ファンタシースターStrikerS NOVA (ライダーファイト(ただいま療養中))
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プロローグ

テスト期間投稿ですから、辛いし死ねる。

だって描きたくなったんですもん!!!


『オラクル』

 

 

 

それは、惑星間を旅する巨大な船団である。その誕生と共に、外宇宙への進出が可能となり、新たな歴史は始まった。

 

そして今や、彼等の活動範囲は数多の銀河に航る。

行く先々で見つかった未知の惑星にはオラクル内で編成された部隊『アークス』が惑星に降下し調査を行う。

 

『アークス』はオラクルに存在する4種族からなる。

 

環境への適応が高く、身体(からだ)の強さとフォトンの扱いに釣り合いが取れているヒューマン。

 

ヒューマンより身体は静寂だが、フォトンの扱いに関しては他の種族の追随を許さないニューマン。

 

ニューマンとは逆に、フォトンの扱いは苦手だが、機械によって構成された屈強な身体を持つキャスト。

 

額の角とオッドアイが特徴的で高い攻撃力を誇るデューマン。

 

 

それぞれが補い合い、協力することで、彼等アークスが成り立っているのだ。

 

そして今、若いアークスの物語が再び始まろうとしている………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ、はっ…………でいっ!」

 

「それっ、えい…………ええい!」

 

 

 

荒れ果てた大地。

 

回りが砂と岩まみれの場所で、2人の男女と黒い異形の姿を持った大量の怪物が、激しい戦闘を繰り広げていた。

 

 

黒い異形と激しい戦闘を繰り広げているのは、アークスに所属する男女。二人とも十代半ばぐらいの歳であるが、この二人はかなりの戦闘能力を宿していた。

 

たった二人で、黒い異形を的確に倒しているのだ。

 

 

「くっ、どうやらリリーパはどこもかしこも【若人】(アプレンティス)残滓(ざんし)のせいで、ダーカーどもの生きは良いようだな」

 

そう言って、少年は自分の背より少し高く普通の色の赤より異彩を放つ、勇ましい“紅い大剣”で黒い蟲のような異形を斬り裂いていく。

 

「いくら封印されていると言っても、ダーカーを統括してるほどだから、力を少しでも流して眷属を作って侵食しようと考えてるんでしょ相棒(バディ)

 

少年のことを相棒(バディ)と呼んだ同年齢の少女は、上下には緑色の球体が填まっている白い長杖で黒い蟲を叩く。

 

 

 

 

黒い異形の生物の名は【ダーカー】。

 

宇宙に蔓延る(はびこ)全人類の不倶戴天(ふぐうたいてん)の敵。

どの惑星、どの地域にも現れる正体不明の存在。

【深遠なる闇】、および【ダークファルス】の眷属で、全宇宙を脅かす敵対勢力。

フォトンを扱うアークスを敵とみなして、襲いかかる闇の勢力の尖兵。

個々のダーカーに自我は存在せず、『【深遠なる闇】』・『【ダークファルス】』の命令に従って活動する。

ダーカーには4つの(かた)が存在する。

 

まず1つは水棲(すいせい)型。ダークファルス【巨躯】(エルダー)が統べるダーカー。見た目が魚やヤドカリといったものが多いため、水棲型ダーカーと呼ばれている。

2つ目は有翼(ゆうよく)型。ダークファルス【敗者】(ルーサー)が統べるのダーカー。多彩な戦闘手段を持つダーカー類で、連携して戦うダーカーや、アークスを真似た攻撃をするダーカーも存在する。

3つ目は玩具(おもちゃ)型。ダークファルス【双子】(ダブル)が統べるダーカー。

他のダーカーと比べて特殊な挙動や構造が多い。遠くから見る分にはファンシーなのだが、本性はとてつもなく残虐である。

そして最後に彼等が戦っているダーカーは(むし)型。ダークファルス【若人】(アプレンティス)が統べている。

ダークファルス【若人】が統べる第1のダーカー。

数で攻めてくることが多く。単独任務の場合は囲まれると厄介なので注意すべきである。

 

 

 

 

「クルーエルスロー!…………おりぃやぁっ!」

 

『!?――!―――――!?』

 

そう言って、アークスの少年が持っている大剣の切っ先が光り、少年は蜂や蟻に似た形状の中型ダーカーで、浮遊したまま高速で飛び回っている【エル・アーダー】の正面下部の赤い部分を突き刺した。

 

『『――――――!?――――――!!?』』

 

エル・アーダーを刃で突き刺し、そのまま任意の方向へと投げつけた。投げつけられたエル・アーダーは他のダーカーを巻き込んで、聞いたことのないような叫び声を出しながら、赤黒い煙を放ちながら消えた。

 

相棒(バディ)退()いて!!」

 

後ろにいるアークスの少女が言うと、少年は言われた通り少女の前から退くと、少女は白い杖に填まっている緑の球体が光り、少女の体の周りと杖には輝く光が放出していた。

少女は少年が退いた瞬間に、杖を向けて放ちながら言った。

 

「グランツ!」

 

そう言い放つと、4つの足しか持たないダーカーの尖兵【ダガン】の真上に無数のの矢のようなものが現れ、それはダガン達の体を斬り裂いていき赤黒い煙へと変えた。

 

 

男が放ったのは、フォトンと呼ばれる謎のエネルギーをフォトンアーツという武器が放てる必殺技に変えた。そして女が放ったのは、フォトンをテクニックという炎などを放つものに変える法撃である。

 

 

 

彼等アークスには敵と戦うためのクラスが存在する。

 

近距離での戦闘に特化し、フォトンを肉体強化や防御で仲間の盾となるハンター。

 

その派生系統で攻撃的でスピーディーな戦闘を得意とするファイター。

 

重火器などの射撃武器を扱い、中間距離から敵を狙い撃つことを得意とするレンジャー。

 

その派生系統で前衛でのトリッキーな射撃戦が特徴のガンナー。

 

フォトンを用いて様々な事象を操り、遠距離から協力かつ多彩な法撃を行うフォース。

 

その派生系統で味方への補助や近接での戦闘もこなすテクター。

 

高い技量を持ち高いダメージを与えられる。近距離戦と遠距離戦を使い分けるスタイルを持つブレイバー。

 

打撃が主軸で法撃も行え、近距離と中距離での空中戦を得意とする他、攻撃をしながら支援が同時にできるバウンサー。

 

 

現在、これだけのクラスの数が存在しており、アークスに所属するものは例外なく(いずれ)れかの技量を高め協力しながら、各惑星での任務を全うし宇宙の敵ダーカーを倒していく。

 

 

 

「!? ルティナ!伏せろ!」

 

大声にルティナという少女は体を伏せる、後ろにいたのは別のエル・アーダーで、エル・アーダーの存在に気付いた少年は紅い大剣を投げつけた。

 

『!?―――――――――!?』

 

投げつけられた大剣はエル・アーダーの正面下部の赤い部分に突き刺さり、突き刺さった紅い大剣にエル・アーダーは悶えながら消え、紅い大剣は地面に切っ先が刺さった。

 

 

「! ゾンデ!」

 

伏せていたルティナは空を見上げるとブリアーダが3体いた。ブリアーダはダガンエッグというダガンを複数個放出する卵を放ち、赤い液体を飛ばしたり、突撃したりして攻撃する。ダニのような外見の大型ダーカーである。

 

『『『!?――――!!』』』

 

ブリアーダをみたルティナは、上空に長杖を向けてチャージした雷属性のテクニック・『ゾンデ』を喰らったブリアーダ3体は、状態異常の『ショック』となりフラフラと降下していた。

 

「さらに追加よ!ギ・バータ!」

 

降下してきたブリアーダに無数の氷の礫を放つテクニック・『ギ・バータ』を繰り出した。ギ・バータを受けたブリアーダは2体消滅したが、最後の1体は消滅せずにかなりのダメージを負いながらも動いていた。

 

『『!?――――――!?』』

 

 

「まだまだあっ!…………ふっ!……………ツイスターフォール!」

 

少年は地面に突き刺さった紅い大剣を手に取り、そのまま高く飛び上がり、回転攻撃を行い衝撃波を伴う降下攻撃のフォトンアーツを喰らわせた。

 

『!?――――――――――』

 

ブリアーダは叫び声のようなものを上げて、消滅した。降下してきた男は、でかい砂煙を巻き上げながら着地した。

 

「けほっけほっ!?ちょっと相棒(バディ)!少しは考えて動いてよ!!」

 

砂煙を浴びてしまったルティナは、咳き込みながら少年に文句を言った。

 

「ご、ごめん。無我夢中でやっちゃったんだ」

 

着地した少年はルティナに謝りながら、砂煙を大剣で斬り裂き、周りを晴らした。

 

「まだまだ行っくよー!」

 

「分かってるさ!」

 

少年とルティナは笑顔で残りのダーカーに掛かっていく。

 

 

 

 

 

この砂にまみれている場所は惑星リリーパ。

 

地表の大部分は荒れ果てているものの、鉱物資源の豊富な惑星。過去の建築物が残る荒廃した『砂漠』エリアと、その地下に建築された『地下坑道』エリア、貴重なオアシスが点在する旧文明の『採掘場跡』エリアが存在する。また、アークスが建設した『採掘基地』がたびたびダーカーの大群に襲撃されており、基地施設を防衛するため緊急招集されることもある。

 

惑星リリーパには、かつて存在していた知的生命体が作った防衛用ロボットである『機甲種』が存在しており、主を失ってもなお活動を続けているが、それとは別にウサギに似た姿形の知的生命体『リリーパ族』の存在が確認されている。

 

実はここにある採掘基地には、ダークファルス【若人】(アプレンティス)の力が封印されており、それがダーカー襲撃の原因ともなっている。

 

 

 

「「これで…………ラストォ!」」

 

2人は同時に言いながらフォトンアーツとテクニックを放ち、最後のダーカーを消滅させた。

 

「ふぅ………ようやく全部片付いたか。そこまで手こずることはなかったな」

 

「うんそうだね~。今のあたし達なら楽勝楽勝~!」

 

ダーカーを殲滅させ、少年は紅い大剣をまた地面に突き刺し、柄の部分に手を掛けて息を吐き口を開く。少年の言葉にルティナも笑顔とピースを見せ言った。

 

 

「そんなこと言ったら油断が生まれてやられるぞルティナ。ま、任務は終了したし帰るか」

 

「………うん!」

 

少年は紅い大剣を持って背中に掛け、ルティナも白い長杖を背中に掛けて歩き出した。

 

黒い髪で左の頬に入れ墨をして紅い大剣『明紅』(モーニングレッド)を持った少年の名は『デュアル』。彼はアークス特殊惑星探査隊に所属し、そしてデルタヴァリアントの艦長となり、惑星マキアという謎の星から仲間たちを脱出に導いた。

 

ピンクの髪のポニーテールで明るく元気が良い少女は『ルティナ』。デュアルのことを相棒(バディ)と呼び、彼と同じくアークス特殊惑星探査隊に所属しており、共に脱出した少女。

 

 

2人はアークスと認められ、現在は2人一緒にオラクルの任務をこなしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュアルside

 

俺とルティナは惑星リリーパでの任務を終わらせたため、オラクルの整備士達が製作した小型の船に乗っている。但し小型の船と言っても侮ってはいけない、この船はそれなりの武装も施してあれば、この船の周囲を覆えるほどのシールドバリアーも張れるし、一瞬で他の惑星にワープすることも可能だ。

 

現にこのワープを使って俺達アークスは、各惑星の異常事態に出撃している。だがワープに入るにはそれなりの距離と宇宙空間の計算が必要だ。

 

 

ワープ航行に入るため俺が船を運転していると、じっとしていたルティナが運転席に身を乗り出して、ガッカリしながら口を開いた。

 

「あーあ、今日も惑星リリーパの原住民リリーパ族に会えなかったなー」

 

「そう言えばリリーパには俺達には危害を与えない、長い耳を持った原生生物がいたっけ。最初に見つけたのは女性のキャストだったよな?」

 

「うん!毛玉のような体型でフワフワして色んな仕草が可愛いんだ!」

 

ルティナの台詞に補足を入れるように言うと、ルティナはまた元気一杯な笑顔で返答した。

 

 

「リリーパの任務があるときは、いつもリリーパ族に会えるように願いながら出撃するんだけど…………今日も会えなかったな~」

 

言葉でも体でも表すようにガッカリするルティナに、俺は納得させながら元気付ける。

 

「仕方ないよルティナ………リリーパ族は基本的に臆病な種族なんだ。例え俺達アークスが友好的に接しても、戦闘を行えば話は別さ…………攻撃する機甲種やダーカー、それと戦う俺達も恐怖の対象なんだろ?きっとリリーパ族は争いを知らず平穏に生きてきたんだ。それは悪いことじゃない」

 

「そうだけどさ…………………………」

 

俺の長ったらしい台詞に、ルティナは少し暗い顔をしながら納得しようとするが、俺は次はルティナを元気付けるために言う。

 

「………リリーパの任務をやり続ければ、いずれはリリーパ族が俺達の前にお礼を言うように現れるんじゃないか?報告書でもリリーパにお礼みたいなのをされたアークスもいるからな」

 

「…………………………………………」

 

「それにいずれはリリーパ族に会えるのなら、惑星でのサバイバルよりは過酷じゃないだろ?」

 

俺の言葉に俺を無言で見つめるルティナだったが、俺の最後の言葉に笑いながら口を開いた。

 

 

 

「あはははっ!そうだね!いずれリリーパ族に会えるのなら、惑星でのサバイバルの方がまだまだ過酷だもんね!」

 

ルティナの笑顔に俺も「フッ」と微笑み、ポケットから1枚の写真を出した。写真を見たルティナは「…………あ」と言う、多分懐かしさと切なさを感じているだろう。

 

「…………相棒(バディ)、その写真肌身離さず持ってるんだ」

 

「ああ、この写真を持ってるとあの出来事を思い出すこともあるけど、あの苦境を乗り越えた人達が守ってくれてるような感じにもなるんだ。ルティナはこの写真はどうしてるんだ?」

 

「あたしは写真立てに入れて部屋にあるよ。相棒(バディ)と同じように辛いこともあったけど、その分大切なことも知ることができたから」

 

ルティナは笑顔になると、俺もお返しに笑顔を返した。

 

 

それでも、つい辛いことを言ってしまうのが、俺達生きているものの悪いところだ。

 

「本当に………………大変だったよな」

 

「うん…………………そうだね」

 

 

 

 

 

この話を止めルティナから顔を離し、俺は宇宙空間に顔を向け、船の運転を一旦止める。

 

「よし、ここらで良いだろ?ルティナ、ワープ航行に入る。念のためにしっかり席に着くか、何かに捕まっててくれ」

 

俺がそう言うと、ルティナは「はーい」と言いながら俺の隣の助手席にシートベルトをして座った。

 

「よしっ、行くぞ………………!?」

 

 

 

ビーッ! ビーッ! ビーッ! ビーッ!

 

ワープ航行に入ろうとした途端、いきなり小型船にある緊急を知らせる赤いランプが、光りながら鳴り出した。

 

「一体どうしたの相棒(バディ)!?」

 

「分からない。だが警報器が周辺のどこかから巨大なエネルギー波を感知したらしい…………………来るぞ!」

 

いきなりの警報に助手席から、ルティナがシートベルをしたまま俺に近付いてきた、俺はレーダーを使い自分の目でも確認を行った。

 

すると、少し遠くから宇宙空間に謎の巨大な渦のような穴が出てきた。

 

 

 

「………………あれは?」

 

「亜空間…………だな」

 

疑問を口にするルティナに、俺は説明するように言った。

 

「確か亜空間って…………?」

 

「ああ、最近になって報告されている謎の現象みたいなものだな」

 

「でも亜空間って、謎に包まれてるんだよね?」

 

「そうだな。こういう謎が出てくると研究好きなオラクルの科学者が調べてみたいって言うけど、アークス上層部が亜空間に呑み込まれれば、どうなるか分からないって言って研究好きな科学者を止めてるらしいぞ」

 

「へー、でも上層部の考えは分かるね。わざわざ亜空間に突入して帰ってこれないどころか死んじゃったら元も子もないよ」

 

俺達より離れた場所に亜空間は現れ、亜空間を見たルティナは自分が知っている情報を口にし、俺は亜空間についての色々な情報を伝える。

 

「ただ、近付かなくても亜空間から出てくるエネルギーで調査や研究をしてるみたいで、何か色々な一説が出来上がってるみたいだぞ」

 

「へー…………どんなの?」

 

「一番有力なのが2つ。まず1つ目が亜空間に入れば死んでしまうこと、亜空間に入った瞬間謎のエネルギーに肉体がやられ、すぐに死んでしまうって調査結果が出てるけど………」

 

「そのエネルギーの調査結果それほど危険なことはないって話が出てるみたいだよ。まあ船で入ったら何とかなるけど、生身で入ったら死んじゃうし、亜空間に呑み込まれたら帰れなくなるかもしれないから好き好んで飛び込む人はいないだろ」

 

「ふーん………ま、あたしも知らないものに飛び込むのは嫌だな~。戦闘だったら初めての敵でも何とかなるけど、帰れないのすら分からないんじゃ飛び込みたくないよ。それでもう1つの仮説は?」

 

俺が1つの仮説を口にすると、ルティナは「うんうん」と頷きながら、1人納得しながら2つ目の仮説を聞いてくる。

 

「ああ、最後の仮説はな。実は亜空間は異世界に通じてるんじゃないかって話だ」

 

「異世界?…………異世界ってあの小説とかで出てくる別世界ってやつだよね?」

 

「そ、小説とかのネタに使われてるもの…………オラクルの科学者が亜空間から出てきているエネルギーを調べてみたら、謎のエネルギーを確認できたんだ。それがもしかしたら異世界に通じてるかもしれないってさ」

 

「ルティナはその調査結果を信じるか?」

 

「うーん、どうかな~…………でも本当に異世界があるのなら、あたしは見てみたいな~。異世界って何か憧れるな~」

 

「それで帰れなくなったら本当に元も子もないよ」

 

「んもう!相棒(バディ)はロマンがないなー!!」

 

話し合いルティナが、最後に不機嫌を見せながら頬を膨らませながら強く言う。

ルティナのその言い方に、俺は笑い声を出してルティナとの会話を終わらせると。

 

「ははっ、そうかもな。ん?おっ調度良いときに亜空間消えてくれたな。ルティナ、ワープホールを出現させるから、ちゃんと席に座ってくれ」

 

「はーい」

 

「よしっワープホール展開。目標船団オラクル 行くぞっ!」

 

その掛け声と共に俺は出現させたワープホールに入っていき、俺達は船団オラクルへと帰還する。

 

 

 

 

デュアルside out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

とある世界。

 

この世界はそれなりに技術が進んでるような世界であった。周りを見れば色んな方向に並べられた道路があり、その道路には沢山の車が走っていた。

道路の周りには無数の大きなビルやマンション、一軒家に店などが存在していた。

 

そして大量の建物がある向こう側には、周りは海に囲まれ道は一本の道路があるだけの、巨大な建造物があった。その建造物はまるで組織のような存在感を出す建造物であった。

 

 

 

建造物の外では、茶色の短髪の十代後半の茶色い制服を着た女性がテラスに座り、紅茶を飲みながら書類を見ていた。すると少し遠くから女性の名を呼ぶ声が聞こえた。

 

 

「はやてちゃーーーん!!」

 

名を呼ばれたはやてという女性は書類から目を離し、声がした方向に目を向ける。目を向けて女性のところにやって来たのは、ファンタジー小説に出てくるような妖精であった。

妖精の少女は女性と同じ制服を着て、手には少女が持てるような小さい端末を持っていた。

 

「ん?どうかしたんかリィン?」

 

女性は首を傾げながら聞いてくると、小さい少女は端末を開いて口を開く。

 

「はいですー。今日の昇格試験でスバル・ナカジマ、ティアナ・ランスターの2人は何とか合格できました。少々無茶を行ったようですが、なのはさんは鍛えがいがあると仰っていましたよ」

 

「そうかーなのはちゃんがそんなことを…………訓練を受ける子達の無事を祈らなあかんな………………」

 

「あはは、そうですね~……………」

 

そう言ったはやてという女性とリィンと呼ばれた少女の顔は、とてつもなく暗かった。大方そのなのはという人の訓練は、鬼とでも呼べる訓練なのだろう。

 

「それでフェイトちゃんのところはどうなんや?」

 

「はいです。フェイトさんが保護した2人が自ら機動六課に配属を志願しました」

 

「へぇ、フェイトちゃんが保護した2人がなー」

 

「何でも2人は恩返しがしたいと言って、志願したそうです」

 

「フェイトちゃんも嬉しいやろな。そわな2人がやって来ることに」

 

「フェイトさんも来ることをすごく楽しみにしているそうですよ~」

 

次のフェイトという人の話をすると、2人は楽しそうに笑顔を振り撒いていた。きっとフェイトという人は、とても優しく過保護なのだろう。

 

 

 

そんなほのぼのしくしてるのも束の間、リィンは難しそうな顔になって端末を操作して、ある資料をはやてに見せ、その資料を見るとはやても真剣な表情になった。

 

「実ははやてちゃん…………もう1つ報告することがあるです。今日の昼頃にまたあの黒い渦が出現しました」

 

「またか~。今日でもう10件ぐらいの報告が来てるで~」

 

「ええ、この黒い渦は数日前から報告が上がってました………でもそれは1日に1回という頻度でしたが、一昨日から時間差で出現することが多くなってきました。多ければ10分単位で」

 

「うーん…………被害が出ずに消えてくれているのが救いやけど………あたしらも新しいロストロギアの件で手一杯なのに、これ以上厄介な事が起こらないええんやけど」

 

「どういうことですか、はやてちゃん?」

 

はやての言葉にリィンは首を傾げて聞いてくる。はやては考える仕草をして自分の考えを口にする。

 

「………………この黒い渦は、なんやこのミッドチルダに嵐を呼んできそうな予感がするんや…………あくまで予感なんやけどな」

 

はやての表情にリィンは心配そうな顔つきになる。

 

 

しかし誰も思うまい、はやての予感が的中し黒い渦から新たな出会いと戦いが始まることは、誰も知ることもなければ予想できるはずがない。




次回はいつになるか分かりませんが、楽しみに待っていてください!!!


