暗殺者のお兄さん (飛翔するシカバネ)
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生を受けたようです

 

私は転生者です。

名前はまだ無いです。

 

いきなり、超有名な文章を真似して自己紹介しましたがよく分からないでしょう。

 

大丈夫です。

私もよく分かっておりません。

 

自分がいつ死んだのか、それとも死んでないのか。

名前(今が今世なら前世の)はなんだったのか、それすらも思い出せません。

 

しかも私、ただ今赤ん坊で生まれたばかりでございます。

全く泣かない赤ん坊を見て両親はかなり引いてるご様子。

しかし、無理に泣こうとすればそれはそれで気持ち悪そうなのでとりあえず待ちます。

 

この通り生まれたばかりの私には名前が無いのです。

 

 

そういえばこういう時は自分はどこの世界に転生したか悩むのでしょう。

しかし、この魅力的な両親のお陰でこの世界が何処かは検討がついております。

 

『HUNTER×HUNTER』です。

 

両親はその中でもかなり有名なゾルディック一家の当主、シルバ・ゾルディック様とその妻キキョウ・ゾルディック様ですね。

なぜ様か?この2人にさん、若しくは呼び捨て出来ます?私は出来ませんよ。

 

まあ、これからは父さん、母さんと呼ぶ事になるのでしょうが。

嬉しいような悲しいような。

 

まあ、死の危険性が凄まじく向上したと言っときましょうか。

 

死なないように生きるつもりです。

 

とまあ、時間を潰しているとようやく混乱が収まったのかシルバ……父さんが私を抱き上げます。

 

「すまんな……時間をかけて。お前の名前は『ミルキ』だ。ミルキ・ゾルディックだ」

 

…………それは予想してなかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数年が経ちました。

 

いやぁ早いものですね、時が経つのは。

こんな私も7歳ですよ。

 

毒や戦闘になれて日々健やかに成長しております。

 

最初は少し距離を置かれてましたが前世の私に戦闘の経験も毒を飲む経験もありません。

その時の反応で少し落ち着いた子どもという認識になりました。

 

念も覚えましたよ。

5歳の時に両親になんか体の周りに何かあると言ったら普段の修行にプラスして念の修行もスタートしてしまいました。

 

なんか見えてるなとは考えていたのですがあれがまさかオーラとは思いもよりませんでした。

 

系統も分かりましたよ。

操作系と具現化系です。

どっちかと聞かれるとどっちもです。

 

水見式やったら葉が揺れて原作通り操作系なんだな、と考えてたら水に不純物が出来上がったのですから。

 

それと特質系も使えます。

得意系統という訳では無いのですが使えるみたいです。

一度死んだ影響ですかね。

 

そして私は強化系が使えません。

特質系使える代償でしょうか。

少しでもあれば伸ばしていけたのでしょうが生憎0の様です。

 

まあ、話はこれ位にしましょう。

 

泣き声が聞こえてきました。

 

なんとこの日は私の弟、キルアが生まれる日なのです。

原作も大体は覚えています。

何度も最初から読み直したりしましたから。

しかし、流石に年齢は覚えていませんでした。

キルアの年齢ではなく自分の。

 

まあ、あまり物語の根本にかかわった訳では無かったですからね。

覚えていなくても無理は無いですからね。

 

私の隣にはイルミ兄さんもいます。

私が生まれた時にはいなかったのに。

やはりこの時から何か感じていたのでしょうか?

 

まあ、原作通りにやらせる気は無いですがね。

家族に対して色々やり過ぎなんですよ。

 

 

 

父さんがキルアを見せてくれます。

 

「初めまして、キルア。これからよろしくね」

 

とりあえず暗殺依頼請け負ってお金を稼ぎます。

 



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2話

 

どうも、こんにちは。

ミルキ・ゾルディックです。

 

私ただ今天空闘技場に来ております。

 

まあ、お小遣い稼ぎと念能力を使った戦闘のやり方を学ぶ為にですね。

 

とりあえず一つ念能力を作りました。

戦闘用では無いですが私は容量がいいようで数値的な事は少しばかり弱いのです。

 

ということで念能力一つ目。

 

容量会計(メモリベース)

 

特に名前にこだわりは無いです。

戦闘念では無いですし、人にひけらかすものでもないですから。

 

効果としては自分の念能力を作れる容量の把握、作ろうとしている念能力の容量の把握、作った念能力の把握、そして念能力の破棄です。

 

まあ、これを作るだけで容量があるので少し無駄なんですがね。

制約として具現化してカタログの様にするので人に見られるという事位です。

 

これを作って分かったのですが私の容量多いみたいです。

 

これも転生特典のようなものなのでしょうか。

神様には会っていませんがそれ位しか納得する理由がないですから。

 

 

長々と400文字も話して来ましたが本題基、戦いに集中しますか。

 

私、頭の中で説明しながら戦闘中でした。

天空闘技場に行くとか言っていましたが今はもう既に199階。

これに勝てれば200階のステージに行き、ついに念能力者との戦闘です。

 

あ、倒してしまいました。

 

特に戦闘描写は必要無いですね。

漫画でいうやられコマの小ささでどれ位の敵か分かりますし。

 

 

この頃はピエロもいなさそうです。

だから思いっきりやっても問題は無さそうですね。

 

「カモだ、カモが来た」

 

200階の廊下を歩いていると目の前からギョロ目の人がいました。

 

その隣にも3人ほどいましたが普通の人なので気にしません。

 

「こいつは念を知らなそうだな。感覚で使ってる節はあるが」

 

「確かにカモですね。しかも子どもだ」

 

「俺がやる。こいつ倒せば次はフロアマスターだ」

 

「それは誰も同じですよ。だから期限が1番早い人順と決めたじゃないですか」

 

 

原作では見たこと無いところを見ると数年で消えていった若しくはフロアマスターになれた人ですかね。

 

力量的には父さん以下でしょうから多分大丈夫でしょう。

 

「私はミルキと申します。これから宜しくお願いします、先輩方。とりあえずいつでしょうか一番早い期限の方は?その日で構いませんので」

 

「俺だ」

 

4人の中で筋肉質の男が声を出す。

 

「期限は丁度、1週間後だ」

 

「では、その日に。心配ならついてきても構いませんよ」

 

「なら、そうさせてもらう」

 

という訳で筋肉質のおっさんを連れ添って初日に対戦日時を決めました。

 

さて、1週間で念能力を決めて練習しなければなりませんね。

さてさて、どんな能力に致しましょうか。

 



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3話

「逃げ出さずに来たことは褒めてやる。しかし、ギブアップをオススメするぜ。お前では俺に勝てない。圧倒的な理由がそこにある」

 

この方、マサル・ボテイビルという方だそうで。

 

話を聞くところいきなり体が光沢を初め、全身に回った時に凄まじいスピードとパワーを持つみたいです。

 

とりあえず無視して、審判に促します。

そして開始の合図をしてくれました。

 

「では、宜しくお願いします」

 

「いいだろう。最初からMAXだ!!!」

 

 

唸り声を上げ、マサルさんは体がテカテカになっていきます。

ハッキリ言って気色悪いです。

 

マッチョが嫌いな訳ではありませんが直視し続けるのは遠慮したかったです。

 

とりあえず待ちます。

どんなものか見てみたかったのです。

 

少し待つと全身が光沢を放ちます。

どうやらMAXとやらになったみたいです。

 

「フルパワーだぜ!!見てみろ!」

 

そういってマサルさんはステージを殴りつけます。

地面は陥没し、ヒビが入ります。

 

「更に!!!」

 

そういってマサルさんの姿が消えます。

あ、これは観客目線です。

私は見えてましたよ。

私の真後ろに移動しました。

 

そして私の首を掴み、持ち上げます。

 

「これで終わりだ。ほらな、ギブアップすれば良かったんだ」

 

「それはいいのでご自分の心配をした方がいいですよ」

 

「?………!?」

 

マサルさんは私の首から手を離し、慌てふためいています。

 

空中で離されたのでそのまま落ちますが普通に着地出来ますよね。

 

マサルさんは今体の至るところを抑えています。

抑えているところからは今も血が流れ出ています。

 

最初に切ったのは別でしたが喉を切りましたから途中から声が出せなくて驚いていましたね。

 

さて、マサルさんは私が()()()()()か分かるのでしょうかね。

 

それにしても不注意な人です。

敵の情報が分からないうちにあんなに近づくなんて。

切ってくれと言わんばかりです。

 

『勝者!ミルキ!!』

 

