天災兎と天才ク○。 (ソウクイ)
しおりを挟む

1話

カレの名は葉加瀬レオナルド。

 

日本人だが名前から察せる通り外国人の血が入っている。その為に日本生まれ日本育ちなのにカレの姿は周りの日本人と違った。

 

日本人と毛色が違いさらに毛深い。日本人と耳の形が違い毛も生えていた。日本人と身体の大きさが違う。日本人と胴体の形が違う。日本人と手の形が違う。日本人と脚の形が違う。日本人と瞳の形が違う。日本人と違い尻尾がある。違うところら多々あるが全て些細な違いだ。

 

しかし人は人種、肌の色、出身地で集団を作る。動物も群れという集団を作る。集団は基本的に異物を受け入れない。集団は大体は自分達の集団から外れたモノ、其が些細な違いだったとしても外れたモノの排斥に動く。

 

そう日本人と言う集団から少し違った彼、レオナルドも例に漏れずに差別をされた。

 

 

レオナルドの受けた差別はとても酷かった。

 

 

レオナルドが外に出るだけで何もしてないのに悲鳴を上げられる。見知らぬ人に捕獲されそうになった事もあ る。最悪なのが猟銃で射たれそうになった事すらもあった。

 

これは本当だ。苛めなんて生易しいモノじゃない。傷害どころかどう考えても殺人未遂に値する被害を受けた。

 

レオナルドは警察に訴えた事もある。

しかし警察はレオナルドを助けてくれるどころか被害者のレオナルドを捕獲しようとした。警察は警察が保護するのは人間だけと言った。そうつまりはレオナルドは人とすら認識されていない。警察だけじゃない殆どの人がレオナルドを人間扱いしなかった。

 

 

 

 

此処まで酷く差別されたレオナルドだが……逃げ隠れするどころか差別に立ち向かう。差別されて自分も周りを拒絶するのは自分の負けだと思い立ち向かった。

 

 

先ず屈辱だが首輪を付けた。レオナルドにとって不本意だがまるで犬に首輪を付けたように人は少しだけレオナルドを受け入れた。首輪のお陰か最低限の交流が出来るようになった。

 

最低限の関係を築くとレオナルドは挨拶から始まりボランティア等他にも色々と手をだし更に深く交流を持とうと努力したが、最初は中々受け入れられ無かった。それでもやり続けると努力のかいがあり何時しかレオナルドは受け入れられた。レオナルドの努力は差別に打ち勝ったのだ。

 

関係ないかもしれないが、レオナルドは廃材から主婦向けに創った無料アンチエイジングマシーンを送っていた。賄賂でない。レオナルドには生まれつきだが、知識が湧いてきて色んなモノを造る才能があった。

 

 

差別は成りを潜めた頃にはレオナルドは生後五年。レオナルドは幼稚園に入ることになった。

 

 

レオナルドにとって予想外。

 

レオナルドは幼稚園でも差別を受けると思っていたがこれまでと違い幼稚園では大人気。

一目見るだけで無数の園児がモフモフと謎の言語を言いながらレオナルドに抱き着いてきた。

 

 

幼稚園の先生はレオナルドが園児の群れに潰れないか心配なのか顔を青褪めさせていた。レオナルドは潰れはしなくても蒸し暑くて死にそうなので止めて欲しかった。

 

 

大人気なレオナルドはあだ名を付けられた。

 

それがとある動物の名前で、差別の時によく使われた名前……。あだ名は本名であるレオナルドの名前に全くかすらない。まぁ悪意がないと思いアダ名を許した。オッサンな園長がそのアダ名を使えば襲った。幼稚園はソコソコ上手く過ごせた。

 

レオナルドは小学生に上がった。小学校でもレオナルドは大人気。

 

そんなレオナルドでも上手く過ごせた小学校に浮いた小学生が一人、二人いた。

 

一人は男前と言うべきか妙に貫禄がある女児童、レオナルドの心の中での通称は『女傑』

 

レオナルドは年齢を偽ってるかと少し疑っていた。

 

もう一人はパソコンを持ち込んいる常識知らずの女児。自分に対して解剖させてと迫ってくる怪女児童、心での通称怪女。

 

世の中には変わったのが居るモノだとレオナルドは呆れた。

  

 

『ねぇ、これどう思う』

 

