九死一生を得たら魔法少女になりました (夜祢亜)
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九死一生を得たら女の子になってました

もしも、次の生を受けれるのなら…

次はもっと楽しい人生を送ろう。

 

もしも、願いが叶うなら…

今度は自分に正直に生きよう

 

と、こんなことばかりが頭の中をよぎる

 

『………ぅ…け…』

 

母さんが何かを叫んでいる…僕の名だ…

 

ああ~今は、目に見える世界が明るく見えるよ

 

そんな事を考えていると、あの時の情景が蘇る…

 

ーーーーーー

 

なにもかわらない…普通の交差点…

僕は自転車で青に変わった横断歩道を渡った。

 

『キキィ、ドン!!』

 

事故だった。

 

要因はドライバーの居眠り運転。

 

出来事は一瞬だった…身を投げ出された僕は身一つで空を飛ぶ感覚を味わい

また…イカロスの翼の如く、翔ぶことを忘れた人間の子である僕は大地に叩きつけられた。

 

ーーーーーー

 

それから、病院に着くまで意識は朦朧とし今に至る

 

~集中治療室~

 

そこの寝台に仰向けになった僕がいた。

 

照明が眩しい…

 

すると、先生たちがモニターを見て慌て始めた。

心停止?懸命に先生はマッサージを行うが手応えがないのか、その手は止まない。

 

僕は死ぬのか…そう思ったその時だった。

 

時間が停まった……

 

『やぁ…』

「…き、みは?」

 

暗闇から現れたのは白い兎の様な猫の様な

謎の生き物だった。

それは、ぴょんと跳ねると先生の手の上に乗る。

 

『僕はインキュベーター、通りすがりの物売りさ♪』

「……ってか、これ脳内に直接届いてるのね」

『そうだけど?』

 

うわ、幻想にしては出来すぎだわ…なんて事を思いながら話を続ける。

 

「その物売りさんが死にかけの僕に何の用だい」

『君に未来を…』

「?!」

 

悪魔かこいつは…それにしては一つ一つの仕草が可愛いのだが…それはいいとして…

 

『僕の事を悪魔呼ばわりする人には嫌と言うほどに関わって来たけれども』

「自覚あるんかい!!」

『ん、そんな事はどうでもいいか…で』

 

冷や汗をかく、確かに未来を生きられるのはいい

しかし……

「代価は?」

『君には僕の仕事を手伝って貰う』

「仕事…?」

『それは、君の返答を聞いた後だ』

 

これを逃したらチャンスはない…

そう心に決めて僕は叫んだ。

 

「僕に明日を!!」

 

『君の願いは聞き遂げられる…安心して横になるといい』

 

そう言われると僕は瞼が重くなっていき、意識はゆっくりと漆黒の帳に導かれていった。

 

ーーーーーー

 

『あのコも、中々の逸材の様だけど果たしてボクのノルマに敵うのかな』

そう、インキュベーターは呟くと夜の闇に消えていった。

 

ーーーーーー

 

日は登り、朝は来る

鳥のさえずりで目を覚ました僕は、アイツと契約をしたことに心から絶望した。

「なんじゃこりゃぁあああ!!!」

 

それは、眼下に広がるなだらかな砂丘と遮るものが何もない股下であった。

 

 

 




お久なのです、どうも作者です。
長い間スランプだった(今もそう)私ですが
前から書きたいと思っていたまどマギシリーズを
始めてみようと思いました。
どうか、生緩い目で見守っていただけると幸いです。
次話から主役の名前が公開されます(お楽しみに)


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九死一生を得たら転生してました

何が起きれば、それに準じて何が起こる…

それを等価交換といいこの世の理、運命にもなりうる定め。

僕は通りすがりの売人から命を買った。

 

「こ、これは何かの夢だ…」

『現実逃避もいいかげんにしなよ』

「誰の性だ!!」

 

いっっつ…骨折した左足のふくらはぎ部分が痛む。

ここは個人病室。少し位騒いでも問題ないだろう。

と、太ももからくるぶしまでを固定している青いギブスの上から患部をさする。

 

『君が望んだことじゃないか?』

「そうだけど、性別を変えるなんて僕は一言も聞いていないんだけど?」

『何事にも大なり小なりの誤差は起きえるものさ』

 

…現に君の願いは聞き遂げられたじゃないか?

 

そうだ、命は救われた。

いつもの日常に戻るにはあの出来事で起きた傷を癒さなきゃいけないが…それは後でいい。

僕は生きてる、それは何事にも代えられないことだから、しかし、気になる。

 

「それでも、何かしらの原因があるんじゃないのかい」

『…人間は非効率的過ぎるなぁ』

「教えろ、雇い主!!」

 

彼は顔を2、3回撫でると話始めた。

 

実の所この世は幾つもの世界に別れていて、

今いる、この僕の体はこの世界のぼk…(ややこしくなるから彼女と言おう)彼女のもので僕と同じ様に事故にあったらしく、同じ様なタイミングでインキュB…(これもいいずらいからキューベーにしよう)キューベーが商談を持ちかけたが、断られて絶命。空になった器が勿体ないと別世界で同じ様に事故に合い死にかけていた僕に商談を持ち込んだ訳だ。

 

「ってことは、君の商売相手は女の子ってわけかい?」

『勘が鋭いね…やっぱり、君を舞台に招きいれても問題ないだろ』

 

そう、言うとどこから取り出したのか無色透明の卵型のアクセサリーを取り出した。

 

「これは?」

『これは一時期、君の器だったものさ…』

「へぇ、これで世界を…ってぇ!!」

 

太陽の光に照らしてみると、そのまま何の事もなく目にdiving inしてきた。

 

『馬鹿かい、君は…』

「申し訳ない」

 

あかん、これ、失明するやつだ…

そう思ったけど、視力は戻ってきた。

 

「あっ、れ?」

『魔法だよ』

「今のが?」

『今の君なら、どんな怪我でも治るよ…』

 

…その骨折もね

 

確かに、言われた通りさっきから足具合がよいこれなら、後数時間すれば歩けるようになるだろう、まっその前に3日程昏睡状態だったのもあってか骨折はほぼ治ってると言っていい。

炎症や筋肉疲労は残っているようだけど…

 

『まぁ、それくらいはリハビリがてら仕事をしてもらうから…』

「そう言えばお仕事って?」

 

キューベーは振り返り様にこういった。

 

『魔獣の討伐さ』

 

 



