弱者が転生したのは間違っているだろうか (あーーaaa)
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死んだそして出会った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………いつからだろう。私が人という存在が嫌いになったのは。物心がついたときから?いや、もっと前からだったと思う。もしかしたら私が生まれた時点でそうゆう運命だったのだろうか?

 

いつから私の体に、常に痛みが付きまとっていたのだろうか?私には物心がつく前の記憶はないからわからないけど物心がつくもっと前からだったと思う。

 

でももうどうでもいいや。

 

今までどれだけ辛くても、どれだけ寂しくても、どれだけ痛くても、ずっと一人だった(あの過去)はもうなくなるんだ。え?なんでって?そうなの簡単なことだよ。だって、私は……………………もう、死ぬんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰もいない狭く暗い裏路地に一人の少女が横たわっていた。恐らくこのままでは誰にも見つけてもらえないだろう。いや、そうなる前に連れ去られる、もしくは殺されてもおかしくない。ここは、この世界は合法的に他の生物を殺せる世界なのだ。そして、あらゆる富、名声、欲望、未知、そして出会いを求める冒険者が集う大都市だ。この少女はこの都市(異世界)で生きていけるのだろうか。これは望まぬ転生をしてしまった一人の弱い少女の物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

重たい瞼を上げ、視界を広げる。僅かな倦怠感と少しの頭痛があるけれどそれは我慢し、無視する。

 

「う、…んん。あれ?ここは?たしか私....死んだよね(・・・・・)

 

おかしい、私はたしかに死んだはずだ。だって私は屋上から落ちて...違う落ちたんじゃない、落とされたんだ。たしか○○○のお兄さんと取り巻きの人達にいつものように脅されて(犯されて)それでその時逆らっちゃたんだっけ。最初の頃以外抵抗してなかったからなぁ。それで怒って落とされたんだっけ。じゃあここはどこだろう。袋小路になってるからここは裏路地だよね?死後の世界なのかな?それにしては普通に生きてる感じだけど。とにかくここから出ないと。昼休みに呼び出されたから昼御飯食べてないんだよなぁ。

 

「?そこに誰かいるのかい?」

 

そんなことを考えていると異常に胸だけ発達してる女の子が出てきた。なんだろう。最近何に関しても無関心だったんだけどものすごく負けた気がした。なにとは言わない。

「大丈夫かい?こんなところで。君の親はどこに行ったんだい?」

 

親、親かぁ。親は両親とも好きじゃないんだよなぁ。幸い彼女は私のことを知らない。そしてこの場所も死後の世界なら親との関係はなくなっているはずだ。いないことにしよう!

 

「あっ……あのっ。えと、その。」

 

忘れていた私は育った環境のせいでものすごい人見知りなのだと言うか人と話すこともできない。そのせいで常にいじめられてたわけなんだけど。

 

「…………ここは、何処ですか?」

「?ここがどこかわからないのかい?」

「はい………」

「ここは迷宮都市、オラリオだよ!」

「おら、りお?」

 

聞いたことのない地名が出てきた。私以外の人だったら「なにその地名www」な状態になっていただろう。だが私は一回死んでいる。いや正式に死んだのかはわからないけど。

正式な死ってなんだよ。

 

「よかったらボクのファミリアにならないかい?」

 

(ふぁみりあってなんだ!?)

 

「(まあ悪いものでもなさそうだし)いいですよ」

「本当かい!?やったー!ボクの眷族二人目だ~!」

 

二人目って少ないのか?まあこんなに喜んでるし悪いものではないだろうし。

 

「早くいこうぜ!」

「わ、わ、わ、い、行くってどこに?」

「ボク達のホームにだよ。」

 

ホーム。家のことかな?そのもう一人ってのも少し気になるし今はされるがままにされるか。傷つけられるのは慣れてるし。

 

 

 

 

 

 

「ただいま。ベル君!」

「あっ。神様!おかえりなさい。?その後ろの子は?」

「朗報だぜベル君!このファミリアの新しい家族だ。」

 

グッドのポーズを決めてる謎の神様?てか神様いるんだ。やっぱ私死んでんじゃん。あれ?よくあるかは知んないけど異世界転生的な?

 

「僕はベル・クラネル冒険者なんだ。って言ってもつい半月前に冒険者になったばっかりなんだけど。」

マジカ。この名前で純日本人なら軽く引くぐらいのキラキラネームだよ。ここが別の世界で良かったよ。

そういや私の名前は前のでいいのかな?ま、いいか。

 

「えーと、わ、私の名前ふぁ。………(噛んだ)私の名前は咲夜 渚(さくや なぎさ)でしゅ………(また噛んだ)」

 

噛みすぎてクラス替えの時の自己紹介で指差されて大爆笑されたときを思い出してしまった。マジで恥ずかしかったんだぞ、高林君。

 

「じゃあボクもの番だね。ボクの名前はヘスティア。正真正銘の神さ。」

「ヘスティア?炉の神?」

「へ~よく知ってるじゃないか。」

「ええ、まあ。」

「まあ、今は神の力(アルカナム)は使えないんだけど。」

「神様!早速ステイタスを刻んだらどうです!?」

「ベル君、少し落ち着いたらどうだい?ま、家族が増えるんだからしょうがないけどさ。」

「ステイタスを刻む?」

「ああ、わからないかい。サクヤ君の背中にボクの恩恵を刻むんだ」

 

刻むって。なんか痛そうだな。まあいいか殴られんのも切られんのも慣れてると言うか慣れた。

 

「じゃあ早速恩恵を与えるけどベル君は男の子だもんね。少し外に出てくれるかい?」

「はいわかりました。」

 

そう言うとベルは外に出ていった。外って言っても今いる部屋、壊れた教会の地下だからね。まあそれはさておき恩恵を与えるってどうやるんだろう。

 

「じゃあ服を脱いでそこに寝そべってくれ。」

 

前言撤回恩恵の与え方何て知らなくていいと言うか知りたくない。二人になった瞬間服脱いで寝ろとかこの(ひと)もあの人達と一緒か。ちなみにあの人達っていうのは私を殺した人ね。

 

「・・・・」

「さ、サクヤ君?なにか勘違いしてないかい?」

「してます。」

「おおう。はっきりいうか。」

「で。何をしたらいいんです?」

「いや。寝てるだけでいいんだ。」

「そうですか。」

 

私はヘスティア様の言う通りに服を脱ぐ。服と言っても今私が着ているのは何故か着ている黒いキャミソールワンピースだ。しかも背中が空いているタイプじゃない。つまり一々下着だけの姿にならなければいけない。

 

ベットの上に寝そべり、その上からヘスティア様が私の上に股がる。逃げられないようにするためだろうか?