そんな変な女と同じクラスになってから数週間経ったある日、変わった一人な怪女にレオナルドは何時も弄くっているパソコンを突然に見せられた。

 

何でかと疑問に思っていたら。この前カレーライスをスクーターに物質変換してたから。レオナルドは何を言ってるんだろうとお思った。確かに不審なカレーライスが落ちてたからスクーターにしたけど、あれは物質変換でなく改造だと。

 

『何処をどう改造してもカレーライスがスクーターになるわけないよ!常識で考えなよ!』

 

学校にパソコンを持ってきた幼女に常識を疑われたレオナルドの心情……。

 

 

話を戻して何故か何時もカチャカチャしてるパソコンを見せられたレオナルド。レオナルドが怪女のパソコンを覗くと変わった研究をしていた。幼女は理解できないだろとか無い胸を張って言ってたが、レオナルドは幾つか目についた問題点を指摘した。

 

固まってしまったので暇でまたカレーライスが落ちてたんで、エンジンつきのスケボーにした。

 

怪女がまた更に荒ぶった『凡人には判る筈……って色んな意味で君は凡人にカテゴライズ出来ない!!』『カレーライスがスケボーになる原理が解らないよぉ!やってる事が蒼狸だよ!……似てるかも?』『ねぇねぇ!この研究が何を目指してるか判る!……凄い宇宙服、いや!合ってるけど!其所はもっとカッコいい感じで!』『えっと!さっき言ってた此れの問題点って……ああ!確かに此れだとエネルギーロスが大きいね!それにこっちも?え、他にも……あ、なんか泣きたい』『ね、ね!君の名前はレオナルドだったよね!こ、此れから君の事はレオちゃんって呼ばせて貰うね!私の事はタバさんで良いよ!イヤだ?そう、だが断る!!』

 

 

 

レオナルドはなつかれた。

 

 

怪女、もといタバがレオナルドをレオちゃんと呼ぶようになってから、レオナルドに対しての対応が一変した。

 

 

今までの無機物を見るような目で見てたのが、猫じゃらしを見付けた猫の様な変化。レオナルドに抱きついては研究の話を延々として来た。レオナルドとしは?が頭に浮かぶが、女傑から言わせるとレオナルドとタバは同種だそうだ。

 

レオナルドとしてはタバと女傑の方が近い気がした。女傑は心底心外そうな顔をしてタバはそうなのと首を傾げた。何だかんだありタバが女傑にもなつきチーちゃんと呼び出した。

 

 

女傑は自分とも仲良くなった。そして親愛として心の中の呼び名を使った。女傑呼びはアイアンクローをされて止めさせられた。

束と同じあだ名被りは嫌と自分は女傑をチッフーと呼ぶ事にした。

 

交流をし出して何ヵ月、タバさんは宇宙服の建造に取り掛かった。レオナルドもたまに手伝いだけをした。本格的な手伝いはタバが望まれなかった。趣向的な違いが有るようだ。

 

宇宙服をスパ○ボ風にするのはダメだったのだろう。ゼオライマ○を目指してたのにはさすがの束もドン引きした。

 

チッフーが言うにはタバもレオナルドも常識外れな存在だそう。チッフーの様なリアル超人に言われたくはないとタバとレオナルドは意見が一致した。

 

クラスメイト全員から三人は同種と突っ込まれた。

 

差別のような人の認識の違いか。

哀しいな。

 

 

束がレオナルドの創ったパソコンに興味を持った。

ためしに使ったタバが言うにはレオナルド製パソコンを使うと、最新式のパソコンでも初期のゲーム○ーイに感じられるそうだ。

 

タバからレオナルドにマイパソコンを便利にして欲しいと(魔)改造の依頼がきた。依頼料のハチミツにつられて引き受けた。

 

 

 

数週間後、レオナルドが作ったタバのパソコンの人工知能スカさんが何をトチ狂ったか面白おかしく世界征服を計画実行し始めた為に、チッフーに討伐されて亡くなってしまった。

 

 

スカさんはダミー会社で二国ほど経済的に支配仕掛けてたようだ。レオナルドの作った人工知能は学習型、タバはスカさんに何を学習させたのだろう?

