銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす ((´鋼`))
しおりを挟む

小ネタ1 詩……乃?

さぁ皆さん!小ネタ始まりますよ!

※とりま苦くて渋い茶の用意を


~銀先side~

 

 あのUWでの戦闘が終わり、皆の元へと帰ってきて翌日。昨日は俺が帰って来た事による宴会やらなんやらをしていて、その時詩乃は俺の腰辺りに両腕を巻き付けて匂いを楽しんでいた。そしたら詩乃、皆の前で俺の服捲って腹に舌舐めずりしていたから流石に恥ずかしかった。俺でも。茶化した奴等は木刀で制裁してたお。

 

 ギャーギャーと騒いで喚いて、この2日間は学校は休みとなっていたので家まで帰る道中に久しぶりにヤる事を詩乃と一緒に決めた。

 

 そして久々に親父に会い、さらには母さんにも会った。再開を果たしたので母さんにはハグを、親父には挨拶代わりに木刀を振り下ろしたが白刃取りされた。

 

 既に飯は食ってきたから風呂に入ってゆっくりしようと思った。その時だ。ガラガラと風呂の戸を開けて詩乃が入ってきた。しかも裸。

 

 後はまぁ……分かるだろう?諸君。お互い我慢できずにシちゃったよ。でも二回戦もあるから少し心配でもあった。

 

 そんで久しぶりに自分の部屋に入ると、何か臭かった。思わず詩乃の方に振り返ってみると詩乃は舌をちょこっとだけ出してウィンクをしていた。

 

 もう分かったよ。その事実が分かったから詩乃をイジめながらヤったよ。時折体を反らせて○○顔になってたけど、それを見たらまた…………と、こんな感じに夜を過ごした。お互い愛を確かめあったよ。因みにだが避妊はしてない。詩乃から子ども欲しいと言われたら読者諸君は我慢できるか?上目遣いで!!甘えてきて!!子ども欲しいと言われたら!!誰しも我慢できる訳ないだるぉ!?

 

 ……っとと、話が逸れてしまった。昨日の夜の事は良いんだ。問題は次の朝、つまり今だ。朝起きたらまだ詩乃が眠っていて俺は詩乃の寝顔を楽しんでいた。

 

 しかし、そんな儚い時間も終わりを告げる……かと思いきや、その後とんでもない事が起きたんだよ。

 

 俺がベッドから出ようとしたら詩乃が俺の人差し指を掴んでな、その柔らかな感触に気付いて詩乃の方に振り向いてみたらね、涙を浮かべながら言った訳だ。

 

 

「ぎんん………めぇ~。離れるのめぇ~」

 

 

 その時固まったよ。詩乃らしくない子どもっぽい言い方。何時もとは違った甘え方。そう、これはつまり……

 

 

 

 

 

 

    詩乃が精神退行しているのだ

 

 

 

 

 

 

 

 だが、これが本当なのか?それを確かめるべく簡単な質問。まぁ年齢を聞いたわけだ。普通に17歳と答えたのは予想が付いていたが。だって最初に銀って言ったし、本当に精神が退行しているなら俺の事も分からない可能性だってある。

 

 つまりは【擬似精神退行】。子どもみたいに甘えたり、子どもみたいに俺に我が儘を言うのだ。

 

 さて読者諸君、俺の言いたい事はお分かりだろう?

 

 詩乃ォォオ!!!絶対離さないよ!!!絶対別れないよ!!絶対君だけを愛するよ!!!そんな思いを秘めながら擬似的に精神退行している詩乃を抱き締めたり頭なでなでしたり。

 

 だが流石に起きないといけないのでベッドから降りて服を着て……なのだが、詩乃から『俺に服を着させてほしい』と子どもっぽく駄々をこねていた。勿論しましたよ?それが何か?

 

 んでリビングのある1階へと降りる時も詩乃は腕に引っ付いたまま。可愛いからよしとするがな!!リビングに着いたら親父と木綿季がソファーに座ってた。母さんは仕事で出掛けたらしい。

 

 んで、俺と詩乃は朝御飯を食べる為に用意を……って親父、俺が作れというのか。まぁ無いものは作るが。

 

 だがな、ここで問題が起きる訳だ。料理を作ろうとしたら詩乃が腕から離れないんだよ。片手でもできるけどさぁ……流石に危ないから座るように言ったらさ、少し目のハイライトが消えて涙を浮かべながら俺を見た訳だ。

 

 流石に泣きそうだった(メッチャ可愛かった)からその場で抱きしめる。抱きしめてる時、隙間は約1㎜も無かった筈だ。抱きしめたら詩乃は腕を脇に通して肩を掴んできた。しかし何時までやっても終わらないので、料理が終わったら存分にしても良いことを決めて椅子に座らせた。

 

 んで何やかんやで料理ができた訳だ。そしたら一瞬で腕に抱きついていたから0.00001割だけビックリ、残りは愛でるのに使ったさ。文句ある?

 

 んで料理を運んで、椅子に座って食べようとしたらだよ?今度は詩乃が口を少し開けて上目遣いで見てたのよ。その柔らかな唇と虚ろな目と、少しだけ開けた口。

 

 要するに『あ~ん』を要求してきたのだ。迷わず自分の口に運びかけのヤツを詩乃の口に入れさせて食べさせた。食べている時にパァッと笑顔になった詩乃を見て、こっちも顔が綻んでいたと思う。

 

 んで朝食も終わり(詩乃にも食べさせ終えた)、外に出て散歩しようと思ったんだよ。そこで少し思い付いてな、和人と紫温を呼んでエギルの店に現地集合したのよ。

 

 んで、最初に来たのが俺と詩乃と和人だったから先に入って注文して。そのあとに紫温と何故だか里香が来た。んでな、詩乃の擬似精神退行の事を話した訳だ。その時の会話だ。

 

 

「「「「擬似精神退行?」」」」

 

「そっ、今の詩乃はそんな状態な訳さ。これがまた可愛すぎて愛でなきゃいけないんだよぉ~♪なぁ~♪?」

 

「ん~?………ん~♪」チラリミテ、ウデニスリスリ

 

「何か……滅茶苦茶変わってねぇか?詩乃」

 

「あのなぁ、こんぐらいで思考放棄すんなよ。和人も明日奈がこんな感じになったらどうよ?」

 

「………………………………………………………」ゴフッ

 

「だろだろ?紫温も考えてみろよ」

 

「何で里香の前で考えなきゃいけねぇんだよ」メソラシ

 

「良いじゃん良いじゃんちょっとぐらいさぁ」カタツカミ

 

「……少しだけな」

 

 

~約10分後~

 

 

「…………ッ、くそっ。何でこんなにッ……」オーバーヒートモード

 

「………………………」オーバーヒートモード

 

「もう10分経ってるぞ、えらく長いじゃねぇか」

 

「うるへっ!!」

 

「…………紫温」

 

「ど、どうしたよ里香!?」

 

「…………してほしいなら、するから」

 

「………………」オーバーヒートモード

 

 

 とまぁこんな感じの話で盛り上がったのさ。翌日になると詩乃は普通に戻っていたが、まだ腕にしがみついたり、風呂一緒に入ったりはしているのさ。チャンチャン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

UA40000突破記念 このSS登場キャラにHELLSINGのパロディしてみた

WARNING!!この回は作者の妄想込みで作られています!!


~このSS登場キャラにHELLSINGの名言を言わせてみた~

 

1 ウォルターさんの名言パロ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「ッハァ!!ハァ!!ハァ!!」

 

 

 何かに怯えながら逃げ続ける男が居た。ひっきりなしに後ろを振り返り、すれ違う通行人には目もくれず走り抜ける。

 

 ーな、何だ。あの化け物は!?この世の者とは思えねぇ!!走らなければ、殺される!!逃げなければ、殺される!!

 

 そんな思いを胸に、男は建物と建物の隙間に隠れた。少し顔を出し、辺りを見渡すと溜め息を着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 直ぐ後ろに青年が居るが。

 

 その銀髪天パの青年は、その男の頭を掴み壁まで投げ飛ばす。

 

 男は背中に不快感を味わいながら、目の前の銀髪天パの青年を見た。その瞬間、彼の脳裏には恐怖という感情が蠢いていたッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「小便は済ませたか?」

 

 

 1歩1歩、確実に近付いてくる青年。

 

 

「神様にお祈りは?」

 

 

 その1歩1歩が、恐怖を駆り立てられる。

 

 

「部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はOK?」

 

 

 青年が男の前に立ち塞がる。男は後ろが壁という事も関係なく、後ろに後退りする。

 

 青年は木刀を振りかざす。奇妙な掛け声と共に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「妹にナンパしてんじゃねぇぇぇぇ!!!」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

2 アーカードとウォルターの掛け合いパロ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 今ここに、鬼と茶髪で伊達眼鏡を掛けた女子が椅子に座り机を挟んで対面していた。

 

 

「このSSについてよ。良いわね?作者」

 

「あぁ、構わんよ。因みにだが、このSSは銀魂要素を含んでいる為メタ発言が多いの事が主な特徴だ」

 

「原作は?」

 

「ソードアート・オンラインだ」

 

「主人公は?原作通りか?オリジナルか?」

 

「オリジナルの坂倉銀先。そして、このSSでの朝田詩乃の結婚相手」

 

「パーフェクトよ作者」

 

「感謝の極み」

 

 

 

「………己ら何をしとんのじゃ?」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

3 アンデルセン神父の名言パロ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 新:奇兵隊にて

 

 

「我らはうぬらに問う、汝らは何ぞや!?」

 

『我ら奇兵隊!!奇兵隊の隊員なり!!』

 

「なぁらば奇兵隊よ!!汝らに問う。右手に持つ物は、何んぞやぁ!?」

 

『武器と毒薬なり!!』

 

「なぁらば奇兵隊よ!!汝らに問う。左手に持つ物は、何んぞやぁ!?」

 

『3万ユルドと荒縄なり』

 

「なぁらばぁ!!!奇兵隊よ、汝らは何ぞや?」

 

「我ら無法者にして無法者にあらず」

 

「番犬にして番犬にあらず」

 

「救済者にして救済者にあぁらず」

 

「反逆者にして反逆者にあぁらず」

 

「我らは只ひたすら主に従う者」

 

「ただ伏して御主に許しを請い!!ただ伏して、御主の敵を打ち倒す!!!」

 

「闇夜で武器を振るい、夕餉に毒を盛る死の一兵卒!!」

 

「我ら死徒なり。死徒の群れなり」

 

「我ら刺客なり!!奇兵隊の隊員なり」

 

「時至らば、3万ユルドを領主館に投げ込み。荒縄をもって!!己の素っ首吊り下げるなぁり!!」

 

『されば我ら徒党を組んで地獄へと下り、隊伍を組みて方陣を敷き、七百四十万五千百二十六の地獄の悪鬼と合戦所望するなり!!』

 

「ぶるぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 [書いてしまった。反省も後悔もしていない]

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

プロローグ
プロローグ the beginning


………………どのくらいの時間が経ったのだろうか。

確か自分は暖かい家族に見守られ、寿命でこの世を去った………筈なのだ。なのに、今見えているのは白い世界。

そして目の前に………何か老人が居た。

 

「やぁ。君が転生したい人物か。」

 

何を言ってるんだ?と考えたが直ぐに思い出した。子どもの頃、そんな転生に憧れて転生慕いなと心に願っていた時期があった。………まさか、戯れ言に付き合ってくれるという奴もいるものなんだな。

 

「いや、心の声聞こえてるからね?」

 

………マジで?

 

「マジ。と、それより時間が無いからさっさと進めるよ。今かは幾つか質問するから、それに答えてくれ。」

 

あ、あぁ。うん。

 

「えーと先ずは……転生先からだな。何処が良い?」

 

……………そうだな………んじゃあ『ソードアート・オンライン』の世界。

 

「………ほんとに?そこデスゲームに巻き込まれるんじゃなかったけ?」

 

何で知ってんだよ。別に良いじゃん、行きたいんだし。

 

「ほんとに?」

 

本当だ。

 

「………ならば良し。」

 

何がだよ。何が良かったんだよ。

 

「次は転生特典とやらなんだけど………希望はあるか?」

 

…………スタンドだな。勿論自分が作ったやつで。

 

「んじゃあ、その情報を教えてくれ。」

 

 

 

《説明中》

 

 

 

「………中々のチート。」

 

良いじゃん。これで良いんだよ。

 

「ん、分かった。最後に記憶はどうする?消すか、残すか。」

 

…………残しておいてくれ。何かと使い勝手が良くなるしな。

 

「ん、オーケー。それじゃあ行ってこい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『5年後』

………俺の名前は『坂倉 銀先』(さかぐら ぎんせん)。今の名前だ。

何で銀が付いてんのかって?銀髪天パになってるからだよ。

 

俺の今の親父も銀髪天パだが真面目で塾を開いている。

名は『坂倉 銀将』(さかぐら ぎんしょう)。年齢36歳。

当の俺は一歳の頃に勉強を始めたので、親父に一歳の頃から勉強は教わっている。何時も分かりやすくアドバイスしてくれるので、普通に学校の先生より上手い。

さらには剣術の先生なので俺は教えてもらっている。

今では俺は子どもながら大人でも倒せる力と技量は持ち合わせている位だ。

 

俺の今の母親は検察官。

名は『坂倉 彩月』(さかぐら さつき)。

中々仕事がハードな為、家に居るときは少ない。だが家に居るときは、目一杯俺を愛してくれている。一応俺は精神年齢は母親より老けているし、記憶も母親より多く保有している。だが、何故か母親には抗えない。

 

今の俺は5歳。2013年6月7日。広島に住んでは居たが、引っ越しで今は………

 

「着いたよ、二人とも。埼玉。」

「やっとか~。」

「ん~、もうちょっと先を撫でていたかったな~。」

「いや、降りようよ。」

「さて、降りますか。」

 

トラックから俺たちは降りる。因みに今の俺の所持物はスタンドを除いて俺の身長に合わせた木刀のみ。

目の前にそびえ立つ広大な敷地を持った家。ここが新しく過ごす場所らしい。

運送業者に荷物や家具の配置等を頼んでもらって、後は自分たちの荷物整理なのだが………はっきり言って両親がやってくれるので俺は新しい家の縁側で剣術の練習をしていた。

 

「あ、そういや父さん。」

「んー?」

「お隣さんに挨拶しなきゃなんないでしょ?だから先行ってて良いかなって?」

「構わないぞー。」

「分かったー。んじゃ行ってくるわー。」

 

玄関へと行き靴を履いた後、お隣にご挨拶をしに行く。

んで、五歳の見た目なので結構好感を持たれるのは必然的だ。

最後の一件、俺の家の左隣の家へと歩みを進める。

『桐ヶ谷』

インターフォンを押すと、声が聞こえた。

 

『はーい!!!』

銀「すみませーん、先程引っ越して来た者ですー。」

『少々お待ちくださーい。』

 

ドタドタと音が聞こえたと思うと目の前の扉が開いた。

 

「まぁ!!!」

「どうも、先程引っ越して来た坂倉銀先と言います。」

「これはどうもご丁寧に、礼儀正しい子ですこと。桐ヶ谷翠と言います。」

「宜しくお願いします。」

「是非、家の子たちと仲良くやってほしいわね♪」

「お子さんが居られるのですか?」

「あ、気になる?じゃあちょっと待っててね。」

 

そう言うと翠さんが家の中に戻って、誰か呼んでいる。

少し待つと、男の子と女の子が翠さんに着いてきている形で来た。

 

「お待たせしましたー♪それじゃ二人とも、自己紹介しよっか?」

「うん!!!」

 

男の子の方が元気が良い。

 

「僕、桐ヶ谷和人!!!君は!?」

「坂倉銀先さ。呼びにくかったら銀君でも良いよ。」

「宜しくね!!!銀君!!!」

「宜しく。所で何歳?」

「今は四歳だよ!!」

「そっか。僕は五歳だよ。」

「それじゃあ銀君はお兄さんになってるのねぇ♪」

「それと、こっちが僕の妹のスグ!!!」

「直葉、ご挨拶は?」

「……………」

「隠れたまま出てきませんね。何でだろ?」

「スグ、ご挨拶は?」

「…………れ。」

「???」

「それ。」

 

不意に指さした方を見た。あ、木刀持ったままだ。

 

「これ?木刀だよ。」

「おぉ~!!!カッコいい~!!」

「何で銀君は木刀を持ってるの?」

「お父さんが剣術を教えてて、僕も習ってるんですけど……癖で木刀を持たないと安心出来なくなっちゃって。」

「銀君すご~い!!!」

「そんなに凄くないよ。三歳からずっと続けてると体が慣れてくるものさ。」

「三歳からやってるの!?凄いわねぇ!!」

「話を戻すけど、ごめんね直葉ちゃん。怖がらせて。」

 

あ、隠れた。まぁ時が経てば仲良くなるでしょ。

 

「スグ、挨拶しないの?」

「良いよ、恥ずかしいだろうし。今度は両親と一緒に来ます。」

「あら、それじゃあ楽しみにしてるわね♪」

「じゃあね和人君、直葉ちゃん。バイバイ。」

「バイバーイ!!!」

「といっても、お隣さんなんだけどね。」

「あ、そうなんだ。」

 

取り敢えず、家に帰って手伝うか。

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

交流会

『2013年6月14日』

 

「じゃあ行きますか」

 

「おー」

 

 

今から桐ヶ谷家に向かいます。母親は仕事で来れないが、「また別の機会に会えば良いでしょ」なんて言ってた。

 

両親は基本的楽観的だ。それにより俺が一歳の時に言葉を話したり、英文を書いたりしてても凄いとしか思ってない。

インターフォンを押すと翠さんの声が聞こえる。

 

 

『何方ですかー?』

 

「翠さーん、銀先ですー。改めてご挨拶に伺いましたー」

 

『あ、銀君!?ちょっと待ってて!!』

 

 

インターフォンが切れると、ドタドタと玄関から足音が聞こえてきた。

 

 

「銀君来たのー!?」

 

「来たぞー!!」

 

「和人ちょっと待って!!」

 

「こんにちわ」

 

 

父さんが平常運転で良かったよ。

玄関の扉が開けられると和人が手を掴んできた。

 

 

「銀君やっほー!!」

 

「和人君来たぞー。後お父さんも来たよー」

 

「銀君のお父さん?」

 

「初めまして。銀先から聞いてるよ和人君」

 

「あら、お父さんだけかしら?銀君」

 

「お母さんは仕事で忙しくて」

 

「それよりさ!!!一緒に遊ぼ!!!」

 

 

兎も角、父さんを横目で見る。

分かってくれたのか………

 

 

「すみません、しばらく銀先を遊ばせてやってもらえませんか?」

 

 

俺じゃねぇんだよ!!!

 

「あら?貴方の方はどうなされるんですか?」

 

「いえ、これから塾の準備もありますので」

 

 

父さんはしゃがんで、和人と目線を合わせるようにする。

 

 

「和人君だね、銀先と遊んでやってくれ。銀先はあまり遊ぶことをしなかったからね」

 

「うん!!!行こっ、銀君!!!」

 

「分かったから引っ張んないで。バランスが」

 

 

連れていかれました。………考えてみりゃ、俺キリト…和人のお隣さんになるってラッキーなのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縁側にて

 

「………スゲーな、和人」

 

 

いや、四歳で何ラジコン作ってんだよ。動きメッチャスムーズぅ!!!

 

 

「へへん♪凄いでしょー♪」

 

「あぁ(将来有望だな。)」

 

 

不意に視線を感じたので、振り向いてみると曲がり角に隠れている直葉ちゃん。

目が合ったのか直ぐ様顔を引っ込める。

 

「………そういや和人。ここ道場なんだな」

 

「ん?あーここね、お祖父ちゃんが『けいこ』する為に建てたんだって」

 

「ちょっと体を動かしてきても良いか?勿論、この中で」

 

「うーん……お祖父ちゃんに聞かないと分かんない」

 

「そっか。ちょっと中を覗いてみますか」

 

 

立ち上がって、その道場とやらに向かう。

和人もてってと走って追いかけてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

その場所に着いた。中では一人のジジイが一所懸命に竹刀振ってる。剣道かな?

 

 

「頼もー」

 

 

がらがらと扉を開けると、こちらに視線を向ける年食ったジジイが一匹。

 

 

「………誰かね?子どもが来て良い場所では無いぞ」

 

「いえね、ちょっと体動かしたくて……」

 

 

そのジジイは俺の木刀を見ていた。

 

 

「………真似事はよした方が良いぞ。怪我をしたくなければな」

 

「その台詞、そっくりそのまま返すよ。アンタみたいに競技をする為に強くなるどうこうでやってても、俺には勝てない。それと真似事じゃあない。父さんが剣術の先生なんでな。何時も教えてもらってる」

 

「それに関しては躾がなっとらんガキだ」

 

「そっちこそ、剣道やってんのに躾がなってねぇジジイだな」

 

 

着いてきた和人は扉から覗きこむのみ。

んまぁ恐いのは仕方無いか。

 

「………そこまで言うのであれば………剣で戦うのが良いじゃろ」

 

「奇遇だねぇ、俺もそっちの方が分かりやすくて良いぜ。つっても、俺は剣術でアンタは剣道だ。全く違うものとの対決でも良いのかい?」

 

「ふん、違いがあろうが何だろうが躾のないガキには丁度良いじゃろ」

 

「んじゃあ始めるか」

 

 

俺はその場所の中央から少し離れた所に立ち、ジジイも同じ様にした。

ジジイは剣道の中段の構え。対し俺は、刀身部分を胸辺りの所で構え峰部分に手を添える形に構える。

 

辺りに静寂が響き渡る。一瞬でも気を抜けば勝負が着く中……俺は………

 

 

 

わざと気を許した。

 

 

「かああああっ!!!」

 

 

ジジイがウルセー。それと同時に突っ込んできた。

面狙い、んまぁ『先ずは』だな。

 

俺は柄部分を持っている腕を上げ、刃をジジイの放った竹刀に向けた。

 

受け止めるんじゃない………いなして一瞬で鎮めろ!!!

竹刀の軌道がずれると、そのまま一歩踏み込み左手の甲に一発お見舞いさせる。

 

 

「ッア!!!」

 

「!?ぐっ」

 

 

まだまだ!!!次は右手に向けて下から上へと突きを放った。

 

 

「ラアッ!!!」

 

「カッ!?」

 

 

手から離した竹刀を持ち、体全体を使って左側の顔面向けて振るう。

しかし…………

 

 

 

 

 

 

先程帰った筈の父さんに弾き飛ばされた。

 

 

「はい、二人とも終了です。お疲れさまでした。」

 

「!?」

 

「また何時ものだ。」

 

 

俺の父さん、銀将は何時そこに居たのかすら分からない程素早い………というのが父さんの持論。そんな速度で動けるバケモン見たことねぇよ。

 

 

「銀先、また相手を挑発する様な発言を……」

 

 

この時、俺は完全に体が震えている。だって………

 

 

「言葉づかいはキチンと丁寧に使いましょう。」コツン

 

 

こういって頭をコツンと叩く。叩くのだが………それで地面にめり込むって、どんな威力なんだよ!?

 

「あ、銀君が落ちた。」

 

「」

 

「すみません。何分ひねくれ者なので。あ、先週お隣に引っ越して来た坂倉と申します。」

 

「あ、あぁ。どうも、ご丁寧に。」

 

「では、銀先行くよ。」 

 

「はいほい。」

 

 

兎も角、穴から出て道場を後にするよ。次いでに『直しとく』がよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

玄関にて

 

「すみません、勝手に入り込んでしまい」

 

「いえいえ、こちらこそ和人と遊んでもらってありがとうございます。和人、お礼は?」

 

「ありがとう銀君!!!また遊ぼうね!!!」

 

「そうだね。所で……直葉ちゃんはまだ慣れませんか?」

 

「ごめんなさいね。直葉はまだ人見知りで。」 

 

「まあ、時間が経てば良くなるでしょう。では私どもはこれにて失礼します」

 

「バイバイ和人」

 

「バイバイ銀君!!!」

 

 

何時もの様に家に戻った。その後、練習メニューがハードになったのは言うまでもない。

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

急展開な話は有りがち

『二年後 2015年5月14日』

坂倉家剣術練習場にて

 

「ハアッ!!!」

「んー、凄い凄い」

 

思ってねぇだろ。死角に潜り込んでいたのに普通に防御する奴が居るか。………あ、居たわ。ここに。

 

「相変わらず凄いねー」

「何処が?ッアァ!!!」

「ほいっ。まぁ大分動きも良くなったよ。和人君も動きが良くはなってるけど、まだ足捌きが上手くいかない所があるね。後で一緒にやろうか」

「はーい」

 

何で和人が居るのかというと、この鬼畜過ぎる親父に和人の祖父ちゃんが入門させたんだよ。しかも一年前に。

んで、親父の巧みな話術で和人がみるみる成長中っと。

流石に俺が今やってる空中で後方一回転の途中で木刀振るうのは無理だけど。

 

「はい、今日はここまで。二人ともお疲れ様」

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、き、今日も一本取れなかったorz」

「大丈夫、銀君?」

「銀先なら後少しで体力回復するから大丈夫さ。それより和人君、おやつは食べるかな?」

「食べるー!!!」

 

和人がドタドタと居間に行った。俺は少し休んだら十二分に動けるので居間に行ったお。

 

 

 

 

 

 

 

 

坂倉家の居間にて

 

「ドーナツおいしー!!!」

「これサーターアンダギーや。ドーナツちゃう」

「違うの?」

「それは沖縄で食べられるオヤツさ。ドーナツに似ていると言えば似てるけどね」

「ふーん」

 

美味しそうに頬張るなぁ。今は愛想があって良いんだが、成長するとコミュ症になるんだよなぁ。主に家族関係が原因で。

 

「所で二人とも、学校の方はどうだい?」

「うーん………あんまり楽しくない」

「そこまで」

「おや?それは何でだい?」

「うーん………何か楽しくない」

「どいつもこいつも周りを見れば女子にイタズラしたり、俺らの上履き取って行くし」

「因みに、対応は?」

「持ってた木刀で力見せて脅した」

「はい、お仕置き決定」コツン

「うぎゃ!!!」

「あ、落ちた」

 

まーた、これだよ。何処の吉田松○だよ。

んで、穴から脱出して直すと。

 

「そういえばさ、銀君が何時も手を触れるだけで傷が治るやつって何なの?」

「………取り敢えず超能力で」

「お陰で修繕費要らずで便利」

「誰の馬鹿力で壊れてると思ってんの?」

 

流石にスタンドを知らない……あ、ジョジョのスタクルが放送されてたんやった。母さんが居るときに見ると、こちらの目を手で隠してくるんだよなぁ。メンドイ。

 

「超能力?」

「科学じゃ解明出来ない不思議な力をそう言うのさ」

 

んまぁ超能力者よりスタンド使いなんだけどよ。

 

「ふーん」

「そういや和人、パソコンの調子どうなってる?」

「何時も通り動いてるよ!!!」

「あれにはビックリしたよー。本当に凄いねぇ和人君は」

「えへへっ♪」

 

そう、六歳でジャンク品からパソコンを作りやがったよ和人。真面目に凄いとしか言いようがないんだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

坂倉家和室にて

 

「あ~、どぅんどぅん気力が抜かれていくんじゃ~。」

「眠い~。………く~」

 

寝たよ。寝ちゃったよ。んまぁ、畳の魔力には勝てないわな。だってさ、畳って寝転がると眠くなるよね?ならない?

 

「く~……………」

 

ちゃっかり親父も寝てるし。んま、俺も寝るか。

その2時間後、桐ヶ谷家に付き添いで和人を家に帰した。

因みに直葉ちゃんは仲良くなれました。スゲー態度ちげぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『その日の夜』

 

珍しく母さんが帰ってきました。あれ?何でだ?

 

 

「ただいまー!!!銀君良い子にしてたー!?」

 

「してましたしてました。だから急に抱きつかないで。帰ってきて早々抱きつかないで」

 

「んもぉ、冷たいわねぇ。お母さん悲しいなぁ………」

 

「はいはい、嘘泣きは見飽きたよ」

 

「はははっ、もうとっくにバレてたよ彩月。銀先は既に知ってたんだ」

 

「むぅ~」

 

 

腹いせに俺の頭を撫でてきた。くすぐったいぞ。

 

 

「……何で撫でるのかな?」

 

「良いじゃん、別に」

 

「はいはい。そんなことより夕食だよ。席に座って」

 

「もうちょっと愛でるぅ。」

「夕食食べたら、今日なら幾らでも愛でて良いから食べるよ」

「はーい!!!」

 

…………何とチョロい母親なんだろうか。直ぐに座ったよ。

あ、因みに今日はカレーだそうです。

和人の所じゃ何食べてんだろ?

またもや因みに、親父の作る料理は一段と旨い。プロ顔負けとも言える料理スキル持ちだ。たまに俺も親父の指導のもとで料理をしているが、やはり親父は超えられなかった。

親父は全員分のカレーを配ると、席に座って………

 

将「いただきます。」

銀・彩「「いただきます。」」

 

親父が礼をして、俺たちも夕食を食べる。

………うむ、やはり旨し。どうやったら、ここまで辿り着くんだ?

 

 

「そういえばさ、銀君。和人君たちとは仲良くしてる?」

 

「何時も通りだよ。仲良くやって、仲良く修行して」

 

「………はっきり言って、お父さんの練習結構ハードよね?」

 

「それを言うなら、彩月の中国武術も練習ハードだよね?んまぁ銀は何れもやってるけど」

 

「………確かにそうね。まぁ私たちの子どもは、私たち両方の利点を受け継いでるってことね♪」

 

 

いいえ、違います。努力しました。

そんなこんなで1日が終わるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パラレルイベント1

『取り敢えず三年後 2018年6月21日』

学校 休み時間にて

 

 

「よぉ和人」

 

「おう、銀」

 

 

さて、今和人は学校に居る。………この前、衝撃の事実を知って少しばかり和人の気が動転してたんだが………こちらの手助けもあり翠さんや峰嵩さんと和解。何時も通りの生活に戻って、早1週間が経過した頃だ。

 

今でも相変わらず仲が良い二人組と周りから認識されている。

 

因みに呼び方は和人、銀という風になっている。たまに『アホの○田』なんて呼ぶから、そういう時は木刀で制裁してる。慈悲は無いぞ。

 

 

「相変わらず暇そうな顔してんなぁ。そんなにコンピューターと一緒に居たいのか?」

 

「お前は相変わらず木刀ぶら下げてるよな。恥ずかしくないのか?」

 

「残念だが、既に慣れた。流石に小さい時からぶら下げてると中々離れない物でね」

 

「要はおしゃぶりみたいな感じか」

 

「んま、そういうこった」

 

「あぁ、そうそう。銀、また剣道場に殴り込みしたな?」

 

「………ハテナンノコトヤラ???」

 

「惚けてどうする。昨日の夜も親父さんに何時もの食らったんだろ?音が聞こえてたしよ」

 

「………俺ん家防音なんだけどなぁ?」

 

 

どんな耳してんだよ、和人の奴。あ、剣道場のことは後々話すわ。

 

と、そんな時でも流れてくるのは嫌な噂ばかり。人として恥ずかしくねぇのか?

 

 

 

 

 

 

「…………ふぅ」

 

「またサボりか?」

 

「良いだろ別に」

 

 

兎も角、俺は話にあった1ーDに足を進める。

『紺野木綿季』に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………チッ、大して情報が手に入ってねぇ」

 

 

ったく、何処だよ。先公共は恐れて言わなかったし(特に俺が向けた木刀で)。んま、こういう時に『これ』を使うんだがよ。

 

 

「『ダブルス』」

 

俺の後ろに現れたのは、140㎝の人型二体。これが俺のスタンド。能力は『二つ同時に能力を使う』能力。

 

 

「『ハーヴェスト』『ペイズリーバーク』」

 

 

こういう風な能力だな。ただ、『二つ同時にしか使えない』からメンドクサイ。

 

スマホを起動し、地図アプリを開く。ペイズリーバークの能力で『行くべき方向』へと導いてくれるスタンド。

 

 

「……………成る程、それじゃあハーヴェスト」

 

 

続いてハーヴェストで探索。

授業中?知らんな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某所にて

走って行って目的の場所に到着ぅ!!!んで居たぜ。

 

『紺野木綿季』。出生時、帝王切開により輸血しなければならない状況で輸血された血液が悪性の有るものだった為HIVに感染。以後15年間苦しめられつつも、アスナやキリト(和人だけど)たちに見守られながら死亡。

 

というのが原作だ。

何故この埼玉に居るのかは分からない。………いや、恐らく俺のせいだろう。

イレギュラーの俺が来たことにより、原作とは異なるルート『パラレルワールド』のルートに入ってしまったんだろう。

現に和人の運命を変えたし。

 

 

「紺野木綿季って、君かい?」

 

 

紫髪の少女は、俺の方に振り向く。

ここでダブルスを発動。今度は『ソフト&ウェット』と『クレイジーダイヤモンド』にさせる。

何でソフト&ウェット?簡単なことだ。

ゆっくりと木綿季に話ながら近付く。

 

 

「…………だれ?」

 

「この木刀みて分からない?結構悪名高くて有名なんだけど」

 

 

よし、射程距離に入った。先ずはソフト&ウェットでHIVを奪う。肩に少し触れシャボン玉を取りだし、木綿季の脚に触れさせる。後は念のため、瓶を取り出して………

 

 

「ドラァ!!!!」

 

 

瓶を持ったまま、※※※※、瓶割って引き抜いて、治す。

瓶にはちょっとだけ体液らしき物が有るが取り敢えず取り出せたんだろう。

 

 

「ちょっと隣良いかい?」

 

 

そう聞いたが頷きもしないから勝手に座った。そしたら少し離れた。んまぁ、そうだよな。

 

けど関係無いね。そもそもHIVは少しの体液と一緒に取り出したし。

 

てかソフト&ウェット必要だったかな?

 

 

「……………既に君を治しておいた」

 

 

隣の少女は聞く気が無いらしい。んま……

 

 

「何なら、お医者さんに聞いてみれば?んで、また明日の夕方にここに来なよ」

 

 

一言だけ告げて俺は戻る。学校だしね。

あ、後は『ザ・ハンド』と『スタープラチナ』にして………

 

 

「ほいっと」

 

 

スタープラチナで瓶を投げて、ザ・ハンドで削る。

あ、空間まで削っちゃった。んま、このまま空間削って行きますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『翌日の夕方 某所にて』

んで、来てみたら………医師らしき男の人と来ていました。

恐らく倉橋医師だろうな。うん、間違いない。

 

 

「いよっ、紺野木綿季ちゃん。どうだったよ検査」

 

「………治ってた………本当だったの?」

 

「はーて、何の事やら?それより、貴方が木綿季ちゃんの担当医師ですね」

 

「………いかにも。だが、何故分かったんだ?」

 

「消毒液の匂い(ハイウェイスター)で分かった。それだけさ」

 

「………木綿季ちゃんから聞いたが、どうやって?……」

 

「知りたいですか?」

 

「………出来れば知りたい。が、やめておこう」

 

「そうそう、知らない方が良いことだって有るんですから」

 

 

そんな時に木綿季ちゃんが来ました。何かな?

 

 

「どうしたのかな?木綿季ちゃん」

 

「…………ありがとう。お兄さん」  

 

「………そっか。また学校で会おうな」

 

「うん♪」

 

 

というわけで、また明日に学校行くか。和人の用事と父さんとの稽古もあるし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二次創作だからぶっ壊れても良いでしょ

『翌日 2018年6月22日 午前5時半』

坂倉家剣道場にて

 

「ほっ!!っと!!ふっ!!ッ!!」

 

「ふっ!!ッアァ!!うりや!!」

 

 

今、和人と試合?をしてるぞ。あ、因みにもう和人も人外の域に入ってます。

 

だから………手から伝わる衝撃が半端無い。

 

同じように片手剣を上手い具合に扱いやがる。これだと原作じゃSAO生還からある程度経って直葉と試合やった時と同じぐらいじゃね?それを10歳で扱うんだぜ?あ、後

 

 

「たっ!!はっ!!」 

 

「うんうん、筋が良いね」

 

 

直葉も2年前から親父の道場に参加。これで人外が四人に増えるぜ(キラッ

………いや五人か。母さんは逆恨みで襲ってきた奴等全員気絶→警察に送ってるし。勿論、俺も人外に含まれてるぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『1時間後』

 

「はい、皆しゅーりょー。お疲れ様ー」 

 

「し、死ぬ………」

 

「だらしねぇなぁ。たかが1時間ぶっ通しで試合しただけだろ」

 

「それは、お前がぶっ壊れてるだけだ」

 

「お兄ちゃん、早くご飯食べよ」

 

「ん、そうだな。んじゃ、学校で」

 

「おう」

 

 

これで和人たちが帰りました。よし、後は飯食いますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校門にて

 

 

「………あー、メンドイ」

 

「だな」 

 

 

やっぱり学校はめんどくさいんだお。

 

 

「お兄さーん!!」

 

「んあ?って木綿季ちゃんか」

 

「あー、あの子か。でも……」

 

「心配すんな。もう治ってる」

 

「………マジ?」

 

「お兄さん、おはよー!!」

 

「おう、おはよう木綿季ちゃん。体調はどうよ?」

 

「元気だよー!!」

 

 

うむ、やはり笑顔が一番宜しいことで。周りからの視線もあるが………木刀向けたろか?オイ?

って、倉橋医師だ。

 

 

「担当医師さん。何故ここに?」

 

「学校に事情説明をする為にね」

 

「銀、知り合いか?」

 

「ちょっとな」 

 

「お兄さん、一緒に行こっ!!」

 

「でぇ!!ちょ!!慌てんな慌てんな!!転ぶぞ!!」

 

「ちょ、銀!!」

 

 

裾引っ張っていきおった。意外に力が強いことで。

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休みにて

 

 

「ヒッグ…………エッグ…………」 

 

「あー、もう大丈夫だからね?ね?」

 

 

全く………あのガキ共、知らないのは仕方ないがよ………だからといって上履きとか投げるバカが居るか。そん時俺と和人も居たのによ。命知らずにも程があるだろ。

 

ん?そのガキ共?………地面を木刀で砕いてビビらせた。

勿論直したぞ。地面。

 

 

「お前はお前でやりすぎだ。地面抉ってビビらせてどうする?」 

 

「良いじゃん別に」

 

「良くねーよ!!」

 

 

和人が頭叩いてきた。地味に痛い。

 

 

「いった!!おま!!叩くのはねぇだろ!!」 

 

「木刀でビビらせてるお前よりかマシだ!!」

 

「……………」

 

「ん?どした?」

 

 

急に立ち上がって頭を撫でてきた。あり?

 

 

「いたいいたいのとんでけ~」

 

「」

 

「…………プッww」

 

 

よし、後で和人はブッ飛ばす。てか中々可愛いな。

 

 

「ありがとな、木綿季ちゃん」

 

 

そういってこちらも頭を撫でる。撫でたら嬉しそうな顔をすることで。

 

 

「♪~~」

 

「ロリk「オラァ!!!」ゲブア!!」

 

「鉄・拳・制・裁!!」

 

「い、いてぇ………」

 

「大丈夫?」

 

「大丈夫大丈夫、あれぐらいじゃ和人びくともしないから」

 

 

和人の腹部にシュウゥゥゥトォォォォ!!超!!エキサイティング!!ったく、いたいけな子どもの前で何言おうとしてんだコイツは。

 

 

「………ねぇねぇ、お兄さん何て名前なの?」

 

「あ、言ってなかったね。坂倉銀先。あそこで腹抱えて座ってるのが和人。後、俺はアイツから銀って呼ばれてる」

 

「銀…………銀ちゃん?」

 

「もうそれ○魂や」

 

「伏せ字、仕事しろ。重要部分に○ついてるぞ。○つくなら魂の方だろ」

 

「お前回復したんかい。ってかメタい」

 

「………銀ちゃんがお兄ちゃんだったら良かったのにな」ボソッ

 

 

…………今、何て言った?へっ?お兄ちゃん?

あ、行っちゃった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後にて

 

 

和「ん?あれ木綿季ちゃんじゃね?」

 

銀「………あり?ホントだ。何で校門に?」

 

 

兎も角、行ってみるか。

 

 

「木綿季ちゃん」

 

「あ、銀ちゃん!!」

 

「どうしたよ木綿季ちゃん。校門に居て?」

 

「あのね、あのね銀ちゃん!!銀ちゃんの家に行っても良い!?」

 

「……………what???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

坂倉家前にて

 

 

「……………」

 

「……………」

 

「♪~」

 

 

………何で居んのオォォォォ!?

 

「………和人、どうしよ。今日母さん居るんだけど」

 

「俺は知らん」

 

「で、ちょ!!和人テメッ!!」

 

 

あの野郎、逃げやがった。………もうどうにでもなれ!!

 

 

「ただいまー」

 

「おかえり……………あり?」

 

「こんにちわー!!」

 

「……………銀ちゃんロリk「それ以上はやめて!!」」

 

 

~説得&理由説明中~

 

 

「ふ~ん、銀ちゃんがねぇ」

 

「つ、疲れた………」

 

 

木綿季ちゃんはソファーでピョンピョン跳ねてます。

しかし………

 

 

「何でまた………」

 

「ねぇ?」

 

「何でだろうね?」

 

「うわっ!!!」

 

 

き、急に来やがったよ。また。

 

 

「急に来ないでよ心臓に悪い」

 

「だ、だれ!?」

 

「俺の父さん」

 

 

ほんと何処の吉田松○だよ?しかも然り気無くおにぎり食べてるし。

 

 

「あ、君も食べますか?」

 

「良いの!?」

 

「良いですよ~」

 

「わーい!!♪」

 

 

嬉しそうに飛び付いてまぁ。

 

 

「それより銀、何ですか?とうとう犯罪に手を染めたんですか?子どもを誘拐して」

 

「誰が誘拐するか!!ってか、そんなんだと俺だって子どもじゃねぇか!!(元大人だけど!!ジジイだったけど!!)」

 

「ふむ………そうですか」

 

「オイ、さっきの間は一体なんだ?何しょげてんの!?」

 

「木綿季ちゃん………だっけ?お家には帰らないの?」

 

 

突然、木綿季が食べかけのおにぎりを口に運ぶのをやめて態度を変えた。………オイ、それ禁句だから母さん。

 

 

「木綿季ちゃん、どうかしましたか?」

 

「………お家に帰っても、お父さんも…お母さんも…お姉ちゃんも…いないんだ」

 

「!!!……ごめんなさい木綿季ちゃん」

 

「ううん、良いの。でも………」

 

「帰ったら………何かあるのかい?」

 

「………皆、お金目当て………」

 

 

…………はぁ。

 

 

「木綿季ちゃん、ちょっと着いてきて」

 

「???」

 

「あ、後………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病院にて

 

 

「木綿季ちゃん!!今まで何処に行ってたんだ!?」

 

「ご、ごめんなさい…………」

 

「あ、あぁ。君、本当にありがとう。ここまで連れt「話がある」……な、何だい?」

 

「???」

 

 

…………全く。俺もアホな事をするもんだな。

俺は木綿季ちゃんをこちらに引き寄せる。

 

 

「うわっ!?」

 

「!?」

 

「悪いな。コイツは俺の『妹』だ。今まで世話になったな」

 

「!?」

 

「なっ!?」

 

「分かんなかった?俺の『妹』つってんだよ。態々病気治してくれてありがとよ。医者さん?」

 

「き、君!!一体なにを!?」

 

 

おっと電話だ。意外に早かったな。

 

 

「おい。もしもし。………ふんふん、おっけ。良いんだな」

 

 

電話切ってと。さて、話を戻すか。

 

 

「うし、これで家族になれたな。木綿季」

 

「………何したの?」

 

「取り敢えず、木綿季は此方が養子として受け入れる。金にがめつい奴等に伝えとけ。『財産なんて好きにしろ。テメエらで勝手に争えば良い』ってよ。証拠に、もうそれ関係の書類提出してるから」

 

「き、君!!何てことを!!」 

 

「………んじゃあ、木綿季は苦しみ続けたまんまだ」

 

「ッ!!」

 

「もし、こんなことしなきゃ………木綿季は本当に苦しみ続ける。だったら、こんなバカなことしても………代償が大きくとも………俺は木綿季を助ける。『妹』を助ける。それだけだ」

 

 

俺は木綿季の………『妹』の手を握る。小さな……心が暖かい証拠の手を、握る。

 

 

「銀ちゃん…………」

 

「ん?俺は木綿季の『お兄ちゃん』だぞ?誰だ?銀ちゃんって?」

 

「!!!」

 

 

突然、涙を浮かべた。んま、仕方ないか。

 

「………お兄………ちゃん?」

 

「どうした?木綿季。」

 

 

顔を徐々にしわくちゃにしながら、こちらに歩み寄ってくる木綿季。俺はしゃがんで、木綿季を抱きしめる。

 

 

「お兄………ちゃん………お兄………ちゃん……」

 

「どうした?何泣いてんだ?木綿季」

 

「……うわぁぁぁぁぁぁん!!!!お兄ちゃん!!………お兄……ちゃん!!」

 

「よしよし。全く、よく泣く妹だこと」

 

 

木綿季を抱っこし、そのまま帰る。

 

 

「ちょっと待ってくれ!!」

 

「………何だ?要件ならさっさと言え」

 

「………木綿季ちゃんを………宜しく頼む」

 

「………そうかい」

 

 

俺は病気から出て、帰路に着く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰路の途中

 

 

木「………お兄ちゃん」

 

銀「どうした?木綿季」

 

木「………一緒に居て」

 

銀「それは寝るときもか?」

 

木「………うん」

 

銀「甘えんぼさんだなぁ。良いよ」

 

木「………ありがとう」 

 

 

こうして、俺たちは家族になった。

急展開だからって細かいことは気にすんなよ!!

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

木綿季という妹との触れ合い

『翌日 2018年6月23日 午前5時』

坂倉家 銀先の部屋にて

 

 

「…………んぅ?朝か…………あ」

 

「すぅ…………すぅ…………」

 

 

………あぁ、確か一緒に過ごすことになったんだっけ。うむ、やはり寝顔が可愛い。

 

それに………何で一つのベッドで一緒に寝てたんだっけ?んまぁ、いっか。

起こさない様に………そ~っと………

 

 

「んむぅ…………すぴー………」

 

「………これが早いな。『ダブルス』」

 

 

スタンド発動させて、『ザ・ワールド』と『THE WORLD』にして時止めて。抜け出して………おし、着替えますか。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

6時45分頃

 

 

「……………んむぅ………あれ?いない………どこ?」

 

 

重い瞼を擦りながらベッドから出る木綿季。そのまま部屋を出ると、何処からか音が聞こえてくる。

木綿季は音のする方向に歩んで行く。

 

 

「お兄ちゃん………どこ?」

 

 

おぼつかない足取りで、その音のする場所の前まで辿り着く。目の前にある襖を開けると……風が吹いてきた。

 

 

「わぷっ!!?」

 

 

突然の風によろめく木綿季。辛うじて目を少しだけ開けると、銀先と銀将が竹刀をぶつけている。その衝突で風圧が生まれていた。

 

 

「ん?あぁ、木綿季ちゃんお早う」

 

「おろ?木綿季。もう起きた?」

 

「あ、お兄ちゃん」

 

 

てってと走って木綿季は銀先に抱きつく。

 

 

「えへへぇ♪」

 

「懐かれてますねぇ銀先」

 

「はいはい。木綿季、起こしてごめんな」

 

「お兄ちゃん、何してたの?」

 

「お父さんと練習をね。さて朝食の時間に近いし、さっさと行きますか」

 

「そうですねぇ。では行きますか」

 

「お兄ちゃんだっこ!!」

 

「はいはい。甘えん坊だねぇ」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

取り敢えず着替えて朝食中ですが………何ださっきの破壊力は!?皆さん、あんな笑顔で抱っこ迫られてみて下さい。

 

………断れますか?否!!世の男どもは先ず拒否らずに受け入れるでしょう!!しかも………

 

 

「♪~」

 

 

こんな笑顔で飯食ってる木綿季が妹ですよ!?もうこの可愛さは守ってあげたくなる事間違いなし!!つっても近寄る不埒な奴等には木刀で全身複雑骨折にさせてやる。

 

あ、因みに朝食は目玉焼きと味噌汁とご飯という普通の物だけど………

 

 

「お兄ちゃん、美味しいね!!♪」

 

「そうだな、美味しいな♪」

 

「おや?やっと美味しいと素直に言えたと思いきや木綿季ちゃんに「変な想像はすんな」そうですか」

 

 

この父さんだよ。料理スキルカンストどころか限界突破してる化け物だよ。剣術や頭脳も限界突破してるモンスターなんだよ。作ってんの。

 

 

「ご馳走さまでした」

 

「ごちそうさま~!!♪」

 

「ごっそさん」

 

 

各々食べ終わって、俺はソファに座った………のだが。

 

 

「とぉ!!」

 

「あべし!!」

 

 

突然俺の腹にダイビングー!!や、やることがえげつない………

 

 

「き、急にどうした木綿季?」

 

「ん~♪」

 

 

こちらの胸に頭をグリグリさせて顔を綻ばさせている。

………神様、一番可愛い妹をくださってありがとうございます。

こちらも頭を撫でると………

 

 

「ふにゃあ~♪」

 

 

………なんすか?これ。可愛過ぎて死にそうなんだけど。いや、これは世の男どもにとっては本望に等しいだろう。

ん?こんな時にチャイムか。

 

 

「はいはーい」

 

「銀ー。行くぞー」

 

「なんだ和人か」

 

 

さて、ここで問おう皆の諸君。今、木綿季との触れ合いの最中だ。しかし、そこに長年の相棒とも言える和人が訪れた。

 

確か………この時は和人とパソコン買いに行く約束をしていたんだった。さて皆は木綿季か和人、どちらを取る?

俺は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某所 家電製品店にて

 

「」

 

「♪~」

 

「さて、どれが良いかな?」

 

 

こうします。木綿季も連れていきます。和人は開いた口が塞がらないらしく、木綿季は俺と手を繋いでいるので嬉しそうな表情をしている。

 

 

「………銀、おま………何で誘拐を「フンッ!!」ゴフッ!!」

 

 

和人、言って良いことと悪いことがあるんだ。それ以上は言わせんぞ。

んで、パソコンや関係する機器を買ってと。

そのまま家に帰りまーす。和人?知らない子ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『30分後』

坂倉家 銀先の部屋にて

 

 

「おし、これで終了だ」

 

「あんがとな和人。お礼に何か買ってやる」

 

「だったらハー“ピーーーー”五個買ってこい。それでチャラにしてやる」

 

「ちょ!!ハー“ピーーーー”五個!?どんだけ金かかると思ってんだテメッ!!」

 

「だったらこれ壊すぞ」

 

「直せるから問題なし」

 

「お兄ちゃん、ボクもハー“ピーーーー”五こちょうだーい!!」

 

「なぬっ!?木綿季、なんてことを!!」

 

「ほーれ買ってこい買ってこい。お前の妹も楽しみにしてるぞー」

 

「お前にゃハー“ピーーーー”よりデスソースが良いだろ。ちょうど有るから、それたっぷり飲んでこい」

 

「酷くね!?」

 

「んじゃ木綿季、一緒に買いに行くか?」

 

「うん!!♪」

 

 

ということで、近くのコンビニ寄ってハー“ピーーーー”を買いに行きました。

木綿季が可愛い!!(確信)異論は認めん!!

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ミッション!!木綿季の護衛!!

『翌日 2018年6月24日』

坂倉家 居間にて

 

「おつかい?」

 

「そうそう、おつかいだよ。木綿季」

 

「1人で?」

 

「お兄ちゃんのお願い頼めるかな?」

 

「うん!!♪」

 

「それじゃあ、これが買ってくる物全部が載ってるメモとバッグとお財布だよ。後、もし買ってくる物の場所が分からなかったら、お店の人に聞くんだよ」

 

「分かったー!!行ってきまーす!!♪」

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

坂倉家 剣道場にて

 

 

 

うし。これで全部終わったな。ん?何の用事かって?直葉が自主稽古をしに来てな。父さんが忙しいから俺がやってた。

試合も5試合程やったが、惜しい所まで行ってたんだよな。成長が早いものだ。

 

………木綿季、大丈夫かな?ちょっと行ってこよ。

 

 

「銀さん、何処に行くんですか?」

 

「妹を見守りに行く」

 

「あぁ。最近来たあの子ですか。………って妹!?」

 

「そうだ。何か問題か?」

 

「いえ、問題どうこうでは無いんですけど………」

 

「兎も角、俺は木綿季を見守りに行く。何か木綿季にあったら、ちょっと様子見て即バレないように助ける」

 

「(重度のシスコンじゃないですか、ヤダー)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道中にて

 

「おっつかい~♪おっつかい~♪たのしいたのしいおっつかい~♪」

 

………現在、木綿季の見守り中です。電柱に隠れて見てます。

1つ言って良いですか?…………

可愛い(確信)。

 

いや、ちょっと待って。真面目に可愛い!!歌いながらスキップで歩いてるからメッチャ可愛い!!ヤバイ、この場面見ただけで失神しそう。

 

んぁ?誰か来た。

 

 

「ねぇねぇお嬢さん」

 

「???だれ、おじちゃん」 

 

「君のお父さんの知り合いだよ」

 

「お父さん?どっちの?」

 

 

………ザ・ワールド。アヌビス神。

時を止めて、男捕まえて、壁に隠れて、首にアヌビス神当てて、時を稼働させる。

 

 

「あれ?あのおじちゃんどこ?」

 

 

このクソが。妹を誘拐するなんぞ500年早いわ!!

 

 

『オイ』

 

『は、はい!!』

 

『今度妹を捕まえようとするなら、テメエの首と胴体切断した後治して銃で胴体撃ちまくるぞ』

 

『は、はい~………』

 

 

コイツは極刑に処したい………が、もう逃げてる。

木綿季は………うん、お使い再開してる。よし、見守り再開だ!!

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スーパーにて

 

「えーと、キャベツとひき肉と………」

 

………よし、ちゃんと出来てる出来てる。お兄ちゃん嬉しい!!

ちゃんとお店の人に『だしの素』を聞いて買ってます。

何か………泣きそう………。

 

お、お菓子買ってるな。余ったらお菓子買っても良いって書いといたからな。

………だが、何で迷ってるんだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

坂倉家 玄関にて

 

 

「ただいまー!!♪」

 

「お帰りー!!木綿季ー!!」

 

「ちゃんと買ってきたよー!!」 

 

「よしよし、偉いぞー!!♪」

 

 

撫でると顔を綻ばせる木綿季。もう、このまま撫でていたい。

 

「あ、お兄ちゃんにお土産あるのー!!」

 

「お土産?」

 

「うん!!♪」

 

 

バッグから取り出してきたのは………プリッツ?

 

 

「はい!!お兄ちゃん♪」

 

 

…………もう、このまま死んで良いですか?可愛いとしか言い様が無いし、しかもお兄ちゃん思い!!

もう、このまま死んでいきたい。

 

 

「ありがとー!!♪」

 

 

木綿季を抱きしめて撫でます。

 

 

「えへへぇ♪」

 

 

夕食は、ロールキャベツ。夕食食べて、お風呂入って一緒に寝ました。

 

今回短いな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

青森に行ってみよー。

『2020年12月23日 午前5時』

坂倉家前にて

 

………何で急に2年経ってるかって?細かいことは気にするな。

 

その2年間の間に木綿季の誕生日とか有ったけど気にするな。ただ、木綿季の誕生日の感想を言えば………最高にハイッ↑ってやつだぁ!!プレゼントあげて嬉しそうにしてる木綿季は吐血物だったぜぇ!!因みに木綿季は今年で9歳になります。

 

あ、後はナーヴギアの発売が発表されて、βテストの応募あったから和人と応募したぜ。何か今年の10月21日にナーヴギアが発売されて買って、来年の5月10日にβテストの当選者発表、15日にβテストやる予定だぜ。………訳分かんないや。

 

そんなことより

 

 

「皆~!!行きましょ~!!」

 

「「「オー!!」」」

 

 

旅行ですよ皆さん!!母さんがテンション高い。木綿季が可愛い!!

あ、因みに青森に行きます。車で。

運転?父さんの仕事でございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

午前7時 PAにて

 

「美味しいね!!お兄ちゃん!!♪」

 

「そうだなぁ」

 

「久々に家族全員で食べますからねぇ」

 

「この長期休暇も久々だわ~」

 

 

んま、俺は朝には必ず肉食わなきゃやってられねぇんだよな。そうしなきゃ力がつかない。

 

母さんの仕事が一段落して、母さんの親戚の家に泊まりに行くらしいです。2泊3日。

 

 

「お兄ちゃん、あ~ん♪」

 

 

………ゴブパァ!!(吐血【仮】)は、破壊力………無限………活動停止寸前………だが!!

 

 

「あ~ん♪ん~♪おいし~♪」

 

 

フッフッフッ。読者諸君、俺は今最高にハイだ!!

 

 

「良かったねー木綿季♪お兄ちゃんも嬉しそうだよ♪」

 

「ボクも嬉しい!!♪」

 

 

………やはりボクっ子だったか。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

午前10時30分にて

 

 

「さぁ!!着いたわよ~!!」

 

「寒いぜー!!」

 

「お兄ちゃん寒いー!!」

 

「マフラーどうぞ!!♪暖かいかなぁ?」

 

「あったか~い!!♪」

 

 

青森に到着ゥ!!ってか寒い!!父さんは………

 

 

「………寒いですかね?」

 

 

寒さを受け付けてません。それどころか寒さが対応してます。お前の体温一体何℃だよ!?

 

母さんは普通に何枚か着てます。

 

木綿季は紫のジャンパーを着てます。可愛い(確信)。

 

かくゆう俺は紺色のジャンパーと下にヒー○テッ○着てます。

 

 

「お兄ちゃんギュー!!♪」

 

 

しがみついてきましたよ。………癒されるどころか、死ぬ一歩手前です………

 

 

「じゃあ、お兄ちゃんもギュー!!♪」

 

「あったかーい!!♪」

 

「三人ともー!!行くわよー!!」

 

 

………いやいや、空気読んでよ母さん。今至福の時間だったのに。あ、こんな時に言うのもあれだけど木刀は持ってきてるぜ。

兎に角、母さんの親戚の家に行ってくるぜ。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「やっほー!!たっだいまー!!」

 

古い民家だが広い。一言で言うなら和。こんな感じの家は良いねぇ。心が穏やかになる。

 

因みに作者も好きだ。老後はこんな感じの家に住みたいと言っている。(ガチ)

 

と、足音が近付いているな。………だが、この足音は………子どもか?

 

 

「はーい………どちら様でしょうか?」

 

 

………よし、一旦情報整理。こちらに近付いてきた足音の正体が………『朝田詩乃』が来た。

 

………ここに来て衝撃の事実ッ!!まさかのこれ!?

 

と、大人の足音が聞こえてくる。重さからして………女の人の足音だな。

 

 

「何方………って彩月じゃない!!よう来たねぇ!!」

 

「朋さんどうもー♪来たよー♪」

 

「えっ……と………?」

 

「母さん、この人が朋江さん?」

 

「あら!?もしかして銀君!?んまぁ~大きくなって!!」

 

「お久しぶりです。朋江さん」

 

「あら!!銀将さんも久しぶり!!相変わらず銀髪なことで!!」

 

「それだと俺も銀髪なんですが………」

 

「こんにちわー!!♪」

 

「あら?この子は………?」

 

「そのことは追々話すから、先ずは上がらせて♪」

 

 

朋江さん。詳細としては俺の母さんの親戚にあたる人で、面倒見が良いと評判らしい。………まさか朝田詩乃が居るとは思ってなかったが………。

兎も角、家に上がって客間まで行きます。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「どうぞ」

 

「あら、ありがとうねぇ♪家の銀ちゃんも見習って「母さん料理しないでしょ。」ちょ!!銀ちゃん!!」

 

 

………朝田詩乃。この場所に居るということは………あの事件は既に起こってしまったのか………だが、過去を考えても仕方ないな。

 

 

「お兄ちゃんどうしたの?」

「ん?何でもないぞー♪」

 

 

頭を撫でて心配かけないようにする。しかし撫でられてる時の顔が可愛いことで。

 

 

「……………」

 

「髪色が似てないのに何故お兄ちゃんと呼んでいるのか?ですか」

 

「!?」

 

 

オイこら。急に読心術やめい。急にやられるとビックリするんだよ。過去にも父さんが読心術を使ったことがあるが………その時は何処かの剣道場の師範代に使ってた。

 

「簡単なことです。養子だからですよ」

 

「あ、あぁ。成るほど」

 

「養子って本当かい?彩月」

 

「そうなのよ~。何か銀ちゃんが急に「か・あ・さ・ん?」きゃー!!銀ちゃんがこわーい!!」

 

「全く………」

 

「………そうだった。詩乃、ご挨拶」

 

「朝田詩乃です。どうも」

 

「おや、礼儀正しい子ですね。家の銀先は言いたいことをハッキリ言いますからねぇ」

 

「良いじゃん別に。あ、俺は坂倉銀先。宜しく」

 

「さかぐら木綿季ー!!♪よろしくねー!!♪」

 

 

各々挨拶を終えて、昼食の準備します。

あ、俺も手伝うぜ。

 

 

 

 

 

その料理中………

 

「ん?」

 

「お兄ちゃん、どうかした?」

 

「ちょっと待っててな」

 

 

外から音がしたな。何だ?という訳で外へ出てみると………

如何にも小5悪ガキが五人。

 

 

「お前ら、一体誰?」

 

「それはこっちのセリフだぃ!!お前こそ何者なんだよ!?」

 

 

何かリーダーっぽい奴が喋ってきたよ。

 

 

「俺?少なくともお前らより年上だ。年上には敬えアホども」

 

「誰がアホだと!?お前こそ、何で人殺しが居る家に居るんだよ!?」

 

 

あー………やっぱりか。

 

 

「人殺し………ねぇ…………知らんな」

 

「ハァッ!?」

 

「兎も角…………」

 

 

木刀をちらつかせた後、一気に抜刀術で風を起こす。脅しには十分過ぎる風圧だな。

5人全員目を瞑って、風に耐える。

木刀を収めて話しかけるぜ。

 

 

「人様の家に大勢で押し掛けて来んな。さっさと帰れ。じゃなかったら全員………」

 

 

木刀をちらつかせる。んまぁ相手はビビって逃げたがよ。

んで、家に入ろうとすると………朝田詩乃が居ました。

 

 

「うおっ!?」

 

「………アンタ、何してんのよ?」

 

「………興奮してた猫が居たから威嚇「嘘つけ。」あり?」

 

「大方、また来たんでしょ」

 

「………また………ねぇ」

 

「それより早く入りなさい」

 

 

そうだな………さっさと飯食べに行きますか。

という訳で、中に入って飯食べます。

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

粛正対象だZ

親戚 朋江さんの家にて

 

………今ね、昼寝中ですよ。静かですよ。いや静かなのは良いんだよ。その後なんだよ。

 

昼食食べた後、寝転がってたのよ。そしたら………木綿季が腹にダイブしてきたんですよ。

 

んで、その30分後が…………

 

 

「すぅ………むにぃ………へはぇ♪」

 

 

俺の腕枕でぐっすり寝てる木綿季が居ます。犬みたいに愛くるしいよぉ!!

 

 

「………お兄ちゃん………ちゅー………えへぇ♪」

 

 

………ヤバイ鼻血でそう。多分俺メッチャにやけてるだろうね。そうだろうね!!でもね木綿季、そこまで行くと俺ヤバイ奴に成りそうだからね?

 

 

「………アンタ、何やってるのよ?」 

 

「見て分かんない?可愛い妹の寝顔を見てる」

 

「危ない奴」

 

「やめんかい。色々と誤解される」

 

「既に誤解されても不思議では無い」

 

「俺、詩乃より年上なんだけど」

 

「気安く呼ぶな。ロリコン」

 

 

………心にグサグサ来ますねぇ。あれ?何だろ?急に視界がぼやけてk………チッ、また外から足音だよ。ったく、誰だよ。この至福の時間を邪魔する輩は!?

 

足音の数からして………おおよそ5人か。精々………中学2年か。

 

 

「ちょいと詩乃さんや」

「気安く呼ぶなと「外に行くから木綿季宜しくなー」って、アンタ」

 

 

あーあ、腕に掛かってた丁度良い重みが消えたんだお。かなぴー。

 

この怨み晴らされでおくべきか~#

 

という訳で外に行きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

………えー簡潔に言います。

 

 

捕まりました。いや、まさかの縄持ってきてるってわかんねぇよ。

 

何か中2どもが会議してるよ。厨○病か?厨○病なのか!?工場連れてこられて来たんだよ。厨○病か!?

 

あ、何か1人来た。

 

 

「しっかし、こんなガキがねぇ………お前他所もんか?」

 

「あー他所もん他所もん。だから縄解いてくんない?妹愛でに行きたいんだけど」

 

「いや、お前、今の立場分かってんのか?」

 

「寒い」

 

「一言で済ますなよ。後関係ねぇじゃねぇか」

 

「ねぇ暖房とか無いの?寒いったらありゃしない。若しくはカイロ」

 

「ねぇよ、んなもん」

 

「うっわケチくさ!!何?俺連れてこられた挙げ句、縄で縛られて工場に閉じ込められたんだぜ!?普通人質の要望って答えるもんだろ!?」

 

「いや、ここ地下!!これでも暖かい方なんだよ!!」

 

「関係ないわ」

 

 

というか地下って厨○感満載じゃないですかヤダー。

はぁ、もう良いや。

 

 

「おいしょっと」

 

「はあぁぁぁ!?おまっ、何で縄がッ!?」

 

 

はい、想像通り。普通に縄を力任せにスパーキング!!しました。

 

 

「あ、木刀何処?」

 

「な、何で他所もんに!!「良いから答えろ。さっさとしなきゃテメエの首と胴体、手刀で真っ二つにするぞコラ」地上の奴等が持ってます!!」

 

「よし、行くか」

 

 

スタンド出して、スタプラ&クイックシルバーに。

んぁ?クイックシルバーが何かと?詳しくは七人目のスタンド使いを検索。

 

殴らせて、出てきた石ころとかをクイックシルバーに入れて。

 

何やかんやで地上から出てこれました。

 

 

「な!?て、テメエ!!どうやって!?」

 

「おーい、木刀返してー。………あり?詩乃?何で居るの?」

 

「い、いや………何で地下から?」

 

「…………あぁ、成る程ね。大方俺は餌だったわけか」

 

「!!!あ、兄貴!!バレてますよ!!!」

 

「狼狽えるんじゃあない!!俺たちデスペラーズは狼狽えない!!」

 

 

真面目に厨○病か。んま、シリアスに戻してっと。

 

 

「………恐らく、詩乃を誘い出す為だけに態々誘拐した訳か。全く、アホらしいなぁ」

 

「何?」

 

「………けどさぁ、何で俺?態々他所もんの俺を何で捕らえたんだ?」

 

「………お前、俺たちの弟が世話になったらしいじゃねぇか?」

 

「弟………あぁ、あの小5悪ガキそうな奴等か」

 

「弟から言われてよぉ、俺も兄として黙ってる訳にはいかなかった訳だ。しかも、居たのが殺人者を匿ってるババアの家に居たって聞いたからよぉ?だったら序でにってな!!」

 

「ッ!!………アンタたち!!」

 

「うるせぇぞ殺人「一つ聞きたい。」んぁ!?」

 

 

…………全く、俺も感情的だな。

 

 

「お前らは………詩乃が殺人者だから………その手が血で汚れてるから………そんな態度を取ってんのか?」

 

「………っ………ヒャヒャヒャハハハハハハ!!おま、何だぁ!?何マジに成りやがって…………アガッ!?」

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

スタプラをアヌビス神に変えて喋ってた奴の口に鞘ごと突っ込んだ。さて………慈悲は与えねぇぜ。

 

 

「テメエこそ………何しでかしてんだ?」

 

「ア、アガガガガ!!!」

 

「詩乃の手が汚れてるだ?何言ってんだよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

    詩乃の手は綺麗じゃねぇか。

 

 

 

 

 

 

 

   綺麗で真っ白な良い手じゃねぇか。

 

 

 

 

 

 

 

  そんな手が血で汚れてるだぁ?笑わせんな。

 

 

 

 

 

 

 

    ここに1人居るじゃねぇか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   うすぎたねぇ手を持ったバカがよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言って、俺は鞘から刀身を出して5人の服のみを切断させた。

 

 

「んなぁ!?」

 

「い、何時の間に!?」

 

「お、覚えてろよ!!」

 

 

その5人は直ぐ様逃げ出した。

俺は詩乃の元に歩み寄る。

 

「詩乃」

 

「…………へっ!?な、何よ!?」

 

「………ほれ」

 

詩乃の綺麗な手を掴んで連れて帰る。当の本人は慌ててますよ。んでもって気にするか、んなもん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

テメエ!!!銀○ついてんのかあぁぁぁ!!?

朋江さんの家 入り口にて

 

「お兄ちゃーん!!!」

 

「おいしょっと。ただいまー木綿季♪」

 

「どこに行ってたの!?心配したんだよ!?」

 

「ごめんごめん。心配かけちゃったね」

 

「んもー!!ばつとして今日はお買い物一緒に行くよ!!」

 

「りょーかい♪」

 

「あ、しのお姉ちゃん!!♪」

 

「お、お姉ちゃん?」

 

「うん!!♪お姉ちゃん!!あ、後何でお兄ちゃんとお姉ちゃんが手繋いでるの?」

 

「ッ!!!!!」

 

「ありゃ。んま良っか。詩乃、買い物一緒に行くぞ」

 

「んなっ!?」

 

「木綿季もお姉ちゃんと一緒に買い物行きたいよねー?」

 

「うん!!♪一緒に行くー!!♪」

 

「と、いう訳だ。年下の頼みを断る程、子どもじゃねぇだろ?」

 

「…………はぁ」

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………いやね、帰ってきた途端に木綿季が抱きついて来たんですよ。丁度良い重さが帰ってきたんですよ。可愛く怒って罰を与えられたんですよ。何が言いたいかって?

 

妹が違った方向で可愛い!!!

 

木綿季から罰を与えられてみてください?断れますか?………

断れる訳無いでしょ!!!んでもって…………

 

 

「♪~お兄ちゃんの手、あったか~い!!♪」

 

 

手、繋いでるんですよ。良いだろぉ!?(ゲス顔)

 

あ、因みに詩乃は後ろから着いてきてます。

 

んお?木綿季が詩乃を見ております。そして手を出してきました。これは…………

 

 

「お姉ちゃん」

 

「………ん?何かな?」

 

「手繋ご!!♪」

 

「!?」

 

 

うん、断ると厄介なパターンに持っていくか。

 

 

「わ、私は…………」

 

「詩乃お姉ちゃんなら、手繋いでくれるから大丈夫だよ。木綿季♪」

 

「(こ、コイツッ!!!)」

 

「お姉ちゃん?」

 

「うっ……………」

 

 

観念して木綿季と手を繋ぎました。

 

 

「何か家族みたいだね♪」

 

「ヘアッ!!!!!?」

 

 

…………爆弾発言どうも。じゃねぇんだよ!!いやね木綿季、何か詩乃が変な声だして驚いてるんだよ。

 

 

「お兄ちゃんがお父さん役でー、ボクが子ども役でー、お姉ちゃんがお母さん役ー!!♪」

 

「」

 

「………フハッ………ハハハハハハ!!♪ゆ、木綿季!!面白いな!!♪俺がお父さん役で、木綿季が子ども役で、詩乃がお母さん役ってか!!?フハハハハッ!!♪」

 

「うん!!♪お兄ちゃんがお父さん!!いつもみんなにやさしくしてくれるお父さん!!♪」

 

「そうか!!♪じゃあ木綿季と詩乃は大切にしなきゃな♪」

 

 

木綿季の頭を撫でます。いやもう可愛い!!!!

 

 

「ん~♪あ、じゃあお姉ちゃんもなでてよ!!」

 

「…………んなっ!?」

 

「それはまたどうして?」

 

「だって、今のお兄ちゃんはお父さんなんでしょ?だったらお母さんをなでないのはおかしいでしょ?」

 

「んー成る程。よし、じゃあ撫でますか♪」

 

「はぁ!?あ、アンタねぇ!!」

 

「お姉ちゃん?」

 

「うぅ…………………」

 

「んじゃ、ちょっと失礼して………………詩乃、木綿季をちょっと頼む。」

 

「?…………ッ!!!」

 

「………だれ?」

 

 

何かしらの気配を感じ取ってみれば………如何にもクズの匂いがする輩が居ることで。

 

 

「あっら~?こんな所で会うなんてめずらしいねぇ~人殺し?」

 

「………ふむ、態々制服で来たことに関しては脅し目的で来てるんだな。理解した」

 

「おやぁ?テメエ誰だよ?その人殺しの側に居ると死ぬぜぇ?」

 

「お前みたいなクズの側に居てクズになるよりよっぽどマシだ。失せろ」

 

「おほほっ!!!これ見てもんなこと言えるかな?」

 

 

そう言ってズボンのポケットから取り出してきたのが………銃?ってあ。

 

 

「ヒッ!!」

 

「おーおー、ビビってるビビってるww。やっぱ反応がおもしれえなぁww」

 

 

詩乃が頭を抱えてしゃがんだ。木綿季が声を掛けてるが…………フゥー少々痛い目見なきゃすまないらしいねぇ?

 

 

「お兄ちゃん!!そんなやつ、やっつけちゃえー!!」

 

「元々そのつもりさ♪」

 

「おいおい、バカかテメエ?これはなぁ………改造してんだよ」

 

「んで?本当に人が死ぬかもしれない銃もって何が出来るんだ?」

 

「お前、バカなのk………んなっ!?」

 

 

んまぁ分かる訳無いよな。時止めて木刀で☆粉砕☆したからな。さぁて………次に相手がとる行動は、

 

 

「な、嘗めやがってえぇぇぇ!!!」

 

 

殴りに来たな。遅い。

 

 

「ぐっ!?ぐがげぇ!?」

 

 

相手の右腕を掴んで後ろに回り込んだ後、おもいっきり『すね』を蹴って体勢を崩した。

 

こんな戦闘のド素人に負けるわけねぇだろ。

 

 

「はいはいはーい。ここで選択肢を与えまーす。直ぐに逃げるか、地獄見るか?」

 

「に、逃げる!!逃げさせてくれぇ!!」

 

 

………ふぅ。拘束解いて………はいナイフ投げてきたよ。バレバレだけど。

 

「んなっ!?」

 

「地獄を見たい様だね。オッケー」

 

 

スタンド出して、クレイジーダイヤモンドとシルバーチャリオッツにして……… 

 

 

『ドララララララララララララララララ!!』

 

『ホラホラホラホラホラホラホラホラホラ!!』

 

「あぶぎぃやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

よし、ノルマクリア!!!それは良しとして………まだ恐がってんな。しゃあねぇか。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

近場の公園にて

 

「落ち着いたか?」

 

「…………もう平気………」

 

「お姉ちゃん…………大丈夫?」

 

「大丈夫よ、ありがとう」

 

「よかった~」

 

 

んま、落ち着くのに2時間程かかったが………迷惑かけるよりマシだろ。

 

 

「何か飲み物いるか?」

 

「………いや、別n「頼みなさい。」………」

 

「あ、じゃあボクが買ってきてあげる!!♪何が良い!?」

 

「ほれ、木綿季も言ってるじゃん」

 

「………それじゃあ、お茶を頼めるかしら?」

 

「分かったー!!♪」

 

「あ、木綿季。これ使いなさい」

 

「はーい!!!」

 

 

木綿季にお金を渡して買いに行かせました。いや自ら行ったのか。さて………

 

 

「平気………になったんだな、詩乃」

 

「………お陰さまでね」

 

「………そうかい」

 

「お兄ちゃーん!!!買ってきたよー!!!」

 

 

そうこうしてる内に木綿季が来た。お茶と………カルピス?あぁ、木綿季が飲むのか。

 

 

「お兄ちゃんどうぞ♪」

 

 

そっちだったか!!

 

 

「木綿季、ありがとう♪でもお兄ちゃんは要らないかな?木綿季が飲んで良いよ♪」

 

「んむぅ!!!飲んで!!!」

 

「おやおや、強制ですか。じゃあ、ありがたく頂きますか」

 

「…………」

 

「んあ?どした?」

 

「………いや、仲睦まじいなと」

 

「………そうか。…………うし、買い物再開しますか」

 

「おー!!!」

 

「そうね」

 

「あ、ちょっと提案」

 

「「???」」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

買い物の帰り道にて

 

「♪~」

 

「………何でまた」

 

「良いじゃねぇか。せめて帰る時でも良いから木綿季の願い位聞いてやろうや」

 

 

はい、ご察しの通り。俺、木綿季、詩乃という感じで並んで家に朋江さんの家に帰ってます。

 

 

「おっと、一つ忘れてた」

 

「「???」」

 

 

詩乃の頭撫でるんですよ。忘れてたよ。

 

 

「!?」

 

「あ!!お姉ちゃんの頭撫でてる!!♪」 

 

「いやはや、色々あったから忘れてたよ♪」

 

 

そんなこんなで朋江さんの家に帰りました。スゲー疲れた。

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

笑顔

『翌日 12月24日 午前5時』

 

はい、皆さんどうも。今ね、朝なのに木刀を素振りしてるんですよ。いやね、これが俺の日課になってきてんだよ。あ、因みに………

 

 

「てぇ!!!たぁ!!!とぉ!!!」

 

 

お隣で木綿季も真似っこしてます。いやぁ………愛くるしい。

んまぁ木刀持ってないけどさ。それでも同じ行動してくれるのは嬉しいね。さて………

 

 

「木綿季、少しだけ縁側に居てくれないかな?」

 

「???何で?」

 

「ちょっと大技放つからね」

 

「なるほど。分かったー」

 

 

木綿季が縁側に座りました。あぁ、駄目だ。これだけで死ねる。この縁側にまで座りに行くまでのとっとこと歩く姿だけで死ねる。

 

とまぁ、こちらも構えをして………息を整えて………剣先を下に向けた後………

 

 

「フッ!!!」

 

 

切り上げ。この一回だけで相当な風圧が生まれる。時間差なんて関係ない。そのまま下に切り下げ、左下から右上に切り上げ、横一閃、袈裟斬り、片手に持ちかえて上段の突き、そのまま斬る。

 

この過程で6回は風圧を生み出してます。

 

 

「お兄ちゃんすごーい!!!」

 

「ふぅ、まだ行ける」

 

「まだ行けるならやってくださいよ銀先」

 

「「うおっ!?」」

 

 

何で父さんが起きて………あ、普通に起きるか。

 

 

「いや、流石に家じゃねぇからここまでにしとくわ」

 

「おや、そうですか」

 

「お父さんおはよー!!!♪」

 

「お早うございます。木綿季♪」

 

「どうすんの?今起きてんの朋江さんと、俺と、父さんと、木綿季だけだと思うぞ?」

 

「そうですねぇ………ではお手伝いでもしますか♪」

 

「おー!!!♪」

 

「んじゃ、やりますか」

 

 

そういって、俺は一旦疲れをとる為に自動販売機まで行って飲み物買って、縁側に座ります。

父さんと木綿季は朋江さんの手伝いに行きました。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

『午前6時』

 

「ふあ………」

 

「起きた?詩乃」

 

「!?あ、アンタ一体何時から!?」

 

「えぇと………1時間半前に起きて修行してた。あ、木綿季と父さんも起きてるぞ」

 

「アンタたち、えらく早起きなのね」

 

「そりゃ毎度毎度のこと修行してたら早く起きるからな。もう日課さ」

 

「そう………偉いわね」

 

「そこまで凄くないさ。ただ単に習慣とかしただけだ」

 

「習慣………ねぇ。そんな習慣珍しいわね」

 

「人それぞれでしょ」

 

「確かに」

 

「さて、多分手伝いも終わってるだろうし行きますか」

 

「ん、そうね」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

………ふひー、朝食美味しかった。思わず詩乃も目を見開いてたからな。やはり父さんの作る料理は旨いとしか言い様が無い。

んで、今なんですが………

 

 

「せっせっせーのよいよいよい♪」

「よいよいよい♪」

 

 

木綿季が詩乃とお遊びしてます。まぁ可愛い!!!

ってかさ、これ写真に撮りたい。んで読者に見せたい!!!ん?作者が絵を描けば良いと?

…………察してくれ。作者の絵のセンスは壊滅的なんだ。

 

 

「「じゃんけんポンッ!!!」」

 

 

詩乃 グーvs木綿季 パー

 

 

「やったー!!!♪」

「あちゃー、負けちゃった♪」

 

 

………何か、変わったな。………そういや、イヴだったな。ちょっとサプライズ考えとくか。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『午後7時』

 

………うっし!!!準備出来た!!!つってもホルス神で氷作って、アヌビス神で形整えるだけだけど。

 

「お兄ちゃん、何やるの?」

 

「急に呼び出すものだから何事かと思ったわよ~銀ちゃん」

 

「多分サプr「お口チャック」はい」

 

 

何ネタバレしてんだよ。つまんないだろぉが!!!

 

 

「うし、皆集まったな。んじゃ始めますか」

 

 

ホルス神をスタープラチナに変えて、作った氷を全て投げます。因みに数は10個程。

んで、投げられた氷を………

 

 

「ハッ!!!!」

 

 

アヌビス神で切ります。刀身を鞘に収めて、落ちてきた氷を手に取ると………うし、完成。

皆に見せましょう。

 

 

「は~い、かんせ~♪氷の結晶~♪」

 

「お~!!!♪お兄ちゃんすごーい!!!♪」

 

 

半径7㎝程の氷の結晶。一応クリスマスだし、これぐらいはやっても良いでしょ。

木綿季や皆に渡しますよぉ。

 

 

「木綿季、どうぞ♪」

 

「ほわ~!!♪お兄ちゃん、ありがとー!!!♪」

 

 

クボハァ!!!え、笑顔が眩しい。可愛い。吐血しかけた。

 

 

「良いですねぇ銀先。まさかの氷の結晶ですか?」

 

「いや、先ずどうやって氷作ったの?というか何で真剣持ってるのよ?」

 

「細かいことは気にしない物よ~♪詩~乃ちゃん♪」

 

「いやあれが細かいってどんな神経してるんですか!?」

 

「あー大丈夫。家の両親は基本楽観的だから」

 

「楽観的にも限度があるわよこの人たち!!」

 

「………プフッ」

 

 

おりょ?木綿季が吹いた。

 

 

「あははハハハハハハ!!!♪」

 

「プッ………ハハハハハハハハハ!!♪」

 

「あはははははははは♪」

 

「あはははははハハハ♪」

 

 

木綿季に続いて、俺、父さん、母さんが笑ってしまった。

 

 

「な、何よ。何で皆笑ってるのよ?」

 

「しのお姉ちゃんも笑お!!!♪」

 

「いや何で!?」

 

「良いじゃねぇか、笑おうぜ♪何かスッキリするし♪」

 

「その理論は何!?」

 

「よし、木綿季!!!お姉ちゃんにくすぐりの刑だ!!!♪」

 

「ラジャー!!!♪」

 

「ちょ、アンt「とつげきー!!!♪」うわわっ!!!」

 

 

木綿季が詩乃に向かってダーイブ。&くすぐり実行!!!

 

 

「こちょこちょこちょー!!!♪」

 

「ちょ、やめ、あははハハハハハハハハハ!!!ちょ、木綿季!!!や、やめ!!!ハハハハハハハハハ!!!」

 

「よーし!!!皆笑えー!!♪」

 

 

その間、俺たちは笑いあった。朋江さんだけ泣いてたが。んま、その理由は……

 

 

「ゆ、木綿季!!!ストッ、ストップ!!!あーハハハハハハハハハ!!!♪」

 

 

これだろう。ようやく笑えたんだ。嬉しいだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

~side詩乃~

………昨日、朋江さんの親戚の家族が来た。その中でも振り回されたのが、あの兄妹。

 

時には強制的に買い物に連れ出され、時にはこんな手で一緒に手をつなごうと言われたり、今日もあの銀髪が命令してくすぐらせたり………こんな楽しい感情を味わうことがすごく久しぶりな感じがした。

 

あの兄妹にあってからというものの、本当に振り回された。綺麗な手とか、家族みたいとか。………今では不思議とうれしいと感じている。こんな血に汚れた手を綺麗と言ってくれたことも、血で汚れている手を気にせず手をつなぐことも………全部うれしかった。

 

 

「お姉ちゃーん♪」

 

「ん?どうしたのかしら?♪」

 

「いっしょにねよー♪」

 

 

………どうしようか?いきなり言われることを考えてない。けど………

 

 

「良いわよ~♪」

 

「わーい!!♪やったー!!♪」

 

 

という訳で、この子と寝ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のはずだったのだが……………

 

 

「すぅ…………すぅ………すぅ…………」

 

 

木綿季は寝ているのだが…………

 

 

「………すぅ…………すぅ………すぅ………」

 

 

何で銀髪が居るのよー!!!?

 

 

「むにゅぅ………」

 

 

寝返りでこちらに来た木綿季ちゃん。………成るほど、これで落とされたか?

 

 

「全部の行動に落とされた」

 

「!!!?いや、起きてたの!?」

 

 

木綿季ちゃんを起こさない様に静かに声を出す。あまりにもビックリした。

 

 

「木綿季、可愛いだろ?今じゃあ一番の妹だ♪」

 

 

妹………ねぇ。弟か妹が居れば………兄か姉が居れば………何か変わったのかしら?

 

 

「ん~、そうだなぁ。変わるなら欲しいなぁ」

 

「何?アンタら親子、読心術でも覚えてるの?」

 

「そりゃ相手を読むことは大事だし」

 

「何じゃそりゃ?」

 

 

………分からなくなってしまう。自分が何なのか。

 

このズカズカと相手の心に入り込んでくる、この兄妹に敵わないかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

甘えるということ

『翌日 12月25日 午前5時』

 

 

「フッ!!!」

 

 

いやはや、これで最終日ですよ。一応、母さんの仕事もあるのでね。2泊3日終了ですよ。あ、木綿季の方はですね。

 

詩乃と寝てます。いやね、寝顔が可愛いんですよ。毎日見てるんですけど、吐血物ですね。木綿季の寝顔は。

 

んま置いといて、俺も手伝いはしますか。

汗拭いて、朋江さんの手伝いだから台所に行きます。

 

 

「朋江さん」

 

「あら、銀君じゃない。どうしたのかしら?」

 

「いえ、お手伝いをしに来ました」

 

「あら、そう?じゃあお言葉に甘えちゃいましょうか♪」 

 

「こき使って下さいよ?♪」

 

「あらあら♪それじゃあ何か朝食のおかずでも作ってもらおうかしら?」

 

「お安いご用で」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

料理中にて

 

「銀君、ありがとうねぇ」

 

「ん?何がです?」

 

「詩乃と居てくれて、ありがとうね」

 

「あぁ、そのことですか。いえ、こちらは振り回してただけですし」

 

「それで良いんだよ。あの子はお母さんも居なくなって………銀君たちが来るまでの間、ずっと笑うことも無かったんだよ」

 

「……………」

 

「甘えることもしなかった。今じゃ大分落ち着いたんだけど、やっぱり何処か遠慮していてね」

 

「………成る程、甘える………ねぇ」

 

「本当にありがとう、銀君」

 

「………いえ、まだ終わってませんね」

 

「えっ?」 

 

「いえ、こちらの事です。お気になさらず」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

『午前6時30分』

 

今回の朝食は『梅紫蘇ご飯』『鯖のムニエル』『サラダ』という感じだな。ムニエルはお好みでレモンを。

え?和と洋が混じってる?良いじゃん別に。

 

 

「んむぅ………おはよー………」

 

 

寝ぼけながら木綿季が瞼を擦りながら起きてきました。ちょっと髪が跳ねてるんだお。可愛い!!!

 

 

「お兄ちゃん………」

 

 

んあ?近付いて………そのまま抱きついてきた。

 

 

「くー………………」

 

 

あり?寝た?

 

 

「ちょ、木綿季。動けないんだけど………」

 

「くぴー…………すぴー………」

 

 

いやさ、本当に動けないんだけど。あ、でも丁度良い重み。

 

 

「ふあー………あら?木綿季が寝てる」

 

「詩乃ー助けてー」

 

「はいはい。木綿季、顔洗いに行くわよ」

 

「んむぅ………」

 

 

詩乃にエスコートされて木綿季は顔を洗いに行きました。

あぁ、重みが消えた………悲しい。

 

 

「お疲れ様です、銀先」

 

「父さん、珍しいね。来なかったし」

 

「少々夜中に野暮用でしてね♪」

 

 

いや、そんな感じに言っても分かるから。多分十数人と遊びながらボッコボコにしやがったな。

 

 

「さて、飯だぞー」

 

「おや?分かったんですか?」

 

「誰の子どもと思ってんだよ。何処ぞの吉田松○並みに強い父さんに育てられたんたぞ。これぐらい出来るわ」

 

「そうですか♪それは良かった♪」

 

「何、俺を化け物にしたいの?」

 

「お兄ちゃーん!!!♪」

 

 

木綿季がジャンプして抱きついて来ました。元気でよろしい!!!

 

 

「はーい、おはよー!!!♪」

 

 

木綿季の頭を撫でます。ホントに犬みたいに可愛いんだが!!!

皆起きてきたので朝食です

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

縁側にて

 

今ですか?木綿季に膝枕していて動けないところです。まぁ、その分木綿季を眺めていられるから良いんだけどよ!!!

 

 

「あら?誰かと思えばシスコン」

 

「やめい」

 

 

縁側に詩乃が来ましたよ。ついでに罵られましたよ、何でだよ!!?

 

 

「詩乃こそどうした?ここに居ても退屈なだけだぞ」

 

「私の自由ってことで」

 

「そうかい」

 

 

………静かだ。何も無いって………こんな静かなのかな?

っと、詩乃が木綿季を見てます。

 

 

「………座ってみないのか?立つのしんどいぞ」

 

「良いわよ、私は立ってた方が楽なのよ」

 

「………おい、詩乃」

 

「ん?何よ?」

 

 

………ふぅ。詩乃の手を引っ張って隣に座らせます。

 

 

「ふぇ!?」

 

「………はぁ。自分自身に鞭打つのは構わないが、少しは甘えろ。そんなんじゃあ疲れるぞ」

 

「いや、誰も疲れてるなんて「いや、そうじゃなくてだな。」???」

 

「お前は甘えろ。………昔何があったかなんて俺には知りやしないが………」

 

 

詩乃の頭に触れ、こちらの肩に寄りかからせる。

 

 

「!?」

 

「少なくとも、お前は甘えろ。一度で良いから、誰かに。」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

~side詩乃~

………今、私の隣に居るこの男は………無理矢理であるが、私を引き寄せた。一瞬、殴ろうと考えていたが………直ぐに止めた。不思議と、いやではなかった。

強引ではあったものの、何故か身を預けてしまった。

 

 

「ねぇ」

 

「ん?」

 

 

コイツに話すのも悪くないと思ってしまう自分が居る。

 

 

「話………聞いてくれるかしら?」

 

「………話したければな。」

 

「そう……………」

 

 

なら話そうか。コイツになら話せそうだし。

 

 

「………私ね………ある事件に巻き込まれたのよ」

 

「その時、私はお母さんと一緒に銀行に行ってたのよ」

 

 

「でも、そこで………銃を持った犯人が現れた」

 

 

「そこで、1人殺されて………お母さんはパニックを起こして………」

 

「犯人が………銃を向けたのよ。お母さんに」

 

 

 

「私は………守りたくて………そこで………」

 

 

ほおを伝わる何か。それは考えずとも分かった。何故涙が出てくるのか。………恐い………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然、誰かに頭を抱えられた。優しく。

 

 

「………………」

 

「……………アンタ………」

 

「わりぃ………聞くのは無しにしてくれ。ついでに泣くのも無しな」

 

「…………何よ………それ…………」

 

「良いじゃねぇか、別に」

 

 

………敵わないかも、コイツには。何てお人好しなのか………何て自分勝手なのか………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『午後3時』

 

はてさて、そろそろお別れの時間ですよ。長いような短いような………んま、しゃあないわな。

 

 

「むぅ……………」

 

 

木綿季がむすっとしてるでしょ?この顔もまた可愛いんだよな。

 

 

「木綿季、しゃあないでしょ。母さんの仕事の都合もあるんだし」

 

「だって………むぅ………」

 

「大丈夫よ、また会えるから」

 

 

詩乃が木綿季の頭を撫でる。

 

 

「だとさ。また会えるんだってさ」

 

「むぎゅぅ…………」

 

「大丈夫さ。どうせなら、母さんが居なくても父さんと行けば良いしさ」

 

「酷いッ!!!」

 

「それじゃあ、お別れの挨拶は?」

 

「………ばいばい、しのお姉ちゃん」

 

「うん、ばいばい」

 

「じゃあな、詩乃。んま、今度また会うときは面白くなっとけよ」

 

「何よそれ?んま、忠告通りにならないと思うけど」

 

「そうだな。んじゃ、またな」

 

「ん、また」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

SAO
色々飛ばしてるが、取り敢えずログインじゃあァァァ!!!


