強襲揚陸艦ネェル・アーガマ、発進! (がさ丸)
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番外編
番外編1 こどもの日


本編とは違って、平和に、ゆる~くお届けする番外編。
基本的にアーガマとガランシェールの絡みです。たまに百合百合しい場面も...?

今回はこどもの日ということで、行事。というか、記念日的な意を込めてお送りします。
気軽に書いていくので、読者様も気軽に読んでくれると嬉しいです。

行動や状態を示す文章とか、あんまり無いです。
台本形式のに近い感じでやっていきます。

※本編とは一切関係ありません。下手したら行事、記念日とも一切関係無くなる気がしますが、気になさらず見てください。


「ねぇ、アーガマ?」

 

ガランシェールに話しかけられる。

 

「ん、なに...?」

 

「こどもの日って知ってる?」

 

物凄い笑顔で、しかもキラキラした目で此方を見てくる。

 

「こどもの日...?地球の行事か何か?」

 

「え~っとね~、行事じゃなくて、記念日らしいよ!子供がいる家では、兜っていう飾りとか、柏餅っていう食べ物をたべるらしいんだけど...」

 

「それが何か私に関係あるの...?」

 

「いや~、アーガマって子供っぽいから!」

 

失礼な!これでもガランシェールよりは長く生きてたんだから!

子供じゃないもん!(子供っぽさ全開)

 

「私は少なくともガランシェールより長く生きてた!」

 

「うっ...」

 

ガランシェールの目に涙が浮かぶ。

身長とかはガランシェールの方が上で...、性格も少しお姉さんっぽい所があるんだけど...。

こうなっちゃうと、どっちがお姉さんなんだろう...。って思うなぁ...。

 

「だって...私...最期は...じばく...」

 

「えっと...、でも、乗ってた人達は戦闘経験豊富でしょ...?キャプテンとか...」

 

「そうだけど...」

 

「それに、ほら...!ガランシェールってあんなに武装が少ないのに、戦争終盤まで生き残ってたよね...?あれはスゴいよ!」

 

「ほんと...?」

 

「ほ、ほんと!本当だよ!」

 

「うぇぇ...ありがと、アーガマぁぁ!」

 

思い切り抱きつかれた...。ガランシェール、その位置だと、ガランシェールの胸に私の顔が埋まって...いき...が...

 

「ガラン...シェール、...離れて...くるし...」

 

「あ、ごめん!」

 

――良いなぁ...、なんであんなに大きく...。

 

「...!ふふっ、アーガマ、もしかして...、私の胸が羨ましい...?」

 

「べ...別に!そんなわけ...!なくも...ないかも...」

 

「まぁ...、スゴい小さいもんねぇ...?」

 

ガランシェールが私の後ろに回って胸に手を伸ばしてくる。

 

「ひぁっ...!?」

 

変な声が口から漏れる。

それに構わず、ガランシェールは私の胸を揉み続ける。

 

「ひぅ...っ...ぁ...ゃ、やめ...!」

 

「アーガマ、やっぱり可愛い~!」

 

「......」

 

片腕で胸をガードしながら後ろに何歩か下がる。

そして、胸のガードを無くし、ガランシェールの腹部へ軽い殴りをお見舞いする。

 

「ふぐぅ!!?」

 

ガランシェールは腹部を押さえながら座り込む。

 

「アー...ガマ、少し、てか...げん...」

 

「意外と手加減したんだけど...?」

 

実際、私は少し手加減をした。

ガランシェールは偽装貨物船だから、防御力が低い...?

 

「もしかしてガランシェール...装甲が...」

 

「それ以上は言わないで!お願い!」

 

涙目でお願いされた...。よっぽど気にしてるんだなぁ...。

 

「二人共、ほんっとに子供っぽいね~」

 

扉の所から声がしたので、そちらへ視線を向けると鈴谷さんが立っていた。

私とガランシェールが子供っぽいらしいけど...それ以前に...。

 

「「鈴谷さんがやること、一番子供っぽい所ありますよね?」」

 

珍しくガランシェールと声が被った。

まぁ、今はどうでもいいかな...。




はい、えっと、こんな感じです。
大丈夫、今回は大丈夫なはず。R-18行きは無いはず。

良ければ、感想と評価。お願いします!


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設定
設定


ガンダムの艦を艦娘にする作品ってよくありますよね?
その波に乗ってみようかなぁって感じで書き始めました。

初めてのssですので、暖かい目でご覧ください。

-追記-
2017/1/14
コメント欄にて指摘された「ジェガンD型(エコーズ仕様)」(ファントム・ガンナーさん)の説明の追加と、消費資材の燃料に関して、コメント欄で指摘していただいた、「ブースター分の燃料」(ユッキーさん)を追加しました。指摘していただき、ありがとうございます。


設定でございます。

 

ネェル・アーガマ[Nahal Argema]

 

艦籍番号...SCVA-76

 

分類...宇宙戦艦→強襲揚陸艦

 

艦級...ネェル・アーガマ級(エゥーゴ)

 

所属...エゥーゴ→地球連邦軍(ロンド・ベル)

 

建造...アナハイム・エレクトロニクス社 グラナダ工場

 

全長...380m

 

推進機関...核熱エンジン/ソーラーエネルギーハイブリッド

 

武装...単装ビーム砲×2/単装副砲×2/2連装メイン・メガ粒子砲×2/ハイパー・メガ粒子砲×1/サブ・メガ粒子砲×2/対空機銃×16(実弾)/ミサイル・ランチャー×12

 

搭載数...U.C. 0088:MS×12 U.C. 0096:MS×16

 

特徴

 

艦前方にある3基のMSのメインカタパルト、前方カタパルトの下方にも2つのカタパルトがあり、MS1個大隊の運用が可能。着艦デッキは艦後方に装備されている。MSの母艦でもあり戦闘も可能、メガ粒子砲とミサイル・ランチャーによる遠距離攻撃を得意とする。雷撃は不可能。

 

武装紹介

 

ハイパー・メガ粒子砲

全長50m、口径18mという巨大なメガ粒子砲。理論上、コロニーレーザーと同等の威力を持ち、拠点攻撃用の兵器。一撃で大型戦艦を撃沈することは勿論、照射角の変更次第では一つの艦隊を壊滅させるには十分の威力を持つ。欠点として、艦体に固定されていて微調整が難しい。一回の射撃で艦の全動力を使い果たすため、他のメガ・粒子砲が使えない。というものが挙げられる。それにより、一度の戦闘で使用できるのは一回までと決まっている。

サブ・メガ粒子砲

ホワイトベース級、アーガマ級と同じように船体側面のシャッターに格納されている大型のメガ粒子砲。

対空機銃×16

改修後の追加要素として、対MS及び航空宇宙機迎撃用兵器。

単装ビーム砲×2

左右のMSカタパルトデッキ前方端に配置されている。他の砲と比べると小さい。

単装副砲×2

後方上下に配置された単装メガ粒子砲砲搭。

2連装メイン・メガ粒子砲×2

前方上下に配置された2連装メガ粒子砲砲搭。

かなりの頻度で使用する。主に障害物の破壊、敵MS隊の壊滅等に使用された。

 

搭載MS

 

リゼル

地球連邦軍の量産型MS。飛行形態MAに変形可能。

 

ジェガンD型/ジェガンD型(エコーズ仕様)

ジェガン系列の改修機。エコーズなどの戦闘部隊が使用した。

エコーズ仕様のジェガンD型には、ハンドガンやファイアナッツ、ダガーナイフが追加されている。

 

スターク・ジェガン

こちらもジェガン系列の改修機。バックパックに追加オプションを付け、射撃能力が格段に上がっている。

 

デルタプラス 搭乗者「リディ・マーセナス」

Z計画の名残が各所に見られるMS。こちらもリゼルと同様に飛行形態MAに変形可能。僚機をMA時、上に乗せて飛行するなど、Zガンダムと同様の動作が可能である。

 

ユニコーンガンダム 搭乗者「バナージ・リンクス」

アナハイム・エレクトロニクス社とビスト財団の間で極秘裏に進められていたUC計画の中で完成したMS。ビームライフル4発分の威力を一発で撃てるビームマグナム、高出力のビームサーベル、ハイパーバズーカ等の多彩な武器を装備している。このMSには『NT-D』というシステムが搭載されている。これは、搭乗者、もしくは戦闘相手がニュータイプの場合、感応波を感知し、ユニコーンガンダムを真の姿へと変えていく。各部の装甲が開き、内部のサイコフレームが露出、頭部の一本角が割れ、ガンダムに“変身”する。

 

FA・ユニコーンガンダム 搭乗者「バナージ・リンクス」

正式名称、フルアーマー・ユニコーンガンダム。バナージ・リンクスの友人、タクヤ・イレイが「自分の考えた最強のユニコーンガンダム」を作ろうと意気込んでいた日の夢で、このフルアーマー・ユニコーンガンダムが出てきた。そこで、ネェル・アーガマに搭載されている武装を余しなく使い、ユニコーンに装備させた。

バズーカが2つ、シールドが3つ、ハンドグレネードや脚部ミサイル、グレネードランチャーなど合計17門にも及ぶ火砲を備え、MS単機としては最大級の大火力を手に入れた。装備を多く積めば重量も上がるため、その取り回しを考慮した上で、宇宙用S.F.Sである94式ベースジャバーのスラスター部を転用し、追加マウント・フレームで接続した、プロペラントタンクを兼ねた大型ブースターを備えている。

使用済み武器のデッドウェイト化を避けるため、武器やブースターは随時切り離し可能となっている。勿論、NT-Dを発動し、ガンダムに変身するときの邪魔にならないように武器は装備している。

 

ユニコーンガンダム2号機 バンシィ・ノルン 搭乗者「リディ・マーセナス」

ユニコーンガンダムの兄弟機。こちらにもNT-Dシステムは搭載されているが、背部バックパックの増設ジェネレータ兼サイコミュユニットであるアームド・アーマーXCは敵性サイコミュの感応波を増幅させる効果を持ち、デストロイモードになる確率を幾分か緩和している。

 

クシャトリヤ 搭乗者「マリーダ・クルス」

袖付きのMS。通称「四枚羽根」。ファンネルの収納場所が四枚の羽根の様になっていることからそう呼ばれるようになる。ファンネルをつかったオールレンジ・アタックを得意とする。

 

クシャトリヤ・リペアード 搭乗者「マリーダ・クルス」

戦闘で大破したクシャトリヤをネェル・アーガマが回収、収容し、装備の改造、及び修復を行った。改修後はファンネルは使用せず、ファンネルミサイルを使用し、大型ブースター2基、ハイパー・ビームジャベリンやビームガトリングガンなどを使用していた。機体にオレンジ色のラインが引かれている。

 

ギラ・ズール

ネオ・ジオンのMSギラ・ドーガの後継機。ガランシェール隊のギラ・ズールをネェル・アーガマに収容し、クシャトリヤ・リペアード同様、機体にオレンジ色のラインを引いた。武装もビームトマホークからビームサーベルに変更した。

 

艦これの世界での容姿

 

白を基調にしたセーラー服(春雨と同じ様な服)スカートは短く、赤い。肩の部分に地球連邦軍のマークが刺繍されている。体格は駆逐艦娘みたいな...。髪色はピンク色で、オットー艦長が被っていた様な軍帽を被っている(少し小さめ。春雨みたいな感じ)性格は春雨に照れ屋を+3した感じで。

MSの射出方法は大鳳みたいにクロスボウで。着艦は背中に背負っている艦橋に着艦デッキがあるのでそこに。ハイパー・メガ粒子砲は一度使うと動けなくなります。艦の全動力を使用するので。通常時は両手に2連装メガ粒子砲を2つ、回りに4つの対空機銃がビットみたいに浮いてます。姫級や鬼級と戦う時には全門斉射が可能。使うとやっぱり動けなくなる。

他の武装は自分の意思によって出したり消したりすることが可能。

 

性能

 

耐久/126

火力/324

装甲/121

雷装/0

回避/12

対空/92

搭載/16(内訳:ユニコーン(FAも含む)×1。バンシィ・ノルン×1。クシャトリヤ(リペアードも含む)×1。デルタプラス×1。ジェガンD型×2。スターク・ジェガン×2。リゼル×4。ギラ・ズール×4)

対潜

速力/普通

索敵/82

射程/最長

運/12

 

最大資材消費量

燃料/50(理由:ブースター分の燃料です)弾薬/120(理由:対空機銃×16のせい)

 

艦これの世界での装備

装備スロット×6

 

通常時

1.対空機銃

2.対空機銃

3.対空機銃

4.対空機銃

5.2連装メガ粒子砲

6.2連装メガ粒子砲

 

対空機銃はビットみたいに浮いてます(二回目)

 

決戦時(ボス、大規模作戦終盤etc...)

1.ハイパー・メガ粒子砲

2.2連装メガ粒子砲

3.2連装メガ粒子砲

4.FA・ユニコーンガンダム

5.バンシィ・ノルン

6.クシャトリヤ・リペアード

FA・ユニコーン、武器の切り離しは弾を撃ち尽くすと行います。大型ブースターはパージして武器にすることも可能(episode7アンジェロ戦の再現)

もうひとつ。FA・ユニコーンガンダムは一定の条件を満たすと覚醒状態になります。

条件1.味方艦一隻が大破、又は轟沈(もう誰も傷つけたくないっていう意思がありますから)

条件2.クシャトリヤが撃墜される(episode7のクシャトリヤ撃墜後の覚醒)

このどちらかを満たすと覚醒します。まぁ、作者が流れを決めることになってしまいますが。

 

制空戦

1.ユニコーンガンダム

2.クシャトリヤ

3.デルタプラス

4.対空機銃

5.対空機銃

6.対空機銃

こちらも条件を満たすとNT-D(赤)が発動します。

条件1.敵の攻撃が激しいとき(全方位攻撃の場合)

条件2.味方艦一隻が大破(ダグザみたいな終わり方は嫌だ)

条件3.敵艦にeliteがいる場合(え?何故かって?赤いからかな?)

 

 




こんなものですかね。

設定...MSの説明に熱を入れてしまった...。
はい。カッとなってやった。反省はしている。

間違っている点やご不明な点がある場合は言ってください。
すぐ修正しますので。

では、これは設定ですから、本編は次回から始まります。
さて、チート級の艦と深海棲艦ですか。楽しみですね。
また次回お会いしましょう!


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第一章
さよなら、宇宙世紀


本編入りますね。
サブタイ通り、U.C. 0096のラプラスの箱をめぐる戦いが終わったあとのお話です。

独自設定がちょっと含まれます。
それでは、どうぞー!


宇宙世紀98年(U.C. 0098)...ネオ・ジオン、地球連邦、ビスト財団とラプラスの箱を巡る三つ巴の戦いから数ヵ月後...

 

「アーガマ...今までよく頑張ってくれた」

 

オットー艦長が私に向けて敬礼をしてくれています。

2年前の戦争でボロボロになっちゃったし...仕方ないかな...

 

ネェル・アーガマは箱の鍵、ユニコーンガンダムを乗せ、色々な戦闘に参加していた。

ユニコーンを収容してすぐ、「紅い彗星の再来」と言われるフル・フロンタルにカタパルトを破壊され、挙げ句の果てにはユニコーンガンダムをネオ・ジオンに鹵獲されるという醜態を晒していた。鹵獲されたユニコーンを奪還しようとパラオ攻略戦を実行、ハイパー・メガ粒子砲の威力を持ち味に、警備MS隊を壊滅、無事ユニコーンを奪還し、先の戦闘での失態を挽回してみせた。そこからは、カタパルトを一つ失いつつも、終戦まで戦い抜いた。

 

「艦長...、そろそろ」

 

「あぁ...分かってる...最後に言いたいことがあるんだ。本当に今まで...、よく頑張ってくれた。ゆっくり休んでくれ...」

 

「オットー艦長...」

 

レイアムさん、ミヒロさん、オットー艦長...皆さんの方が頑張ってくれてました

今まで...ありがとうござました...。楽しかったです...

アーガマの皆にもお礼...言いたかったな...

 

「艦に礼も済んだ。行くとするか...」

 

あ...、オットー艦長の背中が小さくなって...見えなくなっちゃった...

はぁ...そうだ、今の状況を説明しなきゃ...

えっと、宇宙世紀96年に起きたラプラスの箱を巡る戦いでボロボロになった私...ネェル・アーガマは艦の役目を終えた。ということで、解体待ちなんです。

今思い返せば...色んな思い出があったなぁ...ユニコーンガンダムを乗せてすぐにカタパルトを破壊されて...ユニコーンガンダムを奪われて...あの時は大変だったなぁ...

 

「こいつも解体か...ま、今までよく頑張ってくれたよなぁ?」

 

「あぁ、褒めても足りない位だ」

 

「じゃ、始めるか」

 

あれ...何だか.....眠...く...

 

――――――――――――

―――――――――――

――――――――――

―――――――――

――――――――

―――――――

――――――

―――――

――――

―――

――

 

解体されて艦の天国(?)かなぁ...って思ったんだけど...

 

「どこだろう...ここ...?」

 

解体が始まって急に眠くなって...それで...目を覚ましたら、ここどこ?空がある。

地球?というか...海の上に立っている。

 

「すごい...こんなシステムあったっけ?それよりも...人になってる方がすごいのかな?」

 

手を開いたり、閉じたりしてみる。飛んでみたりもした。

本当に人になっている。

 

「まずは状況の確認だよね...えっとMSを...リゼルでいいかな」

 

どうやって飛ばすんだろ?と考えていると片手にずしりと重さが現れた。

見ると、握られているのはクロスボウ。クロスボウの矢の部分に小さく『RGZ-95』と書かれていた。この番号はリゼルの機体番号だ。

クロスボウを上へ向け、引き金を引いた。すると放たれた矢が光りはじめ、MSリゼルへと姿を変えた。

 

すると無線機から『こちらロメオ011。指示を!』と無線が入る。

 

「あ...えっと...この辺りの捜索を...お願いします」

 

『了解!』と威勢の良い声が返ってきて、プツンと通信が切れた。

 

――――――――――――――

 

数分後....

 

『ネェル・アーガマ、応答を!』

 

「は...ひゃいっ!?」

 

ボーッとしていて急に大きな声が聞こえたものだからすっとんきょうな声が出てしまった。

返事をすると目の前にディスプレイが出現し、頭のなかに声が響く。

 

(解析映像、来ます!)

 

出現したディスプレイにはいくつかの黒い点が海の上を移動している映像が送られてきた。

拡大して見てみると、そこには一人の少女が逃げるように海の上を移動している様子が分かった。

運が良いのか悪いのか、それらはこちらに向かってきていた。

 

「えっと...迎撃すれば良いのかな...?」

 

攻撃...攻撃...と念じると、両手に何かが握られていた。

 

「これって...メガ粒子砲?これは確か...メイン・メガ粒子砲だったよね?」

 

両手に握られているのは2連装メイン・メガ粒子砲だった。これだけでもかなりの威力を持っている。

粒子砲をこちらに向かって来るものに向ける。

 

「ど...どいてっぽい~!!」

 

「ふぇ!?」

 

逃げている少女はあろうことか自分に突っ込んできた。

ごつんと小気味良い音が響く。

 

「うぅ~...痛いっぽい~...」

 

ぽいって...確信してるわけじゃないのかな?

って...そんなことじゃなくて!

 

先程、捜索に出していたリゼルから通信が入る。

『こちらロメオ011!攻撃を開始する!』

 

「え...あ...はいっ!」

 

鯨の様な怪物にリゼルがメガ・ビーム・ランチャーを撃ち込む。

すると怪物は大きい風穴を体に開けられると、爆発した。

 

「うわ...リゼルってこんなに強かったかな...?」

 

するともう一匹の怪物が口から砲塔を出し、こちらに向かって砲撃を開始した。

なんと驚いたことに、実弾兵器を使用していたのだ。この時代ではビーム兵器が主流だというのに。

 

「きゃぁっ!?」

 

砲弾は自分に直撃。だが、

 

「あれ、痛く...、ない?」

 

砲撃されたが痛みが無かった。

装甲が厚いのが助けになったようだ。

そして、先程砲撃をした怪物を見ると、体に穴が開いていた。

 

「グギ、ガギャ...ギ...」

 

きっとリゼルに撃たれたのだろう。

すでに怪物も虫の息。今すぐにでも死んでしまいそうな声だった。

程なくして怪物は爆発、海に沈んでいった。

 

「ふぅ...終わった、かな...?」

 

『こちらロメオ011。帰還する』

 

リゼルを収容し、一息つくと、先程の少女が急に抱きついてきた。

 

「ひゃぁっ!?え?な...なんですか!?」

 

「春雨っぽい~♪春雨~♪」

 

スリスリとまるで犬の様に頭を擦り付けてきた。

春雨?春雨ってなんだろう...私はネェル・アーガマなんだけどなぁ...

 

「え?あの...えっと...貴女は...誰ですか?」

 

「春雨...、まさか夕立のこと忘れたっぽい...?」

 

「あぁ...いや!覚えてるよ!?」

 

「忘れられたかと思ったっぽい!春雨、早く鎮守府に行くっぽい~♪」

 

すごいごり押しでこの場はやり過ごしたけど...まぁいっか

 

夕立と名乗る少女に手を引っ張られて、連れていかれるネェル・アーガマ...

何も分からないから少し位、情報がほしいとおもったアーガマであった。




いろいろ展開するのが早すぎました。
なんかすいません。

ユニコーン見ながらこれ書くとなんか複雑な気分になります。


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ようこそ、鎮守府へ!

Gジェネを買ったは良いけどUCのシナリオしか進めてない。
こんな作者です。最近、真ゲッターとマジンガーにハマりました。
番外編でゲッターとアーガマをクロスさせるのも良いかもしれない。

無駄話が長くなってしまいました。
あ、そういえば、遅くなりましたが明けましておめでとうございます。
本年もこの作品をよろしくお願いします。

では、本編へどうぞー。
※鎮守府にいるのは新人提督(女)です。初期艦は本編で。


これまでのあらすじ!

 

艦の役目を終え、解体された地球連邦軍の(ふね)、ネェル・アーガマ。

解体されたはずだった!ネェル・アーガマは海上で目を覚ます。

しかも女の子になって。そんなアーガマに襲いかかる謎の敵、鯨みたいな化物。

そして自分に突っ込んできた夕立と名乗る少女。

 

なんやかんやで今に至る。

 

現在アーガマは夕立と名乗る少女に鎮守府という所へ連れていかれ(強制連行)ている。

道中色々と教えてもらったことがある。

まず、人類はさっきの化物(深海棲艦)と戦っているらしい。人類が開発した兵器は効かず、活動領域を脅かされているということ。その状態から人類を救おうとしているのが“艦娘”という存在らしい。アーガマも今はその内にはいる。そして各所の臨海部に鎮守府という軍の施設が設けられ、艦娘と深海棲艦の戦いが始まったそうだ。だが、倒しても倒しても無限に出てくる深海棲艦との戦いに艦娘達も疲弊していって、現在、膠着状態にあるそうだ。

いる情報なのかいらない情報なのか分からないが、春雨は夕立の妹だそうだ。だから夕立を呼ぶときは必ず「夕立姉さん」と呼ばなければいけない。恥じらいは無いが、鎮守府に着いたら春雨じゃないとバレてしまうんじゃないかと思うと、心臓が飛び出そうになる。

 

バレた時の言い訳を考えていると、どうやらその時が来てしまったようだ。

 

「春雨?はるさめ~?お~い!」

 

「っはい!?」

 

自分の世界に入っていて全く聞こえてなかった...うぅ...

それで、なんで呼ばれてるんだろう...

 

「鎮守府に着いたっぽい!」

 

「...あ」

 

前を見ると赤レンガ造りの大きな建物が建っていた。

スペースコロニーとかにはこんなのなかったなぁ...なんかわくわくしてきちゃった

 

「早く提督さんの所に行くっぽい!」

 

提督...ってことは艦隊の司令官...艦隊の中では一番偉い人!?

あ...言い訳...どうしよう...

 

――――――――――――――

 

「ということで、執務室前っぽい!」

 

来ちゃった...どうしよう...どうしよう!?

自分でも分かるくらい体が震えてるかもしれない...

 

「?春雨、どうしたっぽい?」

 

「あ...いや...」

 

「とにかく行くっぽい!」

 

そう言って夕立は執務室の扉を開ける。

目の前に広がるのは赤い絨毯に一般家庭にあるような机、その机の上に突っ伏して動かない、白い軍服を着た人物がいた。

 

「提督さ~ん?起きるっぽい!」

 

そう言うと夕立は提督の背中をバシンと叩いた。

 

「はぅっ!?あれ...?夕立?帰ってたんだ。って...その子は?」

 

「私の妹の春雨っぽい!深海棲艦と戦ってたら援護してくれたっぽい!」

 

夕立さん...逃げてただけだよね...?

深海棲艦?に追われてたもん。

確かに援護はしたけど...

 

「えぇっ!?春雨!?ホントに!?」

 

「いや...あの...」

 

「うわぁ~!可愛い~!!抱きついて良い?ねぇ!?」

 

目の色変えてこっちにジリジリ迫ってきてる...

どうしよう...こんな時...オットー艦長なら...

敵のMSが迫ってきたとき...た、対空放火?

 

「とうっ!!」

 

「ひゃぁっ!?」

 

「うへへ~もふもふ~...♪」

 

色々考えてたら抱きつかれました...

春雨って名前の艦じゃないのに...ネェル・アーガマなのにぃ...

気づくの遅れたけど夕立さんどっか行っちゃったし~...

この人...女性なのにそういう趣味なのかなぁ...

まぁいいや...今はとにかく抜け出す努力をしなきゃ!

 

夕立に強制連行されて着いた鎮守府。

執務室に入って早々抱きつかれ、撫でられすりすりされ。

この鎮守府で上手くやっていけるのか...

 

「あ...あの、私の所属って...どうなるんですか?」

 

「んー?もううち(鎮守府)の娘で良いんじゃない?」

 

随分と大雑把な司令官です...こんなので良く司令官なれましたねって言いたいです。

それよりも...いずれかは、私が春雨じゃないって伝える時が来るのかな...

その時は...そう遠くないような気がします。

オットー艦長、ミヒロ少尉、レイアム副長...私、強襲揚陸艦ネェル・アーガマは...新しい世界でも頑張ります!

 

この日、ネェル・アーガマは初めて人の温もりを知った。




なんか変な感じで終わってしまった。
これでも読んでくれてる人がいるんですね。ありがとうございます。

そういえば、ふとした疑問が浮かんだんです。
この作品で島風が出たら

島風「ここから先は競争ー!」

とかいってすごい速さで走っていくのが目に浮かびます。
島風はフロンタル枠ですね。

それではまた次回。
感想と評価、お待ちしてます!


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鎮守府でのお仕事

今回のお話は鎮守府でのお仕事です。
ほのぼのを目指して頑張ります。

評価や感想ありがとうございます!
これからも頑張って書き続けたいと思います!


私、ネェル・アーガマがこの鎮守府の所属になって1日が過ぎました。

夕立さんと五月雨さんは出撃していて、今残っているのが私だけなので、司令官から「お願い、執務手伝って!私だけじゃ絶対に終わらないから!ね!?後生だよ~春雨ぇ!」

土下座しながら頼まれました。まだ春雨だと勘違いしてるみたいですけど...、まぁ良いでしょう!このネェル・アーガマの力を見せてあげましょう!

 

「とは言ったけど...よく分からない...」

 

初めてやる作業ばかりだった。書類整理、記入、お茶をいれたり、元々艦だったアーガマには縁がなかった。

執務室にある小さい机でアーガマは作業をしていて、とうの提督は執務机でうとうとしている。

執務どうするんだろう...起こした方が良いのかな...?

 

「司令官~...、起きて下さい...。執務は....?」

 

「.............」

 

ダメなのかな...それなら、1日経って学んだ技を使っちゃえ!

自分の身も危険にさらすことになる...禁断の技!

 

「司令官、起きて下さい。ちゃんと執務を終わらせれば、私を好きにして良いですよ~?」

 

「起きた。今バッチリ起きました。終わらせます」

 

ここの司令官、春雨...もといアーガマが「可愛すぎる」という理由でアーガマを溺愛している。抱きついたり、撫でたり、どういう意味か分からないが麻婆春雨という料理を出してきたり...とにかくここの司令官は可愛い娘好きなのだろう。

 

というか...司令官、スゴい速さで作業してる...私もがんばらなきゃ!

 

―――――15分後

 

「やった、終わったぁ!!」

 

「え!?はやい!?」

 

あの司令官...紅い彗星の生まれ変わりなんじゃ...

 

「ふっふっふっふ...3倍の速度で終わらせてあげたわ!私にかかればチョロいものさ!」

 

脳裏にとある言葉が過った。「高熱源体急速に近づく!なお、先頭の1機は後続の3機の3倍の速度で接近中!まもなく到達します!」

...あの時、本当に怖かったなぁ...緑色のモノアイが遠くからスゴい速さで近づいてくるんだもん...

