正義の味方になりたかった復讐者 (ドリーム)
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オリジナルサーヴァント設定表

真名:無銘(アンリ・マユ)

 

クラス:アヴェンジャー

 

レア度:☆4

 

性別:男

 

身長・体重:178cm 57kg

 

属性・カテゴリ:混沌・善・人

 

苦手サーヴァント:アンリ・マユ(アヴェンジャー)、エミヤ(アーチャー)、エミヤ(アサシン)、天の衣(キャスター)アルトリア・ペンドラゴン(全員)

 

好感的サーヴァント:ジャンヌ・ダルク(ルーラー)、ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕(アヴェンジャー)、巌窟王エドモン・ダンテス(アヴェンジャー)

 

筋力:D 魔力:B

耐久:C 幸運:E

敏捷:B 宝具:?

 

保有スキル:

 

心眼(偽):A

記憶忘却:A++

戦闘続行:C−

この世すべての悪:E

 

クラススキル:

 

復讐者:A

抑止力:B−

対魔力:D

 

宝具(固有結界):永遠の悪神(アンリ・マユ・ゼロ)

ランク:C+〜A

種別:--

レンジ:--

内容:現実世界を自身の心のあり方で塗りつぶす禁忌の魔術『固有結界』

正確には宝具ではないが、彼の英雄としてのシンボルなので一応宝具扱い。

見た目はどこまでも黒い泥の海が広がっていて空には青白い球体のようなものがあり、それを中心に黒い靄が広がっている。

そして黒い海には彼が心の奥底に閉じ込めた正義に対する復讐者としての怨念が佇んでいる。

 

 

生前:第四次聖杯戦争の時冬木の街に流れて来た泥を浴びて、泥が消えると同時に『この世すべての悪』と共に大聖杯に囚われてしまったただの少年。

後の第五次聖杯戦争で聖杯が破壊されると同時に『この世すべての悪』を取り込んだ状態で出てきたところを勝者であるセイバーのマスターに保護される。

聖杯の中でも成長は止まっておらず、出てきた時は17歳だった。

後にセイバーのマスターと共に魔術使いとして世界中を正義の味方として旅するが、その道中抑止力と契約し、死後を売り渡す。そしてその最後は、数百万の命と自身の命を天秤に載せられ数百万の命のために友であり恩人であるセイバーのマスターに殺された…

聖杯に囚われる以前の記憶がなく、自身の名は忘れている。そのため友に名をもらったが、それすら忘れてしまった。

 

性格:何とも言えない人物。お怒らなければ、笑いもしない。スキル:記憶忘却のせいでマスターのことも最低限しか覚えられない。しかし聖杯について話をしようとすると苦虫を噛み潰したような顔になる。というか逃げる。コミュニケーションができない。だけど味方サーヴァントにはそれが誰でどんな人物かはわからないけど味方ということは認識、記憶してるらしく、ちゃんと守ったり敵対しないでいる。

あと天敵というか苦手なサーヴァントが多い。

彼は自身を正義の味方になれなかった紛い物、根本が悪なのに正義を語った愚か者と称している。

本当の正義の味方なら、アヴェンジャーに何か当てはまらないのに…

口では正義を唄っても、心が復讐心に駆られてては意味がない。常にそう考えている。

 

生前の起源は『悪』。無自覚に取り込んだ『この世すべての悪』が原因。

そのため、よく元凶のサーヴァント(アンリ・マユ)や、その元凶に愛されたサーヴァント(エミヤ〔アサシン〕)と鉢合わせになる。

何処かの赤い弓兵とは違って家事はできない。魔術も荒削りで、よく英霊の座まで到達できたと思う。

他クラスへの適性はギリギリアーチャーできるかできないか位。

聖杯への願いは正義の答え。

 

アヴェンジャーボイス

 

開始1「掃除だな」

開始2「正義は…負けてはいけない…何があってもな」

 

スキル1「これだな」

スキル2「ナイス判断だ」

 

コマンド1「ああ」

コマンド2「了解」

コマンド3「よし」

宝具カード「では…始めよう…」

 