 

久しぶりのベットの感触にウトウトしてそのまま寝てしまう。

 

なんだろうヘスティア様といると凄く落ち着く。会って少ししかたってないのに。

 

そして私はその心地よさに身を任せそのまま寝てしまった。

 




ステイタスは次回です。
初めてなので誤字・脱字及び駄文については許してください。

後5月の4日に編集しました。あまり変動はありませんがよろしくお願いします


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あれ?地味にチートじゃね?

…寝てしまった。初めて会った人の家で寝てしまった。どうしてだろうか。人間不信を極めたあの私が出会ったばかりの人の家で寝るとか今日の天気はいったいどうなるんだろう。と言うか人の家で寝たことなんて昨日が初めてかもしれない。

今私の横にはヘスティア様が寝ている。とても気持ち良さそうだ。

流石は神と言ったとこだろうか。とても心地よかった。まあ今まで私に優しくしてくれた人なんていなかったからね。多分嬉しかったんだろう。

 

…今の私は怖い目にあった子供が母親にすがるのと同じ状態なのだろう。

 

ちなみにいうと私を生んだ人を母だとは思わない。思いたくない。なにか理由を付けては私に暴言と暴力をふるっていたあれを母親だなんて思いたくない。

 

ちなみに父親のほうがもっと酷かったけどね。だって私が小学校高学年に上がってから毎日私に性的暴力をふるっていたからね。驚きでしょ?ウチは両親ともグズだったからね。

 

 

【挿絵表示】

 

 

はじめの頃はこうなっているのは私が悪いんだと思ってたけどさ、後から気付いたんだよね。初めから二人とも私をいたぶって面白がってたんだって。

 

それを理解してからは何もかも分かんなくなったね。自分がなんなのか、私はなんのためにいるのか、私はなにがしたいのか、とか自分が誇れるものもなくなってもう死のうかと思った時期もあったんだけどね。死ねなかった。正直言うと怖かった。自分の存在そのものが否定されたみたいで。それからは死にたいのに死ねないことすら怖くなってうつになった。でも家にいれば邪魔者扱いされるせいで仕方なく学校に行くしかなかった。

 

家庭環境がそんなだったせいで私は人と話すこともできなかった。怖かったんだ。回りの人にすら否定されるのが。だから私はずっと一人でいた。だから学校の何人グループを作れと言うとてつもなく定番の言葉が担任の口から放たれる度にいつも焦った。だって自分の本当を見られれば見られるほど否定されると思っていたあの頃の私はそれが嫌で一人でいたんだ。それを無理矢理繋げようとする?止めてくれ。ずっとそう思っていた。嫌だった。だけどまだ子供の私はそれを上手く伝えられなくって、ずっと悩んでいた。担任に相談したことだってあった。と言っても自分が何て言ったのかは覚えていない。その時の担任の言葉は

『何でそんなこと言うの?皆といた方が楽しいじゃない。』だ。

楽しくないから伝えたのになぜそうなる?何でかを教えてほしいと言うことは私の両親が私にしてきたことを言えと言うことだろうか。絶対に言いたくない。だから私は言わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…今の私は本当に死んでいるのだろうか?もし意識だけがここにきている。もしくはこれは私が現実逃避し続けて出来た妄想だった場合いずれ私はあの世界に戻らなくてはいけないだろう。それは嫌だ。あんな場所にはもういきたくない。

もし死んで転生しているのであれば死なない限りここにいれるだろう。おこがましいかもしれないがあんな辛い目に遭うのはもうごめんだ。神の恩恵?をもらったのだしばらくはおいてもらえるだろう。

 

「…んんっ。ん、ふぁ~……。起きてたのかいサクヤ君?」

「え?あ、えと、はい…」

「昨日はぐっすり寝ていたからね。」

「すいません…。」

「謝ることはないさ、まだ子供だしね。」

子供?確かに神から見たら私なんて宇宙とミジンコぐらいの差があるだろう。だが私は17年生きてきたのだ。子供と呼ばれるほど身長も小さくはない。と思う。

 

私は転生したんだから姿ぐらい変わっているかも知れないとほんの少しだけ期待して洗面所に向かう。

 

 

 

 

 

洗面所に着いて私が思ったことは私そのものなのだ。しかも数年前の。この姿なら子供と言われても仕方がない。私は少し落胆しながら顔を洗う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今私は昨日背中に刻まれたステイタスを写した紙を見ている。最初からスキルや魔法が使えるのは珍しいらしい、この世界魔法まであるのか…。

しかしこのステイタスは私そのものを写しているようだった。

 

ただし魔法(・・)を除いて。

 

 

サクヤ・ナギサ

Lv1

【力】 I0

【耐久】I0

【器用】I0

【敏捷】I0

【魔力】I0

 

【魔法】

掃討する蒼炎(プロミネンスレイド)

詠唱後この魔法のチャージ実行権を得る

【詠唱】

【届くまで燃える弱い意志 響け弱者の咆哮】

【スキル】

【否害者】

受けるダメージをかなり減らす

 

【小心者】

明確な意志がない限り攻撃してもダメージを与えることが出来ない

 

【意志】

守りたいもの、手にいれたいもの、たどり着きたい場所など、明確な意志が定まった時【小心者】のスキルを無効化にする。

 

意志の大きさに応じてステイタスに補正

 

 

 

 

……まんまやん。特に小心者とかさ。この否害者ってのもさ、多分これも私の生前から引いているんだろうか?それにしても否害者かぁ、被害者じゃなくてね。受けるダメージが減るってことはこれ以上痛い思いをしなくてもいいと言うことだろうか?それなら是非とも受け入れたい。まあもう刻まれてるんだけど。

 

しかしこの世界の人達にとってこのステイタスは普通なのだろうか?私目線から見たらチートのように見えるけど。

 

そういえば昨日ベルは冒険者だと言っていたモンスターなんかを狩るのだろうか。その行為を私は出来るのだろうか?

 

「わぁ。すごいね!サクヤ!スキルと魔法が発現してるよ!僕は一個も発現してないんだ………。」

「ベ、ベル元気出して?」

「そうだぞ!ベル君もこれからきっと手に入るさ!」

「神様……。はい!頑張ります!」

なんかベルってちょろそうだな。まあ私は断りきれずなされるがままにされそうだけど。

「じゃあサクヤっ!早く冒険者登録しに行こう!」

そう言ってベルは私の手をって走る。って速い!?転ける!?

