GGO-魔剣士と女神.side story- (ソル@社畜やってます)
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プロローグ

近い内に~とか言っておいてスパロボVをやり過ぎた結果がこれだよ!
フルクロスとスカルハートカッコイイわ、ハルートとνとZのアニメーションが良い意味でキモいわ…スパロボの進化ってすげえ(第2次αくらいしかプレイしてない)
マジンエンペラー?宇宙戦艦ヤマト?マイトガイン?なにそれおいしいの?


「見つけたわよ」

「何人いる?」

「20人…ってとこかしら」

「ん。突っ込むから援護頼む」

「了解、任せて」            

■■■

街の片隅で集団同士の激しい銃撃戦が展開されていた。

一方はサングラスを身につけた青い髪の男が中心となり、もう一方は誰が中心となるわけでもなくそれぞれが自分勝手に動き、結果次々と体がポリゴン片へと散って行ってる。

「なにやってんだよ!」

「そっちこそ邪魔してんじゃねえよ!」

「うるせえ自己中!!」

青い髪の男、ゼクシードは相手しているプレイヤーの集団-Mobハントでのレアドロップをなりわいとしているスコードロン-が大した抵抗も出来ないまま撃たれていく様に浮かぶ笑みを抑えきれずにいた。

プレイヤーが消え、装備していたレア銃がドロップするのを見る度に内心で歓喜し、手に持つアサルトライフルの連射を加速させる。

やがてポリゴン片すら無くなってドロップした装備品を回収しながら、他のメンバーと共に一つずつじっくりと拝見していく。

中には日本サーバー内で数十丁しか存在しないようなショットガンやミニガンがあり、全てをオークションにかければ少なく見積もっても500万-現実の通貨に換算すると約5万円-はくだらないだろうとゼクシードは再び笑みを浮かべる。

 

「しっかしあいつらPvPの連携がなってなかったよなあ」

「Mobハント専門なんざ所詮はあの程度だろ」

「あんな腕じゃせっかくのレア物も泣いてるわな。だろ?ゼクシード」

「ああ、俺達が拾ってやったんだから、あいつらには感謝してほしいくらいだ!」

高々と両腕を上げながらそう言い放つゼクシードと笑い声を上げる同じスコードロンのメンバー。

が、突如飛来した銃弾によって一人のプレイヤーの頭が吹き飛ばされてポリゴン片へと変わる。

「は……?」

思わず唖然としたほんのわずかな一瞬、その瞬間に黒い何かが集団のほぼ真上から落下して、手に持った光の剣で一気に6人ものプレイヤーを斬り刻む。

「げ、迎撃しろ!生かして返すな!」

いち早く正気に戻ったゼクシードの声と共に一斉にそれぞれの銃を構えるが、既にその場にいたはずの《彼》の姿はなかった。

「バカな、どこっ……」

索敵に優れたプレイヤーが探そうとした瞬間再びどこからか銃弾が飛来し、心臓を貫く。

そして今度は《彼》が先ほどと同じように上空から襲いかかる。4人が反撃する暇もなくポリゴン片に変えられる中で、1人が距離を取ってマシンガンを連射する。

しかし、放たれた十数発の弾は一発すら届くことなく一気に接近した《彼》の餌食となった。

「弾を斬る…だとぉ…!?」

そう。《彼》は右手に持つ光の剣、日本用サーバーの運営スタッフが趣味ないし遊びで設定したとしか思えない、銃をメインとしたこの世界で最も異端とも表すべき存在の《ビームサーベル》で飛来する弾丸を全て斬ったのだ。

《ビームサーベル》で銃弾を斬るなどという芸当以上に、そもそもそんなネタ武器を使い尚且つ自在に操っていることにゼクシードを含めその場にいる全員が驚きを隠せなかった。

慌てて反撃に転じるプレイヤー達だが、気がつけば再び《彼》の姿は消え、遠くからの銃弾でまた一人サポート役が消える。

(ならば次のパターンは…)と全員が視界を上に上げた瞬間、体が浮くような感覚に陥ったかと思うと残っていたプレイヤー全員の体が真っ二つになり、HPがほぼ同時に全損したことでポリゴン片へと変わった。

やがてリスポーンしたゼクシードらは、先のプレイヤー狩りで入手した物だけでなく、自身らが装備していた物もドロップしてしまったことに気づき、特にゼクシードは深い絶望に包まれることになった。   

■■■

 

「ふぅ…」

全てのプレイヤーを斬り終えた《彼》は口元まで上げていた真紅のマフラーを下げながら息をつく。

ある程度Mobや出会い頭のプレイヤー相手に練習こそ重ねていたものの、多対一-後方にアシストはいるが-は今までやったことがなかったため、幾つもの戦いをくぐり抜けてきた《彼》でさえ緊張していたのだ。

ドロップした装備品を確認していると、後方からの正確無比な狙撃でアシストしていた《彼女》が微笑を浮かべながら近づいてきた。

「お疲れさま、リク」

「シノンも、ナイスアシスト」

《彼》…赤のメッシュが入った黒髪、真紅のマフラーと黒いマントに身を包んだリクと《彼女》…顔のサイドを結わえた水色の髪と露出度の高い服に猫の尻尾のようなサンドカラーのマフラーをしたシノンは握り拳をコツンとぶつけ合う。

「どうだった?GGOでNo.1プレイヤーって言われているプレイヤー様率いるスコードロンは?」

「ハッキリ言ってザコだな。咄嗟のことに反応はできてたけど、俺の武器と戦法には全く対応できてなかったし。まあ…シノンのアシストがあったからこそだけど」

 

「ま、リクなら勝って当然よね」

そもそもデスゲームを最前線で生き抜き3年間もプレイしてきたSAO帰還者であるリクのスキルと比較すれば、現代のVRMMOでランカーとされているプレイヤーの大半が敵うわけがないのだが。

「ドロップ品だけど、なんか欲しいものあるか?」

「ん~…無いわね。そういうリクは?」

「無い。全部オークションに出すか」

「これ、合計いくらぐらいするのかしら…」                 

それぞれ仮想世界と現実で殺人という罪を犯した少年と少女。

ある日、銃に対するPTSDを克服しようとGGO(ガンゲイル・オンライン)をプレイし始めたシノンと、心配になり付き添いで始めたリク。

これまで体験してきたVRMMOとは全く違う鉛と硝煙の世界に戸惑うどころか、慣れて行くにつれて二人はある意味ALO以上にのめり込んでいた。




Q:ビームサーベルよりライトセーバーの方が合ってるんじゃないの?
A:あんなバリエーションの乏しい千歳飴など俺は絶対に認めない
Q:ゼクシードフルボッコにされてるけど嫌い?
A:原作とアニメの描写でわかるけどただのクソヤローじゃん?慈悲は無い


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リクとシノンと………?