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集う4人の精鋭

続きを更新しました。


昨日のクエストが終了したのが11時過ぎだったので、俺とルティナは報告書を書かず部屋に戻った。

 

そのため俺達は朝飯を済ませ、船団オラクルにある武器を強化したり色々なアイテムと交換できたり有名アイドルのライブを聞く、ショップエリアの休憩所で、ルティナと一緒に報告書を制作している。

 

 

「今回リリーパに出現したダーカーはダガン30体ブリアーダ3体エルアーダ5体。蟲系ダーカーの………」

 

手でタッチボードの画面を出し、俺は文字をタッチしながら報告書を制作していると、俺の隣で報告書を制作しながらルティナが口を開いた。

 

「ねえ相棒(バディ)

 

「ん?何だよ、ルティナ」

 

「昨日発生した亜空間のことも報告した方が良いかな?」

 

ルティナが口を開いたのは、昨日発生した亜空間についてだった。俺は報告書を制作しながら返答する。

 

 

「んー、まあ報告した方がいいんじゃないか?もしかしたらオラクル船団も全ての亜空間を関知してないと思うからな。報告書に記載しとこう」

 

「うん、了解」

 

話し合いが終わると俺達は報告書制作に取り掛かるが、お喋り好きなルティナは何度も話し掛けてくる、それを俺は鬱陶しいとは思わず、楽しく喋りながら報告書制作をしていく。

 

 

 

 

「任務終了後の帰り亜空間が発生しましたが、何も異常事態は起きず静かに消えました、っと」

 

「報告書制作終わったね~」

 

「ああ、後はこれを管理官に提出すればOKだ」

 

「………うん!行こう行こう!」

 

報告書の制作が終わったので俺達は立ち上がり、ショップエリアからアークスが任務を受注出来るクエストカウンターや戦闘のクラスの変更が出来るクラスカウンター、アークスの治療を行うメディカルセンター等があるゲートエリアへと向かう。

 

ゲートエリアに来た俺達は色々なアークスに挨拶をしながら、クラスカウンターにいる管理官のコフィーさんに報告書を提出しにいく。

 

 

 

「コフィーさーん、報告書制作終わったんで提出しに来ました」

 

ルティナは、歩きながら手を振る。

 

「あ、デュアルさんルティナさんお早う御座います」

 

「お早う御座います、って言ってももう9時ですけどね」

 

コフィーさんは優しい微笑みを称えながら、ご丁寧に俺達に挨拶をしてくれた。

 

この人の名前はコフィーさん。

 

主な仕事はクエストカウンターで報告を受け取ったりクエストの管理を担当している。優しく美人な管理官のお姉さんである。

 

「それじゃあ、こちらが昨日のクエストの報告書です」

 

「はい、確かに受け取りました。お二人のことですから心配はないと思いますが、報告書の確認をして私の報告をしてもよろしいでしょうか?」

 

「「はい、別に構いません」」

 

コフィーさんの言葉に俺達は別に気にすることもないし、コフィーさんは俺達じゃ分からない意外なことに気付いてくれるから、コフィーさんの報告はちゃんと聞いておいた方がいい。

 

 

 

「はい、報告書の確認終わりました。お二人とも問題なく、どのような任務についても大丈夫ですが、くれぐれも無理はなさらないようお願いします」

 

報告書を少し確認するとコフィーさんは、にっこり微笑んで言った。

 

「分かってます」

 

「はーい」

 

俺とルティナは別々に答えて、ルティナクはエストカウンターから去ろうとするも、俺は去らずクエストカウンターに腕を掛けてコフィーさんに向かって言う。

 

 

「コフィーさん…………今日の夜空いてますか。良ければ俺とディナーはどうですか?」

 

俺が言い切ると、後ろから何故か急に機嫌が悪くなったルティナで、俺の耳を引っ張って引き()った。

 

流石はルティナ。女なのに男の俺を引き摺るとは、とんでもない力の持ち主だ。

 

 

相棒(バディ)~!………何してるの!ほら、早く行くよ!!」

 

「痛い痛い!?ルティナ痛いってば!なんでそんなに怒るのさ!?」

 

 

耳を引っ張り引き摺るルティナに俺は抗議をするが、当のルティナは聞く耳持たずという感じで、俺の耳を引っ張りまくる。

 

 

(もうっバディのバカ、あたしがいるのに他の女性に鼻の下伸ばして)

 

「だから痛いってルティナ!!俺の言葉聞こえてる!?離してって、このままじゃ耳が千切れちゃうから!」

 

「知らない!そんなことより新しい任務をやるよ!」

 

ルティナはそのまま俺を引き摺りながら去ろうとすると、管理官のコフィーさんが声を掛けてきた。

 

 

「デュアルさんルティナさん。任務に行くところ申し訳ありませんが、お二人とも上層部に呼ばれていますよ」

 

「「………………え?」」

 

コフィーさんの言葉に、俺達は気の抜けた声を出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コフィーさんに言われたため、俺達はゲートエリアから離れ、今はアークス上層部がいる部屋へと向かって歩いている。上層部の部屋に向かいながら、上層部に呼ばれた理由を俺とルティナは話し合っている。

 

「それにしてもアークス上層部があたし達2人を呼ぶなんて、一体なんだろうね?」

 

「さあ…………でも警戒はしといた方がいいな。何せアークス上層部は一部だけど最低最悪な奴等が居たんだ。今は新しく立て直されて俺達アークスを支えてるけど、まだそんな奴等は密かに残ってるかもしれないから。警戒はちゃんとしとこう」

 

「うん、分かってるよ相棒(バディ)!」

 

「おっと、そんなこと言ってるうちに上層部の部屋に着いたよ」

 

そう気を引き締めていると、俺達は既に上層部の人間がいる部屋の前へと来ていた。

 

「それじゃあ…………行くぞルティナ」

 

「…………いつでも良いよ。相棒(バディ)

 

扉の前でノックの手を作りルティナの同意を得ようと振り向き、ルティナは無言で頷いて力強く言ってくれた。その言葉に安W心した俺は笑顔で頷きノックをする。

 

「………………………誰だ」

 

ノックをすると部屋の中から野太い男の声が聞こえてきた。その声に俺は臆さず冷静にしっかりとした声を出す。

 

「オラクル船団、アークス所属デュアルとルティナ、来ました」

 

 

「入れ…………………」

 

 

部屋に入ってもいい許可が出たため、俺は扉を開けて俺達を呼んだ上官の顔を見ながらの第一声を放つ。

 

部屋にいた上官は体が細く気に食わなさそうな優男ではなく、寧ろ体は服を着てても分かるぐらいの膨れ上がった筋肉を持ち、顔なんて戦場の第一線で戦って築き上げた鋭い眼光を持っている、耳が尖ったニューマンだった。

 

いまだに上層部を怪しんでいる俺であるが、あの惑星で鍛えられた俺なら分かる。演技でこれだけの眼光は作れない、この上官は信頼しても大丈夫かもしれないと、きっとそれはルティナも分かっているだろう。

俺は上官に気付かれないよう目だけを向けると、ルティナもそれに気付いてアイコンタクトをした。どうやら分かっているみたいだ。

 

 

 

そのため俺達は……………………

 

「「失礼します」」

 

「それで…………俺達2人を呼んだのはなんでですか?」

 

そう言って、頭を下げる。頭を上げ俺とルティナは上官の顔を見ながら呼ばれた理由を聞いた。

そう聞いてみると、上官は右手を出して言った。。

 

 

「うむ、まあ君たちを呼んだ理由より先に私の名を名乗らせてくれ」

 

上官はついでに「肩の力を抜いてくれて構わない」と付け加え、自分の名前を名乗った。

 

「いきなり呼び出してすまない、私の名前はゴーマン。見ての通り君達の上官だ………実は君達2人を呼んだのは他でもない」

 

ゴーマンと名乗った上官は、なにやら真剣な表情となり俺の顔を見る。

 

「……………君達の力を借りたいんだ」

 

「俺達の」

「あたし達の」

 

「「…………力ですか?」」

 

上官の真剣な表情と言葉に、俺とルティナは首を傾げず疑問の声を上げた。それはそうだ、今のアークスには俺達よりかなりの戦闘能力所持者が沢山いる。それなのに何故俺達が呼ばれたのかが分からない。

 

 

「ああ、そうだ…………デュアル、ルティナ、君達の経歴を見させてもらったよ。その歳でアークス特殊惑星探査隊で惑星マキアで目覚ましい活躍を見せ、あまつさえ3代目艦長として惑星マキアを脱出したようだな」

 

「ええ、あまり知られていることではありませんが、俺達はマキアで鍛えられましたから………大きな犠牲も出てしまいましたが………………」

 

俺が苦しい表情でそう言うと、上官のゴーマンさんも複雑な顔で「…………ああ」と言った。

 

そう惑星マキアで起きた出来事はその後報告書にも上げられず、俺達デルタヴァリアントの乗組員全員の心の中に仕舞うことにした。そのため惑星マキアのことを知るものは数少ない口の固い上官ぐらいだ。その上官達の名前は俺達に知らされていなかったが。

 

 

「君達はオルター付属高校で生存技能のテストでは上位に入っていたようだな?」

 

「「はい」」

 

「君達の技能を惑星ハルコタンで使ってはくれないか?」

 

「「………………………………え?」」

 

上官の言葉に、俺達はまた疑問の声を出してしまった。それに何故俺達はハルコタンへ行かなければならないんだ。

 

「惑星ハルコタンのことは知っているな?」

 

「はい、知っています。オラクルが新たに見つけた第5の惑星ですよね」

 

「そうだ……………オラクルが見つけた第5の惑星でありダークファルス双子(ダブル)が狙いをつけた惑星でもある」

 

ゴーマンさんは頷いて言うが、少し無言になったが喋りだした。

 

 

「実は惑星ハルコタンは他の惑星よりダークファルス【双子】の影響が強かったようでな、ダブルが放っていたダーカーがハルコタンで暴れているんだ」

 

ゴーマンさんは続ける。

 

「もちろんアークスを出撃させて対抗はした…………死人までは出なかったが、少し苦戦を強いられているんだ。そこで君達の力を借りて戦況を覆してほしいんだ。マキアでの報告書を見てみたが君達は指揮を上げたとも書いてあった………君達の力をハルコタンにいるアークス達に見せて欲しいんだ!」

 

ゴーマンの力強い言葉に俺は悩むことなく答えようと思ったが、その前に俺にとって大切で頼りになる相棒(バディ)に聞かなくてはならない。

 

 

「自分は別に構いませんが、ルティナ………お前はどうする?」

 

いくらルティナとは訓練校時代からの相棒(バディ)と言っても、こういう任務となればしっかりとルティナの意見も聞かなくてはならない。

すると、ルティナは笑顔で俺に顔を向ける。

 

「うん、あたしも大丈夫だよ。それにダーカーの被害が出てるのなら、黙って見過ごすことなんて私には出来ないよ」

 

ルティナの力強い返答を聞いて俺は頷き、ゴーマンさんに振り向いて俺の決意を聞かせる。

 

「ゴーマンさん………俺達は既に決めました。その任務、受けさせてもらいます!」

 

その言葉を聞くと、ゴーマンさんは不適に笑った。

 

 

「そうか、君達の決意に感謝する。それではすぐにでも出発してほしいが、君達2人だけでは危ないだろう。こちらから2名のアークスを呼ばせてもらった………君達がよく知る2人だ」

 

「俺達がよく知っている…………2人、ですか?」

 

「誰だろうね?相棒(バディ)

 

ルティナの言うとおり誰だかちょっと分からん。何せ俺達はアークスと認められた瞬間2人だけではなく、色んなアークス達と任務をこなしてきたし食事を共にしたこともある。そのため同じアークスと任務をこなしたのもあるため、今では俺達と深い関わりを持つアークスはそれなりにいる。

 

ゴーマンさんは机の左上に置いてある機械に振れる。

 

 

「ゴーマンだ………彼らから任務の了承を得られた。入ってきてくれたまえ」

 

『『はい』』

 

機械から2人組の声が聞こえて、ゴーマンさんの右後ろにある扉から足音が聞こえ、扉が開けられた。扉から出てきたアークスに俺とルティナは驚きを隠せなかった。

 

「久しぶりだな!デュアル!ルティナ!」

 

「デュアルさん!ルティナさん!お久しぶりです!」

 

扉から出てきたのは、本当に俺達の長い付き合いとなり、訓練校を主席次席で卒業したニューマンとヒューマン。

 

「セイル!?」

と名前を言ったのは俺。

 

「イズナ!?」

こっちの名前を言ったのはルティナ。

 

 

そう、この2人も俺とルティナと同じアークスの第一次特殊惑星探査隊に所属していて、惑星マキアでチームを組み共に戦い、惑星マキアに決着を付けたアークスである。

2人とまた出会えたことに、俺とルティナは喜びセイルとイズナも笑いながら近付いてくる。

 

「セイル!!本当に久しぶりだな!変わってないな!船の運営にも興味が湧いたって聞いたから、てっきりネクタイでもしてるのかと思ってたよ」

 

「イズナァ~!元気にしてた!?また会えるなんて嬉しいよ!!!」

 

「ははっ!デュアル相変わらず口が減らないな!大体俺がネクタイなんて固っ苦しいものなんてすると思うか?」

 

「はい!元気にやっていました!!私もまた御二人に出会えて嬉しいです!」

 

俺が今話しているのはヒューマンのセイル。訓練校時代から有名人で決して倒れないことを信条としており、そのため訓練校の同期からは『不倒のセイル』と呼ばれていた。そんなカッコいい2つ名を持つセイルだが、倒れないことを信条としている分、回復薬であるモノメイトの消費量も激しいため『モノメイト男』という2つ名も持っている。

 

「イズナも久しぶりだな!お姉さんがやってるケーキ屋を一緒にやってるって聞いたから、アークスを辞めたかと思ったよ!!」

 

「デュアルさん!!はい!今もお姉ちゃんと一緒にケーキ屋をやっていますが………やっぱり私は皆さんとの思い出が忘れられなかったんで、アークスを続けることを決めました!」

 

「そうなのか!?イズナがアークス続けてることに俺も嬉しいよ!!!」

 

 

セイルとの話を終えて、次に俺はニューマンのイズナと話し始める。訓練校を主席で卒業した才女で、その実力を知るものは少なかったが今もアークスを続けてることは、イズナの実力を知るものは沢山いるだろう。しかし、そんなイズナはスイーツには目がなく、それを初めて知ったとき何時もは大人しく控え目なイズナがスイーツを語る時は、とんでもなく饒舌になったことに俺は驚きを全く隠せなかったのは今でも思い出せる。

 

イズナと話し合っていると、セイルはルティナと話し始めるが、喧嘩混じりの言い合いになるが、これでも仲が良すぎるぐらいのため、放っておいても大丈夫だ。

 

俺達は久し振りに出会えたため、それに嬉しくなりながら任務のことを忘れて、話し合いに華を咲かせてしまった。そのため蚊帳の外となっていたゴーマンさんが咳払いをした。

 

 

「ゴホン、感動の再開は終わりにして、俺の話を聞いてもらっても構わないか?」

 

「「「「し、失礼しました!?」」」」

 

ゴーマンさんの言葉を聞いて俺達4人全員は、謝罪をしながら体を只した。

 

 

「うむ、それでは4人に命じる!これより君達はハルコタンの任務に行ってもらう!!任務を着実にこなし生きて帰ってくるんだ!!!分かったか!!?」

 

「「「「………了解!!!」」」」

 

ゴーマンさんの激しい言葉に俺達は怯まず、敬礼をして力強く答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よいしょっと、おーい残りの荷物はどれくらいだ?」

 

ゴーマンさんの部屋を出た俺達はすぐにゲートエリアへと向かい、今はハルコタンへと向かうための戦闘機に念のためだが荷物を入れている。今俺が入れた荷物は武器の整備や修理を行う道具である。

 

 

「後は、携帯用食料と船の修理道具、起動式の爆薬だな」

 

「分かった、起動式の爆薬は俺が持ってくる」

 

相棒(バディ)どいてー。野営用のテントや寝袋とか入れるから」

 

声を掛けるとセイルが残りの荷物を言ったため、危険な荷物を持っていくことを言うと、野宿用の道具を持ってきたルティナが来たため俺はどいてやるとする。

 

「ふぅ~………………」

 

「ルティナ、大丈夫か?」

 

「平気平気、これぐらい大丈夫だって」

 

「そうか、じゃあ俺は起動式の爆薬を持ってくるな」

 

ルティナの心配をするが、ルティナ自身体力は高いためそれほど心配する必要はないみたいだ。それが分かったため俺は起動式の爆薬を持ってくる。

 

「よっと」

 

「えっほ、えっほ」

 

起動式の爆薬を船に持っていくが、爆薬を持っていこうとすると、その少し隣でイズナが船に使う応急修理用の道具3つを重ねて持っていた。それを見た俺は危ないと思い、爆薬を持ったままイズナに声を掛ける。

 

 

「おーいイズナー。そんなに持ったら危ないぞ。1つ持ってあげるよ」

 

「あ!?大丈夫ですよデュアルさん!それにそんなに持ってるのにさらに持たせちゃ悪いですよ!!」

 

「良いって良いって、逆にそんな持ってたらイズナが危ないからさ。1つぐらい持たせてよ」

 

そう言って俺は、イズナが持っている一番上にある修理道具を左脇に持つ、起動式の爆薬は右腕で落ちないように持つ。

 

「すみません。デュアルさん」

 

「そういう時は謝るんじゃなくて、お礼の言葉じゃない、イズナ?」

 

イズナの謝罪を聞くが、俺は惑星マキアでの訓練での助け合ったことを言う。俺がそう言うとイズナはなにかを思い出した顔になる。

 

「…………そうですね!ありがとうございます!デュアルさん!」

 

後に笑顔を見せ俺にお礼を言った。

 

 

 

「起動式の爆薬と応急修理道具持ってきたぞー」

 

「おう、まだ置き場はあるから同じところに集めて置いてくれ」

 

「りょうか~い」

 

「分かりました」

 

 

戦闘機の元まで戻ると、セイルが操縦席で俺達に荷物の置き場を言う。俺とイズナは戦闘機に入り、起動式の爆薬と応急修理道具を一緒に置く。

 

「よし、それじゃあイズナ、セイルと一緒に戦闘機の確認をしてくれ。俺はルティナが運んでる携帯食料を一気に運んでくるから」

 

「分かりました。それじゃあ行ってきます」

 

「おう、頼むよ」

 

そうイズナに言ってイズナはセイルがいる操縦席まで行き、俺はルティナの手伝いへと向かう。

 

 

 

「ルティナ、手伝いに来たよ」

 

「あ、相棒(バディ)!!ありがとう、助かるよ!」

 

手伝いに来たことにルティナがお礼を言うが、いやこれは手伝はなくてはならないだろう。何せ携帯食料は念のために10日分ぐらいは入っている、さすがにこんな重いものをルティナ1人に運ばせるのは酷すぎる。

 

そのため、俺が携帯用食料を2箱ルティナが2箱と、それぞれ半分ずつ持っている。戦闘機に最後の荷物を入れ終わったため、俺とルティナは戦闘機の確認をしている操縦席へと行く。

 

 

「どうだ戦闘機の方は?何か可笑しな所とかないか?」

 

操縦席の後ろから顔を出して操縦席に座っているイズナとセイルに聞く、オラクルの腕の良い整備士達が整備等をきちんとやってくれているから、不安などはないと思うが、こちらも念のために確認をしておいた方が良いからな。

 

「いえ、各部チェックしたところ、どこにも異常等は見当たりません。エンジンやワープ装置に通信機共に異常ありません」

 

「こっちも大丈夫だ。武装、フォトンシールド、エネルギー共に異常なく起動してるぜ」

 

「OKだな、それじゃあハルコタンの任務に行くか!ルティナ後ろに下がってくれ、セイルも下がってくれ………運転は俺がするからイズナは助手席に座ってくれ」

 

発進準備がOKとなったため、俺は指示をしながら操縦席に座ろうとするが、無駄に(こだわ)りがあるセイルがそれを黙っているはずがない。

 

「ちょっと待てデュアル!何でお前が戦闘機を操縦するんだ!ここは俺の出番だろ?」

 

「何でそんな細かいことに拘る!?良いだろ別に、それに俺の方が長年戦闘機操縦してるんだから、ここは俺に任せてよ。安全運転でハルコタンに到着させるから」

 

「いいや!ここは俺がやる!こう見えて副長業務や船の運営業務だけじゃなく、大型船から小型船まで操縦してるんだ、だからここは俺に任せろ!」

 

「いいや!ここは俺が」や「ここは俺だ!」と言い合いながら運転を奪い合う、操縦席に座っているイズナはあわあわしながら俺達を止めようとすると、俺達の体に触れて引き剥がし、そこからルティナが割り込んできた。

 

 

「はいはい、どっちでも良いから早く運転してよ。もしも決まらないなら文句なしのジャンケンで決めてよね」

 

ルティナの言葉にセイルは「お、おう」と言って、俺も「了解」と言って握り拳を作ってセイルに向ける。セイルも同じく作って俺に向ける。

 

「「最初はグー…………ジャンケン、ホイ!!」」

 

 

 

 

結果、セイルはグーを出して俺はパーを出したため、ジャンケン勝負は俺の勝ちとなり、戦闘機は俺が操縦することとなった。

 

(それにしてもセイルの奴………相変わらずバカ正直な奴だな。ご丁寧に最初からグーを出すし、変わらないな)

 

そう、セイルは変というか妙にバカ正直な所がある。そのため惑星マキアの食事で肉が1つ残ったとき、ルティナとセイルが奪い合い、それを俺が止めてジャンケンで決めろと言った。そしてジャンケンをやって結果は同じ通りセイルがグー、ルティナがパーを出して肉を獲得したのはルティナとなった。

 

その時のセイルは、頭を抱え凄まじい負けオーラを放っていた。

 

 

 

「それじゃあ今度こそ行くとするか。みんな準備は良いな」

 

「OKだよ!」とルティナ。

 

「俺様はいつだって行けるぜ!」とセイル。

 

「はい、大丈夫です!」とイズナ。

 

3人の頼もしい返答を聞いた俺は、戦闘機のエンジンを起動させる。

 

「それじゃあ、発進だ!」

 

オラクル職員の了解を得て、俺は戦闘機を発進させた。

 

 

 

「デュアルさん、船団オラクルの500メートル以上。今ならワープ装置を起動させても大丈夫です」

 

「了解イズナ……………ワープ装置起動、エネルギー照射、目標惑星ハルコタン、このまま行くぞ!みんなしっかりと捕まってろよ!……………………発進!」

 

ワープゲートが出来たため、俺は戦闘機に全力のスピードを出させ、ワープゲートに突っ込んだ。

 

 

 

「座標修正良し、船体の傾き無し…………ワープ航行に入っても異常はないみたいだな」

 

「ねえ相棒(バディ)。ワープ航行に入ったら惑星ハルコタンに着くのどれくらいになるの?」

 

ワープ航行に入っても戦闘機に異常はないか調べていると、後ろで軽い腕立て伏せをしているルティナが聞いてきたため、俺は操縦桿を持ったままルティナに顔を向ける。

 

 

「そうだな早くて5分程度。遅くて10分ぐらい、かな?」

 

「へー、それぐらいで到着するんだ。新しく発見された惑星だから、もう少し遅れるかと思ってた」

 

「新しく発見されていても、私達の前から2人のアークスが調査に入っていましたから、そのおかげで惑星ハルコタンの原住民との交流も上手くいってますしね」

 

「なあ、その2人のアークスで女性の方の正体は、とんでもないアークスだったんだよな。えーっと何て言ったんだっけ?確かクラレー?クレイー?」

 

ハルコタンの到着時間にルティナは普通の反応を示し、そんなルティナにイズナが惑星ハルコタンについて説明すると、自分の武器の調子を見ていたセイルが話しに入ってきて、ハルコタンを調査していた2人のアークスのうち1人の名を出そうとしていた。

 

 

「2代目クラリスクレイス…………10年前、ダーカーとの抗争が激しかった頃………俺達一般アークスを守るために戦い、ダークファルス【若人】(アプレンティス)と共に死んだとされていた三英雄の1人さ」

 

名を出せていないセイルに変わり俺が言って、ついでにこの事も説明しながら、まだ続けて話す。

 

 

「だが不思議なことに若人と共に死んだとされていた2代目クラリスクレイスは、歳を取らず体に怪我もなくただ記憶のみを失って、惑星ナベリウスの森林地帯の奥に倒れていた。まあ俺達アークス全員、その人が2代目クラリスクレイスとは知らなかったけど、あの深遠なる闇が出現したことで知らされたことで、めちゃくちゃ驚いたな」

 

「あー。あの時はあたしも驚いたよ~。深遠なる闇が出現したって聞いたら、次にその深遠なる闇の依り代が私達を守った2代目クラリスクレイスだったなんてね」

 

