IS:織斑家の長男 (ロック・ハーベリオン)
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原作開始前
よくあるプロローグ


思いついたから描いてみた
反省はなくとも後悔は宇宙規模である


俺は死んだ

そう、死んだはずだった

しかし、次に目にしたのは真っ白な空間だった

ああ、ここが天国かと思っていたら

 

「本っっっ当に申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁ!!!」

 

「はいぃぃぃ!?」

 

急にジャンピング土下座をしてきた人が

 

「お願いですぅぅ。許してくださいぃぃ」

 

「え、は、いや」

 

どゆことよ、これ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと、落ち着きました?」

 

「はい、グスッすみませんグスッ」

 

「えっと、それで?」

 

「グスッ、はい、あなたは死にました。すみません」

 

「いや、たしかに死んだけど」

 

「ごめんなさい、こちらのミスなんです」

 

「えっ?」

 

「つまり・・・」

 

えー、話を聞くとこの泣きながら謝ってきた人は天国で人生を管理する方だそうで間違えて俺の人生を書いた紙を破いてしまい、その影響で俺の人生はなくなり死んだと

 

「えー、何このテンプレてきな展開」

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

「ああもう、やってしまったことは仕方ないですよ」

 

「許してくれるんですか!ありがとうございます!!!」

 

まあ、すぎたことをいつまで言っても仕方ないしな

 

「で、この場合俺は天国に行くのか?」

 

「いえ、天界条例第105条に従いあなたはもう一度このまま新たな人生を過ごさないといけません。ただ、違う世界線にしか行けないので」

 

「あー、俗に言う転生と」

 

「はい、ただ知識や経験などはそのままですが前の記憶などは曖昧になります」

 

「原作知識はあるけど前世は曖昧しか思い出せないと」

 

「そういうことです」

 

「おk、把握した。で、どこに転生するの?」

 

「ええと、このくじ引きで決めることになります」

 

そう言ってどこからともなくでっかい箱を出した

 

「おう、どこから出したの、これ」

 

「細かいとこは突っ込んじゃだめですよ」

 

「あ、はい」

 

「さあ、どうぞ」

 

いや、どうぞと言われても

はあ、引きますか

マシな世界線がいいが

 

「どりゃぁぁぁ!」

 

さあ、引いてくじは

 

 

【インフィニット・ストラトス】

 

「まじかよ・・・」

 

IS時空かよ

女尊男卑の世界かよ

あぁぁんまりだぁぁぁぁ

 

「これさ、原作キャラとの関わりは」

 

「あ、そこら辺はランダムです」

 

「まじかよ」

 

「さ、次は特典ですよ」

 

そう言って今度は三つ箱を出した

 

「それぞれから一つ選んでくださいね」

 

「ええい、ままよ」

 

一つ目【エクストルーパーズ】

 

「・・・どゆこと」

 

「ええと、これはエクストルーパーズの技術や知識ということですね。さあ、次を」

 

二つ目【完全記憶能力】

 

「これはあれか1度見たら忘れないってやつか」

 

「その通りですね。最後をどうぞ!」

 

三つ目【料理】

 

「なんか最後地味だな!」

 

「まあ、いいじゃないですか。それでは楽しい人生を!!」

 

彼?彼女?がそう言った瞬間強烈な光が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、千冬。あなたの弟よ」

 

「おとうと?」

 

「そう、弟の

 

 

 

 

 

 

 

春也(はるや)よ」

 

 

 

 

 



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これが修羅場への第一歩(弟限定)

俺の名前は織斑春也(おりむらはるや)

俗に言う転生者だ

前世は思い出せないが、まあいいだろう

思い出せないものは仕方がない

現在歳は10歳

小学4年生

家族は6歳上の姉と3歳下の弟がいる

両親は大量の貯金を残して蒸発した

好きなのは楽しいこと

嫌いなのはつまらないこととめんどいこととごく一部を除く馬鹿なやつら

将来の夢はチートを使って小さなカフェを開くこと

まあ、俺のことはこのくらいでいいだろう

というか、何で自己紹介してるんだ?

 

閑話休題

 

それよりもまさか織斑家に転生するとは思わんかった

しかも一夏の兄として

・・・これさどう考えても原作介入フラグだよな

はあ、どうするかな

 

「つーか、あいつ遅くね?」

 

今俺は学校の下駄箱の前で弟の一夏を待っている

今日は掃除当番って言ってからその影響か?

 

「仕方ねーな。あいつの教室行ってみるか」

 

少年移動中・・・

 

 

 

「ん?なんだ?」

 

なんか一夏の教室から声が

 

「一夏!男女庇うからにはお前ら夫婦だろ!」

 

「そうだ、そうだ!」

 

「夫婦だ!夫婦だ!」

 

うわぁ、典型的ないじめっ子と取り巻きだ…

いるんだ、こういうの…初めて見たわ…

 

「てめぇら!ふざけんじゃねぇぞ!篠ノ之に謝りやがれ!」

 

そう言っていじめっ子の胸ぐらを掴みあげる我が弟、一夏

それを若干ポカーンとしながら見ているヒロイン1号の篠ノ之箒

あっ、これモッピーヒロイン化イベントか

 

「なっ、なんだよ一夏。男女を男女なんて言って何が悪い!」

 

「っ!ふざけるなっ!」

 

はい、ストップ

一夏の振り上げた手を掴み止める

 

「なっ!?って春兄!?なんで!?」

 

「るせぇぞ、バカ、いやバ夏。正当防衛でもないのに暴力なんざ振るうな」

 

「でも!!」

 

「でももへちまもねー。ほら、さっさと帰るぞ」

 

「くっ!」

 

おいこら、バ夏

あまりそいつらを睨むな

 

「へい、ざまーみろ!怒られてやんの!」

 

「「やーい、やーい」」

 

ほら見ろ、調子に乗り出しやがった

それにしてもうっぜぇ、イラッとするわこれ

ちょっとばっかしお灸をすえますか

 

「おい、ガキども」

 

「「「ひゃい!?」」」

 

「あまり調子のってんじゃねーぞ…。殺されたいか?あぁぁん?」

 

殺気を軽くのせてドスの効いた声で言うのが脅す時のコツです

 

「今度こんなことしてみろ…。潰すぞ…」

 

「「「ひぃぃぃ!!」」」

 

「わかったらさっさと帰れ…」

 

「「「はいぃぃぃ!!」」」ドタバタ

 

ふうー、スッとしたぜぇ

 

「春兄、やりすぎじゃ」

 

「暴力は振ってないから問題ないだろ」

 

「えー」

 

「それより後ろにいるやつに構ったれ」

 

「あっ!篠ノ之!大丈夫か!」

 

「…はっ!あ、ああ、大丈夫だ。すまんな織斑」

 

「一夏でいいぜ!織斑だと千冬姉と春兄が同じだし」

 

「なら、私も箒でかまわない」

 

…やっぱりフラグが立ってるし

モッピー顔赤くなってるし

それに気づかないうちの愚弟

さすがです

 

「おい、さっさと行くぞ。今日お前剣道の日だろ、一夏」

 

「あっ、そうだった!じゃあ、箒、後でな」

 

「ああ」

 

やれやれ、やっと帰れるわ

 

 

・一夏side・

 

今日は掃除当番だった

さっさと終わらせて掃除道具を片づけていたら

 

「見ろよ、こいつ。また、木刀持ってきてるぜ。やっぱ男女だわ」

 

「…木刀ではない。竹刀だ」

 

いじめか?

っていじめられてるの篠ノ之か

とりあえず見過ごせねぇ

 

「おい、やめとけよ」

 

「なんだよ、織斑。男女を庇うのか?」

 

「だから、やめたげろって言ってるだろ。それと篠ノ之に謝れ。失礼だろ!」

 

「一夏!男女庇うからにはお前ら夫婦だろ!」

 

「そうだ、そうだ!」

 

「夫婦だ!夫婦だ!」

 

「てめぇら!ふざけんじゃねぇぞ!篠ノ之に謝りやがれ!」

 

「なっ、なんだよ一夏。男女を男女なんて言って何が悪い!」

 

「っ!ふざけるなっ!」

 

こいつ、また篠ノ之のこと男女って言いやがった

もう限界だ

俺がキレて腕をあげて殴ろうとしたら振り上げた腕を掴まれた

 

「なっ!?って春兄!?なんで!?」

 

腕を掴んだのは春兄だった

 

「るせぇぞ、バカ、いやバ夏。正当防衛でもないのに暴力なんざ振るうな」

 

「でも!!」

 

「でももへちまもねー。ほら、さっさと帰るぞ」

 

「くっ!」

 

春兄に止められたから止めたが悔しくて睨んでしまった

 

「へい、ざまーみろ!怒られてやんの!」

 

「「やーい、やーい」」

 

「おい、ガキども」

 

「「「ひゃい!?」」」

 

あっ、まずいかも

 

「あまり調子のってんじゃねーぞ…。殺されたいか?あぁぁん?」

 

春兄は怒る時言葉使いが荒くなる

しかも今回は結構怒ってる

あれ、若干寒気が

というか春兄から少しだけ火花みたいな光が出てるんだけど

 

「今度こんなことしてみろ…。潰すぞ…」

 

「「「ひぃぃぃ!!」」」

 

「わかったらさっさと帰れ…」

 

「「「はいぃぃぃ!!」」」ドタバタ

 

…あの3人は正面から春兄を見てた

なんか、うん、同情するよ

いじめっ子だけど

 

「春兄、やりすぎじゃ」

 

「暴力は振ってないから問題ないだろ」

 

「えー」

 

「それより後ろにいるやつに構ったれ」

 

「あっ!篠ノ之!大丈夫か!」

 

主に春兄のせいで

 

「…はっ!あ、ああ、大丈夫だ。すまんな織斑」

 

「一夏でいいぜ!織斑だと千冬姉と春兄が同じだし」

 

「なら、私も箒でかまわない」

 

お?なんか打ち解けたかな?

箒、道場だと近寄りがたかったからな

 

「おい、さっさと行くぞ。今日お前剣道の日だろ、一夏」

 

「あっ、そうだった!じゃあ、箒、後でな」

 

「ああ」

 

ヤベッ、これ完全に遅刻だ

柳韻先生と千冬姉に怒られる!

 

・箒side・

 

また言われた

よくもまあ飽きもせずにくるものだ

しかし今日は違った

千冬さんの弟が間に入ってきたのだ

たしか一夏と言ったか

初めはどうしてと思った

道場でもあまり話をしないのに

でも嬉しいと思ってしまった

私のために怒ってくれることが

それでもいじめっ子はやめなかった

織斑は殴ろうとしたが学年が上の人が来て止めた

春兄と言ったか

兄ということは千冬さんのもうひとりの弟なのだろう

しかし奴らは織斑が怒られたことで調子に乗ったのだろう

彼がきれた

寒気がした

本能が危険と示しているような

その後織斑、いや、一夏が声をかけてくれたことで持ち直した

一夏に名前を呼ばれるとなんだか顔が熱くなる

これはいったい?

ともかく私も帰らなければ

父さんに怒られてしまうな

 



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大天災と会った日

サブタイがいいの思いつかなかった・・・
適当だけと問題ないよね?


案の定帰りが遅くなったため既に姉貴は篠ノ之神社に行ってしまったようだ

そのため一夏を俺が送る羽目になってしまった

 

「ちっ。めんどくせぇ」

 

「春兄!早く!」

 

「わーたよ。たくっ」

 

俺は自分の手首についているブレスレット型の装置の起動させる

これはエクストルーパーズの技術であるハーモナイザーである

これはT-ENG(サーマルエナジー)というエネルギーを体内に浸透、循環させることにより驚異的な身体回復能力を持たせるものである

さらにこのT-ENGを一定期間体内に循環させているとEX-T(エクスサーマル)という驚異的なパワーを持つエネルギーが身体に生まれる

俺のつけているハーモナイザーは改良版である

T-ENGを常に浸透、循環させ、さらにEX-Tを制御するものである

まだ試作品のためたまに自身のEX-Tが漏れたりするが

しかしT-ENGは原作では惑星に住む原生生物AK(エイクリッド)から獲得できるエネルギーである

なら、俺はどうやってT-ENGを浸透させているか…

それはこの地球にはT-ENGが溢れかえっているからである

何故かこの地球にはAKなしでT-ENGが溢れている

しかし今現在はT-ENGは俺しか知らないものであるしハーモナイザーがない限りEX-Tに目覚めることもない

まあ、数年もすればどこぞの天災が発見するかもしれんが…

そんなことは置いといて俺はハーモナイザーを少しだけ解放しEX-Tを身体に行き渡らせ身体能力を上げた

理由?

篠ノ之神社に行くのに長ったらしい階段をクソ真面目に登るのが嫌だったからだが

 

「よっ、ほっ、はっ」

 

「ちょ、春兄!早いって」

 

「知るか。さっさと走ってこい」

 

「つーか、どうやって階段ぴょんぴょん飛んでるんだよ…」

 

「自分で考えろ、バ夏」

 

それにしてもやっと見えてきた

篠ノ之神社

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅かったな、春也」

 

「悪ぃな、姉貴。ちとバ夏がトラブってたもんでな」

 

道場の方に行くと姉貴が竹刀を持って素振りしていた

 

「そうか。まあ、あいつのことだ。大丈夫なんだろ?」

 

「そう簡単にくたばる様な奴でないことは俺らがよく知ってるだろ」

 

「ふっ、そうだな」

 

素振りしながら微笑み、答える姉貴はイケメンすぎた

…これだから女の方に良くモテるだろな

 

「春也、今度余計なことを考えたらわかってるな」

 

「へいへい」

 

相変わらず察しがいいことで

おっ、一夏がやっと来たか

 

「ぜぇぜぇ、つ、着いた」

 

「遅かったな、一夏。さっさと着替えてこい!遅刻した分厳しく行くぞ」

 

「げぇ、そりゃねぇぜ、千冬姉」

 

「やれやれ。それじゃ、姉貴、俺は帰るぞ」

 

「待て、春也。1本だけ付き合え」

 

「はぁ?俺は剣道はやんねぇぞ」

 

そう、俺は織斑家の中で唯一篠ノ之神社に通ってない男だ

理由は剣道はしょうに合わんからだ

クソ真面目な剣道なんてひねくれ者の俺ができるわけないだろ?

まあ、EX-Tのおかげで剣術はできるがそれも我流の適当なやつだからな

使える手はなんでも使うのが俺だし

ほら、どこぞの究極生物も言っていたじゃん

最終的に勝てばよかろうなのだぁぁぁ!って

 

「お前のやり方でいい。お前には真っ当な勝負など求めても無駄だからな」

 

「やれやれ…。1本だけだぜ」

 

「ああ」

 

そう言って俺は壁に立てかけてあった竹刀を持つ

そしてハーモナイザーを起動させる

ハーモナイザーの本来の機能によりT-ENGが身体に浸透していく

そしてそれがEX-Tへと変換され身体能力を極限まで上げていく

ちなみにEX-Tを限界以上扱うことも出来るがそれはしない

流石にそれをしたらチートすぎるからな

まあ、今の姉貴ならこのくらいでいいだろうが…

 

「やはりそれを使うか」

 

「使えるものは使うのが俺だからな」

 

姉貴にはEX-Tのことをほんの少しだけ言ってある

まあ、人にある力を最大限かつ安全に引き出すもの的な感じで伝えてるが

 

そして俺は姉貴の前に立つ

竹刀を片手で持ち、脱力した状態で

姉貴は剣道の構えをしている

 

「行くぞ」

 

「ああ」

 

姉貴が踏み込んでくる

一般人から見たら神速のような速さで

しかし俺には見える

 

「はあ!」

 

上からの振り下ろし

俺はそれを竹刀で受け流し、横に移動する

姉貴は俺を追いかけるように回転をし、横払いに振るう

俺はそれを後ろに下がり避ける

 

「ちっ」

 

攻めきれてないからかイラつきから舌打ちをする姉貴

俺はそれを見て口角少しだけ上げた

 

「ふっ」

 

「っ!」

 

姿勢を低くしての突進

姉貴はそれに対応しようと方竹割りの用量で竹刀を振り下ろす

それを見た俺は体を捻り、それを避ける

その勢いのまま持っていた竹刀を振るう

 

バシッといい音がした

 

「胴、1本だな」

 

「ああ、ふっ、また負けたか。私もまだまだだな」

 

「いや、素の身体能力でついてこれるあんたがおかしい」

 

実際そうなのだ

身体能力を俺が出せる通常の限界まで底上げしているのに姉貴は素の能力でついてくるのだから

EX-T無しだと俺は姉貴には勝てない、絶対に

 

「そうか?」

 

姉貴は姉貴でポンコツなところがあるよな

家事もできないし

おっと、余計なことは考えないようにしないと

 

「一夏がもう来るだろ。俺は帰る」

 

「ああ、付き合わせて悪かったな」

 

「へいへい」

 

そう言って俺は道場を出ようとしたが

 

「久しぶりだな、春也くん」

 

「ん?なんだ柳韻さんですか。お久しぶりです。姉貴と弟がお世話になってます」

 

篠ノ之柳韻

篠ノ之家の大黒柱にして道場の主

俺ら織斑家の身元責任者になっているため本当にお世話になっている方である

 

「ああ、それにしても珍しいな。君が来るなんて。一夏君の付き添いかな」

 

「ええ、あのバ夏が遅れたせいで」

 

「そうか。春也くん、やはり」

 

「悪いっすけどやっぱり俺は剣道はしませんよ。ひねくれ者の俺には合わないですから」

 

柳韻さん自体はとてもいい人なのだが俺が強いからと言って自分の門下生にしようとしてくる

 

「そうか…。まあ、無理には誘わない。やりたくなったら来るといい」

 

「そうさせてもらいます。んじゃ、お邪魔しました」

 

今度こそ俺は帰路に着いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家の近くに来たがなんか気配がする

まあ、予想はつくが

 

「出てこいよ、兎。バレバレだぞ」

 

返事がないただの屍のry

そうか、出てこないなら

 

「さっさと出てこないと姉貴に言「や〜、や〜、初めましてかな、はーくん」そんなに嫌か」

 

どこからともなく現れたのは自称大天災の篠ノ之束

まためんどくせぇやつに絡まれたな

 

「で、何のようだ。姉貴や一夏から話には聞いていたがこうして会うのは初めてだからな」

 

「んー、初めはちーちゃんの弟だからそのうち顔を合わせには行こうと思ってたけどいろいろ見てたら気が変わったよ。その腕輪のことや今日の学校で君から出てた光とか色々と聞きたいことがあるからねぇ」

 

やはりな

なんかたまに視線を感じるのに気配を感じないと思っていたら案の定か

つーか、学校で俺から出た光?

あれか、キレた時にEX-T覚醒状態になってたのか

あれは感情の起伏で起こりやすいからな

帰ったらハーモナイザー改良して制御できるようにしないと

それよりも

 

「一ついいか」

 

「ん?いいよー!はーくんなら私のスリーサイズも教えてあげるよー」

 

「どうでもいいわ。それよりもこれが聞きたいと言っていたな?」

 

そう言って俺はハーモナイザーを見せる

 

EXACTLY(その通り)!この束さんでも解析できないものがあるなんて思わなかったよ。さあ、それを教えるのだ!」

 

「はぁー、やれやれだぜ」

 

しかし、タイミング的にはいいのかもしれない

そろそろ俺ひとりじゃ改良に手間どってたしな

 

「まあ、いいだろう。だが、あんたにも教えてもらうぞ、篠ノ之束」

 

「ん?いいよー。何が聞きたいの?」

 

「あんたの開発しているマルチフォーマットスーツ、IS(インフィニット・ストラトス)について洗いざらい話せ。コアの開発方法、シールドバリアや絶対防御、量子変換技術、そしてなぜ開発したか、全て話せば教えてやる。これについても、それ以上のものも」

 

「…なんでISについて知っている」

 

おー、怖い怖い(棒)

 

「はっ、覗き見はあんただけの専売特許じゃないんだよ、兎」

 

正しくは原作知識だが

 

「知ってどうするつもり。ふざけた理由ならいくらちーちゃんの弟でも消すよ」

 

「それはあんた次第だ。開発者の元々の目的を蔑ろにするほど俺は腐っちゃいない」

 

「・・・」

 

「さあ、どうする、兎」

 

「…いいよ。仮にもちーちゃんの弟だし。ただ、先にそれについて話して欲しいかな」

 

「…いいぜ、ついてこい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・織斑家1階春也の部屋・

 

兎を連れて俺の部屋まできた

 

「先に言っておく。ここから先は誰にも話してない場所だ。姉貴にもな。だから」

 

「オッケーオッケー。つまり、ちーちゃんにも言っちゃだめってことね!」

 

「ああ。さて」

 

俺は自分の机の裏にあるボタンを押す

ちなみにこのボタンはEX-Tで人を判別するもので登録者以外には反応しない

そして床が空き、地下へと続く階段が現れる

 

「案内してやろう、俺の研究所に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・春也の研究所・

 

「とりま、歩きながら話してやろう。この腕輪について」

 

そうして俺はハーモナイザーとT-ENG、そしてEX-Tについて束に話した

 

「まあ、見つけたのは偶然だった。見つけたというよりはたまたま見えたと言った方が正しいかもしれんが」

 

「へー、面白いね!こりゃ束さんの研究意欲にドンピシャなものだよ。この壁とかもT-ENG使ってるの?」

 

「正確にはハーモナイザーやEX-Tを運用するためのものの副産物だがな」

 

うん、間違っちゃいないよな

チート(エクストルーパーズ)にあった技術のおまけみたいなものだからな

ちなみに壁はテックベースのものを採用している

 

「ここだ」

 

若干長い通路の先には扉があった

ここから先が本格的な研究室だ

 

「兎、あんたにはこっち(ハーモナイザー)なんかよりも見せたいものがある。ただ、ここから先を見るにはあんたに一つ答えて貰う必要がある」

 

「ん?何かな?」

 

「何の為にISを作ったか、答えてもらう。しょうもない理由ならここから先には行かせられないぞ」

 

「いいよ、答えてあげる。束さんは、私は宇宙について知りたいの。地球よりも面白そうだし。宇宙を見てみたい。ちーちゃんや箒ちゃん、いっくんたちと宇宙(そら)を飛んでみたいんだよ。勿論はーくんともね。まさか地球にこんなとんでもエネルギーがあるとは思わなかったけど」

 

今のこいつは嘘を言ってはいなかった

真っ直ぐな目をしていた

宇宙に魅了された兎

そんな

 

「そんなあんただからこそこれを見てほしい」

 

「?」

 

「入れ」

 

扉を開け、束を中に入れる

そこは真っ暗な部屋だった

 

「ウィズ、明かりを」

 

「了解しました」

 

「え?何これ?」

 

目の前に出てきた人型のホログラム

これは

「ここの管理AI『W.I.Z-β(ウィズ-ベータ

)』通称ウィズだ」

 

「β?てことはαも?」

 

「ああ、あるにはある。今は研究所の管理じゃなくてネットワークの監視をしてもらっているが」

 

「明かりつきます」

 

部屋が明るくなる

そこには

 

「なに、これ…」

 

「宇宙開発用バイタルスーツ通称VS(ブイエス)。その最新機、ウッドベルネクストだ。まあ、ウットベルネクストはコードネームだかな。俺はギンギラと呼んでいる」

 

「ギンギラ…」

 

「さっきも言ったがこいつは宇宙開発用だ。つまり、ISと似通ったものでもある。まあ、こいつはEX-Tで動くものだがな」

 

「俺は特に宇宙に興味はない。そこらでカフェでも開いて静かにすごすほうが理想的だ。ただ、こいつを作ったからには空を飛んではみたいがな」

 

「…だからISの技術を?」

 

「ああ、あんたはいずれISを表に出すだろう?でもな、俺はVSを表に出す気はさらさらない。だがな、いずれ出さないといけない時が来る、絶対にな。その時、こいつをISの一種と誤魔化すためにも知りたい」

 

「…いいよ、教えてあげる。何から何までね」

 

「…恩に着る」

 

「ただ束さんにもいろいろとやらせてほしいかな?こんな面白いもの見逃さない手前はないし」

 

「最初からそのつもりだ。正直、これ以上は俺ひとりじゃ限界でな。そのうちあんたには手伝いを頼もうとは思ってた」

 

「オッケーオッケー。まかせてちょうだい!あ、そのかわり束さんの手伝いもはーくんにはしてもらうからね!」

 

「できる限りな。ウィズ!」

 

「お呼びでしょうか」

 

「束さんにいろいろ教えたれ。現状わかっている資料全て開示して構わない」

 

「了解しました。束様、こちらへ」

 

「はいはいー、今行くよー」

 

これで大天災には認められたしISの技術も手に入れることが出来た

あとは

 

「亡霊の動きを気にしておかないとな」



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マッチポンプなテロ行為

さて、束さんに色々教えたり、教えてもらったりして一月ほどたった

俺は一月で束さんの技術をほとんど記憶した

束さん曰く

 

「いやー、はーくんも私ほどじゃないけど天才だね〜。教えたこと全部覚えてるんだもん」

 

と言っていたが、束さん、俺は天才ではなくチーターなだけだからな

まあ、そんなこんなで束さんの手を借りながらエクストルーパーズの技術を一新することができた

さらにはISとVSを合わせたIVSを設計した

まあ、設計図だけだがな

だがギンギラはIVSとして改良している

他にも原作にはない機能をつけたりもした

それにしてもギンギラに搭載したISコアの人格が元々ギンギラにあったAIと統合されて同じになるとは

あ、ちなみにギンギラのISコアは俺が作ったものだから

コアNo.000だから

後、俺の作ったコアはコアネットワークには繋がってない

そのせいか男でも動かせるコアになっている

まあ、セーフティロックかけて俺か俺が許可したやつにしか反応しないようにしてあるが

 

 

そして先日、ついに束さんがISを発表したが

 

「あー!もう!むかつく!あの有象無象ども!」

 

「落ち着け、兎。こうなることは予想できた事だろ」

 

「だからってこの大天災の束さんだよ!本っ当にむかつく!」

 

テレビ電話で話しているが原作通り小娘が作ったものなんて認められるわけがなく束さんはムカチャカになっていた

 

「認めないのはまだマシだよ!それよりもISの技術を一部盗んで自分で開発しましたみたいにするなんて!」

 

「…まあ、仕方ないさ」

 

「こうなったら!!」

 

そう言って束さんはキーボードをたたいていく

 

「ん?おい!?兎!!何してやがる!?」

 

「ふふふふ、ISの凄さ見せて上げようじゃん!」

 

「おい!?話を聞け!!ちっ、ウィズ!!」

 

「お呼びでしょうか」

 

「兎が何してるか探れ!」

 

「了解しました。ハック開始。解析中…。解析完了。束様は世界各国のミサイル管制装置をハックしています。目標は日本首相官邸」

 

ミサイル…目標は日本…ISの凄さ…

白騎士事件かよ!?

