龍の背中を追いし竜 (Kurato)
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龍が如く
1話 神室町に住む竜


書きたくなったので書いて見ました
初心者なのでひどい所があるかもしれませんがどうぞよろしくお願いします
龍が如くを知らない人はちょっと理解しづらい所があると思いますが極力分かりやすいようにします
基本ストーリーに沿っていく感じですが、ちょくちょくオリジナルストーリー挟みます


小さい頃一度だけ見たあのデカイ背中

 

あの背中に少しでも近づけるように眠らない町を歩いていく

 

眠らない町神室町

この町は自由だ。明らかに弱そうなやつから金を巻き上げるチンピラ、些細な事ですぐ喧嘩を起こす酔っぱらいジジイそして職がなくても心が暖かいホームレス達どれか一つでも抜けたら他の町と変わらないだろう。

そして俺もまた、この町の住民が作り出す空気が好きでよっぽどの事がない限りここにいる。

ただ、やっぱりこの町はすぐ絡んでくる

「おいおい、何すんだこの野郎。」

竜也「何がだ?」

「何がじゃねぇんだよ。今肩が当たったろうがよ。」

竜也「悪かったな。考え事しててな」

「そうかよ、だったら慰謝料寄越せ50万だ。」

やっぱりカツアゲか。だったらもうやる事は決まってる

竜也「金が欲しいなら力ずくで取ったら良いだろ。」

「んだと、てめぇ今自分で言ったんだからなおい、お前ら袋叩きにしてやれ。」

三人か。特に苦労することもないな。

竜也「ご託は良いから早くしろ。」

「てめぇな、あんまり調子乗ってんじゃねぇぞ!!お前らやっちまえ!!」

〈チンピラ三人組〉

さて、まずはどうしたものか。とりあえず右にいた男の顔面に強烈な一撃を食らわせた。

「ギャァァァ!?鼻がぁぁ!」

どうやら鼻が折れたらしい。避けられない方が悪い喧嘩とはそうゆう物だ。そうこう考えてる内に左にいた男が殴りに来たしかし、俺にとってこの程度のパンチはパンチとは言えない。なぜなら余りにも遅すぎたからだ。もちろん一般人からすれば早いのだろうが、鍛えすぎた俺には鈍すぎるパンチだ。

しかし、ただかわすのではつまらないので、腕を掴んでやった

「何!?」

どうやら掴まれるとは思わなかったらしい。しかし掴んだだけでは終わらない。ついでに投げた

竜也「遅い!!」

そしてそのまま相手は吹っ飛んだ。右にいる男はすでに戦意を喪失しているので、もはや戦えるのはリーダー格の男だけだ。

竜也「どうした。まだやるか?」

「うるせぇ、てめぇみたいな奴にやられたまんまで終われるかよぉ!!」

そう言うと男は懐からナイフを取り出した

竜也「そんなもんか。」

喧嘩において冷静さを欠いた方が負けるそれは俺の今までの経験からだった。実際に今奴はただナイフを振り回してるだけだった。単調で攻撃とも言えない物だった。

しいて言うなら子供のだだこねのような物だ。

とはいえ、奴を放って置くわけにも行かず仕方ないから奴の相手をすることにした。

「死ねぇぇ!!!!!」

俺は奴のナイフの攻撃モーションをよく見て俺に向かってくるナイフを蹴り飛ばした

「何!?」

そしてそのまま、俺はジャンプして奴の顔面を蹴った。

竜也「喧嘩売るなら、相手を選べ。まぁ聞こえてねぇだろうがな。」

久しぶりの良い運動になった。

そして俺は行き付けの店赤牛丸に足を運んだ

 

 

?「変わらねぇなこの町は」

そう言うと男は静かに神室町へと足を踏み入れた




どうだったでしょうか、第1話初めて書くので喧嘩シーンに面白みがないですね。 
気軽にコメントをくださると励みになります
台詞の所に名前が書いていない奴はすべてチンピラです
アンチコメでも、何でも大歓迎ですよろしくお願いします
最後の人は一体誰なんでしょうか?


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2話 サイの花屋

2話目になります。この時点でもうUA数があった事に安心しています。さて、それでは今回はタイトルにもある通りあの人が出てきます。


「ありがとうございました。」

赤牛丸で食事をとった俺はついでにいつもの場所に顔を出すことにした。

まずはそのためにコンビニによる必要があるので町のシンボルでもある神室町天下一通りにあるポッポ天下一通りによった。

「いらっしゃいませ。」

とりあえず適当にあの人達が好きそうなビール、そしてつまみを選んだ。ちなみに俺はまだ18だが180を越えている身長だからか、特に怪しまれない。

「ありがとうございました。」

これだけあれば足りるだろう。4000円という普通の高校生からすれば、あまり手を出さない値段だが、毎度の如くチンピラどもに絡まれているため金には困らない。

竜也「さて、行くか。」

_______________________

公園に着いた俺は公園の奥に用事があるのだが、その為にはここにいるホームレスに物をあげる必要がある。

竜也「よう、じいさん。元気か?」

ホームレスA「全くもって今の世界には楽しい事がないからなぁ、退屈だ。」

竜也「そう言うなってほれ、これあんたら好きだろ。」

そう言うと俺は酒をホームレス達にあげた。

ホームレスB「おお、いっつも気がきくのう。」

ホームレスC「あんたが来ると毎回酒が飲めるから嬉しいなぁ。」

竜也「そうか。まぁあんたらの為になってるんだったら嬉しいぜ。花屋は奥か?。」

ホームレスA「あぁそうだぜ。」

竜也「サンキュー、じゃあ行ってくるわ。」

そう言うと俺は中に入って行った。

_______________________

中に入るとそこはホームレスだらけだ。

?「あ、大分久しぶりに来たな黒瀬。」

竜也「あぁ、そうかもな、ほれ酒だぜ。」

?「あぁありがとう。」

この人は秋山駿。昔は大手銀行会社に勤めてたらしいが、本人曰く同僚に嵌められたらしい。しかし、今はこのホームレスの生活でも満足してるらしく変な事を言うのは野暮と言う物だ。

秋山「しかし、ここら辺の連中も替わってきたな。」

酒を飲みながら秋山が言ってきた。

竜也「そうかもな。でもそれって落ち込む人もいるけど、起き上がった人もいるって事だろ。俺はそれを誇るべきだと思うけどな。」

実際、ここ数年で多くの俺が知ってるホームレス達はどんどんいなくなっていく。しかしそれと同時にまた新しいホームレスが来ている。

竜也「そろそろ俺、花屋の所に行ってくるわ。」

秋山「そっか。じゃあな。」

俺は秋山と別れると、廃駅となった所へ足を踏み入れた。

しかし、そこは豪華絢爛な、素晴らしい裏カジノなどが広がっていた。しかし今日の俺はそんなのをするためにここに来た訳ではない。

一番奥にある龍が出てくるかのような派手な門の先に今日の俺の目当ての人がいるのだ。

竜也「花屋いるんだろ。」

?「お前が来るのは、お前がポッポに寄った時から分かっていた。」

俺の目の前にいる少し太ったふくよかな男これがサイの花屋だ。

サイの花屋は、自分が仕切っているホームレス達や各地所々にあるカメラで色々な人の情報を手に入れる。そしてそれを高額な金で売ってる男だ。

俺がこいつと出会ったのは、少し理由があるのだが、そこは省く。

竜也「どうだ、最近は何かあったか?」

花屋「全然だ。特にこれといって大事なのも…」

そこまで言うと花屋は突然こちらを向き真剣な表情で話した。

花屋「あぁそういえば、大ニュースがあるぞ。」

竜也「何だ?」

花屋「こいつは簡単に話す訳にはいかねぇな。」

はぁ、またこのパターンか。俺は少し気を落としながら話した。

竜也「また、地下闘技場か?」

花屋「あぁそうだ。ちゃんと全戦全勝だぞ。」

竜也「そこまですげぇネタなのか?」

俺は驚いた、なぜならあの地下闘技場で全て勝たないと教えないネタだと言うからだ。

花屋「あぁ、ネタの凄さは俺が保証する。」

竜也「わかったよ。要は勝てば良いんだろ。」

花屋「話が早くて助かる。」

そして、俺と花屋は地下闘技場へ歩き出した




今回は戦闘シーンが無くてすいませんでした。ですが次回は完全に戦闘だらけの話になる予定です。
後、竜也がどんな人にも敬語を使わないのは、幼い頃から敬語を知らなかったからです。
そういえば、今回本来ならば4で出てくる秋山を今のうちに出しときました。要は出るのが遅いか、早いかの違いです。
それでは、ありがとうございました


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3話 地下闘技場での死闘

投稿遅くなってしまって申し訳ございませんでした。
早く作ろうとは思ってたんですがなかなか作る暇が無かったです。
後、龍が如く自体の時系列は桐生がスターダストに入った所です。
あまり長く話す気もないので、それでは3話お楽しみください。


地下闘技場 それは、サイの花屋が悪趣味な金持ち共の為に作った金を賭けるデスマッチリングだ。金に困ってる奴らを見つけては、こうして地下闘技場に出させて闘わせる訳だ。

ちなみに俺は4~5回出てるが、それは全て情報が欲しい為であって金の為では無い。それに花屋は俺を金目的では出さないつもりらしい。花屋曰く『お前を出したら試合全てが瞬殺で終わってしまうから出すに出せん。』との事らしい。まぁ俺は金目的でこんな所には出ないが。

花屋「難しい顔をしてどうした。止めるなら今の内だぞ。」

竜也「うるせぇよ。だいたい止めたらお前言わないだろ?」

花屋「まぁそうだな。後、オッズの話だが。」

竜也「あぁ、そういうのいいわ。汚ねぇ金持ち共が俺にどの位賭けたとか、俺はあいつらの金の為に闘う訳じゃねぇし。」

花屋「ふっ、そうか。じゃあネタの話だな。2つあるが、1つだけなら全部勝たなくても良いぞ。」

竜也「ふーん。まぁどうせなら全部勝ってやるよ。」

花屋「そうか。ならば行ってこい。」

竜也「おう。行ってくるわ。」

司会「レディース&ジャントルメーンさぁ今回もこの時間がやって来ました。さて、ではまず今回の試合のルール説明と参りましょう。今回は我らが花屋様が直々に開催した試合でございます。それに伴い武器及び防具は全て禁止まさしく完全殴りあいとなります。」

なるほど。確かに相手が武器を取り出したら俺が加減出来るともわかんねぇしな。

司会「それでは、選手のご紹介です。まずは今まで病院送りにした選手の数は数知れず。全ては自分の心の奥で眠ってる闘争本能の為。相田俊介!!!!!」

相田「うぉぉぉ!!!さぁ今日俺様の餌食になるのはどこのどいつだぁ」

うるせぇ奴だな。でもまぁ普通の奴からすれば強ぇな。

司会「さて、皆さんこの選手を覚えていますでしょうか?僅か4回しか出ていませんがそれら全てが圧倒的な力でねじ伏せた伝説の漢 黒瀬竜也!!!!!」

さて、行くか。

金持ちA「待ってたぞぉ!黒瀬竜也!!俺はお前に10万賭けてんだからなぁ絶対勝てよ。」

うるせぇな。ったくいつもだったら殴りにいってる所だ。やっぱりこう見ると多くの人間がいるな。

ん?あいつは?

相田「おい、早くしろよ。腰抜け野郎!!」

竜也「あぁ、んだとこの野郎。」

まぁいい。あいつの事はまた後だ。

司会「さぁそれではいざゴングです!!」

〈相田俊介〉

相田「うぉぉぉ!行くぞぉぉ黒瀬!!」

奴は体格の割には素早い動きだった。ただしかし俺よりは少し遅い。

竜也「遅いぜ。」

相田「それはどうかな。」

竜也「何!?」

そう言うと奴はいきなり背後にいる俺に物凄い回し蹴りを放って来た。

竜也「っく!?ざけんなくそが!!」

相田「どうした、おいお前そんなもんかよ。退屈しのぎにもなんねぇよ。」

そんなやりとりの間にも奴は凄まじい足技を放っている。

気を抜けばすぐに吹っ飛ばされてしまう。

良いだろう奴の主技が足ならば俺が狙うのは腕だ。

相田「死ねぇぇぇ!!!」

竜也「そこだ。オラァァ!」

奴が足を振り上げた瞬間に肩に隙が出てるのを見た俺は奴の足技も遅いと感じるスピードで肩を蹴った。

バキッ!!!

しかし、それで引く奴ではない。間違いなく骨にひびが入ったはずだが、その状態で俺の顔面に蹴りを入れて来た。

相田「ちっ、骨が。」

竜也「何て野郎だ。骨を折るつもりで蹴ったのに。」

硬い男だな。ならこっちだ。今までスピードとパワーを均等に分けていた力をパワーに全て込める

ライフルスタイル スピードは全くといっていいほど無いが、だがパワーはさっきの比ではない。

奴もライフルスタイルの怖さに気づいたのか。さっきまで直ぐそばにいたのにすぐさま避難した。

相田「何だ?そいつは?」

竜也「ふっ、何だろうな喰らえば分かるぜ。」

相田「誰が喰らうか。」

奴は俺の直ぐ後ろに回ったライフルスタイルの俺は後ろを向くのにも時間がかかる為そこで気合いを入れた。

竜也「はぁ!!」

相田「オラァァ!何!?」

奴は今全力で俺の腹を蹴ったはずだが、俺のライフルスタイルは防御も凄まじく高い為まともに喰らわない。

そして、その隙に後ろを振り向いた俺は奴の腕を掴み肩を外し全力で殴った。

ゴキッ!!ドゴッ!!

相田「ぐぁぁぁ!!!」

竜也「オラ、オラオラオラァァ!」

形勢逆転。ここまで来ると奴に反撃する暇も無いはずだが、凄まじい膝蹴りが飛んで来た。

相田「負けるかょぉ!!」

竜也「ぐっ、何て威力だ。」

ライフルスタイルでさえ、まともに喰らうこの威力ベーススタイルで戦っていたら負けている。

竜也「おい、相田」

相田「何だよ。」

竜也「お互いもうギリギリだ。次で終わりにしようぜ。」

相田「あぁ、良いだろう。恨みは無しだ。」

次の一撃で決まる。そう感じた俺はスタイルをベースに戻し気合いを入れ直した。

~~相田視点~~

ふぅ、まさかこの俺がここまで追い詰められるとはな。

俺はあの人以外に負けないと決めたはずなのにまぁいい。どっちにしろもうあまり戦えない。ならば一撃全力で打つだけだ。

相田「行くぞぉ!!!黒瀬!!!」

~~竜也視点~~

相田「行くぞぉ!!!黒瀬!!!」

竜也「来いや。相田!!!」

今さら小細工などはいらない。ただ全力でやるだけだ。

互いの足が互いの顔に当たる寸前に俺は周りの景色がスローモーションに見え、相田の隙を見つけ勝機を感じた。

竜也「うぉぉぉ!!」

奴の蹴りが入る寸前に蹴りを入れた。

それきり相田が立ち上がる事はなかった。

司会「勝者、黒瀬竜也!!!!!」

竜也「ふぅ。」

強い相手だった。それにしても相田を蹴る時に感じたあの感じは何だったんだろう?

司会「さぁ、それでは二回戦の選手の紹介です。毎回毎回懲りずに対戦相手の辛い所に攻撃を入れ挙げ句の果てには人を殺した事があるとか無いとか内藤大地!!!」

内藤「ヒョヒョヒョ貴方が今回私の相手ですか。」

うん。こいつと話す気は無いから話さんが、皆さんには言っとくわ。こいつ普通にメリケン着けてる。もちろん保護色で隠してるけどさ。花屋の野郎この試合終わったら覚えとけよ。

俺はチラッと花屋の方を見ると、呑気にシャンパン飲んでやがった。うん、絶対殴る。

司会「それでは参りましょう。二回戦スタートです!!!」

〈内藤大地〉

ゴングがなると同時に内藤は俺に殴りかかって来た。

まぁ普通に避けるよねうん。

そして、そのまま殴った。小手調べだ。

はぁーやる気無くすわ。こいつ全身にプロテクター着けてやがる。もちろんライフルスタイルなら一撃でこんな柔なプロテクター壊せるが、ライフルスタイルは使わない。

何故かと言うと、ライフルスタイルは体への反動が半端無いから。

内藤「逃げてばかりでは勝てませんよ。ヒョヒョヒョ。」

竜也「言われなくてももう逃げねーよ。」

内藤「ふっ、そんなに逃げて僕が怖いのかと思いましたよ。ヒョヒョヒョ。」

うん。思ったよ。何処ぞの宇宙の帝王みたいなしゃべり方してたら怖いよ。そりゃ。

体はダルいわ。こいつはめんどくさい。はぁーどっかに楽しい事無いかなぁー(現実逃避)

さ、少しは落ち着いた所でやりますか。

こいつにベースのままじゃ勝てない。ならスピードで圧倒してやる。

マシンガンスタイル さっきのライフルスタイルがパワーでこちらはスピードだ。それこそ全力を出せばさっきの相田の5倍は出せる。

内藤「おや、何ですかねぇそれは。」

竜也「ん?お前を倒すための力だよ。」

内藤「おやおや、この私をたお、ぶは!?」

話が長いから顔面に叩き込んだ。

そして奴の反撃が来る前にスウェイで回避。そして隙ができて、俺が殴る。もうこの流れの繰り返しだ。

もう、内藤の奴が気絶寸前なので、終わらせてやる事にした。

奴から離れ、足に力を込めて、内藤に急接近そしてそのまま奴の顔面を力の限り殴った。内藤は吹っ飛びリングの有利鉄線に当たった。

司会「え、しょ、勝者黒瀬竜也!!」

皆がぼけっとしてる時にいきなり花屋が自分に注意を向けさせた。何だろ?

花屋「えー、三回戦の前に二連勝してる黒瀬竜也の為に、15分間の休憩を挟む。」

おぉ、それは嬉しい。あいつも結構良いとこあるな。

あ、でもあいつ武器着けてる奴普通に採用したんだよな。まぁ殴るのは止めとこう。

そしてそのまま俺は一回リングから出てった。

ちなみに出るときにスゲー観客の金持ち共がうるさかったのは別の話。

そして、控え室に入ると花屋からの手紙とスタミナミンスパークが置いてあった。

飲みながら俺は、手紙を読んだ。

花屋『お疲れ様だったな。まぁまだ終わって無いが、じゃあ一つだけ、情報を教えてやろう。それは東城会にある組の為の金100億が盗まれた。そして、それとついでに東城会3代目組長が死んだ。詳しい話は後だ。三回戦の敵は強いぞ。』

なるほど、ってことは東城会の連中は血眼になって探してる訳か。大方、3代目の側近の奴らが見つけた奴を4代目にするとでも言ったんだろう。まぁどっちにしろ俺にとってあまり関係なかったな。

コンコン

扉のノックの音が鳴った。

竜也「どうぞ。」

?「失礼します。あの、覚えてる?」

竜也「やっぱりお前だったか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~?視点~~

?「とにかく今の東城会はヤバいんです。それにあの人もあそこまで変わってしまうともうどうしようもないです。」

?「だとしても、俺は自分で見てくるさ。今、ここら辺がどうなってるかな。」

?「分かりました。気を着けて。」




さて、どうだったでしょうか?今回から擬音そしてスタイルシステムを導入しましたが、変だったでしょうか?
ヒートの存在に竜也は気づいて無いです。
後、ベーススタイルの名前を募集するので感想をお願いします。


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4話 秋山駿

遅くなって本当に申し訳ございませんでしたぁぁ!!!(スライディング土下座)
ヒロイン枠の名前考えてたらこんなに日にち開いてしまいました。
タイトルがガチネタバレですね。後、タグを消したり、増やしたりしました。こんな小説ですが、これからも宜しくお願いします。

2018年7月1日 ヒロインの主人公への呼び方を変えました


竜也「今まで何処にいたんだ?」

?「ちょっと色々あって。」

竜也「そうか。でも、本当に久しぶりだな心愛。4年ぶりくらいか?」

心愛「もうそんな経ったんだ。私も竜也くんにあえて嬉しい。」

南心愛。俺の小学生時代からの友人で、小中学と同じ学校で生活していた。ところが、心愛の親父さんの都合で、東京に行くとは聞いていたが、まさか神室町とは。

心愛「竜也くんこそ、どうしてここに?」

竜也「俺はまぁちょっとな。」

心愛「竜也くん、あんな凄そうな人達に勝つなんて凄いね。」

竜也「そんな事ねぇよ。一回戦のあいつにあそこまで苦戦させられる何て思ってなかったからな。」

心愛「ううん、竜也くんは強いよ。竜也くん以外の人は勝てなかったはずだよ。」

竜也「だと、良いけどな。」

無言が続いた。気まずい。何か、話題を振らなくては。

しかし、悲しい事に喧嘩に明け暮れた俺には女子相手に振る話など何一つ無い。

仕方ないので、相手から話が来るのを待つことにした。

~~心愛視点~~

どうしよう。せっかく竜也くんがそこにいるのに、何も話せないないて、あの時竜也くんを見つけた瞬間に勇気を出して話しかける事にしたのに。昔と何も変わって無いや。

いや、話すって決めたんだから話さなきゃ南心愛。目の前にあなたの思い人がいるんだからその気持ちを正直に伝えるのよ。

~~竜也視点~~

何も起きない。やっぱり俺が話した方が良いんだろうか?

今の時代はオラオラ系男子が良いって聞いた事もあるしな。

よし。行くぞ。

二人「「あのさ。」」

ん!?今、心愛が何か言ってきたよな。

竜也「どうした?いいぜ。先言って。」

心愛「え?いや、良いよ。竜也くんからで。」

竜也「レディーファーストって言葉があるだろ。」

心愛「わ、分かったよ。あのね、今度一緒に神室町回ろう。」

竜也「え?俺と一緒に?」

~~心愛視点~~

や、やっちゃったぁぁ!!!どうしよう!?どうしよう!?

どうして、好きですって言おうとしたら、こんな言葉で出て来ちゃったの。竜也くんに変な女って思われたかも。

い、今からでも好きですって言おうかな。でもそんな事云ったら、竜也くんがどう思うんだろ。

竜也「いや、まぁ俺で良いなら良いよ。」

え?いま、竜也くん何て言った?

竜也「心愛?それともやっぱり止めるか?」

心愛「ううん!止めない止めない絶対行こうね。」

これってもしかしなくても、デートだよね。

やったぁぁ!!!嬉しくて、涙出そう。

~~竜也視点~~

ま、まさか心愛からそんな話になるなんて、ま、まぁそれで心愛が喜ぶならいっか。

それにしても、どこに行こうかな。バッセン辺りとか、そこらでいいかな。

心愛「竜也くん?どうしたの?」

竜也「ん!?あ、いや別に何でも無いよ。」

心愛「それで、竜也くんの話って?」

竜也「あ、あぁえっと。」

やべぇ、何言おう。さっきはノリで話かけちゃったしな。

これで何も言わないと頭おかしい奴だと思われるかもしんねーかんな。どうすっかな。

~~心愛視点~~

な、何で竜也くん何も言わないんだろう。もしかして、言いづらい事なのかな。

ま、まぁ私はさっきのだけでもう十分なんだけど。

心愛「竜也くん言いづらい事なら、無理に言わなくても良いよ。」

私は竜也くんを気遣ってそう言った。

~~竜也視点~~

うーむ困った。何が困るって心愛を気遣わせてることだ。

俺はやっぱり漢を目指してるからには女に気遣わせたらダメだ。やっぱり自分で決めるんだ。

竜也「悪い心愛。あのさ三回戦が終わったら言うことにするよ。」

心愛「うん。分かった。じゃあ頑張ってね。」

竜也「あぁ。そうだ。聞こうと思ってたんだけどさ。」

心愛「何?竜也くん?」

竜也「お前の親父さんってどんな仕事してんだ?確か前一回見たときは凄い優しそうな人だったよな。」

心愛「う、うんまぁね。」

作り笑いだ。さっきまでの心愛の笑顔とは違う。何か、言いづらい事があるはずだが、それは聞いてはいけない気がする。

心愛「あのさ、竜也くん。私、竜也くんに言わなきゃいけない事が」

ドンドン ノックの音だ。

「竜也さん。準備が整いました。いつでもどうぞ。」

竜也「分かった。」

心愛「じゃあ頑張ってね。」

竜也「お、おいさっきの話は?」

心愛「ごめん。竜也くん気にしないで。」

竜也「辛くなったら言えよ。」

心愛「うん。ありがとう。」

俺は右手を上げて心愛に手をふった。

しばらく一人にしていた方が良いと思い、近くにいた人に入口の前に立ってもらった(もちろん信頼出来そうな女性)

~~心愛視点~~

心愛「竜也くんってば優しすぎるよ。可笑しいな、涙が止まんない。」 

プルルル

あの人だと分かった。出たくないでも竜也くんに心配はかけらんない。

心愛「もしもし。」

?「今、何処だ?勝手に離れるなと前から言ってるだろ!!!」

心愛「ご、ごめんなさい。すぐ戻るから。」

?「早くしてくれ。」

そう言うと彼は電話を切った。

私は部屋に書き置きを書いてそのまま出てった。

~~?視点~~

花屋「久しぶりに出る気分はどうだ?」

?「まぁ、相手が相手だから、あまり気分は乗らないな。」

花屋「そうか。でも、気を抜いて勝てるほど甘くないぞ。」

?「あぁ。その点は抜かりは無いよ。全力であいつを倒すさ。」

花屋「さぁ、そろそろ呼ばれるぞ。行ってこい秋山。」

司会「…秋山駿!!!!!」

ふぅ、行きますかね。

~~ちょっと時間は戻って竜也視点~~

泣いている心愛を後にして、俺は闘技場のリングに立っていた。誰が来ても勝てる気がしている。

竜也「さーてどんな奴が来るのかな。」

こんな状況下でも楽しんでる自分をちょっと責めつつ相手を待った。

司会「さぁ、いよいよ三回戦のスタートです。ですが、その前に選手の紹介です。普段はこの上の公園でくつろいでいるが、前に一回花屋様に呼ばれた時はそれこそ、竜也選手よりも早いスピードで終わらせた。まさに生きる伝説 秋山駿!!!!!」

な、何!?秋山だと。あいつそんな強い奴だったのか。

そんな事を考えてる内に秋山はリングに入って来た。

秋山「よっ、花屋に呼ばれてなお前を倒せば、酒と金が大量に貰えるらしいからな。まぁ悪く思うな。」

竜也「おいおい、秋山お前俺を倒せるとでも?」

秋山「あぁ。お前まだ弱いよ。少なくともこの神室町で喧嘩するなら、ヒート位は、いつでも出せないと。」

竜也「ヒート?何だそれ?」

秋山「さぁな、そろそろやるぞ。」

司会「それでは、ゴングです!」

〈秋山駿〉

ゴングがなると同時に俺は秋山を殴るつもりでいた。

でも、動く事が出来なかった。秋山の強烈な殺気に当てられたからだ。

秋山「おい、何ぼっとしてんだ。」

竜也「な!?」

気が付けば秋山は俺の直ぐ目の前にいた。

俺は咄嗟にガードしたが、秋山はそれも知ってたかのようにガードを崩し攻撃してきた。

ドカッ!!!

竜也「ぐはっ。こんの野郎!!」

俺は奴にリングの端まで飛ばされた。反撃するべく、奴の所に行こうとしたが。

竜也「何処だ?」

奴は既に居なかった。

秋山「遅いな。」

奴は俺の知らない内に後ろに回り、背中を何度も蹴りつけられた。

竜也「ぐっ。」

秋山「弱いな。黒瀬。」

奴はわざと俺の前に立った。攻撃して来いといわんばかりに

竜也「オラァ!」

秋山「っく。攻撃力はあるな。」

竜也「当たんなきゃ意味ないだろうが!」

簡単に避けやがって。

ならこっちだ。スピードに集中させる

秋山「マシンガンスタイルか。なら俺も本気でやるか。」

そう言うと、秋山は体から青い炎を出した。

竜也「何だよ。それ?」

秋山「これが、さっき言ってたヒートだ。さぁやるか。」

秋山のヒートと言われる物は正直まだ良く分からないが、まだ少しは、闘えるはずだ。

~~秋山視点~~

マシンガンスタイル さっきの試合の映像を見たが、特に凄いとは感じられなかった。

竜也には恩があるが、それとこれは別だ。それに花屋にも頼まれてる事があるしな。

向かってくる竜也に向かって顔面に3発、肩に4発叩き込んだ。その反動を利用して蹴りを入れて来たのはいいがやはりパワーがない。

秋山「どうした?竜也!そんなものか?」

竜也に足を掛けて仰向けにさせて、頭に膝蹴りを入れた。

ガン!!!

追い討ちの極!!!!!

終わりだな。

俺はここまでにして、花屋の所に戻るつもりだった。後ろからの殺気に気づかなければ。

竜也「オラァ!!!」

ドコッ!!!

秋山「ぐはっ。」

腹に強烈なのを喰らって、膝をついた俺は竜也から目を離してしまった。

裏拳、掌底、鉄槌最後にだめ押しといわんばかりの正拳。

怒涛のラッシュを喰らった俺は少し弱めの蹴りを放つ事しか出来なかったが、竜也もボロボロらしく、今ので吹っ飛んだ。

竜也「はぁ…はぁ…オラァ!!!」

秋山「とりゃ!!!」

俺のが早く竜也に叩き込めた。

秋山「はぁ…はぁ…もう限界だろ。どうしてそこまで闘う?もうこれ以上やった所で意味なんかないだろ。」

~~竜也視点~~

意味なんか無いか。確かにそうかもしれない。

俺の頭の中にはもう花屋から貰える情報何てどうでも良いのかもしれない。

ただ

『頑張ってね。竜ちゃん。』

竜也「守りたいって思った奴が居るからだ。」

秋山「なるほどな。守りたい奴か。今、ここにいるのか?」

竜也「さぁな、でも俺の大事な者を思い出せたおかげでスッキリした。」

ドンッ!

すぐさまにマシンガンスタイルの強みを活かして奴に懐に入り蹴ったが、そう簡単には決まらない。

やっぱりガードが硬いな。でもこの位置ならいける。

竜也「うぉぉぉ!!!」

ラッシュが入った。この間にも秋山は俺に攻撃をしてくるが、今有利なのは俺には変わりない。

秋山からヒートが出た。

秋山「くそっ!!!」

一瞬の隙をつかれ奴は逃げてしまった。

竜也「はぁ…はぁ…形勢逆転だな。」

秋山「かもな。でも、負けるとは言ってないぜ。」

右、左、そして上からの踵落とし全てギリギリでガードする事ができた。

無駄の無い右の蹴りを避け右アッパーを決めた。

俺は終わらせるべく、まだフラフラの秋山に向かってドロップキックを放った。

竜也「うぉぉぉ!!!」

秋山「喰らうかよ!!!」

ドコッ!!!

俺の体が中に浮いている間に力強い蹴りが来た。

肋骨にかなりきたようだが、そんだけで終わる俺ではない。

秋山「はぁ…はぁ…俺さ、花屋に頼まれてる事が有るんだけどさ。」

竜也「いきなり、何の話だよ。」

秋山「それはさ、お前にヒートを覚えさせるっていうの何だけどさ。」

ヒートを覚えさせる?

竜也「待ってくれ。そんな簡単に出せる物なのか?ヒートって。」

秋山「いいや、覚悟がある奴には簡単に出せる。でも、覚悟が無い奴には一生出せない。だから、さっき闘う理由を聞いた訳。でもまぁヒートは、出てこないけど。」

覚悟か。 そんなもん

竜也「…んだよ。」

秋山「ん?」

竜也「覚悟何か前から出来てんだよ!!!」

俺の周りから青い炎が出た。

秋山「やっとか。長かったな。」

秋山はため息をついた。

竜也「これがヒート。」

体の中から沸き上がる闘争心。今ならどんな技も出せるはずだ。

秋山「さて、その感覚を忘れるな。もうこれ以上長くやるのも面倒だ。終わらせよう。」

竜也「あぁ。」

俺は、若干体勢を低くし、右手を構え

秋山は、腕を交差させ、ガードしながら、右足を曲げながら前に出してきた。

二人「「うぉぉぉ!!!!!」」

お互いのヒートを混ぜた一撃が当たった。




さぁ、どうだったでしょうか。第4話。
僕としては、久しぶりに書いた割には結構ましだと思ったんですが。ヒロインの呼び方はみなみ ここあです。分かりづらいですね。
後、感想をくれると、本当に励みになるので是非とも書いて下さい。アンチでもオッケーなので、次回はそれなりに早くなると思います。


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5話 決着そして

5話目です。今回はちょっと文章がおかしい所があると思いますが、気にしないで下さい。
最初に秋山視点を含みます


~~秋山視点~~

俺のは竜也の顔面に、竜也のは俺の腹に互いの覚悟を乗せて、ぶつけ合った一撃は案外早く決着を迎えた。

秋山「はぁーしんど。」

司会「勝者 秋山駿!!!」

ここまで、ガチに闘ったのはいつぶりだろうな?それより竜也を運ばなければ。

秋山「重っ、案外こいつ細マッチョだな。」

ちょっと前を向くと、見たことある黒人がこっちに来た。

G.B.ホームズ「モチマスヨ、アキヤマサン。」

秋山「あぁ、ありがと。」

ゲイリー.バスター.ホームズ 花屋にかなり信頼されているかなり腕の立つ黒人で、前に俺も闘った事があるけど、苦戦したな。(負けたとは言ってない。)

ホームズ「ソレデハ、ハナヤサマノトコロニ、イキマショウ。」

_______________________

花屋「ご苦労だったな秋山。」

秋山「ほんとだよ。出来る事なら、もう二度と竜也とは、闘いたく無いね。」

花屋「こいつの性格を忘れた訳じゃあるまい。復活したら、すぐにまた喧嘩を仕掛けて来るぞ。」

秋山「あぁ。やだやだ。ヒートを纏う前ですら、こんな強いんだから、ヒートを完全に自分の物にした今の竜也とは絶対に闘わないよ。俺は。」

花屋「まぁ、闘う、闘わないはお前らの自由だからな。俺は止めはしない。ただ、闘うなら言えよ。だいぶ今回の試合のおかげで儲けたからな。」

秋山「へいへい。で、竜也はどうするの?」

花屋「あぁ、そうだなそこら辺にでも、」

竜也「俺はゴミかよ、ったく。」

花屋「あぁ、起きたか。気分はどうだ?」

もう起きたのかよ。俺、あの一撃今までで一番上手く決まったと思ったのに、こんな簡単に復活するか普通?やっぱりこいつ化け物だな。

竜也「最悪だよ。俺、負けたんだろ。秋山…さんもう一回。今度こそ勝ちます。だから、俺と勝負しましょう。」

へぇ、こいつ敬語使えたんだ。花屋も驚いてるし。まぁでも

秋山「わりぃな。そう言ってくれるのは、ありがてぇけど俺も、お前も全快してねぇしな。やるとしたら全快してからだ。」

竜也「そ、そうですか。じゃあまた後日って事で。じゃ、俺修行してきます。」

そう言うと、竜也はここから出ていこうとした。

花屋「おいおい、ここに来た理由を忘れたのか?」

竜也「ん?理由?何かあったか?」

おいおい、竜也の野郎ちゃんと脳みそ有るのか?

竜也「秋山さん、今変な事考えてませんか?」

何だこいつ?他人の頭の中でも覗けるのか?しかも、俺にだけ敬語なのな。

花屋「ネタの話だ。」

竜也「あ!!!そう言えばそうだったな。」

こいつ、やっぱ軽いな。

竜也「でも、俺は負けたんだから、聞いちゃダメなんじゃねぇの?」

花屋「俺は、あそこまで血が騒いだバトルを見た事が無かったからな。サービスだ。」

へぇ、こいつもこいつで良いところ有るじゃない。

秋山「で、どんな話なんだ?」

花屋「あぁ、そうだな。ここで話すのもなんだから下で見よう。」

秋山「俺も見て良いの?」

花屋「秋山に見る気があるなら、良いぞ。」

秋山「じゃ、遠慮なく見させて貰えますよっと。」

花屋の部屋にある地下には約1万ものカメラで神室町全体を見れるという物だ。

竜也「ここは?」

花屋「スターダストという店だ。」

聞いた事もない店だ。(まぁ最近の神室町を知らないからだろうけど。)こんな店に何か有るのだろうか?

花屋「こいつを見ろ。」

そう言うと、大きいモニターにホスト風の男2人 ヤクザ風のスキンヘッドとガタイの良い男達がいた。

秋山「こんなの見て、何になるのさ?」

花屋「竜也、お前は一番真ん中にいる男を知ってるはずだ。」

竜也「この人は!?おい花屋この人、スターダストって店にいるんだな。どこに店があるんだ?」

花屋「落ち着け。急いだ所でこの人に会えるとは限らないだろうが、それにもうこの店は貸し切りにしてるから入れん。」

秋山「あのさ、俺だけこの人知らないんだけど何なのこの人?」

花屋「俺も詳しくは知らんが、名前は確か」

竜也「桐生一馬。」

桐生一馬?誰だそれ?それと竜也の顔が今まで見た中でかなりガチ何だがそんなに尊敬してるのか?

花屋「堂島の龍だっけか?俺は見た事が無いな。」

秋山「俺も花屋と同じ。」

竜也「じゃあこの中で見た事があるのは、俺だけか。」

秋山「あのさ、全然分かんないだけどどんな人なの?」

竜也「あれは、10年前だから、俺が8歳の時です。」

~~竜也視点~~

幼い頃から、愛と言える愛を貰って来なかった俺は、両親を信じる事が出来ず、友達の家に入り浸り、その頃から喧嘩ばっかだった俺は、中学生や、高校生何かと常日頃から喧嘩してきた。

今はもう何年も会ってないが、昔は親友と一緒にいた。

伊東広大『おい、竜也さすがに今日の相手は不味く無いか。』

幼い頃の竜也『何でだよ。何てこたぁねぇ。ただの暴走族じゃねぇか。』

広大『でも、噂じゃああいつらはヤクザと繋がってるらしいじゃあねぇかよ。』

幼い頃の竜也『関係ねぇよ。あいつらがヤクザ出して来た所で不利だと思ったら逃げるだけだ。』

広大『そうか。まぁ竜也がそう言うなら止めねぇよ。』

竜也『サンキューな。』

広大『止せよ。別に何もしてねぇよ。』

_______________________

暴走族1『逃げ出さずに来たか。』

暴走族2『てめぇホントに調子のんじゃねぇぞ。』

竜也『うるせぇよ。早くしろよゴミ共が。』

暴走族3『あぁん。んだとこの野郎。アニキお願いします。』

ヤクザ1『こいつか。お前らが言ってたのは。』

_______________________

そこまで言うと、秋山さんが話を割って来た。

秋山「ち、ちょっと待った。竜也の過去壮絶過ぎない?」

竜也「そうっすか?秋山さんのが、もっと凄い気がしますけど。」

秋山「な訳ねぇだろ。さすがに小学生の時から高校生と喧嘩するバカがいるか。普通。」

花屋「俺もここまで凄いとは思ってなかったな。」

竜也「まぁ、とにかく話を戻します。」

_______________________

暴走族3『お願いします。ぶっ飛ばして下さい。』

まぁ、分かるとうり喧嘩吹っ掛けて来たのは良いけど、ヤクザに頼る事しか出来ない連中だったんすよ。

で、とりあえず普通に闘おうと思った時。

?『何やってんだてめぇら。』

あの人が来たんです。

ヤクザ1『き、桐生のアニキ。どうしてここに?』

桐生『シンジに聞いて来たんだ。てめぇらもしかしなくとも、相手はそっちの暴走族の野郎だろうな。元々極道が堅気の喧嘩に足を踏み入れるってのも可笑しいのにましてや、相手が小学生だ?なめてんのかてめぇら。』

ヤクザ2『ち、違います。桐生のアニキ、ちょっとした見物ですよ。ま、まさかこんな、喧嘩に加わる訳無いじゃないですか。』

そう言うと、ヤクザ共は暴走族から離れて行った。

暴走族1『ちょっと、アニキ達話が違いますよ!?』

竜也『早くしろよ。喧嘩すんのか、しねぇのか。どっちだよ?』

暴走族達『『『す、すいませんでしたぁぁ!!!』』』

全速力で暴走族達は帰って行った。

桐生『済まなかったな。こんな喧嘩をさせる前に来られて、良かった。』

竜也『いえ、ありがとうございました。』

俺は、さっきの会話の時点でこの人にはどう足掻いても勝てないとわかっていた。

桐生『それにしても、こんな時間に外に出てるとは感心しねぇな。家は何処だ送ろう。』

竜也『いえ、大丈夫です。家に行った所で親父にぶん殴られるので普段から帰りませんし。』

桐生『お前、何かあったのか?』

竜也『まぁ少し。』

桐生『そうか。ならお前、孤児院にはいんねぇか?』

竜也『孤児院ですか?』

桐生『あぁ、そうだ。俺の尊敬してる人が建てた施設だ。俺もそこで育ったんだ。』

竜也『分かりました。俺をそこに入れて下さい。』

桐生『分かった。ついて来い。てめぇらは後で話がある。先に事務所に行ってろ。』

ヤクザ1『は、はい。』

_______________________

桐生『ここだ。』

養護施設ひまわり

?『桐生、何だそいつは?』

桐生『親っさん、新しくここに入る事になった男です。えぇと名前は。』

竜也『黒瀬竜也です。』

桐生『紹介するぜ。風間新太郎だ。』

竜也『宜しくお願いします。』

風間『そうか。それにしても一馬、どうしてこのガキを見つけて来たんだ?』

桐生『俺の部下共がこいつを叩こうとしたからです。』

風間『何だと!?おい、今そいつらはどうしてる?』

桐生『取り敢えず事務所に向かわせました。』

竜也『あ、あのヤクザって言うと、確かエンコ?でしたっけ。そう言うのは、止めて欲しいんですけど。』

桐生『驚いたな。どうして、そんな言葉知ってるんだ?』

まぁ、もうその時から色々極道界のあれやこれや知ってたからなんですけどね。

風間『まぁ、良いだろ。そいつがしてほしく無いって言うならさせないだけだ。それよりお前の部屋を案内しよう。』

_______________________

風間『ここがお前の部屋だ。好きに使ってくれて構わない。』

竜也『有り難う御座います。』

?『こんな所に居たのか。兄弟もいるのか。誰だそいつ?』

桐生『あぁ、錦か。竜也紹介しよう、こいつは錦山彰、俺の兄弟分だ。』

錦山『宜しく、今日からここに入るのか。』

竜也『宜しくお願いします。黒瀬竜也です。』

錦山『おう、それよりも親父、堂島組長が呼んでるぜ。』

風間『そうか。分かった直ぐ行こう。とにかくここで過ごしてくれ。』

竜也『は、はい。』

そう言うと、3人は出ていこうとしたんですが、俺は桐生さんを呼び止めたんです。

竜也『あ、あの桐生さん。』

桐生『何だ?』

竜也『もし、俺が強くなったら桐生さんと闘っても良いですか?』

桐生さんは、少し悩んだ後

桐生『あぁ、良いぜ。ただせめて10年後だな。』

竜也『わ、分かりました。ありがとう御座います!!!』

錦山『兄弟、早くしろよ。』

桐生『あぁ、今行く。』

桐生さんは行ってしまった。その時見た背中はどんなものよりかっこよかったんです。

_______________________

竜也「まぁ、こんな感じですかね。」

俺は秋山さん達に10年前の事を話した。

花屋「ほぉ、そいつは凄いな。」

秋山「本当だねぇ。俺も桐生さんってのに会いたくなってみたよ。」

竜也「多分、秋山さんと桐生さんだったら良い勝負すると思いますよ。」

俺は、秋山さんと桐生さんが闘ってる所を創造してみた(とは言っても、桐生さんが闘った所を見た事がないが。)

秋山「やだやだ、俺は見るだけだよ。だいたい、竜也が見ただけで尊敬するとか俺以上だろ絶対。」

竜也「そんなもんすかねぇ。」

花屋「まぁそれは良いだろそれより、お前孤児院で育ったのか?」

竜也「まぁな。あの時はいつ桐生さんが来るか毎回楽しみにしてたからな。まぁでも結局あの人自分の組の所の組長を殺したらしく捕まったんだけどな。」

秋山「え?ってことはヤバくない?」

竜也「大丈夫ですよ。桐生さんがそんな事する訳無いんで。俺は誰か、他の人がやったと思ってます。」

秋山「あ、そうなのね。なら安心だわ。」

花屋「まぁ、堂島の龍が組長殺したとか、殺してないだとかはどうでもいい。どっちにしろ竜也、お前が会えるのは明日か、明後日になるだろうから、取り敢えず今日の所は帰ることだな。」

竜也「じゃあそうさせて、貰うわ。」

秋山「あぁ、この服ありがと。返すわ。」

そう言うと、秋山さんは服を脱ごうとしたが

花屋「気にするな。どうせ、お前にあげる為に渡した物だ。まぁそんなに返したいと言うなら無理にはあげんが、どうする?」

秋山「今のあそこ的にもこんな服は置いてられないしな。取り敢えず、今の所は良いや。」

秋山さんの言うあそことは、ホームレス達の家だ。

もちろん、同じホームレス同士が盗む事はないが、家のスペースを気にしてるのだろう。

花屋「取り敢えず、また今度だな。」

秋山「また、何かあったら言ってくれよな。」

竜也「うす、今日は有り難う御座いました。」

そう言うと、秋山さんと俺は上に、花屋はそのままこの部屋に残った。(おそらく心愛も、もう帰ってる為。)

_______________________

俺の部屋 とは言ってもただちょっと前に知り合った中国風の女性(確か名前はマキムラマコトだったかな?)から、買った部屋だが、それなりに広い部屋(3LDK)、基本的な家具なら揃ってるこれで月25万で良いのだからかなり激安なはずだ。

竜也「ふぅ、疲れたなぁ。何か色々濃い1日だったなぁ。」

でも、後少しすれば桐生さんと闘えるのだからそれもそれで良いかもな。取り敢えず寝るか。

_______________________

翌日

~~桐生視点~~

ふぅ、最後にここに来たのは17年前のあの時か。

やっぱりここには、何度来ても慣れるもんじゃねぇな。

確かシンジの奴が言うには、『兄貴、良いですか?明日の葬儀には変に裏口から入ろうとするより、正門から堂々と入って来てください。奴らもさすがに少し顔を隠せば、兄貴とは気づかないでしょう。』だったよな。

そして、シンジの言った通り特に怪しまれる様子もなく、受付に来れた。

受付「本日はお忙しい中有り難う御座います。失礼ですが、名前は?」

名前か。本名を使う訳にはいかんからな。偽名で行こう。

桐生「鈴木太一だ。」

受付「鈴木さんですね。失礼ですが、東城会とのご関係は?」

ふぅむ、ここは風間組と言っておいた方が良い気がするが、もしこいつが風間組なら、言う訳には行かない。堂島組にいた事にしよう。

桐生「昔、堂島組にいた。」

受付「堂島組ですか。あそこは桐生一馬が堂島組長撃ち殺して、堂島の龍が噛みついたって一時期ホントに有名でしたよ。」

桐生「そうなのか。」

受付「東城会の大幹部の次は組長が死んでしまいましたからね。今後の東城会は、どうなるか分かりませんよ。」

ふぅむ、やはりシンジが言った通り大分変わってしまってるらしいな。

俺は、シンジの待つ裏口に入ろうとしたが。

運営1「ちょ、ちょっと待った。君ここには、腕章がないと入れないよ。」

腕章か。今の俺はそんな物持って無いしな。探せばあるだろうか?

桐生「分かった。済まなかったな。あまりここら辺に来なかったもんで。」

運営1「そうか。じゃあ式が始まるまで会場に入っていてください。」

_______________________

中に入ると、運営側らしき男が慌ててるのを見かけた。

桐生「おい、あんたどうしたんだ?」

運営2「実はさっき大事な腕章を落としてしまってね。あれが無いと、裏口に入れないんだ。確か受付近くの外に落としたはずなんだけどなぁ。」

外か。まだ見つかっていなければ落ちているだろう。

桐生「そうか。見つかるといいな。」

俺の一言は聞こえていたのか、聞こえてないのか分からないが、より一層慌て始めた。

俺はそいつを後にして外に出た。

_______________________

腕章は結構簡単に見つかった。

運営1「また、あんたか。中に入っていてくださいと言ったでしょう。」

桐生「あぁ、済まなかったな。実は俺も運営側の人間なんだ。これが証拠だ。」

そう言って腕章を見せると

運営1「何だそうだったのか。なら最初からそう言ってくれよ。」

桐生「中に入っても良いよな?」

運営1「あぁ、良いよ。準備がまだ、不完全だからね。」

ふぅ、これでシンジの所に行けるな。

_______________________

?「桐生一馬さんでんな。」

もう少しでシンジの所に着くという所で変な男に絡まれた。

桐生「何だ。お前は?」

?「挨拶が遅れました。自分 近江連合の神谷言います。」

桐生「近江連合だと?何で近江がここにいるんだ?」

神谷「錦山組の組長さんに言われましてね。この写真の男が今日来るから殺せって。」

その写真に写っていたのは紛れもなく俺だった。

桐生「錦が俺を?」

あり得ない。そう言うとした時に神谷からアッパーをもらった。

桐生「っく!?」

神谷「何や、堂島の龍言うても、その程度かいな!!こりゃぁ組長さんの言うほど強くなさそうやな。」

奴はボクシングのような構えを取り始めた。

神谷「かかってこいや。堂島の龍こっから先進みたかったら俺を倒せや!!」

桐生「…錦 ホントにお前が俺を?」

俺は誰にも聞こえない位の声で囁いた。

桐生「神谷って言ったな。」

神谷「あ?そうですけど何か?」

桐生「もしかすると、俺は手加減できねぇかもしんねぇから闘うなら覚悟しろよ。」

神谷「へぇ、ほんならじゃあ気兼ねなく、やらせてもらいますよ。」

<神谷>

神谷「死ねやぁぁ!!桐生!!」

奴のスピードはボクシングの構えどうりかなり早い動きで、俺に近づいたが、俺は特に慌てず奴の右ジャブに合わせて拳を撃ち込んだ。

グキィ!!!

神谷「ぐぁぁ!!!」

桐生「どうした。そんなもんか!!」

少しのやり取りの間にも神谷を殴って行く。

さっきの一撃でしゃがんだ奴の頭を掴み、後ろに後退しながら膝げり。浮いた奴の頭の下に入り、顎に強い掌底を叩き込む。

バキッ!!!

顎の折れる音を聞きながら奴が倒れるのを見た。

桐生「どうした。もう終わりか?」

奴はもう口が聞ける状態ではないのを確認すると、裏口に向かった。幸い直ぐ近くだったので、すぐシンジに会う事ができた。

シンジ「兄貴、お疲れ様です。遅かったですね。」

桐生「あぁ、途中で近江連合の奴に絡まれたからな。」

シンジ「近江連合ですか?何で奴らがここに?」

桐生「分からん。奴らによれば、錦の奴に呼ばれて来たらしい。」

シンジ「何で、錦山さんが?」

桐生「さぁな。取り敢えず今は親っさんに会う事の方が先決だ。」

シンジ「そうですね。こっちです、ついて来て下さい。」

_______________________

シンジ「ここです。しばらくお待ち下さい。」

ふぅ。ようやく一息つけるな。流石にここで闘うとは思って無かったしな。

俺は親っさんが来るまで、東城会の有名人物達が載っている額縁を見てる事にした。

 

東城会初代組長 東城真 今や、ここまで巨大化した東城会を最初に纏めた人間だ。俺も詳しくは知らないが、物凄い狂暴な人間だったと聞いている。

 

東城会直系風間組組長 風間新太郎 俺の尊敬する人で昔はそれこそ、どんな裏の人間でも知ってるほどのヒットマンだったららしいが、俺にとっては関係の無いことだ。

 

東城会三代目組長 世良勝 17年前俺が立華の所にいたときに一度だけ会ったが、それ以来あってはいないな。何でも、錦から100億の話題が出てから死んだらしいが、錦が関係してるのか?

 

東城会直系錦山組組長 錦山彰 錦…お前は今何を思って東城会にいる?もし、俺らがやり直せるなら…

 

その時ドアが空いた

風間「一馬。」

桐生「親っさん。」

俺が言うより早く親っさんが話し始めた。

風間「10年だ。俺はお前に何もしてやれ無かった。」

桐生「そんな事は、無いです。」

風間「シンジの奴から聞いてると思うが錦は変わってしまった。」

桐生「親っさん、錦は何で?」

風間「分からん。それに今奴は近江連合をバックに多くの人間を引き連れている。下手に奴と戦争をしようとすると負けるぞ。」

桐生「そうですか。じゃあ由美は!今あいつはどうなったんです?」

風間「落ち着け一馬。今由美は」

パンッ!!

銃声と共に親っさんの腕が撃ち抜かれた。

桐生「親っさん!!!」

嶋野組構成員1「何や、今の銃声?」

嶋野組構成員2「お前、桐生!?」

?「桐生やとぉ。」

後ろから出てきたのは、ガタイの良くスキンヘッドの男

東城会直系嶋野組組長 嶋野太

嶋野「何や、お前堂島の次は風間かいな!!」

弁解する前に嶋野組構成員達が俺を囲んでいく。

嶋野「お前らぁ!!生きて帰すんやないで!!!」

そうして、嶋野組構成員との闘いになった。




桐生さんが強すぎますね。桐生さんは原作より超強化されてます。次回は東城会からの脱出となります。喧嘩シーンだらけになる予感しかありません


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6話 喧嘩葬儀

何とか今日に間に合って良かったです。
今回は竜也は出てくる事はなく、桐生メインです。ラストに違う人の視点が入りますが。
後、4話で書いた心愛の書き置きですが、気づくのは竜也が花屋の所に行くときです。


〈嶋野組構成員〉

構成員1、2「「オラァ!!」」

構成員の二人が俺に殴りかかって来た。

桐生「ッチ」

俺は怪我をしてる親っさんを背にしてるため、無理に動けないし、部屋のドアから逃げようにも嶋野がいるため逃げられない。

桐生「悪く思うんじゃねぇぞ。」

直ぐ側にある机を蹴り奴らから見えないようにすると構成員がいたであろう位置を殴った。

構成員1「グハッ!?ば、バカな。」

構成員3「今だ!机が付いてるあの腕じゃろくに殴れねぇはずだ。やっちまえ!!」

構成員の残り4人が向かって来るが、腕を引き抜きそのまま机を振り回した。

桐生「オラァ!!!」

幸い全員気絶したらしく今が逃げ出すチャンスだったのだが、また新しい構成員共が来てしまった。

もちろん、ここにいるのが俺と嶋野達だけなら良いのだが元から足が不自由で、尚且つさっき腕をやられた親っさんが一緒だと少々危険だ。

風間「か、一馬…逃げろ。」

桐生「親っさん!」

風間「俺なら…問題無い。早くしろ。」

そう言われるともう何も出来ないため、窓から逃げた。

構成員5「桐生が逃げたぞ!追いかけて殺せ!!!」

また、この本部から逃げ出すはめになるとはな。

ここに長居する必要もないから、すぐさま逃げ出した

_______________________

庭園に出ると10人が囲んでいた。

構成員5「へっへっへ、流石の堂島の龍もこの人数には勝てねぇだろ。」

桐生「つまんねぇ事言ってねぇで来るなら来いよ。」

構成員5「上等だ!ぶっ殺してやる!」

この言葉が開戦の合図だった。

俺は殴りかかってくる二人をよけて近くにいた構成員の間接を無理やり外した。

バキッ!

そのまま奴を転ばして足で踏みつけた後はそいつを掴んで構成員共が多くいる所に投げた。

取り敢えず、投げた連中の所は何も出来ないはずなので意識を他に向けた。

残り6人

構成員9「バラバラに向かってくな!纏まっていけ!」

後ろと前両方から合計4人が来た。その内の2人は木刀を持っている。

桐生「ちょうどいいな。貰うぜそれ。」

木刀を持っている奴に向かっていき、顔、肩そして腹に強烈なのを入れた後は奴が落とした木刀を拾いながら後ろにいる敵の頭から振り下ろした。

その一撃で壊れてしまった木刀は持っていた所が鋭利になったので、少し怯えている奴の肩にさした。

ザクッ!!

構成員10「うぎゃぁぁ!?」

残り二人の頭を掴み、二人共庭園の側にある河に投げた。

その時だった。

ガシッ!

構成員9「掴まえたぜ!桐生!!やれ。」

構成員13「おう。死ねや!」

奴は手に持っていた石壺を振り下ろしてきた。だがやられるのを知っていて喰らう訳には行かない。

俺は押さえている構成員の足を踏みつけ、その痛みで少し押さえる力が弱まったのでその場で一本背負いをした。

ガシャン!!

奴の頭に当たった石壺は見事に割れていた。

構成員13「てめぇ良くも!!」

桐生「やったのはお前だろうが。」

相手の頭を掴んで、そのまま床に叩き付けた。

桐生「悪いな。今捕まる訳には行かないんだ。」

先に進もうとすると急に襖が開きまた新たな構成員達が現れた。

桐生「ッチ 次から次へと。しつこい奴らだ。」

構成員14「うるせぇてめぇが生きてるからだ!!」

男共の一人は拳銃を持っていた。流石に俺でも拳銃はどうにも出来ない為、そいつを最初のターゲットに選んだ。

しかし、相手も俺が誰を狙ってるのかは分かっているらしく、木刀を持った3人が前に後の奴らは拳銃を持っている奴を囲むようにして並んでいた。

おかしい。あの並びだと前列にいる奴にあたるはずだ。となるとあの銃はおそらくフェイク。そうすると今は、木刀共を先にやる。

前列にいた3人が、左右そして前から同時に攻撃して来た。

木刀二本を両手で押さえ、残り一本を頭突きでへし折った。

前にいる男を蹴り、膝が着いたのを確認すると左にいる男を握力一つでぶん投げた。

投げられるのを知って銃を持ってる男は発砲した。

右にいる男を盾にして、盾にしたまま突撃。盾になっている男から血が出ている所を見ると、実弾らしい。

桐生「よほど仲間に当てる自信が無かったらしいが、残念だったな。」

弾丸を3発、2発一気に打ち出され後の1発を少し後に撃った。狙いは両足と額なので足に来た弾丸を跳ねて回避額に来た奴は瞬時に捻り回避した。そして、ジャンプする前に拾った石を拳銃持ちの奴に投げた。幸いそれで、奴は気絶した。

すっかり萎縮しきってる奴らを睨み付けて、中に入った。

_______________________

葬儀場に入り、組長の遺体が入っている場所に行くと二人楽しそうにしながら俺の事を待っていた。

構成員18「俺がやるぞ。」

構成員19「構わない。親父はこいつさえ死ねば、何も欲しくは無いみたいだしな。」

桐生「二人一緒じゃ無いのか?」

構成員18「おいおい、俺はな、今までこの嶋野組に毒だと思ったのは全て自分の腕で倒してきたんだよ。」

構成員19「まぁそう言うことだ。こいつ一人で良い喧嘩に二人して闘う必要も無いだろ?」

桐生「なるほどな。でもな、お前ら勘違いしてるぜ。今まで一人だけで倒して来たと言ったな。頑張っても絶対に越えられない壁ってのを教えてやるよ。」

ヒートを出し、二人に向けて臨戦態勢をとった。

自分の腕に自信を持っている男がタックルをしてきた。

当たるか、当たらないかのギリギリの距離で避け、素早く左手で顔を殴る。

良い音を出して、当たった一撃は奴の体制を少し崩しただけで終わった。

構成員「まだだ。フンッ!」

桐生「ぬおっ!?」

俺の腰を掴み、椅子が並んでいる所に放り投げてきた。

こいつには、もう何十年も使っている闘い方の方が良いか。

壊し屋スタイル 適当に側にあった椅子を掴んだ。

構成員「何!?」

椅子は普通の椅子ではなく、長椅子なので常人なら掴むことは出来ないだろう。

そのまま、その椅子で右左そして上から振り下ろし、奴が起き上がる事はなかった。

桐生「はぁ…はぁ…」

連戦のせいか、疲れが溜まっていた。

構成員「フッ。」

桐生「くっ!?」

ぼろぼろの体のまま、一撃をかわした。

構成員「やりますね、流石は桐生さん。ですがその状態でどう闘うつもりで?」

桐生「うるせぇ、来るなら来い。」

構成員「なら、行きます。」

ジャンプしながら、膝げりそして拳が来た。

膝げりの方は右でガード、拳は左手で向かい合った。

ドンッ! ゴンッ!

