この思いは。 (如月の夢)
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八幡ライオン

どうも、初めましての方は、初めまして。
駄文でお馴染みの、しずねは最かわっ☆です。

2作品目なのに、八色って言う…



恋愛、人それぞれ形があるもので、それがうまく噛み合わないと、長く続かなかったり、そもそも叶わない事もある。

俺は今まで、優しい女の子に惹かれ、そして振られてきた。

面白半分で、避けられて、いじめの一環で。

理由は様々だが、結果は皆同じだった。

高校生になってからというもの、人を避ける生活をしてきた為、恋人はもちろん、友達すらいない現状で何を言ってるんだ貴様状態だが、突然このような事を言い出すのはもちろん理由がある。

そう、俺は愚かにも、また、恋をしてしまった。

 

 

しかし、その恋の自覚は、同時に失恋を自覚させられるものだった。

 

 

 

 

 

季節は、冬後半。

雪は残るものの、植物は力強く、春へ向けて成長している。

植物は凄いぞ、コンクリートにも侵食してくからな。

俺は、冬は基本炬燵でぬくぬくする人なので、植物さんには一生勝てないですね、わかります。

そんな俺は、この寒空の下ある人物を待っているのだが。

なかなか来ないのである。

いい加減寒いのだが、凍え死んじゃうよ?

「マッチはいかがですか?とか言ってたら、本当に死んでしまいそうだな。」

そんなことを呟くほどに、寒く、暇なのだ。

そんな時、

「うりゃ!」

掛け声と共に、腰に衝撃が走る。

こんなことをする人物は、俺の知り合いには二人しかいない。

一人目は小町だ、小町にやられたなら、抱き返すまである。

え?気持ち悪い?千葉の県民なら普通じゃないの?ハチマンヨクワカラナイ。

しかし、その可能性はゼロである。

なんて言ったって、ここは学校の駐輪場である。

まだ小町は、この学校に来る理由がないので、消去法で、もうひとりの人物であると理解する。

「一色、なにが、うりゃ!だこのやろう。」

「背中が隙だらけでしたよ?」

「背中の傷は剣士の恥ってか?。」

「はい?」

「何でもねーよ。」

ようやく来た、待ち人に、深くため息をつく。

その空気は白くなり、未だに寒いことを指し示すようだった。

 

「うぅ、寒いですね。早く帰りましょう。

「俺はこの中で、お前を待っていたんだがな。」

「なんですか!どんな環境でも、俺は絶対にお前のこと待っててやるぜって言うアピールですか?お気持ちは嬉しいですが、先輩に何かあったら嫌なので、無理ですごめんなさい。」

「何言ってるかわかんねーよ……」

「にしても、寒いですね」

と言いながら、防寒着を再度しっかりと付ける一色。

完全にスルーである。

 

 

「先輩は春休み、どう過ごすんですか?」

「んー、基本は寝て過ごすだろ?で、起きたら読書。あ、プリキュアは欠かせないな。」

「私ですら、見てないですよあれ……」

「うるせぇ、プリキュアはいいぞー」

「なんですかその言い方、なんか、イラっと来ますね。」

「わかんねーならいいよ。」

「はー、かわいそうな先輩。」

そんな会話をしながら、駅までの道を歩いている。

一色を、駅まで送るのだ。

そう、頼まれたのである。

普段の俺からすると、面倒臭い事限りなく、絶対に断るのだが。

しかし。

少しでも、こいつといたい、そう思ってしまうが故に、断れなかったのだ。

 

 

「そうだ、先輩。」

「ん?」

「葉山先輩へのアピール方法、何か思いつきました?」

「それに関しては、俺に頼るなよ。」

「えー、いいじゃないですか、ケチ!ボケナス!八幡!」

「いや、八幡は悪口じゃないからね?」

例え、流れだとしても、名前を呼ばれたことに、喜んでしまう。

「何かいい案、ないですかね。」

「さぁな」

分ってはいることだが、こいつはそれだけ、あいつのことが好きなんだろう。

「先輩で試すんですから、先輩が好きなことでいいですよ?」

「俺に合わせてどうするんだよ。」

「いいんですよ。」

「そうだなー、読書がしたいな。」

「なんですかそれ、つまんなくないですか?」

「聞いといて、それは無くないか……」

「本当に読書でいいんですか?」

「俺はな。」

「じゃあ、今度図書館行きましょう!二人で」

「分かったよ」

葉山の代わりにとは言え、二人でいる時間は取れる、と言う利益に目が眩む。

それが余計、自分の心を傷つけると知っていても。

よし、と、隣から声が聞こえる。

 

「先輩にアピールできますように」

そうつぶやく彼女の一途に頑張る姿に、さらに心は悲鳴をあげる。

分かっているんだ、分かっているけど、この気持ちは止まらない。

無理でもせめて、その手伝いだけでも頑張ろう。

他の人間には、頼らないでくれ。

俺だけにしてくれ。

お前の、頑張るその姿が好きなんだ

本当は、ずっと見ていたい。

 

