将軍戦記 (神の子)
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1話

私の愛する祖国は二度の大戦を経験し、そして敗れた。

将軍だった私は祖国のために、必死に戦った

敗戦後は祖国復帰のために尽力を尽くした。

そんな嵐のような私の人生も幕を閉じようとしている

「私の人生は、まるで嵐のようだったが、その嵐もまさにすぎようとしている。とても苦しく、そして面白い人生だった」

1973年6月10日エーリッヒ・フォン・マンシュタイン死去

と、思ったが

?「ごきげんよ、人間、死の世界はどうだい?」

死の世界?何を言っているんだ私は死んだはずだ、しかし誰だ、

?「そー慌てるな、私は君たち人間が讃える神だ、少し君に話があってね。」

「話?神はいったい私に何をしろと?」

神「まぁ、簡単に言えば第二の人生を歩んで欲しい」

「第二の人生?」

神「そうだ、実はこの世に我ら神を讃えない不当な輩がいるんだか、そいつを懲らしめるために過酷な人生を歩ませたものの少し過酷すぎて

な、私も鬼ではない。少しだけ希望の光をやろうと思ってな、そこでお主にそいつの手助けをしてほしいるんだか」

「私がですか?なぜ私なのですか?」

神「そなたにそれほどの力があるからだ。連合に『最も恐るべき敵』と言われたマンシュタインお主ならな」

「わかりました。神がそれを望むなら私は神にしだがいます。」

神「よろしい。よろしく頼む」

 

 

「、、、、、」

「殿、、、」

「佐殿、、、、、」

「中佐殿、、、」

エーリッヒ「は!、ここはいったい」

副官「中佐殿?お疲れのところすみません、帝国参謀本部から出頭せよとの命令が」

エーリッヒ「帝国参謀本部だと?何を言っているんだ君は?」

いったいこの若者は何を言ってるんだ。見た限りドイツ軍 の軍服を着ているな。

副官「中佐殿?」

エーリッヒ「すまんが今日の新聞をくれないか」

副官「はっ、こちらです」

エーリッヒ「!?」

どういうことだ1916年!?だと昔に戻ってしまったのか?しかし新聞を見る限り戦争は起こっていない、どうなっているんだ。

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

状況は理解した。

まずこの世界は私が生きていた時代と少し違ってこの帝国は新しくできた国で周りの列強諸国から睨まれていること

そしてこの世界はまだ一度も大戦が起こってないこと

最後にこの世界には魔法という不思議な力があること

エーリッヒ「魔法か、」

帝国参謀本部に向かう車の中で私は一言漏らしてしまった

副官「中佐殿は魔法に興味がおありで?」

エーリッヒ「まぁそうだな、ところで、えー、」

副官「ブレドウです。 中佐殿」

エーリッヒ「すまんすまん、どうも名前を覚えるのが苦手で、それでブレドウ中尉、我ら帝国は魔法についてどこまで分かっているのかね?」

ブレドウ「現在帝国は魔法の研究に力を注いでますが、未だ完全制御には至っていません」

エーリッヒ「そうか、」

魔法か、私の世界にはなかったがこれはなかなか面白い。

ブレドウ「しかし、近頃、研究が成功し戦力になることが判明しました。現在帝国は魔法を操る魔導師を育成中です」

エーリッヒ「なるほどな、それは今後に期待だな」

そう言っている間に帝国参謀本部についてしまった

はてはて何を言われるのやら

コンコン

エーリッヒ「マンシュタイン中佐、入ります」

「入りたまえ」

エーリッヒ「失礼します」

ルーデンドルフ「おー、お初にお目にかかるよ。マンシュタイン中佐、私は参謀本部作戦参謀次長のルーデンドルフだ。」

エーリッヒ「はっお目にかかれて光栄であります。」

ルーデンドルフ「早速だか君に昇進命令だ」

エーリッヒ「は?」

ルーデンドルフ「マンシュタイン中佐、君は今日を持って准将に昇進、参謀本部作戦部に来てもらう。」

 

 