構成員「これを防ぎますか。実をいうとさっきの一撃かなり自信があったんですがね。」

桐生「はぁ…お前やるな。」

構成員「ちなみにですが、そこにいるは俺の兄弟分ですが、もう三桁位対人してますが、俺が負けた事は両手で数える位しかありません。」

桐生「!?」

俺が驚いている内に目前まで迫っていた。

まずい!!そう思ったがもう遅かった。

気付いたら吹っ飛ばされていた。

構成員「終わりですね。全力の貴方と闘えなかったのは残念ですが、後は嶋野の親父に任せます。」

奴は後ろを向いて外に出ようとしていた。

桐生「待てよ。」

構成員「!?あれを喰らって立てている事が不思議ですよ。でももうぼろぼろでしょう。これ以上立っている必要はありません。」

桐生「まだ、俺は負ける訳にはいかないんだ。」

もう意地で立っていると言ってもおかしくなかった。

桐生「うおぉぉぉぉ!!!」

渾身のドロップキック これで決まらなかったら俺の負けだ。

奴はもうガードの体制をとっていた。

俺は倒れ、そして奴は吹っ飛ばされ何も言わなかった。

俺は倒れている訳にもいかないので、立ち上がって先へ進もうとしたが、奴が話しかけて来た。

構成員「桐生さん。俺のポケットの中にスタミナンロイヤルが入ってます。それを飲んで早くここから出てください。」

桐生「お前、自分に使って俺を掴まえれば良いんじゃないのか。なのにどう」

そこまで言って口を挟んできた。

構成員「俺はずっと前から嶋野の親父のやり方はずっと否定してました。あの人はただ、暴力で制御すれば良いと思ってるからな。でもあんたは違う。あんたが俺の理念に一番沿っていて、あんたは俺の憧れなんだ。なのにここであんたが俺に負けたらあんたは死んでしまう。だから早く逃げて下さい。」

俺はそこにいる男の覚悟を感じた。

桐生「分かった。また会えたら会おう。」

フラフラの状態のまま奴からスタミナンロイヤルをもらい、一気に飲んだ。

溜まっていた疲労が一気に消え失せ、闘気がみなぎるのを確信して、先に進んだ。

______________________

外に出て、出口までもう少しだったその時

?「待てや!!桐生!!!」

振り返ると嶋野が立っていた。

桐生「嶋野…」

バサッ

嶋野が上着を脱ぎ後ろにある桜と虎の刺青が出てきた。

嶋野「逃がさへんぞぉ!!おどれら、囲め!」

嶋野組の連中が俺と嶋野を追い込むようにして囲んだ。

嶋野「これで逃げ場はないのう。三代目の遺体と一緒に綺麗に並べや!!!」

〈嶋野太〉

さっきの構成員のおかげで、闘気も回復している為さっきみたいに無理に先走る必要も無いだろう。

嶋野「桐生!!!」

突進でそのまま馬乗りで殴る気らしいが、何分動きが単調だから分かりやすい。

避けて、膝を入れて腹に拳を叩き続けた。

嶋野「っく ガハッ ブッ クソ桐生!!!」

桐生「とりゃぁ。」

仕上げにアッパーを決めて嶋野を吹き飛ばした。

追い討ちにジャンプをして高い位置からの全力の一撃

ガバッ!!

喰らいながらも俺の体を掴みジャーマンスープレックスを決めてきた。

嶋野は鼻血を出しながら、俺は頭から少し血を出しながらお互い息を荒くしながら立っていた。

嶋野「はぁ…はぁ…桐生死に…さらせやぁ!!!」

桐生「はぁ…はぁ…嶋野そこ…通させて貰うぜ。」

ヒートを出し嶋野を完全に倒す。

嶋野は普通のストレートを俺はハイキックをした。

メリメリメリ ダンッ!!!

嶋野の頭に蹴りをいれ闘いを終わらせた。

間違いなく骨にヒビが入った音がしたのだが、奴はそれでも他の連中に指示を出した。

嶋野「何しとるんじゃぁ!今こそ掴まえるチャンスやろうがぁ!!」

構成員達「うぉぉぉ!!!」

他の連中を避け出口に走り出している時にちょっと目を他に向けるとそこには錦が微笑を浮かべ立っていた。

錦… いや、今は考えている場合じゃない。

錦について考えすぎていても仕方ないので、俺はすぐさま出口に向かった。

_______________________

出口にはもう構成員達が集まっていた。後ろからも来ている為挟まれてしまった。

やるしかないか。そう思った時

ギュルルル キキー

車がここに急に止まった

?「桐生乗れ!!」

桐生「あんたは?」

?「早くしろ!!!」

車はもう動き出しているので窓から中に入った。

?「相変わらず、無茶ばっかしてんだな。」

桐生「あ、あんたは!伊達さん!!」

伊達「桐生、はなしがある。行き付けのバーなら話を聞かれる事も無いからな。問題無いか?」

桐生「あ、あぁ。別にいいが。」

そして、俺らは神室町へと戻っていった。

_______________________

~~?視点~~

ニュースキャスター「本日未明 東城会本部で謎の男が暴れているというニュースが入っていました。この男についてくわ」

そこまで聞いて私は話を聞くのを止めた。こんなニュースを聞く為にこの町にきたわけでは無いから。

 




さて、どうだったでしょうか。 第6話伊達さん登場しました。今日中に出そうと決めていたので、後半がちょっと駄文になりました。(元から駄文ですが。)
こんな小説ですが、龍が如く6までちゃんとやるつもりなので、来年も見てくれたらなと思います。


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7話 運命の出会い

第7話です。 今回は文章がどうしても短いです。
もうちょい上手く書きたいのですが、全然書けません。
ということで、第7話お楽しみください


竜也「花屋いるか?」

花屋「俺ならここだ。どうした?」

竜也「ちょっと探して欲しい人がいる。」

花屋「お前が、依頼とは珍しいな。どういう風の吹き回しだ?」

竜也「まぁ何でも良いだろ。それより探せるか?金ならあるぜ。」

連日 チンピラというチンピラから金を巻き上げていた為今、財布の中には大量の金がある。

花屋「金なら要らん。」

竜也「何?」

花屋「要らんと言っているんだ。お前とは結構長い付き合いだからな。サービスだ。しかしその依頼の経緯が知りたいな。」

竜也「ちょっと昔の知り合いにお願いされてな。」

お願いというのは、今日の朝アサガオの園長から電話がきたからだ。

_______________________

竜也『はい。もしもし。』

園長『これは竜也くんの電話で合ってるよね。』

竜也『はい、そうですが誰でしょう?』

園長『僕だよ。アサガオの』

竜也『あぁ、お久しぶりです。それで今日はどうして電話を?』

園長『実はね、遥ちゃんがアサガオから抜け出したんだ。』

竜也『遥ちゃんが?どうして?』

園長『遥ちゃんが親に会いたがっていたのは知ってるよね。』

竜也『ええ、でもそれは遥ちゃんのお母さんのお姉さんが来てて満足してたんじゃ無いんですか?』

園長『それがね、君がここを出てからお姉さんも来るのを止めてね、遥ちゃんも悲しかっただろうね。元から知らない母親の事を知ってる唯一無二の存在だったのに。』

竜也『そう…なんですか。それで俺に電話した理由は?』

園長『あぁ、だいたい分かると思うけど探して欲しいんだ。』

竜也『探す…ですか。』

園長『難しい事は重々承知してる。でも彼女は探すなら絶対育った神室町にいくはずなんだ。』

竜也『分かりました。全力を尽くします。』

園長『ありがとう。』

_______________________

ということで、取り敢えず花屋の所に来た訳だが。

花屋「そいつの容姿とか特長はわかるか。」

竜也「あぁ、今は9才なはずだぜ。後は髪が長くてえーと、」

花屋「聞いといて何だが、お前の情報は役にたたん。名前は分かるか?」

そんな風に言わなくても良いと思うが、まぁいいや。

竜也「澤村遥。」

花屋「何だと?それは本当か?」

竜也「なんだ。何か知ってるのか?」

花屋「昨日だ。昨日お前が来る数時間前にその女を探してるっていう女がここに来たな。」

竜也「間違いねぇ。そいつが遥ちゃんの母親だ。」

花屋「とは言っても、ろくに顔も覚えちゃねぇがな。」

竜也「へ?どうして?」

花屋「見るからにぼろぼろな服を着ていたからな。しかもフードを深く被っていたからどっちにしろ見れなかった。」

竜也「そっか。ならしゃあねぇな。」

花屋「一応こっちでも探すのは続けるつもりだ。」

竜也「サンキュー。」

花屋「あぁ、ちょっと待ってろ。」

竜也「ん?」

出ていこうとすると、花屋が止めてきた。

少しすると花屋が、何かを持ちながらきた。

竜也「何?これ手紙?」

花屋「これはな、お前が昨日休憩していた所にあった手紙だ。」

手紙の送り主を見ると心愛からだった。

花屋「安心しろ。中は見ていない。」

竜也「そっか。まぁでも今は手紙より遥ちゃんを探す方が先だからな。預かってくれ」

花屋「分かった。見たい時には言ってくれ。誰にも見せる気はないし、見る気もないからな。」

 

この時竜也は気付いてなかった。この手紙が事件の真実を知っている事を

_______________________

竜也「さぁて、どうすっかな?」

チンピラを倒しながら、話を聞くこと一時間

全く情報を得る事は出来なかった。

竜也「取り敢えず、一回帰ってその内探すの開始するか。」

家に帰って休もうとすると

竜也「あれは遥ちゃん?」

後ろ姿が、似ていた気がしたのだ。

直ぐに追いかけようとしたところ。

「おい、お前我が物顔でこの辺りを歩いてんじゃねぇよ」

急にチンピラに肩を掴まれた

竜也「あ?」

見ると最近力をつけてたギャングの衣装をしてた。

竜也「お前ら、その手を離せ。」

「んだよ。文句あんなら言ってみろよ。」

竜也「はぁ。この程度か。」

「は?何だと?」

竜也「だから、今の殺気に気づかないようじゃ大して強くないって言ってんだよ。」

「上等だよ。喧嘩仕掛けてきたの ヴェ!?」

勝負とも言えないものだった。ハイキックを繰り出すと奴は直ぐに脳震盪を起こし倒れた。

竜也「だから言ったろ。大して強くないって。」

「て、てめぇな!」

竜也「何だお前もやるのか?別にいいけど次からは手加減できるかはわかんねぇぞ。」

「い、いえやりません。す、すぐ帰ります!」

2人係で倒れた奴を運んで行った。

竜也「ッチ もう居なくなったか。」

辺りを見回したが、もう居なかった。

ただ、あまり離れていない事を祈り直ぐに探すのを再開した。

_______________________

気づくともう夜になっていた。

竜也「今日はもう無理か。また明日探そう。」

ふと隣を見ると妙に人だかりが出来ていた。

竜也「あの、何かあったんすか?」

「あぁ、いや暴力関係だよ。1人の男相手にチンピラ共がよってたかってやっているんだけど。」

竜也「どうかしたんすか?」

「それがね。チンピラ共がやられてるんだ。」

竜也「へぇ。強い奴がいるんですね。」

そこまで言ってると終わったらしい。生々しい音が止んだ。

そして群衆が散ると誰がやっていたか。分かってきた。

倒れているのが6人位そして、座っているのと立っているのは2人そして2人共俺が知っている人間だった。

1人は俺が探してる澤村遥

もう1人は俺が尊敬している桐生一馬だった。




どうだったでしょうか?第7話
かなり酷いですね。こう考えると、喧嘩シーンがないとダメですね。次回も喧嘩シーンはないはずです。


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8話 母親探し

しばらく更新出来なくてすいませんでした。龍が如くのストーリーを確認するためにやっていたら忘れてました。
後、前回喧嘩はしないと言いましたが、喧嘩シーンあります。他には台詞の前にその人の名前を書いてましたが、それが無くなりました。その代わり口調で分かりやすいと思います。それでは8話お楽しみ下さい



「桐生さん?」

「お前は…竜也か?」

「あぁまぁはい。」

「どうした?」

久しぶりの桐生さんだというのに上手く言葉が出てこない。

不思議に思った遥ちゃんが声を掛けてきた。

「竜也くんどうしてここに?」

「あ、やべそうだった。」

本来の目的を忘れる所だった。

「知ってるのか?竜也。」

「え、ええまぁちょっとこの子を探しに。でもどうして桐生さんと遥ちゃんが一緒に?」

「さっきそこにある店でこいつがいてな。一人だったもんで流れでついてきただけだ。」

「なるほど。これからどうするつもりですか?」

「いや、お前がこいつの知り合いならお前に預けよう。」

「待って。」

二人「え?」

「竜也くん。さっき私を探してるって言ってたよね。」

「う、うんそうだけど。」

「どうせあの人に言われたんでしょ。私はお母さんを見つけるまで帰らない。」

「竜也それはどういう事だ。お前家は?」

桐生さんも口を挟む。

「家はない。孤児院黙って出てきたから。」

「家がないって。じゃあお前。」

「お前じゃない……」

「ん?」

「私は“遥”……お前じゃない。おじさんの名前は?」

「あぁ……桐生“桐生一馬”だ。」

「ねぇお願いこの子に何か食べさせて。竜也くんもお願い。」

そこにいたのは犬だった。

「可哀想だが、今この子を助けた所でこの子が幸せになるとは到底思えない。仕方ねぇことだ。」

「桐生さん。そこまで言わなくとも良いと思います。」

「竜也お前なぁ。」

「竜也くん…」

桐生さんは呆れ顔で遥ちゃんは少しの期待を持ちながら俺を見上げていた。

「俺、買って来ますよ。待ってろよ。」

犬を撫でながら、行こうとすると。

「はぁ。竜也ここでこいつらを見てろ。俺が買ってくる。」

桐生さんが行く気になったらしい。

「分かりました。ドンキホーテにあると思います。店の場所は前と変わってません。」

「あぁ。すまないな。」

そう言って桐生さんは走って行った。

そして次は俺の問題だ。

「あのさ、遥ちゃん。」

「竜也くん。お願い私を戻さないで。」

遥ちゃんも何となく分かっているらしい。

「そうは言ってもね。お母さんの手掛かりとかもあるの?」

「少ししか無いけど…でも!絶対見つける。」

その手にはペンダントが握られていた。

俺は小さくため息をつきながら、院長に電話を掛けた。

『もしもし。竜也くん見つかったかい?』

遥ちゃんが下を向いたのが分かった。

「すいません。やっぱりここは広くて暫く見つからないと思います。なので見つかったらまた掛けます。」

『そうか。分かったじゃあまた』

「どうして、教えなかったの?」

「どうせ、また探すのに出ていくでしょ。それなら見つかるまでは俺も協力するよ。」

「ありがと……」

桐生さんが戻ってきた。

「ほらよ。これで良いだろう。」

自分の持っていたドッグフードを渡した。

食べていたのだが途中で食うのを止めてしまった。

「どうしよう…全然食べないよ。」

「喉が乾いてるのかな?」

「なるほど。しかしまた買いに行くのか。辛い労働だな。」

「今度は俺が行きますよ。少し動きたい気分ですし。」

「頼む。」

_______________________

適当なコンビニに寄り水を買ってきて直ぐに遥ちゃん達の所に戻ってきた。

「これでどうだ?」

「ありがと。でも…」

「水を入れる皿が必要だな。」

「今度は質屋か。直ぐに飲ませてやるから。」

_______________________

質屋で皿を買い戻ってきた。

「今度こそどうかな?」

皿に水を入れドッグフードの隣に置いた

そうすると犬は水とドッグフードを交互に食べ進めた

「やっぱりお腹減ってたんだ…この子。」

「そうみたいだな。…さっき孤児院に居ると言っていたが、本当にこの町に居るのか?」

「多分…手紙にはそう書いてあったから。」

「それは俺も保証しますよ。」

「?なぜお前が遥の手紙の事を知ってるんだ?」

「あれ?言ってませんでしたっけ?俺と遥ちゃんは一緒のヒマワリですよ。」

「そ、そうだったのか。だからお前達は知っていたんだな。まぁそれなら良いが頼れる人は他にはいないのか?」

「うん…私にはお母さんと由美お姉ちゃんだけ。」

「由美お姉ちゃんだと?まさかお前の母親は美月って名前じゃないか?」

「うん…いつも由美お姉ちゃんが手紙持ってきてくれてた。」

そこまで言って遥ちゃんが倒れた。

「おい、どうした!」

「熱が少しありますね。こんな状態になるまで一人で神室町を歩き回ったんだと思います。」

「そうか…取り敢えずどうする?」

「横になって上げられる場所無いですか?そこで目を覚ますまで待つのが一番いい気がします。」

「分かった。知り合いがやっている店がある。そこで休ませよう。」

_______________________

桐生さんの知り合いの店に遥ちゃんを休ませて少したった。

今、桐生さんは刑事と電話中だ。

電話が終わり桐生さんが戻ってきた。

「竜也、遥の調子はどうだ?」

「悪そうには見えないですね。もう少し寝てれば大丈夫かと。」

「そうか。麗奈何か作ってくれるか?」

「ええ。」

「おじさん?」

「起きたか。」

遥「ここは?」

「私のお店 宜しくね遥ちゃん。」

「俺の知り合いで麗奈だ。」

「ねぇ……あの子大丈夫かなぁ?」

「え?」

「元気になったかなぁ?」

「あの子ならちょっと待ってて。はい、遥ちゃん」

俺はさっきまで店の外に待たせていた犬を遥ちゃんに見せた。連れてきた良かった。

「あっ!良かった。もう会えないかと思ってた!」

「お前、待たせてたのか。」

「ええ、まぁさすがにいきなり連れてくるのはちょっと失礼かなと。」

「あら、別に気にしなくて良かったのに。」

「遥、さっきの続きだが美月はな。」

「お母さん今どこにいるの!?」

「待ってくれ。今俺も探してるんだ……由美の事も。」

「あの、俺だけ事情知らないんで説明貰っても良いですか?」

「あぁそうだな。」

_______________________

桐生さんから大体の説明を受けて事情を知った俺はさっきの続きの話を聞いた。

「ねぇおじさん…おじさんも由美お姉ちゃん探してるんだよね。」

「あぁ、そうだが。」

「私も一緒に…ついていっても良いかな?」

「だが、今は手掛かりも何も無いんだ。」

「私、お母さんがやってる店知ってるよ。アレスでしょ。」

「本当に!?遥ちゃん!」

「うん…だから一緒に…私だけじゃお母さんに会えない!ねぇ良いでしょおじさん!」

桐生さんは少し悩みながら

「しょうがねぇな。」

「俺も行きますよ。」

「竜也!?(くん)」

「さっき遥ちゃんにも言ったけど協力するって言ったんで。」

「そうか。」

外に出て、遥ちゃんのナビに従いながらアレスへと向かってる途中で遥ちゃんが桐生さんに話掛けた。

「おじさんはどうしてお母さんを探してるの?」

「あぁ…さっきも言ったが俺は由美を探してる。ただその為には美月に由美の事を聞くのが早いからな。」

「そうなんだ。」

「あぁ…遥はどうして美月を探してるんだ?」

「どうしてって…お母さんだよ!理由がなきゃ探しちゃ駄目なの?」

「あぁ、いやそうじゃ無いんだが。」

桐生さんは歯切れが悪そうに言葉を濁した。

「まぁまぁ遥ちゃん 桐生さんも探すのに変わりはないから早くアレスに行こう。」

「うん…あっ!ここだよ。」

遥ちゃんが案内した場所はどうやらミレニアムタワーの中にあるようだった。

いざ中に入ろうとすると警官に呼び止められた。

「ちょっとあなた達どういう関係?あなたはその二人のお父さんですか?」

「あぁそうだが。」

「君たちもそれを認めるのかい?」

めんどくせぇ。俺は声を掛けてきた瞬間にそういう顔になってしまった。

その顔を見たか、見てないかは分からないが、遥ちゃんがフォローを入れた。

「警察さんごめんなさい。お兄ちゃんとお父さんってば口べたで全然喋んなくてそれより、私達お母さんが働いてる店に家族皆で行こうって事になったの。通っても良いかな?」

「あぁそうだったのかすいませんでした。最近この辺に誘拐犯が表れたもので。」

俺は遥ちゃんの演技に感心しながら中へと入っていった。

_______________________

「ここが…アレス。」

「ずいぶん広いんだね。このフロア全体がそうなんじゃないすか。これ一人で掃除やら何やらやってる訳お母さん?」

俺達はアレスの中へと入るとその部屋の広さそして、部屋の綺麗さに目を引かれた。確かにほんの最近開店したとはいえ、目を凝らさないとホコリ一つ満足に見つけられないのだ。これを一人でやっているのでかなり感激する。

「多分…由美お姉ちゃんも時々手伝ってたらしいけど…」

「竜也 遥その辺にしとけ。それより早くお前のお母さんの手掛かりを探そう。」

三人で別れて美月さんの手掛かりを探す事にした。

「あっ!これ…竜也くんおじさん!!」

遥ちゃんが何か見つけたらしく呼ぶ声が聞こえた。

そこには額縁が一枚あった。そして下には美月という名前。まず間違いなかった。

「これが…美月…」

「お母さん…」

ぽん

エレベーターの開いた音だった。そして数人の足音

「竜也…」

「分かってます。」

俺は咄嗟に遥ちゃんを後ろに下げた。

エレベーターの方を見るとゴツい男共が来ていた。

?「あんた桐生さんでっか?…元堂島組の」

男共の中でもより一層ゴツい男が話し掛けてきた。

?「お初にお目に掛かります。ワシ五代目・近江連合本部の“林”言いまんねん。噂はよう聞いてまっせ。」

「近江連合…って事は錦山に頼まれたのか?俺が狙いなんだろ。」

「いや…」

プルルル

桐生さんの電話がなり始めた。

「電話出なくても良いんですか?どうぞ気にせんととって下さい。」

「桐生だ。」

『伊達だ。桐生100億のホシが分かったぞ。“由美”だお前が追っている由美が100億について知っている。』

「何だって!?」

『現場に“指輪”が落ちていた。』

「指輪?」

『あぁ、あの時お前が俺に渡した指輪だ。』

『とにかく、東城会は由美と“共犯の女”を探してるらしい。』

「共犯の女…」

『そうだ…明日セレナで話したいどうだ?』

「あぁ、問題ない。」

『分かった。』

電話が終わった。話を聞くと盗んだのは由美と美月らしい。

「そうか。お前らも由美と美月を…」

「いや…ワシらが追っとんのはそこのお嬢さんですわ。」

「えっ!?」

「この子は関係無いだろ。」

「いや、それがかなり関係があるもんで。」

「桐生さんそれに君もその子渡したってねぇな。」

「渡すと思うか?」

「右に同じ。」

「ほんならぶっちゃけますわ。こないな所であんた程の男殺しとう無いんですわ。」

「あんた…ずいぶん気が早いな。」

「はぁ!?」

「俺も竜也もこんな所で死ぬ程やわじゃねぇんだよ。」

「ハッハッハ流石は桐生さんでんな。」

「しゃあないなぁ…おい!殺れやぶち殺したれや!!」

「桐生さん林って男は頼みます。他は俺一人で大丈夫です。」

「あぁ。」

〈近江連合構成員〉

「おい、お前らの相手は俺だぜ。」

俺は林以外の男共をエレベーター付近に呼び出した。

「揃いも揃ってノロそうな奴らばっかだな。」

「あぁん!!」

俺は笑ってしまった。こんな簡単な挑発に乗るとは思ってなかったからだ。

「何笑うとんねん!」

「こいつらならこれで良いな。」

「答えろや!」

マシンガンスタイルになって改めて向かい合った。5人いるが、こいつらなら1人一分で済むだろう。

スウェイで男に近づき回し蹴りをやった。うずくまったのでとりあえず他に意識を向けた。

「とりゃぁ!」

寸前に迫っていた一撃だったが体を捻り楽々回避そのまま掴み逆に殴り返した。

グキャ!!

めり込む寸前だったので今起き上がるのは無理だし、起き上がっても極道をやろうとは思わないだろう。

「フンッ!」

うずくまっていた男は立ち上がり蹴り返した。

「グッざけんな!!」

マシンガンスタイルは耐久力はあまり無いため喰らい過ぎると勝負に成らなくなる時がある。

その男の頭を踵落としで踏んだ。

二人一緒に来たがそのまま後方宙返りして後ろから来た奴を蹴りで撃破その反動を使い、頭を一気に掴み地面に叩きつけた。その衝撃で地面に穴が開いてしまったが、多分大丈夫だろう。

「さぁ、後はお前だけだぜ。」

通常のハンドガンスタイルに戻し向き会った。

「止めとくわ。」

「ん?やんねーの?」

「あぁ、これ以上やっても無駄な血を流すだけやから。」

「そっか。近江って何か喧嘩ばっかしてるイメージばっかだから勝ち目ない勝負もするのかなって思ったんだけど。」

「勝ち目のない訳やない。ただこいつらを運ぶ必要もあるからのう。」

「おう、じゃあな。」

すると奴は二人を一気に運んで行った。

桐生さんの方に戻ると決着がついていた。

~~時間が戻って桐生視点~~

「ほな俺らもやりましょか。桐生はん」

「遥隠れてろ。」

「うん…」

遥が隠れるのを確認した林はその身長からは考えられないスピードで間を詰めていた。

手刀で喉を狙っていた。

俺はその腕を掴み捻りながら突き飛ばし蹴りを入れる。

「ヌゥゥ…ハッ!」

飛ばされながら背面蹴りが向かってきた。

読めない程の蹴りでは無いためガードしかしそれが林の狙いだった。左からの蹴りに夢中になり、右に視界を広げて無かった。あのデカイ体から来た右ストレート

倒されたが、直ぐに体勢を整え立ち上がり側にあった椅子を掴んで攻撃

椅子の攻撃で少し崩れた林の顔面めがけ膝蹴り

体が浮いた為に顔を叩き付けようとしたが、手刀で首を叩かれてしまった。

「グゥゥゥ!!」

若干意識が飛びながらも叩き付ける事に正解した。

「はぁ…はぁ…」

林はもうギリギリらしく俺は頭を頭突きそして足で林を踏みつけた。

ガンッ!!ドンッ!!!

林は起きなかった。

「はぁ…はぁ…遥…もうだ…大丈夫だ。」

遥は怯えながらこっちに来た。

「ねぇおじさんどうして、どうして私が狙われるの!?」

「分からねぇ…ただもう遅い。セレナに行こう。」

「うん…」

扉が開き中から来たのは竜也だった。

「終わったんすね。」

「あぁ…電話を聞いていたら分かると思うが、明日セレナで待ち合わせしてる人がいるんだ。そこでお前も紹介したい。大丈夫か?」

「はい…じゃあ早いとこ、ここを出ましょう。」

「あ、あのさ竜也くん…」

「どうかした?遥ちゃん?」

「遥いい。俺が言う。」

「あ、あの何すか?」

「竜也お前その服装で外に出る気か?」

竜也の服には上着には血が付いてない所を探す方が難しく、手は殆ど血で埋め尽くされていた。

「え?は!?」

どうやらさっきまで気付いて無かったらしい。

「どうしましょう、これ。」

「はぁ、竜也それを脱いで帰るしか無いな。」

俺は上着を脱いで、帰るように促した。

「あ、はいじゃあ明日セレナですよね。また明日会いましょう。」

「あぁ、じゃあな。」

竜也は直ぐに外に出ていき、俺と遥はゆっくりセレナへと向かって行った。




竜也が結構酷い事が分かりました。因みに竜也の攻撃方法としてめり込む寸前の奴は何度か使います。
竜也は自分が闘う気がしないもしくは相手にやる気がない場合は喧嘩しません。優しいのか、残虐なのか、分かりませんね。
次回も結構遅くなると思います。


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9話 協力

遅くなりました。待っててくれてる人がいるのに何でこんなに遅くなってしまうのか。自分の事ながら不思議で、たまりません。
後書きの方にこれからの投稿ペースを書くのでちゃんと見ていただけると嬉しいです。


翌日 桐生さんに言われていたとうり俺はセレナに行こうとしていた矢先だった。

「誰だてめぇら。」

変な連中数人で俺の事を待っていた。

「黒瀬竜也さんで宜しいでしょうか?」

「誰だってきいんてんだろうが。」

「失礼しました。私日侠連の安堂剛と言います。」

「日侠連ね…聞いた事あるぜ。東城会の表立っては決してやれないような仕事をメインでやってる集団だってな。」

「ほう、知ってていただけるとは恐縮です。」

「で?そんな裏専門の奴らが何の用だ?」

「そうですね。早速本題と行きましょう。南 心愛という女性ご存じですよね。」

「あ?何でてめぇらが心愛を?」

「質問に質問で返さないで頂きたい。それで、今彼女がどこにいるかご存じでは?」

「確かに心愛は知り合いだけどよ。住んでる場所までは知らねーよ。」

「成る程…とすれば連絡の手段くらいは持ってますよね。彼女に連絡して頂きたい。」

「断る!」

「何故?」

「俺は勝手に人の事を利用する奴らが大っ嫌いなんだよ!後はまぁ心愛にも可哀想だからな。」

「ならば、交渉決裂ということで宜しいかな?」

「あぁ…」

俺は言ってからいつでも襲われても良いように身構えた。何せ相手は殺しあいが基本的な連中なのだ。

「分かりました…ではこれで」

奴らは帰って行こうとしていた。

「あぁですが、次会った時もこのような返事だった場合…容赦はしませんから。」

ゾワッ!?

とてつもない殺気に体全体が恐怖を覚えた。

これが東城会…俺は恐怖しながらもこいつと闘うのが楽しみにしている事に気付いた。

日侠連がいなくなった後、心愛に電話してみた。

『ただいま、この電話には電源が入っていないか、圏外にあります。」

「でねぇか。何したんだ心愛の奴…」

しかし、このまま立っていても仕方ないので、セレナへ向かった。

_______________________

「来たか竜也。」

「すいません桐生さん遅れました。そっちの人は?」

セレナへ行くと桐生さんそして、俺の知らない人がいた。

「あぁ、俺の知り合いの伊達さんだ。」

「伊達だ。宜しく頼む。」

「はい、黒瀬竜也です、宜しくお願いします。」

「伊達さんは警察の人間でな。今回起こった100億事件並びに由美の捜査なんやらも協力して貰ってるんだ。」

「へぇ…じゃあ人探しも得意なんすか?」

「おい、お前警察をあんまり利用すんなよ。警察なんてのは所詮事件があって動いてんだからな。今回の桐生の奴が例外なだけなんだからな。」

「そ、そうっすか。」

「伊達さん、竜也そろそろ本題に移ろう。」

「あぁそうだな。」

俺もすっかり話に夢中になってしまった。

「それで、桐生これからどうすんだ?」

「とりあえず、美月の情報を探そうと思う。由美も美月もホントに行方が分からないなら、遥の母親の美月を先に探そう。」

「そうか…しかし情報集めるのはどうする?流石にいくら有名ビルの酒場でマスターやってるとはいえいちいち気にしてる人はいないだろう。」

「サイの花屋はどうでしょうか?」

「成る程…情報を神室町一握っているあいつか…確かに桐生、そいつなら知ってるかも知れんな。」

「そうか。なら場所はどこにある?竜也分かるか?」

「はい、行きましょう。」

「伊達さん遥を見ていてくれ。」

「あぁ、任せておけ。」

そのまま俺と桐生さんはセレナを出ていった。

_______________________

「しかし竜也今日はどうして遅れたんだ?」

「あぁそれが…」

俺は今日朝起きた出来事を話した。(心愛の事は話してはいない。)

「そうか…日侠連か。」

「知ってるんですか?」

「あぁ、昔世話になってな。三代目会長だった世良会長は元々日侠連だったんだ。」

「成る程…あ!ここです。」

話してる内に花屋がいる公園までついてしまった。

早速中に入ろうとすると。

「待て。竜也さんは良いがあんたはダメだ。」

「誰だ?こいつらは?」

はぁ 俺はゆっくりため息つくと桐生さんに説明を始めた

「花屋の手足ですよ…花屋!見てんだろ通せ。」

そこまで言うと少ししてリーダー格の男に電話が掛かった。

「はい、え?いやですが…分かりました。」

「こっちです桐生さん。」

「あ、あぁ竜也お前サイの花屋と知り合いなのか?」

「ええまぁ…それより早く行きましょう。」

俺はさっさと花屋の所へ向かおうと決めた。

_______________________

「桐生一馬…17年前は堂島組の下らないカラの一坪事件に巻き込まれ、10年前は堂島射殺をした。極道界でその名を知らない奴は居ないほどだ。」

「花屋お前…桐生さんの事あおってんのか?」

花屋の所へ行ったすぐさまこんな事を言われた。

「よせ。あんたがサイの花屋か…」

「あぁそうだ…で竜也お前がこいつを誘ったんだ。後で何かしてもらうぞ。」

「わーってるよ。それより…」

「分かっている。欲しい情報はやろう…ただし条件だ。」

「条件?何だそれは?」

「あぁ、ここに来る前に二つ豪華な扉があっただろう。」

「花屋お前!」

俺は花屋が言おうとしてる事を無意識に察知して話を切った。

「竜也、止めなくて良い。」

「桐生さん…?」

「確かにあったな。しかしそれが何なんだ?」

「実は二つの内の一つは闘技場でな。お前さんにはそこで3勝してもらう。」

やっぱりか。

「それだけで良いのか?」

「あぁ3勝すれば欲しい情報をやろう。」

「桐生さんやる必要は無いです。」

俺はこんな大変な事をしなくても普通に花屋に頼もうとした時

「良いだろう。」

「え?」

「さっさとその闘技場とやらへと俺を連れてけ。」

「こっちだ。竜也も来い。」

「あ、あぁ。」

俺はあまり脳がついていかないまま花屋達の後について行った。

_______________________

「何で桐生さんをここに出した?」

「こいつを出せば多額の金が手にはいるからなここらで一気に金を稼いでおこうとな。それに奴も出所したてで、俺に以来するほど金を持ってないだろう。だからだ。」

「そりゃあそうだけど…」

俺は花屋の理由に納得して歯切れが悪くなった。

「そろそろ始まるぞ。」

「レディース&ジャントルメーン。ここで飛び入りのファイターが参戦です!」

「10年前堂島の龍と怖れられ自分の組の組長を手にかけた仁義なき男…桐生一馬!!!」

紹介と共に物凄い数の声援が飛んでくる。

「うっせなぁ…これだから観客席で見んのはやなんだよ。」

「我慢しろ。」

「へいへい…」

「迎え撃つはここまで二人勝ち抜き米国第一級殺人逃亡犯! ダニエル・フェルドマン!!!」

「さぁ!時間無制限、ルール無し!いざゴングです!」

「さぁ見るからにはお前にも掛けて貰うぞ。」

「はぁ今言うか?それ…」

うんざりしつつ、桐生さんに20万かけた

「ほぉ…良いのか?」

「あぁ、まぁな。」

それに、と言いながら会場の方を見た。

「もう終わるしな。」

気付けば相手は肩で息をしてるが、桐生さんの方は息を乱すどころか、汗すら出てはいなかった。

最後に相手を金網に叩きつけて終わった。

あまりに早すぎる決着にみんなどんな反応をして良いのか分からないようだ。

「な?言ったろ。もう終わるって。」

「フフフ…なるほどな面白い。」

「さ、流石桐生一馬!極道の喧嘩殺法炸裂!!」

「さ、さぁ続いての選手は、ムエタイ ミドル級元世界チャンピオン ガオワイヤン・プラムック!!!桐生一馬の初防衛戦!どんなファイトになるんでしょうか?いざゴングです!」

ゴングと同時に飛び出したムエタイ野郎は、低い体勢から足払い続いて半回転しながら膝蹴り。

しかし足払いをくらいつつも咄嗟に右手で体全体を支え、膝蹴りを左手で防いだ。

そのままバックステップで後退しながら体勢を立て直す。

そして桐生さんがヒートを使ったのだが。

(何だ?あのヒート?)

そこには俺が知ってるヒートでは無かった。

普通ヒートは青色なのだが(俺も使い出したばっかりなので詳しくは知らないが)、桐生さんが出したヒートは黄色だった。

そして、ムエタイ野郎へと、ゆったりした速度で向かう。

ムエタイ野郎も桐生さんを倒すべく力を溜めていた。

先手を撃ったのはムエタイ野郎だった。そして桐生さんも反撃をする。

(え?)

あり得ない事が起こった。まずムエタイ野郎の一撃は桐生さんは効いているのかという程涼しい顔をして受けたが、その後の桐生さんの一撃で金網を突き破り観客席までムエタイ野郎が飛ばされたのだ。

誰も喋らない。当然だ。花屋から聞いた事があるがこの金網は観客に被害がいかない為に作ったのだが今回壊されたのだ。

観客に怪我は無かったが、これは今回でしばらく休業するしか無くなったな。

花屋を見るとさっきまでくわえていた葉巻を落としてしまった。観客も同様で皆空いた口が塞がらない様だった。

「司会、進めろ。」

桐生さんの言葉で司会がようやく喋り出した。

「へ?あ、はい…えー皆さん!落ち着いて下さい!それでは次の試合へと…え?」

ふと隣を見ると電話してやがった。

(誰を出して来る気だよ?)

桐生さんもこっち見てるし…

「おっと急に対戦相手が変わったようです!驚きです!あの負け知らずの男が帰って来ました!過去3年試合の成績は“全戦無敗”!!ベガスの元リングチャンピオン!!ゲーリー・バスター・ホームズ!!!」

「おい?あいつの何処が負け知らずだ?俺と秋山さんに負けてるだろうが。」

「リングでは、負け知らずだ。」

「屁理屈だろーがそれじゃ。」

「なら、お前がやるか?」

「止めとくわ。勝てねーし。」

リングを見るとホームズと桐生さんが話してた。

「無敵の極道vsリングの王者!注目の一戦です!今、ゴングです!!」

桐生さんは先ほどまでのゆったりとした感じではなく、俺のマシンガンスタイルと同等もしくは少し早い位のスピードだった。

僅か数秒でホームズの懐に入り腹、膝、腕、最後に顎を叩いた。ホームズも両手を振り下ろしたが、俺の目ですら追い付かないスピードで背後に回った。

(またかよ、何なんだ、あのヒート?)

ヒートが出て、背後に回ったのが分かったのだが今回のは、薄いピンクだった。

そして、背中を怒涛のラッシュ!からの回し蹴り!

しかしホームズの一番の強みは何と言っても頑丈さだ。今のラッシュでも何食わぬ顔で立ち上がった。

(やっぱ頑丈だなぁ。)

そしてお互いの均衡状態が続く。先に動いたのはホームズだった。

真っ先に桐生さんへと特攻 右手を大きく振りかぶり叩き付けようとしている。

対する桐生さんは右足をずらしながら徐々に体全体を低くしていく。

(掌底か。狙ってるのはおそらく…)

桐生さんが何処を狙っているのか分かった。狙って下さいと言わんばかりに顎が空いていたのだ。

そして振り下ろされるホームズの一撃!それを右手で掠めながら俺の知っている青いヒートでの掌底!追撃で浮き上がった奴の頭を裏拳で沈めた。

ホームズは最初は体をピクピクさせていたが少しするとその痙攣すら止まった。

「決まったぁぁぁ!!!今!三年間王者の座を守り続けてきた男に土をつけ、今新チャンピオンの誕生です!!!」

桐生さんがこっちに向かって来た。

「約束は果たしたぞ。次はお前の番だ。」

「安心しろ。約束は守る。俺はフェアだからな。」

(桐生さん負かす為にホームズ出して来た男の何処がフェアなんだ?)

俺は今の発言に疑問を覚えながら、後に続いた。

_______________________

「で?欲しい情報は何だ?」

「東城会の100億、それに由美と美月って女の話だ。」

「成る程な…100億の方ならそいつにも話してるからな。直ぐに話せるが、女の方は少し待っててもらいたい。」

「なら、話せる方から頼む。」

「三代目は金が盗まれた事を隠していた。だが、それを錦山って直系組長が緊急幹部会でばらした。」

「って事は錦山はそれを知ってたのか?」

「あぁ…そういう事になるな。話を戻そう。俺は三代目を殺したのは…錦山だと踏んでいる。奴の動きは四代目の椅子を狙っているはずだ。」

「…かもしれないな。」

「でも、ただでさえ分裂してる東城会をまとめる奴がいなくなったんだから他の奴も四代目は狙ってるだろ。」

「あぁ…だから100億取り戻した奴が跡目のはずだ。錦山のたった一言で一気に泥沼とかした訳だ。次に女の方の話だが、100億盗んだのは由美と後もう一人いるらしい。こいつは匿名のたれ込みがあってな。」

「何?…」

「東城会で裏とってるうちに妹の美月が事件直後から店を閉めて行方をくらませてる。いよいよ本ボシ何だが二人共見つからねぇってんだからそれで…」

「美月の娘…遥か…」

「何だって?」

「東城会は美月の娘を探してる。遥は今、俺と竜也の所にいる。」

「成る程な…」

プルルルル

電話がなった。

「何だ?」

「そうか分かった。」

「お前らに“客”だ。」

「「“客”?」」

「見にいくぞ。足下に注意しとけ。」

「何?」

花屋の机から直径10㎝くらいの場所が沈み始めた。

「こいつは?」

「驚いていいぞ。ここが“賽の河原”の本当の姿だ。五年前警視庁は50台のカメラを取り付けた。テロ防止って名目らしいが、実際は全く役にたってない。ただし、俺はこの目できちんとみてんだ。一万台のカメラでな。」

桐生さんが不思議そうに周りを見渡してる。そりゃあそうだ。俺も初めて見た時は驚いた。

「おい、客の様子を見せろ。」

「へい」

「あれって…」

「伊達さん……!血か。何があったんだ?」

「奴の行動を辿るか。おい奴の映ってる他の映像を出せ。」

伊達さんの逆再生が始まった少し後に花屋が口を開いた。

「伊達か…なんとも落ちぶれたもんだ。」

「伊達さんを知ってるのか?」

桐生さんの質問には答えず、ただ伊達さんを哀れみの目で見てた。

「ボス!10分前の映像です。」

「ん?」

そこには町の外を歩いてる伊達さんと遥ちゃんがいた。

「何で外を?」

しばらくして黒いバンが表れ、伊達さんに傷を負わせ、遥ちゃんをさらっていった。

「くそ…」

「ボス!トラブルです!」

「何だ?」

「ライブ映像に回します。」

ホームレス数人に囲まれる伊達さんがいた。

「くそっ!」

気付けば俺は飛び出していた。

_______________________

「止めてくれ!この人は怪我をしてるんだ!」

俺は全速力で伊達さんの所へ駆け込んだ。

「竜也…すまない。遥が…」

「竜也君どいてくれるかい?」

「退くのはあんたらがその木刀を捨てた後でな。」

「竜也…そこをどけ。」

「桐生さん…」

「こいつらと仲良くしてるお前じゃあ手なんて出すこと出来ないだろう。」

「桐生さん…何する気ですか?」

「安心しろ。病院に行くほどまではやらねぇよ。」

「……お願いします。」

俺は少し悩んだ後、桐生さんに後を任せた。

ホームレスの中でも一番近い奴を殴り飛ばした。

ドカッ!

「これ以上やるならこいつだけじゃ済まねぇぞ。」

「くっ、くそ…」

そして段ボールの家に殴られた奴を抱えて向こうへ行った。

「呆れた強さだな。」

「あんたが…サイの花屋!?」

(そっか。伊達さんは花屋に会うのは初めてか。)

「久しぶりですね。伊達さん。」

(久しぶり?会った事あるのか?)

「桐生、竜也例の子さらった車は“バッティングセンター”に停まった。この情報はツケにしてやろう。」

「あぁ」

「あいつは元警官だ。警察の情報を横流ししてたのを俺が告発したんだ。その後何をしてたのか、気になったが…こんな事をやってたとはな。それよりお前ら、遥さらったのは“真島組”の奴らだ。」

「真島組か…」

(よりにもよって“狂犬”か。)

真島組の組長、真島吾朗その男につけられた異名は“嶋野の狂犬”その暴れ方からつけられたらしいが俺も詳しくは知らない。

桐生さんも心無しか嫌そうな顔をしている。

「よりによって真島の兄さんか…」

_______________________

公園の外に出た俺達はバッティングセンターに行こうとした所。

「伊達さんはセレナで待っててくれ。」

「だが、それじゃ……」

「その体じゃ、真島組と闘うのは辛いはずだ。それに麗奈も心配だ。一人にしないでやってくれ。」

「分かった…気をつけろよ。」

「行くぞ。竜也。」

「はい!」

伊達さんと別れバッティングセンターへと向かった。




後半グッダグッダになってしまってすいません。
前書きにも書いた投稿ペースですが、これからは10日以内に出来たら良いと思ってます。遅くなった場合は何かあったんだなと思ってください。


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10話 嶋野の狂犬

遅くなりました。特に話す事はないのでこのままどうぞ。


バッティングセンターへと向かう途中俺は真島さんがどんな人間なのか聞く事にした。

「あの人はな、ホントに読めないんだ。」

「読めないですか……」

「俺も何回か闘った事があるが、あの人とだけはなるべく闘いたくないな。」

「なるほど…なら真島さんとは俺が闘いますけど。」

俺も真島さんとは一回闘ってみたいのでこれはチャンスだと思った。

「あぁ。兄さんが、遥の100億狙いなら頼む。」

「それ以外にあるんですか?」

「これは思いたく無いんだが…兄さんが俺と闘う為だけに遥をさらったという線もある。」

「そ、そんな事の為に遥ちゃんをさらうんですか?」

俺はそんなバカなのかと思ったが。

「まぁ、頭の片隅にでも置いといてくれ。それより急ごう。遥が心配だ。」

「は、はぁ。」

この時の俺はそこまで変な人じゃないだろうと思っていた。

_______________________

「前からワシャずっーと望んでいたんや。堂島の龍と直接やりあえる。この機会をのう!」

バッティングセンターに入って少したった後真島さんが来てこう言っていた。

桐生さんの言うとうり嶋野の狂犬は読めなくてバカな人でした。

~~桐生視点~~

(うーむ。やっぱりこの人はそういう事の為に遥をさらったのか。考えるだけで頭が痛くなってくるな。)

ほんの数分前の事

『会いたかったでぇ!!桐生ちゃぁぁん!!!』

『真島の兄さん…お久しぶりですね。』

『ええのぅ。見た感じムショ勤めでも体は鈍ってないよう野なぁ。』

『兄さん、今はそんな話をするためにここに来た訳じゃ無いです。遥を返して貰えませんか?』

『別に…ええで。嬢ちゃんならそこに隠しとるわ。ワシャお前…』

言葉の途中でボールが兄さんの頭に当たった。

しばしの沈黙そして兄さんの爆笑それに続き組員も笑い出す。しかし、俺らを除く組員の中で笑っていないメンバーがいた。おそらく新しい組員だろう。

『笑いどころやないか!!!』

ガツン!

バットが組員の頭に直撃してしまった。

『このドアホ!何で今の所で笑う事が出来んのや!』

バットを使い何回も組員を殴っていた。竜也の方を見ると不思議そうに見つめていた。確かに普通の人間の反応ならばそれなのかもしれない。

(これ以上はあの男が可哀想だな。)

『真島!止めろ!』

『あ?まぁそうやな。ワシの楽しみが目の前にいるんや。』

兄さんは笑みを浮かべながらバットを握りしめていた。

『前からワシャずっーと望んでいたんや。堂島の龍と直接やりあえる。この機会をのう!』

こんな感じでいろいろと起こったのだ。

「桐生ちゃん。何ぼーっとしてんのや?これ以上ワシを焦らすなや!」

真島組の奴らもぞろぞろとバットを持ち始めた。

「竜也、周りの連中を頼む。」

「はい。」

「行くでぇ…桐生ちゃぁぁん!!」

〈真島吾朗〉

俺が戦闘に意識を向けるより早く兄さんは攻撃を仕掛けてきた。

バットを地面に叩きつけたかと思うと、バットの反動を生かしそのまま自分の体ごと、宙に浮かびバットで殴ってきた。

「!?くっ!」

右腕で急に受け止めたため、右腕が痺れた。しかしその程度で思考を止めていられるほど、兄さんは甘くはない。

すぐさま右手でバットを掴み反撃をしようとすると、逆に手を離し、手刀で喉元を狙ってきた。

バットを遠くに飛ばしながら左手で手刀を抑えて、何とか開始早々の死闘を凌げた。

お互いの距離が50㎝ちょいの距離感での組み合いが続く。

「やっぱりええなぁ。桐生ちゃんとやっとると楽しくてしゃぁない。お前もそうやろ?」

俺はそれには答えずこの人の隙を探した。

(ダメだ…この人は一見隙だらけに見えるが何処か突こうとすればすぐさま反撃が飛んでくる。)

「考えすぎやで。」

「どういう事だ?」

「これはただの喧嘩やない。命張った喧嘩…言わば殺し合いや。せやのに桐生ちゃんと来たらどこをどう動いたら勝てるとか、理屈で考えすぎや。」

「何が言いたい?」

「直感や。」

「何?」

「ワシは今から直感で桐生ちゃんの攻撃を避ける…全部や。」

「上等だ!」

お互いに一気に離れそのままラッシュスタイルへと移行。ラッシュ自慢のスピードで兄さんの顔面へと殴りに行く…がこれは囮 本命は右の蹴り。

(いくらラッシュスタイルでも全力の蹴りなら、兄さんもきついはずだ!)

「うぉぉぉ!!」

兄さんは俺の上半身しか見ていない。

(決まりだ!)

右ストレートは背中をのけ反り回避。そして蹴りは……飛んで回避された。

「な!?」

いつの間に取っていたのか、飛んでいる兄さんの手にはバットが握られていた。

そのまま腹へと突かれた

ドスッ!!

「くそっ何故?」

「甘いのう…桐生ちゃんアマアマや。そんなんじゃすぐにやられて終わりやで。」

バットを器用に回しながら近づいてきた。

「そんな足に力溜めとったらバレバレやで。一瞬で全ての情報を手に入れてそっから相手がどう来るか見分ける。」

俺の真ん前に立った兄さんに俺は攻撃を仕掛ける事が出来なかった。

「桐生ちゃん。鈍ったなぁ…が、わるないで。」

「何?」

俺は言ってる意味が分からなかった。

「今の攻撃や。鈍ったちゅうのにあそこまで速く動けるんやから上出来や!」

「褒められてる気がしねぇな。」

実際本心だった。あそこまで実力がついているのだ。

「何や、ワシは嬉しいんやで。ムショいっとっても、この十年で変わったといえば反応速度くらいや。むしろ攻撃は今のが凄いで。」

自分では違いに気づけないため、首を傾げるしかない。

「ええか。桐生ちゃん、戦いで悩み過ぎたらあかんで。それじゃそろそろ再開しようや!」

先ほどと同じく、バットでの突きが、バットを避け、足を踏み動きを封じる。

「ほう…?でも、まだや!」

踏んでいないもう片方の足の蹴り。

「はぁ!」

壊し屋スタイルになり、蹴りを防ぐ。

「オラァ!」

ドスッ!

兄さんの腹をお返しと言わんばかりに殴り返す。そのまま、よろめいた兄さんの肩を掴み顔面を殴り続ける。最後に殴り飛ばした。

「ハァ…ハァ…どうだ?」

しばらく動かなかった兄さんだが、また動き出した。

「やるやないか…これなら本気でやっても問題ないな。」

バットを捨て、ドスを取り出した。そのドスには不思議な事にドスの刃にどす黒いヒートがついているのだ。しかし兄さん自身はヒートを出していないというあのドス自体が意思を持っているかのようなものだ。

あのドスを使い、兄さん一番の強みスピードで切り刻むスタイル“嶋野の狂犬スタイル”

(兄さんがあれを使うとなると、俺も本気でやるしかないか。)

昔ながらのスタイルを止めて、使うのは伝説と名付けられた“堂島の龍スタイル”

東城会本部から抜け出した時もこのスタイルだったが、あの時よりも動けるはずだ。

「何や、桐生ちゃんもようやく本気か。」

「えぇ…まぁブランクはありますけど、戦えない程じゃない。」

周りを見てみるともう戦いは終わっていた。

「なんや、桐生ちゃんが連れて来た若いのもやるやんけ。」

どうやら兄さんも周りを見ていたらしい。

「あいつとも楽しくやれそうやなぁ。ヒッヒッヒ。」

「あいつはかなり強いですよ。」

「ほう…桐生ちゃんに強いと言わすとは何もんや、あいつ?」

「年齢的には高校三年かと。」

「高校!?ほんならあいつまだ成人してんのか!?」

俺も自分で言っていてびっくりする。確かに顔は若いが、実際いきなり高校生と言われれば驚くだろう。

「まぁええわ。それより速く終わらせようか、この勝負。」

ドスを構えヒートを出す。

(いきなりか。まずはガードだな。)

「行くでぇ。桐生ぅぅ!!」

ドスをのけ反りながら回避、裏拳でドスを持ってる手を叩くも、離す事は無かった。

ドスを真下に突き刺してくるが、余裕を持って兄さんの隣に立つ。

全力の一撃。これは少し顔を動かすだけで終わる。

(まだだ!)

膝蹴り 手刀 アッパー 肘打ち 

休む事なく、連続で攻撃し続ける。

「ぐっ!ぬぅ…」

兄さんの表情に焦りの顔が見えてきた。

顔を掴み、足を掛けて倒す…が、回避され背中に刺された。

グサッ!

「桐生さん!」

竜也の叫び声が聞こえた。

刺されたまま、取り敢えず兄さんから離れる。

「ぬ…ぬぅ…」

背中のドスを痛みを感じた所を頼りに抜く。

兄さんとは正反対の場所にドスを投げ、改めて兄さんと向き合う。

「どや、桐生ちゃん。久しぶりに喰らった感じは?」

当たり前だが、気持ちのいいものではない。

(あまり深く刺さらなかった事が、儲けものだな。)

兄さんから目を離し足元を見るとボールが落ちていた。

(これを使えば…)

「桐生ちゃんそんなものじゃワシに傷を付けることなんて出来へんで。」

確かにそうかもしれない。ただ投げるだけでは。

(喰らうかどうかは喰らってから考えろ!)

ボールを兄さんに向けて全力で投げる。これをあまり気にかけない兄さんそれこそが俺の狙いだ。

超低空姿勢で兄さんとボールが直線上に並んだ所をアッパー元々強力な(自分で言うことでも無いが。)アッパーに硬球ボールの固さも入っている。肩を押し少し距離をとって空いた脇腹に蹴りを入れる。

バキッ!!

肋骨が折れる音が聞こえる。

(終わったか…遥を迎えに行かなくては、もう竜也が行ってるかも知れないが。)

ちょうど遥がいる所に兄さんが居てくれて助かったかも知れない。疲れた為目を閉じていて、開くと兄さんが目の前全体にいた。

「!?」

咄嗟の事だったが上手くガード出来た。これで俺と兄さんのたち位置が逆だったら兄さんの方を見ずにやられていた。

「ハァ…ハァ…流石に…強いなぁ…今完全に…決まった思うたわ。」

「俺も…あんたがまだ…立ち上がれる事に…驚きだな。」

(流石にもう限界だぞ!)

体の状態を見ると、兄さんが顎、腹等喰らっている箇所は多い。逆に俺は辛い箇所は腹だけだがドスに刺された背中もある。もちろん端から見れば兄さんが辛いかも知れないが、俺は十年の内に体力が落ちたのだ。これ以上は俺の体力的に闘えない。

(悔やんでいても仕方ない。やれるだけやってやる!)

しかし勝負は意外な形で終わりを告げる。

「死ねぇぇ!桐生ぅぅ!!」

竜也が気絶させた組員の一人が気がつき兄さんが使っていたドスを持って俺に向かってきた。

(くそっ…ここまでか。)

その時真島の兄さんが俺の前に立ち、組員の攻撃を黙って受けた。

「お、親父!どうして…」

「こんのドアホ!!桐生ちゃんを…やんのわなぁワシだけなんじゃぁぁぁ!!!」

そこまで言って兄さんは倒れた。元々かなりお互いに無理した勝負だったのだ。あそこまでお互いやれたことが、誉めても良いだろう。

組員は兄さんの肩を掴みバッティングセンターから出ていった。

そしてここには俺と竜也しかいなくなった。

「おじさん!」

「遥…すまなかったな。」

「ううん…私こそごめんなさい。竜也くんも…」

「いや、俺の方は桐生さん程じゃないし…それより支えますよ。」

「いや…大丈夫だ。それより遥も無事助けられた事だ。セレナへ行こう。」

「あ!そうだ竜也くん。」

「ん?どうかした?」

「あのね。竜也くんにすぐ知らせて欲しいって私の事を助けてくれた人が言ってたの。」

(竜也が助けた訳では無かったのか。)

「俺に…?」

「うん…何か手紙をすぐに見て欲しいだって。」

「手紙…?遥ちゃんを助けたのって女の人?」

「ううん。男の人。」

俺は全く話が分からないため、話しかける訳にもいかない。

「じゃ…じゃあ心当たりがある場所に行ってきます。」

「あぁ。ただ罠の可能性もある。気を付けろよ。」

「はい。」

竜也は俺達より先に出ていった。

「遥…俺達も行こう。」

「うん…」

_______________________

「じゃあその謎の男は遥のペンダントを狙っていた訳ではねぇんだな。」

俺達は竜也を待たずして伊達さんとさっきあった事を話していた。

「うん。でもあの人…このペンダントには百億の価値があるんだよって。」

「百億の価値だと!じゃあそいつは遥からペンダントを奪ったのか?」

「ううん。無くさないで持ってろだって。」

「どんなペンダントなんだ?」

遥は俺らにペンダントを見せた。

「鍵付きかぁ…壊すってのは?」

(伊達さん流石にそれは…)

「「駄目よ!!」」

麗奈と遥に怒られていた。

「……冗談だ。」

「ただ今の状況で一つ分かった事がある…俺達はいつの間にか事件の中心に立たされていたって事だ。」

 

 

 

 

しかしまだこの時の桐生は気づいていなかった。このペンダントが後に大切なものを壊す事になろうとは。




感想をくれると喜びます。次回はオリジナルストーリーです。2月15日までに投稿します


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11話 竜VS錦鯉

少し遅くなりましたか11話です。
今回も変更点があり、他の人の小説を見てみてそれを参考にしてみました。



「花屋あの手紙を返してくれ」

 

バッティングセンターで真島組との死闘を終えて、遥ちゃんが言っていた変な男が手紙を見ろと言ったこと。それは恐らく俺の読みが当たっていれば…

 

「(まぁそれで心愛の手紙の事だったらちょっとビビるけどな)」

「あぁホラよ」

 

心無しか元気が無いように聞こえた。

 

「何かあったのか?元気無いぞ」

「気にするな。ちょっと問題が起きただけだ」

 

花屋にこれ以上話しても話が聞ける訳無いので大人しく諦める事にした。

 

「そうか…何かあったら言えよ。別にそこまで面倒事じゃなきゃ手助けしてやる」

「あぁそうさせて貰うよ。まぁ暫く頼む事は無いだろうがな」

「そっか…じゃあな」

 

花屋はこちらを向かず、手を振るだけで終わった。

_______________________

一回セレナに行く事も考えたが、家に帰り手紙を読む事にした。

 

「(これで心愛の手紙が違かったら後はもう無いな)」

 

少しの期待を持ちつつ俺は手紙の封を開けた。

 

『竜也くんへ。さっきはありがとう。いきなり押し掛けたのに…でもあんまり長い事話している時間も無いんです。私は今ある組織の人の事を匿っています。竜也くんの所にもその人の側にいなきゃいけないので行くことが出来ません。なので一緒に入っている電話番号に電話してください。お願いします』

 

封筒の中には小さい手紙が入っていた。

 

「これか?」

 

手紙には知らない電話番号が書いてあった。

 

「(俺の知らない番号…悩んでいてもしゃあねぇ!)」

 

半ば強引に自分を納得させて、電話を掛けた。

電話の主はワンコールで出てきた。

 

『良かった!竜也くん手紙読んでくれたんだね!』

 

その声は三日前に聞いた心愛の声だった。

 

「喜ぶのはお前じゃねぇだろ…何でお前が東城会に追われてるんだよ?」

 

『そ、それは…』

「まぁ良いや。それより…」

『手紙の事だよね』

「あぁ…誰を匿ってんだよ」

『それも説明したいの。明日朝9時埠頭に来て』

「良いのか?手紙では動けないって…」

『それは神室町に行くのはって話。別に埠頭なら問題無いよ』

「そっか…じゃあ明日」

『うん』

「(何か電話だけなのに疲れたなぁ…まぁ明日の為に寝るか)」

 

普通に真島組の連中と闘ったからかも知れないが、死んだかの様に眠ってしまった。

_______________________

翌日

時計を見ると8時50分だった。

 

「(来るとしたらそろそろか…)」

 

暫くすると心愛が来た。

 

「竜也くん。昨日はごめんなさい」

 

会ったと思ったらいきなり謝って来た。

 

「何で謝るんだよ?」

「だって昨日…竜也くんが知りたい事一つも教えて無いから…」

「気にすんなよ。別に今日教えてくれれば良いし、俺は」

「うん…」

 

「(はぁ、女ってのはこれだから)」

 

「言いたくないなら別に良いぜ」

「べ、別にそんな事…無いよ…」

「ならそんな顔してんじゃねぇよ」

 

今の心愛はこれ以上責め続けたら泣いてしまうかの様な顔をしていた。

 

「…ごめんなさい」

「気にすんなっての…まぁならいっか」

「…え?」

「別にお前が言いたくないなら帰るだけだし。じゃあな」

 

俺はそのまま帰ろうとすると、心愛が袖を掴んできた。

 

「…桐生一馬」

「……え…?」

 

突然出てきた桐生さんの名前に俺は首を傾げるしか無かった。

 

「私が今匿ってる人はその人を探しているの」

「ちょ、ちょっと待った。まずその人を教えてくれねぇかな。言いづらいなら別にいいけど」

 

心愛は少し悩んだかと思うと、口を開き始めた。 

 

「…私が今匿ってる人の名前はか」

 

パチパチパチ

 

何処かからか、拍手の音が聞こえた。

 

「ふぅ…探したぞ。心愛」

「!?錦山…さん。どうしてここが?」

「何て事はない。ただしそれでも時間はかかったけどなぁ」

「誰だ。あいつ?」

「東城会の直系の組長なの。でもまさか組ほとんどを連れて来るなんて」

 

「(何だ?あの人何処かで見た気が…)」

 

俺はあの錦山という人間を見た気がするのだが思い出せない。

 

「久しぶりですね。黒瀬竜也さん」

「お前…安堂…!どうして組が二つも仲良く埠頭にまできてんだよ」

 

そして錦山の隣にいたのは、昨日俺に話しかけてきた安堂剛だった。

 

「極道界にも色々あるんですよ。しかしまさか錦山さんから連絡があり、いざ来てみれば君もいるとは」

「心愛…早くお前が持っている物を寄越せ」

 

「(心愛が持ってる物?)」

 

「嫌です…だってあなたにこれを渡したら…」

「早く渡せと…言ってるんだ!!」

 

俺は咄嗟に心愛の前に立っていた。

 

「竜也くん…」

「てめぇら…恥ずかしく無いわけ?嫌がってる人に対して無理矢理やるとかさ」

「んだと!?」

 

錦山組の後ろにいた連中が反応し出した。

 

「(良し。後は…)」

 

俺はこっそり心愛に耳打ちした。

 

「心愛。俺は今からお前が逃げれるだけの時間を稼ぐ。俺は連中に向かったら、すぐさま逃げろ」

「そうしたら、竜也くんが…」

「俺なら大丈夫だ。暫く会えないだろ。この調子だと」

「うん…」

「そっか…まぁすぐに逃げろよ」

「分かった」

 

心愛はすぐに埠頭から出ていこうとした。

 

「女が逃げたぞ!」

「まぁ待てよ。てめぇらは俺が相手してやっから」

 

わざとらしく右手の指を曲げて挑発した。

 

「くそが!てめえ楽に死ねると思うなよ」

「さぁて、ゲーム開始だ」

 

<錦山組組員>

 

俺は自分でも不思議に思うくらい笑いながら約150対1の勝負が始まった。

 

「オラァ!ハァ…ハァ…」

「こいつ!?こんだけやってんのにまだ倒れねぇのかよ」

 

状況的に言えば、俺が40人位倒した位だろう。俺も息が上がってはいるが、まだやれる。ふと片隅にドラム缶が映った。

 

「(あれを使えば…やれる!)」

 

俺は昨日自分なりに桐生さんのヒートについて考えてみた。あの人の闘い方は俺と似ている所が会った、つまりだ。俺のライフルスタイルの状態でヒートを使えば。

 

「(来た!)」

 

黄色のヒートを纏ったライフルスタイルになるという訳だ。

 

「オラァ!」

 

ドラム缶を振り回しながら少しずつ敵の数を削っていく。

 

「ハァ…ハァ……もう…終わりかよ…」

「くそっ!こいつ…」

 

組員の数がようやく100人を切り、後少しというところで一人の男が入ってきた。

 

 

「お前らはもう良い。後は俺がやる」

「お前……」

「親父!?あんたが出る必要はありません!」

「ほぅ、あなたが出るとはどういう風の吹き回しかな?」

 

俺、安堂、組員達が揃って声を出す。その相手とは錦山組組長 錦山彰だった。

 

「お前らじゃあいつまでたっても終わらない。俺がこいつを殺して終わらせてやる」

「……あんたが俺を倒せるっていう根拠は無いだろ?」

「倒せるさ…今のお前ならな」

「今の俺ってのはスタミナ的な面でか?それとも…」

 

俺の話は終わる前に奴が一歩足を出してきた。闘い方をハンドガンスタイルに戻し、奴の動きをよく見る。

右、下、上、左、右、上、左、下、いくつものラッシュを直感で避け続ける。

 

「ハァ…ハァ…くそっ!」

「ふんっ!!」

 

ドンッ!!