どうやら私の勝ちのようです。

大分弱かったですね。

明らかに念能力の力に溺れていたのでしょう。

彼らの中で四天王の最弱だった事を望みますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「他の奴らを倒した事は誉めてやろう。しかし我はあの4人とは違う。しかし、油断などしない。始まり次第能力を見せる前に殺す」

 

予想通り雑魚でした。

あんなその場凌ぎの能力で4人とも殺せるとは思いませんでした。

あ、普通に切っただけなんですが簡単に死んでしまいました。

あんな暗殺特化の能力で。

 

そうして4人を倒すとラスボスみたいな感じでもう1人出てきました。

 

何でしょう、あの4人と同じ匂いがします。

 

「安心してください。あの4人に使った能力を明かしてから戦いますので。それならフェアでしょう」

 

流石にあれだけで念能力者と戦ったとは言えない。

確かに周とか堅とか円とかやりましたけど練習程度ですし。

 

『試合開始!!!!!』

 

あれ、まだ話してる最中なのに。

 

「我の念は【増加(バイバイン)】。スピードと重さを増加した我に勝てるかな?」

 

この人も突っ込んでくる。

しかも能力を明かしてきた。

 

というか、そこは……

 

 

「ゴフッ」

 

 

………死んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかあれで終わりとは呆気ない。

念能力をいう暇も無かったです。

 

それでは二つ目の念能力

 

限りなく透明な殺意(インビジブルブレイド)

空気との屈折率が同じ透明なナイフを具現化する念能力です。

 

制約として同時に2つ以上具現化不可能と手元から離れると霧散するので投擲は出来ないということですね。

念で出来ているので凝で簡単に見えますし。

ツルツルのテフロン加工みたいで毒を付着出来ないので殺すには使用者の技量で決まります。

自分が持ってる刃物を透明化したものを具現化するので無いものは作れません。

 

あと、作った当初はナイフ程度しか具現化できず、具現化時間に応じて具現化出来る量を増やすものでした。

 

まあ、見えないナイフで切り裂いていただけです。

 

握っているように見せない程度しか隠すような事はないです。

 

今回のは具現化してから1度も肌身離さず持ち歩いていたらようやく刀剣大になったので相手に向けて持っていただけです。

そこにあの人は突っ込んで来ただけ。

 

ある意味あの人が一番の雑魚だったな。

 

 

 

そんなこんなで敵を倒して私は今最上階の部屋を自宅にしています。

フロアマスターになったのでそれからも戦いましたよ。

いつかはバトルオリンピアで優勝してみたいものです。

 

あの頃から1年しかたってないのによくやってのけたと思います。

 

わざと負けていった人もいたので一番強いとは言いづらいですがね。

 

挑戦もありませんし、ここはひとつ。

 

一年ぶりに家に帰りましょう。

 





さすがにバトルオリンピア優勝は無理だなって思って直しました。
微々たるものですけど。
次回もよろしくお願いします。


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帰宅した

「一年ぶりですね。さて、試されてみますか」

 

「お久しぶりです、ゼブロさん。何かありましたか?」

 

「なーにんもありませんね。いつも通りですね。ちょっと侵入者が門を破壊しようとしてるくらいですかね」

 

「隣に偽物の門を作ったというのにまだそんなやからでるんですか。困ったものですね」

 

この方は掃除夫を務めているゼブロさん。

数年前から雇っている。

 

主な掃除はミケが残した侵入者の片付け。

 

「では、頑張ってください」

 

私は試しの門に手を当てる。

 

試しの門は1の扉は片方2tの重さだ。

力を入れればその力に応じて大きい扉が開く仕組みになっている。

 

「おお、流石ミルキ様。4の扉を開くとは」

 

32tか……

 

出る時は3の扉だった筈ですから成長はしていますね。

よかった。

一年家を離れたかいがあったというもの。

 

 

中に入ると飼い犬であるミケが走ってくる。

 

懐かしい匂いでこっちに来てくれたのか。

そう思ったんですがね。

 

後ろを見ると侵入者の門から人が入ってくる。

 

なるほど、餌が来たんですね。

 

何か言っていますが無視して行きましょう。

直ぐに消える運命です。

 

 

 

 

 

家までやはり長いですね。

疲れはしませんがこう、長いなーっと考えてしまいます。

 

途中執事の皆様に会いましたが少し人選が変わったくらいでいつも通りのようです。

 

 

「ただいま帰りました」

 

家に入るとそこには母さんがいた。

 

「おかえりなさい、ミルキちゃん。扉みたわよ。4の扉まで開くなんて成長したじゃない。ママ嬉しいわ」

 

母さんはハグしてきた。

 

「そうだわ。パパが呼んでいたわよ。行ってきなさい」

 

「父さんが?分かったよ」

 

父さんがいつもいる部屋に向かう。

 

その途中イルミ兄さんがいた。

 

「イルミ兄さん久しぶり。どうしたの?珍しく家にいるけど」

 

「一年家に帰らなかったミルに言われたくないね。オレも父さんに呼ばれたんだ」

 

部屋に入ると父さんは座って真面目な顔でこちらを見据えていた。

 

「イルミ、ミルキ、そこに座れ」

 

言われた通りに床に座る。

 

「お前が天空闘技場に行っている間に1人息子が生まれた。そして今もう1人キキョウの中に新たな命が宿っている」

 

近況報告だろうか。

そして事実ならアルカとカルトだろう。

 

「まだ、早いかも知れんが次期当主を任命しておくことにした。それはキルアだ。生まれたばかりで一年程度だが既に人を殺す才能がある。俺とキキョウの才能を一番についでいるだろう」

 

「それにオレ達が反対するかって事を聞こうとしたの?」

 

イルミ兄さんが父さんに問いかける。

 

「そうだ。年功序列を差し置いて決めた話だからな。何か言うことがあるだろうと思ってな」

 

「私は特に無いですよ。父さんの意見ですし、反対はしません」

 

前世からそうなのですが、私蒐集家なのです。

お金もその為だったりします。

 

「オレもそれでいいよ。キルは見たところ才能あるし。オレも父さんと同意見だよ」

 

 

これでキルアが次期当主に決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ミルはどうする?オレはこの後依頼で直ぐに外に出ないと行けないけど」

 

「私は少ししてから家を出ます。いい競売があるんですが時間があるので」

 

「分かった。それじゃあね」

 

「イルミ兄さんも元気でね」

 

そういってイルミ兄さんは外へ向かっていった。

 

それにしても前世の敬語口調が大分マシになりましたがまだまだですね。

家族とくらい普通に喋りたいものですね。

 

 



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5話

あの頃からまた大分経ちました。

 

今はキルアも6歳になり私は13才になりました。

 

原作とは違い、私は肥え太るような事は無く、すくすくと成長して身長もかなりあります。

 

これで暗殺者という事を隠せばモテるかも知れませんね。

 

前世でキレイなミルキがありましたが、見事予想通りだったという訳ですね。

 

目つきは悪いままですが見事にスリムボディです。

 

 

 

6年の間に色々ありました。

イルミ兄さんの友人であるヒソカさんと遭遇したり。

幻影旅団のクロロさんと交友を結んだり。

クルタ族に会いに行ったり。

バトルオリンピアで王座を防衛したり。

 

色々やってました。

 

キルアとの仲も良好といえるでしょう。

アルカの事は私には何も出来ません。

そして私がやることでもありません。

 

 

そんなキルアが何か父さんに言われたようですね。

 

「ミルキ、キルアを天空闘技場に連れていけ」

 

私にも声がかかりました。

 

「実践戦闘を学ぶいい機会なんだがキキョウが1人では行かせられないと言うんだ。だからミルキ、お前もついていけ。あそこは第2の自宅だろう」

 

そうですけども。

私が連れていくと相手が棄権するかと思うんですが。

飛行船でついていくだけ?