「私も驚きました…………お姉ちゃんと一緒にケーキを作っていたときに緊急連絡網で色々な情報が来ましたから」

 

「それだったら俺もだな。特殊惑星探査の任務中にオラクルから緊急帰還命令が来たと思ったら、惑星ナベリウスでダーカーの活性化が凄まじいからすぐにオラクルに集結しろって言われたからな」

 

深遠なる闇が現れたこと俺達が全力を持ってダーカーと戦いだしたことを、みんな思い出しているだろう。

 

 

「しょうがないさ、深遠なる闇は宇宙を滅ぼす最悪な存在。深遠なる闇が現れれば、アークス総動員全力で活性化したダーカーと戦わなくちゃならないからね」

 

「あの戦いは本当に大変だったよね………みんな死ぬ気で戦ってたけど、その分死ぬ気はないっていう思いもあったよね」

 

「ああ……………そうだな」

 

ルティナの発した言葉に俺は操縦桿を持ったまま、前を見ながら笑いながら頷いた。

そこでセイルが、とある疑問を口にした。

 

 

「そう言えばよ、何でオラクルは深遠なる闇の依り代となった2代目クラリスクレイスを殺さずに救出するなんていう指令を出したんだ?」

 

「やっぱり三英雄の1人だからじゃないの?死んだと思われてた2代目クラリスクレイスが生きてたんだから、オラクルとしては助けたかったんじゃないの?」

 

ルティナの台詞にイズナとセイルが納得しそうだったが、俺は透かさず否定した。

 

 

「それは違うよルティナ………今のオラクルはそんなことのために2代目クラリスクレイスの救出指令を出したんじゃないのさ」

 

「え?違うの!?じゃあ何で救出指令なんて出したの?相棒(バディ)は知ってるの?」

 

ルティナは驚いた声を出すが、すぐに俺から聞いてきた。

 

 

「まあ、そこそこって所かな?」

 

「じゃあ、教えてくれよデュアル」

 

頬を掻きながら言うと、セイルが興味満単に聞いてきて、俺も隠すことでもないため普通に喋った。

 

 

「オラクルが救出指令を出したのは、1人の女性アークスを助けるため、そして1人の男性アークスに力を貸すためだったんだよ」

 

そう言うと、ルティナがハッとなにかを思い出して、手にポンッと手を置いた。

 

「あっ!そう言えば思い出した!確かハルコタンに降りた2代目クラリスクレイスには、いつも一緒に同年齢のアークスが居たんだった!」

 

「そっ、その人がオラクル最強の三英雄と互角の戦いを見せ、ダークファルスをも退け、深遠なる闇の依り代となった2代目クラリスクレイスを救った。今も沢山の功績を建てているオラクルの英雄さ」

 

操縦桿を左手で持ち右手で正解と示すように、指をパチンと鳴らした。

 

「ああ、それだったら俺もよく知ってるぜ!確かその男、2代目クラリスクレイスの(つがい)なんだってな」とセイルが笑いながら言い。

 

「えっ!?そうなんですか!?私は2代目クラリスクレイスの伴侶(はんりょ)さんだって聞きましたけど!?」と驚きながら自分が聞いたことを言うイズナ。

 

「へー、あたしはてっきり私達と同じ、背中を任せられる相棒なのかと思ってたよ」と普通に言うルティナ。

 

「「「ねえ(なあ)(すいません)」」」

 

「「「相棒(バディ)(お前)(デュアルさん)は、どっちだと思う?(いますか?)」」」

 

ルティナ、セイル、イズナが同時に俺に答えを聞いてきたため、俺は俺が聞いた2代目クラリスクレイスと1人の男のアークスとの関係を言う。

 

「いや俺はルティナ達が聞いたのとは違うな。俺が聞いたのは…………………2代目クラリスクレイスとその人は恋人同士って話を聞いたんだが」

 

「「「ええぇぇっ!!?」」」

 

俺が聞いた話を口にすると、3人はとてつもなく驚いた声を出すが、俺は3人の驚いた反応にビビることはなく、そのまま普通に言う。

 

「だって、そうじゃないか?たった1人の男とたった1人の女性のためにオラクルもそこまでするってことは案外その2人は恋人同士の関係なんじゃないか」

 

俺の言った言葉に3人は「確かに」とでも言うかのような、納得した顔となった。

 

「それにしてもすごいよね~。その2代目クラリスクレイスを救った人…………2代目クラリスクレイスとして救うんじゃなく1人の女性として救うなんて、素敵だな~」

 

「確かに素敵ですよね。ルティナさん」

 

「それにその男。アークスの最強戦力の六芒均衡と渡り合える実力を持ってるんだろ!負けるかもしれないが、一度で良いから戦ってみたいな!」

 

すると、今度は2代目クラリスクレイスを救ったアークスの話で盛り上がり始めた。すると、ワープ航行からそろそろハルコタンに到着するランプが光った。

 

「よしっ、みんなっそろそろハルコタンに到着するから準備してくれ」

 

「「「了解」」」

 

ハルコタンに到着するのを伝えると、ルティナ達はしっかりと了承してルティナとセイルは席に座ろうとする。

 

「そう言えば相棒(バディ)。最後に聞きたいんだけど、2代目クラリスクレイスを救ったアークスの名前は何て言うの?」

 

「ああ……………その人の名前はな、レイダーって名前らしい」

 

 

 

 

 

 

「わあぁっ!?あれが惑星ハルコタンなんだ!」

 

「白と黒が基調とされてると聞いてましたけど、綺麗な白と黒が出来上がってますね!」

 

ワープ航行から出れば、もはや惑星ハルコタンの目の前にあると言ってもよいぐらいな距離だった。

 

「惑星ハルコタンに入ったら、戦闘機を空中の安全圏に止めて、出撃だったよな」

 

「そうだ…………俺達みんな惑星ハルコタンの任務は初めてかもしれないけど、気負わずダーカーを倒していこう!」

 

セイルと話し合いながらも、俺はみんなに気を配って言うと、みんなは俺に振り向くとお返しに笑顔を返した。3人のその反応に俺も笑顔を返して戦闘機のエンジンを深く踏もうとすると、いきなり警報がなり助手席に座っていたイズナが叫んだ。

 

 

ビーッ! ビーッ! ビーッ! ビーッ! ビーッ! ビーッ!

 

 

「なっ、なに!?」

 

「警報…………!?」

 

「たっ、大変です!?」

 

「どうした、イズナ?」

 

「亜空間の発生エネルギーを感知!?発生ポイントは…………私達の後ろです!?」

 

「「「なっ!?…………」」」

 

イズナの報告に俺達は驚かざるおえなかった。それはそうだ亜空間は突如として発生する謎の空間が不規則もだか、いきなり俺達の近くに発生するなんてそんな前例は聞いたことがない。

 

そんなことを考えていれば、本当に俺達の後ろに亜空間が発生した。

 

「「きゃあっ!?」」

 

「くっ!?」

 

「うおっ!?」

 

亜空間の強い力に船体が揺れたため、俺達全員は悲鳴を出した。

 

「おいデュアル!!何とかならないのか!?」

 

セイルは立ち上がり、俺に何とかしろと言うが。

 

 

「俺だって何とかしたいが、サブドライブも使って出力を上げてるが、亜空間の力が強すぎて脱出が出来ないんだっ!!!」

 

「そっ、そんな!?」

 

「脱出方法は他にないの!相棒(バディ)!?」

 

俺がそう言うとイズナは絶望の顔になり、ルティナは慌てる顔になる。

さらに亜空間は俺達に追撃を与える。

 

「駄目だ!船から脱出ポットで脱出しても亜空間に引きずり込まれるのがオチだ!」

 

「デュアルさん!亜空間に船のフォトンエネルギーを吸い取られています!」

 

「何だとっ!?」

 

相棒(バディ)…………それって、まさか?」

 

イズナの報告に焦りの顔と声を出す俺、ルティナの答えを聞こうとする言葉。エネルギーメーターも見てみたが、確かにフォトンエネルギーが吸い取られていた。それを見た俺は席を立っているルティナとセイルに大声で叫ぶ。

 

「ルティナッ!セイルッ!全力で何かにしがみつけ!!!もう()たない!亜空間に………呑み込まれる!」

 

俺がそう宣言すると、船は亜空間に勢いよく吸い込まれた。そのため船体が激しく揺れまくる。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉおっ!!?!?」

 

「「きゃあぁぁぁぁぁぁあっ!!?!?」」

 

「うわあぁぁぁぁぁぁあっ!!?!?」

 

 

 

船体が激しく揺れ動くため俺達は為す統べもなく、亜空間に引きずり込まれてしまった。戦闘機が引きずり込まれると、待ってかのように亜空間が閉じていくのが俺の目に見えた。

 

 

 

 

しかし、亜空間に呑み込まれた俺、いや俺達に待っていたのは惑星マキアでの事件と同等の絶する冒険である。

俺達はこの出会いで、大事なことを学ぶことになるとはまだ誰も知る由なんでないのだから。




ようやく書き終えました。色々な文章や報告が頭に出たため、書かなくてはならないという謎の使命感に燃えました。

そして話し合いに出た名の男は私作者が作ったPSO2の自キャラでございます。
PSO2の自キャラをさらす私作者の愚かさ、ですが反省も後悔もありません!


それでは誤字・脱字のご報告待っています。
感想もお待ちしております。


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登場人物紹介

活動報告にも書いたように、感想がほしいです。


……………………もう自分の作品が何なのか分からなくなってきました。


「惑星探査隊オルター 出撃!」

 

頼れるリーダーシップを持ったアークス

デュアル

 

CV1

 

スタイル 有言実行

種族ヒューマン 男

年齢16歳

 

身長183

 

 

メインクラス ハンター

サブクラス フォース

使用武器 ソード 明紅(モーニングレッド)

装着アタッチパーツ

ヴィタウエッジ パワーⅤ

ヴィタキクロス アビリティⅤ

ヴィタリーディング スタミナⅤ

ラッピーエフェクト 捨て身の証

 

装着防具 スマッシュクオル コア能力 天運の一撃

 

戦闘スキル

フューリースタンス

打撃力コンバート

法撃力コンバート

 

かつてアークス特殊惑星探査任務に志願し、目覚ましい活躍を見せた心優しき少年。惑星探査任務終了後は正式なアークスとして認められ、その後は訓練校からの付き合いのルティナと共にアークスとして戦い続ける。

基本的に人当たりがよく心優しい性格だが、戦闘や緊急事態でない時は、初対面でありながらも女性をナンパするプレイボーイな一面を持つ。しかしその反面相手の好意には鈍感で、ルティナの恋心には一切気づいていない、常に仲間を信頼しているが、裏切られれば人一倍傷つく一面もある。

ありとあらゆる面で秀才な能力を発揮しその能力はデルタヴァリアントのアークスから認められていた。実力は高いが、戦闘スタイルは猪突猛進であり、時として強引な攻めをすることもある。惑星マキアで当初は『ハンター』として戦っていたが、マキアで新たに製作され全ての装備が使えるクラス『バスター』で培った経験を活かして、今は全てのクラスを扱っているが、基本的にはメインがハンター・サブがフォースで、フォースでは回復と補助を行っている。

使用武器は自分の目標であった、暁紅(ぎょうこう)のフィルディアと呼ばれた2代目デルタヴァリアントの艦長から預かった大剣『明紅』(モーニングレッド)

彼女の意志を継ぎ、約束を守るため明紅(モーニングレッド)を使っている。

趣味はガーデニングとトレーニング、ガーデニングの腕前は園芸家顔負け、訓練校時代では仲間を守りたいという思いが強くトレーニングに励んでいたため、体はそれなりに引き締まっている。

瞳の色は青で顔は普通だが、意外と女性にモテているが本人は気づかずに女性にモテたいという下心丸出しである。

左頬にはタトゥーがあり、タトゥーは訓練校時代のクラスメイトとやったが、タトゥーシールである。

食べ物で好き嫌いはなく、出された料理は残さす食べ、様々なメニューを頼み満遍(まんべん)なく食べている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相棒(バディ)となら大丈夫!良いイメージ湧いてきた!!」

 

明るく元気な格闘大好き少女

ルティナ

 

スタイル 格闘系ガール

種族ヒューマン 女

年齢16歳

 

 

メインクラス フォース

サブクラス ファイター

使用武器 ロッド エバーグリーン

 

本作のメインヒロイン。

デルタヴァリアントの戦闘隊員だったが特殊惑星探査任務終了後、正式なアークスとなった少女。訓練校時代のパートナーであるデュアルと共にアークスを続けている。

デュアルのことを『相棒(バディ)』と呼び、一緒に行動を共にする。近接武器の扱いがヘタクソだったのでフォースになったが、素手の格闘が好きで武器なしの戦いはデュアル以上で無駄に強い。

なにかとよく喋る、明るく元気なムードメーカー。誰とでも友好的なコミュニケーションが取れる物怖じない性格である。

現在もデュアルとコンビを組み続け、その信頼関係は特殊惑星探査任務でさらに強くなり、デュアルに恋心を抱くようになってしまい、色々なところでアピールするもデュアルがプレイボーイな為ヤキモチを焼けばデュアルが自分のことをどう思っているのか気になっている。

惑星探査任務で自分の失敗で誰かを失うことに誰よりも恐怖をしていたが、デュアル達の信頼によりその恐怖を乗り越えた。誰よりも生き残ることを考えているため、デュアル達からは参謀の役割を任されている。

常に自分を頼るも、いつも隣にいて支えてくれるデュアルの存在に助けられているため、彼を失ってしまうことに何よりも恐怖を感じていることもある。

特訓が大好きで、格闘も得意なこともあり、アクション映画や格闘ゲームが大好き。素手での格闘をやりたいという理由は、映画やゲームで出てくる技がカッコイイという理由。格闘ゲームではオラクルから支給されたフォトンファイターというゲームが大好きで大得意。

好きなものは肉とスイーツ。

今もなお近接武器の扱いが苦手だが、格闘能力を上げるためにサブをファイターとしている。

こう見えてうねうねぐにゅぐにゅした軟体動物が嫌いで、その中でもタコが一番嫌いという弱点がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺様は倒れねえんだよ! 何があっても!!」

 

不倒の異名を持つ勇士

セイル

 

スタイル モノメイト男

種族ヒューマン 男

年齢16歳

 

 

メインクラス ハンター

サブクラス ファイター

使用武器 パルチザン アリーブルー

 

デルタヴァリアントの戦闘隊員だった男。

特殊惑星探査任務終了後、惑星探査隊オルターの一員となり上手く出世コースに乗ったようで、デルタヴァリアントの副長となった反面、船の運営業務にも興味を持ち日々忙しくしながらもデルタヴァリアントの艦長を目指している。

デュアルやルティナ達と同じ訓練校出身で、訓練校は次席卒。どんな任務でも絶対に倒れないことを信条とし、そのしぶとさから仲間内では『不倒のセイル』と呼ばれる。仲間の為に身体を張れる好感だが、仲間思いが災いして暴走することも。

その戦闘スタイルから回復アイテムである『モノメイト』の消費量が多く、『モノメイト男』という異名も持つ。訓練生時代からフィルディアに憧れていた。

その一面から裏表もなく、自分の信念を貫く一本気な熱い若者でもある。

ルティナとは何かとよく言い合う間柄だが、傍から見れば『喧嘩するほど仲が良い』と見られている。逆にデュアルはライバル視しており、惑星マキアでの勝負ではデュアルの方が強く視野を広く見ている彼の実力を認めている。いずれはデュアルに勝つために日夜トレーニングに励んでいる。

幼い頃は怠惰な生活を送る太った少年だったが、住んでいた居住区域をダーカーの集団に襲われて家族や友人を亡くした過去を持っている。しかし自分もダーカーに殺されそうなときに、金髪の女とピンク髪の女のアークス2人組に助けられ、その時にピンク髪の女から生きる希望を見出だされ、さらには彼女から不倒の心得を教えてもらった。

今でも太りやすい体質のようだが、そうならないためにもトレーニングに明け暮れている。

自分に生きる希望を見出だし、不倒の心得を教えてくれたピンク髪のアークスを探し続けている。

英雄を目指しており、自分の英雄としての在り方は『知恵と勇気と魂で戦う』という考えである。

 

 

 

 

 

 

 

「すいません……私なんかが目立っちゃいけないと思って……」

 

身長で引っ込み思案な射撃手

イズナ

 

スタイル 知られざる天才

種族ニューマン 女

年齢14歳

 

 

メインクラス レンジャー

サブクラス ガンナー

使用武器 アサルトライフル サイレントバイオレット

 

 

デルタヴァリアントの戦闘隊員だった女性。

デュアル達と同じ同期生だが、2年飛び級の逸材を持った才女、訓練校も主席卒業したエリート。訓練校時代はセイルのパートナーを務めた。

正確な射撃では右に出るものがいないが、目立ちたがらない控えめな性格の為、その実力を知るものは少なかったが、惑星マキアで鍛えられたことによって、今では自分から率先して行動しているためイズナの実力を知るアークスは数多くいる。

惑星マキアで数々の部所を手伝っていたため、その経験を活かしてオラクルの発明にも貢献をしている。

甘い物が好きでチーズケーキは目がないくらい大好物。姉が1人おり、かつて姉もアークスだったのだがイズナが飛び級で訓練校に進学した途端にアークスを辞めてしまい、パティシエとなって連絡が来なくなり疎遠となってしまった。姉がアークスを辞めてしまったのは自分が目立ってしまったのが嫌になったと思っていた。

しかし惑星探査任務終了後、デュアル達の勧めですぐに疎遠になっていた姉に会いに行くと、姉もすっごく喜び2人で一晩語り明かした。嫌われていると思ったのは勘違いであった。

その後は大好きな姉と共に、一緒にパティシエをやり始め、『美人姉妹のこだわりスイーツ!』とメディアにも取り上げられ、とある三姉妹と番組で対決したらしいが見事勝利を獲得した。

姉と共にパティシエをやり始めたためアークスを辞めたと思われていたが、特殊惑星探査任務で出会った仲間達との思い出が忘れられず、パティシエをやりながらもアークスを続けていた。

主席卒なだけあって、色々なところでことわざや四字熟語を使うことがある。訓練生の頃は周りのやっかみもあり、虐めのターゲットとなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴーマン

 

種族ニューマン 男

年齢50歳

 

メインクラス ファイター

サブクラス ハンター

使用武器 ツインダガー

 

 

本作のオリジナルキャラ。

元第一線で戦っていたアークスだったが、ダーカーと無茶な戦いを続けたため、早くに肉体にガタが来てしまい、これ以上戦えば死ぬと言われ第一線から退いた。

第一線から退いた後はアークス上層部の一員となり上層部の闇を叩き潰すために動いていた。だがアークスが最初から変わろうとすることに驚きながら、自らも力を貸すことに尽力した。

その後は第一線で戦うアークス達の任務を確認するようになり、そのアークスに見合った任務を組ながら管理官に報告している。

実はオルクスとは同期であり、よく一緒に任務をこなしていた。

オルクスとはお互いの戦術に言い合う間柄だったが、お互いの力量を認め合い共に酒を飲む仲間でもあった。




そう言えば少年エ○スでファンタシースターオンライン2の漫画が始まりましたね。買って読んでみましたが、僕は続きが楽しみでなりません。

ネタバレになりますが、メルフォンシーナが出てくるため、彼女の姉がどういう存在だったのか気になります。

そしてこれを読んで、もぅともっとファンタシースターオンラインを勉強したいと思います。

バイトクビになりましたから、節約しながら少○エー○を買わないと行けません。(……トホホ)


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着陸と探索

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感想をください!!
なるべくオブラートな感想をお願いします!!!
今私の心は酷く傷付いておりますので…………………


「うあぁぁぁぁっ!?くっ!!?」

 

亜空間に吸い込まれた俺達、もとい俺達の戦闘機は亜空間の中で揉まれている。亜空間の中は稲妻が走る乱気流のようなものだったらしく、俺達が乗っている戦闘機は掻き回されながら、どこかも分からない場所に向かっているはずだ。

 

戦闘機が激しく揺れているも、俺は前方に目を向けてみれば、その先から白い光が見えた。

 

「みんな!出口らしきものが見えてきた!!」

 

「えっ!!」

 

「本当か、デュアル!」

 

「イズナ、姿勢制御は出来るか?」

 

「無理ですデュアルさん、亜空間の力で姿勢制御ができません!?」

 

「くっ!?やっぱり亜空間から出ないと無理か」

 

亜空間から出られることを報告すれば、ルティナとセイルが俺の席に手を掛けて来る。俺はすぐにイズナに姿勢制御の確認をするも、亜空間の中では姿勢制御ができないことを言われ、俺は苦しい顔となり他の確認をする。

 

「デュアルさん!亜空間から抜けます!!」

 

イズナの言葉に俺達全員は前方にある亜空間の白い光に目を向ければ、白い光に包まれた。

 

「うっ…………おわあぁぁっ!?」

 

「な、なんだ!?」

 

「まっ、真っ暗だよ!?」

 

「なんですか、これ!?」

 

白い光に包まれるも、すぐに白い光から出れば俺達が目にしたのは、ただの真っ暗闇だった。俺達はいきなりの真っ暗闇に驚かされるが、早急に指示を出す。

 

「イズナ!ライトを点けてくれ」

 

「分かりました!」

 

俺がそう言うと、イズナはすぐにライトを点けるが、俺達の目に写ったのは、

 

 

「! 嘘だろ!?」

 

「ここ森だったの!?」

 

それは全体に生い茂っている、大量の木々であった。大量の木々に俺とルティナはまた驚いた。

 

「ちょっと待てデュアル!このままじゃ、あの大量の木々に墜落するじゃないのか!?」

 

「よく分かったなセイル。亜空間の力のせいでフォトンドライブがイカれた!このままじゃ、あの木々に墜落衝突になる!下手をすれば俺達全員お陀仏になるかもな?」

 

「どうにかできないの?相棒(バディ)!!」

 

「やれるだけ、やってみるさ!!」

 

セイルの推察に俺は頷き、ルティナはどうにかできないか聞いてきたため、俺はなんとしても全員で生存するため、今出来ることに全力を尽くすだけである。

そのため、助手席に座っているイズナに向かって聞く。

 

 

「イズナ!戦闘機のフォトンエネルギーはどれくらい残ってる?」

 

「亜空間に吸い込まれたせいで、残りは30パーセントしか残ってません!!?」

 

「それだけ残ってれば十分さ、サブドライブも何とか生きてる…………イズナ!戦闘機前面にシールド展開!エネルギー率20パーセント!残りは姿勢制御と角度維持に回せ、5パーセントずつだ!!」

 

「分かりました!」

 

俺の指示にイズナはしっかりとした返事をして、次に俺はサブドライブを何とか始動させ、多少揺れてるが戦闘機の姿勢を整える。

 

操縦桿を握りながら俺は後ろを振り向き、ルティナとセイルに叫ぶ。

 

「ルティナ!セイル!木々の中に緊急着陸する!!衝撃に備えて!何かに捕まるんだ!」

 

「う、うん!」

 

「分かった!」

 

ルティナとセイルは頷いて、近くにある取っ手に捕まった。そして俺達の戦闘機は、木々に緊急着陸という名の墜落衝突をする。

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!?!?」

 

「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!?!??」

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!?!!?」

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!??!」

 

シールドを張りながら戦闘機は木々に突っ込み、俺達4人はその衝撃を耐えながら、連続で来る衝撃に必死にしがみつくも、後ろから悲鳴が聞こえた。

 

 

「きゃあぁぁッ!?」

 

「ルティナ!?」

 

後ろからの悲鳴が聞こえ振り向いてみれば、連続で続く衝撃のせいでルティナの腕が限界に来たようで、取っ手から腕を離していた。

セイルは焦りながら手を伸ばしたが、その手は届いていなかった。

 

(このままじゃルティナが後ろの荷物に激突しちゃう!??)