 

一瞬の隙を突かれ、胸に掌底を喰らい吹っ飛ばされた。

 

「!?カハッ…」

 

たまらず咳き込んでしまう。

 

「終わりだな」

「ハァ…ハァ…ま、まだだ…」

 

錦山は俺を睨む様に見ると。

 

バキィ!

 

足の骨を折ってきた。

 

「!?て、てめぇ!」

「もう何も出来ねぇだろ。諦めろ」

「何で…こんだけで諦めなきゃなんねぇんだよ!」

「そうか……」

 

バキィ!

 

もう片方の足も折った。

 

「くそ……!」

「次は手を折る。今の内に心愛に電話してあいつを呼び出せ」

「呼び出したら、どうすんだよ」

「お前が知る必要は無い」

 

「(この状態で逃げるには……)」

 

「分かった」

「あぁ」

 

奴は俺に向けていた殺気を少し弱めた。

 

「(今だ!)」

 

折れた足で何とか立ち上がり錦山に頭突きをした。

 

「!?お前!」

「くそ…やっぱこれだけじゃダメか。でもじゃあな」

 

奴には対して効いていなかったが、俺は笑いながら埠頭の海に飛び込んだ。

 

~~錦山視点~~

「おい!早くハジキ持ってこい!」

 

逃がす訳にはいかなかった。このまま逃げられるなら今ここで殺した方が良い。

 

「ど、どうぞ親父」

 

バンバンバンバンカチッカチッ

 

暫く打ち続けていたら球切れになってしまった。

 

「錦山さん。もう黒瀬さんは死んでいるでしょう。埠頭を見てみて下さい」

 

安堂の言うとうり海を見てみると、血が少し滲み出ていた。

 

「撤収するぞ。歩けない奴は他の奴らに担がせてもらえ」

 

「(あれだけは他の連中に渡すわけにはいかない。俺の野望の為にも)」

 

俺は車に乗り車は事務所に向かい走り出した。




後半が酷いですね。タイトル詐欺と言われても何も言えません。竜也は死んでしまったのでしょうか?
次回は24日までに投稿します


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12話 父と子

目を覚ますとそこは見覚えのある場所だった。

 

「ここは…ッ!」

「まだ起き上がんない方が良いぜ」

「秋山さん…」

「何せ、両足の骨はバキバキに折られてて、腹や、その他色んな場所に銃弾喰らってんだから」

 

そう言えばそうだったと思い出す。

 

「ここは…?」

「俺の家、まぁ家らしいもの何かほとんど無いけどね。花屋がいなかったら治療も出来なかった」

「でもありがとうございます。でもあれから何時間位立っているんですか?」

「九時間」

「九時間……」

 

「(そんなに時間が立つなんて……)」

 

「竜也調子はどうだ?」

「花屋か…」

「また随分とやられたもんだな」

「うっせ…でもどうやって俺の事を……」

「カメラの取り付け数を増やしておいて良かったな」

「勝手に自分で納得した言い方してんじゃねぇよ」

「まぁまぁ……でもこれからどうする訳?」

 

俺はあまり体を起こさず自分の状況を見てみた。

 

「とりあえず歩ける気はするんで、気分転換がてら散歩してきます」

 

ちょっと力を入れて立ち上がり二人を見ると、驚愕の顔でこっちを見ていた。

 

「どうした?」

「いやいやどうしたじゃないでしょ!」

「あぁ…俺もあまり歩く事は進めないが」

「まぁ、あくまで気分転換ですよ」

 

俺は二人の注意もろくに聞かず外に出た。

 

「ふぅ…少しの痛みはあるけどこれくらいなら大丈夫かな」

「おい!竜也」

「秋山さん。どうしたんですか?」

「どうせ止めても散歩止めないだろうからってこれ花屋から」

 

秋山さんから貰ったのは松葉杖だった。

 

「花屋にありがとうって言っといて下さい」

「あぁ分かったよ」

 

「(さぁどこ行こうかな)」

_______________________

何やかんやで俺がやって来たのはセレナだった。

 

「今、人いるかな?」

 

特に心配する必要もなく伊達さん以外の人がいた。

 

「竜也!?お前どうしたんだその足」

「まぁちょっと…」

 

「(まぁ普通そうだよな)」

 

「足の事は別に気にしないで下さい」

「そうか……」

 

俺は心配させない様に言ったが桐生さんは心配してるみたいだ。

 

「これから何処か行くんですか?」

「あぁ、新しい情報を手に入れようと思ってな」

「俺も手伝いますよ」

「だが、その足では上手く動く事は無理だろう。気を付けろよ」

「はい」

 

俺と桐生さんは寝ている遥ちゃんを置いていき、セレナの外へと出た。

 

「とりあえずどうしますか?」

「そうだな……ん?あれは」

 

桐生さんが目をやった方を見ると、ホームレスの一人がこちらへ来ていた。

 

「桐生さん、竜也くんちょっと良いですかね?」

「確かあんたは…」

「モグサです。いつもはボスのモニターの管理をやってます」

「そんなあんたが俺達に何の用なんだ」

「実はですね、ボスの身内にトラブルらしくてずっと不機嫌なんですよ」

「あいつが?」

「ええ。それでそれとなくボスにどんな状況なのか聞いてくれませんかね」

「どうする?竜也?」

「別に良いんじゃないですか?ここらで花屋に恩を売っとくのも悪くないですし」

「そうか。竜也が良いなら俺も別に断る理由は無いしな。聞いてこよう」

「あ、ありがとうございます!」

 

「(まぁ俺も散歩って言った以上一回はあっちに顔出さねーとな)」

 

モグサさんは俺と桐生さんが見えなくなるまで頭を下げていた。

_______________________

花屋の所に行くと、デカイモニターにはバッティングセンターの中にいる二人の男女が映っていた。

 

「これのどっちがお前の身内な訳?」

「竜也か……男の方だ」

「あれがあんたの息子か」

「桐生もいたのか…お前ら何時からそこにいるんだ!?」

「いい女だなぁ 趣味のいいガキだ」

「まぁ 悪かぁねぇ。ただどこぞの組長の娘じゃなかったらな」

「この町の組な訳?」

「いや、浅草のケチな組さ。桐生お前が来るような情報は来てないぞ。無駄足だったな」

「そうか」

 

俺は花屋から少し離れた所で桐生さんに話しかけた。

 

「どうします?」

「決まってる。花屋を助けるぞ」

「はい」

_______________________

「竜也、お前その足で松葉杖ついているとはいえ、大丈夫なのか?」

 

桐生さんは俺の足の事を聞いてきた。

 

「ええ、まぁ。でもおそらく“今日は”喧嘩出来ないですね」

「そうだよな………ん?お前今“今日は”って言ったか?」

「はい。どうしました?桐生さん」

「いや……なんでもない」

「?……とりあえず、急ぎましょう」

「あぁ…」

_______________________

~~桐生視点~~

「こっから先は俺一人で行ってくる。お前はここら辺で休んでろ」

「はい」

 

「(何も無いとは思うが何かあったとき、こいつは喧嘩するだろうしな)」

 

バッティングセンターの中にはあのモニターに映っていた男女二人しか居なかった。話し掛けるべきか悩んだが、一度素通りする事にし、素通りすると

 

「うぉぉぉ!!」

「何の真似だ?」

 

花屋の息子の方が持っていたバットを手に殴りかかった。

 

「逃げろ!京香!」

「うん!」

 

女の方に逃げられた。

 

「(あの女の方は竜也がどうにかするだろう。それよりも問題は……)」

 

「一人か?」

「待てよ。何か勘違い…」

「うるせぇ!…組長に言っとくんだな。娘さんは……京香は俺が幸せにしますってなぁ!」

 

「(俺をあの女の組の一員だと思ってんのか?……誤解を解くのも面倒だ。少しお灸を据えるとするか)」

 

振りかざされたバットを掴み、そのまま無防備になった顔面に拳を入れた。

 

バキッ!

 

鼻が折れ、鼻血が止まらない様だが時期止まるだろう。

 

「ぐぁぁ!?」

「大人しくしろ。これ以上怪我をしたくなかったらな。俺はこう見えてもカタギだ」

「……カタギ?あんたがか?」

「あぁ。分かったら一回座れ」

 

しばらくこっちを見つめていただけの息子は時期に座った。

 

「何でさっきは俺を襲ったんだ?」

「京香の親父の組かと思って……」

「何か追われるような訳でもあるのか?」

「あぁ。実は俺と京香は逃げてきたんだ」

「それは、その親父さんの組からか?」

「そうだ。……ってこんな事話してる時間は無いんだ。早く京香の所に行かなくちゃ!」

「俺の仲間が外にいるんだ。そいつが引き留めてるかもしれない」

「本当か!?早く行こう!」

 

一度バッティングセンターから出て周りを見ると、そこにはジュースを飲んでる竜也しか居なかった。

 

「竜也…さっきここから出ていった女が居なかったか?」

「え?あぁ確かにさっきここから出ていった女の人がいましたけど……もしかしてさっきの人って……」

 

「(こいつは数分前に見たモニターに映ってる人の顔すら一致しないのか……)」

 

俺は竜也の記憶力に呆れつつ、息子に話を戻した。

 

「おい、あの女は何処に向かったんだ?」

「多分だけど…劇場前広場にある“デボラ”ってクラブのはずだ」

「よし、そこまで急ごう」

「ダメだ」

 

ふと、声の方向を見ると数人の人数で固まっていたギャングらしき奴らがいた。

 

「おい、タカシお前チーム抜けるって大事な事メールだけで済ますってのはどういう事だ?」

「……後で…筋は通すつもりだったんだ」

「いいや、お前の事だからそのままトンズラだろ。そんなんだからよぉ…パシりで鍛えてやったんだろうが」

「今いそいでんだよ」

「なめた事言ってんじゃねぇぞ!」

 

「(らちが空かないな)」

 

「竜也、こいつ連れてデボラってクラブに行け」

「はい。お前早く行くぞ」

「あ、あぁ」

「話はまだ終わってねぇんだよ!」

 

ドスッ!

 

竜也が持っていた松葉杖で捕まえようとした奴の腹を刺した。

 

「てめぇらの相手は俺だ」

「邪魔すんなよオッサン」

「俺が、オッサンか。笑えるな」

「あ?どういう事だよ」

「今からお前らはそのオッサンに負けるんだよ」

 

リーダーらしき奴を始め、さっき竜也に殴られダウンしてるやつ以外は全員笑い出した。

 

「あんたが俺らを倒すだって?あはは、笑わせんなよオッサン。タカシの奴が鼻血を出してたのはあんたがやったからかもしんねぇけどあいつと俺らを一緒にすんなよ」

 

「(話を聞いているのも面倒だ)」

 

一番近くにいた、二人の意識を顎に一発放ち素早く刈り取った。おそらくやられた二人はやられた事にすら気づいてないだろう。

 

「あははは…は?」

 

他の奴らも仲間がやられた事に気づいたらしい。

 

「これでもまだやるか?」

「なめんじゃねぇ!」

 

リーダーの男はやる気の様だが、他の連中はというと。

 

「リ、リーダーこいつヤバいですよ」

「う、うるせぇ!やると言ったら殺るんだよ!」

「はぁ……そう言うことならお前一人だけで来いよ」

「じょ、上等だ!ぶっ殺してやる!!」

 

「(フゥ…自分と相手の実力差も分かんないのか)」

 

もちろん、分からないのは俺が殺気を出していないからなのかもしれないが。

 

「ふっ」

 

特に危険視する必要もジャブ。それだけで奴は吹っ飛んだ。しばらくは痙攣していたが、それすらも止まった。

 

「終わりだな。そこを開けろ」

「……ど、どうぞ」

 

「(確か劇場前広場にある“デボラ”だったな)」

_______________________

中に入ると、既に事態は終了していた。

 

「あ、桐生さん少し遅かったですね」

「あぁ。まさかとは思うが、ここに伸びている連中は竜也がやったのか?」

 

周りを見ると、ヤクザ風の男共が伸びていた。

 

「いや、少し松葉杖で殴っただけなんですけどね」

「何があったんだ?」

「はぁ、それが………」

 

竜也の話によると、デボラに入ると既に女の組“跡部組”が中にいたらしく構成員共はタカシの奴を痛め付ける気だったようなので、それにキレた竜也が全員ボコボコにしたらしい(松葉杖でこいつらを伸せる程殴るとは……)そしてその後にタカシがエンコ詰めそうになったり、跡部組の組長からの伝言で二人共一緒に暮らせる様になったらしい。

 

「まぁこんな所ですかね」

「なるほどな。しかし、松葉杖で喧嘩するとはな」

「これのおかげで、武器の良い使い方が分かった気がします」

「ふっ、そうか。一回花屋の所に行こうと思ってるんだがお前はどうする?」

「じゃあ、俺も」

_______________________

「オッス、花屋」

「竜也と桐生か。あぁ、そうだ。さっきタカシの連れの親父さんがあんたら二人にってこれをくれたぞ」

 

花屋から貰ったのは木刀二本だった。

 

「京香って女の親父さんからか……ありがたく使わせてもらおう」

「ここで一緒に見ててな、お前らに感謝していた。俺からなんだが、竜也は知ってるがここにはカジノがあってな。そこにお前ら二人共入れる様にしておいたぞ。暇な時にでも入ってやってみてくれ」

「あぁ」

 

花屋の所から出てきた俺に竜也が話しかけてきた。

 

「桐生さんこれからどうします?」

「一回セレナに戻るつもりだ。竜也は?」

「まぁ帰っても良いんですけど、どうせやることないですし、俺も行かせてもらいます」

 

こうして俺達はセレナへと歩き出した。




今回もギリギリの投稿です。
次回は3月5日迄に投稿します


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13話 父と子 その二

この三月中1度も投稿出来ずに本当にすいませんでした。
これからは自分のペースでこれくらいに頻度にならないように気をつけながらやって行きますのでよろしくお願いします


セレナに戻ってきた俺と桐生さんは酔いつぶれてる伊達さんを発見した。

 

「伊達さんどうしたんだ」

「何か酔ってる時にいっぱい言ってたわね。娘さんの事だった気がしたけど……」

 

「(また、親子絡みかよ……)」

 

何か嫌な胸騒ぎがした。とりあえず伊達さんを起こす事にした。

 

「伊達さーんもう結構な時間ですよー」

 

呼んでみても特に反応は無く、とても酔いつぶれてる事がわかる。と、その時

 

プルルルプルルル

 

「電話?」

「伊達さんの所ね」

「沙耶って書いてありますけど…」

「それ、伊達さんの娘よ。さっき話してた時その名前を何回も口にしてたから」

「とりあえずこのままじゃダメだろ」

「桐生ちゃん代表して出てみてよ」

「何で俺が?」

「電話 このまま出なかったら可哀想でしょ」

「そ、それはそうだが…」

「往生際が悪いですよ。桐生さん」

 

俺もその場のノリで、桐生さんに電話に出せてみようと考えた。

 

「た、竜也までもか…分かった。出てみよう。も、もしもし」

 

桐生さんが出てみると、電話を取っていない俺まで聞こえる声の怒声が聞こえてきた。

 

「バカ!何で直ぐに電話に出ないわけ!?捨てた女の娘の事なんかやっぱりどうでも良いんだ!じゃあもうこっちも勝手にするから!」

 

ガチャ!

 

桐生さんが発言する前に電話は切れてしまった。

 

「何か…凄いキレてましたね」

「あ、あぁ」

「桐生ちゃんが直ぐにでないからよ」

「お、俺のせいなのか?」

 

「(まぁ一概には桐生さんのせいとは言えないけど…)」

 

「ん、んぅん…何だ…桐生と竜也じゃねぇか」

「伊達さん起きたのか」

 

三人でさっきの電話の事を考えている内に伊達さんが起き出した。

 

「あぁ、ちくしょう。飲みすぎたか」

「確かに俺らが来たときには潰れてましたね」

「伊達さん。さっきあんたの娘から電話がなってな。俺が出てしまったが良かったか?」

「沙耶からか……親子の見苦しい所を見させてしまったか?」

「いや、別にそんな事は……」

 

俺は必死に弁解しようとしたが。

 

「いや、気にすんな。さて、一回外の空気でも吸ってくらぁ」

「伊達さん……」

「俺、ちょっと見てきます」

 

外に出ると伊達さんが悲しそうな顔をしていた。

 

「伊達さん。大丈夫ですか?」

「ん?あぁ、こう言っちゃなんだが、もう慣れちまった」

 

伊達さんは微笑を浮かべながら俺に話し始めた。

 

「実はな、俺は前は一課に所属していてな」

「?……」

「ただし、桐生の事件の裏を探り続けたら四課に追い出されちまった」

「そう、なんですか……」

「そして、その直後に家に帰ったらもう嫁と娘は居なかった」

「え……?」

「まぁ、あの時はろくに家になんか帰んなかったしな。あいつらも我慢の限界だったんだろ」

 

俺は何も言えなかった。伊達さんの悲しそうでもあり、少し笑っているような顔を見てると自然に口が止まってしまう。

 

「何だよ。そんな顔すんじゃねぇよ。さてと行くか」

「?…何処にですか?」

「沙耶の所だ。おそらくまだ“第三公園”にいるだろ」

「第三公園……」

「あぁ。それじゃあな」

「伊達さんは休んでろ」

「「桐生(さん)」」

 

桐生さんがいつのまにか外に出ていた。

 

「伊達さんはまだ飲んでろ。俺が会いに行ってみよう」

「いや、これは俺の…」

「伊達さん。こう言っちゃなんだがあんたとあんたの娘が会った所でいまより関係が良くなるかどうかは不明だ。だったら俺たちから伊達さんの事について話した方が良いだろう」

「桐生…分かった。ただばれない様にはついて行くぞ」

「構わないさ。行くぞ竜也」

「は、はい」

 

「(それで良いのかな?)」

 

若干不安になりながら、桐生さんについて行った。

第三公園はセレナから数メートルしか離れておらず、すぐさまたどり着いた。(余談だが、伊達さんは曲がり角で隠れてるつもりだろうが、伊達さんの着ているロングコートや、少し猫背なのも加わり余計に目立っている。ちなみに俺は松葉杖を置いてきている)

 

俺と桐生さんは中に入ったが誰も居なかった。

 

「いませんね」

「しょうがないな。伊達さんには謝るとしよう」

 

俺達はそのまま引き返そうとしたが。

 

「ねぇ、お兄さん達暇?」

 

女子高生が二人立っていた。

 

「何だ?お前らは?」

「まぁまぁそう言わないでさ、一人ずつで良いよね。条件は基本無し。だけど無茶過ぎるのはNG」

 

「(これって援交だよな。最近多いよな、それでいて通報するような女子もいるし)」

 

俺が一人で納得してると

 

「竜也、どうゆう事だ?」

 

一人だけ納得していない桐生さんがいた。

俺は女子高生に聞こえない声で話し出した。

 

「援交ですよ」

「援交?何だそれは?」

「簡単に言うとお金払う代わりに“ヤらせてくれる”ってシステムです」

「最近はそう言うのが多いのか?」

「さぁ、やった事ないので」

 

俺達で話を進めていると

 

「ねぇどうすんの?やるの?やらないの?」

「あーごめん。実は俺達探してる人いてさ、そんな事してる暇無いんだ」

「そうなんだ、じゃあこの話は忘れて」

 

「(こんな夜中に援交なんかやりやがって、親の顔が見てみたいわ)」

 

「沙耶、やっぱり見つかんないよ」

「大丈夫大丈夫、次行ってみよう」

「「!?」」

 

突然の名前に二人して目を見開いてしまった。

桐生さんが沙耶という名前の女子高生の腕を掴む。

 

「沙耶?」

「ちょっと!」

「君さ、伊達さんの娘?」

 

女子二人を引き止めてベンチに座らせ、話を聞いた。

 

「この行為事態は伊達さん知ってる訳?」

「はぁ?バカなの?知ってる訳ないじゃん」

「つまり勝手に自分を安く売ってる訳だ」

「あのさ、桐生さんの言い方は強いけど君たちホントに止めといた方が良いよ」

「あんたらが口出す必要無いじゃん」

「ホントそれ、チクリたきゃ勝手にチクってれば、私にはお金が必要なの!」

 

そう言うと立ち上がり伊達さんがいる方に走り出してしまった。

 

「(ヤバ!)」

 

俺は急いで追いかけると何とか伊達さんはばれなかったらしい。

 

「……沙耶」

 

しかし、さっきの会話を聞いてしまい伊達さんはショックでうちひしがれていた。

 

「駄目ですね。完璧どっか行ってますね」

「そうか……止めてしまってすまなかったな」

「……お兄さん達沙耶の味方?」

「たぶんな」

「そっか……実は沙耶今変な男にはまっててさ、チャンピオン街の“シェラック”って店にいる正太郎って奴。そんでそいつ、金のかかる男らしくてそれでああいう事してお金を稼いでるの。ねぇお兄さん達あの子ヤバいかも。何とかできないかな?」

「分かったからお前は帰ろよ」

 

俺が返事すると

 

「分かった」

 

返信をして帰って行った。

 

「さてと、シェラックでしたっけ?」

「あぁ、だがあそこはバーしか無いしな。お前はまだ未成年だしな」

「まぁ、外で待ってますよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―――――

チャンピオン街の外で待つこと数分間で桐生さんは出てきた。

 

「どうでしたか?」

「あぁ、“スターダスト”にいるらしい。どうやら3ヶ月前から“翔太”って名前で活動してるらしいな。スターダストには俺の顔馴染みもいる。行ってみよう」

「はい」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―――――

「あ!桐生さん。どうしたんすか?そっちの人は?」

「あぁ、俺の昔の知り合いでな、最近また会ったんだ。で、こちらの用なんだが、翔太ってのはいるか?」

「翔太ですか?あいつならあそこに」

 

「(チャラ……)」

 

そこにいたのは金髪で髪型や、服の着方などだいぶチャラそうな人物だった。そしてそいつと話してるのはいつ着替えたのか制服からピンクのワンピースになっていた伊達さんの娘だった。

 

「あいつか……行くぞ」

「はい…」

 

俺と桐生さんがあいつに向かうと、それより先に伊達さんがあいつらに向かっていった。

 

「沙耶!」

「お父さん!?」

「お客さん困ります」

「うるせぇ。帰るぞ沙耶」

 

翔太という奴は伊達さんに投げ飛ばされた。

 

「翔太!大丈夫?」

「沙耶……お前何でこんな所で」

「こんな所で?何よ?今さら父親顔?ふざけないでよ。今日だって約束忘れてた癖に!」

「それは………」

「お父さんはいつもそう。会ったって何も言わない。それでいていつもつまらそうにしてる。こんな時だけ父親ぶる」

「沙耶……」

「帰るね」

「沙耶ちゃん!」

 

ホストが止めるが娘は泣いたまま、スターダストを出ていく

 

「ちくしょう……」

 

伊達さんが項垂れていると、

 

「何よ!あんた達!?」

 

さっきの娘の悲鳴じみた声が聞こえてきた。

 

「沙耶!」

 

伊達さんもあわてて追いかける。

 

「竜也」

「俺達も行きましょう」

 

俺達も追いかける。

 

~~伊達視点~~

「ちょっと!離して!」

「うるせぇ!いいから来いや」

 

外に出ると、沙耶を何人かの柄の悪い男達がいた。

 

「おい!何やってんだ!?」

「あぁ?何だよオッサン」

「その子から手を離せ」

「んだよ?こいつは俺達の所で何十万も借金してんだよ」

「そうそう。だから俺らなりのやり方で借金返済してもらおうって訳。わかったら退きなよ」

 

「(沙耶……待ってろ)」

 

俺は連中に一人で向かおうとしたが。

 

「警察で何年間も勤めてた人が一人で特攻ですか?そんなんじゃ懲戒免職ですよ」

「竜也、伊達さんをからかうな。俺らで良かったら力になるぜ」

「竜也…桐生…」

 

桐生と竜也が立っていた。

 

「何だよ。てめぇらもその親父の味方?」

「まぁ、そんなとこだ。悪いが、その女は離してもらうぜ」

「ざけんな!」

 

沙耶を取り囲んでいた連中の一人が竜也に殴りかかったが

 

「?こんなもん?お返ししてやるよ」

 

ドンッ!!

 

竜也に効果は無く、殴り返された方が吹き飛ばされた。

 

「!?ヒ、ヒィ!」

 

他の連中も相手している強さを知り恐怖する。

 

「もっと来いよ。つまんねぇな」

「ビビんな!全員でかかれ!」

 

他の連中も俺と桐生にかかって来るが特に脅威ではなかった。

全員が倒れてあと俺はリーダー格の男の髪をつかみ話した

 

「俺はあの子の父親だ。お前らのボスの所へ連れてけ」

 

~~竜也視点~~

伊達さんが沙耶さんを襲った連中と一緒に行ってから数十分がたった。いまだに伊達さん達が来る様子はない。

 

「遅いっすねぇ伊達さん。一人で行っちゃいましたけど…」

「……竜也」

「はい?」

「ちょっと出かけるか」

「そうですね」

 

俺は桐生さんの真意をくみ取り外に出ていこうとすると

 

「待って…」

 

沙耶さんが俺らをひき止めた。

 

「翔太が言ったの。町金で借りた金すぐ返さないといけないから…どうにかして金作れって」

「いつからやってたんだ?」

「ほんとは初めてだったの…でも来週までにお金作れなかったら翔太殺されるかもなんて言うから……」

「てめぇの命惜しさに女頼った訳か。本当にてめぇを大切にしてるならそんな事言わねぇはずだが?」

「でも!私には翔太しかいないから……」

「伊達さんならお前を守る。自分がどんな目にあってもだ。てめぇだって分かってるだろ。てめぇを一番大事にしてるのは翔太じゃねぇ。伊達さんだ」

「ねぇ桐生さん竜也さん、私お父さんが心配」

「その町金の場所分かるか?」

「“ピンク通り”の“花形ビル”そこがあいつらの事務所」

「行くぞ。沙耶 てめぇも一緒に来るんだ」

「うん」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

花形ビルに到着して、中の様子を見ると

 

ボコッ!ドガッ!

 

伊達さんが殴られ続けていた。

 

~~伊達視点~~

「あんたさぁ、沙耶の親父さんなんでしょ。だったらあんたが代わりに払ってよ。そうすりゃあの女には関わらないし」

「……いくらなんだ?」

「店のつけが20 俺が立て替えたから利子つけて…400」

「翔太はよぉ俺らの系列で金借りたのよ。その利子が乗ってんだよ」

「!?…バカな?」

「払えないならさぁ、沙耶ちゃんしょうがないよね」

 

その言葉にキレ頭突きを喰らわすと

 

「翔太!?てめぇ何すんだ!」

 

殴られると同時に警察手帳が落ちる

 

「コイツ“サツ”だ!」

「へぇ~ 四課“マル暴”じゃねぇか」

「マジか!?やべぇじゃねぇか」

「まぁ待てよ。ねぇおじさん“マル暴”って事はさヤクザ集団から押収した“チャカ”もあるよね?」

「……どうゆう事だ?」

「押収したそいつらを俺らに横流ししてくれたら許してやるよ。悪い条件じゃないと思うけど?」

「………けんな」

「何?」

「ふざけんなって言ったんだ」

「へぇー良いんだ。アンタの所の娘がどうなっても」

「俺ぁ腐っても警察だ。汚職になんか手を染める気はねぇよ」

「……じゃあ死ねよ」

 

俺は殴られる事を覚悟したが、いつまで経っても殴られる事は無かった。

前を見ると桐生と竜也が立っていた。

 

「「てめぇらが死ねよ」」

 

~~竜也視点~~

 

「あ?」

「しょ、翔太!こいつらだ」

「へぇーアンタらが邪魔してくれた張本人なんだ」

「御託は良い。さっさと掛かって来いよ」

 

「(?もしかして桐生さん怒ってる?)」

 

俺は桐生さんの口調から察した。

 

「じゃあ行くぞ!こいつらぶっ殺しちまえ!」

 

翔太がナイフを構え他の連中も我流の構えを取り始める。

桐生さんが黄色のヒートの壊し屋スタイル俺はマシンガンスタイルになり連中に改めて向かい直した。

 

「オラァ!」

 

ジャブの様なパンチを躱し逆に反対側の空いた所に向けてローキックを放つ。

 

「グハッ!」

「!?ちくしょう!」

「遅せぇよ!」

 

仲間のやられている姿を見て他の奴が攻撃してくるが、遅いため回避するのは余裕があり、逆に反撃出来る程だった。

 

そして桐生さんの方を向いた頃には終わっていた。

 

~~桐生視点~~

「(ナイフを持った奴が1人に奴の仲間か…)」

 

俺は近くにあったテーブルを即座に掴み翔太の仲間の方に叩きつける。

 

「死ね!」

 

翔太の方が刺してくるが対した問題では無い。

背中を刺されながらも奴の襟を掴み投げ飛ばした。

俺はそのまま投げ飛ばした翔太に近ずき

 

「2度と伊達さんとあの娘には近かずくじゃねぇぞ」

 

その言葉を放ち俺らで外に出た。

_________________________________________________________

場所を最初の公園に移し、伊達さんと沙弥をお互いを見つめるように立ち、俺と竜也が少し離れた所で見守っていた

 

「お父さん…私」

 

パァン!

 

伊達さんの頬を叩く音が響く。

 

「沙弥…済まなかった。俺は悪い父親だ。お前に何か言うなんて事は本当はあっちゃいけない事だでもそんな俺でもお前に守って欲しい事がある。俺はお前自身の幸せのために暮らしてくれ。もし何かあった時には俺が守ってやる。守ってやるから…………!」

「お父さん…分かったから泣かないでよ」

 

沙弥が伊達さんに抱きつく。

 

「後は2人きりにしますか」

「あぁそうだな」

 

俺たちは2人の方を向かずに右手を挙げてそのまま帰って行った。



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14話 遥の気持ち

本当にお待たせしました(寧ろ、もう待たせ過ぎて待ってる人がいるのかも怪しい)
スランプに陥り、尚且つ高校生活で心身共に疲れてこれを見て書いてる暇もありませんでした。
これからも自由気ままにこれくらいのペースにはならないようにやっていきます。


~~伊達視点~~

昨日の騒動も実に良く考えると呆気なかったなと思いつつ警察署を歩いていると

 

「おはよう伊達君」

「課長……何か?」

「ちょっと話がね。今いいかね?」

「構いません」

 

急に署長室に連れられた

 

「話とは何でしょうか?」

「十年前君は独断で捜査を進め、その後のキャリアを滞らせた。分かっているとは思うが二度目は無いよ」

「えぇまぁ……」

「単刀直入に言う。今調べている件からすぐに手を引きなさい」

「どの件でしょうか?」

「交渉は無いんだよ。今すぐに引くように」

「……失礼します」

「おい!伊達君!」

 

課長が呼び止めるが無視して署長室から出ていく。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~~竜也視点~~

「おい、二人共こいつを見てくれ」

 

そう言って伊達さんが出したのは一枚の刺青をメインとした写真だった。

 

「これは?」

「今朝東京湾であがった女の水死体だ」

 

「あの桐生さんこれって」

「あぁ間違いなくあれだろうな」

「死因は頭部挫傷および出血多量によるショック死で死体にはコンクリートの重石をつけられ沈んでいた。それでいてかなりの拷問を受けていた」

「これって“美月”なんですか?」

「何とも言えないが………しかしこの刺青は美月の入れてた模様と一緒だろう?」

 

三人共に沈黙が続いている

 

「これは!?」

「どうした?」

「この辺りを見てくれ」

 

桐生さんが指した部分には刺青の少し下の部分だった

 

「小さく“歌”って文字が見えないか?」

「確かに見えますね」

「こいつは“二代目 歌彫”の仕事だ…この彫師は必ず自分の“銘”を入れる」

「って事はこの刺青も彫師が入れたのか?」

「あぁ俺の背中を彫ったのも歌彫だ。千両通りとピンク通りの間にある“龍神会館”にいるはずだ。もし写真の女が美月なら………遥には酷だ。遥には伏せておく」

 

遥ちゃんを置いていき、三人でセレナを後にした

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

途中で伊達さんとは別れ二人だけで龍神会館に入る事になった

 

「お前まで来る必要はあったのか?」

「あぁいやまぁ、どっちでも良かったんですけど何となく付いて行こうかなって」

「フッ、まぁ良いそれより行くぞ」

 

龍神会館の中に入ると白髪を後ろで束ねている一人の老人がいた

 

「お久しぶりです」

「おぉ桐生か。隣のそいつは?」

「少し前に出所しまして、こいつは最近俺と一緒に行動している奴です」

「どうも」

「あぁ、でお前はお前で世良の葬式で大暴れか。どうした?墨でも入れ直しにきたのか?それともそいつが入れるのか?」

「いえ…こいつはあなたが入れたものかと思い」

 

そう言って桐生さんはさっき伊達さんから貰った写真を見せる

 

「この文様は……“月下美人”だな。一年に一晩しか咲かねぇ花だ。で、こいつは俺が入れたのかって話だが……俺ぁ彫った刺青は全て覚えてる………こいつは俺じゃねぇよ」

「そうですか……」

 

直後 電話が鳴り出した

 

「もしもし…おうお前か…あぁ……いるぜ。錦山からだ」

「え………!?」

 

「桐生だ…」

 

「どうして俺がここにいると」

 

「何!?」

 

どうやら電話が終わったらしく桐生さんの声しか聞こえなかったが何かやるつもりなんだろう

 

「桐生、背中の“龍”色入れ直してやる。弱っちい“龍”じゃあ今の錦山には勝てないぜ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「もう十何年も前か……お前は“龍”を………錦山は“鯉”を背中に入れた。刺青ってのはそいつ自身が光らせるもんだ。今の錦山の背中はすげぇ色に輝いている。これで奴はやっとおめぇと対等に張り合えるんだ」

「俺と?」

「黄河を泳ぐ鯉はいつしか龍門に入る。龍門を泳ぎきった鯉はな龍へと生まれ変わるんだ。奴は龍門を登りきろうとしてるんだ。龍へとなる前にはお前という相手が必要なんだろうな」

 

色の入れ直しが終わり龍神会館を後にした

 

「一度セレナへ戻ろう」

「はい、さっきどんな電話だったんですか?」

「……セレナで話そう」

「?…分かりました」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

セレナへと戻り伊達さんとも合流し、今度は奥での部屋では無くカウンターで麗奈さんもいれ4人での話し合いとなった

 

「明日の夜10時にセレナで錦とサシで話す事になった。麗奈、その時だけ外して貰っても構わないか?」

「えぇ大丈夫よ」

「しかし錦山がその約束を破り大人数で来た時はどうする?」

「問題は無い」

 

桐生さんはどこからその自信が来るのか伊達さんの問に即答した

 

「そ、そうか…となるとここで遥を見ておくのは危険だな。どこか安全な場所に隠しておいた方が良いんじゃないか?」

「確かにな…どこか安全な場所か……」

「賽の河原…」

「何?」

「あそこなら警察も簡単には入れませんし、何よりあそこに興味本意で近づくやつもいません」

「そうだな…桐生問題無いんじゃないか?」

「あぁ、今の内に移動しておこう」

「行かないよ。私」

「遥ちゃん?」

「おじさん達…さっきお母さんの事調べてたんでしょ」

「「「「!?」」」」

 

どうやらあの時気付いていたらしい。

 

「なのに……なんで連れていってくれないの?私はここに遊びに来たんじゃないの!」

「遥ちゃん……あのね」

 

俺の言葉も聞かずに桐生さんに近づく。

 

「このペンダントでしょ。これが皆欲しいんでしょ!私なんて皆どうでもいい……」

 

「おじさんだって100億円欲しいからきっと…「はるk」

 

パンッ

 

俺が説明する前に桐生さんが遥ちゃんの頬を叩く。すかさず、気まずい空気が流れる。

 

「……すまん」

「お母さんの事教えてよ…何か知ってるんでしょ。教えないよ!何とか行ってよ!」

「遥…桐生はな、お前のお母さんが「うるせぇ!言うな!」

 

また空気が重くなった。

 

「遥………今は俺たちを信じてくれ。それしか言えないんだ……」

「私だって信じたいよ……でも……私にはお母さんしかいないから。おじさんが勝手にするなら私もそうする……」

 

遥ちゃんはペンダントをカウンターに置き出ていった。

 

「「「遥(ちゃん)!」」」

 

「桐生さん!早く遥ちゃん探しに行きましょう!」

「あぁ、分かってる。伊達さんも来てくれ」

「あぁ、わかった」

 

俺達はすぐさま後を追いかけ始めた。

---------------------------

映画館前の広場にやってきた。

 

「(とは言ってもかなり適当でここまで来たんだけど)」

 

「あ、桐生さん!やっぱりご無事だったんですね」

 

俺と伊達さんの知らない人がいた。

 

「あれ、でもさっき例のお嬢ちゃん見かけたんですけどね」

「!?本当か!」

「ハイ、直ぐそこの“ゲームセンター”に入って行きました。あぁ、後凄い寂しそうに歩いてましたね」

「そうか。助かる」

 

ゲームセンターに入り、すぐさま周りを見渡す。

「いなさそうですけど、一応他の人に聞いてみますか?」

「あぁそうだな」

 

そこら辺に居る女子高生に話しかけてみる。

 

「君たち、小さい子ども見なかった?」

「あぁ、さっきまでいたよ。でも酔っ払った怪しい人に連れられてた」

「!?何処につれてかれてたの?」

「“七福通り”の駐車場」

「わかった!ありがとね」

 

「急ぎましょう」

「あぁ」

---------------------------

駐車場に着くと酔っぱらいが倒れていた。

 

「おい、あんた、少女を見なかったか?」

「ウィー、酒持ってこい!酒!」

 

こんな奴に時間を取られてる暇はない。

俺は酔っぱらいの頭を掴むと

 

「おい!いいから質問にだけ答えろ!少女見てねぇのかよ?」

 

どうやら今ので酔いが覚めたらしく

 

「す、すいません!さっきまでいたんですが、スーツの男がさらっていきました」

 

「何処につれてって行ったんだ?」

「ど、“何処かの公園”としか知らないです。ごめんなさい」

---------------------------

しらみ潰しに公園を探し回り、ようやく“第3公園”でスーツを着て、電話をしている男を見つけた。

 

「遥は何処だ?」

「桐生さんに伊達刑事、それに黒瀬竜也君ですね。こちらもお迎えする準備が出来ました。ご案内します」

 

連れてこられた場所は

 

「ここは…スターダストじゃないか!」

「どうゆうことだ?」

「お入りになれば、分かりますよ」

 

入ってみると中に人はいなく、照明がただ輝いていただけだった。

 

「(どうなってんだ。)」

 

「お待たせしました。桐生さん」

 

上から見知らぬ声が聞こえてくる。

 

「遥は無事なんだろうな?」

 

その言葉を待っていたかのように遥ちゃんをこちらに見せてくる。

 

「「遥(ちゃん)!」」

 

俺達はすぐに上に行こうとすると、拳銃をこちらに向けてきた。

 

「一輝達はどうした!」

「別室にいますよ。縛るくらいはしていますが……別段命に問題は無いです」

「何者だ!お前ら?」

「それは止めておきましょう。お互いの為です」

「じゃあなんで遥ちゃんを拉致った?遥ちゃん自身か?それとも……」

「それは答えなくてもわかっているのでは?」

 

「(恐らく、奴等の狙いはペンダント……あんまり渡したくねぇけどこれで遥ちゃんが自由になるなら……)」

 

「ペンダントお渡し頂けますか?」

 

「(やっぱりか…)」

 

「渡せば遥を返すんだな」

「勿論です」

 

そう言って奴は部下に拳銃をおろさせ、遥ちゃんを下に行かせた。

 

桐生さんも直ぐにはペンダントを渡さない。硬直するなか、遥ちゃんの階段を下りる音だけが響く。

 

そして、遥ちゃんの位置が俺達と相手のそれぞれ半分位の位置に着いた所で

 

「ストップ、そこで止まってください。ペンダントをこちらに投げてください」

「………遥! すまない!」

 

桐生さんがペンダントを投げる。

その瞬間、俺と伊達さんが同時にスタート

伊達さんが遥ちゃんを救出し、階段から飛び降りる。それを見ている間に俺が近づく。

 

「オラァ!」

 

ドガッ!

 

拳銃を持っている奴が吹っ飛ぶ

そしてリーダーらしき奴が反撃しようとするが、俺は回避して、下に降りる。

 

「すいません!ペンダント取り損ねました!」

「嫌、大丈夫だ!伊達さん無事か!」

「俺は大丈夫なんだが、遥が!腕を撃たれた」

「クソ!」

 

後ろを見ると10人近くの敵が来ていた。

 

「桐生さん、伊達さんちょっと遥ちゃん見ていて貰ってて良いですか?」

「お前一人でやる気か?」

「久しぶりに体動かしたいですし、だいぶ腹立ってるんで」

「わかった。気を付けろよ」

「はい」

 

〈謎の男達〉

1人がいきなり発砲してくる。

俺はそれを体を捻りながら避け、近くにいた奴を蹴りで伸した。

 

「あめぇんだよ!」

 

体の低い体制を維持しながら、相手の一人を転ばせ、そのまま足を掴み回して、ついでに他のやつも倒す。

これだけで残り上に居るやつも合わせて、7人になった。

 

「(一気に全員やる必要はねぇ。一人一人確実に倒す!)」

 

マシンガンスタイルに変えて、すかさず1人をストレートで倒した。

他の奴が迫ってくるが、特に慌てず、腕を引いて顔に拳を叩き込んだ。

 

「どうした?群れてるだけかよ。拍子抜けだな」

「あぁ!」

 

「(本当、頭が弱いとやり易くてたまんねぇよ)」

 

多分自分でもびっくりするくらい悪い顔をしながら、ハイキックで特攻してきた奴を蹴り飛ばし、その飛ばした先にいた奴も潰せた。

 

残り3人の内の2人が銃を同時に発砲、

 

「(しゃあねぇ、一発喰らってやるよ)」

 

1人を確実に潰す事にし、腕に一発喰らう。そのままその腕でもう1人をぶん殴る。

それに恐怖したもう1人を蹴りで潰す

 

「もうあんただけになったな」

「…………」

 

「(黙りか……まぁいいや……ッツ!)」

 

急にきた拳を掴む。

すると下段蹴りがとてつもないスピードできた。

 

「ンッ!」

 

桐生さん達には普通に見えているかも知れないが流石にやはりあの時の勝負のせいで足には余計なダメージが入っている。出来ることならあまり食らいたくないし、攻撃に使う訳にも行かない。

 

「フゥ…フゥ…」

「足を怪我でもしてるですか?」

「るっせぇ、てめぇに関係ねぇだろうが!」

「確かにその通り、なので遠慮なく、いかせてもらいます」

 

ドンッ!

 

「グハッ!」

 

腹に強烈な一撃、思わず沈んでしまう。すると

 

グキッ!

 

鼻に膝蹴り

 

「て、てめぇ…」

 

鼻を素早く元に戻す。

 

「オラァ!」

 

大振りな攻撃、相手が攻撃してくる。

 

「分かってんだよ。こんな攻撃したら反撃する事くらい」

 

さっきのお返しと言わんばかりの腹に蹴り

 

「グッ!」

 

「(チャンス!)」

 

「オラァ!」

 

空手の正拳突き。相手はしばらくよろめいていたが、

 

バタン!

 

倒れた。

ペンダントを相手が拾おうとするが

 

ガンッ!

 

「ウッ!」

 

桐生さんが足で踏む。

 

「お前ら、何処の組織のもんだ?極道じゃねぇな。なんでペンダントの事を知ってる?」

 

答えない相手

 

「おい!答えろ!」

「………俺達はじ、じん」

 

言葉は途中で区切られた。

 

パンッ!

 

さっきの奴がこいつの頭を撃ったのだ。

 

「クソッ!」

「遥、大丈夫か?」

「出血の割には傷は浅い。大丈夫だろう」

「おじさん…………助けにきてくれたの?」

「あぁ」

「………ごめんね 私が勝手な事するから」

「遥………俺もお前に謝らなくちゃいけないことがあるんだ。 ちゃんと聞いてくれるか?」

「うん……」

「美月………お前の母さんな、もう………………死んでいたんだ」

 

遥ちゃんの悲しい顔が自然と目に入ってくる。

 

「すまない 俺は…助ける事が出来なかった…… ごめん………ごめんなぁ、遥」

 

遥ちゃんの手が桐生さんの頬に伸びる。

 

ドンッ!ドンッ!

 

俺達は音の方へと目を向ける。するとそこから出てきたのは、一輝達だった。

 

「撃たれた男からこのバッジが現れた。俺はこの線から調べてみる」

「あぁ、頼む」

 

「すまない、こんな騒動に巻き込んでしまって」

「いえ、そんな事ないっすよ!」

「ええ、俺らの方こそ銃向けられたっきり……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おう、この嬢ちゃんが例の子か?」

「あぁ…」

 

遥ちゃんは桐生さんの後ろに隠れている。

 

「嫌われちまったかな?」

「まぁお前の顔じゃあな」

「竜也、そりゃどうゆうことだ?」

「おい、この子をしばらく、かくまいたいんだが……」

「分かってるよ。だが、しかしあんたに頼み事されるとはな…妙な気分だ」

「あぁ……俺もだ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

翌日

~~桐生視点~~

「桐生、まだ約束の時間まではたっぷりある。今のうちにどこか出かけて来たらどうだ?遥は俺が見ておこう」

「あぁ、甘えさせてもらおう」

 

竜也は誰かと電話しているらしい。

 

「竜也、お前は何か用事あるのか?ないなら一緒に何処か回らないか?」

「いえ…今日用事入っちゃって…なんでまた今度」

「あぁ…」

「すいません」

「いや、大丈夫だ」

 

仕方ない。1人で回るか。

外に出ようとすると

 

「桐生さんお暇なんですか?」

 

一人のホームレスが話しかけてきた。

 

「あぁ、まぁな」

「ならいい場所がありますぜ。ミレニアムタワーの横に宝くじを売ってる場所がありましてね、そこのばあさんに『十万円バラで十枚』と言ってみてください」

「? そこでなにが出来るんだ?」

「まぁまぁそこは行ってみてのお楽しみですよ」

 

俺は不思議に思いながら行ってみる事にした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真相を言うとそこは賭博場だった。

花屋の所にいたような人物や、それとは逆に良い身ぶりの人物合わせて10数人いた。

 

「さぁさぁ! 丁か半か?張った張った!」

「丁!」

「半!」

 

さまざまな声が響きわたるなか、静かに腰を下ろす。

 

「あんたは?」

「丁だ」

 

「さぁ!丁、半揃いました」

 

賽子の目が隠され振られた後から出てきたのは

 

「グサンの丁!」

 

その後、しばらく当て続けていると

 

「すいません ちっと…」

 

そういって出ていってしまった。数分すると

 

「すいませんねぇ。この年になると近くなってしまって。さて、今度は?」

「丁!」

「半!」

「俺も半だ」

「さぁ、丁半揃いました」

 

今度は

 

「ピンゾロの丁!」

 

初めて外れてしまったが変な違和感を感じた。

 

「今度は?」

「半だ!」

「丁!」

「……丁だ」

「さぁ、丁半揃いました」

 

今度も賽子を隠し、開けるその瞬間、手をつかんだ。

その手から賽子を離し開けてみると、機械的に動いていた。

 

「おい!イカサマじゃねぇか!」

「…ッチ!騙される奴がわりぃんだよ!」

「悪いが今のやつと前のやつの掛け分は返させてもらうぞ」

「………おい!この客を追い出せ!」

 

すると襖から5、6人の男達が後ろから出てきた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

数分してその場にいたのは倒れた男達と肩で息すらしていない俺だった。

 

「こんなもんじゃ用心棒としても意味がねぇな」

「く、くそが……」

「誠に失礼しました」

 

新たに襖の奥から出てきたのは白髪のかなり年をとっているじいさんだった。

 

「あんたは?」

「ここのオーナーをやらせてもらっています。先程は大変失礼しました」

「別にかわまない」

「お詫びと言ってはなんですがこれを」

 

十万円を受け取り外に出ると暗くなっていたのでセレナへと向かった。

 




多分ですが、次回竜也出ません。
ですが、次の次はオリジナルストーリーです。
一応、ストーリーの大元は頭の中にあるので、では次回をお待ちください。


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15話 十年ぶりの対談

……ごめんなさい
何も言えないです。前話であんなペースにならないようにって言ったのにあれよりも酷い空き日時になってしまいました。
期待してくれた皆さん(まだいることを信じて言います)!とりあえずどうぞ!


セレナに着くと、麗奈がいた。

 

「麗奈!?どうしてここに?」

「貴方達2人だけにしたら殺し会いでも始めるかもしれないじゃない」

「それは………そうだが…」

「安心して、別にいちいち口を挟むつもりは無いから」

「そうか……すまない…」

「別にいいわよ」

---------------------------

数十分くらいすると錦が入ってきた。

 

「錦……」

「久しぶりだな…桐生……」

 

錦は俺と2席分離れた席に座ると麗奈に酒を頼んだ。

 

「十年ぶりか…お前とこうして飲むのも……」

「あぁ」

「面会にも行かなくて悪かったな…こっちも色々忙しくてな……」

「そうだろうな」

「俺は……どうしても100億を手に入れたい。お前の連れているガキとペンダントを渡せ」

「その前に答えろ…何故美月を殺した?」

「………殺す気は無かったんだ…由美の妹を……殺すつもりなんてな………」

 

錦がその時の状況を説明する。

 

「十年間………俺は由美の行方を追い続けた。由美の妹がセレナで働いていると知り、俺はずっと彼女をマークしていた。いつかそこに、由美が現れるんじゃないかなってな」

「遥の事もそれで知ったのか?」

「巡り合わせだよなぁ………あの娘は“ヒマワリ”にいたんだ。俺達が育った、あの孤児院にな…美月はその後“アレス”を持ち、そして姿を消した……ヒマワリにいた娘も、そして東城会の100億が抜かれる…」

 

そこまで言って、錦が何かを取り出す。

 

「だがな…!」

「それは……!?」

「そうだ。由美の指輪だよ…これが現場で見つかったんだ。由美はいる…近くに…必ずな」

 

「桐生…これは東城会の戦争だ、お前1人でどうなるもんでもねぇ……悪いようにはしねぇ………ペンダントを渡してくれ」

「あれは遥にとってたった一つ残された母親との大事な繋がりだ。お前らの戦争なんて関係ねぇ」

「変わらねぇな…だから由美もお前に魅かれただろう。皆お前の味方をする……昔からだ…」

「お前……俺の事を憎んでるのか?」

「分からねぇ…俺自身お前をどう思ってるのか……だが、結局俺はお前を裏切った。風間の親父もな、もう後戻りは出来ねぇ…」

「まさか……風間の親っさんを撃ったのは!?」

 

錦は微妙な笑みを浮かべながら

 

「流石にあん時は手が震えた」

 

我慢の限界だった。席を立ち錦を殴る。

 

「止めて!止めてよ2人共!」

 

麗奈が止めるが俺は気にしない

 

「てめぇ!親っさんに世話になった恩はねぇのか!」

「まだ、くたばっちゃねぇだろ!それに今はシンジも一緒だしな…」

 

そう言うと錦は胸からトランシーバーを取り出した

 

『親っさん、着きました』

 

「!?お前…シンジを盗聴して…」

「10年前のあの日から俺は誰も信用しちゃいない!俺は俺のやり方で東城会の“頂点”に立つ!どうしても美月の娘寄越さないって言うならお前でも容赦はしない」

「好きにしろ…だが、遥は渡さない。お前の道具になんか……させやしねぇ」

 

錦が出口に向かって歩き出す。

 

「今さらだが、お前とはもう一度やり直したかった…だが、それももう終わりだ。もう今日限り兄弟じゃねぇ」

 

錦が出ていく。

 

「何でこんな事になっちゃったの?ねぇ………なんで?」

 

~~錦山視点~~

「(桐生…何故だ)」

 

考えていると、あいつらが来た。

 

「親父…手筈通りで?」

「……あぁ………やってくれ……」

「はい…」

 

「(桐生…悪く思うなよ。ここで死ぬならお前はそこまでだ)」

 

~~桐生視点~~

しばらく、その場に立っていたら、突如入口、裏口から木刀を持った奴等が入ってきた。

 

「錦の組か?」

 

相手は答えず、仕掛けてくる。

振り下ろされた木刀を避け、そのまま蹴る。

 

「(全員木刀か…なら)」

 

「麗奈、すまん!」

 

麗奈に一言謝ってから壊し屋スタイルになり、そばの机を掴み振り回し全員倒した。

どんなに刀の使い方が上手くても攻撃のリーチ外からやってしまえば関係ないのだ。

 

「ふぅ…すまなかったな机を壊してしまって」

「大丈夫よ…そこまで被害は出てないから…むしろこの位ですんで、良かったくらいよ」

「そうか…」

 

会話をしているとセレナの裏口側から段々騒がしくなってきた。

相手側に先制の意味も込めて、すぐ側に倒れていた奴の首を掴み、裏口側に放り投げた。

 

ガンッ!

 

ゆっくりと裏口に向かって歩みを進めると下にはかなりの人数が居て、後ろの方から一人の男が出てきた。

 

「お久しぶりです。桐生の叔父貴」

 

そこには錦の若頭の奴が居た。

 

「親父の命令です。恨まんでください…殺れ!」

 

その言葉が開戦の合図だった。

すぐさま下に飛び降りる。

 

<錦山組構成員>

 

改めて周りを見てみると若頭の奴は日本刀、他の奴らはドスや木刀を持っていた。

 

「(これだけの数となると流石に動きの遅い壊し屋だと辛いか…なら…)」

 

ラッシュスタイルにして、何処から来てもいいように構えた瞬間に二、三人から一斉に攻撃が来る。

二人の攻撃を躱し、残り一人を喰らう前に倒し、そのままそいつの持っていたドスで別の敵の腹を刺す。

 

「(ふぅ…多いな…次は…)」

 

ラッシュスタイル特有の速い手数で一人を後ろに仰け反らせる。すると、周りの奴らの行動が遅くなる。その瞬間に仰け反らせた奴ごと吹き飛ばす。

そのまま堂島の龍スタイルに切り替え、一人を掴み投げる。壊し屋スタイルで突進する様にして一人を抱きつくようにして、背骨を折る。そいつを投げ飛ばし、別に狙いをつけ頭を掴み蹴る。

チンピラスタイルになり木刀を掴んだその瞬間若頭の奴が襲いかかってくる

すぐさま木刀でガードするが、相手は日本刀なので綺麗に切断されてしまう。

 

「!?クソっ!」

 

顔に一発しかし、相手も仰け反ったため掠る程度で終わってしまう。

その直後に感じる背中への重み、他の連中に木刀で殴られたのだ。

 

「オラァ!」

 

痛みに苦しむ暇はない。瞬時に壊し屋スタイルになり他の連中を飛ばす。

 

「(はぁ…仕方ない。少し喰らうか)」

 

それを考えた瞬間、俺は腰を低くし気合いを入れた構えをとった。すると連中は何かしてくると思ったのか、木刀を持った連中が一斉に向かい掛かってきた。すると他の連中は攻撃する素振りを辞めた。

傍から見ると約十人対一人、ボロボロなのは俺だと攻撃してない連中は思っているかもしれないが、実際は疲れているのは錦の組の方だった。

『レジストガード』

壊し屋スタイル特有の攻撃力や安定感を防御に振る事で並大抵の攻撃ではビクともしないという事だ。

 

「はぁ…はぁ…クソなんだよこいつ!」

 

そう一人が言った時だった。その言葉と同時に皆の攻撃が止む。

 

「(今だ!)」

 

そう思った時にはもう身体はすぐさま狙いを決めていた若頭の奴に近付いていた。

 

「何!?」

 

急いで日本刀を振るが

 

「遅い!」

 

振ってくる日本刀を白刃取りで取ってしまい、全力の蹴り

 

ドゴッ!!