「気を付けて行ってくるんだよ!」

「はい。行ってきます!」

「ああ、行ってらっしゃい。」

 

 

 

こうして(弱者)のちょっと強引な冒険が始まった。

 




ステイタス公開です。
意見などがあれば教えてください。できる限り取り入れようと思います。
後、絵を載せときました。


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私は満たされる

どーも。死んだと思っていたら異世界的な場所にきてしまった咲夜 渚です。

 

昨日ベルに流されて読み書きできない謎の言語を苦戦して書いてアドバイザーにメチャクチャ知識を叩き込まれたて冒険者になってしまった、できたてホヤホヤの攻撃出来ないなんちゃって新米冒険者誕生です。ちなみに攻撃出来ないのは私のスキルだからね。覚えてなかった人、ここテストに出るのでちゃんと復習してくださいね。……………ハッ。いったい私は誰に何を言っているんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

はい。先程謎の電波を受け取ってしまった私は、今ヘスティア様に色々と聞き出されています。曰く、君に親はいないのか?と。産んでくれた人はいるが昨日もいった通り親と呼べる者はいない。ただ、これはあくまで私の意地であって周りから見たらあんな人でも親なのだろう。しかしこの世界には戸籍などの制度は弛そうだからいないことにしても大丈夫だろう。だけど私の生前をこの二人に聞かせてどんな反応をするのか試してみるのも面白いかもしれない。

 

安心してほしいこの話をしても私の過去の記憶(古傷)が広がるだけだ。脳内で記憶とゆう名の映像が流れるだけなんだ。実際に暴力を振るわれるよりましだ。だから言おう。親から受けた暴力を、同級生から受けたいじめを、父親や年上の人達に受けた性的暴力も、全部。

 

この日、私は初めて自分が受けてきたことを私とは違う人に話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず最初に、なんだこの状況。今私はロリできょぬ~なヘスティア様に抱きつかれている。しかも号泣しているので服が一ヶ所だけ濡れて正直気持ち悪い。この行為は私に同情してくれているのだろうか。だとしたら少し、嬉しいかもしれない。ベルは顔を下に向け、うつむいている。こっちから見て見ると頭がわずかに左右に動いているから視線をどこに向けたらいいのかわからないのかもしれない。二人のような反応は初めてだから私にはどうしたらいいのかわからない。とりあえず離してもらおう、そろそろ本当に気持ち悪くなってきた。

「そんなことを聞いて悪かったね。サクヤ君辛かったよね…。」

やめてほしい。そんなこと言わないでほしい。

「大丈夫だよ。ボクたちが守ってあげるから。」

そんな優しい言葉をかけないでほしい。そんな言葉をかけられたら私は……

「ひっぐっ、ぐす、うぅ、うぁ、うわぁぁぁぁ………」

ほら、泣いてしまう。誰かのせいで泣いたのはあっても誰かにすがって泣いたのは初めてなんだ。どうしたらいいのかわからなくなってしまう。

 

私はこの小さな女神の胸に自分の苦しみを打ち明けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着いたかい?」

「はい…。」

あれから数十分たった。私も落ち着きを取り戻して、今はヘスティア様から離してもらっている。ベルもこっちにその深紅(ルべライト)の瞳を向けている。憐れみの目?違う同情の目だ。もしかしたら私までとはいかなくてもそうゆう目にあっていたのだろうか?

「もう、大丈夫です。」

誰かに支えられるのがこんなにも心強いなんて知らなかった。

「もう昼だ。昼ごはんにしよう。」

「そ…そうですね神様。手伝いますよ。」

「そうかい?ベル君。期待しちゃうぜ?」

「そ…そんなに期待しないで下さいよ。」

「フフっ」

「「あ」」

「え?」

何を驚くことがあるのだろうか?私はただ笑っただけで、あ。笑ったからだ。こっちに来てからも笑わなかったからなぁ。

「笑ったね。」

「笑いましたね。」

「そ、そんな反応しなくても…。」

まあ自分でも笑ったのは驚きだったけど。でもこんな満たされた生活をするのもいいかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 




はい。少しだけ幸せ度が上がりました。
まあ落ちるかどうかはわかりませんけどね。
後文字数少なくてすいません


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初ダンジョンへの不安

遅くなってすいません


…とても痛い。からだ全身を殴られたみたいで全身真っ青になっている。

分かっている、これが夢なのは。いつか覚める。そう思いながらやけに現実味を帯びている痛みを我慢しこの夢が覚めるのを待つ。

 

あの辛い過去はこの夢のせいで忘れられないのだ。

 

『アッハハハハ!見てみなよ!泣いてやがる!』

『うっわ、こいつの血ぃついた。きったね~。』

『おいッ、擦り付けんなよ!?穢れるわ!?』

『おいおい、顔面殴んのは止めとけ。まだもう少し働いてもらうからな。』

『は~。この女のどこがいいんだか。』

『反抗しないところか?』

『ははは、男数人に押さえつけられたら逃げれないって。』

『でもあんま楽しくないよな~。』

『もぉ少し痛め付けるか。』

『さんせ~い。』

 

ドガァッ ベキッ バキッ ドゴッ ゴキッ

『ぎぃっ!? はぐっ!? いぎっ!? あぁっ!? げふぅっ!?

…………………………い…、やぁぁ…。ゅる、してぇ。』

『許す?ば~~~か。お前はそうやって喚いてればいいんだよっ!』

『あうぅっ!?』

『おいおい明日までに治らなかったらどうすんだよ。』

『はぁ?どうでもいいだろ。どうせ親にも同じことされんだからよ。』

『こいつはこの世に要らねぇ奴だからな!』

『いづっ!?』

 

ああ、まただ。この夢は毎日見る。私のあの生前(辛い過去)だ。

見たくない。それでも見てしまう。まるで私に

 

お前は弱者なんだ、強くなることは許されない。

 

と、言っているいるような感じがする。実際に私は弱いし、あのときなにも出来なかった。

 

ほら、この夢もそろそろ終わる。抵抗した私は突き落とされ、そのからだはコンクリートに向かってまっすぐに落ちる。

 

…怖い。

 

一瞬で遠かったコンクリートがすぐ目の前にくる。ああ、死ぬんだ。夢の中の私はとても冷静だ。

 

…コンクリートが、真っ赤に染まった。

 

「っ!?」

こっちに来てから毎日見るあの悪夢から目を覚ます。やけにリアルなんだ、あの夢は。

 

私は汗でびっちょりと濡れた服を代えようと起き上がる。あのあとファミリアのお金から私の服を買ってくれたのだ。私にとっては優しすぎるんだあの二人は。いつか騙されそうだ。

 

すでに起きていたベルに見られないようにシャワールームで着替えて、私達はベルの作ったちょっと不恰好な卵焼きなんかをを食べて、ダンジョンに向かう準備をする。

 

