Fate/GhostOrder (葵・Rain)
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特異点F 炎上汚染都市冬木
転生!自分!


 Fgoを30分おくれで見ています。
 来ましたねヘブンズフィールの映画化、エクストラのアニメ化。見ます。しかも、Fgoの新章きましたね。
 今だに第四特異点です。早くクリアしないと。


 標高6000mの山、辺りは雪で覆われている。

「カルデアこちらスプリガン-1応答せよ」

『こちらカルデア』

「まもなく到着する」

『了解。到着を待つ』

「了解」

 少しの間寝ていたが、もう少しで着くのか。

 呑気に寝ているなこいつ等。人の事言えないけど、最初から寝るとか正気の沙汰じゃないな。

「そろそろ着陸する。出る準備しろ」

「ああ」

 寝ている二人を起こして、降りる支度をする。

「三人ともご武運を」

 ここがカルデアか。寒いな、しかし南極よりは暖かいな。

 っとここが入り口か。

『塩基配列 ヒトゲノムと確認

 霊器属性 善性・中立と確認』

『ようこそ、人類の未来を語る資料館へ

 ここは人理継続保障機関 カルデア。』

『指紋認証 声帯認証 遺伝子認証 クリア。

 魔術回路の測定……完了しました。』

『登録名と一致します。

 貴方を霊長類の一員である事を認めます。』

『はじめまして。

 貴方方は本日 最後の来館者です。』

『どうぞ、善き時間をお過ごしください。』

『……申し訳ございません。

 入館手続き完了まであと180秒必要です。』

『その間、模擬戦闘をお楽しみください。』

『レギュレーション:シニア

 契約サーヴァント:セイバー ランサー アーチャー』

『スコアの記録はいたしません。

 どうぞ気の向くまま、自由にお楽しみください。』

『英霊召喚システム フェイト 起動します

 180秒の間、マスターとして善い経験ができますよう。』

 

 VRか。面白いやってみようじゃないか。

 

 なかなか難しいものだな。

 ん?入り口の近くか。行ってみるか。

 えっと、見取り図見取り図っと、これか。

 ここからって、あいつらと誰だ?

 ハット帽を被った人に聞いてみる。

「すまない。中央管制室はどこに行けばいい?」

「君も配属されたマスターかね?初めまして私はレフ・ライノール。ここで働かしてもらっている技師さ」

「マシュ・キリエライトです」

「地鎮ライカです」

「ライカ君か。よろしく」

「よろしくライノールさん」

「では、案内しよう」

 中央管制室に向かう中、カルデアのことを聞いた。

 正直言って魔術も齧った程度の知識しかない。どちらかと言うと怪物を倒すために学んできた技が多い。だから、カルデアのシステムはさっぱり。

 しかも、早く来た奴らはそれなりの訓練を受けていたと聞いた。

 なぜ呼ばれた理由がわからない。自分より優れている人は多くいる。

「ここが管制室だよ」

「ライカ先輩以外は一桁台、最前列ですね。ライカ先輩は後ろの席ですね」

 キリエライトと別れ、自分の席に座った。

「時間通りとはいきませんでしたが、全員そろったようですね。特務機関カルデアにようこそ。所長のオルガマリー・アニムスフィアです。あなたたちは各国から選抜、あるいは発見された希有な才能を持つ人間です。才能とは霊子ダイブを可能とする適性のこと。魔術回路を持ち、マスターになる資格を持つ者」

 やばい、眠いな。

「ーであるからにしてー」

 寝るか。だいたいの説明はあった時に聞いたし、どっちかというと実践で学ぶのがいいし。しゃあない、聞いている振りでもするか。

 あ、誰か叩かれた。

 あいつら追い出されたか。

 何を言ってるのかはわからないけど、終わった。

 チーム分けあるのかよ。えっと、Eチームか。

「えっとよろしく」

「よろしくっと?」

「〇〇だよ」

「××だ」

「地鎮ライカよろしく」

 馴れ合いか。最低限、持っていたほうがいいかな?

「じゃああっちの方で」

「うん」

 霊子筐体に入り、待っていた。目の前が赤くなった。

 

 ゴフゥ!?水の中、早く浮上しないと!

「ガハァ!はあ…はあ…ここはどこだよ」

「ここはこの世とあの世の境目さ」

 誰だあのおっさん?

「今、おっさんと言ったね地鎮ライカ」

「どうして!?」

「どうしても何も、ここに記されてるからね」

 袖から本を取り出し、あるページを見せられた。

「君は死んでいる。爆発死だね」

 無情にも自分のプロフィールに死因、爆発で死亡と書かれていた。いや、薄くなっている。

「君はまだ死んでいない。さっきから死んでいる死んでいないとかどっちなんだよって顔を見せないでくれ。さっきも言ったがここは境目、死ぬもよし、生きるのもよし、さあ選びなさい」

「どっちでも」

「なら生きろ」

「どうして?」

「理由は手続きが面倒なんだよ」

 コイツ!

「あ、今怒ったね。強制的に君を生き返らせる」

「どうしてだ?」

「不安定だね?まあいいさ。簡単に言えば世界の救済をしてもらいたいね」

「?確かに死なかったら救済していた」

「だけど、裏から操っている人がいたらどうする?」

「どうゆうことだ!?」

「そんなことどうでもいいさ。それより生きる?」

「ああ、生きるよ」

「よろしい。なら頼んだよ、君にかかっているいるとも言える。僕は寛大だ。一つだけ教えてあげるよ手っ取り早く倒すならいろんな人たちから力を貸してもらいな」

 体が透けてきていた。

「おい!」

「おっと言い忘れていた。僕は意志だよ。また会おう。強く可憐である者よ」

 

『GI---GAAAAAAAAAAAAA!』

 モーニングコールはガイコツね。

 もうちょっと違うのがよかった。

 さて、長太刀ある、太刀ある、コンテンダーある、通常弾、銀弾もそれぞれある。

 それじゃあやりますか。

「地鎮ライカ、これより討伐開始!」



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襲撃!影のサーヴァント!

 他のFgoを見ていて、うまいと思いました。
 それで、未だ変身してないのはヤバい!っと思ったので、早く変身回に行きたいです!


 背中から長太刀、MONOHOSIZAOを抜き囲んでいるスケルトンを円を書くように切り払った。

 一瞬にして周囲のスケルトンが消え、自分の目の前にいる五体のスケルトンを切り払い、ジャンプしてきたスケルトンへコンテンダーで撃った。

「これで終わりっと」

 ライカは周囲を見た。その光景は叔父から聞かされた第四次聖杯戦争後に似ていた。

 とりあえず、腕につけていたカルデアへの通信機を使い、連絡をとることにした。

 その間、コンテンダーの弾を変え、MONOHOSIZAOを仕舞い、羽織っているフード付きマントを直して、赤い鞘にしまっている太刀、紅血丸を抜いた。血のように赤い刀身はいつ見ても惹かれる。

 向こうから叫び声が聞こえた。

 人が襲われていると思い、強化をかけ、急いで向かった。

 そこにはガントで応戦するオルガマリーがいた。ライカは背中のMONOHOSIZAOを抜きながらスケルトンを切り払い、オルガマリーの前にたった。

「大丈夫所長?」

「あなた!?」

「そこにいて」

 MONOHOSIZAOと紅血丸を抜き、スケルトンの群へ突進する。MONOHOSIZAOをうまく使い、オルガマリーへ近づけさせない。自分に近づくスケルトンには紅血丸を使い斬る。その姿は鳥の翼のように器用に使うように見える。

 群がっていたスケルトンの群は居なくなった。

「立てますか?」

「え、ええ。それより今のは何!?」

「あれ知らないですか?自分、それなり有名なんですが?」

「現代最後の神秘殺しでしょ。それぐらい知ってるわよ!私が言いたいのはカルデア戦闘服でもなく、普通の服装なのよ!それにそれは何?」

「実は、っつ!離れて!」

 所長へ言ったと同時にコンテンダーを電柱へ撃った。

 素早い動きで銃弾を避けてこちらへ向かって、来なかった。後ろに殺気を感じたと同時に、紅血丸を抜き飛んでくる短剣を弾いた。

「誰だ!」

「貴様コソナンダ、人ト霊ノ間、サーヴァントト似タ存在」

「どういうこと?」

「それは後で。アサシンのサーヴァント、ハサンだな」

「貴様人デハナイナ!」

「なに、古い文献にあんたに似たサーヴァントを召喚したと書かれていたからな。それに聖杯戦争なんだろ。サーヴァントと同士の戦いを見たなら殺す、だろ?」

「キ、貴様ハナンダ!?」

「しがないの神秘殺しだ」

 MONOHOSIZAOを回転斬りでハサンを斬りつけた。後ろに下がりながらハサンは短剣を数本投擲し、消えた。

 所長のところへ下がり、二刀流のスタイルで警戒した。

「(さすが、アサシンのサーヴァント。気配すら隠すとはな。だけど、)甘い!」

 MONOHOSIZAOを地面に指し、コンテンダーを抜き、弾を変え、ある一点に撃った。

 そこから短剣が出てきて、撃った弾に当たった。

 当たった時、細々の粒が出て、短剣のところへ当たった。

「ソノ程度!」

 当然、たかが弾ぐらい避けずにわざと食らった。それが敗因だった。

 突如、体から心臓が抉られた。

「ハ?」

「起源弾」

「起源弾ですって!?」

 起源弾、第十ニ肋骨を素材に自分の起源込めた魔弾。例えば、切断と結合の起源を持つ弾を対象に当てた際、その者の魔術回路を暴走させる。

 地鎮ライカの起源は模写と起動。適当に真似て、それを動かす。効果はランダムでなにか出るかはわからない運のみ。

「ガハ!?キ、貴様!?」

「これで終わり」

 動かないハサンを斬首。

「コノハサン、コノヨウナ仕打チ忘レヌゾ」

 恨み言葉を言いながら消えた。

 

「さて、何から話せばいい?」

 アサシン戦闘後、マシュたちと合流。一悶着があったが、割愛。

「では、はっきり言おう。自分は死んで生き返った」

「え?」

「ちゃんと覚えている。あの爆発も」

「自分は死んで、黄泉に行くかと思った。しかし、変な人に会い、生き返った。信じられないと思うが、事実」

「ば、バカにしているの!?そんなことあり得ない!?」

「さっき言っただろ」

「だいたいは」

「ムズッ!」

「立香先輩しっかりしてください!」

「じゃあ、移動するか」

『みんなそっちにサーヴァント二体向かってきている!』

「逃げましょう!」

『ダメだ!先に一体来るよ!』

 階段を飛んできたチェーンが破壊、通行止めにした。

「逃シハシナイワ」

「マシュ!」

「はい!」

「マシュお前はそいつを。自分はあっちをやる」

「気を付けてください!」

「なーに、適当に撒いて、そっちに向かうよ」

 ライカは駆け出し、もう一体のサーヴァントへ向かった。

 

 仁王立ちをするサーヴァント、見た目はランサー。

「拙者ノ相手ハ貴様カ」

「サーヴァントじゃなくて悪いな」

「ヌカセ。貴様カラハ血ノ臭イガスル」

「お前、武蔵坊弁慶だな。背中に背負う武器、七つの道具は特徴の英霊はお前しかいない」

「フハハハハハ、コノヨウナ姿ニナッテモ拙者がワカル人ハイナイト思ッテオッタガ」

「目的はなんだ?」

「フン、決マッテオルダロ。聖杯ダ」

「聖杯だと?叶えたい願いでもあるのか?」

「アル」

「そうか……」

「ソノタメニモノコリノサーヴァントヲ消ス」

 MONOHOSIZAOと紅血丸を抜き、弁慶に構えた。

「だったらここからは通行止めだ。行きたければ、自分を倒せ!」

 強化魔術で強化した脚力で弁慶へ斬りにいった。



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参上!二人のサーヴァント!

 タイトルが同じと言う感想がきました、ですが更新は遅いですが、自分が先に出した作品ですから!


 Sideマシュ・キリエライト

 ライカ先輩が別のサーヴァントを相手にしているころ。私たちはライダーのサーヴァントを相手しています。

「やあああああ!」

 盾でライダーへ突進して、薙ぎ払った。さすが、歴戦のサーヴァント、こんな攻撃破れますね。でも、誓ったことは絶対に破らせはしない!

 短剣で攻撃してきた。盾で防ぐ。そして、蹴る。

「やあああああ!」

「クッ、ヤリマスネ」

 ライダーは髪を蛇のように動かしていくと、鎖に変わって四方八方から狙ってきた。

 だけど、狙っているのは私ではなくマスターたちへ!

「間に合えぇぇぇ!?」

 駄目だ間に合わない。それでも止まらない、止まってはいけない。私が初めて触れた人たちを殺されてたまるものかああああ!

 次の瞬間、自分の足が軽くなり早くマスターたちの前に来て鎖を防いだ。

「よくやった盾のお嬢ちゃん」

「キ、キサマハ!」

「あのあなたは?」

「戦闘に集中しろ」

「キャスターナゼソイツラニ手ヲ貸ス!?」

「は?決まってンだろお前らよりはましだからだ」

 青い服の青年、キャスターは指でF字を書いてそこから火の玉を出し撃った。

「アンサズ!」

 ライダーは鎖を渦巻き状にして火の玉を防ぐ。渦巻きの中心からキャスターに向けて攻撃して来るのを私が防ぎ、突進していく。

「お嬢ちゃん跳べ!」

 言われてその場を跳び、キャスターの火の玉が連続で撃つ。ライダーは避けて盾攻撃を受け流す。

「イナイ?」

 キャスターが消えていたのだ。一瞬の攻防でキャスターは消えて、別の場所にいた。

「ほーら、焼き消えろアンサズ!」

 手を振り落とすと地面から火を吹きライダーを焼いた。

「ギャアアアアア!?」

 しかし、倒れなかった。

「けど、これで倒れて!」

 盾の振り落としでライダーの頭を叩き、倒した。

「お疲れさん」

「はい。ですが、反対側にいるライカ先輩が」

「大丈夫だ。俺の仲間が行っている」

 私達は急いでライカ先輩の元へ行く。

 

 Saido地鎮ライカ

 さ、流石に純戦闘系サーヴァント相手はキツすぎる。

「サテ、コレデ終ワリダ!」

 しょうがない、切り札でも出す!

起動(アクティブ)!」

 紅血丸が赤く光り輝く。

 紅血丸を構えながら、横薙ぎで斬りにいく。

 当然、避けずに片手で受け止められたが、これがチャンス!

模写・開始(トレース・オン)!」

 弁慶の体を直接見て、ある宝具を自分用に模写する。

「模写完了!」

「何ガ完了シタノカ?マアイイ、フン!」

 紅血丸ごと投げられた俺は跳ばされながら起動した。「起動(アクティブ)!」

 どうやら弁慶も宝具で決める。

「ココマデ粘ッタコトニ敬意ヲ表スゾ坊主!」

「今見セルノハ七人ノ拙者、」

 唱えると弁慶の影から七人の弁慶が薙刀、鉄の熊手、大槌、大鋸、さすまた、つく棒、そでからめを持ち、自分の周りを囲んでいたが、砂のように崩れた。

「ナニィ!?」

「崩れた?だけど、好機!」

 紅血丸が赤く光り、弁慶を切り裂いた。

「グハァ!?」

「だめ押しの起動(アクティブ)!」

 弁慶の体が赤く光り、光り終わると後ろに下がった。

「模写完了!決める!起動(アクティブ)!今見せるは七人の自分、これが八つ目の道具!弁慶仏!」

 七人の自分の影法師が現れ、MONOHOSIZAO、紅血丸、コンテンダー、黒鍵、錫杖、弓矢、籠手を持っている。

 自分は……機械のような剣?西洋の直剣みたいだけど色々とギミックがありそう。

「これで決める!」

 機械のような剣、言いにくいからガンガンセイバーと言う。ガンガンセイバーを二刀流モードにして黒鍵持ちと一緒に斬りつけ、籠手持ちが弁慶の腹に何回も殴る蹴るをして下がった時にコンテンダー持ちと一緒にガンモードで撃つ。

 ナギナタモードに変えて、錫杖持ちと攻撃をする。

 通常モードでMONOHOSIZAO持ちと紅血丸持ちで左右中央で斬る。が、弁慶がガンガンセイバーを捕らえて自分に殴ろうとする。

「コレデ終ワリダ!」

 ヤバい殺られる!

『手を離してしゃがむで御座る』

 誰?けど、言う通りにするしかない!

『秘剣!』

 現れたのは紺色の陣羽織を着た侍。

「キ、キサマハ!?」

「燕返し!」

 その長い刀と必殺技、昔宮本武蔵と戦った剣士。

「佐々木小次郎」

 弁慶を三回斬って刀をしまった。

「いかにもセイバーのサーヴァント、佐々木小次郎で御座る」

「コ、コンナ奴らに負けるノハ、些カ!」

「一つ聞きたい、願いはなんだった?」

「義経サマ、心を理解してもらい、たかっ……た」

 金色の粒子を出しながら天に昇っていった。

「義経か。さて、佐々木小次郎あなたは敵ですか?仲間ですか?」

「私の仲間がお主の仲間を助けているのであれば少なくても敵ではない」

「……嘘は付いていない」

「では、行く前に生身の体で宝具は負担が大きくないはず。大丈夫で御座るか?」

「この体になってから負担が少ないから平気。それよりも早く行くよ」

 

 Side藤丸海月

 圧倒的な戦い。これがサーヴァント同士の戦い。正直、自分は足手まといじゃないか。

 デミ・サーヴァントであるマシュと契約した(藤丸海月)はダメダメだ。マスターとして命令なんて出せていない。今、俺だけがマスターなのに。

 そんなことを考えていると戦闘が終わり、地鎮さんのところへ向かう。

 実戦が初めてなのに、どうすればいいんだ。これからは。

「おい、坊主」

 キャスターが話しかけてきた。

「あんたはまだサーヴァント同士の戦いを知らない。けど、当たり前だ。それが普通なんだ。だけど、お前にしかできないことがある。必ずな」

 俺にしかできないこと、か。

 やってみるしかないな!

「お、クー・フーリン殿」

「大丈夫そうだな佐々木小次郎」

「大丈夫マシュ、みんな?」

 地鎮さんたちと合流した俺たちは今起きていることをクー・フーリンたちに聞くことにした。



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弓兵!因縁と再開!

