東方凡人録 (ホッタン)
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第1話 幻想入り

どうもホッタンと申します

初めてこのような小説を書きましたです
初めてゆえの間違いや問題が多々あると思いますが、
温かい目で見守ってください………

できるだけ、原作に沿わせるつもりですが、
少なからずオリジナルの話も、盛り込むつもりですw
個人的には、オリキャラは少なく済ませたいと思っていますw

かなり不定期ですが、よろしくお願いします!



 

ある日、日本の中のとある県のとある市のとある町に住んでいる

白井 爽 (しらい そう)は、いたって普通のどこにでもいるような学生だ。

爽は友達、家族にも常に普通、普通と言われ続けていた。

そんな爽は受験生である。

間近に迫った高校受験に向けて、

受験勉強をしてい…………………なかった。

 

「あ~~~、暇だな~~」

 

残り受験まで1週間となったが、

いまだにやる気が起きない。

 

「僕のやる気スイッチってどこにあるんだろーな~。」

 

そんな事をぼやきながら、爽は机に突っ伏していた。

そうしているうちに、夕食が出来たらしく、親に呼ばれる。

 

「爽ー夕飯できたわよー」

 

「はーい」

 

タタタッと階段を降りて、椅子に座る

 

「爽、そろそろ勉強したらどうだ?」

 

座るなりすぐに言われた事がこんな事だ

 

「あ~、うん。ちゃんとするよ。」

 

「しっかり勉強して、受験に備えなさいよ。」

 

「OK,OK」

 

そうして夕食をとった後自分の部屋に戻った爽はベッドに寝転がる。

 

「勉強か~…面倒くさいな~…」

 

そうつぶやくと、爽に眠気の波がおそってきた。

 

 

「あ…寝ちゃうな…これは……」

 

 

…………………………………

………………………

……………

 

 

爽が寝てからそう時間は経っていないだろう。爽は不思議な夢をみていた。

 

 

「…………ここは…?」

 

 

視界はすごく悪い。

上も下もわからないような、暗い場所にいた。

 

 

「誰かいませんかーー!?」

 

 

そう叫んでみたものの、声はこだまするばかりで返事はない。

 

 

「気味が悪いなぁ……」

 

 

そう言いつつも、爽は前に進んでいった。

 

 

少し歩いて行くと、ぼんやりと声が聞こえてきた。

 

 

 

「……は………ね…」

「………?」

 

 

 

歩くと、その声はよりハッキリ聞こえてきた

 

 

 

「あ…たは……うね…」

 

 

 

 

「……誰だろう?」

 

 

だんだんと、人影が見えてきた。

そして、人物像が見えてきた

その人は自分より背が高く、見たことも無い様な服を着ていた。

 

 

「あなたは…誰ですか?」

 

「…………」

 

「あの………」

 

「普通ね」

 

「……え?」

 

 

 

「あなたは普通ね。」

 

 

 

「え…」

 

その一言を言われた途端、爽は夢から覚めた。

 

…………………………………

………………………

……………

 

夢から覚めた爽は唖然とした。

なぜなら、爽はベッドに寝ていたはずなのに、まったく知らない場所に寝ていたからである。

 

 

「ど、どこだろう?ここ…」

 

 

まわりを見渡すもそこは自分の知らない森の中であった。

 

 

「なんで…森なんかにいるんだろう??」

 

 

上を見上げると青い空が見えた。

雲一つ無い快晴だ。

 

 

「あれ、さっきまで夜だったよね?…」

 

 

爽には、まるで別世界に迷いこんだ様な感覚であった。

 

 

「とにかく、人をさがそう。」

 

 

爽はまわりを軽く散策する。

すると、長い階段を見つけた。

その階段の先には鳥居が見えた。

 

 

「あそこ…神社…かな…?」

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

「いってみようかな…」

 

 

 

神社には神主さんなど人がいると考え、階段をのぼり、神社に向かうことにした。

 

 

 

階段をのぼり終えると、社が見えた。

 

 

「やっぱり神社だったね!……にしても人がいないなぁ…あんまり参拝客が来ないのかな?」

 

 

まわりには参拝客どころか神主さんも見えない。

 

 

「誰かいませんか~!」

 

 

そう呼んでみると

 

社の中から人が出てきた。

その人は紅白の巫女服らしいのを着ていたが、それは爽の知っている巫女服とは少し違っていた。

 

 

「誰ー?」

 

 

「えっと…あの…僕は白井爽といいます……部屋で寝てて、起きたらそこの森にいて…」

 

 

「………あーなるほどね。」

 

 

「???」

 

 

 

彼女は爽がおかれている状況を理解したのか頷いていた。

 

「えっと……ここはどこですか…」

 

「ここは博麗神社。そして、この世界は幻想郷。あなたのいた世界とは違うわ。」

 

「なるほど……って、え!?つまり、別世界って事ですか!?」

 

「そうなるわね。」

 

「えっと…どうやったら帰れますか?」

 

「結論から言うと、それは無理ね」

 

「え!?」

 

 




どうでしたか??
短かったですが、これからも頑張ろうと思います!!

次回からもっと長く書きます!


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第2話 紅白巫女と白黒魔女

 

 

 

「結論から言うと、それは無理ね。」

 

 

 

「え!?」

 

 

「残念だけどね…」

 

 

 

 

爽の気持ちは落胆した……

 

 

 

 

 

…と思われたが

 

 

 

「そうなんですか。」

 

 

「?ショックはあまり受けないのね。」

 

 

「いや、まぁショックですけども。どうせあっちにいても勉強するだけですし。」

 

 

「…家族の事は?心配じゃないの?」

 

 

「えと…まぁ大丈夫じゃないですか?」

 

 

「何の根拠があってそんな事が言えるのよ…」

 

 

「そういえば、お名前聞いてませんでしたね。」

 

 

「ん?そうだったわね。私は博麗霊夢。ここの神社の巫女よ。」

 

 

「なるほど、やっぱり博麗さんは巫女さんでしたか。」

 

 

「そうよ。あと、霊夢でいいわ。」

 

 

「わかりました。」

 

 

しかし、もっと重要な問題があった。

 

 

「あ、そうだ。これから僕はどこに行けばいいんだろう。」

 

 

「確かにそうね、まぁ、行く当ては無いと思うし。しばらくここにいていいわよ。」

 

 

「本当ですか!?ありがとうございます!」

 

 

「いいのよ。」

 

 

奏は神社に居候することになった

 

 