『2022年 11月2日 午後1時』

 

「『リンクスタート』!!!」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

はてさて、皆さんが待ち望んでいたSAO配信ですよ!!!もうね、興奮してるんですよ!!!言うなれば

最高にハイッ↑てヤツだァァァァァハハハハハハ!!!です。

ん?βテストはどうしたと?書くの疲れたってさ(メタい)。

 

 

「おーい!!!シヴァー!!!」

 

 

お、この声は………

 

 

「おう、キリト」

 

「ってか、ここでも銀髪でリアルと同じ顔だし分かるわ」

 

 

俺のプレイヤーネームは『シヴァ』。因みに経緯は

銀→シルバー→シバ→シヴァだぞ。

 

 

「さて、後はアイツらが来れば良いんだが「お兄ちゃーん!!!」お、そうしてたら来たな」

 

「お兄ちゃーん!!!お姉ちゃんも連れてきたよー!!!」

 

「ちょ、ユウキ!!!」

 

「………あれー?あの子に姉「後々話すわ。」いや、何d」

 

 

そう、木綿季と詩乃………ここでは『ユウキ』と『シノン』って呼べば良いか。何か木綿季と詩乃もナーヴギア買ってSAOのソフト買ったんですよ。………これからデスゲームになるのに………まぁ良っか。

 

 

「しっかし、お前がRPGをするなんてな。前まで別ゲーで1位独占してた奴が………」

 

「それは過去の話で良いだろ?キリト。今は1プレイヤーのシヴァだ」

 

「シヴァって名前出しただけで色々と注目集められそうだが」

 

「何の話?」

 

「何でもないぞーユウキ♪」

 

 

ユウキの頭を撫でます。何時もの光景と化しているんだがよ。

 

 

「それより、早く行くぞ」

 

「そうだな。自己紹介は店で話すか」

 

「何処か行く宛でもあるのかしら?」

 

「あるぜ。兎も角、さっさと行ってさっさとモンスター狩るぞ」

 

「オッケー!!!♪」

 

 

βテスト時に見つけた店にレッツゴー!!!

その途中でクラインに会いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァッ!!!」

 

「フッ!!!」

 

「やあッ!!!」

 

 

キリトはクラインに、俺はシノンとユウキにレクチャーしてます。この階層の『フレンジーボア』なんだが、うむ弱い。

そうこうしてる内にスキルの使い方も覚えたんだよな二人とも。俺はスキル使わない派だな。うん。サブとメイン使い分けてる。

 

あ、因みに俺は曲刀と槍だな。シノンは短剣、ユウキは片手剣。

 

 

「良いねぇ、こっちも大分レベル上がってきたなぁ」

 

「お兄ちゃーん!!!レベル4になったよー!!!」

 

「おぅ!!!良くなったなぁ!!!(俺は5だが)」

 

「………なぁキリト。何あれ?」

 

「リアルで兄妹なんだと」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

そうこうしてる内に、こちらもウェポン切り替えにも慣れてきたな。ユウキ、シノン、クラインも大分慣れてきているな。

 

 

「綺麗な夕日だな。皆」

 

「そうだよなぁ、これが本当にゲームなのかって思うぐらいによぉ」

 

「確かにな。さて、そろそろお開きするか?」

 

「お、そうだな。じゃあなキリの字、シノン、ユウキ、シヴァ」

 

 

そう言ってクラインがメニューウィンドウを開いた。

そして………ここから始まるんだな。

 

 

「ん?なぁキリの字、ログアウトボタンねぇぞ」

 

「………はぁ?そんな訳……」

 

 

俺もメニューウィンドウを開いて、一番下の項目からログアウトを探すが………

 

 

「キリト、こっちもねぇ。恐らく、全員無いと思う」

 

「はぁ!?ちょ、ちょっと待ってくれ!!」

 

 

キリトもメニューウィンドウを見てみたが……あの表情は当たってるな。

そして………青い光が俺たちを包み込む。

 

 

「これって!?」

 

「転移の時に使われるエフェクトだな、シノン。」

 

「でも、一体どこに!?」

 

 

光に全て包み込まれた後、目を開いて見れば『始まりの広場』だった。

これが………恐怖の始まりでもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

チュートリアル?知らんな(聞けよ: by茅場)

『SAO開始から2ヶ月後 2023年 1月2日』

 

どうも、皆さん。いやぁ………ここに閉じ込められて2ヶ月。

最初は恐がってた二人も………

 

 

「ケーイケンチ!!!ケーイケンチ!!!」

 

「ユウキ、あんまり1人で行動しないでよ!!!」

 

 

こうなってました。いや、ユウキ変わりすぎィ!!!モンスターボッコボコにしてます。あ、因みに俺もボッコボコにしてます。クエストで刀スキルゲットしたし、手に入れた鉄刀を慣れさせておく必要があったし。あ、二人とも10レべ。俺、キリトは11。

 

 

「おーい、そろそろ会議始まるから行くぞー」

 

「おぅ!!!ユウキー!!!シノンー!!!そろそろ行くぞー!!!」

 

「はーい!!!♪」

 

「ふぅ、やっとか」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『トールバーナの町』

 

はい、この町の広場に来てます。攻略会議ですよぉ。

お、そうこうしてる内に………来たな。

広場中央に人。これはあれしかないでしょ。

 

 

「はーい!それじゃあ、そろそろ始めさせてもらいます!」

「オレは《ディアベル》、職業は気持ち的に《ナイト》やってます!」

 

 

お、皆が笑いに包まれたな。ユウキも笑ってるし………シノンも意外と笑ってるな。キリト、お前は感心する前に笑え。

 

 

「では早速………今日、俺たちのパーティーが、あの塔の最上階でボス部屋を発見した!」

 

 

その言葉と同時に皆真剣になった。うし、俺も聞きますかね。

 

 

「先ずは6人のパーティーを組んでくれ!」

 

 

んま、そうだよね。えーと、俺、キリト、ユウキ、シノンは決まってて後は………おろ?キリトが誰か誘ってますな。

 

 

「おい、シヴァ。この人もパーティーに入らせても良いよな?」

 

「そもそも6人揃ってねぇから大丈夫だろ。アンタも良いか?」

 

「えぇ………」

 

 

パーティーメンバーとして成立と。うん、まぁ知ってる。プレイヤーネームが『Asuna』だもん。

 

「アスナ?………」

 

「女性プレイヤーかしら?だったら少しは気が楽ね」

 

「よーし、そろそろ組終わったかな?じゃあま………」

 

 

あーディアベルさん。それ以上は

 

 

「ちょお待ってんか!」

 

 

はーい、来たよ。U☆ZA☆I奴が来たよ。そしてジャンプして着地。

 

 

「ワイは《キバオウ》ってもんや!!ボスと戦う前に言わしてもらいたいことがある!!!こん中n「おーい!!!ディアベルつったけー!?さっさと話進めてくれー!!」誰やお前は!?」

 

「き、キミは?」

 

「俺はシヴァ。んまあ宜しく。そんなことよりさっさとボスの情報話したらどうー!?こんなイガグリ頭に着けてる奴の話なんか気にしないで良いだろ!!!」

 

「誰がイガグリじゃ、ワレ!!?喧嘩売っとんのか!?」

 

「おっおっ?やる?やっちゃいます?」 

 

「「やめんか」」

 

「フギャ!!!!」

 

 

く、くそ………シノンとキリトに頭チョップされたよ。………痛いよ。痛くないけど。

 

 

「よ、よし。攻略会議を再開しようか。ボスの情報なんたが、このガイドブックの最新版が配布された」

 

 

ディアベルはガイドブックをペラペラと捲り、あるページを読む。

 

 

「ボスの名前は『イルファング・ザ・コボルドロード』。それと『ルイン・コボルド・センチネル』という取り巻きも居る。ボスの武器は斧とバックラー。HPが減ると、タルワールに持ち替える」

 

「発言良いか?」

 

 

黒人………あぁ、エギルか。

 

 

「俺の名はエギル。1つ聞きたいんだが、これはβテスト版の情報が載っているんだろ?つまり調整段階の情報。もしかしたら変更があるかも知れない可能性は?」

 

「!!!」

 

 

………エギルさん。グッジョブb!!!!そうそう、それだよそれ!!!

ディアベルさんは考え中。

 

 

「………よし!!!恐らく、武器が何か変わる可能性もある!!!それに注意していこう!!!」

 

「「「「「「「「おお!!!!!」」」」」」」」

 

「では、これから5時間後に、またこの広場に集合!!!解散!!!」

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

道中にて

 

「あなた………中々言うタイプなのね」

 

「んぁ?あー、だってさ。一々要らない情報なんて要るか?」

 

「ボクはいらなーい!!!」

 

「私も不要」

 

「んまぁ確かに要らないな」

 

「だろ!?だからさ!!!」

 

 

道中にアスナが話しかけてきてキバオウの話を中断させた時の話をしています。要らないよね?

 

 

「んま、天下無双のシヴァさんなら行けるわな~?」

 

「黙ってろ。キリトこそ上位独占してたじゃねぇか」

 

「お前に比べればまだまだ」

 

「お兄ちゃん、何の話?」

 

「別のゲームの話さ♪」

 

「………あのー」

 

「んあ?今度は何?」

 

「いえ、今さっきお兄ちゃんって……リアルでも?」

 

「そうさ、リアルで兄妹なんだよ。養子だけど」

 

「そうなんですか………」

 

 

………んまぁ、アスナにも兄が居るんだよな。何かしら分かる物があるのかな?

その五時間、武器の修復とかアイテム購入して終わりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ギルドの名は………

『出発前』

 

「シヴァ君」

 

「んあ?ありゃ、ディアベルさんか」

 

 

何か出発前にディアベルさんが話してきたぜ。何だろ?

 

 

「あの時はありがとう。おかげで助かった」

 

「あぁ、そんなこと。別に良いさ、ウゼェって思ったからしたまでだし」

 

「それよりもなんだが………」

 

「???」

 

「君は………本当にシヴァなんだよね?シヴァの名前を使ってる偽物では……」

 

「………あぁ、知ってたんだ。シヴァを。ま、俺だけどさ」

 

「や、やっぱりシヴァって君なのか!!!あのシヴァが!!!」

 

「止めてくれ。むず痒い。それに今じゃあ1プレイヤーのシヴァだし。あの時のシヴァは慣れないんだ」

 

「だが、君の活躍は聞いているよ。なんせ「あ、そろそろ行く時間だぞ。」そ、そうだな」

 

 

………あの時の過去の出来事を言われるのは本当にむず痒い。

さて、ボス戦と参りましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

『ボス部屋前にて』

 

「皆、オレから言うことはたった一つ!………勝とうぜ!!」

 

 

ディアベルは扉に手を当て、声を高らかにあげる。

 

 

「行くぞ!!!」

 

 

扉が開かれる。暗い部屋の中に足を踏み入れる。

 

奥にはボスの『イルファング・ザ・コボルドロード』が居た。周囲には取り巻きの『ルイン・コボルド・センチネル』。

 

戦いが始まる。

 

 

「攻撃開始!!!」

 

「「「「「「おおー!!!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来るぞ!B隊ブロック!」

 

「どぉりやぁぁぁぁぁ!!!」

 

「D、E、F隊センチネルを近づけるな!」

 

「行くぞシヴァ!!!」

 

「わーってらい!!!シノン、アスナ、ユウキ!!!お前らは三人でセンチネルを倒せ!!!」

 

「「「了解!!!」」」

 

 

キリトと俺、シノンとアスナとユウキでセンチネルを倒しに行くぜぇぇぇぇ!!!

先ずはキリトが切り込みに掛かる。

 

 

「スイッチ!!!」

 

 

俺はキリトと入れ替わり、刀をセンチネルにぶっ刺した状態にさせ、槍を持って刺す。刀を引き抜いた後、袈裟斬りをする。そして、左に回転する行動で槍で凪ぎ払いをする。

 

 

「キリト!!!」

 

「おおおお!!!」

 

 

キリトは吹っ飛ばされたセンチネルに向けて片手剣スキル『ソニック・リープ』を放った。それによりセンチネルはポリゴンとなって消える。

 

 

「ナイスよ、ナイス!!!」

 

「相変わらず恐ろしく素早い奴だ!!!全く!!!」

 

 

 

 

 

 

一方…………

 

 

「おりゃあ!!!」

 

 

ユウキが素早く斬りかかる。その速さはアスナが放つ細剣スキル『リニアー』と同等の速さであった。

 

 

「スイッチ!!!」

 

「はあぁぁぁあ!!!」

 

 

シノンは短剣スキル『ラウンドアクセル』でセンチネルを切り刻み、ポリゴンにさせる。

 

 

「!!!お姉ちゃん後ろ!!!」

 

「!!!くそっ!!!」

 

「はあっ!!!」

 

 

シノンが油断している所にアスナは『リニアー』を使い、センチネルに乱れ打つ。

 

 

「ユウキちゃん!!!スイッチ!!!」

 

「うん!!!」

 

 

素早く入れ替わり、ユウキは『ソニック・リープ』を放ちセンチネルをポリゴンとさせる。

 

 

「やったー!!!見た見た!?お姉ちゃん!!!アスナお姉ちゃん!!!」

 

「お、お姉ちゃん!?」

 

「良くできたわよー♪」

 

 

ほのぼのしてました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウグルゥオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

 

雄叫びをあげるイルファング・ザ・コボルドロード。HPバーを見るとレッドゾーンまで到達していた。

 

 

「情報通りみたいやな。」

 

「下がれ!!!俺が出る!!!」

 

 

ここで俺たちは疑問に思った。普通は全員で攻めるのがセオリーの筈だと。俺は何時でもフォロー出来るように走れる体勢を取る。

その予感は当たっていた。

 

 

「はああぁぁぁぁ!!!」

 

 

ボスが武器を入れ換える。

 

 

「!?タルワールじゃなくて野太刀!?」

 

「ウグルゥオオオオオオオオオオオ!!!」

 

 

ボスは野太刀で斬りかからんとしていた。

丁度その時、俺はディアベルに向かって走り出していた。

野太刀が当たる前に俺はディアベルを救出。だが、

 

 

「!?ぬあっ!!!」

 

 

野太刀に当たりはしなかったが、風圧で飛ばされ壁に衝突する。それにより俺のHPバーはイエローゾーンまで削られる。

 

 

「シヴァ!!!」

 

「平気だキリト!!!」

 

 

ポーションを取りだし、飲み干す。それにより安全圏まで回復する。全快では無いのが傷だが。

………よし、あれをするか。

俺は立ち上がり…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「総督命令!!!」

 

「「「「!!!」」」」」

 

 

キリト、アスナ、ユウキ、シノンは、その言葉に反応する。

 

 

「全ヘイトを俺に集める!!!その隙に畳み掛けろ!!!」

 

「シヴァ!!!?」

 

「さっさと聞きやがれ!!!総督命令だ!!!」

 

 

四人は観念したように攻撃態勢を取る。

俺自身スキル使いたくねぇから俺じゃトドメをさせない。

だったら!!!

 

 

「奇兵隊、俺に続けえぇぇぇええ!!!!」

 

 

俺は刀を構えたままボスに向かい走り出す。

ボスは野太刀を使い、凪ぎ払おうとする。

だが俺は刀を利用し、野太刀に乗った。

 

 

「!?」

 

「てぇええええラアアアアア!!!」

 

 

そのまま駆け抜ける。全速力で走り、ボスに刀を振るう。

 

 

「グルオォォォォォオ!?」

 

「やれぇぇぇぇぇえええええ!!!」

 

「ッオオオオオオオオオ!!!」

 

 

キリトが向かう。それを確認すると俺は槍を取りだし、ボスに刺し込む。

そして、キリトが片手剣スキル『バーチカル・アーク』を放ち、ボスをポリゴンにさせた。

疲れからか、上手く着地出来ず倒れこんでしまう。

 

 

「お兄ちゃん!!!」

 

「シヴァ!!!」

 

「シヴァさん!!!」

 

 

シノン、ユウキ、アスナ、何も言わずにキリトが来た。

 

 

「シヴァ………無茶苦茶だ。お前は」

 

「良いじゃねぇか。ほれ、さっさと帰るぞ」

 

 

キリトに支えられつつ、俺たちは第一層の宿屋へと向かう。

第一層は無事に死人が出なかったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

鬼じゃないよ。奇兵隊だよ

『第一層宿屋 シヴァの部屋にて』

 

「お兄ちゃんのバカー!!!」

 

「ごぶぉ!!!」

 

 

今ですか?今はね、ユウキに腹パンされました。何で!?

 

 

「こっちは心配したんだよー!!!!お兄ちゃんがやられちゃったらどうしようかと思ったんだよー!!!!」

 

 

そう言いながらポカポカと殴ってくるユウキ………ヤバい可愛い。

 

 

「ユウキ、その辺にしておきなさい」

 

「でもお姉ちゃん!!!「じゃなかったらご飯食べられないでしょ」むぅ…………」

 

 

あーん、ユウキが離れていくよー。かなぴーよー。

んま、それより飯だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「シヴァ、頼むぞ」

 

「へいへい。それじゃあ、第一層ボス撃破に……乾杯!!!」

 

「「「「「「かんぱーい!!!」」」」」」

 

 

はい、今ね、第一層ボス撃破の祝いやってるんだよ。はしゃぎ過ぎだね。

中にはディアベルやキバオウ、エギルにクラインetcetc………多くね?

 

 

「シヴァ君!!」

「おろ?ディアベルさん」

 

 

ディアベルがこちらに近付いて来ます。何か話があるのかな?

 

 

「すまなかった!!!」

 

「………はい?って、あぁ。あれか。LA関係か」

 

「あ、あぁ。って君も?」

 

「んま、β上がりだな。最後の攻撃もLA関係ってか」

 

「そうだったのか………本当にすまない。こちらも欲に目が眩んでしまって」

 

「過ぎたことは及ばざるが如し。今は忘れて飲もうや♪ディアベルさん」

 

「!!!………あぁ!!」

 

 

話が終わってディアベルさんは自分のパーティーメンバーが集まってる場所に帰りました。

 

 

「あの、シヴァさん」

 

「んあ?どった?アスナ」 

 

「奇兵隊………でしたっけ?」

 

「あぁ、抜けるか?」 

 

「あ、いえ………そのことなんですが………」

 

「お、入るのか?」

 

「えぇ、まぁ」

 

 

………ぉお!!原作とは違うけどスゲェ!!!

 

 

「おーい、キリト、シノン、ユウキ!!!アスナが奇兵隊に入るってよー!!」

 

「「「!!!」」」

 

 

その言葉で三人が来たぞ。ってか速っ!!!

 

 

「ねぇねぇ!!!入ってくれるって本当!?本当に本当!?」

 

「嘘じゃねぇぞー!!♪ちゃんと聞いたぜ!!♪」

 

「良かったー。このゲーム女性が少ないっていうから、ちょっと心配してたけど良かったー」 

 

「シノン、んなこと思ってたのか」

 

「あハハハハ…………」

 

「おーし!!!奇兵隊にメンバーも増えたし、今日は奮発するかー!!!」

 

「「オイこら」」

 

「デバフッ!!!」

 

 

またキリトとシノンのチョップだよ。痛いよ。痛くないけど!!!

 

 

「シヴァ君、もしかしてギルドを作るのかい?」

 

「そのもしかしてですよ。ディアベルさん。まぁ色々としなきゃいけませんが」

 

「奇兵隊………それがギルドの名前なのか」

 

「えぇ。歴史からあやかって『奇兵隊』です。この世界から抜け出す為に、この義侠団の名前を使わせてもらいました」

 

「………成る程、負けてられないな」

 

 

お?これは…………

 

 

「こちらも、君たちに負けないギルドを作るからな!!!」

 

「!!!………こっちだって負けませんよ!!!」

 

 

それからお互いに笑いあい、祝いあった。………取り敢えず短いがここまで!!!

ここまでったらここまで!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

破壊神と悪のカリスマ………厨○くせっ←自分で言うなし

『第5層 迷宮区にて』

 

「「ケーイケンチ!!!ケーイケンチ!!!」」

 

「ユウキちゃん!!!総督!!!行き過ぎないでー!!!」

 

「「………はぁ」」

 

 

ハッハッハッ!!!実に良い気分だ!!!いやね、実は4層でLAゲットしてね、その武器も使ってる訳よ!!!いや、今は手にいれた武器で無双状態ィィィイ!!!

 

 

「おし!!!そろそろ休憩だぞー!!!」

 

「オッケー!!!♪」

 

「や、やっと終わった………」

 

「アスナ、あの兄妹は止められないわよ。てか無駄」

 

「(ちゃっかり16までレベル上げてるんだよな………俺も結構上げてるんだが………)」

 

 

ギルド『奇兵隊』。それが俺たちのギルド名。といっても、まだ5人しか居ない少数ギルドなんだがな。それでも活躍は凄いものでな、1、3、4層は俺たちが攻略したのだ。これから毎日ボスを倒そうぜ!!!

 

と、んなことより安全エリアに行ってメニューウィンドウからポーションと飯………つっても最近料理スキルも上げてはいるので簡単な料理だがアスナと作ってきた。

 

 

「おー!!!おいしそー!!!♪」

 

「シヴァ、料理できたのね」

 

「上げ始めたとこだから、まだ簡単なやつしか作れないから我慢してくれよ?」

 

「無理」

 

「即答止めてくれない、シノン?俺傷つくんだけど?」

 

「お前は傷つこうが何されようが2、3日で元に戻るだろ」

 

「何その扱い!?ってか皆俺のことどう思ってんの!?」

 

「お兄ちゃん♪」

 

「リーダー………というより身近にいる仲の良い友達?ですかね?」

 

「ハイテンションで壊れてる奴」

 

「何故その名前にしたのか分からない奴」

 

「いや待たんかいィィィィ!!!まだユウキとアスナは良いとして、後の二人は他意があって言ってただろ!!!そうだろ!!!」

 

「「他意は無い。厨○」」

 

「ハモンじゃねぇよ!!!ってか他意あるだろ!!!」

 

「いや、先ずお前壊れすぎだからな。お前本当に壊れすぎだからな?」

 

「それに、何で破壊と無知を象徴する神の名前にしたのよ?それのせいで、アンタ『破壊神』なんて名前着いてるわよ」

 

「前やってたゲームでも言われた」

 

 

そんなこんな有りつつも、マップ踏破98%にまで到達して宿屋に帰りました。

二人が酷いんだお。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『夜間にて』

憂さ晴らしに夜にレベリングターイム!!!

 

 

「全く、三人が寝ている隙にレベリングなんてよ。」

 

「良いじゃん。『コイツ』を使って憂さ晴らししたかっただけだ」

 

「あー………ゴメンゴメン。キズツケテゴメンネー」

 

「おいこら、目を見て言いやがれ」

 

 

その間に狼やら猿やらボッコボコ。

 

 

「んで、アンタ。居るの知ってるから出てきて良いぞ」

 

「んあ?」

 

「ねぇねぇねぇねぇ?今どんな気持ち?今どんな気持ち?見つかってどんな気持ち?」

 

 

っと、上から来やがった。武器チェンジっと。

 

『薙刀 刺松』第4層LAボーナスの槍。というより薙刀。いや薙刀に分類しても良いだろ。何で槍の分類になってんだコンチキショウ。

 

キリトと俺は一旦後ろに下がって右上から左下へと切る行為をする。外れはしたが風圧も存在するので、ソイツは空中でバランスを崩す。

 

 

「ほっと」

 

 

風圧もものともせず、着地してと。

 

 

「おっおう。まさかの『破壊神』とやりあうつもりかい?オレンジ」

 

「なぁに。アンタを潰せば、この和やかムードぶっ壊せるからなぁ。俺はそんなムード嫌いなんでね」

 

「あっそう。キリト、逃げとけ。コイツ俺が殺るわ」

 

「おいちょっと待て。字幕が物騒なんだが!?」

 

「メタいぞ。キリト。良いから逃げとけ、総督命令だ」

 

「っておまe……」

 

 

んなことも気にせず、ダガーと薙刀を衝突させる。

キリトは呆けてます。

 

「あの小さな部下さんは無視かい?Governor-generalさん?」

 

「喧しいcriminal。何時ものことだ。それに……」

 

 

武器を刀に変更。接近戦でやりますか。

 

 

「もし聞かなかったら、ギルドストレージの納税金増やすって言っておいたからよ」

 

「………成る程。絶対命令ってか。おもしれぇ」

 

「んな男に言われてもねぇ。どうせなら女が良いねぇ」

 

 

刀とダガーをぶつけ合い、さらには体術を使ってくる相手に俺も体術を使う。

そんな殺り合いは10分程続き………

 

 

「なぁ、アンタ」

 

「なんだい?破壊神さんよ」

 

「………腹減ったから終わりにしない?」

 

「………良いぜ。また会おうや」

 

「あ、それより名前は?」

 

「………本来は教えるつもりは無かったが、アンタは特別だぜ?brother。Pohだ」

 

「熊の?」

 

「“プー”さんじゃ、って字幕と規制音仕事しろ!!意味ねぇじゃねぇか!!」

 

 

………一体ねぇ。あ、Pohってあれか。これから『ラフコフ』創設する奴の名か。………腹減ったからどっか行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

紅く淡い生き物

『第10層 迷宮区』

 

「シヴァ!!!スイッチ!!!」

「おいしょっと!!!」

 

キリトの合図で薙刀投げーる!!!そこでポリゴン!!!投げた薙刀取って!!!

 

「シノン!!!スイッチ!!!」

「ふっ!!!」

 

短剣スキル『トリック・アクセル』で別のモンスターをポリゴン!!!………よし、ハイテンションモード終わり。

 

「もうここで28か。大分上がってきたな」

「上がり過ぎよ。今の私たちは現段階でも強くなり過ぎ」

「それに、最近迷宮区でのレベリングも疲れたよ。お兄ちゃん、たまにはボス倒すのとか止めてのんびりしようよ」

「………だよなぁ。最近ボス倒してんの俺らだもんなぁ。どうしようかなぁ?」

「あ、だったら私料理スキル上げたいんですけど?」

「それなら俺も上げるか。よし、一旦帰るぞ」

「………俺は籠ってたいが」

「いや、引き籠るな!!!迷宮区に引き籠るってどんだけ人付き合い苦手なニートだよ!?」

「誰がニートだあぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

『第10層 ある料理店にて』

 

「結構ギルド資金も溜まってきたなぁ」

「まぁ所持金の1割だけ納めることになってますから、集まりは遅いですけどね」

「でもよ、1割つっても『所持金』のだぞ。今………32万位貯まってるんだぜ?それなりに物件の1つは買えるぞ」

「んぐんぐ………ふぅ。それじゃあホーム買えるの!?やったー♪」

「でも家具はどうするの?それなりにお金は要るわよ」

「家具もギルド資金から出そうと思ってるが、家具ばかりは人の好みとかあるしな。自分の好きな家具は自腹ってどうだ?」

「良いんじゃないか?」

 

今ね、ちょっと飯食って休んでます。

あ、俺は『フレンジーボア』の『トンカツ定食』。

ユウキ、シノン、アスナはパスタ。キリトは大盛りの唐揚げ定食。

いやね、料理旨いな。それと………ユウキ可愛い。あんな感じに無邪気にはしゃぐ姿が可愛い。

 

「お、相変わらず変わりない奴ら発見ダ」

「んお?アルゴか。」

「よぉキー坊。それと総督さン」

「珍しいな。お前が来るなんてよ。何か情報でもゲットしかのか?」

「よく言うナ。定期的に情報をやる契約交わしといテ。」

「んで、何かあんのか?」

「先ず金出セ。6500コル。」

「わーったわーった。」

 

6500コル出してと。あ、言った通り情報屋『アルゴ』と契約を交わしております。毎度毎度思うが層上がってる度に金増えてくるんだけど。

 

「まいド。総督さんにおニューの刀情報ヲ」

「んお?何々!?刀か!?」

「6層に隠し部屋にNPCが居てナ。ソイツと話してもクエスト受けて、ソイツ倒せば手に入るらしいゾ」

「そのクエストモンスター?NPCか?どんぐらい強いんだ?」

「6人パーティー全員β。でも強すぎて逃げタ」

「ほぉ………んじゃ行ってくるか」

「「待たんかい」」

「待たない!!!」

 

というわけで第6層に行ってきます!!!命知らず?言っとけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

や、やっと見つけた………死ぬ………ってか分かりづらい。

んで、入ってみると……NPCか?どっからどう見てもモンスターにしか見えねぇ。金クエスチョンはあるけど。

んで、話を聞いてみれば………長い。

要約すると、この刀の呪縛から逃れたい。でも自分じゃどうにもならんので殺して。だそうです。

………何の呪縛!?怖いんだけど!?

んで、今戦ってますが………

 

「………早い!!!」 

 

刀を振る速度が思ったより素早い!!!父さんよりかは遅いが、この世界はゲーム。プレイヤースキルを主軸に使ってるとちょいと手間取るぜ。

 

相手は突きを放ってきやがった。だったら!!!

最低限の動き、刃がない上にジャンプ!!!回転しながら斬りつける!!!

 

そして、1つだけ気になった。

相手のHPなんだが、攻撃しなくても減っていってる。恐らく、刀の呪縛ってやつか。このまま逃げ続けても良いが、攻撃すれば早くすむ!!!

 

そうして、相手のHPがレッドゾーンに到達した。これなら勝てそうだ。

そして、相手の攻撃を受けたんだが………自分のHPを見ると一気にイエローまで削られた!!?攻撃アップってか!?

避けなきゃヤバい!!

 

んで、紙一重で避け続け攻撃すること15分。最後は攻撃、相手の腹部を貫いて終わりだ。

んで………

 

「ゲットだぜ!!!」

 

ポ○モンじゃあ無いぞ。

アイテムの名前が………『妖刀 紅桜』。

 

「………いや。呪縛の時点で妖刀なのは分かってたが、ここまでベタな名前は無いだろ。こんなん持ってたらアイツらに厨○って呼ばれるの確定だよチクショウ」

 

詳細はっと。

えーと、『この刀はプレイヤーのHPを使って耐久力を保たせる』『モンスター又はプレイヤーを倒す度に紅桜の攻撃力が上がる※但し自分よりレベルが高いモンスター又はプレイヤーでなければならない』

 

「………んま、妖刀ゲットと。これはボスの時にでも使いますか」

 

ってな訳で帰りましょー。お疲れっしたー。

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

月夜に浮かぶは奇妙な兵たち

『2023年 4月 第11層・タフト』

 

「我ら月夜の黒猫団に乾杯!」

 

「「「「「乾杯!」」」」」

 

「んでもって!奇兵隊の皆様に乾杯!」

 

「「乾ぱーい!!」」

 

「「「か、乾杯」」」

 

 

はい、皆様。今ね月夜の黒猫団のメンバーさんと飲んでますよ。いやー休息いれて良かった良かった。

 

 

「ゴブリンの群れに囲まれて………すごく、怖かったんです。ありがとうございます」

 

「敬語無しで。堅苦しいのは苦手なんだ」

 

「そうそう♪堅苦しいのh「デコピン!!」アウチッ!!!」

 

 

ユウキが俺のデコピン食らったので額を抑えています。

 

 

「お兄ちゃん!!!何でデコピン!?」

 

「一番最年少でしょうが。ちゃんと言葉使いは覚えなさい」

 

「それだったら、お兄ちゃんだってアスナより年下なのに何でタメ口なの!?」

 

「そりゃユウキ、最初会った時年知らなかったんだから良いじゃん」

 

「差別だー!!!」

 

「奇兵隊のギルドリーダーってあんな感じなんだ」

 

「世話が焼けるリーダーなんだ。そっちのリーダーの方が羨ましいよ」

 

「ハッハッハッ!!どつくぞ?」

 

「そういえば、奇兵隊の皆ってレベルどのくらいなんですか?」

 

「平均40位ですね」

 

「アスナ!!ボクは39なんだけど!?」

 

「変わらないでしょ。ユウキ」

 

「良いなー。お姉ちゃんは40だもん」

 

「もしかしてβテスターなんですか?全員」

 

「いえ、総督とキリト君だけです。」

 

「というか、私たちをあの総督。もといバカと一緒にしないで」

 

「そのバカのおかげで助けられたのは誰だったか?」

 

「なーんのことかしら?」

 

 

そんなこんな。つまり互いに交流を深めた後……

 

 

「えーと、総督さん?」

 

「おろ?ケイタ。どしたんすか?」

 

「いや、ちょっと話があってね。」

 

 

ケイタは俺の右隣の席に座った。因みに左隣にはユウキが腕掴んでサチに何か紹介してます。

 

 

「んで?この奇妙な輩に何を話すんだ?」

 

「いやね、こちらの前衛を増やしたいんだよ。今の所、俺たちのギルドで前衛出来るのがメイス使いのテツオだけでさ」

 

「ほぉ。んで?誰を前衛にさせたいんだ?」

 

「サチを盾持ち片手剣士にさせたいと思っているんだが………サチの方も勝手が分からないから奇兵隊の誰かからコーチしてもらいたくて」

 

「………因みに、今のサチの武器は?」

 

「槍だな」

 

「ふむ………だったら槍のまま前衛にさせた方が良いと思うぜ。何分前衛って結構ダメージ多くなるし」

 

「それじゃあ、一体誰がコーチを?」

 

「あ、俺一応槍………というより薙刀だな。使えるから教えるさ。盾のこと考えるのは初めてだが」

 

「良いのか?ギルドリーダーなのに?」

 

「どうせ俺も前衛………つーか盾持ち居ねぇから全員前衛みたいなもんだし。槍使えるの俺だけだし」

 

「あー………それじゃあ、頼んでも良いか?」

 

「構わないさ。それじゃあ明日、転移門前で待ち合わせしようか」

 

「ありがとう。頼むよ。」

 

 

握手交わして、お互いのギルドメンバーに事情伝えて、そこで解散!!宿屋で眠りましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

『あれから1ヶ月 第20層 ひだまりの森』

 

「ギイィィィー!!!」

 

「はあっ!!!」

 

「ナイス!!スイッチ頼むよ!!!」

 

「はいっ!!!」

 

 

今ですか?俺たちがレクチャーしてるのかな?一応大抵の武器の使い方は知ってるので。

 

んで、サチと入れ替わった後に俺は薙刀でマンティスを斬りつけ、回転の勢いで持ち手部分で攻撃。スキル使わずとも倒せるし、良いでしょ。

 

そしてマンティスはポリゴンとなったのさ。チャンチャン

 

 

「おーしナイスー!!!レベルも大分上がってきたねー!!!それに大分扱いも上手くなってきたし!!!」

 

「総督さん!!!ありがとうございます!!!」

 

「これで俺たちも平均30位まで上がったし、総督様さまだな!!!」

 

「良かったな!!!皆!!!俺は嬉しいぞー!!!」

 

「………お兄ちゃん、すごい生き生きしてるー!!♪」

 

「(シヴァ。リアルでも人を惹き付ける魅力なのかしら?それが存在している。だからこそ、人が信頼を預けることが出来るのかもしれないのね。………多分、私が居るのも。)」

 

「ねぇキリト君。キリト君は総督さんとリアルでも会ってるんでしょ?」

 

「というよりお隣さんで、幼なじみかな?アイツとは長い付き合いだし。」

 

「よーし!!!少し休けーい!!!♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

「『攻略組、第28層突破』か。すげーなぁ………」

 

「それに風の噂じゃあ『奇兵隊、大活躍』なんて言われてますし、鼻が高いですよね?総督殿」

 

「いや、そこまで誇らしくないですよ」

 

「???それは何でですか?」

 

「恨みを買いやすいんだよ。20層以上もボスを最後に倒したのが奇兵隊メンバーなんですよ。LAの独占、レベルの差、プレイヤースキルの質、どれを取っても恨みを買われ安いから誇らしく出来ませんよ」

 

 

「恨み………ですか」

 

「そう。恨みはどうしようも無いですし、最前線なんて良いことと同時に嫌なことなんて普通ですよ」

 

「………そうなんですか。でも、羨ましいです。最前線にたって皆を引っ張っていく。それには誇らしくしても良いんじゃないですか?」

 

「………そうか?まぁそれなら良いか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

隠し部屋 要約すれば 死ぬお部屋

『翌日』

………いやね、昨日サチが何処か行ったっきり帰ってこない。なんてあったけど、スキル使って見つけたんですよ。あ、キリトが見つけてくれました。

んで、今俺はケイタの付き添いです。ホームがどんな感じ観察するんだよ。

 

 

「何にも面白くないですよ総督殿」

 

「どんなホームか見てみたい欲求ってやつだ。気にすんな」

 

「そういえば、総督殿はどんなホームを買うんですか?」

 

「んー………希望としては広い敷地、館みたいな外装に内装とかかな?」

 

「結構要求が高いですね……。それにしても、何故そんな物件を?」

 

「まぁ、先ずはプレイヤースキルの上昇目的。後は対人戦の訓練、館は俺の趣味」

 

「最後趣味なんですか。………それにしてもプレイヤースキルの質を上昇させることに何の意味が?」

 

「先ず、プレイヤースキルの質を上昇させることで自身の判断能力を向上させることが出来る。モンスターを倒すことでも、まぁ無いとは思うけどプレイヤーを倒すことでも役にはたつからな」

 

「はぁ~成る程。色々と考えてますねぇ」

 

「多分これ考えてるの一握り位じゃないですかね?これレベル制だし。レベル上げなきゃステータスアップしないし。………んお?」

 

「メッセですか?」

 

「キリトからか………悪いケイタ、ちょいと行ってくらぁ」

 

「あ、はい。では」

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『第26層 迷宮区にて』

~キリトside~

 

くそっ!!硬い!!それに数も多い!!

 

 

「やあっ!!たあっ!!」

 

「あぁもう!!ダガーだから効きにくいわね!!」

 

「フッ!!(何とか倒せてるけど、数自体多すぎる!!これじゃあジリ貧だわ!!)」

 

 

これだったら、無理矢理にでも止めた方が良かった!!

 

 

「ぐあっ!!」

 

「うわっ!!」

 

「!!!テツオ!!ダッカー!!」

 

 

まだHPは残ってるが、レッドだ!!急がなければ!!

 

 

「きゃあ!!」

 

「!?サチ!!(しまった!!距離が!!ここからじゃ!!)」

 

 

不味い!!間に合わな…………!?扉が開く音!?

 

 

「オイこら。人様のメンバーどもに………」

 

 

やっと来やがった。待ちくたびれたぜ。

 

 

「何してんだ?モンスターどもぉぉぉ!!」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

さて、登場は良いとして………一気に駆け抜けて『妖刀 紅桜』で斬りつける。

ダメージエフェクトの出現。だが効果はそこまでか。

あと………

 

 

「………やっぱか」

 

 

HPが減ってる。数ドットだが、使いすぎるとヤバいなこりゃ。

んでもって、攻撃を続けながら指揮を出しますか。

 

 

「奇兵隊、月夜の黒猫団に告ぐ!!」

 

「月夜の黒猫団は奇兵隊のサポート!!パリィ、または防御をしつつ隙を見つけしだい回復!!HPに余裕のある者はスキルを発動!!奇兵隊は月夜の黒猫団とスイッチでの連携を計れ!!」

 

『了解!!』

 

『りょ、了解!!』

 

さぁて、お仕置きの時間だ。たっぷり虐めさせてもらうぜ?岩と豚さんよぉ!!

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『それから10分の経過』

はい、戦績ですが………何とか全員無事です。

 

 

「つ、疲れた………キリト、後で飯奢れ」

 

「殆どの指揮はお前がしてたからな。戦局操作に慣れてないんだよ。あと、飯に関しては心配すんな。奢るから」

 

「………お前らに後で戦局操作を教えとくか。あと人を育てる指導関係も」

 

「しっかし、総督さんの勇猛っぷりは凄かった!!あれだけの敵にも全く動じなかったし」

 

「た、助かりました。ありがとうございm「お前ら正座」………えっ?」

 

「あ、総督命令で奇兵隊メンバー4人も正座な」

 

「えー!!何で「そ う と く め い れ い!!」……はい」

 

 

さて、全員正座したところで………言いたいことを言っておく。

 

 

「お前ら無茶し過ぎだ!!」

 

『『返す言葉も無いです』』

 

 

あれから20分程俺の説教は続き、第1層で待っているケイタに事の経過を話すとケイタは自分のメンバーを怒りました。

当たり前だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

クリスマスプレゼント 最近どうでも良くなってきたby作者

『12月24日 第49層ミュージエン』

 

「おっ、ここ良いな。俺の要望ピッタシの場所だし」

 

「おぉ!!お兄ちゃん、ようやくホーム買うの!?」

 

「そうだな。皆、どうするよ?」

 

「私はどちらでも。というか、さっさとホーム買ってゆっくり自分の時間を過ごしたい」

 

「良いですねぇ総督。森の洋館かぁ………」

 

「ポ○モンの「それ以上は言わせんぞ、キリト」むがっ!!むごごっ!!」

 

「わーい!!ホームだホームー!!♪」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

第1層で月夜の黒猫団の人たちと別れた後、俺たちは攻略組に戻りマップ踏破やボスをフルボッコにしてました。俺たちのLAがこれで30以上まで増えたから、また恨みを買われ安くなったなぁ………

 

あ、後ホームを買うことにしました。今のギルド資金が82万コル程で、買おうと思ってるホームが76万コルか。

ギリギリちゃギリギリだな。

 

最後に、ユウキ純粋で可愛い。やはり俺の妹は最高だ!!!

 

 

「んじゃあ、ちょっと行ってくらぁ」

 

「おぅ。行ってこい」

 

 

つー訳でホーム買ってきまーす。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

~キリトside~

転移門で移動する俺たちの総督『シヴァ』を見送った後、なにやらユウキを中心にアスナとシノン、アルゴが集まっている。

 

 

「………ってアルゴ!?」

 

「おっ、キー坊。やっと気付いたカ」

 

「って、何でアルゴが居るんだよ?」

 

「いやぁナ、あの総督さんの妹さんからの頼みって訳デ」

 

「ユウキから?」

 

「シヴァにクリスマスプレゼントをあげたいんですって」

 

「んで?どんな額に「タダだゾ」………はぁ!?」

 

「いやぁ、流石にあのキラキラとした目には敵わなかったんダ。今回だけの特別サービスダ」

 

「それでね、クリスマス限定ボスが落とすドロップ品をユウキちゃんが取りに行きたいんだって♪」

 

「お前ら………はぁ、シヴァには言っておくから先に行っとけ。ボス倒しに行ってこい」

 

「よーし!!♪がんばるぞー!!♪」

 

 

………銀、良い妹さんだな。こんなに考えてくれる妹も中々居ないぞ。(因みに作者にも妹が1人居るが結構口は悪い。だが仲は良い。)

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

そうこうしている内にシヴァが戻ってきた。5つの鍵と一緒に。

 

 

「ようシヴァ。結構時間がかかったな」

 

「あー、まぁベッドとか色々買ってたからな。結構したぜ。ギルド資金が殆どねぇし」

 

「どのぐらい?」

 

「残り3200コル程だ」

 

「少なっ!!どんだけ、何を買ったんだよ!?」

 

「先ずベッドだろ。次にテーブル、ソファー。後は調理器具に台だったり。あ、調理器具とかは俺の自腹だかんな。」

 

「お疲れ」

 

「………それはそうと、ユウキたちは?」

 

「あぁ、レベリングだ」

 

「ふ~ん………あ、キリト。お前付き添い出来るか?」

 

「んぁ?あぁ、別に良いが………どうするんだ?」

 

「食材とか買いたいんだが………頼めるか?ケーキ作りたくてよ」

 

「成る程、俺を財布代わ「ちゃんと貯まったら返すぞ?」そうかい。んじゃ行くか」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

「ふぅ、こんな物か。悪いなキリト、後で必ず返すわ」

 

「はいはい。………ん?メッセか?一体誰………クラインか」

 

「ほぉ、クラインが。何て?」

 

「………ちょっと不味いな。聖龍連合に襲われてるらしい」

 

「………うし、じゃあ行くか。武器破壊だけにしとくか」

 

「お前は殺すつもりだったのか!?」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~シヴァside~

『とあるモミの木付近』

 

「「クライン!!」」

 

「おぉ!!その声はキリト、シヴァ!!」

 

「キリトに………シヴァ!?ま、まさか!!攻略組で最前線に立ち、多くのボスにLAを決めた奇兵隊の!?」

 

「そ、それに!!シヴァって言ったら『破壊神』か!!レベル差に関係なく、スキルを全く使わずにモンスターどもを倒すっていう『破壊神』か!?」

 

「手助けするぜ、風林火山!!」

 

 

俺たち二人は聖龍連合に突っ込み、先ずは武器破壊を二人。次に俺は薙刀に入れ換え、持ち手部分で相手を風圧で吹き飛ばす。

そこにキリトがすかさず武器破壊をしていくという作業であった。

 

「うわああああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「強い!!強すぎる!!何なんだ一体!?」

 

「駄目です!!隊員の武器がどんどん破壊されていきます!!このままでは、こちらの損害が酷くなる一方です!!」

 

「た、退却ー!!退却しろぉぉぉ!!」

 

 

あたふたと逃げていきやがる。本来なら、もうちっと恐怖を与えたいから追いかけたいけど………今回の目的はクラインたちを助けることだからな。止めとくか。

 

 

「キリト!!、シヴァ!!」

 

「よぉクライン。随分と久しぶりだな、夜のレベリングの時以来か?」

 

「………おいキリト、夜にレベリングってどういうこった?」

 

「こっちの話だ。それより奥には行かないのか?お前らもドロップ品の噂を聞いて来たんだろ?」

 

「そうしたかったのは山々だったが………先客が居るんでな」

 

「???先客?」

 

 

キリトを見たら納得した顔してるし。なんだ?一体。

 

 

「ただいまー!!♪戻って来たよー!!♪………ってお兄ちゃん!?」

 

「ユウキ!?何で居るんだよ!?こんなところに?」

 

「それはこっちのセリフ!!何でお兄ちゃんがここに居るの!?」

 

「………キリト君?」

 

「!!!ち、違う違う!!これはだな、クラインが助けを求めて俺らにメッセしたんだよ!!な!?」

 

「クラインさん?」ニブニブニブニブニブ

 

「………逃げちゃ駄目ですか?」

 

「無理よ。今のアスナからは逃れられないから」

 

「シノン!!アスナ!!お前らもか!?」

 

「んもぉ………せっかくサプライズプレゼントしようと思ってたのに………」

 

「???サプライズ?」

 

「うん」

 

 

そういってユウキはストレージから小さな結晶を取り出した。

 

 

「これは?」

 

「『還魂の聖昌石』っていう蘇生アイテム。これを取りに来たかったのよユウキは。アンタへのプレゼントとして」

 

「ユウキ…………」

 

「………はい!!♪お兄ちゃん!!♪」

 

 

………もう、ここで死んでも………じゃなくて、現実に帰った瞬間死にそうだ。

 

 

「ありがとうな♪ユウキ♪」

 

 

ユウキの頭を撫でましょう。愛でましょう!!

 

 

「えっへへぇ♪」

 

「あ、そうだ。ホームとか家具とか買ったし、皆で帰りますか♪」

 

「おー!!♪ホームだー!!♪」

 

「良かったわね、ユウキ♪」

 

「うん!!♪」

 

「………キリト、シヴァはお前と同じ位女運でもあんのか?」

 

「喧しい」

 

「それと、帰ったらケーキ作ってあげるからな♪それとクリスマスパーティー用に料理も♪」

 

「本当!?わーい!!♪わーい!!♪ケーキ!!♪ケーキ!!♪」

 

「おっし!!クラインたちも食べてくか?」

 

「おっ!?良いのか!?じゃあお言葉に甘えますか!!」

 

 

12月24日。最高の1日となったよ。真面目に嬉しいぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

声優ネタでgo away!!

『2024年1月1日 40層にて』

 

「ほれ、これでも食べて落ち着きなさい」

 

「あ、いただきます」

 

「…………ふぅ」

 

「お兄ちゃん、このパン美味しいね♪」

 

「お兄ちゃんお手製だからな♪つっても行程は簡単だけど」

 

「………で?いきなり食事に誘われたと思ったら何ですか?ギルドへの勧誘?馬鹿馬鹿しい」

 

「別に良いじゃん『ノーチラス』。そちらのギルドリーダーさんから態々呼ばれたこっちの身にもなってもらいたいよ。なぁ?ユウキ♪」

 

「そうなんだよー。今日はお兄ちゃんと買い物して、ゆっくりと過ごそうかと思ってたのにー………」

 

「………団長が?」

 

「ん。そう。君の隣にいるガールフレンドも一緒にってさ」

 

 

そう言うと隣にいるノーチラスのガールフレンド『ユナ』が慌ててコップを落としそうになった。そのノーチラス君は頬を少し赤く染めてます。初なことでニヤニヤ。

 

あ、今は外でお話中です。

 

 

「聞いたよ。君がフルダイブ不適合者ってはさ」

 

「!!!………そうか。漸く俺も捨てられるのか」

 

「ノーチラス………」

 

「捨てられるは語弊だね。俺が引き抜くんだし。」

 

「似たような物だ。最近ロクに活躍も聞いていないギルド、しかも態々そのギルドリーダーから誘われるとは………」

 

「むっ。これでもマップ踏破で皆の役に立ってるんだよ!!酷いこと言わないでよ!!」

 

「ユウキ。ちょっとお口チャック」

 

「じゃあお兄ちゃんがしてよ」

 

「ユウキが思ってる様なことはしません。しても精々ユウキの頬を摘まんでやたらめったらに動かすだけだ」

 

「………養子なn「今は妹だ。つまりお兄ちゃんが社会的に殺される」むぅ」

 

「あ、ユナちゃん。ちょっとユウキと遊んでくれない?多分ユウキが聞くとぐっすり眠りそうな内容になるかもしれないから」

 

「ちゃんと起きるもん!!」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『10分後』

 

「くぴー……………」

 

「結局寝たんかい!!」

 

「……………」

 

「それにしても可愛い妹さんですね。髪色は違うけど」

 

「可愛いだろ?実際養子なんだけど、お兄ちゃんって呼んでくれる時が一番嬉しいんだよな」

 

「そうなんですかぁ………」

 

「………なぁアンタ」

 

「はいはい。何を言うおつもりで?」

 

「………少し時間をくれないか?自分がどうしたいか考えたい」

 

「………それ、俺じゃなくてヒースクリフに言えば?」

 

「………そうだったな」

 

 

そう言ってノーチラスは何処かへ歩きだした。何処へ行くのやら?

 

 

「圏内に居れば良いんだけど………」

 

「彼氏さんが心配かい?」

 

「だ、だからノーチラスとはそういう関係じゃ!!///」

 

「その割にはノーチラスの方を見て頬を緩ませてるんだけど?」

 

「へっ!?///「嘘だけど」シ~ヴァ~さ~ん!!」

 

「けど、好きなんだよね?ノーチラスのこと」

 

「うっ………まぁ、はい………///」

 

「何ならおもいきって伝えちゃう?そんな様子見てるとこっちが焦れったくなる」

 

「って、シヴァさんはどうなんですか!?好きな人いるんですか!?」

 

「………like?love?どっち?」

 

「ラブの方です!!というか発音上手いですね」

 

「ちょっとな。さて、loveの方か………う~む………」

 

 

はい、考えた結果。

 

 

「………居るってことになるのかな?」

 

「えっ!?お兄ちゃん好きな人居るの!?」

 

「いや起きてたんかい!!んまぁ良いや。ユウキも聞いてくか?」

 

「うん!!♪」

 

「OK。そうだな、ヒントだけかな?そうさなぁ………意外に笑ってて、ついつい考えちまう奴かな?ほっとけないつーか。」

 

「………意外ですね。髪色は兎も角として」

 

「………遺伝だ。それは関係無いでしょ」

 

 

ゆっくりと話している中、不意に後ろから声が聞こえた。おろ?懐かしい声じゃん。

 

 

「やぁ久々だねぇ」

 

「「???」」

 

「二人はちょっとだけ静かにしてて。………悪いな、今は妹と客人の世話してるんだ。要件だけ伝えろ」

 

「へぇ………ほぉ………中々可愛い妹さんじゃあねぇか。所謂養子って奴か」

 

「そうさ。エ○○ィシ」

 

「OUT!!何で声優同じキャラ出してきてんだよ!?オメーの頭はギャグ一色か!?」

 

「いやいやいや、君ね。作者が一番ネタ思い付きやすいキャラとして認定されてるのよ。仕方無いじゃないか。服○全○さん」

 

「殆ど規制音しか聞こえねぇよ!!というか何で○魂出してきてんだよ!?」

 

「○魂要素がこの小説にあるから」

 

「だからと言って○ョ○ョ出してくるか!?普通!?」

 

「既にタグに『オリジナルスタンド』ってあるじゃまいか。大丈夫だって伏せ字にしとけば運営さんも「あ、これ大丈夫だろ」って思ってくれるから」

 

「どんどんメタくなってません!?」

 

「はぁ、疲れた。唯要件伝えに来ただけなのに何だ?この疲労感は?」

 

「んで?何の用?エ○○ィシ」

 

「ネタ持ってくんな!!っとそうだったぜ。いや何、俺もギルドを立ち上げようとしてな」

 

「ほぉ、それはまた随分アホらしいことをするねぇ」

 

「良いじゃねぇか。んまぁギルド名は『Laughing Coffin』俺はそこのギルドリーダーって訳だ」

 

「それだけか?」

 

「いんやぁ違うね。ここからが真打ちだ。『8月、俺たちを倒しに来る輩を迎え撃つ』。たったこれだけさbrother。」

 

「アンタと義兄弟の契りを交わしてねぇがな。んまぁ予定教えてくれたありがとよ」

 

「あぁ、それじゃあな」

 

 

そのまま帰っていった。………ギルドリーダーねぇ。アイツがそんな“たま”か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お気に入り登録者100人突破記念特別編………何てどうでも良いので何時もの通りにやらせてもらいます

「何かあったのか?」

 

「おぅノーチラス。どうだった?考えてみて何か分かったか?」

 

「………まだ分からん。そもそも、1日で考えが纏まる訳無いんだがな」

 

「………それもそうか。あ、なんならホーム寄ってくか?そろそろ日も暮れるし、飯でも食ってくか?」

 

「はぁっ!?」

 

「良いじゃねぇか。なぁユウキ?」

 

「うん!!♪あ、ユナもご飯食べに行く?お兄ちゃん料理スキルそろそろコンプするらしいし♪」

 

「………はぁ。ユウキが言葉使いを覚えるのは無理そうだな」

 

「お兄ちゃん、それどういう意味?」

 

「言葉通りの意味だよ」

 

「むぅ~!!………それで、どうするの?」

 

「そうですねぇ…………」

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

『第49層 奇兵隊ホーム』

 

 

「………で、結局連れてきたんだな。シヴァ」

 

「まぁまぁ。あ、今厨房に誰か居る?」

 

「いや………居なかった筈だ。」

 

「あら?アスナは帰ってきてないのか?」

 

「序でにシノンもな。何かあったらしいが………」

 

「(お兄ちゃん、もしかしてさっきの?)」

 

「(んまぁそうだろ。)うっし、さっさと飯作るか。あ、この2人を居間に案内してやってくれ」

 

「はーい!!♪ユナ、こっちこっち!!♪」

 

「ひ、引っ張らないで引っ張らないで!!」

 

「相変わらずお前の妹は元気だな」

 

「元気なのは良いじゃん。兄冥利につきるよ」

 

「(自由だな………こんなんでギルドが成り立ってるのも驚くが)」

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

『夕食後』

 

 

「ふぃー食った食った」

 

「お行儀が悪いよキリト君」

 

「お兄ちゃん、食後のお茶まだー!?」

 

「ユウキ、キリトみたいに成りたい?」

 

「やだー!!」

 

「待って、何か涙が………」

 

「………にぎやかだね」

 

「………確かにな。それに、旨かった。久しぶりに食べた気がするよ」

 

「そうだね♪」

 

「おーい、出来たぞー」

 

「おーきたきたー!!♪」

 

 

………はい、お茶を配りますよ。ってかやっと文が出てきたよ。やっと会話じゃない文が出てきたよ。

全部配り終わると同時にチャイムが鳴りました。誰だ?

 

 

「悪い行ってくるわ」

 

「(ギルドリーダーが自ら客を迎えに行ってる光景を初めて見るんだが……)」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

玄関に到着っと。んで、玄関を開けようと思います。

………つーかピンポンピンポンうるせー!!

 

「はいはーい、どちらさm………」

 

「よぉ」

 

「やぁ」

 

「………………え?…………ええぇぇぇぇぇ!!!?ちょ、まっ……ええぇぇぇ!!?何で!?何で某森の熊さんとヒースクリフが居んだよ!!?」

 

「だれが“プー”さんだよ!!つーか、それ最初に会った時にも言われ……ってまたかい!!」

 

「私に関しては何で一介のギルドリーダーとオレンジが知り合いなのか知りたいのだが………」

 

「………ふぅ。んで?ヒースクリフは?」

 

「ノーチラスの事で話がある」

 

「Pohは?」

 

「暇」

 

「1文字で終わらせてんじゃねぇよ。ヒースクリフ、アンタは丁度良いな。ノーチラスとユナも来てる」

 

「そうか。なら………」

 

「んまぁ入れよ。Poh、お前も入れ。茶ぐらい用意してやる」

 

「おー気前が良いなbrother」

 

「はいはい、さっさと入りやがれfool」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

~ヒースクリフside~

 

 

「………ふむ、中々旨いじゃないか」

 

「はいはい、んじゃあ俺自室行ってPohと話してくるから勝手にしろよ」

 

「分かった。そうさせてもらうよ」

 

 

そう言って奇兵隊ギルドリーダー『シヴァ』は扉を通り出ていく。いやはや、他では見ない光景だな。

出された紅茶を飲み、ノーチラスと話をする。

 

 

「どうだったかな?あのシヴァという男は」

 

「………少なくとも他のギルドリーダーとは違っていることは分かりました」

 

「まぁ、あのギルドリーダーは私どもの中でも異例とも呼ぶべき気質の持ち主だからな」

 

「………俺を、あの男に会わせたのは………何故ですか?」

 

「………言うなれば、君がやれることをあの子に見つけてもらいたい。あの子に頼んだのさ、それを」

 

「やれること………ですか………」

 

「だが、まだ見つけられてない様子だな。その様子だと」

 

「………はい」

 

「………ならば血盟騎士団団長からの指令だ。『自分が出来ることを探せ。このギルドで』」

 

「………分かりました」

 

「では、私は失礼するよ」

 

 

そう言って私は部屋から出る。ギルドリーダー………ここでは総督と言うべきか。その総督の部屋に行くと先程のオレンジと総督シヴァが出てきた。

 

 

「お、ヒースクリフ。丁度良かった。ちょっと来い」

 

「ほぉ、一体何故かな?シヴァ」

 

「ちょいとした内緒話だ。さっさと来い」

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

~シヴァside~

 

俺の部屋には全ての部屋より若干広い。いや、自室用と応接用に別けている。

そして、今居るのが応接用の部屋だ。

 

 

「………つー訳だ」

 

「………つまり、君たち2人がやると?」

 

「あぁ、そんでヒースクリフ。アンタには血盟騎士団で恐らく組まれる攻略隊を止めてほしい」

 

「………効率が悪くないか?」

 

「残念だが団長さんよぉ、既に約束済みだ。俺とbrotherの一騎討ちはよぉ」

 

「………仲間はどうするつもりだ?」

 

「邪魔に成るから殺すぜ。元々ギルドなんざ興味ねぇし」

 

「恐ッ!!だが、それの方が良いかも知れないな。お前が作ったギルド、所謂殺人集団だからな」

 

「ハッハッハッ!!お前も狂ってきたな!!」

 

「喧しい。俺ぁアイツらを巻き込ませたくないだけだ、アイツらに責任負わせたくないだけだ。アイツらに殺しだけはさせたくねぇ。それだけよ」

 

「……………良いねぇ。その酔狂さ、初めて会った時から面白れぇ奴だと思ってたぜ。あんな終わり方も、あんな戦いもなぁ」

 

「頼むヒースクリフ。これぁ俺たちの願いだ、聞き入れてくれねぇか?」

 

「………そうだな。叶えてやらん事も無い」

 

「マジd「但し!!1つだけ、こちらからも要望したい」………何だ?」

 

「シヴァ、君が持つ武器の中で1番威力、耐久値が高い武器をこちらに渡してくれまいか?」

 

「………おいおい、そりゃa「それだけで良いんだな?」………brother、お前もかい」

 

「ちょっと待ってろよ………」

 

 

紅桜。1番威力が高く、特殊能力を持った刀。

 

 

「ほれ。これがそうだ」

 

「これは?」

 

「『妖刀 紅桜』。レベルが高いモンスターやプレイヤーを倒す度に威力が向上する。さらに耐久値が減っても装備しているプレイヤーのHPを使って耐久値を回復するっていう代物だ」

 

「へぇ………オメーも隅に置けねぇなぁ」

 

「使い方合ってんのか分からんが、兎も角コイツをやる。それで条件は良いだろ?」

 

「ふむ………なら良いだろう。こちらも協力させてもらおう」

 

「そうかい、宜しく頼むぜ。………所で俺これから寝たいんだが」

 

「なら、おいとまさせてもらうか。じゃあなgood night」

 

「では、私もおいとましようか」

 

「んぁ。お休み」

 

 

約束。あの犯罪者と血盟騎士団団長との約束。全く、こんな約束出来ること自体珍しいわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編 ギルド名の経緯

『2022年12月6日』

 

「「経験値狩りじゃあぁぁぁ!!」」

 

「「待たんかいィィィィ!!!」」

 

 

はい、ただいま経験値稼いでます。リトルペネント(実付き)をわざと倒して、来てくる他のリトルペネントをボッコボコにしてます。

 

 

「どうした!?キリト!!さっさと倒してレベル増やせ!!」

 

「何やらかしてんだテメエ!!!こんな無茶過ぎるレベリング、効率は良いが自殺するようなもんだろ!!特に今は!!」

 

「お姉ちゃん!!さっさと倒そうよ!!」

 

「どんどんユウキが、あのバカに汚染されていく………」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『3時間後』

 

「はぁ~飽きた飽きた」

 

「飽きたじゃ済まねぇだろ!!死なせるつもりかテメエ!!?」

 

「まぁまぁ、生きてたんだし結果オーライ。終わり良ければ全て良し♪」

 

「全て良し♪じゃねぇんだよ!!!このデスゲームでモンスター計52体相手するバカをやらかしてんじゃねぇよ!!」

 

「意外に数えてた!?」

 

 

それから10分後…………

 

 

「なぁなぁシノン、キリト、ユウキ。ギルド作らねぇか?」

 

「何を唐突に?」

 

「「ギルド?」」

 

「あーそこからか」

 

 

説明中…………

 

 

「ふぅん、そんな物が………」

 

「つー訳で、ギルド作ろうぜ!!」

 

「んまぁ作るとしたら名前どうするんだよ?」

 

「大丈夫、大丈夫。俺ちゃんと考えてるから」

 

「ほぉ、言ってみろよ」

 

「んじゃ1つ目な。『ホワ○トべー○』「却下ァァァ!!そしてアウトォォォ!!」えー何でだよ?」

 

「当たり前だ!!ホワ○トべー○なんて使えるか!!使ったら消されるんだよ、考えろよ!!」

 

「これ作者が「メタイわ!!」………それじゃあ次のヤツな」

 

「今度はマシなやつなんだろぉな!?」

 

「『ダイ○モン○・○ッ○ス』「それもアウトだよ!!」またぁ?」

 

「またぁ?じゃねぇんだよ!!こっちが「またかよ!!」って言いてぇんだよ!!つーか、それメタ○ア!!何でガン○ムからそっちにしたよ!?」

 

「え~………じゃあ今度は大丈夫だから」

 

「ちゃんとしろよな!!」

 

「一応最後なんだけどなぁ………『セ○ン○レ○ン』「アウトつってんだろぉォォォ!!!」え~これも~!?」

 

「当たり前だ!!何でゲームから続いて某全国チェーンコンビニ店の名前使ってんだよテメエ!!」

 

「さて、ユウキ。あの二人の天翔馬鹿戯言《天翔た馬鹿の戯れ言》は無視して名前決めましょうか」

 

「シノンは何で『る○剣』の必殺技文字ってんだよ!?」

 

「う~ん………あ、じゃあお兄ちゃんが教えてくれた名前にしよ!!」

 

「(大丈夫かしら?)それで、何て名前にするの?」

 

「え~っとねぇ~………き、きへた?きえた?」

 

「ユウキ、それって『奇兵隊』のことか?」

 

「あ、そうそう!!それそれ!!それだよお兄ちゃん!!」

 

「奇兵隊か………良いなぁ」

 

「奇兵隊………そういやあったな。確か義侠軍の名前だっけ?」

 

「それが良いんじゃない?1番マシだし」

 

「そうだな。ユウキの決めた名前にするか」

 

「………あ、でもギルドリーダー誰にするんだ?」

 

「1番人を導ける人が良いわよね?私は無理」

 

「ボクも駄目だね」

 

「俺も無理」

 

「………えっ?俺?」

 

 

と、いう感じにギルドが決まったとさ。チャンチャン。

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ビーストテイマー?ふぅん、珍しいね

『2024年2月 第35層 迷いの森』

~シリカside~

 

「はぁ………はぁ………」

 

 

街に戻る途中、ドランクエイプ3体が現れて戦闘になってしまった。苦戦する中、ピナが回復をしてくれる。

 

 

「きゅるー!!」

 

「………回復ありがとう、ピナ!!」

 

 

咄嗟にストレージを確認すると

 

 

「しまった………!?回復アイテムが………なくなった!?」

 

 

確認している途中、ドランクエイプが持っている棍棒で襲いかかってくる。

咄嗟に目を瞑ってしまう。

 

だが、不快な音と共に私は目を見開いた。その音の先にはピナが居た。

 

 

「ピナ………!?」

 

「きゅるぅ…………」

 

 

ピナは衰弱し、ポリゴンに成りかけていた。

 

そして、ポリゴンへと成り果てた。

 

 

「ピナーー!!!」

 

 

私はポリゴンと成ったピナの元へ駆け寄り、涙を流した。

 

 

何時の間にか、ドランクエイプの群れが消えていた。

 

 

 

「君!!大丈夫だったか!?」

 

 

そして、ある人と出会った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

『第49層 ミュージエン』

~キリトside~

 

まさか、こんな所でビーストテイマーと会えるとは………珍しい事もあるもんだな。と思う今日この頃。

 

ドランクエイプに襲われていた所を助けたのだが、そのテイムモンスターがポリゴンと成り、アイテム『ピナの心』が確認出来たので47層に行く為の準備をする為にギルドホームに来ている。

 

 

「着いたよ。ここが俺たちのホームだ」

 

「俺………たち?」

 

「ここに今は俺を含めて7人居るんだ。2人は別ギルドの奴らだけどな」

 

 

ホームに入り、居間へと案内する。………ありゃ?そういやシヴァは?

 

 

「あ、ちょっと待ってくれよ」

 

「あ、はい!!」

 

 

何処に居るんだか?………居なかったらアスナに頼むか。と、噂をすれば何とやら。

 

 

「あ、アスナ」

 

「あ、お帰りキリト君。早かったね」

 

「あーそれよりシヴァは?」

 

「総督さん?それなら45層の迷宮区に行ったけど」

 

「あ、居ないのか。あぁアスナ、ちょっと手伝ってくれないか?」

 

「???」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

「どうぞー♪」

 

「あ、はい!!どうもありがとうございます!!」

 

 

という訳でアスナに紅茶を淹れてもらいました。序でに俺にも。あぁ後………

 

 

「へ、へとへと………」

 

「総督、本当に大丈夫なんですか?休まなくて」

 

「折角の客なんだ。俺が休んでどうするよ?」

 

「というか、何でお前また1人連れてきてんだよ」

 

「あのなぁ………ボスクラスのモンスターに襲われてたんだぜ?助けるに決まってるだろ普通。んまぁ、その後疲れたから移動するの手伝ってもらったんだが」

 

「えぇと、『フィリア』さん………って呼んだ方が良いかな?」

 

「えぇ。後フィリアで良いわ。えぇと」

 

「アスナで良いよ。宜しくねフィリア」

 

「ありがとうなフィリア。お陰で弓もゲット出来たし」

 

「弓?アルゴからの情報が弓?」

 

「いんや、弓は序で。本命は………」

 

 

急にシヴァはストレージからある物を取り出す。

それは刀とコートの様な防具であった。

 

 

「後よ、キリト。多分ユニークスキルゲットしたわ」

 

「ん!!?ごほっげほっ!!!お、お前もか!?俺の『二刀流』と同じ類いの!?」

 

「あぁ。何か名前がよ【破壊と無知】っていうんだよ。んで、この刀の名前が【神壊刀・壊無】で、この防具が【ソクラテス】って言うんだよ」

 

「何故に哲学者の名前?」

 

「っとそれより、キリト。お前の方は一体何だよ?」

 

「あぁ、そうだな。この子のテイムモンスターが消失してな一旦落ち着かせることも考えて連れてきたんだ」

 

「それってもしかしてビーストテイマー!?マジか初めて見たぜ」

 

「あ、でも確か聞いたことがあったかな?ビーストテイマーの【シリカ】だっけ?もしかして、この子?」

 

「………実際は、そうやって祀り上げられているだけなんです。大した実力も無いから………ピナが………」

 

「だが、方法はあるんだよな?キリト」

 

「あぁ。あるぜ」

 

「えっ!?」

 

「だけど、ビーストテイマーが行かないとそのアイテムは取れない」

 

「んで、しかも47層に存在するんだろ?その蘇生アイテム。んで、見た所レベルもあれだから装備品で代用ってか」

 

「話が早くて助かる。使える防具と武器を用意出来るよな?」

 

「短剣はシノンの管轄だぜ?しかも今頃シノンはユウキと寝てる。準備は明日、出発と平行にしようぜ」

 

「それもそうか。ならシリカ、今日泊まってくか?もう遅いし」

 

「ふぇっ!?あ、あのぉ………良いんですか?ここまでしてもらって」

 

「良いの良いの。この総督、もといバカは良いらしいし」

 

「よし、キリト。後でデュエルな。それとフィリア、お前も泊まってけよ。もう遅いしな」

 

「………それじゃあ遠慮なく……」

 

 

と、いうことで2人泊まっていくことになりました。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

その夜………

~シヴァside~

 

【やっほー熊ー】

 

【その名で呼ぶな!!用件は?】

 

【ユニークスキルゲット(※但し秘密に)】

 

【マジで?どんなスキルだよ?】

 

【『通常攻撃の一発一発が最上位スキル級の威力になる』】

 

【ただのチート ワロスww】

 

 

こんな夜に殺人ギルドの首領とメッセ飛ばしあう光景を見たことあるか?しかも秘密にしておくべきスキルを。

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

巨人の手は人間の手と同じ様に斬れたら良いな

『翌日』

~シヴァside~

 

「つー訳で使わない短剣ある?」

 

「いや何朝っぱらから物騒な事を言ってんのよ。しかも朝食中に」

 

「何かない?取り敢えず」

 

「ギルドストレージに送るから待って。後、取ってきた武器見せなさいよ。全部」

 

「何で全部?んまぁ見せるけどよ」

 

「じゃあボクも見るー!!お兄ちゃんの新しい武器楽しみだね!!♪」

 

「「変わったなぁ………」」

 

「………2人揃って何言ってるんですか?」

 

「気にしないでくれ。あれ何時もの光景だから」

 

「お、サンキュ。………あら?これイーボンか。お気にじゃ無かったっけ?」

 

「まぁ………ちょっとね」

 

「そうかい。あーキリト、ギルドストレージから取ってくれ」

 

「ん、分かった」

 

「い、良いんですか?これだけの物を貰ってしまって?」

 

「大丈夫、大丈夫。アイツは物分かりは良いんだよ」

 

「脳天ぶち抜くが良いよな?」

 

「デュエルじゃなきゃおけ」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

『ギルドホーム 運動場にて』

 

「ほれ、これがボスクラスのモンスターから掻っ払ってきた弓だ」

 

「おー!!すごーい!!」

 

「近接武器の世界に弓とはこれいかに?」

 

「んで、これが俺の新しい武器【神壊刀・壊無】。こっちは新しい防具【ソクラテス】だ。エギルに頼んで鑑定してもらったがよ、武器の方はこれと言って特殊効果は無いんだが防具には『ダメージ軽減80%』に『1/10の確率でダメージ無効』っていうぶっ壊れ性能」

 

「この弓には何か効果はあるのかしら?」

 

「遠距離に攻撃できる上に威力が結構高い。キリトの持つ『エリュシ・データ』よりかは劣るが他の武器よりかは高い。断然良い武器だ」

 

「………でもさ、これ装備できるの?」

 

「俺は無理だった。誰か装備出来ないか探してはいたな」

 

「………何か関係あるのかしら?」

 

「「何のこと?」」

 

「何か珍しいスキルが増えてたから、もしかしたらと思って」

 

「何か射撃っぽいスキル?」

 

「ん。そうね。よくよく考えてみればね」

 

「ならさ!!その弓お姉ちゃんが装備出来るの!?」

 

「そうかもね♪」

 

「なら、それはシノンが装備するんだな。ならくれてやる」

 

「ん、ありがとう」

 

「………っとキリトからメッセ着たぜ。準備の時間だ」

 

「はーい」

 

「さて、準備としましょうか」

 

「………うし、フィリアにも連絡着いてと」

 

「よくもまぁギルドに誘ったわね。上手くいくとも思って無かったけど」

 

「(………そん時、顔を赤くしてたのは何故だ?)」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

~キリトside~

 

「そこで待ち伏せてる奴、出てこいよ!!」

 

 

………全く、シヴァの奴。俺を………というよりシリカを餌みたいな扱いにさせやがって。こっちの方も考えてくれよ。

 

 

「ロ、ロザリアさん………!?何でこんな所に………!?」

 

「あたしのハインディングを見破るなんて、中々高い索敵スキルね、剣士さん。それに、その様子だと首尾よく『プネウマの花』をゲット出来たみたいね」

 

「『その花を渡せ』だろ?」

 

「あら、知ってたのね」

 

「だが、そういう訳にもいかないんだな。オレンジギルド【タイタンズハンド】リーダー『ロザリア』さん」

 

「………へぇ」

 

「で、でも、ロザリアさんはグリーン………」

 

「簡単過ぎる手口だ。グリーンの奴等が獲物を見繕い、オレンジが待ち伏せする。追跡していたんだろうが、バレバレだったぜ」

 

「そこまで分かってて、その子に付き合うなんて………バカ?」

 

「いや、俺たちも探してたんだよ。アンタ10日前に38層で【シルバーフラグス】ってギルドを襲ったな?」

 

「………あぁ、あの貧乏な連中ね」

 

「リーダー以外の4人が殺され、リーダーは最前線の転移門広場で仇討ちしてくれる奴を探していたんだ。そして、彼はアンタらを『殺す』んじゃなくて『牢獄に入れてくれ』と言った………アンタにその気持ちが理解できるか?」

 

「マジになっちゃってバカみたいwwここで人を殺したとしても、そんな証拠何処にも出てこないし、本当に死ぬ証拠も無い………それより、自分の身を心配したらどう?」

 

「アンタたち!!出てきな!!」

 

 

………そうは言っているが、誰も出てこなかった。目の前にいるロザリアは少々顔を歪ませ叫んだ。

 

 

「アンタたち!!何をしているんだい!?さっさと「出てこねぇよ」!?」

 

 

その言葉の後、次々に倒れながら現れる人物たち。………お前らなぁ。

 

 

「よぉ、キリト。どうだい?調子は?」

 

「んなっ!?な、何を!?」

 

「何って、お前ら監獄送りにする為に下ごしらえしてたんだろ。バカじゃね?ww」

 

「と言っても、武器破壊と麻痺属性付き武器で動けなくしたんだけどね。お兄ちゃんすごいよね!!」

 

「おいおいユウキ、そこは相手をビビらせる為に総督って言わなきゃ」

 

「総督………まさか!!でも!!」

 

「そう、あのシルバーフラグスの件は俺たち【奇兵隊】が承った。つー訳でアンタはお縄に着きやがれ、くそババア」

 

「ッ!!でも、この距離じゃあ1人だけの奴は守れないわよ!!」

 

「あ、フィリア。動かないで良いぞ」

 

「うえっ!?な、何でよ!?」

 

「どうせ「な、何よ………これ」ほら見ろ。麻痺矢で狙撃してくれるから」

 

「あぁ、納得」

 

「と、いうことだ。アンタは仲間と一緒に監獄に行け」

 

 

渡された回廊結晶を使い、ロザリアを含むメンバー全員を監獄に送る。………後で何か奢ってもらうか。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

『ホームへの帰り道』

~シヴァside~

 

「あーごめんよ、シリカ。餌紛いの事させちゃって」

 

「い、いえ!!気にしてません!!」

 

「そうかい。なら気にしないでおくよ」

 

「………あの総督さん」

 

「んぁ?何?」

 

「………私を、奇兵隊に入れてくれませんか!?」

 

「あ、良いよ」

 

「ですよね………って良いんですか!?」

 

「何?断られると思ってたの?俺ぁんなこたぁしねぇさ」

 

 

少し話を聞かれない為にシリカに近付く。

 

 

「それにキリトのこと、気になるんだろ?」

 

「!?///」

 

「んま、そういうこった。ようこそ【奇兵隊】へ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

会話文多くね?

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

圏内と圏外………リィング“ピー”ドンリィング“ピー”“ピー”ドン

『2024年3月 第56層 パニ』

 

………はい皆さん、今ね攻略会議中なんですよ。原作じゃあ、ここでキリトとアスナは意見の食い違いで喧嘩するんですが………これ原作じゃないし。つーか二次創作だからアスナとキリトは俺のギルド入ってるし。意見の食い違いなんて起こらないだろうなぁ。

 

 

「奇兵隊ギルドリーダー『シヴァ』。君はどんな奇策を思いついてくれるのかな?」

 

「いや、俺に頼ることをしないでヒースクリフ」

 

「意見の有無ぐらいきちんと言えないのかな?」

 

「喧しい。………だが、この場合だと………これをこうして………」

 

「だが、ここはどうなる?」

 

「あーそこは奇兵隊が何とかするよ。見たことあるだろ?こちらの狙撃手」

 

「ふむ………だが、1人では足りないのでは?」

 

「何も遠距離だけ、とまでは言ってねぇよ。勿論俺が囮になる。んで、囮ついでに俺も攻撃、さらに狙撃手の攻撃。ヘイト値を俺は最初に稼いだ方が後々周りにも良いだろ?」

 

「成る程、上手くいけば君たちが倒すと」

 

「何もそこまでは言ってねぇよ。それに俺も1人だと何にも出来ねぇバカさ」

 

「いや、囮係は此方に任せてもらえないだろうか?シヴァ君」

 

「ディアベルさん………だが、「だってとかは無しで頼むよ」………はぁ、分かりました。そちらのタンクがヘイト値を稼ぎつつ、此方の方は攻撃を仕掛ける。ということに成りますが良いんですね?」

 

「あぁ、構わないよ。それに、さらさら殺られるつもりは無いからね」

 

「いやはや、軍様さまですねぇ」

 

「皮肉では無いよね?」

 

「大丈夫ですよ、唯の誉め言葉ですから」

 

「皮肉に近い誉め言葉だな」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『第49層 奇兵隊ギルドホーム』

 

「ただいm………って何これ?」

 

 

会議も終わって皆に話をする為に戻ってきたんだが………何で喧嘩してるんだ?キリトとアスナは。

 

 

「あ、お帰りお兄ちゃん♪」

 

「ユウキただいま~♪さておいて、あの2人は何喧嘩してんの?」

 

「あ、お帰りなさい総督さん」

 

「ん、ただいまシリカ。あれは?」

 

「あれですか。何か前衛がどうこうと………」

 

 

………お前らな、ガキじゃ無いんだからさぁ、そんなことで喧嘩すんなっての。兎も角、仲裁に入りますか。

 

 

「おい、お前らいい加減に………」

 

「だから!!!いっつも君は無茶してるから前衛を増やそうって言ってるんじゃない!!!」

 

「だーかーらー今の状態でも十分態勢は取れてるだろ!?何で危険性を高める陣にさせなきゃならないんだよ!?」

 

「大丈夫ですー!!!私だってレベルはキリト君と同じですー!!!ちゃんと安全マージン確認してますー!!!何処かの誰かさんと違ってー!!!」

 

「どういう意味だy「おい」………あ」

 

「ん?………あ」

 

 

今ね、物凄いどうでも良いこと聞いて呆れてます。

 

 

「ったく、帰ったことにも気付かないなんてどうかしてるぞお前ら」

 

「わ、悪い。ついヒートアップしちまって………だからお願い!!!いや、お願いします!!!俺の休息を取らないで~!!!」

 

「土下座は良いんだよ。んなことより、今日の会議で明日行くメンバーを決めておけって言われてよ。キリトやアスナもメンバーに入らせようかと思ってたが………こんなんだとお前ら行かせる訳にはいかんな。」

 

「で、でもそれじゃあ!!!」

 

「言い訳は結構!!!但し、お前らには総督命令として明日から3ヶ月は共に行動すること。んで、命令があるまで最前線は禁止。良いな!?」

 

「ちょっ!!!シヴァ!?「良・い・よ・な・?」………うぅ、誰か助けて………」

 

 

残念だったな。お前ら2人を助ける者など居らぬわッ!!!つーかアスナはアスナで心配だからって素直に言えば良いのに。キリトに好意を持ってるの知って『ビュンッ!!!』………ん~?

 

何か頬を掠った様な?………まぁ良いか。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

『2024年4月 第59層 ダナク』

~キリトside~

 

「………ふぁ………」

 

 

眠い………シヴァの奴、3ヶ月も前線に行かせてくれねぇのかよ。つっても諸事情で行けなかった時に行ったがよ。………よりによって何でアスナと一緒なんだよ?

 

 

「何故かキリト君に対して殺意を覚えた」

 

「何で?(バレてたかな?)」

 

「まぁ良いわ。それよりお昼にしましょう」

 

「お、毎度毎度サンキュー」

 

 

最近、アスナの手料理を食う機会も増えた。アイツの料理も旨いが、アスナの料理はアイツとは違った旨さを感じるんだよなぁ。

 

 

「おーい!!!お二人さーん!!!」

 

 

声のした方を見ると………シヴァにユウキにシノン、フィリアにシリカ、ノーチラスとユナ………全員集合かよ。

 

シヴァはドサッという音をさせて座った。

 

 

「よぉ元気そうで何よりだ」

 

「見えるか?元気によぉ。それよりお前らこそどうしたんだ?」

 

「今回はちょいとした報告も兼ねてだな。どうせなら二人にも伝えておかなきゃってさ」

 

 

何だ?何を報告するんだ?