 訂正したので変身はなしです。
 二、三話で終えたいと思います。


 クー・フーリンたちに自分達のことを話した。カルデアと言うところからレイシフトしたこと。冬木市こと特異点Fの異常のこと。そして、人理滅亡のこと。

 それを聞いたクー・フーリンは異常の原因とこへ案内、そして特異点Fで起きたことを話してくれた。

「俺はこの聖杯戦争に呼ばれたサーヴァントだ。サーヴァントのクラスは7基、例外は存在するが基本はそれだ」

「魔術師をしている者たちには基本的なとこね。貴方の逸話だと、ランサーかセイバー、キャスターにバーサーカーね」

「おう、今回はキャスターとして呼ばれ、マスターと戦っていた。戦いが始まって5日残っていたのは俺とアーチャー、バーサーカーにセイバーだ。

俺はアーチャーの野郎とおっぱじめようとしたとき、休止された。セイバーが暴走したと、その暴れ方は剣士じゃなく鬼のようだったぜ。急遽、教会は消滅した残りのサーヴァントを召還したが、聖杯も暴走、そしてこの有り様だ」

「待って、色々言いたいことがあるんだけどそこにいるセイバーじゃないの?」

 アニムスフィアが待ったをかけた。

「ああ、佐々木は突如召還されたサーヴァントだ」

 素人二人はおいてけぼりを食らっている。クー・フーリンはそのまま話を続けた。

「本来は召還はされないはずだが、何かしらの影響で召還された」

「そうで御座る。何か、目的があって来たのだが」

「思い出していないからそのままいるってわけよ」

 佐々木小次郎の事情を聞き、さっきの話に戻る。

「アーチャーとバーサーカーはどうしたの?」

「アーチャーの野郎とバーサーカーはやられた。そして、寝返った。俺は命からがら逃げて隠れていた。そんな時にあんたらに会ったわけよ」

「聖杯の暴走は?」

「教会が管理者としての令呪を使い、倒されたサーヴァントを召還した。それが聖杯に悪影響を起こしてなったわけよ」

「これが特異点の原因と見ても問題ないわね」

「さて、そこのお嬢さんは「オルガマリー・アニムスフィアよ」オルガマリーのお嬢さんは理解しているが、そこの三人は理解できているか?」

「セイバーを倒せば解決だよね。あ、私は立香、嶺上立香」

「まあ、そんなとこだ。坊主は?」

「坊主じゃなくて藤丸、藤丸海月だ。キャスターのマスターはどうした?」

「俺のマスター突如消滅した」

「消滅って、まさか!?」

「オルガマリーのお嬢さんのお陰で色々とわかった。マスターいや人が消えたのは人理焼却したせいだってな」

「ってことはクー・フーリンは今フリーのサーヴァントってことか?」

「そうだ。佐々木も同じだから、適正のある嶺上のお嬢さんと偽っているあんたになってもらいたいんだが」

「地鎮ライカ。自分はキャスター、クー・フーリンを選びたい。佐々木小次郎は嶺上のほうがいい」

「地鎮は白兵戦は防戦に徹すればいいはずだ。人とも幽霊とも言えないからな。力もそれなりにある。嶺上のお嬢さんも佐々木小次郎もいいか?」

「私はいいよ。よろしくね小次郎さん」

「よろしくで御座る」

 クー・フーリンと佐々木小次郎にサーヴァント契約をした自分と嶺上は手に赤い模様、令呪が浮かび上がり、パスが繋がる感覚を感じた。

「さてと、今からセイバーを倒しに行くがバーサーカーは近くにいかなければ襲ってこないから問題ないが、問題はアーチャーのほうだ」

「強いの?」

「腐れ縁だ。野郎の渋とさはわかる。そいつの相手は俺が持つ。いいなマスター(地鎮)

「わかった」

「目的地に着いたな」

 セイバーがいる場所一歩手前の洞窟に着いた。

「あの聞き忘れていましたが、セイバーの真名は?」

 マシュがタイミングよく言ってくれた。

「あの剣を見たら誰だってわかる。王に選ばれた剣、その名は」

「アーサー王、その武器は聖剣エクスカリバー。子供だったら持ちたい剣の一つだな」

「早速信望者の登場だな」

 森から男が出てきた。肌は黒いが逆に髪は白い。

「ランサーおっと今はキャスターだったな」

「てめぇ、わざと言っているだろ!」

 キャスターを煽るアーチャー。

「アーチャーの相手は俺たちが受け持つ。佐々木頼んだ!」

「あい、わかった」

「それと盾のお嬢ちゃん」

「は、はい」

「宝具が使えないことで悩んでいるなら、今自分がしたいことを思え。後は根性でどうにでもなる」

「マシュ、自分からも。常にイメージするのは最強の自分(・・・・・・・・・・・・・・・)だよ」

「あ、ありがとうございます!絶対生きてください!」

 自分とクー・フーリンはマシュに向かってグッジョブした。

 マシュたちはセイバーの元へ行った。アーチャーはマシュたちに攻撃してこなかった。

「さーて、ケルトの戦いってやつを見せてやるぜ!」

 自分はガンガンセイバーを取りだし構えながら、アーチャーに聞きたいことを聞いた。

「どうして見逃した?」

「どうしてか、わからないな」

「わからねぇだと?」

 クー・フーリンは苛立ちながらアーチャーに言った。

「ああ、本当は足止めをしたほうがいいのだろう。しかし……まあいい。話は終わりだ」

 曖昧なことを言って話を終わらせたが 自分は言いたいことがあった。

エミヤさん(・・・・・)……だよね?」

「……そうだが、私とどこかで会ったことがあるのか?」

「……あなたに命を救われた。なのに、これがあなたの目指していた事?」

「話は終わりだ。消えろ」

 無情にもエミヤさんが投影した二振りの夫婦剣が私を捉えた。

 そして、奥に着いた藤丸たちの目の前に元凶たるセイバーが立っていた。

 特異点Fの最後の戦いが始まった。



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死闘!堕ちた剣と炎の檻!

 ハチミツ太郎さん、ご指摘ありがとうございます!ではどうぞ!


 Side嶺上

 私たちの目の前に立つ黒い鎧を着て、中世的な顔をした人がいた。金色の髪がくすんで銀色と言われてもわからない色をしている。そして手に持っているのは黒い剣。ここからでもわかるくらい禍々しいオーラをしている。これがクー・フーリンが言っていた鬼のようになったセイバー、アーサー王。黒いアーサー王、アーサー・オルタと付けておくか。

「待っていたぞ」

 声は女性……女性の声?

「お主、女で御座るか?」

「ああ、女が王だと務まらないからな。男装していた」

 ここで真実が、アーサー王は女でした!歴史が⁉物語が⁉ひっくり返ったよ⁉

「さて、話はここまでだ」

「マスター、敵性サーヴァント来ます!」

「頼むマシュ!」

「はい!」

「小次郎さん!」

「では行くとするか」

 前衛しかいないけど、それは相手も同じ。しかも、小次郎さんは日本有数の剣士、剣への対処はすごいはず。守りに徹すればマシュでもいける。けど、マシュは実戦は数回、サーヴァント戦なんてこれで二回目。やられる可能性が高い。ならどうするればいいのか?それは……。

「マシュ、攻撃は小次郎さんに任せてサポートに回って」

「は、はい」

 私たち、正確には藤丸くんが出すから。私は小次郎さんに指示を出す。

 背中に背負っている太刀、物干し竿を抜きアーサー・オルタに斬りにかかった。アーサー・オルタは簡単に受け止めて、細い腕から出るとは思えない力で押し返した。その力を利用して後ろに下がった小次郎さんは物干し竿を下げていた。

 次の瞬間、衝撃が来た。砂煙で見えなかったが晴れたら、さっきいた場所にアーサー・オルタがいなく小次郎さんの数メートル先にいた。

 アーサー・オルタが飛んで斬りにかかってきた。それを受け流した小次郎さん。右、左、上、下、斜めの連続斬撃を繰り出してきて、それを受け流す。すごい徒しか言えない。これがサーヴァント同士の戦いなの……。

「何ボケッとしているのよ。それと藤丸海月、あなたは見極めなさい。マシュの役割はあの子自身わかっていないわ。だから、あなたがそのタイミングで言いなさい」

 あのチキンの所長が的確なアドバイスをしている。なら私がすべきことは。

「小次郎さん、宝具発動はまかせます!」

「了解!」

 サーヴァント同士の戦いは勿論、剣士同士の戦いはわからない。なら、マスターはマスターらしく指揮に徹する。

「小次郎さん、前に走って!」

「了解!」

「待て!」

 とにかく避けて、あるタイミングで起こせば小次郎さんの宝具決まる。避けきれず受け流そうとしている。ここ!

「今だ!」

「やあぁぁぁぁあ!」

 藤丸くんの声でマシュがアーサー・オルタの前に盾を突き出してきた。

「ふん、貴様が出ても意味がないぞ!」

 アーサー・オルタがマシュを試そうとエクスカリバーで盾に唐竹割りしてきた。

「マシュ、受け止めないで、受け流せ!」

「はい!んっ!やあぁぁぁぁあ!」

 絶妙な角度で盾を傾けさせて、受け流したと同時に盾で殴打した。

「くっ!?」

「ナイス攻撃!」

「調子に乗るな!」

「そのまま返させてもらう。秘剣燕返し!」

 一瞬だった。高速の三連撃が連続じゃなく同時に三方向からアーサー・オルタに向かってきた。決まった!曹思っていた。

「ふっ!」

 アーサー・オルタは無理矢理体を捩ってエクスカリバーに纏わせた魔力放失で右に避けた。

 小次郎さんの宝具が外れ、地面が大きく抉れた。

「悪あがきもこれまでだ」

 エクスカリバーに魔力が集まって、エクスカリバーに黒い魔力が纏まり始め、大きな剣になっていく。

「『卑王鉄槌』、極光は反転する。光を呑め…!」

「ぜ、全員逃げろ!?」

エクスカリバー・モルガァァァァン!(約束された勝利の剣)!」

 アーサー・オルタの宝具が炸裂し、私たちの目の前が黒に塗り潰された。

 

 Side地鎮

 エミヤさんの突然の攻撃をガンガンセイバー二刀流モードで防いだ自分。一気に距離をとり、ブレードモードに戻し、紅血丸を抜いた。

「クー・フーリン援護お願い」

「はいよ」

 身体強化魔術を掛けて、エミヤさんに突っ込んだ。ガンガンセイバーからの袈裟斬り、紅血丸からの左横凪ぎ、そこからの左右の横凪ぎをしていくが、簡単にかわされる。自分に対して本気なんて勿体ないと言われているみたいだ。たしかに人対サーヴァントだから本気なんて出さないだろう。だけど、これは二対一の戦い。白兵戦も遠、中距離ができるからって甘いよ。

「そーら、燃え尽きろ!」

 クー・フーリンからの三発の炎攻撃はことごとくかわされるが、自分が遠距離を使えること忘れている。

「当たれー!」

 ガンガンセイバーをガンモードにして連射していく。

 一発一発は弱いけど、連射すれば多少ダメージはある。

「ふん、こんなものか?」

「まだまだだよ!」

 さらに身体強化魔術を掛け、さらに体に負担を掛ける。骨が軋む音がする。肺が苦しくなる。筋肉が割ける。頭が割れる。心臓が破裂する。

 ヤバイ、ヤバイ!?これはヤバイ。気抜いたら死ぬ。

「何焦っている。今の貴様は見苦しいぞ」

「しっかりしろマスター!」

 わかっている。でも苦しいんだ。だけど、エミヤさんには聞かないといけないことがある。

「あ、あなたは…ハアハア、どうし、て、そん、ハアハア…悲しい顔をしている」

「何を言い出すのかと思えば」

「大勢の…ハアアア…人が死んだから?それとも、最愛の人が…死んだから?」

「……言いたいことはそれだけか?」

「あなたの気持ちはわからない。けど、そんな顔をした人は大勢見た。だから、どうして悲しい?」

「それを言ったどころでどうにかなるのかこの状況が?」

「これは、自分自身のわがまま。昔助けてくれた人への恩返し。だから教えてほしい。どうして悲しい?」

「ちっとも響かんな。まあいい、これで終わりだ!」

 殺られる!?と思っているわけない!

模写開始!(トレース・オン)

 自分の起源、模写にはない自分自身が考えたものがある。紅血丸で読み取った相手の性格、能力、起源などはランダムで使えたりする。なぜ、ランダムなのかは自分の体に合ったものを使わないと体がダメになるから。戦闘中は特に選んでいる暇がない。だから、自分の十二肋骨で作った起源弾は使いやすい。当たったら、自動で模写をして、発動するから自分には被害がない。しかし、いちいち、十二肋骨を削っているとなくなるから、自分の魔術回路を五本と自分の血で作った紅血丸は模写開始(トレース・オン)のみで発動できる。白兵戦のみしか発揮しないが、これもこれで、自動で選んでいるため使いやすい。デメリットとしては白兵戦に持ち込まないと使えないこと。

 さて、今回自分がトプソン・コンテンダーに詰めているのは血の弾丸。これでも一応反応はするが、勝手が悪い。理由は自分のもう一つの起源、起動がない場合。確率では30%しか反応しない。模写しかできないし、たまに起動しかしかしない。両方同時はまずない。

 ならどうやって使うのか?答えは簡単紅血丸で模写した起源を、コンテンダーの弾に写す。するとどうだろう?

「あなたの起源読み取った」

 MONOHOSIZAOと紅血丸は折られ、なんとか振り向き射った。丁度よく、左腕に当たり、左腕から無数の刀剣類が出てきた。

「ぐああああ!?」

「今!」

「やっとか!焼き尽くせ木々の巨人、ウィッカーマン(灼き尽くす炎の檻)!」

 最後に見えたのはクー・フーリンの宝具で焼かれるエミヤさんだった。



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開眼!新たな英雄!

 Sideマシュ

 守らなきゃ。目の前の黒い奔流から守らないと、マスターが、先輩が、みんなが死んでしまう!でも、どうすれば、この場を切り抜ける方法は!?

「令呪を一つ持って命ずるマシュ、みんなを守れ!」

「え、マスター!?待ってください。無理です!?あれを防ぐ方法なんて持っていません!?」

「大丈夫。俺を信じろ。そして、自分を信じて。そしたら、導いてくれるはず」

「導いて?」

「俺は戦うことは出来ない。出来ないけど、信じることはできるよ」

「マスター……わかりました!マシュ・キリエライトやります!」

 マスターが信じていてくれる。それだけでもうれしい。

 私ができること……守りたい。ここにいるみんなを守りたい、守れる力がほしい。

 偽物でもいい。

 不完全でもいい。

 今、守れる力がほしい!

「はあああああ!」

 今なら出せるかもしれない。

 私の宝具!

 イメージするのは常に最強の自分。

 黒い奔流を止める守り。

「やあああああ!」

 前方に出されたのは、楯。まだ不完全な楯。だけど、これで守れるなら。

「うああああああ!?」

「「マシュ!?」」

 重い、これが聖剣の一撃。重い、重いけど、貴方の一撃(重い)より……。

「あああああ、はああああ!」

 私の守り(思い)が上だと証明します。

 黒い奔流を止めて、そこに立つ私を!

「これが私の宝具だああああああ!」

 私の目の前には不透明な壁が映っていた。

 不透明な壁に壊れるなと念じ、守りを硬くした。

 不意に手を握られていた。私は隣を見て驚いた。

「マスター!?」

「よくやったね。じゃあ、もう一踏ん張り頑張ろう!」

「はい!」

「はあああああああ!」

 なんとか防ぎきれ、黒い奔流が止まった。

「なんとか、なりまし、た」

「マシュ、やったな!宝具出せていたよ!」

「はい!ですが、」

「気をつけて、アーサー・オルタが見えない!どこかにいるわ!?」

 立香先輩がアーサー・オルタがいないことを言う。

 私は周りを警戒した。どこから、どこから出てくる!?

「上だ!」

 全員が上を向くと……。

「マシュ、所長の後ろを守れ!」

 マスターは私にだけ違う指示をして、私は所長を守った。盾に重い衝撃が伝わり、歯を食い縛った。

「この!」

「ふん!」

「小次郎さん!」

「せい!」

 小次郎さんが横から入ってきたお陰でなんとかなりました。

 しかし、今だ決定打かけてしまいます。何とかしないと……「マシュ、危ない!?」

「え?」

「さらばだ」

 エクスカリバーが遅く振り落とされていくのを黙って見ていた。これが走馬灯……ですか。

 嫌だ。そんなのは嫌だ!助けて、助けて。誰か…マスター、先輩、所長、ドクター……。

「助けてせんぱいぃぃぃぃぃ⁉」

「アンサズ!」

「|アクティブ≪起動≫!」

 洞窟の入り口からクー・フーリンと、ライカ先輩がアーサー・オルタに攻撃してきた。

 アーサー・オルタはクー・フーリンの火球とライカ先輩の銃弾を斬り、避けた。

「ほう、まさか貴様が来るとはな」

「うるせぇ。それに今のお前では勝てないだろう?」

「そうだな。私だけならな(・・・・・・)

 天井が割れ、何かが落ちてきて土埃が舞う。そこにいたのは二メートルを超す大男だった。

「バーサーカーかよ!?小次郎、お嬢ちゃんアーサー王頼む!」

「わかりました!」

 

 Sideライカ

 身体強化魔術の使い過ぎで、体がボロボロだけど、やらないと。

「マスター無理すんな」

「大丈夫」

 こんな時に言うのは不謹慎だが、楽しい。今までの仕事より楽しい戦いだ(死闘)

 だからかな、身体が熱い。こんな命ギリギリの戦いは初めてだし、最初のアサシンは物足りなかったし、ランサーは小次郎さんにとられたし、アーチャー、エミヤさんはクー・フーリンと共同で倒したから。

 だから、もうちょっと無理してもいいよね。

「自分は、大丈夫」

 そう思っていると、腰に何かが着いた。ベルトみたいな何かを。手には丸い塊を。

 これの使い方がわかる。丸い塊、ゴーストアイコンをベルト、ゴーストドライバーに入れ、ハンドルを引く。

『アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!』

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

「おい、その姿は!」

「それは後で説明する。行くぞ!」

「Guoooooooo!」

 ガンガンセイバーを取り出し、バーサーカーと打ち合った。重い一撃がガンガンセイバー越しに伝わる。その一撃を受け流し、懐に入り斬る。上下左右に斬り、ゴーストドライバーの中央にガンガンセイバーをかざす。

『ダイカイガン!ガンガンミナー!ガンガンミナー!オメガブレイク!』

 刀身に青い光が纏い、連続で斬っていく。

「はああああ!」

 エネルギーを突きに回し、強烈な一撃を与える。

「やった?」

「まだ……アンサズ!」

 クー・フーリンが火球を五つ出し、バーサーカーに撃つ。しかし、バーサーカーには効いていないように見えた。

「Guoooooooo!」

 バーサーカーが持っている石製の大剣を横薙ぎに振る。自分たちは体を後ろに倒し躱す。横薙ぎにした大剣を戻し、唐竹割りで斬る。自分たちは左右に避け、クー・フーリンは杖を離し、手を合わせて地面を叩く。

「アンサズ」

 バーサーカーは地面からの炎で焼かれていく。クー・フーリンはさらに宝具を発動した。

「焼き尽くせ木々の巨人!ウィッカーマン(灼き尽くす炎の檻)!」

 杖を叩き、バーサーカーのいるところに藁の炎の巨人が現れた。燃えているバーサーカーを捕らえようと手を伸ばす。バーサーカーは持っている大剣でウィッカーマンの腕を斬る。斬られた腕は再生し、再度バーサーカーを捕まえにいった。

 ガンガンセイバーを二刀流モードに変え、バーサーカーの後ろに行き、斬りつける。

アクティブ(起動)からのトレース・オン(模写開始)

 小刀をバーサーカーに刺して、読み取る。バーサーカーは回転斬りで自分を斬った。ガンガンセイバーで防いだが、大剣の勢いで飛ばされてしまった。

 自分に向かってくるバーサーカーをクー・フーリンがウィッカーマンを使い、進路を塞ぐ。

 自分は走りながらゴーストドライバーにガンガンセイバーをかざす。

『ダイカイガン!ガンガンミナー!ガンガンミナー!オメガスラッシュ!』

 バーサーカーの背中を大刀で斜め斬りし、小刀で横斬りする。そして、大刀と小刀で交互に連続で斬っていく。

「Guoooooooooo!?」

 バーサーカーに大きなダメージを与えた自分はその場を離れ、ガンモードに変え、ゴーストドライバーにかざす。

『ダイカイガン!ガンガンミナー!ガンガンミナー!オメガシュート!』

アクティブ(起動)!射殺すのは我が九つの弾丸!ナインライブズシュート(銃・射殺す百頭)!」

 ガンガンセイバーガンモードから九つの赤色の弾丸をバーサーカー、いやヘラクレスが急所にいくのもののみ防いでいく。

 ナギナタモードに変え、ゴーストドライバーにかざす。

『ダイカイガン!ガンガンミナー!ガンガンミナー!オメガストリーム!』

 ガンガンセイバーに溜まったエネルギーをヘラクレスの腕に当てる。ヘラクレスの腕は消し飛び、そのままガンガンセイバーで足を斬る。

「Guooooooooo!?」

「よっしゃー!これで決めるぜ!」

 膝をついているヘラクレスを捕まえたウィッカーマンは、自分の籠になっている胴体にヘラクレスを入れ、身体を激しく燃やして倒れこんだ。

 ウィッカーマンが消えると大剣改め斧剣を杖替わりに立とうとしているヘラクレスがいた。

「これで止めだ!」

 ゴーストドライバーのハンドルを引き、押し込んだ。

『ダイカイガン!オレオメガドライブ!』

 オレンジ色のエネルギーが足に集まり、ヘラクレスへ向けて地面を蹴った。

「はあああ!」

 ライダーキックがヘラクレスに当たり拮抗したが……。

「はあ!」

 ヘラクレスを蹴り破った。

 ヘラクレスは叫びながら消滅した。

『オヤスミー』

 オレゴーストアイコンを抜き、今度こそ気を失った。



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召喚!これまでとこれから!

 投稿ができぜ。そして、ライカの性別が明らかに!では、どうぞ!


 Sideライカ

 …………。

 …………。

 ……?

