剣(つるぎ)の世界で (ネギ丸)
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第1話 : 始まり

初めましてみなさん。作者の葱丸です。初投稿とさせていただきます。小説を書くのは初めてなので、温かい目で見てくださると嬉しいです。


俺は前の世界ではどんな風に過ごしてたんだっけ。

 

ここに来てどれくらいの時間が経っただろうか。俺は鈍い痛みを感じる左腕を抑えながらそう考えるのだった。

身を隠すように大きな大木にもたれかかりながら………………

 

時は数時間に遡る。目を覚ますとそこは濃い緑に覆われた密林のようなところだった。昨日まで俺は高校に通い、友達と喋ったり、家でゲームしたりと普通の生活を送っていたはずなんだけど。

目が覚めたら知らない所とか多分夢でも見ているのだろう。

もしこれが現実であったなら、漫画やゲームの世界である。

俺はそう思いながら周りを見渡した。

みる限り、周りは薄暗い密林のようで、コケだらけの木が見渡す限りに見える。

 

「夢にしては意識がハッキリしてるな…。」

 

と俺はひとりでに呟いた。

すると、何処からか、

 

「これは夢じゃあないよ。あなたは別の世界からここに飛ばされたんだよ。」

 

と声がした。

周りを見渡しても人の姿は見えない。しかし、確かに声は聞こえた。

 

「何処見てんのよー。ここよ、ここ。」

 

また声が聞こえた。俺はゆっくりと声のする方を見上げた。

するとそこには虫のような羽の生えた小さな女の子がいた。小さいと言ったが、身長は俺の靴と同じぐらいの大きさだ。小さすぎる…。

 

「初めましてマスター。私はこの世界の案内妖精のエシリアだよ。あなたはこの世界の魔王を倒すべく異世界から連れてこられたんだよ。」

 

異世界?魔王?思い切りファンタジーじゃないか。妖精までいるし。

 

「マスター。とりあえずこの森から出ようか。この森はモンスターが出るから危険だし。話の続きはその後で。」

 

俺は少し戸惑いながらも頷いた。

俺はエシリアに案内されながら森の中を進んでいく。

しばらく歩いていると、横の方からガサッと音がした。俺は少しびっくりして素早く右側を見る。何もなかった。

俺はホッとしてそのまま前を向こうとしたその時、

 

「危ない!」

 

叫びながらエシリアが思い切り俺に体当たりをした。しかし、エシリアの体の大きさでは、俺を少し後ろによろめかせる程度で吹き飛びはしなかった。と思っているのもつかの間。次の瞬間、何かが俺の腕をかすめた。

鋭い痛みが左腕に走る。俺は反射的に左腕を抑え、俺の腕をかすめたものの方を見た。

そこには大きなトカゲがいて、こちらを威嚇している。

 

「マスター大丈夫⁉︎あれはトカゲ型モンスターのプチリザードよ。攻撃的で素早さはそんなに早くないけど、さっきは油断して近づいてるのに気づかなかった。一旦逃げるよ!」

 

そう言ってエシリアは飛ぶスピードを上げた。俺も左手の痛みに耐えながら全速力でエシリアについて行った。

しばらくして俺たちは大きな木に身を隠した。モンスターは俺たちを見失ったがその場で俺たちを探している。俺たちを見つけるのも時間の問題だろう。俺はここが夢ではないとだんだん思うようになった。よく考えれば腕痛いしな…。

 

「ここから出てから話す予定だったけど、今は緊急事態だから簡単に説明するね。」

 

エシリアが小さく俺に話した。

 

「マスター、まず『スキル発動』って言ってみて。」

 

俺はエシリアの言う通りにその言葉を口にした。

 

「スキル発動。」

 

そして、次の瞬間、俺の右手付近が突然光り出した。

光が収まり、右手に視線を向けると、俺の右手には鉄でできた剣が握られていた。それ以外は何の変化もない。

 

「えーーー‼︎マスターのスキルってそれだけ⁉︎もっとこう、炎がドバーッとか雷がズドーンとかそんな感じじゃないのー⁉︎」

 

どうやら俺のスキルとやらは剣を作るだけらしい。使えるのか使えないのか…。

俺はそんなことを思いながらもモンスターの方を見る。

やはりモンスターはエシリアの声に反応して俺たちに気づいていた。

 

「マスター!仕方ないからその剣であいつを倒してきて!」

 

そう言ってエシリアは俺を木の後ろから引っ張り出した。

 

「さあ、マスター!ちゃっちゃとあいつを倒しちゃってー!」

 

「いやっ、俺前の世界では陸上しかしてねーんだから剣術なんて知らねーよ!」

 

「そんなのはデタラメでいいから、とにかく戦ってよ」

 

「お前も一緒に戦えよ!俺よりもこの世界に詳しいんだから少しは戦えるだろ!」

 

「マスターは私の体の大きさを見ても私が戦えると思ってるの⁉︎」

 

そんなやりとりをしているとモンスターが俺たちにかなり近づいていた。

 

「くそっ!」

 

俺はやけくそにモンスターに向かって剣を振り下ろした。モンスターはそれをかわしながら俺に飛びついてきた。俺はそれを右に避けてもう一度攻撃した。今度は剣はモンスターの尻尾を切り落とした。

モンスターは痛みでもがいていたが、すぐに俺に向かってもう一度飛びついてきた。俺は飛びついてくるモンスターに向かって剣を振り下ろした。今度は剣はモンスターの頭部に命中し、そのままの勢いでモンスターを真っ二つにした。

モンスターの二つに割れた体はピクリとも動かなかった。

 

「すごーい、マスター!相手が下級のモンスターとはいえ、初めて戦ったにしては十分以上の戦いだったよー!」

 

エシリアは嬉しそうに俺に言った。

俺はホッと息をついた。

俺はほんのすこしの不安と恐怖を抱きながらも、この世界を生き抜こう、そう思ったのであった。




小説書くのってむずかしいですね。


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第2話 : この世界について

今回のお話は主人公か疑問を消化していくような話です。
会話文が非常に長くなってしまいました。
あと、前回の反省を生かし、会話文を見やすくしました。
それでは、剣の世界で 二話を宜しくお願いします。


無事モンスターを倒した俺たちは森を抜け、大きな草原にたどり着いた。結構走ったり歩いたりの繰り返しで俺はかなり疲れていた。

 

「ふー。無事に脱出できたねー。ここならモンスターも出てこないし安全かなー。」

 

エシリアはぐっと背を伸ばした後、俺に話しかけた。

 

「改めて、ようこそマスター。あなたはこの世界の悪の権化、魔王を倒すべく別の世界から連れてこられた勇者の一人なのです。これからあなたは私と一緒に旅をして、魔王を倒させてもらいます。」

 

エシリアは張り切りながらそう言いった。しかし俺はひとつ疑問に思った。

 

「連れてこられた勇者の一人ってことは俺以外にも他の誰かがこの世界にとばされてきたのか?」

 

「うん。そうだけど、確か…百人はこっちに飛ばされたのかな?」

 

「百人とは、結構多いな…。」

 

「まあね。この世界の住人も魔王討伐のために戦ってるんだけどさー、全く勝てる様子もなくてね。そしたら他の世界から勇者を連れてこようって話になったわけよ。」

 

俺は少しびっくりした。

 

「この世界は他の世界から人を連れてくることができるのか?」

 

「んー。詳しくはわからないんだけど、ある国の技術者が異世界から人を連れてこれる技術を開発したとかって話は聞いたよー。そして、その国の王がこの異世界人に魔王討伐を頼もうって計画を立てたって感じかな?」

 

俺はさらに質問を返す。

 

「その国の王はどうしてまた異世界人に魔王討伐をさせようと思ったんだろう?」

 

「何でも、異世界人はこの世界に来ると何らかの特殊なスキルやアビリティを習得するらしいのよ。」

 

またここで疑問が増えた。

 

「そのスキルってやつは何なの?あとアビリティは初めて聞くし。」

 

「あー、ごめんごめん。それを説明するのを忘れてたよ。」

 

エシリアは申し訳なさそうに笑いながら言った。

 

「この世界ではね、人間だけが持つ能力、スキルとアビリティがあるの。それで、スキルはね、その人が所持する必殺技のようなもので、そのスキルを使っていけば、そのスキルのスキルレベルを上げることができるよ。そして、習得しているスキルを使うにはそのスキルの使用条件を満たしていて、使用したいときにスキル名を口に出せば使えるよ。」

 

「あれ?さっきはスキル名言ってなかったけど…。」

 

「あー、あれはどのスキルにもある初回限定よ。まだ、そのスキルを使用したことのない状態のみ使用できる裏技みたいなものよ。」

 

「なるほどなー。んじゃあ、条件っていうのは例えばどんなのがあるんだ?」

 

「そうねー。主に『指定の武器を装備している』だけど、他には『使用者が建物の外にいる』とか『続けて使用するのに時間がかかる』とかかな?」

 

思ったよりも細い条件だな。

 

「じゃー、アビリティってやつは何なんだ?」

 

エシリアは大きくあくびをした後に俺の質問に答えた。

 

「アビリティはその人が意識しなくても常に発動している特殊能力よ。能力の効果は『物理攻撃の威力をアップ』や『筋力アップ』とか『炎耐性』とか、種類はとても豊富なの。」

 

まるでゲームみたいだな。いや、そんなことは置いといて、さらに俺はエシリアに質問する。

 

