アカメが斬る! 運命変革の一斬 (天狼レイン)
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第零斬 部下たちの平穏

初めての方は初めまして。
初めてではない方はお久しぶりです。
作者の天狼レインと言います。以後お見知りおきを。

今回はまたも作品数を増やす真似をすることとなりました。本音を言えば、他の作品を書く気力が尽き始めてるだけです。
それでも何作かは完結させるつもりでいますので、ご理解を。

さて、今回のこれは気まぐれで書き始めたものなので途中で失踪するかもしれないということはご理解の上でよろしくお願いします。
ぶっちゃけますと自己満足です。皆さんが気に入らないと思ったシーンが多発するかもしれませんが、ご了承ください。

それでは小説の方をどうぞ


首を刎ねる。

ゴロリと地面に落ちた。

それを続くように大きな巨体は地面に伏した。

断たれた頸部からは血の雨が噴き出す。

 

「討伐、完了」

 

血の雨を浴びてしまうことを余儀なくされ、大きく溜息をつく。

ポリポリと頰を人差し指で掻き、服に染み込んでいく血の臭いと悪戦苦闘することになる未来の自分を思い描いてうんざりする。

再度溜息をつき、殺した標的へと振り返る。

兎に角、大きな巨体に少々不気味な全身。落ちた首に浮かぶ、感情を読み取れなさそうな顔面。

 

今し方殺したのは人間ではない。

この付近に大量発生していた一級危険種である『土竜』、その特異個体だ。

 

本来の『土竜』とは体色が違うことは当然ながら、身体機能の発達には目覚しいものがあり、驚くべきことはやはり、原種たる『土竜』本来の攻撃方法に加え、一部の発達した部位からの予想のできない初見殺しが放たれたことだ。

当初、とある将軍が寵愛していたという将軍候補の兵士が一人、この変異した『土竜』に惨殺されたという報告がされた際には、目を見開くほどに驚いたものだった。

実際、こうやって討伐した後にも、まだ驚きは隠せていない。

戦闘力の桁違いさ、予想不可能な初見殺し、慈悲一つない連続攻撃の嵐に、武器の優先的破壊などの知能活性化。

それが今回、合間見えた特異個体『土竜』だった。

 

そんな危険種との一戦を無事に勝利し、周囲で他の通常個体『土竜』を討伐した部隊へ、少年は血に塗れた姿で声をかけた。

 

「お疲れ様。お前ら、全員無事か?」

 

視線を左右に動かし、答えが返ってくる前に人数を数えておく。

五……十……十五。

どうやら誰も欠けず、生き残ったようだ。

微かな安心を抱き、ホッとしながら、近くにまで来た部下ーーナハシュとポニィの二人の報告を聞く。

 

「軽傷者一人、重傷者死亡者共にゼロ。不意打ちを受けた際に武器で受けてひっくり返った雑魚が軽いたんこぶ程度だ。特にこれといった怪我はないぞ、ソラ」

 

「そうそう。奇襲を受けた班もいたけど、全部カエル討ちにしてやったみたい」

 

「カエル討ちじゃなくて返り討ちだ、馬鹿。前も間違えていたんじゃなかったのか?」

 

「馬鹿じゃないし! あれから頑張って勉強したし!」

 

「なら間違えるな。こっちが恥ずかしいだろうが」

 

やいのやいのと言い合う二人。報告なのかを再考したくなる行動に苦笑しながら、軽口で返す。

 

「報告お疲れ様。元気な姿を見せるのは良いが、人目のある所ーー他の仲間もいるところで、それも朝からよくもまぁ、そんなにイチャイチャできるな、お二人さん」

 

「イチャイチャなどしていない! 誤解を招くだろう!?」

 

「イチャイチャなんて……して……ないし」

 

「自信なさそうに言うな! それこそ誤解を招くだろう!? おい、何を笑ってる、ソラ。いくら将軍だからと言っても流石に怒るぞ。あと周りの雑魚、何を笑ってる! 微笑ましそうに見るな!」

 

周囲にも微笑ましそうに見られ、笑われたことに怒るナハシュと、頰をほんのり赤くしてもじもじするポニィの姿に笑い声を隠せず、彼らを纏める少年ーー将軍ソラスハルトは我慢せずに笑う。

