バカとテストと召喚獣 天才(天災)男子?とバカ共 (五輪)
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バカと私と振り分け結果

秀吉の同類が増えたよ。
やったね。



文月学園

 

生徒達の学力向上とシステムの運用実験の為、オカルトと最先端化学と偶然の産物の『試験召喚システム』が試験的に導入されている学園である。

ここのテストは少し特殊で、解答時間一時間・問題数無制限なので、時間内であれば何点でもとれる仕組みになっている。

テストの点数はそのまま召喚獣の強さになっており、高ければ高いほど有利であり、0点になれば『戦死』扱いで、試召戦争が終わるまで魔の補習を受けさせられるという地獄が待っているのである。

そして、年間最後のテストが『振り分け試験』である。二年次からは、前学年最後のテストの『振り分け試験』の点数でA~Fのクラスに振り分けられる。Aクラスは高得点の人が集まるクラスであり、クラス備品も、教育の場とは思えないほど豪華な物だ。逆にFクラスは学年順位の下から50人ほどを集めた成績最低クラスであり、クラス備品は逆の意味で教育の場とは思えない物になっている。

 

              ☆

 

「アンタ、本当にいいのさね?」

「あはは…。大丈夫ですので。一人だけ受け直すのも、不公平ですし」

 

今の時間だと、ちょうど試験が終わった頃だろう。

私は諸事情があり学園長室にいるので、振り分け試験は受けていない。

 

「でも、これだと問答無用でFクラスだよ。アンタなら、Bクラス…うまくいけばAクラスも狙える学力があるというのに。あの、バカの巣窟Fクラスにねぇ」

「ふふっ。それは楽しめそうですね」

「まあ、アンタがいいって言うならいいさね。今日は助かったよ」

 

              ☆

 

季節は春真っ盛りと言っても良いだろう。暖かな日差し、桜吹雪がとても綺麗だ。そして、私にも綺麗に為し遂げたい事があった。

 

「久留米、何こっそり入ろうとしているんだ?」

「……あはは」

 

私こと、久留米薫は今絶賛困っているのであった…。

私を呼び止めたのが、全身を筋肉のアーマーで覆っているとしか思えない教師の西村先生なんだからだけどね。

 

「今、とてつもなく失礼な事を考えてないか?……まあいい。それはそうと遅刻だぞ」

「あはは…やだなぁ。私は遅刻なんてしてませんよ?」

「ほぅ」

 

筋肉アーマーがドスを一層強く効かせて睨んでくる。ここは言い訳を考えないと!

 

「私が遅刻だと思って無いから、遅刻じゃ無いんです」

「よし、久留米。歯を食いしばれ」

 

筋肉アーマー西村先生が、私を殴ろうとするよ!私は始めのうちは抗っていたが、圧倒的な戦力差により西村先生の鉄拳から逃げるのを諦めかけた時、少年の怒鳴り声が聞こえた。

 

「て、鉄人!あんた最低だよ!まさか女の子に手をあげるなんて…!」

「おい、吉井。お前は勘違いしているし、遅刻だ」

「ほぇ?」

 

先ほど、吉井と呼ばれた少年が間抜けな声をだす。

そして『鉄人』は、この筋肉アーマー教師に対する生徒の間での渾名だったりする。

そして、私は女の子ではなかったりもする。

 

「あのぉ、私一応男の子なんですよね」

「┐┐★+=☆┌→∩=+/&€/<"&/@[/>|&")♪^☆"!?」

「えっ?どうしたんですか!?」

 

吉井クンが……トチ狂っちゃった!? え? 私なんかへんな事言ったっけ?などと、考えていると西村先生が助け船を出してくれた。

 

「いや、大丈夫だ久留米。コイツは処理落ちしているだけだからな。ほら吉井。落ち着け」

 

西村先生が軽い動作で吉井クンの頭を叩く。軽い動作に見えたのに、吉井クンは反動で転けそうになっていた。流石にトライアスロンが趣味なだけある。

 

「がはっ。……僕はいったい今まで何を…。そして、頭がとてつもなく痛いよ」

「あはは…。大丈夫ですか?吉井クン」

「付き合って下さい(大丈夫!これくらい、いつもの事だしね)」

「吉井。言っている事と思っている言葉が逆になっているぞ。そして、何度も言うが久留米は男だ」

「この僕が鉄人の妄言に耳を貸すと思ったか。僕はこの目で見るまで信じないよ!」

 

あはは…はは。吉井クンは冗談が本当に大好きな人なんだなー。ちょっと泣きたくなってきちゃったよ。そりゃあ、今は少しばかり身長が低くて、少しばかり顔が童顔で、少しばかり髪の毛が長いから勘違いされたんだろうなー。違うよ。普段はもっと男前なんだよ…。多分。

 

「それはそうと、お前らのクラス分けの結果だ。まぁ、久留米はもうわかっていると思うがな」

「うーす。鉄人」

「吉井は補習をお望みなようだな。安心しろ、吉井。思う存分堪能させて殺る」

「すいません。鉄村先生。あなたの筋肉談義だけは勘弁して下さい」

「あはは。混ざってますよ?そして、反省して無いですよね…吉井クン」

 

吉井クンは西村先生から小さな茶封筒を貰い、中身を確認しようとする。茶封筒には、『吉井 明久』と書かれていた。

 

「吉井。俺はお前を一年間見てきて、もしかしたらバカなんじゃないかと思っていた」

「そんな台詞を吐けるなら、まだ西村先生もただの人ですね」

「ああ。そうだな……」

 

吉井クンが茶封筒の中から、小さな白い紙を取り出す。そこには、こう書かれていた。

 

『 吉井 明久 Fクラス 』

 

「…お前は、疑う余地も無い大バカだ」

 

これが私のクラスメイト1号の吉井明久クンとの出逢いだった。




久留米の心の中が凄い事になってしまったぜ。

あと、オリキャラ募集しております。
投稿してくださったら、土下寝で喜びます!


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バカと私と自己紹介


「これから、駄文投下作戦…略してDTを開始する」

「止めろ!その略称は色々マズイ!早まるな、スネーーーク!」



???side

 

「わかってた事だけど……Fクラスか…」

 

振り分け試験の日は、ちょっと大事な仕事があって学園には行ってないのだ。従って私はFクラス行き決定!残念!

まぁ、あのAクラスを見た後じゃ誰だって少しは落胆するだろう。どっかの高級ホテルかってくらいの豪華さだった……。ホント、金の無駄遣いだね。

 

「まっ、過ぎた事はしょうがない!前向きに明るくぅ」

 

私は新校舎を通って学園長室に向かう。なぜだか知らんが、あのババァに呼び出しを食らった。まあ、あんなのでも一応学園長だし仕方無いので歩いていると、校門が見える大きめの窓が見えた。あ、確か…ここから桜が見えたような♪

窓から見下ろした景色に映るのは……桜に鉄人に可愛い娘に間抜けな顔…え?あの顔ってもしかしたら……

 

「あ、明久?」

 

間抜けな顔は、会えるとは思ってなかった人の顔だった。…私のずっと会いたかった人。

 

「同じクラスだといいな」

 

私はFクラスだから、明久と同じクラスは難しいかもしれないけど……少なくとも去年よりは、楽しくなりそうだ。ん?だけど何か大事な事を忘れてるような。あ、学園長室行かなきゃ!忘れてたよ…てへぺろ♪ 

 

             ☆

 

久留米side

 

「うわーっ、ばかデカいね」

「ほへー。本当にデカいですね。勉強でこんなにスペース使うんですかね?」

 

私達はAクラスの大きな窓の前でキョロキョロしてました。

去年は特に用事もなかったので、三階はあまり知らなかったんですけど……金色のシャンデリアに、どこか高級そうな絵。ここまで豪華だと落ち着かないのは私だけなのかな?

 

「皆さん進級おめでとうございます。2年Aクラス担任の高橋洋子です。趣味は調きょ…忘れて下さい。これから一年よろしくお願いします」

 

何かおかしい単語が混じってたような気が…。いや、絶対おかしいですよね?

 

「へー。初音ミクの調教が好きなのかな?変わった趣味の人だね?あれってさ、かなり面倒って聞くけど…学年主任の先生だからね…」

 

え?今のそう捉えちゃうの!?絶対違うよね!?私だって初音ミクの方だと思いたいけど!