「そのスキルやアビリティはどうやって確認できるんだ?」

 

「それはねー、町にある役所で『個人登録カード』っていう魔法道具を貰えばいつでも確認できるよ。無料で配布されているから入手するのも簡単だよ。」

 

なるほど、だとすれば俺がまずやるべきことは…

 

「エシリア、腹も減ったしとりあえず街を目指そう。」

 

俺は空腹のあまり本音が出てしまった。エシリアはクスッと少し笑ってから言った。

 

「それじゃあまず街を目指そうか。お金なら大丈夫よ。各自の担当者に渡すようにって金貨を一枚国の責任者から貰ってるから。」

 

そう言うとエシリアは自分が担いでいたカバンから金貨を一枚取り出し、俺に渡した。エシリアのバッグはどうやら金貨を入れるためだけに渡されたらしい。金貨一枚がようやく入る大きさだ。

俺はエシリアから金貨を貰い、それをポケットにしまった。

 

「それじゃあ、街を目指すんだけれど、ここから一番近い街ってわかる?」

 

俺はエシリアに質問した。

 

「そうだねー。ここから一番近いのは…バルトリア街だね。かなり大きい街だし、冒険者ギルドもあるみたいだからちょうどいいねー。」

 

「んじゃー、とりあえず早く街について飯食ってからこの先のことを決めるかー。」

 

そして俺たちはバルトリア街に向けて道を進んだ。

 

 

 

 

 



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第3話 : 初めての街

1日で3話も書いてしまいました。ほとんど無計画で書いているので作者自身もあまり今後の展開は予想できていません。そして、今テスト期間なのでそっちも心配です。
そんな話はさておき、剣の世界で第3話、お楽しみください。


森を抜けた俺は案内妖精エシリアからこの世界のことやスキルなどについて説明して貰った。そして、俺たちは今次の目的地であるバルトリア街の入り口に立っていた。(エシリアは浮いているが)バルトリア街は色々なところから商売人や商会が集まりとても豊かな街だそうだ。

 

「案外近かったな。歩いて20分くらいしか経ってないんじゃないか?」

 

「ラッキーだったねー、マスター。森とバルトリア街がこんなに近かったなんて。とりあえず街に入って、良さそうな飲食店を探そー。」

 

エシリアはそう言い、真っ先に街へと入っていった。俺もエシリアを追いかけるようにして街の中へと入っていった。

街の中は人が沢山いて、とても賑わっていた。俺たちは良さそうな店を見つけてそこで食事をした。これは、会計の時にわかったことだが、この世界では、金貨1枚で1000エギル(この世界でのお金の単位)、銀貨1枚で100エギル、銅貨1枚で10エギル、青銅貨で1エギルだそうだ。

会計は俺とエシリアの二人分(?)で合計865エギルだった。手持ちはわずかの135エギルである。

 

「これからどーする?」

 

食事を終えて眠くなったのか、エシリアが大きくあくびをしながら言った。

 

「とりあえず役所で個人登録カードを貰ってから冒険者ギルドに行ってみるか。」

 

俺はそう言った後にエシリアのあくびがうつったのか、大きくあくびをした。

 

俺はエシリアの案内で役所に着いた。中へ入り個人登録カード受付所というところがあったので、俺たちはそこへ行った。受付所の窓口には若い女性が一人いた。

 

「個人登録カード制作希望の方ですか?」

 

彼女はニッコリと優しく微笑んだ。

 

「はい。そうです。」

 

俺は少し緊張気味で返事をした。

 

「でしたら、こちらのカードに名前をお書きください。」

 

そう行って受付の女性は俺にスマホぐらいの大きさのカードを手渡した。俺は名前を書く欄に自分の名前を書いた。不思議なことに俺は自分の知らない文字を書いているがそれが読めるのもまた不思議なことだ。どうやらこの世界に飛ばされてくる時に何かされたのだろう。

俺は自分の名前を書き終わると受付の女性にカードを渡した。

 

「ありがとうございます。では、そのカードの魔法陣の中心にあなたの指をおいてください。どの指でも構いませんよ。」

 

受付の女性の言われた通りに俺は自分の右手の人差し指を魔法陣の中心に置いた。すると、カードは光り出し、次々と文字が追加されていく。そして、光がおさまると、受付の女性はカードを手に取り、書かれた内容を確認した。

 

「えーと。名前はケンマ ヒガシノ、変わったお名前ですね。性別は男性で、年齢は17歳。出身地は………ニホン?聞いたことありませんね。もしかして異世界から来たのですか?」

 

受付の女性は疑問に思いつつも笑顔で俺に質問した。

 

「はい。そうですけど、意外と冷静ですね。異世界の人はよくこちらの世界に来られるのですか?」

 

「いいえ、異世界の方を見たのはあなたが初めてですよ。しかしながら、異世界人に魔王討伐を協力してもらうというニュースが世界中に知らされていますから、あまり驚くことでもありませんよ。」

 

そうだとしても、ここまで冷静にはいられないだろう。これは客に対するプロとしての心得なのだろうか。

 

「すみません。話がそれましたね。では、続きを拝見させていただきます。あなたのステータスは…、筋力が高め、守備力は平均並みですね。あと、魔力も平均並みで、運も平均並みですね。全体的にステータスは高い方ですね。ステータスはモンスターと戦ったりして経験を積むことで少しずつ上がっていきます。また、経験を積んでいけば新たなスキルを習得することもできますよ。」

 

わかりやすい説明をありがとうございます、受付のお姉さん。

 

「取得済みのスキルは…『剣製Lv1』ですね。大変珍しいスキルですよ。」

 

異世界人なのか、俺のスキルは珍しいらしい。どれくらい珍しいのか聞いてみると、レアリティでは、上から2番目ぐらいの部類らしい。続けて受付の女性は話した。

 

「続けて取得済みのアビリティは…『呪い無効』…のみですね。」

 

受付の女性はそう言った後に小さく咳払いをし、話を続けた。

 

「あとは、健康状態も異常ありませんね。これで登録は完了しました。カードの情報は自然に更新されますのでこまめに確認してくださいね。」

 

そう言って受付の女性は俺にカードを手渡した。俺は受付の女性にお礼を言いながらカードを受け取った。

 

「もし時間がおありでしたら、冒険者ギルドへ向かってはいかがですか?お手軽に冒険者登録も出来ますし、その後すぐにお金を稼ぐこともできますよ。」

 

なるほど、だからエシリアは冒険者ギルドへ行こうとしていたのか。俺たちは受付の女性にお礼を言い、役所を出た。次の目的地は冒険者ギルドだ。同じ街の中とはいえ、何が起こるかわからない。俺たちは気をつけて進むことにした。

 

 

「……………。」

 

受付嬢は俺たちが役所を出てから少しぼーっとしていた。そしてクスッと小さく笑うと、

 

「『呪い無効』…ですか…。もしかしたら、彼がいずれ魔王を倒す勇者になるかもしれませんね…。」

 

そういった後に彼女は「まさかね。」と小さく呟き、自分の仕事へと戻るのであった。



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番外編1 : 食事中の会話+人物紹介1

今回は番外編ということで、2人の食事中の会話を書いて見ました。といっても、エシリアのことについてですけどね…笑
実はここで人物紹介を入れたのは本文の文字数が不足してたからなんですよ。そして、人物紹介を入れてみたら、余裕で超えました笑
剣の世界で番外編、少し短いですが、楽しんでください。


森を抜け、街についた俺とエシリアは早速食事できる店を探した。手持ちの金貨がどれくらいの値打ちなのかはわからないが、二人分の食事はできるだろう。そう考えながら街を歩いていると、良さそうな店を見つけたので俺たちはそこで食事をすることにした。ちなみに店の名前は『飯処 キョーヤ』である。名前の意味はよくわからない。

中は少し古びた木造だが、いい味を出している。俺は2人用のテーブルのところに座り、エシリアはテーブルの上に座った。すぐに店員さんが来て注文を聞いてきた。俺はこの世界のことがまだわからないので金貨1枚で収まる値段でおすすめのものを頼んだ。もちろんエシリアにもわけるつもりだ。

 

「この店の雰囲気、落ち着くなー。ね、マスター。」

 

ああ、そうだな。と俺は返事をした。そしてエシリアに質問をした。

 

「なぁ。お前はどうして案内役なんてやってるんだ?」

 

エシリアは窓から外の様子を楽しそうに見ていたが、俺の質問を聞いて、こっちを向いて答えてくれた。

 

「異世界から人を送る時にね、私たちピクシー族の一部には異世界からの勇者様を魔王討伐まで導くっていう命令が下されたの。危険なこととはわかっていたけど、私は見てみたかったんだ、外の世界ってやつを。ピクシー族は1人で外に出れば他のモンスターに襲われちゃうしね、強い人たちと一緒なら大丈夫と思って私は案内役を自ら立候補したわけよ。」

 

エシリアは得意げにそう話した。

 

しばらく話していると、店員が料理を持ってきてくれた。

 

「『バルトリア鳥の照り焼き定食』おまちどうさまでーす。」

 

と言いながら、テーブルに料理とフォークとナイフ、そして気を利かせてくれたのかエシリアの分の小皿まで用意されていた。

 

「それではごゆっくりどうぞ。」

 

店員はそう言い、厨房へと戻っていった。俺が頼んだ料理には、パン、鳥の照り焼き、サラダ、スープがついていて、美味しそうだ。俺はエシリアの分を分けて小皿に移した。そして、「いただきます。」と言い、鶏肉の照り焼きを一口口に運んだ。その時、俺は感動した。鶏肉の焼き加減、脂の乗り、引き締まった鶏肉、なんと言おうと、めちゃくちゃ美味かった。今まで食べた中で一番美味しい料理といっても過言ではない。エシリアも幸せそうな顔をしながら鶏肉を頬張っている。

俺はこの料理を食べながら誓った。必ず魔王を倒し、この味を救ってみせると。

 

ー人物紹介ー

 

 

東野 剣馬(ケンマ ヒガシノ)

 

種族:人間(異世界人)

出身地:日本(東京)

見た目:髪は茶髪で少し短め、寝ている時に転送されたので赤と黒のジャージを着ている

性格:いたって冷静、割と面倒見がいい

好きなもの:漫画、スポーツ(陸上)、年上の若い女性

嫌いなもの:勉強(成績は普通)、ナス、ナメクジ

前の世界での将来の夢

陸上の選手

 

 

エシリア

 

種族:妖精(ピクシー族)

出身地:ピクシー族の村(詳細は???)