好きだから出したいんだけど無理そうな武器一覧
ガーベラストレート(タイガーピアス)、タクティカルアームズ、150ガーベラ、ファンネル系(ドラグーン、ファング、ソードビット、ライフルビットetc)、サテライトキャノン(ツインサテライトキャノン)、ミーティア、GNアームズ
逆に絶対に出したいやつ
ムラマサブラスター、ピーコックスマッシヤウー、多目的攻撃兵装クジャク、アロンダイト、ビームライフルショーティ、GNスナイパーライフル、超高高度狙撃銃


SBCグロッケンにほど近い隠れ家。

GGOに彗星のごとく現れるやいなや、数多くの上位ランカーを倒してその名と実力を一気に轟かせたリクとシノンはアイテムの整理やサポート用小型ロボットと戯れつつ、穏やかな時間を過ごしていた。「暇ね…何か面白い事件でも起きないかしら」

ベッドの上でうつ伏せになりながらシノンがそう呟やくと、手元の青い球状のロボットが耳のような部分をパタパタさせながら機械音声を発する。

「シノン、ゲンキナイ?」

「そうじゃないのよハロ。やることがないだけ」

「ミッション、ナイ。イライ、ナイ」

 

「はぁ~…なんか面白い事件でも起きないかしら」

[うるさいぞ、シノン。リクがメンテ中だから集中させてやれ]

テーブルの上に鎮座しているデスクトップPC程の大きさのモニターにカタカタという音と共に表示された言葉を見て、シノンは顔をしかめながら言った。

「そんなこと言ったって暇なんだから仕方ないでしょ?大体あんた本当にAIなの8(ハチ)?下手なNPCよりずっと人間らしいわよ」

[リクとユイとストレアに改造してもらったおかげだ]

8(ハチ)と呼ばれているAIは元々少しだけ会話が成立する程度の戦闘支援AIだったが、リクがALOからユイとストレアを引き連れてきて改造を頼んだ結果、会話だけならば人間となんら遜色ないレベルまで上がった。

それだけではなく、AIなのに文句や冗談を言ったりするものだから、本当にAIなのか疑わしくなっている。

「ミンナ、ナカヨク。ナカヨク」

「大丈夫よハロ、喧嘩してるわけじゃないから」

[俺との態度違いすぎないか?]

一方シノンが抱えている球状ロボットのハロは、改造することなくそのまま使用されている。

機械音声で感情はあまり感じられないものの、シノン曰わく「それがいいんじゃない」とのことで変わることなく愛されている。

「よしっ、終わった…」

「お疲れ様、リク」

[乙]

「オツカレ、オツカレ」

「…なんで8はそう淡白なんだ?」

[略してるだけだ]

「随分時間かかったけど、なにかしてたの?」

「次のレイドイベントが狩るだけ狩ったもん勝ちだからな、バッテリー増設して稼働時間延長するようにしてたんだ」

GGOは最終戦争後の地球が舞台とされており、登場するMobの多くが機械で出来た動物を模したロボットやゴブリン等のRPGお馴染みのモンスターだ。

が、最終戦争というだけあって出現率こそ低いものの、宇宙人のような敵や果てには巨大ロボットが登場し、レイドイベントではそれらが侵略しにやって来る、という設定で行われている。

[いい加減近接武装だけじゃなくて射撃武装を使えよ]

「断る。俺はこれらを使いたいがためにGGOやってるんだ」

リクが手に持っているのはいつも使用しているビームサーベルやビームザンバーの柄…ではなく、パッと見は少し細めの杖のようにしか見えない物だった。

「なんなの、それ?私見たこと無いんだけど…」

「へへ、これはここのスイッチを入れれば…」

柄の側面にあるボタン型のスイッチを入れた瞬間、ブゥンと音を立てて先端からビームの刃がまるで鎌のように発生する。

「わ!こんなのあったんだ」

「何故か名前はビームシザースだけどな。カッコいいだろ?」

「ええ、なかなか似合ってるわ」

「シニガミ、シニガミ」

[全身ほぼ黒でデカい鎌とか厨ニ病か]

「な に か 言 っ た か な ? ん ん ?」

[おいやめろこっち向けるな!少しでも触れたら壊れる!]

「まあいい、気分がいいから今回は許してやる」

[シノンが褒めていなかったら即死だった…]

「リク、コワイ。オニ、アクマ、キチク、ヒトデナシ」

「そしてハロはどこでそんな言葉を覚えた…」

「特にアップデートさせてるわけでもないけど」

[お前らの口が悪いせいだろ?]

「シノン、ちょっとヘカート貸してくれ。こいつぶち抜きたい気分だから」

「じゃあ交換でその鎌貸して。私いまこれをぶった斬りたい気分だから」

[おい、ちょ、待っ…]          

■■■

「ハハハ…」

暗い一室で《彼》はモニターに映った姿を見てゆっくりとなぞる。

顔の両サイドで結わえたペールブルーの髪、猫のような大きな瞳、小ぶりな鼻と色の薄い唇。

現実でよく知る彼女とそっくりではあるが、なによりその名前…《シノン》という名で《彼》確信した。

1年以上前に突如として行方がわからなくなった《彼女》の情報を《彼》は持てる力を全て使い、そして探し当てた。

メディキュボイドの使用のために東京に行き伝説のデスゲームに捕らわれていたこと、その中ではシノンという名前で使用す

る武器の銘から《冥界の女神》と呼ばれていたこと。

しかしわかったのはそこまでで、それ以降の足取りを掴むことはできずにいた。

そんなある日、GGOに現れた二人のプレイヤー。日本サーバー最強と言われていたゼクシードの所属するスコードロンを壊滅させたという噂を耳にした《彼》はその二人を一目見ようと目撃情報を下に張り込みを続け…そして見つけたのは満面の笑みを浮かべる《シノン》と共にいるビームサーベルを自由自在に使いこなす男。

《彼》は思った。

-お前はそこにいるべきではない。そこにいるべきはこの僕だ、お前のような男は相応しくない。大方デスゲームの中で卑怯な手でも使ったんだろ?そうでもなければ彼女が僕以外の男といるなんて………

《彼》はあの時の気持ちを思いだし、モニターに映る男の顔に勢いよくハンマーを叩きつけた。

画面がひび割れて男の顔がわからなくなったが、シノンの顔にはひび一つ届いていない。

「待っててね朝田さん…そんな男、僕が殺してあげるから…!!」




・8(ハチ)
SEED ASTRAYシリーズより。原作では超優秀なコンピューター。この作品では優秀だけどバカ。ハロロと二択で迷ったけど、面白さ的にこっちに決定。
台詞は[]←これ。
[俺の扱いェ…]
・ハロ
ガンダムシリーズほぼ全般より。可愛い。
一応00仕様で色は青。あと可愛い。
台詞は全部カタカナだから読みづらいかも。でも可愛い。
8ほどじゃないけどわりと喋る。とにかく可愛い。
シノンは一目惚れして購入した。
「ハロ、ゲンキ。ミンナモ、ゲンキ」
(可愛い…)
・ビームシザース
ガンダムデスサイズヘル(EW)より。
みんな大好き死神ガンダムの武装。勿論作者も大好き、一目見て心奪われた存在。
というかこれ嫌いな男っているの?いたらちょっとツインバスターライフルぶっ放す


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レイドイベント vs木星帝国軍(前編)

