ブラック・ブレット 《禍のハジマリ》 (蟠竜)
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ハジマリ
ある日ある時、小さな島国で
双子の女の子が産まれた
「まさか双子だとは。」
「私も驚いているわ。今まではこんな事一度も無かったから…
でも私達なら大丈夫だと思うの。
今は離れ離れにさせるかもしれないけれど、いつか二人が立派な大人になったら…家族みんなで暮らせる日が来るわ。」
「…そうだな。俺達なら乗り越えられる。
だがまずは目前の問題から片付けようか。名前の案が色々と狂ってしまったが…」
「そうね…やはりこの血筋の者に相応しい存在、皆を導く光、星のような存在になって欲しいから。
北斗七星から名前をとって
女の子らしさは余りないけれど、二人にはきちんと繋がっていて欲しいから…たとえ離れても。」
「君の愛が感じられる素敵な名前だと思うよ。それじゃ銀髪のお姫様が北斗で、漆髪のお姫様が七星だ!
北斗はいいとして、七星をどうするかだな。一緒に居させれば問題が起こることはわかっている。大人になるまで他の家に預けるかそれとも…
そうだ。君にも伝えていたと思うが、俺の研究が認められていくつかの国から資金援助をして貰えることになった。
それである山奥にある、今は無き村の跡地を買い取って、そこに大規模な研究施設を作ることにした。
…その村で七星を育てるのはどうだ?俺も施設のために何年かはその村に居なくてはならないし、研究所の家族も村に移り住む。
そんな環境ならば、亡くなった親戚の子供だという理由でも付ければ怪しまれることもないだろう。
俺の信頼している職員数人には正直に言おうと思うが、彼らも事情を説明すればきちんと分かってくれるはずだ。
村の名前も七星村にしようか!」
「それなら、貴方に会いに行くという理由で七星にも会えるわ。村の名前なんて、将来大きくなった時に恥ずかしいって怒られますよ?」
「それは怖いな!まぁ先ずは写真でも撮ろうか。これからの幸せな日々を願って。
撮ったらすぐに準備をしよう。菊之丞さんには奥さんから話が通った筈だし、君も皆に北斗の顔を見せないといけないだろう?」
「ええ…
すぐに会えなくなるのは寂しくなりますが、北斗は
「この身に代えても七星を、北斗と貴方を守ります。」
人々を導く星の様な存在になってほしいという願いから、
二人の少女
一人の少女はやがて
一人の少女は後に
聖天子でも人の子。途中わたくしになった所はあれです聖天子スイッチみたいな感じです。
あと赤ん坊は結構髪フサフサで産まれてきました。生えてます。
初投稿です。
秘密になっている情報以外は、自分で読んだ時の知識を元に書いていきますが、ここ原作と矛盾してない?とかあったらお知らせください。
更新不定期ですが宜しく!
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厄災の足音
励みになります。
天子というのは聖天子の打ち間違いではないです。そこら辺の理由はのちのち…
天子の家系から双子が産まれるーーー
この様な事実は天子の血筋が始まって以来確認されていない。
天子に兄弟がいたことはあったが全て男。
産まれる女はただ一人、
それこそが天子の血筋の証でもあった。
この双子は何か災いの元になるのではないか?
そんな考えを
己は
老い先短い我が身だが、存分に使って
「菊之丞。」
「こちらに。」
「車の手配はもうしてありますか?」
「はい。表にて待機させております。」
太子様がこの日本を代表する方々の一人であるのは周知の事実だ。
ご公務も多く、お忙しい日々を送っている。
そんな彼女にも休暇は必要だ。と言っても別に遊ぶ訳でもなく気が付けば書類の整理をしていたりと、我が主ながらとても真面目な御方だと思ってしまう。
そんな月に3日の休日の過ごし方が変わった。
とある村に出掛けるようになったのだ。
たった3日だが、休暇が近づくと太子様と北斗様の瞳がとても輝いて見える。
短い家族団欒であるが、我々役人は出来るだけ長く太子様方が共に居られるように事前に用意し、動く。
「いつもありがとうございますね。」
もしかすると二十代だと言っても疑われないような、その美貌に我々役人は惚れているのかもしれない。そんな事を考えていると廊下の先に純白のドレス姿が佇んでいるのに気が付く。
「おばあ様!」
太子様の後ろから北斗様が飛び出してくる。
「あらまあ北斗。そんなに急ぐと転んでしまいますわよ?」
北斗様を抱き締めて笑っていらっしゃるのは現在の日本の象徴、天子その人である。
自分とそう変わらないお歳でありながら、その衰えない美貌と気品は感動を覚える程だ。まあ少々
「菊之丞、今何か失礼な事を考えているでしょう。」
勘も良いから侮れない。
