不死者と英霊達のネギま録 (羽撃鬼)
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神に成りし者
第1話 プロローグ


インフルにかかり暇でしょうがなかったため勢いで書いた作品です。


目覚めると辺りに広がるのは見渡す限り黄金の空間だった!

 

 

「ここはどこだよ!」

 

「夢だな!寝るか!」

 

 

俺以外にいた二人が何かいっているようだ。一人目はまだ騒いでおり、二人目もう熟睡しているようだ。俺もやること無いため二人目と同じく寝ようとすると、コツコツと足音が聞こえた。足音が聞こえた方を見ると金髪でグラサンを掛けたCCCのギルガメッシュが着ていたスーツを着た男が歩いてきた。

 

 

「ほうほう。元気が有り余っていると見える。貴様のことだ。我の前だ、騒ぐのを止めよ!」

 

「うるせぇ!ここはどこだよ!説明しやがれ!」

 

「ハァー、そこの者その寝ている者を起こせ。良いな。」

 

「えっ?はい。」

 

 

いきなり声を掛けられたのでびっくりしつつ寝ている人を起こしに行った。

 

 

「おいテメェ!俺を無視すんじゃねぇ!殺すぞ!」

 

 

騒いでた男は拳を握りしめギルガメッシュ?に殴りかかった。

 

 

「少々大人しくしておれ!雑種!」

 

 

ギルガメッシュ?の声と共に剣が彼の頬筋をかすった。つーか今の王の財宝だよな。あの人マジものだったか!そして眠っていた人はそれも見て、

 

 

「オオー!英雄王カッケェ!」

 

「ふむ。良いぞ!お主気に入ったぞ!特典は好きに選ばせてやろう!貴様もだぞ!」

 

「えっ?」

 

「何を呆けておる。貴様はヤツとは違い身を弁えておる。故に当然の権利だ。」

 

「特典というと転生ですか?」

 

「む?わかってなかったのか?まあいい。貴様らの転生先はネギまの世界だ。いつに転生するかはランダムだがな!」

 

 

ネギまかぁあんまり覚えてないんだよな。確か続編があったような?

 

 

「言っておくがその世界の原作といわれる知識は持ち込めないからな。」

 

「へー。」

 

「そうですか。そうだ!あの英雄王!」

 

「む?何だ?」

 

「あの気絶している男の特典我々で決めましょう!」

 

「つまり面白くしてやることでいいんだな!」

 

「くっはっはっははは、良いぞ!面白い!考えるか!特典数は三つだ。」

 

「では、俺から一つ目はうっかりスキルです。面白いと思いまして。」

「ふむ。良いぞ!採用だ。」

 

「じゃあ次だな。う~ん。そうだ!ギャグ補正(日常のみ)で。」

「ギャグ補正とは強いではないか?」

 

「だから日常のみだ。日常では何が起きても怪我をしなければ自分は無敵だと勘違いして痛い目にあうからな!」

 

「それはいいな!次は我だな。ふむ。戦闘に関するものがないな。何か強力な物を与えても貴様が決めたうっかりによって台無しになるから安心できるな。ふ~む。」

 

「Fateのスキルというのはどうでしょう?戦闘系のものとかを入れればいいと思いますけど?」

 

「そうだな。特典では物足りない、故に3つ付けよう!」

 

 

提案してみると通った。これは自分もスキル付けよう!まずは気絶している彼のスキルを決めよう。うっかりは別枠だから入れなくても大丈夫。彼の特典スキルしかないな。

 

「では、魔法の世界だ。故に高速詠唱が一つ。次はあの贋作者のスキルを付けよう魔術(投影)だ。」

 

「いいのですか?」

 

「なに面白くしてやるためよ。」

 

「なら起源はどうします?」

 

「それは後で決めよう。次のスキルだ。啓示(笑)だ。」

 

「(笑)?」

 

「しっかりとしたものは伝えない。面白くなることを真剣に伝える。」

 

「それは!」

 

「面白い!」

 

「そして起源だ。それも決めてある。それは!」

 

「ゴク」

 

「ごくん」

 

「盾だ。もちろん盾となるもののみランクはそのままで投影可だ。」

 

「強くね?」

 

「メイン盾か。」

 

「これでいいだろう。」

 

 

彼の特典は決まった瞬間ちょうど目覚めた。

 

 

「もういいだろう。ボッシュート!」

 

「えっ?あ?ああああ~~!」

 

落ちていった。次は俺たちの番だ。よし!言おうと思ったらもう一人が、

 

「俺の番だな!テンプレ通りにネギの弟に転生。魔力とか気とか大気中から際限なく吸収。Fateのスキルを3つ。黄金率C、道具作成EX、陣地作成EXでお願いします!」

 

「よし!聞き届けた。行け!」

 

 

彼の後ろに扉が現れ、彼はそこを通って出ていった。

 

 

「次は貴様だな。特典を述べると良い!」

 

「呪紋の作成。タブー・タトゥーの呪紋みたいなもので。」

 

「待て、イメージを送れ・・・よし!作れた。次はなんだ?」

「神代に転生で。」

 

「ほう!面白い。時代は何処でも良いか?」

 

「はい!」

 

「わかった(ウルクにしておこう。この世界の我のところに送ってやろう。せいぜい振り回されろ!)。次はスキルか?」

 

「はい!圏境A+++、天性の肉体EX、黄金率Aでお願いします。」

 

「よし!では、行け!」

 

 

ん?後ろに何もない。足元にも何もない。上にはUFO。UFOから光が出て俺はキャトられた。




FGO7章ムズくね?


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第2話 転生とウルク

俺は石造りの家の中にいた。姿を見れるものないかな?ちょうど剣があったので磨いて見てみた。銀髪で所々黒の部分がある。目元には目を覆うようにクマがあり、服装は着物に袴。ふと思い顎を掴んでみる。これは!壇狩摩だ。戦神館の狩摩になっていた。

 

 

「俺狩摩かよ!つーか時代違わくねぇ?あっ!口調は変わらない。良かった。記憶とか有んのか?」

 

 

疑問を感じたときこの世界での記憶が流れ込んだ。

俺はこの世界では子ギルと友人になり、大人になった今でも時々息抜きと称して遊び来るようだ。もちろんギルガメッシュいやギルは俺の力について知っているようだ。

俺は簡易の呪紋(特殊能力無し、身体能力上昇)を創って売っているようだ。自分用に創造してあるものは王の財宝のような倉庫を作り出す呪紋に無鍵の呪紋。無鍵の呪紋は現在過去未来4つしか創れない。一つは自分用に創りBBと同じ場所である舌に付けている。もう一つはギルが所持している。取り付ける前の水晶体だが。残り二つはまだ創ってない。

それは置いといて今はエルキドゥが神の呪いで死んだ後のようだ。ここにも二人で遊びに来ていた。俺は楽しかった思い出を思いだし涙ぐんだ。記憶が完全に定着したのか?何かが近づいてくる?

 

 

「おい!シュマ!行くぞ!」

 

 

ギルが入ってきた。あっ!俺の名前なんだがシュマって言うらしい。音読みかよ!

 

 

「おい!ギル。どこにだ?」

 

「不老不死の薬を探しにだ!早く荷物をまとめろ!ぐずぐずするな!」

 

「ああ。わかったよ。」

 

 

ほとんどいるものは空間倉庫の呪紋に入れている。用意と言えば上から旅用のローブを纏って、

 

 

「できたぞ!」

 

「よし!行くぞ!」

 

 

こうして俺達の不老不死の薬の探索が始まった!

ある時は人助け。ある時は魔獣退治。またある時はギルのフォローこれが一番多かったような。

老人を助けしたとき、赤い飲み物を渡され飲んだら年をとるのが止まったりしたけど。

遂に不老不死の薬を見つけた。薬草で二つ有りギルに試しに毒味してみろと言われ煎じて飲む。くそ苦い。そのあとギルがいきなり斬りかかってきて腕を切断した。切断されたうでに光状のものが集まり再び腕となり元通りになった。って、

 

 

「もし違ったらどうするつもりだったんだよ?」

 

「欠損を治す薬など多用に有ろうが馬鹿め!まあ良い。これでこの薬が本物とわかった。」

 

「お前も飲むのか?」

 

「体を清めてからにしよう。」

 

 

そう言ってギルは薬草を掴み、水場に向かった。暫くして帰ってくると薬草を持ってなかった。

 

 

「ギル。薬草持ってないみたいだけど飲んだのか?」

 

「ハッ!あれならそこいらの蛇にくれてやったよ!」

 

「まだ探すか?」

 

「もうよい!帰るぞ!」

 

 

俺達はウルクへ帰還した。そして年月が過ぎギルは寿命で死んだ。死の間際、餞別として宝を一つ渡された。「お前を一人にしてすまん」という一言を残し息を引き取った。

 

俺はギルの死後、ウルクを出て世界を回った。

 

神々が地上から離れるなか地上に残った唯一の神として。



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第3話 ブリテンと出会い

今俺はブリテンにいる。最近、王妃と湖の騎士の話をよく聞く。因みにそのヒトヅマニアは今でも俺の前にいる。このブリテンにいる間にマーリンの友人になり円卓の騎士たちと顔見知り程度には知り合いだ。

 

 

「で?何で来たんだ?俺とお前あんまり接点ないだろう?」

 

「ここしかないのです!城では気まずいし、魔術師どのは何か胡散臭いし、落ち着けると言えばここしかないのです!」

 

「つーか。相談ならお前と同じヒトヅマニアであるトリスタンの所に行ったらどうだ?」

 

「彼は任務で今出ているので。それよりヒトヅマニアはやめてくれません?」

 

「そうか。事実だろ!ほら!これ食って早く出ていけ!」

 

 

そういって俺は簡単な菓子類を渡した。何故かこのヒトヅマニアは旨そうに食っていたが。彼が出ていって数日後、王妃と湖の騎士は国から追放された。

 

 

「あの~。」

 

「すまん。今作業中だ。少々待ってくれ!・・・でなんだ?」

 

「いえ、ランスロット卿が出ていく前にここで食べた菓子がおいしかったと言っていましたので気になって来ました。最近忙しく甘味でもいただけたらと思いまして。」

 

「あんた。明らかに疲れているって感じだしな。わかった。さっき作っていたのでよければほらよ!」

 

 

彼の前に羊羮を出した。

 

 

「これは?」

 

「いいから食べろ!」

 

「では!」

 

 

何かわからないらしく戸惑っていたが食べるように催促するとしぶしぶ口に入れた。

 

 

「うっ!美味い!あのこれで売っていただけますか?」

 

 

何か材料費の10倍ほどで大量に買い取って行った。因みにこの騎士ベディヴィエールというらしい。後日聞いたところ、政務をしている騎士や王と共に食べたらしい。それからちょくちょく買いに来る。そして暫く立ったある日、

 

 

「ここか?」

 

「はい。王よ。」

 

 

誰か来たようだ。そこにはベディヴィエールと少女がいた。髪型がにていたので、

 

 

「ベディヴィエールどうした?ん?そちらは妹さん?」

 

「いえ、こちらは我が王アーサーです。」

 

「紹介に預かったアーサーです。貴公が作った菓子はよくいだだいている。その菓子について感謝をと思ってな!」

 

「シュマさん?荷造りなどしてどうしたんです?」

 

「ああ、また旅に出ようかなと思ってな。元々旅をしていて一時ここに滞在して出ようと思っていたがちょっと長くいたからな。そろそろ出ようかと。」

 

「待ってく「待ってくれ!つまり貴公の菓子を食べれなくなると?」王?」

 

「そうなるが。」

 

「それは困る!なんなら城で雇おう。」

 

「仕える気はないんだけど。」

 

「王?確かに惜しいですけど引き留めるよりはまた来てくれるように頼む方がよろしいかと。」

 

「すまないがこちらに来てくれるか?」

 

 

アーサーに手を引かれ、

 

 

「私は女だ。」

 

「へー。」

 

「あまり驚いてないな。何故だ?」

 

「男装とかしてると言われても男はドレスを着ないし格好自体女じゃん。」

 

「えっ?」

 

「気づいてなかったのか?」

 

「これはマーリンが!ハッ!アイツ~!」

 

「で何をしたかったんだ?」

 

「秘密を共有で縛りたかった。けどあの私はどう思う?」

 

「何が?」

 

「女としてどう思う?」

 

「成長して出直せ!」

 

 

何かはっきり言ってやったら、

 

 

「成長したら貰ってもらいます。覚悟してください!」

 

 

そして彼女はベディヴィエールを伴って出ていった。彼女は自分が女であることを公表。成長するために成長するまで聖槍を主武装として使い始めた。

 

 

何年か経ち湖の精霊のいる湖の近くに二人の騎士がいるのが見えた。近くと、

 

 

「何奴?」

 

「お!ベディヴィエールじゃねぇか。久しぶり!」

 

「なんだシュマですか。お久しぶりです。」

 

「シュマだと!」

 

 

ベディヴィエールの隣にいた美女がこっちを向きつつ叫んだ。

 

 

「ベディヴィエール。この美人は誰だ?」

 

「この方は・・・」

 

「私だ。アーサーだ。しかし美人か。これは気があると言うことか?」

 

「えっ?マジで?変わりすぎだろ!」

 

「くっ!だが私はここで・・・終わりだろう。悔しいな。」

 

「王よ!」

 

「あ~!盛り上がっているところ悪いんだが、ギルからもらったものにこんなものがあるんだが?」

 

「それは?」

 

「これは勇義の魂具。ギルのやつが不老不死の俺のために用意した宝具だ。」

 

「シュマ。貴方不老不死だったのですか?」

 

「そうだがこれは英雄となったものが英霊の座へ召し上がられるとき英霊の座とは別に俺と勇義を交わしたやつの擬似的な座として登録するものだ。まあ、これがあれば共にいることは可能だがどうする?」

 

「やるに決まっている!」

 

「王よ。では私も。」

 

 

そして宝具に彼女らの魂を登録した。彼女は聖剣は返還した。この長き生に二人の連れが誕生した瞬間だった。



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第4話 神祖の槍と聖地

これで書留は終わりです。


そして俺は世界をそれぞれの時代を巡った。基本ランダムに回ってたのでイベント的な物があっても行くことができなかった。日本にいるとき、

 

 

『あ~!旅中失礼!』

 

「英雄王?」

 

『ギルで良いぞ!こちらの我の記憶も統合しているからな!』

 

「じゃあギル何かようか?」

 

『貴様は覚えてないだろうがこの世界に必要なものが現れる要因がなくなった。故に今送るこの地に木を植えてくれ!』

 

 

ギルの要請で跳んだ。

 

 

『そこにマーキングしておいた。マークの有るとこに木を植えてくれ!』

 

 

ちょっと先にマークしてあるところがあったので、真ん中に旅中でもらった槍をぶっ指した。そこから大樹が生え、成長しかなりの巨木となった。

 

 

『そこには貴様の神殿を建て、定期的に信者どもの願いを叶えろ。旅をしたいなら定期的に帰ればなんの問題もない。その地周辺の者達には貴様がこの地上に残った最後の神だと神託しておいた。』

 

 

ギルが言っていた通り神殿を造るとこの地の人間が神殿に参りに来た。陰陽師の集団が来て、

 

 

「神よ!我々に加護をいただけますか?」

 

 

何をすればいいだろうか?やはり呪紋を与えるべきか。ならどんな呪紋を創る?相手は陰陽師=術師近接等は苦手だろう。そうだ!神となったときに使えるようになった地球の記憶の呪紋を渡そう。トリガーは気、能力はランダムでいいか。この呪紋は遺伝として残る用にしてっよし!

 

 

「陰陽師達よ!我が加護を与えよう!」

 

「おお!感謝します。」

 

 

俺は呪紋を陰陽師達へ送った。彼らは歓喜し何度も頭を下げている。彼らにこの力は子孫まで遺伝すると伝えると、泣きながら感謝してきた。そうして彼らや彼らの子孫との交流が始まったのだ。彼らの中の一部をこの地の守り手と選び、代々この地を守ってもらった。妖怪の一部は酒や食べ物でこちらに下った者もいる。

 

それから数百年が経った。そしてこの地も陰陽師だけでなく海外の魔術師達も神秘の研究やってくるほど神秘を扱うもの達にとっての聖地となった。ある時、ローブを来た集団がこの土地に向かっているのを確認した。故に陰陽師や魔術師達を集めた。彼らの前に立ち、

 

 

「現在この地に向かって進行している者達がいる。お前達何か知っているか?」

 

「は!我が神よ!それは異界より来た自称魔法使い供だと思われます。」

 

「魔法使いだと!ならばそんなに多くいるのか!」

 

 

魔術師達が答え、陰陽師達が反応した。それに魔術師達が、

 

 

「自称と言っただろ。根源に何も関係ない。奴等が使っているのは精霊魔術だ!魔法と名乗っている自体で我等にとっては腹立たしいがな!」

 

「そうか。奴等が我々の聖地を汚すというなら我等は徹底抗戦に入るべきだ!神よ!貴方の友にこの戦でてもらえませんか?」

 

「良いが。自主的に行きたい者だけだぞ。」

 

「ええ。それで構いません。」

 

「でなんだ?行きたいものはおるか?第一戦は蹂躙すべきだが?」

 

 

霊基たちへ呼び掛ける。すると、

 

 

「余が行こう。我らの威光がわからぬ愚か者達に裁きを与えよう!」

 

「ファラオであるお前が行くのか。我らの信奉者達よ!この者の下に付き、奴等が侵略者ならここを攻めたことを後悔させるのだ!」

 

「「は!」」

 

 

そして土地の内と外との境界線

 

 

「止まれ!汝ら何故ここに参った!」

 

「我々はメガロ・メセンブリアの者である!この地を明け渡せ!」

 

「この地は我等にとっては聖地、貴様達のような見ず知らずの蛮賊風情に渡すわけにはいかん!」

 

「もう一度勧告する!我々はメガロ・メセンブリアの者である。速やかにこの地を明け渡せ!」

 

 

蛮賊どもがふざけたことを言っている。

 

 

「明け渡さないのなら奪うまで!かかれ!」

 

「うおおおー!」

 

 

蛮賊どもが向かってきた。すると、我らの後から、

 

 

「貴様ら下がれ!この愚か者には余が裁きを降そう!」

 

「オジマンディアス様!」

 

「出でよ!我が僕!熱砂の獅身獣(アブホル・スフィンクス)

 

 

一瞬のうちに彼らの前には8体のスフィンクスが鎮座していた。自称魔法使い供は一瞬怯んだが、

 

 

「見せかけだ!食らえ!雷の暴風!」

 

 

彼らの精霊魔術が一体のスフィンクスに当たり首を吹き飛ばした。

 

 

「ほら見ろ!あんな脆い物、我らの的ではないは!」

 

「隊長あれ!」

 

「ん?なんだ?・・・何?何故だ?何故頭がある。先ほど吹き飛ばした筈だ!ならばもう一度食らえ!」

 

 

彼はスフィンクスに向けて同じ精霊魔術を放った。先ほどと同じように頭部を吹き飛ばしたが数秒後には再生し完全な状態で佇んでいた。

 

 

「やれ!」

 

 

オジマンディアスの号令で8体もスフィンクスが精霊魔術師に向けて襲いかかった。彼らにとってスフィンクスは不滅の化け物だ。恐怖で戦線は総崩れし、逃亡者も出た。逃亡者は彼らを包囲するように陣取っていた魔術師や陰陽師達によって捕縛、捕虜とかした。彼はこの地の主であるシュマのもとへ連れていかれた。

 

 

「貴様ら我が地での暴責、許されるものではないぞ!」

 

「ハッ!貴様こそ我が国に逆らったんだ。指名手配になるに決まっている。今のうちに降参しろ!」

 

「こやつらは何を言っている?そこの!」

 

「は!」

 

俺は近くの魔術師を呼び止め!

 

 

「各国の王や指導者に通達しろ!このようなもの達が動きを見せたら捕らえるようにとな!」

 

「御心のままに!我が神よ!」

 

「また、こやつらは神秘の秘匿について行おうとしてない。故にこの地に滞在している聖堂教会の者達へ引き渡せ!」

「御意!」

 

「おい!貴様!何を勝手に!」

 

「連れていけ!」

 

 

魔術師が捕虜達を連れていき一人になったので神殿の奥へと戻った。ここは一般者や魔術師、陰陽師も入ることは赦されない場所だ。

 

 

「くあ~!疲れた~!なんだよ!アイツら、異界より来たのに向こうの法がこっちでも使えるみたいに思い込んでよ~!」

 

「ハッハッハ!何事も蛮賊とはそういうとものだろう!余の神獣に蹂躙されても尚あの様に吠えていられるとは道化としては良いものよ!」

 

「では!次来たときは私の軍で返り討ちにして見せますとも!あのような弱卒我がスパルタの兵相手には一般人と変わりません。」

 

「主殿、主殿。先ほどの奴等の首取ってきましょうか?」

 

「その通りだなレオニダス、次は頼む。あと牛若丸、首は今はいい。」

 

「任せてください!」

 

「そうですか。」

 

「他の奴等はどうしてる?」

 

「余は知らんが。」

 

「私も。」

 

「では!私から説明しましょう!アルトリア殿とベディヴィエール殿は陰陽師達小飼の神鳴流剣士の調練に!ヴラド三世殿は町の女達に刺繍の稽古をつけに出ています。そしてサンソン殿は捕虜内の少女のうなじをじっと眺めていました。」

 

「サンソン以外はよくやっているな。しかし諜報面での担当者が必要だな。」

 

「確かにそうだな!英霊を召喚してお前の宝に繋げておけばよいだろう!となると必要なのは聖遺物か。」

 

 

家に居るものでアサシン適正があるのはサンソンだがアイツ諜報に向いてないからな!

 

 

「それはおいおい考えるとして飲むか!」

 

「今はいいか!余にも寄越せ!」

 

「「私も!」」

 

 

こうして宴会が始まり、それぞれの用事が終わったアルトリア、ベディヴィエール、ヴラド三世も帰ってきて宴会に加わり騒いだ。

余談だがサンソンが帰ってきた時には全員寝静まっていた。




疲れた。


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第5話 再来の蛮賊と輝槍

思いつき投稿


その日は朝から騒がしかった。俺は神殿の奥から謁見する場所まで出てきた。

 

 

「貴様らどうした?騒がしいぞ!」

 

「おおう!神よ!先日の蛮賊の仲間が捕虜の返還とこの地を明け渡すように言って攻めてきました。今レオニダス様が押さえてますが向こうは無差別に精霊魔術を撃ってきてるのでちょっと回りに被害がいっています。」

 

「そうか。牛若丸!」

 

「は!」

 

 

牛若丸を呼ぶと直ぐ様参上した。

 

 

「主殿!首ですか?首を取ってくればよろしいですか?」

 

「いや、向こうの隊長のみ拉致してこい!残りはアルトリア!一掃してくれ!」

 

「いいんですか?私の攻撃は広範囲に影響が出ますが?」

 

「この樹は元は神祖の槍だ。植物操作の力はある。これで相殺するように樹木を生やそう!勿論威力は抑えてくれよ!」

 

「わかりました!では!行ってきます。」

 

「私も行ってきます!」

 

 

二人が出ていった後、陰陽師達に

 

 

「貴様らの中で結界系の呪紋の使い手はいかほどいる?」

 

「は!10人でございます!」

 

「では、その10人で我が用意する樹木の外側を覆う様に結界を張れ!」

 

「あなた様の物だけで充分ではないですか?」

 

「樹からの破片は抑えられないからな!」

 

「そうですか。では、そのように。失礼します。」

 

 

それでは向こう側はどうなってんのかな?

 

 

「はは!ぬるい、ぬるいですぞ。貴様らこの程度の攻勢でここを攻めようと考えましたな!」

 

「何だこいつら?攻め始めてもう長くなるので何故疲れてない!我等はもう限界なのに!」

 

「隊長!魔力が尽きそうです!」

 

「ええい!気合いで何とかしろ!」

 

「貴様ら敵なのにいいことを言いますね!その通り全ては気合いでなんとかなる。疲れた?動けない?ならば気合いを入れろ!さすればなんとかなる!ハハハハ!」

 

「そこまでは出来るか!何だこいつは!」

 

「隊長!後ろに少女が!」

 

「何?何だ!貴様!」

 

「主殿の命だ!貴殿も共に来てもらおう!」

 

 

一瞬で隊長と呼ばれた男は連れ去られた。

 

 

「おい!隊長がいない。我々はこれからどうすれば?」

 

「何を言っている?こやつらを滅ぼせばいいだろうが!」

 

「しかし!やはり攻撃したのは悪かったのでは?」

 

「我等は正義の魔法使いだぞ!あの魔力に満ちた大樹を独占している奴等を倒すべきだ!」

 

「ですが!このようなこと立派な魔法使いにふさわしくありません!」

 

「貴様我らを侮辱するか!」

 

「何故複数になるんです!それに旧世界は我らの世界ではないのですよ!」

 

「くどい!そもそも・・・」

 

「待て!そこの者達投降しろ!さすれば命まではとらぬ!」

 

 

彼らの前には白馬に乗り鎧に身を固め獅子の仮面を被った獅子王スタイルのアルトリアがいた。先ほどの言い争っていた、戦いに消極的だった者やそれに賛同する者達は杖を捨て投降してきた。だが傲慢な性格の者達は杖をこちらに向け、

 

 

「貴様ら!それでも正義の魔法使いか!悪に屈して何がある!それに我々の世界に劣る未開人どもに頭を下げる必要がどこにある?」

 

「貴様らそこまで堕ちた存在だったのか!ならば消えよ!レオニダス!捕虜供と兵を連れ下がれ!」

 

「了解です!」

 

 

アルトリアは槍を構えた。

 

 

「ハッ!そんな槍ひとつで我らの相手をするつもりか?ハッハッハ馬鹿め!」

 

『アルトリアか?周囲に結界を張った。樹木による防壁が完成後放て!』

 

『わかりました!』

 

「何だ!何が起きている!」

 

 

彼らの回りに樹木による壁が出来彼らを包囲した。

 

 

「最果てより光を放て……其は空を裂き、地を繋ぐ! 嵐の錨! 」

 

「何だ!何が起こっている!魔法ではない。あり得ない!魔法以外でこんなこと出来るわけがない!」

 

最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)!」

 

 

空へ飛び上がり上空から蛮賊共に槍を向け突撃する様は神からの裁きのように見え、投降した者達は自らが何をしてしまったのかと震え恐怖した。

 

 

「何だ!うあ、あぁぁぁ~!」

 

 

情けない悲鳴と共に彼らの生は幕を閉じた。

 

 

それから、捕虜となった者達は先日の者達と違い。おとなしく我らの問いに答えた。隊長と呼ばれたものは騒がしがったため牢に繋いでおいたが。

彼らの目的は大樹であった。俺がこの大樹の持ち主だと知るとこの土地を譲ってほしい問いに頭を下げてきた。説明ついでに大樹を槍に戻したとき唖然としていた。それもそのはずあのような巨木が手で持てるほど槍になるなど彼らの魔法では出来ないからである。この槍が神祖ロムルスから譲られたものであり、譲られた本人つまり俺しか使えないことを知り大樹に関しては諦めるしかないことをわかってもらった。

そこで代替案として土地の一部を貸し出すことにした。詳しい約定は後程決めるがおおざっぱにいくつか決めた。それが、

 

一つ、この地の所有者に対しての攻撃を加えたものはそちらの代表の意思に関係なく処罰する権限はこちらが持つ。

 

一つ、この地の魔術師及び陰陽師達は立場的にそちらの者達よりも上である。

 

一つ、我らの領域内にそちらの代表者以外が入ることを禁ず。

 

一つ、貸し出した土地に何かをたてる場合は我々の審議を招いてからにする。

 

一つ、我々のことを指名手配などしたらこの地球より貴様らの息のかかったものを老若男女問わず追い出す。

 

 

まずこれらのことをセルフ・ギアス・ロールを魔改造したものに記し記名してもらった。

これは彼らが彼らの国の名前を出したことで地上ではこれに遵守しなければいけなくなるものだ。土地の借用などの金額は魔術師や陰陽師に任せ、貸し出す土地の場所を決めるか。この地は本土側は凸のような形をしている。どちらかと会えば△の形の方が正しいが海の方は楕円状だが。大樹は楕円状の土地の中心に今はそびえ立っている。こういうとき持ち運び出来てよかったと思える。でだ、本土側を貸そうと思っている。配下のものや仲間達にも意見を求めたがそれでいいとお墨付きをもらった。

故に本土側を貸し出すことを向こう側に伝えた。彼らが本国に帰るとき、

 

 

「君たちが精霊魔術を人前で使ったりすれば神秘の秘匿を守る聖堂教会に討伐対象になるだろう。気を付けたまえ!」

 

 

と、忠告しておいた。どれぐらいの者が守るかわからないが命が惜しければやらないだろう。それが、本当に使わなければ助けられないから使ったのであれば一度だけならかばってやろうと思ったがまぁ、どうなるのかは彼ら次第だ。




諜報キャラどうしよう。


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第6話 神秘は秘匿すべき

世界観とか?


あれから数十年の月日がたった。

貸し与えた本土側の土地は麻帆良と呼ばれ巨大な学園都市となっていた。だが未だに全てが作られているわけでなく未完のものもまだ多数とある。

我々の領域と貸地の中間には我々に仕える魔術師達や陰陽師達の拠点が幾つかある。拠点は連なっているわけでなく。数㎞毎に配置してあり、本土側の者達を拒むように出来ている。我々の領域は魔術師の総本山である。魔術協会より派遣してきた者が教える学校のようなものがある。ここは魔術師だけでなく陰陽師達の技術を学び己が魔術を完成させる切っ掛けを作れればいいをコンセプトに作られている。しかも、ここは自称正義の魔法使い以外は拒まない。故に封印指定となった者達も数多く存在する。ここに所属している間は執行者に襲われることはないため、ここにずっと所属するものもいる。封印指定者の最後の逃げ先となっている。

神殿に向こう側の代表者が来たようだ。俺達は奥から見ている。

 

 

「魔法使・・・失礼。精霊魔術師代表の者じゃ。今日は頼みがあって参った。学園の防衛のために人員を貸してほしいのじゃ!」

 

「貴様!ここを何だと思っている!ここは!お前達の下部組織ではない!そのような話持ってくるではないわ!」

 

「じゃから、頼みだと言うてるではないか?数人借りるだけでいいのだぞ!関西からの襲撃なのだから仕方無いじゃろ。儂ら関東魔法協会とは敵対してるのじゃから!」

 

「それは貴様らだけだろ?それに日本の裏組織は我らの配下だ!仲が悪いのは貴様ら部外者だけだろ!追放しないだけましだと思え!」

 

 

こいつら変わらないな。どんなやつも無意識にこちらを見下してやがる。本人はその気がなくとも教育の過程で自分はの方が上だと認識しているからな。人員か。向こうに監視を送るということならいいだろうが懐柔されないやつらがいい。俺の狂信者でも送るか!

 

 

『聞こえるか?』

 

『ええ。何でしょうか?我が神よ!』

 

『聖堂教会の奴等を監視と神秘の秘匿(物理)ということで送ろうと思う。あの者共は秘匿がなっていない故に向こうにも支部をつくる。よいな?』

 

『は!御心のままに!』「貴様。我が神が人員を送ると!」

「おおう!」

 

「だが苦情は受け付けない。後日拠点の制作と共に人員を送ろう!」

 

「ありがとうございます!」

 

 

これでよいだろう。人員は送る。だが言うことを聞くかは向こうの出方次第だな。出方がどうであろうと聞かないかもしれないが、いや聞かない可能性の方が大きいな。まぁこれで少しは秘匿について改善されるだろう。物理的に。

 

 

 

そして、

 

 

「今日よりこの地に配属になった。聖堂教会の者です。我々は我々の教義に従い、悪し者達に鉄槌を行いたい所存です。」

 

 

待て!聖堂教会!何て者を!送ってくるのじゃ!魔法使い達に軽々しく魔法は使わぬように厳命しなければ命が危ない。

 

 

「我々は土地の所有者に雇われた身です。規則に忠実にこの業務を行いたいと思っています!」

 

「これからは同僚だ。そんな固いこと言わずこれからよろしく!」

 

 

お主達!何をしている?

 

 

「同僚?我々は土地所有者側に所属している身で貴方達の上司に当たります。あなた方も神秘の秘匿を守らなければ討伐対象になります。故に馴れ合うつもりは有りません!それでは、今日のところはこれにて失礼します!」

 

 

やはりか!彼らが来た以上地球の裏組織についてもっとしっかり話した方がいいだろう!

