テンプレ転生者の怠惰な日常 (~暁の空~)
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プロローグ
僕は今、辺り一面真っ白な空間に立っている。いや、この場合は居ると言った方が正しいだろう。
そして目の前には頭を下げている自称神様(笑)がいる。どうやら僕は本屋の帰りにトラックに轢かれたらしい。あんまりな、テンプレ具合に少しばかり笑ってしまいそうだ。
「すみません。あなたは死にました。」
「うん。聞いた。」
「ああ、良かった聞こえていたのですね。」
というか心の声って聞こえているでしょうに。
「何分いきなりなものだったでしょうから懇切丁寧に教えて差し上げていたのです。後、私は自称ではなく本物です。」
「いや、これはやっておかないと。テンプレ的に。それで今までの流れをまとめると。
僕が事故に会う。
↓
それは神様のミスだった。
↓
お詫びに好きな世界に転生して良いよ。
↓
もちろん特典もあるから、思う存分来世を楽しんで来てね!
っとこういう感じ?」
「これからの流れも多分に入っているのですがこれいかに。とにかくおおむねそうです。ですが、転生してもらう世界はランダムになってます。これがその箱です。」
そういうと神様はどこに隠していたのか自身の後ろから大きな箱を取り出す。
「ランダムか。なら仕方ないせめて原作知っているかつほのぼの日常系アニメの世界へと行きたいものだな。」
なるたけ箱の中身をグチャグチャかき回してみる。なんかこういうのって回せば回すほど当たりが来そうな気がするんだよね。あくまで来そうであって、実際にこういうもので当たりを引いたことは無いのだけれど。例えるならパ〇ドラのガチャでドラゴンを意味無く撫で撫でしている感じ。
まあここまで長ったらしいのでさっさと引くことにする。転生場所はっと...
「BLEACHか...」
どうしよう死ぬ前はザ一般人だった僕にはいくら特典があっても斬りあいで傷つくとかごめんこうむりたい。痛いの嫌いだし。
あっそうか。斬りあいでけがを負いたくないのなら遠くから相手をコロコロすれば良いだけじゃないか。
「特典はいくつまでですか?」
「特典は三つまでです。」
やはりこれもテンプレ通り、特典は三つならそのうちの一つはもうすでに決めてある。遠くから相手を圧倒的な速度と威力でコロコロする兵器その名も[
「よし、なら一つ目だけど王のz「ああ、言い忘れてましたけど。BLEACHの世界観を壊すような武器は無しです。例えば重火器や
「私は生きてますよ?」
いや良いんです。これはちょっとした言葉の綾なんです。だから拾わないで下さい。
ふう少し気を落ち着かせて、再度考えてみよう。特典に重火器が駄目ってことはもちろん銃も駄目だし、ましてや核兵器なんかはもっての他だろう。BLEACHの世界観を壊さずに遠くから相手をコロコロする方法か。鬼道での攻撃が主となるか。
「じゃあ、特典の一つは相手の霊圧を吸収してそれを飛ばす鬼道系の斬魄刀を下さい。始解時には相手を斬った場所から霊圧を吸収し続ける。任意で解除可能。卍解時には周辺からも霊圧を吸収するもので。で鞘にも霊圧を吸収する能力が少しはあるということで。」
「はい、了解しました。」
「二つ目は、霊圧が最高クラスで。それはもう山本総隊長と剣八と藍染さんを合わせた霊圧が良いです。」
「はいはい、分かりましたよっと。」
「そして最後に斬挙走鬼学に才能があること。それはもう神才と呼ばれるほどに。」
「良いですよ。...思ったんですけどあなたって努力が嫌いなんですか。」
そうだな言われてみれば、僕は努力が好きじゃない。別に努力することが悪いと思っているのではなく。むしろ良いとさえ思う。では何故努力が好きじゃないかというと。単に効率の問題だ。才能がある人は数日で獲得するものを才能が無い人は数週間、悪ければ数年かかってやっと獲得する。その間に得た自信や経験ももちろん役に立つだろうが。才有る人にとってその年月は次へと進む糧になっている。まして転生する世界がBLEACHなら少しでもパワーインフレに取り残されないように効率を重視するのは当たり前だろう。