 

因みスカさんのマスターであるタバは、ノリノリでスカさんに協力した様で、スカさん殲滅後チッフーによる鉄拳制裁が加えられた。

 

スカさんの計画は順調だった。国の機関が調べてる痕跡が有ってもスカさんは見事に隠れきった。

唯一の計算違いは、折角上手くいってたのにタバがスカさんの計画を証拠付きでチッフーに自慢したことかはバレた。何故かなにもしてないレオナルドもチッフーに説教された。解せない。

 

 

スカさんの世界征服失敗から一年、チッフーやタバに兄弟が出来たそう。チッフーは弟さん、タバは妹さん。

妹さんに弟さんはレオナルドにもなついた。ただ、大きくなると妹さんの方に微妙な眼で見られるようになった。

 

中学に入りチッフーの親が失踪した。

 

レオナルドは友人を見捨てるほどに薄情ではない。

  

レオナルドは援助をしようとしたがチッフーは援助は受けない男前思考だった。考えた末にチッフーを急遽創った(建前は)自分の両親が経営してる、殆どがティッシュペーパーが原料の電器店の店員として雇った。

 

中々に繁盛した。支店が出きるほどだ。

原価はほぼタダなのでチッフーには其れなりの給料を出した。これで経済的な問題は無くなるだろう。他にも弟さんの世話等、色々と束さんと共に内緒に支援したりした。

 

チッフーに泣いて感謝されたのは予想外だ。 

 

 

それから一年程してタバさんがとうとう夢の宇宙服ISを完成させた。一時自分が自転車から宇宙船を作って宇宙に連れていった事で、タバさんが不貞腐れて開発が頓挫仕掛けたけどようやく開発が叶った。

 

と喜んでたら。

 

段階をすっ飛ばしていきなりタバさんがISを学会にいきなり発表してしまった。発表したISが笑い者にされたと学会から帰ってきたタバさんが激怒していた。

まぁいきなりポンと研究結果だけ出せば信じなくて笑う人間が多いのは仕方ないだろう。

 

…そんな人間ばかりだろうか?

 

調べるとISの研究内容の幾つかを自分が創ったと発表している学者擬きが居た。実に自爆行動だ。タバさんが動くだろうと予測してなにもしなかった。

 

何週間か荒ぶったタバさんが某国の軍事施設にハッキングをし始めた。

 

流石に不味そうとチッフーに密告した。

 

チッフーに鉄拳付きで説教されてもタバさんは、ISを理解しない凡人が悪いと不貞腐れていた。今回は束さんは激おこで中々面倒そうだと思った。

 

思っていたのに何故かチッフーが此方を指差してこう言うと……アッサリと自分の失敗を理解した。

 

『お前はアレ(レオナルド)を直接見てなくてアレの存在が本当だと思うか?いや直接見たとしても直ぐに本当に存在すると理解できるか。存在すると言った奴を笑わないか。』

 

『……うん!!悪いの私だったかな!』  

 

『判ったか、レオナルドやISの理解は困難なんだよ』

 

『レオちゃんと同列なら仕方ないかぁ』

 

解せない。

 

それで改心した(?)タバさんが為らばと某国の軍隊をISで壊滅させて、世界にISの凄さをめ理解させようと笑顔で言い切った。研究のパクりの報復を兼ねてるようだ。やっぱりバレてたか。

 

秘密裏にコピーして隠していたスカさんセカンドも大賛成。そのまま世界征服をしようと言い出した。

チッフーがお前は世界征服をまだ諦めてなかったのかとブチキレた。闘将を怒らせてスカさんがサードに成りかけるも何とか今回は生き残る。

 

タバさんはその間ガタガタ震えて土下座していた。

 

 

 

チッフーの物理的な説得により束さんは方針を変更。チッフーにISで単独で大気圏を突破してもらい。その後にチッフーさんに宇宙に漂ってるデブリを幾つか回収して貰う。その後に地上に降下。その情報を世界に公開すれば世間もISを認めると計画した。

 

それなら良いかとチッフーも苦笑しながら賛成したので、それから数日間で準備して実際に実行。

 

 

IS着用チッフーは成層圏を突破し、宇宙にまで行きデブリを確保し降下まで無事に成功した。

 

この映像を公開したら世界に認められるとタバさんと自分は結果に大満足…ここまでは。

 

問題は宇宙から帰るときにチッフーが、某国の迎撃ミサイルで攻撃されチッフーが、なんとミサイルを破壊。まぁこれは仕方なかった。自衛で問題ない。日本領海なのに某国からミサイルが飛んで来たけど…。

