大轟竜転生奇譚〜これが私の大轟竜としての、生き様だ〜(友人の金の月もいるよ!) (熨斗付けた紅白蛇)
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生まれた場所
つまるところみなさん、キティちゃんは好きですか?


見切り発車ですので、続くかどうかがわかりません。
それでもいい方、どうぞ。
なお、作者は文才ないです。


一言で言えば、それは確かに愛するものであった。

いや、正確に言えば、それに愛されているか?受動なのか能動なのかで意味はかなり変わってくるが、まあ、どちらも同じだろう。

私は確かに、それを愛していたし、向こうもある意味では洗礼という名の愛とレアという愛を私に向けていたのだから。

 

 

…………とかなんとか言った変な独白をする原因をいい加減言おうか。原因にして今現在の私の状態を言おうか。

 

今の私はどうみても、ティガレックス希少種の姿をしている。さらに言えば、周りには明らかにタマゴの殻が散乱している。

 

これが、今回の変な独白の原因である。

 

 

 

 

 

私は人間である。

そこら辺にいるどこにでも居る、一般人である。少しばかり普通の人間とは好みが違うとかそんなことはなかった事もないのかもしれないが、ともかく一般人である。

単にゲームが好きな、単なる人間であった。

 

だのに……

 

 

「……ギュゥゥうう(つまるところ、なぜ……)」

 

 

ティガレックス希少種。

別名キティちゃんとかキチィちゃんとか言われている、どこまでも皆さんのトラウマなティガレックスの赤い希少種。

初見で3回目の突撃を緊急回避でなんとかしたら4回目がやって来て轢かれたとか、轢き殺しに9回もやって来たとか、咆哮で体力が全部削れたとか、咆哮をガードしても連続咆哮で体力を削り切られたとか、スタミナ切れでもろに咆哮を喰らったとか、食べられたとか、爆破煙で爆破やられになったところを轢かれて乙とか、

そんなことを聞きまくったキティちゃんである。

 

だが、みんなのトラウマだろうがなんだろうが私は言おう。

 

 

「……ギュっギャァア!!(やっタァァア!!)」

 

 

嬉しいのである。

なにしろキティちゃんである。私の大好きなキティちゃんである。

いや、本当は狩るのが好きなのだが、大体の動きを把握しすぎて『キティちゃんのストーカー』と『リオレイアのストーカー』とよばれていた友人に言われてしまった。ストーカーにストーカーと言われてしまった。

……動きを把握していれば、狩りをするのが楽になるだろう?だから覚えきった。

だがまあ、気づけば狩るだけでなく本当にキティちゃん自身を好きになっていたのだが

 

そんな私が、キティちゃんになって喜ばないわけが無い。

え?元の世界?戻れるのなら戻るが、戻れないだろう。

今更だが、自分の記憶が戻ってきた。

 

独白の時点では全く思い出せなかったが、ようやく思い出せた。

私は、死んだ。

いや、事故でも病気でもなくてだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

強盗事件に巻き込まれました。

うん、酷いよね?銃で胸撃たれたんだよ。仮にもうら若い娘に対して酷くないかい?

しかも、隣にいた『リオレイアのストーカー』と呼ばれていた友人もろ共にね?

 

で、

撃たれて灼熱のような痛みと赤く染まっていく自分を認識した時点で意識はブラックアウト。撃たれる寸前に隣の友人が先に撃たれた状態がギリ見えたが。

次目が覚めた時には、変な黒い空間。今思えば、タマゴの中。

そこでなんか

「とりあえず、モンハン世界でやってけ。see youー」

とかいうふざけた声が聞こえて…

そして、タマゴを割って冒頭の独白になる。

……あれ、神様の声か?だとしたら、大分適当だな神様。

まあ、別にいっか。もしかしたら、彼奴もいるかも知れないな。あのリオレイアのストーカー、もしかしたらリオレイアに転生してるかな?だとしたら………………………て、言葉通じたら良いけど。まあ、最悪日本語を書けば……良いよな?書けたらだけど。

まあ、そうと決まれば

 

 

「……ギュッ(動こう。)」

 

まだ親らしきティガレックスは来てないけど、とりあえず動こうか。周りにも他のタマゴが見えるけどさ。

場所はこれ……密林か?つーか、樹海?むっちゃでかいけど。

なんにしろ、動かないと……体に慣れる的な意味でも……

 

「ぎゅぁっ?!!(あいたっ?!)」

 

何?!なんかひっかかった!……って、木の根か…やっぱまだ体ちっさいよなぁ……

どうしよう、でっかくなるのに時間費やした方が良いのだろうか…

うん、つまるところこれからどうしようか?




読了、ありがとうございます。作者です。
なんというか、書きたくなったんで書きました。
……いや、キティちゃんの小説が地味に少ないような気がしまして。
あと、レイアは……まあ、単に私が出したいだけです。続けられたら……。
それでは、またお会いできましたら、お会いしましょう。


ちなみに、この小説内で書いてあるキティちゃんに愛されるの意味とは、
逆鱗やら爆心やらが出まくるが、轢かれたり咆哮を喰らったりする
という意味です。(この小説の主人公は、キティちゃん装備上位G級共に作成済み)


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つまるところまずい

前回

なんか適当な感じの神様にキティちゃんに転生させられた主人公(死因は強盗犯の凶弾)。
とりあえず嬉しいけど、これからどうしようか。


……少しずつ少しずつ動いて、ようやくこのキティちゃんの身体にもなれた。

最初は違和感しか無かった。尻尾とか、人間にはないからね。

腕は前に突き出した状態で尚且つ地面に着けてなきゃいけないし、腕には皮膜がついてるし、足はがに股気味だし……

まあ、違和感。

 

だがしかし、今は私はキティちゃんである。

慣れました。てか、違和感すらありません。むしろこの形が当然とも思えてます。

素晴らしきかな、適応力。いや、それはちょっとおかしいか?

まあいいか。それ以外特には思いつかないし。

今の問題は……

 

「……ギュッ(まだ帰ってこない)」

 

親が帰ってこない。

かれこれ、巣の周りを動き回ることn時間。日が落ちかけている。

しかし、親は帰ってこない。あと、他の兄弟もタマゴから孵ってこない。

兄弟に関しては、私が早くに孵ってしまっただけなのかもしれないが、親がいつまでたっても帰ってこないのは少しおかしい。

なにしろ、巣にはタマゴ。これを放置しているのは、いくらなんでもおかしい。ティガレックスでもだ。

……夜まで待ってみるが、親が帰ってこなかった場合、私は選択を迫られることになるのだろうか。

 

 

 

 

__________________________________

塔がある。

かつて栄えていた古代文明の名残で、使用用途は不明。

今の技術では作成不可能な武具の設計図や、現代では謎の多い古龍の生態が記されていたりする。

 

そのような古代文明の遺物とも呼ぶことのできるこの塔の頂上は、狩人たちの狩場でもある。

この塔には、何故か古龍や希少種といった強大な存在が幾度も確認されている。

そのためだけではないが、この塔の調査はギルドの大きな信頼を得たハンターだけが行うことができる。

 

 

 

 

グギャァァァアアああアアアアアアアアア!!!!!

 

重苦しい音を立てて倒れ伏す巨大な赤。

それを見ているのは3人のハンター。

それぞれがG級と呼ばれる一握りの者たちしかなれないクラスであるだけでなく、

そのG級の中でもさらに少ない特別許可証を持った者たちである。

 

 

「……や、やったんだよね?」

 

ナバル装備に、盾斧を持った女が、盾を前に突き出しながら言う。

 

「……ああ、とうとう、やったんだ……」

 

女の言葉に、ガルルガ装備の男が、震えた声で答える。

 

「やった……とうとう……倒せた……」

 

その言葉を聞いたガブル装備の女は、へたり込む。

 

 

「…………狩れた! やっと、狩れたんだ!!」

 

動かないモンスターに、ようやく狩ることができたという実感がわいたのか、喜びの声を上げるナバル装備の女。

大急ぎで武器を仕舞うと、短めの黙祷をして剝ぎ取り用のナイフを取り出してモンスターの亡骸に近づいていく。

 

 

「ほら、とっとと立つんだ。 実感がないのはわかるが、早く剥ぎ取ってギルドに報告しに戻るぞ」

 

「え、は、はい……ありがとうございます……」

 

いつまで経っても立ち上がらないガブル装備の女に業を煮やしたガルルガ装備の男は、手を貸して立たせ、すでに剝ぎ取りを開始しているナバル装備の女の隣にまで行かせる。

黙祷を終えたガブル装備の女が剝ぎ取りを始めると、自身もモンスターの皮膜を剝ぎ取りにかかる。

 

 

「ああもう! 本当にどれだけ撤退したかとか覚えてないよ?! それぐらい強かった!」

 

「そ、それはそうですよ……あの、ティガレックス……その、存在しているかどうかも怪しまれていた"希少種"……なんですから……」

 

剝ぎ取りを終えたナバル装備の女は、昂ぶる気持ちを抑えられないとばかりにはしゃいだ声を出す。

それに、同じく剝ぎ取りを終えたガブル装備の女が抑えた声で応じる。

 

「まあ、とにかく、これは大きな発見だ。 剥ぎ取った素材も、ティガレックス希少種の存在を示す大きな証拠になるだろう」

 

「うん! そうなるね! こんな強い子の存在が知られないなんて、そんなの人生の半分以上は損してるよ!」

 

「……そのような考え方が出来るのはお前だけだこの戦闘狂」

 

「おぉぅ? 酷い言い草だね?」

 

「事実だ」

 

「……事実ですね」

 

「うっわぁ! 本当に酷いね君たちは!」

 

ナバル装備の女のことを口々に言い合いながら、最後に再び短い黙祷を捧げて3人は塔を降りて行った。

 

あとには、ティガレックス希少種の赤い亡骸が横たわっているだけだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ギュゥゥ(帰ってこない……)」

 

 




続きました!
やった!キティちゃん活躍しようね!
でも勢いがあるのは最初だけの竜頭蛇尾にもなりそうだね!

変なところがあったら指摘して下さると助かります……
こうやって書いてますけど、資料とかは本当にどれだけ探しても不足しているようなものなので……
てか、不足しまくりです。

さて、次はどのようにするべきか……


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つまるところ生きなければ

あらすじ

親が帰ってこない


…………はい、見事に夜。新月なのか木々の間から見える空は暗くて星が輝いています。

しかし、それだけ暗くなっても親は帰ってこない。

幾ら何でもおかしい。何かしら、あったのかもしれない。例えば、ハンターに狩られたとか……。

 

ティガレックスと言えば、その獰猛さとかそういうのが原因で即狩るか立ち去るのを待たなきゃいけない系列のモンスター。無駄に強いからその分強いハンターが狩りに来る。

そして、もし本当に親となるティガレックスが狩られたとすれば……

 

「…………ぎゅっ(詰んだ。)」

 

詰み。子供だけで、しかも孵ったばかりの私が生き残ることが出来る可能性は非常に低い。

動きもとろとろのさのさ……と、までは言わないが子供の身ではのろいし、獲物を探せても獲れるかと聞かれれば、キツイ。ケルピぐらいなら狩れるかもしれないが、この辺りにケルピが居る道理もない。ティガレックスの住処が近いのだから。

かと言って、遠出をしようものなら、いくらティガレックス希少種とは言え、まだ生まれたばかりの幼体。他の……それこそリオ夫婦に狩られるかもしれない。

冗談ではない。私はまだ死んでたまるか。この可愛い可愛いティガボディを堪能しきっていないのに。

だが、食料の問題は切実である。どうすべきか……

 

「…………ぎゅっ?(ん?)」

 

ふと、目に入ったのは巣の周りに生えていた草と青いぼんやりと光るキノコ。大抵巣の近くにはキノコとかが生えている気がする。

近づいて見ると、なんだかゲーム内で見たアイテムの名前が当てはまりそうな見た目の草とキノコであった。

試しに草の方を引きちぎる。粘つく。

キノコの方を……嫌々ながら食べてみる。うん、なんか回復した気がする。

 

ネンチャク草とアオキノコですね本当にありがとうございます。

てか、アオキノコなら食えるじゃん。2日ぐらいの食料にはなるだけの量あるし。本音?肉食べたい。てか、これが本当にアオキノコで良かった。ドクテングダケとかじゃなくて良かった。

ネンチャク草は……石ころとかがあったら素材玉に出来るかな?でも、合成とかって……どうしよう……

 

うん、出来なかったら諦めましょう。

そういう方針で。

最悪、ネンチャク草に関しては上手くやればそのまま使えそうだし。

……道具を使えば、生まれたばかりの幼体でもどうにか出来そうだ。うん、今の私はそう思う。

そうと決まれば、日が明けるのを待とう。暗闇の中で動くのは危険だ。見えないわけではないけど、それでも昼間よりはやはり見える範囲は狭い。そんな中に出れば、今の私ではあっという間に蹂躙されるだろう。主に今の時間ならホロロとかホロロとか蜘蛛とか。

 