 

「さて...、終わったことだし、春雨を好きにして良いんだよねぇ...?」

 

「ま...まだ私は終わってません!だからお預けです!」

 

「えぇ~...嘘でしょ~......もしかして、春雨...作業の仕方分からないの?」

 

「...!!」

 

「あれ、図星?ん~?」

 

「う...うぅ...」

 

きっと顔は真っ赤になっているだろう。

 

「春雨、顔真っ赤だよ~」

 

はい...、真っ赤です。だってわからないんだもん。

 

「仕方ないなぁ。教えてあげるから。ほら、おいで?」

 

提督は椅子に座り、手招きをしている。

アーガマは机の上に散らかった書類をかき集めて提督のもとへ向かった。

すると提督はアーガマを持ち上げ自分の膝に座らせた。

 

「ふぇ?あ...あの...?」

 

「良いの良いの!だって作業の仕方分からないんでしょ?こうやった方が教えやすいしね♪」

 

提督は膝に座っているアーガマの頭に顎を乗せて、くつろぎながら作業の仕方を教えていた。

 

「そうそう、そこにそう書いて~...オッケー!バッチリだよ!」

 

「あ...あの...、司令官...、ありがとう...ございます」

 

アーガマはこの世界に来て、初めて思い切りの笑顔を見せた。

 

「はぁぅ...天使だ...」

 

アーガマは提督が言っている意味が分からず首を傾げてきょとんとした顔をした。

すると、提督の頭のなかでプチンと何かが切れる音がした。

 

「ふ...ふふふ...は、はるさめぇ...♪」

 

春雨じゃないのに...私は強襲揚陸艦のネェル・アーガ...ヒッ!?

アーガマは提督を見上げた。そこには提督というより、今にも犯罪を起こしそうな顔をした提督がいた。

 

「う...え...えっと...」

 

「おっと、危ない。春雨を襲うところだったわ」

 

襲おうとしたんですか...敵襲の警報鳴らせば良いのかな?次回からは...。

 

「作業は...粗方終わったね...じゃあ、ご褒美タイムを~...」

 

提督の手がアーガマに伸びる。何をされるのかとヒヤヒヤしたアーガマだったが、その心配も何処かに吹き飛んでしまった。

なぜなら、提督は襲うなど口走ってはいたが、今やっているのは、アーガマの頭を撫でる位だった。

 

はぅ...司令官の手、暖かいなぁ...

あれ...眠くなってき...た...

 

「...すー...すー...」

 

「ふふっ、可愛いなぁ...春雨は。いや...アーガマ...かな。本人には言わないでおこう...このまま...春雨のままで...」

 

提督はアーガマをソファーに移動させ、毛布を掛け、執務室を出ていった。




書いてるときに最後どうしようかってことになって、ええい、もうやけくそだ!
みたいな感じで書いたらこんなのになってしまった。

提督さん、アーガマって知ってたんですね。すごい!
名札でもついてたんでしょうかね。
それは追々分かるとして、今回はどうでしたか?

感想、評価、お待ちしてます!


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虹の彼方に

episode7じゃないです。
簡単に言っちゃえば前の話でアーガマが寝ちゃったので、アーガマの夢の中です。はい。

それと、余談ですが、この前艦これACをやったんです。
危うく飛龍が沈む所でした。危ない危ない。

では、お話へどうぞ。


 

――ん...あれ...?ここ...、どこだろう...私、寝てたはずじゃ...?

 

アーガマの目には果てしなく続く宇宙、所々で広がる爆炎、地球に向かって落下する小惑星が写っていた。

 

――あれって...アクシズ!?

 

小惑星アクシズ。宇宙世紀93年(U.C.0093)、莫大な質量を持つ資源衛星を地球に落下させ、人の住めない星にする。もって、全ての地球人(アースノイド)を宇宙へ上げ、ニュータイプの生まれ出る世界を造る。後にシャアの反乱と言われる地球連邦とネオ・ジオンの戦争で使われた衛星の名前である。

 

――ど、どうしよう!と、止めないと...!

 

と、行動を起こそうとした次の瞬間、アクシズが中心から2つに割れた。

 

――え、あれ?割れた...?

 

割れたアクシズの近くにMSのアフターバーナーが見える。

1機のMSがアクシズに向かっている。

 

そのMSがアクシズに取りついた。

すると、一際大きな光が放たれた。

 

『たかが石ころ1つ、ガンダムで押し出してやる!』

 

――アクシズを押し出す!?いくらガンダムでも...無理だよ!

 

だが、声は届かない。

ガンダムはアクシズを押す形で構えた。

 

『アクシズの落下は始まっているんだぞ!』

 

――この声...フル・フロンタル!?

 

アーガマの聞いた声は、ラプラスの箱をめぐる戦いで何度も聞いた、「紅い彗星の再来」とも言われた男の声だった。自らのカタパルトを壊し、特殊部隊エコーズの隊長、ダグザ・マックールを殺した男。

 

――あれ?でも...アクシズ落としって、宇宙世紀93年...それで、目の前に見えるのがアクシズ...ユニコーンガンダムを乗せて連邦に追われたのが96年...あれ?じゃあ、これって...3年前の...!?

 

『νガンダムは伊達じゃない...!』

 

――νガンダム...?って...アムロさんが作ったガンダムじゃ?あぅ、頭が追い付かない...

 

アクシズを押し返そうと力を込めているようだが、アクシズは地球に引っ張られて徐々に落下していく。νガンダムの努力は虚しく、減速する気配がなかった。

するとそこへ多数のMSが集まってきた。

 

『ロンド・ベルだけに良い思いはさせませんよ!』

 

『お前たち...退け!退くんだ!ガンダムの力は...!』

 

――あれだけのMSが集まっても押し返せないなんて...どうしたら...って、あ...あの光は...!

 

アーガマの見た光、自分がまだ艦だった頃にも見たことのある虹色の光がアクシズを包んでいった。光の膜の向こうでMSがはね飛ばされているのも確認できる。

 

『そうか...しかし、この暖かさを持った人間が地球さえ破壊するんだ。それを分かるんだよ、アムロ!』

 

『シャア、分かってるよ!だから、世界に人の心の光を見せなきゃならないんだろ!?』

 

その言葉が聞こえた瞬間、アーガマの目の前が真っ暗になった。

 

――ふぇ!?あれ?な、なに!?

 

視界が晴れたアーガマの先に写ったのは、MSの格納庫で戦闘をするクシャトリヤと薔薇の機体。それと、ユニコーンガンダム。

 

『人の未来は...人が作るものだろ...!?人は――、弱くて...不完全で...だから託すんだ!託されて歩き続けるんだ...!どんなに辛い道であっても!』

 

――ユニコーン...ガンダム...?戻ってきたの...?

 

そして場面は変わり、インダストリアル7宙域。

 

――ま、また変わった...?

 

『ユニコーンでメガラニカ前面にサイコ・フィールドを張ります!』

 

――待って...!だめ!そんなことしたら...!戻れなくなる!

 

その願いも届かず、ユニコーンガンダムはサイコ・フィールドを発生させ、コロニーレーザーを受け止める。その後ろでもバンシィがサイコ・フィールドを展開している。

コロニーレーザーがユニコーンとバンシィを直撃する。数秒後、ニュータイプとして覚醒したリディが搭乗するバンシィのサイコフレームが虹色の輝きを放つ。コロニーレーザーの照射が終わると、ピクリとも動かないガンダムタイプの機影が2つそこにいた。2機のガンダムが発生させたサイコ・フィールド。アーガマはその虹色の光に暖かさを感じていた。

 

――――――――――――――――――

 

「ん...んぅ...?」

 

「あ、起きた?」

 

アーガマが目を開けると、目の前に提督の顔があった。

執務で分からない事があって、提督の膝に乗り頭を撫でられている最中に寝てしまったのだろう。

 

――も、もしかして、寝てた!?

 

「あ、あの、えっと...」

 

「いや、大丈夫だよ。書類の方は私がやっておいたから。それよりも、おはよう。アーガ....春雨」

 

――ん...?今...アーガマって言いかけた?

 

「あの、司令官...今、アーガマって言いかけました...?もしかして...」

 

「あ~、え~...えっと~...合ってるの?春雨じゃなくてアーガマなの?あのね、アーガマが寝てるときに聞いちゃって...」

 

「なにを聞いたんですか...?」

 

「寝言...で良いのかな?」

 

~提督回想~(アーガマが提督の膝の上で寝て数分後)

 

「私は...ネェル・アーガマってぇ......なん...ども...言って.....zzZ」

 

「ネェル・アーガマ...?海外の艦かな...?聞いたことないけど...」

 

「ん...?じゃあ、春雨じゃなくてアーガマ...?起きたら聞いてみようかな?」

 

~回想終了~

 

「と、まぁ...こういうことだね」

 

「自分でバラしてた...ってことですか?」

 

「そうなるかな?」

 

――うぅ...何をやってるんだろう...私は...自分でバラさないって決めてたのに...春雨って名前を借りて生きていこうと思ったのに...

 

「それよりも、アーガマ、貴女の話を聞かせて欲しいんだけど...」

 

「あの、司令官、夕立姉さ...夕立さんには...私は春雨っていう事にしてもらえませんか?私を見つけたとき、かなり喜んでいたので...」

 

「今のところ二人しか艦娘はいないし、夕立と五月雨...姉妹艦でも一人ずつだし...新しい妹が来て嬉しかったんだね。まぁ、夕立にはそういうことで通しておくよ」

 

「ありがとうございます...!それで、私の話ですよね...?」




なんか構成がおかしい気がする今回のお話。

あー、えっと、次回はアーガマさんによる宇宙世紀96年のお話です。
説明回になります。

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提督への説明

更新頻度を上げようと努力しておりまする。
そういえば、ガンダムUCをepisode1からepisode7までぶっ続けで見たんですけど、バナージの成長っぷりが凄い。NT-Dを制御するわ、武装も上手く使い分けるわ、コックピット以外を破壊したりと。凄い。

今回は宇宙世紀96年のお話です。
インダストリアル7襲撃からメガラニカ宙域の決戦までをお話しします。

では、どうぞ!


 

 

「えっと...まず...どこから話せば良いのかな...?」

 

「アーガマの事とか、艦だったころの戦績とかで良いよ?」

 

「あ、はい...。えっと、私はグラナダ工場で建造された、ネェル・アーガマです。最初は宇宙戦艦として建造されたんですけど、後に強襲揚陸艦として改修されました」

 

「うんうん...じゃあ、武装、とかは?」

 

「武装ですか?単装ビーム砲が2門、単装副砲が2門、2連装メイン・メガ粒子砲が2門、サブ・メガ粒子砲が2門、対空機銃が16門、ミサイル発射管が12門、ハイパー・メガ粒子砲が1つです」

 

「う...え?ビーム?粒子砲?それに...ミサイル...12?対空機銃が...16?」

 

「ビームは皆さんが知っている様なもので、粒子砲はですね、ミノフスキー粒子を凝縮して外に放出する、みたいな感じです。ミサイルは...12個で、対空機銃は連装で16門です」

 

「あ...え、えっと...じゃあ、その艤装は後で見せてもらうとして、説明を続けてくれる?」

 

「あぁ、はい。私は建造されてからエゥーゴという部隊の母艦として活躍しました。戦争に光明をもたらすMS、ガンダムを載せてたんです」

 

「母艦?じゃあアーガマは空母なの?」

 

「えっと...何て言えばいいんでしょうか...空母とはまた違いますね...えーっと、この時代でいうところの航空戦艦...でしょうか。戦艦であって、飛行機も積める。それと同じです」

 

「へぇ~...続けて続けて!」

 

「そして、宇宙世紀96年、地球連邦軍のロンド・ベルという部隊の母艦になりました。そこで、ガンダムを載せることになったんです」

 

「そのさ...さっきから言ってるもびるすーつ?ってなんなの?」

 

「ジオン公国が最初に作ったと言われてますけど、ほとんどが人型で、まぁ、今の航空機の戦いがロボットを使って行われてる。という感じです」

 

「うぬぬ...追い付かない...」

 

「それでですね、ラプラスの箱と言われる重要機密事項があったんですけど、地球連邦は箱を消し去りたい、ジオンは箱が欲しいと、色々な思いがあったんです」

 

「ラプラスの箱?」

 

「解放されれば地球連邦が転覆しかねないと言われている物です。それを阻止するために地球連邦は動いていました。そこにジオンも加わってややこしいことになったんです。箱の鍵となるMS、ユニコーンガンダムを載せて各地を転々としました。航海の途中でカタパルトが破壊されて...1つ使用不能になってしまったんです。色々あったんですよ...。ユニコーンガンダムが奪われたり...私の艦長もクルーも実戦経験が少なくて...奪われちゃったんですけど...。その時にカタパルトも壊されたんです...。その後、なんとかユニコーンを取り返して、首相官邸ラプラスに向かったんですけど...特殊部隊の隊長が殺されて...ユニコーンガンダムも地球に降ちてしまって...それ以降は伝えられてないんですけど...ユニコーンが虹色の輝きを放って宇宙へ戻ってきたのは覚えてます。あの光は...暖かかった...。その後はロンド・ベルに所属していた隊員のリディ・マーセナス少尉とバナージ君が戦って...マリーダ・クルス中尉も...死んでしまって...」

 

「それで...どうなったの?」

 

「リディ少尉とバナージ君は和解して、一緒に仇敵、フル・フロンタルを倒したんです。そして、コロニーレーザーという大量破壊兵器が私達もろともラプラスの箱を消そうとしてたんです...。それをユニコーンとリディ少尉の乗るバンシィは受け止めて...バナージ君が....」

 

「死んじゃったの...?」

 

「真のニュータイプに覚醒して...人をも越えた存在に...なってしまって.....呼び掛けても反応がなくて....どうなることかと思ったんですけど...リディ少尉とミネバ殿下の呼び掛けによって、意識を取り戻したんです...あの時は本当に嬉しかった...」

 

「うん...うん...」

 

「そして時代が進んで、私は艦の役目を終えました。そして解体された...と思ったら、海の上で目覚めたんです」

 

「...なんで艦娘になったかは分かった...。それ以外不明な箇所が多いんだよね...。アーガマ、君はいつか出撃しなきゃいけないんだ。それでなんだけど、夕立とは別の艦隊に編成させてもらうけど、良いかな?」

 

「その方が私にも、夕立さんにもプラスになるので...はい」

 

「オッケー!そういうことにしておくね?じゃあ、次は出撃だね!」

 

「少しこの世界のことも知っておきたいですから、お願いします!」

 

 




深夜テンションで書いたから色々違う気もします。

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初めての出撃

受験云々で忙しいこの時期。

でも更新は続けますよ!
今回は出撃の回です。戦闘描写はあまり上手くないんですが、いつか良くしてみようと思ってます。
単艦無双ありです。MSも出てきます。仲間は、いません。というか、アーガマ一人です。

あ、そうそう。バンシィやらクシャトリヤやらユニコーンやら、パイロットがいる場合そちらに視点変更をしようと思ってます。バナージやリディ少尉、マリーダ中尉は喋ります。リディ少尉のセリフに関しては黒いリディを使おうかと。

では、どうぞ!


提督に自身の説明を終えたアーガマは、出撃に向けて準備を進めていた。

提督曰く、「簡単な所だから大丈夫だって!そんな強いのは出てこないし!赤いのはいるけど...」だそうだ。

 

――赤いの...?フロンタル...?

 

と、造作の無いことを考えていると、

 

「アーガマ、準備出来た~?」

 

提督がひょこっと顔を出してこちらを覗いている。

 

「あ...はいっ!」

 

「ではでは、出撃ドックへごあんな~い!」

 

――ピクニックみたいなテンションだけど...大丈夫なのかな...?

 

~数分後~

 

「はい、着いたよ~」

 

到着した場所は少し薄暗いところだった。

足元を見ると、『出撃』と書いてあるパネルが設置されている。

その先は海水で満たされていた。

 

「それじゃあ、そこのパネル踏んでみて?」

 

「わ...分かりました...!」

 

少し深呼吸して息を整える。

意を決してパネルを踏むと物凄い光が放たれた。

その光に驚き目を瞑った。

次に目を開けると自分は海の上に立っていた。

 

『あ~あ~、聞こえる~?』

 

目の前にディスプレイが表示される。

そこには、自身の損害状況、何かのゲージ(今は100%と表示されている)、速度、残弾数、武装情報、そして、右一杯に「SOUND ONLY」と表示されている。

 

「あ...ちゃんと聞こえますよ?」

 

『良かった良かった。今回、私が何処へ進めば良いか教えるからね~』

 

提督はアドバイザーとして参加してくれようだ。

今一度自身の身の回りを確認する。

広大に広がる海。青い、青い空。様々な形の雲。

自分の回りに浮かんでいる2連装の対空機銃、両手に握られている2連装メイン・メガ粒子砲。

 

――装備に問題は無い...MSは...

 

と、頭で考えると手に別の重量がかかる。

今度は片手だけだ。確認すると、銃の様な物が握られている。

 

――えっと...確かクロスボウ...だったよね?

 

そのクロスボウにセットされている矢には、初めてMSを出した時と同じ『RGZ-95』の文字が刻まれている。

 

――ゆ、ユニコーンガンダムとかは...無いよね?

 

そう考えると矢の文字が歪み『RX-0』と変わっていった。

 

「やったぁ!」

 

あまりの嬉しさに声を上げて喜ぶ。

すると、

 

『どうしたの~?』

 

「ひゃぁっ!?え、えっと、なんでもないです...!」

 

――無線入れっぱなしだったんだ...次から気を付けなきゃ!

 

『なにか嬉しいことでもあったんだろうね~、まぁ良いけど。さて、本題に入るよ?アーガマにはこの海域にいる、深海棲艦を倒して欲しいんだ。アーガマの近況はちゃんとモニターしてるからね!』

 

「分かりました!」

 

『その意気や良し!それじゃ、真っ直ぐ進んで~』

 

――索敵機...出しておこう...ユニコーンで良いかな?ちょうどセットされてるし!

 

クロスボウを空へ向ける。

すると、

 

『ブリッジ、バナージ・リンクス...出ます』

 

頭の中に声が聞こえてくる。

提督から話を聞いたが、艦娘には妖精という生物が付いているらしい。

ちっちゃくて可愛い...らしい。そして今、目の前のディスプレイに写し出されていえうのは、紛れもない、バナージ・リンクス本人。

 

――出撃許可...

 

『ハッチ解放』『MS出撃スタンバイ』『進路オールグリーン』『ユニコーンガンダム出撃準備完了』『いつでも行けます!』

 

頭の中で多数の声が響く。それは男性の声ではなく、女性の声。

これが提督の言っていた妖精なのだろうか。

 

――出撃可能...だよね?

 

『はい!』

 

――オッケー!ユニコーンガンダムを索敵要員として出撃させて!

 

『りょーかい!』

 

空高く向けたクロスボウの引き金を引く。

打ち出された矢は光を発しながらユニコーンガンダムに姿を変えていく。

可能性の獣が、地球の空を舞う。

――――――――――――――

◇バナージ・リンクス

 

「ユニコーンガンダム...バナージ・リンクス、行きます!」

 

ペダルを踏んで、手元のレバーを前へ押し出す。

ユニコーンの出力が上がり、スラスターに火が入る。

ユニコーンが射出されたのを体で感じ、飛行を開始する。

 

「今回は索敵がメイン...敵を見つけても手を出さなければ良いんだ...アーガマが直接敵を叩くのか...?」

 

ユニコーンの眼下には海が広がっている。

そこに黒い点が4つ程確認できた。

 

「敵...!?ネェル・アーガマ、こちらユニコーン。敵影を捕捉、座標を転送します」

 

ネェル・アーガマに座標を転送した数秒後、レーダーが敵を感知する。

その敵は、空を飛んでいた。拡大してみると、黒い異形がそこには、いた。

 

「戦闘は極力回避しなきゃいけないんだ...でも...ここでやらなきゃ...俺がやられる...!...行くぞ、ユニコーン!」

 

――――――――――

◇ネェル・アーガマ

 

『ユニコーンが戦闘を開始!』

 

「えぇ!?」

 

『どうしたの~?』

 

「えっと、私のMSが戦闘を始めちゃって...索敵して、見つけたら帰ってきてって言ったのに...」

 

『あの、ユニコーンガンダムから座標が転送されてきていますが...』

 

――それを早く言ってよ~!

 

『アーガマの艦載機が戦闘を...?ほうほう...アーガマ、艦載機の方へ向かえる?』

 

「い、行けますけど...」

 

「よっし、じゃあ、向かって~」

 

「え...わ、分かりました...」

 

アーガマの体は僅かに震えていた。

 

―――――――――

◇バナージ・リンクス

 

「この...分からず屋ァ!」

 

ユニコーンは黒い異形と戦い続けている。

だが、一向にその数は減らず、逆に増え続けるばかりだ。

 

「ビームマグナムで!」

 

ビームマグナムを敵に向けて撃ち込む。

紫電を放ちながらビームの収束体は真っ直ぐ進んでいく。

その光に触れた敵、光に掠った敵が爆発していく。

だが、ビームマグナムにも残弾はある。

フルで携行しても5発、追加弾倉を持っていっても10発しか撃てない。

 

「このままじゃ....」

 

敵は際限なく湧き続けている。

次の瞬間、ビームが目の前の敵達を焼き払った。

 

「これは...メガ粒子砲...?」

 

―――――――――

◇ネェル・アーガマ

 

「はぁ...はぁ...ッ!?」

 

メガ粒子砲を照射したアーガマだったが、その攻撃に気づいて、敵がアーガマに向かって進んでくる。

 

自分は艦で、素早い動きもできない。さらに、宇宙で戦っていた時の記憶が掘り起こされる。

大きなダメージを受けたにも関わらず、仲間の軍から追われる身となり、満足な修理もうけられず、満身創痍だった記憶。

 

その記憶を思い返すと、次第に体が震えてくる。

 

「あ...いや...いやだよ....」

 

『アーガマ、後退して!』

 

「あ...あ...」

 

震えるアーガマを無視して敵が向かってくる。

すると、向かってきている敵全てが推力を失い、落下していく。

 

「え...?」

 

アーガマが上を向くと、そこには、赤い光を放っているガンダムがいた。




毎度お馴染みよくわからない終わり方。

バナージsideとアーガマside、どうでしたか?
今回は試験段階みたいな感じです。
感想次第で次回から無くします。
UNICORN GUNDAMを聴きながらこれを書くとなんだかいい感じ。

それでは、また次回!

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GUNDAM〈ガンダム〉

「え...?」

 

アーガマの上空に滞空している1機のMS、《ユニコーンガンダム》。

その姿は一本角の時とは違い、角は割れ、金色の光を放ち、各部のフレームがスライドし、骨組みであるサイコ・フレームが露出している。

その姿はさながら、宇宙世紀の英雄、《ガンダム》である。

 

『ネェル・アーガマ、後退して!後は俺とユニコーンで何とかする!』

 

頭の中にバナージ・リンクスの声が響く。

 

――やっぱり、足手まといなのかなぁ...

 

『アーガマ、敵の艦載機はアレに任せて、貴女は水上の敵を倒そう?』

 

――司令官...

 

「分かりました!」

 

『艦載機がいるということは...どこかに空母がいるはず...アーガマ、先に空母を叩いて。空母を落とせば多少は楽になるはずだよ』

 

「えっと...空母...ですよね?」

 

水上をスケートの要領で滑っていく。

すると、数百m先に、黒い点が4つ見えた。

 

――先制攻撃で...!

 

「メガ粒子砲、角度合わせ...敵を照準内に捉え...」

 

『発射準備、終了です!』

 

「メガ粒子砲、発射っ!」

 

自分の艦長が言っていた事を真似て声を上げる。

すると両手に持っていたメガ粒子砲からビームが発射される。

ビームは長い線を描きながら敵に向かってぐんぐん進んでいく。

 

「やった...?」

 

撃った直後の爆発は3つ、4つの点があったのに、爆発したのは3つだけ。

ということは、

 

――撃ち漏らし...!?

 

急いで辺りを見回す。

すると、数十m先に黒い点が1つ浮かんでいた。

 

目を凝らして見てみると、この世のものとは思えない人外が立っていた。

頭には大きな口が付いた帽子(?)を被り、手には杖、目は青く、鈍い光を放っている。

 

『ソイツが空母だよ!やっちゃえ、アーガマ!』

 

「う...分かりました...」

 

もう一度メガ粒子砲を構える。照準器の真ん中に空母を捉え、引き金を引く。

先程と同様にビームが発射される。だが、爆発はない。

 

「え...!?」

 

と、次の瞬間、脇腹に強い衝撃。

驚いて、確認するとそこには、鯨の化物がいた。

 

口からは砲塔が伸びている。

自分は砲撃されたのだと即座に理解した。

 

体勢を立て直し、片手のメガ粒子砲で鯨の化物を焼き払う。

そしてまた空母を落とそうと先程の位置を見るが空母がいない。

 

「な...なんで!?」

 

『!!アーガマ、後ろ!!』

 

――え?

 

アーガマが後ろを向くと4機の艦載機が向かってくる。

その腹には爆弾が抱えられている。

自分を沈めにきている敵だ。

 

ユニコーンはまだ艦載機と戦っている。

呼び戻しても直ぐには来ないだろう。

 

――ここで...終わりなの?

 

――アーガマ、お前はそんなに弱いのか?私は、そうは思わんがなぁ。

 

「オットー...艦長...」

 

――この艦は強い。私たちをメガラニカまで守ってくれたんですから。

 

「レイアム副長...」

 

――アーガマ、頑張って!貴女はこんなに弱くないでしょう?

 

「ミヒロ少尉...」

 

「私は...私は...弱くなんか...ない!」

 

爆弾が投下される。

アーガマはそれを直に受けた。

 

「うっ...くぅ...痛く、なんか...!」

 

チラッと表示されているディスプレイを確認する。損害状況『ミサイル発射管使用不能、格納庫ハッチに被弾』、そしてゲージが42%にまで減少している。武装も、ミサイル発射管に×印が付けられている。

幸い、メガ粒子砲は無事の様だ。

 

先程向かってきた艦載機の方向を見ると、空母がいた。

今なら落とせる。確実に、仕留められる。

 

砲を空母に向けて、すぐに引き金を引いた。

空母はアーガマの攻撃に気付き、回避行動をとった。

だが、数秒遅く、空母の腕をビームが掠めた。

空母の左腕が蒸発した。

左腕のあった場所からは、ドクドクと青黒い血が流れている。

空母は膝をつき、アーガマを見据える。

 

「............」

 

アーガマは空母へもう一度メガ粒子砲を向ける。

引き金を引こうとした瞬間、空母は杖を使ってアーガマの足を叩いた。

 

「うわっ...!?」

 

体勢を崩したアーガマは転倒し、水上に倒れる。

その隙をついて、空母は海の底へ沈んでいった。

 

「あと...少しだったのに...!」

 

『アーガマ、お疲れ様。帰投して~』

 

「あ、あの...、ユニコーンを回収してからで良いですか?」

 

『もちろん!あぁ、それと、楽しみにしててね~、帰ってきたらご褒美あげるから』

 

「あ、ありがとうございます!」

 

ユニコーンに帰還信号を送る。

程なくして、ユニコーンが着艦デッキに降りてきた。

そしてそのまま光って、消えていった。

 

「戻るときって...こういう風になるんだ...」

 

――あの空母...次は必ず...!それよりも...ご褒美ってなんだろう...楽しみだなぁ~♪

 

アーガマは空母よりご褒美を優先し、そそくさとその場を後にした....。




また出た。毎度お馴染みよくわからない終わり方。

次回は戦闘じゃなくて、鎮守府でのお楽しみ回的なお話。
出てくる艦娘は、4人くらいかな?うん。

そういえば、ユニコーンが今回NT-D発動させましたが、設定破ったわけじゃなくて、一種のチュートリアル的なやつです。はい。

感想と評価、お願いします! ( ´ · ω·`)ノシ


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ご褒美

ジージェネでネオ・ジオングをゲットできてすごい嬉しくなっている今日この頃。
ユニコーン(緑)とノルンも開発出来て、ジェガンやらジェスタやらドーガやら色々と。UCシリーズは全部揃ったんですね。

艦これは扶桑の新年グラを見て、おぉ~みたいになってる。(5日前)
春雨も相変わらずの可愛さ。

さて、私談が長くなりましたが、本編へいきましょう。

※五月雨と夕立の口調が怪しい。


――ご褒美...なんだろう...楽しみだなぁ♪

 

先の戦闘終了後、提督からご褒美があると聞いていた。

今は、先程仕留め損ねた空母のことより、ご褒美の事で頭が一杯だった。

数時間航行し、ようやく鎮守府の近海にたどり着いた。

 

――早く帰ろ~っと!

 

~数分後~提督執務室内

 

「ネェル・アーガマ、帰還しました!」

 

ビシッと敬礼をする。もちろん連邦軍式だ。

 

「それで...向こうでどうなったんだっけ?」

 

「えっと...索敵目的で出撃させていたユニコーンガンダムが敵艦載機を発見、これと交戦し、多数の艦載機を撃墜しました。ですが、墜としても際限なく艦載機が出現してユニコーンは劣勢に追い込まれました。そこで私が加勢に向かいましたが...結果は...空母を仕留められずに....撤退しました...」

 

「む~...空母のことはともかく、アーガマ、被弾したよね?それと、補給も済ませないと!ご褒美はその後だよ!」

 

「あ...分かりました...。それで...ドックはどこに?」

 

「あぁ~...そっか...アーガマ知らないんだっけ...オッケー、着いてきて~」

 

提督は扉に向かって歩いていく。

アーガマはその後に着いていった。

数分間歩いただろうか、目の前にあったのは木製の扉だった。

 

「あの...ここは?」

 

「ん~?ドックだよ?ほら!」

 

そう言って提督は扉を開ける。

その先には脱衣場があった。

またその先には曇っているガラス。

 

「これって....どう見ても、浴場...ですよね?」

 

「いいえ、ドックです。ドックなんです。まぁ、それよりもアーガマ、ちょっと万歳してみてくれる?」

 

「え?こ...こうですか?」

 

そう言われアーガマは素直に万歳の姿勢になった。

すると提督は、

 

「そぉい!」

 

バッとアーガマの上着を脱がせる。

 

「~~~~っ!?」

 

アーガマの顔が一気に紅潮する。

 

「な...ななな...なにを...!?」

 

「ん?いや、脱がなきゃ入れないでしょ?」

 

「分かってます!一人で脱げますから、大丈夫ですからぁ!ひゃっ!?司令官そんな所触らないでぇ!」

 

その時脱衣場でなにが起きていたかはまた別のお話。

 

~アーガマ入浴中~

 

~アーガマ入浴終了~

 

「ふぅ...」

 

「あ、アーガマお帰り~。さて、お待ちかねの~...ご褒美の時間だよ!」

 

「...」

 

提督を睨みつつ距離を取る。

当の提督はじりじりと距離を詰めてくる。

 

「なんで後ろに下がってくの?」

 

「いえ...なんでもないですよ?なんでも...」

 

不意に、アーガマが転んで尻餅を打つ。

提督はその隙を見逃さなかった。

ヘッドスライディングの要領でアーガマに抱きつき、脇にアーガマを抱え、走る。

 

「ひゃぁぁぁ!?」

 

「フフフフフフ...アーガマ、ご褒美をあげるからねぇ...フフフ...」

 

アーガマはこの瞬間、自身の終わりを悟った。

 

――オットー艦長、ネェル・アーガマ、ここまでです...。

 

「あーっ!提督さん、春雨になにする気っぽい!?」

 

――あ、救いが...!

