グランくんとその仲間たちの日常☆ミ (Narvi)
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グランくんの進む道
序章 終わりからの始まり


 グラブルを最初に始めたのは大体三年前だけど二年間放置してたから本格的にやり始めたのは最近という、やる気のない騎空士です←
 まあ、やる気が出た結果二週間でランク70が100になったんだけど……頑張った、てか疲れた。これでも騎空団の団長やってます、よろしくぅ。

 自己紹介はこれくらいにして、ぼちぼちやっていきます。

 まだ序章なのでキャラは出てきません。次話へ続くための布石のようなもの……。多分これが最初で最後のシリアス展開になるだろう……。ちなみに超難産だったよ!

展開早めです。こうしないと次話からお楽しみでしたね、ができないんで。


 ――憧憬を抱いていた。

 

 僕には物心ついた頃には母はいなかった。興味が無いといえば嘘になる。けれど寂しくはなかったし、そのことを聞こうとは思わなかった。僕には父さんがいたから。よく顔は覚えていないけれど、そんな朧気な記憶の中の父さんはとても格好良く、とても誇らしかった。

 

 ――いつも夢見ていた。

 

 そんな父さんも僕の傍からいなくなった。最後に受け取った手紙は今でも鮮明に覚えている。空の果て、イスタルシア。今や伝説として語られるほどのもの。僕はその場所に思い焦がれた。

 ザンクティンゼルはとても小さな村だ。周りとの交流はほとんどない。いつかこの村から出て、この小さな世界から一歩踏み出したい。空はとても広い、そう聞いている。想像しただけでどうにかなってしまいそうだ。

 

 相棒のビィと日々鍛錬の繰り返し。剣の扱いを知っている者なんてこんな小さな村にいるわけがなく、もちろん書物もない。全て独学。苦難の連続だけど、それは毎日が未知との遭遇で心がときめいた。

 

 そんな生活を続けて17歳になった。僕が故郷から旅立つ日、僕の生活は一転した。

 

『助けてください!』

 

 10代前半くらいだろうか。透き通るような青髪を長く伸ばした少女が息を整える間もなく言ったのだ。

 それから数秒して、その少女を追って現れたのだろう帝国兵が僕の方に剣を向ける。

 

 僕は理解した。この少女はこの帝国兵達から逃げていたのだと。

 それからは早かった。僕は即座に自らの剣を抜いた。そして勢い良く飛び出す。帝国兵が身構えるよりも速く、僕は横薙ぎに一閃。その剣撃は剣の柄の部分に正確にあたり、油断していた帝国兵はその得物から手を離した。僕は瞬時にその落とした剣を遠くに蹴り、もう一人の帝国兵の首元に剣を突き出す。

 

 完璧だった。今までの鍛錬は無駄ではなかったのだ。狼狽え逃げ出す帝国兵を尻目に僕は喜んだのもつかの間、青髪の少女に近づいた。

 

 名前はルリアというようで、やはり帝国兵に追われているらしい。後から一緒に逃げ出した元帝国の騎士カタリナと合流してそれから――なんてなかった。

 

 目の前にヒドラが現れたのだ。その強大な力に、僕は被弾を最小限に抑えることしかできなかった。しかしヒドラに慈悲はない。その重たい攻撃はルリアに牙を向く。

 

 咄嗟に体が動いた。僕はその間に割り込み、そしてヒドラの牙が僕の体をえぐった。

 尋常じゃない痛みと、血の温かさしか感じない。周りが何かを言っている気がするがそれも聞こえない。

 僕は弱かったのだ。旅を始める前に、旅が終わってしまう。諦めたくない。しかし、体が言うことを聞いてくれない。

 

 視界が狭まっていく。どんどんと空が遠ざかっていく。いつかあの場所にたどり着いてみせるんだと、そう思っていた。

 ああ、僕は死ぬんだな。僕はその睡魔を受け入れた。

 

 ――諦めないで……。

 

 そう聞こえた気がした。そして、再度光が灯る。目の前には先程の少女――ルリアがいた。

 

『今度は私が貴方を助けます……』

 

 さっきまで暗闇のようだった視界は光り輝き、微塵も動かなかった体は自分の命令通りに行動する。

 直感的にわかった。僕はルリアと文字通り《一心同体》になったのだと。

 

『ありがとう』

 

 そう心のなかで呟いて、僕は立ち上がった。そして誓った。

 

 僕は強くなる。もっと、もっと強くなって誰も死なせない力を得る。

 

 そしていつかきっと、空の果てへ、イスタルシアへたどり着いてみせるんだと。

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 あれから一年が経った。本当にいろんなことがあった。

 いろんな仲間との出会い。圧倒的な力を持った星晶獣との戦闘。そしてエルステ帝国の宰相フリーシアの陰謀の阻止。幾度の苦難を乗り越え、僕たちはちゃくちゃくと強くなっている。

 

 しかしまだ遠い。空の果てはまだまだ先だ。

 

 僕は軽く身だしなみを整えて、歩きだす。目の前の扉を開けると、一面青い空が広がっている。

 

「よし! 今日も頑張るか!」

 

 騎空挺の上で、僕は自分に向けてそういった。

 

 

 

 ――これはとある騎空士の旅のお話。

 

 ――かけがえのない仲間とともに送る、グランの日常である。




 文字数は多分その時の気分と題材によるんじゃないかと思われる。

 次回! 第一話! ヴァンピィちゃんはさいきょーですし!

 乞うご期待!!                         NEXT→



 (しかしもう投稿されているとは言ってない←ごめんなさい……。)←投稿しました☆


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1日目 ヴァンピィちゃんとお昼寝

 栄えある一発目は『ヴァンピィ』ちゃんでした! 有言実行は案外早かった……。

 ヴァンピィちゃんのけんぞくぅになら後悔はないんでなってもいいです←


 ある日の昼下がり、日課である鍛錬を済ませ暇になった僕は草原に横になって空を見ていた。

 そんないつもどおりの日常。少し眠くなってきた。このまま寝るのも悪くないかも。そう思いながら僕はゆっくりと目をつむった。

 

「あっ! けんぞくぅいた!」

 

 この声はヴァンピィだろう。いつもだったら返事をしてやるのだけれど、今日はこのまま寝てしまいたい。ここは申し訳ないけれど、気づいていないふりをして眠ってしまおう。

 そんな気持ちを露ほども知らないヴァンピィ。恐らくはすぐ傍にいるんだろう。

 

「あれぇ?……けんぞくぅ、眠っちゃってるのかな……?」

 