 

 

「お主達!はらはらさせんでくれ。肝を冷やしたぞ!」

 

「学園長!あの者達の態度は何なんです!悪を挫く正義の魔法使いらしくないです!」

 

「あの者達についてはしっかり話す必要がある。君はこの国の裏組織について知っていることを述べよ!」

 

「我々、関東魔法協会と陰陽師どもの関西呪術協会ですよね?」

 

「魔法世界より来たものについての認識はそうだ。だがこの世界生まれの者達には違う。」

 

「それは?」

 

「まずこの世界の主な組織のみ言おう。神話の時代より転々と血筋と共に受け継がれてきた魔術を使う魔術師達の総本山である魔術協会。神の教えにより異端を排除してきた聖堂教会。この日本を古代より守ってきた陰陽師達による神祇省。他にも存在するが我々が理解するべきなのはこれぐらいじゃ!」

 

「つまり彼らは異端を狩るものだと?それなら私たちに何の関係が?」

 

「この地球において我々の使う魔法は異端ということじゃ。正確には魔法という呼び名を使い続けている限り襲われるじゃろう!」

 

「魔法を魔法と言って何が悪いんですか?!」

 

「彼らのいう魔法の定義が我々と異なるからじゃ!彼らのいう魔法とは既存の術では再現不可能なものを指す。我々か使うのはただの精霊魔術ということじゃ。話がそれたな!この国の裏組織は一つ神祇省のみ我々が関西呪術協会と読んでいるのはそれの実行部隊のようなものじゃ。神祇省はこの国の機関であり政府公認の組織じゃ。」

 

「それでは我々の関東魔法協会とは何なんですか?」

 

 

ちゃんと気づいたな!良かった。盲目過ぎると死にかねないからな。

 

 

「それはの、ハリボテのようなものじゃ。我々はこの地では、否この星では完全な部外者じゃから形だけそうあっているだけなのだ。そしてあの大樹側の土地にいるものを陰陽師、魔術師達の他に聖堂教会の面々も崇めている。」

 

「その者は何者なんです?」

 

「神話の時代より神が人間から離れていくなか最後まで地上に残った唯一の神よ!」

 

「神なんているはずがありません!神なんて名乗るものは退治するべきです!」

 

「お主!先ほどの彼らに聞かれていたら殺されても文句は言えんぞ!間違っても害そうなど思い行動してはならんぞ!行動に写せば我々は命の保証など出来んぞ!先ほど言ったことを忘れたか?我々にはそうでなくとも彼らにとっては崇める対象なのだぞ!そんなものを害したとなれば我々はこの星の裏組織全てに終われる立場になるのだぞ!そうなればこの星にいることが出来なくなる。こちらに属している限りこの星出身の者もじゃ!そやつらに家族と離ればなれにさせると!お主は!そういいたいのか?」

 

「わ、わたしはそ、そこまでは!」

 

「以後、気を付けること!良いな?」

 

「「「は、」」」

 

 

この都市が出来始め、最初のうちは規律に沿った行動が出来る者が多かったがやはり時間が経つにしたがって組織の腐敗が目立つようになった。それに伴って神秘の秘匿についても緩くなる。そしてこのたび聖堂教会によってのお仕置き(死ぬかはその人の行動次第)によって立て直すことが繰り返された。




FGOやっとバビロニア終わった。


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戦争と盾と紅き翼
第7話 鳥頭との出会い(メイン盾)


他転生者登場


今、俺は麻帆良に向かっている。転生して原作知識は無くなったが物語の舞台である地は覚えていた。転生のとき、意識を途中で失い目覚めると穴に落とされ転生した。

転生したら赤ん坊だったのは驚いた。それはさておき、ある程度十分に話し動けるようになったときだ。何か特典がついているか確認しようとした。今俺はガキだ。だから技とか叫んでも微笑ましく見られるだけで痛々しく見られるわけでもない。では行くぞ、

 

 

「ゲート・オブ・バビロン!」

 

 

何も起きない!

 

 

「か~め~は~め~は!」

 

 

何も起きない!

 

 

「テンプレなものといったら投影か?投影開始!」

 

 

何も起きない!何だ!イメージが足りないのか!あっ!俺、何も考えてなかったわ!イメージ、イメージ、イメージ。良し!投影開始!

 

 

「カラドボルグ!」

 

 

何も起きない!まだまだ!

 

 

「フルンディング!」

 

 

何も起きない!くそぉ!

 

 

「ロー・アイアス!」

 

 

七つの花弁のある花のような盾が展開された!

 

 

「おお!やった!なら外見だけでいい。こぉい!」

 

 

手を挙げ叫んだ。すると空中に光と共に無駄に装飾が凝っている剣が出来あがった。上手く落ちてくる剣をキャッチ出来たが思ったより重く地面に落としてしまった。ガッシャーンという音と共に砕け散った。

 

 

「脆い!」

 

 

その後何度か試行錯誤した結果、俺の投影は盾以外はガラスよりも脆いということがわかった。練習するも盾以外は上達しない。どんどん防御力が上がっているように感じる。攻撃力が欲しい!

それからある程度一人でいろんな所をまわれる歳になってから麻帆良に向かっている。それから、

 

 

「着いたか!でも何か真新しい建物が多いな。何かイメージと違うような?・・・イテッ!」

 

 

考えながら歩いていたら角から出てきた誰かにぶつかったようだ。これは!テンプレ?的なことか!だが、現実とは非情だった。ぶつかったのは男だったからだ。

 

 

「イッテー!誰だよ!てめぇかぁ!」

 

 

男は殴りかかってきた。俺は無意識に鍋の蓋を投影し、防いだ!鍋の蓋はRPGでもある立派な盾だ。

 

 

「おい!何をやっている!ナギ!」

 

「おお!詠春か!こいつ俺の拳を鍋の蓋で防ぎやがったぞ!」

 

「何をバカなことを!ん?んん???マジか!」

 

「どうしましたか?二人とも?」

 

「彼がナギの攻撃を鍋の蓋で防いだんです。」

 

「それは本当ですか?なら、とても興味深いですね!」

 

 

なんか人が増えた。これは分が悪いと思い俺は離れようとしたがなんか俺のことを見つめる男(ホモ?)に回り込まれた。

 

 

「待ってください!貴方に興味があるんです!」

 

 

やはり!こいつはホモだ。逃げなければヤられる!逃走用、移動用、船にもなる盾、盾なら真名解放できる!

 

 

「逃げてやる!」

 

 

俺は海に繋がる水路に向けて走り去った。

 

 

「ナギ!彼を捕まえてください!」

 

「おっしゃあ!了解!」

 

 

あの鳥頭もホモの手下だったのか!ヤバイぞ!だが水路まであと少し!良し!俺は水路に跳んだ。

 

 

「行くぜ相棒!逆巻く波濤を制する王様気分(プリドゥエン・チューブライディング)!」

 

 

盾をサーフボードにして水路を駆け海に向かって逃げようとした。がホモの手下らしき剣士に水面を斬るという荒業で止められた。ホモがやって来た。

 

 

「くそぅ!掘られてたまるかぁ!」

 

「こいつは何をいってんだ?」

 

「アル?」

 

「フフフ。」

 

「ヒィ!」

 

「心配しなくても私が好きなのは幼い女の子です。」

 

「ロリコン!」

 

「ええ!そうですよ!」

 

「良かった!掘られるかと思った!」

 

「良くないですよ!アルも自分の性癖をこんな往来で暴露するのも止めてください。」

 

「ハハハ、詠春はムッツリですからね!」

 

 

色々と暴露があったが自分の身が守れただけで良かった。三人の中で一番小さい鳥頭が来て、

 

 

「なぁお前!俺と勝負しろ!」

 

「では!私が結界を!ですがここでは大変なことになるので戦闘可能区域に行きましょう!」

 

「おい!」

 

「あ~。すまんな?こいつら話し聞かなくて。」

 

 

そのまま戦闘場所へ連れていかれた。

 

 

「それでは始めます。二人とも相手が戦闘不能もしくは降参を宣言すれば勝ちです。それでは始め!」

 

「俺受けるって言ってないのに!」

 

「おっしゃあ!行くぜ!」

 

 

鳥頭いや、ナギは分身しながら向かってきた。俺はマシュが使っていたギャラハッドの盾を投影し、ナギをぶっ叩いた!運良く本体にぶつかったようで、

 

 

「グェ!」

 

 

と奇声を放ちながら飛んでいった。だがすぐに戻ってきて、

 

 

「つーか!てめぇ!どこにそんなでかいもの隠し持っていた!もしかして宝具(アーティファクト)かぁ?」

 

「良くわかったな!宝具(ノーブル・ファンタズム)について詳しいのか?」

 

「んなもの知るか!えーと・・・」

 

 

何かメモ帳らしき物を取りだし読み始めた。アイツの回りに魔力が渦巻いている。これは!危険だ。

 

 

「其は全ての疵、全ての怨恨を癒す我らが故郷・・・」

 

「彼は何をするつもりなのですかな?詠春わかります?」

 

「いや、アーティファクトならアルの方が詳しいと思うが?」

 

「いえ、あれはアーティファクトではありません!」

 

「だが彼は宝具と!」

 

「宝具=アーティファクトではないということなんでしょう!本当に興味深いですね!」

 

 

ナギは此方に杖を向けて叫んだ!

 

 

「行くぜ!千の雷!」

 

「顕現せよ!いまは遙か理想の城(ロード・キャメロット)!」

 

 

俺の後ろに巨大な城塞が展開し、その頑強さが俺を包み込んだ!さらにバリアのようなものが展開し、ナギの魔法を防ぎきった!

 

 

「おおう!スゲェ!お前なんだ今のは!なあなあ!」

 

「戦闘はいいのですか?」

 

「おう!んなことより今のが知りてぇ!」

 

「それについては私も同感ですが、貴方も戦闘はいいのですか?」

 

「俺元々受けるとは言ってないし。」

 

「えっ?そうでしたか?」

 

「はぁ、お前達二人ともやる気で聞いてなかっただろうが!」

 

「まあそんなことより今のは何ですか?」

 

「そうだ!聞かせろよ!」

 

「宝具だよ!さっき知っているって言ってただろ!」

 

「いえ、私たちの知っているものと異なるので教えていただけますか?」

 

 

俺は彼らに宝具についての説明をした。

 

 

「つまり貴方は伝説上の武具を使えると?」

 

「まぁ、盾だけならな!」

 

「なぁ!お前俺の仲間になれよ!」

 

「はぁ!?いきなり何だよ!」

 

「これから魔法世界行くんだが、仲間が欲しくてな!一緒に冒険しようぜ!」

 

「冒険かぁ、良いぜ!」

 

「おっしゃあ!これからよろしくな!俺はナギ・スプリングフィールド。」

 

「私はアルビレオ・イマです。よろしく。」

 

「俺は近衛詠春。よろしく。で君は?」

 

 

そして俺の名を名乗るときが来た。初めて名乗る気がする。まあいい、

 

 

「俺はイアン・ジャゴーダ。こちらこそよろしく!」

 

「イアンか?よろしくな!」

 

 

こうして俺は後に紅き翼と呼ばれるナギパーティーに入ったのである。

 

 

「本当にお前が入っての良かった。俺は剣士、アルとナギは魔法使いだが前に出る。攻撃面だけしかいなかったから防御面のお前が入って本当に良かった!」

 

「大袈裟ですね?私も支援はしますよ?」

 

「お前達はその場のノリで動くだろ!」

 

「「ええ(ああ)」」

 

「だからだよ!」

 



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第8話 盾祭り(メイン盾)

盾って思ったよりチートだったわ!


俺はナギ達と冒険した。共に賞金首を倒したりした。でも!何で!

 

 

「戦争なんかやってんだよ!」

 

「おい!叫んでないで手伝え!」

 

 

何故こうなったかわからない。賞金首を狩っていくにつれて俺たちの名が売れていった。そしてメガロメセンブリアのお偉いさんに呼ばれたと思ったら、いつの間にか戦争参加。

 

 

「ああ!くそぉ!投影開始、来い!ミラーシールド、シークレットライトメタルシールド!」

 

 

俺は左腕にミラーシールド、右腕にシークレットライトメタルシールドを着けた。ミラーシールドはドラクエのもので魔法を跳ね返すものであり、シークレットライトメタルシールドは右腕専用装備で隠し機能が着いている。

 

 

「敵軍!最上級魔法発動を確認!イアン殿!」

 

「ああ!了解。」

 

 

俺は左腕のミラーシールドを構え、

 

 

「起動しろ!ミラーシールド!」

 

 

ミラーシールドの効果が発動し敵の魔法を跳ね返した。

 

 

「おおう!やっぱスゲェな!お前の盾。俺も使ってみてぇ!」

 

「お前は魔法撃つだけだろ。使うことないじゃないか!」

 

「ナギに盾は似合いませんからね!」

 

「皆さん!鬼神兵が来ます!」

 

「俺に任せろ!えーとマンマンテロテロ・・・」

 

 

ナギが詠唱しているがアンチョコみながら唱えているのは格好がつかない。

 

 

「食らえ!千の雷!」

 

 

ナギの魔法が鬼神兵に当た・・・掻き消された。

 

 

「魔法が消される!」

 

「ちっ!」

 

 

魔法が消されるなら俺は右腕のシークレットライトメタルシールドの隠し機能を発動させた。

 

 

「変形!」

 

「え?」

 

 

シークレットライトメタルシールドが展開し小型の狩弓になった。これがシークレットアナザーボウだ。盾が変形したことでナギがキラキラした目でこっちを見ていたが無視だ!戦闘に出る前に職人に作ってもらった。特殊な矢を取りだし構えた。シークレットアナザーボウのスコープを覗き!鬼神兵を操っているものらしきのを矢で撃ち抜いた!だが、鬼神兵は制御を逃れ暴れ始めた。

 

 

「おい!魔法は効かねえから止められんぞ!」

 

「心配するな!」

 

 

俺はミラーシールドとシークレットアナザーボウを霧散させ、新たに盾を投影した。

 

 

「来たれ!聖盾イージス!」

 

「イージス!ギリシャ神話の?!」

 

「違うが?だが!この盾の力を見るがいい!」

 

 

俺は盾を鬼神兵の方向へ構え叫んだ。

 

 

「ファイナル・エリシオン!」

 

 

聖盾イージスよりビームが発射され、鬼神兵を打ち砕いた。

 

 

「って!何で魔法が消えねぇんだよ!」

 

「魔法じゃないからな!ビームだ!」

 

「おい!今度は複数の戦艦が来たぞ!」

 

「くっくっく!なら次は!」

 

 

聖盾イージスを霧散させ、今度は聖盾イージスの色違いの魔盾ゴーゴンを投影した。

 

 

「色が違うがまたビームか?」

「いいから見てな!食らえ!ジュデッカ・プリズン!」

 

 

今度は魔盾ゴーゴンより暗黒の波動が放たれ戦艦を襲った。波動に当たった所が腐食し、腐り落ちていった。敵味方問わずどうみても新艦だったものが劣化し崩れ去っていくのは恐怖を覚えた。

敵は無事だった艦隊や魔法使い、鬼神兵で此方に一斉攻撃をしてきた。

 

 

「これはピンチ過ぎだろ。お前が原因何だから何とかしろよ!」

 

 

ナギがこちらにそう言い、周りのやつも同意するように激しく頷いた。

 

 

「じゃあ!これだ!出でよ!七星外装、三番目の星 ザ・ストライフ!」

 

 

俺は十字状の盾を投影した。そして、緑色の過剰光が俺を包む!

 

 

光年長城(パーセク・ウォール)!」

 

 

緑色の光が盾状になり俺や周りのやつらそれぞれの前に現れた。

 

 

「おい!これは?」

 

「これは!俺の防御力を仲間に付与するものだ!この盾の力である倍増返済の効果もな!倍増返済はその名の通り受けたダメージを二倍にして跳ね返す物だ!俺の防御力をそれぞれの防御力に加算する形だからあの攻撃には耐えられる。」

 

 

その直後敵の攻撃が俺達に直撃した!

 

 

「うわぁぁぁ?あれあまりダメージが来ない?」

 

「確かに転けたとき痛み程度だな!」

 

「だけどよ!そこの岩溶けてね?」

 

「普通に受けてたらああなったのか!」

 

 

兵士達はダメージらしいダメージを受けていないみたいだがこれは俺の防御力の方が上回っていただけであって敵の攻撃の威力が小さくなったわけではない。故にコイツらの数と俺達×2×相手の攻撃分を跳ね返す。

そしてその攻撃中魔法や魔法を使って作り出した攻撃は無効化されたが物理的なダメージ等は戦艦や鬼神兵に直撃し威力がヤバすぎたのか、塵も残さず消滅した。

 

 

「ってお前!やり過ぎだろ!」

 

「いやこれさ、相手の攻撃に含まれる要素を全て二倍にして跳ね返すってものなんだけど。チート過ぎたか!」

 

 

俺はこの戦いより【無敵城塞】【盾って魔法よりも強いんだね】【おい!アイツに攻撃するな!攻撃すれば全滅確定だ!】の二つ名で呼ばれることになった。つーか最初以外は感想じゃねぇか!




イアンくんの盾紹介 
・ パーソナルバリスティックシールド
メタルギア5に出てくるロケランが直撃しても無事なほど硬質な盾。ここでは英雄(スネーク)が持っていたということで宝具化。真名解放は無いが耐久力無限

・ 人理の礎
其は全ての疵、
全ての怨恨を癒す我らが故郷―― 顕現せよ、
『いまは遙か理想の城(ロード・キャメロット)』!
マシュ、ギャラハッドの宝具 円卓の騎士の居城の展開 仲間の力の活性化、味方の防御強化、ほとんどの攻撃を無力化(対界宝具とかは無理)
連発は無理

・ プリドゥエン
逆巻く波濤を制する王様気分!(プリドゥエン・チューブライディング)
サモさんの宝具 何処からともなく波が来てそれに乗って攻撃

・ ザ・ストライフ
アクセル・ワールドの緑の王グリーン・グランデが持つ十字状の盾。 七星外装の三番星『天璣』
倍増返済・・・ダメージ受けると二倍にして跳ね返す。ここでは跳ね返すのは魔法は二倍の数と、なり他は同じ
真名解放は心意技
《光年長城》(パーセク・ウォール)
自分の防御力を仲間と共有する。 防御系として超広域に防壁を展開する心意技

・ ミラーシールド
ドラクエの盾
魔法のみを跳ね返す。ダメージは受けない。

・ 聖盾イージス
ギリシャ神話のものでなくデジモンのデュークモンの持ち物の方。
真名解放は必殺技
ファイナル・エリシオン
巨大なエネルギーの発射

・ 魔盾ゴーゴン
カオスデュークモンの盾。
真名解放は必殺技
ジュデッカ・プリズン
全てを腐食させる暗黒波動を放つ

・ イロニーの盾
メルキューレモンの盾
真名解放は必殺技
オフセットリフレクター
相手の攻撃の性質を反転させて相殺する。

・ 聖盾ニフルヘイム
スレイプモンの盾
真名解放は必殺技
オーディンズブレス
気候を操り極低温のブリザードを発生させる

・ シークレットライトメタルシールド
アースという冒険者が作った盾。変形機能がある。右腕専用装備。
 シークレットアナザーボウ
隠し機能を展開した姿。殺傷能力、命中率は高い。専用の矢しか扱えない。この弓は盾の付属として扱われるため、投影しても脆くならない。


以上今決まっているものです。何かいい盾ないですかね?


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第9話 無敵バカとの出会い(メイン盾)

何時ものように思いつき投稿です。


現在俺達は束の間の休暇を楽しんでいる。

今は鍋を囲んで昼食をいただいている。

ナギパーティーは一人増え、俺、ナギ、アル、詠春とそいつの五人となっている。

そいつの名はゼクトといい、見た目はジジイ口調の白髪のガキだ。俺らの何倍も生きているらしいから只の見た目詐欺野郎だ。そうなればアルも同じなのだが。

ゼクトはナギの魔法の師匠で講義をするときに俺も呼ばれるが俺の起源は盾。魔法の矢を唱えても矢ではなく盾、飛びかたも矢のように飛んでいくのではなく回転して飛ぶ円盤のように向かう。回転が早ければかなり怖い。何故なら鉄とか普通に切断するからである。つまりあれである。気円斬のようなものだ。あれが雷の100矢なら雷の気円斬×100という感じで敵からしたらかなり怖い代物なっている。ぶっちゃけこちらも怖い。というか気分が悪くなる。何故なら敵がバラバラ殺人状になるためである。だからこれらの魔法を撃つといったら耐久が高いやつしかダメなのだ。

しかし、旨いな。この鍋、トカゲの肉だからちょっと敬遠していたんだが空腹に耐えかねて食えばかなり旨かった。俺が新しくよそおうとすると剣が飛んできて鍋飛ばし、具を撒き散らさせた。

 

 

「な?くそ!」

 

「ハイハイ!いただき!」

 

「ふん!」

 

「おっと!」

 

 

咄嗟のことで飛び散る具の中で二枚の肉のみ確保できたが、ナギは六枚、アルとゼクトはそれぞれ四枚ずつ確保していた。鍋は詠春の頭に兜のように被さった。

 

 

「ふっふっふ・・・食べ物を粗末にするやつは!」

 

「おお~う!食事中すまねぇ!俺は旅の傭兵剣士ジャック・ラカン!お前らを倒しに来た!」

 

「斬る!」

 

「な?!すご!」

 

 

食べ物をぶちまけたため詠春がぶちギレた。あの筋肉達磨の剣を切り裂き背後へ回った!筋肉達磨は驚いていたが懐からなにかだし詠春に向けて投げた!投げた物の中から裸の女の子が複数で、詠春に抱きついた。ムッツリである詠春は動けなくなり、抱きついている女の子とは別の女の子の鈍器により意識を沈めた。

 

 

「お~!情報1、ムッツリ剣士は女に弱い。本当だったのな!ハッハッハ!」

 

「「俺等も混ぜろや!コラァ!」」

 

「お!来たか!情報4、赤毛の魔法使い。無敵か。俺も無敵と呼ばれていたからな。無敵対決だな!後は情報5、盾持っているやつ。え~と、生きろか!ほとんど意味ねぇじゃねぇか!」

 

「食らえ!牽制!魔法の矢×50!」

 

 

キュイーンという音を響かせ筋肉達磨のもとへ向かっていった。

 

 

「ちょっ!これが魔法の矢?いや完全に別物だろ!て、何これ?!切れてる、切れてるから!だが!気合い防御の前では玩具に等しいがな!テンパって損したぜ!かっハッハッハ!」

 

「じゃあ俺の番だな!行くぜ!」

 

 

俺の魔法の矢ならぬ魔法の気円斬を対処した筋肉達磨に対してナギは分身しながら向かった!

 

 

「メンドクセェ!」

 

 

対し筋肉達磨は分身を拳圧で掻き消し拳を振るい、お互いの頬をえぐった。

 

 

「テメェら、やるじゃねぇか!」

 

「投影開始!来い!聖盾ニフルヘイム!ナギごめん!」

 

「え?」

 

 

俺は聖盾ニフルヘイムを投影し、二人に向けて構えた。

 

 

「本当にすまんな。この技広範囲攻撃なんだ!オーディンズブレス!」

 

 

俺の前側から極低温のブリザードが発生した。ナギはローブを羽織っているが筋肉達磨は完全に薄着で、

 

 

「うお~!くそ寒い。何だ?うお!飛ばされる!おわ~!」

 

「てっ!俺もか!うわぁ~!」

 

 

二人はブリザードによりブリザードの発生領域内の中心位置まで飛ばされた。因みにこの技気候を操ってブリザードを発生させるだけなんで、すぐ止めるなんてことは出来ないのだ。故に二人は、

 

 

「おおお!これは!た、戦うって!感じ!じゃねぇ!まずは!生き残らねぇと!」

 

「そ、そうだな。お、俺は異論がねぇよ!つーか!協力しねぇと!生き残れねぇ!」

 

 

こんな感じで二人は協力しあい、ブリザードが晴れたときには親友というべき存在になっていた。この後、二人に戦闘は俺の一人勝ちだなというとボコられた。これを見ていた二人と途中に目覚めた詠春は呆れていた。

後にこの出会いは赤毛の魔法使いの子供に見られるのだが、この部分だけはナギとラカンの手によっていい感じに戦闘していたように改竄されるのだった。もちろん彼の仲間に改竄した後のような物が残り指摘さればれるのだが。




自分が読みたいものって書けないよな。金髪軍人及び金髪チートキャラのみの聖杯戦争とか。


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第10話 トリプルTの謎(メイン盾)

プリヤガチャ40連回したけどイリヤ出ず。収穫はライダー二名 アストルフォとアンメア


今日はナギ、詠春、、アル、ゼクト、ラカンはいない。メガロのお偉いさんに呼ばれたからである。彼らと共に最近仲間になったガトウもいない。

俺は何故かガトウの弟子のタカミチくんと留守番中だ。

 

 

「なあ?」

 

「何でしょう?」

 

「暇じゃね?」

 

「そうですね。」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

 

ヤベェマジ話すことねぇ!どうすれば!啓示(笑)!

 

 

『自己紹介から始めれば良くねぇ?』

 

 

そうだ。その通りだ!というわけで、

 

 

「改めて自己紹介しよう。」

 

「それもそうですね。」

 

「まず俺から名前はイアン・ジャゴーダ。旧世界出身、使うのは投影魔術。以上。」

 

「では、僕ですね。名前はタカミチ・T・高畑。出身は魔法世界です。故郷は言いたく有りません。改めて思いますがいうこと無いですね?」

 

「そうだな。」

 

 

止まった!help!

 

 

『質問したら?(こいつバカだなぁ)』

 

 

良し。なら、

 

 

「タカミチくん!ミドルネームのTって何?」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「言わないといけませんか?」

 

「無理に言わなくてもいいが、気になるのは確かだ。」

 

「実は故郷特有の名前なんですが。故郷を出て周りからみると恥ずかしい名前なんです。片親は旧世界出身なので姓名はそっちに決められたのですが、もう片親が故郷特有の恥ずかしい名前をつけてしまってミドルネームがそれに当たります。」

 

「そ、それは!」

 

「ただでさえ変な武術を身に付けさせられましたし、師匠に教えを乞うのはそれが原因です。」

 

「ガトウはそれを知っているのか?」

 

「師匠ですか?知りませんよ!言えるわけ無いですか!」

 

「その変な武術って強いのか?」

 

「知りたいんですか?!いいでしょう!用意してきます!ここで待ってください!」

 

 

それからタカミチくんは何かを買ってきた。それから戦いができる場所まで引っ張られてきた。タカミチくんの持つ袋から何かいい匂いがするのだが。

 

 

「構えてください!」

 

「ああ、投影開始。」

 

 

俺はよく使う人理の礎を投影した。そして構える。俺が構えたのを確認したタカミチくんは走りだし、持っていた袋からフランスパンを取りだし、両手に持つと、

 

 

「フランスパン!」

 

 

と叫びながら人理の礎に向かってフランスパンを叩き付けた!

パリーンという音をたてて人理の礎が砕けた?俺はすぐ新しい盾を投影するが彼が、

 

 

「フランスパン!」

 

 

という叫びと共にフランスパンを叩きつけると盾は無惨に破壊されてしまうのだ!

 

 

「ちょっ!お前!強くね?無音拳いらなくね?」

 

「こんな!フランスパンで戦うなんて!変な二つな付けられたらどうするんです!僕は嫌だー!食らえ!フランスパァン!」

 

 

『宝具使わないと防げないよ!今は。』

 

 

「其は全ての疵、全ての怨恨を癒す我らが故郷ーー顕現せよ、『いまは遙か理想の城(ロード・キャメロット)』!」

 

「こんなもの!」

 

 

白亜の城はこの物理法則を無視したフランスパンの攻撃を完全に防いだ。タカミチくんは呆然としている。

 

 

「このフランスパン闘殺法を防げるものがあるなんて!今までどんなに固いものも一撃で粉砕できたのに!」

 

「そうか。(マジあぶねぇー。なんだよ!何でフランスパンで真名解放してない宝具を砕けんだよ!)」

 

「すごいです!イアンさん!尊敬します!改めて自己紹介します!タカミチ・タカティン・高畑です!これからよろしくお願いします!」

 

 

懐かれた!つーかこいつ一人で戦争を終わらせるじゃねぇ?こいつがフランスパンを持つ=(例外を除き)相手は死ぬ。あ~、こいつもバグだったのか!いずれ紅き翼はバグの集いとか呼ばれるようになるんだろうな。

 

 

 

宿に戻り、少しするとナギ達が帰ってきた。

 

 

「おおー、大分懐かれたじゃねぇか!」

 

 

ナギの第一声がそれだ。ぶっちゃけウザかったので無視し、アルに何の話が有ったのか聞いた。話を要約すると、オスティアの姫とあった。戦争を終結に向けての協力要請。ナギ、姫に一目惚れ。ということだった。

 

 

「テメェの事情なんか聞いてない!」

 

「グハ」

 

 

悪は倒れた。床に倒れたナギを見てそう思った。

アルが近づいてき、

 

 

「タカミチくんと何か有りましたか?」

 

「お前のアーティファクトでタカミチくんを記録しろ。それで自ずとわかる。」

 

 

アルはタカミチくんのもとへ行き、ちょっとして戻ってきた。

 

 

「頑張りましたね。彼もバグだったんですね。」

 

「そうだな。」

 

「貴方も防御面ではバグです。ナギは魔力面でバグ、ラカンは存在がバグ。バグが増殖しないか心配ですね?」

 

「お前も相当バグだと思うがな?」

 

 

アルはえっ?と驚いていたがそうなのだから仕方ない。紅き翼はいずれバグの集いになるのだから(確信)。

 




タカミチ・タカティン・高畑

魔法世界出身。かの黄昏のザイツェフことチコタンと同じ故郷。片親が旧世界出身だったためマトモな姓名を持つがもう片親と故郷のものたちの総意でタカティンというミドルネームがつけられる。フランスパンでどんなものでも粉砕するフランスパン闘殺法の使い手。家族で旅行中に戦争に合い両親を失い、戦争孤児になりガトウに拾われる。旅行中にミドルネームが故郷外では恥ずかしい名前だと知りイニシャルで名乗るようになった。ガトウも彼のミドルネームがタカティンだとは知らない。知っているのはイアンと彼を記録したアルビレオだけである。無音拳を習い始めた理由はぶっちゃけかっこいいと思ったからである。才能はないと言われたが彼は頑張る。フランスパン闘殺法というふざけた武術を使わなくてもいいように!


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第11話 サンソンの冒険in魔法世界

短いです。


麻帆良

 

 

「ですから今我々連合は戦争中なのです!兵の派遣をお願いします!」

 

 

何だよ!こいつら。行きなり来て兵を寄越せとか!つーか俺ら連合に所属してないし!所属することもねぇしな!

 

 

「おい!精霊魔術師!貴様!我々との約定を忘れたか!」

 

「黙れ!貴様では話しにならん。下の者は引っ込んでいろ!」

 

「本性露にしたな!自称魔法使い共!」

 

『我は不快だ。故にそやつ追い出せ!』

 

「はっ!精霊魔術師!貴様たちを手伝う理由はない!故に出ていけ!」

 

「何を?!」

 

 

自称魔法使いは強制転移で本島の何処かの肥溜めにランダムで跳ばされた。

 

 

「して、これからどうします?」

 

『奴等は戦争をしていると言っていた。ならば我らは連合ではなく帝国に派遣しよう。なに、お前達を向かわせるのではなく、こちらが用意しよう!』

 

「はっ!了解いたしました!」

 

 

 

神殿奥

 

 

「つー訳で、誰を送ろうか?」

 

「私は防衛や調練があるので無理ですね。」

 

「私と王も同じく。」

 

「すみません。」

 

「余はそのような雑事好かん!」

 

「余は服職業の社長としての仕事も有るし無理だな。」

 

「私は主の敬語がありますゆえ。」

 

「「「「「となると!」」」」」

 

「僕ですか?」

 

「そうだ。行ってこい!」

 

「転移陣用意しました。」

 

「帝国への連絡完了したぞ!」

 

「転移陣へのサンソンの固定完了しましたぞ!」

 

「なっ!いつの間に!」

 

「ほら、行ってこい!」

 

「やはり一人では!」

 

「何だ。寂しいのか?英霊召喚セット一人分あげるから、ほら。行ってこい!」

 

「転移陣、起動します。」

 

「待って・・・」

 

 

転移陣は光輝きサンソンを送った。サンソンがその場から消え、俺達は、

 

 

「解散!」

 

 

という俺の号令と共にそれぞれの持ち場へ戻っていった。

 

 

 

帝国

 

 

皇帝は喜びながらサンソンを迎えた。そして数日後、

 

 

「処刑人殿!連合が我々の領土の村を数時間後には襲うという知らせが入りました。」

 

「それは確定情報か?」

 

「連合は我々亜人を差別しています。確実に殺すか奴隷として捕らえます!」

 

「そうか。君!」

 

「はっ!」

 

「部隊を編成しろ!」

 

「はっ!それでは!」

 

 

ハァー、案外難しいものだな。将というものも。少しの時間を利用して召喚といくか!えーと、召喚陣はナニコレ折り畳み式の紙か。これを広げて、触媒台の代わりに段ボールを設置。これは触媒があるときに使うのか。触媒は・・・入ってないだと!どうしようか?もういい!何でもいい来いや!

 

 

「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が友たるシュマ。」

 

「降り立つ風には壁を。」

 

「四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。」

 

「みたせ、みたせ、みたせ、みたせ、みたせ。」

 

「繰り返す都度に五度。ただ満たされる時を破却する。」

 

「ーーー告げる。」

 

「汝が身は我が下に、我が命運は汝の剣に。」

 

「聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。」

 

「誓いをここに、我は常世全ての善と成る者、我は常世全ての悪を敷く者。」

 

「汝三大に言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」

 

 

これでなにか来るだろう。魔力がすごいな。当たりかな?