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2話

まさかきていきなり2階級特進か転生する前の私はいったい何をしたのだろうか

エーリッヒ「はっ、ありがとうございます。」

ルーデンドルフ「さて、今日貴様を呼んだのは昇進命令の事だけではない。」

エーリッヒ「と、申されますと?」

ルーデンドルフ「貴様が参謀本部に提出した論文『今後の戦争とその対応について』がかなり話題になってな。」

そんなものを自分は書いていたのか。あとで読まなければ

ルーデンドルフ「そこで参謀本部はより具体的な研究を貴様に求めている。明後日までに論文を提出したまえ。」

エーリッヒ「了解しました。失礼します。」

 

 

ブレドウ「お疲れ様です。そして昇進おめでとうございます。」

エーリッヒ「ありがとう、これからもよろしく」

参謀本部に移動したマンシュタインは自室で静かに論文を書き始めた。

エーリッヒ「この世界は一度も大戦を経験したことがない。そのため上層部は歩兵による塹壕戦が勝利への鍵と考えているものが多い。これをどうにかせねば。」

 

2日後 参謀本部にある論文が提出された

〜『新戦術及び魔導師、戦車による機動重視の部隊設立について』〜

内容

・これからの戦争は国家の国力を総動員して戦う総力戦になる

・塹壕戦ではなく機動重視の短期決戦を目的とした電撃戦の研究が必要

・歩兵支援の戦車ではなく攻撃と、機動に優れた戦車の開発

・魔導師による部隊の編成

 

数日後

ブレドウ「閣下、参謀本部から出頭命令です。」

エーリッヒ「了解した。」

論文のことだろう今まで見たことのない論文を提出したのださぞかし参謀本部は驚いただろう

参謀本部の長い廊下を歩きながらマンシュタインは今後の事を考えていた。

コンコン

エーリッヒ「エーリッヒ・フォン・マンシュタイン准将、入ります。」

?「入りたまえ。」

エーリッヒ「失礼します。」

部屋に入ると帝国軍の名だたる将軍方達が座っていた。

?「よく来たな。マンシュタイン准将。私は参謀本部総長ヴィルヘルム・エドバー元帥だ。」

エーリッヒ「はっお目にかかれて光栄であります。」

エドバー「早速だか本題に入ろう。君が提出した『新戦術及び魔導師、戦車による機動重視の部隊設立について』だが色々興味深いものだった。」

エーリッヒ「はっ、ありがとうございます。」

エドバー「この論文にはこれからの戦争は国力を総動員して戦う総力戦になり、歩兵による塹壕戦ではなく機動重視の戦車及び魔導師が勝利の鍵ということだったな。」

エーリッヒ「はい。歩兵による塹壕戦ではなく、短期決戦を目的とした電撃戦、そして機動重視の戦車及び魔導師が勝利の鍵であると私は確信しております。」

エドバー「ふむ。まず電撃戦とはどのような戦法かね?」

エーリッヒ「はっ説明いたします。」

マンシュタインは机の地図を指し説明を始めた。

エーリッヒ「まず機動重視の戦車部隊を一箇所に集中し、敵の防衛戦を突破。後方の補給路を及び司令部連絡線を遮断します。そして後続の軍で包囲した敵を殲滅します。」

エドバー「しかし後続の軍がそのスピードに追いつけないのではないか?」

エーリッヒ「確かに歩兵ではスピードに追いつけないかもしれません。そこで魔導師です包囲した敵を魔導師によって殲滅する。つまり戦車及び魔導師による攻撃、歩兵による防御であります。」

説明し終わった瞬間ざわめきが部屋に響いた

?「戦車及び魔導師による攻撃だと?」

?「リスクが高すぎる」

?「そんなわけのわからんものより歩兵による塹壕戦の方がいいのでは?」

エドバー「マンシュタイン准将、君の言いたいことは理解した。だかないささか問題がある。」

エーリッヒ「問題とは?」

エドバー「現在帝国は魔法の研究に大変力を入れており、その他の列強諸国より優れているのは理解している。また新たな戦力になるともな」

エーリッヒ「はい、そこで、、、」

エドバー「だかな。魔法は未だ未知の世界だ。技術部からの報告では魔導宝珠による完全制御ができてないという。そんな怪しいものより歩兵による塹壕戦の方がいいのではないか?」