「ほうほう、なるほど。そうなのですか。して本音は?」
「面倒くさいです。」
「正直でよろしい。ならあなたには苦労してもらいます。」
「え、なんでここは正直に話したから特典追加とかに「なりません」...そうですか。」
「これで転生場所と特典が決められてたのでちゃっちゃと逝っちゃて下さい。」
「いくの字が違うからなんなら今はもう逝ってるから。」
「そうでしたね。では改めて新しい世界へと行ってらっしゃい。」
神様がそういうと目の前が真っ暗になった。
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目覚め
目が覚めると身体が縮んでいた。という某メガネの名探偵の様なことは起こってはおらず、身体はそのままだった。
実際、転生して赤ちゃんからやり直すのは少し、いやかなり気が引ける。だって良い年に成って赤ちゃんプレイはさすがに嫌気が指すし、相手は良かれと思ってやっているのにその厚意を受け取らないのは違う。何より受け取らないとこちらが死んでしまう。
だがしかし、成長してから強くてニューゲームもやってみたかったから、それが出来るのなら赤ちゃんプレイも甘んじて受け入れる気持ちはあった。
理想をいうなら中流家庭の息子に転生、5歳頃に前世の記憶が甦り反動で高熱を出す。その日を境に徐々にチートの片鱗を表し始める。っていう具合にスッカスカの人生設計、いや転生設計は立てていたのだ。
とまあ、もしもの話をして現実逃避をしたところで今の状況が変わる訳でも無い。仕方なく、本当に仕方なく目の前の現実に目を向けることにする。
僕の眼前というか周りには鬱蒼と生い茂る木々が、耳を澄ますと近くには川でも有るのか水が流れる音が聞こえる。
えっこれどういうこと?シティボーイでコミュ障で引きこもりな僕にサバイバル生活をしろと?
すうーーーーー
「ふざけんなー」
僕は怒りを込めてそう言った。
サバイバルとか無理。辛うじて料理は出来るけれどもそれは準備の段階で材料が揃っているからだ。それを一から自分で準備するとかいくら何でも無理ゲー過ぎる。キノコって何が可食で不可食なのか素人目からしたら分からないし、キノコに限らずとも植物なんて詳しくないからさっぱり分からん。
くそっこんなことになるのなら。最高の肉体も特典に加えておけば良かった。最高の肉体なら毒なんか無効果出来たかも知れないのに。霊圧だけ最高って...
いや前向きに考えるんだ、斬挙走鬼学に才能が有るということは身体もそれなりに強化はされるはず!んっ?でも待てよ。十三番隊の浮竹隊長って才能有ったのに身体弱かったんだよな。あ~前途多難だ。
しかーし、幸いにも近くには水場がある。なら必然そこには魚がいるはず。まずは魚を捕るところから始めよう。不幸にして僕は釣り竿の作り方すらも知らないけれど、幸運に鬼道や縛道なら何個か知っている。そして霊圧は最高クラスだ。これはやるっきゃないでしょ。
「"君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ 焦熱と争乱 海隔て逆巻き南へと歩を進めよ"
破道の三十一赤火砲」
この時、僕はもう少し考えてから動けば良かったのだと思ってる。なぜなら僕の霊圧は最高クラス三十番台の鬼道でも威力が有る、加えて完全詠唱だ。そんなものの威力が低い訳が無い。当初の思惑としては赤火砲を魚に当てて、良い感じに焼き魚と成って僕の手元に落ちて来る。そんな幻想を抱いていた。現実は川は一瞬で蒸発し、赤火砲が当たった場所とその周辺は石が赤々としており所々溶けている。
僕は大切な食料源を一つ潰してしまったのだ。
すうーーーーー
「ふざけんなー」
僕は哀しみを込めてそう言った。
一応なんと無くで2話目を投稿。
未だにオリ主をどう動かすか決めあぐねています。
文才無いんでそこは目を瞑って下さい。
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