乙世界でも詩魔法が使えるそうです (ざらめ屋敷)
しおりを挟む

序章

ただいま深夜の2時29分です。
100%駄文と化していると思いますのでご了承ください。


遥か昔、〈星詠み〉と呼ばれる家系の人間と〈月詠み〉と呼ばれる家系の人間は共に謳い大地を潤したという。

彼らは共に旅をし、困っている集落や村の話を聞いては駆け付けた。

雨の降らぬ荒れ果てた不毛の大地に住む人々の元にたどり着くと、〈月詠み〉が謳い始める。

単調なメロディーは人々の心を潤し、やがて雨が降り出し大地をも潤す。

そして〈月詠み〉の謳う単調なメロディーに相槌を打つように、〈星詠み〉も謳い始める。

二つの異なるメロディーはやがて一つのメロディーとなり詩となる。

〈月詠み〉〈星詠み〉の両者が謳い終えると雨が止み柔らかな日差しが雲の隙間から差し込んでくる。

人々は潤った大地を見て歓声を上げる。

そんな人々を見てほほ笑んだ一人の〈星詠み〉が言った。

 

「あの日が差している土をごらんなさい...」

 

人々は〈星詠み〉が指した辺りを目を凝らして見てみた。

そこには今芽吹いたばかりの小さな植物の芽があった。

今まで植物がまともに育つことのなかった、不毛の地に植物が芽吹いた。

人々は奇跡としか呼びようがない出来事の連続に喜びの声を上げる。

そんな人々の中には先ほど〈月詠み〉と〈星詠み〉が謳っていた詩を歌う

子供たちの姿もあった。

 

「それは我らが讃えし植物の神〈沙羅世命〉からの些細な贈り物です」

 

人々は感謝の気持ちを込めて〈月詠み〉と〈星詠み〉に深々とお礼をした。

 

〈月詠み〉が謳い風を雨を操り、〈星詠み〉が謳い神からの贈り物を人々に届けた。

そんな彼らは人々からは〈祈祷師〉として親しまれていた。

 

...

 

......

 

.........

 

............

 

...............

 

「と言う伝承がこの日本にはあってだな...おいそこっ!!聞いてるのか!?」

 

柔らかな日差しが差し込む午後の教室。

お弁当も食べお腹いっぱいになった生徒たちを窓から入ってきた柔らかな日差しが睡魔を誘う。

大半の生徒は睡魔と戦いながら授業を受けていたが、俺は授業が始まって早々睡魔に誘われ負けた。

 

「ちょっとお兄ちゃん。起きてっ!!先生が見てる...」

 

「ううん...もうちょっと寝かしてくれよ.....」

 

昨日徹夜でゲームしていたこともあり睡魔には勝てず、そのまま眠りに就く。

 

「ほーう...俺の授業で寝るとはいい度胸だな.....」

 

ふと怒気を孕んだ聞き覚えのある声を動物的本能が察知し、反射的に目が覚める。

そしてゆっくり顔を前に向けると鬼の形相の学年主任が腕を組んで立っていた。

口は笑っているが、目が明らかに笑ってない...あっこれオワタ

 

「あのー...すみません.....昨日徹夜したもんで.....」

 

学年主任は相変わらず鬼の形相でこちらを見ている。

 

「蒼井淳。放課後、生活指導室に来い」

 

「はい...」

 

あっこれ完全に詰みましたわ。俺の学校生活最大のピンチの気がするんですが...

噂では学年主任に目をつけられた生徒は生と死の境界を彷徨いそうになるくらい長い説教を正座で

聞かされるとかなんとか.....

俺、生きて帰えれるかな。

 

「お兄ちゃんお兄ちゃん」

 

一人絶望していると妹の加奈が小声で話し掛けてくる。妹は俺と同じ学校に通っていて同じクラスで

席も隣なのだ。

 

「なんだよ?俺はこれから生と死の境界を彷徨うことになりそうなんだけど...」

 

「あははは自業自得だよ。それよりお兄ちゃん。火葬と土葬どっちがいい?」

 

突然の妹の物騒な質問に疑問符が浮かんだが、すぐに理解した」

 

「ちょっと待て、それつまり俺が学年主任の説教で野垂れ死ぬこと確定ってことじゃねえか!!」

 

「せいかーい!!馬鹿なお兄ちゃんにしては理解早いね」

 

妹に反論しかけた瞬間、怒号が教室中に響いた。

 

「蒼井兄妹!!お前ら放課後生活指導室に来いっ!!」

 

「「は、はいっ!!すみませんでした!!」」

 