 程なくして、そんな小さな声が耳に届いた。

 

「むぅ……。今日こそけんぞくぅを本当のけんぞくぅにしようと思ってたのに……」

 

 それは勘弁してください。ヴァンピィから飛び出す物騒な言葉に密かに動揺しつつ、聞き流して惰眠にふける。

 

「ふあぁ……。なんだかヴァンピィちゃんも眠くなってきちゃった……」

 

 そう聞こえたあと、僕の左手に重みを感じる。それと同時に甘い良い香りが鼻孔をくすぐった。

 これはもしや……。そう思って薄目を開けてこっそり左側を見る。そこには一緒に寝転がるヴァンピィの姿があった。

 

「えへへ……おやすみぃ、けんぞくぅ……」

 

 そう言ったかと思うとヴァンピィはすぐに規則正しい寝息を立て始めた。

 

「はぁ、どうしてこうなったんだか……」

 

 まあ、自業自得か。そう判断付けて静かに笑う。そしてまたヴァンピィの方を見た。いつもの活発な少女の姿は完全になりを潜め、その普段は見せないような表情、愛らしい寝顔に思わずドキッとする。

 自然と空いている手でヴァンピィの頭を撫でていた。綺麗な金髪に沿うように右手を動かすたびに見せる幸せそうな笑顔に、僕は気づけば夢中になってしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

「ん……あれ?」

 

 いつの間に寝ていたのだろう。いや、寝る気ではあったのだが、気づいたら眠ってしまっていたようだ。

 

「あ! けんぞくぅ、起きた!?」

 

「うん……ん? ……え?」

 

 聞き覚えのある声。そういえば寝る前にヴァンピィが一緒に――

 

 僕はそこまで思い出してすぐに目を開けた。寝起きのぼやける視界の中に、一人の少女がこちらを覗き込んでいるのがわかった。逆さまに映るヴァンピの顔。いわゆる膝枕というものである。咄嗟に起き上がろうとしたが、顔面衝突してしまうと思いすんでのところで思いとどまった。後頭部には程よい温かさと柔らかさを感じ、起きたばかりだと言うのにそれがまた眠気を誘っている。

 そして数秒後、ようやくくっきりと鮮明に見えるようになった。すると目と鼻の先にはもうヴァンピィがいた。

 僕は驚いて声をあげるのをこらえ、息がかからないように小声で言った。

 

「ヴァンピィ、近い」

 

「……けんぞくぅは近いの、いや?」

 

「いや……じゃないけどさ」

 

「ならいいじゃん!」

 

 ヴァンピィは満開の笑顔でそう答えた。別に嫌ではない、のだが誰も見ていないとはいえど恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。だからって言い返せるわけもなく、少しの間沈黙が続く。

 ヴァンピィは僕の頭を撫でながらニコニコとしている。そんなヴァンピィに僕は問いかける。

 

「なあ、ヴァンピィ」

 

「んー? なーに?」

 

「ずっと僕の頭を撫でてるみたいだけど、楽しい?」

 

「うんっ! けんぞくぅの頭撫でるの、すごく楽しーよ!」

 

「さいですか……」

 

 未だ笑顔のままのヴァンピィを見て、僕は抵抗する気は起きなかった。

 

 

 

 

 

 

 数分後、ある程度撫で続けて気が済んだのか、もう飽きたのかヴァンピィはその手を止めた。

 僕とヴァンピィは騎空挺に向かってのんびり歩いていた。

 最初は一緒に歩いていたのだが、疲れてきたのか「けんぞくぅ、疲れたぁ! おぶって―!」といいだし、今は僕の背中の上で騒いでいる。

 苦笑をもらしつつ、僕はふと思い出してヴァンピィに言った。

 

「そういえば何か用があったんじゃないの?」

 

「え? なんで?」

 

「いや、なんか僕のことを呼んでたっぽいから……あ」

 

 言ってから失言だと気づいた。気の抜けた言葉が溢れる。

 

「あれぇ? たしかにヴァンピィちゃん呼んでたけどけんぞくぅはさっきまで寝てたよ?」

 

 ヴァンピィも気づいてしまったようだ。すぐに嘘を付けばよかったものの、それももう遅い。

 

「あー! けんぞくぅ嘘付いた―! ヴァンピィちゃん探してたのにぃ!」

 

「ご、ごめん!」

 

「むぅぅ……」

 

 すぐに謝るも、それも意に介さず明らかに不機嫌そうなヴァンピィ。目を細めて頬をふくらませる様はとても可愛らしいのだけれど……。機嫌が治るまで少し時間がかかりそうだ。

 少し先のことを考えて、小さく笑った。少し前をぷんぷんと怒りながら歩くヴァンピィに置いていかないように付いていきながら、どうやって機嫌を取ろうか僕は思考を巡らせるのだった。




 バイト帰りお腹痛くなってトイレ借りるためにコンビニ行って、トイレでおもむろにグラブル開いて「あ、単発引ける」って引いたら新年早々出てきた一発目のめでたい子です。

 ずっと欲しかったからよかった……。次のサプチケはこれで決めてたから安心してハレゼナを迎えに行けるよ……。実はトイレで叫びかけたのは内緒。

※誤字修正しました。ブンブン怒るってどゆこと……。他に誤字あったら連絡ください。


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2日目 クラリスとショッピング!前編

 どもども、ナルヴィです。前回からかなり期間空いた気がするけど……気にしたら負けです。

 今回はクラリスです。ショッピングするのかどうかは作者の気分と、実力次第。

 二部構成です。では前編を、どうぞ。


 昨日は地獄だった。

 

 この旅を始めてからは本当にいろんなことがあって、数え切れないほどの苦行は受けてきたつもりだ。かなり苦渋を舐めさせられたし、後悔だって無数にある。

 

 ただ、昨日の星晶獣との戦いはベスト3には入るほどの過酷さだった。そう断言できるし、なんて言ったって数十人の協力者が口を揃えてもう二度とやりたくないと言うほどの相手だ。

 本当に生きていてよかった。死者は出なかったものの、全員が満身創痍だったのだ。

 

 と、いうわけで。

 

「昨日はありがとう。みんなのおかげで今もこうやって日常を送れてるよ」

 

 一緒に闘ってくれた仲間や、それを支援してくれた人たちを集めて深く礼をする。数秒後、顔を上げて僕は再度口を開いた。

 

「今日は特にやることはないよ。それぞれ疲れを癒して、明日ここを出発しよう。

 