自暴自棄なってやらかしたのかよ!?

 

「くそ!やりやがった!あのだ兎!ウィズαいるか!?」

 

「お呼びでしょうか」

 

キリッとしたβと違い、おっとりとした感じのウィズ、αが、出てきた

 

「各国の首相官邸の様子を探れ!βはミサイルを抑えろ!」

 

「了解しました」

 

「了解…。…マスター、申し訳ございません。既に発射体制になっております。抑えることは不可能です」

 

「くそったれ!!!!」

 

「フハハハハ!見るがいい!世の中の有象無象ども!これがISだ!!」

 

「兎!!いい加減目ぇ覚ましやがれ!!」

 

「ハハハハハハ!!!」

 

「ちっ!」

 

完全に正気を失ってやがる!

かと言ってギンギラは今は調整中だから出せない

 

「マスター、各国首相官邸はパニック状態です!」

 

「だろうな。ご自慢のシステムが簡単にハッキングされればそうなるさ!」

 

仕方ねぇ

 

「βはミサイルの発射時間伸ばすなりなんなりしてサポート!α!姉貴に連絡を入れろ!俺は兎のとこに向かう!」

 

「了解」「了解しました」

 

そうして俺はヘッドホンマイクをつけたまま外に向かって走り出す

勿論改良したハーモナイザーも起動させる

姉貴は今、剣道の帰りか?

ともかくでてくれ!

 

「もしもし、春也か?」

 

「姉貴!」

 

「大声出すな。どうした?」

 

「兎がやりやがった!ISを認めないからってミサイルを日本にぶっぱなしやがった!」

 

「なっ!?あのバカは!というか何でお前が知っている!?」

 

「その話は後だ!兎のとこに急いでくれ!日本が壊滅するぞ!!」

 

「ちっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「束!」「兎!」

 

俺と姉貴は束さんの研究室に駆け込んだ

 

「はーくん!!ちーちゃん!!どうしよう!!私ついキレちゃって」

 

「このバカが!お前はいつもいつも面倒事を持ってくる」

 

「姉貴!兎を叱るのは後だ!兎!白騎士は動くか!?」

 

「えっ?あ、うん!大丈夫だよ!」

 

「なら、姉貴、乗れ!」

 

「わ、私か?」

 

「兎や俺よりも姉貴の方がIS適性が高い!だから早く!」

 

そう、前にこっそり調べたが姉貴の適性はSなのだ

流石未来のブリュンヒルデ

ちなみに普通のコアに対する俺の適性はない

俺が作ったコアだとSだけどな

 

「いつ調べたかは後で聞かせてもらうからな。束、早く案内しろ!」

 

「う、うん。こっちだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして姉貴は白騎士を纏い出撃した

俺と束さんは研究所でサポートにまわっているが

 

「流石としか言えねぇな」

 

「流石ちーちゃん♪私たちに出来ない事を平然とやってのける♪そこにシビれる、憧れる〜♪」

 

やっぱりうちの姉はチートだった

だってほぼサポート無しでミサイル落としてるんだぞ

これをチートと言わずしてなんという

 

「ウィズ、戦闘データは?」

 

「取れています。今お見せしましょうか?」

 

βにはミサイルを抑えることから姉貴のデータ取りの方にまわってもらっている

 

「いや、事が片付いてからでいい」

 

「マスター」

 

「どうした、α?」

 

「各国がISを捉えようとしていますがいかが致しましょう?」

 

「だそうだが、どうする、兎?」

 

「そりゃ勿論、ちーちゃんに任せよう♪」

 

『…束、私に放り投げるな。ミサイルは迎撃し終わったから逃げるぞ』

 

「そうはいかないみたいだぞ、姉貴」

 

『?どういう』

 

「マスター、千冬様、在日米軍が既にスクランブルしています」

 

「ということだ。死者だけは出すなよ、姉貴」

 

『はぁ、これだからお前に付き合うのは疲れるんだ、束』

 

「えっ、私のせい?」

 

「ともかく頼んだぜ、姉貴」

 

『ああ』

 

そして白騎士は次々と戦闘機を落としていく

死者は出さずに

 

「さて、兎、話をしようか」

 

「何?はーくん」

 

「こんなことになった以上ISはこれから兵器として見られるだろう。しかも女にしか動かせない兵器だ。世界は変わっていくだろうな。勿論、お前の周りの環境も。兎、これからどうする?」

 

「…とりあえず最低限の備えはしていこうと思うよ。これからどうなるかはわからないけど。でも、多分雲隠れするかな。私にしかコアは作れないからいろんなとこから作れって言われるだろうし。あ、はーくんも作れるか」

 

「…まあ、現状がわかっているならいい。俺もできる限りは手を貸そう」

 

「ありがとね、はーくん」

 

『束、春也、終わったぞ』

 

「りょーかい。ルートを指定するから光学迷彩使って帰ってきてくれ」

 

『わかった』

 

さて、これからが大変だな

世界は変わっていく

ISによって

俺も動き始めないとな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、束さんはISを世界各国に向けてもう1度発表した

流石に白騎士の操縦者であった姉貴のことは伏せさせたが

世界はISを掌を裏返すようにすぐに認めた

そして束さんに研究所を提供し、コアを作らせ始めた

まあ、ひねくれ者の兎をそう簡単に扱える訳がなく、苦労したみたいだが

そしてこのミサイルを撃墜した事件を

 

【白騎士事件】という

 

しかし、世界は知らない

この事件にはもう1人のコアを作れる大天災の弟子が関わっていたことを、世界はまだ知らない



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色々とあったが俺は元気です

お久しぶりです
投稿が遅れて申し訳ありません
これからも頑張るので許してください
あ、ちょ、束さん?その手に持っているおい
≡Σ|8|◃:)₃アベシ!!


さて、あれから色々とあった

俺が中学校に入学した年、そう、一夏と箒が四年生になった年である

原作を知っている人ならわかると思うが重要人物保護プログラムにより篠ノ之家が引っ越しになったのだ

行き先は教えてはもらえない

というか柳韻さんですら教えてもらえないそうだ

流石日本政府

腐りきってやがるな

まあ、手荒な真似はしないだろう

調べたところによると(ウィズを使いました(´>∀<`)ゝ)更識が護衛につくみたいだし

束さんの怒りは買いたくないだろうし

それから束さんには引っ越す前に家族の前で土下座させた

そしてISを開発した目的も洗いざらい話させた

何も言わずに雲隠れするつもりだったみたいだがそうはさせない

束さんの説得は簡単だった

原作の箒の様子を五割増くらいで話したのだ

泣きながら「いぃぃぃやぁぁぁぁーーーー!!!!」って絶叫してたけど

ともかく柳韻さんは「それがお前の夢ならやってみろ!!」的なこと言われてた

箒は「それが姉さんの夢なら私は応援します」と言って束さんを泣かせてた

まあ、そんなこんなで原作よりはいい状態で篠ノ之一家と別れたと思う

そして一夏が5年生になった時遂にセカンド幼馴染、凰 鈴音(ファン リンイン)がやって来た

そしてうちのバ夏は速攻でフラグを立ててきやがった

全国の非リア充さん方、うちの愚弟が本当に申し訳ございません!

責任は取らせるんで許してやってください!

まあ、俺と凰はあまり関わりが無かったけどな

一夏に誘われて凰の中華屋に行くぐらいだったが

そしてこの頃当たりから女尊男卑が強まってきた

まあ、俺には関係ないな

気に入らないやつは無視しとけばいいし

 

さて、そろそろ俺自身が何をしていたのかを話しておこう

簡潔に言うと会社を立ち上げた

え?中学生が会社立ち上げるなんて不可能だって?

ヴァカモノがぁぁぁぁ!!

俺と束さんの技術は世界一ィィィィィィィィィィ!!

不可能など無いのだよォォォォォォォォォォ!!

…すまん、取り乱した

ともかく会社を立ち上げた

エクストルーパーズの技術やギンギラ、それから束さんの目的であるISによる宇宙進出の研究をするために隠れ蓑として立ち上げたのだ

名前はNEVEC(ネベック)

エクストルーパーズの企業連帯の名を借りた

最初は名ばかり企業のつもりだったのだが束さんがNEVECのことを知ったらまさかまさかの全面協力

僅か3年で大企業の地位を獲得したのだ

…なんかやりすぎた感がパない

因みに俺と束さんは基本的にNEVEC本社にはいない

新たに作ったウィズγに管理を任せ、ウィズ経由で俺や束さんが動くという形にしている

ああ、それからまだ言うことがあった

亡国機業(ファントムタスク)のことだ

ウィズ3人とも使って全力で調べたところ原作とはかなり違っていた

亡国の目的は宇宙への憧れ

未知なるエネルギーを平和のために使うことだったのだ

正直まじか!?と思ったね

だってあの亡国だぞ!

原作解離しすぎだろ!

つーか宇宙の未知なるエネルギーって何だよ!?

コズミックエナジーですか!?

…まあ、それは置いておこう

だが現実はそう甘くはない

亡国の中で新たな派閥が出来たようなのだ

未知なるエネルギーを使い、この世界を一新するだとか

そのためならどんな犠牲を払っても、だとさ

正直馬鹿じゃねと思った

亡国の本来の目的から離れてるからな

しかし新たな派閥には力があったようだ

旧亡国の幹部陣は殆ど殺され、残っているメンバーはバラバラになったようだ

そして俺はそこに目を付けた

即座に束さんに報告

旧亡国は宇宙に魅せられたという束さんと共通点があったためすぐにスカウト

今ではNEVECの会社員として働いている

まあ、普通に雇った奴らもいるが

 

そんなこんなで俺は中学卒業、一夏は小学校卒業となった

一夏はそのまま俺のいた中学校に行く

そして俺は…

 

 

 

 

「料理学校か…」

 

姉貴は俺の合格通知を見る

そこには合格、そして料理学校と書かれていた

 

「すまんな、姉貴。迷惑かける。前から言っていたが俺はカフェを開きたいんだ」

 

「ふっ、心配するな。金なら何とでもなる。お前はお前のやりたいことをやるといい」

 

「…ありがとな。世界最強のブリュンヒルデ」

 

「…あまりその名で呼ぶな」

 

「冗談だ、冗談」

 

俺はカフェを開きたいために調理師免許をとるため料理学校に進学することにしたのだ

姉貴は俺がNEVEC関連で色々やっている間にISの世界大会、モンド・グロッソで優勝していたのだ

流石としか言えねぇな、ホントに

ちなみに姉貴はNEVECのことは話してある

一夏には言ってないが

 

「んで、第2回のモンド・グロッソには招待してくれるんだろ?いい加減一夏にも実際に姉貴の晴れ姿見せてやれって」

 

「む、そうだな。わかった。今回はお前達の分のチケットを取っておこう」

 

「サンキュー。で、今回はどこでやるんだ?」

 

「ドイツだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、原作を知っているならドイツであることが起こるだろうとわかるはずだ

そう、織斑一夏誘拐事件である

亡国により一夏が誘拐され、姉貴が決勝戦を棄権してまで助けに来る

これが原作のシナリオであるがこの世界には俺がいる

俺がいる限り最善の道を行かせてもらう

大切なのは三つ

一つ、ドイツのIS部隊、シュヴァルツェ・ハーゼが動くこと

これがないと姉貴がドイツ軍に行く理由がなくなっちまうからな

姉貴が行かないと黒兎が助からないだろうしな

まあ、これは簡単だ

相手側が動けばドイツ軍も自然と動くだろうし

二つ目は一夏の安全確保

これも比較的簡単と言える

俺が守り続けるか俺だけに敵を集中させればいい

もしくは姉貴に預ける、だな

そして次が一番重要だ

姉貴の決勝戦出場

これは後々に響く出来事だからな

姉貴の決勝戦の相手、アリーシャ・ジョセスターフは原作ではモンド・グロッソで姉貴と戦うことができず、本気の姉貴と戦うために亡国入りしていた

姉貴がきちんと決勝戦に出ればこのことを回避できる可能性が高くなる

その為にも姉貴には何としても決勝には出てもらう

次のモンド・グロッソまで時間はある

ウィズを使って情報収集と備えをしておかないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時が過ぎた

俺は今、

 

 

一夏とドイツの空港にいる

 

「なあ、春兄、ここで待ってればいいのか?」

 

「ああ、姉貴が迎えに行くから待ってろと言っていたからな。ここでいいはずだ。ん?お、来たみたいだぞ」

 

俺たちの前にワンボックスカーが止まる

窓からは姉貴が顔を出していた

 

「よく来たな、2人とも。乗れ。すぐに出るぞ」

 

「千冬姉!」

 

「おい、バ夏。あまり騒ぐと」

 

エ、チフユサマ!?ドコ!?ドコニイルノ!?アソコヨ!!キャー!!ホンモノヨ!!

 

「ほら見ろ、面倒な事になった…」

 

「あ、ごめん」

 

「はあ、これだから。2人とも、早く乗れ」

 

「了解、姉貴。行くぞ、バ夏」

 

ちなみにこの車は国家代表専用の車らしい

姉貴のツテで俺たちも乗れたわけだ

 

その後、俺たちはホテルにチェックインし、モンド・グロッソは予定通りに進んだ

一夏はすげー、すげー言いながら姉貴の晴れ姿を見ていた

そして決勝戦の日

 

「一夏、姉貴のとこに行くか?激励しに行くが」

 

「行く!あ、トイレ寄ってもいい?」

 

「ああ」

 

姉貴から許可は貰ってるから控え室に行き、激励しに行こうと思ったのだ

一夏を連れてホール付近のトイレに向かうが

 

「春兄、ちょっと待っててよ」

 

「ああ」(トイレには気配がないが、ホールに誰もいないのはおかしい)

 

ホールに人が全くいないのはおかしい

受付どころか警備すらいないのだ

決勝が始まりそうになっているからとはいえいくらこれは…

…来やがった、新亡国

人数は十数人か

 

(起きてるか、ギンギラ)

 

(ええ、マスター)

 

俺は頭の中で声をかける

そうすると若い男性の声が聞こえた

IVSとなったギンギラである

待機形態はハーモナイザーにしてある

つまり、ギンギラは俺のハーモナイザーでもあるし、ISでもあり、VSでもあるのだ

もう、意味がわかんなくなってくるな

それはそれとして

 

(ハーモナイザーを起動。武装は対AK用サブマシンガン。後、スタングレネードも用意しとけ)

 

(了解です、マスター)

 

ギンギラにすぐに行動に移せるように準備させたところで一夏が戻ってくる

 

「春兄、お待たせ」

 

「…ああ」

 

「?どうかし「織斑春也と織斑一夏だな」え?」

 

そして奴らが声をかけてきたので俺は返事をした

 

「…そうだが」

 

「一緒に来てもら

 

相手の言葉の途中で俺は行動に出た

一夏を俺の横に引っ張り空いた手にはサブマシンガンを握った

それと同時に背中にはエクストルーパーズの主人公、ブレン・ターナーが付けていたジェットブースターが姿を現し、ハーモナイザーがフル稼働し始めた

 

(EX-Tシステム、武装システム、補助システム正常に稼働)

 

ギンギラがシステムの稼働状況を報告してくるがそれを無視して俺はトリガーを引く

 

「なっ!?」

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

「えっ!?ちょっ!?春に、いぃ!?」

 

亡国が怯んだ隙に一夏を引っ張りながら背中のジェットで移動する

 

「ちぃっ、追え!!さっさと追う「プレゼントだ。受け取れ」っ!?グレネード!?」

 

バン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「春兄!何が起こってるんだよ!?」

 

俺は一夏を抱え、会場の廊下を飛んでいると一夏が聞いてくる

 

「あれはテロ組織だ、恐らくな。大方俺たちを人質に姉貴を優勝させないためとかだろうな」

 

「はあ!?なんのために!?」

 

「知るわけないだろ。っと、ここだな。一夏、ここから真っ直ぐ行けば姉貴の控え室に着く。姉貴には俺から知らせておくから匿ってもらえ。いいな?」

 

「春兄はどうするんだよ…」

 

「あいつらを引き連れる。安心しろ、そう簡単に捕まる俺じゃないからな」

 

「でも」

 

「さっさと行け。ここの通路を塞ぐからな」

 

「…春兄、きちんと戻ってこいよ」

 

「…ああ」

 

そういい、一夏は走っていった

 

(やれやれ、俺の心配よりも自分の心配をしてほしいものだ。ギンギラ)

 

(なんでしょうか、マスター?)

 

(姉貴の暮桜に回線を繋げろ)

 

(了解しました、マスター。プライベートチャンネルを開きます)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織斑千冬は控え室で精神統一をしていた

次は決勝戦である

弟達が、家族が見ている中で無様な姿は晒せない

全力で勝ちに行くために…

弟達が激励に来るかもしれないと思っていたがなかなか来ないため春也が私のために一夏に来てもいいと教えなかったのだろうと思っていた

しかし、それは悪い方向で裏切られる

 

(む?プライベートチャンネルによる回線?誰だ?こんな時に…)

 

若干イラつきながらも回線を繋ぐ

 

『姉貴、少々まずい事が起こった』

 

千冬は一瞬目を見開いたが冷静を保ちつつ、答えた

 

「どうした、春也?お前が」

 

『悪ぃけどグダグダ言ってる暇はないんだ。俺と一夏がテロリストに拉致られかけた』

 

「はあ!?」

 

つい大声を出してしまい、周りにいた日本代表のメンバーがビクッとしてしまっていたがそんなことお構い無しに話は進んでいく

 

『一旦撒いて一夏をそっちにやった。迎えに行ってくれ』

 

「それはわかったがお前は?」

 

『俺は囮だ。あいつらを引き連れながら逃げる』

 

「まて、それは」

 

『あちらさんの狙いは姉貴の棄権だ、多分』

 

「私が棄権すればいいのならそれで『それだけはダメだ!!』っ!?」

 

『怒鳴って悪ぃけどそれだけはダメだ。姉貴にはしっかりと決勝に出てもらわないといけねぇ。一夏を保護したら決勝に出ろ。そして勝ってこい』

 

「…それでいいんだな、春也」

 

『ああ』

 

「フッ、ならお前を助けるためにすぐに終わらせに行くか」

 

『一応真面目に相手しろよ、姉貴。相手さんに失礼になるからな』

 

「馬鹿者、そのくらいわかってる」

 

『っと、そろそろ回線切るぞ。奴さんが来た』

 

「ああ、一夏のことは任せておけ」

 

『頼んだ』

 

そう言うと回線が切れた

 

「千冬さん、何かありました?誰かと話してたみたいですけど」

 

暮桜の整備員が声をかけてきた

見ると他のメンバーも私の方を向いている

 

「ああ、少々厄介な事が起こった」

 

そう言い、話をしようとするが

 

「織斑さん、弟さんが来てますよー」

 

「っ!一夏!」

 

その場にいた全員が思った

えっ!?っと

応援に来たのを歓迎する声ではなく明らかに心配する声だったのだから

 

「千冬姉!大変だ!春兄が!」

 

「わかってる。お前は大丈夫か?」

 

「ああ、春兄のおかげで」

 

「そうか」

 

取り敢えず一夏が無事だったことに安堵する千冬

その理由がわからない周りのメンバーは首をかしげていた

 

「ち、千冬さん、一体何が?」

 

「ああ、実は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちっ、キリがねえな

次から次にわいてきやがる

俺は会場から離れ、わざと目立つように逃げていた

サブマシンガンを片手に時には屋根を飛び回り、時には急接近したりと相手をかく乱しながら逃げていた

 

さて、ここで対AK用武装について話そう

これはエクストルーパーズでAKなどに使っていたEX-Tをエネルギーとして使う武装である

この武器の特性は大まかに2つある

1つ目は弾切れがないことだ

リロードはしなくてはならないが弾丸はEX-Tでできている

EX-Tはこの世界に溢れかえるT-ENGがハーモナイザーを通して体内で変化したものであるためハーモナイザーを起動されている限り基本的に無くならないのだ

その為弾切れという概念がないのだ

2つ目の特性は物理的に傷をつけないことだ

弾丸はEX-Tでできている

圧縮したEX-Tは体を傷つけることはないが痛覚に直接作用し、痛みを与えるのだ

更には実弾が飛ぶ速度で当たるため衝撃もある

この二つのことから相手は撃たれたと思うのだ

血が流れてもいないのに…

 

俺はサブマシンガンを打ちながら逃げている

対AK用である限りは防弾など無駄無駄無駄ぁ!!