 

弁解の余地が無いのはこの先。

 

戦闘機が飛んできた。

なのでタバさんと自分は無駄な交戦は避けて撤退する様にチッフーに通信した。

 

スカさんが戦闘機の出動も察知していた。事前に察知していて時間的に余裕はある。そもそも速さもISの方が上、余裕で逃げ切れる。

なのに何故かチッフーはその場で動かず戦闘機と接触、……やって来た戦闘機相手に無双した。

 

 

世界はISを求めてISを認めた。

 

 

 

 

……超兵器として。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ISは女性しか乗れないと言うことが判明して、世界で女尊男卑が罷り通る様になった。

その何年か後、ブリュンヒルデの弟が男性唯一のIS操者だと判明して世界的な有名人になった。

 

何年か後のISを学ぶための学園、IS学園。幼馴染みの篠ノ之箒と織斑一夏は男女で同室となった。

 

「箒、寝る前に聞きたい事が有るんだ」

 

IS学園で唯一の男子である織斑一夏は幼馴染みである

篠ノ之箒に真剣な表情で尋ねた。

 

「あ、ああ!なんだ!」

 

今は夜で此所は二人きりの室内。

箒はベッドに腰かけている。

 

ツンデレ気味な恋する乙女の箒は恋する相手からの重大な話だと真剣に答えようと身構える。一夏が次の質問をするまでの数秒の内に箒の脳内の八割はピンク色の妄想で埋め尽くされた。  

 

「箒、何で俺って男性唯一のIS操者って呼ばれてるんだ?」

 

無駄にイケメンな顔から発せられたのはとても基本的な質問だった。

 

大人の階段上る的な心配をしてモジモジしていた箒は、威圧的に『アン?』と女子がしてはいけない極道のような声を発し一夏をビビらせた。

 

「いや、……何を言っているんだ」

 

最初は怒り次に呆れ顔だった箒の顔がみるみると不安そうに歪んだ。箒が考えたのは織斑一夏が立たされている立場。大袈裟ではなく本当に世界から狙われる唯一の男性IS適合者と言う立場。そして望んで無いのにIS学園に強制的に入れられた。IS学園は女子しか居ない環境。

 

篠ノ之箒も姉の関係で少しだけ似たような立場で有ったからこそ織斑一夏の現状の辛さが判る。箒は心理的なストレスで一夏が自分の他にも男子が居るのだと思い込もうとしてるのかと考えた。

 

「一夏、……男性でISを使えるのはお前だけなんだ。」

 

箒は出来るだけ労る声でだがハッキリと言う。それは逃げを許さないという意味にもなる残酷な言葉。

勿論箒は後のフォローもちゃんとするつもりもある。箒は一夏が其処まで辛いのなら私が支えてやると言う健気な乙女心をもっていた。

 

しかし完全に検討違いだと次の台詞で判明した。

 

「いやいや!箒もレオナルドさんがISを動かせるの知ってるだろ」

 

「え?」

 

それは一夏が幼い時から知っている兄(?)のような存在。そしてレオナルドは確かにISに乗っている。当然だが幼馴染みである箒も知っていた

 

箒は覚えてはいた。だが覚えていて尚一夏が"人類"の男性の中で唯一の操縦者だと認識していた。

 

「れ、レオナルドさん……あ、え……いや、ほら、あの人は…そもそも、人というか」

 

「可笑しいだろ。別にあの人はISに乗れる事を世間的に隠してないのに」

 

レオナルド博士、IS初期から存在するISドライバー。篠ノ之束と共にISを創った博士と言われている。彼は♂だ。ただ女尊男卑主義の女性からも何故か問題にされていなかった。

 

一夏は何故なのか本気で悩んでいた。

 

 

「いや!だから!ほら、レオナルドさんは……ク  」

 

 

口に出すと脊髄反射的に襲われるので注意しましょう。

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2話

【タバさん】

 

クズどもに一度は笑い者にされた宇宙に飛び出るための翼、インフィニット・ストラトス、IS。

 

今では私の開発したISが世界から熱狂的に求められている。バカにしてた癖に手のひら返して恥知らずにも求めてる。バーカ、バーカ!

 

ただしそれは超兵器として!本当にバーカ!!