 

鈍い音と共に奴の身体は壁に激突した

 

「あ、アニキ!」

「もう…終わりだな。そいつを連れてさっさと病院にでも行くんだな」

「うおぉぉぉ!桐生ぅぅ!」

「オラァ!」

 

後ろから襲ってきた奴を吹き飛ばす。周りを見るともう戦意を持っている奴は居なかった。

 

「ふぅ…これ以上襲って来なくて正解だったな。皆来ていたら俺は全員叩き潰さないといけない。そうすると少なくともそいつはかなり危ないぞ」

 

そう言って俺は若頭を指した。

 

「錦に言っとけ。何人お前の組の奴を使ってもいいが、俺を倒したいなら…」

 

俺はそこまで言って少し止まった。だが、

 

「お前が来いってな」

 

もう腹は決まった。

そして裏路地を抜けて、賽の河原へと向かう。

 

 

 

桐生が賽の河原へ向かった時賽の河原方面に大きな煙が立ち込めていた。




一応最後のは第三者目線を意識してみました


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16話 カラーギャング

こんな早く書き終わるとは(困惑)
誤字脱字には気を付けたので大丈夫だとは思うんですけど…とりあえずどうぞ


桐生さんと遥ちゃんとの仲直りを上手く果たし、セレナと同じ様に賽の河原を第2のアジトにした翌日

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺は朝早くから電話を掛けていた。

掛けている番号は前に心愛から受け取ったあの電話番号

俺は不安な感じを胸に抱きながら電話を掛けた。

着信音がなる中、ふと桐生さん達の方を見ると何か話している様だ。何を話しているのかと気になったがそんなのはすぐに消えた。電話が繋がった。

 

「もしもし…誰だ?アンタ」

 

電話に出たのは男だった

 

「(なんだ?心愛自身の携帯じゃねぇのか?)」

 

不思議に思ったがそのまま続けた。

 

「俺は黒瀬竜也、南心愛に用があるんだ」

「………ちょっと待ってろ」

「あぁ…」

 

そして2分くらい過ぎただろうか?今度は聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「もしもし!竜也くん!」

 

電話越しだと言うのに大きい声で俺はかなりビビった。それにかなり焦ってるように感じた、しかし何故か安心した。

 

「もしもし、心愛か?」

「うん。良かった無事だったんだね」

 

なるほど、心愛が電話に出たとき少し焦ったふうだったのはあの時俺がどうなったかを知らないからか。

 

「あぁ、ぜんぜん問題ないぜ」

 

「(まぁ気がついた半日くらいは顔しかめるほど痛かったがもう今は何ともないしな)」

 

「良かったぁ」

「まぁ俺の心配は良いとして」

「うん…あの話の続きだよね。今日空いてる?」

「あぁ、また港か?」

「うん、大体10時位に、来てくれると」

「OK、じゃあまた」

「うん」

 

そうして電話は終わった。終わった少し後に桐生さんが話しかけてきた。

 

「竜也、お前は何か用事あるのか?ないなら一緒に何処か回らないか?」

「いえ、今日用事入っちゃって…なんでまた今度」

「あぁ…」

「すいません」

「いや、大丈夫だ」

 

そう言って桐生さんは行ってしまった。

 

「(桐生さんホントにすいません)」

 

心の中で何回も謝罪した

 

「(さて、港に10時って事はもうちょいだけゆっくり出来るな)」

 

携帯で時刻を確認してみると8時ちょいだったので、タクシーは公園の近くにあるので、そんなに急ぐ必要はない

 

「伊達さん、俺もうちょいしたら一回出掛けて来ますね」

「分かった。時間掛かりそうか?」

「多分、そんなには掛かんないと思います。もしかして伊達さんの方も何かありますか?」

「一応聞いてみただけだ。俺の方は何もねぇよ」

「分かりました」

________________________

港に着いて時間を確認してみると9時40分くらいだった。

 

「(意外とまだ余裕あったな)」

 

周りを見回したが心愛の姿はおろか俺以外の人は一人も居なかった。

 

「(じゃあ来る前に頭ん中整理しとくか)」

 

俺の感だと桐生さんを探してる人は遥ちゃんが身に付けているペンダント並びに100億とも関係しているはずだ。

 

「(この事の始まりは東城会三代目会長の消えた100億から始まったんだ。そうだ、そしたら桐生さんが神室町に戻ってきて遥ちゃんもこっちに来て…)」

 

「えっ……」

 

俺は自然と声が出てしまった。だからだろう丁度今来た彼女に気付いたのは

 

「ごめん、竜也くん待った?」

 

恐らく急いで来たのだろう。息が少し荒かった。

 

「あぁ、いや大丈夫だ」

「良かった…」

「悪ぃ、今すぐ聞きたい事があるんだ」

「うん、前の話の続きだよね」

「いや、違ぇんだ」

「え?」

「あのさ、確かその人桐生さんを探してるって言ってたよな」

「うん…それがどうかしたの?」

「お前ら、なんか隠してね?」

「え?隠してるって何を」

「俺さ、お前が来る前にちょっと頭ん中整理してたんだわ。そしたら100億事件が始まった途端に桐生さんが神室町に来たっていう事が分かった」

 

そう、俺の疑問点はそんな事件が起きた瞬間に(もしくは少し後に)来たという事。

 

「もし、それらが何も関係ないなら謝る。でも俺には仕組まれてる様にしか思えねぇんだ」

 

ふと心愛を見ると下を向いていた。そしてか細い声で静かに言った。

 

「ごめんなさい、それは…知らないの…」

「そうか…悪ぃな俺も聞いちまって」

「ううん、竜也くんのせいじゃないよ。たまたま計画してから実行するまでに時間かかってたからだと思う」

 

そう言ってまた心愛は顔を下げてしまった。

 

「顔上げろって、別に大した理由じゃねぇならそれでいいよ」

 

別にこの件に関してはある程度裏がとれたらそれで良いと思っていたのでもうこれ以上気にしない事にした。

 

「う、うん…ごめん…なさい…」

 

「(あ、あれ?心愛?泣いてる?)」

 

声がちょっと止まり止まりなのを聞いて、そう思った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

暫く心愛が泣き止まなかったので、10分くらいだろうか、一人にしとくのは色々と危ない気がしたので傍にいて落ち着くまで待つことにした。(本当は飲むと心が落ち着いたりする紅茶などを飲ませたかったのだが、手持ちも何もないこの状態ではどうすることも出来なかった)

 

「もう、大丈夫か?」

「うん、ありがと」

「良かった。じゃあ急かす様で悪ぃんだけど」

「うん、桐生一馬さんを探してる人は風間新太郎さん」

「風間新太郎さんね…え!?風間さん、その人って確か…」

「東城会直系風間組組長…今私はその人に匿ってもらってるの。もしかして竜也くん知ってるの?」

「一応ね」

 

流石に東城会直系の組に匿ってもらってるという情報には驚いたが神室町を歩いている人なら風間組の優しさなどは嫌でも耳に入ってくる。

例えば、風間組のシマでシノギをやってるホストやキャバなどももちろんあるが、みかじめをあまりとらないなど、他には俺もお世話になった養護施設ひまわりの設立者でもある。

 

「そうか、あの人が…」

 

確かにあの人なら桐生さんとも接点があるし、心愛を匿っていてもおかしくはない(あの人の優しさは俺も分かっているため)

 

「ありがとな、言ってくれて」

「ううん、大丈夫だよ。それより…」

「ん?」

「その、竜也くんは大丈夫なの?」

「この前のやつ?」

「それもあるけど、こんなヤクザ間のいざこざに巻き込まれて」

「あぁ、なるほど」

 

そんな事か

 

「別に、俺的には何も思っちゃ居ねぇよ。ただ俺は…」

「俺は?」

「…いや、何でもねぇ」

 

自分でも何が言いたいのか分からなかった。

 

「(まぁ、大した事じゃねぇんだろうな)」

 

「変な竜也くん」

「まぁ、いいや。これからどうすんだ?」

「竜也くんが桐生一馬さんに連絡とれたら言って。でも、風間さんと私の都合で今神室町に居る“シンジ”って男を探して欲しいの」

「シンジ?」

「うん、私と一緒に風間さんを匿ってる人」

「分かった。今はあの人と行動共にしてっから、言うのは直ぐに出来る」

「分かった。じゃあね」

「おう、じゃあな」

__________________________

神室町に戻ってきて時間を見てみるとお昼時だったので、天下一通りの近くにある寿司屋により、賽の河原へと戻った。

 

「伊達さん、戻りました」

「あぁ、竜也か。意外と遅かったな」

「まぁ結構経ちましたね。遥ちゃんは?」

「今寝てるよ。まぁ子供はちょっと寝すぎ位が良いんじゃねぇか」

「ですね。花屋は奥ですか?」

「あぁ、居ると思うぜ」

「『思うぜ』って事は会ってないんですか?」

「まぁ、奴はずっと引きこもってるしな」

 

「(引きこもってるって…まぁそんな感じだけど)」

 

「分かりました。とりあえず行ってみます」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「花屋、いるか?」

「どうした?」

「神室町の情報何かねぇ?」

「どうゆう風の吹き回しだ?急に情報何か求めだして、情報屋にでもなるつもりか?」

「全然、ただ知りてぇだけだよ。まぁ情報つってもどっかの組が動いたとかそうゆうのな」

「なるほどな…だが、生憎まったくと言っていいほどないな」

「そっか、じゃあ寝るわ。何かあったら起こしてくれ。あ、桐生さん来た時も起こしてくれ」

「あぁ、分かった」

 

そう言って外に出た。しかし問題点が一つあった。

 

「さーて、しかし何処で寝よっかな?遥ちゃんと一緒の部屋なんてのはいくら何でも可哀想だし…」

 

そう、寝床だ。流石に河原の一部スペースをアジトにしたのは良いが、現在そこでは遥ちゃんが寝ている。生憎俺にロリコンなんて趣味は無いので、とても困ってしまった。

 

「あ!そうだ、あの人の家があったじゃん」

 

そうして俺はすぐさま移動した。

 

「お邪魔します…あれ?居ないんですか?秋山さん?」

 

そう、俺が言った部屋とは秋山さんの家だ。しかし中を見ると人の気配は無かった。

 

「うーん、まぁいっか。その内帰ってくるだろうし、帰ってきて起こされたら理由を説明すればいいし。」

 

そう思って俺は眠りについた。何故だか猛烈に体が疲れていたようで直ぐに眠れた

___________________________

不意に目が覚めた。

 

「うーん、今何時だ?」

 

携帯で確認してみると18時近くだった。

 

「(秋山さんは…まだ帰ってないか。結構頭も冴えたしもう十分かな。桐生さんもう帰ってきたかな?)」

 

そして外に出ようとした瞬間

 

ドォン!!

 

河原の入口が吹き飛んだ。

 

「なっ!」

 

そこから赤、青、白のジャージを来た集団がゾロゾロと出てきた。

 

「ヒャッハー!!」

「やっちまえ!」

 

入口を爆破させ、ゾロゾロと入ってきた集団は、近くにいたホームレスを襲い始めた。

その光景を見た俺は怒りを抑えられなかった。

 

「てめぇら…何してんだ!!」

 

そう言って俺はすぐさま近くにいた奴を蹴り飛ばす。しかしそのまま気絶だけではすまさない。足を掴みアスファルトに叩き付ける。

 

「一人も、逃がすかよ!」

 

他の連中を見つけ、そのまま後ろ回し蹴りで全員飛ばす。その中でも直撃喰らった奴はもう白目を向いていた。

 

「なんだてめえ!」

 

青いジャージを着た奴が殴りかかってきたが

 

「遅せぇんだよ!」

 

腕を掴み引きつつぶん殴る。普段ならそれで終わりだが、今日だけは違った。

腕を離さず、そのまま殴り続ける

 

ドカッ!ドゴッ!ドゴッ!

 

鈍い音が響き続ける。

 

改めて見ると最早顔の形をちゃんとしているのか怪しいくらいになっていた。

 

「次…」

 

そう言った直後頭への衝撃

 

「グッ!」

 

直ぐに後ろを振り向くと、金属バットを持った奴一人、素手で構える奴が三人居た。

 

「ふぅ…ふぅ…んなもんで簡単に倒れるかよ!」

 

痛みを伴っている頭で金属バットを持っている奴に頭突き、すると奴は堪らず、金属バットを離す。そのまま踏みつけ無効化

 

「個別で行くな!全員でやれ!」

 

そう一人が言うと三人全員で襲ってきた。

 

「はぁ…はぁ…サンキュ、助かったわ」

「なn」

 

一人が反応しようとしたが、出来なかった。もう三人共やられたからだ。

通常、三対一となると一人は何も出来ない。しかし、それは囲まれた場合や例外のケースの時だけだ。

今回の場合、俺の向こうに三人が並んでいる状態で三人が一斉に向かって来た。そうすると全員一斉に攻撃が当てられる訳は無いので、自然とタイムラグが生じる。その瞬間にマシンガンスタイルに切り替え、真ん中に居る奴をアッパーで吹き飛ばし、中心に居たまま自分を軸に回転蹴りを行った。

 

頭に金属バットを受けたせいなのかは分からないが怒りが剥き出しになるのは収まってきた。

 

「(さっきも無駄な怒りで気配感じられなかったしな。少し落ち着こう)」

 

そうして落ち着いた状態で周りを見てみると目の前に一人、ジャージ等ではなく、スーツに似た服装をしてる奴がいた。

 

「(こいつは…怒りに身を任せて勝てる相手じゃねぇな)」

 

直感がこいつの実力を分かっていた。

 

「オマエカ、ヒトリダケヅバヌケテ強いヤツが居るとイッテイタガ」

「カタコトにしては随分喋れんだな」

 

どうやら日本人では無いらしい。

 

「なんでここ襲った?」

「ナゼ、ワタシにキク?」

「おめぇだろ、この襲撃の犯人。まぁてめぇじゃねぇとしてもあのジャージの奴ら仕切ってんのは間違いなくてめぇだ」

「ホウ…」

「狙いは花屋か?それとも河原自体か?」

 

すると男は冷静に答えた。

 

「100オク」

 

俺は、全部分かった。今この場所に100億なんて大金はない。しかし、それに通ずる少女が一人いる。俺の最後に話聞いた位置からすると河原の入り口近くに

 

「てめぇ!遥ちゃんに何かしたら殺すじゃ済まさねぇぞ!」

 

<白スーツの男>

 

一歩踏み出す。すると奴も早いスピードで俺に近づく。しかし、拳一個分は俺のが早かった。

 

ドゴッ!

 

「(くそ、パワー足んねぇし!)」

 

やはり、威力が低い為か吹き飛んだにも関わらず、改めて体制を立て直し、こちらへ向かってくる。

 

「おいおい、嘘だろ」

 

だが、嘆くのすら遅かった。

 

ビキッ!

 

奴の回し蹴りにより、俺の体も宙に浮く。それだけならまだしも明らかに肋骨にヒビが入っている。

 

「ったく…もうちょいだけ本気出すか」

 

肋骨部分を擦りながらそう呟くと、俺はハンドガンスタイルに戻し、ヒートを出した。

 

「……」

 

すると奴もそれに呼応するかのように無言でヒートを出す。だが、お互いのその拳が交わる事は無かった。

 

「嶈様、オワリマシタ」

「イマイク。スマナイガコレデ終わりダ」

「おい、あんだけ暴れてはい、そうですかなんて返す訳ねぇだろ。もしくはほかの奴らを…んだよ、そうゆう事かよ」

 

気が付けばあんだけ騒がしかった周りはまったく無く、ジャージ姿の奴らは一人も見当たらない。

 

「足止めって事か」

「モチロン」

「じゃあ簡単だよ。てめぇは潰す」

「悪いがヨウジがアルノデナ」

 

そう言って奴は俺に針のような物を投げてきた。回避して、奴が居た方を確認したが、既に奴の姿は無かった。

 

「クソっ!」

 

俺は近場にあったダンボール箱を蹴り飛ばす。しかしそんな暇が無い事も思い出した。

 

「そうだ!遥ちゃん!」

 

俺は急いでアジトへと戻った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~~桐生視点~~

河原に近付くにつれて嫌な予感がした俺は、急いで河原に向かった。すると、嫌な予感は的中していた。

 

「これは…」

 

河原から黒煙が舞い上がっていた。恐らく火事か何かがあったのだろう。既に鎮火していた為、直ぐに中に入れた。そして目に入って来たのはホームレスの巣窟とも言うべき河原がボロボロになっていた光景だった。

 

「(一体、何が…)」

 

そんな事を思っていると伊達さんに竜也、花屋が居た。

 

「(とにかく、まずは情報集めないと…)」

 

「伊達さん!一体何が…」

「桐生!戻って来たのか」

「桐生、来たか…」

「桐生さん…」

 

伊達さん、花屋、竜也の順で話し掛けてくる。竜也だけが罰が悪そうにしている。

 

「皆、何があったんだ?この状況は…」

 

しかし、誰も話そうとしない。

 

「俺が話そう…」

 

伊達さんがようやく口を開いた。

~~伊達視点~~

「まずは、あれから話した方が良いだろうな」

*************

最初は遥が河原から出ようとしていたんだ。

 

「遥、どうしたんだ?」

「私…やっぱりここに居ちゃいけない気がする。私、桐生のおじちゃん好き。それに竜也くんも、でも私がここにいたら、おじさん達の迷惑になっちゃう。何度も危ない目になっちゃう」

「遥……」

「だから、私は居ない方がいいの…お母さんももう居ないし、本当はおじさん達ともっと一緒にいたいけど…」

 

その瞬間だった。突然河原の入口が爆発したんだ。

 

「遥!」

*************

~~桐生視点~~

「俺は遥を守ろうとしたがダメだった…」

 

俺が錦と話してる間にそんな事が…

 

「すまねぇ桐生、奴ら“ギャング”の連中だ」

「ギャング?」

「簡単に言えば愚連隊だ。ヤクザに頼まれた事なんかも簡単にやっちまう。普段は“赤、青、白”の三つに分かれてるんだが、今回は一気に来やがった」

「東城会に頼まれたのか?」

「恐らくそうだろうな」

「…多分、東城会じゃないです」

「何?どうゆう事だ」

 

今まで聞いているだけだった竜也が突然言った。その言葉に花屋が反応する。

 

「どっかの国の奴です。その中の幹部も一緒に居ました」

「って事は竜也、お前ギャングに頼んだのがマフィアだって言いたいのか?」

「えぇ多分、ほとんど確定で良いと思います」

 

「(東城会じゃねぇ奴が遥攫っただと…だが、とにかく今は…)」

 

「遥攫ったのは何色なんだ?」

「河原のシステムがダウンしている。分からねぇんだ」

「なら、シラミ潰ししかねぇな。行くぞ竜也」

「……はい」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

河原の外に出た時竜也が話しかけてきた。

 

「すいません!」

「何?」

「あん時桐生さんは居なかったから、俺が守んなきゃいけなかった筈なのに、俺のせいで」

「ふっ、何だそんな事か」

「えっ?」

「別に誰のせいでもねぇさ。まぁ強いて挙げるならギャングのせいだな」

 

どうやら、竜也はまだ良く、理解出来ていないらしい。

 

「とにかく、行くぞ。急いで遥を助けるんだ」

「あ、それなんですが俺白色のギャングのアジトなら知ってます」

「本当か?」

「前に一回聞いた事があって。多分変わってないと思います」

「良し、なら最初は白だな」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

竜也が案内してくれた場所には白色のジャージを着た集団がゴロゴロと居た。

 

「どうやら、変わってなかったみたいだな」

「えぇ、ですね」

「何だてめぇら?ここになんか用かよ?」

「雑魚に用はねぇ。ここのボスはどいつだ?」

「おい、おっさんいい加減に」

「させるかよ」

 

俺の裾を掴もうとした奴の腕をキリキリと竜也が締め上げた。

 

「いっ!」

 

どうやらそのまま気絶してしまったらしい。

 

「お前ら何者だ?」

「お前がボスか?」

「質問に答えろ」

「年輩の質問に、答えるのが先だと思うけどな」

「……やれ」

 

他にここに居た連中が襲ってこようとするが

 

「ストップ、悪ぃな。ちょっと寝てろ」

 

さて、竜也が相手するという事は

 

「俺はこっちか」

 

何時の間にか持っていたナイフで俺の喉を切るつもりだったのだろうが、余りにも遅すぎた為直ぐに掴んでナイフを折ってしまった。

 

「さて、まだやるか?」

 

気付けば竜也の方も終わっているらしい。リーダーの男はこんなに早くに決着が付くとは思っていなかったのか、困惑し続けている。

 

「一発殴っときます?」

「そうだな、このままだと喋りそうにないしな」

 

竜也が拳を振りかざした瞬間

 

「赤だ!」

「ん?」

「今回の一件俺らも青も全部赤に言われてやった事なんだ。赤のアジトは劇場前のデボラってクラブ。俺が知ってんのはこんくらいだ」

「信じます?桐生さん?」

「まぁ嘘を付くメリットは無いな」

「ですよね。しゃあねぇからほら、もう行けよ。これに懲りたら二度とギャングなんかやんじゃねぇぞ」

 

そうして竜也が歩き出した途端、奴が襲ってきた。鉄パイプを持って、ちなみに俺も竜也もため息しか出ていない。

 

「俺がやろう」

 

鉄パイプを振りかざした時にストレートを顔面に入れる。

 

ボキボキッ!

 

骨が砕ける音を立て男は崩れ落ちた。

 

「馬鹿だな。お前」

 

竜也が憐れみの言葉を掛けた。

 

「さて、“劇場前のデボラ”だったな。行くか」

_________________________

デボラに着くと下の階が閉まっていたのでとりあえず上の階に行く事にした。

 

「桐生さん、下にいる奴ら」

「全員赤か…」

 

この前花屋の一件の時は様々な人が居たデボラだが、今回は赤のジャージを着た連中しか居なかった。

 

「どうします?」

「待つのは嫌いなタチでな」

「…俺もです」

 

そう言って俺らは下に行き、ドアを蹴り破った。

 

「んだ!てめぇら!」

 

下っ端に分類されそうな連中が一気に吠える。

 

「遥は何処だ?」

「あ?何だよおっさん」

「遥は何処だって聞いてんだ」

「あんた、何もんだ?」

 

音楽機器の近くに細身と太い奴の細身のほうが言ってきた。恐らくあいつら二人がリーダーなのだろう。

 

「俺の事は関係ねぇ」

「…人のアジトに勝手に入ってきてそれはねぇだろう」

「はぁ…ダル」

 

竜也が不意にそう呟いた。

 

「めんどいのは嫌いだからよ。どうせ話し合う気ねぇなら…やろうぜ」

「上等だ。てめぇら…このおっさん共に喰らわせてやれ!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

恐らく3分位しか経っていないだろうか。もうこの場に立っているのは俺と竜也、そしてリーダー格の二人だった。

 

「後はお前らだけだ」

「しゃあねぇ。やるぞ兄弟」

「あぁ」

「どっちがどっちとやります?」

「俺は細身の奴をやる。異論はあるか?竜也」

「いや、俺はあのデブの方やろうと思ってたので大丈夫です」

「どうやら随分と舐められてる様だな」

「御託は良いから来いよ」

 

竜也がわざとらしく人差し指で挑発する。すると太い男の方がその体格からは想像出来ないスピードで近づいた。

 

「さて、俺らもそろそろやるか」

「あいつ、死ぬぞ」

「ふっ、人の心配なんてしてる場合か?」

「まぁ、良い。まずはアンタだ」

 

<赤ギャング>

 

やはり細身の見た目通り軽いフットワークで翻弄しているが、

 

「(確かに早いな。俺たち以外だったら見えてないだろうな)」

 

意外と遅かったので目で追うことが容易に出来てしまった。

 

「行くぞ!」

「遅い…」

 

バキッ!

 

勝負は一瞬だった。先程までのフットワークを生かしたスピードで来るが、パンチのスピードも見えていたので躱し顎に正確に蹴りを入れて顎が砕ける音を聞きながら終わった。

竜也の方もあの巨体を背負い投げして終わった。

 

「はぁ…しんど」

「良く投げ飛ばせたな」

「まぁ、桐生さんを参考にしたというか」

「俺を?」

「それは置いといて、今は…」

「あぁ…さて、改めて聞こうか。遥は何処だ?」

「クッ…誰が…」

 

胸倉を掴み持ち上げる。

 

「お前が喋っていいのは、遥の居場所か、遥攫った連中の名前だけだ」

「……もう、ここには…居ねぇよ…」

「何処にいんだ?」

「俺らは“蛇華”に渡しただけだ。そっから先は知らねぇんだ」

「“蛇華”だと?」

「知ってるんですか?桐生さん?」

 

竜也が聞いてくる。恐らく今の俺の顔はとても驚いた表情になっている筈だ。

 

「あぁ、昔お前に知り合う前に一悶着あってな」

「そんな奴がなんで急に?」

「分からん。だが、“蛇華”は横浜に居る。伊達さんに頼んで横浜に行こう」

「分かりました」

 

出ようとしたが時、俺は静かに呟いた

 

「劉 家龍か……」

 

親っさんに助けて貰った過去を思い出しながら俺は竜也の後を追った。




今回約8800文字なんですけど、5000文字越えた辺りから酷くなりましたね。まぁブランクのせいという言い訳を言って、(元からこんなん)次話も早く投稿出来るよう心掛けます


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17話 準備 潜入

龍が如く3、4、5のps4リメイク発売が発表されましたね。(言うのが遅い気がしますが)
なんとか3のリメイクが出る前に1くらいは終わらせてたい。泣


~~竜也視点~~

アジトに戻った俺達は伊達さんに遥ちゃんが横浜に居ること、やはり東城会ではなく、“蛇華”という組織が関わっている事を伝えた。

 

「(って事はあいつは蛇華の幹部って事か…恐らく乗り込めば奴も居るはずだ…)」

 

「桐生、どうする?もう横浜に行くのか?」

「いや、少し用意をしよう。流石に蛇華の日本支部に向かうのに何も無しってのは辛いからな」

「分かった。俺の方は準備は出来てるから用意が出来たら俺に声を掛けてくれ」

「だ、そうだ。竜也の方も何か準備する事があるならしておいてくれ」

「分かりました」

 

桐生さんが出口に向かったと同時に俺は河原の奥へと向かった。

 

「?何処に行くんだ?」

 

桐生さんと同じ様に神室町に行くと思っていた伊達さんが俺に話し掛ける。

 

「ちょっと向こうに用事があるんで」

「そうか…用事やら用意を済ませるなら早い方が良いぞ。蛇華の連中も遥をどうするのか分からない以上、早いに越したことは無いからな」

「分かってます…」

 

伊達さんの忠告を聞きながら奥へと向かった。河原の地上の中心には大きく開けた場所がある。

 

その端の方に用のある男が居た。

 

「よう、あんたが無事だったようで安心したわ。…まぁてめぇがやられるなんて思ってないけど」

「……誰かと思えば黒瀬か……何の用だ?」

「武器が欲しい」

「必要無いだろう」

「ぶちのめしたい奴が居てな、そいつやるのに必要なんだわ」

「お前が必要になるほどの奴なんてな…まぁ良いさ。余り過激すぎるのは無いが、ある程度ならあるぞ」

 

そこまで言って裏に置いてある風呂敷を広げるとそこには傘やバットなど日常的に使う物もあれば、スタングレネードなど普通使わない物すら置いてある。

 

「(十分過激だと思うけど…まぁいいや)」

 

「………これで良いや」

 

そう言って俺が選んだメリケンサック一つだった

 

「これだけで良いのか?」

「そんなに持てねぇし、傘とかよりは簡単にしまえる物のがいいしな」

「………一応言っておくが、耐久性はあまり無いぞ」

「全然良いさ。無いよりはマシだし」

「お前がそう言うなら別に良いが…」

「いくら?」

「まぁ500円ってとこか」

「やっす…まぁいいや。とりまサンキューな」

「あぁ…」

 

急いで伊達さんの所に戻るともう桐生さんも居た。

 

「すいません!」

「遅かったな」

「もう竜也も準備出来たのか?」

「……言い難いんですけどこっから薬局に行きたいんですけど…」

 

そう言って二人の反応を見ると、特にこれといって怒っている感じはしなかった。

 

「そうか。じゃあタクシーは止めて俺の車で行くか」

「伊達さんのですか?」

「あぁ、そうすりゃお前達二人を『天下一通り』で拾えるからな。桐生は先に行っててくれ。そして竜也は薬局に行ってからこっちに来ればいいからな」

「そうさせて貰おう」

「分かりました」

 

そう言って伊達さんと桐生さんは動き出す。

 

「(俺も急がねぇと)」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「いらっしゃいませ」

 

薬局に着いた俺は急いで買い物を終わらせる

 

「んーと、スタミナミンXX三本くれ」

「7500円になります」

 

「(ま、しゃあねぇ出費だな)」

 

「ありがとうございました」

「よし……行くか……」

 

気合いを入れ直し桐生さん達が待つ天下一通りへと向かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「竜也のが早かったか」

 

天下一通りに着き、桐生さんを発見して周りを見てみると、伊達さんはまだのようだった。

 

「もう準備は万端か?」

「はい、大丈夫です」

「後、10分位したら伊達さんも来るだろう。ちなみに何を買ったんだ?」

「一応、河原襲った奴との闘いに備えてのメリケンと、薬局で買ったスタミナミンXX3本ですね。桐生さんは?」

「俺も薬局で自分用のやつを2本だな」

「すまねぇ、遅くなった。もう二人共来てるみたいだな」

「あぁ、行こう」

__________________________

もうすぐで横浜に着くという時に伊達さんが口を開いた。

 

「“劉 家龍”に“蛇華“か…厄介な連中まで絡んできちまうとは」

「あぁ…」

「大体だ。桐生、ペンダントはともかく、連中が遥をどうこうする理由はねぇからな」

「……竜也は知ってるかも知れねぇが、伊達さん…遥は見たこともねぇ母親探しにたった一人であの街に乗り込んできた。9歳の女の子がだ。“ただ母親に会いたい”その一心でだ」

「ですね」

「遥が俺らから離れようとしたって聞いた時、俺は……10年前の事を思い出した。」

「何より大事なものを守りたい一心で自分のしたことをしんじてた時の気持ちを…だが、今おもえば俺は知らない内に逃げていたんだろう。」

「その人間が背負うべき運命を見てられなくて…俺は見届ける勇気すら無くて、奴の人生を曲げてしまった。」

「だが、こうも思ってしまうだ。“運命に逆らった自分は正しかったはずだ”“大事なもん守るために必死になった人間はどんな壁だって乗り越えるんだ”ってな…」

 

俺は後部座席に座ってるため桐生さんの表情を確認する事は出来ないが、声のトーンなどから恐らく悲しい顔をしているんだろう。

 

「美月が死んで、遥はあの小さい体で必死に歯食いしばってる。あいつが運命と闘うなら……俺はあいつの為に命張ってやろうと思うんだ…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

横浜に着いた俺達は中心部にある“翠蓮桜”という見に来ていた。

 

「ここが、蛇華のアジトなんですか?」

「そうだ。伊達さんは例の捜査を探ってくれないか?悪いが今の伊達さんは足手まといになる」

「ハッキリ言いやがる。……まぁお前ら二人なら問題無いだろう」

「さて、行くか」

 

桐生さんを追う形で行こうとしたその時

 

「おい、お前ら!」

「伊達さん…?」

「死ぬなよ…」

「んな簡単に死にませんよ」

 

そこまで言って店内に入っていった

 

「お客様、お二人様でしょうか?」

「“劉 家龍”に伝えろ。桐生一馬が会いに来たと」

「あいにくですが、当店にはそのような者はおりませんが…」

「桐生さん、カウンターの方…」

 

俺の言葉に釣られ、桐生さんもカウンターを見る。そこには必死に何処かに電話を掛けている男が居た。そして目があった瞬間、アサルトライフルを乱射してきた。

 

「!?くっ!」

「嘘だろ!?」

 

俺は瞬時に近くにあったテーブルを蹴りあげそれに隠れる。

桐生さんの方は本来なら絶対しない行為だが、本能が生きる為にやったのだろう。俺らに話し掛けてきたウェイターを盾にした。

 

リロードのタイミングを逃さず一気に近ずき顎を正確に狙い脳震盪させる。

 

「ふぅ…いきなり熱烈ですね」

「あぁ、だがまだまだ序の口らしい」

 

桐生さんの目線の先を見ると青竜刀や、ピストルを持った連中がぞろぞろ居た。

 

「(ッチ、流石にあの数まともに相手すんのはキツすぎる…ん?あれ使えば…)」

 

「桐生さん、青竜刀持ってるヤツらだけでもいいんでこっちに連れて来れますか?」

「何をするのかは知らないが……問題無いぜ」

「ありがとうございます」

 

「(俺が急がねぇと…)」

 

リロードの途中だった銃を急いでリロードさせる。

 

「※※※※※※※」

 

聞き取れない言語を発しながら一目散にこちらに向かって来る。

 

「待ってましたよっと!」

 

ガガガガ!!バキン!

 

店の上にあるシャンデリアを吊るしていた金具を狙い撃つ。

シャンデリアが外れ、向かって来た連中全員巻き込まれた。

 

「ふぅ…ギリギリ…!?」

 

安堵している隙に撃ってきたであろう弾を避ける。

 

「っぶね…次行くか…」

 

桐生さんの方を見ると、既に銃を持っている連中を壊滅目前まで追い込んでた。

 

「(これ…俺居るか……?)」

 

持っている銃を下ろし、桐生さんの居る階段に向かう。

 

「なるほどな、シャンデリアを落としたのか」

「ええ、なかなかの数だったんで、一気に減らそうかなと」

 

「(まぁ、半数位減らせたら良いなって思ってたんだけど…バカ過ぎるだろ)」

 

「さて、次行くぞ」

「はい…」

 

二階のドアを開けると調理場だった。そこには普通の蛇華の兵隊が4、5人と料理長らしき人物がいるだけだった。

 

「桐生さん、あの料理長みてぇなの俺に任せてもらっても良いですか?」

「………あぁ、良いぜ。じゃあ他の連中は俺に任せとけ」

「すいません。助かります」

 

「(さて、あーあー中華包丁なんか武器にしちゃって…勿体な)」

 

指を曲げ挑発する。

 

「言葉分かんなくてもこのくらいは分かんだろ?」

「※※※※※」

 

<蛇華構成員>

 

菜切を投げてくるが特に動かず回避、直ぐに中華包丁を振り回してきた。

 

「遅ぇ…」

 

バックステップで避け少しジャンプして蹴りで一本折る。

回避が足りず薄く斬られてしまうが気にしない。

 

「※※※※!!!」

「折られて怒ってんのか?ハッ!?笑わせんなよ…じゃあ使うなよ」

 

パンっ!

 

マシンガンスタイルで目の前に移動し猫騙しをする。簡単に包丁を落としてしまった。

 

「下、向いてる暇なんかねぇぞ」

 

ドゴッ!

 

鳩尾に思いっきり蹴りを入れる。

 

「※※!?……」

「だから…俯いてる暇すらねぇよ……」

 

グキっ!

 

顔を踏み潰す勢いで踏む。

 

「あーしんど」

 

スタミナミンXXを1本飲みながら呟く。

 

「相変わらず強いな」

「いやいや、桐生さんが言うと嫌味にしかなんないですよw」

「い、嫌味?そんなつもりは無かったんだが…」

 

「(あ、桐生さんガチ凹みしてる。……まぁ実際俺とか伊達さんからしたら桐生さんとか化け物レベルだからな。まぁこれくらいは良いよな)」

 

「かなり怒っていたようだが、何が癪に触ったんだ?」

「いや、その恥ずかしいんですけど…包丁なんですよね」

「包丁?」

「えぇ、まぁ俺も料理をする身としてはあんな風にめちゃめちゃいい調理器具があるのにそれを凶器に使うのが許せなくって…」

「なるほどな…しかし竜也の料理か…食べてみたい気もするな」

「今度機会があれば作りますよ。とにかく、次の部屋へと行きましょう」

 

次の部屋への扉を開こうとした時

 

ビュッ!

 

少し開けた隙間から針が飛んできた。

 

「「!?」」

 

ドンッ!

 

驚いている隙に近付かれ掌底で吹き飛ばされる。

 

「カハッ!……て、てめぇ!」

「こいつは…」

 

吹き飛ばしてきた相手は数時間前河原を襲ったリーダー格の男だった。

 

「サキホドブリダナ。ソレに“桐生一馬”ダナ」

「俺の姿を知ってるという事は劉家龍に近い存在という事か?」

「ワタシのコトハドウデモイイ。劉様のメイレイダ。オマエらをコロス」

 

桐生さんに向かっていったが届く前に俺が殴った。

 

「おい…てめぇの相手は俺だろ…」

「キサマ……!」

「桐生さん、先に行ってください。こいつだけは俺がやるんで」

「竜也…大丈夫なのか?胸の傷もあるし…俺がやるが…」

「大丈夫ですよ。そこまで深いやつではないですし、ある程度因縁あるんで」

「……分かった。そいつは頼んだぞ…」

「……イカセナイ」

 

幹部が向かっていくが

 

「だから、俺が相手だよ」

 

邪魔をする。

 

「キサマ……!!」

 

そうこうしてる間に桐生さんはドアの向こう側へ行ってしまった。

 

「ふぅ……さて、今回は止める野郎は誰一人居ねぇ。思う存分…殺り合おうぜ」

 

俺はメリケンサックを拳に着けた。

 

「……シカタナイ。“桐生”は劉様にマカセルトシヨウ」

 

そこまで言うと鉤爪を腕に着けた。

 

お互いにヒートを出し、お互いに向けて拳を突き出した。




ラストの終わり方雑ですね
もうちょいまともに書きたいなぁ


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18話 奪還

えー3のリメイクが出る前に終わらせたいと言っていたにも関わらずまさかの発売までもうこんなに時間が無いとは(詳しい日にち知らなかったです)
後、ものすごく短いです。それと今回ラスト付近に戦っている奴の描写説明の時カタカナじゃなく普通にひらがな使ってます。ご了承ください。


<蛇華幹部>

 

キンッ!

 

鉤爪とメリケンがぶつかる音と共にお互いに下がる。

 

「(どう考えてもリーチ勝負はあっちのもんだ。それにヒートである程度加工しててもただのメリケンじゃ直ぐに壊れちまう。何とか懐に入んねぇと…!?クソっ!)」

 

距離を離れ過ぎると針を投げて来てそれに気を取られると鉤爪が目前まできてしまう。

 

腕を掴み膝蹴りを腹に入れる。

 

「グッ!…」

「はぁ…はぁ…悪ぃけどその邪魔なもん壊させて貰うぜ」

 

ザクッ!

 

嫌な音に脇腹に熱い痛み

 

「ッ!……」

 

叫び声をあげないように声を押し殺す。

 

「オラァ!」

 

蹴り飛ばし俺も後ろに下がる。脇腹を触ると赤いものが手に付いた。

 

「後……すう…センチ奥だったら…ヤバかったぜ……」

「ソレをウケテモ、マダタツカ」

「ちょっと頑丈なのが…俺の特徴なん…でな……」

 

「(やべぇ…周り霞んできやがった…立ってんのかすら怪しいぜ)」

 

ただ抑えているだけで血が止まる筈もなく、明らかに血が出過ぎている。

 

「ふぅ…ふぅ…飛ばすしかねぇよな…」

 

マシンガンスタイルになり、ヒートを出す。

 

が、遅すぎた。

 

グググッ

 

「カッ……」

 

首を締められ声すら出せなかった。

蹴りを入れ抵抗するが奴の手が緩む事は無い。

 

「(や、ヤロォ……)」

 

その場で掴んでいるだけだったのだが、急に何処かに移動し始めた。

 

「(何だ…何処に……!?嘘だろ……!)」

 

あまり動かない首を動かしてみた先、そこにはコンロがあった。

 

「(あんなのに焼かれたら…火傷じゃすまねぇぞ……!)」

 

炎が出ているコンロの前に立ち、凄まじい勢いで振り下ろされる。

 

ガッ!

 

キッチンの壁に持てる力の全てを使い、壁にしがみつく。

 

「……ムダなコトを」

 

ドコッ!

 

今みたいな状況じゃなければ直ぐに気絶してしまう程の拳を受ける。

 

「ッツ!カハッ……!」

「オワリダナ。“桐生”のホウモスグにカタガツクダロウ」

 

息が出来ず肺から空気が出るだけ。大きな出血と首絞めにより意識を保つので精一杯だった。

 

「ド…ドッラァ!」

 

それはある種の賭けだった。しがみついていた手を離し足で奴の腰に巻き付く。

自由になった上半身で頭突きで仰け反った所を手刀を縦に降る。

 

「ウグ…」

 

奴も堪らず手を離す。

 

「まだだ!」

 

ライフルスタイルになり、抱きつくように手を腰に回し持ち上げ調理場からホールまで猛ダッシュで壁にぶつける

 

「グハッ!」

 

これは先程よりも効いているらしい。

しかしこれで辞めるつもりも無い。遠心力を利用し、下のシャンデリアが落ちている場所まで投げ飛ばす。

 

「フゥ……オラァ!」

 

メリケン+ライフルのパワーをフルに使い二階へと上がる階段を中心、両端を殴り壊す。

その代償として1つメリケンが壊れてしまうが特に気にしない。

 

「さて、次…グッ!」

 

脇腹が主張するように痛みを出すが止まれない。

調理場に急いで戻り今度は扉に様々な棚等を置き直ぐに入って来れないようにする。

そしてコンロに目を向ける。

 

「ックソ……やるしかねぇよな」

 

上着を全て脱ぎスタミナミンXXを口に入れるだけ入れて直ぐには飲まず空き瓶となったそれを手で力強く抑える。

 

ジュウ!!

 

「ンン!?」

 

変な声を出しながら様々な形で全力で声を我慢する。

ちびちびと口の中にある飲み物を胃に入れながら耐える。

 

ビキッ!

 

今の音的に手で抑えていた瓶が割れたのだろう。

それすらもどうでも良くなる痛みのせいで何も考えられなくなってくる。

 

段々と目の前が潤んでくる。

 

「(痛みで泣くのなんか何時ぶりだよ!…の野郎ぜってぇ許さねぇ!)」

 

その瞬間扉が開く音がした。

 

「キサマ、ナニヲ…!?ヤイタノカ」

「おかげさんでな!……まぁいいや、完全に血は止まったし…こっからはてめぇが泣く番だからな」

 

左手に付けていたメリケンを右手に付け替えマシンガンのスピードで顎に一発入れる。

 

「!?」

 

理解が追い付いていないらしい。

 

「まだまだ行くぜ」

 

鼻、足、肩、腰、胸その他の場所を四肢を存分に使い致命傷に至らせる。

 

「グ、グオオオ!」

 

しかし河原の時と同様体を捻り体制を立て直そうとするが

 

「自由に動かすかよ」

 

捻っている間に近づきストレートを放つ。が、それは腕で相殺し強引に回避される

 

「ッチ、あれで終わらすつもりだったんだけどな。お前やっぱ強えぇな」

 

先程までとは信じられない程俺が優勢になっていた。が、こいつを見くびる訳にはいかない。

 

「(油断はしねぇ。全力で潰す!)」

 

「フッ!」

 

ハイキックからの鉤爪の振り下ろし

蹴りを腕で止め、鉤爪はメリケンで壊し、回転しつつ裏拳を使いもう片方も壊しそこまでの攻防でまた距離をとる。見るとメリケンが壊れている。奴は壊れた鉤爪を見ながら俺に話しかけて来た。

 

「……ナントイウ?」

「あ?」

「ナマエをキイテイル」

「黒瀬、黒瀬竜也だよ」

「クロセか…」

「てめぇは?」

「嶈…ソコダケでイイダロウ」

「嶈ね…かっけぇ名前。結構回復したんじゃねぇの?」

「ソンナツモリハナカッタガナ」

「ま、どっちでも良かったから何でも良いんだけどな」

 

ハンドガンに戻しヒートを出す。

 

「ぶっ飛ばす事に変わりはねぇし」

「イイダロウ」

 

嶈も同じくヒートを出す。河原の時と何ら変わらぬ光景しかし今度は止める奴はいない。

 

「「ウォォォ!!」」

 

俺は飛んで上からのパンチ、対して嶈は顎に膝蹴り

 

ドカッ!

 

二人同時に喰らう。

 

「うっ!」

「ガッ!」

 

お互い直ぐには倒れない。

先に動き出した嶈が足元がおぼつかない状態で俺に近付いてくる。

 

「大人しく…た、倒れとけよ…」

「………」

 

嶈は喋らない。無駄なエネルギーを極力無くしているのだろう。

俺はまだ立ち上がるだけで動けない、その間に側頭部に的確な蹴り、からの焼いた所にフックどちらも大した威力ではないが、場所が場所だけになかなかダメージがある。

 

「グッ…な、めんな!」

 

反撃のボディブローを決める。

 

「フン!」

「オラァ!」

 

そっからはお互いノーガードのただの殴り合い。

殴られては殴り返し、殴ったら殴り返される。

満身創痍すら通り越した状態が続く。

 

蹴ろうとした時に足がふらつき体制を崩す。

 

「しまっ…!」

 

正面からのストレートを喰らい倒れる。

 

~~嶈視点~~

「……ココマデトハナ」

 

しばらく寄り掛かりたい気分だが、“念には念を”劉様の元に行かなくては

 

ガシッ

 

「!?キサマ!」

「こ…れで……終わりだぁぁぁ!!」

 

ドンッ!!

 

未だかつて味わった事の無い重みを感じながら意識が切れた。

 

~~竜也視点~~

「や、やってやったぜ……こんちくしょうが……き、桐生さんのほう」

 

ドサッ

 

「(これ、やべぇ…立ち上がる所か、体の何処にも力入んねぇ…)」

 

意識が薄れていく中、最後に目と耳に入ったのは武装した集団とその足音だった。




戦闘シーン全然書けなくなってきてる 
誰か良い書き方あったら教えてください


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19話 龍の怒り

なんとか今日ギリギリ出せました。
ホントに危なかった。リメイク3発売日だってのに今日出せなかったら意味無いや


~~伊達視点~~

桐生と竜也が翠蓮桜に潜入してからかなりの時間が経った。結果としては最悪と普通の中間といった所だろう。

まず一課の連中に誰かがけしかけ桐生が遥の誘拐犯という形にされた。

竜也の方は傷がひでぇって事でまず治療が先になり、話すら出来なかった。

 

「(ようやく見つけたぜ。これがありゃ…ま、考えても仕方ねぇ)」

 

桐生の檻の鍵を取った。もちろん極秘に。

 

「(だが、まずは竜也だな。あいつはただ事情聴取だけだからな。話せば直ぐ出してくれるだろう)」

 

「済まない。警視庁の伊達だ。黒瀬竜也を出して貰えるか?」

「え?彼なら治療が終わった数分後に彼の保護者代わりって名乗った人が引き取りに来ましたけど……」

「何!?本当か!」

「は、はい…」

 

「(こんな時に竜也の保護者代わりだと…?普通に竜也の知り合いだと良いが仮に東城会関係だとしたら……まずいぞ)」

 

「……そうか。ありがとう……桐生一馬の檻は確かしばらく先だったな」

「はい、もし会うならお気をつけて」

「あぁ」

 

「(一応念の為竜也の件も桐生に言わなくては)」

 

急いで桐生の檻へと急いだ。

 

~~竜也視点~~

「う…こ、ここは…」

 

目が覚めるとそこには黒のスーツを着た連中が大勢居てそして目の前に白いスーツを着た何度か見た男が居た。

「お目覚めですか。黒瀬さん」

「安堂……車か」

 

外の様子が見えないため推測でしかないが時たま来る振動から車だと予想した。

 

「えぇ、あまりこの車好きでは無いんですがね…さて、そろそろ本題に入らせてもらいますよ」

「心愛か?」

「えぇ、もちろん彼女だけでは無いですがね…これは私の感なんですが…もしかしてかなり黒瀬さんは真相を知っているのでは?」

「ある程度は予想出来るけど正直全部なんて分かんねぇよ」

「フフ、素晴らしいですね」

「悪いけどぜってぇに口は開かねぇぞ。心愛と風間さんの事は喋らねぇ」

「……もちろんそう言うと思っていましたよ。ですがもう良いでしょう。ただ喧嘩が強い高校生が入っていい所はとうに過ぎましたよ。」

「……かもしんねぇ。けどここまで来てそれはねぇだろ」

 

ドスッ!

 

「ウグッ!」

 

嶈よりも数倍は重いであろう一撃。反撃しようとするが括られていて何も出来ない。

髪を掴まれ引き寄せられる。

 

「舐めんなよ。ガキが…前にも言いましたよ。容赦はしないと。大人しく場所を言った方が身のためですよ」

「……知らねぇって言ったら?」

「心当たりがある場所を一つずつ言ってもらいます」

 

「(錦山の時とはまた状況が違ぇ……あの時は逃げる手段は幾らでもあった。けど今回は……一つもねぇ)」

 

絶望

その一言に尽きる。

 

沈黙が続く。

 

「ある程度待ちました。決まりま「言わねぇ」

 

安堂の言葉を裂き俺の意見を伝える。

 

「どんだけ脅されようとな、心愛は俺の大事なダチだし、風間さんは恩人だ。てめぇの脅迫受けたところで変わりはしねぇんだよ」

「そうですか…なら、死ぬしか無いですね」

 

ドスッ!

 

「ウッ!」

 

腹から頭その二撃で俺の意識はまた沈んでしまった。

___________________

ふと鼻に入る変な匂い、そこに時折混ざる酒の匂いによって目が覚めた。

 

「(どうやら生きてはいるみてぇだな……この入り組んだ感じ…チャンピオン街か?)」

 

目に入るバーや風景からチャンピオン街だと予想した。

 

「(なんで奴は俺は殺さなかったんだ?)」

 

ふと思った疑問。奴なら確かに俺を殺しても可笑しくは無いはずなのに。

 

「(まぁ生きてるならそれで良い…一旦河原に行こう。桐生さん達の行方がわかんねぇ以上、アジトに行くのが最適だな)」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

河原に着き急いで花屋の所へ行く。

 

「花屋居るか?」

 

しかし花屋は居なく、花屋のテーブル付近が無くなっている事から観察場(俺が勝手にそう呼んでいる)に居ることが分かった。

 

「観察場か。しゃぁねぇちょっと待つか」

 

タイミングを見計らったように地響きが鳴る。

 

「お?ラッキー」

 

出て来た人は花屋だけじゃなく、桐生さんに伊達さんも居た。

 

「皆さん此処に来たんですね」

「竜也…保護者代わりの奴が引き取ったと聞いたがどうだったんだ?」

 

伊達さんが聞いてくる。俺は安堂と話した事、チャンピオン街に降ろされた事を話した。

 

「そうか…どうやら東城会もなりふり構わなくなってきたようだな」

「見たいですね…所でさっきはなんで三人揃って出て来たんですか?」

「そうだ!桐生、急がねぇと」

「あぁ」

「ちょ、ちょっと待ってください。俺にも状況を教えてください。後、俺も桐生さんに言わなきゃならない事もあるんで」

「………分かった。だが、移動しながらで良いか?悪いが本当に一刻を争うんだ」

「分かりました」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

桐生さんの話によると麗奈さんが錦山に俺らの行動を言っていたらしい。

 

「そんな事が…」

「あぁ、それで竜也、おまえの方は何なんだ?」

「桐生さん、シンジって人知ってますか?」

「心当たりはある。だが、何故竜也は知ってるんだ?」

「風間さんが桐生さんに会いたいそうです」

「!?おやっさんが…」

「はい。それでシンジって人を探すしか無くて」

「分かった。麗奈に話を聞いたら直ぐにでもシンジに連絡しよう」

 

そんな話をしている内に着いた。

しかし入った俺らの目に広がったのは椅子や花瓶が倒れているセレナだった。

 

「これは…?」

「桐生さん、テーブルに手紙が」

 

そこには麗奈さんの懺悔にも似た手紙が置いてあった。

 

「麗奈……」

 

その時桐生さんの携帯が鳴る

 

「シンジか?お前、どうした!?」

 

「あぁ、俺もさっき知った」

 

「何!?」

 

「シンジ!今何処だ!?」

 

「シンジ、待ってろ。直ぐに行く。それまで絶対に死ぬな!」

「桐生、どうした?」

「麗奈の奴が錦を撃とうとしたらしい。それで今シンジと逃げているようだ」

「俺も行きます」

「済まない。伊達さんは遥を見ていてくれ」

「分かった!任せとけ」

 

こうして俺と桐生さんは外に出た。

 

「血の跡が…!?桐生さんこれは」

「急ごう…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

血の跡を追い、辿り着いた場所は雑居ビルだった。

中に入り、シンジを探す。

 

中に入ると電話が来た。

 

「分かった。屋上だな、直ぐに行く!」

「屋上ですね。急ぎましょう」

 

階段を上がると組員らしき人物が電話をしていた。

 

「……あぁ、昔キャバクラがあった雑居ビルに居る。田中の叔父貴は女連れて屋上に逃げてるぜ」

 

「今、叔父貴を探してた連中集めてる所だ。お前らも大至急来い!!」

 

「……なんだと?荒瀬の兄貴?…そいつはマズイ。兄貴が来たら、ビル中蜂の巣になるぞ!」

 

「兄貴が来る前になんとかして終わらすぞ!とにかく来い!」

 

電話が終わると同時に俺らも出る。

 

「て、てめぇ桐生!おい!桐生がいるぞ!殺れ!」

 

ぞろぞろと集まってくる。

 

「邪魔くさ…」

 

マシンガンの最大速で全員一発で終わらす。

 

「行きましょう。止まってる暇は無いですから」

「あぁ…」

_________________________

所々から出てくる連中を来る度倒し、やっと屋上に、辿り着いた。

 

「まだ居んのかよ」

 

が、まだまだ構成員はいる様で流石にしんどい…

それを言い訳に止まる訳にもいかないので

近場の鉄パイプを広い叩き付ける反動により体を浮かしで上から蹴り下ろす。

あの真島さんの技術を真似する。

 

「竜也、次行くぞ」

 

三人いたが俺があれをしている間に二人を倒したらしい。

 

「まさか真島の兄さんの真似が出来るなんてな」

 

どうやら見ていたらしい。

 

「実際こうやってやってみると真島さんがいかに人間離れしてるか分かりますよ……俺のはあくまで応用ですもん。普通あそこまで飛ばないっすよ」

「……まぁあの人は“凄い”なんて言葉じゃ表現出来ないからな」

 

「(ほんと桐生さんといい、真島さんといいバケモンクラスか、それなりのレベルしか居ないからな。神室町…あれ?そう考えると桐生さんも普通じゃ無いよな)」

 

ちなみにここまで俺が少しあまり効かないのを三発喰らっただけで、桐生さんはノーダメージだ。2人共息が荒れている様子も無い。

 

「…竜也?何をボーッとしている?行くぞ」

「あ!すいません!今行きます!」

 

桐生さんの跡を急いで追うと日本刀、ショットガン、その他諸々武器を持った連中が7、8人居た。

 

「うっわぁ…これは…」

「流石に喰らわないってはキツそうだな…」

「まぁ最低限でいきましょう…」

「あぁ…」

 

俺はライフル、桐生さんは堂島の龍になり、各々の構えをとる。

振りかざされる日本刀の柄の部分を掴み拳を握り潰す。

 

「ぎゃあああ!!」

「ついでに寝とけ!」

 

殴って沈める

桐生さんの方とはいうとハンマーを持った奴を蹴飛ばしハンマーを逆に奪い殴っている。そのままハンマーを回し3人同時に倒している

 

ドンッ!!

 

反射神経と身体センスをフルにつかい下に伏せる。

目の前にはショットガンを持った男が立っていた。

 

「(っぶな…あんなん喰らったら死ぬって…)」

 

ドンッ!!ドンッ!!

 

続けて二発、転がる形で回避する。

 

「フゥ……一発で終わらす…」

 

起き上がり突進。撃たれるが斜めに回避して膝蹴りでダウンさせる。

 

「キッツ……集中しすぎて目いてぇ…」

「あまり危険な事はするなよ…」

 

全員倒した所で桐生さんが話しかけて来る。

 

「大丈夫ですよ…集中が続くと視界がやけにクリアになるんですよ。だからさっきも弾のバラつき方も分かりましたし」

「そ、そうか……まぁ行くか」

 

開けた所に出ると腹を抑え倒れてるボウズ頭と銃を構えてる男がいた

 

「兄貴…」

「桐生さん……邪魔しないでください」

「黙れ」

 

桐生さんはかなりきているようだ。

 

「近付かんでください!これ以上あんたに組荒らされたくないんだ!」

「お前シンジに銃向けて恥ずかしくないのか?お前らの兄貴分だろ」

「悪いのは田中の叔父貴です。親に背ぇ向けて…組裏切って!」

「錦は東城会裏切ってる…本当の裏切り者はどっちだ?」

「うるせぇ!」

 

桐生さんの首元に向けて撃つが外す。

 

「俺たちは“親”が絶対なんだ!“親殺し”が口挟むんじゃねぇ!」

「…撃ちたきゃ撃てよ…シンジは撃てて俺は撃てねぇのか!?」

「なぁにチンタラやってんだ馬鹿野郎」

 

後ろを見るとガタイの良い奴ら3人いて赤いコートを着たリーダー格は銃を持っている。

 

「(こいつが“荒瀬”って奴か…)」

 

荒瀬が顎で合図すると組員の1人が女をこちらに向ける。

 

「「麗奈(さん)!?」」

「さっさと弾いて終わらせろや!」

 

桐生さんは勿論だが、俺ももう限界だった

 

「うぉぉぉ!!!」

「……殺す…!!」

 

<荒瀬和人>

 

「竜也…」

「分かってます…あいつは頼みますよ」

 

正直俺も奴を殺してやりたい程だが、桐生さんの怒りに比べたら大したものでは無い。

 

「遅せぇよ!」

 

ハンドガンになり、銃を持ってる手を引き手刀で腕を折る。

その腕を離さずライフルに切り替え振り回す。

俺を狙いずらくする為の行動

 

「もういいや…てめぇら全員…死ねよ……」

「なっ!?」

 

急に振り回すのを止め動きが硬直する瞬間に倒した。

桐生さんの方を見ると荒瀬の銃は全部肩とかを擦る位でまともに当たっていなかった。

そしてどうやら口が動いてるのを見ると何か喋っているらしい。

恐らく恐怖から生まれる言葉だろうが

 

「自業自得か……」

 

桐生さんの強烈な一撃を喰らいピクピクと動くだけだった。

 

「麗奈…」

 

桐生さんは麗奈さんの目を閉じてあげた。そしてシンジの所へ向かった。

 

「兄貴…すんません…最後まで……」

「シンジ…!」

「そこの…ガキは……知ってるかも、知れないですが…風間の親っさんは“アケミ”って女に預けました…俺の…女です……」

「分かった、“アケミ”だな」

「兄貴…これを……」

「シンジ、お前!」

 

ガクッ!

