だんがんっ、紅鮭劇団! 【NG特典】 (時雨オオカミ)
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はじまりはじまり……と、思うよ?



※ 思いついたときに書いて更新するので続きは期待しないでね
※ NG部分はダンガンロンパまとめや総合スレのネタを多用するよ。塩とか塩とか塩とか。

 三人称の練習も兼ねてます。ではまずは世界観と、皆でわいわいやってる様子をご覧ください。


 

【コロシアイ新学期計画ルール】

 

ルールその1

 コロシアイ新学期では自由気ままに行動しましょう。どちら側になるかはあなたの考え次第です。

 

ルールその2

 お互いの思惑を深く詮索してはいけません。行動を起こした人の邪魔はあまりしないようにしましょう。

 

ルールその3

 黒幕とオチを知っているのは黒幕と運営側だけです。参加者は互いに推理しながら突き進みましょう。

 

ルールその4

 なにか行動を起こす際には運営に相談しましょう。OKサインが出たなら行動に出てください

 

ルールその5

 撮り直しは4回までです。現実的に可能なトリックを上手に使ってコロシアイ (偽) を盛り上げましょう

 

ルールその6

 動画撮影には新世界プログラム改が使用されます。コロシアイの際に人体に影響が出る範囲の痛覚判定が出そうになった場合、現実の体との感覚とは直ちに切断されます。

 

ルールその7

 ただし、プログラム世界でも基本的に痛み判定が行われるような状態にしてはいけません。人をなるべく傷つけない偽の凶器や安全措置などを用意するようにしてください。安全措置を作る場合、運営に相談して追加してもらってください

 

ルールその8

 やりたいことがあまりにも過激であった場合、一部をCG処理とします。おしおきは基本的に途中退場もしくはCG処理です。

 各自、自身のおしおき案を提出してください。それを元に運営側と被害者が協力して作ります

 

ルールその9

 偽の凶器で代用できるところを無視し、本当にコロシアイを起こそうとした場合、直ちに全員のお祓いが実施されます

 

ルールその10

 この企画は江ノ島盾子、苗木誠、不二咲千尋、日向創、Ai七海千秋が厳重に監視しています

 

【技術提供】

 江ノ島盾子

 不二咲千尋

 月光ヶ原美彩

 入間美兎

 カムクライズル

 

【医療班】

 罪木蜜柑

 

 以上を持って楽しく動画を作りましょう!

 

 

 

【一章事件前・二つ目の動機発表時】

 

 

 

「はーい、カットカット〜!」

 

 全員の前でモノクマが手をブンブンと振り回しながら言った。

 すると 「2日後の夜時間がタイムアップ」 だと知らされて顔を強張らせていた面々が次々と表情を和らげてそれぞれが行動し始める。

 

「おー、おつかれだぜ」

「おつかれさま〜」

 

 百田、赤松とそれぞれが和やかな挨拶を交わす中、にししと笑った王馬が両手を頭の後ろに回して 「事件なら真っ平ゴメンだよ! オレは部屋に戻らせてもらうね!」 と大袈裟な身振り手振りで言い出した。

 

「ああ、さっきの発言ってやっぱり死亡フラグのつもりだったんだ?」

 

 彼の言葉に真っ先に反応したのは、その手の話題に詳しい白銀だ。

 彼女が言及しているのは、演技中王馬が言った 「部屋でじっくり考え事をする」 云々の台詞についてだろう。

 

「どーだ、オレ様の完璧な演技は! そこらの非モテ童貞共よりも!メス豚共よりもっ! サイッコーにぶっ決まってただろ!」

「そうだね、完全にビビっててビチ子ちゃんがニワトリちゃんになってたね? すぐに食べられようとするなんてさすがビチ子ちゃんだよ!その下品さが!」

「ひ、ひぅぅ、た、食べられ…… あ、いいかもぉ……」

 

 ヨダレを垂らしながら顔を真っ赤にした入間は放心状態に入り、ひとしきり彼女をいじり倒した王馬が満足したように笑う。

 

