FPS派とTPS派が異世界で暴れ周る!? (Wolf1014)
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甘くない人生 1‐1「そして異世界へ」

「神は気紛れで物を決める」と言う。ならば、「神の平等な制裁」もまた神の気紛れなのではないか?


2020年7月6日

 俺の名前は亜立 龍(あだち りゅう)とある高校の二年生で17歳の学生だ。そして皆にはゲームオタだと言われている。

「……ぱい?……先輩?……亜立先輩?」

 ふと、目の前から聞こえた声に気が付く。

「あぁ……悪い。何だっけ?」

 目の前に居るのは俺の後輩の睦月 麻衣(むつき まい)俺の後輩で真面目な性格の女子高生だ。今、俺はこの真面目な後輩にゲームの何たるかを叩き込むため彼女を説得しているのだ。

「で、どうだった?」

「先輩の言いたい事は分りました。ですが、ゲームには総合的に見てデメリットが多いです。確かに作者の言いたい事は分らなくもありませんが……」

「そこが良いんだよ!この『MGSⅤ:TPP』の作者、小島 秀夫さんは『世の中には良いゲームもあるし悪いゲームもある。確かに長時間に渡ってゲームをするのは良くないがゲームの存在を全否定するのもどうかと思う。』って言ってたんだ。」

 一通り話終えて俺は机の上に置いてあったコカコーラゼロをコップに注いで飲む。

「ですが、先輩。自分の好きな事をするのも良いですが、それはちゃんと課題を終わらせてからにして下さい。」

「うぅ……」

 1つ下の後輩に正論を言われ言い返せなくなる。振り返ると睦月は俺の勉強机の前に立っていて俺の課題を手に取っている。

「課題が無ければ良いんだけどな……」

 俺はそう言ってゲームの続きを始める。

「そうも言ってられませんよ。先輩。」

  突然、ゲームの画面が真っ黒になる。

「あっ……」

 睦月の方を見ると俺の課題を持ったままだ。てっきりプラグから引っこ抜いたのかと思ったが何かのバグらしい。俺はもう一度、視線を画面に戻した。


 あなたの願いを叶えてあげましょう。


 画面には白い文字でそう書いてあった。

「願い?」

 画面が白く光り、眩い光は俺と如月を包む。

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 見たこともない真っ白な部屋に寝ころんでいた。

「あぁ……クッソ、何がどうなってる。」

 後頭部を擦りながら起き上ると部屋の中に二人の女性が居た。一人は隣で昏倒している睦月でもう一人は、とても綺麗な人だった。

「あんた、誰だ?」

「私の名前は天照(アマテラス)と言います。日本を統一する女神です。」

「へー……それで、日本で一番偉い女神様が俺に何のご用でしょうか?」俺は少し嘲笑した風にそう言った。

「あなたは神を信じていないようですね。」

「ああ……ご名答だ。元々、神を信じない性分でな……それで、何のために俺達をここに?」

「この世界で一番偉い神様で有名なゼウス様があるゲームをしようと提案されました。ゲームの内容は『FPSゲームをする人とTPSゲームをする人が戦争をするとどちらが勝つのか』という形の戦争です。」

「答えは簡単だろ……FPSが勝つに決ってる。」

「ええ……ですからTPSをしている人の五感を敏感にして、索敵能力を上げるようにします。それに、異世界に転生する。という事なので特殊能力を選ぶ事が出来ます。お好きな能力を1つ言って下さい。」

「なら、召喚魔法で……それと、俺はFPSとTPS両方をやってるんだがどっちに加担すれば良いんだ?」

「それはあなた個人で決めて下さい。どちらに協力するのも自由です。あなたの識別色は黒です。FPS派の人は赤、TPS派の人は青です。」

俺は、右手首を見るとそこには黒いブレスレットがあった。

「じゃあ、こいつは?こいつ、ゲームしてないぞ?」

 俺がそう言うと女神は驚いた表情を見せた。

「え!……でも、そんなはずはありません。」

「まあ、良いか。俺を先に召喚して同じ場所に召喚する事が可能ならそうしてくれ。」

「分りました。楽しい異世界ライフを!」

 俺は、また同じ真っ白な光に包まれた。

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 目が覚めると密林に居た。俺はまずOCP迷彩に着替え、HK416とM45A1、タクティカルチェストリグを装備する。