エーリッヒ「しかし、歩兵による塹壕戦は戦争を長引かせます。塹壕のとったりとられたりの繰り返しそんな中で複数の国から攻撃された場合、戦線は崩壊します。」

エドバー「確かにそうかもしれんが、我ら帝国はその他の国より国力がある。そう簡単には負けんよ。」

やはり、上層部は歩兵による塹壕戦が全てという古典的な考えを持った方が多い

確かに他の国ならそれでいいが帝国は違う列強諸国から囲まれている帝国は地形的に不利

ましては新しくできた国だ列強諸国からあまりよく思われていない。

しかもこの頃協商連合が怪しい動きを見せているという、もし協商連合と戦争になったりすれば共和国、連合王国、ダキア公国、ルーシー連邦などがこぞって宣戦布告するに違いない、そうなれば戦力の分散は必至

帝国は崩壊する

エーリッヒ「しかし、元帥閣下、我が帝国は、、」

エドバー「確かに帝国は地形的に不利な状態だ。だがな魔法という未知のものより歩兵戦の研究の方が期待できる。」

そんな話が続き、最終的に新戦術と戦車及び魔導師の研究することは許されたが実践投入はまだまだ先だろう

 

頑張って研究せねばもう二度と敗戦などなるものか。

マンシュタインが部屋を後にした後

エドバー「新戦術及び戦車と魔導師の部隊設立についてか、」

将軍「確かに魔導師などは戦力になるかもしれませんが、未だ研究不十分です。そんな怪しいものより歩兵戦の方がマシです。」

エドバー「まぁこの論文ものより良いこと言っている。頭の隅には置いておこう。」

将軍「閣下、あの二人ならこの論文を理解するかもしれませんな。」

エドバー「あの二人とはゼートゥーアとルーデンドルフのことか?」

将軍「はい、あの二人も魔法に興味があるそうなので」

エドバー「確かに、読ませてみる価値はありそうだ。」

 



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3話

参謀本部を後にした日から1週間後

1916年12月4日

マンシュタインはゼートゥーアのもとを訪ねていた。

エーリッヒ「マンシュタイン准将入ります。」

ゼートゥーア「うむ」

エーリッヒ「失礼します。」

ゼートゥーア「やぁエーリッヒ・フォン・マンシュタイン准将、君の噂は聞いているよ。」

エーリッヒ「はっ光栄であります。早速ですが、閣下に」

ゼートゥーア「わかっている。論文のことだろう?私も読んだ。」

エーリッヒ「それでどうお考えですか?」

ゼートゥーア「確かに革命的な戦術だ。だがな、上層部は首を縦にふらないだろう。」

エーリッヒ「なぜですか?」

ゼートゥーア「君も知っているだろう?1912年の共和国との戦争を?帝国誕生を良しとしない共和国が宣戦布告し、始まった戦争を。」

1912年共和国と帝国の戦争

帝国誕生を良しとしない共和国が不法越境して起こった戦争である。

早く終わると思われていたが戦争は膠着

連合王国を仲介とし、戦争が終結した

大戦にはならなかったものの激しい戦争が繰り広げられ

塹壕戦や塹壕を突破するための戦車などが開発された。

あまりに激しかったため戦争終結後世界各国で集まり、捕虜の扱いなどが取り決められた。

エーリッヒ(私の世界よりも時代の流れが早いな)

ゼートゥーア「あの戦争の時、初めて歩兵の塹壕戦があったのだ。あの戦争から帝国上層部は熱心に塹壕戦の研究をしている。その成果を捨てて新たな戦術を研究するなど上層部は認めんだろう。」

