「大丈夫でした!」

 

 

 

 

コウ「それって誰の事だ~?」

 

 

 

 

青葉「わ!八神さん!」

 

優斗「コウさんおはようございます。」

 

コウ「おはよう優斗。」

 

紅葉「八神コウさん!」

 

コウ「お?望月さんだよね。もう2人はエフェクト班とプラグラマー班の子かな?」

 

ツバメ「鳴海ツバメです。宜しくお願いします!」

 

あや「木崎あやです。宜しくお願いします!」

 

優斗「エフェクト班かぁ。俺もエフェクト班なんだ。担当はVFX。」

 

あや「そうだったんですか!宜しくお願いします先輩!」

 

優斗「宜しくね。」

 

紅葉「わ・・・私八神さんみたいなキャラクターデザイナーになりたくて来ました!望月紅葉です!」

 

青葉「私と一緒だ!お互い頑張りましょうね!」

 

紅葉「は・・・はい・・・」

 

優斗(青葉さ〜〜ん!!)

 

青葉「そうだ!何か飲みますか?コーヒーとか紅茶とかありますけど・・・」

 

紅葉「・・・」

 

あや「私は今日水筒を持って来ましたので大丈夫です!」

 

ツバメ「私は紅茶でお願いします!」

 

紅葉「私も・・・砂糖無しで・・・」

 

青葉「望月さん、無理して砂糖無しにしなくて良いんですよ?」

 

コウ「砂糖無しじゃ飲めないくせにコーヒーブラック頼んじゃってさ~。そんなの青葉くらいだよ。」

 

青葉「ちょ!後輩の前でそんな話しないで下さい~!」

 

優斗「あはは・・・」

 

青葉「じゃあ私、お茶淹れて来まーす!」

 

お茶を淹れに行った青葉。それと同時に。

 

大輝「おはようございまーす!!」

 

優斗「おう大輝。」

 

大輝「何処何処だ?俺達エフェクト班の新しい後輩は!」

 

優斗「この子だ。」

 

あや「木崎あやです。宜しくお願いします!」

 

大輝「後輩発見!俺はエフェクト班の秋山大輝だ。CGを担当している。宜しくな!」

 

あや「はい!宜しくお願いします!」

 

優斗「めっちゃテンション高え・・・」

 

コウ「ごめんね騒がしくて。青葉の奴、初めての後輩で張り切っちゃって・・・」

 

紅葉「いえ!良い人だと思います・・・」

 

大輝「あの2人も新人さんか?」

 

優斗「ああ。キャラ班の望月紅葉さんとプログラマー班の鳴海ツバメさんだ。」

 

ツバメ「鳴海ツバメです。この子が望月紅葉です。」

 

紅葉「・・・・・」

 

大輝「緊張してるのかな?」

 

ツバメ「はい。この子ちょっと人見知りで。」

 

大輝「分かる。分かるぞその気持ち。だがリラックスは大事だ。OK?」

 

紅葉「は、はい・・・」

 

優斗「気にしないで。此奴こう言う奴だから。」

 

コウ「まぁ皆の出社時間まで少しあるからここでゆっくりしてて。」

 

紅葉「八神さんの席ってここじゃ・・・」

 

コウ「そこは青葉の席だよ。」

 

紅葉「そ、そうだったんですか・・・キャラデザの紙とかいっぱいあったので・・・」

 

コウ「・・・うん。だってそれが青葉の仕事だし。」

 

紅葉「?」

 

コウ「青葉がPECOのメインキャラクターデザイナー。私はキービジュアルとアートディレクターだよ。ごめんね、変な宣伝の仕方してるから勘違いするよね。」

 

紅葉「い、いえ・・・(さっきの人がメインキャラクターデザイナー?確か同い年だって・・・そうか・・・八神コウさんらしからぬあのバカっぽい違和感はそれで・・・でも良いデザインなのは変わらない。青葉・・・青葉・・・上の名前何だっけ・・・すぐ忘れちゃう私・・・確か涼しそうな・・・そうだ!涼宮青葉!覚えた!)」

 

ライバル心を燃やしながら苗字を間違えた。

 

優斗「熱!?」

 

大輝「どうした望月ちゃん!?」

 

ツバメ(あちゃぁ・・・火が点いちゃった・・・)

 

あや(あぁまた・・・)

 

そこに青葉が戻って来た。

 

青葉「お待たせしました~・・・ってあれ?」

 

突然紅葉に睨まれた。

 

紅葉(涼宮青葉・・・涼宮青葉・・・涼宮青葉!)

 

青葉(何だろう・・・凄く熱い視線を感じる・・・)

 

ツバメ「紅茶ありがとうございます・・・」

 

青葉「あ、はい。こっちが鳴海さんのです。」

 

ツバメ「っで、こっちがもものですね?はいもも。」

 

紅茶を紅葉に渡す。

 

紅葉「あ、う、うん・・・」

 

ツバメ「いや~2年目でキャラデザって凄いですね!」

 

青葉「いやぁまだまだですよ!」

 

ツバメ「何時から絵の勉強を始めたんですか?」

 

あや「PECOのあの絵凄く上手ですね!」

 

紅茶を飲んだ紅葉が震えた。

 

紅葉「甘い!」

 

青葉「ああ!私間違えちゃいました!?」

 

ツバメ「ああ違います。私のいたずらっす。ごめんなさい。」

 

あや「出た!ツバメの悪戯!」

 

紅葉(なるにお茶を濁された・・・)

 

青葉「ん?」

 

すると紅葉が青葉に歩み寄って、手を差し出した。青葉は戸惑いながら紅葉と握手した。

 

紅葉「涼宮さん。私負けませんから。」

 

青葉「あの・・・私、涼風です。」

 

紅葉「えっ!?」

 

苗字を間違った事に恥ずかしくなった紅葉。

 

コウ(あ~・・・面倒臭い事になりそ・・・)

 

優斗「木崎さん、望月さんどうしたの?さっき青葉さんの事を涼宮さんって言ってたけど。」

 

あや「紅葉はすぐ他人の名前を忘れる癖があるんですよぉ。それプラス名前間違える事が多々あります。」

 

大輝「あ〜そう言う事か。」

 

あや「でもメモを取れば大丈夫なんです。」

 

優斗「名刺が必要かな?」

 

こうしてイーグルジャンプに、望月紅葉、鳴海ツバメ、木崎あやがインターンシップとして入社したのだった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
      望月紅葉:鈴木亜理沙
     鳴海ツバメ:大和田仁美
      木崎あや:伊波杏樹
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨
      相葉美佳:榎本温子
      相葉奈々:内藤穂之香
クリスティーナ・和子:名塚佳織

紅葉「涼風青葉・・・涼風青葉・・・今度こそ、覚えた!」

しずく「あぁ〜!また私の楽園に、美少女が加わってしまった〜。」

紅葉「な、何ですか・・・?」

しずく「望月紅葉君は、負けず嫌いの寡黙美少女。時にポンコツって所かな?良いね〜。」

紅葉「ポンコツ!?」

ツバメ「まあまあ落ち着いてもも!」

あや「紅葉、ここは冷静に。」

しずく「木崎あや君は、元気いっぱいの活発美少女だね〜!」

あや「そう言われると照れますね・・・でも良いですね!」

しずく「鳴海ツバメ君は、天真爛漫な美少女だね〜!」

ツバメ「あはは、照れますね・・・ありがとうございます!」

しずく「でも、その笑顔の下に何か隠してるね?」

ツバメ「え!?」

あや「そうなのツバメ!?」

しずく「なんてね。」

次回「メイド喫茶がいいと言ったんだよ」

紅葉・ツバメ・あや「これがディレクター・・・油断出来ない!」

しずく「私は・・・この会社をメイド喫茶にした〜い!」

クリスティーナ「ほら、何寝言みたいな事言ってるのよ?」

しずく「うわぁ!冗談だよクリスティーナ・・・」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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21話「メイド喫茶がいいと言ったんだよ」

ある日のイーグルジャンプ。

りん「それじゃあひふみちゃん。今日私直帰になっちゃうから社内の案内お願いね。」

ひふみ「う、うん。」

りんはその場を後にした。

ひふみ「じ、じゃあ、付いて来て。」

紅葉「はい。」

新人の紅葉を連れて、社内案内しに行った。




その間、青葉達は歓迎会の企画をする。

青葉「お店選びどうしましょうか・・・」

ゆん「望月さん達の歓迎会かぁ・・・」

優斗「何処が良いかな〜・・・」

はじめ「歓送迎会忘年会。この手の幹事の責任はとても重く、上手くこなしたかどうかで評価は変わってくると言う。」

青葉「もし失敗したら・・・?」

はじめ「これからずっと空気読めない子扱いですよ~。でもね!成功し過ぎても駄目なんだ。」

青葉「え?何でですか?」

はじめ「今後ずっと幹事をやらされる事に。」

青葉「ええ〜!?」

ゆん「大変やなうちら・・・」

優斗「忙しくなりそうだな。」


その後4人は、歓迎会は何処が良いか紙に書く。

 

優斗「何処が良いかな・・・」

 

青葉「成功し過ぎず・・・難しいですね・・・」

 

はじめ「文句を言うほどではないけど記憶にも残らない、みたいな?」

 

青葉「でもそれじゃあ、今後私達は記憶に残らない社員になってしまうのでは?」

 

はじめ「え?」

 

優斗「青葉さんどした?」

 

青葉「記憶に残らない社員より空気の読めない社員の方が良いのでは?」

 

はじめ「た・・・確かに美味しくない・・・」

 

ゆん「お笑いか!!」

 

優斗「何のコントだよ!!後何か闇が見えたよ!?」

 

ゆん「大体、幹事言うてもたまにやるくらいやろ。良いお店選んだ方が皆喜んでくれるし良えんや。それにここで上手く立ち回れれば仕事が上手く出来るイメージ付くやろうし、頑張って損なんてない。ん?」

 

3人はゆんをじっと見てる。

 

ゆん「な・・・何や?」

 

はじめ「いや最近のゆんって何か前向きだよな。」

 

優斗「何か別人になった気がする。」

 

青葉「うんうん!」

 

ゆん「どう言う意味!?」

 

はじめ「優斗さんは何処が良いと思います?」

 

優斗「そうだなぁ・・・やっぱり焼き肉かな。歓迎会には丁度良いし。」

 

はじめ「焼き肉ですか〜、良いですね。」

 

優斗「いや、寿司でも良いかなぁ・・・?」

 

はじめ「じゃあお寿司も候補しておきますね。青葉ちゃんは何処が良いと思う?」

 

青葉「え?私はハンバー・・・」

 

言ってる途中に何かを察した。

 

青葉「(いけない・・・ここは社会人の歓迎会なんだから大人っぽい所じゃないと・・・大人・・・大人・・・お酒?)お酒が美味しい所なら何処でも!」

 

はじめ・優斗「・・・・」

 

ゆん「青葉ちゃんも望月さんも未成年やろ・・・」

 

優斗「未成年の飲酒は犯罪だよ・・・」

 

するとそこに。

 

もずく「にゃ〜お。」

 

青葉「あれ?もずく。」

 

優斗「どうしたお前?」

 

しずく「ここに居たのかもずく。」

 

そこにしずくも来た。

 

青葉「あ、葉月さん!」

 

優斗「しずくさん、お疲れ様です。」

 

しずく「歓迎会の幹事を君達がしてるんだってね。お店選びは順調かい?」

 

青葉「それが中々難しくて・・・」

 

優斗「今迷走中です。」

 

はじめ「何処か良いお店知りませんか?」

 

しずく「メイド喫茶!」

 

高らかにメイド喫茶と宣言した。

 

青葉・ゆん・はじめ「え?」

 

優斗「あのしずくさん、今何と?」

 

しずく「メイド喫茶がいいと言ったんだよ。」

 

青葉・ゆん・はじめ(やっぱり駄目だこの人・・・)

 

優斗(メイド喫茶で歓迎会って何かやだ・・・)

 

青葉「で・・・でもメイド喫茶なんて言った事無いから、どんな所か・・・」

 

はじめ「私も・・・」

 

優斗(俺はえいすけに何回も誘われて何回も行ってるから問題無えと思うけど・・・)

 

しずく「仕方無いねぇ。」

 

メガネが”キラン”と輝いた。

 

優斗「何か嫌な予感・・・」

 

 

 

 

社内のカフェ。青葉とゆんとはじめにメイド服を着させた。

 

青葉「あの・・・葉月さんこれは・・・」

 

ゆん「どうしてこないな物が会社に・・・」

 

はじめ「スースーするなぁ・・・」

 

メイド姿の青葉達をアクロバティックしながらスマホで撮り続けるしずく。

 

しずく「うんうん良いね!やっぱり思った通り可愛い!!」

 

優斗「この会社フリーダム過ぎるでしょ。ってか何で3人にピッタリサイズのメイド服があるんだよ。後何故ネコミミ付き?それとしずくさん何写真撮ってんですか?それもアクロバティックに。」

 

しずく「じゃあこれを実演してみようか。私と相葉君がお客で君達はこのメモの台詞を読み上げてくれ!」

 

青葉「え!?いやあの・・・」

 

優斗「ってか俺もお客かよ。」

 

青葉達にメモを渡して、数歩下がる。

 

しずく「・・・早く扉を開けてよ。」

 

青葉「そこから!?」

 

優斗(何かパワハラの現場見てるようだ・・・)

 

青葉がドアを開けるジェスチャーをした。

 

しずく「ガチャ。」

 

それをしずくがセルフSE。そして青葉をジッと見る。

 

青葉「あ!えっと・・・お・・・おかえりなさいませお嬢様・・・旦那様・・・寂しかったにゃん!」

 

台詞を言った直後、顔が真っ赤になって固まった。

 

優斗「青葉さん大丈夫!?無理にやらなくて良いのに!!ってかお嬢様と旦那様って何だよ・・・」

 

しずく「ごめんよ。仕事が忙しくてね。今日のおすすめは何かな?」

 

優斗「続けるんですかい!?」

 

ゆん「はぁ?自分で選べへ・・・ないの?仕方無いわね!私が選んであげる!」

 

優斗「ゆんさんはツンデレメイドかよ。」

 

しずく「あはは!お願いするよ。」

 

優斗「ってか、こんな事してる暇があったら仕事して下さいよ。俺もだけど。」

 

はじめはただボーッと立って見てるだけだった。

 

 

 

 

レモンティーを淹れる。

 

ゆん「はいレモンティー。」

 

青葉「あ!待ってにゃん!」

 

レモンティーに手を翳す。

 

青葉「美味しくなぁれ~美味しくなぁれ~!」

 

優斗「無茶あり過ぎ。ってか今の呪文かよ。」

 

青葉「さぁどうぞ。」

 

優斗「あ、ありがとう・・・」

 

しずく「違うだろ。アレが足りない。」

 

青葉「え?ほ、本当に言うんですか・・・?」

 

しずく「そうだよ。」

 

優斗「許してあげて下さいよ。ってかこれもうセクハラでしょ・・・」

 

青葉「わ、分かりました・・・もえ!もえ!きゅ~ん!(なんて大変なお仕事なんだ!)」

 

優斗「青葉さん、もういいよ。これ以上やったら見てるこっちも悲しくなる・・・」

 

青葉「すみません優斗さん・・・」

 

はじめ「あの・・・私はこれと言ってキャラ付けとかないんですか?おぼん持って立ってれば良いって・・・」

 

しずく「篠田君はね、黙って居るだけで可愛いし、それを生かすべきだよ。」

 

はじめ「え?」

 

自分自身の豊富な胸を見る。

 

はじめ「フッ。」

 

ゆん「イラッ!」

 

青葉とゆんを見て密かに笑う。ゆんが密かに怒った。

 

優斗(巨乳メイド・・・なんつー役だよ・・・)

 

するとそこに。

 

ひふみ「ここが最後。食堂・・・って!」

 

優斗「ひふみさんに望月さん!?」

 

しずく「おや良い所に。そこのお嬢さん達もこっちへ来ないかい?」

 

優斗(ひふみさん、ここは俺が何とかするから。)

 

こっそりメモに書いてひふみに伝える。

 

ひふみ「(う、うん。)私先に戻ってるから・・・」

 

戻る時、鋭い目付きでしずくを睨んだ。しずくが震える。一緒に見た青葉と優斗も震える。

 

しずく「ぞくぞくするねぇ・・・」

 

青葉「ひふみ先輩って関わりたくない時ああ言う顔するんだ・・・」

 

優斗「ゴミを見るような目だ・・・」

 

紅葉が青葉達を見る。

 

青葉「ああ!こ、こ、これは・・・」

 

しずく「君が新人の望月君か。うん可愛いねぇ。」

 

紅葉はしずくを見て少し引いた。

 

ゆん「こ・・・これはやな・・・仕事なんや!」

 

はじめ「そう!仕事仕事!」

 

紅葉「仕事?」

 

優斗「いやいやこの会社にメイドの仕事なんて一切無いから!望月さん本気に信じなくて良いよ!」

 

紅葉「は、はぁ。」

 

しずく「ああそうだ!折角だから君もどうだい?きっと良く似合うよ!」

 

バッグからもう1着のメイド服を取り出した。

 

青葉・ゆん・はじめ「え!?」

 

優斗「まだ持ってんの!?」

 

青葉「ああ!大丈夫ですよ私達だけで!望月さんは無理しなくて良いから・・・」

 

優斗「そうそう本気にしなくて良いから!しずくさんの願望だからこれ!」

 

紅葉「無理・・・?いえ!やれます!」

 

青葉・優斗「ええ!?」

 

 

 

 

そして紅葉もメイド服に着替えた。

 

紅葉「おかえりなさいませお嬢様・・・」

 

しずく「うん!良い!とても良い!そ、そのまま・・・良い!良いよ!!」

 

優斗「しずくさんが暴走モードに入ったな・・・」

 

青葉「そうですね・・・」

 

優斗(あぁ・・・パワハラで訴えてぇ・・・)

 

しずく「せ、折角だ・・・このネコミミも付けておくれよ・・・」

 

紅葉「は、はぁ・・・」

 

ネコミミを付ける。

 

しずく「そして猫のように可愛いポーズで!語尾はにゃんだ!」

 

紅葉「こうでしょうか・・・にゃん。」

 

猫のポーズを取って、語尾ににゃんと言った。しずくは鼻血大量出血を起こした。

 

しずく「んん・・・良い・・・!」

 

優斗「しずくさん!!鼻血が!!!」

 

しずく「いや・・・私は大丈夫だ・・・!このような事で屈する私ではない!!」

 

優斗「ダメだこりゃ・・・」

 

しずく「そうだ!次は涼風君とダブルもえもえきゅんをだね!」

 

青葉「ええ!?」

 

優斗「しずくさんもう止めさせて下さいよ!誰か助けてくれ!!」

 

すると誰かが、後ろからしずくの両目を塞いだ。

 

???「だ~れだ?」

 

しずく「おやおや~。その可愛い声は誰かな?遠山君かな~?桜君かな~?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うみこ「私ですよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

声の正体はうみこだった。

 

優斗「助け舟来た。」

 

うみこ「お気が済みましたかお嬢様。」

 

しずく「いたた!首!首が締まる・・・」

 

そのまましずくを引っ張り去る。

 

ゆん「はぁ、何かどっと疲れたわ・・・」

 

青葉「何の参考にもなりませんでしたね・・・」

 

優斗「ツッコミ疲れた・・・これ大輝が見たらどんな反応するのか想像付くな・・・」

 

紅葉「結局これ何だったんですか?」

 

青葉・優斗・はじめ・ゆん「こっちが知りたい・・・」

 

 

 

 

仕方無くコウに店を決めてもらう事に。

 

コウ「んで、私に泣き付いて来たと。お店なんて何処だって良いんだよ。ど・れ・に・し・よ・う・か・な・神・様・の・言・う・通・り・・・ハンバーグか。まぁ良いんじゃないそれで。」

 

ゆん・はじめ「え!?そんな適当な!」

 

コウ「だって神様が決めたんだし。」

 

優斗「随分適当な神様ですなぁ。ん?」

 

コウ「ん?」

 

青葉が満足した顔でコウを見ていた。

 

コウ「って青葉はそんなにハンバーグが良かったの!?」

 

青葉「あ!」

 

優斗(分かりやすい・・・)

 

歓迎会はハンバーグ屋に決定した。

 

はじめ「でも、近くにハンバーグ屋なんてあったっけ?」

 

青葉「前にお2人に連れて行ってもらったお店。彼処ならどうでしょう?」

 

ゆん「レストランっぽくて良えかもなぁ!」

 

はじめ「まだ着てたの!?」

 

紅葉はまだメイド服を着ていた。

 

 

 

 

 

 

その日の夕方、近くのハンバーグ屋で歓迎会をする事に。

 

プログラマー班。

 

ねね「え~!インターン中は学校行かなくて良いの?」

 

ツバメ「はい!うちの専門学校はインターンで働く事も単位になるので。」

 

ねね「良いな~。私なんか学校行きながらだよ・・・」

 

うみこ「それはお疲れ様です。去年の夏でしたね。桜さんが来ていたのは。」

 

ツバメ「去年の夏?」

 

ねね「デバッグのバイトで来てたんだ~!」

 

ツバメ「それで私達と同じ研修なのに、何だか馴染んでるんですね。じゃあ先輩って呼ばないと!」

 

ねね「え?先輩だなんて照れるな~・・・」

 

うみこ「調子に乗らない。桜さんもプログラマーとしては新人ですから鳴海さんもその辺りは気にしないで下さいね。」

 

ツバメ「じゃあ同じ新人プログラマーとして3ヶ月後には入社が決まるようお互い頑張りましょうね!」

 

ねね「へへへ~。宜しく。って私は契約更新かどうかだけど・・・」

 

 

 

 

エフェクト班。

 

あや「そうだったんですか!お2人は中学からの親友だったんですね!」

 

大輝「ああ。小学校は違ったけどね。」

 

優斗「中学の時、俺の親友が此奴に興味持ち始めて以来仲良しなんだ。」

 

あや「へぇ〜!」

 

優斗「木崎さんはどうしてエフェクト班に?」

 

あや「あ!私の事は名前で構いませんよ。」

 

大輝「じゃあ俺達も名前で呼んで良いぜ。あやちゃん。」

 

優斗「じゃああやさん、どうしてエフェクト班に入ったの?」

 

あや「実は私、昔自作でCGを作った事あるんです。それをお父さんとお母さんに見せたら凄く褒めてくれたんです!」

 

優斗「へぇ〜。自作CGかぁ。」

 

大輝「それは凄えな!」

 

あや「高校の時、両親の勧めと後押しを受けて、紅葉とツバメと一緒に上京して、東京ゲーム専門学校に入学したんです。両親から「あやなら、もっと面白いゲームを作ってくれそうだ。」って。」

 

大輝「良い親御さんを持ったねぇ。」

 

あや「それとお爺ちゃんが千代田に住んでるんです。」

 

大輝「お爺さんが?」

 

あや「はい。実は両親は元々東京出身だったんですけど、お父さんの転勤で北海道に引っ越したんです。それとお母さんが北海道に住むのが夢だったらしく。」

 

優斗「そうだったんだぁ。凄い偶然だね。」

 

あや「あ!優斗さん、この前優斗さんのデスクに写真立てを見たんです。写ってるのはご家族ですか?」

 

優斗「そうだよ。俺実は結婚してるんだ。」

 

あや「結婚!?凄いです!」

 

優斗「2年前に高校時代の先輩と結婚して、去年娘が生まれたんだ。」

 

あや「へぇ〜。今度奥さんと娘さんの事聞きたいです!」

 

優斗「良いよ。」

 

大輝「じゃあここでゲームトーク!」

 

あや「イエーイ!待ってました〜!」

 

優斗「テンション高え・・・っで、ゲームトークって何すんの?」

 

大輝「何って、好きなゲームとか好きなゲームクリエイターとか色々答える簡単なトークだけど。」

 

優斗「あ、そうなのね。」

 

あや「トークテーマその1!自分の好きなゲーム。」

 

優斗「俺はキングダムハーツと、カービィと、メタルギアだね。」

 

大輝「俺はバイオハザードとファイナルファンタジーとモンスターハンターだぜ!」

 

あや「どれも面白いですよね!私はカービィとピクミンと三國無双シリーズとドラクエが大好きなんです。」

 

大輝「ほうほう成る程〜!どれも面白いゲームばかりだな。三國無双シリーズとはやりますねぇ。」

 

あや「トークテーマその2!憧れのゲームクリエイター。私はカービィの桜井政博さんが憧れなんです。」

 

大輝「おお!カービィとスマブラの桜井政博さんかぁ!」

 

優斗「俺はキングダムハーツの野村哲也さんだ。」

 

大輝「俺はバイオハザードの三上真司さん!」

 

あや「確かに、あのお2人は凄いですよね!」

 

大輝「トークテーマその3!人生で初めてプレイしたゲーム。俺は星のカービィSDX。」

 

あや「カービィですかぁ。良いですねぇ。因みにUSDX持ってますか?」

 

大輝「持ってる持ってる!発売日に即購入したよ。」

 

あや「私はゼルダの伝説風のタクトです。クグツガノンがトラウマですけど。」

 

大輝「分かる分かる。彼奴結構苦労したよな。」

 

優斗「俺なんて、彼奴に何回ゲームオーバーされたか・・・」

 

大輝「だが、風のタクトにもう1つトラウマがあるのを知ってるか?」

 

あや「何ですか?」

 

大輝「リーデット。」

 

あや「あ〜!それ初見の時大泣きしたんですよ〜!もう怖くて怖くて!」

 

優斗「確かに。あれは恐怖感MAXだったな。」

 

あや「優斗さんは何だったんですか?初めてやったゲーム。」

 

優斗「スーパーマリオRPGだよ。」

 

あや「お!あの神ゲーですか!?」

 

優斗「うん。親父がめっちゃハマってたゲームだったんだ。俺もやってみたら、凄え面白くてさ。」

 

大輝「すいじょうきばくはつはどうだった?」

 

優斗「あれ最初トラウマ。」

 

あや「ひまんパタこうらで無双してました?」

 

優斗「してたしてた!あれ最強過ぎるよ〜!」

 

 

 

 

キャラ班。

 

コウ(あっちの2組は順調そうだな~・・・)

 

キャラ班だけ寡黙的な雰囲気を醸し出してた。紅葉は周りを見た後、水を飲む。すると氷も口の中に入った。氷も食べる。すると青葉が口を開いた。

 

青葉「も・・・望月さんはよく呼ばれてるあだ名とかってあるんですか?」

 

紅葉「なるからは何時も、ももって呼ばれています・・・」

 

ゆん「望月紅葉でももか~。じゃあももちゃんやな。」

 

はじめ「私達も下の名前とかで気軽に呼んでくれて良いよ。」

 

紅葉「えと・・・じゃあ・・・」

 

隠し持ってる何かを見る。

 

青葉(何か見てる?)