 

「まずは設備の確認をします。ノートパソコン、冷蔵庫、リクライニングシート……設備に不備や不満のある人は申し出て下さい」

 

これで不満があったら、あなた何様だよ…私の家よりスペック高いよコレ。

 

「では、はじめにクラス代表を紹介します。霧島翔子さん」

「……はい」

 

うわっ。綺麗な人ですねー。この容姿で頭脳明晰。こりゃクラス全員の視線が集まるのも無理はないですね。

 

「……霧島翔子です。よろしくお願いします」

 

あれ?私の気のせいでしょうか?霧島さんの視線がクラス全員ではなく、女子だけなような…そんな訳ないですよね!…ないよね?

 

「あ、久留米ちゃん。急がないとやばいよ!」

「ち、ちゃん!?それって女性に付けるものですよね?私に付けるのはおかしいですよ」

「何言ってるの、久留米ちゃん?それより早く行かないと」

「はぁ…。今は諦めますが、絶対男だって認めさせますからね」

 

       ☆

 

二年F組のプレートの前で私達は正直入るのを躊躇ってました。…だってね…?

 

「ここって廃屋じゃないんだよね?ちゃんとFクラスなんだよね?」

「少なくとも私には、ここが教育の場には相応しく無いって事はわかりますよ」

 

ドアのガラスは割れていて、外壁は落書きだらけ。オマケに蜘蛛の巣まで張り放題。外から見てもかなりガタがきてますね。

 

まぁ、躊躇ってても始まりませんからね。勇気をだしてFクラスのドアを勢いよく開けます。怖かったから勢いが強くなった訳ではないですよ?

 

「ごめんなさい、ちょっぴり遅れちゃいました」

「早く座れ、このウジ虫野郎」

「あはは…。私ってウジ虫野郎だったんですね。ははは…」

 

出逢いがしらに罵倒ですか。中々個性的なクラスなんですね。それにしても、私はウジ虫だったんですね。ちょっとショックです。

 

「あんなに小さくて可愛い娘を!坂本を殺せ!徹底的に殺し尽くせ!」

「「「YES!われわれの魂は美少女と共に」」」

 

私がウジ虫発言で放心してると、凶器を持った覆面集団が教壇にいた赤髪のツンツン野生児クンを取り囲んでました。その速さたるや、熟練の達人の如し。えっ、あなた達本当に危ないですよ!?

 

「あああっ!俺が悪かった!謝るから、謝るから誰か助けてくれ…ぐああああ」

「止めてください!?わ、私はあまり気にしてませんから!このままだと、新学期早々に死者がでちゃいますよ!」

 

何故だか私の言葉を耳にした覆面集団は、皆一斉に『キリッ』っていうポーズをとり普通に席についてくれた。え?なんで?

 

「あ、雄二。実に気持ちのいい朝だね」

「俺は最悪だ!お前だと思って罵倒したら、よりによって…!」

「それは天罰だよ。って、なんで雄二が教壇に立ってんの?」

「先生が遅れているらしいから、先生の代わりに明久を罵倒しようと教壇に上がってみた」

「出逢いがしらに罵倒するような先生はいないと思うけど…雄二が先生の代わり?冗談も笑える程度で言うもんだよ」

「あ?俺はな、お前みたいなただのバカと違って一応このクラスの最高成績者だからな。それと、さっきはすまん。つい、この屑が来たんだと思ってな。俺はクラス代表の坂本雄二だ」

「あはは。気にしないでいいですよ。私は久留米薫っていうのです」

 

謝って来るとこが律儀ですね。流石、クラス代表だけあるって事ですかね。…吉井クンの事は屑呼ばわりですが。

 

「え?本当に雄二がFクラス代表なの?」

「ああ、そうだ」

 

そう言って、坂本クンも吉井クンも同時に口元を吊り上げてます。

ああ、二人揃ってホント悪そうな笑みですね。

 

「これで、晴れてこのクラスの全員は俺の為の捨て駒だ」

 

もの凄い上から目線で床に座っているクラスメイトを見下ろす坂本クン。

 

ーーそう、床に座っているのです。なぜなら、椅子が無いから。

 

「それにしても、本当に凄い教室ですよね…ある意味」

「…うん。雄二と久留米ちゃん。早く座ろうか」

「えー、ちょっと通してもらえますかね?」

 

私達が空いているスペースを探していると、後ろから覇気のない声が聞こえてきました。…ちょっとびっくりし…してないよ!

後ろにいたのは、寝癖のついた髪にヨレヨレのシャツを貧相な体に着た、いかにも冴えないオジサンが立っていた。

 

「とりあえず席についてもらえますか?HRを始めますので」

 

まあ、スーツを着ているし顔からしても学生じゃないだろう。多分このクラスの担任の先生だろう。

 

「はい、わかりました」

「うーっす」

「了解です」

 

私と吉井クンと雄二クンはそれぞれ返事をして適当な席に着く。

先生は僕らを待ってから壇上でゆっくりと喋りだした。

 

「えー、おはようございます。二年Fクラス担任の福原慎です。特技は放送器具関係です。よろしくお願いします」

 

福原先生はチョークの粉等で汚れた黒板に名前を書こうとしていたけれど、諦めてしまった。なぜなら、チョーク自体置いてなかったからだ。

 

「皆さん全員に卓袱台と座布団は支給されてますか?不備があれば申し出て下さい」

 

卓袱台と座布団ってどこぞの昭和だよって感じですよね…。私は生憎レトロマニアじゃあ無いので、普通の机がよかった。

 

「せんせー、俺の座布団に綿がほとんど入ってないですー」

 

やっぱり不満が出るよね。Fクラスだもん。

 

「あー、はい。我慢してください」

「先生、俺の卓袱台の脚が折れてます」

「後で木工ボンド渡しますんで、自分で直しといてください」

「センセ、窓が割れていて風が…」

「わかりました。ビニールとセロテープを申請しておきましょう。…通るかわかりませんが」

 

!?最後投げやり過ぎますよね?…それに、いくらなんでもビニールとセロテープぐらい通るでしょう。

 

「必要なものがあれば極力自分で調達するようにしてください」

 

ああ…。この畳も腐ってますよね。この教室の空気がかび臭いですし。

 

「では、そろそろ自己紹介でもはじめましょうか。えー、そうですね。廊下側の人からお願いします」

 

先生からの指名を受けて、廊下側にいた生徒の一人が立ち上がった。さっき見た霧島さんが綺麗なら、この人は可愛いでしょうか。

 

「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておるぞい。特技はこのとうり声真似じゃ」

 

木下さんが声真似を披露する。流石に演劇部だけあって、ものすごく上手ですね。

 

「ーーと、いうわけじゃ。あ、最後にわしは男じゃからな。今年一年よろしく頼むぞい。」

 

わ、私と同じ苦労をしている人がいたんですね。それにしても、可愛…ってコレは失礼ですよね。

 

「………土屋康太」

 

これは、無口そうな少年ですねぇ。まあ、いい人ならそれでいいですけど。

 

「……特技は盗さ…なんでもない。……趣味は盗ちょ…なんでもない」

 

私はクラスメイトを通報したくはありませんよ?無口そうなのに……行きすぎた行動力だけは止めて欲しいですね。

それにしても、最底辺クラスだけあって女子はいないんでしょうか?

 

「月城春臣です。…振り分け試験で寝てしまって…たはは」

 

あ、女の子だ。中々凄い遍歴ですね。試験中に寝るなんて…。

 

「あ、でも私は一応Aクラス並みの実力は持ってるんで…」

 

おおっ!それは心強いですね。…戦争にちゃんと参加してくれるかな?

 

「趣味は明久と一緒に行動したり、明久とつるむ事です!ちなみに、明久とは幼馴染み?親友っていったところです」

 

よっぽど吉井クンと、仲がいいんでしょうね。ん?なんかうるさいですね…。

 

「よし、吉井を殺せ!」

「「「YES!須川エロジデント!」」」

「ぎぃにゃああああ!か、関節が!誰か助けてよぉぉ!」

「坂本クン?助けてあげたらどうですか?」

「俺はな……」

 

なんですかね?流石に強そうな坂本クンでも、この人数には勝てませんか?