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九死一生を得たので魔法少女になってみました

それから、夜になるにつれて足の痛みもなくなり、9時頃には右手に松葉杖をそえるだけで歩けるまでに回復した。

その足で彼に言われた場所、屋上に向かった。

 

『やぁ、遅かったじゃないか?』

「それ、つい、さっきまで病人だった人に言うセリフかい?」

『疑問文を疑問文で返すなんてね…まぁ、見てみなよ』

 

そう言われて、フェンス越しに見えたのは深夜の街頭にあったのは、極々一般の帰りのサラリーマンや街人…そして、

 

「あれは…」

『そう、あれが魔獣さ』

 

身の丈は3メートル強あり顔にモザイクのかかった男性の巨体で街のあちこちに散在してた。

 

「…どうやって」

『?』

「だから、どうやってあれを倒せと…」

『簡単さ、君はその方法をすでに知っているはずさ』

「だから…」

『やれやれ、君の内に宿る魔力を解放すればいいんだよ』

 

ほら、はやく…そう、急かされると僕は自身の中に意識を向けた。

暗い…暗い…中に輝く僕の命の灯火。

それを手につかむと僕はこう叫んでいた。

 

 

魔法装甲、起動(セット…オン)

 

 

ーーーーーーーー

 

 

『出来た、じゃないか』

 

そこにいた僕は目映い光に包まれ足元からまるで世紀末覇者の暗殺者のような

端がボロボロになった白の戦闘服に身を包まれた。

 

「ふぅ…げ!!!」

『うん、ちゃんと変身出来たじゃないか』

「変身って、これ…お腹とか、背中とか大事な所以外透けてるじゃないか!!」

『ふむ…僕に言われてもこれだけは仕方ないね、変身後の服装なんて僕に言われてもね。君の気の持ち様に関わるものだから君自身でどうにかするんだね♪』

「気の持ち様?」

 

そう言われたので一度変身を解き、もう一度変身した。

 

魔法装甲、起動(セット…オン)

 

今度はきちんと変身出来た。

ざっくり、説明すると白スクールに前のない長い二重のフリルが膝下まであって白のニーソを穿いており、足と両腕はメカビーストしくなっていているのにも関わらず重たくなく寧ろ、軽々さを印象を受けた。

 

「あれ?」

『どうしたんだい?』

「武器が…」

『…魔法少女だからね』

「いや、杖とか本とかあるでしょ」

『そんな、夢ばかりの魔法少女に世界が救えると思うかい?僕はそう、思わないな』

「この、ブラック企業」

『そのブラック企業に命を助けられた君が言うかい?』

 

あぁ、もう~こいつと話しているとイライラしてくるなぁ…外見は可愛いと思うけど。

 

とりあえず、飛んだり跳ねたりしてみり、空を蹴ったり拳を振ったりしてみた…うん、大丈夫そう。

 

「きゅうべえ、いいよこの身体だけでやれそう」

『魔法少女の特性上、個性によって武具の所有はあるものと思っていたけど…いや、例外はあり得るか…』

「な、何か言った?」

『別に君の気にすることじゃないさ』

 

その時、無色透明のペンダントが煌めいた。

 

 

「どうやら、お兄さん達は我慢ができないみたいだね!!」

 

そうして、僕は迫り狂う魔獣相手に奮える手足で応戦するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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九死一生を得ましたが戦闘してみました

屋上に現れたのは月夜の光を背にした5体の魔獣。

各、それぞれ…雄叫びや身震いを済ませた後、こちらに向かって…

 

「うわ、撃ってきた!!」

 

額の所から、光が集束したと思ったとたん線となって空を切る。

僕は馴れないサイドステップでかわす。

 

『前進するんだ』

「ッ…」

 

奴等から集中放火を食らう前に姿勢を低くして前に跳躍、その勢いでまずは近くにいた奴を…

 

「…ってりゃ!!」

「…(メキャ)」

 

破砕音をたてるとその場で霧散、何かを落としたようだが…それを気にする前に追撃のビームを避ける。

 

後方に避けては殴り、避けては蹴りを繰り返した後に5体いた魔獣を跡形もなく周囲に損害を与えずに静かに治めた。

 

「…はっ、はぁ~ぁぁ(ヘタっ」

『随分、疲れているね…とりあえず、体力を回復するのと…後これを』

 

…と、彼から三角形の立体…黒い三角錐なものを5個程受け取った。

 

「これは?」

『魔獣の核、グリーフストーンだよ』

「…(ポイっ」

『汚物を見るような目で見ないでくれ、僕にとっても必要なものなんだ』

 

投げたグリーフストーンを触角で受け止めると僕に渡した。

 

そして、しっかり説明を受けた。

 

グリーフストーンは魔獣の親の存在とも言える魔人が生み落とす…又は強い負の感情が集まり自然に生成され、普通の人の目では見ることは出来ない、また形状も異なり自然に出来た魔獣は白い衣を纏った老人のような形状をしてるのに魔人から生まれた魔獣は形状や種別が異なるらしい。

それと、魔法少女は魔力を消費するとソウルジェムが濁りやがては霧散して消える事、その濁りを穢れと呼ぶことを学んだ。

 

『とりあえず、君のソウルジェムも穢れを取り除いた方がいい…』

「う、うん」

 

ペンダントにグリーフストーンを近付けると黒い靄の様なものがグリーフストーンに吸われていく。

吸われていくと共にグリーフストーンは振動を初めて卵から換える様なものは直ぐにきゅうべに渡し全てのグリーフストーンを使い切った。

 

『しかし、君のソウルジェムはやはり違うね…』

「え?」

『穢れがあるかと思ったら無色透明のまま…異常だけれど、それ以上に輝きが増しているのは気の性か…気の性だろう』

 

そう、呟くとキュウべえは背中の部分を開くと5つのグリーフストーンを取り込んだ。

 

『なんだい、化け物でも見るような目をして…』

「背中のそこ、開くんだ…」

『君は…』

 

と、いいかけた所に新手の魔獣が姿を表し、私はきゅうべを抱くようにして攻撃を回避、スリーステップで下から魔獣を蹴り上げる。

 

「今夜は寝れそうにないね」

『君の頑張りには期待してるよ』

 

全くブラックな上司だ…と、苦虫を潰した思いを胸に抱いて2メートル半あるフェンスを棒高跳びの様に飛び越え、夜の街へ繰り出していくのであった。

 

 

 

 