分かりましたよ。

 

「ミルキ兄と出かけるのは初めてだな」

 

キルアが嬉しい事を言ってくれます。

しかし、

 

「旅行ならいいんだけどね。今回は修行の一つだからね」

 

「大丈夫。その闘技場で200階行けばいいんだろ。余裕だよ、余裕」

 

「まあ、何にしても頑張れ、キルア」

 

「分かってる。ミルキ兄」

 

 

飛行船場で別れてから私はある里に向かった。

 

「また、来たのかオヌシ。オヌシが来たということは来年か……」

 

「そうですね。残念ながら」

 

ここはクルタ族が隠れ住む場所。

数年前に訪れ、交友を結んだ。

 

当初は警戒されまくっていたが一緒に生活したりある事を話して中に入れた。

 

そのある事だが[幻影旅団のクルタ族襲撃]についてだ。

 

「今考えても思いもよらんな。オヌシが連れてくると言った方が現実的じゃわい」

 

「連れて来るなんて皆さんに逃げろと言う人が言うと思います?」

 

「思わん」

 

「でしょう。そしてこの地を離れる気もない」

 

この人たちはここを離れる気が無い。

ここで生きてきたからこそここで死ぬというのだ。

 

「それは変わらないのですね」

 

「何度いってもワシらは動かん。その行く末が滅亡だとしても」

 

ここまでは前にも話した内容だ。

もしかしたら話を変えてくれるかと思ったがもう一つは呑んでもらおう。

 

「では、もう一つの話の方はどう致しますか?クルタ族の子を逃がすという話は」

 

「その話じゃが……2組申し出た。自分たちがここから離れたくはない。しかし、子を逃がしたいとな」

 

子を逃がしたいのは当たり前だ。

というより自分も逃げたいはずなのに。

こんな怪しい奴に渡さないで自分たちで逃げて欲しいのに。

 

 

「オヌシが優しい心を持つのは理解しとる。外の人間と全く関わらないこの里でもオヌシは受け入れられたのだ。だからこそ子を頼むのだ」

 

その後長老は人を連れてきた。

 

1人は2人の子を抱えた女性。

もう1人は目に包帯を巻き、青年に抱えられた少年。

 

「この双子とこの少年を助けてほしい」

 

長老は頭を下げる。

 

「本来なら知っている私が命をとして彼らを止めるべきなんです。なのに頭を下げないで頂きたい」

 

「それを言うならオヌシもワシらに知らせなければ良かったのだ。他人なのだから死んだとしても知らぬ存ぜぬで通せば良かったのだ。それなのにワシらの里まで来て伝えてくれた。それをここに残ると言ったのはワシらだ。寧ろ心苦しい判断を若者にさせたワシらを許し欲しい」

 

「分かりました。彼らは私が責任を持って必ず守り通します。だから顔をお上げください」

 

「任せましたぞ」

 

 

 

 

私は変えようとした。

知っているのだから止めようとした。

 

しかし彼らは曲がってしまったとはいえ素晴らしい友人だ。

それに触れて私はもう彼らを殺せない。

 

ならばせめて逃がそうとした。

しかし彼らもまた動かなかった。

 

まるで歴史が忠実に進めようと強制力があった。

 

 

それでも抜け道はあった。

だからこそこの3人は必ず私が守り通す。

 

 

「念能力【絶対契約書(ギアスロール)】」

 

この念能力は契約書の強制力を絶対にしたものだ。

私の操作系と具現化系の能力で作った今のところ最高容量の念能力だ。

 

これによる契約で破った場合に待つのは死のみだ。

 

この契約書は双方が自分で書き、血判を押す。

そして契約書と契約を結んだ両名のどちらかが生存する限り発動し続ける。

片方が死亡してもこの契約は外せない。

 

これは契約で互いに対価を払うことで完遂する、いわば交渉用の書類だ。

 

クルタ族長老が出す対価は人材。

私が出すのはその人材の衣食住と別の国籍、生命を守ることだ。

 

来年でクルタ族は滅亡だ。

 

それに生き残りはいないとされる。

だからこそ代わりに国籍を作らないといけない。

彼らはいるはずの無い人間となる。

 

そして私は彼らを守る。

 

それが契約だ。

 

 

 

 

 

 

別れの時私は謝った。

なんど悲しんでも懺悔しても足りないだろうが私は彼らに謝った。

 

彼らは何もいわなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

1年後、クルタ族襲撃事件が報道された。

 

 



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6話

あの襲撃事件から4年がたった。

 

 

私はこの世界に転生して前世も合わせて大人になった気がしていた。

しかし、間違いで私は子どものままだったとあの事件で学んだ。

 

あの頃と違い、私も変わった。

 

単純な力だけでなく、財力も念能力も戦闘力も権力も。

 

 

 

 

甘い考えが無くなったとは言えないが変わった。

 

 

だからこそ、始まりに対応できる。

 

 

 

今年は丁度2000年。

イルミ兄さんと私は今年ハンター試験を受けると家族に伝えていた。

 

イルミ兄さんはともかく、私の性格上もっと早く言っていてもおかしくないと言われた。

確かに私の収集癖から考えればそうだろう。

しかしその反応は如何なものか。

 

 

そろそろ会場に向かうと報告すべく、自室を出ると広間で母さんが顔から血を流していた。

 

「母さん!大丈夫?!」

 

近くによると涙を流して顔を抑えていた。

私は()()()に頼み、医療道具を持って来てもらう。

 

母さんを治療していると父さんとイルミ兄さんがやって来た。

 

「あのコが……あのコが……」

 

「キルアか……」

 

それで状況が把握できた。

襲撃ではないということが。

 

「あのコが立派に成長してくれてうれしい」

 

母さんと言わず家の家族は皆、暗殺者として成長すると褒めてくれる。

それが自分に向かってきても。

 

勿論、私もうれしい。

死ぬのも痛いのも嫌だが弟の成長はうれしい。

狂ってると思うがそういう家族だからしょうがない。

 

「でも、やっぱりまだ外に出すのは心配だわ。そうだわ、イルミちゃんとミルキちゃんは外に行くのよね。キルアちゃんを見てきてくれないかしら?」

 

手当が終わると母さんは話し出す。

ここだけ聞くとちょっと過保護な母親のようだ。

 

「イルミ兄さんと私はこれからハンター試験ですからその後なら。見つけ次第連絡します」

 

イルミ兄さんも同じのようで私の言葉に頷く。

 

「じゃあ、2人とも任せたわ。キルアちゃんによろしくね。いってらっしゃい、ハンター試験頑張ってね」

 

 

 

 

 

 

 

 

これから始まりだ。

 

4年前と違い、やれることはやった。

あの念能力も完成した。

 

 

私は運命から逃れる為に戦っていく。

忠実に抗い続ける。

 

そのためにとりあえず弟について行こう。

 

大丈夫だ、安心しなさい。

 

お兄ちゃんは強くなったから。

 

 

 

 

 

 

ミルキ・ゾルディック

操作系、具現化系念能力者

念能力

容量会計(メモリベース)

限りなく透明な殺意(インビジブルブレイド)

底なし沼の魔術帽(マジカルシルクハット)

不思議な卵(ファンタジーエッグ)

5体の妖精たち(フェアリーズ)

フラスコの住人(ホムンクルス)

絶対契約書(ギアスロール)

【???】

【???】

【???】

 

 

 



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7話

 

「ここが試験会場?ホントに合ってるの?」

 

イルミ兄さんに問いかけられる。

今はギタラクルか。

 

「私が信用出来ませんか?」

 

軽口を叩きながらめしどころ″ごはん″の前に立つ。

 

確かに原作知識のない人から見ればいきなりここといわれれば驚くだろう。

 

めしどころの扉を開き、中に入店する。

 

「ステーキ定食2つ。焼き方は弱火でじっくり」

 

もちろん人差し指を立てて話す。

 

「あいよ!お客さん奥へどうぞ」

 

そうして私たちは中へ通される。

店の奥の扉を開け中に入るとエレベーターになっており、下にむかった。

 

「ほらね」

 

「ほんとだ。なんで?」

 

「家族間でも念能力は教えないよ」

 

こういった理由で私は家族に念能力を教えていない。

しかし、これも間違いでもない。

 

私の新たな念能力【神が作りし忠実(ゲンサクチシキ)

これで私は原作知識を忘れない。

代償としてそれ以外の記憶を忘却しましたが。

今世には必要ない知識です。

 

この念能力のおかけで私は本を読む様に頭の中で読めるという訳です。

本を読むと言ったように読めるのは単行本の本まで。

それ以上の未来に行った場合は意味の無い能力になります。

 

まあ、そうしたら【容量会計(メモリベース)】で破棄すればいいので大変使い勝手の良い念能力と仕上がりました。

 

中に入るとなかなかの人数がいました。

 

 

「とりあえず離れよう。個人戦だろうし」

 

ギタラクル(イルミ兄さん)にそう言われる。

 

「そうだね。2人いたら過剰戦力だからね。じゃあ、頑張ってね」

 

そういって私はイルミ兄さんと別れた。

 

 

 

それにしても雑魚ばかりで少し萎えてしまった。

 

本当に数名のみだ。

黄金の卵だったり、及第点といったのも。

 

ふと、後ろに殺気を感じ振り返る。

 

そこにはピエロのメイクをした青年が立っていた。

 

「なんだ、ヒソカじゃないか」

 

「やあ♠︎久しぶり♦️」

 

確か昨年受けた時には監督者を殺して不合格になったはずだ。

 