「何が楽しい異世界ライフだ。まず、街の中に転送したらどうだ。」

 しばらくすると、隣に睦月が転送された。右手のブレスレットは黒だった。

「俺に内緒でゲームでもしてたか?」

 俺は唐突にそう言った。

「え!……あ、はい。」

「楽しかっただろ?」

「何時、気付いたんですか?」

 俺の問いかけに答えず逆に聞いてきた。

「引っかかったのは女神との会話の時だ。お前はゲームをしていないのに転送された。だが、彼女は“そんなはずは無い”と答えた。ならお前が俺に秘密でゲームをしていたとしか考えられないだろ?」

「すみません。」

 俺が考えを披露し終えた後に彼女が俯いて言った。

「別に謝ることじゃないだろ。ゲームをして悪いなんて言ってないし。それよりこれ着ろ。」

 そう言って彼女にOCP迷彩を渡す。

「天照さんが言ってました。これ、レベル制で段々レベルが上がるにつれて効果が大きくなるそうです。」

「やっぱりそうか。」

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 密林と思われた場所は近くの都市の隣にある山で10分程度歩くとすぐに街に着いた。

「随分と賑やかな場所ですね。」

 隣で歩いている睦月は迷彩服を脱ぎ今は街で売っていた服に身を包んでいる。勿論、俺も同様なのだが……俺は、タリバンの様な服にストールを巻いて鼻から下が見えない様にして、腰にはさっき召喚したばかりのM45A1がホルスターに差してあった。

「そうだな、日本語が通じるだけマシか……貨幣が違うからまずギルドにでも行くか。」

 数分後、街の住民に道を教えてもらい、辿り着いたのは、そこそこ大きなギルドだった。入ってみるとこれまた綺麗な女性が待っていた。

「ようこそ、ヴェーリングギルドへ」

「稼げる依頼って有りますか?」

 そう言うと受付の人は少し暗い顔になった後、顔色を取り戻した。

「えぇ……ですが、あちらの方と話し合ってからにどうぞ。」

 彼女の手先を追うとそこにはゴツイ男が立っていた。

「分りました。有難う御座います。」

 俺は示された巨漢の元へ向かった。

「あんたが受けようとしているクエスト譲ってくれないか?」

「何だテメェ!?俺が受けたクエスト横取りすんのか?」

「いや、無理だって言うんなら別を当たるから良いんだが。」

「無理だ。」

「そうか、協力どうも。」

 周れ右して受付に向かう。

「振られた。稼げるクエスト……他に無いかな?」

 俺はストールを下し笑みを浮かべる。

「はい……分りました。」

 女性は頬を火照らせてカウンターの奥へ戻った。

「あざといですね。」

 後ろから急に声を掛けられ振り返ると睦月が立っていた。

「まあ、『昔からルックスは良い』って色々な人から言われてたからな。」

 自分では自覚してないが昔からそう言われていた事は事実だ。内面を知られない以上は結構便利な交渉ツールになる。

「これなんかどうでしょう?」

 カウンターから戻って来た女性から依頼書を受け取った。

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〈15000ゴールド〉
討伐依頼
・ヨルムンガンド 1体
・ゴブリン 約1000体以上
・ドラゴン(中) 約1000体
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俺は、少し笑みを浮かべ依頼書にサインを書いた。





























「先輩、ナルシストだったんですね。」

「ちげぇよ!!!!」



次回
  「戦闘準備」


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1ー2「戦闘準備」

 結構、前回と間が空きました。また、新しく小説を出そうと思っていますのでお楽しみに


〈ヴェーリング 07:00〉

 俺は、ギルドの向かいに在る宿で昨日貰った依頼書と睨めっこしていた。確かにゴブリンとドラゴンが約2000体だけなら問題無いのだが・・・・・・

「ヨルムンガンドはどうにもならないだろ・・・・・・」

 俺はそう言うと机に突っ伏す。

「では、受けなければ良かったのでは?」

 後ろを振り向くと声の主が2つのコップを持って立っていた。

「睦月か・・・・・・そうも行かないんだよ。これから、団を編成して、その後運営費が掛かるだろ。そのためにはこのクエストを受けないといけないんだよ。」

「おはようございます。先輩、ブラックで良いですよね。」

 そう言って俺にコップを渡す。

「おはよう。サンキュー、睦月。」

 俺はコーヒーを一口飲むとコップを置き、今朝来たメールを見る。

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〈ヴェーリング 06:00〉

 急に眩い光が俺の眼に直射した。

「うぅ・・・・・・ん。」

 俺は光の方に手を翳し、上体を起こす。隣には睦月が寝ていた。昨日、俺達は別の部屋で寝ようとしたのだが、初期の所持金は、あの女神から貰った1000ゴールドだけだったからだ。そして、俺は睦月に服を買ってやったから一部屋分の金しか無かったのだ。