 

首が自然と下がる。

 

「シンジ…シンジィィィィ!!」

 

桐生さんの声が木霊した…




所々端折ってます
超絶不定期更新作者次はいつ出せる事やら


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20話 ニンベン師

なるべく早く投稿出来ました。後、これから急ぎで投稿したい時以外は毎回12時投稿にしようと思います。



~~桐生視点~~

2人をあそこに置いとく訳にもいかず俺は急遽河原へと移動してきた。竜也を伊達さん達の方へ行かせ俺は花屋と話している。

 

「残念だったな。シンジと麗奈は」

「…ここ以外に頼れる所が無かったんだ」

「分かってる…出来るだけ手厚く葬ろう」

「あぁ、すまん…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~~竜也視点~~

河原でのアジトで伊達さん、俺、花屋、桐生さん、遥ちゃん皆で話をしている。

 

「アケミ?」

「そうだ、シンジは確かにそう言っていた」

「しかし、そんな名前の女幾らでもいるぞ」

「それだけじゃなぁ…」

「…桐生さん、シンジ“さん”の特徴とかなかったんですか?」

「……風俗が好きだったな…」

「花屋……」

「なるほどな、もう分かった」

 

「(ちょっと俺が言っただけだぞ?なんでもう分かんだよ)」

 

少しは頭の回転も良くなきゃ情報屋なんて出来ないと花屋は言っていたがその通りらしい。

 

「ここ何年か奴が通ってる店がある。“桃源郷”ってソープだ。そこのナンバーワンが確か……“アケミ”」

「なるほどな」

「ただし、そこは普通の店じゃない。ビル一軒丸々ソープだが、看板はねぇしパッと見じゃ分かんねぇ。しかも一回100万と来たもんだ」

「100万!?」

 

伊達さんが驚く。俺も隠してはいるがかなり驚いている。

 

「現役タレントやモデルなんかがやってるからな。“選ばれた人間の遊び場”ってやつさ」

 

ここで今まで聞いているだけだった遥ちゃんが口を開いた。

 

「おじさん、ソープって何?」

「その、まぁ…風呂屋だ。いや、サウナか?」

「お、俺に降るな!」

「俺も答えんぞ」

 

桐生さんが伊達さん、花屋にヘルプを求めるが2人共上手く(伊達さんはあれだが)避ける。

 

「銭湯って事?」

「いや、それとも違って…その……」

「おじさんは行ったことあるの?」

「ん?あぁ…ん?いやその…」

 

桐生さんがしどろもどろしてる内に遥ちゃんが笑い出す。

 

「ウソ、私どんなとこか知ってるよ何日も歩いたんだから」

 

花屋、伊達さんは笑い、桐生さんはへこんでいる。

 

「こりゃあ1本取られたなぁ」

 

「(いや、笑い事じゃなくね……流石にこの年の女の子が知っていい事じゃねぇよ)」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

外に出て花屋に入り方を聞く。

 

「桃源郷に入るには……“桃源郷の会員証”が必要なんだ」

「じゃあ行けなくねぇか?」

「諦めるにはまだ早い。昔シンメイという女性が桃源郷で働いてた。今はピンク通りの“シャイン”とか言うキャバで働いている筈だ。シンメイに会うのが1番かもな」

「ピンク通りの“シャイン”だな。竜也行くぞ」

「はい」

______________________

「さて、着いた訳だが…流石に2人で行く訳にも行かないしな」

「俺、この付近で待ってれば良いですか?」

「流石に年齢的にもそっちのが良いだろうな」

「じゃあ待ってます」

 

そこまで言うと桐生さんはシャインに入っていった。

 

「さて、暇だ…そんな直ぐには終わんないよな。腹減ったからコンビニで弁当でも買ってこよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ありがとうございました」

 

近くのコンビニで弁当と麦茶を買いシャイン付近に戻ってくる。

 

「何処で食お?店の近くはまずいしな…まぁここら辺でいっか」

 

座るスペースを見つけ買っておいた新聞を下に引き改めて弁当と向き合う。

 

「うまそー、やっぱ悩んだ時はとんかつ弁当だよな」

 

とんかつに付いていた中濃ソースをかけようやく食べる準備が整った。

 

「さて、頂きます」

 

割り箸を割りとんかつに箸を伸ばしとんかつと白米を口に入れた瞬間

 

「竜也、何してんだ?」

「ゴフっ!?」

 

桐生さんが居た。

 

「ゲホッ!ゲホッ!き、桐生さん、早かったですね?もう貰えたんですか?」

「お、おい大丈夫か?いや、こっから“ジュエル”に向かわなきゃ行けなくなった」

「ジュエルですか?なんでまた?」

「シンメイに頼まれて“ニンベン師”という人に会わなくては行けなくなってな」

「分かりました。ちょっと待ってください。弁当しまうんで」

「あぁ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ジュエルに着き桐生さんが入っていくのを確認すると、またフタを開き弁当を食べ始める。

 

「さっきは全然味噛み締める暇無かったからな。今度こそ」

 

とんかつを食べポテトサラダを食べた所で麦茶を飲んだその時

 

ガシッ

 

弁当を踏まれた。

 

「あ?」

「ホームレスがこんな所で飯なんか食ってんじゃねぇぞ」

 

チャラそうな感じや服装からこの付近のホストだろう。

4人いるが大した実力じゃ無いだろう。普段だったら絡まれても無視するが、弁当を踏まれた事で許すつもりは無かった。

 

頭を掴み叩き付ける。

 

「……フゴッ!」

 

数秒のタイムラグがあってやっと叩き付けられた事が分かったのだろう。変な声を出している。

 

「う、うわぁぁぁ」

 

他のホストが逃げようとするが

 

「いや、許すなんて言ってないから」

 

腰が抜けて這って逃げている奴を踏み気絶させる。それをチャンスとみたのか2人で残り2人を置いていき逃げる。

 

「あ、しまった…ま、いっか。とんかつ踏んだ奴はもうやったし。食べ物の恨みは怖いからな、しゃあないな」

 

自己解決をし、もう動く気は無かったので桐生さんの戻りを大人しく待つことにした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それから三分くらいだろうか?桐生さんが出て来た。

 

「ニンベン師は分かったんですか?」

「いや、やはり簡単には会わせてくれないらしい。一回シンメイの所に戻ろうと思う」

「分かりました」

 

シャインに戻ろうとすると

 

「ここか?」

「あぁ。あのオカマ野郎…タダじゃおかねぇぞ」

「よし…行くか」

「桐生さん、さっきの2人組…」

「気になるな。一応行ってみるか」

「了解です」

 

店に入ると椅子に腰掛けてる女にさっきの2人組が問い詰めていた。

 

「いい加減白状したらどうだ?」

「あの日お前が公園でパスポート渡してるとこ目撃されてんだよ」

「だから!その時は彼氏と待ち合わせしてただけだって言ってるでしょ!」

「ガタガタ言ってんじゃねぇ!」

 

青龍刀を持っていたらしく酒瓶を切る。

 

「正直に言え…“ニンベン師”って奴は何処だ?」

 

その時酒瓶で2人を一斉にママらしき人が殴る

 

「アヤカちゃん、早く!」

「はい!」

 

俺と桐生さんには気付いていないのか横をすり抜けるように外に出ていく。

 

「桐生さん、どうします?」

「……まずはこいつらに話でも聞くとするか。おい、あんたら」

「なんだ?てめぇ」

「さっきの2人組なんだか分かってんのか?」

「“ニンベン師”に通ずる奴らって事しか知らねぇよ…逃げるとしたら第三公園だ。そこがいつもの取引場所だからな」

「ふーん……第三公園ね…」

「あいつら、切り刻んでやる…」

 

かなり怒っているらしい。

 

「桐生さん先行っててください。俺も直ぐに行きます」

「あぁ…」

 

桐生さんは出ていく。

 

「さて、ウェイターさん」

「は、はい…」

「外出てくれますか?外出て人寄り付かないようにして欲しいです」

「わ、分かりました…」

 

そう言って外に出ていく。

 

「悪ぃな…別に特に俺がやる必要は無いんだけどさ、危ないじゃんお前ら」

「何?」

 

ドゴッ!

 

蹴りで吹っ飛ばす。青龍刀を持っていた奴の方に近づく。

こいつに関してはまだ意識がハッキリしていないようだ。念の為青龍刀だけ折っておき、近くにある駐車場に捨てる。

 

「こんなもんか…急ご…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第三公園に着くとそこには桐生さんとさっきの2人が居た。

 

「………試させてもらったわ」

 

どうやら話の途中らしい。

 

「桐生さん、遅れました」

「貴方は?」

「俺はあんまり気にしないでもらって大丈夫です。それより」

「シンメイに偽造パスポートを作ってやってくれ。あいつが、しばらくこの街で働けるように」

「分かったわ。ママ、お願いして良いよね」

「何?って事はまさか…」

「あはは、その通りよ。さっきの店で待ってます」

 

「(店で待ってるって…俺壊しちゃったけど…多分大丈夫だよな…?)」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はい、これがお望みの品よ。シンメイに届けてあげて。……桐生さん、貴方の事は知ってます。………風間さん、撃たれたみたいですね」

「何?」

「何で貴方達が……?」

「その事と関係あるかは分かりませんが…実は5年前、風間さんから依頼があったんです」

「どういう事だ?」

「ある1人の人間を偽造してくれって。……出生記録に住民登録、卒業証書、免許、医療記録、パスポート…公共機関にも捏造した記録をしこんでね……記録の中でのみ、実在する人を作り上げたんです」

「!?それは…」

「私が話せるのはここまでです。…私達はこれで」

 

外に出るともう日が出ていた。

 

「桐生さん…さっきのニンベン師が言ってた人って……」

「…とりあえず、シンメイにこれを渡しに行こう」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「じゃあ俺ここで待ってます」

「あぁ、直ぐに戻る」

 

「(ふぅ…一息つくのも一苦労だぜ。完全な“紙でのみ生きている人間”か……多分俺と桐生さんは同じ人を考えてる筈だ…)」

 

「竜也、待たせたな」

「あ、大丈夫です。それで会員証は?」

「シンメイが昔一緒に暮らしていたという“水野さん”という人に渡してしまってたらしい。今からそれを取りに行くしかない」

「なるほど……それでその人が居る場所は?」

「七福通りのMEBだ」

「また、七福通りですか……今回はやけに往復しますね」

 

ジュエルも七福通りにある為、物凄く行ったり来たりをしている。

 

「あぁ……だが、止まる訳にも行かない。早く済まそう…」

 

桐生さんも若干うんざりしてるらしい…2人して足取り重くMEBに向かう事になった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

足取りが重い中なんとか着いた。

 

「さっさと済ませてくる…待っててくれ」

 

俺の返事すら聞かず中に入っていった。

 

「ようやく、手に入れたぞ…」

 

2分位で出て来た。

 

「お疲れ様です…」

「あぁ、1度花屋の所へ戻ろう」

 

かなりの時間をつかい、ようやく会員証を手に入れた。

_____________________

「おぉ!桐生、竜也戻ったか!」

「あぁ、色々あったが、なんとか手に入れた」

「どうすんだ桐生?もう桃源郷行くのか?」

「いや、夜になってから行く事にしよう」

「じゃあ行く時になったら起こしてください。ちょっと仮眠します」

 

流石に色々ありすぎて眠気と疲れがピークだ。

 

「分かった。今の内にゆっくり休んでおけ」

 

桐生さんのその一言により、眠る事にした。

______________________

「…や!…つや!竜也!」

「は、はい…!?あ、伊達さんですか…」

 

目の前には伊達さんの顔が目いっぱい広がっていた。

 

「そろそろ桐生が行く準備をしておいてくれだとさ」

「あ、了解です」

 

「(とは言っても特に準備なんてないんだよな)」

 

「竜也、調子はどうだ?」

「……大丈夫です。もう俺の方はOKです」

 

桐生さんの問いに答えながら何があっても大丈夫なように体を動かせるようにしておく。

 

「桐生、俺は本庁から呼び出しが掛かってる。まぁ、9歳と18連れて桃源郷行くってのはおかしな話だが、遥達連れて桃源郷向かってくれ」

「あぁ。遥行こう」

 

こうして俺と桐生さんそれに遥ちゃんの3人で桃源郷へ向かう事となった。




今はモチベーション上がってるので、次回もこの位のペースで行けたらいいと思ってます。


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21話 狂犬の本領

ちょっと時間がかかってしまいました。


桃源郷に着いた。

 

「ここか…“桃源郷”あまり時間をかける訳にも行かない。早く行こう。」

 

恐らく会員証を確認する為に配属されているであろう。ボーイに会員証を見せる。

 

「桃源郷の会員証をお持ちですね。どうぞ、いらっしゃいませ」

 

中に入るとカウンターに居たボーイに止められた。

 

「あのーお客様、子連れはちょっと…」

「社会見学の一環だ。大目に見てくれ」

 

「(流石に無理ありすぎる……)」

 

「申し訳ございませんが、他のお客様のご迷惑になりますので…」

 

近場の像を壊す。

 

「(あ、俺もう知らね)」

 

「絶対に迷惑はかけない。良いよな?」

「かしこまりました…」

 

渋々ボーイが退く。

 

「ナンバーワンって事は最上階ですかね?」

「その可能性は高いな。最初に行っておくか」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

4階の1番奥

 

「おじさん、ここじゃない?」

 

遥ちゃんが確認をとる。

 

「そうみたいだな」

 

ガチャ

 

ドアを開けると見るからに高級感伝わるベットの前で土下座しながら待っている女がい居た。

 

「いらっしゃいませ。アケミです」

「桐生だ。シンジから……何か聞いてないか?」

「桐生……貴方が?」

「あぁ…」

「それじゃ、シンちゃんはもう……」

 

桐生さんは俯く。それは肯定以外の何者でも無かった。

 

「そう…最後に会った時、彼言ってたの。自分にもしもの事があったら貴方が訪ねてくるかもしれないって。いつもふざけてたあの人が急に真剣になってね、そっか…シンちゃん死んじゃったんだ……おかしいと思った。だってあの人、急に今やってる事片付いたら結婚しようなんて言って…」

 

声が段々と細くなっていく。

 

「すまない…」

「いいの……私の方こそごめんなさい」

 

ライターを付ける音だけが響く。

 

「風間さんね…確かにここにいたけどシンちゃんの知り合いが来て、連れて行っちゃったの」

「それって……女の子?」

 

俺が口を挟む。

 

「2人で来たわ…1人は近江連合の“寺田”さん。もう1人は確かに女の子だったわ。名前は心愛って言ってたわね」

「近江連合!?」

「桐生さん…近江連合の寺田って人は知らないですが、心愛は俺の知り合いです。俺が風間さんの事を知ったのも心愛経由です」

 

桐生さんに分かるように説明していく。

 

「そ、そうか…なら安心だが……近江連合だとな……」

 

「(俺も気持ちは分かりますけどね)」

 

「それで場所は?」

「“芝浦”よ。埠頭に止めた船に連れて行くって言ってたわ」

「そうか……」

「それと…シンちゃんこうも言ってたわ。『錦山組は100億の他に、世良会長の遺言状を探してる』それに次の“四代目”が指名されてるんだって」

「遺言状……そんなのが……それじゃあ錦はそいつを潰そうと…」

「シンちゃんはそう言ってたわ…」

 

ドンッ!

 

大きな衝撃

 

「何!?」

「桐生さん、この部屋じゃ様子が分かりません。一旦外に出ましょう!」

「分かった!」

 

外に出ると、ぞろぞろと人が集まってきた。

 

「こいつらか…やるぞ竜也」

「はい…」

 

突っ込んでくる奴をスウェイで避け腹に一発、後ろに蹴りで2人瞬時にやる。

桐生さんはラッシュの手数を押し切るようだ。

スーツの裾を掴み引き寄せ殴る。

回し蹴りで気絶させる。

 

「……ここは一通り片付いたな。下に降りよう」

「はい…」

 

階段の近くに椅子を持った巨漢の男1人

 

「俺が行こう」

 

椅子を振り回される前に蹴り体制が崩れ椅子を離した所でその椅子で攻撃。

 

一撃でダウンする。

階段の奥から3人飛び出てくる。

 

腹から頭に登るように蹴る。側の1人を腕で叩き付ける

 

「ったく…ん?桐生さん!こいつら……」

 

ふと服を良く見てみると真島組のバッジが付いていた。

 

「真島組だと…どうして此処が……?」

「今は下に急ぎましょう」

 

「(動きを止める訳にはいかねぇ……組員が集まる前に真島さんの所へ急ぐのが1番だな)」

 

階段を降りるともう2、3人しか居なかった。

 

「まだそんなに組員居なくて助かりましたね」

「竜也……少し休んでおけ。少し疲れてるだろ?」

「ハハハ……バレてました?」

 

向かって来ているが桐生さんはそちらには見向きもせず俺の方を見ている。

 

「流石に少し休んだとはいえ、連戦の続きだからな」

 

今の一言の内に3人共やってしまった。

 

「(ヤッバ……!!尊敬しかねぇ…)」

 

「下に行くぞ」

「分かりました…」

 

悲鳴が木霊している。どうやら下にはかなりの数が居たらしい。

 

「助けてぇ!」

 

助けを求めた女が首を掴まれる。

 

「レイコちゃん!」

「よぉーう、探したでぇ……」

「真島の兄さん。あんた……」

「助けて!お願い、助けて!!」

「おぉーよしよし……静かにせんかぁ!」

 

ドスを構える。

 

「よせ」

 

すかさず桐生さんが止めに入る。

 

「お?なんや、あんたべっぴんさんやないか!どや?俺の女にならんか?」

 

女の方は声が出ていなかった。

 

「どやねん?えぇ?」

「嫌です……私他に好きな人が………ごめんなさい!」

「真島!やめろ!」

「そうか……正直な子や……ええ!それでええ!」

 

そこまで言って真島さんは腕を離す。

 

「ほれ!ここ危ないで!早よ行き」

「読めねぇな……あんただけは…」

「俺は正直モンが好きなだけや、人の顔色うかがったりせんと、俺がそうやからなぁ」

「そうかい」

「この間はええ所で邪魔が入りよった。ココで“決着”つけようやないの!」

「上等だ……」

「2人共もうちょい上に上がって」

 

純度の高い殺気が2人から出る。安全の為上に上げる。しかし真島さんの殺気が消える。

 

「………と、言いたいとこなんやけどな」

「何?」

「ワシャ今ここにもう1人やりおうたい奴がおるんや!」

「………あんたまさか……?」

 

真島さんの指が真っ直ぐに俺の方に向く。

 

「お前や。お前」

「マジかよ………」

「おい!あんたの相手は俺だろ!」

「なんや桐生ちゃん、忘れたんか?“あいつとも楽しくやれそう”言うたの。ワシャ楽しく喧嘩出来ればそれでええんじゃ!」

 

「(行くか……勝てるか知らねぇけど)」

 

ゆっくり桐生さんの隣に行く。

 

「竜也……」

「良いぜ……真島さん。やろうぜ…」

「ヒッヒッヒッしっかり分かっとるやないか!」

 

何時来ても良いように構える。桐生さんが移動する足音だけが聞こえる。

 

「ええ目や、名前聞いてもええか?」

「黒瀬竜也」

「よし……じゃあ行くで…黒瀬ぇぇぇ!!!」

 

<真島吾朗>

 

蹴り、フック、ドス、アッパー全部弾いたり躱したりして防ぐ。そこからのちょっとの足払い。効果は的面でよろめく。その隙に全力ストレート

 

「(やべぇ!)」

 

ドゴッ!

 

「「竜也(くん)!」」

 

手を拳と頬の間に置き直撃を避ける。ボディブローをすぐさま入れ、離れる。

 

「とりあえず、先手必勝……って訳でもないか…」

 

平然と立ち上がる真島さん

 

「……やるやないか!やっぱり俺の目に狂いはないっちゅう事やな!」

「いや……なんでそんな普通なんだよ…こちとら全力出してんのに」

 

小言で聞こえないように呟く。

 

「おもろくなってきたでぇ!」

 

真島さんはドスをしまいダンサーの様な構えをする。

 

「(なんだ……この構え?でも不容易に近付いちゃいけない気がする)」

 

「止まってる暇無いで!」

 

距離を詰められアッパーからのブレイクダンスを喰らう。

 

ガッ!ガッ!ガッ!

 

ブレイクダンスの足さばきを全部喰らう。上から蹴りで踏み潰される。

 

「ゴフッ!ガハッ!クソっ」

 

踏まれている足を掴み膝を壊すように捻る。

 

「ヌオッ!」

 

堪らず足を離す。またボディブローからの頭にフック。吹き飛ばすつもりでやった攻撃は真島さんの上半身を揺らすだけで終わる。

 

「バケモンかよ…ッ!」

 

左肩に掌底、足で頭を掴まれ、締めあげられる。

 

「(またかよ!)」

 

肘で真島さんの脇腹を攻撃し続ける。少し緩まる所で逃れふくらはぎを殴りはなれる。

 

「カハッ!カハッ!……の野郎……」

 

腕、顔、そして腹と連続でやられる。

 

「ゴフッ!」

「なんや、この程度かいな……ガッカリやわ」

「あ……?」

「うちの奴らボコボコしてたからどんなもんか思ったけど、肩透かしもええ所やわ。もう終わらせたるわ」

 

ドスを取り出す。体は完全には起き上がってない。

 

「真島!」

 

ピク

 

寸前まで来てたドスが止まる。

 

「ま、ええわ。さっきまでのが前座って事にしよか。第2ラウンド始めたろか」

 

桐生さんも真島さんも構えだす。

 

「(……どいつもこいつも…………)」

 

両者の拳が当たる寸前

 

「おい…てめぇの相手は俺だろ……!」

「………なんや、やっぱり強いやないか…!!」

「桐生さん、こいつは俺がやります…」

「あぁ…任せたぞ…」

 

桐生さんは階段へと戻る。

 

「その状態でのお前がどんなもんか、見せてもらうわ」

 

今度は普通の構えをしだした。

ジャブ程度の一撃。腕を掴み顔に全力で一発入れる。蹴りで吹っ飛ばし、少し浮いた体を殴って叩き付ける。

 

「……グッ!…」

 

どうやらまだ立てるらしい。

蹴り、拳、肘、どちらかが殴ればガードし、もう片方が殴ればガードする。

それの連続

 

グラッ!

 

このビルが崩れてきてるようだ。

 

「行ったるでぇー!!」

 

飛んで俺の上に乗る。

 

「(これは喰らえねぇ!)」

 

文字通り全体重を載せた一撃。避けるが床が崩れる。

 

「逃がさへんで!」

 

腕をロックされていた。お互いの体が上下目まぐるしく変化する。

地面まで後少し

 

「オラッ!」

 

下の状態で膝蹴りで真島さんの体制を崩させその間に上になる。

 

ドンッ!

 

大きな音と共に真島さんが落ちる。体制を立て直してるうちに逃げられる。

 

「(こんなんであの人が倒れるとは思えねぇ。こっからだ、でもこれは……)」

 

暗闇により、全く見えない。

 

「……ほんま見くびってたわ。こっちも本気で行かせてもらうで」

 

ふと見えた。ドスの光

その瞬間上に乗られドスを喉元に刺されそうになっている。

 

「グッ!……」

「甘いで!」

 

ボコッ!

 

ストレートを肋骨にモロに喰らう。力を抜くと刺されるため力すら抜けない。

こちらも膝蹴りで対抗しているが、真島さんの力が抜ける様子はない。

 

「(クソっ…イチかバチか!)」

 

左手だけでドスを抑え右手で鳩尾に入れる。

 

「オウッ!」

「今!」

 

ドスの位置をずらし鼻に拳を叩き込む。

 

ゴキャ!

 

普通ならならない音が響いた。

 

「ど、どうだ…?」

 

ぬるりと立ち上がる影

 

「こ、この人ガチに人間辞めてんじゃねぇの…」

 

スパッ!

 

肩の服が綺麗に切れる。

 

ゴリッ!

 

頬にジャストミート。直ぐに血を吐き不快感を取り除く。

 

「ふぅ……やっぱええな!ほんまごっつ楽しいわ。お前もそう思うやろ?」

「俺はあんた程喧嘩に飢えてないですよ」

「ま、それすら置いといてや………行くで…」

 

直線に伸びたドスを避けほぼ置いてくるに近い形でストレートを放つ。

それに逆に頭突きをかましてきた。

左手で髪を掴み右で連打。

 

「ヌオォォ!」

 

足払いを再度やられ目にストレート。

 

ドカッ!

 

「舐めんな!」

 

ハイキックからのボディブロー

真島さんはドスでの横一文字

真島さんは全て直撃に対し、俺の方は3センチ程度で済む。

 

「(嶈にやられた時のがひでぇ!)」

 

止まらずにアッパー

 

ゴキッ!

 

顎の砕ける音

 

「もういっ……!?」

 

今度はドスを壊そうとするが、既に真島さんの手にドスは無く両手を振り下ろされた。

 

ゴンッ!

 

堪らず膝をつく。真島さんも同様にしている。

 

「ぶ、ぶっ飛ばす…ぜったい…」

 

真島さんは終始無言。その状態のままドスと自身に紫色のヒートを出す。

 

「はぁ……はぁ……」

 

俺もヒートを出す。

真島さんの最高速からのジャンプしてのドス振りかざし。俺は顔一点狙いのハイキック。

 

ドゴォ!

 

今までよりも鈍い音。しかし真島さんは止まらない。ドスの距離は顔まで1センチ

 

「(死ぬのか…いや、まだだろ!)」

 

顔を横にして避けヒートを全開で先程蹴った場所を殴る。

 

ドゴォ!!

 

真島さんはフラつきながら倒れた。

 

「黒瀬……お前も充分……ゴツイわ……」

 

ドサッ

 

気絶して意識が無くなる前にそれだけ言って気絶してしまった。

 

「はぁ………はぁ………か、勝てた……」

「竜也!」

 

桐生さんが降りてくる。

 

「き、桐生さん…」

「待ってろ…タクシー呼ぶからな」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

タクシーで河原に着いて桐生さん達は伊達さんと話していた。

俺は……

 

「痛てぇ!もうちょい優しく出来ない?」

「我慢してよ…これでも十分優しくしてる方なんだから」

 

遥ちゃんに治療してもらっていた。

 

「はい!こんな所かな?」

「ありがと。一回話だけ聞いてこなきゃ」

 

伊達さん達の方へ合流する。

 

「桐生さん、伊達さん!遅くなりました」

「おぉ!竜也、治療は済んだか!」

「えぇ、まぁそんな重症だらけって訳じゃないんで。……それでもう行くんですか?」

「あぁ…本来なら竜也は置いていこうと思ったんだが…」

「行きます……!」

「そう言うと分かってた。だから待ってたんだ」

 

どうやら俺のせいで出発が遅れたらしい

 

「あ、すいません…」

「いや、謝る事じゃない。よし行こう」

「竜也には詳しく言ってねぇが俺は“神宮”の方を調べる」

「“神宮”?誰ですか?」

「埠頭に行く時に伝える」

「分かりました」



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22話 真相

ちょっと時間掛かりました。
後、今回からある程度その人の話が長くなったら一旦区切るために「~~。」
こうゆう風に取り入れてます。
今回ご都合主義入ってるかもです。


埠頭に着く間に神宮の事についてきいた。

スターダストを襲った連中あれが“MIA”という組織らしく、それを束ねてるのが神宮らしい。

埠頭にはコンテナが多くある中開けた場所の先に大きな船があった。

周りにはスーツ姿のやり手そうな連中がいた。

 

「竜也?恐らく船の中だろう。行くぞ」

 

船のデッキ部分に1人立っていた。かなりの大男だ。

 

「あの人…多分バッティングセンターで助けてくれた人。ペンダントの事も教えてくれた」

「……行くぞ遥、竜也」

「うん」

「はい」

 

あの大男の入った先に行くとさっきの奴が立って待っていた。

 

「五代目近江連合……寺田と申します」

「近江連合がなぜ風間のおやっさんを?」

「桐生さんや黒瀬くんと同じですよ。俺も風間さんには返しきれない恩が……風間さんがお待ちです。こちらへ」

 

桐生さん、遥ちゃんと部屋へと入る。俺も行こうとすると

 

「竜也くん…」

 

心愛が話しかけてきた。

 

「寺田さん。すいません……竜也くんと話してきます。風間さんには言ってあります」

「分かりました…」

「竜也くん。こっち」

 

誘導されるまま着いていく。

甲板に着くとようやく足を止めた。

 

「傷多いね…」

「まぁ結構な野郎と闘ってきたからな…」

 

自然と頭に嶈と真島さんの顔が浮かぶ。

 

「………あのね、神室町に来て2年くらいかな?」

 

心愛が喋り出す。

 

「お父さんの仕事の都合でここに来て……最初は普通の仕事だと思ってた。でも違かった……」

「………」

 

俺は口を挟まない。しっかりと話を聞く。

 

「新型の麻薬……それの密売人だったの。お父さんはそれが気づかれる前にいっつも転々としてた。あの街の時は全然バレなかったんだろうね……。」

「そして神室町に来たのは良いんだけど簡単にバレたらしくって……三次団体の組が家に来たのもホント直ぐ…。」

「で、もう身寄りがお父さんしか居なかった私をどうするかってなった時に手を差し伸べたのが錦山さんだったの…」

「あいつが……?」

「まだ、あの時はこの前竜也くんが会ったような人じゃ無かったの……私に優しくしてくれた。けど……急に変わってしまった……」

「……変わらねぇよ」

「え……?」

「人の本質がそんな簡単に変わってたまるか…俺は錦山がどんな風に心愛に接してたかは知らねぇけど、見た目が変わろうと心を変えようとしても……変わらねぇもんなんだよ………」

 

桐生さんに出会う前の地獄を思い出す。

 

「そう…だよね…」

 

お互い暗くなってしまう。

 

「あ!そうだ。日挟連の安堂の事知ってるか?」

「うん……けど何で?」

 

最初会った時に心愛について教えるように言われた事、そして最近再度接触してきたを伝える。

 

「あの人……!錦山さんと本格的に話をするようになったのは100億が言われた後なの…」

「なるほどな……幹部会で言った錦山とつるめば直ぐに場所が分かるとでも思ったんだろうな」

「多分私を狙ったのも、錦山さんが言ったからだと思う」

「なるほどな…………かなり分かったわ。サンキューな」

「………うん!」

 

俺がお礼を言うと少し後に最高の笑顔で返された。

 

「あ、これだけ言っておかなきゃ!」

「ん?」

「遥ちゃんだよね!あの子のお母さんの美月さん」

「美月さん…なぁ、もしかして…美月さんって本当は由美さんなんじゃねぇの?」

 

ニンベン師が言ってた“紙でのみ生きている人物”。俺の予想は由美さんこそが美月さんなのではないかという予想。

 

「え!?何で分かったの?」

 

「(やっぱ合ってたか……話聞いてた時からそんな気はしたけど……)」

 

「ほとんど“感”なんだけどな。ニンベン師の話し方的にどうしても匿わなきゃいけない人物、それでいて隠し通さなきゃならねぇ。で、風間さんが直々に頼んだってなると由美さん位のもんだ」

 

一息ついて心愛を見ると目が点になっていた。

 

「竜也くんってとっきどき!鋭いよね……」

「時々は余計だ。………普通に悲しいから止めてくんね?」

 

流石に堂々と言われると心にくるものがある。

 

「あ!ごめん……」

「気にすんな」

「あのさ?闘技場で会った時言ってた事あるじゃない?」

「おう。それがどうした?」

「実は……それじゃn」

 

車が何台も押し寄せてくる。

 

「何だ?」

 

車から出てきたのは様々なスーツを着た男達。後から赤いスーツを着たスキンヘッドの男。そしてロングで目にまでかかっている男2人

 

「嘘でしょ……!?」

「知ってんのか?」

「赤いスーツを着てる人は“東城会直系嶋野組組長”の嶋野太まさか嶋野組が来るなんて……」

 

心愛のその言葉に続くように島野組が何かを船に投げる。

 

ドォォン!

 

「な!?」

 

それに続き様々な戦闘員が船に上がってきたり風間組か近江連合だろう。船の至る所から出てきてる。

 

「心愛、俺の後ろに居ろ」

「うん…」

 

きた奴を船にぶつける

 

「まず1人……」

「居たぞ。桐生だ!」

 

桐生さんも出てきたらしい。

 

「おい……全員注目してんなよ……待ってもらえるなんて思ってんじゃねぇよ……」

 

ドゴッ!

 

5人位一気に吹っ飛ばす。

空いている左手で裾を掴み海に放り投げる。

 

「(ヤッバ……キツいなこれ)」

 

後ろを絶対に空けないようにしながら闘う。

 

「竜也くん!こっち!」

「遥ちゃん!」

 

さっき入ろうとしていた部屋付近に行くと遥ちゃんが声を掛けてきた。

 

「黒瀬くん!心愛さんだけ引き取ります」

「すいません!助かります!」

 

寺田さんに言われ心愛を部屋の中に入れる。

 

「さて……もうこれ以上喧嘩で頭を使わなくても良いよな……」

 

後ろに回り込み首を捻って無効化させる。

 

「まだまだ行くぜ……」

 

ライフルになり、ガスボンベを持ち全員吹き飛ばす。

 

「後は向こうの甲板か……」

 

向こう側に行くと

 

「竜也!……どうやらそっち側は終わったらしいな」

 

桐生さんが全員倒した所だった。

 

「桐生さん!はい…こっちは終わりました」

「良し…俺らも降りるぞ」

 

「おう!お前ら!どっかんどっかん投げ込んだれや!」

 

物凄く図太い声が聞こえてきてかなりの数の手榴弾が一斉に投げ込まれる。急いでダッシュして海に飛び降りる。

 

「「うぉぉぉ!!」」

 

直ぐ後ろで爆風がした。

船を見ると火で無残な事になっている。

 

「……間一髪でしたね……」

「あぁ……出来る事ならこんな体験は二度としたくないな」

「同感です…」

「桐生さん!」

 

寺田さんの声と同時に遥ちゃんがこっちに来る。

 

「大丈夫?おじさん、竜也くん!」

「あぁ…少しヒヤッとしたがな」

「俺も大丈夫だよ」

「久しぶりだな……竜也…」

「風間さん……久しぶりです……」

 

風間さんの所へ行こうとするとライトで俺ら全員照らされる。

 

「ハッハッハっ!やっと会えたなぁ桐生!それと…風間!へへへへ…コソコソしやがって」

「嶋野……!」

「寺田はん、あんた……錦山裏切ってワシにつくフリ見せてたけどなぁそんなん全部裏の裏まで全部お見通しや。ずっと…見晴らしてもろうてましたわ」

「クッ!……」

「お前らといい…錦山といい……ホンマ脇が甘いわ。ガキは貰ってくでぇお前らはここで終いやけどなぁ」

「……嶋野さん……あいつは俺が貰いますよォ……」

 

さっきまで喋らなかったロングの男が俺を指さす。

 

「あいつは……日挟連に喧嘩売ったんだ………」

 

最後の方は小さすぎて恐らく嶋野位しか聞こえてないだろう。

 

「分かっとるわ!……ったく…何で幹部がお前しかおらんのや…」

「嶋野よ……」

「何や…」

「お前さんも相当脇が甘いぜ」

 

風間さんが視線を嶋野から逸らすとそこからトラックが二台来た。

 

「何や!」

「親父!」

「遅せぇぞ。柏木」

「へへ、もうすぐクリスマスですしね。屈強なプレゼントをお持ちしましたよ」

 

風間組らしい。トラック二台分となると結構な数だ。

 

「桐生!ずいぶん苦労したみてぇだな」

「柏木さんこそ」

「フフ、何や?風間組はやる気みたいやなぁ。よっしゃあ!血の雨降らしたるわぁ!!」

「寺田さん…皆を下げといてください」

「柏木さん…嶋野組や日挟連の連中は頼んだ」

「「桐生さん(竜也)」」

「「嶋野は任せましたよ(そこのロンゲは任せるぞ)」」

 

2人して同じ事を言い、苦笑しながら改めて向こうを見る。

 

「来いよ、ロンゲ……俺が目的なんだろ?」

「………」

 

ブツブツ言いながら俺が移動した方へ来る。正直怖い…

 

「お願いします!」

「アリガトォ……」

 

日挟連の男がロンゲにある物を渡す。

ロンゲに渡されたのは厳つすぎるチェーンソーだった。

 

「!?」

「さて……じゃあァやろうかァ……!」

 

「(真島さんよりやべぇんじゃねぇのか…………!!こいつ………!?)」

 

「フッ!」

 

<日挟連幹部>

 

チェーンソーを避けハイキックを入れる。

蹴った感触では軽かった。

真島さんや嶈、今回の件でやりあった幹部クラスの中では1番軽い。

 

「アハハハハッッ!楽しいなぁ!」

「こ、こいつ……!?」

 

チェーンソーでの突進

どこからその力が出るのかフラつく様子も無く避けられた直ぐに横に振る。

 

ブゥン!

 

「はぁ……はぁ……」

 

ただ避けただけなのに汗の量が尋常じゃなかった。もちろん喰らえば即死というのもはいっているのだろうがその後だった。

 

「あれぇ…避けられたァ……!」

 

物凄く不快な笑みを浮かべられる。

 

ゾクゾク!

 

背中には悪寒しか漂わない。

 

「ありえねぇ……!キモすぎ……!」

「アハァ!」

 

縦での振り下ろし。これも避けて蹴りで吹っ飛ばすのだがまた何も無いように立ち上がる。

 

「(落ち着け……ちゃんと血は出てんだ。だから野郎も1人の人間なんだ……多分……)」

 

その時、日挟連の1人が援護に入る形で俺に向かう。

 

「(っクソ!あいつ1人でキツいってのに……!!)」

 

ジャギジャギジャギ!!

 

その1人の援護に入った奴が横に切られた。

 

「ギャァァァ!!!」

「なっ!?」

「あれぇ……邪魔だよォ……あいつだと思ったのにさぁ…」

「す、すいません!」

 

謝罪に入った奴も切られる。

 

「もういいからさぁ…入ってこないでよォ……」

 

顔をぶっ壊す勢いでぶん殴る。

 

「……おい!いつもよ、あいつがやりだすとあんな感じなのか?」

 

古参らしき奴が口を開く。

 

「………あぁ……あの人の闘いに入ると何しても切られちまう。いっつも安堂さんも注意するんだが…」

「リョーかい………あ、そだ。日挟連、俺が潰すから今の内に組替わりしといた方がいいぞ」

「何だと……!?」

「例えば……人が良い風間組とかな」

 

ロンゲを吹っ飛ばした方を見るとかなり顔を怒りで歪ませていた。

 

「行けよ……殺されるぞ。死にたく無かったら俺から離れとけ」

 

古参が組員を全員連れていく。

 

「もう怖くねぇわ、お前」

 

話してる内にも突進で向かってくる。

 

「……恐怖よりも怒りのが勝ってるからな!」

 

メキメキメキ!

 

脇腹にフックを入れる。感触的にかなり骨に来ているだろう。

 

「………人を殺す事だけ楽しんでる奴なんか…!」

 

バキッ!ゴリッ!

 

膝を砕き、右手の甲を蹴る。

 

「うぁぁぁぁ!」

 

チェーンソーを振り回す。

避けハイキックで蹴り下ろしアッパーでぶっ飛ばす。ダメ押しで顔を踏み付ける。

 

「……ッ!嫌な事思い出したな…桐生さんの方行くか…」

 

急ぎ足で桐生さんの所へ行く。俺のが先に終わったらしく桐生さん含め風間組の人達はまだ闘っている。

 

「風間さん!」

「竜也!そっちは終わったみてぇだな」

「えぇ…まだこっちは乱闘って事で時間掛かってるみたいですね。もう一仕事行ってきます」

「風間さん!危ない!」

 

寺田さんと心愛の視線の先にはさっきのロンゲが風間さんに向けてチェーンソーを構えていた。

 

「死ねぇぇ!!」

 

傍にあったドラム缶をチェーンソーと風間さんの間にねじ込む様に投げる。チェーンソーはドラム缶から取るのに時間が掛かった。

 

「自慢の武器取り上げられちゃぁ怖くねぇな」

 

ミシミシミシ!!

 

逆にこっちの手が悲鳴をあげそうな音を立てまたロンゲは沈んだ。

 

「ったく……くそゾンビが、大人しく倒れとけってんだ…風間さん大丈夫ですか?」

「俺は大丈夫だ。むしろお前のが大丈夫か?」

「あぁ、全然なんて事無いです」

 

そこまで言って心愛と寺田さんの方へ行く。

 

「寺田さん、ありがとうございました。あん時言ってくれなかったらと思うと……」

「いや…こっちこそ直ぐに手が出せませんでした……」

「竜也くん!ホントに大丈夫……?」

「あぁ…数時間前に闘った。真島さんの方が断然ヤバかった…」

「あの真島さんと……黒瀬くんは強いですな」

「まだまだですよ…もっかいやれって言われたら今度は勝てるとは思えません」

「フグォ!」

 

桐生さん達も決着が着いたらしい。嶋野が吹っ飛ばされていた。

 

「これまでだ嶋野」

 

風間さんが桐生さんを見て優しい笑みを零す。

 

「(この2人はすげぇ良いな…信頼しあってるっていうか……)」

 

「でやあぁああっ!!」

 

嶋野が叫ぶ。その手の中には手榴弾

 

「風間さん!離れて!」

 

寺田さんが嶋野を撃つがもう手からは離れていた。

 

「遥、親っさん!」

 

ドォン!

 

「風間さん!」

「一馬……」

「親っさん!」

「遥は無事だぜ……」

「風間のおじさん!」

「親っさん!」

「100億の……話を…………」

「寺田さん!救急車!」

「分かってる!!」

「一馬……金を盗んだのは…由美と俺…そして世良なんだ……」

「えっ……」

「100億は神宮のだ……奴は、東城会使って…闇の金を洗ってた」

「“マネーロンダリング”……」

「そうだ…俺は奴を失脚させるために………その100億をそして由美は、その計画に志願したんだ。」

「由美が……?」

「アレスに急げ…一馬。由美が危ねぇ…!」

「アレス……アレスに由美が!?」

「そうだ。それから…」

 

風間さんは封筒を取り出した。

 

「これは……?」

「三代目の……“遺言状”だ。東城会の……未来が、ここにある…」

「はい……!」

「一馬……俺はお前に、謝らなきゃならない事がある………許してくれ。一馬…お前の……“肉親”殺したのは…俺なんだ。」

「ヒマワリは…俺が“肉親”殺した……子供の為の……施設……」

 

風間さんの手が桐生さんに伸びていく。

 

「いいんだ……いいんだ親っさん。俺にとっちゃ親っさんが本当の……」

 

風間さんの手が落ちる。

 

「本当の……親父でした………!!」

 

桐生さんの目から大粒の涙が出てくる。だが、桐生さんは分かっている。これで止まっては行けないのを……

 

「竜也……神室町に急ぐぞ…」

「はい……!」

「私も行く!」

 

遥ちゃんがハッキリと言った。

 

「あぁ、勿論そのつもりだ。竜也も問題無いだろ」

「えぇ、ようやく“お母さん”と“娘”として会える瞬間が来たってのに、会わせないのは酷いですからね」

「あ、あの!私も……行っていいですか?」

「心愛…」

「竜也の知り合いだったな…神室町は危険だ。俺と竜也が直ぐ助けられるかどうかも分からない。そんな状態で連れてく訳には……」

「分かってます……でも、連れてって欲しいです」

「………竜也」

「はい…?」

「お前に任せる。ある程度信念はあるみたいだからな」

「良いよ…何かあったら俺が守るから」

「ありがとう…!」




後、早くて1話。多くても3話で終わります。


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23話 四代目

ちょっと時間かかりました。
4人とかだと会話割り振り出来てなくて全然喋ってない人いる……



急いで神室町に戻ってきた。その時桐生さんの携帯が鳴る。

 

「伊達さん」

 

「ああ」

 

「アレスに向かう。由美がいるかもしれないんだ」

 

「何だと?どういう事だ?」

 

「分かった…感謝する。伊達さん」

「伊達さんは何て?」

「一輝やユウヤに頼んで色々揃えて貰ったらしい。だからスターダストに行こうと思う」

 

急いでスターダストに向かうと一輝さんとユウヤさんが待っていた。

 

「桐生さん、こっちです」

「あぁ……最後まで世話になっちまって、済まないな」

「そんな事は良いですから……なにかと必要かと思って……これ、ホスト仲間の気持ちです」

 

俺と桐生さん2人ずつに30万もくれた。

 

「い、いや!?桐生さんはともかく!俺は大丈夫です!」

 

流石にこんだけの大金は受け取れない。

 

「竜也くんも貰ってください」

「……一輝さんがそう言うなら……ありがとうございます」

 

しっかり頭を下げ、受け取る。

 

「竜也、もう行くか?」

「少し欲しい感はありますね」

「……確かにそうだな。行くか…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ことぶき薬局に行き、一輝さん達から貰った30万を使い、スタミナミンロイヤルを1人当たり4本使う計算として8本買ってスターダストに戻ってきた。

 

「もう、準備は整いましたか?」

「ああ、もう大丈夫だ」

「分かりました……桐生さん、もう俺達に出来る事はありません。月並みな事しか言えませんが、頑張ってください」

「ああ、分かった。ありがとうな」

「なんだか、外の様子がいつもと違う感じがします。気を付けてください」

 

ミレニアムタワーを見て遥ちゃんが口を開く。

 

「あそこにお母さんが?」

「そうだね」

「やっと会えるな」

「………私、なんて呼べばいいんだろう」

「由美お姉ちゃんって呼ぶのか?」

「“お母さん”で良いと思うよ。遥ちゃん」

「うん」

「桐生さん…」

 

「(……やな感じだ…)」

 

俺ら4人以外通りには人が居なくなっていた。

ぞろぞろと前から後ろからゴロツキが集まる。

 

「桐生ぅ……あんた殺せば東城会の“四代目”から直々の褒美が出る」

「四代目だと?」

「金も地位も女もだ!何年ぶち込まれても釣りが来るぜ!」

「汚ぇ野郎共…反吐しか出ねぇな」

「今夜は熱いぜぇ。なんせ殺しのお墨付きだ。次期会長……錦山さんのなぁ!!」

「遥、南…心配するな。俺らで何があっても守る。信じてくれるな」

「うん、やっつけておじさん」

「お願いします」

「手加減はしねぇ…死にてぇ奴だけ掛かって来い!!!」

「……来いよ…!!」

 

<ゴロツキ>

 

手始めに蹴りあげで顎を蹴り気絶される。蹴りあげの反動を生かし回転して隣の奴の側頭部を蹴る。

 

「まず2人……」

 

桐生さんの方はもう5人目に突入していた。

 

「(早すぎじゃないですか……?)」

 

心の中で突っ込んでいる間に来た奴のバットを捻り、奴の手を離させる様にし、バットのグリップ部分で吹っ飛ばす。

 

ドゴッ!

 

重々しい音が響く。バットを素早く前から後ろへ送り今度はバットで突く。

 

「ウグッ!」

「竜也!」

 

見ると桐生さんが俺に向けて拳を向ける。俺も桐生さんに向けて殴る。

 

バキッ!

 

お互い数センチ左右にいる敵に向けて放っていた。

 

「良く分かったな」

「なんとなく分かりますよ。オラァ!」

 

たわいない会話中も体は止まらない。

マシンガンになり、心愛と遥ちゃんを狙ってる奴をすぐさま潰す。

 

「俺らに来いよ…俺ら潰せないからってそっち狙うのは悪手だろ」

「竜也!2人を見てろ!」

 

桐生さんは大型バイクを振り回していた。壊し屋の本領発揮だろう。

残り30人位。桐生さんがバイクが完全に壊れ武器にすらならない所まで使用した所で今度は俺がマシンガンの全力

 

余談だが、桐生さんと俺のバトルスタイルは基本的似ているが所々違う。例えば俺はベース、スピード、パワーの三つだけだが、桐生さんはそれに加え全てのスタイルの総合となる“堂島の龍”なるスタイルがある。その他に桐生さんはパワー型、俺はスピード型である。

これがどうゆう事を表すかというと

 

「は、速ぇ!!ウガッ!」

「ウゲェ!」

 

悲鳴の声が止まらない。

本気でないマシンガンでさえ攻撃が当たらないのに全力だと恐らく俺の姿をまともに視認出来ていないだろう。だからといって緩める気は無い。元々多数なのはあちらだ。

アッパー、裏拳、ストレート、フックみるみるうちに最後の1人となっている。

 

「く、クソッ……!」

「逃がすかよ!」

 

ゴキッ!バタッ

 

「ふぅ…!終わり!行きましょう。また援軍が来るかもしれません」

「あ、あぁ…そうだな」

「ね、ねぇ心愛ちゃん」

「ど、どうしたの?遥ちゃん?」

「前からの知り合いなんだよね。竜也くんって前からあんな強かったの?」

「ううん…小学校で初めて竜也くんの喧嘩見た時から小学生レベルじゃないとは思ってたけど……」

 

「(何かすげぇ貶されてる気がする……気のせいにしとこ)」

 

心愛と遥ちゃんの会話を聞き流し、アレスに向かう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ミレニアムタワーの中はMIAでいっぱいだった。

 

「遥ちゃん、心愛と一緒に隠れてて」

「行こう。遥ちゃん」

 

心愛が遥ちゃんを連れていく。

 

「12月も末だってのに…運ないっすね。俺ら……」

 

ため息を吐きながら愚痴を零す。

 

「運の無さはもう受け止めてる。竜也も悪運強いからな。認めた方がいいぞ」

「俺は死んでも認めませんよ……ま、いいや。さっさとてめぇらは来いよ……」

 

黒服の銃器を持った連中がぞろぞろ出てくる。

 

「MIAだか何だか知らねぇけどよ………殺される覚悟はしろよ……!!」

 

<MIA>

 

「(銃を持った奴が6人、ナイフ持ったのが3人か……)」

 

急いで銃持ちの懐に入り、蹴りでのして銃を奪う。流れるように銃弾で銃持ち全員とナイフ持ち1人を撃って無力化。残りは桐生さんが始末済み。

 

「しんど……こっから先こんなのばっかですか?」

「MIAだからな……恐らく…というか絶対そうだろうな。上の階のもやるぞ」

 

エスカレーターで上に登る。が、途中で無理矢理上の階の手すりに捕まり、傍に居た3人一気にやる。地を這う様に移動し4人一気に吹っ飛ばす。普通にエスカレーターで来た桐生さん。

 

「相変わらず無茶をするな」

「のんきに待ってるあいつらが悪いですし。俺らはあくまで正当防衛ですよ」

 

リーダーらしきナイフを構えた奴も登場する。

 

「あいつは任せとけ。二発で終わらせてくる」

 

「(名前も知らねぇけど……なんつうかドンマイ)」

 

ナイフ縦ぶりに対しカウンター。しかし普通のカウンターとはちょっと違う。鳩尾にとてつもないスピードで放つカウンター。

小牧流奥義虎落とし

河原に居る小牧さん。あの人に教わったのだろう

 

「(俺も前に伝授ついでに何故か喰らったけどあれ、ヤベぇんだよな…言葉に出来ない重みっていうか……)」

 

顔を蹴り飛ばし本当に二発で終わらせた。

 

「小牧さんと会ったことあるんですね」

「まぁ、あのじいさんに無理矢理教えてもらったという言い方のが近いがな」

「あの人あんな感じなんですよ。先行きましょう」

 

下の階に行き、エレベーターへ向かう。

 

「竜也くん、終わったの?」

「あぁ、もう出てきても大丈夫だぜ」

「分かった。呼んでくるね」

 

心愛が遥ちゃんを呼び、改めてエレベーターでアレスの階に向かう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

エレベーターが開き、アレスの中に入る。

そこには美月さん……もとい由美さんが立っていた

 

「由美……」

「一馬…!……遥!」

 

階段を降り、由美さんの所へ行く。

 

「遥……」

「うん、分かってる」

「遥……」

「お、お母さん……“お母さん”なんだよね?」

「遥!ごめんね…辛い思いさせてごめんね!」

「お母さん!」

 

遥ちゃんと由美さんが抱き合う。

 

「私……お母さんね、本当はあなたと一緒にいたかった。でもね、自分がお母さんだって言うことが出来なかったの」

「いいよ。お母さん。私、分かってるから。私、嬉しいよ」

 

俺達も遥ちゃんに続く形で後ろから行く。

 

「良かったね、遥ちゃん」

「久しぶりね、竜也くんそれに心愛ちゃん。……おかえりなさい、一馬……」

「あぁ、遅くなって悪かったな。由美」

 

しばらくの静寂からの振動

 

「ん?何だ!?」

「きっと彼が来たのよ。奪われたものを取り返しに…」

 

バルコニーに出るとヘリコプターが今まさに着陸しようとしている所だった。

多くのMIAが出てきた後

 

「久しぶりじゃないか、由美。それに遥……」

「お前が…神宮……」

「てめぇか……神宮ってのは」

「こうして会うのは初めてだね、桐生一馬君。それに黒瀬竜也君。初めましてと言うべきか、さよならと言うべきか……フフフ、君には…正確に言うと君達には苦労させられたよ」

「100億を取り返しに来たのね」

「あぁそうさ。元々私の金なんだから。それに他にも処分しにきたのさ」

「何!?」

 

神宮が遥ちゃんに銃を構える。

 

「遥!」

「おじさん!黒瀬くん!」

 

瞬間的に俺と桐生さんが弾が逸れるように身代わりに入る。

 

「(こいつ……!!)」

 

「神宮!……お前!」

 

俺も桐生さんも平然と遥ちゃんに銃を向けた事に対する怒り。

 

「馬鹿な男だ。まぁヤクザ崩れなど皆こんなものか」

「……てめぇ…何でこんな事しといて普通にしてんだコラァ!」

「仕方ない事さ。その子供は私にとって“邪魔者”でしか無い。私の今後…いや、この国の今後の為には必要のないものなのだよ」

 

「(……今こいつはなんて言った……?必要の無いものだと……!)」

 

桐生さん達が話すが何も耳に残らない。残っているのはさっきの神宮の言葉のみ。

 

「(…意味わかんねぇ………ものってなんだよ…!)」

 

「…人を人として見ねぇクズが!」

「何?今なんて言ったかね?」

「あ?だから、人としてすら見れねぇクズ野郎がって言ってんだよ!!」

「どうやら、余程死にたいらしいな…」

「来いよ…ぶっ殺してやるよ……!」

「待て!」

「無駄よ!竜也くん、この人は所詮感情も無ければ信念すら無いの」

 

由美さんがそれを言った後、口を動かすだけで『抑えて』と言っていた。仕方なく抑える。

 

「ふざけるな!お前や世良ごときに何が分かるというのだ!」

 

神宮が発砲。しかし由美さんは動じない。

 

「あなたには何を言っても無駄ね。自分が恥ずかしくないの?」

「ハハハ!随分な言いようじゃないか。でももうそんな事はどうでもいい。ここでお前らは終わりなんだからなぁ」

 

MIAも銃を構え出す

 

「そうかなぁ。まだ終わってへんのちゃうか?」

「寺田!」

「これで“力”は五分五分や。風間さんの“意思”は生きとんで」

 

追い詰められた筈なのに神宮は動じない。

 

「フッ、ハハハハ!」

「何やねん!」

「これだから頭の無い極道は困る。……やれ!」

 

寺田さんが連れてきた連中が寺田さんを抑える。

 

「どういう事や!お前ら……!」

「あなた、まさか!」

「そうだよ。私は東城会から近江連合に“鞍替え”したんだ。バックの組織をな」

「何だと?」

「私は着々と進めていたんだ。東城会を捨てて近江連合と協力関係を築く計画をな」

「そんな話、俺は知らんぞ!」

「当たり前だ!…お前は近江連合の五代目に踊らされていただけなんだから。もう一年前から進んでいた話だ。五代目と私の間でねぇ」

 

寺田さんが気絶される。

 

「私は、世良が私を裏切る事は分かっていた。彼は融通の利かない男だったからねぇ。理想を求め、ずっと私を支援してきてくれたが結局は現実の前に挫けたんだ」

「現実だと?」

「あぁ、そうさ!君達程度には政治の話なんて分からないだろうが、国を動かすには“金”と“力”が必要なんだよ。私にとって彼は“力”だった。だが彼は変な信念の為に私の理想から離れていったのだ。数年前、殺してくれたと思っていた由美が生きているのを知った私は……。」

「世良、いや東城会を捨てる心算でいた」

「それでお前は近江連合に擦り寄った訳か」

「そうだ。私は近江に話を持ち込んだ。近江連合からすれば私の政治力は魅力だ!“政治と裏社会”この二つを牛耳れば日本を操る事など造作もない事だからなぁ」

「もしかして、この100億は……」

「近江への贈り物だよ。私からすれば東城会も潰れて正に一石二鳥だ」

「じゃあ錦も踊らされたって言うのか?」

「そうだよ!彼に話を吹き込んだのは私だ。出世欲に取り憑かれた若造にエサを与えただけさ。彼は見事に役目を果たしたよ。世良暗殺、内部抗争…他にも嬉しい誤算……君達2人だ!もはや東城会は崩壊寸前だ。本当にお礼を言いたい気分だよ!」

「神宮ぅ……貴様ァ!!」

「悔しいだろ?私は近江とくみ日本国の“頂点”に立つ。近江連合は裏社会統一、全ての“力”は私のものだ!私の理想が叶うのだ!」

「………アホくさ…」

 

今まで黙っていたが、また喋り出す。

 

「てめぇの話聞いてるだけで眠くなってくるわ……要は誰も逆らえない程度の力が欲しいってだけだろ?……それを言葉をいちいち大きくしやがって……バカらしくて、うぜぇよ……!」

「確かにそうね…神宮、終わらせてあげる」

「何をしている!」

 

由美さんは持っているアタッシュケースを開ける。

その中には爆弾が入っていた。

 

「な、何!?」

「これであなたはもう私は撃てないわ。これが爆発すれば店の中の100億も消えるわよ。100億をあなたなんかには絶対に渡さないわ」

「馬鹿な事を言ってるな!そんな事をして何のメリットがあるんだ!?」

「分かってないのはあなたよ。人間は損得勘定じゃ動かないの。熱い……強い気持ちがあって初めて動くものなの」

「うるさい!今更何を……何を言っている!」

「一馬……遥をこっちに」

「心愛も一緒に行ってこい。こっから先は俺らの仕事だ」

「うん……」

 

由美さん、遥ちゃん、心愛の順でアレスに入っていく。

 

「これで由美達には手出し出来ねぇな…神宮。なぁ神宮…世良会長は、あんたが何を考えているかなんてお見通しだぜ」

「何だと!?」

「会長はあんたに気づいて欲しかったんだよ…強い信念があった昔のあんたをな……だから自分の命を危険にさらしてまで100億を盗んだんだ…あんたから取り上げたんだ」

「馬鹿を言うな!何を根拠にそんな事!」

 

桐生さんは遺言状を取り出す。

 

「ゆ、遺言状だと!?」

「あんたは錦に遺言状の存在をチラつかせた。適当だろうが、本当にあったんだよ……会長と親っさんが命がけで残したもんだ」

「うるさい!世良ごとぎがぁ……私を舐めるような真似をしおって!今となってはただの紙切れだ!!」

「俺が死ねば…な、だが、そうはいかねぇ。俺は……あの2人が残してくれたもんを守る!」

 

遺言状を見せる

 

「俺は“東城会四代目”……桐生一馬だ!!!」

「グググ……こ、殺せ!」

 

<神宮京平>

 

1番近くの奴から3人一気に潰す。そのまま拳を振り下ろし1人、残り2人。

ローキックで1人、桐生さんが1人やり残りは向こう側の神宮達のみとなった。

 

「な、何!?」

「おい、神宮……覚悟しろよ…!」

 

流石にこんな早くに近江の連中が倒されると思っていなかったのか。かなり動揺している。

 

「……四代目ですか…俺はめちゃくちゃありだと思いますよ」

 

向こう側に行くための橋を渡りながら会話する。

 

「………」

「?……桐生さん?どうしました?」

「いや、ちょっとな。まとまったら話す」

 

上から武装した連中が5人降りてくる。

 

「ッチ!めんど!」

 

ナイフを手で動かさせ、軌道をずらす。

顎に掌底。そのまま腰に装備していた銃で2人。残りは桐生さんが始末済み。

 

「大した事ないですけど…数がしんどいですね……」

「あぁ」

 

『それに』と言って上を見た桐生さん。

 

「まだ来るようだぞ」

「めんどくせぇなぁ。もう!」

 

別のヘリも来る。

 

「(どんだけ来んだよ!)」

 

心の中で悪態をつくと

 

「無事か?桐生!竜也!」

「伊達さん!」

 

伊達さんだった。

 

「神宮京平!今四課が逮捕状をだした!贈収賄、銃刀法違反、殺人教唆……お前はもう終わりだ!」

「証拠は無い!ハッタリだ!」

「やめろ!」

 

伊達さんのヘリが離れていく。

 

「伊達さん!!」

「こうなった以上、全員死んでもらうしか無い!覚悟はいいね?」

「おい……何ボサっとしてんだ?」

 

簡単だった。

全員の視線が伊達さん達のヘリに注目している以上、神宮達の所に行くのは簡単だった。

 

「もう3人やったぞ……後6人ってとこか……」

 

神宮が上に逃げる。盾になるように塞ぐ。

 

「別にいいよ……全員吹っ飛ばすだけだ!」

 

ローキックで2人。ストレート、裏拳……瞬殺だった。

 

「竜也!」

 

桐生さんも来る。

 

「……桐生さん、お願いがあります。神宮は任せてもらって良いですか?」

「…………分かった…ボディーガードの2人は任せとけ」

「すいません…あいつらのが強いとは思うんですけど…」

「気にするな。それより一旦疲れを殺そう」

 

そう言ってスタミナミンロイヤルを一本取り出す。

 

「竜也も飲んどけ…飲むか飲まないかでまた変わってくるぞ」

「そうですね。俺も少し疲れました」

 

お互いに飲みながら屋上に向かう。

 

「殺れ!」

 

神宮の言葉と共にボディーガードの2人が銃を撃つが特に危機とせず回避

2人は桐生さんに託し、俺は真っ直ぐ神宮に向かっていく。

 

「やっと殴れる!」

 

メキメキ!バキッ!

 

今までに見た事ないような吹っ飛び方をした。

 

「おい…寝てる暇なんてねぇだろ」

 

何発も何発も顔をぶん殴る。次第に拳の感覚すら無くなってくる。

 

「てめぇがなんて言おうともよ…遥ちゃんからしたら父親なんだよ……それを“もの”って何だよ!」

 

グシャ!グシャ!グシャ!