「挨拶代わりに殺気とは相変わらずだね」

 

「いいでしょ♥それよりついにハンター試験を受けるんだね♣️この感じだとイルミもいるね♦️」

 

「そうだね。まあ、お手柔らかにね」

 

「大丈夫だよ♠︎君と戦うくらいならイルミと戦う方がマシだ♦️今の僕じゃ君に敵わない♣️何より君と戦うには先に倒したい人がいるしね♥」

 

クロロのことだろう。

1度戦いたいと言うもんだから戦ったらこっちの勝ち。

負けていたがその顔は恍惚の表情だった。

 

もう一度と言われる前に他に倒したい人がいなくなってからと約束をつけたから戦いを申し込んでこない。

 

「じゃあ♣️頑張ってね♥」

 

そういってヒソカはどこかに歩いていってしまった。

 

 

 

 




ヒソカの喋り方って難しい。
【神が作りし忠実】ですが他にも制約、契約はあります。

他にもいろいろ間違っていると報告を受けているのですが時間が無いので直せません。
作者はニワカなのでその点は皆様に迷惑をおかけします。

最後に質問です。
更新スピードと修正はどちらを優先した方がいいですか?
参考にしますので宜しくお願いします。

では、次回も宜しくお願いします。


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8話

 

 

とりあえず第一試験である追走は終わりました。

 

大分人数は減りましたがそれでも人数が多いですね。

 

私も殺しはしませんが試験官ごっこすればよかったですかね。

 

殺しはしませんよ。

お金にならない仕事はしない主義です。

殺されたかったら私が呼ばれるくらい偉くなって頂かないと。

 

ふと視線をずらすとそこにはキルアがいました。

ということはそばに居るのはゴン君ですか。

 

こう見ていると微笑ましいものです。

私は少しばかりブラコンが入っているもので微笑ましく思ってしまいます。

 

イルミ兄さんの方は機嫌悪そうですが。

 

まあ、しょうがないでしょう。

イルミ兄さんは母さんに似て過保護気味ですから。

 

私?私はどっちでしょう。

家族にはお爺様に似てると言われましたが分かりませんね。

 

なんの話でしたっけ?

 

ああ、キルア達の話でしたね。

 

とりあえずは見守りますよ。

接触は第三試験からですね。

 

 

 

 

ケモノの唸り声みたいな音が小屋から聞こえてきます。

しかし、お腹の音だと分かっているだけあって全く怖くありません。

 

と、正午になりましたね。

 

中からはソファーに座る女性とその後ろに座る巨漢の男性。

 

この2人は美食ハンターだそうで。

 

美食……いいですね。

私も美味しいのは好きですし、自分が作るのも好きなほうです。

調味料や香辛料を集めるのも楽しかったですね。

自分の脳髄に味の情報が集まり、満たされている感覚は素晴らしいものです。

 

試験は2人の試験官の言う料理を作り、美味しいと言わせれば試験クリア。

 

一品目は豚の丸焼きですか。

 

とりあえず狩ってきましょう。

 

 

この森にいる豚の種類はグレイトスタンプ。

世界で最も狂暴な豚と言われています。

 

私の敵ではありませんが。

 

私を押しつぶすべく豚が突進してきます。

しかし、豚は私の横を通り過ぎてしまいます。

 

そして豚はキレイな飴色に焼きあがっていました。

 

これにて調理完了。

 

ついでに次の試験用に魚を取ってから向かいますか。

 

向かうとお腹いっぱいっといっている試験官が見えます。

横で女性が銅鑼を叩こうとしています。

 

これは不味いですね。

 

私は一瞬で銅鑼まで移動して銅鑼を少しずらします。

 

「あと1品だけ、食べれませんか?」

 

「あんた、そんだけ遅れといて何言ってんの?試験は不合格でまた来年受けなさい」

 

「いや、まさかただ焼くだけでいいとは思わなくて調理に思ったより時間がかかってしまいまして」

 

そう言って私は先ほど調理した豚を切り分けたものを試験官に差し出す。

 

「お!おいしそうだね。それだけなら食べれそう。メンチいいかな?」

 

「しょうがないわね。けど、時間ギリギリなんだから味で判定しなさいよ」

 

とりあえずは不合格ではないみたいですね。

あと、キルアがこちらに気づきましたね。

大分焦ってるようでイタズラがバレた子どものような顔をしています。

隣のゴン君が心配しています。

 

「美味しい!君は美食ハンター志望かな?これだけの料理の腕前なら美食ハンターになれるかもね」

 

「ふーん、そんなに美味しいの。じゃあ、ギリギリ合格にして上げる。それじゃ、豚の丸焼き料理審査!!70名が通過!!!」

 

通過ですか、よかった。

 

 

とりあえずキルアとしゃべるのは合格してからですね。

 

 

第二審査は寿司ですか。

原作知識があるとはいえいつでも見れるわけでは無いためたまに忘れがちです。

 

神が創りし忠実(ゲンサクチシキ)】にはまだ制約がありまして、自分の心が落ち着くスペースで本を読む様にゆっくりしていないと読めないのです。

切羽詰まった状況では精神状態的にも見ることは出来ないのです。

 

今は落ち着いていますが落ち着くスペースが自宅なので発動しません。

 

レオリオ(でしたっけ?)が大声で魚といって皆が魚を取りにいってしまいました。

 

「ほら、アンタもいかないとまた遅れるわよ。アタシは2回も待つ気は無いのよ」

 

「心配をお掛けします。しかし、ご心配無く」

 

特に描写していませんが帽子を被っていました。

それにかけている()()を解きます。

 

すると普通の帽子から奇術師が使うようなシルクハットに。

 

頭に被る口の部分に手を突っ込み、魚を取り出します。

ニョロりと伸びたそれは魚には見えないことでしょう。

 

しかし、私はこれが鰻の仲間だと分かっているので調理可能です。

 

とりあえずシャリは握っているので握り寿司ということにしましょう。

 

鰻の寿司なんて豪華でしょう。

鰻では、無いんでしょうけど。

 

「おー、1人目からちゃんとしたものを出すとはいいわね。うん、まあまあ美味しいわね。プロの味を出せとは言ってないんだし。合格よ」

 

「ありがとうございます」

 

この帽子は相変わらず便利です。

 

当然念能力ですよ。

 

底なし沼の魔術帽(マジカルシルクハット)

頭に被る口の部分より小さいものを中にしまえます。

今回は白い帽子です。

白い帽子は家の冷蔵庫に繋がってます。

黒い帽子は異空間に繋がってます。

白い帽子はどこでもドア的役目しか出来ませんが黒い帽子はドラえもんのポケットという訳です。

まあ、重さは変わらないので入れ過ぎると被れないほど重くなりますけど。

質量保存の法則はしっかり仕事しています。

 

 

さて、他の合格者ができるまで本でも読んでいますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「二次試験後半の料理審査。合格者は1名!よ!!!」

 

まじですか。

 

 

 



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9話

感想いろいろありがとうございます。
質問された中に明らかに指摘されるであろうというところが質問されて嬉しいです。
絶対契約書の契約内容ですね。
回収まで書き終わってるので毎日投稿します。
書き終わって気づきましたけど、後ずけ感が否めないのは作者の技量の性ですね。


前回は驚きすぎてマジすか等といってしまいました。

 

いや、最初は割と普通に料理していたのですよ。

その中の1人が答えを持って行ってしまいまして。

それで終われば良かったのですがそのスキンヘッドの方が料理の概要を説明してしまいました。

 

それで試験官を怒らせて評価が全て辛口になってしまいました。

 

それでこの有様です。

 

私が最初にちゃんとしたのを用意してしまったのも原因ですかね。

 

 

そんな判断に納得されない方はやはり多いですね。

 

そのうちの1人が調理台を破壊して試験官に向かっていきます。

簡単に後ろの男性に弾き出されましたが。

 

小屋の窓ガラスを突き破り、飛んでいってしまいました。

力は殆ど込めずに遠心力をかけて当てた感じですかね。

女性と違い殺す気は無いみたいですね。

 

 

突如マイクの音が上から聞こえます。

真上に審査委員会の飛行船が飛んでいました。

 

この声はネテロ会長のものですね。

1度手合わせしましたがなかなか強くて驚きました。

流石お爺様と互角のはずです。

お爺様は自分の方が強いといって聞かないですが。

 

 

ネテロ会長の説得で試験は無効で代わりの試験だそうです。

私は合格だったので無効にはならないそうです。

安心しました。

 

それとは別に卵は食べたいので自主的にクモワシの卵は取りに行きます。

 