「とりあえず上がって頂戴。」

 

 

「あっ、はい!」

 

 

 

 

爽はこの幻想郷について色々な事を教えてもらった。

 

 

 

幻想郷には、妖怪や妖精など様々な種族が存在していること。

 

 

 

爽の様な外から来た人のことを外来人と言うこと。

 

 

 

魔法なども存在する事

 

 

 

そして、魔法などを使って弾幕ごっこやスペルカードルールについても教えてもらった。

 

 

 

「と、まぁこんな感じで幻想郷については、ざっとこんなもんね。……?爽?」

 

 

「プシュー…」

 

 

爽はおぼえることが多すぎて頭がパンクしたらしい。

 

 

「……大丈夫?」

 

「…あっ!はい、大丈夫です。」

 

「……爽は弾幕とか出せるのかしら?」

 

「どうでしょう?まずどんなものか見てみないと。」

 

「そうね、百聞は一見にしかずね。外に出ましょう。」

 

 

爽と霊夢のふたりは外へ出る。

すると爽は遠くの空に何かが見えた。

 

 

「ん?なんか黒いのが飛んできてますよ?」

 

 

「あー…きっとあいつね。」

 

 

「あいつ?」

 

 

その黒いのは爽の前に降りてきた。

 

 

「!?人だったんですか!?」

 

 

 

その人は金髪で白黒の服と帽子を身につけている西洋の魔女の様な出で立ちだった。

 

 

「そうだぜ!何だと思ったんだ?」

 

「空を飛んでたので、てっきりUFOかと思いました…」

 

「ゆーふぉー?なんだそりゃ?」

 

「………」

(ここにはUFOという概念がないんだ…)

 

 

「はぁ、何の用よ。」

 

「何の用もないぜ!」

 

「何の用も無いって…まったく…」

 

「そういえば、お前はだれだぜ?」

 

「あ、白井爽といいます。」

 

「ほぉ、霊夢この爽は外来人か?」

 

「まぁそうね。」

 

「そうか!私は霧雨魔理沙だ!普通の魔法使いだぜ!」

 

「なるほど、魔法使いですか!かっこいいなぁ!」

 

「おぉ、照れるぜ!」

 

 

という挨拶を済ませたところで

霊夢はあることを思いつく。

 

 

「そうだ、ちょうど良かった。魔理沙、弾幕ごっこしましょう。」

 

 

「なんだぜ急に?」

 

 

「爽に弾幕を見せるつもりだったのよ。」

 

 

「なるほど、そこに私が来たからか。いいぜ!」

 

 

 

そういうとふたりは空へ飛んだ。

 

 

(…あ、霊夢さんも飛べるんだ。)

 

 

先に行動に出たのは霊夢の方だった

 

 

「こっちから行くわよ!」

 

 

そう言って霊夢は札を取り出し、魔理沙に向かって真っすぐ飛ばした。

 

 

「当たらないぜ!」

 

 

と魔理沙は軽々よける。

 

 

「こっちは最初っからとばすぜ!」

 

 

そういうと、魔理沙は金属の八角形の箱の様なものを取り出した。

そして

 

 

 

恋符「マスタースパーク」

 

 

 

そういうと八角形からとても太い光の光線が出てきて霊夢めがけて飛んでいった。

 

 

「くっ…危なかったわね。」

 

 

霊夢は紙一重でそれを避けた後、

1枚のカードを持って

 

 

 

霊符「夢想封印」

 

 

 

そう言った。すると、カラフルな大きな球体が魔理沙めがけて飛んでいった。

 

 

 

「なっ……」

 

 

 

技を発動した直後に攻撃されたので、うまく避けれず被弾してしまう。

 

 

 

「うわ~……」

 

 

 

魔理沙は目をバツにして下に落ちていった。

 

 

「これが弾幕ごっこよ」

 

 

爽は目の前で起きていたことがあまり信じられなかった。

 

 

「すごい…これが弾幕ごっこか…」

 

 

「そう、そして私の夢想封印や魔理沙のマスタースパークがスペルよ。」

 

 

「なるほど、よく理解しました。」

 

 

「とりあえず、魔理沙を寝室まで運びましょう。手伝って。」

 

 

「わかりました!」

 

 

 

そう言ってふたりは魔理沙をかついで寝室へ向かっていった。

 

 



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第3話 弾幕が出したい

 

 

爽と霊夢は魔理沙を布団に寝かせた後、縁側でお茶を飲みながら話していた。

 

 

「そういえば、さっき魔理沙さんが持ってた八角形の箱みたいのは何ですか?」

 

 

「あれはミニ八卦炉といって、魔理沙のスペルのマスタースパークを発動させる物よ。」

 

 

「へぇぇ…」

 

 

爽は理解したようで、頷いた。

 

 

 

「……僕も弾幕が出せたらなぁ。」

 

 

 

「そうね、弾幕もスペルもその人が持っている魔力に比例するからね…」

 

 

「僕にも魔力はあるんですかね?」

 

 

「テストしてみる?」

 

 

「なんのですか…?」

 

 

「あなたがどれくらい魔力を持っているかのテストよ」

 

 

「僕みたいな普通の人間も魔力はあるんですか?」

 

 

「まぁ、少なからずあると思うわ。」

 

 

そういうと、霊夢は白い札を取り出し、爽に持たせた。

 

 

「何ですか?これは?」

 

 

「これは被験者の魔力の大きさを測ることが出来る特殊な札よ」

 

 

「…どうすればいいんですか?」

 

 

「その札をしっかり持って強く念じれば、札が光りだすわ。」

 

 

 

爽は目を閉じ、強く念じた。

 

 

 

「……………!」

 

 

 

すると、札が淡く光り出した。

 

 

「!光りました!」

 

 

「んー、まぁ普通ね。」

 

 

「そ、そうですか…」

 

 

「でも、これくらいあったら弾幕くらいは出せるんじゃないかしら?」

 

 

「本当ですか!?」

 

 

「ええ、試しに空に向かって手を向けて。」

 

 

「こんな感じですか?」

 

 

と爽は青空に向かって手を向ける。

 

 

「そう。次に、丸い玉をイメージして。」

 

 

「しました。」

 

 

「それが、手のひらから出てくると念じると出来るはずよ。」

 

 

「……とりゃ!」

 

 

すると、爽の手のひらから、拳くらいの大きさの赤白い玉が出てきた。

 

 

「わ!で、でましたよ!!」

 

 

