狩人と天使、所によっては果実 (檜垣と亀)
しおりを挟む

1 二つのプロローグ

亀です。

お、俺は知らないぞ!
俺はただ安かったから買っただけなんだ!
ドラクエ9、普通に面白いって言われて…。

(こんな駄文を投稿する)俺が悪いってのか…?俺は…俺は悪くねぇぞ、
だって友達に言われたんだ…。そうだ、友達がやれって!(ドラクエを)
こんなものを書くつもりなんてなかったんだ!
誰も書いてなかったろ!(モンハンxドラクエ)
俺は悪くねぇっ!俺は悪くねぇっ!

はい、調子乗りましたごめんなさいなんでもしますから


 雷を操る獣がいる。

 風を、嵐を操る龍がいる。

 そんな生物を知恵と、道具と、武器と、己が身を使って狩る者達がいる。

 人々は彼らを敬意を持ってこう呼んだ。

 

 『狩人』(ハンター)と。

 

 

 

 霊峰 頂上。

 分厚い雲が白い龍に切り裂かれ、無くなっていく。

 高い声をあげ、龍はそのまま空高く飛んでいく。

 嵐が、天災が、古龍が、過ぎ去っていく。

 雲に覆われていた太陽が、辺りを照らす。

 蒼い空に伝説の古龍が太陽に照らされ、飛んでいく。

 その光景。幻想的なその光景が、彼の最期に見た光景だった。

(あぁ…。とりあえず、だな)

 遠くなっていくそれを見ながら、満身創痍の彼は思った。

 そして、自分が残り数秒で死ぬことを思い出す。

(ったく…、あの古龍め…)

 悪あがきで崖から落としやがって。

 落下しながら彼は悪態を吐く。

 まぁ、撃退できたからよしとしよう。

 これでユクモ村も、他の地域も大丈夫だろう。

 自分一人いなくなっても、ユクモ村には他のハンターがいる。

 だから何の問題もないだろう。

「これで…二人のとこにーーー」

 ふと、視界に何かが映る。

 みると、それは白銀の太刀を模したネックレスだった。

 これはたしか、一昨年あいつからもらったものだったっけかーーー。

(あいつ、怒るかなーーー)

 約束を破ったんだ。あいつのことだから、かなり怒るはず。

 その様子を想像して彼は苦笑する。

 ごめんな、約束を破って。

 そこで、彼の意識は途絶えた。

 

 この時は、誰も知らない。

 彼の落下地点に不思議な文字が描かれた円ー魔方陣があることを。

 その魔方陣が、どんな意味を持つかも。

 彼が、まだ生きていることも。

 

 まだ、誰も知らない。

 

 

 

 ねぇ、誰かいるの?

 いるなら姿を見せてよ。

 何か言ってよ。

 そんな人々の声が聞こえる…。

 いったい、いつの頃から師匠はこの世界を見守ってきたんだろう。

 

 ボク達は天使と呼ばれている。

 

 

 

 ウォルロ村 夜

「…、はぁ…」

 真夜中のウォルロ村で一人、出歩いている不審な人物がいた。

 身長が低く、蒼髪ポニテの濁った目の女の子。

 皆が口を揃えて「関わりたくない」と言うだろう(というか、言われた)彼女の名は、ナイン。

「というか、それボクだよ」

 自分で言ってて何だが、もうなんか駄目な気がする。

 まぁ、周りから見えることはないからいいんだけど。

 なぜなら、ボクが天使と呼ばれる存在だからだ。

 天使は昔々はるか昔、人々を見守るというめんどくs、もといとても大切な命をうけ生まれた…らしい。

 らしい、というのはボクが生まれてまだ17回しか季節が巡ってないのだ。

 詰まるとこ、ボクは17歳のピチピチ女の子なのだ!ーーーうん、我ながらきもい。まじで。

 そんなことはどうでもいい。重要なのはボクが天使と呼ばれる超常の生き物で、人の目には見えない、ということ。

 その天使がなんでこんなとこにいるかというと、それはボクがこのウォルロ村の守護天使だからだ。

 最初に僕がため息をついていた理由でもあるのだが。

 普通守護天使とは経験豊富の天使がやるもの。ボクは自慢じゃないが天使界の中で一番年齢が低い。

 それに本来のウォルロ村は我が師匠イザヤールが守護天使をやっていた。

 しかし一ヶ月前、

「おい、ナイン」

「なんですか師匠急に」

「明日からウォルロの守護天使やれ。オムイ様の命令だ。今から引き継ぎするからついてこい」

「ほへ?え?」

 と言う感じでなってしまったのである。理由は分からない。

 ぶっちゃけめんどくさい。いろいろ。守護天使としても、天使としても。

 しかし上司には逆らえない。

 だからやる気ゼロの状態でやっていた。いろんな不満を抱えつつ。

 「はぁ…。やだなぁ」

 ため息ひとつ。そして天使界に戻るため飛び上がる。

 こんな生活が終わらないかな、と。死んでしまいたいなぁと馬鹿みたい願いを胸に抱えて。

 

 そんなアホみたいなことを願っていたちょっと前の自分をぶん殴りたい。

「うわぁぁぁ!!」

 目に映るのは紫の閃光。

 何が起こっているのか僕には全くもってわからない。

 いつも通り、星のオーラを世界樹に捧げた。

 そしたらどこからか来た金ぴかの物が(師匠や長老は天の箱舟とか言ってた)紫の閃光に撃ち落とされて。

 一際大きな閃光の風圧でボクは吹き飛ばされそうになっていた。

「これは、どうしたことか…!わしは、騙されていたのか?」

 師匠と長老は呆然としている。が、気にしている余裕はない。

 今掴んでいるこの根っこから手を離せばボクはこのまま地上に真っ逆さま。

 つまりは、死。

 思い出すのは、半月前ウォルロの近くで魔物に襲われ死んだ旅人の最期。

 あの時、ボクは村に魔物が近寄らないようにするので精一杯だった。

 …言い訳は止そう。

 とにかく、ボクは死を思い出した。そして、怖くなったのだ。

 まだ、死にたくないと。

 今の表情はきっと涙とか鼻水とかでとにかくぐしゃぐしゃだろう。

 そんな若干他人事のように感じている自分がいる。

 が、今はそんなことどうでもいい。

 もう、腕が限界なのだ。

「し、師匠…!」

 駄目もとで呼んでみる。

「助け、てーーー!」

 手が、もうーーー 

 そして、浮遊感。

 ボクが意識を失う前の最期の光景は、師匠が必死にこちらに手を伸ばしているものだった。

 

 

 

 

 この日、地上には狩人と天使、所によっては果実が降った。




調子乗って書きましたが、エタらないよう頑張ります。

か、感想とかくれたらうれしいなぁ(チラチラ
はい調子乗ってごめんなさいなんでもしますぅぅっぅ!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2 狩人、第一村人発見

エタらないように週一投稿目指しますって宣言しておこう。

3/11
冥土さんが使っていた特技をせいけんづきに変更


 

 痛ぇ。

 真っ先に思ったことがそれだった。

 身体中いろんなところから、様々な痛みが俺を襲う。

 切り傷骨折打撲にすり傷。痛み方からして左手と肋骨の何本かは確実に折れてんだろ。

 なんだ、俺なんか悪いことしたか?これはあれか?『特に意味のない怪我の数々が俺を襲う』ってか?やめてくれ、死んでしまう。俺の業界でも無理だそれは。

 さて、それはさておき。

 

 ドコダヨココ?