 

「俺は明久の不幸が大好きなんだよ!ふはははは!」

「雄二!さては朝の事を根に……」

「それもある!40%ぐらいってとこだな!」

 

本当に友達なんでしょうかね?この二人は?他人でも、かなり酷いですよね…。

 

「春臣!助けて!お願い!」

「仕方ないなぁ、明久は。ねぇ、私が関与した人達の80%以上はカップルに為ったんだが……聞きたいかい?」

「「「是非とも!春臣女王様!!」」」

 

やっと落ち着きましたね。気を取り直して、次の自己紹介です。あ、次は吉井クンみたいですね。

 

「ーーコホン。えー、吉井明久です。気軽に『ダーリン』って呼んで下さいね♪」

 

『『『ダァァーーリィーーン!!』』』

「ダァァーージリィーーン☆」

 

うわっ。思ったより不快ですね。あはは…。そして、春臣さんは何故に紅茶の名前を?

 

「ーー失礼。忘れて下さい。兎に角よろしくお願い致します」

「明久。不快だ、消えろ。…オエ。」

「…ごめん、雄二。ここまでの威力があるとは。…オエ。」

 

吉井クンの奇抜過ぎた自己紹介の後はしばらく、特に奇抜な自己紹介は無く過ぎました。

私にもちょっと睡魔が襲いかかって来はじめた頃に不意に教室のドアが開き、一人の女の子が入ってきました。

 

「えーと?遅れてすいません?うーん、それとも遅れちゃった?」

 

この娘遅刻に罪悪感持ってないわー。こわいわー。現代っ娘こわいわー。…まあ、私も持ってないがな。

 

『うわ、可愛い。すげータイプあの娘』

『…告白しようかな、俺』

『諦めろwwお前じゃ無理だww』

 

クラスが騒がしくなる中、事情を知っている体の福原先生がその娘に話しかけた。

 

「あー、今自己紹介をしているところなん皇后崎さんもどうぞ」

「えーと。皇后崎涌井です。あ、そんなに身構えなくてもいいですからね」

 

皆は『皇后崎』っていう名字を聞きざわめきだす。皇后崎っていったら、あの有名な航空機メーカーの皇后崎グループだよね?

 

「去年あまり来てないんで学園の事はよくわかりませんが…よろしくお願いします」

 

『おいおい、高嶺の花だぜ。ありゃ』

『だからと言っても、俺は諦めないがな!』

『お、お前。止めろ、早まるな!死ぬぞ!』

 

モテないバカばかりなんだね、Fクラスは。その後、皇后崎さんはそそくさと明久クンの隣の席に着いた。

 

「明久?私の事覚えてる?」

「えーと…確か小5の時に同じクラスだったね」

「ん?なんだ。お前知り合いなのか?」

「ん。ちょっとね」

「お前の事だから、また無意識にフラグを建てたんだろうがな」

「っ///」

「ええぇ!図星ですか!?吉井クンすご…」

「え?僕抜きで何話してるのさ?」

「「鈍感だな(ですね)、明久(クン)は」」

 

私達が吉井クンの鈍感について共通意識を高めていると、坂本クンがふと思い出したように口を開いた。

 

「あ、そういえばもう一人いたな…明久が好きな奴」

「え!?誰なのよ?」

「あーと…確か…久保ーーー利光だったかな」

 

久保 利光 性別:♂

 

「……………」

「おい、明久。人生に絶望した顔でさめざめと泣くな」

「あはは…。吉井クン。これからきっといいことありますよ。多分」

「私もそう思うよ…多分」

「多分って何さ!」

「安心しろ、明久。1/10は冗談だ」

「ねぇ雄二。嘘だと言って?」

「まぁ、皇后崎。これからよろしくな」

「私もよろしくです」

「ええ。こちらこそ」

「ねぇ雄二!嘘だと言ってよ!」

 

明久クンが大声を出しながら抗議してきました。少しからかい過ぎたかも知れませんね。

 

「はいはい。そこの人達、静かにしてくださいね」

 

ちょっとはしゃぎ過ぎたせいで、パンパン、と先生が教卓を叩いて注意してきました。

 

「あ、すいませーーー」

 

バキィッ ガラガラガラ……

 

うえぃ。き、教卓がゴミのようだ!逆にどう使用すれば、叩くだけでゴミ屑になる教卓を生産できるのかが知りたいよ。

 

「え~…変えを用意してきます…」

 

先生は気まずそうに告げると、足早に教室から出ていった。

 

「あはは…。酷いですね…」

「ああ、全くだ」

「うん、あれは凄いわね」

「コントみたいに崩れたね」

 

まぁ、私も我慢出来る方じゃありませんしね。こういうのって先手必勝じゃないですか。

 

「坂本クン。ちょっといいですか?」

「あ、僕も」

「なんだ?二人揃って?」

「ここじゃ話しづらいですし、廊下でね」

「明久もか?」

 

吉井クンは無言で、肯定を示します。

 

「…ま、別に構わんが」

 

先生がいないので、三人揃って廊下に行きます。まあ、廊下の方が話しやすいですしね。

 

「んで、話しって?」

「それが…試召戦争の事なんですよ」

「明久もか?」

「うん。流石に今の光景を見たらね…」

「坂本クンはAクラスの設備を見ましたか?」

「ああ、ブルジョワめ!って思った」

「それで私からの提案なんですが…Aクラス相手に試召戦争してみませんか?」

「戦争、だと?」

「設備をぶんだくれるしね」

「久留米の言い分はわかった。…だが明久。お前の目的はなんだ?設備ではないだろう?」

「カロリー」

「……………」

「……………」

「う、嘘だよ」

 

めっちゃ目が泳いでますよ、吉井クン…。

 

「ま、俺もAクラス相手の試召戦争には興味があったんだ」

「え?どうして?雄二って喧嘩早いゴリラじゃなかったの?」

「殺すぞ。…まあ、世の中学力が全てじゃないって、証明してみたくってな」

「「???」」

「それに、Aクラスに勝てない事もないしなーーーおっと、先生が戻ってきたぞ」

 

坂本クンに促され、着席する私達。それにしても、坂本クンの言葉の本意は何だったんでしょうか?

 

「さて、自己紹介の続きをお願いします」

 

あ、私の番ですね。

 

「久留米薫です。趣味は実験で得意科目は理科全般です。えー、一応言いますが私は男『『『いや、絶対に女の子だ』』』えっ?…あー…よ、よろしくです」

 

もう…最悪です。ぐすん。

 

「坂本君、キミが自己紹介最後の一人ですよ」

 

私がいじけていたら、坂本クンの番が回ってきたみたいですね。

 

「了解」

「坂本君はクラス代表でしたよね?」

「ああ。Fクラス代表の坂本雄二だ。俺の事は代表なんなり、好きに呼んでくれ」

 

ああ。ここから、肝心の本題に入るんですね。

 

「さて、皆に一つ聞きたい」

 

坂本クンは皆の目を見て、それから教室内の各所に移りだす。

そこにあったのは…

 

かび臭い畳が敷き詰められた教室。

 

古くて綿も殆ど入ってない座布団。

 

汚れていて傷だらけな卓袱台。

 

「Aクラスは冷暖房完備で、リクライニングシートらしいがーー」

 

坂本クンが一呼吸おいて言います。

 

「ー不満はないか?」

 

『『『大ありじゃあっ!!』』』

 

これでなかったら、その人は釈迦になった方がいい。

 

「だろう?俺だってこの現状は大いに不満だ。代表として問題意識を抱いている」

『そうだそうだ!』

『この違いは大きすぎる!』

『Aクラスはセコいぞ!』

「みんなの意見はもっともだ。そこでだ」

 

坂本クンが不敵な笑みを浮かべて、

 

「これは代表としての提案なんだがーー」

 

勝ち誇った顔で、

 

「ーーFクラスはAクラスに『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う」

 

坂本クンは華麗に戦争への引き金を引いた。





さて、どうだったでしょうか?

色々とコピ(ry被ってしまいましたがね…

次回は試召戦争!島田や姫路達もでてきます。別クラスでな。

ここで、Fクラスのオリキャラ応募は締切ます。でもAクラス等はまだなので…待ってます!

勿論ただの感想でも喜びます!

例えば
『久留米ちゃんくれ!』
とか
『奉太郎速く書け!』
とか
『秀吉まじ天使』
とか

もう、匍匐前進で喜びますんで!


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バカテスト&オリキャラ紹介

オリキャラ紹介だぜ☆


バカテスト 古典

 

 

『をかし』を使った例文を作りなさい。

 

皇后崎涌井の答え

 

ほのかにうち光りて行くもをかし。

 

教師のコメント

 

正解です。皇后崎さんには簡単すぎましたかね?