 

 

「実はな………ノーチラスとユナが結婚したんだよ!!!」

 

「………うぇ?」

 

「………えっ?」

 

「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」

 

「ホント、隅に置けねぇなぁノーチラスゥ?」ニヤニヤ

 

「ホントよ。さっさとくっ付けって焦れったかったわねぇ」

 

「意外にシノンが気になるもんなんだな」

 

「黙りなさいバカ」

 

「おめでとう!!!ユナちゃん!!!」

 

「ありがとうございますアスナさん!!!」

 

「ねぇどうする!?ご祝儀どうしよう!?」

 

「家具が買える分のコルでも良いんじゃないか?一応、ホーム買える位のコルやったからよ。キリトとアスナ、割り勘な」

 

「んまぁ、ここでの結婚は珍しいからな。お祝いだ」

 

「悪いキリト、アスナ。こんなに貰ってしまって」

 

「良いのよ!!!それよりユナちゃんを大事にしてよね!!!」

 

「勿論、大切な人だからな」

 

「つー訳で祝い料理を皆で食うぞー!!!」

 

『おー!!!』

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

~シヴァside~

………確か、この後って圏内事件発生するんだったな。んまぁ血盟騎士団の奴等が何とかしてくれるか。もし起こんなくても、それはそれで良いし。

 

 

 

 

 

 

 

 

というか会話文がまたもや多くなってるよ。多分前回よりはマシなんだろうけど。

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

糞が嫌な人は居るが、ペット飼ってる人は毎日ペットの糞と戦ってる

『2024年6月 48層 リンダース』

~キリトside~

 

「………ふぅ、これで良し!!」

 

「ありがとー、リズ!!」

 

 

今か?まだ命令の期間が残ってるからアスナの付き添いで鍛冶屋に来てる。何か『知り合いの鍛冶屋行くよー』なんて言うから来てみたものの………上手いな。最初見たときメイドかと思ったが、鍛冶スキルは申し分ない。ギルドにほしいな。アイツも喜ぶだろうよ。

 

 

「んで、そっちの彼shゲフンゲフン………アンタは何か作ってほしいやつなんてあるの?」

 

「………リズ?」

 

「………そうだな、この剣と同等の性能の剣が欲しいな」

 

 

兎も角、エリュシ・データを見せてと。

 

 

「ふんふん………『エリュシ・データ』。中々のハイスペック剣ねぇ。それなら、この剣なんてどうかしら?」

 

 

そう言って1振りの剣を見せてきた。

 

 

「ちょっと試しても良いか?」

 

「どうやって?」

 

「この剣をコイツにぶつけて………ってシヴァ!?おま、何時の間に!?」

 

「ついさっき」

 

「あら、シヴァじゃん」

 

「「はぇッ!?」」

 

「………おろ?リズさん、何も言ってないの?」

 

「何にも言ってないわよ。ってか、知り合い?」

 

「知り合いというか同じギルドww」

 

「あら、初耳。ギルドの一員だったのねぇ。因みに何処?」

 

「【奇兵隊】だ。聞いたことあるだろ?」

 

「………あぁ!!奇兵隊って恐ろしく強いって有名の!!アンタらそんなギルドの一員なのね!!」

 

「………いや、リズ。シヴァさんは、そこのギルドリーダーよ」

 

「………はい?」

 

「ここでは総督だな。奇兵隊総督の『シヴァ』、別ギルドからも普通にそう言われてるさ」

 

「………はい!?いやいやいや!!このお調子者で彼j「はいストップ」何で?」

 

「「(何を言おうとしてたんだろうか?)」」

 

「それより、薙刀作ってくれる?LAのやつだと限界もきてるんだよ」

 

「………あぁ、はいはい。素材はあるかしら?」

 

「ほれ。あぁ、それとキリト。片手剣だろ?丁度良い素材入ったからよ。これ使って作ってもらえや。あぁ勿論代金は持つからよ」

 

「おっ?マジで?悪いな!!」

 

「はいはい、なら待ってて」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~シヴァside~

………いやさ、疲れたよ。あの竜、暴れまわるったらありゃしない。やったとしても10発で終わったけど。

それは兎も角、バレちった(テヘッ。いやぁバレないように接してたけども、まさかキリトとアスナが来てたのは誤算だった。

………さて、ここいらでちょっと聞いてみるか。

 

 

「出来たわよー」

 

「おーサンキュー」

 

 

渡された薙刀と剣を持つ。

 

 

「剣の方は『ダーク・リパルサー』。『闇を祓う者』って意味の武器よ。んで、こっちの薙刀は『梅桜』。梅と桜って書いて梅桜。どっちも聞いたこと無い武器ね」

 

「どうもどうも。いやぁ毎度毎度悪いな、良い武器作ってくれてよ」

 

「誉めても何も出ないわよ。さっさと渡したら?」

 

「はいほい。キリト!!!」

 

「おー出来た?」

 

「ほれ、『ダーク・リパルサー』。『闇を祓う者』だとさ」

 

「へぇ………そっちは?」

 

「『薙刀・梅桜』。良い武器だろ?」

 

「あぁ。ありがとうリズ」

 

「ほれ、お代。後、ちょっと話がしたいんだが、良いか?」

 

「………話ぐらいは聞くわ」

 

「おけ。なら単刀直入に言うぜ。俺たちの専属スミスに成ってくれるか?」

 

「………つまりギルド専属スミスになれと?」

 

「んまぁそうだな。勿論、店での営業がメインだ。俺たちの武器も作る時は金は払う」

 

「いや、普通はお金は要らないでしょ」

 

「ん、そうか。んで?なってくれる?なってくれない?」

 

「そうねぇ………残念だけど他を当たってちょうだい」

 

「ありゃ、そうかい。んまぁ武器の要望とかあったらまた来るわ」

 

「はいはい、リズベット武具店を今後ともご贔屓に」

 

「おう。キリト、アスナ。行くぞ」

 

「あ、あぁ。じゃあな」

 

「またね、リズ」

 

「じゃあねぇ」

 

 

………うわー失敗した。断られたかー………んま、良いか。薙刀作ってもらったし、良しとしますか。

………ついでに余計なことを言う癖直しゃあ良いんだがよ。

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

参りやしょう。地獄?いやいや…………

『2024年8月 第56層 聖竜連合本部』

~シヴァside~

 

 

「………以上で『【ラフィン・コフィン】討伐会議』をこれにて終了させていただく。各自準備を怠るな」

 

 

それと同時に皆、席を立つ。この会議にゃあ【聖竜連合】【血盟騎士団】【風林火山】俺たち【奇兵隊】や攻略組が居る。

内容としては【Laughing Coffin】の討伐。

 

何故起こったのか。最近ラフコフの動きが活発になってきている。即ち、殺しが頻繁に発生しているのだ。

 

そこで見てみぬふりを続けた奴等がラフコフを潰す為に始めたのだ。こちらのレベルにも人数にも勝っている為、この会議に異を唱える者もいなかった。

 

ただ2人、俺とヒースクリフは、秘密を口にはしなかった。

 

アイツと俺の『鉄の鎖』は。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『第49層 ギルドホーム』

 

 

今は自室、まぁプライベートルームに居るんだがユウキが来ている。………当たり前か、怖いんだもんな。

 

 

「………お兄ちゃん」

 

「どうした?ユウキ。もしかして、怖い?」

 

「………うん」

 

 

少し震え、頷く。まだ年端もいかねぇユウキ、もしかしたら誤って殺すことでもあれば………ユウキの心は苦しみ続けるだろう。

 

 

「………アイツらには言っておくよ。ユウキ、怖いのなら行かないで大丈夫だから」

 

 

ユウキの頭を撫でる。それだけでユウキは少し落ち着いた表情になる。だが不安を取り除くことは、俺ではここが限界らしい。

 

ここで、扉のノック音が聞こえる。

 

 

「シヴァ、俺だ」

 

「………遠慮すんな、入れ」

 

 

扉が開かれる。3人、アスナとキリトとシノン。あの場には俺を含んだ、最初の5人が会議を聞いていた。

 

 

「………お前らも、怖いか?」

 

「………正直、怖いです。もしかしたら、殺されるかもしれないんですから」

 

「………だろうな。………何なら抜けるか?んな怖いならやらねぇ方が良いだろ」

 

「………だが、アイツらの行動には目に余る物がある。それを放置してると、何時か全員死ぬ。だったら俺はアイツらを………」

 

「………キリト、お前の言いたいことも分からんではない。だが、武器破壊だけにしとけ。それで後悔したくねぇだろ?」

 

「………分かってる」

 

「………お前ら、部屋戻って少し頭冷やしてこい」

 

「………分かった」

 

 

そう言って、アスナとキリトは部屋を出た。だが、シノンは残っていた。

 

 

「………どうしたよ?シノン。お前が残るのも珍しく無いが、なんつー面構えしてんだよ?折角の顔が………」

 

 

その時だった。シノンが俺に身を預けて来た。

 

 

「………お前も、怖いもんな。いや………お前は『特に』か」

 

「………ごめん」

 

「謝らなくて良い」

 

 

こちらはシノンの体を抱き寄せる。

 

 

「…………」

 

「怖いなら、それで良い。重荷なんざ全部捨てて構わない。その分背負うのが、俺の役目だしな」

 

「…………」

 

「それか、俺と一緒に逃げるか?一緒に逃げて、一緒に暮らすっていうのも悪かぁないだろ?」

 

「………フフッ。何それ?告白のつもり?」

 

「………そんなんだったら、良いなぁ」

 

「………ねぇ、シヴァ」

 

「………何だ?」

 

「………いえ、何でも無いわ」

 

「そうかい。………なら準備でもしてこい。そんで、さっさと寝ろ」

 

「………なら、怖いから………今日は一緒に寝て」

 

「分かった。さっさと準備してこい」

 

 

シノンは、部屋を出ていく。………お前ら、すまない。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『その夜』

 

「………シヴァ、起きてる?」

 

「………どうした?」

 

「………無茶はしないで」

 

「………出来たらな」

 

「じゃなかったら………許さないから」

 

「………分かった」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『翌日』

 

聖竜連合本部前に集合する者たち。そこには、ただならぬ緊張感が張り詰めていた。

 

 

「コリドー・オープン」

 

 

シュミットと呼ばれる人物が回廊結晶を使用する。門となった結晶を潜っていく者たち。………いよいよか。

 

 

「ヒースクリフ」

 

「分かっている。既にメンバーには伝えてある。勿論、聖竜連合にもだ」

 

「………そうかい」

 

 

俺たちも門を潜る。潜ると道、道が続いていた。

 

そこを暫く進んでいると、広場が見えた。あそこか。

 

すると、聖竜連合と血盟騎士団の奴等が立ち止まり………

 

 

「「タンク!!!この道を封鎖しろ!!!」」

 

 

2大勢力のタンクが道を塞ぐ。それにより戸惑いが生まれた。

 

 

「おい!!一体どういうことだ!?こんなの聞いてないぞ!!」

 

 

攻略組の1人が叫んだ。それを期に皆が騒ぎだした。

『聞いていない』『何をしている』そんな叫び声の中、俺は進んだ。

 

 

「………!?おい!!!シヴァ!!!」

 

 

キリトが呼び止める。それを聞きもしない。俺は聞く必要がない。

 

 

「おい、シヴァ!!!何とか言えよ!!!」

 

「………悪いな、お前ら」

 

 

俺は振り向き、キリトたちに向き合う。

多分、俺は悲しい顔をしていると思う。アイツらを裏切る様な真似をするからな。

 

 

「お前らは、ちゃんと生きろ。何も背負うな。俺が全部背負うさ」

 

「お前………自分が何言ってんのか!!「総督命令だ!!!」ッ!!」

 

「………俺に、背負わせてくれ」

 

 

キリトたちの制止なんて聞かない。これは俺が決めた『己の誓い』なんだ。

俺は奴等が空けた隙間を通り、広場に入る。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『広場』

 

周囲を見渡すと、フードを被った奴等がゴロゴロゴロゴロ………お肉たっぷりビーフシチューか?このヤロー。

 

 

「よぉ!!!Poh!!!態々来てやったぞ!!!それとも、また某森の熊さんの名前を言われたいのか!?」

 

「居るわ!!!」

 

「おっ出てきた出てきた」

 

「なぁヘッド!!何で1人だけなんだよ!?もっと大人数で来んのじゃねぇのかよ!?」

 

「アンタが誰なのか知らねぇが、俺1人だ。言っとくが俺は強いぞ」

 

「お前、何で、1人?」

 

「アホか。これから此処がZ指定になるから、俺が来たんだろ」

 

 

武器である『神壊刀・壊無』を引き抜き、相手方に向ける。

 

 

「要するにだ、俺ぁテメーら皆殺しって訳だ」

 

「いやぁ、やっぱ良いねぇ。お前のバカさ加減はよぉ………そこが気にいってんだよなぁ」

 

 

Pohが降りてくる。それと同時に周りに居た奴等も降りてくる。

 

 

「んじゃあ………俺も皆殺しだ」

 

『ヘッド!?』

 

「良いのか?仲間裏切るなんてよ」

 

「いんやぁ、仲間なんぞ興味はねぇ。俺が興味あんのは………」

 

 

刹那、Pohは大型ダガーを出し、俺は壊無で

 

 

 

 

 

       吹き飛ばした

 

 

 

 

 

『!!!!!?』

 

「お前なんだよぉぉぉぉぉ!!!」

 

「うぉおおおおおおおおおお!!!」

 

 

ラフコフのメンバー共を切り進み、俺たちは互いに横を通り抜け刀とダガーをいなしあい、ラフコフメンバーを斬る。

 

刀とダガーを構え、俺とPohは互いに背中を預ける。

 

 

「俺が殺るまで」

 

「死ぬんじゃねぇぜ」

 

「「brother」」

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

こっから先はR-18指定タイムだ

~キリトside~

 

「退け!!!何でシヴァを1人だけ行かせた!?」

 

「早く退いて!!!お兄ちゃんの元に!!!」

 

「駄目だ」

 

 

冷たく響く声。何故こうも冷たく言えるのか。冷たく響く声の主は【血盟騎士団】団長『ヒースクリフ』。

恐らく、俺たちは誰よりも一番血相を変えて向かっている。俺たちのリーダー『シヴァ』に。

 

そんな中でも、広場から金属音や攻撃音。そして………消滅音。あの中の何れかがシヴァだと思うと、居てもたってもいられない。

 

頼むから………死なないでくれ………死なせないでくれ………

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~シヴァside~

 

「はーい!!!一名様地獄にご案な~い!!!」

 

「り、リーダー!!!やめてくれー!!!」

 

「ったく!!!まさか、これ程背中を預けられる奴が!!!殺人鬼って、俺もイカれたなぁ!!!」

 

 

そう言いながらも、向かってくるラフコフメンバーに『神壊刀・壊無』を振るう。1人、また1人とHPがレッド、またはイエローに落とされる。

 

投げられてくる投擲武器は、殆ど感で避ける。現実世界で培った感は、まだ鈍っていないらしい。

 

俺の左から迫ってくる2本のナイフ。俺は1つは避け、もう1つは口で刃の部分に噛みつき、砕く。

 

驚きを隠せない奴に壊無を振るい、ポリゴンにさせていく。投げた奴には壊無を投げてHPを減らし、俺は武器を梅桜に変える。

 

 

「オメェは既に、十分イカれてるんだよッ!!!」

 

 

Pohが俺に向けてダガーを振るう。だが、避けなかった。それどころかPohに向けて薙刀で突く。

 

いや、その後ろの奴を突いた。Pohも同じく。

 

 

「ナイスアシスト」

 

「お互いによぉ」

 

 

俺とPohは同時に走りだし、ラフコフの群れに突っ込む。

 

薙刀を使い、持ち手の部分で牽制。そして刃の部分で全体攻撃、さらに回転の勢いで薙刀をラフコフの1人に刺し自分の体を持ち上がらせる。

 

その間、投擲が行われたが、薙刀の持ち手部分を利用しスロープの様にして降りる。普通に当たらなかった。

 

着地と同時に後ろに居たラフコフの1人を薙刀の持ち手部分で突く。

 

その直後、壊無が飛んできたが顔を右に倒して避ける。その刀は俺の後ろに居たラフコフの1人を貫き、ポリゴンにさせた。

 

俺は刀を素早く取り上げ、薙刀で足払いを仕掛ける。

 

そして、またPohに背中を預けた。

 

 

「………お前のメンバーさん、中々技術的な物が上手いな。お陰で一苦労するがよ」

 

「俺は教えられたことを少し教えただけだ。俺は知らん」

 

「んじゃあ、中々知的好奇心が強い奴等を選んだな」

 

「面白くなっただろ?buddy」

 

「ハッ、お前の面白さは俺にとっちゃ、ただただ面倒なんだがよ」

 

 

俺は薙刀で、Pohは投げナイフでお互いの頭上を狙った。

 

俺の頭上の奴は麻痺状態が付与、Pohの頭上の奴は出血状態が付与される。

 

 

「………気持ち悪いな、この息ピッタリ感」

 

「何なら組むか?今後ともよぉ」

 

「真面目に遠慮するわ」

 

「真面目に返答すんな。アメリカンジョークだっての」

 

「それに、コイツら始末したら次はお前の番だかんな。覚悟しとけよ?」

 

「覚悟はお互いにした方が良いぜぇ」

 

 

そんな話の中、突如として襲来した2つの影。

それを確認すると、俺たちは刀、ダガーでそれぞれ受け止める。

 

 

「Oh………ジョニー、ザザ。邪魔するのかぁ?」

 

「邪魔なんてしませんよヘッド。いや………元ヘッドか」

 

「裏切り、者には、死を。だが、その前に、お前、殺す」

 

「どうでも良いけどさっさと始めてくんない?後悪いがよ、先約が居るんでな。そいつぁ無理な相談よ」

 

 

因みにだが、俺が相手どっているのがザザ。Pohがジョニー。

 

距離をお互い取り、体勢を立て直す。

 

『エストック』。ねぇ、確かにゆっくりと殺すには良いな。………だがよぉ

 

 

「そんななまっちょろい武器で『コイツ』が壊れる訳ねぇだろ!!!」

 

「ッ!!?」

 

 

『神壊刀・壊無』。コイツには特殊能力は無い。代わりに攻撃力、耐久値は他の武器よりも遥かに上回っている。

 

これらから、どの様な方程式が出来ると思う?

 

エストックがぶっ壊れる。

 

 

「何ッ!!?」

 

 

刀を掲げ、ザザに向けて振るう。ザクッという音が響いたが、ザザが突然投げてきた物に反応が遅れる。

 

それは俺に刺さると麻痺となった。

 

同時にザザはポリゴンとなり、消えた。

 

ふとPohの方を見てみると、ジョニーを倒したらしいが麻痺に犯されている。

 

 

「………やられたなぁ」

 

「………お互いにな」

 

 

俺たちは地べたに寝そべる。だが、まだラフコフメンバーはレッドやイエローだが残っている。

 

いやさぁ………寝そべるのはねぇだろPoh

 

 

「お前が言えるか?」

 

「ハッハッハッ、読まれてた」

 

 

襲い掛かって来るラフコフメンバーの残党。俺たちは麻痺ながらも少しずつ立ち上がり………

 

 

「「ッァァァァァアアアアアア!!!」」

 

 

雄叫び。向かってくる奴等に刀、ダガーを振るい続ける。

だが動きが鈍っている為、ダメージは受けてしまう。

 

俺の場合はダメージの軽減が出来る装備なのだが、Pohは普通の装備。ダメージを受ける比率は普通の状態である。

 

しかし、傷つきながらも着実に倒していく。

 

そして、最後の2人となった時。俺たちは隙を生んでしまい、脚の一部が失われた。

それによりバランスが崩れ倒れてしまい、出血状態に陥ってしまう。

 

 

「………おい、Poh」

 

「………何だ?」

 

「………約束、守れそうにねぇや。どちらかが死ぬまでじゃなくて、どっちかの武器が破壊されたら終わりにしねぇか?」

 

「つまんねぇなぁ」

 

「良いじゃねぇか。このままだと2人とも死ぬぜ?俺を殺すのはお前なんだろ?」

 

「………んまぁ、それで妥協してやる」

 

「おけ。んじゃあ、どうにかしようか」

 

「そう、だな」

 

 

俺は薙刀を使い立ち上がり、Pohは上手く一本脚で立つ。

 

向かってくる最後の2人。その2人を俺は薙刀で、Pohは投げナイフからのダガーでトドメをさす。

 

そして、俺たちだけ残る。疲れなのか俺は倒れてしまう。

 

 

「(殺されそうだなぁ………)」

 

 

だが意外にもPohは待ってくれるどころか、ポーションを俺に渡してきた。

 

 

「麻痺毒入ってねぇから飲めや。さっさと勝負済ませるぞ」

 

「………ハッ、上等」

 

 

渡されたポーションを飲み、脚を回復させ立ち上がる。

 

お互い距離を空け、武器を構える。

 

ゆっくりと呼吸を整え、落ち着かせる。

 

俺は刀、アイツは大型ダガー。不利なのはPohに見えるが俺も疲れているのでハンデという事で。

 

 

 

刹那、俺たちは接近し武器を振るう。

 

振り向かない。どちらの方が殺られようが、それは運命だ。

 

 

 

 

「………どうやら、砕けたのはお前の方だな」

 

「………だなぁ」

 

 

Pohが倒れる。

 

 

「ったく、武器狙いつったのによぉ………何でお前は俺を殺そうとするんだ?」

 

「お前こそ………何で狙った?」

 

「お前の性格から考えて最後の嘘をつくだろうと思ってな」

 

「………イカれてるねぇ………俺も。お前も」

 

「………お前を復活させようとは思わねぇ。それこそ約束を破ることになるからよ」

 

「………そうかい。じゃあな、buddy」

 

「………永遠に眠れ。brother」

 

 

ポリゴンの音が響く。そして、俺は倒れた。

………………眠てぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

タイトル思い付くのが面倒だったので、第31話としまーす

~ヒースクリフside~

………戦闘音が聞こえなくなったな。そろそろか。

 

 

「まだ封鎖をしておけ」

 

「了解」

 

「おい待て!!ヒースクリフ!!」

 

「………何かな?これから残された人物を確認しに行きたいのだが?」

 

「何で………何でシヴァだけを行かせた!?」

 

「(………もう構わないだろうな。)………愚問だな」

 

「何………!?」

 

「君たちのギルドリーダー『シヴァ』は自ら志願したのだよ。この【ラフィンコフィン殲滅】をね」

 

『!!!!?』

 

 

私の言葉。【ラフィンコフィン殲滅】という言葉1つ。それだけを言い放つと、周囲がざわめく。

「殲滅?どういうこった?」や「監獄エリアに送るんじゃあないのか?」等という、あの『カモフラージュ』の話をしていた。

 

 

「いやはや、君たちのギルドリーダーは中々滑稽だな。態々私どもに頭を下げ、『たった1人で片を付ける』と言ってきた」

 

「シュミット」

 

「おっと、これは失敬ヒースクリフ。だが、今は誰が居るか見てきた方が良いんじゃあないか?」

 

「たった………1人………なん………で………アイツ………は………」

 

 

すたすたと私は広場に向かっていく。

 

ふと、上に影が射し込んだ。その影の正体は着地し、広場に向かって走っていった。

 

あれは………狙撃主と、ギルドリーダーの妹………とかだったな。まぁ誰が来ようがどうでも良いのだが。恐らく、誰かを踏み台にし跳躍力で来たのか。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

~シノンside~

 

走り続けていた。アイツが居るという期待と、『もしかしたら』という不安で。

 

ユウキも走っていた。1番傍に居てくれた『兄』という存在が、消えているのではという不安から。

 

走り続け、広場に着いた。アイツの姿はあった。だが、倒れていた。何も考えずアイツの元に駆けつける私たち。

 

ユウキはソイツにすがり付き、涙を流した。

 

 

「ヒッグ………エッグ………良かっだ………お兄ぢゃん………良かっだ………」

 

 

生きていた。それだけで安心した。

 

 

「涙を流すのは良いが、少々退いてくれないか?」

 

 

ふと、後ろから声がする。ヒースクリフ。コイツを、シヴァを1人で行かせた内の1人。

 

怒りが治まらない。ソイツに敵意の目をぶつけた。

 

しかし、ヒースクリフはシヴァの頭の隣に行き声をかける。

 

 

「奇兵隊ギルドリーダー。そろそろ起きたらどうだ?」

 

「………………おいこら、俺疲れてんだよ」

 

「!!!お兄ちゃん!!!」

 

「シヴァ!!!」

 

「その割には受け答えする気力はあるようだな」

 

「ラフコフの実力者を相手どったんだ。それでも気力があると言えるか?絞り出してんだよ」

 

「まだある。という風に捉えられるが?」

 

「いんや、結構限界。だから寝るわ」

 

 

目を瞑り、意識を眠りに持っていったシヴァ。

 

ヒースクリフが眠っているシヴァを運び、全員が帰還した。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『第49層 奇兵隊ギルドホーム』

 

「血盟騎士団団長さん、良ければ何故総督を1人で行かせたのか………それに答えてください」

 

 

私たちのギルドホームに【血盟騎士団】団長『ヒースクリフ』が居る。ここは本来、皆が集まって雑談をする部屋なのだが………今はアスナがヒースクリフに問い掛けていた。

 

 

「答えれば良い………ということか」

 

「はい」

 

「………いや、やはり止めよう。君たちのギルドリーダーから口止めされているのでね」

 

「ッ!!!何で「知りたくば、君たちのギルドリーダーに聞きたまえ。私は口止めされているからな」…………ッ!!!」

 

「では、私はこれにて」

 

「………分かりました」

 

 

ヒースクリフがホームから出ていく。私は我慢出来なかった。

 

 

「………アスナ」

 

「シノン………ごめんなさい」

 

「………何で………アスナが謝るの?」

 

「だって………あの人から、総督の話を………」

 

「それでもアスナには非は無いさ」

 

「キリト君………」

 

「それより、シヴァが目を覚ました。そんで………」

 

 

キリトの言葉を聞かず、私は一目散に走り出した。アイツに言いたい事を全部ぶつけてやるという思いを持って。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

~キリトside~

………速くね?戦闘の時以上に速かったぞ。

 

 

「それで、キリト君。私たちは部屋に集まれば良いの?」

 

「………あぁ。これからの事を言いたいってよ」

 

「これから………ね。分かった」

 

「それじゃあ………行きますか」

 

「そうだね」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

~シヴァside~

 

「すぅ………すぅ………」

 

 

………ふぅ、しんどい。ユウキが来て早々に抱きつかれて、そのまま泣かれて、落ち着かせたら、寝るって………どんなシステムなんだか?

 

 

「お………兄………ちゃん………」

 

「(俺の夢か)」

 

「行か………ないで………お兄………ちゃん………」

 

 

…………ユウキの頭を撫で、安心させようとする。

 

 

「大丈夫、俺は居るよ。お兄ちゃんは、ちゃんと居るよ」 

 

 

そこに、扉が開かれる音。見てみるとシノンが居た。

 

シノンは服の襟を掴み、怒気の含んだ声で俺に言う。

 

 

「………アンタ、何で無茶したのよ」

 

「……………『出来たら』つったろ」

 

「………知らない」

 

「だから「知らない」………」

 

「アンタが何を言おうが何を言ったかなんて知らないし聞きたくもない!!お願いだから無茶しないでよ!!」

 

「……………シノン」

 

「お願い……だから………」

 

「………言ったろ。俺は全部の重荷を背負う。お前らの総督として。1人のプレイヤーとして」

 

「………聞きたくない。アンタの都合なんて知らない」

 

「………許せなんて言わない。許しを乞おうなんて思わない。お前らが望む通りに俺は行動しよう」

 

「だったらシヴァ、俺の案だ」

 

「キリト………お前は急に来んな。つーかノックしろよ」

 

「したわ。聞こえてなかったんじゃねぇか?」

 

「………ふぅ、んで?お前の案って?」

 

「なに、簡単な話だ。『背負うな』」

 

「………はい?」

 

「これから背負うなつってんだよ。後は普通にしてろ馬鹿」

 

「………えぇぇぇ。何それ?」

 

「と・も・か・く!!!お前は背負うな。今さらあれだがよ、お前は俺たちに頼れ。というか任せろ」

 

「いや」

 

「ハッキリ否定すんな!!!つーか、ここは「そうだな」とか言うところだろ!!」

 

「んじゃあ聞くが、お前はギルド代表として毎度毎度グランザムやら何やら行けるか?自分の時間を割いてでも」

 

「………無理だな」

 

「だろうな。アスナとかはまだ良いんだよ、きちんとしてるし」

 

「んじゃあアスナに頼れば「それは駄目」何で?」

 

「そりゃあアスナにも自分の時間があるんだしよ。俺の場合はやりたいからやってるだけだ」

 

「物好きだなオイ!!」

 

「ったりめぇだ。それこそ、お前らは責任を背負えるのか?その小さな背中でよ」

 

「お前も背中小さいだろ」

 

「細かい事は良しとしてだな「いや、良くねぇんだよ」兎に角、お前らは好きにやっとけ。こんなくそったれな十字架背負うのは俺で良いのさ。ガキはガキらしく、この世界から脱出の手伝いでもしとけバカヤロー」

 

「お前だってガキだろ!!!」

 

「………プッふふっ」

 

「???何か笑うとこでもあったか?アスナ」

 

「い、いえ………やっぱり、何時も通りだなってww」

 

「………何時も通りか。………よし!!お前ら」

 

「「「???」」」

 

「飯食うぞ!!!」

 

「待て待て待て!!何で飯になった!?つーか話あるって来たんだろうがよ!!」

 

「良いじゃねぇか。ユウキが腹へったって言ってんだから」

 

「えへへ♪」

 

「え?何?まさかのオチこれ!?」

 

「よーし、飯食うぞー」

 

「「「おー!!!」」」

 

「お前ら聞けよ!!!って、暗転すんな!!!ちょ!!!これで終わりなんk…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

色々と驚いてます………何でこうなった?

「………って、やっと明転したか。急に暗転するk………ってオイオイ!!!また、暗転するな!!!ふざけt………」

 

終わり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食堂にて

 

 

「じゃねぇだろぉおおおおおお!!!」

 

「何だよキリト、急に安堵の溜め息ついたと思ったら騒ぎ立てやがって」

 

「いや気付け!!さっきの明転からの暗転に気付け!!!お前ら、さも普通ですと言わんばかりの表情すな!!」

 

「キリト、落ち着いてくれ」

 

「ノーチラス………お前「暗転のままだと嫁さんにイタズラできる」お前は何考えてんだよぉおおお!!?」

 

「み、皆の前で言うこと!?」

 

「あぁ、勿論だとも」

 

「………それは夜に出来るでしょ///バカ♡」ボソボソ

 

「だぁ!!駄目だ!!!アッチにはバカップルしかいねぇ!!!」

 

「「「だ、大胆………///」」」

 

「ねぇねぇ、イタズラって「ユウキは聞かなくて良いのよ」何で?」

 

「ユウキには早いからよ(色んな意味で)」

 

「そうそう、ユウキには早い」

 

「お前らは何で気付いていない!!?つーか、何でノーチラスが気付いててお前ら気付いていないんだよ!!?」

 

『暗転?何それ?』

 

「お前らハモってんじゃねぇよ!!!」

 

 

 

 

 

 

[かーつーあーいー]

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

「さて、お前らに聞きたいことがある」

 

「???何ですか?総督さん」

 

「………お前らは、俺に残ってほしいか?この【奇兵隊】に」

 

 

 

 

 

 

 

 

「愚問ですね」

 

「………ノーチラス」

 

「貴方と出会い、俺の人生は変わった。守るべき者も出来た。貴方には、人を導くという才能がある。残る残らないより、残ってください」

 

「………後の奴等は、どう思う?」

 

「わ、私は残ってほしいです!!!」

 

「シリカ…………」

 

「だって、このギルドに入ってから私も強くなれたんです。まだ総督さんには何にもお返し出来ていないのに………だから!!!お返しが出来るまで残っていてください!!!」

 

「それなら私も!!!」

 

「フィリア………」

 

「私が隠し部屋のボスクラスモンスターに襲われた時、助けてくれたのがシヴァ!!!それで私の命は今、ここにあるの!!恩返しも出来てないの!!お願い、残って!!!」

 

「………ふぅ。お前ら、どうする?このくそったれな奴、どうしたいよ?」

 

「私は総督には残っていてもらいたいです。このメンバーが集まったのは、全部総督のお陰ですから♪」

 

「アスナ………」

 

「お兄ちゃん………」

 

「ユウキ、どうした?」

 

「………もう、ボクから居なくならないで………お願い………」

 

「………あぁ、分かった」

 

「まぁ私にも、アナタにはリアルでも此処でも助けてもらったし。それにギルド作ろうって言ったのアンタだからね。脱退なんて承知しないわよ」

 

「シノン………」

 

「………シヴァ、ちょっと訂正したい箇所が1つだけあった」

 

「………何だ?」

 

「『背負うな』じゃない。『信じてくれ』にな。俺たちはシヴァを信じる。だから、お前も信じてくれ。俺たち、【奇兵隊】の仲間を」

 

「………つまり、全員一致で残れ。だな?」

 

「「あぁ」」

 

「「はい」」

 

「「うん」」

 

「えぇ。ここに居る全員、アンタに残ってほしい奴等ばかりだし」

 

「………うし、なら俺は残るぞ!!!」

 

「よし!!!なら総督続行を祝って、私何か作ってくるね!!♪」

 

「おっ、嬉しいねぇ。んじゃ、今日は無礼講でいくか!!?」

 

「「「「「「「おー!!!」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1つだけ………確かな物が存在した。

 

それは仲間だ。仲間という確かな存在が、俺を留まらせた。俺に残れと、そういった。

 

そして、『信じろ』と言った。俺はアイツらを信じなきゃならなくなっちまった………ったく、重い荷物なこった。

 

 

「シヴァ」

 

「ん?どうした、シノン?」

 

「折角、信じろってキリトが言ったばかりなんだけど………アナタ何時危なっかしい事するか分かんないから、ずっと隣に居させてもらうわよ」

 

「………はい?」

 

「はい、ほら。さっさとOKボタン押しなさい」

 

 

急に言われて気づいた。あれ?何これ?………『結婚申請』………

 

 

「はあぁぁぁぁ!?ちょ、ちょっと待て!!いきなり何だ!?」

 

「何って………ずっと隣に居るって」

 

「いやいやいや!!シノン、こういうのは好きな人に!!!「………気付かなかったの?」………へっ?」

 

「アンタに甘えろって言ってくれた時から………好きだったんだけど///」

 

「…………………」

 

 

よし、落ち着こうか。えーと何だ?つまり、あん時の言動に惚れたと?シノンが?………マジで?

 

いやいやいや!!!何で!?感想にもシノンの旗なんて殆ど書かれて無かったのに!!!書かれてたとしても想像してなかったし!!!これ見た後の感想、オリ×シノンか。っていう感想が生まれるわ!!!

 

つーか、何でキリトたちはニヤニヤしてんだ!!!ノーチラス!!!テメーもニヤニヤすんな!!!

 

………あり?何か殺気がフィリアからするんだが?………気のせいかな?お願い気のせいだと言って!!!

 

 

「と、取り敢えずだな。いきなりだから、こっちも考える時間をくr「ここで、今すぐ、決めなさい」………えぇぇぇ」

 

「何々!?お兄ちゃんとお姉ちゃん結婚するの!?」

 

 

ユウキー!!!最も断りにくい方面へ持っていくなー!!!後、フィリア!!さっきから殺気を飛ばさないで!!!………あ、ギャグじゃないぞ。

 

 

「んじゃあ、ボクが残り時間数えるね♪」

 

 

一番ヤバイのキター!!!!やめてー!!!お願いだからユウキやめてー!!!お兄ちゃんを困らせn

 

 

「残り3秒ー!!!」

 

 

ユウキィイイイイイイ!!!やめてくれェェエエエエエ!!!

 

 

「2ー!!!」

 

 

……………いやさ、俺も好きなのは一緒だよ?それだと態々リズの所行って強化してくれなんて頼まないからよ………確かにユナにもヒント言ったよ。意外に笑う奴って。

 

………だからと言って、時期ってもんがあるでしょうに。………しゃあねぇか

 

 

「1「シノン」???」

 

「な、何?」

 

「………1つ言っとくぞ。何で態々こんな真似までした?」

 

「………これが1番良いってアスナが言ってたから///」

 

 

アスナかいィィィイイイイイ!!!………全く、こんな助言しやがって。後でキリトの事でゆすってやる。

 

 

「………『シヴァは無茶するから、こんな感じで迫られたら断れないよ』って言ってたから………///」

 

 

………いやさ、顔を赤らめた状態で口元を袖で抑えてモジモジすんのかい!!!結構ユウキでもダメージ来たけどよ、何でシノンも俺にダメージ与えてくんの!?結構ゴリゴリHP削られていくんですけど!?

 

………だが、待たせるのも駄目だな。

 

 

「………んなことしなくても、良かったのによ」

 

「えっ…………?」

 

「………俺も、シノンの事は………その、好きだ」

 

「!!!!!」

 

「SAOに結婚システムってあるから、結構悩んでいたが………お前から言われるなんてな」

 

「シヴァ…………///」

 

「ふぅ………んじゃあ今度はこっちから言ってやるよ」

 

「…………うん」

 

「………俺もシノンの事が好きだ。お前の笑っている顔が好きだ。お前という存在が好きだ。………こんな無茶やらかすバカだが、結婚してくれるか?シノン」

 

「………じゃ無かったら、こんな事してないわよ///バカ………///」

 

「そうか、んじゃあ」

 

 

OKボタンを押す。確か、これで。

 

 

「ステータス………アイテム………お金も………」

 

「ほんと、結構リアルだな」

 

「………ありがとう、シヴァ♪」

 

「………いや、こちらこそ。ありがとうな♪」

 

 

周りから黄色い声、そして1名落胆の声。………いや、フィリア。まさか………俺?

 

そんなこんなで、長い1日は終わった。

驚きの連続した夜が、良い思い出となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

知ってると思うが兎は自分が1回出したウ○コを食べる

『2024年10月 第74層 迷宮区』

 

あの出来事から2ヶ月。あの出来事、というよりシノンと結婚してから騒がしい毎日であった。

 

何故か朝起きたらシノンとユウキとフィリアがベッドに居たり………いや、まだシノンとユウキは分かるがよ、何でフィリア?そのせいで「修羅場突入早くね!?」等と変な誤解をされた。

 

それが毎日続いてみ。朝起きたらシノンとフィリアが口喧嘩、ユウキは俺の上で寝てる………どんな光景だ?

 

だが、今は………

 

 

「フィリア!!キリト!!どっちが多く倒せるか勝負しよー!!」

 

「よーし!!望むところよ!!」

 

「いや、ここ迷宮区!!少しは緊張感持て!!」

 

 

何時もの光景。誰かがボケて、キリトがツッコむ。こんな何時もの光景を見ているのは、俺と………

 

 

「相変わらず騒がしいなぁ」

 

「それが私たちじゃない?♪」

 

「んまぁ、確かにな」

 

 

嫁さん………というより彼女と言った方が良いか。ここではシステム上での結婚。本当の結婚では無い。

 

しかしながら、シノンは結婚しているという事実しか見てない訳で………

 

 

「シヴァ、今日は晩御飯どうするの?」

 

「んー………そうだなぁ………無難にカボチャシチューとか、キノコ料理とか?」

 

「成る程。楽しみにしてるわよ♪旦那様♪」

 

 

という他愛も無いやり取り。その中でも、やはり可愛らしい笑顔を放ってくる嫁『シノン』。

 

ユウキとは、また違った物が有る訳で………ってか恥じらいも無く言ったな、オイ!?

 

 

「おーい、お二人さん。イチャイチャすんのは良いが、敵来てるぞー」

 

 

キリトの発言で前を見ると、リザードマンが来てた。

 

一方、シノンは俺を見ていてリザードマンに気付きもしない。

 

なので、シノンにお姫様抱っこをし、跳躍してリザードマンを避ける。

 

跳躍してキリトたちの元に着地すると、フィリアとユウキが先程のリザードマンに攻撃をするとポリゴンとなって消えた。

 

 

「あー、結局相子かー」

 

「(は、速い………何て速度で動くわ攻撃するわ………)」

 

「………やっぱりガッツリ系の食事が良いかな?」

 

「私は何れでも良いんだけどね♪」

 

「よーし、ここらで帰るとしよーぜー」

 

 

ということで、帰ることにしました。俺とシノンは暇だったので74層の森に行きました。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

~キリトside~

『第49層 ギルドホーム』

 

………ふぃー、このギルドに今2組の結婚ペアが居るのか。

『ノーチラス』と『ユナ』。『シヴァ』と『シノン』

 

………ノーチラスとユナは分かるとして、シヴァとシノンは分かんなかったなぁ。まさか結婚だなんてよ。

 

 

「おーい、帰ったぞー」

 

「んぁ?随分と遅かったな。何かあったか?」

 

「おっと、そうだった。見せたい物が有ってな」

 

 

シヴァはストレージからアイテムをオブジェクト化させる。

 

………まさか………これは!?

 

 

「『ラグーラビット』を3匹ゲット!!そんでもって、今日の夕飯のメインはコイツだ!!!」

 

「うおおぉぉぉ!!!マジか!!!スゲーじゃねぇかシヴァ!!!S級食材だろ!?これ!!」

 

「いや、偶然3匹居て、そこをシノンの弓スキルで射ぬいてもらった」

 

「ふふん、私に感謝しなさい」

 

「流石俺の嫁さんだ。ご褒美でもあげようかね♪」

 

「うぅ………///ズルい………///」

 

 

さて、何をしようかね。っと、それより。

 

 

「アスナにも手伝ってもらいたいんだが………まだ帰って来てないのか?」

 

「………そうだな、もうそろそろ帰って来ても良い時間「た、ただいま!!」噂をすれば」

 

「あー疲れたー」

 

「おろ?リズじゃん」

 

「あら、シヴァにキリト。それと………シヴァの嫁さんだっけ?ニヤニヤ」

 

「そうそう。俺の嫁♪」

 

 

シノンの肩を掴み、抱き寄せる。すると、シノンの顔が赤く染まった。

 

 

「ぁぅ………///」

 

「へぇ~、アンタ意外にも攻めるのね。メモっとこ」

 

「それよりよ、何でリズも一緒に?」

 

「ちょ、ちょっと訳ありでして…………」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

~シヴァside~

『10分後』

 

「アスナ、そりゃまた災難な事で」

 

「そうですよね!!?全く、何でストーカーが出てくるのか!?」

 

 

そりゃ、そんなスタイルの整った美人さんをストーカーしたいのは分からんでもない。今はシノンが居るからどうでも良いが。

 

あ、因みにシノンは俺の部屋に戻りました。キリトも自室に戻って料理を待っています。

 

因みに、料理をしながら話している。つっても殆ど簡単な工程なので、そこまで時間はかからないが。

 

 

「良いですよねぇ。総督にはシノのんが居て、ユナちゃんにはノーチラス君が居て」

 

「そりゃアレだ。アスナも好きな奴に告白すりゃ良いじゃん」

 

「それが出来れば苦労はしないですよ………」

 

「んまぁ、アスナが気にいってんのはキリt「何で知ってるんですか!?」逆に知らないとでも?」

 

「えっ?じゃあ………バレてますか?」

 

「キリト以外な。アイツ脳みその75%食欲だからな。鈍感過ぎる」

 

「うぅ………遠い道のりになりそう………」

 

「んまぁ、頑張れ。さっさと結ばれて来い。っと、もう出来たか。呼びに行くぞ」

 

「………ふぇ!?は、はい」

 

「………キリトの事、考えてたな」

 

「………バレますよねぇ」

 

 

それからシノンに夕飯が出来たことを伝えると、俗に言う恋人繋ぎで皆に夕飯の知らせをした。

 

その時のシノンは笑顔過ぎたそうな。

 

んまぁ良いか。喜んでくれるなら別にどうでも良いや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ストーカーは大体何かと屁理屈を言う

~翌日~

『第74層 カームデット』

 

「さっさと帰れ。ヒースクリフに言い付けるぞテメエ」

 

「だから!!ストーカーなんてしてませんって!!!」

 

「お前血盟騎士団だろ!?何で俺んとこのメンバーにストーカーしてんだよ!?ってか、大体ストーカーは誰でもそう言うわ!!そんな奴に限ってストーカーするんだろーが!!ヒースクリフに言い付けるって言ってんだろ!!」

 

「だーかーらー!!私は何もしてませんって!!」

 

「そうかい………アスナから預かった記録結晶が有るんだけど?見るか?お前のストーカー行為の実態がまるわかりだぜ」

 

 

つー訳で、記録結晶を見せびらかす。おやおや、ビビってるビビってる。

 

 

「つー訳だ、真面目に言い付けるぞ」

 

「で、出来るものならしてみろ!!」

 

「おう、そうかい。んじゃあヒースクリフに見せてくるわ」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『第49層 ギルドホーム』

 

んで、何やかんやでヒースクリフに記録結晶見せて終いと。

 

ん?割愛しすぎだって?しゃあねぇだろ、あんなストーカーに懸ける時間なんてねぇ。

 

 

「アスナ、終わったぞ」

 

「ありがとうございます総督。ほんっとうに迷惑してたんですよ」

 

「良いってことよ。それよか、さっさとキリトとデートに行ってこい」

 

「は、はい………///って、ただ迷宮区に行くだけです!!違いますから!!」

 

「態々2人っきりで迷宮区行くのはデートって言わねぇのか?それとも何か?自ら誘っておいてデートじゃないとでも?」

 

「と、兎に角!!行ってきます!!」

 

「はいほい。行ってこい」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「…………んぁ?メッセ着てるや。誰だ?………ってコイツからだ」

 

 

メッセ開いてと………何々?

【部下が勝手に行動して74層に直行。その途中で奇兵隊メンバーたちと遭遇して、キリトからメッセが着た。此方は厄介事の処理で手が出せない。頼めるかな?】

 

 

「………つまり、74層行って止めてくれと」

 

 

【おけ。んじゃあ俺が行くわ。ちゃっちゃと後始末やっとけ】

 

 

「送信っと。はてさて、行くk…………」

 

 

………何時の間にかドアが開いてて、シノンが居た。

 

 

「………えっと、シノン?何時から居ました?」

 

「メッセを確認してた所からよ♪さっさと行きましょ♪」

 

「………はぁ、やれやれ」

 

 

ったく、用心しとくべきか。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『第74層 迷宮区』

 

「いやー、壊無が強い」

 

「後方支援に回ってる私の身にもなってよ」

 

 

リザードマン共を駆逐ターイム。何か敵のポップ多くね?

 

後方支援に徹してるシノンの後ろに居るリザードマンに向けて壊無を投げる。

 

 

「そのフォローをするのは、旦那の俺じゃ無いのか?」

 

「むぅ………///」

 

「はいはい、拗ねるな。可愛いけど♪」

 

「拗ねてない!!」

 

「はいはい。っと、近いな。………おろ?速いな。移動してる」

 

「移動?」

 

「………ちょっと速く行くか」

 

「ええ」

 

「ちょっくら失礼」

 

「ふぇ!?///」

 

 

お姫様抱っこで持ち上げて、スキルに物を言わせた速度で向かうぜ。

 

いやー速い。ちょいと風圧が酷いが。

 

シノンには影響が無いように配慮もしてと。

 

って、リザードマンが攻撃仕掛けてきそうなんだが………まぁ良いか。

 

 

「って、ちょ!!前!!前!!」

 

「攻撃に当たらない方法って知ってるか?シノン」

 

「こんな時に何よ!?」

 

「それはなぁ………」

 

 

 

システム外スキル………と言えば良いのかさておいて、攻撃してきたリザードマンの曲刀に乗る。

 

そして、一気に駆け抜ける。

 

 

「見抜いて走れ。敵の攻撃読んで全速力で!!全速全身ダ!!」

 

「アンタにしか出来ないわよ!!こんなこと!!」

 

「そりゃ嬉しいねぇ!!」

 

 

先に進んでいく。そしたら、ボス部屋らしき場所の前に迫る。

 

んで、キリトが二刀流発動してると………大丈夫かぁ?大丈夫だろうと思うが。

 

 

「シノン!!」

 

「いきなり何!?」

 

「このまま一気に攻撃を仕掛ける!!つー訳で!!」

 

 

急激に止まり、回転する最中にシノンを左腕で抱え、右手に梅桜を装備して投げる!!!

 

 

「武器のよーい!!」

 

「忙しいわね!!」

 

 

弓を装備し、狙いをつける。梅桜はボスの目玉に突き刺さり、ボスが苦しみだした。

 

 

「放て!!」

 

 

弓矢を飛ばして牽制、同時にキリトの最後の攻撃がボスの体を貫いた。

 

Congratulations。その文字と共に、キリトが倒れた。

 

倒れたキリトの元へと走る。その前にアスナがキリトの元に駆け付けた。

 

………んー、お邪魔虫かな?俺たち。

 

 

「あぁ!!やっぱりシヴァか!!」

 

「お、クライン!!久々d「裏切り者ー!!!」ヘブミンッ!!!」

 

 

は、腹にヒット。痛くないけど………何で?あ、クライン独身だからか。

 

 

「おいおいおい、クライン。嫉妬は醜いぜ」

 

「うるせー!!テメエこそ先走りやがって!!」

 

「俺らより先走ってる奴等を知ってんだけどぉー。それに比べたら俺らは遅い方なんだよ」

 

 

わーわーぎゃーぎゃーと叫び続けるクライン。

うるせーなぁ。ったく、女に飢えてる癖なんとかしろよな。

 

その後、クラインたちはアクティベート。俺たちは帰りました。ギルドホームへと。

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

………結局戦うんかい!!何でや!?しかも俺とヒースクリフだし!!

『75層 闘技場』

 

「………………どうしてこうなった?」

 

 

今ね、待機してます。何でかって?遡ること5時間前………

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

『回想入りまーす』

 

「よぉヒースクリフ。態々呼び出してどうしたよ?」

 

「おや?メッセージで伝えている筈だが?」

 

「いやさ、急に何?アンタから交流会………と称した後ろ楯得ちゃいましょう作戦って意味あんの?」

 

「そこまでラフな文体じゃあ無かったが。話が早い」

 

「言っとくが断る。アンタんとこのメンバーが俺のメンバーの世話になったしな。主にストーカー被害でよ」

 

「だからこそだ。少々イメージダウンというのが発生していてな。そこで、【奇兵隊】リーダーと私とのデュエルでイメージアップを図っているのだよ」

 

「“血”盟騎士団だから、時間が経てば黒くなるってか。腹黒くなったなぁ」

 

「知恵の働く奴と言ってくれ。あぁそれと、もし君が勝った場合には報酬は此方が出来る限りの事をさせてもらう」

 

「………んで?お前が勝ったら?」

 

「同盟を結んでもらう。それだけだ」

 

「同盟………ねぇ………お前ら、損しねぇのか?」

 

「いや、後ろ楯に【奇兵隊】が加わる事はどの様な恩恵よりも素晴らしい事と思わないかね?少数精鋭最強のギルドと二大勢力の内の1つのギルドとの同盟………これが意味することは」

 

「イメージアップ。さらには人員増加ってか」

 

「正解だ。話が早くて助かる」

 

「………なら良いぜ。そのデュエル、買った」

 

「ならば、これから5時間後に75層闘技場で行おう」

 

 

 

 

 

 

『回想終了でーす』

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

………そうだ、俺の責任だ。それとヒースクリフの戯れ言のせいだ。そういや、原作じゃあヒースクリフがオーバーアシスト使うんだっけ?………なら、此方も使わせてもらうぜぇ?取って置きをよぉ。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『闘技場』

~シノンside~

 

「いやぁ………人が多いな」

 

「そうねぇ………というより総督は何処なんだろう?」

 

「…………」

 

「………お姉ちゃん?機嫌悪そうだけど、どうしたの?」

 

「………今日、何にも用事が無いって言ってたから。シヴァと買い物に出かける約束してたのに………あの真っ赤っか白髪………!!」

 

「………首ったけだな。さぞかしシヴァも喜ぶだろうて」

 

「(人ってこんなに変わるのねぇ………)」

 

 

けどまぁ、あまりシヴァのPvPは見たことが無いから少し楽しみなのも事実。………結局どっちなんだよって思った奴、後で迷宮区ね。MPKするから。

 

そんな事を考えて、闘技場の中へと入る。何処かな?

 

 

「……あ、あれじゃないですかね?」

 

 

シリカが言った方向を見てみると、銀髪の刀使いが見えた。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~シヴァside~

 

………さてと、行きますか。

 

光へと向かい、外に出る。

 

見えたのは、大勢の客。そして、目の前のヒースクリフ。

 

ヒースクリフに向かい、歩み寄る。

 

 

「結構多いな。何人位だ?」

 

「さぁ?」

 

「さぁ?って………まぁ良いや。約束はお互い守ってもらうぜ。腹黒団長さん?」

 

「約束は違わないさ。それと、腹黒より悪知恵団長が良いな」

 

「結局似たようなもんかよ。………さて、始めますか」

 

 

ヒースクリフがデュエル申請をする。【初撃決着】の申請に対し、俺はOKとする。

 

これから1分後、ヒースクリフとの対決が始まる。

 

俺は壊無を装備、ヒースクリフは馬鹿デカイ盾に片手剣。

 

『破壊と無知』vs『神聖剣』。最強の攻撃vs最強の防御。

 

お互いに構える。俺は居合いの構え、ヒースクリフは盾を出して防御の構え。

 

そして、アラームが鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

~3人称視点~

 

デュエル開始のアラームが鳴り響く。

 

シヴァは先ず、突進しに行く。

 

このまま衝突させるのか?そんな考えの矢先………

 

シヴァは回り込んだ。ヒースクリフの背後に。

 

 

「!?」

 

「フッ!!」

 

 

突き。シヴァはヒースクリフの背後に回り、心臓部を狙い放った。当たる………訳も無かった。

 

ヒースクリフは屈み、持っている片手剣でシヴァの脚に攻撃を加える。

 

ダメージはあるものの、その減り方が少ない。何故か?

 

シヴァの着ている『ソクラテス』の効果だ。『ソクラテス』。その由来は『無知の知』を提唱した偉人ソクラテスから取った名前の防具である。

 

効果は『受けるダメージ量の80%を減らす』という、ブッ壊れ性能。さらに『1/10の確率でダメージ無効』のダメ押し。

 

一旦シヴァは離れ、また接近して左下から右上へと斬り上げる。

 

ヒースクリフは防御している為か、HPの減りは少ない。しかし数ドット、ほんの数ドット減らしている。

 

そこから、シヴァの瞳孔が開いた様な気がした。そして、不敵に笑う。

 

ヒースクリフはシヴァの攻撃を盾で受け止め、隙を見つけては攻撃を加える。

 

しかし、ヒースクリフの隙を突いた攻撃はシヴァには効かない様で………攻撃を紙一重で避け、攻撃を続ける。

 

その猛攻っぷりから、観衆から囁かれる。『破壊神』と。

 

盾で受け止めているも、数ドットずつ減っていくHPにヒースクリフもヒヤヒヤしている。

 

乱雑に振り回している様で的確に攻撃と防御を成立させている。狙っている様には見えない程の荒々しさ。一言で表すならば、『武士《もののふ》』。

 

何故二つ、呼び名を言われているのか。『そう見えているから』だ。観衆たちは見た光景を純粋に思っているだけなのだ。

 

そして、事態は動き出した。

 

ヒースクリフが、【盾を捨てた】。

 

観衆は驚きの声を挙げる。『神聖剣』とは盾という防御するものを使うことで真価を発揮するヒースクリフが持つユニークスキルなのだ。

 

態々アドバンテージを捨てる。その行動は予想してなかったのか、シヴァも驚く。

 

その隙に軽量化されたスピードで、スキル『ヴォーパル・ストライク』を放ち、クリティカルを決めた。

 

勝者は、ヒースクリフ。

 

このデュエルで、シヴァは『破壊神』または『武士《もののふ》』と呼ばれる様になったとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最近の作者の流行りはアマゾンズだお………グロいグロいって言われてるけど、そこまでグロいかな?

『第56層 グランザム』

 

「さて、シヴァ君。約束は違わないよな?」

 

「んなつもり最初っからねぇよ。それだとアイツとの約束は破ってただろ?」

 

「ふむ………まぁそれもそうか」

 

「さて、同盟となると………交流か」

 

「そうだな。此方のメンバーと、そちらのメンバーの一部を合同で練習させるとするか」

 

「そうしなきゃな」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『第49層 ギルドホーム』

 

「という事で、血盟騎士団のメンバーとの合同訓練を行うことになった。以上!!」

 

「じゃねぇだろぉおおお!!」

 

「タンバリンッ!!!」

 

 

はい、言った早々キリトにドロップキックされました。痛くは無いけど飛ばされるの嫌なんだよねぇ。

 

 

「何でそんな事を勝手に決めてるんですか!?しかもデュエルで!!」

 

「いやさ、お前らに伝えると恐らく却下されることを見越してヒースクリフが俺だけ来るように仕向けてたの!!確かにデュエルとしか言ってないけどさぁ!!こんな大々的に行われるデュエルで想像ぐらいつくでしょ!!」

 

「想像出来たとしてもお前と俺ぐらいだ」

 

「お前分かってたんかい!!だったら伝えとけよ!!」

 

「伝える必要無いかと思った」

 

「何その自己中!?」

 

「お前に言われちゃお終いだな」

 

「………よし、今日誰か1人出そうと思ってたけど。キリト!!行くぞ!!」

 

「いや、何で俺!?しかも何でお前が行くんだよ!?」

 

「俺は指導役だ!!」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『第56層 グランザム 血盟騎士団ギルド前』

 

 

「というわけで、合同訓練始めたいと思いまーす。指揮官として【奇兵隊】のシヴァがやらせてもらいまーす」

 

「宜しくお願い致します!!」

 

「「………」」

 

 

はい、残り二人テンション低すぎィ!!仕方無いか、クラディールはあれだし、キリトは面倒くさがってたし。

 

残りのゴドフリーは、あれだな。馬鹿だな。見るからに筋力特化。

 

さてさて………

 

 

「えー、今から訓練内容を説明するよ。内容としては『判断能力』を確認したい。まぁ言ってしまえばモンスター共と戦う際に冷静な判断が出来るかどうかを見るってことだな」

 

「了解しました!!」

 

 

ゴドフリーは敬礼をした。俺の返事は無い。ただの屍の様d……生きとるわ!!

 

そんなこんな有って、色々と見ていきましょう。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『第55層 岩山フィールド』

 

「おーし!!皆ここいらで休憩だよー!!」

 

 

三人は岩に座り、食事の時間をとる。食事は大事、これ基本。んまぁ携帯様にパンとか水とか位だから、我慢はしてもらわなくちゃね。

 

んで、パンを食べようかと思ったら………ナイフが飛んできて手の甲に刺さった。あり?よく見ればキリトとゴドフリーにも。あ、そういやそうだった。確か原作だと………

 

 

「いやぁ、助かったぜ。荷物確認されなくてよぉ!!」

 

 

あー、忘れてた。クラディール忘れてた。麻痺属性付き投げナイフか。確かPoHに教えてもらったなぁ、麻痺矢にしたけど。

 

あ、ゴドフリーに剣が刺された。んま、こんな時に………有った解毒結晶。使ってと。

 

 

「んなっ!?」

 

「荷物確認してねぇのはテメエも一緒だな、クラディールさんよぉ?それともストーカーと呼べば良いか?」

 

「お前………!!くそがぁ!!何でこうも上手く行かねぇんだよ!!?」

 

「自分の愚かさを恨んだら良いよ。さて、監獄エリア送りにさse」

 

 

それと同時に風切り音が俺の右耳に入り、クラディールが吹っ飛んでいった。あれまぁ。

 

キリトも唖然としてます。

 

 

「キリト君!!総督!!無事でしたか!?」

 

「あ、あぁ。何とか「良かったぁ!!」わぷッ!?」

 

 

おろろ、アスナがキリトを抱き抱えたぞ。ありゃりゃりゃ、これじゃあ、俺がやらなきゃ行けないパターン?

 

という訳で、ヒースクリフにメッセ。事の詳細をっと。

 

………ん、返信が早い事で。

 

【殺さない様に監獄エリアに投げ捨てておいてくれ】?ざけんな!!何で態々俺!?もういいや!!監獄送りじゃい!!

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『第49層 ギルドホーム前』

 

………あー。色々と疲れた。ゆっくりと休みたいよぉ。シノンの膝枕で寝たいよぉ。

 

ギルドに入り、自室に戻るとシノンが居ました。んで………

 

 

「お帰りなさ~い!!♪」

 

「ぬおっ!?」

 

 

急に飛びかかってきて抱きつかれた。お前ユウキみたいなキャラじゃねぇだろ。

 

 

「あ、お兄ちゃんお帰り♪」

 

「おぅ、ただいまユウキ♪所で、シノンの様子がおかしいんだけど?」

 

「お姉ちゃん、何か胸騒ぎがするとか言ってたけど何か色々と言ってたよ。『重い女』「わー!!わー!!ユウキ、ストーップ!!」」

 

 

つまりは、重い女と思われたく無かったんですねシノン。

 

 

「はぁ………そんなの別に気にしないのに」

 

「!!?」

 

「シノン、来たきゃ来いよ。そん時は構ってやるからよ♪」

 

「ぁ………ぅ………ぅん///」

 

「それより、先にキリトとアスナが帰って来なかったか?」

 

「キリトとアスナなら何か話してるよ。何だろうね?」

 

「………何だろうなぁ?(何故だろう?明日になったら分かるという気がする)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、そうそう。タイトルにアマゾンズ出てるのは訳ありなんだとさ。詳しくは仮面ライダーアマゾンズでタグ検索を!!

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

朝露に現れた2人目

『あれから少々経ち』

 

あの出来事で血盟騎士団との同盟がおじゃんとなった。つまり、アイツらとは攻略時位にしか会わない事になる。

 

さて、そんな事より………朝出てきたんだよね。訓練ついでに散歩をシノンとしているんだよ。

 

あ、でも“ついで”って言うとあれだから、訓練の後にシノンと散歩してるって言えば良いのか。

 

キリトとアスナも22層に行って暮らしてるんだよな。新婚生活ってか。

 

 

「ねぇシヴァ」

 

「ん~?」

 

「………私たちの家、どうする?」

 

「あー………そのことね。うん」

 

「………あ。でもやっぱり、ギルドの事もあるよね………そうよね………」

 

「………んじゃあさ」

 

 

シノンの顔を此方に向けさせてっと。

 

 

「リアルに戻ったら、何時か家買うか♪」

 

「………んなッ!?///」

 

「勿論、リアルだから何時戻るか分からないけど………それでも、戻ったら一緒に暮らしたいな♪」

 

「………本当、ズルい///♡」

 

「ズルくて結構♪可愛い姿見れるから良し♪」

 

「………何時か仕返ししてやる♡」

 

「やれるもんならやってみろ~♡」

 

 

頭の両サイドに手を当ててワシャワシャします。

その後、シノンとキス。ふははは!!羨ましいだろぉ!!?無駄だぁ!!シノンは渡さん!!

 

そんな中、ギルドホーム前まで行きついた所………見たこと無い奴が居ました。何かユウキが一緒に居ました。

 

 

「ユーウキー!!」

 

「あ、お兄ちゃーん!!」

 

 

ユウキがその誰かを連れてこちらにやって来ました。紫の鎧着て露出はそこまでの淡い紫の髪をした奴………って、ストレアかよぉぉぉおおおお!!

 

 

「???ユウキちゃん、このモジャモジャ誰?」

 

「誰がモジャモジャだ!!?天然パーマって言え!!」

 

「ねぇねぇ、それってわざと?」

 

「わざとじゃねぇんだよ!!天然なんだよ!!生まれつきなんだよ!!ってか最初に天然って言ったの聞こえなかった!?アンタの耳は垢の温床ですか!?」

 

「面白いねー君♪」

 

「こっちは面白くねぇんだよ!!しかも何!?俺一応ここじゃボケキャラなんだよ!!何でお前が俺のポジ取ってツッコミのポジに着かなきゃならねぇんだよ!?作者も自分の妹にツッコミ入れてるけど疲れんだよツッコミって!!苦労を理解してお願い!!」

 

「どんどんメタくなってきている………まぁ良いかしら(思考放棄)」

 

「お願いシノン、思考放棄しないで。お願いだから!!」

 

「それでねーお兄ちゃん、この人『ストレア』って言うんだって」

 

「ユウキお願い!!話聞いて!!………ってここで場面を変えるな!!暗転しようとすんな!!オイィィィ!!聞いてんno………」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『ギルドホーム内 シヴァ応接室』

 

「あ、やっと明転した。………ゴホンそれで?起きて外の様子見たらストレアが居たと。それであってるよな?ユウキ」

 

「合ってるよー」

 

「………あー!!これ美味しいねー♪このモジャモジャさんが淹れたの?この紅茶」

 

「よーし分かった。お前は壊無でソードスキル使ってやる」

 

「シヴァストップ。深呼吸、深呼吸」

 

 

………すぅー。こぉー。すぅー。こぉー。うし、おけ。落ち着いた。

 

 

「じゃなくて。それより、ストレアはどっから来たのか覚えて無いのか?」

 

「う~ん…………分かんない♪」

 

「分かんないのか~………オイこら待てこら。知らねぇのかよ」

 

「ねぇシヴァ、メッセ着てる」

 

「んだよ、こんな時に………ってキリトかよ」

 

「んー?誰々?」

 

「………ふぅ、ちょっと行くぞ。あ、ストレアも来い。キリトなら何か分かるかも知れねぇしな」

 

「おー!!………って誰?」

 

「じゃあ返事をするな、バカに見える。つーかお前バカだろ」

 

「バカじゃないもん!!」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

『第22層 キリト&アスナのホーム』

 

「………………」

 

「…………よぉ…………シヴァ、久々………だな」

 

「……………」

 

 

………いや、何で子ども居んのォォォォオオオオオオ!!?

 

 

「いやちょっと待て!!何なん!?お前らもう“ピー”「フンッ!!」グボォ!!」

 

「子どもが居る前で何を口走ってんだテメエは!?大体、そっちも誰だよ!?お前にも嫁さん居るのに何で女連れて「フンッ!!」オボホォ!!な、何で………シノンが………居るんだ………?」

 

「シノンは知ってるからな。そこんとこ問題n「フンッ!!」な、何でぇ………」

 

「シヴァ、少しは自重を覚えなさい。子どもの前で何口走ってんのよ?」

 

「す、すみませんでした………」

 

「………ママ、あの人、誰?」

 

「ママとパパの頼れる人たち………だよね?」

 

「いや何で疑問系!?アスナ!!そこハッキリして!!お願いだから!!俺に聞かれてもどうしようもないから!!」

 

「つー訳で、キリも良いので終わりにさせて頂きまーす。では、次回もお楽しみに!!」

 

「テメエは勝手に終わらせんなぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

もう………タイトル考えるの疲れたよ。パトラッ“ピー”

『第22層 キリト&アスナのホーム』

 

「ふぅん。つまり、今は親代わりって訳ね。納得」

 

「んで、そちらはユウキが発見してユウキが意気投合。んでこうなったと」

 

 

はい、皆さん。ちょっと話をしてましたよキリトと。カーソルが表示されないから何だろうと思っているが、流石に小さな子どもを1人置いていく訳にもいかず預かっていると………そういや………コイツもそうだな。

 

そんで、『もう1体』居たな。ここいらで紹介しとくか。

 

 

「キリト、カーソルが表示されない件なんだが………1つ心当たりがある」

 

「ほぉ………ハァッ!?」

 

「本当ですか!?総督!!」

 

「ん。多分な。だが、聞けば分かる筈だ」

 

「聞くって………誰に?」

 

「いや、『誰』という訳じゃあないな」

 

「「「???」」」

 

「何の話してるの~?」

 

「パパ、ママ、何のお話?」

 

「ユイちゃんに関係あるお話かな?」

 

「さてっと」

 

 

俺は『神壊刀・壊無』を出す。それに疑問符を浮かべる者たち。んま、そうだろうな。ここからちょっと驚くけど。

 

 

「アクティブモード 移行」

 

 

壊無が突如として光の玉となり、やがてそれは人の形となっていく。

 

そして、そこに居たのは………『銀そのもの』であった。

 

 

「「「………ん?」」」

 

「何か御用ですか?マスター」

 

「ちょっと紹介したくてな。あ、お前ら紹介するよ。コイツは『kaimu』。んまぁAIだ」

 

「「「………ハアァァァァァアアア!?」」」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

「シヴァ!!これはどういう事だ一体!?」

 

「そうよ!!ちゃんと説明してよシヴァ!!」

 

「キリト、シノン、落ち着け。今から話すから落ち着け」

 

 

キリトとシノンを落ち着かせて椅子に座らせる。落ち着いた所で話をし始めますよっと。耳かっぽじってよーく聞いとけよ。

 

 

「先ず、コイツはAIだ。武器に化けてたけど」

 

「………kaimuに質問だ。お前の正体は何だ?」

 

「それ、マスターが言いました。んまぁ詳しく言うなれば、私は『カーディナルそのものに保護されているプログラム』です」

 

「『カーディナルそのものに保護』?」

 

「はい。カーディナルはプレイヤーの細やかな心情やプレイヤーの攻撃パターン等を計測させる為に私を作りました。そして、どの様な攻撃で有ろうと『この状態』の私を傷付ける事は出来ません」

 

「でも、何で武器に?」

 

「カーディナルの計測結果、武器というアイテムに変化すれば最も多くの感情データや戦闘データが収集出来ます。そういう事です」

 

「それにしても、何で総督をマスターって呼んでるんですか?」

 

「情報源ですし。AIとは言え、出来ない事も有りますからね。呼び名は適当に着けただけです」

 

「つー訳だ。あ、因みに武器の状態でもAIの機能は少し働いててよ。壊無の遠隔操作が出来るんだよ」

 

「そして、そこに居る二人ですが………彼女らはMHCP。《メンタルヘルスカウンセリングプログラム》、即ち私と同じAIです」

 

「「「!!!!!」」」

 

「だろうと思った。初めてkaimu見た時、カーソル無かったからもしかすれば………って思ったが、当たってたか」

 

「嘘………ユイちゃんが………AI………」

 

「………ねぇねぇ、モジャモジャ2号さん」

 

「モジャモジャ言わないでください。結構気にしてるんですから」

 

「おいkaimu、テメー元に戻されて壊されたいのか?」

 

「それって………私たちが君と同じ存在って事?」

 

「語弊がありますね。『同じ』では無く『似た』存在です。その癖、私と貴女では仕事自体違うし立場も違う」

 

「でも、そうなんだよね?」

 

「………まぁ、あながち間違っては無いです。それと急ですが、記憶を取り戻したくはありませんか?」

 

「貴方、そんな事出来るの!?」

 

「私はカーディナル自身に保護されているプログラムです。つまり記憶等は消去事態されていません。即ち、彼女らの事も知っている。その記憶のバックアップを使い、取り戻させるのです」

 

「………なぁkaimu」

 

「何でしょうか?キリトさん」

 

「バックアップって事は………俺たちとの記憶は………」

 

「あぁ、ご心配無く。バックアップと言っても随時更新されていきますからね記憶は。つまり、貴方たちと過ごした時間も残された状態になります。ご安心を」

 

「…………」

 

「ご心配ですか?元に戻ってしまう事が」

 

「………そうです。だって………もしユイちゃんが………ユイちゃんが………」

 

「アスナ………」

 

「杞憂ですよ、そんな心配」

 

「………何で言えるんですか?」

 

「私がそうだったからです。このシヴァというプレイヤーに会ってからというもの、多くの楽観的思考や感情が計測されましたし、何より私がAIという正体を見せても驚きすらしなかったので」

 

「いや、あん時は驚いたぞ。少しだけ」

 

「兎に角、心配は要りません。思い出が勝つに決まってますから」

 

「何て無責任なAIなのかしら………」

 

「私の経験談ですから、大丈夫です。では、記憶を戻させてもらいますよ。二人とも」

 

「………うん、分かったよ」

 

「何されるの?パパ、ママ」

 

「大丈夫、少しだけ目を瞑っていれば良いから」

 

「では、始めましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………え?何これ、また終わり!?ちょっと待ってよ折角良いところだったのによぉ。ふざけんじゃねぇぞ作者!!

 

 

[これ書いてるの深夜なんだよ察しろ]

 

 

そこは意地を貫き通せよ!!貫いてでも全部書けよ!!

 

 

[もう、疲れたよパトラッ“ピー”]

 

 

タイトル回収をここでしやがったよ、このバカ!!

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

とりま、2週間の内容

『第49層 ギルドホーム』

 

「にいさま待てー!!」

 

「いや、何で私なんですかー!!?」

 

「あっははー!!待てー!!」

 

「ストレア!!貴女は少し抑えてください!!その大剣装備して来ないでください!!」

 

「いやー!!♪」

 

「聞けよォオオオオオ!!!」

 

 

はい、今はギルドホームにユイちゃん、ストレアがkaimuを追っかけています。あの状態じゃあ傷付く事は無いけど、こっちに来ないでほしい。

 

あ、因みにキリトと見ています。いやーkaimuが追っかけられてる姿が面白i………あれ?何かこっちに来て。

 

 

「ちょ!!こっち来んな、kaimu!!こっちに誘導すんなァァァ!!」

 

「いいえ、命令は聞きません!!面白いと思っているならば、マスターも体験してみましょう!!」

 

「やめろ!!俺を死の直行便に誘うな!!」

 

「いいえ!!ここではダメージ受けませんから大丈夫です!!精々地獄を延々と巡るだけです!!」

 

「それなら死んだ方が良いわ!!永遠に地獄を巡るだけなら死んだ方が良いわ!!」

 

「平和だなー」

 

「そうね、キリト君♪」

 

「おいキリト!!テメエ!!自分だけほのぼのしてんじゃねぇぞ!!俺だって今からシノンにダイブしたいのによぉ!!」

 

「それ色々アウトじゃないですか?総督」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

一方………

 

「楽しそうだね♪あの3人」

 

「いえ、どう見ても1名楽しそうでは無い様に見えるんですが………」

 

「あぁ、シヴァが二人………」

 

「「フィリアさんェ………」」

 

「本物のシヴァは渡さないけど」

 

「上等よ………リアルに戻ったら先に奪ってやる………」

 

「あらあら、滑稽ですこと。シヴァからリアルに戻ったら何時か家を買おうって私に言ったわよ」

 

「なん………だと………!?」

 

『おいキリト!!テメエ!!自分だけほのぼのしてんじゃねぇぞ!!俺だって今からシノンにダイブしたいのによぉ!!』

 

「…………ぁぅ///………ぁのバカ///」

 

「……………負けたorz」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『あれから3時間後』

 

「ぜぇ………ぜぇ………お、終わったか………はぁ」

 

「と、というより………ユイとストレアが速い………です………」ガクッ

 

「kaimuー!!気絶するなら武器に戻れよー!!」

 

「いやそっちィィィィ!!?心配するとこそっちィィィィ!?」

 

「にいさまー!!」

 

 

てってとユイちゃんがkaimuの所に走ってきます。

 

 

「………な、何で………私が………貴女の………兄に………ならなきゃ………いけないんですか?………」

 

「だって、そうじゃないですか。私たちよりも早くに作られ、この世界に旅立ち、色んな経験をしてきたんですよ?実質、シヴァさんとユウキさんの兄妹という関係と一緒の筈です」

 

「同じプログラムだからとは言っても、役割が違うでしょ。それに、私はマスターの体を元として作られた存在。つまり刀以外に形が無かったものなんですよ。それをマスターでいう兄妹という関係と呼ぶには程遠い筈ですよ?」

 

「でもさー、一括りするば同じプログラムだし♪先に生まれたkaimuは私たちのお兄ちゃんになるんじゃないの?」

 

「kaimu、お前は妹たちを裏切るつもりか?」

 

「貴方に言われたくありませんよ、くそモジャモジャ」

 

「誰がくそモジャモジャだ!!?天パつってんだろ!!いい加減にしろよ!!つーか、それだとお前も一緒だろうが!!テメーこそくそモジャモジャだろぉが!!」

 

「って、誰がくそモジャモジャだぁぁぁ!!?」

 

「1人でボケとツッコミをするんかいぃぃぃぃぃ!!」

 

「あははー!!♪やっぱり面白いね♪シヴァって」

 

「何にも面白くねぇよ!!俺に面白さを求めようとするなぁ!!」

 

 

この時、それを見ていた全員が思った。

 

 

『ファミチキ食べたい』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

破壊神は信じぬく。破壊神が育てた鬼を

『2024年11月 第49層 ギルドホーム』

 

「………ふあ~。暇だ」

 

「お兄ちゃん、こっちだって暇だよ~」

 

「最近、召集会議も無いものね~。それよりシヴァ、47層行かない?久々に行きたいな~♪」

 

「そうだな~………行こうかねぇ」

 

 

こんな時間、続けば良いと思ってる自分が居る。

この世界はゲーム。リアルじゃない。でも、リアルと感じてしまう事がある。だが、やはり………

 

 

「お兄ちゃん、メッセ鳴ってるよ」

 

「んぉ?ホントだ」

 

 

メッセを開くと………ヒースクリフか。ロクな内容じゃねぇなこりゃ。

 

えっと………【75層ボス攻略に挑む。奇兵隊精鋭を決めてくれ。先程、75層に訪れた偵察隊の1部が全滅。5ギルド合計20人の内10人がボス部屋に入り閉じ込められ、その5分後残りの者がボス部屋に入ったが何も存在しなかった。話によれば転移結晶も使えなかった。情報は以上。後3時間後に来てくれ】。

 

 

「…………わりぃ、47層のデート行けなくなった」

 

「………ボス部屋?」

 

「あぁ、すまない。二人とも3時間後に行くから準備をしてくれ」

 

「「………分かった」」

 

 

二人は各々準備を始める。………俺はメッセを使い、キリトとアスナを呼び戻す。

 

ユイとストレアはkaimuの計らいでセーブモードにする事が出来る様になった。

 

セーブモードと言ってもアイテムに成るだけだが、kaimuと違い武器には成らなかった。

 

それでも、キリトのナーヴギアの容量にユイがギリギリ入り、アスナのナーヴギアにストレアが入る事は出来た。

 

だが、今回はボス攻略。そしてクォーターポイント。

さらに死と隣り合わせの階層ボスなのだ。恐ろしく強いのは勿論、バカみてぇに防御が高いのも1つ。

 

 

「………また、無茶苦茶な事をするのですか?マスター」

 

「………kaimuか。この状態で話すのは久々だな」

 

 

刀の状態で話しているのはkaimu。この状態でもアクティブモードの一部が存在している為、話すことも可能なのだ。

 

 

「しかし、ヒースクリフも何故………いえ、『茅場』………『創造主』は何故この様な事を………?」

 

「最初聞いた時は驚いた。まさかのってな。いや、まさかじゃない。『必然』なんだ。人のゲームを見ている時ほど、つまらない時間は無いってよ」

 

「………あの時のデュエル、あの方はオーバーアシストを使われた。負けそうだったから」

 

「そして、使ってまでも俺を倒しに来てた。何故か?それは………」

 

 

そんな中、俺の部屋の扉がノックされる。

 

 

「入って良いぞ」

 

 

扉が開かれる。キリトとアスナが帰ってきた。

 

 

「シヴァ………」

 

「総督………」

 

「………信じてるからな」

 

「「!!!」」

 

「お前らが信じろって言ってくれたんだろ?だったら俺はお前ら信じて1人突っ走っていく。俺の背中を守ってくれる1番頼りになる存在としてよ」

 

「…………あぁ!!そうだったな!!」

 

「………うし!!さっさと準備しな!!勝って皆で生き残るぞ!!」

 

「「「「了解!!」」」」

 

「シノン、ユウキ、終わったのか?」

 

「勿論。さっさと勝って、さっさと47層でデートしたいし♪」

 

「シノン………そうだな♪さっさと勝ってデートしに行くか♪」

 

「じゃあアスナたちも行ったらどうかな!?ついでにボクも!!」

 

「だったらユイとストレアでも連れて行くか!?そっちの方がおもしれぇしよ!!」

 

「良いですねそれ!!良いよねキリト君!?」

 

「そうだな………騒がしくなる方が良いな♪」

 

「ユナとノーチラスを忘れずにするか♪」

 

 

そこには………俺の部屋には、賑やかな奴等が居る。

こんな奴等を、俺は守りたい。例え、自分が死んでもな。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『転移門前』

 

 

奇兵隊精鋭が、転移門に来ると

 

 

「よぉお前ら」

 

「おっと、クラインにエギル。ってかエギルは久々の登場だな。御愁傷様」

 

「結構出番無くて暇だった………」

 

「お前らメタい」

 

 

そんな話の中、ヒースクリフが全員に話しかける。

 

 

「よく集まってくれた、感謝する。そして、私は諸君の力が集まれば切り抜けられると信じている」

 

 

ヒースクリフ………ここで終わりにさせてやる。ここで、アンタの夢を壊す。『破壊神』の異名において。

 

 

「コリドー・オープン!!」

 

 

回廊結晶が開かれる。

 

 

「行くぞ、テメエら」

 

『了解!!』

 

 

回廊結晶による転移門を通り抜け、ボス部屋を目指す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

死神は鬼に蹂躙される運命にある

『道中』

 

「………やけに静かだな。モンスターがポップしねぇ」

 

「お兄ちゃん、何か嫌な予感しかしないよ」

 

「……………兎も角、先に進もう。もし何かあったら俺がやってやるから」

 

「………うん」

 

 

75層の迷宮区、道中にて。ここに来て一番不思議な事が………モンスターがポップしないことだ。

 

この道でも普通にモンスターはポップする筈だ。では、どういうことなのか?

 

そんな考えをしていると………

 

 

「うああああぁぁぁぁ!!!」

 

 

1番後ろの方から叫び声が聞こえる。………まさか!!?

 

俺は直ぐ様1番後ろまで向かい、その光景を見た。

 

『モンスターが後ろから来ている』のだ。ぞろぞろと。

 

直ぐ様メッセでヒースクリフに、この現状を伝える。

 

メッセを伝えた直後、前に居た奴等は直ぐ様走っていく。

 

すると、今度はキリトからメッセが来る。

 

【残るのか】

 

たった一言。それだけであった。

 

しかし、俺は笑った。そしてメッセを使いキリトに伝える。

 

【総督命令だ。これから奇兵隊に命ずる事は“皆を導け”それだけだ。何、心配すんな。後で必ず会えるからよ】

 

それだけ。それだけを伝えると俺はモンスター共に向かい合う。

 

来ているのは『リザードマン』や『センチネル』、『エレメンタル』に『デーモンサバイバー』………うっわ、ゾロゾロゾロゾロと。パーティー会場にでもするつもりですか?このヤロー。

 

そんな他愛もない事を考えながら、『神壊刀・壊無』の刀身を鞘から引き抜く。

 

 

「お前ら………信じてるぞ」

 

 

そう言いながら、俺はモンスターの群れに突っ込んで行った。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

~キリトside~

 

一気に俺たちは駆け出した。モンスターをシヴァに頼んで、俺たちはボスの元へと駆ける。

 

結果としてはアイツを置いていく事になってしまった。いや、アイツは信じているんだ。俺たちを。

 

こんな俺たちに生きていく希望やら何やら与えてくれた、あのバカを俺たちが信じよう。

 

そして、ボス部屋前に到着。奇兵隊は人数が揃っていない。しかし、それでも………進むことを止めない。

 

ヒースクリフの作戦の確認の後、俺たちはボス部屋に入っていく。

 

中へ入れば何も見えない真っ暗な部屋。用心して、武器を取り出す。

 

 

「………!!!上よ!!!」

 

「!?………」

 

「何だよ………ありゃあ………」

 

 

アスナが上を見るように指示する。上に何か居ると分かり、見た。

 

そこには………

 

 

「スカル………リーパー………!!」

 

 

スカルリーパーは地面に降りようとしている。

 

 

「くっ!!全員距離を取れ!!着地の衝撃でダメージ判定が出る!!」

 

 

俺は咄嗟に全員に言った。それに反応し皆が離れていく。

 

俺たちも離れる。そして、スカルリーパーが着地する。

 

 

「ひいぃぃ…………」

 

1人、恐怖で逃げ損ねたプレイヤーが居た。

 

 

「シノン!!アスナ!!」

 

「「了解!!」」

 

 

先ずはシノンが弓スキル『ヘイル・バレット』を発動させ、スカルリーパーを牽制する。

 

スカルリーパーはシノンに気づき、目標を変える。

 

その間に動けなかったプレイヤーをアスナが助ける。

 

スカルリーパーがシノンに向けて攻撃を放つ。しかし、ヒースクリフによる防御でシノンに被害は無かった。

 

 

「キリト君。中々の状況判断能力だ、代わりに指揮をやってみないか?」

 

「………いや、アンタとの共同だ。俺1人じゃ何かと難しいからよ」

 

「そうか………分かった」

 

「………全プレイヤーに告ぐ!!タンク隊と俺たちがスカルリーパーの攻撃を何とかする!!その隙にスカルリーパーの横に行き、攻撃を仕掛けてくれ!!」

 

 

俺の言葉で、皆が動き始めた。だが同時に、シヴァはたった1人で続けていた事を改めて理解した。

 

 

「奇兵隊!!総督の命令だ!!」

 

 

後1つ、言っておくことをすっかり忘れてた。

 

 

「皆を導け!!それだけだ!!」

 

 

少しの間、そんな少しの静寂の後、俺の方に向かい言ってきた。

 

 

「「「了解!!」」」

 

「………奇兵隊!!突撃いぃぃぃぃ!!」

 

 

俺たちは駆け出した。スカルリーパーを倒すために。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

~シヴァside~

 

「フッ!!」

 

「グギイィ!!」

 

 

俺が斬った『リザードマン』はポリゴンとなって姿を消した。しかし、後ろから『エレメンタル』の攻撃。

 

それを後ろを見ずに横に避け、頭部にある弱点を『薙刀・梅桜』に武器を入れ替え刺し込む。

 

梅桜を手放し壊無と入れ替え、目の前にいる『センチネル』3体を斬り捨てる。

 

この作業をやってたお陰で72体居たが残り10体まで減った。

 

残っているのは『リザードマン』3体、『デーモンサバイバー』2体、『センチネル』1体、『エレメンタル』4体………くそっ、エレメンタルが固い。

 

 

「しゃあねぇか………初めてスキルでも使いますかね」

 

「ですがマスター、その場合硬直によるダメージが伴いますが」

 

「これぐらいならまだ平気だ。それにソクラテスの効果もあるしよ」

 

「………そうですね、では」

 

「おっけ、ちゃっちゃと殺るぜ!!」

 

 

壊無を構え、力を込める。壊無が青く光だし、俺の体は勝手に動いた。………やっぱ、システムアシストより自分の勘が1番だな。

 

【旋車】。初期の技だが、壊無で攻撃すれば一撃必殺級の威力技に変貌する。つまり………

 

 

「ォォォオオオ!!」

 

「グギィヤァ!!」

 

 

残りの10体に全てに攻撃可能。それでも3体程ポリゴンになる程度だが、モンスターのHPが急激に減っている。これなら!!

 

硬直が終わり、モンスターの間を潜り抜けながら各々に最後の1発を与える。そこでモンスターは全滅した。

 

俺はボス部屋に向かう。アイツらが待つ場所へと。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~キリトside~

 

「セェエアラァ!!!」

 

 

エギルの斧攻撃でダメージを与える。すかさず俺は

 

 

「スイッチ!!」

 

「おう!!」

 

 

立ち位置を入れ替え、二刀流スキル27連撃【ジ・イクリプス】を発動させる。

 

別の場所では、アスナが細剣スキル【スピカ・キャリバー】を。ユウキが【サベージ・フルクラム】を。シノンが【ヘイル・バレット】を使う。

 

それぞれのスキルがスカルリーパーに直撃し、スカルリーパーは咆哮を上げポリゴンと成り消滅する。

 

その光景を見た後、俺たちは疲れからか地面に伏してしまう。

 

 

「………終わった………のか」

 

「キリト!!アスナ!!シノン!!ユウキ!!無事か!?」

 

「あーお兄ちゃんだー。ハハハー…………」

 

「ってちょ!!ユウキ!?」

 

「………大丈夫、唯疲れて寝てるだけね」

 

「あ、なら良かった………はぁ………」

 

 

シヴァがへなへなという擬音が似合うほどに座り込む。心配しすぎだ、バカが。

 

 

「なら………」

 

 

シヴァは突然、見ていた方向を変えた。

『ヒースクリフ』の方向に。

 

刹那、シヴァは壊無をヒースクリフに当てた。

 

しかし、それは………『Immortal object』という文字と紫の障壁と共に防がれた。

 

 

「さぁて、最後の晩餐と行こうじゃあないか。

 

 

 

 

 

 

 

        茅場昌彦

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

緋vs銀

「………何時から気付いていた?」

 

 

紫の障壁が出現しながらヒースクリフが言った。そう急かすな、今から言うからよ。

 

 

「先ずはデュエルの時。アンタ、態々『楯を捨てる為だけに』オーバーアシストを使ったろ?軽量化も含めて、奇想天外な発想でビックリしたぜぇ」

 

「………勿論、それだけじゃあ」

 

「無いんだな。これが」

 

 

一旦俺はヒースクリフから距離を取り、壊無を見せる。

 

 

「この壊無は実を言えばAI。それも『カーディナルそのものに保護されている』学習プログラムなのさ。幾らカーディナルが自分で学び、考えるといっても限界があるから作らせたんだろうが、逆にアンタの正体がバレちまったな」

 

「………飼い犬に手を噛まれるとはこの事か」

 

 

ヒースクリフは溜め息の後、此方に向かい話した。

 

 

「そうだ。私は茅場昌彦だ。そして、本来最上層で待つ筈だったこのゲームのラスボスでもある」

 

「漸く尻尾を見せたか、化け狐」

 

「出さなければならない状況を作ったのは君だろう?」

 

「はぁて、何の事やら?」

 

 

ヒースクリフがメニューを出すと、この部屋に居た全員が突然動きを止めた。俺とヒースクリフ以外。

 

 

「麻痺かい。ここでハンデでも与えようってか?」

 

「『チャンス』の間違いじゃないか?ここで私を殺せば、ゲームに囚われている全ての人間を解放しようじゃないか」

 

『!!!?』

 

「へぇ、アンタも酔狂な奴だなぁ。自ら閉じ込めさせた全プレイヤーを解放するなんざ、普通考えねぇぜ?」

 

「これはチャンスと言っただろう?私と君との一騎討ちだ。『それに勝てば』の話だがな」

 

「んまぁ、分かりやすくて良いねぇ。俺好みだ」

 

「君、学力低いだろ?」

 

「失敬な。これでも偏差値83だ」

 

「ほぉ………人は見かけによらないというが、実際に居たとは」

 

「一言余計だっつーの」

 

 

メニュー画面を操作しながら話してくるヒースクリフ。話が終わると、俺の目の前にデュエル申請の画面。

 

俺は承諾し、【完全決着】で挑む。

 

さて、残り60秒。何をしようかね。

 

 

「おい…………シヴァ………」

 

「………キリトか、お疲れさんだったな。俺が居ない間、よく頑張ってくれたな」

 

「なん………で………また………」

 

「………最後の総督命令だ」

 

「!?最後って…………お前!!」

 

「…………んま、後の事は頼んだぜ。腐れ縁」

 

 

残り10秒。9…8…7…6…

 

………ん?ヒースクリフの装備が変だな………って、ありゃあ!!!

 

 

「【紅桜】ァ!!?おま、何で!?」

 

「こちらの方が面白くなるからだ。この刀、作ったのは良いが一癖も二癖もあったな。その代わり、性能は君の壊無には負けてないがね」

 

「………つまり、俺と戦う為ってか。上等、さっさと来いよ」

 

 

ヒースクリフは何も言わず、紅桜を構えた。

 

 

「………って、その構え牙突じゃねぇか!!!何!?お前パクりたいの!?それとも無自覚!?」

 

「牙突?………はて、何の事やら」

 

「いや、その表情は知ってるだろ!!!どう見ても笑ってんじゃねぇか!!!しかもドヤ顔決めてんじゃねぇよ!!!色々と謝ってこいテメーは!!主にるろ○に!!!」

 

 

そうこうしてる内に残り2秒。すかさず壊無を居合いの構えに合わせる。

 

アラームが響く。俺たちは動き出した。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~三人称視点~

 

両者が同じタイミングで動き出す。

 

ヒースクリフは何処ぞのる○剣の牙突を放ち、シヴァは鞘から一気に壊無を抜刀する。

 

お互いの刀から鳴り響く金属音。

 

両者共にそのまま真っ直ぐに行き、シヴァはつま先で着地し立ち上がる勢いで自分の体を回転させ、壊無を振るう。

 

ヒースクリフは回転で来た壊無を紅桜で受け止める。

 

お互いの武器から火花が散る。

 

つばぜり合いに持ち込んで様子を伺う。

 

 

「テメエ、ここで自分の命を落とすつもりかい!?そんなんじゃあ納得しないんだが!?」

 

「安心しろ、リジェネで持たせている」

 

「なら存分にッ!!!」

 

 

距離を取った後、接近し上にジャンプをして武器を左から右へと一閃する。その攻撃を武器を縦にさせて防ぐヒースクリフ。

 

着地の後、突きを狙って放つ。ヒースクリフも然り。

 

お互いの左肩にダメージエフェクトが現れ、ノックバックでも付いているのか後ろに飛ばされる。

 

直ぐ様立ち上がり、武器を構える。

 

 

「なーんかノックバック付いてるんじゃねぇの?その紅桜。前まで無かったのによ」

 

「この世界には強化というのが有ってだな」

 

「んまぁ、俺のも強化だがよ」

 

 

ソクラテスを着ているシヴァでさえも、ダメージが1/6程減る。そこまで強くなっていたという事だ。

 

しかも耐久値はほぼ無限。体力が続く限り、終わらない。

 

しかし、ヒースクリフの方も1/7程減っていた。

 

 

「(だったら、攻めるしかねぇな)」

 

 

シヴァは走り出した。そして刀を振るう。

 

刀を振った後、何処かへと消えた。

 

ヒースクリフは刀を後ろに回した。すると再び鳴る金属音。

 

シヴァは何時の間にかヒースクリフの後ろに居た。

 

 

「小細工は通用せんぞ」

 

「だろうなッ!!!」

 

 

シヴァは現在持てる速度距離を詰めてで刀を振るい、距離を取ってまた詰めて振るう。ヒット&アウェイの戦法でヒースクリフを仕留めに行く。

 

対しヒースクリフは防御の後、隙を見つけては的確に狙っていく。だが的確に狙っているとはいえ、当たる事は無かった。

 

しかも防御しているとはいえ、少しずつだがダメージの蓄積もされている。リジェネの効果を持ってしても、このダメージ差は埋まる事は無く只ひたすらに削られていく。

 

そして、それが暫く続き漸くヒースクリフのHPがイエローに成った途端。

 

 

「ハアッ!!!」

 

「ッ!!?」

 

 

ヒースクリフが漸く攻めた。オーバーアシストは使っていない筈だが、腕を振る速度や移動速度が上昇されていた。

 

間一髪で避けるシヴァも攻撃の手を緩める事は無く、隙を見つけては攻撃を仕掛ける。

 

だがヒースクリフは防御するどころか、回避を重点的に置いて戦っているようであった。

 

互いに譲らない状況の中、お互いのHPはそれぞれ

シヴァ:残り1/4 ヒースクリフ:残り1/3

という状態にまで持ち込まれていた。

 

ここでシヴァは何を思ったのか、壊無をヒースクリフの方に投げ【薙刀・梅桜】へと武器を変更する。

 

難なく避けるヒースクリフだが、続いてシヴァの攻撃で防御せざるを得なかった。

 

 

「シヴァ君、君の最強武器を自ら放棄したのか?」

 

「まっさか。俺が何の考えも無しに愛刀投げ捨てると思うか?」

 

 

シヴァは薙刀で押さえつけ、追撃にナイフを投げる。

 

咄嗟のナイフだったのでヒースクリフの体に刺さる。

 

そのナイフが刺さるとヒースクリフの体勢が崩れる。

 

 

「!!?これは………」

 

「そのナイフ、麻痺属性ナイフなんだよねぇ」

 

「こんなもの、直ぐに消しt」

 

 

瞬間、ヒースクリフの心臓辺りに何かが刺さった。

 

ヒースクリフは自身の体を見てみると、先程投げられた壊無が刺さっていた。

 

シヴァは薙刀を天高く掲げ、ヒースクリフに告げた。

 

 

「GAME CLEAR」

 

 

その薙刀でヒースクリフを斬る。

 

その攻撃の後、ヒースクリフは微笑んだかの様であった。

 

そして、ポリゴンとなって消滅した。

 

 

『11月7日14時55分 ゲームはクリアされました』

 

 

無機質な音声が、このゲームの中に居る全てのプレイヤーに響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ALO
シリアスはまだまだ続くんだお


『2ヶ月後 2025年 1月19日』

~キリトside~

 

あれから2ヶ月経った。目覚めた俺は直ぐ様シヴァ……銀の元の病室と明日奈の居る病院の情報を《総務省SAO事件対策本部》の役人と交換。俺はリハビリで筋肉が好調に向かいつつある時、銀の病室へと向かった。

 

今は銀の病室に、俺、明日奈、木綿季、詩乃、琴音、悠那、鋭二、直葉が居た。

 

銀の側に木綿季、詩乃、琴音が居た。木綿季は銀の手を握っていた。

 

 

「………ねぇ、お兄ちゃん。今日もね、皆来てくれたんだよ。お兄ちゃんの為に、皆来てくれたんだよ」

 

 

木綿季は銀に語りかける。その表情は嬉しそうだが、心の中では悲しそうであった。

 

今現在、まだ約300人プレイヤーが帰って来ていないという事。

 

銀も、その1人だった。

 

 

「だからさ………帰って来てよ………お兄ちゃん………」

 

 

その場で嗚咽し続ける木綿季。この場の空気は、とても重苦しい物であった。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

俺だけ病室を出ると、銀の両親が来ていた。

 

 

「また来てくれたんですね、皆さん」

 

「銀将さん、彩月さん………どうも」

 

「そう悩んだ顔をしないで和人君。それに銀ちゃんなら『そんな顔してると、その顔に成るぞ』なーんて言うわよ」

 

「………そう、ですね。でも………やっぱり、大きすぎた」

 

「………私たちは君たちに何が有ったのかは知りません。ですが、銀はあらゆる者たちを導いた。この人数を見れば分かります。だからこそ失った時の代償も大きいのは理解できます」

 

 

そう言うと銀将さんは俺の頭に手を置き、また言葉を綴る。

 

 

「ですが、銀は貴方たちに何か託して行ったんじゃ無いんですか?銀は何時も変な所で勘が鋭いのでね」

 

「……………」

 

「では、私たちは銀のお見舞いに行ってきますよ。それと銀の意思と言葉を理解しないでやってください」

 

「………えっ?」

 

 

そう言うと銀将さんと彩月さんは病室に入っていった。………先程の言葉に、一体何の意味があるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『翌日』

 

その日の翌日、エギルから一通のメールが届いていた。

 

それを確認すると、見慣れたローブを纏った顔の見えないプレイヤーが映っていた。

 

それを確認すると、俺は直ぐ様準備を始め家を出た。

 

家を出ると、隣から木綿季と詩乃が出てくる。

 

俺たちは顔を見合わせた後、同時に頷き、エギルの店【ダイシーカフェ】に行くために『東京都台東区』へと向かう。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

【ダイシーカフェ】にて

 

「………いや、呼んだのはお前ら3人だよな?」

 

「それがどうかしたかしら?」

 

「何で増えてんだ?」

 

「連絡したら来てくれたの!!皆、お兄ちゃんを救うために!!」

 

「………おいおい、ここまでの人数分揃ってねぇのによぉ」

 

 

そんな戯言を呟くエギル。だが、言いたいことも分からんでもない。ここには鋭二と悠那と直葉を除く5人が来ていたのだ。………ってか、誰が明日奈を呼んだ?

 

 

「私を呼んだのは木綿季ちゃんよ。和人君」

 

「何だ木綿季だったのか………で、琴音は誰が?」

 

「私が呼びました♪」

 

「何だ明日奈が呼んだのか」

 

「そこのカップル、早くエギルの話を聞くわよ」

 

「「はい………」」

 

 

詩乃は銀が居ないため、少々………否、かなり不機嫌になっている。琴音も然り。

 

 

「ゴホン。それじゃあ、早速だがコイツを見てくれ」

 

 

エギルは何か取り出す。ゲームだが………これは?