光が収まると、そこには白髪の男がいた。

 

 

「クハハハ!バーサーカーのクラスで召喚された。ヴィレム・ハーケンベルグだ。よろしくな!」




やっぱり主人公サイドも出した方がいいと思い、サンソンを出しました。序でにFGOもサンソンを鍛え始めました。

召喚した英霊は現在停滞している。闇の不死鳥(仮)よりヴィレムくんです。
ヴィレムくんの仮設定
英霊

真名 ヴィレム・ハーケンベルグ(ブルート・カズィクルベイ)

クラス バーサーカー

ステータス
筋力A
耐久A(EX)
敏捷A++
魔力E-
幸運C+
宝具S+

スキル
永劫破壊EX
聖遺物でないもの若しくは宝具でないものでは傷一つつけられない。

殲滅者EX
大量の敵を少人数に殲滅したことから付けられたらスキル。大軍を相手する場合、ステータスを2ランク上昇。

神喰者(ゴッドイーター)EX
神性を持つものに対してダメージを与えると魔力を回復する。神性を持つものに対しては宝具の連発が可能。

心意A
加速世界でイメージによる事実の書き換えを行うもの。しかし現実では身体強化、自らの武器の強化等しか使えない。

狂化D
言語、理性共に問題なし。ただ戦闘中ノリに乗ってマスターの指示に関係なく宝具を使用したりする。マスターの令呪が効かない。


宝具

『暴風纏う破壊獣(リングヴィ・ヴァナルガンド)』 A
対人宝具
ドイツの軍用バイク ZundappKS750 を展開する。

『死世界・狂獣変生(ニブルヘイル・フェンリスヴォルフ)』 B(A++)

偽 高速移動。相手よりも一手速く動くことが可能。

真 暴走。狂化S相当。理性は飛び獣のごとく行動する。相手の攻撃パターンを学習して襲い掛かる程度の知能はある。

『修羅曼陀羅・犲狼』EX
対国宝具
巨大な銀狼となる。『死世界・狂獣変生』の真偽両方の特性を持ち、心意を使用することにより理性ありで行動が可能。


『闇の賜物(クリフォト・バチカル)』A
対人宝具
体から赤い杭を生やす。射出も可。

『死森の薔薇騎士(ローゼンカヴァリエ・シュバルツバルト)』S
対軍宝具
周囲から赤い杭が生え、空には赤い月、赤い空の空間が展開される。固有結界とは似て非なるもの。周囲に対してエネルギードレイン、杭に触れたものからは血や魔力、気、魂を吸い尽くす。


『強制変遷グラズヘイム』EX
対界宝具
本来加速世界のフィールドを強制的に帰るアイテム。グラズヘイム内には彼が今まで一度でも倒した者、他に加速世界から去った者の分霊のような者が存在する。チートな存在の詰め合わせ。


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第12話 闇の不死鳥VS紅き翼

何時もより少し長いです。


「ヴィレム・ハーケンベルグ? バーサーカー、君は何者だい?」

 

 

僕の前に現れたのは逸話も何も聞いたことのない存在だった。

 

 

「俺か?俺は転生者だ。俺を転生させた神曰くお前の友もそうだと聞いているが?」

 

「そうだと聞いているけど。神がそんなことするとはね。」

 

「俺を転生させた神はもと人間だがな。まぁいい。これからよろしくな、マスター!」

 

「ああ、僕の名はシャルル・アンリ・サンソンだ。サンソンと呼んでくれ。」

 

「わかったぜ、サンソン。バーサーカー、ヴィレム・ハーケンベルグ。お前の剣となろう。」

 

 

こうして僕たちは正式に契約を結んだ。

 

 

「因みに今戦争中だ。」

 

「マジか!暴れがいが有りそうだな!で?強いやつはいんのか?」

 

「これから戦いにいく所で紅き翼とぶつかることになる。こいつらはチートな存在だと言われている。」

 

「紅き翼?って、ネギまかよぉ!」

 

「ねぎま?焼き鳥がどうしたのかい?」

 

「いや、そっちじゃねぇ。」

 

 

 

帝国領土内対象の村付近

 

 

「全員、配置についたな?」

 

「はっ!民間人の避難、完了しました!」

 

「敵軍視認!」

 

「数は?」

 

「数は6!先鋒に赤毛の魔法使い!紅き翼です!」

 

「そうか。全隊待機!バーサーカー!」

 

「おうよ!バースト・リンク!」

 

 

ヴィレムの体が変化した。彼のデュエル・アバターである【ブルート・カズィクルベイ】に

 

 

「君の力見せてみろ!」

 

「クハァ!行くぜー!」

 

 

紅き翼

 

 

「ナギ!こちらに向かってくる者がいます!」

 

「へっ!面白い!」

 

「ナギ避けろ!」

 

「えっ?のわ!」

 

 

バーサーカー

 

 

あいつら呑気にしゃべってるな。まずは一発!

 

 

形成(イエッツラー)・・・闇の賜物(クリフォト・バチカル)。おらよ!」

 

 

俺は即座に闇の賜物を形成し、赤毛に向けて射出した。避けられた。

 

 

「おい!危ねぇじゃねぇか!」

 

「戦場でしゃべってんじゃねぇ!」

 

「お前、俺たちが誰だと知ってんのかぁ?」

 

「ああ、勿論。民間人の村を虐殺しに来たカス共だろぉ?」

 

「民間人?」

 

「カハハ!残念だったな!避難は終了してんだ!まぁ代わりにテメェらを虐殺してやるから歓喜しなぁ!」

 

「何を言っている!私たちは民間人を虐殺したことなど一度もない!」

 

 

眼鏡の野郎がふざけたことを言っている。もしかしてこいつら知らずに殺ってたのか?クハハハ、笑えるな。なら、教えてやるのも一興だな。

 

 

「くっ、クハハハ!」

 

「何を笑っている!」

 

「何、可笑しくてな。大魔法で民間人の村を殲滅している奴等が!自分達は!虐殺なんて!していないだと抜かしているのがなぁ?もう何十の村々を虐殺しておいてふざけるなよ!」

 

「我々は軍の施設以外は破壊していない!」

 

「施設?クハハハ!そう言われて虐殺してたんだろう?民間人を!毎回毎回楽しそうに雑談しながらなぁ!」

 

 

会話しながら杭を飛ばした!

 

 

「な?!グフ!」

 

「え、詠春!」

 

「ほら一匹。あと五匹かぁ。いや死んでないんだから六匹のままかぁ?クハハハ!」

 

「アル!詠春を治療を!」

 

「わかってますけどこれは撤退して治す必要が有るほど重症です。私だけでは難しいです。」

 

「くそ!お師匠、アル。詠春を頼んだ!」

 

「「わかりました(わかったぞ)!」」

 

 

二人と重症者が撤退していった。

 

 

「で?来んのか?来ねぇのか?」

 

「「詠春の仇討ちだぁ!」」

 

「いやまだ、死んでねぇよ!」

 

 

赤毛と筋肉が向かってきた!盾を持った奴は二人の台詞につっこんでいた。あの盾持ったやつ転生者か?

赤毛と筋肉の攻撃を捌きつつ、

 

 

「テメェ来ねぇのか?」

 

「俺達を前に余所見してんじゃねぇ!」

 

「その通りだ。くそ!喰らえラカンてきとうに右パンチ!」

 

 

ドゴン

 

 

バーサーカーは地面に叩きつけられた。砂煙が舞う。砂煙から、

 

 

「クハハハ、面白ぇ、面白ぇなおい!」

 

「なっ?!ラカンのパンチを喰らって無傷だと!」

 

「俺様のパンチが効いてないだと!」

 

「はっ!ナギ、上だ!」

 

「えっ?おわぁぁ!」

 

 

彼の死界から現れた者の攻撃を杖で防いだ。その現れた者の容姿をイアンは知っていた。

 

 

「なっ!お前はシャルル・アンリ・サンソン!」

 

「知っているのか!イアン!」

 

「かのマリー・アントワネットを処刑した。フランスの処刑人だ!」

 

「「マリー・・・誰だそれ?」」

 

 

サンソンはこちらを見て、

 

 

「バーサーカー、手助けはいらなかったかい?」

 

「戦いを楽しんでただけだ、マスター。」

 

「そうなのかい?バーサーカー、宝具の真の力を使うことを許可しよう。」

 

「クハハハ、わかってるなマスター。良いぜ、行くぜぇ!」

 

 

バーサーカーが詠唱し出した。紅き翼の者共は雰囲気に飲まれ動けない。

 

 

「かつて何処かで そしてこれほど幸福だったことがあるだろうか」

 

「あなたは素晴らしい 掛け値なしに素晴らしい しかしそれは誰も知らず また誰も気付かない」

 

「幼い私は まだあなたを知らなかった」

 

「いったい私は誰なのだろう いったいどうして 私はあなたの許に来たのだろう」

 

「もし私が騎士にあるまじき者ならば、このまま死んでしまいたい」

 

「何よりも幸福なこの瞬間――私は死しても 決して忘れはしないだろうから」

 

「ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ」

 

「死骸を晒せ」

 

 

彼の詠唱が紡がれる度に回りの空間が書き変わっていく。これは彼の創る世界。彼の渇望が創る新たな世界なのだ。

 

 

「何かが訪れ 何かが起こった 私はあなたに問いを投げたい」

 

「本当にこれでよいのか 私は何か過ちを犯していないか」

 

「恋人よ 私はあなただけを見 あなただけを感じよう」

 

「私の愛で朽ちるあなたを 私だけが知っているから」

 

「ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ」

 

 

動けない世界で唯一動き出す者がいた。転生者であるイアンだ。彼は詠唱を聞きこの後バーサーカーが起こそうとしていることが分かったのだ。だが遅かった。なぜなら詠唱は完成してしまったのだから!

 

 

創造(ブリア)ーーー死森の薔薇騎士(ローゼンカヴァリエ・シュバルツバルド)

 

 

世界が完成した。赤き空、赤き月そして赤き杭が無造作に周りから生えている世界に変わったのだ!

 

 

「クハハハ!最高だ!力が溢れてくるぜ!カハハハ!」

 

「これがバーサーカーの宝具か!」

 

 

マスターであるサンソンはこの世界が及ぼす影響をいい意味でしか受けていない。周りから搾取している魔力も彼に流れ込んでいるのだ。

 

 

「何だこれ?力が、抜けていく?」

 

「遅かったか!」

 

「魔力が抜けていく!地上に降りなきゃすぐに魔力が尽きるぞ!」

 

「でもよぉ、あんな杭だらけのところに降りんのか?」

 

 

彼らは今杭に囲まれている上は無いが左右そして下も杭がある。上に逃げようとすれば浮遊にかける魔力を使いいずれ底をつくのも解りきったことだ。このままではじり貧だと思い始めたところ、

 

 

「クハハハ!次の手は打たせねぇよ!喰らえ!」

 

 

彼らの上以外の場所から彼らに向かって杭が射出された。

 

 

「やべぇ!イアン頼む!」

 

「解ったけどそんなに持たねぇからな!」

 

「少しでもいい。対策を考える時間をくれ!」

 

「其は全ての疵、全ての怨恨を癒す我らが故郷―― 顕現せよ、『いまは遙か理想の城(ロード・キャメロット)』!」

 

 

白亜の城が顕現した。空中に展開するだけあって、地上で使うよりも魔力がヤバイほど使った。第一陣と呼べる攻撃を防ぎきったとこで彼の魔力は底をついた。白亜の城は消え、彼は落下しそうな所を赤毛が掴んだ。

 

 

「ラカン!」

 

「おうよ!ラカンインパクトォォォ!」

 

 

筋肉は地上に向かって右パンチという名の砲撃を放った。それは地上にあった杭を残らず破壊した。だが、それは地上にあったものだけだ。

彼らが着地した瞬間、周りから杭が射出され、彼らを串刺しにした。急所は運良く中ってないが。いや、運良くではない。バーサーカーがわざと外したのだ。

 

 

「バーサーカー?何故止めを指さなかったんだい?」

 

「こいつらこの世界で英雄になるからな。ここで死んでは物語が始まらないだろ?」

 

 

この会話は赤毛と筋肉には聞こえてなかった。彼らは杭が自らの防御を難なく突破し、自らの体を貫いた痛みで気を失ったからだ。だが、逆に気絶していたが杭が刺さったことで目覚めたものがいた。それが転生者であるイアンだ。

 

 

「グフ!お前ら、なんで。」

 

「そういやこいつ転生者かもしれなかったな?どうなんだ?」

 

「た、確かに、俺は、転生、者だ。」

 

「それで?紅き翼に入ったのは何故だ?やっぱり英雄になりたかったからか?」

 

「な、なんで、ナギ達と、いることが、英雄に、成るん、だ?」

 

「原作知識無しか?いや、転生時に剥奪されたか?まぁいい。お前は眠っとけ!」

 

「な?!グハ!」

 

 

転生者を意識を刈り取った。サンソンに向かって、

 

 

「こいつらを死なない所まで回復させてくれ!」

 

「こいつら敵だけど良いの?」

 

「こいつらが死ぬと戦争終わんねぇし、物語も始まらないしな。」

 

「ふーん、こいつらがキーポジションか。ウザいな!」

 

「クハハハ!そう言うな!いずれ最強とか呼ばれるコイツらを一方的に倒したと名を刻んだだけ儲け物だろう?」

 

「それもそうか。ハハハ。」

 

 

この出来事から数日後、紅き翼が敗北したことが世界中に広まった。連合の者達は紅き翼を倒した者を恐れ、帝国は自分達を追い詰めようとしていた紅き翼の敗北に歓喜した。




二週間後に後期試験が迫ってくる。はぁ。


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第13話 新たな脅威

衝動書きです。気にしないでください。


『どうする?このままでは我々は大義を果たせないぞ!』

 

『連合の紅き翼、帝国の処刑人と狂戦士。紅き翼のみなら罠にはめることはできたが、処刑人と狂戦士に限っては情報もあまりないぞ!』

 

『わかっていることと言えば狂戦士が旧世界に存在する概念である英霊と言うものであることだ。』

 

『向こうへ向かった者達が盗み出した資料の中に聖杯戦争の資料があったはずだ。それを使うのはどうだろうか?』

 

『しかし!召喚できたとしても我々に従うだろうか?』

 

『従わなくてもいい。ただ暴れてくれるものでいいのだ。故に英霊ではなく反英雄を召喚することがいいだろう。』

 

『では、そうするか。触媒はどうする?』

 

『我らが望むのは混沌!求めるのは異界の者でもいい。戦争を望み!英雄と戦うことを至高の喜びと感じるものが必要だ。故にそれを召喚の詠唱に付け加えるだけでいい。』

 

『わかりました。』

 

『では!』

 

『召喚陣を用意せよ!』

 

 

そして彼らは英霊を召喚するための陣を形成した。本来なら召喚は成功しない。特殊な条件が必要だ。しかし、召喚は成功することとなる。(邪龍)英雄(ジークフリード)を求めている。自らを討ち果たしてくれる者を求めているから。光を求めた邪龍はここに再び降臨する。

 

 

『・・・告げる。』

 

『汝が身は汝の下に、我等が命運は汝の行いに!』

 

『光の寄るべに従い、この意、この理に納得するなら応えよ!』

 

『誓いをここに!我等は常世全ての悪と成る者! 我等は常世全ての光に相対する者!』

 

『汝三大の言霊を纏わぬ一龍、異界より来たれ!平穏の崩し手よ!』

 

 

これは彼ら望みにより本来の物から外れた詠唱だ。だが、邪龍はこれに応えた!雷霆のような英雄を求めて!

 

 

『成功したぞ。我等からの要請は一つ、混沌を!』

 

『カカ、良いぜェ。見せてやるよォ!待ってろよォ!我が麗しの英雄(ジークフリード)ォォォ!』

 

 

 

紅き翼

 

 

彼らは軍からの依頼で戦場へ向かっていた。依頼は戦場で消えた部隊の捜索だ。これが敵国との戦いが招いたものなら新しく軍を派遣するだけでいい。しかし、連絡もなく突然に消えたのだ。斥候の連絡では周囲に敵国の軍も存在しない。強力な魔獣の類いも存在しない場所である。

 

 

「ナギ、今日はここに拠点を張りますか?」

 

「そうだな。もう日が落ちるか。詠春!薪を集めてくれないか?」

 

「ああ、わかった。」

 

「イアンは火を!」

 

「了解!」

 

「ナギ!わしはテントを張ろう。」

 

「おっ!ありがと。お師匠!」

 

「じゃあジャック!肉調達に行くか!」

 

「おうよ!」

 

 

彼らはそれぞれやることをし、食にありついた。食べ終わり、見張りをたてて寝ようと思った矢先に、

 

 

ガチャガチャ

 

 

と金属の擦れる音がした。それも一方向だけでない。これは、

 

 

「囲まれたか!お前ら構えろ!」

 

「来るぞ!」

 

 

暗闇から見える位置までやって来た。全身装甲の兵が向かってきた。奴らは歩きだが徐々にこちらへ三方向から近づいてくる。

 

 

「何者だ!お前ら!」

 

『・・・』ブツブツ

 

「はっ?もっと声出せや!」

 

 

すると、奴らはこちらに銃を構え、

 

 

“Zwangvolle Plage! Müh' ohne Zweck!”(ああ、苦しい。なんと無駄な徒労であろうか)

 

“Das beste Schwert, das je ich geschweisst,(心血注ぎ、命を懸けた、我が最高の剣さえ )

 nie taugt es je zu der einzigen Tat!”(竜を討つには至らぬのか)

 

 

撃ってきた!そして奴等の動きはまるで身体強化の魔法を使っているようだった。

 

 

「何だよ!コイツらは!」

 

「魔力を一切感じません!」

 

「気もな!マジでどうなってやがる。」

 

「手数が多いんだよ!俺一人では防ぎきれねぇぞ!つーかお前らもしゃべってないで防げ!」

 

「おおう。すまんすまん。」

 

 

そしてそんな彼らを遠くの高台より見ているものがいた。

 

 

「アイツラが英雄候補どもかァ? カカ、おいおい。笑わせるじゃねぇかァ!何処がァ英雄ゥ? 英雄なら意思の一つで打ち砕いてみろよォ! 駄目だな。期待外れだわァ。ここで生き残れば相手してやんよォ!クハハハァ!」

 

 

男は高笑いしながら傍観した。

 

 

紅き翼の面々は苦戦していた。銃の連射には対応は難しいからである。

 

 

「あー!もう面倒だ!大魔法をぶつける!」

 

「まぁそれしかないか!」

 

「行くぜ!雷の暴風!」

 

 

ナギが放った魔法は敵軍を貫いた。敵兵はボロボロになり倒れている。原型を保っていないものも存在した。

 

 

「良し!始めからこうしてりゃ良かったわ!」

 

「じゃあ俺も!ラカンインパクト!」

 

「ファイナル・エリシオン!」

 

 

ラカンとイアンも敵兵を打ち砕いた。が敵兵から声が聞こえた。

 

 

“Ja denn! Ich hab' ihn erschlagen!”(然り! これぞ英雄の死骸である!)

 

“Ihr Mannen, richtet mein Recht!”(傍観者よ、我が栄光を認めるがいい!)

 

 

敵兵はボロボロに成りながらも立ち上がりこちらへ向かってくる。敵兵の中には身体の一部が完全に吹き飛んでいる者もいる。それがその事を気にしていないように歩き近づいてくるのだ。

 

 

「何だよ!コイツら!正気じゃねぇ!」

 

「いや、待て!あいつら!」

 

 

敵兵の中に兜が外れたものがいた。そいつの顔が行方不明となった連合の兵士だった。そいつ以外にもちらほらと連合の兵士がいる。そして明らかに軍人じゃないものいた。

 

 

「おいおい!コイツらは!」

 

「ああ。依頼の消えた部隊の奴等だ!」

 

 

敵兵の一人がナギに掴みかかった。いきなりの戦法の変化である。故にアルは叫んだ!

 

 

「ナギ!避けてください!」

 

“Her den Ring!”(宝を寄こせ!)』『“Her den Ring!”(すべてを寄こせ!)

 

 

ドカーン

 

 

ナギは必死なアルの声に従い避けた。敵兵は自爆した。避けなければどうなっていたのかと戦慄した。

 

 

“Her den Ring!”(宝を寄こせ!)』『“Her den Ring!”(すべてを寄こせ!)

 

 

奴等は敵と共に自爆する戦法に変えただけと思ったが、

 

 

ドカーン

 

 

「おい!あいつら!動けなくなった味方を投げて爆弾としているぞ!」

 

「これはヤバイな。アル!映像での記録はしているか?」

 

「えっ?はい、一応ですが。」

 

「撤退するぞ!」

 

「何処へですか?囲まれてますよ?」

「空だ!奴等の銃は壊れている。今なら大丈夫だろ!」

 

「全員!飛んで撤退するぞ!」

 

「「「「了解!」」」」

 

 

彼らは飛び去った。それを見ていた男は、

 

 

「空を飛ぶかァ。ちっ!ワーグナーは空中戦には対応してないからなァ。次の戦場に向かいますかァ!さぁ!英雄よォ!俺を討ち果たしてみろよォ!クハハハ!」



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第14話 失墜と露見

もうずっとスマホから投稿してます。楽なので


バタン

 

「くそぉ!」

 

「はぁー。」

 

ナギとアルが帰ってきたようだ。

 

「どうした二人とも?」

 

「あっあ!」

 

「私が答えましょう。最近撤退することが多いため。お偉いさんに文句を言われたんです。」

 

「そうか。」

 

「ええ。帝国の処刑人と狂戦士、この前の武装勢力のことですね。」

 

「そう言えばあの武装勢力について何かわかったか?」

 

 

俺達を苦しめ、元々はこちらの兵だった者達をあのようにした連中のことだ。知りたいのは当たり前だった。

 

 

「はい。少しですが。」

 

「おっ!マジか!」

 

「本当ですか?!」

 

「ナギ達が苦戦したとか言う奴等か。」

 

「彼らは強欲竜団(ファブニル)とか言う連中です。強欲竜団(ファブニル)は様々な戦場に現れ、敵味方問わず暴れています。一部では傭兵だと言われてますが本当かどうかは定かではありません。」

 

「ということはわかったのは名前だけか。」

 

「いえ、まだあります。これは悪い情報ですが。」

「何だ?」

 

「あの機甲兵の一部が空中戦に対応し出したことです。」

 

「つーことは何だ?前は空から撤退することが出来たがこれからは無理だと言うことか?」

 

「ええ、そうです。それだけじゃありません。」

「例えば?」

 

「彼らは取り付き自爆します。空中戦に対応したことから空中戦艦なども条件さえ揃えば落とされるということです。」

 

「・・・」

 

 

この事実に俺達は無言となった。その時、

 

 

「あ~、喋っているときにすまん。呼び出しだ!」

 

 

ガトウが入ってきた。

 

 

「誰から?」

 

「姫さんからだ。ナギ行くぞ!」

 

「りょーかい。イアン留守番よろしく!」

 

「あーい。ってまたかよ!」

 

 

それから俺以外の面々は目的地へ向かった。あいつらが帰ってきて何があったか聞くと、アリカ王女が帝国の第三皇女と平和会談と言う名の密会に赴くらしい。

 

 

「それってやばくねぇ?」

 

「平和に近付くんだ。良いことだろ?」

 

「いや、そうじゃない。今は強欲竜団とかいんのに危ないだろ。そうだろ?」

 

「護衛もついとるし大丈夫だと思うが?」

 

「明日はお前も連れていくぞ!」

 

「何で?と言うかいきなり何だ?」

 

「いや、この前ナギがデートのついでに見つけた戦争を存続させようとしている証拠の事でな。」

 

「あ~。あれか。りょーかい。」

 

 

そして次の日、俺達は罠にかかった。連合の英雄から指名手配犯に転落した。そこから俺達は二手に別れた。俺とガトウはタカミチくんを迎えに行き、ナギと他のメンバーはアリカ王女と帝国の第三皇女の救出に向かった。そして俺とガトウがタカミチくんを迎えにいったところ、タカミチくんは連合の兵相手に無双していた。あのフランスパン闘殺法で。それを見たガトウは固まった。自らの弟子が自分の全く知らない武術と言ってもいいのかわからない変なもので無双していたらそうなるのだろう。連合の兵を全て沈めたタカミチくんはこちらを見て、ショックで固まった。師匠に隠したかったものを見られたのだから!俺は固まった二人を引きずりその場を退散した。

ナギ達との合流後、タカミチくんの勇姿(笑)は仲間+二名にしっかりと刻まれたのだった。記憶から取り出した映像で。



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第15話 決戦と光の奴隷達

連続投稿?です。原作に入りたい。


あれから数日後俺達は敵の情報を集めていた。

わかったことは敵の正体である【完全なる世界(コズモ・エンテレケイア)】についてだ。奴等は連合、帝国、王国といった大規模な国家だけでなく小規模の国家にも一人はいる。大小関係なく幅広く存在する組織だとわかった。それと同時にアリカ王女の権利の復活を行った。ウェスぺリア王国の王が【完全なる世界(コズモ・エンテレケイア)】に関与している確定情報がもたらされた後にクーデターにより王権を奪い取った。アリカ王女はアリカ女王となった。その後連合、帝国、アリアドネーと協力し敵の本拠地を突き止めた。そして、俺達は敵の本拠地である【墓守り人の宮殿】に辿り着いた。そこには帝国の処刑人と狂戦士の姿もあった。

 

 

「静かだな。」

 

「敵の拠点ってのはそんなものだ。」

 

「アル!」

 

「ええ。彼らは世界を終わらすつもりです。」

 

「行くぞぉ!」

 

「「「応!」」」

 

「では、行きますか。」

 

「クハハハ、戦争だぁ!」

 

それから俺達は宮殿の中に入った。っ何だ?何かが聞こえてくる。チャキチャキと金属が擦れる音が、

 

 

「っ!上だ!」

 

「おらよォ!」

 

 

襲撃があった。襲撃者は大きな鉤爪の様なものを着けていた。

 

 

「避けてくれてありがとなァ!さァ!英雄候補ども、俺を討ち果たしてみろやァ!」

 

「はぁ。紅き翼、お前らは先に行け!こいつは僕たちが引き受けよう。」

 

「クハハハ、楽しくなってきた!バーストリンク!」

 

「ああ。頼んだ!」

 

 

ナギ達は奥へ向かった。

 

 

 

「おいおい!お前らだけで俺を討ち果たせるのかァ?」

 

「当然だ。」

 

「おい!サンソン。まだ戦の作法してねぇのに始めようとするな。」

 

「作法?」

 

「名乗りだ!俺はバーサーカーのクラスで召喚されたサーヴァント。ヴィレム・ハーケンベルグだ!」

 

「わかったよ。僕はシャルル=アンリ・サンソン。帝国の処刑人とか言われている。」

 

「カカ、お前ら面白いじゃねぇかァ!良いぜェ。名乗ってやらァ!俺はバーサーカーのクラスで召喚されたサーヴァント。強欲竜団の長であるファブニル・ダインスレイフだァ!」

 

「バーサーカーが二人か。どちらもヒヤッハー系か。」

 

 

狂戦士いや加速世界の吸血鬼と帝国の処刑人(今は)は邪龍と向かい合い、戦闘を始めた。

 

 

「俺から行かせて貰うぜ!形成(イエッツラー)

 

 

ヴィレムは赤い杭を体から生やした。それを見た邪龍は、

 

 

「おっ!お前、それどうなってんだァ?」

 

「自分で確かめてみろぉ!」

 

 

ヴィレムは杭を射出した。邪龍はその鉤爪で打ち払った。

 

 

「そんなもんかァ?」

 

「クハハハ、良いぜ!見せてやんよ!」

 

「ちょっ!お前いきなりするのか!」

 

 

ヴィレムは詠唱を始めた。

 

「かつて何処かで そしてこれほど幸福だったことがあるだろうか」

 

「あなたは素晴らしい 掛け値なしに素晴らしい しかしそれは誰も知らず また誰も気付かない」

 

「幼い私は まだあなたを知らなかった」

 

「いったい私は誰なのだろう いったいどうして 私はあなたの許に来たのだろう」

 

「もし私が騎士にあるまじき者ならば、このまま死んでしまいたい」

 

「何よりも幸福なこの瞬間――私は死しても 決して忘れはしないだろうから」

 

「ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ」

 

「死骸を晒せ」

 

 

ヴィレムの詠唱により周囲の空間が変化し始めた。

 

 

「何かが訪れ 何かが起こった 私はあなたに問いを投げたい」

 

「本当にこれでよいのか 私は何か過ちを犯していないか」

 

「恋人よ 私はあなただけを見 あなただけを感じよう」

 

「私の愛で朽ちるあなたを 私だけが知っているから」

 

「ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ」

 

 

さぁ!見ろよ!邪龍!これが新生の時だ!

 

 

創造(ブリア)ーーー死森の薔薇騎士(ローゼンカヴァリエ・シュバルツバルド)

 

「これは。」

 

 

邪龍は周りの変化を見て、口を三日月型に歪ませた。

 

 

「カハハハ!良いぜェ。良いなァ!俺も上げるぜェ!創星せよ、天に描いた星辰を!我等は煌めく流れ星!」

 

 

邪龍の星辰光(アステリズム)が発動する。基準値(アベレージ)から発動値(ドライブ)へ、

 

 

周りの物質がまるで竜の牙や爪のように姿を変え、ヴィレムを襲った。ヴィレムは杭を射出して防ぎ、同じく邪龍は杭による攻撃を牙や爪で防ぐ。こうして均衡を保ちながら戦っていた。だが、奥から声が響き渡った!

 

 

『人間を舐めんじゃねぇ!』

 

 

ナギの声が聞こえた。向こうはラスボスを倒したみたいだ。

 

 

「おうおう。やられちまったのか?」

 

「お前も降参するか?」

 

「するわけねぇだろ?アイツらの戦いと俺らの戦いは何の関係も無いだろうが。」

 

「そうだな。だが、もう終わらすべきだな。」

 

「それについては俺も同感だな。殺してやるぜェ!」

 

「クハハハ、それはどうかな。(じゃ、サンソン頼むわ。)」

 

「(了解。)」

 

 

今まで身を隠していたサンソンが邪龍の後ろをとった。ファブニル・ダインスレイフは邪龍と自称しても人であることは間違いない。そして戦場を掻き乱し、一般人をも虐殺したことから悪であることも間違いないなかった。故に確実に決まった。

 

 

「刑を執行する。『死は明日への希望なり(ラモール・エスポワール)』」

 

 

ザシュ

 

 

彼の首が切断された。

 

 

「あ!」

 

 

二人はそれを一瞥しナギ達のもとへ向かった。

その後彼らはラスボスの残した魔法無効化現象も無事止め、世界に英雄として名を残すことになった。だが、彼らは大事なことを見逃したのだ。

邪龍の死体の心臓部分が光始めていたことを、彼の周りが戦闘の影響で彼の星辰光(アステリズム)で周りに干渉した結果、星辰体(アストラル)で満ちていたこと、英雄らしからぬ終わりで終わらせたことに怒りが限界突破したことだ。これにより条件は満たされた。彼の宝具の一つが発動したのだ。彼の首はもとの位置に、彼の傷はなくなり、彼と同じ光に焦がれた(魔星)が現れ、並び立った。

 

 

「ふむ。記録から推定するとやはり彼らは英雄として相応しくない。」

 

「なら、どうするよ?」

 

「再び造るしかあるまいて。素材の調達は頼むよ。英雄を断つ剣(ダインスレイフ)

 

「わかってるよォ!審判者(ラダマンテュス)



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原作壊始
第16話 侵食された物語


なんか気分が乗ったため書いているのでどうだろう?自分でもよくわからない。


そして年月が流れ、とある燃えている村にて、

 

 

「くそぉ!ネギ!何処だぁ!」

 

 

金髪の少年が自らの兄を探していた。

 

 

「見つけたぞ!小僧!貴様も大人しく石と成れぇ!」

 

「させんぞ!魔族ども!」

 

「させません!」

 

「お爺ちゃん!お姉ちゃん!」

 

「アラン!逃げんるんじゃ!」

 

「アラン!逃げて!」

 

「うわぁぁぁ!」

 

 

金髪の少年は祖父と姉に送り出されこの場を離れようとした。だが、祖父は魔族の部下のスライムを封じたが魔族により石化され、姉は少年を庇い足が石化した。少年が絶体絶命の危機に晒されたとき、赤毛の魔法使いが現れ、魔族どもを殲滅した。彼は少年のもとに行き、

 

 

「お前がアランか?お姉ちゃんを守っているのか?」

 

 

少年は初心者用の杖を持ち、倒れた姉を庇うように立っていた。彼は少年の頭を撫で、

 

 

「大丈夫だ。ネカネは無事だ。」

 

「お父さん?」

 

「ああ。お前にはこの杖をやろう。」

 

 

そうして彼は自分の持っていた杖を渡した。そうして彼は、

 

 

「もう時間か。こんなことを言う義理は無いかもしれないが立派に育て!ネカネとネギをよろしくな!」

 

 

そう言って赤毛の魔法使いは虚空に消え去った。

 

 

「お父さん?お父さーん!」

 

 

これは悲劇の物語だ。だが、又も彼らは選択を間違えたのだ。もう一人の子を探し見つけていればいずれこの子達に降りかかる悲劇を逃れていたかもしれないのに。

 

 

「この子が英雄と言われている物の子供かね?」

 

「ああ。その通りだ。これから先はお前がやるんだろ?審判者(ラダマンテュス)?」

 

「その通りだ。この子には新たな蝋翼(イカロス)となってもらう。」

 

「楽しみだなァ!」

 

「光の英雄よ!再び誕生せよ!」

 

「「光輝く未来のために!」」

 

 

 

そして再び月日は流れ、

 

 

 

「リヒト・ブリューゲル!偽りの英雄の息子が麻帆良に向かうようだ。かの地に向かい、密偵として行動せよ!」

 

「は!」

 

「ただし、魔法使い側の信頼を得る必要はない。魔術及び陰陽師のもとに所属するように!」

 

「は!」

 

「裏の仕事を行うときは配布した軍服と血染処女(バルゴ)の部隊証の着用を義務とする。」

 

「はい!」

 

「総員!彼を盛大に送り出せ!」

 

「「「了解」」」

 

 

ここは旧世界に4年前に設立された組織である星辰アドラーのエリート部隊である血染処女(バルゴ)の執務室である。リヒト・ブリューゲルを激励しているのがこの星辰アドラーの設立者であるギルベルト・ハーヴェスだ。彼は魔術師達の家系でありながら魔術回路を持たないもの達を集め、彼の持っていた新たな技術により魔術師、陰陽師等の者達の他に新たに星辰奏者(エスペラント)と言う分野の者達を作り出した。彼らは望んでいる。光のために。未来のために。自分以外の誰かのために!

 

 

「楽しみだな。」

 

『目的を忘れるな!』

 

「ああ。勿論だ。英雄の名を汚すものは許さない!」

 

『その通りだ。だが、』

 

「まずは見極めが必要だからな。」

 

『まぁ、何にせよ。』

 

「勝つのは()だ!」

 

 

この()()は、リヒト・ブリューゲル。炎の中、光の英雄に助けられた若者である。彼の憧憬にはハッキリと刻み付けられている。彼の憧れの金髪で顔に大きな傷の入った軍服の男の姿が!