 …ここは?アルコール臭が鼻につくと言うことは病室か?無事に帰ってきたのか。パスが無いからクー・フーリン消えちゃった。お礼言ってないのに。

 起きたことだし、ドクターがいるところへ行くか。

「おや、やっとお目覚めかい?」

 ドアを開ける音がすると女の声がした。

 そこにいたのはモナリザだった。

「私の姿を見て惚れているのかい?残念だが、私はそんんな安い女ではないぞ」

「モナリザの英霊?」

「ちょっと違うな。確かにモナリザの姿だが、モナリザ本人ではない。私の名はレオナルド・ダ・ヴィンチさ」

「レオナルド・ダ・ヴィンチ!?男のハズでは!?」

「アーサー王が男ではなく女という実例を見ていた君にはわかるはずさ。私の場合は理想の美の帰結は女性、モナリザの姿をするのは当たり前じゃないか」

「そんなバカな!?」

 そんなアホの話があるかと言おうとしたら……。

「起きたのかいライカちゃん(・・・)!?」

 ドクターが急いでドアから入ってきた。

「ライカちゃん?え、君は女性なのかい!?」

「はい。改めまして、わっちは地鎮ライカ。神秘殺しの異名を持つゴーストハンター。一応、傭兵まがいもしているから依頼したかったらいつでもいいよ」

「わっちって?それよりもだ。君が気を失ってからのことだけど聞きたい?」

 わっちは頷き、聞くことにした。

 話は今から一週間前に五日前に遡る。

 

「これで最後!」

「なめるな!」

 マシュの盾の一撃がアーサー・オルタを吹き飛ばす。

「令呪を持って命ずる!小次郎、絶対に倒して!」

「秘剣!燕返し!」

 令呪のブーストで今まで以上の早さの燕返しを繰り出す小次郎。その三つの斬撃がついにアーサー・オルタを切り裂いた。

 アーサー・オルタの両腕が切断されて、胴を縦に切られ、倒れた。

「やった!」

「どうやら、手が緩んでしまったようだな。聖杯を守る守り通す気でいたのだがな」

「一ついいか?」

「なんだ?」

「あんたには縁もゆかりない地なのにどうして守り通す気でいた?」

「……故郷とは違う暖かさがあっただけだ。敗北しては意味がないがな。私一人では結局同じ末路になるらしい」

「おい。どうゆうことだ?」

「いずれ知るだろう。グランドオーダー。…………聖杯を廻る戦いは始まったばかり」

 光の粒子を出しながら消えていくアーサー・オルタ。

「シロウ。また、あなたにあいたい」

 想い人に宛てた一言を言いながら消えてしまった。

「お、おい!どういうって、消滅しているじゃねぇか!マスター起きろ!寝ていないで起きろ!ったく、しょうがねぇな。……ん、なんだあれ?」

 消えゆくクー・フーリンは変身が解除されたライカのそばに落ちていた球体,ゴーストアイコンブランクを持った。

 その時、クー・フーリンの体から青いオーラがゴーストアイコンに入っていった。ゴーストアイコンは青く変化していた。

「なんだこれ?まあ、そんなことよりお、おい!嶺上のお嬢ちゃんたちマスターを頼む!」

 そう言ってクー・フーリンは消滅した。

 嶺上たちは急いで倒れたライカの元へ行った。

「ドクター!?ライカさんは!?」

 嶺上はロマンに連絡していた。

『うん、大丈夫だよ。気を失っているだけで、怪我などは問題はないよ』

「そうよかった」

 それとは裏腹にオルガマリーは考えていた。アーサー・オルタが言っていたこと。

「グランドオーダー。どうしてあの呼称を」

「所長?」

「……何でもないわ。聖杯回収後直ちにここを離れます」

 聖杯を回収しようとした矢先、岩陰から拍手音が聞こえた。

「まさか、ここまでやるとは思っていなかったよ」

『その声はレフ教授⁉』

「おや、ロマニ君。今すぐ、管制室に来てくれって言ったのに、本当どいつもこいつも統制が取れないクズばかりだ!」

「レフ、……ああ、レフ、レフ、生きていたのねレフ!」

 レフ?に近づいていく所長。それを止めるマシュ。

「待ってください所長⁉」

「やあオルガ。元気そうでなによりだ」

「ええ、そうなのレフ!管制室は爆発するし、街は廃墟そのものだし、カルデアには帰れないし……。でも、あなたがいればなんとかなるわよね?だって、お父様が死んでからはいつもわたしのそばにあなたがいてくれた。助けてくれた。今回も助けてくれるでしょう?」

「ああ、もちろんだとも。本当に予想外のことばかりで頭にくる。その中でもオルガ。爆弾は君の足元に置いていたはずなのに(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)生きていることがな(・・・・・・・・・)

「え?」

「正確に言えば、君の肉体は死んでいる。残留思念になった君は死んで初めて、レイシフトができた。君は死んで初めて、切望していた適性を手に入れたんだ」

「え?死んでいる?待ってどういうこと!」

「死んだなんて理解できないね普通は。……そうだ。君に言いものを見せよう」

 レフ?は指を鳴らし、空間に真っ赤に燃えたカルデアスが映し出した。

「なによこれ?う、うそでしょ」

「嘘ではない。本当のものさ。見た前!これがお前らアニムスフィアの愚行の末路だ!」

 目を見開きながら高らかに叫んだ。

「ふ、ふざけないで!わたしの責任でもない、失敗していない、死んでいない!」

 オルガは叫び、否定する。

「アンタ、誰よ⁉わたしのカルデアスに何したの!」

「これは君のではない。まったく。……そうだ」

 レフ?俯いてからゲスな笑い顔で指を鳴らした。それと同時に宙にオルガ。

「な⁉体が引っ張られていく⁉」

「今カルデアに繋がっているが、そのカルデアスに君を近づけるとどうなるのかな?」

「待って⁉そんなことすれば⁉」

「おい⁉やめろ⁉」

 藤丸が叫ぶ。藤丸でも何をするのかを想像したわけではない。ただ、やばいことをしでかすと容易に想像できた。

「これは君の願いだろ?なら叶えてあげようではないか。さあ触れるがいい。これは私からの君への慈悲なんだから。ひゃははははあああああああ!」

 必死に抵抗するオルガ。だが、無常にも現実はそうにはならなかった。

「どうして、どうしてこんなことばっかりなの⁉誰も評価してくれない。みんなわたしを嫌うの⁉やだ、やだ、いやいやいやいやいや⁉まだ何もしていない!?」

「しょ、所長⁉」

「あ、あああああああ⁉」

 カルデアスに取り込まれる所長。かけらの一つも残さず、消滅した。

「では、改めて自己紹介しよう。私はレフ・ライノール・フラウロス。貴様ら人類を処理をするために遣わされた、2015年担当者だ。聞いているなドクターロマン?最後の忠告してやる。お前ら人類はこの時点で滅んでいる」

『……レフ教、レフ・ライノール。どういう意味ですか?2017年が見えない事と何が関係があると?』

「関係ではない。もう終わってしまったのだ。観測できないじゃない、消失したんだじゃない。焼却したのだ。その証拠にカルデアスは深紅に染まってな」

『僕たちの未来はない、と言うことですね』

「理解できるものでよかった。カルデアスの磁力でここを守っているおかげだが、外は冬木と同じ末路を迎えているだろう」

『そうゆうことでしたか。故障かと思ったが、そもそも通信を受け取る相手がいないわけでしたか』

「おっと、どうやらここも限界か。セイバーめ、おとなしく従っていればいいものを。では、さらばロマニ、そして三人の適性者たちよ。精々、あきらめておとなしくことだな」

 そう言って消えてしまった。

「ドクター、レイシフト準備を!」

『ああ、わかっている。そっちの崩壊が早いかも⁉』

「どうすればいいんだ⁉」

「お父さん、お母さん、親より先に死ぬことを許して。不幸な娘でごめんね」

『宇宙区間でも数秒でも生きていれば平気らしいよ!』

「三人とも落ち着いてください!」

「なら、燕返しで空間を斬って時間稼ぎするかの」

「小次郎さんは落ち着きです!」

 足元が消えて、落ちている間にレイシフトが成功した。

 

「と、言うことだ。理解できたかい?」

「うん、それで藤丸たちは?」

「昨日レイシフトしているけど」

「わっちも急いで⁉」

「こらこら、落ち着きなさい。戦力を増加してから行こうじゃないか?」

 ダ・ヴィンチに連れられて、ある部屋に着いた。

「ここは?」

「召喚ルームさ。君用の呼符が二枚ある。これを使ってサーヴァントを召喚するのだ。ちなみに呪文は言わなくても大丈夫。ガチャみたいなものだから」

「OK」

 呼符を置いて、さっそく呼んでみた。

 青い服装に赤い槍を持った男がいた。

「アルスターの戦士、ランサー、クー・フーリンだ。って、マスター⁉ケガ大丈夫か?」

「うん。わっちは大丈夫さ。それよりよくわっちだとわかったね?」

「パスをつないだ相手を間違えるほどバカじゃないぜ」

 二枚目をセットした。次に出てきたのはカードだった。白い体をした青い瞳のモンスター。

「それは概念礼装さ」

「しかもクリードかよ。確かにこいつの力を感じるぜ」

 三枚目をセットした。出てきたのはバイクだった。うん、バイクだった⁉

「概念礼装というわけじゃないね」

 バイクはカードになった。やはり、概念礼装だった。

「さて、君の刀などはないが、どうするんだい?」

「問題ないよ。これとクー・フーリンがいるからね」

「そうかい。では、行く準備をするよ」

「場所は?」

「フランス、百年戦争真っ只中のジャンヌ・ダルクが死んだ数日後の1431年さ」




 性別は女でした。紹介は次回します。
 それとレフ・ライノール・フラウロスのとこをあやうくレフ・ライノール・流星号と名乗らせようとしたけど、もんだいないよね?


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マテリアル&次回予告

 ライカの紹介の前にフランスへのレイシフトを書いた、書いてしまった。
 では、どうぞ。


 破れた自分の仕事着を魔術礼装・カルデアに着替えたライカはカルデアスの前に来ていた。

 

「所長、あの世で会いましょう。ん、これはゴーストアイコン?」

 

 ライカの足元に白色アイコンが落ちていた。使えるのか試したが、起動しなかった。

 

「魂は感じるけど、寝ているのか?」

 

 不思議なゴーストアイコンを仕舞うとしたとき、クー・フーリンが手を掴んだ。

 

「マスター、ちょいと見せてくれないか?」

「ええ」

 

 ゴーストアイコンをマジマジとみているクー・フーリンは驚きの表情をした。

 

「おいおいマジかよ。おい、マスターオルガマリーのお嬢ちゃんの魂がこの中に入っているぞ!」

「……は?」

「俺が言いてぇよそれ」

「けど、よかった。生きている、所長は生きている。これ知らせに行こう」

『ライカちゃんレイシフトの準備できたよって、どうしたの?』

「所長生きていたよ!」

『なんだって⁉あの時、消滅したのかこちらからでも確認して……あ!』

「どうしたの?」

『計測器図ってなかった』

「……はあ。ドクターはドクターですね」

『マシュみたいなセリフ言わないで⁉』

「それより、はやく」

『僕の心を癒してくれるのは、マギ・マリだけか』

「ドクター」

『は、はい⁉今すぐに⁉』

 

 自分のコフィンに入り、レイシフトを待っていた。

 

『改めて言うけど、レイシフト先は1431年のフランス。場所はリヨンそこで藤丸くんたちと合流する予定だから』

「わかった」

『アンサモンプログラムスタート。霊子変換を開始します。レイシフト開始まで、3、2、1……。全行程完了。グランドオーダー実証開始します。』

 

 

 マテリアル

・名前:地鎮(ちちん)ライカ

・身長:160cm/体重:不明

・地域:日本

・属性:混沌・中庸/隠し属性:人

・性別:女性

・特技:人物画

・好きなもの:お金、修行/嫌いなもの:略奪者、納豆などの臭いが強い食べ物

 

・紹介:一人称はプライベートはわっち、仕事時は自分。暗い茶髪に肩甲骨届くくらいのポニーテール(イメージ:艦娘の吹雪)、サファイア色の目、日本人の父とイギリス人の母のハーフ。

 幼少期、死徒に両親を殺されて絶対絶命のときに英霊エミヤに助けられる。その姿を見て、人を助けられる強さという夢を持つ。母方の伯父にゴーストハンターになるために修行をつけてもらう。高校卒業後、様々な怪異事件に頭を突っ込み自然に強くなっていく。怪異事件のほかに傭兵まがいもするようになり、何でも屋になる。それと同時に現代の神秘殺しと討伐した死徒と殺した魔術師につけられる。約四年で相当の実力とその名に恥じない力をつける。

 先代所長、マリスビリーに声を掛けられ、現所長、オルガマリーの時に訪れる。オルガマリーとは電話でしか会話したことがない。Eチームに属している。レフが仕掛けた爆弾で生死の境をさまよっていたが、謎のおじさんに生き返させてもらう。その後、単身シャドウサーヴァントを倒す。謎のベルト、ゴーストドライバーでバーサーカーを倒す。

 姿は黒いフード付きマントに背中にMONOHOSHIZAOという大太刀、腰にトプソン・コンテンダーと言う銃と紅血丸という打刀。そのほかに錫杖の金剛戒律、黒鍵、マリスボウという弓、黒鉄という篭手。

 使用魔術は強化、死霊、ルーン、陰陽道、修験道。属性は風。起源は模写と起動。

 契約サーヴァントはクー・フーリン。

 入手アイコンはオレ魂、クー・フーリン魂、小次郎魂、オルガマリー魂(休眠中)。

 

・武装一覧

・MONOHOSHIZAO:刃長五尺、反り九分の大太刀。普通の刀。リーチが長い分、扱いが難しい。

・紅血丸:刃長二尺三寸の打刀。己の血と魔術回路を三本を加えた紅い刀。強化の魔術などをよく通せるように作られている。

・トプソン・コンテンダー:Zeroでもお馴染みの銃。

・金剛戒律:除霊やより強度の高い魔術など使うために作られた錫杖。仕込み杖としても使える。

・黒鍵:麻婆神父親子御用達の武器。性能は原作のまま。

・マリスボウ:桃の木を素材にした魔を除けの武器。日本名は破邪の弓。

・黒鉄:いわくつきの黒塗りの籠手。その強度は鉄よりも固い。

 

 

 次回予告

 フランスにレイシフトしたライカたち。しかし、そこにいたのは巨竜に乗る黒いジャンヌ・ダルク。

 

 最初からクライマックスな展開にライカは人理を修復することができるのか⁉

 

「ふぎゃ⁉」

「何か引いた?」

『GYAOOOOOOOOO!』

「ガメラだと⁉」

「カズィクル・ベイ!」

「串が出てきたな」

「この殻潰し!」

「マシュ落ち着いて⁉」

「さあ、蹂躙しなさいファフニール!」

「もう一度、倒すぞ。バルムンク!」

 

 Fate/GhostOther 第一特異点 邪竜百年戦争オルレアン 救国の聖処女&異世界の龍

 

「あなたは?」

「一夏だ。さあ、本当の龍を見せてやる」

 

 

 小話

「では、改めて自己紹介しよう。私はレフ・ライノール・フラウロス。「そんな、ダセェ名前はやめろ!お前の名前は流星号だ!」少し、黙ってくれないか?」

「ガ、ガンダムが本体⁉勝てるわけがない⁉」



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第一特異点 邪竜百年戦争オルレアン
紅い衣の者/合流前の一連 パート1


 サブタイトルの書き方変更、各章ごとに。


 燃え盛る町の中に一人佇む青年がいた。その周りにはおびただしい数の死体が無惨な姿で放置されていた。戦争や火事などの災害で死んだわけではない。獣に噛み付かれた後のような姿。中には手足や頭だけの死体まである。

 当然、この青年が、ましては人間ができるわけがない。

 直後、空から何かが降下してきたのだ。青年は右にかわして姿を見た。緑の鱗に覆われたコウモリのような翼、トカゲの胴体に近い姿の生物。

 

『ギャオォォォン!?』

 

 ワイバーン、ゲームやアニメなどでは有名なモンスターの一種。それも一匹二匹ではない、空一面におよそ五十匹はいるだろうその数は青年にだけしせんをむいている。

 青年は腰から一本のナイフをとりだし、ワイバーンに向けた。

 ワイバーンは一斉に青年に襲いかかろうとした。ワイバーンの大きさは大体五メートルはあるだろう。その巨体ゆえにわずか五匹入っただけでその姿は消え去った。だが、ワイバーンの動きが止まった。次の瞬間、五匹のワイバーンは体を無惨に切られた。そこに立っていたのはワイバーンの返り血を浴びた青年だった。

 

「貴様ら誰に歯向かっているのか教えてやる」

 

 ナイフを構えた青年は一気に空へ跳び、ナイフを投げた。投げたナイフは一匹、また一匹とワイバーンの首を貫通していく。五匹目になって貫通は終わり、ナイフを結んでいた糸で首を切り裂いた。そのまま、遠心力で中間あたりにいるワイバーンの首へ巻き付ける。引っ張ると同時に首を切り落とす。死んだワイバーンと共に自由落下していく青年。 ドスンっと地面に落ち、砂埃を撒きながら現れたのは無傷の青年。

 

「さあ、来いよ。力の差見せてやる」

 

 ワイバーンは叫びながら降下して青年の所へ突撃した。

 

 Loading ~地鎮ライカがレイシフトをする前に遡る~

 

 先にレイシフトした海月たちはフランスの村、ドンレミに着いた一行は、そこで近くにいたフランス兵に海月が行き、話を聞いた。

 その話はジャンヌ・ダルクが竜を従えて魔女として蘇った、と言う内容だった。

 イングランド兵は撤退、そしてシャルル七世はジャンヌ・ダルクによって処刑され、オルレアンは占拠された。

 それが特異点の原因だろ、と言う考えに至った。

 それからドンレミから離れた場所にヴォークルールと言われた廃墟寸前の町に着いた。そこでも情報は得られずどうこうしている内に骸骨兵とワイバーンが襲撃してきた。

 ここで海月たちのサーヴァントたちを紹介しよう。

 海月のサーヴァントはマシュのほか、二人いる。一人は特異点Fで戦ったアーチャーの英霊、エミヤと別世界から来た女性の宮本武蔵。クラスはセイバー。

 立香のサーヴァントは佐々木小次郎のほか、こちらも特異点Fで戦ったアサシンの英霊ハサン・サッバーハとルーマニアの英雄ブラド三世。クラスはランサー。

 合計五人のサーヴァントとデミ・サーヴァント一人、マスターが二人、フォウさん一匹で相手することになった。

 戦いはあっけなく終わった。エミヤとハサンが弓と投げナイフで射殺し、小次郎がワイバーンへ斬撃を放って終わり。武蔵、ブラドで骸骨兵を二本の刀で斬り、手に持った二本の鉄杭でなぎ払いで終わらした。

 海月たちを守るためにいたマシュと謎のサーヴァントのお陰でヴォークルールは守られた。

 

 Loading ~会話抜粋~

 

「ジャンヌだ」

「魔女がいるぞ」

「も、もうお仕舞いなのか……」

 

 口々からジャンヌ、魔女と言う声が聞こえてくる。

 ヴォークルールを守ろうとしたサーヴァントへ視線が向けられていた。金髪の三つ編みを揺らし、白い旗を持った女性のサーヴァントは海月たちへ歩いていった。

 

「ここではなんです。あそこの森で話を聞いてもらえますか?」

 

 嘘を付いているわけではなかったそのサーヴァントに従って森へ入っていった。

 奥へ進んでいくと開けた場所に着いた。

 

「初めまして私の名はジャンヌ・ダルク。クラスはルーラー。貴女方は?」

「俺は藤丸海月。隣にいるのはマシュとエミヤ、武蔵」

「初めましてマシュ・キリエライトです。クラスはシールダーです」

「エミヤだ。アーチャーをしている。マドモワゼルジャンヌ」

「宮本武蔵、クラスはセイバーをしている。よろしくね」

「それでこっちが……」

「私は嶺上立香、よろしくね。それでこっちが……」

「佐々木小次郎、クラスはセイバー。よろしく頼むでござる」

「我が名はハサン・サッバーハ。クラスはアサシン。よろしく頼むぞ」

「ブラド三世である。ランサーだ」

「私たちはカルデアと言う組織です」

「カルデアとはなんですか?」

 

 ジャンヌはカルデアについて聞いてくる。それに答えたのはドクターロマン。

 

『ボンジュール、マドモワゼルジャンヌ。僕の名前はロマニ。みんなからドクターロマンと呼ばれている。僕たちカルデアはここから遠い未来、約三百五十年前からきた組織です。目的は特異点と呼ばれる所で起きる人類史では絶対に起きない要因の解明、修復することです。ここまで質問は?』