 

「…………デュアルさん!?」

 

「すまないイズナ、後は任せた!!!」

 

 

俺はすぐに操縦席に閉めているシートベルトを解除して、戦闘機が激しく揺れていることも気にせず、操縦席から飛び出しルティナの手を掴もうとする。

 

相棒(バディ)!!?」

 

「よしっ!………!?」

 

ルティナの手を掴んだのは良かったが、後ろにある荷物が、この激しい揺れのせいで飛び出そうとしていた。

 

 

 

「……………………くっ!?」

 

ルティナを守るために、ルティナの頭を両腕で抱いて顔を胸に埋めた。ちゃんと息を出来るようにもしてある。

 

「むぐっ、相棒(バディ)!なにするの!?」

 

ドガッ!

 

「がっ!?………………」

 

ルティナを守ったため、俺はそのまま荷物に後頭部をぶつけ、意識を手放してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ー棒ーー夫ーーなー」

 

ん?なんだろう。声が聞こえる。

 

 

「相ーー大丈ーーーね」

 

まだ、はっきりと聞こえてこないな。でも、聞き覚えのある声なのは確かだ。

 

相棒(バディ)ーーーーーを開けてー」

 

んんっ、段々と鮮明に聞こえてきたぞ。そう言えば俺は戦闘機から守ろうとしたんだよな。

 

確か訓練校で一緒で、特殊惑星探査隊にも一緒に志願して、その後一緒にアークスを続けて、その人の名前は……………

 

 

「ルティナ!!」「わっ!?」

 

色々と思い出した俺は、名前を呼びながら飛び起きた。そうなればどうなるか、分かっている結果は…………

 

「もうっ、いきなり起きないでよ!!びっくりするじゃない!」

 

「あいたっ」

 

ルティナに頭を叩かれる始末だ。

 

 

「ルティナ…………さっきまで気絶していた人間の頭を叩くなよ。なにか起きたら、どうするんだよ?」

 

「それだけ言えるんだったら、大丈夫でしょ。見たところ外傷以外は何もなかったから。相棒(バディ)が無事で良かったよ」

 

「脳とかは無事だが、体の方は結構痛いな…………」

 

俺は就寝用の薄すぎる布団に座ったまま、そう言いながら服を捲れば、体のあらゆるところに打撲痕や擦り傷があった。打撲の色や擦り傷を見て、俺は苦しい顔となり、すぐにアイテムパックから回復薬〈モノメイト〉を取り出し、一気に飲んだ。

 

モノメイトを飲んだ瞬間、パァァァァァ!っとでも言うかのように、俺の体にあった傷を全て治した。

 

 

「そう言えば、セイルとイズナは何処だ!?無事なのか?」

 

「うん、セイルとイズナは火を起こすための木を取りに行ってるよ。ここは森だからね、落ちてる木がいっぱいあるはずだから、相棒(バディ)を私に任せて行ったの」

 

「そうなんだ………………………だけど、あの状況でよく俺達全員無事だったね…………」

 

「そうだね。私は相棒(バディ)に守ってもらったから無事だったし、イズナは助手席に座ってたから何ともなかったし、セイルも元から頑丈だから相棒(バディ)並の傷は負わなかったよ。でも、戦闘機はご覧の有り様」

 

セイル達がいないことを聞いて、次に俺は目の前にある戦闘機に目を向けて、絶望を含んだ苦笑いを浮かべる。俺が目を向けた方向へ、ルティナも一緒にを向け言った。

 

戦闘機ははっきり言って酷い状態だ。所々の装甲は剥がれ落ち、機械の部分は剥き出しになって飛び出てるし、割れてるところもあれば、さらに酷いところは火花が飛び散り煙が出ているところもあった。

 

戦闘機の現状を見ていると、後ろの木々から声を掛けられた。

 

「デュアルさん目が覚めたんですね!?」

 

「おっ、調子の方はどうだデュアル?」

 

セイルとイズナが沢山の木を脇に抱えて、戻ってきた。

 

「セイル!イズナ!おかえり!」

 

「ああ、今のところは何ともない、普通に動けそうだよ」

 

2人が戻ってきたことにルティナは立ち上がって喜び、俺は座ったまま大丈夫だと手を振った。

 

 

「ルティナが言った通り2人とも無事だな」

 

「へっ、当たり前だぜ!今の俺様はあれぐらいじゃ掠り傷一つ負わねえよ」

 

「はい、私も全然大丈夫でした!」

 

セイルはガッツポーズを見せ、イズナは微笑んで頷いたが、「でも…………」と苦しい表情を見せて大破している戦闘機に目を向けた。

 

 

「私達は無事でも、戦闘機の方は完全に駄目でした…………」

 

「イズナ、戦闘機で無事なものはなかったか?」

 

「…………………………ありませんでした」

 

イズナは俯いて、首を横に振って言った。次に隣にいたセイルが口を開く。

 

「フォトンドライブとサブドライブは完全停止…………戦闘機の武器や通信機も完全にやられちまってる。オラクルへ連絡するのも完全に無理だ」

 

「ていうか、通信機が直ったとしても…………果たしてオラクルに繋がるかどうか…………可能性は薄いと思うけど」

 

「「「……………………………………………………」」」

 

俺の言葉に3人は無言となった。俺も言ってはならなかったことを言ってしまったため、苦い表情をして髪を掻き始めると、そんな重い空気の中で隣から『ぐぅぅぅ』とお腹が鳴る音が聞こえた。

 

 

その音がした方向へ俺達3人は目を向けてみれば、それはルティナだった。

 

音源のルティナは頬を赤くしながらお腹を押さえ、一度自分のお腹を見て、次に俺達の顔を見ると「あはは…………」と苦笑いをして「…………お腹減っちゃった」と言った。

 

そんなルティナに俺達は笑い声を出し、俺は立ち上がって言った。

 

「よしっ、飯にしよう!」

 

 

 

 

戦闘機はめちゃめちゃになったが、戦闘機に入れていた荷物は全部無事であったため、俺達は野営用の道具を使い、持ってきた薪で火を起こし、携帯用食料と非常食を食べると、肉の缶詰を開けてスプーンでガツガツ食いまくるセイルがいきなり口を開いた。

 

「それにしても…………本当にここは異世界なのか?実は惑星のどこかだったりするんじゃないのか?」

 

そう言うセイルに、俺は野菜が入っているプラスチックのパックを開け、入っている野菜をフォークで突き刺して言う。

 

「オラクルの科学者が言った通り、ここは異世界だと思うな…………惑星ナベリウスにもこんな木々の場所はなかったし、原生生物の気配が一切ない」

 

言い切り、俺は野菜を食べ始める。

 

 

「ねえ、やっぱり修理道具で直すことって不可能なの?」

 

ルティナは言いながら、小さい肉を食べていく。

 

 

「はい、結局は応急修理道具ですから応急処置しか出来ません。あんな状態じゃ修理してもどうにもなりません」

 

そう言いながらイズナは、魚の肉をフォークで掬って食べる。

イズナの言葉に俺は付け加えをする。

 

「第一に、フォトンドライブもサブドライブも完全に壊れてるんだ。悪いけど、修理するだけ無駄だよ」

 

「それじゃあどうするの、相棒(バディ)?」

 

俺の言葉にルティナは不安の顔を向けてくる。

 

しかし俺は続けて言う。

 

 

「とにかく朝になったら、この辺りを探索しよう。何かあるかもしれない」

 

俺は言い切って野菜も食べきり、パックを小さく丸める。

 

「………………そうだね」

 

「ああっ!」

 

「頑張りましょう!」

 

ルティナ達も頷くと、飯を食べきり片付けを始める。

 

(……………………それにしても)

 

 

片付けを始めようとした俺だが、

 

(何なんだ、この妙な違和感は?)

 

ルティナ達には言わなかったが、何だか分からないものが体に違和感を感じさせている。

 

(何だ?本当に一体何なんだこの違和感は?…………俺はこの違和感をどこかで感じたことがある。一体どこで感じたんだ?)

 

俺はこの違和感に疑問を感じながら、片付けをしていく。

 

 

 

 

「こんなところかな…………」

 

俺は食い終わった食料のゴミを分別して片付け、その全てを袋に積めて一旦戦闘機に置くことにする。

 

相棒(バディ)ー!!こっちの野営の設置終わったよー!」

 

向こう側でルティナ達が野営用の設置が終わったようで、俺に声を掛けてきた。と言っても、薄すぎる就寝用の布団を引いただけなのだが。

 

 

「了解、それじゃあ3人は寝といてくれ」

 

俺が言ったことにルティナ達は同時に「え!?」と言った。

 

 

「バ、相棒(バディ)!?何でそんなこと言うの?」

 

ルティナは少し慌てるような感じで聞いてきた。そんなルティナに俺は軽く笑うも、納得できることを説明する。

 

 

「だってそうだろ?ここが何なのか俺達には分からないんだ。戦闘機は完全に使えないから、誰か1人起きて警戒に勤しまなきゃならないだろ?」

 

「それに一応俺は休んでいたんだ。警戒は俺に任せて、みんなは寝ててよ」

 

この言葉にルティナ達は納得がいったように頷くも、いきなりルティナが手を上げて宣言した。

 

「はーい、それじゃあ私も相棒(バディ)と一緒に警戒に入るよ!!」

 

「はっ?…………何言ってんだよルティナ?」

 

ルティナの宣言に俺は首を傾げて、疑問を口にした。

 

 

「だって相棒(バディ)は私達を助けるために頑張ったのに、次は私達を守るために警戒に勤しんでくれるんだよ。それなら1人より2人の方が良いでしょ!」

 

ああ…………久しぶりに来たよ。ルティナのああ言えばこう言う状態。最近は見ることはなかったが、まさかこんなところで見ることになるなんて。

 

(アークスを続けるときも強情張って譲らないことがあって、仕方ないから他のアークスも了承して俺と一緒にやることになるんだよね)

 

こうなったルティナは絶対に引き下がらない、本当にしょうがないから諦めて、ルティナの好きなようにするしかない。

 

「はぁ~…………分かった。それじゃあルティナも俺と一緒に警戒に就いてくれ」

 

「デュアルさん!良いんですか!?」

 

「別に良いよ。それに、ああ言ってるルティナはどこまでも強情張るからな、好きなようにした方が良いんだよ」

 

イズナが驚いた声を出したが、俺はイズナの耳元で静かに話した。それにイズナも同じく小さな声で「そうですか」と答えた。

 

「それじゃあ警戒は交代制で行こう。三時間経ったら1人ずつ交代で良いね?」

 

 

「それで良いよ!」

 

「俺様も大丈夫だ!」

 

「分かりました!」

 

3人は頷いて了承した。

 

 

 

そして今は、俺とルティナは小さな焚き火を起こして警戒に就き、セイルとイズナは野営用の布団で眠りの世界に入っている。

 

眠っている間のたまに、セイルが大きな(いびき)を掻くことがあるが、そこまで喧しくなく俺達は普通に警戒に勤しみ、イズナも普通に眠っている。

 

そんな中、俺は警戒をしながらも焚き火の灯りだけで小説を読んでいる。向かい側のルティナはフォトンファイターをやりたそうな顔をしているが、こんなところでフォトンファイターなんてすれば安眠妨害どころか傍迷惑にしかならない。そのためルティナの暇潰しは端末機で何かを見るぐらいだった。

 

 

呑気に小説を読んでいると、端末機を操作しているルティナが聞いてきた。

 

 

「ねえ相棒(バディ)、なんの小説読んでるの?」

 

ルティナは俺が読んでいる小説が気になったらしく、なんの小説なのか聞いてきたようだ。別に隠す必要もなく俺は小説の表紙をルティナに見せながら言った。

 

「この本だよ。シャロンの処女作」

 

「ああぁっ!シャロンが書いた本だね!!」

 

小説を書いた人の名前を出すと、ルティナは笑顔を作って言った。

 

 

 

この小説を書いたシャロンというのは、特殊惑星探査隊オルターに所属していた女性のキャスト。デルタヴァリアントの戦闘隊員で天才科学者である。

”所属していた“というのは、シャロンは惑星マキアの惑星探査任務終了後、デルタヴァリアントを辞めて物語作家となった。

 

因みに俺が読んでいるその小説は、遠い星の少女から助けを求められて、旅立つ少年の話の小説だ。

 

 

「シャロンはこの小説を書いてから、一気に人気作家になったんだよね」

 

「そうだよ。この小説を書いてから期待の新人作家になったんだ…………それにこの小説には俺達の物語りでもあるからね。オラクルは惑星マキアで起きたことを残す気はなかったけど、シャロンはそれを別のやり方で残そうとしたからね」

 

「うん、惑星マキアで起こったことは私達にとっては大事なものだし、ユノも……………………」

 

「ああ…………そうだな」

 

頷いて、俺は惑星マキアで起きたことと、ユノのという俺達の大切な友人のことを思い出した。

すると、ルティナは切なそうな顔で俺に聞いてきた。

 

 

「ねえ相棒(バディ)…………相棒(バディ)はどう思う?」

 

そんな顔をするルティナに俺は安心させるよう、微笑みながらルティナに強く言う。

 

「生きてるさ…………ユノもレイヴァン副長も惑星マキアで生きてる。きっとあの2人は惑星マキアで幸せに生きているはずさ」

 

俺はルティナの顔をしっかりと見ながら、微笑みを称え頷いて強く言った。

 

「うん!そうだねッ!!!」

 

ルティナも最高の笑顔を見せて、返答してくれた。

 

 

その笑顔を見た俺はもう一度軽く微笑んで、小説に読むのを再開させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デュアルさん、起きてください!」

 

(ん?んーーー、何だ?呼ばれてるな)

 

「デュアルさん!起きてください!!もう朝ですよ!」

 

(え!?もう朝なのか、それじゃあ起きないと駄目だな)

 

心の中で呟きながらも早々に決めて、俺は閉じていた瞼を開け、瞼を開ければ目に写ったのはイズナの顔だった。どうやらイズナは俺の体を揺らしながら起こしてくれていたようだ。

 

瞼を開けた俺は、第一声を放つ。

 

「おはよう…………イズナ」

 

「おはようございますデュアルさん、ようやく起きてくれましたか」

 

「ごめん。異常事態のせいで体が沢山の睡眠を欲しがってたみたい」

 

「そうですね。デュアルさんは私達より無茶をしましたから体が睡眠を欲しがるのは仕方ないですが、今日はこの森の中を探索するんですから、起きてください」

 

「…………了解」

 

イズナの言葉に返答しながら、俺は野営用の布団から立ち上がって回りを見渡すと、ルティナとセイルの姿がないことに気付いた。

 

「あれ?そう言えばルティナとセイルは何処にいるんだ?」

 

ふと疑問にしたことを口にすると、朝食の準備をしているイズナの耳に入ったらしく、俺の疑問に答えてくれた。

 

「ルティナさんとセイルさんなら、格闘の訓練をするって言って木々の少し奥に行きましたよ」

 

「そうなんだ。まあ、ここでフォトンアーツやテクニックを使っての戦闘訓練なんてされたら、とんでもない被害を及ぼすから格闘訓練の方が安心だね」

 

「そうですね。そっちの方が安心ですね」

 

その言葉とともに俺とイズナは、「ハハッ」「フフッ」と笑いあった。

 

 

 

「よしっ、これで終わりっと」

 

野営用の道具を大破した戦闘機に入れ終え振り向けば、イズナも同じように朝食の準備を終えていた。

 

「そっちも終わったんだ、イズナ」

 

「ただ、携帯用食料と非常食を並べただけですから、早く終わります」

 

「材料と調味料がないから料理は作れないからね…………それじゃあ俺は2人を呼んでくるから、イズナは飲み物の用意お願いできるかな?それと例のヤツも準備お願いね。俺も後で手伝うからさ」

 

「はい、分かりました。任せてください!!」

 

元気良く返事をしたイズナに俺は手を振って、ルティナとセイルが訓練をしている木々の奥へと歩いていく。

 

 

「えいっ!それっ!ワン!ツー!」

 

「ふっ!おっと!ぐうぅぅっ!?…………でえりゃあぁぁぁっ!!!」

 

「くっ!?」

 

 

木々の奥へと行けば、ルティナとセイルが格闘訓をまだしていた。

 

最初にルティナは右ストレートを放つとセイルはそのストレートを捌き、続けてルティナは回し蹴りをするもセイルは頭を下げて再び避けた。

 

回し蹴りを避けられたルティナは腕を向け、ワンツーフックを咬ました。ルティナの攻撃にセイルも両腕でガードするが、ルティナはワンツーフックを続ける。それにガードを続けるセイルは少し苦しい顔になるが、ツーフックめを強引に弾き返し、それによりルティナは仰け反る感じになる。

 

セイルはその瞬間を狙いまっすぐな蹴りを放つが、仰け反りそうになったルティナは何とか足を踏み込め態勢を維持し、左膝を上げてセイルの蹴りを防いだ。

 

 

蹴りを防げばルティナは勢いで後ろに下がるも、先程の訓練がリセットとなったため、ルティナとセイルはその開いた距離を維持したまま、静かにゆっくりと周りを動くも一旦止まり、数秒の間全てが止まっているように感じたがルティナとセイルは同時に動き拳を放とうとしたが、

 

「そこまでだよ!2人ともっ!!!」

 

そこで俺の大声が入れると、2人の拳は漫画のようにギリギリのところで止まった。そんで2人は俺の方に顔を向けて同時に俺の名前を言った。

 

「あ、相棒(バディ)!」

「デュアル!!」

 

俺はパチパチパチッと拍手をしながら言った。

 

 

「格闘の訓練をするのは良いけど、今日は引き分けにして、朝ご飯の準備が終わったから手を止めてくれる?」

 

「はーい!今日は何にしたのかな?」

 

「おっ!朝飯の準備終わったのか!」

 

朝ご飯と言ったら、2人は格闘を一瞬で止め喜びながら俺の元までやって来た。2人が来たため、俺は2人と話し合いながら朝食の場へと歩を進める。

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでした!美味しかったぁぁー!」

 

「ごちそうさま…………ふぅ~、やっぱり非常食でも美味しいね~」

 

「ごちそうさまでした。そうですね、味や栄養、色々なものを考えて作られていますから、美味しいはずです」

 

「だけど俺様は非常食系の肉より、やっぱデカい焼いた肉をガッツと食いてえなあ」

 

朝食を食べ終え俺達は食べた非常食の感想を言うが、美味しく出来ているため文句はない、だがそれでも考えなくてはならないことがある。

 

「それでも考えなくちゃならないことがあるね…………この非常食が節約して一体どれだけ保つか?」

 

「「「………………………………」」」

 

俺が非常食を見ながらそう言うと、3人は黙ってしまう。

 

「後ろ暗いこと言ってごめん。でも本当にこの探索で何か見つけなかったら俺達は惑星マキアの時のようにサバイバルをすることになるからな」

 

「とにかく!!今日は探索頑張ろ!!」

 

「おうっ!どこまでも探索してやるぜ!」

 

「みなさんとなら、私もいくらでも頑張れます!」

 

俺は謝ってサバイバル状態にはならないように言うと、3人は力強く俺に言葉を掛けてくれた。

 

 

「………………そうだな、今から森を探索しよう!」

 

俺達は片付けられるものを戦闘機に片付け、何かが起こらない限りのため、武器はアイテムパックから出さず装備せずで木々の中を探索する。

 

「そう言えば相棒(バディ)。朝ご飯からイズナと一緒に何か作ってたけど、一体何を作ってたの?」

 

相棒(バディ)が今持ってるの朝イズナと作ってたのだよね?」

 

少し木々を歩くも、ルティナは俺が持っている機械に指を差して聞いてきた。聞いてきたルティナに俺は普通に説明した。

 

「ああ、戦闘機の機材から探知機を取り外して応急措置の修理道具で持てるようにしたんだ。これで何か確認できたらそこに行ってみようと思うんだ…………何よりも見つけないよりはマシでしょ」

 

疑問を含めながら言うと、ルティナは「そうだね!」と満面の笑みを見せながら答えてくれた。

 

そのルティナの笑顔に俺も笑顔で返し、握り拳を作り空に掲げてルティナ達に強く言い放つ。

 

「それじゃあ、気楽に探索開始だ!!!」

 

「「おーっ!」」

 

「はいっ!」

 

 

頼りになる返事を聞いて、俺達は木々の探索へと出撃する。




次回予告

最悪の状況を回避するため木々の探索を始めた俺達。

探索をしている時、俺達は偶然線路を見つけた。

線路を見つけるも、遠くから来た列車には少年と少女達が機甲種のようなものに襲われていた。

俺達は列車に飛び乗り少年と少女達を救おうとする。しかし異常事態は俺達にも降り注いだ!!?


次回 『出会いの異常事態』


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出会いで異常事態

更新遅くなって誠に申し訳ありませんでした!!!

どうかお許しを!!!