 

 

土屋康太の答え

 

このエロ本はいとをか…(血で染まっている)

 

教師のコメント

 

土屋君はあとで進路指導室に来るように。

 

 

久留米薫の答え

 

こんな問題を出したあなた達の頭は、めっちゃをかしい。

 

教師のコメント

 

あなたもですよ。

 

 

吉井明久の答え

 

をかし食べたい。カロリー…

 

教師のコメント

 

この解答にあなたの身の危機をひしひしと感じます。

 

 

バカテスト 化学

 

花火にはなぜ色がついているでしょう。理由を答えなさい。

 

久留米薫の答え

 

炎色反応を利用して色をつけている。

 

先生のコメント

 

先程の古典がなかったら、感心してたでしょう。

 

 

吉井明久の答え

 

絵の具を使っている。

 

先生のコメント

 

…………………。

 

 

木下秀吉の答え

 

色付き火薬を使用している。

 

先生のコメント

 

吉井よりはマシです。

 

 

バカテスト 世界史

 

ハンムラビ王が制定したハンムラビ法典には何法が用いられているでしょう。また、その簡単な説明をしなさい。

 

月城春臣の答え

 

復讐法

目には目を、歯には歯を

 

教師のコメント

 

正解です。普段の生活態度をもっと真面目にしてください。

 

 

吉井明久の答え

 

目には関節を、歯にも関節を

 

教師のコメント

 

あなたが普段どんな仕打ちを受けているか気になります。相談できればしてください。

 

 

坂本雄二の答え

 

目にはスタンガン、歯にもスタンガン

 

教師のコメント

 

紀元前にスタンガンは存在しません。

 

 

オリキャラ紹介(1)

 

【久留米 薫】

 

女の子っぽい男の子?やっぱ女の子?

理系科目においては天才。物理学やコンピュータープログラミングになると、学園長と同等レベルの手腕の持ち主。

ただ、古典はできない。訳せもしないし、書けもしない。

振り分け試験の時はある事情で学園長室にいた。

MIT等からのスカウトの手紙がきていたりするが、無視を貫いている。

しゃべり方が女の子ぽいのは、実家の方針。

 

【挿絵表示】

 

 

 

【皇后崎 涌井】

 

皇后崎グループの社長の娘。

得点はAクラス並みにある。

明久が好き。

一年生の時に仕事上の関係で休みすぎたため《観察処分者》になってしまった。

詳しくは感想参照。

 

【月城 春臣】

 

明久の友人的存在。

半端ない恋のキューピッド。

振り分け試験の時は寝ていた。

得点はAクラス並みにある。

詳しくは感想参照。

 

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお文字が足りねえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!』




挿絵描いてみたぜ☆
画才が足りねえ


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バカと私と観察処分者

ワンパンマンおもしろいよ


坂本クンのAクラスへの戦争宣言。

まぁ、Fクラスの人からしてみれば非現実的な提案ですよね。無様に負けたくもないですし。

 

『勝てるわけがない』

『これ以上設備を落とされるのは嫌だ』

『皇后崎さん俺と食事にでも』

『月城さんがいれば何もいらない』

『久留米ちゃん付き合って!』

 

ううっ、悪寒がするよぉ。

悲鳴とラブコールが教室内のいたるところから上がる。

確かにFクラスでは、無策で勝てないでしょうし……

 

FクラスとAクラスの点数はまず桁が違いますもんね。もし正面突破なら、Aクラス一人にFクラス三人を使っても勝てるかどうか……主席なら、十人斬りもあり得るじゃ無いでしょうか?

 

「勝てない?この中で誰かAクラスと殺りあった奴がいるのか?不可能って決めつけるから、お前らはいつまでも馬鹿なんだ!必ず勝てる。いや、俺が勝たせる」

 

へー、中々格好いい演説ですね。自信もあるようですしね。

 

『何を馬鹿なことを』

『俺達は最底辺クラスだぞ』

『何の根拠があってそんなことを』

 

否定的な意見が優勢ですか。

確かに皆からすれば、なに血迷っているんだって感じでしょうし。私だって坂本クンみたいに自信はありませんしね。あ、でも絶対勝てないとも思ってませんよ。

 

「根拠ならある。このクラスには試験召喚戦争で勝つことの出来る要素が揃っている」

 

坂本クンが自信たっぷりにいい放った言葉にクラスの皆はざわつきます。では、坂本クンの自信の根拠を説明してもらいましょう♪

 

「おい、康太。畳に顔をつけた状態で皇后崎か月城のどっちのスカートを覗くか迷ってないで前に来い」

「…………………!!(ブンブン)」

「覗いてもいいけど…土屋君…高くつくわよ(ニコッ)」

「私も皇后崎ちゃんと同じくね(ニコッ)」

 

つ、土屋クン。止めて下さいね?私だってあまり我慢出来ませんから…。

土屋クンは手を左右に振って否定のポーズを取りながら壇上に上がっていきます。

あ、顔についた畳の跡を隠そうとしてるよ……。

 

「土屋康太。こいつがあの有名な寡黙なる性識者(ムッツリーニ)だ」

「……………!!(ブンブン)」

 

??…ムッツ、リーニ?なんでしょうか、それ?だけど、ムッツリーニにという名前はクラスをざわつかせた。

 

『ムッツリーニだと……?』

『馬鹿な、ヤツがそうだというのか……?』

『確かに……。同時に二人の美少女を相手にするなんて寡黙なる性識者にしかできない芸当だ……』

『見てみろ。あそこまで明らかな覗きの証拠を未だに隠そうとしているぞ……』

『ああ。ムッツリの名に恥じない姿だ……』

 

ああ、だからムッツリーニなんですね。自分の下心は隠し続けるっていう意味で……。

 

「それに久留米も月城もいる。月城はAクラスレベルらしいしな」

「まっかせといてよ」

「あはは。がんばりますね」

 

私が月城さんと同等の扱いを受けるなんて……私そんなに取れないよ!古典は年間平均2点だったし…。

 

『月城さん…いや、月城様!俺をモテモテにして下さい』

『彼女らならAクラス相手でも勝てる』

『久留米ちゃん見てたらロリコンに目覚めそう』

 

あああ…。また悪寒が……。

 

「木下秀吉だっている」

 

え?あの人も有名なんですか?声真似は凄く上手でしたけど。

 

『おお……!』

『ああ。アイツ確か、木下優子の……』

『魔法秀吉 ヒデヨシ!』

 

「当然俺も全力を尽くす」

 

『坂本って、小学生の頃神童って呼ばれてなかったか?』

『アイツも試験真面目に受けなかった組なのか?』

『悪鬼羅刹らしいしな……それはそれで頼もしいがな!』

 

坂本クン…神童って。ま、私も人の事は言えないですが。自慢じゃないですよ?

クラス内の士気は確実に上がってますし、坂本クンやり手ですね。

 

「それに、吉井明久だっている」

 

 

・・・・・・シン――

 

 

坂本クン。なんて人だ!友人の名前を使って士気を一気に下げるなんて……さすが神童…。

 

「ちょっと雄二!どうしてそこで僕の名前を呼ぶのさ!て言うか嫌がらせだよね!」

 

吉井クンの猛抗議も虚しく、士気はどんどん下がっていきます。STOP!STOP PLEASE!

 

『誰だよ、吉井明久って』

『俺は女の子の事しか覚えない主義だからな…』

 

「ホラ!どうせ皆女の子の事しか覚えてないんだし!僕もだけどさ!」

 

『『『ふむ。否定はせん』』』

 

皆さん否定してくださいね?あと、私と木下クンは男ですよ?

 

「そうか。皆知らないのか。知らないようなら教えてやる。こいつの肩書きは《観察処分者》だ」

 

か、観察処分者ですか。私の顔色変わって無いでしょうか?今バレると色々面倒なことになりそうですからね。

 

『……それって、バカの代名詞じゃなかったか?』

 

まぁ、端的に言えばそうなんですけどね。

 

「ち、違うよっ!ちょっと盗んだバイクで走りだしちゃったお茶目な高校生につく愛称で」

「バカの代名詞だが?お前そんなのも知らんのか?」

「さらっと肯定するな、不良赤ゴリラ!」

 

吉井クンと坂本クンのコント(本人達は本気)を観ていると、皇后崎さんが立ち上がりました。さすが吉井クン大好きな人。

 

「あ、でも私も《観察処分者》だよ?今朝なったばっかだけどね」

 

が、学園長!?アンタ、何してんの?私の負担が増えちゃうじゃない!