相変わらずものすごくガンダム。とにかくガンダム。
一体いつになったら主役機以外のクロボン登場MSガンプラ化するんだろうか?
ゼロは俺に何も教えてはくれない…


いつもならば数多くのプレイヤーで溢れかえっているはずの主要都市であるSBCグロッケンが、この日は何一つとして存在していない不気味な街と化していた。

フードつきのマントに身を包み、片膝を立てて座り遠くを見据えているリクに、小柄な体を最低限のプロテクターを備えたダークブルーのコンバットスーツで包んだプレイヤーが声を掛けた。

「どうだ?」

「まだなにも来ないな…そろそろ時間のはずだけど」

いきなりイベントが開始されて混乱するという事態を避けるために、今回開催されるイベントはアップデートの一時間後丁度に開始する、と公式サイトでの告知があった。それに従ってリクとシノンはログインし、来るべき標的の出現を待っているのだが、一向にその気配が無い。

 

「お待たせ」

「なんだ、遅かったな氷の狙撃手」

「悪かったわね闇風。イベント用に新装備を持ってきたのよ、ビーム兵器が必要でしょうから」

男の名前は闇風。GGOを代表する古参プレイヤーの一人であり、そのAGIの高さと戦闘スタイルから《忍者》や《ランガンの鬼》と称されている。

シノンは脇に抱えていたハロを降ろしてから同時に持ってきていた装置にセットすると、ハロの目が点滅する。

シノンはハロを軽く撫でて「よろしくね」と言うと、ヘカートとほぼ同等の大きさの狙撃銃を抱えながらリクの隣に腰を下ろした。

「どう?」

「なにも進展無しだ。8の索敵にも反応無し」

[開始まで1分切ってるぞ]

「変ね…大量のMobが襲いかかってくるなら開始時間に合わせて進撃させると思ったけど…」

「妙だな…俺はGGO開始当初からイベントを経験してるが、こんなことは今までなかった」

[イベント開始5秒前………2…1…0!]

8の画面に表示されたカウントを見てすぐに三人は荒野へと目を向けるが、相変わらず敵の影も見当たらない。

「…来ないわね」

「スタッフのミスか?」

「まさか。あれだけ大々的に告知しておいてか?」

疑問を抱きながらも敵が現れないことにはどうしようもないと思っていたその時、ハロと8がそれぞれ大きな音を上げる。

「テキタイリョウセッキン!タイリョウセッキン!」

[索敵にひっかかったぞ!とんでもない数だ!]

「え!?」

「…なにも見えないぞ…」

フィールドを見渡しているシノンと闇風に、リクは勢いよく立ち上がって言った。

「違う、フィールドじゃない………上だ!」

「上……っう、そ…」

「なん、だ…あの数は…!」

上空にはスラスターを吹かしている無数のロボットがいた。

骸骨がシュノーケルをつけたような外観で、肩や腕が少し肥大化しているように見える。

両手でライフルのようなものを抱えていて、四角いゴーグルのようなカメラアイからは黄色い光が見える。

「…作戦変更だ。8、サポート頼む」

[了解]

リクはウィンドウを呼び出し操作をすると、腰の2丁あるハンドガンのような武器が消失し、代わりに銃身下部の黄色のパーツが目をひくカートリッジが3つセットされた大型のライフルを装備した。

リクはそのライフルを両手で構え、空に浮かぶロボットの軍団へ銃口を向ける。

[目標、敵機30機。ターゲット標準…]

「ターゲット、ロックオン」

[バスターライフル発射まで3、2…]

「いっ…けええぇ!!!」

銃口から放たれたトリガーを引くと銃口からは想像もできないような極太のビームが発射される。その出力の高さにリクは眉間に皺をよせながら両足に力を込めて精一杯踏ん張る。

ビームが途切れてカートリッジが自動的に排出されると、リクは片膝をつきながら発射した先を見据える。自身の視界にはキル数が27追加された表示があり、普通なら十分すぎるスコアだが、今回ばかりは話がまるで違う。

「全然減ってるように見えないな…減ってはいるはずだけど」

「ピザの端っこだけが少し欠けたみたいなものか?」

「ランガンの鬼ともあろうものが、随分愉快な例えするのね」

闇風のわけのわからない例えにシノンは皮肉めいた言葉を投げかける。

「で、どうするのリク?」

「…ま、こうなったら」

リクは再びウインドウを操作しバスターライフルを装備から外すと、先ほどの二丁拳銃をオブジェクト化させて、両手でクルクルと回しながら構える。

「いつも通り当たって砕くだけだ」

「脳筋め…」

「お前にだけは言われたくねえぞ。AGIバカが」

「ケンカしない。…さて、それじゃあリク」

シノンは愛用の超大型ライフルを抱えたまま近づいて、軽く背伸びをしながらリクの頬に唇を軽く当てる。

「いってらっしゃい」

「ん、いってくる。援護は任せたぞ」

「新婚の夫婦かお前らは」        

砂漠のフィールドを駆けながらリクは上空を見据え続ける。

両手に持っている拳銃は射程を犠牲にした代わりに取り回しのよさと連射力を上げたもので、射程範囲ギリギリになるまで敵の集団が近づくのを見極めるためだ。

はるか後方からの狙撃でより上空にいる敵はシノンが片付けてくれてはいるが、それにしても異常な数が残っている。

自身以外にもミニガンを構えて待ち続けている男や、アサルトライフルを手にタバコを吸いながら余裕の出で立ちでいる者など、複数が同じフィールドにいる。が、少なくともこのイベント期間中においては敵対してPvPに発展することはない。

レイドイベントの優劣は倒した敵の数に応じたポイントの合計によって決まるため、他のプレイヤーと戦うことはただのタイムロスになるだけであって得策とはいえない。一応高いポイントを持っているプレイヤーを撃破すればボーナスとしてポイントを稼ぐこともできなくはないが、それによる加算値は微々たるものであるために行う者はまずいない。一言で言ってしまえばやるだけ無駄、ということである。

…その筈なのだが

「ここで会ったが百年目だ!この間の恨m「お前の相手をしている暇なんかない!どけえッ!」ひでぶ!」

ツンツンに立った青髪のグラサン男。

「我が名はマケスティアイk「遊んでられるほど暇じゃない!」うわらば!」

不意討ち上等の世界で何故かわざわざ自分から名乗って勝負しようとする女スナイパーと、リクはランカー殺しとしてやたらと目をつけられているためか、無駄に勝負を挑まれる。もっとも負けることなどないが。

「うおっ!」

斜め上からビームが降りそそぎ、今度は一体どこの命知らずがやってきたのか、と思い顔を上げるとレイドイベントの標的であるバタラという名前のロボットが集団でこちらへと向かってきていた。

「やっときたか…待ちかねたぞ!」

両手の拳銃のトリガーを高速で引くと、銃口からは緑色のビームが雨のように発射される。

リクの攻撃を認識したバタラはスラスターをふかして回避運動をとるが、数機は避けきることができずにビームの直撃を受けて爆発しながら細かなポリゴン片へと姿を変える。

先頭にいる隊長機ポジションと思わしき機体が腕を振り下ろすと、他のバタラが一斉にライフルから黄色のビームを一定間隔で発射する。

リクは拳銃を腰にマウントさせると右腕を前方に突き出したまま、速度を落とすことなく突進する。バタラのビームはリクに直撃することなく、突き出した右手の前で霧散して届かない。