 

「ハハハ、悪い悪い。まぁ二人はこの後、変なことさえ起きなきゃ後は自由時間だからな。のんびりデートでもしてこいよ」

 

「くっ……ああ、そうさせてもらう。ほら、お前もだ。いつまで恥ずかしがっているつもりだ。いつもように馬鹿みたいにしていればいいだろう? どうしてこういう時に限って一丁前に恥ずかしがっているんだ」

 

「は、恥ずかしがってなんかないもん。思いっきり動いたから体温が上がっただけだから!」

 

「即座に討伐して1番に休憩していただろう。体温などとおに下がっているはずだ」

 

「う、うるさい! そういうナハシュだって顔が少し赤いじゃん!」

 

「そんな訳があるか! 大体お前はーー」

 

『仲の良い夫婦だなぁ』

 

「なっ!? 今、夫婦だと言った雑魚は出てこい! 片っ端から説教をくれてやる!」

 

「ふ、夫婦……〜〜っ〜〜!」

 

「顔を真っ赤にして嬉しそうにするな!」

 

大量発生した『土竜』の討伐隊として参加した暗殺部隊ーーだった組織、現在は高速機動部隊と称される、同じ隊の仲間たちの前で、リーダーであるナハシュは多少自分自身も顔が赤いことを気にしていながら、隣で顔を真っ赤にするサブリーダーのポニィの肩を揺する。

 

「ーーところで、ソラ。お前が戦っていた特異個体の『土竜』はどうする? 帝国の方へ研究サンプルとして運ぶつもりじゃないのか?」

 

ポニィを揺するのを一度止め、周囲のことを一旦放置し、ナハシュがソラへと訊ねる。

 

「そうだな。性格とかに難はあるが、腕だけは確かなオカマがいるし、あれのところに投げておけばいいと思う。他の通常個体の『土竜』も甲殻は需要あるし、一応肉の方も食えるとこは美味しいからな。クロメが特に喜ぶだろう」

 

「了解した。特異個体『土竜』は俺たちの班で運ぼう。通常個体『土竜』も今し方、生暖かい目で見ていた雑魚共に運ばせればいいだろう」

 

『ええー』

 

「ええー、じゃない。働け雑魚共。帰ったら休憩だろうが。そこまでは動け。あと、お前もだ、馬鹿。いい加減にしっかりしろ。この後の予定を著しく変更するぞ」

 

「ちょっ!? ま、待って! それはダメ! 頑張るから! アタシ頑張るから!」

 

「なら最優先でそっちの『土竜』を運ぶぞ。色が違うやつだ」

 

「そこまで言われなくても分かってるもん!」

 

大慌てでナハシュの向こう方へとポニィは走っていく。人数は比較的少ない編成であったが、それでも事前に大きめの台車を二つ用意していたこともあり、片方は特異個体を、もう片方は形のいい数体の通常個体を乗せた。

一方で、ソラは形が悪かった方の通常個体の方に向かうと、手早く甲殻を腰にかけた、太刀の帝具『運命変革 ジャッジメント』で適当な大きさに斬り裂いた。

元より太刀であるがゆえに甲殻を斬るのは楽だが、肉を解体するのはあまり向いていない。やはりそういう面は剣のような小回りの利くものなのだろう。

 

「そもそも捌くのなら包丁一択だよな。骨とかあの辺りは流石に他の道具がいるだろうが」

 

なるべく肉の塊になるように斬り裂き、分けて、地面に置いておく。骨も骨で必要とされている部位を除いて近くで山にして捨て、必要なものも頼まれていた大きさに削っておく。

 

「さて、と。他の危険種が食べるならこれぐらいでいいか。そろそろ三級の奴らだって出てこれるだろうしな」

 

太刀を一振り。血を払うと、腰に差した飾り気のない鞘に納め、その場を後にする。背後で隠れていた危険種たちが置いていた肉の山に、少し怪しんでから飛びつく気配を確かに感じると多少の安心を覚える。これでしばらく生態系は崩れないだろう。帝都にくる業者の者達だって安全なはずだ。

 

「よし、帝都に帰還だ。その後、高速機動部隊第一班、第三班、第五班は休憩。怪我した奴はすぐに医療班に顔を出しておくように」

 

『ハッ!』

 