見た目:髪は金髪でポニーテール、服装は冒険家のような服装

性格:天真爛漫、少しマイペース

好きなもの:睡眠、リンゴ、新しい発見

嫌いなもの:ピーマン、1人でいること、鳥モンスター

将来の夢

世界中を旅すること




エシリアの故郷については後々書く予定です。


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第4話 : ようこそ!冒険者ギルドへ

早いもので剣の世界で も番外編を合わせて5話目ですね。まだ1日も経っていませんけど、今回はケンマたちが冒険者ギルドに入るお話ですよ。さて、ケンマは何の職業に就くのでしょうか。
それでは、剣の世界で第5話をお楽しみください。


役所で無事に個人登録カードを入手した俺たちはバルトリア街の冒険者ギルドへと向かうのであった。そして今、俺たちは冒険者ギルドの前にいるのであった。

 

「とうとう着いたわね。冒険者ギルド!」

 

エシリアは目を輝かせながら張り切って言った。

 

「役所からここまで5分も歩いてないけどな。」

 

「ちょっとマスター!こっちは新米冒険者のつもりで心をドキドキさせながらここに立ってるってゆうのに、その心に水を差すのはやめてくれないかなー。」

 

エシリアは頰を膨らませながら俺を叱った。

 

「ごめんごめん。そういうつもりじゃなかったんだけど…。それにしても、やっぱりこう、ドキドキするよなー!」

 

正直俺もドキドキしていた。

 

「でしょー!やっぱりマスターは私のマスターだなぁ。」

 

そんなどうでもいい話は置いといて、俺たちは建物の門を開いた。すると、そこはまるで酒場のようで冒険者であろう者たちが食事をしたり、騒いだらしている。俺はその雰囲気に少し押されながらも、中に入り、周りを見渡した。すると入口から見て右斜め前の階段に『冒険者登録は二階まで。』と書いてある看板が立てられていた。俺たちはその階段を登り、受付所の前に着いた。その窓口には若い男性が優しく微笑みながら座っていた。

 

「ようこそ、バルトリア冒険者ギルドへ。僕は冒険者登録受付担当のハーツです。冒険者登録の要件ですか?」

 

彼は丁寧に挨拶をし、俺たちに要件を聞いてきた。

 

「はい、そうです。」

 

「でしたら、個人登録カードはお持ちですか?」

 

ハーツさんは俺にそう質問し、俺は「はい。」と返事をし、個人登録カードを受付のカウンターの上に置いた。ハーツさんは、

 

「では、少しお借りしますね。」

 

と言い、俺の個人登録カードを受け取り、内容を確認した。

 

「なるほど…。ステータスを見る限り、職業は剣士がオススメですね。剣士は攻守のバランスが良く、多彩なスキルや魔法を覚えますよ。就職は剣士でよろしいですか?」

 

魔法?この世界には魔法もあるのか。魔法のことは後でエシリアに聞くとして、今は登録が先だ。

 

「はい。オススメでしたらそれでお願いします。」

 

「承知しました。それでは、カードの魔法陣に指をおいてください。」

 

ハーツさんは俺のカードに何かを記入した後にそう言った。そして、俺は魔法陣に指をおいた。そしてカードが光り出した、少し指がピリッとした。光がおさまると、俺はカードから指を離した。

 

「これで冒険者登録は完了しました。カードに間違いがないか確認してください。」

 

そう言ってハーツさんは俺にカードを渡した。俺はカードを受け取り、内容を確認した。すると、カードには『冒険者・剣士』という文字が追加されていた。

 

「職業によって習得できるスキルや魔法、アビリティが異なります。また、個人によっても習得できるスキルや魔法、アビリティが変わります。スキルなどの習得時はその効果をしっかりと確認してくださいね。ちなみにカード上のスキル名のところを押すと詳細が見れますよ。それでは、今日から冒険者として頑張ってくださいね。」

 

ハーツさんはそう言い、お辞儀をした。俺たちはお辞儀を返し、階段を降りた。次に俺たちがやるべきことは「クエスト」である「クエスト」はギルドに持ち込まれた依頼を解決することだ。俺たちは依頼が貼ってある掲示板へと向かった。掲示板の前まで来た俺たちは早速依頼を確認する。そこにはたくさんの依頼が貼ってあった。どれを選べばいいのかわからない…。俺が困っていると、掲示板の隣の受付所の窓口にいる若い女性に声をかけられた。

 

「すみません。少しよろしいですか?」

 

俺は返事をし、そっちへ向かった。

 

「私はクエスト受付所所担当のカリータと申します。どうぞよろしくお願いします。あなた、駆け出しの冒険者様ですね?それならばこのクエストがオススメですよ。」

 

彼女はそう言い、依頼の紙を渡した。その依頼の内容はバルトリア街周辺の草原でアンミン草を採取することだった。

 

「このクエストはどの冒険者でも参加できる簡単なクエストで、アンミン草の数もいくつでもいいですよ。さらに、今ならアンミン草一つの買取価格が50エギルから100エギルに値上がりしています。」

 

そう言い、カリータさんは、俺にこのクエストを勧めてきた。もちろん俺はそのクエストを受けた。

 

そして今俺たちはバルトリア街付近でアンミン草を採取している。日はもう沈みかけていて、時間では6時ごろだろう。

 

「エシリアー。そろそろ採取を終わらせるぞー。」

 

俺のその言葉に反応し、エシリアは小さい体で頑張りながらアンミン草を6個ほど抱えてきた。アンミン草は2人合わせて150個ほど採取した。俺たちはそれらをギルドに持ち帰り、受付嬢のカリータさんにクエストの報告をした。

 

「アンミン草が全部で162個ですね。それでは全て買取させていただきます。」そう言ってカリータさんはアンミン草が詰まった木箱を抱えてカウンターの裏へと持ち運んだ。

 

「それでは、アンミン草162個の買取価格の16200エギルとなります。」

 

そう言ってカリータさんは俺に16200エギルが入った袋を手渡した。これでどうにか宿屋には泊まれそうだ。今日は夕食を食べて風呂入って寝よう。明日からは他のクエストもこなしていこう。そう思いながら、俺はギルド本部を出て、夕食を食べにいくのであった。

 

 

 




次回はケンマイメチェン⁉︎


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第5話 : 難易度E・キングボアを討伐せよ(前半)

サブタイトルで若干ネタバレしてるかもしれません。ごめんなさい。今回は主人公の初討伐クエストです。RPGといったらこれですよね。それでは、剣の世界で第6話をお楽しみください。


初めてのクエストを終えた俺たちはその後夕食を食べ、宿屋に泊まった。借りた部屋へと入った俺たちはすぐに寝てしまった。

 

翌朝、窓から差し込む眩しい朝日を浴びて俺は目が覚めた。部屋の壁に掛けてある時計を見ると朝の7時ごろであった。

 

「ふああぁ〜〜。おはよ〜、マスタ〜。」

 

エシリアもちょうど今起きたようで眠たそうな目をこすりながら大きくあくびをした。

部屋を出て、宿屋の食堂で朝食を終えた俺たちは朝の商店街へと向かった。目的は、朝の散歩と俺の服を買いに行くことだ。異世界に来てから俺は寝間着のジャージを着て過ごしていたのだ。これではせっかくのファンタジー感が台無しである。

朝早いというのに商店街は人で賑わっていた。俺たちは服屋へ入り、俺の服を選んだ。時間はさほどかからずに俺の服は決まった。白をベースにしたシャツに黒い長ズボン、茶色いブーツ、そして赤い上着を羽織ったスタイルに決まった。俺たちは会計を済ませて店を出た。ジャージはついでに買ったカバンの中にしまった。

次に俺たちは冒険者ギルドへと向かった。中へ入り、クエスト受付所へ行くと、受付嬢のカリータさんが優しく微笑んで迎えてくれた。

 

「おはようございます。ケンマ様。今回はどういったご用件でしょうか?」

 

「今日はモンスターの討伐クエストを受けたいんですけど、オススメはありますか?」

 

俺はカリータさんにそうたずねると、

 

「わかりました。少々お待ちください。」

 

とカリータさんは言い、カウンターの横の掲示板の前に立ち、

 

「こちらのクエストはどうでしょうか?」

 