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九死一生を得たので自己紹介してみました

名前:神流木 涙(かんなぎ るい)

性別:女(元男12)

詳細:髪はストレートで青みがかった白髪。

趣味は本を読むこと、妄想に更けること、サウナの後に水風呂に長時間浸かること、後、歌うこと、聴くこと。

何事も一つづつこなしていく冷静さを持ちつつ、普段は温厚な性格で凄まじい行動力を持ってはいるが友達は少ない…それは、僕自身が先天性のコミュ障だから、あるいは、僕自身の気の弱さ等から来ている。

主な原因は今は亡き父のしつけと言う名の暴力行為が原因の一つである。

しかし、父のことは嫌いではなく、寧ろ好意を懐いていた。

何故、嫌いになれなかったか、それは父は憧れの存在でもあったからだ。どんな存在かと言うと世間と治安を守る…警務官であったのと剣の師範だったからだ。

スパルタなのは僕が彼から剣の道を習っていたのも要因の1つで彼は僕に強く生きて欲しかったのかもしれない…

まぁ、死人にくちなしとはこの事だが…

お陰さまで、鋼鉄のハート…ちょっとしたことではあまり動じない肝の座った人間には育ったがw

因みに言うが父の死因は仕事による過労死である。

仕事場で倒れたままこの世を去った、葬式では私は涙ひとつ流すことはなかったが、とても辛かった。

そのせいか3日間くらい寝込んで学校を休んでしまった事はまだ記憶に新しい

彼もまた僕の師であったから…

そして、僕は幼い時から習っていた剣を辞めた。

今までに明かしてはいなかったが12歳射手座である。

事故があったのは中学校の入学式の2ヶ月まえだったのでその間は魔法少女として魔獣を倒すべく研鑽を積む気でいる(後、1ヶ月は検査入院と言うことらしい)

 

仕事について:この仕事、魔獣を狩るのは面倒ではあるが嫌ではない…何故ならば、魔獣を倒し街を良くする事に一種の高揚感を感じるからだ…スポーツと同じ原理だと僕は推測する。

 

 

ソウルジェムの色:無色透明…きゅうべー曰くソウルジェムは魂の鳥籠の様なもので僕は僕の身体自体に魂を移し替えたので色味がないのだろうといっていた…ただ、実験には成功したと彼はいっていたので魔法少女でいる内は彼がやって来るのであろう。

 

戦闘方法:武装による打撃近接戦。しかし、他の魔法少女とは違い謎の多い装備であることには間違えはない、今後の活躍でその機能が明らかになるはずだろう。

 

仕様魔法:身体能力向上(パッシブ)

自動修復機能(パッシブ)

反応速度向上(パッシブ)

穢れの自動浄化

 

一言メッセ:「魔法少女か…ちょっと、恥ずかしいな」

 

 



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九死一生を得たら友達が出来ました

それから、3日位経って…

 

僕は病室を移動することになった。

 

そこは七人部屋になっていて同じ年位の人が居ると聞いて、コミュ障気味な僕でも大丈夫なのか…と不安と緊張の波に揉まれながらも少し期待を胸に抱いて、ドアを開けた。

 

すると、廊下まで微かに聞こえていた、しゃべり声も止み…ってか、こっちじっと見てるし!!

 

「は、はじめまして。今日から同室になる、神流木 涙って言います」

「あっ、貴女が噂の神流木さん?」

「はい、僕は神流木ですけど…噂?」

 

そう言うと、茶髪でロングな身がほっそりとしていて、付いてることが出ているキレイな女性が立ち上がってフラフラと近付いてきた。

 

「大丈夫ですか?」

「(チッ)…大丈夫よ、思ってたより貴女…小さいわね」

「…ち、小さい(舌打ちされた…)」

「落ち込んでる頃悪いけど、それ、エコロだから」

「エコロ?」

「エコロケーション!!。音で見てんのよ…彼女は!!」

 

チッ…

 

今度は、ホントの舌打ちだぁ~と、落ち込む前に茶髪さんから頬っぺたを撫でられる。

 

その後抱きしめられだり、頭撫でられたり、手を握りしめられた。

 

「あ、あの…」

「ん?あぁ、ごめん。つい、いつもの癖で…知らない人から、いきなり触られたら驚くわよね?」

「え、えぇ」

 

1分位だろうか…見られた(触られた)後、やっとのこと、彼女からの拘束に解放された。

 

「え、えぇっと、自己紹介が遅くなってゴメンね。私は狙井 優津(ねらい うつ)。市立端奈学園 中等部2年よ…後、車椅子に乗ってるのは~」

「うーちゃん、いいわよ。自分でやるから…(コホン)私は、市立端奈小学校 6年4組 ティルナ・フォルン・クライチェフ・クドウ。日本名では工藤 ティルナよ」

 

その後…

あんたも、名乗りなさいよ…と、

工藤さんの力強い赤眼に睨まれ僕も遅くながら自己紹介をすることにした。

 

「えー、市立端奈南小学校 6年7組 神流木 涙と言います。趣味は…」

 

そこで、さらりと言ってしまった。

 

「魔法少女になって、魔獣を倒すことです♪…(あっ|||)」

「「えっ?!」」

 

あ、多分退かれた。

工藤さんなんて顔が引き吊ってるし…

そんな、中でも話を続けてくれた。

 

「それは、ゲームとか…コスプレとかの話よね?ええ、まだ、小学生ですもの」

「いや、私は…ちょっと、ひくわ」

「いや、本当の話です」

「「まじで?」」

「リアルに誓って…」

「あんた、頭でも打ったんじゃないの?心身に問題ないからって…」

「工藤さん、本当です…」

 

分かりました、では見せます…

 

(魔法装甲…起動…( セ ッ ト、オ ン ))

 

そう、心の中で呟くとペンダントの丸水晶が輝きだし、僕は神秘とも言える光に包まれる。

 

「え、これ…特撮じゃないわよね。うーちゃん大丈夫??」

「何?」

「いま、かんちゃん。変身してるみたい…うーちゃん、何か分かる?」

「ちょっと、風が吹いてるのと…空気?なに、これ(チッ)…何て言えばいいんだろ、神社?」

「あ、収まってく…」

 

そこには、患者服を来た僕でなく…3日戦線を共にした戦闘服に転身した。

 