 

 

 

 

ーー*ーー*ーー

 

 

 

 

 

飽きた。

 

「だぁー! 判子押すだけの作業飽きたァー! てかなんでこんなに増えてるんだ!? 今朝見たとき、確かごく僅かだったよね、ねぇ、なんで!? なんか変なことでもしたっけ、俺!?」

 

「将軍は何もしてませんよ。大半が大臣の嫌がらせですから」

 

「またアイツかよ!? で、今度は何の嫌がらせ?」

 

「わざと細かくした今月分の支給品ーー言わずもがな武器の貯蔵に関するものですね。減ってたら注文しろってやつですよ。それをわざわざ無駄な説明混ぜて水でふやかすように枚数増やした代物です」

 

「ウゼェェェェェ! また!? またなの!? ねぇ、またなの!? これ先月もやったよな!? もう俺からの手紙も渡すからグリーン君、直談判して来てくれないか!?」

 

「遠慮します。それに僕が行くとまた面倒なことになりますよ」

 

「それは俺の場合も一緒だから! この前も『また文句ですか? 若いもんがそんなに怒るとすぐに萎れますよ』って言って返されたんだからな!?」

 

「いや、将軍……実際、ストレス溜まって一頻り怒ったら静かじゃないですか……」

 

「それ言われたら何も返せないんですがそれは」

 

切り札を投入され、言い返すことが出来ず撃沈する。

 

『土竜』の討伐から数時間後。ソラに待っていたのは書類の後始末。いつものことながら書類、書類、書類の怒涛のラッシュは精神的に堪える。今回は特に、初見殺しばかりの特異個体と戦ったのだから余計に……などという言い訳は当然ながら通じても働かされることに変わりはない。

元より、将軍なんぞ権力と自由以外は社畜と変わらない。それを承知した上で拝命し、そのお陰で何度も助けられたし、たくさんの命を助けることもできた。そこにいるグリーンもまた、然り。

 

だがーー

 

「ーー休暇が遠いよぉ。ソーダナー、例えるなら本来なら連休の日すら通勤することになった社畜くらい」

 

「それが貴方なんですが将軍」

 

「ハッハッハ……デスヨネェー。あーもう、休暇ほしい。今頃、市街の方で楽しくデートしてるナハシュとポニィが妬ましい、パルパルパル……」

 

「その話は僕にも痛いのでやめてくれませんか、涙が出そうです。あと、その謎言語こぼさないでください。それで変なスイッチ入った奴もいますから」

 

「グリーンみたいに?」

 

「そうそう僕みたいに突然ーー違うッ! 断じて違うッ!」

 

「元気だなぁーお前。もうさ、君に全部任せて市街に遊びに行ってもいい?」

 

「その場合、市街で出会ったナハシュとポニィに通報されて、他の者達に強制連行されて、ここに戻されますよ」

 

「デスヨネェー。前それしたもんなぁ。無茶苦茶クロメの目が怖かった……」

 

「まぁ、クロメもアカメが向こうで頑張ってますからね。何かの度に変なスイッチ入ってますから……」

 

「前それで、俺の部屋の扉バラバラにしてベッドの中に潜り込んで来たなぁー。朝、目が覚めたら首絞まりかけてて危うく昇天するところだった」

 

「クロメ信仰の強い班はそれで一度将軍を襲って来ましたね。一日中破茶滅茶なことになったのを今でも覚えてますよ」

 

口にすれば止まらなくなるほどのトラウマや高速機動部隊内部の事件。裏切りなどの暗い話など一切なく、むしろ日常的で微笑ましいものが多いはずが、それすらも色が濃すぎて黒に近い有様だったとしみじみと思い出す。

隣でグリーンが何度も眼鏡を外して涙を拭いたりしているのが見え、同情しかできない。俗にいう非リア充という奴なのだろうか、とソラはどうしても思わずにはいられない。

恐らくこの職務で無ければ、そういう風にできたのだろうな、と思うが、グリーンを見るとそうなのかが怪しくなってきて、またツラくなる。

 

「……そもそも僕は今日非番のはずなんですが」

 

「仕方ないだろ? 今ちょうど、市街の方に調査しに行ったクロメ率いる第二班と共に秘書のレムスも出てるんだから。まぁ、その代わりと言っては何だが、今度の俺の休日に化石探しにでも行かないか? お前、趣味でコレクションしてただろ?」