アタック1「はあッ!」

アタック2「無駄だ」

アタック3「死に晒せ!」

エクストラアタック「正義…執行ッ!」

 

宝具「I am a pillar of the evil…I do so it…"anri・mayu・zeroッ!!"」

 

 




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第五次聖杯戦争〜終戦〜

 

「『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』ッ!!」

 

ーーーーーー暗い海でプカプカ浮いていた。いつからかは覚えていない…けどたぶんかなり前からだと思う…

覚えているのは…『熱かった事』と…『息ができなかった事』…

そして…『たまらなく憎かった事』…

 

けど…今大きな光がこの暗い海を切り裂いてきた…ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「君が■■だよな」

 

気がついたら真っ白い部屋のベットにいた。

しばらくすると同じくらいの男が部屋に入ってきた。

赤毛で少し子供っぽい顔だけど…その表情は巨大な修羅場をくぐり抜けてきたような、なぜか何処か親近感のわく人だった。

 

「いきなりで悪いんだけど…■■は知らない俺の家にくるのと、施設に預けられるの…どっちがいい?」

 

少し考えた。施設というのはよくわからないけどいまいち行こうとは思わない。だったら今目の前にいる男について行く方がいい。何と無くそう思った。

だから男を指差す。

すると男は凄い笑顔になりこっちに近づいてきた。

 

「そうか!じゃあ準備しないとな。君のために必要なものは買ってある。だからまずその病院服から着替えよう」

 

とても手際がいい。きっとすごく器用な人間何だろうなと思った。

 

「あ、大事な事言ってなかったな」

 

思えばこの言葉は彼にとっての再開(リトライ)であり、■■■■にとっての始まりだったのかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は衛宮士郎。その…変だと思うけど…『魔法使い(正義の味方)』なんだ」

 

これは…

 

「どうしてすべての人を救えないんだッ……」

 

■■■■が『衛宮』となり

 

「ああ、それで誰も泣かずに済むのなら…喜んで俺の死後を売り渡すよ…」

 

『正義の味方』に憧れ…

 

「私は士郎の正義を笑わないし…美しいと思う…」

 

復讐者(アヴェンジャー)』に堕ちて行く…

 

I am the bone of my sword(体は剣でできている)…」

 

無限の剣と共に正義を貫き

 

Steel is my body, and fire is my blood(血潮は鉄で、心は硝子 )

 

その果てに壊れた自分自身がいても

 

I have created over a thousand blades(幾たびの戦場を越えて不敗 )

 

どんなに

 

Unknown to Death(ただの一度も敗走はなく )

 

どんなに…

 

Nor known to Life(ただの一度も理解されない )

 

どんなに……

 

Have withstood pain to create many weapons(彼の者は常に独り剣の丘で勝利に酔う )

 

………どんなにその身に剣が、悪が…

 

Yet, those hands will never hold anything(故に、その生涯に意味はなく )

 

突き刺さろうと…

 

So as I pray "unlimited blade works"(その体は、きっと剣で出来ていた )

 

その身は正義の味方であり続けた…

 

 

 

 

I am a pillar of the evil(この身はただ一つの悪である)…」

 

 

よくある反英雄の物語…

 




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グランドオーダー

 

I am a pillar of the evil(この身はただ一つの悪である)

 

Have decided evil in my hand(決められた悪は武器)

 

Uncertain justice(不確かな正義は理想)

 

There are an ideal and reality(その武器を持っては理想には逝けない)

 

I never get the dazzling light(光を求めさまよう亡霊)

 

The dark sea is my hometown(故に我が心は巨悪の地平)

 

Yet…(だからこそ…)

 

I do so it,(きっとその果ては、)

 

"anri・mayu・zero"(たった一つの悪なのだ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルデア英霊召喚室

 

約束された人類焼却を打破すべく、人類最後のマスター、藤丸立香はせっせとガチャに励んでいた。

 

「よーし今日も召喚(ガチャ)するぞー!」

『英霊召喚をガチャってルビるのやめようよ立香ちゃん…』

「でもドクターもガチャって思ってるんでしょ?」

『まあね』(即答)

 