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「「「………………………………」」」

 

「………………………………………………ハァ」

 

 

森を探索してかれこれ1時間が経過する。ルティナ、セイル、イズナは無言で森を歩き、俺も森を歩きながら小さな溜め息を吐いてしまう。

だけどそれも仕方ない、森を探索始めての時は全員で楽しく話し合いながら森の中を歩いていたのだが、一向に探知機になにも反応がないため、俺達は少し疲れてきていた。

 

そんな中、俺の隣にいるルティナが第一声を放った。

 

「ねえ相棒(バディ)~、ちょっと休憩しない…………ここまで休憩無しで歩き続けたから私疲れちゃったよ」

 

「そうだね、じゃあ先に2人は少し奥にある木で休んでて、俺はセイルが降りてから休憩に入るから」

 

「分かりました。それじゃあデュアルさん私達は先に行ってますね」

 

相棒(バディ)も早く来てね」

 

そう言うと、ルティナは手を振りイズナは頭を下げて奥の森へと休憩に行った。俺は顔を上に向け、そこには木に登ってオラクル支給の高性能の双眼鏡で、この森の周辺を見回しているセイルに声を掛ける。

 

「セイル!どう?何か見えた!!」

 

セイルは双眼鏡から目を離し、下にいる俺に顔を向け大きな声で返答する。

 

「ダメだデュアル!これだけ広い森なら研究施設かなんかがあると思ったんだが、研究施設どころか人が居るようなものが見当たらねえ!!」

 

「そっか…………じゃあ降りてきて、一旦休憩にしよう!」

 

「分かった。今降りるから待ってろ!」

 

俺は残念な声を出しながらも、次はしっかりとした声を出して、木に登っているセイルに休憩することを伝える。

 

セイルが木から降りるのを待って、俺は思う。

 

 

(それにしても、オラクル支給の双眼鏡でも見れないなんて、これはかなりヤバイな……………………)

 

オラクル支給の双眼鏡は本当に高性能である。遠近どんな距離でも鮮明に見えれば、数多くの障害物があれば、視覚変更で体温の感知や異音を捉えてくれる高性能さであるが、ここまでなにも捉えられないとなると最悪な状況と言っていいだろう。

 

俺が顎に手を当て考えていると、木に登っていたセイルが勢い良く降りてきた。

 

「よっと、降りたぜデュアル…………ってなに深刻そうな顔して悩んでんだよ」

 

「あ、いや、なんでもない…………じゃあ休憩に行こっか」

 

俺は深刻そうな顔をから、少し苦笑しながらも背を向けルティナ達が休憩している所まで歩き出そうとすると、セイルが俺に言葉を言い放つ。

 

「デュアル。お前が考えていることは分かるぜ…………大方俺達の安全確保だろ?」

 

「!………………………………そうだよ」

 

セイルの言葉に俺は驚いてしまうも、少し間を作り平常心のままセイルに顔を向け頷く、するとセイルは両手を肩まで上げ首を左に傾けた。まるでその仕草はやれやれと呆れているようだった。

 

俺はセイルのその仕草に疑問になるも、セイルは呆れている仕草を止めて、俺に向かって大きな声で言った。

 

「デュアル!確かに俺達の状況は最悪の一歩手前まで来てる…………だけどそんなに気負うなよ。お前の周りには俺達がいるんだ。惑星マキアでも最初の危機は俺達4人でなんとかしたんだ。この未知の場所でも俺達4人力を合わせればなんとかなるはずだ!それによ、悪い方向ばかりに考えてちゃ録に進めなくなる。こういうときこそ良い方向に考えんのが良いだろ」

 

 

セイルのそんな無茶苦茶な言葉に、俺は少し安心してしまい微笑みを称えて言い返す。

 

「…………ハハッ、そうだな!悪い方向ばかりに考えてちゃダメだな!こういうときこそ、ポジティブシンキングで良い方向に考えないとな!!」

 

そう言い返しながら、俺は顎の前で手を持っていき握り拳を作る。

 

 

「そろそろ行こうぜ。ルティナ達が待ってるからよ」

 

俺の行動にセイルは笑い、俺の元までやって来て俺の肩に手を置き言った。俺は頷いて、セイルと共にルティナ達が休憩している場所まで歩く。

 

 

 

「あっ、相棒(バディ)!セイル!遅いよなにやってたの!?」

 

「御二人が戻ってくるのを待ってたんですよ」

 

その場所に着けばルティナとイズナが、真面目に俺達のことを待っていてくれていた。2人の優しさに俺とセイルは同時に顔を見合わせ笑いその場に座ることにした。

 

休憩を始めれば、俺達は最初にアイテムパックから非常用の飲料水を取り出して飲み始める。少ない量でほとんど一気に飲み終えられるが、それでも充分に俺達の喉を潤してくれることは可能な、オラクルが作った便利な飲料水である。

 

「ふぅ、歩き続けたからお水が美味しいよ」

 

「そうだね。それにたったこれだけの量で長時間飲まなくても大丈夫なんだから、すごいもんだよ」

 

「もしも食料がなくなっても、こいつはまだあるから2本ぐらい飲めば、なんとかなるだろうな」

 

「そうですけど、せめて湖ぐらいは見つけたいですね。水の確保は大事ですから」

 

「だけど、食料がなくなったら水に頼りきるのも危険だし、あぁ~、こんなときにヒュペリオンがいてくれたら大助かりなんだけどな」

 

「確かにヒュペリオンさんがいてくれたら食料問題も片付きますからね。いえ、それどころか!…………また私の想像を遥かに越えたスイーツを作ってくれるはずです!!!」

 

俺がヒュペリオンという名前を出すと、イズナは目を輝かせな強い興奮をしながら、思いっきり宣言した。

イズナのそんな一面を見ながら、俺達は同時に苦笑いを浮かべるだけである。

 

(((ホント、イズナってスイーツのことになると饒舌になるね(よね)(な))))

 

俺が口にしたヒュペリオンという人は、かつて俺達が所属していたアークス特殊惑星探査隊オルターの一員であり、デルタヴァリアントの食糧班の料理人チーフ件戦闘員でもあるキャストの男性である。

 

クラスはレンジャーであり食にロマンを語るほどの人物である。

 

だが料理人だからと言って戦闘力を侮ってはいけない、あの人の戦闘力は俺達が舌を巻いてしまうほどの腕を持っていれば、あれほどの戦闘力を持っていればデルタヴァリアントの5本の指に入るはずだ。しかし別としてヒュペリオンの過去の経歴については全くの謎である。

 

惑星マキアにいたとき1度ルティナと共に興味本意で聞いてみたところ、ヒュペリオンの口から、かつては凄腕のスナイパーだったとかホワイトなんとかっていう異名で呼ばれてたとか色々あったが、本人は冗談だと流したが今でもかなりヤバイ激戦に行って帰って来ているらしく、案外あの話しは本当なのかもしれない。

 

話が脱線したが、そんなことを思いながらも俺達は少し小腹が空いたため、非常食のクラッカーを手に持っている。

 

 

「じゃあみんな、これを食べ終えたらまた探索再開するよ」

 

「うん良いよ!休憩もしたから大分疲れもなくなったし、これを食べたらもう一度探索しよう!」

 

「俺様はまだまだ行けるが、腹が減ってちゃなんとやらだ。しっかりと食って周りを見ないとなにかを見逃すかもしれないからな!」

 

「はいっ!皆さんもっと頑張りましょう!!」

 

俺の言葉に3人は頼りになる返事をしてくれたため、俺達は非常食のクラッカーを食べながら水を飲む。さすがにクラッカーだけ食べてたら口内が乾燥しまくるからね。

 

俺達が休憩しながらクラッカー食べているそんな中、俺の向かい側にいたイズナが耳をピクッと動かして勢い良く後ろを振り向いた。その行動を目にした俺は気になり、イズナに声を掛ける。

 

「どうかしたのかイズナ?いきなり後ろを振り向いて?」

 

「…………はい、後ろからなにか動いてるような音が聞こえたんです」

 

声を掛ければ、イズナは後ろを振り向いたまま気になることを口にした。

 

 

「動いてるような音?俺様には聞こえなかったぞ。ルティナ、なにか聞こえたか…………?」

 

「ううん、私もなにも聞こえなかったけど…………相棒(バディ)どうしよう?」

 

「…………ここはイズナの言葉を信じて行ってみよう!きっとなにかあるはずだ!」

 

 

俺はイズナに顔を向けて聞く。

 

 

「イズナ、その音が聞こえたのはどっちだ!?」

 

「私の後ろをまっすぐ行けば、音が聞こえたところに行けます!」

 

「よしみんな、急いで行こう!」

 

俺は水を飲みきりクラッカーを口に加え、探知機を手に持って立ち上がり走り出す。

 

「あっ!?待ってよ相棒(バディ)!!」

 

「みなさん!早く行きましょう!」

 

「あ!?おい待てっ!俺を置いてくな!」

 

俺が走り出すと、ルティナ、イズナ、セイルの順で3人も慌てながら俺を追い掛けてくる。

 

何故俺がイズナの言葉を信じたのは理由がある。ニューマンは元々フォトンの扱いに慣れていて適応も早いため、俺達ヒューマンよりニューマンの感覚は鋭いのである。

 

そして極稀に、他のニューマンよりも感覚が鋭いニューマンが現れることがある。イズナはその中の1人と言っても良いはずだ。現に惑星マキアでチームを組んで任務に行ったとき一番最初に敵の気配に気づいたのはイズナである。

それほど感覚の鋭さを持つイズナの言葉を信じないのは、愚かすぎると言っても良い。

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ…………これは!?」

 

イズナの言葉を信じた結果、あれだけの木々を抜け出し目にしたものは、惑星リリーパの採掘基地にある荷物を運ぶために乗り物を移動させるレールがあった。

 

俺がレールを見ていると、後ろからルティナ、イズナ、セイルがやって来る。

 

「はぁ、はぁ、相棒(バディ)…………いくら手掛かりが見つかったからって、そんなに焦らなくても良いでしょ~?」

 

「……………………イズナ、このレールどう思う?」

 

ルティナの言葉を無視してしまうのは酷すぎるが、いち早くイズナにレールの状態を見てもらうことにした。

 

「………………………………」

 

数分イズナはレールの状態を見れば、答えを出してくれた。

 

 

「デュアルさん、このレールはまだ使われています。レールはちゃんと整備されていますし、丁度良いところでなにか通る音が聞こえてきます!方向は左側です」

 

「ホントかよっ!それだったらこの事態もなんとかなるだろ!?」

 

イズナの台詞にセイルは喜ぶ声を出し、俺はオラクル支給の高性能の双眼鏡を取り出し、左から来る乗り物の確認をする。

 

 

(うまくその乗り物に飛び乗りさえすれば、町に出て救助されればいいけど…………この世界の人達が俺達を快く受け入れてくれることを祈ろう)

 

俺はそんなことを祈りながら、双眼鏡でやって来るものを見てみると、双眼鏡の視界に目にしたものに俺は声を上げるほど驚いた。

 

「!?…………な、なんだよあれ!!?」

 

俺が声を上げたことに、ルティナ、セイル、イズナは驚きながら聞いてきた。

 

 

「ど、どうしたんですか!?デュアルさん!?」

 

「何が見えたんだ!まさかまた問題が起きたのか!?」

 

「ちょ、ちょっと見せてくれる相棒(バディ)!!」

 

「ああ…………みんな、見てみなよ」

 

俺は持っていた双眼鏡をルティナに渡して見させる。ルティナは双眼鏡を受け取り、セイルとイズナは自ら所持していた双眼鏡を手に左方向を見る。

 

「な、なんですかあれっ!?」

 

「おいおい、どういうことだ?人がいるぞ!」

 

相棒(バディ)…………あれ惑星リリーパにいる機甲種に似てるんだけど」

 

「ああ、リリーパにいる機甲種に似てるけど別のものだよ」

 

俺達が目にしたのは、レールから来る乗り物に4人の少年と少女達が惑星リリーパにいる機甲種に似たのと激戦を繰り広げていた。だが、機甲種に似た機械のロボットは100体を越える数であるため彼女達の攻撃では上手く減らされておらず、逆に囲まれてしまい絶体絶命の状況であった。

そして乗り物も、かなりのスピードを出していた。

 

「バ、相棒(バディ)!どうしよう!?」

 

「どうするって言ったって、セイル達の意見も」

 

 

「デュアル!」

「デュアルさん!」

 

ルティナの声に俺は少し慌てながら、セイル達の方に目を向けると、セイルとイズナは俺の名を呼んで強い瞳をで見る。ルティナの方にも目を向ければセイル達と同じ強い決意に満ち溢れていた瞳をしていた。

 

3人の瞳を見た俺は、目を瞑って思う。

 

(ルティナ達は既に決意に満ちた目をしてる。きっと危険も承知だ…………なら俺はみんなのこの瞳にちゃんとした答えを出さないといけない!!!)

 

俺は目を開けて大きな声で宣言する。

 

 

「これから俺達はあの乗り物で機甲種と戦っている少年1人と3人の少女達を助ける!!敵は初めての敵だ!例え俺達の力が通用せずとも全力で助けよう!!」

 

「うん!」

「おう!」

「はい!」

 

「よしっ、あの乗り物はものすごいスピードだ。来る直前に飛んで移ろう!」

 

「「「了解!」」」

 

この掛け声と共に、俺達は乗り物に飛び移る準備に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶体絶命の状態の中、少女達と少年1人に1匹の小竜に妖精のような小人がいた。

 

 

彼女達は機動六課所属のフォワード陣である。

 

彼女達の任務は、今回発見されたレリックという危険物の保護とレリックを搬送しているリニアレールを暴走させているガジェット・ドローンと呼ばれる機械兵器の殲滅である。

 

リニアレール突入当初は、順調にガジェットを倒していたが、上空からさらに追加としてガジェットが何体も降ってきた。初任務で力を出しまくってしまった彼女達は、さらに来たガジェットを倒していたが、次第に数に押されてしまい、最終的には真ん中の車両で挟み撃ちになってしまった。

 

その為彼女達は焦り始める。

 

 

「あうう~、まさかこんなにガジェットが来るなんて想定外です」

 

「クキュルルルル~」

 

「フリード、大丈夫だよだからそんな声出さないで」

 

「…………大丈夫!何があってもキャロは僕が守るから!」

 

「…………エリオくん」

 

「ど、どうしょうティア。このままじゃあたしたち…………?」

 

「情けない声出してるんじゃないわよスバル!ちょっと待ってなさい今突破方法を考えてるから!」

 

(って言ったけど、さすがにこの数は尋常じゃないわね。今のあたし達の魔法力じゃ突破口なんて開けやしない、もしかしてあたし達ここで終わり!?)

 

青い髪の少女にティアと呼ばれたオレンジ髪の少女は強気で言うも、心の中では焦っていた。さらには自分達が最悪な結末に陥るかもしれないという最悪な考えまで出た。

 

彼女達が動けないのを狙ってガジェット群は、彼女達に襲い掛かる。

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

「クキュ!?」

 

焦っているせいでどうにも出来ないと感じた彼女達は、死を悟り覚悟した。

 

その時である!

 

「はっ!」

 

「やっ!」

 

「おらぁっ!」

 

「はいっ!」

 

何者かの声が聞こえれば、ガジェットは大群の元まで戻っていた。

 

 

「な、なに!?」

「誰なのっ!?」

 

青い髪の少女スバルとオレンジ髪の少女ティアが同時に言う。

 

 

 

「よしっ、やるぞ!!」

 

「うんっ!名コンビってやつをお見せしますか!」

 

「おっしゃあ!」

 

「やりましょう!」

 

前を見れば、2人の少年と2人の少女が彼女達の前に立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動六課

 

 

そこで指示を送るような場で大画面を見ながら、そこにいる人達も焦っていた。

 

 

 

機動六課とは…………

 

正式名称「古代遺物管理部 機動六課」。

 

八神はやてという女性が新設した部隊で、ロストロギア関連の危険な任務を扱う古代遺物管理部の機動課件実動部隊。第六の部隊。

レリックの回収を専任としている。後見人にリンディ・ハラオウン、クロノ・ハラオウン、カリム・グラシアを据えており、本局と聖王教会からの支援を得ている。

 

部隊は前線と後方支援・指揮の二種に大別され、前線は高町なのはが指揮する「スターズ分隊」、フェイト・T・ハラオウンが指揮する「ライトニング分隊」の二部隊、後方支援と指揮は部隊長の八神はやてが指揮する『ロングアーチ』で構成される。またこれら以外にも『バックヤード』という分隊が存在し、三分隊に所属していない機動六課の人員はそこに所属しているもよう。

 

機動六課はその名の通りロストロギア関連の事件を扱っているが、本来の設立意図は別にあると言われる。

 

 

 

「八神部隊長!このままではフォワード達が全滅してしまいます!?」

 

「分かっとる。シャリー、なのは隊長とフェイト隊長は?」

 

「ダメです!お二人とも航空型のガジェットの増援で救援に向かえません!」

 

「…………グリフィス君、私と副隊長が出撃するから後のこと頼めるか?」

 

「…………了解しました!」

 

現状を聞いて、茶髪のショートヘアーの女性・八神はやては薄紫色の髪をしたグリフィスと呼ばれた青年に、後の指示を任せ出撃しようと決めたとき、オペレーター席のようなところ真ん中の席に座っているシャリーと呼ばれた女性が叫ぶ。

 

「八神部隊長!フォワードに近付く4つの反応があります!」

 

「なんやて!?まさか新手のガジェット!?」

 

「違います!この反応は生体反応です!!」

 

「生体反応…………モニター移して!」

 

はやての言葉にオペレーター席の右側にいる女性が機器を操作し、モニターに移した。

移された映像に全員が驚いた。

 

「な、なんなんやあの子らは?」

 

はやて達が見たものは、今まで見たこともないバリアジャケットを着た少年少女達であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

乗り物がものすごいスピードで来ているため、俺達は来る直前に飛ぶことを決めたため、全力で飛び上がる。

 

 

「今だ!飛ぶぞ!」

 

「ほっ!」

 

「よっと!」

 

「えいっ!」

 

俺の言葉を合図に、ルティナ、セイル、イズナも飛び上がり、何とか凄まじいスピードで走っている乗り物に飛び乗ることが出来た。

 

「よしっ!みんな行こう!」

 

乗り物に飛び移るが、俺達はすぐに行動を起こす。まずはあの機甲種に似ている奴に教われている人達を助けなければならない。

 

3人は頷けば俺達はすぐに動き出す。

 

 

相棒(バディ)!あの機甲種みたいなのに襲われてた人達がいたのってどこだったっけ?」

 

「双眼鏡で見たけど、多分真ん中辺りだ!」

 

「…………分かった!」

 

俺とルティナが走りながら話し合っていると、イズナが指を差して声を出した。

 

「皆さん見えました!あそこです!」

 

 

イズナの言葉で見てみれば、そこには機甲種モドキの大群に襲われている少女3人と少年1人に、ファンタジー小説に出てくるような小さな妖精と小さな竜がいた。

 

しかし、俺達はそんなことを言うことはなく、全速力で走り彼女達に襲い掛かっている機甲種モドキに俺達は打撃攻撃を与える。その攻撃により機甲種モドキは大群のところまで飛んだが、2体の機甲種モドキにそれほどのダメージが入っていなかった。

 

打撃攻撃を与えた俺達は、彼女達の前に着地した。

 

「やっぱり頑丈だな」

 

「防御力は機甲種のジグノカノン程度だね」

 

「だが、武器を使った方が早いかもな」

 

「皆さん!この敵は未確認です。気を付けて行きましょう!」

 

俺達が敵に対して話し合っていると、俺達の後ろにいる彼女達が声を掛ける。

 

 

「ちょ、ちょっとあなた達、誰なの!?」

 

「危ないですよ!下がってください!?」

 

銃を持ったオレンジ髪の少女が叫び、1匹の小さな妖精が注意する。

そんなに俺は言い返す。

 

「悪いけど、誰が見ても危ないのはあなた達ですよ」

 

俺がそう言い返せば、2人は黙ることしかなかった。

 

 

 

「安心しろって、ここは俺様達に任せとけって!!」

 

「あなた達を絶対に助けます!」

 

「さぁ~あ、行くよ!」

 

ルティナ、セイル、イズナはそれぞれの武器を出して、俺も武器装備一覧から、明紅(モーニングレッド)を出現させる。

 

「なっ!?」

 

「うそ!?」

 

「武器が…………!?」

 

「出てきた…………!?」

 

「クキュ!?」

 

「一体どこから出したんですか!?」

 

俺達がどこからともなく武器を出したことに、4人と妖精と小竜が驚くも俺達は無視して始める。

 

 

 

 

「ん?…………!?」

 

明紅(モーニングレッド)を出現させた俺だが、俺は持っている明紅(モーニングレッド)のある状態に気付いた。

 

「おっしゃあ!やるぜ!」

 

セイルの声と共に、ルティナとイズナも戦闘態勢に入り機甲種モドキと戦おうとしたが、俺は全力でルティナ達を制止する。

 

「待って!みんな!」

 

俺の滅多に聞かない大声に、ルティナ達は驚いて足を止めた。

 

「ど、どうしたの相棒(バディ)

 

「なんだよデュアル、止めやがって」

 

「みんな!俺達の武器を見るんだ!」

 

「武器…………ですか?」

 

ルティナとセイルは止めたことに疑問を抱き、俺はその疑問を俺達の武器に言うと、イズナは自分の武器を見てルティナとセイルも自分達の武器を見る。

自分の武器を見ると、ルティナ達は驚きの声を上げた。

 

「こ、これって!?」

 

「な、冗談だろ!?」

 

「そんな…………!」

 

「「「ぶ、武器が…………起動していない!?」」」

 

そう、武器が起動していないんだ。俺の武器はフォトンアーツという必殺技を使うため、武器にフォトンが通って武器が起動する。なのに起動していないということは…………

 

「この世界には、フォトンが使えないんだ!」

 

「「「ッ!?」」」

 

(そうだ。俺はこの違和感をどこかで感じたと思ったら、これだ。かつて惑星マキアでフォトンが使えない違和感だ!!!)

 

 

“この世界ではフォトンが使えない”その事実に俺達は命の危険を感じるしかなかった。




次回予告

惑星マキアと同じフォトンが使えないという最悪の状況に陥った俺達。

彼女達を救うどころか絶体絶命に陥ってしまった。

そんな時、俺達にあの力が宿った!

次回『宿る約束の力!』



活動報告に最新作の予告をしました。

良ければ作品のお言葉をお聞かせ願います!


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宿る約束の力!

続き投稿しました!
沢山の感想待っていますのでよろしくお願いします!!!!

誤字脱字報告も待っています。




ガキィィィン!

 

「ぐっ!?…………」

 

俺は機甲種モドキの攻撃を大剣(ソード)明紅(モーニングレッド)でガードするも、後退してしまう。

 

 

今俺達は機甲種モドキと防衛戦を展開している。

 

その理由は、どういうことかは分からないが、この世界では普段俺達が使っているフォトンが使えない、この事態は俺達が惑星マキアで経験したものだ。あの時は惑星マキアの原住民に救われたが、今は完全に絶体絶命の状況である。

 

挙げ句の果てに、この世界の原住民を見つけたと思ったらピンチに陥っていれば、助けに来れば逆に俺達が助けたほしい状況になってしまった。なんとも情けない有り様である。

 

その為俺達は防衛戦を展開するしかなかった。

 

 

相棒(バディ)大丈夫!?」

 

俺が後退したのを見て、右側を必死に長杖(ロッド)で防いでいたルティナが心配して駆け寄って来た。心配して来たルティナに俺は、疲れた顔を見せず強い顔を向け言う。

 

「ああ大丈夫だ…………!? ルティナ危ない!」

 

言うも、ルティナの背後を狙って機甲種モドキが攻撃しようとしたが、左手で無理矢理ルティナの頭を下げて右手に持つ明紅(モーニングレッド)を機甲種モドキに勢い良く突き刺した。

 

『!?!??』

 

機甲種モドキは機械特有の叫び声のような音を出して、俺はそいつを爆発する前に投げ飛ばし、機甲種モドキは爆発した。

 

 

「ハァハァ…………」

 

息を切らしながら、右手に持っている明紅(モーニングレッド)を見ながら思う。

 

(相変わらず明紅(モーニングレッド)は重いな、片手で扱うには鍛え方が足りないか…………それにしてもこれを片手で振り回していたフィルディア艦長はすごいな、というかあの人どれだけの腕力と筋力持ってたんだ?)