エーリッヒ「ですが、」

ゼートゥーア「まぁ研究資金は出るだろうが、実践投入はすぐには無理だな。」

エーリッヒ「わかりました。最後にもう一つだけ」

ゼートゥーア「何だ?」

エーリッヒ「私の戦術は機動が命であり、そのためには、燃料つまり石油が必要ですが、現在帝国はその補給体制を整えていません。」

ゼートゥーア「私にその補給体制をととのえよと?」

エーリッヒ「はい」

ゼートゥーア「私も貴様の考える戦術には興味があるできるだけ力を貸そう。だがな帝国全土を整えるには莫大な時間がかかる。」

エーリッヒ「どのくらいかかりますか?」

ゼートゥーア「石油採掘場や輸送システムなどを全部整えるなら約5年は必要だ」

思ったよりかかるな。確かに一から新たな補給体制を作るのだそのぐらいかかって当然か

となると完成は1922年か、

エーリッヒ「わかりました。どうかよろしくお願いします。」

マンシュタインが部屋を後にした後

ゼートゥーア「新戦術のための新たな補給体制の構築か、ふっやってみる価値はあるな。副官!」

副官「はっ!」

ゼートゥーア「鉄道部などの連中を集めろ。忙しくなるぞ」

副官「り、了解しました!」

 

 

 

 

 

 

 

1916年参謀本部ゼートゥーア准将が提案した新たな補給体制構築『Nationale Bodenreform(国土改革)』始動

1918年計画の42%が完成

 

1920年計画の78%が完成

 

1922年計画の100%完成

 

エーリッヒ「長かったが完成しましたか」

ゼートゥーア「あぁ、貴様が提案した新たな補給体制のおかげで物流の流れも良くなった。これで帝国もさらなる発展になる。」

エーリッヒ「えぇ、とても喜ばしいことです。」

ゼートゥーア「もう一つ朗報だ。戦車研究資金が確保できたぞ。」

エーリッヒ「やっとですか。長かったですがこれであの棺桶のような戦車ではなく新たな戦車開発ができます。」

ゼートゥーア「まぁ。頑張りたまえ。ところで話が変わるが、協商連合の事を聞いたか?」

エーリッヒ「はい、なにやら国粋主義政権が成立したとか。」

ゼートゥーア「あぁ、奴らは帝国を侮っているなにをしでかすかわからん。」

エーリッヒ「確かに、注意しといたほうがよさそうですな。」

 

 

 

ブレドウ「閣下、例の噂を聞きましたか」

エーリッヒ「噂?」

ブレドウ「はい。何と8歳で士官学校に進学した魔導師がいるらしいという噂です。」

エーリッヒ「なにを馬鹿なことを」

ブレドウ「嘘だと思うかもしれませんがレルゲン大佐が見たらしいんです。」

エーリッヒ「あのレルゲン君がか?ありえんよほど疲れているのか。全くそんな事よりも技術省に行くぞ。」

ブレドウ「了解しました。准将閣下」

 

 

 



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4話

帝国技術省

 

エーリッヒ「失礼するよ。」

研究員「これはこれはマンシュタイン閣下、ご無沙汰しております。」

エーリッヒ「やぁ、君も元気そうだね。ところで例の物はできたかい?」

研究員「えぇ、こちらへ」

奥に行くと一台の戦車がおかれていた。

研究員「こちらが帝国の新型戦車3号戦車です。」

エーリッヒ「やっとできたか。」

研究員「はい。この戦車は従来の歩兵支援用ではなく、機動及び攻撃重視のものであります。これさえあれば閣下の推奨なさる新戦術にも対応できます。」

ブレドウ「これはすごい。」

エーリッヒ「これがこの戦車の資料か?」

研究員「はい。閣下が出された基準数値を全て達成しております。」

 

資料

 

3号戦車

全長6,41m

車体長5,56m

全幅2,95m

全高2,51m

重量2,27t

速度40km/h(整地)

19km/h(不整地)

主砲60口径KwK39

 