「あれ、かんちゃん?何か、神々しい雰囲気…触っても?」

「いいですよ♪」

「何かのトリックよ。多分、リアルに変身なんて…」

「信じてもらえますか?」

「私は、良いけど。ティナが…疑いの雰囲気」

「私は、奇跡とかオカルトとか信用しないからね…この世は金と運よ」

 

あーいう、性格の子だから。根は悪くないのよ…

と、僕に耳打ちしてくれ、何だかほっとした。

 

「そう言うことで、新しく入ってきたかんちゃんを歓迎しましょ。ティナ」

「し、仕方ないなぁ…認めるよ。魔法少女はいますぅ…よろしくね、かんちゃん」

「だから、さっきから…かんちゃんって」

 

あ~、それはティナが考えたアダ名よ。るいちゃんじゃ味気ないから、かんなぎを略したんだって、ね♪

 

そう言われた、車椅子の主は顔を明後日の方向へ向けた。

 

 

 




ティナと、うーちゃんの紹介はもう少し後になったらやる予定です。
第1話等で登場しているきゅうべですが…実は原作と違い、左目に傷があり…片目です(と言う設定を記載するの忘れてました(涙))

基本は毎週日曜に更新する予定です。

以上、夜祢亜でした~バイチャ


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九死一生を得た僕は彼と話をしました

はい、どうも~筆者の夜祢亜です。
いや、何分配属先がかわったりとかして執筆する暇のない最近ですが…休日はのんびりしてたりします。(プロットの作成も完遂してないので…汗)
更新は日曜にするので気長に見てやってください


~一週間後のある日の事~

 

ふと、真夜中に目が覚めた。

まだ、5時間程しか寝てないが眠気はスッキリし、意識はクリアである。

 

んっ?…違和感を感じた。

誰かが、いない様な…窓際?

 

「工藤さん?」

 

そう、呼び掛けた言葉は虚空へと消えた。

それも、そうか…寝ていれば反応するはずもない。

そう思い、ベッドを抜け出し彼女の仕切りカーテンを開く…その時だった。

 

「(トントン…)」

「ん?…うわぁ?!」

 

しぃ…

 

背後にいたのは、少し前に屈んで人差し指を立て僕に沈黙を授けんとする狙井さんだった。

 

「(狙井さん、何で起きてるんですか?)」

「(いいから、用事あるのはティナにでしょ)」

 