「そうか、サクヤ君は今日が初めてだったね。あまりけがをしないようにするんだよ?ベル君も先輩なんだからしっかりやるんだよ。」

「はい、神様。それじゃあ、いってきます!」

「いってきます。」

 

そう、今日から私はダンジョンに冒険をしに行くのだ。まだ見慣れないオラリオの街並みを見渡しながら常に人に怯えながらダンジョンのあるバベルへと向かう。

 

「ここが、ダンジョン。」

「そうだよ。この下にはもっと広い階層が何十階をもあるんだ。」

 

暗い、あと狭いそれが第一印象だ。それに目の前ちはひょろっとした人型の気持ち悪いのがいる。エイナさんに教えてもらった通りならあれがゴブリンのはずだ。

 

あれが日本の街中を歩いていたらどうなるだろう?否応なしに引っ捕らえられて研究されるな。絶対。

 

「じゃあ相手は一体だけだし、倒してみなよ、サクヤ。」

「ん。」

 

いきなりすぎる。もう少し教えてほしい。と言うか大事なことを忘れている気がする。私は若干の不安を覚えながら目の前のゴブリンへと向かう。

 

そもそも私が他のものに攻撃するなんておこがましいんじゃないかな?というか今でも怖い。でも死ぬよりましだ。

 

『グギャアッ!』

 

ゴブリンの攻撃速度はあの人達の本気の拳打なみの速度なので私には避けることのできる。なんで生前でしなかったのかというと避けたら避けたで逆ギレするからだ。今思い返してもめんどくさい性格をしているものだ。

 

ゴブリンの攻撃を避けたあと、支給品としてベルに買って貰った支給品の剣をゴブリンに突き出す。突き出した剣は見事ゴブリンに命中しーーーー

 

ガキィンッ

 

「 はぇ?」

 

ゴブリンにはじはれた。ベルの方へ視線を向けると、ベルもあんぐりしている。なんで攻撃が通らない?その疑問はすぐにとけた。ああ、私のスキルだ。明確な意志がない限り攻撃できない。だっけ?それってダメじゃん。

 

「サクヤ!!」

 

そんなことを考えているとゴブリンが私に攻撃してくる。って、何余計なこと考えてるんだ。いや、余計なことではないけどさ。けど私のスキルが発動しているのであればベルもそこまであせる必要はない。ゴブリンは腕を振り上げてくる。

でも大丈夫だ。

 

嫌だ、死にたくない。嫌だ、あの場所を、失いたくない。

 

そう思うとまるで解錠したかのような音がした。恐らくこれがスキルの無効化これで攻撃が通るはずだ。ただ、死にたくないと思うだけでも目の前に自分を殺しえるものがあるだけでそれは死にたくないとゆう明確な意志になるのだ。

 

私は迫り来るゴブリンの腕を切り落とし、脇腹から心臓辺りをめがけて剣を突き出す。

 

『グギャッ!?』

 

そう言い残すとゴブリンは魔石を残して灰になるまあ、魔石と言ってももともと小さいし、そこからさらに私が砕いてしまったせいでかなり小さい。

 

「サクヤ~。ビックリさせないでよ。」

「ご、ごめん。」

「でもよかったよ。怪我もしてないようだし。」

「ん。」

 

そこからは数体だけ倒して私達はホームへ帰ることにした。

 

攻撃をすることが出来ない弱い私の初ダンジョンはけがをすることなく終わった。

 

 

 




いい忘れていたことですが主人公はだんまちの世界を知りません。


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考え方

遅れてすみません


昨日の初ダンジョンで発動した私のスキルについてヘスティア様はまあスキルだしねぇ。と言っていた。ここではスキルや魔法は取り消すことが出来ないらしい。取り消せないのは残念だが、それも私の一部だと受け入れよう。因みに現在の私のステイタスはこんな感じだ。

 

サクヤ・ナギサ

Lv1

【力】I4

【耐久】I3

【器用】I5

【敏捷】I3

【魔力】I0

 

【魔法】

掃討する蒼炎(プロミネンスレイド)

詠唱後この魔法のチャージ実行権を得る

【詠唱】

【届くまで燃える弱い意志 響け弱者の咆哮】

 

【スキル】

【否害者】

受けるダメージをかなり減らす

 

 

【小心者】

明確な意志がない限り攻撃してもダメージを与えることが出来ない

 

 

【意志】

守りたいもの、手に入れたいもの、たどり着きたい場所など、明確な意志が定まったとき【小心者】のスキルを無効化にする。

 

意志の大きさに応じてステイタスに補正

 

 

 

 

全然伸びないな。いや当たり前だけどさ。

 

 

私は服を着て今日もダンジョンに向かう。

 

 

 

 

「サクヤ。昨日は二階層までだったけどもう少し下に行ってみようか。」

ベルが私に聞いてくる。私はダメージを軽減出来るため一発で死にはしないだろうがいきなり階層を跳ばすのは危険だと思う。そもそもエイナさんに怒られると思う。

 

痛みには慣れた私だが怒っている人の顔にはなかなか慣れない。幼い頃から植え付けられた恐怖が邪魔をする。ベル曰く、エイナさんは優しいけど怒ると怖いらしい。流石にあの女の人が豹変して罵声を浴びせてくる事はないと思う。

 

ここは外見だけが平和のあの世界とは違い、見渡す限り武器という名の凶器を携えている人がいる。

こんな簡単に人を殺せる状態で、人を殺したいと思ってしまうのは仕方がないと思う。それに今いる場所はダンジョンだ。万が一殺してしまっても

 

『モンスターがやりました。』

 

で終わりだ。証拠が無ければそれ以上は追及出来ない。もしも無理に追及したとしたら。訴えられておしまいだ。こうなった場合真実を知ろうとする正義は彼彼女らにとっては悪へとなる。一度でも悪と思われた者はそれらを取り巻く人々によって尾が付いた状態で周りに拡げられる。後は暇な人間によってどんどん広められていき、うざい。から、鬱陶しい。になり、あの人は人のことを信じない自己中なひと。になるだろう。最後のは強引かも知れないけど、事実そうなってしまうのだ。

 

人の心理は『自分が正しいと思うこと』=『相手は間違っている』になる。簡単な例で言うと、

 

いじめを受けていたS(別に私ではない。)がいたとする。そのSにとっては毎日が苦痛で、生きるのも辛いと思っていた。でもそれだとつまらない。自分は下僕ではないからだ。だから自分は正しいということを証明するために録音、盗撮、写真などで証拠を集めまくった。それを教師に提出した。勿論Sはいじめられた可哀想な被害者という役柄を得ることに成功して、相手には薄情な加害者という役柄を与えた。そこで加害者は言うのだ

 

「何チクってんだよ。」と。

 