飛行船によって運ばれたそこはマフタツ山。

山が真っ二つに別れ、川まで続く長い谷が特徴的な山です。

クモワシは陸の獣から卵を守るために谷の間に丈夫な糸を張り卵を吊るしておきます。

 

試験内容はそれを取ってくる試験のようです。

 

私も取りに行きますか。

10個くらい。

 

 

 

美味しいですね。

やはり、毎月取りに来る価値はありますね。

あ、うちの食事の卵はクモワシにしているんですよ。

今月の分をついでに取ろうと思いまして。

 

 

そんな訳で今日の試験は終了のようです。

 

残りの人数は44名。

明日が楽しみですな。

 

とりあえずキルアに挨拶に行きましょうか。

 

 

 

円を使い、飛行船を覆います。

私の円は完全に球なんですよね。

なので意識しないと地面にも張ってしまい、無駄に労力を使ってしまいます。

 

キルアは飛行船の中を歩き回っているようですね。

 

いました。

 

ゴン君と一緒に外を見ています。

 

 

ん?あれはネテロ会長。

なぜ、ここに。

 

 

 

 

殺気をキルアたちにぶつけ、自分は高速で回り込むといったイタズラをするネテロ会長。

いつまでも子どもの様な方だ。

 

しかし、向けた相手が駄目でした。

キルアに殺気を向けたのに反射的にネテロ会長の首に【限りなく透明な殺意(インビジブルブレイド)】を当ててしまいました。

 

「おぬし、また絶が上手くなりおって。それに移動も早い。それにしてもいきなり喉元に刃物を置くとは何事じゃ」

 

「いや、意図は分かったんですが弟に殺気を当てたのでつい反射的に」

 

「弟……どっちの兄かの?いや、暗殺一家のおぬしだから99番かの」

 

限りなく透明な殺意(インビジブルブレイド)】をしまう。

それにしても一瞬ゴン君と迷うなんてどんな感性してるんですか。

私が強化系使えないの知っているでしょう。

 

「兄ちゃん!?」

 

キルアは驚いていますね。

当然でしょう。

いるのは分かっていたでしょうけど接触はしてこないとたかを括っていたのでしょう。

 

「キルアのお兄さん?俺、ゴン!よろしく」

 

「よろしく、ゴン君。私はキルアの兄のミルキです」

 

「キルアのお兄さんって事はお兄さんも殺人鬼なの?」

 

あれ、キルアは私たちを殺人鬼って紹介したのでしょうか。

全く……私やお爺様はタダ働きはしませんし、快楽殺人者でもないのでその説明だと好きで行ってると思われるのでやめて欲しいですね。

 

後で説明しなおさなければ……

 

 

「ワシを無視せんでほしいんじゃが………まあ、良い。お主らワシとゲームをせんかね?もし、そのゲームでワシに勝てたらハンターの資格をやろう」

 

 

一件破格に見えますがネテロ会長に勝てる相手など数えるほどでしょう。

金の卵の見極めでしょうが負けるつもりは一切ない。

相変わらずのお方ですね。

 

「当然、お主は駄目じゃからな」

 

「分かっておりますよ。では、私はこれで……ああ、そうでした。キルア!」

 

「は、はい!」

 

「とりあえず試験中は邪魔をするつもりはありません。しかし、終わったら話があるので決して逃げない様に」

 

私はキルアにそう伝えると飛行船の中を移動します。

 

まあ、あの後残しておいても問題は無いでしょう。

キルアはまだ敵の力量を測るのが不得意ですし、殺したがるかも知れませんが自制は出来るでしょう。

それが出来ないなら説教の時間が伸びるだけです。

 

私はホールに戻ってきて食事を取ります。

毒は効きませんし、腹が減ってはなんとやらです。

残すのも勿体無いですし、全部食べてしまいましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後後、食事をとった後はホールの隅で寝ました。

何もやることが無かったのでね。

この中でオーラが見える人も判別しようと文字を書いたりしましたが大半が見えておりませんでしたし。

 

『皆様、お待たせ致しました。目的地に到着致しました』

 

 

飛行船から降り立ったその場所は円柱の建物でした。

何もなく、誰もいないその場所はトリックタワー。

監獄として有名でしたね。

懲役100年以上の人が収監されています。

 

第三試験は72時間以内、つまり3日以内に下まで降りることですね。

 

外壁を落下すれば早いのですが、それだと3日暇なんですよね。

 

下への行き方は空気の漏れ方から分っているのですが、それだと面白くもない。

そうですね………主人公たちについて行きますか。

 

とりあえず時間を潰しますかね。

 

 

 



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10話

主人公たちが仕掛けで降りるのを確認しました。

 

殺気を振りまきながら仕掛けに近づきます。

誰かに行かれる等折角待ったというのにおしおきしたくなってしまいます。

 

どうやら離れてくれたようです。

 

殺気を収め、仕掛けに入ります。

 

 

中にはキルアを含め、ゴン君に性別不詳、クラピカさんと年齢不詳、レオリオさんがいました。

 

レオリオさんからは歓迎を受けます。

2人足りずに前に進めなかったと説明を受けます。

 

2人?

台を見ると確かに2つタイマーがあります。

それを手に嵌めます。

 

しかし、なにも起きません。

そりゃもう一つ余ってたらそうですよね。

 

とりあえず待とうと思い腰掛けようとすると上で動く音がします。

 

すると、仕掛けを通して1人の男が落ちてきました。

面妖なメイクにピエロの格好。

 

落ちてきたのはヒソカでした。

 

「これはこれは♥君たちと一緒なんて運命は面白いね♣」

 

全員が警戒をしました。

まあ、そうですよね。

それだけの事を彼はやってきたのですから。

 

私はヒソカにタイマーを投げます。

彼は私の意図を察したのか手に取り、手に嵌めます。

するとドアが現れました。

念ではなく、普通の電子機器のようですね。

 

 

その後は扉を開けるかの質問が出たり、どちらに進むかの質問が出ました。

 

なるほど、多数決の心理トリックですか。

運動や観察眼など、ハンター試験っぽいのが多いですね。

当然でしょうけど。

 

「それじゃあ♠︎行こうか♦️」

 

ここでレオリオがお前がいうな、と文句を言いたそうですが流石に警戒して喋りませんね。

 

「お前がいうな!」

 

と思ったらゴン君が文句をいいます。

彼には主人公という理由を置いといて好印象があります。

キルアと話をして友達になってくれたのが彼で良かったですね。

 

「とりあえず進みましょうか。時間は有限ですし」

 

その後も右に行くか左に行くかと質問がありました。

左に進むと床が抜け、奈落になっている部屋に当たりました。

部屋の中心には真四角の闘技場のような。

 

その後説明を受けました。

4勝すれば勝ちのゲームをやるそうです。

こちらは1度も負けそうに無いです。

ああ、でも1度出たらそこまでなんですね。

 

レオリオさんは戦闘メインでは無さそうなので心配ですが相手方もそれは同じそうですし、なんとかなるでしょう。

 

「1番手はキルアですね」

 

私の言葉に全員が驚いたような顔をします。

何故でしょうね?

妥当な人選だと思いますよ。

軍人崩れなのでしょうし。

 

ああ、殺害の危険性ですか。

 

「そうですね、それではキルアは殺生を無しという縛りを課しますか。もちろんデスマッチでもそれは同じです」

 

また、驚いた顔をされます。

しかし私は決めましたので相手の方にも説明致します。

 

「ゲームはデスマッチ。しかし、こちらが貴方を殺した場合貴方方の1勝とします。貴方の敗北条件は敗北宣言をするのみとなりました」

 

これでよしと。

キルアにはもう少し無傷のままに獲物を捕獲する術を学んでもらいたいものですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか、こんな事になろうとは。お兄ちゃんは少し悲しいです」

 

私はキルアに期待しすぎていたのでしょうか。

キルアなら速攻で敵の動きを止めて制圧出来ると思っていたのですが、キルアは少しの挑発に乗ってしまい相手の心臓を抜き取り殺してしまいました。

 

当のキルアは心臓を潰してしまった事にやってしまったという顔をしています。

 

我慢が聞かないとはまだまだ子どもですね。

 

殺してしまったのはしょうがないですが、電子版を見ると相手側に点数が入ってます。

まあ、私たちが勝てば問題は無いでしょう。

 

その後はゴン君、クラピカ君、レオリオ君、ヒソカの順番で進みました。

 

ちなみにレオリオ君が負けた以外は普通に進みました。

ヒソカにも不殺を条件づけようとしましたが相手側が却下しましたので普通にやってもらいました。

こちらの条件を飲んでいれば長生き出来たかも知れませんのに。

 