 

「夕立...あー...そのー...アーガ...春雨と楽しいことをするんだよ!」

 

「楽しいこと!?夕立も行くっぽい!」

 

――可能性なんて...無いんだね...

 

「司令官、何してるんですか~?」

 

「あ、五月雨!」

 

――あれが...司令官の最初に会った艦娘...

 

五月雨が提督に向かって走ってくる。

次の瞬間、五月雨が盛大に転けた。

 

「ひゃわぁっ!?」

 

「さ、五月雨ェ!?」

 

ゴスッと鈍い音が響く。

五月雨の頭が提督のお腹にめり込んでいる。

 

「ゲフッ...コイツ、できる...!」

 

「あ、あの、すいません!すいません!うぅ...」

 

「五月雨...やっぱりドジっぽい!」

 

「はうっ!夕立姉さん...そんな直球に言わないでぇ...」

 

――五月雨さんは...ドジっ娘なんだ...

 

「それより、司令官...ご褒美って...?」

 

「ん...?あぁ、皆でご飯でも食べようかなぁって思ったんだけど...この人数だから執務室で良いかな?」

 

「皆でご飯たべるっぽい?」

 

「楽しみです!」

 

皆が和気あいあいと騒ぐ光景を見てアーガマは顔が綻んでしまった。

自分が艦だった時、これ程まで楽しいことは無かった。

 

――皆で集まってご飯...楽しそうだなぁ...♪

 

そんなことを思うと、これから起こる楽しいことも考えられるようだった。

 

――――――――――――――――――

 

~アーガマが戦闘を行った海域~

 

「........」

 

一人の少女が海面に立っていた。

その服装は全身が赤で統一され、髪は金に染まっている。

海面に倒れている鯨の化け物の遺骸を流し見し、その傷を確認した。

そして、無傷で海面に浮いている艦載機。

 

「無傷で...サイコミュの兵器...?大佐の機体でジャックした場合は痕が残る...。ということは...触れずに、か...。思い当たるのは...アレだけ...ユニコーンガンダム...。そうか...この世界に来ているのか...アーガマ」

 

「私は...次こそ...お前を...」

 

――待っていろ...!




ぐちゃぐちゃな話の内容。
思いっきり深夜テンションで書いてました。すいません。

それよりも、最後に出てきた艦娘。
赤、金髪、大佐という言葉。

わかる人には分かりますよね?

さて、では、感想と評価、お願いします!


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皆でご飯

祝(?)第10話!
やったぁ!万歳!

そんな現在、ジェネシスでネオ・ジオングを2機開発出来ました。
ユニコーンとバンシィが...ちっちゃく見えてくる。

艦これでも、相変わらず可愛い春雨。
あ、艦これを知らない人の前で「春雨」とか言うと「食材?」って返ってくるので、お気をつけて下さい。
だけど、提督(艦これユーザー※自分の友達)に「春雨」って言うと「いや、五月雨と夕立だろ」って返ってくる。
やりました。

では、本編へどうぞ!


「よし!ご飯食べる準備するよ~」

 

「準備って言われても...何をするんですか?」

 

五月雨、夕立、アーガマは提督の執務室で食事をするということで、集まったは良いが、夕立は窓際のソファで寝ている。五月雨はお茶を淹れたり、忙しなく働いている。提督は自分の椅子に座って思い切りくつろいでいる。

 

「ん~...料理作る~?」

 

――それもそうですけど...

 

「どうやって食べるんです?」

 

「床でかな~?」

 

「行儀悪いです!」

 

「う~...だって他食べるところないよ~」

 

「食堂あるんじゃないんですか?」

 

「あ...あ~...食堂は遠いから嫌だ!」

 

「じゃあやっぱりここで食べるんですか?」

 

「あ、そうだ!夕立、五月雨、アーガ...春雨!廊下出てくれる?」

 

「何でですか?」

 

「すぐ終わるから!さぁさぁ!」

 

提督に背中を押され廊下に出される。

五月雨も廊下に押し出される。

夕立は、

 

「むぅ...まだ眠いっぽい~...」

 

「たかが艦娘1人、私が押し出してやる!」

 

ソファにあるクッションと一緒に放り出された。

執務室の扉を閉めると、中から提督と誰かが話しているのが聞こえてきた。

そして、数分後...

 

トントン...ベキッ...アー!!コワレター!?ヤリナオセー!...

 

ガチャっと執務室の扉が開く。

 

「あの...司令官、中で何か音がしてたんですけど...」

 

「え?」

 

「だから、何か音が...」

 

「え?な に ?」

 

――司令官の真顔...怖い...

 

「まぁ良いや。ほら、入って入って~」

 

執務室に入ると、そこには大きめのテーブルがソファの前に設置されていた。

 

――いつの間に作ったんだろ...?もしかして、さっきの...?というか...夕立さんがくっついて動けない...

 

「司令官、お茶淹れますね?」

 

「あ、五月雨ありがと~」

 

「ほら、夕立...姉さん、起きてください。準備しますよ?」

 

「まだ寝るっぽい~...うにゅ...」

 

「し、司令官...、助けてください...五月雨も...!」

 

「春雨姉さん、待ってて下さい...!いま助けます!」

 

と、五月雨が春雨の手を掴んで引っ張る。

 

「よし!アー...春雨、いま助けるからね!」

 

と言って、夕立の腰を掴んで後ろに引っ張る。

 

「痛っ...痛い...ちょっと...痛いです...!」

 

頭にある声が響く。

 

――これ以上は保たない!機体が裂けちまう!

 

――ジンネマン大尉...

 

「うぬぬぬ~!」

 

「夕立、離れて~!撫でてあげるから!」

 

「離れるっぽい!」

 

パッと夕立が離れる。

その弾みで五月雨が後ろに転び、アーガマが五月雨に覆い被さるように倒れる。

 

「へっ?」

 

「ひゃわっ!?」

 

「あ...」

 

「ぽい?」

 

「えっと...その...春雨姉さん...あの...」

 

五月雨の顔が一気に紅くなる。

提督の顔がこれまでにないほど幸福そうだった。

 

「あ...えっと、悪気は無くて...その...」

 

「ア...春雨ぇ...良いよねぇ?私もやって良いよねぇ?」

 

ジリジリとアーガマと五月雨に近づく提督。

その肩をポンポンと誰かに叩かれる。

 

「はい!?」

 

「この宇宙の刻の果てまで、共に行こうか」

 

「......」

 

憲兵が立っていた。

ガシッと提督の肩を掴み、執務室の外へ連れ出す。

扉が閉まり、廊下から声が聞こえる。

 

『奇跡もまた、繰り返す...。やはり貴女にも見えているようだな』

 

『あ...ああ...!』

 

~数分後~

 

「夕立さん、五月雨さん、春雨さん、食事の準備をしましょう」

 

――司令官...人が変わったみたいに...あの人...ただ者じゃないかも...

 

「司令官、じゃ、じゃあ私、厨房で料理作ってきますね♪」

 

「五月雨さん、私も手伝うので、一緒にやりましょう」

 

「私と春雨はここにいるっぽい~」

 

「え、でも...手伝わなきゃ...」

 

「料理は私と五月雨さんでやっておきます。春雨さんは待っていてください」

 

そう言って提督と五月雨は執務室から出ていき、厨房へと向かった。

夕立は相変わらず窓際のソファで寝ている。

 

「出撃で疲れちゃったのかな...眠い...すこし...寝よう...」

 

アーガマは出撃の疲れからきた睡魔に負け、深い眠りに落ちていった。

 

―――――――――――――

 

アーガマが目を開けると宇宙が広がっていた。

 

――あれ...?

 

自分の真下には、生命の星、地球があった。

そして、声が響く。

 

『テザー射出!』

 

バシュッとテザーケーブルが射出される。

 

――あぁ、思い出した...。ガランシェールを宇宙へ上げる時...だったっけ?

 

『目標、予定軌道より低下、テザー接続出来ません』

 

『ぬぅ、何とかならんのか!』

 

『スラスター部にトラブル発生!』

 

『クソッ、地球をもう一周する分の燃料は残ってないぞ!』

 

『ユニコーンで押します!』

 

『小僧!?何をするつもりだ!』

 

――ユニコーンでガランシェールを押して...そっか...

 

『目標、予定軌道に乗りました!』

 

『よし、テザーを繋げ!』

 

ガランシェールとネェル・アーガマの間に1機のMSが入る。

ガランシェールの接続部とアーガマから投げ出されているケーブルを掴み、無理やり繋げようとする。

 

『これ以上は保たない!機体が裂けちまう!』

 

次の瞬間、ユニコーンが虹色の光をサイコフレームから発した。

その光はアーガマとガランシェールを包み、暖かさをあたえる。

 

――あったかい...

 

――そうだね...?

 

――え...?誰...?

 

――私だよ!分からない?ガランシェール!

 

――ガランシェール...?

 

――そうだよ!...って、もう時間みたい。また会おうね!

 

――え、なんで...?それに、また...って...

 

――私もそっちにいるからね!楽しみにしてるよ、アーガマと会うの!

 

――あ...ま、待って...!

 

目の前が強い光に包まれた。

そして、アーガマの意識が覚醒する。

 

―――――――――――――――

 

「待って...!」

 

ガバッと体を起こす。

体を見ると、毛布がかけられている。

 

「あ、春雨姉さん、おはようございます!」

 

「五月雨...さん...あ、いや...五月雨...」

 

「魘されてたけど...大丈夫ですか?」

 

――魘されてた...?あ...ガランシェールの事かな...

 

「大丈夫...何でもないよ」

 

「そうですか、良かったです!あ、ご飯出来てますよ!早く食べましょう!」

 

先程から良い香りがすると思ったら、テーブルの上に沢山の料理が並んでいる。

 

「うん...!食べよう!」

 

そう言ってアーガマは布団から出て、テーブルに向かっていく。

 

――――――――――――

 

~とある小島~

 

「アーガマ...早く会えると良いね...!」

 

緑色の着物を着た少女はニッコリと微笑み、空を見上げる。

その肩にはジオンのMS、ギラ・ズールがビームガトリングガンを構えて立っていた。

 

「今度は...一緒に...戦えるよね?アーガマ...!」

 

――絶対に!




一応頑張ったつもりです。はい。

最後の艦娘は分かるかな?(第二回)

緑色、ギラ・ズール、偽装貨物船。ここまで言えばわかると思います。
それと、途中で出てきた憲兵さん。あの方はきっとニュータイプです。

感想と評価お願いします!


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悲しみの艦と憎しみの艦

私立の受験終わった直後に書きます。

優先順位てきには 受験〈小説 こんな感じ。

それで今回は悲しみの艦(緑)と憎しみの艦(紅)を出そうと思います。
因みに、前回の偽装貨物船は感想で頂いた指摘を反映したものです。
モルト・ウォーターさん、ありがとうございました。

最後に1つ、ネオ・ジオングのメガ粒子砲、威力ヤバい。

では本編へどうぞ~。


~鎮守府近海~

 

まだ朝日が顔を出す前の薄暗い空。

その空を微笑みながら見上げる艦娘が1人...

 

「さて...!アーガマはここかな?」

 

彼女の視線の先にあるのは、ネェル・アーガマが所属している鎮守府。

運と勘だけでこの鎮守府に辿り着いたのか...それとも、前々から知っていたのか。

それは誰にも分からない。

 

――やっと会えるね...!

 

アーガマを探し続けている艦娘、名は「ガランシェール」

U.C.0096、ネオ・ジオンの艦として主に敵地への潜入をこなしていた。

民間の貨物船を真似て建造された偽装貨物船という事だけあって、敵に感づかれたことはあまりない。

この艦の最後は、自爆。

自爆して艦の役目を終えることは珍しい。

大抵は、敵MSに撃沈されるか、何かの爆発に巻き込まれて爆発四散するかだ。

そして武装も積んでいない。あるものといえば、ギラ・ズールだけである。そのギラ・ズールにビームガトリングガンを装備させて対地対空をやってのける。

艦娘になった今もそうだ。アーガマと夢の中で会う前、何度か深海棲艦の襲撃を受けている。

そこでガランシェールはギラ・ズールを使って対空、対艦戦闘を行った。

 

「さて、いるか分からないけど...いざ突撃!」

 

スーッと海上を移動する。彼女(アーガマ)のいる鎮守府を目指して...。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

その遥か後方...。

 

紅い服を身にまとい、空中に表示されているディスプレイを凝視する艦娘がいた。

そのディスプレイには先程の艦娘の背中がアップで表示されている。

そこには『Garencieres』と表示されていた。

 

「ガラン...シェール...。裏切り者の...艦...。ジオンの...恥...。」

 

「レウルーラより各深海棲艦へ...。裏切り者...ガランシェールを....捕獲しろ」

 

するとレウルーラの回りに鯨の化け物が多数浮上してきた。

その瞳は赤く、体には真っ赤なオーラをまとっている。

そして、ガランシェールの後を追うように、進んでいった。

 

紅い服の艦娘、『レウルーラ』

ネオ・ジオン総帥、フル・フロンタルが乗艦していた艦だ。

この艦の最後は、グリプス2、コロニーレーザーに焼かれて消えた。

だが、レウルーラは特殊なMSを積んでいる。

レウルーラの背後から出現する、全身が赤く塗装され、主であるレウルーラの大きさをも超えるMA、「ネオ・ジオング」

フル・フロンタルが搭乗する機体「シナンジュ」をコアユニットとし、フロンタルの感応波を受信し、サイコミュ兵器を使用する最強の敵。

 

特殊兵装として「サイコシャード」が展開可能になっている。

サイコシャードとは、サイコフィールドに限りなく近い現象を意図的に発生させることが可能な物質である。この結晶体はフル・サイコフレーム機の実験運用中に発生した偶然の産物とされている。このサイコシャードは、搭乗者のイメージで発生させた場合の能力が変わるのだ。

 

U.C.0096、ユニコーンとバンシィとの最終決戦でネオ・ジオングが発現させたサイコシャードはフロンタルのイメージ、それは「敵の火力を奪う」。このイメージを具現化させ、ユニコーンとバンシィの武装を破壊したのだ。

 

ならば、他のイメージも可能だ。艦娘になったレウルーラに今は主導権が渡されている。だから、レウルーラがイメージしてサイコシャードを発現させれば、こういうことが可能になる。

火力を奪う、機関部を破壊する、そして...目の前の敵を意のままに操るなど。

 

先程出現させた深海棲艦はレウルーラと会敵し、サイコシャードで操られている状態なのだ。

 

「ガランシェールさえ捕まえれば....」

 

レウルーラには考えがあった。

アーガマをここで効率的に沈める作戦が........




今回はアーガマの出番はありませんでした。

え?ネオ・ジオングの説明が足りないって?ご心配なく、追々本編のなかで説明していきますよ。

それと、今回のサブタイなんですが、悲しみはガランシェール、憎しみはレウルーラってことでお願いします。

なんで悲しみなの?って言われそうなので、言っておきます。ガランシェールが自爆した知らせを聞いたときのフロストの感情を読み取り、こういう形にしました。
憎しみは、レウルーラで、地球連邦に対する怒り、憎しみや、アンジェロ大尉の気持ちもお借りして、バナージと連邦、そしてガランシェールに対しての憎しみ。こういう感じです。

それでは、感想と評価、お待ちしてます!


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裏切り

裏切りってサブタイですが、UCで裏切りかけた大尉がいたような.....

それとですね、コメントで頂いたご指摘のなかに、普通の棲艦の攻撃でアーガマがダメージを受けるのはおかしい。とあったので、今ここで正確な物を出しましょう。

駆逐~軽巡→無傷
重巡~雷巡(空母、潜水艦も含む)→1~10程度
戦艦~姫級→20~40程度
鬼級→ヤバい。互角もしくはそれ以上。
宇宙世紀艦→原作通り。
MS→こちらも原作通り。一発でかなりの体力持ってかれます。
コロニーレーザー→言わずもがな。当たったら蒸発します。

コロニーレーザーは一応です。もしかしたら出すかもです。

では、本編へどうぞ。


~鎮守府港~

 

朝日が水平線から顔を出し、空を赤く染め上げていく、明け方。

砂浜に一人の艦娘が座っている。

 

「はぁ...ドジってどうやったら治せるんだろう...」

 

座っていたのは五月雨だった。

ドジっ娘脱却について考えている真っ最中だ。

 

「転んでお茶こぼしちゃうし...ケーキも落としちゃったり...演習でもぶつかってばっかれで...うぅ...」

 

頭を抱えて呻いていると、背後に気配がした。

後ろを振り向こうとしても、遅く、うなじに強烈な痛みが走る。

 

「うっ...あ...」

 

その場に倒れる五月雨を担ぎ、海へ出ていく。

五月雨が失われていく意識の中、自分を担ぐ人を見た。

その姿は、赤い服を着た金髪の少女だった。

 

「だ....れ......?」

 

そこで五月雨の意識は途切れた。

 

―――――――――――――――

 

~執務室~

 

「司令官...五月雨さんがいません!」

 

「へ?五月雨が?五月雨なら外にいったけど?」

 

「外も探しました!いないんです、どこにも!」

 

五月雨失踪の情報はすぐに提督へ伝わった。

今すぐにでも探しにいきたいが、夕立は寝ている。

 

「夕立は寝てるし...どうすれば~!」

 

「あの、司令官...一応私も...」

 

艦娘です。と言おうとしたら

 

「あ~、そうだった~。アーガマも艦娘だったね。捜索はアーガマに任せよう(棒)」

 

――忘れてたのかなぁ?出撃したの昨日なんだけど...

 

「五月雨がどこにいるか、分かるの?」

 

「分かるというか...砂浜を見に行ったら海に足跡が続いてたので、海に出たんじゃないかと」

 

「ほうほう...じゃあ、海に行くしかないのかな?ホント艦娘って海と縁があるんだね」

 

「私の場合海じゃなくて...宇宙ですけどね...」

 

「そうと決まればアーガマ、れっつごー!五月雨を探してきて!」

 

「その間司令官は何を?」

 

「こいつら片付ける」

 

と言って指差したのは机の横。

そこには大量の書類が積み重なっていた。

 

「こいつら片付けなきゃ...提督人生終わる気がして怖いんだ...」

 

「頑張ってください。私も五月雨さんの捜索頑張りますから!」

 

アーガマはそう言って執務室を後にした。

 

「頑張る...ねぇ...よし、私も頑張りますか!」

 

――――――――――――――――

 

「と...砂浜に来たのは良いけど...早速問題発生...かな?」

 

その問題とは。そう、アーガマの目の前に緑色の着物を着た少女が倒れているのだ。

仰向けになって。

近づいてみると、息をしている。どうやら眠っているだけの様だった。

と、その少女が急に目を開けた。

 

「ん...あれ?ここどこ...?」

 

「ここは鎮守府にある砂浜だけど...どうしたの...?」

 

その少女は少し黙って、此方を見てきた。

 

「ねぇ貴女...名前は?」

 

「え?ネェル・アーガマ...だけど...」

 

その名を口にした瞬間、少女の顔が一気に明るくなった。

 

「アーガマ?アーガマ!?やったぁぁぁあ!!」

 

ぎゅうっと抱きついてくる。

アーガマの思考が一瞬停止する。

初対面であろう少女に名前を教えただけで抱きつかれた。

 

「あ...あの...苦し...」

 

「あぁ、ごめんごめん!嬉しくてつい...」

 

「それで...あの...貴女は?」

 

「ん~...偽装貨物船って言えば分かるかな?」

 

――偽装貨物船...。あ...!

 

「ガランシェール...?」

 

「そう、正解!」

 

まさかガランシェールまで艦娘になってるとは思っていたなっか様で、アーガマはポカーンとしている。

 

――こんなにテンション高いんだ...ガランシェールって....

 

「それで、どこ行くの?」

 

「あ、えっと...五月雨さんの捜索...。さっきいなくなっちゃって...」

 

「ねぇ、それ...私も着いていって良いかな?」

 

ガランシェールからの級な提案。

一緒に五月雨を探したいとのこと。

 

「え...でも...ガランシェールって...その...武装が...」

 

「ん?」

 

「ア、イエ、ナンデモナイデス...」

 

「で!五月雨って娘の捜索でしょ?楽しそうだから着いてく!」

 

――一瞬...寒気が...ガランシェールの前で武装の事を話すのはやめよう...

 

「人手は多い方がいいし...お願いしてもいいかな?」

 

「うん!」

 

――――――――――――――――

 

~鎮守府近海~

 

「うわっ!?」

 

「ガランシェール、危ない!」

 

駆逐イ級がガランシェールにかぶり付こうと大きな口を開けて飛びかかった。

だがガランシェールは、

 

「ジオン魂、見せてあげるよ!」

 

すると手を伸ばして、駆逐イ級の上顎と下顎を掴み、力任せに開いた。

バキバキ...ベキャッと音をたてて駆逐イ級が真っ二つになる。

 

――...う、うわぁ...

 

「ふぅ...こんな感じかな?」

 

「物理...ギラ・ズールって使わないの?」

 

「弾を節約してるの。撃ちすぎると切れて撃てなくなっちゃうから」

 

「へぇ...」

 

アーガマは余り弾切れを経験したことがない。

戦闘にはあまり参加せず、後方支援を行っていた。

そこで使うのは、メガ粒子砲やミサイルなど、やはり多用するのはメガ粒子砲。

それのエネルギーは主翼部分のソーラーパネルから供給しているので、太陽があればいくらでも撃てる。

 

「メガ粒子砲がある艦って良いよねぇ...」

 

「ガランシェールは偽装貨物船でしょ?貨物船に武器なんて付けられないよ」

 

など談笑しながら先へ先へと進んでいく。

すると、空気が変わった。肌に刺すようなピリッとした空気。

まるで、何者かに遠くから狙われているような...そんな空気。

 

「.....これは...」

 

駆逐イ級の遺骸が浮かんでいる。

その腹には、何かに抉り取られたような後があった。

そして焦げ臭いにおい。

最後に感じたのは、宇宙世紀の艦のみが観測できる...ミノフスキー粒子の濃度。

 

この濃さは...艦が自分の位置を悟られないようにするために散布する量の粒子。

ということは....

 

「近くに...宇宙世紀に造られた艦がいる...。ガランシェール!」

 

...............

 

「ガランシェール...?」

 

「ごめん...、アーガマ」

 

アーガマの頭部に強い衝撃が走る。

 

「な...なにを...?」

 

アーガマは意識を手放した。

最後に見たガランシェールの顔は哀しそうだった。




やっぱりこうなる。


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イメージの具現化

サイコシャード以外は他のMSでもどうにかできます。
でも、リゼルとかジェガン、ギラ・ズールは防御出来ません。
そこは原作通りです。

艦娘は~...まぁ、今から説明します。

駆逐~重重→回避不能
空母→近づかない限りかかることはない。有線式なので無限には飛ばせないでしょう。多分。でも艦載機が危ない。
潜水艦→有線式ファンネル・ビットって水中大丈夫なんだろうか...。
戦艦→原作で言うエコーズと同じ立場。サイコミュ?知らんな。状態

深海棲艦→艦娘と同じ。駆逐~重巡は回避不能。空母も先ほど述べたものと同じ。潜水艦も、戦艦も。
姫級、鬼級→いずれ三式弾使う気がする。episode7のバンシィみたいなことしそう。

それで今回は...まぁ、本編を見てもらいましょう!

では、どうぞ!


――あれ...ここは...?

 

ゆっくりと目を開ける。

辺りは暗く、静寂に包まれている。

 

「あの...誰か...?」

 

――ここ、どこなんだろう...。確か、五月雨さんを探しに来て...あ!ガランシェールと一緒だったんだ...!それで...ミノフスキー粒子を観測して...ガランシェールに頭を殴られたんだっけ...。ガランシェール....

 

「目が...覚めたか....?」

 

「誰...!?」

 

誰かの声が聞こえたと思うと一気に辺りが明るくなる。

そしてアーガマの目の前に立っていたのは...レウルーラだった。

 

「忘れたのか...?...ネェル・アーガマ...」

 

――なんで私の名前を...!?

 

「確かに私はアーガマだけど...貴女は?」

 

「...レウルーラ」

 

「レウ.....ルーラ....!?なんで貴女が!」

 

「気がついたらこの世界にいた...。お前も...そうだろう...?」

 

「貴女に教える事なんて何もない!早く私を解放して!」

 

声を荒げて暴れる。

アーガマの体は椅子に縛られていて、立つことはおろか、身動きひとつとれない状態である。

 

「そう暴れるな...アーガマ、お前は五月雨という艦娘を助けに...来たんだな....?」

 

――なんでその事も...!まさか...!!

 

「その情報は...全部...、ガランシェールから...!?」

 

「そうさ...言うことを聞かなければ、アーガマを殺す。といったら素直に言うことを聞いてくれて...!あぁ...こうも上手くいくとは!」

 

「...っ!最低...!」

 

蔑みの意味も込め、レウルーラを睨む。

だがレウルーラはその視線を気にせず、淡々と話し始めた。

 

「最低でも良いさ!...ふっ、まぁ...良い。その...五月雨だったか...それは、こいつか?」

 

ドサッと目の前に一人の少女が投げ出される。

青い長髪の少女、ドジっ娘脱却を目標にしている真面目な艦娘。

それは正に、アーガマの探していた少女、五月雨だった。

 

「五月雨...さん!」

 

「声は聞こえないさ...。深い眠りに落ちているから...誰がなんと言おうと、聞こえはしない...」

 

「貴女って人は!」

 

「何とでも言うが良いさ...。それと...今からこの、五月雨に面白い事をしようと思うんだが...お前はそこで見ていろ」

 

と、レウルーラは指をパチンと鳴らす。

すると背後に深紅のMAが出現する。

ネオ・ジオングだ。時代錯誤の名前を付けた。と、とある連邦兵士が罵倒していた機体。

 

「何をする気!?」

 

「なに、少しこちらで手を加えるだけさ...。心配はいらない。殺しはしないよ...」

 

そう言ってレウルーラは手を前に出す。

ネオ・ジオングがレウルーラの前に出て、背後のサブ・アームを展開させる。

そしてレウルーラはこうイメージした。

 

(五月雨、アーガマを攻撃しろ)と...

すると、ネオ・ジオングの背後に黄金の光輪が出現する。

サイコシャードだ。まるで、ネオ・ジオングが神になったような外観にアーガマは少し見とれてしまった。

 

「そうだ...アーガマ、君を解放してあげる」

 

そう言うとレウルーラがアーガマを縛っていた縄を千切った。

身体が自由になったアーガマは手を数回握り、レウルーラを見据える。

不適な笑みを浮かべている彼女は、まさに悪の化身。連邦の敵だ。

武装を展開し、レウルーラに砲を向ける。

 

「無駄だよ...」

 

ネオ・ジオングのユニットアームがメガ粒子砲を掴む。

すると何かが粒子砲に侵入してくる。

 

「...っ!?」

 

一瞬、意識が支配されそうになる。

急いでメガ粒子砲から手を離し、レウルーラとの距離を取る。

 

――な...なに、今の...!?何かが入ってきた...?

 

入ってきたのは、誰かの意思。残留思念だろうか。

正確には分からなかったものの、一瞬、ほんの僅かだが、頭に無数の声が響いた。

 

「失敗した...?ふぅん...良いか。最後にひとつ...戦いを楽しんでね?」

 

と、レウルーラは姿を消した。

再び辺りは静寂に包まれる。

 

「それよりも、五月雨さん!」

 

五月雨に近づき、身体を揺する。

ピクッと五月雨が動き上体を起こす。

 

すると次の瞬間、五月雨が艤装を展開し、12.7cm連装砲をアーガマの腹部に当て、引き金を引く。

 

ドゴンと、腹部への強烈な砲撃、衝撃でアーガマは後ろに吹き飛ばされた。

壁の一部が破壊され、暗かった部屋に明かりが差し込む。

 

「ゲホッ...ゲホッ.......え?」

 

一瞬の出来事で状況が理解できていなかった。

 

――五月雨さんが攻撃してきた...?え?...どうして?なんで!?それに、ここは!?

 

自分が倒れているのは砂浜。目の前には大きなコンテナが置かれている。

 

――あそこから吹き飛ばされたんだ...!!