当たったら直接痛みを与えるからな

それで気絶させ、戦闘不能にしていったやつは何人もいるのだが数が一向に減らない

 

「くそ!どんだけいるんだ、このくそ野郎どもは!」

 

文句をつきながらドイツの街を走る

この辺りの人達は姉貴たちの試合を見に行っているため無人だ

その為、こっちも、奴らも銃を撃ちまくりである

俺にはEX-Tのシールドが張ってあるため銃弾は届いていないがな

はっ、俺を傷つけたいならISでも持ってくるんだな

 

(マスター、それはフラグでは?)

 

(・・・・・・・・)

 

(マスター?)

 

(だっ大丈夫だ、問題ない)

 

(…マスター、所属不明のIS反応を感知しました)

 

(チクショーメー!!)

 

フラグを見事回収しちまった…

つーか、奴らIS持ってたのかよ!?

 

『まさかこれまで使うハメになるとは思わなかったけどもう終わりよ』

 

「はっ、もう試合は始まってるんだよ。その時点でアンタらの目的は破綻してるんだ。それすら分からんのか、おばさん?」(日本の打鉄かよ。うちの国はなにやってるんだか)

 

『こいつ!コロス!!』

 

「やれるもんならやってみな!!ババァ!」

 

ISが来たからかほかの奴らは撤退して行った

そして打鉄はブレードを振り下ろすが俺はそれをかわす

小回りなら俺の方に分があるからな

 

(ギンギラ!ショットガン!)

 

(了解です!マスター!)

 

ブレードを避けながら俺はサブマシンガンからショットガンに持ち替える

 

「どうした!そんな大振りじゃ俺には当たらんぞ、BBA!!」

 

「調子に乗るな!!」

 

そして奴の隙をついてショットガンをぶっぱなす

 

『ぐっ、その程度、っ!?凍ってる!?』

 

エクストルーパーズのサブ武器には属性効果がついている

勿論、俺が開発したものにもな

ショットガンは氷属性

凍結効果は低いが近距離では高い攻撃力をほこる

まあ、低いと言えどそれはAKだったらの話

IS程度なら近距離でぶっぱなせば凍結するのだ

 

「どうした、クソババア。動きが鈍ってるぞ?」

 

『この餓鬼が!!』

 

「ふっ」

 

本当ならEX-Tブラストを放ってこのクズ野郎を倒したいがあれは派手だからな

流石にここで使うとめんどいことになりそうだしなぁ

さて、ここからどうしたものか

 

『なんで、なんで当たんないのよ!?』

 

「はっ、そんなのてめぇの操縦技術がヘボだからだよ」

 

『こいつ!』

 

『そこまでです!』

 

『っ!?』

 

やっと来たか、ドイツ軍

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、こんな日に…」

 

私達、ドイツ軍IS部隊は日本代表チーム、それもブリュンヒルデからの要請でテロリストの捕縛及び織斑春也の保護に向かっていた

せっかくの名誉あるモンド・グロッソの決勝の日なんかに事件が起こるなんて…

 

『クラリッサ、あそこだ!』

 

「了解です!隊長!」

 

どうやらテロリストは打鉄を持っていたらしい

間に合ってよかった

ISが相手では生身の彼などすぐに殺されてしまうからな

 

「そこまでです!」

 

『っ!?ドイツ軍か!!』

 

『お前はもう終わりだ!大人しく投降しろ!』

 

しかし、テロリストはそこで終わらなかった

 

『ちっ、仕方ないわね』

 

「っ!?グレネード!!」

 

『なっ!?』

 

スタングレネードが炸裂し、視界が見えなくなる

 

『今度会ったら殺してあげるわ、織斑春也』

 

「待て!!」

 

しかし、打鉄の姿は無かった

 

『ちっ、私は奴を追う!クラリッサはそいつの保護を』

 

「わかりました、隊長」

 

そう言うと隊長は飛んでいった

 

「…ふう、ドイツ軍ということは姉貴からの要請か?」

 

「ええ、あなたを保護するようにと。それ以外にも色々と聞かせてもらいたいことがあります」

 

そう、彼は多くのテロリストから逃げきっているのだ

それに背中の装置や手に持つ武器などについても聞かなくてはならない

 

「まあ、答えられる範囲でなら答えるがそれ以外は企業秘密でな。悪いが言えないこともある」

 

「?どういう?」

 

「後でわかる」

 

?彼はいったい?

とりあえず安全な場所まで避難させましょうか



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事件の後始末

俺は今ドイツ軍の基地に保護されている

それと同時に取り調べを受けている

保護された時に持っていたAK用の武器と背中のブースターについて聞かれているのだ

 

「だからそれについては今は話せないと何度も言っているだろ、クラリッサ・ハルフォーフ」

 

そう、俺を保護したIS乗りは黒兎の副官になるクラリッサ・ハルフォーフだったのだ

 

「そうはいきません。そちらにも事情があると思いますが流石に武器については見逃せません。記録にも残っているんですよ。話して貰わない限りは帰すことはできません」

 

ちっ、これだから軍人は…

頭の固い奴らだ

まあ、自国に武器を持ち込まれてるって観点では間違った対応ではないんだけどな

ただ、本当のことを話しても冗談としか受け取られないだろうしな

あー、早く来いよ

 

コンコンコン

 

おっ、来たのか?

 

「失礼するぞ」

 

「隊長?どうかされましたか?」

 

思っていたやつと違った

そこにいたのはまあまあ年のくった女だった

恐らく黒兎の前任者だろうな

年の所為でIS部隊の実働部隊から外された感じか

ヴォーダン・オージェも無いしな

クラリッサにはあるのに…

 

「ああ、一応そいつに報告をな」

 

「・・・」

 

「織斑春也で間違い無いな」

 

「ああ、そうだ」

 

「そうか。いい報告と悪い報告があるがどちらから聞きたい?」

 

「…悪い方から聞こうか」

 

「テロリストは一部を除き完全にロスト。つまり、逃がした。下手したらまた狙われるかもしれないという事だ」

 

「まあ、そうなるな」

 

一応、腐っても元亡国だ

そう簡単に捕まるわけがないか

 

「ほう、まるで奴らのことを知っているかのような口振りだな」

 

「…まあな」

 

「なら、話して貰おう」

 

「と言われてもな、俺もそこまで情報は持ってない。兎に襲ってくるかもしれないと言われただけだからな」

 

すまん、束さん

あんたを言い訳に使っちまった

まあ、反省はしないがな

 

「兎?」

 

「IS開発者と言えばわかるだろう?」

 

「篠ノ之束博士か…。お前は連絡先を知っているのか?」

 

「知るか。一方的に言ってきただけだ」

 

「そうか。テロリストの目的については」

 

「それはそこの奴にも話したが姉貴の棄権だ。理由は知らん」

 

「…クラリッサ」

 

「ええ、確かにそう聞いています」

 

「そうか…。さて、それではいい報告でもしようか。織斑千冬がモンド・グロッソの二連覇を成し遂げた」

 

「そうか」

 

「…それだけか?」

 

「うちの姉貴だ。それくらいはやる」

 

実際そうだろ

原作チートキャラその2だからな

えっ、1はって?

そんなもの兎に決まってるだろ

 

「ふっ、信頼しているのだな」

 

「家族だからな」

 

コンコンコン

 

「入れ」

 

「はっ、失礼します!織斑千冬様とディアナ・ハイライン様が織斑春也様に面会に来ています」

 

「ディアナ・ハイライン?誰だ?」

 

「NEVECヨーロッパ支部の支部長だと伺ってます」

 

「…何でそんな奴が面会に来る?」

 

「俺の関係者だからだ。どうせ俺の言葉だけでは信用しないと思ってな。俺が呼んだ」

 

「…。まあ、いい。2人を通せ」

 

「はっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、姉貴とディアナが入ってきた

 

「春也!」

 

「よう、姉貴。優勝おめでとな」

 

「そんなことはいい!お前、怪我は無いのか!?」

 

「ああ、この通りピンピンしてる」

 

「そうか…。すまなかったな」

 

「謝る必要はねぇよ。これが一番良かったんだからな」

 

その通りだ

これで姉貴のドイツ軍行きは決まったし、決勝も行われ、一夏も無事だ

唯一の誤算といえばドイツ軍に武器を見られてしまったことぐらいか

まあ、その説明のために彼女を呼んだのだからな

 

「そろそろいいかしら、ボーイ」

 

「ああ、直接会うのは久しぶりだな、ディアナ」

 

ディアナ・ハイライン

エクストルーパーズの原作ではフロンティアベースの教官を勤めていた人物である

この世界では旧亡国で研究者をしていたのをスカウトしたのだ

今ではNEVECのヨーロッパ支部を任せてある

こんな感じで他にもエクストルーパーズのキャラはこの世界に何らかの形でいるのだ

他のメンバーも知っているが紹介はまた今度にしよう

さて、

 

「ええ、そうね。呼んだ理由はなんとなく察したけど」

 

「悪いな、急に呼んで」

 

「別に良いわよ、ボーイ。暇してたから」

 

「そうか、さて」

 

俺はドイツ軍人二人の方に向き、

 

「話を続けようか。まだ聞きたいことがあるんだろう」

 

「ああ、そうだが…」

 

隊長と呼ばれていた軍人はディアナの方を見るが

 

「その話をするために私は呼ばれたの。話をするというより証人として呼ばれたものだけど」

 

「そういうことだ。さて、何が聞きたい?」

 

「…お前の持っていた武器や背中についていた機械についても聞きたいが、あえて言おう。お前は何者だ…」

 

「隊長!?」

 

「クラリッサ、考えてもみろ。いくら武器を持っていたとはいえ生身の状態でISから逃げ切ったのだぞ。普通に考えてもみろ。現代で最強の兵器と言われているISをわずかな時間でも生身で抑えられると思うか?」

 

「っ!!」

 

「…そういうことだ。答えてもらおうか」

 

「…なんて答えるべきかね。答えはいくつもあるからな」

 

「・・・」

 

「日本の一般人、世界最強のブリュンヒルデの弟。だけどお前らが望む答えはきっとこうだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺はNEVECの創設者、そして技術開発部顧問の織斑春也だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

「NEVECの創設者!?そんな馬鹿な!?」

 

クラリッサが叫びだすが

 

「事実よ、ガールズ。彼が私の、私たちのボスであることはNEVECの一メンバーとして責任を持って承認させてもらうわ」

 

こうなることを見越してディアナには来てもらったのだ

俺みたいなガキの言葉なんて信じないだろうからな

 

「…世界最大の企業、NEVEC。その設立者は今までわかっていなかったが…」

 

「俺は基本的には表には出ないからな。NEVECの運営は今はほとんど手を出していないしな」

 

「…はぁ、クラリッサ。ここで話されたことは全て極秘とする」

 

「隊長!?」

 

「NEVECが相手となると流石に分が悪すぎる。それに大方武装も自衛のためだろう。ブリュンヒルデの弟、篠ノ之博士の知り合い、そこにNEVECの設立者という肩書までくわわるんだ。どれだけのものに狙われるかは想像に難くない」

 

「…了解」

 

お、思ってたよりも簡単に引いてくれたな

まあ、そのほうが都合がいいがな、なんか後味が悪いな

 

「…簡単に引いてもらったことは感謝する。だが、こちらとしてもメンツというものがある」

 

「春也、それなら私が1年間ドイツ軍にISの技能向上のため出向することが決まっている」

 

「姉貴、それは織斑家としてのメンツだ。そこんとこは姉貴の負担になっちまうが、俺の言っているメンツはNEVECとしてのものだ。それだけは譲れん」

 

「…そうか」

 

「さて、ディアナ」

 

「ええ、何かしら、ボーイ?」

 

「αテストは終わったか?」

 

「ええ、先日。ああ、そういうことね」

 

「ああ」

 

疑問に思ったのか隊長が聞いてくる

 

「何の話だ?」

 

「VRは知っているか?」

 

「virtual realityのことか?」

 

「ああ、今度フルダイブ型のVRを開発することになってな。そのαテストが先日終わった。調整などはもう少しかかるがそれをアンタらに無料提供しよう。無論安全性は保証する」

 

エクストルーパーズにはVR訓練というものがある

それを個人でも扱えるように束さんと改良したのだ

安全性は俺自身で確かめた上で先日社員にαテストとして体験させたのだ

来年までにはSA〇やオーバー〇ードのユグ〇ラシルみたいなゲームを売り出す予定だ

それにこいつらに提供のはデータを取る為でもあるからな

 

「そんなもの貰っても意味が」

 

「いや、意味はあるぞ、クラリッサ。設定次第ではよりリアルな訓練を行うことができる。現実ではやりづらい訓練でもな」

 

「…なるほど」

 

その通りだ

データさえ打ち込めばどんな状況の訓練をいつでも行うことができる

それこそ命の危険があるようなものでもな

現実ではないからこそやれるものもあるからな

 

「だが、ISの訓練となると機体のデータを入力しなければならないか…」

 

「そこんとこは契約書にでも書いてくれればいい。俺らは決して情報は漏らさない」

 

そういったものはウィズで全て管理してあるのだ

束さんか俺以外には閲覧することは出来ないだろ

 

「…一度上と話をする。このことが決まったらお願いしよう」

 

「了解。さて、それじゃあいいか?」

 

「ああ、長い間拘束して悪かったな」

 

「気にしてない。姉貴、帰るぞ」

 

「私は会社に戻るわ。それじゃあ、またね、ボーイ」

 

「ああ、ありがとな、ディアナ」

 

「ええ。ああ、言い忘れてたけど、ブリュンヒルデ、二連覇おめでとう」

 

そう言い残してディアナは帰っていった

 

「はあ、春也、私達も帰るぞ」

 

「ああ、今行くよ、姉貴」

 

俺は姉貴に連れられてホテルに戻った

その後、姉貴を残して俺と一夏は日本に帰った

その時一夏が若干渋ったが割愛させてもらう

一夏にはバレていなかったが更識の護衛があったこともここに記しておく

 

 

 

こうして織斑兄弟誘拐未遂事件は幕を閉じた




お気に入りがなんと100人を突破しました!!
これも皆さんのおかげです!
これからも頑張っていくのでよろしくお願いします
(´>∀<`)ゝ


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ラスト・ファントム

一応、書き終えたけどなんか違和感がある
もしかしたら書き直すかも














モンド・グロッソから数ヶ月がたった

あれから一夏は何事も無く過ごしていたが俺は違う

ウィズを使って世界の動きを監視していたのだ

流石にあんな事があった後だからな

まあ、杞憂に終わったけどな

特にこちら側に不利益になるような事は無かったし

 

 

 

 

 

しかし、ある日、束さんから情報が入った

 

「そうか、彼女達が見つかったか…」

 

『うん、どうするの、はーくん?』

 

「俺が行く。NEVEC(うち)の連中にもカバーで動いてもらう」

 

『束さんとくーちゃんも手伝おうか?』

 

『ええ、兄さん。私に出来ることならやりますよ』

 

そして、束さんはいつの間にかクロエ・クロニクルを連れていたのだ

まあ、クロエが作られていた施設や他の助けられなかったやつらは俺が主体となり、NEVECで殲滅と弔いを行いはしたけど…

それからクロエは俺のことを兄さんと呼んで慕ってくれている

というか、それ以外で呼ばせるの諦めた

何度言ってもそう呼ぶからな

ちなみに戸籍は束さんが作り、NEVECで働いていることになっているが基本的に束さんの所にいる

 

「…戸籍関連のこと、任せていいか?」

 

『うん、いいよ!この天才束さんに任せちゃいなYo!』

 

「お前は天才じゃなくて天災だろうが…」

 

さてと、準備をしないとな

 

「ウィズ」

 

『お呼びでしょうか、マスター』

 

「γ経由であいつらに声をかけとけ。最後の亡霊を迎えに行くとな」

 

『了解しました』

 

さてと、行きますか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、スコール!どうしてこうなった!?」

 

「私が聞きたいわよ!オータム!そこを右!」

 

「おおおおお落ち着け、お前ら。慌ててててもいいことはないぞおおぉう!?」

 

「「あなた(お前)落ち着きなさい(落ち着け)!!マドカ!!」」

 

スコール・ミューゼルとオータム

彼らは亡国機業(ファントム・タスク)の生き残りである

そしてマドカと呼ばれた少女は新亡国に生み出された織斑千冬のクローンだが、利用される前に2人が奪取

何とかしようとしたが既に亡国が崩れ落ちた時だったため一緒に逃亡生活をすることになってしまったのだ

さて、彼らがなぜこんなにも慌てているかというと…

 

「クソ!どこから情報が漏れたんだよ!」

 

「わからないわ!取り敢えず逃げるしかないでしょ!オータム、そこ、左!」

 

「おう!!」

 

現在、新亡国から逃げていたからである

人気のないスラム街を車で何とか逃げているのが現状であるが

 

「っ!スコール!」

 

「しまった!」

 

「チッ!」

 

既に回り込まれており、3人は囲まれてしまった

 

「さてさて、ここまでですね、スコール」

 

「…レーベ」

 

「てめぇ…」

 

彼女らを囲っている包囲の中から出てきたレーベと呼ばれた女性は二ヤァと嫌な感じで微笑んだ

 

「さてさて、答えはわかりきってますが一応聞いておきましょう。こちら側につく気はありませんか?」

 

「…ある訳ないでしょ。わかりきったことを聞くんじゃないわよ」

 

「おやおや、ふられてしまいましたか。しかし、既にあなた達は包囲されています。現状はこちらが圧倒的に有利ですよ」

 

「チッ」

 

舌打ちをしたオータムが拳銃を取り出すがこの状況では焼け石に水なのは明らかであった

 

「それにしてもあなた達を殺すのは惜しいですね。それではこうしましょうか。Mを引き渡せば見逃してあげますよ、おふた方」

 

「てめぇ、ふざけてるのか!?」

 

オータムはキレるがレーベはそのままの口振りでさらに話した

 

「何を怒っているのですか?Mはブリュンヒルデのクローン。つまり、私達が生み出した道具です。道具に情でも湧いたとでも?」

 

「違う!生まれがどうだろうがこいつは決して道具なんかじゃねぇ!織斑マドカっていう1人の人間だ!」

 

「オータム…」

 

オータムはそんなふうに言い返すが

 

「やれやれ。あなたには失望しましたよ、オータム。まあ、元々スコールの腰巾着でしたからこんなものですか。それでスコール、あなたは?」

 

「愚問ね、レーベ。私の答えはオータムと同じよ。マドカを見捨てたりはしないわ」

 

「そうですか…。はぁ、たかが道具風情に情が湧くとは…。もう、いいでしょう。あなた達は用済みです。死にな『人の家族を道具呼ばわりするとはいい度胸してんな』っ!?」

 

その時、大きな物音を立てて何が降ってきた

その衝撃で巻き上がった煙が晴れた後にあったのは落ちた時の衝撃で出来たクレーターの中心で佇む

 

「I…S…?」

 

未知のIS(ギンギラ)の姿だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここら辺のはずだが」

 

俺は旧亡国の最後のメンバーであるスコール・ミューゼルとオータム、そして彼女らが保護したというマドカをスカウトに行くためにステルス迷彩がついた大型ヘリで目的地に向かっていた

 

「おい、春也。本当にスコール達がここにいるのか?」

 

「ああ、そのはずだ、ウォルター」

 

俺にそう聞いてきたのは原作でアドバンスベースの教官を勤めたウォルター・スティングレーだ

彼はこの世界では旧亡国の警備部隊で隊長をしていたが亡国が解体した時に俺がスカウト

現在はアジア支部の支部長を勤めている

ちなみに亡国ではそれなりに上の立場だったらしく本人の性格もあってか幹部陣であってもほとんど呼び捨てだったらしい

 

「まさか、彼女達が生きていたとはな。未だに信じられん」

 

「確かな情報だから安心しな。それよりも何でお前やお前のとこの部隊を呼んだかわかってるよな?」

 

「スコール達の説得、それから奴らに対する警戒といったところか」

 

NEVECは今、ヨーロッパ、アジア、アメリカの三つの支部、そして日本ある本社といった構成になっている

それぞれにさまざまな施設があるが同時に全ての支部に警備部隊が設立されている

彼らの殆どは旧亡国のメンバーで構成されており、さらにはハーモナイザーを使ってEX-Tを扱うことができるようになっている

しかし、彼らが武力行使する場面は滅多に無いため基本的には社内の警備ぐらいしかやってないが…

たが、新亡国からの攻撃はそのうち来るだろう

そのためにEX-Tを扱えるようにしているのだ

まあ、それは置いておこう

さて、俺はヘリから外を見下ろすが

 

「ん?」

 

「どうした、春也?」

 

見た先には包囲されているスコール達がいた

 

「不味い!先に奴らに見つかったか!?」

 

「なに!?」

 

俺は多少怒鳴り気味でウォルターに指示を出す

 

「俺が気を引く!その間に確保しろ!頼んだぞ、ウォルター!」

 

そう言い残し、俺はヘリから飛び降りた

 

「おい!まったく、せっかちだな。お前ら、戦闘の用意をしろ!さっさと動け!パイロット!降下用意!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

降下中、俺はギンギラに話しかけた

 

「行くぞ、ギンギラ」

 

『いいのですか?』

 

「あの時はドイツ軍の目があったから流石にお前は使えなかったが、今回は奴らしかいない。派手に暴れるぞ!」

 

『了解です!マスター!』

 

そういうと俺の周りに武装が展開され、ギンギラへと姿が変わっていった

話が聞こえる距離まで降下し、そのまま突っ込んだ

 

「人の家族を道具呼ばわりするとはいい度胸してんな」

 

さて、ギンギラの初陣だ

言った通り派手にいかせてもらう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(何なんですか!?このISは!?)

 

レーベは困惑していた

まあ、見たこともないISが突然降ってきたら誰でもそうなると思うが…

 

『次にお前は「あなたは一体何者ですか!?」と言う!』

 

「あなたは一体何者ですか!?…はっ!?」

 

『スキありだ。はぁ!』

 

春也はギンギラの左右の肩の上についている輪っかを両方とも投げた

 

「っ!総員退避!」

 

レーベは咄嗟に部下達に指令を出すが時すでに遅し

輪っかは目の前まで迫っていた

しかし、それは彼らには当たらず、目の前で止まっていた

 

「なっ!?」

 

『突っ込め!ギンギラ!』

 

それに驚いているうちにIS(ギンギラ)は新亡国に向かって突撃をした

向かってくるIS(ギンギラ)にパニックになり新亡国の包囲網は完全にこわれてしまった

そしてそのタイミングでウォルター達を載せたヘリが降りてきた

 

「スコール!こっちだ!」

 

「っ!?ウォルター!?」

 

「え!?マジかよ!?」

 

「さっさと乗れ!逃げるぞ!」

 

スコール達、3人が乗り込もうとしたが

 

「あのヘリを撃ちなさい!彼女達を逃がしてはいけません!」

 

レーベの命令で新亡国のメンバーはヘリに銃口を向ける

 

「やれ!!」

 

ヘリに乗っていた警備部隊のメンバーが対AK用のサブマシンガンを新亡国に向かって撃ちまくる方が早かった

 

「ぐっ、クソ!」

 

「上昇!」

 

その隙にスコール達はヘリに乗り込み、ウォルターの指示で上昇を開始した

 

「逃がしま『悪いが逃がしてもらう』っ!?」

 

そう言い、IS(ギンギラ)はスタングレネードを大量にばらまいた

 

閃光がはれ目が見えるようになった時にはそこには誰もいなくなっていた

 

「完全にやられましたね。まさか、ウォルターが来るとは。それに彼らのあの武器…。織斑春也が持っていたものと同じものでしたね。ということはあのISに乗っていたのは…」

 

『人の家族を道具呼ばわりするとはいい度胸してんな』

 

「…しかしISは女性にしか動かせないはず。いえ、何かしらの条件で男性でも…。どちらにしよアレの開発を急がせた方がいいようですね」

 

取り逃がしたものの新たな亡霊は笑う

全ては新たな世界のために…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだな、スコール、オータム。間に合ったようでよかった」

 

「ええ、助かったわ、ウォルター。ただ、いろいろと聞きたいことがあるのだけれど?」

 

「ちょっと待ってな。そろそろ来る頃だろう」

 

「来るって誰が?」

 

オータムがそう聞いた時にヘリの扉を叩く音が聞こえた

 

「来たな」

 

ウォルターはそう言い、扉を開けた

そこにはギンギラがいた

 

「こいつはさっきのIS!」

 

そしてギンギラは消え、春也がヘリに乗ってきた

 

「よっと。ウォルター、もう話をしたか?」

 

「嘘!?織斑春也!?」

 

スコールはいろんな意味で驚いた

何故春也がここにいるのか?