 

だんだん気持ち悪い擬音に変わって来ていた。

 

「死ねよ」

 

全力で殴ろうとした所

 

ガシッ!

 

桐生さんに止められた。

 

「落ち着け……俺達は“神宮を殺す”為にここに来た訳じゃない。お前の気持ちも分かっている……だが、抑えてくれ」

「…………周り全然見えなくなってました……すいません…」

 

周りを見るともう俺と桐生さんしか立っていなかった。

 

「いや、いいんだ…アレスに戻ろう。由美達が待ってる」

「はい……」

「………そうだ。一つ決めた事があってな」

「?…なんですか?」

「恐らく、ミレニアムタワーから出てしばらくしたら四代目としての就任式があるだろう。そこで俺は─────をしようと思う」

「……ハハっ!いいすっね、それ。俺は賛成ですよ」

「フッ……さぁ行くぞ。もしかしたら居るかもしれないしな」

 

ある程度の会話をしてアレスに戻って行った。




竜也のフラグめちゃめちゃ立ててますね…
後、一応竜也と由美が知り合ってるのはひまわりで会ってるからです。
心愛は風間さんの所にいる時1度会ってます。


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24話 闘いの果て

時間かけすぎて9月になりましたね。
ようやく龍が如く1終わりました。
まぁこれから先は後書きで
とりあえずどうぞ!


アレスに戻って由美さん達の所に行くとエレベーターから出てくる2人が居た。

 

「錦山君……」

「安堂……!」

「終わったか…ようやく落ち着けるな」

「錦……」

「何だそりゃ…爆弾か?由美…馬鹿な事はやめとけ」

「だめよ!100億はあなた達にも渡さない!」

「どうやら私も入ってるようですね。まぁあなたと一緒にいれば当然か」

「当然だろうな……俺の事が憎いか由美…」

「諦めてないのか…錦……」

「当たり前だ!どんだけ犠牲払おうとも跡目になるんだ…」

「なぁ、錦…神宮に踊らされてたんだ。奴の本当の目的は…」

「んな事ァ分かってる!分かってて行動したんだよ俺ぁ…」

「えっ!?どういう事?」

「そんな話、聞いた事ありませんでしたが…」

 

由美さん、安堂の順で口を開く。

 

「言ったはずだぞ桐生。俺は10年前、お前裏切った時から誰も信用しちゃいねぇってな!神宮が話持ち出した時から信用なんかしちゃいねぇよ」

「じゃあ、お前は全てをしってて……?」

「あぁ、そうだ!俺は負けたくなかったんだ!……お前にな」

 

煙草に火を点けアレスにある、ソファーに腰掛ける錦山

 

「てめぇ…今の聞いても錦山と「知ってましたよ」

 

錦山に聞こえない程度で安堂と会話する

 

「……そうかよ」

 

簡単に引き下がる。元々味方でも無い人物だ。が、安堂は続ける。

 

「別に私からすればお互い目的がある程度一緒の方向にあれば問題無いと思いますがね?」

「それで良いのかよ…ちっちゃい子供じゃねぇんだぞ……」

「何と言われようとも結構…私も錦山さんも既に遅すぎた……」

「……?」

 

俺は安堂の言ってる事が分からず、首を傾げる。

 

「少し頭がきれると言っても流石にまだ分かりませんか…さ、話を終わりましょう」

「俺は100億を手に入れ東城会を継ぐ。由美を奪う…それで俺の運命が変えられるんだ!」

 

錦山の声が耳に入る

 

「錦山さん…あなたは分かってないと思います」

「何だと?」

 

心愛が錦山に言う。

 

「そんなのは……運命なんて言いません。ただの逃げです…運命は変わらないんです……」

「言わせておけば!」

 

心愛に殴りかかろうとするがそれは俺が抑える。

 

「おい…何してんだ…」

「お前は……港の時のやつか……てめぇは安堂にでも相手してもらえ」

 

強引に俺の手を振りほどく。

 

「………まぁいい…そろそろ決着をつけよう…」

「あぁ、俺達の闘いとお互いの運命にな…」

「「待った(待ってください)」」

 

俺と安堂が同時に待ったをかける。

 

「メインディッシュより先に前菜からやんないとな」

「先ずは私達2人でしょうね」

「……遥、由美、南後ろに下がろう」

 

桐生さんが3人を後ろに下げ、錦山は何も言わず下がる。

 

<安堂剛>

 

「思えば…あの時君が断った時からこうなる予定だったのかもしれませんね」

「さぁな……別に俺にとっちゃ関係ねぇよ」

 

お互いがゆっくり近づき俺の先手によりアッパー、ローキック、蹴り飛ばしでバルコニーまで飛ばす。

 

「(こんなもんで倒れてくれたら、あんだけの殺気は出せねぇよな)」

 

低い体制での接近。ローキックで当たらずとも動きを止めようとしたが、止まらずそのままアッパー、ローキック、蹴り飛ばしとさっきと同じ順でやり返された。

 

「ガハッ…の野郎…!」

「ふぅ……お互い準備運動は終わりですかね」

「……上等!」

 

 

フック気味のストレート。なんなく躱されハイキックが来るがガードで対処。左膝を腹に入れる。意識が一瞬向いた時に真島さんにやった時と同様に頭にフック

 

ドゴッ!

 

鈍い音と共に吹き飛ぶ。

 

「まだこんなもんじゃねぇだろ……!」

「やってくれる……!」

 

ローキック

余裕でガードするが

 

ドゴッ!

 

ローキックなどではなく本当は下から上にいくブラジリアンキックにより頭に直撃。そのまま蹴られた状態で足を掴みボディーブローを入れる。

膝から崩れ落ちるその隙に足を離し腕を掴み締め上げる。

 

「……!?」

「お…落ちろやコラァ!」

 

一切緩めず失神するまで締め続ける

 

 

 

 

 

 

 

つもりだった。

 

「!?」

 

俺の身体が持ち上げられていたのだ。

振り下ろしにより背中を強く打つ。

 

「ガハッ!」

 

両足を掴まれジャイアントスイングによりソファーがある場所に吹き飛ばされる。

即座に起き上がれずそのまま腹に一撃

 

ドゴッ!

 

と同時に俺も頭に蹴りを入れる。

それにより安堂が離れる。

 

「(っクソ……強えぇな…でも勝てないって事はねぇ)」

 

マシンガンスタイルになる。

地面を強く踏み急接近からの蹴りあげ顔が上を向き勝手に無防備になった腹に回転をつけ威力が上がるようにしたストレートを入れる。

 

メリメリメリ!

 

「グォ!」

 

「(っぶね……これならマシンガンのままでもハンドガン並の威力は出てそうだな)」

 

嶈との時に思った、マシンガンだと威力が低すぎて大したダメージを与えてなかったのがこのやり方だと解消されたようだ。

 

「(後、もうちょいか……ッ!よりによってこんな時に!)」

 

ガクッ!

 

ある程度時折休んでいたとはいえ、蛇華の時から連戦続き、頭ではどんなに思っても身体がついてこず膝から下が管理下から離れたように落ちる。

これを逃すはずもなく頭を蹴られる。

 

ドゴッ!

 

追撃で腹にも喰らう。

フラフラな状態ながらも立つ。

 

「さて…終わらせるとしましょうか」

 

ゆっくりと安堂が近づいてきてストレートを放つ。

 

ドゴォ!!

 

「!?グホォ!!」

「……小牧流奥義…虎落とし…」

 

俺の虎落としにより安堂が5mは吹き飛んだ事により多くの酒が置いてあるカウンターまで移動する。

 

「さぁ、仕切り直しか…?」

「グッ……!」

「立てんのかよ…それが凄ぇよ……今までの中で1番の手応えだったのによ……」

 

おぼつかない足どりながら行く。

アッパー

 

バキッ!!

 

浮いた身体を頭を鷲掴みしてカウンター席に叩き付ける。

 

ドタっ

 

「うおっ、もうちょい持てよ……」

 

ガクガクの膝を抑えながら立ち上がる。

 

「やっ…やっぱり……違い、ますね……“俺ら”みてぇな、もんとは……」

「何が言いてぇのか…分かんねぇな……」

「そのまんま、ですよ……良くも悪くも……“半端モン”とはちがうってことですよ……」

「………俺からすりゃぁてめぇも、変わんねぇけどな…」

「つまらない話をしてしまいましたね……」

 

喰らった威力、受けている箇所全て安堂のが上回っているはずだが、何事もないように構え直す。

 

「続き、行きましょうか…」

 

何も言わず俺も構え直す。

アッパーを膝で相殺、ハイキックからの飛んでもう片方の足でも頭に蹴り。

 

グリッ!ゴキッ!

 

「ッ!!」

 

右肩を殴られ肩が砕ける音もなる。

気にせず右で殴る。

 

ズキッ!!

 

「(ってぇ!もういっちょ!)」

 

腹を蹴飛ばす。スーツを引き込み頭突き。

 

ゴンッ!

 

「……オラァ!」

「フンッ!」

 

ドゴォ!

 

2人一緒に吹っ飛ぶ。

 

「あー、これやべぇな……ひでぇのが肩と頭…それと疲れ的に下半身かぁ……」

 

独り言を呟く。

吹っ飛ばされた状態のままで上を向き続ける。

 

「やるだけやるか………」

 

反動を使い身体を起こす。

安堂は既に接近していて距離はかなり近い。

 

「来いよ……受け止めてやるよ」

 

人差し指で挑発する。

 

「……そちら…こそ、来てもらって……構わないですよ」

 

安堂は反応せず、逆に俺を誘う。

 

「じゃあ、遠慮なく!」

 

ゴリッ!

 

殴って下がろうとするが

 

「!?…グホッ!」

 

足を踏まれ腹に喰らう。膝、顔、腕続けざまに喰らう。

 

ドゴッ!!

 

蹴り下ろしによりアスファルトすら砕け、そこに寝る形になる。

 

「やられた、フリですか……?らしくない……」

「グッ……!そんな、つもり…ねぇよ……!!」

 

「(や、やべぇ……力全く入んねぇ………!)」

 

既に足はおろか、腕にすら力は入らなくなっていた。

 

「……お終い、ですかね………──」

 

最後の方は聞き取れなかった。

 

「さて、では……」

 

ガンッ!

 

拳を頭で受け止める。

 

「ッ!!ハッ!」

 

直ぐに蹴られるが、その蹴られ浮いたのを利用し立ち上がる。

 

「さ……サン………キューな……ハハッ…おかげで…起きれたわ」

「……そこまでして立ち上がらなくても、良いんですけどね……!」

「つ……つれねぇこと……言うなよ………っクソ…もう、立ってんのしんどいから…終わらせようぜ………!!」

 

身体はボロボロ、まっすぐ立つことすら出来ていない。

対して安堂の方は終始安堂の方が優勢だったように立っている。

しかし、所々の傷の様子では俺より酷いようだ。

 

「…良いでしょう………!!」

 

先程と同じく俺と安堂の距離はかなり近く、拳1つ分位だろう。

 

「っしゃあ!…行くぜ……」

 

太ももを叩き、最後に備え動ける様にする。

 

「黒瀬ぇぇぇぇ!!」

「安堂ぅぅぅぅ!!」

 

ボコッ!!

 

吹っ飛んだ時と同じ2人同時に殴る。

 

「(負けるかよ!)」

 

今度は吹っ飛ばず左で殴る。そのまま自然に身体を落とし左手だけで全身支え上から蹴り下ろす。

 

ドゴォ!!

 

蹴り下ろしはしたが、安堂は立ち往生俺は先程以上支え切れず背中を丸め倒れる。

 

「(ど、どうだ……?もう無理だぜ……限界…超えた先の限界だ………)」

 

ドタっ!

 

人が倒れる音がする。間違いなく安堂だろうが、俺も顔すら動かせず確認出来ない。

少ししてようやく顔を動かし音の方を見る。

安堂が大の字で倒れていた。起き上がる気配は無い。

 

「はぁ…はぁ……」

 

俺は何とか立ち上がる。安堂は俺が上に立ってもまだ気付いていない。

 

「これは…俺の……勝ちって事で……いいよな…………」

 

安堂を抱え、ホールへと向かう扉を開けた。

~~桐生視点~~

壮絶と言ってもいい程の音が止んだ。

 

「(終わったか…どっちだ?)」

 

扉から出てきたのは闘っていた奴を背負った竜也だった。

 

「竜也!」

 

俺は竜也達の方へ急ぐ。

 

「き、桐生さん……ちょっと、こいつ持ってもらっても……いいですか……?結構………自分だけで…精一杯です………」

「あぁ、分かった。肩貸すか?」

「だい…大丈夫です……ソファー位までなら全然…行けます……」

 

竜也と奴をソファーまで運ぶ。

南が竜也に話し掛けている。竜也の方は任せて良いだろう。

 

「あ!……桐生さん!」

 

竜也に呼び止められる。

 

「?どうした竜也?」

「俺の方は…しっかり、やりましたよ………そっちは任せますよ……」

 

笑顔とピースをしながらそんな事を言ってきた。

 

「フッ……任せておけ」

 

改めて錦と向き合う。

 

「呆れた前座だったな…桐生」

「俺はそんな事は無かったがな。無駄話は良いだろ…来い、錦…!」

 

錦は上着を脱ぐ。俺も脱ぐ。

錦の鯉と俺の龍が表れる。俺は一瞬目を瞑り考える。

 

「(なぁ錦……その目は何を思ってんだ……10年前なら分かったかもしれねぇが…今はもう分かんねぇよ。それは暫く会ってなかったからか……?それとも…)」

 

目を開く。

 

<錦山彰>

 

「「ウォォォ!!」」

 

2人同時に殴り掛かる。お互い半身ずらし腕だけが交わる。

 

ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!

 

お互い脇腹を殴り続ける。

 

「桐生ぅぅ!!」

 

ドンッ!!

 

錦が腕を捻り俺を叩き付ける。そのままストレートが来るが手で軌道をずらす。

膝で顔をずらさせ急いで立ち上がる。

壊し屋になり抱きついて背中を折る勢いでやり、そのまま地面に投げ捨てる。

立たせ錦の意識が朦朧としている間にラッシュのコンボでダメージを与える。

反撃される前に蹴っ飛ばす。

 

「どうしたァ!そんなもんかァ!!」

 

あえての挑発

すっと錦が立ち上がる。向かってくるのを避け、避けた方にも蹴りが来ているがそれはラッシュのスピードを生かし、ガードする。

腹に膝を喰らい、拳を叩き降ろされる。その時に髪を掴みギリギリ投げ飛ばす。

 

ガシャン!!

 

ガラスの割れる音と共に先程まで竜也と奴がやり合っていたカウンター席まで移動する。

どうやら大したダメージではないらしく平然と錦は立っていた。

 

「お前の方こそそんなもんか?なまったなぁお前も」

 

堂島の龍スタイルになる。

 

「御託はいぃ…来るなら来い…」

 

実際、錦はかなり強い。余裕なんてものは最初から無かった。

 

「そうか……」

 

蹴りが来る。特に気にせずガードするが

 

「!?」

 

先程よりも格段に威力が上がっておりガードした左腕が痺れている。

さらによく見ると藍色のヒートを纏いスピードも竜也のラッシュに匹敵する程だ。

蹴りだけで一気に5箇所喰らう。

 

ドゴッ!ドゴッ!ビキッ!ゴリッ!ドゴッ!

 

「(足、腕、胸、顔、肩か…音的に肋骨はヒビが入っているかもしれないな)」

 

考えつつもヒートを最大限出す。

ストレートをスウェイで回避、そこから無理やりスウェイをキャンセルし拳を顔に入れる。

 

「ガッ!!オラ!!」

 

ストレートが来るが捌きで受け流し、蹴りで奥のプールらしき場所まで飛ばす。

 

「(やはり、小牧流を使うなら堂島の龍スタイルのが良いな)」

 

小牧のじいさんに教わった時に使っていたスタイルが堂島の龍スタイルなのもあり他のスタイルで使うよりはこっちのがしっくりくる。

 

「桐生ぅぅぅぅ!!!」

 

錦が拳を構えながら来る。

 

ドゴォ!!

 

竜也も使っていた虎落とし。かなり入っているはずだが錦は上から腕を振り下ろしてきた。

 

「グッ!」

 

直ぐに起き上がりそこからはノーガードで殴り合う。

その時、急に錦との過去が走馬灯の様に浮かんできた。

堂島組長の件、世良会長の葬儀、セレナでの会話

 

「う、ウォォォ!!」

 

錦をホールまで飛ばす。

錦が膝を着く。

俺は両手で頭を抑え膝に叩き付けた。

 

ドゴォ!!

 

「ッ…そんな…そんなもんで倒れると思ってんのかぁ!!」

 

マウントポジションを取られ殴られる。

 

ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!

 

本当にヤバくなる前に抜け出せた。

 

「もっと来いよ!桐生ぅ!!」

 

その言葉につられ構えまたノーガードで殴り合う。

今度も浮かんでくる。

“カラの一坪”の起こった。裏切り、共闘全て一気に来た。

 

「何だ!そのパンチは!?」

 

『行こうぜ!桐生ぅ!』

 

「!錦ぃぃぃ!!」

 

吹っ飛び、ゆっくり倒れる。

 

「はぁ…はぁ……」

 

俺も堪らず膝を着く。

 

「(真島の兄さん、嶋野、劉家龍…色んな奴とやったが錦以上は居なかった…)」

 

ペンダントを錦の服から取る。後ろを見ると皆待っていた。

 

「一馬!」

 

由美と抱き合う。

暫くして由美が鍵のようなものを取り出しペンダントを開けた。

中に入っていたのは“俺の写真”だった。

 

「由美、これは……?」

「ごめんなさい…私、あなたの事ずっと忘れられなかったの。記憶を取り戻した後もこうしてあなたの事を…私、弱い女だった…。」

「記憶を失っても本当はあなたの事だけは、うっすらと覚えていたの…名前は思い出せない。でも、あなたの笑顔や仕草が浮かんでたの。」

「でも誰だか分からない。全てを思い出せない。そんなあなたの事を………待ち続ける事が…出来なかった……!」

 

崩れ落ちるのを支えてやる。

涙も浮かんでいる。

 

「だから神宮を…でもね、遥は何もかも失った私にとって…たったひとつの宝物だった」

 

遥には竜也が肩を置いている。

 

「だから…遥とお別れに行った時思わずこのペンダントをあげてしまったの。私の一番大切なものを持っていて欲しかったから……遥…私のせいで恐い思いさせてごめんね…!」

 

遥は首を横に振る。

 

「一馬…私、まだやらなきゃいけない事があるの」

 

由美はペンダントを不自然に空いてある箇所に入れた。

ゆっくりと開いた隠し扉からはかなりの金が出てきた。

神宮の100億だろう…

 

「このお金は、あっちゃいけない…だからもう消すわ…」

「由美……」

 

由美がアタッシュケースの爆弾を始動させた。

俺が由美の方へ行こうとすると

 

バンッ!

 

「うっ!」

 

足に激痛。

 

「桐生ぅ!!」

 

後ろを見ると神宮が銃を構えて立っていた。

 

「て、てめぇ……!!」

「お前は近づくな!!」

 

竜也が声をだしたのに反応し竜也に向けて二発撃つ。

 

「クソっ……!!」

「竜也くん!」

 

南が直ぐに確認する。

どちらも急所ではなさそうだが、あのままでは危険だ。

神宮は俺に銃を構え直した。後少しで発砲するだろう。

 

「(ここまでか……せめて俺以外が助かれば…!)」

 

その時、遥が間に入る。

 

「遥!」

 

神宮が発砲する。

 

「遥……!!」

 

遥には傷一つついていなかった。遥の先に由美が立っていたからだ。

 

「由美ぃ!」

「お母さん!」

 

俺と遥が直ぐによる。

 

「由美………しっかりしろ!大丈夫か!」

「お母さん!」

 

目を開いているがまだ分からない。

 

「フハハハやっと見つけたぁ。私の金だァ」

 

神宮がまた俺に構え直す。

 

「どうしたぁ何も出来まい。お前等は終わりだぁ」

「うぁぁぁ!!」

「錦!」

 

錦がナイフを神宮に刺す。

 

「こんな奴に好きにさせて…た、たまるかよ…!」

 

錦は神宮の持っていた銃を爆弾に構える。

 

「最後のケジメくらい……俺につけさせろや…」

「やめろぉ!錦!」

 

錦は前まで見ていた笑顔を浮かべ銃の引き金を引いた。

 

ドォォン!!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~~竜也視点~~

錦山が爆発を起こしてからどれ位経っただろうか…

撃たれたせいでろくに動けずちょっと離れた所に居る桐生さん達の声が聞こえる。

たが、俺らの方までは上手く聞こえてこなかった。

爆発音のせいで耳が遠くなっているのもあるだろうが。

 

「結局……呆気ない幕引きですね…」

「安堂……気がついたかよ」

「錦山さんがナイフをあいつに刺すホント直前ですよ」

「そうか……」

「………ひとつ錦山さんから伝言あります」

「俺に?桐生さんにじゃなくてか?」

「えぇ、『兄弟を頼んだ』だ、そうです。では私はこれで…」

「何処行くんだ?」

「どう考えても、こんだけの爆発事件…犯人がいないとおかしいでしょう…東城会ともサラバですね」

「おい…!お前それで「『日挟連を潰す』そう言ったんでしょう。なら有限実行してください」

 

安堂の言葉により詰まる。

その隙に安堂は行ってしまった。

 

「………心愛」

「どうしたの…竜也くん」

 

心愛は軽く放心状態らしい。仕方ないだろうが。

 

「あの人……錦山、いい人過ぎるだろ…」

「……そう、だね…」

「お母さぁん!!」

「っクソ……!!」

 

遥ちゃんの由美さんへの悲痛な叫びを聞き俺まで涙が出る。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

伊達さんと1人の刑事が入ってきた。

 

「竜也!お前、その銃痕どうしたんだ!それに、桐生も!」

「ははは、俺より桐生さんの方を…」

 

桐生さんは立ち尽くしたまま動いて無かった。

 

「桐生、大丈夫か?」

「伊達さん…もういいんだ。由美も錦も風間の親っさんも……皆居ないんだ。ほっといてくれ……」

「ふざ「バカ言わないでください!!」

 

伊達さんの言葉を遮り俺が喋る。

 

「皆居ないからってなんですか!それが何でもかんでも投げ捨てていい理由になる訳ないじゃないですか!!」

 

俺は何とか桐生さんの肩を掴む。

 

「何の為に由美さんが2人の前に立ったと思ってんだ!風間さんにしてもそうでしょ!命捨てて…!死者冒涜すんな!!」

「……そうだ。それにお前にはまだかけがえのないものが残ってるはずだ。それから逃げるな」

「かけがえの…無い?」

 

そう言って桐生さんは遥ちゃんを見る。

 

「全部逃げようとしないでください…ちゃんといるんですから……」

「伊達さん……竜也……すまなかった…」

________________________

「伊達さん、冬なのにこの車暑いです……何とかしてください…」

「うるせぇ!文句言うとは何事だ!しょっぴくぞ!」

「うーわっ職権乱用ですよ」

 

伊達さんの車に乗りながら1人待っている人が居る。

 

「会長!待ってください!」

「来やがったな」

 

桐生さんが全力疾走で“東城会本部”から来ていた。

 

「桐生さん!こっちです!」

 

伊達さんが開けた所を指示する。

 

「じゃあ、お前等しっかりやれよ」

「行くぜ」

「頼む」

 

ミラーをみて構成員が追ってこないのをみて一息ついている。

 

「終わったのか?“襲名式”と“引退式”は?」

 

これが神宮との闘いで言っていた事だ。

 

「あぁ、義理は果たしたつもりだ」

「竜也、聞いた事あるか?組長の“襲名披露”と“引退式”が同時なんて」

「まぁ、普通聞かないですね。しかも東のトップと言っても良いような組ですからね。余計珍しいですよ」

「五代目は誰にしたんだ?」

 

あの闘いの時で桐生さんは全て決めていたので俺はもう聞いている。

 

「まぁ世良会長や親っさんに恥ずかしくない奴にはしたさ」

「ん?誰だよ?」

「意外な奴だな」

 

ここで伊達さんがミラーを見る。

 

「おい、元会長。尾けられてるぞ」

「え?」

 

寺田さんが礼をして抜いて行った。

 

「東城会五代目会長“寺田行雄”」

 

ここで俺が待っていたかの様に口を開く。

 

「な、何ぃ!ホントか?桐生!?」

「あぁ、奴ならしっかり東城会を立て直すさ」

「っていうか、竜也知ってたのか!」

「先に聞いてました」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

劇場前広場に着いてようやく車から降りる。

 

「お前等どうすんだ?これから」

「俺は遥となんとかやってくさ…竜也の方は?」

「俺も似たような感じですね。心愛と一緒に暮らします」

「あぁ、あの時一緒にいた彼女か」

「いや、違います…普通に友達ですよ」

 

俺は否定するが

 

「俺らの時代なんて、高三で一緒に住むなんてなぁ…」

「居なかったな」

 

「(全く聞いてねぇ……まぁ別にいいけど)」

 

「……もうお前等神室町には来ねぇのか?」

「俺は全然来ますよ。どっかの店でバイトしてます」

「俺らは……どうだろうな。また伊達さんから呼ばれる事があれば来るかもな」

「そうか…残念だなぁ。無いと思うぜそんな事。俺は暫く沙耶と暮らしてみるよ。今まで無かった“家庭”を楽しむさ」

「フッ…じゃあ俺らは居ない方がいいな」

「ですね」

「これで胃が痛い毎日とはおさらばさ」

 

伊達さんはふざけた調子で言う。

そして3人で硬い握手をかわす。

 

「じゃあな、お前等。桐生、警察の世話になんかなんじゃねぇぞ。竜也、バイト始めたら連絡しろよ。遊びに行ってやるから」

「大丈夫さ。あいつと一緒なんだからな」

「営業妨害は辞めてくださいね」

 

桐生さんは遥ちゃんと犬の所へ。

伊達さんは車を発車させる。

俺は心愛の方へ移動した。

 

「竜也くん!終わったの?」

「あぁ、さて…こっから忙しいな。まず心愛の荷物纏めてバイト探して……まぁ行くか」

「うん」

 

綺麗な青空を見ながら俺の家へ向かい始めた。




戦闘シーン全然書けないですねぇw
上手く書きたいなぁ
これからなんですが、龍が如く2に行く前に番外編的なものを2本3本出してからになります。
一応構成としては心愛と秋山さんで1本。
真島さんと亜門で1本。(これが2本分になるかも?)
えー後、謝罪を14話と15話の間の空白期間ホント待っててくれた方すいませんでした!(居たのかな?居たと思いたい。)
あれ以上開くことは絶対にしません!!
それでは次回もお楽しみに!


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龍が如く2
龍と般若と死神


すいません。
心愛と秋山さんのやつなんですが無しになります。
一応構想としては心愛とのデートと秋山さんの河原でのお金稼ぎでの内容です。それで心愛と竜也はそれなりに接近、秋山さんは無事ある程度資金を得ました。後、竜也は天下一通りのポッポでバイトしてます。
それだけ分かっててください。
それでは本編どうぞ!


~~柏木視点~~

「(……真島の奴来てねぇな。殆どいつもの事だが…)」

 

カチャ

 

軽そうな音を立てながら五代目が入ってくる。

皆頭を下げるような事をしない。

五代目が座ると共に他の幹部が口を開く。

 

「五代目!ワシら……汚ぇシノギなんぞする気ないんですわ!」

 

「東城会には東城会なりのやり方があるんだ!昔いた近江とは違うんだ!正直ついてけねぇ!」

 

「東城会改革か何だか知らねぇが、近江みてぇに金の亡者になる気はねぇんだ!」

 

「雑魚がピーチクパーチクうるさいんじゃあ!!意見言うなら結果納めてから言えや、ボケがァ!」

 

最近幹部になった植松が黙らせる。

 

「何だと!五代目に気に入られたからっていい気になりやがって!ちょっと前まで三次のペーペーだった新参が!」

 

「新参かそうじゃないかなんて、もう重要じゃないんですよ」

 

これまた最近幹部になった、飯渕が喋る。

 

「数字を残した人間を幹部に登用し、そうで無いのは排除。実力主義の“血の入れ替え”施策。それが五代目の“東城会改革”です。」

「結果が出ているなら新参だろうが古参だろうが力を貰えるんだ。つまり……結果を残せてる我々が口を出す権利はある。という事です」

 

「んだとォ!」

 

「てめぇ!」

 

皆一斉に騒ぎ出す。

 

「お静かに願いたい!…………よろしいですかな。ではこれより緊急幹部会を始めます」

 

「五代目、今日はどういう案件です?…また今日も“東城会改革”ですか?」

 

俺が口を挟む。

 

「そう。その続きです。現在空白の………若頭を決めたいと思うとります。若頭は東城会で実質私に続くポジション。誰にするかで、今後の組の命運が決まると思うております……ですが、外様出身の私にその判断は難しい…。」

「そこで、私の進めている“東城会改革”のルールによって適任者を選ぶ事にしました」

 

「ルール?」

 

「東城会改革は、結果を残せる人材を積極登用する施策。結果は稼ぎ……ですから“本部への上納金”を最も多く納めた組…………そこの組長を、東城会次期若頭に任命します」

 

「!?ック…」

 

植松と飯渕以外は皆同様に苦い顔をする。

 

「では…各組織の上納金の確認をしましょうか。……飯渕」

 

「はい。ではこちらを」

 

飯渕の手の先にはモニターが表示されていた。

 

「おいおい……」

 

「こんなに差が出てるのか……」

 

そこのモニターには確実な差が出ていた。

 

「ご覧の通り、古くからの皆様の額はどんぐりの背比べ……まぁ、柏木さんの風間組が健闘してるって所ですかね?。」

 

「ですが、その風間組ですらダブルスコア付けられている。そう…植松組と飯渕組……つまり私と植松さんです。あんた達の毛嫌いな新参者ですよ…… この結果なら、次期若頭は植松さんですかね?」

 

「ふざけんな!お前等が稼ぎ良いのは汚いシノギに手染めとるからやろが!」

 

これは前から言われている事で法ギリギリのシノギで額を稼いでるという噂だ。

 

「東城会には……美学ってもんがあんだよ。五代目が認めても俺は認めねぇぞ………!」

 

「金に目ェくらんで極道の魂無くしちまっとるんちゃいますか!」

 

「雑魚がじゃかしいわあああ!!……誰のおかげでメシが食えとると思っとんじゃ!ワシらかてボランティアちゃうぞ……しっかり“親”に貢献しとんや。相応の地位は当たり前やろが!文句あるやつはワシら位稼いでから言えや!! 」

 

また黙り始める。

 

「フッ………異論は無いようですね。では、次期若頭は植松組の植松さんということで……」

 

ふんふんふーん

 

謎のリズムが扉の奥から聞こえ始める。

 

「(来たか……今更だが…)」

 

この幹部連中の中で呑気ともいえるやつは1人しかいない。それでいて今現在居ない人間だ。

 

「ふんふんふーん。でぇーん」

 

「あ?……」

 

バーン

 

扉からは“東城会直径真島組組長 真島吾朗”が出てきた。

そして奴は何時もの席の俺の右側ではなく、俺の左側……若頭の席に座った。

 

「どっこらせっと」

 

「おい?そこはアンタの席じゃねぇだろう?」

 

「黙って見とけや」

 

パンパン

 

真島が手拍子を鳴らすと、キコキコという古臭い音がした。

 

「西田さん!金落ちてないですよね!」

 

「だ、大丈夫だ!」

 

「落ちたら拾ってくださいよ!大事な金なんですから!」

 

扉を開けるとリアカーで組員が金を運んでいた。

 

「(あいつは………)」

 

その中で1人リアカーを前で引っ張っている奴に目を引かれた。

去年、埠頭で嶋野とやりあった時に桐生と一緒にいた奴だ。中々の実力だったので覚えていた。

 

「(真島組に入ったのか……?)」

 

真島を見ると

 

「話聞いときゃ分かるで」

 

リアカーを俺らの前まで持ってくるとリアカーを置き植松の方を向き話し始めた。

 

「どうも。“期間限定”真島組の黒瀬です。一応外で話聞いてたのである程度わかる上にこうして金額を用意したので話します。………てめぇ程度の器じゃ東城会に合わねぇから大人しく真島さんか、柏木さんに譲れよ……以上です!それじゃ“親父”失礼します」

 

最後に五代目の方を見て他の組員と一緒に外に出てった。真島は手を上げて返事をする。

 

「(かなりの覇気だな……他の組員ですら唾を飲み込む程恐怖してるのにあの覇気を直接喰らった植松は何が何だか分かってないってツラだな)」

 

「真島さん……その金は?」

 

ザワつく周りを無視し五代目は真島に話を聞く。周りも話を聞くため黙る。植松も座っている、むしろ腰を抜かしたという表現のがあっているかもしれないが。

 

「俺な…草野球がしたくてのう……金貸した時の担保に、神室町近くの空き地をちいとばかり手に入れとったんや。」

「そしたらなんや、でかい企業がそこにビル建てたいから土地を譲れ、言うてきてのう。適当にふっかけたらこんだけの金になった訳や」

 

「ふむ………」

 

「ま、俺がちぃとばかし本気になればこんなもんや。しかし困ったのう…稼いだ額で決める言うんやったら俺が若頭になってまうのう………。」

「五代目はあんたや…人事でもなんでも好きにしたらええが………東城会舐めとると、飼い犬に手ぇ噛まれるで?」

 

「……五代目どうします?」

 

「(確定だな……今の飯渕ので分かったが…今はこの人の出方次第か)」

 

「……一度本件は持ち帰りとする。次回幹部会にて改めて方針を決定する」

 

「……ん?なんや…座り心地は変わらんやないか……」

_________________________

~~竜也視点~~

東城会本部での幹部会が終わり俺は真島組と真島さんに神室町に送ってもらっていた。

 

「いやーー、今日はほんまありがとな。黒ちゃん」

 

「……さっき聞いた時から思ってたんですけど、『黒ちゃん』ってなんですか?」

 

ここまでの経緯を思い出しながら話を聞く。

***************

「………心愛、ちょっと待ってて」

 

「え?竜也君?」

 

家の外から感じる嫌な気配を確かめる為、外に出た。

そこには黒スーツの連中に囲まれていた。

 

「何だてめぇら?人の家そんな物騒に囲みやがって……」

 

「どけや、お前ら。俺が話すわ」

 

そこまでバラバラに散るようにしていた連中が一気に真ん中を空ける。

 

「よう!黒ちゃん!」

 

「ま、真島さん!?…なんでここに?」

 

「ちょっと用あってここに来たんや。なかなか黒ちゃんの家探すの苦労したんやで」

 

しみじみしながら真島さんが話す。

 

「それで用事っていうのは?」

 

「話すより見てもらったほうがええやろ。おい!持ってこいや!」

 

「………!?」

 

キコキコと古臭い音を立てて組員がリアカーを運んでくる。驚いたのは、リアカーの中にあるこれでもかという程の金

 

「これは……?」

 

「急用でな、こいつを東城会本部まで運ばなあかんのや」

 

「真島組だけじゃダメなんですか?」

 

「こいつらフラフラしよって、直ぐポロポロ落ちるもんでの。それなりに力あるやつに運んで貰った方がええからの。しっかし桐生ちゃんは見つからなくての。」

「あかんかのう、と思っとったら黒ちゃんを思い出してそれでこっち来たって訳や。どや?力貸して貰えるか?」

 

「……分かりました。スーツ着てくるんでちょっと待っててください」

 

「なんや黒ちゃん、スーツなんかどうするんや?それに買ったんか?」

 

「一応東城会本部に行くのにジャージってのは不味いでしょう?それに最近バイト始めまして、面接の時に買ったんです」

 

「ほーーお、なるほどのう。ま、待っとるで」

**************************

このような経緯で真島さんの着いていくことになったのだ。

 

「なんや、別にええやないか。それにこれやと俺が呼んだってわかりやすいやろが」

 

「それはそうですけど……ん?」

 

物凄い人だかりにより進めなくなっていた。

 

「なんや?はよ進めや?何をチンタラしとんねん!」

 

「真島さん。なんか変です、いくら人通りが多いこの道でもこんな人だかりは……」

 

【久しぶりだな】

 

「「!!!??」」

 

「(なんだ…!この殺気!?)」

 

俺も真島さんも強烈過ぎる殺気に後ろに下がる。

真島さんの方は下がっただけで平然としてるが、俺の方は冷や汗が止まらない。

 

「い、今のは……!?」

 

「……分からん…でも知りたかったら…行くしか無いみたいやな」

 

気付けば先程までの人だかりが嘘のように道が開いていた。

そこには人だかりの原因になっていたであろう、チンピラが倒れていた。

しかし、身体には火傷の跡が全身、左半身は骨が砕けて立てない状態になっていた。

 

「(これが原因か……!)」

 

いくら喧嘩が日常茶飯事の神室町とはいえ、殺し同然ともなると変わってくる。

 

「誰か知らんが……だいぶヤバい奴って事やな…」

 

さっきから放たれ続けている殺気を辿りその人物の所まで行く。

そして劇場前広場に“ソイツ”はいた。

 

「来たか……久しぶりだな、真島吾朗 」

 

黒のワイシャツに黒コート、そしてサングラスという正に黒ずくめの姿をしていた。それにどうやら真島さんを知ってるらしい。

 

「こうして会うのは17年ぶりか……」

 

「………誰やお前?」

 

真島さんはポケーっとした顔で黒ずくめに尋ねた。

 

「え!?知ってるんじゃないんですか?」

 

「覚えとらんわ。名前聞いてもええか?」

 

「殺す!!」

 

ドゴッ!

 

「真島さん!」

 

かなり早い蹴りにより、真島さんが吹っ飛ぶが

 

「おー痛、あんまり上手くいかんのぅ」

 

「何!?」

 

「(全然負ってないな……成程、“受け流した”のか)」

 

「ほな、改めて名前聞こか?」

 

「グッ……!……亜門…亜門丈…!!」

 

「(亜門……聞いた事ねぇな…)」

 

「ほう……亜門…亜門………」

 

先程までとは違い、疑惑の目を向ける。

 

「やっぱ知ってたんですか?」

 

「いや、知らんわ……それより、ウチのシマでこれ以上やられんのは見過ごせんのぅ……!」

 

「(濃すぎるだろ……!)」

 

俺や桐生さんに向けた時以上の殺気を亜門に向ける。

 

「真島吾朗……やはり衰えてはいないようだな…それでこそ挑む価値があるというもの」

 

「……来るなら来いや…追い払ったるわ」

 

「(流石にこの2人に割って入るのは無理だな…レベルが違いすぎる…秋山さんでも厳しいだろ、これは……)」

 

「そこの“軟弱”は、まだ居たのか」

 

「あ…!?もっかい言ってみろよ…」

 

「軟弱者が…」ドゴッ!!

 

ハイキックをガードされ、頭を左腕でぶん殴る。

 

「誰が軟弱だと……!!」

 

「ヒッヒッヒッ何や、黒ちゃんもやる気やないか」

 

「止めてください。俺の場合はやる気とは言わないですよね……キレなきゃ良かった……」

 

「もう手遅れやな。あいつ、かなり“キてる”様やで」

 

「はぁ……まぁいいや、真島さんk」ガシッ!

 

「ん?何言おうとしたんや?」

 

「く……くれぐれも…!変な事…しないで……くださいって……!言おうとしたんですけどね!」

 

ドゴッ!

 

真島さんが、俺にドスを刺してきたので腕を掴み腹を蹴り、距離をとる。

 

「…なんで、俺にドス向けたんですか?」

 

「2対1はアカンやろ。せやから俺も黒ちゃんの敵に回ったろと思ってな」

 

「ホントその気まぐれにも似たやつやめて欲しいわ…!………ホントふざけんな…この2人相手かよ…!」

 

ボソボソ声で呟く。

 

「何をしている!」

 

「ッ!ガハッ!!」

 

「甘いわ!」

 

2人一気に相手にしてきた亜門に俺はガードをするが、甘く身体が浮いてしまう。真島さんは逆にドスを向ける事で亜門を踏みとどませる。おかげで俺の方もそこまで酷い状態ではなかった。

そのまま真島さんがバットを高速で俺の方に、ドスを亜門に刺そうとする。バットを殴る事で当たる事は無かったが受け身がとれずそのまま落ちるように地面に着く。

真島さんと亜門が1m半くらい、俺が2人から3mくらい離れてる状態で固まる。

 

「黒ちゃん、なんでそんな所まで離れとるんや?」

 

「いや……アンタと違って攻撃喰らったんですよ」

 

「そのわりには意外と平気そうやな」

 

「全然力入れてないって事ですよ…だろ。亜門」

 

「………」

 

「(無視かよ……それより…あんま思いたくねぇけど、まだこの2人とちゃんとやり合う程強くねぇ。今回だけは、全部後手で致命傷だけ避ける事にしよう)」

 

真島さんが攻撃してきても可笑しくないというのに、亜門が俺から目を離さずずっと睨んでる。

 

「お前…なんだよ。さっきの一撃まだ持ってるわけ?流石にそれはt「来てみろ」

 

「あ?なんだと?」

 

「改めてお前が軟弱だという事を証明してやろう」

 

「……後悔すんなよ」

 

真島さんも少し離れて今後の動きを予測しているようだ。

 

ドゴォ!!ガッ!ボコッ!!

 

戦車で顔をフルパワーで殴る。吹っ飛ぶのを足を掴んで投げ飛ばしマシンガンでかかと落としをする。真島さんも背面蹴りで吹っ飛ばす。

 

ムクッ

 

「……ターミネーターかよ…まぁ別に大して効いてないと思ってたから予想通りだけど」

 

「この程度か」

 

「あぁ。正直今のが全力だ」

 

「つまらんな」

 

顔を沈めたまま亜門が近付くのを待つ。

 

ドゴッ!

 

「!?ウグォッ!」

 

バキッ!!

 

虎落としを決め、肋骨にヒビを入れる。

後ろからくるドスを直感で避け離れる。

 

「やっぱ黒ちゃんは強いのぅ!桐生ちゃんと一緒に居っただけはあるのぅ!」

 

「なんで嬉しそうにしてんですか…真島さんに全く関係ないし」

 

「…桐生だと?」

 

「なんやお前?桐生ちゃん知っとるんか?」

 

「……いや、知らない…」

 

「どう見ても知らないってツラじゃないけどな」

 

「…まぁええやろ。続きしよか」

 

真島さんがドスを上に投げ亜門に掌底からの首を捻る。

俺に膝が来るが回避、そこから上に投げてきたドスが俺の腹に刺さる。

 

「!?ッ!」

 

ドスを抜き今度は肩に刺す。

柄を捻るように押し柄の一部まで入る。

 

「なっ!めんなコラァ!!」

 

ドスを持つ腕を逆にこちらに引き寄せ骨を砕き、膝を崩し倒す。今度は仰向けになる様に投げる。

 

「グッ…!……!」

 

ドスを抜いた所を見ると出血が酷すぎて傷の具合すら見れない程だった。

 

「ホントやってくれるぜ……っクソ…肩よりも腹だな…」

 

腹の方は腰の辺りまで血が滲み出ていた。

 

「(2人はどうだ…?どうだつってもこれ以上殺り合うのは出血量的にアウトだけどな)」

 

真島さんは俺にやられた腕だけが酷そうで亜門に至っては五体満足と言っても差し支え無かった。

その時亜門が俺と真島さんに小さな正方形の物を投げた。

 

「(何だ?これ……ドォン!!

 

投げて来たのは爆弾であまり近づかなかったおかげで死ぬ迄は行かなかったが爆風で劇場前のSEGA内まで大きく吹き飛ばされる。

 

「カハッ……やっろう…!ま…まじ…まさんは、どうなった…?」

 

「な、何だ!アンタ!?ひ、酷いケガじゃないか!!」

 

先程まで店前で傷だらけの奴が吹っ飛んできたおかげでSEGA内にいる連中もゴロゴロ集まってくる。

 

「…く、来んな…」

 

「何を言ってるんだ!?」

 

「い、良いから……そこで大人しくしてろ…店の中に……いる…れ、連中外出すなよ……」

 

おぼつかない足どりで外にいる亜門の元まで行く。

 

「(流石に店内に入れる訳にはいかねぇ……街中で爆弾ぶっ飛ばす程イカれた奴だ…)」

 

「良く生きてたな…」

 

「おかげさまで……身体中、ボロボロだよ…」

 

顎を殴られすぐさまガードに入るが右、上、右、左、下

連続でラッシュを喰らい倒れた後、両腕を踏まれる。

 

「やはりつまらなかったな。お前如き殺す程も無い」

 

俺が立ち上がらないのを確認すると真島さんの方へ向かった。

寝返りをして適当なゴミを拾い亜門の後頭部にぶつける。

亜門は不思議そうにこっちを見る。

 

「これ……投げた事すら、気付かねぇんじゃ…そりゃ駄目だな……殺す程っていうか………殺せないの間違いだろ……?」

 

「………何?」

 

「普通に殴り合ってたら……勝てねぇんだろ?…それに……桐生さんに負けたから……あん時、変な反応…したんだろ?………へっ…その…顔は当たりって事で良いよな…?」

 

分かりやすい程の挑発。亜門もそんな事は分かってはいるだろうが、強者だからこそたった一言。『負けた』という言葉に余計に反応してしまう。

 

「クソガキが……!!」

 

「来いよ……!」

 

ここまでのやり取りは時間にすれば数十秒、俺もフラフラながらも立ち上がるには十分な時間だった。

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドスッ!!

 

真島吾朗がこちらに戻って来るにも十分過ぎる時間だった。

 

「ガッ!……グハッ!!……ま、真島ァ!」

 

「まだまだ楽しめそうやないか!!」

 

真島さんのドスが亜門の肋骨付近に深々と刺さる。

こちらに切先が2cm以上見えることを考えるとかなり深い様だ。

 

「ウォォォ!りゃァァ!!」

 

バキッ!!ドタっ!

 

なんとかまた一撃入れる事に成功する。しかしその1発でまた俺は倒れてしまう。

 

「グッ!……っクソ…しんど過ぎるぜ……!」

 

「……」

 

「ハァッ……!ハァッ…!お前ら如きが……!!」

 

身体にムチを打ちまた立ち上がる。最早3人共起きてられる傷ではないが、今なおも起きているのは“負けなたくない”という意地だろう。

 

ポタ、ポタ、ポタポタポタ……ザー!

 

急に雨が降り始めあっという間に豪雨になってしまった。

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

3人共無言で見つめ合う。しかしその目に闘志はほとんど無かった。

実際には竜也のみが闘志を含んでいるが残りの2人は観察するように見ているだけだ。

やがて亜門は後ろを向き痛みを感じさせないような歩きで七福通り西へと向かいだした。

 

「お、おい…!逃げん…の、かよ……」

 

呼び止めるが全く気に停めず亜門は進んで行った。

 

「……俺らもさっさと離れようか。ぎょうさん来る前にのぅ…」

 

「え?」

 

真島さんの声を皮切りに豪雨の中に潜むパトランプの音を聞く。

 

「………確かに…色々、起きましたからね……」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

場所は変わり、中道通りの喫茶アルプス

店内には店員と竜也と真島しか居ない。

何故なら既に真島組が包囲して、人払いを済ませなおかつ人を来させないようにしているからだ。

 

「しっかし大変やったのう」

 

「ホントあいつ何もんだったんですかね?……桐生さんと真島さん知ってるって事は相当なやつですよね」

 

いくら桐生さんが東城会四代目とはいえ、少し前までは無名もいい所の人だ。

 

「……あん時も言うたけどワシは知らん」

 

「分かりました…とりあえず俺はもう帰ります。長い時間家開けてるんで」

 

真島さんがなにかを隠してるのは明白だが本人が言う気が無いのなら別に聞きはしない。

 

「おう!今度また遊ぼうな黒ちゃん」

 

「良いですけど……」

 

命の危険を感じながら返事をした。

ケータイを開き時間を確認すると2時15分だった。

 

「とりあえず心愛に連絡入れるか……」

 

『竜也君?どうしたの?』

 

「要件が全部終わったから今から帰るよ」

 

『分かった。待ってるね』

 

「うん…じゃあまた」

 

今日の晩飯は何かと考えながら家へと向かった。




まーた遅い更新になってしまい申し訳ございません。
次からは龍が如く2に移ります。


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25話 近江連合

お久しぶりです。
なかなか思うように書けず長考してしまいました。
今回から龍が如く二の方に入って行きます!
楽しんで読んでくれたら幸いです!


~~桐生視点~~

100億事件から丁度1年が経ち、親っさんや由美、錦の墓参りに行く事になっていた。

 

「遥、準備はいいか?」

 

「うん。大丈夫だよおじさん」

 

「よし、行こう」

____________________

タクシーで墓場まで着くと既に竜也と心愛が着いていた。

 

「あ、桐生さん!久しぶりです!遥ちゃんも!」

 

「久しぶりだな竜也、南」

 

「竜也君、心愛ちゃん!久しぶり」

 

「お久しぶりです。桐生さん、遥ちゃん」

 

 

どうやら2人は既に墓参りを済ませているらしくもう帰り仕舞いをしている。

 

 

「もう行くのか?」

 

「そのつもりだったんですけど……2人が丁度来たならちょっと待ってますかね。心愛も別にいいよな」

 

「うん、私は大丈夫だよ」

 

「そうか。じゃあなるべく早く済ますとしよう」

 

 

遥と共に親っさんの墓から手を合わす。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「最近の神室町はどんな感じなんだ?」

 

 

墓参りを済ませ、俺と竜也、南と遥で近況を話し合っている。

 

 

「特に変化はないですね。ただ東城会は色々ゴタゴタですけどね」

 

「?どういう意味だ?」

 

「若頭決めたりそこらでてんやわんやだそうです」

 

「寺田が居るだろう。あいつに限って人選ミスは無いだろう」

 

「すんませんなぁ。どうにもこうにも外様のあっしには見分けが出来ませんでしたわ。一応柏木さんにしたんですがね」

 

「寺田、お前も来たのか」

 

「お久しぶりです。桐生さん、いや四代目」

 

「その呼び名はやめてくれ」

 

「……なんで来たんですか……?」

 

 

竜也が物凄く不機嫌そうに言う。何故なのかは分からないが竜也が東城会の内情を知っているのと関係しているんだろう。

 

 

「黒瀬くん………あなた方と一緒ですよ…私も風間さんの墓参りです」

 

「……………」

 

 

竜也は返事を返さない。正直知りたい気持ちはあるが、この件に踏み込むのは竜也に迷惑を掛けるのは分かるので口を挟まない。

 

 

「そうか。それにしても1人とは不用心だな」

 

「…………………それとは別にどうしても、四代目に知らせておきたい事があるんです」

 

「なんだ?」

 

「実は、近江連合の郷田会長と盃を交わそうと思っております」

 

「盃だと…?」

 

「ええ。近江との戦争避けるにはそれしか方法が…」

 

「東城会がそこまで追い詰められるとは……」

 

 

寺田を五代目にする事で近江と揉めるのは予感していた。しかし親っさんの意思を継いでいるのも寺田だ。俺が抜けて託すのには寺田しか考えられなかった。

 

 

「1年前の事件もあり、内部はガタガタです。戦争が起これば多くの血が流れそしたら東城会は乗っ取られるでしょう。それだけは何とか避けたいと……」

 

「お前と郷田会長じゃ格が違う。向こうがその話を飲むとは思えない」

 

 

何時の間にかこっちに来ていた遥の手を繋ぎ帰ろうとする。

 

 

「十二分に承知しております。しかし……」

 

「寺田、五代目はお前だ。堅気の俺が口を挟む事じゃねぇ」

 

「先代なら東城会のこの危機をどう乗り越えるか……是非ともご意見をお願いします」

 

 

バァン!

 

 

1発の銃声が響く。俺は遥を竜也は南を避難させる。

打たれたのは寺田の腕だ。

 

 

「お前ら…何の用だ?」

 

「寺田はんの首、頂きにきたんや」

 

「関西の鉄砲玉ってところか……」

 

 

近江の組員がドスや銃なんかを落とす。

 

 

「東城会のボディーガードは脇が甘いですなぁ」

 

「ウチの組員の…」

 

「後は穴掘って埋めるだけです……ここは墓地。運ぶ手間省けて丁度ええんとちゃいます?」

 

「寺田…遥達と逃げろ」

 

「しかし…!」

 

「その体に東城会の未来がかかってんだ!…分かったら早く行け!」

 

「………後は頼んます」

 

「お前らに極道の礼儀ってもんを教えてやるぜ!」

 

「……やんねぇ訳にはいかねぇしな…来いよ…!」

 

 

銃を持っている5人の内、1人の腕を掴み締め上げるようにして銃を手放す様にする。銃を蹴飛ばし腹に一発入れて沈める。

 

 

「死ねぇ!」

 

 

別の奴が銃を構えるがその発言を聞いた瞬間に裏拳を入れ結局撃たれず3人目を俺と竜也で同時に顔を殴る事で終わらせる。

 

 

「寺田!!大丈夫か?…」

 

「かすり傷ですわ……」

 

 

バァン!!

 

 

「桐生さん!」

 

 

気絶してた奴が目を覚ましすぐさま銃を撃ってきた。

俺目掛けて放たれた銃弾は

 

 

 

 

 

寺田の心臓部分に直撃した。

 

 

「っクソやろう!!」

 

 

ドゴッ!!

 

 

竜也が銃を撃った奴を殴り飛ばす。

その間に俺は寺田を支える。

 

 

「寺田!!」

 

「こ、これを持って……近江連合の郷田会長の元へ…」

 

「お前!」

 

「ワシと桐生さんじゃ器が違う…東城会の明日には……これでええんです。桐生さん……頼んます…」

 

 

そこまで言って寺田の首は下がってしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

南の手配によりすぐさま救急車が来たが寺田の状態は全く良くなかった。

流石に竜也も南も人が入りきれず2人は帰った。

 

 

「寺田!しっかりしろ!!」

 

 

ピーー

 

 

無機質な音と共に心電図が真っ直ぐになった。

 

 

「残念ですが……出血多量です……」

 

 

俺の手元にある寺田の血で汚れた手紙。

だが、これを渡すには大阪へと飛ばなければ行けない。

 

 

「(無理だ…遥を置いていく訳には……竜也や南も巻き込めない。あの二人も最近生活が安定してきたばかりと言っていたし……)」

 

 

「私、しばらくひまわりに行くね……大切なお仕事なんでしょ?でも…終わったら迎えに来てね」

 

「勿論だ…」

 

手紙に目を送りながら俺は遥にそう答えた。




ここがきりがいいのでここら辺で少し区切ります。
それと前回から行間を前より開けてあるんですがどうでしょうか?
もし良かったら感想でどっちのが良いか教えてください。
皆さんが良いと思う方に統一します。
後、一つの作品が更新遅いんですがもう一つ作品を書いてみました。
1時間後に投稿するのでもし良ければ見てください。


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26話 力の無い人形

ホント毎回毎回遅くて申し訳ございません。
今回台詞多めです。
宜しければどうぞ!


救急車から降りた俺はすぐさま東城会本部へと行き、姐さんに寺田の手紙を渡した。

 

 

「まさかこの書状を関西に持っていくつもりですか!?代行!…」

 

「落ち着け…」

 

「親の命殺った連中相手に盃交わして下さいなんて……笑い話にもなりませんよ!」

 

「じゃあお前は五代目の仇を取るというのか…?」

 

「殺られたら殺り返す…それが極道と違いますか!」

 

「兄弟…勝手に動くのはいいが俺らがとばっちり受けるのは御免だ」

 

「ケツまくってのか!?」

 

「戦争すんにも金が必要だろうが」

 

「金だぁ……?それじゃ極道のメンツがねぇだろうが!!」

 

「お黙り!」

 

 

騒ぐ幹部連中を姐さんが黙らせる。

 

 

「…関西へ行くつもりだね」

 

「五代目との約束です…姐さん………この一件、自分に任せて貰えませんか?」

 

「あんたも……全面戦争は避けるべきだと思ってんだね?」

 

「はい…」

 

「桐生…向こうが話を飲むとは思えないぞ……」

 

「柏木さん…これは寺田の遺言です…」

 

「下手したら殺されるよ」

 

「覚悟は出来ています…」

 

「まさかとは思うけど……郷田会長と刺し違える気じゃないだろうね」

 

「………出方次第です…」

 

 

元々重い空気が更に沈む。

 

 

「11年前の堂島殺し……まだ引きずってるね」

 

 

顔を背けてしまう。

 

 

「あれは錦山がやったことだろう?あんたの責任じゃないよ」

 

「錦とは…ガキの頃から一緒でした……血なんか繋がってなくてもそこらの兄弟よりずっと深い…錦の借りは自分のものです…」

 

「無駄そうだね…。この件あんたに任せるよ 」

 

「姐さん!本当ですか!」

 

「考え直した方が…「桐生は東城会のために命賭けるって言ってんだ!。」

 

「文句がある奴は…前に出な…どうせ盃が割れたら後戻りは出来ない…東と西の全面戦争だよ! 」

 

「これでいいね…」

 

「はい…ですが…一つだけ頼みがあります」

 

「何だい…?」

 

「関西に行く前にどうしても…堂島大吾に合わせてください」

 

「……どうしてあいつを…?」

 

「寺田は死に、東城会は柱を無くしました。今、東城会建て直せるのは奴以外にはいません……暴力や権力に屈しない男…そうゆう男が今の東城会には必要です。」

 

「そしてそいつを…大吾は持っています。どうしても大吾には会っておきたいんです」

 

「………やめときな」

 

「何故ですか?」

 

「昔のあの子じゃないからだよ」

 

「一体何が…?」

 

外を見つめる姐さんの表情は暗いものだった。

________________________

神室町に戻ってきた。

 

 

「(変わり映えしねぇ街だ…)」

 

 

姐さんの話を思い出す。

********

「大吾が刑務所に入ってたのは知ってるね」

 

「はい。5年前と聞きました」

 

「あんたがムショに居た頃の話さ。父親があんたに殺されたと思って荒れたのさ……それで馬鹿やってね」

 

「馬鹿とは……?」

 

「関西さ…手ぇ出したんだよ。それで捕まってね。」

 

「今は出所してこっちに帰ってるけどね、浴びるように酒呑んで馬鹿やって暮らしてる。」

 

「もう力の入らない人形さ……」

********

「(大吾が変わっただと……とにかく探さなくては…)」

 

 

「おい!大吾さんが荒れてるってマジかよ!」

 

「あぁ…今大吾さんと一緒にいる奴から連絡が来てな…とにかく人集めろだってよ!」

 

 

「(大吾だと…?念の為聞いておくか)」

 

「すまない。ちょっと良いか?」

 

「あ!?なんだよおっさん!?」

 

「たまたま会話が聞こえたんだが、大吾というのは[堂島大吾]で合ってるか?」

 

「ッ!なんで大吾さんの事知ってんだよ!!」

 

「俺も大吾に用事があってな。会わせてくれるか?」

 

「なんでてめぇなんかに大吾さんの場所教えなきゃいけねぇんだよ!」

 

 

そう言って大吾の手下であろうチンピラ1は構え出す。

 

 

「はぁ仕方ねぇな……1回大人しくさせてやるか…」

 

 

台詞を言い終わるのが早いかどうかチンピラが殴り掛かってくる。

それに頭突きをする形で相手の指を2本折る。

 

 

「うぎゃぁ!!」

 

 

折られた事に気付くとチンピラは手を押さえ、踞る。

 

 

「これ以上やると言うならまだやるが……どうする?お前も来ると言うなら相手になるが?」

 

「っクソ…!」

 

「……辞めとくぜ…」

 

 

チンピラが睨みを効かせるがそれを流す。もう1人のチンピラは闘う気すら無いようだ。

 

 

「話を戻すぞ…大吾の居場所は何処だ…?」

 

「……ピンク通りのSHINEって所だ…」

 

「理解が早くて助かる」

 

 

チンピラを置いていき、SHINEへ向かおうとすると

 

 

「ま、待て!おっさん何もんなんだよ!?」

 

「……堂島大吾の関係者だ…今の俺にそれを名乗る価値があるかは知らんがな……」

_______________________

「いらっしゃいませ。ご指名でしょうか?フリーでの入店でしょうか?」

 

「すまない。堂島大吾が陣取っている席に案内して欲しいんだが」

 

 

ウェイターの挨拶を無視しこちらが質問する。

 

 

「ど、堂島様ですか…?あの人に今近づくのはお客様に危険が」

 

「分かった。自分で行く」

 

「あ、お客様!!」

 

 

ウェイターを手で退けて大吾を探す。

SHINEの奥の広いソファがある席に大吾は座っていた。

 

 

「荒れてると聞いていたが……外面は普通そうだな」

 

「あん?なんだぁおっさん?」

 

 

大吾に媚を売っていた奴が俺の肩を押しながら素性を聞こうとする。

 

 

「悪いがお前らに用は無い。俺は奥のアイツに話があるんだ」

 

「兄貴に向かってアイツだと……!」

 

「少しの間席を外してもらうだけで良いんだ…」

 

「ふざけんな!」

 

 

先程まで喋ってた奴に同意するように他の奴も立ち上がる。

 

 

「席外すのはてめぇのほうだろうが!!」

 

「ここじゃ店に迷惑がかかる。……表に出ろ」

 

 

「(これ以上は時間の無駄だ…さっさと終わらせて大吾と話さなくては…)」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺の周りを7、8人で囲んでいる。

 

 

ドサッ!グキっ!