 

そのコンテナからユラリと五月雨が出てくる。

アーガマが見た五月雨は、異常の一言に尽きた。

 

目のハイライトは消え、表情を変えず、獲物をただ狩るためだけに生まれてきた者のような空気を漂わせていた。

 

「アーガマ......敵.......排除...、開始...!」

 

ボソボソと同じ言葉を繰り返している。

明らかに、おかしい。

 

「五月雨さん、目を覚まして!」

 

「..............」

 

何も答えず、砲をアーガマに向ける。

そして撃つ。撃つ。撃つ。

 

「うっ...くぅ...!」

 

着弾時の煙で視界が悪くなる。

このままでは防戦一方だ。

 

――私も攻撃を...、でも...司令官の...大事な...!どうしたら...

 

五月雨は提督が会った最初の艦娘であり、ずっと一緒にいたのだ。

その艦娘を沈めてしまったら、提督は立ち直れないかもしれない。

 

――どうすれば...!

 

すると、頭に声が響く。

 

『ネェル・アーガマ、ロメオ008、バンシィ...出撃する』

 

『俺とユニコーンも行きます!』




毎度お馴染み良く分からない終わり方。

五月雨提督の方、すみませんでした。
さて、次回は...ユニコーンとバンシィ。2機のサイコマシーンが出撃します。
どうなることやら。

さて、ではまた。


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暖かな光

今回は~...アーガマは出番少ないと思います。
メインはバナージとリディ少尉。

敵は前回洗脳(?)された五月雨さんでございます。

それでは、どうぞ。


「え...?ユニコーンとバンシィ!?」

 

頭に響いた声に衝撃を隠せなかった。

ネェル・アーガマの主力MSが2機、同時に出撃するのだ。

メガラニカ宙域での戦いを思い出さずにはいられない。

 

U.C.0096、ユニコーンが示した最後の座標、インダストリアル7、メガラニカ。

そこに、ラプラスの箱があるとミネバ・ラオ・ザビがネオ・ジオンが乗艦しているネェル・アーガマ艦内で口外したのだ。

そうすれば勿論、ネオ・ジオンはラプラスの箱を奪取する為に動き、その情報を察知した地球連邦もラプラスの箱を消し去るために行動を開始する。

ネェル・アーガマはラプラスの箱を守るため、インダストリアル7に向かった。

 

そこでジオンの最終兵器とも言える、ネオ・ジオングを投入してきたのだ。

ファンネル・ビット、メガ粒子砲を搭載し、戦艦とも渡り合える火力を有している。

遠距離攻撃、近距離攻撃、どちらもこなし、誰もが最強のMAだと思った。

だが、それを上回る程の可能性を秘めたMSがいた。それが『ユニコーンガンダム』である。

1戦闘単位でありながら、どのMS、MAをも凌駕する戦闘能力はまさに、可能性の神と言える。

 

フロンタルとの最終決戦でバナージは、ユニコーンの秘めたる力を解放した。

バナージの諦めない心に反応したユニコーンが発した未知の光。

かつてアクシズを押し返したガンダムが発していた光と同じだった。

それを直接、ネオ・ジオングに流し込み、フロンタルに暖かな熱を伝えた。

その熱を受け入れたフロンタルは、自身の中にあった残留思念を浄化され、それと連動するようにネオ・ジオングも灰塵と化して、朽ち果てていった。

 

最終決戦の途中で、宇宙世紀の歴史を見たバナージは、その幻想から脱する瞬間、宇宙に走る一筋の光を目撃した。

コロニーレーザー。コロニーを巨大なレーザー砲に改造し、最大級の攻撃手段として地球連邦が所持していた。その名はグリプス2。過去に大きな被害を受け、使用不可能と思われていた。だが、その陰で地球連邦はグリプス2を修復、使用可能にしていた。

そのグリプス2でメガラニカをラプラスの箱ごと焼き払うというのが地球連邦の考えだった。

 

コロニーレーザーを発射する直前、ユニコーンガンダムとバンシィはメガラニカ前面にサイコ・フィールド・バリアを展開した。そして、レーザーを受け止めた。

バンシィのサイコ・フィールドが突破されそうになるが、リディとバンシィの親和性が更なる域に達したため、サイコ・フレームの色が緑色に発行し、レーザーを相殺した。

 

これが、U.C.0096、ラプラス動乱の全貌である。

 

『俺とバナージで何とかする!』

 

――わ...分かった...!MS発進準備!

 

意思を集中させる。

すると両手にクロウボウが出現する。

その矢には、『RX-0』、『RX-0[N]』と刻まれていた。

 

『MS出撃準備!』『進路、オールグリーン!』『ユニコーン、バンシィ、出撃準備完了!』『ハッチ解放!』『いつでも行けます!』

 

――ユニコーンガンダム、バンシィ、発進して下さいっ!

 

『リディ・マーセナス、バンシィ...出る!』

 

『ユニコーンガンダム、バナージ・リンクス...行きます!』

 

響く声と共に、クロウボウの引き金を引く。

射出された矢は徐々に姿を変え、人型に変化していく。

1つは黒き獅子、もう1つは純白の一角獣。

可能性の獣が空を翔る。

 

―――――――――――――――――

◇バナージ&リディ

 

「やれるな?ユニコーン!」

 

「俺に力を貸してくれ...バンシィ!」

 

2人の声に呼応するように、コックピットのディスプレイに『NT-D』の文字が浮かび上がる。

ユニコーンの装甲がスライドし、内部骨格であるサイコ・フレームが露出する。その色はいつもの赤ではなく、緑の光を発していた。

同じく、バンシィも緑色の光を放っている。

 

『ユニコーン、バンシィ、目標はあの艦娘です!出来る限り...傷つけないで!』

 

「了解した...」

 

「分かりました!」

 

『それと...赤いMAに何かされたみたいで...金色の輪っかが出たと思ったらずっとこのままで...なんとかならない?』

 

「...!それって...!」

 

「フル....フロンタル...!!」

 

2人にアーガマが提供した情報に思い当たる節があった。

金色の輪、赤いMA。

この情報だけで敵が何者なのかを理解した。

 

「目標である艦娘を元に戻します!リディさんは援護を!」

 

「分かった!」

 

『元に戻すって...え!?そんなこと出来るの!?』

 

「フロンタルにやったことをもう一度やればいい!熱を送れば...!」

 

バナージは通信モジュールを閉じ、目の前の艦娘に意識を集中させる。

それに気づいたのか、五月雨はユニコーンに砲を向け、引き金を引く。

 

「ユニコーン!」

 

シールドファンネルを集結させ、三枚からなる巨大なシールドを形成する。

シールドに弾が着弾し、黒煙を吹き出す。

その黒煙の中から、ユニコーンが出現する。

ゆっくり、ゆっくりと五月雨に近づく。

 

「あ...あぁ...!」

 

五月雨は恐怖におののき、後ずさる。

だが、目標を破壊するまで、逃げるわけにはいかない。

五月雨は装填されている魚雷を手掴みし、ユニコーンに投げ付ける。

 

「バナージ!」

 

バンシィが魚雷に接近し、ビーム・トンファーで魚雷を切り裂く。

 

「こいつは危険だ...破壊するしか...!」

 

「待ってくれリディさん!俺が何とかします...リディさんは援護をして下さい!」

 

「武装を潰さなきゃぁ...近づけないだろ!」

 

まずは、五月雨の持っている砲塔にリボルビング・ランチャーを4発撃ち込む。

砲にめり込むと、青い光を発しながら、爆発する。

 

「....!!」

 

「そんな旧式の砲でさぁ!」

 

もう片方の砲に、ビーム・マグナムの照準を合わせる。

掠る弾道を計算し、銃口を横にずらして、引き金を引く。

紫電を走らせながら、真っ直ぐに進んでいく。

砲に掠ると、融解し、爆発する。

 

「...!?」

 

五月雨は驚いた様な顔をした。

それもそうだ。自分の武装が1分足らずで破壊されてしまう。

魚雷発射管も、いつの間にか壊されている。

 

「やれ、バナージ!」

 

「ユニコォォォオン!!」

 

背後から接近し、拳を振りかぶる。

ガシッと拳を掴まれる。

 

「な...!?」

 

諦めずにもう片方の拳も突き出す。

こちらも止められてしまう。

ならば、足だ。蹴りの姿勢をとり、足を前に出すが、突如として足が勢いを失う。

 

リディとアーガマは信じられないものを見ていた。

それは、五月雨が背負っている機関。

そこから白い手が伸びているのだ。

それはまるで、“深海棲艦”の様だった。

 

「コれで.....終ワり....!」

 

「それでも.....」

 

五月雨がギリギリと手に力を込めていく。

それにともない、ユニコーンの拳がメキメキと音をたてる。

 

「クソッ!...行くぞ、バンシィ!」

 

バンシィが加速して五月雨に接近する。

だが、機関から伸びる手によって止められてしまう。

 

「うおぉおあぁぁっ!!」

 

リディが悲痛な叫びをあげる。

 

「リディ...さん...!俺は...ッ!うおおぉぉぉぉ!!」

 

バナージが叫ぶと、それに応えたユニコーンが光の量を増す。

掴まれたままの手を離すべく、思い切り腕を後ろに引く。

そして、拳を再度突き出す。

機関から伸びる手が1つ消滅する。

空いた手で手刀を作り、もう片方の手を切り裂く。

そして両手を丁度、五月雨の頭にかざす。

 

その瞬間、バナージの頭に声が響く。

 

破壊 破壊 破壊 破壊 破壊 破壊 破壊はカいハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイ.............

 

 

 

 

―――――――助けて。

 

 

「....!!」

 

ユニコーンの掌から、虹色の光が放出される。

その光が五月雨を包む。

 

「あったかい.....」

 

五月雨がボソリと呟く。

するとまた、バナージの頭に声が響く。

 

――ありがとう。

 

「.........」

 

その場に五月雨が倒れ込む。

 

「五月雨さんっ!」

 

アーガマが五月雨に駆け寄る。

ユニコーンとバンシィはアーガマの着艦デッキに着艦し、光の粒子となって消えた。

 

「五月雨さん、五月雨さんっ!」

 

必死に五月雨を揺する。

だが、反応が無い。

 

――まさか....

 

「うそ...だよね...?そうだ...司令官の所に...司令官に知らせなきゃ...!」

 

アーガマは五月雨を担ぎ、海に足をつける。

アーガマの体は海上に浮き、前に進み始める。

 

「...五月雨さん...!」

 

――はやく、司令官の所に!




戦闘描写がおかしい気がする。

というか、五月雨がマリーダさんみたいな...

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五月雨の意識

新しい宇宙世紀艦を出そうとして考えた結果が今回のお話です。

おかしいところが多々あると思いますが、暖かい目でご覧ください。

※独自設定があります。五月雨の口調も怪しい。

始まる前に1つ。

今回のお話では五月雨と例の大佐に似た口調の方(フロンタ...ゲフンゲフン大佐)が出てきます。


――あれ...わたし...?

 

『目が覚めたか』

 

――はいっ!...って、提督じゃ...ない?

 

『提督?私はそこまで偉くはないさ。階級は大佐だ』

 

五月雨の目の前に立つ人物。

赤を基調とした衣服をまとっている、顔には仮面を着けていて素顔はわからない。

だが、服の袖が目立つのだけが気になってしまう五月雨であった。

 

『この服が気になるか?それとも、この仮面か?』

 

――あ、いえっ!素敵な服だとおもいます!

 

『そうか、ありがとう。さて、本題に入らせてもらう。君は、五月雨だったか...。謝らなければいけないことがある。すまなかった。私の機体で...あのようなことをしてしまった無礼を許して欲しい』

 

――あ、あのようなこと?

 

『簡単に言えば、洗脳』

 

――せ、洗脳?

 

『私の機体はジャック機能が備わっている。だが、今回はサイコミュ・ジャックではなかった。サイコシャードを展開してしまった。ユニコーンがいなければ君は、消えていた』

 

――さいこみゅじゃっく?ユニコーン...?さいこ...しゃーど?

 

『今は分からなくて良い。いずれ、分かる時が来るはずだ』

 

――う...はい...。

 

『そしてもう1つ、君はユニコーンが救ってくれた。私と同じように。だが、君の意識はあの器に存在していない。あの肉体は...ただの脱け殻。君自信ではない』

 

――器...?肉体...?

 

『難しいか...簡単に教えられれば良いが、性分でな。難しい話しか出来ないんだ』

 

――え~っと...わたしの肉体には、わたしがいないって事ですか?

 

『そう思ってくれて良い。そこで...だ。君は...このまま戻りたいか。それとも、強くなって戻りたいか。どちらだ』

 

――強くなるか...このままか...?

 

『そうだ。君の考え次第で、なんとでもなる。だから、ゆっくり考えて欲しい』

 

――(提督には...今までの姿で会いたい...でも、強くもなりたい...)

 

『.......』

 

――記憶ってどうなるんですか...?

 

『記憶は消えないさ。容姿と武装が変わるだけだ。さぁ、どうする?』

 

――つよく...なりたい...です!

 

『承知した。その願い、しかと受け取った。では、君に...託す』

 

『私が実際に見たわけではないが...ネームシップである艦は何度も見てきた』

 

『準ホワイトベース級強襲揚陸艦 サラブレッド。この力を託そう』

 

――ホワイトベース級...?

 

『私と因縁浅からぬ艦だ。ホワイトベース...。宇宙世紀79年...一年戦争。話を...聞くか?』

 

――気になるので...!

 

『そうか...。なら、話そう』

 

U.C.0079、スペースノイドの独立をを求める集団がいた。後のジオンである。その独立を認めない者たちもいた。

サイド3がジオン公国を名乗り、有視界接近戦闘機動兵器、通称MSをはじめて開発した。それまでの、海での海戦。そこで使用されていた艦載機に代わって、MSが運用され始めた。

宇宙での艦隊戦。一年戦争開戦初頭、ジオン公国は地球連邦に戦力で勝っていた。MSの大量生産、質と数で勝つジオン軍。それに対して連邦軍もMSの開発に着手した。そして、連邦がはじめて開発したMS、「ガンダム」ジオンが地球連邦反抗の象徴としたMSでもある。ジオンからは、「白い悪魔」と呼ばれていた。

ただのMSに変わり無かったが、圧倒的な戦闘力を誇っていた。

それまで攻勢状態にあったジオン軍は、たった1機のMSによって、どんどん劣性に追い込まれていった。

マシンの性能なのか、それとも、パイロットの腕なのか。それは分からない。

誰にも、分からない。

 

そして、U.C.0079、12月31日。

ジオン公国と地球連邦政府の間に停戦協定が結ばれた。

一年戦争の終結。

だが、この戦争で世界の人口の半分を死に至らしめた。

 

『あれほどの戦争があったにも関わらず、人類は変わらなかった』

 

『宇宙世紀93年...あの光を見たときだ』

 

――光って...虹色のあの光ですか...?

 

『君も見たはずだ。ここに来る前に』

 

『しかし、あの可能性が示されても...』

 

――変わらなかったんですか...?

 

『あぁ...そうだ。それから3年後、宇宙世紀96年...』

 

『ラプラスの箱を巡る戦いだ...』

 

――ラプラスの箱?

 

『おっと、良いところで時間のようだ』

 

――時間って...?

 

『目覚めの時間だ。さぁ、目を開けると良い』

 

『君が望めば...また会える』

 

―――――――――――――――――――

 

五月雨が目を開ける。

そこは自分の見慣れた、ドックの天井だった。




毎度雑な終わり方ですみません。

こうするしかなかったんだ。いや違うな...道は他に幾つもあった...それなのに...!

ということで、五月雨提督の方々、すみませんでした。

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準ホワイトベース級強襲揚陸艦サラブレッドという名の五月雨改二

サブタイがちょっとふざけぎみ。

前回に引き続き、五月雨(サラブレッド)視点で書かせてもらいます。
武装はホワイトベースの物と同じ...だった気が...。

では、どうぞ。


「ここは...ドック...?」

 

ぼそりと呟く。

何の反応も無いということは、入っているのは自分だけなんだと理解する。

と、急にドックの扉が開く。

 

「あ...五月雨...?」

 

アーガマが入ってきてきょとんとした表情でこちらを見つめる。

 

「だ...誰ですか?」

 

――へ?

 

――――――――――――

~執務室~

 

「それで~...えっと...だれ?」

 

提督もアーガマと同じ表情で五月雨を見つめる。

 

「五月雨です!」

 

「だって五月雨全体的に青かったじゃん?でも...なんか...髪が青で?服が暗い緑...みたいな...はぁ?」

 

「夢なのか現実なのかは分からないんですけど...大佐って人が...えーっと、確か...準ホワイトベース級強襲揚陸艦サラブレッドの力を託そう。って言ってた気がします!」

 

「ホワイトベース級!?」

 

ガタッとアーガマが立ち上がり、声を上げる。

その反応に驚いた五月雨と提督はアーガマの方を勢いよく見る。

 

「あ...あの、すみません...」

 

「良いじゃん、アーガマ。全部話しちゃえば?」

 

――アーガマ?春雨姉さんじゃないの?

 

「五月雨...と名乗る者。まぁ、五月雨で良いや。この娘、春雨じゃなくてネェル・アーガマっていう宇宙世紀だっけ?その時に造られた強襲揚陸艦なんだってさ。合ってるよね?」

 

「合ってますよ...説明した方が良いですか?」

 

「まぁ、まずは...なんでさっき大声を出したのか、聞こうではないか!」

 

ビシッとアーガマを指差す。

赤い蝶ネクタイをした名探偵の様に。

 

「はい。えっと、さっきのは...五月雨さんが“ホワイトベース級”って言いましたよね?実は...」

 

アーガマはホワイトベースについて説明を始めた。

 

ホワイトベース。ペガサス級強襲揚陸艦の2番艦。一年戦争の激戦を潜り抜けてきた英雄とも呼べる艦。外見は白を基調としたカラーリング、まるで天馬(ペガサス)を彷彿とさせる艦だった。艦自体の戦闘能力はあの時代、かなり高いものだった。それに、艦載機も。

全てのガンダムタイプの元となったMS、『RX-78-2 ガンダム』を搭載していた。

『V作戦』の中で生まれたMSと艦。

それに、ネェル・アーガマはホワイトベースの意匠を受け継いでいる。

その為、武装がホワイトベースと似ている。

 

「と、これが先程驚いた理由です」

 

――う~...よく分からない...

 

「うん、まぁ...全然分かんなかった。え~っと、とにかく、アーガマはホワイトベースっいう艦の派生みたいなもの...で良いの?」

 

「そうなりますね」

 

「武装は似てるって言ったよね?じゃあ、この...サラブレッドだっけ?これに積まれてる艦載機ってどんなやつなの?」

 

「私でも流石にそこまでは...実際に出さなきゃ分かりませんよ?」

 

――艦載機?私に艦載機があるの!?

 

「あ、あの...!艦載機って...!」

 

「飛行機じゃないけど...MSっていう人型のロボットが飛ばせます。戦闘能力は個々に違いますけどね...」

 

「よっし、じゃあ...サラブレッドという名の五月雨改二!演習場へ行くよ~」

 

「は...はい...っ!」

 

「五月雨さんで良いんですね...司令官...」

 

呆れたような顔をするアーガマ。

それもそうだ。五月雨と名乗る者とか、だれ?など言っていたのだから。

それをあっさりと認めるなど、順応性が高いなどの話ではない。

 

――――――――――――――

~演習場~

 

「よーっし、じゃあやってみよう!」

 

五月雨とアーガマは海上に仲良く二人で浮かんでいる。

提督はというと、演習場のベンチに座ってメガホンで呼び掛けている。

 

「な、何をですか?」

 

「艦載機~!出してみなよ~!」

 

――えぇ...どうやって...

 

「頭の中で念じてみて?こう...MS、出撃準備って」

 

するとアーガマの手にクロスボウが出現する。

それを空に向けて、引き金を引く。

すると、矢が形を変え、人型のロボットへなっていった。

 

「あれはRGZ-95リゼルって言うんだ。地球連邦の新型量産MSで...飛行型MAに変形可能!」

 

その声に合わせる様にリゼルが変形し、飛行機に似た形へと変わる。

 

「すごい...!」

 

「やってみてごらん?今教えた通りに...」

 

――えっと、確か...MS、出撃準備...!

 

そう念じると、手にビームライフルが握られる。

 

「あれ...?クロスボウじゃ...ない?」

 

「え...?」

 

間違いなく、手に握られているのはビームライフルだ。

だが、それが攻撃用では無いことがすぐに分かった。

アーガマがライフル側面を覗くと、そこには、『RX-78-7』と文字が刻まれていた。

 

「ガンダムの型式番号...ガンダム7号機...?」

 

ガンダム7号機。U.C.0081。一年戦争終結から2年後、終戦協定を認めないジオン残党軍が各地でゲリラ戦をしていた。そこで地球連邦がジオン残党軍の殲滅部隊として設立した、『ファントム・スイープ隊』その隊の隊長である、ユーグ・クーロが宇宙へ上がった時に使用したガンダムだった。その前に、オーガスタ基地でテストパイロットとして搭乗していたシェリー・アリスンがジオンのスパイだと分かると、連邦政府はガンダム7号機の機動補正プログラムにロックを掛けた。

だが、そんな不完全な状態で出撃し、無事に帰還したユーグ・クーロは本物の英雄とされた。

 

「取り敢えず、撃ってみて!」

 

「う...はいっ!」

 

五月雨がビームライフルの引き金を引く。

すると、通常のライフルの様にビームが放出された。

だが、そのビームが次第に大きくなっていく。

そしてある程度上昇を続けると、ビームが爆ぜた。

 

ビームが爆ぜた場所には、V字のアンテナを冠し、地球連邦の印である十字のシールドと、ビームサーベルを携えたガンダムがそこにいた。

 

『ユーグ・クーロ、ガンダム7号機、索敵を開始する』

 

「え...頭の中で声が...?」

 

「通信みたいなものです。答えてあげて?」

 

――えっと...了解しました。そのまま...索敵を続けて下さい...?

 

『了解した。敵を見つけ次第、戦闘を開始する』

 

――視点変更――

◇ネェル・アーガマ

 

「あれ...?」

 

先程見本として出撃させていたリゼルからの通信が途絶えた。

通信の不調かと思い、何度も呼び掛けたが反応がない。

五月雨、もといサラブレッドは横で空を見上げている。きっとガンダムに見とれているのだろう。

アーガマはディスプレイを表示し、通信コンソールを開いた。

そこには、『SIGNAL LOST』の文字が浮かんでいた。

 

――通信可能圏外に出た...?でも...そんな指示は...

 

すると、サラブレッドが叫ぶ。

 

「鎮守府近海に敵艦隊を確認!...空母もいるそうです!提督!」

 

「うぇ!?あぁ...はい。アーガマとサラブレッドの二人は迎撃に向かって!夕立は...きっと寝てるだろうから起こさなくて良いかな。二人でどうにかできる?」

 

「宇宙世紀の艦ですよ?ご期待に応えます!」

 

「提督、私...頑張っちゃいますから!」

 

「あ...五月雨だ」

 

二人は演習場を抜け、鎮守府正面に向かった。

そこでアーガマは自分と因縁のある敵と出会うことになる...。




深夜テンションで進み続けて書いた結果がこれである。

五月雨に自分の正体をバラし、ガンダム7号機を出撃させ、アーガマは因縁のある敵と出会う。
さて、何なんでしょうね。因縁のある敵って。

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隻腕の空母

この作品を最初から読んでくださっている方にはわかると思います。はい。

今回からまたアーガマ視点に戻っていきます。
相変わらず文才はないですが。よろしくお願いします。

今回で第一章ラストになります。はい。

では、どうぞ。

五月雨の出番はありません。


アーガマが鎮守府正面の砂浜に向かうと、自分に因縁のある敵を見つける。

片腕のない空母。いつぞやの戦闘で対峙した敵だった。

その空母だが、今回は赤いオーラをまとっている。

 

前回とは全く雰囲気が違う。

それはこちらも同じである。

 

「...今回こそ、必ず...!」

 

そう言ってアーガマは海へ身を投げ出す。

足で海面を踏み、体を浮かせる。

そしてアーガマは武装を展開する。

展開した武装は火力重視の重装備。

肩に設置された2連装メガ粒子砲。両手にはクロスボウ、そして、機関部に接続されている巨大な砲。ハイパーメガ粒子砲だ。

 

それらを一通り確認し、前を向く。

そして大きく深呼吸し、目を見開く。

見開かれた目は、まるで...獲物を狩る獣のようだった。

 

「強襲揚陸艦、ネェル・アーガマ...出撃しますっ!」

 

そう言って海面を滑るように移動する。

アーガマの駆逐対象に一番最初に入ったのが、空母を守るように配置された駆逐艦だ。数は2隻。

こちらに気付き砲を向けてくるが、もう遅い。

肩の2連装メガ粒子砲を駆逐艦に向けて、撃つ。

駆逐艦は跡形も無く蒸発し、そのビームに掠った軽巡洋艦の内1隻が爆発する。

その事態に気づいたもう1隻の軽巡洋艦が辺りを見渡し、敵を探すが...いない。

と、次の瞬間、背後で声がした。

 

――だから...遅いんだよ...。と...

 

一瞬の出来事だった。

軽巡洋艦の腹部をビームが貫き、上半身と下半身を分ける。

青黒い体液が辺りに飛び散った。その体液は勿論アーガマにもかかる。

だが、体液も気にせず再び戦闘態勢に入る。

 

「...貴女で...最後ッ!」

 

アーガマは空母を睨み、近づこうとした。

だが、上空から落とされた爆弾によってそれを妨げられる。

 

「え...!?」

 

空を見ると幾つもの黒い点が自身の上空を旋回していた。

だが、それも予想内の事だった。

両手に握られているクロスボウを空をへ向け、引き金を引く。

用の無くなったクロスボウを後ろへ放り投げ、新たに1つ、クロスボウを握る。

 

それも、空へ向けて放つ。

放たれた3本の矢は形を変え、人型に変わっていった。

1つは多くの火砲を備えた純白の一角獣、もう1つは黒き獅子。そして最後に、巨大な羽根を4枚備え、赤いモノアイを光らせるMS。クシャトリヤだ。

 

クシャトリヤには、長距離攻撃用兵器、ファンネルが搭載されている。

ファンネルはニュータイプ、強化人間にしか扱えない武器で、搭乗者の感応波を感知し、目標を攻撃するという、白兵戦ではかなり優位に立てる武器だった。

だがそれも、サイコミュ・ジャックの前には無力だった。

そのサイコミュ・ジャックをユニコーンガンダムが最初にNT-Dを発動したときに行った。

クシャトリヤのファンネルをジャックし、ファンネルで攻撃したのだ。

それ以降も、ユニコーンはサイコミュ・ジャックと思われる機能を使ってきた。

 

最終的に、ユニコーンはジャックせずに、自身のシールドをファンネルとして使用していた。

ユニコーンの使うシールド・ファンネルは今までにない連射性能を誇るファンネルだった。

 

その、サイコミュを搭載したMSが3機、空を舞っている。

 

――各MSはあの艦載機を破壊して下さい!空母は私が仕留めます!

 

―――――――――――

◇バナージ・リンクス、リディ・マーセナス、マリーダ・クルス

 

「艦載機を墜とせば良いのか...簡単だな!なら俺が先行して敵を叩く!ユニコーンと四枚羽根は援護しろ!」

 

「...!リディさん、危険だ!俺も行きます!」

 

「もしお前が墜とされたらどうする!?オードリーは誰が守るんだ!」

 

「それは...」

 

「お前しかいないだろ!俺には...無理なんだから...」

 

そう言い残し、バンシィ・ノルンが艦載機群に向かっていった。

 

「マリーダさん...」

 

「分かっている...。バンシィの援護をすれば良いんだろう...?行けッ、ファンネル!」

 

クシャトリヤが羽根を広げると、内側から小型のビットが射出される。

ファンネルもバンシィ・ノルンと一緒に艦載機群に向かっていく。

 

「俺はアーガマの援護に向かいます。マリーダさんはリディさんを頼みます」

 

「分かった。マリーダ・クルス、任務を遂行する!」

 

ユニコーンが空母の方を向き、アイカバーの内側にあるデュアルアイセンサーを緑色に光らせる。

 

「ネェル・アーガマ!ユニコーンで援護します!」

 

『え...!?』

 

アーガマの驚く声をそっちのけで空母に接近し、ビームマグナムを撃ち込む。

だが、ビームが当たる直前で弾かれる。

 

「なんだ...これ...!」

 

原因はあの赤いオーラだ。

ビームを弾き、無効化する能力を備えている。

 

「ビームがダメなら...これで!」

 

脚部のミサイルとバズーカに付けられているミサイルを一斉に撃ち出すと、空母に向かって進んでいく。

爆発したが、空母への損傷はあまり見られなかった。赤いオーラで防御力が格段に上がっているのだ。

 

「くっ...!」

 

ミサイルの発射管を切り離し、続いて大型ブースターも切り離す。

そしてブースターがある程度進むとビームマグナムを撃つ。

ブースターにビームが直撃し、巨大な爆炎を発生させる。

 

「ァ...ガァ...!」

 

爆炎の中から不気味な声がする。

そして爆炎が晴れると、空母の頭部にある大きな口から艦載機が出て、ユニコーンに向かっていった。

それら全てには爆弾が付いている。

 

「なっ...!?」

 

「バナージッ!」

 

その声が聞こえたと思うと、ユニコーンの前に緑色のMSが割って入る。

 

「マリーダさん!」

 

「バナージ...やはり、お前は...まだ子供だな...」

 

そう言い残し、クシャトリヤが爆発する。

それに巻き込まれた艦載機も次々と爆発していく。

 

黒煙が晴れた場所にクシャトリヤはいなかった。

 

「マリーダさん...俺の...せいで....」

 

「うわあぁぁぁぁっ!!」

 

バナージが叫ぶと、ユニコーンの回りを緑色の光が包む。

そこには、五月雨を助けたときと同じ、緑色に発行したサイコフレームを露出させたユニコーンがいた。

するとユニコーンは、空母にゆっくりと近寄り、手を差しのべる。

次の瞬間、空母が怯え出した。ガタガタと体を震わせながらその場に座り込む。

 

そしてユニコーンが開いていた手を握ると、5機程の艦載機が空母に突っ込んでいった。

爆発が起こり、空母は倒れる。すると、倒れた空母の体が光り始め、姿を変えていった。

 

元々空母が倒れていた場所には、緑色の着物を着た艦娘が倒れていた。

ユニコーンがその艦娘に手をかざすと、艦娘が緑色の光に包まれ、消えた。

 

それと同時に、ユニコーンの装甲もスライドして元に戻り、いつもの一本角の姿に戻って、光の粒子となって消えた。

バンシィ・ノルンも艦載機を撃墜し終わったのか、アーガマの着艦デッキに着地し、粒子となって機関部に吸い込まれた。

 

―――――――――――――

◇ネェル・アーガマ

 

「終わった...のかな?」

 

辺りを見渡す。敵影はなく、潜水艦の反応もない。

それよりも気になるのが、先程の艦娘だった。

光に包まれて消えたが、どこにいったのか。

 

――...気になるなぁ...