 

 

 

麻帆良

 

 

「そろそろ物語が始まるそうだ。」

 

「そうですか。しかし我等は動くのですか?」

 

「この星に害をなさなければ放っておいて良いだろう。」

 

「念のため、防衛を強化しておきましょう。」

 

「余はこれまで通り産業でバックアップしよう。」

 

「主殿、主殿、首は?」

 

「まだいい。」

 

「そうですか。」シュン

 

「我が王!もっと落ち着いてください!」

 

「何をいっているんですか?わ、私は落ち着いています!」

 

「はぁ、落ち着けてませんよ。」

 

「まぁ、何かあったらサンソンに任せればいいだろう?」

「そうですね。」

 

「そうでしょうね。」

「「その通りだな。」」

 

「・・・」シュン

 

「何故ですか?と言うか牛若丸は何時まで落ち込んでいるんですか!」

 

「「「向こうで英雄に成っただろうが!」」」

 

「それならヴィレムもでしょうが!」

 

「アイツは帰ったぞ?」

 

「え?還ったの?」

 

「暇だったらまた来ると言ってましたが。」

 

「ええ!」

 



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第17話 先生?無理です

ウェールズ魔法学校

 

 

卒業式が終わり。生徒達が退出していく中、卒業生達は自らの修行先が渡された紙に浮かび上がるのを見ていた。その中の一人の金髪の少年の紙にはこう記されていた。【日本で教師をすること】と。彼の紙を覗き見ていた者達は驚き卒倒した。特に幼馴染みと従姉は、

 

 

「なっ!何で私の所と離れているのよ!」

 

「アランはまだ子供なのに教師だなんて!」

 

 

彼女らの叫びに祖父は、

 

 

「ホッホッホ、教師か。大変な修行じゃな。まぁ心配するな。修行先は儂の友人が理事長をしている場所じゃ。」

 

 

彼はこんなことを言うが心配しているのはそこではない。故に間違いを正した。

 

 

「お爺ちゃん。私が心配しているのは、私は大学も出ていませんし教員免許も持っていません。只でさえ日本では飛び級と言うものは存在しません。私の年では向こうでは義務教育に基づき学校に学びに通わなければいけません。」

 

 

私の言いに対して祖父は、

 

 

「これは魔法使いの修行じゃ。一般とは違うから適用されんぞ!」

 

「ハァー。」

 

 

祖父の言動に溜め息が出てしまった。祖父は怪訝な顔でこちらを見ている。

 

 

「何か可笑しかったか?」

 

「私がこれから行くと言うことになっている麻帆良についてです。これが麻帆良ではないのなら先ほどお爺ちゃんが言ったことは適用されるのでしょうが、麻帆良は魔術師、陰陽師達の総本山でもあるんですよ?彼らだけじゃなく聖堂教会といった者達もいます。故意に魔法で誤魔化したら確実に襲われます。」

 

「ねぇアラン?彼等も同じ魔法使いでしょう?大丈夫じゃないの?」

 

 

いつの間にか復活した従姉が話しかけてきた。私より年上なのに物事を理解していませんね。精神的には私の方が上ですけど。勘違いは正して置くべきですか。

 

 

「私達は精霊魔術師であって魔法使いではありません。彼らの前でそう名乗れば襲い掛かれても文句は言えません。私達、精霊魔術師はあくまで魔法世界側の存在で、魔術師、陰陽師等は地球側の存在です。しかも最近は星辰奏者(エスペラント)等と言った者達が現れているのです。面倒なことこの上無いです。」

 

「先ほど言った聖堂教会といったのは?」

 

「ああ。彼等は神秘公開者は即抹殺の信条ですからしっかりしていれば大丈夫だと思います。後、アーニャ。」

 

 

私は復活した幼馴染みの名を呼んだ。

 

 

「何よ!」

 

「一つ忠告をロンドンで占い師をするなら魔法的ものを使わないように。」

 

「何で!」

 

「ロンドンは魔術師達が学びに来る時計塔があります。彼等は精霊魔術師に対して恨みがある方がよくいます。とばっちりを受けないようにと。魔法と関係ない衣装も必要でしょう。ぶっちゃけ私が行く麻帆良よりも危険でしょう。故に私からは一つ、死なないでください。」

 

 

私からの忠告を聞いて、彼女は固まった。何せ自分が行くのは私と比べれば近所で軽い気持ちでいたのにかなり危険な場所とわかり気絶寸前だ。そして彼女は「準備しなきゃ。アハハハ!」と現実逃避しながら去っていった。

 

 

 

日本、成田空港

 

 

現在、私は麻帆良から迎えが来るのを待っている。精霊魔術師的には一人で行くのが正しいのだけど、常識的には私はまだ未成年だ。故にこのまま出歩くのもよくないだろうから。

 

 

「にしても遅いですね。」

 

 

疾うに約束の時間は過ぎているのだ。それから更に30分が経過した。そろそろ連絡を入れようとすると、

 

 

「やぁ。」

 

 

そこには知り合いのタカミチ・T・高畑がいた。彼は自称私の友人だ。私にとっては知り合いでしかないが、まぁいい。

 

 

「遅いですよ!」

 

「アハハハ、ゴメンね。行こっか!」

 

 

ちゃんとした謝罪も無しか。その後彼の車で向かうことになり車内で、

 

 

「アランくん。これからは同僚だね!」

 

「何を言っているんですか?私はこの国では義務教育を受ける年齢です。教師は大学卒業後でまだまだ先ですよ?」

 

 

ハァー、こいつもか。学園の方には理解している人はいるんですかね。

 

 

「アランくん。」

 

「何でしょうか?」

 

「お父さんの杖はどうしたのかなぁ?」

 

「仕舞ってますけど。」

 

「魔法先生達にわかるように出して!」

 

「嫌ですけど。」

 

「何で!」

 

「本気でいってますか?あの杖出していたら自分は精霊魔術師だと言っているようなものでしょう?秘匿するなら緊急時以外は携帯杖でよくないですか?」

 

 

麻帆良の自称魔法使いは神秘の秘匿はするつもりがないようだ。よくこれまで生きてこれましたね。ハァー、憂鬱だ。こんな人達が多いんだろうな。

 

 

 

麻帆良、着

学園長室

 

 

部屋に入ると妖魔がいた。日本の妖怪ぬらりひょんだ。私は空かさず手製の魔道具を起動させた。対象指定、眼前のぬらりひょん!

 

 

「浄化せよ!妖魔覆滅!」

 

「ぬ?のわぁぁぁ!」

 

「学園長!」

 

 

ぬらりひょんを浄化したはずだった。しかし奴は壮健だった。更に強力な物を使おうとすると、

 

 

「待って待ってアランくん。それ学園長だよ!」

 

「え?!人間?サーチ!」

 

 

学園長と呼ばれた妖魔を魔道具で解析してみた。すると、

 

 

『骨格及び存在を除き全てが人間の物で構成されています。』

 

「骨格?」

 

『Yes、骨格はぬらりひょんの物と酷似しています。常人では有り得ません。』

 

「存在と言うのは?」

 

『彼は長年ぬらりひょんと言われ続けていたのでしょう。それが概念として定着し、幻想種扱いに成ったと推測されます。彼は魔術的にも珍しい存在です。是非解剖をおすすめします。』

 

「だそうだ。」

 

 

この解析結果に、同席していた魔法先生はやはり人外だったのかと納得し、タカミチは苦笑いし、学園長近衛近衛門(ぬらりひょん)は、

 

 

「解剖って酷くない?儂人間じゃよ!」

 

「ですが。」

 

『人間か幻想種では80%が幻想種、15%が人間のようです。』

 

「儂人間じゃないの?後残り5%って何?」

 

『解析中、解析中、解析、error、error、error、解析を止めてください。e.e.e.e.e』

 

 

プスプス シュー

 

 

「壊れたようです。これ以上知りたければご自分でどうぞ。」

 

 

私以外なんとも言えない様子になった。

 

 

「本題に入りましょうか。」

 

「そうだね。」

 

「待つのじゃ。儂のことがまだ証されてないのじゃが。」

 

「それはご自分の方でわかっているんじゃないですか?何せ自分のことですし?今は関係ないでしょう。」

 

「そうだね。アランくん、君にはここの3-Aに教育実習で入ってもらうよ。」

 

「え?無理です。」

 

「何故じゃ?」

 

「私まだ未成年ですよ?この国では義務教育を行わなければいけない年齢です。というか労働基準法的に無理です。大学も出てませんし。」

 

「それなら大丈夫じゃ。オックスフォードを出たと言う設定になっているからな。」

 

「駄目じゃないですか。私は経歴偽造するつもりはないんですけど。無理に教師に進めるなら訴えますよ!」

 

 

この人達は思考回路がどうなっているんでしょう。明らかに狂っていると思われます。

それから議論しては論破し最終的に共学化のテストケースとして3-Aに入ることに成った。

 

 

「そういえば私は何処に住めば良いんでしょうか?」

 

「おおう。それなら儂の孫娘のとこに入るがよい。」

 

「却下です。女子寮に押し込むとか訴えますよ!」

 

「しかしの、空いてる場所は無いんじゃ。」

 

「連絡してこちらに来るまでにどれだけたったと思いますか?何故用意してないんですか?」

 

「だ、だから孫娘のとこに!」

 

「ハァー、良いでしょう。」

 

「ほんとか、では孫娘のとこに、」

 

「こんなことだと思いましたので実はもう家は借りてます。」

 

「「え?」」

 

「住所はこちらになりますので制服等はここに送ってください。では、準備等がありますので何時から通えば良いですか?」

 

「今日からで、『却下です。』はい。では来週の月曜日からならどうじゃ?」

 

「はい、それなら大丈夫ですよ。では、失礼します。」

 

 

私は学園長室から退出した。残されたものは、

 

 

「自立しすぎじゃね?」

 

「そうですね。」

 

「・・・」カタカタ

 

「さっきからお主は何しとるんじゃ?」

 

「学園長の生態の解析です。」

 

「そ、そうか。」

 

「ここでは設備が足らないようなので失礼します。残り5%が判明しましたら教えに来ますので。」

 

 

同席していた魔法先生を出ていった。

 

 

「が、学園長。この後用事ありましたっけ?」

 

「もう一人来るようじゃな。」

 

「が、頑張りましょう!」

 

「そうじゃな。」

 

 

 

コンコンコン

 

 

「入れ!」

 

「失礼します。」

 

 

赤髪で金髪が混ざった青年が入ってきた。

 

 

ダン、ダン

 

 

と擬音がなるように動き敬礼した。

 

 

「星辰アドラー血染処女(バルゴ)所属のリヒト・ブリューゲルと申します。この度こちらに派遣されました。今後ともよろしくお願いします。」




3-A内の星辰奏者(エスペラント)予定
アリスさんと肉体的特徴が同じ人
ヴァネッサさんと性格的特徴が同じ人


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第18話 英雄の息子と天駆翔

麻帆良 精霊魔術側集会所

 

 

「ふぁー、眠い。」

 

 

私は欠伸をし、目を擦る。何かといえば学園長に呼び出されたからである。しかも深夜0時子供はもう寝ている時間ですよ。ハァー、何で本当にこの方達は常識がないんですかね。問題は呼び出した本人がまだ来ていないということです。他の魔法先生と生徒は来ているのに。何でも私以外に今日ここに来た人を呼びに行っているらしいですけど。あれやっと来たか、

 

 

「皆すまん。遅れてしまった。これより集会を始める。アランくん自己紹介してもらえんか?」

 

「はぁ、わかりました。私はアラン・スプリングフィールドと言います。まだ10歳に満たないのに学園長に義務教育がこちらでは終わってないのに教師をさせられるところでした。議論の末学生として入ることになりました。嫌いなのは非常識な人です。よろしくお願いします。」

 

「アランくん、それは言わなくてもいいんじゃないかな?」

 

「ハッキリと言うべきです。私の人生に自分達の理想を押し付けないでください。これは他の皆さんもお願いします。」

 

「よし次はリヒトくん。自己紹介を!」

 

 

学園長の背後から軍服を着た青年が前に歩み出た。っ!あれ?誰かに似ているような?

 

 

「星辰アドラーより派遣されて来ました。血染処女(バルゴ)所属のリヒト・ブリューゲルと申します。今後ともよろしくお願いします。っと言っても皆さんと轡を並べる訳でもございませんので其処のとこよろしくお願いします。」

 

「えっ?聞いてないのじゃが?」

 

「資料に記載していましたがもしかして読んでないんですか?」

 

 

彼も大変ですね。この方達は自分の理想を他者に押し付け過ぎです。しかし・・・何でしょうか?呼ばれたような、

 

 

「アランくん。アランくん」

 

「何ですか?」

 

「考え事中ゴメンね?模擬戦して貰うことに成ったから。用意して!」

 

「ちょっと待ってください。何で私が戦うんですか?」

 

「実力確認だよ?聞いてなかったの?ほら用意して。」

 

 

 

そして私は今タカミチと向かい合っている。学園長が合図した。

 

 

「では、始め!」

 

「ほらアランくん先手はどうぞ。」

 

 

向こうは油断している。私は右手を通して大気中の魔力を集め、左手を通して地脈に溢れる気を集めて、

 

 

「では、行きます。右手に魔力!左手に気!混じれ!」

 

「なっ!それは!」

 

「感卦法!まず一発!貫け!光線剣(レーザーソード)!」

 

 

感卦の光が銀色に煌めき、剣のように形をなした。狙いは急所(心臓)

 

 

「危な!」

 

 

咄嗟にタカミチは感卦法を使い瞬動で避け、無音拳で攻撃してくる。私は避けつつイメージを固めた。私の感卦法はタカミチのように拳というなの砲撃を撃つものではない。イメージを固め具現化させる。大気中に存在する膨大な魔力と地脈に溢れる膨大な気を際限なく取り込める私だから出来るものだ。

 

 

「展開せよ!銀の翼(シルバーウイング)!」

 

 

私の背中から本来存在しないフィンが展開され翼を形成した。

 

 

「なっ!君は!杖がなくても飛べるのか!」

 

「ふっ、面白い。」

 

「綺麗。」

 

 

感想はそれぞれ違うようだ。今は関係ない!

 

 

「喰らえ!乱れ撃つ!光線投槍(レーザージャベリン)×100!」

 

 

100発の光の槍がタカミチに襲い掛かる。タカミチは無音拳で迎撃する。しかし数が多かったため全ては迎撃出来ずダメージを負っていた。だがそこで私は次の手を打った。

 

 

「これでトドメだ!ライダーキック(ダイブキック)!」

 

 

キーン

 

 

「あれ?ズレた?」

 

 

私のキックはタカミチの腹に向かって行ったが、タカミチが避けようと動いたため股間に撃中した。それを見た他の男の魔法先生、生徒達は咄嗟に股間を押さえた。そしてタカミチに向けて祈っていた。タカミチはキックの中り処が悪く気絶。締まらない終わりになった。

 

 

 

次はリヒトさんが戦うみたいだ。リヒトさんは乗り気じゃなかったけどあんまりにも学園長がしつこいのでいい笑顔になり了承した。リヒトさんの相手はさっきからちょこちょこリヒトさんを見ている金髪の少女。そして学園長の合図で戦闘が始まった。

 

 

「では、始め。」

 

「すみません。貴女に恨みは有りませんけど僕は全力で行かせて貰う!」

 

「来い!坊や!」

 

 

リヒトさんが持っているのは刀みたいな剣、セイファートと言うらしい。金髪の少女改め闇の福音ことエヴァさんは何も持っていない。リヒトさんが仕掛けた!

 

 

「はぁ!」

 

「遅い!」

 

 

僕の攻撃が避けられる。伊達に600年生きた吸血鬼はすごいな。

 

 

『何を勿体ぶっている!』

 

「ああ。そうだな。」

 

「(雰囲気が変わった?)」

 

 

何事にも本気で行かなければな!つまらない理由だが燃やせ! 赫怒の炎を!

 

 

「創生せよ、天に描いた星辰を――我らは煌めく流れ星 」

 

「愚かなり、無知蒙昧たる玉座の主よ。絶海の牢獄と、無限に続く迷宮で、我が心より希望と明日を略奪できると何故なにゆえ貴様は信じたのだ」

 

「この両眼(りょうがん)を見るがい。視線に宿る猛き不滅の(ほむら)を知れ。荘厳な太陽(ほのお)を目指し、高みへ羽ばたく翼は既に天空の遥か彼方を駆けている」

 

「融け墜ちていく飛翔さえ、恐れることは何もない」

 

「罪業を滅却すべく闇を斬り裂き、飛べ蝋翔(イカロス)――怒り、砕き、焼き尽くせ」

 

「勝利の光に焦がされながら、遍く不浄へ裁きを下さん」

「我が墜落の暁に創世の火は訪れる」

 

「ゆえに邪悪なるもの、一切よ。ただ安らかに息絶えろ」

 

超新星(Metalnova)――煌翼たれ、蒼穹を舞う天駆翔・紅焔之型(Mk・braze Hyperion)

 

 

燃える。燃える。体の表面が燃える。だからどうした。そんなもの気合いと根性さえあればなんとかなる!

 

 

「何なんだ!それは!」

 

「必ず倒す!勝つのは()だ!」

 

 

エヴァンジェリンは触媒を使い、魔法を放った。彼女が使うのは氷系統の魔法。故にそれらは彼の身に届く前に蒸発する。

 

 

「くそぉ!リク・ラク ラ・ラク ライラック来たれ氷精(ウェニアント・スピーリトゥス) 闇の精(グラキアーレス・オブスクーランテース)

闇を従え(クム・オブスクラティオーニ) 吹雪け(フレット・テンペスタース) 常夜の氷雪(ニウァーリス)

闇の吹雪(ニウィス・テンペスタース・オブスクランス)!」

 

 

封印されているエヴァンジェリンは今出せる最高の一撃を放った。対するリヒトは、

 

 

煌赫墜翔(ニュークリアスラスター)発動(ブースト)ッ――!」

 

 

自らの炎を推進材とし、ロケットのごとき一撃を放った。両者の攻撃は拮抗している。

 

 

『その程度か?』

 

「まだだァ!」

 

 

蝋翼(イカロス)は己の片翼である煌翼(ヘリオス)の問いかけに答えた。彼の右目は力が増すごとに太陽のごとく輝いている。

 

 

「まだだ!もっと!そうだ!前へ、前へ!」

 

『流石だ蝋翼(イカロス)。俺はお前を誇りに思う。』

 

「うおぉぉぉ!貫けェ!」

 

 

炎を纏った両翼は天駆翔(ハイぺリオン)の名に恥じない威力を叩きだし、エヴァンジェリンの魔法を打ち破った。自らの魔法が破れ、魔力も切れたエヴァンジェリンは呆然とこちらを見ていた。彼女の目には彼はかつて惚れた赤毛の魔法使いよりも輝かしい光に見えていた。そしてこちらに手を伸ばし、

 

 

「私にもその光を!」

 

 

リヒトは彼女の手を掴み、

 

 

「良いだろう。共に目指そう!光のために。未来のために。自分以外の誰かのために!」

 

「ああっ!」

 

 

ここに光に焦がれた新たな光の亡者が生まれたのだった。

 

 

彼は彼女を連れてこの場所を去った。残られた魔法先生、生徒は先程の戦いを思いだし恐怖する者と彼のようになりたいと憧れる者といた。学園長及びタカミチは星辰奏者(エスペラント)の力に警戒し、英雄の息子はそのまっすぐな背中に父の面影を幻視した。この光景を除き見ていた火星未来人は自らの知る歴史と異なることに混乱しリヒトの超新星を見て絶叫した。




テスト中に何をやっているのか。自分でもわかりません。でも書いてしまう。これは光の亡者(微)に成りかけてるのかなぁ?と思った。


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第19話 闇が星に至るため

リヒト宅

 

 

「ここです。」

 

 

あの試合の後、僕はエヴァンジェリンさんを自宅へ連れてきていた。彼女の求める力を与えるためにだ。

 

 

「この中から好きなアダマンタイトを選んでください。調律はまだなので手に馴染む物で大丈夫です。」

 

「この中のか。剣、槍、短剣っと何だこれは槌か?ほうほう面白いな。」

 

「と言っても今日出来ることはそれだけですし。」

 

「何だと!」

 

「まぁまぁ。調律出来る人を呼ぶしかないんで。ああ、この都市にいますので明日の夕方には出来ると思いますよ。」

 

 

調律を行える彼女はまだ学生だ。星辰奏者(エスペラント)であり奏鋼調律師(ハーモナイザー)でもある。まぁこのエヴァさんも同じ学生なのだが、

 

 

「よし!これにするぞ!」

 

 

彼女が選んだアダマンタイトは武骨に輝いていた。

 

 

 

次の日

 

 

僕たちの前に彼女がやって来た。彼女を見てエヴァさんは驚いていた。それもそのはず彼女は裏の人間にも一般人として思われていたからである。彼女は、

 

 

「星辰アドラー猟追地蠍(スコルピオ)所属の長谷川千雨だ。つーか、私は所謂隠密だぞ!こんなことに喚んでんじゃねぇぞ!」

 

「アハハハ、すみません。ですが調律には奏鋼調律師(ハーモナイザー)が必要なんです。」

 

「なら!私を喚ぶな!」

 

「ここにいる奏鋼調律師(ハーモナイザー)は貴女だけんなんですから。」

 

「ハァー、で?誰の奴をすればいいんだ?」

 

「彼女のです。」

 

 

そうして僕はエヴァさんの方に手を向けた。千雨さんは怠そうに、

 

 

「一からの調律かよ。というか審判者(ラダマンテュス)の許可は取ったのか?」

 

「ええ、勿論。昨日のうちに。」

 

「ま、精霊魔術師の中のトップクラスの奴が味方に成りたがっているなら歓迎するだろう。だが星辰奏者(エスペラント)強化措置はどうする?不死者には肉体改造は難しいぞ?」

 

「それについては対策があります。不死者であるがゆえに本来、人では耐えきれないアレを使います。」

 

「ああ、アレかぁ。確かにアレなら出来るか。」

 

 

僕たちの話を聞いていたエヴァさんが、

 

 

「待て!貴様ら、アレとは何だ?名称を言わんと不安しか沸いてこないぞ!」

 

「ああ。これです。」

 

 

僕はエヴァさんの前にとある金属を出した。

 

 

「何だこれは?光を発しているぞ。危なくないか?」

 

「危なくはないですよ。(使い方を誤らなければ)」

 

「(出力がヤバイだけだから)その金属は調整済だ。ほれ、イッキ!」

 

 

千雨さんは金属を飲むように指示する。まぁ当然のように、

 

 

「これを飲むのか?!小さいが尖っているぞ!刺さらないのか?」

 

「刺さっても不死者なら大丈夫だろ!ほら、飲め!」

 

「くっ!南無・・・」

 

 

ゴク

 

 

「飲んだな?よし!ちょっと痛むと思うが耐えろ!」

 

「何を!・・・なっ?ぐ、ぐあああぁぁぁ!」

 

 

痛みが収まると、

 

 

「何なんだこれは!何だこの金属は!何を飲ませたー!」

 

「知りたいですか?たぶん信じられないと思いますが?」

 

「教えろ!」

 

「はいはい、神星鉄(オリハルコン)です。」

 

「は?」

 

「だから神星鉄(オリハルコン)だ。RPGで良くあるだろ?」

 

 

唖然としている。神星鉄(オリハルコン)は存在がファンタジーと言っても相違ないからな。まぁ魔術や陰陽術、星辰体(アストラル)もファンタジーな物だからな。いやでも星辰体(アストラル)は一応宇宙から来ている素粒子だと言われているから違うのか?

 

 

「今のうちに調律しとくかぁ?」

 

「そうですね。そっちの方がいいでしょう。アダマンタイトはこれです。」

 

 

そう言って千雨さんに袖の中に隠せそうなナイフを二つ渡した。

 

 

「ん?二つか。」

 

「予備です。」

 

「まぁ、そうだな。」

 

 

それからしばらく時間がたった。

千雨さんはエヴァにしっかり鞘を着けてナイフを投げ渡した。

 

 

「ほらよ!」

 

「・・・のわぁ!」

 

 

呆然としてたが渡すときの声で驚いたがしっかり受け取った。

 

 

「もういいか?私帰りたいんだけど?」

 

「待て待て。」

 

「質問か?」

 

「さっきの痛みは何なんだ?!」

 

神星鉄(オリハルコン)が心臓と融合した痛み、ハイ次」

 

「これどう使うんだ?」

 

「それはそいつに聞け、じゃあな!」

 

「ちょっ!」

 

 

千雨さんは帰っていった。長らくここにいると裏の人間に気づかれるかもしれないから良いけど最後の丸投げはちょっと。

 

 

「おい!リヒト!教えろ!」

 

「はい、わかりました。これはですね・・・。」

 

 

そうしてその日、エヴァさんからの質問に答え、星辰光(アステリズム)を発動するために座学を教えたりしてその日を終えた。



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第20話 戦闘後のそれぞれ

短いです。サブタイトル通りです。


リヒトとエヴァが去った後

 

 

魔法先生、生徒

 

 

「何なんだアレは!」

 

 

誰かが僕たちが彼の使った技?を見てそう思ったことと同じことをいい放った。全身を焔を纏っている姿はまるで噂に聞く闇の福音の禁呪である闇の魔法(マギア・エレベア)の様じゃないか!しかも意思により出力が増しているところを見るとどう見ても英雄の様じゃないか!

 

 

「ああ。素晴らしい!」

 

 

彼に憧れる者達も出てきた。

 

 

「危険だ!あんな力は放っておけない!」

 

 

彼の力を危惧する者も出てきた。彼は僕達英雄を目指す者達にとって眩しすぎるのだ。光のそのものだ。僕も彼のように成りたい!英雄に成りたい!僕も彼のように、 光のために。未来のために。自分以外の誰かのために。そう生きたいのだ!

 

 

 

半妖の剣士

 

 

「アレが長の言っていた星辰奏者(エスペラント)!」

 

 

私は星辰奏者(エスペラント)のことを長から教えられていたのだ。まだ星辰奏者(エスペラント)が表に出て来ていないときに出会ったと言われる男、ファブニル・ダインスレイフについてだ。実力は自らは確認していなかったが強者二人でやっと仕留められたとのこと。彼は星辰アドラーに所属している存在。星辰アドラーと我々関西支部の大元とは協力関係にあるため、遺憾だが何かあった時協力を頼めるだろう。私はただお嬢様を守れればそれで良いのだから!

 

 

 

アラン・スプリングフィールド

 

 

「アレが星辰奏者(エスペラント)かぁ。」

 

 

また厄介な存在だな。只でさえ、学園長達(馬鹿共)に頭を悩ませられているのに。あの人達は話を拗らせるのが好きなようだな。ハァー、駄目だな。頭痛くなってきた。帰って寝るか。っていうかもうすぐ夜明けじゃん!集会はもっと早い時間にしてほしいよ。まったく。

 

 

 

未来からやって来た火星在住の似非中国人

 

 

「何なんだヨ!これは!ご先祖様であるネギ・スプリングフィールドはいないし、見知らぬ金髪小僧がいるし、星辰奏者(エスペラント)?そんなやつらがいるなんて記録に無いヨ!」

 

 

何故だ!只でさえ計画に必要な世界樹は未来から持ってきた地図とは別の方角にあるし、そこは魔法使いも一般人も侵入不可?陰陽師はまだしも魔術師?聖堂教会?というかこの聖堂教会!計画を行うなら絶対邪魔してくるじゃないカ!秘匿のためにこの麻帆良が血に染まるじゃないカ。しかもこの前予行練習を外部の町で行おうとしたらカルデアとか言う連中にやられたせいで何も出来なかったし、まぁ命が助かっただけ良かったとするネ。そういえば何でワタシが干渉しようとしていたのを知ってたノカ?特異点とか言っていたような?

 

 

ピンポーン

 

 

ん?何だ?・・・小包?中は・・・金の杯?誰から・・・魔術王ソロモン?これは何だ?使い方?・・・ふむふむ。これは!これで計画を進められる!魔術王ソロモンさん!誰かは知らないがありがとう!よし!検証スルカ!




FGO石貯まったので10連回したらゴルゴーンが出ました。嬉しいんですけどやっぱり玉藻が欲しかった。


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第21話 転入と報告と断刃

月曜日 3-A教室

 

 

「えっと今日から(学園長のせいで)このクラスに入ることになった(入れさせられた)アラン・スプリングフィールドです。この通り男です。」

 

 

私はこれからクラスメイトになるみんなの前で自己紹介した。大半は固まっているな。そして息を大きく吸って、

 

 

「「「えっ?えぇー!」」」

 

 

うわぁ。一般の人達は大声をあげた。裏の人達はこう言うとき黙っているものだろうけど。生徒の大半の大声で参っている様ですね。

 

 

「ちょっと!待ちなさい!何で!男がここにいるのよ!ここは!女子校よ!」

 

 

赤毛のツインテールの人が叫んだ。何かデカイ版のアーニャだな。

 

 

「落ち着いてください。自分から入るわけ無いでしょう!少し考えてください。」

 

「あ~、スプリングフィールドさん?この方は馬鹿なんで理性的には会話できないんです。」

 

 

私が一言弁解しようと思い言うと金髪の人が赤毛のツインテールの人について補足した。彼女に向かって、

 

 

「私のことはアランでいいですよ。あと赤毛のツインテールの人は私じゃなくて元凶である学園長に言ってください!」

 

 

私は教壇からみんなの方を見回した。そして顔を覚えるために貰った名簿のコピーを見つつ思った。ここって本当に日本ですか?日本人以外は除いても髪の色が可笑しい。質問として髪について聞いても何で聞いてくるのかと首をかしげつつ地毛だと答える。赤毛は赤毛でもあんな鮮やかな赤は普通可笑しいでしょう!一部の大人びた雰囲気の人達からは生暖かい視線を感じるし、彼女らも通ってきた道なのかなと思い、

 

 

「これからよろしくお願いします!」

 

 

の一言で閉めた。不本意ながらこうして私の女子校での生活が始まったのだ。

 

 

 

世界樹下神殿

 

 

ここが魔術師や陰陽師達の主とも呼べるもの達がいる場所かぁ。あの奥に現代に生きる神がいるのか。おっと、

 

 

「星辰アドラーより派遣された星辰奏者(エスペラント)よ、名乗れ!」

 

 

立派な服を着た魔術師が声をあげた。それに僕は頷き、

 

 

「星辰アドラー血染処女(バルゴ)所属のリヒト・ブリューゲルです。星辰アドラー総統ギルベルト・ハーヴェスより文を預かっております!どうぞ。」

 

 

僕は前もってハーヴェス総統より預かっていた文を警護の者に渡した。その文は魔術師が直々に確認し、こちらからは見えないが奥のもの達に渡した。それから少しして。声が聞こえた。

 

 

『わかった。我は貴様のこの地での行動を認めよう!』

 

 

ふぅー。良かった。正式に認められると安心した。が、

 

 

『それと、この文以外での報告はあるか?』

 

 

えっ?えっと、

 

 

「あります。」

 

『それは何だ?』

 

「は!精霊魔術師側にいた真祖の吸血鬼であるエヴァンジェリン・A・K・マグダヴェルを我々星辰奏者(エスペラント)側に招き入れたことです。」

 

『そうか。それはいいことだ。あの屑どもの戦力が減るのなら嬉しいことだな。』

 

 

良かったようだ。ここは精霊魔術師達は疎まれているようだ。まぁこの星の殆どはそうなのだが。

 

 

『だが。』

 

「えっ?」

 

『一つ訂正がある。彼女は真祖の吸血鬼ではない。真祖の吸血鬼の力を模した劣化版だ。故に真祖の吸血鬼(偽)だ。』

 

「えっと、わかりました。」

 

 

いきなり言ってきたと思えば訂正だけで良かった。

 

 

『貴様は剣を使うようだが自己流のものか?』

 

「はい。」

 

『そうか。ならば貴様には師を用意しよう!入れ!』

 

 

彼の声が響き渡り近くの扉から、刀を持った屈強な男が入ってきた。

 

 

「我が神よ。お呼びでしょうか?」

 

『貴様の剣をそこの青年に叩き込んでやれ!』

 

「わかりました。それが我が神の命とあれば。」

 

『これから直ぐに稽古をつけてやれ!』

 

「わかりました。ほれ!行くぞ!」

 

「ちょっと!」

 

 

僕は神殿から引きずられながら出た。それから鍛練所の様なところへ連れていかれた。そして、

 

 

「自己紹介がまだだったな。俺は村雨九郎。貴様を鍛えるものだ。我が剣は神を守る断刃(ムラサメ)流剣術。」

 

 

彼は刀を構えながら自己紹介した。ならば僕も、

 

 

「僕はリヒト・ブリューゲル。貴方に教えを受けるものだ!」

 

 

彼はフッと笑い。

 

 

「ならばよし、俺は教えるのが苦手だ。故に我が剣は戦いの中で刻み込んでやろう!行くぞ!」

 

「はい!」

 

 

それから彼・・・師匠と僕は剣を交わし合った。師匠との立ち合いはとても楽しかったと思うほど良いものだった。

 




村雨九郎

容姿はクロウ・ムラサメ

大昔より神(シュマ)を守護している断刃(ムラサメ)流剣術の使い手の一族。シルヴァリオ・トリニティのクロウ・ムラサメとは違い気を習得している。単独で英霊とも渡り合える地球版ラカン。シュマが諜報役を欲しがり暗殺者を召喚したが彼と融合してしまい。デミサーヴァント化している。融合の影響で首を断つのが更に得意に。


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第22話 破壊されていく学園長の陰謀

次に行きたいので学祭まで巻きます。


無事転入を終え、テストも終わった。テストの時学園長が試練とふざけたことを言っていたので、まだする必要が無いことを言いつつ、なに自分達の目的のために一般人を巻き込むのか?と、他の魔法先生の前で言ってやると冷や汗かきながら黙った。他の魔法先生からも学園長はそんなことしないよね?という視線により渋々だったが、まずそんなことよりも修学旅行だ。

 

 

「アランくん!修学旅行何処にした?」

 

「えっとハワイかな?」

 

 