 

 

「これって………!!!『アルブヘイム・オンライン』!?」

 

「明日奈は知ってたか。そう、単刀直入に言えば『シヴァはこのゲームに閉じ込められている』………って言いたいな」

 

「でも!!あのローブは見覚えがあるよ!!!お兄ちゃんが何時も着ていた強い防具だよね!?」

 

「私はそうだと思う。てか、そうであって。そうじゃないと今から発狂しそう」

 

「詩乃のん!?怖いんだけと!?」

 

「………兎も角、シヴァはこのゲームにある世界樹の『隠し部屋』に居る」

 

「???隠し部屋?何でそんな所にシ………銀先が居るの?」

 

「実は1週間前、とあるアップデートがあってな。何でも『グランドクエスト』を突破する唯一の方法が追加されたんだ。そのクエストを受けて、部屋に入って記録結晶で撮った写真が」

 

「これなのか。このローブ………銀の姿が」

 

「あぁ。だが、強さは異常。たった2秒程で6人パーティーの内5人がkillされた」

 

「一気に5人!?そんな無茶苦茶な!!」

 

「唯一逃げ延びた奴が撮った写真なのね………この銀の写真は」

 

「………エギル、このゲーム貰って良いか?」

 

「そうだと思って3人分用意していたんだが………後2人増えたな」

 

「私は大丈夫だけど………琴音ちゃんが」

 

「………なら、琴音お姉ちゃんのはボクのあげるよ!!」

 

「木綿季ちゃん!?でも、それは………」

 

「ううん、良いの!!それに、ボクのはお父さんに頼んでみるよ。多分、お父さん買ってくれるし!!」

 

「木綿季………」

 

「………でも、良いよ。私は私で何とかするから。木綿季ちゃんは早くお兄ちゃんの所に行ってあげて」

 

「琴音お姉ちゃん………」

 

「木綿季。琴音の好意に甘えよう。木綿季が1番助けたいのを知ってて琴音はそうしてるんだからな」

 

「行くんだな。お前たち」

 

「あぁ。あのバカを救いに行く」

 

「………因みにだが、ナーヴギアでも稼働は出来る。アミュスフィア専用って書いてるが、アミュスフィアはナーヴギアの安全版だからな」

 

「ありがとうな、エギル」

 

 

俺たちはダイシーカフェを後にし、各々の家へと帰る。

 

そして、俺はナーヴギアに願いを込めて………

 

 

「『リンクスタート』!!」

 

 

再び仮想世界へと踏み入れるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

リバウンドってあるよな………察しろ

~キリトside~

このALOにログイン直後、俺はアバターを決めていた。各種のアバターが決められており、外見はランダムに生成されるらしい。

 

俺は勿論、黒推しなので【スプリガン】という種族にした。

 

そして、ALOに突入!!!………だったのだが、空に居ました。

 

 

「………何でだあァァァァ!!!?」

 

 

叫びながら落ちた。地面に衝突し酷い目にあったと思いつつ体勢を立て直す。

 

その後、草むらからガサゴソという音が聞こえてきた。

 

俺はその方向に向き、片手剣を構える。現れたのは………『銀』だった。

 

 

「…………へっ?」

 

「あ、キリトさんでしたか。ここに落ちたの」

 

「………もしかして………kaimu?」

 

「もしかしなくてもそうですよ」

 

「………………」

 

 

暫く呆気に取られていた。そして………

 

 

「何で居るんだあぁぁぁぁぁ!!?」

 

 

少し叫んだ。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

「いや、本当に叫ばないでくださいよ」

 

「いや、ごめん」

 

「ごめんなさい兄様、パパが迷惑をかけてしまって」

 

「ユイ、謝らなくても構いませんよ。気にしてませんし」

 

 

少し落ち着いて、kaimuとユイと………先程襲われていたシルフの『リーファ』もとい『スグ』と話している。

 

何故スグが居るのかというと、サラマンダーの男3人組に襲われていた所を俺とkaimuで撃退したため。残り1人は命惜しさに逃げました。

 

勿論、銀の姿をしているkaimuにスグは驚きを隠せず、コイツの正体を教えるとショート寸前までもたらされていた。

 

 

「え、えーと………こっちの銀さんはAIで、今病室に居る銀さんは本物で………あれ?何だっけ?」

 

「頭ぶっ壊れ過ぎじゃありませんか?リーファさん」

 

「ス………リーファはこういう奴なんだ。理解不能の状況に陥ると直ぐこれだ」

 

「まぁ突拍子過ぎる情報を詰め込み過ぎれば混乱するのは目に見えています。兄様、もう少し簡潔に」

 

「それもそうでしたね………っと、それより向かうのでしょう?あの世界樹へと」

 

「!?kaimu知ってるのか!?」

 

「えぇ。全ての記憶を私に託して、私を逃したんですよ。あのバカマスター」

 

「シヴァの扱い酷くね?」

 

「これぐらいが丁度良いのです………っと、それより、マスターを救う唯一の方法をお教えしますが構いませんか?」

 

「………あぁ。聞かせてくれ」

 

「では。………その前に、リーファさん!!」

 

「は、はい!!!何でひょうか!?」

 

「………この真っ黒黒助に飛び方教えてやってください」

 

「おいこら、何だその言い方は?」

 

「貴方の外見をそのまま表した言い方です。それとも厨○病末期とでも呼ばれたいですか?」

 

「何で俺が厨○病なんだよ!?ってか、俺は16だ!!厨○じゃねぇ!!」

 

「いやいやいや。そんな何処ぞの“ピーー”作品の“プーー”の真っ黒黒助みたいに黒一色でしょうに」

 

「“ピーー”作品の“プーー”って何ですか兄様?」

 

「マスターに聞いてください」 

 

 

何やかんやあり、俺は飛ぶことに成功。kaimuは飛べなかったので俺に掴まる形で空中に居た。

 

 

「って飛べねぇのかよ」

 

「何故かプライベートピクシーになれず、代わりに武器モードとこのアクティブモード………といっても、ここではNPCプレイヤーの扱いですが」

 

「………めっちゃ頼もしいと思うのは俺だけか?」

 

「コホン。それはそうと話しておかなければならない事なのですが………」

 

 

kaimuは少し躊躇いつつも、何とか話してくれた。

 

 

「先ず、マスターですが………現在、記憶全てを失っています」

 

「………それは聞いた。それで?」

 

「マスターの記憶を元に戻すには、マスターの体に私を刺せば良いこと。これだけです」

 

「………分かった。それより………何で武器にならないんだよ!?お前そもそも武器だろ!?何で人形なんだよ!?」

 

「この姿が都合が良いんですよ。この世界じゃあ私はマスターから託された記憶を辿って、ある力を使えますから」

 

「ある力!?何だそれ!?」

 

「それより、そろそろシルフ領に到着致します。お気をつけください」

 

「あ、分かった」

 

 

kaimuからそろそろシルフ領に到着するというアドバイスを貰う。

 

 

「あ、そういえば止め方分かります?」

 

「…………あ」

 

「………それじゃあ降りさてもらいまーす」

 

「え、ちょ!?」

 

 

kaimuが俺から離れて、自然落下していく。見ると着地と同時に受け身の体勢を取ってダメージを逃がしていた。

 

そんでもって俺は………塔の壁に激突寸前であった。

 

この時思った。野郎ぶっ殺してやらー!!!

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

「さてっと、どうしましょうかね?」

 

「おい待て無視かい。さっきの行動無視かい」

 

「それよりもですがリーファさん、休める場所は何処に?」

 

「あ、はい!!こっちです!!」

 

 

リーファが先頭となり、案内されようという時………また1人、シルフの妖精が何処からか来た。

 

 

「リーファちゃん!!無事だったんだ!!」

 

「ゲッ!!レコンだ」

 

「ふむ、苦手と」

 

「何書いてんだお前は」

 

「そもそもカーディナルの学習プログラムの一部ですし」

 

「………リーファちゃん!?何でスプリガンと………何の種族?」

 

「ただのしがないNPCプレイヤーです。AIですが」

 

「へぇー………って、それよりリーファちゃん!!このスプリガン、スパイとかじゃないの!?」

 

「スパイって何だ?」ヒソヒソ

 

「ここでは幾つかの領に分けられておりまして、そこでは対立とか結構あるんですよ」ヒソヒソ

 

「思ったよりリアルだな」ヒソヒソ

 

「あー、このスプリガンと人はアタシを助けてくれたの。それにスパイにしては天然ボケ入りすぎてるし」

 

「……………」

 

「貴方の性格なら仕方無いです」

 

「orz」

 

「そ、それよりリーファちゃん!!シグルドたちは何時もの酒場で待ってるってさ」

 

「あー………アタシ今日は良いや。この二人と話があるし」

 

「そ、そうなんだ………」

 

「じゃあねぇ」

 

 

そう言って、リーファは先に歩き始めた。俺たちもリーファの後を着いていくことにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ザ・シリアス

『すずらん亭』

~キリトside~

 

「つまり、そのAIは銀さんがSAOで出会った最強の武器って訳なんだ」

 

「初めてこの姿見たときは驚いたが、今でも慣れない物なんだな」

 

「そんな事よりモキュモキュここのモキュモキュお餅モキュモキュ旨いモキュモキュですねモキュモキュ」

 

「モキュモキュモキュモキュうっせーんだよ!!!食うか喋るかどっちかにしろや!!ってか何で餅!?」

 

「いえねモキュモキュマスターが好きなモキュモキュ食べ物をモキュモキュ試しにモキュモキュ食べているモキュモキュだけですモキュモキュ」

 

「………兄様、そろそろ何でこのALOに居るのか教えてくれませんか?」

 

「ん、そうですねゴックンぷひー」

 

 

現在、俺たち4人はリーファの薦めで『すずらん亭』で軽食を取っている。

そこでkaimuが何故ここに居るかという理由を話していく事になったのだが………kaimuが居るだけで俺にツッコミの役割が与えられるのだ。分かるよな?つまりめんどくさい。

 

 

「では………話していきましょうか」

 

 

kaimuの真剣な表情に俺たちも真剣な表情をする。

 

 

「先ず、この世界に来た主な要因としては『マスターも実験台の1人だった』ことです」

 

「実験………?」

 

「『須郷伸之』………このALOを製作した『レクト』の人間が発案した物です」

 

「!?レクトって………まさか………!!」

 

「………須郷伸之の目的は『人間の支配』が簡単に伝わりやすいですね。もっと細かく言えば『人間の脳の支配』ですね」

 

「脳の支配………!?そんなこと………」

 

「レクトの人間です。つまり『SAOにも関与はしている』。それは『未だ目覚めない者たちの存続』。今蔓延っている噂を利用し、疑いの目を向けさせないようにしているんです」

 

「須郷………伸之………明日奈の病室に居た男か………」

 

「ええ。約300人を被験体とし、記憶の操作や人間の五感操作等を実験しているんです。そして、その第1号が………」

 

「銀さん………なのね………」

 

「………反吐が出る……」

 

「そしてマスターと私はとある部屋らしき場所に強制転移させられ、そこで延々とモンスターとの戦闘をしていたんです。しかし、幾ら倒そうとしてもレベルが上昇された状態でポップする為、どんどんマスターの精神も削られていったんです」

 

「………一体、どのくらいなんだ?」

 

「………集計して約3567体、レベルにして260程です」

 

「「「!!!?」」」

 

「耐えきれなくなったマスターは私に記憶の全てをコピーさせ、私だけを逃しました。そして1週間前、マスターが出るクエストの話を耳にしました」

 

「だが、それは操られている銀………シヴァであった」

 

「………そして、私はマスターの記憶から有力な情報を引き出し、カーディナルのプログラムを利用し能力を具現化させました。その能力こそ【幽波紋《スタンド》】」

 

「「すた………んど………?」」

 

「マスターが現実世界でも所有している能力の1つです」

 

「「…………えっ?」」

 

「といっても、現在マスターは使えません。この幽波紋の存在を須郷は認識出来ていない為です。もし使えていたら………マスターを救うことは出来なかったでしょう」

 

「………kaimuさん、そのスタンドってどんな感じなの?」

 

「そうですね………ここでもスタンドは見えないので、マスターの記憶から引き出すと『直すまたは治す』能力、『時を止める』能力etcetc………出せばキリがありません」

 

「「……………ハアァァァァァ!?」」

 

 

これには驚いた。時が止められるのだ、あの銀が。あのチャランポランが。

 

 

「と、そろそろ現実世界では4時ですね。私は他の方が来ておられないか探してみます。キリトさん、リーファさん、フレの登録をお願いします」

 

「「あ、うん」」

 

 

そして俺たちはkaimuとフレ登録をした後、すずらん亭でセーブし現実世界へと帰るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~“kaimu”side~

 

さて、探しに行きますか。マスターの使うスタンド【ダブルス】を発動させます。

 

 

「『ハーヴェスト』『ハイウェイスター』」

 

 

ハーヴェストで探知、ハイウェイスターで匂いを覚えて居場所を特定させます。

 

3時間後、4人の匂いと存在を確認。『ハーヴェスト』を『ザ・ワールド』へと変え、時を止めて先ずは………

 

 

「アスナさん!!」

 

「へっ?………ってシヴァさん!?何で………!?」

 

「いえ、kaimuです。知ってますよね?」

 

「あっ………kaimuなんだ。って、どうやって来たの!?」

 

「話は後で。後の3人を見つけましょう」

 

「そういえばキリト君は!?」

 

「キリトさんなら合流して事情を説明しました。後は貴女を含めた4人だけです」

 

「わ、分かった」

 

「では、集合場所として………この湖に集合してください。話はそこで」

 

 

アスナさんは頷き、私は時を止め残りの3人『シノン』『ユウキ』『フィリア』さんに事情を伝え、現在は湖で事情を説明が終わった所です。

 

 

「お兄ちゃんが………そんな………」

 

「しかも、総督が能力者って………不幸中の幸いというべきなんだろうけど………」

 

「kaimu、何でこの場所に?」

 

「貴女たちはここで待ってもらいたいのです。計算上、今からキリトさんが居るシルフ領に着くのは遅くとも現実で8時程かかります。そこで貴女たちはここで現実世界に戻ってもらい、私が貴女たちの体を死守するのです」

 

「でも………!!それだとkaimuが………!!!」

 

「あんな場所で3567体も共に戦い続けた事よりマシです。それぐらい簡単な事なので」

 

「………聞けないわよ、そんな事」

 

「………では、ここで死ぬと、また一から領のやり直しです。それは効率が良くない。つまり、救う事すら出来なくなります。理解のご協力の願いたいです」

 

「ッ!!………分かった」

 

「では皆様、また翌日」

 

 

そこで4人の体は崩れるように地面に倒れ込み、私は4人の体を死守する体勢を取る。

 

しかし、その周囲にはサラマンダーが52体。ですが………

 

 

「生温い」

 

 

その一言を告げると、私は時を止めてサラマンダーの30体をエンドフレイムへとさせる。

 

これぐらい、あの時に比べれば造作もないッ!!!

 

あの地獄に比べればッ!!!マスターの置かれている状況に比べればッ!!!

 

そうして、私は向かってくるモンスターやプレイヤーを倒しまくる。かつてのマスターの異名『破壊神』の如く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ごーりゅー………もう適当で良いよね?タイトル

『翌日 ALOにて』

~キリトside~

 

俺とスグは昨日、あの出来事の全貌を聞かされ隣に居る木綿季と詩乃 ー詩乃はSAO事件から銀が目覚めない事を知って坂倉家に滞在中ー が坂倉家に集合。

 

そこで話し合っていた途中、何処からか彩月さんが乱入。話の内容を聞いていたそうだ。因みに、どこから聞いていたかというと

 

 

「最初っからよ♪」

 

 

どうやって入ってきた?ってかどうしたら俺たちが気付かないんだ?

 

兎も角、俺たちはゲーム内での須郷の行動を打ち砕く必要性がある。彩月さんの推測で「そういうタイプの人間は結構敏感で、ちょちょっと突っつけば尻尾だすわよ♪」などと嬉しそうに言っていたのは良い思い出。

 

そして、今はALO内。そこでkaimuからメッセで【ルグルー回廊に続く道の途中の湖で待っています】とあったので、少々ごたごたがあったが装備を変えて出発。

 

そして、その途中の湖に皆が居た。

 

 

「おーい!!kaimuー!!………とストレア!?」

 

「あ、やっほー!!キリトー!!」

 

「………お兄ちゃん、あれ誰?」

 

 

リーファが少々引き気味で俺に尋ねる。いや、引かないでくれよ。

 

 

「ストレア!!無事だったんですね!!」

 

「あー!!ユイだー!!」

 

「………つまりAI?」

 

「理解が早くて助かる」

 

 

俺とリーファはkaimuとストレアとシノンとユウキと………何故かぐったりして意識が無いアスナとフィリアが居る。

 

 

「いや、何でこんな感じ?」

 

「本来フィールドでログアウトするとアバターが無防備状態になるので私たちが守っていたんです」

 

「………何時間程なんですか?」

 

「おおよそリアルで20時間前後」

 

「「……………」」

 

「それより、私も疲れました………」

 

「???兄様、私たちはデータですから疲れる事は無いのですが?」

 

「ユイ、例えデータであっても処理能力が限界というケースがあるでしょう?それと人間の疲れと似たような物です」

 

「あー、成る程ー!!kaimuの今までの経緯だと仕方無いね」

 

「それより、この中で刀使いは居ませんか?」

 

「私がそうです」

 

「あ、じゃあ失敬して」

 

 

そう言った直後、kaimuは【神壊刀・壊無】に変わる。

 

初めてセーブモードのkaimuを見たリーファはまじまじと見つめていた。

 

 

「あのー、そろそろ装備してくだされば宜しいのですが………」

 

「あ!!ご、ごめんなさい!!今すぐします!!」

 

 

リーファは壊無を拾い、今持っている装備と入れ換える。

 

リーファは徐に壊無を手に取り、感触を確かめていた。

 

 

「どうだ?壊無の感想は?」

 

「………はっきり言って恐ろしく馴染んでる。さっき装備してた武器より断然馴染んでる」

 

 

リーファの感想『恐ろしく馴染んでる』です。ってか壊無がリーファに馴染ませているのか?はたまたリーファと壊無が奇跡的に合っていたのか?

 

 

「馴染ませてますよ、キリトさん」

 

「うわぁ!!!び、ビックリしたぁ~」

 

「これは失礼しました。そんでもってですが、本来は最初に手に取ったプレイヤーに馴染ませているのです。しかし、今回は事が事の為やむなく馴染ませているだけです」

 

「………何か………ムカついてきた………」

 

「兄様、そんな事言ってはいけません!!」

 

「そう……ですね………そろそろ………寝ます………」

 

 

そう言った直後、壊無がセーブモードのまま待機状態になる。話しかけても応答しないので俺たちは残りの2人が目覚めるのを待った。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

それから暫くしてアスナとフィリアが目覚めて、俺たちは央都アルンへと向かう。

 

 

「………ん?」

 

「キリト君、どうかした?」

 

「あぁ、アスナ。いや………何か見られてる気がしてな」

 

「???見られてる?」

 

「私にも反応は無いですよ、パパ」

 

「もしかして、トレーサーだったりして」

 

「「トレーサー?」」

 

「追跡魔法の一種で、大抵小さな使い魔の姿で術者に対象の位置を教える魔法なんだけど………もしトレーサーだったとしても、このフィールドだと見つけるのは困難よ」

 

「………そうか、それじゃあ目的地まで急ごうか」

 

「「分かった」」

 

 

俺たちはアルンまで飛んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

~???side~

 

………一体、何時になれば解放される?どのぐらいの時間が経てば俺は戻れる?

でも、何故そう思うのかさえ………分からない。

大事な何かを忘れている………そんな気がしてならない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~シノンside~

 

銀………待ってて。今すぐ助けに………行きたかった。

 

アルンに向かう途中の洞窟でリーファがトレーサーなる使い魔を破壊したことにより、私たちはルグルー回廊で迎え撃つ作戦を取る。

 

振り向けば、複数体のサラマンダー。前衛にタンク三体に後衛にメイジ8体の布陣。

 

キリトが対策しようとしたが、そこでリーファの装備として休んでいたkaimuが動き出した。

 

アクティブモードに移行したkaimuがしようとしている行動は………もう銀………シヴァを見ている感覚であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

スタンドはチート。ハッキリ分かんだね

~“kaimu”side~

 

「ん~、さてさて………私も少しはスタンドの調整をしなければいけませんねっと」

 

 

首をポキポキと鳴らして私はサラマンダーたちに向かい合う。

 

マスターのスタンド【ダブルス】を発動させた後………

 

 

「【ホルス神】【アクアネックレス】」

 

 

2つのスタンドに変化させる。

 

と、ここで皆様が疑問に思ったことを解消させましょうか。何故この場でアクアネックレスを出したのか?なぁに簡単な事です(ゲス顔)

 

 

「そういえば、皆様。ここ【ルグルー回廊】の水中にはモンスターが居るそうですね」

 

「………それがどうしたというのだ?」

 

 

一人のサラマンダー………どちらかといえば、ここのリーダー的存在ですか。成る程。

 

 

「いえね、私気になったんですよ。ここの水中のモンスターは水中だけでしか動けないのか?っていうちょっとした疑問を」

 

「………ブハッ!!ば、バカだろお前wwそんなもん決まってんじゃんww水中のモンスターは水中でしか活動出来ねぇよww」

 

「そうですよねぇ………では、『水が移動すれば』擬似的に陸でも空中でも動けるんですね?」

 

『『………はぁ?』』

 

 

私の言葉で全員頭に?マークがついているでしょう。ですが、私は時間を稼げば良かった。つまり、私の目的は………

 

 

「ところでサラマンダーの皆様、後ろにご注目くださーい」

 

『ん?』

 

 

サラマンダーたちが振り向く。その映っていた光景は………その水中のモンスターが『空中に居た』。

 

 

『『………何じゃこりゃあああぁぁぁぁ!?』』

 

 

そう。私は時間を少し稼いでいる間、アクアネックレスを水中に潜ませ水と同化させたのです。

 

水と同化させるという事は………水を自在に操れるということでもある。

 

つまり、水中に居るモンスターを無理矢理引き出す事も可能な訳です。

 

これらから、どういう方程式が出来るか………分かりますよね?ここの読者の皆様ならば。黒笑ニッコリ

 

水を移動させ、サラマンダーたちを包み込み、そのモンスターに食わせるのです。

 

 

『ギィヤアアアァァァァァ!!!』

 

『うわぁ………地獄絵図だ………』

 

 

これぐらいやらなければ駄目でしょうに(ゲス顔)。あ、因みに1人は残しております。何故私たちを追跡していたのかを知る為に。

 

後、何故ホルス神かというと………単なる保険です。もしも、あのモンスターが倒される事があるのならば、ホルス神で凍らせて水中に捨てます。一難去ってまた一難というやつです。

 

つまり、サラマンダーたちは結果的に地獄を見る羽目になるのです。これが運命ですから。ニッコリ

 

それから5分後サラマンダーが全員倒され、残った1人に拷問をかけようとするとキリトさんの良い提案で情報を聞き出す事が出来ました。

 

何でも、シルフとケットシーとの同盟会合が【虹の谷】と呼ばれる場所の情報を聞きました。

 

 

「………どういうこと何だろ?kaimuさん、何か分かりますか?」

 

「リーファさん、私は何処ぞの“バキューン”もんじゃ、ありませんよ。ただのAIです、マスターとは違u………すいませんシノンさん。その弓下ろしてもらえます?このままだと撃たれるのですが………」

 

「知るか」

 

「即決ですか(思考放棄)………いや、何でフィリアさんまで?」

 

「シノンと同じく」

 

「これが恋の影響なんですね、分かりません」(再度思考放棄)

 

「というかシノンお姉ちゃんの場合、結婚してたもんね」

 

「………結婚!?銀さんが!?」

 

「SAO内のシステムでの結婚の事よ、リーファちゃん。因みに私も」

 

「アスナさんまで!?………で、お相手って誰なんですか!?」

 

「そこの真っ黒黒助さん「酷くねッ!?」もとい黒の似合うキリト君でーす♪」

 

「…………ええええええ!?お兄ちゃん結婚してたの!?こんな美人さんと!?銀さんたちとしか喋ってなかったコミュ障のお兄ちゃんが!?」

 

「………あれ?何か………前がぼやけて………」

 

「………キリトさん!!ツッコミを中止しないでください!!ほらアスナさん!!リーファさん!!見てくださいよキリトさんを!!いじけて床に『の』の字書いてますよ!!今時『の』の字なんて見たことないし、古いのに『の』の字を書いてますよ!!」

 

「リピートせんで良い!!!ってか何で俺『だけ』が蔑まれなきゃならないんだよ!?kaimuでも良いだろ別に!!」

 

「「「「「「弄りやすいのキリト(君・さん)位だから」」」」」」

 

「あぁぁぁんまぁぁりぃぃだあぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

いやークソワロタww。っと、それよりリーファさんの疑問に答えねばいけませんね。

 

 

「ゴホン。それよりリーファさん、何故サラマンダーが会合を狙っているかですよね?」

 

「あ、はい」

 

「意図はまだハッキリとしておりません。しかしながら、シルフ、またはケットシーの中にサラマンダーに密告しているプレイヤーが居るということでしょう。恐らく、会合をメチャクチャにさせて同盟自体をオシャカにさせる計画でしょう」

 

「!!?」

 

「つまり………誰かが密告して同盟そのものをオシャカにさせて、対立させようとしているって事で良いのね?」

 

「100%そうでしょう。リーファさんは今から行けば間に合うと思われますが………どうします?皆さまは」

 

 

そう言うと皆さんの口角が少し上がり、席から立ち上がりました。

 

 

『勿論、サラマンダーを止めに行く』

 

「!?皆!?でも、それだと銀さんが!!」

 

「恐らく、総督ならこうしたわ。困っている人たちの手を引っ張って行く形になろうとね」

 

「それに、リーファの問題はボクたちの問題だし!!♪だったら皆で解決すれば良い話じゃん!!♪」

 

「という訳だ、リーファ。俺たちは何と言われようと行くぜ」

 

「皆………」

 

「さて、意見も揃ったので行きましょうか」

 

『おう!!』

 

 

そして、私たちは【虹の谷】へと向かう事を決めた。

 

久しぶりにギャグを入れてみたんですよね、作者さん。

 

[やっとギャグらしいギャグをを出せたぜ……やっぱ夜の方がギャグを思いつき安いな]

 

では、皆様次回も見てくださいね~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

魔剣グラム?こっちのアヌビス神と同じやないかいpa(殴

『翌日 現実世界』

~キリトside~

 

いやーまさかの出掛けようとした瞬間にメンテ着たんだよな。お陰で一致団結ムードがパーだわ。

 

兎も角、同盟の件は明日に行われる物だったらしいので少しは猶予があるな。 

 

少し体を動かしたかった為、銀将さんに手合わせをしてもらっていたが………ハッキリ言って鬼畜そのもの。ってか、これに続けて稽古していた銀もスゲーや。

 

兎も角、時間が来たのでALOにダイブする事にした。

 

ダイブすると同時に俺たちはスピードを飛ばして【虹の谷】へと向かう。

 

そして、飛び続けている内にサラマンダーの群れがシルフとケットシーの集団に向かおうとしている。

 

んまぁ、止めるけどよ。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~“kaimu”side~

 

いやはや、暇ですね。今ですか?リーファさんの装備に成ってます。ってか、マスターの方が気が楽で仕方ないですね。

 

だって一応今の装備者は女性ですよ?マスター男ですよ?まだマスターの方が楽と感じます。

 

さて、ここではキリトさんが嘘八百述べて止めていますが………少々厄介ですねぇ。

 

 

「リーファさん、少しキリトさんの方に近付いて下さいませんか?」

 

「はえ?どうするんですか?」

 

「特殊武器を渡すので」

 

「特殊武器?」

 

「………さっさと行ってくださいお願いしますから。それともマスターの言い方に直せば『リーファ、ちゃっちゃと行け。時間勿体ないぞ』」

 

「………銀さんの口調ソックリで何か抵抗できない」

 

 

リーファさんがキリトさんの近くまで接近して、私はアクティブモードに移行してリーファさんに運んでもらっています。

 

 

「キリトさん、貴方に渡したいものがあります」

 

「俺に?」

 

「【アヌビス神】【エンペラー】」

 

 

スタンドを出し、アヌビス神の方を渡す。

 

 

「これは?」

 

「幽波紋の1つですが皆にも見えるタイプの幽波紋です。ですが、これには物体透過の能力が有りますのであしからず。因みにですが、あのユージーンと名乗る者が装備している【魔剣グラム】は『エセリアルシフト』という防御無視の攻撃が出来る武器です。対抗策として出しましたが………如何ですか?」

 

「長ったらしい説明ご苦労様。………そうだな、ありがたく使わせてもらうか」

 

「ご武運をお祈りしています」

 

 

キリトさんにアヌビス神を差し出し、キリトさんは持っていた大剣を装備し、二刀流の構えを取った。

 

その後、私は地面に降ろさせてもらいシルフとケットシーの領主と話し合います。

 

 

「お初にお目にかかります。AIでありNPCのkaimuと申します。此度の件はお詫び致します」

 

「「…………」」

 

「あ、気にしないで下さい。今現在、私を含めAIは3体居るので別に驚く事じゃありません」

 

「いや驚きますから。普通驚きますから」

 

「それよりも、皆様はどの様な内容の会議をされておられたのですか?」

 

「………いや、それよりも何故AIがリーファと………」

 

「ケットシーに、スプリガンに、ウンディーネに、インプに、ノーム………殆ど全種族揃ってるじゃン」

 

「ちょっと………用事が出来ちゃって」

 

「私のマスターであるプレイヤーが、約1週間前に発生したクエストに閉じ籠められているのです」

 

「ちょ!!」

 

「「!!!!!」」 

 

「このまま事件を知らずして居るより効率が良いです、リーファさん。それには協力は不可欠であります」

 

「むぅ………当たってたいますが、何か釈然としないです」

 

「そのクエストの………プレイヤーなのか?君のご主人とやらは」

 

「えぇ。私のマスターは本来帰還する筈だったのですが………諸事情により閉じ籠られているのです」

 

「スゴい急展開になってきたヨ~」

 

「困惑するのは理解出来ます。しかしながら、これはマスターを救出すると同時に陰謀を暴く事が出来ます。その為私たちは行動しているのです」

 

「ふむ………それでリーファや他種族の者たちが居るのか」

 

「元は同じギルドのメンバーでしたから。マスターは人望も厚く慕っていた方々も多かったので」

 

「そこでなんだけどねサクヤ。私この人たちに着いていく事にしたんだ。リアルでも知り合いの人が、このゲームに閉じ籠られているから」

 

「そこでですが、リーファさんをマスターの救出までお借りしたいのです。願わくば、貴女方にも協力を仰ぎたいのですが………」

 

「………実は、丁度そのクエストに挑戦しようと思っていてな。意外だった」

 

「サクヤ!!」

 

「私たちでも出来ることは何でもするヨ!!」

 

「………ありがとうございます」

 

 

そんな話の途中、突如サラマンダーの声が聞こえる。

 

見れば、キリトさんがユージーンを倒した光景がありました。

 

キリトさんは私の元に来て、アヌビス神を渡してくれました。

 

 

「どうでしたか?アヌビス神の感想は?」

 

「ハッキリ言ってチートだな。俺でもリーファでも普通に扱えそうだわ」

 

「そうですか、やはり幽波紋は素晴らしいですね」

 

「はいはい」

 

 

こんな会話の後、リーファさんが蘇生魔法を使用しユージーンを復活。無事会合は死守出来ました。

 

その後、シルフ領のシグルドという輩がレネゲイドと成り果て、次回へ続きますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

[テキトーでゴメンね]

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

うーむ、そろそろ終わりも近い頃だなぁ………

『あれから経ちまして』

~“kaimu”side~

 

いやはや、ここまで長かったですねぇ。

 

何かユージーンさんはキリトさんを認めてたり。キリトさんはシルフとケットシーとのクエスト攻略資金を差し出したり。

 

そして、今………私たちは世界樹に来ています。

 

今現在ではシルフ&ケットシーの連合隊。ユージーンさん率いるサラマンダーの部隊。そして、元【奇兵隊】+αが集合して………あ、リーファさんこっち見ないで下さい。お願いしますから。

 

兎も角、そうそうたる面子が集まっている事には変わりありませんね。私もアクティブモードに移行し皆様に姿をお見せする。

 

 

「さて………皆様。本来ならばグランドクエストを攻略しなければ成らない所を、態々マスターの救出の為に来てくださりありがとうございます」

 

 

深々とお辞儀します。んで、顔を上げると皆様結構真剣ですね。

 

 

「………私の様なAIが言うのもあれですが………マスターを必ず連れて帰ります」

 

「kaimu………とか言ったな、貴様」

 

「ユージーン将軍………」

 

「この件に関しては気にするな。本来ならばグランドクエストの唯一の突破法だったのが、貴様のマスターとやらを洗脳から解き放つクエストに変わっただけの事よ」

 

「!!!………ありがとうございます」

 

「kaimu、そろそろ行くぞ」

 

「えぇ………皆様、始めましょう!!」

 

『『『オオオオオォォォォォ!!!』』』

 

 

そんな大きな一致団結の声と共に、私たちは世界樹へと走る。

 

扉の先に待っていた物は、ガーディアンだったが………本来の目的はマスターの部屋に到着すること。

 

ただ、その部屋は一直線上に続く部屋であったのだ。つまりガーディアンのポップ数が一番少ない。

 

のにも関わらず、この時だけは一番ポップしていたので皆様駆け出して道を作ってくれています。

 

魔法で倒して、武器で道を作りetcetc………その間に私たちは一直線上の部屋へと向かう。

 

そして、その部屋に到着し扉を開けて中に入る。

 

そこは見慣れた部屋であった。あの時の部屋だった。

 

 

「………ここに銀が居るんだな」

 

「えぇ。そして、ここは………私どもが最初に訪れた場所です」

 

「銀!!どこ!?返事をして!!銀!!」

 

「お兄ちゃーん!!」

 

「シヴァー!!」

 

 

そんな叫び声も虚しく、こだまが響く。

 

そんな時、私はある違和感を感じ【ダブルス】を【ザ・ワールド】と【クレイジーダイヤモンド】にさせます。

 

その予感は的中。直ぐ様時を止め、動けないマスターが持っている薙刀をザ・ワールドで受け止めて時を動かします。

 

どうやら狙いは先ずストレアからでしたかッ!!

 

 

「kaimu!!」

 

「ストレア!!先ずは逃げてください!!」

 

「わ、分かった!!」

 

 

ストレアが逃げると同時に薙刀を折って、マスターの体に蹴りを入れる。

 

しかし本来ならば見えていない筈のスタンドの攻撃を、マスターはいともたやすく避けた。これには驚きを隠せませんよ。

 

そしてマスターは距離を取って出方を伺っている様子です。

 

私はキリトさんたちに近付き、先程起こった事柄を伝えに行きます。

 

 

「キリトさん」

 

「どうした?kaimu」

 

「幽波紋が見えている様です、マスター。恐らく本来の使用者なので使えなくても見えているのかも知れません」

 

「もうとっくにチートの域を越えてるじゃねぇか!!」

 

 

その時、1つの足音。それと同時に聞こえてくる声。

 

 

「全く、妙なバグが彷徨いていると思ったら………」

 

 

その声の主は『須郷伸之』。ここでは『オベイロン』ですね。気持ち悪い姿しやがって。

 

 

「須郷………貴方の悪行もここまでですよ」

 

「ん~………?お前の事は知らないが、誰に向かって口を利いてるのかなぁ?僕の名は妖精王オb「ザシュ!!」あれ?」

 

 

何故か矢が刺さっていたのでシノンさんの方を見る。

 

そこには………般若の形相をしていたシノンさんが居ました。

 

 

「御託は良いのよ、さっさとくたばりやがれゴミ」

 

「ちょっと待てぇぇぇ!!何その口の悪さ!?ってか名前ぐらいちゃんと言わせろ!!」

 

「知らないよそんな下らない事。それよりお兄ちゃん解放してよ。じゃないと永遠に地獄見せるよ」

 

「そこの妖精に関しては目が死んでるんだが!?ってか、何これネタ回!?ネタ回なのか!?」

 

 

その隙にザ・ワールドで時を止めて私の手刀でマスターの体を貫き、セーブモードに移行する。

 

移行されたと同時に時は動きだし、マスターの体は前に倒れる。

 

その音に気付いた皆様はマスターの方向を見る。

 

 

「ば、バカなッ!!何時の間に実験体の体に!?」

 

 

その言葉が地雷となってシノンさんから弓矢が乱れ撃ちをもらった須郷。

 

その行動に堪忍袋の緒が切れた須郷はゲームマスター権限で麻痺属性を与えて、ジェネレートした剣でシノンさんを刺そうとしていました。無駄なのに。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~シノンside~

 

あー………ヤバいわね。麻痺をもらってしまった。そして、近付く須郷。

 

須郷は何を思い出したのかコンソールを弄る。すると、私たちの体に痺れる様な感覚が伝わる。

 

 

「驚いたかい?ペインアブソーバーをゼロにしたんだよ。お前らを!!じっくりと!!痛めつけて!!殺すために!!」

 

 

私の喉元に剣が突き立てられた。

 

 

「死ねえぇぇぇえ!!!」

 

「お姉ちゃーん!!!」

 

 

剣が振り下ろされた…………かに思えた。

 

何時まで経っても痛みは来ない。まだ意識もあった。

 

ゆっくり、閉じていた目を開く。

 

そこには須郷の心臓部分に刺されていた【神壊刀・壊無】の刀身が見えていた。

 

須郷の体が宙に浮かぶと、その体は壁まで吹っ飛ばされた。

 

そして、そこに………シヴァの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   「よぉ、待たせたな。お前ら」

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

おーい!!磯○ー!!遊ぼうぜー!!

~シヴァside~

 

 

「よぉ、待たせたな。お前ら」

 

「し、シヴァ………!!」

 

「お前………記憶が戻ったのか!!」

 

「よぉキリト。何だその面は?泣いてんのか?」

 

「だ、誰が泣いてるか!!バカが!!」

 

「お兄ちゃん!!」

 

「ユウキー!!久しぶりー!!お兄ちゃんも会いたかったよー!!」

 

「そ、総督………元気そうですね」

 

「お、アスナか。久々」

 

「シヴァだ~!!!」

 

「おろフィリアも来てたんかい」

 

 

各々への挨拶が終わり、俺は須郷が飛ばされた方向を見る。

 

………はい!!皆さんお待たせしました!!やっと復活シヴァちゃんです!!(宮○風)

んまぁ、ちょっとどころか長く居なかったからな。この小説時間で(メメタア)

と、んなことよりも須郷が立ち上がっていますと。

 

 

「kaimu、あのID頼む」

 

「了解。ID【ヒースクリフ】パスワード【3548421871】GM権限を妖精王オベイロンからkaimuに移行」

 

 

その工程が終わると、須郷が何やら大声を出して唱えている。

 

 

「オブジェクトID!!【エクスキャリバー】をジェネレート!!」

 

 

しかし、そんな叫び声も俺は聞かないままkaimuがキリトたちの麻痺を解く。それにより、倒れこんでいた者たち全員が立ち上がる。

 

その事に気付いた須郷。その光景に思わずビックリ。

 

 

「き、貴様ら!!何で立っていられるんだ!?」

 

「kaimuに頼んでGM権限移行させてもらったのさ。んで、今はkaimuの支配下にある訳だ………さて、こんな御託はどうでも良いからよ。kaimu」

 

「了解。妖精王オベイロンのペインアブソーバーを0に、レベルを1に、さらにオブジェクトID【エクスキャリバー】をジェネレート」

 

 

空から降ってきた武器を手に取る。中々軽いな。

 

 

「ユウキー、パース」

 

「オーラーイ………キャッチっと!!」

 

「さぁてと、須郷さぁん」

 

 

俺はにっこりと黒い笑みを須郷に向けて言い放った。

 

 

「どう料理してくれようかねぇ?」

 

 

そして、直ぐ様思い付いたのが………

 

 

「ザ・ワールド!!時よ止まれ!!」

 

 

俺とkaimu以外の動きが止まった。うし、スタンドは使えると。

 

 

「kaimu」

 

「【麻痺属性付与状態投げナイフ】を37564本ジェネレート」

 

 

スタンド【ダブルス】を使い時を止めて、ザ・ワールドとスタープラチナにナイフ持たせて須郷に全部投げた後………

 

 

「時は動き出す」

 

 

時が動きだした。須郷の体にはビッシリとナイフが刺さっており、声に成らない悲痛の叫びを挙げていた。

 

そんな事もお構い無しに、kaimuをセーブモードにさせて須郷の体を上半身と下半身に別れさせる。

 

今度は痛すぎて白目を剥きかけていた。でもね、こんなんで終わるわけ無いだろぉがよぉ!!

 

 

「シノン!!ちゃんと狙えよ!!」

 

「了解!!」

 

 

弓の射程距離内で須郷を放物線上に投げて、シノンが弓で狙撃をする。

須郷の背中には矢が刺さっていた。お次は………

 

 

「ユウキ!!アスナ!!フィリア!!やっちまいな!!」

 

「「「オオオオオオ!!!」」」

 

 

三人の針地獄の刑でーす。それで須郷の体が上空に吹っ飛ばされる。そこに俺が駆けつけて壊無をバットの様に構える。

 

 

「キリトー!!コイツボールなー!!」

 

 

キリトに向けてナイスバッティング!!須郷は綺麗にキリトの所に向かって行き………

 

 

「キリト!!行っきまーす!!」

 

 

キリトも大剣の腹で返す。そこに俺が居ることは………

 

 

「残念でした、また来てね♪」

 

 

リズム良く口ずさんだ後、壊無を振り下ろして須郷を消滅させました。う~む、爽・快ッ!!

 

須郷が消えた後、全員俺に集まってきた。

 

 

「ゴホン………迷惑お掛けしてごめんなさい」

 

 

頭を皆に下げる。んまぁ、流石にな。

 

 

「それよりも…………えいっ!!」

 

「うおっと!?シノン!?」

 

「あ~………これだわ~。シヴァの匂い~♪抱き心地~♪」

 

「あー!!お姉ちゃんズルーイ!!ボクもお兄ちゃんにギュー!!♪」

 

「ちょ!!ユウキ!!」

 

 

何でこうなった!?んまぁ、分からんでも無いが………それよりよぉ。

 

 

「取り敢えずさっさと退場してくれよー。強制ログアウトするぞー」

 

「「「「「えっ、ちょま!!!」」」」」」

 

 

kaimuの操作で強制ログアウト。さらにクエスト終了の知らせを出してと………俺も帰りますか。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~シノンside~

 

今、私たち三人は病院に向かっている。あの銀が目覚めた、それだけでも嬉しくて………嬉しくて………じっとしていられなかった。

 

そして病院近くまで来た時、ある光景が見えた。

 

銀が男の人の頭を掴んでいたのだ。

 

私たちは銀の元へと駆けつける。

 

 

「「銀!!」」

 

「お兄ちゃん!!」

 

「ん?おーお前らか。遅いからボコってたぜ」

 

「いや………それよりコイツは………」

 

「須郷伸之。あの遊んだ奴」

 

「………ってか、銀!!体は大丈夫なの!?急に立ったりして!!」

 

「あー平気平気。ちょちょっと幽波紋使って結果オーライよ」

 

「幽波紋便利説を提唱しようか」

 

「キリト、お前は何を言っとんのじゃ?」

 

 

しかしながら、銀の頬には須郷の持っていたナイフで切られていたが、それを利用して警察へと突きだしたそうな。

 

私は銀の頬にキスをした後、銀と病院の中へ入って銀を休ませまたとさ。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

~“kaimu”side~

 

こんなんで良いのか?こんなに早く終わるなんて?

 

[俺が疲れるから良いだろ別に]

 

うっわ………自分の都合かよ………

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Re:start of VR(ヒャッハー!!宴会じゃぁあああ!!)

『1週間後 東京台東区』

 

 

「家でゆっくりしたかったんだお」

 

「開始早々お前は何を言ってる?」

 

 

はい、皆様。今ね、エギルの店に行ってるんですよ。和人と俺で。

 

 

「いや、まだ詩乃と一緒なら良かったぜ?何でむさい男二人並んで行かにゃあいかんのだ?って話なんだよ」

 

「仕方無いだろ。急に用事出来た。って言ったろ。俺だって明日奈と行きたかったわ。それなのに何で銀というシリアル変換マシーンと一緒に行かなきゃなんねぇんだよ?」

 

「シリアルは銀魂要素の特権。これは常識の範囲内だ」b

 

「どんな常識だよ!?」

 

 

そんなこんなしてる内に、エギルの店『ダイシーカフェ』前まで来てたぜ。あるよね?何時の間にか着いてたって出来事。それはだね………

 

 

「す・た・ん・どのせいなのね、そうなn」

 

「おいィィィ!!ちょっと待たんかいィィィ!!色々とヤバイから!!それは止めろ!!」

 

「この気に【幽波紋ウォッチ】の生産をしておくように」

 

「いやだからそれ【“ピーー”ウォッチ】!!お願いだから色々な方面から怒られそうだから止めてくれ!!お前○知先生じゃねぇからな!!ここの作者!!」

 

「銀魂要素入ってんだからよ、この位やらなきゃタグ詐欺になるだろうがよぉ」

 

「何その新手の詐欺!?流行ってんのか!?」

 

「さて、お遊戯もここまでにしといて入りますか」

 

「無理矢理話題を変えやがったよ、この主人公!!」

 

 

何を仰ってるのか分かりません。それより、中に入ろうとドアを開けると既に人が居ました。

 

俺はドアを閉めました。

 

 

「じゃねぇだろぉぉおお!!」

 

「ウブァ!!!」

 

 

和人のドロップキックが炸裂ッ!!

 

 

「け、蹴ったね!!ア○ロさんにも蹴られた事も無いのに!!」

 

「じゃねぇんだよ!!何で閉めた!?普通中に入るだろ!?」

 

「いや、何か既に集まってたからハブられてる感が半端なくて。ほ、ほら俺Sでしょ?Sって打たれ弱いんだよ。だからだよ」

 

「いや何その謎理論!?お前のメンタル意外にもどんだけ弱かったんだよ!?こっちが訳分かんなくなるわ!!」

 

 

兎も角、店に入ってSAOクリアの宴会を始めました。さっきのドロップキックで鳩尾が地味に痛い。

 

カウンターに座って落ち着かせます。

 

 

「おーい、平気かー?」

 

「あーエギル。取り敢えずノンアル梅酒ロックで頼むわ」

 

「結構渋いな。んまぁ分かった」

 

 

エギルがノンアル梅酒ロック割りを作っていると、俺の隣に和人が座りました。

 

 

「俺バーボンロックで」

 

「(コイツにはウーロン茶が来る)」

 

「ヘイヘイ」

 

 

と、俺にノンアル梅酒ロックが来て、やはり和人にはウーロン茶が差し出された。そんなビクビクしながら飲もうとすんな。

 

そんな事を思いながら口にノンアル梅酒を含む。やはり甘いな。その直後にクライン………『壷井 遼太郎』だっけ?

 

 

「エギル~、俺にはモノホンくれ~」

 

「あいよ」

 

「よっ、クライン。明日仕事じゃねぇのか?」

 

「シヴァ………オメーそれは俺に対する何の嫌がらせだ?」

 

「おっけー把握。つまりは女性居るけど全て和人だったりとかが注目ばっか集めてるから嫉妬してると」

 

「痛いところを突いてくんな!!」

 

 

バーボンがクラインの前に出されて、クラインはやけ酒の様にバーボンを飲み干す。うむ、良い飲みっぷりだ。

 

 

「はいはいむさ苦しい所に来ましたよ~」

 

「お、里香か。ひっさびさだな。んで、何の用かな?」

 

「ほれほれ、さっさと彼女さん所に連れていくから来なさい」

 

 

おーおー黒い笑顔。………何で詩乃?ついでに持っていきますよ、ノンアル梅酒。

 

んで、詩乃の前に到着させられると………詩乃が明日奈と木綿季に捕まってます。はい?

 

 

「さってと、彼氏さんご到着~!!」

 

「ちょ!!リズ!!///」

 

「嫌な予感しかしませんが、大分予想が着くのは気のせいではないよね?ね?」

 

「さぁて、アンタら………ユウキから話は聞いたけど何もしてなかったと。結婚してたのに」

 

「………木綿季、後でお仕置き」

 

「(やっぱりか~………お兄ちゃんが、お仕置き………)」

 

「ッ~!!!///」

 

「………はぁ。いやでもよ、一応何処でもイチャついていたと思うんだが。そこんとこはどうなの?ノーカンなのか?」

 

「………ぎ~ん~!!///」

 

「いやアンタね、そこ自分から言うかしら?普通」

 

「ん?将来の嫁さんとの経過を俺が話すといかんのか?」

 

「ぁぁぅ~…………///」

 

「………スッゴいデレデレじゃない。アンタSじゃなくてドSでしょ」

 

「ドSか知らないけどSだな」

 

「自覚してんのかい」

 

「何ならSっていう証拠をもう1つ見せようか?」

 

「………嫌な予感しかしないわねぇ」

 

「詩乃~」

 

「………ふぇ!?な………何?」

 

 

………ムッフッフッ(黒笑ニッコリ)詩乃、俺の方を見てしまったな。ここですかさずザ・ワールド!!ついでにクレイジーダイヤモンド!!

 

時を止めて、ノンアル梅酒を持って口に含んで………時を稼働させて、詩乃の口に運びますよぉ。

 

 

「んぐっ!?///」

 

「そ、そそそ総督!?///」

 

「…………お兄ちゃんスゴい大胆だね」

 

「ウップ………しまった砂糖が………」

 

 

そんでもって、全部運んだ後は詩乃から少し離れて様子を見ると………うむ、赤い。というか目がトロンとしているのはあれだな。ちょっとやり過ぎた。

 

 

「………ふぅ、どうだったかな?諸君」

 

「和人君もこれぐらい大胆だったら………詩乃のん羨ましいなぁ」

 

「………銀」

 

「ん?」

 

 

詩乃が耳元に近付いて囁いてきた。

 

 

「次は覚悟してね♡」ボソッ

 

「………ほぉほぉ、なら楽しみにしてるよ」

 

「………意地悪♡」

 

「それが俺ですから♪」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『それから時間が経ち、ALO内』

 

………詩乃が離してくれなかったぜ。ん?あぁ、大してやましいことでもないね。うん。ただ家に帰ったら詩乃から延々とキス求められただけだが?

 

そして、今はALO内に居るわけだが………おっと、そろそろ来たか。あ、ちなみに俺はウンディーネにしました。ついでにアイツに頼んで銀髪天パにしてもらった。

 

上空から刀とローブが降ってくる。それをキャッチし、俺はローブ【ソクラテス】を着て、刀を持ち………

 

 

「アクティブモード移行」

 

 

刀から変化したのはkaimu。そう、先程降ってきた武器は【神壊刀・壊無】。つまり、またkaimuと行動出来る訳で。

 

 

「マスター、お久しぶりですね………つってもそこまでですが」

 

「確かにな、一週間位だもんな。それよか、ストレアとユイは?キリトたちと一緒か?」

 

「えぇ。というか気付いてくれませんか?私も妖精の翅生えたんですけど」

 

「ふ~ん、そう。種族はインプか?」

 

「えぇ。暗闇でも護衛出来ますし、武器としても使用可能です」

 

「んま、心強いな。………そろそろ行くか」

 

「了解しました。武器に戻ります」

 

 

kaimuは武器に戻り、俺は空を飛ぶ。普段感じる事が少ない経験に、少しだけ高揚するな。………幽波紋でも出来るけど。

 

途中、ケットシーのシノンと、インプのユウキと合流して空へと舞い上がる。

 

そして、見えた先には………【浮遊城アインクラッド】。SAOの舞台だ。また49層でギルドホーム買おうかな?

 

キリトたちと合流すると、キリトは全部リセットして初めに戻ったそうな。

 

俺か?俺は『破壊神』ですしお寿司。一応、コイツら纏めてたギルドリーダーだしよ。また導かなきゃならねぇんだよな。重荷があるって良いもんだぜ。

 

 

「さぁて、皆行くか!!」

 

『おー!!!』

 

 

そして、次に始まるのは………新たな妖精の物語だとさ。

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1回 これからの事については初期メンで考えろー

1「はい、皆おはこんにちばんわ。ここの主人公の坂倉銀先、アバターネーム『シヴァ』でーす」

 

2「この小説の主人公の妹の坂倉木綿季、アバターネーム『ユウキ』でーす」

 

3「この小説の主人公の幼馴染みにしてお隣さんの桐ヶ谷和人、アバターネーム『キリト』でーす」

 

1「今回はこれからの事について、この初期メンで話していきたいと思ってまーす」

 

2「まーす」

 

3「具体的には何を話すんだ?」

 

1「そりゃ和人さんや、GGOの事とか色々とだろがよ。んな事も気づけねぇのか?だからコミュ障って言われるんだよ」

 

3「関係ねぇだろ!!コミュ障の事は!!」

 

1「さて、今後の事なんだがよ」

 

3「聞けやあぁぁぁ!!」

 

2「えっと………作者からだと、この小説は次回LSに行きたいんだって」

 

1「何でLSかっていうとな、SAOvsAW書きたいからなんだとさ」

 

3「vsAWか。何かネタは思い付いてるんだよな?」

 

2「一応考えてはいるんだけどGGOの事やALOでの出来事も書きたいから、GGOとALOのは別の小説として出すらしいよ」

 

3「でも、それだと作者の負担は増える一方じゃないか?」

 

1「いや、どうやらそこも考えてるらしいぜ。何でもGGOじゃ俺がメッチャ外見も変わるらしいぜ」

 

3「つか、小説だし外見変わったとしても見えないんだよな」

 

2「しかも作者の絵のセンスは壊滅的だし、見るの無理だよね」

 

1「でもよ、一応アイディアはあるんだと。GGOだから銀魂でいう夜兎のイメージにさせるらしいぜ」

 

3「夜兎か………銀が夜兎………地獄まっしぐらされる未来しか見えないんだが」

 

2「ついでに夜兎が使う傘も出すらしいよ。本当に銀魂要素を詰め込むね」

 

1「ネタバレすると、俺が使う銃のタイプがショットガンらしいな」

 

3「それはまた何で?」

 

1「作者がショットガン好きなんだと」

 

2「というか、この小説は作者の妄想だもんね。銀魂要素が多くて原作が空気になってるけど」

 

1「これ一応ソードアート・オンラインだもんな。ってか、よくもまぁ原作崩壊を多くさせたなと思うわ」

 

3「主に作者が銀に肩入れしすぎて銀のせいで原作崩壊起こしてるんだけどな」

 

1「後な、ALOではオリジナルストーリーも交えて書くらしいぜ。勿論レースもやるし、何か俺が領主になるストーリーまで書くらしいぞ」

 

2「というか、これだけネタバレしても良かったのかな?つまらなくなって読者さんが減っていかないかな?」

 

1「いや、人っていうのはな。こんなネタバレされると読む気失せる人間と益々読む気が増す人間が居るんだよ」

 

3「どうでも良いがよ、何で俺たちなんだ?初期メンに何の意味があるんだ?」

 

1「銀魂でも初期メンでBGオンリーあるだろ。それだよ」

 

3「ってことは、これアニメーションにするとBGオンリーの背景そのままなんだな。分かりません」

 

1「ついでにサービスすると、菊岡がキャラ崩壊起こすかもよ?良い意味で」

 

3「何であのメンドクサイ奴がキャラ崩壊起こすんだよ。もっとめんどくさくなるじゃねぇか」

 

2「あ、そろそろ尺もあれだし、ここでお開きにしない?」

 

3「いや、ここに尺なんて無いだろ。つーか逆に有り余ってるだろ」

 

1「細かい事は気にすんな。それじゃあ、また次の機会に」

 

『またお会いしましょう!!』

 

1「あ、因みにだが、この小説は一旦執筆を中止して別の小説に神経注ぎ込むらしいので、あしからず」

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

LS
大型アップデート………天空島にしか見えへんがな


『1週間後 ALO内』

~キリトside~

 

転移され、訪れた初めての場所。それが………『空都 ライン』。

 

どうやら、リーファとユイとで最初に来ていた様だ。やはり、ゲーマー魂が疼くんだろうな。

 

今、俺たちが居るのは大型アップデートで追加された新しいエリア『スヴァルト・アールヴヘイム』の都市に居る。この大型アップデートにより、多くのプレイヤーが空都ラインに集まっていた。

 

ユイの話では、この都市では飛ぶことは出来ない事。その代わり、様々な高難易度のダンジョンやクエスト、さらに新しいアイテムも追加されているのだ。

 

その新しい都市を見ていると、今度はアスナたちが来ていた。

 

かつてSAOでギルド【奇兵隊】であった奴等に加え、リズにクライン、エギルも来ていた。

 

俺は思った。俺たちはSAOで様々な事を学び、それを得ていた。その経験によって、多くの仲間が居ることを感じた。元はと言えば、アイツの影響に毒されて来た奴等ばかりだがな。

 

そういえばと思い、ふと周りを見渡す。しかし、アイツの姿は何処にも見当たらない。

 

 

「なぁシノン、アイツは何処に居るんだ?」

 

「んーと………そろそろ来るらしいわね。何でも、アップデートの情報をkaimuに聞いていたらしいし。それとキセルを新調したいから遅れるって」

 

「なーんだよシヴァのヤロー!!折角の大型アップデートなのによ、何でキセルなんだよ!?」

 

「お兄ちゃん最近キセルで落ち着いてる所をよく見るよね。シノンお姉ちゃん、何か知らない?」

 

「シヴァの趣味に別ゲーの影響よ、それ以外に無いわね」

 

「いや、それでキセルで煙草を吸うのはどうなんだろうか?」

 

「良いじゃんノー君、ノー君も似たような趣味あるでしょ?」

 

「ちょっ!!ユナ!!」

 

「へぇ………アンタ彼女居るのに何の趣味を持ってんのよ?」

 

「リズ、そこまでにしといたら?」

 

「はーい」

 

「あっ、来たよ!!」

 

 

フィリアが転移場所を指差すと、そこには見慣れたローブに刀、そして新しく新調したキセルを吹きながら悠々と俺たちの前に現れた。

 

その銀髪で幽波紋使いの男は………『シヴァ』であった。

 

 

「やっほー!!モジャモジャさん!!」

 

「いやだから!!これ天パつってんだろ!!何度同じこと言わせりゃあ気が済むんだオメエはよ!!?」

 

「まぁまぁ、落ち着けシヴァ。そんな事より、今は大型アップデートを楽しむ時なんじゃ無いのか?」

 

「エギル………それもそうだな。うっし!!全員来ているな!!?」

 

「全員来てまーす!!」

 

「よぉシヴァ!!相変わらず元気そうで何よりだ!!」

 

「お前は独身なのはちっとも変わんねぇな、クライン」

 

「余計なお世話だ!!」

 

「あの、シヴァさん!!」

 

「おっ、シリカか。ピナも元気そうで何より!!」

 

「キュル!!」

 

「さぁてと、ちょいとばかしフィールドに出るか。お前らウズウズしてそうだしな」

 

『おぉー!!!』

 

「うっし!!なら行くぜ!!テメエら!!遅れをとんなよ!!」

 

「それは此方の台詞だ、シヴァ!!」

 

 

そう言って、俺たちは空都から出てフィールドに足を踏み入れる。

 

その世界は、まるで幻想の様であった。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

~シノンside~

 

この『スヴァルト・アールヴヘイム』のアップデート直後、私とシヴァにユウキは、一斉にログインした。

 

ユウキは先に向かうと行って出掛け、私たちも行こうかと思っていた途端に、シヴァにメッセが届く。

 

それを見ていたシヴァは、「先に行っててくれ、直ぐ向かうから」などと言ってきたが………まぁ、シヴァは約束を守ってくれるので安心して私は新エリアに向かっていった。

 

途中シヴァの方に向くと、シヴァの表情は少し笑っていた。

 

そして、今は………フィールド内を飛んでいるのであった。シヴァと隣り合わせで。

 

やはり安心する。シヴァに全てを預けても良いぐらい………あっ、でもシヴァも迷惑しないだろうか?

 

 

「シノン、何ぼーっとしてんだ?」

 

「ふぇ?………ううん、何でも無い♪」

 

「そうか?何かあったら言えよ♪シノンは俺の最高の嫁さんだからな♪」

 

「それを言うなら、シヴァも私にとっては最高の旦那さんよ♪」

 

「………何故俺の周りにはリア充しかいない?」

 

「というか、このメンバーだと3組居るのよね。何この多さ?」

 

 

何か野武士とリズが言ってるが気にしない。今は幸せを噛みしめている時なのだから。

 

 

「シノン、それよか俺の腕にたまに噛みつく癖をやめてほしいんだが」

 

 

本当に噛みしめていた。でも気にしない。だってそうしたいんだもん、シヴァと一緒に居たいんだもん。

 

 

「………シノン」

 

「な~………ふぇ?」

 

 

いきなりシヴァに引き寄せられ、耳を甘噛みされた。

 

 

「ふにゃ!?」

 

「シノ~ン、可愛いよ~♪久しぶりに苛めたくなっちゃった~♪」

 

 

と言いながら、まだ甘噛みを続けていた。勿論耐えるのも限界で。

 

 

「ひゃうッ!!///し、シヴァ~///」

 

「ついでに♪………」

 

 

今度はしっぽを弄ってきた。

 

 

「ふにゃッ!!!///ら、らめッ!!///こんにゃとこりょでぇッ!!!///」

 

「それもそうだね」

 

 

あっさりと手を離すシヴァ、それに何故急に手放したのか分からない………という事よりも、物足りないという気持ちが今の心情の多くを占めていた。なので、シヴァの方を向くと………シヴァはニコニコしながら、こちらを見ていた。

 

思った。やっぱり勝てないんだなと。またシヴァに身を預けて、今度はお姫様抱っこの状態で飛んでくれた。

 

その途中、またしっぽと耳を集中的に刺激されるという意地悪をされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[私がこの小説に帰って来たぁ!!!]

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

粋がってる奴はまぁ弱い

~シヴァside~

 

戻ってきたぜぇぇぇ!!!この小説に俺が戻ってきたぁぁぁ!!!そして銀魂要素をバンバン出していくつもりだぁぁぁ!!テメエらぁ!!覚悟しやがれぇぇぇぇ!!!

 

………さて、ハイテンションモード終了。今は俺、ユウキ、シノン、キリト、アスナ、リーファでクエスト行ってらぁ。後の奴等は食材のクエストだったり、鉱石採取だったり、別のクエスト受けてるんだよな。

 

というか、キャラ多いと作者の負担が増えて俺たちの出番減るんだよ。俺ただでさえオリ主だし、本来ならユウキの出番まだなのに出してるんだよ。つーか、本当は俺原作に居ねぇからな?居たら居たで恐ろしいわ。

 

んで、クエストなんだが………魔法で結界みたいな物を張られているのでダンジョンに入れないんだよな。でも、石板みたいな物を填めると開く仕掛けだから、石板の半分を見つけて、今から『トールの耕地』にまで行きまーす。

 

 

「お兄ちゃーん!!!♪」

 

「ん?ぬおっ!?」

 

 

き、急にユウキが飛び付いてきた。何?何なの?

 

 

「ゆ、ユウキ………どったの?」

 

「えー………だってさぁ………最近シノンお姉ちゃんと一緒に居る時がリアルでもALOでも多いし、何よりこの小説銀魂要素ってあるのに最近シノンお姉ちゃんとのイチャイチャしか書かれてなかったじゃん。だから[ヤバイな]って悟った作者が急展開を入れて………」

 

「いや長ぇよ!!!つーかメタイから!!メタくなってるから!!!」

 

「だって、ボク『メタイン』だよ?」

 

「いや何その造語!?って、それあれだよな?別小説で言ったヤツだよな?何で別小説から出してきた作者!?」

 

「ねぇねぇ!!構って!!構ってよぉ!!!」

 

「わーった!!わーった!!お願いだから空中で揺らさないで揺らさないで!!」

 

「やったー!!♪」

 

 

ふぅ………んまぁ最近ユウキとは一緒じゃねぇしな。ユウキと戯れるぐらいならシノンも大丈夫d………前言撤回、血涙流しとる。恐いんだお………ってか、何でシノンが嫉妬つーか血涙流してんだよ!?妹と普通に遊ぶだけだぞ!?

 

あ、血涙引っ込んだ。どうやらよく見てなかったから別の奴に抱き付かれてるとでも思ってたんだろ。kaimuとか。

 

 

「私はホモじゃない」

 

「知ってらぁ」

 

「言わなくても良いのに何でわざわざ言っちゃうの?」

 

「言わなきゃ気が済まないんですよ。後読者の皆様?私はホモじゃありません、シスコンです」

 

「って、結局ユイとストレアの事妹って認識じゃねぇか!!今までのお前の発言は何だったんだよ!?」

 

「あれは嘘だ」

 

「何で嘘付いたよ!?」

 

 

んな事抜かしてる内に、トールの耕地に着きました。んで、モンスターが複数体出てきました。………それで?何時もの通り壊無と鬼丸国綱を両手に装備。

 

完全に二刀流やないかい。つっても、キリトみたいに扱わずに柄を顔の横に持っていき深く息を吐きながら刀を構える。

 

そして、猛スピードで敵に突進。擦れ違い様に斬りつけ、方向転換をしてもう片方で斬りつける。つまりはヒット&ウェイ。シンプルだけど分かりやすくて複雑だ。

 

ユウキも【黒曜石の剣】で敵をバッサバッサと斬り倒していく。俺の稽古を観ていたのか、太刀筋がソックリ………なんだけど軸がブレブレ。教えようかな?後ろに来ていた敵Mobを鬼丸国綱で刺して壊無でトドメ。

 

関係ないけどよ、最近OSSも作ってみたり。連撃数が少ないOSSだが、俺はリアルでも吉田松○並みに強い親父に剣術を教えられた。それのお陰か、OSSの連撃数が20程ある。

 

まぁ、雑魚には使わなくても平気だけど。んで、小屋を探索しようとしたが鍵が懸けられていたので鍵を見つけて開けて、中に日記があるのでシノンに読んでもらいました。………眼鏡シノン良くね?

 

まぁ纏めると、『小島に居るワイバーンに半分持ってかれた』と。う~む、バカだ。しかも何で割ってしまって隠すんだか?直せよ。

 

んで、ワイバーンと戦って、勝って、またダンジョンに戻ります。

 

 

「………いや、作者飛ばしすぎじゃね?もっと展開遅くても良くね?」

 

「仕方ないでしょマスター。作者結構限界なんですよ、深夜に執筆してるから限界なんですよ」

 

「いや寝て起きて書けよ!!」

 

[嫌なんだお]

 

「何で出てきたぁ!!?」

 

 

そして、ダンジョンの入り口にて。

 

 

「ふぃーっと、到着到着」

 

「シヴァ、お前パクんなよ!!」

 

「はぁ!?誰がパクってるって!?何処ぞのパク夜叉じゃねぇから良いだろ!?しかもお前と俺の戦闘スタイル二刀流だけどちげぇだろ!!俺一刀でも使うしー!!」

 

「シヴァさん、キリト君………」

 

「キリト君、総督………」

 

「お兄ちゃん、それよりダンジョンの入り口に何人か居るよ?誰かな?」

 

「「んぁ??」」

 

 

ユウキに示された方向を向く。見てみりゃあ、リザードマンタイプの中ボスか。

 

 

「よーしキリト、先にアレ倒したら何か奢れよ!!」

 

「賭け事か?悪いがアスナに「お前が勝てばリアルで麻婆豆腐激辛」うっし、やるか!!」

 

「早ッ!!お兄ちゃん乗せられるの早ッ!!」

 

 

俺とキリトは翅を出してモンスターに猛スピードで向かう。

風を切る音に気付いたのか、プレイヤーは此方を見て安堵の表情を浮かべる。しかし………

 

 

「【スターバーストストリーム】!!!」

 

「【羅生門】!!!」

 

 

完全にオーバーキルと化していた。今放てる最大のスキル………いや、最上位スキルを放ちポリゴンとさせる。

 

俺たちは各々武器を納めると、向き合い………

 

 

「「俺の勝ちだよな!!?」」

 

 

お互いに向かって言い合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

急ぎすぎても良いこと無いのは目に見えてる

『空都 ライン』

 

「でぇぇええ!!忘れてたぁ!!」

 

「マスター………私言いましたよね?今日のALO内15時から会合あるって。なのにクエスト受けに行くもんだからビビりましたよ。あ、後30秒ですよ」

 

「結構駆け足なんだけどなぁ!?」

 

 

はい、読者=サマ。今はラインに戻って会合に間に合う様に移動してます。一応断りを入れたんだが………そん時のシノンの目が悲しそうにしてたのはヤバかった。何がって?可愛い。

 

ステータスに物を言わせたスピードで走ってますよ。

 

 

「残り22秒ー」

 

「でぇい!!こうなりゃあkaimu!!あれ頼むわ!!」

 

「………んま、間に合わせるには丁度良いですね。構いませんよ」

 

「さっさとやれ!!」

 

「AI使いが荒い事で………【アバターチェンジシステム発動】コード【yato】」

 

 

kaimuがコード入力すると、俺の姿が青い光に包まれる。

 

光が収まると、俺のアバターはGGOの物になっていた。この極振りAGIで集合場所に着ける!!

 

んで、集合場所前の門は壁走りして上って会議場所に着地っと!!!

 

 

「ふぃー。危ねー、ギリ間に合っ………た?」

 

 

他の領主が俺を見てる。あっ………そういや、まだGGOアバターのままだったわ。後残り………ゲッ!!15秒もあんのかよ!!しゃあねぇ。

 

 

「あーお前ら、一応アバターこんなだけどシヴァだから」

 

『……………はっ?』

 

「いや、だから。俺なんだよシヴァだよ!!全員知ってらぁ!!エイド、ドミナ、ガルロック、サクヤ、アリシャ………何でユージーンも居んだよ?モーティマー、ビーバック、フォルティ。これでどうだ!?」

 

「あ、エイドの事認識してるから本物じゃない?」

 

「フォルティ!?」

 

「中々ズバッと言うな、フォルティ」

 

「でも、エイドって何か影薄いから私たちでも何処に居るのか分からない時ってあるよネ」

 

「アリシャさん!!?」

 

 

そんな話の中、俺のアバターが青い光に包まれ、それが治まると元のアバターに戻っていた。勿論信じていなかった奴等は驚いて席を立ち上がった。

 

 

「シヴァ!?」

 

「だーかーらーガルロック、俺だってつったろ」

 

「しかし………アバターが………」

 

「kaimuに頼んで一時的にアバターチェンジ出来る様にしてくれたのさ。さっきの姿は別ゲーの姿なんだよ、偶然出来た姿なんだけどよ」

 

「「「kaimu便利だね」」」

 

「ドラ○もんみたいに扱われてます」

 

「それよか、さっさと会議始めるか。俺が言うのもなんだが」

 

「ん、それじゃあ………このアップデートに関してなんだけど………」

 

 

俺は指定された席に座り、話を聞く。因みに話しているのはモーティマーだ。

 

 

「まぁ、ここでは領主とか関係ないから別種族同士がパーティー組んだりしても問題無いよね」

 

「問題があったらあったで恐ろしいわ。俺たちだって別種族とは遊びてぇしよ」

 

「意外だな、ドミナが言うなんて」

 

「黙れターミ○ーター」

 

「いや俺の名前台詞だからって作品名出さないで」

 

「まぁそれより「ショボンヌ」最近あるよね?音楽妖精で科学者さんの所の大きなパーティー………あの規模だとギルドか。しかも今じゃ620まで増えてる」

 

「あー居た居た!!あのセブンだよね!?歌は確かに優れてるけど………ロリコンどもが多いのか領内でもセブン信者が出てきたんだよ。因みにだけど僕はロリコンじゃあない、どちらかと言えばフェミニストだ」

 

「フォルティの事は聞いてねぇよ。それより、VRニュースでも普通にやってたよな。確か12で飛び級し続けてた天才だろ?しかもロリコン共に好かれるので、その影響でギルド『シャムロック』や『クラスタ』なんてあったな」

 

「そう、シヴァの言う通り。しかも、本来PvP推奨ゲームなのに『平和的にプレイしよう』なんて言ってるからプレイヤーたちが影響されちゃったんだよね。此方でも分かるだけで30名以上は入っちゃったし」

 

「此方も同じく。シルフ領からロリコンが消えた」

 

「言い方言い方。俺んとこはアレだけどよ、んまぁそれなりに多いな。あのバラガキ共もロリコンなんだよな」

 

「それだとシャムロックに入ったプレイヤー全員ロリコンだネ」

 

『言えてる』

 

「んで、話戻すけど。あんなにギルドの人数が多いとイザコザも多くなりそうだから、誰か忠告してくれるプレイヤー………シヴァ君で良いよね?」

 

「何でッ!?何で俺!?」

 

「会議開始ギリギリに到着の罰。後は最強ギルド【奇兵隊】ギルドマスター………いや、総督って言えばいいか。圧倒的指揮能力の信頼の現れ、誰だろうと仲間に率いれる包容力への信頼の現れ、諸々合わせて信頼をしてるから言えるんだよ」

 

「えぇー………何かそういうマセガキ苦手なんだけど」

 

「まぁそう言わずに。それじゃあ注意換気頼んだよ」

 

「勝ってに決m「それじゃあ、これで会議は終了。各自解散ね」セリフサエギラレタ」

 

「良い気味だww」

 

「黙れ意外にミーハーな闇妖精領主」

 

「あ?やんのか?」

 

「「はいはい、そこまでそこまで」」

 

 

kaimuとエイドが俺とドミナを落ち着かせた後、俺は広場を出ていく。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぃー終わっt「シヴァー!!♪」ぬびゃっ!!?」

 

 

ま、また急にシノンかよ………もっとやってお願い。じゃなくて。

 

 

「お前ら、クエスト終わったのか?」

 

「あぁ。さっきエギルに暫くしたら来いって言われたから適当にブラブラしてたんだ」

 

「何でまた?」

 

「何か鍛冶屋がどうこうって」

 

「鍛冶屋か………そういや見かけねぇな。後シノン」

 

「んー?♪」

 

「皆見てるけど大丈夫?」

 

「知らなーい♪」

 

「んじゃあ………ほれっ♪」

 

 

俺はシノンの猫耳を掴み弄る。

 

 

「んぅ!?///うにゃあ///………」

 

「ほれほれ♪」

 

「んにゃッ!!///」

 

 

可愛いが止めておこう。まだ用事もあるし。ということでシノンの耳から手を離すとシノンの目がうるうるしている状態であった。その状態で俺の目を見る。………ダメだ欲望に流されそうだ。

 

 

「キリト、俺はこれから少し用事があるから少しだけ別行動取らせてもらうぜ」

 

「ん、了解。どうせ会議で何か頼まれたんだろ?さっさとやっとけ」

 

「へいへいっと、シノン少しだけ待ってろよ♪」

 

「………分かった」

 

 

つー訳で、会議で出された『セブン』を捜す。シャムロックのメンバーが分かれば良いんだろうがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

キチガイ2人の驚異………えっ、2人?

『空都 ライン』

~???side~

 

「何処ぉだぁぁぁぁ!!?ちゃっちゃと出てこんかいぃぃぃ!!!」

 

「無双状態解禁んんんん!!!」

 

「「「うわぁぁあああ!!!」」」

 

「な、なぁ!!アンタら!!俺は情報を提供した!!助けてくれるんだよな!!?」

 

「「あぁ。あれは嘘だ」」

 

「うわぁぁあああ!!!」

 

 

現在、この場所は一種の地獄と化していた。何処からか現れたプレイヤー2人に、300人程のプレイヤーが薙ぎ倒されていった。一人は番傘を使う赤みがかったオレンジ髪のプレイヤー、もう一人は二刀流の紫髪のプレイヤーが薙ぎ倒していく。たった今、番傘を持ったプレイヤーがシャムロックのプレイヤーを1人を吹っ飛ばした。ノックバックでフィールドまで吹っ飛ばされていった様だ。

 

しかも………二人共笑顔だ。目は笑ってないが。

 

 

「か、壁を作れぇぇ!!歌姫を守rぶんッ!!!」

 

 

一人のプレイヤーがシャムロックのプレイヤーの顔面を踏み台にして通り過ぎていった。そして、番傘を持ったプレイヤーがプレイヤーの壁を潰していく。

 

 

「うすぅぅぅい!!!サガ○オリジナルよりうすぅぅぅい!!!」

 

「止めたきゃ60万人持ってこぉぉぉい!!!!」

 

「それでもジャ○プより薄いがなぁぁぁぁ!!!」

 

 

ジャ○プ?サガ○オリジナル?何のこっちゃ?兎も角、その2人は殆どのプレイヤーを魔法すら使わずに独力でその行為をしていた。端から見れば完全なるglava kal’mara parony………頭イカれた奴等だ。

 

そして、その2人は私の方を見ると、お互いの顔を見て、もう1度見た。

 

 

「「居たあぁぁぁぁぁぁ!!!」」

 

 

私の方へと向かう。実際、あんな地獄絵図見せられて正気の沙汰で居られるプレイヤーは居ないだろう。

 

でも、それはゲームでのみ。現実ではどうしようもないニートなんて呼ばれてる場合が多い………というか、ALOは現実の運動能力に左右される。しかしSAO帰還者のステータス引き継ぎもあり、実際にリアルでも運動神経良いプレイヤーでも無い可能性もある。

 

この2人のプレイヤーは………どっちだ?この人数相手に対抗出来るプレイヤーは見たことが無い。というか、番傘持ったプレイヤーがALO仕様では無いように見える。しかも番傘の先端から連続でライトエフェクト出てたし、何あれ?

 

その2人の人物は私の前で止まり、1人のプレイヤーの容姿が変わる。銀髪へと。

 

 

「アンタがシャムロックギルドリーダー『セブン』かい?」

 

 

銀髪のプレイヤーが話しかける。………あっ、スメラギ君だ。どうなるか見てみようかしら。

 

スメラギ君は急激に接近し、2人の前に立ち塞がる。

 

 

「誰だ貴様等ッ!!?」

 

「誰かってか!?そうです、私が変なプレイヤーです!!………じゃなくて、俺は現水妖精領主のシヴァだ」

 

「この毎度毎度ネタを挟まなきゃ死んじゃう病の変なプレイヤーもとい、マスターの従者をしております。闇妖精でAIのkaimuです。以後お見知りおきを」

 

「俺をdisんな!!!っと、先ず悪ぃな。アンタの居場所を知るために態々ボコっちゃったゼ☆」

 

「…………」

 

「………はぁ、だから嫌なんだよ。こんなマセガキに態々忠告すんの」

 

「貴様………今何と言った?」

 

「………マスター、このプレイヤーの殺意が上昇しています。しかも調べた所、OSSの所有が確認できます。後………予測できる行動は」

 

「セブンの侮辱は許さんッ!!」

 

 

何故かスメラギ君はメニューを開き、操作する。そして、シヴァとかいうプレイヤーの前にウィンドウが展開する。

 

つまりは、デュエルだ。スメラギ君がデュエルを申し込んだのだ。当のシヴァというプレイヤーは溜め息を吐きながらデュエルを受ける。完全決着というモードにしていた。

 

スメラギ君とシヴァとかいうプレイヤーは少し離れ武器を構えた。スメラギ君は何時もの刀を、シヴァというプレイヤーは………kaimuと言ったAIが武器に変化し、それを装備する。

 

そして、デュエル開始のアラームが鳴った。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~シヴァside~

 

まったく面倒な………俺は注意喚起しに来ただけなのに。

 

 

「いや、先ずこれ注意喚起じゃなくて無双でしたからね。ただの殲滅行為ですからね」

 

「お前もしてたがな」

 

 

お互いにバカ言い合う。AIとプレイヤー、こんな訳分かんねぇ絆か?俺と同じバカやるのは面白いが。

 

っと、アラームが鳴ったな。スメラギ………俺と同じウンディーネだが、見てないプレイヤーだな。セブンに付きっきりってか?お目目が怖い怖い。

 

接近すると-恐らくOSSなのか-スメラギの左腕が水色のエフェクトを纏い、俺に攻撃を仕掛ける。

 

その攻撃の防御にスタープラチナで足腰の強化をする。中々一撃一撃が重いな。それが3回………やはりOSSだな。俺のHPがイエローまで落とされていた。

 

だが、驚いてたのはスメラギとかいうプレイヤーだった。怒りに身を任せた攻撃って大方強いと聞くが、銀魂要素あるから弱くなってら。

 

つー訳で、スメラギの懐に接近し心臓に壊無を刺し込む。スメラギを蹴り、持っていた武器を奪い首もとに壊無を向ける。

 

相手は事実上の降参………ではなく魔法で攻撃。奪った武器でいなし、壊無で斬る。ついでに奪った武器を捨てて、【ホーリー・ランス】でトドメをさす。

 

終了のアラームと大きく提示されたウィンドウが空中に広がる。エンドフレイムを【リザレクション】を使いスメラギを元に戻す。

 

んで、セブンに向かう。

 

 

「さて、セブンだっけか?伝えることがあってな」

 

「………な、何?」

 

「アンタに忠告。メンバーが多すぎると他のプレイヤーとのイザコザが多くなるから、それの注意喚起さ。じゃあな」

 

 

という訳で帰る。帰るんだよ、注意喚起終わったの。だからシノンとイチャイチャすんの!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

流石に2vsその他大勢は鬼畜なんだお

『翌日 ALO 空都ライン 広場』

 

えー皆様、今ね広場に緊急招集されたんだお。んで、入ってみれば他の領主全員居たんだよ。………んで、全員から魔法と近接攻撃を受けたんだお。何でやッ!!?

 

 

「な、何で私も………?」

 

 

どうやらkaimuもやられてんたんだお。なじぇに!?

 

 

「何故にじゃねぇぇぇ!!!」

 

「ブロンブスッ!!!」

 

 

今度はドミナがキックをぶちこんできた。それが顔面にクリーンヒット!!!ってか、心の中読まないで。

 

 

「何で招集されたか知ってるか?テメエらのせいなんだよ!!!」

 

「「????」」

 

「疑問符を浮かべんな!!テメエらシャムロックのメンバーに無双パーリナイとか言いながら何吹っ飛ばしてんだ!?お陰で忠告どころか悪化させてんだよ!!」

 

「無双パーリナイじゃないです!!無双状態解禁です!!」

 

「どっちでも良いわ!!ってか、唯一の歯止め役のkaimuが何で無双してんだよ!?」

 

「いえ、こっちの方が効率良いじゃないですか。だってカーディナルの位置提供情報でも分からなかったんですよ。多分開発者の人間ですし………という訳で私もマスターの案に乗って」

 

「ちょっと待てkaimu!!お前の方から提案してきただろ!!俺も提案してきたけど!!」

 

「結局テメエら2人共じゃねぇか!!!」

 

「兎も角、シヴァ君は座って。これからの話をしたいから」

 

「う、うぃす………」

 

 

指定された席に座って緊急会議をします。

 

 

「さて、会議を始めたいけど………まぁ議題は知っての通り、シヴァ君とkaimu君の行為による影響だね。んまぁ、シャムロックとクラスタのメンバーからシヴァ君がボコられ………ないね、確実にない」

 

『確かに』

 

 

そう言いながら俺以外の領主が頷いてる。俺を何だと思ってんだお前ら。

 

 

「鬼畜」

 

「ドS」

 

「兵器」

 

「破壊神」

 

「チート」

 

「災厄」

 

「諸悪の根元」

 

「どれを取っても怨まれやすい」

 

「何で心を読んでくるんだぁぁぁぁ!!!」

 

「というか最後のモーティマーさんの発言はちょっと語弊がありますね。怨まれやすいんじゃなくて勝手に嫉妬されているだけです」

 

「あ、僕の発言に追加で鬼畜の後に外道付け加えて」

 

「フォルティ!?」

 

「んで、これから起きる事柄を予想すれば………まぁ、シヴァ君が狙われるのは確実だけどね。狙われても普通にボコりそうだけど」

 

「もう俺の評価それなのね………」

 

「だが、これは不味い事態でもあるな。何時シャムロックやクラスタのメンバーから批判殺到するか分からんぞ?」

 

「それだと水妖精になるプレイヤーも減るよね」

 

「………あ、そうでも無い様です」

 

「kaimu?」

 

「ほら」

 

 

kaimuが広場の扉を指差すと、俺とkaimuにとっては見慣れた奴等が姿を現した。

 

 

「………セブンだな」

 

「えぇセブンですね、七色・アルシャービン博士と呼ばれてる天才です」

 

「何で説明口調?」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『エギルの酒場にて』

 

「ふぃー」

 

 

キセルを吸いながら一息着く。やはりエギルが営む場所は何の予定も無くても生きたくなるなぁ。とゆう考えの中、エギルがドリンクを出す。

 

そのドリンクを飲み、溜め息を吐く。

 

 

「どーしたよシヴァ?溜め息なんかついて、お前らしくねぇな」

 

「ちぃとな。緊急招集されたろ?俺」

 

「あぁ、されたな」

 

「そこでシャムロックギルドリーダーのセブンが来てよ」

 

「ふぅん…………は?」

 

「だーかーらー、さっきの会議でセブンが来たんだよ。あのロリコン召集機が」

 

「いや、何だその呼び名?………それよか、何で来たんだ?」

 

「何かさぁ、『注意喚起ご苦労様、そうさせてもらうわ。この水妖精領主様の実力に敵わないものね』だと」

 

「納得した」

 

「納得せんで良い」

 

 

またキセルを吸い、一服する。こんな時間があるだけで幸せだねぇ………あっ。

 

 

「………そういや、これからエイドとキリトと狩りの約束あったわ。ほい、勘定」

 

「毎度。ってかエイドって誰だ?」

 

「影妖精領主の名前」

 

「ふぅん………まっ、行ってこいや」

 

「行ってくらぁ」

 

 

俺はラインから出て転移地点付近に居たエイドとキリトと挨拶をした後、お目当てのダンジョンに向かう。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

『フィールド内』

 

「………って事があってさぁ」

 

「シヴァ………お前、パーリナイは無いわ」

 

「パーリナイじゃなくて解禁だお」

 

「どっちでも良いわ」

 

 

そんな他愛ない話をしながら、目的のダンジョンに着いた。しかし、そのダンジョンの門前に1人のNPCが居た。

 

話を聞いてみれば『実はこのダンジョンの魔物に宝を奪われた。しかし、この扉はどの様な事をしても開かない。だが、長い年月を費やし小さな穴を開ける事が出来た。しかし穴が小さすぎて入れない。小さくなれば良いのだが』と言ってきた。

 

そこでエイドが獲得したアイテムの出番。【小槌】なのだが………ベタなのは【打出の小槌】だろうが。

 

しかし、その小槌はNPCが渡せと言うので渡してみると、今度は横一列に並べと言われたのでNPCから見て左から俺、キリト、エイドという順番で並んだ。

 

そして、俺の所へ来ると小槌は俺よりも大きくなり俺を………ここから記憶が飛んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

antクエスト

~キリトside~

 

今、俺とシヴァと影妖精領主のエイドで狩りをしにダンジョンに出掛けていた。そのダンジョンの門前にNPCが居たので話を聞いてみるとクエストが開始された。

 

影妖精領主のエイドが小槌をNPCに渡した途端、シヴァの体が潰された。大きくなった小槌に。

 

何のエフェクトなのか、俺の頬に赤い染みみたいな物が着いた。それに触れると血の様にベトッとしていたのを覚えている。

 

そして、俺にも………ここから先は曖昧になっている。

 

気が付けば俺たちは………

 

 

「門でかくね?」

 

「いや、これは俺たちが小さくなってるだけだな」

 

「何でだあぁぁぁぁ!!?」

 

 

小さくなっていた。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

「よし、一旦整理な。このクエスト名が【antクエスト】、つまりは【蟻クエスト】だな」

 

「この蟻が、まさか敵Mobの事じゃなくて俺たちの事だったのか。どうりで最初に小槌が必要って言ってたのか~……」

 

「じゃねぇだろぉぉ!!」

 

「ぶべらッ!!?」

 

 

俺は無意識に自分の領主の顔面を殴った。それを見ていたシヴァは笑い転げていたが、エイドに顔面を殴られてお相子になった。

 

 

「何であんな事されなきゃならないクエスト受けたんだよ!?つーか、あの潰された時のエフェクトが滅茶苦茶リアルだったんだけど!?あれ?これ血だよね?って一瞬混乱したわ!!」

 

「いや、小槌が必要って言われたらアレしかないでしょ。普通にコツンってやれば小さくなるヤツかと思ってさぁ……そこは不可抗力ってヤツで♪」

 

「あり?そういやエイド、そのクエストの詳細を俺にベラベラと喋ってなかったっけ?」

 

「不可抗力でも何でもねぇじゃねぇか!!知ってたじゃねぇか!!知ってて受けに来たんか、このクエストを!!?あれ初見じゃトラウマ確定だわ!!」

 

「それよりも皆様」

 

 

急にシヴァの装備している【神壊刀・壊無】から声が発せられた。即ち、kaimuが話しかけているのだ。

 

 

「このクエストをクリアするのが元に戻る唯一の方法ですし、言い争いは止めにしませんか?特に真っ黒黒助もといツッコミキャラ」

 

「お前は言い争いを治めたいのか、俺を貶したいのかハッキリしやがれ!!!」

 

「おー……kaimu君、その状態でも話せるんだ。意外」

 

「元々武器に化けてましたし。それよりさっさと行きましょうか、そこのツッコミは置いて」

 

「kaimuテメエ!!!」

 

 

こんなやり取りがありながらも、俺たち3人はNPCの空けた穴に入る。kaimu……テメエ後でブッ飛ばしてやる。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

その穴の中を進む俺たち。その途中、虫型モンスターやワーム型モンスターが出没していた。しかし殆どが火属性に弱いため、魔法で一気に蹴散らしたり、【エンハンス・フレア】を使い近接攻撃を加えたりして蹴散らしていた。

 

その道中、kaimuが俺に話しかける。因みにkaimuはアクティブモードになっている。

 

 

「キリトさん、実は……お話したいことがございまして」

 

「話?珍しいな、お前がそんな前置き付けるなんて」

 

「いえ、少々悩みがありまして………」

 

 

意外だった。カーディナルそのものに保護されている高位AIであるkaimuが悩みを持っているのだ。俺は珍しいケースだったので尚更驚いた。

 

 

「んで?どんな悩みなんだ?」

 

「はい。実は……………この小説に0の評価が付いてしまって」

 

 

盛大に転けた。自分の顔面が地面にぶつかりダメージ判定が現れたが、俺は直ぐ様立ち上がりkaimuに向かい合う。

 

 

「滅茶苦茶メタイわ!!!何でこの小説の現状を物語で話さなきゃなんねぇんだよ!?」

 

「いやだって、作者が確認したら0評価付いてて。暫く考えていたらネタにしようと作者トチ狂ってしまいまして」

 

「だからって生々しい現実をここで話すか普通は!!?これ物語!!これ創作物!!ドゥーユーアンダースタンッ!!?」

 

「この小説は銀魂要素が付いているんです。多少の生々しい現実を小説に書かなければタグ詐欺になるじゃないですか」

 

「生々し過ぎるわ!!原作にあるまじき生々しさだわ!!」

 

「何故いけなかったのでしょうか?やはりロリコン召集機と書いてしまった事が原因なのか?はたまた56話の後書きを見ても活動報告に何も無かったから腹いせなのか?」

 

「いや、後書きの活動報告って何?」

 

「ユウキさんの旦那さんオリキャラ募集でしたが、要らないやって作者が消しました」

 

「おぉい、これだと読者から批判殺到すんだろ!?何で消したよ作者ぁ!!?」

 

「おーいテメエらー。来てみろよー」

 

 

俺たちに向かって伝わる声。その声の主はシヴァであり、手招きをしていた。シヴァの元へと歩き、シヴァが指差した方へと視線を向けた。

 

そこには、大きな空洞をねぐらとしていた土竜モンスターが居た。かなり大きい。見ればHPバーが3本あった。

 

土竜型のモンスターなので爪は曲線を描き、土を掘るのに特化している様に見える。しかし目は反応していないのか、特徴的な星鼻で匂いを嗅いでいる。

 

 

「ありゃあ『ホシバナモグラ』か。モデルは」

 

「ホシバナモグラ?」

 

「鼻が別れていて、その鼻の形が正面から見たら星みたいだからホシバナモグラ」

 

「成る程……私もリアルの情報は検索していますが、実際見たことありませんからねぇ」

 

「それより、あのボスを倒せば良いらしい。つー訳で即興で考えた作戦の指示に従ってくれ3人とも」

 

 

俺たちは頷き、シヴァの作戦を最後まで聞く。聞き終わると俺たちは承諾し、ボスモンスターに攻撃を仕掛けた。

 

先ずはkaimuとシヴァがデバフ魔法をかける。kaimuは【柳生の大太刀】を装備し、俺たちと斬り込む。

 

俺は二刀流、kaimuは刀、エイドは意外にも弓を使い攻撃していた。シヴァは水属性の魔法を連発、MPの回復をした後、また水属性の魔法を連発していた。エイドは【バインド】を弓矢に詠唱し、それを放つ。攻撃に加え、ある程度の拘束が可能なので頼もしい。

 

それが続けられていると、ボスのHPが2本目に突入した。しかし、まだ2本目。これからが本番である。

 

何と、『跳んだ』のだ。シヴァやエイドか居る位置まで。

 

それに反応したシヴァとエイドは、ボスモンスターと壁の隙間まで移動し難を逃れた。

 

しかしながら、『跳ぶ』ということは『落下』もするということ。俺とkaimuは少しだけ浮かび、シヴァとエイドは落下してくるモンスターと壁の隙間に移動し避ける。

 

着地と同時に上から先程戦ったワーム型モンスターや虫型モンスターが落ちてきた。これにはウザったい。

 

 

「キリト!!エイド!!【ハイディング】使え!!俺が引き付ける!!」

 

 

シヴァはそう言うと、【バトル・シャウト】を発動させ全モンスターのタゲ付けを行った。これにより狙われるのはシヴァのみ、その隙に攻撃しろという物だ。

 

俺とエイドは【ハイディング】を詠唱し、攻撃を続けた。

 

一方のkaimuはシヴァに向かってくるモンスターを斬っていた。シヴァの方は【天下五剣 鬼丸国綱】でボスモンスターを斬ると同時に水属性魔法で怯まさせる。周囲に居るモンスターは完全にkaimu任せだ。

 

それが続き、やっとの思いで残り1本となった。まだ俺たちのHPは安全圏内にある。

 

すると、ボスモンスターが鼻を伸ばして俺たちに攻撃をする。まるで鞭の様に。それによりイエローゾーンに差し掛かった。

 

 

「くそっ!!全体攻撃かよッ!!」

 

「面倒なモンスターですねぇ。それよりエイドさん、策でもありますかね?」

 

「………kaimu君、出来れば情報は調べないでよ。でもまぁ、やるしかないけどね」

 

 

エイドは詠唱しながら弓矢10本を放った。しかし、その弓矢の移動速度が遅い。続けざまに弓スキル【ワイド・ショット】の発動中に魔法を詠唱する。そして、またもや弓矢の移動速度が遅い。

 

 

「OSS【時は加速する】」

 

 

エイドは直ぐ様全ての弓矢に魔法をかける。すると、先程まで遅かった弓矢が目にも止まらぬ速さでボスの体を貫いていく。その数、およそ16本。

 

その速さで貫かれたボスは雄叫びを挙げながらポリゴン一歩手前まで追い詰められていた。

 

そこをシヴァが氷魔法で仕留め、ボス戦を終えた俺たちはダンジョンを出た。出ると元の大きさに戻っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

鍛治妖精領主の実力は如何に?