 

「そうですね。それなら仕方ないです。僕も我慢します。ところで、カイリの方は?」

 

「向こうは新兵の指南で忙しいってさ。向こうはこっちと基本的に休暇は被りもしないからな。とはいえ、食事の際や就寝時間付近なら時間空いてるだろうなーー今、真昼間だけど」

 

「そうですねーー真昼間です。もうじき、クロメたちが帰ってきそうですね。恐らく、限界を迎えて」

 

「ああ、限界を迎えて帰ってくるな確実に。給仕班や調理班の方は間に合ってるのか?」

 

「間に合ってますね、流石に。慣れてますから」

 

「そうだよなぁ。間に合わなかった場合の悲劇はすでに体験済みだしなぁ。他の班も骨身に染みたからな……」

 

「事件や討伐などで散々駆り出された挙句、空腹で倒れそうな全員分の食事が出来ていなかったために起こった激突でしたね、あれは」

 

「嫌なーー事件だったね」

 

「なんで溜めたのかは敢えて聞かないでおきます」

 

ポンポン。

無言でひたすら判子を叩く音が部屋に響く。

ひたすらと言えど、細かい部分のサインなども同時進行で進める。判子だけでは認証されないことなどザラにある。

それで何回やり直しを受けたことなど言うまでもなかった。それこそ、『嫌なーー事件だったね』としか言いようがない。

それから数十分、サインを書き、判子を押し続けて一頻り書類が片付くと、大きく息を吐いて、肩などを回して柔軟する。

そして一言、気持ちを吐露する。

 

「……クッソだるい」

 

「もう我慢できなかったんですね」

 

「いやもうグズっていい? ちょっと床の上で丸くなっていい?」

 

「マーグパンサーか、貴方は!?」

 

「いやさ? この残りちょっとってのがイライラするんだよ。前にこのタイミングで『書類の追加入りま〜す』って言いながらにこやかにレムスが入ってきたことあってトラウマなんだけど」

 

「それは将軍だからじゃないんですか。軍人としては最高職なんですから」

 

「文官の方はアイツが最高職ってお前……」

 

「言わないでください。こんなにど直球な話をするのは貴方くらいですよ」

 

「てか前から思ってたが、グリーン。敬語じゃなくてもいいぞ? ナハシュとかもう将軍なんて役職で呼ばないし、敬語は偶にだぞ?」

 

「いやチーフはもう堂々とし過ぎだからな? ポニィは相変わらずだし」

 

「おっ、敬語じゃなくなった。やっぱこっちの方がグリーンって感じはするなぁ」

 

「何ですかそれは。僕が敬語使うと変ですか?」

 

「うーん? 単直に言って違和感だな。ナハシュがポニィにデレデレなくらいに」

 

「そんなに酷いのか、僕は!?」

 

「俺がそんな風になる訳がないだろう、ソラ。それに雑魚、お前も何を想像した?」

 

強気な声と共に執務室の扉が開く。

そこにいたのは声の主であるナハシュと、ご機嫌な様子のポニィの二人。どうやらデートの方は楽しめたらしい。

 

「デートの方は楽しめたのか?」

 

「……それなりにはな」

 

「とか言ってるけど、ナハシュ楽しそうだったじゃん」

 

「なっ!? それはお前に合わせてやっただけだ、馬鹿。かく言うお前は尻尾でもあれば常時振るような勢いだっただろうが」

 

「そ、それはナハシュが……」

 

「はいご馳走様。変わらず仲が良さそうで何よりだなぁ、パルパルパル……」

 

「その謎言語はやめろ、ソラ。それを聞くと無性に腹がたつ!」

 

「いやだって、なぁ……グリーン」

 

「ああ、それだけ惚気られるとな。流石に僕らには堪えるものがあるんだが……」

 

「フッ……」

 

『うわ鼻で笑いやがったこの勝ち組ィッ!』

 

「………?」

 

『こっちは何のことか理解してない!? やっぱりアホの子か』

 

「アホじゃないし! あれからちゃんと勉強してるから!」

 

