もう一人の盃兄弟 (蛍火)
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戦争編
オープニング


 

 

 

  あちらこちらから怒号が響き渡るここ、マリンフォード。

  

  海賊と海軍、目が合ったものからお互い殴り、切り、傷つける。

 

 

 

  そんな広場の様子を建物の屋上からひそかに観察する集団がいた。

 

 

 

  「で、どうします?船長」

 

 

 

  一人の女が目線は広場のまま黒帽子をかぶった青年に尋ねる。

  青年は腕を組んだまま静かに階下の喧騒を見つめる。

  まるでタイミングを計るように、静かに……。

 

  周囲の者たちはそんな二人の様子を邪魔しないように注意しながらも楽しそうに笑うものが

  多くいた。

 

 

  「………いけ」

 

 

  場に一言。

  その一言に待ってましたと者どもは行動を開始する。

 

  青年の周囲に残ったのは先程の女以外に数人。

  しかし女も静かにその場を後にする。

  すでに指示は受けたとばかりに。

 

 

  すると、突然先程までずっと無表情だった青年の顔に笑みが浮かぶ。

  これから起こる、否、起こすことが楽しみで仕方ないという子供のような笑みだった。

 

  次の瞬間、屋上にいるものはただの一人もいなかった。

  最初からそこには何もなかったかのように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「撃てェ!!!

   処刑台事ふき飛ばせェ~~~~~!!!」

 

 

  マリンフォードでの戦争はいよいよ終局が近い。

  今まさに処刑台が海軍本部元帥・センゴクによって破壊されたのだ。

 

  しかし、油断はできないとばかりに処刑台から落ちていく人影に海軍から猛攻撃が

  浴びせられた。

 

  ……だが運は彼らに味方はしなかった。

 

 

 

  「爆炎の中に!!炎のトンネルが…!!!」

 

 

 

  「お前は昔からそうさ ルフィ!!!」

 

  「おれの言う事もろくに聞かねェで」

 

  「無茶ばっかりしやがって!!!」

 

 

 

  炎のトンネルから出てきたのは処刑人であった火拳のエース。

  そのエースに掴まれ泣き笑いの顔で出てきたのは麦わらのルフィ。

  そしてついでに落ちていくMr.3。

 

 

  広場はまさに海賊たちの歓声に包まれた。

 

 

 

  『 エ~~~~~~~ス~~~~~~~!!!! 』

 

 

 

  しかしそんな海賊の様子を海軍が黙ってみているわけはなかった。

  すぐに二人の周囲には人垣ができ、容赦のない攻撃が降り注ぐ。

  二人は兄弟ならではの息の合いようでその攻撃をかいくぐり、仲間が作る逃げ道を走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  それと同時刻。

  白ひげもある決断を家族に伝えるのだった。

 

 

 

  「ここでの目的は果たした…、もう おれ達はこの場所に用はねェ!!

   ………!!ゲホ」

 

  「今から伝えるのは………!!

   最後の船長命令だ……!!!

   よォく聞け……白ひげ海賊団!!!」

 

  『!!?』

 

 

 

  苦しそうな息遣い。

  とめどなく傷から流れる血。

  しかし、凛とその場に立つ男からは強い決意を感じた。

 

 

 

  「お前らとおれはここで別れる!!!

   全員!!必ず生きて!!!無事新世界へ帰還しろ!!!」

 

  『!!?』

 

  「オ……オヤジィ!!?」

 

  「ここで死ぬ気か!!?」

 

 

 

  白ひげの息子たちの悲痛な悲鳴が、叫びが響き渡る。

 

 

 

  「おれァ 時代の残党だ………!!!

   新時代におれの乗り込む船はねェ…!!!」

 

  「行けェ!!!!

   野郎共ォ~~~~~~!!!」

 

  『!!!』

 

 

 

  白ひげの能力が発動する。

  泣き叫びその場にとどまろうとする者。

  それを叱咤し泣くまいと歯を噛みしめせかす者。

  逃がすかとばかりに攻撃を仕掛けに行く者。

  海賊は皆殺しだとばかりに叫ぶ者。

 

 

  マリンフォードの広場は今まで以上に収拾がつかなくなり始めた。

 

 

 

 

 

 

 

  しかし、そんな周囲の人間たちを気にかけず水面下で行動していた者たちは

  そろそろ出番だとばかりに表に出る準備を始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 登場させるはずだったのに・・・。
 うまく主人公たちは動いてくれませんでした。
 次話こそはっ!! 
 登場させたいと思います。


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