 

 

後ろにいた奴が殴ってくるが躱して足をだし転ばせて背中を踏んでしばらく身動きが出来ない様にする。

 

 

「おめぇらみてぇなのがまだこの街に居たとはな…」

 

「何が言いてぇ?」

 

「身の程知らず……って事だ」

 

「くそオヤジが……そんな口直ぐにきけなくしてやるよ…殺れ!!」

 

 

堂島の龍スタイル最大のスピードの回し蹴りで後ろの3人を直ぐに吹っ飛ばす。

 

 

「グハッ!!」

 

 

1人の頭を掴み膝蹴りで潰す。後ろから1人に捕まれ、頭クラスの奴が殴るが塞がれてない足で顔を蹴り飛ばしつつそのままの勢いで半回転して掴んでいた奴を地面に叩き付ける。

 

 

「ガッ!……っクソ!」

 

「お前らに恨みはねぇ…これ以上怪我させたくねぇ」

 

「うるせぇ!!!」

 

 

そう言ってポケットナイフを取り出す。

 

 

「そんなもんチラつかせたら、遊びなんかじゃ済まなくなるぞ…」

 

「止めろ」

 

「あ、兄貴…」

 

「お前らじゃ話になんねぇ。店に戻ってろ」

 

「しかし、こいつは…「聞こえねぇのか?……戻ってろっつたんだ!言う通りにしろ!」ッツ…行くぞ」

 

「躾が足らねぇんじゃねぇのか?」

 

「奴等は舎弟じゃねぇ。兄貴、兄貴と勝手に着いてくる連中だ」

 

「……相変わらず若いやつからの人望はあるな」

 

「…興味ねぇよ」

 

「東城会に…戻ってくれ」

 

 

戻ろうとする大吾の足を止める。

 

 

「お前が必要なんだ」

 

「俺には必要ねぇ場所だ……」

 

「話は姉さんから聞いた」

 

「それで?聞いたなら分かってんだろ。放っといてくれ」

 

「組の存亡が掛かってんだ。簡単には引けねぇ」

 

「あんな所がどうなろうと俺には関係ねぇんだよ」

 

「東城会に恩があるだろう…!今のお前が居るのは組と堂島組長のおかげだ……」

 

「アンタがそんな事言えた義理かよ…?桐生さん、俺はなアンタだけは信用してたんだ。ずっと憧れの存在だった。」

 

「今はもう違う。親父が殺されて、徐々に組はおかしくなった…

体張る価値はあの組にはねぇよ…」

 

「よく分かってるじゃねぇか」

 

「あ?」

 

「お前の言う通りだ…今の東城会にはそんな価値は微塵もねぇ。

幹部連中は金勘定、昔の威光なんかありはしねぇ。」

 

「でも…俺はまだ信じてんだよ」

 

「……何をだよ」

 

「風間の親っさんや、嶋野…そしてお前の親父さんが居た頃の強い東城会をな……。」

 

「もう一度あの頃の東城会に戻るには……お前が必要なんだ」

 

「勝手な事言いやがって…1年前、組めちゃくちゃにしたのはアンタと、アンタと一緒に居たガキじゃねぇか!!」

 

「確かにそうだ。だから俺は…責任を取りに来た!!」

 

「何g」ドゴッ!ドサッ!

 

「何しやがる!?」

 

「目は覚めたか?」

 

「変わらねぇなぁ……昔から力づくで事を動かそうとする」

 

「そうした生き方しかできなかったからな」

 

「俺もだよ……力で来る奴には力で向かってくだけだ!」

 

 

肩を掴もうとしたのを逆に掴み締め上げ軽い掌底で距離をとる。

 

<堂島大吾>

 

大吾は直ぐに構え出すが俺は動じず意識だけを大吾に向ける。

 

 

「なんの真似だ?あぁ?」

 

「今のお前に言う義理はねぇな。分かりたかったら来たらどうだ?」

 

「舐めてんじゃねぇぞ!!桐生ぅ!!」

 

 

挑発をまともに受けたおかげでとても読みやすいパンチになっていたのでしゃがんでそこからアッパーの形で鳩尾に叩き込む。

 

 

「グホッ!?」

 

 

蹲ったのを確認し、ローキックを全力で顔に入れる。

それだけで大吾は 九州一番星に打ち付けられる。

 

 

「グッ……!な、舐め……やがって……」

 

「…………」

 

「黙ってん…ドタっ!「っクソ……!」

 

 

直ぐには起き上がれず何度か壁に寄りかかりながらようやく起きる。

 

 

「もう辞めとけ…死ぬぞ」

 

「ッ!……うるせぇ!桐生、てめぇなんかに……!悟ら…される義理なんて…ねぇよ!!。」

 

「てめぇが……あん時!錦山を…グッ!止めとけば!親父は死ななかった!」

 

「……それは違う」

 

「…あ?」

 

「あん時は錦が先に聞いていて、俺が止める側として聞いたから向かったがもしかしたら俺が堂島組長を殺していたかも知れない。」

 

「それを理解していたから錦を逃がした。」

 

「だが、結局は錦を変える原因の一角になったし、由美も神宮なんていうクソ野郎と出会うきっかけになった。」

 

「結局は俺にしても錦にしても変わらなかった…2人を失った今更言っても遅すぎるがな」

 

「桐生……」

 

「話は終わりだ。来い、大吾」

 

「……はぁ、そんな顔してるやつなんか殴っても意味ねぇ。アンタ気づいてるか知らねぇが酷い顔してるぜ」

 

「……」

 

 

自分では分からないが余程酷いのだろう。

実際に先程まで大吾にあった殺気が消えており立っているどころか座ってしまっている。

それを再確認した俺は寺田の書状を見せる。

 

 

「東城会の運命は、全てこいつに詰まっている」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

場所を第3公園に移して今は大吾が書状を読んでいる。

 

 

「(読んでいる今なら言っても良いかもしれんな)」

 

 

「俺は明日関西へ行く。無傷じゃ帰って来れないかもしれない。

だからお前に留守を任せたいんだ」

 

「ふざけんな。自分だけカッコつけんてじゃねぇぞ」

 

「東城会を…頼む」

 

「俺も行くぞ」

 

「……何?」

 

「関西には借りがあるんだ」

 

「借りだと?」

 

「5年前、罠に嵌められた。そっからだ、俺の人生が曲がったのは。」

 

「借り返すまでは極道に戻れねぇんだよ。一応言っとくが何言っても無駄だぜ。たとえアンタが行かなくても……俺は行くぜ」

 

 

大吾は俺に書状を返すと第3公園から出ようとする。

 

 

「明日、駅のホームで待ってる……じゃあな」

 

 

大吾が帰った後しばらくそこに立っていた。

 

 

プルルル

 

 

携帯のバイブレーションがなった

中を確認するとそれは信頼を寄せている男からのメールだった。

 

 

「こいつも来るのか…………大吾とは馬が合わなさそうだな」

 

 

明日あの二人を会うのを考え荒れそうだなと思いながら明日の準備を兼ねて帰路を歩み始めた。




さて、どうだったでしょうか?
都合主義が最近多めな気がする……


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27話 蒼天堀

何がどうしたら半年空いてしまうんですかね……
我ながら更新ペースの遅さに絶句するばかりです。
またまた待ってくれてる皆様に感謝を込めつつ投稿させてもらいます。
それでは!27話お楽しみください!

中盤から括弧がない文章は第三者視点としてお読みください


~~竜也視点~~

「(ちょっと早く来すぎたか?まぁでも桐生さんより遅れるのは良くねぇから別にいっか)」

 

 

昨日桐生さんにメールを送って[明日、駅で待っていてくれ。]とメールが返されたので今は改札前で桐生さんを待っている状態なのだが

 

 

「(んだあいつ?さっきから嫌なオーラ全開でこっち見てきやがって……)」

 

 

ガラの悪いチンピラがずっとこっちを見続けているのだ。

流石にずっとされてくると頭にくる

 

 

「おい、さっきから見てんじゃねぇよ」

 

「あ?別に俺の勝手だろうが」

 

「はぁ……てめぇみてぇなのにずっと見られるこっちの気持ちにもなってみろよ」

 

「あんま人の事舐めてんじゃねぇぞガキ」

 

 

チンピラが嫌なオーラから殺気に変わり出す。

 

 

「年下に負けるほど最悪な事はねぇんだから辞めとけよ」

 

 

俺もイラついてるので引く気は無い。

 

 

「……ここは駅前だ。こっち来い」

 

「上等だよ」

 

 

俺とチンピラが改札前から移動しようとした時

 

 

「済まない。遅くなった」

 

「「桐生(さん)、あ?」」

 

 

このチンピラも桐生さんを知っていて俺は困惑する。

 

 

「竜也も大吾も来ていたか。………」

 

 

後半は何を言っているのか聞き取れなかったが、とにかくこのチンピラの事を桐生さんに聞かなくては。

 

 

「桐生さん、こいつって?」

 

「おい、ガキにこいつ呼ばわりされる筋合いはねぇよ」

 

ッチ………今俺が桐生さんに聞いてんだから邪魔すんなよ」

 

 

流石にこうも毎回突っかかってこられると本当に面倒だ。

 

 

「いい加減にしろ」

 

 

本格的に俺とチンピラが殺り始める前に桐生さんに止められる。

 

 

「大吾、お前は知っているだろう……竜也、こいつは堂島大吾。今回俺達と一緒に大阪に同行する1人だ」

 

「そ、そうだったんですね…」

 

 

こいつが同行するというのは少し不満が貯まるがそれを表に出す訳にもいかず堪える。

 

 

「これからどんな状況になるかも分からないのにいちいちそこでいがみ合ってる場合か?」

 

「そうは言ってもよ。こいつが役立つとは到底思えねぇぜ」

 

 

大吾と呼ばれた奴が桐生さんに言う。

少しイラッとするが抑え込む。

 

 

「竜也は自分の意思で来てくれた。それを否定する気は俺には無い。」

「もし竜也が嫌なら……お前は残れ」

 

「……ッチ!分かったよ…」

 

「決まりだな。そろそろ電車が出る時間だ。乗るぞ」

──────────────────────────

「大吾……お前、5年前誰に喧嘩吹っ掛けたんだ?」

 

 

桐生さんはトイレから戻った後窓を開けて外を眺めている堂島大吾に話し掛けた。ちなみにこいつとはろくに話せていない状態だった。

 

 

「……近江連合直参、郷龍会二代目 郷田龍司……今から会いにいく連合会長の息子だよ」

 

「会長の息子…」

 

「バカだった……俺はそいつの罠に嵌った」

 

「罠ってなんだよ」

 

「5年前、郷龍会が神室町にちょくちょく顔出す様になってやがった。狙いは東城会の幹部」

 

 

つい聞いてしまったが話してくれるらしい

 

 

「それって……向こうに連れていこうとしてたのか?」

 

「だろうな…荒れてた俺はそいつの挑発にまんまと乗っちまった」

 

「関西に乗り込んだのか?」

 

「1人でな。郷田龍司と一体一(サシ)の勝負だって言うから関西に飛んだが……」

 

 

堂島はそこで区切る。

 

 

「待ってたのは警察(サツ)だった。」

「銃刀法違反で5年パクられた。………まぁ桐生、アンタの10年に比べりゃ短い方だが。」

「悪ぃけど郷田龍司に借りを返さねぇと、東城会背負って立つなんて出来ねぇんだよ……」

 

「そうか……」

 

「一応てめぇら2人に言っといてやるがあいつらは半端じゃねぇ。裏でどんな罠仕掛けてるか分かんねぇ。用心はしておくんだな…」

 

「あぁ……」

 

「少し寝る…どうせまだ関西までは遠いしな」

 

 

そう言って堂島は寝る体勢に入ってしまった。

 

 

「竜也」

 

 

不意に桐生さんが呼ぶ。

 

 

「なんですか?」

 

「今回の件、お前や南に俺は謝らなければならないな」

 

「どうしてですか?」

 

「近江が危ないというのは俺も大吾も承知していた…だが、お前はあくまで俺に付いて来てもらっただけだ。」

「もしあれだったら…「俺は行きますよ」

 

 

言葉をさき、意志を伝える。

 

 

「別に近江が危険だとか、極道関係でも無いとか、そんな理由で降りるくらいだったら最初から桐生さんに着いてくなんて言いませんから」

 

「……そういえばお前はそういう奴だったな」

 

 

桐生さんが苦笑しながら言う。

 

 

「俺も寝ます。おやすみなさい」

 

「あぁ」

───────────────────────

「なぁ、あんたら?もう直ぐにでも宿に行くのか?」

 

 

蒼天堀に着いてしばらく歩き、大吾が質問する。

 

 

「俺は特に何も考えてないが」

 

「俺は少し飯がどんなもんか知りたいから、遅く宿に行くつもりだったけど?」

 

「そうか。新幹線でも言ったがここには嫌な思い出があるもんだからな。悪いけど街をぶらつく気分じゃねぇんだ」

 

 

三者三様に答える。

 

 

「じゃあ大吾はホテルで休んでろ。俺と竜也は街を歩く事にする」

 

「そうさせてもらうぜ。おめェら2人共深酒すんなよ……じゃあな」

 

 

大吾はスタスタと歩き出していった。

 

 

「竜也もホテルの場所とかは覚えているな」

 

「はい、分かってます」

 

「じゃあ問題は無いな。またホテルで会おう」

 

「分かりました」

 

 

「(と言ってみたものの、何処に食いに行こうかなぁ?)」

 

 

考えてなかった竜也は道の傍に止まり考え込む。

 

 

「(やっぱこれぞ大阪!って感じのが食べてぇけど…たこ焼き、お好み焼き、フグ、串かつ……串かつで決まりだな)」

 

 

少し考え決めると大阪駅に着いた時に取っておいた蒼天堀の地図を広げ店を探し出す。

 

 

「(招福町の細い道の所に店あるな…ここでいっか)」

 

 

特に悩む事も無く決めて黒瀬は店に向かいだす。

────────────────────

「いらっしゃいませー」

 

 

「(おぉ…美味そうな匂いだ。アタリだな)」

 

 

「何にする?」

 

「とりあえず適当に4、5本お願いします」

 

「へい」

 

 

「(店自体はそんなにデカくはねぇのに結構人来てんだな……やっぱここにして正解)」

 

 

5分くらいしてようやく串が出始める。

 

 

「いただきます」

 

 

ソースを付けて食べる。二度付けは禁止なのを竜也は知ってる為1本1度に抑えて食べる。

少し食べたらキャベツも口に入れる。

 

それを繰り返ししばらくするとスーツ姿の集団が来た。

 

 

「(2、3人…近江だったりしてなw)」

 

 

「おい、とりあえず10本くらい持ってこい」

 

「へい」

 

「ったく…俺も郷田さんに付いていけば良かったぜ」

 

「無理や無理。今回はあの人すら行っとらんのにワシらが行ける訳ないやん」

 

「だよなぁ……そうや。知っとるか?」

 

「なんや?」

 

「あの裏切りモンが死んだらしいで」

 

「ホンマかいな?まーた嘘と違うんか?」

 

「ほんまや。あの人が言っとんやで」

 

「あの人が……なら東城会からの報復も計画しとかんとアカンな」

 

 

「(はっwビンゴ!)」

 

 

「ご馳走様でした」

 

 

確信を得た竜也は会計を済ませ、スーツの連中へ話し掛ける。

 

 

「すいません」

 

「あぁ?なんやガキ」

 

「あんたら………近江連合って事で良いんだな?」

 

「だとしたらなんやっちゅうねん」

 

「いやまぁ…話し合いみてぇな?」

 

「何言うてんねん。お前みたいなガキに構ってられるかいな」

 

「別に良いだろうが。どんだけ心狭いんだよ」

 

「あ?あんま舐めた事言っとんじゃねぇぞクソガキ」

 

 

 

立ち上がり竜也を威嚇しだすヤクザ達。

 

 

「俺はまんまの事言ってるだけだろうが」

 

 

店には嫌な空気が流れ始める。

 

 

「表でろや」

 

「てめえらのが出口ちけぇんだからてめえらから行けよ」

 

 

「(少しでも熱くなってて貰った方がやりやすいからな。ある程度は煽らせてもらうぜ)」

 

 

ヤクザ達の間に竜也を挟むようにして店の裏まで出ていく。

店の方にヤクザ2人その後ろに1人が座っている。

 

「今更謝っても意味無いで」

 

「来んならさっさと来いよ」

 

 

1人が突進してくる。

そのまま竜也を掴み柱まで激突させる。

 

「ッ!邪魔っ!」

 

 

その背中を殴り離させる。

 

 

ドゴッ!

 

 

その隙に近付いていたもう1人に殴られる。

そのまま馬乗りになられるが、瞬時に足を間にいれ回避する。

それでも殴ろうとするヤクザに空いている片方の足で蹴り飛ばす。

 

 

「あっぶな……後はアンタだけだぜ?」

 

「………ナニモンや?」

 

「ただのコンビニでバイトしてる人間だよ」

 

「普通の一般人がヤクザ相手にそんな出来るかい」

 

「さぁな。とりあえず続きやろうぜ」

 

 

話を切り上げまた構え直す。

 

 

「何しとんや、篤」

 

「ッ!お、お疲れ様です!!」

 

 

ふと謎の男が先程まで座っていたヤクザに話しかける。

 

 

「誰だてめぇ?」

 

「何や、篤。なんでコイツら倒れてるんや?」

 

 

黒瀬の話を無視してヤクザに話を聞き続ける。

 

 

「そ、ソイツにやられました」

 

「…てめぇも近江なのか?」

 

「そうって言ったら?」

 

「ソイツの代わりにやろうぜ」

 

「……………後悔すんなよ」

 

「あ?………グホッ!!!」

 

 

いきなり目の前に現れボディーブローとハイキックを喰らう。

 

 

「ガハッ!!」

 

 

そのまま投げ飛ばされず腕を引かれまた殴られる。

 

 

「(こ…コイツ………アイツらなんかとは…か、格が……違ぇ……)」

 

 

「…の、の野郎……!?」

 

 

ドゴッ!!バサッ!!

 

 

ようやく立ち上がったと思ったらドロップキックを直撃してしまいゴミ置き場まで蹴り飛ばされた。

 

 

「(ま、まだだ……ま、負けらん…ねぇ………ックソ……)」

 

 

そして竜也の視界は暗転していった。

────────────────

~~桐生視点~~

「(郷田龍司の件があったとはいえ遅くなってしまった。)」

「(もう竜也も、来ているかもしれないな)」

 

 

ガチャ

 

 

「すまない。遅くなってしまった」

 

「おせぇぞテメェら。さっさと風呂でも入ってこい」

 

「ん?竜也は居ないのか?」

 

「あ?あいつなら来てねぇぞ。お前と一緒じゃないのか?」

 

「いや、俺とあいつはお前と別れて直ぐに別れたから、その後は会ってないんだ。」

「あいつがホテルの場所を忘れるとは思えないが……」

 

「とにかく、お前は風呂入ってこいよ。いくらガキとはいえそんなすぐ面倒事に首突っ込むタイプでもねぇだろ」

 

「……分かった」

 

 

「(心配なのは事実だが一番信頼できるのも竜也だ。あいつを信じよう)」

───────────────

ピンポーン

 

 

「っ…う、今何時だ?」

 

 

急に部屋のインターホンがなり目が覚める。

時刻を確認すると午前2時だった。

 

 

「なんだよ。こんな時間によ」

 

 

大吾も起き、ドアを開ける。

 

 

「ッ!てめぇ」

 

「竜也……!」

 

 

そこにはボロボロの状態で立ち尽くす竜也の姿があった。

 

 

「てめぇ、今何時だと思ってんだ」

 

「……」

 

「おい、聞いてんのかよ」

 

「………悪かったな」

 

「……!?」

 

 

大吾も黒瀬が素直に返事すると思っていなかったのか、桐生と共に驚く。

 

 

「竜也、とりあえず風呂入れ」

 

「………うす」

 

 

全くの生気が感じられない調子で2人の間を通り竜也は風呂場に向かった。

 

 

「大吾、寝るぞ。どうせ竜也もシャワー浴びたら直ぐ寝るだろうしな」

 

「あいつ大丈夫なのかよ?」

 

 

大吾が桐生に竜也の事を聞く。

 

 

「……あいつなら乗り越えるさ。それよりあいつがあんなにやられるなんて事は近江の幹部だろう。」

「俺らも気合いを入れないとな」

 

「………分かったよ。アンタがそこまで言う奴だ。信用してやるさ。」

「ったく、あいつの性で変に目が覚めたじゃねぇか」

 

 

そうしてまた直ぐ大吾は寝てしまった。

 

 

「(竜也をやった奴が何処なのか知らないがもし郷龍会なら………)」

 

 

そうして桐生も考えながらまた眠りにつくのだった。




まさかの竜也君ボッコボコ事件
今までも苦戦は毎回してきましたがここまで圧倒的なワンサイドゲームは見た事無いですね
何処の作者にも居ないんじゃなかろうか。こんなに主人公ぼこさせる奴

とりあえず次回は本題の近江連合本部に寺田の書状を持っていく所からスタートです!
是非ともまた見てください!!


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28話 近江連合の闇

お久しぶりです。前回から少し開けての更新となりました。
なるべく早くと考えているんですが、やはり自分の語彙力が無いせいで変な言葉使いや意味分からない日本語があってやり直し等と起こってしまう現状です。(今回も終盤少しおかしいと感じる箇所があるかもです)
それでは毎回恒例の謝罪も終わった所で本編へどうぞ!



「(今何時だ……まだ全然時間的には余裕がありそうだな。竜也はベッドには居ないか……テーブルに居るのか)」

 

 

ベッドから起き上がった桐生は寝室を出てテーブルに座っている竜也に声を掛けだした。

 

 

「竜也…昨日は…」

 

「すいませんでした!」

 

 

謝ってくると思っていなかった桐生は困惑する。

 

 

「まぁ分かってると思うんで普通に言います。」

「近江の奴にやられました」

 

「強いのか?」

 

「まだ俺が弱いのもありますけど…強さはかなりのものかと」

 

「そう「俺が倒します。二度と負けるつもりは無いっす」

 

 

桐生の言葉を早めに切り上げ竜也が答える。

その顔には何の迷いも感じられなかった。

 

 

「(フッ……元からこういう奴だったな。心配した俺がバカだったな)」

 

 

「そうか。なら任せるぞ」

 

「はい」

 

「うっせぇな。朝っぱらから何騒いでやがる」

 

 

明らかに寝不足気味で不機嫌な顔をした大吾が寝室から出てきた。

 

 

「こっちはてめぇの性で寝不足なんだよ。もう少し寝させようって気はねぇのか」

 

 

大吾が黒瀬を見ながら文句を呟く。

 

 

「そいつは悪かったな。じゃあここで永眠させてやろうか?」

 

 

それに乗っかった竜也が挑発を掛ける。

 

 

「クソガキが。表出ろよ」

 

「はァ……そこまでだ。お前たち、これ以上喧嘩を続けるなら…………俺が相手するぞ」

 

 

 

「「……」」

 

 

 

桐生の本気の殺意を受けて、大吾も竜也も黙る。

 

 

「良し、静かになったようだな。まだ朝飯までは時間があるから、寝るなら寝とけ大吾。竜也も少し声を落とせ」

 

「そ、そうだな。そうさせてもらうぜ」

 

「は、はい。全然周りを気にしてませんでした。すいません」

 

 

大吾は早々と寝室に戻り、竜也も縮こまる風な素振りを見せる。

 

 

「(はァ…この2人は本当に水と油だな。もう少しまともに話し合えばまた何か変わるかもしれんが……今はまだ難しそうだな)」

 

 

昨日から続く早朝のゴタゴタは桐生の怒気によって収まった。

─────────────────────

「ここが近江の本部ですか……デカいですね」

 

 

あれから暫くして朝飯を取った3人は直ぐに近江連合の本部へと向かったのだった。

 

 

「関西のトップだからな。流石の規模だ」

 

「お前ら、そんな所でボサっとしてんな。早く行くぞ」

 

「そうだな。行くぞ竜也」

 

「分かりました」

 

 

何人もの近江連合の集団が頭を下げる中、大吾と竜也は少し戸惑いながら、桐生は堂々と進んでいく。

中に入り目の前にエレベーターに乗ろうとするが

 

 

「すいません、このエレベーターは会長専用です」

 

「そうか。悪かったな」

 

 

近江の人間に止められる。

直ぐに隣にある階段を登り始める。

 

 

「(侵入者を惑わせる為か大分入り組んだ構造になっているな)」

 

 

やがて最上階に着き、突き当たりの部屋に組員が立っていて案内される3人。

 

 

右から竜也、桐生、大吾の順に座りその前には近江連合の幹部達が座っていた。

幹部集団の横の襖が開き、そこから新たに幹部連中と車椅子に乗っている会長らしき人物が入ってきた。

 

 

「遠方から、ようこそお越しくださいました。」

「五代目近江連合、会長の郷田仁と申します。桐生四代目の噂はかねがね」

 

「ご丁寧な挨拶、痛み入ります。」

「東城会四代目…桐生一馬です」

 

 

「堅苦しいのは終わりにして、近江連合の執行部を紹介しましょう。」

「私の横が総本部長の高島です。寺田の後任になります」

 

 

郷田に紹介され黒のスーツでオールバックにサングラスをかけた高島は会釈する。

 

 

「よろしくお願いします」

 

「寺田の…」

 

「寺田……いえ、東城会五代目とは兄弟分でした。この度は誠に…残念でした……」

 

「次に…「ちょっと待った!」

 

 

郷田の紹介に大吾がストップを掛ける。

 

 

「おい、そこのあんた……今なんて言った?残念だと?……寝ぼけた事言ってんじゃねぇよ。お前等が殺ったんだろうが!」

 

 

立ち上がる大吾を桐生が止める。

 

 

「寺田を殺したのは…確かに近江の系列です。ですが、本部の命令ではありません」

「ふざけんな!そんな言い逃れが通用するか!」

「ギャーギャー騒ぐなや!兄ちゃん!」

 

 

高島のいる位置から反対側から扇子が大吾の前に投げられる。

 

 

「あぁ?」

 

「ええか?こういう会合には“格”っちゅうもんがあるんや。兄ちゃんみたいな人間が来るとこちゃうんや」

 

 

薄緑色のスーツを着た男が大吾に言う。

 

 

「違うか?東城会の四代目はん?」

 

「やめろ。千石…失礼だろう」

 

 

高島が止めに入る。

 

 

「すみません……こちらが無礼を致しました」

 

 

桐生もすかさず謝罪する。

 

 

「………寺田の一件に関しては、ホンマに申し訳ない。」

「上座からですがお詫び申し上げます…」

 

「ちょっと待った!謝る必要なんてあらへん!」

 

「元々寺田はウチの人間や…組織裏切った人間なんかどうしようとこっちの勝手でっしゃろ?」

 

「クサイ芝居は止めろ」

 

「あ?」

 

「アンタら全員悪いと思ってんのかよ?郷田さんよ…。」

「1年前、寺田の背後で神宮とつるんで東城会乗っ取ろうとしたじゃねぇか。知らねぇとは言わせねぇぞ…!」

 

「確かに…ですがあれは私や執行部の仕業ではありまへん」

 

「お前……今更何言ってんだ!」

 

 

大吾に言い寄られ下を向く郷田。

 

 

「桐生さん、堂島さん、黒瀬さん。」

「郷田の口からは申し上げ難いので私の方から説明致します。」

「1年前の件、実は直参郷龍会会長がやった事なんです」

 

「何!?」

 

 

「(郷田龍司……)」

 

 

「郷田龍司……彼は親父の実子です。親の心子知らずとは正にこの事……奴は近江の代紋使って勝手な行動を次々…。」

「寺田襲撃を実行したのも、郷龍会によるものかと…」

 

「では…龍司が寺田殺しを……」

 

「恐らくは…」

 

「そんな奴ならしっかり収めとけよ…」

 

 

ここまで一切喋らなかった竜也が口を開く。

 

 

「テメェらがそんな奴に直参の組とか与えんのが悪ぃんだろ?」

 

「竜也…!」

 

「面目ない…」

 

「アホくさ…後は勝手にやってください」

 

「千石!」

 

そう言って千石は勝手に立ち去ってしまった。

 

 

「黒瀬さん……これが近江連合の現状です。直参120、構成員3万5千……巨大になりすぎた組織を統制するのは至難の業です…。」

「この高島は若うて器量もある……寺田もそうやった。」

「ですが……今の千石や龍司……他の若いヤツらは言う事聞かへん」

 

「郷田さん……」

 

「…………」

 

「……………桐生さん…寺田失うたんは、東西両方の痛手や……今こそ2つを均衡させる事で争いの種を取り除きたいと、私は思ってる」

 

「東と西の……ですか」

 

「そうです。桐生さん、貴方ならそれが出来る。是非、東城会を建て直してください。」

「その為に近江連合の力が必要なら私は喜んで力になります」

 

 

桐生は郷田の手が届く距離まで近付き、血塗られた書状を渡す。

 

 

「これは…」

 

「寺田から預かった書状です…。」

「あいつは郷田会長との盃を願ってました。」

「東城会としては、寺田の願いに従い近江との五分の盃を望んでいます。………受けて頂けますか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………お受けします」

 

「そうですか…では直ぐにでも、東城会五代目代行の堂島弥生をこちらに向かわせます」

 

「そうは行きまへん。今度はコチラから出向く番です…神室町へ行きましょう」

 

「はい……有難う御座います………」

 

 

ガラッ!

 

 

四方の襖から様々な武器を所持した構成員が入ってくる。

そして人が二分され、そこから人が来る。

 

 

「やっぱりアンタ。本物の堂島の龍やったんや………桐生はん」

 

「龍司…」

 

「近江と東城が五分の盃やと?八体二……いや、九対一の間違いちゃうんか?」

 

「何しに来たんや!お前は執行部の人間やない!!」

 

 

桐生へ近付く龍司に大吾が前に立つ。

 

「何や?」

 

「俺を覚えてるだろ?」

 

「知らんわ」

 

「お前に5年前ハメられた堂島宗兵の息子……大吾だよ」

 

「知らんちゅうとるやろうが」

 

「盃なんて関係ねぇ。俺はお前に……借り返さなきゃなんねぇだよ!!」

 

 

殴り掛かるが持っていたドスの柄で鳩をやられる。

 

 

「雑魚なんぞ覚えれられるか……邪魔やねん。寝とけや……」

 

「どないする気や……」

 

「やれや!」

 

 

龍司の掛け声により構成員が幹部集団に銃を突き付ける。

 

 

「お前……ここを何処だと思ってんだ」

 

「何言うてまんねん」

 

「近江連合の本部だぞ……!」

 

「そんなん知っとりますわ」

 

 

ここで龍司がドスを抜く。

 

 

「ワシ等クーデター起こしに来とんのやから……」

 

「何…」

 

「今、東城会にウチの親父と話させる訳には行きませんねん。盃なんぞ交わしたしもたらワシの計画がパァや……秀!」

 

龍司に呼ばれ更に1人出てくる。

 

「親父連れてけや」

 

「へい。龍さん………親父、失礼します。お前らも行くぞ」

 

 

秀と呼ばれた男は直ぐに郷田の後ろに立ち他の幹部集団に銃を突き付けてる連中を引き連れ外に出てしまった。

出る前に竜也を見ながら

 

 

「秀人!止めんかい!!」

 

 

郷田は止めるよう言うが、無視してそのまま部屋の外へ出る。

 

 

「竜也…龍司は俺が相手する。お前は周りを……竜也?」

 

「…………逃がすかよ…!待てやてめぇ!!」

 

 

竜也は自分1人しか聞こえない距離で呟きながら、急に立ち上がり郷田と秀人なる人物を追いかける。

 

 

「待てや!」

 

「邪魔だよ!!」

 

 

竜也の近くに居た、郷龍会組員が立ちはだかるが簡単に吹っ飛ばしてしまう。

そのままそいつには見向きもせず部屋の外に出る。

 

 

「竜也!待て!」

 

 

桐生が呼び止めるが竜也の耳には全く入る気配は無かった。

 

 

「(クソっ!竜也のあの反応……アイツが竜也を倒した奴なのか?……だが今は…)」

 

 

「龍司…お前の狙いは……やはり戦争なのか?」

 

「そや……西と東の大戦争…それにもう一つ………」

 

 

そこまで言って首を桐生へと出す。

 

 

「俺か…」

 

「その通り。アンタの首や……悪いがその価値あるか…試させてもらいまっせ!お前ら!いっちょやったれや!!」




まーたタイトル詐欺臭がするんだよなぁ…

それに郷田会長連れてく所で無理矢理出したのは変だったかな…?
一応大まかな筋が出来ててこうでもしないと噛み合わないんですよね……(じゃあ変えろよって話だと思いますが……)

後、風間組事務所爆発の件完全に忘れてました…
もうラストのラストで思い出して追加する勇気が出なかった……
すいません柏木さん。

今回は前書きでも後書きでも謝ってばっかですね
宜しければ次回も気長に待っていてください!


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29話 脱出

また半年空けてしまいました。
本当に毎度恒例なんですが謝らせてください。
申し訳ございません。
とりあえずまたこっから頑張っていきます。


~~竜也視点~~

時間は数分前に遡る。

 

 

「ワシ等クーデター起こしに来とんのやから……」

 

「何…?」

 

 

「(あいつが郷田会長の息子、郷田龍司…強さ自体は分かんねぇけど、やべぇ感じがする……それにこの組員の数……こりゃ骨が折れそうだな)」

 

 

「…………秀!」

 

 

「(増援か…まぁどうでも良いけど………)」

 

 

「…失礼します。お前らも行くぞ」

 

 

止めようとして立ち上がる寸前、秀人と顔が合う。

その顔を見た瞬間竜也の体は瞬時に固まった。

 

 

「(コイツ………!!)」

 

 

昨日の今日で受けた屈辱が込み上げてくる。

 

 

んだよその顔簡単に吹っ飛ばした奴には興味もねぇってか……逃がすかよ!…待てやてめぇ!!」

 

 

すぐさま立ち上がり追いかける。

 

 

「待てや!」

 

「邪魔だよ!!」

 

 

何も無かったかのように部屋の外に出て追いかける。

直ぐに出た為、まだ部屋からそんなに出てない場所で見つける。

 

「てめぇ!!」

 

「あん?昨日の奴やんけ。なんでここにおんねん?」

 

「ふざけた事言ってんじゃねぇよ!!さっき俺の事見てきたろうが!」

 

「…流石に分かるか。で?また俺に吹っ飛ばされにでも来たんか?」

 

「殺す!」

 

 

竜也は郷田が居ることすら忘れ、怒りのまま向かっていく。

 

 

「オイオイ…お前ら」

 

 

ガシッ!

 

 

いつの間に傍に居たのか3人くらいの組員に止められる竜也。

 

 

「そいつ親父に近づけんなや」

 

「ヘイ!アニキ!」

 

「ッ!待て!テメェぇぇ!!」

 

 

竜也の叫びを無視し会長専用のエレベーターへ乗り込んだ。

 

 

「アニキの命令や。悪く思うなや」

 

 

竜也から離れた組員がニヤケながら構え出す。

 

 

「…………ゴチャゴチャうるせぇよ…」

 

「あ?」

 

「来るなら来いよ…全員ぶっ殺してやるよ!!」

 

 

竜也が構えると同時に掴んでいた1人が横から殴ってくる。

それを腕を出してガードする。ガードの体制から相手の拳と腕を滑らせて横に回り込みブローを入れる。

 

 

「ウグッ!」

 

 

蹲った組員を無視し後ろに居た男を回し蹴り、そのまま足を戻し前にいる奴を蹴り飛ばす。

 

 

「邪魔すんな……俺はアイツに用があんだよ…」

 

 

周りを一瞥し竜也は下に降りていった。

≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈

「おい!アイツや!囲め!!」

 

 

下に降りると待ち伏せしていたのか組員達が集まり出す。

その先には郷田を連れた秀人。

こちらには目を向けず入口を出ていく。

 

 

「ッチ……めんどくせぇな………」

 

 

無言で構える。

 

 

「(全員相手しても勝てる……でもそれじゃアイツには間に合わねぇ…だったら!)」

 

 

ズザァァァ!!

 

 

走り出すのと同時に滑り込み4、5人を抜かすと前にいる奴を押しのけて入口横にある銅像を倒して後ろの連中を来させず本部を抜ける。

 

正門と本部入口の真ん中の位置にある広場の様な場所に秀人は居た。

 

 

「てめぇ!!」

 

「あん?意外と早く来やがったな」

 

「殺すっつたろ!」

 

 

ドンッ!!

 

 

すぐさま殴り掛かり、それに対応する様に秀人も蹴りを出す。

お互いに直撃し吹っ飛ぶ。

 

竜也は素早くローリングして立ち上がり秀人に蹴りを入れる。

 

 

「……立てよ。…こんなもんじゃっ!?」

 

 

竜也が近づいた瞬間に立ち上がる反動を使い足を蹴り上げる秀人。

ギリギリで避け少し顎に傷が入る。

 

 

「意外とやんじゃねぇか…でも……悪ぃな。タイムアップだ」

 

「あ?」

 

 

バンッ!

 

 

「竜也!」

 

「桐生さん!」

 

「…………初めまして。一応龍さんには右腕認定されとります。梅澤秀人言います。おおきに」

 

「龍司の右腕……つまりお前が郷龍会No.2なんだな」

 

「そうなります。“堂島の龍”ともやりおうてみたいもんですが、そろそろ自分はこの場を離れないと行けないのでとりあえず挨拶で済ませときますわ」

 

 

そう言って秀人は正門に向かい帰っていく。

 

 

「会長連れるゆうのにアンタ相手にしとったら手が足りん。」

「龍さんには搾られるかもしれんが今回はこの辺で、ほな」

 

「………梅澤!」

 

「なんですか?桐生さん」

 

「俺とやりたいと言っていたがそいつは無理な話だ」

 

「……どういう事ですか?」

 

「お前は竜也に負ける」

 

「…………」

 

 

桐生の言葉に何も返さず秀人は帰っていった。

 

 

「………………桐生さん、そういえば堂島の奴は……?」

 

「あぁ、アイツなら……バンッ!!

 

 

「グッ……!!ガハッ!」

 

「大吾!」

 

「桐生さん……やっぱアイツただもんじゃねぇ……」

 

「勝負はまだついとらんやろうが…!」

 

 

龍司が大吾を投げ飛ばし竜也達の前に現れる。

 

 

「龍司………。竜也、大吾と一緒に郷田会長を連れて東城会へ行ってくれ」

 

「待て!そいつとのケリは俺が!」

 

「行くぞ」

 

 

無理矢理大吾を立たせ連れていく竜也。

 

 

「おい!」

 

「今回の要は郷田会長と東城会が盃を交わすことだろ。」

 

「ッ!……」

 

「あぁ…その為に少しでも急ぐんだ」

 

「…………っクソ!!」

 

 

そうして大吾が郷田の車椅子を引きこの場を離れる。

 

 

「竜也」

 

「はい?」

 

「この先は任せるぞ」

 

「………うっす……!」

 

「後、1人で暴れるなよ」

 

「ウッ………分かりました…」

 

 

先程の節を思い出し顔を歪ませる竜也

桐生との会話を終え、大吾に追い付くように走る。

 

 

「遅せぇぞ」

 

「おう、悪ぃな。このまま大阪駅に向かうのか?」

 

「あぁ。あんまりこの状況を見られたくはねぇしな」

 

「すいません。ワシが動けんばっかりに」

 

「気にすんなよ。そう思うんだったら東京着いて東城会の役にたってくれ」

 

「おい!居たぞ!!」

 

 

前や後ろからスーツ集団が現れ始める。

ゆっくり歩いていく3人に不穏な空気が流れる。

 

 

「おい堂島……」

 

「んだよ」

 

「俺が全体的にカバーすっからお前は郷田会長に近いやつだけ頼むわ。」

「どうせさっき郷田龍司とやったばっかならまともに動けねぇだろ?」

 

「………うるせぇよ。そこまで言うなら任せるぞ」

 

 

「(……バカだよなぁ俺。桐生さんに何か言われたのを無視して突っ走って…自分の勝手で動いちった……だから今だけは…)」

 

 

大吾の発言を最後まで聞き終え竜也は殺気を全方位に張り巡らせる。

その瞬間に郷龍会の連中は勿論、大吾や郷田ですら飲み込まれた。

 

 

「(コイツ……!!?)」

 

「(ここまでの人間がおるとは……)」

 

 

「…………来ねぇのか?……ならこっちから行くぞ!!」

 

 

ドンッ!バキバキッ!!

 

 

跳躍し、目の前の組員達に蹴りを入れる。ガードする組員だが、骨が砕ける音が鳴り、後ろにいる連中も吹っ飛ぶ。

そいつらに目も向けず身体を捻らせ、殴り掛かる。

 

 

「(まず何十人か……数数えてる場合じゃねぇな…)」

 

 

「オラァ!」

 

 

ガシッ!ドスッ!

 

 

バットを振り下ろす組員に近付き腕を抑え肘を入れる。

くの字に曲がり倒れ込んだ奴を無視して、落としたバットを逆方向にいる敵に投げる。

ほとんどが避ける中、反応が遅れた1人が直撃する。

すぐさま二分された方の右側に近付き膝蹴りを入れて吹っ飛ばす。

 

 

「囲め!」

 

 

二分された左側が竜也を囲む。

 

 

「(ッチ……まだまだ数は居んのに…!!)」

 

 

反対側の連中が郷田へと向かう。

 

 

「やらせるかよ!」

 

 

しかしそれは大吾はカバーする。

 

 

「オラァ!!」

 

 

気を取られた隙目の前の1人が殴り掛かる。

 

 

「(!!閃いた!!!)」

 

 

腕を引き伸ばし、無力化させラリアットの要領で首を狙い、そのまま回転するようにして周りの連中を蹴りながら昇り、足で叩きつける。

 

 

「次!!」

 

 

一気にマシンガンスタイルになり、大吾の方へと加勢する。

 

 

「結局こっちまで来てんじゃねぇか!」

 

「あ?うるせぇよ!近い奴は任せるって言ったろうが!」

 

 

マシンガン特有の手数の多さと時折混ぜる小牧流で1人、1人と素早く倒す竜也と荒々しい拳の重さでゆっくり仕留めていく大吾。

 

少しでも大吾が不利になれば速さで押す竜也がカバーに入り、その速さを止めようと人数を多く竜也に割けば、フリーになった大吾が背後から敵を倒す。

 

いがみ合いをしつつも、それを感じさせない連携でちゃくちゃくと数を減らす2人。

 

気付けば残り2人となっていた。

 

 

「黒瀬!」

 

 

大吾が向かい合ってる1人を倒し、まだ闘ってる竜也を呼ぶ。

 

 

「んな騒がなくても分かってるっつの!」

 

 

大吾の方へ敵を投げる竜也。ラリアットを繰り出し気絶した。

 

 

「終わったか……」

 

「あぁ…早く行くぞ。まだ来ないとは限らねぇからな」

 

「そうだな…………………堂島、てめぇだけで東京向かってくれ」

 

「あ?…何言って……………いいんだな?」

 

 

竜也達の目の前には郷龍会の増援が来ていた。

 

 

「幸い駅の方から増援は来てねぇ…。なら、俺が少しでも時間稼ぐのが最適だろ。」

「いちいち全部対応してたらそれこそ桐生さんが残った意味が無くなる」

 

「…先行ってるぞ」

 

「!待てコラ!!」

 

 

ゴリッ!

 

 

大吾を先に行かせ、それを見て追いかけた組員を蹴り飛ばす。

 

 

「こっから先行きてぇなら…殺ってから行けよ」

 

 

ニヤリと笑みを浮かべながら近江連合の前に立つ。




文章少なくて申し訳ありません。
大人数とのバトルがどうしても雑になりがちですね。
また、こんな不定期更新の作者の作品を見てくれる人達に向けてこれからもなるべく閲覧してくれる皆様がいいと思う作品を書いていくので応援してくれたら幸いです。
また次回をお待ちください。


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30話 近江四天王

相変わらずの更新ペースで申し訳ございません
また、頂いていた感想にも何も送れませんでしたが毎回目は通してます。
返信出来ず申し訳ございません。
今回は会話メインです。



「はぁ……はぁ…辛……」

 

 

竜也が壁に背を預けながらゆっくりと立ち上がる。既に日が暮れていた。

その周りには近江連合と思われる多くの人数。

 

 

プルルルル ガチャ

 

 

『竜也か?どうした?』

 

「もしもし……桐生さんっすか……郷田会長なら…堂島の奴が連れてきました……流石に…大阪出たはずですが…」

 

『お前、今何処にいる!』

 

 

竜也の話し方から危機を感じた桐生が声色を変えて聞いてくる。

 

 

「……ちょっと分かんないっす」

 

 

周りを見ながら答える竜也。

 

 

『蒼天堀には来れるか?』

 

「今…向かおうと思ってました。」

「すぐ行きます…」

 

『分かった。着いたらまた俺に連絡してくれ』

 

「了解っす」

────────────────────

「桐生さん、着きました」

 

 

先程迄とは違い、息を整えた竜也が桐生に連絡する。

 

 

『そうか。悪いが巖橋まで来てくれないか?俺も少し離れた位置にいるから直ぐにそっちに向かう』

 

「はい」

 

「すまない。待たせたな…!ずいぶん酷い格好だな」

 

 

桐生の目の前には上半身のスーツが所々破け、側頭部から出血していたであろう傷が出来てる竜也が居た。

 

 

「堂島が行ったあと、1人で近江と戦ってたらこうなりました…それより桐生さんの方は…?」

 

「それもちゃんと話すつもりだった。移動しながら話そう。少し急を要する自体もあるしな」

 

 

そう言う桐生には薬局屋のロゴが貼り付いているレジ袋を持っていた。

 

 

「……分かりました」

 

 

桐生の話は

・郷田龍司の狙いは東西の戦争、及び自分との事

・東城会の代弁者として来た自身の保護として府警四科の“狭山薫”がついており、今は大阪から出れないとの事、またその狭山薫が怪我してをしまいある場所に匿ってるとの事

・堂島大吾の方は竜也に連絡する前に連絡して

 

 

「…とりあえず今はそんなとこだな。ここだ“スナック葵”ここに狭山が居る。」

 

「うっす…分かりました」

 

 

ガチャ

 

 

「待たせたな。買ってきたぞ」

 

「わざわざすまんなぁ…助かったわ。ん?そいつ誰や?」

 

「こいつは俺の知り合いの竜也だ」

 

「黒瀬竜也です。よろしくお願いします」

 

「まぁあんたの知り合いならええやろ、私は民代よ。あんたも治療しようか?」

 

「俺は大丈夫です。もう動けるんで」

 

 

竜也の怪我を見た民代が確認するがわざとらしく動けるアピールする竜也。

 

 

「ならええわ。2人とも座りや」

 

 

言われた通り座る2人。

 

 

「何飲む?」

 

「何でもいい」

 

「俺はソフトで」

 

「はいよ」

 

 

桐生に酒、竜也に麦茶を出す民代。

 

 

「病院に居たのか?随分慣れた手つきだったな」

 

「かなり昔のことや」

 

「狭山とはかなり親しいようだな」

 

「親しい?当たり前や。私はあの子の親や」

 

「え?」

 

「まぁ血は繋がってへんけどな」

 

「義理って事ですか?」

 

「そんな大層なもんちゃうで。ただの育ての親や。」

「あの子……孤児やねん」

 

「孤児……」

 

「生まれてすぐ両親が死んでもうてな…せやからウチが育てたんや」

 

「そうか……道理でな」

 

「ん?」

 

「実はあいつは撃たれた時“葵”って店に行けと行ったんだ…」

 

「それが…なんなん?」

 

「人は何か急な時に縋るのは大体親です。」

「それが急に出ないって事は何か別の理由があるって事ですよね?」

 

「あぁ、そうゆう事だ」

 

「へぇー…そうゆうもんなん?何でアンタら分かるん?」

 

「俺も竜也も孤児だからな……」

 

「そうか…まぁ薫からしたらウチはホンマのオカンちゃうしな」

 

「そんな事無いっすよ」

 

「?何でや?」

 

「本物とか、偽物とか関係なく何時だって心の底から頼れる場所があるってのはそこに居る人を心から信用してないと出来ないです。」

「そうゆう場所が1箇所あるだけで人は救われるんですよ」

 

「アンタ……ありがとな」

 

「いや!そんな感謝される事じゃ無いですよ」

 

「謙遜すんなや……それよりもアンタら薫と同業?。」

「それとも…探偵さんか何か?」

 

「いや、竜也はともかく俺はそんな大したもんじゃねぇ」

 

「え?じゃあなんなん?」

 

「まぁ……警察の敵ってとこだ」

 

「ママ、喋りすぎやで」

 

 

それまで寝ていた薫が目を覚まし起き上がる。

 

 

「痛むか?」

 

「アンタに心配される筋合いじゃないわ」

 

「あ?」

 

「よせ、竜也」

 

「ちょっとアンタ!ここまで運んでくれはったのに礼の1つくらい言わんかい」

 

「ヤクザ風情に礼言うほど、落ちちゃいないわ」

 

「それだけ口が聞ければ上等だ。それより郷田龍司だ。ここまで手回しが良いとは思わなかった」

 

「これは郷田龍司の仕業じゃないわ」

 

 

薫が自分に当たった弾薬を見ながら言う。

 

 

「郷龍会は力で相手をとことん追い詰めてトドメを刺す……それが奴等のやり方…プロの殺し屋を雇うなんて真似はしないわ」

 

「プロの殺し屋……?」

 

「あの距離からライフルを扱えるものはそうは居ないわ。それにこの弾丸…通常のライフルよりも口径が小さい……。」

「殺すつもりじゃなかったのね……」

 

「つまり相手は…俺を脅そうと?」

 

「直接犯人から聞かないとそれは分からないわね」

 

 

カラン

 

 

桐生がグラスを置くと同時に竜也も立ち上がる。

 

「どこ行くの?」

 

「雇い主を探す…このままじゃ……俺は誰と闘えばいいか分からないからな」

 

「それなら……コレを持って招福町の雀荘へ行きなさい」

 

「情報屋か…」

 

「三人卓で打っているチャンチャンコを着た男あなたが“レートは?”と聞くと“いつもどのくらいで打ってる?”と聞き返す。」

「そしたらアナタは“アンタに任せる”と言う」

 

「“アンタに任せる”……か」

 

「したら相手はデタラメなレートを言うわ。とにかくそれを受けて」

 

「分かった。行くぞ竜也」

 

「了解っす」

 

「一応言っておくけどあなたは府警の監視下にあるのよ。逃げる様な真似しないでね。」

「私の電話1本で即座に逮捕できるんだから」

 

「あぁ」

 

 

薫の忠告を聞き外に出る桐生と竜也。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここだな。招福町の雀荘は」

 

「早いとこ聞くだけ聞いて出ましょうか」

 

「そうだな」

 

「あぁ!何やお前ら!」

 

 

雀荘に入ろうとした桐生と竜也を入口にいた男が止める。

 

 

「今日は招待のみなんや。招待状無いやつ入れる訳にはいかんのや」

 

「そうか。済まなかったな」

 

「……どうします?」

 

「そうだな…一旦狭山の奴に聞きに戻るか」

 

「なぁ、アンタら」

 

「ん?」

 

「あんたも雀荘門前払いされたんやろ?招待状寄越せなんてえらい気取りやがって。」

「やっぱ“雀歌”ぐらいの雀士やないと入れへんのかいな……」

 

「?その話詳しく聞かせてもらっていいですか?」

 

 

この後、桐生と竜也は麻雀好きな男に“雀歌”についての話を聞き、ゲーセンに入り浸っているという“雀歌”の元で更にその男の娘がヤクザ連中に攫われてしまったのを聞いた2人は、その娘を取り返す事を交換条件として招待状を貰うことにしたのだ。

 

 

「毘沙門橋のコインロッカー奥で立ってる男達…アイツらですね」

 

「無駄な時間だ……すぐに終わらせるぞ」

 

「OKです。なぁ!アンタら」

 

「あぁ!なんやお前ら!?」

 

「雪子って女の子取り返しに来ました」

 

 

ガンッ!!

 

 

竜也が話終えると同時に目の前の男の顎を蹴りあげ気絶させる。

反撃させる隙を与えず2人目の横に周り肘打ちを喰らわせ、かかと落としで終わらせる。

 

 

「桐生さん!こっち終わりました」

 

「俺も今終わった。おい…雪子は何処だ?」

 

「す……すいません…雪子は川のパラソルんとこの下におる“赤い服着た男”に攫われて預けてます!。」

「ヒ、ヒィィィ!!!」

 

「あ、おい!逃げんじゃ…はぁ、早いとこ行きましょう」

 

「あぁ……」

 

 

川のパラソル下の男のもとに向かった2人は『雪子』と名のついた猫を取り返し、ゲーセンで待っている雀歌に招待状代わりの“桜の牌”を受け取り、ようやく雀荘に入れたのだった。

 

 

「チャンチャンコを着た三人卓の男……アイツですね」

 

「俺が話を聞いてこよう」

 

「じゃあ俺は近くの席座ってますね」

 

 

そう言い竜也は隣の卓へ行き、桐生はチャンチャンコを着た情報屋へ話を聞き出した。

情報屋の値段条件は10万だったが背に腹はかえらない桐生は何食わぬ顔で払った。

 

 

・この弾丸は近江高島会であること。

・高島が他の組に流してる線は無いということ。

・警察が動かない理由は分からない。

 

「話すのはここまでや。これ以上は喋れんわ」

 

「何故、高島が……。」

「まだ教えて貰いたいことがある」

 

「なんや?」

 

「さっきの続き……高島の裏を教えてくれ」

 

「別料金や…それにちっとばかり値が張るで」

 

「幾らだ?」

 

「30万や……」

 

 

払うのをやめた桐生は黒川に情報屋江崎について聞いた結果〘アーモンドのレート〙を聞きたがっていた事を聞き、バー ステイルで〘アーモンドのレート〙を聞くことが出来、再び江崎の所に戻ってきた。

 

 

「アーモンドのレートを知りたいそうだな」

 

「お前…それを何処で……交換条件や」

 

 

「(流石桐生さん、たった数十分で30万の条件がただの1つの情報に変わっちまうんだから)」

 

 

・高島は官僚と繋がっているらしい

・近江での若くしての出世で有名

 

 

プルルル

 

 

「えっ?…ホンマでっか?分かりました」

 

「世話になったな」

 

「待てや。桐生一馬さん」

 

「どうして俺の名前を……?」

 

「アンタ……1億円になってしもたわ〜」

 

「なんだと……?」

 

「懸賞金や……悪う思わんといてな」

 

 

江崎の卓に居た人の他に別の卓に居た奴らも立ち上がる。

 

 

「その首に1億がかかっとりゃ誰でも目が血走るわな……」

 

「1億とは…随分安くみられたもんだなぁ……竜也」

 

「そっすね………桐生さんなら少なくとも100億くらい積まねぇと」

 

「ワシらにしたら十分な大金や……死んでもらうで!」

 

「おい……てめぇらはこっちだよ」

 

 

ガシャン!!

 

 

桐生の後ろにいたチンピラ4人を自分の座っていた卓を蹴り飛ばし、2人直撃し、避けた2人にはダブルラリアットを繰り出す竜也。

当たってよろめいている2人を殴り終わらせる。

 

 

「そんなんじゃ桐生さん狩りなんてまだまだだな」

 

「オラァ!」

 

 

ドガァ!!

 

 

「ヒッ!!」

 

 

桐生が江崎を殴り飛ばしゆっくりと近付く。

 

 

「俺の首に懸賞金をかけたのは誰だ!」

 

「し、知るか!」

 

 

桐生が江崎を蹴り飛ばそうとする。

 

 

「や、止めろ!せ、千石組やっ……!」

 

 

「(千石……あの“格”がどうとか言ってたやつか……)」

 

 

「あの千石のことか…?」

 

「そ、そうやっ……!」

 

「郷田、高島、千石に狙われて……アンタ…八方塞がりやで!」

 

「どうして俺の首を……?」

 

「アンタは……跡目争いのゴールなんや」

 

「俺が……行くぞ」

 

「はい」

 

「とりあえずスナック葵に戻ろう」

 

「了解です」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「このままやったら体が持たへんよ!」

 

 

スナック葵に戻ってきた桐生と竜也に民代の声が聞こえる。

 

 

「放っといて!」

 

「何でそうやってアンタは無茶すんの!」

 

「ママが何も話してくれへんからやないか!」

 

「何遍も言うてるやんか。アンタの両親とヤクザは何も関係ないって!」

 

「だったら教えてよ!私の本当の親は誰なの?」

 

 

民代は顔を俯く。

 

 

「もうこの話はええわ……とにかく私は桐生一馬を追い掛ける」

 

「何でや?」

 

「あの男が東城会の人間だからよ」

 

「東城会!?」

 

「彼の身辺保護をすれば、東城会に近付ける。」

「そうすれば、過去に何があったか調べることが出来るわ」

 

「薫………アンタ………」

 

 

ガチャ

 

 

「まだ痛むか?」

 

「もう何ともないわ」

 

「水を1杯くれ」

 

「俺もお願いします」

 

「狭山、紹介するのが遅れた。俺と一緒に大阪に来た竜也だ」

 

「黒瀬竜也です。よろしくお願いします」

「府警4課、狭山薫よ」

 

 

プルルルル

 

 

「狭山です……あ、はい。」

「ちょっと怪我をしまして……はい……はい、一緒です。」

「……え?あ、はい。分かりました」

 

 

そこまでで桐生に携帯を渡す薫。

 

 

「ウチの課長から」

 

「え?……桐生だ。」

「あぁ…だが俺に何の用だ?。」

「何だと?。」

「郷龍会か?。」

「いや……。」

「神室町に…?だがこのまま……大吾と会長をほっとく訳にも行かない。」

「何!?。」

「分かった。恩に着る」

「………分かった」

 

「竜也。神室町へ帰るぞ」

 

「えっ!?」

 

「府警の管轄外だ。お前は残っても良いんだぞ」

 

「あなたの身辺保護を頼まれた以上、管轄なんて無いわ。私も行くわ」

 

「勝手にしろ……竜也、大吾と郷田会長が攫われた」

 

「!?堂島がやられたって事ですか?」

 

「かもしれない。とにかく2人の身が危険だ。早く向かおう」

 

「ですね。いきましょう」



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31話 東京帰還そして

2話連続投稿です。ホント不定期でごめんなさい


「うっ……」

 

「どうした?」

 

「大丈夫よ…ちょっと目眩がしただけ」

 

「失礼……熱ありますね」

 

 

桐生が抑えてる薫の額を触る竜也。

 

 

「大丈夫だってば!」

 

 

お姫様抱っこをする桐生

 

 

「ちょっと!やめてよ!恥ずかしいじゃない……!!」

 

「うるさい…ちょっとそこまで行くだけだ」

 

 

セレナの裏門を開け、ソファーに寝かせる桐生。

 

 

「ここは……何処……?」

 

「俺の馴染みの店だったとこだ…」

 

「そう……」

 

「無理してついて来るからこうなるんだ」

 

「休めばすぐによくなるわ」

 

 

パチン

 

 

「営業してなかったですけど、電気は使えるみたいですね」

 

「すまない。ありがとう」

 

「別にいいっすよ」

 

 

プルルルル

 

 

「柏木さんこそ無事で何よりでした。」

「神室町に戻ってきたところです。」

「郷田会長と大吾が、何者かに連れ去られたんです。詳しい事は東城会本部で……」

 

「東城会に向かうんですか?」

 

「あぁ、今までの報告がてらな。その間竜也はどうする?」

 

「1回家に帰ります。色々着替えたいし」

 

「分かった…こっちが終わったらまた連絡する」

 

「分かりました」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「(とりあえず家に帰ったら風呂かなぁ……てかスーツの上着ひでぇな…)」

 

「……!」

 

 

スっ!

ドンッ!!!

 

 

竜也が紙一重で避けた所にはデカい2本の斧が突き刺さっていた。

 

 

「ほう……コレを避けるとは…やるじゃないか…」

 

「まぁた意味分かんねぇのが現れやがったな。何だてめぇ」

 

「俺は亜門一族三兄弟、長男『亜門一也』!お前を殺す」

 

 

「(亜門…って事はアイツの知り合いかよ!ッ!!!)」

 

 

ブンッ!ブンッ!ブンッ!