 

「《観察処分者》は基本的には教師の雑用をするらしくてね。召喚獣の力は強いから、大体力仕事らしいわ。後は物に触れられるのよ。あれは凄いわよ!疲れや痛みのフィードバックがあるけどね」

 

『それじゃ簡単に召喚できないって事じゃないかよ』

『学園長もなんで皇后崎さんにフィードバックつけてんだよ』

『痛いのは吉井だけで十分だよな』

 

皆の敵意は学園長に向きます。どんだけ女の子好きなんですか…。

 

「でも、ババ…学園長から聞いた話しだとこの二年生で一番召喚獣の操作が上手いのは明久らしいわよ」

 

そりゃそうですよね。《観察処分者》は、嫌でも雑用を押し付けられますもんね。

 

「たぶん…明久にFクラスの人達が二人がかりで挑んでも勝てないんじゃないかな」

 

この皇后崎さんの言葉がおいうちになって、皆の士気が戻っていきます。

 

『おお。お前凄かったのか』

『皇后崎さんが言うなら間違いない』

『皇后崎さんと結婚したい』

 

「チッ!まあいい。俺達の力の証明として、まずはDクラスを殺ろうと思っている」

「ねぇ、雄二。さっきの舌打ちはなんなのさ」

「皆、この境遇は大いに不満だろう?」

 

『『『当然じゃあ!!』』』

 

「露骨に無視された!」

「ならば全員筆を執れ!Dクラスの奴等を殺りに行くぞ!」

 

『『『うおおおおおおおおーーっ!!』』』

 

「お前達なら、きっとAクラスの奴等も殺れるさ」

 

『『『俺達を馬鹿にした恨み今晴らす!』』』

 

「皆の者出陣の準備だ!」

 

坂本クンの巧みな話術で見事に皆さんやる気満々になりましたね。ホント、これからどうなることやら。

 

 

 

 

 

 

 

 




文字数少なくてごめんなさい!

僕のHP(hideyoshi photograph)はもう限界なんだ!


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バカと私と開戦準備


頑張れ自分!負けるな自分!
先生!現実君が僕の事を虐めてきます!




 

「明久には重役を言い渡す!Dクラスに使者として逝ってこいって言いたいトコだが…」

 

ほうほう…坂本クンでも躊躇う事があるんですね。オドロキデス(棒)

 

「…正直あの二人(皇后崎と月城)が怖いほど殺気を放ってるからな…。よし、久留米。ここはお前が逝ってこい」

 

ほうほ…ええっ!?ナンデ私ナノカナ?そして坂本クンの俺はまだ死にたくない視線はなに?

 

「大丈夫だ、俺を信じろ。お前が攻撃されても、俺は傷つかん」

「はぁ…」

 

まあ、行きますけど…調子に乗った坂本クンには罰を与えませんとね♪フフフフ。

 

 

            ☆

 

 

Dクラス代表へ

『これは俺様Fクラス代表“坂本雄二”からの伝言だ!心して聞け!俺様と違ってお前らみたいなゴミ屑にはD教室はもったいないから、ふさわしい“坂本雄二”様が貰ってやる!開戦は…………』

 

「これでよしっ♪」

 

私はDクラス代表に向けての手紙を書き、今はそれを渡しに行った帰りです。ハハハハ、ちょっとした悪ふざけもしましたが私は被害者なんです!傷つくのも坂本クンだけでいいから良いんです!

 

「坂本!覚えてなさいよ!ギタギタに…」

「お姉様!そんな豚野郎の事は無視して美春とランデ…」

 

最後のは聞かなかったことにしましょう。て言うか聞いたらマズイ!

 

「久留米薫!只今帰還しましたです!」

「な、なぜ無傷なんだ…」

 

え?生け贄(坂本クン)を使ったからですよ?そんなのもわからないなんてぇ~おバカさん。……でも、見つかったら私コロサレルナ絶対。

 

「まあいい。それより今からミーティングを行うぞ」

「いいわよ。でも、どうせなら屋上でしない?見晴らしもいいし……明久……弁当………きたし」

 

はて?最後の方は聞き取れなかったんですけど、ミーティングは屋上でするみたいですね。

 

「…………(サスサス)」

「ムッツリーニ。畳の跡ならもう消えてるよ」

「…………!!(ブンブン)」

「否定されても……がっつり見てたじゃん」

「…………!!(ブンブン)」

「ここまで否定するなんて、流石ムッツリーニ」

「…………!!(ブンブン)」

「――何色だった?」

「きみどりとみずいろ」

 

やっぱ覗いてたんですね……。あはは…。土屋クンって警察が怖くないんですか?

そうやってのんびりと雑談していると、

 

「明ひ……バカの代名詞と久留米とムッツリーニ早くこい」

 

代表の坂本(笑)クンに呼ばれました。え?私の怒りはあの手紙だけじゃおさまりませんよ?

 

「なんで僕だけバカにされてんのさ!」

「それはお前がバカだからだ」

「ぐっ。正しいから反論できない…」

 

吉井クン…ちゃんと反論して下さいね。そうじゃないとあの(笑)を攻撃できないじゃないですか。

 

「あ、明久。弁当作ってきたから一緒に食べない?」

「え?本当?塩と砂糖以外の食事はひさしぶりって言いたいトコだけど異端審問会が襲って……こない?」

 

見てみると、教室の奥の方に人だかりがあります。人だかりの中心は月城さん?

 

『月城様』

『どうかこの』

『モテない俺達を』

『モテモテに』

『してください!』

『『『お願いしやす!!』』』

 

「うーん。仕方ないおし……」

「月城お前もだ、はよ来い」

「……教えたいけどまた今度ね。あ、そうだ。試召戦争で頑張ってくれた奴に教えてあげるよ」

 

『『『うおおおおおおおおっ!やってやんぞおおおおおおおおおっ!!』』』

 

なにやってるんですか月城さん。士気が高まるのはいいことですけど…その士気が変な方向に向かない事を祈ります。同胞討ちとかね…。

そんなやりとりをしていたら、屋上に着きました。

天気のいい日の屋上はいいですね。風も気持ちいいですしね♪

 

「久留米。宣戦布告はしてきたか?」

 

坂本(ちょっとゴリラ的要素が…以下略)クンが私に聞いてきます。

 

「はい。明日の一限の開始のチャイムを合図に開戦予定って告げてきましたよ」

「なぜ、明日にしたんだ?」

「それは、まず補充試験の為です。私も無得点ですし、皇后崎さんも月城さんもです。これを最初から投入できるのは大きいです。後はコミュニケーションを深める為です。お互いの事を少しでも知れば、気を使わずに済んで戦いも楽になります。」

「ほぇ~。久留米ちゃんってただ可愛いだけじゃないんだね」

 

だから、私は男なので『ちゃん』や『可愛い』は不適切です!

 

「まぁ、とりあえずお昼ご飯食べるわよ。はい、明久」

「っ!塩と砂糖以外の者がいっぱい入っているよ」

「あはは。弁当には普通塩と砂糖は入ってませんよ?」

 

私の発言を聞き顔をしかめる明久以外の人達。な、なんででしょう?

 

「あー。明久の主食は――水と塩だろう?」

「失礼な!砂糖もちゃんと摂取してるさ!」

「塩分と糖分しか摂取できてないのう」

「ちゃんと食べないといけないわよ」

「し、仕送りが少ないんだよ!」

「いや。明久がゲームを買いすぎてるのがいけないんじゃん」

「春臣。なぜそれを知って?」

「お前ん家のゲームの多さを見たら誰だってわかるぞ」

「あはは…。なにか知りたくない情報を知ったような気がしますよ」

「大丈夫だ。気のせいじゃない」

 

気づけば皆、吉井クンに憐れみの視線を送ってました。これって地味な精神攻撃ですよね。

 

「ところで皆さん。私から一つ提案なんですが…………苗字じゃなくて名前で呼びませんか?皆さんと早く仲良くなりたいんで」

「いいわよ」

「うん。いいね」

「別に僕はいいよ」

「俺もいいぞ」

「……異議なし」

「わしもいいぞい」

 

よかった~。無理って言われたらどうしようって内心心配だったんですよ。

 