 

俺はかつてこれを使っていた人を思い出しながら、その人がどれだけとんでもなかったか少し恐ろしく思う。

 

「ずあっ!?…………」

 

「これで!!」

 

左側ではセイルが長槍(パルチザン)で防御をし弾いて、そこからイズナが長銃(アサルトライフル)を撃って機甲種モドキを撃破した。

 

「セイル、イズナ大丈夫か!」

 

「はい、私は大丈夫です」

 

「俺も大丈夫だが…………」

 

セイルとイズナに声を掛ければ、2人は強く頷くもセイルは言葉を一旦止め、それを俺が変わりに言う。

 

「さすがに数が多すぎるよな」

 

「1体1体の強さはそれほどじゃないんだけど…………」

 

「こんなに数がいちゃあ~厄介だぜ」

 

「数は1000を越えてるでしょうね」

 

俺達は話し合いながらも、お互い苦虫を噛み潰したような顔になってしまう。

 

 

 

俺達がそんな焦りを出していると、俺達が助けた4人の人間と2匹の妖精と小竜のうち、オレンジ髪の銃を持った強気な少女が叫ぶ。

 

「ちょっとあなた達なにやってるのよ!?助けに来たとか言っときながら、逆にピンチになってるじゃない!?本当に助けられるの!」

 

オレンジ髪の少女の言葉に俺は返す言葉がないが、こっちだって命懸けでやっているのに、そう言われるのは腹が立ってしまう。

 

明紅(モーニングレッド)を両手で構えながら少女の言葉に腹が立っていると、俺達の後ろにいるルティナが言葉を出す。

 

「ねぇ相棒(バディ)…………あたし達このまま、終わっちゃうなんてことないよね?」

 

「「!?」」

 

「…………………………」

 

ルティナの言葉にセイルとイズナは息を飲むような表情になり、逆に俺は黙り込む。

 

「ルティナ、バカなこと言うな。こんなところで俺達が終わって溜まるかよ」

 

「でもセイルさん、フォトンが使えないこの状況では私達も覚悟を決めなければなりません」

 

「クソッ、ここで終わるとか意地悪にも程があるぜ」

 

俺はこんな場面を見たことがある。惑星マキアで絶体絶命の状況になったが、そんな状況の中ルティナが強い言葉を掛けてくれたのを俺は覚えているし忘れてはいけないと思う。

 

「それでも…………」

 

「え、相棒(バディ)…………」

 

「なんですかデュアルさん?」

 

「どうしたデュアル?」

 

俺が何かを言おうとしているのに、ルティナ達は俺の方に顔を向けて疑問を浮かべる。3人に俺は大きな声で宣言する。

 

「それでも諦めるな!」

 

「「「!?」」」

 

俺の言葉にルティナ達は目を見開くように驚いた。

宣言した俺は3人に言う。

 

 

「ルティナ、この言葉はお前があの時俺達に向けて言った言葉だ」

 

「あ…………………………」

 

「この言葉を聞いたとき、俺はお前にフィルディア艦長の姿を見たよ。その時俺はお前がすごくカッコ良く見えたし、俺達アークスは諦めちゃダメだって思った」

 

さらに俺は続けて強く宣言する。

 

「…………だから俺達アークスはこんなところで諦めちゃいけないんだ!それに俺は、俺達はまだ“約束”を果たしきってないだろ!!!」

 

「「「…………!?」」」

 

俺の言葉に3人は、何かを忘れていたような反応をして、次に笑みを浮かべた。

 

「そうだった…………そうだったよね!」

 

「ああ、大切なことを忘れていたぜ。俺達はあそこで色んなものを学んだんだ!」

 

「そうです。例え最悪の状況でも諦めるわけにはいきません!」

 

「そうだよ!そして俺達は!」

 

3人の言葉を聞いて俺も微笑み、俺は握り拳を作りもっと大きな声で言って、その後の言葉は俺達全員で一斉に言う。

 

「「「「絶対に約束を果たしきる!!!」」」」

 

 

“約束を果たしきる”この言葉とともに、俺達は持っている武器を強く握り締め、力気迫を振り絞るように声を出す。

 

「「「「はぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」」」」

 

『『『『『『!?!!?』』』』』』

 

 

俺達の諦めない姿勢に、俺達を囲んでいる機甲種モドキは驚いたのか、大きなケーブルのようなものを出して俺達に襲い掛かる。俺達も機甲種モドキ相手に全力で立ち向かおうとした。

 

その時である!

 

『あなたに…………力を…………』

 

「「「「この声!?」」」」

 

俺達の耳に聞き覚えのある懐かしい声が響くと、いきなりルティナが腰に巻いている小さな鞄から青白い光が噴き出した。

 

「!?…………もしかしてこれって!」

 

ルティナはそう言うと、鞄から青い宝石を取り出した。

 

 

「ルティナそれは!?」

 

セイルが驚くのも無理はなかった。それは惑星マキアでルティナと俺が見つけたものだからだ。

 

「ルティナさん、それってユノさんの宝石!持っていたんですか!?」

 

「う、うん。ユノとの形ある思い出と言えばこれしかなかったから、ずっと持ってたの」

 

 

ルティナとイズナが話し合って俺が言葉を出せば、機甲種モドキが俺達に攻撃してくる寸前だった。

 

「「「ッ!?」」」

 

そんな隙を見せれば俺達は機甲種モドキの攻撃を受けてしまうが、その瞬間青白い光を放っていた宝石がさらに強い光を放ち出した。

 

「くっ!?」

「な、なに!?」

「きゃ!?」

「うおっ!?」

 

その強烈な光はまるで俺達を包むように光出し、俺達は目を瞑った。

 

 

 

「…………………………こ、ここは一体?」

 

目を開けてみれば、そこは俺達が飛び移った乗り物の上ではなく、周辺全てが白い所であった。

 

「ちょ、ちょっとなんなのよここ!?」

 

「えっ、私達もしかして死んじゃったの!?」

 

「そ、そんな!?…………」

 

「…………私達死んじゃったのかな?フリード」

 

「クキュウゥゥ~」

 

「一体どこなんですかここは!?リイン達は死んじゃったんですか!?」

 

…………………どうやら、この人達もあの光に巻き込まれて来たみたいだな。可哀想だがちょっと今はほっとこう。

 

 

「それにしてもなんなんだここは?」

 

俺が疑問の声を上げると、いきなり俺達の目の前から青白い光が出れば、そこから薄エメラルド色の髪をした服装は少し過激で俺達より身長は低いも、可愛らしい魅力を出す少女が現れた。

 

その少女を俺達は知っている。

驚きながらも俺達はその少女の名を口にした。

 

 

「「「ユノ!!?」」」

「ユノさん!!?」

 

 

「なんなのよ!?次から次に!」

「もしかして私達のお迎え!?」

 

 

「えっ!?光から人が現れた!?」

「誰ですかあの女の人!?」

「キュル!?」

 

「ふぇぇぇぇぇえ!?人が、人が現れたです!?」

 

後ろの人達は放っておいて、現れたユノに話し掛けよう。

 

 

 

「ユノ!!君は?」

 

『………………………………』

 

俺が声を掛けると、ユノは一度無言で頷くと口を開いた。

 

『お久しぶりです。ルティナさん、セイルさん、イズナさん…………そしてデュアルさん』

 

そう言いながらユノは微笑んだ。そんなユノにルティナは涙か出るような声で喜んだ。

 

「ユノ!生きてたんだね!良かった!!」

 

ルティナが喜びの声を上げてユノに近づこうとすると、ユノは少し悲しそうな顔になって首を横に振った。

 

「え…………」

 

ユノの反応にルティナは驚愕の表情をして聞く。

 

「ユノ?…………」

 

『今の私は、生きていて死んでいるようなものです』

 

「どういうことですかユノさん!?」

 

『私はあの時ノヴァを止めるために消えました。ですが私は消えるとともにノヴァと1つになりました。ですから今ここにいる私は宝石に宿った私の思念のようなものです』

 

「じゃあユノ、お前はもう」

 

『はい…………でも、あれが私の役目でしたから』

 

そんなユノの台詞に3人は黙ってしまう。でも、俺はそんなことは関係なくユノに話し掛ける。

 

「ユノ…………君は惑星マキアで生きてるんだよね?」

 

『ええ、先程仰った通り生きていて死んでいます』

 

「…………………………………………」

 

俺は黙ってしまうも、すぐに口を開いて言う。

 

「ならユノは生きてるんだね」

 

「「え?」」

「は?」

『え?』

 

俺の台詞にルティナ、セイル、イズナ、ユノの4人が疑問の声を出す。

 

『何を言っているんですかデュアルさん。私は既に…………』

 

「そんなの関係ない!」

 

俺はユノの言葉を遮って続けて言う。

 

 

「君は惑星マキアで生きている。それは変わらない」

 

『ですが、デュアルさん私はもうマキアとしているんです。そんな私が生きているとはとても言えません』

 

「それじゃあ俺達を救ってくれたのはユノの意志じゃないの?」

 

『あ………………それは………………』

 

その言葉にユノは口を閉じる。そんなユノに俺は軽く笑い続ける。

 

「俺達は諦めない意志を見せただけ…………でもユノは俺達を助けたいっていう意志を見せたんじゃない?」

 

『はい、そうです』

 

「それだけの理由でも、俺からしたらその行為は生きているっていう証拠だと思うんだ」

 

「そうですね…………ユノさんは生きています!」

 

「ああ、そうだな!俺達を助けてくれたんだからユノは生きてる!」

 

「うん!私もユノは生きてるって思うよ!だってユノは、あたし達の大切な友達だから!!」

 

『ッ!?』

 

最後のルティナの言葉に、ユノは何かを忘れていたが気付いた顔になった。

 

『すみません皆さん。皆さんのおかげで私は大事なことを忘れていました。私はこうして生きているのに』

 

「良いよ別に、そういうのを教え合うのも友達だからね」

 

『はい!皆さんは私の大切な友達…………だから私はあなた達を救いたい!』

 

ユノの最高の微笑みに、俺達も強い笑みを返して「うん」と頷く。

 

 

『デュアルさん、ルティナさん、セイルさん、イズナさん』

 

そしてユノは両手を出して言う。

 

『あなた達に…………約束(グラン)の力を授けます』

 

ユノの両手から緑色の光が出てくると、俺達は光を受け取るように手を出した。その瞬間、ユノと俺達の間から金色の光が出てきた。

 

この光は約束の証。

俺達の繋がりとも言える。

 

 

「ユノ…………オラクルに帰ったら惑星マキアに行く、マキアにいるユノとレイヴァン副長に会いに行くよ」

 

「あたしも行くからね!」

 

「私も行きますから!」

 

「俺様も行くぜ!」

 

俺達全員「会いに行く」と言うと、その言葉を聞いたユノは瞳から涙を流した。

 

『ありがとうごさいますデュアルさん、ルティナさん、セイルさん、イズナさん…………あなた方と出会えて本当に良かった!』

 

涙を流しながらのユノの微笑みに、俺達も優しく微笑む。

 

そして白い所はさらに眩しい光を放ち、俺達を包んだ。

 

 

 

 

 

 

「………………………………………………」

 

光が消えれば俺達は乗り物の上に戻ったいた。乗り物は動き出し、機甲種モドキは俺達に攻撃を与えようとする直前だった。見たところ時間が止まっていたようで、機甲種モドキの攻撃が俺達に迫る。

 

だが“今の俺達”にそんな攻撃は通じることはない。なぜなら…………

 

 

「はぁあぁぁぁぁぁあ!!!…………初弾!連弾!おまけっ!」

 

今の俺達なら、こいつらを倒せることができるからだ。

 

 

初撃はルティナが咬まし、ロッド・エバーグリーンの先端から初級テクニックの火球・フォイエを打ち出した。

 

フォイエを3回打ち出したため、俺達に攻撃を仕掛けた3体の機甲種モドキは、一瞬で粉々になった。

 

「機甲種モドキ、よくも好き放題やってくれたね」

 

「今までやってくれた分をたっぷり返してやるぜ!」

 

「私達の力を見せてあげます!」

 

「さぁぁあて、ここから名コンビってやつをお見せしますか!」

 

俺達4人全員は再び戦闘態勢を取り、機甲種モドキの前に立つ。

 

 

「覚悟しろ機甲種モドキ!俺達アークスの本当の力を見せてやる!」

 

俺は明紅(モーニングレッド)を何とか片手で持ち上げ、機甲種モドキに明紅(モーニングレッド)の切っ先を向けて言い放つ。

 

ここからが俺達の反撃である。




次回予告

ユノから再びグランの力を受け取った俺達。

グランの力を使い、機甲種モドキを殲滅させる。

そして機甲種モドキの殲滅を終えた俺達の前に新たに女性2人が現れた俺達を自分達の基地へ連れていこうとする。

次回『アークスの力!』


再び活動報告を出しました活動報告にも書きましたが、皆さまにもう一度謝罪します。

本当にすいませんでしたぁ!!!


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アークスの力

…………感想が来ません…………本当にお願いします。感想をください。

私に皆さんの力(感想)をお与えください。


それともう1つ、作者は英語が分かりませんので!


「はぁっ!」

 

その言葉とともに俺は先陣を切ることにして、フォトンアーツではなく俺達に宿ったグランの力・グランアーツを発動させる。

 

「ソニックアロウ!たぁっ!」

 

そう言いながら俺は、弓を引くように身体(からだ)を振り絞り、機甲種モドキに目掛けて斬撃を飛ばす。斬撃を飛ばせば、前方に沢山いた機甲種モドキは真っ二つに斬られていき爆発した。

 

だが全てを倒すことは出来なかった。

 

「な、なにあれ!?」

 

「あんな魔法見たことないわよ…………」

 

「す、すごい…………」

 

「あれだけいたガジェットをたった一発で」

 

「あなたたち、一体何者なんですか!?」

 

小さい妖精が俺達が何者か聞いてきたため、俺は機甲種モドキを倒しながら簡潔に答える。

 

「君達の味方だよ!」

 

そう簡潔に答え、俺はルティナ、セイル、イズナに指示を出す。

 

「ルティナ、お前はそこにいる人達にレスタを掛けて、回復が終わったら俺の援護をお願い!」

 

「任せて!」

 

「セイルとイズナは後方の機甲種モドキをお願い!くれぐれも先行しすぎず、ルティナの回復が届く範囲にいてくれ!イズナ!セイルの援護を頼む!」

 

「おう!」

 

「分かりました!」

 

ルティナは4人と小竜と妖精の回復に向かい、セイルとイズナは後方にいる機甲種モドキの殲滅に入る。

 

「グレネードシェル!」

 

イズナは素早く着弾炸裂する弾丸をサイレントバイオレットに装填し、発射する。爆発にも攻撃力があり、多くの目標を巻き込むことが出来るフォトンアーツではなく、グランアーツ・グレネードシェルを機甲種モドキに発射した。

機甲種モドキ一体に着弾し、爆発すれば周りにいた機甲種モドキも巻き込み葬るのである。

 

 

煙が機甲種モドキの視覚を封じる中、セイルはその隙を狙って煙から出て来て、グランアーツを放つ。

 

「スライドシェイカー!」

 

セイルが持つアーリーブルーの槍先が光出し、セイルはアーリーブルーを振り回すことで、自身の周囲に存在する機甲種モドキを破壊していく。

 

「うぉおぉぉぉぉぁぁぉあ!!!!」

 

 

 

「みんな大丈夫?」

 

ルティナは機甲種モドキに襲われていた少年と少女

達、妖精と小竜の回復へ行った。

 

 

「ねえ、あなた達は一体何者なの!?」

 

と青い髪の少女は聞くが、対するルティナは。

 

「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!じっとしてて今傷を治すから!」

 

質問に答えるのを拒否して精神を集中させようとすると、下から巨大な球体の体を持ち、ベルト状のようなもので出来ている腕を屋根に付けて、そこから機甲種モドキが現れた。

 

いきなり現れた機甲種モドキに2人の男の子と女の子は驚いた。

 

 

「ガジェット!?」

 

「そんな、このガジェットがまだ残っていたなんて!?」

 

何か2人が叫んでいたが気にせず、俺はルティナの名を呼ぶことを先決にした。

 

「ルティナ!」

 

「! サ・フォイエ!」

 

ルティナは素早くチャージして、中級の炎属性テクニック・サ・フォイエを発動した。サ・フォイエとはフォトンに相互干渉を行わせ炎の波を発生させるテクニックである。

しかし、前方扇状の範囲を持つため、射程はかなり短く接近戦向けであり、上下方向の範囲は狭く角度補正もないため、ルティナがサ・フォイエを使ったのは軽いダメージと目眩ましのはずだ。

 

(本命は次にあるはずだ)

 

 

「ギ・バータ!!」

 

(ほら、やっぱり)

 

 

ルティナは次にロッドから、氷の礫を噴射させるテクニック・ギ・バータを発動させ、大型の機甲種モドキを氷の礫まみれにした。

結果、機甲種モドキは屋根から腕を外してしまい、そのまま崖へと落下していった。

 

「よしっ、これで邪魔物は消えたね。それじゃあ今度こそ傷を治すから!」

 

言って、ルティナはロッドを両手で持って精神を集中させ、回復系テクニックを発動させた。

 

「はぁぁぁぁぁあ…………レスタ!!」

 

その声とともに、光の粒子がロッドから発せられ、機甲種モドキと戦っていたあの人達を包み込んだ。

光の粒子に包み込まれると、その人達の傷が治って消えていった。

 

「き、傷が消えた!?」

 

「それどころか、体力まで戻ったわ!」

 

「魔法力も戻りましたよ!」

 

「す、すごい…………」

 

 

傷が消えたことに全員は驚くどころか、さらに体力まで回復したことに驚愕を露にした。

 

「これなら戦えるよティア!」

 

「ええ、そうね。行くわよ!」

 

「っ、はい!」

 

「分かりました!」

 

レスタによって回復したせいか、4人は十二分にやる気満々になったが、俺は一体の機甲種モドキを倒して言葉で制す。

 

「悪いけど手助け無用だよ、俺達の本当の力を見せてやるって言ったんだ。俺達で倒さなきゃ意味がない」

 

すると、青い髪の少女が言い返す。

 

「確かにそうかもしれないけど…………あたし達もこれが初任務なんだよね。だから、培った訓練を無駄にはしたくないの!!」

 

青髪の少女はそう言って立ち上がり、俺に覚悟の目を向け腕に装備している鋼拳を見せ付ける。

 

 

俺はフッと笑い言う。

 

「分かった…………ただし無茶はしないでよ、せっかく回復したのが無駄になるのは嫌だからね」

 

「……………………善処します」

 

言葉に、青髪の少女は少し黙りこくると、低めの声で答えた。

 

(こう答えるってことは、無茶をするかもしれないって感じだな…………まあ俺達アークスも他人(ひと)のことは言えないけど)

などと思っていると、俺の後ろを狙って機甲種モドキは攻撃をしようとするが、素早く機甲種モドキの体に明紅(モーニングレッド)を突き刺す。

 

『!?!!?』

 

「後ろを狙うとは随分と卑怯なことをするね!クルーエルスロー!」

 

俺は機甲種モドキを持ち上げて、機甲種モドキ大群がいるところまで投げ飛ばした。投げ飛ばした機甲種モドキはぶち当たった機甲種モドキ5体を纏めて破壊された。

 

 

「もう一発喰らえ!」

 

次に俺は、機甲種モドキの大群に目掛けてまたソニックアロウを放つ、放たれたソニックアロウにより10体以上の機甲種は三等分に斬り刻まれた。

 

「…………ソニックアロウの威力はどうだ?」

 

俺が機甲種モドキに人差し指を向けて言うと、何やら後ろから何かが迫ってくるような音が聞こえた。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ…………やぁ、たぁ、えい、おりぃやあぁぁ!!!」

 

青い髪の少女は足に装着しているジェットブーツのようなもので空中を走ると、無数にいる機甲種モドキ相手に腕に装備している鋼拳(ナックル)で機甲種モドキを殲滅していく。

 

「ちょっとスバル!回復したからって先行しすぎよ!ちょっとはこっちのフォローを、考え、なさい!!」

 

オレンジ髪の少女も少し前に出ると、スバルと呼んだ青い髪の少女を狙う機甲種モドキを狙って、新人が使うツインマシンガンのような小さな銃からオレンジ色の弾丸を撃ち出した。

 

撃ち出されたオレンジ色の弾丸は、機甲種モドキを追尾しながらやがては着弾して機甲種モドキは破壊された。

 

 

「まったく、回復したから無茶はしないでって言ったのに、彼女は人の話を聞かないのか?」

 

2人の少女を見ながら機甲種モドキの対処をしていたが、気が付けば俺の周りには大量の機甲種モドキが囲んでいた。

腕のような機械のケーブルみたいなものが、まるでタコの触手のようにうねうねと動いていた。

その腕をうねうねと動かして一旦腕を止めれば、俺に向けて一斉にケーブルを伸ばした。

 

「危ない!?」

 

「避けなさい!」

 

「大丈夫だよ!相棒(バディ)ならね!」

 

青い髪の少女とオレンジ髪の少女が危険を口にするが、逆にルティナは俺を信じている。俺はこの攻撃を避ける気はない、むしろ逆にこの物理的攻撃を破壊すればいいだけだ。

 

 

『『『『『!?!!?』』』』』

 

機甲種モドキは驚いたいた先程射出した自分達のケーブルがなくなっていたことに、さらには俺がいなくなっていたことに、そして今俺がいるのは空中である。

 

「ツイスター………………フォール!!」

 

 

俺は衝撃波を伴う降下攻撃のグランアーツを咬まし、俺の周りにいた機甲種モドキを吹っ飛ばした。

 

ケーブルが俺に触れる瞬間、俺はグランアーツ・ツイスターフォールを発動し迫ってきていたケーブルを破壊し飛び上がり、周辺にいる機甲種モドキの真ん中を狙って降下攻撃を行った。

 

 

「ふぅ…………ルティナ!頼む!」

 

「任せて相棒(バディ)!…………ギ・ゾンデ!!」

 

着地した俺はすぐさま振り向きルティナに頼めば、ルティナは前に出て、身体中から雷を纏えば一気に機甲種モドキに目掛けてギ・ゾンデを放った。

 

 

ギ・ゾンデとは、今俺達が持っているグランを励起(れいき)させ電撃を放つ、その電撃は目標から目標へと広がってゆく中級の雷属性テクニックである。

 

 

『『『『『!?…………!!?!?』』』』』

 

ギ・ゾンデを喰らった機甲種モドキの大群は、内部の回路などが焼き切れたのか、機甲種モドキは少しうろうろすると隙間から煙を出してバタバタと倒れていった。

 

「な、なにあの魔法…………あれだけいたガジェットを倒した?」

 

「100を思いっきり越えてたのに、もう10体しかいないよ…………」

 

2人の少女が驚愕しているも、青い髪の少女が10体しかいないことを告げると、俺は前に出て言う。

 

「残り香あれだけって言うなら俺に任せて、一気に蹴散らすから」

 

「良いよ。ただしシフタは掛けさせて貰うね!」

 

「サンキュー、ルティナ!」

 

ルティナの気が利く配慮にお礼を言って、俺は10体しかいない機甲種モドキに突撃していく。

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」

 

俺は突撃しながら明紅(モーニングレッド)を輝かせ、グランアーツを発動させる。

 

「ノヴァストライク!!!」

 

チャージして俺は勢いよく回転しながら吹き飛ばし攻撃を10体の機甲種モドキに行った。

 

 

俺は明紅(モーニングレッド)を振りかぶったかのようなポーズをしてしまった。

 

吹き飛ばされた10体の機甲種モドキは、一斉に爆発した。

 

 

「戦闘終了だな!」

 

「そうだね」

 

俺とルティナがそう言っていると、後ろにいたオレンジ髪の少女と青い髪の少女が叫ぶ。

 

「戦闘終了じゃないわよ!」

 

「そうだよ!まだ敵が残ってるよエリオ達の方にも!」

 

「そっちも大丈夫だよ。俺の仲間のセイルとイズナが付いてるからね!」

 

「当たり前だ、俺様は数だけでやってくる雑魚にはやられねえよ!」

 

「グランの力のおかげで簡単に倒せました」

 

叫ぶ2人の少女に俺が言うと、後ろからセイル達の声が飛んできた。

 

「セイル!イズナ!」

 

「ほらね!」

 

そこにはアーリーブルーを肩に掛けて持ったセイルとサイレントバイオレットを両手で大事そうに持っているイズナ、その後ろには赤い髪の男の子とピンク髪の女の子と小竜に妖精がいた。

 

「エリオ!キャロ!無事だったんだね良かった!」

 

「あなたたちのことだからちょっと心配したわよ」

 

「はい、この人達のおかげで怪我もありませんでした」

 

「僕も同じくです」

などと言ってはいるが、何故かセイルだけ結構ボロボロになっていた。それが気になり、聞いてみた。

 

「セイルその怪我どうしたんだ?」

 

聞いてみれば、セイルは気さくに怪我のことを話した。

 

 

「実はこのガキんちょが回復したからって無茶し出してなフォローが大変だったぜ」

 

セイルがそう言うと、赤い髪の男の子は吠えるように口を開いた。

 

「僕はガキんちょって名前じゃありません!僕にはエリオ・モンディアルって名前があるんです!」

 