何故男なのにISを動かせるのか?

 

「兄・・・さん・・・?」

 

しかし、マドカの言葉で何も言えなくなってしまった

 

「初めましてだな、マドカ。姉貴のクローンよ」

 

「っ!」

 

「てめぇ…!」

 

千冬のクローン

この言葉がオータムを苛立たさた

 

「オータム、抑えなさい」

 

「スコール」

 

「いいから」

 

しかし、スコールに抑えられて何も言えなかった

 

「どんなに誤魔化してもその事実は変わらない」

 

「ああ、わかっている。だから邪魔な私は消えれば」

 

「誰がいつそんなこと言ったよ」

 

「だが、私は織斑千冬の」

 

「姉貴のクローンってことは俺とは血の繋がった家族だってことだろ」

 

「えっ?」

 

「生まれがどうだとかクローンだとか関係ねぇだろ。大事なのはそこに繋がりがあるかどうかだ」

 

「・・・」

 

「お前は姉貴のクローンだとしてもお前はお前自身だろ。お前は織斑マドカ。俺の妹だ」

 

「私は・・・生きていいのか・・・?」

 

「ああ」

 

「私は・・・兄さんの家族でいいのか・・・?」

 

「当たり前だろ」

 

「・・・・グスッ」

 

「?」

 

「う、うわぁぁぁん!」

 

「えっ、あっ、ちょ、」

 

マドカは泣いた

大声をあげて泣いた

それは自分の生まれた意味が、そして家族として認められた歓喜の涙だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、大声で泣くなんてみっともないわよ、マドカ」ニヤニヤ

 

「そうだぞ、マドカ」ニヤニヤ

 

「う、うるさい!忘れろ///」

 

「「だが、断る(わ)」」

 

「…仲いいな、お前ら」

 

それもそのはずである

3人は逃亡生活をしていたのだ

苦楽を共にした仲だからこそ分かり合えるものがあるのだろう

 

「さて、話をしようか、スコール・ミューゼル」

 

「ええ、こちらもいろいろと聞きたいことがあったのよ。ウォルターの事とかもね」

 

「まあ、お前らには全て話すつもりだったからな」

 

そして俺は束さんのことやNEVECのことなど全て話した

 

「…まさかそんなことになっていたとはね」

 

「なあ、ウォルター。今、こいつが言ったことは」

 

「全て事実だ、オータム」

 

「そうか…」

 

「戸籍関連は束さんがやってくれるからいいとして、これからお前らはNEVECで働いてもらうことになるがいいか?」

 

「ええ、もちろん。元々の亡国機業(ファントム・タスク)の目的を果たせるのだもの。乗らない手はないわ」

 

「俺はスコールについていくだけだ」

 

「よし、なら、これからよろしくな」

 

「ええ」「ああ」

 

「マドカは俺の家に来い」

 

「いいのか?」

 

「ああ。姉貴はわかってくれるだろうし、一夏は気にしないだろうからな」

 

「わかった。これからよろしくな、兄さん」

 

「ああ」

 

こうして最後の亡霊は俺らの仲間になった

しかし、これは始まりに過ぎない

大切なのはここからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、スコールは本社の代表取締役でオータムはテストパイロットな」

 

「「えっ?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




おかげさまで評価に色がつきました!
これも日頃から応援してくれている皆さんのおかげです!
これからも頑張るのでよろしくお願いします!


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黒兎は履き違える

なんか最近忙しい
疲れてるせいか文章力も落ちてる気がする

ほどほどに頑張っていこ…

春也「そんなの知らねぇからさっさと書け…!」
ギンギラ部分展開、サーマルキャノン発射準備済み
(*゚∀゚)lニニ⊃*

ままままままま待て!落ち着け!!!

春也「だが、断る」

ウワアアァァ!! 三三(;ノ○Д○)ノ 



あの後、スコールとオータムを本社の方に送り、マドカと家に帰った

スコールとオータムは本社にいた元亡国のメンバーから熱烈な歓迎を受けたそうだ

マドカはというと少し時間がかかったが家にも馴染んだ

一夏も家族として接しているしな

一応、一夏と同い歳として同じ中学二年に編入させた

凰や五反田兄弟とも仲がいいそうだ

まあ、最初俺がマドカを家に連れて帰った時にあの愚弟は「春兄に彼女が!?」とかほざいたので全力で殴ったが…

姉貴もマドカのことは家族として認めている

今はドイツにいて直接会えないが電話ごしで話はさせた

ちなみに姉貴には真実を話してあるが一夏には親の隠し子という風に説明してある

 

あれからしばらく経ちスコールもオータムもNEVECに馴染んだ

スコールには全体の運営を、オータムには開発したISやVS、その他もろもろの物をテスト運用してもらっている

NEVECにスカウトした亡国のメンバーにはハーモナイザー、又は専用機を渡してある

まあ、基本的には量産機だがな

しかし、スコールとオータムには俺が前々から開発をしていた物を渡した

スコールにはドットブラスライザー、オータムにはアキレスD9を

両方とも俺が前世の知識を頼りにLBXをIVSとして作ったものだ

以前からこんな感じでいろんな機体を作っていたのだ

まあ、ほぼ趣味だがな

ちなみに本社の地下には他のLBXやガンダム、アイアンマンのスーツなどといったものまで置いてある

俺の許可が無ければ動かせないけどな

 

ああ、それからマドカにもテストパイロットという名目上で自衛のためにIVSを渡してある

機体はまあ、そのうち紹介するよ

 

さて、姉貴がドイツに行って約半年がたった

俺は一週間程学校を休み­、ドイツに飛んだ

目的はドイツ軍にVR訓練の設備を提供することが決まったからだ

まあ、別に俺が行かなくてもよかったが姉貴の様子とかも見たいしな

さてさて、どうなっていることやら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドイツ軍に滞在して半年がたった

いろいろと大変なことがあった

ラウラを育て上げたり、提供された部屋が片付かないとかな…

まあ、そんなことはどうでもいい

今日は春也がドイツに来る日だ

久々に家族の顔を見ることができるのはうれしい

まあ、あいつも用事があってここに来るのだがな

 

「おはようございます、教官!なんかいい事でもありましたか?」

 

「む、おはよう、ラウラ。顔にでも出ていたか?」

 

「はい、笑っておられたので」

 

「そうか…」

 

ふむ、無意識に顔に出るほど喜んでいたのか?

まあ、半年ぶりに顔をあわせるのだからな

 

「今日、NEVECの者が来るだろう」

 

「はい、VR訓練の設備を置きに来ると聞いています」

 

「ああ、それ関連で弟が来るんだ。上の春也がな。久しぶりに会えるものだからな」

 

「弟…」

 

「ん?」

 

ラウラのこの反応…

なにか嫌な予感がするが…

まあ、こいつは強さに固執している感じがあるしな

後、私に依存している感じも

なんとかしないといけないが…

 

「織斑教官、ラウラ隊長!」

 

「ん?」「む?」

 

呼ばれた方を向くとクラリッサがいた

 

「クラリッサか。どうした?」

 

「NEVECの方々が到着されました!」

 

「そうか、今行く」

 

さてと、弟の顔を見に行くついでに仕事をしなければな

 

「ラウラ、行くぞ。…ラウラ?」

 

「織斑…春也…」

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ!」

 

「はっ!?」

 

「…行くぞ」

 

「はい、教官!」

 

…春也、先に謝っておこう

面倒なことになりそうだと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと着いたな」

 

「別に来なくても良かったのよ、ボーイ」

 

「そう言うな、姉貴の様子を見に来たのもあるしな」

 

「そう」

 

「それにVRは俺が作った技術だからな。なるべく俺が調整したいんだよ」

 

「…そっちが本音ね。これだから根っからの技術者は…」

 

「失敬な。俺の夢は小さなカフェを開くことだ。消して技術者ではない」

 

「どの口が言うのだか…」

 

俺はドイツ軍の責任者が来るまでディアナと雑談していた

多分姉貴と黒兎が来るだろうな

黒兎はどう反応するだろうか

一応、姉貴は決勝に出場し、優勝したが、今回の件で現役は引退するとは言っていたからな

 

「ボーイ、来たわよ」

 

さて、どういう反応を「貴様が織斑春也か!?」

…早ぇよ

 

俺が声のした方を向くと黒兎が殴りかかりに来ていた

俺はそれを甘んじて受けた

 

「私は貴様を認めない!貴様が「殴られたら殴り返してもいいよな?」はっ?」

 

そう言うと俺は黒兎の腹を殴り飛ばした

 

「ぐはっ!!」

 

「やれやれ、ドイツの軍人てのは一般人を問答無用で殴るのか?」

 

そんなことを言っていると姉貴が焦った様子で来た

 

「春也!大丈夫か!?」

 

「ああ、姉貴。問題は無い。つーか、部下のしつけぐらいしっかりしておけ」

 

「…すまない」

 

「貴様…!!」

 

「…その程度でやられてれば期待外れだったがそんなことはないみたいだな」

 

「…ふざけるなぁァァァァ!」

 

「やれやれ」

 

俺はハーモナイザーを起動させて気絶させようとしたが

 

「やめろ!ラウラ!」

 

「ボーイ、あなたもその辺にしなさい」

 

大人二人組に止められた

 

「教官!しかし!」

 

「ラウラ!それ以上やるなら私も黙ってないぞ…」

 

「くっ!」

 

ラウラはこちらを睨みつけるが姉貴に止められたため襲っては来なかった

 

「だが姉貴よ。そいつもその程度では止まらんだろ。訓練場所どこだ?少し借りるぞ」

 

「待て、春也!」

 

姉貴は俺を止めようとするが

 

「あれは1度わからせないと無理だぞ。流石にギンギラは使わないから安心しろ」ボソッ

 

「…わかった。すまない」

 

「なんとなくこうなるとは思ったからな。次からはしっかりやれよ。ディアナ、悪いがそっちは頼んだ」

 

「はぁ、やりすぎない事ね」

 

「それは保証できん。姉貴、案内してくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、俺は姉貴に案内されIS用の訓練場に来ていた

目の前には軍用ナイフを持った黒兎がいた

 

「別にISを使ってもいいんだぞ」

 

「はっ、一般人如きにISなど必要ない!貴様は私のこの手で捻り潰す!」

 

「やってみろよ、黒兎」

 

そう言うとラウラは俺に攻撃を仕掛ける

俺はそれを避け続ける

 

「避けるだけで精一杯か!?」

 

「当ててから言えってんだよ」

 

そして俺はラウラの手を掴み、某メタルでギアな蛇が使う格闘術(CQC)を使って投げ飛ばす

 

「ぐはっ!」(CQC、だと!)

 

「さて、準備運動もこのくらいにしようか」

 

俺はハーモナイザーを起動させる

背中のブースターしか出さずに武器は展開しないがな

 

「なんだ、それは!?」

 

「答えると思うか。言っとくがこうなったらISでも出さん限り俺には勝てないぞ、小娘」

 

「貴様ァァァァァァァ!!!」

 

そう叫び、ラウラはISを展開する

 

「このシュヴァルツェア・レーゲンを出したからにはもうお前に勝ち目はない!!」

 

「それはどうかな。さて、最初に言っておく。俺はかなり強いぞ、ガキンチョ?」

 

「ほざけぇぇぇぇ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、止めなくていいんですか、織斑教官!」

 

私とクラリッサは他の隊員が入らないようにし、ふたりの戦いを見ていた

どうやら春也はラウラを全力で叩き潰すようだ

まさか、ISまで使わせるとはおもっていなかったがな

 

「…クラリッサ、あのふたりを見て止められると思うか?今のラウラは私に依存しており、さらには強さの意味を履き違えている。こんな状態では駄目だ」

「しかし、春也さんは生身ですよ!ISに勝てるわけが」

 

「言っておこう。本気の春也は私より強いぞ」

 

「えっ?」

 

クラリッサは驚愕しているが無理もない

本気のあいつには私や束でも勝てない

あの装置が無ければ互角になるぐらいだがな

そんなことよりも

 

「すまない、春也。本当は私がしないといけないことなのに。本当に、すまない」ボソッ

 

私はいつもこうだ

最終的に春也の手をわずわらせてしまう

例えその事の責任が私にあったとしても

流石に情けないな

 

「私ももっと」

 

もっと成長しなければ

あいつらを支えられるように

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故だ!何故こうも攻撃が当たらん!

相手は不可思議な道具を使っているとはいえ生身の一般人だぞ!

 

「ぐっ!?」

 

クソ!こちらの攻撃を交わしては奴が攻撃を仕掛けてくる

それによりじわじわとSE(シールドエネルギー)が減っていく

私は少しづつ焦っていた

 

「なあ、聞いてもいいか?お前にとって力ってなんだ?」

 

そんな中奴が私に聞いてきた

力だと?

そんなもの…

 

「私が私であるために必要なものだ!だからこそ貴様を消し去る!私に力をくれた教官のために!」

 

「つまり、お前のいう力ってのは腕っぷしの強さだと?自分が自分自身であるための証明にしか過ぎないと?」

 

「そうだ!それ以外にはない!」

 

「はあ…」

 

ため息だと…

こいつはどこまで私を馬鹿にすれば気がすむのだ!

 

「完全に失望した」

 

「なんだと…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やれやれ、ここまでくると呆れるわ

 

「お前がいう力ってのは他人を傷つける暴力でしかない。そんなもので自分を証明できるなんて奴は殺し屋くらいだ。姉貴がそんなものを教えるわけがないことになんで気づかない…。…なあ、お前に守りたいものってあるか?」

 

「何?」

 

「お前は姉貴の地位とか言うだろうがそんなものに意味は無い。大事なのは本人の魂を、心を守ることだ。俺はそのためならどんな苦労だってしてやる!家族は、大切な奴らは俺が守る!これはそのための力だ!」

 

「…」

 

「だがなこんな力が無くても守れたりはするんだよ。一夏なら力なんか持たずに守れるだろうしな。こんな言葉を知っているか?『大いなる力には大いなる責任が伴う』。とあるアメリカの英雄(ヒーロー)が言った言葉だ。ISってのは力だ。俺のこれも力だ。お前は責任を果たせるか?」

 

「黙れ…」

 

「果たせるわけがねぇよな!てめぇが言ってるのは力があるだけのガキの戯れ言に過ぎないんだからよ!」

 

「黙れ!」

 

「お前は俺には勝てねぇよ!本当に守りたいものがある俺にはな!信念も守るべきものもないてめぇの空っぽの強さなんかじゃな!!」

 

「黙れぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

「来いよ!クソガキ!!本当の力ってものを、本当の強さってものを教えてやる!!!」

 

突っ込んできた黒兎にカウンター気味のEX-Tを纏った蹴りを叩き込む

 

「ぐっ!」

 

怯んだところを対AK用のプラズマブレードで追撃しようとするが

 

「舐めるなぁ!!」

 

「む?」

 

アクティブ・イナーシャル・キャンセラー(AIC)で捕えられてしまった

 

「ハハハハハ!やはり口先だけのよう「すぅぅぅぅ」?」

 

「ーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

「耳がァァァっ!!」

 

AICは集中していなければ使えない

俺は黒兎が集中できないように高音の大声をはなった

それはまるで黒板を擦った時にでる嫌な音を大音量にしたようなものだった

そんな音を間近で聞いたのだ

黒兎は耳を抑えうずくまった

それが決定的な隙だった

 

「くらえっ!」

 

「っ!?」

 

俺は黒兎の腹に手を置き、

 

「『メテオ』!!!」

 

EX-Tブラスト『メテオ』を放った

 

ドドドドドドドド!!!!!!

 

「ぐっ、がっ、ぎっ!!?」

 

放たれたEX-Tのエネルギーの塊は至近距離で全てシュヴァルツェア・レーゲンに命中する

それが終わった後にあったのはボロボロになり、膝をついたシュヴァルツェア・レーゲンだった

ダメージレベルはCを超え、Dに差し掛かろうとしているのがぱっと見で分かった

当たりどころによっては絶対防御も発動しているだろう

SEもかろうじて残っているだけの状態だった

俺は自滅覚悟で突っ込んでくるのを警戒し、プラズマブレードを展開した

 

「何故だ…。何故勝てない…?相手は生身の人間だぞ?何故…?」

 

「お前はISだから俺は勝つことができないと思い込んでいた。しいて言えばその慢心がお前の敗因だ。最もさっき言った事の方が大きいがな」

 

「私は…、私は何のために…」

 

「はあ、てめぇはまだ15にも満たないガキだろうが。ガキのうちならまだやり直せるだろうよ」

 

「…」

 

「見つけてみな。てめぇが本当に守りたいものを、本当の強さってものをな」

 

俺はそう言い、プラズマブレードの代わりに出したハンドガンで

 

バン!

 

 

黒兎を撃ち、SEを0にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、訓練場の出口に向かったが、そこには姉貴が待っていた

 

「すまない、本当にすまなかった、春也。私がもっとラウラのことを見てやれていれば」

 

「たらればの話はすんなよ。過ぎたことは仕方がねぇだろ。これが最善だったんだよ」

 

「…私がもっとしっかりしていればこんなことには」

 

「…なあ、姉貴。あんたと俺の関係はなんだ?」

 

「えっ、それはもちろん家族だが」

 

「そうだ、家族だ。なら、迷惑ぐらい掛け合ってもいいだろ。俺たちは支えあって行けばいい」

 

「春也…」

 

「一人で何もかも背負うなよ、姉貴」

 

そう言い残して俺は本来の目的であるVRの設置に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ここは」

 

目が覚めたら私は基地の医務室にいた

あの後私は気絶してしまったらしい

 

「目が覚めたか、ラウラ」

 

「教官…」

 

横には教官がいた

どうやら私が目が覚めるまで面倒を見てくれていたようだ

 

「教官…。私は…」

 

「すまなかった」

 

「えっ?」

 

私は頭が追い付かなかった

何故、教官が私に頭を下げているのだ?

 

「ラウラ、今日のことは本当の力の使い方を教えられなかった私の落ち度だ。本当にすまない…」

 

「違います、教官!あれは私が悪いのです!単なる力に溺れていた私が!」

 

「だとしても」

 

「いいえ、私が…。私が力の意味を理解していれば…」

 

「…。ラウラ、やはりお前だけの責任ではない。これは私の責任でもある。だが、幸いなことに私たちはまだやり直せる」

 

「その通り…ですね。彼には感謝しなくては…」

 

「ああ、そうだな。後で会いにでも行くか?」

 

「そうします。直接礼も言いたいですしね」

 

「フッ、そうか」

 

織斑春也、感謝するぞ

私にはまだ守るべきものが何なのかはわからん

それでも見つけてみせる!

貴様の言う本当の強さを!

 

 




お陰様でお気に入りが300人を超えました!
正直ここまでくるとは思いもしませんでした。
皆様の期待も重いのですがこれからも頑張るのでよろしくお願いします!
╭( ・ㅂ・)و グッ !


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兎の罪

い、色々と忙しくまた遅れてしまった
このことがバレたら春也に殺される…
避難しないと

春也「どこへ行くんだ」

げっ!!

春也「死ねぇ!このくそ作者!!」

ギャアアアア!!!
主人公に殺される、これも作者のさだめか…ガクッ



「これでいいな」

 

あの後、俺はVRのセッティングをしていた

予定通り進んでいたため何かトラブルとかも無く終わった

後は少しの間様子見をするくらいか

 

「ボーイ、こっちも終わったわよ」

 

「お疲れさん、ディアナ」

 

ディアナ達ヨーロッパ支部のメンバーも作業が終わったようだ

 

「後は動作確認をするだけだな。ウィズ」

 

「お呼びでしょうか!マスター!」

 

VRの管理はNEVECを管理するために生み出したγにやってもらうことにしている

それにしても元気だな…

(お前が自分で作ったんだろうが!!by作者)

ん?なんか今変な電波が…

ま、いっか

 

「念の為状態の確認をしてからシステムを立ち上げろ」

 

「了解です!」

 

さて、これが終われば暇になるな

観光にでもいくか?