「涌井さんよろしくです」

「こちらこそ。薫君」

「春臣さんもよろしくです」

「はーい。よろしくねー」

「明久クンもよろしくです」

「うん。薫ちゃん」

「ファッ!?まだ直してくれないんですか」

「ほぇ?」

「今はいいですよ……。雄二(猿)クンよろしくです」

「なぜ俺だけバカにされてるんだ!?」

「気のせいですよ。康太クンよろしくです」

「……こちらこそ。薫」

「秀吉クンもよろしくです」

「よろしくじゃ。お主も苦労してるんじゃのう」

「……はい…」

 

あ。そういえば雄二クン(←もう気が済んだ)に聞きたい事があるんでした。

 

「少し聞きたいんですがいいですか?雄二クン」

「なんだ?」

「なぜ最初はDクラスなんですか?」

「あっ、それ私も思ったわ」

「順番どうりにいくならEクラスじゃろうし、賭けにでるならAクラスじゃろう?」

「まぁな。俺なりの考えがあってのことだ」

 

雄二クンが意味深に頷きます。これはよほどの考えがありそうですね。

 

「どんな考えですか?」

「色々と理由はあるんだが、とりあえずEクラスを攻めない理由は簡単だ。戦って点数を消耗する価値のない相手だからな」

「あ、そういう事ですか」

「えっ?どういう事?」

 

明久クンが納得していない様子です。雄二クンの説明はけっこう分かりやすかったですけどね。

 

「おい、明久。今お前の周りには誰がいる?」

「えっ?えーと…。美少女二人に男の娘二人とバカが一人とムッツリが一人だね」

「誰が男の娘だ!?」

「………俺は男の娘じゃない(ポッ)」

「なんで雄二とムッツリーニが男の娘に反応するのさ!君達の顔で男の娘を名乗るなんてとんだ愚行だよ!」

 

当然私の枠は決まってますね。私はバカに決まってます!

 

「私はバカですね。ありがとうございます」

「む。わしもバカだと思ったのじゃが…わしはムッツリなのかの?」

「何言ってるのさ二人とも!君達は男の娘に決まってるじゃないか!」

「「そんな事実は確認されてませんよ?(いないのじゃ)」」

 

本当に確認されてませんよ?私と秀吉クンはバカの枠に入るべきなんです。そうなんです、はい。

 

「じゃあ俺は…美…少女…っていうことか?」

「………………(ポッ)」

「もう僕だけじゃツッコミしきれないよ!美少女は皇后崎さんと春臣に決まってるじゃないか!」

「明久~。嬉しい事言ってくれるじゃない」

「わ、私が美少女///」

「明久。俺はムッツリじゃないぞ」

「雄二はバカに決まってるじゃないか!」

「………俺もムッツリじゃない(フルフル)」

「そんな渾名(ムッツリーニ)がついてるのに否定できるとは…」

 

だいぶ話が逸れましたね。私のせいじゃないですよ?

 

「雄二クン。話を戻して下さいね」

「ああ。悪い。まず、Eクラスとは振り分け試験の時点で多少の差がついてるだけなんだ。そこで、Aクラスレベルの高得点保持者を投入してみろ。結末は目に見えている。それにこの三人がいなくても、明久は学年一の操作とバカ、康太は学年一の保健体育の高得点保持者とムッツリだからな勝てるぞ」

「うん、さらっと罵倒されたような気がしたけどわかったよ」

「よしっ!今日はこれで解散だ。補充試験組は頑張れよ。Dクラス戦は景気付けも兼ねている。明日は派手に暴れるぞ!」

「それじゃあ、また明日ね」

「さよならじゃ」

 

私もやっと帰れ………ませんか。はぁ。よしっ!もう一踏ん張りです!頑張れ私!負けるな私!眠気に!

 

 

 

 

 

 

 





すいませんんんん!遅くなりました!
今回も短くてすいません!
現実君が僕の事を虐めてくるので、次の投稿は遅くなるかもしれません。
(訳 忙しいので、6月投稿できるかなぁ?)

そして、UAは1500嬉しいですね。
総文字数は10000越え。頑張りました。
だが、内容はまだ試召戦争に入ってません!

   ド ウ イ ウ コ ト ダ !

何がいけないんだぁ!秀吉か?秀吉が可愛いからいけないのか?
そっかそうなのか。秀吉まじ天使。

あ、僕に秀吉の絵を下さい。まじで!(土下寝)


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バカと私とDクラス戦 (1)

 

明久side

 

ジリリリリリリッ!

うーん。うるさいなぁ。あと、三時間寝かせ…ぐぼぁ!?僕の体を駆け巡る痛み!何事だ!?

 

「明久~。もう朝だよ。起きないと…全力でアルゼンチンバックブリーカーをかけるよ」

「吉井明久!只今起きましたッ!」

 

背骨の危機を感じてベッドから飛び起き、壁を背にして防御体制に入る。これぞ、姉さんのプロレス技から逃げる為に開発したフォーメーション A!

 

「なかなかやるね、明久。だけど私からは逃げられない!」

「って、何やってんのさ。春臣」

「起こしに来たんだよ。今日は明久でも遅れちゃ駄目だからねぇ」

「ありがとって言いたいトコだけど、僕の腰骨あたりが物凄く痛いのはなんでかな?」

「私が『飛び膝蹴りから始まる目覚まし術』の封印を解いて使ったからじゃない?」

「貴様の仕業か!」

 

そんな目覚まし術は永久に封印していて欲しい。

 

「まあまあ。おにぎりあげるからさ」

「えっ?本当?」

 

そう言って春臣は、持っていた袋から大きめのおにぎりを取り出す。

 

「さて、問題です。私はなんの具を入れたでしょうか?」

「うーん。常識的に考えて鮭とか梅干し?」

「正解は食べた後で」

 

と、僕におにぎりを差し出してくる。正直ここでのカロリーは嬉しい。今、食費がかなりピンチだからね。

 

「いただきます」

 

僕は春臣のおにぎりを食べた。

そして、吐いた。

…どうしてこうなった?

って言うか、マズイ。とにかくマズイ。味覚がゲシュタルト崩壊しそうだ。誰が水を、水をくれぇ!

 

「さて、具材はなんでしょうか☆」

「知らないよっ!水をッ!水をplease!」

「ヒントは海の幸と山の幸のミックス商品なんだよ~」

「僕を無視して勝手に進めるな!」

「正解は~」

「今頃になって強烈な甘みが!」

「クサヤと蜂蜜でした」

「米とクサヤと蜂蜜のハーモニッ!」

 

僕はその後、学校に着くまで吐き気に襲われた。でも、春臣がお詫びとして学校の食券1000円分をくれたからいいんだけどさ。むしろ、嬉しい。

 

        ☆

 

久留米side

 

「あ、雄二クン。お早うございます」

「ん?久留米か。早いな」

「はい。始めての試召戦争ですしね。作戦の最終確認とかもありますし……」

「そうか。…ところで、お前の下駄箱が大変な事になっていたようだが大丈夫か?」

 

私の下駄箱?…ナンノコトダカワカラナイナー。違うよ。私の下駄箱がラブレターで埋め尽くされていた事実は確認されてないんだよ。あはは。…隣の明久クンに向けたラブレターだったんですよ。そうに違いないんです。まったく、下駄箱の位置を間違えるなんてFクラスにはドジな人が多いのですね。

それに余談ですが秀吉クンの下駄箱も大変な事になってた…これ以上は止めます。私が悲しくなってきました。

 

「まあ、明久のクソ野郎宛ではないと思うがな」

「ゆ、雄二クンは心が読めるんですか!?」

「な、なに!?お前マジであれを明久のブサイク宛だと思って…」

「ブラフでしたか!」

 

私は雄二クンに憤慨しつつ席につきます。さっきの事は忘れよう………心のSDカードから抹消しよう。ついでに、私にラブレターを出した人達も現実世界から抹消したい。

 

「……お早う」

「ん?康太か。例の仕事は終わったのか?」

「……バッチリ。俺を誰だと思っている」

「すまん。さっきのは愚問だったな」

「……ところで雄二。例のブツはいつ?」

「そうだな…明日にでも」

「……了解」

 

二人がなにやら怪しげな会話をしていますね。って言うか『康太クン』×『例の仕事』+『例のブツ』=『犯罪』の方程式が即座に浮かんでしまう私はおかしいのでしょうか?……それに『例のブツ』がとてつもなく気になりますね。

そうした会話を聞きながら試召戦争の準備をしていますと、ドアが勢いよく開いて、教室に人が入ってきました。

 

「おっはようごっざいま~す☆」

「…お、おはよう雄二…うっ」

 