そんなわけで、力を温存する意味でも、眠ってしまおう。そして、日が昇れば、食料と使えるものを探しに行こう。

あとそれから……まだしばらく、他のタマゴが孵らないことを祈ろう。今孵ってしまえば、共ども飢え倒れるだろうから。




ティガレックス希少種(幼体)の状態

生後半日
体長約1m
体重………kg(ここだけ引き裂かれていて、読めない)

現在、アオキノコが食べられることに気づいた様子。
巣からは出てこなかった。


独自解釈のタグを付けた方が良さそうですね…


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つまるところ、没ネタも使えるということだ。

あらすじ

とりあえず食べれるものと使えるものを探そう


……ゆっくりと覚醒していく頭と、しょぼしょぼする目を瞬かせながら、身を起こす。

ああ、確かに、私は生まれたばかりのキティちゃんの幼体だ。夢ではなかったことを認識する。

まだ薄暗い中、巣から顔を出しながらぼんやりと今日は使えるものと食べられるものを探しに行くことを思い出す。

本当は肉が食べられれば一番なのだが、生憎私にはまだケルビが狩れるぐらいの実力しかないと思われる。

だが、この辺りでケルビを見かけないため、糊口を凌ぐことが出来るようなものと使えるものを探しにいく。

そして、もしも見つかればだが、ケルビの群れを。

 

そういえば喉が渇いたが近くに水のあるところなどは無い。

つまり、私はまず、川なりなんなり、水源を探さなくてはならない。

だが、ここは密林……未開の樹海……と思しき場所。

違うかもしれないが、少なくとも見たことのあるエリアではない。なら、私は迷わないようにしていかなければならない。

 

そこで、私は少し考えた。

爪で木に跡を付けていくという事を。

とりあえず、まずはそこら辺の木で試してみようと思う。

まずは、この木に……。

勢いよくガリッという音をさせながら木に傷をつける。

傷をつけ、跡を付けたはいいのだが…………

 

爆破やられです、最悪です。

忘れていた。キティちゃんはとにかく新陳代謝が活発。そのため表皮の角質化が起こりやすい。

その角質が、爆破煙となる。細かいことは知らない。

とにかく、少しばかり爪を深く突き差しすぎて、それが原因で手?が木の幹に近づきすぎ、角質(爆破煙)を付着させてしまったらしい。

とりあえず、退避。

爆破煙の量はまだまだ生まれたばかりの幼体だからお察しだが、それでも爆発は危ない。

爆発するのを巣の中で待とうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………ドッカン

 

 

 

 

 

 

むっちゃ小さい爆発音だね?!

まあ、そりゃそうでしょうね何しろ生まれたばかりの幼体のですし?

そりゃ量もお察しですしね?

 

でもまあ、これで一応安全だろうと、巣から出てみる。

あの跡を付けようとした木は見事に一部が抉れていた。少し力を加えれば倒れるのではないだろうか。

まあ、それならそれで、使える材料になるかもしれないから良いが。

だが、これで木に跡を付けて道標にするという案は没になった。他の方法を考えなければならない。

帰巣本能とかそういうのは最終手段だ。

さて、どうしたものか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論というものは、何気に最初のアイデアから派生してくる。

つまり……

 

「ぎゅっ!(抉れた木が道標!)」

 

目の前の木に爆破煙を引っ付け、爆発して抉れた木を見届けて、次の木に爆破煙を引っ付ける。

つまり、抉れた木を道標にすれば良いと思ってたのだ。思ってしまったのだ。

没にした方が良かったのかも知れないが、これも一つの方法である。

事実、抉れた木を道標にするというのはなかなかに素晴らしくわかりやすいものだった。我ながら頭が悪いんじゃないかとは思うアイデアではあったが、結果は上々である。

ただし、爆発音はするため、幾つかの木に爆破煙を引っ付けたら即隠れる。爆発音に引かれてやってくるモンスターもいないわけではないからだ。事実、イャンガルルガが来た時には焦った。やつは耳が良いから。

 

 

そうやって道標に木を抉りながら進んでいると、なんと川を発見した。我ながらラッキーである。

 

正直、今すぐ川に駆け寄りたい。

だが、それは危険だ。なにしろ川には様々な生物がやってくる。ケルピやアプトノスのような大人しいものも、ディアブロスのような危険なのも、全て。

そんなわけで

 

警戒心マックスで川まで近づこうと思います。

まずは周りを見渡します。

次に空を確認します。

後ろを確認します。

対岸を確認します。

何もいませんね?

水の中は?

そもそもにしてむっちゃ浅すぎて何もいない。

 

安全確認はきっちり。

もう一回周りを見て……

 

水、ようやく飲めます。

な、長かった!約半日?ぶりの水!

 

目の前の水に口をつける。

喉が潤う。乾きが癒される。じんわりと水が染み込む感覚!

水が非常に大事なものだとつくづく思い知らされる。

時間が時間のため、ホロロホルルとかは気にしなくても(多少は)良いし、気にするべきはディアブロスとかレウス夫婦とかザザミとかだ。

 

ともかく、これで喉は潤った。なら次は

ここに水を飲みにくる可能性のあるケルピなどだ。

もちろん、しばらくはアイテムを探しに行こう。だが、それでもやはり、肉が食いたい。ティガレックスは元々肉食なのだ。肉が主食なのだ。その肉を求めて何が悪い。

いや、悪く無い。むしろこれは本能だ。

 

そんなわけで、私は地味に周りの草とかを回収しながらケルピやアプトノスが現れるのを待ってみるのであった。




ティガレックス希少種(幼体)

生後1日
身体記録:特に変化が無い為省略

道標に木を爆破して抉るという荒技に出る。
だが、その木はあの超人たちに見つかるとやばいのでは……?
そこら辺、まだまだ甘いと言える。

川を発見。
喉を潤した後、捕食対象となる生物を待ち構える。


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つまるところ、人間の感性は役立たないから無くなりかけているんだよ

あらすじ

捕食対象を待ち伏せる


水は全ての源である。

大抵の生物には血が流れている。その血の源は水であるし、水が不足すれば動けなくなる。

人間であろうと、体の半分以上は水。どのようなな生物であろうと、体は水でできている。

ゆえに、川という場所は全ての生物にとって重要な場所になり得る。

だが、同時に天敵すらもやってくる危険な場所にもなり得る。

 

数頭の頭に小さなツノを生やした白っぽい毛を持った鹿のような生き物と似たような形のより大きなツノを生やした緑っぽい生物がやって来た。

ケルビと呼ばれる生物の雌個体と雄個体である。

彼らは群れで行動している。

非常に臆病な生物で、隣のエリアに大型モンスターが居るのを感知すればすぐに逃げていくが、それはある意味では隣り合ったエリアのいずれかに大型モンスターが居るという指標になる。

また、時折見る互いの首をすり合わせ合う愛情表現は、狩りの最中であれ狩人たちの癒しとなっていたりする。

 

そんな彼らが川にまでやってきたのは、当然水を飲むためである。

彼らは水を飲むにあたり、最初に辺りを警戒する。

彼らは生態系の中では一次消費者。草食動物である。

二次・三次消費者である肉食生物に食われる定めである。

残酷などとは言ってはいけない。彼ら一次消費者が増え過ぎれば、生産者である植物が減りすぎるのだから。最終的には食糧不足となり、一次消費者は飢えて死んでいく。

そして数を減らす。その間に生産者は再び増えていく……のだから。

それはより上位の消費者にも当てはまるが、今はその話では無い。

 

 

 

いかに警戒をしたところで、狩られる時は狩られるのだし、

逃げるられる時は逃げられるのである。

 

 

_______?!

 

水を飲んでいたケルビの1匹に、草むらから飛び出てきた小さな赤いティガレックスが食らいつく。

首に食らいつき、嚙み砕き、息の根を止める。血が溢れる。

突然のことであれ、他のケルビたちは逃げ出す。

だが、一瞬動き出すのが遅れた1匹が、逃げ損ねる。

最初のケルビの息の根を止めたティガレックスは、その1匹へその牙を向ける。

 

 

がちんっ

 

だが、間一髪のところでケルビはその牙を避けた。

そして、そのまま逃げ去り、他のケルビ同様姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________________________________

 

つまるところ、私の初めてのおつかいならぬ、初めての狩りは、成功を収めたのである。

初めてにしては上等で、ケルビを1匹仕留めた。さすがに2匹目は仕留め損ねた。ギリギリで避けられたから。

……手を使っても良かったのかもしれない。そしたら、爆破煙が付いて、あのケルビは逃げたところで爆破で傷を負った……無駄なことかもしれない。私の目につかないところで傷を負ってそのまま死なれたら、他の生物の食糧が出来ただけだ。どちらにしろ、あのケルビが私の腹に入ることは無かっただろう。

まあまずは、このようやくありつけた食糧を持ち帰ろう。安全に食らえる場所は大事だ。

 

そうして、私は爆破して抉れた木を頼りに一度巣に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巣に戻った私は最初にケルビのツノをケルビから切り離すことにした。ケルビのツノは、薬になると説明文にあったことを覚えていたから。

ツノを噛み切る形で引き離し、口の中から出す。それを二回繰り返し、小さなツノを2本入手し、他の使えるものと同じように巣の一角に置く。

そして次に、巣から少し離れた場所に移動し、本体であるケルビに食らいつくことにする。

よくよく考えればわかることだが、血の匂いが巣にこびりついた場合、嗅覚の鋭い他の生物がやってくる可能性が出てきてしまう。それは非常にダメだ。今の巣には親となるティガレックスは居ない。いるのは私と二つの卵だけ。

逃げられる私はともかく、卵を危険に晒すわけにはいかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巣から少し離れた場所に移動した。

 

腹に食らいつく。

毛の感触、皮の感触、血の味が溢れ出る。

肝は食べない。後で埋めてくる。なにしろ、美味いのは肝臓や心臓ぐらい。他は食えるものでは無い。(特に腸はね)

 

肝を取り除くと、いよいよ本格的に喰らう。

 

皮も毛も関係なく

骨を砕きながら食べる。

コリコリという食感が楽しい。美味しい。

まだ暖かい血を啜り味を楽しむ。肉を喰らう。

血の匂いがすごく良く感じる。すごく芳しく感じる。本当に本当に

 

 

 

 

堪らなく、美味しいと感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………気づけば、あれだけ美味しかったケルビは無くなってしまっていた。

美味しかったなぁ……また獲らなくては。

 

 

それにしても、あれだけ前世では何かを傷つけるのが苦手だった私が、良くケルビを狩れたものだ。現世であるティガレックスの感性に引きづられているのだろうか。

それならそれで、良いことだろう。

つまるところ、この世界は弱肉強食。何かを喰らおうとすれば何かを狩らねばならないような世界だろう。生き残ろうと思えば、何かを排除しなければならないだろう。命をやり取りせねばならない世界だろう。

ならば、この感性の方が使えるだろう。

私が狩られる側になるわけにはいかない。排除される側になる気など無い。

私は生きるのだから。

 

 

さて、つまるところまずは強くなろうか。

強くなれば動ける範囲は広くなる。

強くなれば邪魔するものは叩き潰せる。

強くなれば喰らいたいものは喰らえる。

強くなれば出来ることが増える。

 

ふふっ……やってあげる。

ハンターとの協力は私の種族的にまず無理だろう。

だから、強くなってやる。

ついでだから、あのバカも探しに行こう。会えたら、意思疎通が出来れば……




ティガレックス希少種(幼体)
生体記録(変化なし)

捕食対象の狩りに成功。
以後、ケルビを中心とした草食動物を狩り続ける。


ティガレックス希少種(幼体)
生後25日
体長5.6m
体重__2kg(前半は切り裂かれていて読めない……)

成長によってケルビでは足りなくなったのか、アプトノスを中心として、時々アプケロスなど(俗称:ホーミング生肉含め)の草食動物を狩る。
後、巣のタマゴが孵る。ティガレックス通常種×2
ある程度の世話と狩りを教えた後…………



ーーー
さて、次の話では時間が飛びますよ。キングクリムゾンしますよ。
そのための生後25日記録ですから。

なお、前世の主人公は下手に想像すると傷を見ただけで自分も痛くなるという……無駄に想像力が豊かすぎた人間です。
そんなままだったら、ケルビの首骨を噛み砕いて息の根を止めるなんて真似は出来ませんでしたよ。当然、狩るということも、ケルビを喰うということも。(かなりグロいですし)

あと、人間の感性が残ってるところはあれですよ。美的センスとかそういうの。


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つまるところ、旅立つよ

あらすじ

兄弟が産まれました。今狩りを教えてます。


この世界で過ごしてそれなりな時間が経った。その間に、巣にあった他のタマゴが孵った。

ティガレックス通常種の幼体が二匹。恐らくで言えば、私の兄弟。

小さな子供であるからか、ティガレックスといえども可愛かった。目がキラキラしていて非常に可愛いかった。スピリッツで見た覚えもあるけど可愛かった。同じように小さかった私も生まれた当初は可愛かったのだろうか?