「どうか、この役目だけでも、誰にも取られませんように。」

 

そう、空に呟いた。

 

 

 

 

その数日後、図書館に行くことになった。

ここに来るまで、終始にこやかだったのは、何を想像しているのか、考えたくはなかったが。

笑顔の彼女は、やはり可愛かった。

 

 

そして、図書館では、お互い読みたい本を見つけて、読書スペースで読むことにした。

平然と隣の席に座ってくる。

「なんで隣なんだよ。」

「先輩の隣がよかったんです。」

「あざといから。」

そう口にするが、やはりうれしいものである。

 

二時間程度経っただろうか。

ふぅ、と息を吐き出す音と共に、本を閉じる音が響いた。

「読み終えたのか?」

「はい。」

「俺も、ちょうど読み終えたところだ。」

「案外こういうのも悪くないですね。」

「だろ?」

そう思ってもらえるのは、光栄なことである。

「でも、葉山先輩に出来るかなぁ」

その発言により、俺のテンションは歯止めが効かないほど落ちる。

「さぁな。」

どうにか平然を保って、返事をするのがやっとだ。

ちゃんと受け止めたはずだが、いつまで経っても理解しようとしない。

そんな自身に嫌気がさす。

頑張れよ俺、大丈夫だろ?今までだって、恋愛は叶わなかったんだろ?

一色の幸せを願えよ。

「先輩?」

ふと声を掛けられる。

「なんだ?」

「なんで……なんで泣いてるんですか?」

はっとなって、頬に触れる。

すると、少し暖かい液体に触れた。

「っ……」

「!大丈夫ですか!?先輩」

「わりぃ、ちょっと外行ってくるわ。」

「私もついていきますよ!」

「だめだ!来るな。」

先輩…と背後で声がしたが、無視をせざるを得なかった。

 

 

 

 

だめだ、やはり、やはり何度も諦めるが、諦めきれなかった。

こんな気持ちになるなら、いっそのこと、出会わなければよかった。

一色が好きな気持ちと、諦めて一色の幸せを願う気持ち。

そんなの、天秤にかけられるはずもなかった。

「どう。したらいいんだよ。……くそ……」

流れ出す涙は止まらない。

「何でなんだよ、なんで葉山なんだ……俺を…俺を見てくれよ……

何でなんだ、なんで、なんで俺は一色と巡り会ってしまったんだ!」

そう泣き叫ぶ。

少しでも、この嘆きが天へと伝わるように

ライオンのごとく、吠えた。

 

「こんな事なら、一色と巡り合わなければ、」

よかった、そう続ける予定だった言葉はそこで止まる。

背後から、そっと包まれたからである。

「へ?」

そんな、素っ頓狂な声を上げる。

何故なら、包んできたのは

「そんなことは……言わせませんよ先輩。」

同じく、大量の涙を流した、一色いろは本人だったからからだ。

 

 




最後まで読んでいただき、ありがうございます。

タイトル、内容ともに

遊助さんの"ライオン"を参考にさせていてだきました。
いやぁ、いい曲ですよね。

この連載にあたって、今後の内容も、何らかの曲に沿っていきます。


感想等宜しくお願いします。


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いろは天邪鬼

私事ですが、やっとテストが終わりました。
さぁ、書くぞ!


2作品目って言ったけど、3作品目でした……
あっちもやらないとね……


「そんなこと、絶対に言わないでください。」

私は、先輩の腰元に抱きつき、そう呟く。

「なんで…」

「私が悪いんです。私、私が余りにも天邪鬼だから!」

 

 

 

 

 

何時だったんだろう、こんなにも好きになったのは。

候補は、"本物"を聞いたからだろうか、

いや、それ以前からかもしれない。

それでも私は、葉山先輩を好きだ、という事実を守り続けなければならなかった。

何故か、それは、今までの自分を否定する事と同義だからだ。

少しでもよく見られるため、そう思い、努力してきたことが、全て偽りだったかのように。

それは、耐え切ることが出来そうにない事実だ。

 

 

それに、あの三人の中にはもう入れない、そんな考えがいつまでも頭の中にいて、意地悪く攻撃をしてくる。

でもやはり、どうしても先輩に目がいってしまう。

そして、会話と言えば、裏を付く事ばかり。

 

「葉山先輩に送ってもらう練習を」

先輩と一緒に帰りたい。

「葉山先輩とのデートの参考に」

先輩とデートしたい。

 

言葉と本心の違いに、自分の心が、ひどく痛むのを感じる。

本心を言えない、まるで天邪鬼のように、言葉は捻くれてしまう。

もう、頭の中はぐちゃぐちゃだ。

 

「ずっと先輩を騙してきました。」

 

本当にひどい話だ。

葉山先輩を好きだった。

そして、今は先輩が好きだ。

こんな感情、はたして、良いのだろうか。

でも、否定することも出来ない。

 