 

 痛む体を無理矢理起こそうとして激痛でのたうち回る俺。それでまた激痛が(以下無限ループ)

 起きることは諦めて、ハンターとして(一応HR6…。うん、実力が伴っていないとか言っちゃいけない)鍛えた5感で周囲を確認する。

1、嗅覚

 フダントハチガウツチノニオイヲカンジマシタマル

 使えねぇ…。ペイントボールとこやし玉の匂いに毒されたのか?

2、聴覚

 川のせせらぎが、優しい風の音が、時折聞こえる鳥の音が、穏やかな時の流れを感じさせたよ…。

 …、俺はいつからポエマーになった?

3、視覚

 蒼い空が、白い雲g(以下略

4、味覚

 わーすごーい、血と汗って混じるとこんなにまずいのかー!

 はい、次。

5、触覚

 痛くてうごかせないお。あ、愛用のレウスSシリーズの感覚がないお。

 

 マジ使えないなこの体!!誰の体だよ訴えてやる!!

 わかったことなんて少ししかねぇよ!

 見知らぬ土地で一人怪我だらけ、指一本動かせない体で防具なし。

 これを人は『詰んだ♪』っていうのか。俺はまた一つ、賢くなったようだ。

 さて、本格的にどうしましょう。

 まず、どうしてこうなったんだっけか。

 最後に覚えているのは…、あ、アマツのせいか。

 あいつ…、俺のことこんなにボロボロにしやがって…!

 おのれアマツ…! ゆ゛る゛さ゛ん゛!!

 あれ?

 そういえば俺、崖下に落ちたはずなんだけど、なんで生きているんだ?

「けけけけっ!!」

 その時、そんな声が聞こえた。

 そちらの方を見ると、そこには宙に浮いた緑色の子供がいた。

 というより普通に驚いた。

 空を飛んでいることもそうだが、音もなく、気配すらなく、まるで先ほどからそこにいたかのように現れたのだ。すごい子供だ。

 なにはともあれとりあえず第一村人(?)発見である。やったね俺!助かるかもよ!ハンターたるもの、常識に囚われてはいけないのだ。(キリッ)

「き、君…」

 そこで俺の言葉は止まる。

「けけけけけけけ」

 そいつは、こちらを見ていた。

 たった一つの目で。

「っ!?」

 ハンターとしての勘が最大限に警鐘を鳴らす。

 あれはやばい。冗談抜きに。あの目は獲物をどうするか考えている目だ。

「っがあっ!!」

 激痛に耐えながら立ち上がる。

 身体中が悲鳴をあげるがそんなこと言ってられない。

 今は防具はおろか、愛刀すら手元にない。逃げなければ、死ぬ。

 立ち上がりすぐに横に回避。

 ーーみならいあくまはメラをとなえた!ーー

 瞬間、先ほどまで俺が倒れていた場所に炎が着弾する。

 みると、一つ目の子供が残念そうにしている。

 何もないところから普通炎は生まれない。信じがたいが、あの子供が放ったのだろう。

「やめて…くれっ!!」

 まあ、止めるとは思ってないが。

「けけけけけけ♪」

 ほら。ウンシッテタ。

 今度は持っている杖で殴り掛かってきた。

 だが、それは愚策だよ一つ目君(勝手に命名)。

 その程度なら見切ることなど簡単。

「けけけけっ?」

 はい、隙ができました!ならやることはただ一つ。

 逃げるんだヨォォ!!

 ーーサードはにげだした!ーー

 

 どれくらい歩いただろうか。辺りはもう暗くなってきている。

 あれから、何回か見たことのない生き物に襲われた。

 その度に逃げ出していたのだが、正直かなり疲れた。

 というかかなりきつい。色々と。

 2時間前程に視界に街が見えたので、ずっとそちらに向けて歩いている。

 あと数百メートルぐらいで着くのだが、門番らしき人にめっちゃ警戒されているっぽい。

 無理もない、と思う。

 そりゃあ、ボロボロの男がゆっくりと歩いてこちらに向かってくるのだ。恐怖でしかないだろう。

 俺だって警戒する。

 が、限界だ。

 精神的にどっか安心したのか、意識が安定しない。

 もう…無…理…。

 

 

 

 目の前でボロボロの青年が倒れた。

「こ、こいつ…、人、なのか?」

 同僚が俺に聞いてくるが、俺が聞きたい。

 左腕が完全に折れ、身体中真っ赤、極め付きは腹から飛び出した一本の骨。

 こんなスプラッタな奴が歩いてたらそりゃ、真っ先にくさった死体が来たかと疑う。俺は悪くねぇ。

 実際物見台から見てたやつにそう言われて、俺たちは城の前でスタンバッテいた。

 だがひとりで、それも魔物に襲われそれから逃げながらこちらに来るのだ。

 明らか普通のくさった死体じゃない。じゃあ何か。

 人なのか?人だろう。本当?確かめるか←今ここ

 それで近づいてみれば

「…、生きている!」

 どんな化け物だよ。そう思った。

 とりあえず、城に運ばなければ。

 スプラッタ人外を担架に乗せて、俺たちは城へと走った。

 

 

 

 知らない天井だ…。

 それにすごいふかふかベットである。

 ユクモの自分のベットより3倍はふかふか。

 なんだ、ここが天国か?

 よし、いつもどこぞのアホに邪魔されてできないことをしよう。それでは、怠惰と惰眠の極致、噂の二度寝たるモノに挑戦すべきではないかと思ったその時、

「はい旅人さーん…、起きているわけないですよねー」

 これは、メイドさんだろうか。私の様子を見に来たのだろうか?いや、しかし今俺は二度寝たる思考の行為を強いられているんーーー

「さて、それではオムツ交換の時間でs

「おはようございます」

「キャアアアシャベッターー!!」

 ーーメイドAのせいけんづき!ーー

「うなっ!?」

 ベットから転がり落ちることでなんとか冥土さーメイドさんの攻撃をかわす。

「な、なななな何で起きて!?」

「なんで、と聞かれても…」

 起きてしまったものはしょうがない。それともあの状況で起きるなと?

 というより寝起き、それに怪我人にあんな右ストレート放つなんてこの人大丈夫なのか?

「ど、どうした冥土!」

「やはり手遅れだったか!?」

「くそっ!!間に合うかっ!」

 何やら外が騒がs

 ーー兵士Aのマジックアロー!ーー

 またかぃ。

 飛んでくる矢を首の動きで回避。危なすぎる。

 先ほどのメイドといい、この人たちは怪我人に対する扱いというものを分かっているのだろうか?いいや、分かっていない。

 というかメイドAさんやっぱり冥土って名前だったか。

「大丈夫かって、回避された!?」

「「起きて、る?」」

 俺は起きていちゃいけないのかよぅ…。泣いていいか?