 はい、解散。その声に答えるように喜び叫ぶ者、何も言わずどこかへ行く者などなど。結構な人数ではあるので多種多様な反応である。

 

 さて、僕も昨日の疲れを癒すとしようかな。

 報告書などにより睡眠時間をあまり取れていなかったし、とりあえず寝ようかと思い自室に足を向ける。

 

 しかし、僕の腕を引っ張る誰かにより進むには至らなかった。

 引っ張る、というより抱きついているらしい。今も左腕には服越しでもわかる女性的なふくらみによる柔らかな感触を感じている。

 ちょっとドキッとしつつ、そんなことをお首にも出さないようにして僕は振り向いた。

 

「だんちょー待ってよ~!」

 

 その正体はクラリスだった。僕は眠い頭を切り替えて足を進行方向とは逆に向き直す。

 

「昨日はお疲れ様。で、どうしたの、クラリス?」

 

「だんちょーもお疲れ様っ✩」

 

 礼を言い合ったあと、クラリスは大したことではないんだけどね、と銘打って話し始めた。

 

「いやー、だんちょーこのあと暇かな、って思ってさ!」

 

「まあ、暇……といえば暇かな」

 

 自室に戻っても寝るだけだし、特に決まってすることはないから多分暇なはず。

 

「あー、眠い……よね? やっぱやめやめっ! ごめんね、引き止めちゃって!」

 

 普段は快活で元気が有り余っている元気っ子少女だが、どこか察しがいいというか、思いやりがあるというか……。

 気を使わせちゃ悪い、とか思っているんだろう。全く、察しが良すぎるのも考えものだ。

 

「それじゃあ気になって眠れないよ」

 

「えっ!? ご、ごめ――」

 

「少し目も覚めてきたし、暇だなー」

 

「……だんちょー、わざとらしいよぉ」

 

 ……うるさい。自分なりに頑張った結果だ。すごくクラリスには笑われているけれども、まあ、後悔はない。

 

「ほら、何するの?」

 

「んーとね、これなんだけど……」

 

 そうして説明されたことをまとめると、どうやらクラリスは出かけるので一緒に来て欲しい、ということのようだ。

 いわゆるショッピングである。

 

「いや、それなら僕じゃなくて同じ女の子の方がいいんじゃないの?」

 

「そーなんだけどね? だんちょーとは年も同じだし、ここにはヒューマンの年齢の近い女の子って少ないじゃん?」

 

 言われてみれば、確かにそうだった。

 誰だってセンスというものがある。それは人それぞれ違うものを持っているが、それにも大体これっていうベースとなるものが存在する。

 しかし、それは種族間の話であって、ヒューマンであるクラリスと別種族――エルーンはともかく、ドラフとハーヴィンは特に――はかなり違っていることが多い。

 もちろんそれは服のセンスにも影響している。

 

「それに、だんちょーと一緒に行きたいし……」

 

 何か言っていたが考え込んでいて聞き逃してしまった。大事なことだったらもう一度言ってくるだろうし、まあいいだろう。

 

「まあ、僕は構わないけど」

 

「え!? いいの!?」

 

「いいよ。てか誘ったのそっちでしょ」

 

「やったっ✩ だんちょーありがとー✩」

 

 ピョンピョンと喜んでいる。まあ悪い気はしない。

 

 クラリスとは長い付き合いだし、彼女の抱えているモノのことも少しは知っているから、こうやって喜んでいるところを見るのは僕もとても嬉しかった。

 

「じゃあ、ちょっと準備してくるからっ!」

 

 そういってクラリスは駆けていった。

 

「走ると危ないよー」

 

「へーきへーきっ✩」

 

 流石、団員中ナンバーワンの元気さを誇る少女なこと。

 

「さて、僕も準備しないとな」

 

 振り回されることを覚悟していこう。僕は少し先のことを想像して、苦笑いを浮かべながらようやく自室へと向かうのだった。




 二部構成になるとは思ってませんでした。

 というかクラリスを書こうとは思ってなくて、最初はアンスリアって考えてたんだけどね。特に思いつかなくて唸りつつ流されるように書いてたらこうなってました。

 私のクラリス愛が収まるところをしらない。

 (なお、クリスマスVer欲しさに課金して金欠に陥った模様←クリクラ持ってません)


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    クラリスとショッピング!後編

 間に合いました……! ほんとギリギリだったね。何にとは言わないけど珍しく頑張ったよ……!

 ヒント→投稿日

 前回の続きになります。では、どうぞ。


「待たせちゃったかな?」

 

「いや、それほど待ってないよ」

 

 待ち合わせ場所――その方が雰囲気が出るらしい。何のかは知らないが――で待つこと数分。約束の時間の少し前にクラリスは現れた。

 手にはバックを持ち、トレードマークのうさみみにも見える特徴的なリボンはそのままに、白色のマフラーとコートを羽織った姿はいつもの快活さの中に、少し大人びた雰囲気が出ている。同い年で比較的最初からのメンバーであるクラリスに、不覚にもドキッとしてしまった。

 

「それ、すごく似合ってるよ」

 

「うぇ!? あ、ありがと……」

 

 思わず可愛い、と口走りそうになって即座に振り払った。服装を褒めるとクラリスはマフラーに赤くなった顔をうずめてそういった。

 

「じゃ、じゃあ、行こっか?」

 

「そ、そーだね!! いっちゃおーっ✩」

 

 少し気まずくなった空気を打破しようとして僕がそう言うと、クラリスはすぐにいつものテンションに戻った。そのほうがクラリスらしいや。

 僕はそんなクラリスに、呆れるようにゆっくりついていった。自然と笑みはこぼれていた。

 

 

 

 

 

 

「わぁ~! おいしそ~!」

 

「そうだな。おじさん、これとこれ、一つずつちょーだい!」

 

 あいよ、と差し出されたのは二つのクレープだった。クラリスがじっと見ていたので、そのクレープと美味しそうだと思ったクレープを買った。

 クレープを受け取るときにカップルかい、なんて聞かれたものだからドキッとしてしまった。苦笑いを浮かべながら違いますと言いつつ、受け取ったクレープの片方を目を合わせずにクラリスに渡す。

 

「ありがとーだんちょー!」

 

 そんなことは露知らず、クラリスはお礼を言って受け取ると笑顔で一口。僕もそれを見てため息をついたあと、一口。その瞬間ホイップと中のフルーツの甘さが広がって、とても美味しかった。

 

「これ美味しいな!」

 

「そーだねっ!すっごく美味しい!」

 