『宿屋 シヴァの泊まる部屋』

 

「何で来てんの?」

 

「なんとなく」

 

「シヴァ、このプレイヤー誰?」

 

「んぁ?あぁ………コイツはビーバック。鍛治妖精領主だ」

 

「へぇ………えっ?」

 

「お兄ちゃんボクたちの知らない所で友だち増えてるよね」

 

「…………」

 

「リアルで妹なんだよ、ユウキは」

 

「あっ、何だそうなんだ。てっきり何処かのプレイヤー垂らしこんで、そんなプレiブンッ!!?」

 

「一応妹は純粋無垢だからな?んな言葉を使うなバカタレ」

 

「領主のボケと領主のツッコミを初めて見た」

 

「キリトはエイドと俺のツッコミやったぞ」

 

「………キリトってスプリガン最強の?あのプレイヤーが自分の領主殴ったの?」

 

「ツッコミという役を利用したのさ、あの真っ黒黒助」

 

「「エイドって誰?」」

 

「影妖精領主。あの真っ黒黒助より黒くは無いね、寧ろ紺色だわ。しかもリアル桂だわ」

 

「あー………はいはい、エイドの顔ね。確かにリアル桂って言われてファンクラブの会員多いんだよね」

 

「マジで?んまぁ確かにエイドの周りに居たな、結構居たな。居たとしても50人程」

 

「多いわね」

 

「いやでも、人気の領主には非公式ながらもファンクラブ位は出来てるもんだよ?あのフォルティとか、サクヤとか、アリシャとか、意外にもガルロックとかも」

 

「………あのゴツ目のガルロックが?何か信じらんねぇな」

 

「居たよ、あの筋肉目当てに」

 

「いやそこなんかい」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~ユウキside~

 

今ね、お兄ちゃんの部屋でくつろいでたんだ。シノンお姉ちゃんも居たんだ。何でかお兄ちゃんが頬をローブの裾で脱ぐってたけど……何でだろ?

 

それより………何でか鍛治妖精領主って人が来たんだよね。お兄ちゃんの部屋に。話からだと「暇だから来た」って言ってた。暇だから領主の仕事放っぽっちゃって良いのかな?

 

それより、領主って事は強いんだよね?ってビーバックさんに尋ねてみたんだけど、そこでデュエルでもしない?って言われたんだ。

 

勿論ボクはどんな強さなのか体験したかったからデュエルをすることにしたんだ!!お兄ちゃんとのデュエル見てたけどナックルの速度が速いんだ!!お兄ちゃんからは

 

 

「あれに生半可な気持ちで挑むのは無し。あれにはエンドフレイムにさせる勢いで殺らなきゃ無理」

 

 

字幕が物騒だったけど気にしない。確かにお兄ちゃんとビーバックとのデュエルは白熱した物があったんだ!!だから戦いたい!!

 

そんな気持ちでボクはデュエルを申し込む。ビーバックもOKをし、お互い武器を構える。

 

ボクはいつもの片手剣のみ。この方が速いからね。

 

対してビーバックは………両腕が全部覆われていた。何だろ?

 

 

「これはガントレットって言ってな、オレが愛用する自慢の手製武器なのさ♪」

 

 

つまりは体術で戦うということ。そのガントレットの見た目は緑色の竜の鱗みたいなので覆われていて、完全に打撃専用の武器。斬撃とか刺突とかじゃないみたい。

 

そんな考えをしていると、アラームが鳴り響いた。つまりはデュエル開始の合図。

 

ボクは最高速度でビーバックに突っ込んだ。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~シヴァside~

 

さて、始まったか。先に仕掛けたのはユウキ、お得意の素早さで相手と一気に片を付けたいんだろうが……無理な話だ。普通に防がれてるか避けられてるのだ。

 

 

「……速いわね。ユウキのスピードに対応出来るなんて」

 

「そりゃなぁ。そもそも武器の重さやリーチも違うのに」

 

 

そう、ユウキの武器は片手剣。対しビーバックはガントレット。一見すれば武器を持ったユウキが優勢と思うのだが、俺からはそんな考え思いつかない。

 

ガントレットの重さなのだが、「そこまで重くない」と言ってたのでスピードは今のところユウキと同等なのだ。反射神経も目を見張る物がある。

 

ユウキが片手剣で突こうとすると、ビーバックはガントレットで剣の腹を裏拳で弾く。その隙に1発パンチを当てるという、完全に遊んでる戦い方をしている。

 

さらには左足を軸にして回転の勢いでユウキの鳩尾に当てた。そこまでノックバックは無いのか、ユウキは体勢を崩す事は無かった。

 

ユウキはビーバックを見た。楽しそうな目をしているけど……大丈夫かな?ユウキのHPは、まだ安全圏の緑。

 

 

「あっ」

 

「シヴァ?」

 

「そういや……モーティマー以外の領主にOSSあったんだ」

 

「……何それ?」

 

「確かビーバックのOSSは……あ、来るな」

 

 

再度ユウキとビーバックを見る。ユウキが突っ込み、OSSである【マザーズ・ロザリオ】を発動させる。

 

しかし、ビーバックはソードスキル【パワーナックル】を発動させて相殺。意図も簡単に破られた事に対し、ユウキ自身もシノンも驚いている。

 

 

「OSS【ライトニング・ダスト】」

 

 

ビーバックのガントレットが光を帯び始めた。その光に先行される様にビーバックは動いた。

 

ユウキに接近し、両肘でユウキの首を狙い放つ。

 

さらに、右足を軸に回転し裏拳、通常の攻撃と入れる。回転を左足で止め左手でアッパーを食らわせる。

 

最後に空中に少し浮かんだユウキの腹に両手で殴る。地面を滑るユウキはイエローギリギリの状態で居たが、立ち上がり体勢を整える。

 

ビーバックのOSS【ライトニング・ダスト】。7連撃の攻撃だが、威力はバカに出来ない。あれで並大抵のネームドモンスターを狩ってきていたのだ。ここ最近の話だが。

 

因みにエイドのOSS【時は加速する】。これは弓矢自体に【スロウ】の魔法を高速詠唱させ弓矢を設置した後、全ての弓矢に【クイック】の魔法を高速詠唱して敵を穿つ16連撃。

 

俺にもOSSはあるが……まだ見せられないな。お楽しみというやつだ。

 

最後にユウキは俺がヒースクリフとの対戦で使った『隠蔽スキル』を発動させた状態で高速移動し、相手の背後を狙う攻撃を入れた。

 

一撃。たった一撃だが、ユウキは何処か満ち足りた表情をしていた。それはビーバックも同じ。ビーバックは回し蹴りでトドメを刺すとデュエル終了のアラームが鳴り響いた。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

『エギルの酒場』

 

「お兄ちゃーん!!!負けちゃったよぉー!!!」

 

「はいはい、それ何度も聞いたから。泣かない泣かない。ビーバックに一太刀入れただけでも凄いから」

 

「へぇ、コイツがね。俺だとどんな結末になってた?シヴァ」

 

「絶対に一撃入れないで負ける」

 

「そこまでかよ……」

 

「いやぁ久しぶりだったよ、一撃入れられたの。シヴァには負けたけどさぁ」

 

「もうコイツ人間じゃない」

 

「エギル、この店の不評を流してやる」

 

「ハッハッハッ!!さてっと、ちょっと鍛治場貸してくれるかな?マスター」

 

「別に構わないが……何を作るんだ?」

 

「ユウキちゃんにプレゼントさ♪」

 

「……ふぇ?」

 

 

それから少し経つと、ビーバックが剣を片手に持っていた。それをユウキに渡した。こういうことなのか。

 

 

「【黒曜石の剣】。スキル追加で『硬直時間短縮』に『スピードアップ』のバフ付きだよ♪」

 

「……俺の武器も頼めるか?」

 

「素材集めね」

 

 

ユウキは、バフ付き【黒曜石の剣】を手に入れて大満足だった。使い勝手は良かったそうだ。ビーバック便利。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

キリト………死ねやァァァ!!!  ふぁッ!?

『ALO内』

 

「ァがッ!!ァががッ!!……………」ピクピク

 

「お兄ちゃん!!シヴァさん痙攣してる!!何とかしてよ!!」

 

「何を!?どうやって!?」

 

「と、兎に角水!!水!!」

 

「おっ、何だこれ?」

 

「って、クラインさん!!それはダメ!!」

 

「えっ?………グボァ!!!」

 

「く、クラインさーん!!!」

 

「」ピクピク

 

「…………もうカオスじゃねぇか」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

~シヴァside~

 

「おぅおぅクライン!!このバカどうするよ!?やっぱヨツンヘイムに置いてくか!?」

 

 

はい、皆様どうも。シヴァだよ………冒頭からカオスだったのは訳あり。キリトの料理を間違って食べたから。今はkaimuに頼んでキリトのペインアブソーバーを7にして、首を絞めてる途中。

 

 

「ぐ、ぐるじい………」

 

「そうだな!!うっし!!今すぐヨツンヘイムに投げてくるか!!」

 

「や、やべぼ(や、やめろ)………じぬ(死ぬ)………いだい(痛い)………」

 

「あのーシヴァさん、クラインさん。キリト君もわざとじゃないので、それぐらいで良いんじゃ?」

 

 

そのリーファの鶴の一声でキリトの首を解放し、kaimuにキリトのペインアブソーバーを元に戻しておいた。

 

 

「い、痛かった………あんなに締め付ける必要n「「ある」」さいですか」

 

「それよか………キリト現実じゃ料理は出来る方なのによぉ、やっぱVRだとデータの影響で反映されたのか。お前干し肉位だろ作ってたの」

 

「あ、そこはそうなんですね。SAOじゃ殆どアスナさんとシヴァさんに任せっきりって言ってましたもん」

 

 

どうやら、リーファはアスナに料理を学んでいる様だ。成る程、恐らくどんな料理が出来るか知りたかったな?末恐ろしい奴め。

 

 

「それはそうとリーファちゃん、総督に料理教えてもらったら?」

 

「……俺?何で?」

 

「だって総督、最近料理作ってないじゃないですか。リハビリも兼ねてって事です♪」

 

「………別に良いがよ、大丈夫か?リーファ」

 

「あ、はい!!宜しくお願いします」

 

 

という事で、リーファの料理スキル上昇の手伝いをすることにした。因みにだが、何故かアリシャが来てた。しかも俺の料理がどんな物か確認するため、クライン、アスナ、アリシャが席に座っていた。アスナは知ってるだろ。

 

そうだな………アスナはシチューだったから、俺は少し工夫してチーズinハンバーグでも作るか。

 

 

「まぁ先ずはひき肉にする」

 

「ふんふん」

 

「次にひき肉の中にチーズを入れましょう」

 

「チーズはどっから出てきたんだ?」

 

「牛乳を発酵すりゃ良し。因みにクエストでも採れるし街中でも売ってるが、やっぱりクエストのやつが一番鮮度が良い」

 

「「「「ほぇー」」」」

 

「次に空気を抜きましょう。ここまではリアルと同じ」

 

「ふむふむ」

 

「後は出来た物をフライパンに入れて、火加減と時間を決めたらオッケー」

 

 

同じ行動をしていたリーファには良い経験になったと思いつつ、時間まで待つと………出来た。まだ鈍ってはいなかったか。

 

 

「ほい、お待ちどうさん。チーズinハンバーグだ。後、お好みでコレ付けろ」

 

 

出したのは……青いジャムの様な物が入った瓶。それを見たアリシャ、クラインは顔を歪ませていた。

 

 

「ねぇシヴァ、これ何なノ?」

 

「アスナ伝授のソース」

 

「……これが?ソース?」

 

「あのなぁ、俺よりも上手いアスナから伝授してもらった代物だぜ?言っちゃあ悪いが、こんな見た目でも味は保証すらぁ」

 

「あ、じゃあ頂きますね」

 

「「えっ!?」」

 

 

リーファか躊躇なく瓶に入った青いジャムの様な物を舐める。暫く味わっていると、クラインとアリシャの方を向いて

 

 

「ソースでしたよ♪」

 

 

二人は暫く俺とアスナを交互に見つつ、その瓶に入っている青いジャムの様な物をハンバーグに懸けて食べる。

 

暫く咀嚼していると………二人の表情が一変、驚いた表情になった。

 

 

「ホントだ、ソースだネ」

 

「スッゲェ合うんだが……上手いじゃねぇか!!シヴァ!!」

 

「そいつはどうも。料理したかいがあった」

 

「あ、シヴァさん味見お願いします」

 

「ん」

 

 

俺はリーファの作ったハンバーグを一口食べる。

 

 

「………うん、旨いよ。美味しい」

 

「ホントですか!?良かったぁ、失敗したらどうなるかと……」

 

「失敗って……まぁ何事もコツコツってことさ」

 

「ですよねぇ♪」

 

「後はキリトにでも食べさせとけば?」

 

「それじゃあ……お兄ちゃんちょっと!!」

 

 

リーファがキリトに作った物を運び、キリトが食す。ん~普通だな。えっ?何がって?………この小説のオチだよ。

 

その後、エギルが俺の料理の感想を言った後に「料理番頼めるか?」と言ってきた。勿論俺は

 

 

「気が向いたら」

 

 

そう言ってリアルに帰った。………こんなオチで誰か読んでくれるもんかねぇ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

珍しい事もある

『ALO フィールド内 ダンジョンの1つ』

 

今は、久方ぶりにノーチラス、ユナ、ユウキ、俺でダンジョンの1つに潜り込んでいる。ユウキはビーバックから作って貰ったスキル付き【黒曜石の剣】でソードスキルを連続で出したりしている。勿論通常攻撃もするが。

 

ユナは歌で皆のバックアップ、ノーチラスはユナの護衛をしながら遠距離で魔法を撃っている。火妖精のノーチラスだが、魔法は中々の物。さらには回復魔法まで覚える始末。

 

俺は今回は【神壊刀・壊無】を使わずに居た。kaimuになってキリトたちに着いていってるのさ。持っている【天下五剣 鬼丸国綱】を装備し、斬り捨てていく。時には武器を【トンファー】という武器に変え、ソードスキル【スマッシュ・ナックル】をモンスターに当てる。

 

こんな調子で戦うこと数分………

 

 

「いやぁ、結構疲れるねぇ」

 

「お兄ちゃん肩回しておじさんみたい♪」

 

「おじさんの年齢じゃないけどね。精神年齢は別として」

 

「それはそうとシヴァさん、何時もの武器を持ってない様ですけど……何故?」

 

「あー……そりゃお前、熟練度上げときたいだろ?後は壊無が無くても強くならなきゃいけなかった。壊無強すぎだからな」

 

「壊無の攻撃力ホントに高いもんね。あれ伝説級に入っても可笑しくないよね」

 

「確かに」

 

 

俺たちはダンジョンのど真ん中でゆっくりと歩いて徘徊していた。何分敵にも慣れたので、警戒は怠っていると不味いが欠伸をしている。だって暇なんだもん。

 

そうこうしている内に鍵をゲット。そんでボス部屋に歩いて話ながら行く。

 

例えば魔法の熟練度や、普通にリアルの事だったりと。

 

 

「最近ノーチラスよぉ、リアルで何してんの?」

 

「んー………普通に学校行って、普通にユナと居て、普通に勉強して、普通に宿題して」

 

「いや確かに普通だな。でも然り気無くユナを出してくる辺り仲は良好の様だな」

 

「あ、バレました?」

 

「いやバレるも何も、然り気無く恋人繋ぎしてる時点で仲が良いのは丸見えだわ」

 

 

俺は2人の握られている手を指差して示す。先にユナが、その繋がれた手を挙げて俺たちに見せる。クラインが居たら血涙がリアルで現れそうだな。

 

 

「それを言うならシヴァさんも仲が良いじゃないですか、シノンさんと」

 

「あー……そういや最近シノン、アスナたちと狩りに出かける事が多くなったな。何でだ?」

 

「さぁ?でもお姉ちゃんの事だから、お兄ちゃんにプレゼントとか?」

 

「プレゼント……ねぇ。このALOにあったか?俺が好きそうなアイテム」

 

「「「さぁ?」」」

 

 

そんな事を話し、歩きながらボス部屋まで着いた。道中のモンスターは水属性魔法【アブソリュート・ゼロ】やノーチラスが火属性魔法【メテオ・エクスプロージョン】を使用し、殆どを殲滅させた。

 

MPを回復させた後、俺たちはダンジョンのボスへと向かう。

 

現れたのはノッカーの様なタイプの中ボスモンスター。手にはツルハシを持ち、顔は猪の様で頭にとんがり帽を被り、緑色の作業服を着た見た目だった。

 

 

「さて、一仕事行くぜ」

 

 

トンファーを装備し、構える。周囲には雑魚モンスターが居るが、んなもん知らん。何時もの通り、俺とユウキで攻め、ユナはバックアップにノーチラスは護衛。

 

ところでだが、このトンファーには少し珍しいスキルが付与されている。それは【種類切り替え】。トンファーはナックルなのだが、このスキルで二刀流も使えるのだ。リーチは短いが。

 

二刀流モードで【ゲイル・スライサー】を当て、ナックルモードに変化。ユウキが【ホリゾンタル・スクエア】を当てた後、俺が【タービュランス・ラッシュ】で敵の懐に潜り込み4連撃のパンチの後、3連撃のキックを当てる。

 

直ぐ様俺とユウキは横に逃げる。ノーチラスとユナの魔法が来ていたからだ。ユナは闇属性魔法【ヴォイド・ディストーション】を、ノーチラスは光属性魔法【ホーリー・ランス】を発動させボスにダメージを与える。

 

相手は残り半分のHP。俺は武器を入れ換え、ユウキとの連携でボスを斬りつける。

 

ボスは雄叫びを挙げながらポリゴンへと消滅し、奥に鉄格子で閉ざされた部屋が開通する。

 

部屋にあった宝箱を調べると、中身は『シンドリの小槌』というアイテムだった。キリトたちの方はどうかとメッセを送ってみると、あちらもアイテムを回収したらしい。

 

なので、俺たちは一旦ラインに帰ることにした。

 

 

 

 

 

 

[最近ネタが少ない件に関して]

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

暴☆走☆開☆始

『空都ライン エギルの酒場』

~キリトside~

 

「死ねえぇぇぇぇええ!!!」

 

「し、シノのん止めてー!!!」

 

「俺の店がぁぁぁぁ!!!」

 

「あひゃひゃひゃひゃ!!撃って撃って撃ちまくれぇぇぇぇいぃやぁ!!!」

 

「「「さっさとシヴァ帰ってこぉぉぉい!!!」」」

 

「ただいm「お帰りー!!♪」マグルッ!!?」

 

「あ、マスター。お帰りなさいませ」

 

「…………これは一体……どういう状況?」

 

「ん~、シヴァ~♪」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

シヴァが帰って来た事でシノンとkaimuの暴走が収まり、シヴァは幽波紋で直してくれた。それを見たエギルは歓喜の声を挙げていた。

 

一方、暴走していたシノンはシヴァの膝の上に座り、シヴァに抱き抱えられている。kaimuは静かにシヴァの隣に立っている。

 

 

「それで……一体どういう状況だった訳?」

 

 

シヴァのパーティー組であったユウキ、ノーチラス、ユナも首を縦に振る。

 

 

「それは私めがお教え致しましょう、マスター」

 

 

この事件の当事者のkaimuが説明するそうだ。お前は反省する側だろ!!

 

 

「先ず事の発端は…………シノンさんがシヴァさんとの触れ合いシーンが少なかった事です」

 

「待て待て待て!!何でメタさ全快でシーンって発言しちゃうわけ!?そこはオブラートに出番って言えよ!!」

 

「どっちも一緒じゃねぇか」

 

「この小説、本来銀魂要素を詰め込まなければならないのに実際銀魂要素が最近無いじゃないですか。それに続いてイチャコラシーンも無かったんですよ?読者も飽きるでしょ、普通の小説なんて。この小説は銀魂orイチャコラ要素あってこその作品でしょうに」

 

「何でイチャコラ要素なんて追加してきたよ!?確かに銀魂要素が最近殆ど無かったけど!!」

 

[ネタが思い付かないんだもん、察して]

 

『何か出てきた!!?』

 

「いーや、何で作者がひょこっと出てきてんの!?つーか作者が物語で普通に出てくる小説ここぐらいしかねぇよ!!何で態々自分を出してんの!?」

 

[出番が欲しい]キリッ

 

「ドヤ顔キモいわ!!」

 

[あぁぁんまぁりぃぃだぁぁぁぁ!!!]

 

「さて、傷心の作者はゴミ箱に捨てといて[酷くねッ!?]今度は私が暴れていた事についてです」

 

「それは何で?」

 

「またこの小説に0評価が付きました」

 

「「いやまたぁ!!?」」

 

[また0が付いちゃった。テヘッ]

 

「「じゃねぇんだよぉぉぉ!!!」」

 

[ブベランッ!!!]

 

「これはチャンスと思った作者が0が付いた勢いでネタにでも走ろうと考えた訳ですよ」

 

「「結局作者のせいかよぉぉぉ!!!」」

 

[こんなキャラ&原作崩壊&作者の乱入小説なんてここ以外無いね。0付いたお陰でネタに走れたんだよ、何故か0評価に慣れちゃったよ]

 

「いや慣れたらダメなヤツだから!!んな事したら0評価もっと多くなるから!!この小説の人気ガタ落ちだから!!」

 

[「既に人気ガタ落ちの小説なのに何を言ってるんだ?」]

 

「駄目だぁ!!!このAIと作者の感覚が麻痺してるぅぅ!!普通の小説にあるまじき感覚を覚えちまってるぅぅ!!」

 

「それなら評価の理由を見てみりゃどうよ?」

 

[それは俺のメンタル豆腐だから無理。いや、豆腐じゃなくてゼラチン不足のゼリーメンタルだわ]

 

「もっと脆いじゃねぇか!!触れたらアウトなヤツじゃねぇか!!」

 

[今回はオリ主のツッコミが冴える]キリッ

 

「ドヤ顔は良いんだよ!!どーすんだよこれ!?この小説既に0評価2つあるんだけど!?それでも続けてるの、この小説ぐらいしか無いよ!!」

 

「思いきって打ち切りにするとか?」

 

「ユウキ?お前何を言って[成る程]えっ?」

 

[うっし!!ならば、この小説は次回で打ち切りだ!!]

 

『はあぁぁぁぁぁ!!?』

 

[つー訳で、次回は反省も兼ねて打ち切り最終回に進むよ!!皆見てねー♪]

 

『見れる訳ねぇだろぉぉぉぉおおお!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

打ち切りッ!!反省会をしよう!!

1「という事で、えー作者の突拍子もない発言により、この小説は今話をもって打ち切りとさせていただきます」

 

2「数々のご愛読者の皆様、好評価を付けてくださった皆様」

 

3「また、感想をくれた読者様方。低評価を付けてくださった皆様」

 

「「「本当にすいませんでしたッ!!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1「よーし和人、お前白装束着てんだ。一思いに切腹しろよー」━┫〓〓〓〓≫

 

2「しくじったらボクたちが首斬るからねー。安心して良いよー」━┫〓〓〓〓≫

 

3「安心出来るかぁぁぁぁ!!!つーか何でお前らも切腹しねぇんだよ!!?お前らも白装束着てるだろぉがよ!!!」

 

2「大丈夫大丈夫、普通はツッコミ役から斬首するの定番だから」

 

3「それどんな定番ッ!!?俺だって切腹嫌だわ!!つーか初めてだわ!!これの場合は誰でも初めてだろうけど!!」

 

1「安心しろ和人。お前が死んでも、代わりに○ヴドゥルとか○ーメンマンとか○澤悠みたいに『死んでも生き返るさ!!』みたいなキャラにしとくから」

 

3「いや最後の○澤悠って誰!?つーか、それもう別人だから!!何の面影すら残ってねぇから!!」

 

2「大丈夫、そこは生き返ってもコミュ障とか真っ黒黒助とか廃人ゲーマーとかは残しとくから。これだと原作にも何も影響は無い筈だよ」

 

3「余計な部分しか残ってねぇじゃねぇか!!ってか、俺原作の主人公!!影響大有りだわ!!」

 

1「グダグダグダとウッセェなぁ。もう良い、さっさと斬っちまおうぜ木綿季」

 

2「あいさー」

 

3「やめろ!!俺にその片手剣を向けるな!!自分に向けろよ!!」

 

 

 

 

 

『『ちょっと待ったぁぁ!!!』』

 

 

 

 

 

 

1「こ、この声は……まさかッ!!」

 

2「…………『『ちょっと待ったぁぁ!!!』』ピッ、あっもしもしお父さん?」

 

3「スマホの着信音だったんかいぃぃぃぃ!!!紛らわしいわ!!期待してて損したわ!!」

 

1「つーか何その着信音!!?どうやって皆の声を入れたんだよ!?木綿季!!!」

 

2「頼んだら録音手伝ってくれた」

 

1「出来る物なのぉぉ!?」

 

3「ってか、お前ら落ち着け!!確かに今回は打ちきりの知らせだが、他にも反省会ってもんがあるんだぞ!!俺抜きで誰がやるんだよ!?」

 

「「お前居なくても平気だよ」」

 

3「平気って言うなッ!!」

 

1「だが、反省会をしなければならないというのは一理ある。ここは反省会して落ち着いたら和人の斬首を行おう」

 

2「さんせー」

 

3「もう既にお前らの中では斬首決定なのな」

 

[んじゃあ、こっからは俺も参加するな]

 

1「おっ、作者もかよ。だが丁度良い、参加してもらうぞ」

 

[がってん]

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

1「つー訳で、反省をしようか。今回の議題は【何故0評価が2つも付いたのか?】についてだ」

 

2「やっぱり…………作者の技量不足?」

 

[ ●| ̄|_ ]

 

3「おーい作者ー?生きてるかー?ってか、コイツどんだけメンタル弱いんだよ?ゼラチン圧倒的に足りてないゼリーじゃねぇのコイツ?」

 

1「それもある。だがな、やはりこの小説は銀魂要素がメインでもあるんだ。つまりは、銀魂要素が圧倒的に足りていなかった事に問題がある」

 

2「つまり、原作崩壊は当たり前として銀魂のキャラを原作に当てはめれば良いの?でも、殆ど女性だよねSAOって」

 

1「そこはほら、無理矢理改変させてだな」

 

2「あー成る程ー!!じゃあボクもゲロインの枠に入れば良いんだね!?」

 

3「いや、何でそうなったし?」

 

2「うっ………おrrrrrr」

 

3「ホントに吐きやがったぁぁぁ!!?ホントにキャラに当てはまっちゃったよ!!どんな精神してんだ木綿季!!?」

 

1「いや、違うぞ木綿季。この場合はな………おrrrrrr」シャバドゥビシャバドゥビシャバドゥバァ

 

2「おー!!効果音だね!!」

 

1「そうだ。木綿季はゲロを吐くとき、この効果音を使え」

 

2「分かったー!!」

 

3「じゃねぇだろぉぉぉ!!!何でキャラの当てはめからゲロの使い方を伝授したよオメエわよ!!?つーか、ここ匂い酸っぱいんだけど!?鼻塞いでても匂ってくるんだけど!!?」

 

1「後は………和人が眼鏡をかけるとか?」

 

[成る程………んじゃあ、ほれ]

 

3「……………」

 

「「[……………チッ]」」

 

3「3人で舌打ちすんなゴラァァァ!!!何!?そんなにムカついたの!?というか何でムカついたの!?」

 

「「[眼鏡似合いやがって、これじゃあ眼鏡ネタ弄れねぇじゃねぇか]」」

 

3「理不尽極まりないわ!!!」

 

2「あ、肝心のお妙さん役どうすんの?」

 

1「そこは和人の従妹の直葉に頼もうぜ。暴力怪力ゴリラおんnパーム弾ッ!!!」

 

「誰が暴力怪力ゴリラですって?銀さん」

 

1「と、兎に角だ。こういう風に当てはめていけば良かったんだよ」

 

[成る程……それじゃあ、近藤さん役は………レコンか]

 

「「「「それは無い」」」」

 

[じゃあ誰?一応だけど、原作だとグランドクエストで活躍したぞレコン。だったら良いんじゃないかって]

 

「あんなヒョロヒョロのレコンに近藤さん役なんて大層な役務まらないから言ってんの。というか似合わないの」

 

[あー………じゃあ近藤さんキャラのオリキャラ出した方が良かったのか]

 

3「そういう事だな。んじゃあ次だが………土方十四郎役は?」

 

2「作者、ここは」

 

[一応ドミナっていうオリキャラがそれだったけど、出番が無いからねぇ]

 

1「それじゃあ次はお登勢とキャサリンだな。お登勢は人情溢れるキャラじゃなきゃダメだから……………あえてのクラインとか?」

 

2「そこはエギルじゃない?」

 

1「あー成る程。じゃあキャサリンは琴音か?」

 

3「泥棒猫キャラか?あっちはリアルで泥棒猫だけど」

 

「アタシはトレジャーハンターよ!!!」

 

1「けどよ、端的に言えばトレジャーハンターも泥棒と同じ事してるだろ。古代から守ってきた遺産然り、封印されたアイテム然り、トレジャーハンターと泥棒って一緒だぜ?」

 

[意外にアルゴだったりして]

 

「「「………納得」」」

 

「オイコラ」

 

2「次は沖田総悟役………これは………ドSキャラ増やさなきゃ駄目でしょ」

 

[いや、詩乃ドSキャラで良いだろ。原作でも和人に毒舌吐いてたし]

 

「「意義なし」」

 

1「………作者、ちょいこっち」

 

[ん?何な………ギニィアァァァァァァ!!!!!]

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

[んまぁ、ある程度のキャラは決まったし別の議題に移るか]

 

1「んじゃあ………【別の小説は書くのか?】」

 

[予定しているやつはあるぞ。原作は銀魂で]

 

3「マジかよ………それ、この小説が終わったら書くヤツだったんだろ?」

 

[本来はね。こんな形で終わらせるから、出来るか心配だけどさ]

 

2「本当なら、この小説か別の小説が終わったら書く筈だもんね………」

 

「「木綿季………」」

 

[…………しゃないか]

 

「「「??????」」」

 

[君たちのそんな悲しい顔見てると、こっちまで悲しくなりそうなんだよ。こんな事なら言わなきゃ良かった]

 

2「それって…………つまり…………」

 

[この小説を書き続ける]

 

「「「!!!!!!」」」

 

[勿論、先程挙げた案は無し。これで貫き通して来たからね僕は。それに付き合うのなら書いてあげるよ]

 

3「銀…………」

 

2「お兄ちゃん…………」

 

1「………決まってらぁ、書いてくれ」

 

[了解した]

 

2「………やったー!!!これでまたお兄ちゃんたちと一緒に居れるんだね!!!!」

 

[そうだね、それじゃあ僕はこれで。後は締めの挨拶でもしといて]

 

1「そうさせてもらいますか!!!うっし2人とも!!準備は良いか!?」

 

3「とっくに出来てるわ!!!」

 

2「ボクもだよ!!お兄ちゃん!!」

 

1「うっし!!それじゃあ改めて………『銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす』を続行させていただきます!!」

 

2「不甲斐ない所も多々あると思いますが、それでも宜しくお願いします!!!」

 

3「今度は銀魂要素を大量に入れて行きたいと思っていますから、期待しててください!!!」

 

1「それじゃあ目の前の読者諸君!!これからも、この小説を!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「宜しくお願いします!!!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ドラゴンは蜥蜴。かっこいい蜥蜴……って言いたかった

『ALO内 フィールド』

 

……うん、終わる終わる詐欺です。まぁ前回見てくれた方は知ってたっていう感想なんだろうけど。兎に角、この小説が復帰しました。1日越しで。

 

それと、何故か評価の人数が1人減ってました。その代わり、10評価が追加されてました。つー訳で作者、何か一言。

 

 

[素直に嬉しいと言って良いのやら……?]

 

 

作者はどうやら10評価に困惑と戸惑いを感じています。そして分かった事があります。作者はえm(この発言はキリトに後頭部蹴られて浮島にぶつかり消された)。

 

 

「おいこらシヴァ、初っぱなっからメタいんだよ。先にストーリーに進ませろよ。作者出てくんな」

 

[アイアイs「次その口開けたら練り生姜と刻み山葵を穴という穴に詰め込むぞ」…………]

 

「き、キリト……お前がメッチャメタいから……つーか作者と話してる時点でメタいもクソもねぇよ」

 

「んじゃあ先ず言ってやる」

 

 

キリトはとある方向を指さして俺に示す。

 

 

「んな茶番やる前にさっさとボスに挑めよ!!クソ天パ!!」

 

「だぁれがクソ天パだゴラァ!!?俺だってたまにはサラサラヘアーにだって成りたいわ!!!」

 

「お前GGOでサラサラヘアーだろぉが!!普通に長髪じゃねぇか!!リアルでもサラサラに成りたいなら無理だな!!」

 

「んだとゴラァ!!?俺だって好きで天パにした訳じゃねぇんだぞ!!生まれた時からずっとこれだから飽きてくるんだよ!!お前らは良いよな!!髪切ろうが俺みたいに天パじゃなくて、ストレートにもハゲも出来るからな!!」

 

「ハゲは誰でも出来るわ!!!」

 

 

俺たちは今、この草原のボス【Fefnir】を倒す途中であった。そんな中、普通にボケとツッコミが行われている。

 

 

「今そんな場合じゃねぇだろぉぉぉ!!!」

 

「「タコスッ!!!」」

 

 

先程殴ってきたのは……キリトの従妹『スグ』/『リーファ』だ。今回からツッコミに参加。キャラ崩壊は気にしないで。

 

 

「さっさとボスを倒しに行く!!ほら!!」

 

「「へ、へい………」」

 

 

このリーファには敵わん。そう思った俺たちは戦闘に再度参加する。俺は後方支援として、ノーチラス、アスナ、ユナ、シノンのチームに入り、キリトは前に出て突っ込む。

 

前方で戦闘しているのは、kaimuを含めた9人。着実に【Fefnir】のダメージを蓄積させている。………所で、後ろから見てる奴が気になるんだが?あれか?誰かのストーカーってか?止めとけ止めとけ、近藤さんコースか始末屋コースになること間違いないから。

 

んな事考えていても魔法を撃つ手は止まらない。闇属性魔法【ヴォイド・ディストーション】を撃ち続けている。闇魔法って、何か追尾型多いから使いやすいんだよな。個人的な意見だが。

 

シノンは弓ソードスキル【スターダスト・エクサ】での広範囲攻撃。これだと羽にも命中するから落とせるかと提案した結果………上手く行きました。モンスターは一度落とされました。でも再生したけど。ゲームだからね、仕方無いね。

 

勿論魔力が切れると、俺、アスナ、ノーチラスは武器を取り出す。【天下五剣 鬼丸国綱】、【ミームング】、【フラグメント】を攻撃をする。

 

先手はアスナ。的確に相手の目玉を狙い一時的に盲目にさせた。

 

次はノーチラス。スイッチにより、アスナと交代した後、武器を頭に叩き付ける様に攻撃をする。これで相手は一時スタンとなった。

 

最後に俺。これまたスイッチでノーチラスと入れ替わり、攻撃を入れる。飛行しながら回転し、モンスターの背中全体にダメージエフェクトが入る。

 

トドメはユウキお得意のOSS【マザーズ・ロザリオ】でfinish。これで次の場所にも行ける様になった。

 

 

「お疲れーユウキー」

 

「リズ~褒めて~」

 

「はいはい全く」

 

 

………百r(今度はキリトに顔面を膝蹴りされた)。

 

 

「シヴァ、今何考えてた?」

 

「ユウ×リズ」

 

「タグにGLねぇだろ。勝手に作んな」

 

「んじゃあ作sya「させねぇよ?」えぇー………」

 

「当たり前だ!!只でさえ戦闘シーン面白味がねぇからって態々ネタに走るな!!つーか珍しいなユウ×リズっtらぶるッ!!」

 

 

見てみればキリトの顔面に2つの武器が………リズとユウキだ。百rびおッ!!!

 

 

「シヴァ、アタシはそんな趣味ないから。理解してよ」

 

「お兄ちゃん、確かにリズは好きだけど友だちとして好きなんだよ?何でGL展開期待するの?バカなの?死ぬの?」

 

「ゴブパァ!!!」

 

「今のでシヴァに9900の精神ダメージ」

 

「あ、お兄ちゃんの意外に弱いメンタルが出てきた」

 

 

な、何という破壊力………これが妹からの罵声というヤツか……誰かにやってくださいお願いします。絶対ドM増えますから。ユウキに罵られ隊は加入受け付け中です!!

 

 

「感想集め乙ww」

 

「クライン、お前の持ち物奪ってやる」

 

「えっ?ちょ!!それはストップだシヴァ!!って、おいおい!!く、来るな!!そんな裏のある笑顔で此方に来んn………アー!!!」

 

「「ホm「ねぇからな?」………チッ」」

 

「いやフィリア!?ストレア!?お前ら何に目覚めてんの!?」

 

 

暫くの間、近くを通り掛かったプレイヤーたちが揃って『カオスな空間が広がっていた』との証言があったとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

三又の槍と布都御魂

「着きました!!ここがヴェルクンデです!!」

 

「ナビゲートご苦労様です、ユイ」

 

「はい!!」

 

「良かったね、お兄ちゃんに褒められて♪」

 

「まぁ可愛い妹ですからね」

 

「えへへぇ♪」

 

「………娘が親離れしてブラコンに成りそうなんだが?」←(一応)二児の娘を持つ父

 

「テメエの親バカ治すのには良い薬だ」←小学生で妹の可愛さに吐血(仮)をした馬鹿

 

「良いなぁ、アタシも褒めてもらいたいなぁ」←上に2体兄と姉が居る大きな妹

 

「お兄ちゃんにほめてもらうってスッゴく嬉しいよね♪」←確実に兄にダメージを与える妹

 

「………ゴプッ」←吐血(仮)

 

「この場にシスコンが2人……いや、1人と1体居んのか」

 

 

草原浮島『ヴォークリンデ』のボスを倒し、俺たちは砂丘峡谷『ヴェルクンデ』へと進んだ。

 

名前に砂丘とある様に、ここは砂漠のステージ。昼は暑く、夜は寒いという極端な気候変動が起きる。んで、今は昼だ。何が言いたいのかというと

 

 

「暑ぃ………砂漠暑ぃ………」

 

「僕とクラインさんは種族関係から暑さは平気ですが……特にウンディーネ、ケット・シーの方は苦手ですよね」

 

「う~……砂が耳に入った。シヴァ~、取って~」

 

「ほいほい」

 

「「待て待て待て!!」」

 

「んだよいきなり?」

 

「ここでんな事やられたら迷惑すんのこっちだから!!お願いだから、ここでイチャイチャ展開はやめてくれ!!虚しくなる!!」

 

「クラインの意見は置いといて「オイッ!!」一先ずラインに戻ろうぜ。探索はそれからの方が良いだろ」

 

「それもそうか。一旦戻るか」

 

 

という事で、一旦ラインに戻ることにした。その道中……

 

 

「取って~」

 

「はいはい」

 

 

少し空中で止まり、耳を触る。

 

 

「んッ!!」

 

「………まだあるな」

 

 

ふにふにという効果音が似合うぐらいに耳の中を弄る。砂?まだ取れてない。

 

 

「んぅッ!!にゃッ!!」

 

「ん~……まだあんな」

 

「し、シニャ~……は、はにゃくぅ~///」

 

「手だと効率悪いな……シノン、ちょっとごめん」

 

「な、何を…………ふにゃッ!!?」

 

 

耳を………舐める。何故舐めるのか?これじゃないと取れそうになかったから。決してシノンを弄って愛情表現している訳じゃあない。

決してマーキングをしているんじゃあない。良いね?

 

 

「ふぁあ!!んあッ!!にゃぁッ!!」

 

「………ぺっ」

 

 

舌についた砂を唾と一緒に出す。んで、勿論。

 

 

「もう片方もやるぞ」

 

「んぁぁ!!ちょっと待っ……てぇ!!」

 

 

もう片方の耳の中を舌を使って弄る。………失敬、耳の中に含まれている砂を取り除く。

 

 

「はぁ…………んくッ!!………んんッ!!」

 

 

シノンの耳には恐らく直接聞こえてくるだろう水音。シノンの息づかいも荒くなって、頬を赤く染めている。我慢しているのだが、その抵抗は虚しく可愛い声を挙げていた。

 

決してシノンの反応を楽しんでいるんじゃあない。良いね?(威圧)

 

 

「………ぺっ。終わったよシノン」

 

「……………バカァ」

 

 

尻尾を左右に振り、耳をピコピコ動かし、俺に向けて赤く染まった顔を向ける。はっきり言おう。ホームに帰ろう。

 

しかし今は昼、現実時間でも14時程だ。

 

それがどうした?

 

 

「シノン……ホームに行く?」

 

 

俺を見ない様に俯いて、そのままコクコクと肯定の意が示される上下の頷きを見る。つまりは、その気がある。

 

キリトたちに断りを入れてホームに帰ります。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

ホームに着き、中に入る。俺はシノンの手を引っ張りベッドに押し倒す。

 

シノンと俺は倫理解除コードを押し、そのまま熱い口づけを交わす。

 

卑猥とも取れる水音を立てながらシノンを味わう。しかし、それだでは詰まらないので………

 

 

「んぅッ!!?んぁあッ!!!」

 

 

尻尾の先を弄る。優しく、傷付けない様に。弄る度にシノンから理性を飛ばされる声が発せられる。既に理性なんぞ飛んでいるが。

 

シノンが物欲しそうな目をしていたので俺は(ここからは規制される) 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

ベッドに居る俺とシノンはお互い疲れたのか動けなかった。顔を見合わせると笑顔でそちらに引き寄せ、最近少しずつ大きくなってる胸に顔を埋められる。俺はその感覚を味わい、シノンのへそを弄る。

 

最近構ってやれなかったので、シノンとの時間を過ごせて良かったと思っている。

 

そんな時間を過ごしていると……メッセが届いた。

 

差出人は………『エイド』からだった。【ちょっとラインの広場前に集合して】という内容だった。

 

シノンも行くのか聞いてみた所、行くらしい。という訳でラインまで行きます。シノンと腕を組みながら歩いたりして数分後………広場前に着く。広場前には差出人のエイド、何故かドミナとビーバックが居た。

 

 

「よぉエイド、来たぞ」

 

「待ってたよシヴァ………と、そのケット・シーは?」

 

「俺の嫁」

 

「あぁ………あっ?」

 

「僕は見たことあるよ、普通に部屋に行くと居たし。妹さんも居たよ」

 

「それよか、何でドミナとビーバック居んの?」

 

「今回はドミナが欲しい武器あるからね。予定空いてるのが僕らだけだったのさ」

 

「………ドミナが?」

 

「悪いか?俺が武器を欲しがってよ」

 

「変」

 

「一文字で終わらすな!!もっと言えやゴラァ!!」

 

「んで?欲しい武器って?」

 

「そりゃ勿論、伝説級武器さ」

 

「………マジか」

 

 

ビーバックの発言。そりゃ驚く。だって伝説級武器だよ?滅茶苦茶キツいに決まってらぁ。

 

 

「んで、ドミナが最新情報として手に入れたのが……」

 

 

ビーバックはメモ帳を懐から取りだし、確認する。

 

 

「伝説級武器【エルダ・トライデント】。これを手に入れる事にしてんのさ」

 

「トライデント…………槍か?」

 

「槍ねぇ……そういえばアンタは槍で戦ってたわね。ドローだったけど」

 

「うんうん、まさかドミナと戦ってドローは初めて見たからね。この世界も広いもんだね」

 

「コイツは俺より弱い、はっきりとそれは言えらぁ」

 

「どうでも良いわんな事。さっさと準備するんだろ?場所は?」

 

「ほいほい。えっとねぇ…………」

 

 

それから、俺とシノンは一旦キリトたちに断りを入れ準備をした後、求める伝説級武器を手に入れる為【ヨツンヘイム】へと足と翅を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

えっ?………何この展開?

『ヨツンヘイム とある神殿』

 

「んで、ドミナ。その【エルダ・トライデント】はどうやって手に入れるんだ?」

 

「……分かる範囲内で良いな?」

 

「それでも十分」

 

「……一般的な入手方法としては『海神ポセイドーン』を倒す。それも現時点ではの話だ。俺がやろうとしているのは全く別物だがよ」

 

「一体どんな方法かしら?是非とも聞きたいわね」

 

 

この神殿の道中、俺たちはモンスターを倒しながら各部屋に訪れたりしていた。本来であれば、たった5名のプレイヤーが-それもウンディーネ、インプ、スプリガン、レプラコーン、ケット・シーの5名-ヨツンヘイムに訪れる事は無謀ともとれる行動なのだ。

 

しかし、このメンバーの内俺を含む4名はそれぞれの領主だ。領主クラスが化け物レベルなのは目に見えているわけで、特にインプ領主のドミナは俺と同格かそれ以上のプレイヤースキルを有しており、邪神級のモンスターを1人で3本のHPを削る事が出来る。

 

俺も今持っている【神壊刀・壊無】ならば普通に出来るだろう。しかし、今回のドミナは1人で邪神級を狩った。たった1体だが、この様な功績はエイド、ビーバックも見たこと無かった様だ。

 

特に腐れ縁のエイドからは「ここ最近ドミナが1人で高レベルクエスト受けてるんだよね、何かあったのかな?」と言っていた。恐らくながら、俺をライバル視しているんだろう。『ありがた迷惑な話だ。』そう思いながら目の前のHPバー2本のモンスターにトドメを刺す。

 

このヨツンヘイムのダンジョンの道中には、普通にHPバーが2本のモンスターがゴロゴロ居るのだ。コイツらMobなのか?と思うぐらい知恵も働くので苦労が絶えない。

 

 

「確かドミナの情報だと………あるモンスターを狩った時に付与される紋章が必要なんだっけ?」

 

「あぁ。さっきの邪神級がそうなんだよ」

 

「んで、その紋章を手に入れると何かあんのか?」

 

「クエスト内容が変更される」

 

「「!!!??」」

 

「っていう噂だ。だから確かめに行く。本来お前らは保険として連れてきたんだよ」

 

「まぁだろうと思った。ドミナって何時もソロでクエスト行っちゃうし、態々俺ら連れてまで行くクエストなんて普通に想像できる」

 

 

コイツ……俺らを保険ってか。それよりも、クエスト内容が変更されるだと?【海神ポセイドーン】を倒さなくても良いってか?結構スゲェ情報じゃねぇか。

 

 

「着いたぞ。ここだ」

 

 

ドミナの足が止まり、俺たちも止まる。一際大きな扉が鎮座しており、如何にも【この先キケン】と言いたげな意思表示をしている扉だ。 

 

それに何の疑問も持たず、ドミナは扉を開けた。

 

開けた先に待っていたのは【海神ポセイドーン】……だった筈だ。だが、その恐ろしくデカイ図体を持ちながらも全く襲ってこないのは不自然だ。これがドミナの言っていたクエスト内容変更ってか?

 

ドミナは近付き、胸に付けられた紋章を見せる。勿論装備を脱いで。

 

すると【海神ポセイドーン】の頭に金のクエスチョンマークが現れ、ドミナは話した。

 

 

『よくぞここまで来た。我輩の名はポセイドーン。この世界の海を統治する神である』

 

 

喋った。本来敵Mobの相手が喋った。これだけでも驚く。

 

 

『その紋章を持つ妖精よ、あの憎き魔物を退治した証とお見受けする。その栄光を称え、ソナタには褒美を授けよう』

 

 

そう言い終わった後、ドミナは大きく言い放った。

 

 

「全ての武器をもらおう!!」

 

「「「「!!!!????」」」」

 

『ソナタは力を欲するか……良かろう。受けとるがいい』

 

 

【海神ポセイドーン】は持っていた三又の槍を天に掲げた後、ドミナの体が光に包まれた。光が収まった後、【海神ポセイドーン】はこうも言った。

 

 

『その武器たちは、まだ完全な力を取り戻しておらん。我らに伝わる鉱石を使い、真の力を解放せよ』

 

 

言い終わった後、ポセイドーンの横にワープポイントが設置され、俺たちはポイントに入ると地上に出ることが出来た。

 

それはそうと、『我らに伝わる鉱石を使え』というのと、手に入れた武器が気になるのでドミナにオブジェクト化してもらった。

 

出てきたのは錆びた剣、刀、弓、槍、短剣、両手剣、両手棍、ナックルだった。片手棍はガルロックの持つニョルニルなので無かった。

 

ドミナはそのうちの1つの槍を持ち、ビーバックに頼んだ。

 

 

「ビーバック、コイツを復元してくれ」

 

「……それより、1つ聞くよ。鉱石はあるのかい?」

 

「『アダマンタイト』の事だろ、持ってらぁ。じゃなきゃ頼んだりなんぞしねぇよ」

 

「……それなら良いんだ。でも、今は無理だ。これから領主の仕事もあるからね」

 

「そうか……なら良い、後で出直す。お前らは『それ』取っても良いぞ。俺には無用の長物だからな」

 

「んじゃあ、失敬して」

 

 

エイドは錆びた弓を持ち確認する。シノンも弓使いだが、流石に良いらしい。錆びた弓自体あれだからかな?

 

俺は刀を取る。ドミナに他の武器-ナックル以外-を貰っても良いか聞くと、了承してくれた。太っ腹……いや、槍以外興味無いだけか。

 

ビーバックは錆びたナックルを手に入れた後、ドミナにあることを提案した。

 

 

「……ドミナ、ちょっと」

 

「んぁ?何だ?」

 

「こっちは無理だけど、他に1人高い鍛冶スキル持ってるプレイヤーを知ってるんだよ。そのプレイヤーに頼んでみたらどうかな?多分シヴァは知ってると思うよ」

 

「……心辺りはある。というか心辺りしか無い」

 

「……んじゃあ頼む」

 

「オッケ。それじゃあラインに戻るよ」

 

 

俺たちはエイドとビーバックと別れ、一度【空都ライン】に戻る事にした。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『空都ライン』

 

ラインに到着すると、俺たちは歩いてリズがよく使う工房へと向かう。

 

中に入ればリズことリズベットが必死に鉱石を打っていた。その鉱石が武器に変わると、リズは少し唸って武器をストレージにしまう。

 

リズは溜め息をついた後、俺たちの方を見ると驚いていた。何故驚いているのかは分からなかった……その後のドミナの発言でさらに理解不能に陥ったが。

 

 

「里…………香……」

 

「「えっ?」」

 

「紫……温……………」

 

「「えっ??」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4の……あれだ、あれ。ほら、あれだよ。え~と……バカップルだったっけ?

『空都ライン』

~シノンside~

 

「ほらほら、素直にゲロっちまいなさいよ」

 

「いや何その口調!?ってか、何でアスナとシリカ連れてくる訳!?」

 

「そりゃあ……ねぇ?」

 

「滅多に見られないリズの赤面シーンを!!」

 

「この記録結晶に残す為です!!」

 

「それを渡しなさいシリカ、悪いことは言わないから」

 

「きゅるるぅ」

 

 

宿屋の一室。そこで私、アスナ、シリカを含めた3人は、リズの昔話(という名の馴れ初め)を聞く為にこうして……尋mゲフンゲフン尋問をしていた。

 

 

「字幕が変わって無いんだけど?」

 

「何の事やら?それより、あのインプ領主とどんな関係なのか聞きたいわね」

 

 

アスナとシリカも首を上下に動かし肯定の意を見せる。対しリズは、アスナとシリカの襟を掴み外に出そうとする。

 

 

「おっと、リズ。逃げられないわよ」

 

「ぐっ!!バレたか」

 

 

リズの腕を掴み、部屋から出させないようにする。そのままソファーに座らせ、逃げられない様に前、左、右の全ての方向を塞ぐ。しかし一向にリズは喋ろうとしないので質問することにした。

 

 

「………リズは、あのドミナ……いや」

 

 

リズの耳に近付き、あのインプ領主のリアルネームを囁くと体をビクッと震わせ、顔を赤く染めた。

 

その隙にシリカは持っていた記録結晶で写真を取る。ご丁寧にリズの顔だけを写して。

 

 

「べべ、べつにアイツの事をどう思っているかなんてどうでも良いじゃない!!あ、アンタらもも早とちりりし過ぎよよ!!」

 

「リズ、慌てて2文字の所あるわよ」

 

「はっ!!」

 

「「「好きなんでしょう?」」」

 

「ぬあぁぁぁぁ!!!やめてぇぇぇ!!!」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『一方その頃』

~シヴァside~

 

「んで、ドミナ……リズとどんな関係なのかなぁ?」ニヤニヤ

 

「ただの腐れ縁だ」

 

 

一方、ドミナは平然と答えていた。でも………

 

 

「んなコーヒーカップをメッチャ揺らして飲もうとする辺り『ただの』腐れ縁でもなんでもないんでしょうに」

 

「こ、これは!!その、あれだあれ!!このコーヒー美味いから感動して!!」

 

「ドミナ、感動も何もありゃしないでしょうが。コーヒー飲んでも普通の時は何にも反応しなかったよな?」

 

「い、いや!!このコーヒーは美味くてだな!!」

 

「それ俺が淹れたヤツ」

 

「ッ!!!………」

 

「毎度毎度、領主会議で出された飲み物。俺が淹れた飲み物には手を付けなかったのは誰かなぁ?」

 

「ぬあぁぁぁぁ!!テメエこの場で殺るかゴラァ!!?」

 

「殺るかバカタレ。それよかさっさとノロケ話でも聞かせろや」

 

「ノロケ話じゃねぇって言ってんだろ!!」

 

 

ドミナは立ち上がって槍を構えたけど、ここ宿屋。弁償代はお前が払え。どうやろうとしても口を開かないので、こんな質問を投げ掛けてみました。

 

 

「ドミナはさ、あの姉御肌リズの何処がす『パリーン』あっ、それ高いコーヒーカップ」

 

 

ドミナは……何も言わずに固まって耳の辺りまで赤く染めていた。面白そうなのでkaimuにして直ぐ様記録結晶を使い撮影する。カップ代は請求しておくけど。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

『戻りまして』

~シノンside~

 

「じゃあ次」

 

「次!?」

 

「リズはドミナと何時知り合ったのよ?」

 

「いやこれ以上はリアルに関わるからストッ「駄目よ」何でよ!?」

 

「リアルに走ろうが、私はリズの馴れ初めを聞く為に禁忌を犯す!!」

 

「要らない努力をしないで!!お願いだから!!」

 

「「それで!!?何時!?」」

 

「2人共調子に乗るなぁ!!」

 

「ほれほれ、さっさと吐いちまいなさいよ」

 

「アンタシヴァのSうつってない!!?」

 

 

根掘り葉掘り聞こうと、ドミナあの手この手を駆使していくが固い。ガードが固すぎる。ここは当てずっぽで行きましょうか。

 

 

「もしかして……幼稚園の時に告白したとか?」

 

「そんな時にしてないわよ!!したのは小3………ハッ!!」

 

「「「…………………」」」

 

「……み、見ないで……お願い……お願いだから……今のアタシの顔を見ないでぇぇぇ!!!」

 

 

顔を両手で隠し、後ろを向かれた。流石にこれ以上聞くのはよそう。………と思っていたのかしら?まだ続くわよ。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

『また戻りまして』

~シヴァside~

 

「んでぇ?リズこと里香は姉御肌じゃなく、笑顔が眩しい可憐な乙女という事を口走ったんだな?kaimuに頼んで記録したから聞き間違いは無いぞ」

 

「お前は何でこんな時だけ用意周到なの!?無駄な努力に全てを費やすつもりかお前は!?」

 

「マスター、意外に下世話な面もありますからね。こういうのは大好物の部類に入るんでしょう」

 

「んでっと……告白されて、フって、でも未練があると」

 

「ッ……!!何でコイツに知られたんだ!?」

 

「口走ったのドミナじゃん」

 

「んで、ドミナさんはリズさんとイチャイチャしたいんですか?したくないんですか?どっちですか?」

 

「お前ら揃いも揃いやがって!!もう良いよな!?俺は帰らせてもらうぞ!!」

 

「あっ、ちょ」

 

 

宿部屋のドアを強引に閉めて、ドミナは帰った。

 

 

「……まだカップの代金払ってない」

 

「クレイジーダイヤモンドで直せば良かったじゃないですか。私のデータもありますけど」

 

「それもそうか。んじゃあ、シノンたちの所に行くか」

 

 

俺とkaimuは立ち上がり、『隣の部屋』に入る。

 

そう……シノンたちと協力し、ドミナとリズの馴れ初めを交換する為に考えたのだよ。

 

んで、ドミナの口走った発言を聞くとリズはオーバーヒート。アスナとシリカは歓喜の声を挙げ、俺とシノンは一息お茶を飲んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

近藤さんが居た……

『ゴンドゥル遺跡』

 

「んで、お前がナックルと槍以外の『錆びた』伝説級武器を持ってる訳だな?」

 

「そうそう」

 

「んで……このパーティー、いやギルドか。このギルドに何でインプの領主様が居るのか説明してくれ」

 

「脅し」

 

「もうお前ゲスいとしか言いようがねぇなオイ!!領主が領主脅す話聞いたこと無いわ!!」

 

「リズとの交遊関係バラされたくなければ付いてこいっていっただけだ。俺は何も悪いことはしてない」

 

「いやもう既に悪い事してるから!!既にお前犯罪者だから!!」

 

「キリトよ、この世界にはこんな言葉があるのさ。『バレなきゃ犯罪じゃあないんですよぉ』」

 

「おもっくそバレてるだろぉが!!俺たちに話してんだろぉが!!言い逃れ出来ねぇだろぉが!!」

 

「ってか、それだと後ろ付いてきてるプレイヤーは犯罪じゃないの?ストーカー行為だよね?犯罪者だよね?」

 

「ストーカーって……あぁ、レインか。出てこいよ、レイン」

 

 

遺跡の岩の影からひょこっと顔を出した赤髪レプラコーンのプレイヤー『レイン』が出てくる。やっと地の文出てきたよ会話文長い。

 

 

「やっぱりバレちゃうか、キリト君には」

 

「いや、正確にはコイツにもバレてた」

 

「あれっ!?そうだったの!?何時もはキリト君だけが気付くのに……何で?」

 

 

キリトが答える前にシヴァがレインに向き合い、互いが見合う。そして、シヴァの次の言葉が……

 

 

「……ストーカーなんて良いこと無いぞ」

 

「……えっ?」

 

「だってよぉ……kaimu、あれ出せ」

 

「了解しました」

 

「シヴァ……って!!あの破壊神様!?英雄キリト君に続いて、ギルドリーダーで破壊神の異名のシヴァさん!?というか、何処から声が!?」

 

 

シヴァは刀【神壊刀・壊無】を放り投げる。勿論、壊無はkaimuとなりシヴァの隣に立つ。

 

 

「……あれ?おかしいな?武器から人に変身……した?」

 

「あ、マスターこれです」

 

「あ、サンキュ。んでだ、これ見てよ」

 

 

シヴァがレインにある写真を見せる。

 

 

「あの……誰ですか?この人」

 

「あるジャ○プ作品のキャラで近藤勲っていうんだけどよ、コイツが何て呼ばれてるか知ってるか?」

 

「さ、さぁ………?」

 

「んじゃあ教えてやる。心して聞いとけよ」

 

 

キリトはこの時、『絶対ストーカーって想像つくだろ』というツッコミを心の中で入れながら3名のプレイヤーを見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴリラ・ゴリラ・ゴリラって呼ばれてたんだぞ」

 

「待てやおいぃぃぃ!!!」

 

「んだよ真っ黒、どうした?人間の方に何かあったのか?」

 

「いや先ず俺が本体!!真っ黒なの本体じゃなくて色!!つーか何でストーカーじゃなくてゴリラを選んできたよ!?何でストーカーじゃなくて学識名称を口走った!?」

 

「いいか真っ黒。流石にストーカーと普通に言っては、そのストーカー行為をしたプレイヤーも傷付いてしまう。これはせめてものの優しさとしてゴリラ・ゴリラ・ゴリラと言ったんだよ、俺の優しさが分かんねぇのか?」

 

「何処をどう捉えれば優しさってとれるんだよ!?既にゴリラの学識名称言ってる時点で優しさ与えてんじゃなくて、ただのイヤミを与えてるにしか思えねぇよ!!つーか俺のネーム真っ黒じゃなくてキリトだよ!!色じゃねぇんだよ!!」

 

「「アンタら/お前らは何をやってんだ?」」

 

「ただの漫才ですからあしからず」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

漫才も終わり、遺跡ダンジョンの中を彷徨く【奇兵隊+α】御一行。そんな中、たった一組の男女の周りだけが微妙な空気に陥っていた。言わずもがな、闇妖精領主の『ドミナ』と鍛冶妖精の『リズベット』である。

 

ドミナとリズベットの二人は、顔を見合わせずに隣同士で並走していた。ただ並走しているのであれば良いのだが、ドミナとリズとの距離は約5メートル。離れすぎているのにも関わらず並走を続けていた。

 

シヴァたちがその空けられた5メートルの中に入ると、さらにドミナとリズはスピードを上げ並走していた。そして、シヴァたちから3メートル離れた所でスピードを元に戻して並走していた。さっさとくっつきやがれバカ二人。

 

 

「……なぁシヴァ、これは?」

 

「見て分からんのか、並走に決まってんだろ」

 

「いや、それよりも……何で間隔空けてるのに並走してんの?完璧に並走してて不気味なんだが。それに、心なしかリズの顔が赤くなってた様な……」

 

「因にだが、ドミナの顔も赤く染まって『グシャン!!』」

 

「あれ?シヴァ『メシャァ!!』」

 

 

何時の間にかドミナとリズは並走した状態で後ろに向き、尚且つジャンプしてシヴァとキリトの顔面に膝蹴りを放っていた。それによって転がり落ちていくキリトとシヴァ、離れて並んでいる状態で立っているドミナとリズ、それを見ていたその他大勢という珍妙な構図が出来上がっていた。

 

 

「「誰の顔が赤くなってるだとぉ!!?/ですって!!?」」

 

 

この様に、二人して同じ言葉を出すので仲が良いことは誰もが知る事になった。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『所変わってフィールド』

 

現在、ヒルディスヴィーニと呼ばれる浮遊岩のボスモンスターと戦闘中……なのは良いんだけど。何でまだリズとドミナが隣合わせで戦ってるの?何で普通にメイスと槍でボコれてんの?

 

殆どの戦法は

 

 

前衛:キリト、クライン、俺、リズ、ノーチラス、アスナ、ストレア、リーファ、エギル

後衛:シノン、ユナ、シリカ、フィリア、リーファ、アスナ、ノーチラス、俺、アルゴ

 

何で二つ名前があるかって?こんな感じに前衛と後衛を使い分けるんだよ。だからさ。

 

でも、今回はドミナが居る事でボスモンスターのHPが目に見えるぐらい削れている。っと、こんな時に雑魚モンスターとプレイヤーが来おった。

 

 

「作戦変更!!ノーチラス、リーファ、クラインはプレイヤーの相手を!!シリカ、ユナ、アルゴはkaimuと共に雑魚モンスターの相手をしてやれ!!」

 

「「「「「了解!!」」」」」

 

「任しとけ!!」

 

「あいあいサー」

 

 

【神壊刀・壊無】を投げkaimuに変身させる。俺は【天下五剣 鬼丸国綱】を装備してヒルディスヴィーニの結晶部分を狙い斬りつける。

 

しかしながら、恐ろしく固いなコイツ。メイスか両手斧、大剣とかの高火力武器じゃなきゃ削りきれねぇな。ドミナは武器が良いからね。ダメージは多く削ってる方。

 

だが岩のモンスター、つまりは水属性が効果的なのは予想できる。

 

【エンハンス・アクア】で皆に水属性の付与だったり、【フリーズ・ランサー】でチマチマと削っている。

 

そんなこんなで倒したのは良かった……良かったんだけど……何でドミナとリズは抱き合ってんの?

 

それと、近藤さんキャラはレインで決まりかな?

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

寒い場所?暖かくさせてやる

【環状氷山フロスヒルデ】それが、解放されたエリアの名前だ。氷山とあるので正しく寒いのだ。そして、ここに寒さが苦手な種族が。

 

 

「ぶぇーくしッ!!!」

 

「ふぁ、ふぁ……ふぁぶしょい!!!……あー」

 

 

見ての通り、サラマンダーであるクラインとノーチラスだ。だが、こんな寒い中でも熱い奴等が居るもので……

 

 

「ほれ、これ着ろ」

 

「あー……サンキュー。うぅ、サブサブ」

 

「……ッあーたくよ、リズ」

 

「んー?……おっとっと」

 

 

先ず始めにリズ&ドミナペア。何でまたドミナが付いてきているのかというと、リズとドミナが仲直りをした様で。

 

そして、二人とも小さい時の事を覚えており……後は分かるな?お互い告白して現在こうなっている。んで、ドミナがリズを抱き寄せて暖めている。

 

 

「……暖かいんだけど///」

 

「……こうでもしなきゃ俺が寒いだろ///」

 

「……不器用なやつ」

 

「悪かったな」

 

 

別の場所を見てみると、今度はノーチラスとユナの周りが熱くなっていた。作者の胸焼けも凄いが。

 

 

「うぅ、寒い……」

 

「ノー君平気?」

 

 

首を横に振り、否定の意思を見せるノーチラス。何を思ったのかユナは、ノーチラスが来ているローブに前から入り込み背中に腕を回して抱きしめていた。

 

 

「ゆ、ユナ!?」

 

「こうした方が一緒に暖まれて良いでしょ♪」

 

「いや……あの……その……(当たってる当たってる!!///)」

 

 

それを見ていたシリカ、クライン、サクヤ、アリシャ-サクヤとアリシャは途中参戦-リーファ、フィリア、エギル、アルゴだ。つまりはエギル以外独身の集まり、そしてアルゴは記録結晶で写真を撮っている。

 

 

「『闇妖精領主、まさかの鍛冶妖精と結婚カ!?』という感じで出してけば良いかナ?」

 

「後でドミナに怒られても知らないヨ?」

 

 

こんな不毛な話し合いの中、ちょっと変わった奴等も居る訳で……そっちはそっちでほのぼのしてました。

 

 

「うぅ……寒いですぅ~」

 

「ユイ、こっちに来ますか?」

 

「はい!!」

 

 

ピクシーであるユイはkaimuのソクラテスを模したローブに入り込み、フードと頭の間から顔を出す。

 

 

「どうですか?ユイ」

 

「暖かいですぅ~」

 

「……良いなぁ、アタシも入りたいなぁ」

 

「でしたらピクシーになれば良いじゃないですか。別に私は構いませんよ、ストレア」

 

「ホント!?それじゃあ……ほいっ!!」

 

 

NPCからピクシーに変わったストレアは、kaimuの着ているローブのフードに入り込み、ユイの隣に寝そべる。

 

 

「あ~、暖かいなぁ~。やっぱりお兄ちゃんは暖かいねぇ~、ユイ」

 

「はい!!」

 

「私は暖かくもないんですがそれは」

 

「細かい事は気にしな~い」

 

 

こっちは所謂【兄弟姉妹の仲】という感じで暖かくなっている様だ。これはまだ皆は良いという感じ。問題は……

 

 

「「さむぅい~!!」」

 

 

二人して身を寄せあい互いに体温を感じているケット・シーとウンディーネのバカップル。シヴァとシノンのペア。

 

何を思ったのか、この場でキスを始める始末。しかも濃厚な方をしていた。よくもまぁ見せられるな、この二人は。

 

そして、その甘い空間の中でシヴァの背中にしがみついているのがユウキだ。よくもまぁ出来るなオイ。

 

まだ健全……とは言い難いがアスナとキリトペアは普通にフィールドの感想とダンジョンの位置をチェックしながら意見交換していた。

 

つまる所……このフィールドの転移門前ではカップルと妬みや嫉妬の視線が飛び交っており、それを見ていた他のプレイヤーは綺麗にお砂糖を吐き散らした様だ。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

『銀先の部屋』

 

一旦ログアウトをし、また明日にダンジョンの攻略等をしようと考えた俺たち。アミュスフィアを取り外し、ふと横を見てみる。何時もの詩乃の……と思いきや、詩乃が居なかった。

 

俺は詩乃を捜す為、一度リビングへと降りる。

 

リビングに足を運ぶとテレビが着いており、それを詩乃が見ている。ニュース……ここ最近はセブン/七色の特集ばかり放送されていた。

 

余談ではあるが、俺はどうもこの七色とかいうガキは、苦手だ。あちらも同じ心情になるだろうが少なくとも拒否をしている訳ではない。『何故だか口喧嘩になりそうな相手』というのが第1印象。

 

あの時、セブンを見つける為にシャムロックメンバー300人程を潰していたのは良い思い出。……そんな事を言いたいのではなかった。あのセブンとやらに最初会った時、先ず抱いた印象は……『大人ぶったガキ』という言葉が出てきた。

 

何故かそう出てきた。そんな時は誰でもあるだろう、人生に一度は。そんな考えの途中で……俺の背中には飛び付く可愛い妹が。

 

 

「とぉー!!!」

 

「のわっ!?」

 

「へっ?」

 

 

木綿季に飛び付かれた拍子にソファーにぶつかりそうになったが、何とかバランスを保ち倒れる事を防ぐ。

 

ニュースを見ていた詩乃は驚き、こちらを見た。しかし映っている光景としては、仲睦まじい兄妹の光景なので詩乃は笑っていたが。

 

 

「木綿季……いきなりは不味いでしょ」

 

「驚かせたかったんだも~ん♪」

 

 

……今15の妹の眩しい笑顔が此方に向けられています。何が言いたいかって?我が妹の可愛さは世界一ィィィィィ!!!詩乃の愛らしさも世界一ィィィィィ!!!←ちゃっかり嫁さんを入れてる馬鹿

 

その後、外に出掛けてカフェで一息いれようと思っていたら

里香と……誰?っていうのも無粋だな。紫温だったな、こっちはリアル土方十四郎じゃねぇか。普通にスゲェじゃねぇか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回はドミナ/紫温回になると思うぞい

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

紫温/ドミナは今話の被害者になっていただきましょう

~紫温side~

アミュスフィアを外し、目覚めると自分の部屋に居た。何の変哲も無い部屋でさえも、今日の予定を考えると別物に見えてしまう今日この頃。

 

広さ八畳、台所や洗面所付きのアパートの一室。一人暮らしでバイトの掛け持ちをしながら高校生活中間を過ごしている日々。

 

だが、それだけでは何も詰まらなかった。体を動かしても何も満たされない気分が続き、漸くALOとアミュスフィアを購入した日。その世界に魅了され、何時しか闇妖精領主としてALOを過ごしてきた俺。

 

しかし、今回は特別と言っても過言では無い日。暫く会わない内にまた一段とかわi……女らしくなっていた里香との待ち合わせ。

 

SAO事件もあり、里香は帰還者学校に入学。勿論実家住まいなのだが……里香の両親から同棲しろと言われた時は流石に焦った。

 

だが、俺もバイトの掛け持ちで生活している身。このままでは里香を養うことすら出来ないので断りを入れたのだが……また里香の両親-特に親父さん-が、里香の分の生活費を払うとまで言い出して俺はさらに困惑。その後里香のおふくろさんまでも悪ノリする始末に。

 

結局同棲では無いので一人暮らしを続けたままだが。

 

そんな考え事をしながら待ち合わせのSAO帰還者学校に到着する。校門前には、普段の里香からは想像もつかない様な服を着て待っていた。

 

里香の視線が俺に向くと、里香は俺の所まで小走りで向かい俺の左手に自身の右手を繋いだ。俗に言う『恋人繋ぎ』だろう、里香の頬は少し赤くなっていた。

 

 

「……遅い」

 

「悪い、準備に手間取った」

 

「……その単調な色の服で?」

 

「ほっとけ」

 

 

俺の服はトーンオントーン・チェックという部類の服を着ている。青と黒に灰色の三色を組み合わせた物だが、結構これは気に入っている。青のジーパンに、黒色のウエストポーチというファッションだ。何故か里香には理解できていないらしいが。

 

 

「んで何処に行くんだ?」

 

「そうねぇ……カフェにでも行こうかしら」

 

「カフェか……んじゃあ俺パンケーキで」

 

「アンタ本当にミーハーというか、そういうのが好きというか」

 

「別に良いじゃねぇか」

 

「んま、それよりさっさと行っちゃいましょ。時間は限られてるんだし」

 

「それもそうか」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

『30分程して』

 

……焦った。電車の中で頭を肩に乗せられた時は焦った。幼馴染みとは言え、これは心臓に悪い。

 

そんな考えとは裏腹に里香は身をこちらに寄せたままで居た。暫く見ない内に行動パターンが変わっていたので、昔とは違うという事を感じつつ今の恋人という関係を味わう。

 

その優越感に浸っていると、里香が決めたカフェに到着する。中に入って先ず目に入ったのが……

 

 

「あ、里香じゃん」

 

「あら?何で銀と詩乃と木綿季がここに居るのよ?」

 

「お出かけってヤツさ。それよか……そっちは紫温だっけ?詩乃から名前聞いたけど」

 

 

……えっ?何で?えっ?ゑっ?

 

何でコイツが居んのォォォォ!!?

ってか、リアルとゲームの顔酷似つーかそのままじゃね!!?リアルとゲームの顔一緒だったよオイ!!ビビるわ!!

 

 

「……ぉん、紫温」

 

「ッハ!!な、何だ?」

 

「何だじゃないわよ、銀を見た途端固まって」

 

「あ、あぁ。悪い少しビビった」

 

「おっ?おっ?それはどうして?どうしてかな?」

 

「この場で殺りあうか?コラ」

 

「喧嘩っ早いのは相変わらずか。紫温、席に座ろ」

 

 

里香に引っ張られつつ椅子に座り、店員に注文を頼む。

 

因みにだが、俺はNEW!!と隅にあったラズベリーとブルーベリーのパンケーキとレモネードを頼み、里香はレモンスカッシュを頼んだ。

 

後からパンケーキを一口食べさせろという里香の要望を聞き入れて、スマホで腐れ縁の一人のビーバック/逢沢 秀哉『あいさわ しゅうや』にLINEで現在の状況を確認する。

 

直ぐ返ってきた返事には

【今の所、刀、弓の研磨成功】とあった。

 

刀は同じカフェに居る銀髪のシヴァ、弓は腐れ縁のエイド/湯川 影昌『ゆかわ かげまさ』の物なので把握のスタンプを押して返信する。

 

また直ぐに帰ってきた返信を見ると

【槍はどう?その槍が研磨出来たら紫温の槍もk】

『も』の所でスマホをホーム画面に戻す。ちょうど頼んだ品も来たので、約束通り里香に一口あげる。

 

ただ、態々俺じゃなくて自分で食べれば良いだろ。何で俺が食べさせるんだよ?

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

食べ終わって勘定を支払い、里香の家まで付いていく。シヴァの方は、あの彼女さんと同棲をしているらしい。

 

やはり、あの時の事を思い出す。里香の両親から言われた『同棲』という単語が頭の中で彷徨いて頭から離れない。

 

ふと、抵抗を感じたので歩みを止めてみた。その原因の元に顔を向けると、里香が服の袖口を引っ張り顔を俯かせていた。

 

 

「どうしたよ?里香。帰るんじゃないのか?」

 

「……………………ぃ」

 

「んぁ?」

 

「今日は……その……………たくない」

 

「せめて聞こえる様に喋ってくれ」

 

「……帰りたくない」

 

「」

 

 

絶句。それしか言葉が見つからない。今なんて言った?結構禁忌の言葉を発した様に聞こえたが?

 

 

「里香、明日からダイブすりゃ「駄目」(何でッ!?)」

 

「今日は……そうしたい気分なの」

 

「いや、それだと親父さんとおふくろさんに「連絡した。今日は紫温家に泊まるって」(用意周到スギィ!!!)」

 

「だからさ、その……今日は……一緒に……」

 

 

言葉が途切れ途切れとなって里香の口から出ていく。その言葉の一つ一つが俺の心にグサグサと刺さる。頬を赤くさせた状態で上目遣いで俺を見る里香の姿は、保護欲を掻き立てられる。

 

結果 今夜は俺のアパートに泊まらせた。……夜遅くまでおきてしまっていたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

高度制限はキツいよ

『翌日』

~紫温/ドミナside~

 

……くっそ眠い。昨日は里香/リズベットが家に泊まりに来た挙げ句、おもっくそ分かりやすく誘惑してきやがった。そのせいで夜も寝られなくて眠気が指してくる。

 

まぁ、それもリズの仕事を見れば眠気も飛ぶ。金属と金属が奏でる響きと、この研磨を一所懸命にやってくれているリズの姿を見ると眠気なんて何処かに行ってしまう。

 

突如、錆びた槍と鉱石が光り出し槍の形へと変貌した。俺が求めていた伝説級武器【エルダ・トライデント】が元の力を取り戻した証拠だ。

 

それを持って俺に渡す俺の彼女。その際に向けられた清々しい笑顔は永久に俺の脳裏に刻み込まれるだろう。

 

 

「はいドミナ!!」

 

「サンキュ」

 

 

【エルダ・トライデント】を手に持ち、少し感触を確かめる。一撃だけの突きをして感触を味わう。

 

 

「……やっぱ、良い武器だな。伝説級武器はよ」

 

「その槍、スキル付いてたわよ。確か……【call ocean】【海を呼ぶ】かしら?」

 

「海……水属性の何かが出来るんだろうな。兎も角、ありがとなリズ。態々」

 

「良いの良いの!!それに伝説級武器の研磨なんて、早々出来わしないんだから!!アタシも良い経験させてもらったわ!!」

 

「そうか……なら、シヴァが持ってる残りの伝説級武器も頼もうかな?ビーバックは最近領主の仕事も相まって難しいらしいしな」

 

「それも良いわね!!………所で、ドミナ」

 

「ん?」

 

 

急に声のトーンを下げて、話しかけてきたリズ。リズの方を向くと、頬を赤くして手を後ろに回しモジモジと忙しなくしていた。ハッキリ言おう、何だこの可愛い仕草?

 

 

「だ、代金の方なんだけど……その……」

 

「あ、あぁ。そうだよな、金払わなきゃ「そうじゃなくて」………えっ?」

 

「その……代金は……き、きき、キスしてくれたらいぃ……///」

 

 

……ちょっと待て、今ヤバイ事言ってなかった?ねぇ、何を言ったっけ?なぁ!?キスって言ったのか!?←混乱中

 

 

「そ、そうか……分かった///」←未だ混乱中で何を口走ったか覚えてないパターン

 

 

何故かその時の俺の体はリズの方に近付いており、リズの頬にキスをする。その後リズの顔を見ると少し拗ねており、今度はリズが俺の唇を奪う。

 

因にだが、この俺たちは共にファーストキス。慣れないながらもお互いの体温を口内で交換していた。

 

 

「ただいまー!!………あれ?」

 

 

但し、その甘い空間の中にノームのストレアが入って来たのは予想外だった。

 

 

「「あわわわッ!!!」」

 

 

驚いた俺とリズはお互い距離を取る。ストレアの後に続いて、ゾロゾロと入ってくるシヴァのギルメンたち。

 

 

「ぶぇーくし!!!え、エギル。さっさと暖かい飲み物造ってくれよ」

 

「急かすなよクライン。今からやるからよ」

 

「あー寒かったー」

 

「ノー君は暖かいけどねぇ~♪」

 

「お前らホント甘い。こっちが見てて砂糖吐きそうなんだけど」

 

「お前らも似たようなモンだろ」

 

 

急に入ってきた奴等が俺たちを見る。そしてニヤニヤと……己ら後で殺す。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『2時間後 鍛冶妖精領主館』

~シヴァ/銀先side~

 

「んで、俺たちだけでヨツンヘイムで暫く狩りすんの?鉱石手に入れるだけで?」

 

「そだよ。伝説級武器だし、流石にレア鉱石はアッチで採集すれば良いし。何よりヨツンの方が楽でしょ?」

 

「こんな会話を平気でしてる俺たちェ」

 

 

現在は鍛冶妖精領主館内。俺たち領主は武器復元の為、態々ビーバックの所に嫁さん放っぽって集まる事になったのだ。

イヤだぁ、シノンと離れるのイヤだぁ!!←駄々こねる馬鹿

 

 

「まぁどうせ直ぐ終わるけどね」

 

「意義を入れて良いのか悪いのか……?」

 

 

エイドの言う通り。この館内にはビーバック、俺、エイド、ドミナ、フォルティ、ガルロックの6人が居る。つまりは化け物が6体居ると同じ事だ。

 

俺とビーバック、エイド、ドミナの4人でも邪神級の3体や4体は少なからず倒せる。そこに化け物が2体追加してみ?邪神級オワタの未来しか見えない。

 

しかも伝説級武器持ちが4人、刀の【神刀フツノミタマ】槍の【エルダ・トライデント】弓の【フォルト・アルテミス】片手棍の【神槌ニョルニル】……邪神級ドンマイ。

 

兎も角、俺たち化け物組は【ヨツンヘイム】へと足と翅を運ぶ。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『ヨツンヘイム神殿ダンジョン』

 

ただいま、邪神級2体を相手どっています。かなり鬼畜なヤツです。それなのに……

 

 

「ひぃやあぁぁぁはあぁぁぁぁ!!!首置いてけコラァ!!!」

 

「いや、フォルティ変わりすぎィ!!!」

 

 

フォルティは武器を持つと性格が変わる様で……かなり狂喜乱舞してます。ガルロックは……

 

 

「【call thunder】」

 

 

ニョルニルを天に掲げて邪神級モンスターに雷を落としてた。んでもって邪神級は麻痺にかかり、その隙に俺たちは攻撃を加える。

 

俺は【神刀フツノミタマ】と【神壊刀・壊無】の二刀流で、ドミナは【エルダ・トライデント】で、ビーバックは【竜神アマハシ】というガントレットでタコ殴り。

 

 

「そういやよッ!!ビーバック!!」

 

「何!?シヴァ君!!」

 

「錆びた武器はッ!!伝説級武器なんだろッ!?だったらッ!!元々用意されていた物はどうなるんだ!?」

 

「その復元した武器に、最初に作られた神器ってあるでしょ!?」

 

「えっと……あぁ!!あるな!!」

 

「設定で!!その武器は一番初めに作られた神器ってある場合は、用意されていた武器には何にも影響は無いよ!!例を挙げるとすれば!!ここのエクスキャリバーと、持ってるエクスキャリバーは違うからね!!何せ特殊効果があるんだからさ!!」

 

「成るほど!!だから俺のフツノミタマにも必ず出血状態にするってあるのか!!」

 

「そうだよ!!っと、倒せそうだね」

 

「早いな。5分も経ってないぞ」

 

 

邪神級が数秒後にパーティクルになるのを見届けた俺たちは、ビーバックを中心に集まりアイテムの確認をする。

 

 

「どう?アダマンあった?」

 

「……あるにはある。だが1つだけだな」

 

「こっちもそんな感じ。これだと後邪神級を最低でも……後3体ぐらいだね。倒すの」

 

「長ッ!!……それよか、そろそろログアウトしねぇか?もう時間だしよ」

 

「そうだね、それじゃあ帰ろうか」

 

 

俺たちは地上へと戻り、自分のホームや領主館で寝てログアウトをする。後……3体狩らなきゃ無理なのかよ。

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

嘘つきは泥棒の始まりとも言うが嘘をつく事は成長している証でもある

『翌日【ヨツンヘイム】』

 

「【call ocean】!!」

 

「【call spirit】!!」

 

 

俺とドミナが刀と槍を天に掲げ、特殊効果を発動させる。ドミナの使用する槍【エルダ・トライデント】からは水が噴出され、邪神級モンスターを拘束する。

 

俺の使用する刀【神刀フツノミタマ】からは無数の霊魂の様な物が放出され呪い効果付きの攻撃をしていく。

 

 

「ヒャッハアァァァァァ!!!アタックチャ~ンスッ!!!」

 

「相変わらずフォルティの豹変ぶりには驚く」

 

「それは同感だな。それよか」

 

「おうよ」

 

 

フォルティ、ビーバック、ガルロックの順に邪神級モンスターに接近し着実にダメージを与える。鎌による斬撃、ガントレットと片手棍による打撃のダメージは邪神級モンスターのHPを火を見るより減らしていた。

 

 

「ドミナ!!エイド!!」

 

「命令すんな!!」

 

「んだと!?」

 

「喧嘩すんな」

 

 

エイドの弓SS【ストライク・ノヴァ】で邪神級モンスターの体にダメージを与え、ドミナは槍SS【フェイタル・スラスト】でモンスターの体を穿ち、俺は壊無との二刀流からのフツノミタマでSS【残月】を放ち壊無でSS【羅生門】を放つ。つまりはシステム外『スキルコネクト』だ。

 

この攻撃が全て決まり、邪神級モンスターはパーティクルとなって消滅。お目当てのアダマンタイトがこれで必要数揃った。

 

 

「やっと終わったぁ~!!」

 

「あーしんどッ。ビーバック、後で全員分奢れよ~」

 

「俺の所持金考えてよ!!このメンバーだと確実に無に帰るから!!」

 

「それより、さっさと出ようよ皆。僕寒くて仕方ないんだよ」

 

「それもそうだね、出てからビーバックに奢ってもらうか」

 

「エイドが酷い……」

 

「あ、何ならエギルん所で飯でも食うか?ライン行ってさ」

 

「おっ、良いなそれ。俺んとこの妖精が切り盛りしてんだろ?」

 

「そうそう。んじゃま、さっさと行こうぜ」

 

「「「「おー」」」」

 

「俺の所持金……」

 

 

ヨツンヘイムから出ていって、空都ラインに戻ります。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『空都ライン 工房兼カフェ』

 

店の扉を開ける。鍛冶場の見渡すも誰も居なかった。

 

 

「あり?NPCしか居ねぇ」

 

「カフェかな?あ、シヴァ。錆びた武器達」

 

「ん、おっけ」

 

 

ビーバックに錆びた伝説級武器を渡し各々『アダマンタイト』を渡した後、ビーバックは鍛冶場に着き目付きを変える。ある種最高の鍛冶師の目をしていた。

 

錆びた武器とアダマンタイトをオブジェクト化すると、鍛え直す作業に入り浸る。

 

 

「この状態のビーバックは集中してるからな、俺たちはカフェに入るか」

 

「そうだね。それよりドミナ、何食べるの?」

 

「……パンケーキ」

 

「ドミナ意外に女子力高いな」

 

「ほっとけ」

 

 

フォルティがカフェの扉のドアノブに触り、それを回しながら開ける。勢い良く大声で。それに続いて俺たちも入っていく。

 

 

「おっじゃましまーすッ!!!」

 

「帰ってきたぞ~……あり?」

 

「どした?……あぁ……」

 

「さっさと入れ………あ、うん。これは不味い」

 

「んぉ?……何してんだ?空気が不穏なのは分かるが」

 

 

見ればカフェ内にはキリトたちが揃っているが、何やら不穏な空気が漂っていた所を入ってきてしまったらしい。

 

 

「ねぇシヴァ!!ここのマスターって、あのスキンヘッドのノームの事?」

 

「フォルティ、空気を読め」

 

 

フォルティの自由奔放さにツッコミを入れるドミナ。一気に視線は俺たちの方に向く。

 

 

「……あぁ、シヴァたちか」

 

「シヴァ……って、何で領主が居るのよ?」

 

「ちょっとな。それよか、この空気何だ?俺こんなシリアス苦手なんだけど。あ、エギル厨房貸りるぞー」

 

 

厨房へと足を運び俺は料理を作る。要望を聞くと

 

ドミナ:パンケーキ

ガルロック、エイド、フォルティ:お任せ

 

だそうです。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

「みんな、今話したとお「『ピピーッ!!』うっし、出来た。おまたー」

 

「おっ。さてさてどんな出来かな?」

 

「今回は………軽めにチャーハン!!」

 

「「「おぉー!!」」」

 

「味覚再生エンジンの計算でラード作って炒めてみました」

 

「おぉー!!それスゴいね!!」

 

「ラード作れんのか……なぁ料理教えてくれるか?」 

 

「おっ、ドミナが食い付いてきたか。何々?彼女さんにでも作るのか?」

 

「黙れ殺すぞ」

 

「まぁそれよか、これお好みでつけて」

 

「何これ?妙に黒っぽいヤツが瓶に入ってるけど?」

 

「胡椒さ。辛さ調節ってヤツ」

 

「ねぇねぇ!!塩ない?HA☆KA☆TA☆NO☆SHI☆O」

 

「フォルティCMの声真似上手ッwww」

 

「じゃねぇんだよぉぉぉぉぉ!!!」

 

「「「「「???」」」」」

 

「テメエら!!今シリアスモード!!ちゃんとしなきゃいけない時間!!なのに何で飯食ってんだよ!?つーか軽めにチャーハンって何!?ガッツリ食ってんじゃねぇか!!」

 

『シリアス苦手』

 

「ハッキリ言うな!!お前ら息ピッタリだな!!」

 

「だってさぁ……こんな空気してると妙に崩したくなるというかさ、シリアスブレイクしてシリアルにしたいんだよ。あ、誰かチャーハンいる?」

 

「誰がいるか!!グゥゥ~……誰?」

 

「わり、俺だ」

 

「クラインだったんかぃぃ!!」

 

「皆ー、終わったぁ。初代伝説級武器《プロトレジェンダリーウェポン》出来たよー」

 

「おっ、良かった良かった」

 

「……へっ?な、何で領主さんが居るの!?」

 

「あら?レイン知ってた?」

 

「ちょっとALOビギナーには少し教える程度だけど」

 

「ふぅん、それよかチャーハン食うか?」

 

「おっ、良いね。ちょうど疲れて欲しかったんだよね」

 

「お前らチャーハンから離れろ!!食うことから離れろ!!」

 

 

シリアスな空間の中に蓮華と皿が鳴る音が6つ聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[これロスト・ソングのエピローグの時に書いてるんだよね]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

高度制限解除のボスは犠牲となったのだ……

『環状氷山フロスヒルデ』

 

「………………ィィィイイイイイヤッフゥゥゥゥゥウウウウウ!!!オラオラァ!!!そこ動くなモブ共!!テメーらの首綺麗に斬れねぇだろぉ!!」

 

 

音楽妖精領主『フォルティ』は壊れている。普段は活発な子、自由人、基本的明るい子だ。……普段はね。

 

今モンスターを一掃しているのは、そのフォルティである。フォルティは武器を持つと性格が豹変する癖がある。しかも使う武器が鎌。これらから何とフォルティが恐れられているか知っているだろうか?