 

 ジャンヌは首を横に振り、ないと答える。

 

『それで僕たちに接触した理由は?』

 

 代表で海月が聞く。

 

「オルレアンの奪還ともう一人の私を倒すのを手伝ってもらいたいのです」

「なぜ、俺たち何ですか?」

「神のお告げで今日来る者たちは仲間にしておけば必ずやフランスを救えると」

「神のお告げって、いくら英霊でもそれは無理じゃない?」

「いえ、私にはミカエル様の声を聞きましたので、確かなことです」

「すまないが、マドモワゼルジャンヌ」

「はい、なんですかエミヤさん?」

「私たちはキリスト教徒ではないためその声はわからないのだが?」

「……確かにキリスト教徒ではないですが、それでも神は、ミカエル様はいると」

「……少し話をさせて」

「いいですよ」

 

 立香が全員集めてジャンヌに協力するか話し合うことにした。

 

「率直にみんなはジャンヌに協力したい?」

「俺はいいと思うけど」

「目的は一緒ですし」

 

 海月と立香は賛成の意見を言う。

 

「私は反対だね。第一、事実なのかはわからないからな。もしかしたら、罠に「うわぁ!?」……賛成でもいいな」

 

 ジャンヌの行動で賛成になったエミヤ。

 残りもマスターの意見に反対はなかった。

 

「ジャンヌ、貴方の目的とこっちの目的は同じなので協力しましょう」

「ありがとうございます。では……」

「その前に、みんな戦闘体勢!」

 

 森の中から出てきた狼人集団はサーヴァントの力により撃退した。



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Wジャンヌ/合流前の一連 パート2

 今回、もみますよ。(書き方が下手ですが)


 目的が同じジャンヌと共にもう一人のジャンヌがいるオルレアンに向かうことになった海月たち。情報収集のため近くの街ラ・シャリテに行くことになった。ラ・シャリテに着いた一行。だが、町は崩壊し、あちこちに死体が散らばっているだけ。

 

「ひどい」

「戦争と言うのはどの時代も碌なものではないな」

 

 マシュの言葉に戦争を体験したエミヤはそう答えた。

 

「そこに人が……え?な、なに食べているのですか?」

 

 ジャンヌが生きている人を発見し、声を掛けたのだが、その人は赤い物を食べていた。

 

「死体だな。奴はゾンビだ。マスター戦闘態勢だ」

 

 エミヤはジャンヌに死体を食べているのがゾンビと言い、マスターに戦闘準備と言った。

 数はそんなにいなく戦闘は終わったと思ったが、戦闘音を聞き、ここにもワイバーンがやってきたが、エミヤの射撃により地べたに落ち、それをほかのサーヴァントが倒した。

 

「あっけないものだな」

「いや、エミヤが強いだけだからね」

『大変だ!?サーヴァントがコッチに向かってきているぞ!?』

「ドクター、数は?」

『五体だ!数は勝っているけど、実力はわからないぞ!』

「撤退しよう」

 

 海月が言うとジャンヌ以外は頷いた。

 

「私はここで待ちます」

「なんで!?」

「もう一人の私かもしれないです。だからここに残ります!」

「アホが!?」

『ああ、来てしまった!?とにかく、隠れて!?』

「ドクター、もう遅いです」

 

 空からワイバーンに乗った五体のサーヴァントが降りてきた。

 黒い服装に短髪の髪の女のサーヴァントがジャンヌの目の前に止まった。このサーヴァントがリーダー格でもう一人のジャンヌ。

 

「なんて、こと。まさか、まさかこんな事が起こるなんて。だれか私の頭に水をかけてちょうだい。まずいの。やばいの。本気でおかしくなりそうなの。だってそれぐらいしないと、あんまりにも滑稽で笑い死んでしまいそう!ほら、見てよジル!あの哀れな小娘を!なに、あれ羽虫?ネズミ?ミミズ?どうあれ同じことね!ちっぽけすぎて同情すら浮かばない!ああ、本当……こんな小娘にすがるしかなかった国とか、ネズミの国にも劣っていたのね!ねえ、「「おい、おまえ!いくら二次作品の中だからと言って世界的有名な遊園地をバカにするのはやめろ!」」あら、羽虫以下がしゃべっているはジル!「「おい!()を虫以下と言うな!それとミ〇キ〇と愉快な仲間たちに謝罪しろ!」」うるさいわね!少し、黙っていてくれないかしら!」

「マスターたちよ。落ち着いてくれ。私も些か苛立っているが、今は関係ないはずだ」

「そうだなごめんエミヤ」

 

 冷静になった海月たちマスターは改めて、敵を見て思ったことがあった。

 

「誰この人たち?」

「誰か説明お願い」

「やれやれ、しょうがない。私が教えよう」

 

 海月と立香に説明しようとするエミヤ。

 

「では、あそこにいる白いひげに黒い服を着ている男性サーヴァントはブラドⅢ世と仮面をかぶっている女性はカーミラ。両サーヴァントは吸血鬼のモデルだ」

「え、ちょっと待って!?ブラドはここにも……」

「同じサーヴァントでもクラスが違う場合もある。続けるぞマスター、そこにいる金髪の中世的な顔立ちはシュヴァリエ・デオンだ。その姿で諜報や暗殺などもしたサーヴァントだ。その隣にいるのは聖女マルタ。亀型のドラゴン、タラスクを祈りで沈めたサーヴァントだ」

「なるほど、全員ドラゴン、もしくはフランスに関係するサーヴァントってこと?」

「察しがいいなマスター立香。そうだ、この四体はドラゴンに関係するサーヴァントたち」

 

 推察を述べる立香に、賞賛を送るエミヤ。

 

「あのそろそろいいですか?」

 

 マルタがエミヤに聞いてきた。構わない、とエミヤが言ったのでジャンヌは口を開いた。

 

「貴方は、誰ですか?」

「それは、こちらの質問ですが……そうですね、上に立つものとして答えて上げましょう。私はジャンヌ・ダルク。蘇った救国の聖女ですよ、もう一人の()

「……馬鹿げたことを。貴方は聖女じゃない。私がそうでないように。それより、なぜこの街を襲ったのですが!?」

「何故かって?同じなら理解していると思ったのですが。属性が変転するとここまで鈍いのでしょう?いいですよ、懇切丁寧に教えましょう。なぜ、この街を襲ったのか、ですね。簡単なことです。単にフランスを滅ぼすためですよ。当たり前じゃないですか、私はフランスという国のために戦ったのに、イングランドからの報復を恐れた王のせいで、イングランドに捕まり、魔女と呼ばれ、神には見放された。最後は火炙りで殺される。これに恨み、怒り、復讐を持たないとはおかしいじゃないかしら?いえ、おかしくはない!だから、この国へ復讐するのは当たり前!そうでしょう!もう一人の馬鹿な私?」

 

 確かにもう一人のジャンヌの言っていることはあっている。国のためにがんばったのに裏切られて、最後は殺されるのはおかしい。二人のブラドは頷いていた。

 

「馬鹿なことを!?」

「馬鹿なこと?愚かなことをしましたよね私たちは。なぜこの国を救おうとしたのか?なぜこの愚者たち救おうと思ったの?裏切り、唾を吐いた人たちと知りながら!」

「そ、それは……」

「私は騙されない。裏切りは許さない、主の声も聞こえない。つまり、主はこの国に愛想をつかしたことに他にならない。だから滅ぼします。私が代行します。主の嘆きを!」

「そんなことはさせない!」

「フン、人間的成長もできていないお綺麗な聖処女さまには!」

『サーヴァント的には人間的成長はどうなんだ?』

「あら、うるさいハエがいるわね。殺すわよ?」

『うわぁ!?コンソールが燃えたぞ!睨みつけただけで、相手を呪うのか!?』

 

 もう一人のジャンヌの救済方法は滅ぼす。確かに反英霊としては正しいことだ。どうしようもないから滅ぼす。当たり前のことではないが、それでも普通の人が考えることではない。だが、いっぺん死んで頭を回ればそんな考えが浮かんでもおかしくはないだろ。狂人だが。

 

「本当に私ですか?」

「……呆れた。ここまでわかりやすく説明し、演じたのにまだそんな疑問が……。いえ、そうね、元は同じでも属性が変わっていればそうなるわね。だけど、私の憤怒を理解しようとはしない。いえ、理解する気はない。頭が固いわね聖処女は」

 

 二度目の聖処女発言に、顔を赤らめるジャンヌ。そんなことをしている時、いなかったのだ立香が。それに気づいたエミヤとハサンはあたりを探した。すぐに見つかった。だが、見つかった場所は。

 

「だいたい、田舎娘の私たちは一回もひゃう!?」

「ふむ、いい揉み心地だね」

 

 もう一人のジャンヌの後ろにいたのだ。

 

「布越しだけどハリと弾力があるしDカップ並みのオパーイだね。次はジャンヌね」

「ちょ、ちょっと、待って嶺上しゃん!?」

「感度も同じ、ハリも弾力もカップも同じだね」

「「「な、何やっているんだあの女は!?」」」

 

 周りのサーヴァントも画面のロマンたちも呆然した。顔を赤らめながら、蹲っているカーミラもその場に倒れて言いる声を上げているデオンも被害があったのだろ。え、マルタ?マルタはスルーされていたけど。

 二人のジャンヌは胸を押さえながら震えていた。

 当の本人とは言うと、サムズアップしながら言った。

 

「ばっちり人違いではなく、ましては双子じゃない。正真正銘の同じ人だよWジャンヌ!」

「い、今すぐ、この女たちを殺しなさい!」

 

 もう一人のジャンヌの叫びで戦いが始まった。



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ヴィヴ・ラ・フランス/合流前の一連 パート3

「い、今すぐ、この女たちを殺しなさい!」

 

 もう一人のジャンヌの叫びで、双方のサーヴァントたちが前に出た。

 

「もう一人の余が相手か」

「もう一人の余よ。汝は人としての道を外した。貴様に送るのは制裁だ」

「相手に申し分無い。行くぞ!」

 

 バーサーク・ランサー、ブラドⅢ世(狂)にブラドⅢ世が、

 

「私の相手は君か。座の知識で知っているよ宮本武蔵。日本では知らない人はいないと聞く……どうした?」

「……っ」

「まあ、「よっしゃー!美少年がきたー!」わわわ!?」

「行くわよ!五輪の真髄お見せしましょう!」

 

バーサーク・セイバー、シュヴァリエ・デオンに宮本武蔵が、

 

「あら、男が相手ね」

「我が相手だ吸血鬼。我の御技、ご覧にいれよう」

 

バーサーク・アサシン、カーミラに呪腕のハサンが、

 

「拙者の相手は女か」

「あー、嫌々。私は聖女なのに戦わなくちゃいけないの」

「一つ聞きたい」

「なによ?」

「その拳は使わないのでござるか?」

「使わないわよ!」

「え~本当で御座るか~?」

「潰す!タラスク!」

 

バーサーク・ライダー、マルタに佐々木小次郎が立ちはだかった。

 空を多い尽くすワイバーン相手にエミヤが弓を引く。

 そして、ジャンヌはもう一人のジャンヌと対峙していた。

 

「我が骨子は捻り狂う偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)!」

 

 エミヤの射つ偽・螺旋剣により上空のワイバーンはその攻撃範囲外にいた数匹残して全滅した。

 ブラドⅢ世(狂)の煙のように消え、奇襲する攻撃をブラドⅢ世は紙一重でかわしている。槍を使い反らし、またあるときは短槍ですれ違い様に攻撃をするという武人らしい戦い方をする。

 

 武蔵とデオンの戦いは侍VS騎士、または防御対攻撃、巧み対速さという剣の戦いをしていた。デオンの細剣による高速の剣激を刀で反らし、細剣に刀を滑らせて斬るという見事な攻撃をする武蔵。

 

 呪腕のハサンの素早い攻撃をなんとか避けているカーミラ。クラスが同じだけで、その動きは違っていた。片方は生粋の暗殺者、もう片方は今までの悪行でなった殺人鬼。一応、五分五分で保つのはクラス補正のおかげだろう。

 

 ここで意外な戦いは小次郎対マルタだった。小次郎の剣の技術は最強と言っても過言ではない。だが、その攻撃を杖でいなし、魔力弾を射つマルタはなんなんだ。

 

「やるで御座るな!」

「涼しい顔で言われても困るわ、ね!」

 

 杖の石突で小次郎の腹を突き、一旦距離を置き、宝具を唱えた。

 

「愛を知らない哀しき竜……ここに。星のように!愛知らぬ哀しき竜よ(タラスク)!」

 

 空から亀を思わせる竜、タラスクが召喚され、四方の足からジェットを噴出し、回転しながら小次郎に突撃してきた。

 だが、小次郎は口元を上にあげ笑っていた。

 

「前は名のある剣士(アーサー・オルタ)を倒したで御座るが、今度は空飛ぶ亀を斬るとは死んでからも数奇なこと。だが、面白い!あの燕以上に斬りたいと思ったで御座る!」

 

 物干し竿を正面に、突撃してくるタラスクへ構えた。

 

「秘剣……燕返し!」

 

 刹那、小次郎を通りすぎて、回転を止めるタラスク。次の瞬間、タラスクは四つに別れていた。

 

「タラスク⁉」

「ふむ、中々の強敵で御座ったな。む?おあいこでござるとは……まだまだで御座るな拙者は。まさか、刀が壊れるとは」

 

 四つに別れたタラスクのそばに行くマルタ。

 タラスクを斬ったことで物干し竿が壊れた小次郎。

 

「ごめんなさい!ごめんなさい!」

「女よ。お主の負けだ」

「だから?」

「降参するでござる。女は殺したくない敵でもあっても」

「そうね」

「なら「けど、生憎この子を殺されてそちら側にいるほど私は聖女じゃないわ!例え、一度死んだからって!」そうで御座るな」

 

 小次郎は生前愛そうとした女性のことを思い出していた。誰よりも優しく強い彼女のことを。だが、それこれは別と割りきった。

 杖で殴ろうとするマルタへ半ば折れた物干し竿で杖を半ばから切り落として心臓へ向け……。

 

「かはぁ!?」

 

 突いた。小次郎へ倒れ込むマルタ。 胸から大量の血と金色の粒子を出しながら。

 

「ありがとう解放してくれて」

「結局のとこダメだったで御座る」

「リヨンへ向かいなさい」

「リヨン?」

「ええ、そこにいる彼は最大の力になるはずよ。それとまだ、いるかもしれない黒鎧の彼も力になってくれるわ」

「誰で御座る?」

「わからない。だけど、彼も竜殺しよ。後は頼んだわ」

 

 耳元へそう告げるとマルタは消滅した。

 

「任せるで御座る」

 

 小次郎は嶺上がいる場所へ向かった。

 

 嶺上たちのサーヴァントたちが戦っている中、今回の特異点の原因のもう一人のジャンヌと戦っているジャンヌは一方的な攻撃に防御を強いられていた。

 

「くっ!?」

「弱いわね。そんなんでよく私に歯向かおうとしたわね。正直がっかりね。じゃあね、聖処女様!」

 

 黒い旗でジャンヌを突き飛ばし、宝具を唱えようとした。だが、透明な花弁が降ってきた。

 

「これは、透明な薔薇?」

「優雅ではありません」

 

 この戦いの場でありえない幼い可愛らしい声が聞こえた。

 

「この有り様を、この戦いを、その思想も主義もよろしくないわ」

「この声は、いやあり得ない、あり得ない!?」

「なんだ、このオパーイメーターの上がりようは、20万、30万、まだ上がっていくだと!?」

 

 デオンは否定しながら顔をしかめて、立香は己のオパーイメーターの半端ない上がり様を言っている。

 

「セイバーあれは誰?」

「彼女はいやかの妃は、マリー・アントワネット」

「彼女が!?」

「はい!ありがとう。そして、作者さん。色々省きすぎだと思うわ」

 

 全くもってすみません!

 

「でも、いいわ」

「って、嶺上両手が血だらけだぞ!?」

「ここまでオパーイは初めてだ!どうやらこの特異点、簡単にいかないらしよ」

「いや、手、手!?「大丈夫よ。ヴィヴ・ラ・フランス!はい、治ったわ」ウソーン!?」

 

 恐るべしヴィヴ・ラ・フランス。

 

「作者、文が働いていないぞ」

 

 失礼エミヤ。

 

「では、アマデウス。機械みたいにウィーンとやっちゃって!

「任せたまえ。宝具、死神のための(レクイエム・)葬送曲(フォー・デス)

 

 倒壊した家屋の陰から音楽家の服装をしたサーヴァントが現れた。

 

「なんだと、体が重い⁉」

「さあ、みなさん。馬車に乗って!」

 

 嶺上たちマスターたちを優先にして、マリー・アントワネットの馬車に乗った。

 

「それではごぎげんよう。オ・ルヴォワール!」



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相違ない/合流前の一連 パート4

今回は短く不出来です。


 もう一人のジャンヌたちから逃走した海月たち一行。ラ・シャリテ近郊の森へ逃げ込んでいた。

 

「では、あらためまして。マリー・アントワネット・ジョセフ・ジャンヌ・ド・アブスブール・ロレーヌ・ドートリシュ。クラスはライダー。貴方方が言いやすい呼び方でいいわ」

「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」

「では、マリーさん」

「マリーさん?」

「あ、し、失礼しました!?」

「いいえ、とてもいい響きだわ!マリーさんって何だかメリーさんみたいで可愛らしいわ。では、私のことをマリーさんと呼んでくださるかしら」

「わかりました。私はマシュ・キリエライト。こちらにいるのは嶺上立香先輩とマスターの藤丸海月先輩です。その後ろにいる方々は我々の味方をしてくださるサーヴァントの方々です。そして、そこにいる方は……」

「ジャンヌ・ダルクね。このフランスを救うために立ち上がった救国の聖女。生前からお会いしたかった方のひとりです」

 

 可愛らしい顔を見せるマリーに対して暗い顔を見せるジャンヌ。

 

「……私は聖女ではありません」

 

 口を重たく開いた。

 

「ええ。貴方が思っていることは皆わかっていますよ。でも、少なくとも貴女の生き方は事実です。その結果をわたしたちは知っています。みなが貴女を讃え、憧れ、忘れないのです。ジャンヌ・ダルク。オルレアンの奇跡の名を」

 

 マリーはジャンヌの言っていることを肯定した。しかし、それでも自分はそんな彼女へその生き方は間違っていなかったと、誇りを持ってっと励ましていると同時に貴女ともう一人の貴女は違うと言っているような気がした。

 

「ま、その 結果が火刑であり、竜の魔女なのだろう。マリアの悪い癖がまた出た。完璧聖人と呼ばれて傷つくのはジャンヌ・ダルク本人だ。いかに、憧れた人であっても叱ることはした方がいいんじゃないか?」

「そ、そんなことわかっています!こ、こうすればよいのでしょう?音楽バカ!人間のクズ!音階にしか欲情しなくなった一次元!音階が好きなら音階と結婚すればいいじゃない!このドM音楽家!」

「……何故か君に罵倒されるとゾクゾクするよ」

 

 その時、現代出身達は中世のフランスの事情はそう変わらないんだな、と思ってしまった。

 

『そろそろ本題いいかい?では今起きていること、そして今後のことを話し合おう』

 

 切り出したロマン。

 ロマンはカルデアのこと、人類史で起きている異変のこと、そして聖杯のことを話した。

 

「わかりました。私は協力するけどアマデウスは?」

「僕もマリーがするなら」

「お願いしますわ。えっと……」

「俺のことは海月で」

「私は立香で」

「よろしくミヅキ、リッカ」

 

 落ち着いたところで小次郎が、話しを切り出してきた。

 先ほど倒したサーヴァントマルタから聞かされたリオンにいる竜殺しのことを話した。

 

『リオンか。ここからだと早くても二日ぐらいだね』

「なら、ここで野営がいいだろ」

「エミヤの言う通りそれがいい」

『物資を送るよ。だけど、敵性反応を感知!』

 

 茂みから狼型獣人が集団が現れた。だが、ここにいるサーヴァントは一部を除き一線を越すサーヴァント達が揃っている。

 戦闘は数分足らずで終わった。



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ファフニール/オルレアン攻略戦 パート1

 Sideライカ

 なんか久しぶりのような気がする。ん、メタい?そりゃあ、すみません。そして、切り替えます。

 自分は今、標高百メートルの地点。山にいるんだって?違う。空にいるんだよ。

 