先輩の隣にいると、落ち着く。

先輩の笑顔を見るとドキッとする。

面倒くさそうにするけど、手伝ってくれる。

辛い時に、すぐ気づいてくれる。

こんなにも、彼はすごいのに、本人はそんなことは無いと言う。

謙遜とかではない。

先輩は、本心からそう思っている。

 

 

 

「私は、葉山先輩が好きではありません。」

「は?」

 

 

先輩は、あの本物発言から、確実に人として進んでいる。

私はまだ、未だにスタートを切らない。

この、刻一刻離れていく隙は、いったいどうやって埋めればいいのだろう。

 

 

 

「でも、まだです、まだなんです。」

「……」

 

 

そんなの分からない、でも、始めないといけない。

でもどうすれば…………

 

「つまり、なんだ、俺はお前に、ずっと騙されてたのか。」

「……そういうことに、なっちゃいますね。」

 

 

空気は、酷く重たく感じる。

先輩にとって"騙される"という事は。

かなり酷なものだろう。

それが嫌で、人間関係を最小限にする人だ。

私は、先輩が一番嫌がるであろう"裏切り"を行ったと同じだ。

これを境に、私は彼に近づけなくなるのだろうか……

そんなのは嫌だ…だが、そうなっても仕方が無い。

その時は、潔く諦めよう。

 

「そうか……」

「すいません。」

 

あぁ、これで終わるのか、どうしてもっと早く素直になれなかったんだろう。

そんな後悔の気持ちで、涙が流れる。

 

 

しかし、やはり、先輩は先輩だった。

 

 

「そうか、なら、言葉の裏を読めなかった、俺が悪いな。」

「はい?」

突然の発言に、耳を疑う。

この人は、この状況でも尚、私の心をかばうのか。

「お前は、無駄なことをあまりしない奴だろ?」

言葉に詰まる。私はこんなにも見られていたのだと。

「てことは、なにか事情があるんだろ?」

この先輩には、一生勝てない気がする。

「なら、俺が言葉の裏、いや、言葉の裏の裏まで分かるように、頑張るしかないな。」

一周まわって表ではないのか、そんな冷やかしは言わない。

先輩は私の発言をしっかりと理解しようとしてくれている。

嬉しい、しかし、口に出る言葉はやはり。

「そんなめんどくさいこと、嫌いじゃないですか。」

まったく、ここまで、ひねくれた言葉が出るのは、どうかと思う。

先輩の影響だろうか。

そう思うと、嬉しいような、悲しいような。

「いや、このぐらいいいじゃないか。なにせ、期限はあと一年あるわけだし。」

 

やはり、先輩は優しい。そして、幸せにしてくれる。

先輩がくれる、この幸せを、やはり手放したくはない。

捨てるわけには行かない、譲るわけにも行かない。

私は弱虫だ、傷つくことを恐れ、自分の殻に閉じこもる。

しかし、この思いは、

 

「じゃあ、…先輩」

「ん?」

絶対に伝えたいんだ、だから、

「私が素直になるまで、待っててくれませんか?」

「分かった。」

 

 

この両手から、いや、身体中からこぼれそうな程の愛は、先輩以外には渡したくない。

だから、私も頑張るんだ。

 

 

 

 

 

今は、帰宅の道についてる。

急に飛び出したため、本はそのままだったので、一旦戻しに行き、返却を終えた後、まだ早い時間だが、お互い気が乗らなかったので、帰ることになった。

 

「先輩、どうして、私と巡り合わなかった方が良かったのか、は今は聞きません。その気持ちも、私が素直になるまで待ってください。」

「あぁ……」

「ただ、」

今日から早速、1歩進んでみようじゃないか。

 

 

「覚悟してくださいね。」




という訳で二話目でした。
今回は天ノ弱でしたね。
ボカロの中では、かなり有名な方ではないかな?(偏見)

さて、どうしよう、今後の展開。
2人以外も、出したいんですけどね……


感想はお気軽に!


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彩加の声

今回はちょっと短め。


あの、図書館での出来事があった翌日、つまり月曜日。

月曜日が憂鬱に感じる人も、多いと思うが、俺も同じである。

素直になれるまで待っている、そんな約束をしたばかり。

今日一色と会ったら、どんな顔をすればいいのだろう。

普段通りに?普段ってなんだっけ。

会いたいに行きたいのに、口実も無ければ、平然を保てる気がしない。

そんなことを考えていたら、既に昼休みになっていた。

 

 

ベストプレイス、ここには未だに、そしてこれからもお世話になるつもりである。

問題があるとすれば、あと数ヶ月で、3年生になる俺らの代は事実上、部活動を引退しなければならない。

つまりは。

「戸塚の舞が無くなってしまう。」

時間は残酷なものだ、そう実感する。

そこまで考え、ふと気づく。

「……今日は戸塚、いないんだな…」

自主練をしていない、それは奉仕部に来る以前から見ていたとしても、割と珍しい。

さては、戸塚の身に何かあったのでは?こうしてはいられん。

そう思った直後、突然後ろから方を叩かれる。

突然のことに驚きながらも、振り返る。

すると、頬に何かが当たる。

戸塚の指先だった

それは、あのテニスの時にやられた光景と同じだ。

「あはは、また引っかかったね。」

 