そんな彼女に話しかけるのが不眠不休で働くツッコミにしてカルデアの癒し(かもしれない)ロマニ・アーキマン。通称ドクター・ロマン。

そしてもう一人…

 

「先輩もドクターも何の話をしてるんですか?私の宝具設置完了しました。いつでもいいですよ」

 

立香の後輩にしてエクストラクラス『シールダー』のサーヴァント。マシュ・キリエライト。真面目な彼女は立香とドクターが雑談してる間にさっさと準備を済ませていた。

 

『まあ、確かに早くした方がいいよ。何処かのサーヴァントが召喚されたサーヴァントを早く見たいからって食堂に監視カメラつなげちゃったからね。食堂にいるサーヴァントがみんなソワソワしてるよ』

「何それ初耳…まあだいたい検討はついてるけどね」

「ちなみに最近は先輩が英霊を召喚するか礼装を召喚するかで賭博が行われたりしてるようです」

「見つけたら即種火周回だね」ニッコリ

「アッハイ」

「それじゃあガチャ行きまーす」

 

立香が召喚サークルに特殊媒体、『聖晶石』を三つ投げ込み、光の輪が三つ形成される。

 

「来た!三輪来た!しかも黄金に輝いてるぜ!大当たりだぁッ!!」

「先輩落ち着いてください!けどやりましたね。それでクラスはなんですかドクター?…ドクター?」

 

返事をしないドクターに疑問を持ったマシュだが、その答えはすぐにわかった。

 

『な、七つのクラスのどこにも当てはまらない…立香ちゃん!マシュ!エクストラクラスだッ!!しかもこの反応は…』

 

「Fooooooooooooッ!!」

「先輩!?フォウさんみたいになってます!それでドクター!クラスは一体…」

 

緊張が走る

 

『この霊基は…復讐者(アヴェンジャー)だッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

呼ばれている。

 

復讐心に堕ちた私を…

 

呼ばれている。

 

それははるか彼方焼却された未来から…

 

呼ばれている。

 

ならば答えよう…復讐者となった(正義の味方)が…

 

応えよう…

 

 

 

 

 

 

まばゆい光が消えそこに現れたのは一人の男。

 

白い髪、浅黒い肌、黒いローブ、露出している右腕は肩から指先までかけて包帯を巻いている。何より目を引くのは光を写さない黒く濁った目。

 

「サーヴァント・アヴェンジャー。貴方の召喚に応じこの場に参上した。マスター、この(正義)武器()は貴方の為…」

「よぉぉぉこそいらっしゃいましたぁぁぁッ!!カルデアはあなたを歓迎するよッ!!」

 

しかしどんな見た目をしてもこのマスターには全く無意味のようだ。全力で飛び込んできて抱きついてくる。

 

「…そこのメガネの君。これはいつものことだったりする?」

「…はい。先輩はいつもこうです」

「…面白いな…」

 

復讐者は聖杯探索に参加する

 

 




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記憶忘却

 

〜カルデア〜

 

「えーと…改めて自己紹介するね。私はマスターの藤丸立香。まだいろいろ未熟だけど人類最後のマスターを任されています。よろしくね、アヴェンジャー」

 

オレンジ色の髪の少女、藤丸立香はカルデアを歩きながら自己紹介をする。しかしそれに対しアヴェンジャーは申し訳なさそうに言った。

 

 

 

 

 

 

「き、記憶忘却…これまたずいぶん変わったスキルだね…しかもA++って…」

 

管制室にいるドクターもこの反応だ。

それも当然。記憶忘却なんてスキル役立つか立たないかで言ったら限りなく役に立たない。

 

「故に私は…マスター、あなたのことは最低限しか覚えられない。だが安心して欲しい。貴方を傷つけることは絶対にない。断言する」

「そっか…うん、覚えてもらえないのは少し残念だけどそこまで言われたら信じるしかないよね。ねえドクター?」

「うん、そうだね。サーヴァントを信じるも信じないもマスターである君の判断だ。ところで…」

 

ドクターはある疑問を口にする

 

「アヴェンジャーはどうやって戦うんだい?みたところ武器は持ってないようだけど…」

「包帯だ」(即答)

「…え?」

 

 