 どうやらクラリスもお気に召したようで、順調に食べ進んでいるようだ。男はあまり甘いものが好きではない、なんて聞いたこともあるが僕はそんなことはない。

 僕がクレープを食べていると、クラリスはどうやらクレープ屋のおじさんと何か話しているようだ。

 周りが騒がしくて内容は全然聞こえないが、おじさんは笑いながら、クラリスは急に口を大きく開けたり、急に顔を赤くしたり、少し考える素振りをしたり、とコロコロ表情が変わっている。

 

 ……どうしたんだろう。そんなクラリスはちょっと面白いが、明らかに変だった。

 

「クラリス? どうかしたのか?」

 

「ひゃあっ! ななななんでもないよっ!」

 

 疑問に思い近づいて問うと、クラリスは唐突に悲鳴を上げた。そんなに驚くようなことをしたわけではないんだが。

 

「頑張れよ……!」

 

 クレープ屋のおじさんは最後にそう言うとまた商売に戻っていった。なんだったのだろうか。

 

「あーもう……逆に緊張しちゃうよぉ……」

 

 クラリスはそう言ってクレープに再度一口。今度は少しへこんでいるようにも見える。

 どうしたのかわからないけど――

 

「まあ、なんだ。頑張れ?」

 

「だんちょーに言われたくないよっ!」

 

 なぜか怒られた。よくわからない僕は手に持っているクレープを頬張った。やはりとてもおいしかった。

 

 

 

 

 

 いろんなことがあったが、クラリスとたくさんのところに行った。いろんなものを食べたり、服を買うのに付き合ったり、おしゃれさせられたりと、この数時間はすごく楽しい時間だった。

 そしてあたりも暗くなってきた頃。パラパラと雪が降り始め、街頭がそれを照らし反射して赤く照らしている。

 

「もうこんな時間だね……」

 

「そうだな……」

 

 結構あっという間だった。最近は忙しかったからあまりこういった時間はなく、それはクラリスも一緒だろう。

 久しぶりに時間も忘れてはっちゃけていたようだ。

 

「じゃあ、帰るか」

 

「ちょっとまってっ!」

 

 僕が帰ろうと言うとクラリスはそれを止めた。どうしたのかと思いクラリスを見る。顔をほのかに赤く染めて、何か言いたそうにこちらを見ている。

 

「えっと、今日はありがとう。私に付き合ってくれて」

 

「いや、僕も暇だったし。どうしたの、急に改まって」

 

 そう言うとクラリスは手に持っていたバックの中に手をいれた。取り出したのは綺麗に包装された一つの箱だった。

 

「え、これって――」

 

「今日はバレンタインなんだよ? 知らなかったでしょー✩」

 

 知らなかったというか、最近忙しかったのもあって完全にこういうイベントのことは抜け落ちていた。

 クラリスは僕の表情を見て笑いながら言った。

 

「そんなわけだから、これ! 私からの、当然手作り、だよっ✩」

 

「あ、ありがとう……」

 

 少し照れた表情をしながら、クラリスは僕にその箱を渡した。ザンクティンゼルには年の近い子がいなかったものだから、こうやって直接渡されるのなんて初めてで、僕は戸惑いながらそれを受け取った。

 

「すごく嬉しいよ。味わって食べるから」

 

「あはは、なんてったって私が作ったんだから! 味わって食べてっ✩」

 

 雪の降る中、活発な笑顔を振りまくクラリスは一枚の絵のようで、チョコレートを渡して頬を赤く染める姿に僕は数秒見とれていた。

 

「どーしたの、だんちょー?」

 

「あ、ああ、何でもないよ」

 

 帰ろう。そう言って歩き出すとクラリスは僕の横を歩き始めた。そっと手を伸ばすと、クラリスは驚いたように僕の顔とその手を交互に見て、その冷たくなった手を重ねた。

 

 

 

 

 その後、団内では二人の関係ついての話でもちきりになるのだが。僕たちはそんなことに気づくわけもなく、さながら出来たてのカップルのような暖かな空間のままゆっくりと帰り道を歩いた。




 クラリスとのショッピングの感じを書こうと思ってたんだけど、朝起きてグラブル見たらバレンタインデーってなってて。とりあえずすぐにアイルにチョコ渡してきました←ホモではない。

 セリフ一つ一つに声があると脳内変換して読んでいくと本当に最高です。特に「あーもう……逆に緊張しちゃうよぉ……」の部分……。絶対しちゃ(↑)うよぉ(→↓)みたいな声だし、ごちうさのココア感あるなぁとしみじみ。控えめに言って最高。


 そんな感じで閃いた私は数時間前に取り組み始めたんだけど、もっと早めに書き始めればよかったと後悔……。まあ、今頃だよね。

 さて、次は誰を書こうかなー。


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3日目 失ったジャンヌの心は

 ヤンデレといえば確かにヤンデレかも知れない。けど、多分ヤンデレじゃないよ?

 書いていてすごく楽しかったです。

 今回は闇ジャンヌ。光の方も書きたいなぁ……。
 一番最初のフェイトエピ(光ジャンヌ持ち)の内容を元にしています。

 では、どぞー!


 なぎ倒された木々。焼け焦げた家。魔物の爪痕がくっきりと残る村の状況に、僕は何も言うことができずその場に立ち尽くしていた。

 隣にいるビィも、ルリアも、ほかの仲間も。その惨劇を目撃し、驚きから口を押さえる者やあまりの衝撃に目を背ける者、涙を流す者までいた。

 

 数分、数秒だろうか。

 もう時すら忘れてしまうほどの感覚の中、僕は慌てて彼女を探す。

 

 ジャンヌは。村を救うために一週間前に騎空団を離れたジャンヌダルクはどこだ。最悪の展開を思い浮かべて、すぐさま振り払う。

 そんなことは絶対に許さない。団長として、彼女の目標を応援すると心に決めていたのだから。こんな状況で助けてあげられないで、なにが団長だ。

 

 

 

 

 探すのにそれほど時間はかからなかった。

 

 ジャンヌは村の中心の方で立っていた。目立つ怪我はない。しかしその表情は優れない。

 表情は完全に沈みきっていて、剣を持つ手は垂れ下がっていて、いつもの優しく勇敢なジャンヌの姿はどこにもなかった。

 

「ジャンヌ!」

 

 僕はすぐに駆け寄った。その声に反応して肩をわずかに揺らすジャンヌ。

 

「ジャンヌ……」

 