間違いをただそうとしているのだ。自分のこの行動は正義であり、加害者である彼女達は悪なのだ。勿論、異論反論は受け付けない。いじめられた人はそれをチクってはいけないという法律もしくは憲法は存在しない。だから彼女達は悪だということを証明したのだ。しかし彼女達にとって私の行動は正義ではなく悪であり自分がすべて正しいのだ。だから彼女らは自分にとっての正義を私に、いやSに振るった。何かと聞かれればそれは勿論暴力に決まっている。さらに周りの人達もチクった私が悪いと言うことを言っていたと思う。もうめんどくさいな。Sは私だ。

 

兎に角、私が悪だという人達が束になったのだ。一人ぼっちの私には反抗の余地はない。そこからいじめはさらに酷くなった。

 

まあ、これが私の小学生ぐらいの時の出来事だ。結局人間は自分のためにしか行動を起こせない生物なのだ。人は他の生物よりも賢い。それだというのに自分のことしか考えられない人間は無能だ。悪までこれは私の考え方だし、周りの人間がなんと言おうとそんなのどうでもいい。自分の意見は自分だけのものであり、それは自分の意地の様なものだ。他人に押し付けるものではない。

 

「サクヤ?聞いてる?」

「あっ、ご、ごめん。」

「どうする?行ってみる?」

「うん。」

「じゃあ、行こっか。」

 

そうして他愛もない話をしながら、私達はモンスターを倒しながら進んでいく。気がついた時には五階層へと踏み入れていた。

 

「…」

「ねぇ、サクヤ…。なんかモンスター、少なくない?」

「う…ん。」

 

ああ、おかしい。下がるほどモンスターは増えるはずだ。それだというのにモンスターは逆に減っている。何かあるのだろうか?

 

『ブモオオオォォォォォォォオオオ( )ォォォ( )!!!』

 

「ヒッ!?」

「…何?」

まるで牛のような咆哮が響くとドシン、ドシンと中層のモンスター『ミノタウロス』がすがたを表す。

 

ミノタウロスは私達を見るとエサとでも思ったのだろうか、こちらに走ってくる。

 

「サクヤ!逃げよう!僕たちじゃ勝てない!」

「わっ、分かった!」

『ブモオオオォォォォォォォ!!』

だが、ミノタウロスのほうが早い。差をあっという間に埋められる。

 

「「ほあああああぁぁぁぁぁぁ!?」」

ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!死ぬ!死んじゃう!いやもう一度死んだけど!

 

ドガァッ!!

「うあぁ!?」

「ベル!」

 

ミノタウロスが足を下ろし地面を砕く。その衝撃に飲まれたベルが転け、お尻を擦りながら壁に向かって下がる。ん?()?……行き止まり?

 

『ブムゥ、スンスン。』

 

スンスン!?臭い嗅がれてるよ!そ、そんなに汗をかいた覚えは無いんだけど。

 

『ブモオオオ!』

 

ミノタウロスはベルに向かって拳を振り上げる。

 

「うっ、うわあぁぁぁ!!??」

「っ!?」

 

ミノタウロスの腕が降り下ろす前に私はベルの前に立ち、武器である剣を構える。

バキイィン!!

「っ!?」

ミノタウロスの拳が当たると同時に剣が砕かれた。剣を砕いたミノタウロスの拳はけんを持っていた私の右手に当たり、腕がへし折れる。

 

「づあぁっ!?」

 

ダメージを軽減しててもこれなのか、ゴブリンに攻撃されても引っ掻き傷しか付かなかった腕がへし折れた。当たる寸前に体を横に反らしたため私はベルにぶつかることなくベルの隣に叩き付けられる。

 

「あっ!?~~っ!?つぅぅ……」

「サクヤ!?」

 

私が防いだお陰でどうにかベルには当たらなかったらしい。とゆうか早く逃げろよ。満身創痍の私に気をつかうより逃げた方がいい。二人仲良く死ぬか、私を見捨てて一人生き残るかどっちが最善かは分かるだろう。だから早くーーーー

 

「ふっ!」

 

そう考えているとミノタウロスの体に銀閃が走る。そこからさらに何回も切りつけられ、ミノタウロスは灰に変わる。

 

「大丈夫ですか?」

「………」

「あの、大丈夫ですか?」

「いえ、大丈夫じゃーーーー

「ほ、」

「「ほ?」」

「ほあああああぁぁぁぁぁ!?」

 

ベルハニゲダシタ。え?待って、私は!?

 

…ああ、身体的にも精神的にもヤバイ。

 

 

 



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まさかの羞恥プレイ

ああ、痛い。わたしの右腕は見事に砕け、へし折れている。血もドバドバ出てるし、骨がむき出しになっている。ベル、こんな状態の私を置いていくのか?流石に辛いぞ。

 

まあ、ベルの表情を見るにこの助けてくれた金髪の美少女に惚れたな。だからと言っていきなり奇声を上げるのはどうかと思うよ。ほらもうなんか落ち込んでるよ。後ろで銀髪の男の人抱腹してるし、それをジト目で睨んでるし。

 

ああ、それと私が何故血塗れのベルの表情が分かるかと言うと表情を読むのが得意だからだ。と言うか私は毎度のように一体誰に話しているのだろう。

 

「あの、大丈夫ですか?」

「結構大丈夫じゃないです。」

「おいアイズ。んな雑魚ほっとけ。」

「でも、」

「ああ?っち!怪我してやがんのか。」

うーん確かにこれはかなりの大怪我だと思う。骨が出ちゃってるしね。骨に罅がはいる事はあってもここまで酷い怪我をしたことはないからなぁ。それよりもどうしようか?金髪の女の人はなんかおろおろしてるし、男の人は睨んでくるしどうしたらいいんだ。

 

「大丈夫ですか?」

「いや、それ何度目ですか?」

「四度目?」

「…真面目に答えないでくださいよ。」

「?」

「んなことやってる場合かよ。さっさと治療してフィンとこ帰んぞ。」

「はい。」

 

アホなことやってたら怒られたよ。と言うかベル。早く帰ってこい。私は人見知りだということを忘れてはいないか?まあ、こっちにきて大分解消してはいるけど。

 

そんなことを考えているとすでに金髪の女の人、確かアイズと呼ばれていた人は私の右手を固定し、液体の様な物をかけると私の右手はすぐに修復する。すごいな。医者要らずじゃないか。

 

「ありがと、う、ございます。」

「ううん。ごめんね。」

「あっ、いえ、お構い無く。」

「これがいい経験だ、これ以上無謀な冒険はしねぇことだな!」

 

あー、うん。いや、無謀だとは思ったけどさ、冒険はしてないよね?まあいいか。怪我も治して貰ったし。後はベルをどうしようか。と思っていたらベルが叫びながら此方に向かってくる。