最後は私ですね。

 

舞台に上がります。

向こう側から相手が渡ってきます。

 

「それでは私も不殺でやりましょうか。貴方も早くやりたいでしょうし、先手は譲ります。さぁ、どうぞ」

「私の負けです。次へお進み下さい」

「はい?」

 

電子版を見ると点数がこちらに入り、先へ進めるようになりました。

相手は仲間から非難されていますがもう関係ないので先に行きましょうか。

 

ゴン君達を誘い、先に向かいます。

 

負けたぶんの時間を過ごす為の部屋を割り振られます。

私たちは50時間ここで過ごさなければならないですね。

まあ、些細な問題です。

彼らはヒソカと同じ部屋で緊張しているでしょう。

私は一眠りさせていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんでジョネスは戦わなかったんだ?」

 

「ジョネスって誰のこと?」

 

レオリオはミルキが寝ると話し出す。

ゴンはそんなレオリオに質問した。

 

「ミルキの相手は解体屋(バラシ屋)ジョネスといってザバン市犯罪史上最悪の大量殺人犯だからだ。異常なまでの指の力で奴は146人もの人を殺害している。そんな奴が負けを認めるなんてな」

 

「それはそうだよ。そいつ捕まえたの兄貴だから」

 

キルアはレオリオの疑問に答える。

 

「兄貴は忘れてるけど数年前に捕まえたのがそいつだって聞いたことがある。本当は殺人依頼だったのだけど殺さずに永遠の苦しみを与えることにして欲しいと依頼主に願ったらしいんだ。んで、捕まえて刑務所入れたんだと。どこに入ってるか知らなかったからあんま気に留めて無かったけどあいつだったんだな」

 

その言葉に全員黙る。

ヒソカはゾクゾクしている表情をする。

 

ああ、彼は戦って貰えたんだ。

羨ましいな。

 

ヒソカはミルキと戦った時を思い出す。

戦いといっても戦闘的な戦いではなくお遊び程度だ。

こちらも本気でなかったし、当然ミルキも本気ではなかったはずだ。

 

本気を出そうとした時にミルキに提案されたのだ。

 

『これで止めにしよう』

 

『何故だい?ここからが楽しいのに♣』

 

『狙っている獲物がいるのに俺と戦うなんて辞めてくれよ』

 

ミルキは自分がクロロを狙っている事に気づいていた。

それを咎めず、やってからにしろとまで言うのだ。

ミルキもクロロと友人の筈なのに。

 

『それに俺はある理由があって本気が出せない。本気を出すには後10年……いや、5年は必要かな』

 

『5年待てば戦ってくれるかい?』

 

『そうだね。更に優先順位が一番になっているというのも条件にあるけどね』

 

そうしてあの時はそれ以上はやらなかった。

けれど、楽しみだ。

彼と戦う時を。

 

それは自分にどんな恍惚な思いをさせてくれるのだろう。

 

ヒソカはそれを鎮めるためにトランプタワーをつくり始めたのであった。

 

 



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原作知識があれば速攻で終わる第四試験

 

タワーを脱出した私たちは次の第四試験の話を聞きます。

これが終われば次が最後ですから気を引き締めましょう。

 

え?タワー後半はどうしたのかって?

そりゃ、クリアしましたよ。

あれは時間はかかりますが決してクリア出来ないものではないので寝ている間に念能力を先行させて調べました。

あくまでドアが開かないだけなので下調べはつきました。

50時間もありましたしね。

 

第四試験ですがナンバープレート集めです。

自分のプレートが3点、標的が3点、その他のプレートが1点で3点集めればクリア。

 

誰が敵か分からない疑心暗鬼な試験ですね。

試験官の人がそれっぽく話しますから1層雰囲気でますよね。

 

この試験なのですが攻略法が存在するんですよね。

 

あくまでも原作知識を持っている方限定ではありますけど。

 

 

船での移動でした。

船では誰1人として口を動かさず、警戒心バリバリでした。

今警戒してもしょうがないと思うのですけどね。

寧ろ1週間島で過ごすのですから今の内にリラックスするべきなのですが。

 

 

島に着きますと1人ずつ島に入っていきます。

出ていく順番ですがタワーの脱出順だそうで。

私は後ろの方ですね。

 

私は順番になりますと島の中に入っていきます。

そしてヒソカを探します。

いや、別にヒソカがターゲットでは無いですよ。

ヒソカといたらこの暇な1週間も楽しそうだなという安直な考えから来ています。

イルミ兄は言わずもがな、キルアがやられるとも思えませんし。

かといってこの島で念能力で遊び過ぎると変に目をつけられます。

試験者1人1人につけられた黒服の目から逃れて鬼ごっこでもいいのですがそれも目をつけられるという事で却下。

 

私はある程度しますとシルクハットからナンバープレートを取り出します。

胸につけられた自分のプレートでは無い6枚のプレートを。

 

これが原作知識持ちにもたらされた攻略法です。

いやぁ、回収して良かったです。

最悪自分のが取られても6点あるという安心性。

取られるのは癪なので取らせませんけどね。

 

そういえば試験前に【神が作りし忠実(ゲンサクチシキ)】を見たのですが流石にこのナンバーが誰のか忘れましたね。

 

暇なので探しにでも行きますか。

この()()()()を。

 

私はヒソカへと向かっていた足取りを止め、番号の主を探すべく進行方向を変えて歩き出しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして私は第四試験に合格しました。

 

本当はもう少しバトル漫画っぽいことやりたかったんですけどね。

まさか私の標的がクラピカだとは……

試験に落とす気も無いですし、点数はそろってますし。

 

しょうがないので点数欲しさで来る敵でも狩ろうかと船着場で待っていたのですが一向に来ず、結局何もせずクリアしました。

 

試験官の方にも確かに第四試験前の試験者のナンバープレートをとってはいけないというルールは無いため合格とすると言われました。

 

貴方もぜひ転生して主人公の時にライセンスをとる時はお試しください。

私の世界軸なら成功しましたので一考の余地はあると思います。

 

 

 

………誰に向かっていっているのでしょうね。

 

 



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12話

第四試験が終わりを告げ、飛行船が迎えに来た。

 

飛行船は目的地を告げぬままに動き続けている。

 

 

 

またもや、私は飛行船内の食事に舌づつみを打っていたのですが放送が流れまして面談を行うという事でした。

 

 

面談場所に行くとネテロ会長が腰掛け、待っていました。

 

「久しぶりじゃな。まあ、座りなさい」

 

「では……ちなみに面談ですが最終試験に関係するんですよね」

 

座布団に座り込みながら質問する。

 

「参考程度じゃがな。まず、何故ハンターになりたいのかな?」

 

「資格を持っていると仕事をするにも便利だから」

 

「なるほど、次はおぬし以外の9人の中で注目しているのは?」

 

原作でも有名な質問ですね。

二次試験の合格者を忘れてたりといろいろ合ったので第四試験中に【神が作りし忠実(ゲンサクチシキ)】を使い、読み直しました。

とりあえずは2巻分は大丈夫でしょう。

 

「403番404番405番かな。弟の良い友人になりそうだからね。そして何より彼らは特異点だからね」

 

「特異点かの?確かに素質は高いがの」

 

「ゴン君に関してはハンターの器だ。この試験で彼は必ず合格できるだろうね。後の2人は片方は医者向き、もう一人は……まあ、いいでしょう。兄は弟に優しいんだよ」

 

「なるほどのう。では最後の質問じゃ。9人の中で一番戦いたく無いのは?」

 

「今言った3人に加えて99番と301番だね。3人の理由は弟の友人になりそうなのに俺が殺す訳にはいかないからね。後の2人は俺は家族には手を出さないから。兄弟喧嘩を除いてね」

 

「なるほど、なるほど。うむ、ご苦労じゃった。さがってよいぞ」

 

「また、変な試験にするんでしょうね。まあ、楽しみにしていますよ」

 

私はそういって退出する。

 

扉の前にはヒソカがいた。

 

「戦いたくない相手に僕がいなかったけど、それは好意的にとらえてもいいかい♥」

 

「死の危険が無さそうだからね。俺やイルミ兄さん、ヒソカには難しそうな試験になりそうだよ」

 

「ふーん♣️まあ、いいや♦️君もやるのは決定事項だからね♠︎それまで我慢するさ♥」

 

 

そういってヒソカは歩いていく。

 

では、着くまで私も食事を再開しますか。

 

 

 

 

「ミルキ」

 

「どうしました?兄さん」

 

食事をしているとギルタクルに変装したイルミ兄さんが来ました。

 

「ここではギルタクルと言ってといったじゃないか」

 

「それならいきなり名指しはやめた方がいいかと。兄弟かは分かりませんが親しい仲と思われますよ」

 

「実際親しいし……まあ、そういうことを言いたいんじゃないのは分かっているよ。それでこちらの用事なんだけどね、最終試験では俺の行動を邪魔しないでほしい」

 

「行動によるよ」

 

「大丈夫。キルやミルキに危害はでないよ」

 

「まるで他には出るみたいな発言ですね」

 

「他に迷惑がかかって問題あるの?」

 

「………まあ、いいでしょう。私も動く気は無かったですから」

 

その答えに納得したのかイルミ兄さんは離れていきます。

読んだのであれの邪魔はいい事は無いでしょう。

それで嫌われることになっても兄の愛ですから。

 

 

 



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開始、最終試験!