 どれだけ考えても、かける言葉が見つからなかった。

 守るべきものを全て失ってしまったジャンヌに。目標を全て壊されてしまったジャンヌに。僕はなんて声をかけてあげればいいんだろう。

 

「団長……」

 

 長く感じた静寂は、ジャンヌの呼ぶ声で終わりを告げる。静かに、それは拠り所をなくした幼子のような足取りで、僕の方へと歩み寄ってくる。

 

「ジャンヌ!?」

 

 しかしあと数歩というところで、ジャンヌはまるで抜け殻のように崩れ落ちた。突然のことに僕は反射的にジャンヌを受け止めた。

 意識はない。でも、生きている。

 ただそれだけが僕にとっては大切で、そんなジャンヌを抱えて僕は騎空艇へと戻っていった。

 

 

 

「みんなお疲れ! 今日も一緒に闘ってくれてありがとう!」

 

 今日、ともに闘ってくれた仲間たちにお礼の言葉を告げる。魔物討伐の依頼は少し手間取ってしまったが、何事もなく依頼をこなすことができた。

 

「今日の依頼は時間的にも終わりです。このあとは疲れを癒して、明日またがんばりましょう!」

 

 僕はそう言って騎空艇の中へと入っていく。向かうのは自室ではなく、医療室。

 そこには、ジャンヌがいた。

 

 あれから数日がたった。ジャンヌは未だに目を覚まさない。

 医者にも見てもらったのだが、精神的なもの、とだけ言われた。いずれ良くなるとも。

 

「いつ……目を覚ますの? ジャンヌ……」

 

 そう問いかけても、返事はない。

 いつも先陣を切って魔物を倒していく、そんな勇敢な姿ばかり見ていたからか、ジャンヌが寝込んで、たまに悪い夢を見ているようなうなされた声をあげるのを見ていると、とても心配になる。

 

 時間があるとき、僕はずっとここにいる。医者はああ言っていたけれど、もしかしたらこのまま一生目を覚まさないかもしれない。

 それがたまらなく怖くて、僕はここから離れたくはなかった。

 

「う……うーん……」

「ジャンヌ!?」

 

 どれくらいが経っただろうか。数時間、もしかしたら日をまたいだかもしれない。

 しかし時間なんてどうでもよかった。ジャンヌが目を開けた。その事実が、今まで待っていた時間を全て忘れさせた。

 

「ここは……」

「医療室だよ……グランサイファーの……」

「そう……か」

 

 まだ意識がぼぉっとしているのだろう。目はどこか虚ろで、それは僕を映してはいないようだった。

 

「大丈夫? 怪我とかは?」

「はい。もう大丈夫です。ご心配をおかけして申し訳ございません……団長。助けてくれたこと、礼をいう。」

 

 医者からも言われていたとおり、怪我の方は心配いらないらしい。ジャンヌから放たれた言葉。しかし、僕には到底大丈夫そうには見えなかった。

 ――どう見ても無理をしている。しまいには、

 

「うぅ……」

 

 礼をいったあと、ジャンヌはふらつき、僕は慌ててそれを支えてやる。

 

「やっぱり……大丈夫じゃ……」

「あぁ……すまない。まだ本調子ではないようだ」

 

 この様子だともう少し寝ていた方がいいのかもしれない。僕はもう少し寝ていた方がいいとジャンヌを促す。

 しかしジャンヌはそれを聞こうとはせず、あろうことか、支えられていた状態から僕の体に腕を回してきた。

 温もりを全身で感じるかのように、ジャンヌは強く、強く僕を抱きしめる。ジャンヌの体は少し冷たく、そして僅かに震えていた。

 

「生きてて……よかった……」

 

 自然と口から出てきていた。心にすぅっと溶け込むかのように。僕はジャンヌが生きていることに安堵した。

 その発言に、ジャンヌはなぜか驚いて顔を胸に埋めていたのをやめ、上目遣いでこちらを覗いていた。

 

「……生きていて、良かったと……そう言ってくれるのか、団長は。」

 

 半信半疑にそう言うジャンヌに、僕は衝動のまま腕を背中に回して、力強く抱き寄せた。

 

「……団長?」

「ごめん……ごめん……!!」

 

 この気持ちが伝わって欲しかった。

 確かにジャンヌはたくさんのものを失ってしまった。

 

 しかし、居場所はここにある。

 帰る場所は、ここなのだ。

 

「……団長は優しいな……見てくれ、私の手は、まだ震えている……」

 

 ジャンヌはポツリ、ポツリと呟く。

 

「私は怖い……もっと、強く、抱きしめてくれないか……」

 

 僕は抱きしめる力を強める。ジャンヌも更に求めるように、僕の体を抱きしめる力を強めた。

 

「今日は、一緒に寝てくれないか……? すごく、怖いんだ……」

 

 ジャンヌの妖艶な問いかけに、僕は何も言わず、ただこくりと頷く。僕たちはそのまま、ひとつのベッドで、抱き合いながら、眠りに就いた。

 

 

 

 ジャンヌは変わってしまった。何もかもを失って、以前までの彼女とは別の人間と言える程に変わり果ててしまった。

 そんなジャンヌが、それでも僕を頼ってくる。それが凄く嬉しくて、それが――イケナイコトダトワカッテイテモ。

 

 僕にそのジャンヌの行動、発言全てを無碍にすることはできなかった。

 

 例えこの先、なにが起きようとも。

 

 

 

「……お前たちは、私の信頼を裏切った……」

 

 

 

 例え、ジャンヌに刺殺されようとも。

 

 僕に抵抗するという考えは、全く浮かばなかった。




 オーキスください……黒騎士が待ってるよ……? オーキスちゃんほしい……。

 闇ジャンヌは朝ガチャできました。朝っぱらからガッツポーズしたのはいい思い出です。結構朝ガチャで当てる率高いんで、あれもバカにできないな、としみじみ思います。
 朝ガチャでやってきたレフィーエは、ずっと気になってたんだけど上方修正って言っておきながら水着の方めっちゃ強くしただけじゃね? いや、持ってるしスタメンだけどさ……。

 ああ~、無料10連期間中にルシバハシヴァ当たらないかなぁ……。


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4日目 グランくんの休日!(水+火)

 今回は普通の日常を描いた感じになってます。基本的に僕が持っているキャラクターで構成してます。

 出演キャラ
  水 アルタイル、ランスロット
  火 アンスリア、ユエル

 このキャラ選はあとがきで語られます。

 いつもより短くね? って思うのは自由。でもね? ゼノウォフマナフに苦戦してるせいで時間取れないのよ……。琴出ないです、助けて……。

 本当に短いです。どうぞ。


 ほぼ成り行きでなってしまった団長ではあるが、その内容自体はそう難しいことではなかった。

 かなり大所帯になってきてはいるが、それでも未だ小さな騎空団であるし、小難しいことはアルタイルさんだったり、最近入団してくれたランスロットさんがいろいろ手伝ってくれている。