 

「サクヤーーーーーー!?ごめぇぇぇぇぇぇえん!?」

叫びすぎだ。聞いているこっちの耳が痛くなる。

 

そんなことを思ってるとベルは私を横抱きに、ん?ちょっと待って、横抱き(・・・)

?それって所為お姫様抱っこじゃ……

 

ベルとアイズさん?だっけ?と目が合う。

 

「…」

「…」

「…」

「…」

「「「「…………」」」」

「ほ、」

「「「ほ?」」」

「ほあああああぁぁぁぁぁ!?」

ちょっ!?待って!また逃げるの!?どんだけ女の人に免疫ないんだよ!と言うか、

 

「お、下ろしてベルゥゥゥ!?」

 

恥ずかしいんだよぉぉぉ!?何シチュだよ!?そしてなんのプレイだ!羞恥プレイか!?私を辱しめて何が楽しいんだ!と言うか今すぐ下ろせ!今すれ違ったパーティみんな口があんぐりしてたぞ!人の話を聞けぇぇぇ!

 

羞恥に悶える私を抱えたベルはダンジョンを出て、その降りかかった血を散らして街の中央を走って行く。

 

………はぁ、もうどうにでもなれ。

 

 



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おはなし 

もおおぉぉぉぉぉ仕分けございません!
遅れましたああぁぁぁぁぁぁ!


「で?話を聞こうか?」

 

私とベルは二人揃って正座をさせられている。正直足がしびれています。はい。

 

「ボクが家で一人寂しく心配してる時に君達二人はダンジョンでナニをしてたのかなぁ?」

 

ヘスティア様、ベルにそんな勇気があるとでも?まあ、でも確かに怪我をせずに帰ってくるかと心配してたところ頬を赤く染めている男女が入ってきたらナニかあったのかと思ってしまうのもあるのかもしれない。

 

でもまあベルは許さない。恥ずかしかったんだぞ。

 

「いえ、ちょっとベルに人には言えない恥ずかしいことされただけですから。」

「ちょっ、サクヤ!?」

 

ふん。ベルにも罰を受けてもらう。

 

私の言葉を聞いてヘスティア様はさらに鬼の形相になる。

 

「ベルく~ん?どぉいうことだぁい?」

「「ひぃっ!?」」

 

ヘスティア様、怖い、怖いですよ。確かに私の言い方が悪かったですけど、まあ嘘は言ってないだけなんだけど。確かにあの事は私史上最大の黒歴史だ。だから人には言えない。恥ずかしい。ほら、間違ってない。因みに嘘ではないためヘスティア様も気付いてないのだろう。勘違いはしているだろうが。

 

「ボクとベルくんの仲だろう?教えてくれよぉ。」

「えっ、えっとその。」

「どぉしたんだぁい。やましいことがなければ言えるよねぇ。」

…なんか、見てて面白いな。私も少し混ざろう。ウサギは孤独で死ぬのだ。いや、私はウサギじゃなかった。

 

「ベル…。私にあんなことしたのに…。すっごく怖かったんだよ?やめてって言ってもやめてくれなかったし、それに、あ、あんなに強引に…。」

「………………ベルくん?(ニッコォ…)

「ひっ!?さっ、サクヤ!?なに言ってるの!?」

「(ヤバイ。楽しい。)ベル?もう忘れたの?あんなに体を密着させて、ひっ、人前なのに気にせずそのまま続けて、すっごく恥ずかしかったんだよ?」

「さっ、サクヤァァァァァァーーー!?」

「ベルくーーーーーーーーん!?」

 

ああ、本当にこの人たちは面白い。出来るならこれからもずっと一緒に、

 

「サクヤくん!詳しく教えてもらおうか!」

「神様っ!?誤解ですからーーー!?」

 

本当に一緒に生きていきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________________________________________________

 

 

私は後悔している。あの子が傷ついているのに。それがわかってたのに、救えなかった。

 

日に日に増えてく体の痣、ひどくなっていく、生きることを諦めたような死んだ目、それがあの子の特徴だった。

 

あの子と出会ったのは小学生の頃、偶々同じクラスになった時だった。その頃からすでに何か諦めたかのような雰囲気を纏っていたし、目も沈んでいた。それをみてあの子から離れていくクラスの皆、前の年に同じクラスだったらしい人達のまるでゴミを見るような目、1ヶ月もたてばあの子に話しかける人はいなくなった。

 

あの子は昼休みに必ず教室から出ていく。当時の私はあの子の行動が気になって追跡した。

 

あの子が向かっていたのは体育館裏だった。どうしてこんなところに、と思いながらあとを追ってみると、私の目に映ったのはまるでボールの様に蹴り飛ばされているあの子の姿だった。

 

 




まあぶっちゃけ最後のは11111992288889です。なにいってるかわからないって?
かんばって解読してください


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もう一人の転生者

視点や話がいきなり変わりますが出来るだけ気にしないでください


私の名前は白崎 詩音(しろざき しおん)、そこら辺にいるようなただの学生。

 

一週間前、私の通っている高校で、ある女子高生が自殺した。四階建ての校舎から飛び降りたそうだ。これはニュースになり、毎日のように報道されている。しかし、死んだ女子高生の遺体を調べると不可解な点が多かった。

 

まずひとつ、殴られた痕や、切られた痕が身体中にあったことだ。この事から虐められて自殺したのでは?と言われていた。

 

次に、亡くなった子の親が悲しみもせず当たり前のように生活していると言うこと。これは虐待をされていたと言う証拠にはならないためすぐになかったことにされたそうだ。

 

最後に、これだけ生々しい傷痕があり、つい最近付いたものもあるのに周りの学生は皆そんなことはなかったと口を揃えていっていると言うこと。

 

学校でもいじめは無かったと、学生からも無かったと証言され、証拠もないため虐待と言う線も消え捜査は手詰まりになっていた。

 

率直に言うと先生も学生も皆、手を組んでいたのだ。いや、実際に手を組んでいた訳ではないが、利害が一致していたのだろう。学生はバレたら一大事になり、世間に曝される。教師は責任を執らされるとあの子の死から逃れたのだ。例え誰かがばらしても認知していなかったと言えばそれでおしまい。多少の責任はとらされるがそれだけだ。

 

私は、それが許せなかった。あの子は苦しみながら辛い思いをしてまで生きて、それを人の気まぐれで奪われたのに、その罪から逃れようとしている。

 

かといって私があれは自殺ではなく殺人だ(・・・・・・・・・・・・)と言っても証拠は無いためただの出任せだと蹴り飛ばされて終わりだ。例え渚ちゃんが突き落とされているところを見ていたとしてもだ。