「さて、諸君。ゆっくり休めたかな?ここは委員会が経営するホテルじゃが、決勝が終了するまで君たちの貸切となっておる」

 

前世でもよく見たどっかの宮殿風のホテルについた我々。

 

今いる場所は本来ならホールとして使うのだろう。

 

無駄な備品を一切置かず、ホールが持つ本来の広さを見せている。

 

「最終試験は1VS1のトーナメント形式で行う。その組み合わせは次の通りじゃ」

 

この場所に置かれた唯一の物。

ホワイトボードにかけられた布を取り払う。

 

普通のトーナメントなら戦う数は奇数でもない限りは同じでありますが、そのトーナメントは異様な形をしていました。

 

ルールも少し違いますね。

たったの一勝の勝利で合格。

 

つまり、不合格者はこの中から1人だけです。

 

負けたものが登っていくシステムですね。

全員が2回以上戦えますし、なかなかに公平ですね。

 

1人の参加者が組み合わせの不平を問いてます。

 

今までの試験を加味してチャンスを多く与えたのでしょう。

名前を見ればそれがなんとなく分かります。

 

この結果には家の弟は満足しないでしょう。

資質で友人のゴン君に劣っていると言われたのですから。

他二つも競ってはいるとは思いますよ。

キルアの方が上ですが。

 

資質でいうならハンゾーさんは経験で、ゴン君は可能性といったところでしょうか。

 

あともう1つルールが。

殺してはいけない。

相手がまいったと降参するのみとする。

 

やはり、イルミ兄さんやヒソカに厳しい試験になりましたね。

 

 

というわけで最初の試合はハンゾーさんとゴン君。

良い試合になるといいのですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フフッ

 

いえ、失礼しました。

 

つい、堪えられず笑ってしまいました。

 

ゴン君はやはり素晴らしい才能をお持ちだ。

彼の存在は場の空気を良い方向に持っていく。

 

そしてキルアの成長にも繋がる。

 

ハンターは決して1人で生きる職では無い。

協調性も必要です。

 

キルアは家のこともありますがやはり、暗殺者に向いていますね。

知らず知らずのうちに思考が1()()()相手を()()という方向に向いています。

 

暗殺一家の身としては嬉しい限りですが、純粋な兄としてはもっと協調性を持ってほしいところです。

 

友達は多い方が人生楽しいですし。

 

私の試合ですが、まずは殺気をぶつけて見極めてから戦います。

ですが、このまま順当で行けばポックルさんなので名前の通りポックリいきそうなです。

手加減、したほうがいいですかね?

 

まあ、楽しみは特には無いでしょう。

 

 

さて、他に楽しみは無いので少し整理でもしていますか。

 

後は惨劇のみですから。

 

 



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終了した最終試験。そして…

会議室ではキルアを不合格にするのは不当であるという審議をしている。

 

あの後私が戦うことも無く、相手が負けを認め、待っていますと原作通りの惨劇が起こった訳です。

 

どう話したって結果は変わりないので私は無言を貫いていますが。

 

 

 

すると、後方にある扉が乱暴に開かれます。

そこには腕に包帯を巻いたゴン君がいました。

 

やはり、回復力も尋常ではないですね。

 

私の私兵になってくれませんかね。

無理とは思いますけど。

 

そしてイルミ兄さんに謝れと。

 

イルミ兄さんが油断しているとはいえ簡単に持ち上げられました。

 

そして腕を破壊と。

完全に折れましたね、音的にも。

 

私としても兄が襲われ、何もしないのはアレですが何もするなといったのは兄です。

ここは黙って見守りましょう。

 

イルミ兄さんも事を荒立てるつもりは無いでしょうから。

 

………無いですよね?

 

 

その後普通に説明会がスタートしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

説明会が終わり、外に出ます。

 

これで私もハンターですか。

 

これがあれば美味しいもの取り放題ですかね。

おっと、ヨダレが。

 

 

ヒソカとイルミ兄さんが話してますね。

 

まあ、さして問題は無いでしょう。

 

それよりもゴン君の元へ。

起きたらぜひ話したかったんですよ。

 

キルアの良い友人候補ですから。

 

 

 

 

 

 

 

ホテルのロビーで何か調べていますね。

ククルーマウンテン……実家ですね。

 

ふむ。

 

「飛行船で3日といったところだな。出発はいつにする?」

 

「今日のうち!!」

 

「でしたら私の飛行船に乗りますか?」

 

「「「!?」」」

 

いきなり、話かけてはびっくりされましたかね。

予約する前に話しかけたかったので結果そうなってしまったので悪気はありません。

 

「キルアのお兄さん!!」

 

それですと勘違いされそうです。

 

「何ぃ〜!!お前もあのヤローみたい邪魔するつもりか!」

 

レオリオさん(18歳)が詰め寄ります。

そんな老け顔で詰め寄られても嬉しくも何ともないんですが。

 

性別不詳のクラピカさんはコチラを睨んできます。

それも嬉しくは無いです。

 

「レオリオ!クラピカ!この人は大丈夫だと思う!」

 

「何故だ、ゴン。彼はあのイルミと同じキルアの兄で暗殺一家の1人なのだろう」

 

「だってこの人は俺にキルアの良い友達になって、て言った人だから」

 

その言葉に私は嬉しく思います。

なんて純粋な子なのだろう。

彼なら本当に良い友達になってくれる。

 

「あと、嬉しいですけど自分たちで行きます」

 

「それは残念です。因みに、理由は?」

 

「だって友達に会いにいくのにそのお兄さんを使うなんて間違ってない?ちゃんと正面から会いに行くよ」

 

…………フフッ

 

「ああ、本当に君はいい子たちだ。では、玄関から入ってきなさい。それともし、入れ違いになって話せないかも知れないから……君たちがキルアの友達になれる事を祈ってるよ」

 

「祈る必要は無いよ!もう既に俺たちは友達だから!」

 

そういって笑う彼らは眩しい。

本当によかった。

 

 

その後、飛行船の便が直ぐに迫っているらしく、彼らは慌ただしく、ホテルを出ていった。

 

祈る必要は無いか。

 

嬉しいね。

 

では、せめて

 

 

 

せめて、

 

 

私はそれが壊れないように祈るとしよう。

 

 

私は自分の飛行船に乗り込んだ。

 

 



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説教は必要な教育です

 

私は自宅に帰ってきました。

 

飛行船は海辺の隠れ家へと起き、玄関から帰ります。

 

海辺の隠れ家っていいですよね。

 

帰ってきたら父さんと母さんにあいさつ。

 

イルミ兄さんは仕事で留守。

 

お爺様はいつも通りのファッションで出迎えてくれました。

 

「おかえり、ミル。どうだ?骨のあるやつはいたか?」

 

「ただいま。そうだね、なかなかに商売敵になりそうな人や敵に回したくない人が多かった」

 

「それはよかった」

 

ええ、本当に良かったです。

私にはまだ敵わない人がいて、そしてそこに届く予感もする。

私は成長できるということ。

 

念能力の整理もできましたし、いいことずくめですね。

いらない念能力は破棄するに限ります。

 

破棄する能力も今回ので消しましたが。

新規一転。

Newお兄さんの完成です。

 

そして帰ってきているキルアの元に向かいます。

 

キルアは拷問室にいるそうです。

 

一応の罰を受けさせるということで拷問室で吊るされているそうです。

 

では、私もそれに加担しますか。

 

 

 

 

「キルア、ただいま」

 

「おかえり、ミル兄」

 

挨拶を交わすと私は枷を取ります。

 

「取らなくても自分で取れるよ。それに反省はしてないけど悪いとは思ってるからぶら下がってた訳だし」

 

「いえ、反省も一応してもらおうと思ってね。とりあえず1日で済ませるように努力しますから」

 