「それよりも、劇中でもいつものグループが固まってしまっていますがいいのでしょうか?」

「いいんだよー。仲良し同士でいるのは良いことだって神様も言ってるからー」

「そうですよ! でないとやってられません! 私はどうしても男死とセットになるのは無理ですし……」

「んあー? アンジーと転子と一緒にいたいから、普段通りで良いと思うぞ。そうじゃろ?」

 

 キーボが思案顔で言うが、次々と女子からの意見で押しつぶされて行く。しまいには 「これだから血も涙もないロボットはー」 と言い出す王馬と言い争いを始め、毎度のごとくのロボット差別漫才を全員の前で繰り広げることとなるのだった。

 

「えっと、こんな感じでいいよね。それぞれ、自分だったらこうするって行動方針になってるんだもんね?」

「うん、赤松さんはいつも通りのキミでいいと思う」

 

 赤松と最原は和やかに会話に興じ、 「さっさと帰ろうよ……」 と春川がため息を吐く。百田が構いに行ったが、満更でもなさそうに顔をそっと染めていた。

 この2グループを微笑ましげに皆が見つめるが、両方ともそれにはさっぱり気づいていない。流石である。

 

「でも、すごいね。これが夢だなんて分からないよ!」

「夢じゃあねーだろ。しかし、あんたにはちと分かりづらいか…… ?」

「胡蝶の夢なんて話もあるから、ある意味間違いではないよネ」

 

 彼ら、彼女らが現在いる世界は所謂ゲームの世界である。

 しかし、全員眠っている状態でゲームの中に接続しているので夢の世界と言っても間違いではない。どちらと取るかは各自の解釈次第である。

 

「獄原君は自分の分かりやすいように納得しておけばいいと思うわ。その方がやりやすいものね」

 

 東条が上記のことをフォローに入り、微笑む。

 その笑みはメイドとしてよりもやはり母親のような、と受け取ってもおかしくないほど慈愛に満ちていた。

 そんなことを一度言えば彼女を怒らせてしまうことは明白だが、それは全員共通の思いだろう。

 

「ゴン太の夢なのに虫さんがいないのは少し悲しいけど…… 皆と一緒にいくらでも遊べるのは楽しいね!」

「まったくゴン太は単純だな〜」

 

 獄原の笑顔に絆されたのか、王馬が嬉しそうに言う。

 それを見ていた白銀が小さな声で 「二人とも尊い…… 黒髪尊いよぉ」 と呟いているが、残念ながら誰にもその言葉は届いていない。

 

 と、全員がひとしきり発言し終わったときに彼らの視界がブウン、とブレたかと思うと目の前には明るい外跳ね髪の少女が姿を現していた。とあるゲームのデザインが施されたピン留めが特徴的な少女…… 共同研究で本人の性格を元に、不二咲千尋が作成したAIの七海千秋である。

 

「みんな…… おつかれさま、だよ?」

 

 彼女が現れると全員から 「おつかれさま」 という言葉がかかる。

 彼女ととある単語を話すことが現実へと帰還するためのキーとなっているからだ。

 

「えっと、パスワードは分かってるよね?」

「質問されたら自分の名前を言えばいいんだよね?」

「…… うん、そうだよ。それじゃあ、みんなで帰ろっか」

 

 次々ログアウトして行く中、最原と赤松は最後まで残って笑顔で 「七海さん、いつもありがとう」 と伝える。

 それにAIの七海は嬉しそうに微笑んで 「またいろんなことを教えてね」 と首を傾げながら言った。

 そして質問をして、答えた2人に向かって手を振る。

 

「さて、私も日向くんのとこに行かないと」

 

 一仕事終えて呟いた彼女は、小さな粒子を纏いながら表で待つ日向の電子生徒手帳へとワープしていった。

 

 さて、現実世界ではそれぞれが挨拶しながら普段の学園生活に戻って行ったのだが、時間差で舞い戻って来た人物が2人いた。

 

「あ、江ノ島さん。私行動してみようと思うんだ。だからおしおき案とトリック提出しておくね」

 