「睦月?」

 いつも俺より先に起きている筈の睦月が寝ているから少し揺さぶってみた。

「先ぱぃ・・・・・・まだ、寝てるんですかぁ?」

 どうやら寝言らしい。“お前がだよ!”っとツッコミそうになるがその衝動を抑え睦月に布団を掛けた後、ベッドから立ち上がって眩しい光を放つ両開きの窓を閉めた。

 ブルゥ

 突然、俺のポケットに入っていたスマホが鳴った。いつも、学校に持って行っているからスヌーズモードにしていたのだ。俺はスマホを取り出すと、メールを確認する。

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亜立様へ

 あなたのお持ちになっている召還魔法は、上限が有ります。

・歩兵の場合 200人

・武器(アサルトライフル) 400丁

・車両(中) 3両 

・ヘリコプター(中) 2機

・戦闘機 1機

・船(中) 2隻

 尚、これらは全て召還できません。換算ですのでご了承下さい。

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 そのメールを見て俺は部屋を静かに出た。

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〈ヴェーリング 07:30〉

 俺は、睦月と朝食を済ませた後、宿を出てこれからの事を話していた。

「それで、もし召還するとして、先輩はこの世界のどこで200人の人達を召還するんですか?」

 そうだった。その事を睦月に指摘されて唸っている俺の後ろから少し低い声が聞こえた。

「手ぇ貸そうか、そこのお熱いお二人さん?」

 一瞬、現地住民だと思ったが、その男が纏っている姿は俺の想像を打ち消した。ダークグリーンのTシャツにタクティカルパンツを来て腰にM1911をぶら下げたその男が・・・・・・
 俺は、咄嗟に腰に差してあるM45に手を掛るとその男は両手を軽く上げた。

「おいおい、ガバに手を掛けるのは止めておけ。少なくともここをの海にしたくないならな。」

 男はそう言って自分の胸に指を指した。俺が、自分の胸元を見るとそこには、赤い光のドットが照射されていた。

「手を貸そうか?って言っただろ。俺は協力したいだけだ色男。」

 男のブレスレットは黒、味方だ。そいつは身長が180位有り、長く伸ばした髪を後ろで結んでいた。顔にはそれ程濃くない武将髭が生えていた。誰に似ているか?と聞かれれば真っ先にサムエル・ホドリゲスと言う名を出すだろう。

「それじゃあ早速、手を借りようじゃないか?サム。」

 俺がそう言うと男は眉をピクリと動かした。

「面白い事言うじゃないか?色男。」

 俺が言った元ネタを理解したのか男は顔に微笑を浮かべそう言った。

「何でも協力するんだな?」

「ああ、何なりと。」

「じゃあ、広い空間をくれ。」

「分かった。付いて来い。」

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〈何処かの海 07:30〉

 俺は顔に被せられた袋の中で潮風と鴎とは少し違う鳴き声を聞いていた。
 此処までで、さっき会った男の分かっている点を言おう。名前はウルフ。本名は不明。MGSを知っていて俺をこれから援助してくれるスポンサーだ。以上。

「袋を外せ。」

 ウルフの声が聞こえた。いきなり顔の袋を外され太陽の光が眼を襲う。

「ようこそ、マザー・ベースへ。」

 数秒して光に慣れ。辺りを見渡すと、俺が立っていたのは文字通りマザー・ベースだった。

「すげぇ!こんなの創れるなんて・・・・・・」

「欲しい物があれば言ってくれ、手配しておくぞ。」

「じゃあ、早速で悪いんだが、Aー10 ウォートホッグ2機とAHー64 アパッチロングボウ1機を貸してくれないか?」

「大きく出たな。まあいい。兵士は何人召還するんだ?」

「一応、上限の200人だが?」

「分かった。じゃあ、その分の武器と装備品も手配しよう。」

「良いのか?」

「同じ召還魔法を持つよしみだ。気にするな。」

「感謝する。」

「おう。」

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〈ウルフのマザー・ベース 08:00〉

「先輩、本当にやるんですか?」

 ウルフと別れて自由に使って良いと言う格納庫に俺と睦月は居た。外見によらず結構広い場所で俺は200人もの兵士を召還しようとしていた。

「ああ、もう決めた事だしな。それと兵士を召還したら俺、ぶっ倒れるから後は宜しく。」

 そう言って俺は、200人の兵を召還し意識を失った。



次回
  「初陣」


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