 

だから、私が言えることができるのはただ1つ、

 

「今まで、ごめん、助けてあげられなくて。ごめん。」

 

私が助けると言うのはただの傲慢かもしれない。でもそれをわかっていながら見て見ぬふりをしたのは事実だ。大粒の雨に打たれながら私は屋上の縁に立ち、目を瞑ってあの子と出会った時のことを思い出した。

 

 

 

__________________________________________________

 

体育館の裏で私が見たものはボールの様に蹴り飛ばされているあの子の姿だった。

 

一瞬、頭が真っ白になった。あの子は鳩尾を蹴られたのか、苦しそうにもがきながら小学校で出ていた給食を吐き出していた。その姿を見て、ゲラゲラと笑う上級生。私は怖くて見つからないように隠れながらそれを観察していた。

 

怖い、と言う感情は在ってもあのときの私は好奇心の方が上回ってしまい先生に通報することなく、その現場をずっと見ていた。

 

それから数十分蹴られ続けたあの子は横に倒れ、立ち上がれないようになっていた。その立ち上がれないあの子の長い髪を引っ張り、ズルズルと引き摺りながら冬場の間一切使われていない緑色に染まったプールに連れてこられていた。

 

上級生数人はあの子の服を強引に脱がしてその緑色に染まったプールに投げ飛ばした。

 

冬場でさらに薄く氷の張ったプールに投げ飛ばされたあの子は汚い水を飲んでしまったのか、ゲホゲホと咳き込んでプールの中に嘔吐していた。さらに冷たい水が蹴られ続けて裂けた皮膚から沁みているのか傷口を押さえ縮こまっていた。

 

それでもやはり菌の繁殖したプールに居続けるのは不味いと思ったのかすぐに出ようとする。しかし、上級生の男の子があの子、渚ちゃんの顔に足を押し付け、押し飛ばす。手すりから手が離れ、背中からプールに落ちた渚ちゃんはプールの中にあった緑のヌメヌメを身体中に付けていた。それをみてまた笑い出す人達。渚ちゃんの顔は遠くて見れなかったけど恐らく泣いていた。

 

すると一番に笑いの渦から抜け出した人が渚ちゃんにこっちに来るように命令していた。その命令に多少震えながら悴む体を動かす。渚ちゃんが寄ってくるとそのヌメッとした髪を掴み、しゃがむ要領で思いっきり渚ちゃんを沈める。また起きる大爆笑。幼かった私には彼達が狂っているかのように見えた。

 

ブクブクと緑色のプールからあふれでてくる気泡。一度出なくなると顔を水面から出して酸素を取り込ませる。渚ちゃんは上手く酸素を取り込めず、ゲホゲホと咳き込むがお構いなしにまた沈められる。それを何回も何回も繰り返していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________________________________________________

 

 

あの日が私と渚ちゃんが出会った日。出会い方は最悪だった。あのひから私は少しずつあの子に接するようになっていた。でも今思えば救おうとせずただ話しかけられるだけなんて邪魔だったのかもしれない。話かけるごとに少し困った顔をして私のいった通りにやる。あれは友情なんてものよりも忠誠心のような感じだった。あの子は自分以外はすべて上だと思っていた。だから私が話していても常に敬語だった。同い年にもかかわらず。

 

結局私は自分を押し付けていただけ。あの子にとってはいい迷惑だったのかもしれない。私はせめて、あの子が傷付かずにいられるようにしてくださいと今まで信仰してきていなかった神様へ祈りながらあの子の死んだ場所へと落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~薄暗い裏露地で~

「あの、大丈夫?」

 

倒れていた猫人(キャット・ピープル)に話しかける薄灰色の髪をお団子に纏めたヒューマンがいた

 

 




お気に入り登録してくれた方々有り難う御座います


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設定

主人公

 

・咲夜 渚

 

読み方

 

・さくや なぎさ

 

性格

 

・人間不信で人を信じることが出来なかったが、転生した後に神ヘスティアと原作主人公のベル クラネルの優しさと純粋さに触れ、転生前よりは人を信じるようになった。

 

姿

 

・長髪の黒髪で瞳も黒い。背は標準的な女子高生よりもかなり背が小さい。

 

・胸は標準よりも少し小さい。

 

経歴

 

・物心がついたときから両親に過度な虐待を受けていた。そのせいで身体中がアザだらけになり小学校の頃から気味悪がられていて、一時は自分が悪いのだと思っていたが親の虐待がただのストレス発散とただ単純に楽しんでいるだけだとその鋭い観察眼で気付き、人に絶望した。

 

人に絶望しても状況は変わらず、逆に悪化してクラスメイトや上級生からも暴力を振るわれていた。小学校高学年になると実の父親に強姦され、それから毎日犯されるようになった。

 

中学生になると何をしても無駄だということに気が付き、抵抗も拒否もしなくなった。それが原因で同級生や歳上の男子にも強姦にされるようになり写真や動画で脅され毎日犯されていた。

 

高校生になって完全に抵抗しなくなり、学校中の遊び道具と言う名のサンドバックになり、毎日何十人の人に殴られていた。

 

ある日、珍しく抵抗してしまい、逆ギレした男子に屋上から突き落とされ死亡。しかし、自殺ととられた。

 

死亡後にダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかの世界に転生、身長が縮み少しショックを受けた。

 

追記

 

・これはネタバレですが実は身長が縮んだ理由は種族が小人族のパルゥムになったからです。ですがこの事は本人は知りません。

 

 

オリジナルキャラクター

 

・白崎 詩音

 

読み方

 

・しろざき しおん

 

性格

 

・ゆるふわな天然、渚とは正反対で人の事はなんでも信じてしまう。一度話したらみんな友達!みたいなところがあるが根は優しく、周りからいじめられていた渚を唯一救おうとした。

 

姿

 

・ 髪は肩に少し掛かっているほどで、白に近かい灰色。瞳も同様に黒い。背は標準的な女子高生よりも小さい。

 

・胸は渚よりも大きい。

 

経歴

 

・咲夜 渚とは小学三年生の頃に出会った。当時渚がいじめられている場面に遭遇し助けようとするも自分のことを最優先にしてしまい助けることができなかった。今まで人とケンカや仲違いをしたことがないため人の悪意や嫉妬、優越感を知らない。

 

渚が殺されたことに責任を感じ、その一週間後に自殺。その後薄灰色の髪をお団子に纏めた少女に拾われる。

 

追記

 

・詩音の種族は猫人(キャット・ピープル)です。

 

 

 




オリキャラの白崎 詩音ですが髪の色の設定を変えました。

黒みがかった茶色→白に近かい灰色


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1日店員

遅れて本当に申し訳ございません。なんか毎回のようにこれ書いてますね。本当にごめんなさい。


懐かしい夢を見て、私は目を覚ました。視界に入ったのは知らない木製の天上。

 

……ここ、何処?