聞かれるように修学旅行は投票で決まる。この投票内容は魔法先生達が見るので、私はハワイと書き理由は魔法を使った文字で精霊魔術師と魔術師及び陰陽師の中の悪さについて書いた。もし、一般人に何かあったとき責任取れるのか?とも書き、精霊魔術師達が一定の勢力を築いているハワイの方が安全だと書いておいた。ただでさえ魔術師や陰陽師の総本山にいるんだ少しでも怒らせないようにしないと。戦争中に失礼な態度をとって賠償金を払わせられたようだし。

 

 

 

学園長室修学旅行開票時

 

 

「む~。」

 

「どうしました?学園長。」

 

 

唸っている学園長に対して魔法先生の一人が話しかけた。

 

 

「これなんじゃがアランくんが出した内容なのじゃが。」

 

「えっと、どれどれ。これは!」

 

「アランくんに婿殿へ親書を届けさせるために京都にしようと思うんじゃが・・・」

 

「素晴らしい!」

 

「え?」

 

「皆さん!アランくんが!素晴らしいことを書いてあります!」

 

 

魔法先生は他の魔法先生のもとへ行き、アランが書いた投票を見せた。すると、

 

 

「ほうほう!素晴らしいな!」

 

「一般人を魔法に近づけないように始めから気を配っている!」

 

「この頭の回転力素晴らしい!さすが英雄の息子だ!」

 

「この内容には大賛成だ!」

 

 

と大絶賛された。学園長と高畑教諭以外に、そしてこの話はここにいない魔法先生や魔法生徒達のもとへと拡散していった。学園長と高畑教諭は修学旅行は京都にすることができない状況にアハハハと笑うばかりになった。

 

 

そうして私達は修学旅行はハワイになったのだ。修学旅行中は何のトラブルも無く平和そのものだった。よかったと言えば裏の関係者の龍宮さんと桜咲さんと世間話する程度仲良くなったことだ。

 

 

 

学園長の陰謀ではアラン達が行く筈だった京都では一人の少年が待ち受けていた。

 

 

千の呪文の男(サウザンドマスター)の息子はいつ京都に来るのだろうか。ん?連絡かな?」

 

 

何時まで経っても来ない英雄の息子に思いを馳せていたが仲間からの連絡が来た。

 

 

「え?京都じゃなくてハワイ?つまりここには来ないと?はぁ。帰還するか。」

 



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異常発展都市麻帆良
第23話 人理修復者


ということで学祭編です。たぶんこれらは長くなりそうです。だが、書きたい!(時間があれば)


「大変だ!」

 

 

俺たちのもとへ変態が走ってきた。

 

 

「どうしたんですか?ダヴィンチちゃん!」

 

 

変態否ダヴィンチちゃんに聞き返した。

 

 

「今変態って思わなかったかな?いや、そんなことよりも新たに特異点が発見されたよ!」

 

「どういことですか!ダヴィンチちゃん。」

 

 

ダヴィンチちゃんの発言に眼鏡をかけた後輩のマシュが問いかけた。そこへ、

 

 

「マシュ君。ここからは私が説明しよう!」

 

 

黒服で煙管を持った男ホームズが姿を表した。

 

 

「この前、小さな町で弱いが特異点となった場所があるだろう?」

 

「ああ。はい。」

 

 

神秘としては弱く何処と無く科学よりのものだったが聖杯もなく倒したら直ぐ送還されたところだ。

 

 

「それを起こした時代同じだが場所が違う。それに今回は魔神王ゲーティアが配った聖杯と同じ反応が出ているのだ!」

 

「ええっ!それでは大規模な特異点と同じだということですか?!」

 

 

ホームズの言葉にマシュが突っ込んだ。

 

 

「その通りだ。故に君達に依頼する。再び特異点を修正してくれるかな?」

 

「「はい、勿論!」」

 

「では、宜しい。説明に入ろう。場所は日本の麻帆良という都市だ。」

 

「麻帆良って確か、科学が発展してる都市だったような。」

 

 

俺は昔学生時代友達に誘われ学園祭に遊びに行ったことを思い出した。

 

 

「立香くん。知ってるのか?発展してるってどれくらい?」

 

 

ダヴィンチちゃんが聞いてきた。

 

 

「確か・・・毎年工学部のロボティラノが暴走しているくらい?」

 

「ロボ?勿論小型のやつだよね?」

 

「いえ、等身大です。」

 

「ちょっとそれはおかしいよ!世界的にもそこまで科学は発展しないよ!」

 

 

ダヴィンチちゃんの発言に今まで何で疑問におわなかったのか思いダヴィンチちゃんに言うと、

 

 

「認識阻害が働いているのかな?魔術師もいるかもしれないね。混沌としているなそこは。」

 

 

これから行くところがそうなのだから心配だな。ホームズがこちらに向かって、

 

 

「ああ。そうだ。今回は科学に属するサーヴァントは連れていけないみたいだ。多分敵側が召喚しているのかもね。」

 

「そうですか。マシュはまだ治ってないし行きたい人を選抜する必要があるか。」

 

「そうだね。それと、特異点の名前は異常発展都市麻帆良。君から聞いた情報と少し異なるようだ。」

 

「つまり平行世界ですか?」

 

「そうだね。用意は確りするように。ほら!サーヴァント達を厳選してこないのかね。」

 

「ああ。はい!」

 

 

そして、連れていくサーヴァントは

セイバー アルトリア・オルタ

アーチャー アルジュナ

ランサー 李書文

キャスター 孔明

の四人だ。現地で召喚する一人を加えて五名になる。

 

 

 

麻帆良

 

 

「着いたか!」

 

『こちらでも確認しました。先輩の他にサーヴァント達も健在です。』

 

 

通信機からマシュのオペレートが聞こえる。

 

 

「ふむ。ここが麻帆良か。確かに神秘が溢れているな。あれを見ろ。」

 

 

そこには屋根を疾走している学生がいた。

 

 

『あれ?あれサーヴァントではなくただの人ですよ!』

 

「神秘が溢れている地で過ごしているんだ。あれくらい変化が起きても仕方ないだろう。」

 

 

俺達はそういう人達を眺めていた。

 

 

『立香くん!君の真後ろに生体反応が!しかもこれは!デミサーヴァントだ!』

 

「えっ?」

 

 

俺は後ろを振り向いた。そこには刀を持った男がいた。その人は口を開き、

 

 

「貴様らが歴史を修正せんとやって来た者達か?」

 

「はい!そうです。」

 

 

彼の問いに反射的に答えた。

 

 

「そうか。なら、俺の主が呼んでいる。着いてこい!」

 

 

彼はそう言ってゆっくり歩き出した。俺達は行く宛もないため着いていった。しばらく歩き、俺たちの眼前に現れたのは巨大な木の根本に存在する神殿だった。

 

 

「マスター、ここから神の気配がします!」

 

 

アルジュナがそう言ってきた。その発言に、

 

 

『それはおかしいよ!その時代に神はもういない筈だ!』

 

「しかし、これはかなり強いものです。」

 

『ええっ!何なんだ!この特異点は!』

 

 

ダヴィンチちゃんとアルジュナの掛け合いを尻目に、

 

 

「マスター、神殿を良く見てみろ!」

 

 

孔明の言われ神殿を見る。すると、

 

 

「エジプトの物も混ざっている!」

 

『本当です!しかし、エジプトと言えばニトリクスさんやオジマンディアス王を思い出しますね。』

 

「そうだね。居そうだね。ック!」

 

 

いきなり圧力が俺達を襲った。今まで霊体化していたアルトリア・オルタ以降オルタと李書文が俺を守るように現界した。圧力が放たれた方を見ると、先ほどまで話題に出ていたオジマンディアス王がいた。

 

 

「貴様ら、余を待たせるとは不敬な輩だな!」

 

 

こういうタイプの王様は色々と面倒なので先に謝るべきだな。では、そうしようか。

 

 

「それ「貴様、こちらは招かれている立場だ。私達の都合の方が上だろう!」ってオルタ!」

 

 

謝って先に進もうとしようとしたらオルタが言葉を遮った。

 

 

「それを言われては言い返せないな。」

 

 

おや?案外話が通じる?

 

 

「私達を招いたのは貴様か?」

 

 

孔明がすかさず問いかける。すると、

 

 

「余ではない!余の友だ。そこの神殿の中で待っている。余のように死して彼と共にいるもの達も一緒だ!」

 

 

そう言ってオジマンディアス王は神殿内に入って行った。俺達も後を追うように神殿内に入った。

そこには銀髪で所々黒髪が混じっており、目の回りに濃いクマがある男がいた。いやこの人は人ではない。神だ!第七特異点で会った女神達のようだった。違う点は彼女達と違い自らの肉体を所持していることだった。俺達の目の前にいるのはこの神とオジマンディアス王だけではない。あれは!

 

 

「ベディヴィエールさん!ヴラド三世さん!サンソンさんにレオニダスさん!それに牛若丸さん!巨乳なアルトリアさんまで!」

 

「ほう。知っているのか。そこの黒いのが睨んできているな。なんだ?うらやましいのか?」バイーン

 

 

槍トリアはオルタを挑発している。オルタは怒りで我を忘れた。

 

 

「そこに直れ!この堕肉がぁ!」

 

「ベディヴィエール!」

 

「は!すみません。異世界の王よ。」

 

 

ベディヴィエールの腕から3つ回転するビットのようなものが現れ、

 

 

「卑王鉄槌、極光は反転する。光を飲めぇってうわぁ」

 

「はいだら~!」

 

 

ビットようなものはオルタに取りつきオルタをベディヴィエールの前に転移させた。いや転移と言って良いのだろうか。明らかに魔力を使わなかったことがわかる。そんなことよりもあの!ベディヴィエールさんが!はいだら~って!プッ!

 

 

「ちょっ!笑わないでください。私だって嫌なんですよ。この掛け声。でもしょうがないじゃないですかこの掛け声じゃなければ発動しないんですから!」

 

 

・・・それは本当に可哀想に」

 

 

「声に出てます。」

 

 

俺達のやり取りを見ていた神は、

 

 

「ハッハッハッハ!面白いなお前ら。よし決めた。俺らがお前達の行動をバックアップしてやろう。宿も用意しよう。あと人材を貸しだそう。九郎!」

 

「は!」

 

 

神が呼んだ人物は神殿まで俺達を案内した男だった。

 

 

「この者達の面倒を見てやれ。」

 

「拝命します。しかし、弟子の育成はどうしましょう。」

 

「お前の弟子も共に行動させればいいだろう?」

 

「は!了解しました。」

 

 

男はこちらに来て、

 

 

「と、言うことだこれからよろしく頼む。俺は村雨九郎だ。」

 

「俺は人理継続保障機関カルデア所属の藤丸立花だ。彼らは俺と契約しているサーヴァント達。」

 

『私はマシュ・キリエライトと申します。』

 

『私は万能の天才ダヴィンチちゃんだ!後は今はいないけどホームズくんがいるね。』

 

 

彼の自己紹介に対して俺達も自己紹介した。彼は、

 

 

「何とも面妖な奴もいるのだな。」

 

 

と、ダヴィンチちゃんの映像を見ながらそういった。

 

 

 

麻帆良某所

 

 

「ここは?何処だ。む?なんだ、これは!聖杯とやらの知識とな。」

 

 

男が出現したのは彼が生きた時代よりも古い時代。未だ第二太陽(アマテラス)が無く大和の民が存在している時代。不意に彼に近付いてくる気配を感じた。そこには、

 

 

「お久しぶりです。総統閣下。」

 

 

黒髪に眼鏡を掛けている男が話しかけてきた。この男、髪に金が混じっていることを除けば記憶ある存在と同じだった。故に、

 

 

「そうだな。審判者(ラダマンテュス)。」




最後に現界した英霊彼はこれからどう進むのか!自分でもわかりません!


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第24話 妖貴妃VS黒き騎士王

更新です。


案内された宿というか屋敷

 

 

「ここだ!」

 

 

九郎さんの案内でついた場所は宿っていうか屋敷だった。でかいな~。ん?何か音が聞こえる。

 

 

キーン、ガキン、ギギギギ、カキーン

 

 

金属を打ち合わせる音が聞こえる。九郎さんの案内のもと屋敷の庭にある訓練所へ向かった。そこには、

 

 

「はぁ!」

 

「くっ!は!」

 

 

赤髪の刀を持った青年と金髪の二本のナイフを持った少女が戦っていた。彼らの動きはとても速かった。数多の英霊を見ている俺でさえそう感じたのだった。九郎さんが二人に寄っていき、

 

 

「一旦止めろ!」

 

 

二人は九郎さんの声で飛び下がり武器を納めた。

 

 

「師匠。どうしたんですか?」

 

「ちっ!良いとこだったのにな。」

 

 

赤髪の青年は礼儀正しそうにしていたが金髪の少女は口が悪く態度も悪かった。

 

 

「なぁなに、客人だ。何日か共にいるのだ。自己紹介をしろ。」

 

「はい!わかりました。」

 

「ちっ!何故私がそんなことを。」

 

 

九郎さんの言葉に弟子らしき青年は元気良く返事をした。金髪の少女は言わずもがな。赤髪の青年がこちらに歩いてきて、

 

 

「星辰アドラー血染処女(バルゴ)所属のリヒト・ブリューゲルです。よろしくお願いします!」

 

「エヴァンジェリン・A・K・マグダウェルだ。吸血鬼だ。」

 

 

二人が挨拶した。マグダウェルさんは吸血鬼なのか。

 

 

『えっ!何故死徒が昼間にいるんだ?!』

 

 

何故かダヴィンチちゃんが騒ぎだした。

 

 

「何だ?この声は?お前か?」

 

「いえ、違います。この人です!」

 

 

俺は通信機から立体映像を出した。ダヴィンチちゃんが良く写っている。

 

 

「モナリザか?」

 

『おぉう!良くわかったね。そして私こそが万能の天才レオナルド・ダヴィンチだ!ダヴィンチちゃんって呼んでね!』

 

 

マグダウェルさんはダヴィンチちゃんの映像をじろじろ見て、

 

 

「無いな!」

 

『って!酷くないか!』

 

「すみません。僕もそう思います。」

 

『って!君もかい!?』

 

 

すみません。ダヴィンチちゃん、やっぱり俺もそう思います。それから俺達はお互いの情報を交換しあった。そして、

 

 

「僕達、模擬戦の途中だったんだ。またやり直すから後でね?」

 

 

リヒトは戦闘を行うと言い訓練所の方へ戻っていこうとした。

 

 

「待て!」

 

 

リヒトの前に霊体化していた李書文が現れた。オルタも一緒に、

 

 

「模擬戦を行うなら儂らと戦ってもらおう!」

「ああ。その通りだ!」

 

 

リヒトは九郎さんの方を向いた。九郎さんは頷き、

 

 

「本気で戦うなら訓練所(ここ)ではなく闘技場(向こう)で戦え、彼処なら宝具を撃とうが被害は出ん!」

 

「わかりました。では、案内します。」

 

 

そして案内のもと闘技場に着いた。そして現在、リヒトと李書文が、マグダヴェルさんとオルタが向き合っている。そして九郎さんの、

 

 

「始め!」

 

 

という合図のもとまずマグダウェルさんとオルタの闘いが始まった。

 

 

 

エヴァVSオルタ

 

 

エヴァは二振りのナイフで軽やかにオルタを攻撃する。しかし、オルタの鎧に阻まれダメージがあまり入っていない。オルタは聖剣で叩き斬ろうとするがエヴァがナイフで受け流す。

 

 

「ここままでは、埒があかないな!」

 

「ふん!それでどうするのだ?」

 

「上げさせてもらう!」

 

 

エヴァはナイフを構え、詠唱(ランゲージ)を唱えた。

 

 

「創生せよ、天に描いた星辰をーー我らは煌めく流れ星!」

 

 

キュイーン

 

 

という音を響かせ、彼女は星辰体(アストラル)を身に纏った。基準値(アベレージ)から発動値(ドライブ)へ、

 

 

「何!動きが変わった!」

 

「クハハハ!これが星辰奏者(エスペラント)の力だぁ!」

 

 

マグダウェルは光を纏った瞬間からオルタを圧倒しだした。俺は孔明に尋ねた。

 

 

「孔明!あれ!知ってる?」

 

「知らん!何だ!あいつらは!魔術でもない何なんだ!」

 

 

俺達が混乱していると九郎さんが、

 

 

「あれは星辰奏者(エスペラント)と呼ばれる者達だ。」

 

「達?つまりまだいるのか!」

 

「リヒトのやつもこれに当たるからな。」

 

 

孔明は九郎さんの言葉に驚いていた。俺は九郎さんに、

 

 

「あの!星辰奏者(エスペラント)って何なんですか?」

 

「すまんが俺も詳細は知らん。ただ言えるのは弟子いわく星の力を纏うということだ!」

 

 

星を纏う?つまり金星の力を使うイシュタルのようなものかな?違うな。イシュタルは星をぶつけるようなものだし、使い方かな。おっと!見逃していた。今はええっと、オルタが魔力放出を使いだしてマグダウェルさんと拮抗しているな。ん?マグダウェルさんが笑い出した?

 

 

「クハハハ!ハハハ!力を見せるに相応しい相手だ!見たいか?まぁ、見たくなくてもみせるがなぁ!」

 

 

マグダウェルさんは今度は長めの詠唱(ランゲージ)を唱え始めた。

 

 

「創生せよ、天に描いた星辰を―――我らは煌く流れ星」

 

「海神の求愛など、知らない、見えない、聞こえない。」

 

「無垢で可憐な少女の肢体に、男の欲はおもすぎる。」

 

「魅了しながら抱かれぬなど、魔女の怒りを買うだけなのに。あなたはそれにも気づかない。いつまで子供でいるつもり? 」

 

「並のように荒ぶる嫉妬――さあ、毒薬はたらされた。」

 

「心せよ、此れより汝は半人半魔。爛れて穢れた美の残骸、輝く浜辺は過去のもの。」

 

「悲劇を彩る渦潮として、船乗りたちを誘いましょうや。」

 

「ようこそ、涙の深海へ」

 

超新星(Metalnova)―――|妖しく貴い魔の妃よ、水淵紀行を綴っておくれ《Venomhag Abyssal Scylla》!」

 

 

彼女の周りに水が漂う。重力など無視して、ここは地上とそんなことは知らないとばかりに水を操り出したのだ。オルタはこれを見て、

 

 

「ふん!そのような曲芸で私に勝とうと?ハッ!笑わせる!貴様の本気など私の聖剣で撃ち破ってくれるわ!」

 

 

そうしてオルタは剣を構え、

 

 

「卑王鉄槌、極光は反転する。光を呑め!」

 

 

黒い光が聖剣・・・聖剣?に集まるオルタは聖剣を上段に構え、

 

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガァァァン)!」

 

 

黒き光がエヴァに向かう、エヴァはそれを水をぶつける。ただの水では、押し負けるがこれは星辰光(アステリズム)、星の力その物なのだ!星の力を放つ黒き聖剣と星の力を宿し使用者の意思の力で強化された水は拮抗する。

 

 

「ハァァァ!」

 

「オォォォ!」

 

 

オルタの方が優勢となった。だが、

 

 

「まだだ!まだだ!私は光を掴むんだ!」

 

 

光の亡者へと近づいていくエヴァは意思の力で現界を突破していく、

 

 

「まだまだまだァ!私は!負けん!勝つのは私だ!」

 

 

星辰光(アステリズム)は更なる光を放ち、出力を上げていった。現界を突破するごとに肉体には負荷がかかる。そして激しい痛みが彼女を襲う。だが、彼女は不死だ!肉体の負荷?そんなもの、勝手に治る!痛みは我慢すればいい!こんな痛み!600年の苦しみに比べれば何の事もない!

 

 

「何だ!これは!なっ!」

 

 

オルタは光に包まれた。はっ!

 

 

「オルタ!」

 

 

俺は叫んだ!俺は彼女のもとへ向かおうとすると、九郎さんが肩を掴んだ。

 

 

「離してください!オルタが!」

 

「彼女は無事だ。ほら!」

 

 

九郎さんの言葉が終わらない内に光と共に気絶したオルタが現れた。

 

 

「緊急強制転移装置だ。致死レベルの攻撃を受けそうになると自動で回収する。模擬戦で一定の安全を約束するのは当然だ。」

 

 

九郎さんが何か言っていたけれど俺はオルタが心配でオルタを抱き締めていた。そこへ、

 

 

『先輩ー!オルタさんが心配なのはわかりますけど!離れてください!』

 

『デュフフフ、さすが!マスター。よくやりますなwww』

 

 

マシュの声でオルタから離れた。別の声が聞こえた感じはするが無視する。

 

 

「ちっ!あのマシュマロめ!邪魔をしよって!」

 

 

オルタが小声で何か言っていたが聞こえなかった。




ルビが変換できない。何故か。


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第25話 天駆翔VS神槍

更新です。まだありますが


マグダウェルさんとオルタとの闘いで一騒動有ったけど次はリヒトと李書文が闘いだ。

 

 

「カカッ!お主との立ち会い。楽しみで仕方ないのう!」

 

「ええ、僕もです。強者と闘いは僕を更に強くする!」

 

 

両者とも戦意は充分だな。今度は孔明の、

 

 

「両者構え!始め!」

 

 

という宣言で始まった。

 

 

「では!行きます!」

 

「来ぉい!」

 

リヒトが李書文へ突っ込んだ。リヒトは刀に似た剣を持っていた。マグダウェルのナイフと似た装飾が付いていたことから彼も力が使えるのだろう。

 

 

「は!」

 

 

リヒトは刀を振りかざし断ち斬る。しかし、李書文は槍でそれを受け流す。李書文が槍による突きを繰り返すがリヒトはその槍を紙一重でかわしている。

 

 

「「ハァァァ!」」

 

 

ガキン

 

 

「カカッ!お主。よい剣ではないか!師が良かったのじゃろう!」

 

「ハハッ!そうだ!僕には勿体無い人だよ!」

 

 

彼らの会話に九郎さんは嬉しそうにそして恥ずかしそうにしていた。

彼らの闘いは動き出した。それは、

 

 

「カカッ!お主もあの小娘と同じことができるのじゃろう?儂にその力を見せてみろ!」

 

 

李書文のこの発言からである。俺は少し楽しみになっていた。英霊でもなく宝具も使えない。そして魔術師しでもマシュのようなデミサーヴァントでもない。彼を見ていると光のように眩しく見える。俺も!その領域に!

 

 

「マスター!それ以上はいけない!」

 

 

は!俺は何を考えていた。アルジュナのお陰で正気に戻った。

 

 

「マスターも男なのだから光に対する憧れはあるのでしょうが彼と同じようになれば英雄にはなれるかもしれませんが、いずれ他のものを失いますよ。ほら!彼が力を使うようです。気をしっかり持ってください。」

 

 

俺はアルジュナの助言のもとリヒトの方を見た。リヒトの刀から炎のようなものが薄く纏っているように見えた。まるでアルジュナやカルナの魔力放出(炎)のようだ!

 

 

「創生せよ、天に描いた星辰を――我らは煌めく流れ星 」

 

「愚かなり、無知蒙昧たる玉座の主よ。絶海の牢獄と、無限に続く迷宮で、我が心より希望と明日を略奪できると何故(なにゆえ)貴様は信じたのだ」

 

「この両眼(りょうがん)を見るがい。視線に宿る猛き不滅の(ほむら)を知れ。荘厳な太陽(ほのお)を目指し、高みへ羽ばたく翼は既に天空の遥か彼方を駆けている」

 

「融け墜ちていく飛翔さえ、恐れることは何もない」

 

「罪業を滅却すべく闇を斬り裂き、飛べ蝋翔(イカロス)――怒り、砕き、焼き尽くせ」

 

「勝利の光に焦がされながら、遍く不浄へ裁きを下さん」

 

「我が墜落の暁に創世の火は訪れる」

 

「ゆえに邪悪なるもの、一切よ。ただ安らかに息絶えろ」

 

超新星(Metalnova)――煌翼たれ、蒼穹を舞う天駆翔・紅焔之型(Mk・braze Hyperion)

 

 

焔が彼の身体から出ている。眩しい。まるで太陽のようだ。

 

 

「マスター。まるで、ではありません。あれは小型の太陽そのものです。」

 

 

えっ!李書文は大丈夫なのかな?

 

 

「はっきりと言いましょう。無理です。英霊となれど太陽の熱を直に浴びれば消滅もあり得ましょう。私も英霊としての縛りが有る限り苦戦は必至です。」

 

 

アルジュナの説明を聞き、リヒトは凄いんだなと思っていると、

 

 

『なんじゃこりゃあ!』

 

 

通信でダヴィンチちゃんが声をあげた。

 

 

「どうしたの?ダヴィンチちゃん。」

 

『彼のバイタルを確認したところ、彼あの力の焔のダメージを受けているよ!』

 

「ええ!?」

 

『何の力かは解らないけど傷は回復している。だけど尋常じゃない痛みは受けている筈だ!なのにあの動きは何なんだ!』

 

 

リヒトの方を見ると星辰光(アステリズム)で強化された身体能力をfullに使って李書文を追い詰めていた。李書文は笑っていた。そしてリヒトの懐に入り、

 

 

「我が槍は一撃必倒!神槍と呼ばれたこの槍に一切の矛盾なし!」

 

 

李書文は槍を構え、

 

 

ハァァァ!(神槍・天ニ打)

 

 

李書文の槍は彼の心臓がある胸に一直線で向かった。だが、槍は溶けたのだ。穂先が溶け、柄が溶け、彼は手に熱が来る前に槍を離し飛び下がった。

 

 

「カカッ!ふむ。ランサーである儂の槍を破壊した時点で儂の敗けは決まっておる。降参じゃ。そのように我が槍をも溶かす焔ではなければ素手で挑みかかったものよ!」

 

 

李書文は孔明の方に向き合図した。

 

 

「勝者リヒト・ブリューゲル!」

 

 

この後俺達は屋敷で共に食事をいただきつつ、俺達の冒険譚を彼らに語った。

 

 

 

???

 

 

『あの者達、英霊といったか?技能は素晴らしい。尊敬に値する。故に彼らの技術を盗め!』

 

「ああ。わかっている。」

 

 

ここは焔に包まれた場所二人の男は焔を物ともせず話していた。

 

 

『この地に現れたという聖杯。それが我らを強くする。』

 

「どんな英霊でも僕達の糧としてやる。」

 

『そうだ!その意思だ!だからこそ!』

 

「そうだ!だからこそ!」

 

 

二人は声を合わせ、

 

 

『「勝利をこの手に掴むため!」』

 

 



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第26話 大和からの来た少女

二つ目更新です。


麻帆良某所

 

 

そこには立香達が九郎に連れられ立ち入り禁止の場所へ向かっている映像を見ている少女がいた。

 

 

「む!やはりキタカ。カルデアとか言う奴らガ!」

 

 

カルデアは彼女が目的を果たすためには彼らは邪魔になるのだ。

彼女がこの地この時代にいるのは彼女の時代の悲劇を無くすためである。

彼女のいた時代は化石燃料は枯渇し、魔法世界との戦争もありあらゆるエネルギーがそちらに優先される。彼女の時代の科学者はエネルギー問題を解決するため宇宙で発見された粒子である星辰体(アストラル)を使った星辰体(アストラル)式新型核融合炉を現在建造している。彼女達の世界はそれほど追い詰められておるのだ。彼女はそれを使わなくてもすむようにこの地に舞い降りたのだ。

星辰体(アストラル)はまだ人体が使う方法は確立されていない。故に彼女はこの世界に存在する星辰奏者(エスペラント)から技術を盗もうとしているのだ。

彼女はこの地に舞い降りる前に事前に情報を得ていたが異なる箇所が多いのだ。

例えば【千の呪文の男(サウザンドマスター)】の仲間にイアン・ジャゴーダという人物はいなかった筈だ。それに魔術師とか言う勢力、聖堂教会とか言う勢力、更には記録とは違う場所にある世界樹の根本に構えている現代に生きる神、自らの先祖であるネギ・スプリングフィールドが死亡扱いになっており、存在しない筈の弟が麻帆良に来ている。情報では担任として彼女の教室に来る筈が同級生として来ており、【闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)】との戦いは無く。京都に修学旅行で行った時、【完全なる世界(コズモ・エンテレケイア)】の残党が襲ってくる筈なのに、修学旅行がハワイ行きになったりとかなりの食い違いがあるのだ。

そんなことよりも今はエヴァンジェリンが星辰奏者(エスペラント)側に着いたことから、

 

 

「アアアアー!」

 

 

叫んだ。何故こうも思い通りにならない。それに聖杯で呼んだアイツラは!

 

 

「だから!そこは!こうするべきだ!解っているのか?テスラ博士?」

 

「何を言う!そこは!そうせず!こう!するべきだ!貴様こそ解っているのかね?ミスター・エジソン?」

 

 

彼女にとっても偉大な偉人が喧嘩しながら計画に必要な物を造っているのも、

 

 

「素晴らしい、ワタシは、そう感じている。」

 

「ウウウ!ウウウ~!」

 

 

明らかに人形じゃない物とも花嫁のような格好した者が話しているのも許容できる筈だ。

いや、やっぱり無理だ。エジソンは明らかに人じゃない。何だあれは!ライオンヘッド!何で!あんなになっているんだ!それにバベッジもだ元は人なのに明らかにロボットだ!

しかも戦いは前衛?貴方はキャスターでしょうが!

この通り彼女は爆発寸前だった。

彼らの召喚時は、

 

 

「貴方達の科学で魔法に打ち勝ってみないカ?」

 

 

と、発言していたが彼らは癖が強すぎたのだ!

天才が集まったのだ。求めるものは出来た。

だが、それで天才達は納得しない。更なる強化を求めて改良を重ねているのだ。その過程でニコラ・テスラとトーマス・アルバ・エジソンがぶつかっているのだ。

しかし、天才は彼らだけではない!ワタシもそうなのだ!故に、自らの考えよりも自分達を優先している彼らに対して爆発した。その案件に加わり、彼女は天才達との口論を案外楽しんだのだった。

 

 

 

図書館島最下層

 

 

麻帆良の名物、湖に浮くように作られた巨大な図書館。通称図書館島、この図書館島の生徒が辿り着けない最下層に彼らはいた。

 

 

「しかし、地脈が少し歪んでますね。」

 

 

数多の本に囲まれた部屋にいるフードを被った男がそう言った。

 

 

「僕なら元に戻せるけど、この地の神に許可を求める必要があるから無理だけど。」

 

 

褐色でゆるふわ系の男がいた。

 

 

「ああ。貴方は無断で入ってきた身ですからね。」

 

「貴方もでしょうが!」

 

 

フードを被った男の発言に褐色のゆるふわ系の男が突っ込んだ。

 

 

「そう言えばアル。君は学園祭どうするの?」

 

 

褐色のゆるふわ系の男が尋ねた。尋ねられた男のアルビレオ・イマは、

 

 

「友との約束を果たします。貴方はどうします?ソロモン?」

 

 

アルビレオはソロモンという男に対して尋ねた。ソロモンは、

 

 

「僕はこうやって変装して祭りを楽しむさ!」

 

 

ソロモンはかつてロマニ・アーキマンと呼ばれていた姿に変わった。それを見てアルビレオは、

 

 

「では、お互いに楽しみましょうか。」

 

「そうだね。」



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第27話 取りこぼした者との邂逅

章分けしましたがあくまで仮です。何か良さそうのがあるなら教えてください。


学園某所

 

 

 

学祭一日目の売店が立ち並ぶ場所に一人の青年が立ち食いしていた。

 

 

「モグモグ、おいしい!これも!本当に学生が作ったものとは思えないな!」

 

 

その青年は白衣を着てヘタレだと思わせる声をしている者だった。

 

 

「次は向こうに行こうかな!・・・っな!」

 

 

彼が他の場所に行こうとすると進行方向から彼にとって見知った人物達が歩いてくるのが見えた。彼は咄嗟に近くの喫茶店の中に入った。喫茶店内は混雑していたが席に一人で座ることはできた。

 

 

「あれは!藤丸くん!何で!マシュがいないから他人の空似かな?でも、あれはカルデアの制服だ!隣にいるのはアルトリア・オルタくんじゃないか!」

 

 

彼は驚いた。かつて自分が所属し、共に暮らし、そして共に笑いあった家族ともいえる者がいたのだから!それに休暇で来たのか?とも思ったがそれはあり得ない。時代が異なるからだ!

 

 

「もしかして!新たに、ここが特異点になったのか?!でも、そう言うことならばマシュがいないのも説明がつく。」

 

 

彼はウ~ンと考えていた。

 

 

カチャ

 

 

音が聞こえ、何だと顔をあげると店員が頼んだケーキと紅茶を持ってきた音だった。

 

 

「ハァー、考えてもしょうがないかな。今は紅茶が冷めない内にいただこうかな!」

 

 

彼はケーキと紅茶を楽しんでいた。そこに、

 

 

「あのお客様。相席宜しいですか?」

 

 

店員が聞いてきた。思っていたよりもケーキと紅茶が美味しく上機嫌だった彼は、

 

 

「うん!いいよ!あっ!あと、ケーキと紅茶おかわりよろしく!」

 

「はい!ただいま!」

 

 

少しして、

 

 

「こちらの席です。」

 

 

相席を希望した人が来たようだ。顔をあげると、

 

 

「えっ!藤丸くん?」

 

「えっ!ドクター?」

 

 

藤丸くんがいた。向こうも僕を知っているってことは僕の知っている藤丸くんだ。

 

 

「お客様、注文の品です。」

 

「あ!ありがとう。」

 

 

店員がケーキと紅茶を持って来た。そして藤丸くん達の注文を聞いて戻っていった。

 

 

「あ!藤丸くん。みんなには内緒に・・・」

 

「すまないが、マスターは連絡しているぞ!」

 

 

ロマンはヘタレているとオルタはもう連絡していると言った。ああこれは、

 

 

『ドクター!』

 

 

この声はマシュか!

 

 

『ロマニ!』

 

 

次はダヴィンチちゃん!

 

 

『『『主任!』』』

 

 

カルデアのスタッフ一堂!

 

 

『ドクター、ロマン!』

 

 

・・・誰?