と言い、一枚の依頼書を俺に差し出した。俺はその依頼書を手に取り、内容を確認した。クエストの内容はバルトリア草原に現れるワイルドボアというイノシシ型のモンスターの群れのリーダーのキングボアを討伐することだった。

 

「最近このワイルドボアの群れが街の人たちの畑を荒らしているらしいんですよ。基本ワイルドボアの群れはリーダーがいなくなれば自然と解散するので被害も少なくなると思います。難易度はそれまで高くないので駆け出し冒険者様でも十分にクリア可能ですよ。報酬は30000エギルと少しお高めです。クリア報告の際に、キングボアの牙をお持ちいただければクエストクリアとなります。尚、キングボアとの戦闘の場合は部下のワイルドボアたちも襲いかかってくるので周りにも差をつけたほうが良いですね。どうでしょうか?このクエストをお受けになりますか?」

 

なるほど、お小遣い稼ぎもできて自身の能力アップも同時にできるのか…。これは……………

 

「受けるしかありませんね。」

 

「かしこまりました。では、お気をつけていってらっしゃいませ。」

 

カリータさんはそう言い、俺たちを見送ってくれた。そして俺たちはバルトリア街の南部にあるバルトリア草原へと向かった。

 

草原は街から徒歩で1時間と、少し遠いところに位置していた。ワイルドボアたちはここを住処にしているらしい。俺が草原を歩いていると、前の方でワイルドボアがこちらを睨んでいる。どうやら縄張りに入った俺たちを警戒しているのだろう。俺はエシリアにどこかに隠れるように言った。そして、エシリアは近くの木の上に身を隠した。ワイルドボアはじりじりとこちらとの距離を詰めてくる。そして次の瞬間、ワイルドボアは俺に向かって突進をしてきた。俺はそれを素早く避け、スキル名を口に出した。

 

「『剣製』!」

 

すると俺の右手から鉄製の剣が生成され、俺はその剣をワイルドボアに向かって斬りつけた。剣はワイルドボアの腹部を斬り裂いた。ワイルドボアは突進の勢いのまま吹き飛んだ。しかし、すぐに立ち上がった。俺はもう一度ワイルドボアに向かって攻撃した。ワイルドボアは傷のせいで動きが鈍っており、かわすことができずに剣はワイルドボアたちは頭部を切り裂いた。ワイルドボアは「ブギャアアーー‼︎」と大きく鳴いた後にパタリと倒れた。俺はワイルドボアが死んだのを確認し、立ち上がったその時、

 

「ブルオオオオオーーー!!!!」

 

と大きな雄叫びが後ろから聞こえた。振り向くとそこには三匹のワイルドボアを連れたキングボアがこちらを鬼のように睨んでいる。キングボアは周りのワイルドボアに比べて身体がひとまわりもふたまわりも大きい。そんなことを思っていると、部下のワイルドボアが同時に突進してきた。俺はそれをかわしながら、剣を振った。剣は三匹のうちの一匹の頭部を切り裂き、絶命させた。俺はさらに突進後に隙ができた二匹を後ろから斬りつけ、ほぼ同時に倒した。残るは親玉のキングボアのみ。俺はキングボアに視線を向けると、キングボアは物凄い勢いで突進してきた。キングボアの身体は大きいため、かわせないと判断した俺は剣で突進を受け止めようとした。しかし俺は弾かれ、大きく宙を舞った。

 

「ぐっ!」

 

俺はなんとか体勢を立て直し、キングボアを3回斬りつけた。しかし、ダメージは小さく、キングボアは少しよろっとしただけだ。少し体制を整えるため俺は全速力でキングボアから離れ、大岩の後ろに身を隠した。そして俺は考えた。どうすればあの巨体にダメージを与えられるのかと。

キングボアはすぐそこまで近づいている。早く何か逆転のチャンスはないのか。俺は頭をフル回転させながらこのじょうきょうの打開策を考えるのであった。




ケンマの頭は打開策を導き出せるのか?


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第6話 : 難易度E・キングボアを討伐せよ(後半)+職業紹介

さて、前回の引き続きでキングボア討伐の話です。その後に少しだけ職業紹介をさせていただきます。少しでも読者の皆様に剣の世界での世界観の一部を理解してもらえるとありがたいです。
それでは、剣の世界で第6話をお楽しみください。


キングボアと戦っている俺は今、岩の後ろに隠れ、キングボアを倒す策を考えていた。辺りは広い草原で少し小さめの木が一本立っているだけだ。しかもあの木にはエシリアが避難している。利用することは困難であろう。そして、俺が使えるスキルは『剣製Lv1』……。

待てよ?俺はポケットから個人登録カードを取り出し、スキルの詳細を確認する。俺の予想は当たっており、さっきのワイルドボアを倒したおかげで『剣制』のスキルがLv2に上昇していた。追加内容は、「両手剣生成可能」であった。一か八かの賭けであったが、これは使えそうだ。しかし、両手剣は思うに重くて攻撃が遅くなる。キングボアの突進はかなり速く、攻撃の途中で直撃してしまうだろう。そこで俺は閃いた。俺は自分が身を隠している大岩によじ登った。キングボアは俺に気づき、突進の構えを取る。俺は岩を蹴り、岩から飛び降りた。そして、両手を頭の上で構え、スキルを発動した。

 

「『剣製』!」

 

すると、俺の両手から大剣が生成され、俺はそれを握った。

両手剣は振り上げるのには苦労するが、振り下ろすのは簡単だ。

俺は力一杯剣を振り下ろした。キングボアは突進してきたが、大剣の重みに押し負け、そのまま真っ二つになった。俺は着地に少し失敗したが、すぐに立ち上がりキングボアの方へ視線を向ける。真っ二つになったキングボアはピクリとも動かない。俺は自分の勝利を実感し、グッと小さくガッツポーズをした。するとエシリアが飛んできた。

 

「マスターすごーい!キングボアを倒しちゃったよー!それにしても、よくあの状況で自分のカードを確認しようと思ったねー。」

 

エシリアは興奮した様子で腕を上下に振っている。

 

「いや、あいつを倒す策を考えてたら、お前の言葉をふと思い出したんだよね。『スキルは使えばレベルが上がる』ってな。いやーしかし、追加効果が両手剣生成で助かった。あれが無かったらもっと苦戦してたな。」

 

俺はふうー、と深く息をした後にキングボアの死体に近づき、牙を切り取った。そしてそれを採取用の袋に入れ、カバンにしまった。

 

「さあ、条件をクリアしたことだし、ギルドに戻ってクリア報告するかー。」

 

俺はそう言い、草原を後にバルトリア街へと向かった。

 

ギルドに到着し、俺たちは早速クエストクリアの報告をした。

 

「『キングボアの牙』、確かに確認いたしました。これはこちらで買い取らせていただきますね。」

 

受付嬢のカリータさんはそう言い、キングボアの牙を受け取った。

 

「それでは、こちらがクエストの報酬とキングボアの牙の買取価格を合わせまして、32500エギルとなります。クエストお疲れ様でした。」

 

彼女はそう言い、俺にお金の入った袋を手渡した。俺はお礼を言いながらそれを受け取り、カバンにしまった。

 

無事報告を終え、建物を出た俺たちは昼食をとるべく、街をぶらついていた。時刻はちょうどお昼時、激戦の疲れもあり、俺の腹はペコペコだ。俺たちはどこかいい店がないかぶらりと街を歩くのだった。

 

 

 

ー職業紹介ー

 

・剣士

おすすめ装備 : 片手剣、両手剣、短剣、レイピア、槍

特徴 : 攻守のバランスが良く、多彩なスキルや魔法を覚えることができ、パーティの攻撃の要となる職業。

主な上級職 : パラディン、クルセイダー、ソードマスターなど

 

・魔道士

おすすめ武器 : 片手杖、両手杖

特徴 : 多彩で強力な魔法を覚え、時にチームのサポートをし、時に攻撃の主力となる職業。

主な上級職 : 大魔道士、賢者、魔法剣士など

 

・プリースト

おすすめ武器 : 両手杖、片手杖、片手棍

特徴の: あらゆる回復魔法を駆使し、パーティをサポートし、パーティの体制を整える職業。

主な上級職 : アークプリースト、賢者など

 

他にも職業は有るが、基本職はこの3つなので紹介は遠慮させていただきます。



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第7話 : 新たな仲間を求めて

今回も無事に更新することができました。この作品を学校の友達に見せたら、「世界観が『このすば!』に似てるなー。」と言われました。よく読み直すと確かにそんな感じがしてきました。私はこのすば!が好きなので少し影響を受けたみたいですね。これは原作名はオリジナル作品で良いのか…?
そんなことより、剣の世界で第7話をお楽しみください。


初の討伐クエストを終えた翌日、俺たちは冒険者ギルドに足を運んでいた。

 

「よし。こんな感じでいいかな。」

 

俺は入り口から見て左手にあるパーティメンバー募集用掲示板にパーティメンバー募集のチラシを貼った。昨日の夜にエシリアと相談したのだが、そろそろ新たな仲間を集め、戦力を増やそうという話になったのだ。チラシの内容は、

 

『どうも、駆け出し冒険者のケンマです。パーティメンバーを募集しています。駆け出し冒険者、上級職の方でも構いません。一緒に魔王討伐を目指しましょう!パーティ加入希望の方は今週末の正午にこの掲示板前のテーブルに来てください。』

 

というものだ。

 