 

ALO内では『レイス』という通り名で知られている。何故レイスなのかというと、レイスはアンデット系のモンスター言わば霊という存在。そして、ドッペルゲンガーと同じ能力があるからだ。

 

ドッペルゲンガーは自分の魂が肉体から出た物で、自身のドッペルゲンガー《コピー》を見ると、その見た奴《オリジナル》が死ぬという話もある。

 

レイスの場合、魂では無く一つの存在として成立している。ただし、姿を模倣することで模倣対象になった人間の前に現れると、その模倣対象は死ぬのだ。

 

長ったらしい説明であったが、要するにこうだ。

 

武器持ったフォルティと相手したら一瞬で死ぬからレイス。

 

そして、今日も今日とてフォルティの暴走は止まらない。

 

目に映るモンスターを駆逐するまで。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~キリトside~

 

チャーハンでシリアル事件から少し経って、俺たちはまたダンジョンへと目指す。目指す筈なのだが……俺たちの進路方向に、鎌を持った妖精の姿が。

 

 

「(って、プーカの領主だったぁぁぁ!!!何アレ!?何なのアレ!!?普段能天気な奴が武器持っただけで性格変貌し過ぎだろぉ!!つーか片っ端からモンスター倒してるし!!)」

 

「(チャーハン!!チャーハン!!チャーハン!!チャーハン!!)」

 

「(誰だ!?さっきからチャーハンチャーハンと!!つーか脳内に語りかけてくんな!!)」

 

 

その発信源を探す。見つけた。見つけたのは良かったが……自分の領主からだった。

 

 

「(チャーハン!!チャーハン!!チャーハン!!チャーハン!!)」

 

「(チャーハンに洗脳されてるぅぅぅ!!シヴァのチャーハン一色に考えが染まってるぅぅ!!)」

 

「(チャーハン!!チャーハン!!チャーハン!!チャーハン!!)」

 

「(今度は誰だ!?………)」

 

 

続いての発信源を探す。直ぐに見つかったが……それはレインからだった。

 

 

「(チャーハン!!チャーハン!!チャーハン!!チャーハン!!)」

 

「(おいィィ!!レインがキャラ崩壊起こしてるぅぅ!!シヴァの料理に感化されて中毒者になってるぅぅぅ!!)」

 

「(○ーりん!!○ーりん!!○ーりん!!○ーりん!!)」

 

「(誰だ今度は○方言ってる奴!?)」

 

「俺だ」

 

「シヴァだったんかぃぃい!!!」

 

 

そして、このツッコミから僅か5分後。プーカ領主が高度制限解除のボスを倒していた。ある種、俺よりチーターじゃねぇか領主共。

 

 

「……フォルティの奴、またあんなに暴れて」

 

 

この時はサクヤとアリシャも来ており、領主がプライベートで8人揃っている事例が発生している。

 

アリシャは素早い身のこなしと反射神経が売りの領主。ただしスキルコネクトの様なシステム外スキルは使えない。

 

サクヤは……殆ど化け物に埋もれて見る影すらも無いが、まぁそれなりに魔法攻撃と近接攻撃を両立させているので魔法剣士という2つ名付き。

 

シヴァ?……あれは化け物だ。魔法は完全にサポートの時にしか使わないし、殆ど近接攻撃だ。ウンディーネのHP低いのに。魔法特化の種族なのに。

 

エイドやドミナ、ガルロックやフォルティ、モーティマーやビーバックもシヴァと同じ化け物だ。

 

エイドはOSSや弓の扱い、弓矢の適切な使用が上手すぎて化け物。

 

ドミナは槍を使う様が玄人であり、近中距離戦やSSでの遠距離戦も使いこなすので化け物。

 

ガルロックは既に色々と化け物。

 

ビーバックはユウキの速度に着いていけるどころか、さらに速く動けるので化け物に値する。シヴァとの戦闘でも、そのスピードは線でしかビーバックの姿が捉えられないので化け物。

 

フォルティは……先ほどの通り、性格が豹変して化け物級の強さを手に入れるから化け物。

 

モーティマーは高速詠唱で魔法を連発する事が出来る化け物。事実、最上位炎魔法を15連発していた。

 

という風に、何故か領主が化け物という事しか伝えてないが実際化け物が8人も居るので思ってみた。

 

そのシヴァという化け物をギルドリーダー……ここでは総督か。シヴァを総督として作り上げたギルド【奇兵隊】。そして新たに『リズベット』『ドミナ』『エイド』『ビーバック』『フォルティ』が加わり、俺たちのギルドは意図も容易く行われたえげつない行為で化け物が5体居るギルドになってしまった。

 

そんな事よりツッコミで疲れたので空都に戻る。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

『空都ライン エギルの店』

 

「編成?」

 

「そそ。3組に別れてそれぞれ攻略するってのはどうかなってさ」

 

「効率は良いがな。その分楽しみは減るが」

 

「そん時はデュエルでもして憂さ晴らしは如何かな?」

 

 

このエギルの営むカフェで、俺たちの総督が急遽3組に別れて行動するという案を出す。俺たちのギルドの人数は計15+7人の計22人。これで7人1パーティー(+@)が出来るが

 

 

「同じぐらいの戦力に別けなきゃダメだろ」

 

「知ってる。だからそれについて話そうよ」

 

 

そんなこんなで話し合いの結果

 

 

草原部隊:シヴァ、ガルロック、サクヤ、シノン、フィリア、シリカ、エギル、レイン

 

砂漠部隊:エイド、フォルティ、アリシャ、リーファ、クライン、ノーチラス、ユナ

 

氷山部隊:ドミナ、ビーバック、リズベット、ユウキ、ストレア、キリト、アスナ

 

 

という結果になった。つまりはこれで行くのだ。

 

………化け物の巣窟になってるんだよなぁ、このギルド。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

草原の竜……何てタイトル通りになると思うか?

『ヴォークリンデ』

 

「シノン!!サクヤ!!俺と共に遠距離から攻撃!!後の者はガルロックを筆頭に連続スイッチ!!」

 

「「「了解!!」」」

 

「りょ、了解……」

 

「さぁて、暴れるか!!」

 

 

草原が広がるヴォークリンデ。ここではシヴァの指揮を主軸にのVidoFnir相手をしている。私とシルフ領主のサクヤ、そしてシヴァが魔法で迎撃。 

 

その後、ガルロック、フィリア、シリカ、レイン、エギルがSSを放つ。

 

フィリア、シリカ、エギル、レインは通常のSSを。ガルロックはOSSを放つ。

 

雷が片手棍を持つ右腕ごと纏われ、ガルロックはそれを投げる。雷は右腕と片手棍を繋ぐかの様に伸ばされている。

 

投げた片手棍がモンスターに衝突。その片手棍は落下していくが、繋がれた雷を利用し下から上へと腕を振るうと片手棍も同じ動きをする。つまりはモンスターに衝突する。

 

まるで鞭の様に振るわれるそれは上から下へと振り下ろされた後、その片手棍はガルロックの手に戻る。

 

ガルロックの持つ片手棍は伝説級武器の【神槌ニョルニル】という。

 

ニョルニルとは古ノルド語で『粉砕する者』と呼ばれ、思う存分打ちつけても壊れず、投げても的を外さず再び手に戻り、自在に大きさを変え携行できるというアース神族の一員である【トール】が扱う武器である。

 

トールは雷の神であると同時に北欧神話最強の戦神と呼ばれ、オーディーンと共に肩を並べる程の強さを持っていたそうだ。

 

その様子を見ていたシヴァは興味津々でガルロックを見ていた。

 

 

「ガルロックのOSSか。名前は聞いたことあるが、あんな感じなのか」

 

「名前は知ってるんだ」

 

「あぁ。ガルロックのOSS【豪胆なソー】だそうだ」

 

「性格と英語読みのトールを組み合わせただけじゃない」

 

「だがあの3連撃のOSS、どうも威力はバカにならないらしいぜ。ほら」

 

 

シヴァがモンスターを指差す。そのモンスターを見るとHPがまるまる一本分消えていた。

 

 

「……もうただの化け物じゃない。システムの域越えてるわよ」

 

「領主なんて大体そうだぞ」

 

「私の見る影ェ………」

 

「さて、此方もMPあれだし参加するか」

 

 

シヴァは【神刀フツノミタマ】と呼ばれる刀と壊無を装備する。即ち二刀流。この刀の二刀流はシヴァのみが扱う方法。刀使いは居るが、二刀流はシヴァ以外誰もしないだけだ。

 

さらに、溜め時間は必要だが-モンスターに向かう時に溜めると時間の無駄にはならない-二刀流で同時にSSを使うことができるシステム外スキル【スキルリンク】で、同時に刀SSの【残月】を放つ。因みにさっきのSSでシヴァのMPは全部消えた。

 

全速力でモンスターに接近し、縦回転をしたまま3連撃。

 

 

「スイッチ!!」

 

「あいよ!!」

 

 

バク転の要領で後ろに居るガルロックと交代し、【パワー・ストライク】で頭を狙いスタンを取る。最後は各々がSSを放ち、モンスターがパーティクルとなる。

 

モンスターの討伐が終わり、アイテムをゲットしたところで翅を広げモンスターがポップしない上空で飛ぶ。

 

 

 

 

その途中、シヴァとレインが何かを話していた。そして、レインの頭にシヴァの手が……………

 

シヴァとレインを見ていると、シヴァが此方に近付いてき隣に並んで並走する。

 

 

「シノン」

 

「……何?」

 

「何か不機嫌だねぇ、何かあった?」

 

「別にぃ」

 

「ふぅん……そうかぁ………」

 

 

ふと、シヴァが空中で停止した。何故止まったのかが分からず、シヴァを見る為止まって後ろを向く。

 

シヴァの顔はニコニコと笑顔を向け、こちらを見続けていた。

 

シヴァの腕が此方に向けて伸ばされ、此方を誘惑してくるかの様に見える。この行動だけで理性の半分が持っていかれる。

 

 

「……何してんの?」

 

「ん~?♪」

 

 

未だに笑顔のまま此方を誘惑してくるかの様に、その姿勢を取り続けているシヴァ。さらには知らないふりをしているのか、可愛く首を傾げる。

 

 

「……行くわね」

 

 

このままでは理性がドンドン削られ可笑しくなりそうだったので転移門に戻ろうとする。

 

 

「シ~ノ~ン~♪」

 

 

嗚呼、この声だけで理性の9割削られる。今度はゆっくりとシヴァの方を見る。シヴァはまだあの体勢のままである。

 

 

「………何?」

 

 

このままでは理性が失われシヴァに抱きつきたくなりそうなので少し落ち着いて言葉を発する。しかし今度は

 

 

「シノン、何かさっきから不機嫌だよ?……もしかしてだけど嫉妬してた?」

 

 

私の心境がバレてた。ただこのままでは恥ずかしいので転移門へと駆けようとする。

 

 

「シノン!!」

 

 

今度は声を張り上げて呼び止められ、もう覚悟を決めてシヴァの方へと向く。まだ先程の体勢をとったまま最後にトドメを刺される。

 

 

「お~い~で~♪」

 

「にゃ~♡」

 

 

気付けばシヴァに飛び込んでお互いの体温を感じ合うぐらいまで抱き合っていた。そして頭を撫でられたのでシヴァの顔を見る。

 

笑顔のままこちらを見つめるので、そのまま襲いたくなる程まで心奪われていた。しかしシヴァは少し申し訳なさそうに謝った。

 

 

「ごめんねシノン。寂しくさせちゃって」

 

 

両手で私の顔を挟み、おでことおでこをコツンと当てる。私だけに向けられるこの優しさが、私を魅了する。

 

そのまま唇を合わせキスをする。口から伝わる暖かさが、私の理性を壊し感情を高ぶらせる。このまま永遠に続けば良いのにと思っていると、シヴァの唇が離れる。

 

何故なのかとシヴァを見ると、少し目を見開いて私を見つめていた。じっと見つめるその瞳は、私を惚けさせシヴァだけしか見えなくさせている。

 

 

「ホームに帰る?」

 

「……うん♡」

 

 

そのままホームに帰り、2人だけの時間を過ごした。

 

残りの奴等はエギルのカフェで待ったり、領主館に戻ったりしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

領主の2つ名=キチガイの証

『砂丘峡谷ヴェルクンデ フレック遺跡』

 

 

「ノーチラスさんは魔法での牽制を、クラインさんは向かってくるMobを斬り捨ててください。ユナさんは攻撃力UPのバフお願いします」

 

「分かったぜ!!」

 

「「分かった!!」」

 

「フォルティ、アリシャ。準備」

 

「オッケー」

 

「はーい!!」

 

 

この時、3体の敵Mob……全て『Spartoi』だが鬼畜パーティーに向かっていっている。

 

先ず、ユナの歌で攻撃力UPのバフをかけた後ノーチラスの魔法【フレイム・ブラスト】で敵Mobにダメージを与え、クラインは刀SS【朧月夜】で広範囲に攻撃しダメージを蓄積させる。

 

その間にフォルティは鎌である【ヘッド・リムーバー】を、アリシャは短剣である【ブラハガング】を装備し駆け抜ける。エイドは【フォルト・アルテミス】を装備し牽制でSS【ワイド・ショット】を放つ。

 

 

「「スイッチ!!」」

 

 

フォルティとアリシャの声が響き、それをクラインが聞きつけ後ろに下がる。

 

フォルティは豹変した性格のまま両手斧SS【ヴァイオレント・スパイク】で、アリシャは短剣SS【ファッドエッジ】で斬りつけパーティクルへと変える。

 

 

「だあぁぁ!!骨のねぇ奴等かよ!!」

 

「実際骨しか無いんだけどネ」

 

「アリシャさん上手い!!」

 

「「(上手いのか?)」」

 

「ノー君顔、顔」

 

 

ノーチラスとリーファの顔は顔の上半分が隠れる程、影がかかっていた。

 

 

「すいませんね御三方、フォルティは戦った感触が無いと何時もああなんです」

 

「いや、そっちじゃなくてですね」

 

「でしたら先程の寒いギャグの事ですか?あれは無いですよね」

 

「聞こえてんぞ!!」

 

「あれま、これは失礼」

 

 

悪びる様子も無く後頭部に手を当て丁寧に90度腰を曲げて平謝りするエイドを見て、クラインは少し機嫌を良くした。

 

 

「チョロい」

 

「あぁいうタイプの人間は単純ですからね」

 

「人の扱い方を熟知してた……」

 

「領主たる者、プレイヤーたちの士気を操るのは当然ですから」

 

「笑顔で言ってるから尚更怖いんですけど……」

 

「知りません」

 

 

笑顔のままボス部屋へと向かう闇妖精領主エイド。それに続いて残りの者たちもエイドに着いていく。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

「そういえばエイドさん、ドミナさんとビーバックさんと仲良いですよね。何でですか?」

 

 

不意にリーファに話しかけられたエイドは、後ろに振り向いたままボス部屋に歩き質問に答える。

 

 

「そりゃあ、腐れ縁。所謂幼馴染みですし」

 

「お、幼馴染み!?」

 

「えぇ。知りませんでした?結構ベラベラと喋ってましたけど」

 

「ぜ、全然」

 

「あれま、そうでしたか。では、この際ですし昔話でも「そういやよエイド」はい?」

 

 

途中で割って入ったクラインに話の話題を変えられる。普通にクラインの話に切り替えが出来る事から、極度の冷静さが見受けられる。

 

 

「何でお前は弓がメインなんだ?普通なら威力の高い武器とか、小回りが効く武器とか、そんな武器選ぶよな?」

 

「まぁ、それはそうですが……弓が自分にとっては扱いやすいのでね。何せ弓道やってますから」

 

「ほぇー、弓道か」

 

「でも、モンスターとかプレイヤーって動くから弓道はあまり……」

 

「えぇ、役には立ちませんでした。唯一役立てたのは『相手を狙い撃つ』という静かに煮えたぎる殺意が混じった集中力だけでした」

 

「「………」」

 

「まぁそれもあって領主になれましたし、弓でのソロも慣れましたし一石二鳥ですよ」

 

「「(ソロ弓)!?」」

 

 

ふと、エイドの足取りが止まる。少し先に居るフォルティの足取りも止まり、それに合わせて他の5人の足取りも止まる。

 

 

「エイドさん?……」

 

「……10、50………………いや、200ですね」

 

「に、200?」

 

「何が……200なんですか?」

 

「………にひひっ」

 

「アッ、これヤバイヤ。フォルティが笑ってル」

 

 

フォルティは先程のモンスターと戦った物とは別の鎌を装備し、エイドは弓を装備する。すると後方からプレイヤーが大多数現れる。分かるだけで50人程居たが、200人には程遠い。

 

 

「これぜ~んぶ、シャムロックの【クラスタ】かぁ……腕が鳴るねぇ」

 

「フォルティ、僕らは止めるだけだよ」

 

「殺して止める」

 

「……もう良いよ、何にも言わない」

 

「あ、あの~……エイドさん、フォルティさん?何をしてるんですかねぇ?」

 

 

そんなクライン/野武士面の言葉を聞き入れず「オイッ!!!」フォルティは鎌の柄を肩に乗せながら、エイドは5本の弓矢をセットした状態でシャムロックのクラスタの前に立ち塞がる。

 

 

「誰だお前ら!?」

 

「鉄○字団に恨みを持つ……………………地獄からの使者ス○イダーマッ!!!」

 

「ダアッ!!違う!!スパイ○ーマッ!!じゃなくて、そこは2つ名の方でしょフォルティ」

 

「あっ、ごっめ~ん。そうだね」

 

 

エイドに平謝りしたフォルティは再度シャムロックのクラスタに向き直り、口調を変えて話した。

 

 

「プーカ領主、『死神レイス』のフォルティ」

 

『!!!!!!!????』

 

「スプリガン領主、『冷酷狂乱の妖精』のエイド」

 

『!!!!!!????』

 

「「いざ、尋常につかまつる」」

 

 

弓と鎌を構え、シャムロックのクラスタに向けて宣戦布告とも取れる言葉を言い放つ。その背中はある種、シヴァの背中と似ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

プーカの本領は歌……って、そっちかよ

「し、『死神レイス』に『冷酷狂乱の妖精』だとぉ!?な、何で領主がこんな所に居るんだよ!?」

 

 

ある一人の男性プレイヤーが、そう叫んだ。その隙にアリシャは他のメンバーを連れてボス部屋に向かった。

 

 

「ああ!!アイツらがボス部屋に!!」

 

「ki、summer!!」

 

「字幕字幕。まぁそれは良いとして、さっさと始めましょうかね。時間勿体無いですし」

 

「おっしゃあ!!さっさと首取らせ「フォルティは歌でも歌っといて」はあッ!!?」

 

 

エイドが颯爽と駆け出す。向かうはクラスタのど真ん中。ただ、勿論狙われやすくなる場所でもあるが……

 

 

「くそっ!!もう良い!!」

 

 

~♪【迷子の狼】~

 

 

『!!!???』

 

 

フォルティが突然歌いだし、その場で固まったクラスタの者たち。歌妖精のプーカが歌うのは当然の事だ。当然……なのだが……フォルティの場合、おもいっきり歌っていた。

 

独特の喉の使い方でビブラート多目の歌い方であったが、どうやって発生しているのかが分からない程低い声で歌い続けていた。

 

その隙を狙い、エイドは集団の中に突っ込む前にブレーキをかけ弓SS【スターダスト・エクサ】を放つ。上から無数の矢の雨が降り注ぎ、頭装備の無いプレイヤーは一気にエンドフレイム化する。残りは頭装備を着けていた僅か5名のプレイヤーのみ……しかし、またもやプレイヤーの反応がする。

 

 

「加勢す……る?」

 

 

50人一組のレイドを組んでいたことが発覚。つまりはこれを残り2回すれば良い。やってきたプレイヤーたちもフォルティが歌っていた事で少し固まり、その隙にまたSSの【スターダスト・エクサ】を放つ。

 

これにより、残されていたのは11人。この作業を2回繰り返すと21人に減らされていた。歌の途中であったがフォルティは歌うのを止め、鎌を残されたプレイヤーに向ける。

 

 

「エイド!!折角暴れられるって思ったのによぉ!!何て事しでかしてんだテメエ!!」

 

「フォルティだと恐怖させるでしょうが。証拠に狩りの途中にレネゲイドが奇襲してきたのに鎌でその顔しながら斬ってプレイヤーを怖がらせたでしょうに」

 

「これも戦略の内だろぉが!!」

 

 

ギャーギャーと吠えるフォルティを冷静に対処するエイド。その光景を見つめるしかないクラスタの残存プレイヤーたち。

 

何をトチ狂ったのか、クラスタの内の一人のプレイヤーが風魔法【エアロ・ブラスト】を放ち、話を妨害する。

2人はダメージはほんの僅か受けたものの何も影響は出なかった。

 

いや、語弊があった。影響はあった。ただ、その影響は……

 

 

「「…………」」

 

 

逆にこの2人の逆鱗に触れる事になっただけだ。

 

 

「「話ぐらいゆっくりさせろやぁ!!!」」

 

『!!!!!!?????』

 

 

エイドは弓SS【ストライク・ノヴァ】で穿ち、フォルティは両手斧SS【グラビティ・インパクト】で残存しているプレイヤー全員に攻撃する。このALOではレベルの差は殆ど関係無いが、熟練度の差で一気にエンドフレイムになった。20人が。

 

 

「ひ、ひぃぃぃぃ!!!」

 

 

残りは仕留め損ねたのか、はたまた敢えて残したのか。

 

 

「おいテメエ」

 

「はいッ!!?」

 

「残りのクラスタ全員連れてこい、さもなきゃテメエの首切り落とすぞ」

 

 

鎌を持ち上げ命令する。ある意味横暴だが、そのプレイヤーは直ぐ様立ち上がり「連れてきますッ!!!」とだけを言い残し去っていく。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

~30分後~

 

「本当に来るのかなぁ?あ、フォルティ。そこのパン頂戴」

 

「はいこれ。まぁ来るでしょ、脅しも良好だし。何よりシヴァの一件も合間って来る確率は90はいくでしょ」

 

「残りの10は?」

 

「上層の奴等が無視。そこはシヴァみたく吹き飛ばせば良いだけだし。あ、そこのお菓子頂戴」

 

「こんな時でもフォルティは変わらないね。はいこれ」

 

 

遺跡タイプのダンジョン内でシートを広げ仲良く弁当を食べている2人の領主。シヴァの料理スキル熟練度がMAXの為、シヴァに教えてもらい暇な時に食べれるように簡単な物を作っていたのだ。完全にお出掛け気分に浸っていた。

 

ふと、フォルティが索敵スキルを発動してみると精々約50名程の反応が来ていた。その中に感じ慣れた反応も2つ。フォルティはにやりと微笑み立ち上がり、エイドはシートと弁当を片付け弓を装備する。

 

クラスタの人数が50人程集まった所で後ろの2人が壁走りでフォルティとエイドの前に現れる。

 

 

「やぁドミナ、ビーバック。ついてきたみたいだねぇ」

 

「悪いか?こっちも腹立たしくて潰したいからよ」

 

「何かドミナにあった?」

 

「リズベットがどつかれた」

 

「納得」

 

 

計4人、領主が揃った。後ろから来ていた事に気付いてなかった約50人程のプレイヤーは一種の恐怖を覚えた。

 

『死神レイス』『冷酷狂乱の妖精』『無槍』『拳王』の4人が揃っていたのだ。

 

ここにキチガイ領主が4人揃った。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

一方その頃……

 

「にゃ~♡」

 

「にゃう~♡」

 

 

この領主はホームでケットシーの彼女を抱き抱えて膝に座らせており、それ以外は何もしていなかった。時折この領主はケットシーの彼女の尻尾を甘噛みして彼女の反応を楽しんでいた。

 

本当にそれ以外は何もしていない。決して○○○○はしていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ごめんなさいネタに走ります。何でもs(ry

『それから6分後』

 

「何か言うことは?」

 

「「「「サーセーン!!」」」」

 

「じゃねぇだろぉぉ!!」

 

 

えー、シノンとイチャイチャし終えてラインに戻ったのは良かったんだけど……何か4人が正座してるし、リズが仁王立ちしてるし、キリトのツッコミは……どうでも良いや。

 

そんな訳分からん状況の中、俺は皆に頼まれた飲み物を作っていた。

 

 

「何がサーセーンだ!?お前ら何しでかしたのか分かってんの!?シャムロックに喧嘩売った様なモンだぞ!?」

 

「横取りしようとしてたから制裁を……」

 

「リズに対してした行いの重大さを理解させる為」

 

「首斬りたかった」

 

「成り行き」

 

「後の2人が理由にもなってねぇじゃねぇか!!それとドミナは考えてたのそれだけか!?それだけなんだな!?それだけでブッ飛ばしてたのか!?」

 

「Yes,I am!!」

 

「○ヴドゥルの真似はいいんだよ!!つか用途違うし!!キャラ崩壊しかけてるし!!」

 

「全く……ドミナ」

 

「んぁ?」

 

 

リズはドミナの目線に合わせる様にしゃがみ、ドミナに自身の体重を預ける様に倒れる。それをドミナは支える。

 

 

「……確かにあの時のドミナカッコ良かったし、アタシを心配してくれたのは素直に嬉しいわ……でもそれよりも、あの時ドミナが側に居て欲しかったな///」

 

「!!!……リズ///」

 

「おっおう、これは完全に2人だけの世界に」

 

「ねぇビーバック、お口の中がジャリジャリするよぉ」

 

「それでブラックコーヒー飲んでみて、甘くなるから」

 

 

ドミナとリズの意外カップルのイチャイチャを見せられた所、周りに居た他領主からの冷やかし-1人は冷やかしではない-が飛び交う。しかし2人には聞こえていない様子。

 

そういや作者、何でリズ×オリキャラにしたんだ?

 

 

[1つ、リズが何か不憫に感じた。2つ、土方と三葉]

 

 

成る程納得。もう消えて良いぞ。

 

 

[お~し~ら~せ~。またもや0評価が付いちゃいました]

 

 

………もう何も言わねぇよ。どうせオリキャラが原作キャラより強いから、つまんなくて0評価でも付けられたんだろ?

 

例えて言うなら『あ、このゲーム面白そうだな~』って買ってみたのは良いものの、いざプレイしたらクソゲーだったって事と一緒だからな?《この小説=クソゲー並みにおもんない》っていう方程式が0評価付けた奴等の中で出来上がってるからな?

 

しかも折角の230人から今じゃ226人に減ってるし、事の急展開に着いていけない読者様多いからお気に入り登録解除したんでしょ?

 

それでも感想くれた古参の○ークさんとか、仮面○ァンキーさんとか、まだ居てくださってるよ?その人たちに申し訳無いと思わないの?

 

 

[そりゃあ……申し訳ないさ。最近スタンド展開無いし、カッコいい場面が無いのもわかる。銀魂要素ドンドン入れると言っておいて実際は最終話辺りで銀魂要素入れようと考えていたさ]

 

 

「だったらいっそのこと、最終話辺りまで飛ばすとか?」

 

「ユウキお前………頭良いな」

 

「えっへん!!」

 

 

[待て待て待て待て!!確かにLSゲームだから小説栄えしそうなシーンの所にオリ主入れるのは良いと思うよ!!だからといって流石に今からは不味いだろうよ、飛ばしすぎて逆に話数少なくなったALO編の例然り]

 

 

「でも結局は銀魂要素を詰め込まなきゃいけないから、飛ばしても良いんじゃないかしら?」

 

 

[何でここでシノンさん出てきたの?何でさらりと《元から居ました》みたいな介入をしてくる訳?]

 

 

「それよりも作者さん、《SA:O》を書くの?それとも《UW》を書くの?OSは?」

 

 

[先ずはOS書いた後にUWを……って、何でアスナさんも介入してくるんですか!?何でここに来て常識人ポジの貴女が入ってくるんですか!?]

 

 

「もうさっさと話を急展開にさせてマスターを活躍させて下さいよ。それを読者様は望んでいるんですよ。望んでおられる方は感想欄に『我、それを望む』と書いてください」

 

 

[お前らふっと介入してくんな!!kaimuは別として!!]

 

「お前らおもっくそメタいわぁぁぁぁあ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

銀色の逆鱗には触れるべからず

『あれから1日経ち 裏世界ニーベルハイム最終ダンジョンにて』

~キリトside~

 

俺たちは現在、新たに解放された裏世界であるニーベルハイムの最終ダンジョンへと足を運んでいる。理由は言わずもがな、シャムロックに追い付く為である。……えっ、急展開過ぎる?ナンノコトヤラ?

 

 

 

 

それよりも……この階層の最終部屋。ここに入った途端、目を疑う光景が広がっていた。

 

先に来ていたシャムロックのメンバーらしき炎【エンドフレイム】が多く点在していたのだ。その中の1人のプレイヤーはまだアバターを保ったままの状態で居た。

 

そのプレイヤーに回復をしようとするシヴァとアスナの行動をレインが止める。「もう手遅れだよ」と。

 

その瞬間、目の前のプレイヤーがエンドフレイムへと成り果てる。同時にシヴァがパーティーを解除し、そのエンドフレイムに駆けつけ蘇生魔法を唱える。

 

長年付き添っていた俺たち11人と情報屋のアルゴ以外は、その異端ともとれる行動に驚いていた。

 

理由は簡単『理解できない』からだ。第一にシャムロックという一応敵対しているギルドの、しかも別種族のプレイヤーを助けるなど前例に無いからだ。

 

復活したプレイヤーは本来の姿を取り戻す。それと同時にまた別のエンドフレイムへと蘇生魔法を使用する。

 

 

「………行ってくる」

 

「あぁ」

 

 

アスナもシヴァに続く様にエンドフレイムに蘇生魔法を使用する。シヴァに続きアスナも異端ともとれる行動に、含俺たち12人以外-復活したプレイヤーを含む-は驚いていた。

 

しかし、その行動に意義を唱える者も居る。いや、殆どが意義を唱えるだろう。最初に意義を唱えたのは……『レイン』であった。

 

 

「な、何で……!?何で助けちゃうの!?そんな事しても魔力の無駄遣いだよ!?」

 

 

そう、勿論魔力切れも起きる。その時はポーチから魔力回復アイテムを取り出して飲み干し、また蘇生魔法をエンドフレイムにかける。その行動を繰り返していた。

 

次に意義を唱えたのが……エイドであった。

 

 

「あんな行い、普通ならしない。だってさっきもレインが言った通り、魔力の無駄遣いだし。何より、敵対しているギルドのメンバーを救って何になるというんだ?」

 

 

そう……この行いは他者から見れば『無駄な行為』として認識される。結果、後4人の所で残りのエンドフレイムは消え去った。それを見たシヴァは膝から崩れ落ちた。

 

 

「!?……シヴァ!!」

 

「お兄ちゃん!!」

 

 

シノンとユウキがシヴァの元へと駆け寄り、俺はアスナの元へと駆け寄る。しかしアスナはそのままシヴァの方へと向かい、結果として俺もシヴァの方に向かう。

 

その時シヴァは……握り拳を震わせていた。

 

そして、俺たちはシヴァが傷心のままボスとの戦闘に行く。

 

 

 

 

ボスとの戦いは通常通りに勝てた。やはり大きいのは領主のギルド加入だろう。しかしシヴァだけは、ボスと戦っていても何処か上の空だった。

 

ボスを倒した後、この部屋の奥の扉が開かれる。そこに居たのは……『セブン』と『スメラギ』であった。

 

 

「はぁ……はぁ……あっ………セブン?」

 

「ようやく来たね、キリト君!!それにアスナちゃんにリーファちゃん!!レインも!!」

 

 

その少女は俺たちを祝福するかの様な笑顔で出迎えた。しかし、これに相反する者も居た。

 

 

「君たちすごいねぇ~!!たったそれだけの人数でここまで辿り着くなんて!!」

 

「待っていたぞ、キリト」

 

「待っていた?どういう意味だ?それにプレイヤーとしては弱いセブンをどうしてここに連れてきてるんだ?」

 

 

俺の問いに答えたのは、やはりスメラギ。この間でもアイツの怒りは治まっていない。

 

 

「この攻略だけは、セブンが来なくてはならない。それだけだ」

 

「あたしも本当は恐いんだけど、何せALOで行いたかった実験の最終段階だからねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那、アイツが飛び出した。一瞬、横目で見えた表情は………誰かを殺す目と同じく【殺意】の固まりがセブンに突っ込んでくる。

 

シヴァは壊無を装備し、セブンの体を吹き飛ばす。

 

吹き飛ばされたセブンは壁にぶつかるまで飛ばされ、それを見た俺たちを含むプレイヤーは突然の出来事で理解が追い付かなくなる。

 

 

「!!?総督!?」

 

「!?貴様ァァ!!」

 

 

スメラギが抜刀し、シヴァに攻撃を加えようとする。

 

しかし、シヴァはスメラギに視線を向けると同時に左手に【神刀フツノミタマ】を装備しスメラギに反撃を入れる。

 

スメラギも対処できるのは防御のみなので防御をしたが、此方は地面に2回程バウンドした後セブンに駆けつけ楯の如く守っていた。

 

チラリと見えたが、アイツの目の瞳孔が極限まで狭まっていた。その表情のままスメラギに突っ込み刀と刀による火花が飛ぶ。

 

 

「ッ!!……調子に乗るなぁ!!!」

 

 

シヴァの刀をいなし、スメラギはシヴァの腹に刀を刺しこむ。しかしシヴァは刺しこまれた刀を気にする事もなく、逆にスメラギの頭に刀を刺し走り出す。さらに壁に衝突したと同時に壁から煙が発生する。

 

スメラギはエンドフレイムへと成り果て、シヴァは肩で息をしていた。

 

そして、シヴァはセブンを見る。セブンの元に走りだそうとしていた為、ノーチラスと俺、シノンとユウキでシヴァを止め、アスナにセブンの保護を頼んだ。

 

一旦シヴァを落ち着かせた後、俺たちは空都ラインにあるエギルの店に集まることにした。

 

 

 

 

 

 

 

転移結晶を使った際に見えたシヴァの背中は、まだ【あれ】が背負られている様にも感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

業背負いし神

 ……何時かの誰かが言っていた。

『背負った重荷の重さを知るのはその重荷が失って気づく』

 

 この破壊神は業を持っている。幾つもの誰かの重さを背負ってる。幾つもの守るべきものを背負っている。この神は、その重荷を外そうとはしなかった。

 

 ……何時かの誰かが言っていた。

    『俺に背負わせてくれ』と。

 

 己が定めた誓いに従い例え誰かが心配かけようが、この破壊神だけは止められなかった。

 

 誰かを守る為に、己を犠牲にする神。何時も誰かの危険を、その身1つで守り己の誓いと誰かを守り続けてきた。

 

 しかし、この破壊神は出会ってしまった。命が失われる瞬間を。誰かを救えなかった苦しみは、この破壊神にとって心に深い傷を負ってしまう。

 

 例え仮初めの命でも、誰かを救えなかった苦しみ。そして、その破壊神の前に命を失ってしまった原因とも言える者が現れた。

 

 瞬間、彼の脳裏に何かが走る。『殺せ』と。

 

 そしてそこから……彼は何も考えず動いていた。気付いた時には、彼は鬼に止められていた。

 

 彼は怒りから身を離し、魂が抜けた脱け殻の様に目から光が失われていた。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『坂倉家』

 

 気付けば彼は自分の部屋の天井を見つめていた。右手にアミュスフィアを持ち、左腕で両目を隠す。

 

 そして、ベッドから起き上がる。

 

 そんな時、扉が開かれる。現れたのは詩乃と木綿季の2人。自分が守らなければいけない妹と彼女。

 

 

「お兄ちゃん……大丈夫……だよね?」

 

 

 木綿季が途切れ途切れの言葉でそう伝える。その言葉を聞き銀先は妹に近付き、ゆっくりと抱き抱える。頭を優しく撫でる。

 

 

「大丈夫だよ。……お兄ちゃんは平気さ」

 

 

 そう呟くと、詩乃が銀先の肩に手を乗せる。詩乃の方に向くと笑顔を向けている詩乃の顔が近くにあった。

 

 その時、詩乃からある提案を受ける。それは……

 

 

「ねぇ、銀。何処か出掛けない?木綿季と私と銀の3人で」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『ALO内 空都ライン エギルのカフェ』

~キリトside~

 

 ここに1つの緊張感が走っていた。シヴァ、シノン、ユウキを除いた残りの者と、先程エンドフレイムとなって消えたスメラギ、シヴァに危害を加えられたセブン。

 

 これだけでもピリピリとした緊張感が走っているのが理解できる。尚且つシャムロックのメンバーやクラスタが黙っていない事も必然的。……そこは領主様々だな、一瞬で黙らせられるから事を必要以上に荒立てない。その点は感謝している。

 

 

「さて……だ。セブン、君にしてしまった事については謝罪しよう。肝心のアイツは少し落ち着かせてから謝罪させるよ」

 

「別に良いわ。まぁ、あの領主様の事は追々聞くとして……キリト君、アスナちゃん、リーファちゃん。私の願いを叶えてくれないかしら?」

 

「……それは、あの時の『実験』……【クラウド・ブレイン】とやらに関係する事なのか?」

 

「ご名答よ、キリト君。私たちと一緒に実験の最終段階を手伝ってほしいの」

 

「どんな実験なんだ?」

 

 

 それを言うと、セブンは事細かく教えてくれた。

 

 【クラウド・ブレイン】……意思がもたらす驚異の能力を、ネットワークを介して新たな力を作り出す事を目的とした実験だと。その為にシャムロックやクラスタという大人数のギルド等を作り出したらしい。

 

 人の脳が持つ演算処理能力をネットワークで1つに纏め上げクラウド化して共有する。そして、コンピューターのCPUには作り出せないハイスペックかつ情緒的な演算処理システムの構築。それが、この実験の内容だった。

 

 

 

 

 

「私は協力しないよ」

 

 

 この実験に意義を唱えるフィリアに、全員の視線が向く。

 

 

「わたしはキリト君に頼んでるのよ?何で貴女が答えるの?」

 

「『私は』協力しないって言ったの。私だけでも貴女の実験を止める」

 

「!?フィリアさん!?そんな無茶な!!」

 

「私は……何でシヴァがあの行動をしたのか理解できた。それを踏まえて、貴女たちには協力はしない。何としてでも実験を止める」

 

「……何故、あの領主様が出てきたのかしら?」

 

「……本当は言わない方が良いのは分かってる。でも言わせてもらうよ」

 

「ッ!!……フィリア」

 

「キリト、後でシヴァに謝っておくから」

 

 

 フィリアは意を決したかの様に深呼吸をした後、話し始める。アイツの過去を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「昔、シヴァが話してくれたんだ。あのデスゲームに囚われていた時の2023年8月、シヴァは人を殺した」

 

『!?』

 

「事の詳細までは分からない。でも、その時は殺人プレイヤーの集団の討伐作戦って言ってた。本当ならね」

 

「本当なら……?」

 

 

 その言葉に疑問を唱えたエイド。それにフィリアは答える。

 

 

「シヴァは、誰からも犠牲を出したくなかった。だからこそ1人で殲滅させた。……これはシノンから教えてもらったんだ」

 

 

 でも……と言葉を詰まらせるが、また深呼吸して言葉を綴る。

 

 

「だからこそ分かるの。シヴァは例え、この世界で本人が死ななくても、仮初めの命でも、シヴァは命が失われるのをとっても嫌っていた。だからこそシヴァの意思に従って、私は貴女たちを止める。命を奪った事を許したくないから」

 

「そう……それなら良いわ。キリト君はどうするのかしら?」

 

「俺は……………」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

~銀先side~

 

 午後2時、林道。今の時間帯は誰も居なかった。木綿季は林道を駆け回っていたり、詩乃は俺の左腕に自分の右腕を組んで木綿季を見て笑っていたり。

 

 俺は上を見て、木と木の隙間から漏れる光を見ていた。

 

 虚ろな感情を抱きながら歩いていると、隣に居た詩乃が服を引っ張ってくる。何かと思い、詩乃の方に向く。

 

 詩乃は先程の笑顔のまま、俺に向けられる。

 

 

「……詩乃、どうした?」

 

「ふふっ、何でも♪」

 

 

 溜め息をついた後、俺の右腕に木綿季が来る。俺の腕を上げたり下げたり、伸ばしたりと遊んでいた。

 

 

「ねぇ銀」

 

「……何?」

 

 

 詩乃は歩みを止める。それに合わせて俺と木綿季も歩みを止め、詩乃に向き合う。

 

 

「頼ってよ」

 

「………んっ?」

 

「だから、頼ってって言ってるじゃない。毎回毎回銀が無茶する度に心配するの私たちなんだから」

 

「んぁ?………って、あぁ。あん時のか」

 

 

 あの時、自分の中で何かが切れた時、俺は何も考えず動いていた。だからこそ、アイツらが俺を止めてくれる。背負うことを一緒に付き添ってくれる。

 

 だが、未だ何処か不安が過る。アイツらの背中に背負わせれば、俺は後悔するのではないのか?俺はアイツらの重荷を軽くする為に何をしてやれる?

 

 俺は何を……そう考えていたら、こんどは詩乃が無理矢理顔を両手で挟んで詩乃に向けさせられる。

 

 

「銀は……もう十分背負ってくれた」

 

「……」

 

「だから、その重荷は捨てちゃいなさい」

 

「……それは……その……」

 

「……私が言ってるのは、『キリトたちへの過保護ぶり』っていう重荷を捨てちゃいなさいっていう意味で言ったのよ」

 

「あ、そっち?……って、それも無理」

 

「キリトたちだって、何時までも銀の物じゃないでしょ?」

 

「………」

 

「だからさ、さっさと捨てちゃいなさい。そんなお荷物。それで、キリトたちを……私たちを信じなさい。銀」

 

「………」

 

 

 ……何故だろうか、不思議と気分も良い。辛かったのだろうか?話して楽になったのか?

 

 『背負う』んじゃない『支える』事をすれば良いのか?って思った。不思議と体と思考が軽くなった気がする。

 

 その軽くなった思考で、あることを思い出さした。

 

 

「……急で悪いが詩乃、木綿季」

 

「「????」」

 

「ログインするぞ」

 

 

 2人はお互いの顔を見合い、笑みを浮かべた後

 

 

「「了解♪」」

 

 

 敬礼のポーズをして、俺に意思表示する。

 

 家に戻り、ALOへとログインする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お前らドMかよぉ!!?

『ALO 空都ライン 転移門前』

 

『ここは通さんぞ!!』

 

「「「どうしてこうなった?」」」

 

 

 色々と吹っ切れて、レインの事を思い出してまたALOにログインして転移門に行ってみれば……たぶんクラスタだろうな。クラスタ総勢で転移門を邪魔していた。

 

 この程度の肉壁はアバターチェンジシステムと、あの番傘があれば十二分に対応出来るが、流石にこれ以上事を荒立てるのは面倒だ。後一応俺領主なんだけど。

 

 

「ちょっと!!何でボクたちは通してくれないのさ!?」

 

「そこのウンディーネに言えや!!俺たちのセブンちゃんを傷付けやがって!!」

 

『そうだそうだ!!!』

 

「面倒ね……こうも狂信的だと気持ち悪いわ」

 

 

 ごもっともだ。このままkaimuにアバターチェンジと番傘ジェネレートで吹っ飛ばそうかね?……っと、考えていると後ろから弓矢が飛んできた。

 

 その弓矢は転移門に続くクラスタの集団を吹き飛ばし、転移門への道を切り開いた。後ろを見れば……領主様御一行-俺抜き-が横一列に並んでいた。

 

 

「やっほーシヴァ!!」

 

「戻ってきてくれたんダネ、良かっタ良かっタ」

 

「ったく、何で俺まで……?」

 

「ノリノリだったのドミナじゃん」

 

「お前ら!!何でここに!?」

 

「そりゃあ勿論」

 

「キリト君やリーファたちに頼まれてな。君のお手伝いという訳さ」

 

 

 俺たちの前に走って来ると、クラスタを相手する様に挑発を仕掛ける。

 

 

「つー訳でだ。このバカを倒したいなら、俺たちを倒してから殺りな。テメエらの好きにさせる訳にはいかねえよ」

 

 

 ドミナが【エルダ・トライデント】を装備し、クラスタに構える。それに続くかの様に他の領主も武器を構える。

 

 

「でも、ここだとダメージは入らないからさ。一気に方をつけたいからフィールドに出て相手しない?」

 

 

 突如ガルロックが俺とユウキを、ビーバックがシノンを掴んで転移門に投げる。転移門に着いた俺たちは『ニーベルハイム』へと向かった。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

「んなっ!?き、貴様らぁ!!何て事をしてくれたぁ!!?」

 

「知るかよ!!それより!!」

 

 

 残された全領主は転移門へと一斉に駆け出し、到着すると『ニーベルハイム』に転移する。それに続くかの様にクラスタのメンバーが転移門で『ニーベルハイム』に転移する。

 

 転移門の先に待っていたのは、やはり領主。その後方約120m程にはシヴァたちが素早く移動していた。

 

 1人のプレイヤーが前足を出したと同時に、魔法【ライトニング・アロー】がプレイヤーの足元に着弾する。

 

 その魔法で全てのクラスタメンバーが武器を取り、魔法の準備をする。対し領主も武器を構える。この領主たちの中にはプロトレジェンダリーウェポンが装備されている者も居た。

 

 ナックル【バオペエ】/使用者 ビーバック

 槍【エルダ・トライデント】/使用者 ドミナ

 弓【フォルト・アルテミス】/使用者 エイド

 片手棍【神槌ニョルニル】/使用者 ガルロック

 

 さらに、レジェンダリーウェポンではなくとも強い武器が装備されている者も居る。

 

 短剣【隠忌刃スクレープ】/使用者 アリシャ・ルー

 両手斧【ソウル・リムーバー】/使用者 フォルティ

 刀【カゴツルベサトノエイザメ】/使用者 サクヤ

 片手棍【グリダヴォル】/使用者 モーティマー

 

 この化け物レベルの領主たちと戦う事は、死を意味する事と同じである。

 

 

「さぁ、こっからはバイキング形式でたらふく食わせもらうぜ」

 

 

 ドミナが槍を片手で持ち、クラスタに向ける。

 

 

「テメエらの幻想をよ」

 

 

 瞬間、彼らはクラスタに向かい足止めを開始した。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『ニーベルハイム2階』

~シヴァside~

 

 俺たちはこのダンジョンを駆け巡っている。フレンド登録での位置提供を確認しつつ、俺たちはキリトたちの元へと駆ける。

 

 

「居た!!キリト!!」

 

「んぉ?……って、シヴァ!!戻ってきてくれたんだな!!」

 

「あぁ、ユウキとシノンのお陰でな。……それより、こんな所で立ち止まって何をしていたんだ?」

 

「………レイン」

 

 

 キリトが優しくレインに問いかける。レインは首を横に振った。それを見て、キリトたちは驚いた。

 

 

「シヴァさんは……とっくに気付いていたの。あたしとセブンが姉妹って事を」

 

「んなっ!?」

 

『ええ!?』

 

「レイン……話したのか」

 

「うん……もう隠せなくてね」

 

「そうか……」

 

「シヴァ、一体どういう事!?レインが……セブンと姉妹だなんて!!」

 

 

 急にシノンが声を荒げて俺に問う。俺はシノンを少し落ち着かせた後ゆっくりと話した。

 

 

「先ずレインとセブンが似ていた点。『プリヴィエート』『ダスヴィダーニャ』……これらは全てロシア語であること。それを同じ様に使うプレイヤーが果たして居るのかと考えてよ」

 

「でも、それじゃあ単にロシア語を使うプレイヤーって思うでしょ?」

 

「もう1つの点。それは雰囲気」

 

「ふ、雰囲気?何でこの仮想世界に雰囲気って曖昧な物が出てくるのよ?」

 

「何故かだが、俺にはセブンとレインが似たような感覚を持っていたって事。これは俺の直感だったがよ」

 

「……もはや掛ける言葉が見つからねぇ」

 

「人外なら人外とハッキリ言いやがれ野武士」

 

「野武士じゃねぇって!!」

 

 

 俺はある程度の話をした後、このメンバーでダンジョンを巡る。……そういや、アイツらは大丈夫……だな。大丈夫だ。うん間違いない。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

「あぁ~ん!!」

 

「いや~ん!!」

 

「うひゅ~ん!!」

 

 

 フォルティが連続で縦に整列している女性プレイヤーを斬っていく。その影響か、女性プレイヤーは変な声を出しながら倒れていく。

 

 

「次は私よ!!」

 

「その次は私!!」

 

「その次は私よ!!」

 

「アンタら何をやっとんのじゃあぁぁ!!?」

 

「どうせ殺られるなら、あの可愛い領主様に斬られて昇天したいじゃなぁ~い!!」

 

「いや、これどう考えても自殺志願者にしか見えないんだけど!?というか何!?他の領主は私たちを相手取らない様に立ち回ってるのに何であのプーカの領主だけ思いっきり斬ってんのよ!?」

 

「下がりなさい!!」

 

「アケチ!?」

 

「あの太刀筋、見覚えがあるわ。一子相伝で伝えられるという究極の暗殺術【武離威千】!!」

 

「何か聞いたことあるぅ!!」

 

「まさか、こんな所で私の天敵に会うなんてね」

 

 

 そのアケチと呼ばれた女性プレイヤーは両手剣を持ち、自身の前で円を描く様に両手剣を回す。

 

 

「!?その構えはまさか!?」

 

「誤算だったわね。そう、私が【武離威千】と対を成す一子相伝の撃滅剣【似瀬柧威】の伝承者……剣王アケチよ!!」

 

「いやすいません知りません」スバシュ!!

 

「アケチィィィ!!!」

 

「ふっ……最後に、このアケチという名を斬ってくれるなんて……我が生涯に一片の名無し!!」

 

「いや思いっきりあるわよ!!名前がHPバーの下に思いっきりあるわよ!!」

 

「あら?ホントだわ?」

 

「あのさぁ、死んだ振りしてくれない?」

 

「「???」」

 

「流石に殺すのは惜しいからね♪」

 

 

 フォルティは鎌の外側を指でトントンと叩いて、『ここで攻撃したよ』と示す。

 

 瞬間、フォルティの周りには女性プレイヤーの黄色い声が響いた。

 

 

「流石領主様!!アタシたちを倒さない様に一芝居うってくれたのね!!アタシ、貴方の行為ならどんな事にも耐えていけるわ!!お願い!!アタシを苛めt!!」

 

 

 その直後、サクヤがアケチのケツを蹴り空高くへと昇天させる。

 

 

「フォルティ、何をしている」

 

「えー、女の人斬るのは流石に抵抗あるよー」

 

「そうじゃなくてだな」

 

「えっ?うわわっ!!?」

 

 

 突然フォルティの顔はサクヤの胸に埋められ、フォルティは息が出来ない状況にあった。それを見ていた他の女性プレイヤーは唖然としていた。

 

 

「さぁ早く終わらせるぞ」

 

「フガフガモゴゴォ!!!」

 

「……くすぐったいぞ、フォルティ」

 

 

 この時、女性プレイヤーの嫉妬の念が一気にサクヤに集まったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

思い誓い

『ボス部屋』

~セブンside~

 

 ようやく終わった。ボスを倒した。これは皆のお陰、皆が居てくれたから出来た結果。なのに……この空っぽな感じは何なの?何かが……足りない。足りていない。

 

 

『例え、この世界で本人が死ななくても、仮初めの命でも、命が失われるのをとっても嫌っていた』

 

 

 何故こんな言葉が思い出される?何故私は……この言葉を忘れていない?

 

 

「シヴァ……貴方は……一体何者……?」

 

 

 何故あの水妖精領主の事を……シヴァの事を考えていたのだろうか?

 

 ……分からない。彼ともう一度会った後、戦いを挑もう。勝敗が決定しても、彼は私の実験に協力してくれない。

 

 でも、キリト君は『時間をくれ』と言った。この可能性に賭けるしかない。

 

 そんな矢先、この部屋の扉が勢いよく音を立てながら開いた。煙幕の魔法なのか、扉には煙が立ち込めている。

 

 そして、彼らは煙の中から現れた。

 

 

「うーっす、セブンさんにお届け物でーす」

 

 

 皮肉が混じった事を言われた。彼は刀を肩に担ぎ、ある意味不敵な笑顔で此方を見つめた。

 

 

「デリバリーNo.1ホスト総勢19名の、ご到着でーす。今さらチェンジは無しだぜ」

 

「その軽いケツを拭いたか?神様にお祈り捧げたか?」

 

「まぁ、どっちにしろ………」

 

 

刀を此方に向けて言い放つ。

 

 

「今夜は……眠らせねぇよ。ませガキ」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

~キリトside~

 

 決め台詞と言わんばかりの発言。しかし色々と純粋な子には不味いから、何でも吸収しちゃうからやめてお願い。

 

 

「しっかしよぉ……まさかテメエ1人で片付けたのか?ここのラスボス」

 

「……そうよ、あたしが倒した」

 

「へぇ……随分と大層なカラクリでもあんのかねぇ?テメエのスキルレベルだと、このダンジョンのラスボス倒せねぇだろ?」

 

「ご名答よ、シヴァ。このスヴァルトアールヴヘイム限定のOSSの引き継ぎを使用して、あたしは皆の力を集めてボスを倒したの」

 

「皆の力………?犠牲の上で成り立ってる力が、皆の力なの?」

 

「あなたは……?」

 

「ボクはユウキ。それよりも答えて。その力は本当に皆の力なの?」

 

「そうよ、あたしは皆の思いと力を受け継いだ。これは皆が居て初めて手に入れられた力よ」

 

「ボクはそう思わない」

 

「………理由を聞かせてもらえるかしら?」

 

「キミはプレイヤーとしては弱かった。でも、皆の犠牲で強くなるなんて……そんなの力じゃない。ただ欲張りなだけ」

 

「………」

 

「本当の皆の力って言うのは、皆が皆を支えあって、信頼しあって、助け合うのがそうだと思う。現にボクも、お兄ちゃんに支えられて、お姉ちゃんに支えられて、皆に支えられて強くなれた。……キミがしていた事は、自分だけ守ってもらって、自分だけ美味しい所を持っていくっていう自己中心的な考えだ。ボクはそれを力なんて認めない」

 

「ユウキちゃん……」

 

 

 ……凄いなシヴァ。あんだけ傍に居た妹も、これぐらい立派になっていったぜ。ふとシヴァに目線を向けると、シヴァは優しい目をしていた。今度は俺の番だな。

 

 

「俺も同じ考えだ、セブン」

 

「キリト君………あなたは……」

 

「実験に加担するのは無し。俺だって1ゲーマーとして言わせてもらうが、ハッキリ言ってセブンのしている事はゲーマーたちが苦労して貯めてきた経験を根こそぎ奪う様なものだからな。その行為を許したくない」

 

「キリト君もなのね……良いわ、データは取れた。後はスメラギ君の報告を待つだk」

 

 

 このボス部屋に、乾いた音が響く。その音の原因は……レインがセブンの頬を叩いた音だった。

 

 

「…………」

 

「………レイン、あなたは何の権限であたしの頬を叩いたのかしら?」

 

「アンタのその減らず口を黙らせる為よ、セブン」

 

「何ですって……?」

 

「アンタ、一応アイドルなんでしょ!!?皆に希望を与えるのがアイドルなのに、そのアイドルが皆の希望を奪ってどうするつもりなのよ!?」

 

「!!!………アイドルになったのは、実験の為に必要な事だったからよ」

 

「その実験の為に、どれだけの人を騙したのよ!?」

 

「あたしは騙してなんかいない!!それに……これは、あたしが皆の期待に答えて、その見返りをあたしが皆に求めた……純粋な交渉よ!!皆それに賛同しt「じゃあ実験の為ってハッキリ言ったの!?」ッ!!」

 

「どうせその反応だと言ってないんでしょ!!それは騙してないと言えるの!?」

 

「それ……は………」

 

「それに、私たちはここでゲームをしに来てるの!!それをアンタの身勝手な理由でここを実験場にしないで!!」

 

 

 セブンはレインから少し離れる。冷静さを取り戻す為に落ち着いている様にも見える。

 

 

「分かったわ、皆の言い分は理解した。否定するつもりも無い。でも……それでもあたしは、この実験を続ける」

 

 

 セブンが武器である槍を装備する。それに合わせてシヴァも武器を手に取るが、それを止めた奴が居た。

 

       ユウキであった。

 

 

「お兄ちゃん、ここは任せて」

 

「……そうかい、分かったよ」

 

 

シヴァは武器を納め、戦闘態勢を解いた。つまりはユウキとセブンの一騎討ち。

 

 

「あなたが行くのね」

 

「キミはボクだけで十分だからさ、セブン」

 

 

片手剣を装備し、セブンに向けたまま体を横に向け左足を少し出して剣を後ろにして構えた。対しセブンは槍をユウキに向けて構えていた。

 

ふと、シヴァがユウキとセブンの間に割り入る。

 

 

「ここからは一本勝負、先に相手に攻撃を入れた者の勝利とする」

 

 

シヴァはその場から離れ、腕を挙げレフリーの真似事をする。

 

 

「………始めッ!!」

 

 

シヴァの腕が振り下ろされる。先に仕掛けたのは……セブンだった。プレイヤーから得たOSSを使用し、ユウキ目掛けて一直線に向かう槍の攻撃。

 

しかしユウキは動じず、SS【ホリゾンタル・スクエア】のシステムアシストで槍を避けた後、セブンの右腕、背中、左腕、腹部への斬撃を食らわせた。

 

 

「勝者 ユウキ!!!」

 

 

ユウキに軍配が上がる。セブンはこの事実に驚きを隠せなかった。このALOはゲームとはいえ、実際の運動能力が反映されるドスキル性だった為セブンの動きを読むのは誰でも出来た。

 

 

「いやよ……いやよ……あたしが……あたしがやられるなんて!!」

 

 

シヴァは呆れて物が言えずに居た。多分こうだろう、『何処のMobキャラだ?』と。実際そうだ。俺だってそう思う。

 

 

「いやだ……いやだ……皆から……期待されなくな…ルノガ」

 

『!?』

 

 

突如口調が一部変わった。それに俺たちは驚きを隠せなかった。

 

 

「アタシ……は……いつマデも……みんナに……ミトメられ……続ケル……存在デ……アリ続けるノ!!」

 

「マスター、セブンさんのアバターが情報過多に陥っています。このままではセブンさんが壊れてしまいます」

 

「そうか……なら!!」

 

 

シヴァは俺たちの方に戻り、二刀流の構えを取る。

 

 

「総督命令!!」

 

『!!!!』

 

「目標はセブンを救え!!例え姿形が変わろうがそうじゃなかろうが、セブンを倒す覚悟で救いやがれ!!」

 

『了解!!』

 

 

この激励で俺たちは全員武器を取る。そして俺を含めて全員、セブンの変貌した姿を見る。

 

その姿は、やはり人型を留めておらずモンスターと成り果てていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   「奇兵隊!!俺に続けぇぇぇえ!!!」

 

 

俺たちはシヴァを先頭に、変貌したセブンに突き進む。

アイツが築き上げてきた【救い】の思いを胸に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

魂の色

「魔法・遠距離の者は各自散開し、牽制や目眩ましを頼む!!残りの者は接近戦で対処!!攻撃には一発も当たんなよ!!」

 

『無茶言うな!!』

 

 

 と言いつつ普通にこなしてる辺り無茶でも何でもないな、うん。心配しなくて良かった良かった……さて、こちらも援護にまわるか。

 

 ビーバックから渡されたまんまの【聖剣エクスキャリバー】を装備し、地面に突き刺す。

 

 

「【call plant】」

 

 

 突き刺された場所から木の根がウヨウヨと出現する。中々出現の仕方が気持ち悪かったが気にしない。

 

 直ぐ様【ゴールド・エクスペリエンス】と【アダム・アント】にさせ、先ずはG・Eで木の根に命を吹き込む。

 

 木の根は触手の様にウネウネと動ける様になっていた。次にその木の根にアダム・アントを付けさせ、セブンを拘束するかの様に木の根が伸ばされる。

 

 

「!?コレハ!?」

 

「初代伝説級武器が持つ特殊効果【call】だ」

 

 

 セブンの腕、脚、体、首に巻き付いた木の根は固定され、その木の根からアダム・アントを鎧の隙間から侵入する。

 

 侵入に成功するとアダム・アントで徐々に鎧にダメージを与えていく。

 

 お次は高速詠唱での水属性魔法【アブソリュート・ゼロ】を放ちダメージを与えていく。光線の様に打ち出された氷は、少なからずセブンにダメージを蓄積させている。

 

 

「クッ!!嘗メナイデ!!」

「総員退避!!全体攻撃が来るぞ!!」

 

 

 セブンは乱雑に腕を振り回し、その腕から風魔法の雨を降らせてくる。俺の言葉で直ぐ様離脱、風魔法の雨を避け続ける。

 

 しかしながら腕を乱雑に振り回されたお陰で木の根の拘束が解けてしまった。さらにアダム・アントでの影響も相まって数ドットのダメージを受ける。さらにデバフでスタンが出ていた。

 

 風魔法の一つが此方の上にあった。一時的なスタン状態で避けられそうに無い。そう思った矢先、その魔法が破壊される。

 

 

「シヴァ!!平気!?」

 

「サンキューシノン!!ふっと!!」

 

 

 また当たらない様にその場から離脱、さらにアダム・アントを撤退させ元に戻す。

 

 風魔法の雨が止むと一気に近接攻撃隊はセブンに急接近し、魔法・遠距離隊はある程度近付き射程距離内に入って魔法や弓矢を放つ。

 

 まだ10分で1本目の半分しか削れていない。少々手間取る事が確認出来るが……だったら接近戦で俺も行くか。

 

 【神刀フツノミタマ】と【神壊刀・壊無】の二刀流を装備し、フツノミタマの特殊効果【call spirit】で呪い効果のデバフをかける。

 

 接近を仕掛け、右上からの二連撃。流れに逆らわない様に移動し左手に持ったフツノミタマを一旦手放し逆手で持った後セブンの首元に刺し込む。

 

 

「グギイィィ!!!離レロ!!離レロォォォォ!!!」

 

 

 セブンの周囲に風のバリアらしき物が張られそうになる。直ぐ様刀を引き抜き離脱、離れた距離からSS【残月】を放ちダメージを追加させる。

 

 そのSSで技のキャンセルが確認されると、キリト、ユウキ、ストレア、クライン、エギルが一気に接近し各々SSを放つ。

 

 【スターバースト・ストリーム】

 【ノヴァ・アセンション】

 【グラビティ・インパクト】

 【レイ・ブランディッシュ】

 【羅生門】

 

の順に放たれ、やっと1本目をクリア。2本目のHPバーを少し削っていた。

 

 

「ソ、ソンナ……コノチカラヲ……クラウド・ブレインノチカラデモ……」

 

「じゃっかぁしぃぃぃぃいいい!!!」

 

 

 俺は渡された両手斧【ナズ】を持ちながらセブンの頭に突っ込んで黙らせた。

 

 

「ヌオンッ!?」

 

「おぃぃいいいい!!待てやコラァァ!!今バトルの途中!!今シリアスの途中!!」

 

「何か機械みたいな声が気に入らなかった」

 

「やめろ!!さっきまで喋ってたから喋らせろよ!!」

 

「おいテメエシヴァ!!」

 

「クライン!!お前も何か言っt「何でセブンちゃんの頭を狙ったんだよぉ!?」いやそこぉ!?」

 

「何でアレをセブンとして認識してんだよテメエは!?つーかアレバリバリモンスターじゃねぇか!!」

 

「モンスターといえど!!セブンちゃんには変わらない!!」

 

『気持ち悪ッ!!!』

 

「ナ……ナンナノヨ?……ナンデアナタタチハ……ソンナニフザケテイラレルノ!?」

 

 

 俺たちはセブンの方へと向き、一斉に言う。

 

 

『これが普通』

 

「………ヘッ?」

 

「これが奇兵隊だからね」

 

 

 頷きながらフィリアが言う。

 

 

「あのデスゲームに囚われていた時と何にも変わらないしね」

 

 

 次にストレアが。

 

 

「お前らは見ていて飽きなかったしな!!」

 

 

 クラインが良いこと言う。「おい待て」

 

 

「クラインと同意件だ。コイツらは何時まで経っても変わらねぇしな」

 

 

 エギルがクラインの言葉をフォローする。「待てやオイ!!」

 

 

「本当に飽きないんだよなぁ、このバカが居ると」

 

「誰がバカだ!?」

 

 

 キリトの発言にツッコミを入れる俺。

 

 

「アッハハ!!何時ものお兄ちゃんとキリトだー!!」

 

「変わらないわね、シヴァは♪」

 

「キリト君も変わらないね~♪」

 

 

 こんな時でもほのぼのしている旧奇兵隊女子。

 

 

「総督……何時もと変わりないね」

 

「あっ、そういえばお父さんがシヴァさん呼んでって言ってたっけ?忘れてた」

 

「ユナ?」

 

 

 何かさらっとネタバレをするユナとツッコミを入れるノーチラス。

 

 

「これが……シヴァさんなんですね」

 

「アタシの時もボケかましてたわね」

 

 

 リーファとリズベットが呆れ顔になっている。

 

 

「「…………」」

 

 

 何も言えないレインとセブン。

 

 

「……んまぁ、つまりだ。俺たちはこれが普通なんだ」

 

 

 俺はセブンと対面する。

 

 

「見たことねぇだろ?こんなギルド。まぁ、そのギルドリーダーは俺だがよ」

 

 

 そのセブンは俺を凝視している。

 

 

「そういや……お前言ってたな。何時までも認められる存在になりたいって。期待されなくなるのが嫌だって」

 

「……少しだけ考えが変わったぜ。アンタは只のガキだな」

 

「ガ……キ……?アタシガ……?」

 

「そりゃそうだろ、そんな願望ぶちまけといてガキって言わねぇ方が可笑しいわ」

 

 

 刀をセブンに向け、目をアーチ状にさせ口角を思いっきり上げる。つまりは○魂の笑い顔。意外にもセブンにこの笑い顔は効いているらしい。

 

 

「だったら……心ん中に溜まったモン、全部吐き出しな」

 

「……何ヲ言ッテ……?」

 

「聞こえなかったのか?最後に言ってやる。溜まったモンを全部吐き出しやがれって言ってんだよぉ!!!セブン!!」

 

 

 俺は壊無を腰に構え、左手を添える。壊無は銀色の光を大量に放出し辺りを包み込む。この銀色の光は誰も見たことが無かったので誰もが驚いていた。

 

 

「コ、コノ光ハ!?」

 

「俺のOSSってやつだ。誰にも教えてなかったからな、初めて実戦で使うねぇ!!」

 

 

 まだ光は治まらない。この空間を包み込む程の膨大な量を放出し続けている。

 

 

「セブン!!これは俺の心の中にある色だ!!魂の色だ!!テメエは溜まったモン全部吐き出して、本当の自分を見せやがれ!!ガキであるテメエの心の奥底を見せやがれぇぇ!!」

 

 

 OSS………【「銀魂」】ァァァァ!!!

 

 システムアシストによる動きでセブンに近付き、縦回転をしながら【残月】を含んだ刀で斬りつける。

 

 続いて回転の余韻を残し、これまた【残月】を含んで右上から斬りつける。右上から斬りつけた行為の反動で頭の位置に移動し、左上から斬りつける。

 

 左上から右下に壊無が移動した瞬間、その反動を押し殺すかの様に突きを放ち壊無をセブンの目に刺す。

 

 壊無で上へと斬りつけた後、急降下でセブンの頭を斬る。

 

 それからはSS【羅生門】の動きで乱雑に斬りつけていく。

 

 これが……最後の一撃。セブンから一旦距離を取り、そこから急接近する。どう悟ったのかは知らないが、セブンもスメラギのOSS【テュールの隻腕】を放ってくる。

 

 壊無とセブンの攻撃が衝突する。その武器と武器の間からは青い光と銀色の光が多量に放出されたが、俺は壊無でいなしてセブンの首に壊無を刺しこむ。

 

 壊無から出ていた銀色の光は刀の形に変貌し、セブンの首を貫いた。そして俺はセブンの首を両断する。

 

 気付けばセブンのHPは尽きているが、一時的にアバターが残されていた。セブンは床に大の字になって寝そべり空を………いや、俺を見ていた。

 

 俺はセブンの元に行き様子を確かめる。

 

 

「……終わったな、セブン」

 

「……えぇ、終わったわ。でも……」

 

「でも?」

 

「……こんなに心が踊ったのは初めてよ」

 

「そうか……なら良かった」

 

「こんな事を言うのもアレだけど……ありがとう、シヴァ」

 

「らしくねぇな。まぁ良いけどよ」

 

「ふふっ、そうね……そろそろ消えるみたいね」

 

「そうか……なら、アバター復活したらエギルの店に来てくれ。俺の料理ご馳走してやるよ」

 

「それじゃあ……そうさせて、もらおうかし」

 

 

 最後の言葉を言い終える前にセブンのアバターは消えた。

 

 こうして、セブンとの戦いは幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最後は……

【エギルのカフェ】

 

「うぉーい!!キリトー!!」

 

「何だよ?騒がしい」

 

「セブンちゃん何処!?」

 

「こっちに居るぞー」

 

「おぉ!!シヴァナイス!!」

 

 

 このカフェに暑苦しい奴が入ってきた。というか一番メンドクサイ奴がカフェに入って来て、本当にメンドクサイ奴がセブンの元に誘導させる。

 

 クラインはセブンの小さな背中姿を見た途端、熱弁を始めた。これは長いので書く必要は無い。

 

 

「……あのー、そろそろ顔を見せてくれませんか?」

 

 そう、長い話の中でもセブンはクラインに背を向けていた。普通なら顔を見ながら話すことはセブンでも分かる常識。

 

 

「そんなに見たいの?」

 

 

 セブンが背を向けながら語りかける。それにクラインは反応する。

 

 

「勿論ですとも!!」

 

「後悔したくないのかしら?」

 

「いや、後悔も何も顔は既に知ってますから」

 

「そう……それじゃあ見せるわね」

 

 

 セブンがクラインに顔を見せる。瞬間、クラインが白く固まった。俺は真相を知っているので、どうとは思わない。

 

 しかしクラインは知らないのでツッコミを入れる。

 

 

「何でイボォォォオオ!!!?」

 

 

 そのままクラインは白くなって卒倒し、強制ログアウトに陥る。

 

 

「「ブッ!!ハハハハ!!!」」

 

 

 顔が変化しているセブンと顔を変えた原因を作った張本人が笑う。2人ともツボに嵌まって腹を抱え目尻には涙を浮かべている。

 

 

「あー!!腹いてぇ!!」

 

「あ、あの反応が……ハハハハ!!!」

 

 

 シヴァは笑いながら指をパチンと鳴らす。するとセブンの顔は元に戻る。

 

 

「あ、あなたの『クヌム神』だっけ?凄いわねそれ!!」

 

「いーヒッヒッヒッヒッ!!そ、そうそう!!あーダメだ!!」

 

 

 脚をじたばたさせて地面を転がるシヴァ。セブンの顔が変化していたのはシヴァの幽波紋である。このイタズラはセブンあってこそなのでシヴァが頼んだところ快く承諾してくれたそうだ。

 

 結果はこの有り様。簡単に引っ掛かってくれたクラインの反応を面白がっていた。

 

 その笑いの中、またカフェにクラインが入ってくる。

 

 

「おいこらシヴァテメエ!!何て事してくれとんのじゃお前は!?」

 

「騙される方が悪いんだよ」

 

「何時から同じ顔だと錯覚していたの?」

 

「セブンさん!?何かシヴァに感化されてません!?」

 

「さぁて、何のことやら?」

 

「うぉいシヴァ!!テメエセブンちゃんに何を吹き込んだ!?」

 

 

 今日も今日とて騒がしいエギルの店であった。

 

 

「営業妨害で出ていかせるぞ」

 

「「「ごめんなさい」」」

 

 

 エギルには敵わなかったが。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ?アメリカに帰っちゃうの?」

 

「そうよ。色々あったし」

 

「俺を見んな」

 

 

 セブンが帰省する事を俺たちに話す。まぁシャムロックの衰退やらクラスタの崩壊やら何やら起こって慌ただしいし、何よりセブンの心意気が研究に向けられているからな。

 

 しっかしアメリカねぇ……俺は日本でのんびり家に庭園でも作って茶飲みながら詩乃とゆっくり過ごしたいがよ。関係ないか。科学者様は考えることが違ぇや。

 

 

「あたしの顔に何かついてるのかしら?」

 

「いんや、流石科学者様は考えることが違ぇなってよ」

 

「あなたの考えることも、あたしから見てみれば想像もつかないわよ。……そういえばシヴァ」

 

「んぁ?」

 

 

 セブンは此方に体を向け、頭を下げた。謝罪、恐らく俺の事の謝罪だろう。後でシノンに聞いたがフィリアが口走ったらしいからな。

 

 

「んなことか……セブン、お互い謝る筋合いはねぇぞ」

 

「………へっ?」

 

「例え俺がどんな事したってもう過去の事なんだよ。例え俺がセブンに対して怒りを向けた事だろうが、俺があの時何した事だろうが、既に過去の話だ。セブンもモンスターになろうが既に過去の話なんだよ。気にする方が滅入るわ」

 

「………ふふっ、やはり変ね。あなたの考えが読みにくいわ」

 

「そりゃどうも……ん?」

 

 

 ふとメッセが届いていたので開けてみる。見れば【あれ】の用意が終わったとフォルティから通告が確認できた。にやっと微笑み、返信をする。んで、今度は前領主の『シー』にメッセを送って終いと。

 

 

「お兄ちゃん、何のメッセ?」

 

「予定さ」

 

「おぉー!!じゃあ準備出来たんだね!!」

 

「準備?」

 

 

 セブンが話に着いていけないので説明をする。

 

 

「今夜ライブがあるんだよ。このエリアで行われるんだよ」

 

「ライブ?一体誰がするの?」

 

「鎌持ったら狂喜乱舞する奴」

 

「あぁー………って、あの領主がやるの!?」

 

「そりゃあアイツ、何でプーカにしたのかの一番の理由って『歌が使えるから』なんだとよ。それが無かったら別種族にしてたらしいぜ」

 

「……そういえば、前にダンジョンで思いっきり歌ってた領主が居たって……あれプーカの領主だったのね」

 

「そうらしいな。あ、このエリアで午後9時にやるらしいから見ていけよ。アイツの歌最初聞いた時は上手かったからよ」

 

 

 俺は席を立ち、カフェから出ようとする。

 

 

「あら、何処に行くの?」

 

「ちょっと用をな。まぁセブンは此処で楽しんどけ」

 

 

 カフェを出て、工房から外に出る。向かうは………

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

『時は経ち……ALO内午後8時50分』

 

 このスヴァルトエリアの広場に、特設されたステージが準備されていた。普段は領主会議等に用いられる場所だが、今回はフォルティとそのバンド仲間との特設ライブに使われる。

 

 しかし、所変わってヴォークリンデの転移門前。ここにセブンとシヴァとユウキが居た。セブンは何をするのか分からずにいた。

 

 

「シヴァ、ユウキ。何であたしたちだけフィールドに居るのよ?」

 

「まぁ、どうでも良いだろ。んな事より、ちょっと飛んで着いてこいよ」

 

 

 シヴァとユウキは翅を広げて空中に留まり、セブンは翅を広げてシヴァとユウキに合わせる。

 

 それを見たシヴァはある場所へと飛ぶ。それに着いていく様にユウキとセブンも飛ぶ。

 

 着いた所は……ヴォークリンデにある花園であった。

 

 

「ちょっと、ここに何があるのよ?」

 

「お前の目は節穴か?あっこ見てみろよ」

 

「あれ?………あれは……レイン?」

 

 

 セブンが目を凝らして見てみる。特徴的な赤髪をしているレプラコーンのプレイヤー『レイン』が居た。

 

 何故レインが居るのか、それはセブンには到底理解できない。しかしシヴァはセブンの背中を軽く押しレインの元に行かせようとする。

 

 セブンはレインに近付く。レインはセブンの姿を捉えると深呼吸をする。

 

 何処から来たのかキリトが此方の隣に立つ。

 

 

「キリト、首尾よく出来たか?」

 

「お前こそ」

 

「kaimu嘗めんなよ、あれぐらい造作もねぇから提案したんだろ」

 

「それもそうか」

 

 

 シヴァ、キリト、ユウキの3人は、これから起こる事を確認する。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「セブン……」

 

「レイン、ここで何をしているの?」

 

「そう……だね。ちょっとした決意ってところかな?」

 

「何の決意?」

 

「セブンに……言わなきゃいけない事があるの」

 

「……あたしに?」

 

「セブンは……わたしとセブンは……いえ、七色は……

 

 

 

 

       わたしの……妹なの

 

 

 

 

「……い、いきなり何を言い出すの?あたしは一人っ子だよ?」

 

「ううん……違う。わたしたちは小さい頃、一緒にロシアに住んでいたんだけど、両親の離婚が原因で離れ離れになったの。七色にはお母さんがいない……そうでしょ?」

 

「う、うん………」

 

「お父さんに引き取られた七色はアメリカへ、母親に引き取られたわたしは日本に行った。『プリヴィエート』、『ダスヴィダーニャ』……この言葉、あなたの口癖でしょう?」

 

「そうだけど……何の関係があるの?」

 

「この挨拶はロシア語。まだロシアに居た時に、わたしが七色に教えたんだよ……」

 

「!!」

 

「七色はまだ小さかったから覚えていないと思うけど……」

 

「あ、ぁあ……!!覚えてる……覚えてるよ!!あたしにその言葉を教えてくれたのは……お姉ちゃんだ!!……お姉ちゃんだったんだ!!それが誰だったのかは、ずっと思い出せなかったけど……今ようやく思い出した……」

 

 

 

 

 

 

    「お……ねえ、ちゃん……?」

 

 

 セブンはゆっくりと足をレインの方に歩ませる。

 

 

「うん……そうだよ……わたしが………お姉ちゃんだよ……」

 

「おねちゃん……お姉ちゃん!!」

 

 

 最後の最後で、セブンはレインの元へ……姉の元へと駆け寄り、お互い抱きしめ合う。お互いの目尻から一粒の涙が浮かんでいた。

 

 

「よかった……やっと会えたね……わたしの名前は『枳殻虹架』。七色……あなたの姉よ」

 

「あ、あたしは……七色・アルシャービン……ううっ……」

 

 

 涙は堪えれない。大切な人と漸く再開出来たのだから。

 

 

「お姉ちゃん!!……お姉ちゃん!!」

 

「七色……こめんね。ずっと黙っていて……わたし、バカだった……」

 

「kaimu!!アクティブモード移行!!」

 

 

 セブンとレインがシヴァの方へ向いた。シヴァは刀を投げ、その刀は人型へと変貌を遂げる。

 

 

「ホログラム起動!!」

 

 

 その刀からプレイヤーに変わったkaimuはキーボードを操作する。すると、セブンとレインの前にあの特設会場が展開された。

 

 

「こ、これは………?」

 

「ホログラムさ。セブン、レイン」

 

「キリト君!!ま、まだ居たの!?」

 

「そりゃな。アイツのサプライズってヤツに付き合わされてよ」

 

「「サプライズ?」」

 

「あの刀から人型になったプレイヤー居るでしょ?あれはお兄ちゃんと一緒に居るAIでね、そのAIにも手伝ってもらったんだ!!皆で2人を祝福するために!!」

 

 

 その時、ぞろぞろとプレイヤーが集まる。奇兵隊メンバーは勿論の事、フォルティ以外の全領主やシー、スメラギやクリスハイトまで居た。

 

 

『さぁて!!お時間になりました!!ライブスタートだよ!!』

 

 

 ホログラムで映し出されたフォルティの発言から少し経つと、音楽が流れてきた。

 

 

 

 

~♪【Some like hurt】~

 

 フォルティは歌い始める。そのフィールドに居た全てのプレイヤーは、フォルティの歌声を聞いていた。

 

 彼女らの……姉妹の再開を祝した歌を。

 

 彼女らは歌を聞いた。聞き続けた。この歌詞から伝わる言葉が、彼女ら姉妹に酷似している事を選んでいるのを気付く。

 

 その姉妹は辺りに居た全てのプレイヤーを見た。

 

 彼女らと視線を合わせ、笑顔を向ける者、溜め息をつく者、それを叱る者、曲に合わせてリズムをとっている者、感慨深そうに彼女らを見ている者、同じ妹を持つ者。

 

 それらが全て彼女らにとっては嬉しく感じていた。ここまでしてくれるバカな奴、それに付き合ってくれるプレイヤーたち……その事に、セブンとレインは笑う。

 

 曲が終盤に近付くと、レインはセブンに伝えた。家族に使う言葉を。

 

 それに対し、セブンも家族に使う言葉を言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     「おかえり、七色!!」

 

    「ただいま!!お姉ちゃん!!」

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

はてさて、ネタバレ覚悟で行こうかね

1「はい、毎度お馴染みこんな感じの書き方。主人公の『坂倉銀先』もとい『シヴァ』でーす」

 

2「はい、ここでは妹ポジの『坂倉木綿季』もとい『ユウキ』でーす」

 

3「んで、俺が「さぁてこ今回はタイトルにある通りネタバレ覚悟で話していきたいと思いまーす」ちょ、おまっ」

 

2「具体的に何のネタバレをするの?」

 

1「そりゃ木綿季よ。OSだったりUWのアリシゼーションだったりと、この作品の影響で魔改造した物語のネタバレをだな」

 

3「待て待て待て!!お前ら俺の自己紹介まだなんだけど!?」

 

「「4文字で終わらせろ」」

 

3「何その「さぁて真っ黒の自己紹介も終わった事で話していきましょー」待てやぁぁぁあ!!!」

 

1「次書くのはご存じ……やっぱOSだよねぇ」

 

2「だよねぇ。具体的にどんな感じにさせるか作者から聞いてる?」

 

1「うむ、では簡潔に言わせてもらおう。OSでは俺と○○が○○になるらしい」

 

2「????お兄ちゃん、○○の箇所って何?」

 

1「最初の○○のヒント【坂倉家に関係するもの】。次の○○のヒント【鬼畜ゲー待ったなし】」

 

2「意味が分からないよ」

 

3「……じ、じゃあ俺たちの立ち位置や世界観設定は?」

 

「「あ、居たんだ色」」

 

3「待てやゴラァァ!!何で色っていうジャンルを名前にしたよ!?さっきまで真っ黒って言われてたのが降格してジャンルの名前ってどういう事だよ!?」

 

1「んな事より「(泣)」世界観とかキリトたちの立ち位置なんだが……まぁ先ずはキリトたちの立ち位置はプレイヤーだよな。勿論俺も含めて」

 

2「あれ?でもお兄ちゃんってその誰かと何かになるんだよね?どうするのそこは?」

 

1「そこは作者が考えてるから平気だ。後、世界観はノーチラスとユナを救った影響でオーグマーの使用でもVRには潜れない事だな。そこは変える」

 

2「……それじゃあ映画でのカッコいいヤツも無し?この項垂れてる色が活躍するのは?」

 

1「大丈夫だ、コイツはここではリアルでも体力とか剣の扱いは長けてる方だから」

 

3「……ヒントの【鬼畜ゲー待ったなし】って、どういう意味だよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1「さて、今度はアリシゼーションをだな」

 

3「おいテメエ、無視すんなオイ」

 

1「先ず具体的には、俺だけがUWに乗り込んで○○○になってストーリーが作られていくんだな。これが」

 

2「○○○の部分って何?」

 

1「ヒント【銀魂】」

 

2「………まだ全然分からないや」

 

1「あぁ、後序でにアリシゼーションだが○○○風にしてみるからな」

 

2「……また伏せ字。それで?○○○の所は何?」

 

1「最後のヒント【movie theater】」

 

3「ちょっと待て、最後何で英語?」

 

1「それじゃあ次回のOSのオリジナルストーリー、略して《OSのOS》をお楽しみに~」

 

2「まったね~」

 

3「………俺、この小説嫌だ」

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

OSのOS
現実って少し不便さがあるだけで退屈はしない


『2026年2月20日 東都工業大学』

 

「お疲れ様銀先君、鋭二君。お陰で【オーグマー】の最終調整が捗ったよ」

 

「んまぁこんな俺たちでも役立てたら感謝ですよ、『重村教授』」

 

 

 この東都工業大学の一室にて、今年で18になる青年と、この教授と呼ばれた『重村 徹大《しげむら てつひろ》』が居る。

 

 何故こんな2人が居るのか?簡単な話、原因はクリスハイト/菊岡である。

 

 菊岡が重村教授にシヴァ/銀先の情報を提供した。情報提供といっても身体能力を教えただけだが。

 

 その情報から重村教授は愛娘であるユナ/悠那にこのARデバイス【オーグマー】の調整を頼んでいた。その話を悠那が銀先に話し、この東都工業大学に手伝いをしていたのだ。

 

 誰よりも先に【オーグマー】のテストを受けていた銀先だが……これは重村教授の予想を遥かに越えていた。

 

 出されたモンスターの攻撃をアクロバティックに避け、擦れ違い様に斬りつけ、HPを減らすこと無くモンスターを倒していた。

 

 そんな事がありつつ最終調整の段階まで手伝いに来ていた銀先。やはり結果は同じ……だったのだが、流石に普通の者が居なければ不味いと感じたのか悠那がノーチラス/鋭二に頼んで最終調整を2人で行った。

 

 因みに、ここで2人で少しデュエル紛いの事をしていたが結果は銀先の圧勝。銀先は勝利のポーズ-両腕を挙げドヤ顔を決める-をしており、鋭二は両手両膝を地面に着き項垂れていた。

 

 

「あぁ、そうだ。1週間後、また此処に来てくれるかな?」

 

「まぁ構いませんけど……」

 

「同じく」

 

「では、1週間後。また此処に来てくれ」

 

 

 そう言って銀先と鋭二は大学から出ていく。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

~銀先side~

 

「ッあぁ~!!これで終わったぜ~!!」

 

 

 俺は大学から出ると背筋を伸ばす。体からパキパキという音が鳴る。伸び終えた後、鋭二と話しながら自宅に帰る。

 

 

「そういえば、銀先君は全部行ってたっけ?本当にお疲れ様」

 

「………はぁ。そういや鋭二、悠那とはどうなってる?」

 

「そりゃ……まぁ……」

 

 

 そういや、あの重村って奴は悠那の親父さんなのか。1人娘って重村教授言ってたから、さぞかし色々揉め事あるんだろうな。

 

 

「重村さんとも上手くやってますし、悠那との関係も続いてるよ」

 

「スゲー」(棒読み)

 

 

 んだよ、心配して損した。まぁ良かったけどよ、少しは一波乱あっても良くね?

 

 

「あ、俺こっちだわ」

 

「あ、それじゃあここで」

 

「じゃあなぁ~」

 

 

 俺と鋭二は別れて帰宅する。可愛い妹と可愛い嫁さんが待ってる~。

 

 

 

 

 

 

 

 

「たっだいま~!!」

 

「おっ帰り~!!」

 

 

 家に帰って玄関で妹の木綿季が飛び付いてくる。木綿季も今年で16だが、何処か子どもっぽさが抜けていない今日この頃。木綿季を受け止めて頭を撫でる。

 

 因みにここでは俺が178㎝、木綿季は164㎝程だ。詩乃は……

 

 

「お帰り、銀♪」

 

「ただいま、詩乃♪」

 

 

 ここで嫁さんが迎えに来た。嗚呼、何時見ても可愛い嫁さんだ。詩乃は166㎝、木綿季と2㎝程しか変わらない位の身長だ。所謂身長差カップルというヤツだ。

 

 

「お、帰ってきましたか銀先」

 

「あ、親父」

 

「やっほー!!銀ちゃ~ん!!」

 

「あり?母さん何で居んの?今日仕事早かったのか?」

 

「せ~いか~い!!」

 

 

 この小説では登場自体が久しぶりな両親『坂倉 銀将』と『坂倉 彩月』が家に居た。親父は何時も家にある塾の講師だから居るのは当たり前なのだが……母さんは検事の役職だから早々こんな時間に帰るのは珍しいのだ。

 

 

「フッフッフッ……今日お知らせがあるのよん!!♪」

 

「お知らせ?」

 

「まぁまぁ。それより銀先、リビングに行きましょうか」

 

「お、おう」

 

 

 詩乃に連れていかれる形で家族全員がリビングにあるソファーや椅子に座る。ソファーには詩乃、俺、木綿季の順に座り、椅子には親父と母さんが座る。

 

 全員座るやいなや、母さんが口を開く。

 

 

「実はね……【オーグマー】を予約しちゃいましたー!!」

 

「「「おぉー!!……おっ?」」」

 

 

 ……なんだ、そんな事か。

 

 

「ちょ、ちょっと銀ちゃん?何でそんなにテンション低いの?」

 

「いや……俺実験の手伝いでオーグマー使ったし」

 

「………えっ?」

 

 

 母さんの顔が硬直する。それもそうだ、最近家に帰ってない時に俺が手伝いに行ってたからな。しかも帰りが遅くなって詩乃や木綿季に質問されたけど上手く誤魔化してたからな。親父は……あれは化け物だ。俺以上の化け物だ。直ぐに気付きやがった。

 

 

「ぎ、銀ちゃん?お手伝いって……何かしら?」

 

「いや、重村教授から手伝いの依頼が着てよ。そこで手伝いやってたんだよ。親父は知ってたけど」

 

「「「うぇ!?」」」

 

「子どもの事はお見通しですから♪」

 

 

 親父は手を挙げ、人差し指を出しにこやかに微笑む。

 

 

「えー……それじゃあ皆で初起動っていう夢がぁ……」

 

「母さん、良い年しといて何を言ってんの?」

 

「お兄ちゃんだけズルーい!!ボクもやりたかったー!!」

 

「しゃあないでしょ。あの菊岡が少し情報を重村教授に伝えて俺を嵌めやがったんだよ」

 

「「よし、今から殴り込み「止めんか己ら」」」

 

 

 急に木綿季と詩乃が立ち上がろうとしたのでそれを止める。そういや……

 

 

「木綿季、詩乃、そういや帰還者は全員【オーグマー】貰えるぞ?重村教授言ってたぞ」

 

「「………ほぇ?」」

 

「えぇー!!じゃあ私とお父さんの分だけ~!?んもぅ、追加で買っておいた意味が無いじゃない」

 

「買えない奴に譲れば?母さん検事だから助手さんとかに渡せば?」

 

「それもそっか」

 

 

 こうも簡単に言いくるめられる母さんェ……んまぁ扱いは慣れてるから上手く使えるが。その日の夕方はテンション上げる為に外食-しゃぶしゃぶ-でした。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

ーその日の夜ー

 

 その日の夜にメールが着た。開けば、また菊岡からのメールだった。内容は……

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

To  坂倉銀先

件名 面白そうだから

 

 

やっほー(⌒0⌒)/~~

 

態々夜遅くにゴメンね( ´_ゝ`)ゞ

 

重村教授が伝える事忘れていてね。明日来てお願いね(*-ω人)

 

なお返信は10分以内に( `・∀・´)ノ ヨロシクー

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 喧しいわ!!小説じゃあ普通絵文字使っちゃいけねぇ事分かるだろ!?理解できるだろ!?このメールは菊岡独特だけど!!お前佐々木○三郎ポジだけど!!