    

もう!ちーちゃんがやらかしちゃったせいだよ!まったく!タバさんが当初にやろうとした事だけど……自分がやらかしちゃうなんてズルい!!

此はちーちゃんに罰を与えないといけないよね!ヌフフフ……

 

 

 

 

 

ISの開発者と協力者、操縦者でもあり今回の問題の原因は、某場所にある地下の兎とク○の秘密基地に集まっていた。

 

「はーい!皆集まって!」

 

キグルミみたいな兎コスプレをした女子の幼児を集める様な台詞。といっても既に全員が集まっていた。四人(?)だけだが。

 

「さて、諸君、由々しき事態だよ」

 

世界が血眼になって求めるIS開発者、兎コスプレ女子、篠ノ之束は某マダオ司令官と同じポーズを取っている。とてもふざけていた。

 

「……」ウンウン

 

そのウサギの共犯者の白衣を着たク○もといレオナルドは頷きながら見ていない。

2ちゃん○るで、某国の研究員が自分の発明品が盗まれたと騒いでいる件についてのスレを立てていた。その手で良く操作できる。

 

『いやはや、まさかチッフーが戦闘機も戦艦も一機も残さずに撃墜、壊滅させるなんて大胆な事をすると思わなかったよ。アレは世界の軍隊を壊滅させたと言っていいね。

いや以前にボクも軍隊の壊滅を推奨したけどね。まさかそれを反対した張本人が率先してやるとは思わなかったよ。いやぁ本当に面白い、もとい見事な暴れぷりだった。正にベルセルク(狂戦士)だったね。

チッフー女史はボクより世界征服に向いてるんじゃないかな?』

 

愉快そうに笑う紫髪の男性の姿をディスプレイに映した人工知能のスカさんセカンド。因みにファーストは世界征服未遂をやらかして当時の織斑千冬(10)との激戦の末に破壊されている。

 

 

「……」

 

明らかにバカにしてる様なのが混じってるが今回の発端なだけに何も言えない、今回の騒動の原因である織斑千冬(14)

 

頭には罰として一部の女子が発狂する姿、未来でブリュンヒルデと言われる少女の頭には……可愛らしいウサミミが付けられている。羞恥か憤怒の怒りなのかは判らないが顔を赤らめさせていた。

レオタードも着せられそうに成ったが何時もと逆に土下座してまで勘弁して貰っていた。

 

 

『さて何故にチッフーは、数日前に交戦の必要が無かった軍隊の戦闘機をバッサバッサと撃墜して壊滅までさせたのか。少なくともマスターはそんな指示は出していない。それどころかマスターや創造主は止める為の通信を入れた』

 

『我に断てぬモノなし!!』『雑兵が!』『フハハハハハハハ!!!笑止!!』『斬艦刀!一文字切り!!!』

 

 

『通信からはこんな返答?しか聞こえなかった。

マスター達は最初はISの人工知能の暴走を疑った。または宇宙空間に行った時に空気漏れで脳が酸素不足で……。しかし帰還後、どんなに調べてもまったくISには問題が無かったと判明した。つまり原因はパイロット。事実は喜劇だった。

 

初めて宇宙に出て活動、帰還途中にミサイル撃破、更に迫り来る軍隊、色々重なったシュチュエーションが相乗効果となり……チッフーをTIFUYUへと覚醒させたんだ。結局あの暴走はチッフーが興奮してエキサイトして剣客として覚醒したという、誰かが悶絶する事実しか無い。実に愉快な事実だろう』

 

スカさんはウサミミを付けた誰かに向かって説明した。千冬は平然とした顔をしているがウサミミはブルブルと揺れていた。

 

『さてマスター、誰かのせいで当初の予定とは違うが世界各国はISを求めている。どうするんだい。予定通りISコアを渡すかい』

 

「う~んISコアはレオちゃんと二人で用意したし、予定通りなら渡すんだけどぉ~……アイツ等に渡すのは嫌なんだよ」

 

束は珍しく研究以外の事で迷っていた。

 

『フム、マスターなら渡すと思ったが』

 

「うん、最初は渡すつもりだったよ。けどさ、スカさんがどこぞの政府施設ハッ○して調べたあの屑の反応見るとさ腹立つんだもん!あのゴミ等なに束さんのISを自分達のモノみたいに言ってるの!!しかも兵器方向にしか見てないし!あんなのに渡したくないよ!!」