〜カルデア戦闘シミュレーションルーム〜

 

『ならば見せてもらおうか…新アヴェンジャーの性能とやらをッ!!』

「どうしたのダ・ヴィンチちゃん!」

『一回言って見たかったんだよね〜…よし。それじゃあアヴェンジャー君。君の相手はこの天才特製のエネミー達だ。立香ちゃんの指示に従ってマシュと協力して頑張って撃破してくれたまえ〜」

 

自他共に認める天才、それゆえになんでもありなサーヴァントと化した彼女(彼)はダ・ヴィンチちゃん。そう、有名な()()、レオナルド・ダ・ヴィンチである。

 

「…まあよくあるか…」

「いえ、そうそうありません。あ、あと私はシールダーのデミ・サーヴァント、マシュ・キリエライトです」

「そうか…君も私のスキルのことは…?」

「はい…聞いています」

「なら話は早い…私は君のクラスと…自信はないが名前くらいしか覚えられない。だが、君が味方だという事は絶対に忘れない。もちろんマスターのことも…だから存分に頼ってくれ…私も君の盾を存分に頼る」

 

はっきりとした味方宣言。そしてこちらの盾を信頼するというアヴェンジャー。

マシュ(シールダー)は嬉しそうに、応えるように…

 

「はい!マシュ・キリエライト、存分に貴方を頼りますッ!!」

 

(宝具)をかまえた。

 

「行って!マシュ!アヴェンジャー!」

 

アヴェンジャー聖杯探索最初の戦いが始まる

 

 

 

 

 

 

 

〜オマケ〜

 

「そういえば彼…レベル1じゃないかな?」

「心配はいらないよロマニ。立香ちゃんがさっき種火渡してたから…」

「あれ?確か種火は在庫ゼロだったような…」

「戦闘前に立香ちゃんが賭博行為していたクーフーリンズを連れてきてマナプリにしてたよ」

「…でそのマナプリズムで種火あげたの?」

「うん」

 

いつも通りのカルデアだった

 




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守護者

 

骨の敵エネミー、スケルトンが一斉にアヴェンジャーたちに向かってくるが…

 

「…っ」

 

まるでムチのようにアヴェンジャーの腕に巻かれた包帯がスケルトン達を拘束し、そのまま…

 

「…っはッ!!」

 

ほかのスケルトン達がいるところに叩きつけられる。

これだけでほとんどのスケルトンが消滅した。

 

しかしアヴェンジャーの攻撃は終わらない。縛り付けたスケルトン達から奪った剣を包帯の先端に巻きつけ残りのスケルトン達に突っ込んで行く。素早く、しかし一体一体確実に切り裂いて行く。

 

「戻ってアヴェンジャーッ!!」

「!」

 

後ろを向くと立香とマシュの後ろにもワラワラと湧いてきたスケルトン。しかし冷静に、慌てることなく包帯に巻きつけた剣を…

 

「シールダー!マスターを!」

「はい!」

 

投げつけた!

 

凄まじい速度で飛んできた武器はスケルトンの群れの中心に突き刺さり、包帯に引っ張られてアヴェンジャーも飛んでくる。

 

そして最後の一体になるまでスケルトン達は切り裂かれて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼すごいトリッキーな戦闘方法だね…」

「そうだね…彼の真名がきになるよ」

 

ドクターとダ・ヴィンチちゃんのそんな会話が行われている間に戦闘は終了し、三人が管制室に入ってくる。

 

「戦闘終了しました。ドクター」

「うん、見てたよ。にしてもアヴェンジャー。すごい戦闘方法だったね!」

「でしょでしょ‼私もマシュも最初から最後まですっごいハラハラしてましたよ!」

「はい!本当にすごい戦闘方法でした…」

 

そこでマシュはあることを思い出し、アヴェンジャーに尋ねる。

 

「そういえばアヴェンジャーさんの真名は何というのでしょうか?良かったら教えてくださいませんか?」

「そういえば聞いてなかった!」

 

しかしアヴェンジャーは首を横に降った。

 

「名前は…忘れた」

 

「え?」

 