まあ、そんなの今更確認できることではないが。

 

今の私は、成体に比べれば遥かに小さいだろうが、それでも随分大きくなった。

当然、ケルビの一匹二匹では足りなくなり、私はさらに遠くに行った。

その行った先でアプトノスを見つけた。皆さんおなじみアプトノス。竜骨(小)と生肉を剥ぎ取れるアプトノス。

ケルビよりも大きく、ケルビよりも素早くない。

それもあって、私は二匹のアプトノスを狩ることに成功した。

片方は一番小さな子供、もう片方は群れの中で二番目に大きかったアプトノス。

大きな方のアプトノスを私はその場で喰らい、子供の方を巣まで持ち帰った。兄弟たちは大人しく待っていて、私がアプトノスを持ち帰ると早速嬉しそうに食べていた。

 

そうやって、私は兄弟たちが生まれてからの二週間を過ごした。

 

 

二週間もすると、兄弟たちの体長もそれぞれ大きくなってきた。ケルビを狩れるぐらいには。

そこで、私は兄弟たちを連れ、狩りをした。

最初のケルビの群れではケルビの捕り方を見せた。

次のケルビの群れでは、実際に狩らせてみた。

片方は獲れたが、片方はケルビを逃してしまった。

ケルビを獲れた方には、そのままケルビをまるまる一頭食わせる。

獲れなかった方は、なにも食べられない。

そんな風にしながら、狩りを教えていく。(獲れなければ食えないため、どちらも必死になる。)

 

元々、ティガレックスは獲物を探し求めてあちこちへと旅する。

時には、他の肉食竜たちとの争いになることもある。

だが、どちらにしろ共通するのはティガレックスは

基本的に一頭で行動するということ。群れをなすことはまずない。

孤高に一頭で獲物を求めて流離う。

その道程で他のティガレックスと殺しあうも良し。

他の肉食竜と喰い合うも良し。

野たれ死ぬのも良し。

全ては自分の力だけで生き抜かなくてはならない。

そのためには、この兄弟たちに狩りは一頭だけでするということを教える限り教えなくてはならない。

教えるだけで、協力はしないが。

 

餌をとってくるのは小さな時だけだ。そうしなければ死んでしまい、種を残せなくなる時だけ。

そのような時はいつまでも続かず、私も本来ならこのようなことをする必要は無い。

私の弱いながら残っている人間としての感性と、種を保存しなければならないという種族としての本能。それがたまたま良い具合に合わさった結果に過ぎないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからさらに一週間。

ようやく兄弟たちはアプトノスを狩れるようになった。

身体も大きくなった。

そろそろ、私も必要無いかもしれない。

兄弟たちはそれぞれ好きに生きていくのが良いだろう。

私も好きに生きる。それで良いだろう。

各々の判断で生きていく。

 

 

 

 

 

早朝、私は巣を離れる。

 

色々と集めたものは勿体ないが、探せばすぐに見つかるものばかりのため、置いていった。兄弟たちが使うこともないだろうから、巣が空いた時にメラルーやアイルーが使ってくれれば良いと思う。

 

兄弟たちはまだ眠っていたが、それぞれ離れて眠っていた。

己だけで生き抜いていくためには、良いことだろう。

 

かつて爆破して抉った木を頼りに、川まで行き、水を飲む。

この川とも、今日でさらばである。

 

 

樹海の中を進んでいくと、開けた場所に出た。

明るくなり掛けの空が見える。

 

周りには何もいない。

それを確認する。

 

……ティガレックス通常種が飛べて、希少種が飛べない道理はない。

なにしろ、ティガレックス希少種はあんな塔の上に居たんだ。塔を登ってきたとは思いがたい。塔の壁を登るにしても、あの塔は高すぎる。

ティガレックス通常種は、その場に留まったかと思えば一瞬で空まで跳躍した。そしてそのまま滑空する形で飛んでいた。

私にも出来るはずだ。

 

飛んだ時に木にぶつからないような位置にまで移動する。

そして、体を屈めて一気に伸ばす。

それだけで、私の身体は宙に放り出されるように浮き上がる。

慌てずに腕を広げる。翼腕は確かに風を受ける。

 

とりあえず、飛ぶことには成功した。方向転換はまだ出来ないが、まあ、良いだろう。

 

眼下には緑の絨毯のように、樹海が見えた。

ふと何を思ったのか、私は方向転換もできないのに右の方向を見た。

ぼんやりとだが、塔が見えた。

……ティガレックス希少種を狩れた塔だろうか?

私はそれ以上なにも思わずに、前を向いて飛び続けた。

 

とりあえず、上手くいけば氷海に行きたいと思った。

ポポ食べたい。




ティガレックス希少種(幼体 第二期)
生後66日
体長6.9m
体重___8kg(前半は破れて読めない…)

ティガレックスらしく、獲物を求めて旅に出る。
氷海に行きたいとは言っているが、行っている方向的には遺跡平原である。
ハンターに気をつけること。


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遺跡平原
つまるところ、ゲームで見たことのある景色です本当にありがとうございました。(嬉しさが隠せてない)


あらすじ

氷海に行きたいとは思いながら遺跡平原に行っちゃった


黄金色に輝く草原で、ケルビ?たちが草を食んでいる。

少し離れた場所では、アプトノスの家族がくつろぎながら過ごしている。

蔦のジャングルジムの下には、メラルーたちがマタタビを探している。

崖にはクンチュウが、浅い川のあるところにはジャギィとジャギィノスが居る。

 

ここは遺跡平原。

かつての文明の跡を残す場所。

MH4で登場し、豊富な素材ゆえに始めたばかりの頃はかなりお世話になる狩場。エリア1には回復薬グレートを作るための素材であるハチミツ、薬草、アオキノコが揃っている。

だが、チュートリアル兼序盤クエストの『調合の妙を〜』では薬草以外が撤去されて別の場所まで採りに行くことになることだけは解せない。幾らとってもなかなか無くならないから、助かりはしたが。

 

そんなわけで、私はやって来た。ティガレックス希少種の幼体はやって来た。氷海に行ってポポを食べたいと思いながら遺跡平原にやって来た。

完全に方向を間違えた。知らなかったから仕方ないが。

 

 

さて、遺跡平原にやって来た私がまずやることは何か。

それは安全な場所を探すことである。具体的には仮家を決めなければならない。

幾ら私がティガレックス希少種とはいえ、幼体である。弱い。

安全な場所が欲しい。以上。

そんなわけで、探そうと思う。崖の上とかが良いだろうか?

ゲーム内でならエリア7に当たる場所のエリア5に通じる道のところに、何かの巣のようなものがあった気がする。

タマゴはないが、そんな感じの跡があった。なぞの骨などが採れたな。とりあえず、そこに行ってみよう。

なお、今現在の私の居場所は、エリア3。今回はジャギィが居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え、エリア7到着……疲れた……段差ばっかだから余計に。

エリア4経由でやってきたけど、段差ばっかだから本当に疲れた。

飛べば良かったんだろうけど、気球に見つかっても嫌だったし……今日は気球飛んでなかったけどさ。古龍観測所も、忙しいんだろうね、きっと。そこ、カプコン製の飛行する乗り物は落ちるとか言わない。

 

とりあえず、まずは良い具合な場所を探さないといけないのだけど……

 

無いね

崖しか無いわ

エリア7止めますわ

 

そんなわけで、移動〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うん、天国。

どこかって?あははは、エリア10。上から侵入しました。

ネコの巣です。アイルーメラルーかわいい。でもごめんね!こんな怖いのが来て!

すごい怯えられてます悲しいです。今だけはキティちゃんボディを恨みます。

まあ、それは気にしすぎても仕方ないので、このエリア10で巣を作ろうと思います。え?狭い?

アッハッハ!

このエリアの壁を拡張するに決まってるじゃないか!

そんな訳で、目立ちづらいこの蔓草に覆われていて壁を壊していきまーす!どうせすぐ大きくなるから、暫くしたらまた拡張工事だろうけどね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜3時間後〜

 

はい、私の部屋完成。

それなりに崩したら爆破が出来たから楽だったね。

暫くしたら、また広げなきゃだけど。

あー、そうだ!ここに住むんだし、アイルーメラルーに引っ越し蕎麦ならぬ引っ越しキノコを採って来よう!

うん、そうしよう!

それじゃ、一旦出て……

 

 

いざ!キノコ探し!

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、乱入竜は一度出て行った。




ティガレックス希少種(幼体 第2期)


まさかのエリア10を拡張して自分の空間を作るという暴挙に出る。
アイルーメラルーが何事と言わんばかりに見ていても気にしなかった。
そして引っ越し蕎麦ならぬ引っ越しキノコを探しに行った。


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つまるところ、私はネコ好きなんだよ。それは変わらないっぽい

あらすじ

なにやってんのキティちゃん(転生者)

ところで、いい加減名前欲しいね


こんにちわ……?ボクはミカエル。黄色い毛並みのメラルーにゃ。

ボクと仲間たちは今日、とんでもないものを見てしまったのニャ。

それは、あのティガレックスの赤いのがボクらの家にやってきたかと思えば、突然岩を殴って壊し始めたのニャ。

すごい音が響き渡っていたニャ。

暫くそうやっていたかと思うと、大分岩壁が削れて出来た穴から出ると、また来た時と同じように上から出て行ったニャ。

 

…………これから、ボクたちはどうしたら良いのかにゃ?

みんな、引っ越す相談を始めちゃったニャ……

 

 

 

 

 

ーーー

 

ネコたちを恐怖に貶めてしまっているとは露とも思わず、彼女はキノコを探していた。

 

「(確かー?ここにあったよねー?)」

 

エリア4。隅にジャギィの巣がある、赤茶けた広大な台地。

地味に川が流れているが、彼女が居るのは、そのエリア4の中で最も高い段差の隅。

例の『調合の妙を〜』のクエストでアオキノコが採れる場所である。

 

「(お、あったあった。)」

 

アオキノコを見つけ、採ろうとして

 

「(あ、入れるのが無い)」

 

はたと気づく。

このままでは、咥えて持っていくことは出来るが、数が少なくなる上に、唾液まみれになる。

どうするべきかと考え出す。

 

「(…………単純に、持っていければ良いんだよ。なら…………ん?)」

 

ふと、目に写ったのは木の枝。太すぎず、細すぎず……

 

「(あ、そうだ)」

 

なにを思ったのか、枝を手折ると

 

ブスッとアオキノコを枝に刺した。

 

「(うん、こうすれば良いよね)」

 

器用に爪を使って、アオキノコを持って次々と枝に刺していく。

全てのアオキノコを刺し終わると、枝のアオキノコを刺していない部分を咥えて、その場から離れていった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

いやー!採った採った!

あれからアオキノコだけじゃなくてハチミツ(巣ごと)やら薬草やら!ネムリ草にネンチャク草!色々なのを枝にブッ刺して持って帰ってきたよ!

それから、アプトノスもね!火(篝火)あるしね!

 

ーーー

 

 

 

ニャァァア……またあの赤いティガレックスがやってきたにゃ。

しかも今度はいっぱい咥えて帰ってきたのにゃ。

あのアプトノスはティガレックスのごはんだろうし……でも、あの大量のキノコや薬草はなんにゃのにゃ?

 

って、アプトノス置いたと思ったらこっちに来たにゃー?!

 

 

 

逃げにゃきゃいけないけど、腰が抜けて動けないにゃくなる

あぁ、ボクの猫生ここで終わったにゃ……とうちゃん、母ちゃん、ごめんにゃ……

 

あのティガレックスが目前に迫ってきた。食われると思って目を瞑ったけど、いつまで経ってもニャンの痛みも無い。

恐る恐る目を開けると、目の前にはティガレックスが…………いない?

目の前にあるのは、ティガレックスじゃなくて、ティガレックスが持って帰ってきてたあの大量のアオキノコと薬草……がブッ刺さった枝。

ティガレックスは、あの、自分で掘った蔦に覆われた壁穴の中に入って行った。

 

…………けど、なんでこんな大量のアオキノコ置いていったのにゃ?

 

ボクはそれが謎だったにゃ……




ティガレックス希少種(幼体 第2期)

生後67日
体重???