ビームが効かないと判断してか、隊長機は肩から細長い棒のようなものを手に持つと、先端の穴から黄色の細長いビームサーベルを形成させる。

「へぇ…AIのくせして俺を相手に接近戦やろうってことか」

リクはニヤリと笑みを浮かべると、腰からかつて海賊が使っていたとされるカットラスに似た、アームガードのついた柄を構えて同じようにビームの刃を形成する。

しかしそれはバタラの持つものとは違い色はピンク色で、形状も細長いものではなくその見た目に合う湾曲した大型のものになっている。

隊長機は脚部のスラスターを一気にふかして加速させると勢いよくリクへとビームサーベルを振り下ろすが、その程度の攻撃を見切れないわけがなく、リクはサイドステップで軽く回避すると左側から回り込むようにして斜め上から振り下ろす。負けじと隊長機は体をリクへと向けてビームサーベルで攻撃を防御する。

互いにのビームサーベルがつばぜりあいをし、接触した部分からはスパークが散る。

「回避不可能な場合において完璧なタイミングで防御する。確かに間違ってはいない…けどな」

スパークの勢いが強まったかと思うと、次の瞬間隊長機の腕が肩から切断されて地面に落ちる。

「俺のビームザンバーはその程度の武器じゃ止められない」

隊長機は残った左腕でライフルを構えるが、構えた瞬間にリクによって腕ごと斬り落とされ、なすすべが無くなったところを頭部から真っ二つにされてポリゴン片へと変わり果てた。

「次ッ!」

隊長機が落とされたことがトリガーになったのか、次々と向かってくるバタラの群れに、リクはビームザンバーを投げつけ、同時に左手のグローブからワイヤーアンカーを発射する。湾曲した刃が一機のバタラに突き刺さると同時に、ワイヤーの先端にある鋏が柄を掴むと、リクはワイヤーを手に持ちながら凄まじい勢いでそれを振り回しながら自身も体ごと回転する。

宙を舞うピンク色の刃が無差別に襲いかかり、気がつけば残っているのはわずか3機だけになっていた。

残った機体を片付けようと再び両手に銃を構えると突然バタラが爆発し、爆風の中から無数の羽ような形状の何かが無数に飛来してくる。

「っ!」

リクは咄嗟に右腕を前に出して防御しようとしたが、ビームではなく実体による攻撃であったためにグローブの防御能力は役に立たず、リクの体は瞬く間にソレによって襲われ、残りHP2割、右腕の部位損傷となってしまった。

リクはすぐさまリペアキットを取り出し、首に当てて注入しHPを回復させる。

突如として飛来した攻撃の正体を知ろうと、やってきた方向である上空に目を向けると、リクは大きく目を見開いて、仮想の冷や汗を流しながら言った。

「冗談キツいな、まったく…」

そこにいたのは悪魔のような顔と肋骨の浮いたような体と天使を思わせる巨大な四枚羽という、本来正反対というべき二つの特徴が一つになった巨大な機体だった。

しかもよく見ればそれは自身の上空にいる一機だけではなく、離れた場所に複数いるのも確認できた。

 

既に複数人いる同じフィールドのプレイヤー達は揃って驚愕と恐怖の表情を浮かべており、それはリクとて例外ではなかった。

わずかでも敵機の攻撃が当たれば遠く離れたリスポーン地点へと逆戻りしてしまう状況…リクはGGO始まって以来の窮地に立たされていた。




前々からずーっと思っていたけど、シノンのスリーサイズ…あれ嘘だよね?絶対違うよね?74なわけがないよね?だってどう見てもC###このコメントは狙撃されました###


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レイドイベント vs木星帝国軍(中編)

いっそのことガンゲイルオンラインじゃなくてガンダムゲイルオンラインとかにすればよかったなぁ、と今更思った。
MS娘よろしくデュナメスorケルディムorサバーニャ装備のシノン、ありだと思います!


「メイチュウ、メイチュウ」

「ハロのサポートのおかげよ」

ビルの屋上で迫りくるバタラを正確にヘッドショットで落とし続けるシノンは、30機目を撃墜したところで一旦スコープから顔を離して腕を伸ばす。

いくらGGO随一のスナイパーといえど、永久に集中力を保っていられるわけがないため、当然休息をとる必要がある。[ほら、水]

「ん、ありがと」

8から伸びたアームを介してペットボトルを受け取ると一気飲みして溜まった空気を吐き出す。魔改造されたことにも慣れてきたのか、8は戦闘以外でのサポートも始めつつある。

本来ならば通信で敵の情報をリクのインカムや特殊バイザーに送るのが8の仕事だが、今回はハロと共にシノンの周辺の索敵と狙撃の誤差修正といったサポートをしている。

「さて、いくわよ…」

再び伏せるような体制になってスコープに右目をつけ、トリガーに指をかけた瞬間、突然8からけたたましい音が鳴り響いて、シノンは慌てて起き上がった。

「ちょ、いきなり何よ!」

[リクがヤバい!HPがいきなり減って部位欠損してる!]

「リク、ピンチ!ピンチ!」

「え…?」

8のメッセージとハロの機械音声を聞いたシノンはすぐさまヘカートのスコープ倍率を最大にしてリクが向かった方向を見る。

砂煙が次々と舞い上がっている中、やがてその中から右腕が失われているリクが飛び出して、残った左腕だけで砂煙の中にいる何かへとビームの雨を浴びせる。

巨大な手が砂煙から現れると、リクはバックダッシュでかわして距離をとる。

残念ながら表情を読み取ることはできないが、悪戦苦闘しているであろうことはシノンは容易に推測できた。

「リク…!」

ヘカートのバイポッドを折りたたんでハロをアイテムウインドウにしまうと、8を片手で持ったまま屋上から飛び降りる。

[お、おい!なにしてるんだ!]

「決まってるでしょ!リクを助けに行くのよ!」

上手く着地して落下ダメージを軽減させると、バタラがいる中でもなりふり構わずリクの下へと全力で走り始める。

「(リク、お願い…!無事でいて!)」   

 

「ちっ…!」

自身の10倍はあろうかというその巨体の攻撃にリクは舌打ちをしながら、動きづらい砂の上で右腕が欠損してバランスが取りづらい中で回避を続ける。

幸いというべきか、一定以上の距離がない限り無数の羽による攻撃をやってこないことはこれまでの流れで掴んでいるため、ギリギリの距離で戦闘を続ける。

しかしながら羽による範囲攻撃がないとは言っても、その巨体を生かした単純であるが故に強力極まりない腕のなぎ払いや体当たり、頭部からのメガ粒子砲と、決して楽なものではない。おまけに装甲がありえないほど堅牢なせいでリクの射撃はほとんどダメージが通っていない。すでにおよそ100発は当てたであろうビームのダメージは、HPゲージ5本ある内の10%も削れていない。