「よかったじゃない!大きさは…まだ少し小さいけどね。」

 

 

「おー!今の弾幕は爽のか?」

 

 

「あっ、魔理沙さん!起きたんですね!」

 

 

「大丈夫だった?」

 

 

「あれくらいなんともないぜ!」

 

 

 

魔理沙はニカっと笑い胸をトンと、叩いた。

 

 

「そういえば、爽はスペルカードは持ってないよな?」

 

 

「え、はい。まだ無いです。」

 

 

「それなら、これをやるよ。」

 

 

そういうと、魔理沙は白い紙を取り出し、爽に渡した。

 

「これは?」

 

 

「これはスペルカードの素だぜ。これを持って意識を集中させると、自分のスペルカードが出来るんだぜ。」

 

 

「なるほど、やってみます!」

 

 

そういって、爽は先ほどと同じようにスペルカードの素に意識を集中させ、念じはじめた。

 

 

すると、スペルカードが光り出し、絵と文字が浮かび上がってきた。

 

 

 

「で、できました!」

 

 

 

「おぉ!やるじゃないか!」

 

 

「早速使ってみたら?」

 

 

「そうですね。使ってみます!」

 

 

「なら、私に向かって使うといいぜ!」

 

 

「魔理沙、大丈夫なの?」

 

 

「そうですよ。あまり無理をしない方が……」

 

 

「大丈夫だぜ!さぁやるぞ!」

 

 

というと魔理沙は箒に乗り、飛び上がった。それを見た爽は思った。

 

 

(あれ、どうやって飛べばいいんだ)

 

 

 

それを察したのか霊夢は爽にハシゴを渡し、

 

 

「爽はまだ、飛べないと思うから、とりあえず屋根に登ってそこから打てば?」

 

 

「……そうします」

 

 

屋根に登った爽はスペルカードを構えた。

 

 

「いきますよ!」

 

 

「いつでもいいぜ!」

 

 

爽はスペルカードに書いている文字を詠唱した。

 

 

 

並符「憂鬱の日々」

 

 

 

すると、スペルカードから青白い光の玉が扇形に広がっていき、魔理沙めがけて飛んでいった。

 

 

「ほい、ほい、ほいっと!」

 

 

魔理沙は、それを軽々よける。

 

 

「それが爽のスペカか。少し量が少ないが、初めてだからそんなもんだろう。」

 

 

「そうね、これから経験を重ねれば、強いスペカも作れるようになるわよ。」

 

 

「…そうですか。もっと強いものを作れるように頑張ります。」

 

 

 

でも、爽は彼なりに満足していたようだった。

 

 



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第4話 博麗神社の周辺散策

弾幕とスペルカードを使えるようになった後、爽と霊夢と魔理沙の三人は縁側で休んでいた。

 

「少し疲れたな~…」

「そうね~…」

「そうだな~…」

「…爽って神社に来る前に周辺とか散策してみた?」

「あ~、してませんね。」

「してみたらどう?」

「……後でちょっとしてみます。」

「なぁー霊夢ー?茶菓子とかあるか-?」

「あるけど、あんたにはあげな「あ、饅頭があったぜ-!」

「くぉおらぁあ!!それは私のよーー!!」

「とったもん勝ちだぜー♪」

「…………平和だなぁ。」

 

 

しばらくして、爽は出かける準備をしていた。

 

「霊夢さん、ここら辺って危ないですかね?」

「んー、妖怪とかはいるけど、そこまで危険じゃないわよ。」

「でも、スペルカードくらいは持っといた方がいいと思うぜ。」

「わかりました~」

 

爽はポケットにスペカを入れ、神社を出た。

 

 

森の中

 

 

「すごい獣道だなぁ~こんなんだから人が来ないのかな?」

 

生い茂る草をかき分けて進んで行く。

 

「……帰ったら少しキレイにしようかな…?」

 

ガサガサガサ

 

「!? 誰ですか!?」

「ブルルルルル………」

 

草むらから出てきたのはイノシシの様な妖怪だった。

 

「これは、妖怪なのかな?」

「ブルルルル!!」

「なんか襲ってきそう…」

 

ドッドッドッドッドッドッ

 

「うわぁぁぁぁ!!来たぁぁぁ!!」

「ブルーーー!!」

 

逃げる人と追うイノシシ

 

「うわぁぁぁ!…そうだ!スペルカード!」

 

取り出して使おうとしたが、

 

「?、?、!?、ない!?あー!逃げてる間に落としたんだぁ-!!」

 

と気付いた頃には、もう数センチ後ろまで迫っていた。

 

「たーーすーーけーーて!!!!!」

 

すると

 

バッ

 

「!?、人形!?」

 

草むらから今度は人形が飛び出してきた。

 

「ブルルルルル!」

 

イノシシは人形を追いかけている。

すると、

 

操符「乙女文楽」

 

と聞こえたと思うと、

赤色や青色の弾幕が飛んできて、見事イノシシの妖怪に当たり、動かなくなった。

 

「大丈夫だった?」

「あっ、はい!ありがとうございます!」

「私はアリス•マーガトロイド。あなたは?」

「僕は白井爽といいます。あの人形はアリスさんのですか?」

「ええ、そうよ。あれは上海っていうの。」

 

上海がこっちに寄ってきた。

 

「かわいいですね!」

「オマエヨワスギル!」

「…………」

「あら、ごめんなさい。この子口が悪いのよ。」

「いえ、事実なので…」

「あ、そうだ。はい、スペルカード。あなたのでしょ?」

「ありがとうございます。」

「あなたは弾幕は出せるの?」

「ええ、まぁ、一応は。」

「それで倒せばよかったんじゃない?」

「………忘れてました。」

「これからは気を付けなさいね。」

「はい…」

「それじゃあ、またね。」

「ありがとうございました!」

 

アリスは森の奥の方に去っていった。

 

 

(………そういえば、この妖怪って食べれるのかな…?)