「だ、大丈夫なのか…?君?」

「…いきなり人に攻撃するよりかは大丈夫だとは思う」

「「うぐっ」」

 とりあえず…、ベットに戻して。

 

 

 

「かくかくしかじか」

「そんな状態で、自力でここまで来たと?」

 目の前の青年は、当たり前のようにそんなことを言った。

「…何かおかしな点でも?」

 いや、きっと目の前の青年にとって当たり前なのかもしれない。

 しかし、どんな生活をこんな人間になるのだろう。

 こんな、常に無表情で物事を淡々と、まるで他人事のように話す。

 怪我だって常に痛むだろうに、そんなこと表情に出さずに。

 感情の起伏が、感じられない。

 壊れている。第一印象はそれだった。

「…、俺を助けていただいで、ありがどうございます」

 急に、目の前の青年が深々と頭を下げてくる。

「あ、あぁ。いや、当たり前のことをしたまでだ」

 医者長が驚く。私も驚いた。

 なんかすごい意外だった。

 どうやら礼儀は知っているようだ。

「きっと助けていただかなかったら、俺は死んでいたと思う」

 そこで、初めて表情が変わった。

 一瞬、瞬きぐらいのほんの一瞬だったが、メイドである私は見逃さない。

 彼が遠い目をしたのを。

 気のせいではないだろう。私の直感がそういっている。

「身元不明、目的不明の俺だが、あなたたちに何か恩返しをさせて欲しい。

 いいだろうか?お願いしたい」

 そう言って、また頭を下げてきた。

 そこで私は思った。

 あ、この人不器用なだけで普通にいい人だ。

 メイドの直感Part2だ。

「…、とりあえず、その怪我を治すんだ。めんどくさい話はそれからにしよう」

「…本当に、ありがとうございます」

 

「あ、ではオムツを交換しまsy

「トイレの位置を教えてくださいお願いします」

 歩けないのに何を言うんだこの人は。

 




ハンター(サード)の容姿

モンハン的に
ハンターカット
髪の色  R 255
G 90
B  100

  顔に大きな傷あり

ドラクエ的に

1せいべつ   おとこ
2たいけい   タイプ1(一番でかい)
3かみがた   タイプ1(普通のショート)
4かみのいろ  タイプ3(赤)
5かお     タイプ3(ジト…目?)
6はだいろ   タイプ4(普通の肌色)
7めのいろ   タイプ1(黒)
8なまえ    サード


その他 
基本無表情(笑)
銀の太刀のネックレスをつけている

こんな…かんじ?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3 VS黒騎士 天使

このドラクエ9の世界では、作者の都合により依頼は各宿屋に専用のカウンターがあって、そこから受けれるようになってます。つまりモンハン仕様です。

…だってそうしないと主人公たちの最初の絡みがぁ…



 あの日、天使界から落とされたボクは、全力で慣れない防御系の呪文を必死に唱えた結果、生きてウォルロ村の滝壺に突っ込むことができた。

 慣れない呪文を見様見真似で無理やり唱えた結果か、それとも別の何かか。

 

 ボクは天使の光輪と翼を失い、人になった。

 

 正直、かなり微妙な気分になった。

 今まで散々言ってきた天使ではなくなったのだ。本来なら喜ぶことなのだが、なぜかボクの心には喪失感があった。

 やっぱりなんだかんだ言ってボクは天使だったんだと、また自分が嫌いになる。

 しかし、そんなボクにもウォルロ村の人たちは優しかった。

 それに、リッカちゃんは居候のボクのことを『友達』と言ってくれたのだ!

 ここまでしてくれたのだ。これ以上ボクがうじうじしているわけにいかない。  

 ということでボクは割り切ることにした。

 人間として平和に生きればいいのだ、静かに。あれだ、激しい喜びはいらないから深い絶望も無い生活を望むってやつ。

 ボクは天使をやめるぞ!ししょーーっ!!

 そうしてボクはウォルロ村の一員となって静かに、平和に暮らしたのでした…。めでたしめでたし。

 

 とはならなかったよコンチクショウ!!うん、知ってた!!

 

 なんなの!なんなのニード!ボクはか弱い(自称)女の子なの!あんたの自己満足で魔物と戦わせんなっつうの!このMP0め!火炎斬り使えよ!あ、Lv3だったな雑魚がっ!

 ルイーダ!あんた絶対ボクより強いでしょ!具体的にはLV28くらいあるでしょ!なんで瓦礫なんかにハマっちゃうの!?あんたを心配したリッカちゃんの頼みでボクがしょうがなく探すことになったじゃ無い!

 しかも色々あった結果リッカちゃんセイントシュタインに行くことになったし!リッカちゃんいないとボクウォルロいる意味無くなるんですが。しかもあそこサルエルの領域!やだよ行きたく無い!テンシコワイ。

 だぁーーー!なんでだ!どうしてこうなったぁーーー!!

 ぜぇ、ぜぇ、落ち着けボク。お餅をつくんだ。ペッタンペッタンつるぺったん♪…うん、よし落ち着いた。

 まあ、セイントシュタインに行く道中、サンディっていう妖精の友達ができたから悪いことだらけではなかったけど。今時のギャル妖精サンディ。マジいい奴。

 そのサンディ、どうやら人を探しているらしい。店長さん、だっけか。リッカちゃんの宿屋、また人気が出てきたらしいし探すの手伝ってあげよう。

 そのために天の箱舟を動かさなくちゃいけなくて、動かすために星のオーラを集めなきゃいけないのはあれか?天使をやめたボクにに対する皮肉か?

 だが仕方ない。友達のためだ。

 ということで黒騎士討伐開始。仲間募集しないかって?絶対気が合わない。(経験則)

 そのためにはLv上げ。魔物を乱獲乱獲。ボクのLVも上がって魔物も少なくなって一石二鳥。まさに効率を優先する天使の鏡だよどちくしょう。

 そういえば、サルエルに遭わなかったなぁ。(誤字にあらず)あの紫の閃光で他の場所に堕ちたのか、はたまたボクが完全に天使としての力を失ったのか。幽霊も妖精も見えるから後者は無いはずなんだけど…。合わないなら合わないに越したことは無いからいいか。

 そういうわけで今日も今日とてLV上げ♪本日も快晴です!

 

 

 

「よし、VS黒騎士戦といきますか」

 Lvも14。ソロでも十分黒騎士と闘えるであろう。

 黒騎士の指定場所までは少し距離があるが、昼頃に出れば黒騎士が出るっていう夜には着く。それまで時間があるので、リッカちゃんに会いに行った。

 すると、最近にしては珍しく宿屋が静かだった。 

 いや、ザワザワしているからいつもみたいに賑やかじゃ無いってとこか。

 どうしたんだろうと奥を見るとその理由がいた。

「おいてめぇ、それは俺の依頼だ。さっさとそれを渡せや!」

 でたー!自分が一番強いと勘違いして悪ぶってる奴ー!いっちょまえに子分なんか従えちゃって。LV二桁になってから出直せってもんだ。

 さて、標的になったかわいそうな輩は誰かなーって見てみる。やじうまやじうまー。

「…」

『あ、あれ…』

 サンディが指差したのは、三日前から急に出てきた謎の冒険者。

 見た感じLV1(駆け出し)にしか見えないのに、危険な依頼を一人で、しかも日に3つから4つ片付けるよくわかんない奴。

 だけど、ボクは一目見たときに、ビビッときた。

「あ、こいつ私と同じボッチだ」って。

 いつか話してみたいと思っている。なんて言ったらリッカちゃんにもサンディにも反対された。なぜに?