 

紅葉「青葉さん。ゆんさん。はじめさん。ひふみリーダー。」

 

ひふみ「リ・・・リーダー!?」

 

ゆん「間違ってへんけど、初めて聞きましたね。」

 

はじめ「呼び方と言えばひふみ先輩、八神さんや遠山さんの事下の名前にちゃん付けで呼びますよね。数年後輩なのに・・・」

 

コウ「あぁ。昔私の会話の練習相手になってもらってたから私が無理矢理ね。」

 

ひふみ「うん。そのままの流れで。」

 

青葉「じゃあ遠山さんは・・・」

 

ひふみ「コウちゃんって呼んでたら、ある日りんちゃんが自分もちゃん付けで呼べって。」

 

コウ「そうだったの。何でだろ?」

 

ゆん「じ・・・自分だけ除け者にされたくないみたいな心理じゃ・・・」

 

コウ「え?どう言う事?」

 

青葉「複雑な心理ですね。」

 

 

 

 

 

 

その頃とあるアフレコスタジオでは。

 

りん「クシュン!」

 

くしゃみをしたりん。

 

クリスティーナ「大丈夫ですか?キャストオーディションはまだまだこれからですよ。」

 

りん「はい・・・誰かが噂してるのかしら?」

 

しずく「そうだよ!こんな可愛い子達と出会える機会そうそう無いんだからね!あ。この子も可愛い。」

 

クリスティーナ「顔だけで選ばないでね?」

 

 

 

 

 

 

その頃ハンバーグ屋では。

 

女性店員「お待たせしました〜!」

 

やっと料理が来た。紅葉に大盛りのナポリタンが来た。

 

青葉「大盛り・・・結構食べるんですね。」

 

紅葉「はい。」

 

ゆん「良えなぁ・・・それでもももちゃんはスタイル良くて。うち食べるとすぐ表に出てしまうから・・・」

 

すると紅葉がゆんをジッと見る。

 

ゆん「な、何や?」

 

紅葉「・・・別に・・・太ってませんし可愛いと思いますけど。」

 

ゆん「へえっ!?なんや正直で良え子やなももちゃん!ほらこれもお食べ~!」

 

青葉・コウ・はじめ・ひふみ(チョロ過ぎる・・・)

 

 

 

 

 

 

歓迎会が終わった。

 

女性店員「ありがとうございました〜!」

 

会計を済ませて店を出た。

 

ねね「なるっちは実家暮らし?」

 

ツバメ「ううん。ももとあやとルームシェアしてて。」

 

紅葉(やっぱりこう言うの苦手だ・・・)

 

さっき隠してた物を見る。それは、名前が書かれたメモだった。

 

紅葉「飯島ゆんさん、篠田はじめさん、滝本ひふみさん、相葉優斗さん、秋山大輝さん、阿波根うみこさん、桜ねねさん、涼風青葉・・・ん?」

 

途中で立ち止まった。

 

紅葉「きゃ!?」

 

目の前に青葉が立っていた事にビックリした。

 

青葉「名前のメモですか?」

 

紅葉「わ・・・悪いですか?また間違えたらいけないし・・・苦手なんです覚えるの。」

 

青葉「ううん!そんな事ないですよ!寧ろこの人数を一度に覚えようとするなんて偉いと思います!」

 

紅葉「っ!?・・・」

 

照れながら帰って行く。

 

紅葉(涼風青葉・・・)

 

 

 

 

 

 

その日の夜の相葉家。

 

美佳「歓迎会どうだった?」

 

優斗「凄く盛り上がったよ。あやさんが、俺と大輝に色々話してくれたし。」

 

美佳「そっか〜。また楽しい後輩持てて良かったね。今度新しい後輩を紹介してよ。」

 

優斗「何時になるか分かんないけど、良いよ。」

 

奈々「まま〜、あそびた〜い。」

 

美佳「良いよ。ママも奈々と遊びたいよ〜。」

 

 

 

 

 

 

後日のイーグルジャンプ。時刻は12時になった。

 

はじめ「おっひるだ~!青葉ちゃんどうする?」

 

青葉「私はお弁当買いに行こうかなって。」

 

ゆん「ほんならうちも。」

 

はじめ「ほんで、ももちゃんは今日も・・・」

 

紅葉はでっかいおにぎりを持っていた。

 

青葉「今日も大きいですねそのおにぎり・・・」

 

紅葉「え?」

 

青葉「初めて見た時はびっくりしたけど少し慣れてきました・・・」

 

ゆん「毎日お昼持って来てももちゃんは偉いな~。」

 

褒められた紅葉が笑った。

 

青葉「やっぱりももちゃんも食堂で一緒に食べません?」

 

紅葉「いえ。ここの方が落ち着くので。それとも・・・」

 

青葉「それとも?」

 

紅葉「食堂でないと話せない要件でもあるんですか?」

 

青葉「いや・・・そんな事はないんですけどね・・・」

 

 

 

 

 

 

カフェで弁当を食べる。コウに紅葉について話した。

 

コウ「紅葉と上手く馴染めない?」

 

青葉「何と言うかリズムが合わなくて・・・構えられてるような気が・・・」

 

コウ「恋だな!」

 

大輝「おお!紅葉ちゃんにも恋心が!?」

 

青葉「ちょ!真面目に話してるんですよ!でもほんとに恋だったら、付き合うか断るかの2択だからまだ楽だったかも。」

 

コウ「不思議とその言葉から重みが感じられなくて面白い・・・」

 

あや「今度紅葉に聞いてみようかな。」

 

大輝「あやちゃん本気だなぁ。」

 

コウ「青葉は紅葉の事をどう思ってるの?」

 

青葉「私ですか?真面目だし良い子ですけど・・・ちょっと近付き辛いと言うか・・・」

 

しずく「丸で八神の新人の頃のようだね。」

 

コウ「うわ!?葉月さん!」

 

大輝「神出鬼没だなぁこの人。」

 

青葉「へぇ〜、じゃあももちゃんも何時かパンツで!」

 

コウ「青葉にとって私はそのイメージしか無いのか!!」

 

はじめ「ももちゃんはおしゃれだし、流石にそんな事はないでしょ。」

 

ゆん「然り気無く失礼やなぁ八神さんに。」

 

青葉「でも実は結構ズボラかも知れないじゃないですか?私なんか家だとぐでーっとしてますよ。」

 

はじめ「いやぁ、何となくそれは想像出来るよ・・・」

 

青葉「ええ!?嘘!?」

 

ゆん「もう1年以上ずっと一緒やしな〜。」

 

青葉「ずっと一緒・・・私、ももちゃんの事全然知らないです・・・やっぱり今のままじゃダメですきっと。だからあの!はじめさん!ゆんさん!」

 

 

 

 

 

 

その頃紅葉は、梅干しとおにぎりを美味しそうに食べてる。そこにひふみが歩み寄る。

 

ひふみ「ももちゃん・・・えと・・・あの・・・おにぎり美味しい?」

 

紅葉「はい。・・・はっ!あげませんよ?」

 

ひふみ「そう言うつもりじゃ・・・ないから・・・ももちゃんもお昼に食堂行かないんだ・・・ね。」

 

紅葉「ひふみ先輩もあまり行かないじゃないですか。」

 

ひふみ「うん。私は宗二郎と・・・ペットなんだけど。一緒に朝ご飯食べたくて。でも食堂が疲れちゃうのも分かるから。人付き合いって・・・大変だよね。」

 

紅葉「・・・別に。必要な事はやっているつもりですけど。勉強も毎日、指定の箇所まで進めてるつもりですし。もしかして、ダメな所ありましたか?」

 

ひふみ「そんな事ないよ。3Dの経験もあるからすぐにお仕事始められると思う。きっと青葉ちゃんの時より早く・・・でも青葉ちゃんの時より心配と言うか・・・」

 

紅葉「心配?」

 

ひふみ「いやごめんなさい!えっと・・・えっと・・・」

 

何を話せば良いか迷うひふみ。すると。

 

ひふみ「そうだ!宗二郎、見る?」

 

紅葉「ペットですか?」

 

ひふみ「これ。」

 

ハリネズミの宗二郎を紅葉に見せる。

 

紅葉「あ、ハリネズミ・・・可愛い。」

 

宗二郎の写真を興味津々で見る。するとそこに。

 

りん「ただいま~。あら何見てるの?」

 

紅葉「ひふみ先輩がペット見せてくれて。」

 

りん「これが噂の宗二郎君だったのね。」

 

紅葉「可愛いです。」

 

りん「ひふみちゃんもリーダーらしくなってきたね。」

 

ひふみ「そんな事ない・・・よ。」

 

紅葉(気を使われていたのかな・・・)

 

そして青葉が書いたキービジュアルを見て、密かにライバル心に火を点けた。すると。

 

優斗「そう?分かった。じゃあ今度一緒に行こうね。」

 

紅葉「ん?」

 

今度は、優斗が妻の美佳と電話しながら戻って来た。

 

優斗「遊園地なんて久々だよ〜。じゃあ日程決まったらまた電話してね。じゃあね。」

 

通話終了。

 

優斗「あ、りんさんおかえりなさい。」

 

りん「ただいま優斗君。美佳さんと電話してたの?」

 

優斗「ええ。今度家族3人で遊園地に行く計画を立ててたんです。」

 

りん「良いわね〜。」

 

紅葉「・・・あの、相葉さん。」

 

優斗「何?望月さん。」

 

紅葉「美佳さんって、誰なんですか?」

 

優斗「美佳さんは、俺の妻だよ。」

 

紅葉「奥さんですか?」

 

優斗「うん。」

 

ひふみ「優斗君は今結婚してて、今は奈々ちゃんって言う娘さんも居るの。」

 

紅葉「そう、だったんですか。」

 

優斗「見る?」

 

スマホから、美佳の画像を見せる。

 

紅葉「綺麗・・・」

 

優斗「んでこっちが、娘の奈々だよ。」

 

紅葉「可愛い・・・」

 

 

 

 

 

 

その日の夜。紅葉とツバメとあやがルームシェアしてるアパート。

 

紅葉「ただいま~。」

 

ツバメ「おかえり~。」

 

あや「おかえり紅葉!」

 

ツバメ「先に上がったからご飯作っといたよ。」

 

紅葉「ありがと。今夜は何?」

 

ツバメ「じゃ〜ん!もやしのフルコース!」

 

あや「待ってました!」

 

紅葉「うわぁ〜!」

 

もやしのフルコースを食べる3人。

 

ツバメ「キャラ班の調子はどう?」

 

紅葉「・・・普通。そっちは?」

 

ツバメ「まぁ順調かな?うみこさんはちょっと怖いけど、ねねっちは面白いしね。」

 

紅葉「あやは?」

 

あや「こっちは超順調だよ。優斗さんは優しいし、大輝さんは面白いよ。」

 

紅葉「・・・なる、あや。」

 

ツバメ「ん?」

 

あや「どうしたの?」

 

紅葉「・・・明日のお昼なんだけど。」

 

 

 

 

 

 

翌日のイーグルジャンプ。時刻は12時になった。

 

はじめ「おっひるだ~!」

 

青葉「じゃーん。私今日はおにぎりを握って来ました。」

 

はじめ「嘘!青葉ちゃんも?偶然だなー私もなんだー。」

 

ゆん「下手くそ・・・うちはサンドイッチやで。」

 

はじめ「そしてももちゃんはやっぱり・・・?」

 

今日の紅葉の昼食は、小さいおにぎり。

 

紅葉「今日は私もお弁当買いに行こうかと思って・・・」

 

青葉「それでもおにぎりはあるんだ・・・」

 

紅葉「お腹いっぱいになる程買うとお金が無くなっちゃうので・・・」

 

ゆん「ももちゃんって一人暮らし?」

 

紅葉「いえ。なるとあやとルームシェアです。一緒に上京して来たので。」

 

はじめ「分かる分かる。家賃とか払ってるとやっぱりお金がね~。」

 

ゆん「はじめはおもちゃのせいもあるやろ。」

 

はじめ「そ、そうかな〜?」

 

ゆん「自覚無しや〜。」

 

はじめ「え!?あるよ!」

 

するとコウが声を掛けようとしたが、声を掛けないで微笑んで去って行った。

 

紅葉「早く沢山稼いでお肉もたくさん食べたいです。」

 

青葉「太らないようにね・・・」

 

はじめ「実家は何処なの?」

 

紅葉「北海道です。」

 

ゆん「ほんま~?去年の社員旅行北海道でな。海鮮とか美味しかったわ~!」

 

紅葉「美味しいですよね。東京のは少し物足りないです。後高いし。」

 

すると誰かのお腹が鳴った。紅葉のお腹の音だった。紅葉は顔を赤くした。

 

青葉「おかず買いに行きましょうか・・・私達もおにぎりだけだとアレだし・・・」

 

ゆん「せやな〜。」

 

そして青葉達が去って行った直後。

 

ひふみ「ももちゃん!今日はイーグルジャンプの主・もずくを紹介・・・」

 

しかし4人の姿は何処にもなかった。

 

ひふみ「あれ?」

 

 

 

 

 

 

その頃青葉達4人は、おかずを買いに行ってる。

 

青葉「もう通勤とか慣れました?」

 

紅葉「はい。」

 

青葉「そうですか〜。でも朝のラッシュとか大変ですよね〜。」

 

紅葉「あの・・・青葉さん。」

 

青葉「はい?」

 

紅葉「先輩なんですから別に敬語じゃなくて良いですよ。」

 

青葉「あ・・・ごめんな・・・ごめん。そうだよね。なんだか慣れてなくて・・・もも・・・紅葉ちゃんって呼んで良い?名前似てるから親近感あって。紅葉ちゃんも同い年だし敬語じゃなくて良いんだよ?」

 

紅葉「それはダメです。1年以上も先輩なんですから。」

 

青葉「結構真面目だね紅葉ちゃん。」

 

紅葉「青葉さんは気にならないんですか?同い年の私の実力とか。それとも余裕ですか?キャラデザの。」

 

青葉「え?」

 

紅葉「私クラスで1番だったのでそれなりには上手いですよ。多分。」

 

青葉「・・・気になるよ。」

 

紅葉「気になる!?ふ・・・ふーん。そうなんだ・・・」

 

青葉「だからね。私も負けないよ。」

 

紅葉(前向きな顔で何でそんな事が言えるの・・・何だろう・・・私の負けたくないって気持ちとは少し違う・・・駄目だ!涼風青葉の前だと調子が狂う!何だこの気持ち・・・)

 

青葉「もたもたしてると先に行っちゃうよ~。」

 

先に行く青葉を紅葉が密かに睨む。

 

紅葉(涼風青葉・・・私も負けないから!)

 

 

 

 

 

 

その後イーグルジャンプに戻った。

 

ひふみ「それじゃあ今日も、宜しくね。」

 

紅葉「はい。ん?」

 

すると青葉が書いたデザインを見付けた。

 

紅葉「この差分デザイン青葉さんが描いたんですか?」

 

ひふみ「そうだよ。可愛いでしょ・・・わ!」

 

突然ひふみが怯えた。紅葉が暗い顔をしてたからだった。

 

紅葉「やっぱり上手い・・・涼風青葉。」

 

この先どうなるのかは分からない。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
      望月紅葉:鈴木亜理沙
     鳴海ツバメ:大和田仁美
      木崎あや:伊波杏樹
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨
      相葉美佳:榎本温子
      相葉奈々:内藤穂之香
クリスティーナ・和子:名塚佳織

ゆん「女の子にはな、誰でも秘密の過去があるんや。」

はじめ「うんうん分かる分かる!」

ゆん「何や?はじめにも分かるん?」

はじめ「分かるよ〜私にだって、秘密の過去くらいあるもん。」

ゆん「どんな?」

はじめ「私ね、学生時代必死に戦ってたんだ〜!本当の自分を隠して・・・でも、それで皆が笑顔になるんんならって思って必死に戦ってた!」

ゆん「はじめにも色々あったんやな〜。」

はじめ「そんな悪党団と戦う魔法少女だったんだ〜私!」

ゆん「・・・は?」

はじめ「って言う設定があると、魅力的って話でしょ?」

ゆん「ちゃうわアホ!!」

次回「シャツくらい着なよ!」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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22話「シャツくらい着なよ!」

ある日、インセクトファイブのヒーローショーが開催されていた。

怪人殺虫剤男「へっへっへ!これでおしまいだぷしゅー!」

司会者「いやー!誰かー助けてー!皆ー!大きな声で名前を呼んでー!」

皆「インセクトファイブーーー!!!」

観客席に、はじめとゆんとれんとみう。更に優斗と美佳と奈々と大輝が居た。はじめとれんとみうと大輝が大声でインセクトファイブを呼んだ。

インセクトファイブ「俺達を無視出来なくしてやるぜ!!」

爆発と共にインセクトファイブが登場した。

スパイダーレッド「止めろ!怪人殺虫剤男!」

れん「頑張れーー!!力のアントブラックーーー!!」

大輝「悪者を懲らしめてやれーーー!!」

アントブラック「おりゃああああ!!」

岩を持ち上げて、殺虫剤男に投げ飛ばした。岩攻撃を受けた殺虫剤男が力尽きた。

殺虫剤男「ぷしゅー、やられた・・・」

こうしてヒーローショーが終わった。

スパイダーレッド「皆!応援ありがとう!」

司会者「はーい。インセクトファイブと握手したいお友達はテント側に並んでねー。」

はじめ「れん!みう!行こう!」

れん・みう「うん!」

ゆん「え?はじめも握手するん?」

はじめ「当然だよ!良いショー見せてくれてありがとうってお礼しなきゃ!」

ゆん「好きやなぁ。うちはここで待っとるわ。」

はじめ「ゆんも楽しんでた癖に。」

ゆん「それとこれとは別~!」

美佳「奈々、一緒に握手行く?」

奈々「いきた〜い。」

大輝「先輩!俺も行くです!」

優斗「お前も行くんかい。」

大輝「当たり前だろ!握手せずに帰る客なんて居ねえだろ普通?」

優斗「そうかい。俺はゆんさんと待ってるからな。」


その後も握手する客達が増える。優斗とゆんが観客席で待ちながら握手会を見る。

 

優斗「結構多いもんだな。」

 

ゆん「そうですね。」

 

優斗「ん?」

 

ひふみ「あ・・・あの・・・凄く格好良かったです!」

 

バタフライピンク「応援ありがとう!」

 

優斗(ひふみさんも居たんかい。)

 

ひふみ「あの・・・先週のドームパークの公演も良かったし、今日もキレキレでした!」

 

バタフライピンク「よ・・・よく見てくれてるのね・・・」

 

優斗(ひふみさんって結構ガチだな・・・)

 

 

 

 

 

 

その頃はじめ達が握手しに行こうとしたその時。

 

???「あれ?しの?」

 

後ろから1人の女性が来た。

 

女性「あ〜!やっぱりしのだ!久し振り〜!」

 

はじめ「え?アッキー!?」

 

アッキー「高校以来?ラフな格好だから誰かと思ったよ~!」

 

この女性は、どうやらはじめの高校時代の同級生らしい。

 

アッキー「しのも東京に来てたんだね。奇遇!あれ?その子達ってしのの子供?」

 

れんとみうと奈々を見る。

 

はじめ「ち、違うよ!友達の弟と妹!こっちは私の先輩の娘さん!」

 

アッキー「だよね~びっくりした。しのはそう言うの疎かったし。」

 

はじめ「あはは・・・」

 

優斗(はじめさんの高校時代の同級生か。)

 

大輝(結構美人だな〜。)

 

アッキー「しのは東京で何してるの?」

 

はじめ「え?あ・・・えっと・・・デザイナー!」

 

優斗・大輝(嘘だ!)

 

アッキー「デザイナー!?格好良い~!器用だったもんねしの!」

 

はじめ「まぁね~・・・」

 

アッキー「私もこっちで働いてるんだ。でも、今日は友達と息抜き。」

 

はじめ「何の仕事してるの?」

 

アッキー「公務員!」

 

はじめ「え!?アッキーが!?勉強苦手だったのに!」

 

するとれんが、はじめの服を引っ張る。

 

れん「早く行かへんと終わっちゃうで?」

 

はじめ「あ~・・・そ、そうだね。えっと・・・ゆ・・・ゆん。2人を連れてってくれるかな・・・?」

 

ゆん「それは良えけど、はじめは握手せんで良かったん?」

 

はじめ「わ・・・私は大人なんだからする必要ないでしょ~?もうやだな〜。あはは・・・」

 

大輝(オタクだって事を隠してるみたいだな・・・)

 

ゆん「ほな行こ?れん、みう。」

 

れん・みう「わぁ〜い!」

 

美佳「じゃあ、奈々も行こうか。」

 

奈々「いく〜。」

 

 

 

 

 

 

はじめを除いた皆で握手しに行く。

 

優斗「俺まで付いて来ちまった。」

 

大輝「まあ良いじゃねえか。」

 

れん「蜘蛛って虫じゃないの?」

 

みう「そう!虫じゃないで。動物らしいで?」

 

れん「そうなんだ!」

 

大輝「みうちゃん詳しいな〜。お兄ちゃん感動しちゃった!」

 

みう「えへへ〜。」

 

しかしゆんは、アッキーと会話してるはじめをずっと見詰めていた。

 

 

 

 

 

 

その後はじめは、アッキーと別れてベンチに座った。

 

れん・みう「はじめお姉ちゃ〜ん!」

 

はじめ「あ、おかえり。」

 

ゆん「ただいま~。デザイナーのはじめちゃん。」

 

はじめ「や・・・止めてよ~!」

 

美佳「デザイナーのはじめちゃん、今戻ったよ〜。」

 

はじめ「美佳さんまで止めて下さいよ〜!」

 

奈々「でざいな〜。」

 

はじめ「奈々ちゃんまで・・・それに嘘は吐いてないだろ。モーションデザイナーだし。」

 

大輝「まあそうかもな。」

 

するとれんとみうが力士のキャラを見付けて走った。

 

奈々「まま〜。あっち〜。」

 

美佳「よ〜し。行ってみよう。」

 

奈々と一緒に力士のキャラの方へ歩く。

 

ゆん「アッキーさんは?」

 

はじめ「友達が呼んでるって帰った。」

 

ゆん「ほんまに握手せんで良かったん?」

 

はじめ「アッキーの前だと恥ずかしくて・・・」

 

大輝「分かる分かる。友達の前でヒーロー物が好きなんて言えないもんな〜。」

 

はじめ「あ~!私はインセクトファイブファン失格だ!」

 

ゆん「んな大袈裟な。」

 

優斗「また機会があれば握手出来るって。」

 

はじめ「・・・・・」

 

するとはじめが、ある事を話した。

 

はじめ「・・・私、高校の時はオタクって事隠してたんだ。」

 

ゆん「え!?はじめが!?そんなキャラやったん!?」

 

はじめ「普通に女子高生してたんだよ私だって!アッキーとだって良い友達だったよ。でも自分の趣味を否定されるのが怖くて・・・」

 

優斗「よくあるよね。」

 

ゆん「何や。はじめにも普通の感覚があったんやな〜って分かって安心したわ。」

 

はじめ「そっち!?」

 

大輝「ゆんちゃん、煽ってない?」

 

ゆん「何何?はじめも友達とプリフォトとか撮っとったん?」

 

はじめ「プリフォトは今は無いけど、昔一緒に撮った写真ならあるよ。」

 

ゆん「ほんま!?」

 

はじめ「わ、笑わない?」

 

ゆん「笑わんって!」

 

はじめ「怪しいな〜。」

 

大輝「俺達も昔のはじめちゃんの写真見たい!」

 

優斗「俺もかよ。」

 

はじめ「笑わないで下さいね?」

 

大輝「大丈夫大丈夫!」

 

スマホのギャラリーから、高校時代の写真を見せる。真ん中にアッキー、左に友達、右に美少女が写ってる。

 

はじめ「右が私。」

 

何と右の美少女の正体ははじめだった。ゆんと大輝が固まった。

 

ゆん・大輝「嘘やろ・・・!?」

 

はじめ「本当だよ!!」

 

優斗「でも俺でもびっくりしたよ・・・」

 

ゆん「へー・・・でも可愛いやん。おしゃれやん。」

 

はじめ「え?そう?友達の真似をそのまましてただけだけどね。」

 

ゆん「ふ・・・ふーん。良えやん普通で・・・」

 

はじめ「う〜ん、でもグッズ買っても付けられないし、ちょっと息苦しかったかな〜?」

 

ゆん「うちはそう言う友達と、真似っ子しておしゃれしたりする女子高校生生活が羨ましかったわ。」

 

はじめ「え?」

 

ゆん「今から見せるもん見ても笑わへん?」

 

はじめ「え?どう言う事?」

 

ゆん「笑わへんなら見せてあげる。昔のうちの写真。」

 

はじめ「別に笑うようなものじゃないでしょ・・・」

 

ゆん「良えから絶対笑わへんって約束して!」

 

はじめ「分かったって・・・」

 

ゆん「絶対絶対ぜ~ったい約束やからな!」

 

はじめ「笑わないって!」

 

ゆん「優斗さんと大輝さんも絶対絶対ぜ〜ったい笑わへんって約束して下さいね!」

 