バーンと勢いよく開け放たれたドアから入ってきたのは、元気な春臣さんと多少どころではとどまらないほどグロッキー状態な明久クンでした。

 

「おい、明久。ただでさえみるにたえないお前の顔にグロッキー属性が追加されて15禁になってるんだが……どうしたんだ?」

「いや〜。明久は私が長年の料理(笑)の末に開発した蜂蜜クサヤムスビの実験だ…犠牲になったんだよね」

「言い直しに悪意が籠ってんな…」

「雄二ほどではないよ〜」

「は。俺の半分は優しさでできてるんだよ」

「でも残りの半分は純粋な悪意でしょ?」

「ふむ…。否定はしない」

「あはは…。否定しましょうよ、雄二クン」

 

その後はグロッキーな明久クンの看病をしたり(主に久留米のみが)、Fクラスの黒マスク集団(FFF団)に、なぜかチャイナドレスを持って追われている秀吉クンを助けたり……明久クンは『秀吉のチャイナ姿!?』って飛び起きてましたけどね…。その時の 涌井さんの目力といえば象でも殺れるんじゃないかというレベル。 涌井さんマジ怖い。…なぜだか春臣さんの席付近からも同じような視線を感じたんですが……き、気のせいですよね。そんなこんなでまあ、要するに色々あったんですよ。色々とね。

そして、開戦5分前の今にいたるのです。

 

「よしっ!お前ら…殺る気は充分か?」

「オオオオオッ!」

「目指すはシステムデスクだ!その為にDクラス代表を潰せ!」

 

『キーンコーンカーンコーン』と開戦の合図のチャイムが鳴り響きます。そのチャイムと同時に雄二クンは

 

「我々Fクラスは神風特攻隊作戦〜戦死覚悟(補習室行き)でFクラスの役に立て〜を決行する」

 

なんともそのままなネーミングの作戦名を口にしました。これって、戦死覚悟で突っ込んで敵を倒せっていう意味ですよね。雄二クン…まだ、昨日の事を値に持っているんですね。

 

 

『た、助けてくれぇ!』

『俺も後30点しかないんだよ!』

『その点数なら敵陣に突っ込んで俺の役に立て!』

 

渡り廊下の至る所でFクラス生の悲鳴があがります。無理も無いでしょうね。元々の点数に差が空いてますからね。あっ。わ、私も助けに行きたいんですよ?…でも、少し厄介事に巻き込まれてしまいましてね。

 

「吉井!アンタ今日、女子と登校したみたいじゃないっ!それも親しげにぃ!オシオキよ!」

「ま、待ってよ。島田さん!今は試召戦争中なんだから、召喚獣で戦おうよ!」

 

このオシオキとか言ってる、どこか女性としての魅力に欠ける(特に胸。主に胸。客観的に見ても胸。)ポニーテールの人は島田美波と言うそうです。後のY久クン談によれば『いつも僕に関節技をかけてくる娘。僕が女子と居るとオシオキとか言って殴ってくるんだ』だそうですよ。何それ。メッチャむかつきますね。

 

「そうね。吉井の召喚獣にはフィードバックがあったからボコボコにしてあげるわ」

「先生。フィールド承認を」

「わかりました。古典フィールド承認します。」

 

先生がそう告げると同時に、召喚獣を召喚出来る空間が広がります。これをフィールドと言って、この中じゃ無いと召喚獣を召喚することが出来ないんです。先生ごとに特性があるんですが、大体は10m程度の広さなんですよ。さらに、先生同士のフィールドがぶつかってしまうと『干渉』というフィールドが消える現象が起こるんですけど、それはまた別の機会に。

 

「島田さん。僕を甘く見ないほうがいいよ。これでも古典は過去最高得点なんだ。ーー試獣召喚(サモン)!」

 

そう明久クンが言うと、床に幾何学模様が浮かび上がり武器の木刀を持った、デフォルメされている明久クンの召喚獣が出てきます。

 

『Fクラス 吉井 明久

古典 24点』

 

(((さ、最高得点!?こ、これが?)))

 

あ。皆の心の声がきこえたような気がします。

 

「ウチだって今回は高得点よ!ーー試獣召喚(サモン)!」

 

『 VS

Dクラス 島田美波

10点 』

 

(((あ、アンタもか!)))

 

私と明久クンの心はリンクしました。ついでに古典の先生とも。ふふふ。これは私の点数の見せ時ですね!

 

「明久クン。援護しますよ!ーー試獣召喚!(サモン)

 

『Fクラス 久留米薫

2点 』

 

ふふふ。皆さん驚いてますね。…三人からの視線が痛いほどですよ。さ、さっさと倒しましょうね。

 

「おりゃあああああああ!死になさい、吉井ィ」

「喰らうかぁっ!」

 

明久クンの召喚獣と島田の召喚獣がぶつかります。明久クンのほうが操作技術も上ですし、すぐにトドメをさすでしょう。

明久クンの召喚獣は島田の召喚獣が横に大きく振るったサーベルをジャンプでよけて、隙が出来た島田の召喚獣の顔に木刀を突き刺します。

 

『Dクラス 島田美波

戦死 』

 

「戦死者は補習!!!」

「よ、吉井!覚えてなさいよ!」

 

よし、これでまずは一人目ーー

 

「ーーお姉さまの仇は私が討ちます!試獣召喚!(サモン)

「え?清水さん!?」

 

『 VS

Dクラス 清水美春

105点 』

 

くっ。これじゃあ、私達の勝ち目は薄いかも知れないですね。あれ?明久クンの顔が笑ってます。ま、まさか作戦が!?

 

 

 

 

 

 

 





いやー。色々遅くなってすいません。
現実に負けそうな奉太郎です。

今回でやっとDクラス戦ですよ…
長いぜ……
ちなみにDクラス戦は2〜3回で終わらせようと思ってます。

じゃあ、次にまた投稿できることを祈って…

感想、指摘等待ってます。
Aクラスのオリキャラも募集中ですよ〜


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バカと私とDクラス戦 (2)


画力(ノ∀`)ノ クレクレ


 

「清水さん。話があるんだけど…」

「なんですか、豚野郎?豚臭くなるので早くしてください」

 

清水さんから放たれる言葉は、もれなくきっちり丁寧に悪口という悪口に包まれています。

もう止めてあげて!明久クンのライフはもうゼロよ!

 

「ゴフッ。い、いやさっきの島田さんの話なんだけど」

「お姉さまの話ですか…聞きましょう」

「清水さんって島田さんが好きなんだよね?」

「はい。なに当たり前の事を質問してるんですか、豚野郎」

 

え?…島田……さん…が……好き……?ってええぇぇええええええぇえ!?それにも驚きですけど、さっきの質問を清水さんがさらっと流したのが一番の驚きですよ!

 

「ガハッ。…それでさ、戦死者の補習って戦争の終了まででしょ?」

「そうですけど…何が言いたいんですか?」

「試召戦争の終結まではさ、一日ぐらいかかるじゃん」

「そうですね」

「つまりさ、戦死しないと清水さんは島田さんに会えないって事だよ」

 

ゴトッ。(←清水さんの召喚獣が獲物(大剣)を落とす音)

ザクッ。(←清水さんの召喚獣の足に刺さる音)

 

『Dクラス 清水美春

85点 』

 

「な、何を言ってやがるんですか…ぶ、豚野郎」

「それに補習室にはむさい男達がいっぱい居ると思うんだーー」

「豚野郎様。私は用事を思い出したからこれで」

 

そう言い残して、清水さんは補習室のある方向に猛ダッシュで向かいました。

まあ 、途中で

「敵前逃亡は補習!!!!」

「お姉さまぁ!!待ってて下さいねぇ!」

鋼鉄の錬金術師『西村先生』に捕まってましたが、彼女にとってはそれでもいいのかも知れませんね。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「消耗してても、前線部隊の秀吉クン達が戻って来るまで耐えてくださいっ」

 

無責任かも知れませんが、私から言えるのはこれくらいしかありません。皆さん、頑張って!

 

『殺ったるでぇい!』

『久留米ちゃんの命令だぜお前ら。これは絶対に死守せよ!』

『『『イエス!マイ ロード!』』』

 

あらら?予想外に士気が高まりましたが、これは結果オーライって事でしょうか?