 

束としてはISが兵器化されるのも多少なら容認できるが、完全に兵器としてしか認められないと言う事は目的的に容認できなかった。

 

ISを渡せば兵器として使われる未来しか見えない現状だと、いくら束でも渡すのは躊躇ってしまう。

 

『ふーん、それならISはマスターだけの物にするの、かい。周りが煩いだろうが世界から隠れるのもマスターと創造主なら可能だろう。

いや!何ならいっそうのことマスターが世界を手にするのも、チッフー冗談だよ。だからバケツの水を掛けようとするのは止めてくれ。防水仕様じゃないんだ』

 

「事態を招いた私が言うのもアレだが、このま子招くのも不味いぞ。……コイツと同意見なのも嫌だが姿を眩ますか?」

 

「それはいや!このまま隠れたらISをバカにした奴等を見返すの無理じゃない!学会の研究発表をそのままパクって自分達の発明品だって嘘ついてるのもいるのも放置するの嫌だし。それに隠れたら箒ちゃんと離れ離れに成っちゃう!」

 

「むぅ…」

 

「それはイヤなんだけど、此のままISを渡すのも嫌なんだよね!うー!どうすれば良いと思うレオちゃん!」

 

聞かれたレオナルドは2ちゃ○に何やらコメントを打ち込みながら簡単に答える。

 

『ISコアに制限を付けたらどうだ?』

 

束は少し考えてそれだ!と言った。

 

チッフーは不安そうだ。

 

数週間後、世界を騒がせた篠ノ之束の発明品、インフィニット・ストラトス、通称ISが世界に発表された。

 

そしてコアが配布された。

 

当初はISは兵器として期待されていたが、何故か普通に武装を持つとISコアの機能が停止すると言う致命的な欠点を持っていた。

ただし競技場等の特定の場所でなら武装を持っても機能が停止しないという謎の仕様だった。更に女性しか扱えない仕様でもあった。

 

それと束が以前に学会で発表したモノを元に某学者が、出身の某国の支援を得てISは自分達の発明品だと騒いだが、何故か某国の人間にはISコアが全く反応しないと言う珍事が後日発覚した。

 

開発者が言うには原因不明だそうだ。

 

 

全く原因不明である。

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3話

ISが世界に広がり始めた一年後。

 

ISは戦場には出られない。さらに女性しか乗れないと言う欠点があった。

 

しかし競技場等の中だけでも現行の兵器を遥かに凌駕する光景を産み出すISは、最強の兵器として認識されていた。もっとも一度完全にISが無双してるのが大きい

。そもそもあの無双が原因で武装の場所的な制限は開発者の故意だと思われていた。戦場には出せないと言う邪魔な機能は取り外せるものだと思われていた。

 

 

複数の国が契約を無視しISコアを解体する。しかしISコアを解明する事は不可能。

 

 

ISを本当の意味で手に入れようとIS開発者である束への周辺工作や襲撃が頻発。

あの破壊活動をコア配付という力技で無罪にしたのに、結局は篠ノ之束は世間から隠れることにした。

 

束は隠れるのに自分以上に技術が常識外れなレオナルドを頼る。密かに束と千冬が呼び出された其所は御近所、昨日まで所有権不明の空き地だった土地。

 

「……で、束、此は何の冗談だ?」

 

空き地だった場所には円い建物、メタリックな外壁にはピンク色の塗料をぶちまけられている。シャ○専用と同色の兎の形を模したプール付きのメカメカしい建物。怪しい搬入口が幾つもある。

建物の上にはデカデカと兎さんの秘密研究所と言う看板を堂々と立て掛けられている。天災からして秘密の意味を少しの間真剣に考えさせられる見た目の建物だ。

 

 

「いやいやちーちゃん!変なことが起きると束さんのせいにしないでくれるかな。此はレオちゃんだよ」

 

「……そうか。」

 

「まぁこの外装は私の発案だけど、アダダダダ!!ちーちゃんギブ!ギブだよ!目の前の建物の色と同じのが割れて出ちゃう!」

 

「この駄兎!外装が八割の問題なんだよ!」ギリギリ

 

その光景はまさにゴッドフィ○ガー

 

少ししてレオナルドはドヤ顔?いや、いつも通りの顔で建物の中から出てきた。

ヒートエ○ドされ頭から煙を出して死体の様になっていた束は即座に復活。まるでゾンビ兵。

 

「あ!レオちゃん!この建物なに?外装の案とか聞いてきたの昨日だよね。なのになんでもう完成してるの!もしかして束さんの発案を予想して準備してたの?