天使だ、結婚したい。

おっと、本心がダダ漏れじゃないか。

 

 

「戸塚か、丁度、自主練をしていないのは珍しいと、思っていたところだ。」

「今日はちょっとね。」

「怪我とかか?」

「違うよ。」

「じゃあ、どうしたんだ?」

真面目な戸塚のことだ、きっと、重要なことに違いない。

そう、信じて疑わなかった。

だから、次に来た言葉が、予想違いあだったことに、驚きを隠せなかった。

 

「八幡が、なにか悩んでるように見えたから、話を聞いてあげたいな、って思ったの。」

「え?」

 

 

 

「八幡、自分でも気付かなかった?」

「どういう事だ?」

「朝からね、凄い思い悩んでる顔をしていたんだよ?」

「…………そんな事ない。」

「そうかな。」

すっと、顔をのぞき込まれる。

目を合わせられるが、普段の俺ならドキドキするだろうが、今はそんな場合ではない。

心を見透かしに来ている。そんな視線だった。

「ふーん。」

「なんだよ。」

「なんでもー。」

いや、きっと、戸塚には全てわかったのだろう。

「でもね、八幡」

「なんだ?」

「直ぐじゃ無理でも、少しずつでいいからさ、僕を頼ってね?」

「…………」

「もし、八幡が道に迷うのなら、僕が君を呼んで、道を指し示してあげる。

今まで、そういう人が居なかった八幡は、助けてくれないって決めつけてるだけかもね。

一人で考えるくらいなら、すこしでも、預けてよ。

僕じゃ信用ないかな……」

「そんな事は無い…」

「それは良かった。とにかく、僕は待っているからね。じゃあね。」

そう言って戸塚は走って言ってしまった。

 

戸塚に言われるまで、気付いていなかった、そんな顔をしていたなんて。

「でも、なんで除きこまれただけで……まさか。」

ふと、頬に手をやる。

手に何か、暖かいものが触れる。

「あぁ、情けないな…俺は。」

簡単な話だった。

「最近、俺弱くなったなぁ。」

泣いていた、ただそれだけ。

「少しずつでも、頼って、か。」

友達って、こういうものなのかな……

「たまには、そういうのも、いいかもしれないな。」

よし、話そう、少し呆れられるかも知れない、でも、それでも。

頼ってと言われたんだ、存分に頼ってみようじゃないか。

何だか、暖かい気持ちになった。

 

校舎の影、風がよく吹く、人気のないその場所には、一人の少年が、幸せそうな顔をしていたそう。

 

 

 

 

side 戸塚

やっぱり、八幡は悩んでいた、僕の予想はあっていた。

本人が気づかないほど、追い込まれていたんだろうか。

でも、八幡の目を見て、悪い事ではないと思えた。

大切な、なにかを、どうすればいいのか分からない。

そんな目をしていた。

「誰だろう。」

由比ヶ浜さん?雪ノ下さん?それとも……

ううん、そんなの関係ないよね。

八幡が頼ってきてくれたら、僕は全力で対応するんだ。

僕は、八幡の友達でいることに、誇りを持っている。

「よし、」

そう呟く僕は、きっと頼ってくれる、そう信じて、教室絵と戻って行った。




3話めですね、ペースあげすぎかな……
とにかく、ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

今回は、一斉の声でした。
読み方は「いっせいのせい」です。
夏目友人帳の曲ですね。
前回の作人にも、夏目友人帳の曲を使わせてもらいました。
いい曲ばっかですよね。
今のエンディング、茜さす
あれもいいですよね。
感想は随時まってます。


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一色の one step ahead

お久し振りです……
更新が不定期にも程がある。


後悔、きっとそれは、誰にも経験があるのではないでしょうか。

どうしてあの時。

こうしていたら。

こうだったなら。

誰だって、言ったことがあるセリフだと思います。

私にだってあります。

後悔の最も嫌なところは、

読んで、字の如く、ことわざあっての如く。

後から来るところです。

何故、こんなことを突然言い出したか、と言いますと。

 

 

 

 

あの図書館の一件以降、"私は先輩にあっていない"

 

 

 

 

 

あれから、既に一ヶ月はたっている。

なぜ、こんなにも合っていないのか。

それは、

 

"私は彼のそばに居ていいのか"

 

頭に浮かんだこの言葉に、全ての行動を躊躇ってしまうのだった。

 

 

私は、多くの男の子に、"可愛い私"を見せ続けた。

その行動は、数多くの好意を受け、行為を受け、敵意を受けた。

しかし、今更やめれるわけもなかった。

 

 

結衣先輩は、凄くいい人だ。

初対面でも、あぁ、この人は優しいんだろう。

そう思わせる、オーラがあった。

気弱な所があるけど、最近は、自分の意見も言っているそう。

人に気を掛けれる優しさ、でも、自分を曲げない。

気づいたら、同性から見ても、彼女は素敵になっていた。

 