着いてきなさい…そう、いい放つと昼間とは違う冷ややかな気配を漂わせ忍の如く足音を立てず先を行く。

僕も足音にだけは注意して、後を追った。

 

~~~~

 

暗く足下も覚束無い夜の階段を昇り上へ上へと足を進める。

狙井さんはと、言うとすたすたと経路を辿っていっている距離や感覚を記憶してるかの如く、時々エコロケーションをしながら僕を導く。

 

 

何処へ行こうと言うのかね…

 

かつん、カツンと段差を昇り中途半端に開いたトビラを開けそこへ辿り着く。

 

「ここは…屋上?」

「あそこよ」

 

そこには、真夜中でも輝く外環を夜空に踊る月に負けない町の夜景を越えることの出来ない金網の隙間から臨む金色の髪を持つ彼女がいた。

 

「工藤さん?」

「あっ、かんちゃん? 今、ちょいと忙しいから…」

 

待ってて…言葉を残し視線の先をもとに戻した。

 

(これは…呪い?)

 

魔獣から放たれるモノに酷似していた。

 

 

 

そして、一時がたち…

「何…してたんですか?」

「なにも、してないと言ったら嘘になるわね」

 

そう、言って手にしてるモノをちらつかせる。

 

「イーブル…」

「イーブル?」

「この、鍵の事よ。私たちはそう呼んでいるわ」

 

その手握られた、12、3cm程の骨のような樹で黒色の水晶を覆い被さる様に鍵の形作っていた。

そして、それから発生する黒煙のような霧は魔獣の時より濃く、異様であった。

 

「それをどうするんですか…」

「決まってるでしょ、呪う(つかう)のよ。これを、人に…ね」

「……」

 

すると、ティルナはイーブルを振るい。

3体の魔獣…下半身がなく両手で肢体を支えている、都市伝説にある化け物が姿を表した。

 

私もとっさの判断で変身をし、緊急時に備えた。

 

「あっ、かんちゃん?勘違いしないで別に貴方を襲う気はなくてよ」

「じゃあ、どういう事」

「そうね…遊びかしら」

 

ティルナから放たれた3体の魔獣は獰猛で狂悪な勢いで襲い掛かって来た。

 

まず、狙井さんを抱えるようにして背後にジャンプすると、タイミングを逃し飛びかかってきた1体…Aが空を切る。

 

そして、彼女を安全そうな入り口の付近に運搬すると、その間にBが眼と鼻の先を突っ込み。

それを避け、後続のCに渾身の拳を与える、それを受けたCはその衝撃で霧散した。

 

「ふ~ん」

 

すかさず、AとBの飛びかかり。

それも、勘で右へ左へステップをし身を翻したところでBも滅殺。

 

最後にAは飛び込んできたところを顔面をキャッチして床にバンした。

 

ふぅ…ふぅ…

 

「息が上がってるじゃないの?」

 

今回は、かなり手強かった…ホーミングしてくる極太光線は慣れてきてはいたけど、別々に襲いかかってくる想定で戦いなれてはいなかった。

 

「さっ、遊戯も済みしましたし…話を続けましょう」

「ティナ…そろそろ、その変な敬語止めたら?」

「狙井さん?」

 

そう言えば、さっきから可笑しいと思ったのだが、狙井さんが全く狙われていなかった。

 

「ごめんね、私も魔人なんだ」

「あっ、魔人ってのはイーブル使いの事ね。察して、かんちゃん♪」

「工藤さん」

 

さて、元に戻しましょう。

大きく逸れてるから…

 

と、一呼吸すると話を再開することにした。

 

「えっ…と、実を言うとね。前から知ってたんだよ、貴女が魔法少女だってことが…」

「へっ?!」

「だって、貴方が部屋を移動する前の深夜、街に行くのが見えてたから」

「あっ、だから驚かなかったんですね」

 

まぁ、ね…

ドヤ顔をきめる工藤さんを見て思った、やっぱり悪い人じゃないなって…。

 

「それで、話ってのは?」

「そう、そう…私達を魔法少女にしなさい」

「えっ?!えぇ!?」

「きゅうべさーん」

『あいよー』

 

そう、狙井さんの呼び掛けに答えた白狐のような生き物はフェンスの向こうから身軽そうに飛び越えてここへ来た。

って、ここ8階だけど……色々と大丈夫なのか、この生き物。

 

「きゅうべ、何故ここに…と言うか何で二人が彼の事を?」

『それは、僕がアプローチを掛けておいたからね。因みにだけど彼女たちが僕を視認できるのは彼女達が魔人(魔獣を従えしモノ)だからだよ』

「かんちゃん、険悪そうな顔でこっちを見るのは辞めて頂けるかしら?」

「…工藤さん」

 

魔人…聞いていたのは印象と言うかここまで一般人と大差がないのには正直驚いた。

そう、魔鍵(イーブル)を出されるまでは…

 

「それと、狙井さん…貴方達は一体何を考えているのですか」

「そうね」

 

 

 

 

…世界征服、とか?

 

 

そう、言った瞬間…場の雰囲気が吹雪いた。

 

 

 

 

「じょ、冗談よ。冗談」

「工藤さん~」

『茶番はいいから早くしてくれないかい、ボクも暇人じゃないんだ』

「分かってるわ。単純に言うとね…飽きた(・・・)のよ」

「えっ?秋田?ここは東北地方じゃありませんよ?」

「あ~もう、察しが悪いなぁ…魔人でいることによ」

 

あぁ、成程…だから、魔法少女にしてくれと…

そう、話の流れに踏ん切りがついた僕は彼女に問う。

 

「…で、きゅうべ。僕は何をすればいいの」

『まず、魔鍵(イーブル)を破壊しよう。まずは、それからだ』

 

そうして、床に置かれた2本の魔鍵(イーブル)を変身して、強化した腕力と魔術装甲で押し潰すと微量の魔力と障気を放ち、塵と化した。

 

「へぇ~、案外脆いのね」

『いや、これは想定内だよ。魔力こそ微量だけど、オリハルコン級のモノ迄は破壊出来る筈だからね』

 

ねぇ、それ、どんな夢素材…使ってる本人も初めて聞いたわ。その設定。

 

『次に、彼女達の願いを叶えて魔法少女になって貰うんだけど…涙、君がやるんだ』

「僕が?えっ、でも…」

『そう、不安そうな顔をするのもわからなくもないが、つい昨日程まで君の魔法系統の割出を行ってたんだ』

「魔法系統の割出」

『君には悪いけど先に内容だけは彼女達に伝えてある、後は君次第だ』

 

僕自身…その言葉は僕が1番苦手で遠い言葉の1つだ。

僕は今まで…男であった頃は全ての判断は両親の言うなり、命令通り動く自動人形(オートマタ)だった。

自分の意思で判断で行動を行った事はなかった。

 

『君は、あの出来事で変わった。君は、今までの君ではない…大丈夫、ボクが手を引いてあげるよ』

「きゅうべ…」

 

いいかい、まず二人の肩に手を…

 

「失礼しますよ、工藤さん。狙井さん」

「あっ、はいはい」

 

次に、眼を瞑って相手の鼓動を感じるんだ。

 

「また、この神々しい空気」

『…集中したいので静かにして貰えますか?すぐに終わらせたいので』

「わ、わかったわ」

 

そうしたら、その鼓動の軌跡…光がみえてくるはずだよ。

それに君の魔力を通して、その先、大元…大きな

輝きが見えるだろ?

 

…うん。

 

じゃあ、それを魔力で包んで引っ張り上げるんだ、できるかい?

 

…ん~ん?んん"?

 

いや、できるかい?

 

 

おーい

 

…うるさいなぁ、やってるよ~

これを、引っ張ればいいでしょ?

 

ゆっくりね、後、もう眼を明けてもいいよ

 

 

…眼を明ける?