「マスター、ちゃんと人来てくれるかなー。」

 

エシリアは不安そうに言った。

 

「当日までまだ3日もあるしなんとかなるだろ。」

 

俺はそう言ったが、掲示板に貼られている大量の募集のチラシを見て少し不安ではあった。

 

「とりあえず当日まではクエストをこなしてお金を稼ぐぞ。」

 

俺たちの今の手持ちは24500エギルだ。さすがにこのままではまずいので少しの間だが俺たちはお金を稼ぐことに専念することにした。俺は受付嬢のカリータさんにおすすめのクエストを聞き、いくつかのクエストを並行して行うことにした。

 

それから俺たちは三日間、クエストの進行に専念した。モンスター討伐の道中で採取クエストを行なったりもした。この3日間は地獄の日々だったが、その成果として俺たちの所持金は135000エギルと、かなりの額になった。さらに俺のステータスも上昇し、新スキルを1つと新アビリティを2つ習得した。

 

そしてメンバー募集の日がやってきた。

俺たちは早めに昼食を済ませたあと、所定の場所で加入希望者を待った。するとしばらくして、

 

「すみません。あなたがパーティメンバーを募集しているケンマさんでしょうか?」

 

黒いローブに身を包んだ少し癖っ毛で金髪の少女が穏やかに微笑みながら俺に話しかけてきた。その瞳は鮮やかな赤色をしていた。

 

「はい、そうですが。もしかしてメンバー加入希望の方ですか?」

 

俺は立ち上がり、自分と同じくらいの歳の少女に改まって返事をした。

 

「はい、そうです。私は駆け出し冒険者の『セレスト・V・クリストバーン』といいます。職業は魔道士です。気軽に『セレス』と呼んでください。」

 

そう言いうと彼女は軽くお辞儀をした。

 

「わかりました、セレスさん。ところで、どうしてあなたは俺のパーティを選んだんですか?」

 

俺は募集した身であるが、どうしても聞きたかった。

 

「そうですねー。大した理由は無いんですけどねー。強いて言うなら、『直感』でしょうか?」

 

「直感とは?」

 

ますます疑問に思った俺はさらに質問した。

 

「いやー、本当に深い理由は無いんですけど、募集の掲示板を見た時に一番最初に目に止まったんですよ。ですから、これでいいかなーって思いまして…。」

 

実に安直だ、安直過ぎてグウの音も出ねえ…。しかし、せっかく俺たちのパーティを選んでくれたのだ、入れない理由は無い。俺は深く息を吸った。

 

「わかりました。…俺と共に戦おう。セレス。」

 

俺はそう言いながら右手を差し出し握手を求めた。

セレスも右手を差し出し、握手をしようとした。

 

「こちらこそ、よろしくお願いします、ケンマさー……。」

 

次の瞬間、彼女はそう言いかけ、突然脱力し、俺に向かって倒れた。俺は慌ててセレスの体を支えた。

 

「どうした!セレス!大丈夫か⁉︎」

 

俺は慌ててセレスに確認した。しかし、セレスの返事はない。俺は急いでセレスが息をしているか、耳を傾けて確認する。すると、

 

「くぅ〜〜〜…。」とセレスの寝息が聞こえた。え?こいつもしかして…。

寝てる⁉︎

よく見ると、セレスはとても穏やかな顔をしながら眠っている。俺はセレスを起こすようにセレスのからだを揺すった。するとセレスはゆっくりと目を開けて、今の状況を理解したのか、顔を赤らめて慌てて俺から離れた。

 

「わわっ!すみません!私寝てましたよね⁉︎ホントにごめんなさい!迷惑をおかけしました!」

 

彼女はすごい勢いで何回も頭を下げ、俺に謝った。

 

「いや、別に気にしてないよ。それより、眠いの?」

 

俺がそう聞くと、セレスは

 

「実は…。」

 

と話を進めた

 

「私、実はヴァンパイアハーフなんです。」

 

セレスは少しためらいながらそう言った。

 

「『ヴァンパイアハーフ』…。確か人間とヴァンパイアのハーフだっけ?」

 

「はい。私、家を出て、冒険者になったのは三日前なんです。元々の家での生活リズムが治らなくて…。さっきはつい気が緩んで眠ってしまいました。」

 

ヴァンパイアは日光が弱点だから夜行性なのか。…て、あれ?

 

「確かヴァンパイアって日光が苦手なんだよね?セレスは大丈夫なの?」

 

俺は疑問に思ったことをセレスに聞いた。

 

「はい。わたしは人間とのハーフだからなのか、ヴァンパイアとしての弱点が無いんです。ニンニクも普通に食べれますし、十字架を見ても何もなりません。けど、ヴァンパイア特有の能力も使えなくなっているんですけどね。」

 

セレスは小さく笑いながら言った。そして、少し下を向きながら言った。

 

「こんな私ですけど、その…パーティに入れてもらえないでしょうか…。」

 

セレスはさっきのことを気にしているのか自信がないようだった。俺は迷わず即答した。

 

「そんなの関係ないさ!改めてよろしく、セレス!」

 

彼女はその言葉に安心したかのようににっこりと笑い、

 

「はい!こちらこそよろしくお願いします!」

 

と大きな声で言った。

こうして俺とエシリアの共に魔王討伐を目指す仲間が増えた。この先、何があるかはわからないけれど、仲間と共にどんな困難も乗り越えよう。俺はそう思ったのであった。




新キャラの名前を考えるのにとても悩みました。学校の友達と何人かで相談して、最終的に出たのが、「ラビリアンローズ・V・ラングレイ」でした。色々とまずいのでVだけいただきました。


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第8話 : 話し合いと魔法について

学校のテスト期間とテストが重なり、作者があるスマホゲームにハマってしまい、更新が遅れてしまいました。誠に申し訳ございません。これからはもう少し更新のペースを上げますので、今後とも剣の世界でをよろしくお願いします。今回の話は会話の回なので、ご了承下さい。
それでは剣の世界で第8話をどうぞ。


俺たちのパーティに新しい仲間が加わった翌日、俺たちはある店に集合し、話し合いをすることにした。

 

「ねえねえ、今日って何の話し合いをするの?」

 

エシリアは店のテーブルに座りながら俺に聞いた。

 

「一応今後の方針や予定について話し合うつもりだけど…、あとはそうだなー、セレスに魔法について詳しく聞いて見るか。」

 

そういえば俺は魔法について何も知らなかったな。まだ一つも覚えてないし。

 

「魔法については私も詳しく知らないんだよねー。スキルについては国の人から説明されたからわかったけどさー。」

 

そんなことをエシリアと話しているうちにセレスが店に到着した。

 

「ごめんなさい。少し遅れてしまいました。」

 

セレスは申し訳なさそうにそう言いながら俺の向かい側の席に座った。

 

「俺たちもさっき来たとこだし別に気にしなくていいよ。」

 

俺はそう言い、セレスに頭をあげるように言った。

 

「えー、それでは今後のパーティについて話し合いたいと思います。」

 

俺はそう言い、話を進めた。

 

「まずは、クエストクリアの報酬についてなんだけど、これは俺とセレスで分け合えばいいかな。エシリアのぶんは俺が負担するよ。色々と世話になってるし。」

 

セレスは「はい。」と頷き、話を続ける。

 

「次は、今後の活動方針についてなんだけど、今後はしばらくこの街でクエストをこなして資金を貯めてから、他の街に行こうと思うんだが、どうかな?」

 

魔王を倒さなければならないのならいつまでもこの街に滞在していてもいけないだろう。そうなると、いずれ魔王の城へ行かなければならないのだが…ってあれ?

 

「そういえば、魔王ってどこにいるんだ?完全に聞きそびれてたわ。」

 

「そういえば、話してなかったね。」

 

エシリアもすっかり話すのを忘れていたらしい。

 

「魔王はね、ここよりはるか北西にあるゼルビザッシュ大陸の北にある遺跡に封印されているんだよ。でも、多くの預言者が近いうちに魔王の封印は解かれ、この世界に大きな被害が出るって言ってるから、あんまりのんびりしてられないんだよ。」

 

エシリアはコップに入ったコーヒーを飲みながら説明した。

 

「それじゃあ、北西に向かって、道中にある村や街で下宿しようか。」

 

俺はセレスに言った。

 

「異論はありません。では、今後の方針としては、しばらくこの街で資金を蓄え、資金がたまって来たら北西の街は行くということでいいですね?」

 

セレスは俺にそう確認した。

 

「あ、あと、他の街でもパーティメンバーを募集するつもりだから、今のところは俺たちで頑張ろう。」

 

俺はそう付け足し、セレスも異論は無いようだ。

 

「それじゃあ、パーティについての話し合いはこれぐらいにして、セレス、俺に魔法について教えてくれないか?」

 

俺は気になっていた魔法についてセレスに聞くことにした。

 

「はい、構いませんけど、何から話しましょうか?」

 

「まずは魔法が何なのか知りたいかな。」

 

俺はそう言い、セレスは説明を始めた。

 

「魔法とは、主に相手に攻撃をしたり、仲間の援助をするものなのですが、魔法の種類は大きく分けて『詠唱魔法』と『速攻魔法』の二種類に分かれます。」

 

俺は頷きながらセレスの話を聞く。

 

「まず、詠唱魔法についてですが、詠唱魔法を発動するときには、詠唱を唱えなければなりません。発動するまでに時間はかかりますが、そのぶん、大きな効果が期待されます。」