 

 

「あっ!さっきのはホームズさんです。」

 

 

藤丸くんが補足してくれた。

 

 

『ダヴィンチちゃんさん!ダヴィンチちゃんさん!ドクターが!生きてます!』

 

『ロマニ!私を悲しませた罰は受けされるよ!』

 

『『『主任!今までサボった分の仕事はしてもらいますよ!本当に大変だったんですからね!』』』

 

『アハハ、人気者だね。ロマニくん。でも、どうして存在できるんだい?』

 

 

混沌としていた。まぁ予想は出来ていたんだけど。

 

 

「そうだよ!ドクターは何故存在できているんですか?!」

 

 

藤丸くんが最もらしい質問をして来た。それに対して僕はこう答えた。

 

 

「この世界の僕ことソロモンは英霊の座だけでなくこの地にいる神の宝具いや神具に刻まれていたからかな?人としての意識があるソロモン()と人としての意識を求めるソロモン()が一つに成ったんだよ!因みに受肉しているしね!」

 

 

僕もこの地に現れた時は驚いた。僕は宝具を使い英霊の座からも存在を抹消した筈なのに肉体を持ってあの大樹の前にいた。厳つい男が歩いてくるのが見えたから逃げたけど、

 

 

「僕のことは以上かな。君の話が聞きたいな。」

 

 

彼は話してくれた。僕が消えた後、人王と成ったゲーティアとの戦いのこと、人理修復後マシュが復活したこと、人理修復の取りこぼしである新宿の特異点のことなど。

 

 

「藤丸くん!よく頑張ったね!」

 

「ド、ドクター!」

 

 

優しく誉めてあげると藤丸くんは涙ぐんでいた。そこに、

 

 

「これからは僕も手伝うよ。一緒に頑張って行こう!」

 

「うっ!」

 

 

こう言うと泣き出してしまった。彼は一通り泣くと、

 

 

「ドクター!これからもよろしくお願いします!」

 

「うん!こちらこそ!」

 

 

僕達はしっかりと握手した。しかし、それを邪魔にする様に聞こえる音が、

 

 

ガチャガチャ

 

 

音が聞こえる方を向くと、一心不乱に食べ物を食らっているオルタの姿があった。

藤丸くんは青い顔を向けて、

 

 

「実はここのお金少ししか貰ってないのに、どうしたらいいですか?!」

 

 

僕はため息を落とし笑いながら、

 

 

「お金なら僕が持っている。だけど、これ以上は難しいかな。」

 

 

っと、答えた。すると、

 

 

「ごめん、オルタ。それぐらいにして、ね?」

 

 

藤丸くんがオルタにそう言った。彼女は顔をあげるとあげると、

 

 

「仕方ないな。マスター!このケーキを私に食べさせてくれるのなら止めてやろう!ほれ!」

 

 

そう言って彼女は藤丸くんの方を向き、口を開けた。

 

 

「わかったよ。それで止めてくれるのなら。」

 

『先輩っ!』

 

 

藤丸くんはケーキを一口サイズにフォークで切りとり、ケーキをオルタに食べさせた。

 

 

『オルタさん!羨ましいです!』

 

「ふん!」

 

 

マシュが叫び、オルタが見せつけるように笑った。僕はこのやり取りを見つめていた。存在できて良かったと感じていたのだった。



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第28話 復活の素材塊

人類悪(笑)顕現?


麻帆良某所

 

 

 

「む!カルデアめ!また!戦力を増やしたカ!」

 

 

立香達を監視している者が声をあげた。

 

 

「落ち着け!超鈴音。指揮官である貴様が冷静さを切らしてどうする。」

 

 

青髪のワカメヘアーの青年が彼女を諭した。

 

 

「アア、すまんナ。ゾォルケンさん。」

 

 

彼女は自らを諭してくれた青年に謝った。指揮官である彼女が冷静でなければいけないのだ。彼女が召喚した英霊達はそれぞれ天才と呼ばれたもの達のため(一部は違うが)反りが合わないのだ。彼女が荒ぶっても何も好転しないのだ。彼女はこの青年に感謝をしている。魔術師でありながら神秘を世界に公開しようとしている自分に協力してくれているからだ。

 

 

「ゾォルケンさん。ワタシはアイツラを押さえてくるヨ!」

 

「ああ。行ってくるといいよ。」

 

 

彼女は英霊達の元へ行った。青年は一人になると、歪んだ笑顔を浮かべた。

 

 

「待っていろ!カルデアのマスター!ロンドンでの苦渋と冠位時間神殿での借を返してやる!私は決して!貴様らが望む!素材の!塊では!ない!私は!誇り高き!魔神柱バルバトスだぁ!」

 

 

彼の見つめる場所には科学で造られた自らの名前を冠する全身装甲の機械で出来た鎧が存在していた。

 

 

「ハッハッハ!この!GF(ガンダムフレーム) バルバトスで!貴様らを叩き潰してやろう!ハッハッハ!」

 

 

 

そして某所

 

 

ピキーン

 

 

『どうしたんですか?先輩?』

 

 

いや何か良さそうなイベントが起きそうだと感じたから。

 

 

『そうですか。』

 

 

 

別の時間軸

 

 

「・・・」ニヤァ

 

 

何かを感じ、無言で口を歪ませた少女がいた。それを見ていた二人が、

 

 

「大変です!所長、先輩が!」

 

「何をやらかすつもりかしら?」

 

「・・・」

 

 

彼女は答えず、無言で何かを考えている。あれは、

 

 

「編成を考えていますよ!」

 

「あの子。何処にレイシフトするつもりかしら?」

 

 

彼女は決まったのか立ち上がり、医務室に向かった。そして、ポニーテールおじさんの襟元を掴み、

 

 

「探せ!」

 

「いきなり何を!」

 

「うだうだ言ってないで探せって言っているだろう?」

 

「はいぃ!ただいま!」

 

 

ポニーテールおじさんを脅して目的の場所を探させていた。

 

 

「・・・」ニヤァ

 

 

 

そして戻って

 

 

ビクッ

 

 

「何だ?この寒気は!尋常な物じゃない!念のため、機体を強化するか。」

 

 

そうして彼は天才英霊達に頼み魔改造してもらったのだ。彼の機体はアダマンタイト製で星辰光(アステリズム)を使う媒体となるのだが彼らにその知識はない。彼女の知識で硬質な金属の一つとして知られているだけである。ゾォルケンは防御を高くしている。また、狩られないために!もっともっと硬く!




この先出るかは気分次第。


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第29話 武道?四天王+一人

物語の構成上やっぱり滅奏がいないのは不味いので出しました。


僕と藤丸くん達は喫茶店を出て歩いていた。ふと、藤丸くんが自らの財布を覗き青ざめた。

 

 

「どうしたんだい?」

 

「実はドクター、・・・」

 

 

藤丸くん曰く貰ったお金が底をつきそうとのことだ。ギリギリ学祭二日目までは大丈夫らしいけど。そこで、

 

 

「武道大会に出てみたら?」

 

「えっとそれはなんですか?」

 

 

麻帆良伝統の大会で刃物とか火器及び飛び道具を禁じている物で予選を勝つ抜き、本戦で優勝すると賞金1000万円貰えると言うことを教えてあげた。予選受付終了までは後二時間はあると言うことも教えてあげると、

 

 

「それは良さそうですね!誰か出たい?」

 

「マスター、私は出よう!」

 

『カカッ!良いぞ!儂も出ようぞ!』

 

「オルタと李書文が出るのか。アルジュナと孔明は?」

 

『私はマスターの護衛に務めますので不参加で。』

 

『私は後衛向きだ。前衛の真似事はやらん。』

 

 

オルタと李書文が参加して残り二人は藤丸くんの護衛と、

 

 

「それじゃあ、向かおうか!こっちだよ!」

 

 

そして僕の船頭で開催場所へ着いた。

 

 

 

武道大会開催地龍宮神社

 

 

「マスター、参加希望だしてきたぞ!」

 

「これから私達は参加者控え室に向かうからな!」

 

 

すると、藤丸くんは彼らに、

 

 

「二人とも頑張ってね!」

 

 

と、言った。二人は嬉しそうに控え室へ向かった。僕とドクターは観客席に向かった。

 

 

 

龍宮神社別の場所

 

 

そこには武道大会に出ようとする男子高等部四天王とその友人がいた。

 

 

我流喧嘩殺法の使い手かつ自称カオル・ザ・デッドエンド、豪徳寺薫

 

 

3D柔術の使い手にして生粋のロリコン、山下慶一

 

 

たらこ唇だが強く名前が名前でも犬じゃないよ、大豪院ポチ

 

 

えーっと誰だったか?あっ、そうだ!中村達也

 

 

この四人の友人にしてシスコンにして半引きこもりだが強い、大神小太郎

 

 

「って!待てぇい!」

 

 

彼らの紹介に達也が突っ込んだ。

 

 

「何で俺だけそんな紹介なんだ!」

 

 

その発言に彼らは、

 

 

「「「「だってお前、キャラ薄いじゃん!!!」」」」

 

 

口を揃えてそう言った。

 

 

「まっ、達也はほっといて何で俺まで喚んだんだ?俺は自宅でゆっくりしてたのに!」

 

 

小太郎はダルそうに言った。それに対して慶一が、

 

 

「我が友小太郎よ!僕はこの大会に勝ち、あの麗しのマグダウェルさんに告白しようと思っているんだ!親友である君に見届けてほしくてね!」

 

 

何か暴露した。小太郎は、

 

 

「あ~。フラグたったな。失敗する、絶対失敗する。笑い話として見ていてやろう。」

 

 

ダルそうに答えた。そこで薫が、

 

 

「慶一よぉ。告白するって言ったら口説き文句ぐらい有るんだよな?」

 

 

慶一に聞いた。ついでにポチが、

 

 

「聞きたいな!」

 

 

という発言をしたせいで俺達はこの後精神を削られることになったのだ。

慶一はうんうんと頷き、

 

 

「では!行くよ!」

 

 

と言いつつポーズを決めながら、

 

 

「しとどに濡れる青く可憐な一輪の薔薇――おお、それは貴方のこと」

 

「瑞々しい未熟な果実よ、その白桃が如き美の極限で今日も私を狂わせるのか。幼き魔性の(つや)を前にこの身はもはや愛の奴隷」

 

「ゆえにどうかそのおみ足で、(あわれ)な奴隷に甘美な罰をお与えください……」

 

 

「ふみふみ、と」

 

 

慶一はキマッタとばかりどや顔晒しながら此方を見た。俺達は笑顔で彼を見ながら叫んだ、

 

 

「「「「この!ドMロリコンがぁぁぁーーーっ!」」」」

 




ポチと達也は生粋の人間です。


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第30話 二つの光

観客が集まる龍宮神社境内

 

 

「これより麻帆良学園武道大会を始めるネ!」

 

 

その声に観客が「うぉぉぉーーーっ!」っと声をあげる。あげる声は人によってまちまちだがその盛り上がりは熱気に満ちていた。この大会の主催者の超鈴音はマイクを持ち、

 

 

「と、言いたい所だガ。流石に実力者が偏りすぎてるネ。予選を行う前に予選内容を説明するヨ!ミスター・ライオンヘッド、お願いするヨ!」

 

 

と言った。彼女の言葉に応じて、アメコミな服装の男が現れた。ただ、頭部はリアルなライオンそのものだったが。

 

 

「はっはッは!よろしい!では、私から説明しよう!」

 

 

そうして彼はナニカを出した。

 

 

『ノッ、ブ~!』

 

『ノ~!ブ!』

 

『ノノノ、ブブブ。』

 

 

珍妙な生物達が現れた。

 

 

 

「ハッ!マシュ!この特異点、ぐだぐだ時空化してないか!?」

 

 

立香は通信機に向けて叫んだ!

 

 

『いえ、周囲にぐだぐだ因子は確認されていません。しいて言うならばMr.エジソンから確認されました。あと、個人が数人ほど。』

 

 

と、マシュは答えた。ならば、最終的にぐだぐだになるかもしれない!あの超鈴音とか言う人可哀想に。

 

 

 

ライオンヘッドは説明を続けた。

 

 

「君達には!こやつらを!倒してもらう!場所はこの龍宮神社の観客席を除いた全てだ!時間制限内に倒し続けよ!だが、いくら倒しても時間内に戦闘不能になったものは予選敗退となるので注意しろ!何、安心しろ!こやつらは一定のダメージを受けると、謎のエフェクトを残して消える。皆、好きなように殲滅せよ!」

 

 

そう言って彼は後ろに下がろうとして立ち止まった。

 

 

「ああ!いい忘れていた!この予選では武器の扱いは許可しよう!本選で決めるのは真の勝者だ!今回は何の制限もない!選手達よ!皆、全力を尽くせ!以上だ!」

 

 

 

そして、武道大会に参加を望む者達は戦いに赴いたのである。

 

 

 

「はぁぁぁ!せい!」

 

『ノ~ブ~。』

 

 

槍を扱う魔拳士はその槍の一突きを持ってちびノブを穿ち、

 

 

「食らえ!」

 

『ノノノ、ブブブ。』

 

 

黒の騎士王は黒き聖剣でノッブUFOを切り裂いた。

彼らは英雄、故にこそ珍妙な生物とはいえ人形のものとの戦いを馴れているのだ。

だが、この戦いに望んだ殆どの生徒達や格闘家達は傷付けることは試合などであるかもしれないが、このような実戦では意味を為さない。故に、

 

 

『ノッ!ブブブ!』

 

「何だこれ、防げるかよ!」

 

 

弾幕を張るちびノブ戦車の攻撃を受けリタイアしていく。

この学園を守っている自称正義の魔法使いは彼らを守り、傷付きリタイアを迫られていく。

だが、そんな彼らを進んで守る者がいた。この戦場に二ヶ所も、

 

 

 

ここに一人の精霊魔術師が一般人を守り耐えていたが敵の増援が現れたのだ。

 

 

「くそぅ!これは!大会なんて!生優しいものじゃない!これは!」

 

『ノッブ~!』

 

『ノ~ブ~!』

 

 

そこに光明が差した。

 

 

「どけぇぇぇーーーっ!」

 

 

黄金の光を纏い、赤髪の男が現れたのだ。

 

 

「あれは!リヒト・ブリューゲル!彼も参加していたのか!」

 

 

リヒトは彼を襲っていたノッブ達をその光を持って消し飛ばした。そんなリヒトをこの男と男に守られていた者達は眩しく見えていた。

そうして、リヒトはこちらに手を伸ばし、

 

 

「立てるか?」

 

 

彼はその手を掴み、

 

 

「ああ!ありがとう!」

 

 

と、言おうとすると

 

 

「貴方達は下がってください。ここは自分が殲滅します。はぁぁぁ!」

 

 

と言って飛び出していった。

 

 

 

そしてこことは反対側の別の場所では、

金、銀、チョコのでかノブ達に数多の人達が襲われていた。

 

 

「何だこいつらはさっきまで居たのとは完全に違う!」

 

 

彼らは次第に押されていった。

すると、敵の中の金のメカノッブ(でか)の目が輝き、

 

 

『ノッブ~!』

 

 

キュイーン、ビーーー!

 

 

光線を放ったのだ!彼はもう駄目だと思い目をつむった。そこに、

 

 

ザッ

 

 

と、彼らの前に現れる人影があった。

 

 

「ふん!」

 

 

その人影の持つ黄金の光に包まれた刀の一閃によって光線は防がれたのである。

 

 

「大丈夫か?」

 

 

彼らは自分達を救ってくれた男を見た。彼は金髪で軍服を着ており、七つの刀を持った。顔に刀傷を持った男だった。




書くときにやっぱりBGM合った方が書ける気がする。


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第31話 天霆と天駆翔

連続投稿。ヘリオスルートプレイしながら書いてます。


とある場所

 

 

「ああ!これで!かつての天駆翔(ハイペリオン)とは違い!英雄の素晴らしさが、彼に刻まれるだろう!前の天駆翔(ハイペリオン)は英雄との接点がなかった。それにあの少女達との繋がりが邪魔していたのだ!今回の彼には残りの寿命もあるし、あの少女達(トリニティ)は存在しない!」

 

 

「だからこそォ!滅奏に唆されたりしないしィ、ましては星辰界奏者(スフィア・ブリンガー)に至ることもない!サァ!魅せろよォ!蝋翼(イカロス)ゥ!その手に、光を、掴んで見せろォ!」

 

 

「この機会、利用させてもらうぞ!大和の民よ!いずれこの世界が貴様らの手で滅ぶのならば、我らがその元凶その物を消してやろう!」

 

 

「魔法世界の寿命?知らねぇし、どうでもいい!俺はただ!英雄の戦いを望むのみ!待ってろよ!我が麗しの英雄(ジークフリート)ォォォーーーっ!」

 

 

「私は諦めぬよ。だからこそ、ここまで彼を導いてきたのだ!私は理想が叶うその時まで絶対に諦めぬ!」

 

 

「「勝利をこの手に掴むまで!!!」」

 

 

 

麻帆良に戻り、

 

 

「ちょっと、これ違くない?」

 

 

戦闘中、慶一は一言溢した。

 

 

「ヒャッハー!って、手を止めなんなや!慶一!」

 

 

薫はちびノブ相手に無双していく。

 

 

「まぁ、こいつだからしたかないだろぉ。」

 

 

小太郎も気だるげに短刀でちびノブ達を解体している。

 

 

「小太郎に薫も酷くない!」

 

 

と言いつつも慶一は同じくちびノブ達を倒していく。

それを見た達也とポチが、

 

 

「お前ら呑気すぎだろぉ!」

 

「余裕持ちすぎ、てか小太郎お前そんなに強かったのか?!」

 

 

それを聞き三人は、

 

 

「「「お前ら弱った?」」」

 

「「なっ!これでも修行したわ!」」

 

 

と聞き、二人もそれについて答えた。

 

 

「って、のわぁぁぁーーーっ!」

 

「って、達也ぁぁぁーーーっ!」

 

 

達也がちびノブ達の波に呑まれた。そして大声をあげた、

 

 

「うわぁぁぁーーーっ!」

 

 

ポチも呑まれた。

二人が退場した後、

 

 

『『『ノブ、ノブ』』』

 

 

さらに現れるちびノブ達。だがそこで、

 

 

ビッビーーーーー

 

 

と終了を知らせる音が響いた。だが、

 

 

『ノッブ~!』

 

『ノッ、ブ~!』

 

 

さらに増えるちびノブ達、

 

 

『あ~、聞こえるカ?ちょっとお知らせしたいことがあるんだけどいいかナ?実はその「待てぇ!私が言う!すまない!選手観客のみんな私の製造したちびノブ達が何者かが制御システムのハッキングを行い暴走した。現在、システムの普及は成功した。しかし!ちびノブ達はこちらの制御を受け付けない!許さんぞ!関東魔法協会!」って何を言っているネ!失礼するネ。』

 

 

少し間周囲に沈黙が走った。

何故ならかの超鈴音の仲間らしき者は一般人が多数いるなかで魔法のことをばらしつつこの騒動の原因は魔法使いのせいだと、押し付けたのだから。

 

 

『ノッブ!』

 

『ノノノ、ブブブ!』

 

 

暴走したちびノブ達は観客席をも襲い始めた。

 

 

「逃げろぉぉぉ!」

 

「うわぁぁぁ!」

 

「っ!ーーー!」

 

 

暴走したちびノブ達は遂に一人の子供に手を掛けようとしていた。そこに、

 

 

「待たせたな!」

 

 

両手の刀に黄金の光を纏わせた男、クリストファー・ヴァルゼライドと、

 

 

「待て!」

 

 

ヴァルゼライドと同じ黄金の光を体に纏った青年、リヒト・ブリューゲルが現れたのだ。

彼らはお互いを一度見、さらに力を上げるため詠唱し始めた。

 

 

「「創生せよ、天に描いた星辰をーー我らは煌めく流れ星!」」

 

 

始めにヴァルゼライドの詠唱が響き渡る。

 

 

「巨神が担う覇者の王冠。太古の秩序が暴虐ならば、その圧政を我らは認めず是正しよう」

 

「勝利の光で天地を照らせ。清浄たる王位と共に、新たな希望が訪れる」

 

「百の腕持つ番人よ、汝の鎖を解き放とう。鍛冶司る独眼(ひとつめよ)、我が手に炎を宿すがいい」

 

「大地を、宇宙を、混沌を――偉大な雷火で焼き尽くさん」

 

 

只でさえ彼の気迫が伝わってくる。彼の詠唱に暴走したちびノブでさえ動きを止めている。

 

 

「聖戦は此処に在り。さあ人々よ、この足跡(そくせき)へと続くのだ。約束された繁栄を、新世界にて(もたら)そう」

 

 

先程よりも強力な光が彼の両刀を包んでいく!

 

 

「愚かなり、無知蒙昧たる玉座の主よ。絶海の牢獄と、無限に続く迷宮で、我が心より希望と明日を略奪できると何故なにゆえ貴様は信じたのだ」

 

「この両眼(りょうがん)を見るがい。視線に宿る猛き不滅の(ほむら)を知れ。荘厳な太陽(ほのお)を目指し、高みへ羽ばたく翼は既に天空の遥か彼方を駆けている」

 

 

彼は先程まで力を使い続けていた。普通なら限界だろう。だが、

 

 

『その程度か?』

「(まだだぁ!)」

 

 

「融け墜ちていく飛翔さえ、恐れることは何もない」

 

「罪業を滅却すべく闇を斬り裂き、飛べ蝋翔(イカロス)――怒り、砕き、焼き尽くせ」

 

「勝利の光に焦がされながら、遍く不浄へ裁きを下さん」

 

「我が墜落の暁に創世の火は訪れる」

 

「ゆえに邪悪なるもの、一切よ。ただ安らかに息絶えろ」

 

 

「「超新星(Metalnova)」」

 

 

二人の声が揃い、ここに本来なら混じることのない、英雄とその後継による共演がここに成ったのだ!

 

 

天霆の轟く地平に、闇はなく(Gamma・ray Kerunos)

 

煌翼たれ、蒼穹を舞う天駆翔・紅焔之型(Mk・braze Hyperion)

 

 

ここに再誕したと言えよう。さぁ!歓喜せよ!英雄の凱旋と、新たな英雄の誕生を!

 

 

「「さぁ!行くぞ!勝つのは、()だァ!」」




「勝利をこの手に掴むため!」


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第32話 亡者達との会合

ちびノブ暴走の騒動は光の英雄達の手で終結した。だが、暴走により大会自体は中止。こんな騒動が起きたのだから学園祭自体が中止になってもおかしくないのだが、そこは魔法使いどもが何かしたようだ。

 

 

 

二人の光の英雄をモニター越しに観ている者達

 

 

 

「って!どうするネ!エジソン!なに普通に魔法とか口走ってるネ!」

 

 

エジソンの行いに超鈴音は荒ぶる。まぁそれはそのはず、只でさえイレギュラーが多すぎるなか計画外のことをしたからである。

 

 

「まぁまぁ。落ち着け。」

 

 

そこで彼女に話しかける一人の(ワカメ)

 

 

「うわぁぁん、ゾォルケンさぁぁん。」

 

 

よく暴走するサーヴァントではなく、優しく慰めてくれる男の懐に抱きついた。

彼はポンポンと彼女の背中を優しく叩き、慰めた。

 

 

「えっぐ、もう似非中国人の真似とか無理だよ~!私はどうしたら~!」

 

 

彼は彼女を撫でながら、答えた。

 

 

「まぁなに、世間の目は魔法使いどもに向いている。今のうちに計画を進めよう。君の目的は魔法を世界にばらすことだろう?」

 

 

彼女は小さく頷いた。

 

 

「今回のことで中継を見ていた者や観客、選手はあの光の亡者どものおかげで超常現象が実際にあると言うことは理解できただろう。ならば、これを利用するべきだ。魔法を認識させるだけではなく危険だと言うことを世に知らせる先導者として歩むのだ。(貴様の行動が我らの利となる。故に、カルデアのマスターよ!知らず知らずの内にこの計画に助力してくれるのだろう?くっくっく。)」

 

 

 

村雨の屋敷

 

 

そこには、

カルデア陣営として藤丸立香とそのサーヴァントであるアルトリア・オルタ、李書文、孔明、アルジュナがおり、

星辰アドラーより、リヒト・ブリューゲル、エヴァンジェリン・A・K・マグダウェル、普段は参加することのない長谷川千雨、そして総統であるギルベルト・ハーデスがいた。

この屋敷の主人である村雨九郎は席を外しているが、ここにさっきの騒動をリヒトと共に修めた男、クリストファー・ヴァルゼライドが座していたのだ。

そして、ギルベルトが立ち上がり、

 

 

「では、私から今回の事案に関して説明をしよう。今日開催された武道大会の予選にて、参加者のふるい落としの為の量産型の兵?が暴走の後、閣下とリヒトくんが鎮圧したと。簡単に言うならこれぐらいかな。質問はあるかな?」

 

 

立香が手をあげた。

 

 

「何かな?さっき彼のことを閣下って要ってましたよね。彼って英霊ですよね。」

 

 

ヴァルゼライドの方を気にしながら質問した。

 

 

「彼は私の上司だからね。この世界線(時代)では無銘ということかな。」

「つまり平行世界で英雄に成ったと?」

 

 

ギルベルトは立香の疑問に対して答え、立香はさらに質問した。すると、

 

 

「その通りだ。俺はこの世界(時代)のものではない。だが、気にするな。俺はどこの時代にいても変わらん。俺は誰かが流した涙を無駄にはせん。彼らに報いるために俺は進む。勝利のために!未来のために!自分以外の誰かのために!」

 

 

とヴァルゼライドは答えた。それを聞き、

 

 

「素晴らしい。流石閣下。」

 

 

と言っているギルベルト。そして、うんうんと頷いているリヒト。

確かに、素晴らしい人だ。俺もそうありたいものだな。

 

 

「『マスター、飲まれてはいけません。』」

 

 

アルジュナ?

 

 

「『ええ。リヒト殿の時にも言いましたが飲まれてはいけません。貴方は彼らのようになる必要はありません。自分を犠牲にするのが前提の存在にはなってはいけません。』」

 

「『その通りだ。マスター。君は人理を救った者だ。彼らのように炎に向かって進み燃え尽きることを前提とするべきではない。』」

 

 

燃え尽きる?

 

 

「『そのまま意味だ。彼らの生き方はそういうものだと理解しろ。』」

 

 

まぁ俺は俺らしく進めばいいと?

 

 

「『そうです。貴方は貴方らしくそれだけでいいのです。今少しだけ離れて休んでください。』」

 

 

そうして俺は彼らに一言いって宛がわれた自室へ戻った。

 

 

『藤丸くん。少しいいかな。』

 

 

ホームズから連絡が来た。

 

 

『君に伝えたいことがあってね。』

 

 

伝えたいこと?

 

 

『この特異点の事だよ。大変なことがわかったんだ。』

 

 

大変な事?

 

 

『ああ。結論から言おう。この特異点は完全な修復自体は出来ないだろう!』

 

 

待って。どういう事?それじゃ、

 

 

『神秘が暴露された事実。英霊達の事など人々の記憶に残る事だね。英霊自体、召喚に関係なく存在しているのだから。』

 

『さらに言えばこれらの事には聖杯は関係ない。つまり、聖杯がなくとも起きていたかもしれないことだ。』

 

『だから、僕たちの目的は現地で再会したドクター・ロマンの保護?と聖杯の回収だ。これからの行動については君に委ねるよ!さっき言った二つを充たしていれば好きにやって大丈夫だからね。』



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第33話 天駆翔と冥狼(半覚醒)の邂逅

何かいないと色々と詰むので半覚醒状態本人未自覚です。


カルデアと内の会合を終え、リヒトは一人で学祭を楽しんでいた。

 

 

「ん?あれは!」

 

『先程、あの珍妙な生物相手に生き残っていた者の一人だな。』

 

「生き残ったって誰も死んでないんだからそういうことは言うなよ。」

 

 

リヒトの視線の先には気だるげにした男がいた。彼はこちらを向き、

 

 

「あっ!」

 

 

と、こちらを嫌そうに見た。

 

彼と目が合ったとき、僕はこう感じた。

《奴は敵だ!滅ぼすべき悪だと!》

なんだこれは!

 

 

『その感情は正しい。奴はいずれ消さねばならん。奴もそうこちらを感じているだろう!』

 

 

 

煌翼(ヘリオス)の言葉は正しかった。

彼はリヒトを見てこう感じていたのだ。

 

《滅せよ!光の亡者を野放しに出来ん!》

なんなんだ!これは!殺すべきか!だが、ここは人目が多すぎる!俺はこんな面倒なことはしたくないのに!もう無理だ!殺ろうか!

 

彼の限界が近くなった時、

 

 

「おーい!小太郎何処だ!」

 

 

彼を呼ぶ声がしたのだ。彼は声のした方に、

 

 

「ここだ!今そっちに行く!」

 

 

と答え、こちらを一瞥して去っていった。

 

 

 

彼が去っていったのを見送ると、

 

 

『良かったのか?』

 

「何がだ?」

 

『あの者を生かしておいてだ!』

 

「まだ何もしてないだろう?殺す必要はないだろう?」

 

『それはそうだ。だが、』

 

「そう。だが、」

 

 

彼らの最終的な答えは同じだった。それは、

 

 

「『()達の邪魔をするなら、塵一つなく滅ぼしてやる!』」

 

 

こうして、本来ならライバルとなるべき者達の邂逅が行われたのだ。

皮肉なことに本来は親友とも言える者達がこの世界では天敵として存在するのだから。

 

 

 

そして、小太郎側では、

 

 

「どうしたんだい?小太郎、険しい顔をして?」

 

 

慶一が彼に話しかけていた。

それに対して小太郎は、

 

 

「いや、なに。何でもない。」

 

 

と、答えた。そして、リヒトがいた方を見て、

 

 

「何だ?あいつは?」

 

小太郎の本能はリヒトのことが眩しすぎて嫌になるほどの光を感じ取ったのだ。自分とは異なり勝利し続ける者(破綻者)であり俺のように勝利から逃げ出した者(破綻者)とは違うのだ。だが、

 

 

「何か違和感が。何だ?こう、人工的な物のような。」

 

「小太郎ー!早く行くぞぉ!」

 

 

まぁ今はいいか。

 

 

「あ~。了解~!」

 

 

そうして小太郎と慶一はここから去っていった。

 

 

 

そして、変わってカルデア一行は、

 

 

「ハァー、武道大会。中止かぁ。それは残念だったね。」

 

 

ロマンは立香に向けてそう呟いた。

 

 

「そうなんですけど。そうじゃないんです。李書文とオルタは不完全燃焼ですし、この特異点の事もあるし。ハァー。」

 

 

立香は完全に塞ぎ混んでいる。すると、

 

 

『あ~、ちょっといいかな?』

 

 

ダヴィンチちゃんから連絡が来た。

 

 

「どうしたんだい?ダヴィンチちゃん?」

 

『あっロマニかい?実はあのセイバー、クリストファー・ヴァルゼライドについて調べてたんだけど、余り情報が無かったよ。』

 

 

どうやらダヴィンチちゃんはヴァルゼライドさんの事を調べていたようだ。だけど余り?

 

 

「ちょっと待って!余りと言ったよね!何か有ったの?」

 

 

ロマンも感じたようだった。

 

 

『ああ。エミヤくんが英霊としての仕事(抑止力案件)で一度、戦ったことあるみたいなんだ。』

 

 

ええっ!