 ともかく、謎の冒険者さんは無言。そのまま出て行こうとする。

「おいてめぇ、無視すんじゃねぇ!」

 おおっと、雑魚の拳が謎の冒険者のほおにクリーンヒット!あれは痛い!

 …痛い、よね?

「なっ…!」

 微動だにしないんですが。

「クソがっ!死にやがれっ!」

 キレた雑魚が剣をぬいてーって、

『ちょっ、剣はまずいでしょ!』

 とっさのことで周りの誰も止めることができず、剣は謎の人に向かって振り下ろされーーー

「「「は?」」」

 その場にいる皆の声がハモった。あ、ハッピーアイスクリーム!!

 じゃなくて、えっ、え?

「…危ない」

 二本の指で真剣白刃取りをした謎の人は表情すら変えず、そう言った。

 いや、危ないとかそんな問題じゃなく即死コースでしたよ、今の。

 なんですか?HSSでも患ってるんですか?あなた何者?

「あ、あ…」

 ーーポチはにげだした!ーー

 雑魚は剣を離して逃げてった。周りのお供も慌てて逃げる。

 そりゃ、あんなバケモンに喧嘩売っちゃったら逃げるしか無いしね。

 で、謎の人は…。

「…これ、あの人に返しておいてください」

「あ、はい、分かりました…」

 律儀にリッカちゃんに渡してるし。困ってるよリッカちゃん。

 ていうかボクにはわかる。あの人、内心めっちゃ混乱してる。

 ますます同族感がしてきた。

「うん、あの人となら友達になれる」

『何言ってるのナイン!?正気!?』

 サンディに正気を問われたよ。ボクまだSAN値55くらいはあるから。

 

 

 

 というわけで、到着!黒騎士の地!

 えー、時間はもう真夜中12時です、はい。

 意外に時間が掛かって掛かって。ウパソルジャー追っかけてくんなし。

 そんなこんなでなんとかここ、シュタイン湖、麗しの湖畔に着くことができた。

 にしても、

『ここちょーいい場所じゃん!』

 この場所、なかなかに、いやかなりいい景色だった。

「今生まれて初めて、ボクに詩のセンスがあったらって思ったよ…」

『うわっ、作詩してるナインを想像したら寒気したんすケドー』

「ひどっ!サンディひどっ!」

 なかなかに酷い。ライフが2000くらい削れた気がする。だが許す。

『それにしてもー、この時間でいないってことは今日は来ないんじゃ無いのー?』

 時間守れない男とか無いわーと言うサンディ。

『なーんて、振り返れば奴がいるみたいな!?』

「へんなフラグ建てないでよ…。ってどうしたの、サンディ?」

 後ろを見たまま固まっている。

 返事が無い、ただのしかばねのようだ、じゃなくて!

「まさか」

 慌てて私も後ろをみると、

 近くの高台。そこには漆黒の甲冑を身にまとい、馬に乗ってこちらを見下ろす騎士。

 謎の黒騎士がそこにいた。

『マ、マ、マ、マジっすかぁー!?』

「ほら!サンディがフラグ建てるから!」

『アタシのせい!?』

 そうやってボク達がギャーギャー騒いでいる間に、黒騎士は高台からこちらに降りてきた。

「誰だ、キサマ…?」

(あの、サンディさん)

(何!?こんな時に!?)

 小声でとりあえずサンディに確認をとってみる。

(黒騎士=サン、めっちゃ怒って無いっすかね?)

(見りゃ分かるでしょそんなことーーー!!)

 小声でキレるとは、なかなか凄いものを見た。

「何を話している…」

『ひぃ!』

 黒騎士に睨まれたボク達。あまりの怖さにサンディが悲鳴をあげたよ。

「キサマに用は無い…。姫君はどこだ…」

 そう言って背中の槍を抜く黒騎士。

「姫君を出せ!我が麗しの姫をッ!」

 ーーなぞの黒騎士が現れた!ーー

「まぁ、こうなることはわかってたんですけどねーっと!」

 先手必勝!不意打ち気味にボクは呪文を黒騎士に叩きつける。

「くらえっ!!ヒャドっ!」

ーーナインはヒャドをとなえた!ーー

 氷の塊が黒騎士の頭を捉える。

ーーなぞの黒騎士に17のダメージ!ーー 

 しかし、黒騎士はひるみすらしない。すぐさま攻撃をしてくる。

 ーーなぞの黒騎士のこうげき!ーー

 ーーナインに16のダメージ!ーー

「おぅふっ」

 いがいにも大きなダメージにこちらがひるむ。痛いっす。

「だらっしゃぁぁい!」

 しかし負けてられない。こちらも攻撃!

 ーーナインのシールドアタック!ーー

 ーーなぞの黒騎士に10ダメージ!ーー

『このチキーン!!』

 だって!だって痛いのやだし!いくらホイミとか薬草で怪我を治せるって言っても、数に限りがあるし、喰らったら痛いし!

 じゃどうするのってなったらチキン戦法ってことになるじゃん!

 便利だシールドアタック!負けるなシールドアタック!がんばれシールドアタック!

 ーーなぞの黒騎士はホイミをとなえた!ーー

 ーーなぞの黒騎士のキズがかいふくした!ーー

「」

「さて…、どうした、来ないのか?」

 そうか、これが俗に言う「勝てる気がしない」ってやつか。

「おま、ホイミとか卑怯!ずるい!」

 この鬼!悪魔!黒騎士!

「…ホイミは使ってはいけなかったか?」

 真面目に返してきたよこの騎士。

 心なしかき黒騎士からやっちまった感を感じる。

 だが気にしない。

「最近の決闘はホイミ禁止なんですよ!ルール違反はやめてほしいですね!」

「そ、そうだったのか…すまない」

(あんた…よくそんな堂々と嘘言えるわね…!)

(ふ、勝てばよかろうなのだ、勝てば)

 戦いに卑怯も何も無いからね。騙される方が悪い。

「…、勇敢な少女よ、お詫びと言ってはなんだが、私にホイミをかけさせてはくれぬか?そうすればもう一度決闘をしきり直せる」

「あ、お願いs…、当然ですね。さっさとかけてください」

(おいこら)

 ーー黒騎士はホイミをとなえた!ーー

 ーーナインのキズがかいふくした!ーー

「さて…、これでいいか?」

「はい、大丈夫です」

 さて、あとは不意打ちからのー

「勇敢な少女よ、ここまでやっといてはなんだが、私に闘う意思は無い、と言ったら信じるか?」

 突然、黒騎士がそんなことを言ってきた。

「一回攻撃されたからね、ちょっと…」

 そう言って僕のこと攻撃するんでしょ!バトル漫画みたいに!バトル漫画みたいに!