リクはその堅牢さから射撃ではなく近接戦闘でなければまともにダメージを与えられないことを理解した、まではよかったのだが現状近づく手立てが無かった。

レイドイベントの性質上、こういった膨大な力を持つ敵に対しては複数人で協力して立ち向かうのが最も安全かつ効率の良いやり方なのだが、リクの周辺にプレイヤーが誰一人として存在せず、救援を求めようにも離れた地点にいるグループは目の前にいる同様の敵に苦戦を強いられており、チームを組んでいるメンバーは遥か後方で別動隊として動いている状況だ。

「っ!!」

常に脳が焼けそうなほどに打開策を思考し続けながら戦闘を続行していた影響で、巨大な握り拳を間一髪のところでかわしはしたが、とってはいけない距離が開いてしまった。

化け物じみた姿に似つかわしくない天使のような背中の羽が展開されると、内部から無数の小さな羽が一直線に、それも凄まじいスピードで迫ってくる。

物理的な攻撃である以上多目的兵装グローブの防御では意味がないことは既に把握している。

リクは飛来する羽だけに視線と意識を集中させ、その場にとどまって足に力を込める。

「(……………今だ!)」

わずかでも間違えれば直撃するというタイミングで、リクはサイドステップで羽を避ける。無数の羽は後方へと飛んでいき、リクはここぞとばかりに左手にビームザンバーを構えて化け物へと突進する。

一歩間違えればHPが全損してしまう中で一か八かの博打にうってでたのは、技後硬直を狙うためだった。

先程の攻撃をくらった直後、化け物は攻撃を続けることはなく回復剤を使用する時間があったため、HPが回復したならば再び羽による攻撃を誘導し、多少の反撃は覚悟の上で攻撃することが可能なはずだと推測を立てた。

残念ながらまだ右腕の欠損が戻ってはいないが、HPは約8割まで回復しているためこの状況なら行けるとリクは思い実行に移した。

実際羽の攻撃による硬直で目の前の化け物は何もせずにとどまっている。

-これならいける。そう確信したリクは少しでも相手の攻撃手段を潰そうと、高くジャンプしながら頭部を狙ってグローブからワイヤーを発射、そして命中した。

あとはそのままワイヤーを引き戻す力を利用して接近、頭部を潰すだけ。

そう考えたリクの目の前で、突如化け物が両腕を胸の前で交差させる、防御と思わしき姿勢をとった。

しかし巨体のせいで頭部は隠しきれていない上に、ワイヤーは千切れることなく存在している。

「どういうつもり…………!」

防御の意図を理解しかねたリクは、背後から聞こえる風切り音に振り向いた瞬間…回避したはずの無数の羽が全身を襲い、ズタズタに切り裂いた。

そう、無数の羽はただの物理的兵装ではなく化け物自身の手で遠隔操作可能な特殊兵装だったのだ。先の防御姿勢は迫り来る羽から身を守るためにとった行動であり、もとよりリクの攻撃になど意にも介していなかったのだ。

実際に化け物のHPはリクを攻撃したままの勢いで自身に当たった羽によって確実に減少しており、もし防御姿勢をとっていなかったらどうなっていたかなど容易に推測できる。

 

羽の直撃を受けたリクは右腕だけでなく両足も欠損、残りHPは10%を下回り全身に痛々しい赤いダメージエフェクトが現れている。ワイヤーも切り裂かれたことでリクはボロボロの体で砂の上へと落下した。

 

「くそ、野郎…誘導兵器なんか使いやがって…」

リクを嘲笑うかのように見下ろしていた化け物は、やがて巨大な手を握って振りかぶった。

リクは潔く敗北を認めると、怖じ気付くことなく拳を振り降ろしてくる化け物を闘志を失ってはいない目で見据えながら言った。

「待ってろよ…すぐにそのふざけた体バラバラにしてやるからな…!」

まるで流星のような拳が直撃し、その衝撃で辺りに風と砂が勢いよく巻き上がる。

そしてその跡には、カットラスの柄をもしたビームザンバーだけが残った。     

「なによ…この大きさ…!」

全速力でリクのもとへと駆け付けたシノンはその場にいた禍禍しい巨体の化け物を見てそう呟く。

こんな化け物とたった一人で戦っていたのか、と思うと同時にシノンはその場にいるであろうはずの姿が無いことに気づいた。

「リク…?リク!どこにいるの!?」

[シノン、アイテムが落ちてるぞ!]

ヘカートを抱いたまま焦った表情で辺りを見回すと、8の言葉で砂の上に見覚えのある物体があることに気づき、シノンはソレを拾いに走った。

シノンの存在にようやく気がついた化け物は頭部から粒子砲を発射するが、それは直撃することなくシノンの前で見えないバリアによってはじかれるように無力化される。

シノンは目的のものを拾い上げると、ソレがなんなのか、そして何が起こったのかをすぐに理解した。

「よくも…リクを…!」

SAOとは違いこの世界でHPが0になっても死ぬことはないため心配はないが、それでも愛する人を助けることができなかったことでシノンの中に怒りがふつふつと込み上げてきて、拾い上げたものを無意識の内に強く握りしめる。

ソレを腰にマウントし、8を無造作に投げ捨て、ボルトハンドルを引いたヘカートを両手で構えると目の前の得体のしれない化け物へシノンは吠えた。

「来なさいデカブツ!あんたは、私が倒す!」




主人公死す!(本当に死んではないけど)
あそこからどう勝てと…?というよりディビニダド(話に出てる化け物)相手にアレ無しで1対1とか…ねえ?
というわけで次回の合言葉《セーフティ解除!》


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レイドイベント vs木星帝国軍(後編)

本編も更新する暇少ない…しかもまだ終わってすらないのに次に書こうと思う話を思いついちゃう。
キャラ出すのは著作権的にアレだけど、武器と技くらいなら多分問題ない、よね?
王国心と鍵剣


 死神のような禍々しさに、天使のような巨大な羽が一体化している混沌とした見た目のレイドイベントボス《ディビニダド》

ボスとしてふさわしい存在感を放つその機体は攻撃方法も豪快で、その巨体と堅牢な装甲を生かしての肉弾攻撃、頭部を変形させて放つ大型のメガ粒子砲、背中の羽から放たれる無数の誘導兵器フェザーファンネル。更に滅多なことでは拝むことすらできない隠し攻撃がもう一つ。

 今回のレイドイベントに参加しているプレイヤーらの多くは、突如として空から舞い降りてきた複数のディビニダド相手に苦戦を強いられ、奮戦もむなしく数多くのプレイヤーはそのほとんどが強力な攻撃によって無残にもリスポーン送りにさせられてしまった。

 トッププレイヤーであるリクもその内の1人であり、片腕を失いながらというハンデがあったとはいえリクを倒したディビニダドの存在は、イベントを考えた運営やリクの強さを妬むプレイヤー達からすれば大金星といっても過言ではないだろう。

 しかし、そんな大金星もある意味最悪のトリガーと言わざるを得ない。理由として、まず第一にリクは根っからの負けず嫌いであるということ。そしてもう一つ最大の理由が、リクを倒したディビニダドが現在戦っている相手が最愛の人であるシノンだということだ。            

「コウホウチュウイ!!コウホウチュウイ!!」

「っ!この!」

 一歩間違えれば騒音に聞こえなくもないほどのハロから発せられる大音量を聞くと、シノンは腰のポーチからプラズマグレネードを2個取り出して、背後から飛来する無数のフェザーファンネルへ向かって投げつける。