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第34話 鋼と錬鉄

英霊となったエミヤが現界したのは明らかに今まで召喚された何処とも異なる場所だった。

 

 

「あれは?」

 

 

空を見上げると太陽とは別に、大きく輝くものが存在していたのだ。

そこに、

 

 

「ぐっ!」

 

 

アラヤより、この時代の知識が急激に送られてきた。

 

 

「ここは私の生きた時代よりも未来ということか!そして、あれは第二太陽(アマテラス)!かつての日本(大和)そのものだと!」

 

 

この時代の知識を得たエミヤはこの時代に召喚された理由を知った。だが、彼は本来アラヤから受けるバックアップを得ていない。理由はこの時代、神秘は旧時代に滅びており、現在はあの第二太陽(アマテラス)から発せられる星辰体(アストラル)がこの世界の現象の根幹と成っているためだ。

神秘らしいものは旧時代の科学の恩恵扱いされており、それは間違っていない。

エミヤは魔術を使えるがそれを可能とするためにバックアップを使いきっているようなのだ。故に、バックアップはほとんど無いものと扱われるのだ。

 

 

「だが、先ずは目的の確認だな。」

 

 

彼の目的はこの停滞した世界に変革をもたらす存在である極晃星(スフィア)の誕生を防ぐことである。

やり方はエミヤ個人に任せるとのこと。

 

 

「自由意志があるのは良いことだがどうすべきか。」

 

 

そうして彼はアラヤの知識にあった鋼の英雄(可能性の一つ)の下へ赴いたのだ。

 

 

 

エミヤがヴァルゼライドを始めて見たのは彼が東部戦線で無双しているを自慢の目で戦場を見渡していた時だった。だが、あろうことか。まるで気配を感じ取ったのかその男はエミヤに向けて目を向けたのだ。そして共に戦っていた審判者(ラダマンテュス)に、

 

 

「ここは任せる。」

 

 

と言い放った。審判者(ラダマンテュス)は、

 

 

「はい。お任せを、大尉。」

 

 

何かを察し、了承した。

そうして、ヴァルゼライドはエミヤがいる場所に向けて飛ぶように向かった。

 

 

 

エミヤは鋼の英雄《ヴァルゼライド》から発せられる圧力を受け、一瞬仰け反った。そして、こちらに一直線に向かってくる男を見て、

 

 

投影、開始(トレース・オン)

 

 

と、使いなれている双剣を投影した。

そして、構え。

 

 

「来い。」

 

 

 

ヴァルゼライドは戦場を監視するように眺める視線を感じ取った。そして、何かをいや、自分に対しての僅かな殺気を感じ、先日下した男に戦場を任せ、殺気を感じた方向へ飛び出した。

因みに頼られた男はあまりの感慨に体を震わせていたが。

 

 

「やつだな。」

 

 

彼の向かった先には双剣を構え、此方の動きを見定めている褐色の男がいた。

剣を抜いているのだから闘う気はあるようだ。

 

 

「だが、解せんな。何故一人でいる。俺を嵌めたいなら数百人規模で現れるのが妥当だと言うのに。」

 

 

ヴァルゼライドの言葉にその男は、

 

 

「私の目的は君だが、私は掃除屋に過ぎんからな。君が世界の改変を望まねば私も君を殺さなくてはすむのだから。」

 

 

世界の改変だと、俺の目的をしっているということか。だが、

 

 

「俺は諦めん!貴様が俺の何をしっているのかは聞かんが俺の邪魔をするならのならば、俺は貴様を倒す必要がある。」

 

 

ヴァルゼライドの言葉に、

 

 

「そうか。残念だが君を殺そう!」

 

 

と言い、剣を握り直し、構え直した。

 

 

「来い。名も知らぬ。男よ!俺は来るべき聖戦に向けて勝ち続けなければ成らないのだから!それが今まで犠牲になる全ての者達の手向けとなるのだ!」

 

 

ヴァルゼライドの咆哮が闘いの合図となった。

彼らは互いの武器をぶつけ合った。エミヤの双剣とヴァルゼライドの双刀がつばぜり合う。ヴァルゼライドの双刀は彼から溢れ出る光が纏い熱を発していた。ヴァルゼライドはまだ星辰光(アステリズム)を発動していない。彼の余りある力の一端が溢れ出ているだけなのだ。それにより、エミヤの双剣が砕かれる。

 

 

エミヤの双剣は宝具の贋作とはいえ、普通の武器よりも優れているのだ。贋作とはいえこれも宝具、故にエミヤは己のが剣を砕かれたことが信じられなかった。だが、彼も英雄。自ら進んで戦った訳ではないが数多の戦場を経験している。だからこそ、

 

 

投影、開始(トレース・オン)!」

 

 

直ぐ様、下がり弓を投影しその自慢の早打ちで、ヴァルゼライドを襲った。しかし、

 

 

「ふん!」

 

 

彼の刀により砕かれるのだ。エミヤが撃ったのも、贋作とはいえ宝具であり有名な刀剣類だ。

 

 

「何てデタラメなのだ。」

 

 

エミヤはヴァルゼライドの技術と圧力に戦慄した。

ここで、エミヤはこの男に対して認識を改める事になった。

 

 

アラヤから得た知識はこの世界の表の歴史背景だった。ただヴァルゼライドが危険な存在となるかも知れないのという可能性を秘めているその原因である神星(迦具土神)星辰光(アステリズム)についての知識は何か邪魔されたように得ていない。故にエミヤは星辰光(アステリズム)を知らないのだ。更に、今は星辰強化措置自体受けている人間が少ない。代表的な者は第一被験者のヴァルゼライド本人以外では彼を崇める審判者(ラダマンテュス)くらいだ。他は未だ、星辰光(アステリズム)の優位性が世に知らしめていないため。生まれてさえいないのだ。

 

ヴァルゼライドはエミヤに向けて、

 

 

「貴様の技術は尊敬に値する。俺と同じ才能が無いにも関わらず努力し続けたのだな。」

 

 

と言った。それに対してエミヤはこう感じた。

才能が無いだと!この力、この技術でか!

 

 

「貴様!どれ程努力したのだ!」

 

 

才能が無いゆえに努力するしかなかったエミヤは同じく才能が無いのにこれ程の力を持つヴァルゼライドに向けていい放った。

 

 

「無論。極めるまで。一つ極めればまた次と言葉通り身を削って!」

 

「何故貴様はそこで止めた?才能が無いのなら努力で、気合いで、根性でそれを補えばいい。」

 

「再度、問おう。貴様は何故諦めたのだ?」

 

 

ナンダ、コイツハ。気合いだと、そんなことで越えられるだと、そんなのはただの理想論だ。現実に出来るはずがない。だが、こいつはそれをやって来たと言うのか。ふざけるな!気合いなどで現状を打破出来るのならば、私はいや俺は守護者などには成っていない!

 

 

そうしてエミヤは静かに詠唱し始めた。そして、

 

 

「何が気合いだ。そんなもので世界が救えるものか!」

 

 

エミヤは詠唱を終わらせた。

 

 

「So as I pray, unlimited blade works!!」

 

 

稲妻のような轟音が響き、空間が塗り替えられた。

この空間を見て、この英雄は察したように、

 

 

「これが貴様の心象か。中途半端に生き急いだ者の末路と言ったとこか?」

 

 

彼の発言に対し、エミヤは自ら選んだとはいえ悲惨な末路を晒した。その先に得た者とはいえ自らの全ての生が否定されたのように感じた。故に、

 

 

「貴様ァ!」

 

 

固有結界のあらゆる場所に刺さっている。剣を英雄に向けて射出した。

だが、

 

 

「ふざけるな。貴様、この程度の意思で俺の道を阻もうとしたのか。そのみすぼらしい心象はともかく、この力を得たことは素直に称賛を送ろう。故に、貴様には俺の全力を持って葬ってやろう!」

 

 

今まで溢れ出ていただけの光が収束していく。

 

 

「創生せよ、天に描いた星辰をーー我らは煌めく流れ星!」

 

 

ヴァルゼライドは星辰光(アステリズム)を発動させる詠唱(ランゲージ)を唱え始めたのだ。彼の詠唱は鬼気迫るもので止めると言うことを考えることが出来ないほどの圧を秘めていた。

 

 

「巨神が担う覇者の王冠。太古の秩序が暴虐ならば、その圧政を我らは認めず是正しよう」

 

「勝利の光で天地を照らせ。清浄たる王位と共に、新たな希望が訪れる」

 

「百の腕持つ番人よ、汝の鎖を解き放とう。鍛冶司る独眼(ひとつめよ)、我が手に炎を宿すがいい」

 

「大地を、宇宙を、混沌を――偉大な雷火で焼き尽くさん」

 

「聖戦は此処に在り。さあ人々よ、この足跡(そくせき)へと続くのだ。約束された繁栄を、新世界にて(もたら)そう」

 

超新星(Metalnova)ーー天霆の轟く地平に、闇はなく(Gamma・ray Kerunos)

 

 

エミヤは黄金の光を纏ったヴァルゼライドの刀の一閃で消滅したのだった。




因みにこの時のエミヤさんは答えは得てません。それより前です。


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第35話 絶殺兇蠍の闘い

『~という感じみたい。』

 

 

立香やロマニは絶句していた。

それもそのはず当時未だ全盛期ではないヴァルゼライドが英霊として現界しており魔力は十分の状態のエミヤを打ち勝ったというのだ。信じられないのも無理はない。

 

 

「えっと、じゃあエミヤはどうなの?」

 

『どうとは?』

 

「いや、そのヴァルゼライドさんがこっちにいることについては。」

 

『その事か。何、戦力としては申し分ないと思うが、個人的には会いたくないな。あの頃の私は黒歴史そのものだしな。』

 

「そうなのか。」

 

『では私は業務に移る。』

 

「業務?」

 

『先程の話を聞いたこちらに残った戦闘狂どもが荒ぶっているのだ。少し鎮圧にしてくる。私だけでは確実に負けるがな。まぁ酒でも作って渡せば少しはもつだろう。』

 

「そう。頑張って。」

 

『ああ。ではな。』

 

 

そうしてエミヤはカルデア内の戦闘狂どもの生け贄となったのだ。エミヤ南無~。

 

 

「それでこれからどうするんだい?」

 

 

ロマンがこれからの方針を聞いていた。

 

 

「観光しながら考えましょう。俺達に今出来ることは無いんだから。というか星辰奏者(エスペラント)勢から発せられる圧力がスゴすぎて疲れた。」

 

「それもそうか。僕でもそうだったし。じゃあ僕のおすすめの場所でも行こうか!ほらほらサーヴァントの皆も楽しんでいこう!」

 

 

ロマンの先導で俺たちは学園祭を楽しむ事になった。

 

 

 

久しぶりな3-A勢

 

 

「えー!超りん。転校しちゃうの!」

 

「ハハハ、ワタシの故郷は遠くもう会うのは難しいネ。」

 

 

こんな感じで送別会をしていたのだ。超鈴音いわく学園祭中はいるらしいが、

 

 

「超さん。本当に会うのは難しいんですか?」

 

 

このクラス唯一の男であるアランが聞いた。

 

 

「そうなのネ。物理的には難しいのネ。」

 

「そうですか。」

 

 

アランは超鈴音の言葉に考え込んだ。そして、

 

 

「物理的には難しいのなら超さんの故郷とは何処なんですか?」

 

 

アランの言葉に3-Aの皆はうんうんと聞きたそうにした。

超鈴音は待ってましたとばかりに、

 

 

「実は、ワタシは未来の日本から来たのネ。そしてこの口調はキャラ作りの一貫だったのだ!」

 

 

爆弾発言と共に片言言葉を止めた。

 

 

「「「ハァーーーっ!」」」

 

 

超鈴音の言葉に殆どが叫んだ。

それから彼女の言葉は冗談の一つとして受け入られ、騒ぎ、終了した。

殆どの生徒が寝落ちした中、少し離れた場所で、数人の生徒が対峙していた。

 

 

「超鈴音!お嬢様に危害を加えるかもしれない貴様を見逃してはおけん!」

 

 

大きい野太刀を持った少女が超鈴音の前で構えていた。

 

 

「まぁまぁ刹那さん。自らを偽っていたけれどクラスメイトに危害は加えたくないのは理解してほしいものだね。私の願いのためにここは退いてくれるかな?」

 

 

超鈴音が合図すると鎧を纏った集団が現れた。

 

 

「ああこれ?魔術師どもに対抗するために買ったものでね。ワーグナーとか言うらしいヨ。ごめんエセ口調が出たみたいだ。死なない程度に殺れ!」

 

 

超鈴音の言葉に鎧の集団が襲いかかった。

 

 

“Zwangvolle Plage! Müh' ohne Zweck!”(ああ、苦しい。なんと無駄な徒労であろうか)

 

“Das beste Schwert, das je ich geschweisst,(心血注ぎ、命を懸けた、我が最高の剣さえ)

 nie taugt es je zu der einzigen Tat!”(竜を討つには至らぬのか)

 

 

いくら刹那が優れた剣の使い手でもワーグナーが扱う武器は銃であり、手数が足りないのだ。しかもこのワーグナーはかつて紅き翼を撤退に追い込んだという逸話さえ持つ。ただの少女が勝てるわけないのだ。

 

 

「くっ!見ていられん。」

 

 

ここで本来、超鈴音側に着くはずだった銃使いの少女が刹那側に参戦した。しかし、ワーグナーの数は少なくとも20体で、少女達は二人、英雄さえ苦しめたこの兵相手には多勢に無勢を体現していた。

 

 

「ほらほら、降参しないと本当に死んじゃうよ。ん?」

 

 

少女達を追い詰め、煽っていた彼女の耳に靴音が響いた。

ここは結界を張っているため、来るのは裏の関係者のみだ。だが現れたのは平凡なクラスメイトだった。ただ服装が異なっていた。

 

 

「おいおい。私は眠いんだ。こんなとこでドンパチするんじゃない。」

 

 

彼女達の前に現れたのは星辰アドラーの軍服を着た長谷川千雨だった。

 

 

「その軍服。貴方もそうだったのか!」

 

「あ~。超、お前本格的に演技止めたんだな。つーか、何でここにワーグナーがいるんだよ。もしかして魔を断つ剣(ダインスレイフ)もいんのかぁ?」

 

 

超鈴音の言葉に飄々と聞き返した。

 

 

「長谷川さん。」

 

「長谷川。」

 

 

ボロボロの少女達はこの状況でもいつも通りの彼女の名を呟いた。

千雨は彼女達の方を向き、

 

 

「何だよ。てめぇ等、相手との実力差もわかんねぇのか。ハァー、仕事増やすんじゃねぇ。ほら、さっさとここを離れろ。」

 

「だが、体がいうことを聞かなくてね。」

 

「あ~。だりぃ。じゃあそこで見ときな。」

 

 

少女達と千雨の掛け合いを見て超鈴音は、

 

 

「何時まで雑談をしてる!もういい!殺れワーグナー!」

 

 

超鈴音の言葉にワーグナーは再び動き出した。

 

 

“Ja denn! Ich hab' ihn erschlagen!”(然り! これぞ英雄の死骸である!)

 

“Ihr Mannen, richtet mein Recht!”(傍観者よ、我が栄光を認めるがいい!)

 

“Her den Ring!”(宝を寄こせ!)』『“Her den Ring!”(すべてを寄こせ!)

 

「長谷川さん。やつらは危険です!」

 

 

刹那は千雨に警告するように叫んだ。

だが彼女は、

 

 

「知ってるよ。一般人にはな。」

 

 

千雨の体から星辰光が溢れ出した。

 

 

「創生せよ、天に描いた星辰を―――我らは煌めく流れ星」

 

千雨が唱えたのは星辰奏者(エスペラント)独自の詠唱(ランゲージ)

 

 

「自賛に耽る光彩陸離の偉丈夫よ。海内無双の狩人よ。」

 

「おまえはたしかに凛々しく気高く勇猛なれど、地母への畏敬を忘れたようだ。耳朶が腐るぞ、何たる愚昧な、驕りに満ちた高言は、総じて聞くに値しない。」

 

「思い出せ、並ぶ者なき剛力も、唯一無二たる俊足も、大地の恵みがあればこそ。」

 

「それさえ知らぬと嘯くならば、よかろうさ――蠍の針をくれてやる」

 

「悶え、苦しみ、乾き、果てろ

改悛の時間は過ぎた。我が毒棘(どくきょく)にて死ぬがよい。」

 

超新星(Metalnova)―――母望之禍、穿て致命の絶殺兇蠍(Suddenstab Antares)

 

 

千雨の星辰光()は五感強化。単純だがそれは強力な力である。ただでさえ星辰奏者(エスペラント)になり肉体が強化されているため、五感の強化で更に強化するようなものだ。

 

彼女の移動は精霊魔術師達の瞬動と同じ速さで動き、魔力を込めた拳と同じ威力の拳を、そして大魔法と同じ威力の突きを繰り出した。だが、これが彼女の通常攻撃だ。

 

 

「何で!ワーグナーがこんなに簡単に!」

 

 

超鈴音は千雨の攻撃で沈んでいくワーグナーを見て現実を受け入れられないようだ。

 

 

「あり得ない。こんなのおかしい。こんな存在、この()()に存在するはずがない!」

 

 

「だが、これが現実だ。」

 

 

千雨は無感動に言った。

ワーグナーを殲滅し、超鈴音の前にたった。

 

 

「超。じゃあな。」

 

 

千雨はセイファートを振り下ろした。

 

 

ガキン

 

 

金属の弾く音がした。

 

 

「なっ!」

 

 

超鈴音を守るように機械の鎧がいた。

 

 

「鈴音!撤退するぞ!君はサーヴァントも連れず何をやっている!」

 

「ゾォルケンさん!」

 

 

機械の鎧ことGFバルバトスは超鈴音を抱え飛び去って行ったのだ。

 

 

「だりぃ。後処理は学園のやつに任せるか。」

 

 

そうして彼女は動けないクラスメイトの方を向いた。そのクラスメイトはワーグナーの中身に絶句していた。

まぁ初めは驚くよな。何せ、ワーグナーの材料は人間だからな。

 

 

「お前らあとは頼む。あ~。情報操作くらいはしてやる。」

 

「「えっ?」」

 

「私は眠いんだ。帰る。」




燃え尽きた気分だ。


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第36話 二日目の夜

「ふむ。ワーグナーまで出てきたのか。」

 

 

ある部屋で報告を聞いているのは二人一人はギルベルト・ハーヴェス。星辰アドラーの総帥でありもう一人の男の元配下。本人はまだ配下のつもりだが。

もう一人は此度英霊としてこの地に降臨した光の英雄。こことは別の時空で軍事帝国アドラーの総統にして護国の剣、クリストファー・ヴァルゼライド。

 

 

「で、どうするよ。総帥?」

 

 

此度報告している女性、長谷川千雨はギルベルトに尋ねた。

 

 

「待て、今さらだがワーグナーとは何だ?」

 

 

報告中無言だったヴァルゼライドが疑問を挙げた。するとギルベルトが、

 

 

「ふむ。そういえば閣下は彼らを知りませんでしたな。閣下、ファブニル・ダインスレイフはご存知ですか?」

 

「ああ。俺が潰した薬売買の組織の一人だな。」

 

「ご存知でしたか。しかし、そんな路傍の者まで覚えているとは流石閣下です。」

 

 

ギルベルトはヴァルゼライドにワーグナーの概要を説明した。

 

 

「そうか。ならば倒さねばならん。明日の希望を絶やさないためにも。」

 

「素晴らしいです。閣下。ダインスレイフは光の英雄に伐たれることを望んでいます。それに彼は光の亡者の素質持ちです。気合いと根性で何事も超えてきますよ。」

 

「ならば俺はそれを超えて行くのみ!」

 

 

このある意味で次元が違う会話を聞いている千雨は、

 

 

「(何だよこいつら頭イカれてんじゃねえか?戦闘時のリヒトとかもそうだがこれが総帥の言うのか光の亡者なのか。ちっ!ここにいりゃ私まで毒されそうだ。なら、)すみません、総帥。私はこれで失礼します。」

 

 

この部屋からの撤退を宣言した。ギルベルトは、

 

 

「ああ。すまないね。今日は休むといい。だが」

 

「まだ何か?」

 

「明日ここは戦場となるだろう。それで後はわかるね?」

 

 

彼が最後に言った言葉は彼女の想定したものとは違ったのだ。そして、

 

 

「諜報からの連絡だ。超鈴音は明日本格的に動くようだ。それとダインスレイフが此方に向かっているそうだ。明日にはこの地に到着するだろう。」

 

 

よりによって一般人とか関係ない危険な存在がこの地に入り込むことだった。

 

 

「待て!この地の神には連絡したのか!」

 

「何故かな?私たちの目的は人の力だけで繁栄するようなものだ。何故()()にそれを言わねばならん。」

 

「本気で言っているのか!」

 

 

彼女はこの地に何年も暮らしている。そして愛着がでているため、

 

 

「この地に居ることが出来るのは神の許可によるものだろう!」

 

 

この地の裏の人間の考えが無意識に根付いているのだ。

 

 

「神は超えねばならん。我らは彼の者を落としこの世界を我々の世界の二の舞にさせない為にも!」

 

「その通りです。先ずは、かの原子炉の制作者の一人を確実に処理しましょう。」

 

 

だからこそ、この二人の言動が信じられないのだ。

 

 

「くそぉ!なら!私からここの神に報告させていただきます!」

 

 

言葉に出してしまった。無言で出れば確率的に少しは無事だったのかもしれないが、

 

 

「では、止めさせていただこう。」

 

 

ザシュ

 

 

「てめぇ。」

 

 

ギルベルトは彼女を斬ったのだ。千雨は気を失った。

 

 

「ふむ。君の星辰光(アステリズム)はヴィクトア女史のものだ。性格まで似て私に反旗を翻さずとも良いだろう。まぁ、殺しはしないさ。君とは全てを終わった後に会おう。」




混沌したいくさの始まりだ!

麻帆良の自称魔法使い共、魔術師+陰陽師(+神+英霊)、超鈴音+α、星辰奏者、カルデア+ロマン

確実に何処かは滅ぶがな。


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第37話 戦前それぞれ

麻帆良のある場所

 

 

「さあ!私達の悲願を実現させよう!未来の皆のためにも今日この日この時代に楔を打ち込む!」

 

「そうだね。君の望みが叶うように努力しよう。」

 

 

 

麻帆良学園学園長室

 

 

 

そこにはこの地にいる魔法使い(自称)が勢揃いしていた。

 

 

「今日、必ず超鈴音は動く。さらには星辰奏者達の動きも気になる。各自警戒にあたれぇい!」

 

「「「はい!」」」

 

 

 

麻帆良 世界樹前

 

 

 

この地の神が魔術師や陰陽師達の前に姿を現していた。

 

 

「我の名において命じる。此度起きている異変をカルデアの面々に協力して修めろ!」

 

「「「はっ!我らの神の望むままに!」」」

 

『お前らも何か有ったら頼むな?』

 

『『『任せろ(任せてください)!!』』』

 

 

 

麻帆良

 

 

 

「ふむ。では、閣下お言葉を。総員静かに聞くように。」

 

 

彼らの総帥が黄金の男に譲った。彼は団員の前に立ち、

 

 

「君達には本当のことを話そう。」

 

 

彼のこれから言う言葉は彼らを酷く惹き付けた。

 

 

「俺とラダマンテュスはこの時代の人間ではない。」

 

 

自分達の総帥が別の時間軸のものだと、

 

 

「俺の目的は故郷を守ること。だが、今の俺はそれをすることも出来ん。故にこの時代を守ろうと思う。ならばこそ世界を一度滅ぼした大破壊(カタストロフ)は防がねばならん。」

 

 

大破壊の名を打っているのだ。それはもう普通では止めることができない物だと予想できる。

 

 

大破壊(カタストロフ)はこの国を特異点の彼方へ飲み込んだ。いや正確にはこの国を中心とした広範囲をだ!貴様等はそれを良しと眺めていられる器か!?」

 

 

無理だ。俺達は守る為にも見過ごすことは出来ない!

 

 

「否、断じて否だ!ならば!我等がすることは、この地にいる元凶の一人を討つこと。そして世界の平和をうたっているのに何もしなかった魔法使い共!そしてこの地を守護しているとほざきながら何もしていなかった神を討つのだ!我等は神などいなくとも生きていける。未来に生きる全ての者の明日の光を奪わせないために!!!」

 

 

素晴らしい。そうだ!俺達は彼のような存在に成りたい。()()に成りたいのだ!

 

 

 

麻帆良近く

 

 

 

「クハハハ、ハッハハハ!来たぞォ!なァ、英雄よ。」

 

 

この地に現れたのは悪名高き欲望竜。彼の目的は光の救済者(スフィア・セイヴァー)の再誕。彼の望む英雄が再び現れる可能性の為この地を犠牲にするのだ。

 

 

「さァ!お前が現れなければ犠牲が増えるぞォ!良いのかァ?」

 

 

 

カルデアの面々

 

 

「カカッ!武道大会での鬱憤張らさせてもらうぞ!」

 

「そうだな。我が聖剣で一掃してやろう。」

 

 

初日の武道大会をメチャクチャに成った鬱憤を張らそうとする二人、

 

 

「一般人に被害がでないようにせねば!」

 

「よし、ならば私が結界を張ろう。」

 

 

一般人達に何も無いように行動しようとする二人、そして、

 

 

「ハァー、今回も平和じゃなかったなぁ。どこの特異点も戦いばかりかぁ。」

 

『是非も無いよネ!』

 

 

と溢す立香に通信で答えるノッブ本体。

 

 

 

彼らの戦乱が始まるのだ。



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第38話 開戦

お待たせしました。次話です!


学園祭最終日

 

 

 

今日も学園には多数の観光客や学生の親族の方達が賑わっていた。そこにとある音が聞こえていた。

 

 

「あれは何だ?」

 

 

一人がその音の正体を見ようとした。

 

 

ザッザッザッザッ

 

 

近づくとそれは、大勢の人間が歩いてくる音だった。彼らは軍服を身に纏い、腰に軍刀を提げ進む姿に周りの者達は感嘆の声をあげた。

彼らはこのグループを何かのイベントだと勘違いしたのだ。

そこに更に、

 

 

キィィィィーーーン

 

 

という金切り音が響き渡った。

これを見ていた人々は近くの湖の底より何か光る物体が上がって来るのが見えた。

軍人達はその物体に相対するように抜刀し、構えた。

 

 

ザッバァッーン

 

 

と湖より現れたのは現代の技術者では造ることが出来ないロボット否兵器だった。観客の中に麻帆良大学工学部の者がいた。彼はこの兵器を見たことがあった。

 

 

「あれは!麻帆良大学工学部で天災超鈴音と共同で造った災害時支援用無人機じゃないかぁ!でも、あれには救助用の器具は積んであってもあんな武器なんて積んでいない筈なのにぃ!」

 

 

湖より現れた兵器は、

 

 

キュピーン

 

 

と音をたて、観客の方に砲先を向けた。そして、

 

 

ダン、ダダダダダ!

 

 

機銃を乱射し始めた。

 

 

「ぎゃあ!」

 

「ガハァ!」

 

 

何人かが機銃の犠牲になった。そこから、

 

 

「うわぁぁぁ~~~っ!逃げろぉ!殺されるぞぉ!」

 

「「「うわぁぁぁ~~っ!」」」

 

 

その場所はパニックになった。

現在この者達に助け合いの精神は無い。ただ、自分が生き残る事を優先として動いているが故に、

 

 

「あっ、ああ。お父さん!お母さん!何処ぉ!」

 

 

こうして子供が取り残されたのだ。兵器は一体ではなく今のところでも10は容易に超える数が存在し軍服の者達はそれの対処に終われている。この少年を助ける者は存在しない。それどころか、

 

 

「うえぇぇぇん。お母さ~ん!」

 

 

先ほどの機銃で犠牲になり死にかけた女性の側に少年よりも幼い少女がいた。

それを見た少年は少女の側へ駆け寄り、

 

 

「逃げるんだ!」

 

「でも、お母さんが!」

 

「ぐっ、○○(少女の名前)。私は大丈夫だから……。お父さんを…探して…ね!」

 

 

女性は命を削って喋っているのがわかった。女性は少年に目を会わせ、

 

 

「この子…のこと…お願いします。」

 

「はい!」

 

 

少年は少女の手を掴み、引っ張って走り出した。

彼らはこの場所から離れた。しかし、子供の足は他と比べても遅い。すぐに兵器に追い付かれた。

少年は少女を見て、

 

 

「僕が気を引く。だから!君は行くんだ!早く!」

 

 

少女は少しずつではあるがここから離れ始めた。

少年は少し安堵した。だが、それがいけなかった。火器が爆発して飛んできた金属片に額を少し切ったのだ。命に別状は無い。しかし、子供にはその痛みは尋常なものではなかった。

 

 

「あ"あ"っあ"~~!」

 

 

額から流れた来た血で視界が赤く染まる。

まだあの兵器は目の前にいる。イタイ、アツイ、イタイ、アツイ、イタイ、アツイ、イタイ、イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ………あっ、あ!タスケテ!

 

 

ガシャンガシャン

 

 

兵器はこっちに向かって来る。

 

 

「もう駄目なのかなぁ。あの子は無事に逃げられたのかなぁ。」

 

 

兵器がこちらに砲先を向けた。砲先が光を放ち、少年は目を閉じた。

 

だが、衝撃は来なかった。少年は目を明け自分の前に守るように立っている男を見た。

 

 

「待たせたな。」

 

 

あっ、ああ。来てくれた。貴方は来てくれた。こんな僕のために貴方は!危険なときにいつも何処からか現れる無敵のヒーローが!

少年は心から安堵し、意識を失った。

 

 

 

「ラダマンテュス。」

 

「お側に。」

 

「この少年を頼む。」

 

「了解いたしました。」

 

 

少年を男の側にいた者に託し、男は兵器に立ち向かった。

 

 

「来るがいい。天災の走狗よ!明日の光は奪わせぬ!」

 

 



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第39話 出落ち魔法使いと過去の雷霆

更新です。連投します。


数多の兵器に相対するように立つ金髪の軍人クリストファー・ヴァルゼライド。彼はその両手に刀を持ち、兵器に向かって特効した。彼の一刀により数体の兵器を両断する。

 

 

「うおおおぉぉぉーーーっ!」

 

 

もう片方の刀で兵器が切り裂かれる。それでもなお敵の戦力は増えるばかり、だが、彼はそれがどうしたとばかり前へ、前へ、突き進む。

この姿にアドラーの兵士達は自分も、自分も、というように各々が力を解放し始めた。

 

 

「「「「創生せよ、天に描いた星辰を――我らは煌めく流れ星 !」」」」

 

 

星辰奏者(エスペラント)達の星辰光(アステリズム)がこの場に荒れ狂う。

基準値(アベレージ)発動値(ドライブ)に変わる。言葉に表せばそれだけのことなのに、彼らの力は人の限界を有意に超える。

 

破壊しても破壊しても現れるあの兵器に比べればこちらは多勢に無勢と言ってもいい数。しかし、星辰光(アステリズム)を発動させた彼らは、兵器相手に無双し始めたのだ。

 

一人があの刀を振ると、雷が降り注ぐ。他にも、輝く光球がいくつも放たれたり、周囲のものが凍ったり、原子まで分解されたりと、超常な事が起きている。

 

故にこの力を振るう彼らにとっては現在あの兵器は塵芥にすぎない物となった。

 

だが、この力を持つ彼らに恐れを抱かない乱入者達が現れたのだ。それが、

 

 

「「「見つけたぞ!この騒ぎの首謀者めぇ!我々正義の魔法使いが!成敗してやるぞ!」」」

 

 

この麻帆良を守っていると自称している者達だ。しかし、彼らは超鈴音の兵器達が減るまで出てこなかった。つまり、

 

 

「よく我々のために減らしてくれたな星辰奏者(エスペラント)共よ!後は我らに任せ帰れ!」

 

 

手柄を取る気満々なのだ。だが、今回アドラー側の目的は違う。故にばらす。

 

 

「自称魔法使いの集団が出たぞぉ!奴等は自らの不祥事を周りの人間の同意無く記憶を強制に消す者達だぁ!奴等によって被害者が死んだら被害者の家族から被害者の記憶を消すくらいの外道達だ!総員!市民を守れぇ!」

 

 

一人の兵士が叫んだ。それを聞いていたわずかに残っていた市民達は怯えた。普段なら先程の言葉は真に受けないだろう。しかし、今は兵器の攻撃により人が死に、そして自分達が死ぬ。というところを助けてくれた兵士達の方が信頼出来ると無意識に判断したのだ。

 

 

「嘘だ。信じるな!」

 

 

魔法使いの一人が声をあげた。しかし、市民達には届かない。それどころか、

 

 

「いやぁぁぁ。助けてぇ!」

 

 

と怖がられる始末。彼らは呆然と立ち止まったのだ。底に聞こえる音?

 

 

バチバチ

 

 

電気の帯電する音が聞こえる。するとヴァルゼライドが何かに気付いたように、

 

 

「総員!防御体勢!」

 

 

ヴァルゼライドの言葉にアドラー兵士達が防御体勢を取る。魔法使い達は何が何だかわからない様子。そこに響き渡る男の声。

 

 

『神の雷霆はここにある!さぁ!御覧に入れよう!』

 

人間神話(システム)雷電降臨(ケラウノス)!!』

 

 

何処からか稲妻が放たれ魔法使い達を消し炭にした。アドラー方は防御体勢をとっていたため被害は最小限にすんだ。それでも負傷者はいる。

 

 

「あれを!」

 

 

一人の兵士が敵方の兵器の一体の上に立つ男に気付いた。

 

 

「貴様は誰だ。」

 

 

ヴァルゼライドの問いにその男は答える。

 

 

「ふはははは、私は雷電王ニコラ・テスラだ!ふはははは!」

 

 

ここに二人の雷霆(ケラウノス)が集った。



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第40話 雷霆VS雷霆

 

 

「ふむ。ニコラ・テスラか?知らんな。」

 

「何?私を知らないと?」

 

 

ニコラ・テスラが相対している男は今より遥かに未来の英雄。そして、一度文明が滅んだ世界の者、記録が抹消されてもおかしくない。それどころか、

 

 

「電気だと、それはエジソンとか言う男の功績ではないのか?」

 

 

彼にとっての逆鱗に触れた。

 

 

「は、はは、ははは。よろしい!私の存在を貴殿に刻み込んで見せよう!」

 

「む。来るのか?いいだろう。来い!」

 

 

ここに戦いのゴングがなった。

テスラは腕のコイルから雷を放ち、拳で戦う。対してヴァルゼライドは両手の刀に光を纏わせて戦う。両者ともに英雄と呼ばれるだけあり周囲に凄まじい跡が残るくらい激しいものとなっているが、いくらテスラがヴァルゼライドよりもこの地では有名だといえ科学者が軍人に勝てるわけがない。

それも、数多の武術を学んで隙というものを徹底的に排除したヴァルゼライド相手にだ。

次第にテスラはヴァルゼライドに押され始める。

故にテスラは一発逆転を狙い宝具発動させた。

 

 

「見るがいい。私が地上へ導いたこの輝きこそ、大いなる力そのものだ!」

 

「新たなる電気文明、消費文明を導きしエネルギー! 旧き時代と神話に決定的な別れを告げる、我が雷電!」

 

「其は人類にもたらされた我が光(・・・)!」

 

「さあ! 君たちにもご覧に入れよう!」

 

 

テスラが大きく下がり手を空に向ける準備を始めるのを見て、ヴァルゼライドも詠唱(ランゲージ)を唱え始めた。

 

「創生せよ、天に描いた星辰をーー我らは煌めく流れ星!」

 

「巨神が担う覇者の王冠。太古の秩序が暴虐ならば、その圧政を我らは認めず是正しよう」

 

「勝利の光で天地を照らせ。清浄たる王位と共に、新たな希望が訪れる」

 

「百の腕持つ番人よ、汝の鎖を解き放とう。鍛冶司る独眼(ひとつめよ)、我が手に炎を宿すがいい」

 

「大地を、宇宙を、混沌を――偉大な雷火で焼き尽くさん」

 

「聖戦は此処に在り。さあ人々よ、この足跡(そくせき)へと続くのだ。約束された繁栄を、新世界にて(もたら)そう」

 

 

ここに過去の雷霆(ケラウノス)と未来の雷霆(ケラウノス)がぶつかり合う。

 

 

「ーー人間神話(システム)雷電降臨(ケラウノス)!」

 

超新星(Metalnova)ーー天霆の轟く地平に、闇はなく(Gamma・ray Kerunos)!」

 

 

テスラの手から放たれるかの雷神の神業たる雷霆と、

ヴァルゼライドの両刀に纏う黄金色の核分子光(雷霆)

この二つがせめぎ合った。

 

 

「「うおおおぉぉぉーーーっ!」」

 

 

お互いの出力は互角に釣り合っている。

 

 

「は、はは、ははは!良いぞ!出力を上げよう!マスターよ!令呪を!」

 

 

虚空に向かって叫んだ。するとマスターである超鈴音が令呪を切ったのか、魔力が溢れ雷電が更に音をたてて強くなった。

 

 

「ふはははは、ははは!」

 

 

過去の雷霆(ケラウノス)は未来の雷霆(ケラウノス)を押し始めた。

その様子を見て勝ちを確信したテスラは、

 

 

「ふはははは、これは私の雷霆の方が上のようだな!」

 

 

更に笑い声をあげた。しかし、彼は知らなかった。この男、ヴァルゼライドがどのような人物かを、光の英雄はこの程度では諦めないことを!