「それは何度も言われたから分かってるよ!だけどなぁお前その武器まだ使いこなせてる感がねえぞ、そんな腕で無茶したら死ぬだけだぜ」

 

「ッ~………………………………!」

 

「セイルさん、そんなに言わなくても」

 

「エリオ君もそう怒らないで、この人達のおかげで私達助かったんだから、ね」

 

セイルの言葉に赤い髪の男の子は言い返す言葉がないのか、唇を噛み締めながらセイルを睨む。イズナとピンク髪の女の子はお互いのパートナーを宥めていた。

 

 

「そんなことより皆さん!早くレリックを持って退散しましょう!」

 

「そしてあなた達のことを聞きたいので私達に付いてきてくださいね!」

 

小さな妖精は飛んできて怒るように俺達に言ってくる。

 

 

「付いていくのは別に良いんだが、この乗り物はどうするんだ?このままにしたら危ないんじゃないんですか?」

 

「ふふーん、そちらは大丈夫です!あなた達がガジェットを引き付けておいてくれたおかげで、私が操縦席まで行ってコントロールを取り戻しましたから、もうすぐでこの乗り物は止まりますよ…………ほら」

 

妖精の言葉とともに俺達が乗っていた乗り物は、ゆっくりとスピードを止めて停車した。

 

「お、ホントに止まりやがった。行くことがなくて良かったぜ」

 

「だね。イズナ敵の気配は感じる?」

 

「いえ感じません。この辺りにはもう敵はいないと思います」

 

「そうなんだ。じゃあ武器を仕舞おっか!」

 

ルティナの言葉に俺達は頷く返答をして、それぞれの武器を仕舞う。

 

「あ!?」

 

「ちょっと待ってください!」

 

俺達が武器を仕舞ったことに、オレンジ髪の少女と妖精が止めにかかったが遅く、俺達の武器はアイテムパックに仕舞った。

それに俺は疑問の声を出す。

 

「なんですか?武器を仕舞ったことになにか問題でも?」

 

すると、妖精は叫び出す。

 

 

「当たり前です!あなた達が何者か分からないのに、武器をそのままにしとくわけにはいきません!武器をもう一度出して私達に渡してください!」

 

「………………………………」

 

妖精の言い分は確かに分かるが、それでも俺達の持つ武器には大切なものがあるんだ。そう簡単に渡すわけにはいかないため言わせてもらう。

 

「君の言うことは分かるけど、悪いけど俺達は君に武器を渡す気はないよ」

 

俺の言葉に妖精とオレンジ髪の少女がなにかを言おうとしたが、先に言うことにした。

 

「俺達の武器には色んな人達の魂が宿っているんだ。だから悪いけど簡単に渡すことはできない、触れてほしくないんだ。君達は俺達を信用していないだろうけど、これだけは信じてくれ俺達は君達の敵になるつもりはないよ」

 

「あたしも相棒(バディ)と同じく、武器を渡す気はないけど、君達の敵になるつもりはないよ」

 

「俺様も同じだ。信じてくれねえか」

 

「私も皆さんと同じ意見です。どうかお願いします!」

 

 

俺の言葉に信じられないという目を見せる2人だが、その時上から声が聞こえた。

 

「リイン~、みんな大丈夫か~?」

 

「はやてちゃん!」

「「「「八神部隊長!」」」」

 

上を向いてみれば、俺達より歳が少し上の茶色い髪のショートヘアーの美人な女性が戦闘機のようなものに乗って顔を出していた。

 

 

戦闘機が着地し茶色い制服のようなものを着た女性が降りてくる。すると妖精は降りてきた女性の元まで飛んでいく。

 

「はやてちゃ~ん!この人達、持っている武器を私達に渡さないんです!」

 

「ん~、まあしょうがないんやないか?この子らにもこの子らなりの思いがあるし、私にもちょっと分かる気がするんよ」

 

「はやてちゃん…………」

 

はやてと呼ばれた女性は俺達の心情を理解してくれたのか、俺達の武器を渡さないようにしてくれた。

 

「…………さすが美人は話が通じて良いな」

 

多分この言葉を聞かれたら怒られると思うので、小さい声で口にするが。

 

「まあ、ええやん。レリックも回収出来たしみんななんとか無事だったんやから、それじゃあ…………なのは隊長とフェイト隊長と一緒に帰ろうか。2人とももうすぐここにつくからな」

 

はやてと呼ばれた女性がそう言うと、空から何かが来るような音が聞こえ何かがやって来たのかともう一度空を見てみれば、空から再び美人な女性が2人やって来た。

 

「スバル、ティアナ大丈夫?」

 

「エリオ、キャロ無事だったんだね!良かった…………」

 

「「なのはさん!」」

 

 

「「フェイトさん!」」

 

2人の女性が降りてくると、スバルとティアナと呼ばれた少女は、はやてと呼ばれた女性と同じ髪の色でポニーテールにし、白い服を着て先端が金色で持ち手部分が白の長杖(ロッド)を持った女性に話し掛ける。

 

エリオと呼ばれた男の子とキャロと呼ばれた女の子は、金色の髪をツインテールにして、黒い服を着て黒一色のような長杖(ロッド)のようなものを持っている女性に話し掛けた。

 

 

現れた美人女性2人に俺は小さな声で呟く。

 

「また美人が現れた…………なんかすごいな」

 

そんなことを呟いていると、3人の女性が俺達の前まで来ると、俺達にお礼を言った。

 

「君達が助けてくれなかったら、スバル達が本当に死ぬことになりそうやった。助けてくれてありがとな、部隊長としてお礼を言います。おりがとう」

 

「私からもお礼を言うね。スバル達を助けてくれて本当にありがとう」

 

「私からもお礼を、エリオとキャロを助けてくれてありがとう」

 

お礼を言われて一番最初にイズナが口を開く。

 

「いえ、そんなお礼を言われるようなことじゃないですよ!危険な目にあっていたら助けるのは当然ですから!」

 

「そうだぜ礼を言われることじゃない、寧ろこっちはあんたらに助けてほしいんだ」

 

「困ったときはお互い様だから、お礼は大丈夫だよ!」

 

3人は大丈夫だと言うが、こちらの3人はどうやら深く感謝しているようだ。そんな3人に俺は言う。

 

「感謝されるのはありがたいんですけど、でしたらここで貸し借り無しという事で俺達を助けてはくれませんか?」

 

続けて俺は言う。

 

 

「あなた達が俺達について気になることも答えられる範囲だけは答えます…………ですが、俺達にはここについて知らないんです。出来れば沢山の情報を来れませんか?」

 

「……………分かりました。あなた達を機動六課に連れて情報をお与えしましょう」

 

そう言うとはやてと呼ばれた女性は真剣な表情になり、俺達をこの人達の基地と思われる場所へ連れていってもらえるようだ。

 

そう思っていると、俺の後ろにいるルティナが俺に耳打ちしてきた。

 

 

「ねえ相棒(バディ)大丈夫なの?この人達優しそうだけど、信用しても良いのかな?」

 

「分からない、だけどここはこの人達を信じてみよう」

 

言葉にルティナは小さく頷いた。

 

 

「それじゃ、4人とも…………はよヘリに乗って」

 

着陸しているヘリに向かおうとするが、俺は大切なことに気付いて頼むことにした。

 

「あ、すいません。ちょっと待ってください」

 

「ん?どうしたんや一体」

 

「もう一手間掛けてすいません。俺達が乗っていた戦闘機壊れたんで、それも運んではくれませんか?」

 

「「「「「「「「……………………………………」」」」」」」」

 

8人は呆れとも取れない分からない顔で俺達を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃とある基地では白衣を着た1人の男がモニターでリニアレールを見ていた。

モニターに写し出されていた女が白衣の男に向かって言う。

 

「刻印ナンバー9護送体制に入りました」

 

「ふむ」

 

「追撃戦力を送りますか?」

 

女の台詞に男は否定を口にした。

 

「止めておこう。レリックは惜しいがこれ以上ガジェットを無駄に使うのも避けたい…………彼女達のデータが録れただけでも充分さ」

 

男は笑うとモニターの前に顔を戻しまた1つモニターを出現させて見る。

 

「それにしても、この案件はやはり素晴らしい。私の研究にとって興味深い素材が揃っている上に…………」

 

そう言いながら次はフェイト・T・ハラオウンとエリオ・モンディアルの映像を出した。

 

「ふっ、この子達よ。生きて動いているプロジェクトFの残滓を手に入れることが出来るのだからね」

 

そう男は嬉しく笑いながらも、また1つモニターを出現させた。

 

そのモニターにはアークスであるデュアル・ルティナ・セイル・イズナの映像を出すと、男はさらに笑みを称える。

 

「さらにはこんなにも私の興味をそそらせる素材が来たのだから、とても面白いよ。なんなんだろうな彼等は?彼等の力は?」

 

映像を見ながら男は笑い始めた。

 

 

「フッフッフッ…………フッフッフッフッフッフッ!面白い!こうでなくては面白くない!さあ私を楽しませてくれよ!」

 

「そして!…………」

 

男はそう言いながらボタンを押すと、後ろから大きめのカプセルに入っている紫色の花が出てきた。しかしその花は紫色ながら謎の不気味さと何やら凄まじい力を感じさせた。

 

「魔法世界の古代に存在し凄まじい力を見せたと言われる花…………エフィメラと呼ばれし花」

 

「調査結果ではレリック以上の力を持っていると断定できた。偶然発掘調査の時に手に入れたこれを使うことができるなんて」

 

男は紫色の花が入ったカプセルを持ちながら写し出していたモニターを消して、とあるものを見たいが故に大きいモニターを出した。

 

モニターに写し出されたのは形容しがたい全身を機械で包み、とてつもない武装を施した巨大なものだった。

 

「ある研究所で発見した巨大な10体も越える“武装生物”これが役に立つときもきた。さあ諸君良いデータを録らしてくれ!私を楽しませてくれ!!!」

 

言い放ち、男は機器に触れながらまた「フッフッフッフッフッフッ」と笑い続けるだけであった。

 

 

これが何なのかは分からないが、これだけは分かる。

彼等の物語はまだ始まったばかりであると…………




戦闘を終えた俺達ははやてと呼ばれた女性と一緒のヘリに乗る。

そしてそのヘリは機動六課と呼ぶ巨大な基地へと向かっていた。

機動六課の基地へと入り、俺達はこの世界のことを聞かされて驚いた!


次回 情報交換 お楽しみに。


とにかく感想をお待ちしておりますので!よろしくお願いします!!!


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情報交換

どうも読者の皆様めちゃくちゃお久し振りです!!ライダーファイトです!!!

更新が遅れてしまい誠に申し訳ございませんでした。ようやく更新ができました。



EP1~3が廃止されて絶望にうちひしがれました。

そんでノヴァセレクションも最後の日で引けずに終わってぶっ倒れました。

そしてこの話を書くのが辛すぎました、こういう説明話は私にとって苦行です。
色々と書かなくちゃならないので、もうめちゃめちゃしんどかったです。


そんな酷い状態でようやく今日書き終えました。
どうぞご覧ください。


機甲種モドキとの戦闘を終えた俺達は、はやてと呼ばれた女性が乗っていた乗り物に一緒にって機動六課と呼ばれる組織の元へ向かっている。

 

因みに俺が乗っていた戦闘機は、はやてさんが乗ってきた飛行する乗り物を3機呼び、機体の全てを使ってワイヤーで運び上げて運んでいる。俺はそれを見ていたがすぐに目を離し、再びルティナ達と楽しく談笑する。

 

「それにしても凄いねこの乗り物!あたし達が乗ってた戦闘機とは違うのに、あんな小さい羽が回って空を飛んでるなんて!」

 

「多分、この動きから察するに…………小回りが効くように作られてるんじゃないかな?俺達の戦闘機は両方に特化してるけど、この乗り物…………それなりのスピードと細かい動きはかなりのものだよ」

 

「そうですね。それと機器の動き方を見るに、この乗り物も私達の戦闘機と同じく何かの燃料を使って動いているんでしょう。そして羽を動かしているのはメインエンジンでしょうね」

 

「それにしてもこの乗り物もうちっと座り心地なんとかできないのか?衝撃来ては椅子まで来るぞ」

 

「セイル、乗せて助けてくれるどころかあたしたちの戦闘機まで運んでくれてるんだよ。そんなこと言ったら失礼でしょ!」

 

「ルティナの言うとおりだよセイル。それにこういうところでこそ、案外忍耐力は鍛えられるんじゃないかな?」

 

「ああっ!考えようによっては鍛えられない精神を鍛えられそうだな!」

 

「「「「あははははははっ!!!!!」」」」

 

「…………………………………………」

 

俺達がそんな談笑をしながら笑いあっていると、向かいに座っているはやてさんは俺達を無言で見ていた。そんなはやてさんの視線に、どうにも俺は嫌な気分になりそうなため髪を掻きながらはやてさんに顔を向けて聞くことにした。

 

「あのー…………先程から俺達を見ているようですけど、なんしょうか?」

 

「………………………………」

 

俺達を見ていることを聞くと、はやてさんは無言で俺達を見るが、1度コホンと咳をして口を開いた。

 

「いや、視線送ってごめんな。ただちょっと気になったんや」

 

「…………気になった?」

 

はやてさんの言葉に、俺の隣に座っているルティナが疑問を浮かべながら首を傾げる。

 

「そうや、何せ機動六課に着いたら…………これから君らに色々と聞くのに、君ら一切緊張もなんもしとらんから、見てたんや」

 

…………確かに、はやてさんの言うとおり、大抵映画などの場面では、どこかに連れていかれるときは緊張や不安などがあるものだ。

 

だけど、そんなはやてさんに俺は言う。

 

 

「あなたの言うとおり、こういう時は大体そうなるかもしれませんが、一応俺達はあなた方の仲間を助けましたので恩があると俺は思っています。俺はあなた方を信じていますが、もしその恩を仇で返されれば俺はあなた方の基地で全力で暴れさせてもらいますが!」

 

「ッ……………………」

 

俺はそう言いながらはやてさんに目を向けるも、追加で大事なことも伝えることにした。

 

「ああそれと、乗る前にも言いましたけど、俺達も言えないことがあるのでそこはご了承くださいね!」

 

俺が人差し指を出し、左目をウィンクさせて言う。そう言うとはやてさんは、「分かってるから、そこは安心してえや」と返してくれた。

 

俺も(ここまで言えば大丈夫かな?)と思い、再びルティナ達と談笑を始める。

 

(むーっ、中々抜け目のないところがあるな…………見た目は大人しい顔で口調も丁寧やけど、案外細かい所に気が付く、結構強いなこの子)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽しく談笑すること数十分後。

 

窓から見ていた変われば、高度な街並みが沢山あり、そしてこの乗り物が向かおうとしている先には、周りが海に囲まれた巨大な建造物が見えてきた。

 

「「おおおぉぉぉぉ~~~っ!!!」」

 

「へぇー、もしかしてあれが機動六課ってところか」

 

「すごいですね~」

 

その大きさは最早1つの基地と言っていいレベルであった。そのため俺とルティナは感嘆の声を上げ、セイルは確認するように言って、イズナはただ驚いていた。

 

機動六課と呼ばれた基地がもう目の前まで来て、するとこの乗り物がゆっくりと動けば、マルと書かれた記号の中に英語のHが書かれた場所にゆっくりと降下していった。

 

ゆっくりと降下していき着陸すれば、みんなで乗った後ろのハッチが開き、はやてさんが立ち上がり俺達に声を掛ける。

 

「さ、降りようか」

 

はやてさんの言葉に俺達も立ち上がりハッチから出る。ハッチから出た俺達の第一声は…………

 

「ん~、外だ~~!」

 

「ようやく着いたね。時間が掛かったお陰でなんか体が固まった感じだよ」

 

「はあぁ…………風が気持ちいいです」

 

「そんなことより暴れまくったせいで、俺は腹が減ったぜ」

 

ルティナ、俺、イズナ、セイルがそれぞれ言葉を出しながら、体を伸ばしたり空気を吸うなどをする。

 

「ほら君達、そんなところに居てんとはようこっちに来てくれんか」

 

声のした方向を見れば、はやてさんが扉を開けて俺達のことを待っていた。そのため俺達は「分かりました」と言ってはやてさんに付いていく。

 

はやてさんに付いていきながら俺は思う。

 

(さて…………この出会いが鬼となるか、蛇となるか…………?)

 

俺はこの組織を警戒しながら、みんなとともに歩を進めていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、ここに入ってくれるか?」

 

歩を止めてはやてさんが案内してくれた場所を見れば、そこはまさにこれから事情聴取を取りそうな部屋であった。

 

しかし、それも仕方ないため俺達は無言で頷いて、俺、ルティナ、セイル、イズナの順に入った。

 

「ここに座ってくれるか」

 

はやてさんはそう言って俺達に4つ並んだ椅子へ招く。

 

 

 

俺達は言われるがまま椅子のところまで行き、「失礼します」と言って椅子へと座る。そしてはやてさんも椅子に座って「話をする前に、ちょっと待ってて貰えるか」と言うが、そんな時にコンコンと扉がノックされると、はやてさんは遠慮なく「どうぞ」と言った。

 

「失礼するね、はやてちゃん」

 

「はやて、来たよ」

 

「主はやて…………失礼します」

 

扉から入ってきたのは茶髪の髪の「なのは」と呼ばれた女性と金髪の(俺から見たら一番)美人な「フェイト」と呼ばれた女性、そして最後には、透き通った桃色の髪をした長身で、目付きは俺達に戦い方を教えてくれた教導官・オルクスさんのような歴戦の戦士を感じさせる大人の女性が入ってきた。

 

「3人とも来てくれてありがとうな、特になのはちゃんとフェイトちゃんはごめんな。戦闘が終わった直後なのに休まんと来てもらって」

 

「別にこれぐらいどうってことないよ。それより、今からその子たちに話を聞くんだよね」

 

「そうや、と…………その前に自己紹介から始めようか」

 

そう言ってはやてさんから自己紹介を始めた。

 

「私の名前は八神はやて。この機動六課では部隊長を勤めています」

 

「わたしは高町なのはと言います。この機動六課では教導官を務めています」

 

「私はフェイト・T・ハラウオンと言います。同じくこの機動六課で執務官を務めています」

 

「私の名前はシグナム。この機動六課ではライトニング分隊という部隊の副隊長を務め交替部隊の隊長を務めている」

 

はやてさん達の挨拶に、俺達も椅子から立ち上がりそれぞれ挨拶をする。

 

「これはどうもご丁寧に、自分はデュアルと言います」

 

「あたしの名前はルティナです!」

 

「俺はセイルだ!」

 

「…………私はイズナと言います。こんにちは」

 

挨拶をすればはやてさんが「挨拶も済んだことだし、座ってええよ」と言って、俺達ももう一度「失礼します」と言って椅子に座った。

 

そして話し合いを行おうとした直後、また扉からノック音が聞こえた。ノックの音にはやてさんは軽い感じで「どうぞ」と言った。

 

「「失礼します。八神部隊長」」

 

入ってきたのは、オレンジ色の髪で2挺拳銃を持っていたティアと呼ばれた少女と、青い髪で左腕に俺達アークスが持つ鋼拳ナックルを装備していたスバルと呼ばれた少女の2人が入ってくると頭を下げた。

 

(簡単に入れるなんて警戒ないんだな…………まあこの基地に変装して乗り込んでも何かでバレて捕らえられるかもね。結構緩そうに見えて案外厳重に警戒が張られてるみたいだし)

 

そんなことを思っていると、はやてさんは2人に話し掛けた。

 

「どうしたんやスバルにティアナ?2人揃って来るなんて」

 

「はい、あたしはその人たちの力の謎が気になったため失礼ですが来ました」

 

「スバルも?」

 

「はい、あたしも気になったためやって来ちゃいました」

 

 

ティアさんとスバルさんが来た理由が俺達の力を知りたいということだった。まあそうしたいのは分かる。もしこの人たちがオラクルに来れば俺もその力の謎を知りたいため、上官に話を通す。

 

だけど上官がもしそれを断れば、それに俺は静かに納得して即刻立ち去るけど。

 

「ん~、まあ別にええけど…………くれぐれもこの子達の機嫌を損ねないようにな。下手な行動したらこの子ら暴れるって言っとるから」

 

「「はい、分かりました」」

 

スバルさんとティアさんは、はやてさんの言葉に返事をして頷いたが、返事が終わるとティアナさんは俺達、特に俺のことを静かに睨んでいた。

 

ティアさんの鋭い視線に俺は心の中で疑問を浮かべた。

 

(え?…………なんで俺睨まれたんだろ?俺あの人になんかしたっけ?)