 プラズマグレネードに触れた瞬間、爆発が次々と連鎖して飛来してくるはずだったフェザーファンネルは全て消え去り、シノンはひとまず安堵しながらヘカートのボルトハンドルを引いてすぐさま硬直しているディビニダトの頭部へ強烈な一撃をぶちかます。

 かれこれ20分は続いているこの戦闘に、さすがのシノンも焦りの表情が滲み始めてきていた。

「(グレネードはあと3個だけ…相手のHPはゲージ1本…ヘカートの弾はもう予備の分しか無い…!)」

 つまり、フェザーファンネルを防げるのはあと3回まで、メイン武装であるヘカートの弾数が残り少ない中で相手のHPを削り切れるのかどうかという厳しい状況にある。

 そんなシノンのことなどお構いなしに、硬直から抜け出したディビニダドは背部の翼からフェザーファンネルを射出させた。再び例の攻撃をしてくるのだとシノンはポーチからプラズマグレネードを取り出す。

 しかし、次の瞬間シノンの思考は見事に裏切られた。攻撃してくるのだと思っていたフェザーファンネルはこれまで以上の数が射出されたかと思えば、飛来することなくディビニダドの巨大な全身をすっぽりと覆う球状のバリアを展開した。

 SAOやALOのボスにもあったHPゲージが少なくなることで攻撃パターンが変わる、今までに何回も目の当たりにしてきたそれがまさかこんなところでも起こるとはシノンは思ってもいなかった。それがよりにもよって攻撃パターンの変化ではなく、防御行動だというのが最大の誤算といえよう。

 ただでさえ残りの攻撃回数が限られているというのにも関わらず、展開されたバリアのせいでこちらの攻撃がまともに通らないだけでなく、そもそもバリア自体がどれほどの耐久力を持っているのか計り知れない。

「(こんなの…一体私一人でどうすればいいのよ…!)」

 リクが倒されたことに激昂し目の前の化け物に挑んだが、現実は非情にもそんなシノンの気持ちを見事に踏みにじった。

 -もうどうしようもない。柄にもなく諦めの気持ちが全面に押し出してきて、ヘカートを地面に下げて思わず瞳から一筋の涙が流れ出してきたシノンに、とどめをさそうとするようにファンネルバリアを纏ったディビニダドが体当たりをくらわせようとしたその瞬間、激しい轟音と共にシノンの背後から真紅の太いビームが発射されディビニダドのバリアとして機能していたフェザーファンネルを一気に破壊しただけでなく貫通して機体に直撃させた。

「え…?」

 一瞬何が起こったのかわからなかったシノンは目の前で大ダメージにより疼くまっているディビニダドの姿を見て、そのダメージを与えた攻撃の正体を知ろうと後ろに振り向いた。

 そこにいたのは黒に赤のメッシュが入った髪とその二色が混ざったような瞳をし、両肩にドクロのようなパーツを装備し、右手には白色の巨大な実体剣を、左手にはカートリッジが四つ装填されている大型のビーム兵器を持った、シノンが一番よく知っている姿があった。

「リク…!」

「よく戦ってくれたなシノン。あとは俺に任せろ」

 優しい表情でシノンの頭を軽く撫でたリクは一転、怒りに満ち溢れた表情へと一瞬で変わりディビニダドをにらみつけつける。

 すると、まるで自我を持っていてそれに反応したようにディビニダドは右腕を振り上げて接近戦時の攻撃パターンに入った。しかしリクはその場から避けようとすることもなく左手に持っていたライフルを腰にマウントして実体剣を両手で構えた。

「…セーフティ、解除!」

 声と共に持ち手の部分にあったトリガーを引くと、剣の先端から長大なロングビームサーベルが伸びた。リクはそれをディビニダドが振り下ろしてくる右腕に向かって振るうと、頑強だった装甲をいとも簡単に斬り裂いて右腕が地面にゴトリと落ちた。

 続けてリクはロングビームサーベルを展開したまま左腕、右足、左足と次々に斬り落とし続けていく。いかに破壊力と耐久性に優れている巨体と言えど、人間に比べれば小回りは利かず、瞬発力や運動性は特にディビニダドが今まさに相手をしているリクに比べれば天と地ほどの差がある。

 リクの攻撃に反応できずに四肢を斬り落とされたディビニダドはフェザーファンネルでの攻撃を試みたが、新たに装備された大型のビーム兵器-銘をビームマグナム-によってあっという間に背部の羽型コンテナにあった分も含めてかき消された。ビームマグナムから放たれるビームは通常の4倍以上の威力を誇るだけでなく、発射されたビームの周辺をビームサーベルとほぼ同等の威力を持つスパークが走り、見た目以上に広範囲を攻撃するため、直線的な動きのみで突撃攻撃をしてくるフェザーファンネルはむしろ恰好の餌食だった。

 気がつけばHPは残りわずかとなったディビニダドは、前述の滅多にすることのない攻撃パターンの一つである攻撃をするため、肋骨のような外観の胸部から複数のミサイルを前面に出した。そしてそのミサイルにあるマークを見た瞬間、シノンは驚きの声を上げた。

「核ミサイル!?」

 たった1発だけで複数のプレイヤーを…否、街の一つや二つを消し飛ばすことなど容易い、圧倒的なまでの破壊兵器をディビニダドは使おうとした。相対している標的が目前にいるため着弾すれば当然自身も爆風にのまれることにはなるが、死なばもろともといった所だ。

 しかし、そんな破壊兵器を前にしてもリクは怖じけづくどころか、展開しているロングビームサーベルを躊躇もなく核ミサイルに向けてなぎ払うかのように振るった。その攻撃によって核ミサイルは弾頭の部分だけが斬り落とされ、ディビニダドの正真正銘最後の攻撃は呆気なく無力化されることになった。

 リクは直後にグローブからワイヤーアンカーをディビニダドへと発射すると、ロングビームサーベルを前方に突き出しながらその巨体へ直進する。

「うおぉ!」

 貫通した実体剣のトリガーを押すと、まるで木の葉のように剣の両側から新たにビームサーベルが展開されてディビニダドのHPを0にした。

 突き刺した剣を抜き、巨体を蹴って距離を取って爆発に巻き込まれないようにする。爆発音と爆風が止んだ跡には、禍禍しい姿も斬り落とした四肢も残らず、ただひたすらに砂だらけの荒野が広がっているだけだった。

「…ふぅ」

 短く息を吐いたリクは白い実体剣を背中にマウントして、座り込んでいるシノンに近づいてから手を差し出した。

「立てるか?」

「あ、うん。ありがとう」

 リクの差し出した手を握りながら立ち上がると、どこからか青色の球状サポートロボットのハロが転がってきて耳のような部分をパタパタさせながら機械音声を発する。

「ボス、タオシタ。デモ、マダオワッテナイ」

「あ、そうか。イベント自体はまだ続くのか…」

「どうするの?」

「…いや、一旦ここで止めておこう。幸いボスは倒したからポイントは余裕がある」

「わかったわ。…あの、リク」

「ん?なんだ?」

「助けてくれてありがとう。すごくカッコよかったわ」

「どういたしまして」          

 それから数日後、新たにリクが使用していた実体剣とビームサーベルの複合武器についての問い合わせがGGOに殺到し、それを使いこなして撃破ポイントが単独トップになったリクは上位入賞者の特典でヘカート似たビーム兵装のスナイパーライフルをシノンにプレゼントした。