「……アーキマン」

『ごめん!本当にごめん!』

「覚えていろ」

「おい、マスター!俺は何とかなるが」

「大丈夫。『アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!』変身」

 

 ドライバーを出して、オレゴーストアイコンを出す。

 

『カイガン!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

 ゴーストに変身した私は先ほど呼び出した概念礼装のバイク、モータード・キュイラッシェを出した。それに乗ると変化した。馬に似たゴーストのカラーと同じなったバイク、マシンゴーストライカー。それにクー・フーリンを乗せ、空中猛スピードで降りる。

 

『ライk「仕事の時は地鎮」地鎮くん君の真下に海月くんたちがもう一人のジャンヌ・ダルクとファフニールと戦っている。助けてやってくれ!』

「わかった。クー・フーリン、宝具解放!」

「おう!この一撃、手向けとして受け取るがいい!突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルグ)!」

幻想大剣天魔失墜(バルムンク)!』

 

 上からくる紅い棘の雨、下からくる蒼い斬撃の炎。それに挟まれたファフニールは体はボロボロになった。

 

「いきなり、どこのだrふぎゃああああ⁉」

 

 誰かを引いた。

 

「地鎮さん!」

「彼女が」

「うん!一気に倒しましょう!」

 

 私は青紫色のアイコンを取り出した。

 

「使ってみる」

『カイガン!クー・フーリン!朱き名槍!穿つ魔槍!』

 

 青紫色のパーカーに両肩に肩アーマーがついたパーカーゴーストがゴーストに纏った。ガンガンセイバーはナギナタモードに変わり、バイクから降りた。

 

「くっここは撤退よ!?」

「逃がさない」

「武蔵、小次郎、ブラド宝具解放!」

「燕返し!」

「倶利伽羅天象!」

「カズィクル・ベイ!」

『ダイカイガン!クー・フーリンオメガドライブ!』

 

 真正面からの三つ同時の斬撃、不動明王と武蔵からの五つの斬撃、無数の杭による足元から貫く刺突、紅いオーラを纏ったナギナタによる蹴りで心臓めがけて飛ばされた投擲。その攻撃を喰らったファフニールは光の粒子をまき散らしながら消滅した。

 

『ファフニール消滅!』

「アアアアアアアアア!?嘘よ嘘よ!?そんな最強のドラゴンよ。それをたった一組が来たからって覆すことなんて!?」

「事実よ」

『ダイカイガン!オレオメガドライブ!』

 

 オレンジ色に纏ったキックを喰らわせようとしたが、それを不気味な肉片で塞がれた。

 

「おお、ジャンヌよ!ここは撤退ですぞ。こちらには聖杯があります。また、新たなサーヴァントを召喚して戦力を整えますぞ!」

「ジル。ええそうね。行くわよ!」

 

 もう一人のジャンヌはジルが連れてきたワイバーンに乗り、その場を去った。

 束の間の休息をつくことになった自分たち。変身を解き、側による。

 

「久しぶり」

「お久しぶりですライカ先輩。体は大丈夫ですか?」

「問題なく」

「貴様は友の仲間か?」

「はい。自分は地鎮ライカ。カルデアのますたーをしている。サーヴァントはクー・フーリン」

「よろしくなって、今度は味方かよ」

「そう言うことだ。とい言ってもその記憶はないのだが」

 

 エミヤさんのクー・フーリンへの皮肉を聞きながら、今後のことを話し合うことにした。

 その中でジークフリートの呪い解除が上がった。ジャンヌの話しを聞くと、この呪いは聖人が二人以上で解くことができる。そして、もう一人のジャンヌ、言いづらいからジャンヌ・オルタの本拠地オルレアンへの戦い。今の戦力では攻めることはできる。しかし、必ずうち漏らしが出てくる。三手に別れても、次は攻め込めない。話し合った結果、三手に別れて、聖人探し及び協力者の募集をすることになった。

 藤丸チーム。

 嶺上チーム。

 自分と現地サーヴァント。

 このように別れた。藤丸たちは北の方へ、嶺上たちは西へ、自分達は東となった。

 

「集合は三日後。オルレアン近郊の森で」

「わかりました」

 

 SideOut

 

 Side嶺上

 私はティエールという場所に二騎のサーヴァントが居るとロマンから聞いた。ティエールに近づくにつれ、言い寄れぬ不安が募ってきた。門が見えたとき、町から炎が上がった。私たちは急いでその場所へ向かった。

 

「このっ!このっ、このっ、このっ!ナマイキ!なのよ!極東の!ド田舎リスが!」

「うふふふふ。生意気なのはさて、どちらでしょう。出来損ないが真の竜であるこのわたくしに勝てるとお思いで。エリザベートさん?」

「うーーーーーーっ!ムカつくったらありゃしないわ!カーミラの前に、まずはアンタを血祭りにしてあげる!この泥沼ストーカー!」

 

 不毛な争いをしているアイドル的な服装の少女と白い着物を着た少女がいた。関わりたくないそう思っていた。だけど、話さないといけないので渋々話しかけることにした。

 

「そこにいる人たち何しているの?」

「今取り込み中よ!」

「一昨日に来てください」

 

 その時、私の中で何かが弾けた。今すぐ止めないととかじゃなく、もっと違う何かを感じてしまった。

 

「エリマキトカゲ」

「アオダイショウ」

「メキシコオオトカゲ」

「ヒャッポダ」

 

 そろそろ、止メナイト。

 

「マスターしっかりす「小次郎、そしてみんな少シ暴レルカラ止メナイデ」はい!?」

 

 サティ小娘共。覚悟ハデキタカ?



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赤とクロ、緑とシロ/オルレアン攻略戦 パート2

 今回は作者の書いている作品のキャラ登場させます!


 Side海月

 俺たちはオルレアンを迂回し、北の方向にあるパリを目指していた。その近くにある村で有力な情報を入手した。

 

「赤い鎧の長いブレードを使う騎士と緑色の鎧のバカでかい銃の騎士か。ドクターそんな英霊っているの?」

『////⁉』

「ドクター?」

『⁉あ、すまない⁉ちょっとした『ドクターロマンイマノコトハナシタラ、ネ?』はいぃぃぃ⁉すみません⁉すみません⁉』

 

 あっちのほうでトラブルでもあったのか?

 

『あ、あー、よし。大丈夫だよ。それで赤い騎士と緑の騎士だね。僕のほうでも調べておくけど、本人たちにあったほうがいいよ。すべての英霊を登録しているわけでもないからね。そろそろパリだよ』

「わかった」

 

 パリのサン=タントワーヌ要塞が見えてきた。門番はいないが、変わりに入り口が塞がれていた。行きたいのだが、行けない。とりあえず、強硬手段は後にして、周りを歩き入れそうなところを探した。

 

「首都だけのことはあるな」

「とりあえず、残りは東門のみですね」

「さてと、どうやって行くか」

「そこで何をしている?」

 

 城壁の上を見ると、三十代くらい男性が叫んでいた。

 

「ここに赤と緑の騎士がいると聞いてきたのですが、知りませんか?」

「今はいない。来るまで待てないか?」

「わかりました。後、中には入れないですか?」

「今、ロープ降ろすから待っていろ」

 

 男性が降ろしたロープによじ登り、要塞の中に入った。

 中には人一人居なかった。いや、建物の中にいるのはわかる。被害は無いに等しいのだろう。

 

「ここにいる俺たちは村を焼かれ、逃げるようにここへ来た。だけど、ここも襲われたんだ。空の上にドラゴンたちに」

 

 男性は俺たちを案内しながら話してきた。

 

「そんなときだ。空の上に三つの光る玉が一面に光輝いたんだ!空にいるドラゴンたちは全部落ちてきた!百もくだらない数が俺たちに落ちてきた時、赤、青、碧、水色、黒の雨が落ちてきたドラゴンたちに襲いかかったんだ!その光景に驚いた。俺はその方向を見たとき、銃というよりは小さい大砲を持っている緑色の騎士がいたんだ」

 

 熱く語る男性の話を聞いている。

 

「緑色の騎士の隣に赤い騎士が、長い剣、そう彼女がもっている剣と同じ長い剣で起き上がってきたドラゴンをバッサバッサと斬っていったんだ!」

 

 武蔵の差している刀を指しながら刀を振る腕を表していた。

 

「名前って聞いたのですか?」

「ああ!赤の騎士はクロ、緑の騎士はシロって名乗っていた。おっと、ここが俺の家だが広くないから少し待ってくれ。飲み物とか持ってくる」

 

 男性から聞いた名前、クロとシロと言う人物。明らかに歴史上の人物にはいないが、それより驚きなのは持っている武器。

 

『彼の話を聞く限り、人類史にそんな英雄はいない。しかもこの時代に手で持てる大砲や日本刀の技術や物はないとは言い切れないけど、異常だよ。気を付けて、もしかしたら敵の可能性がある』

「わかりました。まず、会ってからにしましょう先輩」

『敵の反応あり。ワイバーンと竜牙兵!数は少ないけど、向かってくれ!』

「いくよみんな!」

 

 SideOut

 

 海月たちが現れたワイバーンたちのところに到着した。そこは今までのワイバーンとは違う、赤く、紅いワイバーンが暴れていた。周りにはロマンが言っていたワイバーンと竜牙兵の死体が散らばっていた。

 それよりも目を光らせたのは、そのワイバーンに立ち向かっている二人の騎士。

 緑色の騎士は手に持つ大砲でワイバーンに撃つ。あの大きな大砲を持ちながら身軽な動きができるのはすごいとしかいえない。

 赤色の騎士は手に持つ刀、太刀で常にワイバーンの懐に入り、あの長さでは振り回すのは難しいはずなのに軽々と斬っていく。

 

「武蔵行って!」

「わかっ「手出し無用だ!」⁉」

「これで決めるぞ!飛天御剣流龍巻閃・嵐!」

 

 赤色の騎士が跳びはね大車輪のように回転し、ワイバーンの頭に斬りつけた。回転は一回には終わらず、二回三回と回り続け十回目で回転は終わった。ワイバーンの頭は深く斬りつけられ、血が溢れ出ていた。

 

「お疲れクロ」

「いつも通りだなシロ」

「ええ。何年あなたのやっていると思うの」

 

 クロと呼ばれる赤色の騎士に労いの言葉を言うシロと呼ばれる緑色の騎士。

 二人は海月たちのところにやってきた。兜を

外すとウニのようなツンツンした髪の男性と金髪のストレートヘアーの女性。

 

「あなたたちは?」

「俺はクロ。ハンターをやっている。んで、隣にいるのは」

「フェイ○・○・ハラ○オンよ」

「ちょっと待て!違うだろ!いくら容姿が似ているからって、CVが水○奈○からって、違うだろ!」

「はいはい、わかりましたよ。シロよ。好きなものは爆発、爆弾、タル爆など、爆発するものよ」

「何言ってんでせうか!物騒だ!」

 

 夫婦漫才をする二人を見ながら、自己紹介をし始めた。

 

「俺は藤丸海月です。こっちは……」

「マシュ・キリエライトです。クラスはシールダー」

「武蔵よ。宮本武蔵、好きな食べ物はうどんよ」

「エミヤだ。海月のサーヴァントだ」

『僕はロマニ・アーキマン。カルデアの所長代理さ。君たちは何者なのだ?』

「名前はさっき言ったし、目的かな?目的は娘とその友達を探している」

「娘さんですか?」

「ええ。とても可愛いくて、頑張り屋さんなの。でもね、突然いなくなったの」

「いなくなった?」

「ええ。黒い渦に突然現れて、娘とその友達を飲み込んでしまったの⁉私たちも慌てて入ったんだけど、娘たちはいなかった。それで探しているうちに飛竜擬きやリオレウス、さっきの赤い竜のことよ。あと古龍や骨や死体と戦っていくはめになった」

『黒い渦、それが原因でここに来たと、僕の方でも調べておくよ』

「ありがとう。あんたらは俺たちに用があったのか?」

「はい。実は『敵性サーヴァントの反応だ⁉来るよ⁉』なんでいきなり⁉」

「霊体か⁉」

「先輩、来ます!」

 

 森から黒く禍々しい鎧の騎士が表れた。武器は鎧と同じ黒い棒のみ。

 

「なんだあれは⁉トレースをしてもわからい。武器自体そこらにある鉄パイプと変わらない、だと⁉」

「エミヤ⁉」

「なんだがわからないが、シロ!」

「任せなさい!」

「……っと」

 

 表れた黒騎士にエミヤのトレースでもわからなかった。姿が中世の騎士で槍ならわかるが、色が黒に染まった以外何のへんてつもない棒を持つサーヴァント。中国出身のサーヴァントってわけでもない。

 そんな中マシュだけ雰囲気が違った。その騎士を見てからなのか怒っているように感じた。

 

「ランスロットォォォォオ!」

 

 いきなり叫んだマシュ驚き、一歩引いてしまった。だが、それで納得がいったロマンは相槌打った。

 

『そうか!ランスロットは旅の途中、裸同然状態で襲われてそこらへんに落ちていた木の棒で撃退した伝説がある。なるほど、確かにエミヤくんが調べてもわからないわけか』

 

 そんなロマンの言葉を聞かず、マシュは今までではあり得ない速度でランスロットの前に行き、その盾で殴った。ランスロットは手に持つ棒で防いだが、盾とマシュの重さで沈んだ。

 

「マシュ落ち着いて!」

「はっ⁉すみませんマスター、なぜか無性に殴りたくなってしまいました」

「うん。マシュがいい一撃を与えた内に全員攻撃だ!」

 

 タコ殴りにされたランスロットは消滅した。あまりにも一方的だった言うしかない。




 ランスロット六章まで出る予定ないです!


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ファフニール復活!/オルレアン攻略戦 パート3

 宣言します。マリーは生きます!そして、タイトル通り復活のFです!


 Sideライカ

 東の方に聖人らしき人物を見かけたと、嶺上たちからもらった。立ち寄ろとした街に一人銅色の鎧を着た男が立っていた。

 

「あなた方は何者ですか?」

「地鎮ライカ、後ろにいるサーヴァントたちのマスターをしている。自分たちはこの街にいる聖人に会いに来た」

「狂化はされてはいないですね。後ろにいるの彼が」

「はい」

「いいでしょう。私はゲオルギウス。聖ジョージと言えばわかるかい」

「あなたが……お願いできますか?」

「ええ。後ろにいる彼女と協力して行います。いいですね?」

「はい、お願いします。聖ジョージ」

 

 ジャンヌとゲオルギウスはジークフリートを連れて、建物の中に入った。その時だ。ワイバーンと竜牙兵の大群が来たのは。

 

「全員、散開し、各個撃破」

「了解だマスター!」

「後方支援だけど頑張るとするか」

「私とアマデウスはあっち側に行くわ」

「お願い」

 

 ゴーストドライバーを出して、変身した。取り出したガンガンセイバーで入ってきた竜牙兵を斬る。駆けながら斬りつけていく。襲われている人がいたら、助け出して避難させる。ナギナタモードに変え、溢れてきた竜牙兵をなぎ倒す

 

『ダイカイガン!ガンガンミナ―!ガンガンミナ―!オメガストリーム!』

 

 駆けながらガンガンセイバーを振り回す。一気に倒すと、空にいるワイバーンに槍投げの要領で投げる。命中したガンガンセイバーを回収して、ガンモードに変えて空にいるワイバーンを倒す。

 

「ハアッ!」

 

 横から回復したジークフリートが後ろにいた竜牙兵を斬った。

 

「すまない。ここからは俺も戦う」

「頼みます。空にいるワイバーンお願いします」

「了解だマスター!」

 

 そこへジャンヌとゲオルギウスがやってきた。

 

「ライカさん!」

「ジャンヌ、ゲオルギウスお疲れ様です」

「ああ。ここはもうダメかもしれない。町人たちを避難させるため、協力してもらえないか?」

「わかりました。いきましょう!」

 

 教会に集まっている人たちを移動させる。そこには散っていたサーヴァントたちがいた。

 

「ここにいる人たちを移動させるから護衛お願い」

「了解したぜ」

「ええ、まかせて!」

 

 人々を避難させていると、ダ・ヴィンチから連絡が来た。

 

『大変だ!もう一人のジャンヌが来たぞ!?』

「今度こそ!」

『しかも、高濃度の魔力の塊もいる。とんでもない奴だ!?』

 

 自分はマリーを連れて行くと、そこにいたのは竜みたいな何かだった。

 

「機械のドラゴン?」

「ああ、見つけたわ!あの時の仕返し、ここで晴らすわ!行きなさいファフニール!」

「あれがファフニール!?」

 

 まさか、倒したファフニールが機械の体を持って生き返るとは思わなかった。

 

『カイガン!クー・フーリン!朱き名槍!穿つ魔槍!』

 

 ゴーストチェンジをし、ナギナタモードにしたガンガンセイバーを構えた。

 もう一人のジャンヌ、ジャンヌ・オルタへガンガンセイバーを突き出した。だがそれを防ぐように白髪の直剣を持った男に止められた。一歩、下がったと同時にジャンヌ・オルタの炎を喰らってしまった。

 

「サンソン!?」

「会いたかったよ、マリー」

 

 マリー繋がりで出てくるサーヴァントならシャルル=アンリ・サンソン。ギロチンを考案し、マリー・アントワネットなどの人を処刑した人物。

 

「僕以外に処刑させる理由はない。僕は資格を持っているのだ。君を殺す資格を」

「かわいそうな子。ライカここは私に任せて」

「置いてはいけない。それにもう少しでジークフリートたちが来る」

「いいえ、それではダメよ。彼は最終兵器でしょう」

「マリー、兵器じゃない。切り札」

「そう切り札よ!能ある鷹は爪を隠すっていうでしょう?」

「はい」

「だから、私が引き受けるから行って」

「わかりました。何か言うことは?」

「ジャンヌに私はあなたの友達よ。アマデウスにピアノ聞けなくてごめんって伝えて」

「わかりました」

 

 私は透明化しこの場から離れた。

 

 SideOut

 

 Sideマリー・アントワネット

 行ったわね。後は任せましたジャンヌ、アマデウス、ライカ。

 

「マリー、さあ、君はあの時、どんな気持ちだった?苦しまずに死ねたかい?」

「サンソン。かわいそうな子」

「どうしてそう思うんだい?」

「あなたはそんなに楽しそうなの?」

「楽しい?これはうれしいのさ。僕は君に会えた。君はあの時、どのような気持ちで死ねたのか、僕はね。快楽を求めた。さらに奥の、一番気持ちいい時、そう絶頂したのかを!マリー、もう一回尋ねるよ?君は苦しまず、そして気持ちよく死ねたかい?」

 

 ……あれ、サンソンってこんなに変態さんだったかしら?あった時は、普通の、その時代ではダメな、だけど人としての考えを捨てきれていなかった青年だったはず。なにが、どうしたらこうなるのかしら?

 

「サンソン。やりなさい」

「言われなくても」

 

 持っている直剣で斬りに来たけど、華麗に躱し、私の想いを乗せた歌声で攻撃。そう言えば、私って非戦闘系だけどどうしてこんなに戦えるのかしら?

 

「それはね。ご都合主義ってやつさ」

「ありがとう作者!」

「おいこら、エスポワールぞ!」

 

 怒っている今のうち、攻撃を!

 

「えい!」

「ふっ、やあっ!」

 

 直剣で防がれて、お腹に一撃をもらってしまいましたわ。ここまでみたいね。普段というか生前から護身術程度学んでおけばよかったわ。

 

「さようならマリー、刑を執行する。ラモール・エスポワール」

 

 私は落ちてくるギロチンを見ないでいた。頭の中に生前と同じことになるんだと、自覚した。だけど、これだけは伝えないと。

 

「サンソン、貴方は処刑人として失格よ」

 

 驚いた顔をしている。彼が気付いてくれるといいわ。貴方が処刑する意味(誇り)を思い出して。

 

「少し待ってもらおうか」

 

 ガキンッと金属が当たる音がした。私は目を開けてみるとそこにいたのは赤い服と特徴的なハットの青年。グオォォォンッとファフニールの鳴き声が響いた。

 

「とりあえずだ。人命優先、早速だが死ね」

 

 一瞬だったサンソンの首が胴体からスポンっと抜けたのは。目を瞑った。間近で見たのは初めてだから、慣れないわ。

 

「あ、あんたサーヴァント?」

「さーばぁんと?なんだそれは?」

 

 ファフニールが怯えている。竜種でも悪竜と名高いファフニールが怯えるわけがない。彼は一体誰?