優斗「分かった分かった。そんなに顔近付けないで。」

 

大輝「俺も約束する。絶対笑わない。」

 

ゆん「ほんなら、これ・・・」

 

昔の写真を3人に見せる。

 

ゆん「うちが高校の時の・・・」

 

はじめ・優斗・大輝「え!?」

 

画面には、グリグリメガネを掛けてる高校時代のゆんが写ってた。

 

はじめ・大輝「嘘やろ・・・?」

 

ゆん「さっきの仕返しか〜!うちは元々はこんなんやったんや・・・友達も少ないから家でゲームばっかりしとった。」

 

優斗「でもゆんさん、何時からイメチェンしたの?」

 

ゆん「東京に来たのを切欠に、色々イメチェンするようになったんです。」

 

優斗「そうだったんだ。」

 

大輝「俺が抱えてる疑問が解決したぜ。」

 

優斗「え?お前まだゆんさんの疑問を抱えてたんかい。」

 

はじめ「そっか。それでゆんの服装って何時も気合い入ってたんだ。慣れてないから。」

 

ゆん「っ!?」

 

さっきの言葉でゆんが察した。

 

ゆん「こっちは真剣に悩んどるんやあほ~!」

 

はじめ「別に悪い意味じゃ!」

 

怒りながらはじめをポカポカ叩く。

 

ゆん「確かに分からへんわ!でもこれでもうちなりに勉強して選んどるんや!」

 

はじめ「ちょ!落ち着いて!」

 

ゆん「何や!はじめの方が服も詳しそうでショックやわ!何時もラフな格好ばっかりしとる癖に~!分かっとるんならもっとおしゃれすれば良えのに!!」

 

はじめ「ん?」

 

するとはじめが、ゆんを止めた。

 

はじめ「待って。別にそれは恥ずかしい事じゃないよ。苦手を克服しようとするって凄い事だし。ゆんの服、私好きだよ。」

 

ゆん「っ!」

 

はじめ「だってキャラが立つのは良い事だし!」

 

ゆん「っ!!腹立つ!!」

 

はじめ「うっ!!」

 

怒って腹パンした。

 

優斗「本当仲良いな。」

 

大輝「いや〜、これはこれで〜。」

 

優斗「何で鼻血出てんだお前?」

 

はじめ「お互い友達に遠慮して。私達って案外似た者同士なのかもね。」

 

ゆん「かもな〜。」

 

はじめ「だからちょっと安心したしゆんは今の自分に自信持って大丈夫だよ。」

 

ゆん「くすっ。」

 

はじめ「よし!私も自信を持ってアッキーに自分の趣味を告白する!」

 

ゆん「え?ちょ、それは止めた方が・・・」

 

優斗「返って黒歴史になるかもだぞ?」

 

はじめ「いや、私はやりますよ〜。・・・メール送信!」

 

ゆん「え〜・・・」

 

はじめ「・・・あ。もう帰って来た。」

 

ゆん「え?早!」

 

メールが帰って来た。メールを読んだはじめが、ガクガク震え始めた。

 

ゆん「は、はじめ?」

 

大輝「はじめちゃん?どうした?」

 

ゆん「気にせんでも、うちは分かっとで?」

 

はじめ「知ってたって・・・1人でアニメショップに通ってるのもずっと知ってたって・・・」

 

優斗「あらら、密かにバレてた。」

 

はじめ「な~!私の長年の気苦労は何だったんだ~!」

 

ゆん「黙っててくれたなんて、アッキーさん良え人やん。」

 

はじめ「うん・・・ま、スッキリしたかな。」

 

ゆん「そっか。」

 

大輝「優しい友達に恵まれて良かったね〜はじめちゃん。」

 

優斗「おいおいお前な・・・」

 

はじめ「あ。さっきの写真の丸眼鏡ってもう掛けないの?」

 

ゆん「東京来る前捨てた。」

 

はじめ「え?」

 

ゆん「でも何時も眼鏡は持っとるで。こんなの。」

 

何時も持ってる眼鏡をした。

 

はじめ「頭良さそうに見える〜。」

 

ゆん「普段はアホに見える言う意味?」

 

はじめ「私にも貸して。どうかな?」

 

借りた眼鏡をする。

 

ゆん「頭良さそうに見える!」

 

はじめ「仕返しの仕返しか~!」

 

優斗「仲良いな〜ほんまに〜。」

 

 

 

 

 

その後。れんとみうと美佳と奈々が戻って来た。

 

はじめ「そう言えば私も東京来る前髪切ったんだ~。」

 

ゆん「そうなん?」

 

はじめ「うん。長いと色々面倒かなって。」

 

 

 

 

高校時代のはじめは、自分で長い髪を切った。

 

はじめ『何だ!自分でも全然切れるじゃん!』

 

 

 

 

ゆん「今まで自分で切ってたん!?」

 

はじめ「うん!節約にもなるし。」

 

ゆん「いやいやいや・・・」

 

優斗「凄いなはじめさん。」

 

 

 

 

 

 

後日のイーグルジャンプ。

 

はじめ「おっはようございまーす!」

 

ゆん「おはようさん!」

 

青葉「どうしたんですかお2人共・・・」

 

2人が眼鏡をしてる事に驚いた青葉。

 

ゆん「ま、まあ、イメチェンと言うか、気分転換?」

 

優斗(まさかのペアルックですかい。)

 

はじめ「ふふふ〜。どうかな?青葉ちゃん。」

 

青葉「う~ん・・・頭良さそうに見えます。」

 

はじめ・ゆん「仕返しの仕返しの仕返しか~!」

 

青葉「え!?仕返し!?」

 

優斗「あはは・・・」

 

 

 

 

 

 

更に後日のイーグルジャンプ。紅葉とツバメとあやが東京ゲーム専門学校の課題で作ったゲームをプレイしてる。

 

コウ「へえ~。これが課題で製作したってゲームか~。」

 

紅葉「は、はい。」

 

ツバメ「アイドルが歌うリズムが音符になって敵に当たると浄化されるんです。そんな音ゲー作ってました。」

 

あや「凄く苦労して作ったんです。」

 

ねね「音ゲー!?凄〜い!」

 

優斗「良く出来てるな〜。」

 

大輝「太鼓の達人みたいだな。」

 

優斗「お前鬼出来んのか?」

 

大輝「無理。」

 

ねね「3Dが動いてる!専門学生ってこんなに作れるの!?」

 

うみこ「いえ。優秀ですよこれは。」

 

ツバメ「えへへ、どうもっす!」

 

コウ「3Dモデルもこれくらい出来るなら本番行ってみるか!」

 

すると紅葉がドヤ顔した。

 

青葉(分かりやすい・・・)

 

ねね「あ!やられた。」

 

 

 

 

 

 

その後青葉達はキャラ班のブースに戻った。優斗はすぐ作業を始めた。

 

コウ「じゃあ紅葉はひふみんから指示をもらう事。」

 

紅葉「分かりました。」

 

ひふみ「後で、お仕事お願いするね。」

 

紅葉「はい。」

 

コウ「デザイン面で変なとこあったら、直接青葉に文句言って良いから~。」

 

青葉「ちょ。八神さんったら~・・・」

 

コウ「じゃんじゃん詰るように。」

 

紅葉「はい。分かりました。」

 

青葉「紅葉ちゃん!?」

 

紅葉「ん?」

 

優斗(コウさん・・・)

 

 

 

 

 

 

プログラム班のブース。

 

うみこ「それでは鳴海さんには研修という名目で来てもらった所悪いですが実作業をしてもらいます。まずは簡単なミニゲームを作って実力を見せて下さい。モーション班の篠田さんがその企画担当なので仕様で分からない事があれば聞きに行くように。」

 

ツバメ「了解っす!」

 

やる気満々のツバメに対し、ねねはモジモジしてる。

 

うみこ「・・・桜さんにもミニゲームを作ってもらいます。」

 

ねね「嘘!」

 

うみこ「と言っても、PECOには実装されない練習用のミニゲームです。」

 

ねね「ですよねー。」

 

うみこ「迷路状の板の上を球を転がして進むボードゲームを作って下さい。質問はありますか?」

 

ねね「どれくらいで作れば良いんですか?」

 

うみこ「大学に通いながらでは少し厳しめかもですが、まずは1ヶ月を目標に作ってみて下さい。」

 

ねね「了解であります!」

 

うみこ「私は少し席を外しますが静かにお願いしますよ。」

 

注意されたねねがムッとした。2人はその後作業をする。

 

ねね「なるっち凄いね。いきなりお仕事なんて。」

 

ツバメ「えへ、そんな事ないよ~。」

 

ねね「何時からプログラムの勉強してたの?」

 

ツバメ「中学くらいかな?」

 

ねね「そんな昔から!?何でプログラムを始めようと思ったの?」

 

ツバメ「ももとあやと一緒にゲームを作りたかったんだ。昔からももって絵が凄く上手で、あやも自作CGを作ってたんだ。でも私が出来る事は何かって考えたらプログラムかなって。」

 

ねね「あおっちも絵は上手かったけど、私ゲームクリエイターなんて夢物語でそんな想像した事なかったよ~。」

 

ツバメ「その気持ちも分かる。」

 

ねね「でもそっか。そうだよね。プログラマーになれたらあおっちとまたゲームを作れる事になるんだ・・・私もそれ夢にしちゃお~。」

 

ツバメ「随分軽いね・・・そもそもねねっちは何でプログラム始めたの?」

 

ねね「う〜ん・・・なんとなく?」

 

ツバメ「え?」

 

ねね「私将来の夢とかないからさ~。でもゲーム会社も最近良いかなって思えてきて、実際自分でゲーム作ってみたら結構面白かったし、うみこさんんに少しでも認めてもらえたのも嬉しかったし。だから気分と成り行きなんだよね~。でもまさかうみこさんのお陰で雇ってもらえるなんて思ってなかったけど、案外私才能あったのかも。な~んて~。」

 

その言葉を聞いたツバメが口を出した。

 

ツバメ「なんだ。それコネ入社じゃん。」

 

ねね「え?」

 

ツバメ「別に事実でしょ?うみこさんも厳しそうな顔して実はそんな人だったんだ。がっかり。」

 

ねね「ち・・・違う!うみこさんは・・・」

 

ツバメ「何が違うの?良いね。なんとなくやってたら認めてくれるんだから。でも私は実力で入社を勝ち取ってみせるから!絶対ももとあやとここでゲームを作るんだ!」

 

ねね「・・・べ・・・別に私だって真剣にプログラムの勉強してるし・・・うみこさんだってきっとそれを認めてくれたんだし・・・だ、だから!うみこさんはそんな変な事をする人じゃ!」

 

ツバメ「真剣にやるなんて当たり前じゃん!」

 

ねね「っ!?」

 

ツバメ「ま、お互い入社できるよう真剣に頑張ろうね。真剣の度合いなんか人それぞれだけど。桜さん。」

 

ねね(何で私嫌われてるの~!?)

 

距離置かれてしまった。

 

 

 

 

その後うみこが戻って来た。すると、悲しい顔で作業してるねねと、真剣な顔で作業してるツバメを見て疑問を抱いた。

 

うみこ「・・・桜さん。どうかしましたか?」

 

ねね「え!?えっと・・・」

 

ツバメ「ねねっち少し手間取ってるみたいで。」

 

ねね「え!?」

 

うみこ「そうだったんですか。何処が分からないんですか?」

 

ねね(い・・・良い子ちゃん降ってる!?でも・・・なるっちの言ってた事も本当の事だ・・・私は特別扱いされてここにいるんだ・・・だからここで言い訳するより私がしっかりプログラム出来るようになれば、うみこさんの判断も正しかった事になる!はず!そしたら・・・)

 

 

 

 

うみこ『流石私が見込んだだけの事はありますね。』

 

ねね『えへへ~。そうでしょ~。』

 

 

 

 

なんて想像をした。

 

ねね「大丈夫です!自分で考えます!なるっち!私絶対スーパープログラマーになるんだから!覚悟しててよね!」

 

 

 

 

 

 

そしてエフェクト班では。

 

大輝「ここか〜。もうちょっと迫力があった方が良いかもね。」

 

あや「ふむふむ。了解です!」

 

分からない所を教えてあげてる大輝。あやがそれを修正する。

 

大輝「しかしあやちゃん、年下なのにCGのクオリティ凄いね。」

 

あや「本当ですか?ありがとうございます。」

 

大輝「CGを作るのって楽しい?」

 

あや「そうですね。もうCGを作るのが趣味になってます。大輝さん、一緒に良いゲーム作りましょうね!」

 

大輝「おう!」

 

 

 

 

 

 

その頃キャラ班のブースでは。

 

ひふみ「も、ももちゃん。良いかな?」

 

紅葉「はい。」

 

ひふみ「・・・あの・・・これ・・・お仕事の発注書!」

 

紅葉「ありがとうございます。」

 

発注書を受け取る。

 

青葉「な・・・何かパーツとか分からない事あれば何でも聞いてね!」

 

優斗(青葉さん、ちょっと弁えたらどうかな?)

 

紅葉「・・・」

 

ひふみ「・・・あの・・・やっぱりいきなりキャラは難しい?もっと別の、小物とかにする?」

 

紅葉「いえ。これで良いです。」

 

青葉「っ!?」

 

紅葉「絶対良い物にしてみせます!」

 

真剣に作業してる紅葉を見て、青葉は静かに微笑む。

 

 

 

 

 

 

その日の夜のマンション。風呂上りの紅葉が扇風機に当たってる。

 

ツバメ「もう!シャツくらい着なよ!」

 

あや「上半身見えてるよ?」

 

紅葉「え~。だって暑くて~。」

 

ツバメ「もう!またびしょびしょじゃん!ほらちゃんと拭く!」

 

紅葉「あ〜〜〜〜!」

 

バスタオルで紅葉を拭く。

 

紅葉「・・・なる。何かイライラしてる?」

 

ツバメ「別に。何で?」

 

紅葉「何となく・・・」

 

あや「ツバメ、もしかして何かあったの?」

 

ツバメ「何でも無いよ。」

 

あや(何かあったのね。)

 

ツバメが抱えてる問題はお見通しである。

 

あや「はいこれ!干したてほかほか!」

 

干し立ての服を渡す。紅葉が服を着る。

 

紅葉「今夜のメニューは?」

 

ツバメ「肉なし回鍋肉!」

 

あや「じゃーん!」

 

紅葉「ただの野菜炒めじゃん!」

 

肉なし回鍋肉をちゃぶ台に置く。

 

ツバメ「へいお待ち!」

 

3人「いただきます!」

 

野菜を食べる紅葉とあや。

 

あや「ん〜美味しい〜!」

 

ツバメ「もう少し食べる量減らしてくれたら回鍋肉に出来るんだけどね~。」

 

紅葉「肉を足して量を減らすか肉なしのまま沢山食べるか・・・でも食後の満足感はきっと大盛り~!」

 

ツバメ「食いしん坊だな・・・でもでも、初お給料入ればだいぶ楽になるよ!何食べたい?」

 

紅葉「肉あり回鍋肉。」

 

あや「何で回鍋肉に拘るの?」

 

ツバメ「もっと欲張ろうよ・・・あやは何食べたい?」

 

あや「私はハンバーグが食べたいな〜!」

 

紅葉「う~ん・・・じゃあジンギスカン。」

 

ツバメ「ヤギか・・・」

 

紅葉「羊だよ。」

 

ツバメ「え?嘘?」

 

紅葉「ほんとに道民?」

 

ツバメ「そんなに軽蔑されるような間違いなの!?」

 

あや「あはは・・・」

 

ツバメ「ジンギスカンだと鍋がないから外食かな?」

 

紅葉「買おう!鍋!」

 

ツバメ「でもあんまり食べないかもしれないし・・・」

 

紅葉「ううん。そうじゃなくてなるが作ってくれた方が美味しいし。」

 

ツバメ「っ!もう!嬉しいこと言ってくれるじゃないの!じゃあお給料入ったら買おうか!」

 

あや「おやおや〜?ツバメ照れてる〜?照れてるの〜?」

 

ツバメ「ちょっとあや!照れてないって!」

 

あや「可愛い〜ツバメちゃん!」

 

晩御飯を食べ終えた。

 

紅葉「ごちそうさまでした!あ~。今日も美味しかった。」

 

その場で寝転がる。あやが食器を洗う。

 

ツバメ「もう。牛になるよ?」

 

紅葉「牛肉も良いかも・・・」

 

ツバメ「食べる事しか頭にないのか・・・私もお風呂入っちゃうから、あやと食器洗っといてね。私が上がるまでには洗っとくんだよ。」

 

紅葉「は~い。」

 

その場で気持ち良く寝始めた。

 

あや「もう紅葉〜。起きて〜。手伝ってよ〜。」

 

紅葉(もっとお給料入ったら自動食器洗い機も買おう・・・)

 

するとその時。『カサカサカサ』と言う謎の音が聞こえた。

 

あや「ん?この音って。」

 

 

 

 

その頃ツバメは風呂に入って満足している。しかしその時。

 

紅葉「きゃ~!」

 

ツバメ「っ!?」

 

紅葉の叫び声を聞いたツバメが体にバスタオルを巻いて駆け付けた。

 

ツバメ「どうした!?」

 

あや「何処だ〜?何処に隠れた〜?」

 

紅葉「か・・・隠れちゃったけど・・・例の・・・黒い・・・虫が・・・さっき初めて見た・・・」

 

ツバメ「黒い虫!?き、去年は出なかったのに、何でまた?」

 

紅葉「引っ越したばかりだったし・・・」

 

ツバメ「大体単なる虫でしょ大袈裟な・・・ほら強気に出たら向こうもびびって出て来ない・・・」

 

紅葉「本当かな・・・?」

 

”カサカサカサ”

 

あや「あ!居た!」

 

ツバメ・紅葉「きゃあああああああ!!!」

 

あや「あ、また隠れた。」

 

紅葉「さ・・・殺虫剤無いの!?」

 

ツバメ「無いよ!出るなんて思ってなかったし!」

 

紅葉「叩く物!叩く物!あっ!じゃあこれでお願い!」

 

ファミ通を丸めてツバメに差し出す。

 

ツバメ「それまだ読むし!何で私が!?」

 

紅葉「他の雑誌は!?」

 

ツバメ「いらないのは丁度先週ゴミに出しちゃったよ・・・」

 

紅葉・ツバメ(ぶ、武器が無い!!)

 

あや「そうだ!」

 

何処かへ行ったあや。

 

ツバメ「ちょっとあや!?」

 

”カサカサカサ”

 

ツバメ(ど・・・どうする・・・このまま放置は無理だ・・・かと言って潰すのも気持ち悪いし・・・あやはどっか行ったし・・・ももは限界だし・・・)

 

するとテーブルの上のある物を使う。

 

ツバメ「これで・・・どうだ~!」

 

お椀で奴を閉じ込めた。

 

紅葉「あ~!私のお椀~!」

 

ツバメ「や、やった!意外と鈍い奴だな!」

 

紅葉「私のお椀・・・」

 

あや「ナイスツバメ!」

 

そこにあやが戻って来た。

 

ツバメ「何処行ってたのよ!!」

 

あや「ごめんごめん。ちょっと私に代わって。」

 

ツバメ「どうするの?」

 

あや「じゃじゃーん!」

 

1枚の紙を取り出した。奴を閉じ込めたお椀の下に敷いて、敷いたまま持ち上げる。

 

あや「紅葉、窓開けて?」

 

紅葉「う、うん。」

 

窓を開ける。

 

あや「ぽい。」

 

そしてあやが、奴を外に飛ばした。

 

紅葉・ツバメ「おお〜!」

 

あや「任務完了!えへ!」

 

 

 

 

 

 

翌朝、紅葉とあやが目覚まし時計で目を覚ました。

 

ツバメ「もも、あや、起きた・・・?」

 

紅葉「うん、おはよ。」

 

あや「おはようツバメ。」

 

するとツバメが咳き込んだ。

 

ツバメ「ごめん・・・風邪引いた・・・」

 

あや「え!?嘘!?」

 

紅葉「大丈夫?」

 

ツバメ「うん・・・寝てれば治ると思うからももとあやで会社行って・・・」

 

紅葉「分かった。でも早めに帰るようにするね。」

 

あや「帰ったらお粥作ってあげるから。」

 

ツバメ「ありがとう・・・」

 

紅葉「えっと・・・服・・・服・・・どうしようかな・・・」

 

あや「紅葉、服用意してあげるから。」

 

ツバメ(もも大丈夫かな・・・)

 

紅葉「よし。行って来ま〜す。」

 

あや「じゃあツバメ、行って来るね!」

 

ツバメ(流石に大丈夫か・・・あやも居るし。)

 

 

 

 

 

 

その後イーグルジャンプに出社する。

 

紅葉「おはようございます。」

 

青葉「紅葉ちゃんおは・・・あれ?今日はラフな格好だね。気分転換?」

 

紅葉「別に。あ、これパジャマだからですかね。良いかなって、スカートは違いますけど。」

 

青葉「え!じゃあその髪は・・・」

 

紅葉「・・・あ。いけない。」

 

青葉「何かあったの!?」

 

 

 

 

 

 

その頃あやは。

 

あや「しまった。うっかりして、紅葉の服間違えちゃった。・・・まあ良いか。」

 

うっかりしてて、紅葉の服を間違えてしまったあやであった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
      望月紅葉:鈴木亜理沙
     鳴海ツバメ:大和田仁美
      木崎あや:伊波杏樹
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
      相葉美佳:榎本温子
      相葉奈々:内藤穂之香
        れん:松田利冴
        みう:川上千尋
        山田:藤田咲
      アッキー:和久井優
    怪人殺虫剤男:保村真
  スパイダーレッド:バトリ勝悟
   アントブラック:古川真
  バタフライピンク:関根明良

青葉「ねねっちは、プログラムの勉強は順調?」

ねね「まあまあかなぁ〜?やっぱり先に進めば進む程難しくて・・・あおっちの方こそお仕事は順調?」

青葉「こっちは最後の追い込みだからね〜。時間が許す限り作るのみって感じだけど・・・紅葉ちゃんもひふみ先輩からノウハウを教わっただけで戦力になってるし、順調かな?」

ねね「やっぱりあの新人コンビは凄いよね〜・・・」

青葉「どうしたの?」

ねね「ううん!私も早くチームの役に立ちたいから頑張るよ!」

次回「どんどんリアリテイが薄くなっていくんだよ」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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23話「どんどんリアリテイが薄くなっていくんだよ」

ある日はじめが、ツバメが作ったPECOのミニゲームの「タイムアタックだるまさんがころんだ」を試プレイをしている。気付かれないように近付き、クマを驚かせた。クリアタイムは33秒。

はじめ「凄い!タイムアタックだるまさんがころんだもう出来たんだ!早いね〜!」

ツバメ「えへへ、そんな事ないっすよ~。」


試プレイをしたはじめだが、悩んでる顔をした。

 

はじめ「う~ん・・・」

 

ツバメ「何ですか?」

 

はじめ「何だか物足りない気が・・・」

 

ツバメ「ここの数値弄ってもらえれば、タイミングとか調整出来ますよ。」

 

はじめ「タイミングの問題かな〜・・・?」

 

ツバメ「仕様書通り作りましたけど。」

 

はじめ「いや・・・そうなんだけどそうじゃないって言うか・・・(う~・・・なるちゃんってちょっと怖い・・・てか気が強いな・・・でも企画の仕事をしていたらこう言う事はよくある事・・・どう説得すれば・・・そうだ!こう言う時葉月さんならきっと!)もう~。そんなに眉間にしわを寄せたら可愛い顔が台無し、だよ。」

 

しずくの真似をした。しかし。

 

ツバメ「は?」

 

はじめ「冗談冗談!気にしないで~!」

 

ゆん「騒がしいなもう・・・」

 

はじめ「ゆん、これどう思う?面白い?」

 

ゆん「え?」

 

次はゆんが試プレイをする。クリアタイムは41秒。

 

ゆん「う~ん・・・ゆうてもこれミニゲームやろ?こないなもんやない?」

 

はじめ「こないなもんって・・・」

 

優斗「どうしたの皆?何か悩みとかあった?」

 

そこに優斗が来た。

 

はじめ「優斗さん、これ面白いかどうかやってみますか?」

 

優斗「ミニゲームか。」

 

次は優斗が試プレイをする。クリアタイムは38秒。

 

優斗「そうだな・・・ちょっとあっさりしてる、みたいな?」

 

はじめ「あっさり、ですか?」

 

青葉「確かにちょっとあっさりしてますよね。」

 

優斗「青葉さんも?」

 

青葉「それにわざわざだるまさんがころんだを作らなくても、元々がこう言うかくれんぼ的なゲームと言うか。」

 

はじめ「いや~・・・青葉ちゃん手厳しいな。」

 

優斗「評論家みたいだな・・・」

 

はじめ「なるちゃんはどう思った?作ってて面白かった?」

 

ツバメ「私ですか?だるまさんがころんだに時間要素が加わってやりこみ甲斐があるかなと・・・ただ・・・」

 

はじめ「ただ?」

 

ツバメ「何で2体だけでだるまさんがころんだしてるんだろうとは思いましたけど・・・」

 

はじめ「そ、それだ!」

 

ツバメ(仕様が変わった・・・)

 

紙とボールペンを取り出した。

 

はじめ「ちゃちゃっと改めて仕様書書いちゃうからさ~追加お願い出来る?」

 

ツバメ「出来はしますけど・・・それだと本来の納期に間に合わないんですけど・・・」

 

はじめ「大丈夫大丈夫!ちょっとの遅れくらい計算内だって!」

 

ツバメ「それなら・・・分かりました。」

 

優斗「はじめさん、あんまり無茶しないでよ?」

 

はじめ「分かってますよ〜!」

 

仕様書を書いて、ツバメに渡した。

 

はじめ「それじゃあ宜しく〜!」

 

ツバメ(ほんとに大丈夫かな・・・)

 

心の中は心配だらけだった。

 

 

 

 

 

 

それから後日。

 

ツバメ「出来ました!サーバーにUPしてあります!」

 

はじめ「おお〜!早〜い!」

 

早速プレイしてみると、クマが2体に増えてた。

 

はじめ「うんうん!やっぱり増やした方が競争感も出て良いや!」

 

ツバメ「良かった!これでOKですね?」

 

はじめ「うん!ありがと・・・」

 

紅葉「良いんですかこれで?」

 

はじめ「ん?何?」

 

ツバメ「もも~!」

 

紅葉に止められてしまった。

 

はじめ「気になる所でも?」

 

紅葉「ここ。ライバルの熊が横切った時ペコの顔が視界内に入っているのに、何でこの熊は無反応なんですか?」

 

はじめ「あ!」

 

紅葉「熊と仲良しなんですか?」

 

ツバメ「だってそう言う仕様だし・・・割り切れば気にならないでしょ。」

 

紅葉「気になるよ。何時もだったらなるだって・・・」

 

ツバメ「気にならないの!」

 

紅葉「気になる!」

 

2人が喧嘩を始めた。

 

はじめ「お・・・落ち付いて!」

 

優斗「そこまでだ2人共!」

 

はじめ「優斗さん。」

 

優斗が喧嘩を止めた。

 

紅葉・ツバメ「相葉さん・・・」

 

優斗「2人共喧嘩を止めて、一旦落ち着こう?」

 

はじめ「確かにこう言う所を許していくと、どんどんリアリティが薄くなっていくんだよ・・・」

 

ツバメ「じゃあ、元に戻しますか?」

 

はじめ「それじゃあゲームとしてつまらないままだし・・・う〜ん・・・どうしようか・・・」

 

ツバメ「あの・・・この場合責任ってどちらになるんですか?」

 

はじめ「え?」

 

ツバメ「遅れの責任です。私はしっかりやってるつもりですけど、修正する度にこれでは・・・はじめさんは正社員だから多少ミスをしても大丈夫でしょうけど、私は合否前の研修中なので困るんです・・・」

 

優斗「そうか。ツバメさんと紅葉さんとあやさんはまだ研修中だったね。」

 

はじめ「あ・・・ごめん。そこまで考えてなかった。上には私の我儘だってしっかり報告しておくから気にしないで。ほんとにごめん・・・」

 

ツバメ「いえ・・・こちらこそごめんなさい。はぁ・・・」

 

優斗(大丈夫かな・・・?)