 そして新たにGGO運営から予告されたイベントに、男性プレイヤーたちは今回のレイドイベント以上の盛り上がりっぷりを見せることになる。

 




次回予告
突然GGO内のバーに呼び出され赴いたリクは、ダイン、銀狼、ゼクシード、ベヒーモスに頭を下げられながら言われた。
「「「「シノンの水着が見たいからイベントに誘ってください!」」」」
「この場で俺に斬り刻まれるか、自害するか…今すぐ選べ(ニッコリ)」
次回!
水着が見たい!果て無き男達の欲望!   
これまでにリクが所持している武器一覧
ビームシザース、複合兵装グローブ(名前思いつかない)、バスターライフル、ビームライフルショーティ、ビームザンバー、ビームマグナム、ムラマサブラスター


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たまの休日 プールイベント

最後に本編更新したのいつだっけ…?と思って確認したら約3ヵ月前…時間経つのはええよ…
わりと本気で仕事のことばっか考えてたから全っ然話作れて無いし…俺ってば、すっかり社畜だなぁ(遠い目)


 グロッケンの端に存在するほとんど目立つことのないNPCが経営する小さなバー。

その目立ちにくさと店の小ささからは想像もできないようなレベルの高い料理とドリンクに、一部のプレイヤーはその店を密会等に使用している。

 日本版GGOでは唯一と言っても過言ではない近距離戦闘特化のプレイヤーであるリクはアジトでシノンとイチャイチャしていたところを、その店来るように急遽呼び出しを喰らってやむなく、嫌々、渋々、仕方なく現状使用できる最強の武装を二つ持って向かっていた。

リク自身も隠す気は毛頭ないらしく、イチャイチャタイムを邪魔されたことから溢れでるイライラによって形成された表情は、道中のプレイヤーがほぼ全員率先して道を譲ったり、或いは近づく前に離れたりしている。身長は低めなものの、黒に赤のメッシュが入った髪と真紅の瞳。GGOに似合わない白色のドクロのレリーフが入った巨大な実体剣。黒いマントと赤いマフラーという出で立ちは、どれをとっても威圧感がタップリとある。

 十数分後、店にたどり着いたリクは未だおさまらないイライラでドアを乱暴にも鉄板入りのブーツで力強く蹴り開け、呼び出した張本人たちを発見すると大きな足音を立てながら店内を進んで行き、テーブルの上にドカッと組んだ足を乗せ椅子に腰かけてると睨みつけながら言った。

「一体何の用だ?ゼクシード、ダイン、銀狼、ベヒーモス、闇風」

 自身らよりも明らかに年下であろうはずのリクの睨みを利かせながらの言葉に、呼び出した張本人である銀狼は内心で盛大にビビリながら言葉を返した。

「いやー急にごめんねリクっち。ちょっと頼みたいことがあってさ」

「ふーん…で、なんだ?」

「お前なら当然知ってるだろうけど、次のイベント関連でな」

「ああ、プールか」

 GGOの公式ホームページで発表された次のイベントは、誰一人として想像だにしていなかったプール開きイベントである。鉛と硝煙が辺り一面に立ち込め、安全圏である街から一歩外に出れば常に危険に晒されるような世界のGGOにおいては非常に珍しい対戦要素が微塵も無い、ただひたすらにのんびり遊ぶだけのプール開きイベントには流石のベテランプレイヤーらも驚きを隠せなかった。

「で、プール開きがどうしたんだよ」

「頼みというのは他でもない…」

 リクの向かいに座っているゼクシード、銀狼、ダイン、ベヒーモスの四人は躊躇することなく頭を下げながら声を揃えて言った。

「「「「シノンの水着が見たいからプールイベントに連れてきてください!」」」」

 その言葉が終わった瞬間にリクの左手にビームマグナムが、右手には計15基のビームサーベルが展開されたムラマサブラスターが握られた。

「そうかそうか、なるほど貴様らここで死にたいらしいな」

 満面の笑みで威圧感をたっぷり含めながら軽々と言い放つその姿に呼び出したメンバーだけでなく、同じタイミングで店内にいた他のプレイヤーらも圧倒的な恐怖を抱いた。唯一この中でリクに慣れている闇風は、リクをなだめるように声をかけた。

「やめろ、リク。せめて話くらいは聞いてやれ」

「…チッ」

「まったく、なぜお前は氷の狙撃手のことになるとそうなんだ…」

 やむなく、嫌々、仕方なくと言いたげに武器自体は手に持ったまま下ろして、リクはひとまず話だけは聞いてやると言いたげに眼前の四人を再び睨んだ。

 さながら蛇に睨まれた蛙のごとし、内心に隠しきれないビビリっぷりを表情に出しながら四人は必死に弁明を始める。

「別に変な意味があるわけじゃなくてだな!ただ暑苦しい野郎だけのメンツでプールとか華もないし楽しくもなんともないだろ?!」

「でもGGOやってる女性プレイヤーって他のVRMMOと違って貴重な存在だからどうにか人脈使って頼むくらいしか方法が無いんだよ!」

「実は銃士X(マケスティアイクス)にも声かけたんだが…断られてしまってな」

「だから頼む!少しの時間だけでもいいからシノンをプールに連れてきてくれ!」

 ゴツン、と痛そうな音を立ててテーブルに額をつけて頭を下げる四人はそのままの姿勢でいたが、それから数分経っても物音一つしないことに違和感を感じて頭を上げると、反対側に座っていたはずのリクが忽然と姿を消していた。

「ちょ!あいつどこ行った!?」

「あいつならとっくに出て行ったぞ」

「なんだって!?」

「音しなかっただろ!」

「あいつのプレイスキルの高さを舐めないほうがいいぞ。建物があるフィールドで開幕30秒で暗殺とか日常茶飯事だからな」

「例のワイヤーで高速空間移動か…って、これ絶対シノン来ないじゃないかああ!」

「シノっちの水着見たかったのにいいい!」

「(欲望にまみれてるな、こいつら…)」   

-リクとシノンのアジト-

「ただいm」

「やあ、おかえり少年」

 アジトに帰ってきたリクはいつもと変わらずシノンに出迎えられると思っていたところ、部屋にいたのは白い長髪を結わえて戦闘時とは真逆のかなりだらりとした格好の、シノンと同じ数少ない女性プレイヤーの一人である銃士Xがカクテルグラスを片手にベッドの縁に座っていた。