 

「ボーイ」

 

「ん?」

 

「二人が来たわよ」

 

「了解」

 

ディアナに呼ばれた方を向くと姉貴と黒兎がいた

 

「んで、何のようだ、お二人さん?」

 

「織斑春也、貴様に礼を言おうと思ってな」

 

「…」

 

「感謝する。私に本当の力を教えてくれて」

 

「ふっ、多少マシなツラにはなったな。だが、大変なのはここからだぞ」

 

「わかっている。見つけてみせるさ、絶対に」

 

「立派なもんだな、試験管ベイビー」

 

「なっ!?」

 

「おい春也!なぜお前がそれを知っている!?」

 

ラウラの出生の秘密をもらした俺に二人は驚き、問い詰めてきた

まあ、そうだろうな

言わばドイツの闇だろうし

 

「NEVECにこいつの前任者がいると言えばわかるか?言わば黒兎、お前の姉がいるということだ」

 

「そんな…」

 

「春也、それならお前はラウラのことを…」

 

「元から知っていたさ。こいつがどんな奴か、どんな生活をしてきたかはな」

 

「…」

 

「だが、こいつがどんな生まれだろうが関係ない。今俺の目の前にいるのはラウラ・ボーデヴィッヒ。ドイツ軍所属の人間だ。あんたもそう考えてるんだろ、姉貴」

 

「ふっ、お前らしいな。まあ、その通りだがな」

 

「教官…」

 

「前から言っているだろう。お前の生まれがどうだろうとお前は私の教え子の一人だ」

 

「…はい!」

 

「んで、どうする会ってみるか?」

 

「あ、会えるのか!?」

 

「テレビ電話だがな」

 

「…頼む」

 

「ああ、ウィズ」

 

「なんでしょう?」

 

「クロエに繋いでくれ」

 

「わかりました!」

 

「あっちは今は夜か。起きてるといいが…」

 

『はい、クロエです。何か用ですか、兄さん?』

 

「すまんな、こんな時間に。それと用があるのは俺じゃない。こいつだ」

 

『ああ、そういう事ですか。初めましてですね、完成品。私は失敗作の一人、クロエ・クロニクルです』

 

「あ、ああ、初めましてだな。私はラウラ・ボーデヴィッヒ。ドイツ軍IS部隊、シュヴァルツェ・ハーゼの隊長だ」

 

「クロエ、自虐ネタはやめろ。こいつも戸惑ってるだろうが」

 

『ふふ、すみません。少しからかいたくなったもので。改めまして、クロエです。これからよろしくお願いしますね。妹さん♪』

 

「ああ、ね、姉さん」

 

『…悪くないですね』

 

「積もる話もあるだろうから二人で話すといい。姉貴、行くぞ」

 

「ああ」(よかったな、ラウラ。お前はもう孤独じゃない)

 

『ああ、兄さん。あの事話しても?』

 

「…好きにしな」

 

そして俺は姉貴を連れて部屋から出ていった

うちの奴らにも今は入らないように伝えてな

 

「春也、いくつか聞きたいことがあるのだが」

 

「なんだ、姉貴?」

 

「クロエ、だったか?何故お前のことを兄と呼んでいるんだ?」

 

「…なんかなつかれてこうなった」

 

「そ、そうか。…もう一つあるのだが」

 

「…」

 

「『あのこと』とはなんだ?」

 

「…」ハァ

 

あまり言いたくはないんだがな

 

「他言無用だぞ。あまり俺も話したくないんだ」

 

「わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そうですか。そっちも大変だったようですね、ラウラ』

 

「ああ、だがもう大丈夫だ。それよりもさっき言っていた『あの事』が気になるのだが」

 

『…あまり他言しないでくださいね。私は今はNEVECに所属してますが当初は束博士に助けられたんです』

 

「束博士!?篠ノ之束博士か!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつが!?」

 

「ああ、そうだ。元々、あの施設を見つけたのは束さんだった。俺達はその報告を聞いて手助けしたに過ぎない」

 

「そうか。束が…」

 

「あの時の光景は忘れられない。無残に荒らされた部屋、割れていたガラスのケース、おびただしい血痕、立ちすくむ束さん、そして、放置されていた人の入ったケース…」

 

「まさか…」

 

「そのまさかだ。ケースの中がのちのクロエ、そして、血痕は束さんが殺した研究者達の跡だ」

 

「そんな…」

 

「抑えられなかったんだろうな。自分の作ったISでこんなことになった事に。それを悪用しようとしていたヤツらに」

 

「…」

 

「なあ、姉貴。束さんがなんで箒に会いに行かないか知ってるか。見せたくないんだとさ。血に汚れた自分を。人として落ちる所まで落ちた自分を…。それからか。束さんが無理をしている顔をし始めたのは…。今はクロエもいるから何とかなっているが…」

 

「あの…あの…大馬鹿者が…!!!」ガンッ

 

姉貴は手を強く握りしめて壁を殴りつけた

そこからは血が流れ出した

 

「あいつはいつもそうだ!一人で何かを成し遂げようとして結局は誰かを巻き込むか、自分を犠牲にしようとする…!何故私に一言言わなかった…!何故…。束、お前にとって私はそんなに頼りないのか…」

 

「姉貴…」

 

俺は姉貴の手を取り、傷の手当てをし始めた

 

「…その言葉は本人に直接言ってやれ。俺からも言ってあるがあんたが言ったほうが効果的だ」

 

「…そうする。春也、この事は」

 

「クロエにも言っていない。あいつは束さんが自分を救ってくれた恩人ということしか知らない」

 

「そう、か…」

 

そう言うと俺と姉貴はお互い黙ってしまった

本当は言うつもりはなかった

だけど束さんを助けるためにも姉貴には話しておかないといけなかったのだ

真実を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうか。弔いもしてくれたのか…」

 

『ええ。こちらに彼らの墓があります。一度、来てください。一緒に行きましょう、ラウラ』

 

「ああ、日本に行った時には必ず…」

 

先ほど春也が言っていたがクロエは束さんが自分を生み出した研究者達を殺したことは知らない

彼女は束さんを命の恩人としか知らないのだ

そして春也が手伝い、日本のNEVEC本社の近くに彼女たち以外の既に廃棄されていた試験管ベイビーたちの、彼女の家族の墓を作ったのだ

クロエは月一でそこに行っている

 

『私たちはけして忘れてはいけないんです。私たちが今を生きていられるのは彼らがいたからだということを…』

 

「ああ、そうだな…。その通りだ、姉さん」

 

『ええ』

 

「お二人さん、そろそろいいか?」

 

そんな話をしていると春也が部屋の中に入ってきた

 

「いい加減仕事も終わらせたいんでな」

 

「ああ、すまない。姉さん、また連絡する」

 

『ええ、楽しみにしてますよ、ラウラ。兄さんもそれじゃ』

 

「おう」

 

そう言い残し、クロエとの通話は切れた

 

「さて、ウィズ」

 

「なんでしょう?」

 

「ディアナ達を呼び戻せ。テスト運用をする」

 

「了解です!」

 

「ラウラ、お前が入るか?」

 

「ん?VRにか?」

 

「ああ。俺も入るがこれからはお前らが使うものだからな。直接体験してもらった方が早い」

 

「ふむ、なら頼もうか」

 

「ああ」

 

「それと教官はどうした?」

 

「…大事な電話をしている」

 

「む、そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プルルルプルルルガチャ

 

『もすもす、ひねもす♪大天災の束さんだよ!久しぶりだねー、ちーちゃん!なんか妖怪?なんちって』

 

「…束、春也から聞いたぞ」

 

『っ!?そう…。聞いたんだ、あのこと…。それでちーちゃんは私のことをどう思った?軽蔑した?もう関わりたくないと思った?そうだよね。人殺しの友人なんて持ちたくないよね…』

 

「…この…大バカ野郎が!!!」

 

『ひゃっ!?』

 

「何故お前は誰かに相談する間もなく行動するのだ!!もっと人の助けを求めんか!」

 

『だ、だけど』

 

「だけどもくそもあるか!私や春也に相談して行動しろと言っているんだ!お前一人で全てを背負う必要はないんだ!…ISについては私にも責任がある。もう一度言うぞ、束。お前一人で全てを背負う必要はないんだ」

 

『ちーちゃん…。でも私が殺したことには変わりないんだよ。これは私の罪なんだ…』

 

「確かにお前は人を殺した。それが外道なヤツらだろうが変わりはない。だがな、お前が人殺しだろうがなんだろうが私の友人に変わりはない。だから、あまり重く考えるな。これからその罪は償っていけばいい」

 

『…うん、そうだね。その通りだよね。…ありがとうね、ちーちゃん』

 

「ふん、お前に振り回されるのはいつもの事だからな。このくらいはどってことはない」

 

『ちょっと!いいこと言ったあとなのに台無しだよー!』

 

「知るか。それで箒には会いに行くのか?」

 

『…連絡はしようと思うよ。話もする。でも会いには行けないかな。迷惑かかるし』

 

「重要人物保護プログラムか…」

 

『うん。多分箒ちゃんは私の妹ってことでIS学園に行かされるはずだから会いに行くならその時かな』

 

「そうか…。実はな、私にIS学園で教師をしてくれないかと来ていてな。受けようと思う。身内贔屓はできないが少しくらい面倒を見よう」

 

『うん。ありがとうね、ちーちゃん』

 

「ああ。束、何かあれば連絡をしろ。手伝えるかはわからんが勝手に動かれるよりはマシだ」

 

『そうするよ。束さんとしてもちーちゃんやはーくん、箒ちゃんに心配をかけるのは避けたいからね』

 

「ああ、そうしてくれ」

 

『うん。じゃあね』

 

「ああ」

 

プツ、ツーツーツー

 

「ふう」(これでなんとかなっただろうか。束が箒に会う意志を見せただけでも進展か…。まあ、私は私の出来ることをやろう。大切な者達のために…)

 



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苦労する元亡霊

UAが2万を超えてました!
ありがとうございます!












「…」

 

ここはNEVEC日本本社の最上階にある執務室

そこではとある1人の女性が黙々と書類を片付けていた

現NEVEC代表取締役社長、スコール・ミューゼルである

 

「…終わらない」

 

彼女の座るデスクには大量の書類が山のように積まれていた

 

「…やっても、やっても、終わらない」

 

それもそのはずである

ここ、NEVEC日本本社にはNEVEC内全ての情報が集まるのだ

世界随一の企業で様々な分野に手を出してるNEVECの報告書の数は計り知れないのだ

 

「これ、彼はどうやってたのかしら…」

 

スコールはそう呟いた

織斑春也はどうやってこの書類をまとめていたのかと

まあ、春也はウィズを使って自分が判断しないといけなかったり、承認しないといけなかった書類以外は省いていただけだが…

それでもウィズがまとめたデータを1度は流し見をし、チート(完全記憶能力)で記憶、瞬時に次の手の判断をすることくらいはしていた

 

「…今度聞きに行ってこようかしら」

 

尚、スコールがこのことを知り、ウィズに手伝わせるようになったのは一週間後のことだった

 

コンコン

「失礼します」

 

「あら、ローレンス。どうしたの?」

 

ノックと共に入ってきたのはエクストルーパーズの主人公の父親、ローレンス・ターナーであった

最もこの世界の彼は技術者だったがISの登場により職を失ったところを春也と束がNEVECにスカウトしたのだ

ちなみにこいつ意外にも各方面で結構優秀なので秘書的な立場にいる

なのでスコールに書類などを持ってくるのも彼なのだ

 

「すみません、お忙しいところ。実はヨーロッパ支部からの報告書が上がってきてまして。それでどうやらドイツ軍、ドイツ政府の両方から連携を取りたいと提案されたそうで社長の判断を仰ぎたいそうです」

 

「…のよ」

 

「社長?スコール社長?」

 

反応があまり無いのでローレンスは声をかけるが

 

「彼は向こうで何をやっているのよー!!!!」

 

「おう!?」

 

急に大声を出したスコールに驚き、少し後ずさってしまった

そしてスコールは面倒な仕事が増えた原因だろうと思われる遥かドイツの地に行った創設者兼スカウトしてきた人物を思い浮かべて叫んだ

 

 

 

これはスコール・ミューゼルの仕事量が一般レベルになる二週間前の出来事であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それではいいですか?』

 

「…ああ」

 

ところ変わってここはNEVECの私有地である野外実験場

NEVECの開発班と離れたところにテストパイロットであるオータムがいた

 

(これ、本当に大丈夫なのか?)

 

最早何十回も思ったことを心の中で繰り返すオータム

それもそのはずである

彼女がテストするのはISやVSの機体、又はその装備なのだがNEVECの物は一風変わった物なのだ

そのためいつもいつも少しの不安に襲われてしまうのだ

しかし、今回の実験はいつもの本社地下にある演習場兼実験場ではなくわざわざ外で行うことなのだ

その内容は

 

(本当に行けるのかね、宇宙に)

 

NEVECの最終目的の一つとも言えることであった

 

 

 

 

 

 

 

『それでは開始してください!』

 

「了解…」

 

そう言われ、腰に付けたベルトのスイッチを一つずつ下げていく

 

3-2-1(スリー、ツー、ワン)

 

「変身」

 

そしてカウントダウンが終わったあとに横のレバーを前に押し出し、オータムは姿を変える

仮面ライダーフォーゼへと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フォーゼの起動を確認したよ」

 

「分かった」

 

少し場面は変わり、ここはデータを取っている開発班の面子がいる場所である

 

「それにしてもあの人はよくこんなものを思いつく」

 

「お陰で僕らも毎日が楽しいけどね!」

 

「ふっ、その通りだな」

 

彼らは約8割が元亡国の研究者である

春也は彼らにEX-Tなどのエネルギーを説明に一緒に研究して欲しいと頼んだのだ

彼らにもメリットが多くあったので簡単に承諾し今に至る

開発は基本的に春也が行っているがその改良などは半々くらいで行っており、実験データは春也しかとれないもの以外は彼らだけで取っているのだ

 

「さて、そろそろ始めるか」

 

「うん、そうだね」

 

「ジュリィ、打ち上げるから配置についてくれ」

 

『OK!いつでもいいわよ!』

 

『それにしても良いなぁ、オータムさん。一足先に宇宙行けるなんて』

 

『そこっ!無駄口叩いてないで配置につく!』

 

『はーい』

 

「ノン、こんな感じで本当に大丈夫か?」

 

「あはははぁ。ま、まあ、大丈夫だよ。うん、きっと」

 

『おい、不安になるようなことを言うな。実際やるのは私なんだからな』

 

「あ、すみません」

 

「はあ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(やれやれだな。まあ、ヤツらなら大丈夫だろ)

 

オータムはそう思った

なぜなら彼らは春也が少しの間だけだったが直接面倒を見ていた面子なのだ

春也の弟子と言っても過言ではないのだ

 

『それじゃあ、オータムさん、スイッチを入れて下さい』

 

「おう」

 

『Rocket ON』

 

スイッチを起動させると、左腕にオレンジ色のロケットがつく

 

「行くぜ!」

 

そしてそれが点火し、オータムは空へと飛んでいった

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

グングンと高度を上げていくと

 

「見えたぞ!宇宙だ!」

 

オータムは大気圏を突破したのだ

しかし、そのタイミングでロケットの燃料が切れた

 

「うぇ!?マジかよ!?」

 

オータムはそのまま地球の重力に引っ張られ大気圏に突入して行った

 

「うぉぉぉぉぉぉ!?落ちるぅぅぅぅ!!??」

 

『オータムさん!すぐに7番のスイッチを!』

 

「!そうか!」

 

オータムはすぐにスイッチを交換し、使う

 

『Parachute ON』

 

すぐさまパラシュートが開き、ゆっくりと降下してきた

 

「はぁ、死ぬかと思ったぜ」

 

『お疲れ様です。回収にはジュリィ達が行くのでお待ちください』

 

「了解…」

 

そしてオータムは落下しながら思った

しばらくこれをやり続けないといけないのか、と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織斑マドカは疲れていた

家族は自分に良くしてくれているし、美味い飯も毎日食える

友人との関係も良好だ

では何に疲れていたか?

それは一夏の鈍感さである

もはや病気レベルのそれはマドカをも巻き込んでいたのだ

かといって一夏のことを異性として好きという訳では無い

一夏の鈍感さにより不幸を被った人たちのフォローをしているのだ

 

「はぁ、あのバカは、また」

 

「ん?どうかしたの、マドカ?何か疲れてるみたいだけど」

 

「鈴か…。いやな、家のバカの後始末に疲れてな」

 

「あ、あー。一夏の、ね。その、お疲れ様」

 

「そんなことをいうくらいなら手伝ってくれ」

 

「いや、それはなんと言うか…」

 

「はあ、お前はあんな奴のどこがいいというのだ。確かに優良物件ではあると思うが無自覚タラシの超鈍感バカだぞ」

 

「べ、別にいいじゃない!」///

 

「はあ」

 

マドカは空を見てこう思った

 

(兄さんでも姉さんでもいい。早く帰ってきてくれ…!そしてアイツを何とかしてくれ…!)

 

マドカの切実な願いであった




何か、亡国3人組が苦労人に…
まあ、これも二次創作だからね!
ぜひもないよね!


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第一次NEVEC VS IS学園

久々の投稿
そして、異様に長い…
その割りにはオチが微妙…
そして、相変わらず戦闘シーンは苦手です

こんな駄文でよろしければこれからもお付き合いください










ドイツでの仕事を終え、日本に戻ってきた

VRは問題なく稼働したし、ラウラも「これはいいものだ」と言ってくれた

今やドイツ軍ではシュヴァルツェ・ハーゼ以外の部隊でも訓練に使われている

お陰で俺らNEVECはドイツと連携をとることになった

どちらにもプラスになるのでありがたかった

ラウラのIS、シュヴァルツェア・レーゲンに搭載する武装も共同開発になったしな

あと、姉貴のお陰で束さんが持ち直した

いつもの元気を取り戻し、前向きになっている

その後から束さんはNEVECの日本本社で過ごすようになった

特別技術開発顧問として受け入れてはいるが政府には報告してない

まあ、面倒だからな

その後、箒と電話だが話はしたそうだ

内容は聞かなかったが束さんが泣いているのが見えたので拒絶されたのかと思ったが、ありがとうとごめんねを繰り返し言いながら泣いていたので今の自分を受け入れてもらったのだと言うことがわかり、詳しい話は聞かなかった

 

そんなこんなで色々あったがドイツ軍のVRのデータが来たことにより本格的にVRのゲームを作り出した

機器はSA〇のナーヴギアをモデルにして作り、世界感は色々なものをごちゃまぜにして作った

ゲームの名前は『Another World』にした

VRはもう一つの世界の様なものだからな

まあ、安直だが別にいいだろう

スコールに公表と購入者の抽選募集を頼んだらめちゃくちゃ睨まれた

俺、なにかしたか?(←ドイツの件がスコールに回ってきた事を知らない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ドイツの件から約1年がたった

 

『Another World』は人気No.1のゲームになったし、フォーゼもパワーライザーとスーパーロケットスイッチを使うことによって、月まで行くことができるようになった

現在はその下位互換『なでしこ』の制作兼量産を行っている

三つほど完成はしたのでフォーゼと共に月まで行き、月面基地を作成中だ

 

個人的な事としては姉貴がIS学園の先生になったことと、一夏とOHANASI☆をしたことぐらいか…

マドカに泣きながら何とかしてくれって頼まれるなんて思っても見なかったぞ…

 

そして、俺の高校生活最後の夏休み、姉貴から電話がかかってきた

 

「代表候補生と模擬戦?」

 

『ああ、NEVECの代表と今、IS学園に所属する代表候補生との、な』

 

「あー、流石に俺の一存じゃ決められん。それに俺は無理だぞ。世間一般的には俺はISを動かせないからな」

 

『ああ、それはわかっている。だからそっちのお前以外の専属パイロットとの試合をお願いしたい』

 

「んー、許可が取れれば多くて3人が限界か…。とりあえずスコールに聞いてみるわ」

 

『すまん、頼んだ』

 

代表候補生か…

今学園にいるのは更識とダリル・ケイシー、フォルテ・サファイアぐらいか?

とりあえずスコールに電話しないとな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千冬said

 

春也経由でNEVECとの模擬戦を組むことができた

こいつらは休みを潰されて少し不貞腐れてるが、最近たるんでいるからな

今日の模擬戦がいい影響を与えるといいが…

む、見えてきたな

 

「あれがNEVECの本社っスか…」

 

「でけぇな…」

 

「ふーん」(NEVEC。世界最大の企業で様々な分野に力を入れているけど軍事関連だけは手を出さない企業。ISも開発しているけど目的は宇宙開発のため…。更識の暗部を送り込んでも情報が何一つ手に入らない謎の組織…。警戒はした方が良さそうね)

 

三者三様の反応だな

さてと、着いたから降りるか

 

「さっさと降りるぞ」

 

「おう」「はいっス」「はい」

 

さて、迎えが来るはずだが

 

「遠路はるばるお疲れ様です、千冬様」

 

「クロエか。迎えはお前でいいのか?」

 

「ええ」

 

「先生、知り合いですか?」

 

「ああ。私はNEVECに少し関わりがあってな。それで少しは顔が知れているのさ」

 

「そうなんスか」

 

「NEVEC所属開発部門副主任兼テストパイロットのクロエ・クロニクルといいます。以後お見知りおきを」

 

「アメリカの代表候補生、ダリル・ケイシーだ」

 

「ギリシャの代表候補生のフォルテ・サファイアっス!」

 

「ロシアの代表候補生、更識楯無よ」

 

「よろしくお願いします。それではこちらへ。社長がお待ちです」

 

む、あいつが?

 

「クロエ、あいつが私たちに用があるのか?」

 

「いえ、模擬戦の前に少し挨拶がしたいとのことでして」

 

「そうか…。わかった。案内してくれ」

 

「では、こちらへ」

 

 

 

 

 

私たちはエレベーターに乗り、最上階までやってきた

その奥に、社長室と書かれた扉があった

 

コンコン「社長、IS学園のお客様方をお連れしました」

 

『入っていいわよ』

 

ガチャ 「失礼します」

 

そこには書類を見ているスコールの姿があった

私たちが部屋に入ってからはこちらを見たが…

 

「久しぶりだな、スコール。少し痩せたか?」

 

「ええ、久しぶりね、千冬。痩せたというよりもやつれたと言った方が正しいのかしら…」

 

「…苦労してるんだな」

「お蔭さまでね。さて、ようこそNEVECへ。私たちはあなた方代表候補生を歓迎するわ。それと久しぶりね、ダリル」

 

何?

ダリルと知り合いなのか?

 

「…ああ、久しぶりだな。スコール叔母さん」

 

「叔母さんはやめなさい。これでもまだ若いのよ」

 

「まさか、あんたが社長とはな…」

 

「あら、ここに来るとわかってから調べたとでも思ったから既に知っていると思ってたけど…」

 

「私がそんなことをするように見えるか?」

 

「いえ、全然見えないわね」

 

「…ったく」

 

ふむ、親族と言ったところか?

 

「せ、先輩?どういうことっスか?」

 

「ん?そこの社長は俺の叔母なんだよ」

 

「え、えー!?初耳っスよ!?」

 

「そりゃそうだろ。滅多に連絡を取らない人だったしな。俺も今知ったし」

 

「私はあなたが代表候補生だったのは元から知っていたけどね」

 

なるほどな

これは春也も知っているのか?

あとでそれとなく聞いておくか

 

「スコール、そろそろ」

 

「ええ、そうね。演習場は地下にあるわ。クロエに案内させるからついて行ってね。私は見ることはできないけどこちらのテストパイロットも負ける気はサラサラないのでそのつもりで。クロエ、よろしくね」

 

「はい。では皆さん、ついてきてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

クロエに再び案内されて着いたのはIS学園よりも大きな地下演習場だった

 

「すげぇな、こりゃ」

 

「ひろいっスねぇー」

 

「…」

 

更識が先程から黙っているな

大方、暗部関連で警戒してるのだろうが

 

「更識」

 

「はい、何でしょう?」

 

「警戒するだけ無駄だ」

 

「っ!?」

 

「お前が思っていることはけして無いから安心しろ」

 

「…わかりました」

 

やれやれ

 

「皆さん、更衣室はあちらです。ISスーツに着替えたら一人づつ模擬戦を始めます」

 

「わかった。お前ら、早く着替えてこい」

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒たちが着替えを終えて出てきた

 

「それで私たちの相手は誰なのかしら?」

 

そう、更識がクロエに質問する

 

「私とあと二人です。もう来ると思いますが」

 

その時、後ろの扉が開いた

 

「全く、久方ぶりの休みだったてのに」

 

「諦めろ、オータム。こんな日もある。本当なら私だって蘭たちと買い物に行く予定だったんだからな」

 

「はあ、仕方ねぇか」

 

そう言い合いながらオータムとマドカが入っていた

 

「オータム、マドカ、休みのところすまないな」

 

「よぉ、千冬。まあ、いいさ。偶にはうちのやつら以外とも戦ってみたいしな」

 

「姉さんは気にしなくていい。買い物くらいまた行けばいいだけだしな」

 

「2人とも、代表候補生の方に挨拶を」

 

「おう。オータム・プライム、NEVECのテストパイロットだ」

 

「織斑マドカ。NEVECのテストパイロットで織斑千冬の妹だ。来年はIS学園に入学する予定なのでよろしく頼む、先輩方」

 

そう言えばそうだったな

となると、マドカは私の生徒になる訳か

 

「え、えぇ!?織斑先生、妹いたんですか!?」

 

「む?言ってなかったか?」

 

更識なら知っていると思っていたが

 

「弟がいることは知っていましたが妹までいるなんてきいてませんよ!?」

 

「まあ、そうなるか」

 

マドカは少し特殊だからな

まあ、私の家族には変わりないがな

 

「さて、誰から始める?」

 

「では私から」

 

NEVECからはクロエか

 

「うちが出るっス!」

 

こちら側はフォルテが出ることになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人称視点

 

演習場内には既にフォルテが専用機『コールド・ブラッド』を纏って待機していた

そこに動きやすい服装に着替えたクロエが出てきた

 

「機体はどこっスか?」

 

「今の見せますから安心してください」

 

そう言うとクロエの腰に金色のベルトが出てき、手には黒いパスが握られていた

そして、

 

♪〜♪~♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜

 

軽快な音楽がなった

 

「変身」

 

クロエはパスをベルトの前に持っていき、

 

『Strike Form!』

 

変身した

 

仮面ライダーNEW電王へと

 

「はぁぁ!?なんスか!?何なんスか!?その技術!?カッコイイじゃないっスか!?」

 

『かっこいいだけじゃ無いですよ。テディ、モモ、ジーク』

 

クロエがそう言うと、マチェーテディとモモタケンが手に、そしてウイングフォームを模写した翼、ジーウィングが背中に装着される

 

『それではフォルテ・サファイアとクロエ・クロニクルの模擬戦を始める』

 

千冬の声が響き、カウントダウンが始まる

 

そして、カウントが0になった瞬間

 

『っ!!』

 

クロエが突っ込んだ

 

が、

 

「甘いっスよ!」

 

フォルテの作り出した氷壁によって阻まれる

しかし、その氷壁は

 

『はっ!』

 

炎を纏ったモモタケンによって溶かされながら切られる

 

「マジっすか!?」

 

フォルテは驚いた

今まで氷壁を破ったISはそんなにいなかった

だからこそ、まさか剣で焼き切られるとは思っていなかったのだ

しかし、そこは代表候補生

すぐに後ろに下がるが

 

『逃がしません…!』

 

マチェーテディに内蔵されている仕込み銃が放たれる

 

「ぐっ!」ガン!