エーリッヒ「素晴らしい出来だな。」

研究員「ありがとうございます。」

エーリッヒ「それでいつ頃大量生産できる?」

研究員「それがですね、なにせ今までにない戦車なので生産体制が整うには少し時間がかかりまして。」

エーリッヒ「そうか、、」

研究員「5ヶ月後ぐらいには生産を開始できると思います。」

エーリッヒ「うむ。楽しみにしてるぞ。」

 

マンシュタインは満足しながら技術省を後にした。

全て思い通りになっていたかに思われていたが地獄への歯車はすでに動き出していた。

 

 

1923年5月14日

ブレドウ「閣下!!」

副官のブレドウ少佐がすごく焦った顔で部屋に入ってきた

エーリッヒ「どうした。ブレドウ少佐、ノックもせずに」

ブレドウ「閣下、一大事であります。」

エーリッヒ「どうした?」

ブレドウ「戦争です」

エーリッヒ「何?」

ブレドウ「協商連合が不法越境を行い帝国国境警備隊と交戦を開始。現在も継続中です」

エーリッヒ「なんだと!?っつ、、、作戦部に行くぞ」

ブレドウ「はっ!」

まさかこんなに早く戦争が起きるとは、

 

作戦部内はとても慌ただしく将官達があちらこちらへと走り回っていた

エーリッヒ「ルーデンドルフ閣下!!」

ルーデンドルフ「マンシュタインか、貴様も聞いたな。」

エーリッヒ「はい。それで今の状況は?」

ルーデンドルフ「国境警備隊がなんとか止めているが、長くは持たん。すぐに軍を派遣したいがまだ動員が間に合っていない。最初は苦しい状況が続くだろう。」

エーリッヒ「そうですか」

ルーデンドルフ「なーに、動員が完了すればすぐに叩きのめすさ」

確かに協商連合1国なら問題はない。しかしこれを機に周辺諸国が一斉に襲ってくるのではないかとマンシュタインは心配していた。

ルーデンドルフ「どうした?マンシュタイン」

エーリッヒ「閣下、動員はいつ完了しますか?」

ルーデンドルフ「早くて明日だ」

エーリッヒ「閣下、此度の戦争、2正面もしくはそれ以上になるかもしれません。」

ルーデンドルフ「なんだと?協商連合以外にどこが攻めてくるのだ?」

エーリッヒ「共和国、かと」

ルーデンドルフ「共和国?何故だ?」

エーリッヒ「奴らは帝国の弱体化を狙っております。そんな奴らにとって今は絶好のチャンスでしょう。閣下動員が完了したら共和国方面にも兵を用意しとく事を提案します。」

ルーデンドルフ「まぁ備えて損はないだろう。」

 

1923年5月16日

将官「ルーデンドルフ閣下!!」

ルーデンドルフ「どうした!」

将官「き、き、共和国が帝国に宣戦布告してきました!」

ルーデンドルフ、マンシュタイン「!!」

やはりか、

?「共和国だと!?」

?「まさかの2正面作戦か」

?「そんなばかな」

ルーデンドルフ「チッ、マンシュタイン、貴様の読みが当たったようだな」

エーリッヒ「えぇ、できれば当たって欲しくなかったですが」

ゼートゥーア「話は聞いたか?ルーデンドルフ」

作戦部にゼートゥーア准将が入室した

ルーデンドルフ「あぁ、共和国が宣戦布告してきおった。」

ゼートゥーア「そのようだな」

ルーデンドルフ「マンシュタイン、共和国方面は何師団いる?」

エーリッヒ「10個師団おりますが、多分膠着するでしょう。」

ゼートゥーア「戦車師団は使えんのか?」

エーリッヒ「まだ生産数が足りません。後2ヶ月は必要です。」

ゼートゥーア「そうか。」

ルーデンドルフ「仕方ない。戦力が整うまで耐えるしかないな」

ゼートゥーア「そうだな」

ルーデンドルフ「マンシュタイン、貴様は北部戦線に行って軍の指揮をとれ」

エーリッヒ「はっ」

ルーデンドルフ「いいか。攻撃はせんでもいいが突破だけはされるな。戦力が整うまで持ち堪えろ。」

エーリッヒ「了解しました。」

 