 そのうちの1人は赤松である。

 彼女の手から渡されたのは楽譜とCD。それにおしおきの流れを書いた書類である。

 江ノ島はそれを受け取って 「あんた自分からこんなエグいの選ぶの?」 とドン引きしているが、彼女は 「やるなら徹底的にやらないとね!」 と無駄に気合を入れている。

 

「あんたよくやるわね…… 最原とはいいの?」

「うーん、多分なにも知らない私だったらこうすると思うからさ…… それに、最原くんの活躍をちゃんと全部見ていたいし……」

「あー絶望的…… 絶望的に砂糖を吐き出してしまいそうです…… リア充爆発してください」

「えっと、OKもらったってことでいいのかな?」

「いいから、いいからさっさと帰んなさい」

「はーい」

 

 次に江ノ島の元へやって来たのは長い髪と口元を隠したマスクが特徴的な真宮寺である。

 

「あー、あんただもんねー」

「なんで納得してるのかナ?」

 

 おしおき案を渡されて江ノ島が早速新たに書き込みを入れて行くが、彼は気にせずにそのまま去ろうとする。

 

「で、いつくらいに実行すんの?」

「タイムリミットギリギリかナ。初回特典があるし十分動く理由になるよネ」

「ふーん、分かったわ」

 

 恐らく狙うのは東条だろう。

 そう当たりをつけて江ノ島はモニター室の椅子に思い切り深く座り込む。やたらと軽い彼女の体重でもギシリと椅子が音を立てた。

 

「あー、ルールに入れといて正解ねー。あいつ、〝 本当に殺したらお祓い 〟のルールなかったらなにがなんでも殺ってそうだし、苗木きゅんったらホント皆のこと分かってるよねー」

 

 ボヤいた彼女の口元には笑みが刻まれていた。

 

 

 




 思いつきなので書く優先順位は低め。
 ちなみに推しは王馬、入間、最原、赤松です。
 三人称って難しいね。まだ育成計画も紅鮭も全部済んでいるわけではないので、どこかおかしなところがあったら教えてくださると幸いです。特に人称。


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なんで図書室なんかに行ったんすかね?


 タイトルはNG出した人の台詞を抜粋。
 え、この台詞は本編に出てこないって? 一番有名なのはこれ…… ですよね?


 

【 Take1 】

 

 

「じゃあ、僕はもう少しここでやることがあるから……」

「うん、分かったよ。じゃあまた後でね」

 

 その日の朝、地下の図書室ではモノクマのスペアのことや首謀者についてを赤松と最原が話していた。

 仕掛け扉の奥にあるスペア製造装置の存在。そして、それを利用する身内に潜んだ首謀者の影…… それらを推理で繋いでいった二人は、ひとまずその場で解散することにしたようだ。

 

( なんだか…… 結果から逆算して推理するのって難しいんだな。僕らの中に首謀者が混じっているのは知っているけど、それに繋げるための材料はこれしかない…… この状態じゃ、信じる演技をしてくれるのは半数程度しかいないだろうし……)

 

 百田、獄原、天海、星、東条…… それに王馬。

 己の言葉に一定の信用を置いてきそうな、冷静な面々を最原は思い浮かべる。

 逆に入間のような精神的に弱い者は信用されるのが難しく、夢野や茶柱は現実では仲が良いので信用してくれそうだが、初対面という設定であるために現状では信用を取れなくなっているのだ。

 

( 赤松さんがいてくれてよかった。心強いし、それに…… ちょっとは頼りになるところも見てほしいからね……)

 

 最原が脚立を移動させながら嬉しそうにしているのとは裏腹に、そのとき赤松は去り際に考え事をしていた。

 

(最原くん大丈夫かな? なんか、どんどん死亡フラグってやつが立っていってる気がする…… よーし、最原くんは私が守るよ!)