 

フォルテは1発は食らったがすぐさま氷壁を作り出し、追撃を防ぐ

そして、空に飛び上がった

 

「やるっスね。今度はこちらのばんっス!」

 

そう言うと、フォルテの周りに氷柱が作り出され

 

「行くっス!」

 

発射された

それをクロエはジーウィングで飛び上がり、避けていった

 

『デネブ!』

 

クロエは氷柱を避けながらマチェーテディとモモタケンをしまい、新たにデネビックバスターを取り出す

 

『喰らいなさい…!』ガガガガガガ!

 

いつまでも飛んでくる氷柱を避けながらデネビックバスターのトリガーを引く

 

「うぉぉぉ!?マシンガンっスか!?それにしては威力おかしいっスよ!?」

 

氷壁を出し、その場を離脱する、ということを繰り返しながらフォルテはクロエの攻撃を避けていた

それでも氷柱による攻撃は止めなかった

流石に打ち出せる数は減っていたが…

 

「(このままじゃジリ貧っスね。なら)奥の手スよ!!!」

 

そう言うとフォルテは高く飛び上がり、『コールド・ブラッド』の氷を作り出す能力をフルに使い、巨大な氷塊を作り出した

 

『…なら』

 

それに対し下の方にいたクロエはパスを取り出し、ベルトに当てた

 

『Full Charge!』

 

ベルトから音声がなるとデネビックバスターにエネルギーが溜まっていく

 

「喰らうっス!!!」『バスターノヴァ!!』

 

氷塊と高熱のビームがぶつかりあった

そして、氷壁は溶けながら砕け散ったがバスターノヴァもそれだけで止まってしまった

 

(どこっスか!?)

 

しかし、大量の水蒸気が発生したせいで上空にいたフォルテはクロエのことを見失っていた

 

『Full Charge!』

 

「!」

 

フォルテは上から音がしたのでそっちの方を向くが

 

『はぁぁぁぁ!!』

 

そこには大斧、キンタオノを握りしめたクロエの姿があった

急いで氷壁を作り出すが

 

『はぁ!!!』

 

振り落とされたキンタオノに簡単に破られ

 

「グァァァァ!!!」バギバキバキ

 

そのままの勢いで自分にも当てられた

胴体に当たっていたので絶対防御が発動し、ゴリゴリとSEが減っていった

そして、二人はそのまま落下していき、

 

「ぐはっ!!」

 

フォルテは地面に叩き付けられ、クロエはキンタオノを構えたまま着地した

 

『…ダイナミックチョップ』

 

そして、試合終了のブザーがなった

 

 

クロエ・クロニクル

『NEW電王』

VS

フォルテ・サファイア

『コールド・ブラッド』

 

ダイナミックチョップによりクロエの勝利

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すいません、先輩。負けてしまったっス」

 

試合終了後、フォルテとクロエは皆がいる観戦室に戻って来ていた

 

「まあ、仕方ないさ。敵は取ってやるよ」

 

「うぅ〜、先輩〜!!」

 

若干百合ぽい雰囲気がするが放っておこう

 

「ふふ、久しぶりに楽しめました♪」

 

「いや、クロエ。ダイナミックチョップはやりすぎだろ」

 

「こいつ、戦闘には容赦ないからな」

 

オータムがクロエにそう言い、マドカはどこか遠い目をしていた

 

「…さて、次は誰が行く?」

 

変な空気になりかけていたので千冬が次の模擬戦を開始を促した

 

「俺が行きますよ!」

 

「先輩!頑張るっス!」

 

学園側からはダリルが

 

「なら、次は俺が出るか」

 

NEVEC側からはオータムが出ることになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、再び場面は演習場内に移る

既にダリルは専用機『ヘル・ハウンドver2.0』を纏い、待機していた

そこに『アキレスD9』を纏ったオータムが出てきた

 

『待たせたか?』

 

「いや、そうでもない。…NEVECでは全身装甲(フルスキン)が流行っているのか?しかも随分と細かいし…」

 

『開発者の趣味でな。うちのは基本的にこうだ。息苦しいとかはないからいいけどな』

 

「そうか…。よく、スコール姐さんが認めたな…」

 

『まあな。これはこれでカッコイイから俺は気に入っているがな。それにしても久しぶりのアキレスだ。テンションが上がるな!』

 

オータムなそう言うとアキレスD9の目が光る

 

『それではダリル・ケイシーとオータム・プライムの模擬戦を開始する』

 

再び千冬の声が響き、カウントダウンが始まる

カウントが0になると

 

「オラっ!」

 

ダリルがオータムに向かって火球を放った

それは

 

『甘ぇよ』

 

オータムが展開したソード、オートクレールによって切り捨てられた

 

「ま、そのくらいは、そうなるか…」

 

『今度のこっちから行くぞ』

 

そう言ってオータムはレイピアである、デュランダルも展開し、二刀流でダリルに襲いかかる

 

「ちっ!」

 

ダリルはそれを避けようとして空に飛び上がるが、

 

『俺の方が早ぇよ!』

 

ヘル・ハウンドよりもアキレスD9の方がスピードが早く、追いつかれてしまう

 

『おらっ!』

 

「グッ!」ガキン

 

オータムが振り下ろしたオートクレールはダリルに当たるが

 

「捕まえたぜ」

 

それはダリルに掴まれてしまい、オータムは

 

「喰らいやがれ!」

 

肩の犬頭からの火炎放射をまともに喰らってしまった

 

『どわっ!』

 

このまま火炎放射を喰らい続けるのもマズいと思ったオータムはダリルに蹴りを入れ、距離をとった

 

『唯の飾りかと思ったがそうでもなかったって訳か』

 

「そういうこった」

 

『なら、こうするか。ソードビット展開』

 

オータムがそう言ったらアキレスの背部にある発生装置からエメラルド色の剣が8本出てくる

 

『行け!』

 

「まじかよ!?」

 

ソードビットは縦横無尽に飛び回りだし、ダリルを攻撃し始めた

 

「うぉ!?くっ、がっ!?」

 

いくつかは避けることはできたが次第に被弾率が上がっていった

 

「っざけんな!」

 

しかし、ダリルは被弾しながらもひとつ叩き落とした

落とされたソードビットは消えていった

 

「はっ?」

 

『俺のソードビットはエネルギーを固めたものだ。落とせば自然消滅する。そして、』

 

再びオータムの背部からソードビットが飛び出す

 

『エネルギーが続く限りまだまだ出せるぞ』

 

「クソったれ!制御どうなっているんだよ!?この数の制御なんて」

 

『俺が制御してる訳では無いからな。それはAIによる自動追尾だ』

 

ソードビットは次に数を増やし、一斉にダリルに襲いかかる

 

「グッ、がっ!?」(くそっ、SEが…!)

 

『そろそろ終わらせようか!必殺ファンクション!!』【コスモスラッシュ】

 

そして、ソードビットにより動けなくなっていたダリルにオータムは青色のエネルギーを纏った斬撃を放った

 

「がはぁっ!?」

 

そして、ブザーがなった

 

 

 

 

 

オータム・プライム

『アキレスD9』

VS

ダリル・ケイシー

『ヘル・ハウンドver.2.0』

 

ソードビットの数の暴力によりオータムの勝利

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は再び観戦室に移る

 

「せ、先輩、大丈夫っスか?」

 

「…どうやって勝てってんだよ、あんなの」ズーン

 

ダリルは数の暴力を受けたせいで若干落ち込んでいた

 

「オータム、やりすぎだろ。クロエよりもたちが悪いぞ、あれは」

 

「対処法を知っている私たちならまだしも彼女たちにとっては初見殺しもいいとこですよ!」

 

「すまん、正直やりすぎた。いやー、最近フォーゼばかり使っていたからな。つい、テンションが上がっちまって、な」

 

マドカとクロエに言われてオータムはバツの悪そうな顔をしていた

 

「なあ、マドカって言ったか?あれ、対処法あるのか?」

 

ダリルがそうマドカに質問する

 

「ん?ああ、あるぞ。ソードビット自体は速さはあるが耐久力はないからな。全て叩き落とせばいい。エネルギーが切れればもう出せなくなるしな。それか背部の発生装置を壊すかだな。どちらにしろ、あの速さを見切る動体視力が求められるぞ」

 

「…今の俺じゃどちらにしろ無理だな」

 

「どちらかといえばフォルテのほうがオータムに相性がいいだろうな。氷壁で守ればソードビットは防げるからな」

 

そんな話をしつつ、千冬が最後の模擬戦を促す

 

「ふむ。さて、最後だな。更識、マドカ」

 

「はい。マドカちゃん、負けるつもりは無いわよ♪」

 

「それはこちらも同じだ。胸を借りるぞ、先輩」ニヤッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり全身装甲(フルスキン)なのね…」

 

場面は三度演習場内に移る

そこには『ミステリアス・レイディ(霧纏の淑女)』を纏った更識と、

『ダブルオークアンタ』を纏ったマドカがいた

 

『始まりのIS、白騎士は全身装甲(フルスキン)だった。その理由はIS本来の目的である宇宙に行くためにそれが最適だったからだ』

 

「…だからNEVECのISは全身装甲(フルスキン)だとでも言うの?」

 

『まあ、それが主な理由だ。後は開発者の趣味だそうだがな』

 

「そんな理由!?」

 

『デザインなんてそんなものだろ』

 

「…そういう割り切っている性格は織斑先生そっくりね」

 

『それは私にとっては褒め言葉だな』

 

そんなことを言っているところにクロエから声がかかる

 

『マドカ、兄、こほん、開発顧問から連絡があります』

 

『ん?なんだ?』

 

『T-システムは使ってもいいが、それ以上はするな、との事です』

 

『ほう、了解した』ニヤッ

 

その通信を聞いた楯無は警戒をした

 

(T-システム?何かはわからないけど気をつけた方が良さそうね)

 

『それでは更識楯無と織斑マドカの模擬戦を開始する』

 

そして、千冬の声が響き、カウントダウンが始まる

 

0になった瞬間、ふたりはぶつかりあった

 

『ちっ!槍か!』

 

しかし、楯無はガンランス、マドカは剣だったため間合いが不利と思い下がった

 

「あら、下がっていいのかしら?」

 

しかし、楯無はガンランスに内蔵されているガトリングガンを放った

 

『効かん!』

 

だが、マドカはその水圧の弾を切り裂きながら後退をした

 

「やるわね。さすが、織斑先生の妹ってわけね」

 

『そちらもな。もう少し様子見をしたかったが仕方がない。出力を上げるぞ!』

 

マドカがそう言うとクアンタから出ていた緑色の粒子の量が多くなった

 

「…まだ本気って訳じゃ無かったって訳ね」

 

『行くぞ!ソードビット!』

 

「あなたも!?」

 

そして、6基のソードビットと共に楯無に攻撃を仕掛ける

楯無は先程のオータムの戦闘を見ていたため驚きはしたが冷静に対処していた

しかし、

 

『はぁ!』

 

「ぐっ!」(さっきよりも速さも威力も段違い…。それにソードビットとの連携。強いわね)

 

マドカも攻撃に加わっているため少しづつではあるがダメージを受けていた

だが、マドカも楯無が隙を見て放ってくるガトリングガンによりダメージを受けていた

 

 

そして、ふたりは一旦距離をとった

 

(そろそろいいかしら…)

「ねぇ、今日はやけに蒸し暑いとは思わない?」

 

『…なにが言いたい』

 

「ふふ、こういう事よ。【清き熱情(クリア・パッション)】!!」

 

ドカァァァァァァァン!!!

 

楯無は自分の操るアクアナノマシンによる水蒸気爆発を起こした

 

(?想定より爆発が小さかったけどこれで勝っ)『どこを見ている…』「えっ、ぐはっ!!」

 

勝ちを確信していた楯無の背後に現れたマドカは容赦なく、楯無を斬った

 

「どういう、こと、なの?」

 

そこに居たマドカは、ダブルオークアンタは赤く輝いていた

 

『【TRANS-AM】。機体の性能を3倍にまで引き上げるダブルオー特有のシステムだ。多少喰らいはしたが、避けたのさ。最も制限時間付きでそれが過ぎれば3分の1まで性能は落ちるがな』

 

「T、-システム…」

 

『そうだ。さて、更識楯無、終わらせようか』

 

「くっ!」(もう1度清き熱情(クリア・パッション)を使うほどアクアナノマシンは残っていない。かといってミストルテインの槍を使うのは無理ね。隙を見せることになって負けるわね…。可能性としてはトランザム?が終わるまで耐え切ること!)

 

『はぁ!!』

 

マドカの猛攻が始まる

先程と同じ、ソードビットとの連携攻撃だが、スピードは3倍

楯無がそれについていける訳がなく、攻撃を喰らい続け、SEが枯渇してきた

 

(あぁ、流石にこれはもう無理ね)

 

『終わりだ!』

 

そして、マドカは剣とソードビットを合体させた大剣を振るい、

 

 

そして、試合終了のブザーがなった

 

 

 

 

 

 

織斑マドカ

『ダブルオークアンタ』

VS

更識楯無

ミステリアス・レイディ(霧纏の淑女)

 

TRANS-AMが決め手となりマドカの勝利

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして場面は三度観戦室に移る

 

「負けちゃった…」

 

「はははは。更識、来年からは生徒会長交代かもな!」

 

「先輩、ものすごく悪い顔してるっス」

 

学園生徒最強=生徒会長であるため、楯無に勝てないダリルは暫くこのネタでいじることを決めたのだった

 

「ふう、久々にTRANS-AMを使ったがやはり疲れるな」

 

「稼働限界は三分ですか…。もう少し伸ばせるように改良が必要ですね」

 

「だな。後はマドカにかかる負担をどれだけ軽減できるか、か」

 

NEVEC組はダブルオークアンタの改良を考えていた

 

「ねぇ、マドカちゃん。少し気になったんだけど私の思っていたよりも清き熱情(クリア・パッション)の爆発が小さかったんだけど何か知らない?」

 

「む、それは「それはダブルオークアンタのGN粒子の影響だ」兄さん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてさて、昼飯を差し入れしようと思ってきたが色々と話をしているようだな

 

「あんた、誰っスか?」

 

「俺は織斑春也。織斑千冬の弟でマドカの兄だ。ついでに言えばNEVECで技術開発部門の顧問をしている」

 

「えっ?」「はっ?」「えぇ!?」

 

お、驚いているな

まあ、こんなガキが顧問ってのも信じれないか

 

「ちょ、ちょっと待って。織斑先生が言ってた関わりってマドカちゃんだと思っていたけど」

 

「はあ、そうだ。どちらかといえばこいつの方がでかい。それよりも言ってよかったのか、春也?」

 

「まあ、このくらいはな。それよりもGN粒子の話だったな」

 

「え、ええ」

 

「ダブルオークアンタの動力源にもなっているものだ。特殊な装置を使って発生している。これには電子機器を阻害する効果がある。その影響でナノマシンのいくつかが反応しなかったんだろうな」

 

「そんなものが…」

 

実際はT-ENGを使ってGNドライヴを再現しているだけだがな

 

「それにしても、阻害率が悪いのは相変わらず、か。設計から見直した方がいいかもな」

 

束さんに1度相談してみるか

 

「な、なあ、聞いてもいいか?」

 

「ん?なんだ、ダリル・ケイシー」

 

「こいつらの機体、全部お前が作ったのか?」

 

「製造は俺一人という訳では無いが、設計は俺がやったぞ」

 

「ISの設計を1から作ったんスか!?ありえねぇっスよ!?」

 

「ありえない事なんてありえない。なんせ俺は篠ノ之束の一番弟子だからな」

 

「「「ええぇええええぇぇえええええ!!!!????」」」

 

むっ、もうこんな時間か

 

「食堂に昼飯を作っておいた。食ってくるといい」

 

「すまないな、春也。お前ら!いつまでも狼狽えてないで行くぞ!さっさと着替えろ!」

 

さてとダブルオーの改良案を考えますか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(どういうこと!?織斑春也が篠ノ之束博士の一番弟子!?流石に私でも動揺するレベルの情報よ!?上、上に伝えないと!)

 

ちなみに更識楯無は動揺しすぎて飯の味がわからなかったそうです




次話からは遂に、!
原作に!


入れるといいなぁ…


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原作開始
これだから面倒事は嫌いなんだよ


早く書き上がったので投稿します!













(こ、コレは想像以上にキツい……)

 

あくる年の4月

中学から高校へと進級した多くの学生達が心機一転

新しい学び舎で緊張を顕にする今日この頃

織斑家の次男――織斑一夏も、そんな世間の新入生らと同じ様に、入学した新たな高校での初日を開始した

 

否、唯一他と違う点を挙げるとするなら、死にそうなくらい青白い顔をしているという点にあるだろうか?

右を向いても女子、左を向いても女子

 

そんな環境の中に一夏は居た

 

 

ココは“国立高等専門教育学校兼IS技能開発訓練校”つまり“IS学園”と呼ばれる学校である

そして世間ではISがまだ“女子”のみにしか扱えない為、一夏のいるその場所は所謂“女子高”であった

故に、その中にたった一人で通う事になった一夏の顔は、今にも死にそうなほどに憂鬱に染まっていた

 

(……どうしてこうなった?)

 

それは自分のミスだろ

受験の日、私立藍越学園の受験だったのだが、前年にカンニングやら、不正行為やらがあったらしく受験会場が変わったのだ

しかし、その会場はどうデザインしたらこうなるんだ的なぐらい道がわかりづらく、案の定一夏は迷った

そして、ある部屋に入ったがそこはIS学園の試験会場で、置いてあった適正確認用のISを興味本位で触ってしまい、あら不思議、男なのに起動できちゃいました♪

そして、世界初の男性操縦者としてIS学園入学が強制決定されたのだ

 

「はぁ〜…」

 

一夏は深い溜息を吐きながら、教室の中に唯一見知った顔を見つけて助けを求める

豊満な胸、そして昔と変わらぬポニーテールを揺らす大和撫子、篠ノ之箒に向って

しかし箒は、数年ぶりに再会した幼馴染である一夏の必死な“救援要請”を、「すまない……」というどこか悲痛な様子で無視した

このタイミングでクラスに唯一の男に話しかけるなど、注目の的になるに決まっている

そんな目立つ真似をあえて・・・買ってやれるほど、箒の性格は今も昔も豪胆では無かったのだ

 

(箒ェ……)

 

一夏は薄情な幼馴染に向って呪うような視線を送る。

しかし箒は何処吹く風で窓の外に視線を向けた

『空はあんなに青いのに……』と、聞こえてきそうな出で立ちである。

なので仕方なく、一夏は視線を己の机の上に落とした

本当なら2つ後ろの席にいる自分の妹、織斑マドカに助けを求めたいが、後ろを向くと他の多数の女子と目が合いそうだ、と思ったためやめたのだ

ちなみにそんな様子を見て、マドカもため息を付きたくなったのは仕方がないと思う

一夏の横顔をジッと観察する無数の女子

IS学園の一年一組は、まさにそんなどこか奇妙な静寂に包まれていた

 

「全員揃ってますね~。ショートホームルームを始めますよ~」

 

そんな雰囲気の中、救いの声が聞こえた気がした

 

(ああ、これで俺への興味は少しは薄れるはず…

神様、ありがとう!)

 

一夏がそんなことを思ったのもつかの間

 

「私はこのクラスの副担任になる事になりました。山田 真耶と言います。皆さん、一年間よろしくお願いしますね」

 

残念!山田先生の話は無視された!

そんなゲーム音声が聞こえてきそうな感じだった

視線は薄れず一夏に突き刺さる

 

(神は死んだ…)

 

無視された山田先生は少し弱気になりながらも学園の説明をしていく

そして、

 

「そ、それじゃ自己紹介を始めましょうか?出席番号順でお願いします」

 

最後まで無視された山田先生は自己紹介を促していく

そこは無視されず、次々に自己紹介を始めていった

しかし、

 

(自己紹介が始まってるんだからこっちをガン見しないでください…!)

 

それがお前の業だ、一夏

そんなことを一夏が考えていると

 

「…くん?…斑くん?織斑一夏くん!?」

 

「え?は、はい!俺!?」

 

山田先生に呼ばれてやっと現実に戻ってくる

 

「大声出してごめんなさい!で、でもね、今自己紹介で『あ』から始まって次は『お』で始まる織斑くんなの。嫌かも知れないけどやってくれないかな?」

 

「い、嫌とかじゃないですから!そんなに謝らなくてもやりますから!」

 

「本当ですか?本当にやってくれますか?」

 

「やります!やりますから…えー…織斑一夏です、よろしくお願いします」

 

「「「「………」」」」

 

しかし、女子生徒たちは無言で一夏を見続けていた

そして、その目には他の情報、はよ!、と言っていた

 

(何だ、この視線!他にも何か言わないといけない空気になってる…えーと…)

 

そして、一夏は大きく息を吸い、ある一言を言った!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…い、以上です!」

 

ズンガラガッシャーン!!

その場にいた殆どがずっこけた

うん、お前ら、新喜劇出れるよ

 

「あれ?ダメ?」

 

「駄目に決まってるだろ馬鹿者!?」スパァーン!

 

そして、バ夏は出席簿で叩かれる

叩いたのは姉の織斑千冬だった

 

「ってぇ!げ!呂布!?」

 

「誰が天下の飛将軍だ馬鹿者!?」ズドーン!!

 

今度は拳骨で殴られた

 

「うごっ!!ち、千冬姉!」

 

「学校では織斑先生と呼べ馬鹿者!」ガンッ!

 

「ぐおお!!」

 

…もう別に言わなくても分かるよね?