「いえ、全く。移動ルートを考えておりました。」
「ふふっ…まあいいわ。菊之丞、2人を宜しくお願いしますね。後これは七星達へのお土産。いってらっしゃい!向こうの方々にも宜しくお伝え下さい。」
北斗様達が産まれてから、自分は天子様たってのお願いで太子様付きとなった。
それから3年
厄災は確実に近づいていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
七星村は飛騨高山の山中にひっそりとあった。
見た目は閑散とした村だが、その
「あなた!」
太子様がドレスを翻しながら抱きつく、
「おっと!一ヶ月ぶりだねお姫様。元気だったかい?」
「なーなーほーしー!!」
「おねーさまーー!!」
こちらでも熱い抱擁がはじまる。
「遠い所お疲れ様でした。」
そう言ってタオルを差し出してきたのは、七星様のお世話をしている我が妻、天童
「ありがとう。そちらは変わりないか?」
「そうですね…七星様がなかなか外に出て遊んで下さらないのと、健吾様の食生活の乱れが悩みの種、でしょうか。」
沙羅が柔らかな笑みを浮かべる。
「あなたの方は?」
「特に変わったことはないが、色々と土産などを持ってきた。こちらは天子様より預かったものだ。」
「まあ!美味しそうなクッキーですこと。今お茶を
見ればお姫様方はまだくっ付いている。
「北斗様、七星様。そんなにくっ付いていて苦しくないのですか?」
「苦しくないよ!」
「あったかいの!」
「お姉さまはいい匂いがする!」
「七星のほっぺたすべすべなの!」
この調子では帰る時は大変になるだろう。
先月、泣き喚く北斗様を車に乗せ、太子様が涙と鼻水で汚れた彼女のお顔を吹いていたのを思い出し
菊之丞は小さく苦笑した。
ちょくちょく微オリ設定ありますがご了承ください。
なんだか勘の良い人なら流れが分かってそうで怖いです笑
ちなみに太子様とは皇太子様のような立場です。天子様の娘で次期天子様ですね。
質問感想なんでもお待ちしております!
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苦しみの讃歌
3歳児ってどのくらい喋るんだ…!?
紅茶の香りが鼻腔をくすぐる。
やはり沙羅さんの淹れる紅茶は格別だ。
「
俺の肩に寄りかかり、頬を膨らませているのは日の本一の美女と名高い
こんな所を一般人、ましてや彼女の熱烈なファンの方に見られたら、ひ弱な俺は一瞬で殺されてしまうだろう。
「失礼しました太子さ…あいたっ!」
鋭いデコピンが飛んできた。
「…ごめんって
今の彼女はこの国を担う太子様ではない。俺の妻であり北斗と七星の母、深冬なのだ。
俺が太子様と呼ぶと凄く怒る。フグみたいに頬を膨らませて…
迫力があると言うよりただただ可愛いだけなのだが、怒る。
あと超がつくほど甘えん坊だ。
「ですから…北斗が本当に可愛くて!背筋をピーンと伸ばして正座して『お母さまみたいな“しゅくじょ”になるの!』って言うのですよ!もう天使!!」
…親バカでもある。
「それを言うなら七星だって、『お父さま!今日は七星がご飯作る!』ってカップ麺に卵とか乗せてくれて…
な、七星のご飯はきちんと作ってるぞ?
…主に沙羅さんが。」
「沙羅さんが健ちゃんの食事の栄養バランスについて頭を悩ませていましたよ。」
「だって研究してるんだから仕方ないだろ…」
2人で睨み合っていると可愛い妖怪がやって来た。
「おとーさまー」
「おかーさまー」
妖怪くっつき虫である。
「よーし北斗!お父さんが抱き締めてあげ…なんで深冬のほうに行くんだ?!」
「だってだってお父さまの
「そーだそーだ」
「今日は剃ってあるぞ。」
「じゃあ褒めてあげる!」
北斗を抱き上げながら、その尊大な言い方に苦笑する。
住んでいるところがところだからなあ〜将来お堅すぎる子になって苦労しそうだ。
「そう言えば今日はね、七星にプレゼントを持ってきたんです。」
「プレゼント?」
「そう。菊之丞さん、持ってきて頂ける?」
菊之丞さんが車から取ってきたのは、赤と青の三輪車だった。
「なあに?これ」
「これはね!さんりんしゃだよ。見ててね〜」
北斗が青い三輪車で周りを走り始めた。
どうやら七星に教える為に練習してきたようだ。七星は目をキラキラさせながら笑っている。
「お姉さますごーい!!七星もやる!」
お姫様方はすっかりプレゼントに夢中になった。
「ありがとうな。深冬」
「どういたしまして。ところで
「ああ…」
あれ、とは俺の研究のことだ。
その研究は俺が、否
まだ本題に入らないのか!という方いると思います。
すみません。色々と、色々とあるのでね?
今のうちにほのぼの成分を入れたいんです!!
それではまた。
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