「それは、キサマが攻撃してきたか…、いや、言い訳だな。すまない」

(ねぇ、ナイン)

(何?サンディ)

(すっごい罪悪感なんだけど。なんで100%ナインが悪いのに謝られてんの?)

 無視。あーあー、都合の悪いことは聞こえないなー。

「これで信じてくれないか?」

 そう言って黒騎士は槍を捨て、仮面をあげっ!

「?どうしたか?」

『黒騎士…!あんた、骸骨!?』

 黒騎士の中の人は骸骨だった!

「そうだ。長い眠りから起きたらこうなっていた」

 そう言って顔を伏せる。

 哀愁を漂わせるその姿は、何があったのか思わず話を聞いてあげたくなる。

 だがボクは油断しない。そう思わせて油断したとこを襲う気なんだろ!ボクは知ってるぞ!そういうのお約束っていうんだろ!

『いい加減にせいやー!』

 ばちんとサンディに頭を叩かれる。痛い。

『明らかあっちに悪意無いやろー!』

「ごめんなさい調子乗りました許してくださいなんでもしますから」

『謝るの早っ!』

 というわけで、気を取り直して。

「黒騎士、あんたの話聞いてあげるわ。か、勘違いしないでよねっ!サンディに聞けって言われたから聞いてあげるんだからね!」

『なんでツンデレ!?』

「わ、わかった…。すまない…」

『黒騎士も素直に受け止めないのー!あー!まともな奴は他にいないのー!?』

失礼な。それじゃまるでボクがまともじゃ無いように聞こえるじゃ無いか。

 

 

 

「私の名は、レオコーン。ルディアノ王国の騎士である」

 黒騎士の名はレオコーンというらしい。

 そこそこなのある騎士だと言っていたがボクは聞き覚えがなかった。

 ルディアノ王国、には聞き覚えがあったがうまく思い出せない。

 やたら話が長かったので半分うとうとしていたが、話をまとめると、

・ ルディアノ王国第一王姫メリア姫と永遠の愛を誓…婚約した。

・ 直後に魔女イシュダルが現れる。なぜかレオコーンにべったりしてくる。

・レオコーンがイシュダルを断り続けていたら、イシュダルが魔物を集めて国を襲撃する計画立ててた。

・自分の責任であろうので、止めるメリア姫を説得してイシュダルの元へ。

そこで彼女と戦い、自分もろとも彼女を封印。

・大きな地震で気がつき、自慢の視力で辺りを見回してたら城にメリア姫がいた。

・なのに会いに行ったら拒否られる←今ここ

 つまり、

『三角関係の典型的なパターンてやつねー』

 呆れながら言うサンディ。

 しかしそんなつぶやきは筆頭騎士(笑)レオコーンには聞こえない。

「…なにゆえ…、なにゆえ、姫君は貴様のようなものを私の元に遣わした…」

 悲痛な声が、彼の喉から漏れる。

「メリア姫はもう私のことを、あの時交わした約束は偽りだったというのか…!」

 そこでサンディのツッコミ。

『いや、あの姫様はフィオーネ姫で、あんたの言ってるメリア姫じゃ無いって』

 ーーサンディは現実を突きつけた!ーー

「な、なに…?そ、それは誠かっ!?」

 ーー黒騎士は現実を知った!ーー

「そうか…、そうなのか…。言われてみれば、彼女はルディアノ王家に伝わる首飾りをしていなかった…」

 落ち込むレオコーンだが、すぐに顔を上げて言う。

「いや、姫に会えなかったのは残念だが、この姿を姫に見せて悲しませるよりかはずっといい。迷惑をかけたな、勇敢な少女よ」

 ものすごいポジティブ思考で気を取り直す。回復早すぎ!

「自らの過ちを正せねばいけないな…。今からあの城に…否、かえって迷惑になろう。すまない、勇敢な少女よ、私が謝罪していること、もうあの城に近づかないことを王に伝えてくれないか?」

 さすがにこれはふざけられない。そういう雰囲気じゃないし、何より後ろでハリセン抱えているサンディが怖い。

「分かった。伝えておきます」

「ありがとう、勇敢な…、そうだ、名を聞いても?」

 レオコオーンが名を聞いてくる。

「…ナインです」

「ナイン、か。第九階位(ナイン)…?どこかで…?いや、今はいい。ナイン、今回は迷惑をかけた。すまない。機会があればまた会おう」

 そう言って馬に乗る。

「ナイン、汝に天使と星々の加護があらんことを」

 

『ナイン?どうしたの?顔チョー怖いよ?』

「へ?あ、なんでもない」

 気づくとサンディが顔の前でふよふよしていた。

『それにしては…

「なんでもない!ぼーっとしてただけ!さ、帰ろ!もう朝になるし!」

 無理やり話を切ってボクはセイントシュタインに向かって歩き出した。

 

『ナイン…、どうしたんだろ。あたいの時もそうだったけど…、名前の話になった瞬間とても嫌そうな顔してた…』

 




設定2

ナイン

1 せいべつ  おんな
2 たいけい  5 (一番小さい。つまりロリ)
3 かみがた  9 (ポニテ)
4 かみのいろ 9 (水色)
5 かお    2 (濁った目…を意識)
6 はだのいろ 3 (普通よりすこし白い)
7 めのいろ  6 (青 亀的に蒼を意識)
8 なまえ   ナイン

その他
童顔。貧乳。低身長。具体的には身長148。そして17歳。
だれがなんといってもロリですありがとうございます。
合法…ではないな、うん。多分。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4 宿屋の会合 天使

来週、下手すれば4月まで次の分投稿できないかもしれないです…。
できるように頑張ります。
みんな!どうかおらに感想を!(おい)


はい、いつも通り調子のりました。


 

 それは、くだらない疑問。

 

 何度もなんども。意味の無いことだと、答えの無いことだと自分に言い聞かせてきた。17年間、生まれてからずっと頭のどこかで考えてきた、そんな疑問。

 ボクの全てであり、自分が嫌いな理由であり、全てにやる気が無い理由。

 自分から気力が感じられない、という自覚はある。

 周りに対する劣等感とか、物事に関する関心が無いとか、そういうことじゃなく。

 どこか、肝心なとこで諦めている気がする。

 師匠が言うには、「他人に頼れば分かる」らしい。

 だけど、いつも他人の頼りっぱなしのボクが分からないのだ。これはどういうことなのだろう。師匠にも分からないということなのか?

 師匠はよく意味深なことを言う。

 いや、師匠に限らず天使は皆回りくどい言い方をする。

 なんなの?かっこつけ?その年で厨二病なの?