 

「織斑先生。もう会議は終わったんですか?」

 

「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けてしまい申し訳ない。それと会議以外にも用事があってな」

 

「いいえ。副担任ですからこれくらいはしないと…」

 

「さて、私がこのクラスの担任の織斑千冬だ。私の仕事はこれから一年でお前達を使い物になる操縦者に鍛えぬくことだ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導する。そして『IS』を使う事の意味も伝えていくつもりだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」

 

言っていることは軍隊の隊長です

そんなんで大丈夫か?(先生として)

 

「「「「きゃーーーーーーー!!!」」」」

 

「ぐああぁぁーーっ!耳がぁー!!」

 

一斉に奇声を上げた女子達の声はソニックブームを起こしたかのような大音量で一夏の耳を襲った

 

「キャー!千冬様、本物の千冬様よ!」「ずっとファンでした!」「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです!北九州から!」「私、お姉様の為なら死ねます!」

 

わぁお、バカしかいねぇ

 

「毎年毎年…なぜこれだけお調子者ばかりが集まるんだ…この反応が来るたびに嫌でも新年度が来たことを体感させられる…」

 

…お疲れ様です

 

「キャーーーーー!お姉様!もっと叱って!罵って!」「でも時には優しくして!」「そして、つけあがらないように躾をして~!」

 

言うまでもないがどんどん言っている内容が酷くなっていってる

 

「で…?挨拶も満足にできんのか、お前は…」

 

「千冬姉、俺は…」スパァーン!「バカ兄貴」ボソッ

 

「織斑先生と呼べ!」

 

「……はい、織斑先生…」

 

そして、バ夏が千冬のことを姉と呼んだせいで

 

「え…?織斑くんって、あの千冬様の弟?」

 

「それじゃあ、世界で唯一男でISを使えるっていうのもそれが関係して…」

 

「いいなあっ…代わって欲しいな…」

 

すぐに正体がバレた

 

「静かに!それともう1人紹介する奴がいる。入ってこい!」

 

千冬がそう言い、教室に入ってきたのは

 

「男!?」「春也さん!?」「春兄!?」「兄さん!?」

 

織斑家の長男、織斑春也だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春也said

 

さて、事の発端は俺の弟、一夏がISを動かしたことにある

男なのにISを動かせたことで他の男でもISを動かせるんじゃないかと世界は中学から高校で全国男性適性検査を行った

それは俺のいた料理学校『当月学園』でも行われた

 

「全く、卒業まじかだってのに。厄介なことで」

 

「そう言うな、焔月。コレばかりは仕方の無いことだろ」

 

「へーへー。相変わらず春っちは真面目なことで」

 

検査で順番待ちをしていた俺は学校の友人、焔月智裕(えんげつともひろ)と話していた

 

「とは言ってもよ、あれから一人も男性操縦者は見つかってないんだぜ。こんだけ探してもいないんだからやる意味ないだろ」

 

「…そうでもないと思うがな」

 

「あん?春っち、なんかあるの?」

 

「はあ、面倒なことにその唯一の男性操縦者は俺の弟だ。血筋的なことを言うと俺も動かせるだろうな…」

 

「春っち、マジ?」

 

そして、案の定俺もIS(束さんのコア)を動かせることが発覚した

先生からはどんまいって言われたよ

そして、姉貴が呼ばれ、俺はスコールにも連絡をとった

 

「んで、姉貴。俺もIS学園に強制入学か?」

 

「…そうなるな。全く、どうしてこうなった…」

 

「俺に言われても知らん。全ての元凶はあのバ夏だ。つーか、もう一度高校生活かよ…」

 

「あははは。まあ、どんまいとでも言えばいいのかしら」

 

「たくっ、他人事だと思いやがって。悪いがNEVECは巻き込むぞ、スコール」

 

「ちょっと!?また仕事増やさないでよ!?」

 

「そこんとこは俺が対応する。というかIS学園に入ったら全て明かす。創設者の事も束さんの弟子の事もな」

 

流石にVSやコアのことは言わないがな

 

「あなた、本気?世界中から狙われるわよ?」

 

「ハン!やれるもんならやってみなってんだ。裏情報は全て掴んでるし、力もある。余程のことがない限り負けはしんさ」

 

「まあ、それならそれで良いけど。とりあえずはテストパイロットってことにしておくわね」

 

とりあえずこれで俺の身はNEVECにあることになる

余程の馬鹿でなければ手出しはしてこんだろ

 

「そうだ。束で思い出した。あいつは一夏とお前のこの件に関して何か関わってるのか?」

 

「いや、全く知らないだとよ。束さんでも想定外のことらしい。それにまだ白騎士もできていなかった頃の話だが、その時は束さんのコアは俺にも反応しなかったんだ」

 

「なら何故?」

 

「これは前から束さんと考えていたことだが、産みの親()育ての親(千冬)、両方ともが女性だったことが原因でISは女にしか動かせないと考えたんだ」

 

「男性を知らないからISは男性を受け付けない?」

 

「憶測に過ぎないがな。だが、ある程度は合ってると思う。でも、二人に共通してよく知っている男が」

 

「一夏とお前か…」

 

「ああ、白騎士のコアからコアネットワークに俺たちの情報が流れたんだろうな。しかしこれはいい傾向だと俺と束さんは思う。俺達がISを使い続ければその情報はコアネットワークに流れ出る。そして、」

 

「最終的に男性でもISを使えるようになるって訳ね。何年かかるのかしら…」

 

しかし、情報を流すにはコアネットワークに俺のコアも繋がないといけないか…

今までは通信以外では拒絶していたからなぁ

大丈夫か?

 

「まあ、それはいいとして。姉貴、IS学園に入学するにあたって条件があるってことを上に伝えてくれ」

 

「どんな条件だ?」

 

そして、俺は条件をつらつらと言った

 

・俺の世間への公表はIS学園入学後にすること

・必要以上に俺に関与しないこと

・寮の部屋は一人部屋を約束すること

・NEVECへの追求はしないこと

・もし、一つでも破ったらISを全て無期限の凍結処理にするということ

 

「まあ、こんなとこか」

 

「通るかは知らんが伝えておく。お前の素性についても」

 

「言っていいぞ」

 

「わかった」

 

こうして俺の2度目の高校生活が決定した

というか、要求が簡単に通り過ぎて若干不安になるな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、入学日

俺は制服を着て校門の前で待っていた

俺のことが発覚するのが遅かったため、つい先程制服等が届いたばかりなのだ

その中には教科書とかも含まれていた

俺じゃなかったら大変だぞ、これ

 

「すまない、遅れた」

 

「よう、姉貴。そこまで待ってないから安心しろ」

 

「そうか、それとここでは織斑先生だ」

 

「了解、織斑先生」

 

「行くぞ、教室に案内する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここで待っていろ。呼んだら入ってこい」

 

「はいはい」

 

教室の前まで来た

姉貴は先に入っていったが ゴン!

…バ夏が殴られたな

というかそろそろ耳塞がないと

 

「「「「きゃーーーーーーー!!!」」」」

 

うるさっ!?

扉越しで耳塞いでいるのに!

全く、バカしかいねぇな、こりゃ

はぁ、だから来たくなかったんだよ

 

「入ってこい!」

 

ん、呼ばれたな、さてと行きますか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「男!?」「春也さん!?」「春兄!?」「兄さん!?」

 

教室に入った春也はそんな声を無視し、千冬を見ながら一夏を指さした

そして、空いている手で首を切るポーズをした

千冬は苦笑いをしながら頷き、

 

「ふんっ!」「ごはっ!」ガァツッッッン!!

 

春也は一夏を思いっきり殴った

 

「「「「「ええぇええええぇぇえええええ!!!!????」」」」」

 

「は、春兄…。どうして…?」

 

「るせぇ、バ夏。てめぇがIS動かしたせいで俺までこんなとこに来るハメになったんだ。殴られて当然と思え」

 

正論と言えば正論である

しかし、先程の千冬よりも威力のある拳骨を落とさなくてもいいだろうに…

 

「春也、自己紹介を」

 

「はあ、面倒な。織斑春也。そこの世界最強(ブリュンヒルデ)の弟で、そこでくたばっているバ夏とその後ろにいるマドカの兄だ。今年で19になる。本当なら高校を卒業する予定だったがそこの愚弟がISを動かしたことが判明した影響で俺も動かせることがわかり、ここに来た。趣味と特技は料理と発明。好きなことは俺自身が面白いと思うこと全般。嫌いなことは面倒事とごく一部を除いた馬鹿どもだ。ここにいるお前らがその馬鹿で無いことを祈るとしよう。それからNEVECのテストパイロットでもある。他にも肩書きはあるが時間がないので次の機会にでも言おう。3年間よろしく頼むぞ、年下共」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ホームルームが終わり、授業までの休み時間

世界で唯一の男性操縦者を見ようと1年1組の教室の廊下は生徒で溢れかえっていた

まあ、そこに居たのは唯一ではなく、二人の男性操縦者だったが…

 

「視線がウザったい…」

 

「ははは、まあ、仕方がないと思うしかないな。それにしてもまさか兄さんまでここに来るとは、な」

 

「ああ、どこぞのバ夏のせいでな」

 

「それについては悪かったって、春兄…」

 

「はぁ、過ぎたことだからもういい。それにしても」

 

春也は目線を廊下のほうに移す

 

「はぁ、何処ぞの兎じゃないが有象無象どもめが…」

 

春也は確実にストレスを溜めていた

 

「ちょっといいか?」

 

「うん?」「あん?」「ん?」

 

3人は声のした方を向くとそこには

 

「箒」

 

「よぉ、久しぶりだな、箒」

 

篠ノ之箒がいた

 

「ええ、お久しぶりです、春也さん。それと一夏も。後…」

 

「初めましてだな、篠ノ之箒。織斑マドカだ。生まれが特殊だったからお前とはあった事が無かったな」

 

「言っとくが血は繋がってるからな」

 

「そうですか…。うむ、これからよろしく頼む、マドカ。それはそうと一夏をお借りしてもいいですか?」

 

「え?俺?」

 

「「どうぞ」」

 

「ありがとうございます。一夏、来い」

 

「ちょ、ちょっと待ってて!箒!」

 

一夏は箒を追いかけてどこかに行ってしまった

 

「…なあ、兄さん。箒は」

 

「皆まで言うな。お前の思ってる通りだ」

 

「「はぁ…」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――であるからして、ISの基本的な運用は現時点で国家の認証が必要であり、枠内を逸脱したIS運用をした場合は、刑法によって罰せられ――」

 

スラスラと教科書を読んでいく山田先生

授業は次々に進んで行った

しかし、ここに全くついていけてない人物がひとり

 

(全然わからねぇ…)

 

織斑一夏であった

 

それに対して春也は

 

(月面基地完成まであとわずか、か。便利上ラビットハッチとでも名ずけるかな。ここが完成すればコズミックエナジーの観測が可能になるかもしれないな)

 

バイザーを付け、NEVECでの仕事をこなしていた

というかこいつに対して授業は意味は無い

既に全て覚えているのだから

 

「織斑くん、何かわからないところがありますか?」

 

「あ、えっと……」

 

狼狽えていた一夏に山田先生が話しかけてきた

 

「わからないところがあったら訊いてくださいね。なにせ私は先生ですから」

 

一夏の様子を見た山田先生がえっへんとでも言いたそうに胸を張った

何故か先生の部分がやたらと強調している気がするがまあ、そんなことはどうでもいい

そんな山田先生に一夏は……

 

「先生!」

 

「はい、織斑くん」

 

何か決意したかのように立ち上がり、やる気に満ちた返事をした

そして、

 

「ほとんど全部わかりません」

 

やはり、バ夏だった

 

「え……。ぜ、全部、ですか……?」

 

一夏の予想外な答えに山田先生は顔を引き攣らせる

さっきまでの頼れる態度が一気に無くなった

 

「え、えっと……織斑くん以外で、今の段階でわからないっていう人はどれくらいいますか?」

 

挙手を促す山田先生だが、誰一人手を挙げなかった

 

「春也くんは大丈夫ですか?」

 

「ええ。というか今の説明でわからないそこの愚弟がおかしなだけですから安心してください、山田先生」

 

バイザーを少しズラして山田先生に話す春也

授業を聞いていないように思えて彼はきちんと聞いていたのだ

ただ、基礎中の基礎のため聞き流していたが…

 

「……織斑、入学前の参考書は読んだか?」

 

突然教室の端で控えていた千冬が一夏に訊いてくる

 

「古い電話帳と間違えて捨てました」バァン!

 

素直に答えるバ夏に本日四度目の千冬による制裁が下された

 

「必読と書いてあっただろうが馬鹿者。あとで再発行してやるから一週間以内に覚えろ。いいな」

 

「い、いや、一週間であの分厚さはちょっと……」

 

「やれと言っている」

 

「……はい。やります」

 

千冬のギロッとした睨みに一夏は従うしかなかった

しかし、自業自得なので春也もマドカも一夏を庇いはしなかった

というかあからさまにため息をついていた

 

「ISはその機動性、攻撃力、制圧力と過去の兵器を遥かに凌ぐ。そういった『兵器』を深く知らずに扱えば必ず事故が起こる。そうしたいための基礎知識と訓練だ。理解が出来なくても答えろ。そして守れ。規則とはそういうものだ」

 

千冬がそう言う

確かにこれは正論だ

しかし、

 

「兵器、ねぇ」ボソッ

 

春也は少し違った

確かに今の現状を考えるとISは兵器として見られている

しかし、本来の目的は宇宙開発

今のこの発言を束が聞いたらどう思うだろうか、と考えていた

 

 

「……貴様、『自分は望んでここにいるわけではない』と思っているな?」

 

そんなことを春也が考えていたら話はどんどん進んで行った

 

「望む望まざるにもかかわらず、人は集団の中で生きてなくてはならない。それすら放棄するなら、まず人であることを辞めることだな」

 

「織斑先生、流石に言いすぎだ」

 

しかし、その発言に春也が突っ込んだ

 

「…はあ、山田先生、続きを」

 

「あ、はい」

 

千冬はそれに気づいたがあえてそれを無かったことにし、山田先生に続きを促した

 

(教師の威厳ってやつか…。ままならんもんだな、姉貴)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前、バカだろ。すまん、バ夏だったな」

 

「春兄はなんでついていけるんだよ…?」

 

「おまえと違って俺は参考書を読んできているからだ」

 

「その割りには真面目に授業受けてなくないか?」

 

「…勘のいい奴は嫌いだよ」

 

授業の合間の休み時間

マドカは箒と話をしに行ってしまったため、春也と一夏は二人で話を進めていた

そこに

 

「ちょっとよろしくて?」

 

1人の女子が話しかけてきた

金髪ロールでお嬢様と解る喋り方だった

 

「ん? なんだ?」「あ?」

 

「まあなんなんですの! そのお返事は! 私に話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度と言うものがあるのではないのかしら?」

 

「…」「はぁ」

 

それは春也が嫌いな馬鹿だった

一夏も高圧的な態度で話し掛けて来たこの金髪に対し、あまりいい顔をしていなかった

 

「悪いな、俺、君が誰だか知らないし」

 

「私を知らない!? このイギリス代表候補生にして入試主席のセシリア・オルコットを!?」

 

「おう、知らん」

 

「つーか、途中で自己紹介止まったしな…」

 

「あ、質問いいか?」

 

そして、再び一夏は爆弾を落とした

 

「ふんっ、下々の者の要求に応えるのも貴族の務めですわ。よろしくってよ」

 

「代表候補生って何?」

 

ゴンッ!がたたっ!

 

セシリア・オルコットの見下した発言を華麗にスルーした一夏に対し、教室でこの会話を聞いていた生徒は全員ずっこけた

 

 

 

「はぁ、お前文系じゃなかったのか? 字で分かれや」

 

「あ、あなた本気で知らないとおっしゃいますの!?」

 

「おう、知らん」

 

「信じられませんわ。極東にはテレビも無いのかしら…」

 

「…はぁ、読んで字のごとく国家代表IS操縦者の候補生だ。お前、絶対わざとやってるだろ…」

 

「そう、つまりはエリートなのですわ!」

 

春也が一夏に代表候補生の説明を簡単にすると、セシリアは胸に手を当てて偉そうに言い放つ

 

「まあ、所詮候補生。代表選手から見れば半人前もいいとこだ」

 

「なっ、あなた私を侮辱しますの!?」

 

「俺は事実を言ったまでだ」

 

「くっ。だ、大体あなたISについて何も知らないくせに、よくこの学園に入れましたわね。男性でISを操縦できると聞いていましたから少しは期待していたのですけれど、残念過ぎますわね」

 

「俺に何か期待されても困るんだが」

 

「確かにお前に期待するだけ無駄だ、無駄。宝くじが当たるのを期待したほうが幾分がマシだ」

 

「ふん。まぁ、でも私は優秀ですからあなたの様な人間でも優しく教えて差し上げますのよ? まぁ、泣いて頼まれたら、ですけども。何せ私入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから」

 

セシリアの方も話している内にノッてきたのか、声のトーンを上げながら教卓に立つ

しかし、一夏は今の発言の中に思い当たる所があったのか、

 

「なぁ、入試ってあのISに乗って戦うアレか?」

 

と聞く

そして、また爆弾発言をした

 

「それなら俺も教官倒したんだが」

 

「はっ?」「ん?」

 

「っていうか倒したと言うよりあれは自爆だったけど」

 

「いや、何があったんだお前んとこ…?」

 

「行き成り量産機で突っ込んで来たから避けただけだったんだけど、そのまま壁にぶつかって気絶してた」

 

「…試験官ぇ」

 

「そう言う春兄はどうだったんだよ。心配ないと思うけど」

 

「俺は免除だ」

 

「「ハッ?」」

 

「俺はギリギリに見つかったからな。試験をする暇なんて無かったんだよ」

 

「えぇ…」

 

キーンコーンカーンコーン…

 

「っ………! またあとで来ますわ! 逃げないことね! よくって!?」

 

話が途切れたからか、そう言い捨ててセシリアは自分の席に戻っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それではこの時間は実践で使用する各種装備の特性について説明する」

 

そして、とうとう千冬の授業が始まった

横では山田先生がノートを取っていた

いや、あんた教師だろ…

 

「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな」

 

思い出したように言う千冬

しかし、一夏は何のことか分からないといった顔をしていた

 

「クラス代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけではなく、生徒会の開く会議や委員会への出席……まあ、クラス長だな。ちなみにクラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点で大した差は無いが、競争は向上心を生む。一度決まると一年間変更は無いからそのつもりで。自薦他薦は問わない。誰か居ないか?」

 

千冬がそう言った瞬間

 

「はい。織斑君がいいと思います」

 

「え!? お、俺!?」

 

「私もそれがいいと思います」

 

「なっ」

 

「私は春也さんがいいと思います」

 

「面倒な…」

 

「私も春也さんを推薦します」

 

男性操縦者二人に白羽の矢があがる

 

「なら、俺は織斑マドカを推薦します!」

 

「!?一夏!?貴様!?」

 

「ふははは!!お前だけ逃れようなんてそうはいかないぞ!」

 

「お前、実の妹を売るなよ…」

 

しかし、一夏は抵抗にマドカを推薦した

 

「では候補者は織斑一夏と織斑マドカに織斑春也……他にはいないか?」

 

見事に織斑1色な推薦になっていた

流石、織斑家、俺達に出来ないことを平然とやってのける!そこにシビれる憧れるー!

 

「納得がいきませんわ!」バンっ!

 

しかし、セシリアが席を勢い良く立ち上がり喋り出す

 

「そのような選出は認められません! 大体、男がクラス代表だなんていい恥晒しですわ! わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」

 

セシリアの発言に一夏はイラつき、春也は目を閉じていた

春也を知る者からしたらその姿は軽くキレていると見られただろう

 

「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります! わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!いいですか!? クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!」

 

(クラストップねぇ。てめぇよりもマドカの方がレベルは上なんだがな)

春也は声に出さずそう思うが、セシリアは止まらない

 

「そんな選出は認められません! 男がクラス代表なんていい恥晒しですわ! このセシリア・オルコットにそのような屈辱を1年間味わえとおっしゃるのですか!? 大体、文化としても後進的な国に暮らさなくてはいけないこと自体私にとっては耐え難い苦痛で…!」

 

そして、ついに

 

「イギリスだって大したお国自慢無いだろ。世界一不味い料理で何年覇者だよ」

 

一夏がキレた

 

「なっ美味しい料理は沢山ありますわ! あなた、私の祖国を侮辱しますの!?」

 

「…」

「………」

「「………」」

 

 

 

売り言葉に買い言葉

2人の言葉が途切れクラス中の視線が2人に向けられる

 

「…決闘ですわ! わざと負けたりでもしたら私の小間使い、いえ奴隷にしますわよ!」

 

「ああいいぜ、しのごの言うより分かりやすい」

 

春也はそのまま静かな教師2人の方を向く

教師、2人共先程から表情を変えていなかった

傍から見れば教師として平然としているよう見えただろう

しかし、色々と春也にはその表情から漏れ出る怒気を感じた

千冬はキリッとした顔で、山田先生はニコニコ笑顔で

 

そんなことに気づかず話は進んでいく

 

「なら、ハンデはどうするんだ?」

 

「あら? もう」

 

「いや、俺がどれだけのハンデ付ければいいのかって」

 

そのセリフを一夏が放った一呼吸後、教室の生徒の殆どが爆発するように一斉に笑い出した

 

「織斑君、それ本気で言ってるー?」

 

「男が女より強かったって言うのは昔の話だよ?」

 

「オルコットさんは代表候補生だから、素人の織斑君がむしろハンデを貰う方だよ?」

 

「今なら間に合うからやめといた方がいいって」

 

「もし男と女が戦争したら三日持たないっていうよ」

 

「………はぁ、馬鹿共目」ボソッ

 

一夏はクラス中からの反応に驚いた

そして、

 

 

「あ、あぁ。そうだな。ハンデは取り消「クッククク」?」

 

「クハハハハハハ!!!」

 

ハンデを取り消そうとした瞬間、春也が大声で笑い始めたのだ

 

「ハハハハ!ハハ、はあ、下らん」

 

「え?」「はあ?」

 

「聞こえなかったか、下らないと言ったんだよ。とんだ茶番だな。おい、金髪コロネ」

 

「わ、私のことですの!?私には「うるせぇよ。自分の立場もわかっていない奴は金髪コロネで十分だ」っ!?」

 

一夏とマドカはこの時思った

あ、本気でキレてる、と

 

「聞くがよぉ、IS開発したのは誰だ?」

 

「ふんっ!そんな質問簡単ですわ!篠ノ之束、はか、せ…」

 

「気づいたか?ISで世界最強と言えば?」

 

「織斑、先生…」

 

「そうだ。どちらもお前が極東の猿って言った日本人だ。それからお前は代表候補だろ。つまり、国の顔って訳だ。そんな奴がおおやけに一国をバカにするのか…?」

 

「わ、私は…」

 

「まあ、家のアホがそっちの国をバカにしたからチャラだがな。てめぇも問題発言してるってこと自覚しろ、愚弟」

 

「うっ…!」

 

そして、春也の発言は止まらない

 

「それからさっき男よりも女が強いって言った奴、てめぇもバカだ」

 

「なっ!?」

 

「女が強いってのはISが動かせること前提でだ。それが無かったらどっちが強いかなんて知らんがな。言わせてもらえば俺たち二人はISを動かせる。つまりはお前ら同等の立場にいるってことを忘れるなよ。最後に男と女が戦争した場合負けるのは女だ」

 

「「「えっ!?」」」

 

「ねえ、織斑さん。それは流石に」

 

「事実だ。お前らの敗因は一つ俺が男だったってことだ」

 

女尊男卑の傾向がつよいクラスメイトが反論するが

 

「それがどうして敗因になるのよ!?」

 

春也は即答する

 

「俺はIS全てを凍結することができる」

 

「えっ…?」「はあ?」「うそ?」

 

「はっ、ハハハハ。嘘も休み休みいいなさ「事実だ」…織斑先生?」

 

「織斑兄は実際にそれができる」

 

「嘘でしよ?なんで、何でそんなことが…?」

 

そして、織斑春也は

 

「さて、改めて自己紹介しようか。俺の名は織斑春也。NEVECのテストパイロット兼技術開発部門顧問でありながら創設者。そして、

 

 

 

 

 

 

ISの生みの親、篠ノ之束の一番弟子だ」

 

 

 

 

自分という異端な存在をクラスに知らしめた

 

 









誤字報告をくれる方、ありがとうございます!
気をつけてはいますがこれからも起こると思うのでどんどん報告してください!
この場を借りて感謝を述べます!
本当にありがとう!