 

なるほど、つまり、発動するには前衛メンバーによるモンスターの足止めが必要だな。俺はそう思いながら話の続きを聞く。

 

「次に、速攻魔法です。速攻魔法は詠唱を唱えずに、魔法名を唱えるだけで発動できます。しかし、そのぶん詠唱魔法より威力や効果は劣ります。」

 

つまり、速攻魔法は魔道士の基本攻撃となるわけか。

 

「とまあ、こんな感じですが、他に質問はございませんか?」

 

セレスは一通り説明を終え、俺にそう聞いてきた。

 

「魔法を覚えるのにはどうすればいいんだ?」

 

俺はセレスに質問した。

 

「攻撃の基本となる速攻魔法はスキルと同様に経験値を積んでいけば覚えられます。また、魔道書を読むことによっても覚えることが可能です。」

 

なるほど、つまり俺も経験を積んでいけば魔法を使えるようになるということか。少し楽しみだな。

セレスは話を続ける。

 

「続いて、詠唱魔法ですが、この魔法は習得するのにかなり困難で、まず、詠唱魔法の魔道書を読み、その魔法の魔法式を理解する必要があります。そして、魔法の詠唱を覚えなければなりません。」

 

なるほど、威力が強力なぶん、習得も困難というわけか…。

 

「セレス、説明ありがとな。魔法がどんなものなのか大体わかったよ。」

 

「あ、すみません。もう一つ特殊な魔法があるのですが、その説明もさせてください。」

 

セレスは少し慌てて俺に言った。

 

「最後に、独式魔法というものがあります。これは大変特殊で、複数の魔法式を組み合わせて自分だけの新たな魔法を作れるのです。」

 

なんだそれ、面白そうだな。

 

「しかし、この魔法は習得するのが大変困難であるため、私みたいな魔法マニアしか習得しようとしないんですよね。」

 

セレスが魔法マニアなのは初耳である。

 

「色々な魔法を組み合わせることで、強力な魔法を作り出すことができるんですよ。これこそ魔法の醍醐味ですよ!」

 

セレスは目を光らせながら少し興奮気味で言った。セレスが魔法マニアを自称するのもわかる気がしてきた。

 

「これで大体の説明が終わりましたが、なにか質問はありますか?」

 

「今の話でわからないところは無いんだが、一つ聞いていいか?セレスはどれだけの魔法を習得してるんだ?」

 

「はい。そうですねー、私が今使える魔法は速攻魔法が20、詠唱魔法が17、独式魔法が3つといったところですかねー。」

 

多いな。さすが魔法マニアを自称するだけはある。

 

「なるほど、それは心強いな。これで討伐クエストもかなり効率よく進められるな。期待してるぜ、セレス。」

 

「はい。任せてください。」

 

セレスはニコッと笑い、自信満々にそう言った。

こうして俺たちの話し合いは終わり、俺たちは明日に向けてモンスターの討伐クエストを探しにギルドへと足を運んだ。



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第9話 : 難易度D+・土の魔人ゴーレムを討伐せよ

テストが終わり、部活が忙しくなってきました。1日の短い時間でやる事が多いので大変です(汗)
そんなことより、剣の世界で第9話が始まりますよー。


パーティでの会議をした翌日、俺たちはモンスター討伐のクエストを実行すべくバルトリア草原へと足を運んでいた。

 

「なかなか現れませんね、モンスター。」

 

セレスは周りをキョロキョロ見渡しながら言った。

今回俺たちが討伐するモンスターは土でできた魔人、『ゴーレム』だ。ゴーレムは駆け出しの冒険者にとっては少し苦戦するモンスターらしいが、厄介なのは弱点の核を破壊しない限り再生することと、斬撃が通りにくいところだ。あと、稀に魔法を使うゴーレムもいるとのことだ。気を引き締めていかねば。

 

「そうだねー。この時期になるとこの辺りのモンスターの生態系が変化して、たまに表にモンスターが出なくなるんだよねー。」

 

エシリアは俺の肩からセレスの頭へと移動しながらそう言った。

確かに街からここに来るまで一切モンスターに遭遇しなかったが、これは珍しいことでもないらしい。

 

「とりあえずこの辺りを探索してみるか。」

 

こうして俺たちは手分けしてモンスターを探した。

しばらく探索していると遠くからセレスの声が聞こえた。

 

「ケンマさん、エシリアさん!モンスターが現れました!急いで来て下さい!」

 

俺は急いで声のする方へ向かった。

そこには、ゴーレムとセレスが10mほど距離をとって睨み合っていた。

 

「ケンマさん、ゴーレムです。それでは、作戦通りお願いします。」

 

俺はセレスの合図で予め「剣製」のスキルで作った剣を構えてゴーレムに向かって走った。

俺たちの作戦は簡単に言うと、こうだ。

まず、俺がゴーレムとの間を詰めてゴーレムの注意を俺に向ける。そして、俺がゴーレムの気を引いているうちにセレスが魔法でゴレームの身体を崩し、俺かセレスのどちらかが核を破壊する、ということだ。

案の定ゴーレムは俺に向かって拳を振り下ろしてきた。俺はそれを剣で弾き、ゴーレムと少し距離を取った。ゴーレムが怯んだ隙にセレスが魔法で攻撃する。

 

「『ウインド』!」

 

セレスの杖から放たれた疾風がゴレームの左腕を貫いた。しかし、ゴームの核は胸部の奥にある為、致命傷ではなかった。ゴレームは魔法の勢いで体勢を崩し、膝をついた。俺はその隙を見逃さなかった。

 

「『剣製』!」

 

俺は大剣を生成し、それでゴーレムの右腕を切断した。両手を失ったゴーレムに向かって今度は胸部へと大剣を振り下ろした。

しかし、次の瞬間、俺の体が弾かれ、後方へと吹き飛ばされた。俺はかろうじて着地して体勢を整える。

 

「こいつ!魔法持ちか!」

 

俺はゴーレムの状態を確認しながらそう言った。ゴーレムの左腕が再生し始めている。

 

「はい。そのようですね。おそらくあの魔法は『ショック』です。威力はありませんが、近くの敵をノックバックさせる効果があります。」

 

セレスは敵の魔法を分析し、俺に伝えてくれた。

そうなると、俺の囮はあまり期待できないか。それなら、

 

「セレスは引き続きゴレームの身体を破壊してくれ。俺は最後の一撃を叩き込む。」

 

俺はセレスにそう伝え、セレスは頷いて、魔法の攻撃を続ける。

 

「『ウインド』!」

 

無数の風の刃がどんどんゴーレムの身体を削っていく。俺はトドメの一撃に備え、剣を構える。そして、セレスの魔法がゴームの胸部を削ったその瞬間、俺はゴームに向かって剣を突き立てながら猛スピードで突っ込んでいく。ゴーレムはこっちに気づいたが、もう遅い。キングボア戦で習得した新スキルを発動した。

 

「『ソードアサルト』!」

 

俺は一瞬でゴーレムの懐へと潜り込み、そのままの勢いで両手で持っていた剣をゴーレムの核に突き刺した。俺は勢いを止めることができずそのまま体勢を崩し、勢いよく転んだ。俺は急いで立ち上がり、ゴーレムの方を確認する。剣は見事にゴーレムの核を貫いていた。そして、核が破壊されたゴーレムはそのまま倒れこみ、一瞬にして全身が崩れた。そして、ゴーレムの体はただの土に戻り、そこに残されたのはバラバラに砕かれたゴーレムの核だけであった。

 

「まさか魔法持ちのゴーレムだったとはな。少し驚いたが、なんとか勝ったな。」

 

「ええ。まだ使った魔法が初級魔法だったからよかったものの、それ以上の魔法を使われていたらどうなったかわかりませんね。」

 

俺たちはそう言いながらも、バラバラに砕けた核を回収し、クエストクリアの報告をするためにギルドへと向かった。

 

 

「いやー、今回も無事にクエストをクリアできてよかったねー。」

 

街へと帰る途中、エシリアは俺の肩に乗りながらそんなことを言った。

 

「ええ、相手がゴーレムだったとはいえ、誰も怪我をせずに済んだのは良かったです。しかし、帰り道もモンスターが出す可能性があるので油断できませんよ。」

 

続いてセレスが俺たちに油断しないように注意してくれた。今の時期はモンスターの数が少ない時期だから、多分大事には至らないだろう。

 

「そういえば、マスターって剣の扱いが上手いよね。前の世界では剣術とか習ってなかったんだよね。」

 

エシリアはふと思い出したかのように言った。

 

「ああ、俺は前の世界では陸上っていう走ったりするスポーツをやっていただけだから、ここまでモンスターと渡り合えてるのが自分でも不思議だよ。俺がこの世界に連れてこられる時に何かされたんじゃないのか?」

 

俺がそう言うと、エシリアは俺の肩から降りて自分の羽で飛び、「そーかもね。」と言いながらその場で宙返りをした。

このあと、俺たちは何事もなく無事に街に到着した。あとはギルドへ行き、報酬を貰うだけだ。

 

 




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第10話 :ようこそ! 黒猫魔法道具店へ

番外編を除いて記念すべき第10話目です。今回は部活の合宿が重なったりして忙しかったのですが、頑張って書きました。更新のペースをもう少しあげたいのですが、なかなか思い通りにいきません。読者の方々には迷惑をおかけすると思いますが今後ともよろしくお願いします。
それでは、剣の世界で第10話をお楽しみください。