 

そう考えた爽はイノシシを引きずって、博麗神社まで帰って行った。



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第5話 料理方法

アリスと別れた後、イノシシの妖怪をズルズルと引きずって博麗神社へと帰って行った。

 

「うううぅ…まぁまぁ重い…」

 

 

博麗神社にて

 

 

「爽のやつ遅いな?」

「…そうね」

「…ちょっと見てくるぜ」

 

 

そういうと魔理沙は箒に乗って飛んでいった。

 

 

「重いなぁ…」

「おーい!爽!」

「あ!魔理沙さん!」

「なんだぜ?そりゃ?」

「あー、さっきこれに襲われて、食べれるかなと思って引きずって来ました」

「おお…って食べれるのか!?」

「わかりません」

「わからないのか」

「まぁ、豚肉と同じ感じじゃないですか?」

「…そうか?それはそうと、爽がこれを倒したのか?」

「いや、アリスさんという人が助けてくれました!」

「おぉ!アリスに会ったのか!」

「魔理沙さんお知り合いでしたか」

「あぁ、まぁな。そうだ、手伝うぜ!」

「あ、ありがとうございます!」

 

 

 

 

そうして爽と魔理沙は博麗神社へ帰って行った

 

 

「遅かったわね…って何それ!?」

「イノシシの妖怪です」

「なんで持ってきたの!?」

「食べれるかなって…」

「…食べれるのかしら?」

「わかりませんが…」

「霊夢さん、魔理沙さん、お二人って料理できますか?」

 

「「…………これは無理」」

「そ、そうですか」

 

「「「…………………」」」

「どうしましょう?」

 

「取りあえず出来ることやってみるか?」

「そうね案外できるかも知れないわね」

 

 

 

そして三人は台所へと向かった

そしてエプロンをした

 

 

「…まず毛を抜きますよね?」

「…そうだな、抜くか」

 

 

ブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチ

 

 

「……きりが無いわね」

「…そりゃそうだぜ、こんだけあるんだもんな」

「……毛皮ごと削いだらとれますかね?」

「…そうね」

「誰がします?」

 

 

「そりゃあ」

「言い出しっぺの爽よ」

 

 

「……やってみます」

 

 

 

イノシシを吊す

 

「…そう、そこをおさえて」

「…そこから刃を入れるんだぜ」

 

 

ザクザクザクッとなれない手つきで削いでいく

 

「……こんなもんですか?」

「まぁ、そんなもんだろうな?」

「次は…内臓とか骨を出すのかしら?」

「これなら出来そうだぜ!」

 

 

ザクザクザクと腹のあたりを切る

 

「…よし、ここから内臓とか出すぜ!」

 

 

ズルズルズルズルと内臓や骨を取り出す

 

「出来たぜ!」

「すごい匂いね…」

「次は…頭を落としますか?」

「…それじゃあ私がやるわ」

 

 

イノシシをいったん下におろし

包丁を構える

 

「ハァァァァァ…」

「…すごい気迫だ!」

「よっ!鬼巫女霊夢!」

 

「うるっっっさいっっっ!!!」

 

 

ズダン!!!!とイノシシの頭と体を一刀両断する

 

「ひ、ひぇぇぇ、すごいなぁ」

「流石だぜ」

「ふぅ、さてと、いったん水で血とか流すわね」

 

 

ジャァァと水でキレイに流す

 

「なかなか様になってるぜ!」

「そうね!」

「後は、焼くだけですね!」

「それなら……」

 

 

霊夢は奥の方へ行って、巨大なガスバーナーを持ってきた

 

「な、なんでそんなのあるんですか!?」

「いや、これは魔理沙がうちに置いていったのよ。使わないからやるぜ!ってね」

「そ、そうだっけか?」

「なんにせよ、これで焼けますね!」

「そうね」

 

 

霊夢はガスバーナーをイノシシに向けて、スイッチを入れた

 

 

ズゴォォォォォォォォ

 

 

 

「…………出来たわ…!」

「…………出来たな…!」

「…………出来ましたね…!」

 

 

キレイに焼けたイノシシを切り分け、皿にのせた

 

「それじゃあ……」

「「「いただきます!」」」

 

 

ムシャムシャムシャムシャ

 

「こ、こ、こ、これは!!」

「ま、まさか…!」

「こ、こんなわけ…!!」

 

 

 

「「「…………普通においしい」」」

 

 

 

 



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第6話 金欠

 

3人は結局、イノシシの妖怪をすべてを平らげてしまった

 

 

「なかなか美味しかったぜ!」

「そうですね!」

「これで食費が少し浮くわね」

 

 

霊夢はうれしそうにうなずいていた

 

 

「霊夢さんはしっかり家計の事を考えてるんですね!」

「そりゃそうだぜ!ただでさえ、すごく貧乏なんだからな!!」

 

 

その瞬間、後ろから殺気がした

 

 

「…………………」

「あ…」

「ダイナマイトマグナムウルトラスーパーキュート巫女巫女パーンチ!!」

「ぎゃ!」

(長っ!!)

 

 

魔理沙は遠く彼方へ吹っ飛んでいった

 

 

「………霊夢さん、貧乏なんですか?」

「……そうよ、そりゃそうよ!参拝客が来ないから、お賽銭が無いのよ!!」

「なるほど……って、お賽銭をそのまま生活費にしてるんですか!?」

「そうよ、何か問題がある?」

「……いいえ」

 

 

爽は衝撃の事実を知ってしまった気がした

 

 

「ねえ、爽?」

「はい?」

「どうしたら参拝客は来るのかしら?」

「ええと…まず、境内を掃除して、道を整備した方がいいですね…」

「それから?」

「えーー、あとは、何か店でも建てた方がいいかな?お守りとか」

「まだ、何かある?」

「……そうですね、何を奉ってるかをはっきりさせたり、歴史を書くとかですかね?」

「わかったわ、明日から掃除と整備をしていきましょう」

「そうですね」

 

 

そして疲れがたまったので、爽は昼寝をしていたが時間が過ぎ、時刻は午後7時、夕食時になっていた

 

 

「おはようございます」

「…おはよう」

「霊夢さん霊夢さん」

「何?」

「食材ってあるんですか?」

「………ええと…煮干しと昆布とカツオ節…」

「全部ダシじゃないですか!?」

「あとニンジンの葉っぱ」

「なぜニンジン!?大根でも無いんですか!?」

「うぅ…最近人里に買い物に行ってないから、食材がもう無いのよ…」

「どうしましょう…」

「おぅい!帰ったぜぇ!」

「あ、魔理沙!忘れてたわ」

「おいおい、自分がぶっ飛ばしたんだろ?」

「悪かったわね」

「それはそうと、森の方まで飛ばされたから、食えそうなキノコ採ってきたぜ!」

「おお!ナイスタイミングです!早速調理しましょう!」

 

 

爽はキノコを抱えて台所へ行った

その時、爽はキノコを一つ落とした

 

 