 ボクが天使が嫌いな理由の一つだ。

 いつもいつも上から目線で物事を喋って。

 偉そうなことを言っている割には物事の本質を全然理解してないで。

 他人のことを見下して。

 そのくせ自分ができないと、周りを巻き込んでそれらしい理由をでっち上げる。

 周りもそれが間違っていても、自分も同じことをしているから何も言わない。

 他にも、他にもたくさんある。

 そして、もれなくボクもそんなクズな連中の仲間である。

 少数だが、師匠のようなクズでは無い天使だっているにはいる。

 でも、だめなのだ。

 だから、ボクは答えが知りたい。

 こんなくだらない、考えているだけバカらしいと分かっている疑問の答えを。

 朝、顔を洗った後に鏡を見ながらまた考えている。

 思わずため息が出た。

 あぁ、生きてる意味ってあるのかなぁ、と。

 

 

 

 あの後、王様に報告したら激おこぷんぷん丸されたの巻。

 うん、黒騎士の話を信用されなかったのである。

 姫さんは姫さんで「どうして信じてあげないんですかっ!」ってどっか行っちゃうし。

「ほんとわけわからん…」

 これじゃサンディと二人で考えた「国民に感謝され、一気に星のオーラ回収大作戦」が台無しである。

『あの王様、なんなの、ちょームカツクしー!』

 この通り、サンディもご立腹である。

「どうする?これじゃレオコオーンのとこ行った意味無いよー」

 レオコオーンのためにだるいだるいLVあげを行い、レオコオーンの長〜い話で一徹、挙げ句の果てにはそこまで頑張ったのに王様には怒られる始末。

 もはや哀れ。

「…笑えよ、サンディ…」

『いや、あたいも被害者だって…』

 そうして、二人してリビングデット状態で城の中を歩いていると、

「あの、ナインさま、ですか?」

「あ、はい、ナインです」

 とあるメイドさんに声をかけられた。

「私、ここでメイドをしている冥土と言います」

 ややこしい。しかも名前がどこか不吉。

「姫さまから、ナインさまを姫さまの部屋にご招待しろ、と姫さまから仰せつかっていて…」

「姫さまから…?」

 なんだろう、徒労ぷぎゃぁとか言うつもりだろうか?

『いや、そんな姫さま性格悪く無いでしょ』

 そんなことを話しながらボク達は姫さまの部屋に辿り着く。

 というより、今気づいたのだが。

「冥土さん、あなたLV20近くありません?」

「あれ?バレちゃいました?」

 そう言っておもむろに腰を落とし。

「はっ!!」

ーーメイドAのせいけんづき!ーー

 ボクの顔の横を必殺の拳が通り過ぎる。

 そして、ぶぉん、という風をきる音。

 あれ?音が、遅れて聞こえてくるよ?

「姫さまに何かしたら、この拳が突き刺さりますよ?」

「キモニメイジテオキマス」

 怖い、勝てないよこれ。もう冥土さん全部あなた一人でいいんじゃ無いかな…。

 恐怖を胸に、姫さまの部屋に入る。

「し、しつ、しちゅれいしま、しつれれいします!」

『コミュ障ーかっ!』

 いや、冥土さんが怖すぎて。

「ふふ、そんなに緊張しなくていいわよ?」

 さあどうぞ、座ってとフィオーネ姫が椅子を出してくれる。

「あ、いや自分立ってますから」

「あ、もしかして冥土になんかされた?」

 くすくすと笑う姫さん。

 その様子だと、あの冥土さんの被害にあったのはボクだけじゃ無いらしい。

「気にしなくてもいいのよ?あの子、私にとうさま以上に過保護気味なの。私とあまり年も変わらないのに」

 過保護気味ですか、あれが。

 警告で、鍛え抜かれた必殺の拳を問答無用で人の顔の横に撃ってくる、あれが。

「それより、あなたにお願いがあるの。簡単な依頼になるんだけど、聞いてくださる?」

 あ、これ断ったら死ぬやつや。後ろの扉から殺気ががががが。

「わかりました、聞きます」

「まぁ、うれしいわ♪」

 いや、だって聴かなきゃ死ぬし

「先ほど話してくださったルディアノ王国、私も聞いたことがあるの。

 昔婆やが歌ってくれたわらべ唄にその名前があって。

 依頼ってのは、そのルディアノ王国について調べて欲しいの。

 どう?受けてくださる?」

「ぜひ受けさせてもらいます」

 あ、殺気が減った。よかったよかった。一安心。

「嬉しいわ!感謝します、ナインさま!あ、それで婆やはいま、ここから北にあるエラフィタ村にいるの。婆やには私の名前を出せばいいと思うわ」

 ここから北…。魔物、強くなるんだろーなー…。

「お願いしますね!ナインさま!」

 

 

 

「それでエラフィタ村までー?大変ねー」

「大変ってレベルじゃ無いよーリッカちゃん…」

 姫さまから解放されしばらくして。

 一応エラフィタまで行く準備はできたボクは、最近日課になりつつあるリッカちゃんに愚痴…もといおしゃべりをしに来ていた。

 今はもうお昼近く。エラフィタ村は黒騎士と戦った麗しの湖畔よりさらに北、正確に言えば北西にある。普通に歩けば半日、魔物と戦いながら進むことを考えるともっとかかる。行ったことの無い場所なのでキメラのつばさも使えない。魔物が活発になる夜に歩くことは論外なので、必然的に朝に出ることになる。

 ということでボクは今、暇なのである。

「それにしてもー」

 リッカちゃんがボクを見ながら言う。

「本当に黒騎士を倒してきちゃうなんてねー。いつの間にそんなに強くなっちゃったの?」

「へへーん、どんなもんだーい」 

 耳をすませば、宿屋はボクの話題一色だ。

 どうやら朝方帰ってきたボクが城に入ってしばらくして、表の看板に貼られていた黒騎士討伐依頼の髪が剥がされたのを見て、そういう推測になったのだろう。

 王様は「そんな嘘をっ!」って言っていたので、剥がすように指示したのは多分姫さまだろう。黒騎士が万が一討伐されたら話が聞けないと思っての行動。

 うん。無駄に行動力がある姫さまだな。

 もちろん、褒めてない。だってそのせいでボクはエラフィタまで行く羽目になったんだもん。

 しかも、王様がこの噂に気づく前に姫さまの依頼を終え、かつ王様に黒騎士がもう姫さまを狙わないって説得させないと大変なことになる。

 主にこの街におけるボクの世間体が。

 ボクが言い出したことでは無いものの、嘘つき扱いされること間違いなしである。

「あ゛あ゛ーーー、お腹がギリギリするんじゃー…」

「ま、まあ頑張って、ナイン」

 リッカちゃんだけがボクの味方である。天使か。あなたがボクの天使か。いや、天使だとリッカちゃんが汚れる。

『あーたーいーはー?』

 あーはいはい味方味方ー

『こ、こいつー…!』

 だって、ねぇ?