 

 

 

 

 

 

その後プログラマー班ブースに戻った。ねねが開発中のボードゲームを試プレイしている。

 

ねね「動いてるよ動いてるよ~そのままそのまま止まらないでね~・・・」

 

ツバメ(学校行きながらにしては割と出来てるじゃん・・・)

 

ねね「うわ!!うわ!!」

 

ツバメ(くすっ。そうでもないか。)

 

まだねねの事を信用してない様子。

 

うみこ「お疲れ様です。」

 

ツバメ「わ!」

 

うみこ「お仕事大変そうですね。仕様変更が重なってると篠田さんからメールがあって。」

 

ツバメ「え?ああ、はい・・・」

 

うみこ「変更変更そしてバグ。私も毎日うんざりです。なので上手くストレスを解消しなくてはいけません。」

 

ツバメ「どうやってですか?」

 

するとうみこのスイッチがONになった。

 

うみこ「私の場合はサバゲーです。良いですよ。体も動かしますし弾をヒットさせればそれだけでストレス解消になります。」

 

ツバメ「良いですね運動!私も体動かすのは好きです!」

 

うみこ「鳴海さんとは気が合いそうですね。」

 

意気投合したこの2人。

 

うみこ「篠田さんは最近になって企画の仕事もやるようになったばかりなので、対応もまだまだなんですよ。」

 

ツバメ「・・・」

 

うみこ「私だったら上手く言い包めてしまいますが、それでは篠田さんも可哀想ですし・・・」

 

ツバメ「確かにさっき申し訳なさそうにしてました・・・」

 

うみこ「何かあったんですか?」

 

ツバメ「いや・・・何でも・・・」

 

素直に言えなかった。

 

うみこ「すんなり完成の方向が見えれば楽なんですが、そうはいかないのが現実です。それでも良いものを作りたいと言う気持ちは、忘れずにいたいですね。」

 

ツバメ「・・・・」

 

うみこ「まぁでもここのボスに比べたら、篠田さんなんてまだまだ子猫ですよ。」

 

もずく「にゃ〜お。」

 

ツバメ「ボス?」

 

するとそこに。

 

はじめ「なるちゃん!さっきはごめん!でも今度こそ大丈夫だからこれでお願い出来ないかな・・・宜しくお願いします!」

 

フローチャートをツバメに渡す。

 

ツバメ「・・・分かりました。でもこれが最後っすからね。」

 

はじめ「良かった~・・・」

 

 

 

 

 

 

その後しずくに見てもらう。

 

しずく「うん。ライバルには背中だけを見せながら倒しつつ鬼に向かうんだね。そして効率よく動かないと時間切れか。凄く面白くなったね。OKだよ。」

 

はじめ「やった〜!」

 

ツバメ「ふぅ・・・」

 

しずく「そうだ。面白いから動きの違う魚とか魚のバージョンも作ろうか。」

 

はじめ「え~・・・嬉しいけど気分でそんな事言って良いんですか?また怒られますよ?」

 

しずく「ゲームは生き物だよ。その場その場の発想で成長して行くのさ。」

 

はじめ「成る程!確かに!」

 

ツバメ(ボスってこの人の事か〜!)

 

しずくがボスだって事を確信したツバメだった。

 

 

 

 

 

 

その後ねねは、修正した開発中のボードゲームをプレイ中。

 

ねね「落ち着け・・・落ち着け・・・飛んで行かないでね・・・」

 

強く念じながらプレイしてる。

 

ねね「もう少し・・・」

 

そしてボールがゴールに入った。

 

ねね「やった!!」

 

しかし飛んで行ってしまった。

 

ねね「あ〜〜〜!!!まぁ安定していないってだけで、出来る事は出来るしこれでいっかな~・・・1ヶ月掛からなかったし・・・えへへ。」

 

良い訳ないだろ。

 

うみこ「こちらで確認取ります。」

 

女性社員「はい。」

 

ねね「うみこさん・・・」

 

うみこ「すいません。ボードゲームの事なら後にしてもらって良いですか?今立て込んでいて・・・」

 

ねね「はぁ。」

 

隣のブースを見ると、女性社員達が黒いオーラを醸し出しながら作業していた。

 

ねね「繰り返される修羅場・・・私はこの後何をすれば?」

 

しずく「うみこ君・・・相談があるんだけど・・・」

 

うみこ「は?何ですか?」

 

しずく「ここの仕様なんだけど、追加でお願いしたい事があって・・・」

 

うみこ「だから最初にこうなるかもしれないと言っておいたでしょう。」

 

しずく「ごめん・・・そうなんだけど・・・ストレス無くプレイ出来る方がやっぱり良いよね・・・」

 

ねね「邪魔しちゃいけないから、ちょっとやる事探してこよっと。」

 

 

 

 

 

 

その頃優斗は、エフェクト班のブースに来て、大輝とあやの様子を見てる。

 

優斗「そっちはどうだ?CGの出来は。」

 

大輝「順調だぜ。これどうだ?」

 

優斗「良い感じだな。あやさんの方は?」

 

あや「かなりばっちりな感じになりました!これ見て下さい!」

 

優斗「凄えな・・・大輝よりクオリティが良い・・・」

 

あや「ありがとうございます!」

 

大輝「おい俺へ対する冒涜か?優斗の方はどうだ?VFXの方は。」

 

優斗「今良い感じに仕上がり中だから楽しみにしてろよ。」

 

大輝「そうか。よし!あや軍曹!俺達も優斗に負けないように頑張ろうぜ!」

 

あや「はい!大輝少尉!」

 

優斗「完全に意気投合してるな。この2人。」

 

 

 

 

 

 

その頃ねねは、青葉の様子を見に向かった。

 

ねね「あおっち~。何か手伝える事ない?」

 

青葉「ごめん!今追い込みの大量生産中だから遊んでる暇もなくて~。」

 

ねね「遊びに来たんじゃないよ!」

 

紅葉「青葉さん。ちょっと良いですか?」

 

青葉「ん?」

 

紅葉「このデザイン画、正面と横で棒との固定の仕方が違うんですけど。」

 

青葉「え!?嘘!?ごめん!ほんとだね・・・こっちの方優先でモデリングしてくれる?」

 

紅葉「了解です。ありがとうございました。」

 

青葉「ううん。こちらこそわざわざ確認してくれてありがとうね。」

 

紅葉「いえ。」

 

青葉「ねねっちごめん。やっぱりここではやる事無い・・・あれ?」

 

既にねねの姿はなかった。

 

 

 

 

 

 

姿を消したねねは、プログラマー班ブースに戻って来た。

 

ねね「修正修正修正・・・プロになってもずっと修正作業なんだな・・・」

 

戻ってみると、ツバメがミニゲームをプレイしていた。しかし、鬼に気付かれてしまった。

 

ツバメ「あ、あれ!?」

 

ねね(ぷぷぷ。なるっちも失敗してる。)

 

ツバメ「何?可笑しいの?」

 

ねね「いや・・・そう言う意味じゃなくて・・・なるっちも失敗するんだな~ってちょっと安心して・・・」

 

ツバメ「失敗しても私はその失敗をそのままにはしないし。そこの挙動が不安定なゲームみたいにね。」

 

ねね(う・・・バレてる!)

 

ツバメ「まさかそのまま提出する気じゃないよね?折角作ったんだから最後までやりなよ。それがプロでしょ?」

 

ねね「(認めてくれてる?)と・・・当然これから直すし~。それにまだ途中でもっとも~っと凄くなる予定なんだから~」

 

ツバメ「どう凄くなるの?」

 

ねね「え?え・・・えと・・・火吹いたりとか!」

 

ツバメ「火!?ふ~ん・・・まぁエフェクトの効果まで入ったら確かに褒められるんじゃない?」

 

ねね「え!本当!?」

 

突然ねねが輝き始めた。

 

ツバメ「き、基礎だし出来る事が増えればそりゃ・・・」

 

ねね「他には何かある!?」

 

ツバメ「え・・・ランダムで迷路が自動生成されたり・・・とか?」

 

ねね「それもやってみよ~!良い事聞いちゃった~!」

 

ツバメ(やっぱり気分で言ってたな・・・)

 

 

 

 

 

 

それから数日後。

 

ねね「とは言ったものの・・・難しいな~・・・」

 

うみこ「何が難しいんですか?」

 

ねね「うわああ!!」

 

突然うみこが出て来てびっくりして、椅子ごと転げ落ちそうになったが。

 

うみこ「おっと。気を付けて下さい。」

 

救われて落ちずに済んだ。

 

うみこ「ボードゲームの調子はどうですか?」

 

ねね「まだまだです・・・」

 

うみこ「見せて下さい。」

 

ねね「はい・・・」

 

開発中のボードゲームを見せると、タイトルの下に『EASY』と『HARD』があった。

 

うみこ「難易度?何ですかこれ?」

 

ねね「色々やりたい事があったりなかったり・・・」

 

うみこ「何でノーマルが無いんですか?」

 

ねね「そっち!?」

 

うみこ「とりあえずイージーを。」

 

まずはイージーをプレイする。

 

うみこ「何だ出来てるじゃないですか。」

 

ねね「まぁ、そうなんですけど・・・」

 

うみこ「挙動も安定してますし、見た目上では問題は何も。じゃあハードは。」

 

ねね「ああ!それは!」

 

ハードを選んだが、画面が映らなかった。

 

うみこ「・・・止まりましたね。」

 

ねね「はい・・・火が吹いたりとか、風が吹いたりとか、起動直後にランダムに迷路の自動生成とか、色々やろうとしてたら訳分からなくなってきて・・・まだまだチームの一員にはなれないな~って・・・」

 

ネガティブになったねね。しかし。

 

うみこ「そろそろ1ヶ月。桜さんは与えられた時間でノルマを達成しました。まずは合格です。」

 

ねね「え?」

 

うみこ「皆限りある時間の中で目標に近い物を作ろうとしてます。桜さんの目標通りではないにしてもこれは合格点です。でも桜さんの中で、納得がいかないのなら最後まで作ってみて下さい。その時はまた見てあげますよ。」

 

優しい助言を聞いたねねが少し見惚れた。

 

うみこ「ま、しかしもう会社の時間はあげられないのでプライベートで作って下さい。仕事ではないので。」

 

ねね「折角ちょっと優しいって思ってたのに~!」

 

うみこ「桜さんにはこれから仕事をしていただきます。と言ってももうマスター前。突然新人に参加されては混乱します。なので・・・」

 

ねね「なので?」

 

うみこ「去年の優秀な経験を活かし残り期間はデバッグをお願いします。」

 

ねね「え~!またデバッガー!?そんな~!」

 

うみこ「勿論皆のコードを見て勉強しながらですからね。」

 

ツバメ「あはは・・・」

 

再びデバッガーをやる事になったねねであった。

 

 

 

 

 

 

季節が過ぎて秋に入った。イーグルジャンプの会議室では。

 

しずく「うん。予定通り発売出来そうだね。」

 

コウ「はい!今回はデザインもシンプルだったから、作業もサクサク進みましたよ。」

 

りん「ええ。」

 

青葉「何だか少しずつゲームの形が見えて来て、1から作るのってこう言う感じなんですね。」

 

コウ「もう秋なんだな・・・」

 

外は夕方になっていた。

 

 

 

 

 

 

そして終業時間になった。ねねが青葉の所に来た。

 

ねね「あおっち~帰れる?」

 

青葉「うん。丁度終わったとこ。」

 

ねね「じゃあ一緒に帰ろ。」

 

青葉「そうだね。紅葉ちゃんも今日はもう良いんじゃないかな。」

 

紅葉「はい。」

 

そこに大輝も来た。

 

大輝「あ〜疲れた〜!」

 

優斗「よう大輝。」

 

大輝「帰って気合入れてゆったりするか〜!」

 

優斗「ゆったりするのに気合入れる必要あるか?」

 

今度はツバメとあやも来た。

 

ツバメ「もも〜、帰ろ〜。」

 

あや「紅葉〜!帰ろ〜!」

 

ねね「お~。なるっちもお疲れ様!」

 

ツバメ「お・・・お疲れ様。」

 

青葉「じゃあ帰ろうか。」

 

ひふみ「私も今日はこれで。お疲れ様。」

 

青葉「お先に失礼します。」

 

ねね「お疲れ様でした〜。」

 

優斗「お疲れ様。」

 

大輝「お疲れさん!」

 

ゆん「は〜いお疲れ〜。」

 

はじめ「お疲れ様〜。」

 

紅葉・ツバメ・あや「お疲れ様でした。」

 

ツバメ「もも、あや。寒くなってきたから今日は鍋とかどうかな?」

 

紅葉「うん!」

 

あや「鍋だ鍋〜!」

 

はじめ「鍋か~。良いな~。おもちゃ買い過ぎちゃって今ちょっと苦しいんだよね~。」

 

ゆん「うち今日鍋なんやけど、良かったらうちに来やん?」

 

はじめ「良いの!?」

 

ゆん「その代わり、そこのおもちゃれんが欲しがってるからちょーだい!」

 

はじめ「え~?」

 

ゆん「今日は~豪華海鮮鍋なんよ?」

 

はじめ「宜しくお願いします!」

 

 

 

 

 

 

そしてイーグルジャンプ前では。

 

ねね「寒〜い!」

 

青葉「本当にね〜!」

 

大輝「確かに寒い〜〜〜!!」

 

優斗「もう秋だからな。じゃあ皆、気を付けて帰ってね。」

 

青葉「優斗さん、お疲れ様でした。」

 

ねね「お疲れ様でした!」

 

大輝「じゃあな優斗!」

 

バイクで家へ帰って行った。

 

大輝「さてと、俺も早く帰るか。じゃあ青葉ちゃん、ねねちゃん。お疲れさん!」

 

青葉・ねね「お疲れ様でした〜!」

 

大輝が走って帰る。

 

 

 

 

 

 

2人は横断歩道で止まる。

 

ねね「あおっちは今は3D作業?」

 

青葉「うん。キャラデザの仕事はもう終わったし。」

 

ねね「凄いよね~あおっち。同い年なのにもうキャラデザやってて。私なんてまたデバッグだよ~。」

 

青葉「デバッグだって重要な仕事でしょ。」

 

ねね「それはそうだけど~。でもあおっちがキャラデザのゲーム開発に少しでも加われて。そこはうみこさんに感謝かな~?」

 

青葉「ありがとうねねっち。」

 

ねね「でも私だってちょっとは出来るようになったんだから、単純作業系のお仕事くらいさせてくれても良いのに!」

 

青葉「それだけ去年のデバッグが評価されたんだよ。」

 

信号が青に変わった。

 

ねね「ま、そう言う事にしときますかね~。でも何時かスーパープログラマーになってみせるんだから!」

 

青葉「スーパーって・・・でもねねっちに目標が出来てくれて私は安心だよ。」

 

ねね「む~。お姉さん振っちゃって。あおっちだってちゃんとキャラデザのままでいてよね?」

 

青葉「も・・・勿論!私だって頑張るし・・・何時までも八神さんに頼りっぱなしじゃないし!うん!」

 

ねね「ほんとかな~?あおっち見て見て!おでん屋さん!」

 

おでんの屋台を発見した。

 

青葉「良い匂い〜!」

 

ねね「あおっちが20歳になったら連れてってあげるよ。」

 

青葉「さっきの仕返し?ねねっちだって行った事無い癖に。」

 

ねね「へへへ。」

 

 

 

 

 

 

その頃飯島家では。

 

れん「はああ〜〜!!」

 

はじめが、れんが振り下ろしたおもちゃの剣を白刃取りしている。

 

みう「はじめお姉ちゃ〜〜ん!」

 

ゆん「お鍋出来たで〜。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃、紅葉とツバメとあやの家。

 

ツバメ「完成しました〜!」

 

紅葉「わああ〜!」

 

あや「やった〜!鍋だ鍋〜!」

 

紅葉「肉!」

 

念願の肉を食べる事が出来た。

 

 

 

 

 

 

同じ頃ひふみは。

 

ひふみ「いただきます。」

 

鍋を美味しくいただく。

 

 

 

 

 

 

同じ頃大輝は、鍋を作ってた。

 

大輝「よしよし出来たぞ〜。早速食うか!」

 

出来た鍋をいただく。

 

 

 

 

 

 

同じ頃相葉家。優斗と美佳と奈々が鍋を食べてる。ユユは餌を食べてる。

 

美佳「久し振りの鍋は美味しいね〜!」

 

優斗「ああ。寒い日にはやっぱり鍋だね。」

 

美佳「奈々、美味しい?」

 

奈々「おいしい〜。」

 

優斗「ユユもどうだ?高級キャットフード美味いか?」

 

ユユ「ニャ〜。」

 

美佳「この後おじやにしよ?」

 

優斗「良いね。それと今日帰りに買ったとろけるチーズも入れようか。」

 

美佳「ありがと〜!」

 

 

 

 

 

 

その頃イーグルジャンプでは。

 

りん「ただいま~。」

 

コウ「ああ。おかえり。」

 

りん「皆帰っちゃったか。」

 

コウ「うん。ひと段落した所だし帰れる時は早く帰った方が良いんだよ。」

 

りん「そっか。駅前に焼き芋屋さんがいてつい買っちゃったの。」

 

電気を消して、アロマキャンドルを点けて焼き芋を食べる。

 

コウ「熱!・・・美味いな~!」

 

りん「ええ。寒くなってきたからなおのこと美味しいわね。」

 

コウ「で、このキャンドルは?」

 

りん「綺麗でしょ?」

 

コウ「いや・・・そう言う事じゃなくて・・・まいっか。」

 

お茶を飲む。

 

コウ「でもこんな風に余裕があるなんて嘘みたいだな。キャラデザも3Dもメインは青葉とひふみんがやってくれたから、私はチェックとイメージボードくらいだったし。ちょっと暇だったくらいかな。」

 

りん「それで十分だよ。今までは全部1人でやってたんだから。」

 

コウ「・・・ADの仕事、今回はしっかり出来てるのかな私。」

 

りん「うん。今の所はね。」

 

コウ「意地悪だな・・・まぁでも?私が自分でやった方がもう少し出来はよくなるかな~と思ってるけどね。コンペで負けといてなんだけど。」

 

りん「そう言えば葉月さん、最初はコウちゃんにキャラデザやってもらうつもりでいたんだって。」

 

コウ「え?」

 

りん「勿論青葉ちゃんを依怙贔屓した訳じゃないんだけど、ああ言えばもっと良いのが来るって思ってたみたい。でもまさか青葉ちゃんに協力して期待以上の物を上げてくるとは思ってなかったって。変わったのよ。コウちゃん。」

 

コウ「あ、あの時はりんが相談に乗ってくれたからじゃん・・・そうでなくても、こうして今ここでやってけてるのは、りんが色々助けてくれたお陰なんだし・・・だから・・・えと・・・これ!プレゼント!」

 

長方形の小箱を渡した。

 

りん「どうしたの!?何かあったの?」

 

コウ「何でもないよ。良いから開けてみて。」

 

りん「う、うん。」

 

箱を開けると。

 

 

 

 

 

 

りん「時計!」

 

 

 

 

 

 

箱の中に入ってたのは腕時計だった。

 

コウ「プロデューサーになってからよく席立ってるし、外回りも多いでしょ?今だったらそれかなって・・・もっと早く渡そうと思ってたんだけど。」

 

りん「丁度新しいの欲しいと思ってたの!」

 

貰った腕時計を付ける。

 

りん「似合うかな?」

 

コウ「うん!ぴったし!」

 

りん「嬉しい!ありがと!でもびっくりした・・・どうしたの急に?」

 

コウ「別に・・・ただ今までのお礼の気持ち。」

 

りん「そんな・・・」

 

コウ「一度ちゃんと言っておきたかったからさ。中々言えなかったけど・・・ずっと感謝してたんだ。」

 

りん「コウちゃん・・・何かあったの?」

 

コウ「ないない!何もないよ!」

 

そう言って何処かへ行った。りんは心配しそうにコウを見る。

 

コウ「あー!雨降ってる。予報じゃ今晩降らないって言ってたのに。もう面倒臭いから私会社に泊まろっかな~。」

 

りん「ダメだよ帰らないと・・・」

 

 

 

 

 

しかしコウが既にズボンを脱いでた。

 

りん「何してるの!」

 

コウ「え?だって泊まるなら・・・」

 

りん「もう!そう言う所は全然変わってないんだから!」

 

とっても仲良しな2人であった。

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
      望月紅葉:鈴木亜理沙
     鳴海ツバメ:大和田仁美
      木崎あや:伊波杏樹
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨
      相葉美佳:榎本温子
      相葉奈々:内藤穂之香
        れん:松田利冴
        みう:川上千尋

りん「ようやくPECOも、完成の目処が見えてきたね。」

コウ「うん。短期制作だったけど、今回は色々あったなぁ〜。でも、そんなに問題も起こらなかったし、これはりんも初プロデューサーをしっかりこなせたって事かな?」

りん「はぁ〜、でもしっかり売れるかしら?大丈夫かしら・・・?」

コウ「もうりんはプロデューサーなんだから、そこは、しっかり売る!だろ?」

りん「そうね!そうだったわ。皆の頑張りに報いる為にも売ってみせる!」

コウ「そう来なくっちゃ!」

次回「心になにか抱えているのか」

コウ「さぁ!皆もラストスパート頑張ろう!」

りん「何だろう・・・最近のコウちゃん、妙に優しい・・・」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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24話「心になにか抱えているのか」

ある日のイーグルジャンプ。マスターまで後20日になり、ラストスパートを迎えた。全社員達が集中してPECOを作る。

プログラマー班ブースでは。

ツバメ「担当箇所、実装しました!」

うみこ「お疲れ様です。早いですね。」

ツバメ「いやいや~。」

うみこ「速さはプログラマーにとって正義ですよ。誇って良い事です。」

ツバメ「ありがとうございます!」

当のねねは不機嫌中だった。

うみこ「引き続き宜しくお願いします。」

ツバメ「はい!」

持ち場に戻って、ねねに向かってドヤ顔した。ねねはそんなツバメを見て膨れっ面になった。


ツバメ「桜さんはずっとデバッグ~?」

 

調子に乗ってねねを煽る。

 

ねね「そうだけど。今はコード読んでる。あっそうだ。なるっちのコードなんだけどここもっと短くなるんじゃない?」

 

ツバメ「え!?(や・・・やばい!私の評価が下がる・・・)」

 

評価が下がってしまう事に不安を抱え始めた。

 

ツバメ「あ~そこ?丁度直そうと思ってた所だよ~・・・」

 

ねね「ほんとかな~?」

 

するとツバメが紙に『うみこさんの前で評価が下がるようなこと言うな!』と書いて見せた。

 

ねね「(な!折角教えてあげたのに!)うみこさん!」

 

ツバメ(げ!告げ口!?)