「ねぇ…?魔理沙?」

「何だぜ?」

「この紫色のあからさまに毒々しい色のキノコは食べて大丈夫なの?」

「……焼けばみんな同じだぜ!!」

「ちょっと爽!?まだ調理しないで!」

「え!?もう焼いてますよ!!」

「えー…まぁ良いわ、私は食べれそうなやつだけもらうから」

 

 

「できましたよー!と言っても本当に焼いて塩コショウふっただけですけど」

「おお!良いにおいだぜ!どれ、これをもらうぜ!」

「え、それ、魔理沙、さっきのキノコじゃない…?」

「……でもうまいぜ?」

「うっそ!?」

「本当だぜ」

「…確かに美味しいですよ?」

「爽も食べたの!?」

「ほら見ろ霊夢、爽が大丈夫なら霊夢も大丈夫だぜ!」

「…なら一つもらうわよ」

 

モグモグモグ

 

「うっ、確かに美味しい」

「だろ?」

 

 

そうして3人はこのキノコも平らげた

 

が………

 

 

「「「ううううううう」」」

「…魔理沙」

「…何だぜ」

「…体がしびれるわ」

「…だからなんだぜ」

「…どう考えてもさっきのキノコよね」

「……私は知らないぜ」

「「……………………」」

 

 




2話続いて食べ物ネタでした…すいません

次回あたりから、爽の家族についてふれていこうと思います


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第7話 爽の失踪

そうのしっそう!!


白井家にて

 

 

 

「あの子は、ちゃんと勉強してるのかしらね…」

「どうだろうな、まぁ落ちたら自己責任だな」

「受かると良いわね…」

「公立と私立では学費がだいぶ違うからな、親としては公立は受かって欲しいな」

「そうね…」

 

 

「「………………」」

 

 

「ちょっと様子見てきますね…」

「…あぁ、頼む」

 

(ちゃんと勉強してるかしら)

 

コンコン

 

「爽ー?」

 

しかし返事が無い

 

「……寝てるのかしら」

 

コンコン

 

「入るわよー」

 

ガチャ

 

「………!!」

 

そこに爽はいなかった

 

「おかしいわね、確かに上に上がったと思ったんだけれど…トイレかしら?」

 

しかしトイレには誰も入っていなかった

 

「…風呂かしら」

 

しかしもちろん風呂にもいなかった

 

「どこ行ったのかしら」

 

せわしなく行ったり来たりしていたので、爽の父が様子を尋ねてきた

 

「どうだったか?」

「それが…どこにもいないのよ」

「?何を言ってるんだ」

「家のどこにもいないのよ」

「…………さては」

「?」

「あいつは勉強が嫌でどこかにこっそり出かけたのかもな」

「そうかしら…階段を下りる音も、玄関のドアの音もしなかったけれど…」

「こっちが話してる間に出たんだろうな…それに、ほら、靴もないだろう」

 

確かに爽の靴は無くなっていた

 

「…でも携帯はあるわ」

「忘れて行ったんだろう、帰ってきたらしっかり話さないとな」

「……大丈夫かしらね」

「家出した訳ではないんだから大丈夫だろう、すぐ帰ってくる」

 

 

しかし、深夜1時になっても帰ってくる事はなかった

 

 

「………帰ってこないわね」

「あいつはそんなに勉強したくないのか…」

「さすがに変じゃない?」

「……友達の家にでも上がらせてもらってるんだろう」

「…そうなのかしら、そうだといいけど…」

「私たちは寝よう、今日は帰ってきそうも無い」

「…そうね」

 

 

次の日の夜

 

 

「ただいま、爽は帰ってきたか?」

「それが、帰ってこないのよ」

「まったく…どれだけ迷惑をかけるつもりなんだ…」

「それと、爽の友達の家にも電話をかけたのだけど、誰の家にもいないらしいの」

「……」

「近所の人にも聞いたけど、誰も見ていないって」

「…そうか」

「そろそろ警察に話した方が良いと思うの…」

「…そうだな、話すだけ話してみるか」

 

爽の両親は警察署へ向かった

そして、息子が行方不明になったと言い、受付の人に部屋へ案内してもらった

 

「少々お待ちくださいね」

と言うと受付の人は部屋から出て行った

2、3分すると、制服の男性の警察官が入ってきた

 

「こんばんは、私は小林と申します」

「どうも、白井と申します」

「白井さんですね、息子さんが…行方不明になったと…?」

「はい…」

「そうですか…心配ですね…」

「えぇ…」

「ちなみに、どれくらい前からいなくなられましたか?」

「ちょうど一日前ですかね…」

「……一日…ですか…?失礼ですがおいくつですか?」

「36です」

「いえ、ご主人のお年では無く、息子さんの…」

「あぁ、これは失敬、動揺しているもので、息子は15です」

「なるほど、ということは、今年は受験ですね」

「そうです」

「…すいません、こんなことを言うのもあれですが、恐らく息子さんは勉強のストレスで家出しただけなのでは?」

「それは無いと思います、あの子はそんなことができる奴ではありません」

「はぁ、しかし、お年頃のお子さんにはよくあることですがね……」

「………」

「…まぁ、とりあえず、捜索届は出しますね」

「…お願いします」

 

 

そうして、爽の両親は帰宅した

 

 

「あの人、あまり感じ良くなかったわね…」

「そうだな…」

「見つかるといいわね…」

「あぁ」

 

 

博麗神社にて

 

「………はぁ」

「どうしたの?爽?」

「いや、両親どうしてるかなって思ったんですよ」

「…そうね」

「心配してるだろうな…」

「また会えると良いわね」

「はい…」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「フフフフ、祈るだけ無駄なのよ」

「所詮あなたは一般人」

「何が出来るわけでもない」

「普通の人間」

「せいぜい頑張りなさいな」



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第8話 神社の整備その1

その日の夜、結局魔理沙は博麗神社に泊まることになり、布団でスヤスヤ寝ていた

 

「……なんだか色々あって疲れました」

「そうね、盛りだくさんな一日だったわね」

 

「「………はぁ、疲れた」」

 

2人揃ってため息をつく

 

「…霊夢さんは普段何をされてるんです?」

「私?私は普段は巫女の仕事の他に妖怪退治とかしてるわよ」

「ほぇー…妖怪退治ですか」

「えぇ、まぁここらのは弱いから全然苦じゃないけどね」

「そうなんですか…」

「爽はこっちに来る前は何をしてたの?」

「僕は基本、学校に通って受験のために勉強をしてま……し…た…」

「…勉強あんまりしてなかったのね?」

「………はい、本当に嫌でした」

「だからあなたのスペカの名前が『憂鬱の日々』なんて湿っぽい名前だったのね」

「多分そうなんでしょうね…」

「まぁ、こっちにいる分にはそんな心配しなくてもいいんじゃないの?」

「そうですか…ね」

「大丈夫よ」

「…わかりました、明日からは少し気持ちを切り替えていきます!」

「それがいいわね」

 