 

 

常人なら1本を両手で持っても振れない程のスピードで攻撃を繰り出す一也。

 

 

「どうした!逃げるだけか!」

 

「うっせーんだよ!」

 

 

ドゴッ!!

 

 

一瞬の隙をついて殴る竜也。

しかし

 

 

「そんなものか」

 

「やべぇ!!」

 

 

全くきいていない様子でまた振りだす一也。

 

 

「頭おかしいのは亜門丈譲りって事ね。……………まぁいいや」

 

「ふざけているのか」

 

 

 

突如一也の前で無防備な状態になる竜也。

 

 

「いいから来いよ…無駄口叩いてんならこっちからやんぞ?」

 

「ふん!」

 

 

「(小牧流奥義……受け流し!)」

 

 

物凄いスピードで振り下ろされた斧を受け流しながら背中を肘で腹を膝で殴る小牧流最大の奥義。

 

 

「さぁて、今度はこっちの番だよなっ!オラァ!!!」

 

 

マシンガンスタイルに変化し自信が出来る最大のラッシュを叩き込む。

 

 

「グッ!調子に乗るなぁ!!!」

 

「ウッ!!」

 

「死ねぇ!!」

 

 

気を痛みにとられた瞬間に斧が首めがけて振られる。

 

 

「(死っ!!っざけんな!!!)」

 

 

ドンッ!!

 

 

自分の太ももを全力で殴り、痛みでしゃがんで何とか回避する。

そのままロケットの要領で頭突きを繰り出す。

痛みで一也が斧を手放す。

 

 

「おー痛て、危ねぇのはこの斧だよな。フンっ!」

 

 

額を擦りながら、両方の斧をコンクリートで全力で叩きつけ斧を折る。

 

 

「さぁて…真剣勝負(ステゴロ)と行こうか?」

 

「良くもやってくれたな……」

 

「うっせぇ!先にやべぇの出したのそっちだろうが!」

 

「今日はここまでだ…」

 

「あん?勝手な事……パァァァン!!!

キィィィン!!!

ッ!!」

 

 

物凄い至近距離で何も対策無しで閃光手榴弾を喰らってしまい周りが見えなくなる竜也。

 

 

「っクソが!!何処行きやがった!!」

 

 

ようやく目が慣れ、周りを見渡したがそこに一也の姿は無かった。

 

 

「…………家帰ろ…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「何をどんな話し合いしたらあんなスーツボロボロになるのよ」

 

「返す言葉が見つかりません」

 

 

家に帰った竜也がした事はまず心愛への謝罪から始まった。

 

 

「折角高いスーツ買ったのに…」

 

「悪いとは思ってる。でもしゃあ「無くないよ」……っす」

 

 

心愛の圧により全く反論出来ない竜也。

 

 

「ねぇ」

 

「ん?」

 

「わざわざ今回着いていく必要あったの?」

 

「どうして?」

 

「だって桐生さんが近江連合の本部に話し合いに行くだけだったんでしょ。まぁ結果そうじゃなくなったけど。」

「わざわざ竜也君が怪我するなら私は行かないで欲しい」

 

「そうだな……確かに俺が行く必要無かったかもな」

 

 

ちょっと笑いながら上を見上げる竜也。

 

 

「でもさぁ、俺はどんなに自分が傷つこうがどんだけ絶望したとしても俺自身が後悔したくねぇんだ。」

「あの人の周りにいれば少なくとも俺は後悔しねぇからな。それで死んでも後悔0ってわけ」

 

「そうだったんだ……」

 

「そっ!だから俺も今回の騒動に首突っ込む事にしたから!また多分すぐに大阪行く事になると思うけど……」

 

「別にいいよ。大体竜也君がそこまで思ってるのに止めるなんておかしいもん」

 

「悪ぃな。あ、そだ!もしあれだったらさ!今遥ちゃんヒマワリに戻ってるんだけど…良かったら心愛もそっち行って手伝いとか…どうかなぁって……」

 

「うん!良いかも!!私も明日ヒマワリに行くね」

 

「!そっか!園長には俺から言っとくからよろしくな」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

シャワーを浴び、リビングでくつろぐ竜也。

 

 

プルルル!

 

 

「はい、黒瀬です」

 

『竜也か、桐生だ』

 

「東城会での報告終わったんですか?」

 

『あぁ。それで今から「賽の河原」へ来れるか?』

 

「『賽の河原』ですか?行けますけど……」

 

『詳しい事情はそっちで話す。入口前の公園で待っててくれ』

 

「分かりました。失礼します」

 

「桐生さんから?」

 

「あぁ、神室町行ってくる」

 

「分かった。行ってらっしゃい」

 

「行ってくる…あ、一個聞いていい?」

 

「何?」

 

「自分の限界って勝手にきめるもん?」

 

「何その質問?意味わかんないだけど」

 

 

心愛が呆れながら聞き返す。

 

 

「いいから。心愛自身の結果で別にいいし」

 

「………私含め大体の人は決めちゃうんじゃない?仮に頭の中で『まだこれからだ!』って思っても本能が『無理』ってなったら限界の線引きだろうし。でも……」

 

「でも?」

 

「私的には桐生さんとか、竜也君みたいな人は頭の中がどんなに折れてても、きっと本能が“負け”を認めない人達だろうから、そうゆう人達は限界なんて関係ないんじゃない?」

 

「………そっか…!ありがとな!行ってくる!!」

 

 

「(そうだよな…俺いつの間にか全部にビビってたんだ。亜門(あん時)も、錦山(あん時)も全部桐生さんや真島さんがやってくれるから…俺は最低限でいいとか……バカかよ…。)」

「(そんでもって1回ボロクソに負けただけで簡単に限界貼ろうとしてんだからよ……。)」

「(負けが怖くて喧嘩が出来るかよっ!!)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「(寒いな……それなりに厚着したけど…まぁ冬だからしゃあねぇか)」

 

「すまない。待たせたな」

 

 

ベンチに寒がりながら座る竜也に話しかける桐生。

 

 

「あ、大丈夫ッスよ。俺も数分前に着いたとこなんで。薫さんも来たんすね」

 

「ええ。この人の身辺保護をしている以上勝手な事をしないか見ているの」

 

「なるほど……」

 

「もう良いだろう。早く河原に入ろう」

 

 

そう言って普通に男子トイレにむかう桐生と竜也。

 

 

「ちょっとここ男子トイレ!」

 

「黙って着いてこい」

 

「ホントにここなの?」

 

「俺も初めは信じられなかった」

 

 

ガチャ

 

 

河原への入口を開け、桐生達の目に入ったのは昔のような公園ではなく、ただの工事現場だった。

 

 

「へー、だいぶ変わりましたね」

 

「あぁ、1年前と今じゃえらい違いだ」

 

「前はどんな感じだったの?」

 

「ホームレスのたまり場ですよ」

 

 

ガガガガ!!

 

 

至る所から工事の音が聞こえてくる。

 

 

「何かの工事をしているようね」

 

「あぁ。竜也は何か知ってるか?」

 

「いや、俺も河原は出入りしなかったんで全然わからないです」

 

「久しぶりですネ。桐生さん、黒瀬。」

「ボスは地下の1番奥でお待ちしてます。……どうぞ」

 

 

ゲイリーに案内されるまま地下鉄への入口を降りていく三人。

地下に降りた薫の目が開く。

その景色は上とは正反対の騒がしい景色だった。

 

 

「地下にこんな街があるなんて…」

 

「ここのボスの変な趣味ですよ」

 

「驚くのはまだ早い」

 

 

奥の屋敷へと足を踏み入れる三人。

 

 

「桐生だ!誰かいるのか?いるのは分かってるんだ…出てきてくれ」

 

 

そう言って真島のドスを下に落とす桐生。

 

 

「!?そのドスって!」

 

「ヒッヒッヒ待ってたで……桐生チャン、黒チャン。」

「桐生チャンが堅気になってしもうてこの1年、メッチャ淋しかったわ〜。」

「せやけど桐生チャンなら絶対この街に帰ってくると思っとったでェ。」

「もちろん、黒チャンも久しぶりやなァ。あん時以来やな」

 

 

高い笑い声をあげながら桐生の因縁の相手、真島吾朗が現れた。

 

 

「何?この人」

 

「元東城会島野組の若頭……俺の兄貴分だった人だ。1年前の事件にも絡んでる。」

「久しぶりですね。真島の兄さん」

 

「なんや桐生チャン。もう女作ったんかいこのスケコマシが」

 

「誤解すんな」

 

「なんや?じゃあ黒チャンの女っちゅうんか?」

 

「久しぶりですがそれも違いますよ。真島さん」

 

「府警第4課主任、狭山薫です……よろしく」

 

「府警?4課?……姉ちゃんデカなんか?。」

「桐生チャン、どないなっとんねん?」

 

「それより、どうしてアンタここに居るんだ?」

 

「ここの前の親分が居なくなったからや」

 

「花屋が消えたんですか?」

 

「花屋…?」

 

「ここが出来てからずっと伝説の情報屋として健在してた奴の名前です」

 

「せや…通称“サイの花屋”元警官のオッサンや。なんや情報渡す時に花束使うてたらそないな名前なったらしいわ」

 

「花屋はどうしてるんだ?」

 

「今は表の人間や」

 

「表?」

 

「なんや警察の下請けで、神室町のモニター映像から情報提供しとるらしいわ。」

「ま、ある意味花屋にとっちゃ元のサヤに戻ったってだけのことなんやがな」

 

「つまり警察関係者になったって事か?」

 

「そうや……それで河原が機能しなくなったんや。」

「そこで俺は真島建設を立ち上げて神室町ヒルズの建設事業を請け負った」

 

「神室町ヒルズ?」

 

「上に建っとったやろが〜。バカでっかいビルの鉄骨が……あれが神室町ヒルズや。」

「ま、俺のほんまの狙いはそれに乗じてこの地下街丸ごと乗っ取る事やったがなぁ」

 

「アンタも意外と頭が回るんだな」

 

「せやろ……で、なんの用や?」

 

「東城会に戻ってくれ」

 

「かしこまって……何アホな事言うてんねん!?。」

「桐生チャンに冗談は似合わんで〜」

 

「本気だ…今の東城会にはアンタが必要なんだ。戻ってくれ」

 

「お断りや」

 

「頼む……兄さん…」

 

「やめろや桐生チャン!俺は桐生チャンのそないな姿見とうないんや」

 

「東城会を救うには真島組の力が必要なんだ……頼む!」

 

「………しゃあないなぁ…それなら1つ条件や」

 

「何だ…?」

 

「桐生チャンにしか出来へん仕事や」

 

「まさか……」

 

「せや、トーナメントや。どや?引き受けるか?」

 

「それ、俺がやってもいいですか?」

 

「あん?」

 

 

途中から黙って話を聞いていた竜也が口を開く。

 

 

「竜也!?」

 

「トーナメントなら俺も何回もやってますし……真島さんを退屈させる事ないと思いますけど……」

 

「……黒チャンなら別にええで」

 

「ありがとうございます。それで良かったらなんですが1つ願い聞いてくれませんか?」

 

「何や?」

 

「トーナメントは3回勝ち残ったら勝ち……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3回戦目俺はアンタに出て欲しいです」

 

 

竜也の言葉を聞き終えた真島がうっすらと笑う



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32話 トーナメント

「正気か!竜也!」

 

 

竜也の意見を聞いた桐生が焦りながら聞き返す。

 

 

「本気じゃなかったらこんな事言わないですよ」

 

「ええんやな。それで負けたら俺は東城会戻らんで」

 

「俺が勝ったらいいんですよね」

 

「ええで……それに元々俺が今のチャンピオンやし、あんま変わらんからな」

 

 

「(そりゃそうだよな……この人がおもちゃ見つけて遊ばねぇ訳もねぇし…)」

 

 

「んじゃ先行ってます。…………あぁそうだ。真島さん…」

 

「ん?何や?」

 

「……すぐ行くから待ってろよ。それじゃ」

 

 

真島に殺気を送りながら挑発をして部屋の外に出ていく竜也。

桐生も竜也の後に続くように真島に頭を下げて出ていく。

 

 

「あなた達ちょっと待ちなさいよ!」

 

 

詳しい事情を知らない狭山が声を荒らげながらも後に続く。

~~真島視点~~

「(ほぉ……なんやえらいやる気みたいやな………)」

 

 

「オモロそうやんけ……」

 

 

そうして真島はドスを抜きながら甲高い笑い声を部屋に響かせた。

 

 

~~黒瀬視点~~

「(ふぅ……あそこまで真島さんに喧嘩売っちまった以上もう引けねぇな。まぁ引く気なんかさらさら無いけど)」

 

 

試合開始までの時間の間にテーピングを巻きながら色々と考え事をする竜也。

 

 

ガチャ

「狭山は先にセレナに向かわせた…竜也、俺が言いたいことは分かるな……?」

 

「……なんとなくは」

 

 

ドアを開けて竜也に問いかける桐生に背を向けながら答える竜也。

 

 

「………勝てる気なのか?あの人に」

 

「先にこれだけは言っときます…もし負けたらすいません」

 

 

話す前に振り返り、頭を下げる。

 

 

「あの人東城会戻すには勝つしかないのはわかってるんですけど…正直言って勝てるイメージはないです」

 

 

包み隠さず自身の本音を伝える。

 

 

「もし、今の話聞いて桐生さんが出るって言うならそれもそれでそれなりに対応しなきゃッスけど………。」

「でもだからってすぐ桐生さんにあげてたら俺が変われねぇんすわ。」

「俺がやりたいようにやる。そんくらいじゃなきゃアイツに挑むなんて啖呵きれないっすから」

 

 

「(もちろん1番挑みてぇ人にも……)」

 

 

「………俺が勝手にお前を連れて来て、その上でたまたま兄さんと接触する機会が出来ただけだ。この事が竜也にとってのメリットだとしても俺には全く関係ない」

 

 

竜也の話を聞き終えた桐生が話しだす。

 

 

「ッ!でもっ!「………悪いが今回はお前に譲るつもりは無い。さて、俺にも準備があるから行かせてもらうぞ。

 

 

 

……久しぶりだからな…『ゆっくり』準備するか」

 

 

部屋を出ていく桐生。

 

 

「(不器用だなぁ……あの人も…

………さて、行くか」

───────────────────────────

「レディース&ジェントルメーン!!

また!あの“竜”がここに戻ってきた!戻ってきた最速の竜はいかなる闘いを我々に見せてくれるのか!?黒瀬〜竜也〜!!」

 

 

ナレーションを聞きながらステージへ向かう。

既にステージには対戦相手であろう男が待っていた。

 

 

「対するは、このトーナメントで今1番旬な男!

勢いに乗るブラジルの超新星!!ロブソン・カエタノ・ダ・シウバ〜!!。」

「さぁ、戦いの女神はどちらに微笑むのでしょうか!?今、ゴングです!!」

 

 

「(普通に斧持ってんじゃねぇーか……別に関係ねぇけどさ)」

 

 

シウバは斧を肩に置きながらニヤついている。

対して特に構えも何もしない竜也。

 

 

「ブラジルつったか?ご苦労なこったな……俺の踏み台になるためにきてもらって」

 

 

ドスッ!

 

 

話終えると同時に懐に入り込みブローを入れる竜也。

瞬間的に蹲るシウバ。

 

 

「ん?入りすぎたか?悪ぃな」

 

 

横に立ち話しかける竜也。

 

 

ブンっ!!

 

 

キレたシウバが立ち上がり豪快に斧を振り下ろす。

 

 

 

しかし平然とした態度で斧の柄を掴む竜也。

それがおかしいのか一気に狼狽える。

 

 

「バカが…そんなモン使うなら亜門一也(アイツ)レベルになってからもっかい来てみろ」

 

 

飛び跳ね顔を蹴飛ばし終わらせる。

 

 

「終わりだろ?」

 

「流石、黒瀬竜也!!“竜”の前では超新星ですら有象無象!」

 

 

「(ん?桐生さんと真島さん一緒の所で見てんじゃん)」

 

 

右から拍手の音が聞こえみてみると真島が拍手をし、隣で桐生が静かに見ていた。

 

 

「さぁ………次の対戦相手はこちらも帰ってきた伝説の男です!。」

「1年前までこのリングに君臨した絶対王者!ゲイリー・バスター・ホームズ!!」

 

「奇遇ですね、黒瀬。即死と安楽死……好みは?」

 

「それは見る方でって意味だよな?てめぇに合うのは安楽だろ」

 

「竜 VS 伝説の元王者!

注目の一戦……今、ゴングです!!」

 

 

ゴングのなる瞬間にきたストレートを避ける竜也、それを読んでいたように左足で網まで蹴るゲイリー。

飛ばしたことを確認すると、針が付いたグローブをはめるゲイリー。

 

 

「(こいつもかよ……まぁいいや。そうすっと、とりあえずヤバいのは……ッ!)」

 

 

ゆっくり考える時間もさせないようにグローブで殴り続けるゲイリー。それを全て数cm単位で避けていく。

 

 

ガシャ!

 

 

勿論ただ避けるだけではいずれ檻の端に着く。

 

 

「(っクソ!………一か八か!!)」

 

 

ブンっ!パキッ

 

 

風を切る程の音がする拳を避け、同時に下から関節を押し上げる。

肘を腕で支えるゲイリーの頭を掴み膝蹴りを繰り出す。

 

 

「どんなもんよ?咄嗟にしちゃ結構効くだろ?」

 

「………」

 

「無視かい。別に構いやしねぇけどよ……さっきのバカ(シウバ)がそんなに大したこと無かったからよ。お前はもっとマシだろ?」

 

 

青色のヒートを纏いながら第1試合、そしてさっきまで構えることをしなかった竜也が初めて構え出す。

 

 

「行くぜ…」

 

 

竜也が動く前に先手必勝と言わんばかりに殴り掛かるゲイリーだがしゃがんで回避しながら猫騙しをする。

 

 

「ちょっと前に本場もん喰らったかんな。イメージしやすかったわ。今のてめぇが聞こえてるかどうかは知らねぇけどな」

 

 

至近距離でかなりの爆音を聞いたゲイリーは耳を抑えながらこちらを睨みつけている。

 

 

「辞めるなら今のうちだぜ……ってよくよく考えりゃ聞こえてるはずねぇか」

 

 

戦車スタイルに変化させ竜也より少しデカいゲイリーの頭を叩き付ける。

 

 

「ついでに言うと安楽でもなかったな」

 

「伝説の元王者も進化した竜には勝てず!!またもや異例の速度で2人目をもねじ伏せる!最速の名は伊達じゃない!!」

 

 

「(さぁて……ウォーミングアップにしちゃまだあめぇけど……とりあえず十分だろ)」

 

 

「さぁ!間もなく決勝戦……そろそろ“あの男”がやってくるはずです。」

「現 地下闘技場チャンピオン!真島〜吾郎!!」

 

 

真島らしい独特のパフォーマンスを繰り広げながらゆっくりとこちらに近づく真島。

 

 

「半年前、突如このリングに現れた“嶋野の狂犬”は今も尚、負けを知らず!圧倒的なパフォーマンス!圧倒的な強さ!彼を倒す事が出来るのは果たして黒瀬なのでしょうか!?」

 

「流石やなぁ黒チャン!ゆっくり見てよう思たらそんな時間無かったわ!」

 

「いや、すぐ行くって言ったじゃないですか」

 

「ケヒッ、亜門戦(あん時)より更にゴツなってるのも分かるで…」

 

 

軽く語り掛ける真島に対して警戒心をあげてどんな時にも対応できるようにする竜也。

 

 

「でもアカンわ。自分」

 

「は?」

 

「俺がやりたいのは今の黒チャンじゃないねん。俺と殺りあった時に出てきた“あの”黒チャンとやりたいねん」

 

「何言ってんのか全くわかんない事言うのやめてもって良いですか?」

 

 

真島の真意が分からず困惑する竜也。

 

 

「強さがあるのは知っとる。でもまだあの時とちゃうねん。」

「あん時の黒チャンやったらもっと楽しくやれる筈やねん」

 

 

うすら笑みを浮かべながら淡々と言葉を繋げる真島。

 

 

「俺はあんた程、腹読むの得意じゃないんですよ。まぁいいや……それ以上言いたい事あるんだったら……」

 

「せやな」

 

 

全く構える事無かった真島が殺気を纏わせながらドスを抜く。

 

 

「今ゴングです!」

 

「あんま簡単に死ぬんやないで……黒チャン!!!」




ホントに恒例なんですがお久しぶりです。
全然書いてない間に気付いたら1年経ってしまいしょうがないと思ってる所存です。
こんな小説をお気に入り登録してくれてる皆様には感謝しかないです。
これからも待ってくれてる皆様の為にも書いていく所存です。


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33話 修羅

半年ぶりです……お待たせしました。
この半年の一応集大成的な兄さん戦です
待ってくれていた皆さんの期待に合うかは分かりませんが、どうぞよろしくお願いします
後、今回からパワースタイルの名称を戦車スタイルからライフルスタイルへと変更致しました


「ッシャァ!」

 

ゴングの音がなると同時に、ドスを起点とした絶え間ない攻撃を出し続ける真島とそれを捌き続ける竜也。

 

「!甘ぇよ!」

「どっちがや!!」

 

下からのアッパー気味の拳をクロスして受け止めるが、そのクロスした腕と拳を起点として体を浮上させて蹴り下ろしを繰り出す真島。

この衝撃で後退した事により距離が空いた。

 

「(っぶな……“逃がせなかったら”結構いってな今の)」

 

周りからは直撃したように見える真島の攻撃だが実際にはこれを喰らう事によって起きる衝撃を使いながら“いなす”様にして回避する竜也

 

「……相変わらず俺の速さにちゃんと着いてこれるんのは黒ちゃんだけやな。」

「桐生ちゃんとかは読みや直感込みや。黒ちゃんの反応だけは感心するでホント」

 

「そりゃ…どうもっ!!」

 

真島の言葉を聞き流すようにし、感謝を述べながらも攻守を交代するように今度は竜也が攻める。

スピードのみだと分が悪いと感じ、ハンドガンへとスタイルを切り替え改めて向かい合ってゆく。

切り替えた瞬間こそ反撃が起こり、攻撃が何回も掠めたが段々と慣れてきたのか避けるのと同時に竜也も少しずつ攻撃を絡めていく。

 

「でもってそれがアカンねん。黒ちゃん」

 

竜也の拳を這うように躱すと一気に竜也の背に寄りかかる。

そのままドスの柄で背中を突きまた距離が離れる。

 

「初めて殺りあった時の事覚えとるか?」

「は?いきなりなんすか?」

「ただの質問や……あん時から随分ゴツイ思っとったけど今はもっとゴツくなったのう…。」

 

唐突に1年前の事を語り出す真島。

 

「(マジでいきなり過ぎだろ…んでもって隙だらけに見えて全然隙なんてねぇし)」

 

「でもあん時の殺気はこんなモンちゃうかったで」

「ホントに訳わかんないすよ…喋る余y「あん時の黒ちゃんは桐生ちゃんに近付くもんがあった。」

「あんだけ啖呵切った今の黒ちゃんがこんなモンな訳ないやろ」

 

一時収まっていた真島の殺気がまた溢れ出す。

その殺気に当てられた皆が真島から隠れようとする。“2人を除いて”

 

「……前の俺にあって今の俺にないもんがあるって事すか?」

「せや」

「教えてくださいつって教えてくれるタチじゃ無いですよね」

「分かってるやないか」

「じゃあ無理矢理聞きます」

 

右フックを繰り出しそれを止められる。そこまで分かっているかのように右脚を真島の顎に全力で蹴り上げる。

しかし右腕を掴んだままの真島は竜也を引き込み右に握ったままのドスを突き刺す。

それを空いている左手で止めお互い両腕が塞がったことで一瞬の膠着が生まれる。

 

「(やっぱこの人尋常じゃねぇ!)」

 

竜也の思考のうちに自身がしゃがみこむように身体を捻らせた反動で竜也を浮かせ、そのまま蹴りを入れる真島。

 

「ガハッ!」

 

金網に強く叩き付けられた竜也は肺から空気が漏れ出す。

 

「…流石やな黒ちゃんこの短期間でさっきよりマシになったで」

「………褒め言葉どーも…でも、さっきよりって事はまだ違うって事すよね」

「あぁ、まだ足りんで。」

「あん時とはまだまだや」

 

「(何が違うってんだよ……こちとらあの時なんか死にかけた思い出しかねぇよ)」

 

真島の意図が未だに分からず困惑する竜也。

 

 

「!考える暇くらいくれっての!」

 

止まった竜也をそのまま放置せず攻撃をしてくる真島

竜也の呼び掛けには応えずそのまま攻撃を続ける。

 

「(ッチ!考えるのは一旦後だ!)」

 

拳を滑らせ横に立ちそのまま脇腹を蹴りまた距離を取ろうとするが、蹴る寸前に裏拳が飛んできたことにより後ろに仰け反ってしまった為に少ししかダメージを与えられない。

 

「(あん時…真島さんに呼ばれて……最初は確かに遊ばれてるだけだった…んで途中で桐生さんが入ってきて……)」

 

ドゴォ!

 

竜也が考えてる間にも真島は止まらずアッパーからの脇腹にドスを刺し、刺したまま反対方向へと蹴り飛ばす。

蹴り飛ばされ金網にぶつかったまま動かない竜也

 

「……何や黒ちゃんもう終わりかいな」

「…そうゆうことかよ

「?何ゆーてるか聞こえんで」

「ようやくアンタの言ってた事が分かったつってんすよ」

 

その一言を皮切りに竜也の雰囲気が変わる。

それを感じた真島は動きを止める。

 

「(桐生さんが割り込もうとした時俺は何を考えた…?“邪魔”間違いなく俺は桐生さんにそう感じた。)」

「(だからもし今の俺や亜門ん時んで違うモノがあるとするなら…)」

 

座り込んだままの竜也がハンドガンスタイルの青いヒートを纏いながらようやく立ち上がる。

 

「どんな奴でも喰う覚悟」

「ソレやねん、黒ちゃん。ワシが求めてたんはその目やァ……!!」

 

~~桐生視点~~

「(変わった……さっきまでの竜也とは明らかに違う)」

 

観客席に座る桐生も竜也の変化に気付く。

 

「(兄さんの言ってた通りになったな)」

 

まだ竜也がゲイリー戦を迎える前の事を思い出す。

**************************

「なァ桐生ちゃん、桐生ちゃんから見て今の黒ちゃんはどや?」

「今の竜也だと?それはもちろん強いと思うが」

「それには俺も同意や。けどな、黒ちゃんはもっと強い筈やねん」

「どうゆう事だ?」

「言葉通りの意味や。黒ちゃんにはまだ先があるはずや。」

「それこそあのホテルで殺りおうた時の黒ちゃんとかな」

 

「あの時の竜也か……」

「今の黒ちゃんは殻を少し破った程度。そんなんじゃワシは満足出来ん。 」

「せやから次の試合で殻を本格的に破らせたるわ」

 

「もし破れなかったら?」

「お前やったら言わんでも分かるやろ」

 

先程までの少しふざけ交じりではなく本気の声色になる真島。

 

「(変われなかったら竜也が死ぬか……。)」

「(あの梅澤という男は近江の中でもトップクラスの人間だろう……なら俺に出来ることは…)」

 

「兄さんに任せる。俺は竜也を信じる事にする」

「ヒッヒッヒッ決まりやな」

****************************

「(まさかここまでとは思わなかったが)」

 

脇腹に刺さったままになっているドスを抜き、真島に向かって全力で投げ、自分自身も向かっていく竜也。身体全体を使い回避し勢いが全く衰えてないドスを掴んでそのまま攻撃を開始しようとする真島。

先に拳が当たった竜也がそのまま振り抜く。金網に全力でぶつかって倒れ込む。

真島が先程、竜也を使う事で行った身体を浮かせる技を、拳を振り切った反動で行いかかと落としを入れる。横に転がることで回避する真島。空を蹴った蹴りは反動でコロシアム全体にヒビが入る。

 

「(相手が兄さんじゃなかったらもう今の攻防でケリがついていたな。)」

「(さて、またあの人と本気でやり合う訳だが…勝てるか?竜也)」

~~竜也視点~~

「ええで…ええやないか黒ちゃん!」

「…ホント…つくづくアンタってタフだなって思いますよ」

 

「(亜門や安堂と殺った時ほどじゃねぇけど身体自体はボロボロなのは間違いねぇんだけど……頭がいつも以上に冴えてるのが分かる。) 」

 

「何止まっとるんや?」

 

ヒュッ!ガッ!ドゴッ!

 

竜也の考える瞬間にも真島は止まらず竜也に向かって突撃していく。

ドスを空中に放し空いた四肢をフル稼働させ、肉弾戦を開始する。

右腕、左脚、回転しながら右脚掠めるだけに留まらず直撃する。

最後のストレートを喰らうが吹っ飛ばされず下半身だけで耐える竜也。

そのまま真島にハグするかのように寄りかかる要領で頭を掴み、膝蹴りを顔に入れる。

少し浮いた身体をライフルスタイルの怪力でベアハッグを繰り出す。ミシミシという音が鈍い音がなり続ける。

 

ドゴッ!ガスッ!!

 

技を止め、砲丸投げの要領で金網まで投げ飛ばす。

 

「……これはどうよ…もう常人なら無理だろ」

「…………なんで途中で技止めたんや…あのままやっとればワシの身体壊して終了やろうが」

「俺は別にアンタを壊してぇ訳じゃないですし、ただ勝てればそれで充分。」

「桐生さんが言ってた以上、アンタは東城会に必要なんだ。だから認めてもらう為にきちんと倒す」

 

「……やっぱり甘いのう…まだまだワシはいけるで…」

 

「(やっぱ無理か…ッチ……!俺の方も身体が重くなってきてる……でも真島さんの動きもさっき迄とは全然違う!押すなら今だ!!」

 

真島の疲弊を感じてる竜也が素早くマシンガンスタイルに変わり、真島のラッシュよりも遥かに速いラッシュを頭、みぞおち、もも、頭と至る箇所に叩き込む。

 

「グッ!ゴフッ!!」

 

「(勝機!!」

 

吐血しながら膝をついた所を見逃さずアッパーからのミドルによりまた金網に当たるが反動で戻ってくる所に回転によって威力を上げたストレートを鼻頭に叩き込む。

 

ガシャァン!!

 

今までとは違い身体を仰け反らせながら吹っ飛んでいく真島。

 

「やっぱ……ちゃうのう…黒ちゃんは…」

「決まりっすね……東城会に戻ってもらいます」

「まぁ…桐生ちゃん交えてゆっくり話そうや」

 

ボロボロになった真島がゆっくりと立ち上がりながらリングを降りて行く。

それを見て後から進んでいく竜也。桐生も確認を終えて会場から出ていく。

しかしこの時3人とも気づいていなかった。竜也のヒートの節々に“淡い白金色”が煌めいていることに




今回の兄さん戦が僕の中で節目の戦いなんでかなり戦闘シーンは頑張らせてもらいました(まぁでもこのクオリティですが)
ホントはもっと長くする予定だったんですがこれ以上伸ばすとただの引き伸ばしになる気がしたのでやめました。
次回も何時になるか分かりませんが頑張って書いていきます!


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36話 過去と2人目

新年あけましておめでとうございます。(遅い)
今年も超絶不定期駄文作者ですがよろしくお願いします。
後、今回会話文多めです
それではどうぞ


場所を奥へと変えた3人は集まって話していた。

 

「いやぁホントに良かったでぇ黒ちゃん。また殺ろな!」

「………まぁお眼鏡にかなったのなら良かったですよ…」

 

「(こりゃそのうちもっかいだな……とゆうか勝ったの俺だよな……?あの人のがピンピンしてんのおかしいだろ……)」

 

「兄さん…」

「分かっとるわ…約束やからな。…東城会に戻ればええんか?」

「いや……無理に戻らなくてもいいんだ…」

「はぁ?何やさっきと話がちゃうやんか」

「アンタが東城会に収まる器じゃないのは知ってる。今は組に戻るよりも組を助けてやって欲しいんだ」

「つまり…手助けせえっちゅう事か……ま、ええやろ。黒ちゃんには思う存分楽しませてもらった事やし何より桐生ちゃんの頼みやからな。」

「せやけど、そないに東城会はピンチなんか」

「実は、新藤率いる錦山組が抜けるかもしれないんだ……」

「なるほど……半減やろな」

「……半減?そこまで錦山組は力あるんですか?」

「今1番力持ってるのは錦山組や」

「あぁその上、郷龍会が何時攻めてきてもおかしくない状況だ」

「そうか……しかしまぁ、スッキリせんなぁ」

「何がですか?」

「俺は、何か作為的なモンを感じるんや」

「どうゆう事だ?」

「寺田は近江連合に殺されたんやったな?」

「あぁ……俺ら目の前で襲われた」

「それがまずおかしいねん」

「何故です?」

「寺田が東城会の五代目になってから、近江とはそないに敵対しとらんかったからや」

「本当か?」

「仮に襲ったのが“郷龍会”ならやりかねんが…それでも殺される程にはならんやろな」

「それじゃあ、寺田はどうして…」

「今の東城会がどうかは知らんが……俺は寺田の事は好かんかった」

「どうしてだ?」

「平和、和睦、共存、理想ばっかりや……結局東城会はその辺の組織からも舐められるようになってしもた。」

「結果的とはいえアイツは東城会を混乱させた…」

~~桐生視点~~

「アンタは寺田を信用していなかったのか?」

「せや…周りで言うほど立派な極道ではなかったわ。それにそれは黒ちゃんも知っとるはずや。なぁ黒ちゃん?」

「………」

 

「(無言か…なるほどな…だからあの時寺田に会った竜也は不機嫌になったという訳か…)」

 

「奴は自分の言う事に従う“イエスマン”しか置いとらんかった。」

「俺や柏木さんのオッサンなんか真っ先に除け者や」

「柏木さんも?」

「せや……若頭代行なんて付いとるが実際はただの飾り。」

「いっくらミレニアムタワーにデカい事務所作っても寺田の命令無しじゃなーんも出来ん」

「だから離れたってことですか?」

「よく分かっとるやないか。黒ちゃん」

「寺田がそんな男だったとは…」

 

「(結局…俺には何も見えていなかったという事か……)」

 

「他人の腹までは探れんちゅう訳や。」

「桐生ちゃん…人信じるんはええけど、気ぃつけなアカンで……」

 

水槽の中にいた小さい金魚を大きい深海魚が、飲み込む

~~竜也視点~~

真島との話を終えた2人はまた情報を整理するため、薫と合流するためセレナへと戻った。

カウンター席に灰皿とライターだけを置いて座る桐生

その1つ席を空けて銃の手入れをする薫

カウンターへは座らずテーブルにあるソファに1人ゆったりと腰掛けながらいつの間に持っていたのか、野球ボールを上に投げては取るを繰り返してる竜也。三者の間には会話は無く、ボールの投げる音と取る音のみが店内に響いていた。

 

「12時を過ぎたわよ」

 

薫のその言葉を合図に腕時計や店の時計を見る2人

 

「堂島大吾が1時にあなたの迎えを待ってるんじゃないの?」

 

動かず少し急ぎめに煙草に火をつける桐生

 

「何のんびりしてるの?行かなくていいの?」

「なぁ…お前は怖くないのか?」

「何が?」

「隠された自分の過去を調べる事だ」

「どうしてそんな事を聞くの?」

「実はな…俺の両親は東城会に殺された…」

「え……?」

 

桐生の告白に驚きを隠せない薫

 

「知ったのは1年前だ…両親を手にかけたのは俺をこの道に導いてくれた…風間新太郎という親っさんだった」

「それがさっき言ってたあなたの過去なのね」

「俺は風間の親っさんを本当の親と思って育ってきたから、許すことが出来た。」

「アンタはどうだ…?」

 

桐生の問い掛けに言葉を詰まらせる薫

 

「私だったら…両親を殺した人間を知ったらそれが例え誰であっても許すことは出来ないと思う。」

「正直怖いわ。過去を知るのって………でもそれが私の選んだ道」

「…………なら俺達を利用すればいい。俺達に張り付いて東城会を探れ」

「まぁそれが1番速いでしょうね。俺はともかく桐生さんは東城会に何度か接触するでしょうし」

「ちょ…ちょっと待ちなさいよ。あなた、東城会の人間だったんじゃないの?そんな事言っていいの?」

「俺は極道だった自分を誇りになんか思っちゃいない」

「もし…あなたが関係してたら………?」

「したら…迷わず俺に向かって引き金を引けばいい」

 

煙草の煙をゆっくりと吐きながら答える桐生。

 

「アンタはその相手を許すつもりは無いんだろ?」

「そうね…そうするわ」

 

顔を上げた薫は急ぎ足で立ち上がり外へ向かう。

 

「何処へ行くんだ?」

「仕事よ」

「仕事……?」

「決まってるじゃない…あなたの身辺保護よ」

 

そう言い放ちまた外へ出る。

 

「だ、そうだ。もし俺が関わってたら後は頼んだぞ」

「桐生さんが関わってる訳無いって思ってますけど、仮に“もしも”が起きたらそん時次第って事で」

「フッ……それで良い。俺らも行くか」

「リョーカイです」

「遅いわよ。それで“天野ビル”っていうのは何処にあるのかしら」

「俺は分からないが竜也は知ってるか?」

「申し訳無いですが俺も知らないですね」

「そうか…なら田村に聞きに行くのが1番だな」

「彼、いつも劇場前にいるって言ってたわね」

「なら、早速向かいましょうか」

「あ、桐生さん!!それに竜也くんまで!」

「ユウヤか。久しぶりだな」

「お久しぶりです」

 

セレナの裏口から表の通りに出ると、スターダストのユウヤが店の前に立っていた。

 

「えぇ、こちらこそ!クソっ、でもこんな時に会うなんて」

「どうかしたんですか?」

「えぇ、ちょっとオーナーが…」

「一輝に何かあったのか!?」

「いや、それがワケ分かんないんですよ。」

「1年ぶりに伊達さんが店に顔出してくれたんですが……そしたらオーナーが店から出て行って…」

「伊達さんが急に来るってのも変な話ですね…」

「俺も何があったのか分かりませんが、伊達さんは警察の方と一緒でした」

「それで今伊達さんは?」

「走って店を出て行きました。多分オーナーを追い掛けて出ていったと思います」

「様子としてはかなりおかしいですね」

「気になるのは分かるけど、今は天野ビルに行くのが先決なんじゃない?」

「……そうだな。ユウヤ、また時間ができたらゆっくり話をしよう。」

「何か分かったらまた連絡くれ」

「はい、分かりました!」

――――――――――――――――――――――――――――――――――

ユウヤと別れた3人は無事劇場前通りにて田村の仲間という森田から天野ビルの居場所を聞き、児童公園の前にある天野ビルへと辿り着いた。

 

「天野ビルはここのようだが……」

「鍵掛かってますね」

「オイ!オマエここのビルに居るヤツらの仲間だな!」

「あ?んだよ急に」

「しらばっくれんな!やっちまえ!」

 

1歩前に出ていたリーダー格の男が後ろの2人に声を掛ける。

バットを持った男が頭目掛けてフルスイングしてくる。

 

「はぁ……こんなんばっか。遅ぇんだよ」

 

バットの到着地点から数mm移動して左手で地面へ叩き付け右肩を無理矢理外す。

外された痛みでのたうち回る。

 

「はい、終わり。2人も…もう終わるな」

 

桐生の方はもう終わっており相手は既に気絶している。

薫の方ももう相手の動きは鈍くなっていた。

 

「(流石府警四課のエース。体術もバッチリだな……柔道や空手とかもやってんのかな?まぁエースなのかはしらねぇけど)」

 

「さて、何がなんだかキッチリ分かるように話してもらおうか」

 

のたうち回っていた男の髪を掴み竜也が話を聞き出す。

 

「このビル……天野ビルはオレらのアジトだったんだ…そしたら変な言葉喋り出すヤツらが現れ始めて…」

「ふーん、じゃあ鍵は?」

「ここには無い…リーダーなら……合鍵を…持ってる…」

「何処にいる?」

「薬局の……裏です…」

「はいよ、じゃあ寝て良いぜ」

 

顎を殴り脳を揺らして気絶させる。

 

「っていう事なんで早速薬局行きましょうか」

「そうね。急ぎましょう」

―――――――――――――――――――――――――――――――――

素早く薬局の裏に来た3人はゲーム機を触ってる緑のフード付きパーカーを深々と被った男に話し掛ける。

 

「なんだぁ?今ラスボスん所なんだ、邪魔しないでくれ!」

「お前“16ビット”のリーダーを知らないか?この辺に居るはずなんだが」

「しまった!クソ、コンテニューだ!」

「ちょっと!聞いてるの!このクソガキ!ゲームばっかしてたら頭悪くなるわよ!」

「あぁん!?聞こえてるよ!邪魔すんなよな!」

「天野ビルの鍵をくれないか?」

「……あぁ?楽しくゲームしてんだから話し掛けんなって言ってんだろ」

「『話し掛けんな』じゃなくて『邪魔すんな』な?」

「………もしもし、兄貴?なんか今めんどくせぇヤツら来ててさ…」

 

パーカーを被った男はゲームを触るのを止め兄貴と呼ばれる男に電話を掛ける。

 

「あっ!来た!!兄貴!こっちこっち!!」

 

電話を掛けた数分後にダウンジャケットを着た太った男がゆっくりとやってきた。

 

「俺と桐生さんでやるんで薫さんは見といてもらって良いですよ」

「え?ちょっと!?」

 

竜也が話終わると同時に無野兄弟が向かってくるが、桐生は兄貴の方に“虎落とし”、竜也は相手の腕を手刀で骨を砕き空いてる腹を蹴り飛ばす。

たった一瞬の出来事で薫や無野兄弟はもちろん、集まってきた“16ビット”らしきメンバーも固まっていた。

 

「ん?やはりグループらしく結構な数いるな」

「別に俺らは全然やってやっても良いけど……悪ぃけど今急いでるからこれ以上は手加減出来ねぇぞ?」

 

フードの男を持ち上げながらメンバー全体を脅す竜也。

ポケットから鍵を取り出す。

 

「ま、やっぱりパーカーのポケットに入れるわな。」

「さっさと行きましょうか。堂島のヤツを早く助けに行かねぇと」

―――――――――――――――――――――――――――――――――

「さて、2人で行きますか?」

「いや、呼ばれてるのは俺一人だ…罠の可能性もあるが変な事で2人を傷付ける訳にはいかない」

「なるほど……分かりました。じゃあ狭山さんと一緒に待ってますよ」

「あぁ。すぐに済ませてくる」

 

話し合いを終え竜也が桐生に天野ビルの鍵を渡し、桐生が中へと入っていく。

 

「(とは言っても……いきなりこの人と2人きりはキツイな……)」

 

桐生が居なくなった途端2人の空気が重くなる。

 

「貴方…」

「あ、はい」

「随分と腕が経つようだけど何かしてたの?」

「いや……俺はホントに独学すね…まぁ人に教わった部分もありますけど基本は売られたもん買ってたらこうなったって感じです」

「そう………」

 

「(お、重ぇ……)」

 

「後は…随分と信頼されてるのね。彼に。」

「彼言ってたわ…『俺はアイツ程頼もしい奴と会ったことは無い。もし俺に何か会ったとしてもアイツならやってくれる』ってね」

「………そうですか。なら、俺は期待に応えるよう頑張るだけなんで。あ、そだ喉乾いてないすか?飲み物買ってきますよ。」

「どうせ流石にそうすぐは戻ってこないと思うんで」

「そう?じゃあお願いしようかしら」

 

狭山を置いてMストアへと向かう竜也。

 

「(あの人に着いて行くので精一杯だったけど…まぁそう言ってもらえてるなら少しは成長してるって事なのかなぁ)」

 

自分、桐生、狭山計3人分の飲み物を取り先程言われたことを考えながらレジへと進む。

 

「ありがとーございましたー」

 

「(とりあえず3人のだけで良いよな………!)」

 

店を出て天野ビルに行こうとした瞬間殺気を感じその場から離れる竜也。

 

「それに気付くとは……師匠が言ってただけはあるな」

「んだテメェ……って言いたいとこだけどその姿見れば分かるわ。まーた亜門絡みか」

 

亜門や一也の様に黒のロングコートにサングラスを掛けた男が腕を組みながらこちらを睨んでいた。

 

「亜門三兄弟次男……『亜門二郎』」

「こちとら今忙しいんだよ。テメェらみてぇなのと関わってる余裕はねぇから……やるならさっさとやろうぜ…!!」

 

買った飲み物を地面に置きゆったりと構える。

それに応じて二郎も構える。先程までザワついていたはずのホテル通りの道は人気が全く無くなっていた。

バッティングセンターの奥で鳴ったヒッティング音を皮切りに竜也が攻め込む。

顔面に一発、そのまま右腕を持ち上げ空いた腹を全力で殴る。

 

「(!?……クソ!!)」

 

殴られ屈んだ二郎だったがその全てがフェイクで急に起き上がり空いてる左手で右目を狙う。辛うじて直撃は避けるが瞼が切られてしまい、瞼の上から出血する

それを見た二郎がニヤける。

 

「(落ち着け……別に潰れた訳じゃねぇ…だけど暫くは見えねぇな…しょうがねぇ片目のハンデくらいくれてやるか…)」

 

その考えを嘲笑うかのように二郎は腰に手を回し短機関銃を取り出す。

 

「(!?……前言撤回…ソレは逆にこっちがハンデ貰いてぇくらいだわ…!)」

 

すぐさま右側に回り込み短機関銃を発砲する二郎。ローリングで回避し近付こうとするが宙返りで距離を離す二郎。

 

「ハッ!逃げてそんなモン出さなきゃ勝てねぇてか?亜門三兄弟だかなんだか知らねぇけど、とんだヘタレもいたもんだな!」

「挑発させて俺にコレを捨てさせるって魂胆が見え見えだぞ黒瀬。そんなものにはかかりはしない」

「…意外と冴えてんだな。それならそれでいいや!」

 

回避しながら手に入れていた石を顔向かって投げそれを回避される間に二郎の膝裏に竜也の膝裏をかけながら自身が倒れ込む事で膝カックンをかけながら短機関銃を持っている腕を二郎自身の首に持っていきロックする様にしてエビ固めを固める。その腕を極める事で更に首を絞める。

 

「堕ちろ!!ゴラァ!」

「……!!」

 

声にならない苦悶を上げながら抵抗する二郎。しかし竜也は離さない。

その刹那、二郎が空いてる手で何かを投げる。

 

「(なん……)」

 

竜也の考える隙もなく数秒後近くにある吉野家のドアが爆発し、竜也も二郎自身も巻き込まれる。

 

「……そりゃ…持ってるよ…な…クソが…!」

 

二郎の投げた手榴弾が爆発したことにより全身吹き飛ばされ吐血しながらも起き上がろうとするがまた倒れ込む。

気合いで起き上がった時にはもう二郎の姿は居なかった。

 

「…………どいつもこいつも勝手すぎだろ…また服ボロボロなったし…目はまだ開けられんねぇし…戻ろ」

 

既にここに用が無くなった為、壁に寄りかかりながらゆっくりと天野ビルへと向かう。

 

「黒瀬くん!今の爆発音って!?」

「あ…ちょうど良かった…良かったら肩貸して欲しいです…」

「…!?大丈夫なの?」

「まぁだいたい見た目通りって感じです」

 

爆発音に気づいた狭山が竜也に肩を貸しながら現場から離れる。

 

「何があったの?」

「面倒なストーカーですよ。偶にいるでしょこっちがどんだけ離れる様に言っても聞かないメンヘラ彼女みたいな?。」

「どんだけ辞めろ言っても辞めないから喧嘩する。そんな感じですよ」

「……言いたい事は分かったわ」

 

天野ビルの前のガードレールに寄りかかる様に下ろしてもらう。

その時上から二発の銃声がサイレンの中で重く響いた。

 

「今のは?」

「どう考えてもこの上からですね。行きましょうか」

 

寄りかかったばっかりだが直ぐに立ち上がろうとする竜也。しかし先程の二郎戦のせいで身体に上手く力が入らない。

 

「黒瀬くんはここに居なさい。今度は私が行ってくるわ」

「!俺も行きます!」

「ダメよ…貴方が強くて頼りになるのは知ってる。でも私も怪我人に同行してもらう程弱くないわ」

 

そう言ってビルの中へ入ってしまう狭山。

 

「狭山さん!………まぁ桐生さんもいるしあの人も強いし何とかなるか…」

 

そして数分後、また新たな銃声が一発鳴り響いた。

 

「(これは狭山さんかな?さっき二発って事は間違いなく桐生さんともう1人居るな。桐生さんが撃ったとは考えにくいし……)」

 

「ま、考えても分かるもんじゃねぇし待つか…もうすぐ終わるだろ」

 

そして銃声に呼応するかのようにサイレンが鳴る。

 

「銃声3発と少し離れた所で爆発。そりゃ通報もされるわな」

「竜也!」

「桐生さん!堂島のy「悪いが話は後だ!逃げるぞ!」

 

桐生が一輝を抱えて、その次に狭山、伊達が伊達と同じくらいの年代の灰色のスーツを着た男性を抱えたビルからぞろぞろと出てくる。

皆、額に汗を滲ませながら急いでいる。

竜也も伊達の後を続く様に傷だらけの身体にムチを打ちながら走る。




今回は五章と六章両方纏めて出させてもらいました。
五章の残りが中途半端だったのと六章は六章で後半全く話に関与出来ないのでオリジナルで繋ぎさせてもらいました。
次回も自己満で頑張って書いていこうと思います。


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37話 身代わり

1年ぶりです。本当にお待たせしました
詳しい話はあとがきにでも書こうと思うので今は本編どうぞ


「一刻も早く2人を診てもわないと…どこか診てくれる所は無いか?」

「知り合いに医者がいる。とにかく担いで連れて行こう」

「警察が張り込んでるのよ。堂々とは出て行けないわ」

「そんな事気にしてる状況じゃない。事が収まるまで待っていたら2人が死んじまうぞ!」

 

伊達が灰色スーツの男性を担ぎながら騒ぎ立てる。

 

「……桐生さんと伊達さんはその2人を連れてその医者の所へ。狭山さんは近付いてくる警察と合流して屋上来てください」

「竜也……?」

「ようは警察が2人の方まで網広げなきゃ良いんですよね、俺が残って振り切ります。全部撒いたらこっちから桐生さんに連絡します」

 

身体を少し伸ばしながら早口で説明する。

 

「それは無茶だ!サイレンの音からしてかなりの数が来てるぞ!」

 

伊達の言う通りサイレンは何重にも聞こえてくる。

 

「……分かった。こっちは任せたぞ」

「桐生!」

「どうせここに至って状況が変わる訳じゃない。なら竜也に任せて俺らは早く向かうべきだ」

「だが……!」

「伊達さん時間が無いです!早く行ってください!」

「クソ!捕まったら承知しないぞ!」

 

竜也と桐生の力説によりスーツの男性を担ぎ直し天野ビルから離れていく伊達。それに続いて桐生も続く。

 

「私が合流して説明する時間もあると思うから少しは時間あると思うけど……本気でその作戦が行けると思ってるの?」

「まず全員振り切って、この服捨てます。そしてこうすりゃ顔バレないはずですし」

 

フードを深く被るようにして薫の方をむく。口元は見えてしまっているが目元や鼻筋等は覗き込むようにしないと見えなくなっている。また声のトーンも普段より低くすることを心掛けて喋る。

 

「……その身体で出来るの?」

 

中に入ろうとする直前に薫が最後の確認をとる。時間が経っているとはいえ、先程の戦闘によるダメージが抜けきっているとは言えず身体の節々から痛みが伴う。

それでも何も言わずに手を上げ無事をアピールしながら階段を上がっていく。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

屋上にて一輝の偽物らしき人物が持ってた銃を死体に触れないようにして手に取り隣のビルを見つめる。

 

「(フード付きので丁度良かったな…んで無いとは思うけど桐生さんや伊達さんの指紋付いてたらヤダから持って……来たか)」

 

「警察だ!動くな!」

 

薫とスーツの男を先頭にゾロゾロと現れあっとゆう間に囲まれてしまう。出口の方からまだ足音がすることからまだまだ居るらしい。

 

「この付近の通報2件ともお前さんだな?ふざけた事しやがって」

「………」

 

当然竜也は答えず沈黙を貫く。その沈黙の間にも周りの警官たちは竜也を中心として扇形に広がりすぐ捕まえられる距離まで近付く。

近付いた後はスーツの男の指示を待ちながらも竜也から意識を離す事はしない。

 

「……そんなもんでいいのか?もっと近付けさせた方がいいぜ」

「何が言いてぇんだ?」

「こうゆうことだよ」

 

後ろを振り向き素早くビルから飛び降りる竜也。警官たちは驚き戸惑うがスーツの男だけは警官たちを押しのけすぐに下に降りた竜也の様子を見る。

そこには隣のビルの飛び出ているふち部分を片手だけで掴み空いている手でガラスを破り中に入っていく竜也の姿が見える。

 

「………隣のビルだ!早く追え!!」

 

スーツの男の怒声が響きまた騒々しい足音が鳴り響く。

 

「無人なのはラッキーだな」

 

すぐさまその階の非常口から駆け足で下へと降りる。

 

「居たぞ!非常階段だ!」

 

既に警官たちは下で待機していて降りてきた竜也を捕まえようと登ってくる。仕方なく上へと上り直すが通常の出入口から入ってきた警官たちで溢れ返っていた。

 

「(…!あんま警察相手じゃやりたくねぇんだけど……)」

 

腕を顔の前で交差させ頭から飛び降りる形で警官たちが待機する下へと進む。体勢が倒れたまま顔の前に置いていた腕2本で身体を支え逆立ちの体勢で蹴りを放ち続ける事で、警官が近寄れないようにする。

距離を取り回転力が落ちるまで待機する警官。わずか1m程しか離れていないであろう距離だがまだ回転している事を確認したら少し気を緩めたその一瞬の隙を竜也は見逃さなかった。

まだ回り続けている自分の身体に対して、反対方向に回転をかけるようにして遠心力で起き上がる。フードをすぐに被り直し慌てふためく警官の肩を踏み越えて包囲網を突破する。

 

「(腰痛った!でもとりあえず抜けた!このまま振り切る!!)」

 

後ろから警官の声が響くが無視して走り続ける。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

「(っクソ建設現場まで行ければ勝ちだってのに!)」

 

細道や大胆な人混みに紛れるなどして七福通り西まで逃げていた竜也だったがヒルズ建設現場前の公園前に警官が居て入ることかできない。

 

「……なぁアンタ」

「あ?」

 

青いジャンバーを着てその下に緩くネクタイを締めている若い男性に声を掛けられる。

 

「服…ボロボロだけどどうしたんだい?」

「……ちょっと色々あって」

「さっき向こうの方でも“色々”あったみたいだけど?」

「……らしいな」

 

自分の正体を知っているのか不安になる竜也。フードは被ったままなので顔を見られてはいないと思うが安心はできない。

 

「あの公園に行きたいのか?」

「…ちょっとトイレに行きたくてね」

「なら行けばいい。それとも警官が居ると入れないのか?」

 

「(……やるしかねぇか)」

 

拳を握り目の前の男性を見つめる。

 

「沈黙って事はそうゆうことか。なら俺が退かしてきてやるよ。報酬は諭吉2枚な」

「は?どうゆう…おい!」

 

竜也の疑問を無視して公園前の警官へと向かっていく男性。すると警官はすぐに走り出して何処かに向かってしまった。

 

「ほらよ。退かしてきてやったぜ」

「アンタ…何もん?」

「さぁねぇ。それより早く俺に渡すもん渡してトイレ行ったら?早くしないと戻ってくるぜ」

 

これ以上何を聞いても無駄だと思った竜也は2万円を渡しすぐに公園へと入っていった。

~~??視点~~

「どうも」

 

無造作に渡された2万円を受け取り公園前のガードレールに寄りかかり煙草に火をつけ一服する。

 

「(さてと…後は適当に歩いて本部戻るか)」

 

吸い終わった煙草を捨て来た道を戻ろうとする男性。すると目の前に先程まで竜也を追い掛けていたスーツの男が現れる。

 

「お疲れ様です杉内さん。さっき通報があった事件の犯人もう捕まえたんですか?」

「さっきまで追いかけてた。間違いなくこの近辺に居るはずだ。何か知ってるんじゃねぇのか?」

「さぁ。全く分かんないですね」

「とぼけんじゃねぇ。この公園前にも配置してた奴は何処行った?」

「居たんですか?ならどっか行っちゃったみたいですね」

「……公園のトイレ全部調べろ!閉まってる個室だろうが女子トイレだろうが全部だ!!」

 

その男の命を皮切りに後ろにいた警官たちがなだれ込むが既に竜也は建設現場に入っており中に入るドアも閉じているためもう見つける事は出来ない。

 

「じゃあ自分は“警ら”を続けてくるので市民の平和を乱す犯人探しはよろしくお願いしますね」

「おい谷村!」

 

雑に頭を下げて後ろを振り返ることなく道を戻っていく。

 

「(さっきのアイツ…ただの犯人にしては服や身体全てボロボロだった。汚したにしてもあそこまでは行かないはず…一課としてはホシとなる人物をあげたいってことだろうけど…)」

 

「俺は巻き込まれた市民を捕まえる気は無いかな」

~~竜也視点~~

「ほれ、ただのジャージやけど無いよりはマシやろ」

「ありがとうございます。真島さん」

 

建設現場に入るとすぐさまビリーに声を掛けて地下にいる真島へと話を通してもらい奥の部屋まで進んでいく。

 

「そんで何があったらそんなボロボロになんねん」

「話すと長いすっけど……」

 

真島と別れたあとに起きた出来事を簡潔に伝える

 

「なるほどのぅ…ただでさえ近江だけでもしんどいっちゅうのにまた別の組織かいな」

「まぁ俺はあんま関わってないんで詳しい事は知らないですけどね」

「ほんであの亜門ってヤツにも狙われるとは黒ちゃんも大変やな」

「俺より真島さんのが狙われるべきだと思いますけど……まぁ狙ってくるってならそれはそれでいいですけどね」

「ほぉ…なんでや?」

「おかげさまで最近ちょっとずつ分かるようになってきたもんで…真島さんが桐生さんとかに固執する理由」

「ほぉ…したら聞こか。なんでやと思う?」

「強いヤツに狙われたり、強いヤツと殺り合う……それでしか味わえない一瞬……最高っす…!」

 

服を着替えながら竜也自身気付いていないが口元に軽い笑みを浮かべながら返事をする。

 

「ま、及第点やな…とりあえず今はそれでええやろ。それより…近江の動きには目ェ凝らしとき。今回の件、ただの東城会と近江の戦争じゃ終わらんで」

「……肝に銘じときます」

 

真島に感謝を伝えながら最後の言葉を染み込ませながら地上へと戻って行った。

 

「(危うくトリハダもんやったで……今はまだ大したもんでもないと思っとったけど……意外ともうすぐかもしれんな)」

 

竜也が居なくなり1人となった地下の奥にて真島の笑い声が地下に響き渡った。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

「桐生さん、お疲れ様です。こっち全部終わりました」

 

河原を出て周りを警戒しながら桐生へと電話をかける。

 

『竜也か。今どこだ?』

「河原の方まで逃げてきて今は少し下行った駐車場の所です」

『成程…都合がいいな』

「何がですか?」

『まだ一輝達の治療も始まったばかりで病院にいてもすることも無いから【バンタム】で少し整理する事にしたんだ。そこで合流したい。1年前まで【バッカス】だった所だ。俺と伊達さんでもう話してるところもあるから合流でき次第、情報をまた共有しようと思う』

「了解です。なるべく急いでそっち向かいますね」

 

「(今もう向かってるだろうからさっさと向かうか)」




とりあえずここ1年の経緯としては2月に携帯紛失。書き慣れた端末紛失してモチベ低下→9月に無事戻ってきてそこから書いてたのですがどうしても納得出来ず何度も書き直しを繰り返してここまで書きました。
本当はもう少し書きたかったのですが今は待ってくれている方々の為にも早めに更新するべきだと思い区切りのいい所で止めました。

そして今回警察sideとして杉内さんと谷村君に出てもらいました
谷村君推しとしては警察関連のイベント起きたし丁度よく登場されるかという考えの元出させてもらいました。
(ただ、龍が如く時系列見ても谷村君が何時警察に入ったのかは描かれていなかったのでもしかしたら時系列に違和感が起きてしまうかもしれないのでもし違和感見つけた方居ましたら教えて貰えると幸いです)

最後に感想や誤字報告等もして頂き本当にありがとうございました。またこれから頑張っていきますのでよろしくお願いします


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