 

告げ口されると思い、ヤバいと感じたツバメだったが。

 

ねね「食堂で勉強して来て良いですか?気分転換に。」

 

うみこ「構いませんが遊ばないで下さいね。」

 

ねね「遊ばないですよ~。」

 

ノートパソコンを持ってカフェへ向かった。

 

ツバメ(気分でやってる癖に邪魔しないでよ・・・)

 

うみこはツバメを密かに見る。ツバメには、ある事を抱えていた。

 

 

 

 

 

 

一方ねねはカフェに来た。

 

ねね「はぁ・・・人間関係って大変だな・・・ん?」

 

紅葉「どうですか~?」

 

カフェに紅葉が居た。彼女はもずくにマッサージしていた。

 

ねね(紅葉ちゃんだ。)

 

紅葉「お肉が凝ってますね〜。」

 

隣にねねが座った。

 

ねね「キャラ班は平和そうで良いですね・・・はぁ・・・」

 

紅葉「?」

 

コウ「お疲れ~。2人共休憩中?」

 

そこにコウが来た。

 

紅葉「あ、はい!お疲れ様です!」

 

ねね「私は勉強中です!」

 

コウ「へぇ~。ねねちゃんがこんな所で勉強ってさては阿波根に叱られたな?」

 

ねね「違いますよ~!」

 

???「あ〜!紅葉だ〜!」

 

そこにあやが来た。優斗と大輝も一緒だった。

 

紅葉「あや。」

 

あや「お!もずくちゃ〜ん!今日も気持ち良いですね〜。もふもふ〜。」

 

もずくをすりすりする。

 

大輝「コウさん、お疲れ様です。」

 

コウ「ああ、お疲れ。2人も休憩?」

 

優斗「はい。大輝とあやさんに休憩誘われたんです。俺もちょっと疲れを取ろうと思って。ねねさんも休憩?」

 

ねね「いえ、私はここで勉強を・・・」

 

優斗「ん?どうしたの?何か悩みとかあるの?」

 

ねね「はい・・・何だかピリピリしてるから居辛くて・・・紅葉ちゃん、あやちゃん。なるっちってどんな人?」

 

紅葉「なるですか?掃除も洗濯も料理も家事は何でも完璧に出来てお世話好きで頼れるお姉ちゃん・・・みたいな。」

 

ねね「(やっぱり私以外の前では猫被ってるんだ・・・)はぁ・・・」

 

あや「ねねさん、ツバメはそれだけではありません。」

 

ねね「え?」

 

あや「実はツバメは地元の旅館の一人娘なので、接客も含めてしっかり教えられてたんです。」

 

大輝「え?旅館の一人娘?」

 

コウ「凄い!わざわざプログラマーにならなくて良いくらいじゃん。」

 

優斗「じゃあ、ツバメさんは本来実家の跡継ぎを?」

 

紅葉「はい。実際女将として跡を継ぐよう言われてて。」

 

ねね「え?」

 

優斗「そうか。もしかしてご家族に反対されたとか。」

 

紅葉「そうです。なるは、親からゲーム業界に入る事を反対されてるんです。」

 

ツバメは地元の旅館の一人娘であり、ゲーム業界に入る事を親から反対された過去を持っていた。

 

大輝「跡継ぎかぁ・・・確かにそう言う家庭に生まれた人は他の道へ進む事を反対される事あるな。」

 

優斗「でも跡を継がなくても良い家庭もあるよな。」

 

大輝「確かに。」

 

あや「でも、私の両親がツバメを助けて説得の手伝いをしてくれたんです。何で助けるのって言ったら、「ツバメちゃんと一緒じゃなきゃ不安だろ?」って言われて。」

 

優斗「凄いね君の両親・・・」

 

紅葉「おじさんとおばさんと一緒に何度も何度も説得して専門学校の入学を許して貰えて。でも仕送りは送って貰えないから、学校に行きながらバイトもして・・・」

 

ねね「凄い・・・そんなに頑張ってたんだ・・・なるっち・・・」

 

あや「それと違って私と紅葉は自由に育てられたんです。東京ゲーム専門学校を勧めてくれたのは私の両親でしたから。」

 

紅葉「なるは何時も笑ってますけど、凄く苦労していて・・・だけど第一志望のイーグルジャンプに就職出来なかったら旅館を継げって。それが条件だって言われて・・・て・・・!今のは秘密でした!忘れて下さい!」

 

あや「私からもお願いします!忘れて下さい!」

 

コウ・優斗・大輝「もう聞いちゃったよ・・・」

 

ねね「どうして!?どうして秘密なの!?」

 

大輝「そうだよ!普通そう言う悩みは誰かに相談するものだろ?何でツバメちゃんはそれを言わなかったの?」

 

あや「単純に言うと、ツバメは意地っ張りなんです。」

 

優斗「意地っ張り?強情なの?」

 

紅葉「はい。実力で受からなきゃ意味が無いって。正々堂々プログラマーになってお母さんを見返してやるんだって。」

 

何時も作業が早く出来た理由は、実力で受かって母を見返す為だった。

 

あや「私と紅葉はもう昔からツバメの事を良く知ってるんですよ。この前だって少し不機嫌になってましたし。ツバメったら、悩みがあるんだったら素直に相談すれば良いのに。ねぇ紅葉?」

 

紅葉「うん。」

 

あや「ツバメったら強情なんだからぁ。」

 

ねね「そっか・・・それで・・・いや何時も本気だから・・・」

 

あや「でも、普段のツバメは軽い感じなんですよ?私達のお姉さん的存在なんです。」

 

コウ「心配しなくてもうみこには黙っておくけど、うみこはそんな同情で合格させる程優しくないと思うけどね~。それに同情で入社しても周りに付いて行けなくて不幸になるのは本人だし・・・不愛想な奴でも、責任持って選ぶ奴だよ。」

 

紅葉「そうですか・・・でもなるならきっと大丈夫です。」

 

あや「そうですよ!ツバメならきっと!」

 

コウ「おいおい。紅葉もあやも他人事じゃないんだからな~?」

 

紅葉・あや「う・・・頑張ります。」

 

優斗「まあ、頑張れば大丈夫だよ。」

 

大輝「そんなに落ち込まずに前向きになろうぜ!」

 

あや「そ、そうですね!」

 

すると紅葉がある質問を言った。

 

紅葉「あの・・・青葉さんも研修ってしたんですか?」

 

コウ「青葉は面接に来た時はまだ高校生だったし、直に入社だったよ。」

 

紅葉「凄いですね。高卒で面接に来るなんて。」

 

大輝「因みに俺と優斗も高卒からの面接して受かったんだ。」

 

紅葉「凄いですね。」

 

ねね「でもあおっち、あれでも高3まではふらふらしてたよ~。」

 

コウ「嘘!そうだったの!?」

 

大輝「初耳だよそれ!?」

 

ねね「ほたるん・・・星川ほたるって言う同級生と一緒に絵を描くようになってからあおっちなんだか前向きになり始めて。」

 

紅葉「星川ほたる。」

 

コウ「その星川さんってどんな子なの?気になる〜。」

 

紅葉「わ、私も!」

 

あや「私も気になります!」

 

大輝「俺も気になる!」

 

優斗「写真あるの?」

 

ねね「写真ありますよ。右から2番目の子。」

 

卒業写真を見せた。

 

コウ「可愛いじゃん!」

 

紅葉「大人しそう。」

 

あや「可愛い〜!」

 

優斗「お淑やかな子だね。」

 

大輝「へぇ〜。この子がほたるちゃんか〜。」

 

コウ「じゃあこの星川さんが青葉のライバルだったんだ?」

 

ねね「う~ん。ほたるん上手過ぎてあおっちたまに悄気てましたし・・・あれはライバルなのかな?」

 

紅葉「青葉さんでも悄気る事あるんですね・・・」

 

コウ「青葉も普通の人間だぞ~。」

 

優斗「どうしたのその目?」

 

コウ「っで、その星川さんの進路はどうなったの?」

 

ねね「大学ですよ今。芳文美術大学って言う美大生です。あおっちも受かってたんですけどこっちに。」

 

コウ「青葉はよく就職を選んだなぁ。」

 

ねね「確かに皆寂しかったんですけど、目の前の事を何時も頑張ってれば離れていても寂しくないって3人でそう思ってたから。だから平気だったんだ~。」

 

大輝「仲の良い友達に恵まれて良かったね青葉ちゃん・・・」

 

優斗「お前が涙流してどうする。」

 

ねね「でも。私もイーグルジャンプに来ちゃったからほたるん少し可哀想かも~。」

 

優斗「ちょっと辛辣だなぁ・・・」

 

 

 

 

うみこ「桜さん。」

 

ねね「のわわ~!」

 

 

 

 

後ろからうみこに呼ばれてびっくりした。

 

ねね「べ・・・勉強もしてましたよ・・・」

 

うみこ「してなかったんですね。それは兎も角、プログラマー班内で緊急会議をするので桜さんも来て下さい。」

 

ねね「え〜?何ですか〜?」

 

うみこ「何でもです。」

 

会議に向かうねねとうみこ。するとコウが呟く。

 

コウ「頑張っていれば離れていても寂しくない、か。」

 

紅葉「?」

 

優斗「コウさん?どうしたんですか?」

 

コウ「何でもないよ。ん〜・・・十分休憩したし私達も仕事再開しよっか。」

 

紅葉「あの!八神さんに質問が。」

 

コウ「ん?」

 

紅葉「八神さんには先生や師匠って居るんですか?」

 

コウ「私?絵の事言ってるなら私にそう言う人居ないよ。でも皆からは色々学んでるつもりだけど。勿論紅葉からもね。」

 

紅葉「え?何をですか?」

 

コウ「えへへ〜内緒~。さ、ラストスパート頑張ろー!」

 

紅葉「あの、八神さん!何をですか?」

 

コウ「内緒内緒〜。」

 

あや「じゃあ大輝さん!優斗さん!ラストスパート頑張りましょうね!」

 

優斗「勿論だよ!」

 

大輝「おっしゃ!気合入れてやるで〜!」

 

 

 

 

外は雨が降り続いている。イーグルジャンプでは、クリスティーナがもずくを撫でながら電話していた。

 

クリスティーナ「・・・はい。・・・はい。では、その方向でお願いします。」

 

通話が終わったと同時にコウが来た。

 

コウ「あぁ大和さんこんな所に居た。ちょっと良いですか?」

 

クリスティーナ「何かご用ですか?」

 

コウ「・・・大和さんに頼みたい事があって。」

 

 

 

 

一方その頃プログラマー班ブースでは、異常事態が発生していた。

 

ねね「え~!なるっちの担当箇所がバグだらけ!?順調だったんじゃ・・・」

 

何とツバメの担当箇所が殆どバグだらけになっていた。

 

うみこ「しっかり通しでチェックしてなかったようで・・・」

 

ツバメ「彼処が動くならここもって確認を怠っていて・・・」

 

うみこ「異様に手が早かったのはその為だったんですね・・・」

 

ツバメ(確認作業を飛ばして手の早さの評価も足して合格を確実にしたかった・・・十分注意したつもりだったのに焦り過ぎたかな・・・)

 

評価だけを上げて合格したい事ばかりに気を取られてしまった自分を心の中で反省する。

 

ツバメ(終わった・・・今まで必死に頑張って来たのに儚い夢だったな・・・結局お母さんの言う通り私は家を継ぐ運命だったんだ・・・ごめんもも・・・あや・・・それに皆に迷惑まで掛けて・・・悔しいよ・・・悔しい・・・悔しい・・・悔しい!)

 

自分が悔しいと思った。しかしその時。

 

 

 

 

 

 

ねね「早く直さないと!」

 

 

 

 

 

 

ツバメ「!?」

 

ねね「諦めちゃダメだよ!」

 

ツバメ「桜さん・・・?」

 

ねね「なるっち言ってたじゃん!失敗はそのままにしないって!確認作業を省けばなるっち早いんでしょ!?手伝うから!これでもデバッグはプロ級だし今はプログラムの知識だってあるんだから任せてよね!」

 

泣いてるツバメに激励を送った。しかし。

 

うみこ「そうしたいんですが、スケジュールの都合上やはり鳴海さんのミニゲームを幾つか削るのが現実的で・・・」

 

ねね「え~!」

 

うみこ「しかし私の管理ミスでもあるので、可能な範囲で私も手伝います。兎に角これから指示する優先順に修正して行って下さい。その進行具合で判断します。ただしやはり現実的でないようならミニゲームをいくつか削ります。良いですね?」

 

ねね・ツバメ「はい!」

 

 

 

 

 

 

こうしてねねとツバメの共同作業が始まった。

 

ねね「はいバグシート。」

 

大量のバグシートを置いた。

 

ツバメ「もう!?こんなに!?」

 

ねね「結構穴だらけだね~。取り敢えず全部洗い出すから待ってて~。」

 

ツバメ「何で・・・何でそんなに付き合ってくれるの?」

 

ねね「え?」

 

ツバメ「嫌いじゃないの私の事!?私桜さんに何度も酷い事言ったのに・・・」

 

ねね「嫌いだったよ。でも何であんな事言ってたのか分かったから。紅葉ちゃんとあやちゃんから、なるっちの家の事聞いたんだ全部。」

 

ツバメ「っ!」

 

ねね「私単純だから。聞いたらなるっちの事応援したくなっちゃった!なるっちくらい本気でやってたら私の事気に入らないのも分かるし。ごめんねこんなんで。」

 

ツバメ「ううん・・・実は後ろでボードゲーム作ってるの見て頑張ってるなって見直してたんだ。でも私意地になっちゃって・・・ごめんなさい桜さん!」

 

ねね「えへへ。ねねっちで良いよもう~。」

 

ツバメ「うん!ねねっち!」

 

自分の意地っ張りを認めてねねに謝罪した。こうしてねねとツバメは共に和解した。その後も共同でバグを修正する。

 

 

 

 

 

 

共同作業が始まって翌日。

 

うみこ「次の作業の割り当てをします。鳴海さんはこの部分から。桜さんはこちらから。」

 

 

 

 

それからその後。

 

青葉「差し入れだよ〜!」

 

ねね「あ!ありがとうあおっち!」

 

青葉と紅葉とあやが差し入れのドーナッツを持って来た。

 

 

 

 

深夜になってもバグ修正は続く。

 

ツバメ「残りどれくらい?」

 

ねね「眠くて分かんない~・・・」

 

 

 

 

 

 

そしてそれから数日が経った。殆どの社員達が寝泊まりしている。ねねとツバメも寝ている。

 

ツバメ「ん・・・」

 

すると横にあるレッドブルの空き缶がツバメに当たって、床に落ちる。

 

 

 

”カンッ”

 

 

 

ねね「も・・・もうバグありませ~ん!」

 

カンッと言う音を聞いて、起きて大声を上げた。

 

ねね「・・・はっ。夢か。」

 

今までは夢だと自分を納得させた。しかしうみこから。

 

 

 

うみこ「夢ではないようですよ。」

 

 

 

ねね「え?それじゃあ・・・」

 

うみこ「はい。」

 

全てのバグが修正出来た。これは夢ではなく現実だった。

 

ねね「なるっち!起きなよ!大丈夫だって!」

 

寝ているツバメを起こす。

 

うみこ「よく頑張りましたね。お疲れ様です。」

 

ツバメ「・・・っ!」

 

うみこ「鳴海ツバメさん。幾つか問題はありましたが合格です。鳴海さんが良ければ今後とも弊社で宜しくお願いします。」

 

遂に、ツバメの内定が決まった。

 

ねね「やった〜〜〜!!!」

 

嬉しくなったねねがツバメをギューっと抱き締めた。

 

ツバメ「ありがとう・・・ねねっちがいなかったらきっと駄目だったよ・・・ありがとう・・・ありがとう!」

 

ねね「そんな事ないよ!なるっちの実力だって!」

 

ツバメ「ねねっち・・・」

 

うみこ「そうですね。実力的に合格でした。脅かすような事言いましたが終わると思ってましたし。最悪私が何とか。」

 

ねね「ちょ!ぶち壊しだよ~!」

 

うみこ「冗談です。とは言えマスターまで後数日あります。気を引き締めて走り切りましょう。」

 

ねね・ツバメ「はい!」

 

ねね「あ、所で私はどうなりましたか・・・?」

 

うみこ「い、言わなくても分かるでしょう・・・」

 

ねね「お願いします!」

 

うみこ「・・・契約更新です。また3か月間頑張って下さい。」

 

女性社員「おめでとう!」

 

他の女性社員達がねねとツバメを祝った。

 

ねね・ツバメ「やった~!」

 

外は満開の快晴になった。

 

 

 

 

 

 

その頃りんは、もずくを撫でていた。

 

りん「もずくちゃんは何時ものんびりしてて良いわね~。」

 

もずく「にゃ〜お。」

 

するとその時。

 

クリスティーナ「八神さん。例の件大丈夫でした。是非にと。」

 

コウ「本当ですか?良かった。助かります。」

 

クリスティーナ「でも紹介しておいてなんですが私は反対です。」

 

するとクリスティーナから、驚きの言葉が出た。

 

 

 

 

 

 

クリスティーナ「イーグルジャンプを離れるだなんて・・・」

 

 

 

 

 

 

りん「・・・!」

 

コウ「少し前から考えてたんです。寧ろ希望の会社へのツテがあって助かりました・・・」

 

すると後ろから物音が聞こえた。もずくが出て来た。

 

もずく「にゃ〜お。」

 

コウ「何だもずくか~。驚かせんなよな。オ?まぁた重くなったのか〜?」

 

りん(コウちゃんが・・・居なくなる?)

 

イーグルジャンプからコウが居なくなる事を聞いたりんがショックした。

 

 

 

 

 

 

翌日。コウが近くのラーメン屋でラーメンを食べていた。

 

女性店員「いらっしゃいませー!」

 

店長「らっしゃーい!」

 

女性社員「そちらの席へどうぞー!」

 

するとコウがある人物とばったり出会った。

 

コウ・うみこ「あ。」

 

うみこだった。コウの隣の席に座る。

 

うみこ「真昼間からラーメンですか。体に悪いですよ。」

 

コウ「うみこもだろ!」

 

うみこ「ネギラーメン下さい。」

 

山田「ネギラーメンかしこまりー!」

 

店長「かしこまりー!」

 

コウ「そっちは新人2人も抱えてどうよ?」

 

うみこ「まぁまぁ可愛いものですよ。片方は猫を被ってましたし。もう片方は元気な犬のように落ち着きがないですし。犬と猫を同時に育ててる気分です。」

 

コウ「動物扱いかよ・・・」

 

うみこ「そちらは?」

 

コウ「う~ん・・・黙々とそつなく仕事をこなしてるよ。後あの青葉がいまいち距離を掴めてないみたいで何か笑える。」

 

うみこ「コウさんからは何かしてるんですか?」

 

コウ「いや・・・別に。だって直接はひふみんの部下だし私が口出すのもアレかなって・・・」

 

うみこ「ほんと面倒臭い性格してますね・・・」

 

コウ「何を~!」

 

そこにネギラーメンが来た。

 

山田「ネギラーメン出来上がりー!」

 

うみこ「どうも。」

 

店長「出来上がりー!」

 

うみこ「木崎さんの方はどうですか?」

 

コウ「結構良いCGが出来てるって優斗が言ってたよ。でも、大輝と一緒に居るとテンションがかなり高いと言うか・・・」

 

うみこ「そうですか。望月さんも涼風さん同様あなたに憧れて来たんでしょう。たまには声を掛けてあげるだけでも嬉しいでしょう。」

 

コウ「たまには声掛けてるよ・・・挨拶くらいだけど。それに喧嘩してる訳でもないし問題があるならここはひふみん達だけで何とかするべきだと思うんだよ。私に頼らないでさ。もし私が突然居なくなっちゃったりしたら大変でしょ?」

 

うみこ「まぁ確かに。グラフィックはあなたのワンマンめいた所がありますからね。そうだ。バグはまだ残ってますが、もうほぼマスターしてるんですよ。新人3人の頑張りもあって。午後から食堂でプログラマーの皆を集めてプレイする予定なんですが、そちらもどうですか?」

 

コウ「おー!行く行く!こっちもクオリティアップの調整ばっかだし!」

 

 

 

 

 

 

その頃優斗は、カフェから戻る途中だった。すると。

 

優斗「ん?」

 

廊下にりんが悲しそうに佇んでいた。

 

優斗(りんさん?どうしたんだろう?)

 

りん「・・・・」

 

佇んでるりんに寄る。

 

優斗「りんさん。」

 

りん「・・・優斗君?」

 

優斗「どうしたんですか?ここに立って。」

 

りん「・・・・・」

 

優斗「・・・何か悩みがあったら言って下さい。後輩の俺ですが、出来る事なら何でも。」

 

りん「ありがとう・・・実は・・・」

 

この前のコウとクリスティーナの会話を聞いた事を話した。

 

優斗「え!?それ本当なんですか!?」

 

りん「ええ・・・」

 

優斗「コウさん・・・まさか・・・」

 

りんはあの会話を思い出してまた黙った。

 

優斗「りんさん、この話は内緒にしておきます。皆には黙っておきますので。」

 

りん「うん・・・ありがとう・・・本当に優斗君は優しいね・・・」

 

優斗「困ってる人を見過ごす訳にはいきませんよ。」

 

 

 

 

その後コウがキャラ班の皆を誘う。

 

コウ「と言う訳で行こう!」

 

はじめ「え〜?めっちゃ忙しいんですけど。調整調整で。」

 

青葉「あはは・・・」

 

コウ「そうだ~はじめは企画だった・・・」

 

青葉「でもはじめさん、やりたいんじゃないですか?」

 

はじめ「そ、そうだけどさ・・・青葉ちゃんは?」

 

青葉「私も、グラフィックの調整が・・・ゆんさん行きますか?」

 

ゆん「う〜ん・・・どないしようかな・・・」

 

紅葉は作業に集中していた。

 

コウ「(面倒臭い性格か・・・)紅葉。」

 

紅葉「ひゃ!」

 

急に呼ばれてびっくりした。

 

コウ「紅葉もゲームのデモプレイ見に行かない?ちょっとした息抜きにでもなるし、これも勉強だと思えば。どうかな?」

 

紅葉「い・・・行かせていただきます!」

 

コウ「ほらほら!紅葉も行くんだから皆も行った行った!」

 

はじめ「もぉ〜、理由になってませんって〜。」

 

優斗(コウさん楽しんでるな〜。)

 

コウ「優斗〜!優斗も行こうよ〜!」

 

優斗「俺もですか?・・・まあ良いですけど。(マスターまで後10日しか無えのに・・・)」

 

 

 

 

 

 

カフェに集まった。

 

ねね「プレイしたい人~じゃんけん!」

 

はじめ「はーい!はいはいはいはい!」

 

ゆん「何やノリノリやん・・・」

 

ツバメ「私も!」

 

あや「私も私も!」

 

大輝「俺も俺も!」

 

優斗「テンション高え・・・じゃあ念の為俺も。」

 

コウ「2人はいいの?」

 

青葉「え〜?何だか恥ずかしいし・・・」

 

紅葉「私もです。」

 

コウ「はいはーい!この2人も!」

 

強制的に参加させた。

 

青葉「や、八神さん!?」

 

コウ「ほ〜ら行った行った〜!」

 

ねね「じゃあ私を含んで8人でじゃんけんだね〜!」

 

青葉「仕方無いな〜。」

 

はじめ「勝つぞ〜!」

 

大輝「勝っちゃるぜ〜!」

 

青葉「ん?どうかした?」

 

紅葉「え?いや・・・(こんな大勢の前で恥ずかしい・・・負けたい負けたい負けたい・・・)」

 

青葉(緊張してる・・・?)