 

 

まだだ(・・・)!」

 

 

両刀の光が更に輝く、

 

 

「まだだ、まだだ!」

 

 

うるさいぐらいの奇声音を放ちながら光はどんどん強くなる、

 

 

「まだ!まだ!まだまだまだまだ!うおおおぉぉぉーーーっ!」

 

 

ここに光の英雄は覚醒を果たした。

 

 

「何だと!限界は達しているはずだ!何故上がる!何故それほど力を発しているのに自壊(・・)しない!」

 

 

テスラにとって彼のような男と戦うのは初めてだろう。窮地に追い込めば追い込むほど、覚醒し、進化していく。英雄(化け物)ではなく英雄(トンチキ)であるこのような者達は!

 

 

「貴様に負けてやる道理はない!俺は俺を慕う彼等の!守るべき民の!輝く明日を守るために!さぁ!行くぞ!過去の英雄よ!明日の光は奪わせぬ!」

 

「ぐぅぅぅ。」

 

 

両刀だけでなく黄金の光を身にも纏い進む。テスラはそのあまりにも強烈な気迫にじりじりと後退していく。だが、ヴァルゼライドはそれよりも早くテスラのもとへ辿り着いた。そして、黄金の光を纏った刀を振り上げ、

 

 

「これで!終わりだ。」

 

「ぐわぁぁぁ。」

 

 

テスラを切り裂いたのだ。テスラは、

 

 

「ぐっ、私の負けか。しかし、私とエジソンを混同しないようにしてくれ。」

 

 

と言い残して光の粒子となった。




ということで更新です。これがしたかった。ケラウノスVSケラウノスが!


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第41話 バルバトスの悲劇

麻帆良のとある一角

 

 

 

「なんなんだ!」

 

 

彼の乗る機体が蹂躙される。

 

 

「なんなのだ!貴様は!」

 

 

彼の前に立ちはだかるのは人間の姿をデフォルメ化した少女。

 

 

「寄越せぇ!」

 

「何が!」

 

「寄越せぇ!寄越せぇ!無間の歯車と!蛮神の心臓と!禁断の頁と!ホムンクルスベビーを!寄越せぇ!」

 

 

少女の拳が彼の機体を貫く。素手とは言いがたい破壊力を持った拳が特殊な金属で構成されている装甲を貫通した。

 

 

「この力は!統括局と!同じものか!」

 

「黙って素材寄越せぇ!ほらほらほら!」

 

「ぐはぁ!ぐっ、ゴフ!」

 

 

少女のそのなんの光も持たない目はバルバトスではなく彼を構成する素材しか映してなかったのだ。

 

 

「あわわわわ。先輩が!荒ぶってます!どうします所長!」

 

「わ、私たちは見守るしかないのよ!それにしてもここ世界が細かすぎるわね!」

 

 

少女の連れらしき人物(こちらもデフォルメ化しているが)達はその様子を眺めている。

マキリ・ゾォルケンinGFバルバトスはその姿を変化させた。

 

 

「『顕現せよ。牢記せよ。これに至るは七十二柱の魔神なり』」

 

 

マキリ・ゾォルケンがその姿を魔神柱に変えた。その姿を見て少女の口角はゆっくりと上がっていった。

 

 

「『恐れよ。崇めよ。我は管制塔を司る者なり!』」

 

 

魔神柱バルバトスは少女達を一掃しようと焼却式を発動させた。

 

 

「『全てを知るが故に全てを嘆くのだ……焼却式。』」

 

「ふふふふふ。」

 

 

焼却式を前に不適に笑う少女。

 

 

「『全てを見通す我にとって………何だ!やめろぉ!』」

 

 

全てを見通すが故に少女による自分の末路を知ってしまったバルバトス。

 

 

「ふふふふふ。ふはははは!」

 

 

ザシュ!……グチャ 

 

 

少女はバルバトスの体内に腕を突き刺し、彼を構成する素材を抜き取っていく。

 

 

「『くそぉ!焼却式バルバトス!』」

 

 

咄嗟に焼却式を発動するバルバトス。焼却式は少女に確実にあたり少女を焼き付くしたはずだった。しかし、

 

 

「おい、お前。この程度で私が消えると?そんなわけないだろうが!そうだ!慰謝料をもらい受けようか!ほら!もっと素材寄越せやぁ!」

 

 

グチャ グチャ グチャ

 

 

「ガッ、グッ、ァァァ!」

 

 

焼却式を直接受けたのにもかかわらず無傷でそこに存在する少女に、慰謝料とばかり素材を奪われるバルバトスは悲惨だった。

それから死しては復活を繰り返し、復活できなくなる位素材を奪われるまで続いた。そして、最後には、

 

 

「『我はもう。顕現したくない。(せっかく搭載した星辰光(アステリズム)も使う機会は無かったな)』」

 

 

と言って消えていった。

バルバトスから素材を奪い続けた少女のもとへ、仲間の二人がきた。

 

 

「どうです先輩?満足しましたか?」

 

「そうよね?藤丸!」

 

「・・・・・」

 

 

無言で素材の数を数える少女。奪えた素材はそれぞれ50個ずつ。これ程あればこれから先困ることはあまり無いと、思うが少女は、

 

 

「ちっ!これだけか!湿気てやがる!」

 

 

満足はしていなかったようだ。

 

 

「帰るぞ!」

 

 

そう言って少女達はこの場から消えていった。

 

 

『あれは、何?』

 

 

実はモニターで確認していたダヴィンチちゃん。

 

 

『藤丸と呼ばれていた少女。マシュそっくりな少女。そして死んだ筈の所長そっくりな人物。しかも彼女ら明らかに画風が違ったような!あっ!でも、魔神柱が消えたこと報告しなくちゃ!』

 

 

そして、ダヴィンチちゃんはこちら側の藤丸に報告した。

 

 

『という訳なんだ。』

 

「ええっ!(素材を欲しかったなぁ)」

 

 

ということがあった。




よりにもよって彼女に狩られたバルバトス。書いて思ったことはただ一つ、可哀想に!


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第42話 魔を断つ剣と煌翼の再誕

またとある一角

 

 

 

「ほら!ほらァ!早く来ねェと、数多の罪無き民(ざこども)が死んじまうぜぇ!」

 

 

この地に現れた邪竜は、魔法使い、観光客等関係なく蹂躙をしている。

勿論この事態に対してこの地者達、魔法使い、魔術師、陰陽師達は己が立場に関係なくこの男を止めようと動いている。

 

 

「誰かあの男を止めろ!」

 

「なんなんだ!あいつは!」

 

 

巨大な手甲爪を両手に着け、弱者を蹂躙するその姿は邪竜のようでこの男の教示そのものだった。

彼は英雄を望んでいた。邪竜(じぶん)を討ち果たす英雄を!

 

 

「テメェらみたいな雑魚共に俺を止められるわけないだろォ!邪竜(おれ)を止めたきゃ英雄を連れてこいよォ!勿論、紅き翼(アラルブラ)とか言う贋作共じゃねぇ、本当の英雄をォ!」

 

 

彼の求める英雄は彼にこの道をいだかせる原因は軍事帝国アドラーの護国の英雄であるクリストファー・ヴァルゼライドその人である。彼は英雄(ヴァルゼライド)の生き方に憧れ、自分も全力で生きることを決めた。それはただ単に自らが認めた英雄と相対して、全力で戦い抜いた結果、討ち果たされることを望んでいるのだ。故にこそ彼等のような有象無象(ざこども)に殺られることはないのだ。

 

 

「どうしたァ!どうしたァ!邪竜(おれ)の前に立ちはだかってみせろやァ!」

 

 

それでもなお、彼に立ち向かうものはいなかった。今まで相対していた者達は彼の強大さに怖じ気づき、地べたに座り込んで震えているのだ。

そんな抵抗を見せない者とか関係なく邪竜(かれ)は、雑草を刈るように、その命を刈り取っていった。

 

 

「嫌だ。」

 

「嫌だ、死にたくない!」

 

「誰か…。」

 

「「「助けて!」」」

 

 

刈り取られていく命達は最後に懇願するように叫んだ。

助けを求めたから助けが来るというのはあくまでもご都合主義と言うものだ。しかし、存在そのものがそれを体現する者もいる。それが、

 

 

「待たせたな!」

 

 

光の英雄と呼ばれるもの達である。

刀に似た剣を両手に持ち、身体から黄金の炎を発しながら飛ぶように来て、邪竜の前に立ちはだかる様に立つこの男は、黄金の炎が纏い翼のように揺らめいているその姿は【天駆翔(ハイぺリオン)】に名に相応しく、彼の存在が人々の希望そのものとなった。この時、彼はまさしく英雄そのものだった。

 

 

「カハァ!良いぜ、良いぜ、なぁ!悪しき邪竜(おれ)を討つために!光の英雄がやって来たァ!ああ、良かったなァ?テメェラよォ!」

 

 

その男、魔を断つ剣(ダインスレイフ)は周りの人間に向けて叫んだ。邪竜を前に力無く蹲っていた者達は歓喜しながら、力は持っていても邪竜の前には意味をなさなかった者達は光の英雄の登場に息を呑んだ。誰しも自分達を助けに来たこの英雄に光に見ていたのである。ならばこそ彼は名実ともに光の英雄として認識されたのである。

 

 

 

かの邪竜の前に立ちはだかるリヒトはこの状況を打破する方法を考えていた。

 

 

『あやつの目には光の英雄しか映ってない。そこはわかるか?』

 

「ああ。」

 

『ならば、お前がやることは一つ。』

 

「ああ!」

 

 

リヒトは邪竜に向けて突っ込んでいった。

邪竜の興味は対面のリヒトのみ。故に、彼は正面から立ち向かっていったのだ。

 

 

「うぉぉぉーーーっ!」

 

 

リヒトは光輝く炎を纏いその推進力を活かして、邪竜に向かって飛翔するが如く突っ込んでいく。

 

 

「カカッ!カカカカカ!ああ、来いよォ!」

 

 

邪竜はその光を見て幸喜の笑みを浮かべた。

自らの望みし者がやってくる。

己を倒すために、

さぁ!

さぁ!

光の英雄よ!

悪しき邪竜を討ち果たして見せろォ!

 

 

そして、二人はぶつかった。

 

 

(おれ)は皆を守るんだ!」

 

「貴様の背中に魔剣を突き立ててやるゥ!」

 

 

彼らの言葉が重なる。

 

 

「「故に滅びろ!勝つのは(おれ)だァ!」」

 

 

リヒトは詠唱(ランゲージ)を唱え始めた。

 

 

「創生せよ、天に描いた星辰を――我らは煌めく流れ星 」

 

「愚かなり、無知蒙昧たる玉座の主よ。絶海の牢獄と、無限に続く迷宮で、我が心より希望と明日を略奪できると何故なにゆえ貴様は信じたのだ」

 

「この両眼(りょうがん)を見るがい。視線に宿る猛き不滅の(ほむら)を知れ。荘厳な太陽(ほのお)を目指し、高みへ羽ばたく翼は既に天空の遥か彼方を駆けている」

 

「融け墜ちていく飛翔さえ、恐れることは何もない」

 

「罪業を滅却すべく闇を斬り裂き、飛べ蝋翔(イカロス)――怒り、砕き、焼き尽くせ」

 

「勝利の光に焦がされながら、遍く不浄へ裁きを下さん」

 

「我が墜落の暁に創世の火は訪れる」

 

「ゆえに邪悪なるもの、一切よ。ただ安らかに息絶えろ」

 

 

リヒト同時に邪竜(ファブニル)を詠唱し始めた。

 

 

「天昇せよ、我が守護星―――鋼の恒星(ほむら)を掲げるがため!」

 

「美しい――見渡す限りの財宝よ。」

 

「父を殺して奪った財宝、真紅に濡れる金貨の山は、どうして此れほど艶めきながら、心を捉えてはなさぬのか。」

 

「煌びやかな輝き以外、もはや瞳に映りもしない。誰にも渡さぬ、己のものだ。」

 

「毒の息吹を吹き付けて、狂える竜は悦に浸る。その幸福ごと乾きを穿ち、鱗を切り裂く鋼の剣。」

 

「巣穴に轟く断末魔。邪悪な魔性は露と散り、英雄譚が幕開けた。」

 

「恐れを知らぬ不死身の勇者よ。」

 

「認めよう、貴様は人の至宝であり、我が黄金に他ならぬと。」

 

「壮麗な以降を前に溢れんばかりの欲望が、満ちた屍肉を蘇らせる。」

 

 「故に必ず喰らうのみ。誰にも渡さぬ。己のものだ。」

 

 「滅びと終わりを告げるべく、その背に魔剣を突き立てよう。」

 

 

二人の詠唱が終わりに近づいた。

そして、

 

 

「「超新星(Metalnova)」」

 

 

二人の声が再び重なった。

 

 

煌翼たれ、蒼穹を舞う天駆翔・紅焔之型(Mk・braze Hyperion)

 

邪竜戦記、英雄殺しの滅亡剣(Sigurdbane Dainsleif)

 

 

片や意思の強さだけで超克する赫怒の炎。

片や形在るものへ訴えかけ、己が意のままに作り変える 物質再整形能力。

 

 

その二つがぶつかったのだ。

リヒトは先ず推進力を活かしてファブニルの心臓を穿ちに行った。

しかし、そんなことファブニルは予想しない筈は無かった。

 

 

「カカッ!んなこと予想通りすぎだろォ!」

 

 

ドゴーン、ガガガガ

 

 

ファブニルは地面を変形させてまるで竜を連想させる巨大な何かを作り出し防いだ。

そして、その何かは口を開き、牙の様なものを連続掃射した。

 

 

「その程度!」

 

 

リヒトは炎を更に燃え上がらせ牙を防いだ。

彼らの本質は光の亡者。

どちらか上回ろうとそれを凌駕し、覚醒し、進化していく。

それが何度も何度も繰り返し、

更に、

更に、

力を高めてゆく。

 

リヒトはどんどん炎を高め、

ファブニルは形成する物質の強度、それがもたらす被害を拡大していく、

 

 

「「うぉぉぉーーーっ!」」

 

 

二人がぶつかり合ったそこは、爆心地のようになっていた。

彼らが戦い始めた時、周りの者達が民間人の避難を優先していなければ、この地に死体が増えていただろう。

 

 

『このままでは埒が明かん。どうする片翼よ!』

 

 

彼の片翼が話しかけてくる。

 

 

「ああ、それは!(奴は必ず滅ぼす、勝つのは俺だ!)」

 

 

思考の中の一人称が変わり、煌翼の影響を更に受け始めた。

 

 

「俺は英雄になるんだ!俺を救ってくれた英雄のように!」

 

 

リヒトは再び覚醒した。

しかし、ファブニルはそれを見て口角を上げた。

 

 

『ああ、我が片翼よ!お前のその意思、俺は尊敬しよう!』

 

「おい、どうした?」

 

『俺はお前が天駆翔(ハイペリオン)の片翼を担う男に成長したことは俺の誇りに他ならない。』

 

『ならば、俺も成長するべきだ。ああ、リヒトよ。今までありがとう。お前のことを心から尊敬する。』

 

「ヘリオス?」

 

『俺は英雄の後継者ではない。英雄の後継者はリヒトだ。ならば、俺はお前を助けよう。英雄が取り零す者も、孤独となる英雄も俺は救済(・・)しよう!』

 

 

「天昇せよ、我が守護星―――鋼の恒星(ほむら)を掲げるがため」

 

「荘厳な太陽(ほのお)を目指し、煌めく翼は天翔けた。火の象徴とは不死なれば、絢爛たる輝きに恐れるものなど何もない。」

 

「勝利の光で天地を焦がせ。清浄たる王位と共に、新たな希望が訪れる。」

 

「絶滅せよ、破壊の巨神。嚇怒の雷火に焼き尽くされろ。人より生まれた血脈が、英雄の武功と共に、汝の覇道を討ち砕く。」

 

「天霆の轟く地平に、闇はなく。」

 

「蒼穹を舞え、天駆翔。我が降誕の暁に創世の火を運ぶのだ。」

 

「『ゆえに邪悪なるもの、一切よ。ただ安らかに息絶えろ。』」

 

「是非もなし――さらば蝋翼、我が半身。焔の再生(すべて)を担うのみ。」

 

「天空を統べるが如く、銀河に羽ばたけ不滅の煌翼(ヘリオス)。果てなき未来(たびじ)をいざ往かん。」

 

「――創世神話(マイソロジー)は此処にある。」

 

超新星(Metalnova)―――森羅超絶、赫奕と煌めけ怒りの救世主(Raging Sphere saver)!」

 

 

煌翼(ヘリオス-α)が具現する。

焔の系譜が顕現した。

ここに新たな 極晃星(スフィア) ーー灼列恒星(アルカディア)が誕生した。

 

 

極大な光の柱が空へ突き抜けた。

 

 

「カカッ!カカカカカ!」

 

 

ファブニルはその光に飛び込んだ。

 

 

「ヘリオスなのか?」

 

 

リヒトの前にいる男は悠然と立っていた。

 

 

蝋翼(イカロス)よ!再び会おう!」

 

 

彼はリヒトにそう言い、

 

 

「さぁ!俺に着いてきたいものはこの光に飛び込め、己の星を手に入れてみせろぉ!」

 

 

そうして幾人が光の中に飛び込んだ。

 

 

それを見ていた男達がいた。

その内の二人が光を眺めて何かを決心したように頷いた。

 

 

「おい、薫、慶一。お前ら、何を!」

 

 

二人は親友の方を向いて、

 

 

「「すまん。達也、ポチ、小太郎」」

 

 

二人は光に向かって飛び込んだ。

 

 

「あ"あ"あ"あ"あ"!」

 

 

そして、光は消失しその場にヘリオス達は消え去った。

だが、それでも空には極晃星(スフィア)の生誕した証が浮かんでいた。



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第43話 各勢力の考察と動向

魔術師・陰陽師勢力

 

 

「あれは何なんだ!」

 

「観測の結果、凄い力を発していることしか解りません!」

 

 

魔術師や陰陽師達はこのような事態自体が初めてなため、その対応がわかっていなかった。

そこに、

 

 

『こちらで観測した結果から特異点を形成するものだと言うことがわかった。』

 

 

カルデアのダヴィンチちゃんから通信が届いた。

 

 

「おおぉ!さすがは人理の守り手ですな。」

 

 

その成果に一人の魔術師が声を上げた。

 

 

『結論から言うとあれは危険だ。あれの発する力の特徴は願望器の特徴と一致する。あれを放っておいたらこの世界は改変することは避けられないだろう。』

 

『藤丸くん、再度言うがこの特異点がどう成ろうと私達の世界には何の影響もない。それなのにこの世界に残るのかい?』

 

 

ダヴィンチちゃんのその言葉に藤丸立香は愚問とばかりに、

 

 

「ええ、勿論。今度はドクターもいますしね!」

 

「うん。藤丸くん、僕も全力で手伝おう!」

 

 

カルデアの最後のマスターとこの世界で再び出会った魔術王は魔術師や陰陽師達の希望となることを宣言した。

 

 

精霊魔術師勢力

 

 

「学園長!このままでは、情報統制が難しくなります!」

 

 

一人の魔法先生がそう言った。

 

 

「何を言っておる!そんなこと!もう成っておる!今は一般人の避難を優先せよ!」

 

「それは行っています!しかし、記憶の改変に手間取っています。何分人が多いもので。」

 

「こんなときまでそうしておるのか!それはいいから早く彼らを逃がすんじゃ!」

 

 

あの光の柱や今もなお存在する空の亀裂は世界中から観測されている。それはもう麻帆良だけの問題ではない。それでもなお、一部の人間に秘匿の対処を行っていることに学園長は苛立った。

 

 

「それについては本国の者達を派遣してもらっておる名簿のみ作って後から対処せよ!今はこの土地に起こった問題じゃ!」

 

 

アドラー

 

 

「ふむ。新たな極晃星(スフィア)の誕生か。」

 

 

ヴァルゼライドは空に浮かぶ亀裂を眺めてそう言った。

 

 

「ええ。貴方と神星のもの模して作ったものです。私が調整したといえ光の柱に入った者達はどうなるかは私には解りませんな。」

 

審判者(ラダマンテュス)。貴様がそれを言うのか?」

 

 

魔星となっている男に対してヴァルゼライドはそう言った。

 

 

「すみません、閣下。御察しの通りあの光の柱に入った者は魔星と成るでしょう。そして、煌翼(ヘリオス)にはかつての魔星の知識を埋め込んであります。故に適正が高ければその者はかの神星の配下だったもの達の姿と力を得るでしょう。」

 

「そうか。」

 

 

ラダマンテュスの説明にヴァルゼライドは短く答えた瞬間、

 

 

「む!これは!」

 

 

ヴァルゼライドは何かの気配を感じとりその方角に顔を向けた。

 

 

「どうしました閣下?」

 

「いやなに、我が宝具を使うべき相手が現れたようだ。」

 

 

小太郎達

 

 

「なぁ、小太郎。慶一や薫、あいつらどうなったのかなぁ?小太郎?」

 

 

達也がそう聞いてくるのが小太郎の耳には聞こえてなかった。

 

 

「(あの亀裂を見ていると胸が騒ぐ。俺はあの光を認めない。認めることが出来ない。あの光は!)」

 

 

その時、別次元のとあるものと彼は同調した。

 

 

「『決して存在してはいけないのだから!』」

 

 

小太郎の中に闇の冥狼(ケルベロス)が降り立った。

彼と相性が良かったのか、冥狼の一部だったとはいえ彼らは完全に同調した。本体である滅奏者が彼の肉体を借りてこの世界に降りてきたのだ。

 

しかし分霊としてだが彼らが降りてきたことで疑似サーヴァントの様になったのだ。

姿はかの人狼と同じ姿になった。

 

 

それを見ていた他二人は遂には気を失った。

人狼は、

 

 

「それじゃあ、行くか!ヴェンデッタ!小太郎!」

 

『ええ、ゼファー。行きましょう!』

 

『おう!あいつらを必ず連れ戻す。』

 

 

超鈴音達

 

 

「どう言うことだ!こんなの理解の範疇を超えている!」

 

 

彼女の叫びを眺めている者達は、

 

 

「ふむ。あのすっとんきょうと、ミスター・マキリも逝ったか。」

 

「しかし、我々の、手に終える、ものでは、無くなってしまった。」

 

「ウウウゥ!」

 

「ああ。君はここの電力を供給を頼む。それ以外は我々が担当しよう。」



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第44話 降誕

何もかも終わってないのに書いてしまった。


ビギビキ

 

 

空の亀裂が更に大きく走る。

 

 

某所

 

 

「なんだこれは!」

 

 

空の亀裂が走るほど彼女の胸元が光出す。

 

 

まるであの亀裂から何かが発せられるかのように、

 

 

「これは、まさか!ヘリオス!」

 

 

片翼となった青年は空を見上げた。

 

 

ビギビキ、バキン、バキーン

 

 

ガラスが割れるように、空が割れた。

 

 

と同時に天より光が柱のように差してくる。

 

 

そこより現れるのは太陽の化身。

 

 

灼熱の恒星が再びこの地に降臨したのだ。

 

 

「行くぞ、貴様ら!世界を救おうぞ!」

 

 

「「「おおぉぉぉーーーっ!」」」

 

 

焔を纏った狂信者達は雄叫びを上げた。

 

 

「クハハハ、良いぜェ!最高だァ!力が溢れてくるぜェェェ!」

 

 

黒き光を纏い邪竜はその力を溢れ出す。

 

 

魔星は力を増して帰ってきたのだ。しかし、ヘリオスが造り出した特異点には過去の魔星(プラネテス)の情報が蓄積されていたのだ。その情報を光に飛び込んだ幾人は自らの物にしようとして逆に取り込まれた。

 

 

この中には鋼の英雄(ヴァルゼライド)を憎む者もいた。

 

 

だが、彼らが再誕したのはヘリオスの 極晃星(スフィア)の中、彼らはヘリオスの眷属としてこの地に降り立ったのだ。

 

 

「カカカ!皮肉なものだな。俺達が光の後継者の下につくことに成るとはな!」

 

 

「ふん。知るか。そんなことよりも先ずはあの男だ。雪辱を晴らしてやる。」

 

 

殺塵鬼(カーネイジ)氷姫(ピリオド)は雷霆の英雄の下へ駆けていった。

 

 

「この気配は。小太郎、君、彼と一つに成ったんだね。レディもいるのか。よし!行こう!」

 

 

「クハァ、応とも。天に至りしあの男に我が武勇、見せつけてやろう!」

 

 

錬金術師(アルケミスト)色即是空(ストレイド)は冥狼に向けて駆け出した。

 

 

 

天が割れる少し前

 

 

世界樹付近にて戦いがもう繰り広げられていた。

 

 

「何故、アドラーが攻めてくる。」

 

 

魔術師達の前にはアドラーの軍服を着た星辰奏者(エスペラント)が一子乱れぬ動きで詠唱(ランゲージ)を唱えていた。

 

 

「「「創星せよ、天に描いた星辰をーー我らは煌めく流れ星」」」

 

 

彼らは統率され無駄の無い動きで魔術師達を追い詰めていた。

 

 

だがそこに、

 

 

「血に塗られた我が人生をここに、捧げようぞ!」

 

 

血塗れ王鬼(カズィクル・ベイ)!!!」

 

 

赤黒い杭が星辰奏者(エスペラント)達を貫いた。

 

 

それでもなお、星辰奏者達は向かってくる。ヴラド三世は迎撃しようと手を向け、

 

 

「どけ。」

 

 

黄金の斬撃が彼を切り裂いた。ヴラド三世は呆気なく消滅した。

 

 

それを見て魔術師達は動揺した。彼らにとって自分達が何人いようが倒せない彼らの神の朋友が一撃で滅ぼされたのだから。

 

 

斬撃を放った男から溢れ出るのは鋼の意思。

 

 

彼から発せられる威圧感によってほとんどの魔術師達は戦意を亡くし呆然とした。

 

 

「来たか。」

 

 

男は待っていたのだ。彼らの神が現れるのを。

 

 

「貴殿、このような狼藉、赦されると思っているのか?」

 

 

神シュマと彼の朋友達は男が切り裂いた朋友の仇を取らんと怒り狂っていた。

 

 

男はどうでもいいとばかり、

 

 

「知らんよ。俺は勝ちに来たのだ。貴様らの理由などどうでもいい。」

 

 

シュマ達は、

 

 

「「「キサマァァァ!!!」」」

 

 

激昂し飛びかかった。

 

 

一番槍は牛若丸。彼女は自らの主に敵対した愚か者の首を取らんと宝具を発動した。

 

 

「壇之浦・八艘跳ィィ!」

 

 

しかし、

 

 

「邪魔だ。」

 

 

男は冷静に彼女の首を両断した。そして、

 

 

「なんだ?貴様ら、あえて言わせてもらおう。その程度か?」

 

 

男は力を更に放ち、

 

 

超新星(Metalnova)ーー天霆の轟く地平に、闇はなく(Gamma・ray Kerunos)!」

 

 

刀身が見えなくなるほどの光量を纏ったのだ。

 

 

「見つけたぜ。」

 

 

「ああ!やっと!」

 

 

光より現れた第三者がこの蹂躙に混ざってきたのだ。

 

 

「よう!英雄。久し振りだな!」

 

 

「ヴァルゼライド殺す!」

 

 

シュマ達はこの男の敵が来たため見方をしてくれると思ったが、

 

 

「戦うのはいいが、邪魔な奴らがいるな。消しとくか。」

 

 

「天昇せよ、我が守護星―――鋼の恒星(ほむら)を掲げるがため」

 

「死が満ちる、死を満たせ、死を(さかずき)へと注ぐのだ」

 

「狂乱と破壊と炎と災いで、見渡す荒野を深紅に染める」

 

「青銅の鎧を纏え。両手は槍を携えよ」

 

「戦車へ騎乗し突撃すれば、敵兵はものみな等しく髑髏の山と成り果てようぞ」

 

「おお、芳しきかな、人肉の脂が燃える」

 

「打ち震えるかな、無意味で無情な流血よ」

 

「ただ理不尽に散りゆく獲物いのち、これぞ戦の誉れなり」

 

「野獣の如き蹂躙だけがこの身を至福へ誘うのだ。城壁の破壊者は、泰平をこそ打ち砕く」

 

「永遠たれ、凶兆たる災禍の紅よ。神々の弾劾さえ我が悦びを裁くに能わず」

 

「ーー急段、顕象(Metalnova)ーー」

 

義なく仁なく偽りなく、死虐に殉じる戦神(D i s a s t e r C a r n a g e)!」

 

 

紅の光を纏い、殺塵鬼(カーネイジ)はその星辰光(アステリズム)をシュマ達に放ったのだ。

 

 

「何ですかこれは!」

 

 

「体が……!」

 

 

「王、私は!」

 

 

レオニダス、サンソン、ベティヴィエールは一瞬にその霊器を消滅させた。

 

 

シュマ、アルトリア、オジマンディアスはギリギリ当たらなくてすんだ。

 

 

「我が宝具、受けてみよ!」

 

 

ファラオの威光を見せつけようと、朋友の仇をとろうと彼は隙を見せてしまった。

 

 

「全能の神よ!我が業を見よ!そして……グフ」

 

 

眼鏡の男がファラオを刀で貫いていたのだ。

 

 

「キサマァァァ!!」

 

 

パチン

 

 

ドゴォォォーン

 

 

眼鏡の男が指をならせば爆発が起こり、ファラオを消し飛ばしたのだ。

 

 

「お前も、邪魔するのか?」

 

 

「ヴァルゼライド殺すぅ!」

 

 

「ふん。」

 

 

パチン

 

 

ドゴォォォーン

 

 

「のわぁぁぁ!」

 

 

魔星達は爆発に手間をとっている。

 

 

審判者(ラダマンテュス)か。貴様は行かなくても良いのか?」

 

 

「行きますよ?ですがその前に閣下には消えてもらはなくてはいけないのです。我らが極晃星(スフィア)のために。」

 

 

眼鏡の男、ギルベルトは生前ではあり得ないことを口にした。彼はもう身も心も灼烈恒星(アルカディア)の眷属として完全になっていたのだ。

 

 

「食らえ、最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)

 

 

「ほら。」

 

 

パチン

 

 

ヴァルゼライドの足下に爆発を起こし、彼の迎撃を失敗させた。それでもなおヴァルゼライドはアルトリアを討ち取ったのは流石である。

 

 

「よくも!アルトリアを!」

 

 

シュマはヴァルゼライドに攻撃を放ち瀕死まで追い込んだ。

 

 

それでもヴァルゼライドに諦めは見れなかった。彼は笑っていた。彼はギルベルトの方を見て、

 

 

「英霊となりし俺の宝具を見せてやろう。」

 

 

と言った。ギルベルトは、

 

 

「(閣下の宝具?)」

 

 

「かつて俺は宿敵と融合することで冥王に対抗した。その逸話を具現化したものだ。」

 

 

ギルベルトは「ハッ!」と気づいたが遅かった。

 

 

「後は任せるぞ、我が宿敵(とも)よ!」

 

 

それに応じるかのように、声が聞こえた。

 

 

「ああ。任せておけ宿敵(とも)よ!」

 

 

大和の威光がここに再臨する。

 

 

「天昇せよ、我が守護星――鋼の恒星(ほむら)を掲げるがため」

 

 

「おお、輝かしきかな天孫よ。」

 

葦原(あしはら)中国(なかつくに)を治めるがため、高天原(たかまがはら)より邇邇藝命(ににぎのみこと)を眼下の星へ遣わせたまえ」

 

日向(ひむか)高千穂(たかちほ)久士布流多気(くじふるたき)へと五伴緒(いつとものお)を従えて」

 

「禍津に穢れし我らが大地を、どうか光で照らしたまえと恐み恐み申すのだ」

 

「鏡と剣と勾玉は、三徳示す三種宝物(みくさのたから)。」

 

「とりわけ猛き叢雲(むらくも)よ、いさや此の頸刎ねるがよい――天之尾羽張(あめのおはばり)がした如く」

 

「我は炎産霊(ほむすび)、身を捧げ、天津の血筋を満たそうぞ。」

 

「国津神より受け継いで(ほむら)の系譜が栄華を齎す」

 

 

『天駆けよ、光の翼――炎熱()の象徴とは不死なれば 』

 

『絢爛たる輝きにて照らし導き慈しもう。遍く闇を、偉大な雷火で焼き尽くせ』

 

 

 

「ならばこそ、来たれ迦具土神。新生の時は訪れた 」

 

「煌く誇りよ、天へ轟け。尊き銀河を目指すのだ」

 

 

――これが、我らの英雄譚

 

 

超新星(Metalnova)――大和創世(S h i n i n g)日はまた昇る(S p h e r e)希望の光は不滅なり(r i s e r)!!!」

 

 

天奏者(スフィア・ライザー)がこの地に降臨したのだ。

 




烈奏者と滅奏者に続いて天奏者がインしました。さぁ藤丸くん達は無事に帰還できるのか!


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