 

 頼りに思っている様子は微塵も感じられなかった。

 

 

 

 

 

○●○●

 

 

 

 

 

「なんで俺だけこんなもんがあるんですかね……」

 

 天海は最初の自由時間となったとき、地下の図書室を訪れていた。

 

「はあ…… うっかり最原君ともすれ違いましたし…… 俺、ツイてないんすかね?」

 

 地下へ訪れる際に道は一本だけなので、一人でこの場所に来るのはなかなか骨が折れるのだった。

 赤松と別れた最原とすれ違ってしまったことは運が悪かったとしか言えないだろう。

 

「この図書室の先になんか部屋があるんすよね……」

 

 彼は〝 生存者特典 〟であるモノパッドを手に、暫く図書室内を散策することにしたようだ。

 

「俺自身が望んだ状況って…… まあそうなんすけど、そうじゃないですよね?」

 

 ぶつぶつと独り言を呟きながら図書室内を歩き回り、天海は首を傾げる。

 

「あれ、確かここっすよね。本が積まれてない本棚……」

 

 近くの脚立に目を移してからさっと本棚の隙間に手を入れ、仕掛け扉を起動させる…… が。

 

「あいたっ!? うわっ、ぷぐっ!」

 

 バサバサバサ……

 

 前日の夜までには確かになかった大量の本が天海の脳天目掛けて降ってきたのだった。

 

「ちょっ、待っ、ぶっ!?」

 

 積み上げられた本の量は並ではない。全てが落ちた頃には天海はその場で倒れ込み、大量の本に埋まってしまった。

 

「天海くーん」

 

 と、そこに自由行動で赤松がやってきたのだが…… どうやら彼には気づいていない様子である。

 

「あれ、いないのかな…… まあいいや。メダルあるかな?」

 

 全員発信器を所持しているので現在地はモノパッドに反映されている。そのため天海と過ごそうと思っていた赤松が図書室に来たのだが、彼女はどうやら、ギリギリですれ違ったのだと思っているようだ。

 おもむろに腕を回すとその辺に積んであった本を崩して行く。そして本の中に栞よろしく挟まれたメダルを回収している。手馴れている様子から察するに一人のときはずっとこうしているのかもしれない。

 

( ちょっ、こっち来ないでほしいっす…… さすがにこんな間抜けな場面見られたくないですよ)

 

 そして、沈黙を貫いている天海の願いは虚しく無視され、赤松が彼の上に積み上がった本を崩し始めた。

 バラバラと本が滑り落ちていき、次第に彼の姿があらわになってくると 「ええっ!?」 という赤松の大きな悲鳴が響いた。

 

「はははっ、そっとしといてくれないっすか?」

「あ、天海くん!?」

 

 彼女がより一層大きく声をあげると、すぐに廊下からドタドタと足音が聞こえてきた。

 

「どうしたの赤松さん!」

「どうしました!なにかありましたか!?」

 

 彼女の悲鳴を聞きつけて来たのか、隣に位置するゲーム室方面から最原とキーボがやって来る。そして赤松と同じように本に埋まった天海を発見するとポカン…… とした表情で凍りついた。

 

 その場に〝 ピンポンパンポーン♪ 〟と呑気な音が響き渡る。

 赤松、最原、キーボで発見したのは三人だが……

 

『 マヌケが発見されました! 至急図書室へお集まりくださーい! うぷぷぷぷ、笑い者第一被害者決定だねー! ぶひゃひゃひゃひゃ!』

 

 沈黙が支配する図書室で、放送を終えてから第一声を発したのは…… 最原だった。

 

「それは違うよ! 仕掛け本棚の上に本を置いたのは僕だから、アナウンスが鳴るはずない! これは殺人じゃないはずだ! …… そ、そのはずだよね?」

「マヌケ発見アナウンスでしたね…… あんなのもやるんですか、これは気をつけなければ」

「キ、キーボくん空気読んで!」

「…… なんで俺、図書室なんかに来ちゃったんすかね?」

 

 このあと滅茶苦茶爆笑された。

 

 

 

 

 

 





「さっすが天海ちゃん! オレたちにできないことを平然とやってのける、そこに痺れる憧れるぅ↗︎ ぅ↘︎ ぅ !」
「当然カットしてもらえるんですよね?」
「はい、キチンとカットしておきますからご安心ください。私様に任せていれば万事成功するのよ!」

(世に出さないとは言っていない)


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