 

くるりと、鎮守府の方向へ向きを変えると、頭の中で警報がなる。

 

『高熱源体接近!高熱源体接近!数は1、かなりの速さです!』

 

――...!?

 

瞬間、背中に激痛が走る。

 

「くぁっ...!?」

 

その衝撃は凄まじく、体が前に押し出される。

倒れるが、力を振り絞り両足を海面につけて立つ。

背後を見ると、そこには先程の空母より赤く、赤黒いオーラを放っている戦艦がいた。

 

「.......」

 

その戦艦の口元が少し上に上がり、ニヤリと笑う。

身の危険を感じたアーガマは全力で回避行動をとった。

 

――なに...あれ...!

 

と、回避した先に砲撃を撃ち込まれる。

 

「あっ...ぐぅ...!」

 

ディスプレイを表示し、ゲージを確認する。

 

ALERT――[42%]――ALERT

 

――これは...多分、私の耐久力...あと少ししかない...。

 

チラッと機関部に接続されている砲を見る。

ハイパーメガ粒子砲。

一度使うと艦の全動力を使うため、動けなくなるリスクを孕んでいるが、一撃で倒せるのだから、使うしかない。

 

――ハイパーメガ粒子砲に全エネルギーを供給...発射準備...!

 

一瞬、全身の力が抜ける感覚に襲われる。

膝に力が入らなくなり、海面に足をついてしまう。

それに構わず、ハイパーメガ粒子砲へのエネルギー供給を続ける。

 

『エネルギー充填!いつでも撃てます!』

 

――ハイパーメガ粒子砲...戦艦に照準合わせ...

 

アーガマがふらふらと立ち上がり、足に残っている少しの力を入れる。

そして...

 

「ハイパーメガ粒子砲...撃てぇーっ!」

 

巨大な砲から、極太のビームが放たれる。

そのビームは一直線、あの戦艦に向かっていく。

ビーム照射後、アーガマは海面に倒れる。

最後に戦艦を沈められたか確認すべく、前を向く。

だが、そこには...

かすり傷しか負っていない戦艦が不気味な笑みを浮かべながら立っていた。

 

「そ...そん...な...」

 

と、意識が途切れ途切れになるなか、頭にあの大佐の声が響く。

 

『ネェル・アーガマ...君はそんなものか?それでよくネオ・ジオンに挑めたな。あの時の君はどこへ行った?』

 

――うる...さい...

 

『うるさいか...なら黙るが...。君は、アレを倒すんじゃないのか?』

 

――そう.....だけど........

 

『ならば、自分自身のリミッターを外せ』

 

――リミ....ッター....?

 

『リミッターを外せば...常軌を逸した力が手に入る。それとも、このまま...アレに殺される未来を待つか?』

 

――........

 

『使うか使わないかは...君次第だ』

 

――........

 

『さらばだ』

 

と、意識が現実に引き戻される。

そして、呼吸がうまくできていないことに気づいた。

うっすらと目を開けると、あの戦艦が自分の首を絞めている。

 

――あぁ...死んじゃうんだ...こんなところで...

 

(自分自身のリミッターを外せ)

 

――リミッター......

 

「アーガマ.....テキ.....!」

 

戦艦がボソボソと喋る。

洗脳された五月雨と同じ台詞を。

 

――あの時は...司令官の大切な艦娘だから傷つけられなかった...だけど...今は...この化け物に大切な人なんていない...だから...

 

――殺しちゃっても...イイんダ...!

 

――リミッター解除――

 

頭の中に謎の声が響く。

今まで、聞いたことのない声。

 

『ソイツヲ...コロシテシマエ...!』

 

アーガマの目が紅くなる。

それと同時に、力が戻ってくる。

垂れていた腕を持ち上げ、戦艦の腕を掴み、へし折る。

 

「....!?」

 

「アハハ...ッ♪」

 

そして逆に、戦艦の首を絞める。

ぎちぎちと手に力を入れ、もう一方の手で、戦艦の腕を引きちぎる。

戦艦は悲痛な表情を浮かべていた。

 

「死ンジャイナヨォ...♪」

 

対するアーガマは喜びの表情を浮かべ、戦艦の腹部を手で貫いた。

そして、首を絞めている手にありったけの力を入れ、首を断ち切る。

戦艦がアーガマの手から落ち、海に落ちる。

その体は沈むことなく、浮かび続けていた。

 

「浮カンデルッテコトハ...生キテル...?」

 

――ダメダヨ...殺サナキャ...♪

 

もう動かない戦艦を必死に殴り続け、元の形も分からないほどに殴り続けたとき...

アーガマの体は糸が切れた人形の様に、その場に倒れた。

 

『悪魔に魂を売ったか...だが、こうなろうとは...』

 

最後に聞こえた声は、驚きまじりの声だった...。




残酷な描写のタグが可能性を示していなかったので、今回、示しました。

深夜テンションまっしぐらで書いた結果これです。

リミッター云々は、五月雨が洗脳された回で、アーガマの中に入ってきた残留思念です。
それを赤い大佐が指摘して、アーガマが残留思念を表に出した。みたいな感じです。
そして、長くなってしまった...。

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第二章 紅い艦隊
思念との対話


別に純粋種のイノベイターがELSと話すわけではないです。

特に話すことも無いので、本編へ。

どうぞ~


アーガマは黒い空間にいた。

どこかも分からない暗黒の空間。

 

全方位を黒で囲まれた、密室のようで、広い空間。

 

――どこ...ここ...?

 

「貴女ノ...負ノ感情...ソノ中ダヨ」

 

――だれ...!?

 

「ダレッテ...貴女自身ダヨ?」

 

――私...自身...?

 

「正確ニ言エバ...五月雨チャンヲ助ケタ時ニ...貴女ノ中ニ侵入シタ残留思念カナ?」

 

――あの時の...!

 

五月雨が洗脳された際、深紅のMAにメガ粒子砲を破壊されたときに聞こえた、無数の声。

目の前にいる黒い霧が、その正体だと言う。アーガマの負の感情らしい。

 

――でも...負の感情って...

 

「忘レタノ?リミッターヲ外シテミロッテ言ワレテサァ...アノ行為自体ハ問題ナカッタンダケド、貴女ノ場合、私トイウ残留思念ヲ宿シテイル。ソレヲ表ニ出シタンダカラ...コウナルデショ?」

 

――負の感情なんて...出してない!

 

「ハァ...貴女、アノ空母ト戦ッタノ覚エテル?アノ時、カナリノ怒リト憎シミトカ出テサ...元々ハ小サイ深海棲艦ノ魂ダッタ私ニ形ヲクレタノ。貴女トイウ形ヲ」

 

――私が形をあげたって...私の体をあげたのと同じじゃ...!

 

「ソウイウコト」

 

――いやだ...返して!私の体を返して!

 

「ンー...ソウダナァ...。契約シテクレレバ返シテアゲテモイイヨ?」

 

――契約...?

 

「毎回ヤルト体ニ負荷ガ掛カッチャウカラ...」

 

――.....?

 

「戦イニ出タトキ...ピンチニナッタラ私ニ体ヲ貸シテ。コレガ条件」

 

――体を貸すって...?

 

「ダーカーラー!リミッターヲ解除スレバ私ガ出ルカラ!分カッタ?」

 

――う...うん...

 

「返事ガ頼リナイケド良イカナ...ホラ...オ友達ガ呼ンデルヨ?」

 

――へ...?

 

――――――――――――――――――

 

「アーガマ、アーガマッ!」

 

アーガマを必死に呼ぶ艦娘が1人。

それに反応し、アーガマはゆっくり瞼を開ける。

 

「ガラン...シェール...?」

 

緑の着物を着ているため、先程の艦娘を思い出すが、すぐに違うと分かった。

先程の艦娘は髪を結んでいるが、ガランシェールは結んでいない。

 

アーガマは上体を起こし、ガランシェールを見るなり少し距離を取った。

前の一件もあるため、ガランシェールを信用できないのだ。

 

「な...なんで離れるのさ...?」

 

「前、殴られたから...」

 

それを聞いてガランシェールは「いやっ、あれはレウルーラの命令で...やらなきゃアーガマが殺されちゃうと思ったから...!」とペラペラと喋り始めた。

少し落ち着いたと思ったら、「あ...言っちゃった...」と顔を青くしてアーガマを見る。

 

アーガマはふるふると震え、怒りを抑えているように見える。

 

「ガランシェール...」

 

「は...はいっ...!」

 

「お返し...」

 

そう言ってガランシェールの額をコツンと叩く。

ガランシェールはきょとんとした表情でアーガマを見つめる。

 

「え、これだけ...?」

 

「うん...」

 

「アーガマ...なんか性格変わった...?」

 

「...変わってない!」

 

「怒ってる?」

 

「怒っても...ないかもしれない...」

 

「な...なに、それ...」

 

笑いを堪える為に下を向く。

だが、体が震えているようで、

 

「なんで笑ってるの...?」

 

「いや...ふっ...なんでも...ない...ふふっ...」

 

「話は変わるけど、レウルーラと手は?」

 

「組んでない!」

 

「ガランシェール自身、悪事は...?」

 

「考えてない!」

 

「うん...よろしい!それで提案なんだけど...私が所属してる鎮守府に来ない?」

 

「アーガマと一緒に戦えるのなら、どこへでも着いてく!」

 

アーガマはゆっくり立ち上がり、自分の所属する鎮守府がある方向を指差す。

そして海面を滑るように移動し、鎮守府への帰路についた。

 

その頃、アーガマの機関部であるデータの集計が自動で行われていた。

 

[意識侵食率]――23%――




激戦終わりの平和な一場面。

黒いアーガマさんは今回を境にちょくちょく出てきます。
日常風景を描いている描写でも、アーガマの脳内でよく喋ります。
最後に出てきた意識侵食率は、言葉の通りです。
リミッター外す→侵食率増える→使いすぎる→黒いアーガマに意識乗っ取られる→BAD END

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入渠

今回は~...サービス回と言って良いのかな?
分かりませんが。

まぁ、はい。頑張ります。
因みに、私、高校受験がありますので、2/10~2/15まで更新が不定期になります。
そこらへんはご了承下さい。

では、本編へどうぞ。


海面で意識を失っていたアーガマに呼び掛け続けたガランシェールを仲間に引き入れ、所属の鎮守府に帰ったアーガマは、提督にガランシェールの説明をしていた。

 

「えっと...前回、頭部を鈍器で思いっきり、物凄い勢いで殴った張本人、ガランシェールさんです」

 

「う...うぅ...」

 

ガランシェールは縮こまってしまった。

 

「ねぇ、アーガマ...そんなに強く叩いてないんだけど...」

 

「私が気絶するほどの勢いで殴ったんです。ガランシェールは...」

 

「ガランシェールとやら...うちのアーガマになんてことを...」

 

「いや、だから...命令で....」

 

次第に涙目になっていくガランシェールをみて、アーガマの脳内に声が響く。

 

『貴女、ソンナ事言エルンダ?』

 

――いたんですか...?

 

『貴女ガ死ナナイ限リ、存在スルヨ?』

 

――面倒くさいですね...

 

アーガマはリミッターを外して以来、内なる感情をよく表に出すようになった。

そのお陰で接しやすくなった艦娘もいるそうだ。

 

そして、アーガマの一番気がかりなことがあった。

 

――そういえば...あの時の艦娘...どうしたんだろう...よし...!

 

「司令官、新しい艦娘って来てますか...?」

 

「は?新しい艦娘?来てるに決まってんじゃん。妖精さんがダッシュで入ってきて、医務室に来いって言ってさぁ...行ったらあれよ...あのぉ...なんだっけ?そ...そ...そーりゅーだっけ?それが寝てるんだもん。ビックリするよ」

 

――双龍...?総龍?

 

『蒼イニ、龍ッテ字』

 

――蒼龍...。それよりも、なんで知ってるんですか?

 

『深海棲艦ノ情報網ヲナメルナ!』

 

――ただのストーカー行為じゃないんですか?

 

『チガッ...!』

 

――動揺しすぎです。

 

「それで、話は戻るけど...ガランシェールの武装ってアーガマと同じなの?」

 

「あ、私は偽装貨物船だったので...外見を変えることが出来ますよ?武器はあんまり無いけど...」

 

「武器ないの!?じゃあ...その、姿を変えるってどんな感じ?」

 

「こんな感じですね...」

 

ガランシェールが、煙幕弾を足元に投げる。

数秒遅れて煙が発生し、ガランシェールを包んでいく。

煙が晴れ、ガランシェールが立っていた場所にいたのは、アーガマだった。

 

「まぁ、こんな感じですね~」

 

声もアーガマにそっくりで、身長も本人と同じ。

武器は相変わらずの皆無に等しいが。

 

「え...な...私...!?」

 

「オー、ジャパニーズニンジャ!」

 

提督がふざけた英語で反応する。

 

「それ以外にも~...」

 

と、変装のバリエーションを見せるガランシェール。

空母や戦艦、皆のアイドル那珂ちゃ(ry など。

 

「ガランシェールって深海棲艦にも変装出来るんだ!これなら...深海棲艦と和解出来るんじゃ...」

 

――和解って...司令官、さすがにそれは...

 

「まぁ...二人はドックに行って修復してきなよ。疲れもとらなきゃいけないし。後の任務に響くからさ。さぁ、行っておいで~。私は書類共を終わらせるのに疲れたから寝るよ~」

 

と、机に突っ伏そうとした瞬間、ドアが開き、そこからソロモンの悪夢がやって来る。

 

「提督さん!遊びに来たっぽい!」

 

「あ~...悪魔が来た...おやすみ!」

 

「提督さん~、遊んで遊んで~!」

 

「犬か!おすわり!」

 

「ぽい!」

 

「おやすみ!」

 

「させないっぽい!」

 

夕立と提督のコントが開演した。

アーガマとガランシェールはそれに見向きもせず、ドックへ向かった。

 

「提督さん、私は帰ってきたっぽい!」

 

「2号機に乗ってる人のセリフだよ?それ...」

 

――――――――――――――――――――

~ドック~

 

アーガマとガランシェールが一緒の浴槽に浸かっていた。

端からみれば、中の良い少女二人。だが、この少女達が戦場に出るのだ。

見ているだけで心が痛くなる。

 

「ほぁ~...気持ち良いね、アーガマ...」

 

「うん...」

 

くつろぎながら湯船に浸かっているアーガマを、ガランシェールは狙う。

後ろに回り、ゆっくり近づく。そして...

 

「捕まえた!」

 

「ひゃぁっ!?」

 

「お、中々可愛い声出すね、アーガマ!」

 

「ガランシェール...っ、やめ...っ!」

 

ガランシェールがアーガマの脇腹をくすぐる。

衣服を着ていないため、くすぐったさが肌に直接伝わる。

 

「あははっ!やめ...っ!はぁ...あはははっ!」

 

「ほれほれ~♪」

 

「やめてって...!はぁ...はぁ...」

 

「やめてあげました~♪」

 

ぎゅっとガランシェールが抱きついてくる。

 

――私には無いものが当たってるんだけど...まだまだ...これからだよね?...大丈夫だよ...ね?

 

アーガマが自分の胸を見て少し落ち込む。

 

「アーガマ、なに落ち込んでるの~?」

 

「なんでもない...」

 

プイッとそっぽを向く。

その瞬間をガランシェールは見逃さなかった。

再度脇腹に手を這わせ、くすぐりを開始する。

 

「あはははっ!もぅ...やめてぇ...!」

 

「怒らないって約束する?」

 

「するからぁ!くすぐらないで...っ!」

 

「承知した!」

 

キャプテンの言葉を借りて、脇腹から手を抜く。

アーガマの顔は真っ赤に染まっていた。

 

「アーガマの弱点...脇腹が弱い...と」

 

「...!」

 

「データベースに保存完了!」

 

「消して!今すぐ消してぇ!」

 

「消去は不能で~す♪」

 

「じゃ、先に上がるよ~♪」

 

「あ、ちょっと、待って...ガランシェール~!」

 

ドックに愉快そうな声が響いている頃、執務室では......

 

「はぁ...資材どうしよう...」

 

膝に夕立を乗せた状態で提督は頭を抱えていた.......。




今回は息抜き回ということで、自分自身、楽しく書かせていただきました。
戦闘続きだったので、たまにはどうかなぁということで、今回でした。

そろそろ挿絵が欲しい頃です。
自分の画力が道端に生えているコケと同じレベルなので、書いてくれると嬉しいです。

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相部屋

もうこのまま平和な時が続けばいいのに。
このまま百合百合する展開も良いかもしれない(錯乱)

時間は前回の入渠終わった後です。はい。
最近MSイグルーにハマってしまった。一番好きな回はヅダの回です。
「ヅダはゴーストファイターなどではない!」ってセリフが好き。
あれは自爆じゃないんだ。そう。自爆じゃない。オーバーヒート的なやつなんだ。


~執務室~

 

「司令官、蒼龍さんはまだ目を覚まさないんですか?」

 

「ん~...。目は覚めなてないよ、まだね~...」

 

――医務室に見に行ったけど...蒼龍さんは、あの空母から出てきた艦娘だった...不思議なこともあるんだ...

 

『深海棲艦ガ艦娘ニナルネ~...全クモッテ分カラナイ』

 

――貴女にも分からないことあるんですね...

 

『ナニモ、深海棲艦ノ全テヲ知ッテル訳ジャナイシ』

 

――そうですか。

 

「アーガマ~、疲れた~!寝よ~」

 

ガランシェールがアーガマにすりよってくる。

ペットの様な、妹の様な...あんまり良く分からない。

 

「ガランシェール、寝るって言っても...別々の部屋じゃないの?」

 

「あ、それなんだけどさ、アーガマとガランシェールって相部屋でも良くない?」

 

「お、提督、分かってるね!」

 

「でしょ?」

 

ふふん♪と胸をはる提督。

まるで子供の様だ。

 

「ほら、同じ世界から来てるんだから、一緒の方が良いでしょ?」

 

「それが良い!それでいこう!良いでしょ、ね、アーガマ♪」

 

「でも...ガランシェールの寝る場所が...」

 

「アーガマと一緒に!同じベッドで!」

 

――襲われる未来しか見えないけど...

 

「入らないかもしれないし...」

 

「気合いと根性、ジオン魂でなんとかなる!さぁ、行くよ~!」

 

ガシッとアーガマの腕を掴み、ずるずると引きずり、アーガマの自室へ向かう。

 

「し...司令官、助けて下さい...っ!」

 

「明日は出撃の予定は無いからゆっくりしててね~」

 

――スルーされた...!?

 

『信頼サレテルノ?』

 

――た...多分...

 

――――――――――――――――――

~アーガマ自室~

 

アーガマとガランシェールがベッドに腰かけている。

他愛ない話をし、アーガマが睡魔襲われたところで、ベッドに移動したのだ。

アーガマはガランシェールより幼く、就寝時間も普通の子供と近い時間になる。

 

「アーガマ、眠い?寝る?」

 

「ん...だいじょぶ...」

 

ガランシェールデータベース

――[アーガマは眠くなると凄く子供っぽくなる]――

――100%――登録完了――

 

「ほら、寝なきゃ明日起きられないよ?」

 

「んぅ...明日はガランシェールと一緒にいる...」

 

ぎゅっとガランシェールの服の裾を掴む。

ガランシェールの母性本能が刺激される。

 

(なんなの、この可愛い生物は!?)

 

「ん~...明日一緒にいるの?」

 

「うん...」

 

「ほうほう...本人の承諾はとったから明日はずっと一緒にいられる~♪」

 

「......?」

 

「ほら、寝るよ?」

 

コクリとアーガマが頷く。

ガランシェールがアーガマの頭を撫でながらベッドに横になる。

 

「そうだ、アーガマ...お姉ちゃんって呼んでみて~?」

 

「...?ガランシェール...お姉ちゃん...?」

 

「~~~~~っ!」

 

アーガマを思い切り抱き締める。

そして少し匂いを嗅ぎ、頭を撫でてから布団を被る。

 

「さて...明日は何にもないからゆっくりできるね...!それじゃ、おやすみ...♪」

 

「ん...おやすみ...」

 

アーガマとガランシェールはお互いに向き合いながら眠りに落ちていった。




深夜テンションまっしぐら。

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休日

前回の子供っぽくなったアーガマが口走ってた「ガランシェールと一緒にいる」のお話です。
このままほのぼの行きたい。

でも、それじゃ第二章のタイトルがダメになっちゃうんで、ほのぼのもいずれ、終わります。

では、どうぞ。


~アーガマ自室~

 

「んぅ...?」

 

アーガマがゆっくりと目を開けると、窮屈感が体を襲う。

 

――動けない...

 

「アーガマ~...♪」

 

アーガマにガランシェールが抱きついていた。

アーガマが動けないように、がっちりとくっついている。

 

「ガランシェール...どいて...」

 

「ふへ...?」

 

「寝ぼけてないで...はやくどいて...」

 

「ふぇ...あぁ...おはよ...」

 

「どいて...」

 

「嫌だ」

 

「なんで...?」

 

「だって昨日寝る前にガランシェールと一緒にいる~って言ってたじゃん?」

 

「へ?...!~~~~~~~っ!」

 

ぽかぽかとガランシェールを叩く。

体格の差があり、ガランシェールには全く効いていない。

 

「アーガマ、痛くないよ~?ん~?」

 

「う...うるさい...っ!」

 

顔を赤くしながら殴り続ける。

アーガマの部屋にぽすぽすという音が鳴り響く。

 

「それ以上やったら皆に言っちゃうよ~?」

 

「!!」

 

アーガマが殴るのをピタッと止める。

そして最後に軽く殴る。

 

「あ、殴った。言っちゃうよ?」

 

「いや、言わないで!お願いっ!何でもするから!」

 

アーガマの秘技、何でもする作戦。

大抵これを言えば許してくれるのは知っていたが、特殊な人には別の意味で捉えられる。

 

「え、何でもするの?」

 

「うん...」

 

「う~ん...じゃあ...、1日抱き枕?」

 

「ん...分かった...」

 

少し嫌な顔をしながらガランシェールに体を寄せる。

すると、ガランシェールが思い切り抱きついてくる。

 

――う~ん...色々当たってて...はぁ...

 

『貴女ハナイモンネ?彼女ニハアルモノガネ』

 

――消シマスヨ?

 

『何デ片言ニナッタノ?』

 

――分かりませんよ。

 

「アーガマ~♪ふふふ~♪」

 

ガランシェールが頬擦りしてくる。

アーガマは、「こんな平和が続けば良いのに...」と小声で喋った。

 

「何か言った?」

 

「なんでもない...」

 

「ふぅん...?」

 

するっと脇腹にガランシェールの手が侵入する。

脇腹はアーガマの弱点でもある。

侵入した手がゆっくりとくすぐる動作を行う。

 

「ひあっ!?」

 

「くすぐるのはこの前やったから...突っつく?」

 

ガランシェールがアーガマの脇腹をツンとつつく。

まさかこのあと、あんなことになろうとは...ガランシェールは考えていなかった。

 

「ひゃぅ!」

 

「お...くすぐった時より可愛い♪」

 

「はぅ...」

 

「あれ...どうしたの?」

 

「ふぇ?なんでも...ないよ...?」

 

アーガマの反応が変わった。

いつもの厳しいような、冷たいような感じから、甘えん坊になったようだ。

 

「つつくと性格変わるの...?その特性なんなの~...」

 

アーガマの新たな特性を見つけたガランシェールだった...




短くなってしまって申し訳ない。

何で短いかって?Part2があるからです。
今日の内に投稿します。


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休日-2-

本日2話目です。

会話文がメインになると思います。

視点はガランシェールです


アーガマの脇腹をつついてから数時間....

 

「ガランシェール~♪」

 

「立場が逆転しちゃったよ!?」

 

――こっちのアーガマの方が良いかもしれない~...

 

「もう一回つついてみようかな...」

 

軽くアーガマの脇腹をつつく。

 

「ひぁっ!?」

 

「お~い、アーガマ~?」

 

「なに...?」

 

――おぉ、凄い...こっちが表で、あれが裏?

 

「ねぇ、アーガマ、今までのこと覚えてる?」

 

「え?えっと...ガランシェールの1日抱き枕...だっけ?」

 

「それ以外は~?」

 

「覚えてないよ?」

 

――やっぱりか...多重人格みたいな感じなのかな?

 

「ていっ」

 

「ひゃん!?」

 

――反応を見るのも面白いかも...

 

「ん~♪」

 

アーガマが抱きついてくる。

 

――このまま提督の所まで行ってみよ

 

――――――――――――――――――

 

「提督~」

 

「ん、なに?」

 

「アーガマがね...?」

 

「アーガマがどうかした?」

 

「司令官~♪」

 

ガランシェールの後ろから現れて提督に抱きつき、胸に顔を埋める。

 

「おわ、どうしたの、アーガマ?」

 

「なんでもないです~♪」

 

「酔っぱらってる?」

 

「いや、脇腹つついたらこんな風になっちゃって...」

 

「脇腹?」

 

提督もアーガマの脇腹をつついてみる。

「ひゃん!?」と声を上げ、大人しくなる。

パッと提督から離れ、部屋の隅へ行き、体育座りで俯く。

 

「どうした~?」

 

「なんでもないですよ...はい...大丈夫です」

 

「アーガマ...?」

 

「オットー艦長...もう無理です...」

 

「あれ...これ大丈夫?」

 

「艦長の名前呟いて...うん、危ない気がする」

 

と、アーガマに近寄ろうとした瞬間に、警報がなる。

3人は黙り、放送に耳を傾ける。

 

『鎮守府沖に深海棲艦が出現!出撃可能な艦娘は至急迎撃に向かってください!』

 

「アーガマ、聞いたね?」

 

「はい...!」

 

「提督、私も行くよ!」

 

「ガランシェール...でも武器は...?」

 

「この子達がいるから大丈夫!」

 

そう言って右手を開くと、緑色の紙が2枚現れ、それがジオンのMS、『ギラ・ズール』へ変化する。

 

「これで何とかなるの?」

 

「スキウレとビーム・ガトリングガンがあるから大丈夫でしょ!」

 

「心もとないけど...まぁ、アーガマもついてるし大丈夫かな。よし!じゃあ、出撃ドックから出撃してね!」

 

「了解(りょーかい)!」

 

――――――――――――――――――

 

~出撃ドック~

 

「ねぇ、ガランシェール...」

 

「ん~?」

 

「.......やっぱり何でもない」

 

「え~!気になる!」

 

「鎮守府沖の敵を倒したら教えて上げる!」

 

「今教えて~!!」

 

「いや!さて、強襲揚陸艦ネェル・アーガマ、出撃します!」

 

「待って~!ガランシェール、出るよ!」

 

二人は鎮守府沖に向かった。

沖に向かう途中、鎮守府では新たな放送が入っていた。

 

『敵の深海棲艦は全て深紅のオーラを纏っています!迎撃に向かった艦娘は十分に注意してください!』

 

アーガマとガランシェールは現場について、驚愕することとなる....。




ついにほのぼのも終わってしまった。あーあ。

次回から戦闘回です。よろしくお願いします。(SCP-040-JP風)

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アニメの見すぎで大変。
最近カオスチャイルドにハマりました。

あのカオスさがまたいい。うん。

では、本編へどうぞ。


アーガマとガランシェールが出撃して数分後...

 

「索敵機が敵を発見...!数は...5!」

 

「5?多い...方なのかな?」

 

「多いけど...大したことなさそう!」

 

「どうして~?」

 

「駆逐艦が3、軽巡洋艦が2だから...!」

 

「ふぅん...」

 

「敵を目視出来るまで移動した後、戦闘開始!」

 

「りょーかい!」

 

2人は速度を上げ、単縦陣で進んでいった。

すると、次第に雲行きが怪しくなっていく。

そしてアーガマの額にぽつんと水滴が降ってくる。

 

「...雨?」

 

「宇宙とかじゃ雨なんて無かったしね~...どうなんだろう...?」

 

と、ザァザァと音を立て雨が降り始める。

それと同時に波も高くなり、バランスが崩れる。

 

「うわっ...!?」

 

グラリとアーガマの体が揺れる。

それをガランシェールが受け止める。

 

「大丈夫?」

 

「うん...」

 

すると、レーダーが反応する。

急ぎ前を向くと、紅いオーラを放った異形がいた。

その異形の中心に、宿敵が堂々と鎮座していた。

 

「レウルーラ...!」

 

「久し...ぶり...か?ガランシェールも...」

 

「........」

 

憎しみのこもった目でレウルーラを見る。

だが、レウルーラはなんの反応も返さず、空を見上げる。

 

「戦いに来た...と言えば良いのか...?」

 

「1対1で...?」

 

「そのつもりだ...」

 

そう言って手を上げる。すると、深海棲艦がレウルーラの横にずれる。

 

「ガランシェール...デルタプラスを貸すから...ソイツらの撃破をお願い...それと、出来るだけ離れたところで...」

 

ガランシェールにクロスボウを投げ渡す。

 

「分かったよ...」

 

そしてガランシェールが矢を放つ。

放たれた矢はMSへ変化していき、ガランシェールの肩に降りる。

 

赤いデュアルアイセンサー、灰色を基調にしたカラーリングの機体、『デルタプラス』

Z計画の名残が残っており、Zガンダムと武装が似ている。それと同じように、Zガンダムと同じ動作も可能である。ウェイブライダーに変形可能、大気圏中の飛行も可能。

これは全て、Zガンダムの行ったことである。実際に、リディ・マーセナスはこれをやってみせた。

 

ガランシェールが離れたのを確認すると、レウルーラに視線を戻す。

 

「何の会話もいらないよね?」

 

「あぁ...そうだな...」

 

――いける?