「…なんでいるんですか銃士さん?」

「暇だったからお邪魔してシノンと色々話していたところさ」

「暇だったなら仕方ないですね。で、シノンは?」

「ちょっと追加の酒を買いに行ってもらっているよ。何か飲むかい?」

「じゃあカルーアミルクください」

「本当に少年は甘いものが好きだね」

「…というか、その少年って呼び方止めてくれません?」

「うっかり学生で私より年下なのをバラした方が悪いだろう?ほら、カルーアミルクだ」

「むぅ…とりあえずいただきます」

 カクテルに詳しく無いような人からすれば、パッと見はただのカフェオレかコーヒー牛乳にしか見えないそれをリクは少しだけ顔をしかめながら飲む。あくまでもVRMMOでの飲酒は現実の肉体に影響が無いため、未成年であるリクやシノンもGGOでは普通に飲んでいる。

 グラスの中の液体を一気に飲み干したリクは、いい年したサラリーマンが居酒屋でジョッキのビールを一気飲みした時のような仕草をとる。

「あ″~カクテルうめぇ~」

「相変わらず未成年の言葉とは思えないね」

「こんな美味いものを未成年でも飲めるように設定したVRMMO界が悪いわけであって、俺は何も悪く無いです」

「そうだな。かく言う私も手軽に色々な酒の味が楽しめるのは嬉しく思うよ」

 その後も互いに酒を飲み交わしながら会話を続けていると、入り口のドアが開き複数の瓶が入った袋を片腕に抱えたシノンが入ってきた。

「リク、呼び出されたのにもう帰ってたの?」

「ああ。あまりにもくだらない話だったんでさっさと切り上げてきた」

「そういえば私もまだ詳しい話を聞いていなかったな。聞かせてくれるかい、少年?」

「そんなに聞くほどじゃないですけど…まあ、あいつらが俺を呼び出した理由っていうのが…」

 酒入りグラスを片手にあまりにもくだらない理由で呼ばれたことをリクが全て話し終えると、聞いていたシノンは大いに呆れ銃士Xは苦笑いの表情を浮かべた。

「はぁ…あいつら最っ低ね」

「いやはやまったく。かばう余地すら見当たらないほどに清々しく、そして本当に最低だね。まさか私だけじゃ飽き足らずにシノンにまで手を伸ばすとは」

「街中じゃなかったら核弾頭でもぶっ放してやりたいところでしたよ」

「リク、核弾頭なんか持ってたの?」

「いや、言葉の綾だよ。さすがに俺も核弾頭なんかは持ってない」

 何杯目なのかもわからなくなるほどに酒を飲み続けながら話を続けていると、何かを思いついたかのように銃士Xが唐突に深く腰かけていたソファから体を起こした。

「そうだ。せっかくのイベントを無視するのもなんだから私たちだけで行かないか?」

「行くって、プールにですか?私はリクが行くなら…」

「俺は構わないですけど、銃士さんはいいんですか?主に俺がいても」

「なあに。少年はシノンに、シノンは少年にお互いゾッコンだから心配いらないだろう」

「俺達のことよくわかってるじゃないですか」

「それじゃあ日程はまた私から連絡するよ。あの最低なメンツとは重ならないようにしないといけないからね」

 そう言うと銃士は部屋を後にして…というわけはなく、再びソファに深く座り込むとリク、シノンと共に最後の一滴が無くなるまで約2時間も飲み交わした。      

~数日後、イベント専用屋内プール~

「(GGOなのにこの景色…違和感がすごいな)」

 黒地にワンポイントでドクロのマークが入ったトランクスタイプの水着を着て大型の水鉄砲を持ったリクは、シノンと銃士Xより一足先に屋内プールへと足を踏み入れ、そして大いに驚いた。所詮は屋内プールだろうと考えていたが、現実にあるような大して飾り気の無い屋内プールとは違ってGGOのイベント用屋内プールは南国をイメージしたヤシの木のオブジェクトに加えて広大なドーム内には長大な流れるプール、高さが選べる飛び込み台、高い波が起こるアトラクションプール、幾重にも枝分かれしているウォータースライダー、周囲に緑が豊富で温泉やジャグジーがあるリラクゼーションスペースまで完備されているという無駄に力が入った内容になっていた。更には、あまりに広すぎるせいで所々には迷わないようにと案内板まで設置されている。

「やあ少年、待たせたね」

 背後から声が聞こえてリクが振り返ると、水着に着替えたシノンと銃士Xがそれぞれ巨大なイルカの浮き輪とスナイパーライフル型の水鉄砲を持っていた。

「ど、どうかしら。似合う?」

 少し恥ずかしそうにそう言うシノンは、リクのGGOアバターのメインカラーと同じ赤と黒のビキニを着用している。

「うん、似合ってる。可愛いよシノン」

 満面の笑みでリクにダイレクトに言われたシノンは照れながらも、それはそれはとても嬉しそうな笑みを口元に浮かべた。もしこれがALOだったならばおそらく尻尾が

ピンと立っていたことであろう。

「さ、それじゃあ各自楽しむとしようか」

 銃士Xの言葉で各自はバラけて行動をすることになった。シノンと銃士Xは流れるプールへ、リクはウォータースライダーへと向かった。浮き輪に捕まりながらのんびりと過ごすシノンと銃士Xとは対照的に、リクは久しぶりにウォータースライダーを体験をしたことで何かに火がついたらしく、波の起こるプールで波乗りをしたり、全ての高高さの飛び込み台を体験したりと人一倍楽しみ始めた。

 それからしばらくして、一通り楽しんで落ち着いたリクは流れるプールでプカプカ浮かびながら、ただ流れに身を任せてゆったりとした時間を過ごしていた。すると、同じく流れるプールにいたシノンが巨大なイルカの浮き輪に掴まりながらリクに近づいた。

「楽しそうね、リク」

「うん。リアルでこんなプール行こうとしたら時間も手間もかかるし、VRMMOで体験できるのは嬉しいな」

「ジャグジーの方も良かったわよ。銃士さんってばすっかり入り浸ってるんだから」

「あの人そんな疲れてるのか?」

「まあ…色々あるみたいよ?一緒に入った時、愚痴凄かったから」

「…別行動してて正解だったかもな」

「ふふ、そうね」

 話をしながらシノンは自然とリクの腕に器用に絡みついて、一緒に流され始める。リクも今ではすっかり慣れた様子で、腕に伝わる感触にも特に慌てたり焦るといったことなく平然としている。

「ねえ、リク」

「ん、なんだシノン?」

「いつかはリアルでも皆とこういうところに行きたいわね」

「そうだな。でも、俺はシノンと二人でも行ってみたいかな」

「!?…もう、そういうところはキリトそっくりなんだから…」

「どうかしたか?」

「いいえ、なんでもないわ。いつかは私達だけで色々なところに行ってみるのもいいわね」

 互いに微笑み合うと、再びゆったりとした時間を過ごし始めた。

 しかし、この時二人は知る由も無かった。互いの身起こる事件がすぐそこまで迫っていたことに…




本編の話なんですけどね、キャリバー編どうしようかなって思ってるんですよ。
あ、書くのは確定としてリクについてです。強化しようと思ってるんですけど、タイトル通りの紅い騎士にしようか、闇堕ちギリッギリの破壊神にしようか…
作業用BGMに勇者王誕生全ver入れたせいで俺の中の勇者魂が物凄い勢いで燃えてるんですよ。
ついでに魔王化…シノンさんに譲ろうかと思案中w


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