アイルーメラルーへの土産を置いて自分で作った部屋に入ってアプトノスを食べて寝る。
体のあちこちが痛くなったため、藁を入れることを決意する。

ーーー
関係ない話ですが、作者のオトモの中に最初からウリエルって名前のオトモが居ますよ。笑いました。本当に天使の名前を持ってるんだもの…

あと……ドキドキノコによる擬人化、やってみたいと思う私です。
うん、やります。主に主人公の名前決定と主人公とネコたちの関係の為に。

そして……この遺跡平原、名物は?もとい、エリア5はなんの巣?エリア5に居た竜はなに夫婦?(フラグ)
ゴマちゃんが寝に来るとか言っちゃいけない。

2017.03.14追記
擬人化するルートとそうでないルートとで、分けます。
詳しくは活動報告で。


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遺跡平原ルート1
(ルート1)つまるところ、ドキドキノコっていつ食べたっけ


あらすじ

キティちゃん気づけ。アプトノスと一緒にドキドキノコを食べてるって。


「(んー……?なぁんか身体が変だなぁ…?主に身体が小さいような……?)」

 

目が覚めて最初に感じたのは違和感。

身体が小さいという違和感。

腕の可動域が妙に広いという違和感。

地面に膝が正面からついている違和感。

いや、むしろこの違和感になっているがかつては普通だったこれは……

 

「……………………………は?」

 

自分の腕は、肌色をしていた。

さらに言えば、これはティガレックス希少種の腕ですらない。

 

肌色の、人間の腕。

指は5本で、細かな作業に向いている手。

 

確かにそれは、人間の手。

 

 

目の端にチラチラと見える、赤銅色の花髪。

 

 

まさかと思い、自分の身体を見る。

 

華奢な、少女の身体があった。

なお、全裸ではない。そういうタイプのロリコンは引っ込むが良い。

私の身体は、まあ……部分部分が材料鱗のような、布っぽいなんかで覆われている。

それのおかげでギリギリ全裸ではない。そこ、変な想像しない。

部分部分というのは、胸部や下半身だ。そこが覆われている。

……だが、それにしたって大分際どい。女性ハンターの着ていた下着を思い出す。

正直な話、こんな格好で出歩くとか嫌だ。

だから

 

「…………ケルビ狩りだ。」

 

暖かい毛皮をせびりに行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤土の無駄に広大な台地。エリア4。

今はジャギィたちは居らず、ケルビたちがのんびりと草を食んでいた。

ところで、なぜジャギィがいないことがあるんだろうか。そこだけが私としては謎なんだが、一部の巣に残ったの以外の群れ全体で狩りに行っているんだろうか?

 

まあ、そのようなことは良いだろう。今は目の前のケルビに集中しよう。

 

今私は、ケルビから少し離れた位置にいる。こんななりの人間みたいになっているからか、キティちゃんボディと違ってすぐに逃げようとはしない。ハンターが近寄っても簡単に逃げないしね。

 

そのためとは言わないが

 

「こんな近づいても逃げないなんてね。」

 

歩いて近づいていき、ケルビまでの距離はあと1m。

それでもケルビは草を食んでいる。

さらに近づいていって、ようやくケルビは逃げようとする。

 

でもさ……

 

「遅いよね。」

 

ツノを掴んで逃げれなくする。

ケルビは逃げようと抵抗する。それを人間にしては明らかに強すぎる力で抑え込む。

そうしている間鳴き声を上げ続けているものだから、他のケルビたちは逃げていく。

だが、良い加減終わらせようとケルビを横に引き倒し、首を押さえ込む。しばらくすると、ケルビはぐったりとして動かなくなる。気絶したらしい。

そうして動かなくなったケルビの首を折る。鈍い音がした。

 

 

 

 

 

「よーし、それでは解体解体〜」

 

それでは、解体のお時間です。

一度巣まで戻ったところ、おそらくメラルーたちがハンターから盗んだであろう剥ぎ取りナイフ(ゲーム内ではありえません)が猫地蔵にお供えしてあったから、それを使わせてもらう。

頭部の下に切れ込みを入れ、さらに首から胴体、尻尾までにぐるりと切り込みを入れる。そこから肉から皮を剥がしていく。なんとも美味しそうだが、そこは我慢。

なんとか頭以外の全ての毛皮を剥がしきる。ちょっとした敷物のような感じになった。ただし、血塗れのため、一度洗ってから干す。

それから、皮を剥がしたあとのケルビを食べることにする。

なお、骨は一部残した。昔の人々がやっていたように針にするために。

 

 

乾ききった皮を一部ずつ切り離して、糸にする。

手製の針に糸を通す。

そうして、自分にとって必要な形に縫い合わせていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………まあ、こんなところか。」

 

パレオビキニ スタイル。言いたいことはわかって。

そういう形にした皮に紐を付けていったんだって。

 

ともかく、これで少しはマシになった。本当は普通の服が欲しいが、贅沢言ってられない。

それに、上手くいけばハンターが間違って殺してしまったケルビからまた皮が手に入るかもしれないし。基本ケルビは食うものです。

 

 

 

 

ところでなんだが、

 

この姿でなら、アイルーメラルーと話せるだろうか?




※作者は皮のなめし方とかよくわかってません。そのためとは言いませんが、主人公のやり方もテキトーです。多分後日皮の服はカビが生えます。


ティガレックス希少種(幼体第2期)

アオキノコやらなんやらかんやら色々と持ってきていたのは良いが、アプトノスを食べる際にまさかのドキドキノコを一緒に食べていたことに気づかなかった。
ドキドキノコの効果が色々とあり過ぎてその中の一つにアタル。
だが、当たりの方のあたり方をし、擬人化大成功。
ただし、本人的には下着同然の格好が嫌だったらしく、ケルビの毛皮で服を作る。おそらく後日、その服にはカビが生える。

ところで、ネコと話したいんだけど


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ルート1 つまるところ、私は

小説サブタイトル
(ルート1end)つまるところ、私は私のせいで死ぬ。


ネタバレは小説内でやる。私が出来る限り心掛けていることです。

ルート1は早めに終わらせます。
endタイトルは、あとがきに解説付きで。
なお、地味にネタバレ済み。主にルート2(ドキドキノコの効果がむっちゃ睡眠時間を延ばすであったために擬人化フラグは回避された)の時の。


結論から言って、この人間の姿は便利でアイルーやメラルーの中でも話せる個体とは会話出来た。

そうして、私は自分の正体と自分の目的を告げ、少なくとも害する気は無いことだけは伝えた。

完全には信じてもらえてなかっただろうが、時々キノコなとを差し入れたりして、少しずつ信じてもらった。

 

 

私に転機が訪れたのは、この人間の姿でキノコを採りに狩場にいた時のこと。

 

……まあ一言で言うなら、保護された。

 

やはりと言うべきではあるのだが、この姿だと感覚が鈍る。

元のキティちゃんボディなら、隣のエリアのハンターの匂いに気づくことができた。

しかし、人間の身体は非常に感覚が鈍い。そのせいで、ハンターが近づいてくるのに気づかなかった。

見つかって、逃げて隠れたけれども見つかった。

放っておくわけも無いと言えばなかった。

危険な狩場に子どもがいるのなど、見逃すはずもなかった。

 

おかげで私の楽しい野生ライフは一度おさらばする羽目になった。

何しろ、ハンターがしつこいのなんの……

言葉が通じたが故に、何としても保護しようと躍起になっていた。

いや、下手な言い訳をした私も私だった訳なんだが。

我ながら今思い返してもなんだ

『親に捨てられて仕方なくここに居る』なんて。バカか?

そりゃハンターもなんとかして保護しようとするわ具体的には人間らしい生活とかさせようとするわ。

あー、今思い出しても自分で自分に腹が立つ。

 

もちろん、隙を見て狩場に戻るつもりだ。だがしかし、もうあの遺跡平原には戻るだけ無駄だろう。下手に見つかっても嫌だし。

そんな訳で、今は私を保護してきやがったハンターのところで世話になっている。

まあ無駄に人が良い人が良い。ハンターとしての勘とかそういうのがなかったら騙されまくってたんじゃないかってぐらい人が良い。

正直あれだよ?少し頼まれただけでタダで苦労して手に入れたであろう素材とかを渡すようなお人良しだよ?

もうなにこいつ、聖人かなんか?

そんなのなせいで滅多に私も一人にはなれないてかこっちに来てから一人になった覚えがない。酷い話だ。

おかげでキティちゃんボディに戻ることもままならない。てか、最近キノコ効果が切れかけてきているのか、肌が赤みがかって来た。

正直ヤバい。

だから

 

 

 

 

 

 

夜逃げします。

 

……え?意味が違う?

細かいことは気にしない。夜に逃げるんだからある意味間違ってない。見つからないように抜け出しんだしある意味間違ってない。

夜逃げって見つからないように抜け出すじゃないか。

 

逃げ出しの決行は本日。ハンターが起きないように逃げます。

罪悪感なんてものはない……はず。

人間としての感性ではなく、ティガレックスとしての感性である私に、躊躇う理由などない。

 

 

 

 

 

 

 

夜になって、オトモたちもあのハンターも寝静まってしまったこの時間。深夜の時間。

 

そろりそろりと足跡を忍ばせて、窓の方によっていく。

窓を開けて、音がしないように着地。

そうして、私は駈け出す。

 

どこにいくかなど、決めていない。

とりあえず、私は行きたいところに行こうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

…………胸が痛いのは気のせいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………何年経ったとか、覚えてない。

けれども、私は成体のティガレックス希少種。人間からすればかなりの時は生きてきた。

けれども、その竜生は、今日終わりになる。

ここは塔の上。狩人たちの狩場。

引き寄せられるように、ここに来てしまった。

そこに狩りに来たハンターは、あの時、何の因果か人間の姿になっていた私を保護したあのお人好しなハンターにそっくりなハンター。

多分、血は繋がっているんだろうなとか、ぼんやりと思っていた。

 

手加減したつもりなんてなかった。

殺しに行ったつもりだった。

 

でも、

 

 

殺せる時に、動けなかった

隙だらけだったのに、私はただ威嚇しただけ

 

なにをやっていたのか

 

手加減もなにも、してるじゃないか

まったく、なにをやっているのだろう?

 

私は竜である。

人間と相対する存在。

なのに、なんでこんなことをしていたのか

 

 

 

 

そんなこと、わかっている

 

あのお人好しなハンターに重ねてしまっているからだ

あの優しかったハンターを思い出してしまっているからだ

 

 

私は、もう人を殺せない。

 

あの時、出て行く時に感じていたのは、哀愁か謝罪の念か

 

それとも…………出て行くことへの後悔か

 

 

バカなことであった。

あのハンターに会ってしまって、共に過ごしてしまった時点で、私は半端だった。

いや、元々半端だったのが、さらに酷くなったというべきか?

ティガレックスとしての獰猛さに身を委ね切れず、もう違う筈だったのに、また人に戻ってしまって

そして人と過ごして、また人の好意というものに触れてしまって

 

 

…………あのハンターのことを思い出した時点で、あのような時を過ごしてしまった時点で

私の結末は決まっていたのだろう。

 

 

 

人を憎からず思ってしまっている時点で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………あーあ、倒されちゃった。

 

倒れた私の視界は暗くなる。

最後に見えたのは、血まみれで荒く息をしている、あのハンターにそっくりなハンターだった。

 

 

 

 




endルート1
はい、かなりぶりの更新です。
活動報告の方にあったように、
"擬人化フラグはどこにでも乱立しています。そのフラグが回収される度にルートは分岐していきます。"


そんなわけで、まずはルート1
捨て切れなかった人間への好意

ようするに、相手を殺せなかったために自分が殺されるパターン。
あのハンターに保護された時期は、まだティガレックスとしての感性は完成仕切ってない時期。(ダジャレじゃないよ?)
そこへ、人間の好意を注ぐと、まだ消えきってない人間の感性が強化もとい割合が増える。

ティガレックスと人としての感性の対比は
あの保護された時点で7.5:2.5
それが、人間の好意を注ぐと、
6:4にまでなる。

ティガレックス感性が完成していれば対比は
9.5:0.5
なお、あの0.5は美的センスと知性。(作者が本当にそんな風に書けるかは話が別。)

まあ、つまり、
人間を殺すことに躊躇してしまう、人間の感性が出てきた末のデッドエンド。
そして、あの狩ったハンターは見事にティガレックス希少種の初狩りとなる。

……………………この世界線でのキティちゃんは、友人(リオレイアのストーカー)に会えていません。
なにしろ、会う前に遺跡平原を出てきてしまったから。

ルート2では…………登場させます。てか、させないと話が進まない。


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ルート2
(ルート2、開始) つまるところ、寝過ごした?!(ということに早く気づきなさい)


同じような時間に見える
それはそうだ。なにしろ、

2日後の同じ時間帯なのだから。

ドキドキノコの効果:ランダム
今回は睡眠時間延長。
丸2日寝ていた。


は ら へ っ た !!!!!

 

 

むっちゃ腹減ってるんだけど、どゆこと?!