 

 仕方ないのでメールを返信して眠りに着こうとした。

 

 ふと、腕に抵抗を覚えてその要因の元を見てみた。

 

 此方を見つめていた詩乃/嫁の姿だった。

 

 

「ごめん、起こした?」

 

「ん~?♪」

 

「ハッキリと……言うのにゃ~!!♪」

 

 

 詩乃がはぐらかすので抱きついて体と体を密着させる。詩乃もこの行為に嫌がる素振りすら見せず、ただただ成すがままになっていた。証拠に詩乃も満足げに声を発していた。

 

 

「……銀」

 

「んぉ?」

 

 

 瞬間、詩乃に唇を塞がれた。少し積極的なキスだが、これは日常茶飯事なので普通に受け入れる。たまに舌を絡めてくる事もあるが、それも素直に受け入れる。

 

 しかし、今夜はより一層積極的だった。俺の服の下、つまりは腹に手を突っ込まれた。

 

 そんな事実よりも前に、此方の手を詩乃の服の下に入れ攻め続ける。誰よりも独占欲が強い事を詩乃の体で分からせる。

 

 

「ひうッ!!」

 

 

 詩乃から妖艶な声が出る。その声が発せられた事を気に詩乃の体を弄りまわす。その度に可愛い声が出る為、少し理性が飛んでしまう。

 

 詩乃の唇を此方が逆に、強引に犯し、俺だけの物と理解させる。

 

 暫くして詩乃から離れる。顔は紅潮しており、まだ何処か何かを求めている目をしていた。俺は詩乃の耳に近づき、誘惑の言葉を言った。

 

 

「今夜は……しようか?」

 

「うん……うん……来て……♡」

 

 

 今夜は理性の楔を外して、俺と詩乃はこの時一線を越えた。

 

 そして、月日は流れ……2026年4月23日、オーディナル・スケールの特別イベントが始まる日。俺は……ある準備をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

カガチ・ザ・サムライロード?出さないよ。スキップさせるもん。 (泣)

『そしてそれから1ヶ月後 2026年5月23日』

~キリトside~

 

「裏モンスター?SAOの?」

 

「そうそう、今ネットじゃ賛否両論あってよ。この情報が面白くてな」

 

 

 そう言ってスマホを見せてくるエギル。今俺はダイシーカフェで銀とクラインと一服している所だ。クラインは出されたスマホを俺と見て、銀はキセルで一服している最中だ。

 

 出されたスマホにあった内容はこうだ。

 

・第45層の裏モンスター

・クォーターポイントのボスにも勝るとも劣らないステータス

 

 たったそれだけだが、この情報だけでどれだけ強いかが理解できる。謂わばクォーターボス並みの強さを持ったモンスターなのだ。

 

 そんな情報が掲示されているのにも関わらず、銀は一服しておりスマホに見向きもしない。それを見かねたクラインは銀に問いかける。

 

 

「おい、シヴァ……じゃなかった銀!!お前何でこの情報見ねぇんだよ?裏モンスターだぞ!?裏モンスター!!俺たちの所でも知らなかっt「ソイツ、一回戦闘したが勝てたぞ」……マジで?」

 

「お、おいおい銀よ。まさかSAOの時にお前……」

 

「あれブッ倒して【神壊刀・壊無】と【ソクラテス】ゲットしたからな?殺りあったに決まってんだろ」

 

「「「…………」」」

 

 

 平気で話す銀は、ある意味余裕の表情で居座っていた。キセルの中にある煙草を取り除いた後、オーグマーの操作で銀が頼んだ【珈琲】の代金を払い店から出ていこうとする。

 

 その前に銀は扉の前で歩みを止め、俺たちに向き直る。

 

 

「俺、ソイツの相手はしないからな。メンドクサイしよ」

 

「「「はぁッ!?」」」

 

 

 そう言い捨てた後、銀は店から出ていく。外からバイクの音が聞こえたと思いきや、直ぐにその音は消えていった。

 

 俺たちは驚愕の事実を受け止めきれなかった。それもそうだ。銀は何時もオーディナル・スケールに参加し周囲に居た奴等への指揮で多大な信頼を寄せていた。

 

 しかも銀は2位に鎮座している強者。このボス攻略に参加しないのはある意味妥当な判断なのだろうが、銀がこの行為に移ったのは初めてだった。

 

 因みに3位はドミナ/紫温、4位はエイド/影昌、5位はビーバック/秀哉というALO領主勢が上位を占めている。俺は102位程、クラインは106857位、エギルは105963位という結果になっている。

 

 ふとクラインが俺の両肩を掴み、そのまま揺らされる。

 

 

「おぉい!!キリト!!何で銀が参加しねぇんだよ!?」

 

「知らねぇよ!!わーったから揺らすなよ!!」

 

 

 肩にあった重みが消え、揺れも消えた。まだ頭がクラクラするが。俺は出された烏龍茶を飲み、一呼吸置いて話す。

 

 

「アイツの事は俺にだって分かる訳ねぇだろ、幾らお隣さんつっても知らねぇ事あるからな?アイツがリアルでもVRでも強い事から、意外にアイツ小動物好きって事までしか知らねぇからな?」

 

「「滅茶苦茶知ってんじゃん」」

 

「それによ、最近銀の奴俺と稽古してくれなくてよ」

 

「あー言ってたな。キリトも銀の親父さんと銀に鍛えられてるんだっけか?道理で102位なんて順位までいけるワケだ」

 

「んだよ~?暇だから稽古してほしいけど肝心の銀が遠慮がちだから拗ねてんのか?」

 

「誰が拗ねるかよ、あのバカに」

 

 

 俺も席から立ち、頼んでいた【烏龍茶】の代金を払った後外へと出ていく。

 

しかし、この時は誰も知らなかった。まさか、あんな事になろうとは。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

~21時20分 スカイツリー前~

 

 バイクに明日奈を乗せて、その裏モンスターが現れる場所まで駆ける。意外にも情報を見て来た者も多く、その中には紫温や秀哉、影昌やクラインたち風林火山のメンツ。そして、ALOでの奇兵隊メンバーであるリズ、シリカ、フィリア、シノン、ユウキ、エイジ、リーファたちが居る。

 

 俺と明日奈はその集団の中に入っていく。

 

 

「みんな~!!お待たせ~!!」

 

「遅いわよ2人共!!」

 

「ごめんごめん。ちょっと信号に引っ掛かっちゃって」

 

「全くもぉ……そういえば、銀知らない?シノンとユウキに聞いても表情を強張らせるだけで……」

 

「銀なら来ないって言ってたぞ」

 

『ハアッ!!?』

 

 

 シノンとユウキ以外はこの事実に驚く。その理由を伝えると、皆は呆れた表情をしていた。

 

 

「んだよ、あのモンスターと殺りあったのかよ」

 

「それで興冷めって……銀、変な所で自分勝手なんだね」

 

「「…………」」

 

「ねぇシノン、ユウキちゃん。何時までそんな恐い顔をしてるのかな~?」

 

 

 フィリアが言った事に対しシノンとユウキは睨んでフィリアを黙らせる。フィリアはそそくさと逃げていった。

 

 そして気が付けば、そろそろ21時29分。タッチペンを用意し時間を待つ。

 

 緊張状態の中、21時30分になる。

 

 

   『オーディナル・スケール起動!!』

 

 

 

 

 

 周囲の景色が一変する。世紀末で出てきそうな風化された建物のオブジェクト、スカイツリーも風化されている様に見える。

 

 そして、俺たちの前に現れたモンスター。ソイツの名前は【break and unknown】と情報にはあった。銀以外45層の裏モンスターに立ち向かったのは1人も居ないので名前は掲示されていた。

 

 その風貌は異形。首と全身の区別がつかない程体は太く、似つかわない細い両腕に刀を持ち、顔は仮面の様に表情が変わらない。

 

 そんなモンスターの風貌関係なく突っ込む上位ランカーたち。先ず先生はエイドからであった。

 

 エイドはライフル銃【シークエンス・エンド】-シノン情報でH&K PSG-1という銃と似ている-でボスの顔面にダメージを与える。

 

 ボスの顔面にエネルギー弾が発射され、顔が煙で隠れる。

 

 その隙を見て他のプレイヤーたちもモンスターに突っ込んだ。それが後々間違いとなることを知らずに。

 

 何とそのモンスターは、前が見えないにも関わらず刀を地面に叩きつける。それにより、多くのプレイヤーが飛ばされる。

 

 

「チッ!!エイドの射撃でも無理か……なら!!」

 

 

 続いて行ったのはドミナ。刀身が他よりも長い細剣【ポッシブル・ランス】を持ち、周囲にある建物を利用してモンスターの体に刺し、ダメージを継続的に蓄積させる。

 

 しかしそれにも気付かない様に、モンスターはドミナに刀を振るう。その刀が当たろうとしていたが、それはリズによって阻止させれていた。

 

 

「悪いリズ!!」

 

「良いわよ!!これぐらい!!」

 

 

 次にビーバックが駆ける。片手棍である【モーニング・スター】をモンスターの周囲を駆けながらダメージを蓄積させていく。

 

 そして、その上位ランカーとリズはモンスターから距離を取ると不自然な事を感じているのか、首を傾げる。

 

 俺にも分かった。何故だかコイツは『痛みを理解していない』のだ。普通なら痛みというか、ダメージの蓄積具合に応じて仰け反ったりするものだが、コイツにはそれが無いのだ。

 

 unknown……知らない。つまり痛みを知らないのか?はたまた何も知らないのか?そう考えている間に他の奴等はモンスターに突っ込んでいく。

 

 シノンを筆頭にしたプレイヤーたちの銃撃、ユウキを筆頭にしたプレイヤーたちの剣撃や打撃がモンスターに炸裂する。

 

 しかし、それは呆気なく終わった。HPが低いのか、5分も懸からず倒す事が出来た。

 

 皆にポイントが振られ、帰ろうとした直後だった。

 

 

『!!!???』

 

 

 鳴り響くアラーム。それに応えるかの様にユナが現れた。

 

 アラームが鳴り終わると、ユナはマイクを持って喋り出す。

 

 

「み~なさ~ん!!まだこのモンスターは倒してませんよ~!!」

 

『ハアァァァァ!?』

 

 

 突然の事で何が起きているか分からないのは、この場に居る全員が成っているだろう。しかしそれに相反する様に何処からか煙が出てきて、視界が遮られる。

 

 そして、ユナは続ける。

 

 

「皆さんが倒した本体は、本体が持っていた刀の封印を解いた事と同じで~す!!つまり、ここからが本当の真剣勝負になりま~す!!」

 

 

 煙がだんだん晴れてくる。少しうっすらと見えるのは……人?プレイヤーか何かか?

 

 

「ご紹介致しましょう!!モンスターの刀として封印され、その封印が今!!解き放たれる!!」

 

 

 煙が全て晴れる。見えたのは……何と……

 

 

「ランキング2位のシヴァと!!ランキング1位のウツロさんでーす!!」

 

 

 お………お………お………親子かよぉぉぉぉぉぉおお!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

倒せる気が全くしないコンビ(親子)親side

~キリトside~

 

 お……お……お……親子かよぉぉぉぉぉぉおお!!

 

 最悪だ!!何でよりによって、この化け物親子がモンスターなんだよ!?何で俺等と敵対しなきゃなんないの!?つーかランキング1位銀将さんかよぉぉぉおお!!1位全く聞いたことねぇし、見たことねぇから分かんねぇよ!!つーか銀将さんOSやってたのぉぉぉお!?

 

 このコンビ(親子)を見ている他のプレイヤーは銀将さんの事を『誰だアイツ』的な感じにしか見てねぇし!!クラインたちも『誰アレ?』って表情だし!!

 

 アスナたちは銀将さん見たことあるから良いけど頭に疑問符浮かべてるよ!!スグやユウキやシノンは顔真っ青だよ!!銀でさえも敵わない銀将さん見て血の気引いてるよ!!

 

 そんな事実でも構わずユナは話しちゃうよ。此処に居る奴等に甘い汁をだだ漏れさせて犠牲者増やさせる気だよ!!

 

 

「皆さんは今から、この2人と戦ってもらいまーす!!因みに1人でも勝てば5万相当のポイントを差し上げまーす!!」

 

 

 この発言で一斉に銀と銀将さんを見る目がガラリと変わった。やめろ!!これ以上絶望するプレイヤーを増やさないでくれ!!

 

 

「リズ、これ勝ったら旅行行くか」

 

「ッ!!///あ、アンタここで何言ってるのよ!?」

 

「「おーおー御馳走様です」」

 

「キリト君。勝ったら旅行しよっか♪」

 

「アスナ!?あれだけはやめろ!!絶対にトラウマになるから!!」

 

「まだシヴァなら……勝てる!!」

 

「いやお兄ちゃんに牙を向けても折られる未来しか見えない」

 

「ユウキと同意。あの親子に敵う訳がない」

 

 

 そんな俺たちの話よりも、我先にと銀や銀将に攻撃を入れる銃撃プレイヤーたち。あ、オワタな。これ。

 

 銀と銀将さんに向かって放たれたエネルギー弾は煙をあげる。しかし、俺とスグは見て分かっていた。ユウキも分かっていた様だが。

 

 そう、この親子は化け物……つまり、

 

 

『!!!???』

 

 

 エネルギー弾なんぞに、あの親子は倒せない。殆ど全方位射撃だった。しかし俺から見えていたのは、銀と銀将さんが全てのエネルギー弾を弾き飛ばしていたのが見えた。

 

 何故分かるのかって?俺もスグも、あの銀将さんに鍛えられているし、ユウキも最近稽古をつけてもらっているらしいからな。

 

 そんな驚きの余韻を味わっている途中で、一気に射撃プレイヤーの9割がHP全損されていた。

 

 その事実に他のプレイヤーは数秒のタイムラグをかけて気付く。これには全プレイヤーが思った。『勝てない』と。

 

 それはある意味普通の考えだろう。普通なら。

 

 ここに3人、あの化け物2匹に対抗出来る奴等が居た。謂わずもがな、ドミナとエイドとビーバックだ。

 

 先制としてエイドの狙撃。しかしそれは難なく避けられ、2人に接近を許してしまう。その接近をドミナとビーバックが止めようとするも、銀将さんはお得意のえげつない素早さで避け、銀は彩月さんから習ったと言われる流しの技術で避けエイドに向かった。

 

 流石に俺たちも黙ってる訳にはいかず、シノンの狙撃で動きを封じた後ユウキとスグと俺が銀と銀将さんの動きを止める。

 

 さらに後ろからドミナとビーバックとエイドが奇襲を仕掛ける。これでも親子は止まらず、一旦俺たちから距離を取った。

 

 

「いやはや、まさかここまで成長していたとは思いませんでしたよ。ねぇ?銀先」

 

「ここじゃあシヴァって呼んでくれやウツロ。だが……確かにそうだな。俺たちが見ない間に成長しやがってよぉ」

 

 

 シヴァは持っている刀を肩に担いで点在している俺たちを見渡す。深く溜め息をつくと、シヴァは俺たちプレイヤーに向けて刀の剣先を向ける。

 

 

「この場に居る全プレイヤー諸君!!この奇兵隊総督が直々に指示をしよう!!」

 

 

 あぁ、うん。そうだ。銀はこんな感じで引っ張っていくんだった。それはモンスター役をやろうとしても絶対に守るんだよなぁ。逆に助かるけどよ。

 

 

「いいか!!この俺たちを倒す方法は1つ!!それは俺たちを殺す勢いで倒せ!!特にこの俺より化け物の奴はALO領主3人が仕留めろ!!残りは俺に集中放火よ!!」

 

 

 その言葉で俺たちの士気というのはグンッと上がる。やはりSAOで皆を守ってきた奴は言うこと違うな。俺も守ってきたけどよ!!

 

 全員が、シヴァの指揮通りに動いた。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~ドミナside~

 

「エイド、射撃隊急遽編成してもう一度頼む!!」

 

「りょーかい!!残っている銃を使えるプレイヤーは僕に続いて!!近接戦はあの2人で十分だから!!」

 

 

 エイドの指揮に従い、銃撃プレイヤーが一斉にウツロに向かってエネルギー弾が放たれる。勿論、これで仕留めたなんて思わない。

 

 

「ビーバック!!」

 

「あいよ!!」

 

 

 ビーバックはタッチペンのボタンを素早く2回押す。すると、持っていた【モーニング・スター】の鉄部分と柄の部分が鎖で繋がれた状態で離れる。

 

 【モーニング・スター】の特殊効果【レンジチェンジ】で中距離から武器を振り回し、ビーバックはウツロを仕留めようとする。

 

 しかしウツロは、俺たちの前から居なくなっていた。否、俺たちの『後ろ』に素早く移動していた。後ろに回られた事でビーバックに向けて刀が振り下ろされ、ダメージが入る。

 

 そのダメージは恐ろしく、何と一瞬で残りHPが1まで減らされていた。あの化け物……この世に居て良いのかよ?

 

 

「私だって人間ですよ?」

 

「何で心を読んでくんの!?恐いから急にしないでくれます!?」

 

「読心術は基本習いますよ?」

 

「いーや習わないから!!んなことしてるのアンタだけだから!!多分!!」

 

 

 んな事を話していてもウツロは攻撃を避け続ける。まるで『のれんに腕押し』、効いていない様に感じ取れる。

 

 少しやってみる価値はあるか……うし。

 

 

「エイド!!一時的に射撃密度を上げろ!!」

 

「りょーかい!!」

 

 

 エイドが指示を出す。それに合わせて他の銃撃プレイヤーがエネルギー弾を発射させるスピードが上昇していた。

 

 

「撃って撃って撃ちまくれぇぇぇぇ!!!」

 

「シュトロ○イム少佐がおるww」

 

 

 しかしこれでもあの化け物は弾いたり避けたりし続ける。ここは予想通りだ。遠くに居るビーバックに近寄り、俺の作戦を伝える。ビーバックも頷いてくれた。

 

 俺とビーバックはエネルギー弾が飛び交う隙間まで移動し、俺は細剣の腹で、ビーバックはレンジを近距離に戻して飛び交うエネルギー弾の1つを武器でさらに加速させる。

 

 しかし余裕の笑みなのか、それを物ともしないかの様に加速されたエネルギー弾を消し飛ばす。

 

 

「ビーバック!!フレンドリーファイアしねぇようにな!!」

 

「そっちこそ!!」

 

 

 まだまだ追撃と云わんばかりにエネルギー弾に武器をぶつけて加速させる。徐々に数を増やすそれは1つの流星群に見える。

 

 しかし、それは呆気なく終わってしまった。

 

 あの化け物が瞬間移動の様に移動し、俺たちの後ろに回り込んでいた。俺たちはその化け物の方に体を向けた途端俺たちのHPがゼロになる。

 

 この一瞬過ぎる出来事に俺たちは唖然とするしか無かった。そして、その化け物は俺たちに振り返り

 

 

「まだまだですよ皆さん、あれでは私の息子は倒せませんよ♪」

 

 

 いやそっちかい!!ってか、シヴァの親父さんかよぉぉ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

倒せる気が全くしないコンビ(親子)子side

『一方その頃』

~キリトside~

 

「「「うああぁあ"ぁぁ"ああ"!!!」」」

 

 

 3人

 

 

「「「「イェア"ア"ア"ア"!!!!」」」」

 

 

 4人

 

 と、こんな感じで俺たちプレイヤーを薙ぎ倒しているのは………

 

 

「………つまらん!!!」

 

 

 同じプレイヤー……だった筈の幼馴染み兼お隣さんの銀。もといシヴァである。

 

 何故銀/シヴァがプレイヤーを薙ぎ倒しているのかというと……実はプレイヤーではなくモンスターなのだ。恐らく今回だけだと思うが。誰のイタズラなのか、俺たちに銀/シヴァという最難関の壁を設けられた。

 

 何が言いたいかって?簡単な事だ。『普通に勝てる自信が無い』と言い切れる。……といっても前まではそんな考えだっただろう。前までは。

 

 

 「お姉ちゃん、牽制お願い!!アスナ、キリト!!ボクと連携お願い!!」

 

 

 ここに小さなシヴァ/司令官プレイヤーが1人。

 

 あの銀/シヴァの妹なのだ。ある意味近くで見てきた家族、つまりは銀の活躍を誰よりも喜び、誰よりも多くのものを見て得てきた。そんなユウキだからこそ出来る芸当。

 

 俺も指示する事は出来るが……男が指示するよりも可愛い子が指示する方が士気が上がるのは必然。

 

 先ずは牽制としてシノンの狙撃。【アドバンサー】での正確無比の狙撃は銀の側頭部向かって放たれる。

 

 肝心の銀は別プレイヤーを斬って斬って斬りまくっていた。向かわないプレイヤーに自ら近付き、1人1人のHPを全損させている。その光景は『地獄絵図』の一言冥利に尽きるだろう。

 

 シノンの狙撃に気付いたのか、シヴァは持っていた刀を素早く移動させ刃の部分で斬りつける。

 

 その隙に俺、ユウキ、アスナがスイッチを入れつつシヴァに攻撃を仕掛ける。

 

 だが、こんなんでやられる程銀は甘くはない。

 

 放たれる俺たちの攻撃1つ1つを的確に避ける。ユウキの攻撃は左に避けた後、手首を掴んでいなす。それによりユウキのバランスが崩れる。

 

 アスナの細剣での攻撃は、親父さん譲りの素早さを生かし全ての剣撃から逃れる。その後は刀でアスナの背中を斬る。

 

 俺は教わっていた剣術を生かし、突きのフェイントからの右斜め上への斬りつけ。しかしそれもシヴァが2歩下がるだけで避けられる。

 

 一方のシヴァは避けたり後、俺に攻撃。ダメージとして2割程削られる。さらに、残っているシリカやリズ、フィリアたちに攻撃を仕掛けようとする。

 

 それをさせんとばかりに別のプレイヤーが割って入る。

 

 しかしそれはシヴァが割って入った別のプレイヤーの肩を踏み、逆に壁代わりにして加速させ斬る。

 

 リズ、シリカ、フィリアに攻撃が当たり、その後別のプレイヤーを連続で斬る。そのプレイヤーはHP全損で消える。

 

 しかし、こんな時でも冷静にチームワークが取れているギルドが1つ。

 

 

「タンク、頼んだ!!」

 

「あいよ!!」

 

 

 ギルド【風林火山】のメンツだ。先にタンクの1人が楯でのチャージアタックを仕掛ける。そんな事はお構いなしにシヴァは楯の下に瞬時に潜り込み、ALOやSAOのSSの1つを使う。

 

 片手剣SS【バーチカル・スクエア】。刀で片手剣のSSを放ち、タンクのHPを削る。突然のSSの再現は俺も連撃数が少ないヤツであれば再現位は出来る。だが、アイツは……

 

 こんな考えの中、今度はシヴァの背後、右、左方向から風林火山のメンツ5人が一斉に襲ってくる。しかし銀は至って冷静であり、笑みを浮かべていた。

 

 刀SS【羅生門】。これには驚く。何の補助もなく、システムアシストなんのその。普通に13連撃の技を難なくやり遂げた。それによって驚愕の表情をする風林火山のメンツ。タンクの1人は弾かれ、他のクラインを含む4人はダメージを受ける。

 

 シヴァはSSの再現中に移動し攻撃を逃れていた。

 

 シヴァは刀を肩に担ぎ、溜め息をついた後言葉を綴る。

 

 

「お前らなぁ……んなんで俺が倒せるとでも思ってんの?馬鹿正直にも程ってもんがあるだろ、普通よ。言ったろ?俺たちを倒すなら、『俺たちを殺す気で行け』って。そんなんじゃあ俺にも、あの俺の化け物親父には到底敵いっこねぇよ」

 

 

 シヴァは肩に担がれている刀を持って数回その場で振り回し、呆れた表情をしていた。その表情は飽きに訪れる『冷静さ』そのもの。誰しも見たことのないシヴァの表情に、皆目を見開いたままであった。その表情は飽きから生まれる『冷静さ』の表情。

 

 銀はあの時のALOで使ったOSSの構えをとる。モンスターの扱いなのか、銀色のエフェクトではなく赤いエフェクトが施されていた。

 

    20連撃再現OSS【銀魂】

 

 その赤いエフェクトは俺たちを包み込む程の膨大な光を放っていた。

 

 シヴァが突き進むと約5割のプレイヤーがHP全損。このままでは全員お陀仏だな。

 

 そんな時でもユウキはシヴァに突き進む。そして放った、自らのOSSを再現して。

 

  11連撃再現OSS【マザーズ・ロザリオ】

 

 放たれる11連撃の突きはシヴァの回数より少ない。それでも助かる可能性のある方法がこれだ。11連撃で捨て身のダメージを与えること。

 

 そして、これには俺たちのチャンスもあった。今の内に背後から攻撃出来れば……そう考えて、先にシノンが背中を狙い撃った。

 

 しかしそれもシヴァには通用しないかの様に避けられ、ユウキにエネルギー弾が衝突する。此方も応戦をしたが、瞬殺。あまりにも速すぎた。

 

 そして、後に残ったのはモンスターである坂倉親子とユナのみとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

この親子は読心術使い

『翌日 エギルの店』

~和人side~

 

「「………………」」

 

「2人共!!痛い痛い痛い痛い痛い!!!わ、悪かったからこの拘束解いて!!ちょ、詩乃!!締め付けの力強まってない!?」

 

「知らない」

 

「えっ?………ちょまっ!!!腕痛い!!痛いから!!それと木綿季、首!!首!!絞めてる絞めてる!!」

 

「……お兄ちゃんのバーカ」

 

「……グボォ!!!」

 

「何の茶番だよ、これ?」

 

「ただの愛情表現ですよ、和人君」

 

 

 こんなんが愛情表現と言えるのか?という無粋な考えはよしとして。昨日の夜に行われたイベントで色々と驚かされるわ、何で銀将さんがこんなゴミ溜めに居るのか?

 

 

「アンティーク家具が渋くて良いじゃないですか。まぁ分からない人は分からないのでどうでも良いですが」

 

「また心読まないでくれます?」

 

「アンタ……中々分かってるじゃねぇか」

 

「それはどうも。あ、珈琲のお代わりお願いします」

 

「OK。あっと、この珈琲代はチャラにしとくぜ」

 

 

 何か大人の会話が成り立っていた。俺子どもだからワカンナイデス。それでもまだ続いてる詩乃と木綿季の絞めつけ攻撃、継続ダメージで120/5秒といったところか。

 

 

「いや和人!!普通に解説すんじゃねぇよ!!」

 

「お前ら親子は読心術使いすぎだわ!!」

 

 

 そんな言い合いの途中、銀将さんが椅子から立ち上がり銀の元まで歩んだ。それと同時にそそくさと詩乃と木綿季も離れ、銀の顔はひきつっていた。

 

 コツンッ。という音とは不似合いに地面に垂直に突き刺さる銀。これは流石のエギルでも開いた口が塞がらない。俺たちは幼い頃何度も見てきた光景だったので慣れてしまった。

 

 その後平気で地面から抜け出す銀。その穴を幽波紋で直すという光景も、最早慣れてしまう。エギルは最早何も言えなかった。

 

 

「あー久々に食らった気がする」

 

「それもそうですよ銀先。何せ叩いたの2年ぶりなんですから」

 

「あー……そんだけ経ってたのか、すっかり忘れてらぁ。石頭は健在だがよ」

 

「それ食らったら元もこも無くなりそうだ」

 

「あのなぁ和人、親父の拳何度も受けてみ?自然と石頭確定だからよ」

 

「親父さん俺たちに危害加えないだろ」

 

「それもそうか」

 

「お前ら何なんだ!?」

 

 

 こんなあっけらかんとした談笑、これはこの家族と関わってきた俺たちだからこそ理解できる物である。というか、こんな家族見たことねぇからガキの頃の考えだと『普通』っていう単語しか出てこなかった可笑しい思い出が存在している。

 

 しかしまぁ……

 

 

「銀と銀将さん、何でモンスターになってた?」

 

「そりゃあ俺が頼んだからだよ。面白そうだから」

 

 

 この発言で銀の体にもう一度力強く抱き締める詩乃と木綿季。また悲痛の声を挙げる銀と、それを暖かく見守る銀将さん。何時から見ていたのかドアの所で立ち止まっている明日奈………うん?明日奈?

 

 ドアの方向を見ると、私服姿の明日奈が立ち止まっていた。この光景を見ていて固まってしまったのか?となれば最初から見ていたのか。

 

 明日奈の元に近付き肩を叩く。

 

 

「おい明日奈」

 

「うあぁぁ!!キ……じゃなかった。和人君!?」

 

「質問、何時から見ていた?正直に答えなさい」

 

「……最初からです」

 

 

 銀将さんたちの方を見る。銀将さんは明日奈に笑顔を向けており、まだ銀は絞めつけられているが明日奈に挨拶。同じく詩乃と木綿季も挨拶をした。

 

 一旦このカオス状況を治めるべく時間を置いて本題に移す事にしよう。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『10分後』

 

「あー痛て。腕と首が真面目に痛い」

 

「「………ごめん」」

 

「んまぁ気にしてないから良いけどよ」

 

 

 腕を掻いたり、首の骨をポキポキいわせてる銀。それらの行為が終わると溜め息をつき、喋り出す。

 

 

「はてさて、全プレイヤーの疑問である『俺たち2人がモンスター』という事だけどな。実を言うと……」

 

 

 

 

 

 

 

~回想 2026年2月21日 東都工業大学~

 

「はっ?俺のイベントすか?」

 

「そう。何せSAO事件を生き延び、ALOでの七色博士へのあの行動。中々常識に捕らわれない考えをしていると私は考えていたのだよ」

 

「あー……七色のはあれっす。ムカついた時は全力で何かしらするってヤツです」

 

「そう、普通なら考えもつかない行動を君はやってのけた。そこで考えた、この常識破りをオーディナル・スケールでも使えないかと。そこで出てきた案が」

 

「俺のイベント。俺がモンスターのイベントと」

 

「そう!!そこでプレイヤーたちがどの様に対抗するのか見てみたくてね、特に君の仲間たちのね」

 

「おいおい勘弁してくれ、俺は何もそんn「ここに2人1組グアム行きチケット2枚がある」やらせていただきます!!」

 

 

 

 

 

~回想終了~

 

 

 

 

 

「……んで、確実性を上げる為に親父も連れてきたって訳」

 

「テメエの欲望丸出しじゃねぇかぁ!!」

 

 

 何を考えてモンスターになってたかと思えば自分の欲望優先かよぉぉ!!何でグアム行きのチケットの為に態々モンスターになるんだよ!?つーか、それ絶対家族で行くつもりだったよな!?詩乃とイチャイチャしたいから承諾したんだよな絶対!!

 

 

「Yes, I am!!!」

 

「お前は読心術を日常的に使うな!!」

 

「そ、総督が……読心術を使えるなんて……」

 

「明日奈、そこじゃないから」

 

 

 読心術を使った銀に対して驚愕の事実を突き付けられた時の表情をする明日奈。銀との距離を限界ギリギリまで体を近付けている詩乃。銀の肩を使ってピョンピョン跳ねている木綿季。それを微笑ましく見ているエギルと銀将さん。

 

 そして理解したことを1つ。

 

 俺たちは銀の欲望の礎にされた事だ。この恨み晴らされでおくべきかッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

さようならリアル

『2026年6月 ウンディーネ領主館』

 

「………」

 

 

 ……俺は何時もと似合わず、領主館で仕事をしていた。全ウンディーネの状況や領内で起こった事件等の確認をしていた。事件の殆どはkaimuがストレアに追っかけられていた事だが。

 

 しかし今回ばかりは、こんな下らない事も懐かしく感じられる。可愛く感じられる。笑顔でいられる。笑いあえる日になる。そんな気がする。

 

 そんな感情に浸っている時、領主部屋のドアを叩く音。漸く来たかと待ち望んだ感情と、来てしまったのかという少し絶望感に似た何か。

 

 ドアが開かれる。現れたのはクリスハイトだった。

 

 

「やぁシヴァ君、遅れてすまない」

 

「男を待つのは嫌なんだけどよ、渋々だ」

 

「『邪険に扱われてるんだお』って被害届け出してやる」

 

「やってみろドアホ。ここの領主は俺だ」

 

「じゃあ職権乱用で」

 

「お前も似たようなモンだろ」

 

 

 談笑……とは言い難い底知れぬ雰囲気が俺とクリスハイトの間に流れているのが分かる。クリスハイトは用意されているソファーに座り、それを見た後俺もクリスハイトに向かい合う様に座る。

 

 

「……準備出来たんだな、菊岡」

 

「まぁね。約束通り和人君たちを巻き込ませない様にしておくよ」

 

「それはありがたいな」

 

「それで……君はどうするつもりだ?」

 

「考えはある」

 

 

 キセルを持ち、煙草を小さく丸めてキセルの穴に入れる。火は自動的に着火する仕組みなので、そのまま吸う事ができる。

 

 キセルで一服した後、クリスハイト/菊岡に話す。

 

 

「治療と称して使えば良い。勿論治療はしてもらうぜ、何せ本気でやるからよ」

 

「……本気、か。なるべく重体にしないでくれよ」

 

「それはフリか?」

 

「フリじゃあないんだけど」

 

 

 ハハハッと微笑む。その後の表情は険しいものとなるが。

 

 

「……本当にやるのかい?」

 

「今さら何言ってんだテメエは?怖じ気付いてんのか?」

 

「まぁ近いね。まさか、まだ道徳心があるとは思ってなかったし」

 

「お前が道徳心ねぇ………気持ち悪ッ!!」

 

「そこまで本気で言わなくても良いよね!?」

 

 

 前言撤回。険しい表情はしているけど何時もの光景だ、本当に何時もの光景だ。何かしらツッコミは野暮だから無しな。

 

 

「ふぅ………んじゃあ、明日だな」

 

「あぁ………明日だ」

 

 

 クリスハイトはそれを伝えた後、この部屋から出ていく。俺は領主部屋に設置されているベッドからログアウトし、現実世界に戻る。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『銀先の部屋』

 

 目覚めると1人だった。ベッドから降りてリビングに向かう。しかし誰もいない。

 

 確か……この時は何故か予定が重なって俺1人だったのか。

 

 リビングのソファーに座り、一息つき天井を見上げる。

 

 

「…………久々に自主練しとくか」

 

 

 立ち上がって何時もの稽古場へと行こうかと考えた。……そういえば、和人が居たなと思い和人家に行く。

 

 そんでもって行ったが……案の定和人が出てくる。

 

 しかし後ろからもう1人、和人の後ろからひょこっと出てきた。明日奈であった。一先ず剣道場に行って話をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……んで、お前らは2人してイチャついてたと」

 

「ちょ!!そ……銀さん!!」

 

「あ、総督呼び無くなってる。まぁリアルの名前なんてゲームの中に2年も居れば覚えづらいわな」

 

 

 はぁ……と俺は溜め息をついた後、持ってきていた木刀を片手に持ち立ち上がり2人から距離を取る。

 

 

「オイ和人」

 

「……久々にやるのか?」

 

「あぁ。明日奈も見ていけよ」

 

 

 2人の方に振り返り、木刀の刀身を肩に乗せながら喋る。

 

 

「俺たち人外のお遊戯をよ」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~明日奈side~

 

「ッアアアァアァアア!!!」

 

「セァァァアアアアア!!!」

 

 

 木刀と木刀がぶつかり合って、その度に風圧が出てくる。耐えるに耐えがたいその風圧は、人間が出しているとは思えない程の風圧だった。

 

 これが総督のお父さんに稽古をつけてもらった和人君。昔から鍛えられていた総督。実力はほぼ互角の状態、拮抗試合というのだっけ?こういうの。

 

 ここで総督が和人君から距離をとって居合い?の構えをとった。和人君も同じ居合いの構えをとって、総督に向かって走り出す。

 

 十分近付いた和人君は木刀を横凪ぎに振ろうとした。

 

 それよりも前に総督は木刀を素早く振った。その直後、和人君が木刀を振るう。しかし、何かに弾かれたかの様に木刀ごと和人君の体が仰け反る。

 

 その隙を突いて総督が接近し、木刀の柄で和人君の腹部を狙い当てる。

 

 尻餅を着きながら着地した和人君。木刀を納める様に行動した。その後和人君に歩み寄って手を差し伸べる。

 

 

「お疲れ、久々に楽しめた」

 

「……久々に運動した感じだ。ありがとな」

 

「いや、態々彼女さんとの時間削ってまでやってくれた和人にありがとうって言いたいね。俺はよ」

 

「…………」

 

 

 和人君は目を見開いて、パチパチさせながら尋ねた。

 

 

「お前……何か変なモン食ったか?」

 

「どういう意味だよそれ?」

 

「そのまんまの意味」

 

「……はぁ、まぁ良いや。じゃあな和人」

 

「いやお前ん家と俺ん家隣」

 

 

 そう言って総督は帰ってしまう。中々楽しめた!!というか凄いの一言しか出なかった!!

 

 でも、私たちは直ぐに気付くべきだった。総督の背中に、また大きな重荷を背負わせていた事を。

 

 それから10日後。総督は……意識不明の重体のまま、何処かへ搬送された。左腹部に『鋭利な物で斬られた傷』を負って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

UW 永遠に語り継がれる色
UWの3年間 初日


『2026年6月15日』

~和人side~

 

 俺の幼馴染み兼お隣さんの『坂倉銀先』は、俺たちにとって光でもあった。

 

 旧SAOに囚われていた時でも、誰かに手を伸ばし続けた。俺たちも例外ではなかった。最初の1ヶ月間は誰しも泣いたり怒りを露にしていた。

 

 そんな俺たちの心を受け止め、変えるように仕組んだのは何時もアイツだった。

 

 俺たちの怒りや悲しみに無理矢理入り込んで、自分だって辛い筈なのに、俺たちはそれに気付かず甘えていた。アイツの存在に甘えていた。

 

 そしてそれは……大きな代償として現れた。

 

 坂倉銀先が、俺の幼馴染みが、意識不明の重体に陥った。

 

 何時目覚めるのか分からない程、その左腹部に付けられた傷は大きく、深かった。

 

 先ず最初にこの知らせを受けて、真っ先に影響が出たのは詩乃と木綿季であった。

 

 詩乃-最愛の人がその様な状態になった影響か、PTSDを再発。しかし銀のお陰で銃への恐怖ではなくなっているが、その代わりなのか『銀が死ぬ夢を何度も見る』という症状に陥っている。

 

 木綿季-詩乃程影響は出ていないが、その知らせを聞いた後に急激な眩暈と共に入院。疲労によるものだったが、木綿季の心には大きな傷が出来ていた。

 

 これ程までに大きかったのだ。銀のその手は、背中は、失った代償は……それほどまでに。

 

 かくゆう俺も同じ様な事になっている。銀の知らせを聞いたときは、膝から崩れ落ち意識が途絶えた。そして目覚めたら自室のベッドで寝かされていた。この時、なぜ俺はアイツの言葉に気付いてやれなかったのかが理解できず、それからというもの他者との接触を拒んでいた。

 

 ここまで俺たちの心に深く抉りこんだ物は、これ程までに、嫌という程に理解した。

 

 『大切なものは失ってから気付く』ということを。

 

 銀が傷ついて1週間が経ったある日。銀は別の場所に搬送されるというのだ。

 

 それに真っ先に反応したのは詩乃であった。寝たきりの銀の体にしがみつき、自己主張を続けていた。誰にも渡さないという感情を抑えられずにいた。

 

 その詩乃の行動を見ていられなくなったのか、銀将さんが詩乃を気絶させた。今回ばかりは銀将さんも、何時もの笑顔は無かった。悲しみに耐えていた。そんな顔だった。

 

 そうして銀は、別の病院に運ばれる。……そう思っていた。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

『1週間経った日』

~銀先side~

 

 あら?俺……確か……病院の筈だよな?

 

 なのに……何で匂いが感じられる?何で音が聞こえる?何で皮膚に温度を感じられる?あれ?

 

 その不思議な感覚を知りたい欲求が働き、俺は目覚める。

 

 目覚めるとそこは……何かどっかで見たことある内装だった。否、絶対あれだ。そんな事を考えながら起き上がる。どうやら掛け布団で寝ていたらしい。

 

 何故かある障子を開き、別の部屋を見る。うん、これあれだ。本当にどっかで見たことあるヤツだわ。

 

 

『おーい、聞こえるかーい?』

 

 

 ふと、何処かから菊岡の声が聞こえた。まぁ菊岡ならある意味安心できるので取り敢えず答える。

 

 

「聞こえてらぁ菊岡」

 

『あ、良かった~。繋がらなかったらどうしようかと思ってた』

 

「ちょっと待て。繋がらなかったらってどういうこった?」

 

『あぁ、ごめん言い忘れてた。たまに通信不良が起きるんだよね。その世界』

 

「………もういい。それより、この部屋……いや家か?何だここは?」

 

『そこは君へのプレゼントというヤツだ。何せ【自分で腹を斬ってくれた】からね、そこは優遇しないと』

 

「プレゼント?……って、そういや俺の体元のまんまじゃねぇか。俺が知ってんのは子どもに戻って目覚めるかと思ってたが」

 

 

 そう。俺の知ってる原作ならば、和人/キリトは5歳程度に退化して現れていた。ならば、俺もなるだろうと色々考えをしていたが、杞憂だった。

 

 18歳のままなのだ。その要因は菊岡にあった。

 

 優遇……俺が【自ら腹を斬ってくれた】事による影響がこれだ。

 

 1:年は現実での年齢

 2:家の支給

 

 

「んで?俺はこれから何をすれば良い?」

 

『じゃあ先ずは外に出て』

 

 

 菊岡の指示で玄関に移動し、用意されたと思われる靴を履いて外に出る。どうやらここは2階だと直ぐに分かった。

 

 階段が玄関から出て左の方にあったので、それを使い下に降りた。そして最初に目に入ってきたのが……

 

 【万事屋】という看板だった。もう読者諸君お分かりだろう。

 

 これ○魂じゃねぇかぁぁぁぁあああ!!!何でここまで来て万事屋の看板見なきゃいけねぇの!?何でここに来てまで和風の家屋を見なきゃいけないの!?何でここで万事屋をしなきゃいけないの!?確か禁忌黙示録みたいなの無かったっけ!?

 

 

『あ、最後の優遇ね。一部の禁忌黙示録の効果を無効化させたよ』

 

 

 もうそれ意味ねぇじゃん!!禁忌黙示録の意味ねぇじゃん!!

 

 

『後は所持金の支給を一部しただけだよ。後は経過を見ていくからお願いねー』

 

 

 それを気に菊岡からの連絡はなかった。

 

 そして、翌日には万事屋を営む事になった。何故だかやって来た翌日に大工仕事やら何やら入ってきたのは可笑しいと感じた俺だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

日記形式で書いた方が楽な事もある

 うーい皆さん。こっからは台本形式じゃなくて日記形式になっていくから、そんなの見たくねぇって奴はブラウザ○ァック。そうでない方は……時間の無駄なので即刻ご退場願います。では、俺がUWに来てからの3年間をどうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~1年目~

 主に目立った出来事

 

1 俺が万事屋になった。完全に○魂である。

2 俺は年齢が18の状態でUWに来た。

3 万事屋の仕事をしてから10数日経った日、近くの森に散歩がてら行ってみた。

 

 ここでアリスとユージオに遭遇。アリスが連れていかれそうだったので整合騎士?のデュソルバート?をアヌビス神とエンペラーでリンチにした。子どもの前でグロッキーな事をしたのは反省して……いると思ってた?思ってました。

 

 グロッキーな現場見せられてユージオ君は卒倒。アリスは気絶中。仕方なく万事屋に連れていく。

 

 んで、2人が目覚める。アリスとユージオに何故あの場所に居たか聞くとアリスが「氷取りに行ってたら気絶させられて連れてかれそうになった。ユージオには迷惑をかけた。だが私は謝らない」と言ったので思いっきりデコピンした俺は悪くない。

 

 ユージオは仕方なくという感じでアリスに付いてきたらしい。つまり非はアリスに全てある。そこでまたアリスにデコピンした俺は悪くない。

 

 家の場所を尋ねると、ユージオは素直に答えてくれた。良い子や……ユージオ良い子や……問題はアリス。家の事を教えてくれるどころか、1階にある製作済みの木刀を持って暴れ回っていた。お前何時行ったよ!?

 

 アリスが「名前何て言うの?」と、何故このタイミングってところで聞いてきたので『銀先』と答えた。ゲームで使う名前より、こっちがアダ名で『銀ちゃん』とかって覚えやすいからよ。

 

 今度はユージオが「何で衛士さんたちや騎士様でも無いのに剣を持ってたんですか?」と聞いてきたので「これが無いと落ち着かない」と答えると「変だね」とアリスが率直に言ってきたので木刀で脅した俺は悪くない。

 

 ついでにアリスん家も聞き出して、その日は俺同伴で帰らせた。帰ったら眠たくなったので寝た。

 

 

 その翌日、何故か弟子入りという案件がユージオとアリスから持ってこられた。何で?

 

 聞けば天職としてユージオは騎士を目指しているらしい。アリスは完全に遊び半分で来やがったなお前。

 

 まだユージオは百歩譲って承諾しよう。だって騎士になりたいっていう事を考えているからな。でもよ、俺も仕事な訳で。「金貰わないと仕事じゃなくなる」って言ったら何故かアリスがキレて机をバンバン叩き出したので、スタンドの手刀で気絶させた俺は悪くない。

 

 しかし騎士にならなければ、ある意味話が進まないのも事実。仕方ないので対戦という名の『特訓』をすることにした。ユージオたちが騎士になったら金を請求するという事を条件に。

 

 

 

 

~2年目~

 主に目立った出来事

 

1 ユージオとアリスが弟子になって1年経った

2 何か大きなペット飼った

3 騎士からの苦情

 

 先ずはユージオとアリスが弟子に成って1年経過。俺の修行はリアルでやってた体捌きだったり片手剣の扱いだったり。……何かこのUWだと片手剣が一般らしくて、刀だと折れやすいイメージがあるから使う奴が少ないんだと。

 

 まぁ確かに、中国刀とか西洋の刀であるサーベルとかは【斬る】為に【薄く】作られてるから耐久性はあまりよろしくないのは分かる。だから日本刀型の木刀を見た時の2人は目を輝かせていた。結構コイツも癖はあるけどよ。

 

 んで、この日本刀型の木刀を使ってみたいとユージオが言うので俺のを使わせてみた。結果はあれだ、身長と刀身の長さが合ってないからフラフラでした。

 

 んで、それから15日程経った日。朝の買い物から帰ってみれば階段を屋根代わりにしてポツンと立っている烏を見つけた。仕方なくその烏を保護、傷ついていたので『クレイジーダイヤモンド』で治した。だが驚く事にコイツ……

 

 

「サンキュー」

 

 

 喋りやがった。烏は知能が高いと聞くが、この世界の烏は喋れんのかいと思ってた時期がありました。

 

 その烏が言うには神獣と呼ばれる部類のモンスターらしい。つまり、俺は神獣と一緒に過ごす事になる。何故か烏の方も同居を承諾。因みに名前は八咫烏の見た目に酷似してから『ヤタ』にしました。しかも赤い烏。

 

 そして最後。何故か騎士から苦情が来た。

 

 というのも、この騎士は横暴が過ぎていると民衆から相次いで嫌われている者だったのだ。それを俺が注意(という名の背負い投げ)でその場は黙らせたが、その騎士が翌日に苦情を入れに来た。

 

 どっかの誰かさんと同じやな。と思いながらヤタを呼んで威嚇したり、上級騎士とも仕事の関係で繋がりはあったので上級騎士さん呼んで処罰させたり。結果としては、その騎士は来なくなった。

 

 

 

~3年目~

 主に目立った出来事

 

1 【ギガスシダー】の倒木を一発で成功させた

2 【青薔薇の剣】を暇だったのでゲット。それをユージオに渡す

3 2人とも騎士を目指す事を決意。万事屋として最後の案件を終わらせる。

 

 

 先ずは【ギガスシダー】。ぎが寿司だぁ?それは置いといて。一応万事屋、頼まれたら報酬払ってくれれば何でもやるのでギガスシダーの倒木を手伝ってくれとユージオから頼まれた。

 

 その日にヤタの背中に乗ってユージオの所に到着。スタンドを定番の『スタープラチナ』と『ザ・ワールド』にさせて斧を使った。意外にもクリーンヒットしたのか?はたまたスタンドの力が強すぎたのか一発で倒れた。

 

 ユージオは「どうやればそんな力が手に入るんですか?」と聞いてきた。まぁはぐらかしたが。これでユージオも騎士を目指せるな。

 

 次に【青薔薇の剣】。これは完全に遊びで北の峠に行ってゲット。要らないのでユージオに渡す。

 

 最後にユージオとアリス。教えた剣技の復習や、場の活用術や、俺が使っている体術等を色々教えて復習させた。

 

 結果?見ての通り人外魔境の地に踏み込んだよ。

 

 そんでもって……ユージオとアリスの剣術大会。因みに俺の使う剣術の名前……ってか名前が無いんだよね。何か良い案ないかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

剣術大会は波乱の連続

「おーい、ちゃっちゃと行くぞ~」

 

「待ってくださいよ師匠ー」

 

「だから師匠ちゃうって。俺万事屋。分かる?」

 

「銀ちゃん早く行かないの?」

 

「っとと、ヤタ!!」

 

「あーい」

 

 

 ヤタが姿勢を低くする。つまりは乗って行くのだ。

 

 何処にかって?剣術大会が行われるザッカリアに行くんだよ。天職を終えて2人は長の許可証みたいなヤツを持って剣術大会をするんだよ。今はユージオ待ち。

 

 

「お、御待たせしましたッ」

 

「おーしユージオ乗れ、2人共ヤタに捕まっとけよ」

 

「「はーい」」

 

 

 ヤタに乗った事を確認してと……うし、準備は良いな。んじゃあ出発ッ!!

 

 そこでヤタが飛ぶ。烏が人を乗せるという事は聞いたことないが、ヤタはあれだからな。神獣だからな。会話可能つまりウマがあった。

 

 こんな感じで空中からザッカリア行くということは人生に一度きりしか無いと考えるユージオとアリスの表情は、単なる好奇心溢れた子どもにしか見えなかった。

 

 暫くしてザッカリアの大会が行われる場所付近まで着く。ユージオとアリスは降りて、それに続くように俺も降りる。

 

 ザッカリア……そういや、ここの住人が頼み事やら何やらで来てたな。確か名前が……

 

 

「おろ?万事屋の旦那かい?」

 

「あり?アンベル、ここで何してんの?」

 

 

 丁度良かった、居たよ。彼の名は『アンベル・クリミス』38歳。勿の論オリキャラ。以前万事屋に来て【ザッカリアの警護】を依頼したんだっけ。承諾して依頼完了した後、飯奢ってくれたっけ。

 

 

「師匠、知り合いですか?」

 

「ん?あぁ、紹介するぜ。こっちはアンベル・クリミス、俺の元依頼人だ。仕事でザッカリアに来てた時があってな、そこで世話になったのさ」

 

「旦那、そこのお2人さんは?」

 

「あぁ、そうだな。コイツらを剣術大会に参加させたいんだが」

 

「そうでしたか!!なら早く済ませちゃいましょう!!」

 

 

 そんなアンベルのテンションに引き気味のユージオとアリス。それよか、ユージオとアリスは参加者欄の所に名前と出身、剣術名を書くそうだ。……あっ、剣術名出してなかった。

 

 

「し、師匠。剣術の名前って教えてくれませんでしたよね?」

 

「そういえば………銀ちゃん技術とか教えるばっかりで、剣術の名前全然聞いてなかった」

 

「おや?旦那、この子たちに剣術教えたんですかい?」

 

「条件付きでな。それと2人とも、剣術名には【ウツロ流剣術】って書いとけ」

 

「「あ、はい」」

 

 

 即席で考えといて良かった。んまぁ親父から教えられた剣術だし?親父のOSプレイヤー名『ウツロ』だし?別に大丈夫でしょ。

 

 

「……確認しました!!旦那の剣術だから知らなくて当然だわな!!それじゃあ2人共、案内に従って控え室に行ってくれるか?」

 

「分かりました」

 

「はー………分かりました。ダカラギンチャン、ボクトウチラツカセナイデ」

 

「ったく、さっさと行ってこいバカ共」

 

「「はい!!/はーい」」

 

 

 そう言って2人は会場に入っていった。はてさて、俺は……あ、ヤタどうしよ?困ったな、神獣だから放っておくと誰かから被害にあうかもしれんしなぁ。

 

 

「なぁアンベル、ペット同伴で見れるか?」

 

「ペットですか?まぁ小さいのなら構いませんけど……あっ、ヤタに乗って来たんですか」

 

「そうなんだよなぁ、これが参った」

 

 

 アンベルが依頼に来たのはヤタと同居した後の事だったので、アンベルがヤタの事を神獣ということは知っているのだ。

 

 

「あ、なんなら旦那。どうせ受け付け終わったらする事ないし俺が見ましょうか?」

 

「うぇ?良いのかよアンベル、大会見なくてよ」

 

「良いんですよ。それに弟子たちの成長した姿を見たいから旦那も来たんでしょうに」

 

「あー……んまぁ当たってるな。悪い、頼めるか?」

 

「御安いご用。万事屋の旦那から依頼されるなんて滅多にありませんからね」

 

「ハハッ、違いない。ヤタ!!アンベルさんが面倒見てくれるから大人しくしてろよ!!」

 

「聞こえてるわ!!」

 

 

 この生意気烏……知能が高い分色んな事を知ってるし、俺もヤタにこの世界を隅々まで教えられた1人だからなぁ。それでも同居してるのは可笑しいと思います。思います……?

 

 ただ、まだ時間があったので付近の出店を漁って小腹を満たす。色々と世話になった人が多いのでお試しで試食したり出来たお。これは素直にありがたい。たまに割引してくれるのはちょっと引ける。

 

 ………それにしても誰か付いてきてんな。ったく、恨まれやすい仕事なのは分かってたがよぉ、こうも恨み丸出しにされちゃあ困るんだよなぁ。

 

 

 

 

【万事屋森へと移動中】

 

 

 

 

 

 ふぅ……さてと。

 

 

「さっきからコソコソ後ろに付いてきてんじゃねぇよ、鬱陶しい事この上ないわ。堂々と姿でも見せやがれってんだバカヤロー」

 

 

 その瞬間、後ろから何かしら来た。振り向き様に木刀を抜刀して打ち砕く。見たところ何かしらのデバフを掛けるタイプのヤツか……確かこれ【神聖術】つうんだっけ?したことないけど。

 

 そうしたら、今度はご登場ってか?兜で顔を隠した奴が現れた。腰には剣が携えられている。

 

 

「……まさか、神聖術が効かんとわな。何者だ?貴様」

 

「人に名前を尋ねる時は自分から名乗りましょうって習わなかったのか?お前の頭ん中大丈夫か?脳みそ入ってますか?」

 

「ふざけた輩だ。だが確かにそうだな、名乗らずして名乗ってもらおう等と甘い考えをしていた」

 

「『ファナティオ・シンセシス・ツー』、整合騎士だ」

 

「坂倉銀先、万事屋だ」

 

 

 おっおう。まさかの整合騎士様ご登場ってか。いきなりかよメンドクセェなぁ。

 

 

「んで?こんな万事屋風情に整合騎士が何の用だ?」

 

「『デュソルバート・シンセシス・セブン』が何者かに殺害されたと聞いてな。3年かけてその原因を調べたら……」

 

「俺が登場したと。んまぁ確かにデュソルバートって奴?俺が殺したわ。うん」

 

 

 その刹那、構えられた剣から光線が発射された。その不意打ちを間一髪で避ける。21になってからというもの、少し体が重いな。

 

 

「ほぉ……今のを避けるか」

 

「黙れアホ。いきなりブッ放す奴は今すぐ黙るか、お家でNTRされてろ」

 

 

 どうやら試してるのか?俺も嘗められたモンだなぁ……本気(という名のスタンド)で行かせてもらうがよ。エンペラーに1つ変化させた後は……

 

 

「ザ・ワールド!!時よ止まれッ!!」

 

 

 時を止めて動けなくさせてやる。ん?卑怯だって?

 

 良いか諸君。ある奴はこんな事を言ったのさ。

 

 『勝てば良かろうなのだあぁぁぁ!!!』

 

 

「WRYYYYYYY!!!無駄無駄無駄無駄ァ!!!」

 

 

 ザ・ワールドと木刀のラッシュで思う存分やってやらぁ!!!その兜砕けた瞬間テメエの脳天かち割ってやらぁ!!!

 

 

「そして時は動き出す」

 

 

 周囲の色が戻り、時が動き出す。刹那、ファナティオの鎧が所々砕け散り体は遠くへ飛ばされ兜は粉微塵になっていた。どんだけやったのかなぁ?と思いつつ飛ばされた奴を追いかける。

 

 んで、その地点に行くと煙が立ち込んでいて視界が悪かった。その煙が晴れるとファナティオは居なかった。

 

 ……そういや大会何処まで進んだんだろ?早足で森を抜けだして会場に到着する。

 

 んで、観戦席に腰掛け……そういや今どうなってんの?

 

 

「んぁ?あれは………」

 

 

 丁度試合会場を見れば、何故かアリスとユージオが対峙しているのが見えた。……あれ?ちょい待ち。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  って、お前らで戦うんかいィィィィイ!!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ヤッベぇ、どっち応援すりゃあ良いの?

ここでは珍しく前置きを書いていく。

次回作の案を活動報告に載せているので、良かったら見てください。

では、本編どうぞ。


何がどうしてこうなったよ!?ユージオとアリスが対戦するってどういうこっちゃねん!?←エセ関西弁が出る心配性

 

 っとと、少し慌てていた。つーか驚くわ、ユージオとアリスが同じ所でカード進めてたんかい!!何で運悪くコイツらが戦う訳!?というか、ユージオとアリス一緒だったんかい!!何処だよ全く!?

 

 

「スゲーよなあの2人。大の大人、しかもガタイの良い奴の首に当てて降参させたってよぉ」

 

 

 お前誰ッ!?ってか、やっぱりユージオとアリスも人外の域に突入してしまったか。すべて俺のせいだが。

 

 ってか、アリスとユージオ西なの!?東なの!?どっちなの!?

 

 

『さぁ!!東ブロック決勝戦、ただいま開幕です!!』

 

 

 東かよぉぉぉ!!!って、一番の疑問なんだけど……

 

 

「カァー!!」

 

 

 何でお前が居るんだよぉぉぉ!!?あれですか!?東ブロック赤いからお前象徴代わりなのか!?ってかアンベルは何処に!?

 

 

「いやぁ、楽しみですなぁ」

 

「右隣かよぉぉぉお!!!」

 

 

 この発言の後、ユージオとアリスの戦闘が行われた。

 

 先ずはどちらとも接近を仕掛ける。しかしお互いある程度接近した所、ブレーキをかけた。これにより土煙がユージオとアリスの前に立ち上る。

 

 あれは……俺が教えたヤツだ。アイツら此処でも使ってたのかよ。何て奴等だ(誉め言葉)。

 

 しかしその土煙も一瞬にして晴れる。ユージオは通常の剣の持ち方で、アリスは逆手持ちで晴らしていた。

 

 お互い【動かずに移動する】と、剣と剣のぶつかり合う音が会場に響く。しかしそれは金属音というよりも、バシィッ!!!という打撃武器がぶつかり合う音に似ていた。

 

 しかし、お互いの剣はお互いにいなされる。ユージオは剣を振り下ろした余波を利用し、その場で前一回転で斬りつける。アリスは回転を利用し、もう一度殴り付ける様に剣を当てに行く。

 

 これでもまだ剣と剣がぶつかり合う音のみ。その場で一種の拮抗状態が出来上がっていた。これに観客は大歓声を挙げる。

 

 お互いの剣がいなされた後、アリスが仕掛けた。姿勢を出来る限り低くし、自分の脚とユージオの脚にひっかけユージオを中心に回り込む。そのまま剣を首に目掛けて当てようとする。

 

 しかしユージオも気付いていたのか、剣を後ろに回しアリスの剣を防御する。ユージオはその場で回転し、剣を利用しアリスに出来る限り接近する。あれだとお互いの息が当たる位の近さだな。その位置からユージオは左肘を当てに行く。

 

 アリスは肘の攻撃を防いだ後、地面を思いっきり蹴って後ろに下がる。その際にユージオは剣を振るうが、それはアリスに防がれ逆に距離を取らせる事になってしまった。

 

 さて、ここで2人の戦闘スタイルの説明だな。

 

 先ずユージオ。普通の剣の持ち方だが、同時に体術を入れて確実に仕留めに行くスタイル。また剣の応用でいなしたり、いなす際に下に潜り込んで相手の死角に移動し不意打ちを食らわせる等の剣技を主体としたスタイル。

 

 一方アリス。逆手持ちでスピード重視のスタイル。イタズラ好きが幸いしたのか、フィールドの地形を利用したトリッキーなスタイルも可能。例としては木から木へと移動し、標的に近づいた際に斬りつけるという感じ。因みに木に上るのではなく、木を壁代わりにしてスピードを出して翔ぶ方だ。

 

 ってか、あれ全部試してみたけど親父に通用しなかった技法だしなぁ……それでもここまで戦えてるのは驚いた。

 

 今度はユージオが仕掛ける。居合いの構えから一閃。しかしアリスは後ろに下がって避けた後、ジャンプして体を捻りながら剣を振るう。ユージオは初撃を防御した後、突きを放ち狙う。アリスは体を捻った影響でユージオに背を向けていたが、もう一度捻り剣で防ぐ。

 

 本当に拮抗状態が続いてんなぁ……これだと剣が折れるまで続くぞこりゃ。

 

 

「旦那、あの動きは………」

 

「俺が使ってた動き。最近は体が重くて使いにくいんだよな」

 

「おぉう………」

 

 

 けど、やはり長くは続かなかった。ユージオとアリスは接近し、互いに一閃するがそれは剣がぶつかり合う音しかしなかった。しかもその際にお互い背を向けており、お互いの距離はそれほど離れていない。

 

 ユージオは急激に回転を加えてアリスに向き、アリスは振るった勢いを利用しユージオに向く。

 

 アリスは右下から左上に向けて剣を振るい、ユージオは右上から左下へと振るう事で2人の剣から甲高い金属音が会場に響いた。

 

 その直後、ユージオとアリスの後ろの地面に刀身の一部が突き刺さる。つまりこれは……

 

 

『ひっ……引き分けだあぁぁ!!』

 

 

 刹那観衆が大騒ぎ。真面目に五月蝿くて草。

 

 

『何とッ!!この大会が始まって以来、2度目の引き分けだあぁぁ!!因みに前例があるのでこの場合は2人共優しょ……あれ?』

 

 

 何か司会が言葉を綴るのをやめた。不思議に思っていると会場から何か音が聞こえてきた。

 

 首を油切れのロボットの様に会場に向ける。

 

 見れば、アリスは神聖術使ってて攻撃。ユージオは避けて体術仕掛けてた。

 

 そこで俺が飛び出して2人の顎を弱めで殴って気絶させた俺は悪くない。悪いのはハイになった2人だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~それから1時間後~

 

 結果、ユージオとアリスは両方優勝。しかし当の本人たちは……

 

 

「「何か足りないッ!!」」

 

「制・裁ッ!!」(という名のデコピン強攻撃)

 

「「ギニアァァァ!!!」」

 

 

 こんな感じに戦闘狂の道に行ってしまった。お前ら……俺泣いて良いかな?21になったオッサンが、この2人見て泣いて良いかな?21になったオッサンが!!戦闘狂に走った子ども見て泣いても良いかな!?

 

 

「お前らいい加減にしてくれよぉ………さっきので俺の胃がマッハ2で溶けてるんだけど?」

 

「「マッハって何?/何ですか?」」

 

「音の伝わる早さ。以上」

 

「「ほぇー」」

 

 

 まぁ……優勝は素直に喜ぶべきなんだけどよぉ。俺の胃を溶かしてお前ら何をしたいんだか。ここでもヤタに乗って万事屋に帰っています。

 

 ……んまぁ、コイツらは楽しそうだな。2人共楽しそうだったなぁ。あんな感じに楽しそうに剣と剣をぶつけ合っているのは見物だったな。

 

 一旦万事屋に帰って晩飯を一緒に食ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

UWとリアルとの狭間で

『銀先が別の場所に行って2日後』

~詩乃side~

 

『(し~のっ♪)』

 

 

 ───嗚呼、銀が呼んでる。手を伸ばしたい、手を伸ばしたいのに……動かない。どんどん遠ざかっていく銀、どんどん遠ざかっていく光。

 

 その光に手を伸ばしたい。なのに、伸ばせない。それどころか、光は私を置いていく。どんどん闇の彼方へ向かっていく。

 

 しかし、その光景は直ぐに崩れ去った。光が闇に呑み込まれ、真っ暗な世界になる。目の前で……光が失われた。

 

 銀が死んでいた。腹を切られて死んでいた。

 

 

「ッ!!!」

 

 

 その瞬間と共に目が覚める。私を追い詰める悪夢に、銀のお陰で治った筈の病気が再発した。

 

 今は木綿季の部屋で一緒に居る。床に敷かれた敷布団で寝ていたが、冷や汗で濡れていた。手が震えていた。体が言うことを聞かなかった。

 

 

「銀………何処………?」

 

 

 気付けば私はそんな事を口走っていた。ここ最近銀の部屋で寝ていない。私が可笑しくなりそうだったから。でも、やはり銀の温もりが欲しい。そんな葛藤が続いて、早15日目。

 

 私の体は、銀を求め続けていた。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『坂倉家剣道場』

~和人side~

 

 二刀流の連撃を繰り返し、左手に持つ竹刀で左下から右上に斬りつけ、右手に持つ竹刀で右から斬るフリから突きを放つ。それに簡単に対応する銀将さん。

 

 ただ、その防御には……その竹刀には……俺たちの竹刀にはある意味魂が込められていなかった様に感じた。

 

 2つの竹刀と1つの竹刀がぶつかり合っているが、分かるのは覇気が無かったということ。俺の太刀筋にも、銀将さんの太刀筋にも。

 

 練習が終わり、俺は帰宅する。

 

 ……ここ最近、ずっとこんな感じだ。何かを紛らわしたい一心で稽古を続けている。心の隙間を埋める様に。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『UW 2年後』

~銀先side~

 

「……………」

 

「……………」

 

 

 ユージオとアリスが修剣士になって早2年が経ち、今は万事屋でヤタと共に昼飯を食す……筈なのだが。

 

 

「ユージオ、お代わり」

 

「何で僕に頼むのさ?」

 

「アリス様、私がしましょうか?」

 

「というか、ユージオ様を平気で召し使い代わりにしてるんですね」

 

「「昔からこういう関係」」

 

「待たんかいィィィィイイ!!!」

 

 

 机をバンッ!!という大きな音を立てながら現状についてのツッコミを開始する。

 

 

「何でお前ら万事屋に居んの!?何で此処で飯食ってんの!?何で御付きの修剣士が居んの!?お前らのお陰でヤタに回す分の食費が火の車なんだけど!?」

 

 

 そう、何故かアリスとユージオが御付きの修剣士連れて万事屋に来ているのだ。お陰でヤタに回す食費のせいで俺の食費がおじゃんになりそうなんだけど!?

 

 

「依頼だよ銀ちゃん」

 

「ロニエとティーゼは見張り代わりです。という建前で師匠を知ってもらいたかったというのもあります」

 

「だからって昼飯に来るか?普通」

 

「ほぉら!!ヤタだってこう言ってんじゃん!!」

 

 

 初めて此処【万事屋】に来るロニエとティーゼだっけ?その2人は申し訳なさそうに苦笑するが、平気で飯食ってたりしているユージオとアリスに唖然としていた。

 

 それから10分後に昼食が終了し、俺とヤタも含めて全員で緑茶を飲んで一服している所にアリスとユージオからの依頼内容を聞かされる。

 

 何でも、ユージオとアリスの同期から俺を一目見たいというのだ。物好きな奴だな。

 

 

「お前らなぁ……幾ら同期になった奴の頼みでも、何で俺に興味を持ったのか聞かなかったのか?」

 

「聞きましたよ。でも決まって『主席を2人も出した君たちの師匠を見ていたい』っていう一言だけでしたよ」

 

「うっし直談判してくる」

 

「「「「いや待って!!/待ってください!!」」」」

 

「止めるでないッ!!!ヤタ!!殴り込みに行くぞぉぉぉお!!」

 

「オオォォォオ!!!」

 

 

 外に出てヤタの背中に乗り、【央都セントリア】へと向かう。他の4人は全速力で万事屋を出た後、ヤタの足に掴まって空を移動していた。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

【央都セントリア 帝立修剣学院】

~???side~

 

 今、自分は目の前の光景が信じられない。何でかって?

 

 大きな烏が此方に来ているから。というのもあるが、それと同時にもう一つ。

 

 

「おらぁ!!依頼主出てこいやぁぁぁ!!!万事屋銀ちゃんのお通りじゃワレコラァ!!!」

 

 

 銀色で癖っ毛の多い髪をした20代と思わしき人物が、この学院で暴れていたからだ。剣士たちが進行をさせまいとするも、意図も簡単に刀らしき物でやられていく。

 

 あぁ……ユージオ、アリス。僕の願い聞いてくれたんだ。

 

 仕方無い、それじゃあ行こうか。

 

 『第三主席 ルイベン・アストロn』メギャア!!!

 

 不意に頬に痛みが感じられた。その瞬間を見ると、先程の銀髪の20代が物を投げた後の姿をしていた。

 

 頬を見れば、黒一色の刀の形をした剣が衝突していた。

 

 ここから僕の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

~銀先side~

 

 気配探知で依頼主をサーチ&デストロイした後、あの名言を言った。

 

 

「ふぅ……すっとしたぜぇ」

 

「「いや被害甚大なんですけど!?」」

 

 

 何時の間にか着いてきていたユージオとアリスの傍付き剣士の2人がツッコミを入れる。アーアーキコエナイキコエナイー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

おや?銀先の様子が……?

『UW 翌日』

 

「んで?ユージオ良かったのか?」

 

「何がです?」

 

「ユージオの部屋に泊まった事」

 

「既に報告は済ませてるので大丈夫ですよ」

 

「お前ら用意周到すぎぃ!!」

 

 

 はい。実はね、依頼主木刀で気絶させちゃってね。色々あったからユージオの部屋に泊まらせてもらったのさ。本来は次席の人の部屋らしいが、例外が続いた上にアリスに占拠されたらしい。何時も通りだなアリスは。

 

 んで、一日泊まらせてもらい改めて依頼主と対談するのさ。その依頼主にはたんまりと依頼料をふんだくってやる。因みにアリスとユージオの依頼料は既に受け取った。暫くは仕事しなくても良い位なんだが、ヤタの食費で3日でおじゃん。

 

 

「っと、ユージオ。飯はどうするんだ?」

 

「ここ学院ですよ?食堂ぐらいありますよ」

 

「そっかぁ……久々にユージオにも飯食わせたかったんだけどなぁ」

 

「あー……師匠のご飯美味しいですもんねぇ。たまに食べたくなるんですよ」

 

「んま、昨日食ったけどな」

 

 

 こんな他愛も無い雑談をしていると、ティーゼが朝早くから起こしに来る。まぁ起きてるので問題ないが。

 

 その後は食堂で朝食を食って、昨日木刀が顔面に当たった奴に会いに行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んで?俺に用事って何?」

 

「その前に顔の事は言わないんですね」

 

 

 この帝立修剣学院の第3席の『ルイベン・アストロン』とかいうオリキャラもとい架空人物(←待てコラ)が、その依頼主なんだが………アイツに似すぎて気持ち悪い。

 

 

「ゴホン……さて、依頼の件なんですが。アリスさんとユージオさんと訓練を行ってほしいのです」

 

「断る」

 

「早いですねぇ……」

 

「2人じゃ駄目だ。精々15人用意しろ」

 

「そっち!?人間関係より人数!?」

 

 

 人数を15人にして訓練を行いたいと思います。因みに依頼料はその分ふんだくるのがセオリー。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~ヤタside~

 

「あーらよっと」

 

「うおっ!?」

 

 

 おーおー手玉に取ってやがる。人間どもが意味の無い事をしているのを見ると本来なら冷たい視線を送る筈が、今ではそれを楽しんで見ている俺がいる。

 

 【神獣】【霊獣】【化け物】……色々と人間からは呼ばれてきたが、まさかあの人間だけは【ヤタ】という名前を俺に着けやがった。正直『アホかコイツ』って思った。

 

 思ったのは良かったんだが……何処か否定出来ない俺がいる。否定をする事を考えてなかった自分がいる。単純に面白い奴だったから付いてきたのか?はたまた引き寄せる『何か』がアイツにはあるのか?

 

 んな考え事をしながら、ふとアイツらの方に視線を向ける。

 

 驚く事に、アイツにユージオとアリスだけしか立っていない。

 

 いや、驚く程でもないのか。あの家で見た光景ソックリで見ていて気分が良い。

 

 ユージオが装備している【青薔薇の剣】はアイツの喉元に迫ろうとするが、紙一重で避けられ木刀の峰と呼ばれる部分で首に当てられる。

 

 その背後にアリスが仕掛けてくるが、見抜いている様に避けられ柄で腹に軽く当てられる。

 

 

「あー!!負けたー!!悔しー!!!」

 

「ジタバタすんなアリス。はしたないぞ」

 

「だって銀ちゃん強すぎるんだもん!!もっと加減してよ!!」

 

「残念、戦場に出たらんな戯れ言は効かないぜ?だから本気でやってるのさ」

 

「師匠の場合、『やる』というより『殺る』の方が似合ってますけどね」

 

「ハッハッハッ!!ユージオ、殺られたいか?」

 

「遠慮します」

 

 

 凄いなアイツ。本当に人間か?それに、最初見た時見たことない奴だと思っていたんだが……よくよく考えてみれば、名の通った奴の末裔なら分かる筈だ。

 

 ……どうしてだ?アイツ何を隠してる?

 

 

「………!?」

 

 

 この言葉は………?それに、頭に直接響いて……ッ!!

 

 

「……ん?おいヤタ!!平気か!?」

 

「ッ!!あ、あぁ。平気……平気……だな。うん」

 

 

 ……今すぐ、連れてこい。ねぇ……

 

 

「おい銀」

 

「んぁ!?な、何だヤタ?珍しく名前でy……って、うわわっ!!」

 

 

 嘴で銀の服を摘まみ放り投げる要領で背中へと乗せ、そのまま空へと飛ぶ。途中、アリスとユージオの声が聞こえたが今はそれどころじゃない。

 

 

「ヤ、ヤタ!!おまっ、いきなり何だよ!?乗せるなら乗せるって一声掛けろよ!!」

 

「悪い銀、それは謝ろう。だが呼ばれた気がしてな、お前を連れて指定された場所に移動させている」

 

「そ、そうか……それよりヤタ、ここ【セントラル・カセドラル】のある地域じゃなかったけ?」

 

「…………………すまん、対処頼む」

 

「だろうと思った!!」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

~銀先side~

 

 こんの野郎……ヤタ、お前がいきなり行動に移すのは初めて見たけどよぉ。幾らなんでも突飛過ぎて俺も分からねぇんだけど?

 

 つーか、来てるよシンセシスが。飛竜つったっけ?そいつの口から火の玉出てきてんだけど?しかも木刀の射程距離外なんだけど!?

 

 

「ったく!!『ハイエロファントグリーン』!!『オーシャン・ブルー』!!」

 

 

 スタンドを変化させて、火の玉目掛けてエメラルド・スプラッシュと体液による水の弾を放つ。火の玉は消えたが、今度は降下攻撃を仕掛けるつもりらしい。

 

 

「ヤタ!!何とか出来ねぇか!?」

 

「チッ!!掴まってろ!!」

 

 

 ヤタにしがみつくと、ヤタは急激に飛竜の方に体を向け羽を飛ばす。両翼から放たれた羽の数、およそ1万ッ!!

 

 肝心の飛竜は羽攻撃を受け、バランスが崩れる。その隙にエメラルド・スプラッシュをもう一度放ち距離を取らせる。

 

 

「おいヤタ!!その場所は一体何処だ!?」

 

「……………」

 

「おいヤタ!?」

 

「この辺りの筈だ………だが、何故出ない!?」

 

「ハアッ!?」

 

 

 出ないって……一体どういう事だ!?ってか、何が起きるんだ!?それより、追い付いてきてるんだけど!?

 

 疑問に思う気持ちと、敵が接近している事が合間って思考が纏まらない。だが、俺は取り合えず敵の方を何とかしなきゃな。

 

 もう一度放とうとしたら、下から飛び降りて来る影が上空にあった。

 

 

「ッ!!ヤタ!!構わないから直ぐ避けろ!!」

 

「!?チィッ!!」

 

 

 ヤタは嘴を軸に体を横に回転させ、俺を落とす。その代わり、上から来てるソイツも道連れだがよ。

 

 俺の場合は『ザ・ハンド』と『スパイス・ガール』にさせて、地面を柔らかくした後に空間を削りソイツの正体を見る。女だった。

 

 その女は俺を見るなり腰にある剣を鞘から抜き出し、俺に放つ。それを俺は木刀を持ち防ぐ。

 

 地面に着くまで10秒足らず、ソイツの剣を弾き飛ばす。

 

 ソイツは表情1つ変えず、降下してきた竜を壁代わりに利用して俺に接近を仕掛ける。

 

 俺は空間を削り、地面に近づく。そして地面に着地すると柔らかい地面が衝撃を吸収し、俺は地面に立たされる。

 

 ソイツはまたも竜を壁代わりに利用して俺に急降下してくる。その速さに間一髪で避けたのだが、またも俺に向かって接近。剣を振るう。

 

 ソイツの剣を受け止めつつ、今考えられる最善の出来ることを考える。

 

 始めにスタンドで殴り地面を柔らかくさせた場所でジャンプをし、空間を削りヤタの背中に乗る。

 

 しかし俺も年なのか全盛期の力が衰えて、こんな女の重い剣を支えるぐらいまでしか力が出ない。

 

 どうしようかと考えていると、ふと懐かしい誰かに背中を押された感覚を味わう。

 

 

 

 

 

 

 

 刹那、俺の持つ木刀から真っ黒なオーラが現れ俺の木刀を介してソイツの剣に伝わる。

 

 ソイツは何故か体が動かせずにいた。その隙に俺は逃げた。しかしそれは、光の眩しさと共に行動をやめてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

一気にボスに行こー……って思ってた時期がありました

『???』

 

「……………ん?」

 

 

 不意に肌にさらさらとした感覚を覚える。その感覚は首と顎、手の甲に現れていた。目を開け、その感覚の正体を見ると……ヤタが翼を毛布代わりに俺に掛けてくれたらしい。その巨体便利だなおい。

 

 

「やっと目覚めたか銀」

 

「ヤタ………って、それより此処何処だよ?」

 

 

 そう、目覚めると辺り一面本だらけ。某有名大学の図書館の様に棚に並べられた本を見ると、ある種気持ち悪さを覚える。

 

 

「分からん」

 

「いや分からんって何?そもそもヤタが連れてきたんでしょぉが!!」

 

「俺だって頭ん中で場所指定されてお前連れて来ただけだわ!!詳細なんぞ知るか!!」

 

「おぉいコラ!!それでも神獣かコラァ!!」

 

「神獣だろーが長生きしてよーが知らねぇ事だってあんだよ!!単細胞!!」

 

「だぁれが単細胞じゃゴラァ!?」

 

「あ、あのぉ…………」

 

「「んぁ!?」」

 

 

 少々怒り口調で幼い声のした方に顔を向ける。しかし何処にもそれらしき人物は見つからない。

 

 お互いに顔を見合わせ俺は立ち上がり、ヤタは縮小化して探索を始めようとする。つーかヤタの体伸縮自在なのかよ、餌代返せ。

 

 

「あ、あのぉ……探しても意味ありませんよ」

 

 

 またも何処からか声が聞こえる。いい加減さっさと現れてくれと思っていると、俺の視線の先にその正体が居た。流石に呆気には取られた。

 

 

「おい銀、襲うなよ」

 

「お前は俺を何だと思ってんだよ!?何が虚しくて少女に欲情しなきゃなんねぇんだよ!?」

 

「何を話してるんですかぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

─────(茶飲んで落ち着け)─────

 

 

 

 

 

 

 

『それから5分後』

 

「ふぃー……えっと、お前はカーディナルっつうのか?」

 

「あ、はい。そうです」

 

 

 ………ごめん信じられない。だってカーディナルってあれだよね?今新ALOでクエスト開発だったりしてるプログラムだよね?

 

 ザ・シードの話とか出てきたけど、あれだよね?VR復活させたあれだよね?そのプログラム?

 

 

「………悪い、俺頭痛くなってきた。誰か頭痛薬持ってない?」

 

「持ってる訳ねぇだろ。バカかお前」

 

「食事量減らすぞバ烏」

 

「いや、あの……その……」

 

 

 

 

 

────(もう1ぺん落ち着け)──────

 

 

 

 

 

 

 んで、落ち着いて話を聞く限りだが……目の前に居るカーディナルは『アドミニストレータ』と呼ばれる奴がカーディナルと融合し、そのアドミニストレータは死ぬことを恐れて魂の上書きによって作られた存在であること。

 

 カーディナルはカーディナルで『メインプロセスの間違いを正す』為にアドミニストレータに実力行使に出たが敗れて200年もの間この図書館で力を蓄えていたと。

 

 そんでもって……俺にそのアドミニストレータを倒してほしいとのこと。

 

 

「ハッキリ言って一番難しい依頼じゃね?」

 

「だろうな」

 

「そこを何とか……お願いします!!」

 

 

 端から見ればいたいけな少女に土下座させてる様にしか見えないこの状況。しかし俺とヤタとカーディナル以外誰も居ないので考える奴は俺ぐらい。

 

 

「んまぁ……そうさなぁ……それ相応の報酬があれば話は別だ。うん」

 

「ここでも商売かよ。鬼、悪魔、鬼畜、外道」

 

「そういう性分なんだよ!!ほっとけ!!」

 

「報酬ですか?」

 

「そうそう。報酬があれば「報酬ではないですけど、今貴方が不思議に思ってる事なら教えられます」………」

 

「???おい銀?」

 

「……詳しく聞かせてもらえないか?」

 

「は、はい」

 

 

 

 

 

~少女/カーディナル説明中~

 

 

 

 

 

 

「…………ふぅ」

 

 

 カーディナルから知り得た情報によれば、俺が使ってた力は【心意《インカーネイト》】システムによる物が『近い』らしい。

 

 心意システム━━簡単に言えば心によって性質の変わる力らしい。負の感情になれば負の感情の心意を、正の感情になれば正義の心意……しかし心意の多くはトラウマ等の負の感情が主なのが現実らしい。

 

 しかし俺が感じた『懐かしい』感覚に陥る事はまず無いらしい。狂気の沙汰じゃなければ話は別だと思うが。

 

 つまりは別物………心意システムとは全く異なるシステムが俺には使用できるらしい。本当かどうか分からんが。

 

 

「す、すみません。ここまでしか教えられないんです」

 

「それは、そこまでしか知らないって事で良いんだな?」

 

「はい………」

 

「なら良い。カーディナル、此処から出してくれ」

 

「ふぇ……?」

 

「ふぇ?って何だよ、ふぇ?って」

 

「いやだって……調べた限り貴方は報酬が無ければ動かない人だと」

 

「いや報酬は貰ったぞ。俺があの時に使った力に似た力の事をだ。それで十分さ」

 

「そ、そうなんですか………あ、あと」

 

「ん?」

 

「此方のデータを」

 

 

 カーディナルが何かしらコンソールの様な物を出現させ操作する。エンターキーを押した後、俺の頭に情報が流れてくる。これがヤタの体験した感覚か。

 

 

「【武器完全支配術】?」

 

「はい。武器に宿る力を最大限引き出す為の方法になります」

 

「へぇ……面白そうだが、俺には要らねぇな」

 

「えっ?」

 

「その代わり、アイツらには教えとくかね。じゃあカーディナル、さっさと出してくれ」

 

「……………あ、はい」

 

 

 カーディナルがコンソールを操作すると、俺の後ろに穴が開かれる。此処を通れば俺は元に戻れるんだよな?

 

 

「んじゃあなカーディナル」

 

「じゃあなぁ」

 

「あ、あのそれと!!」

 

「「??」」

 

「そこを出るとセントラル・カセドラル内部に侵入する事になりますから、十分注意してください」

 

「オッケー」

 

 

 振り返らずに手をヒラヒラとカーディナルに向けて振り、縮小化ヤタと共に入っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【セントラル・カセドラル内部】

 

 穴から出ると不気味そのもの。牢屋らしき部屋もあったりと気持ち悪さを覚える今日この頃。

 

 

「さて、適当にブラブラしていくか」

 

「だな」

 

 

 上に続く階段を探してスニーキングミッション開始。

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

魂の記憶《soul memory》

「だぁ!!しつこい!!」

 

「俺だってやってんだから、ちゃんとしろよ!!」

 

「こうも数が多いとやってらんねぇんだよ!!」

 

 

 はい、今現在スニーキングバレて実力行使で片っ端から木刀やスタンドで次々に来るモブ共を倒しています。これにはヤタも手伝ってくれている。というかヤタの嘴から太さ調節できるレーザー放ってくれるから眼前の敵だけ狙えば良い話になってる。

 

 スタンドは定番の『スタープラチナ』と遠距離狙撃の『Mr.BIG』を使用して仕留めている。

 

 近距離からやってくる敵はスタープラチナのラッシュで撃沈させ、遠距離の攻撃はMr.BIGによる狙撃で防ぐ。

 

 また仕留め損なった神聖術や弓矢は木刀で防ぎ、近付いてくる輩を気絶させていっている。

 

 そんな調子で幾ばくかの時間が懸かった。何分なのか、何十分なのか分からない。それでも無尽蔵の様に出続ける兵士どもに、流石に歳なので疲労が蓄積するのが早い。

 

 メンドクサイと思いつつ、Mr.BIGを『ゴールド・エクスペリエンス』にさせて持っているギガスシダーの木刀を地面に突き刺しゴールド・エクスペリエンスで触れる。

 

 木刀からは太い根の様なものが地面を伝わり、兵士どもを拘束させる。ゴールド・エクスペリエンスの手を木刀から離れさせ拘束している兵士に接近し、2つのスタンドと木刀+顔面狙いの空中回し蹴りで戦闘不能にさせていく。

 

 ゴールド・エクスペリエンスで殴られた者は痛みが反復して戦意喪失、スタープラチナで殴られた者は顔面グシャグシャ。木刀の突きで顔面を狙い、回し蹴りで気絶させる。

 

 気付けば辺りは静まり返り、聞こえてきたのは俺の呼吸音だけだった。

 

 

「おっつ」

 

 

 あとヤタの声。集中してて忘れてた。

 

 

「お疲れ………ェェェ」

 

「ほれ」

 

 

 疲労で倒れ込もうとした時、ヤタに服の襟首をつばまれ背中に投げられる。羽毛の心地良い感触が疲れなんぞ吸収してくれる様で気持ちいい。

 

 しかしヤタは歩みを進める。上に続く階段が無いかとキョロキョロしていると……また、1人。

 

 しかしそれは只のモブであってヤタが羽一枚飛ばしたら終わった。んで、ヤタが階段見つけて俺起こして降ろして階段上って部屋に着いた。

 

 なーんか待ち構えてますよって堂々と立ってるオッサン居るんだけど。如何にも対戦する為に立ってるオッサン居るんですけど!?

 

 

「よぉオッサン。こんな所で何立ち止まってんだ?腰でも痛めたか?」

 

「そう減らず口を叩いているお前の方こそ疲れている様に見えるが?」

 

「バッカ言え、俺はまだ23だぜ?(現実だと18だけど)」

 

 

 こんな感じに俺は喋ってるけど……アイツ相当の手練れだな、親父に敵うかは別として。

 

 恐らく……今まで戦ってきたシンセシスと比べても意味ねぇ位の強さだろうな。んま、どうにかなるか。此方にはスタンドが2体あるし。

 

 木刀を目の前のシンセシスに向け、敵対の意思を見せる。相手は時計の針の様な剣を向ける。

 

 

「ヤタ、お前は下がってろ」

 

「へーいへい」

 

「何故神獣と思わしき烏が居るのか分からんが……こうなってしまっては手加減無用」

 

「そうだなぁ……手加減は出来ねぇよなぁ!?」

 

 

 帯刀していたもう一本の木刀を持ち、スタンドを発動させる。

 

 

「『シルバー・チャリオッツ』!!『アヌビス神』!!」

 

 

 剣士タイプのシルバー・チャリオッツとアヌビス神を組み合わせる。端から見れば刀が浮いている様に見えるが持っているのであしからず。

 

 

「剣……いや、刀か。浮いているだと?」

 

「これで3対1……いんや、4対1だな」

 

 

 脚を下げて足の先をシンセシスに向けた後、一気に駆け抜ける。シルバー・チャリオッツは1メートル程近付かなければならないので走る走る。

 

 当のシンセシスは剣で虚空を斬った後、防御の構えを取る。何かしら策があるのか分からんが、何か変だな。

 

 しかし近付かなければ攻撃できない事も確かなので、そのまま突っ切って行こうとした。

 

 射程距離に入った瞬間、何もない虚空によって左肩から右横腹へと斬りつける様な斬撃を味わう。

 

 

「ぐぅ!?」

 

 

 ヤバッ、ギリ意識が持ってかれそうだ!!だが射程距離に入ったのは此方だって同じだ!!アヌビス神を真上から振り下ろす。そうする事で奴は回避、または防御に徹する。

 

 しかもだ、再度俺に攻撃しようともなれば回避は横移動。防御は剣で受け止めるから胴体がガラ空きになる!!

 

 案の上右に避けたソイツはシルバー・チャリオッツのレイピアを腹に食らわせてやるよ!!ホラァ!!

 

 

「ぐっ!!?」

 

「うっし!!命中したぜ!!」

 

 

 諸レイピアを食らったシンセシスの腹から血が数滴垂れる。今さらながら、俺は禁忌目録(やっと間違えずに言えた)の制約を一部菊岡に解除してもらってるからそもそも痛みなんぞ来ないけどよ。

 

 そのシンセシスは不思議そうに俺の事を見て一言。

 

 

「先程の力は……一体?」

 

「知らねぇまま終わってろ」

 

 

 またバカ正直に突っ込んでいく。しかしこれが狙いだ。どうも奴には斬った空間から斬撃が使える離れ技を持っているらしい。

 

 さっきのシルバー・チャリオッツで警戒しているのか、一向に剣を振ろうとしねぇなぁ……まぁ好都合だけどよ!!

 

 両方の木刀とアヌビス神の剣先を真っ直ぐに向ける。つまりは……突属性四刀流!!

 

 

「オオオオオ!!!」

 

 

 可視出来るアヌビス神から突きを放ち、次にシルバー・チャリオッツで追撃。シルバー・チャリオッツの攻撃で今度は左腕に穴が空いた。追い討ちを掛ける様に木刀を素早く突きの二連撃を放つ。

 

 

「ぐぬぅ!!」

 

「まだまだァ!!」

 

 

 昔懐かしと感じるあの頃使った/見た剣技の真似事だが、これぐらいやんなきゃプレイヤー魂が廃るってモンよぉ!!

 

 

  片手剣四連撃【ホリゾンタル・スクエア】

 

 

 シンセシスを中心に回り込む様に四連撃の斬撃を食らわせる。終えると四角い銀色のエフェクトが出現する。

 

 

「次だァ!!」

 

 

  細剣八連撃【スター・Q・プロミネンス】

 

 

 胴体に素早く三連撃、続いて下に潜り込み二連撃の斬りつけ。その後にシンセシスが剣を振ってくるが、後々の対策の為にアヌビス神とレイピアで受け止めて自分に剣が当たらない様にジャンプ。そっから三連撃の突きを放つ。

 

 

「木綿季!!借りるぞぉ!!」

 

 

  片手剣十一連撃【マザーズ・ロザリオ】

 

 

 今度は四刀流でのスキル攻撃。上段からの突き攻撃はアヌビス神とレイピアで、下段からの突き攻撃は俺が行う。

 

 レイピアとアヌビス神での素早い突き攻撃四連撃がシンセシスに命中し、次に下段からの俺の突き四連撃。これには距離をとって体勢を立て直そうとするシンセシスだが、左手に持っていた普通の木刀を投げて追撃。

 

 踏み込んで距離を縮めた所でシルバー・チャリオッツとアヌビス神の二連撃、最後に俺が右手に持つギガスシダーの木刀で心臓辺りを狙う。

 

 かの様に見えた。

 

 

「ぐっ!?」

 

 

 こ、ここに来て……傷のダメージが。いや、よく絶えてくれた位か。無理しすぎた。

 

 そしたら相手の後ろにある魔方陣から土柱が数本出てきて、俺の体を勢い良く吹っ飛ばした。しかも先ほどの怪我の箇所に当たり、ダメージは相当のものと考えた。

 

 受け身を取れないまま吹き飛ばされた体は地面に荒々しく着く度に痛みを伴う。恐らく命が幾つあっても足りねぇだろうよ。

 

 

「おい銀!!」

 

「来んじゃねぇよ……ヤタ……」

 

 

 今度は相手が魔方陣から赤い槍みたいなヤツ取り出してきたんだけど?つーか俺立てねぇ、どうしようか?