 アルタイルさんはもともと軍師なので戦術や作戦に関しての知識は幅広く持っているし、ランスロットも白竜の騎士団を率いていた人だ。

 というわけで、僕は暇を見つけては二人にいろいろ話を聞いている。そんなある日。

 

「団長、そろそろ疲れてきたんじゃないのか?」

 

「え? そんなことはないですが……」

 

 ランスロットさんが僕の顔を覗き込んで、そういった。

 確かに勉強会――密かにそう呼んでいる――が始まってから数時間が経っているが、そんなつもりはなかったのだが。しかしランスロットは有無を言わせず話し始める。

 

「ときには休憩も挟まないと、覚えられるものも覚えられないぞ? もう太陽も完全に登ってる頃だろうし、気分転換に外にでも行ってみたらどうだろう?」

 

 ランスロットさんの言うことも一理ある。爽やかなイケメンフェイスでそう論され、僕はありがとうございましたとお礼を告げると、椅子を片付けて外に向かった。

 

「……団長殿は、ああ言わないといつまでもやめませんからね」

 

「そうですね、たまには羽目を外してもらわないと……」

 

「志高く、何事にも真摯に向き合うのは素晴らしいこと、なんですがね」

 

 そんな二人の呆れ混じりの笑い声は、団長の耳には届かない。

 

「団長も息抜きに行ったし、俺たちもいつもの、しますか!」

 

「また将棋ですか? 負けず嫌いですね……。もちろん、油断禁物ということで、私も慢心せずお誘い受けさせていただきますが」

 

 

 

 

 

 

 二人に言われて外に出てみた。本当に太陽は真上に現れていて、どうやら今日はとても暖かい日のようだ。ぽかぽかの陽気に心地よく吹く風は、眠気を誘ってくる。

 

「あら、団長」

 

「え? あ、団長やん!」

 

 声のした方を見てみると、そこにはエルーンの二人がいた。

 

「ユエルさんとアンスリアさん、こんにちは」

 

「もう、私のことはそのままアンスリアで良いって言ってるのに……」

 

「いや、でも年上ですし」

 

 アンスリアさんはどうやら僕に呼び捨てで呼んでもらいたいらしい。僕が断っても幾度となく頼まれているので、最近はもういいのではとも思っていて、そもそも団内に年齢による格差は一切ないので呼び捨てをすることに何一つ問題点はないのだが。

 それでもしないのは、僕自身のけじめというのがひとつで、もう一つが。

 

「じゃあ、一回だけですよ」

 

「……え?」

 

 そう言って僕はアンスリアの手をそっと、包み込むように触れる。急にそんなことをされてビクッとするアンスリアを気にもせず、僕は数歩距離を詰めて、その赤い瞳をじっと見つめて、言った。

 

「アンスリア」

 

「えっ! あ、あの……その……」

 

 この反応である。

 顔を真っ赤に染め、触れている手から熱を発していることがよくわかる。驚きからか、恥ずかしさからか、はたまた照れからか。おどおどとするアンスリア。そして、それを見て「またか」と呆れるユエル。

 

「またやっとんのか、それくらいにしとき、団長」

 

「うん、わかった」

 

 はぁ、とため息をついてアンスリアを開放しているユエルはきっと世話焼きの才能があるだろう。今にも燃え出しそうな顔をしたアンスリアを最後に目に焼き付けて、僕は最高の気分で歩き始めた。

 

「アンスリアも、そんなんなるんやったら最初から求めんでええんよ?」

 

「でも……団長にそう呼んで欲しかったから……アンスリア、って……はぅ……」

 

「はぁ……これは当分アンスリアは使いもんにならんわ……」

 

 そんなユエルの気苦労など、団長には知る由もなかった。




 多分この文字数なら一週間更新はやろうと思えばいける。

 グランくんは戦術とかの知識はさすがにないよなぁ→アルタイルは軍師だし、いろいろ知ってそう→そういえばランスロットって白竜の騎士団率いてるんだったな→同じ属性だし、これだと結構二人気が合うのでは……?

 そんな感じで将棋やってます。将棋ってグラブルの世界にあるのかは知らないけど。
 実は属性被ったのは意図してじゃないです。まあ、水で持ってるキャラが三人しかいないのも原因ではある気がするけど。

 んで、ここまではすんなり書いていて、「ランちゃんとアルタイルはどっちも水になったし、属性ごとにだすか」ってなって、アンスリア書きたいからだして。
 私の火パはクラリスパー様アンスリアでユエルは倉庫番してるんですが、同じエルーンだし何かしら絡みはあるだろう。

 そんな感じで選出です。グランとアンスリアの絡みはやりたいし、男であるパー様だすわけにいかないからね。あとクラリスは最近書いたし。

 次は男で一番好きなキャラがいる土属性と何か、かな。予定は(まだ)ない!



 ウォフマナフ限突終了個体が5体になりそうなんで、そろそろ琴欲しいんですが、そんな交換機能って実装されないんですかね? ……え? されないって? ……ウン、知ッテタ✩


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5日目 ナルメアお姉ちゃんは今日も平常運転です。

 パッと思いついたものをささっと書いていくのが、俺クオリティ。

 そんな感じで書いている私です。更新は気長に待てっ! アルスマグナァァ!←

 ……多分分かる人にはわかる。ヒント→カリオストロのキャラソン

 そんな感じで今回はナルメアお姉ちゃん書きます。度が過ぎたものは書かないけどいい具合にいい塩梅にいい展開するから、きっとこれくらいならセーフだよ……ね? 運営さん?