「今のうちに言っておく。私はそもそも英霊ではない。守護者と言われる霊長の掃除屋だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、他のエクストラクラスのサーヴァント達を明日紹介するから今日は休んでてね。ここが今日からあなたの部屋だから」

「ああ、頑張って覚えようと思う」

 

しばらくすると立香はベットに座るアヴェンジャーの隣に移動し、座った。

アヴェンジャーは首を傾げ、尋ねた。

 

「どうしたマスター。何か聞きたいことでもあるのか?」

「うん」

 

 

 

 

 

「アヴェンジャーは生前を何も覚えてないの?」

「ああ」

「辛くないの?」

「ああ」

「どうして…守護者になったの?」

「…」

 

立香はスカートの裾を握って話す。

 

「…カルデアにはね、レイシフトっていう時間移動の装置があって、それを使って特異点を修復してるんだ」

「…」

「私はもともと魔術師じゃなくてたまたまレイシフトの資格があっただけの一般人だったんだ」

 

「けどいろいろあって最後のマスターになって…アヴェンジャーと同じ守護者のサーヴァントと契約を結んだんだ。その時、守護者がどんなものか聞いた。ただひたすら人類の敵を掃除する『掃除屋』だって…」

 

「今じゃなくていいんだ。でもいつか教えて欲しい。その時どんな気持ちだったか…」

 

立香は立ち上がりドアを開けて出て行こうとする、しかし…

 

()は…」

「!」

 

アヴェンジャーがくちを開いた

 

「なりたかったんだよ…汚れない正義の味方に…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「盗み聞きは悪いよ…エミヤ」

「…マスター、彼が新しいサーヴァントか?」

「うん、アヴェンジャー。エミヤと同じ守護者だよ」

「そうか…復讐者(アヴェンジャー)か……」

 

 

 

 

アヴェンジャーのカルデアでの初日が終了した。

 

 




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百万と1人の命

 

藤丸立香は暗い空間で目を覚ました。その空間に覚えがある。

 

…ああ、また私は彼ら(サーヴァント)の記憶を見ている

 

そこは丘だった。

 

それはアーチャーのサーヴァントエミヤの宝具(固有結界)に似ていた。彼の丘には無限の剣があった。

しかしここは…

 

ーーーーー死ね…

 

無際限の泥

 

ーーーーー死ね死ね死ね死ね…

 

黒の太陽

 

死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね…

 

そこに佇む…無限の亡霊(復讐鬼)があった…

 

死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね

 

 

 

 

 

 

 

 

そこは正義の果てに(正義の味方)悪神(復讐者)になった場所

 

 

 

 

その名も…

 

 

 

 

 

 

 

 

パチリと目が覚めた。

午前3:00。普段より明らかに早い時間に起きた。

今まで契約してきたあらゆるサーヴァントの記憶を見てきた立香。しかし今回のは異質すぎた。再び顔をまくらにうずめ抱き寄せる。

そして静かに呟いた。

 

 

 

 

「固有結界『永遠の悪神(アンリ・マユ・ゼロ)』…」

 

 

 

I am a pillar of the evil(この身はただ一つの悪である)

 

Have decided evil in my hand(決められた悪は武器)

 

Uncertain justice(不確かな正義は理想)

 

There are an ideal and reality(その武器を持っては理想には逝けない)

 

I never get the dazzling light(光を求めさまよう亡霊)

 

The dark sea is my hometown(故に我が心は巨悪の地平)

 

Yet…(だからこそ…)

 

I do so it,(きっとその果ては、)

 

"anri・mayu・zero"(たった一つの悪なのだ)

 

悪夢の詩、彼を称え、彼を飲み込む死の(呪い)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺せ殺せッ!!ーーーーー

 

人々はいう

 

殺せ殺せッ!!ーーーーー

 

悪は嗤う

 

殺させてくれーーーーー

 

正義は願う

 

ああ、それで誰もが死なずに済むのならーーーーー

 

正義(呪い)は受け入れたーーーーー

 

 

 

 

正義の味方を目指したことに決して後悔はない。

私に正義を執行した正義の味方(■■■)を僕は…

 

 

 

 

 

 

恨みたくない…

 

 

 

 

 