 

状況を整理するため私は起き上がる。木製のベットがギイギイなるがそれを無視して立ち上がり、もう一度状況を整理する。

 

いや、ホントにここどこ?

 

今の私は白いキャミソールワンピースを着ている状態。

 

何故こんな格好を?と思い、たまたま視界に入った鏡を見て絶句する。鏡に写ったその姿は髪が真っ白で頭の上に髪の色と同じ猫の耳がついていた。私の髪は灰色で白に近かったけどこんなに真っ白ではなかった。そして頭の上にある猫耳。

 

私は少しパニックになり、うへぇっ!?と変な声を出してしまった。それが恥ずかしくなり、その場で俯くとと私の足にふさりと細い何かが当たる。ふさふさした細い何かはどうやら私の腰辺りから生えているようだった。

 

は?えっ、はぁっ!?な、なにこれ!?どうなってんの!?

 

軽くどころかかなりのパニックに陥っていると誰かがコンコンとノックをして、この部屋に入ってきた。

 

「あっ、目が覚めたんですね!」

 

両手をパンっと合わせ、嬉々とした表情で聞いてくる灰色の髪をお団子に纏めた女の子。少し私ににている。

 

「あっと、その、…此処は?」

 

私は今気になっていることを聞いた。

 

「?覚えてないですか?ここの裏で倒れてたんですよ?」

「すいません。覚え………て?」

 

そう言えば、私は何故ここにいるのだろうか。だって私は………!

 

「あっ、ぐぃぁ、ぁあああっ!?」

「っ!?どうしました!?」

「あっ、頭が!」

 

痛い!ものすごく痛い。よく小説なんかである『頭が割れるみたい。』とはまさしくこの事だろう。

 

 

 

__________________________________________________

 

「大丈夫でしたか?」

「はっ、はいぃ。おお見苦しいところおっ!」

 

十数分後私は目の前の女の子、シルさんと言うそうだ。に支えられている。あの酷い頭痛も無くなり、やっといつもの調子が出てきた。と言ってもまあ、まだ猫耳については驚いているけどね。

 

「もう大丈夫でしたら一度下に来てください。ミアお母さんに目が覚めたら呼ぶようにいわれてるので」

「あっ、はいぃ」

 

この十数分間にシルさんに聞いてわかったことだけれど私はてんせい?をしたようだ。文字は全く解らなかったし、神様がいるそうだ。そしてこの猫耳もこの世界では当たり前のようだ。

 

なんか、君が読んでたラノベ?みたいな展開になっちゃったよ。佐々木君っ!君こういうの好きだったよね!

 

 

__________________________________________________

 

な~んね気楽に思ってた時期がありました。はい。目の前のおっきいオバサ…ひいっ!?

お、おおお姉さん?お母さんか。に睨まれてます。はい。怖いです。はい。もう一度言うね。怖いです。マジで。

 

「……どこも怪我してないようだね。ならここで働きな!」

「はっ、はいぃ!?」

「別におかしな事はないだろ。看病してやった礼だ。今日だけでいい。」

わっ、私、バイトなんてしたことないけどだだっ、大丈夫かなぁ?

 

「別に裏方で腕を振る舞えって訳じゃないさ。表で適当に接客してりゃあいいのさ。」

「てっ、適当でいいんですかねぇ?」

「ああ、適当でいいのさ。あそこにいるリューなんて触って来た客ぶっ飛ばしてるからねぇ。」

 

さっ、さわっただけでぶっ飛ばすとかリューさんって豪快!

 

「まあ、適当とは言ったもののサボってたら流石に怒るけどねぇ!」

「ひいっ!?」

 

てっ、手がバキバキいってますけど!?従業員さん達お顔真っ青になってますけど!?

 

 

 

__________________________________________________

 

私がこの飲食店、『豊穣の女主人』で働き初めて数刻、席は鎧を着た人達、冒険者の人が大半を占めていた。ガハハッと豪快に笑う人達で溢れ返った店内はかなり暑くなっている。エッ、エアコンとかないのかなぁ。

 

私は既に酒の入って酔っている人達に結構体を触られている。俗に言う痴漢というやつ。まあ、最初に触られた時は怖くて縮こまっちゃったけどリューさんが手を払いのけて助けてくれた。リューさんかっこよかった!いや、男の人の腕メッチャ赤くなってたからね!?強すぎるよリューさん!?

 

その後も立て続けて何回か触られてその度にひぃっ、と縮こまっていたら私の体はしっぽの付け根が敏感ということがわかってしまって裏でクロエさんとアーニャさんに捕まってます。はい。二人とも目が光ってます。メッチャニュフフフ言ってますよ。

 

「さぁ、オミャーは観念するニャ」

「大人しくしてたら痛くしないニャ」

「二人とも怖いですよ!?」

 

と、言っていたらクロエさんとアーニャさんが私に飛び付いてきて私を固定する。ちょっ、二人とも力強すぎ!びくともしてないじゃん!?

 

「やっ、ちょっ、まっ、や、やめてくださいっ!」

「シオン、それは逆に責めてと言っているようなものニャ。」

「そうニャそうニャ、と言うわけで、早速イタズラするニャ」

「どーゆう訳ですかぁ!?」

 

私は二人から逃げるために必死にもがくが、やっぱりびくともせず、両手をなんかこうワキワキしてるアーニャさんの手が近付いて来る。

 

そして私のしっぽのさきを優しく包むと少しキュッと掴んで徐々に根本に下げていく。

 

「ふぁっ、やっ、あっ、や、んっ、んんっ!」

 

まるで背筋をなぞられたような感じがしてしっぽがピーンと真っ直ぐに伸びる。私はどういう原理か分からないけれど獣人になってしまった。私の種族は猫人(キャット・ピープル)と言うそう。そしてそれは今日いきなりだったのだ。そのせいでしっぽの毛を逆になぞられる感覚になれていない。つまり敏感に感じてしまうのだ。

 

「あっ、やっ、だめっ、それっ、だめぇっ!」

 

その後もしっぽの付け根を執拗に責めてきて恥ずかしい声を聞かれながら膝をガクガク震わせていた。まあ、途中でミアさんが

 

「さっさとぉ!仕事しなあぁ!!!!」

 

とメチャメチャ怖い顔をしながら裏口のドアを蹴り飛ばして出てきてくれたお陰であの二人から解放された。まあ、その後ものっそい怒られたけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夜、私はあの子と再会する。

 

 

 




一話と九話の設定を少し変えました。


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