爽は少し気分が楽になったようだった

 

「そういえば霊夢さん、明日は何かする事はあるんですか?」

「………食材調達?」

「えぇ…と…、わかりまし…た、明日は食材調達をしますね」

「他には境内の掃除とかかしら?」

「…!そうだ!どうせなら、ついでに神社までの道を少し整備しましょうよ!そしたら参拝客も増えるのでは?」

「なるほど…確かにそうね………よし!明日は魔理沙にも手伝わせましょう、泊まったんだったらそれなりに手伝わせないとね」

「それじゃあ、明日は3人で頑張りましょう!」

「そうね、とりあえず、今日は寝ましょう」

「わかりました、それでは、」

 

「「おやすみなさい」」 

 

 

 

 

 

チュンチュンと雀が鳴いている朝

 

「「おはよう(ございます)」」

 

「よく寝れた?」

「はい!おかげさまで!」

「よかったわ、今日は忙しくなるからね」

「そうですね!」

「そうだ、魔理沙起こして来るわ」

「了解しました」

 

 

 

 

「Zzzzzz」

 

魔理沙は気持ち良く寝ていたが、そこに、

 

バサァ!と霊夢は布団を剥いだ

 

「起きなさい!!!」

 

「はいっ!…って、いきなりなんだ!?」

「昨日は泊まっていったんだから、今日は色々手伝ってもらうわよ!」

「…なんの手伝いなんだ?」

「まぁ、それは後で話すわ、とりあえず顔洗ってらっしゃいな」

「はいはい…」

 

 

3人は朝食に、昨日の夕食の残りを食べた(キノコ以外)

 

「…さて、今日のする事は三つあるわ」

「ほぅ、それはなんだぜ?」

「一つ目は、食材調達よ。これは何がなんでもしなきゃいけないわ」

「そうですね、このままじゃ厳しいですからね」

「二つ目は、神社と境内の掃除よ」

「なるほど理解したぜ、で三つ目は?」

「三つ目は神社の参道の整備よ。神社が賑わえば、お賽銭が増えて

、私達の生活は安泰よ!」

(やっぱりお賽銭を使ってるんだ)

「ほほう、ちなみに、誰がどれをするというのは決まってるのか?」

「それは今から決めるわ!」

「どうやって決めるんですか?」

「…ジャンケンよ!」

「確かに公平だぜ」

「わかりました!」

「勝った人から好きな仕事を選ぶとするわ」

「わかったぜ!…じゃあいくぜ!」

 

「「「最初はグー!ジャンケンぽん!」」」

 

爽…グー

魔…パー

霊…グー

 

「私の勝ちだぜ!それじゃあ、私は食材調達を選ぶぜ!」

「くっ…まさか魔理沙が勝つとは…」

「ですね…それじゃあいきますよ!」

 

「「最初はグー!ジャンケンぽん!」」

 

爽…パー

霊…パー

 

「「あいこでしょ!」」

 

爽…パー

霊…チョキ

 

「私の勝ちね!私は掃除を選ぶわ」

「うぅ…負けてしまった…じゃあ僕は参道の整備ですね」

「爽、頑張れよ~」

「それじゃあ、各自仕事は決まった事だし始めましょ」

 

「「了解しました(したぜ)」」

 

そうして、爽達は自分達の仕事に取りかかった

 

 

「さて、何からしようかな?」

 

参道の整備である爽はまず何をするべきか考えた

 

「とりあえず、邪魔な木の枝とか草を切ろうかな?」

 

爽はノコギリと鎌を霊夢から借りてきた

 

「さて、はじめるか~」

 

はじめに、目に付く長い草を刈り、人里から階段に続く道をはっきりさせる

 

「よっこらせっと…わりと距離があるから大変だな……」

 

半分くらい草を刈った所で、木の陰から黒い服を着て、赤いリボンを付けた女の子が出てきた

 

「………?だれだろう?」

「お兄さんは食べてもいい人類なのか-?」 

「…え?食べてもいい…人類…?」

「食べてもいい人類なのか-?」

「いや!よくないよ!?」

「…そーなのかー…残念なのだ

ー…」

「えぇ…そんな露骨に残念がられるとなぁ…」

「じゃあ少し噛むのはだめなのかー?」

「……甘噛みくらいなら」

「むー、じゃあそれでいいやー」

「…どうぞ」

 

カプッ

 

「んぐんぐ」

「あのーー…」

「?」

「少し痛いんですが…」

「……んぐんぐ」 

「スルー!?」

「…ぷはぁ!少し物足りないけど、これでいいのだー」

「ふぅ、よかった…」

「お兄さん、名前はなんなのかー?」

「僕は白井爽だよ。君は?」

「私はルーミアなのだー」

「そーなのかー」

「あ、そのセリフは私のなのだー」

「そーなのかー」

「あ、また言ったのだー」

「このフレーズはまるなぁ」

「そーなのかー、お兄さんは何をしてるのかー?」

「僕はね、今は博麗神社までの参道の整備をしてるんだよ~」

「そーなのかー、頑張ってーなのだー」

「頑張るのだー」

 

そんな会話をした後、爽は気合いで草を刈り、枝を切り終えた

 

 

「……もうすぐ…終わる……」

 

道は草がほとんど無くなり、道がはっきりしていて、頭上の木の枝も無くなっていて歩きやすくなっていた

 

「…最後に看板を立てて……終わりだ!」

 

←博麗神社

ぜひ参拝にいらしてください!

 

という感じである

 

「…帰ろう……」

 

と、爽は神社に帰っていった

 

 

神社には、既に仕事を終えたようで、霊夢と魔理沙がお茶を飲んでいた

 

「…ただいま帰りまし…た……」

「お疲れさま…って、大丈夫?」

「爽-?生きてるか-?」

「み…水……」

「すぐに用意するわ!」

 

 

「ふぅ…生き返りました」

「お疲れさま、どうなったの?」

「良い感じに整備して、看板も立てておきましたよ!」

「おお!流石だぜ!」

「効果あるといいですね~」

 

そうして、爽は昼寝をしたのであった

 



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第9話 神社の整備その2

失踪してません!!
強いていうなら
疾走してます!!