 

『イツデモ大丈夫ダヨ。デモ、ピンチジャナクナイ?』

 

――レウルーラは他の相手とは全然違うから...

 

『分カッタ。オ好キニドウゾ~』

 

――じゃあ...リミッター...解除。

 

瞬間、アーガマの雰囲気がガラリと変わる。

目は赤く光り、先程の深海棲艦と同じ、赤いオーラを放っている。

手に握っていた2連装メガ粒子砲を捨て、肩に代わりの粒子砲を出現させる。

 

「コッチノ方ガヤリヤスイナァ~...」

 

「...お前は...誰だ?」

 

「誰ッテ...アーガマダケド?」

 

「嘘をつけ...分かっている。貴様はアーガマでは...ない」

 

「名乗ルホドノ者デモナイヨッ!」

 

アーガマが急速に近付く。

そのまま蹴りを入れようとしたが、レウルーラはそれを先読みし、受け止めた。

お返しと言わんばかりに盛大な膝蹴りをアーガマにお見舞いする。

 

「ガァッ...!」

 

数m吹き飛ばされる。

 

「クソ...ヤッテクレタネェ...?」

 

「弱い...弱すぎるぞ...アーガマ」

 

「コノママデ...勝テルカナァ...?」

 

「何だと...?」

 

「アーガマニハ悪イケド...使ワセテモラオウ...」

 

「...第2リミッター....カイジョ」

 

――第2リミッターの解除を確認...。フェイズ2へ移行します...――

 

「グ...ぁ...がァ...!」

 

――使イコナセル...カナ...?

 

アーガマが苦しみ始める。

海上に膝を付き、動きを止める。

 

「ふふ...殺してくれといわんばかりだな...アーガマ」

 

レウルーラがアーガマにゆっくりと歩み寄る。

アーガマの機関部から伸びている手に気づかずに....




やってしまった....。
この後の展開が目に浮かぶ...。

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システムダウン

ヘンメ砲術長...かっこよすぎです。
「大砲屋の幕引きを見せてやる!」でしたっけ。ヨルムンガンド。

Gジェネじゃ量産出来ちゃうんだなぁ。
核融合プラズマビーム砲を一発撃つごとに、ザクを3機作れるんですよ。
3機!一発につき3機のザクが!ジオン...ヨルムンガンドなんざ作らずにザク作りましょうぜ。高機動型ザクll作りましょうよ。そっちのほうが戦力の増強にしては良いでしょう。

アーガマのハイパーメガ粒子砲を核融合プラズマビーム砲に差し替えたい。
番外編でやってみよう。

では、本編へどうぞ。


レウルーラがゆっくりと近づく。

と、次の瞬間、レウルーラの歩みが止まる。

 

「......」

 

レウルーラの足を白い手が掴んでいる。

アーガマが怪しく笑う。

 

「ア...ハハッ♪」

 

ブンとレウルーラを上に投げる。

レウルーラが宙を舞い、地球の重力に引かれ落下していく。

その落下点と思われる所にアーガマが立っている。

 

「アーガマめ...何をした...!」

 

「死ンジャエ...♪」

 

レウルーラの脇腹に強烈な右ストレートを放つ。

海上に接することなく数m吹き飛ぶ。

 

「クッ...アーガマごときが!」

 

「ウルサイヨ」

 

一瞬でレウルーラの後方に移動し、レウルーラの後頭部を殴る。

首を抑え、力を込めていく。

ミシミシとレウルーラの首が音を立てる。

 

「ガ...ハッ...!」

 

レウルーラは朦朧とする意識の中で、ネオ・ジオングの出撃を指令する。

すると、深紅の機体が出現する。背中のサブアームが稼働し、アーガマを掴んで持ち上げる。

 

「ハナセ...ッ!邪魔スルナァ...!」

 

じたばたと暴れ、拘束から逃れようとする。

だが、想像以上に拘束が強く、抜け出すことが出来ない。

 

「アーガマ...ゲホッ!...突っ込みすぎたな...」

 

「コ...シテ...ル...!」

 

「なに?」

 

「コロシテヤル...!」

 

アーガマが背中に背負っている機関部から白い手が出現する。

その手がレウルーラ首目掛けて伸びる。

レウルーラの首に到達すると絞めるように首を掴む。

 

「首...オイテケ...ッ!」

 

「ガッ...ハ...ァ...!?」

 

――警告、警告。侵食率急上昇。行動の停止をお勧めします。

 

――ウルサイッ!

 

――反発を確認、システムダウン開始。

 

「コロシ...ッ!!」

 

ガクンとアーガマが項垂れる。

レウルーラの首を掴んでいた手も同時に光となって消え去る。

 

「この...連邦の括りから外れた艦め!」

 

レウルーラがアーガマを殴り飛ばす。

アーガマは海面に伏し、ピクリとも動かない。

 

――ウィルスの消去を開始。

 

――消去不能。侵食率、変わりません。

 

――ただいまの侵食率は42%です。

 

――..................

 

――――――――――――――――――

 

「アーガマッ!」

 

ガランシェールが叫ぶ。

だが、反応はない。

 

「まさか...嘘でしょ....?」

 

デルタプラスが肩に乗る。先程まで協力して深海棲艦を倒していた。

最後の策敵を終わらせ、デルタプラスが帰還したのだ。

それを確認し、アーガマの元へ向かう。

 

「ねぇ、アーガマ、アーガマ!」

 

「................」

 

アーガマは目を閉じて、一切動いていない。

ガランシェールは不安を一気に募らせた。

 

「ガランシェール...貴様は相手にならない...失せろ」

 

「うるさい...!アーガマに何をしたの!」

 

「私はソイツに殺されかけたんだ。ネオ・ジオングを出撃させて拘束したらそうなったんだ」

 

「嘘を言わないで...!」

 

「嘘じゃないさ。私は嘘を言わない」

 

「...........」

 

「そして今に至る。話は変わるが、私と戦うのか?」

 

「戦うよ...勝って鎮守府に帰るんだ....!」

 

「そうか、かかってくるといい。さぁ....!」

 

「倒してあげる、レウルーラ!」

 

ガランシェールがレウルーラに立ち向かう。

非力だと分かっていても、勝てないと分かっていても、やってみなければ分からない。

親友を守るために、帰るべき場所に帰る為に、戦う。

ガランシェールはギラ・ズールを2機肩に乗せ、スキウレを装備させる。

 

それと一緒にガランシェールは覚悟を決める.......。




あー、深夜テンション恐ロシア。
最近夕立と五月雨と蒼龍(まだ目覚めない)がモブ化してきてしまった。
そこで、三人は番外編に回そうかと思います。アーガマの出撃中、夕立、五月雨、蒼龍がなにをしていたか。っていうのを書きたいと思ってます。

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第三章 絶望の中にある希望
覚悟


キンハーHD2.5と2.8をやってて更新が遅れてしまった。

テラは悲しいしアクアは可愛いし、ヴェンは...うん。BBSは良かった。

さて、では...本編へ。


「狙って...!」

 

肩のギラ・ズールに指示を出し、スキウレの砲口をレウルーラに向ける。

レウルーラは動かず、不敵な笑みを浮かべている。

 

「撃て!」

 

号令と共にビームが発射される。

その光線は一直線にレウルーラへ向かっていく。

依然としてレウルーラは動かない。

 

「甘い...」

 

レウルーラの目の前に深紅の機体が出現する。

その機体のI・フィールドによってビームが掻き消される。

 

「え...嘘...!」

 

「偽装貨物船になにができる...!」

 

レウルーラがメガ粒子砲をガランシェールに向かって撃つ。

なんの武装も積んでいないガランシェールは直にビームを受けてしまう。

ガランシェールの全身が痛みに襲われる。

機関部が黒煙を吐き、所々に炎が見える。

 

「嫌だ!まだ...まだ...!」

 

「墜ちろ...!」

 

ネオ・ジオングを操作して、ガランシェールの肩に乗っているギラ・ズールをファンネル・ビットで破壊する。

これでガランシェールに攻撃手段はない。

あとは格闘戦に持ち込むしかない。

だが、自分よりも戦闘能力が上のレウルーラには通用しない。

 

――それなら....

 

「レウルーラ...少し待ってて...」

 

「...?早くしろ...」

 

そう言ってガランシェールがアーガマの元へ向かう。

そしてアーガマの耳元で小声で呟く。

 

「アーガマ...貴女に会えて良かったよ...。短い間だったけど楽しかった...本当に...楽しかったよ...。ジオンの艦なのに優しくしてくれてありがとう...。じゃあね...アーガマ」

 

スッと立ち上がりレウルーラを見据える。

 

「覚悟は出来たか...?」

 

「とっくに出来てる...!」

 

「行くよ...レウルーラ!」

 

―自爆シークエンス開始...爆発まで約180秒―

 

グッと足に力を入れる。全速力でレウルーラに近づき正拳突きを放つ。

だが、レウルーラはそれを受け止める。

 

「弱い...弱すぎる...!」

 

――流石に力の差がありすぎる...!

 

―爆発まで約100秒―

 

自分の最期を伝える音声を聞きつつ、次の一手を考え、行動に移す。

膝蹴りをレウルーラに放つ。

見事レウルーラの脇腹に命中し、姿勢が崩れる。

ガランシェールはその隙を見逃さず、左手をレウルーラの腹部に打ち込む。

 

「ガハッ!」

 

レウルーラが口から血を吐く。

 

――良かった...ダメージは入ってる...!

 

―爆発まで60秒―

 

――後...1分!

 

――――――――――――――――――

 

アーガマがゆっくりと目を開ける。

近くで何かの音が聞こえる。

 

――ガランシェール....?なにを...

 

アーガマが音の方向を向くと、レウルーラと組み合っている。

ガランシェールを見ると、どこか急いでいる雰囲気を感じる。

 

「ガラン.....シェール........!」

 

「アーガマ!?目が覚めたの!?」

 

「う...うん。なんでそんなに...急いで...」

 

「早く逃げて!ここから離れて!」

 

「な...なんで!私も戦う!」

 

「大丈夫!私が何とかするから...逃げて、アーガマ!」

 

「で...でも...」

 

「逃げろ!早く!」

 

アーガマがビクッと体を震わせる。

ガランシェールに怒鳴られたのが初めてだったため、今まで聞いたことのないガランシェールの声を聞いたのだ。

アーガマがコクンと頷く。

その場を後にするとき、静かな声が聞こえた気がした。

 

「またね、アーガマ...いや...バイバイかな?」

 

その声を聞き、アーガマは後ろを振り返る。

次の瞬間、ガランシェールを中心に爆発が起きた。

 

「え....?ガランシェール...?」

 

煙が晴れるまでその場を凝視していた。

晴れた後にそこから現れた者はガランシェールではなかった。

赤い服をまとい、金髪をなびかせているレウルーラだった。

 

「ふん...自爆など...!」

 

「あ...ガラン...シェール.....」

 

「アーガマ...戦う気力は無いか...。私も今のでダメージを負った。ここまでにしよう...」

 

そう言い残し、レウルーラは何処かへ去っていく。

アーガマはガランシェールのいた場所を見て涙を流す。

 

「ガランシェール...なんで....なんでぇ!」

 

「うわあぁぁぁ!!」

 

―――――――――――――――――――




これ書いてて心が痛くなるのは何故だろう。

ガランシェールぅ...おぉい...

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心の傷

~鎮守府正面海岸~

 

鎮守府の砂浜に1人の少女が座っている。

その砂浜には波の音だけが響いていた。

その波の音は、どこか悲しそうだった。

 

「...........」

 

砂浜に座っている少女は、静かに海を眺めていた。

海を眺めている目は、生気を失っていた。

 

「ガラン....シェール.......」

 

少女、アーガマは彼女の名前をずっと呟いていた。

もう、二度と帰ってこない彼女の名前を。

 

「アーガマさん!」

 

五月雨がアーガマに駆け寄ってくる。

 

「......?」

 

五月雨は今のアーガマを見て、驚きを隠せなかった。

アーガマの目を見た瞬間、一歩下がってしまう。

 

「え...あ....アーガマ...さん?」

 

「............」

 

コクンと頷く。

その後すぐに目を逸らし、海を見る。

 

「アーガマさん...一度来てください!」

 

五月雨はアーガマの腕を掴んで鎮守府に向かって走り出す。

途中、何度か転んでしまったが、アーガマは笑わなかった。

いつもだったら、苦笑いはしていただろうが、今は表情1つ変えなかった。

 

――――――――――――――――――――

~執務室~

 

「え、あ...アーガマ...で良いんだよね?」

 

「.........」

 

アーガマはソファに腰掛けずっと俯いている。

 

「アーガマさん...砂浜で見つけた時からずっとあの調子で...」

 

「アーガマ、どうしたの?鎮守府の沖でなにがあったの?」

 

その言葉を聞いた途端、アーガマが震え始めた。

 

「あ....あぁ....!」

 

「アーガマ!?アーガマ!落ち着いて...ね?落ち着いて...」

 

「あ...ぁ....しれ.....い.........かん......?」

 

と、扉が開く。

 

「提督、どうしたんですか~?」

 

扉を開けたのは緑色の着物を着た艦娘、蒼龍だった。

ずっと病室で寝ていたが、アーガマの出撃中に目を覚ましたのだ。

 

「あ、蒼龍!良い所に!」

 

「そ......う.....りゅう......さん...?」

 

「あ、そちらが噂のアーガマさん?」

 

「ちょっと色々あったらしくてね...夕立は?」

 

「そろそろ来ると思いますよ?」

 

と、廊下からドタドタとうるさい足音が聞こえてくる。

 

「噂をすれば...かな」

 

「夕立、参上っぽい!」

 

「お帰り~」

 

「春雨、どうしたっぽい?」

 

「夕立姉さん、この娘は春雨姉さんじゃなくて...」

 

「五月雨ぇ!」

 

「はいぃっ!」

 

提督が急に怒鳴る。

そして少し難しい顔をして、目で五月雨に伝える。

 

――もう全部バラしちゃえ。

 

「...!」

 

「夕立姉さん、ちょっとこっちへ...」

 

五月雨が夕立を部屋の隅へ連れていく。

そこでアーガマについて話すのだろう。

当のアーガマというと、

 

「アーガマ、落ち着いた?」

 

「は...い...。多少...は...」

 

「良かった良かった。じゃあ、向こうで何があったか...教えてくれる?」

 

「はい......えっと.......」

 

そういってアーガマは鎮守府海域沖での事を話始めた。



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休息

あー...凶報です。インフルになりました。A型です。
毎年必ずインフルになるんですけど...今年は2月かぁ...辛い。
入試までには治るらしい。そうであってほしい。

さぁて、今回も頑張りますよ。
ではどうぞ。


アーガマが提督に全てを説明し終えた後.......

 

「あなたは春雨じゃ...ないっぽい?」

 

「......はい」

 

「でも...春雨に似てるから春雨でいいっぽい!」

 

「え...?」

 

夕立の口から出た答えは意外なものだった。

似てるから春雨でいい。という予想外の答えだった。

その場にいる一同、夕立の方を見ていた。

 

「夕立...それで良いの?」

 

「それでいいっぽい!」

 

「まぁ、夕立が良いなら良いけど...蒼龍と五月雨は?」

 

「私は夕立姉さんが言ったことに従います」

 

「私は~...アーガマちゃんって呼ばせてもらうよ」

 

「と、呼び方が決まったところで、アーガマが説明したことをまとめてみよう」

 

まず、鎮守府沖に深海棲艦が出現、アーガマとガランシェールが迎撃に向かった。

そこでレウルーラと対峙、戦闘に移行して、アーガマはリミッターを解除、そのままではレウルーラに勝てないと考え、第2リミッターを解除。完全に自我を失っていた。

メインシステムから警告されたにも関わらず戦闘を続行しようとしたため、システムがダウン。アーガマ自身が動けなくなった。

アーガマが動けなかった時の記憶はなく、目を覚ましたらガランシェールとレウルーラが格闘戦をしていた。

そしてガランシェールから、「離れろ」といわれ離れると、ガランシェールが爆発し、煙が晴れた場所にはレウルーラしか残っていなかった。

 

「じゃあ、ガランシェールは沈んだんだ...?」

 

「そう考えるしか...ないです...」

 

「私は会った事ないけど、ガランシェールって娘は...どんな人だったの?」

 

「ガランシェールは...元気で、愉快な人でしたよ。元の世界での彼女の最期は...自爆でした。今回と...同じです」

 

「雷撃処分でもなく...敵に沈められたのでもなく.....自爆...」

 

「すいません...少し1人にしてくれますか...?」

 

アーガマは謝り、執務室を出ていった。

その場に残された艦娘と提督に重い空気が流れる。

 

「ねぇ、蒼龍....」

 

「はい?」

 

「鎮守府がこんな状態で悪いけど...鎮守府近海に出現した深海棲艦の撃滅を頼みたいんだけど...」

 

「分かりました!」

 

「それと...五月雨、夕立」

 

「はい!」

 

「ぽいっ!」

 

「遠征お願いできるかな?資材が底をつきそうで...頼める?」

 

「了解しました!私、頑張ります!」

 

「遠征~遠征~♪」

 

蒼龍、五月雨、夕立の3人は執務室を後にした。

皆がいなくなった執務室で提督は1枚の書類に目を向ける。

送り主が分からない、大本営からの知らせでもない。

封筒にはドイツを彷彿とさせる十字のマークの中心に、黄色い羽根のような形がある。

先ほど封筒から中身を取り出すと、書類にはこう書かれていた。

 

『貴官ノ基地ニ、ジオンノ艦籍ヲ確認。武装及ビ、MSヲ支給ス』

 

『武装詳細:ヨルムンガンド』

 

『MS詳細:MS-06S、EMS-10』

 

『武装、MSハ貴官ノ基地ニ移送済ミデアル』

 

『貴官ノ健闘ヲ祈ル』

 

「ヨルムンガンドとか...なんなの...?聞いたことない...」

 

提督を謎の不安が襲う。

そして提督はその書類を持って、アーガマがいるであろう、自室へ向かった....。




インフル+深夜テンションで書いたらよくわからなくなった。

ヨルムンガンドを出したいと思います。
勿論装備はアーガマです。

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MS-06SとEMS-10

出願が終わりました。
後少し。後少しで受験が始まる。
そうすれば更新も安定します。

では、本編へどうぞ。


「アーガマ、入っていい?」

 

コンコンと扉がノックされる。

アーガマは扉に向かってドアノブに手をかけてドアを開ける。

 

「やっほ~♪って...そんなテンションじゃないか...」

 

「気にしなきくても....良いですよ?」

 

「それじゃあ...」と言って提督は椅子に腰を下ろす。

と、服のポケットから1枚の紙を取り出す。

 

「これは...?」

 

「ん~...艤装の支給を知らせる手紙じゃないかな?差出人が分からなくてさ...。アーガマに聞けば分かるかなぁって!」

 

「これだけで届いたんですか?」

 

「封筒もあるよ?」

 

そう言って提督は封筒も取り出す。

その封筒を見せた瞬間、アーガマの雰囲気が変わった。

 

「ど...どうしたの?」

 

「ジオンの...紋章...。でも...ネオ・ジオンじゃない...これは...ジオン公国の...!司令官、その紙も見せてください!」

 

「え?う...うん」

 

アーガマに書類を渡す。

それを受け取りじっくり眺めた後に、書類を置き、ゆっくりと話し始める。

 

「司令官...このMS-06SとEMS-10...それと...ヨルムンガンドについてですけど...説明したほうがいいですか?」

 

「私にわかる程度で...」

 

「えっと...まずMS-06Sについてですけど...」

 

『MS-06S シャア専用ザク』一年戦争において、紅い彗星と言われたシャア・アズナブルが使用したザクである。武装は通常のザクとかわりないが、機体の性能が飛躍的に上昇していた。

通常のザクの3倍のスピードを出すことができ、その機動性を活かし、ルウム戦役で多数の戦艦を沈めている。

また、格闘能力にも優れ、ガンダムとの戦闘で、キックやパンチなど、接近戦をよくこなしている。

 

「...分かりましたか?」

 

「え~っと...取り敢えず、3倍のスピードが出せて、強いってことでしょ?」

 

「まぁ...そうですけど...」

 

「次に...EMS-10です...。これは、私の分かる程度で...」

 

『EMS-10 ヅダ』こちらは一年戦争の表舞台には立てなかった機体である。

ザクIとの競合機体として製作され、コンペで欠陥が発見されザクIに量産機競合に敗れた。

このヅダは、バックパックに大型スラスターを使っており、そのスラスターはザクとは違い、外部に露出しているため、急な方向転換に役立った。

だが、そこが、このヅダの欠陥だったのだ。

ザクとのコンペで起きた事故...それは空中分解だった。

急な方向転換による機体への負荷が原因で、駆動系から順に砕け、爆散し、テストパイロットも死亡した。

量産化の勝負に敗れた理由はもうひとつあった。

この機体は、1機あたりの生産コストがザクの1.8倍の資材を必要としたのだ。その為、低コスト、高い信頼性を持ったザクが量産化の勝負に勝ったのである。

 

これはあくまでEMS-10の前身、『EMS-04』の説明で、ここからがEMS-10についての説明である。

 

EMS-04の事故を踏まえ、再設計、改良をして作られたのがEMS-10である。

04時の「木星エンジン」から「土星エンジン」に変更し、EMS-04より大きな推進力を確保、白兵戦用のピックをシールドに追加し、EMS-04とは全くの別物として生まれ変わった。

エンジンを変えたヅダの最大推力はRX-78 ガンダムをも上回り、その当時存在していたMSの頂点に立っていた。

だが、悲劇は二度起こった。

第603技術試験隊の支援艦、ヨーツンヘイムに評価の為配備され、機体試験中に3番機が1番機の命令を無視し、エンジンの出力を最大まで引き上げ、暴走を起こして空中分解した。

 

その時、603技術試験隊でヅダの評価をしていたオリヴァー・マイ中尉が行った調査で、EMS-04とEMS-10のエンジン暴走時の数値が酷似していたことが判明、ヨーツンヘイム艦橋で傍受した連邦のプロパガンダ放送で、EMS-10はEMS-04と基本設計が全く変わっていないことや、連邦に対する情報漏洩でヅダの試験運用は中止となった。

 

 

 

『私がどのように嘲られようと、もはや少しも恥辱と思わない。

モビルスーツ『ヅダ』は、もはやゴーストファイターではない。

この重大な戦局で確かに戦っている。この独立戦争に厳然と、存在しているのだよ。』

 

――ジャン・リュック・デュバル少佐(MS IGLOO 軌道上に幻影は疾る より)

 

――――――――――――――――――――――――――

「と...これが、ヅダの詳細です」

 

「泣きそう...」

 

提督は机に突っ伏してボソボソと喋っている。

アーガマはそれを見てくすくすと笑っている。

 

「あ、アーガマ...やっと笑った!」

 

「少し...元気になりました」

 

「ふふふ~、可愛い奴め~」

 

「や、やめて下さい!くすぐったいです!」

 

「キコエナイナー」

 

と、二人で和んでいると、提督の無線に音声が入ってくる。

 

『提督~、聞こえますか?』

 

「ん、蒼龍?聞こえるよ~?」

 

『あのですね~...艦娘を見つけたんですけど...』

 

「うんうん」

 

『自分が誰だか分からないって言ってるんですよ...』

 

「はぁ?」

 

『だ~か~ら~!自分が誰だか分からないって!それに...ボロボロですし...』

 

「分かった。連れて帰ってきて!」

 

『了解しました!って...うわぁ!?な、なに...?』

 

「ん~?どうしたの~?」

 

『アー............ガマ.........』

 

「!」

 

「蒼龍?蒼龍?」

 

『あ~、すいません。無線機取られちゃって...いま連れて戻りますね~』

 

「分かったよ~」

 

そう言い残し、無線機の電源を切る。

提督がアーガマの方を向くと、アーガマは驚いた表情で立っていた。

 

「ど...どしたの?」

 

「あ...いえ、聞き間違いかもしれないんですけど...いや、多分気のせいです...」

 

「何かあった?」

 

「無線機からアーガマって聞こえたんですけど...気のせいですよね?」

 

「私は聞こえなかったよ~」

 

「そうですか...」

 

「それより!ヨルムンガンドについての説明は?」

 

「あ...いましますから...」

 

「ヨルムンガンドと言うのはですね.....」

 

 




デュバル少佐の言葉を入れさせて頂きました。

特に言うこともないので...。

感想と評価、お待ちしてます!


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武装の性能試験

ヨルムンガンドの説明しようかなぁ...どうしようかなぁ...やっぱやろう。

ということで、ヨルムンガンドの性能試験から今回入ります。
最近MSの出番が少ないのでね。クシャトリヤはリペアードとして再登場させます。

では、どうぞ。


試作艦隊決戦砲『ヨルムンガンド』艦隊戦を支援するためにジオン公国が開発した兵器である。

その攻撃力は、当時の艦砲射撃の10倍とも言われていた。

こちらの兵器もヅダと同様、第603技術試験隊の支援艦、ヨーツンヘイムに配備されて評価を受けていた。

その時、人類初の宇宙艦隊決戦となったルウム戦役で第603技術試験隊が本砲を、計3回発射した。

1発目と2発目は前線から観測データが送られてこないことに業を煮やしたアレクサンドロ・ヘンメ砲術長が発砲し、これを外してしまう。

そして、突如とて出現したMS部隊の活躍により、ヨルムンガンドの発射機会が失われてしまう。

その後、中破したマゼラン級戦艦の流れ弾によってヨルムンガンドが破損、搭乗していたヘンメ砲術長も重症を負った。にも関わらず、ヘンメ砲術長は最後の1射を放つ。

放たれたプラズマ砲は見事マゼラン級戦艦に命中。1撃で撃沈せしめた。

破損した状態で撃ったため、ヨルムンガンド自体に負荷がかかり、本体が破壊され、アレクサンドロ・ヘンメ砲術長が帰らぬ人となった。

 

――せめて、大砲屋の時代の、幕引きを、俺に....やらせてくれや...技術屋。

アレクサンドロ・ヘンメ砲術長(MS IGLOO 大蛇はルウムに消えた より)

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「と...これがヨルムンガンドについての説明です...って、司令官...?」

 

「うっ...うぅ...」

 

「どうしたんですか...?」

 

「この兵器と言い...ヅダと言い.....悲しすぎる!」

 

ドンと机を叩く。

 

「いや...でも、実際にあったことですし...」

 

「ていうかアーガマ...敵であるジオンについて詳しいね...?」

 

「いっ...いや!この知識はガランシェールが...!」

 

「ほうほう...まぁ良いや。さて、説明も終わったことだし!早速使ってみよう!」

 

「へ?」

 

「その~...ヨルムンガンドとかヅダとか...あと~ザクとか!」

 

「分かりました...それで...MSとかはどこに....?」

 

「分からない。そう、分からない」

 

「はぁ....探しましょう」

 

提督と司令官は鎮守府内の捜索を始めた。

しかし、鎮守府内のどこを探しても見当たらず、正門にも行ってみたが何もなかった。

 

「どこにあるんですか....?」

 

「分からないよ~...アーガマ~、疲れたから探してきて~...」

 

「もう....分かりました...」

 

と言って、アーガマは執務室を出ていく。

提督だけになった執務室に静寂が流れる。

 

「そういえば...遠征に行かせた娘達から連絡が無い...どうしたんだろう...。無線機は持たせてる筈なんだけど...。よし、私も行ってみるか!」

 

そう言って提督は席を立ち、クローゼットを開ける。

そこには、最上型重巡洋艦3番艦である“鈴谷”の制服がかけられていた。

 

「これ着るのも...いつぶりかな~?」

 

その制服を持ち、元々来ていた軍服を脱いで、制服に着替える。

そして鏡の前に立つ。

 

「おぉ~...変わってない!」

 

と、鏡の前で回ったりしている。

 

「あ、目的忘れる所だった。え~っと...アーガマにバレない様に遠征組の様子を見に行けばいいのかな...。よしっ!久しぶりの出撃...!」

 

「最上型重巡鈴谷、行っくよ~!」

 

そう言って執務室をダッシュで出ていく。

軍服は脱ぎっぱなしで放置である。

 

――――――――――――――――――

 

「どこだろう...砂浜かな...?」

 

アーガマは未だに支給武装の捜索を続けていた。

まだ探していなところを周り、最終的に行き着くのが砂浜だった。

と、アーガマが砂浜に向かっている途中、海面を走る艦娘を発見する。

 

「...?誰だろう...。あ、今は探さなきゃ!」

 

艦娘を無視し、砂浜へ向かっていく。

するとそこには...