雪ノ下先輩は、容姿端麗、頭脳明晰、大和撫子。

そんな言葉の似合う、とても届かない存在。

しかも、先輩や結衣先輩との関わりで、とても明るい表情をするようになったそうだ。

 

そんな二人が、そんな凄い二人が、心の底から大切にしている存在はやはり。

 

「たく、何がぼっちなんですかあの人は……」

 

 

こんなはずじゃなかったんだけどな。

そう呟く声は、風にかき消される。

そうじゃないだろう、そう言い聞かされる気分だった。

確かに、違和感はあったんだ。

中学生の時、同性の友達が減ってきた時点で、気付きはじめた。

とてつもない、後悔をする予想はあった。

それでも、気づいたらそんな事も忘れていた。

いや、忘れたつもりだったのか…

 

「いろは?」

隣りから、学友の声がする。

どうやら、既に帰りのSHRすら終わっていたらしい。

「ごめん、何でもないの、ありがとう。」

「あ、ちょっといろは。」

悪いけど、今は頭がいっぱいだ、人に構っている暇がない。

私は知らぬ間に、こんなにも追い詰められていたんだ。

「早く帰りたい。」

口に出した願いは叶わない、なんて言葉を聞いたことがある。

こんな事も、神様は見事に拾ってくる。

「いろはちゃん、ちょっといいかな?」

この子は誰だったか、そんなことすら、思い出せない。

「ごめん、ちょっと今日は帰りたいんだけど、なにか急なこと?」

「ううん、別に絶対必要な事じゃないから、いいんだけどね。」

その言われ方をすると、何故か気になる。

「内容だけでも聞いとくよ。」

聞いてはいけない、本能がそう告げていた。

「その、ね?」

彼女はとても言いにくそう。

嫌な予感がする。

大抵の場合、この予想は。

 

「先輩について、教えてもらいたいんだけど。」

当たるもので。

 

「"葉山先輩"の事?」

これは疑問ではなかった、合ってるよね?そういう意味で聞いた。いや、そうであって欲しかった。

 

 

 

「"比企谷先輩"の事」

ほら、世界は私に厳しいのだ。

 

 

 

「なんで?」

「そ、その……」

照れる彼女を見て、完全に理解する。

「好き……なんだね。」

「…うん。」

「そっか、そうだよね。」

「?」

あんな先輩を好きになる、それは、珍しい気もするが、そうではない。

人として、かなりの価値がある。

その価値を知った人間の殆どは、彼に惹かれてしまうのだろう。

「いろはちゃんは葉山先輩が好きなんだよね?だったらさ」

息が詰まる、心が悲鳴をあげる。

「ちが……」

頭が回る、世界が回る。

吐き気がする、身体に何かが這いずり回るよう。

「…は…ゃ…!」

なにか叫んでるのは聞こえるが、耳には入らなかった。

そして、世界が暗転した。

 

 

 

 

ここはどこだろう、体が浮いているようだった。

夢か、そう判断するのは早かった。

「っ……」

突然目の前が光る。

その光が消えた時、目の前には、見慣れた背中が。

「先ぱ……」

先輩!そう叫ぼうとした声が、途中で出なくなる。

その背中の隣には、知らない女の子が寄り添っている。

心臓に、刺されたかのような痛みが走る

「やめ……やめて!お願いだから、もうやめて!」

そう叫んでも、悪夢は止まらない。

「やだ、そんなのやだ。」

 

「私の、私の居場所なの!そこから離れて……」

 

「私が居たいの!頑張るからさ!ねぇ!」

 

 

 

「まって!いかな」

ごんっ、と何かとぶつかる。

「痛った……」

どうやら、おでこを強く打ったようだった。

すぐさま頭は、情報の整理を始める。

独特の薬品の匂いからして、ここは保健室だろう。

ベッドに運ばれたらしい。

そして、勢いよく起き上がった為、当たったもの、恐らく人なのだろう。

横を振り向くと、額に手を当て、痛そうに蹲っている。

その頭には、見た事のあるアホ毛………………

え?

「せ、せせせせ、先輩!?」

「痛てぇな、一色。ゆっくり起き上がれよ…」

状況整理が追いつかない。

「どうしてここに。」

恐る恐る聞いてみる。

「平塚先生に、こき使われててな。それが終わってようやく帰れる、って思ってよ。帰り始めたんだが、廊下を歩いてる時、倒れているお前と、必死に呼びかけている女の子を見つけてな。かなり焦ったんだぞ?」

「そ、そうなんですか…すいません。」

「お、おう。」

 

 

 

「先輩」

「ん?」

「私のこと、いつまで待っててくれますか?」

これは殆ど、そういうことを言っているのと、変わりはない。

そんなセリフに、先輩は。

「さぁな、待つ以外にないしな。」

「そうですか。」

 

 

先輩は、こんな私でも待ってくれる。

それに応えよう。

 

周りの男の子に、なんと言われようと、ましてや、女の子になんて言われたって、やり切ってやる。

自分で描いた理想なんだ。

自分自身の手で、満たしてやる。

だって、好きなものを失うより、酷いことはないよね。

手遅れになる前に、急がなくちゃ!