あぁ、そうだった。魔力の制御でいいのかな?何分、初の試みだったので魔力を感じとることだけに集中して周りの事が視えなくなっていた

 

「ちょっと、怖いけど…」

 

まず、始めに視覚したのは光だった…

それは、私のソウルジェムから起点をなして、

発生している蒼白な光の線で幾何学な模様を描き、大なり小なりの魔方陣を形成していた。

用はもう…

 

「キレイだ…」

『それは、好かった。しかし、これはキミの魔法…他人の絶望をゼロに帰す奇跡。因果の裏切りだ』

使ったとしても後2、3回が限度と言った所だろうね。

 

と、彼はいつもと変わらない声色で言葉を綴った。

 

「3回ね、覚えておくよ」

『ふむ、君が物覚えがいい子だと…祈っておくとしよう』

「神様に?」

『神ね、あんなものに頼るのはボクとして威厳を失いそうになるよ』

「会ったことあるの?」

『ないと、言えば嘘になるが…聞きたいかい』

「…ん、いい」

『そうかい、たく…あの人は……って、聞かないのかい?』

「えっ?だから、別に話さなくていいって」

『ぷっw』

「何笑ってんの…」

『いや、確かにあの人が選んだだけの性格だなとね』

「だから、あの人…ん?」

 

魔力の流れに異常が起きた。

 

『式の終わりだ。魔力の流れをゆっくり抜くんだよ』

「わ、わかった」

『安心していい、この手の魔法は1度意識を抜いた人間は長時間起きないことが多い』

 

さぁ、仕事に戻ろう。

 

そう言って私達、ひとりと1匹は月輝く夜の中。

業務と言う名のキセキを綴った。

 

 

 

 

 



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九死一生を得たら魔法少女になりました~続~

月明かりが闇夜を照らす、静まり返った真夜中。

意識のないぐったりとした二人を尻目に僕たちは話を始めた。

 

『で、何処から話そうか…』

「とりあえず、あの人って?」

『あぁ…』

 

そう、嫌そうに視線を地に落とすと彼は話始めた。

 

『簡潔に話そうか…彼は名もなき神の1人で生前は哲学者だった』

「…うん」

『しかし、ある日を境にその学を異端呼ばわりされて殺されたんだが…後世にその学を評価されて只の魂が神に昇華したんだ』

「へぇ~、神様ってなれるんだ」

『まぁ、殆どは生まれ変わり新たな運命をたどるんだけどね』

 

別枠だったんだよ、彼は…そう言うと、徐に後ろ足で顔を数回洗った。

 

『とある出来事があってね…僕はこの通り片目をやられ、組織から追われる身になり…』

「う、うん…(って、シリアス的な展開ですか!!)」

『必死で追っ手を振り切って、まぁ、気付いたら彼の居場所に辿り着いた訳だ。漸く、ここに辿り着いたな褒めて使わそうとね…そこで僕らはある契約を結んだ』

「契約?」

 

僕ときゅうべーが交わした様なものだろうか?

疑問げに首を傾げると共にそう呟いた。

 

『僕は君を助ける。彼は僕を追っ手の届かない所に送る。簡単な事さ』

「そこにどんなメリットが…」

『弱賛成だね』

 

泡立ちがすごく良さそうですね、と凄味を込めていってみたがあまり効果はないようだ。

 

『とりあえず、この話はここまでとしよう。必要があれば呼ぶといい僕は君を義務として助けないといけないからね』

「そうだね、おやすみ。きゅうべー」

『よい、夜を涙』

 

彼はそう言い残してこの場を去っていった。

 

冬も終わりを告げようとしていたこの季節。僅かに肌寒さがゾクりと全身を駆け巡る。

 

「ん…2人も運べるかな?」

 

とりあえず、魔法で腕部を強化して久藤さんは車イスで狙井さんは担いで病室に戻ることにした。

 

ピキッ……

 

 

この時、僕は自分のソウルジェムに変化が起きているなんて気にも止めなかった。

 

そう、この時までは……

 

――――――――

 

それから、少し時間が経ち。

 

『彼がどんな、人物を助けるのか。とても面白い研究対象を選んだね……K(ケイ)

 

「そう思うかい?」

 

全身赤のローブで口元以外を隠した男をそう呼んだ。

 

『君ことだから、予測できているんだろう』

「どうかな……神様もひまじゃないだ」

『そうかい』

 

きゅうべーは男を素通りして先の見えない路地の奥へと停滞していた歩を進める

 

「どこへ?行くんだい、きゅうべー」

『君も分かりきった事を聞くものだね……彼女(・・)の所さ』

「彼女?あぁ~、放って置いてもいいじゃないかな。いつかは巡り合う運命だ…手出しは厳禁だ」

 

きゅうべーは、はぁ~と溜め息をついてこう答える。

 

『現場確認は怠らないのがボクの性分なんだけどな』

「組織から追っ手もなく、生きていけるのは誰のおかげかな」

『……』

 

まっ、それはそれでそそる展開になることは分かっているんだけどね……

そう言った赤ローブは風のように姿を消した。

 

『ホント、困った主だ……』



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九死一生を得た私達は情報を得ました

翌日、病院内で奇跡が起きた。

 

生まれつき脚が不自由で片時も車椅子を手放せなかった乙女が急に立つことが出来る様になったり、

もう、2度と色を取り戻すことが出来ないと医師が申告した少女が眼が見える様になったりと病院内が騒がしくなった。

 

 

 

……それから、1週間位経ったある昼前の事。

 

僕は病室を出て屋上へ向かった。

 

「遅くなっちゃってごめんなさい」

 

そこには、院内では話題の人達が居た。

 

「遅かったじゃない、かんちゃん」

「えぇ、遅すぎるわ」

「もう、少し寝かせてよ~」

「「だ~め」」

 

二人は小悪魔的な笑みを浮かべ僕の願いを拒否した。

 

「どうせ、夜には会うのに……」

「取り敢えず、こういう事は昼間に聞きたいじゃない?」

「そうね、夜は夜の……昼は昼の話をした方が周りにはバレないと思う」

「ん~そうかなぁ」

 

そう言う所だよ、かんちゃん…

狙井さんは左眼を閉じ、右手を表にして人差し指をこちらに向ける。

 

「それはそうと、かんちゃんは本当に可愛いよね。目治してくれて、ありがとう」

「イヤイヤ、面倒事に巻き込んだのは僕のせいだから気にしないで欲しいなぁ」

「はいはい、かんちゃん?うーちゃん?脱線はそこまで。本題に入りましょう?」

 

そう……本題である。僕は夜な夜な魔獣を2人と狩りながら昼間は試験を受けていた。

 

「学園に受かりました」

「おめでとう、かんちゃん。私が少し勉強を教えていたかいがあまったわ」

「そう言えば、工藤さん?」

 

ティナでいいわ…何よ?

僕はふと疑問に思ってしまったので思わず聞いた。

 

「ティナは試験受けなくてよかったの?」

「私とうーちゃんは精密検査で忙しかったからね…試験?これよ」

 

親指と人差し指で丸を作る

 

「良いよね…いい所のお嬢様は」

「うるさい、パパが許してくれなかったのよ。私頭良いのに」

「ティナって、頭良かったんだ。羨ましい」

 

もっと、褒めるがいいわ。

ティルナは鼻高になる……

 

『 皆お揃いで』

「やぁ、きゅうべ」

 

くしくし、彼は後脚で顔を撫でる。

 