 

 

 

 

 

 

じゃんけんの結果、青葉と紅葉が勝った。

 

紅葉(勝っちゃった・・・)

 

大輝「負けだーーーー!!!」

 

優斗「敗者は退場な〜。」

 

大輝を引っ張る。

 

紅葉「良いんですか?私なんかで・・・」

 

青葉「あはは、あんまり気にする事ないよ・・・」

 

紅葉「はい・・・」

 

コウ「ん?」

 

紅葉「あっ!(八神さんも見てる八神さんも見てる八神さんも見てる・・・!!)」

 

 

 

 

 

 

早速PECOをプレイする。

 

ねね「デバッグモードだから好きなステージ選べるよ!」

 

紅葉「はい!」

 

はじめ「このステージのBGM良いですよね~。街と雰囲気も合ってて。」

 

ゆん「ほんまに!こんなメルヘンなイメージやったんやね!」

 

優斗「タイトル画面が結構可愛かったな。」

 

大輝「良いな〜。俺がじゃんけん勝ったらノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」

 

優斗「エグゼイドか。ってかお前負けたろ?俺もだけど。」

 

青葉「そんなに囲まれたらやられちゃうよ~!」

 

紅葉「分かってますよ!」

 

ねね「藁!藁があるのに~!」

 

藁の中に隠れた。

 

紅葉「あ。隠れられた。」

 

青葉「そんな仕様が・・・?」

 

ねね「何で知らないの!?」

 

うみこ「グラフィッカーはそこまで仕様を把握してませんからね。」

 

優斗「藁に隠れるって、アサシンクリードみたいだな。」

 

大輝「確かに。」

 

クマが謎の歌を歌ってる儀式をやってるステージに入った。

 

コウ「音が入るとさらに物騒だよな・・・誰だよこれ考えたの。」

 

青葉「あぁ私です!熊食い族!葉月さんにふざけて見せたら面白いねって。結構気に入ってます。」

 

コウ「青葉は心になにか抱えてるのか・・・?」

 

青葉「え?」

 

コウ「でもこれ、紅葉の最初の力作だもんね。良く出来てるよ。」

 

紅葉「あ・・・ありがとうございます!」

 

ねね「ラスボスも迫力満点だよ!」

 

ゆん「ほんま?見たい見たい!」

 

遂にラスボスまで来た。

 

女王様『覚悟しろ〜!』

 

ラスボスの女王様を見て、ゆんが感動した。

 

青葉「こっちはゆんさんの力作ですもんね。」

 

ゆん「青葉ちゃんのデザインが良かったからやって。」

 

青葉「そう言って貰えると嬉しいです!」

 

ひふみ「皆、凄く上手くなったよ。」

 

コウ「どう?初キャラクターデザインの感想は?」

 

青葉「あまり実感は湧かないですけど・・あの時思い付きで描いた落書きから何度も修正して・・・こうして皆の力で生きてるみたいに動き出して。描けて良かったです!」

 

コウは青葉を見て微笑む。紅葉は青葉を見て少し不機嫌になった。まだライバル心を抱えている。

 

ペコ『やられたクマ~・・・』

 

ゲームオーバーになってしまった。

 

青葉「ああ!やられちゃった!」

 

紅葉「ごめんなさい良い所で・・・わざとじゃないんです!」

 

青葉「ううん。気にしないで・・・」

 

優斗「いやぁ〜中々面白そうだな。」

 

大輝「発売したら即購入確定だな。」

 

コウ「紅葉も目指してるんでしょ?キャラクターデザイン。」

 

紅葉「はい!」

 

コウ「何時か叶うと良いね。」

 

青葉「でも私も負けませんから!」

 

紅葉「わ、私だって!」

 

その中にはりんも居た。彼女は楽しんでるコウを見て喜ばなかった。

 

りん(・・・コウちゃん・・・)

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
      望月紅葉:鈴木亜理沙
     鳴海ツバメ:大和田仁美
      木崎あや:伊波杏樹
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
クリスティーナ・和子:名塚佳織
       もずく:喜多村英梨
        山田:藤田咲
        店長:内野孝聡
    プログラマー:川上千尋

コウ「青葉、りん、皆、ごめん。・・・でも私決めたんだ!私の夢の・・・いや、目標の為に。」

青葉「八神さん・・・?八神さん・・・私は!」

次回最終回「ぜひ買ってくださいね!」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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25話「ぜひ買ってくださいね!」(最終回)

ある冬の日。遂にPECOの完成イベントの日が来た。青葉がPECOのポスターを見る。

優斗「青葉さん、遂に完成イベントが来たね。」

青葉「はい。」

ねね・ツバメ「完成イベントだーー!!」

大輝・あや「完成イベントヒャッハー!!」

うみこ「騒がない!」

ねね・ツバメ・大輝・あや「ひ~!ごめんなさい!」

優斗「めっちゃテンション上がってるね・・・」

青葉「あははは・・・」

???「本当に皆テンション上がってるね〜。」

優斗「そうだね。」

そしてそこに美佳と奈々も来ていた。

優斗「都合良かったね美佳さん。今日保育園が休みで。」

美佳「うんうん。」

すると奈々が、青葉の方へ歩く。

奈々「おねえちゃ〜ん。」

寄って来た奈々を持ち上げる青葉。

青葉「奈々ちゃん久し振り〜。お姉ちゃんも会いたかったよ〜。」

奈々は青葉を見て笑った。

美佳「あなたが木崎あやちゃんね。初めまして、優斗君の妻の美佳です。」

あや「初めまして!木崎あやです!お会い出来て光栄です!」

ゆん「しかし何やこの人の多さ・・・」

青葉「声優さん達のトークもあるとは言え確かにこの多さは・・・」

はじめ「やっぱりファンの期待が高いって事じゃないの?」

ひふみ「うん。ネットでも褒められてる。」

青葉「あははは・・・」

ツバメ「ももも。早く期待されるようなキャラデザにならないとね~。」

紅葉は青葉を見る。






その頃控え室では、りんがコウの髪をブラシで整えている。

コウ「髪も何時も通りで良いからね。またフリフリの服を持って来るんじゃないかって冷や冷やしたよ。」

りん「恥ずかしくないわよ。お客さんにもきっと好評よ。」

コウ「恥ずかしい!」

りん「恥ずかしくない!」

コウ「恥ずかしい!」

りん「恥ずかしくない!」

コウ「・・・プフッ!私達何年経っても似たような言い合いしてるね。」

りん「・・・コ・・・コウちゃんが何時までも子供っぽいからでしょ?」

コウ「うん。そうだと思う。」

りん「え?」

急にコウが黙った。そしてりんに顔を向けた。

コウ「あのさ。りんには最初に知っておいてもらいたくて、話があるんだ。私の我儘聞いてくれる?」

そしてりんに告げた。







コウ「私フランスの会社でゲームを1本作って勉強して来る。」






りん「・・・うん。」


その頃完成イベント会場では、青葉達は最前列の席に座っている。美佳と奈々は最後列の席に座ってる。

 

青葉「関係者席って結構良い席ですね。お客さんも凄い沢山。」

 

ゆん「ほんまありがたいな〜。」

 

はじめ「あんな事がなければ青葉ちゃんもステージに立ってたかもしれないのに。」

 

大輝「確かにそうだよね〜。青葉ちゃんに描かせば良かったのに〜。」

 

青葉「ええ?私はいいですよ。それに八神さんだからこれだけの人が集まったんですよきっと。」

 

ゆん「ほんまデリカシーないな。」

 

はじめ「そんなつもりじゃ・・・青葉ちゃんごめん!」

 

青葉「え?ああいえいえ、気にしてませんから〜。」

 

優斗「大輝、お前も何言ってんだよ。」

 

大輝「冗談冗談。ごめんね青葉ちゃん。」

 

青葉「いえいえ大丈夫ですよ。」

 

するとひふみのスマホが振動した。紅葉からLINEが来た。

 

紅葉『青葉さん、昔何かあったんですか?』

 

ひふみ(まぁももちゃんなら良いかな・・・)

 

LINEで紅葉と会話する。

 

ひふみ『実は広告とかのイラストをコウちゃんが描いてるのは、その方が売れるからで、それで青葉ちゃんはその担当を降されたんだ・・・ (´・ω・`)』

 

紅葉「っ!?」

 

それを知った紅葉が驚いた。

 

ひふみ『あ!コウちゃんはすごく反対しててそれでコンペもしたんだけど、やっぱりコウちゃんの方が上手くて・・・(-_-)』

 

紅葉(青葉さんの机にあったイラストはその時の・・・)

 

あの時の言葉を思い出した。

 

青葉『私も負けないよ。』

 

紅葉(だからあんな顔が出来たんだ・・・悔しい思いを知ってるから、私なんかより一番悔しい思いをしてたのは青葉さんだったんだ・・!)

 

一番悔しいのは青葉だと心の中でそう確信した紅葉だった。

 

 

 

 

 

 

その後完成イベントで葉月しずくがPECOを発表する。

 

しずく「・・・と言ったゲームです。ぜひ買ってくださいね!」

 

観客席から笑い声。

 

りん「面白いお話ありがとうございました。先日マスターアップを迎えたPECO。次にそのメインビジュアルを担当した八神コウにお話を聞きたいと思います。」

 

壇上にコウが立つ。全員が拍手で迎えた。

 

コウ「八神コウです。先程流れたゲームの映像はご満足いただけたでしょうか?」

 

観客席から拍手喝采。

 

青葉「何だか恥ずかしいですね・・・」

 

ゆん「ほんまに・・・」

 

大輝「ヤバイ・・・緊張がMAX状態・・・」

 

優斗「落ち着けよ。俺も緊張してるけど。」

 

りん「では今回、フェアリーズシリーズとは違う世界観であるPECO。メインビジュアルアートディレクターとして拘られた部分は何処でしょうか?」

 

コウ「そうですね・・・PECOもファンタジーではありますが、御伽の国のような世界観を強く持っているのが特徴です。その中で、生きてるぬいぐるみのほとんどが着脱可能で、どのぬいぐるみにも入って見たくなる工夫をしました。クレジットにもあるんですが、その殆どのデザインを頑張ってくれた人間を紹介したいと思います。」

 

しずく「っ?」

 

最前列に座ってる青葉に顔を向けた。

 

コウ「青葉。ここまで登っておいで。」

 

青葉が壇上に上がる。全員が拍手で迎えた。

 

しずく「おいおい・・・アドリブが過ぎて涼風が戸惑ってるじゃないか。」

 

大輝「まさかのアドリブ?」

 

優斗「でもコウさん凄えな。」

 

コウ「ほら自己紹介。」

 

マイクを渡す。

 

青葉「あ、はい!あーあー・・・」

 

コウ「入ってる!マイク入ってるから!」

 

青葉「す・・・涼風青葉と申します・・・キャラクターデザインを担当させていただきました!」

 

コウ「私の管理の下、涼風にはPECOのキャラクターのほとんどを担当してもらいました。弊社のこれから期待の若手です。こうしたフレッシュな人間と、私達ベテランの力が良いバランスで力を出し合えた開発環境だったと思います。ですからきっとご満足していただけるゲームになっていると自負しています。来月発売のPECO、是非ご期待下さい!」

 

青葉とコウは、お互いを見て微笑み合う。こうして、完成イベントが終了した。

 

 

 

 

 

 

そして控え室に行くと、コウから驚きの言葉が出た。

 

しずく「はぁ~!?フランスの会社に行って来る!?」

 

青葉「え・・・?」

 

その言葉を聞いた全員が固まった。りんと優斗は悲しげな顔をした。

 

コウ「すみません、ステージで勝手な事をしたばかりでなく、突然・・・」

 

しずく「遠山君は?遠山君は知ってたの?」

 

りん「私もしっかり聞いたのはついさっきで・・・」

 

優斗「俺もその話、りんさんから聞きました。」

 

大輝「え!?優斗知ってたの!?」

 

優斗「ああ。今まで黙ってたんだ。」

 

青葉(八神さんが・・・居なくなる?)

 

コウ「突然でご迷惑を掛けるのは分かってます。でも数年後の事を考えた時今のままで私は成長出来るのかって思うんです。我儘言ってすいません・・・でも挑戦してみたいんです!」

 

しずく「分かった分かった・・・昔から八神には手を焼かされてきたんだ。何時かこうなる気もしていたさ。でもね。八神はもう私のチームにはなくてはならない存在なんだ。気が済んだら何時でも帰っておいで。」

 

コウ「・・・!」

 

しずく「勿論老けない内にね!」

 

コウ「ありがとうございます・・・」

 

しずく「だけど遠山君もそれで良いのかい?八神が遠くへ行ってしまって。」

 

りん「わ、私ですか!?私も理由を聞いて納得しましたし数年間なら私も・・・」

 

しずく「よし!湿っぽくなるのは無しだ!ゲームの打ち上げとは別に送別会開いてあげるから大いに騒ご~!」

 

はじめ「賛成ーーー!!」

 

あや「やったー!送別会だーー!!」

 

大輝「ヤッホーー!!」

 

優斗「切り替え早!」

 

コウ「あはは、ありがとうございます・・・」

 

青葉(私も・・・応援しなくちゃ。八神さんの選んだ道なんだから。)

 

応援の言葉を言おうと思ったが、言えなかった。

 

青葉(これで・・・良いんだ・・・)

 

 

 

 

 

 

その後、居酒屋の太平洋でコウの送別会をする事に。そして美佳と奈々も誘われてここに居る。

 

美佳「そっか〜、コウさんフランスへ行っちゃうんだね〜。」

 

優斗「うん。」

 

はじめ「出発って来週ですよね?ちゃんと荷物の準備とか出来てます?」

 

コウ「ん〜大体終わってると思うけど~・・・」

 

りん「全然でしょ。まだお部屋の片付けも済んでないし。いらない荷物はコウちゃんの実家に送らないと。」

 

ゆん・はじめ(最後まで遠山さんに頼りきりか・・・)

 

大輝「奈々ちゃ〜ん。おいで〜。」

 

奈々は大輝とあやと遊んでる。

 

あや「この子が奈々ちゃんか〜。可愛い〜!」

 

うみこ「しかし意外です。コウさんは日本のゲームばかりやってるイメージだったので。」

 

ねね「FPSとかそっち系を作るんですか?」

 

ツバメ「八神さんが行く会社って結構幅が広いからそうとも限らないんじゃない?」

 

コウ「うん。多分またファンタジー系のゲームを作るチームに配属されると思うよ。」

 

うみこ「良いですね。私も彼処のゲームはよくやっているので私も行ってみたいです。」

 

突然ねねとツバメがびっくりした。

 

うみこ「どうやって向こうと連絡を取ったんですか?」

 

コウ「ほら。大和さんの妹さんが務めてるから。」

 

うみこ「っ!私も紹介して下さい!」

 

クリスティーナ「任しといて下さい!では早速妹に連絡を・・・」

 

しずく「冗談じゃないよ!これ以上人材が減ったら私の楽園が崩壊してしまう~!」

 

ねね・ツバメ「ほっ・・・」

 

優斗「楽園って・・・」

 

コウ「青葉は次にどんなゲーム作ってみたいとかってある?」

 

青葉「え?今はまだ何も・・・PECOが終わったばかりですし。」

 

しずく「次はフェアリーズ4だ~!八神抜きでもっと面白いもの作ってやるぞ~!」

 

コウ「え~。」

 

優斗「しずくさん落ち着いて下さいよ。」

 

はじめ「それより私の新しい企画使って下さいよ!」

 

しずく「え・・・また書いて来たの・・・?」

 

優斗「再び!?」

 

ゆん「うちはPECOの2とかやってみたいです~!」

 

ひふみ「私は・・・近未来風の都市が舞台だと良いかな・・・って。」

 

ゆん「へぇ〜!ひふみ先輩ってそう言うのが好きやったんですか?」

 

ひふみ「うん。」

 

りん「お肉の追加が来たわよ〜!」

 

美佳「コウさん。」

 

コウ「何ですか?美佳さん。」

 

美佳「フランスで作ったゲーム、楽しみにしてます。」

 

コウ「はい。期待していて下さいね。」

 

 

 

 

 

 

そして送別会が終わった。

 

しずく「それじゃ一旦これで解散!」

 

クリスティーナ「お疲れ様〜!」

 

全員「お疲れ様でした!」

 

大輝「お疲れっした〜!」

 

優斗「おい大輝、酔ってるなら送ろうか?」

 

大輝「あ、ああ・・・頼む・・・」

 

りん「お疲れしゃまれした〜!」

 

青葉「遠山さん!大丈夫ですか!?」

 

コウ「飲み過ぎだよ。送ってこうか?」

 

りん「・・・心配するのは私の役目!コウちゃんはやりたい事をやってくれれば良いの!」

 

無理矢理コウを押す。

 

りん「私・・・これからもコウちゃんの事応援・・・してる。」

 

急に立ち止まって、りんが泣いた。

 

コウ「りん?」

 

そして、コウの背中に頭を当てた。

 

りん「ごめん・・・コウちゃん・・・やっぱり・・・やっぱり行ってほしくないよ・・・」

 

コウ「っ!」

 

りん「コウちゃんの言ってる事分かるよ?応援したいのも本当だよ?でも・・・でもやっぱり嫌だ・・・ずっと・・・ずっと傍に居てよ・・・」

 

コウ「・・・ごめん。私りんにずっと甘えっぱなしで。今回の事だってりんの気持ち考えずに・・・」

 

振り向いてりんの両手を握った。

 

コウ「だから・・・これからもずっと甘えさせて!ありがとうなんて言わないよ・・・だってこれからも離れてたってきっとりんにはいっぱい迷惑掛けるもん!こんな私だけど・・・ずっと見守っていてくれないかな・・・そしたら私も・・・笑って行けるんだ!」

 

りん「・・・もう・・・何時までも世話が焼けるんだから・・・」

 

 

 

 

 

 

しずく「あ~もう付き合ってらんない!」

 

 

 

 

 

 

コウ・りん「っ!?」

 

優斗「しずくさん!?」

 

しずく「バカップルは放っておいて2件目行きたい人は付いといで!」

 

はじめ「葉月さんの奢りですか!?」

 

しずく「メイド喫茶なら奢り!」

 

大輝「折角の雰囲気が台無しだーーーー!!!」

 

優斗「泣きながら叫ぶなよ。」

 

りん「バカップルって言われた・・・」

 

ねね「あおっち〜!早く〜!」

 

青葉「あ、うん。」

 

美佳「じゃあ私達は帰ろっか。」

 

優斗「そうだね。りんさん、コウさん。お疲れ様です。」

 

コウ「ああ。お疲れ。」

 

りん「気を付けて帰ってね。」

 

優斗と美佳と奈々は帰って行った。

 

そして2件目へ行く人達は。

 

ねね「メイド喫茶なんだって。」

 

青葉「そうなんだ・・・」

 

その中で紅葉は青葉を見て何かを思った。

 

 

 

 

 

 

数日後のイーグルジャンプ。

 

青葉「おはようございま~す。」

 

まだ誰も来ていなかった。

 

青葉「ってちょっと早いから誰も居ないよね。今日の予定は~っと・・・」

 

すると何処からか椅子の音が聞こえた。

 

青葉「八神さん?八神さん!何で居るんですか?今日は飛行機ですよ・・・」

 

しかしコウの姿は無かった。すると。

 

 

 

???「にゃ〜お。」

 

 

 

コウの椅子からもずくが出て来た。

 

青葉「・・・何だもずくか~。勘違いしちゃったでしょ~。」

 

するとそこに、紅葉が出社した。

 

紅葉「おはようございます。・・・っ!」

 

青葉「おはよう・・・」

 

振り向いた青葉が泣いていた。

 

青葉「ごめんね。昔の事思い出してたらつい・・・ダメだね・・・先週のお別れ会でしっかりお別れしたのにこんなんで・・・さぁお仕事お仕事!」

 

涙を拭いて仕事をする。すると突然、紅葉が青葉の手を掴んだ。

 

青葉「紅葉・・・ちゃん・・・」

 

紅葉「私は・・・私は八神さんと短い間しかお仕事出来なかったので、八神さんが行ってしまうと聞いた時もただ驚きしかなくて・・・青葉さんはずるいです!だから青葉さんには八神さんにしっかりお別れの挨拶してほしいです!」

 

青葉「それは・・・先週言ったよ・・・ありがとうございましたって・・・」

 

紅葉「嘘です!」

 

青葉「え・・・?」

 

紅葉「その顔はまだ心残りがある顔です!会いに行きましょう今から!」

 

青葉「え・・・今からって・・・会社は!?」

 

紅葉「良いじゃないですか。1日ぐらいずる休みしたって!」

 

 

 

 

 

 

そして2人は電車に乗って空港へ向かう。

 

青葉(本当に来ちゃった・・・紅葉ちゃんと2人きりだなんて初めてだな・・・会話が出て来ない・・・)

 

紅葉「青葉さん。」

 

青葉「はい!」

 

紅葉「八神さんってどんな人だったんですか?」

 

青葉「う~ん・・・あ!」

 

パンツの事を思い出したが、マズイと思って止めた。

 

青葉「いやあれはダメだな・・・」

 

紅葉「何ですか?」

 

青葉「まぁいっか・・・あのね、私が初出社した時八神さん机の下でシャツとパンツだけで寝てて。ガサツな人だな~って言うのが八神さんの最初のイメージで。」

 

紅葉「え!?そんな人だったんですか!?」

 

青葉「最近あんまり泊まらなくなったから、紅葉ちゃんは知らないだろうけど・・・」

 

紅葉「意外です・・・あ、でも適当な所とかあるから少しは想像出来るかも・・・」

 

青葉「あはは、でも適当な所はあっても何時も真っ直ぐで真剣に向き合ってくれて。それで追い掛けても追い掛けてもずっと前を走ってて絶対追い付けない人。」

 

紅葉「・・・フランスの会社って大変そうですね。」

 

青葉「ね。言葉とかどうするんだろ。」

 

紅葉「そこですか!?海外のゲームってレベル高そうって意味で・・・あ・・・でもご飯も皆フランス語じゃ大変そう・・・」

 

青葉「え~・・・ご飯の心配?」

 

大輝「あれ?2人共奇遇だね。」

 

そこに大輝が来た。

 

青葉「大輝さん!おはようございます。」

 

紅葉「おはようございます秋山さん。」

 

青葉「大輝さんも空港へ?」

 

大輝「ああ。コウさんに別れの挨拶を言いに行こうと思って。青葉ちゃんと紅葉ちゃんも?」

 

青葉「そうなんですよ。」

 

 

 

 

 

 

そして羽田空港に到着した。

 

大輝「お!見付けた!」

 

青葉「あ!」

 

コウとりんを発見した。しかし紅葉は止まってる。

 

青葉「紅葉ちゃん?」

 

紅葉「私は半年にも満たない新人で・・・お邪魔だと思うのでここで待ってます。」

 

青葉「もう!」

 

戻って紅葉を無理矢理引っ張る。

 

青葉「ここまで連れて来ておいてつれないよ!同じ八神さんに憧れて入社した者同士!行こう!」

 

 

 

 

 

 

りん「お金は計画的に使う事。困った事があったらすぐ連絡するのよ。私も毎日電話するから。」

 

コウ「えっ!ええ・・・毎日はいいよ・・・」

 

青葉「八神さん!お疲れ様です!」

 

そこに青葉と紅葉と大輝が来た。

 

りん「青葉ちゃん?」

 

コウ「おいおい会社さぼっちゃったのか。」

 

大輝「はい。コウさんに別れの挨拶を言いに行こうと思って。」

 

コウ「そっか。青葉に紅葉、何だか仲良いじゃん。」

 

紅葉「いや!これは・・・えと・・・ご飯とか大変かと思いますけど頑張って下さい!」

 

コウ「え?ご飯?」

 

青葉「さっき大変だねって話してて・・・」

 

コウ「わざわざそんな事言いに来たの?」

 

紅葉「わ、私は付き添いですから!」

 

青葉「えと・・・私も勢いで来てしまったと言うか何と言うか・・・あははは・・・」

 

大輝「コウさん、フランスに行っても色々大変な事があると思いますが、俺達は何時でもコウさんを応援しています。向こうでも頑張って下さい。」

 

コウ「ああ。ありがとう大輝。」

 

りん「青葉ちゃん。コウちゃんに何か言い忘れた事があったんじゃないの?」

 

青葉「・・・・」

 

コウ「ごめんな。自分勝手な上司で。」

 

青葉「そうですよ・・・ほんとに自分勝手な上司だと思います・・・八神さんは会社の看板なんですよ・・・自覚あるんですか?それに何時も適当だしそれでいてナイーブだし・・・振り回されるこっちの身にもなって下さい!」

 

途中で泣きながらもコウに言う。

 

青葉「八神さんはバカヤローですよ!八神さんは私の目標なんです・・・今だって十分凄い人なのに・・・なのにどうしてフランスなんかに行っちゃうんですか・・・」

 

するとコウが青葉を優しく抱いた。

 

コウ「私をもっと上手くなりたいって気持ちにさせてくれたのは、青葉なんだよ。キービジュアルのコンペ前日の夜、頑張ってる青葉を見て私も負けてられないって思ったんだ。今に満足してた私に青葉が思い出させてくれたんだ!私もっと上手くなりたいんだって!だから私はまだ知らない環境で、海外で沢山勉強して・・・もっと上へ行くよ!私が帰って来た時、今よりへたれてたら承知しないからな!これでも期待してるんだぞ!」

 

青葉「・・・・!!」

 

コウ「青葉の事、離れててもずっと見てるから!」

 

青葉「・・・・はい!見てて下さい!私も八神さんの事見てますから!」

 

 

 

 

しばらくして。

 

はじめ「あ~居た!」

 

皆が見送りに来た。美佳と奈々も来てる。

 

コウ「結局何時ものメンバー皆来たの。」

 

ゆん「青葉ちゃんとももちゃんが空港へ行ってるって聞いてつい・・・」

 

美佳「私達も来ちゃいました。」

 

はじめ「フランスのゲーム、発表されたら教えて下さいね!」

 

ゆん「もう毎日同じ服装じゃあきませんよ。フランスなんやし。」

 

コウ「はいはい。」

 

ひふみ「良さそうな・・・観光の穴場とかあったら教えてね!」

 

コウ「仕事しに行くんだぞ・・・」

 

うみこ「全く何で私まで・・・」

 

ねね・ツバメ「良いから良いから!」

 

うみこ「・・・食事など大変かと思いますが頑張って下さいね。」

 

コウ「あはは、それはさっきも聞いたよ。」

 

あや「八神さん、フランスでの活躍期待してますよ!」

 

コウ「ありがとう。」

 

優斗「コウさん、たまに連絡も下さいね。」

 

コウ「分かってるよ。」

 

美佳「コウさん、頑張って下さいね。」

 

コウ「はい。」

 

美佳「それと、奈々からのプレゼントがありますよ。奈々。」

 

奈々「うん。」

 

コウの方へ歩く。

 

奈々「ど〜ぞ。」

 

お守りを渡した。

 

コウ「これは?」

 

優斗「昨日神社へ行ってお守りを買ったんです。コウさんが向こうでも上手くやって行けるようにって、奈々の願いが込めてあるんです。」

 

美佳「もう凄いんですよ?奈々ったら昨日から『がんばれ〜。がんばれ〜。』ってずっと言ってたんですよ?」

 

コウ「あはは。凄いですね。」

 

奈々「がんばれ〜。」

 

微笑んだコウが奈々を撫でる。

 

コウ「ありがとう奈々ちゃん。」

 

美佳「皆さんにもお守りがあります。奈々、皆に渡して?」

 

奈々「これ〜。」

 

他の皆にもお守りをあげた。

 

青葉「奈々ちゃんありがと〜。」

 

ひふみ「ありがとう奈々ちゃん。」

 

ゆん「奈々ちゃんありがとな〜。ほんま良え子やね。」

 

はじめ「奈々ちゃんありがとう!」

 

りん「奈々ちゃんありがとう。」

 

ねね「ありがと〜!奈々ちゃん!」

 

大輝「奈々ちゃんありがと〜!お兄ちゃん嬉しいぜ!」

 

そして紅葉とツバメとあやにも。

 

奈々「これ〜。」

 

あや「ありがとう奈々ちゃん!本当良い子だね〜!」

 

ツバメ「ありがと〜奈々ちゃん!」

 

紅葉「私にも?」

 

奈々「うん。」

 

紅葉「あ、ありがとう奈々ちゃん。」

 

すると奈々は、紅葉に笑顔を見せた。

 

紅葉「可愛い。」

 

笑顔の奈々の頭を撫でる紅葉。

 

奈々「パパ〜。」

 

父親の優斗にもお守りをあげた。

 

優斗「パパにも?」

 

奈々「うん。」

 

優斗「奈々ありがとう。パパ嬉しいよ。」

 

奈々を撫でる優斗。

 

青葉「優斗さん嬉しそうですね。」

 

大輝「そりゃあそうさ。奈々ちゃんは優斗の娘だから、嬉しくなるのは当たり前だよ。」

 

ぴょんぴょん跳ねる奈々を見て、全員が微笑む。

 

 

 

 

出発時間が迫った。

 

コウ「あ!もう行かなきゃ。」

 

青葉「八神さん。絶対・・・絶対帰って来て下さいね!」

 