 

鍵をかけていた心を開いた。

切れかけていた、ネジを新たに巻く。

遮るものは、全て千切り取る。

私は、自分の力で成長して、この人の隣に立つんだ。

 

「先輩、私頑張りますね。」




今回は 伊東歌詞太郎さんとかで有名な、
one step ahead

いや、いい曲ですよこれ。


感想お待ちしてます!


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だいじょうぶ。

まさかの副会長視点。


副会長、基本的に副がつく役職は、微妙な印象を受ける。

一番偉いわけではないが、それなりに偉い。

かと言って、強い権限があるわけでもない。

そんな存在である僕、本牧 牧人は、果たして認知されているのだろうか。

まぁ、そんなことはどうだっていいか。

 

 

 

 

 

僕には、最近気になっている人がいる。

好きとか、そう言うのではなく、心配なのだ。

彼女の名は、一色いろは、1年生なのに、いきなり生徒会長まで登り詰めた人物。

最初の印象は、最悪だった。

リーダーシップは無く、周りに流される始末。

仕事の効率も悪く、はっきり言って、辞めてほしいとまで思っていた。

1年生だから、可愛いから、そんな理由でゆるされる。

 

しかし、彼女は突然として、成長する。

あのクリスマスイベント以降、自信がついたのか、かなり、生徒会長として成長した。

いや、させられたのか。

 

彼"比企谷 八幡"によって……

 

 

 

 

彼は凄い、仕事が早い、人に教えるのが上手い、人の考えを読むのが人一倍上手い。

そんな彼が、噂の彼だなんて知った時は、耳を疑った。

しかし、彼が生徒会活動を手伝ってくれる中で、彼を知り、噂の真相を知ることが出来たような気がした。

あいつに関わった人間は、みんな変わっていく。

会長はもちろんの事、書記ちゃんも変わったし、あの元会長すら変えられている。

そういう僕自身も、少し考え方が変わった気がする。

そんな彼を、会長が好きになることは、決して、おかしい事ではなく。

生徒会でもないのに、彼の仕事は、副会長の僕並みにあった。

と言うか、生徒会を覗きに来た先生が、比企谷を見ても当然のごとく連絡を伝えてるレベル。

生徒会に来た質問を、彼がすらすら答えている。

おかしい、まぁ、彼がすごいことに変わりはないが。

 

ただ、この頃、彼は来なくなった。

いや、呼ばれなくなった、が正しいのか。

会長の覇気が、それに比例するように落ちていた。

二人の関係に、なにかあったのだろうか。

 

 

そんなことを考えながら生徒会室に入ると、先に会長が来ていたようだ。

「こんにちは!副会長」

「あ、あぁ」

突然のことに驚く。

なぜ、こんなにも元気になったんだろう。

「昨日までは、すいませんでした。」

突然謝られ、混乱する。突然が多すぎる。

「私、目に見えて元気なかったですよね……」

「あぁ。」

「私、私はあの先輩と並びたい、だからこれからは全力で行きます。」

それを聞いて、クスっと笑ってしまう。

「ちょ、人が決意を顕にしてるのに笑うって、酷くないですか!?」

「いや、違うよ。」

「何が違うんですか。」

「やっぱり、彼の影響力は大きいんだなって。」

「なるほど。」

「まぁ、なら始めようか、新生生徒会長、一色いろはの進撃を」

「はい!」

 

こんな時を待ってた、ずっと待ってたんだ。

頑張れ。

 

 

それから、彼女の進撃は凄まじかった。

学校行事を、着実にこなして行き。

慌てて、取り残されることもあったし、上手くいかずに、泣いてしまうこともあった。

それでもその度、彼女は成長して行った。

かっこ悪いけど、全力で頑張ってる姿が、一番かっこよかった。

役員の交代により、生徒会を離れたが、それでも彼女の頑張りは伝わっていた。

 

 

そして、僕らは卒業式を迎える

 

 

彼女は本当にやり切った。

いや、彼女には、これからあと一年もあるのだと考えると、まだまだなのか。

卒業式を終えたあと、教室へ向かうと中、後ろから呼ばれる。

「ふ、副会長。」

正体は、息を切らした会長だった。

「僕はもう、副会長ではないよ。」

「それでもです。」

「それで何か用かな?」

「わたし、もう大丈夫でしょうか。」

それはあの時に言っていた、並ぶことについてだろうか。

「うん、全てに誓って言える、君はもう大丈夫だ、何も気にしないで、自分の気持ちを放ってこい。」

「良かったです!それでは、先輩のところに行ってきます!!」

そう言って走っていく彼女は、すごく笑顔だった。

君の笑顔で、彼も救われるんじゃないのかな。

 

 

 

 