『 ところで、優津。ティルナ。体の具合は?』

「私は大丈夫」

「えぇ、良好よ」

 

良かった……きゅうべは軽く頷くと僕の方を見た。

 

『 涙……いや、君たちに伝えなければならないことがあってね』

 

その言葉で場の空気が重くなる。

なにを言うつもりなのだろうか……

僕は少し身構える。

 

『 そう、固くならなくていい。今回、ボクが

話に来たのは魔鍵(イーブル)と2人のソウルジェムの話だ』

 

「「……」」

 

その事を聞いて2人は頷いた

 

「私達のソウルジェムがどうしたの?」

『 君たちのソウルジェムはソウルジェムじゃないんだ。そうだな、強いて言えば【ソウルクリスタル】と言うべきか』

「クリスタル……」

 

そして、きゅうべはソウルクリスタルについてわかった範囲で教えてくれた。

ソウルクリスタルはソウルジェムと違い濁らず魔力を使用出来る代物で魔力の限度はソウルジェムよりも少ないが使える魔法も今の所低燃費な事から普通の魔獣を倒すのには支障がないこと(これは、ココ最近の魔獣狩りから算出したデータだという)

 

「じゃあ、魔力が枯渇したら?」

『 ……物凄く疲れて、駄目人間になると思う。多分』

「人様の前で醜態を晒すのはなぁ」

 

次に魔鍵の話だ。

この街、端奈市は何故か魔獣が良く発生していて街全体から呪いが溢れていて魔獣の他に魔人らしき人物がいるもの確認したらしい。

 

『 で、2人の話をこの前聞いたけど売人がいるようだ』

「売人?」

「えぇ、私達に魔鍵を与えた男よ」

「名前は確か……なんか呼びずらい名前だった」

 

そいつの特徴は全身包帯でぐるぐる巻きにされていて、なんというかミイラが服を着ている見たいらしい。

 

『 取り敢えず、注意してくれ。じゃあ、ちゃんと伝えたからボクはこれで』

 

きゅうべはそう言って屋上から姿を消した。

 

「じゃあ、言うのも遅れたけど改めて言うわ」

 

優津がそう言う前に少し冷たくしかし、徐々に春の訪れを感じさせるような暖かい風がそっと吹いた。

 



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九死一生を得たので自己紹介してみました~2~

名前:狙井 優津(ねらい うつ)

性別:女(15)

詳細:

市立端奈学園 中等部2年(元 射撃部)

髪型は黒髪ロング

幼い頃から空手や射撃を習わされ小等部にして全国1位の実力を持ったスナイパー。

しかし、その事を余りよく思ってたいなかった部員達に事故を装った勝てない喧嘩を受け瞳の視力を失った。

(その代わりエコロケーションを取得している)

中等部はそれで1年間留年している。

物覚えは良くまた、やる気さえあればその道を極めることも出来る能力を持っている。

体型的は中2にしてはスタイルがよく、お淑やかな和風女子と言っても過言ではない。

趣味は読書。好きな本は駄々田 御侍(だだだ おさむらい)の回れメロン。

 

ソウルクリスタルの色:

深い青

 

魔法少女時の服装:

青タイツ(白いニーソックスとアームカバーを着用、縁は金色)

 

戦闘方法:

武装であるライフル(G36Kをモデルにロングレンジ、精度を拡張したもの)での遠距離戦闘と、持ち前の空手技術を生かした近接戦闘の二刀流。

エコロケーションのスキルもあるので

 

使用魔法:

知覚向上(パッシブ)

反動軽減(射撃時)

 

一言メッセ:「援護は任せて欲しいなぁ」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

名前:ティルナ・フォルン・クライチェフ・クドウ

(工藤 ティルナ)

性別:女(12)

詳細:

髪型は茶髪のショート。

小1の時に友達を庇い喧嘩を制し、その時相手にした上級生に目を付けられ階段から突き落とされ頭を強打。下半身不全となり今まで病院生活となった。

工藤家は他の国から渡来してきた貴族で彼女の家もかなりの豪邸であるそうだ。

性格は経歴の通り強気のお嬢様で気に食わないことがあれば即言葉に出すが頭も回る方なので大抵の事は上手くやれる。

スタイルは涙と同じように発育が良くなく基礎筋力もない。また、肌も白い。(そこの所は少し安心している)

得意と言うか、趣味で占い(余り当てにならない)やお菓子作りやったりする。

 

 

 

ソウルクリスタルの色:

オレンジ

 

魔法少女時の服装:

中華の武闘家を思わせるような丈の短いオレンジのチャイナドレス(縁や模様が赤い)

 

戦闘方法:

脚に装備されているメカメカしいロングブーツを使い戦う脚だけの近接戦闘。

空も飛べるので陸空はお手の物戦闘技術はこれからそなわっていけばいいさ。

 

 

使用魔法:

身体能力向上(パッシブ)

浮遊魔法(変身していなくても使用可)

 

一言メッセ:「涙の邪魔にならなきゃ、いいけど」



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九死一生を得た私達は進学しました

「涙、入学おめでとう」

「ありがとう、お母さん」

 

本当、あんな事故が会ったのに無事中学生になれるなんて……お父さんが居たらさぞ喜んでたでしょうに。

お母さんは僕の肩をそっと叩くと目尻に浮かぶ涙をもう片方の手で拭う。

 

「私はお仕事で行けないけど。気をつけて行ってきなさい」

「うん、僕。頑張るから」

 

そう、玄関を飛びたしカーポートに止めてある赤いマウンテンバイクで学校へ向かった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

市立端奈学園……

 

端奈市唯一の中等部から高等部までのエスカレーター式の学校で敷地面積は他の街の学校とは比べ物にならず。

ここでは、高等部に上がると普通科、工学科、商業科、後、農林科に別れており街の中心部に位置する。

 

僕は徒歩で通学している生徒を尻目に自転車で正門まで来ると近くの駐輪場に原付バイクの高等部の生徒に挨拶をし、教室へ向かう。

 

「あら、かんちゃんじゃない。早いわね」

「30分前は早いかなぁ」

「朝は苦手って、病院でも言ってたでしょ?」

 

そうなんだけど、昨夜は今日のことがあるから狩りは遠慮してたんだけど……

少し不満げになるが気にしない。

 

「そう言えば、ティナは足の調子は?」

「えぇ、お陰様で。もう、走ることも出来るわ……体育の授業はまだ無理そうだけれども」

 

そっか……等と、2人で会話をしてたらほかのクラスメイト(2,3人)が話しかけてきて、2人とも雰囲気いいね、どんな関係なの?ってから始まり自己紹介をした。

 

「私は、高藤(たかふじ)。何かあったら相談して?私、委員長になるから」

「俺は、則巻(のりまき)。よろしくな」

「ぼ、ぼくは天青(てんせい)。よろしく」

 

 

……ここでも、上手くやっていけそうだ。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

~4時限目が終わり昼休み~

 

僕はある場所へ向かう……旧校舎として使われて、今では生徒達が集まり日夜活動してる場所……部室棟に訪れた。

 

扉を開け階段を昇り、奥から3番目の部屋をノックする。

 

「失礼します……」

 