 結構な月日を騎空士として生活していて、早起きは本当に大切なことだと思う。

 毎日の鍛錬はもちろんのこと、団長としてやることだって少なくない。それに個人的には、騎空団の団長が団員よりもずっと遅くに起きるのは少し恥ずかしいと思う。

 だから僕は前々から早起きすることを特に意識をしていたりする。

 

 そうして習慣となった早起きではあるが、問題なのは休みの日だというのに朝5時に起きてしまうことだ。外はまだ日が登ろうとしているころで、だいぶ寒い。

 昨日のうちにやることは終わっているし、二度寝でもしてしまおうか。

 

 そう思い、僕は再度毛布を被った。

 

 

 

 柔らかい感触に包まれながら、僕は目を覚ました。未だ朧げでまともに映してはくれない目で時計の方を見やる。時刻は9時ちょっと前。二度寝にしてはがっつりと寝てしまった。

 今日はいつもよりぐっすり眠れた。なぜかすごく落ち着くし、心が安らぐようないい匂いがする。

 

 眠りの余韻に浸りつつ、抱きついたままの『ナニカ』の感触を確かめるように、ぎゅっと更に力を込める。柔肌のような少しひんやりとした感触がとても心地よい。ずっとこうしていたい欲に駆られるが、そうもいかない。

 さて、そろそろ起き上がりますか。そう思って体を――

 

「……ん?」

 

 体を起こそうと思って、回していた手を引っ込めて、今までのことを思い返す。

 

 柔肌のような感触。そう振り返っていたところで、その抱きついていた『ナニカ』が自分の毛布の中でもぞもぞと動き始めた。

 

「ふぁぁ……あれ、団長ちゃん……?」

 

 体をよじらせ、少し動いたと思ったらゆっくりとその瞳を開け、僕の方を見る。そして、一言。

 

「あ、起きたんだね。おはよう、団長ちゃん!」

 

 目の前の女性――ナルメアは、寝起きで開ききらない瞳を更に細めて、柔らかな笑顔を浮かべた。

 

 

 

 

「お姉さんが起こしてあげようと思って来てみたら、すごく気持ちよさそうに眠ってたから……。少しの間眺めてたんだけど、そうしたら私も眠たくなっちゃって、団長ちゃんのベッドに潜り込んじゃった!」

 

 事のいきさつはこういうことである。

 でもまあ、ナルメア……もとい、ナルメアお姉ちゃんだから、とそんな感じで軽く流せるのは、これがもう平常運転だから仕方のないことだろう。

 とにかく、すごく恥ずかしかった。気づいたら一緒に寝ていたどころか、めっちゃ抱きついてたし。意識が無い時ならまだしも、起きてから更に強く抱きしめてたし。

 

 ただ、抱きしめられてた当の本人は首をかしげたまま笑顔をこちらに向けている。これら全ての行動が計算ではなく、本当に全て善意で僕に尽くしてくれているから、止めることなんてできるわけがなかった。

 

「とりあえず、ありがとう、お姉ちゃん」

 

「うん! 団長ちゃんのためだもの!」

 

 お姉さんとして、当たり前のことをしたまでです、と言いたげな満面の笑みに対して、僕は笑い返すほかなかった。

 

「じゃあ、着替えるから……」

 

 少しの談笑を交わして、僕は着替えるために部屋から出てもらうよう催促する。ナルメアはわかった、と頷いて背を向けてドアの方へと向かった。

 ドアが閉まるのを確認して、僕は着ている衣類を脱ぎ始めた。

 

「大丈夫? 自分で着替えられる? お姉さんが手伝ってあげよっか?」

 

「自分でできるから! わざわざ開けて入ってこないで!」

 

 僕はさっきまで来ていた衣類を全力でドアに投げつけた。

 

「……はぁ」

 

 ……流石にやめさせよう。僕はそう思って、一つ深いため息を吐いた。




 ちょっと続編やれそうに終わらせてみた。これ以上書くと駄文続きそうなんでここらへんで。


 前半がすごく楽しかった……。展開的にあんまり会話が出なかったけど、そこは脳内で想像を繰り広げて……ね? ナルメアさんを抱き枕に眠るんだぜ……? あとは、わかるな?

 ヒント→柔らかい感触に包まれながら=包まれる→抱きつかれてる
     感触を確かめるようにぎゅっと更に力を込める=抱きついてる

 導き出された答えは……言うまでもない、か……。

 想像が捗れば書いたこっちも嬉しいな。

 気が向いたら続編書きます(多分今までの中で一番続編書くの早そう)。

 ナルメアさんは闇ではなく水着でもってます。フェイトエピはもう、あれだね。さすがナルメアさん。団長ちゃんのためならなんでもするんだねって思った。ほんと、ナルメアさんはお姉さん力が強すぎるぜ……!

 次回は何書こうかなー。光&闇の日常あたり書きたいけど、いつになるかなー。


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6日目 家族団欒

 みなさん、グラブルの方ではお久しぶりです!

 光古戦場を控えてますが、みなさん進捗どうですか? 半額中でシュヴァ剣でましたか? 僕は出てないどころか、シュヴァからドロップなんて一度もしていないですけどねっ!!

 僕は6属性の中で光が一番強いのでかなり楽しみにしていた古戦場なんですよね! 古戦場の英雄欲しいけど、どうなるかはわからない……。目指す気で走りますが……!

 今回はTwitterでも言ったとおり、ルリア&リリィのお話です! 今までで一番ほっこりする話です。

 では、どうぞ!






「りんりんり~ん、リリィです~!」

 

「るんるんる~ん、ルリアです~!」

 

 透き通るような青色の髪を持った二人。どこか上機嫌で、発言からわかるとおり、とても快活な笑顔を浮かべている。

 何かを期待しているような、じーっとこちらを見つめる目線。

 

「ら、らんらんら~ん、グランですぅ……」

 

 結局、僕のほうが折れた。

 

「あれ? グラン、元気ないですよ?」

 

「そうなの! グランもルリアおねえさまとリリィと一緒にやるの!」

 

 ルリアは少し不満そうに、リリィは拗ねた様子で言った。

 

 ――そんなこと言ったって、それは恥ずかしいんだけど……。

 

 とはいえ純粋なふたりの前でそれを断るなんてことができるわけもなく、成り行きに流されていく。

 

「じゃあまたやるの!」

 

「またやるの!?」

 

「りんりんり~ん、リリィです~!」

 

「るんるんる~ん、ルリアです~!」

 

「え、えっと、ら、らんらんら~ん、グランです~!」

 

 やりきった。やりきってしまった。

 

 ――ほんと、勘弁してくれ……。

 

 嬉しそうにはしゃぐリリィと、それを見て楽しそうに笑うルリアを見ながら、僕は苦笑いを浮かべて大きなため息をついた。

 

 

 

 

 

 今日はリリィの活躍もあって、依頼がすぐに片付いた。今は騎空艇に帰ってきて、本日のMVPであるリリィと一緒に船の後ろの甲鈑でくつろいでいた。

 クリスタリアの力は火を扱う相手には敵知らずで、あらゆる攻撃を防ぎ、いつも騎空団に貢献してくれている。

 