 

(もしかして、俺達が怪しいから睨んだんだろう。だけどそれでも一応あなたたちを助けたんだから、睨まないでほしいな~)

 

そんなことを思っていれば、はやてさんが俺達に体を向けて言う。

 

「それじゃ、これから本当の本題に入ろか。それで君たちは何から知りたいんや?」

 

「…………え?俺達の方から質問しても良いんですか?」

 

はやてさんの言葉に、俺は少しだけ目を見開き驚きながら聞く。

 

「まあな、何せ君ら右も左もわからん状態やから、一番に知りたいことを知った方がええやろ。で、最初はなにが知りたいんや?」

 

「それではお言葉に甘えてって、みんな俺が質問していいの?」

 

ようやく話をすることになったが、その前に質問をするのは俺でいいのか、ルティナ達に聞くことにした。

 

「あたしは別に相棒バディが質問しちゃっていいよ」

 

「俺様もだ。ていうかいちいちそんなこと確認しなくていいだろ」

 

「私も別に構いませんよ」

 

とりあえずみんなからの了承を得て、俺は軽く微笑みながら返答する。

 

「ん了解。じゃあ質問しますね…………一番に聞きたいことは、ここは一体どこだということなんですけど」

 

「ああ、ここのことな。ここはな…………」

 

一番気になっていることを聞いてみれば、はやてさんは俺達にここのことを分かりやすく説明し始めてくれた。

 

「…………ってところなんやけど、君ら大丈夫か?鳩が豆鉄砲喰らったような顔しとるで」

 

その言葉がなんなのかは俺には分からないけど、はやてさんの説明に、今の俺達は口を開けて呆けている。

 

「「「「…………………………………………」」」」

 

口を閉じて俺達はお互いの顔を見合って、腕を組んだり顎に手をやりながら、考える仕草をしながら口を開く。

 

 

「魔法が発達した世界…………………ミッドチルダかぁ~」

 

「なんか…………話が飛びすぎて頭がこんがらがりそう」

 

「ってもなあ~。この世界であの力を使うこの人らが言うんだから、魔法なんじゃねえのか」

 

「魔法が発達していますから、魔法も一瞬で放てるようですしね」

 

イズナの言葉に俺はイズナに顔を向けて、腕を組んだまま返答する。

 

 

「だね。まあ俺達が知っている魔法は物語上のもので詠唱したりするものだからね」

 

「あら、あなたたちだって魔法を使ったじゃない、特にそのポニーテールの女の子…………炎や氷、雷の魔法を使ってたじゃない」

 

そんなことをイズナと話し合っていると、立っているオレンジ色の髪の少女、ティアさんが俺達に向かってなにやら嫌みたっぷりな口調で言ってきた。しかし俺達が魔法を使っていたか疑問になったが、すぐにその疑問が解消された。

 

「ああ、あれですか。あれは魔法じゃありませんよ」

 

「えっ…………!?」

 

「そうなのっ!?」

 

俺の言葉にスバルさんとティアさんが驚愕の表情をした。その表情は少し可笑しなものだったが、女性相手に笑うのは失礼なため、俺は笑い声を抑えるためポーカーフェイスを装い心の中では爆笑している。

 

「じゃあ!あれは一体なんなのよ!!?」

 

心の中で爆笑していれば、ティアさんがバンッ!と机を叩いて、ルティナが使っていたテクニックのことを問い詰めてきた。

 

「ちょ、ちょっと落ち着いてください!」

 

ティアさんの危機迫るような問い詰め方に、俺は両手を出してティアナさんに追い付いてと言わんばかりにやるが、彼女の威圧にたじろいでしまう。

 

「ああ~…………ティアナ落ち着いてくれるか?今この子らに聞いとるからその力の謎も分かるからな」

 

慌てる俺達に、はやてさんがティアナさんを宥めてくれた。そのためティアさんは「す、すいません」とはやてさんに謝った。

 

 

(俺達にも謝ってほしいんだけど…………)

 

そんなことを心の中で思うも仕方ないため、とりあえず話を続けることにした。

 

 

「それで、他に聞きたいことはあるか?」

 

「他ですか?ん~そうですね~。でも一番に聞きたいことは聞けたんで良いんですけど…………あ、それじゃああの機甲種モドキはなんなんですか?」

 

「ん?…………機甲種モドキって、なんのことや?」

 

こちらの知っているもので言ってしまったため、はやてさんが機甲種の言葉に疑問の声を出して首を傾げてしまった。

そのため、俺は一度はやてさんに謝って、あの機甲種モドキについて再び聞くことにした。

 

「あ、すいません今のはこちらの話です。えーっと改めて、あの時俺達が戦った機械の大群はなんなんですか?」

 

その事を聞けば、はやてさんは「ああ、あれのことか」と小さい声量で言って、あの機甲種モドキについて説明し出してくれた。

 

「あれはガジェット・ドローンっていうんや」

 

 

ガジェット・ドローンと言うのは謎の機械兵器群で、複数の機種が確認されているらしい。

 

ガジェット・ドローンはとあるものを探索・確保するために制作した物で、障害となるものは攻撃するように設定されている。このほか、ミッドチルダを侵攻する際の補助兵器としても使用されており、攻撃魔力を使用していない内蔵電源によるレーザーを発射する他、機種によって固有の装備を持つらしい。らしいというのは、今だそのガジェット・ドローンというのは解析できていないようだ。そして半自律型であり、完全な行動制御はふかのうであり、AMFという俺達には分からないものを発生させる機能を持っており、この世界の並みの魔導師では手に余る相手のようだ。またルティナが倒した大型機であるIII型はAMFの効果範囲が広いようだ。

 

そして説明されて、現在確認されているガジェット・ドローンの機種はこれだけであるらしい。

 

 

ガジェット・ドローンⅠ型。

 

最も多く確認される機種であり、カプセルに似た円錐型で、コードを延ばして他の機械を制御する機能がある。

 

 

ガジェット・ドローンⅠ型改。

 

ガジェット・ドローンⅠ型に、Tの字型シールドというものをバックに付け、左右に6連装ミサイルポットを2個装備している。

 

 

ガジェット・ドローンⅡ型。

 

全翼機型の飛行専用機種であり、その武装は対空武器に限定されており、対地戦闘は行えないらしい。

 

 

ガジェット・ドローンIII型。

 

最も巨大な機種で、普段は球体の状態で待機している。火力と防御力に優れる。戦闘時はベルト状のアームを伸ばし、格闘戦も可能のようだ。

 

 

「なるほど、あれはガジェット・ドローンと言うんですか」

 

はやてさんのガジェット・ドローンの説明に、俺は腕を組んで理解したため首を縦に振る。

 

「にしても驚きだね。この世界の人達じゃ並みに倒せないガジェットっていうのが、あたし達の力で倒せるなんて」

 

「多分それはグランの力のお陰でしょう。グランアーツは惑星マキアの力ですから、そのガジェットというのには対応できないものみたいですね」

 

「ま、攻撃動作は見切れるし装甲もそんな固くねえから、簡単に倒せるけどな」

 

ルティナ・セイル・イズナもガジェット・ドローンについて、話す。軽くグランアーツを口に出してしまったが大丈夫だろう。

 

「そんなところやけど、君らが知りたいことはこれだけでええんか?」

 

「はい、大丈夫です。ありがとうございました」

 

「そっか…………じゃあ次は君らのことについて聞かせてもらうな」

 

俺の返答にはやてさんはニッコリ笑うと、手を組んでそこに顎を乗せ俺達に少しきつめの瞳を向ける。

 

その瞳に俺は臆することなく、口を開く。

 

 

「ええ、構いません。ですが数時間前にも言った通りお答えできないこともあるので、そこはご了承下さい」

 

「うん、それじゃあこれだけは聞かせてくれんか。君らは一体なにもんなんや?」

 

はやてさんのその言葉に、俺達はお互いの顔を見合せあい頷く、これは答えても大丈夫というものだ。

 

「分かりましたお話しします。自分はオラクル船団所属のアークス戦闘員。デュアル」

 

「相棒バディと同じで、オラクル船団所属、アークス戦闘員のルティナ」

 

「同じくアークス戦闘員。イズナです」

 

「俺はアークス特殊惑星探査隊オルター所属のデルタヴァリアントの副長を勤めてるセイルだ」

 

俺達ははやてさんに聞かれたことに快く答えたが、当の質問してきたはやてさんは、俺達の台詞に何とも形容しがたい感じになってしまった。

 

「えーっと、なんやらえらく飛んだ感じなんやけど、まず最初にオラクルってなんなん?」

 

はやてさんの疑問の声に、まず俺はオラクルについて説明することにした。

 

「ではオラクルについて説明致しますね。オラクルというのは、一隻のマザーシップという巨大な船を中心に、我々が乗っているアークスシップという船が帯同して形成されている惑星間航行船団の通称であり、広大な銀河を旅する我々の拠点でも「ちょ、待って待って!待ってくれんか!?」はいどうしました?」

 

オラクルの説明をしていれば、それを聞いていたはやてさんが慌てて俺の説明を止めたため、疑問を出しながら自分の首を軽く傾げる。

 

「いやちょっとな、話が壮大すぎてこっちも付いていけないんや。もっと簡潔に説明してくれんか?」

 

「分かりました。まあ簡単に言うのなら沢山の船が宇宙を旅して惑星の調査をする組織ということです」

 

「なるほど~、宇宙を旅しながら色んな惑星を調査をする組織があるなんてな~。あれ?そこにいるセイル君っていうのは、君らとは違うんか?」

 

はやてさんはオラクルについて理解すると、セイルのことを聞いてきた。多分、セイルの挨拶にあった前者が気になったためであろう。

ここはセイル自身に説明させた方がいいだろう。セイルもこの説明をめんどくさがることもないだろうし。

 

「分かりました。その事については、セイル説明してくれる?」

 

「おう!別にそれぐらい構わないぜ」

 

「………………………………」

 

セイルに顔を向けて聞けば、セイルは白い歯を見せるぐらいの笑顔でニッと笑って答えてくれた。そんなセイルの反応に俺も微笑んで無言で頷く。

 

そしてセイルははやてさんに顔を向けて、1度咳払いをする。

 

 

「ゴホン、じゃあ俺が所属しているオルターについて説明するぜ」

 

セイルは自分の所属しているオルターの説明を始める。

 

 

「俺が所属している特殊惑星探査隊オルターは、オラクルの一角を担う特殊部隊のことだ。そして俺がいるデルタヴァリアントはオルター所属の探査隊だ」

 

「ん?探査隊ってどういうことなん?」

 

「オルターの任務は、人類未踏の地を目指す。つまり未知の惑星を発見して調査を行い、広大な銀河の歴史を紐解くことなんだ。オルターの説明はこれで終わりだ」

 

「へぇー、それはすごいな~」

 

セイルはそこでオルターの説明を切り上げた。まだ少し説明するところはあるが、そこは説明をすべきではないと思って止めたのだろう。するとオルターの説明に、はやてさんはちょっとだけ驚いた顔をして頷く。しかしそこでまたはやてさんは、とある疑問に入ってしまった。

 

「…………あれ?でもそうなると、君ら3人が所属しているアークスっはなにをしてるんや?」

 

はやてさんは特殊惑星探査隊オルターについて理解すれば、次はアークスの存在について聞いてきた。そこで再び、俺が説明することにした。

 

「アークスの目的も一番は惑星の調査ですけど、モンスターの討伐やクエストもありますが、そちらは副業になります。ですが我々が存在する一番の理由とある敵対勢力にあります!」

 

「「「…………とある」」」

 

「「「敵対勢力…………?」」」

 

「はい」

 

 

最初の言葉にはやてさん、フェイトさん、なのはさん。後半の言葉はシグナムさん、スバルさん、ティアさんが口にした。6人の女性陣は俺の緊迫した言葉に、少し緊張していた。俺も真剣な表情と声色で言う。

 

俺達の敵対勢力のことを話すとなればふざけた感じや軽く言うのは駄目である。俺達が戦っている最大の敵対勢力により、オラクルで生きている人達は奴等のことを恨んでいる人達は多い、家族や兄弟、恋人に親友に仲間を殺され恨んでいる人達は沢山いる。

 

その中でもセイルは、帰るべき居場所を失ってしまったのだから…………

 

「その名はダーカー。宇宙に蔓延る我々の不倶戴天の敵です!」

 

 

「ありとあらゆる惑星、どの地域にも現れる正体不明の存在で、全宇宙を脅かす敵対勢力。そしてフォトンを扱う俺達アークスを敵とみなして、襲いかかる闇の勢力です」

 

「つまりアークスは、ダーカーっていう敵と戦い続けてるわけか?それも終わりが見えない戦いに見えるけど…………」

 

はやてさんは俺達に心配な顔を見せるが、そんな表情に俺はニッコリと微笑み言う。

 

「確かにそうかもしれませんけど、それなりにダーカーの強力な個体が出現することもありますが、それほど事態が深刻なこともないので、そんなに心配することはありません」

 

「うーん…………まあ君らがそう言うんなら心配はないんやな。それとそのダーカーっていうのありとあらゆる惑星やどの地域にも出るっていうらしいけど、このミッドチルダに出たりするんかな?」

 

するとはやてさんはまだ心配そうな顔で、俺達を見ながら聞いてくる。

 

確かにはやてさんが心配したくなる気持ちも分かる。今この人達はこの世界で起きている事件に手を焼いているんだ。それなのに、次にダーカーという対処できないものが現れれば、不安にもなるし大変なことにもなるからね。

 

 

はやてさんのそんな顔に、俺は顎に手を当てながら考える仕草をしながら、一応可能性の話をした。

 

「多分大丈夫だと思います。一応この世界は俺達の宇宙とは別次元なので、ここにダーカー因子がある可能性は低いと思います」

 

まあ本当にそこのところはどうなのかはよく分からない、ダーカーというものは案外しつこいししぶといものだ。それはダーカー因子も変わらない、もしかしたらダーカー因子が亜空間に吸い込まれて、この世界に実体を持とうとしている確率もあるかもしれない。

 

(…………今までアークスが異世界に行ったなんていう事例はないからな、別次元にダーカーが出たなんてことも知らないし、それに亜空間がどうなってるのかも分からないし…………はぁ~、こう考えてみると色々と問題が多すぎるせいで頭が痛くなってくるな)

 

俺は腕を組ながら考えていると、色々な疑問や問題が沢山出てくるため、少しであるが頭痛を覚えそうにある。

そんなことを思っていると、はやてさんが俺達に顔を向けてなにかを聞きたそうな顔であった。その顔を見た俺達もはやてさんに顔を向けて、質問をどうぞの頷きをする。

 

「それじゃあこれが私からの最後の質問なんやけど、君らは一体どうやってここに来たんや?」

 

はやてさんのその質問に、俺達は深刻な顔になるも意を決して喋ることにした。

 

「実は俺達は、亜空間に吸い込まれてここへ来たんです」

 

「亜空間?亜空間って、私らの住むこの世界とは異なる部分を持つ空間で、通常物理法則の成り立たない空間を指して、現在では単に通常の空間とは隔絶された場所を指すこともある。あの亜空間のことか?」

 

「ええ、その亜空間で合ってると思います」

 

俺がそう言うと、はやてさんはなにかを考え込むと、手を軽く動かし俺達が報告書などを書くときに出す電子画面を出して、俺達に1つ画像を見せた。

 

「なあ、もしかして君らが言うその亜空間って、これのことかな?」

 

 

「「えっ!?」」

「「なっ!?」」

 

はやてさんに見せられた画像に俺達はただ驚くことしかできなかった。なぜなら、はやてさんが出した画像に写っていたのは、俺達の世界に出てくる亜空間に全くもってそっくりだったのだから。

 

そのため、俺は身を乗り出し冷静さも欠いてしまい、思いっきり聞き出した。

 

「な、なんでこの世界に亜空間が発生してるんですか!?これは一体いつ発生したんですか!?この亜空間で被害は出たんですか!?」

 

「ち、ちょ、落ち着いてえな」

 

はやてさんの困った顔に気が付いた俺は、すぐに自分自身を取り戻し、謝りながら自分が座っていた席へと戻る。

 

「す、すいません!つ、つい我を忘れてしまいました!?本当にすいません!?!!?」

 

「そんな謝らんでええよ。気にしてないから…………さて、この亜空間についてなんやけど、ハッキリ言うていつ発生したんかは分からないんや」

 

はやてさんは苦しそうな顔で続けて言う。

 

 

「これを私らが確認したんは数日前なんや、でももしかしたら、もっとその前に現れてるかもしれない…………ごめんな力になれないで、これは君らからしたらとても大変なことみたいやのに、力になれないでごめんな」

 

するとはやてさんは、申し訳なさそうな顔をして座りながらも俺達に頭を下げて謝った。

 

「い、いえそんな謝らないでください!そちらはそちらの大変な問題を抱えているんですから謝る必要はありませんよ!むしろこの世界に亜空間が出現していることが知れただけで儲けものですよ!」

 

俺はそんなはやてさんの謝罪に焦りながらも、必死に大丈夫だと伝え頑張る。

 

「せ、せやけど」

 

「本当に大丈夫です!!?亜空間の出現さえ分かれば、きっと俺達の故郷、オラクルへ帰ることも出来るはすですから、安心してください!」

 

「ん~…………それならええんやけど」

 

はやてさんは悩む顔になるも、何とかそれを抑えるがまだ心配そうな顔をしている。大丈夫だと言った俺だがかく言うちょっと焦り気味と言うかヤバいとしか言いようがない、亜空間が出現するのは分かったが、果たしてこの亜空間で俺達の故郷、オラクルへと帰還することが出来るかは分からない、下手に亜空間に突っ込んでまたこことは違う別の世界へと来てしまったら本末転倒である。

 

(やっぱり今の俺達の状況は板挟みもいいところだな、諦めたくはないけど…………下手をすればこのままここで永住という確率も高いかも)

 

そんな考えが浮かんでしまうが、俺はすぐ頭を振ってその考えを消した。

 

(絶望的なことを思ってちゃ駄目だ!そんなことを思ってたらどんどん悪い方向に進んじゃう!絶対にルティナ達と一緒にオラクルに帰るんだ!!)

 

そして俺はそう思いながら顔を真剣な表情にする。

 

「なあ君、大丈夫?頭振ったり真剣な表情になったり、やっぱり結構不味い状況なんかな?」

 

「あ、すいません!?本当に大丈夫なので気にしないでください。それであなたたちへの質問はこれで終わりでしょうか?」

 

俺がそう言うと、はやてさんはティアナさんに顔を向けて行った。

 

「私の質問は終わりやけど、ティアナこの子らに聞きたいことがあるんやろ。ええで質問して」

 

「はい、ありがとうございます。…………それじゃあ聞かせてもらいたいんだけど、あなたたちのあの力は、何なの?」

 

ティアナさんははやてさんに頭を下げると一歩前に出て、俺達に鋭い瞳を向けるが、その瞳は今もなおデルタヴァリアントのオペレーターをしているキサラさんよりは低いため全くもって恐いことはなかった。

 

そのため俺達は恐れることなく、言葉を出す。

 

 

「それについても話しても大丈夫かな?」

 

「うん、別に伝えても大丈夫だと思うよ相棒(バディ)

 

「私もそう思います。それにユノさんのことも教えた方が良いと思いますし」

 

「ユノのことを深く教えるのは避けた方が良いと思うが、グランのことは少しは教えた方がいいだろ」

 

小さい声でルティナ、セイル、イズナの応答を聞き、俺は「分かった」と言って、グランのことを話すことにした。

 

「気になるところもあると思いますが、教えられないところもあるのでご了承下さい。あの力はグランと言います」

 

「グラン?グランってなんなのかな?」

 

茶髪のなのはさんがグランのことについて、少し首を傾げて声を出した。

 

「グランというのは、一言で済ますのなら約束という意味です」

 

「「「「「「約束?」」」」」」

 

「はい、グランの力を使いこなせるのは約束を守れる誠実な人間だけです」

 

「じゃあ、君たちが剣や銃、杖から放ってたのはグランっていう力ってこと?」

 

次に青い髪のスバルさんが聞いてきた。

 

「そうです。それを俺達はグランアーツと呼んでいます」

 

俺は頷いて応答する。

 

 

「じゃあその、そのグランっていう力を与えた光輝く女の子は一体何者なの?確かあなたたちはユノって、言ってたわよね」

 

応答すると、またティアナさんが俺達に質問をして来た。

 

鋭い瞳のまま今度はユノのことについて聞いてきた。

ティアナさんの質問に俺は、無言で首を横に振り声を出す。

 

「それについてはノーコメントにさせてもらいます」

 

「なんですって!?」

 

「ちょ、ティアナ落ち着いて、この子らにも言えないことがあるって言ってたやないか。うちは分からんけど、そのグランっていう力を与えてくれたユノって子については答えられないってことやろ。だから落ち着いてぇぇな」

 

「は、はい…………すみません。八神部隊長」

 

「うん別に気にしてないで、そら気になることやろうけど今はええやろ。いずれきっと教えてくれるはずやから」

 

「………………………………はい、それでは聞きたいことも聞けたので下がります。ッ」

 

俺の言葉にティアナさんは激怒し、机を勢いよくバンッ!と叩いて俺に襲い掛かりそうな感じであったが、それをはやてさんが間に入ってティアナさんを抑え彼女を落ち着かせてくれた。

 

さすがの彼女も、上官に逆らうことはしないようで落ち着けば、はやてさんに謝り下がろうとした最後に俺を睨んで戻った。

 

「驚かせてごめんな。それじゃあ君らのことと力のことも聞けたことやけど…………君らこれからどないするんや?いきなりこんなところに来たんやから行く宛も何もないやろ?」

 

「そうですね。あいにく右も左も分からない状態なので、どうすればいいのか分からないです」

 

はやてさんの言葉に、俺は後頭部を撫でながら困った顔をすれば、はやてさんはある提案を出した。

 

「それやったら、私達機動六課に所属するっていうのはどうや?」

 

「「「「…………え?」」」」

 

「はやてちゃん!?」

 

「はやて、それは!?」

 

「「八神部隊長!?」」

 

俺達は小さな疑問の声を出し、なのはさん、フェイトさん、スバルさん、ティアナさんの4人は驚きの声を上げた。

 

「なにもそこまで驚かんでもええやろ。この子らには行く宛もないんやし、それにスバル達を助けてもろたその恩がある。なら保護すると言うなの所属にしてしまえば問題ないし、衣食住を与えればいい 、まあその分君らの力を貸してもらうことになるけどな」

 

「その提案は俺達にとっても願ったり叶ったりですけど、本当に良いんですか?」

 

「別にええよ。モニターからも見てたけど、君らの戦闘能力は並みの魔法師以上の戦闘能力やから」

 

「主はやて。そうは言いますが、そんなことをすれば組織内で少し亀裂が入るのではないのですか?素性の知れない者を入れるとなれば、組織の面目が立たないと思うのですが?」

 

はやてさんの言葉に俺は心配事があったのだが、そこで桃色の髪の女性のシグナムさんが、俺が心配していることを口にしてくれて助かった。

 

それにシグナムさんの言うとおりである。そんな勝手に決め付けて俺達を所属させてしまっては組織内で不平や不満が出てしまい、下手をすれば収集が付かなくなってしまうし、組織としての面目が立たない。

 

オラクル内でもそう言うことがある極たまにあるが、大抵そう言うときのアークスは自分の実力を見せるのだ。そうしなければ組織が成り立たない、本当に大変である。

 

「うーん…………確かにそれはそうかもしれんな」

 

シグナムさんの言葉にはやてさんは返す言葉がない顔をするが、だがすぐに表情を変える。まるでその言葉が来るのは想定内かのように言葉を口にした。

 

「それやったら試験をやったらどうや?スバルやティアナにやらせた試験をこの子らにもやらせて決めたらどうや?もしそれで合格できなかったら保護するだけ、合格できたら私達に協力してもらうっていうのは」

 

「それは良い案ですが、主はやて。わざわざそんなことをしてなくても私が「あかんよ。シグナム」ッ!?」

 

「シグナムをもし戦わせたら、ノリに乗って絶対にこの子らに手加減せずにのしてしまうやろ。だから絶対に駄目や」

 

「うっ、分かりました。主はやて」

 

はやてさん提案にシグナムさんが別の提案を出したが、その提案は一瞬にしてはやてさんによってダメ出しを受けたあげく、シグナムさんの悪いところなのか?そこを突くと、シグナムさんは返す言葉がないのか、何やら楽しにしていたものを奪われたかのような顔をして引き下がった。

 

(もしかしてシグナムさんって、バトルジャンキーかそんな感じの人なのかな?)

 

俺はシグナムさんを見ながらつい、そんな疑問を心の中で抱いてしまう。

 

「そんなわけなんやけど、君らはどうかな?一番は君らの意見が大事やからな!」

 

はやてさんのそんな挑戦的な笑みと言葉に、俺達全員はそれを快く受け取ることにした。

 

「ええ、良いですよ。その試験是非ともお受けいたします!な、みんな!」

 

俺は立ち上がって言って、ルティナ達を見る。ルティナ達も笑いながら立ち上がって言った。

 

 

「ああ、その通りだぜ。ただ保護されてるだけじゃアークスとして恥さらしにも程があるし、それに不倒のセイルの名折れだぜ!」

 

「そうです!それにこの世界の人たちが困っているのなら私はそれを見過ごすことなんて絶対に出来ません!」

 

「あたしもセイルとイズナの意見に賛成だよ相棒(バディ)!あたし達の力はみんなを守るための力なんだから、グランの力でこの世界の人達を守ろうっ!」

 

ルティナ達の発言を聞いた俺は、微笑みながら頷きはやてさんに顔を向けて発言する。

 

「はやてさん。これが俺達の決断です!試験の方はいつでもどうぞ。アークスの、俺達の力をお見せします!」

 

機動六課という組織全体に、俺達アークスの力を見せつけることとしよう。




ここまで見てくださり本当にありがとうございます!

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実はただ今、活動報告でアンケートを行っております。私のもう1つの作品にてどうすればいいのか悩んでいるのです、どうか皆様にそちらのアンケートにご協力をお願い申し上げます!!!
アンケートへのコメントを頂ければ、私のもう1つの作品を進めさせることが出来るのです!ご協力のほど宜しくお願い致します!!!!!

そして感想、評価お待ちしております!
なにか間違いがあれば気軽におっしゃってください、すぐに編集しますので。

では、次回予告もどうぞ。


八神はやてさんから出された試験をクリアするために、俺達は全力で挑む!

果たして、出される試験は一体何なのだろうか?


次回 技能試験 お楽しみに!


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