 そんなことはともかく。一つ真面目な相談事が。

『そんなこと!?』

「どうしたの、ナイン?」

「いやー、黒騎士と戦って思ったんだけど。やっぱ、パーティー作ったほうがいいかなーって」

 つまり、ボクの代わりに戦ってくれる肉だt…もとい前衛が必要。じゃないと、本当にボク死んじゃう。チキンプレイじゃボス級と戦ったらジリ貧だ。

「うん、作ったほうがいいと思う。いくらナインが強くても、一人だといつか限界がきちゃうよ?」

 ルイーダさんに頼めばいい人紹介してくれるよーと言ってくれるが、一応一人、誘いたい人がいるのだ。

「えぇ!?ほ、ほんと!?」

『ナイン、あんた本物?』

「ねぇ、ボクのことなんだと思ってるの?」

「『いや、ナインだし』」

 ボクは泣いてもいいと思う。

 それにしても、サンディの姿も見えないし声も聞こえないのに、声を合わせるリッカちゃんはすごい。さすがボクの友達である。

「それで?誰なの、その誘いたい人って」

『男?もしかして一目惚れ?』

「リッカちゃんは多分知ってる人だよ?」

 妖精(おっさん)は無視するに限る。

 彼は一目見たときから友達になれる気がした。同族(ぼっち)のオーラをビシビシ感じたし、きっとボクと気があうだろう。是非ともパーティーにはいってほしい。

「私が知ってて、ナインのお眼鏡に叶う人?…うーん、いないんじゃ無いかなぁ…?」

 分からないじゃなくて、いないときたか。これはあれだ、ボクに泣けと言っている。そうに違い無い。

「…、本当にわからない?ほら、最近有名な…」

 そこまで言いかけて、急に宿屋の騒がしさが消え、代わりにざわつきがやってきた。

 理由は簡単。最近有名な彼が来たのだ。

「噂をすれば何とやらっていうよね」

「え…?ナイン正気?」

 おやぁ?本気でボクの心配をしてる顔だぞ、これ。

 サンディだけでなくとうとリッカちゃんにまで正気を疑われた。鬱だ。死にたくなった。

 しかし、僕は強い。こんなんじゃめげない。

「よし!思いついたら吉日、さっそくパーティーに誘おう!」

「ナインまって!もしかして黒騎士に呪いかけられたんじゃ無いの?」

『落ち着いてナイン!まずは深呼吸!すーはー、すーはー』

 めげてなんか…、ないもん…!

 精神的苦痛をたえ、声をかける。

「ねぇ、そこの冒険者さん」

「…」

 え?目があったのに無視されたよ!何?今日のボク扱いひどくない!?

 いや、聞こえなかっただけかもしれない。もう一回!

 

「ねぇ、そこの背のでかい冒険者さん!」

 

「え、本気なのナイン!?」

 本気で泣いていいよねこれ!?

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4 宿屋の会合 狩人

サードサイドです。

…ややこしや


 

 それは、見飽きた夢。

 

 何度もなんども。気を抜けば起きている時までフラッシュバックする。3年前からずっと見続けてきた。そんな、夢。

 俺のトラウマであり、生きる理由であり、壊れた理由。

 自分がどこか壊れている、という自覚はある。

 感情があまり表情に出ないとか、感性が周りと違うとか、そういうことじゃなく。

 どこか、肝心なとこが壊れている気がするのだ。

 あいつ曰く、「生に対する執着心が無い」らしい。

 俺に限ってそれは確実にないと思うのだが、自分では分からないこともあるので一意見として受け取っておいた。

 あいつは時々何の根拠もなしに正解を言い当てるのだ。

 そう、ちょうどこの夢の時も。

「今日は狩りに出ないほうがいい」、と。

 だが、俺らはその言葉を一蹴して狩りに出た。

 そして、『ああ』なった。

 圧倒的なまでの暴力の嵐が沈黙した孤島。

 真っ赤に染まった俺はただ一人、そこで立ち尽くしていた。

 それを他人事のように見ている俺。

 全てを救い、一部を失った自分。

 あれがなければ俺は死んでいたが、あれの結果とうとうサードという狩人は死んだ。

 仲間とともに。

 そして、悪夢は終わる。

 目が覚めた俺はすぐに顔を洗うためベットから出る。

 顔を洗い終わり、何気なく自分の鏡を見る。

 能面をかぶった死人がそこにいた。

 最悪な、1日の始まりだった。

 思わずため息が出た。

 あぁ、生きるのは大変だなぁ、と。

 

 

 

 

 結局、俺がベットから出れるようになるまで一ヶ月近くかかった。

 こんな大怪我は本当に久しぶりだ。今まで周りの誰かが怪我をすることはあっても、自分の怪我なんてあまりなかった。それこそ初めてのクエスト失敗以来である。ちなみにそれは上位レイアに全治2ヶ月のこんがり肉にされた時のことだ。上位に上がって調子に乗っていた俺にはいいお灸になったと思う。こんがりして村に運ばれた俺を見て、「調子に乗らないで…!」とあいつに泣かれたのは、忘れることのできない出来事の一つだ。もちろん、悪い意味で。いくら幼馴染でも、女性を泣かせたらこうなる、と身を以て知った。