 

「そろそろ、逃げないと死ぬぞ」

 

 たった一言、たった一言でファフニールが逃げ飛んで行った。

 

「あんた、大丈夫か?とりあえずこれ飲んどけ」

 

 渡された緑色の液体を飲まされて、あまりの苦さに私は気を失ったわ。



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選ぶ義務/オルレアン攻略戦 パート4

 Sideライカ

 マリーが殿をかって出たおかげで自分たちは避難民をつれて無事町を出ることができた。そして、近くの村により避難民を受け入れてもらい、合流地点のオルレアン近郊の森に着いた。先に来ていた藤丸たちがキャンプを張っていたため、見つけることができた。

 自分はアマデウスのところに行き、マリーの事を話した。彼は悔しがる顔をせず、少し悲しそうな顔で笑っていた。彼自身マリーの性格を知っていたと言うことだろうか。

 自分等は先に消えたマリーのため、そしてフランスを恐怖で埋め尽くそうとしているジャンヌ・オルタの支配から解放する作戦を練ることにした。

 

「作戦なんだけど、一転突破で行くのがいいと思う」

「それだと体力の消耗が激しい。三方向からの攻撃が一番いいと思うわ」

「なら、遠近に別れて多重攻撃の方がより多く倒せるし、隠密を出した方がいいと思うけど」

 

 それぞれ、別々の答えが出てきた。そこに声をあげたのはダ・ヴィンチだった。

 

『では、こうしよう。全体宝具持ちを前後に挟め、殲滅する。あぶり出たのを各個撃破している間、別動隊が内部に侵入し、ジャンヌ・オルタと部下を倒す。魔力の方は任せておいてくれ。マスターたち全員には龍脈で補えることができるよう調整をして置いてやるさ』

「次は誰が入るのか。地鎮さんお願いできますか?」

「いいよ」

「じゃ、全体宝具持ちは誰いるかな?」

 

 手を挙げたのはエミヤ、クー・フーリン、清姫、エリザベート、ヴラド三世、ジークフリートの六名。詳しく宝具の効果を聞いて三名ずつに分けた。そこに各自の割り当てもした。そして以下の通りになった。

 エミヤ、清姫、ジークフリート。

 クー・フーリン、エリザベート、ヴラド三世。

 そして、自分と行くのはクー・フーリン、ジャンヌの三名。

 

「ではこれでいこうと思う。次なんだけど、地鎮さんファブニールが生き返ったって本当ですか?」

「ああ。現に自分とロマンは見ている。その為にどうやって倒すか、だけど改造されているから強さと危険度が高くなっているハズ。そこを抑えるのが重要になってくる。ジークフリートと聖ジョージの二人にはファブニールの相手をして貰いたいけど頼めますか?」

「ああ、構いませんよ」

「ああ、何度甦ろうが何度も倒して見せる」

「他は二人の援護と露払いを」

「ちょっと待った。ファブニールの戦い俺たちも参加する」

 

 待ったをかけたのはクロだった。

 

「俺らも竜は倒しているし、もしかしたらその竜はあれかもしれない」

「あれ?あれとはなんですか?」

「俺たちのところで見つかった化け物だよ。聞いていると特徴が似ている。それに四人がかりで倒せばいい。それにシロはヘヴィボウガンを使うから、援護には最適だ」

「わかりました。異論はないですね?では、作戦は明日決行します」

 

 会議は終わり、自分らはゆっくりと休むことにした。

 

 SideOut

 

 Sideマシュ

 私はアマデウスさんとクロさんとシロさんといっしょに水を汲みにいっている時、敵と遭遇し戦闘を開始した。敵は難なく倒せたのですが、森の外に出てしまいました。

 

「森の外に出てしまいましたね」

「少し休憩してからみんなのもとに帰ることがいいね」

 

 私はアマデウスさんに気になっていたことを聞いてみた。

 

「アマデウスさん少しお伺いことがあります」

「ん、なんだい?」

「あなたは先程、『人間は好きなものを自分で選べる』と仰っていました。言葉の意味はわかります。ですが、選べるとはどう言うことなんでしょうか?」

「そうだね、例えばさ、僕が好きであっち側につくことはどうだと思う?」

「敵だと思います」

「そうだね。普通はそうさ。マシュはもし、藤丸くんや嶺上ちゃん、地鎮くんが正しいことをしているのにマシュから見たら悪いことに見えたらどうだい?サーヴァント云々関係なくね」

「そ、それは」

 

 わからない。そう断言できる。アマデウスさんがもう一人のジャンヌにいる場合は敵だと認識できる。だけど、そばにいる先輩方のことはどう判断すればいいのだろうか?だけど、サーヴァント云々関係なくと言われても私の考えて言えるのだから、悪いことだと判断できます。けど、本当に悪いことなのか?もしかしたら、本当に正しいことかもしれない。アマデウスさんがそちら側にいるのだって本当はそっち側は正しいのかもしれない。結局、どっちが正しいのだろうか?

 

「マシュ、悩んでいるとこ申し訳ないが、今君は選んでいる最中なんだ」

「選んでいる最中?」

「そう。悩んでいることが証拠よ。これは私たちの話なんだけど、私たちには娘がいるのよ。けど、本当の娘じゃないの。その事を話そうとしたとき、悲しむじゃないかなって。だけど、そうはならなかった。話して良かったと思ったわ」

 

 クロさんとシロさん話してきて、自分たちの話をしていましたが、どういうことなんでしょう?

 

「つまりだ。難しく考えるなってことだ。ああ、考えなしで判断するって意味じゃない。己の直感で判断し、あとは考えると言うことだ。どういうことかと言うと一度疑うとなかなか決まらないんだ。自己嫌悪に陥るからだ」

「自己嫌悪に陥る?」

「そうだ。面倒だからな、だから自分はこうしたいと常に思え」

「この二人が色々言っちゃったから僕はこれを。マシュ君はまだ歩き始めたばかりの赤ん坊、もしくは雛鳥。君にはまだ何が好きで何が嫌いか、何が尊いと思い何が邪悪か。君はまだ知らないんだ。これから選んでいけばいい。確かに怖がり、恐れる、そして、躓くことがあるのだろう。だけど、それでも選ばないと進まないといけない。それが義務なのだから」

「義務?」

「そう、人間には考える知性がある。知性があるから考える、考えたから行動する。人間は多種多様。君自身の考えを持つんだ。そして、君だけの世界を持つんだ。そして、君がいた証を刻むんだ。僕は多くの曲を残した」

「俺は異名を残した」

「私は数々の結果を」

「だから、わからないなら色々学べばいい。君の周りには藤丸くんたちがいる。彼らを見て、自分を見いだせ」

 

 自分の考え、自分だけの世界。私は見つけることができるのだろうか?いえ、見つけてみせます!この命が消える時まで!



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VSファフニール 前編/オルレアン攻略 パート5

 オルレアン編クライマックスです。投稿して一年と二ヶ月過ぎたんですが、ヤベェー!って感じです。
 月二でもいけるじゃないかな?
 あと、仮面ライダーシティーウォーズをやり始めました。
 では、どうぞ!


 Sideロマニ

 この視点は初めてだね。知っている人はいると思うけど、僕の名前はロマニ・アーキマン。ドクターでもロマンでも好きな呼び方をしてくれ。

 さて、今は最終決戦を迎えている。僕はここで全員を応援とサポートしか出来ないけど、僕のできる限りの仕事をするよ。

 

「皆、オルレアン城は案の定、ワイバーンやその亜種、ゾンビやスケルトンその他多勢が周りを包囲している」

『ドクターありがとう。嶺上、地鎮さん準備いい?』

『『ええ』』

『『宝具開帳!』』

 

 とうとう始まった。画面には多くの宝具の光が辺り一面を照らしている。

 最初に攻撃したのは、ブラド三世と清姫の宝具。

 

『地獄の具現こそ、不徳の報いに相応しい!串刺城塞(カズィクル・ベイ)!』

『これより逃げた大嘘つきを退治します。転身火生三昧!』

 

 オルレアン城の正面に構えるブラド三世のカズィクル・ベイの無数の串が地に足をつけているエネミーに対してどんどんと刺していく。反対から白い大蛇に変わった清姫が火を吹きながら敵を一掃していく。地面にいるエネミーが大半消えた所でエミヤとクー・フーリンの宝具が空中を飛んでいるエネミーを攻撃し始めた。エミヤの螺旋状の剣の宝具で一掃し、クー・フーリンは投擲したゲイボルグの対大軍で反対側を一掃した。オルレアン城にいたエネミーは僅か。その時だった微かにオルレアン城の天辺を削り落としたところから機械の竜が顔を見せた。前方の方に顔を向けると叫びだした。それと同時に城を飛び立ちながらオルレアンを一周し、大きく響く方向をしていた。

 オルレアンの周りから無数の赤い点がこちらに向かってきた。ヤバイと思い、僕は急いでみんなに伝えた!?

 

「皆、此方に無数のエネミーが向かっている!」

『わかったわ』

 

 ジークフリートがバルムンクに青色の光を溜め込み、エリザベートが宝具詠唱をしていた。

 

『サーヴァント界最大のヒットナンバーを、聴かせてあげる!』

 

 エリザベートの詠唱中に先に攻撃したのはジークフリード。叫びながら溜め込んだバルムンクを横凪ぎで向かってくるエネミーを一掃する。

 

鮮血魔嬢(バートリ・エルジェーベト)!』

 

 エリザベートの足元からオルレアン城に勝るとも劣らない城が出現した。その城はエリザベート=バートリーの生前の住まい、チェイテ城に見えるが、がらりと変わっていた。城全てが巨大音響装置に置き換わっていた。槍をマイクに見立てて、歌い始めた。

 

『ハートをチクチク箱入り浪漫♪

それは乙女のアイアンメイデン♪』

「ぎゃああああああ!?」

『止めてくれ!?』

 

 なんだ、これは!?一種の兵器、音波兵器じゃないか!本人はアイドルとか言っているけど、アイドルが出していい声ではない!これはそう、機械青猫の読売ジャイアンの声と同じではないか!

 

『ふー、いなくなったわね。久しぶりに歌ったわ。歌はいいねやっぱり』

 

 今後、耳栓の準備が必要だね。レオナルドに作ってもらおう。

 改めて、画面を見ると地面に着地したメカファフニール。藤丸くんたちを見て、火を吹き出した。辺り一面、炎の海で回避不能だと思ったが、マシュとジャンヌが宝具を発動して防いでくれた。

 

「全員無事だね。地鎮さん今だ!」

 

 僕は城に向かっていった地鎮さんを見送り、再びメカファフニールの方を見た。ジークフリードとゲオルギウス、クロとシロの戦いを見た。会ったばかりの四人だが、自然と連携が取れていた。

 ジークフリードがバルムンクを振るう度に次の攻撃をゲオルギウスが防ぐ。その背後から、トップスピードのクロが太刀を構えてメカファフニールの土手っ腹に太刀を突き上げる。そのまま、メカファフニールの顎を捉えて遥か上空へ跳んでいく。それを追うように飛び上がろうとした時、シロの弾がメカファフニールの頭に数発叩き込んだ。少し怯み顔を上げたのが最後だった。下に剣先を突けた太刀でメカファフニールの目を突き刺した。あふれでる血と茶色く濁った液体が吹き出した。華麗に着地したクロにメカファフニールの尻尾が襲いかかる。太刀で防ぐが吹き飛ばされた。ゲオルギウスが直ぐ様抱えて、受け止めた。ジークフリードが詠唱しながらメカファフニールに接近する。

 

『邪悪なる竜は失墜し、世界は今落陽に至る。もう一度、倒す!幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)!』

 

 切り上げてメカファフニールの切り裂き、その反動を利用し横に回転斬りをした。その回転斬りで周囲にいたエネミーも一掃された。だが……。

 

『ぐあぁぁぁぁ!?』

 

 叫びながらジークフリードを吹き飛ばし、炎を吐いた。バルムンクを盾にして防ごうとしたが、高威力だったため、鎧は溶けバルムンクも半壊し吹き飛ばされた。

 吹き飛ばされたジークフリードに追い討ちをかける。鋭く尖った爪がジークフリード貫く寸前、何者かがジークフリード抱えて回避した。その姿は全体が赤く特徴的なハットを被った男だった。クロとシロはその姿を見て呆然としたが、嬉しそうに喋った。

 

『うそ、どうしているのよ?』

『だけど、居てくれて良かった』

『『一夏!!』』

 

 背中に背負っている黒い盾剣を掴み構えた。

 

『たっくも、こうやすやすと出てこられると面倒なんだが、だけどこの技術はダメなんだ。だからよ、死ね』

 

 棒読みながら、メカファフニールに対面していた。

 

 SideOut

 



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VSファフニール 後編/オルレアン攻略戦 パート6

 読む前に一つ。別けない方がよかった。


 メカファフニールの前に絶体絶命のジークフリードの前にクロとシロの仲間、一夏が現れた。

 

「さて、とっ!」

 

 剣と盾を構えた状態でトップスピードでメカファフニールの前に躍り出た。メカファフニールは突然現れた一夏に右手で払う瞬間、剣と盾を合体させて、大きな斧にした。メカファフニールの右手と斧の反動を利用して、上に飛んだ。剣と盾に戻して、むき出しのところを突き刺し、盾で頭部を殴った。突き刺した剣を体重全部使い、切り落とした。剣には赤い稲妻が迸っていた。その状態で盾にしまうと、何かが盾に収まった。抜刀をする要領で回転斬りしながら落ち、着地した。また剣には赤い稲妻が迸っていた。斧状態に戻して腰溜で踏みつけようとしているメカファフニールの攻撃を避けて、回転しながら剣で今度は尻尾を切りつけた。今度は体全体に赤いオーラを纏っていた。

 

「数馬風に言うなら、フィニッシュだ」

 

 斧状態に戻すと、腰溜にした。斧は赤い光を纏い、ビームサーベルのような感じになった。さらに一夏の周りを黒いオーラが纏い、斧に集まっていく。一夏は高く飛び上がり、メカファフニールの顔まできた。

 

「もう、蘇るんじゃねぇぇぇぇ!」

 

 自分の倍はあるエネルギー状の剣を振り落とした。頭を真っ二つ、真っ二つから首を切断し、切断した首にエネルギー状の剣を叩き付けた。

 追い打ちをかけるその攻撃は最初の一撃で決まっていたはずだ。だが、一夏はあえて攻撃した。再生できないように。

 メカファフニールは、光の粒子ならないで爆発した。

 

「これで終わり。んじゃ、俺はこれの原因へ行くから」

 

 一夏は城へ向けて走っていった。

 圧倒的な強さ、その場にいた全員は口が塞がらなかった。

 

「さらに強くなっていやがる」

「守るべきものができたのかしら」

 

 のんきに会話しているクロとシロ以外は。

 各場所では決着を向かっていた。

 

「では、始めようか、もう一人の余」

「ああ」

 

 ブラド三世同士の戦いが始まった。オルタ側のブラド三世は手に持つ槍でカルデア側のブラドに襲い掛かってきた。自分同士の戦いなのか、己の戦い方を熟知していた。ブラド三世は吸血鬼としての能力を屈しして、ブラドに襲い掛かる。素早い動きでブラドに槍を向けるが、ブラドは見事な槍さばきで攻撃を与えない。それで所か、わずかな隙を突いて、ブラド三世に攻撃していく。だが、体を霧に攻撃を与えない。遠隔から剣山ならぬ槍山を使い、ブラドを攻めていく。ブラドはそれを避けていき、壊しながら接近していく。

 

「使わない余はこんなんものか」

「ふっ、そんなのに頼る余は弱いのではないか?」

 

 二人は下がり、ブラド三世は黒いオーラを体に溜め、ブラドは赤黒いオーラを溜めた。

 

「血に濡れた我が人生、奉げようぞ!血濡れた王鬼(カズィクル・ベイ)!」

「地獄の具現こそ、不徳の報いに相応しい!串刺城砦(カズィクル・ベイ)!」

 

 ブラド三世は体内から杭に変えた己の骨や臓器などをブラドに、ブラドは地面から出てくる杭を操り、ブラド三世の杭とぶつけてきた。拮抗しているかと思えた。だが、それは一瞬だった。ブラドの杭が押しかったのだ。

 

「どういうことだ!?余の方が何倍も威力があったはず!?」

「なら答えよう。貴様は守るものがあるか?」

「何?」

「今の貴様には」

 

 ブラド三世にブラドの杭が迫り、そして貫いた。

 

「ゴホッ!?なぜだ!?」

「ない!」

 

 ブラド三世を刺した杭は天まで届き、体内から突き破ってきた。それはまるで、十字架にされた罪人に見えた。

 

「王としての私は……」

 

 うわ言を呟くように消えていった。

 そして、ここも終わりを迎えていた。

 

「消えなさい過去()!」

「いいえ、私は消えない!未来()を否定してんじゃないわよ!」

 

 カーミラ対エリザベートの戦いも決着をつくところだった。

 

「くっ、ここまでなんて」

「あらあら、未来()は運動してないのね。けど「終わりは過去()よ」え?」

 

 地面から現れたアイアンメイデンがエリザベートを引き摺りこんだ。

 

「全ては幻想の内、けれど少女はこの箱に、幻想の鉄処女(ファントム・メイデン)

 

 カーミラの冷徹な詠唱とともにエリザベートは閉じ込められた。冷笑浸っていたが、アイアンメイデンに紫色の雷が落ちてきた。そして……。

 

「ボエー♪」

 

 絶望的な声が響き渡ると、アイアンメイデンが粉々壊れたのだ。壊れたアイアンメイデンの中から魔城チェイテ城が現れた。その上には、エリザベートが立っていたのだ。

 

「あーあ、痛かった」

「どうして、生きているのよ!」

「簡単でしょ。あんたが出してくるなんてお見通しよ。さあ、聞きなさい。ここにいる全員!サーヴァント界随一のアイドルの歌声を!鮮血魔嬢(バートリ・エルジェーベト)!」

 

 本日、二回目の声が響き渡った。直に受けたカーミラはその振動で体の内外から多量の血を噴出した。そのまま、吹っ飛んでいった。

 

「私は、過去を否定したかっただけなのに」

 

 そして、ここも今まさに決着が着くところだった。

 

「はあー!」

「ふっ、ふん、せい!」

 

 デオンの刺突攻撃を交わし、二刀の刀で連続攻撃をする。身軽にかわしていくデオン。大きく下がると、トップスピードで刺突してきた。迎え撃とうしたが、そのまま通り過ぎていった。後ろに振り向くとそこには白百合の花びらが舞っていた。気づいたときには遅かった。

 

百合の花咲く豪華絢爛(フルール・ド・リス)!」

 

 白百合が舞う花びらから無数の刺突が現れ、武蔵に攻撃してきた。まさに蝶のように舞い、蜂のように刺すを体現していた。だが、それだけ。それだけでは、武蔵には届かなかった。

 

「いい刺突だけど、それだけ。これでおしまい!」

 

 武蔵には、刺突の軌道が見えていた。武蔵は、その刺突を僅かな動作でかわし、受け流し、防御した。

 

「せい!これを切り返せるか!」

 

 サーベルを持っている手を切り落とし、それを遠くへ弾き飛ばし、真正面から斬激を食らわせた。

 

「ありがとう、極東の侍さん」

 

 デオンはそういって消滅した。

 戦局はカルデア側に傾いてきた。その時、城から爆発音が響いた。そこには触手が何本も出てきていた。



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竜の魔女とその腹心/オルレアン攻略戦 パート7

 オルレアン城から無数の触手が溢れ出ている。その触手は敵、味方も巻き込むものだった。カルデアのマスターたちは逃れるために離れた。城の方からクリスタルの馬車がカルデアのマスターたちの方へ向かってきた。その中からライカたちと向かっていた一夏、そして消滅したと思われたマリーが出て来た。

 

「マリー生きていたのかい!?」

「ええ、心配かけちゃたわねアマデウス。彼に助けられたの」

 

 マリーが指す方には一夏がいた。一夏は無視するように城の方を見ていた。城を壊しながら現れたのは大小様々な触手がある食虫植物のような怪物。その上に一人の男が狂ったように笑い立っていた。

 

「ジャンヌ、ジャンヌ、どこですか?ジャンヌ、ジャンヌ、ジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌジャンヌゥゥゥゥゥゥ!!」

 