廊下を走る、目指すは先輩の元へ。

3年の廊下、先輩がいるクラス、見つけた。

ドアに手をつき、息を整える。

「やぁ、いろは何か用かな。」

葉山先輩が気付き、声をかけてくる。

「せ、先輩を…」

「そうか、分かったよ。」

教室内はざわついている、誰かに告白とかか?誰だ?なんて囁いてる。

当の本人は、寝たふりをしていた。

葉山先輩が肩をたたき、その体を震わせた先輩は、何事かと葉山先輩を睨みつけるが、廊下にいる私を目視すると、こっちに近づいてくる。

「どうした、一色。」

「今日、放課後、屋上で。」

それだけ伝え、私はその場を離れた。

今日、全部を終わらせる。

 

 




今回使わせていただいたのは、BLUE ENCOUNTさんの、だいじょうぶ、です。

すごい元気が出ますよ。


とても短いですが、次話で話を一旦区切ります


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愛を込めて。

遅くなったのに、この低クオ……


卒業、それは、誰しもが経験することである。

それまで属していたグループを解散し、新たなグループへと移り変わっていく。

別れを惜しみ、泣く者。

最後の思い出に、はしゃぐ者。

様々な表現のもと、新たな旅立ちに胸を踊らせている。

俺も、奉仕部との関係が終わる、そう思うと、感慨深い。

しかし、もっと重大なことが待っている。

「……よし、行くか。」

そう呟き、本来は鍵が掛かっているはずの、扉に手をかける。

屋上へ繋がる扉だ。

開けると、気持ちい風が吹く。

そして、目の前には、一番会いたくて、一番会いたくなかった人物。

「先輩、来てくれたんですね。」

「あぁ」

一色いろはだった。

 

 

 

 

あの日、あの図書館の日以来、ずっと考えていた。

一色いろはとの、関係をどうするか。

その答えは……

「一色、先にいいか?」

「そうですね、私の要件は、できるだけ最後がいいです。」

要件とは何か、聴くのが酷く怖い。

「一色」

「はい」

とっくに出ていたんだ。

「葉山じゃなくて」

だった、ちゃんと伝えるんだ。

「俺じゃあ、駄目なのか?」

顔を伏せ、黙り込む一色。

ダメか、そう諦めた時。

突然走る、一色

そして、正面で受け止めた。

「うぉ、どうしたんだ急に。」

「ぜんばい、私でいいんでずか?」

「良いも何も、お前がいいんだが……」

「良かった…」

「え、いや、いいのか?俺で」

「当たり前じゃないですか、私は先輩がいいんです。」

「そうか、良かった…」

「大好きですよ!先輩。」

 

 

今まで、犠牲にしてきたこと、は数え切れないほどあった。

しかし、そのお陰で、手に入れたこの関係。

「一色」

未だに抱きついてきているその背中に、腕を回す。

抱きしめたその体は、立派に生徒会長をしている様なものではなく、力を入れてしまったら折れてしまいそうなものだった。

「本当にありがとう……」

それは、心からのそこから出た言葉だった。

 

もし、もしもだ、俺が奉仕部に入っていなかったら。

一色が、相談しに来なかったら。

俺たちが、この高校に入らなかったら。

そんなIF

俺らは、すれ違うことは無く、交わることもなかったのだろう。

少しでも俺らの選択が違ったなら、2人はどうなっていたのだろう。

 

「なぁ、一色」

「何ですか?」

「お前は、どこまで付いてこれる?」

意味は、とても深い。

「どこまで、ですか……」

考える一色、

「別に、急いで答えは出さなくていい。」

「いいえ、ちゃんと出したいです。」

「そうか。」

「そうですね…いや、悩むまでもなさそうです。」

晴れ晴れとした顔で、こちらを覗く。

「先輩と同じ未来を、先輩と同じ位置から見ていたいです。だから、死ぬまでついて行きます。」

同じ未来、か

「多分、他の人生より辛いぞ?」

「さぁ、それはどうでしょうね」

どういう意味だ?

「分かってないかもしれないですけど、先輩を認めている人は、多いんですよ。」

「…知らなかった。」

「……そういう事にしときます。」

 

 

「先輩。」

「なんだ?」

あれから、あの場を離れ、帰ることになった。

自転車を押して、帰路につく。

「私、面倒臭い女ですよ。」

「あぁ。」

「…そこで肯定しちゃう先輩は流石です。」

「うっせ、俺もめんどくさいぞ。」

「面倒臭いもの同士、上手くやれますかね。」

「やってけるだろ、お前となら。」

「そういう事、さらっと言えるんですね。」

そんな会話をしながら、ふとあることに気づく。

「そう言えば、なんでお前こっちきてるんだ?」

「あれ、聞いてないですか?」

聞き方は驚いているが、表情はにやけてる。

これは罠だ!一色が俺を陥れるために仕組んだ罠だ!