 さて、ここの人たちにはかなりお世話になった。怪我の治療に始まり、衣食住。

 そして、今後の俺の扱いまで。

 あの時の話し合いは、俺も困った。本当に、いや予想以上にめんどくさい話になった。なにせ、お互いの情報がお互い理解できないのだ。

 住んでいたとこを説明しようにも、誰もそんな場所見たことも聞いたこともないと言われ。

 奇跡的に持っていた、身分証明にもなるギルドカードを見せても「なんだこれ?」と言われ。

 逆にこの場所のことを聞いてもセイントシュタインとかいう俺の聞いたことのない国だと言われる。

 極め付きは世界地図だ。

 俺の知っている世界地図と全く形が違ったのだ。

 話が進まなかったので、地図でどの辺か説明しようと地図を貸してもらったのだが、その地図は見たことのない大陸しか書かれてなかったなだ。

 これは本当に世界地図かと聞いたら頭のおかしい人を見る目で見られた。解せぬ。

 あ、こりゃ話し合い終わんねぇなとか思い始めた時、あの冥土とかいうメイドさんが助け舟を出してくれた。

「ほら、皆さんあれじゃないですか?昔話の『不思議な男の恩返し』!サードさんはあの不思議な人と同じ状況なんじゃないですか?」

 どうやら昔話に、今の俺と同じく身元不明の男が助けてくれた老夫婦に恩返しをするためあちこちを駆け回る話があるらしい。

 その話では彼は『イセカイ』と呼ばれるところに帰ったらしい。

「…確かに同じように見えるが、あれは昔話。これは現実問題だろう?」

 あの頑固おやj…兵士長はどうやら俺を信じてないようだったが、それ以上に納得できる説明がなかったので俺の扱いは『身元不明の男』になった。

 まぁ、当たり前だ。というより「怪しいやつ!」とすぐに追い出されなかったし、ここの人たちはユクモ村の人たち並みに優しい。ここの王様はいい国を治めてる。

 また、世話になった時にかかったお金等を返したい、という俺のわがまままで聞いてくれ、俺は『冒険者』という職に就くことになった。

 冒険者というのは身も蓋もないもないことを言えば、信用ならないハンターのようなものだ。

 厳密にはだいぶ違うが、「人の依頼(クエスト)を聞いて、それを叶える。」という点においては同じだろう。

 どちらも人のための仕事である。

 しかし冒険者というものはハンターと違ってきちんとした職業ではなく、あちこちを旅して回り気まぐれに人の頼みを聞く人たちのことを便宜上『冒険者』と呼ぶらしい。

 なるほど、よくわからん。

 まぁ、俺は働いてお金を返す。そのついででユクモ村に帰る方法を探す。それだけだ。何の問題もない。

 …、何の問題もない、はずだった。

 冒険者になって1週間。

 いつも通り俺は、依頼をする人、受ける冒険者で賑わう宿屋にはいる。

 つい最近まであまり賑わっていなかったのだが、看板娘であるリッカという少女がきてから急に賑わい始めた…らしい。俺は賑わっていない宿屋を知らないから想像できないが。

 中央通りにいても宿屋の喧騒が聞こえてくるこの宿屋が、少し前まで閑古鳥が鳴いていたなんて信じられない。

 喧嘩や乱闘騒ぎもめったに起きないらしく、サービスや料金まで素晴らしい。まさに理想の宿屋。

 そんな宿屋だが、俺が入るとすぐに静まる。

 そして聞こえてくる小さな声。

「あ、あいつだわ」

「常に無表情の冷酷な冒険者っ…!」

「気に入らないものはすぐに排除するってやつ…?」

「魔物との戦いも血みどろにながら一人で戦ってたって」

「しかも笑ってたって、その時」

「ま、まじかよ…」

 俺は悪目立ちしていた。

 なんで?なんかしたか、俺?心当たりなんてないぞ?

 あれか?高額のクエストだけかっさらうから妬まれたか?そういえば、俺のほうが先に依頼を受けていたのにいちゃもんつけてきた奴がいたなぁ。なんか逃げてったけど。あれかな?

 それともあっちか?魔物(ここの生き物で凶暴なもののことを言うらしい。うむ、普通の生き物との違いがよくわからん)の返り血を洗わず宿屋に来たのが悪かったのか?

 あとは…、お金がある程度溜まったから買った武器の試し斬りが楽しかったから思わずにやけていたことか?(ちなみに太刀がなかった。一番使い慣れている種類の武器がないとは…。ちょっと辛い。)

 しかし、悪いことはしてないので堂々としていればいい。俺はわるくねぇ。

 ということで依頼がないか、紙に書かれた依頼が貼ってある依頼板を見に行こうとする。

 そこで、とある会話が耳に入った。

「おい、あそこでリッカたんと話してる奴ってまさか…」

「蒼髪ロリであの死んだ魚のような目…、あいつは確か黒騎士をやった奴じゃないか?」

「あの噂って本当なのか?たった一人で黒騎士を倒したってのは」

「多分、間違いない。俺も確認した。」

「つうか何であんな奴がリッカたんの友達なんだよ許s…否、わけわからん」

「いや、俺あっちの方好み」

「おい、ロリコン」

「おまわりさんこっちです」

 黒騎士、というのはつい昨日までこのセイントシュタインを騒がせていた魔物である。

 どうやら「姫よこせー!!」と王様に脅迫していたらしい。依頼主が王様なので、王様に会えない俺は依頼を受けることができなかった。

 昨日まで表の看板に王様じきじきの黒騎士討伐の依頼が貼られていたのだが、

朝一に城に行った彼女が入ってしばらくして剥がされたことから、彼女が黒騎士を倒したことはほぼ確定だろう、ということらしい。

 その、そこそこ強かったらしい黒騎士を倒した、というのが先ほどの会話の少女なのだろう。

 興味がわいたので、カウンターを見てみる。

 

 そして、目があった。

 

 なるほど、死んだ魚のような目、というのはよく言ったものだ。

 目自体に悪いところはない。医者じゃないので詳しいことは分からないが、いたって正常に見える。

 問題なのは、本人だろう。

 目に、光が灯ってないように錯覚してしまうほどの覇気のなさ。

 黒騎士を一人で倒すような少女だ。かなり強いのだろう。誰かに守ってもらう必要が無いくらいには。小さいのに凄い。

 しかし俺には彼女が助けを求めているように感じた。彼女が、深い悲しみを追っているように見えた。

 そう感じるほどに、彼女は儚げに見えた。

 ハンターとしての性か、彼女を助けてやりたかった。

 だが、俺には不可能な話であった。

 たとえ火龍を討伐できる実力を持っていようが、俺には絶対無理だろう。

 実際そうだったから。

 トラウマが甦ってきたので慌てて別のことを考える。

 今、ここに来たのは依頼を受けるため。俺は今依頼を探しに来たのだ。さっさと数こなして城にお金を返さなくてはーーー

 

「ねぇ、そこの背のでかい冒険者さん!」

「え、本気なのナイン!?」

 

「…、俺か?」

 先ほどの少女に声をかけられた。後ろで看板娘のリッカがなぜか慌ててる。

 そして、

 

「わたしのパーティーに入らない?」

 

「…なぜ俺?」

 当然の疑問。この宿屋にいたなら、俺の噂ぐらい耳に入っているはず。現にそれでリッカに止められたのだろう。

 まさかだがさっき目があったからとかいうおかしな理由でじゃないことを願おう。

「ボクと同じ目だったから、じゃだめ?」

 予想の斜め上だった。

 俺が彼女に対して思うところがあったのと同じように、彼女もまた、俺に何か感じたのかもしれない。

 だけど。

「…だめだな」

 俺はパーティーを作らない。ここでも、それは同じだ。

「な、なんで?」

 少女は理由がわからない、といった感じにこちらを見上げる。

「ボ、ボクあなたがどんな趣味でも多少なら受け入れるつもりだし、他にメンバーいないよ?それに一人だときついって!黒騎士と戦った私が言うんだから!だ、だから、ね?入らない?」

 …、目をうるうるさせてあざとくしても俺は入らん。…入らんからな?

「なんで!なんでそうまでして一人がいいの!?」

「仮に」

 あまり、言いたく無いが話そう。

「仮に?」

「俺が仮にお前のパーティーに入ったとしよう。そうした結果、どうなるかわかるか?」

「ボッチじゃなくなr…、分からない」

 

「お前が死ぬ」

 

「…え?」

「冗談じゃない。ジンクスでもなんでも無い。俺はそういう星のもとに生まれた。ただ、それだけだ」

 いや、そう言い訳してるだけだ。本当はーーー

「くっだらない」

 目の前の少女がそう吐き捨てた。

 思わずその顔を見る。

 それは親の仇でも見るような、そんな表情だった。

「そういう星のもとに生まれた?それこそジンクスの名に混んでも無いじゃん。おうおう、お前がそう思うならそうなんだろうよ、お前ん中ではな」

 …全くその通りだった。

「無駄な時間を使った。じゃあ」

 そう言って彼女は去っていく。

 後には、俺だけが取り残された。

「俺んなかではな、か…」

 あの子は、言い訳をしている俺を一発で見抜いたのだろうか。

 それで、声をかけてくれたのだろうか。

 そんな子を、守ってあげたいとか思っていたのだろうか。

「図々しいどころか…、滑稽だな、俺」

 ごめん…二人とも。

 俺はまだ、前に進めそうに無いよ。

 

 




今度から視点は基本
シリアル…サード(狩人)
ギャグ、という名のうるさい何か…ナイン(天使)

でいけたらいいなぁ…。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。