コウ「バーカ!当たり前だろ!それじゃあ皆・・・行って来ます!」

 

全員「行ってらっしゃーい!!」

 

 

 

 

 

 

一方その頃イーグルジャンプでは。

 

しずく「聞いたよ。最初は辞める気でいたみたいじゃないか八神。クリスティーナに説得されたって。」

 

クリスティーナ「数年後に実力を付けて戻って来たら、利益になると思っただけよ。」

 

しずく「まぁそう言う事にしておくよ。でもありがとう。引き止めてくれて。」

 

クリスティーナ「どうかしら?案外向こうの方が居心地良いかも。」

 

しずく「もう~意地悪だな~。私を慰めておくれよ~。」

 

クリスティーナ「もずくで我慢なさい!」

 

もずく「にゃ〜お。」

 

 

 

 

 

 

そして羽田空港では、コウを乗せた飛行機がフランスへ旅立った。

 

青葉「行っちゃった。」

 

優斗「遂に行っちゃったね。」

 

大輝「でもコウさんが居ないイーグルジャンプって何か寂しい感じがするな〜。」

 

優斗「そう言うなって。向こうで上手く行けるようにって応援してやろうぜ。」

 

大輝「そうだな。」

 

青葉「紅葉ちゃん今日はありがとう。」

 

紅葉「別に、勘違いしないで下さい。私だってこれからも負けませんから。」

 

そして青葉と紅葉はお互いを見て微笑み合う。

 

 

 

 

 

 

ツバメ「そう言えばももは合格貰ったの?」

 

 

 

 

 

 

紅葉「あ。」

 

青葉「え?」

 

りん「だ・・・大丈夫よ!合格だから!紅葉ちゃんそつなく仕事こなせてたからコウちゃんも言うの忘れてたのね・・・」

 

紅葉「突然の海外行きと言い、八神さんって本当に適当ですね・・・」

 

青葉「あ!紅葉ちゃんも分かった!?」

 

紅葉「はい。」

 

そして大きく深呼吸して、空に向かって叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

青葉・紅葉「八神さんの馬鹿~!」

 

 

 

 

 

 

 

コウ「いっくし!」

 

飛行機の中でくしゃみをしたコウ。

 

 

 

 

 

 

そして羽田空港。

 

あや「そう言えば、私の合否はまだなんですか?」

 

優斗「そうだ、それを言うの忘れてた。」

 

大輝「そうだった。あやちゃん、この前リーダーから結果が来たよ。」

 

 

 

 

 

 

優斗・大輝「合格おめでとう!」

 

 

 

 

 

 

あや「本当ですか!?」

 

優斗「ああ。これからも宜しくね。」

 

大輝「同じ社員として頑張ろうぜ!」

 

あや「はい!宜しくお願いします!あ、お父さんとお母さんに知らせなきゃ!朗報朗報!」

 

 

 

 

 

 

あれから1週間が経ったある日。新宿駅に青葉が来た。

 

青葉『八神さんがフランスへ発って1週間後。PECOの発売日がやって来ました!』

 

遂にPECOの発売日が来た。

 

ねね「あおっち〜!」

 

青葉「ねねっち!おはよう。」

 

ねね「ほたるんもPECO買いに行ってるって。」

 

 

 

 

 

 

ヨドバシカメラでは。星川ほたるが予約表を3枚店員に出した。

 

ほたる「通常版と特装版と店舗限定版の3つお願いします!」

 

 

 

 

 

 

そして新宿駅では。

 

ほたる『あおっち、ねねっち発売おめでとー!すごい人気だよー』

 

青葉「ほたるん・・・」

 

ねね「私達も早く行かなきゃ〜!」

 

 

 

 

 

 

ヨドバシカメラに到着。

 

青葉『八神さんが居なくなったイーグルジャンプでも、何時までも寂しがってる訳にはいきません!』

 

店員がPECOのコスプレをしていた。

 

ねね「コスプレしてるー!」

 

青葉「可愛いー!」

 

ツバメ「もも着てみたいんじゃない?」

 

あや「紅葉に似合うと思うよ?」

 

紅葉「私が作った熊食い族なら着てみたいかも・・・」

 

ゆん「フェアリーズ3の時に負けんくらい盛況やね。今年は別店舗特典狙いに行かんの?」

 

はじめ「大丈夫!モーション班の友達に頼んであるから!」

 

ひふみ「確保出来たって!」

 

ねね「次はどんなゲーム作る事になるのかな~。楽しみ!」

 

うみこ「そうですね。期待してますよ。」

 

優斗「美佳さんへのプレゼントだ。」

 

大輝「今回も面白くなりそうだ!」

 

優斗「お前、ネタバレすんじゃねえぞ?」

 

大輝「もう言わねえよ。二の舞になってたまるかってんだ。」

 

 

 

 

青葉『私達ももっともっと頑張らなくちゃ!八神さんに負けないくらい。そしてまた何時か皆で一緒に仕事が出来るように!もっともっと素敵なゲームを作りたいです!皆でまた、新しいゲームを!』

 

PECOのパッケージの裏には、涼風青葉の名前も入っていた。彼女達のゲーム制作はこれからも続く。

 

「THE END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      八神コウ:日笠陽子
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
      望月紅葉:鈴木亜理沙
     鳴海ツバメ:大和田仁美
      木崎あや:伊波杏樹
       桜ねね:朝日奈丸佳
    阿波根うみこ:森永千才
     葉月しずく:喜多村英梨
      相葉美佳:榎本温子
      相葉奈々:内藤穂之香
クリスティーナ・和子:名塚佳織
     星川ほたる:石見舞菜香
        店員:和久井優
           川上千尋
           貫井柚佳

優斗「PECOが好評だな。いやぁ〜フェアリーズに続いてPECOも高評価を得るとは凄えな。」

大輝「本当本当。今回は結構可愛い要素があるし、子供達に人気が出るかもな。」

優斗「けど、コウさんが居ないイーグルジャンプは何かちょっと寂しい感じがするな・・・」

大輝「何言ってんだよ!こんな時でも俺みたいにポジティブになれよ!コウさんは向こうで頑張れるよう祈っておこうぜ?」

優斗「うん、まあそうだな。」

『NEW GAME終わり。』

大輝「あ!でもりんさんとの良い関係も見れないな・・・」

優斗「台無し野郎かお前は。」

作者「2期が終わりました。ちょっと数話オリジナル回を入れようかと思います。」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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その後
26話「俺達って昔から変わんねえな」


作者『最終回後のオリジナル回です。』


PECOの発売から5日が経ったある日。

 

優斗「久々に彼処へ行くか。」

 

イーグルジャンプ社員の相葉優斗が、400Xに乗って何処かへ向かっていた。

 

 

 

 

 

 

数時間前。

 

美佳『じゃあ優斗君。私と奈々は高校時代の友達と遊びに行って来るから。』

 

優斗『分かった。楽しんで来てね。』

 

美佳『帰るのは多分夜頃になるかもしれないから、ご飯は自由で良いよ。』

 

優斗『うん。あんまり奈々に無理させないでね?』

 

美佳『勿論よ。じゃあ行って来ま〜す。』

 

奈々『いってきま〜す。』

 

優斗『行ってらっしゃい。』

 

美佳と奈々が車に乗って出掛けた。

 

優斗『今日は暇だな〜・・・外出するか。』

 

 

 

 

 

 

そして現在に至る。そしてある場所に到着した。

 

優斗「久し振りだなぁ・・・」

 

ある場所とは、とある公園だった。多くの家族やカップルが居る。

 

優斗「皆賑わってるな〜。彼処はどうかな?」

 

 

 

 

向かった場所は、多く咲いてる花の広場。

 

優斗「冬だからシクラメンとシネラリアが咲いてるな〜。懐かしいな〜。昔彼奴と一緒に見に行ってたな〜。」

 

彼は昔の事を思い出した。

 

 

 

 

 

 

それは中学時代の頃。季節は夏、広場に大量のひまわりが咲いている。

 

優斗『どうだ?綺麗だろ?』

 

少女『凄く綺麗〜!こんな場所があるなんて知らなかったよ〜!』

 

優斗『良かった。』

 

彼の隣に居るのは、車椅子に乗っている少女だった。

 

優斗『お前、来月引っ越すんだよな?』

 

少女『うん・・・』

 

優斗『ここに連れて来て良かった。俺達は何時でもお前の事忘れないからな。』

 

少女『ありがとう・・・』

 

 

 

 

 

 

そして現在。優斗がベンチに座ってる。

 

優斗「彼奴今頃何してんだろうな〜。」

 

すると誰かが、優斗に近付いて来る。

 

優斗「さてと、次は何処へ行こうかな〜?」

 

ベンチから立ったその時。

 

???「だ〜れだ?」

 

突然誰かが後ろから優斗の両目を両手で塞いだ。

 

優斗「ん?何だいきなり?」

 

???「だ〜れだ?」

 

優斗「この声・・・聞き覚えが・・・」

 

???「もぉ、忘れたの?」

 

謎の人物が両手を開けた。

 

???「私だよ私。」

 

優斗「・・・え!?」

 

後ろに振り向いた優斗が驚いた。車椅子に座り、黒髪ストレートで、白のワンピースとカーディガンを着て、ショールを羽織り、黒いローファーを履いている女性が居た。

 

 

 

 

 

 

優斗「お前・・・こずえか?」

 

 

 

 

 

 

こずえ「ええ!久し振りね優斗!」

 

この女性は「美作こずえ」。優斗の幼馴染みで、大輝の中学時代の同級生。

 

優斗「お前、何でここに?北海道へ引っ越したんじゃねえのか?」

 

こずえ「去年からここに居たのよ?」

 

優斗「ええ!?初耳だぞそれ!」

 

こずえ「えへへ。びっくりしちゃった?」

 

優斗「びっくり過ぎるわ!・・・でも、久し振りだな。」

 

こずえ「そうね。中学時代以来だね。」

 

優斗「どうだ足は?」

 

こずえ「前より歩けるようになったの。見てみて?」

 

車椅子から立って、フラフラしながらだが歩いた。

 

優斗「おお凄え凄え!やったじゃんこずえ!」

 

こずえ「でしょでしょ?きゃっ!」

 

バランスを崩して倒れ始めた。

 

優斗「危ない!」

 

しかし優斗が、こずえの腕を掴んで倒れずに済んだ。

 

優斗「こずえ、歩けるようになったのは凄いけど、あんま無茶すんなよ?」

 

こずえ「ごめんごめん。私ったら。」

 

車椅子にゆっくり乗せる。

 

 

 

 

 

 

その後2人で公園内を移動する。

 

優斗「にしても、お前中学の頃から変わんねえな。」

 

こずえ「そう言う優斗も、昔から変わらないわね。」

 

優斗「そうだな。俺達って昔から変わんねえな。」

 

こずえ「優斗は今何してるの?」

 

優斗「俺イーグルジャンプの社員。」

 

こずえ「イーグルジャンプ!?あのフェアリーズストーリーとPECOの!?」

 

優斗「知ってんのか?」

 

こずえ「勿論よ!私もう何周クリアしたのか数えないくらいやってるの!」

 

優斗「結構ガチだなお前・・・こずえは今何してんだ?」

 

 

 

 

 

 

こずえ「ファッションデザイナーよ!」

 

 

 

 

 

 

優斗「ファッションデザイナー!?マジかよ・・・」

 

こずえ「お母さんから勧められてね。私が今着てるこのカーディガン、私がデザインした奴なの。」

 

優斗「嘘!?俺達が知らない間にここまで・・・」

 

こずえ「どう?凄いでしょ?」

 

優斗「凄過ぎるわお前。」

 

こずえ「優斗は今一人暮らし?」

 

優斗「いや、妻と娘が居る。」

 

こずえ「ええ!?結婚してるの!?」

 

優斗「2年前に高校時代の先輩と結婚して、去年に娘が生まれたんだ。」

 

こずえ「優斗も凄いよ!」

 

???「こずえー!」

 

遠くから1人の女性が声を掛けて来た。

 

こずえ「お母さんだわ。じゃあ優斗、私そろそろ行くね。」

 

優斗「ああ。また何処かで会おうな。」

 

こずえと別れた。

 

優斗「彼奴、凄く成長したな。昔は虐められてたのに。さてと、そろそろ昼だから飯食いに行くか。」

 

駐輪場に向かい、バイクに乗って街中を走る。

 

 

 

 

 

 

到着した場所は、丸亀製麺霞が関コモンゲート店。とろ玉うどん(大)、えび天、ちくわ天、かしわ天を食べる。

 

優斗「この後何処行こうかな〜?」

 

考えながら食べてると、隣にアニメのTシャツとジャケットを着ている太ってる男性が座ってカレーうどん(得)をガツガツ頬張る。

 

優斗(何だ此奴?カレーが服にくっ付いてるぞ?)

 

すると、優斗のスマホが振動した。

 

優斗(美佳さんからLINEか。)

 

美佳『ヤッホー優斗君!私達は今ファミレスで堪能中でーす♪』

 

優斗(ファミレスかぁ。良いね。今度行きたいな。)

 

LINEに、『俺は今丸亀でうどん食べてるよ〜。』と打って送信した。スマホを仕舞ってえび天を食べる。

 

優斗「ん?」

 

すると横を見ると、太ってる男性が優斗をジッと見ている。

 

優斗(な、何だ此奴?俺に何か付いてんのか?)

 

そう気にながらうどんを食べる。

 

優斗(ふぅ〜、食った食った。)

 

うどんとてんぷらを食べ終えた。紙で口を拭いて食器を持って行く。

 

優斗「ご馳走様でした。」

 

女性店員「ありがとうございました〜!」

 

 

 

 

 

 

外に出て、バイクに乗ろうとした時。

 

優斗「ん?」

 

先程優斗をジッと見ていた太ってる男性が近付いて来た。

 

優斗(何だ彼奴!?俺何かしたのか!?)

 

急いでヘルメットを被ってエンジンを掛ける。それと同時に走って近付く。

 

優斗(マズイ!逃げろ!)

 

アクセルグリップを捻って逃げた。

 

優斗「ふぅ・・・一体何だったんだ彼奴?でももう追い付けねえだろ。」

 

 

 

 

 

 

その後優斗はスカイツリーに到着して、展望台から景色を楽しむ。

 

優斗「やっぱスカイツリーは良いね〜。景色が綺麗だ〜。」

 

今日は天気が良い為、眺めが丁度良かった。

 

優斗「今頃美佳さん達は楽しんでるだろうな〜。」

 

女性A「ねえ何あの人・・・?」

 

女性B「気持ち悪いわね・・・」

 

優斗「ん?」

 

後ろに向くと、観光客達が何かを見ていた。

 

優斗「何だ?イベントとかあるのか?」

 

観光客達が見てる物を見に行くと。

 

優斗「え?」

 

 

 

 

 

 

何と先程優斗のを追い掛けた太ってる男性が居たからだった。男は大いに体を動かしてキョロキョロしている。

 

 

 

 

 

 

優斗(何で!?何でここに居んの!?千代田から墨田まで徒歩1時間40分掛かるのに何故!?)

 

すると太ってる男が優斗を発見した。

 

優斗(またかよ!!)

 

ダッシュで逃げるが、男が優斗をダッシュで追い掛ける。

 

優斗(何だ彼奴!?何故俺を狙ってんだ!?お!!)

 

エレベーターが到着している。

 

優斗(ラッキー!!)

 

エレベーターに駆け込んで降りる。

 

 

 

 

 

 

そしてショップの方に逃げ込んだ。

 

優斗「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・一体何だあの男は・・・」

 

???「優斗さん?」

 

優斗「ぎゃーーーー!!」

 

後ろから声を掛けらててびっくりして後退りしたが。

 

優斗「え・・・?あ、青葉さん?ねねさん?」

 

声を掛けた人物は青葉だった。ねねとほたるも一緒だった。

 

優斗「助かった・・・」

 

青葉「ど、どうしたんですか?」

 

優斗「いや、さっき変な男に追い掛けられてね・・・」

 

ねね「変な男?」

 

優斗「アニメのTシャツとジャケットを着ていて、体型が太ってる男だよ。」

 

青葉「そ、その人って・・・怖い人ですか・・・?」

 

優斗「それはまだ分からん。」

 

ほたる「あのぉ。」

 

優斗「ん?ああ、君はもしかして星川ほたるさん?」

 

ほたる「え?私の事知ってるんですか?」

 

優斗「うん。この前ねねさんに写真見してもらって。俺は相葉優斗。イーグルジャンプの社員で、青葉さんとねねさんの先輩。」

 

ほたる「初めまして。星川ほたるです。」

 

優斗「それで、3人はお出掛け?」

 

青葉「はい。ほたるんに誘われて。優斗さんは美佳さんと奈々ちゃんと一緒ですか?」

 

優斗「いや、美佳さんは高校時代の友達と遊びに行ってる。奈々と一緒に。」

 

ほたる「美佳さんと奈々ちゃん?」

 

ねね「相葉さんは凄いんだよ?今結婚して、娘さんも居るんだって!」

 

ほたる「そうだったんですか!」

 

優斗「見てみる?」

 

ほたる「良いんですか?」

 

スマホから美佳と奈々の写真を見せる。

 

優斗「これが妻の美佳さんと娘の奈々だよ。」

 

ほたる「凄く綺麗な奥さんと可愛い娘さんですね!」

 

優斗「そう?ありがとう。」

 

するとそこに、先程の男が現れた。

 

優斗「ゲッ!青葉さん!あの男だよ!」

 

青葉「あの男ですか!?」

 

ねね「何か気持ち悪そう・・・」

 

ほたる「怖そう・・・」

 

すると男が4人に向かって走り出した。

 

青葉「こっちに来ましたよ!?」

 

優斗「ああもお!青葉さん!ねねさん!ほたるさん!離れて!」

 

3人を横に行かせた。

 

青葉「優斗さん!!」

 

男が優斗に向かってダッシュする。優斗が構える。

 

 

 

 

 

 

優斗「よっと。」

 

 

 

 

 

 

しかし攻撃せずに軽々と避けた。男はショップの棚にぶつかった。商品が落ちた。

 

青葉「余裕で避けましたね。」

 

優斗「暴力を振ったら負けだからね。」

 

男は再び立ち上がる。

 

優斗「お前は一体何だ!何故俺を狙う!」

 

しかし、男は答える気も無い。

 

優斗「何か言え!」

 

しかしそれを無視して再び襲い掛かる。

 

優斗「面倒臭え奴だなぁ・・・」

 

襲い掛かるが、優斗がまた避けた。今度は壁にぶつかって倒れた。

 

優斗「あ、警備員さ〜ん!」

 

丁度そこに1人の警備員が到着した。

 

警備員「どうしたんですか?」

 

優斗「あの男が、俺を襲って来るんです。」

 

警備員「ん?」

 

倒れてる男を見ると、警備員が呆れた。

 

警備員「またですか・・・」

 

優斗「知ってるんですか?」

 

警備員「ええ。この前女子高生をストーカーした男なんです。」

 

優斗「ストーカーですか?」

 

警備員「以前にも1人の女性客をストーカーしていまして。あの男のストーカー行為は今日で5回目なんです。」

 

優斗「はぁ。けどあの男、俺を襲って来るんですが。」

 

警備員「何か心当たりは?」

 

優斗「いえ、何も。」

 

警備員「そうですか。」

 

そして警備員が、優斗を襲った男を取り押さえた。

 

警備員「あんた、これで何回目だ?また世話になってもらうぞ。」

 

男は抵抗する気も無く、素直に警備員に連行された。

 

優斗「ふぅ・・・やっと解放されたか・・・」

 

青葉「良かったですね優斗さん。」

 

優斗「全くだよ・・・」

 

警備員「すみません、ちょっと我々に同行してくれませんか?」

 

優斗「あぁ、分かりました。」

 

青葉「あの、私達も行っても良いですか?優斗さんが心配で。」

 

警備員「ええ。構いませんよ。どうぞ此方へ。」

 

 

 

 

 

 

その後警備室で、男の動機を聞く。その合間に優斗がこれまで何があったかを話した。

 

優斗「昼にうどん屋でうどんを食べてると、隣に座ってジッとこっちを見たんです。それでバイクに乗ろうとした時、付いて来たんです。そしてスカイツリーに来た時、一瞬にしてこっちに来てたんです。」

 

警備員B「そうですか。」

 

メモを取る。

 

優斗「でも何で?」

 

するとそこに警備員Aが戻って来た。

 

警備員A「お待たせしました。男の動機が判明しました。」

 

優斗「何だったんですか?」

 

警備員「話によると、あなたの彼女が綺麗過ぎて羨ましいっと言ってました。」

 

優斗「・・・はい?」

 

警備員「それでムカ付いて襲ったと供述してます。」

 

優斗「えっと、ちょっと待って下さい?何?それだけの理由で?」

 

警備員A「はい。それだけの理由だそうです。」

 

そこに男が警備員Cに連れられて来た。

 

優斗「おいあんた、彼女が羨ましいって何だよ。」

 

すると男が優斗のスマホを指差した。

 

優斗「俺のスマホ?まさか。」

 

スマホのLINEを見ると、美佳の写真のアイコンがあった。

 

優斗「もしかして、このアイコンか?」

 

すると男が頷いた。

 

優斗「いや、彼女じゃなくて俺の妻だけど?」

 

すると男がびっくりした。

 

優斗「それに子供も居る。」

 

更にびっくりした男がその場で崩れた。

 

優斗「何だったんだこれ・・・それで、あんな短時間でどうやってスカイツリーまで来たんだ?」

 

警備員A「丁度タクシーがあったから乗ったっと言ってました。」

 

優斗「タクシーかぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

その後終わって青葉達と合流した。青葉達に男の訳を話した。

 

青葉「凄く単純な男でしたね・・・」

 

優斗「あ〜あ・・・何でここまでされなきゃいけなかったんだよ!やっぱり他の飲食店で食えばこんな事にならずに済んだのかも・・・」

 

ほたる「でも、無事解決出来て良かったですね。」

 

ねね「そうですよ!元気出しましょうよ!」

 

優斗「うんまあ・・・そうだね。そうだ!皆はPECO何処までクリアしてる?」

 

青葉「私は中盤まで来ました!」

 

ねね「私も中盤まで!」

 

ほたる「最後辺りまで来ました!」

 

優斗「凄いな皆!」

 

青葉「優斗さんは何処まで進みました?」

 

優斗「俺まだ始めたばかりなんだ。美佳さんが凄くやり込んでるから、今まで見てるだけだったから。」

 

 

 

 

 

 

外は夕方になり、優斗はバイクに乗って帰宅する。

 

優斗「さぁてと、帰って飯作るか。」

 

 

 

 

 

 

その後帰宅して、夕食を作って食べ終えた。そして美佳と奈々が帰って来て、今日の事を話した。

 

美佳「大変だったね優斗君。変な不審者に追い掛け回されて。」

 

優斗「本当だよ。もうあんな経験思い出したくないわ。」

 

美佳「それで、さっき言ってたこずえちゃんって誰なの?」

 

優斗「俺の幼馴染みの1人なんだ。中学2年の頃に北海道に引っ越したんだ。去年にこっちに引っ越ししたんだ。」

 

美佳「そうだったの。」

 

優斗「それでこずえは、小学校時代に虐めを受けてたんだ。」

 

美佳「え?理由は?」

 

優斗「こずえは生まれた時から足が不自由で歩けなかったんだ。その理由で虐められてたんだ。」

 

美佳「酷いわね・・・」

 

優斗「でも、えいすけががこずえを助けたんだ。それ以来ずっと仲良しなんだ。」

 

美佳「へぇ〜。えいすけ君勇気あるね〜。それで優斗君、そのこずえちゃんとは今も仲良し?」

 

優斗「仲良しさ。でも、俺の愛人は美佳さんだよ。ずっと愛してるよ。」

 

美佳「優斗君ありがとう。」

 

優斗「ねえ美佳さん、PECOやって良い?」

 

美佳「良いよ!面白いねこれ。」

 

PECOをプレイする優斗。

 

優斗「面白いな〜PECOは。見てるだけだと勿体無いからね〜。」

 

美佳「ごめんなさい。でも本当面白くて毎日やっちゃうくらいだもんね〜。」

 

色々大変な外出だったが、とても楽しんだ優斗であった。

 

「END」




         キャスト

      相葉優斗:石井マーク

      涼風青葉:高田憂希
       桜ねね:朝日奈丸佳
     星川ほたる:石見舞菜香

     美作こずえ:上坂すみれ

      相葉美佳:榎本温子
      相葉奈々:内藤穂之香

      女性店員:貫井柚佳

       警備員:濱野大輝
           木内太郎
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
美作(みまさか)こずえ』

職業・ファッションデザイナー

誕生日・3月2日
年齢・24歳
血液型・B型
身長・166Cm
体重・65kg
星座・うお座
性格・元気
好物・いちごパフェ
苦手・歩けない事
特技・デザイナー、絵描き
出身地・東京都

容姿・絵に描かれたような美少女

髪型・黒のストレート

私服・白のワンピース、白のカーディガン、黒いローファー

好きなゲーム・フェアリーズストーリーシリーズ、PECO

初めてプレイしたゲーム・マリオパーティ3

マリオシリーズで好きなキャラ・マリオ及びキノピオ

優斗とは幼馴染みで、大輝とは中学時代からの親友。
現在はファッションデザイナーをやっている。
中学2年の夏に北海道に引っ越し、去年に東京に戻って来た。
生まれ付き足が不自由で車椅子生活を送ってるが、現在は歩けるようになってる。
小学校時代は、歩けない理由で虐めを受けてたが、栗谷えいすけのお陰で救われて友達になった。
実家はお金持ちであり、両親がホテルを経営しているご令嬢。

イメージキャスト・上坂すみれ


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27話「僥倖あり過ぎるだろお前・・・」

ある日のイーグルジャンプ。優斗のスマホにメールが受信された。

 

優斗「ん?」

 

LINEを見ると。

 

優斗「えいすけか。」

 

LINEの相手は、「栗谷えいすけ」からだった。

 