ナハシュとの関係をからかわれた時とは違った方面で、顔を真っ赤にして抗議するポニィ。

それに対して、やれやれとナハシュは嘆息する。が、その横顔は少し嬉しそうに見えて、ソラは自分のことであるかのように嬉しそうにする。

そこへーー

 

「……お腹減った」

 

一言目がそれなのか、と突っ込みたくなる衝動に駆られる発言と共に扉を開けたのは、市街の方に調査をしに行っていたクロメだった。

若干青い顔をしつつ、極度の空腹で足元がフラフラと揺れており、よくここまで持ったな、という言葉が喉元にまで迫る。

 

「お帰り、クロメ」

 

「……うん、ただいま。……お腹減った」

 

「報告終わったら昼ご飯にーー」

 

「ーー分かった」

 

「復帰早いな、おい。……それで、()()()()()か?」

 

「いくつかは。漸くアレの尻尾を掴んだ。他にも何件か。まだ上手いこと隠してるとこも無くはないけど、裏の取れた所を潰せば尻尾出すと思う」

 

「成程な。ご苦労様。ーーところで、ナタラとレムスは?」

 

「ナタラは仲間達と一緒に食堂に。レムスは扉の前で倒れてる。報告に向かう途中で動けなくなった私をここまで運んできてたし」

 

「よしクロメ、あとで話はあるが、先にレムスと一緒に食堂に行ってくれ。今度はお前がレムスを運ぶ番だからな?」

 

「うん、分かった。運んだら勿論?」

 

「みんな待たずに食っていいから」

 

告げた直後、扉を豪快に開け、一度しゃがんでから扉の横で倒れていたらしいレムスをおんぶし、そのまま階段を猛スピードで降りていく。やはりアカメの妹だなということを実感させられる。

 

「嵐のようだったな。毎度のことだが」

 

「クロメはアカメに引けを取らないほどの腹ペコだもんね」

 

「だからあの事件では一番恐ろしかった……」

 

『嫌なーー事件だった』

 

「なんかのノルマみたいになってないか? いやまぁそうだけど」

 

もはや口癖のようになりつつある一同に、その事件の一番の被害者であったソラは遠い目をする。

 

「さてーー取り敢えず、さっきの話だがいいか?」

 

「ああ、裏の取れた奴の件だな。特に殺さなければならない奴が漸く尻尾を出したと言っていたが」

 

「あの地方の娘たちを奉公として上京させ、その後売り捌いているという話の出た商人の件か」

 

「最低だね」

 

「ああ、だからこそ殺しておく。夕方にはそちらの報告書を陛下に提出し、出動許可を貰うつもりだ。大臣に邪魔されないように手は打つ。だからお前たちは全力で奴らを殺しに行け。やってることは『殺し屋集団(ナイトレイド)』と然程変わらないかもしれないが、向こうで全身全霊を懸けて頑張っているアカメに少しでも楽をさせてやろう」

 

『ハッ!』

 

冷たく、殺気に満ちた声音を紡ぎ、将軍ソラは自らの持つ暗い面を前面に押し出しながら、ナハシュ達に命令を下す。

いつかこの帝国が平和で安心のできるように。腐った外道を早めに駆逐し、顔知らぬ誰かの幸福のために。

 

「ーーところでだが、お腹空いたから昼ご飯食べに食堂に行かないか?」

 

『そうですね(だな)』

 

 

 

 

 

その後、食堂に辿り着いた一同が、クロメによって予想外の量を食われていたために食事が遅れる羽目になるということをまだ誰も知らない。




補足解説。
原作との齟齬。

Point.1
暗殺部隊→高速機動部隊

Point.2
薬漬けだった者達は全て薬から脱却。各々がそれなりの実力を保持。

Point.3
ナハシュ、ポニィ、グリーン、カイリ、ナタラなどの死亡者組(と思われる者も含め)の生存。

Point.4
クロメがマトモ。薬脱却が早かったため。

Point.5
零一巻で処分されたレムスが秘書として雇用されている。

Point.6
ナハシュとポニィが恋人同士。零の方ではあんなことになりましたが、あれが無ければこうなっていたんじゃないかという妄想の具現化。

などなどです。
完全な自己満足なので、すでに気に入らない方はブラウザバックなどの行動をお取りください。

それでもよろしい方は次回もよろしくお願いします。


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