 

「コンテナ...?」

 

1つのコンテナが流れ着いていた。

海藻がいくつか張り付いていて、触るのに抵抗があるが、意を決してコンテナのレバーに手をかける。

コンテナを開けると、『MS-06S』と刻まれた矢、同じく『EMS-10』と刻まれた矢、3つに分離して収納されている大きめの砲。

 

――アトミックバズーカ...?

 

『馬鹿ナノ?』

 

――生きていたんですか...?

 

『貴女ガ死ナナイ限リ私モ死ナナイノ』

 

――そうですか...。

 

少し思念と話をして、コンテナの中身を取り出す。

まず艤装を展開し、クロスボウを両手に持つ。

そして矢をセットし、引き金を引いて撃ち出す。

 

放たれた2本の矢は人形へ姿を変えていき、徐々に水平飛行へ移行していく。

赤いザクとヅダ。2機は高速で移動し、周囲の警戒を始める。

 

と、アーガマの正面にディスプレイが表示される。そこには、

 

『EMS-10 エンジン数値』と表示されていた。

現在の値は35。限界値が150に設定されている。

円形のゲージの真下に、『エンジンカット』のボタンがある。

 

「暴走しないようにこっちで管理するんだ....」

 

――EMS-10...高機動へ移行して下さい。

 

すると、ヅダのスラスターから発せられる炎が一際大きくなり、高速で移動を開始する。

数十秒飛行を続けると、警告音が鳴り響く。

 

ゲージの数値が138まで引き上がっている。

急いでエンジンカットのボタンを押す。

するとヅダに機動力が低下し、出力が50まで下がる。

 

「こっちは大丈夫...後は...ヨルムンガンド...」

 

バラバラになっていた砲を組み立て、発射体制を整えたヨルムンガンドが砂浜に置かれている。

その砲を持ち上げ、バズーカの要領で担ぐ。

 

「これもメガ・粒子砲と同じ様に撃つのかな...。よし...!」

 

――照準合わせ......次弾装填...

 

『装填!』

 

ガシャンと後方で音がする。弾が入ったのだろう。

 

――冷却板セット...

 

『冷却板セット完了!』

 

『発射準備終了!』

 

「第1射...撃てーっ!」

 

轟音を響かせて砲口からプラズマ弾が発射される。

そして数km進んだ頃、海面にとても巨大な水柱が出現する。

推定の高さで100mは優に越えるだろう。

 

「.........」

 

アーガマはただ呆然とその水柱を見ていた。

そして、海面に座り込む。

 

――ヨルムンガンド...下手には使えないなぁ...

 

『冷却開始!』

 

『次の射撃までに10分はかかります!』

 

「10分...これは一度使ったら終わりかな...」

 

ヨルムンガンドを再度分解し、砂浜へ持ち帰る。

そして、支給武装を持って工厰へ向かった。

誰もいない工厰は薄暗く、アーガマの恐怖心を刺激する。

急いで武装を置き、工厰を後にした。

 

アーガマは執務室に向かった。

執務室の近くに来ると、扉が開いているのに気づいた。

 

「扉が.....?」

 

小走りで執務室に入ると、雑に脱ぎ捨てられた軍服が鏡の前にあった。

 

「司令官...どこですか...?」

 

提督を探すが、どこにもいない。

 

「あれ...出掛けてるのかな....?」

 

アーガマが提督を探している時...鎮守府沖では.......

 

――――――――――――――――――――

 

「ん?...あれは~...」

 

提督、もとい鈴谷が目を凝らして遠くを見る。

そこにはドラム缶を多数下げた五月雨と夕立が航行していた。

 

「五月雨と夕立じゃん!ヤバっ!」

 

向きを変え、鎮守府へ向けて移動を開始する。

重巡と駆逐艦では、駆逐艦方が速度的に速いが、この距離では鈴谷の方が先に鎮守府に着くだろう。

 

数分海を滑ると、鎮守府の出撃ドックが見えてくる。

開いているドックに急いで入り、艤装を解除して、執務室へ急ぐ。

 

閉じている扉を開け、中に入る。

 

――あれ?来るときって扉閉めたっけ?

 

執務室に入った瞬間、目に入ってきたのは、綺麗に畳まれた軍服が執務机の上にあるのと、ソファに座り自分を見ているアーガマの姿だった。

 

「しれい.....かん....ですか?」

 

「あ...あはは...はははは...はぁ...」

 

溜め息をつき、その場に座り込む。

 

「艦娘...?えっと...あの....」

 

「あ~...アーガマ、説明するから、ちょっち待ってて...」

 

「は...はい...?」

 

疑問混じりで返事をしたアーガマを一度ソファに座らせ、自分は向かい合う形で座る。

 

「あのね...私は最上型重巡洋艦の3番艦の鈴谷っていうの」

 

鈴谷は自分について説明を始めた.........




提督の正体は鈴谷だったと。この鎮守府には艦娘しかいないですね。
やったね。
それとですね、この作品で、ヅダは悲しい最期を迎えません。
逆に栄光を掴ませます。

感想と評価、お待ちしています!


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提督の正体

KH2FMやっててセフィロスが倒せなくて辛い。あの刀リーチ長すぎて...過ぎ去りし思い出じゃ全く歯が立たなかった。




提督、もとい鈴谷とアーガマが向かい合う形で座っている。

先に口を開いたのは鈴谷だった。

 

「だからさ~...」

 

鈴谷の説明はこうだ。

元々、鈴谷はこの鎮守府に所属していた艦娘で、ある日、出撃して帰還したとき、鎮守府が深海棲艦の襲撃を受けていた。補給もままならないまま鎮守府の防衛を行い、無我夢中で戦っていて、気づけば深海棲艦は撤退、残っていた艦娘は鈴谷1人だったという。

そのご、殉職した提督の代わりを務めようと、鎮守府を修理(どのように修理したかは話してくれなかった)して、執務室にあったボロボロのクローゼットの中から提督の服を見つけて着用し、鈴谷から提督になった。

そして、鎮守府の砂浜で倒れていた五月雨を保護、治療し、この鎮守府に所属させた。

その後、中破した夕立を発見して、確保、治療、保護し、五月雨と同じく所属の艦娘とした。

 

それから数ヶ月経ち、夕立がアーガマを連れてきて、今に至る.....。

 

「こういうこと!」

 

「夕立さんと五月雨さんには教えてないんですか?」

 

「教えて~.......ない」

 

「教えた方が良くないですか?」

 

「いや~、だってさ...鈴谷でした~!ってバラすのもさ~...」

 

「それは置いておくとして...良いんですか?五月雨さん達が帰ってくるから急いで来たんじゃないんですか?」

 

「あ!そうだった!」

 

そう言って鈴谷はいつもの軍服に着替える。

自分の制服は綺麗に畳み、ハンガーにかけてクローゼットに仕舞う。

 

――軍服もちゃんと畳んでくれれば...

 

「あ~、髪も結ばなきゃ...」

 

と、コンコンと執務室の扉がノックされる。

 

「提督~、遠征艦隊、只今帰還しました~」

 

「ヤバいヤバい!」

 

「そこまでヤバくはないですよ...?」

 

「入って良いよ~...」

 

「分かりました~...って、提督...なんか疲れてません?」

 

「い...いや、気のせいじゃない?気のせい!」

 

「そうですか...?あ、遠征の結果ですけど...」

 

「成功です!」

 

「夕立は?」

 

「遠征先で被弾したので、入渠させました」

 

と、五月雨が報告書を机に出す。

 

「資源も確保出来ましたし、当分は困りません!」

 

「ふぅ~...良かった~...これで私の分も~...」

 

「私の分...?」

 

「なんにも言ってない!なんにも!分かった!?なんにも言ってないよ!!」

 

「え...あ...は、はい」

 

と、また扉がノックされる。

 

「提督~、蒼龍、帰還しました~」

 

「あ、入って良いよ~」

 

扉が開き、蒼龍と1人の艦娘が入ってくる。

その艦娘をみた瞬間、アーガマの顔が凍りつく。

 

ボロボロになった緑色の着物、ほどかれて腰まで伸びた長い髪、光を失った両目。

極めつけに、両肩に乗っている駆動系が破壊されたMS「ギラ・ズール」

 

「ガラン.......シェール...........?」

 

「................」

 

光の消えた目でアーガマを見る。

その目は、元のガランシェールとは思えなかった。

何の感情も伝わってこない。暖かささえ感じない。

無。完全なる虚無である。

 

その最中、ガランシェールと思わしき艦娘から発せられた言葉に執務室の皆が驚きを隠せなくなる。特にアーガマにとっては.....

 

「私は............誰ですか..............?」

 

 



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失われた記憶

「私は...誰ですか.......?」

 

その言葉に執務室の艦娘達は、反応できなかった。

 

「え...ガランシェール...どうしたの...?」

 

アーガマが不安になって声をかける。

だが、返ってきた答えはいつものガランシェールとは、違った。

 

「えっと.....貴女は、誰ですか.....?」

 

それを聞いた瞬間、アーガマの頭が真っ白になった。

今まで自分に笑いかけてくれたガランシェールが、敬語なんて一切使わなかったガランシェールが、今はすべての記憶を無くし、ここに帰ってきたのだ。

 

「あ...私は...アーガマ、ネェル・アーガマ...」

 

「アーガマ.....?アーガマさんですね...?」

 

――ガランシェール...どうして...

 

『アノ時ノ爆発ガ原因ジャナイ?』

 

――爆発...?

 

『貴女ノ気持チニモ関ワル事ダカラ、誰モイナイ所デ話ス』

 

――分かった...。

 

「す...司令官、少し...1人に...」

 

「...あ!うん、分かった...」

 

そう言ってアーガマは執務室を出ていく。

執務室に残った艦娘達の間に思い空気が流れる。

 

「ね...ねぇ、皆...」

 

一番最初に口を開いたのは、提督だった。

 

――皆に教えちゃっても良いか。そうすれば気も楽になるかな?ねぇ、熊野...

 

「話があるんだけどさ...」

 

鈴谷は自分の過去について話し始めた。

 

――――――――――――――――――――――

~アーガマの自室~

 

――それで...なんでガランシェールがあんな風になったの?

 

『レウルーラト戦ッタノハ覚エテル?』

 

――忘れるわけない...

 

『ソレナラ話ガハヤイ』

 

――何なの?

 

『ガランシェールハレウルーラト戦ッテ、最終的ニ自爆シテ、レウルーラヲ倒ソウト思ッタ』

 

――........

 

『ダケド、倒シキレナカッタ』

 

――確かに...ガランシェールはいなくなってレウルーラだけ残ってた...

 

『アノ時、貴女ハガランシェールガ沈ンダト思ッテタ?』

 

――...うん

 

『デモ、沈ンデナカッタ。実際、サッキアソコニイタカラ』

 

――.......

 

『全テノ記憶ヲ無クシテ...』

 

――何で...記憶が無くなったの?

 

『アノ時ノ爆発デ、頭部ニ強イ衝撃ガアッタンダト思ウ』

 

――何でレウルーラだけ残ってたの...?

 

『ガランシェールハ、確カニアソコデ沈ンデイタ...。デモ、ナンデ...』

 

――何かおかしい所でもあったの?

 

『沈ンダ艦娘ハモウ二度ト浮上デキナイ水底ニ沈ム...何故ガランシェールダケ...』

 

――........?

 

『考エヲマトメル...話ハコレデ終ワリ』

 

――分かった...。

 

アーガマはベッドに寝転がり、枕に顔を埋める。

 

「ガランシェール......どうして.......会えたと思ったのに........なんで......!」

 

アーガマはただ、泣くことしかできなかった。



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ガランシェール-1-

あー、キングダムハーツ3早く出ないかなぁ。
ベイマックスが出るらしいんです。

今回の話から、ガランシェールが蒼龍と出会って鎮守府に帰ってくるまでのお話を書いていきます。
では、どうぞ。


――あぁ...こんな所で終わっちゃうんだ...アーガマ、ごめんね....

 

『ガランシェール、君はそんなものか?』

 

――誰...?

 

『分からないのか?そうだな...ネオ・ジオン総帥と言っておこうか』

 

――ネオ・ジオン総帥...?フル・フロンタル...!

 

『覚えていてくれたか。ありがとう』

 

――貴方が...何の用...?

 

『単刀直入に言おう。生きたいか?』

 

――...........

 

『君は、自爆して沈んだ。そう、死んだんだ』

 

――そうだよ、私は沈んだ...。

 

『そこでだ。君を生き返らせたいと思う』

 

――そんなこと...出来るの...?

 

『君に願いがあればの話だが』

 

――アーガマに会いたい!もう一度!

 

『アーガマ...ネェル・アーガマか。連邦の括りから外された艦...』

 

――アーガマを悪く言わないで...!

 

『悪かった...。それで、君はもう一度、ネェル・アーガマに会いたいと?』

 

――うん...!

 

『君の願いは受け取った。だが、1つだけ...』

 

――なに...?

 

『代償として、何かを失う。それでもいいのか?』

 

――何かを...失う....?

 

『そうだ。何を失うかは分からない。戦う力を失うか...それ以外か...』

 

――それでも...それでも、アーガマと会えるなら...私は何を失っても構わない!

 

『ほう...ならば、君にもう一度生を与えよう』

 

――...........

 

『次は....無い』

 

『さらばだ、ガランシェール』

 

―――――――――――――――――――――

 

少女はどこかの島で目を覚ました。

最初に入ってきた情報は青く、どこまでも広がる空。

それが、少女の記憶に一番最初の情報として刻まれた。

 

一番最初の情報として。

 

――ここ.....どこ....?

 

辺りを見渡すと、ヤシの木が生えた砂浜が目に入ってくる。

上手く力が入らず、歩くことも出来ない。

しばらくの間上体を起こした形で、海を眺めていた。

 

――何も....思い出せない.......。

 

何を考えても、何も出てこない状況に不快感を覚えた。

ただ断片的に思い出されるのが、赤い服をまとい、豊かな金髪をした男性と話している自分の姿だった。

 

『......代償.......して、.......失う』

 

――なんて言ってるの....?分からない...

 

『アー.....マ.....ネェル......。連邦.....から外された.......』

 

――連邦.....?外された...?

 

「アー..........ガマ............」

 

――あれ...アーガマ....アーガマって........誰だっけ.......

 

――そもそも......私って......誰なんだろう.......?

 

 




心が痛い。


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ガランシェール-2-

ガンダム戦記を久々にやったら、ガンダム7号機よりイフリート・ナハトの性能が上だった。



少女は砂浜に再び倒れる。

青空を見て、すぐ目を閉じる。

 

――何にも分からない...。私が誰だか、ここがどこなのか...

 

目を開け、体に力を入れる。

ようやく足が動くようになった。

 

「やっと...動ける...!」

 

しっかりと足で地を踏み、ゆっくりと立つ。

再度、周りを見渡してみるがなんの変化もなく、先程と同じ風景があった。

ただ1つ変わっているものといえば、雲の形だけだ。

 

――...痛...っ...!

 

瞬間、全身に痛みが走り、膝をついてしまう。

自分の腕をあげてみると、焦げあとのような傷がいくつもあった。

それに、切り傷らしきものもあり、そこから血が流れている。

 

――なんでこんなに傷だらけなの...?

 

考えるが何の答えも出てこない。

それに恐怖感も覚える。

知らない土地、自分が誰かも分からず、方角も分からない。

 

――とりあえず...移動しなきゃ...

 

少女は自分の手掛かりとなるものを探すため、森へ入っていった。

 

――――――――――――――――――――

 

森に入って数十分が経過した頃。

 

――迷っちゃった....

 

少女は道に迷っていた。

元から方角も分からないまま森に入ったため、簡単に迷ってしまう。

と、訳も分からないまま歩いていると、開けた場所に出た。

そこには池があり、椅子がわりになる切り株もあった。

 

――人が...いたのかな...?

 

どこからどう見ても人が生活した後があった。

焚き火の燃えカスがあり、動物の骨らしき物も落ちていた。

少女が上を見上げると、木と木の間から光が差し込み、幻想的な風景が広がっていた。

 

「きれい....」

 

ボソッと呟き、前に足を出した瞬間、地面が無いのに気付いた。

 

「ふぇ...?」

 

足元を見ると、池があった。

見事に足を踏み外し、池に落下した。

 

「ひゃあっ!」

 

と、少女は自分が沈まない事に気付いた。

足を見ると、池に浮いていた。

自分の体が水に浮いているのだ。

 

「わ....すごい...!」

 

少女は感嘆の声を上げた。

数分、池の上でジャンプしたり滑ってみたりと色々してみた結果、1つの考えが浮かんだ。

 

――これなら...海を渡れるんじゃ...!

 

急いで陸に上がり、無我夢中で走り続けた。

次第に木が少なくなり、波の音が近づいてくる。

 

――あと、ちょっと!

 

草をかき分け、砂浜に出る。

太陽が海に反射し、眩しい光を放っている。

 

「よし...!」

 

意を決して海に向かって走り出す。

海面に触れると、体の底から力が沸き上がってくる。

次第に深くなり、足が着かない所まで来ると、勝手に体が浮き始める。

背中にはランドセルのような物を背負っていて、肩には緑色のロボットが2機、ライフルを構えて立っていた。

 

「これで人がいそうな所に行ける...!」

 

少女は新たな決意を胸に、海を駆けた。

 

―蒼龍と少女が出会うまで、あと数時間―



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ガランシェール-3-

今回でガランシェール視点最後になります。




少女が海を渡っている最中、異形を発見した。

その異形は人の形をしていたが、肌が異様に白く、目も青く光り、巨大な砲をこちらに向けている。

ドォンと轟音が響いて数秒後、少女の周囲に巨大な水柱がいくつも立った。

 

「...!?」

 

こちらに攻撃してきているのが瞬時に分かった。

少女は戦う術を知らず、ただおろおろと海上を動くだけで、異形は攻撃を続けてくる。

 

――どうしよう...どうしよう...!

 

何も分からず混乱していると、肩に乗っていたロボットが動き始め、ライフルを構える。

モノアイを鈍く光らせ、異形をライフルに付いているスコープの中心に捉える。

それと同時にライフルの引き金を引く。

すると、銃口から緑色のビームが何発も発射され、異形めがけて真っ直ぐ進んでいく。

当たった部位を見ると、頭部に数発、体に数百発当たっており、異形に綺麗な風穴が開いていた。

異形がよろめいた瞬間、大きな爆発が起こり、異形は静かに海へと沈んでいった。

 

その瞬間、少女を突然の頭痛が襲う。

 

「う...ぁ...頭.......痛い.....!」

 

――バイバイ、■■■■

 

「う...っ、うぅ....!」

 

――連邦の括りから外された艦....■■■■

 

「れ...んぽ...う.....?くくり.....?」

 

先程から名前の部分にノイズが入り、上手く聞き取れない。

なんと言っているのか探ろうとすればするほど、頭痛が酷くなる。

今にでも頭が割れるんじゃないか。という程の痛みだ。

 

「あ...ぅあ...!誰か....っ、助け.....て....!」

 

助けを求めるが、誰もいないのだから、手を差しのべてくれる人などいない。

少女は海上に、頭を抱えながら倒れ込む。

そんな時、少女に近づく姿があった。

 

「あの~...大丈夫ですか?」

 

「ぁ...え....?」

 

自分と同じ緑色の着物を着た、女性が話しかけてきた。

自分よりも年上で、同じく海面に浮いていて、胸も自分より大きい。

 

「どうしたんですか?」

 

「え...ぁ...えっと...頭が痛くなって...それで...倒れて...」

 

「とりあえず...掴まって下さい」

 

そう言って、女性は手を差しのべる。

差しのべられた手を数秒見つめて、握り返す。

足に力を入れて、海面に立つ。

 

「あ、少し連絡するから、待ってくださいね?」

 

女性は無線機を取り出し、誰かに話しかけている。

少女はその内に、1つの考えを導き出す。

 

――アーガマって人について...分かるかもしれない...

 

女性が使っている無線機を無理やり取る。

そしてある言葉を呟く。

 

「アー........ガマ..........」

 

 



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記憶の呼び起こし

ちょっと嬉しい事が起きました。
Gジェネでのヅダ増産と、デュバル少佐のLvがMAXに。
クリアして、サイコシャードを出したユニコーンを作りました。
サイコフィールドの能力がエグい。MAP兵器で命中した敵ユニットを行動不能にすると。

今回からアーガマ視点に戻ります。


アーガマはひとしきり泣いた後、ふらふらと執務室へ向かった。

執務室の扉を開けると、ガランシェールを含め、蒼龍、五月雨、夕立。

提督、もとい鈴谷が制服姿で談笑していた。

 

「あ、アーガマ、ち~っす!」

 

「皆さん...なにしてるんですか...?」

 

「ガランシェールと話してるっぽい!」

 

扉を閉めて中に入ると、鈴谷に「座って座って~」と促される。

命令通りにソファに座ると、鈴谷が手を叩く。

 

「よしっ!全員揃ったし、ガランシェール、どうやってここまで来たか教えてよ~」

 

「あ...えと...分かりました。だけど...その....よく分からないんです...」

 

『え?』

 

皆が声を揃えてすっとんきょうな声を上げる。

 

「え~...それは...記憶が無いってことですか?」

 

蒼龍が質問する。

数秒遅れて、ガランシェールがそれに答える。

 

「目が覚めたら....知らない所で倒れてて........それで.....」

 

「やっぱり、記憶喪失ってやつ?」

 

「そんな......」

 

アーガマが悲しみの声を上げて俯く。

 

「ねぇ、ガランシェール...本当に忘れちゃったの...?」

 

涙目でガランシェールを見つめる。

ガランシェールは押し黙ったまま、何も喋ろうとしない。

 

「..........すいません...。何も...覚えて...ないです....」

 

一気に執務室内の空気が重くなる。

 

「ほら、皆、明るく明るく!」

 

と、鈴谷がその場を明るくしようとした瞬間...。

ガランシェールの顔が険しくなる。

 

「どうしたの、ガランシェール...?」

 

「何か.......来ます.......」

 

「深海棲艦...ですか...?」

 

「五月雨、夕立、蒼龍は~、疲れてるだろうから待機!アーガマ、行ける?」

 

「...行けます...!」

 

勢いよく執務室の扉を開け、出撃ドックへ向かう。

 

――――――――――――――――――――――

~出撃ドック~

 

「ネェル・アーガマ、出撃します...!」

 

海面に足をつけ、滑るように移動を開始する。

しばし移動をすると、水平線に赤黒いオーラを放った異形が見えてきた。

 

「なに....あれ....!?」

 

水平線に見えた異形。

人の姿をした化け物、というのが妥当だろうか。

顔半分は黒い仮面に覆われ、目は真っ赤に光り、左半身が化物と化していた。

 

――レウ...ルーラ!?

 

自分の宿敵、レウルーラ。

今までは、外見こそお嬢様だったが、今はそれも失われ、まるで怪物だった。

 

『深海ニ魂ヲ売ッタノ...』

 

――深海棲艦になったってこと...?

 

『アレハ深海棲艦ジャナイ...タダノ化物...』

 

――化物...

 

「あ...ァ...アー....ガマぁァぁア!!」

 

「っ....!」

 

巨大な岩石をまとめた様な左手を開き、エネルギー弾を勢いよく撃ち出す。

その弾はアーガマ目掛け、まっすぐ進んでくる。

辛うじて避けたが、着弾した時の衝撃でよろけてしまう。

 

――この威力...一発でも喰らったら...!

 

「...このままじゃ...。そうだ...、ヨルムンガンドを...!」

 

念じると、ヨルムンガンドが出現する。

それをしっかり掴み、バズーカを構える要領で担ぐ。

 

――照準..........

 

――標的を捉えました!いつでもいけます!

 

「撃てーっ!」

 

プラズマ弾が撃ち出され、レウルーラに向けて進んでいく。

着弾したと思ったら、レウルーラが左手を開いて、前に突き出す。

すると、手の中心にある穴にプラズマ弾が吸収されていった。

 

「沈...メぇ...!アーガマぁァぁあア!!」

 

次の瞬間、左手の穴が開き、倍のエネルギーの質量弾が発射される。

エネルギー弾がアーガマの少し前で爆発し、巨大な爆炎を発生させる。

それに巻き込まれ、後ろに吹き飛ばされる。

爆炎が晴れると、アーガマが海面に倒れ付していた。

 

「......ぅ...ぁ...」

 

「まダ...意識が...あル...か...」

 

ゆっくりとレウルーラが近づいてくる。

大きな左手を開き、アーガマの体を握る。

握った手に、力を入れていく。

 

「うっ...ぁ...が...っ!」

 

アーガマの体がミシミシと音を立てる。

 

「アーガマぁァ...!」

 

レウルーラが左手により強い力を入れる。

すると、アーガマの左肩がバキッと嫌な音を立てる。

 

「う...ぁ...ぇ...?」

 

アーガマは今起きたことに頭がついていかなかった。

自分の左腕が力無く垂れている。

と、レウルーラが空いている右手でアーガマの左腕を引っ張る。

 

 

 

 

――ブチン

 

 

 

 

「あ...あぁぁぁ!」

 

――痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!

 

アーガマが左腕があった場所をみると、左肩から先が無くなっていた。

と、次の瞬間、勢いよく放り投げられる。

 

海面に叩きつけられ、意識が飛びそうになる。

その朦朧とした意識の中、自分の回りが段々と赤色に染まっていくのを見た。

 

――誰か.....助け.....て........

 

「アーガマ...さん!」

 

誰かの声が聞こえる。

閉じゆく瞼の間に、緑色の着物を着た少女が見えた。

 

――ガラン.....シェール.....?




サブタイの意味。


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思い出した

今回は色々詰め込みすぎてヤバイことになりそう。

久々にキレました。
朝イチで艦これやったら睦月が沈んでしまい、最悪な気分で学校へ行ったところ、ヅダの魅力を知らない友人に、

「ヅダとかwwww自爆するために生まれてきたもんだろwwwww」

「(# ° Д°)ハァ?」

頭にきました。


「アーガマさん、大丈夫ですか....?」

 

「ガランシェール......どうして....」

 

ガランシェールがゆっくりとアーガマに近づき、今の状況を見て、息を飲む。

ガランシェールが見たものは、左肩から先が無く、赤黒い液体が絶え間なく流れている、変わり果てたアーガマの姿だった。

 

「ガランシェールぅゥう...!ジオンの...裏切り者メぇ...!」

 

「...っ!?」

 

レウルーラが早速、ガランシェールを標的にする。

 

「ガランシェール...っ!逃げて...!」

 

「で...でも、アーガマさんが...!」

 

「私なら....、大丈夫.....っ、だから....!」

 

アーガマはよろよろと立ち上がり、右手に2連装メガ粒子砲を握る。

メガ粒子砲でレウルーラを狙い、引き金を引く。

 

「弱...イ...よワいぞ...!」

 

左手でビームを吸収し、アーガマに向けて倍の威力で撃ち出す。

 

「当たる...訳には....いかない...!」

 

ギリギリで避け、再度レウルーラのいる方向に砲を向ける。

だが、向けた時には遅く、後方からレウルーラが高速で迫ってきた。

 

「アーガマぁあァア!!」

 

「.....!!」

 

「危ない...!」

 

アーガマとレウルーラの間にガランシェールが割って入る。

ガランシェールがレウルーラと組み合い、アーガマへの攻撃を防ぐ。

 

「邪魔ヲ....すルナァぁアア!!」

 

「アーガマさんを...これ以上...傷つけさせは、しない...!」

 

と、ガランシェールの脳裏にある映像がフラッシュバックする。

 

――バイバイ、アーガマ。

 

――ガランシェール...っ!

 

目の前に広がる爆炎。

世界が暗転する。

何も見えず、聞こえず、熱もなく、光さえ消えた世界。

 

「そうだ.....思い出した.....私は....」

 

と、意識が現実に引き戻される。

目の前にいるレウルーラは歪んだ表情をしている。

その顔に、正拳突きを喰らわせる。

 

「アが...ぁ...!」

 

「.................」

 

「ガランシェール.......?」

 

「アーガマ、ごめんね。遅くなっちゃって...」

 

「.....!!」

 

「本当に....遅いよ.....ガランシェール....!」

 

「よしよし、戦場の真ん中で泣かないで~...」

 

ガランシェールがアーガマの頭を優しく撫でる。

 

――いつもの...いつものガランシェールだ...!

 

『良カッタネ。戻ッテキテ...』

 

――嬉しいですよ...!

 

『喜ビノ感情ガ物凄ク伝ワッテキテル...』

 

――元気無いんですか?

 

『別ニ...』

 

――こっちもこっちで...分かりませんね...。

 

ガランシェールがアーガマを支えて、傷口の止血を行う。

 

「腕を持ってかれるなんて...何したの...?」

 

「何でもない...」

 

「ふぅん...」

 

ツンと切断された部部をつつく。

 

「いっ...!?」

 

アーガマの全身を激しい痛みが襲う。

あまりの痛みに、涙目になってガランシェールに寄りかかる。

 

「あ...ごめん...」

 

「ふっ...ぅ...うぅ...いたい...いたいよぉ...」

 

「ごめんごめん~。ちゃんと止血するから!」

 

自分の着物の裾を切り、傷口に巻き付ける。

 

「ほら、終わった!」

 

「ありがと...」

 

「戦闘中ニ...何を...しテイる...!」

 

レウルーラがゆっくりと立ち上がる。

赤い目で二人を睨み、左手を開閉する。

 

「ガランシェール...退がってて....」

 

「いや、私も...戦う!」

 

「大丈夫...私が倒すから...。だから、鎮守府に戻ってて...?」

 

「必ず...戻ってきてよ?」

 

ガランシェールが後ろを向いた瞬間、

 

「逃ガすかァぁアア!ネオ・ジオングを...!」

 

―エラーを確認。NZ-999、使用不可能です―

 

「ナ...!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―レウルーラ、君には失望した―

 

深紅の機体がレウルーラの前に出現する。

背後のサブ・アームを使い、レウルーラを拘束する。

 

『私、フル・フロンタルは現時刻を以て、ネオ・ジオン総帥をやめ、レウルーラを降りる』

 

「なニヲ...!!」

 

『代わりとして、偽装貨物船ガランシェールに乗艦させてもらう』

 

レウルーラの腹部をアームユニットで殴る。

 

「ガハ...ッ!」

 

背後のサブ・アームで掴んでいるレウルーラを離すと、光の粒子となって消えていく。

すると、ガランシェールの手に、シナンジュが収まっていた。

 

『あれは本体ではなく、ハル・ユニットだ。必要に応じて貴艦から出してくれれば助かる』

 

と、シナンジュも光の粒子となって消えていった。

この決戦時、最強の敵が、味方になってくれたのは、二人にとって嬉しいことだった。

 

「...アーガマ、戻ってきてね...!」

 

「....うん...」

 

ガランシェールが鎮守府へ向けて帰るのを流し見て、レウルーラへ視線を戻す。

海面にうずくまって、呻き声を上げていた。

 

――あの...