 

 

 

 

エーリッヒ「ブレドウ少佐移動だ。」

ブレドウ「はっ、どこに行くのでありますか?」

エーリッヒ「北部へ行って軍の指揮をとる。準備しろ。」

ブレドウ「了解しました。」

 

 

 

 

北部戦線

 

テオドール「ようこそいらっしゃいました。私は第27歩兵師団師団長ヨハイム・テオドール大佐であります。」

エーリッヒ「北部戦線総司令官エーリッヒ・フォン・マンシュタイン准将だ。早速だが状況は?」

テオドール「今のところは膠着状態を保っておりますが、敵の度重なる攻勢で物資が不足気味であります。」

エーリッヒ「そうか。軍はどれほどいる?」

テオドール「軍は全部で6個師団と少数の魔導師であります。」

エーリッヒ「ふむ」

魔導師か、攻勢をかけれるほど余裕もなく、なおかつ相手の攻撃を止めるのも限界がある、どうするか

ブレドウ「いかがなさいますか、閣下」

エーリッヒ「魔導師に敵の補給路を探すよう命令しろ。見つけ次第位置を報告。砲兵隊で敵の補給路をたたく」

テオドール「了解しました。」

 

エーリッヒ「思ったよりひどいな」

ブレドウ「えぇ、確かに」

エーリッヒ「こうなったら敵の補給路を叩き攻勢を止めるしかない。」

 

 

 

 

数時間後

 

テオドール「閣下、魔導師が敵補給路を発見しました!!」

エーリッヒ「本当か!?よし魔導師に伝達。即座に敵補給路の位置を報告せよと、後、砲兵隊に砲撃準備しとくよう伝えろ。」

テオドール「はっ」

敵の補給路を叩ければこちらにも余裕ができる。その間に戦力を整えるしかない。

テオドール「敵補給路の位置がわかりました!」

エーリッヒ「砲兵隊に連絡、あいにく弾数に限りがあるため正確に砲撃せよ」

 

 

砲兵隊隊長「砲撃用意!!」

砲兵隊「「「砲撃準備完了!!」」」

砲兵隊隊長「撃て!!」

 

テオドール「やりました閣下。敵補給路を破壊。敵は混乱しています。」

エーリッヒ「歩兵師団に攻勢に出ろと伝えよ。しかし深追いはするな。目の前の敵を追い払うだけでいい」

テオドール「了解しました!!」

 

エーリッヒ「ふぅ、なんとかなったか 。敵補給路を見つけてくれた魔導師には感謝だな。」

ブレドウ「その魔導師ですが、敵魔導師と交戦したそうです。」

エーリッヒ「何?死んだのか?」

ブレドウ「いえ、戦死はしておりません。しかも驚くことにその魔導師は増援到着まで敵魔導隊を拘束。満身創痍となりながらも撃破確実4 不明2の大戦果をあげ敵部隊を阻止したそうです。」

エーリッヒ「なんだと!?それは本当か?」

ブレドウ「えぇ」

なんてやつだ。まるで化け物のようなやつだな。

エーリッヒ「それでその魔導師の名は?」

ブレドウ「その魔導師の名は、、、、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ターニャ・デグレチャフ少尉というものです。」

 



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5話

統一暦1923年6月5日

北部戦線

 

エーリッヒ「はぁ、」

ブレドウ「お疲れのようですね。閣下」

エーリッヒ「あぁ、まぁね」

現在北部戦線をなんとか膠着状態にし、今も戦線を保ってはいるが、少し前に、ダキア公国に宣戦布告され北部戦線の部隊を引き抜かれてしまったため、戦線を突破されぬよう試行錯誤している状況だった。

エーリッヒ「全く、兵が足りんな」

ブレドウ「えぇ」

エーリッヒ「戦車師団はまだこんのか?」

ブレドウ「戦車師団の編成は終わっておりますが、ライン戦線に優先的に送られてるそうで」

エーリッヒ「そうか、」

テオドール「閣下、参謀本部から連絡です。」

エーリッヒ「わかった」

 