優斗「フフッ。」

 

りん「あら優斗君?嬉しい事あったの?」

 

優斗「ええ。えいすけが旅館を誘ってくれたんです。」

 

りん「えいすけ君って確か、優斗君と美佳さんの結婚式に来てた?」

 

優斗「はい。今度旅館行こうぜってメールが来たんです。」

 

 

 

 

 

 

後日。優斗と大輝が東京駅で待っていた。

 

大輝「まさかえいちゃんが俺達を飲み会に誘ってくれるなんてな。」

 

優斗「そうだよな。殆ど会ってねえからな。」

 

???「おーい!お2人さん!」

 

優斗「来たか。」

 

 

 

 

そこに4人の男女が来た。

 

 

 

 

優斗「ようえいすけ!」

 

えいすけ「おっす優斗!久し振りだなぁ!」

 

大輝「えいすけ久し振り!」

 

えいすけ「よう大輝!久々〜!!」

 

テンションMAXの2人がはしゃぐ。

 

優斗「昔から変わんねえなぁ・・・」

 

???「本当よね。優斗久し振り。」

 

優斗「そうだな。みさと。」

 

野々崎みさとも居た。

 

大輝「おっすいおり!」

 

いおり「大輝、お久し振りです。」

 

そして、大空いおりも居た。

 

優斗「こずえ、また会ったな。」

 

こずえ「あの時以来ね。」

 

そしてこずえも来ていた。

 

大輝「おおこずえ!お前大きくなったな!」

 

こずえ「何よその子供扱いは。」

 

大輝「いやいや冗談冗談。どうだ足は?」

 

こずえ「前より歩けるようになったわ。」

 

大輝「そうか。」

 

えいすけ「この面子が揃うと、学生時代を思い出すな〜。」

 

いおり「確かにそうですね。」

 

みさと「あの頃に戻りたい気分〜。」

 

えいすけ「よっしゃ!これで全員と言う事で、行くか!」

 

大輝「おう!」

 

優斗「まずは、こずえをえいすけの車に乗せるか。」

 

 

 

 

駐車場。

 

こずえをえいすけのNOAHに乗せるみさと。

 

みさと「こずえ、大丈夫?」

 

こずえ「大丈夫よ。」

 

そして車椅子を後ろに乗せる。

 

みさと「じゃあ、それぞれ乗りましょ。」

 

えいすけのNOAHにいおりとこずえが乗り、優斗のCX-3に大輝とみさとが乗る。

 

優斗「おいえいすけ、準備良いか?」

 

えいすけ「何時でもOKだ!」

 

優斗「じゃあ行くか!」

 

2台の車が走り、旅館へ向かった。

 

 

 

 

 

 

旅館に到着した。この旅館は車椅子対応のバリアフリーの旅館である。

 

客室。

 

優斗「さてと、今からどうする?」

 

えいすけ「温泉入るか?」

 

大輝「だな。早く入りてえよ・・・」

 

みさと「もう?早いわね。」

 

いおり「こずえはどうします?」

 

こずえ「私も入りたい!」

 

優斗「じゃあ入るか。外はもう夕方だし。」

 

 

 

 

 

 

女子露天風呂。

 

みさと「はぁ〜良い湯ね〜。」

 

こずえ「露天風呂久し振り〜。」

 

いおり「景色が綺麗です〜。」

 

みさと「こずえはどう?ファッションデザイナーの仕事は。」

 

こずえ「絶好調よ!もう以来殺到よ!いおりは?」

 

いおり「私も絶好調です!ドラマとかバラエティの出演が以前より多くなってます!」

 

こずえ「みさとはどう?」

 

みさと「私は・・・まぁまぁかな?」

 

こずえ「どうして?」

 

みさと「いや、仕事は順調よ?けど私・・・ちょっと・・・」

 

こずえ「あ、もしかして・・・好きな人が居るとか?」

 

みさと「うっ!」

 

こずえ「やっぱり〜!そうじゃないかな〜って思ってたのよ〜。」

 

みさと「・・・でも話す機会があんまり無くて・・・」

 

いおり「みさとは昔からそうでしたのよね〜。」

 

みさと「・・・」

 

 

 

 

 

 

男子露天風呂。

 

大輝「ひょえ〜風呂気持ち良い〜!」

 

えいすけ「あ〜生き返る〜!」

 

優斗「テンション高えなお前ら・・・昔と変わんねえな・・・」

 

大輝「なぁえいすけ、PECO買ったか?」

 

えいすけ「買った買った!めっちゃ面白えぜ!」

 

優斗「良かったな。写真家の方はどうだ?」

 

えいすけ「良い写真が沢山撮れたんだ。お陰でうちの写真展が繁盛さ。」

 

大輝「良かったな。今度遊びに行っても良いか?」

 

えいすけ「おう!何時でも来い!」

 

 

 

 

 

 

6人が風呂から上がった。優斗は何時ものパジャマを着てる。6人は自販機で飲み物を買って部屋に戻った。優斗はポカリスウェット、いおりは麦茶、こずえはカフェオレ、大輝とえいすけとみさとはビールを飲んでる。

 

優斗「こうして集まると、中学時代を思い出すなぁ。」

 

えいすけ「分かる分かる。あの頃は色々やったもんだな〜。」

 

大輝「俺が転校して、えいすけが俺を見て気に入ったよな?」

 

えいすけ「そうそう。大輝を見た瞬間面白そうな奴だな〜って。」

 

いおり「そしてすぐに大輝に近寄ったんですよね。」

 

みさと「えいすけの好奇心旺盛な所は相変わらずよね〜。」

 

優斗「でもえいすけのその性格のお陰で、こずえは救われたんだよな。」

 

こずえ「本当にあの時はありがとう。えいすけ。」

 

えいすけ「いえいえとんでもない。」

 

大輝「そう言えばこずえは、小学校時代虐められていたっけ?俺あんまりお前達の小学時代の事知らないからな。」

 

こずえ「ええ。大輝も知ってるでしょ?私生まれ付き足が不自由だって。」

 

大輝「ああそれは知ってる。」

 

こずえ「小学1年の頃だったね。それが理由で3人の同級生の女子に虐められてた時に、えいすけが真横から私を助けたのよね。」

 

えいすけ「ああ。真横から現れてそのままこずえを押して去って行ったなぁ。」

 

大輝「何でそのまま去って行ったんだ?」

 

えいすけ「答えは簡単。ナンパだ。」

 

大輝「ナンパ?」

 

えいすけ「ああ。俺昔から可愛い女の子を見付けるとナンパしたくなるんだよなぁ。でもあの時はナンパせずにそのままこずえを助けたんだよなぁ。」

 

優斗「えいすけ、お前今でもナンパしてんのか?」

 

えいすけ「いやもうやってない。これ以上やってたらナンパ依存症になっちまう。」

 

するとえいすけが、旅行バッグからニンテンドースイッチを出した。

 

えいすけ「優斗、大輝、ニンテンドースイッチ持って来たか?」

 

優斗「ああ。」

 

大輝「勿の論!」

 

ニンテンドースイッチ3台。

 

えいすけ「折角だから、皆でマリオカートやんね?」

 

こずえ「やりたいやりたい!」

 

いおり「私も久し振りにやりたいです!」

 

みさと「私もやるわ。」

 

えいすけ「じゃあやるか!」

 

 

 

 

 

 

6人でマリオカート8デラックスをプレイする。優斗のニンテンドースイッチは優斗と大輝ペア。大輝のニンテンドースイッチはえいすけとみさとペア。えいすけのニンテンドースイッチはいおりとこずえペア。

 

優斗はルイージ。大輝はキングテレサ。えいすけはクッパ。みさとはデイジー。いおりはロゼッタ。こずえはマリオ。

 

6人でグランプリをプレイ。コースはスペシャルカップで200cc。

 

えいすけ「あそうだ。俺この前宝くじ当選したんだ。」

 

全員「え?」

 

大輝「あのぉえいすけ君?もう1回言ってくれますかね?」

 

えいすけ「宝くじ当選したんだ。」

 

優斗「またかよ!?」

 

こずえ「何を当選したの?」

 

えいすけ「ロト6だったな。1億当選。」

 

大輝「僥倖あり過ぎるだろお前・・・」

 

優斗「お前って昔からそうだよな?よう宝くじ当たるよな。それで当選した1億はどうした?」

 

えいすけ「半分は実家に送った。」

 

大輝「実家の写真館に送ったか。」

 

みさと「貯金は今どれくらい?」

 

えいすけ「それは言えねえな。機密事項だ。」

 

 

 

 

 

 

スペシャルカップグランプリ。結果は、1位ルイージ。2位デイジー。3位クッパ。4位ロゼッタ。5位マリオ。6位キングテレサ。

 

優斗「よっしゃ勝った。」

 

みさと「ああもおもう少しだったのに〜。」

 

大輝「ちくしょー!」

 

 

 

 

 

 

そして翌日。6人が旅行を終えて帰る。

 

優斗「今日までサンキューな。えいすけ。」

 

えいすけ「どういたしましてだ。今度また誘ってやるよ。」

 

大輝「サンキューえいすけ!」

 

えいすけ「どうせなら優斗、今度美佳先輩と奈々ちゃんも連れて来いよ。」

 

優斗「あ〜、聞いてみるわ。」

 

みさと「今度紹介してよ!優斗と先輩の子供を!」

 

こずえ「私も優斗の家族見たい!」

 

優斗「テンション高えな2人は・・・」

 

こうして優斗と大輝は、親友達と楽しい旅行を楽しんだのだった。

 

「END」




         キャスト

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

    栗谷えいすけ:鈴木達央
    野々崎みさと:鬼頭明里
     大空いおり:茜屋日海夏
     美作こずえ:上坂すみれ

      遠山りん:茅野愛衣


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28話「何てこった・・・何てこった・・・」

ある日のイーグルジャンプ。優斗は仕事をしながら何かを呟いてる。

 

優斗「何てこった・・・何てこった・・・」

 

 

 

 

そんな優斗を心配する青葉達。

 

紅葉「相葉さん、どうかしたのですか・・・?」

 

青葉「いやぁ、あんな優斗さん初めて見た・・・」

 

はじめ「何かあったのかな・・・?」

 

ゆん「凄く呪われてるようやな・・・」

 

ひふみ「・・・・」

 

 

 

 

優斗「ありえへん・・・ありえへん・・・ありえへん・・・ありえへん・・・ありえへん・・・ありえへん・・・ありえへん・・・」

 

 

 

 

 

 

昼になった。

 

優斗「あ、あれ?もう昼?夢中になり過ぎて時間が過ぎちまったか・・・ちょっと気分転換で美佳さんの作った愛妻弁当を食べるか。」

 

 

 

 

カフェで弁当を食べてると。

 

青葉「優斗さん。」

 

優斗「あ、青葉さん?皆もどうしたの?」

 

青葉「さっきから何を呟いていたんですか?」

 

優斗「あ、あれ?聞こえてた?」

 

青葉「バッチリ聞こえてました。」

 

優斗「何てこった・・・」

 

ゆん「何かあったんですか?」

 

優斗「え?ああ・・・・・」

 

紅葉「相葉さん、話してくれますか?」

 

はじめ「私達が相談に乗りますよ。」

 

ひふみ「お願い、優斗君。」

 

優斗「・・・・・分かった、訳を話そう。実は・・・」

 

 

 

 

 

 

一昨日の休日の事だった。優斗は美佳と奈々と3人でヨドバシカメラで満喫していた。

 

優斗『美佳さんトイレ遅いなぁ。ん?』

 

遠くを見ると、誰かが見えた。

 

優斗『大輝?何してんだ彼奴?』

 

そして彼は、驚愕な光景を見た。

 

優斗『え?』

 

 

 

 

 

 

何と大輝の元に、1人の若い女性と1人の幼い男の子が来たのだった。

 

 

 

 

 

 

優斗(おい大輝?)

 

そして大輝は、笑顔になって、2人と連れて何処かへ行った。

 

優斗(何がどうなってんだ!?大輝何時の間に彼女、いや妻が出来たのか!?それに子供まで・・・)

 

美佳『お待たせ〜。』

 

奈々『パパ〜。』

 

優斗『え?あ、ああおかえり。』

 

美佳『ん?優斗君どうしたの?汗掻いてるよ?』

 

優斗『い、いや別に・・・』

 

 

 

 

 

 

そして現在。

 

青葉「大輝さんが・・・?」

 

優斗「ああ、あの時見た光景が忘れられない・・・」

 

ゆん「も、もしかしたら優斗さんと大輝さんの友達だと思いますよ?」

 

優斗「いや、俺あの女性の顔知らない・・・まさか彼奴・・・隠れて結婚したとか?」

 

はじめ「それだったら、招待状とか渡すはずだと思いますよ?優斗さんの結婚式の時みたいに。」

 

優斗「そうだね・・・それとも、俺が何時もおちょくるからそれの見返しとか・・・」

 

あや「あ!優斗さん達だー!」

 

そこにあやが来た。

 

優斗「あやさん。」

 

あや「皆さんお揃いですね〜。紅葉も居た!」

 

紅葉「あや、ちょっと五月蝿い。」

 

あや「ごめんごめん。」

 

優斗「あやさん、大輝は?」

 

あや「大輝さん?いえ、今日来てませんよ?」

 

優斗「来てない!?何で!?」

 

あや「私にも分かりません。」

 

 

 

 

 

 

その後しずくに話を伺う。

 

優斗「しずくさん、大輝来てませんでした?」

 

しずく「秋山君?今日も来ていないよ?」

 

優斗「やはりか・・・え?今日も?」

 

しずく「実は昨日、今週休暇取るって言っててな。」

 

優斗「今週休暇?何考えてんだ彼奴?」

 

しずく「どうかしたのかい?」

 

優斗「いえ、教えていただきありがとうございました。」

 

 

 

 

次はりんに話を伺う。

 

りん「え?大輝君の事?」

 

優斗「はい。りんさん、心当たりはありませんか?」

 

りん「う〜ん・・・私も知らないわ。」

 

優斗「そうですか・・・」

 

りん「あ、今日出勤途中に大輝君を見掛けたわ。」

 

優斗「本当ですか!?」

 

りん「ええ。知らない女性と男の子と何処かへ行ったわ。」

 

優斗「彼奴、何があったんだ?」

 

 

 

 

 

 

帰り道。

 

優斗(大輝が見知らぬ女性と男の子と一緒に何処かへ行った。彼奴に何が起きてるんだ?ん?)

 

途中で女性と男の子と一緒に居る大輝を発見した。

 

優斗(大輝!)

 

 

 

 

近くの駐輪場にバイクを停めて、大輝をこっそり覗く。

 

優斗(一体あの2人は誰なんだ?)

 

 

 

 

大輝「最近仕事はどう?」

 

女性「うん、順調だけど、やっぱり子育てと両立は大変。」

 

大輝「大丈夫。俺がこうして一緒に居るから元気出るって。」

 

女性「ありがとう。」

 

 

 

 

優斗(一緒に居る?彼奴引っ越したのか?)

 

 

 

 

男の子「ママ〜、どんぐりいっぱい〜!」

 

女性「本当だね〜。いっぱい取れたね〜。」

 

男の子「パパ〜。」

 

大輝「凄いぞ〜。パパ大喜びだ〜!」

 

 

 

 

優斗(パパ!?おいおい冗談だろ・・・?)

 

 

 

 

大輝「じゃあ行こうか。」

 

女性「うん。」

 

大輝「ほら、行こうか。」

 

男の子「は〜い!」

 

何処かへ行こうとした瞬間。

 

 

 

 

優斗「おい大輝!!」

 

 

 

 

大輝「ん?よう優斗!」

 

優斗「ようじゃねえよ!お前今まで何やってんたんだ!?」

 

大輝「何って?」

 

優斗「その2人は誰なんだ!?お前何時結婚したんだ!?」

 

女性「もしかして、相葉優斗さんですか?」

 

優斗「そうですが。」

 

女性「私、安藤しのぶです。此方が息子のりゅうたです。」

 

りゅうた「こんにちは〜!」

 

優斗「え?安藤?おい大輝、どう言う事だ?」

 

大輝「実はな。」

 

訳を話した。

 

 

 

 

優斗「偶然?」

 

大輝「ああ。去年の12月に映画観に行った時に偶然な。」

 

優斗「どうやって出会ったんだ?」

 

大輝「隣の席にしのぶさんとりゅうたが座ってな、そしたら向こうから、りゅうたを俺の膝に乗せてくれませんかって言われてな。」

 

優斗「それであっさり快諾か?」

 

大輝「勿の論。」

 

優斗「でも何でしのぶさんが大輝に?」

 

大輝「しのぶさんは以前に、旦那さんを不慮の事故で亡くなってしまってな。」

 

優斗「旦那さんが事故死?」

 

大輝「それでしのぶさんが、俺に旦那さんの写真を見せてくれたんだ。」

 

優斗「あるのか?」

 

大輝「しのぶさんから貰ったから見るか?」

 

スマホのギャラリーから、しのぶの亡くなった旦那の写真を見せる。

 

大輝「この人が旦那さんだ。」

 

 

 

 

 

 

優斗「大輝そっくり。」

 

 

 

 

 

 

その旦那は、大輝と瓜二つだった。

 

大輝「あの時しのぶさんから、亡くなった主人と似てるって言われてな。」

 

優斗「それで、前の旦那さんを引き継いだのか?」

 

大輝「まぁそう言う事。」

 

優斗「そう言う事なら早く教えてくれよ。」

 

大輝「いや、何時もおちょくるお前をびっくりさせようと思ってな。」

 

優斗「あ、その気持ち残ってたんだ。」

 

りゅうた「パパ〜!遊ぼ〜!」

 

大輝「よ〜し!遊ぶか!」

 

遊びに走った大輝。

 

優斗「何だか楽しそうだな。遂に大輝にも幸せが訪れたようだな。」

 

するとりゅうたが、優斗の服を引っ張る。

 

優斗「ん?」

 

りゅうた「お兄ちゃんも遊ぼ〜?」

 

優斗「俺も?」

 

大輝「折角だから遊ぼうぜ優斗。」

 

優斗「よし!遊ぶか!」

 

 

 

 

 

 

来週の月曜日、大輝がイーグルジャンプに出勤した。

 

大輝「やっぱこの落ち着き良いな〜。」

 

あや「おかえりなさい大輝さん!」

 

大輝「ああ。ただいまあやちゃん。」

 

あや「優斗さんから聞きましたよ?未亡人のお方と付き合ってるんですって?」

 

大輝「え?聞いちゃったの?」

 

あや「はい。未亡人のお方とその息子さんと一緒に居るって。」

 

大輝「あの野郎バラしやがったな?」

 

 

 

 

その頃優斗は、この前の事を青葉たちに話した。

 

青葉「大輝さんが!?」

 

優斗「ああ。未亡人の方とその息子さんと一緒に過ごしてたって。」

 

ひふみ「大輝君が。」

 

優斗「しかも、亡くなった旦那さんは大輝と瓜二つだったんだ。」

 

紅葉「秋山さんと瓜二つとは、もしかして親戚か何かですか?」

 

優斗「それは無い無い。」

 

大輝「おい優斗!」

 

そこに大輝が全速力で来た。

 

優斗「よう大輝。どったの?」

 

大輝「どったのじゃねえよ!何あやちゃんに秘密をバラしてんだよ!」

 

優斗「今まで俺達に秘密を隠した仕返しだ。」

 

大輝「お陰であやちゃんにツバメちゃんにねねちゃんまで広まったんだぞ!」

 

優斗「あらそう?悪いね。」

 

あや「大輝さん!もっと詳しく聞かせて下さい!」

 

大輝「もう勘弁して!」

 

優斗「人気者だな大輝。」

 

ゆん「でも優斗さん、簡単に秘密バラしちゃって良えんですか?」

 

優斗「俺と彼奴は昔からの仲だから、何やっても良いと思ってな。」

 

はじめ「大輝さん大変ですね。」

 

大輝「覚えてろよ・・・」

 

「END」




         キャスト

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      涼風青葉:高田憂希
      遠山りん:茅野愛衣
     滝本ひふみ:山口愛
     篠田はじめ:戸田めぐみ
      飯島ゆん:竹尾歩美
      望月紅葉:鈴木亜理沙
      木崎あや:伊波杏樹
     葉月しずく:喜多村英梨
      相葉美佳:榎本温子
      相葉奈々:内藤穂之香

     安藤しのぶ:内田彩
    安藤りゅうた:関根明良


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29話「子育てと仕事は凄く楽しい!」

ある日の相葉家。今日は青葉と大輝が来ており、青葉と美佳が奈々と遊んでる。

 

奈々「まま〜。おねえちゃ〜ん。」

 

美佳「はぁ〜い。ママだよ〜。」

 

青葉「お姉ちゃんだよ〜。」

 

 

 

 

優斗「奈々は本当、青葉さんが好きなんだな。」

 

大輝「まさに青葉ちゃんの妹みたいだな。」

 

優斗「ごめんね青葉さん、また美佳さんの招待で。」

 

青葉「いえ、奈々ちゃんと遊ぶのが凄く楽しみだったんですよ。それに、両親が優斗さんと美佳さんを信用しているようで。」

 

優斗「そうなの?」

 

青葉「はい。」

 

優斗「そうなのか。そう言えばこの前青葉さんのお母さんと会ったしな。」

 

大輝「マジで?」

 

優斗「ああ。2日前にショッピングモールで出会ったんだ。優しい方だった。」

 

大輝「どんな方なんだろうな〜。」

 

優斗「お前しのぶさんと上手く行ってるのか?」

 

大輝「ああ。仲睦まじくやってるぜ。」

 

優斗「ちゃんとご両親に会ったのか?」

 

大輝「ああ。俺を見て前の旦那さんが生きてるとか言ってびっくりしてたんだ。それで俺に『しのぶを宜しく頼みます。』って言ってくれたんだ。」

 

優斗「そうか。良かったな。」

 

美佳「でもまさか、大輝君に出会い来たなんて凄いね!」

 

大輝「ありがとうございます先輩!」

 

優斗「不祥事起こすなよ?」

 

青葉「あ、ユユちゃん。」

 

そこにユユが帰って来た。

 

優斗「ユユ、帰って来たか。」

 

ユユ「ニャ〜。」

 

優斗「飯食うか?」

 

ユユ「ニャ〜。」

 

器にキャットフードを入れ、それをユユがパクパク食べる。

 

優斗「青葉さん、奈々と遊んで楽しい?」

 

青葉「はい。本当に妹みたいで可愛いです。」

 

奈々「おねえちゃ〜ん。」

 

青葉「奈々ちゃ〜ん。」

 

笑顔で奈々を優しく抱く。

 

優斗「奈々嬉しそうで良かった。」

 

大輝「ぐへへ〜。青葉ちゃんと奈々ちゃんの仲睦まじい光景・・・あおなな良いね〜。」

 

優斗「おい百合男子、何言ってんだ?後あおななって何だよ?」

 

大輝「じゃあ、ななあお?」

 

優斗「名前の問題じゃねえ。」

 

青葉「そう言えば美佳さん、奈々ちゃんをどうやって育てているのですか?」

 

美佳「ん?どう言う事?」

 

青葉「いや、普通はベビーシッターの人が奈々ちゃんを育てるんじゃないですか?」

 

美佳「あぁそう言う事ね。実は私が勤務してる保育園、乳児を育てる部屋があるの。」

 

青葉「そうなんですか?」

 

美佳「うん。だから毎日奈々を大事に育ててるの。」

 

青葉「でも、保育園と子育ての両立は大変じゃないですか?」

 

美佳「確かに両立は大変な事よね。でも、私は保育園と子育てがとても大好きなの。可愛い子供達と遊ぶのも、奈々を育てるのも大好きなの。だから、子育てと仕事は凄く楽しい!」

 

青葉「強いんですね美佳さん。」

 

美佳「青葉ちゃんもきっと、将来結婚して子供を産んで子育てすれば気持ちが分かるはずだよ?」

 

青葉「け、結婚!?そんな遠い先の話なんて・・・」

 

優斗「あ、青葉さん大丈夫?」

 

美佳「あわわ、ごめんね青葉ちゃん。ちょっと言い過ぎちゃった・・・」

 

大輝「青葉ちゃん落ち着いて?先輩の冗談だよ?」

 

青葉「ご、ごめんなさい・・・戸惑ってしまって・・・」

 

優斗「美佳さん、少し気を付けた方が良いよ?」

 

美佳「ごめんね。」

 

 

 

 

 

 

夕方。原宿駅。

 

青葉「それじゃあ優斗さん、美佳さん、お邪魔しました。」

 

美佳「また遊びに来てね?何時でも待ってるよ。」

 

青葉「はい。」

 

奈々「おねえちゃん・・・」

 

青葉「奈々ちゃん、お姉ちゃんはまた遊びに来るからね。」

 

奈々「うん!」

 

優斗「じゃあね青葉さん、気を付けてね。」

 

青葉「はい!」

 

駅のホールへ行った。

 

美佳「今日も楽しかったね〜。」

 

優斗「本当。奈々は楽しかった?」

 

奈々「たのしかった〜。」

 

優斗「良かったね。」

 

大輝「あ〜腹減った〜。」

 

優斗「ん?おい大輝、まだここに居るんだ?」

 

大輝「あ〜、折角だから晩飯いただこうかなって。」

 

優斗「いや帰って飯食えよ。もしくは何処かで飯食え。」

 

美佳「しょうがないなぁ〜。大輝君、夕ご飯食べる?」

 

大輝「え!?良いんですか!?」

 

美佳「折角だし食べて行ってよ!」

 

大輝「はい!ご馳走になります!」

 

優斗「おいおい・・・」

 

奈々「おにいちゃ〜ん!」

 

大輝「奈々ちゃ〜ん!お兄ちゃんと遊ぼうか!」

 

優斗「・・・まぁ良いか。」

 

「END」




         キャスト

      涼風青葉:高田憂希

      相葉優斗:石井マーク

      秋山大輝:下野紘

      相葉美佳:榎本温子
      相葉奈々:内藤穂之香


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