日の傾きを見ている限り、そんなに時間が経っているとは思えない。なのに凄まじく腹が減っている。

どういうことだ

 

 

 

まあいい今は飯だ具体的には肉だなんか食えるものを探しに行く。

 

 

ーーー

エリア移動中

 

黄金の草原が広がるエリア3に着いた。ここにはアプトノスがいることがある。

そのアプトノスが目的で来たのだが……

居るのは、ガーグァ。ラッキーだ。ガーグァはまだ食べたことがなかった。

ガーグァはよく荷車を引いていることのある鳥竜種である。

大人しく臆病な、ジャギィなどと先祖を同じにする生物。

後ろからそっと近づいて驚かすと、タマゴを産み落とす。そのタマゴは美味で、特に天然物は価値が高い。

しかし、タマゴを取るのは良いが、ガーグァの中にはお尻アタックで反撃してくるものもいるため、少し間を置くことが勧められる。タマゴを割らずに持ち帰りたければ。

 

ガーグァは、タマゴもそうだが肉も美味しいらしい。そうでなければハンターも生肉を入手しようとなんてしないか。

 

 

 

さて、まずは見つからないようにガーグァに近づいて……

ガーグァは飛べない鳥のようなものであるため、如何にも食べて下さいと言っているような進化を遂げている。

彼らが繁栄出来ているのは、その警戒網と驚かすとタマゴを落としていくという特徴のおかげだろう。

敵に真っ先に気づいてとっとと逃げる。少し脅かせば、食料となるタマゴを落とすため、わざわざ殺す必要はそこまでない。

 

だがしかし、私はタマゴだけで満足出来るわけでも無いし、逃がす気も無い。

あの警戒網を掻い潜り……

 

一気に狩り取る

 

 

 

ドリフト突進の猛スピードでガーグァ一体と正面衝突する。一気に吹っ飛ばされて地面に叩きつけられたガーグァは動かなくなる。少し頭がチカチカするが、まずは一体を仕留める。

次に逃げて行っている別のガーグァに猛スピードで近づき、前方ステップ回転で仕留める。

 

 

 

…………他は逃げてしまって仕留められたのは二体だけか。まあいいか。これだけあれば、大体は足りるし。

 

目の前の仕留めたガーグァを、先に仕留めたガーグァのところまで持っていく。

そこでふと思い出す。ガーグァの羽はアイルーやメラルーたちにも利用されていることを。

 

ここで食べるつもりだったが、気が変わった。持って帰ってみようと思う。

食べた後でだが、羽がついたままの皮をアイルーたちに渡してみたら、どうなるのかが気になる。

うん、そうしてみようか。

 

そうして、私は狩ったガーグァ二体を引きずりながら、エリアを移動する。

途中でジャギィやらが狙ってきたが、咆哮でふっ飛ばしつつ。




ティガレックス希少種(幼体二期)
生後69日目

気づかない
自分が丸2日寝まくってたことに


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閑話 転生生活さいっこぉぉぉぉぉぉぉぉおお!!!!byどこかの子レイア(若干加筆)

閑話レッツゴー
さあさあ!みなさん!ついに出ますよ!
キティちゃんの友人もとい、リオレイアのストーカーが!

なお、タイトル詐欺なみに中身はシリアス


遺跡平原には、火竜の夫婦が巣を作っている。

彼らは今年つがいになった若い火竜の夫婦である。そして、初めての子を持つことになる。

 

火竜の夫婦は、役割を分担して子育てを行う。

雄はその優れた飛行能力で上空からテリトリーの監視

雌はその優れた脚力を活かした狩りと子竜の世話。

この時期の火竜夫婦を下手に狙おうものなら、連携の取れた素晴らしい反撃を食らうだろう。

なお、妻のサマーソルトで夫が叩き落されるのがお約束とか言っちゃいけない。(そして恐妻家は例の虫夫婦が一番似合うと思われる。)

 

 

さて、そんな火竜夫婦の巣の中のタマゴ。

その中の一つが孵ろうとしていた。

 

カタコトと揺れるタマゴ。

しかし、殻は割れない。殻が硬すぎて、中の子竜の力だけなかなかでは割れないのだ。

そこへ、タマゴが揺れていることに気づいたらしい夫竜が舞い降りる。

タマゴが揺れていることを確認すると再び飛んで行く。

しばらくして、妻竜が帰って来る。その後ろに夫竜が舞い降りる。

 

揺れるタマゴ。妻竜は恐る恐るタマゴをつつく。

一度タマゴの動きが止まり、再び大きく揺れ出す。

それを見ると、妻竜は自身の翼の爪でもって、タマゴを割ろうと試みる。

しかし、初めてなために恐る恐るで、とても不器用。タマゴはなかなか割れない。

 

 

 

そうやって悪戦苦闘すること約五分。

ようやくタマゴにヒビが入り出す。

パキパキという音を響かせてタマゴは割れる。

タマゴが割れ切って中から出てきたのは、間違いなくリオ夫婦の子供であるリオレイア。

 

 

ただし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希少種である。

 

 

金の月と呼ばれる金色のリオレイア。

リオレイア希少種。

数少ない希少種は、この夫婦の間に生まれた。

 

だが、このレイア希少種

 

「…………(あ、あれぇ?なんで目の前にマイラブリースイートハートにしてエンジェルたるリオレイアと、その夫がいるの?)」

 

少しばかりリオレイアというリオ種族の雌個体に対する愛が多大過ぎる人間の生まれ変わりであった。

リオレイアなら亜種でも希少種でもいい、あとUNKNOWNは見た目だけなら好きというやつであった。

なお、こいつにとってリオレウスはヘタレウスという基本認識である。空飛びまくって降りて来ないからというのが本人談である。大体のハンターの共通認識ではあるが。

 

 

 

 

もっとも、そんな裏事情はリオ夫婦には関係は無い。

 

「ギャゥぅ……?!(くすぐった?!)

 

リオレイアは金色の子の頭を舐める。まるで水に濡れた子供をタオルで拭く母親のように。

その仕草には人間で言えば愛情と言えるものが見えた。

それを見たリオレウスは飛び立っていく。まるで子供のために仕事に出かける父親のように。

 

 

彼らは初めて生まれた自分たちの子を育てていくだけである。

彼らは彼らのやり方で、人間とは違う愛情を自分たちの子どもに注ぐ。

 

 

 

 

「ギュゥゥ……(どうなってんのこれ……)」

 

それを彼女は甘受する義務がある。

例え元は別の世界に生きていたものの魂だろうと、この夫婦の子として生まれたのだから。

 




タグ:独自解釈

さて、今回このリオ夫婦の行動系列は、私がリオ夫婦に関する説明を探せる限り探して、その上でのものです。
なんらかの違うところがあるならば、ご指摘を下さればと思います。

そして、希少種は通常種から低確率で生まれて来る……のだろうか
実際どうなんでしょうか……


追記2017.6.27
たまごが中の子だけでは割れない。これには、ちゃんとモデルになった鳥がいます。
あの、デカイ飛べない鳥、ダチョウです。
非常にに殻が硬く、大人が乗っても割れない。人間が割る際にはトンカチのようなものが必要となります。
一応ダチョウの雛は、自分で凄まじい苦労をして割って来ます。

ですが、これがドラゴンのたまごならどうなるのかと考えました。
恐らくですが、ダチョウよりも大きな彼らの卵の殻は、それはそれは分厚いことでしょう。それこそ、余程のことをしないと割れないのでは無いでしょうか。ハンターが落とした時はその余程のことでは。あのダイアモンドが、ハンマーの一撃で砕けますし、それと同じ原理で。
それほどまでに分厚い殻を中の子だけで割れるのか?
無理だろうと、いう判断をしました。たまに割れる子はいるかもしれませんが、それは滅多に居ないでしょう。恐らくその子竜は将来的に金冠サイズになれます。
そう色々考えて、中の子竜だけでは割れないとしていました。ですが、少しばかり言葉が足りないことに気づいて追記をしました。
"なかなか"割れない、と。

無駄に長い説明でしたけど、以上です。
ここまで読めた読者の方、感謝します。


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つまるところ……仲良くしようと思ったら好感度を上げなきゃいけないんだよ(ギャルゲーですか?)

あらすじ


皮付きのガーグァの羽を猫(違う)に渡そう
そしてどっかで希レイ(レイア希少種の意味)が生まれたな


アイルーたちには戸惑っていた。

 

 

 

先日、彼らの住処に小さな赤い轟竜がやって来た。

小さいと言っても、アイルーからすれば相手は大きく自分たちよりも強い。

まして、度々通常の轟竜がやって来ている場所のため、その強さも危険さも重々承知していた。その小さな赤い轟竜が自分たちの住処に住み着いた時点で引っ越す話をしていた。

だが、その小さな赤い轟竜は普通の轟竜と違った。

住処に住み着いた以外、特に危害を加えてくるわけでもなかった。

それどころか、キノコを採ってきたかと思えば、それを自分たちの方に置いて引き下がる。キノコを取ったところで襲われるわけでもない。寧ろ取らなくとも次の日には新しいキノコに変えられている。

しかし、置かれたキノコを取った時と取らなかった時では、明らかに次の日に置かれているキノコの量が違う。倍ぐらいになって置かれている。さすがに多すぎたため少し残して置いておくと、前日持っていった量と同じぐらいの量が置かれている。

 

 

そんなことの繰り返しなのだ。

あの小さな赤い轟竜は、危害を加えて来ない。

 

そのことには、長老たちも驚いていた。長く生きて来た長老たちは、轟竜というものの危険性をよく知っている。轟竜によって死んだ仲間たちも少なくは無い。

そのため、轟竜というものがどれだけ危険なのかは、重々承知していた。

そんな轟竜が…………

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

子どもというものは、どのような種族であれ

やんちゃで好奇心旺盛なものなのである。

親にするなと言われたことほど、やりたくなる。

 

ここに、アメショ柄の水色の毛のアイルーの子がいる。

他の兄弟もわんぱく盛りだが、この子猫は特に手がかかった。

 

行くなと言われたところに行く

やるなと言われたことをやる

 

典型的な手のかかるガキであった。

 

 

 

そんな子猫は、今日も親の言いつけを破っていた。

 

"絶対にあの赤い竜にも、あの赤い竜が住み着いている巣にも、近づかないこと"

 

そう言われたのに、子猫は赤い竜がいない事をいい事に巣に近づき、剰え侵入すらしていた。

 

 

巣の中には、様々なものがあった。

薬草、ゲドクソウ、ケルビの角、ネバネバソウ、鉄鉱石

そして……

 

 

(……!こ、こりぇは……またたひ?!)

 

マタタビ。

アイルーもメラルーも大好きな植物。

その匂いを嗅ぐだけでアイルーもメラルーも酔っ払ったようにふらふらとし始める猫にとっての至高の一品。

時にハンターたちは、このマタタビをポーチの中に忍ばせ、メラルーに盗ませる事でアイテムを守ったりという事に使うという。

 

子猫であれど、そんなものを見つけたからには持ち帰ろうとした。

 

その時

 

 

 

「…………グ……グるるる…」

 

後ろから聞こえて来た低いうなり声。

子猫が恐る恐る後ろを向くとそこには……

 




一月ぶりの投稿……
スランプと、文字が出てこないと、思いつかないと、指が動かないの四連発で……(全て同じ意味しかない)

良いところで(本当に?)終わってますが、まあ、
…………また、お待ちください。
スランプなんて滅べば良いのに…………


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つまるところ………だよ?いくら私が肉食竜だと言っても、アイルーを食べるわけないじゃないか。

基本的に、私は子どもというものは嫌いだ。

もっと言えば、人間の子ども。

うるさいし、考えなしであちこち歩き回って危なっかしいし、すぐ泣くし、ワガママだし、親の庇護が無いと生きられないし、ふにゃふにゃして壊れそうで怪我をしやすくて……

 

 

 

だから、子どもは嫌い。

親のいいなりになるしか無い子どもは嫌い。

ワガママな子どもは嫌い。

うるさい子どもは嫌い。

壊れやすい子どもなんて嫌い。

……そう、嫌いなの。可愛くないし。

 

それに比べて、仔猫とか動物の子どもは可愛かった。

ふわふわして、小さくて、目も大きくてクリクリして、成長も早いから1年もすれば大体は大丈夫になっていた。

 

 

そんなわけで、私にとってこのアイルーの子は非常に可愛い存在なのであった。

食う?とんでもないトンデモナイ。とてもじゃないが食えない。量だって少ないし、こんな可愛いの食えないし。

 

だがしかしながら、相手からしたらそう言うわけではないのでしょうね。人間なら目の前にライオンが居るようなもの。アイルーの子にとって私は恐ろしいもの。とてもじゃないが、これは仲良くなるというのは無理だろう。このガーグァの皮は無用なものになってしまったわけだ。

そんなわけで、アイルーたちと仲良くなるのは諦めなければ。ここは天国だが、巣も変えよう。目の前のアイルーの子の怯え方が、仲良くなるのは無理だという証拠だ。

私はガーグァの皮を置いて、破棄することにした巣から出る。アイルーの子は助かったとでも思うことだろう。

 

 

エリア10から飛び出し、新たな巣を探すことにする。

しばらくしたら、遺跡平原から出て行こうかと思う。

それまでの、仮宿を探す。

しばらく、そこで力を蓄えよう。エリア9辺りがいいかな?たしかあそこは元々ティガレックスが寝に行く場所だったし。少しばかりジャギィとジャギィノスがうるさいかもしれないが、まあ、そこら辺は侵入税として受け入れておこう。元々あそこは彼らの場所だし。

 

そんなわけで、私はエリア9と思しき方向へと飛んで行く。そこを新しい、しかしながら仮の拠点とするために。

……蔦に絡まらないようにしよう。あと、着いた時にあの緑の水に見えるアレに突っ込まないように。

 

 

 

__________________________________

 

被害らしい被害は無し。精々エリアが拡張した程度。

そんな被害とも言えない被害だけで赤い轟竜が居なくなったことにアイルーたちは驚いた。

むしろ、住み着いていた穴の中には役に立ちそうな素材やマタタビのような猫にとっての娯楽品まであった。被害どころか置き土産である。

 

そして、あれほどキツく言ったのに住み着いていた穴の中に入った子猫は散々叱られた。だが、何もなかったことにはみな安心し、それ以上のお咎めは無かった。

ただ、恐ろしかったや親の忠告は聞くべきだという教訓のようなものを子猫は学び取った。

 

ただそれだけで、アイルーの巣の騒ぎは収まった。

 

 

__________________________________

 

ところ代わってここはエリア5、飛竜の巣。

巣の中には、小さな赤茶けた鱗を持った子竜たちが寄り添いながら眠っていた。

 

その中の、たった一つ

キラキラと輝く金の鱗を持った子竜だけが、眠っていなかった。兄弟姉妹が眠っているのを確認すると、起こさないようにそろりと抜け出す。

 

どうやら、最初に生まれた希少種レイアが動き出したようだ。




キティちゃん、アイルーとは仲良くなれないことに気づく。そんな回。

ひっさびさに投稿しておいて、これですが
みなさん、お気づきですか?
キティちゃんの語りの違和感に。

食う?とんでもないトンデモナイ。とてもじゃないが食えない。"量だって少ないし"、こんな可愛いの食えないし。

……量があったら食うのかな?恐ろしや……
なお、子どもはきらいきらいと言いながら、言葉の端々に子どもが傷つくのが嫌なだけというのが滲んでいる。



エリア9に移動させた理由
どこから飛び降りれば、エリア9に行きますか?
エリア4以外で。
そして、次は希レイアからの視点から動き出します。


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邂逅は案外近く……つまるところさ

あのアホは、やつにとっては幸運で(タイトルはあとがきへ続く)


やあやあ!皆さん初めまして?