そこには、家から持ってきたであろうサンドイッチを口へ運ぶ狙井 優津さん、御本人がいた。

 

「迷わずによく来れたね」

「えぇ、魔力を辿って来たので……」

「流石、魔法少女の鏡ね」

 

そうでも無いですよ……魔力の他に何故か彼女の達の居る方向が感じ取れるのだ。

(これも、一種の魔法だろうか……)

 

「所で、ティナの姿が見えないのだけど?」

「彼女は……競走よ。とか言ってクラスからどこかへ行ってしまいましたが?」

「ここよ……」

 

窓際に立ち肩を上下に激しく揺らす彼女が気が付かないウチに現れた。

 

「ティナ。ここ、何階と思ってるの(汗)」

「3、階ね……(汗)」

 

取り敢えず、彼女の息が整うまで会話を中断する。

 

「あれから、直ぐにいなくなりましたけど……どこへ?」

「理事長に挨拶に行ったあと、ダッシュでここに」

「こら、私生活で魔法使うのは禁止だったでしょ」

 

狙井はティナの両頬をつねるとこねくり回す。

 

「ほひょくはひひょうらったひやら、ひたい!! ひたい!!」

「もうしない事」

「ひゃい」

 

ティナは頬を優しくさする。

 

「それで、僕達をここに読んだ訳とは?」

「あっ、それはね。この部屋が私の部室だからだよ?」

「「部室?」」

 

言ってなかったけ?

狙井は話し出した……2年前。入学式の後、部活の出店があり物見遊山していたところ(空手部と射撃部は合格時から活動している)。

困っていた先輩方(高等部3年生 3名)にあい、事情を聞くと……

 

「実は後継がいないんだ……」

 

彼らは文芸部、天文学部、オカルト研究会の部長であり、互いの部員だと言った。

 

「そして……」

「そして、引き受けたんでしょ?」

 

はぁ~、ティナはやれやれと両手をあげる。

 

「で、これがその部活室なのね。《試は?》ようは?|」

「……3人で」

「3人で?」

 

お弁当箱にあったサンドイッチを食べ切るとこう言った。

 

 

「3人で部活。作ろう!!」

 

「「はぁ??」」

 

僕達は頭が真っ白になった。

 



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九死一生を得たので部活を作りました

そして、時は過ぎ……

 

「ねぇ、かんちゃん。部活の名前決まった?」

「(いまは、それどころじゃない……)」

 

寸での所で魔獣の光線を躱し、背後現れた別の魔獣を殴る。

 

「出来るだけ、分かりにくいモノがいいよね…ティナは案とかある?」

「ハッキリとは言えないけど、オカルト研究会じゃダメなの?」

「(……)」

 

さっきから、よく言っているけども……今はそんな談笑してる暇は僕にはない。

何故なら、周りを魔獣に囲まれているからだ。

 

「って言うか、二人とも仕事してよ!!」

「ごめんごめん、うーちゃんの護衛って楽だからさ」

「私はちゃんとやってるよ、ほら」

 

丘の上ここから 2km以上離れた位置から緑の閃光が魔獣の額を貫く。

 

「ティナ、魔法ってドイツ語でなんて言うの?」

Zauber(ツオヴァ)って、なんでドイツ語?」

「かっこいいかなぁーっと」

 

続けて2射3射と、銃を撃つ……そのどれもが素早く動く魔獣の額目掛けて放たれる。

 

「狙井さんは凄いね。」

「伊達に射撃日本一じゃないからね」

 

なんか、嬉しそうだ。

この日僕らは、3時間余りで30体程の魔獣を討伐した。

役割を決めて行動すると言うのはこれが初めてでなんと言えばいいのか……心強い印象を感じたのだった。

 

~数日後~

 

「神流木さん、やつれてるけど大丈夫?」

「……へいき、へいき。何ともないよ」

 

ここの所僕は、昼は授業、夜は仕事で休める日がなく身体、精神共にボロボロに成りつつあった。

 

「神ちゃんは、気を負い過ぎよ。」

「ティ~ナァ」

 

地獄から、響かせる様な声で威圧すると彼女は少し跳ね数歩後退した。

 

「神ちゃん、取り敢えず昼休み。いつもの所ね」

「分かったよ」

 

渋々、ティナの言伝を聞いて昼休み部室へ赴く。

 

「ティナ、近頃手を抜いていません?」

「えぇ、ちゃんとしてるわよ」

「……」

 

その視線の先、机に突っ伏している僕がいた。

 

「しんでるわね、神ちゃん」

「仕方ありません。この所、毎晩の様に狩りに出かけているので」

「狙井さん達はよく寝ずに、生活できますよね。僕は無理です。」

 

ティナや狙井さんは一度、目を合わせるとポツリと言った。

 

「神流木さん(かんちゃん)、ちゃんと魔法使ってる?」

「はぁ??」

『やぁ、僕を呼んだかい?』

 

開けたはずのない窓の所に現れた白い上司の両耳を片手で掴み、勢い良く振り回した。

 

 

~数分後~

 

『うぇっぷ。君の性でグリーフストーンを吐きそうじゃないか』

「誰かさんの伝達ミスだと思うんだけど」と、ティナが言う。

「知らない」

 

と僕はそっぽを向き、狙井さんから疲労初期の魔法を教えてもらい自分にかける。

 

「ふぅ~、魔法って便利だね」

「いいままで、身体強化の魔法のみで戦ってきたことに、私はびっくりよ」

『所でボクに用事があったんだよね?』

「それなんだけど……」

 

狙井さんは、キューベーにこれからの事を相談した。

 

『ふむ、世間には隠れ、狩りをやっていく方法か……そもそも、魔法少女は群れ(チーム)で行動するのは珍しからね』

「魔法少女の先輩とかいらっしゃらないの?」

『いなくはないが、隣町だね。これは、ボクの提案なんだが……』

「?」

『人間には対価を得ずに活動を行うボランティア部と言う組織と

魔法や魔術等を研鑽するオカルト部なんて組織がある。

ボクが提案したいのはその二つの活動を一つ組織にしてしまえばいいってことだ。

魔獣は人が関わる所によく現れるからね』

「「「いいね、それ!!」」」

 

僕たちは早速用紙に必要事項を記入し、放課後職員室に行った。

 

「文芸部と天文学部、オカ研をなくして、ボランティア活動をするオカルト研究部ねぇ」

「はっはい」

 

彼女は、科学の教師 七津奈木(ななつなぎ)先生である。

 

「顧問は?」

「まだ……決まってなくて」

 

ふん~、と先生はマグカップに入っている少し冷めたコーヒーを一口含むと、

 

「分かった。私がやるわ」

「あ、え!ありがとうございます」

「任せて、部室も用意出来る様に教頭に掛け合ってみる」

 

先生は内線で少し会話をすると、あっとした顔で、こっちを見た。

 

「部活名は何だっけ」

「“ヤドリギ”です」

 

翌日、先生に呼ばれて部室棟の今は使われていない部屋を使っていくことになった。

 

 

僕たちは、先生に教えてもらった場所に向かった。

部屋は、埃にまみれ重たいカーテンを開くと少し傾いた日光が一気に部屋中に行き渡る。

窓を開けると、春と呼ぶには少し生暖かい風が吹き込んで来た。

 

「始まるんだね」

「頑張るよ、僕」

 

光に反射して煌めく透明なソウルジェムを握りしめながら、三人で空を見上げた。

 

 

 

 



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