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ルーラーとアヴェンジャーのジャンヌ・ダルク

 

クラス『アヴェンジャー』を確認…

 

宝具…

 

該当なし…

 

魔力…

 

正常に確認…

 

固有結界…

 

展開可能…

 

以上、霊基に異常は確認されない。

すべての機能が正常に稼働…

 

クラス『復讐者(アヴェンジャー)』…真名『■■■(アンリ・マユ)

 

 

起床します…

 

 

 

「また、掃除…ではなかったな」

 

アヴェンジャーのカルデアでの二日目がスタートする…

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう!アヴェンジャー」

「おはようございます、アヴェンジャーさん」

 

目の前の人物を検索…

 

一件該当…

 

マスター・藤…■立■…

 

再検索…

 

マスター・藤丸 立香を確認

隣の人物は…

 

検索…一件該当

 

シールダー・マシュ・■リ■■イト

 

再検索…

 

不明…

 

以降…シールダーと呼称する…

 

「アヴェンジャー?」

「…おはようマスター、シールダー」

 

相変わらず煩わしいな…記憶忘却(このスキル)は…

 

 

 

 

 

 

 

「約束した通り、今日は他のエクストラクラスの英霊を二人紹介するね。

と言ってももはや見た目は双子みたいにそっくりだけど…(小声)」

 

そんな約束をしたのか()()()()は…

 

検索…一件該当…

 

…本当にしたみたいだ…というか今マスターが言ったのはどういう意味だ?双子?(聞こえてる)

 

「ここだよ!今開けるね」

 

マスターに連れてこられたのはある一室。

プシューという音を立てて開く扉。奥には、

 

 

「……(私のプリンを食べましたね…)」

「……(私のプリンを食べやがりましたね…)」

 

すごく…険悪な雰囲気を出す二人の少女がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーと…紹介するね!白い方はジャンヌ・ダルクだよ」

 

「はい!はじめまして。ルーラーのジャンヌ・ダルクと言います、よろしくお願いしますね」

 

「アヴェンジャー。よろしく頼む」

 

次に黒い服(?)を着た少女の方を向く。

 

「それでこっちの黒い方はジャンヌ・ダルク〔オルタ〕だよ」

 

「アヴェンジャー、ジャンヌ・オルタよ…」

 

「そうか、私もアヴェンジャーだ。よろしく頼…ん?…すまない、白い方の君。もう一回名前を言ってくれないか?」

 

「ジャンヌ・ダルクです」

 

「じゃあ君は?」

 

「ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕」

 

……………

 

思考停止…

思考停止…

思考停止…

 

再起動…

 

思考開始…

 

……結論『理解不能』

 

 

「マスター、説明を求む」

「かくかくしかじか」

「まるまるうまうま…なるほど…側面か…英霊召喚システムとやらもめんどくさいな」

「だよね〜、何度もダビデったり、YARIOが出てきたり、挙げ句の果てにはワカメ、黒鍵、ライオン、バイク王、ワカメ、ルーン、弟子ゼロ号、ワカメ、ワカメ、ワカメワカメワカメワカメワカメワカメ…危うく私もリヨった側面が出てきそうだよHAHAHAHAHA」

 

「それ以上はいけませんマスター!」

「そうよ!それだけはやめなさい!」

 

リヨ…聞いたことがある。この世すべての英霊を片手で殺し、所長=サンに何度もとばっちりを浴びせ、ある一説では笑いながら

LASBOSSを片手でわしずかみし、「手ごわかった…」とつぶやく人類悪だとか…

 

「回せ回せッ!!フハハハハハハハ」

 

思考停止…

 

やむなし…

 

 

 

 

 

 

 

 

思考開始…

 

「ん?…終わったか?」

 

目を開けると、そこには荒い息遣いでボロボロの満身創痍な二人のジャンヌ・ダルクがいた。

 

「ど、どう…して手伝ってくれなかったんですか…」

 

「そうよ…ちょっとは…手伝いなさいよ…」

 

「リヨ…恐ろしい存在だ。私では数秒も持たなかっただろう(思考放棄)」

 

「「そういう問題じゃありませんッ!!(ないわよッ!!)」」

 

 

息ピッタリじゃあないか

 

 




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あなたはあなたを保てますか?