転生リオレイア希少種だよ!

いやー、この世界に来てよかったよ!自分はリオレイア、当然ながらお母様もリオレイア、姉妹たちもリオレイア!パラダイス!

いや、親父とか兄弟とかは当然リオレウスだけどね?リオ種族の雄個体だし?

UNKNOWNとか言うどっちなのかわかんないのはのはいるけどさ。てか、あれリオ種族ですら無いし。それを考えると見た目だけ黒い、リオレイアに酷似しているだけのもの。あちこち違うし。尻尾は棘がでかいし赤い。目だって最初は黒いのに赤く輝きだすし翼の爪こと翼爪も大きくて赤いし さっきからでかくて赤いしか言ってない気が

 

 

 

〜リオレイアUNKNOWN違い解説が続いています。しばらくお待ちください〜

 

 

で、あるからして……あれ、なんかすごい時間が経ってる?!具体的にはさっきまで東にあった太陽が気付けばかなり登ってる?!

やばいヤバし!本日はお母様も居ないこの時を狙って他のとこに行くつもりだったのに!そんなわけで速攻で行かなきゃ適当にこっちってあれこっち足場がn

 

 

「ギャァァァアア〜?!!!!?!(落ちる〜?!!!!?!)」

 

ここで補足入れると、まだ飛べないんですよ?!理由?!

小さすぎて翼の力も弱いし、体の方が重い!!!今現在も必死で動かしてるけど、飛べません!せいぜい少しばかり落ちる速度が弱まっただけでね?!

 

そんなわけで、

真っ逆さまでなくても落ちていくのでした☆

 

マジで誰か助けて?!?!!!!

 

 

 

_____________________________________

 

きれいな きれいな きんいろが

おちてきたよ?

ちかくで みてみたいな

けどね、けどね、

おちたのは、あかい やつの むこうがわ

だから、ちかづけないの とめられちゃうの

とっても あぶないって きこえるの

だから、ぼくたちは す の なかから のぞくの

 

 

みているの

 

__________________________________

 

 

うつらうつらとしながら、私は今日の狩に関して考えていた。

この遺跡平原は非常に多くの獲物となる生物が存在する。アプトノスやケルビ、ガーグァと言ったハンターたちも美味しく食べる生肉が獲れる生物が。

だがしかし、獲り過ぎは生態系を崩してしまうし下手をしたら何事かと見に来た飛竜観測所に見つかりかねない。

なにより餌が少なくなる。刹那的快楽と同様な刹那的食欲に負けて食べ過ぎてはならない。

 

…………まあ、生態系云々は今回別に良いだろう。

重要なのは、気球である。今日の狩に関して考えていた原因として、気球を見かけたのが原因である。ハンターやってた頃には世話になりました。

あの気球は前世で色々調べていた時には、恐らく古龍観測所のものではないかとは推測されていたが、普通に色んなところを飛んでいた。時にはハンターがペイントを付け忘れて見失った狩猟対象の場所を教えてくれたり。

遺跡平原で見かける理由はなんとなくわかる。ここではたまにオオナヅチを見かけることがあるから。見えないものをどうやって観測するんだっていうのは突っ込まないけど。

 

ともかく、今回考えるべきは、思っていたよりも早めにここを離れるか否か。

確実にあの気球には見つかっていることだろうから、もしかしたら調査という名目でハンターを送ってくるかもしれない。下手したら狩猟依頼が出されるかもしれない。

それは至極勘弁願いたい。まだ私はこの竜生を手放すつもりはさらさらないのだから。

 

だがしかし、まだこの遺跡平原で気になることがあるのも事実。

それは、時折見かけるリオレウス。そして、鉢合わせかけて慌てて隠れた、アプトノスを狩に来たリオレイア。

あのバカのせいで少しばかりの知識はあるが、普段のリオ夫婦は同じ縄張りの中にいるわけではないらしい。リオレイアとリオレウスはそれぞれ生息している場所がズレているらしく、繁殖期だけリオレイアの方がリオレウスの生息地にやってくる……らしい。

はっきりしないのは、あのバカから聞かされたことがうろ覚えだからだ。少しばかりきっちり聞いておけば良かったと後悔している。

 

で、何が言いたいのか。

あのリオ夫婦が一緒にいるということは、ちょうど今は繁殖期なのではないかということだ。

そして、その場合巣には卵か仔竜のどちらかがいる。

 

 

 

 

……ハズレかもしれない、そもそもにして巣に近づけないかもしれない。

だがしかし、もし仮に、あのバカがこちらに来ていた場合、

 

間違いなくリオレイアになっているはずだ。断言する。

さらに言えばあいつがいる場合の確定条件にしてもいいぐらいには、あいつはリオレイアになっているはずだ。

ハンターの可能性?無い。あいつはリオレイアを狩る場合は必ず捕獲していたやつだ。一回たりとも討伐をしたことがない。狩猟事故?そもそもにして起こさせない。捕獲可能体力になっても攻撃を続けているやつはタル爆Gで吹っ飛ばしたりしていたようなやつだ。

リオレイアへのダメージ?それがないほどの完璧な位置で爆発させていた。

そんなあいつが、リオレイアの討伐という依頼が来かねないハンターになるわけないだろう。

もう一度断言してやる。あいつはリオレイアになっている。

どのような狩猟場所だろうとどんなにペイボを付けていなくとも、見失っても必ず最短で一番にリオレイアのいる場所に直行するようなやつだ。正直私も引くぐらいのバカだ。

そんなバカがリオレイアでない訳がない。

 

言葉が通じないかもしれない。巣にたどり着けないかもしれない。そもそもにして親のリオ夫婦に殺されるかもしれない。

それでも、私は確かめずにはいられない。否、確かめたい。

 

だから…………

 

 

 

 

 

「ギャァァァアア〜?!!!!?!(落ちる〜?!!!!?!)」

 

は?上からの声?

 

いや待てちょっと待て何故鳴き声の筈なのにあの聞き慣れた声に聞こえr

 

 

 

 

 

〜キティちゃんの思考が乱れました。正常になる次の話までお待ちください〜




私にとっては最悪なことに、私の上に落ちて来やがった(ここまでがタイトル)

長いかつ妙に引っ張ったタイトルです、はい。
さすがにこういう話で、タイトルネタバレは避けたかったんです。
しかし、タイトルがあとがきまで続くのはなかなかにシュールですね……。

そして、早めに離れるべきか否かと言っているわりになんか結構長い時間居そうな感じになっている。

なお、途中の平仮名だけの文は……まあ、
書いているエリアとジャギィでお察し頂けるとありがたいです。この小説には、仔竜という概念が主人公ペア以外にも(見えないところ含めて)結構登場しますから。

はぁぁぁぁ…………
夏休みが近づくにつれて、ドンドン課題のレポートが溜まってレポート地獄……


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古龍観測所の報告ノートより

うーん……これでいいのだろうか……


古龍観測隊より、本部へ

 

報告。

遺跡平原にて、体色と攻撃方法から

最近存在が確認されたティガレックス希少種と思しき個体を発見。遺跡平原に住み着いている模様。

しかし、体長は小さく、通常の最小ティガレックスの半分以下と思われます。

 

 

 

本部より、古龍観測隊へ

 

了解。

恐らく、その体長の小ささを聞く限りでは小さなまま成長しなかった特異個体、もしくは仔竜の可能性があります。

しばらく遺跡平原で、そのティガレックス希少種と思しき個体の観測を続けてください。

 

 

 

古龍観測隊より、本部へ

 

了解。観測を続行致します。

報告。遺跡平原にてリオレイアとリオレウスが巣を作っていた模様。

巣の中に卵があります。

繁殖と安全のため、しばらく遺跡平原への立ち入りを禁止することを推奨します。

 

 

 

本部より、古龍観測隊へ

 

了解。それは喜ばしいことです。

最近増えたマナーもモラルも無ければ最低限の矜持も自然への敬意すらないハンターのせいで減少の一途を辿っていましたから。

早急に、遺跡平原への立ち入りと狩猟を禁止します。

先のティガレックスと同様、気をつけて観測を続けてください。

 

 

 

古龍観測隊より、本部へ

 

了解。

全くをもって嘆かわしい限りです。ハンターとは、モンスターを絶滅させるための職業ではないというのに。

 

報告。

巣の卵が一つ孵りました。どうやら今回巣を作っていたリオ夫婦は若い個体のようで、卵を割ることに時間がかかっていました。ですが、無事卵を割ったのは良いのですが、中にいた仔竜が問題です。

確かに、リオレイアだったのですが、中の仔竜はどちらの親とも違う金色の甲殻を持っていました。

これは、希少種では?

 

 

 

本部より、古龍観測隊へ

 

了解。

赤茶けた色ではなく、金色の甲殻だったのですね。

ありえない話ではありません。亜種や希少種と区分けされていますが、元は同じリオ種族。ごく稀にですが、リオレウス亜種と通常のリオレイアが番いになっていることがあります。

そして、さらに稀にですが、親のさらに親、もしくはさらに遠い先祖が亜種や希少種だった場合、隔世遺伝のように通常の親から亜種や希少種の仔が生まれる事があります。その逆もまたしかり。

考え得る限り、それでは。

 

しかし、希少種ですか。亜種以上に獰猛で、さらに見つかり辛いものです。研究も進んでいないので、先のティガレックスと同様に観測を続行してください。

まあ、まだ仔竜なので、通常のリオレイアと違う部分は少ないとは思いますが。

 

 

 

古龍観測隊より、本部へ

 

了解。観測を続行します。

 




キティちゃんキティちゃん
どうやら、君が思っているよりも前に気づかれていたようだよ。


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そうそう!懐かしきこのやり取りだよ!by金仔竜

会話文が入ると、会話ばかりになってしまう……
描写するところがないといえばそこまでだが……
悩みどころです。


頭の上に落ちて来やがったアホのおかげで完全に思考が乱れた。つまり混乱した。私にしてはみっともない醜態を晒した。

許すまじ。

 

そんなわけで、私は未だに目の前で

 

『イヤァァぁぁぁぁア!!!!! なんで私無傷なの?!』

とか

 

『Whyっ?! キチィちゃん?!?! ここ遺跡平原だよ?! なんで希少種?!!!!』

とか

 

『うわーーーん!!! ごめんお母様! あとついでで親父! ぼくここで死ぬかも〜!!!! まだ生きたかった!!!!』

とか喚いているアホをいい加減止めようか。てか、こいつ確定であのアホだ。間違いないぐらいには言動がそのまま。

 

『おいこらアホ』

 

『アホじゃないよ!バカな行動したけど!

……って、

シャベッタぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!?!?!?!』

 

『喧しいうるさいアホいい加減黙って人の話聞けこのリオストーカー』

 

『リオストーカーは褒め言葉っ!あと人じゃないよね竜だよね?』

 

『揚げ足を取るな、もう一度言う。

黙って人の話聞けこのアホ』

 

『普通に考えて聞けないよね。

あと絶対ありえないのは明らか様鳴き声唸り声のはずが聞きなれた声に聞こえることだね。うんありえない。

あのキティちゃんのストーカーがいるはずない。てか剰えキティちゃんになってるはずがない。』

 

『おいこら待てこら』

 

『いるはずないったらいるはずない! 私はここで目の前のキチィちゃんに食われちゃうんだ! うわぁぁぁぁぁぁんんん!!!!』

 

キレた。ピキッときた。このアホにわからせるにはこれしかない。

それは……

 

『貴様は馬鹿か? 本当の意味での脳無しか? 思考する頭はあるのか? 貴様の頭はあれか? 狩猟を嗜んでいた向こうの世界に全部置いて来たのか? なら遠慮はいらんな。こんな前世の友人のことも思い当たっているくせに居るとかありえないと否定しまくって悲鳴しかあげてないやつなんか喰っても全然構わんな。』

 

怒涛の罵倒に決まっている。前世からのお約束。これが私たちのやりとりだったから。

 

『その私に対する物言いの酷さは間違い無しだから喰わないでよ!』

 

お、やっとまともな反応を返してきやがった。

だがしかし、気づかなかった腹いせだ。涙目だろうが容赦はしない。

 

『だったらとっとと認めときゃよかったんだボケ、アホ、脳みそ火炎袋』

 

『ひどっ?! 気づこうとしなかっただけで喰われかけて罵倒された?!』

 

『当然だバカ。このリオストーカー。脳みそ獄炎袋』

 

『グレードアップした?!