ごめんなさい


「道を整備して、看板立てて、掃除して…あとは何をしたらいいでしょうかね?」

「ん〜そうね〜……」

「何かお守りとかお札とか売るのはどうだ?」

「…なるほど、それは名案ですね!霊夢さん、出来ますか?」

「まぁできなくはないわね」

「おお!じゃあ霊夢さんは、お守り等を作ってください!僕と魔理沙さんで売る場所を作ります!」

「了解したわ」

「また私は手伝うのか…」

 

~~~~~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~~

爽&魔理沙side

 

「さて、何からする?」

「とりあえず店の形を決めましょう」

「私的には屋台みたいにするのが良いと思うぜ!神社にある屋台には心を惹かれやすいからなぁ」

「ふむふむ…じゃあ、そういう方針で作りますか!」

「おう!」

「まずは材料確保ですね。木とか適当に切ってきますか」

「どうやるんだ?」

「倉庫にノコギリとか斧の一つくらいありそうですけどね…」

「ちょっと探してくるぜ!」

「お願いします…」

 

 

 

数分後

 

 

「ノコギリがあるにはあったんだが…」

「……めっちゃ錆びてますね」

「サビって落とせないのか?」

「えぇと…確か、お酢に漬けておくと取れたような…」

「やってみるか?」

「一応やりますか」

 

 

 

数分後

 

 

 

「お、おおお!綺麗に落ちたぜ!」

「良かった〜これで作業出来る!」

「早速切りに行くか!」

「行きましょう!」

 

 

 

一方その頃

 

霊夢side

 

「人に売るお守りとかお札ってどういうのを作ればいいのかしら?」

(金運アップとか、魔よけとかかしら?)

「ううう…思ってたより難しいわね……」

「お困りかしら?」

「!!この声は……」

 

突如、空間が裂け、中から女性が出てきた

 

「やっぱりあなたね、紫」

「なによ、その苦虫を噛み潰したような顔は!…まぁいいわ、霊夢、今どんなお守りやお札を作るか悩んでるわね?」

「えぇ…まぁね…」

「ふふふ、私がアトバイスしてあげるわ!」

「えぇ…まぁ、一応教えてちょうだい」

「外の世界の神社では、健康祈願や金運上昇、昇進昇格、受験合格や恋愛成就などがあるわ!ちなみにお札は厄除け、魔よけがメジャーね」

「なるほど、参考にさせてもらうわ。助かったわ」

「いえいえ〜じゃあ頑張りなさいな〜」

 

と言うと、紫はまたスキマに消えていった

 

「さて、じゃあ作りますか」

 

~~~~~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~~

爽&魔理沙side

 

「ふう、大体こんなもんですかね」

「いやあ、箒がなかったら運べなかったな!」

「さて、まずこれを板状にして物を置く台を作りましょう」

「了解だぜ!」

 

ギコギコギコギコトントントントン

 

 

「さて、次は柱と屋根と壁を作りましょう」

「ササっと作るぜ!」

 

 

ギコギコギコギコトントントントンヒノノニトン

 

 

「大体こんな感じか?」

「そうですね…素人にしては頑張ったと思います!」

「後は霊夢の作った物を置けば完璧だな!」

「あら、二人とももう出来たの?」

「お、霊夢!そっちも終わったっぽいな!」

「ええ、まぁね」

「じゃあ、早速陳列しましょう!」

 