「リリィ、お疲れ様」

 

「グランもお疲れ様、なの!」

 

「本当に毎回ありがとうな」

 

 そう言ってリリィの頭を撫でてやる。綺麗な水色の髪に手を通すと、ひんやりとしていて気持ちいい。

 

 ――これいいな……。

 

 最近熱くなってきたし、リリィは体温が低いから正直ずっとなでていられる。中毒性があるのかもしれない。

 

「はわぁ……」

 

 どうやら嫌ではないようで、リリィも柔らかな笑みを浮かべてのんびりしている。

 なんかダメになってしまいそう。そう考えながらも、撫でる手は止めない――

 

 

 

 気づけばリリィは僕に背中を預けていて、どれくらいの間だろうか。とにかく、そこそこの時間ずっとこのままだった。

 ちょっとぼーっとしすぎた。

 

「リリィごめん! 疲れてるよ……ね?」

 

 そう言ってリリィの顔を後ろから覗き込む。

 

「寝てる……」

 

 リリィは寝ていた。もしかしたら相当疲れがたまっていたのかもしれないなと思い、少し後悔する。

 動いて起こしてしまうのも可愛そうだし、今日は外も結構温かい。寝てしまって風邪をひくほどではないだろう。

 

 そう判断して、僕はまた頭をゆっくり撫で始める。本当はこれがしたかったから、というのは内緒だ。

 

「こうみると二人は兄妹みたいですね」

 

 後ろから声がして、リリィを起こさないように慎重に振り向く。

 そこには、リリィと同じ綺麗な水色の髪を長く伸ばした少女、ルリアがいた。

 

「ああ、ルリア。どうしたの?」

 

「暇だったので少しうろうろしていたら二人がいたので、声をかけちゃいました」

 

 てへへ、と言いながらそう答えるルリアに、「隣、座る?」と聞いてみる。ルリアはありがとうと言って、僕のすぐ右隣に足を伸ばして座りこんだ。

 

「そんな兄妹のように見えた?」

 

「それはもう、とても仲のいい兄と妹のようでした!」

 

 小さく笑みを浮かべながらそういうルリア。

 確かに、この光景だけ見たら完全にそうとしか見えないかもしれない。

 

「髪の色は全然違うけどね」

 

 そう言って、静かに笑う。

 僕の髪は茶色でそれほど珍しくはない。ザンクティンゼルは小さい村だったからか、同じような髪色の人しかいなかった気がする。

 

「それを言うなら、ルリアの方がよっぽど姉っぽい……いや、お姉ちゃんだったね」

 

 そういえばリリィはルリアのことを『ルリアお姉ちゃん』と呼び、慕っていた。ルリアの後ろを無邪気についていくリリィという、仲睦まじい関係はその髪色も相まって本当の姉妹に見えた。

 

「はい! 私はリリィのお姉さんです!」

 

 自信満々に答えるルリア。

 ルリアもルリアで世話を焼きたがるところはあるが、無邪気で好奇心旺盛なので、二人は本当に気の合う姉妹とも言える。休みの日でも二人は一緒にいることが多く、仲良く話をしているところを見かける。

 リリィもルリアも、よく笑う。二人共責任を抱えているとはいえ、こうやってわいわい楽しめるのは本当にいいことだ。

 

 ――リリィも幸せならいいけど……。

 

 ルリアというお姉ちゃんがいて、騎空団の仲間がいて、いつも笑顔を振りまくリリィがいる。居心地のいいこの場所が、いつまでも続けばいいのに。

 

「はわわ……。少し眠くなってきちゃいました……」

 

「うん、そうだね。今日は気候がいいからなぁ……」

 

 ルリアにつられて、大きなあくびを一つこぼす。

 どうせまだリリィも起きないし、いっそ寝てしまってもいいかも知れない。

 命のリンクがあるからか、それとも一緒に長い旅をしている仲だからか。俺の考えに気づいて可愛く笑うルリア。

 

「寝ちゃいましょうか?」

 

「そうだな……寝ようか」

 

 お互いにやや降りた目で笑い合う。

 そして、リリィを起こさないように隣に動かして、特に示し合わせたわけでもないのにルリアと一緒に一度撫でてやる。

 

「おやすみ……」

 

「おやすみなさい……」

 

 眠りに落ちるのに、それほど時間はかからなかった。

 

 

 

 

 

「ルリア、ルリア~? どこいったんだ、まったく……」

 

 ルリアがふらっとどこかへ行った。しばらくしても中々戻ってこない上に、誰に聞いても行方を知るものはいなかった。

 流石にどこか遠くに一人で行くことはないはず。心配はあまりしていないが、少し気になったカタリナは騎空艇内を探していた。

 

「ルリア~どこにいる……って、そこにいたのか、ルリ――」

 

 探して数分ほど。騎空艇の後ろの甲鈑の方に、ルリアはいた。

 声を掛けようとして、ルリアの名前を呼ぶところでそれを何者かに遮られる。

 

「ラカム殿?」

 

「姐さん、それはやめといた方がいいぜ?」

 

「それは、どういうことだ?」

 

 カタリナがそう聞くと、ラカムはルリアの方を指さした。

 その方向を見てみる。

 

「ああ、なるほど……」

 

「な? あれはそっとしておいた方が良さそうだろ?」

 

「確かにな。しかし、あれはもう……」

 

「ははっ、そうだな!」

 

 二人は目の前の光景を見て、微笑ましそうに笑った。

 

 目の前には、グランとルリアとリリィが、気持ちよさそうに寝ている姿があった。

 グランが右手を伸ばし、それを枕にして向かい合って眠るグランとルリア。その間で、これまたグランの腕を枕にして、グランに抱きつきながら眠るリリィ。

 

 その光景は、一つの家族のようだった。




 リリィはゼノイフ復刻の時にもらったガチャチケ(確かアニメDVD特典のSSR確定10連チケだったはず?)で出てきてくれました!
 タイミングが神すぎて一気に好感度急上昇です。その時から書こうと思ってキーボードを叩き始めたんですけど、忙しくて書きかけで放置していたのを、たまたま今日になって書いた感じになります。

 リリィはイベントでも健気に頑張っていて、本当に可愛いですよね……。ルリアもお姉ちゃんしてるし、個人的には神イベとも思ってます。

 次は誰を書こうかなぁ……。毎回引けた喜びとか、活躍した嬉しさとかで小説書き始めるので、本当に不定期ですが許して! リクエストがあればある程度聞きますよ~?

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