いきなり気持ち悪いほどに士気が高まったFクラスにびっくりしたのか、Dクラスの人達が怯んでいます。その隙を突いて攻撃をするFクラスの皆さん。

そんな事をしてる内に、見馴れた人がこちらに駆け寄ってきます。

 

「明久、薫!援護に来てくれたんじゃな!助かったぞい」

「秀吉クン、大丈夫ですか?」

「生憎、辛うじて戦死を免れておる状態じゃな」

「部隊長が居なくなると困るし、補充してきなよ」

「そうじゃな。言葉に甘えてそうさせて貰うとするのじゃ。ところで、明久達は大丈夫かの?」

「はい。今のところは大きい戦闘はあまりしてませんし…。…あはは。大丈夫ですよ。(古典以外はですけどね)」

 

それを聞いて安心したのか、秀吉クンは教室に向かって走り出しました。それに続くように前線部隊の人達も補充に向かいます。若干人数が少なくなっているのは補習室に連行されている生徒達のせいでしょう。

 

「皆ぁ!秀吉達が帰って来るまで死守するよ!」

『『『ウオオォォオオォオオッ!!!!』』』

「まずは隊列を建て直して!戦死者の分は長物隊でカバーして!それから………」

 

この明久クンの指示のお陰か、まだ大きな混乱は起きてません。向こうも対抗策を練っているようですが、《観察処分者》の明久クンの指示のほうが的確ですね。召喚獣の事はよく解ってますね。

 

 

 

雄二side

 

開戦から二時間たった今、最初は士気と指揮のお陰で優勢だったFクラスも消耗しているようで最初のクラス間の点数差の影響で劣勢を強いられているようだった。

 

『緊急事態です、代表!渡り廊下Bブロックに数学の船越が出現!このままだとBブロックは壊滅です!』

 

数学の船越(四十五歳♀独身)を呼んだのはDクラス。目的はたぶん立会人を増やして一気に畳み掛けるつもりだろう。

よし、明久辺りでも生贄にして切り抜けるか。仕方ないよな、うん。戦争には犠牲が付き物だもんな!

 

「須川!放送室に行って偽情報を流してくれ!内容は 明久×船越 あたりだ!これは絶対に譲れない。」

 

これで復讐と対処は完了した!

何で 明久×船越 なのかというと、船越はモテなさ過ぎて遂には生徒に対して単位を盾に交際を迫っているからだ。この内容だとどんな用事があっても飛んでやってくるだろう。

 

『了解した。吉報をまっていろ、代表』

 

須川はそう告げると、駆け足で教室から出ていった。楽しみだぜ。色々とな!

 

 

 

久留米side

 

ピンポンパンポーン《連絡します》

 

えっと、この声が確か須川クンだったような…攪乱の為の偽情報でも流すのですかね?

 

《船越先生、船越先生。至急放送室まで来て下さい。吉……お前ら何すんだ!?や、止めコペッ­­》

 

シーン…

 

な、何だったんでしょうかね…今の放送。

 

《­­えー。失礼しました。腐名孤死(船越)先生、腐名孤死(船越)先生。放送室にて2−F 須川亮がお呼びです。一人の女性としての貴方に興味があるそうです。繰り返します。“一人の女性"としての貴方に興味があるそうです。》

 

あ。今度は涌井さんの声ですね。声に多少(?)の殺気を孕んでますがね…あはは…須川クンが死んでいなければいいんですがね。 涌井さんが殺人犯は嫌ですからね。

え?何?須川クンの心配?ナニソレ?オイシイノ?

 

《あと婚姻届も忘れずに持って来てね☆》

 

この声は春臣さんもいたんですね。須川クンってばあの二人の無用な怒りを買ってしまったんですね。まさに自業自得です。

 

『今行きますよ!待ってて下さいね須川君!!!』

 

遠くで聴こえた声は船越先生の声ですねぇ。まぁ、攪乱は成功したので良いんじゃないでしょうかね。

 

『す、須川…』

『か、会長』

『お、俺たちの為に…流石だぜ』

『『『モテない事に関しては超一流』』』

 

須川君(モテない奴)の犠牲を無駄にするな!…総員突撃!」

 

明久クンの指揮と須川クンの犠牲で再びBクラスを押し返すFクラス生達。明久クンは完全に須川クンの事を馬鹿にしてもすよね。ま、明久クンを売ろうとしてましたので止めませんが。

 

『おい、聞いたか今の放送』

『ああ。あれが伝説の異端審問会の会長』

『よりによって船越先生なんて……お先真っ暗だな』

 

味方より敵から同情の声があがります。他人の不幸は蜜の味を原則に行動するFクラスでは同情なんてしませんよ。

 

 

 

 

『Fクラス 時堂一矢、戦死!』

『喰らえバカども!うわっ、武器が!?』

『て、鉄人!や、やめろー』

「(ゴスッ)静かにせんか!」

 

士気が高くとも、所詮FクラスはFクラス。最初は目立って無かった点数差が消耗につれ目立ってきました。

仲間がゴミのように戦死していきます。お陰で最初は二十人いた私達の部隊も残りもう四人。私と明久クンを除く残りの二人は消耗が激しくて長くはもたないでしょう。そして、部隊長の明久クンは私のお使い中です。

 

「薫ちゃん!頼まれてた科学の五十嵐先生連れてきたよ!」

「ありがとうございます!明久クン」

 

ようし、コレで古典の時の挽回が出来るよ!

何故自分で行かなかったのかって?それはね五十嵐先生の近くに古典フィールドが張ってあったからなのですよ。

 

『馬鹿め!Dクラス鈴木が召喚します』

『加勢するぞ!Dクラス斎藤も召喚します』

 

「Fクラス久留米薫が迎え撃ちます ーー 試獣召喚(サモン)

 

『Dクラス 鈴木一郎

科学 95点

Dクラス 斎藤淳也

235点 』

 

『残念だったなぁ!科学は俺の得意教科なんだよ!』

 

「薫ちゃん、あの点数はやばいよ。加勢しようか?」

「大丈夫ですよ明久クン」

 

まず、あの点数はFクラスでは滅多にお目にかかれないレベルです。Dクラスでも高得点の部類でしょう。それは素直に凄いと思います。もっとも、私が普通のFクラス生だったらの話ですけどね。

 

「あはは。それは気が合いますねぇ。実は私もなんですよ」

 

『 VS

Fクラス 久留米薫

560点 』

 

明久クンと同様にデフォルメされた召喚獣が出てきます。私の召喚獣は水色と黄緑の作務衣にゴーグル。手には工具箱を持っていますね。弱そうって思った人達出てきなさい。腕と脚を付け替えてあげますから。

 

『なんだよあの点数!?』

『可愛い顔してるのに…まさか可愛い鷹は爪隠す!?』

 

可愛い顔は余計ですよ。って言うか可愛い鷹って何ですか?と無駄な思案をしていると

 

「来てるよ!薫ちゃん敵が来てるから!」

 

明久クンが私を現実世界に連れ戻してくれました。明久クンありがとう。

私は一直線に向かってくる鈴木クンの召喚獣の足を引っかけて、バランスが崩れた隙を突いて工具箱を思いっきり叩き込みます。

 

『Dクラス 鈴木一郎

戦死 』

 

叩きつけられた鈴木クンの召喚獣に気を取られた隙に、鈴木クンの召喚獣を踏み台にして上へ跳びそのまま重力に体重を預けて工具箱を叩きつけます。

 

『Dクラス 斎藤淳也

戦死 』

 

一瞬にして味方が二人もやられた事に恐怖したのか、敵部隊長が撤退の指示を出してます。よく見てみると向こうからは雄二クン率いるFクラス本隊もみえます。

 

「深追いはするな。敵本隊に当たったら一人二人じゃ対処できないからな」

 

あら、珍しい。雄二クンなら高笑いしながら嬉々として追いかけそうなのに…

 

「馬鹿にされた気がするから、薫だけで行くか?」

「いえ。遠慮します」

 

だって向こうの人達古典の先生連れているんだもん。

 





お久しぶりですね。奉太郎です。

書くことが特にないのですが一つ

バカテスト(問題のみ)を募集します!!!
なんでもいいです。久留米達が(多分)全力で解きます。

もう一つ

試召戦争のルールを少し変えてるのですが、それはあとでオリキャラ紹介のとこに追加しておきます。

……。書くことが結構あんじゃん。

Dクラス戦もあと一回で終わる予定です。どうぞ薫達とお付き合い下さいね。

Aクラスオリキャラも募集中です。
誤字誤爆脱字脱毛感想お待ちシテオリマス!



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