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試合までの日常

サブタイはいいの思いつかなかったので適当です


すまない(´・ω・`)











「NEVECのテストパイロット兼技術開発部門顧問でありながら創設者。そして、ISの生みの親、篠ノ之束の一番弟子だ」

 

「そ、そんなことが」「嘘でしょ…?」「ありえない…」

 

さて、場面は春也が爆弾発言をしたところからになる

二つのビックネーム、篠ノ之束とNEVECに深く関わる者

そこに織斑千冬(ブリュンヒルデ)の弟という肩書きまでついてくるのだ

そんなことを言われて瞬時に再起するものはいなかった

事前に知っていたマドカと千冬以外は

 

「さて、金髪コロネ。決闘だったな」

 

「っ!?」

 

「いいぜ、やりあおうじゃないか。徹底的にな。お前らどうする、一夏、マドカ」

 

「っ!?…元々受けた勝負だ。逃げる訳にはいかない」

 

「…私も流石に黙っていられないな。いいだろう。やってやろうじゃないか…!」

 

「つーわけだ。姉、織斑先生」

 

「いいだろう。勝負は一週間後の月曜。放課後、第三アリーナで行う。織斑兄とオルコット、織斑弟、そして、織斑妹はそれぞれ用意をしておくように。流石に人数が多いのでトーナメント方式で行う。組み合わせはこちらで決める。異論はないな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、終わった…」

 

「おい、バ夏。初日でそんなんで大丈夫かよ?俺は知らねぇぞ」

 

あの後は普通に授業が進み、一日の授業が終わった

既に殆どのメンバーが寮に帰っている中、教室には一夏と春也、そしてマドカしか残っていなかった

 

「一夏、ほら。私の参考書を貸してやるから覚えろ。流石に教えはしないがな。自業自得だ」

 

「たくっ、俺も何もしないからな。自分のツケは自分で払え」

 

「うぅ、兄と妹が冷たい…」

 

そんな会話をしているところに

 

「ああ良かった、お2人共まだここにいましたか」

 

「はい?」

 

「山田先生? どうしたんですか?」

 

「いえ、お2人の部屋のことなんですが…」

 

と山田先生が手に2つの鍵を持ってきた

 

「あれ? 俺はまだ自宅通学のはずですよね?」

 

「それがお2人は普通の生徒と違って特殊なので、一時的にここに住んでもらう事になったんです。そのために無理矢理部屋割りを変更したらしいんですが…政府の方から聞いてませんか?」

 

「聞いてないです」

 

そう聞くと山田先生は困ったと言う様に苦笑いをした

 

「俺は事前に連絡があったんで大丈夫ですよ」

 

「あっ、それなら良かったです!」

 

「えっと、それって今日からですか? それだと日用品とか持ってきて無いんで生活しにくいんでもう帰りたいんですが」

 

「あ、それなら「もう既に手配はしておいた、ありがたく思え」あ、織斑先生」

 

「織斑先生、手配とは?」

 

「お前の部屋から日用品を既に部屋に送ってある。着替えと携帯の充電器、それから洗面器具だけだが問題無いだろう」

 

「織斑先生、それホント最低限しか無いぞ…」

 

「っていうか千冬姉ぇ部屋入ったのか!? っでぇ!」ゴスっ

 

「何度言ったら分かるんだ馬鹿者」

 

「兄さん、学習しろ…」

 

「…今日はもう部屋に行け。山田先生、キーを」

 

「あ、はい。これです」

 

千冬の促しで山田先生は一夏と春也はそれぞれ鍵を受け取る

 

「あれ?織斑先生、俺と春兄の部屋は一緒じゃないんですか?」

 

「俺はここに入学するにあたって条件を出した。その一つに一人部屋を注文したのさ」

 

「げぇ!?マジかよ!?」

 

「それと先程も言ったように無理矢理部屋を変更した為にそうなってしまったんです。部屋はまた調整する予定なので、少しの間我慢して下さい」

 

「わ、分かりました」

 

山田先生の説明を受け、一夏は頷いた

 

「それと大浴場は使えないので、しばらくは部屋にあるシャワーで我慢して下さいね」

 

「え? 何でですか?」

 

「おいバ夏、お前は女子と入る気か? そこまで変態だと流石にフォローしかねる……まさか、本当に行かないよな?」

 

「一夏、お前…」

 

「あっ、イヤイヤ、流石に女子とは一緒に入りたくないから!」

 

「えぇ!? 女の子に興味がないんですか!?」

 

「いやいや、そうゆう訳じゃないですよ!?」

 

 

 

 

山田先生のセリフで取り乱す一夏

一夏もそうだが山田先生の声も大きかったため野次馬の女生徒達が騒ぎ出す

 

「えっ!? まさか織斑君ってそっち…!?」

 

「そしたらお兄さんとは、まさか!?」

 

「あの2人の交友関係を洗い出すわよ!」

 

「一夏君は受け、攻めどっちかしら…」

 

「うわぁ…」「キレていいか…?」

 

「に、兄さん、抑えて」

 

3人は聞かなかった事にしてその場を離れた

尚、山田先生は千冬が正気に戻して千冬と共に職員室に戻って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「1025、1025…おっ、ここか」

 

「んじゃな、一夏。俺は1050だから端の部屋だ。何かあったら来い…。面倒事しか来ない気がするからやっぱ来るな」

 

「そりゃないぜ、春兄。マドカはどこの部屋だ?」

 

「私は1049だな。兄さんの隣だ。ルームメイトがいるだろうから押しかけるなよ、一夏」

 

「わかってるよ。それじゃあ、また明日な」

 

「おう」「ああ」

 

途中でマドカとも別れ(と言っても隣の部屋)自分の部屋の前にくる

そして、扉を開けると

 

「おかえりなさい♪ご飯にします?お風呂にします?それとも、わ・た・」バタン

 

(…何だ、今の)

 

そこには裸エプロンの更識楯無がいた

すぐに扉を閉じたのできちんと確かめてはいなかったが

 

 

(いや、幻覚だ、そうだ幻覚だ)

 

春也は心を落ち着けてもう一度開けると

 

「おかえりなさい♪わたしにします?わたしにします?それとも、わ・た・し♪?」バタン

 

「…」

 

再び扉を閉じ、端末を取り出す

 

「条件違反でISコアの凍結を「ちょっと待って!?」…何のようだ、更識楯無。ここは一人部屋のはずだぞ」

 

「すこーし話があってね。ちょっといいかしら?」

 

「…その前に着替えろ。みっともない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、話ってのは?まあ、大体予想がつくがな」

 

部屋の中では春也と制服に着替えた楯無が向かうあっていた

 

「ええ、あなたの思っている通りよ。私、更識楯無は更識家当主としてあなたの護衛兼監視につきます」

 

「だろうな。はあ、面倒な」

 

「仕方がないでしょ!あなたの存在は大きすぎるのよ!公表したせいで情報を寄越せって何度対応したことか…。すぐさまNEVECが動いてくれなかったら今頃書類に埋もれていたでしょうね」

 

春也の情報が公開されたのは今日だ

それなのに楯無のこの様子…

世間はやはり馬鹿ばかりの様だった

 

「…俺よりも一夏とマドカの方を守ってもらいたいものだがな」

 

「あの二人と比べてもあなたのネームバリューは大き過ぎるのよ。一応、二人の護衛もするけど優先はあなたってことになってるわ」

 

「ちっ、クソ役員共め。汚職全て公開してやろうか…」

 

「止めなさい。上がパニックになるから」

 

「まあ、あんたが来た用事はわかった。他に無いなら帰れ。俺はやらないといけないことがあるんだ」

 

「…更識としての用事はこれだけよ。後は楯無としての個人的な用事」

 

「あん?」

 

「簪ちゃんの専用機のこと、知ってる?」

 

「簪?ああ、日本の代表候補生でお前の妹の更識簪か。確か、バ夏の専用機作りで機体開発を後に回されたんだったな」

 

「知ってるなら話が早いわ。NEVECで開発してくれない?」

 

「…本人が了承したらな」(まあ、しないだろうな。お前のせいで…)

 

「そう。それじゃ、用事は以上よ♪私は隣の部屋だからよろしくね♪」

 

「マドカと同室かよ…」

 

「うふふ、それじゃあ、学園生活楽しんでね♪」

 

そう言って楯無は出ていった

 

「…そ言えば、あいつ、扇子使ってなかったな」

 

楯無の代名詞といえる芸を見損ねたことを少し残念に思う春也だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝

早朝5時

そんな朝早くに校庭を走っている影があった

織斑春也である

 

「ギンギラ、何キロ走った?」

 

『約40kmです、マスター』

 

「そうか、そろそろランニングは終わるか」

 

そう言って春也は走るのをやめ、構えをとる

仮想敵はいつも違う

今日は某蛇の傭兵が仮想敵となっていた

 

「精が出るな、春也」

 

「姉貴か」

 

そこにジャージを来た千冬がやってきた

 

「…まあ、今は授業ではないからいいが」

 

「わかってる。それで何のようだ?」

 

「ふっ、何、窓からお前の姿が見えたからな。久々に手合わせといこうか」

 

「ふっ、そうか。いいぜ。相手にとって不足なしだ」

 

そして、二人は距離を置き、構える

 

「そう言えば無手でやり合うのは初めてか…」

 

「そうだな。だが、負ける気わないぞ」

 

「それはこちらも同じだ!」

 

そして、二人はぶつかりあった

 

 

 

 

尚、この戦闘を影から見ていた某暗部の長は

 

「とても人間がしていい戦闘じゃない。あれは既に人外の域だ。IS持ち出しても勝てる気がしない」

 

と思っていたそうな

 

さらに言うと二人の戦いは決着が付かず、朝飯の時間までやり合ってた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時は過ぎ、

今日の二時間目が終わった時点になると……

 

(もうダメだ、おしまいだぁ)

 

某ヘタレ王子みたいなことをここで呟く、早くもグロッキーな状態になってる一夏がそこにはいた

 

ちなみに二限目はこんな感じだった

 

「というわけで、ISは宇宙での作業を想定して作られているので、操縦者の全身を特殊なエネルギーバリアーで包んでいます。また、生体機能も補助する役割があり、ISは常に操縦者の肉体を安定した状態へと保ちます。これには心拍数、脈拍、呼吸量、発汗量、脳内エンドルフィンなどがあげられ――」

 

山田先生がところどころ詰まりながらもスムーズに授業を進めていった

 

「先生、それって大丈夫なんですか? なんか、体の中をいじられているみたいでちょっと怖いんですけども……」

 

クラスメイトの女子の一人がやや不安げな気持ちで訊く

確かに、ISを動かした時の独特とも呼べる一体感は、人によって不安を感じてしまうだろう

 

「そんなに難しく考えることはありませんよ。そうですね、例えばみなさんはブラジャーをしていますね。あれはサポートこそすれ、それで人体に悪影響が出ると言うことはないわけです。もちろん、自分のあったサイズのものを選ばないと、形崩れして、あっ」

 

と、途中で言葉を切った

山田先生は一夏と春也に気づいた

そして数秒置いてからはボッと赤くなった。

 

「え、えっと、いや、その、お、一夏くんと春也くんはわ、わからないですね、この例え。あは、あははは……」

 

山田先生は誤魔化し笑いをしているが、そんな事をしたところで教室には既に微妙な雰囲気を漂わせている

春也や一夏より女子達が意識しているみたいで、腕組みをするフリで胸を隠そうとしていた

 

ちなみに一夏は苦笑い、春也に至っては完全に無視していた

 

「んんっ! 山田先生、授業の続きを」

 

「は、はいっ!」

 

浮ついた空気を千冬の咳払いでシャットアウトし、授業が再開する

千冬に促された山田先生は教科書を落としそうになりながら話の続きに戻った

 

「そ、それともう一つの大事なことは、ISにも意識に似たようなものがあり、お互いの対話――つ、つまり一緒に過ごした時間で分かり合うというか、ええと、操縦時間に比例して、IS側も操縦者の特性を理解しようとします。それによって相互的に理解し、より性能を引き出させることになるわけです。ISは道具ではなく、あくまでパートナーとして認識してください」

 

その時、女子の一人が挙手をする

 

「先生ー、それって彼氏彼女のような感じですかー?」

 

「そっ、それは、その……どうでしょう。私には経験がないのでわかりませんが……」

 

経験と言うのは言うまでもなく男女交際のことだろう

赤面して俯く山田先生を尻目に、クラスの女子はきゃいきゃいと男女についての雑談を始めている

男子生徒である春也や一夏がいるとは言え、やはり『女子校』的な感じはあるのだ

もう空気だけでかなりの糖度がある

 

いや、この教室だけでなく、学園全体の空気が甘すぎる

それ以上に生徒達の考え方もかなり甘い

 

「春也、すまないが…」

 

そんな中、千冬が春也を指名する

 

「説明しろと?」

 

「頼む」

 

「はあ、さっき山田先生が言ったようにISには意識がある。操縦者を理解し、互いに成長しあおうという意思がな。彼氏彼女なんて生ぬるいものではなく、戦場で命を預ける唯一無二の相棒と言ったほうが正しいだろうな」

 

「……………………」

 

春也の話を聞いて黙ってしまうクラスメイト達

そんな中、目を輝かせていた山田先生とへー、と楽観的に考えていた一夏が目立っていた

 

キーンコーンカーンコーン

 

「あっ。えっと、次の時間では空中におけるIS基本制動をやりますからね」

 

そして、教室から出ようと準備する山田先生

これが二限目の一部だ

 

ついでに言っておくと、此処IS学園では実技と特別科目以外は基本担任が全部の授業を持っている

随分とお忙しいことで

 

「はあ」

 

一夏が教科書を開き、復習しようとするが、

 

「ねえねえ、織斑くんさあ!」

 

「はいはーい、質問しつもーん!」

 

「今日のお昼ヒマ? 放課後ヒマ? 夜ヒマ?」

 

女子の半数がスタートダッシュして一夏の席に詰め掛けたので無理だった

ちなみに春也に話しかける女子はいない

恐れおおいのか、怯えているのか、ただ単純に嫌いなのかはわかっていないが…

 

「兄さん、あれは」

 

「放っておけ」

 

そして、織斑兄妹だ一夏を見捨てることを即決したのだった

 

「ちょ…ちょっと待ってくれ。俺はいま復習しないと不味い状況にあって――」

 

一夏は詰め掛けられている女子から離れようとするが、相手がそうさせてくれなかった

 

「……………………」

 

一夏を囲む女子達から少し離れた位置で不機嫌そうに見ている箒

彼女から見ると『女子にチヤホヤされている一夏』と言う風に捉えているんだろう

誰かに取られたくないならハッキリ言えば良い物を

だが、この箒は原作よりもマイルドな箒なのだ

それでも、一夏関連ではすぐに機嫌が変わるが…

 

「ねえ織斑くん、千冬お姉様って自宅ではどんな感じなの!?」

 

「え。案外だら――」

 

「一夏、後ろ」

 

「え? ………って千冬姉! いつの間に!」パアンッ!

 

マドカの忠告も虚しく、一夏は叩かれた

 

「何度も言わせるな、織斑先生と呼べ。それと休み時間は終わりだ。散れ」

 

完全に叩きキャラと叩かれキャラとしての印象付いた二人だった

 

「ところで織斑弟、お前のISだが準備まで時間がかかる」

 

「へ?」

 

「予備機がない。だから、少し待て。学園で専用機を用意するそうだ」

 

それは完全に原作通りの流れだった

 

「せ、専用機!? 一年の、しかもこの時期に!?」

 

「つまりそれって政府からの支援が出てるってことで……」

 

「ああ~。いいなぁ……。私も早く専用機欲しいなぁ」

 

女子達は一夏を羨ましそうに見ているが、未だに状況が掴めていない一夏

 

「なぁマドカ、一体どういう事なんだ?」

 

「お前……。教科書の6ページを音読してみろ。良いですよね、織斑先生?」

 

「ああ、構わん」

 

マドカがそう言うと一夏は教科書を開き、千冬もやれやれと言った感じで呆れ顔になってる

 

「え、えーと『現在、幅広く国家・企業に技術提供が行われているISですが、その中心たるコアを作る技術は一切開示されていません。現在世界中にあるIS467機、そのすべてのコアは篠ノ之博士が作成したもので、これらは完全なブラックボックスと化しており、未だ博士以外はコアを作れない状況にあります。しかし博士はコアを一定数以上作ることを拒絶しており、各国家・企業・組織・機関では、それぞれ割り振られたコアを使用して研究・開発・訓練を行っています。またコアを取引することはアラスカ条約第七項に抵触し、すべての状況下で禁止されています』」

 

「つまりだ一夏。本来だったら、IS専用機は国家あるいは企業に所属する人間しか与えられないんだ。だからソレ等に所属してないお前が専用機を与えられるのは異例中の異例なんだ」

 

「へぇ~そうなのか」

 

一夏がマドカの説明にふむふむと頷いていると……。

 

「しかしお前の場合は状況が状況なので、データ収集を目的として専用機が用意されることになった。理解出来たか?」

 

「な、なんとなく……」

 

千冬が言った途端に急に歯切れの悪い返事をした

 

「あの、先生。思ったんですけど、篠ノ之さんって、もしかして篠ノ之博士の関係者なんでしょうか?」

 

女子の一人がおずおずと千冬さんに質問した

しかし、千冬がそんなに簡単に相手の個人情報を教えるわけが、

 

「そうだ。篠ノ之はあいつの妹だ」

 

あったよ…

 

「ええええーっ! す、すごい! このクラス有名人の身内が4人もいる!」

 

「ねえねえっ、篠ノ之博士ってどんな人!? やっぱり天才なの!?」

 

「篠ノ之さんも天才だったりする!? 今度ISの操縦教えてよ!」

 

箒が束の身内だと分かるとこれだ

本当に馬鹿共しかいないな

 

「す、すまない。だが、私はあの人じゃない。教えられるようなことは何もない。というかあの人のことなら春也さんのほうがよく知っている。私は何年も前から疎遠になっているからな」 

 

そう言って、箒は春也に顔を向ける

春也はバイザーをずっと見ていたので目は合わなかったが女子達の目線は春也に向いていた

 

「さて、授業をはじめるぞ。山田先生、号令」

 

「は、はいっ!」

 

山田先生も春也が気になる様子だったが、そこはやはり教師だ

授業を始めだした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「安心しましたわ。まさか訓練機で対戦しようとは思っていなかったでしょうけど」

 

休み時間になるとセシリアは早速一夏の席にやってきて、腰に手を当ててそう言った

どうでもいいんだが、お前昨日もそんなポーズをしてたな

それ好きなのか?

 

「まあ? 一応勝負は見えていますけど? さすがにフェアではありませんものね」

 

「? 何で?」

 

相変わらずバ夏は理解をしてなかった

 

「あら、ご存じないのね。いいですわ、庶民のあなたに教えて差し上げましょう。このわたくし、セシリア・オルコットはイギリスの代表候補生……つまり、現時点で専用機を持っていますの」

 

「へー」

 

「……馬鹿にしていますの?」

 

一夏の頷きにオルコットは引き攣った顔をしている

 

「いや、すげーなと思っただけだけど。どうすげーのかはわからないが」

 

「それを一般的に馬鹿にしていると言うでしょう!?」ババンッ!

 

オルコットが突っ込みながら両手で一夏の机を叩く

一夏の机の上に置いてあったノートが落ちた

 

「……こほん。さっき授業でも言っていたでしょう。世界でISは467機。つまり、その中でも専用機を持つものは全人類六十億超の中でもエリート中のエリートなのですわ」

 

 

「そ、そうなのか」

 

「そうですわ」

 

「人類って六十億超えてたのか」

 

「そこは重要ではないでしょう!?」ババンッ!

 

再び両手で一夏の机を叩くオルコット

今度は教科書が落ちた

 

というかやってる事は完全にコントだな

 

「あなた! 本当に馬鹿にしていますの!?」

 

「いやそんなことはない」

 

「だったらなぜ棒読みなのかしら?」

 

「あ、そいえば、春兄とマドカの機体はどうなるんだ?」

 

そして、急に思い出したかのように春也とマドカに話題を振る

 

「…私はNEVECのテストパイロットだからな。専用機もあるさ」

 

そう言ってマドカは腕についている青色のブレスレットを見せる

 

「同じく。というか自分の機体くらい作るに決まってるだろ」

 

春也も腕についている腕輪、ハーモナイザーを見せる

 

「ふんっ!せいぜい首を洗って待ってるといいですわ!」

 

そう言ってセシリアは去っていった

 

「はあ、一々金髪コロネの対応をするのもめんどいな」

 

「というか一夏にしかつかかって来なかったな」

 

「舐めてるんだろ。バ夏はISに関してはズブの素人だからな。それに対して俺は兎の弟子、お前は世界最大企業のテストパイロット。舐める理由がないのさ。それでも自分の強さに対して慢心してるな、あれは」

 

マドカと春也がそんな会話をしてると

 

「おーい、マドカ、春兄。飯食べにいこうぜ!」

 

一夏が二人を呼んだ

そのそばには箒もいた

 

「…とりあえず飯食べに行くか」

 

「そうですね、兄さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休みにひと悶着あったがそれは別にどうでもいいのでカットしよう

ほぼ原作通りだったからな

つまり、箒が一夏にISのことを教えることになり、放課後一夏を引きずってどこかに行った

 

そして、春也は、

 

「ここか」

 

一人である場所に来ていた

そこには料理研究部と書かれていた

 

 

 

 

 

 

 

 

突然だがIS学園は部活動参加が義務付けられている

それは男であっても例外じゃない

まあ、一夏はこのことを知らないようだが

 

春也は料理研究部の扉をノックする

 

「はいはーい、ちょっと待ってね」

 

そんな返事が聞こえ、すぐさま扉が開く

 

「やあ、入部希、望…。織斑春也!?」

 

「「「「ナニィ!!!???」」」」

 

そして、春也ということがわかると部室(調理室)にいたメンバー全てが扉の方を向いた

 

「はわわわわわ!?」「どどどど、どうぞ、こちらへ」「誰か!誰か料理持ってこい!?」

 

「…落ち着けよ」

 

少々お待ちください…

 

 

 

 

 

 

 

「そ、それで天下の春也様がなんの御用でしょうか…?」

 

「いや、何だよ。天下のって。…俺のことどう伝わってる?」

 

「天災の弟子」「NEVECの創設者」「織斑先生男バージョン」「ちくわ大明神」「「「誰だ、今の」」」

 

「はあ」

 

春也は自分が初日にやらかした出来事でIS学園の女子からは警戒されていたのだ

もしかしたらISに乗れなくされるかもしれない、と

 

「そんなに警戒しなくてもいい。俺はただ入部しに来ただけだ」

 

「今、何と言いました?」

 

「あん?だから入部「「「「よっっっしゃァァァァァ!!!!」」」」ぐおっ!?」

 

春也が入部とわかった瞬間、大音量の完成が上がった

それは女子が出してはいい声ではなかった

 

「春也さん入部!これで勝つる!」「やっほぉぉぉぉー!料研大勝利!」「部長!入部届けを!」「もう持ってきてる!」「「「流石!!」」」

 

「おいおい…」

 

しかし、一人の女子が声を上げる

 

「待て、春也さんは料理できるのか!?」

 

「「「「!?!?!?どうなんですか!?春也さん!?」」」」

 

「はあ、高校は料理の専門学校に行っていた。既に調理師免許も持っている」

 

「「「「キタコレ!!!」」」」

 

「ちなみにどこの学校ですか?」

 

「当月だが?」

 

その時再び料研に激震が走る

 

「当月!?あの当月!?」「日本最高峰の料理専門校の!?」「ミシュランガイドで星がつくような料理人を数々生み出したあの!?」「そこの卒業生!?」「今年の文化祭は勝てる!」「寧ろ教えてください!」

 

「…やれやれだぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで1週間後

 

試合の日になった








え、落ちが微妙で、展開が早いって?

…気にするな!


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