 ジャンヌの名を言うその男はジル・ド・レェ。竜の魔女側にいた男が大きく開かれた右目でこちらを睨みつけてきた。

 

「そこにいるのですね、ジャンヌゥゥゥゥ!!」

 

 触手をこちらに向かわせて襲い掛かってきた。全員を守るようにマシュとジャンヌが出て来た。

 

「マスター、宝具展開します!」

「我が旗よ、我が同胞を守りたまえ!我が神はここにあり(リュミノジテ・エテルネッル)!」

 

 ジャンヌが旗振るいながら地面に刺し、マシュが盾を地面に刺した。

 触手の濁流としかいいようがない攻撃が襲い掛かってきた。時間的には一分。だが、それでも何時間たったと錯覚した。触手は元の場所に戻り、宝具を閉じた。

 

「どうしてこうなったんだ」

 

 誰が言ったのかはわからないが、話は城潜入にまで遡る。

 

 オルレアン城最深部に到達したライカたち。そこで待ち受けていたのは堕ちた聖女、竜の魔女ジャンヌ・ダルク・オルタだった。オルタは炎を放ちながら悠然とこちらに向かってきた。

 

「あら、遅かったわね。外ではお仲間さんたちが奮闘しているけど、それは時間の問題。こちらには強化したファフニールがいるのですよ」

「もう一人の私」

 

 前にジャンヌが出て来た。

 

「私はあなたに聞きたいことがあります。昔の記憶はありますか?」

「どういうことよ?」

「厳密に言えば、家族との記憶。私が駆け回った裏山の記憶、私が遊んだ村の記憶、私を愛し誇れる家族との記憶がありますか?」

 

 オルタは口を閉ざした。何もなかったかのように、八つ当たりのようにジャンヌへ炎を放つ。ジャンヌは手に持つ旗で炎を払いのける。

 

「そんなもの当に捨てたわ!」

「なら言えますよね。私の父を、母を」

「くっ!?」

 

 歯を食いしばり、旗で殴りに来た。それを落ち着いて旗で払いのけ、ジャンヌは抱き寄せた。

 

「やはり、無いのですね。あの温もりを」

「黙れ!そんなのがなくたったて私は私だ!ジャンヌ・ダルクだ!」

「ええ、そうですね。だから、私は憐れみを持ちあなたを倒します」

 

 一歩距離を置き、炎を出しながら戦闘に入ろうとするオルタ。ジャンヌは旗でオルタを迎え撃つ準備をした。それに参戦しようとライカたちが行こうとしたが、黒い触手に邪魔をされた。

 

「あなたたちの相手はこの私ですよ!」

 

 中腰で杖を持った男、ジル・ド・レェが行く手を阻んだ。

 

「クー・フーリンいくよ!」

「ああ」

『アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!』

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

 ライカはゴーストドライバーを出してオレ魂をセットし、仮面ライダーゴーストに変身した。ガンガンセイバーとゲイ・ボルグを持ち構えた。

 先に仕掛けたのはクー・フーリン。ランサーの中でも最速と名高いサーヴァント。槍から繰り出される一撃でジル・ド・レェの心臓へ一突きした。傍から見れば決まったはず。だが、刺さる寸前に触手で防いでいた。

 クー・フーリンは一旦下がり、前に出たライカはガンガンセイバーを横一線に振るう。その攻撃を触手で防ぐジル・ド・レェ。ガンガンセイバーの鍔のところとゴーストドライバーの目玉模様のところを合わせた。

 

『ダイカイガン!ガンガンミナー!ガンガンミナー!オメガブレイク!』

 

 青いエネルギーを纏ったガンガンセイバーで触手ごと斬り落とそうとしたが後退されてしまった。ジル・ド・レェは無数の触手と魔力弾で攻撃してきた。ゲイ・ボルグとガンガンセイバーで迎撃した。数を増やしながらさらに攻めてくる。徐々に攻撃が当たりはじめ、対処ができなくなってしまった。とうとう、魔力弾を弾いたと同時に触手による攻撃でライカが飛ばされてしまった。

 クー・フーリンは助けに向かおうとしたが、あまりにも増えた触手により助けに行くことが困難になった。倒れているライカへ止めを刺そうと触手が襲い掛かってきた。

 その時、赤いエネルギーが触手を消し去った。

 

「立てるか仮面ライダー?」

 

 ライカは顔を上げると手を伸ばす一夏がそこにいた。

 

「大丈夫です」

「そうか。なら、俺が対処する。そこにいる兄さんとお前とであそこにいる気持ち悪いのを倒せ」

 

 一夏はこちらに向かっている触手へ剣を振り落とした。先ほどとは違う赤黒いエネルギーが触手を一掃した。ジル・ド・レェは今来た一夏を倒そうと触手を多く召喚した。

 一夏は冷静に危ないものは防ぎ、ほとんどは触手を斬り落としていた。盾に剣を仕舞うと、カチッと音が聞こえた。その状態で居合いのように周りを回転しながら囲んでいる触手を斬りつけた。そこからまた盾に剣を仕舞い、斧の形状に合体した武器になった。向かってくる触手を斧で斬りつけた。長い柄にあまりにも重い武器にも関わらず、軽快な動きで斬り落としていく。時折くる魔力弾を口元のナイフで防いでいく。

 

「決めるぜ!突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルグ)!」

『ダイカイガン!オレオメガドライブ!』

「はあぁぁぁ」

 

 クー・フーリンが投げたゲイ・ボルグが触手の間を通り抜けていく。それに気づいたジル・ド・レェは迎撃しようとしたが、一足遅かった。惜しくも片腕しか取れなかったが、持っている異本を破壊することができた。それによりあたりにあった触手は消えた。

 

「やあぁぁぁ!」

 

 ライカの必殺キックがジル・ド・レェを捕らえた。放たれた一撃はジル・ド・レェを吹っ飛ばし、壁に当たった。ジル・ド・レェの体から光の粒子が天に向かって溢れていた。

 そして、ジャンヌのほうも終わっていた。

 膝を着くオルタにジャンヌは優しい目で見ていた。そこへ一夏近づいてきた。

 

「おい、お前なんてもの呼び出したんだ?」

「あんたは、あの時の」

「質問に答えろ。一歩間違えればここは死の土地になっていたぞ」

 

 口調を強くして、オルタに問いただしていた。それに対して、オルタはこう答えた。

 

「聞いていなかったかしら?私はこの国、フランスを滅ぼすと」

「そういうことを聞いてんじゃねぇ。なぜ、無責任なことをした。あれはな、決して人間の手で創り、解き放ってはいけない化け物。俺はな、人間とかはどうでもいい。だが、一番許せないのは自然を壊そうとしていることだ」

「なら、いいじゃないかしら。あなただって人はどうでもいいんでしょう?やってもいいじゃない」

「だから、やり方を変えろと言うことだ。お前が滅ぼそうとするのは勝手だ。だが、自然を壊すことは絶対にゆるさない。俺から以上だ」

 

 オルタにそう言うと、一夏はその場を離れて行った。近くにジャンヌがよりオルタに話し始めた。

 

「あなたは自分でも理解しているでしょう。自分が創られたと、ですがあなたはあなたとしてのジャンヌ・ダルクの生き様を許したくない。私はただ祖国フランスのために、信託と多くの仲間たちと共に戦場を駆け巡りました。そして、裏切られ、魔女として殺された。それに対して、怨みや怒りがないとは言えない。ですけど、私は早く戦争が終わり、平和に暮らせるために。私はフランスを愛しています。そして、あなたも」

 

 ジャンヌはオルタに近づき抱き寄せた。

 

「ありがとう。生まれてきてくれて、私のことを思ってくれて、愛しています」

 

 それは感謝の言葉。ジャンヌは生まれはどうであれ、自分(ジャンヌ・ダルク)を、フランスのために、怒ったもう一人の自分に対してお礼をした。

 オルタは、わけもわからなかった。だが、それでも一言だけ言われてうれしかった感謝の言葉。

 そして、体から粒子が溢れ出て来た。

 

「あーあ、馬鹿馬鹿しい。私にお礼とかバッカじゃないの?けど……ありがとう。機会あればまた。まあ、あなたとはこれぽっち会いたくはないわ」

 

 皮肉じみた言葉を言い消滅した。オルタから出て来た聖杯を回収しようと近づいた。その時、地面から触手が現れ聖杯を奪っていった。

 

「渡しません、渡しませんよぉぉぉぉ!」

「ジル……」

 

 まだ、消滅していなかったジル・ド・レェ。彼は聖杯を自分の体に差し込んだ。そして、願いを言った。

 

「聖杯よ、私に力をぉぉぉ!」

 

 ジル・ド・レェの体が黒い光で輝き、そこに立っていたのは片腕を触手に変わり、その細い体とは裏腹の大きな腕に剣を持っている顔半分が黒くただれギョロメのジル・ド・レェが立っていた。

 剣を振り落とし、衝撃波がこちらに向かってきた。それを一夏は相殺するように同じく衝撃波を放った。衝撃波同士がぶつかり、砂煙が舞った。

 

「逃げるぞ!」

 

 クー・フーリンの声と共に部屋を出て、退避した。すると部屋は触手で詰まり、狂った高笑いをしながらこちらに向かってきた。そこへ一台のクリスタルの馬車が行く手を阻んだ。

 

「乗って頂戴!」

「マリー!?どうして!?」

「話は後よ、さあ早く!」

 

 言われるがまま、馬車に乗ったライカたち。馬車のスピードに勝てるはずもないなのに諦めが悪い触手はそれでも追ってきた。そして、冒頭に戻る。

 

「これを止めるには、みんな力を貸して!」

 

 立香はそう言うと、ああ!と全員が答えた。

 戦いはクライマックスを迎えようとしていた。



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暴れ狂う元帥/オルレアン攻略戦 パート8

「オォオオオ!ジャンヌよ見ていてください!貴方を裏切ったこの国の最後を!」

 

 再び無数の触手がライカたちに向かってきた。マシュとジャンヌはすぐに宝具を展開しようとした時、ジークフリートが前に出た。両手に持つバルムンクに青い光が溜まりだしていた。

 

「ここは俺が食い止める。それ宝具発動までなら稼げるはすだ」

「……ジークフリート」

 

 一人で触手を受け止めようとしているジークフリート。無茶なことだとわかっているが、ジークフリート本人はここで食い止めれば撤退にもつながると考えていた。

 

「なら、私も行おう」

 

 その隣にエミヤが現れた。

 

「あなたほどの英雄の隣に立つのは役不足かもしれないが、加勢をしてもよろしいか?」

「いいのか?」

「問題はない。I am the bone my sword」

 

 手には一本のロングソードが握られていた。装飾はなく金と青のシンプルな色のごく普通の剣。しかし、バルムンクには及ばないがそれでも神秘的なオーラを感じてしまうほど。

 

「邪悪なる竜は失墜し、世界は今落陽に至る!」

カリバーン(夢現の)……!」

 

 詠唱するごとに青い光が炎のようにバルムンクを変化させる。。

 神々しい光がロングソードに収束する。

 無数の触手が襲いかかる寸前、両者が袈裟がけで解放した。

 

「バルムンクゥゥゥゥゥ!」

ビジョォォォォォン(黄金の剣)!」

 

 蒼炎と黄金の光が無数の触手を拮抗するまでもなく飲み込んでいった。バルムンクだけでは防げなかった攻撃はエミヤが加わっただけで一変した。

 宝具の放出が終わるとそこだけ一帯が焼けただれていた。しかし、その中心にジル・ド・レェはいた。本体は無傷だが、先程までの触手はなく攻撃のチャンスがあった。

 

「キィイィィィイ!?忌ま忌ましい!その炎が、その光が、忌マ忌ましいィィィ!?」

 

 金切声で叫ぶジル・ド・レェは何も唱えずにサーヴァントのなり損ないのシャドウサーヴァントを十体召喚した。命令を待たずにシャドウサーヴァントたちは襲いかかってきた。

 当然、ライカたちのサーヴァントもうって掛かった。

 

「私はジルの方へ行きます!」

「自分も行こう」

「俺もだ」

 

 ジル・ド・レェの方へジャンヌとライカ、一夏たち三人が向かった。

 一夏が斧剣一体の武器でこちらに向かっているジル・ド・レェへ横凪ぎに振るう寸前、盾の状態にした。ガキィンっと金属同士がぶつかり合う音と火花が見えた。

 

『速い!?』

 

 ジル・ド・レェの体が先程より早くなったことを一夏は理解した。それがわかったことで一変するのかといえばそうではないとは言いきれない。だが、こちらには二人いることを、三対一で戦っているのだと。

 

「ハッ!」

 

 ジャンヌが旗で突きを繰り出した。それを触手に変わった左手で防ぐと、反対から二刀流モードのガンガンセイバーで振るうゴーストがいた。

 

「ヤッ!」

「ふん!」

 

 その攻撃さえも召喚した新たな触手で防いだ。三対一で防ぎきるとは、騎士としての腕は一流。だが、ここは戦場。そんなことは百も承知。なら、どうするのかはわからない三人ではなかった。

 コロコロっと、ジル・ド・レェの足元に玉が転がってきた。そんなものは気にしないとばかり蹴ったのだ。それが一瞬の隙を作るチャンス。

 蹴った玉は辺り一面を眩しく光らせた。それは閃光玉と呼ばれるアイテムでモンスターから一時的に視界失わせることができる。

 当然、いきなりのことだったので対応することができずにいるジル・ド・レェ。

 

『カイガン!クー・フーリン!朱き名槍!穿つ魔槍!』

 

 青紫色のパーカーゴーストを来たゴーストクー・フーリン魂はガンガンセイバーをナギナタモードに変えてがら空きの胴へ一突き。さらにもう一突きと、的確に心臓と頭を狙った。だが、それでも倒れていない。ゴーストはガンガンセイバーでジル・ド・レェを持ち上げて空へ投げ飛ばした。

 

「うりゃああああ!」

「ぐおぉぉぉ!?」

 

 投げ飛ばされたジル・ド・レェは視界が回復すると共に己が空にいるということを理解した。

 その上に誰かがいることを感じた。振り向くとそこにいるのは斧剣モードにした一夏。赤いスパークが迸っている斧剣は赤いエネルギー状の大剣へと姿を変えた。

 

「これで!」

「お仕舞いにする!」

 

 地上ではゴーストがゴーストドライバーのハンドルを押し込んだ。

 

『ダイカイガン!クー・フーリンオメガドライブ!』

 

 ナギナタモードに変えたガンガンセイバーを槍投げのように構えていた。紅のオーラがガンガンセイバーに集まっていく。

 斧剣を振り下ろすと同時にガンガンセイバーを投げた。

 回避不可能とわかったジル・ド・レェは先程のように全身を触手で覆い防ぐことにした。攻撃をされる前に覆い防ぐことができた。勝った!!とその場では思っていた。しかし、一夏は振り落としていた。防がれるのを承知で。ガンっ!!と大きな音が響いた。そのまま防げばと思っていたところ、小さいながら響く音が聞こえてきた。段々とその音はジル・ド・レェの方へ近づいてきていた。

 次の瞬間、ジル・ド・レェの覆っていた触手がすべて無惨にも破られた。それと同時に落下速度がさっきよりも早く落ちていることに気付いた。そして、忘れていた。こちらに来る攻撃がもうひとつあるということを。

 ゴーストのオメガドライブで投げたガンガンセイバーがジル・ド・レェの体を貫いた。

 

「ギィエエエエエエ!?」

「ほーら、おまけだ!」

 

 貫いたガンガンセイバーを素手でキャッチし、回転して勢いよく投げ返した。二度目の貫通がジル・ド・レェを貫いた。

 地面に縫われたジル・ド・レェは姿を戻しながら、金色の粒子が溢れていた。

 そこへ近づくジャンヌ。

 

「……ジル」

「ジャンヌよ、私は間違っていたのですか?私は恨んではいけなかったのですか?あなたを見捨てたこの国を」

「違いますよ。あなたは私を思っていたのは間違いありません。ですが、やり方がダメでした。それに私は……恨んではいませんよ」

「おお、あなたは優しい。ジャンヌ、私は先にいきます。もう会えないと思いますが、また会いましょう」

「あなたに神の導きがあらんことを」

 

 満足そうな顔でジル・ド・レェは消えていった。黒く濁った聖杯を落として。



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聖杯と竜/オルレアン攻略戦 パート9

 Sideライカ

 自分の目の前には消滅したジル・ド・レェの体から落ちた聖杯があった。拾ってよく見ると聖杯は黒く汚れていた。

 自分の周りに嶺上たちが集まってきた。

 

『地鎮さんその聖杯は汚染されているね?』

 

 アーキマンの言葉に自分は返事した。それを聞いたマシュは不安そうな顔でこちらを向いた。

 

「……ドクター持って帰りますか?」

『正直言って調べておいた方がいいのだけど、何かの拍子でその聖杯のせいでカルデアは壊滅することになれば駄目だ』

「なら処理は任せよう」

 

 名乗り上げたのはエミヤだった。彼の手にはねじ曲がった一本の短剣が握られていた。クー・フーリンはすこし目を見開いていたが、その短剣の説明をした。

 

「これはルールブレイカーの投影品だ。ランクは下がっているが魔術で構成している物なら消すことができる」

「これなら持っていけますね!」

 

 マシュは喜んでいたが、アーキマンの顔は暗いままだ。そこへダ・ヴィンチが現れた。

 

『少し待つんだエミヤ君。消し去った魔力はどこへ行くんだ?』

「その魔力はその場で四散するが、どうした?」

『もし、もしもだよ。その魔力が四散せずその場で爆発したらどうするんだい?』

 

 爆発。ダ・ヴィンチのその一言で周りは自分から離れた。確かに爆弾持っている人の近くには居たくはないし。

 とりあえず、聖杯は結局破壊するのがいいと結論した。なら被害が一番少ない場所はどこだ?規模によるけど、まずは爆発の規模を考えないといけない。閃いた場所はあそこぐらいだろ。

 

「宇宙とか?」

 

 自分の発言で全員が懐疑的な視線で見てきた。突如、自分の頭を撫でてきた手があった。自分はその手の先は一夏だった。

 

「なら俺がやるよ。ここで空を飛べて且つ宇宙で動けて一撃が大きいのは俺だしな」

 

 そう言ってきた。本当に不思議な人だ。初めて会ったのに圧倒的な強者のオーラと謎の安心感、そして王とか神とか人どころか生物の頂点に君臨している雰囲気。

 

「宇宙に行くとかどうするのですか?」

『海の方がいいんじゃないか?』

「ま、その代わりなんだが、クロさんシロさん少し頼みが」

 

 一夏はクロとシロを呼んだ。

 

「それにしても隙が無かったなあの二人」

 

 嶺上が言ってきた。そりゃあ、戦士というより狩人みたいな人だし。

 

「だってハサンの気配遮断すら見抜くんだよ」

「……えっ?」

 

 ハサンと嶺上がえっ?と出てしまった。生身の人ですよね?

 

「ん、どうした」

 

 話し合いが終わった一夏たちが戻ってきた。大きなタル二つ抱えて……どこからタル出て来たの?