「お前なぁ、わかってて言ってんだろ…」

「バレちゃいますか、てへ。」

なんだよテヘって、可愛いなこんちくしょう。

「あざとい…、で本当になんだ。」

「先輩の家で、卒業祝いするんですよ。」

「は?聞いてねーぞ、俺。」

「当たり前じゃ無いですか。」

え、何が当たり前なんですかね。我が家でやるのに、俺が仲間はずれってのが安定なんですね。わかります。

「先輩、待ってください、目がものすごく腐ってます。」

「なんだよ。」

「サプライズだったんですよ。」

サプライズ?

 

家に着いた俺は、違和感を覚える。

だか、気にしてる暇もなく、リビングへと足を運ばされる。

するとそこには。

「あら、遅かったわね、たらし谷くん?」

「ヒッキー…おめでとう!」

「あのお兄ちゃんが……」

「八幡!おかえり!」

「八幡!我もおるぞ。」

「うるさい奴らばかりだねぇ、あ、台所かりてるから。」

「はーちゃん!おかえり!」

言葉が出ない、いや、それどころか…

「ちょ!ヒッキーなんで泣くし!?」

頬を伝う、何かが止まらない。

あぁ、こんなにも

「ねぇ?先輩」

俺の周りは、暖かくて。

「認めてくれる人、いますでしょ?」

綺麗だったのか。

「だから、自信もってください。」

「あぁ。」

それから、卒業パーティは進んでいった。

 

 

数年後、結婚もした。

子供も出来た。

幸せな家庭を築けているかな、そう悩む時がある。

それでも、俺の周りは、誰一人として見捨てるこのなく、一緒に悩んでくれた。

そして、10年後のある日

 

 

「あなた、約束どおりでかけますよ。」

「あいよ」

手短に支度を済ませ、車へと乗り込む。

「あ、今日は私が運転します。」

「ん?そうか?」

助手席へ乗り込み、シートベルトを付ける。

普段なら、後ろが騒がしいものだが、何故か、前もって小町の元へ預けてある。

「じゃあ、行きますよ。」

安全運転で走る車、車内は静かだ。

「なぁ、いろは、どこへ行くんだ?」

「着いてからのお楽しみ、って言いたいところだけど、多分わかっちゃいますね。」

その数分後、確かに見慣れた道に出る。

まさかな…

 

 

しかし、予想を裏切ることなく、その場所に来ていた。

総武高校だ。

事務室へ着くと、あらかじめアポを取っていたらしく、スムーズに進み、入校証を下げて歩き出す。

見慣れた廊下を進むにつれ、様々な記憶が呼び起こされる。

そして、あの教室へと…

 

 

 

「着きました。」

「奉仕部の教室だな、今は使われてないみたいだが。」

使われてない、いや、元々使ってない教室だったはずだから、元に戻った、が正確なのか。

 

「先輩!写真撮りましょう!」

そう言って、せっせと机を運ぶ。

「何してるんだ?」

「どうせなら、あの頃と同じ配置がいいじゃないですか。ね?先輩。」

久しぶりに言われた、"先輩"に少し嬉しさを感じながら作業に入る。

あっと言う間に終わり、写真も撮った。片付けをした後、屋上へ行きましょうとの提案。

屋上へつくと、既に空は赤く染まっていた。

壁に寄りかかり、腰を落とす。

あの文化祭と同じ位置に……

「懐かしいもんだな、本当に。」

そうですね。といいながら肩に頭を預けてくる。

しばらくの沈黙。

「ねぇ、先輩。」

「なんだ?」

「今とっても幸せです、みんなが居て、子供達もいて、なによりあなたがいる。あなたの隣から見るこの景色は本当に綺麗で幸せです。

この気持ちが愛じゃないなら、なんて言うんですかね。」

そう笑う彼女は、とても綺麗だった。

「先輩、私、渡したいものがあるんです。」

「出来るだけ、お返しが楽なもので頼む。」

「相変わらず治りませんね、それ。はいどうぞ。」

手渡されたのは、花束だった。

「それしっかり考えたんですよ?」

「綺麗だな、俺にはもったいない。」

それは、色鮮やかな花が種類重なることなく集められていた。

「それ、みんなのイメージカラーなんですよ。」

そう言われれば、確かにそうだ。

その中でも、中心に咲く綺麗な花。

"白いアザレア"

「お前は、相変わらずあざといな」

「何時までも捻くれている、あなたに言われたくないですよ。」

「さいですか。」

 

 

 

 

 

「じゃあ、そろそろ帰るか。」

と踵を返した時

 

「待ってください。」

最愛の人に止められ

 

「あの日の言葉通り、私は同じ未来を、ずっと一緒に見ています。」

俺が信じた、笑顔を向け、

 

「だから、何時までも、そばにいてくださいね?」

当たり前の日常を望む、そんな彼女に言える一言は。

 

「⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎」

なんて返したと思うだろか。




これで一応終わりなんですけどね……
何かなぁ、やっつけ感が…
成長が見られませんね(断言)

次に何を書くかかなり考えてます。
と言うより、ネタはポンポン出てるんですよね。

取敢ず、今回の作品は終らせて頂きます!
ここまで。稚拙な文にご付き合い頂き、ありがとうございました!


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