 

『ナニ?』

 

 

――力を...貸してください。

 

『リミッターヲ外スノ?』

 

――いえ、リミッターは外さずに、貴女の力を使います。

 

『....!』

 

――ダメですか?

 

『ソンナノ...ソンナコトシタラ、アソコデウズクマッテル奴ミタイニナッチャウ...!』

 

――承知の上で言ってるんです。

 

『...ドウナッテモ...知ラナイヨ...?』

 

――...ありがとうございます。じゃあ...やりますよ...。呼吸を合わせて...

 

『...............』

 

―アクセス開始....................アクセス成功―

 

―侵食率70%―

 

ALERT―侵食率が危険値を超えました―ALERT

 

「あ...ぐ...ッ!」

 

アーガマが苦しみ始める。

頭を押さえながら、よろよろと後ろに何歩か下がる。

 

――我慢しナ...キゃ...意識ヲ...持ッていかレル...!

 

何分か苦しんだ後、アーガマの動きがピタリと止まる。

ゆっくりと顔を上げると、左目が赤く染まっていた。

外見的に変わったのはそこだけで、それ以外はあまり変わっていなかった。

 

「そんなに...変わらない...ね」

 

外から見ると分からないが、アーガマにだけ分かる感情があった。

『戦いが楽しい』『敵を殺すのが楽しい』

狂気とも言える感情が体の底から沸き上がってくる。

 

――はやく....消したい...!

 

この感情はやはり、あの深海棲艦のものなのだろうか。

これ程までの狂気を隠していたとは。

 

気づけば、アーガマは笑みを浮かべていた。

そこから、アーガマの攻撃が始まった。

 

まず最初に、レウルーラに一瞬で迫る。

足をかけて体勢を崩したら、左腕を掴み、力任せに引きちぎる。

そして海面に倒れたレウルーラの胸ぐらを掴み、持ち上げて空へ放り投げて、落下してくるのを待つ。

手刀を作り、レウルーラの首に狙いを定める。

 

落下してきたレウルーラを見つめ、再び笑みを浮かべる。

首をジャストで切り裂き、胴体と別れさせる。

空から血が降り注ぎ、アーガマを濡らしていく。

 

「呆気ないなぁ...レウルーラ...」

 

返り血を盛大に浴び、真っ赤に染まったアーガマが、つまらなそうな声を出す。

 

「早く帰ろう...」

 

レウルーラの残骸を流し見て、鎮守府へ向かう。

アーガマはレウルーラの胴体が動いているのに気づかず、そのまま帰っていく。

 

胴体と別れを告げたはずのレウルーラの頭部が、ボソボソと何かを呟いていた。

それは誰にも聞かれず、空しく響くだけだった。

 

 

この戦いが起こってから数日後、あらゆる海域で首の無い異形によって漁船や旅客船が破壊される事件が起きた。

 

――――――――――――――――――――――――――――

~とある鎮守府、執務机の上~

                ―異形調査報告書―

 

     平成○○年、X月△△日。○○海域にて、報告にあった異形を発見。

     これと交戦するも、駆逐艦『如月』、軽巡洋艦『北上』が轟沈。

     残りの4隻が大破にまで追いやられた。

     これ以上の交戦は不能と判断し、撤退を開始。

     異形は追いかけてはこなかった。

     

                      ―第一艦隊旗艦 戦艦『大和』―




報告書に関しては「技術試験報告書」を参考にしました。
首の無い異形は、察しがつくはず。因みに、KH2FMの「留まりし思念」を参考にさせてもらいました。

アーガマさん、どんどん性格変わる。

感想と評価、お待ちしてます!


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帰還

お待たせしました。復活でございます。

とりあえず、発表前に少し投稿させていただきます。(キングダムハーツをプレイしながら)
今回は~...前回の内容をあんまり覚えてないので...すいません。

とりあえず、今回の登場キャラですが、アーガマ、ガランシェール、のみ!

さて、ではどうぞ。

視点は~多分ガランシェールです。


「アーガマ...まだかな...」

 

ガランシェールは鎮守府ある海岸の砂浜でアーガマをずっと待っていた。

かれこれ数時間は待っているが、アーガマが中々帰ってこない。

 

「まさか...」

 

ガランシェールの脳裏を過る『死』の文字。

だが、その考えもすぐに消えてしまう。

なぜなら...

 

「ん...あれ...?」

 

ガランシェールが水平線に目を凝らす。

すると、海面の上に誰かが立っていた。

折れたメガ粒子砲、所々服が破けて、切り傷がある体。

極めつけに、連邦のエンブレムが縫われた帽子。

 

「アーガマ...!」

 

波打ち際まで走り、アーガマの帰還を待つ。

だが、近づいてくるにつれ、何故かガランシェールに恐怖心が芽生えてくる。

足が小刻みに震え、その場に座り込んでしまった。

 

「あ...れ...?」

 

「どうしたの?ガランシェール...」

 

気がつくと、目の前にアーガマが立っていた。

血で全身を真っ赤に染めた、アーガマが。

 

「いや...力抜けちゃって...!」

 

「肩...貸そうか?」

 

「あ、ありがと...」

 

肩を貸すと言ったが、アーガマがとった行動は肩を貸す。ではなかった。

自分より数十cm身長が高いガランシェールをお姫さま抱っこという形で持ち上げたのだ。

 

「!?」

 

「ガランシェールを引き摺るより、こっちの方が良いかな...って。記憶もさっき戻ったばっかりだし。ね?」

 

――アーガマ、性格変わった...?なんというか...大人っぽくなったのかな?さっきの戦闘でなにが...

 

「ね...ねぇ、アーガマ...?なんでそんなに血だらけなの?」

 

「あ...えっと、レウルーラを始末したから...その返り血」

 

アーガマは、ガランシェールをお姫さま抱っこしながら鎮守府へ向かう。

ガランシェールはアーガマの発言に何度も驚いていた。

まずは、自分が記憶を無くしていた時の話。

皆に敬語を使い、アーガマのことも『さん』付けで呼んでいたこと。

それを聞いた瞬間、ガランシェールの顔が真っ赤になった。

そして、二つ目。

 

「そうだ...ガランシェール...」

 

「なに?」

 

アーガマがガランシェールを降ろし、艤装を展開する。

そしてクロスボウを出現させ、空に矢を打ち出す。

その矢は徐々に形を変え、最終的には人形になった。

赤い塗装の施されたザクと、青い塗装で、エンジン部分が露出しているMS。ヅダである。

 

「あれって...」

 

「ガランシェールが帰ってくるちょっと前に、きっと...ジオン公国からだと思うんだけど...MSと...ヨルムンガンドが届いたの」

 

「MSに...ヨルムンガンド?」

 

アーガマに聞いた話によると、現在、空を飛んでいるのが届いたMSで、ヨルムンガンドはアーガマが持っているということで、出してもらった。

大きさはバズーカ程度だが、威力は凄まじいらしい。

核融合プラズマビームを放つらしいが、冷却に時間がかかるため、一回の戦闘で一度しか使えない。

 

ヅダに関しては、複数体貰っているようで、空にいるのは隊長機。その証として、ヘッド部分にブレードアンテナが付いている。

機動性は...赤いザクを凌駕している。

 

――あの赤いザクって...一年戦争でシャア・アズナブルが使ってたMS...。あの青いMSは...公式記録にはあまり残ってないけど...ザクとの量産勝負に負けた機体...だったかな?たしか名前は...ヅダだったよね。なんで負けたんだろう...。まぁ...良いかな。

 

「ガランシェール、あのMSとヨルムンガンド...何が欲しい?」

 

「え、くれるの!?」

 

「私にはユニコーンとバンシィ、クシャトリヤがいるから...ヨルムンガンドだって、ハイパー・メガ粒子砲があるからいいし...」

 

「じゃ、じゃあ、ヨルムンガンドとあの赤いザク!」

 

「分かった...」

 

アーガマは赤いザクを矢に戻すと、クロスボウに矢をセットした状態でガランシェールに渡す。

ガランシェールがそれを受けとると、自分に馴染んでいくような感覚があった。

その感覚の後、完全にこのMSは自分の物になったんだという自覚が生まれる。

ヨルムンガンドは3つに分解し、ガランシェールに手渡される。

どこに仕舞うか悩んでいると、アーガマが背中を指差した。

分解したヨルムンガンドを再連結させ、背中に持っていく。

ガチャンという音と共に、先程と同じような感覚。

背中にヨルムンガンドが綺麗にかけられていた。

 

端からみると、U.C.0083にトリントン基地から強奪されたサイサリスの様だった。




おぉ...アーガマが大人っぽくなった。
まぁ、アーガマの中にいた深海棲艦の意識が、アーガマの意識と融合したから大人っぽくなったって思ってくれれば幸いです。

そろそろガランシェールも強くしなければ。
急ですが、これにて第三章が終わりとなります。

次回、第四章。

ガランシェールの記憶が戻り、レウルーラも倒して平和な時間が過ぎていた鎮守府。
あの戦闘から4ヶ月後...鎮守府にある書類が届く。
その内容は...『首無しの異形に注意されたし』と『MS支給ノ知ラセ』。
後者の書類には黄色い十字にマークが施されていた。前者は本営からだった。

と、第四章のプロローグ的な何かです。
第四章では、やっとのことで、あの~...皆様お楽しみ(?)だったMSが出てきます。

それとですね...Gジェネで使ってる作者の艦と搭載MSを出したいんですが...どうでしょう?


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新しいMS

高校に無事受かりました。ヤッタネ!

今回から四章始まります。
アーガマと鈴谷(提督)以外出てきません。(多分)
他の艦娘たちは遠征や任務に行ってます。はい。

ティターンズは好きになれんな。



レウルーラとの戦いが終わり4ヶ月が経った。

深海棲艦との戦いは続いているものの、基本的に平和な時間が流れていた。

そんな時、鎮守府に2通の書類が届く。

1通は『首無しの異形に注意されたし』。

書かれている内容は...

 

近頃、多方面の海域にて首無しの異形が確認されている。

討伐の為、艦隊を派遣したが、大打撃を受けて帰還した。

貴官も異形には注意されたし。

 

「異形...?首ないの?怖っ...」

 

鈴谷は執務室の机の上でだら~っと手紙を見ていた。

これが提督であっていいのだろうか。

 

「鈴谷さん、書類片付けなくて良いんですか?」

 

「あ、アーガマじゃん~。まぁ、大丈夫だって。すぐ終わるし~。あ、そうだ。これ~」

 

鈴谷の手には1つの封筒が握られていた。

何だか分厚い。

鈴谷がその封筒を裏返すと、アーガマには見慣れたマークが記されていた。

 

「連邦のマーク...?」

 

「アーガマの帽子にも同じのあるっしょ~?」

 

――あ...。ちゃんと見てるんだ。

 

と、そんなことを考え、封筒を受けとる。

中には1枚の手紙と4本の矢が入っていた。

 

アーガマが手紙を読み始める。

 

『貴官の基地に連邦所属の艦を確認。よって、MSを支給する。この戦力で、更なる奮戦を期待する』

 

「MS...?4機も...どうして...」

 

「で~...なにが送られてきたの?」

 

「あ、MS4機です」

 

ネェル・アーガマに関係する4機のMS。

量産機ならばもう少し多く支給されるはず。だが、今回は4つだけ。

少し考えると、アーガマの脳裏にあるMSとパイロット達の存在が浮かぶ。

そのパイロット達は...

 

『ジュドー・アーシタ』

『ビーチャ・オーレグ』

『ルー・ルカ』

『エル・ビアンノ』

 

そして、彼らが乗り込んだMS...

 

『ZZガンダム』

『百式』

『Zガンダム』

『ガンダムMk-ll』

 

パイロット達は全て第一次ネオ・ジオン抗争時、ネェル・アーガマに乗り込み、終戦まで全員が生き残るという快挙を成し遂げた。

MSはZZを除く殆どがグリプス戦役から活躍していたMSだった。(Mk-llと百式は再建された)

 

懐かしさに浸っていると、廊下からドタドタと大きな足音が聞こえてくる。

 

「アーガマ~っ!」

 

背後からガランシェールに抱きつかれる。

抱きついたときに回された手には、封筒が握られている。

 

「ガランシェール、その封筒...」

 

「あ、さっき廊下に落ちてて...誰のか分からないから、鈴谷さんに聞けば分かるかなぁって思って持ってきたの。で、近づいたらアーガマの声がしたからダッシュで来たの!」

 

「殆ど私目当てで来たんだね...?」

 

「勿論!」

 

アーガマはメガ粒子砲を出現させ、砲塔でガランシェールの頭を軽く叩く。

ゴンと小気味良い音を立てる。

 

「痛いっ!」

 

「我慢して」

 

「無理っ!」

 

スッともう一度腕を上げる。

上げた腕を降り下ろすと、ガランシェールが目を瞑る。

それを見たアーガマは、頭に優しく手を置いた。

 

「へ?」

 

「ガランシェール、封筒借りるね?」

 

ガランシェールが驚いている隙に封筒を奪う。

撫でていないとうるさくなりそうだから、ずっと撫でていた。

 

――ペットかな...?まぁ...いいや。

 

「提督、開けてもらえますか?」

 

「オッケー!鈴谷にお任せ!」

 

――お任せって...。簡単なことなのに...

 

ビリっと封筒を破く。

中から出てきたのは、2本の矢だった。

 

「矢?と...紙?」

 

紙も次いで出てくる。

そこに書かれていたのは、ただ一言だけだった。

 

『キュベレイMk-ll。クィン・マンサ』

 

「キュベレイに...クィン・マンサ!?」

 

「ど...どしたの、アーガマ?」

 

「でも...どうして...?」

 

「キュベレイとクィン・マンサってなに~?」

 

「鈴谷さん、少し...説明しても良いですか?」

 

鈴谷は静かに頷く。

ガランシェールを撫でる手を止め、アーガマは淡々と説明を始める。

 

「キュベレイとクィン・マンサについてですけど...」




次回、説明回!!


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第四章 異形
キュベレイMk-llとクィン・マンサ。ついでにZZガンダムも


キュベレイとクィン・マンサについての説明回です。
多少間違ってるところがあるかもしれないです...。

イフリート改とBD2、3をアーガマに追加したい作者。
EXAMは素晴らしい。あぁ、EXAMよ、私の前にひれ伏せ!(ジオンの騎士)

マリオンにひれ伏せって言ってる感じでなんかなぁ...

さて、では、どうぞ。


キュベレイMk-llとクィン・マンサ...

第一次ネオ・ジオン抗争で活躍したMSである。

キュベレイMk-llにはエルピー・プル。クィン・マンサにはプルシリーズの二人目、プルツーが搭乗した。どちらもサイコミュを搭載し、遠距離からの攻撃が可能となっている。

 

キュベレイMk-llのオリジナルであるキュベレイは、宇宙世紀0087、0088でトップクラスの戦闘能力を誇ったが、ハマーン・カーンにしか乗りこなせなかったため、総司令官である彼女が必然的に最前線へ向かい戦わなければならない。という問題を抱えていた。

その問題を解消するために、オリジナルのキュベレイ並みの戦果を挙げられるMSの開発と、そのパイロットとなりニュータイプ擁する目的が量産化計画にあった。養成されたクローン強化人間(プルシリーズ)の実戦投入と、ニュータイプ能力の査定、覚醒を促すために開発された機体とも言われている。

エルピー・プルとプルツーが搭乗したが、ハマーンのような高度なニュータイプにはなれず、オリジナルより下方調整されている。武装はオリジナルと大差なく、通常に近いものだった。

 

クィン・マンサはネオ・ジオンの象徴として、最大にして最強のニュータイプ専用MSで、設計には接収した連邦性MA、『サイコガンダムMk-ll』を始め、ジオン制MS全てのノウハウを詰め込んでいる。

巨大なスラスターが大出力を確保して、大型機としては高い機動性を誇り、全身に多数のメガ粒子砲とファンネルを搭載し、Iフィールドも張れるため、攻防共に他機の追随を許さない。

装甲も極めて堅牢で、フルアーマーZZガンダムのミサイル一斉発射を受けても致命的な損害を免れている。

1戦闘単位としては最強の性能を誇るが、その戦闘能力を最大限にまで引き出せたのがプルツー一人だったため、最終的に正式な塔乗者として決定した。

 

―――――――――――――――――――――――

 

「これがキュベレイとクィン・マンサです。他に教えてほしいこととかありますか?」

 

「ZZガンダムっていうのも...」

 

「!...勿論です!!いくらでも教えましょう!はい!」

 

「アーガマ...テンションおかしいけど...」

 

「おかしくないです!ZZガンダムですね!?では、始めますよ!!」

 

―――――――――――――――――――――――

 

ZZガンダム。Zガンダムの発展系MSとして開発された。

Zガンダムとは違い、重装備、大火力で主に攻撃力重視のMSである。

飛行形態のMAにも変形可能であり、コアファイター、コアベース、コアトップ。この3機でハイザック1個小隊に匹敵する能力をもっている。

パイロットであるジュドー・アーシタは、キュベレイとの戦闘時、キュベレイのビットをビームサーベルで叩き切るという行動をしているが、これを出来るのはジュドー一人とされており、ルー・ルカがZZガンダムに搭乗すると、砲撃戦をメインに行っている。

この行動が出来るジュドーは、エースパイロットと言っても過言ではない。

 

更に、頭部にあるハイ・メガ・キャノンはコロニーレーザーの約20%の威力に相当し、火力的には、当時のMSでは群を抜いていた。

白兵戦ようの武装として、ハイパービームサーベルも装備されている。

通常のビームサーベルより数倍の出力で、第一次ネオ・ジオン抗争時に、小惑星をビームサーベルで切断する。という行動をとっていた。出力の関係もあり、柄の部分も太くなっている。

 

その他に、フルアーマーシステムもあり、追加パーツをZZガンダムに装備することで、更なる火力、装甲確保できる。

ミサイルランチャーを追加し、ビームライフルなどでのエネルギー消費を抑えるためにこの他にも多数の実弾武装が追加されている。

そして、腹部にもハイ・メガ・キャノンが追加されている。

出力は頭部にあるものと変わらないが、一度使うと再度使用することができなくなるため、あまり使う機会がなかった。

 

 

―――――――――――――――――

 

「これがZZガンダムです!」

 

アーガマが胸を張って説明を終える。

それに対して鈴谷が突っ込みをいれる。

 

「いや、アーガマは乗ってないでしょ!」

 

「自分の艦載機ですから!」

 

「あ~...そう」

 

呆れた顔をして鈴谷がそっぽを向く。

 

――さて、ZZガンダムの試運転を...!



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新MS性能試験

すいません!更新遅くなりました!
色々ありまして。

さて、今回はアーガマに新しく搭載された、ZZガンダムの性能試験です。
試験内容は本編で。

忘れていた...アーガマって片腕切られたんだった...。
あぁ...やってしまった...。

ここで言って良いのか分かりませんが、SAOの映画見てきました。
なんだろう。楽しかったです。


鈴谷にZZガンダムとキュベレイMk-ll、クィン・マンサの説明を終えたアーガマは演習場に来ていた。

右手にクロスボウを握り、海面に立っている。

握られたクロスボウには『MSZ-010』の文字が刻まれている。

それを空に向け、勢いよく撃ち出す。撃ち出した時に、もうひとつのクロスボウを出現させる。それには『RX-0』の文字。それも、同じように撃ち出す。

撃ち出された矢は、次第に形を変え、頭部にハイメガキャノンの砲口がある特徴的なMS、『ZZガンダム』、一本角を生やした白亜の巨人、『ユニコーンガンダム』へと姿を変える。

変化が終わると2機は滞空し、互いに見合う。

そして、アーガマの号令によって動き出す。

 

「...演習開始!」

 

――――――――――――――――――

 

先に動いたのはZZガンダムだった。

ダブルビームライフルをユニコーンへ向け、撃つ。

それを予め知っていたかの様に、背部バックパックのスラスターと、姿勢制御バーニアを幾つか吹かし、華麗にビームを避ける。

ZZガンダムのダブルビームライフルは、MSの携行兵器のなかでは破格の威力を持ち、一度撃つだけでMS数機を撃破し、ガンダリウム製の装甲を融解させるほどの威力を持つ。

対するユニコーンガンダムの所持するビームマグナムも、ZZガンダムのダブルビームライフルと近い威力を持つ。だが、ビームマグナムは最大でも5発しか撃てず、攻撃の手数ではZZガンダムに負けている。

 

ZZガンダムがハイパービームサーベルを引き抜き、ユニコーンガンダムに肉薄する。

ユニコーンもビームサーベルを抜くが、出力はZZガンダムに劣る。

思い切り降り下げられたハイパービームサーベルをユニコーンが受け止める。

ビームとビームが接触し、燐光が辺りに散りばめられる。

互いに睨み合い、デュアルアイセンサーを光らせる。

 

かすかにユニコーンが押され、少しずつだがZZガンダムが優勢になる。

その時、ユニコーンガンダムの装甲と装甲の間から赤い光が漏れる。

空いている手でZZガンダムの頭部を殴り、距離を取る。

その間に、装甲がスライドし、内部のサイコフレームが露出していく。

一本角が割れ、ユニコーンガンダムのシルエットが宇宙世紀を生きる人々の目に焼き付いた、“ガンダム”へと変化する。

 

それに呼応する様に、ZZガンダムの回りにも赤いオーラが出現する。

両機が本領を発揮したところで、本当の演習が始まる。

 

先程とは違い、最初に動いたのはユニコーンガンダムである。

赤い軌跡を描きながら高速で移動する。

移動するユニコーンを捉えきれず、ZZガンダムセンサーカメラからユニコーンガンダムの姿が消える。

だが、次の瞬間、ZZガンダムの横を紫電を閃かせながらビームが通過する。

後ろを向くと、緑色のアイセンサーを光らせながらビームマグナムの照準器を覗くユニコーンガンダムがいた。

 

それを見て、ZZガンダムが再度ハイパービームサーベルを引き抜く。

サーベルを構え、出力を増大させる。

出力の増えたビームサーベルはZZガンダムの数倍の光刃になり、それを降り下げる。

 

対して、ユニコーンガンダムも両腕のビームトンファーから光刃を展開し、ZZ同様に出力を上げる。

かつて、赤い彗星の再来と言われたフル・フロンタルの乗るシナンジュを貫いた時と同じ出力である。

両者の光刃が激突し、先程より激しい燐光を散らす。その光景は、戦場ではなく花火の様だった。

 

だが、勝敗の時は刻一刻と近づいてくる。

多少だがユニコーンガンダムがZZガンダムを押していた。

そして、ZZガンダムのビームサーベルを弾き、ビームトンファーの光刃をZZガンダムの体に向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまで...!」

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

「ユニコーンガンダムとほとんど互角...」

 

先程の演習データを整理し、今後の戦闘方法を考える。

ZZとユニコーンを使用した連携戦闘。

MSだけでの戦闘。

現在はこの2つ。どちらを行っても良いが、今のアーガマには“戦いたい”という意志があった。

 

――連携戦闘で良いかな...。

 

今考えたことを全てのMSにインプットする。

これが便利らしい。

 

「それにしても...」

 

アーガマは自分の左肩から先を見る。

そこにあるのはただの虚空だった。

腕がない。これはかなり戦闘に影響する。

手数が減るし、相手を拘束しながらの攻撃が出来ない。

適当に、演習場に来る途中に拾ったボロ布をかけている。

 

本人曰く、カッコいいらしい。

子供っぽいというかなんというか...。

 

「ちょっと慣れておこうかな...」

 

演習場を出て、鎮守府本館へ向かう。

廊下を歩いている時にガランシェールと五月雨に会い、カッコいいか聞いたところ、両者とも苦笑いで、「カッコいいと思う」と答えたそうだ。

 

なんだかんだしている内に、執務室前に着いた。

扉を開けると、そこに鈴谷の姿はなく、机の上に書き置きがあった。

 

『久しぶりに海に出て深海棲艦を叩きのめしてくる!』

 

「...はぁ」

 

思わず溜め息が出る。

執務をすっぽかして、気分転換。も良いが、彼女の場合、毎日が気分転換の様なものだ。

それなら溜め息も出る。

 

それを軽く受け流し、アーガマも紙をとってすらすらと文字を書いていく。

書き終わって紙を机の上に置くと、アーガマは執務室を出ていく。

廊下をキョロキョロと見て、自室に向かって、同じ書き置きを書く。

そして、誰にもバレないように、砂浜から海へ出る。

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

執務室の机に置かれたアーガマの書き置き.......

 

『一週間の間、この鎮守府から離れます。一週間したら戻ってくるので、ガランシェールのお世話をお願いします。夕立さん、蒼龍さんと五月雨さんにもこの書き置きを見せてあげて下さい』




ボロ布をかけたアーガマはエクシアリペアを参考にしました。
そろそろイラストが欲しいところ。お願いしたいんですが、よろしいでしょうか?
作者自身も一応頑張ってます。

感想と評価、お願いします!


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アーガマの修行-1-

読者の皆様、一ヶ月の間、大変長らくお待たせいたしました。
今回から頑張っていきたいと思います。

それでですね、今回のお話ですが、修行です。はい。今の体に慣れるための。
前回(約一ヶ月前)に投稿した、「新型MS性能試験」の最後に、『一週間~』という文章があった通り、修行です(二回目)。サバイバルします。
鉄○DASHみたいな事はしませんが(家造り、開拓、レール引きetc...)、狩りはします。
補給?知らない子ですね...(すっとぼけ)

まぁ、それでは...、本編へどうぞ!


アーガマは今、海上にて頭を抱えて悩んでいた。

それもそのはず、『一週間鎮守府を空ける』と書き置きをしてきて海に出たは良いが、島が見当たらないのだ。

自分では鎮守府周辺の地理は完璧だと思っていたアーガマだが、それは違っていたようだ。

 

「近場に島くらいあると思ったんだけど...」

 

アーガマが周りを見渡していると、強運でも発動したのか、小さな島影が一つ。

付近にはそれ以外の島はなく、存在していたのは目の前の島だけだった。

 

「これは素直に喜んで良いのかな...?」

 

などと言っているが、内心は物凄く喜んでいた。

数時間の航行を続けて見つけた、たった一つの島なのだ。喜ばない方がおかしいだろう。

上陸を決めたアーガマは速度を上げ、島に近づく。

一見すると、周りを砂浜で囲まれ、真ん中が森になっている。一般的な島だった。

広さもそれなりで、修行するには困らないだろう。

早速島に上陸し、艤装を展開する。

まずは、夜に向けての準備。修行はそれからだ。

アーガマ曰く、孤島で修行することによって、戦闘中、海上で遭難した際の生存率が格段に上がるらしい。

 

「えっと...、とりあえず、拠点とか作らなきゃ...」

 

左腕が無いため、右手だけでテントの組み立てなどをしなければいけない。

と、普通は思うだろうが、MSを搭載しているアーガマは、それらに手助けをしてもらうと考えたのだ。

ここで、アーガマの考えた割り振りを紹介しておこう。

 

Zガンダム、百式、ガンダムMk-llはテントの組み立て。

ZZガンダム、クシャトリヤ・リペアードは食料調達。

ユニコーン、バンシィ・ノルンは周辺警戒。

 

但し、手伝ってもらうのは今回だけ。これ以降はアーガマ単身でやっていくことになる。

先程述べたMSを出撃させ、要項を伝える。すると、各MSが自分に任せられた使命を全うすべく行動を始める。

アーガマはただそれを見守るだけだった。今はなにもできないから...。

 

「皆が頑張ってる間...、なにしようかな...」

 

砂浜を歩きながらやることを探すアーガマ。左腕が無い今、行動が幾つか制限されている。

勿論、両手を使う行動は出来ないし、メガ粒子砲を二丁、構えることも出来ない。その他にも、MSの二機同時射出も不可能になっている。片腕は、何かと不便なのだ。

 

「はぁ...」

 

――腕とか、生えてこないのかなぁ...?

 

アーガマがそう願うが、もがれた腕は再生するどころか、なんの反応も示さない。

いくら艦娘と言えど、切られる、もがれるなどすれば、入渠しても治らない。

治るのは、打撲、骨折、擦り傷かすり傷など。

 

――流石に無理だなぁ...。

 

アーガマは片腕での生活に不便を感じながら、静かに海を眺めていた。




すいませんでしたぁ!短いし、話がよく分からないと思います。すいません!
なにせ一ヶ月ぶりですので、作者も中々、話を考えられませんでした!
次回はちゃんと!しっかりやりますので!今回は許してください!

良ければ、感想と評価。お願いします!


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