リオストーカーは褒め言葉だけど、他が酷い! 何がとは言わないけど酷い! 私そこまで頭の中暑くないよ!』

 

『じゃあ炭化脳』

 

『また酷くなった?!』

 

 

…………まあ、からかうのはこのくらいにしておこう。

 

『からかってたの?! 心の中で言ったつもりだろうけど思っ切り口に出てたよ?!』

 

おっとしまったしまった気をつけねば。

 

まあ、そんなこんなな会話がしばらく続いてしまった訳だ。

描写しないぞ?長ったるいから。




なんか最近ティガ小説増えてきたな(かき氷バリバリ食いながら。)

今回の話、いつも以上にクオリティが低い気がする。
主に会話文が多くなりすぎて。


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つまるところ、話相手は出来た……?

ひとしきり話しまくった二竜。そこでふと、リオレイアの方が何かを思い出す。

 

『……あ、しまった。私飛べないから帰れない』

 

本当に今更ながらリオレイアは、自身の翼が小さすぎて飛んで帰れないことを思い出した。

 

『帰りは考えていなかったと?』

 

『イエス』

 

質問に否定もせずにコンマ1秒で返事をした金レイアに、主人公は冷ややかなジト目を送る。

 

『え、何そのジト目、すごい怖い』

 

『このおバカと蔑んでいるんだよ、このおバカ』

 

『2度もバカって言った! バカって言った方がバカだから、君は大バカだね!?』

 

『何トンチンカンなこと言ってんだこの火炎袋。良いから帰る準備しろ』

 

『荷物ないけどね身一つだけどね』

 

バカなことを答えていた金レイアだが、帰る準備という言葉をきっちりと認識した途端に一瞬キョトンとする。

 

『って、送ってくれんの?』

 

『途中までな。お前の親の巡回中に見つかって殺されちゃかなわない』

 

『マジか、よっしゃ頼む。今日親父が巡回してるはずだから、見つけてもらえば帰れる』

 

『……本当に、空が見えるところまでな?』

 

『了解了解。それじゃ、見送り頼ます』

 

『…真面目な受け答えができんのか……。

まあいいか。ほら、とっとと載れ』

 

『私は荷物かな? 搭載品かな?』

 

『無駄口叩くな。』

 

『はーい。』

 

漢字の違いすらも敏感に感じ取ってボケ始める金レイアのボケを一言で封じ込めつつ、背中に載ったことを確認すると、

 

『しっかり掴まって振り落とされないように。』

 

といって、返事を聞く前に走り出す。その方向は、金レイアが落ちてきた方向とは逆の、このエリアの出口。その方向にはジャギィやジャギィノスが居て威嚇してきて居たのだが、気にすることなく吹っ飛ばして高い段差を登る。

 

『いヤァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアア!!!! 落ちルぅぅぅゥぅぅぅううううううううううう!!!!!!』

背中の悲鳴も気にせずに。

 

 

__________________________________

 

狩りからもどった緑の母は、嬉しそうに鳴きながら近づいてくる仔竜の中に、最初に生まれた金の子がいないことに気がつく。

その時、その子の大きな悲鳴が巣よりも下の方向で聞こえてくる。だが、その声は凄まじい速さで遠のいていった。

何かあったのは容易に想像が出来るこの状況に、しかし母は動かなかった。

その役目は母のものでは無い。

故に、母は咆哮を上げる。その役目をもつ夫へ伝わるように。

遠くから返ってきた咆哮を聞けば、母は子らに獲物を与えるために噛み砕き始める。

あとはすべて、赤い父に任された。




お久しぶりでございます。約二ヶ月ぶりの投稿となりました。
エタったかもと思われても仕方ないランクかなーとか思いながら、少しずつ書いていっておりました。
短いものですけど、第三者視点にすることで少しは読みやすくなっていたら良いなぁと思います。

なお、主人公と金レイアには名前が無いため
『主人公』、『金レイア』という名称にしています。
名前は…付けようかなと思ったんですが、覚えてなかったら誰が誰かわからなくなるということがわかりまして…
この二竜に関しては主人公と金レイアで通そうかなぁと思ってます。多分、付いてもそれぞれ種族名を短くした程度のものしか付けないと思われます。

最後?資料不足とこんなのだったらまあ格好いいかなって。違う気がしますが。でも、まあ、侵入者への攻撃の役目は本来は父の役目ですし、一応咆哮は近くの雑魚を遠ざける力はあるはず……
自然は残酷ですので、無事な子だけを育てるというだけな気もしますが。


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つまるところ、あれだ。親父殿登場だ。

あらすじ
空の見えるところまで送るのは良いけどね


エリア2

上段に蔦が張り巡らされ、そこには何者かの巣らしきものがある場所。ただし、巣の持ち主は誰も見たことがないという些かミステリーな場所でもある。

そんな場所に、前回金レイアを搭載して走り抜けて来た主人公があのティガレックス特有の爆騒音を響かせながらやってくる。背中の金レイアは悲鳴あげっぱなしである。

そうやって急ブレーキをかけて金レイアを蔦の上に落っことしてようやく止まった。

『酷い! 扱いが酷い! もっと優しく降ろして?!』

コミカルかつ素早く起き上がって早速文句を言いだす金レイア。

『帰り道を考えてなかったバカ者にはこれで上等』

『いやたしかに帰り道考えてなかった私も悪かったよ?! 悪かったけど! でもあの扱いは酷いよ?!』

『あーハイハイ、私が悪うございましたー』

その言葉を聞きながら、やはりジト目で見ながら、そしてとてつもなくめんどくさそうにため息をつきながら棒読みの謝罪を口にする。本当に帰り道を考えなかったバカ者としか見ていないらしい。

『心がこもってなーい!!! 前々から私の扱い酷かったけど、余計に酷くなってない?! ぶっちゃけ棒読みにも磨きがかかってないかな?!』

当然、金レイアはすぐさま反応。涙目である。

『んー、別にあんたなら多少扱いが雑になっても大丈夫かなって』

『酷い! 私限定なのが余計に! 余計に酷い!

そんな酷いんだったら…私だって噛み付くよ?!』

『どうぞご勝手に?』

『わーい、脅威すら感じられてなーい。

いいよいいよ! だったら本当に噛み付いてやるー!!』

『いいけど尻尾ね。それ以外に噛み付いたらそのまま爆走ドライブだから』

『逆らえないっていうのはこのことであった!

ではそれではお言葉に甘えて……』

なんだか色々と間違えまくりながら、金レイアは尻尾に噛み付くべく、寄っていく。

そして、いざ噛み付こうかというその時

 

バサっ

『へあ?』

金レイアは突然降ってきた影の主を見て、間抜けな声を上げる。それを認識した主人公は逃げのための体制に入る。

紅き翼をはためかせる、最も知られる飛竜種。

リオレウス通常種。別名を空の王者。

『うっそ?! このタイミングで来るの親父?!』

そして、この金レイアの言葉で、この個体にだけ付与される別名"金レイアの親父"。

しかし、そんな父親なのだが、金レイアが普段見知った父親とは少しばかり様子が違った。

『えーと? 親父なんでそんなに怒ってるの?』

そう、怒っているのである。

そして、口を開けば耳をつんざく咆哮を______

 

『このバカ娘! どれだけ探し回ったと思ってる!!!』

______上げるのでは無く、それは確かに聞き取れる言葉として変換される唸り声。

突然のことに主人公とまさかの知らなかったらしい金レイアはポカーンとする。そして、当の本人は『あ、やべっしまった』とかつぶやく。しかし今更後の祭り。この親父が喋ったのは間違いなく、正気に戻った金レイアが

 

『ウッソォォォォォおおおお?!?! 親父まで喋れたの?!?!』

『親父じゃなくてせめてお父さんと呼べ!』

『却下!』

『却下じゃなくてな?!』

すぐに叫び声をあげる。そしてすぐに呼び名変更は却下する。そんな、親子漫才を目の前で見せられた主人公は

もう帰ってもいいかなとか、

これが空の王者……王者ってなんだっけとか思いながら、それを見ていた。




みなさん……せめて一月更新を目標にしようとした作者の末路、二ヶ月後更新です。続きが全く思いつかなかった私の頭がいけない。そもそもにして、この親父殿喋らす予定は無かった。なぜ……なぜこんなアドリブが……!
まあいいか。お助けキャラ的な感じで考えよう。(放置)

そんなわけで、お久しぶりです。寒くなってきた最近でございます。今年も気づけば残り二ヶ月もなく、その割には全然落葉樹林が葉っぱ落としてないためあまり冬らしくないものです。
そして、自分こと作者は、完全に日常に忙殺されてました。課題ってやだね!
不定期亀更新をこれからも続けると思いますけど、
生暖かく優しい目で、気長に、待っていてくださると……嬉しいです……。

ついで
ちょっとだけ書き方というか、改行的な意味で書き方変わっております。


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あははははは!!ホントにテンプレだ!!!by金レイア

親父殿、転生者と判明する


『はいはーい。それでは親父の死んだ理由を手取り足取りあげ足取りで教えてもらおうか? あと転生者なのに黙ってた理由もね?』

 

『手取りも足取りもしないし、あげ足も取らないけどな? えーと、まず俺が死んだ理由っていうのはあれだ、交通事故。』

 

『テンプレ転生乙』

『テンプレートだね』

 

どうもみなさん。前回友人の父親すらも転生者だと判明した希少種ティガです。それにしてもテンプレートな死因だな。

 

『確かにテンプレだけどな?! だけどトラックじゃなくて乗用車だからな?!』

 

そこだけ普通かよ。交通戦争の被害者か?

 

※交通戦争とは

日本における交通事故死者数が日清戦争時の戦死者を上回る勢いで増加した状況に付けられた名称。主人公の使い方は間違いなく間違っている。

 

 

 

…………なんか説明が出た気がする。まあいいか。

 

『乗用車での事故が原因って聞くと親父の前世がどんなもやし体型だったのか気になるところなんだけど』

『なんでもやし前提?!』

『普通の車で死んで来てるから』

『偏見が酷いな?! 普通の車でもスピード出してるやつなら普通に死ねるからな?!』

『あ、そりゃそか』

『普通だろ?! むしろなんで死なないと思った?!』

『いや、すぐに死なずにじっくり苦しんで死ぬかと思った』

『たしかにそのパターンもあるけどな?! 怖いこと言うな! そして俺即死したの前提で話されてないか?!』

『違うの?』

『…………たしかにそうです』

『やっぱもやしだったんだね』

『だから、なんでもやしってことになるんだよ?!』

『即死したんでしょ?』

『したよ?!』

『じゃあもやしだったんじゃん』

『だからなんでだよ?!』

 

 

とりあえず、この延々とループしてる親子のバカな話を終わらせるか。

 

『やっぱもやs むぎょえっ?!』

 

このアホを押しつぶすという形で。

 

 

『…………なにやってるんだ?』

『いい加減会話を戻したかったんで、黙らせたんです。普通にやっても黙らないし』

『……いや、そうだろうけどな? 一応そいつ俺の娘な?』

『そうでしょうけど、付き合いはこっちが長いです。小学生のガキの頃から事件で死ぬまでの十数年間、ずっと振り回されて付き合わされて来たんですから。最適な黙らせ方も知ってます。こいつの頭の中が9割リオレイアで残りの1割でなんとか適当に話してるのも知ってます。

数カ月程度でなおかつ自分のことを話さなかった父親(笑)とは程度が違います』

『話さなかったのは悪かったけど、せめて理由は聞いてください』

『はいはい、理由なら聞きますよ?』

 

こちらの勝ち。浅い付き合いのくせにこいつの父親面なんてしなくて結構だ。身体の遺伝子的な親子としては認めてやるが。

 

『……なんかすげー的は得ているけど、仲良くする気のない風に思われたのは気のせいか?』

『気のせいですよ。最低でもこいつを育ててくれるのにディスりはしても仲良くはさせてもらいますよ?』

『おおー……仲良くしてくれてもディスられるんだな……。まあ仕方ないか……。

でさ、俺が転生者なのを秘密にしてた理由はさ……』

 

うん、言うがいい。今にも口を開いて喚きだしそうなこいつを抑え込んでる間に。今ももがもがと呻いてるからな。

 

『ほら、時々いるじゃん……転生してチート持ってむっちゃ調子に乗った嫌な奴……。もしもそんな奴だった場合、殺しとこうと思って……。』

 

 




金レイア[偏愛者][うざいお調子者]
主人公[___________][毒吐く者]


中途半端ですが、ご容赦ください。
はい、三ヶ月半ぶりです!エタってないですよ!スランプですよ!
期間が空きすぎてやばいと思ってる作者です!なんかこの小説の先は思いつかないのに昔思いついたオリジナル小説の方が色々アイデア湧いて辛いです!
一応今なら続き書けそうなんで、ちょっと頭を回転させて来ます!それでは!