この後、俺と妹の加奈は牢獄で死刑を待つ囚人のごとく放課後になるのを静かに待った。




眠い...
バイト終わりに長文書くのは向いてませんなw


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

〈01〉連続通り魔

蒼井敦 Atushi Aoi
本作の主人公。授業の大半を寝て過ごし、家ではゲームをするか寝てるかのどちらしかしない。しかし、運動神経は良く妹を溺愛している。

蒼井加奈 Kana Aoi
蒼井敦の妹。美人で優等生という事で学校では常に人気者。家では海外で仕事をしている両親に代わって家事全般をこなしている。

連続通り魔 Renzokutoorima
13人以上を殺しているのにも関わらず、いまだ使用している凶器も犯人の要望もわかっていない。そのため警察も手を焼いている。
ネットでは連続通り魔が現れるときには、必ずノイズみたいな声というより歌が聞こえてくると噂されている。


放課後、学年主任の気の遠くなるとうな(というか気が遠くなって意識が飛びかけた)

説教から解放され帰路に着いたときは、もう夜の9時だった。

 

「あのバカ話長すぎんだよ」

 

「それはお兄ちゃんが途中から聞いてなかったからでしょ...」

 

何も言い返せない...が、あれは軽く意識が飛びかけていたのが原因でなんて妹の前では

恥ずかしくて言えないな。

とりあえず早く家に帰らないとな...

 

「そう言えばお兄ちゃん。最近ニュースになってる連続通り魔事件知ってる?」

 

「えっ?何それ、初耳なんだけど...」

 

家ではいつも俺がテレビを占領しているが(ゲームのために)、妹はスマホや新聞を

通してニュースなどをチェックしている。俺とは真逆でしっかり者なのだ。

 

「お兄ちゃん...少しはニュースを見なよ.....

 世間知らずの兄を持って加奈は悲しいです」

 

妹は手で涙を拭う演技をした後、ジト目で俺のことを睨んでくる。

これはちゃんとニュース見るようにしないと、いつか妹から説教くらいそうだな...

 

「それでね...」

 

そんなことを思っていると、妹が唐突に話を再開した。

 

「その連続通り魔はまだ捕まってなくて、凶器もわかってないんだって...」

 

おいおい日本のおまわりさん頑張ってくださいよ。と言いたくなったが

そういったコメントは妹の話を全て聞いてからでも悪くないだろ。

 

「被害者は13名以上出ていて、ネットではそれ以上にいるなんて言う噂もあるの」

 

「ちょっちょっと待って...」

 

妹の口から語られるおぞましい話に恐怖を感じた俺は、これ以上話を聞くまいと

話の中断を申し立てようとしたが次の妹の言葉で背筋が凍った。

 

「それでその通り魔がこの街にいるって言われていてね...

 って、あれ?お兄ちゃんどうしたの?」

 

「ど、どうしたのって...お前13人以上殺していて、どんな凶器を使っているかも

 分からない連続通り魔がこの街にいるって言うんだぞ!?」

 

うん、そうだね。妹はいたって冷静に俺の言葉に相槌を打つ。どうして妹はこうも

冷静にいられるのか...

 

「お前は怖くないのか?」

 

怖くないはずがない。誰だって13人以上殺している連続通り魔が自分の住んでいる

街にいると知ったら気が気ではない。

妹は少し考える素振りを見せるとゆっくり口を開いた。

 

「そりゃ怖いけどお兄ちゃんが守ってくれるし...」

 

「お、お前...」

 

俺は今大変感動しています。あぁ...妹って素晴らしい。

 

「なーんてね。話を聞いただけでビビっているお兄ちゃんが頼れるわけないし」

 

前言撤回。やはり俺の妹は毒舌でした。

 

「まあ確かに怖いけど、この連続通り魔事件にはある噂があってね...」

 

妹が近づいてきて、俺に耳打ちをする。

 

「なんでも通り魔が現れる時にはノイズみたいな声が聞こえるんだってさ」

 

「ほー。つまりそれが聞こえたら逃げれば良いってことか...

ちなみにそのノイズみたいな声って今聞こえるやつ?」

 

妹が耳打ちをすると同時に背後からノイズみたいな音が段々近づいてきている事に

気づいていた俺はそっと妹に問かけてみる。

 

「そうそう、こんなノイズみたい...な。えっ?」

 

みるみるうちに妹の顔は青ざめていく。俺は最初妹の悪ふざけかと疑ったが

これが演技じゃないという事は妹を見たらすぐに分かった。

 

「おにぃ...ちゃん.....後ろみちゃ...ダメ.....逃げ...よ」

 

妹が震え声でとぎれとぎれに囁いてくる。そうだ逃げないと殺される。

だけど俺の足は動かず、首が動いた。

そう。好奇心に負けたのだ。妹はどうやら背後にいる連続通り魔の姿を見て

心底おびえているらしい。見た者に恐怖を与える殺人鬼...

一体どんな容貌なのか気にならないわけもなく。

俺は好奇心に従い後ろを向いた。




何でしょう...
帰り遅くなって襲われるパターンてテンプレな気がするんですが(;´∀`)


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。