無事にゴーレムを討伐した俺たちはその報酬を貰いにギルドへと足を運んでいた。

 

「お疲れ様です。こちらが今回のクエストの報酬の50000エギルとなります。」

 

受付嬢のカリータさんはそう言い、俺に報酬の入った袋を手渡した。俺はそれを受け取りバッグにしまった。

「そして、こちらがゴーレムの核の欠片の買取金額の25000エギルとなります。」

 

カリータさんはそう言い、続いて俺に25000エギルの入った袋を手渡した。魔法持ちのゴーレムの核は貴重な魔法道具の材料になるため普通の核よりも高く買い取られるらしい。

俺たちはカリータさんから袋を受け取りお礼を言ってギルドを出た。

 

 

 

「思ったよりも高く買い取ってもらえたな。」

 

「そうですね。今回採取した核は綺麗に割れていたからでしょうか。」

 

俺とセレスは今回の報酬について話しながら街の大通りを歩いていた。今は時間でいうと午後の3時頃、特に今からやることのない俺たちはセレスの提案でセレスの行きつけであり、この街で人気のある魔法道具店へ行くことにしたのだ。その魔法道具店は回復薬を始めとし、特殊な装備品や道具が売られていて、沢山の道具があるらしい。

 

「セレスは何か買う予定があるのか?」

 

俺は俺の右に並んで歩いているセレスにそう聞いてみた。

 

「はい。今回の報酬で杖を新調しようと思ってます。」

 

どうやらセレスは新しい杖を買うらしい。セレスの杖を見てみると、セレスの杖はかなり使い込まれていることがわかる。そろそろ替え時なのかもしれない。

 

「あ、着きました。この店ですよ。」

 

セレスは一軒の店の前に立ち止まり、そう言った。俺はその店を見る。その店は日本でいうとコンビニぐらいの大きさで、綺麗な木造だ。入り口の上には、『黒猫魔法道具店』と書かれた看板が貼られている。俺は店の扉を開けて中へと進んだ。店の中はおしゃれな雑貨屋さんのようで沢山の魔法道具が目に入る。

 

「いらっしゃいませー。この度は黒猫魔法道具にご来店いただきまことにありがとうございます。」

 

俺が出入り口の前で立ち止まっていると、店の奥のカウンターから店の人が丁寧に挨拶をしながらこちらへとやって来た。その店員は年齢でいうと20歳ぐらいだろうか、そして黄色く光る目と綺麗な黒髪ショートにカットされた髪からピンと立っている猫耳が印象的だ。

 

「こんにちは、エルさん。今日は新しく杖を作ってもらいたいんですが、大丈夫ですか?」

 

俺の後から入って来たセレスはその店員に話しかけた。

 

「にゃんだ、セレスじゃにゃいか。今ならお客さんも少にゃいから大丈夫だにゃよ。」

 

さっきとは喋り方が違う店員さんに少し戸惑っている俺を見てセレスは俺にその店員を紹介してくれた。

 

「ケンマさん。こちらはこの黒猫魔法道具店の店長にして、バルトリア街一の魔道士と言われている猫耳族のエルさんです。」

 

「バルトリア街一にゃんて大袈裟だにゃ。はじめまして、私は黒猫魔法道具店の店長のエル・ブラックフォードだにゃ。君はセレスの友達かにゃ?」

 

エルさんは自分からも自己紹介をし、俺に聞いてきた。

 

「あ、はい、はじめまして。俺はケンマ・ヒガシノです。セレスとは同じパーティの仲間です。ところで、エルさんはバルトリア一の魔道士ということは冒険者ってことですよね?どうして魔法道具店の店長をやってるんですか?」

 

俺は急に振られたので少し言葉が詰まったが、なんとか自己紹介をし、そのまま疑問に思ったことを聞いた。

 

「面白いことを聞いてくるんだにゃ。それは、ただひたすらモンスターを討伐してたら、知らにゃいうちにとてつもにゃい大金を稼いでいて、昔から魔法道具店を開いてみたいと思ってたから店を開くことにしたんだにゃ。と言っても、週一の休みには討伐クエストとかやってるからまだまだ腕は鈍ってにゃいよ。」

 

エルさんは楽しそうに笑いながらそう言った。どれだけモンスターを倒して来たんだよとつっこみたいところだ。

 

「そんにゃことより、新しい杖を作って欲しかったんだにゃね。何か要望とかはあるかにゃ?」

 

とエルさんは話を切り替え、セレスに聞いてきた。

 

「そうですねー。大きさは今のと同じくらいでお願いします。あと、この金額でできるだけいい杖を作ってください。」

 

セレスはそう言い、事前に分けたクエストの報酬が入った袋をエルさんに手渡した。

 

「まいどありー。今から作ると明日の正午には完成するからその後に取りに来るといいにゃー。」

 

エルさんはそう言ってセレスからお金を受け取り、レジ裏の扉を開けて中へと入っていった。

 

「それでは、私は少し商品を見て来ますが、ケンマさんも少し見ていってはどうですか?」

 

「うん、そうさせてもらうわ。」

 

 

 

セレスと別行動をとることになり、俺は店の中の商品を興味深く見回っていた。売られているものはかなりの数の種類があり、魔力が上がる指輪や解毒のポーションなど、ゲームでお馴染みの道具の他に、魔力を注ぐと勝手に水が溜まる湯飲みや、熱魔法によって洗濯物の乾燥を速める物干し竿などの変わった道具も売られていた。

俺はしばらく店の中を見回っていると、一つの商品に足を止めた。その商品はガラスのような素材でできた猫をモチーフにしたネックレスだ。色のバリエーションはたくさんあり見ただけでも10は超えている。俺がしばらくその商品を眺めていると、

 

「そちらの商品は今若者に人気の商品の一つ、『幸運の猫』です。この商品は身につけると幸福が訪れると言われている鉱石『ラクルト』を使用したネックレスです。冒険者の方にも大変人気のある商品ですよ。」

 

店員さんが商品の説明をしてくれた。俺はその急な説明にぽかんとしていた。

 

「あ、急に説明してごめんなさいね。私はこの店の店員にしてエルのパーティメンバーのアーラといいます。この店は私を含めて5人のパーティメンバーが経営していて、今日は私が担当の日なんですよ。あ、いらない情報でしたね。」

 

ごめんなさい、と彼女はそう言い、レジへと戻って行った。

俺はしばらくその商品を眺め、手に取って触ってみたりした。そして、俺はその中の一つを手に取りレジへと持って行った。レジにはさっき商品の説明をしてくれたアーラさんが青い長髪の毛先を指先で弄りながら手に持った書類に目を通していた。そして、俺に気づいたのか書類を読むのをやめてこちらに視線を向けた。

 

「この商品を買います。」

 

俺はそう言い、白い猫のネックレスをレジのテーブルの上に置いた。

 

「では、1800エギルになります。」

 

俺は自分の財布からお金を取り出しアーラさんに手渡した。

 

「1800エギルちょうどいただきました。お買い上げ有難うございます。」

 

アーラさんはそう言い、ネックレスを丁寧に紙の袋に包み俺に手渡した。俺はそれを受け取り、お礼を言った。ちょうどその時に店を見回っていたセレスが俺のところにやって来た。

 

「ケンマさん、いい商品が見つかったんですね。ちなみに何を買ったんですか?」

 

「猫のネックレスだよ。」

 

セレスは少し興味深そうに聞いてきた。

 

「猫好きなんですか?」

 

「ああ。昔家で猫を飼ってだだよ。ちょうどこんな感じに白いのをさ。」

 

そう言って俺は袋の中からさっき買ったネックレスを取り出してセレスに見せた。窓の外から入って来た日差しが反射し、白い猫は眩く光っていた。セレスは少し眩しそうに目を細めたあとに少し笑ったように見えた。

 

 

買い物を終えた俺たちは店を出て、街の大通りを再び歩いていた。今は午後の6時ごろ、街のあちこちでいい匂いが漂ってくる。

 

「そろそろ夕飯の時間ですね。何か食べていきましょうか。」

 

セレスは期限が良さそうにそう言った。

 

「そうだな。そういえばこの近くに美味しい定食屋があるって聞いたぞ。そこで夕飯を食べるか。」

 

こうして俺たちはその店で食事をすることにした。エシリアは早く食べたいのか、俺の肩から降りると、自分で飛び始めた。大通りを行き交う人混みの中、俺たちはその店へと向かうため足を進めた。




風邪ひきました。


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第11話 : 大忙しな1日

すみません。更新遅れました。


ゴーレムを倒し、その後に黒猫魔法道具店へ行った日の翌日の朝、俺たちはとある採取クエストを受けていた。

 

「なかなか見つからないねー。」

 

エシリアは額の汗を拭いながらそう言った。今回俺たちが受けたクエストは魔力を注ぐと熱を発する特殊な鉱石『ヒートサイト』の採取だ。最近沢山の魔法道具が開発されるのと同時にそれらの材料が減ってきているとのことだ。そのため、冒険者ギルドでもそういった道具の材料の採取を依頼しているらしい。そして今回俺たちはその依頼の一つのヒートサイトの採取を受け、バルトリア街近くの鉱山でヒートサイトの採取をしているのだ。

 

「さっきからマナクリスタルや魔鋼鉄などの鉱石は見つかるのですが、どれも魔力の濃度が低くて買い取って貰えるかわかりませんし…。」

 