 

エーリッヒ「こちら北部戦線総司令官エーリッヒ・フォン・マンシュタイン准将です」

ルーデルドルフ「マンシュタインか、今日まで、よく持ちこたえてくれた。悪いが参謀本部に出頭してくれんか、戦略会議を開く、君の意見を聞きたい。」

エーリッヒ「了解しましたが北部戦線は誰が引き継ぐのですか?」

ルーデルドルフ「その件についてはもう手配している、安心しろ」

エーリッヒ「了解しました」

 

戦線会議か、なんとかしてこの事態を打開せんとな

 

 

 

 

 

 

 

 

参謀本部

エドバー「みな、集まってくれて感謝する。早速だが、各戦線の状況は?」

エーリッヒ「はっ、今のところ全戦線において膠着状態を維持しておりますが、長くは持ちません。早急に対応しなければ帝国は崩壊します」

ゼートゥーア「そこで、私から一つ提案が」

エドバー「なんだね」

ゼートゥーア「現在帝国には機動性に優れた部隊があまりありません。そこで新たに機動性に優れた部隊が必要です」

エドバー「戦車師団ではダメなのかね?」

ゼートゥーア「戦車師団はまだ数が足りず、配備ができておりません」

エドバー「なるほど、そこでマンシュタインや君が唱えていた魔導師の部隊ということか」

ゼートゥーア「はい、大隊規模でしたら、差し支えないかと、すでに優秀な人材も集めております」

まさか、ゼートゥーア閣下が、そこまで手配していたとは、、しかし優秀な人材とは一体誰なのだろうか?

エドバー「なるほど、確かに、よし早速編成したまえ」

 

 

 

 

戦略会議終了後

エーリッヒ「ゼートゥーア閣下!」

ゼートゥーア「ん?どうした、マンシュタイン」

エーリッヒ「閣下、いつの間に魔導大隊の手配を整えていたのですか!?」

ゼートゥーア「なーに、私も君の提案には賛成だったからな。実現したまでのことさ」

エーリッヒ「ところで、閣下が言う優秀な人材でありますが、一体どのような方なのでしょうか?是非ともあって見とうございます。」

ゼートゥーア「あぁ、君もあって見るといい、意外と気があうかもしれん」

 

 

 

 

 

 

帝国資料室

エーリッヒ「あの人か」

へやにはいると、たくさんの資料を読んでいる幼女がいた

エーリッヒ「失礼、君がターニャ・デグレチャフ中尉かな?」

ターニャ「ん?、、!?」

一瞬戸惑った顔をしたが私が誰が気づいたらしく、慌ただしく席を立ち、完璧な敬礼をした。

ターニャ「失礼しました。准将閣下!!」

 

 

 

 

〜ターニャside〜

ターニャ「失礼しました。准将閣下!!」

エーリッヒ「そんなに慌てなくてもいい。私は参謀本部作戦部副部長エーリッヒ・フォン・マンシュタイン准将だ」

作戦部副部長!?後方のお偉いさんじゃあないか!?

ターニャ「はっお会いできて光栄であります。」

エーリッヒ「すまんが、この後用事があるかい?」

ターニャ「いえ、大丈夫であります」

エーリッヒ「すまんが君と話がしたくてね。少しいいかな?」

ターニャ「はい!」

なんという幸運、ゼートゥーア閣下だけではなくマンシュタイン閣下にも会えるとは、今日の私はついてるぞ

 

エーリッヒ「まぁ、かけたまえ」

ターニャ「はっ、失礼しましす」

エーリッヒ「早速で悪いが、君はこの戦争が世界大戦になると予測したらしいな」

ターニャ「はい」

エーリッヒ「私にもその理由を教えてくれないか?」

ターニャ「では、説明させていただきます。新生国家である帝国は周辺諸国よりも軍事的優位であります。帝国の軍事力ならば、共和国をも、討ち滅ぼすことができるでしょう。そうなれば、帝国は大陸における絶対的有利を獲得できます。しかし、そのような状況を他の列強が許すでしょうか?」