え、……違う?フムフム、以前から開発してたお手軽研究所。……へーお手軽研究所だから一から一晩で建てられたんだ。へー」

 

束はその天災的な知能で深く考えると精神衛生上良くないと即座に判断し、スルーする事にした。とても一般的な反応だ。

 

「……レオナルド一つ聞きたいが、お前は束の隠れる場所を用意したのだよな?…なのに…こんな堂々とある秘密研究所があるか!!!一切隠れていないだろう!!

なに大丈夫?…クウカンワキョク?ニンシキソガイ?万一見付かってもジエイロボで…ああそうか問題ないんだな。それならいいんだ!別に詳しく説明しなくていい!」

 

「お、面白そう!ね、ね、後で秘密基地の機能とか詳しく教えてねレオちゃん!と、それは置いとくとして!これなら安全そうだし此所に箒ちゃんもちーちゃんもいっくんも住んじゃわない!」

 

「……少なくとも今は無理だ。既に私は中学を卒業したら日本代表のISドライバーとして選ばれると内定していてな」

 

「え?何でそんなの受け入れたの?…もしかして私の関係で無理矢理に?」

 

「無理矢理ではない…一夏を育てるのに割りの良い仕事が必要でな」

 

「え?仕事はレオちゃんのお店の店員さんで良かったんじゃないの。お給料的にも福利厚生的にも諸々絶対にレオちゃんのお店の方が上だったでしょ?」

 

「……いや、うん、確かにそうなのかも知れないが」

 

『チッフーはISを操縦して戦いたいのだよ』

 

レオナルドが持っているノートパソコンからスカさんの声が聞こえた。

 

「………………」

 

千冬はノートパソコンを睨み付けたが否定はしない。

 

「あ、あーうん、それなら仕方無いかな?ってなにレオちゃん困るって?……え?ちーちゃんにして欲しかった仕事があった?」

 

「む、何だ?その仕事とは…………宇宙要塞を造ったから要塞司令官?要塞の名前はスターデストロイ○。

い、イヤに決まってるだろう!と言うか本当にあったとしても絶対にそれは表に出すなよ!!ならIS専用の空中戦艦の艦長?戦艦名はマク○ス。お前は何を考えている!!どこぞの巨人とでも戦争する気か!!

では防衛方面だと?警備ロボ隊の超AIを付けたG○G部隊とデッ○ーチームのボス?それって勇○ロボだよな?居るわけないよな?向こうで手を振ってるロボ集団が居るのは気のせいだよな!…

 

…なぁ束、頭が痛いんだが」

 

「……ちーちゃんは大丈夫!むしろタバさんを心配してほしい!ISで自信満々だったタバさんなんてプライドがズタボロで心が瀕死だから!それと此所で住むのが面白そうとか越えて凄く不安になってきた!!」

 

「うん、タバ、やはりお前が此所に一人で住んでくれ。お前でも不安になるような場所に住むほど私の神経は図太くはない。神経が不思議素材のお前ぐらいしか住めない」

 

「親友をあっさり見捨てようとするちーちゃんの方が絶対に神経可笑しいとおもうなぁ!」

 

「知らん。そしてレオナルドの暴走を止めてくれ。世界の命運はお前に掛かっているぞ天災(を受けとめる)兎。」

 

「タバさん完全無欠の暴走する側だよ!?何で暴走止める側として期待されるの!それと!天災兎に生け贄的な響きを入れなかったかな!?イヤだよ!タバさんISが活躍するまで逝きたくないよ!」

 

「大丈夫だタバ」

 

「ち、ちーちゃん」

 

「なに、ISは既に受け入れられて活躍している」

 

「それってもう逝っても大丈夫って意味にしか聞こえないよ!?」

 

 

『マスターはいつも通り元気だね。さて創造主よ。チッフーは此処から出ていく方針のようだが良いのかね?  

 

ふむ、チッフーには日本代表を兼任して仕事をしてもらうと…

 

 

ボクが言うのは何だがチッフーも大変そうだね。ククククク』

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。