あ、一番↑のはある意味称号みたいなものです。多分間違ってはない。"……もしかしたら、あの称号から話が分岐するかも?"程度のものなので!

p.s
テンション上げないとどうにもなりませんでした。


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嗚呼、なんというかつまるところ納得するしかなかった

金レイア、もしかしたら殺されてたかも。
けど、生きてるってことは?


『…………は?』

 

聞こえて来た言葉を聞いて聞き間違いかと思った。

 

『いや、だからさ……

もしも、チート持って調子に乗った嫌な奴だった場合、殺すつもりだったんだよ。ガキのうちならまだ弱いだろうし育つために親に頼るだろうから、俺がただのリオレウスならばそこまで警戒されない。そのために俺が転生者だってことは、ばらさなかった。話せるとわかってても話しかけなかった。ただのリオレウスだって思わせて油断させておくために』

 

しかしながら、親父殿が噛みしめるようにしっかりと言った、詳しく言い直された話は確かに聞き間違いではなかった。つまり、今私が押しつぶすことで静かになっているこいつは、そういう"チートを持って調子に乗った嫌な奴"と判断されていた場合、会うことすらなかったということなのだ。

 

『仮にそんなやつだった場合、野放しにするわけにはいかない。だが、転生っていうのはある程度育った精神で来る。矯正不可能な程度のやつがほとんど。そんなやつを出したら、起きるのは生態系の崩壊。

だいぶん前にそりゃあ調子に乗ったなにも考えてないバカがウラガンキンに転生してたんだが……酷かった。他を喰らうことによる無限進化。それによって生態系の上位にいる捕食者が軒並み激減した。そしてそのせいで草食竜が増えまくって草を食い尽くしちまった。そこからあとはもう地獄も地獄。あちこちで草食竜が飢え死にしてるし、山は禿山。しょっちゅう災害も起こるようになった。もう酷すぎた。……最後は、祖龍が弱らせたのを大勢のハンターが多大な犠牲を出すことで討伐した。後には崩壊した生態系と被害に釣り合わないそいつの素材だけだったさ。生態系が戻るまでは何年も何十年もかかった。何種類かの上位捕食者は、未だに数が少ない。……下手にしたら、絶滅かもな』

 

 

…………嗚呼、納得せざるを得ない。こいつを殺そうとしたのだって慎重になりすぎた結果だ。

そんなの、最悪な人災(・・)じゃないか。

 

『一応俺がただのリオレウスだって思っててくれたおかげでそいつの大体は素が見れた。そいつは……』

 

もしも、そうだと判断されたら、私はどうすれば……

 

『行き過ぎているリオレイア大好きな奴って印象で終わった』

 

…………は?

 

『清々しいまでに対応に普通と最上級という差があったが、それにしたってレディファーストとして見れば違和感があるけど無視できる程度で済んだ。別に調子に乗っているわけじゃなかった。

チートにしたって努力型なら無意味だが最初から最強的なのは無いということも観察しててわかった。ある程度は希少種としての育ち方だろう。通常種よりも能力が高いのは希少種の特徴だしな。

別に嫌な奴でもなければ、俺TUEEEEEEEE的な奴でも無い。単にリオレイアが好きなだけ。別に殺しておく必要もないってことはよくわかった』

『…………? つまり?』

 

『つまり、俺はそいつをきっちり育てる。嫌な奴じゃなければそれでいい。チートを持っていたとしても努力型ならそれは自分で強くなるっつーこと。普通のやつよりもポテンシャルが著しく高いだけ(・・)。下手にハンターやら古龍やらを刺激しなければ存分に強くなって静かに生き残ってくれ。それならば俺は全くなにも言わない。寧ろ頑張って巣立ちまで育ててやる。知りたいことがあるのならばしっかりと教えてやる』

 

…………えーと、つまりわが親愛なるレイアバカは、親父殿のお眼鏡にかなったということかな?

 

『そういうことだな。

ついでに、ティガの嬢さんにも、そのバカ娘の友人なんだからこの世界に関して教えておく。

それからだが、いい加減そいつの口を開かせてやってくれないか? なんか潰しすぎていよいよ圧死しそうだぞ?』

 

そう言われて見てみれば確かにそろそろやばそうだ。いい加減出してやるとしよう。

 

『ぶはぁぁっ?! 酷い目にあった! 具体的には死にかけた! それも判明しただけでこの竜生で二回って、酷い! そのうち一回はさっきので、一回は信頼すべき親って! なにこのハード! 寧ろバード!』

『バードは鳥だな、焼き鳥頭にはいい名詞になりそうだな』

『誰が焼き鳥頭か! 前の火炎袋よりも酷い! 私は竜! 鳥じゃない!』

『だったら、そのボケっぷりはどうにかするんだね。

…………ん?』

『どしたの』

『え、お前前に言われたこと覚えてたの?』

『覚えてるしそこまでバカじゃないわぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

うん、喚きだしたけど、それに返してやればすぐに反応する。十分に元気だな。

 

『…………おいお前ら、元気に掛け合いするのは良いが、俺を忘れるな』

 

おっと、親父殿を忘れていた。

 

『どこが元気じゃ! さっきまで潰されてて疲れたわ! 寧ろ死にかけたわ! しかも下手したら肉親に殺されてたってわかって心の傷が増えたわ! 寧ろどこが元気?!』

 

だがしかし、こいつは自重というものはあっても遠慮というものか無いため、速攻で噛みつきにいった。言葉的な意味で。

 

『そこまで大声を出せる時点で十分に元気だ。有り余りすぎなぐらいだ。

とりあえずお前は静かにしろ。話ができないだろうが。』

『冷たい! 黙るけど!』

 

そして親父殿に黙らされた。いうことはちゃんと聞く。

 

 

『……よし、やっと場が落ち着いたな。

これから、俺が知っている限りのこの世界に関してのことについて話す。憶測混じりのことだが、質問は受け付けるから、静かに聞いてくれ。特にバカ娘』

 

わが親愛なるレイアバカは一瞬不満そうな顔をしたが、黙っていた。その方がいい。これから聞くことは憶測混じりとは言え、間違いなく大事なことなのだから。




やったぁぁぁぁ!!二ヶ月かからなかった!一ヶ月以内で済んだ!
ども、作者です。別のアイデアばかり出てきてつらいです。それよりも深刻に戦闘シーンがちゃんと書けるようになりたいです。野生的な戦闘シーンが。


次回

親父殿が語る、憶測混じりの"この世界について"


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親父殿が語る、憶測混じりの"この世界について"

『この世界は基本的にはモンスターハンターという狩猟ゲームが元になった世界だ。だが、あくまでもモンスターハンターというゲームは元になった(・・・・・)に過ぎない。

 あくまでもモンスターハンターは土台だ。世界観を貰って利用して作った、それがこの世界だ』

 

『親父』

 

『なんだ』

 

 我が友人は、早速なにか聞きたいことが出来たのか普段は聞けないような真面目な声で口を挟む。

 

『……この世界は、モンスターハンターという世界観を利用してはいる。けど、その世界観を利用してるだけな世界ということはさ、

 

 元のモンスターハンターには居なかったモンスターもいるかもしれないってこと?』

 

『……ああ、特定の条件下でだけだが、いるぞ』

 

 我が友人の質問に、親父殿は落ち着いた声で返す。

 

『特定の条件下って、転生者?』

 

『転生者の中でも、進化のリミッターを外すタイプのチート持ちだな。それでも上限はあるから、正確には進化上限の引き上げか。

 そういうのと、食った相手の能力を吸収っていう捕食チートだな。あれはどうしても見た目が少しずつ変わる。

 そういうのは、もう名前自体変わっていく。ネームドだったか。名前が変わって、最後には種族すら変わる。進化も能力吸収も、行き過ぎれば既存の奴らと変わりすぎる。まあ、そうなればそいつはたった一代限り。進化の仕方が特殊過ぎて真似も出来ない。同種の番も出来ない。そいつの種族はそれ以上増えることもない。

 この世界は、そういう風になっている。強すぎるものに繁栄なしってな。

 

 

 ……続けていいか?』

 

 聞くことは聞いたため、何も口を挟まずに続きを促す。

 

『……あとは、せいぜいしょーもないものだが、転生させてるやつが二人いるっぽいってことだけだ』

 

『この世界で何人か転生者を見たことはある。そいつらは二パターンの転生をしている。

 

 一つ目は記憶を持っていても、なんの能力も持たずにモンスターおよびハンターに転生。まあ、俺TUEEEEEEEEEもない普通の転生だよな。前世があるってだけの一般的な転生だ。いや、普通なら前世なんてものないんだけどな?

 

 で、もう一つが、本当になんのラノベだよってなるやつだけど、チートを一つ持ってハンターおよびモンスターに転生。チート抜きの転生特典として基本ハンターなら見た目は中の上以上で、物覚えがある程度良いってやつ。モンスターなら物覚えのよさと、成体に確実になれるってやつだ。なんの優待だろうな?』

 

 うん、たしかに見事な優良待遇だ。むしろ確実に成体になれるってやつ寄越せ。

 

 『それでだな、チートをもらったやつのもう一つの特徴がだな……』




ここまで!
次の話で分岐します!こんなので分岐かよって言われても仕方ない分岐です!

そして気づいたら連載し始めて一周年を過ぎていたという事実。続けられて良かったと思います。


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ルート2エンド

天下無双の轟天竜__墓荒らしへの制裁__


つまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらない…………

 

私の頭の中を支配するのは、つまらないという単語だけ。

 

とてもつまらない日々

とても退屈な日々

 

私は自分に与えられていたチートと、友人の死を呪った。

 

 

『生まれた時に何者かの声を聞いていること。本人が覚えていようがいまいが、生まれ変わる前に管理者と会ってチートを貰っている』

 

レウスの親父の言っていたことは私にはとても覚えがあった。

 

『え、なにそれ?そんなことだけなの?』

 

だが、我が友人には無かった。

そこが私たちの生の分かれ目だ。

私は成長チートというまさにテンプレのチートを持っていた。強くなり強くなり、最後には生物としての寿命が無くなってしまったらしい。生命の枠には当てはまらなくなってしまった。

 

だが、私の友人は違う。希少種とはいえ、普通の生物としての枠に収まっていた友人は死にやすかった。

寿命もあった。

 

狩られないように守りながら、見守りながら、私たちはゆっくりと離れていった。

……ゆっくりと、生と死という超えられない壁で隔たれていった。

 

 

結論から言えば、友人は無事に寿命を全うした。終の住処で、私に見守られながら冷たくなっていった。

 

『あー……長く生きてみたけど……案外退屈じゃないものだねー……けどなー

 

結局、最後までは一緒に居られないかー…残念だねー…____は、これから私よりさらに長く生きるんでしょー?なら退屈にだけは気をつけてねー……退屈は……心……殺す……から……………………おやす……み……』

 

友人を埋め、その場を旅立った私は長く生きながら、少しずつ少しずつ死んでいった。

 

……退屈は心を殺す。あぁ、間違いないさ。確かに、今の私は退屈過ぎてどうしようもなく思考が停止してしまっている。つまらなさ過ぎる。もう、なにも楽しくない。なにか……なにか……面白いことは……無いかなぁ……

 

 

 

___!_______!

 

 

 

んー……騒がしくなってきたな……あーこれは、あれかな?久々の狩人さんたちかな?良いね……この退屈な日々の中の、唯一の刺激……

 

 

大剣、双剣、ボウガン、チャージアックス……全部、名前忘れちゃったけど……そのチャージアックス……そうか……そうか……いいよ、相手してあげる。全力でかかってきてね?

 

 

久しぶりの狩人とのバトルで、私は金に輝く武器を見ながら、雄叫びをあげる。土煙が、巻き上がる。

 

 

 

さて、墓荒らしは大人しく死んでもらいましょうか?

 

 

 

 

 




はい、ルート2END
天下無双の轟天竜__墓荒らしへの制裁__

今回はこのようなタイトルとなります。
余程のifでない限り、友人の金レイアはチート持ちになることはありません。そのため、主人公がチート持ちの中でも寿命が長くなるタイプのチートを持つと、どうしても死に別れるハメになります。

さて、天下無双の轟天竜という通り、ティガレックスとしての原型を残した形でのチート進化を致しました。けどまぁ……亜種というか……変異種?的な立ち位置になりますね……爆砕ブラキみたいな

このルートでは、まあ、友人の金レイアを埋めて飛び立つところをたまたま見られてて、結果、1人のハンターに友人の墓を荒らされて、素材として利用されたというところです。で、そのハンターの子孫的なのが今回のチャージアックスのハンターでございます。
主人公は……墓参りにはいけませんでした。だって、辛かったんです。死んだことは分かってるし、認めてるんですけど。


4ヶ月ぶりの更新がこんなので申し訳ありません。
これからものろのろノロノロとした更新スピードでやっていきます。


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