エーリッヒ「なるほど、そこで君は、敵によりたくさん血を流させる戦法を取るために、今までにない新戦術魔導師による攻撃、歩兵による防御を提案したわけか。」

ターニャ「その通りであります」

エーリッヒ「なるほど、私の意見とぴったりだな」

ターニャ「閣下もこのような意見をお持ちでいらしたのですか?」

エーリッヒ「まぁ、私の場合、戦車を使った短期決戦を目標とした戦術だかな」

ターニャ「!?」

驚いた、まさかこの世界に、そのような考えを持つ者がいるとは

ターニャ「閣下、閣下の新戦術は戦車の機動を使った電撃戦でありますが?」

エーリッヒ「!?」

 

 

〜マンシュタインside〜

この幼女、最初から他のものとは何か違うと思っていたが、電撃戦を知っているだと!?まさかそんな

エーリッヒ「中尉、その言葉誰から聞いた」

ターニャ「いえ、誰からも」

そんなばかな、自分で考えただと!?こやつ、ただものではない、

エーリッヒ「ターニャ・デグレチャフ中尉、ありがとう、参考になった。」

ターニャ「はっ失礼します」

 

 

 

 

 

 

 

ゼートゥーア「どうだった?あやつは」

エーリッヒ「とても興味深い話を聞けました」

ゼートゥーア「そうか、それはなによりだ、あと貴様にはまた北部戦線に戻ってもらう。」

エーリッヒ「はっ」

ゼートゥーア「喜べ、お前が待ち望んでいた戦車師団が配備できた。」

エーリッヒ「本当でありますか!」

ゼートゥーア「あぁ、だかあいにく物資が少ない、攻勢は難しいだろう」

エーリッヒ「そうですか、ですがお任せください」

ゼートゥーア「あぁ、期待している」

 

 

 

 

 

 

 

北部戦線

ブレドウ「閣下、おかえりなさいませ」

エーリッヒ「あぁ」

ブレドウ「閣下、つい先ほど戦車師団が到着しました。」

エーリッヒ「あぁ、やっとだ、ついでに少数の魔導師ももらってきた」

ブレドウ「では、いよいよ」

エーリッヒ「あぁ、新戦術が試せるぞ」

ブレドウ「ちなみに魔導師は、まえにいたあの凄腕魔導師ですか?」

エーリッヒ「いや、彼女は今、帝都だ。なーに彼女に劣らない奴らを連れてきた。」

ブレドウ「ほぅ。それは楽しみですな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

協商連合兵士A「敵、全然こねぇな」

協商連合兵士B「あぁ、奴らびびってんじゃあねえのか?」

協商連合兵士A「ハハ、そうかもな。ん?お前、何の写真見てるんだ?」

協商連合兵士B「これか?うちの嫁さんの写真だ。まぁ、まだ嫁さんじゃあないが、帰ったら俺こいつと結婚するんだ」

協商連合兵士A「そいつはめでたい、ん?、何だあれ?」

協商連合兵士B「おい、なんかくるぞ」

男たちが騒ぎ終わった瞬間、多数の戦車が彼らの防御陣地へ突っ込んできた

帝国兵士「行けーー!!止まるな!!進め進め!!」

 

 

 

ブレドウ「閣下、戦車師団が敵防衛戦を突破しました。」

エーリッヒ「よし、そのまま敵を包囲!!魔導師、歩兵が協力して包囲した敵を殲滅せよ!!」

 

 

 

 

 

協商連合上官「何だと!?包囲された!?、今すぐに救出に向かえ!」

協商連合兵士「ですが、もうすでに包囲された連中は崩壊したそうです」

協商連合上官「くっ、」

 

 

ブレドウ「閣下、包囲した敵を無事殲滅しました。しかし、物資的にここが攻勢限界です。」

エーリッヒ「そうか止むを得んな。だが攻勢は成功した。それだけで、喜ばしいことだ」

 

 

その頃帝都ではある部隊の設立が、幼女に伝えられていた。

 



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