「……へ?。あっ、いや……反省してるよミル兄…」

 

「いいから、正座しなさい」

 

「いや、反省…」

 

「せ、い、ざ」

 

「……はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し喋り過ぎましたかね。

 

おや、もうこんな時間では無いですか。

 

「それではキルア。私はそろそろ用があるので」

 

「………」

 

疲れて眠ってしまいましたね。

今はゆっくり眠りなさい。

 

「いってきます、キルア」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ハッ!」

 

俺は家に帰ってきて、拷問部屋でぶら下がってた……いや、ミル兄に説教されてたんだ。

 

相変わらず容赦が無えな、ミル兄は。

 

顔は美形だけど目付きが悪いのに、笑ってるから胡散臭さと表せない怖さがあるんだよな。

 

飲まず食わずはキツくないけど、それに加えてあの説教は他の拷問よりキツい。

 

今回は仕事があったのか早めで済んだけど、前は死にかけたんだよな。

 

天空闘技場の賞金を全てお菓子に使って怒られた時だ。

 

また、金稼ぎに行くかな。

 

 

 

「キルア様」

 

「えっと…執事の……」

 

「インキです。それはいいですがキルア様の友人を名乗る3人組が試しの門に来ていると……」

 

「!?…………そうか。じゃあ、こう伝えてくれ『来てくれてありがとう。すげーうれしいよ。でも、今は会えない。ごめんな』って…」

 

「かしこまりました」

 

 

俺はまだそっちにいけない。

ごめんゴン。

 

 

 

それに。

 

 

『せ、い、ざ』

 

もう少し反省してます。

 

 



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お久しぶりです

あの後私は直ぐに飛行船へと飛び乗り、ある場所へと向かっています。

 

懐かしの天空闘技場です。

 

私、フロアマスターなのですがこの度挑戦されまして、しかも2回。

 

連続はキツいし、フェアではないので期間を開けますが、その為にまずは一戦戦うのですよ。

 

 

私の念能力も新規一転しましたし、ここで見せていきたいものです。

 

まあ、3つほど残ってますが。

一転って訳では無いです。

 

 

『さあ!始まります。フロアマスターの座をかけた戦い!!ミルキ選手VSラバル選手です!』

 

『ミルキ選手は子供のときに天空闘技場にやって来てから無敗の選手。そのうちに挑戦者がいなくなってしまった幻の男!!!』

 

『変わってラバル選手は見事連続で10勝を果たし、その時の戦勝は同じくミルキ選手に挑戦したイトモ選手との引き分けのみ!ラバル選手は今回の戦いでミルキ選手を倒し、イトモ選手の挑戦を受けると既に勝ったあとの話をしています。その自信はどこからくるのか!!たんなる油断かそれとも実力か!?見どころの勝負です!』

 

 

「好き勝手いってくれるな」

 

ラバルさんがこちらに話してきます。

まあ、そう思いますよ。

 

「弱いやつに勝ってフロアマスターになった奴なんか俺の敵じゃねぇ。俺は強いアンタに勝ち、アイツの挑戦を受けにゃならん」

 

「美しい友情ですね。正に友と書いてライバルと読むような…」

 

 

「それでは試合開始!!!!!」

 

やれやれ、少しは談笑の時間もくださいな。

観客もラバル選手VSイトモ選手が見たいのは分かりますが。

 

それ故に残念です。

 

私を敵に回したことが。

 

 

知られざる英雄(ミスターアンノウン)

 

私の念能力の発動とともに会場がざわつく。

 

『…!?どういうことでしょう!!試合開始から数秒の間にミルキ選手の姿が消えてしまいました!彼は超スピードで動いているのでしょうか!?それとも透明になり、暗殺の機会を伺っているのでしょうか!?』

 

「何言ってやがる?アイツは1歩も動いてねーし、透明にもなってねぇ。ちゃんと俺の前にいる!」

 

「ほう、見えますか。貴方はキチンと実力を持っているようだ」

 

この念能力は自身を認識させなくするというものです。

強すぎて認識できなくなるというやつです。

 

直に試合が終われば私を覚えている人もいなくなるでしょう。

 

一定の強さがあれば見えますが。

有象無象に私の戦いは見られたくないのでね。

 

 

「一応は合格判定か。次はこっちから行くぜ!」

 

ボクシングのような構えをしたままこちらに向かってきます。

 

彼はバリバリの強化系の様ですし、これは一撃貰えば終わりですかね。

 

とりあえず避けます。

 

左に避けようとしたのですが危ない気が後ろに避けます。

 

「貴方の能力は反射神経の強化ですか」

 

「一発で見破られるとは……イトモでも5発かかったてのに。マジでバケモンかよ。……そうだ、俺の1つ目の念能力【自動神経(オートパイロット)】避ける時も攻撃する時も自身の意思とは別にオートで追撃、回避してくれる。左に避けたら当たってたんだがな…」

 

1つ目ですか。

まあ、複数持ちですよね。

 

単純な肉体の強化ですし、単純なぶん、使う容量が少ないのでしょう。

後は左に避けようとしたの何故バレたのでしょうか。

 

心を読むなど特質系で無ければ無理でしょうに。

 

いや、アレなら……

 

少しカマをかけますか。

 

「随分と目がいいですね」

 

「!?っつ!!!マジでバケモンじゃねーか」

 

やはり。

私の視界を見ましたか。

それも目の強化系の延長線上。

出来ないことは無いでしょう。

 

しかし、なかなかの強者。

 

フロアマスターになった時では味わえなかったスリルを感じています。

 

 

とりあえずこの念能力を使いますか。

 

乱雑な玉手箱(スキルボックス)

 

私の頭上に3つの箱と数字の0が書かれたスロットマシンの様なものが出てきます。

箱の上には10面のダイスが2つ、それがひとつの箱に一組ずつ。

 

当然念能力者には見えているでしょう。

 

ちなにみ能力詳細はカイトさんに近いでしょう。

 

 

では、発動。

 

数字の0が1〜6の数字に連続で切り替わる。

 

そしてストップすると2の数字が。

 

更にダイスが回っていきます。

 

玄人肌視(ワンエイティディフェンス)

無意味な激励(ロックダウン)

痛い系(パッチテスト)

 

そんな文字が箱から出てくる。

これですか……まあ、いいでしょう。

 

ダイスの女神がこういったんです。

従いますとも。

 

文字は光となって私に吸収されます。

 

 

さて、反撃開始といきますか。

 

まあ、反撃というほど食らってはいませんが。

 

 

相手からボクシングのように連続でパンチを繰り出します。

 

右右右左後ろ下フェイントで上

 

肌で感じている俺は危機も殺気も感じている。

 

 

そして隠し持つ刀剣で切り裂く。

 

まるで、手刀で肌を切り裂くかのように。

 

 

ラバルさんは痛みで腕を抑える。

そこからは一切血は流れない。

 

私の念能力のせいでダメージは入らないので私はそこから更に切りつけていきます。

 

肉は切れない、血は出ない、しかしラバルの顔は苦悶に歪んでいく。

 

防御の姿勢をとるがそんなのお構い無しに切りつける。

 

膝が震え、肩で息をし、今にも倒れてしまいそうだ。

 

 

しかし、ダウンにはならない。

 

そういう能力だ。

 

 

天空闘技場のルール敵にも見えない何からかの攻撃では審判もヒットとは言えない。

 

口を開き、ギブアップすればいいが今開いてでるのは絶叫だけだろう。

それに彼には約束を誓う親友がいるんだ。

降参などしないだろう。

 

それを分かっているのか観客席にいるイトモも何も言わない。

 

 

あ、隙が。

 

脳天に突き刺し、戻す。

 

 

そしてそのままラバルは倒れてしまう。

 

 

それに合わせて知られざる英雄(ミスターアンノウン)を解除する。

 

 

会場は騒然。

 

しかし、直にざわざわと観客は喋り出す。

黙っていた実況も喋り出す。

 

『し、試合終了ーーー!!!ラバル選手倒れたーー!!そしてフロアマスターミルキ選手、見事防衛!!そしてラバル選手は約束果たせず、完敗!ラバル選手の様態も気になります。ここで実況は終了いたします!!!』

 

 

「君は強かった。強化系で私とも相性は最悪だ。経験もある。こんな私みたいな異質なものでなければ勝てただろう。私は願っている、君が目を覚ますことを。そして今度は普通に生きなさい。裏の中にいる私とは関わらず、表で生きていなさい。それが君のためだ」

 

私はそう言い残し、会場を去った。

 

 




毎日投稿にギリギリ間に合ったわー
予約投稿してないのに友人に言われるまで気づいてませんでした。


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