お久しぶりです。待たせたな!
え?待ってない?(^ω^)

相変わらず短いですがお許しください。



 

———熱い…

 

それは内側から燃やしていく(呪い)だ。

 

———熱い…

 

臓器を焼き、骨を焦がし、肉は溶け、内側の(呪い)は外に漏れだす。

 

———熱い…熱い…痛い…

 

目が溶け落ち、爪は塵となり、もはやそこにいるのは火だるまの黒炭人形。

 

———熱い…それでも…

 

右手を前に突き出す。

 

———崩れ落ちた。

 

ならばと、左腕を突き出す。

 

———これもまた崩れていった。

 

足も、体も、頭も、全てが塵となって砕けて、風に飲まれていった。

それでも…

 

———心臓が生きてる。

 

律儀にコイツは痛みを伝えてきた。

もう神経なんてどうでもいいような体してるくせに。

送る血潮もない体で、コイツは律儀に震えるように動いている。

 

———なら、体が動かないのは不条理だ。

 

まだ動く。頭はもうどっか飛んでいったかと思ったが、歯と顎がまだ残っていた。

なら地面に食らいつく。

首をがむしゃらに動かして前に突き進む。

 

———あるわけない瞳で前を睨む。

 

強烈な風が前から吹いている。風に煽られ、内側から漏れだす(呪い)はより大きく、禍々しくともる。

黒く、黒く、黒く…

 

———熱い…痛い…

 

見えない前方をにらみ、悔しさからか、歯をギリギリと食いしばる。

 

 

 

 

———そこに見える幻影に思わず動くのをやめた。

 

 

 

赤い外套を翻し、赤かった髪は少し白くなっていた。そして、彼は前を見ている。

彼は決してこちらを見ない。当然だ。彼にとって俺は、()()()()()()()()()()()()()なのだから。

 

それに、彼は優しすぎる。

切り捨てた側の人間なんか見たら、彼は止まってしまう。

 

———なんでだ。

 

だから、彼は俺を見やしない。その足を前へ…

 

———なんでこっちを見てるんだ?

 

彼は体全体を振り向かせ、倒れ砕け散りそうな、今にも無くなっちゃいそうな俺を見ていた。

 

———なんでそんな顔で見てやがるッ!

 

あんたが、正義の味方がそんな…

 

———誰かの犠牲になれたのなら良かった。

———あなたの夢の礎になれたのなら良かった。

———誰も泣かずに済む世界の為になら良かった。

———…何よりあなたに泣いて欲しくなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…殺させてくれ…◾︎◾︎」

 

 

 

「なんでそンな泣きそウナ顔で俺を見ルッッ!!?◾︎ロウォォォォォォォォォッッッッ!!!!!!!!」

 

僕はそんな顔になって欲しくて死んだわけじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熱い…熱い…熱い…

 

ああ、なるほど。

 

 

これが憎悪か。これが復讐心か。

 

それ(契約)を受け入れることでナレるのならそうしよう。

 

俺は、正義の味方を引き立てる復讐者。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「———さあ、掃除だ」

 

さよなら、シ◾︎ウ。さよなら…もう会うことはない。

 

仮に会うことができたとしても、そこにいるのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

———————

 

 

「………ん…ここは…」

「あ、おはようアヴェンジャー!」

 

まぶたを開ける。すると目と鼻のすぐ先に綺麗な鏡のように世界を反射する大きな瞳があった。

 

「…綺麗だ」

「…ふぇ!?」

「…いい目を持ってるな。マスター」

「え、ああ…うん」

 

俺はベンチから立ち上がり、マスターに向き直る。

 

「行こうマスター。周回だろう?俺でも覚えるさ」

「…え!?あ!うん!行こう!マシュも待ってるし、他にも紹介したい人いるんだ!」

 

前をスタスタと歩いていく少女。彼女が俺のマスター。名前はまだ覚えられない。

 

でもそれでいい。彼女は後悔する。

俺と契約を交わしたことを。きっと…

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は正義の敵なのだから。

 



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