 

「それ寄越しな」

「はい」

 

 聖杯を受け取った一夏は玉を地面にぶつけた。なんか嫌な予感したから目、耳、鼻を塞いだ。大きな音とピカッと辺り一面光り輝いた。やはり、スタングレーネドの類だった。

 僅かに開いた目で一瞬だけ見たのは大きな翼だった。その翼で羽ばたき空へ飛んで行った。

 視界が晴れるとそこには大きな翼も一夏もいなかった。

 アーキマンは急いで宇宙へ探しにいった。

 ギャオオオオオン!と空から竜のような叫び声が聞こえた。顔をあげると空には爆発した聖杯を喰らう黄金の龍が見えた。

 

 SideOut

 

『そろそろレイシフトするよ』

 

 ロマニーが帰還命令を発した。

 ライカたちを助けてくれたサーヴァントたちも消滅し始めた。

 

「では、みなさん、御元気で!」

 

 ジャンヌ・ダルクが代表してお別れの挨拶をし先に消えた。ここに残ったのはクロとシロ、カルデア組が残った。

 

「お二方ってサーヴァントじゃないの!?」

「おいおい、サーヴァントって……ただヘンテコな渦に巻き込まれただけだし」

「うん、ああユキネ大丈夫かしら」

「さっさと帰るぞ!」

「では、会いましょう!」

 

 一方的な別れをしてこの場から立ち去った。

 そして、カルデア組の帰還も帰った。

 その茂みから一人の人物が現れた。

 

「やっと行ったか。まったく……」

 

 一夏だった。姿は黒い服装に一本のロングソードを握っていた。

 

「あとは任せたぞ、主人公」

 

 そう言って黒い渦を出現させ、その中に入って行っていた同時に黒い渦は閉じた。

 

 

 第一特異点 邪竜百年戦争オルレアン 救国の聖女&異世界の龍 定礎復元

 

 

 小話 出番がなかったアタランテとファントムの死因

 

 これはオルレアン攻略へ向かっている一夏とマリーが道中あった話である。

 

「マリー・アントワネットそのまま進め」

「ええ、お願いね騎士様」

 

 一夏は黒い弓矢を取り出し、緑色の小瓶をセットした。弦に矢を番えて引いた。こちらに向かってくる半分に割れた仮面の男へ狙いをつけ、撃った。矢は仮面の男の頭を刺さり地面に落とした。

 再度、弦を引きさらに奥にいるいる緑色の服を着た女アーチャーへ狙いつけた。撃ったのは同時だった。緑色の矢が無数にこちらに向かってきた。対して赤い横線を撃った。同時に真ん中あたりであたり小規模の爆発が起きた。

 

「ぐえっ!?」

 

 カエルを潰した声が聞こえたが気にしないことにした。

 余った残りの矢がマリーの馬車へ向かってきたが、弓矢から肩で背負う銃を取り出し向かってくる矢を散弾で弾幕を張り、すべて撃ち落とした。

 次は大型の銃を取り出して腰うちで構えた。腰のポーチから散弾の弾より大きな弾を取り出した。それをセットし、逃走しながら撃つ体制を崩さないアーチャーに向けて撃った。赤黒い光線が一本撃ちだされた。それに対し冷静に避けた。一直線の攻撃だったから油断した。アーチャーは突如枝分かれした光線に対応できず、足と手を融解され地面に落とされた。

 そして、何も言えずに轢かれた。

 




 次回予告
 第一特異点を突破した僕たち。次の舞台は西暦60年のローマ。そこで行われていたのは怪物との戦いではなく、人との戦いだった。

「余が5代目ローマ皇帝、ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス」
「……もう驚かないぞ」

 様々なサーヴァント。

「ブーティカだよ、よろしく」
「君は圧制者かな?」
「⬛️⬛️⬛️◼️◼️◼️!」

 黒幕との戦い。

「今度こそ終わりにしてやろう!」
「レフ!」
「その文明を破壊する」

 Fate/GhostOther 第二特異点 永続狂気帝国セプテム~薔薇の皇帝&Ω~

「破壊はダメだ。とりあえず、これでも食え」


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第二特異点 永続狂気帝国セプテム
EPISODE.1 日常/ EVERYDAY


 投稿遅れてすいませんm(__)m
 やっと第2特異点に話に入ります!
 ではどうぞ!


 Sideライカ

 わっちの朝は早い。五時には自然と目が覚め、顔を洗ったり、歯を磨くなどの身支度を整えてから寝間着を脱ぎ、普段着に着替える。

 部屋の鍵は閉め、向かう先は食堂。

 理由としては趣味の一環が特技に変わり、仕事を任せられるようになった。レイシフトや訓練がない時はいい息抜きになる。

 食堂に着くと先客がいた。赤い外套を脱ぎ黒のインナーに赤色のエプロンを着けているエミヤが野菜を切っていた。

 

「おはようエミヤさん」

「おはよう地鎮」

 

 挨拶をし終えるとエプロンを着けて手を洗いと消毒済まし、冷蔵庫からマスの切り身を取り出した。それを一人行きわたるように切っていく。切った切り身をコンロにセットし焼いていく。

 その間に鍋に入っている食べ物を温めておく。

 

「おはようございますエミヤさん、ライカ先輩!」

「おはようマシュ」

「おはよう」

 

 食堂にマシュが入ってきた。マシュはこちらに来て、茶わんやお椀、お皿などを出していく。

 そう言えば驚いていたね。わっちが意外とフランクな話し方をしていることに。確かに依頼を受けている時はまじめにやるせいだろう。これが一日、一日が緊張感を迎える戦いがあると心が休まらないから、カルデアの中では普段通りに過ごすことにした。

 

「おはようございます」

「おはようございます先輩」

 

 次に藤丸が入ってきた。あくびをしながらこちらに来た。

 あと来ていないのは嶺上だけか。

 

「私が行ってきます!」

「いいよ、俺が行ってくるよ」

 

 藤丸がマシュを止めて食堂を出て嶺上の部屋に行った。

 食堂を出て数分経った時、放送がかかった。

 

『マスター三名至急オペレーター室へ集合。新たな特異点が発見された』

 

 アーキマンの第二特異点の発見の知らせと立香の叫び、何かを叩く音が廊下に響いた。

 

 オペレーター室に集合したわっちたち。隣には顔を赤くしながらイラついている嶺上と右頬を赤く腫らしている藤丸の二人。

 アーキマンが全員が集まったのを見て話始めた。

 

「それじゃ、今回発見された特異点について話そうか。

 時代は西暦60年のローマ帝国。ローマ帝国第五代ネロ・クラウディウスが統治している。

 さて、今回も異変があるだけでその内容はわからない。行き当たりばったりになってしまう。なので今回はマスターは二人だけでレイシフトしてもらうことになった」

「二人だけ?」

「まあね、理由はあるから聞いて。

 一つは特異点とカルデアとの通信が悪くなるってこと。特に別行動するときだね。

 もう一つはもしも急に見つかった特異点に対してすぐに行けるようにするため。

 納得いかないかもしれないけど、みんなの負担を減らすためだと思ってもらいたい。

 そのため今回はライカちゃんと藤丸くんの二人に行ってもらうよ」

「はい!」

「了解」

「出発は二時間後。解散!」

 

 SideOut

 

 太陽が照らす大地に二つの軍団が相対していた。一方は赤い旗を掲げ、もう一方は緑の旗を掲げていた。

 

「ウォオオオォォォ!」

 

 金の鎧を身に纏い赤いマントをはためきながら、赤い旗の軍団を吹き飛ばす。

 その中に赤いドレスを着て芸術性のある赤い剣を振るう可憐なる少女が切っ先を向けて叫んだ。

 

「なぜだ、なぜ生きている叔父上!?」

「ウォオオオォォォ、ネロォォォォォ!」

「くっ!?」

 

 叔父上と呼んだ人物に吹き飛ばされるネロと呼ばれる少女。

 うまく剣身でガードし、後ろに吹き飛ぶことでダメージを軽減した。

 そこへ追撃してきた叔父上。ネロは逆袈裟に構えて迎え撃とうとした。

 ドンッと、轟音と砂煙が舞う。

 

「ハァァァァァ!」

「ぐぉオオオオオっ!?」

 

 叔父上の拳を紙一重でかわし、胴へ一閃、背中にもう一閃。

 普通の人間ならばこれで死んでいる。だが、叔父上はまだ生きていた。

 叔父上はネロの腹へ蹴りを一発打ち込んだ。ネロは五メートルぐらい飛ばされ、大きな岩にぶつかり止まった。

 

「かはっ!?」

 

 岩にぶつかったネロは口から血を吐いた。剣を杖代わりに立とうとしたが、腹に稲妻が走った。どうやら骨折しているみたいだ。さらに持病の偏頭痛に顔をしかめ、血で視界は霞んでいた。

 自分の前へ歩み寄る叔父上の前にネロの兵たちは為す術がなかった。

 

「すま、ない。我が姪、よ」

 

 叔父上の目には涙が出ていたが、その構えた拳を解くことがなかった。

 絶対絶命のピンチ。もうダメかと思われた。

 激しい轟音がネロのいるところから聞こえた。ネロの兵たちは絶望した。我々を鼓舞し共に戦ってくれた皇帝を救うことができなかったと。

 

「あぶねぇな。あんた大丈夫か?」

 

 一人の男の声が聞こえた。砂煙が舞うなかでシルエットしか判別できなかったが、誰かが立っていたのだ。

 晴れるとネロを抱えている一人の青年がいた。変わった服装をしていたため異国の者だと思われた。

 

「少し休んでいな。あのおっさん俺が倒すから」

 青年はポーチから小さめのガラス瓶を取り出し、ネロへ飲ませた。苦しそうな顔から安らいだ顔になった。

 

「ネロ、我が姪よ」

「選手交代だ」

 

 叔父上の正面に立った青年は拳を構えた。

 次の瞬間、青年に大きく振りかぶった拳に対し腕を手で支え体に入り投げ飛ばした。地面に叩き落とされた

叔父上は一瞬呆然した。

 青年はどこからか大型の片刃剣を持ち出し叔父上に

振り落とした。振り落とされた剣を受け止められず、真っ二つに別れた。

 西に傾く太陽を見ながら青年は思いを馳せた。

 

「俺たち本当にタイムスリップしちゃったよ」

 



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EPISODE.2 風/ WIND

 あけましておめでとうございます!葵・Rainです!今年もよろしくお願いします!
 さて、FGOのお年玉ガチャと正月イベントガチャは引きましたか?
 自分は沖田オルタと紅閻魔を引き当てました。
 では、新年一発をどうぞ!

 因みに特別編はどの作品もないです。



 Side藤丸海月

 無事にレイシフトを成功し、古代ローマの丘に僕たちはいた。案の定、フランスで見た空に浮かぶ光輪はここにもあった。隣に立っている地鎮さんに話した。

 

「無事に着きましたね」

「ああ」

 

 は、話しづらい……。別に問題があったわけじゃいんだけど、レイシフト前とのギャップが激しすぎて、戸惑ってしまった。

 後ろにいるマシュや兄貴、武蔵ちゃんにエミヤのほうに顔を向けると、困った顔をしている。

 マシュ曰く地鎮ライカさんは魔術世界では有名な人らしい。魔術世界最高峰時計塔やアトラス院には通っていなく、通っていたらロードまで行かなくてもそれなりに高い地位にはいれただろう。本人は縛られるのは嫌らしく、今回のカルデアも参加したくはなかったってさ。

 って俺は誰に向かって話しているんだ?

 

『二人とも無事にレイシフトできたね』

「ドクター」

『二人のいる位置から島が見えるはずなんだけ見えるかい?』

「あ、はい」

『エトナ火山に霊脈があるからまずはそこへ向かってくれ』

「わかった!」

 

 最初の目的地はエトナ火山になった。

 

「アーキマンここは別れよう」

『どうしてだい?』

「わざわざ二人で行くものか?それなら別れて片方が調査すればいい。設置し終えれば合流すればいい」

『別にいいけど、だれが行く?』

「自分が行こう。移動手段ならあるし、敏捷力はクー・フーリンが上。分けるならその方がいい」

『藤丸君はそれでいいかい?』

「はい」

「では、マシュ乗って」

 

 地鎮さんはマシンゴーストライカーを取り出し、マシュを後ろに乗せた。足を中心にストレッチしている兄貴。槍を消してクラウチングスタートの構え、エンジンを吹かしていつでも行ける状態にしていた。

 

「行ってきますマスター!」

 

 マシュの声と共に出発した。

 三人を見送った俺たちはドクターの案内の元、ローマを目指して歩き出した。

 

 Sideマシュ・キリエライト

 なんか初めての私からの視点になりそうです。ふ、不慣れながら頑張って伝えていこうと思います。

 そう言えばライカさんといっしょに行動するのは初めてなのではないでしょうか。何気にバイクというか乗り物自体初めて初めて乗りましたし。

 乾いた風が肌に当たるのが感じられます。エアコンとは違うし、吹かれる風とは別の感じがして面白いです。

 

「笑ってるね」

「あ、すいません!?」

「気にしなくていいよ。マシュは初めてだね。だけどお楽しみはこれからだよ」

 

 ライカさんはバイクのスピードを上げる。さっきより強い風が肌にあたる。その時、鼻が乾く感じよりも変わった匂いがした。泥の臭いとは違い、ツンとした臭い。これは?

 

「見えてきたよマシュ、あれが海だ」

 

 私の視界から見えてきたのは広大な青。あれが海ですか。これが潮の臭い。

 

「マシュ、もしもだけどどこか行きたくなったら自分が連れて行く」

「え?」

「まだ世界を知らないだろ。ドクターロマンから聞いた。人理修復したら一緒に行こう。藤丸たちは勿論、ダ・ウィンチやドクターロマンも」

「ライカさん」

「自分、わっちは真面目な印象を取られることが多くてね、ほら仕事柄他人とは距離を置いていたし、それに親しい人が死ぬのはもうごめんだしね」

「……あ、あのうまくは言えないですけど、ライカさんは優しい人です。先輩たちとは違うしドクターみたいな感じだと、なんて言えばいいのか」

「マシュそれは家族としてかな?」

「家族?私とドクターがですか?違う気がします」

「血でとれえているなら、それは血で繋がった家族。わっちが言っているのは心が繋がった家族。マシュが向ける感情は親愛だけど、藤丸たちなら友愛かな?ドクターなら家族愛だと思うよ」

「家族愛、ですか。私には家族はいないのでそうとらえていいのかわかりません」

「ならこの特異点が終ったら聞いてみなよ」

「え?あ、はい!」

「あれがエトナ火山か」

 

 私たちがいる所と海を挟んで大きな島が見えた。だけどどうやっていけばいいのかわかりません。

 

「船を捜すしか、ん?あれは……」

 

 ライカさんがなにかを見つけたようですが船でしょうか?

 え、ここで私の視点が終る?あ、わかりました。では、ローマで会いましょう。

 

 SideOut



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EPISODE3 未来/Future

 投稿遅れてしまいすみません( ノ;_ _)ノ
 平成最後の投稿です。では、どうぞ!


 Side藤丸海月

 地鎮さんとマシュと別れた俺たちはローマを目指して歩いていた。その道中は敵が現れたり、誤解されながらも無事辿りつくことができた。

 

「ここがローマ!」

『無事に到着したみたいだね。さて、ここで軽く古代ローマのことを説明しようか。

 西暦60年、当時納めていたのはネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス。ローマ帝国第五代皇帝さ。暴君と名高い彼だけど、実のところ政治の手腕は中々のものだった。さらに文明の発展にもおおいに名を残している。海月も知っているコンクリートもこの時代に作られたものなんだ』

「へえー。とりあえず、情報取集しよう」

 

 二手に別れ、十二時になったら門で集合することになった。俺は武蔵ちゃんと行くことになった。エミヤは一人で行くと言って消えた。

 市場で聞き込みをしているけど、活気がすごいな。

 

「ほんとすごいわね!江戸よりも活気があるわね!」

「そうなの?」

「ええ、どちらも栄えていたけどやっぱり熱さが違うわね」

 

 離れた場所から喧噪がした。俺たちはそこへ向かった。向かうと五人組が果物店の店主を殴り飛ばしていた。俺はすぐさま飛び出していた。

 

「あ、マスター⁉」

「オーラー!!」

 

 その五人組の一人を殴り飛ばしていた。

 俺自身も何もしていなかったわけじゃない。ろくに魔術を使えない俺ができたことは、ただ鍛えるだけだった。そのおかげか、一人は気絶した。

 その後ろから殴ってきたかわすのと同時に横蹴りで首を狙い転倒させる。

 

「よくもやってくれたなあんちゃん!」

 

 剣を抜いた男は俺を斬りにかかってきた。距離はあったし避けれるとおもった。しかし武蔵ちゃんが刀の鞘で止めた。

 

「まったくマスターの君が先に出てどうするの⁉」

「ご、ごめん!だけど」

「まあ、わからないわけじゃ、ないからね!」

 

 押し返して、のど元を鞘で刺突し、悶絶しているうちに首を落とし気絶させた。

 残る二人は形勢不利と感じたのか逃げようとした時、何かぶつかった。

 

「いてぇ……な」

「何が痛いって?」

 

 赤髪のバンダナを着けた一人の男だった。高身長に世間一般に見てもイケメンの部類に入るだろう。だけど、その顔立ちは俺たち(日本人)と同じだった。

 

 男は逃げようとした二人を持ち上げて、地面に叩き付けた。

 動かなくなった五人組を拘束した。

 

「お前さんガッツあるな」

「ありがとうございます。俺は藤丸海月、彼女は武蔵ちゃん」

「よろしくね!えっと……」

「俺は弾。そうだ!せっかくだ俺の家がここからすぐすばにある。来てくれ!」

 

 俺たちは弾さんの案内の元付いてきたのだが、なんていうか城に入っていったんだが⁉

 ついた場所はこの時代にあった作りの内装。調度品があるぐらいでどちらかというと奥の調理場が大きい。

 

「さて、君たちは聞きたいことがありそうだね。それについては俺もわからない。俺が言えることは一つこことは違う時間軸つまり未来からだ」

「へ?」

『ちょ、ちょっと待って!それはおかしいことだ!』

「ん誰だお前?」

「ドクターロマンって言うんだ。それよりも未来どころか俺たちの世界は今も消滅寸前ですよ」

「消滅寸前?……そういうことか。どうやら俺たちは違う世界から来たようだ」

「違う世界?」

『違う世界だって!……それならありえる。だけど確証がない』

「よし!なら情報の共有を図ろうか」

 

 まとめたものがこれだ。

 

 弾さんの世界。

 一、世界がアラガミという生物が闊歩している。

 二、弾さんはゴットイーターというアラガミを狩る専門家。

 三、世界の危機が二回おとずれていた。

 

 消滅寸前だけど世界が二回滅びかけたのにそれを回避しているのもすごすぎでしょう!

 

「なるほど、人理の危機ね。俺の世界もだけどそちらもやばいね」

『そうなんだよ。じゃ本題に入りたいんだけどいいかな?』

「ああ」

 

 この時代のことを話しはじめた。

 

 一、この世界にはローマが二つある。一つはネロ帝が治めるローマ帝国。もう一つは突如現れた連合ローマ帝国。

 二、連合ローマ帝国はローマ帝国を攻め始めた。

 三、連合ローマ帝国には神祖がいる。

 

「お前らのことはネロには異国の戦士と指揮官と伝えておく」

「ありがとうございます」

「よーし、とりあえず焔、氷華手伝ってくれ!」

「「わかったわ/はーい」」

 

 別の部屋から二人の少女が現れた。

 

「紹介するよ赤い髪の子は焔、青い髪の子は氷華。二人とも挨拶しろ」

「わかっているわよ。こんにちは五反田焔です。バカ兄の義妹の片割れです。よろしくします」

「ご、五反田氷華、で、ですぅ」

「よろしくね焔ちゃん氷華ちゃん」

 

 焔ちゃんの後ろに隠れる氷華ちゃん。かわいらしい子だねと武蔵ちゃんのほうに顔を向けるとだらしない顔をしていて驚いた。

 

「藤丸たちはそこで休んでいて」

「はい」

 

 二人を連れて奥の部屋に入っていた。

 部屋でごろごろ過ごしているとロマンから連絡がきた。

 

『地鎮さんとマシュが到着したよ』

「わかりました」

「ん、それじゃ五反田くん私たち連れを連れてくるから」

「おう!気をつけてな」

 

 俺たちは地鎮さんとマシュを見つけにいった。

 門に着くころ門の外から喧騒が響いた。そこへ向かうとローマ帝国兵と地鎮さんにマシュ。向かいにはゾンビとゴーレム、それにローマ連合兵がにらみ合っていた。

 

「マスター⁉」

「エミヤ!」

「指示を!」

「ああ!」

 

 民衆の中から飛び上がって敵陣へ剣先を向ける武蔵ちゃん。塀の上に立ち弓を構えるエミヤ。ガンガンセイバーを構える地鎮さん。地鎮さんの前に盾を構えるマシュ。いつでも駈け出せる準備をしているランサー。

 ローマ連合兵の隊長が号令をかけ、こちらに向かってきた。

 

「マテェェェイ!!」

 

 少女の声が響いた。俺は後ろを振り向くとそこにいたのは赤いドレスを身に纏った金髪の少女だった。

 彼女の登場に進行していた連合国兵が動きを止めた。周りにいた兵や市民は声を高らかにあげ喜んでいた。

 当然その状況についていけない俺たちは困惑していた。

 

「うむ!皆のものここは危険だ。私と兵たちに任せて避難しておれ」

 

 市民たちは彼女の一声のみで門から避難した。

 

「では行くぞ異国の者たちよ!ダンから話を聞いておるから安心しておれ!」

 

 彼女は手に持つ芸術性のある剣を持ち、連合国兵に斬りにかかった。



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