 

~~~~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~

 

「「「完璧!!」」」

「今日はもう夜だから、明日から販売開始ね」

「売れるといいですね〜」

「これだけ苦労したんだから、きっと売れるぜ!」

「ちなみにいくらで売ります?」

「そうねえ〜…1つ30000円とかどうかしら」

「いや、そんなの誰が買うんだ」

「だめかしら?」

「うーん、まぁ高くても1つ500円位ですかね」

「そ、そうなのね」

「全くこれだから貧乏巫女は…」

 

「あ゛????」

 

「……わ、私は今日は家にか、帰るぜ!じゃ、じゃあな!」

 

ピューっと帰ってしまった

 

「あいつ今度あったらぶっ(ピー)す!!」

「ははは………」

 

 

 



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第10話 いざ、人里へ

観測者ども死滅せよ




お久しぶりです

さぁ、

はりきって

人里へ行きましょう


 

前回のあらすじ

 

 

 

3人で参拝客を増やす為に色々作った。

 

 

 

次の日

 

「ふわぁ〜〜あ…」

 

 

爽はいつもと違う雰囲気で目を覚ました

 

 

「………?」

 

 

何やら外が少し変だ

 

 

 

「……人の気配がする」

 

 

 

爽はササっと着替え、外に出てみた

すると、

 

 

 

「!?!?」

 

 

 

そこには参拝客がいた

 

それも複数人

 

 

「えっ……んん!?」

 

爽はまだ実感がなかった

それもそうだ。昨日までずっとすっからかんだったのに、急に人が来たのだ

 

 

「う、嬉しい…」

 

 

そこで爽はふと気付く

 

 

 

「………?霊夢さんは?」

 

 

人が来たのだから、霊夢は恐らく喜びのあまり騒いでいるものだと思ったが、姿が見当たらない

 

 

「中にいるのかな?」

 

 

 

居間に戻ると、霊夢は机に突っ伏していた

 

 

「ちょっ、霊夢さん!?大丈夫ですか!?」

 

 

爽が声をかけると、

 

 

 

「う、うぅ…爽……」

 

「ど、どうしました!?」

 

 

 

「爽〜〜〜〜!!」

 

 

 

霊夢は泣いていた

 

 

酒瓶と共に

 

 

 

 

「あっ、霊夢さん…お酒呑んでたのか…」

 

 

「爽〜〜!さ、参拝客が〜!き、来たわぁ〜!!」

 

 

もう感極まりまくっている

確かに人は決して多くは無いが、昨日までの過疎状態を思い返すと本当にうれしい事だった

 

 

「れ、霊夢さん…嬉しいのはわかりましたが……そろそろ止めときましょう?…」

 

 

「いいのよぉ!今日はめでたい日だわぁ!」

 

 

朝だというのに、もう酔っている

 

 

「………大丈夫かな…」

 

 

 

数時間後

 

 

 

 

案の定、霊夢は体調を崩した

 

 

「う、うぅ…悪いわね、爽…」

 

 

「いえ、大丈夫ですよ」

 

 

 

未成年の爽には、霊夢が感じている気持ち悪さはわからないが辛いという事は、ヒシヒシと伝わった

 

 

「何か酔いに効くもの持って来ましょうか?」

 

 

「え、えぇ…お願いするわ……」

 

 

「…どこに行けばいいですか?」

 

 

「山をおりると、人里に続く道があるから、それに沿ってあるいていっ……うぅっ…」

 

 

「だ、大丈夫ですか?…」

 

 

「え、えぇ…うぅ……お金は賽銭箱から持っていくといいわ……」

 

 

おおかた、そんな事だろうと思った

 

 

「賽銭って、そういうものだっけ……」

 

 

そんな事を考えながら、爽は人里へ向かった

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

人里へ着いた

 

 

「ここが人里かぁ!」

 

 

人里は、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのように思えた

 

 

「皆着物着てる……じゃなくて、何を買おうかな…」

 

 

酔いを知らない爽は、何が効くのか皆目見当も付かなかった

 

 

「とりあえず、八百屋に向かうかな…」

 

 

と、爽は八百屋に向かった

 

 

「……………初めて来たから完全に迷った…」

 

 

爽が道に迷っていると

 

 

「大丈夫か?」

 

 

後ろから声をかけられ、振り向くと

青い髪の珍しい帽子をかぶった女性が立っていた

 

 

「あぁ、すいません。八百屋に行きたいのですが、人里に初めて来たので…」

 

 

「そうだったのか、八百屋はあそこの角を右下曲がって、真っ直ぐ進んでいくとあるぞ」

 

 

その女性は奏にわかりやすく道を教えてくれた

 

 

「ご親切にありがとうございます!」

 

 

「あぁ、気にするな。人里に初めて来たと言ってたな」

 

 

「はい、僕はまだ幻想郷に来て日が浅いもので…」

 

 

「そうだったのか、私は上白沢慧音。ここの寺子屋で教師をしている」

 

 

「先生なんですね!僕は白井爽といいます」

 

 

「爽か、よろしくな。分からないことがあったらいつでも聞きに来てくれ」

 

 

「ありがとうございます!あ、そうだ。酔いに効くものって何ですか?」

 

 

「酔い…か…それなら、柿とかどうだろうか。柿は、アセドアルデヒドの分解を促進させる酵素を持っているから、効果はあると思うぞ」

 

 

「柿ですね!わかりました!」

 

 

「誰か酔っている人でもいるのか?」

 

 

「えっと、僕は博麗神社に居候させていただいていて、かくかくしかじか」

 

 

「それで霊夢が酔っているから何か持っていくと…なるほど、お疲れさまだな」

 

 

「ははは…」

 

 

少し世間話をした後、爽は慧音と別れて八百屋へ向かった

 

 

「ここが八百屋か〜」

 

 

中から店主が出てきた

 

 

「いらっしゃい!兄ちゃん、何が欲しいんだ?」

 

 

「えっと、柿ありますか?」

 

 

「柿だな?よぅし、ちょいとまってな!」

 

 

店主は奏のために柿を詰めてくれた

 

 

「ほら、柿だ!」

 

 

「ありがとうございます!じゃあ、これ代金でs「いいよいいよ!」

 

 

なんと店主は無料でくれるというのだ

 

 

「え、いいんですか?」

 

 

「兄ちゃん、外来人だろ?さっきからあっちこっち行ったり来たりしてるから分かったぜ!」

 

 

「そうだったんですか笑」

(そんなにわかりやすかったのか)

 

 

「まだここに来て日が浅いだろうから、サービスするぜ!」

 

 

というと、店主は親指を立てる

 

 

「それじゃあ、お言葉に甘えて、ありがとうございます!」

 

 

「おう!次からひいきにしてくれよな!」

 

 

爽は八百屋を出た後、甘味処を見つけたのでそこで休憩する事にした

 

 

 

「和菓子のいい匂いだ…!」

 

 

「いらっしゃい!何にするかい?」

 

 

「じゃあ、三色団子ください!」

 

 

「あいよ〜!」

 

 

さて、外の世界にもコンビニ等で団子は売っていた

しかし、幻想郷の人里の団子は外の団子なんかと比にならないくらい美味しかった

 

 

「お、美味しい!!」

 

 

元々和菓子が好きな爽にとって、至福の時間であった

 

しばらくゆっくりしていると、

 

 

「あら、妖夢ちゃん!いらっしゃい!」

 

 

「こんにちは〜、今日は三色団子ください!」

 

 

「あいよ〜!今日は三色団子人気だね〜!そこのお兄ちゃんも食べてたよ〜」

 

 

「えぇ、はい。とても美味しかったです」

 

 

「そうだったんですか!隣、座って大丈夫ですか?」

 

 

「大丈夫ですよ」

 

 

その子は銀髪で、刀を2本携えていて、体の周りを白いフヨフヨしたものが飛んでいた

 

 

「お兄さん、もしかして外来人ですか?」

 

 

「そうですよ、最近来たばっかりで、まだ知らない事だらけなんですよ。あ、僕は白井爽っていいます」

 

 

「爽さんですね、私は魂魄妖夢といいます。」

 

 

「妖夢さんですね!よろしくお願いします」

 

 

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 

 

「妖夢さんは人里にはよく来るんですか?」

 

 

「そうですね、料理の買い出しとかで良く来ます。それで、ここでよく休憩するんですよ」

 

 

「そうなんですか。あの、その体の周りのフヨフヨって?」

 

 

「あぁ、これは私の半霊です」

 

 

「は、半霊…ですか」

 

 

「はい、私はこれでも半人半霊なんですよ?」

 

 

「ということは、幽霊さんですか!」

 

 

「まぁ、そういうことになるんですかね笑」

 

 

という世間話をして妖夢と別れて、奏は神社へ戻った

 

 

 

「ただいま〜」

 

 

「お、おかえり…爽……」

 

 

霊夢は依然、体調が悪そうだ

 

 

「いいものを買ってきましたよ」

 

 

「何かしら…?」

 

 

テッテレーン

「か〜き〜〜」

 

 

「…柿?なんで?」

 

 

「えーコホン、柿にはアセドアルデヒドを(ry」

 

 

「そ、そう…」

 

 

「というわけで、どうぞ、柿です」

 

 

「い、いただくわ…」

 

 

 

 

こうして、爽の人里デビューは成功した

 




個人的に妖夢が好きなので、書いてて楽しかったです


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