セレスも少し困ったように言った。今回の採取は、俺が先日のゴーレム戦の後に習得した新スキル「探索」を使用して魔力を持つ鉱石のみを探知できるようにしているのだが、目的の鉱石がなかなか出てこない。

 

「まずいな。このままだと昼を過ぎるかもしれない。」

 

今の時間は午前10時ごろ。俺たちが探索を始めて約2時間が経過している。午後からはセレスが頼んだ杖を黒猫魔法道具店に取りに行かねばならない。しかし、目的の鉱石は一向に見つかる気配がしない。

 

「こういったときには盗賊の職業の方がいたら簡単に済むんですけどね。」

 

セレスは苦笑しながらそう言った。今後、盗賊のパーティメンバーを募集しようかな。

 

「んー、こうなったら仕方ないわね。これを使うと少し疲れるけど、このままだと日が暮れてもおかしくないから最善は尽くすべきね。」

 

エシリアはそう言って深呼吸をした後に魔法を唱えた。

 

「『ラッキープラス』!」

 

すると、柔らかい光が俺とセレスを包んだ。エシリアは少し疲れたように俺の肩に乗った。

 

「これはピクシー族に伝わる運勢の上がる魔法よ。私の魔力だと1日一回が限度だけど、効果は期待できるよ。」

 

そう言うと、エシリアは俺のカバンに入った。どうやら中で寝るようだ。

 

「エシリアさんも頑張ってくれたことですし、私たちも頑張って採掘を続けましょうか。」

 

セレスはそう言うとせっせと作業に戻った。俺もエシリアの頑張りに応えようとさっきよりも作業のペースを速めた。

 

 

 

 

 

「今回お持ちいただいた鉱石の買取価格は120000エギルとなります。」

 

そう言って受付嬢のカリータさんは俺に今回の報酬金の入った袋を手渡した。

あの後、エシリアの支援魔法を受けた俺たちが鉱山を掘り進めていると、それはそれは気持ち悪いほどに大量のヒートサイトが採掘された。そしてそれに加え、魔力の濃度が高いマナクリスタルなどの貴重な鉱石も少なからず採掘することができ、予想以上の金額になったのだ。

 

「なんか、すごかったですね、あの時は…。」

 

セレスは疲れたようにそう言った。次から次へと鉱石が出てきたので、かなりの量を採掘したと思う。疲れて当然だろう。

 

 

 

報酬を貰った俺たちはギルドの酒場で昼食をとり、黒猫魔法道具店へと向かった。店に着き、俺達はその店の扉を開けて中へ入った。今はちょうど昼過ぎ、多くのお客さんが店の中で買い物をしていた。

 

「いらっしゃいませ。この度は黒猫魔法道具店にご来店いただきまことにありがとうございます。」

 

この前と何一つ変わらないエルさんの挨拶が元気よく聞こえた。

 

「こんにちは、エルさん。昨日注文した杖を取りに来ました。」

 

「おー、セレスだにゃ。ちょうどさっきできたところだからちょっと待っててほしいにゃ。」

 

そう言って、エルさんはレジ裏の扉を開け中へと入っていった。そして、一本の綺麗な杖を持って出て来た。

 

「待たせたにゃ。これが頼まれてた杖だにゃ。我ながら会心の出来だったにゃ。」

 

そう言ってエルさんは持っていた杖をセレスに手渡した。その杖は暗い色の木をベースとし、赤い装飾が施されている。そして、杖の先端には赤いマナクリスタルが輝いている。

 

「うわあ〜〜!ありがとうございます!このマジックオークの色艶ッ!マナクリスタルの輝きッ!最高です!」

 

杖を受け取ったセレスはかなり興奮しながら杖を色々な角度から見ている。俺はその様子に思わず笑ってしまった。それに気づいたのか、セレスはハッと我に返り、顔を赤くさせ、下を向いた。

 

「にゃはは。気に入ってもらえて何よりだにゃ。いつでも修理は受け付けるから、壊れたら持って来るといいにゃ。それじゃあ、私は仕事に戻るからまた何かあったら声をかけてくれにゃ。」

 

ルナさんはそう言って小走りでレジへと戻って行った。

 

「この後どうする?」

 

俺はセレスに聞いた。さっきのことを気にしているらしくセレスはまだ顔を赤くしていた。

 

「そ、そうですね。今日このあとなにも予定入れてなかったですね。どうしましょうか。」

 

セレスは少し考えながらそう言い、そして、なにかを思いついたようにハッとし、少しニヤつきながら言ってきた。

 

「今からクエストを受けません?すこし時間もありますし、新しい杖の性能も確かめたいですし。」

 

セレスはまるで子供のように目を輝かせ、興奮を抑えきれないようにウズウズとしている。こうなってしまっては、断ったらなんか悪いと思い、俺はセレスの意見に賛成した。

 

 

 

 

黒猫魔法道具店を出た俺たちは冒険者ギルドで受けるクエストを探していた。

 

「出た、どのクエストを受けるんだ?今回はセレスの提案だし、任せるよ。」

 

俺はそう言い、クエスト掲示板に貼られているいくつかのクエストに目を通した。

 

「そうですねー。今回は杖の性能を確かめたいので、できれば体の大きいやつがいいですね。」

 

セレスはそう言いながら、受けるクエストを選んでいる。そして、しばらくして一枚の依頼者を手に取り、俺に見せた。

 

「それでは、これはどうでしょうか?農家を襲うジャイアントゴートです。羊型モンスターの変異種とされており、体長は平均で2〜3mで、人も襲うことがあるそうです。動きもそこまで素早くないですし、魔法の標的にするにはオススメですよ。」

 

「それじゃあ、それにするか。やばい状況になったらとりあえず退散ということで。よし、出発するか。」

 

こうして俺たちはジャイアントゴートが出没しているという農家畑の近くまで行くことにした。午前中にクエストを受けていたので、特に用意するものもなく、俺たちはすぐに目的地へと向かった。

 

 

 

 

農家の畑に着いてからすぐに俺たちはジャイアントゴートと出くわした。体長は約3mほどで全身は黒い体毛で覆われている。そのせいで物理攻撃があまり効果がなく、冒険者も手を焼くほどらしい。

 

「それでは、私は魔法の詠唱をしますから、ケンマさんはなるべくジャイアントゴートの気を引いてください。私が合図したら全力でジャイアントゴートから離れてくださいね。魔法に巻き込まれる可能性がありますので。」

 

セレスはそう言って魔法の準備に取り掛かる。そして、セレスの高まる魔力を感じ取ったのか、ジャイアントゴートがセレスの方に突進してきた。素早くないとはいえ、あの巨体にぶつかったらひとたまりもないだろう。

俺はスキルで片手剣を作り、ジャイアントゴートへと近づき、剣を振った。しかし、厚い体毛のせいで剣はジャイアントゴートの体には届かず、体毛を削ぎ取った態度で、ジャイアントゴートにはダメージは通らなかった。しかし、ジャイアントゴートは攻撃してきた俺に気づき、標的をセレスから俺に変えた。その隙を見たセレスが詠唱を始める。

 

「我が魔力に秘められし焔の精霊よ。汝、我が魔力を糧とし、我が敵に大いなる災厄をもたらさんー」

 

すると、前に突き出されたセレスの杖の先から紅い光をまとい始めた。俺はセレスの詠唱が邪魔されないようにジャイアントゴートに向かって攻撃を繰り返した。

 

「ー汝がもたらす災厄は、鉄槌の如く天を貫く業火の一線。」

 

セレスが詠唱を続けていると、ジャイアントゴートが立っている地面が大きな魔法陣で覆われた。俺はセレスの合図を確認し、その場から全速力で逃げた。ジャイアントゴートは魔法陣に気を取られ、その場から動かない。そして、セレスの魔法が炸裂する。

 

「『ライジング・フレイムロード』‼︎」

 

すると、魔法陣から一筋の巨大な炎がジャイアントゴートを飲み込み、はるか上空に向かって放たれた。その魔法の熱気は遠くに離れた俺にも伝わるほどで、近くにいたらひとたまりもなかっただろう。

炎が完全に消え、安全を確認した俺は黒焦げになった地面に近づきその場の様子を伺う。そこにはジャイアントゴートの姿はどころか何一つ残っておらず、黒焦げになった地面から煙が上がっているだけだ。

 

「あの〜、セレスさん。モンスターが跡形もなく消えてるんですけど、これ、どうやってクリア報告するんですか?」

 

俺はなぜか敬語でセレスに聞いた。セレスは満足のいく魔法が打てたのか、上機嫌で答えた。

 

「そのことに関しては大丈夫ですよ。個人カードに倒したモンスターとその日付が記録されるようになっているので、それを職員の方に見せればクエストクリアが認められます。基本は討伐したモンスターの部位を持ち込むのですが、やむを得ない時には個人カードの記録を見せるようにしてるんですよ。」

 

なるほど、個人カードにはそんな機能が付いていたのか。あとで色々確認しておくか。

 

 

 

 

何事もなくモンスターを討伐した俺たちはそのあとギルドへと足を運び、クエストクリアの報告をした。報告を終え、ギルドから出た俺たちはそれぞれの宿へと帰り、明日へと備え体を休めた。今日はなんかとても忙しかった気がする。ベッドで横になると、俺はそんなことを思いながらそのまま眠りについてしまった。



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