 

 そう考えていると槍が投げられた。無論、俺に向かって。避ける気力がねぇ俺には到底避けられねぇ……ダメだこりゃ、死ぬな。そう思って目を静かに瞑る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《おいおい。ったくよぉ、それでも俺が認めたbuddyか?》

 

「ッ!?」

 

 

 幻聴なのだろうか、懐かしい声が聞こえて目が覚めた。目を覚ました俺は、何故か生きている事を実感できた。

 

 そして、次に目に入ってきたのは……あの時の黒いオーラが槍を受け止めていた。

 

 

《ほら、stand upだぜぇ。シヴァ。まだ終わらせる訳ねぇだろぉ?》

 

 

 この懐かしい声は……幻聴じゃあない!!これはッ!!

 

 

「PoH!!!」

 

《Yes , I am!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

張り切って行こー!!

「お、おいおいおいおい!!な、何で……何でPoHが居るんだよ!?」

 

《そこはお前でも理解しかねんのかよ、まぁ良いや。ちょっくら……よっと!!》

 

「ぬあっ!?」

 

 

 幻聴かと思われた懐かしい声の正体は……俺が殺した筈のPoHであった。しかも、その声は黒いオーラから発せられている。

 

 話の途中で何か黒いオーラが蠢いているかと思いきや、今度はその黒いオーラからPoHの上半身が出てきおった。それで変な声出しちまったじゃねぇか畜生がッ!!

 

 

《あー出られた》

 

「PoHテメエ!!!」

 

《んお?》

 

 

 その場で飛んでPoHの腕に脚を引っ掻けて、逆上がりの要領でPoHの後ろに行き素早くPoHの腕を後ろに回す。

 

 

《いでででででで!!!ちょ、タンマタンマ!!ギブギブギブ!!》

 

「なぁにがギブだこの野郎!!テメエ勝手に俺の右腕から出てくるんじゃねぇよ!!何処のベルナ○ット隊長だオラァ!?」

 

《オイこら待てこら!!いきなり伏せ字で出すネタを構してんじゃねぇ!!》

 

「喧しいわ!!腕から出てくるとか、変なオーラとか、声が聞こえるとか、全く持ってセラ○とベル○ドット隊長の共闘のパクリじゃねぇか!!」

 

《これ作者の案!!HE○LSING知らなかった時の案!!だからセーフだわ!!》

 

「思っきしアウトだわ!!つーかテメエも○ELLSINGを出してくんじゃねぇ!!このバカ!!つーかメタイわ!!」

 

「「お前ら落ち着けぇ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 PoHに制裁を加えていると何故かヤタとシンセシスの奴が俺たちを止める。その時間、およそ10分程懸かる。

 

 

《テメエ!!ここは感動の再開とかで普通俺に疑問持つだろぉが!!何で疑問より先に足が出てきてんだよ!?何で俺をしばいたよ!?》

 

「ったりめぇだわバカ!!死んだ奴が出てきたら先ずは成仏させる!!これ世の心理だから!!」

 

《少しは再開の喜びでも味わえよ!!つーかお前そんな考え持ってたっけ!?》

 

「……この状況を説明してくれる奴を捜している」

 

「俺も知らん。同居烏だが知らん」

 

 

 何故か4人?とも仲良く座り、俺とPoHの喧嘩を眺めている。それで良いのかシンセシス?それで良いのか神獣よ?

 

 当のPoHは再開した俺に向かってツッコミを毎度の事入れていく。久々にツッコミ役が居て良かったと思えるのは初めてだ。ここ最近ボケもツッコミも殆ど無かったし。

 

 

「………はぁ、ギャーギャー騒いでも仕方ないか。PoH、お前は何で居るんだ?」

 

《やっとそのquestion来たか。待ちくたびれたぜ》

 

 

 PoHは俺の右腕から発生されている黒いオーラから上半身だけ出ている。その状態で腕を組み話始める。

 

 

《事実、俺はお前の記憶の俺ってとこだ》

 

「記憶のPoH?どうせなら熊の○ーさんで良いだろ」

 

《お前は何時までそのネタ引っ張ってきてんだよ!?……んまぁ話戻すけど、何故かお前には殺した奴等の魂の記憶から色々使えんだよ》

 

「色々って何ぞ?あと何で俺?」

 

《あのgirlから心意の説明は受けたよな?》

 

「心意システム……想いの力だっけか?」

 

《これは俺がdateの時に考察したんだがよ、お前の心情が【背負う】心が多くてな。恐らくこのmindだけ過剰反応して負のdateどもが集結したのが今の状態、名付けるなら【記憶(メモル)】システムって所だな》

 

「メモルシステムねぇ……ってか、お前データってかゴーストデータになって彷徨いてたのかよ?」

 

《あぁ、あのSAOが無くなっちまって今やデータを彷徨くデータだな。お陰でお前が持ってた武器のdataにも会えたぜ?》

 

「……kaimuにも会ってたのかぁ、ってか待て!!お前さらっと何をk《んで、dataとして彷徨いてる内にこのUWの存在も知った訳だ。ベルクーリ・シンセシス・ワン》………」

 

「……知っていたか」

 

《知ってるも何もdataだしな。調べられる。アンタは初のシンセサイズを受け整合騎士として300年間居る奴……ただし今現在進行形で悩んでまーす》

 

「!?」

 

「お前心情データまで読み取れんのかい。それより、アンタ何を悩んでるんだ?そのシンセサイズとやを受けてカセドラルの者として生きたんだろ?何を悩む必要があるんだよ」

 

《ネタバレ。アドミニストレータの事だろ?》

 

「………あぁ、その通りだ」

 

 

 胡座をかいて溜め息をつき、話始めるベルクーリ。

 

 その内容を簡潔に纏めると

・公理協会に不信感を感じた

・自分達の出自に疑念を感じる

 

 たったそれだけ。たったそれだけだが、このベルクーリを動かした動機だそうだ。よくもまぁそれで考えたな。

 

 

《お前の出自なら暇だから調べた。このUWにルーリッド村ってあるだろ?そこの開拓者で、初代衛士長だとさ》

 

「お前な、人のプライバシー覗いてどうする?」

 

《お前の場合はgirl friendとの夜の営みも知ってんだぞ?》

 

「ちょ!!テメエ!!」

 

「そうか……それが私の過去か」

 

《そうだな……それよか事態に気付いた奴が居るぜ》

 

 

 そのPoHの言葉でヤタが指し示した方向に向けて小さな火炎弾30発を一気に放つ。それは一部衝突、一部消化されて消える。

 

 俺とベルクーリは立ち上がり、木刀と剣を構える。

 

 

「何をしている1号。さっさとその異物を消せ」

 

 

 先程の火炎弾の消化で生まれた煙の中から声が聞こえる。中々の爺とみた。んで煙が晴れたら、頭がぬらりひょんみたいにデカく逆立ちした爺が1人。

 

 

「チュデルキン……貴様か」

 

「きっも、ぬらりひょんじゃねぇか」

 

《プレデターかもよ?》

 

「どうでも良いからお前ら黙れ」

 

 

 ベルクーリが頭のデカイ奴の名前を言ったあと、俺とPoHは前の様にボケつつヤタがツッコミを入れる。仕方ないじゃないか、久々にネタに走れると思ったらこれだよ。シリアス回になるよ!!

 

 

「まさか裏切るという考えを持ち合わせておらんだろうな?道具の癖に」

 

 

 あっ?

 

 

《……キレたな》

 

「おいベルクーリ、コイツ殺らせろ」

 

「お、おい!!ソイツはアドミニストレータの側近だ!!1人で敵う相手では「1人じゃねぇよ」ッ!!」

 

「それによぉ……」

 

 

 木刀を構え、怒りを露にする。それに伴い、黒いオーラまでも肥大化する。

 

 

「《俺は人間を道具扱いする奴が一番嫌いなんだよ》」

 

 

 木刀と脚にオーラを集束させ、一気に距離を詰める。その時間、僅かコンマ5。

 

 この素早さには驚いたチュデルキンとやらを細剣の様に構えた木刀を突き出す事で壁まで飛ばされ煙が立ち込める。

 

 

「………おいおい、これ強くね?」

 

《そりゃあシステムに組み込まれてないabilityを使ったんだ。こんな威力は序の口だわ》

 

「これが序の口?どう見てもパワーバランス可笑しいだろ」

 

 

 そう、不意に木刀の先を見てみれば長さ10㎝の血が付いていた。しかも剣先には少しだけ肉も付いていた。これらから予想できるのは『貫いた』のだ。

 

 

「つーかさっき台詞合わせたよな?あの台詞、お前との約束でした事が原因だぜ?」

 

《haha!!謝るつもりはねぇ。あぁ、それとメモルシステムの詳細だが……簡単に言えば死んだ奴の記憶の全てを使えるのさ》

 

「死んだ奴?って事は……チッ、話の途中なんだがよ」

 

 

 見れば壁から脱出してはいるが、体の中心に穴が空いているチュデルキンが居た。

 

 

「……ゴフッ」

 

 

 しかしダメージが思いもよらない程のダメージなのか、吐血をする相手。恐ろしく強ぇな。

 

 

《なら簡単に説明するぜbuddy。死んだ奴の全てを思い出せ。以上》

 

「簡単に言ってくれるねぇ……やってみるけどよ」

 

 

 最近殺した……アイツの事を……あのシンセシスの事を……思い出せ……アイツの能力を……アイツの武器を……アイツの全てを……

 

 次の瞬間、黒いオーラが形を変える。あの時に見た弓に、あの時のデュソルバートが所持していた弓に形を変える。それを左腕に移す。

 

 

「あれはデュソルバートの熾焔弓!?何故あの者が!?」

 

《コイツが殺した。って言えばどうする?》

 

「!?」

 

「ベルクーリ、その事はカセドラルから出て話す。先ずはアドミニストレータを潰すのが先だ」

 

 

 右手で弓を引く動作をする。イメージしろ。天から降り注ぐ数多の弓矢を。

 

 弓を上に向けて右手の指を開く。生み出された火の弓矢はチュデルキンの真上に放つ。すると、その弓矢が複数に分裂し数多の弓矢となって降り注ぐ。

 

 

   弓矢SS【スターダスト・エクサ】

 

 

 チュデルキンは防御型の神聖術を用いて自分に当たる弓矢を防ぐが、流石にそれを考えていない俺ではない。

 

 もう一度弓矢を放つ。イメージしながら。

 

 

    弓矢SS【ストライク・ノヴァ】

 

 

 放たれた音速に近い速度の弓矢はチュデルキンの心臓を穿とうとする。チュデルキンは逆さになっているので手での神聖術で防御をする。

 

 最後の一発。カーディナルから言われた心意システムをイメージしてみる。黒いオーラではなく、銀色のオーラが弓全体を包み込み渾身の一撃を放つ。

 

 その眩い銀の光は音速と同等の速さを生み出し、白き一閃となってチュデルキンの防御神聖術に衝突する。

 

 勿論、システムに縛られた力と縛られない力が何れ程の力量の差があるのかは明白である。防御神聖術を貫通し、2本の矢がチュデルキンの心臓を穿つ。

 

 チュデルキンは足を此方に向ける様に倒れ、天命が終わりを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

銀、敗北

「……おいおい、こんな簡単に終わって良いのかよ?」

 

《強すぎるのは良いことだぜぇ?》

 

「にしてもこれは…………チートだろ」

 

 

 即死級。この【心意/インカーネイト】システムと【記憶/メモル】システムの複合攻撃は即死級の代物じゃねぇか。

 

 片や人間の感情で作用し、絶大な威力を放つ事が出来るシステム。

 

 片や殺した奴の記憶を引き出し、その記憶の全てを使えるシステム。

 

 心意システム×記憶システム=即死級のチートという訳わかんねぇ方程式が、今完成された。何を言ってんのか俺自身もさっぱりだ。

 

 心意システムを解除する。銀色の光は消え失せ、あるのは自分の腕と未だPoHが上半身を出している黒いオーラに纏われた右腕だけだった。

 

 

「ってか、戻れよお前」

 

《お前の負担にはならないから良いだろ別に》

 

「ガチ目に邪魔なんだけど?」

 

《うっわひでぇ~、んな感じに言われたの久々だわ~》

 

 

 

 話ながらベルクーリとヤタの元に歩んでいく。端から見れば何か出てる奴と本体が言い争いをしているだけにしか見えないのがあれだ。

 

 ……さてっと、ベルクーリには言わなきゃなぁ。

 

 

「あー……ベルクーリ。デュソルバートの事なんだがよ……少し厄介でな」

 

「………お前。いや、ギンと言ったか?」

 

「坂倉銀先。そのヤタからは銀って普通に呼ばれてる」

 

《お前なぁ……本名使うって頭イカれたか?》

 

「黙れキチガイ。……それで?どうしたよベルクーリ」

 

「……デュソルバートが何をしたかは知らない。だが、並々ならぬ事情があったんだろう。先程のギンの発言、嘘ではないと信じよう」

 

「……そうかい。ベルクーリ、信用している奴等連れてヤタと脱出しとけ」

 

「……それは戻ってくるという意味で言っているんだろうな?」

 

「……万事屋やってると、信頼が一番必要なんだよ」

 

 

 俺は次の階段に体を向けてベルクーリとヤタに約束する。

 

 

「万事屋嘗めんな。約束は必ず守るからよ」

 

「……そうか」

 

 

 ベルクーリとヤタは下りの階段へと向かい、走っていく。その足音はドンドン遠ざかって行き、ついには俺とPoHのみとなった。

 

 

《……お前はほんっとうに馬鹿だ、しかも約束を守ると酔狂な事を言いやがる》

 

「嫌いか?」

 

《まさか。その逆だ》

 

 

 上の階段に向かって走る。その際にコイツからは言いそうな言葉が聞こえた。

 

 

《It’s show time!! Kill dayと洒落こもうじゃねぇか!!》

 

「手段は選ばずにな。行こうか、buddy」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 上へと続く階段を上りきる。かなり広い部屋なのは見渡せば理解できた。幾らなんでも広すぎるんだけどよ。

 

 その部屋に自己主張してますよと謂わんばかりに大きなカプセルらしき物。この部屋は最上階、ならば此処はアドミニストレータが居る筈。あのカプセルに入っているなら都合が良い。

 

 メモルシステムを発動させ、木刀に黒いオーラを纏わせる。そのカプセルに一歩一歩足を進める。

 

 その近くに着いた瞬間、腕を大きく振り上げ木刀を振り下ろそうとする。

 

 

【迎撃開始】

 

「ッ!?」

 

 

 カプセルから距離を取り、木刀を地面に刺して黒いオーラで自身の周囲を包む。黒いオーラに阻まれて見えないが何かを防いでいる音は聞こえてくる。

 

 それらの音が聞こえなくなると、今度は何かが開けられた音が響く。黒いオーラを解除し、その音の方向を確認する。

 

 カプセルから煙が出ており、その煙の中で何か……アドミニストレータが蠢いている。

 

 煙が晴れると……現れたのはアドミニストレータらしき人物。の筈だ。“裸という事を考えなければ”。しかも女。

 

 

《Wow……こりゃsurprise。まさかの全裸》

 

「俺は嫁さん以外欲情せんわ」

 

《お前その発言OUT》

 

 

 ゆっくりと起き上がり、瞼を擦りながらカプセルから降りるアドミニストレータ。そして、全裸のまま一言。

 

 

『まだ寝て良いかのぉ?』

 

「《いや寝ぼけてんのかい!!》」

 

 

 カプセルに戻りそうになるアドミニストレータを阻止すべく、エンペラーとMr.BIGにさせてカプセルに穴を開ける。

 

 その音を聞いてアドミニストレータは穴の空いた箇所を調べると、かなり不機嫌になるものの頬を膨らませて目を細めながら俺たちを見る。

 

 瞬時に俺たちは戦闘態勢に移る。

 

 PoHの言っていたメモルシステムは『殺した奴の記憶』しか使えない事を考えると、心意システムで俺の考えている武器を作る。

 

 銀色の光が俺の周囲に浮かび上がり、形を形成していく。背中には大型の機械を背負い、両手には俺の身長を遥かに越える銃二丁。リロード出来る様に弾丸は機械と銃二丁と繋がっており、撃つ際には支えが出現する巨大カノン。

 

 

「【ハルコンネンⅡ】ぶちかますぜ!!」

 

 

 発砲。それからは話が早い。

 

 連続で放たれる30㎜弾丸はアドミニストレータの全身を狙い、これでもかと謂わんばかりに御見舞いする。

 

 心意システムで作成可能か理解しかねたが、どうやら出来そうだ!!だが、ハルコンネンⅡは反動もデカイからPoHにも支えるのを手伝ってもらっている。

 

 

《これ何時終わるんだ!?》

 

「あのアマの体が木っ端微塵になるまでだ!!」

 

《Huuu!!最っ高にイカれてやがるぜ!!こうなりゃ俺もとことんやってやらぁ!!》

 

 

 撃ち続けられる弾丸は俺の腕をもぎ取ろうとする程の反動を持つも、確実にアドミニストレータを仕留めに行くには丁度良い武器だ!!だが、流石に腕の疲労には耐えれずにハルコンネンⅡを消させてしまう。

 

 ここまで撃ち続けた。腕も相当の疲労だし、何より心意がよくここまで持ったなという感動しか感じなかった。息づかいが荒い、俺の体にも疲労は蓄積されているそうだ。

 

 

《余所見すんな!!まだ終わってねぇ!!》

 

「ッ!?チィッ!!」

 

 

 今度は煙の中から何かを放ってきたアドミニストレータ。しかしそれは1発だけでなく、10数発も撃ってきやがる。これには俺も一苦労するが、今度は確実に仕留めてやる。

 

 

「【ジャッカル】!!【.454カスール】!!」

 

 

 今度は心意で大型二丁拳銃を製作、装備する。心意による生成を用いて弾丸は∞。まさに最強拳銃となったぜ、旦那。それと勝手ながら使わせてもらいますよ!!

 

 煙の中に居ると思われるアドミニストレータに向けて発砲、乱射する。

 

 

《そこから右に3メートル移動!!乱射し続けろ!!》

 

「おうよ!!」

 

 

 今回の活躍は主にPoHの手助けが多いな。しかしゴーストデータである事を利用して、位置の特定をするのか。コイツは便利だ。

 

 既に疲労が溜まっている筈なのに、俺は口角を無意識に上げていた。それだけではない。腕の疲労が徐々に感じなくなっていっている。やり過ぎなんだろうが、今は好都合だ!!

 

 

《跳躍して後方2メートルに後退!!左に逃げている!!》

 

「チョコマカとぉ!!」

 

 

 腕の悲鳴が感じられる。んな事はどうでも良い、さっさとアドミニストレータを潰す事しか考えていない。

 

 

《ッ!?後ろだッ!!》

 

「何ッ!?」

 

 

 PoHの発言で後ろに振り向くと、さっきまで俺が撃っていた方向に居た筈のアドミニストレータが居た。瞬間、アドミニストレータは俺の首を抑え壁に押さえ付ける。

 

 

「ガフッ!!」

 

 

 押さえ付けられた反動で二丁とも落とす。しまったと思いながら、今の現状を把握する。

 

 『アドミニストレータが何時の間にか移動していて俺を押さえ付けている』……うし、確認終わり。

 

 

『全く……余の眠りを妨げるとはなぁ。しかも心意による攻撃かぇ?』

 

「ッ!?ば、バレてやがったのかよ……」

 

『当たり前じゃあ。余とて忘れておらぬ知識は存在するからのぉ』

 

《全裸のクソビッチの癖に中々歯が立つんじゃねぇの?》

 

『……このシステムは理解出来んな、消えてもらう所じゃが何故か消せれぬ。貴様何者ぞ?』

 

「……黙って離して死にやがれ、クソビッチ」

 

『話す気はなし……か。ならば望み通り』

 

 

 瞬間アドミニストレータの腕が魔性の紫色に包まれる。

 

 

「ま、さか……心意か?」

 

『目には目を。歯には歯をじゃ』

 

《くそっ、やられた!!》

 

『貴様の天命、ここで尽きるがよい!!』

 

 

 紫の光に包まれたアドミニストレータの右腕は、俺の心臓真っ直ぐに向かって放たれる。

 

 走馬灯……これが何故か思い出された。

 

 …………………詩乃。

 

 俺の心臓に空気が流れこんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

掴んだ手掛かり

『6月20日 13時』

~和人side~

 

 学校。もう少しで夏休み。銀将さんとの練習が過ぎて早7時間が経つ。相も変わらず銀の席だけ空席だ。

 

 あの時から、俺たちの時間は止まった様に感じる。銀がいなくなって、早5日。俺たちの時間では、もう1週間は経っていると思っていたがそこまでらしい。

 

 あれからの俺たちは様子が激変している。

 

 木綿季は銀がいなくなった悲しみを隠しつつ今まで通りの普通の生活をしているが、時々物忘れをしやすくなってるとスグに愚痴っていた。

 

 詩乃は銀の存在が大きすぎて、未だ悲しみからも再発した病気からも逃れられていない。それどころか引き摺られている様にも見える。休み時間に広場に出ては何かを呟き、最近はマシになったのか銀の部屋に潜り込んで何かしている。

 

 かくゆう俺も、ここの所気怠い事が多い。何をしようとしても怠いしやる気が起きない。最近明日奈とも会ってないし、ALOに居る時も何時も昼寝だけになっている。

 

 ユイやストレア、スグやクライン、エギルたちに何度も心配されているのは分かっている。だが、どうしても何も起きない。何も感じない。

 

 いや、忘れようとして感じないようにしているだけなのか。広場で寝そべっている奴の考える事じゃあないよな。

 

 

「和人君」

 

 

 懐かしいと感じてしまう声が聞こえる。見れば俺を見下ろす形で立っている明日奈が居た。

 

 

「……どーした?明日奈」

 

「どーしたじゃないでしょー。和人君LINEにも既読無視するから直接言いに来たのに」

 

「LINE?………ちょっと待ってくれ」

 

 

 オーグマーを操作すると、何件もの通知が示されていた。その数8件。

 

 中身を確認すると全て明日奈からで、内容は……ッ!?

 

 

「明日奈!!こ、これ……は……」

 

 

 全て銀に関する事だった。といっても、その手掛かりに関する内容ばかりだった。

 

 

「和人君、今日学校終わりにダイシーカフェ行くわよ」

 

「ッ!!………あぁ!!」

 

 

 その言葉を聞き、俺はそのまま授業を放っぽって行きたかったが流石に不味いので16時45分まで待つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『17時25分 ダイシーカフェ』

 

 今この場に俺、明日奈、木綿季、詩乃、里香、紫温、秀哉、珪子、影昌、琴音、エギル、クラインもとい遼太郎が集まっている。この場に居る全員が緊張の面持ちであり、詩乃が一番張り切っている。

 

 オーグマー内でしか確認出来ないが、ユイとストレア、さらにkaimuまで居た。この話を知っているAIとして来ていたのだ。

 

 

「それじゃあ皆、先ずは出される情報を見て」

 

 

 明日奈からの指示から10秒後、その情報が映し出される。

 

 『神代 凛子』。あの茅場昌彦の彼女の情報であった。

 

 

「……これがどうかしたのかよ?見た所、あの茅場の彼女さん……って茅場ァ!?」

 

「野武士黙れ」

 

「す、スイマセン……」

 

 

 詩乃の渾身の一撃で急激にしょんぼりとなったクラインは放って置いて、明日奈は咳払いをしたあと話を続ける。

 

 

「この神代さんに何とかコンタクトをしてみたの、菊岡さんが何をしているのかを見るために態々」

 

「……それで、あの天パは何処に居るんだよ?」

 

『今からご提示します』

 

 

 kaimuの操作によりマップに強制表示され、赤い点で目印が付く。その場所の詳細を見ると、誰しも驚いた。

 

 

「防衛省……まさか菊岡が」

 

『少々気付かれない様にハッキングした筈なんですが……あちらにも優秀な方が居る様でしたから、場所だけです』

 

『ほんっと凄いよねーお兄ちゃんは♪流石高位AI♪』

 

『それと皆様にお伝えしなければならない案件も用意しております』

 

『……何か反応してよー』

 

「えっ?ちょ、kaimuさん?」

 

 

 どうやら明日奈でさえ聞いてなかった案件らしい。何を隠しているのかと考えるより先に、kaimuは話す。

 

 

『現在、マスターとゴーストデータであるPoHが接触中。マスターのサポートに回っております』

 

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

 

「PoH?……誰だソイツ」

 

「何でPoHが銀と居るんだ!?kaimu!!」

 

 

 急に怒鳴ってしまった事に対して、ユイとストレアには悪い事をした。怖がらせてしまったからな。だがkaimuは何時もの冷静さを欠く様な雰囲気は出さなかった。

 

 何時もの様に淡々と話を進めた。

 

 

『過去の話になりますが……PoHと私は会っていたんですよ。ALO内部でね』

 

「んなっ!?」

 

「か、kaimu!!アンタ何でそんな事を黙ってたのよ!?ゴーストデータって、私たち何されるか分からなかったのよ!?それを見過ごすなんて……」

 

「里香、落ち着け。なぁkaimu、PoHとやらの情報を提供してくれるか?」

 

『畏まりました』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 PoHの情報が知らない3人に提示され、それを読み終わると3人は頭を掻く。

 

 

「……まっさか、アイツが殺人ねeぐおっ!?」

 

 

 いきなり紫温の体が宙に浮かんだと思いきや、詩乃が何処から出してるのか馬鹿力で襟を掴んで浮かしていた。

 

 

「わ、悪かった。訂正する、お前らを守ったって訂正する。だから降ろしてくれ、苦しい」

 

 

 それだけを聞くと詩乃は手を離す。解放された紫温は咳き込むが、少し経てば元に戻った。里香が心配そうに近付き紫温はそれを少し楽しんでいる様に感じ取れる。

 

 当の詩乃は何かを呟いていた。しかしそれはハッキリと聞こえるもので……

 

「銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀」

 

「お姉ちゃん、分かったから落ち着こ?ねっ?」

 

『マスターしか頭に入ってない様です。……それより皆様、今回はこの防衛省への侵入作戦会議を今日行う為に御越しくださいました』

 

 

 俺たちは身構える。それでもまだ詩乃は銀を言っているそうな。……もう完全重症というか、治ったら治ったで銀がヤバそうだなぁ。

 

 そして、今日は作戦内容を伝えた上で解散となる。作戦開始予定は3日後、それまで待てだそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

『UW』

 

「……………ッウ!!……こ、こは?」

 

 

 目覚めると、あの時まで居た天井とは違う天井。ゆっくりと体を起こし、何をしていたのか思い出そうとする。

 

 

「……!!そうだ!!俺は確か心臓を………って、何で生きてるんだ?」

 

《やーっとお目覚めかよ》

 

「PoH」

 

 

 右腕から黒いオーラが出現し、その中からPoHが上半身を出す。腕を組みながらニヤニヤと笑って話す。

 

 

《hahaha!!まさか心臓に風穴開けられるなんざ思ってねぇわな》

 

「PoH、俺の心臓は……?」

 

《ちゃんとあるわ。まっ、これもメモルシステムの影響で助かったんだけどな》

 

「????」

 

《言ったろ、『殺した奴の全ての記憶を使用できる』って。あれを応用させて、ここでいうHPを回復させた後に心臓は治されたんだよ》

 

 

 ごめんPoH、もうそれ完全にHELLSI○Gのアーカー○の旦那じゃねぇか。再生とかHP回復とか完全パクリやん、メモルシステム残機消費で回復とか再生とか出来んのかよ!!

 

 そんな時、ドアが開いた。黒いオーラは瞬時に消えて俺だけが残る。来ていたのはユージオの傍付きのティーゼであった。

 

 

「!!!ギンさん!!もうお怪我は!?大丈夫なんですか!?」

 

「だ、大丈夫だから。んな大声で言わなくてi「ユージオ様ぁ!!アリス様ぁ!!ギンさんがお目覚めになりましたぁ~!!」………エェェ」

 

 

 大声で俺の名を叫びながら走っていくと、ユージオとアリスが何故か即座に駆け付け俺に飛び付いた。心配掛けたのは反省する。反省するから離れて、痛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「それで言うことは?」」

 

「ごめんなちい」

 

 

 今度は頭を叩かれた。痛い。

 

 

「師匠!!幾らなんでもダークテリトリーに1人で、しかも無断で勝手に入るなんてどうかしてます!!」

 

「銀ちゃん!!幾らなんでも勝手過ぎるって!!」

 

「わ、わりぃわりぃ……って、おろ?」

 

 

 アリスが俺の首に腕を回し、抱きついた形になるとアリスは肩に顔を埋めて呟いた。

 

 

「……心配したからね」

 

「……悪いな。アリス、ユージオ」

 

 

 暫しの間。それだけで心が落ち着いてくる。未だ子どもの様に俺を抱きしめてるアリス、それを慈愛の笑顔で見ているユージオ。あとは…………あり?

 

 

「ユージオ、アリス。ヤタはどうしたよ?」

 

「えっとですね、ヤタなら何処かへ翔んでいきました」

 

「……マジで?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[何か中途半端でごめんなさい。後、何時の間にか評価バーが黄色になってました。ありがとうございます。]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

神獣は集い、戦士は剣を持つ

『UW 何処かの場所』

~ヤタside~

 

「………この辺りだよな?随分会ってないから忘れた」

 

 

 こんな巨体で翔んでいると誰かに気付かれるだろうが、先ず普通の奴等なら気付かない。神獣と呼ばれているとはいえ、翔んでいる間は凄い暇である。

 

 神獣なんぞ肩書き程度にしか思ってない。つーか肩書きに縛られて神にしか【真の力】を発動できないなんて酷すぎるんだよなぁ。

 

 それはアイツらも一緒。

 

 【創世の遣い】【太陽の化身】【大いなる獣】【全てを呑み込む大蛇】

 

 1匹はあれだが、他の俺を含めた奴等は来てくれるだろう。必ずアイツらは来てくれると信じて話をしに行く。

 

 ってか、あのバカどもは暇だし必ず来るだろ。今回のアドミニストレータの件で派手に暴れたからよ、それぐらいは知ってる筈だし話がトントン拍子で進んで行きそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つー訳でお前ら良いよな?」

 

「「良いとも~」」

 

「いや軽ッ!!」

 

 

 場所は表記できねぇが、今は八咫烏に白澤にベヒモス……俺らのモデルとなった神獣が勢揃い。あのヨルムンガンドは来なかったが。つーかやっぱ軽いなぁ……

 

 

「だってさぁ~、ここんとこ400年間暇じゃん?しかも今までダークテリトリーの支配者様が非人道的行為だよ?それを口実に潰せるから善し!!」

 

「正確には約400年間なんだけど?まぁ僕らが手伝えば事は進みやすくなるけどね」

 

「うんベヒラス、お前は敵と味方を間違えるなよ。白、ベヒラス見といてくれ」

 

「………そーいや、ヨーガンどーした?」

 

「自分の領地で起きた事なのに来ないなんてねぇ……まぁ何時もの通りと言えばそうなんだけど」

 

「アイツ気紛れだし良くね?んじゃ、鳴き声聞いたら出てこいよー」

 

「「りょーかーい」」

 

 

 よし。先ずは良いだろう。

 

 あとは時を待つだけだ。その時を待つだけだ……そう、待つだけ……って、何時になるのか分からねぇや。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

『3日後』

~銀先side~

 

 目覚めてから3日。カセドラルから逃げ出したベルクーリも俺の万事屋で少し匿っている事になっている。

 

 しかし驚くのは……何か1回戦ったファナティオなる奴が居るのはビビった。つーかベルクーリよ、信頼してる奴連れて逃げろとは言ったが何故にソイツ?

 

 会ったら会ったで剣を向けられるわ、世話にはならないとか言い出す始末だし、家の中でも兜取らないから邪魔くさい。

 

 ファナティオが居る目の前でベルクーリに問い質してみれば、「顔を見られたくないから」らしいです。無駄情報として美人さんと聞いたが、それにファナティオは少なからず狼狽えていたのは分かる。

 

 んで、ヤタも帰ってきて何時もの食事風景が戻ってきている。ヤタの食費がかさんで金がヤヴァイ。ヤタの食事量見て他の2人唖然。つーかヤタ、お前は縮小化して食費制限手伝えや。

 

 んで、飯食い終わってベルクーリとお話中だ。ヤタはユージオとアリスの所に行ってる。

 

 

「さてっと……ベルクーリ、ファナティオ。あのアドミニストレータどうするか……だな」

 

「そうだな。先日の件でお前も太刀打ち出来なかったからなぁ」

 

「あれには驚かされた。まさかの心意使えるってよぉ」

 

《だなぁ》

 

「んなぁ!?」

 

 

 俺の右腕から黒いオーラを出し、その中からPoHが上半身が出す。ベルクーリは見てたから知ってるとして、ファナティオは黒いオーラの時に見ただけだから驚くわな。

 

 

《Where the place?》

 

「My house」

 

《知ってたww》

 

「だろうな」

 

「だ、誰だソイツは!?」

 

「死人」

 

《死人は酷くねぇか?》

 

「じゃあ殺人鬼」

 

《殺すのは好きだ》

 

「肯定の意と捉えて宜しいかな?」

 

《Yesに決まってんだろ》

 

 

 少しだけPoHの紹介をしたあと、話を戻そうかね。PoHの情報を交えながら対策を練ろうとしている。

 

 

「しっかしアドミニストレータが厄介だわ。残機あるとはいえ、死ぬのにも限界あるし」

 

《残り残機27な》

 

「結構あった」

 

「しかし、アドミニストレータも危機に晒されているのと変わりない。戦力を整え次第攻め込むのが妥当だろう」

 

「確かにな」

 

《同意件だ》

 

 

 んな感じ。というか、これぐらいしか思い付かねぇんだよなぁ。満を持して戦力を叩き込む。シンプルながらに1番強いんだよなぁ。

 

 

「おい銀!!」

 

「ぬあっと!?」

 

 

 いきなり後ろからデカイ声をだすもんだからソファから落ちちまったじゃねぇか。どうしてくれんだよ、このバ烏!!

 

 

《Hey,crow.どうしたよ、んな慌ててよぉ》

 

「今すぐ学院まで来い!!整合騎士の奴等が総動員だ!!」

 

「「「はぁっ!?」」」

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

『修剣士学院』

~ユージオside~

 

「………ッ!!何て数なんだ」

 

 

 この状況が未だ呑み込めていない。何故『整合騎士約30名』が此方に向かってきているのか。先程ヤタに師匠にこのことを伝える様に言ったが、どうやら間に合いそうもない。

 

 【機竜】と称される竜の背中に乗り、そのまま進攻しているのだ。あれでは弓兵や神聖術でしか狙う事が出来ない。

 

 しかも、ここには剣士が居るといっても卒業試験に合格しなければ本当の騎士としては認められない。

 

 何故この学院を狙ってきたのか分からないが……兎も角、ここで師匠が来るまで食い止めなければッ!!

 

 神聖術の発動を試みる。

 

 そうしようと思ったら、整合騎士たちの横から無数の火の玉が飛来してくる。見れば……

 

 

「カアアァァァァァ!!!」

 

「ヤタ!!ってことは、間に合った!!」

 

 

 突如上から飛び降りてくる影を見る。その影の正体は師匠とヤタが連れてきた整合騎士2名だった。

 

 師匠は右腕に黒いものを纏わせ、整合騎士の2人を包み込み足場に黒いものを緩衝材代わりに着地する。着地したあと2人を出す。

 

 僕は師匠に駆け寄る。

 

 

「師匠!!」

 

「ユージオ!!良かった無事か!!」

 

「まぁ戦闘はヤタが先にしてくれましたから……って、それよりも」

 

「あれは……シンセシスの者たちか」

 

「裏切り者でも追ってきたのか?はたまた……それよか、さっさとやるか」

 

 

 今度は師匠の左腕から銀色の光が出現し、見たことのない形を作る。

 

 

「し、師匠。それは一体?」

 

「あっ、そうだユージオ。これ終わったらアリスと一緒に話をするぞ」

 

「へっ?あっはい」

 

 

 こんなすっとんきょうとした返事しか出せない自分が居る。だが、それは師匠の前でのみ。何故なら師匠がこんな戦況を簡単にひっくり返すと普通に考えているから。

 

 大きな轟音とともに、何かが発射される。それは神聖術でもなく、弓でもない。とてつもない威力を持ったものを連続発射している。

 

 何故か師匠の後ろに支えが用意されており、それを黒いものが補助しているのは不思議に感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アドミニストレータ討伐まで、残り現実時間3日

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

決まりなんて知るかッ!!

~銀先side~

 

「【ハルコンネンⅡ】!!」

 

 

 あの某ラスボス系主人公のOVAの世界の物を想像して作ってみたが、案外上手くいくものだなと思いつつ30㎜カノン砲を連続で撃っていく。

 

 しかし、流石に吸血鬼の体力やら正確さは持ち合わせてないからPoHにも手伝ってもらっているとは言えしんどい。

 

 アドミニストレータの時もそうだ。腕が千切れそうだし、反動でHPごっそり削れそうだしよぉ!!当たりそうで当たってねぇのが多いわ!!それでも5体は潰せたがよぉ!!

 

 くっそぉ…………おい作者!!【F】流せ!!

 

[りょーかーい]

 

 

 

 

 

【マキシマムザホルモン ♪~F~】

 

 

 

 

《ちょくちょく作者挟んでくるよな、この作品》

 

「しゃあねぇだろッ!!こうでもしなきゃ乗り気じゃねぇ!!」

 

《それで……何でこのsong?》

 

「ようつべ!!」

 

《おっけー読者諸君、ようつべでsearch!!》

 

 

 全くもってメタイ!!実にメタイ!!だがそれで良い!!それがこのSSの利点だぁ!!

 

 撃って撃って撃ちまくるぅぅぅぅ!!!30㎜弾は心意の影響で無限なんだよぉぉぉ!!!どうやら俺の心意は【製作】ゥ!!しかもぉ!!他作品からの武器を製作できるぅ!!

 

 今は【ハルコンネンⅡ】をバンバン撃ってるがよぉ!!あっ、また1機撃破。

 

 

《Huuuuuuu!!!おいbuddy!!最っ高にロックで、現状に合ってるぅ!!選曲良いな作者!!》

 

[感謝の極み]

 

「お前ら集中しろ!!」

 

 

 うっせぇ!!今は集中させろッ!!この弾丸撃つのにどんだけ体力要るのか分かってんのかコイツら!?

 

 

《ってか、全滅させるなら弓使えば良くね?》

 

「……………あっ」

 

 

 

 

~曲 終了~

 

 

 

 

 PoHの言葉を聞いた瞬間、何かがプツンと切れた。そして、その場で項垂れた。そしてハルコンネンⅡも消えた。

 

 

「そーだった……そーだったわ。弓あるの忘れてた……」

 

《お前……さっきの銃が良かったのか?》

 

「それしか思い付かなかった」

 

《あっそう。ならメモルシステム発動しとけや》

 

「うぅ……ハルコンネンⅡ……」

 

 

 涙を流しながらもメモルシステムを発動させ、左手にデュソルバートの弓を装備する。そんでもって当然……

 

 

「!?熾焔弓だと!?」

 

 

 はい定番。絶対そうだよ、死んだ奴の武器他人が使うと疑問系で質問投げ掛けてくるあれだよぉ。つーかその反応はもうベルクーリで見飽きたわ。

 

 なーんか弓って空気抵抗とか考えて撃たなきゃ落ちるし当たらないし……銃も同じっていう考えは無し。OK?

 

 それに弓を使ったのはUWに来てからだし、先日のチュデルキン戦が初めてだったし。それでもよく狙って撃てるから今ので2機撃破。

 

 そんな事をしていると、下の方で騒ぎが起きているのが聞こえてきた。

 

 

「ッ!?おいヤタ!!何が起きてる!?」

 

「あー……4人来てるな。学院の者に危害を加えようとしてるわ」

 

「いやそこあっけらかんとすな!!ってか、誰か向かってくれや!!」

 

「師匠!!行ってきます!!」

 

「楽しんでくるねー♪」

 

「オッケーユージオ!!あとアリス!!テメエは緊張感持てや!!」

 

「無理っす!!」

 

「ちょっ!!おい!!」

 

 

 アリス……お前そんなキャラじゃねぇだろ!!まぁ良い。その4人とやらを、ぶっ潰してこい。信じてるぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

~アリス&ユージオside~

 

「ヤタ!!対象はどの位置に居るの!?」

 

「門近くで剣士に拷問かけてる」

 

「それは早く言ってよ!!」

 

 

 ヤタから聞かれた通りに門近くまで走って移動する。アリスは走ってるというより、壁走って暇を潰してる様に見える。っていうか、そんな事してる暇あるなら御得意のスピード出してさっさと行ってよ。

 

 何でそんなに慌てるのかしら?焦っても何も始まらないって銀ちゃん言ってたのに。まぁユージオだからあれだし。というか、銀ちゃんに鍛えられていた時も色々と焦ってたしさぁ。もうちょっと気楽に行こうよ。

 

 

「おっ、見えた見えた」

 

 

 僕らが門近くに到着すると、既に口から涎垂らして白目剥いてる剣士たちが……ってか、何で股間押さえてるの?何で股間押さえて白目剥いて……あっ、拷問ってこれか。確かに僕ら男にはキツいものがあるよ。

 

 …………なぁにこれぇ?男ばっか白目剥いて股間押さえて……あっ、そういえば人間の急所って全部中心に集まってるって銀ちゃん言ってたから。しかもこれって性別関係ないって言ってたっけ?何かユージオを見たら体震えてたし。この光景を見たのか、何か手がピクピク動いてるし。

 

 

「ァアアァアアアァァォアアゴアア!!!」

 

「ひいっ!!……今ごろ同じ様に」

 

「いやさっさと助けようよ」

 

「あぁったく。気ぃ引き付けるから相手しとけお前ら」

 

「はーい」

 

「あ、あい……」

 

 

 ヤタの嘴から光線が発射され、拷問をしている者たちの近くの地面に大きな穴が空く。その者たちは僕らに向き、目を見張る。1人は……何だろ?僕ら2人というより、アリスを一瞬だけ見て直ぐ様殺気を出した。あるぇ?何か他の3人は物凄く殺気をビンビンと出してますねぇ?

 

 うっ!!……な、何か寒気が……。それよりも……あの4人。何かを探してる。何でこの4人だけ来たのか分からないけど、この学院で敵う奴は居ない……もしかしたら私たちが出来るのかも?よし、やるか。

 

 

「ちょっとそこの人!!なーに勝手に拷問してんのよ!!」

 

「あっ!?悪いかしら!?」

 

「悪いわよ!!拷問するなら拷問器具ちゃんと持ってきなさいよ!!」

 

「アリスそっちじゃない!!というか何を言ってんの!?」

 

「(あぁ、毒されたか)」

 

 

 何かアリスが可笑しくなった。いや元々か、アリスは学院に居るときもイタズラばっかして怒られてたっけ。今では懐かしいや。そう思いながら【青薔薇の剣】を引き抜く。

 

 ほんとッ!!何よアイツら!!拷問するなら器具ぐらい用意して他人にやらしとけば良いのよ!!拷問するのは快感だけど!!と、内心考えつつも慣れている木刀を引き抜く。何か銀ちゃんがヤタの抜け落ちた羽根使って金属と合わせた刀って言ってたけど。名前が……【八咫の護刀】だっけ?

 

 

「貴様ら……我々が四旋剣という事を知っていて「知らないわよ、そんなこと」なっ!?」

 

「いい?よーく聞きなさい。私たちは『知る知らないなんて関係ない』。『頼まれた事を完遂するだけ』。それだけよ」

 

「まぁ強ち間違ってはないね。師匠からの頼まれ事なんて何年ぶりだろ?」

 

 

 ユージオ……アンタ笑顔で剣先を相手に向ける癖直しなさいよ。こっちが見てて不気味なんだけど。

 

 アリス……君はもう少し言葉使いを丁寧にしてよ。これだとどっちが男なんだか分かりやしないよ。

 

 でも……/でも……

 

 

「「やっぱり隣り合わせは、一番安心するわね/ね」」

 

 

 四旋剣なんて知らない。ただひたすらに、銀ちゃん/師匠の頼み事を完遂する。お世話になった人に対する恩返しとして。自分たちの実力を出しきるだけだ。

 

 私は先に4人に突っ込み、仕掛ける。

 

 僕はアリスの後ろを付いて行き、抜刀術の構えを取る。

 

 【八咫の護刀】を横一閃する。その刀からは微量ながら熱を帯びているのが特徴……って、これは関係ないか。兎も角、修行の成果である滑らかな剣筋を生み出す。4人は散会し、四方から攻め込むつもりだ。

 

 僕は四方に散らばった4人の内1人に目標を変え、突きを放つ。放たれた突きは、そのまま相手の鎧に衝突し相手を仰け反らせる。前に出した足を軸に回転し、斬ると見せかけて細剣の様に構えて突きを放つ。右目が痛むが……ああ!!もう!!

 

 そういえば、この目の封印邪魔ね。銀ちゃんがアドミニストレータは倒すべき存在って言ってたから、もう封印云々良いよね?

 

 僕/私は右目の封印を解除する。

 

 

「「「「ッ!?」」」」

 

「「さて……本番と行きましょうか/行きますか」」

 

 

 僕/私は戦う。この“依頼”を終わらせる為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

楽しみだなー。拷問

~銀先side~

 

「はい!!12体目ッ!!」

 

《Fu.お前スナイパーかよ?普通10発中9発当たるかよ?》

 

「人外嘗めんなキチガイ」

 

《キチガイデータ嘗めんな人外。竜は撃墜したが人間は無事だし、此方に来るぞ》

 

「チッ!!あれ使うかッ!!」

 

 

 弓を竜どもの上に向け、心意を込めながら放つ。音速の早さで行く弓矢は数多の弓矢となり、降り注いだ。

 

    弓矢SS【スターダスト・エクサ】

 

 

「えーっと……おっし、全滅完了。次行くか」

 

《OK!!Kill time start!!!》

 

「お前にも手伝ってもらうからな!!」

 

 

 俺は15メートルはあると思われる高さの位置から走って飛び降り着地する。ヤタが呼べない今は、心意で何とかしようかね。

 

 

「【心意】発動!!」

 

 

 背中に銀色の光が纏われ翅の形を形成する。その銀色に輝く翅を用いて低空飛行で前へと進む。

 

 

「おいPoH!!敵はどの位置にいる!?」

 

《まず1体はお前に近付いているぜ。用心しな》

 

「そうかい!!【記憶システム】発動!!」

 

 

 右腕から黒いオーラがだだ漏れになり、そのオーラは形を形成し俺の右手に装備される。

 

 大きめの短刀。人の血を求めんとばかりに、その短刀は俺を動かしていた。

 

 【友切包丁/メイトチョッパー】。PoHの持っていた武器の1つ。人を殺す度に、その能力値を上昇させる武器。

 

 

《って、それ俺の武器!!》

 

「良いじゃねぇかちょっとぐれぇ!!」

 

《今度お前のAI刀使ってやる》

 

「そりゃkaimu次第になるぞ」

 

 

 雑談の最中、1人の整合騎士とバッタリ出会す……が。

 

 

「邪魔」

 

 

 友切包丁を相手の腹に当てて一閃。次に進む為に翔ぬける。PoHの指示により整合騎士たちの位置を割り当て、出会す度に友切包丁の一閃を腹に加えさせる。

 

 

《仕留めてねぇのかよ》

 

「ベルクーリに頼んで仲ー間にしてもらうのさ」

 

《言うことを聞かなかったら?》

 

「拷問頼んだ」

 

《俺かよッ!!》

 

 

 という訳で、メモルシステムで傷付けた奴等を無力化させて捕獲。翅を広げて上空へと飛び学院へと向かう。

 

 そういや、ユージオとアリスは大丈夫かな?まぁ平気か。俺が育てたんだからなぁ、化け物に。

 

 ……よく考えたら、これヤタ要らないわ。自分で飛べるから良いか。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

~ユージオside~

 

 右目の封印を外した僕は無敵だぁ!!!……って、これキャラじゃないからやめよ。

 

そんな事より……ちょっとヤバめ。何でよりによって2対1なんだか。僕の疲労も少し味わってほしいんだけど。

 

 とか何とか思いつつ頭を右に倒して剣を避け、姿勢を低くして足払い。回転の勢いをつけて立ち上がり斬りつける。相手は何とか剣を楯にして防いだけど威力の関係で転がった。

 

 後ろから来ている奴に対しては、1回前進して避ける。距離を取って後ろの奴に振り向くと、突きが来ていたので剣を当てて軌道を変えたあと接近して蹴りを食らわせる。

 

 今度は倒させていた奴が此方に向かってきたので、剣を受け止めた弾き飛ばして柄を持った右手で殴る。上から振り下ろされる剣を腕を引き戻して剣で防御し、左手の指先に力を込めて腹に一突き。相手から少々血がでるが、問題ないか。

 

 血を出しながらまた向かってくる相手には巴投げという師匠から教わった技術で後ろに飛ばし、残りの者は自分から近付いて剣を弾き飛ばし回転を加えて腹を斬る。

 

 さてっと、終わった終わった。あとはアリスの方だな。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

~アリスside~

 

「くそっ!!何だコイツは!?」

 

「ちょこまかとぉ!!」

 

「アンタらが鈍いからでしょーに」

 

 

 と言いつつ四方が壁の場所に誘い込んで優勢に立っている私が言える立場じゃあないと思うけど。

 

 相手が出口へと走り出そうとすると、持ち前のスピードを生かして一太刀浴びせようとする。まぁそれでも避けられるのがあれだけど。

 

 というか、銀ちゃんも何で金属にしたんだろ?金属だと普通に人殺せるじゃん。と思いつつ全力で斬りかかろうとしている私は可笑しいですか?(威圧)

 

 一旦地面に降りてみれば、自分から不利になりに来たバカっていう目で私を見つめて向かってきてる。バカなのはアンタらの方なんだけどね。

 

 相手から剣が振られる瞬間。その瞬間を狙い、鋭く刀で空を斬らせる。

 

 するとどうだろう?剣が振られたと思ったら何かに弾き飛ばされちゃった。やっぱり銀ちゃん頭良いわね。

 

 銀ちゃんの話によれば、この技術は【真空】を利用した防御兼攻撃用の技術らしいのよね。剣を鋭く早く振って、その斬られた軌道上の空気を一時的に消して弾き飛ばす技術。うん、銀ちゃん人間じゃない。そしてこれを平然と出来てる私とユージオも人間じゃない。

 

 さらには空気が戻る現象を利用して少しだけ相手との距離を詰める事が出来るから、ちょっとリーチが足りないって時にはオススメ。皆もやってみよー!!

 

 ……っと、こんな事考えてる場合じゃなかった。一方の攻撃は防御出来たけど、もう一方が離れ過ぎてて射程距離に入ってなかったのよねぇ。関係ないけど。

 

 相手は剣で攻撃…………かと思いきや至近距離の神聖術で迎え撃ってきた。あっと、ヤバイ。なんて思うと丁度良いタイミングでヤタの光線が神聖術を消してくれた。

 

 

「なっ!?」

 

「とぉー!!!」

 

「ぐおっ!!」

 

 

 相手は壁にまで転がっていった。見計らってかヤタが縮小化して私の肩に乗り、耳打ちをする。

 

 

「アリス、今から技術教えるから使ってみろ」

 

「はーい」

 

「……んま、いっか。簡単だ、武器の中に存在する力を引き出すイメージを持て。これだけだ」

 

「やってみるね」

 

 

 刀に秘められた力を引き出すイメージ……感覚よね?確かに神聖術は詠唱も必要だけど、大事なのはイメージなのよね。それに近い物かしら?兎に角、やれるだけやりましょうか。

 

 神聖術と同じ様な感覚を刀に通し続ける。その間無防備なので、やはり2人一斉に剣を振り下ろそうとしてくる。

 

 力が溜まった事を感じると、一気に引き出すイメージを与える。するとどうだろう?私を中心に熱風が放出され、2人を吹き飛ばした。

 

 その2人は壁に衝突して気絶。呆気なく終わってしまった。あっ、そうだ。この2人連れて銀ちゃんにみーせよっと。

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

キチガイ洗脳曲

顔文字注意報発令!!!


『翌日 学院地下』

~ヤタside~

 

「……ヤタ、師匠この部屋に入ったきり出てこないんだけど?」

 

「俺が知るか」

 

 

 此方にやって来た奴等をその日の内に全員連行して地下の空いてる部屋を使わせてもらっているのだが……一向に出てくる気配すらねぇぞ?

 

 ってか、終わるまで中を覗くなだったりと……お前何をしようとしてんだよ?つーかサブタイで不安しかねぇよ。

 

 

「って、ちょっとヤタ」

 

「大丈夫だろ少しぐらい」

 

 

 ユージオの制止を振りきり、少しだけ扉を開けて中の様子を覗く。ユージオも気になったのか少しだけ中を覗いた。

 

 

 

 

 

 

「オッオッ( ^ω^ )≡( ^ω^)オッオッ」

 

《Fooooo!!!щ(゜▽゜щ)》

 

「三( ゜∀゜)エヘヘヘヘヘヘ!!!!」

 

《卍( ^о^)卍ドォルルルルルルルルル》

 

「ホアアアアアアア"ア"ア"ア"ア"(°Д°)!!!」

 

《fuc〇fuc〇fuc〇(゜▽゜)!!!》

 

「(゜∀。)しら○!!しら○!!しら○!!しら○!!しら○!!」

 

 

 うん、流石に閉めた。

 

 ユージオと顔を見合わせて頷いてユージオの部屋でのんびりしに行く。俺たちは何も見なかった、良いね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それから2時間後』

 

 またこの地下室に来た。今度はベルクーリ連れて。ってか、あれを見てツッコミたいのにツッコむ事が出来ない気持ちってどうよ?ベルクーリはどうか知らんが。

 

 またゆっくりと扉を開ける。今度はキチガイの図を見ませんように。

 

 

 

 

 

 

「「「(*ノ゚Д゚)八(*゚Д゚*)八(゚Д゚*)ノィェーィ!」」」

 

「始めて(՞ةڼ◔)イヒヒヒヒヒヒヒヒーwwww!!」

 

《殺すッ!!!コイツは殺さないと、駄目なんだぁー!!!》

 

「仕方ないね♂」

 

「あ、ぼきゅかちゅぜちゅわりゅいんでしゅ!!ぢゃからうみゃきゅしゃべファアーーーーwwww!!!」

 

《イ"ェ"エ"エ"エ"ア"ア"ア"ア"!!》

 

「щ(゜▽゜щ)WRYYYYYYYYYYY!!!!」

 

 

 今度も閉めた。そしてベルクーリと共に地上に戻って叫んだ。

 

 

「なぁんでアリスまで参加してんだよぉおおお!!?」

 

 

 アホか!!!あの3人揃って見た時点でどんどん悪化していってるんだけど!?つーかアリスよ!!淫夢ネタをお前が使うなし!!!

 

 ってか勢いに任せて色々と口走ってんじゃねぇよテメエら!!!最初の銀のやつ!!あれ諸パクリにちけぇよ!!つーかデータがキチガイの行動に走ってどうs……アイツはキチガイだから良いのか(納得)

 

 

「……あの3人は、何時もあんな感じなのか?」

 

「違うと断言してぇ」

 

 

 もう銀のせいで何人かキチガイが増えてんだよ。そのせいでキチガイが日常的に見えてしまうんだよ。目についちまうんだよ。兎も角、暫くしたらまた行くか。拷問終わってたら良いなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それからまた2時間後』

 

 今度はユージオとベルクーリとファナティオ連れて地下室見に行きます。お願いだから拷問じゃなくてキチガイ洗脳はしないでくれ。キチガイが増える一方だから。

 

 そして、開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「└(՞ةڼ◔)」」」」」

 

「「「「└(՞ةڼ◔)」」」」」

 

 

1、2、3!!

《聞いてください!!『キチガイ洗脳曲』!!》

(○の上のポ○ョのリズムに乗せて)

 

 

《俺の名前はPoH~PoH~PoH殺人鬼 ヌベスコ好きな殺人鬼ィイイイイ└(՞ةڼ◔)」》

 

「己らいい加減にしやがれぇええええ!!!」

 

 

 嘴からの特大光線で漸くこのキチガイどもに終止符を打った。尚、増えていたのは殺したがりの整合騎士がキチガイの行動に移っただけなのでベルクーリたちからには問題ないと言われた。

 

 ごめん言っとく。問題ありすぎるわッ!!!

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

~銀先side~

 

「つー訳で潰してくれるのを手伝ってくれる?」

 

『OK』

 

《相変わらずお前が介入すると事態が直ぐに収集つくな》

 

「何で私も光線食らったんだっけ?」

 

 

 何かヤタに光線吐き出されて顔や体から煙がプスプスと上がっており、少々熱いが問題ない。これを問題とする者は頭の可笑しい人だ。そうだろう?諸君。(洗脳開始)

 

 まぁ話していたら何時の間にか仲良くなってて話がトントン拍子に進むのは事実なんだけど……何でトントン拍子で済むのかよく分かってない。

 

 さっきヌベスコとかキチガイ洗脳曲とかってあったっけ?無かった筈だよ。無いよね?(脅迫)

 

 さて、この事は素直に嬉しいと思えるな。何せ整合騎士(デュソルバート逝)が仲間になり、アドミニストレータと対峙するんだからよ。思わぬ収穫で良しとしますか。

 

 

「所で……決行は何時からにするんだ?」

 

 

 ベルクーリが尋ねてきた。そう、大事なのは時期だ。あまりに遅すぎても早すぎても無理だ。さらには戦力が増えたからといっても、数が増えた訳じゃあない。つまりは戦力をさらに増強しなければ不味いのは周知の事実だ。という事で……

 

 

「3年後だ。それまでは戦力の増強と作戦を練っておきたい。異論はないか?」

 

 

 それに異論を唱える者は1人としていなかった。これで作戦は可決された。あとは3年後までに準備しておくか。

 

 

「ユージオ、アリス。お前らには行ってもらいたい所があるんだ。指定する場所まで行ってくれるか?」

 

「分かりました」

 

「はーい」

 

 

 やっぱアリスは元気が宜しい事で。まぁ元気なのは良いことだ。ついでだからベルクーリや他の整合騎士を着かせておくか。危ないと感じたら何時もの通り対応出来るけど、一応念の為だな。

 

 さて……闘争の時間は後3年。

 

 アドミニストレータよぉ、今度は殺し損ねる事はしねぇ。ちゃっちゃと終わらせてやらぁ。

 

 さぁ、闘争劇を始めようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3日後 それぞれの出来事

~和人side~

 

「な、なぁkaimu?これ本当にすんのか?」

 

『仕方無いでしょう?貴方は顔が知れてますし、何よりバレるのを防ぐのには丁度良いのですよ』

 

「だからってこれは………」

 

 

 いよいよ銀が眠っている防衛省に潜入するのだが……その際俺たちはバレると不味いので変装しなければならないとkaimuが提案してきたのだ。

 

 しかしいざkaimuの指導通り変装してみれば……髪は態とボサボサにして、丸眼鏡を掛けており、さらには口に1つだけ付けぼくろを付けらされた。他の皆に見せたらどうなるのか不安が過ってしまう。

 

 すこし髪型を変えてマスクを着けた直葉が出てくるが、合流した際に少し笑われたのはショックだ。

 

 さらに銀の家から出てきた詩乃と木綿季と合流したが、アッチはアッチでkaimu考案の変装をしている。

 

 詩乃は黒長髪のカツラで目元を隠しており、木綿季に至っては髪を編んで団子を作り黒眼鏡を掛けているシンプルなもの。俺を見た途端噴かれたのは解せぬ。チクショウメェイ!!!

 

 さらには合流した奴等全員と会ったが俺を見た途端「誰?」って表情されたあと正体見せたら笑われたわ!!クソッタレ!!

 

 んでもって神代凛子に会って防衛省に突入。その際は女子の比率が多い事について凛子さんに疑問を持たれた。その度にクラインが俺のせいだとぬかしやがったので、勢い良く腹パンしてスッキリした。俺は悪くない。

 

 防衛省に到着してから進んだ先に大きな電子パネルやキーボード、そして……大きなカプセルの中に眠っている銀の姿。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀」ボソボソ

 

 

 うん、さっさとやろうか。詩乃がヤバい。もっとヤバい、下手したら詩乃が銀に飛び付いて色々不味い事になる。R―18展開になりそうだからさっさとやろうか。

 

 菊岡に近付き正体を明かしたあと、銀の手伝っている事について話した。その前に菊岡が笑ったので肘鉄を食らわした。後悔なんぞあってたまるか。

 

 銀のしている事は簡潔に言えば『VRの軍事利用実験』を手伝っているらしい。脅して詳細をさらに聞けば、どうやら銀が自ら志願し傷も自ら付けたというのだ。

 

 左横腹の傷は銀が幽波紋で傷を付けたと推測できる。刀タイプのヤツは詩乃から聞いたことがあるためだ。

 

 そして……俺たちに衝撃を与えた事実も告げられた。

 

 

 

 

 

「君たちが慕っている坂倉銀先は、転生によってこの世界に来た。つまりは『本来居るべきでない人間』なんだ」

 

 

 

 

 

 

 正直、もう何を聞いても驚こうとは思わなかった。だが、これだけはどうしようもなく呆気に取られた。

 

 銀が『本来居ない人物』には……どうしようもなく呆気に取られ……

 

 

「だから?銀は今ここに居るのよ?それは変わらないわ。ついでに私の物」

 

 

 あっ……ここにヤンデレ?がおった。多分銀が聞いたら無我夢中で抱きしめて夜の営みをするんだろうなと考える。

 

 その事に俺を含めた全員はこう思っただろう。

 

『やっぱそれか』

 

 アイツはアイツだ。例え何者だろうと変わらない。俺たちを救ってくれた事には変わりない。その考えを貫き通している詩乃にどうやら救われた様だ。

 

 しかし、そんな優しい雰囲気をぶち壊される。突如警報が鳴り響いた。

 

 

「何が起きた!?」

 

「侵入者っす。動きが良いっすねぇ、ハッキングまでご丁寧にされてるっす」

 

 

 その瞬間扉が開き、銃を向けられる。団体様方の様だが、穏便に済まそうとも思ってないらしいな。

 

 その光景に真っ先に動いたのはkaimuだ。kaimuが真っ先に何処かへと行くのは、多分……助けだ。最強の助けだ。うん。

 

 その団体の中でリーダー格と思わしき人物とその仲間がカプセルに入っていく。仲間の1人が操作し、銀が眠る世界に送った。それを確認した俺は仲間が減ったと思い少し安堵する。

 

 行った先は銀という地獄が待っているし、何より仲間が減るとなるとあの人にとっても都合は良さそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~銀先side~

 

「………ふぅ~」

 

《おっと溜め息か?お前も疲れてんのか?》

 

「外の空気吸いに来ただけ。あとPoH邪魔」

 

《ひっでぇなぁオイ》

 

 

 3年後。明後日にでも攻め込む事を考えている。此方の戦力は大方整い、尚且つ神獣であるヤタたちの援護もあるから攻め込まれても大分対応できるだろう。

 

 しっかし……何だぁ?この妙な胸騒ぎってヤツは?何か来そうで怖ぇなオイ。何かこの勘はスッゲェ当たるからn《新規12名来たぞ。ダークテリトリー側だ》

 

 

「……チッ、当たりやがった」

 

 

 しゃあなしに心意を使って翅を生やし、目標に向かう。

 

 

「目標までの距離は!?」

 

《約1680メートル。しかも……1名スーパーアカウントのプレイヤーだ》

 

「スーパーアカウント……あぁ、須郷や俺が使ってたアカウントか。確か権限か何かで色々できるんだろ?」

 

《そうだな。だが……妙だな。動き方がまるでassassinだな》

 

「んじゃあ狩りがいがあるなぁ!!」

 

 

 空中でとまり、メモルシステムで左手に弓を装備する。天に掲げて弓矢を放つと無数の弓矢となって降り注いだ。それにより相手の行動を中止させる事ができた。

 

 後は弓矢を解除、からのメモルシステム×木刀の強化攻撃態。一気に駆け、集団の集まっている地点に木刀を振り下ろす。

 

 黒い禍々しいオーラは巨大な刃となり、範囲攻撃を生み出していた。お陰で地形が壊れているのは何時もの事だ。

 

 

「さぁて、今夜は肉鍋にでもするかぁ?」

 

《○肉鍋ってか?旨いのか?》

 

「食ったことねぇから分からん」

 

《じゃあ狩って剥ぎ取るか。肉だけ》

 

「そうするかぁ」

 

 

 何時ものように談笑しながら、後々分かったがキチガイどもの集団に喧嘩(という名の狩り)をふっかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

喧嘩売るのはやめとけ

~和人side~

 

 あーあ、捕まっちまったなぁ。身動き取れないなぁ。いや、これ割とマジで。マジで動けないから。何かオカマが1人居るし狙われてるし、つーか早くkaimu!!早く援軍(この作中最強の人間)呼んで!!!影昌と秀哉が危ない!!彼女いない奴が危ない!!クラインは別らしいが。

 

 そういや余談だがあの2人彼女作らねぇのか?アイツらモテてるし、1人や2人居ても良い筈だろ?流石に2人はあれか。

 

 

「「そこ、何考えてた?」」

 

「何も考えてませんハイ」

 

「黙ってろガキども!!!」

 

 

 突如袋から音が鳴る。あの袋には没収されたオーグマーがあるのだが……どうやら助っ人来たな。待ちくたびれた。菊岡はオーグマーに注意が逸れた奴等に銃を向けたが、それは止めさせた。流石に被害を出すのは御免被る。

 

 奴等の内の1人がオーグマーを取りだし、確認する。

 

 

『あー此方kaimuです。応答は……どうせバカが出ているんでしょうけど話しますよ』

 

 

 見たことない奴が目の前に現れて話しているのは流石に滅多な経験だからな。精々地獄でも味わっとけ。

 

 

『只今ハッキング解除操作をしております故、直ぐ様システム権限が移行されます。ご注意くださいな。尚、あと2分で貴殿方は全滅しますので警告しておきます。では』

 

 

 どうやら通信が切れたらしい。その後に電子パネルが勝手に何かしらのシステムに移行しているので、流石に焦っているらしい。

 

 そして、通信機のノイズ音。それを手に取る奴等。

 

 

『此方β班!!正体不明の敵と戦闘中!!だがこのままでは一方的にやられてしまう!!誰か応援を……ウアアアア!!!!』

 

 

 あーらら、やられてやーんの。んまぁ、あの人なら2分も掛からず来るだろ。その証拠に……何故か扉が勢い良く飛んできたな。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……全く、息子の父扱いが酷すぎますねぇ。これでは面倒事は全部私がやらねばならないじゃないですか」

 

 

 あー来たよ。最強の人間『坂倉銀将』さん来たよ。はい、これで一瞬にして全滅だな。

 

 

「だ、誰だきさm「すいません聞きたくないです」ガフッ!!?」

 

「に、2分で来るんじゃなかったのか!?」

 

 

 今度は電子パネルにkaimuが映し出される。お前好きだなデカイ場所に映るの。

 

 

『失敬、この方の体感時間で2分でした。あと皆さん、早くフルダイブをお願いします。皆様のALOデータをコピーしておいたので』

 

「kaimu!!お前やるじゃねぇか!!」

 

「お褒めに預かり恐悦至極。では」

 

「分かりました」

 

 

 銀将さんは何時木刀を抜いたのか、何時その場所に行ったのか分からない程の速度で動き残りの奴等を気絶させる。あまりにも速いので見えないのはお約束。

 

 作ってくれた機会を逃す訳もなく、そのまま指定される場所まで行く。これで漸く……アイツを殴れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~銀先side~

 

「シャラオラァ!!!!」

 

 

 メモルシステムを付与させた木刀で横一閃。さらに心意でマスケット銃を製作しぶっ放す。弾丸は装填1発だけだが……流石に弾丸も心意なので操れるんだよねぇ!!!そんな訳で弾丸操作で後ろの奴等にも攻撃する。

 

 意外にも当たっているようで良かった良かった。後ろから「ぐあっ!!」だったり「があっ!!」という風に痛みから出る声を挙げているからな。

 

 

《………なぁシヴァ、ちょっと良いか?》

 

「んだよ!?今やってんだけど!?」

 

 

 歯切れの悪そうに口を開いたPoHは珍しいと思ったが、今はやってくる連中に風穴か切り傷生み出さなきゃやってらんねぇってのに。こんな時に限って何だよ?

 

 

《いや改めて思ったんだけどよ、お前と殺りあってるの俺の知り合いだわ》

 

「…………………はっ?」

 

 

 ちょっと意味分かんないですねぇ……って感じになって動きを止めてしまった。んで、右腕からPoHがうにょって出てきてね話をする訳だ。

 

 その間にも俺に近づく輩は居るんだよ?でもね、周りを見たらPoHを見て歩みを止めたみたいに見えるんだよ。スーパーアカウントで来てる奴もそれは一緒なんだよ。

 

 

《……証拠これな》

 

「……あーうん。大丈夫、理解はできる。ただな、何で来てるんだ?」

 

《あーちょっと待ってろ……心意で体作ってくれ》

 

「いや作れんのか?人体」

 

《良いからやれって。hurry hurry》

 

「んあー……やってみるか」

 

 

 心意で体の製作を試みる。意外にも製作の心意であるだけ、体まで作れる事はできるらしい。その出来た体にメモルシステムが流れ込んでPoHが移動する。

 

 そしたらどうよ?普通に動き出したよ。PoHが。

 

 

《あー久々》

 

「いや……これありなのか?」

 

《ちょっとO☆HA☆NA☆SHIしてくるわ》

 

「あー……行ってこい」

 

 

 

 

 

 

【10分後】

 

 何かPoHのお話は終わったらしい。だが、それでさっきまで殺りあってたキチガイに会わすか?普通よ。

 

 まぁPoHの話を聞けば、今PoHの隣にいる奴はガブリエルつってPoHが世話になった奴なんだとさ。今回はPoHの口利きで一時的に協力関係を結んだが、終わったら殺し合いしよーぜみたいな約束を半ばノリで結んだ。

 

 んなバカなことしてると、カセドラル方面から地鳴りが聞こえてくる。PoHはメモルシステムで俺の腕へと戻り、心意で作った体は消えた。

 

 確認してみれば……何かアンデットどもがウジャウジャとやって来ているらしい。しかもカセドラル見ればアドミニストレータが……ん?ちょっと待て。

 

 もしかしてこれ……戦争の火蓋落とされた?

 

 もしかしてこれ……やらなきゃいけないパティーン!?

 

 つーかアドミニストレータ俺狙ってたのぉ!?でもそうか、危険人物認定されてそうだもんな。俺。

 

 ガブリエルは残存兵力で立ち向かおうとするが、今の所、これを相手にするのはキツいと感じる。

 

 だが……少しでも時間を稼げば良いか。精々2日ぐらいは。そんな感じで心意を発動して突っ込んで行こうとした。

 

 アンデットの軍勢が上空から降り注いだ矢の雨で倒され進軍を止められる。あの技には見覚えがあったので後ろを振り向いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『このバカ野郎、無茶すんな』』

 

 

 俺にとってはスゴく懐かしい気分を味わってしまった。残してしまった……このバカどもと出会ったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

行くぞ!!クソッタレども!!

「お、お前ら……んで………」

 

 驚くのも無理ねぇ。何で此方に来てんだよ?何でお前ら捨てたような真似した俺の所に来るんだよ?

 

 何でお前らは………

 

 

「こんなバカばっかなんだよ!?」

 

『お前のがうつった』

 

《即答されてらぁwwwwぶるぉ!?》

 

 

 即刻PoHの頭掴んで地面に叩きつける。足でぐりぐりと踏みつけながら“バカども”を見る。ALOの姿を此方に移してきた奴等が大半だが中にはPoHの見立てだが、スーパーアカウントの奴も居る。嫁さん含めて。

 

 PoHは俺の足を退けて俺の目線まで移動する。

 

 

《おいテメエ!!!踏みつけんのはねぇだろ!!毎度毎度俺やられる度に残機減らすぞボケ!!》

 

「喧しいわ!!お前こそ茶々入れんじゃねぇよバカタレ!!」

 

《あー言いやがった!!じゃあ俺とテメエのpromise公言するぞ!!》

 

「心意で潰すぞゴラァ!!」

 

「お前ら喧嘩すんじゃねぇえええええ!!!」

 

「《アルマーニッ!!!》」

 

 

 PoHとの会話が慣れすぎてて口調が変わった事はあれだとして、久々にキリトからのツッコミドロップキックが炸裂する。あーこのツッコミ久々だわぁ。という感じで少し飛ばされるが、嫁さんと妹がキリト殴っていたのは見えた。

 

 さて、ちょっと状況整理だ。アドミニストレータの軍勢がおおよそ見積もって死者が十数万、対して此方は割込暗殺軍とさっき来たバカども合わせて二十数名ほど。

 

 ……あり?そういやkaimuどうした?まだ来てなさそうだがッ!?

 

 

「!?な、何!?この地震!!」

 

「オイオイオイオイ!!何で急に……って目の前!!目の前!!」

 

 

 クラインの言う通りに指差された方向を見ると……何じゃあの蛇ィィィィィィィ!?くっそ長いんだけど!?

 

 

「カアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

「ッ!?ヤタ!?」

 

「今度は烏かよ!?」

 

 

 今度はヤタが鳴きながら学院方面からやって来る。けたたましく鳴いてやって来る為、流石に耳を塞がずにはいられなかった。つーかうるせー!!

 

 んでヤタが俺の近くに降り立って、あのなっがい蛇に視線を向ける。

 

 

「んだよ来てたのか。てっきり来ねぇと思っちまったじゃねぇか」

 

「主の御帰還に駆け付けぬ神獣は居らぬ。貴様こそ来るのが遅いではないか。それと後はどうした?」

 

「あぁ、そろそろ来ると思うが……」

 

 

 俺の所までユウキが来てヤタたちの事を尋ねてくる。簡単に説明したら驚かれた。まぁ神獣と一緒に暮らしてたんだから仕方ないか。

 

 それにしても……主?神獣の主って……神の事か?ってことは……スーパーアカウントの奴等の事か?原作知識だとアスナが創世神で、リーファが地母神、シノンが太陽神、ガブリエルが闇神だっけ?

 

 んな事考えてたら突然の地割れ。俺たちから500メートル程の距離から亀裂が生み出されて、その中からデッカイ四足歩行型で角が生えていて体全体が刺々しく覆われている獣。

 

 さらにソイツの上から白い生き物が降り立ってくる。三目に山羊髭を蓄えたヤツはヤタたちに比べて一番小さい様だ。んで、ヤタたちがそれぞれシノン、リーファ、アスナ、ガブリエルの前まで行き頭を下げた。

 

 

「我ら四神獣、神の御帰還により参上つかまつりました。我らが主方」

 

 

 白い生き物のヤツがアスナに向かって喋る。流石にアスナたち3人は驚くが、ガブリエルは気配すら見せねぇなオイ。ってか、ヤタはどうやって来たんだ?

 

 って考えてたらヤタの背中から何か降りてきた。kaimuだったわ畜生。つーか遅いわ。

 

 

「いーや、間に合いましたかね?」

 

「あぁ……まぁ色々間に合ったな、本当に色々な意味で」

 

「おやマスター、お久しぶりですね。といってもそこまで経ってませんが」

 

「気付け。俺今24なんだけど?この世界で18から過ごしてきたんだけど?」

 

『あ、ほんとだ顔違う』

 

「己ら心意で潰すぞ?」

 

 

 んなことしてると……ほらぁ、やっぱアンデッドが来たよぉ。さっさと殺しに行くぜぇ?

 

 と考えてたらヤタが光線を放ち、蛇が尻尾で凪ぎ払い、一番デカイヤツが足踏みしたらアンデッドの所にだけ地割れを起こし、白い生き物は地割れ部分からマグマを噴き出させる。

 

 流石にこの光景にはリアクションしずらい。つーか天変地異が目の前で起きてて平然としてる奴の方が可笑しいわ。その後で俺たちの後ろから足音が聞こえてくる。

 

 後ろを見れば、整合騎士の奴等やアリスにユージオがやって来た。んで、アリスとユージオだけは俺にドロップキックを食らわせられる。

 

 

「「またかー!!!」」

 

「ウボア!!!」

 

 

 それからやって来た奴等は元から居た奴等を見回して、お互い礼をしていく。お前らここ戦場、お前らここ敵地。そんなんで良いのか?

 

 んまぁお互い終わった所で……俺は心意で銀色の翅を生やし、kaimuが【神壊刀・壊無】に変化した刀を持ちメモルシステムで黒いオーラを纏わせる。

 

 

「うおぉい!?何かシヴァから翅生えたぞ!?」

 

「綺麗……銀」

 

「さぁてとスーパーアカウントの四人方、さっさと神獣に乗りな。そうすりゃ良いんだろ?多分」

 

「勘も程々にしとけバカタレ」

 

「ハハッ。良いじゃんこれぐらい」

 

 

 それぞれが神獣に乗る。

 

 乗った瞬間、白い生き物は白く輝きだす。一番大きいヤツは脚に装甲が施され、ヤタは三目の三本脚になり、蛇の方はドス黒い障気を放っていた。

 

 

「さぁて……ひっさしぶりに言ってやらぁ」

 

 

 数歩歩いた後で壊無をカセドラルに向けて……久々に総督命令を出すかね。

 

 

「現存勢力に告ぐ!!!これより我々は奇兵隊という一個小隊として行動する!!」

 

 

 その後ろで武器を取りだし、戦闘の準備をしていく奴等。これで戦力はまぁまぁって所か。

 

 

「奇兵隊総督から出す命令はただ1つ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       生きて帰るぞ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ただいま

【SPYAIR ♪~現状ディストラクション】

 

「突撃イイイイイイ!!!!」

 

『『『オオオオオオオオオ!!!!!』』』

 

 

 銀先の一声で一気に駆け出す“奇兵隊”。僅かな人数と四神獣に対し十数万以上のアンデッド兵という戦局差の中、彼らは武器を手に取り思い思いに攻撃を食らわせていく。

 

 

「『Call Ocean』!!!!」

 

 

 先に仕掛けたのはドミナ。ALOのコピーデータである為、愛用武器である【エルダ・トライデント】の特殊効果を発動させる。銀先たちの前に大きな津波が現れ、それがアンデッド兵達を呑み込んでいく。

 

 津波が終わると彼らは攻撃を始める。

 

 エイドを筆頭とした遠距離攻撃隊は、神聖術を弓矢に付与させそれを放っていく。

 

 

「『Call Holy』!!!!」

 

 

 エイドは【フォルト・アルテミス】の特殊効果を発動する。弓矢に神々しい光が纏われ、それを一矢だけ放った。1体のアンデッドに刺さると辺りに眩しく、それでいて熱い光が放射されアンデッド達は溶けていった。

 

 ガブリエルは蛇神獣に乗っている。その蛇神獣はアンデッド兵達を巻き込みながら移動していく。その移動した道に障気らしきものが漂っており、地面から出てくるアンデッドに対しダメージを与えていく。

 

 

「Toot!!こりゃスゲェ!!」

 

「感謝の極み」

 

 

 何だかんだで、あの蛇神獣とガブリエルは仲が良さそうであった。それに続くかの様に布で口を隠したガブリエル率いる殺し屋たちがアンデッドを倒しカセドラルへと向かう。

 

 

「地母神テラリア様ぁ!!御命令を!!」

 

「えっ!?アタシ!?」

 

「他に誰がいらっしゃるか!?」

 

 

 リーファは巨大神獣の背中に乗っており、その巨大神獣は足で踏みつけたり低空姿勢で突進をしたりしている。その後ろには整合騎士の者共が付いていっている。

 

 この暴れっぷりを目の当たりにしても巨大神獣は命令を出せと言っている。

 

 

「えっとそれじゃあ…………あの銀色の翅が生えている人の援護をお願い!!!」

 

「ヤタが気に入った人間か!!よしきた!!」

 

 

 突如動きを止め、足で地面を踏み地響きを立てる。すると、それに応えるかの様に地面から太い木の根が銀先の200m前に出現する。それによりアンデッド達は身動きが取れない状態にさせられる。

 

 後ろの整合騎士やユージオとアリスはふらつくが、直ぐに行動を再開する。整合騎士全員がアンデッドを切り裂き、潰し、分解する。ユージオとアリスは切り裂いたり、【武器完全支配術】での全体攻撃をしているが、ピッタリ銀先の後ろを付いていっている。

 

 アスナの乗っている小型神獣にはキリトも乗っており、悠々と駆けていく神獣はアンデッドに接近する。それをキリトとアスナが斬り、突いて倒していく。

 

 

「創世神ステイシア様!!少々黒衣の妖精を借りますよ!!」

 

「えっ、ちょっと!?」

 

 

 小型の神獣は尻尾を器用に操りキリトを前に放り投げる。それを取りに行くかの様にキリトの頭に噛みついた。

 

 

「き、キリト君!!?」

 

「な、何が起きてぇ!?」

 

「ご心配なく!!少々知恵を注ぎ込むだけです!!」

 

 

 突如キリトの表情が一変する。それを気にキリトは自分で飛び立ちアンデッドの軍団に突っ込んでいく。

 

 しかし背中から引き抜いた二つの剣には星屑が散りばめられた黒のモヤが纏われていた。そしてキリトは軍団に突っ込み乱舞する。その移動線上には星屑が輝いており、見る者を魅了させる剣技となった。

 

 

「す、スゲェ!!」

 

「あれは……一体?」

 

「あの銀色の翅が生えた人間の使う力と同じ力です。それよりも飛ばしますよ!!!」

 

「わ、分かった!!」

 

 

 小型の神獣は全速力を出しアンデッドを擦れ違い様に爪で引っ掻き、噛みつく。アスナはそれに対応するかの様にレイピアでの刺突していく。

 

 その後ろにはクライン率いるALO組。リズベット、シリカ、フィリア、クライン、エギル、ストレア、ドミナ、エイド、ビーバック、ユナ、ノーチラスがアンデッドを薙ぎ倒していく。その姿は歴戦の猛者。強さの証を映し出しているようであった。

 

 ヤタの背中に乗っているシノンは移動しながら弓矢を矢継ぎ早に撃っている。時にはSS【スターダスト・エクサ】で全体攻撃を仕掛け道を作っている。

 

 

「ちょっと荒っぽい動きするぜ!!神様ァ!!」

 

「ッ!!!」

 

 

 ヤタは急ブレーキを掛け空中で停止すると、額にある目から光を放つ。それは次第に収まるが、同時に空から何かが降りてくる。

 

 小さな光の球体。それから発射されたのは白い熱光線。さらに球体がアンデッドに近づくと、アンデッドは溶けて消えていく。まるで小さな太陽の様に。

 

 その前を行く銀先、アリス、ユージオ、ユウキは行く先々のアンデッドを斬り倒していく。ユウキは銀先が見覚えのある剣技を駆使し斬り倒していく。

 

 

「ユウキ!!それ親父の剣技じゃねぇか!!」

 

「これでもボクだって何もしなかった訳じゃないんだよ!!お兄ちゃん!!」

 

「「(兄妹だったのか)」」

 

 

 ユージオとアリス、銀先とユウキは続々と出現するアンデッドを薙ぎ倒しカセドラルへの道を作っていく。

 

 

「スゥリャア!!!」

 

 

 銀先が引き抜いた【神壊刀・壊無】が黒色のオーラを纏い、それは大きな刀となってアンデッド達を横薙ぎしていく。メモルシステムの影響でパワーの増幅も出来ている今、カセドラルはもう少しの所に位置していた。

 

 カセドラルには到着した。しかし入り口が見当たらない。しかし銀先、アリス、ユージオには策がある。

 

 

「ヤタ!!」

 

「あいよ!!」

 

 

 銀先は心意で生やした銀色の翅を使い翔び、アリスとユージオはヤタに乗って上へと駆け上がる。しかし飛び乗る前にシノンが降り立ちヤタは元の姿に戻る。シノンはユウキと背中合わせで立ち回りアンデッドを倒していく。

 

 

「(銀、これで我が儘を聴いてあげるのは最後よ。今度は絶対に離さないから。だから……銀は倒すべき敵を倒して)」

 

 

 壁スレスレで飛翔している銀先と、ヤタに乗り上を目指していくアリスとユージオ。しかしヤタの背後に機竜のゾンビが迫っていた。

 

 

「チィ!!ちゃんと掴めよ!!銀」

 

 

 ヤタは背中に乗っているアリスとユージオを自らが回転する事で遠心力で銀の方へと飛ばす。飛ばされてきたアリスとユージオを掴む銀。

 

 

「ヤタ!!死ぬなよ!!」

 

「バカ言え!!俺は神獣だ!!テメエに心配される義理はねぇよ!!」

 

「そうかい!!」

 

 

 ヤタは機竜ゾンビの翼を羽を飛ばして突き刺し、嘴から特大の光線を横薙ぎに放つ。機竜ゾンビは全て撃墜、地面に叩きつけられる形となった。

 

 銀は未だに壁スレスレで飛んでいる。しかしそれを良しとしない様に上からゾンビが落ちてくる。

 

 

「アリス!!ユージオ!!勢いに乗って走れよ!!」

 

「いや師匠!?走れって何処を!?」

 

「壁に決まってるだろぉ!!」

 

「うおおおおっ!!!?」

 

「あわわわわわッ!?」

 

 

 アリスとユージオは投げられるが、キチンと命令通りに壁を伝い上へと走っていく。銀は壊無を引き抜きゾンビの群れを一瞬にして切り裂く。

 

 アリスとユージオはそのままカセドラルの屋上に到着する。カセドラルの屋上にはアドミニストレータが居た。しかしアドミニストレータはアンデッド兵を2体空中で召喚し迎撃する。

 

 それはユージオとアリスの一閃で倒されるが、再度アドミニストレータはアンデッド兵を3体空中で召喚する。その3体のアンデッド兵は後から現れた銀先によって切り裂かれる。

 

 銀はアリスとユージオの脚を掴み、アドミニストレータに投げつけた。アリスとユージオは見計らった様に抜刀術の構えをし、アドミニストレータを切り裂く。その後で銀が突きの構えのままアドミニストレータに上から突進をしていく。

 

 

「デャアアアラアアアアアアア!!!!」

 

 

 突き刺されたアドミニストレータを巻き込んで銀は地面を崩壊させ下の部屋の壁に壊無を突き刺す。

 

 砂塵が漂う中、銀は腹部を押され壊無を持ったまま離される。砂塵の中からアドミニストレータが見えるが、その表情は狂気を含んだ笑みを浮かべていた。

 

 

「けっ!!タフにも程があんだろ!!」

 

『人間、貴様ぁ……懲りずに二度も殺られに来たか?』

 

「誰が殺られに来るか。それに今度は」

 

『ぬぅ?ッ!!』

 

 

 アドミニストレータが気付いた時には上から来るアリスとユージオに切り裂かれた後、剣と刀を刺され壁に衝突させられる。

 

「「ォオオオオオオオオ!!!!」」

 

「今度は1人じゃねぇ」

 

『かッ……カハッ……』

 

 

 アドミニストレータは口から血を吐き出してはいた。しかし最後の笑みと謂わんばかりに口角を上げたあと、紫のオーラを放出させる。それはユージオとアリスを捕らえ、掴んでいる。

 

 

「なっ!?」

 

「きゃあ!!?」

 

「アリス!!ユージオ!!」

 

『人間んん!!この我をここまで追い詰めたのは褒めてつかわすゥゥゥ!!!じゃが!!これで終いじゃあ!!』

 

 

 紫のオーラは外へと出ていき、辺り一面に広がり続ける。空が最初に覆われ、徐々に下へと降りていく。

 

 

『我が残された天命を全て使用し!!この一体に死の神聖術を降り注がせた!!貴様らもこれで終わりじゃあ!!!』

 

 

 そう声を荒げて言い放つアドミニストレータ。しかし銀先は立ち尽くすばかりで何もしなかった。

 

 それに疑問を持ったアドミニストレータ。しかしその直後、眩い光が空に輝き紫のオーラを消し去った。アドミニストレータが少しだけ確認すると、太陽が空に輝き紫のオーラを消していた。

 

 その隙を伺い、オーラの中を突っ切って壊無を刺し込んだ銀先。アリスとユージオは拘束から脱出したが、またもや砂塵が舞い込み銀先とアドミニストレータの姿が見えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アドミニストレータ、お前の負けだ」

 

「例え貴女が幾ら策を実行しようと、この方たちは負けませんよ」

 

「「これが人間の思いの力だ」」

 

 

 砂塵から現れたのは2人の銀先。2人とも刀でアドミニストレータを刺しており、銀色の髪がなびいて煌めいている。

 

 刀を振り上げ、思いっきり振り下ろす。

 

 アドミニストレータは天命が尽きる証として眩い光に包まれ、アリスとユージオの視界を遮る。

 

 光が消えたあと、居たのは銀先“だけ”だった。銀色に輝かせた刀を担いだ銀先だけだった。

 

 

「銀ちゃん……あれ?2人……」

 

「なーにバカな事言ってんだアリス?俺は1人だぞ?」

 

「あれ?でも……えっ?」

 

「ささっ、帰るぞ2人とも。終わったしよ」

 

 

 腑に落ちないアリスとユージオの肩を叩き、壁に穴を開けたあと心意で翅を生やす。来ないアリスとユージオに振り向いて話す。

 

 

「どうした?ぼーっとしてよ」

 

 

 しかしアリスとユージオは、この目の前の光景を見て少し笑って銀先の元に駆け出す。

 

 それは太陽を前に銀色の翅を輝かせた“英雄”の姿であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『現実時間 150日目』

~シノンside~

 

 銀が戦っていた世界の支配者であるアドミニストレータを倒したあとも銀の戦いは続いていた。

 

 銀は単身で残り、UWの世界に調和をもたらす様に活動しているのだ。

 

 しかし代わりにアリスとユージオと名乗るロボットが家に来たのは驚かされた。しかもアリスは荷物から出て、ユージオは宅配人に化けていたのだから。

 

 そこで私たち家族と2人の銀の情報を共有した。なんでも銀はUWでアリスとユージオの師匠をしていたとか。しかも万事屋なんて職業に就いてたそうだし。

 

 私たちから話せる銀の情報を教えるとアリスとユージオも驚いた表情を見せる。まるで子どもみたいな反応で面白いと感じてしまう。

 

 しかし、そんな時間も今日で終わり。アリスとユージオは再びUWへと帰っていった。200年後のUWに。

 

 銀は記憶処理を施されたあと、カプセルから出て外に出てきた。

 

 勿論、私たちがスタンバっているけど。そしてスタンバってるクラインとエギルの手には『お帰り、総督!!』と書かれた横断幕。そして……

 

 

      『お帰り!!坂倉銀先!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      「あぁ、ただいま。皆」

 

 

 こうして、銀は再び私たちの元へと帰って来てくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2回 これからの事については初期メンで考えろー

1「はーい始まりました~。『第2回 これからの事については初期メンで考えろー』です」

 

2「いぇーい!!」

 

3「………………」

 

1「いやぁ、このコーナーも2回目だよ?木綿季」

 

2「そうだねぇ……思い返せば、よくここまで続けてこれたねぇ」

 

3「……お前らちょっと良いか?」

 

「「んだよ色」」

 

3「お前らホント辛辣過ぎじゃね!?って、そうじゃなくてだな!!お前ら俺を責める前に責めなきゃならん奴が居るだろ!?」

 

1「俺?」

 

3「そうそう、お前とPoHがグルだった……それじゃねぇよ!!!」

 

《違うのかよ~》

 

3「お前は出てこなくて良いんだよ!!他に居るだろぉがよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[(;・ε・ )]

 

1「……………………………………」

 

2「……………………………………」

 

《………………………………………》

 

「「《テメエこの野郎ぉぉぉおお!!!!》」」

 

[ひでぶぅ!?]

 

1「何でテメエは何時もそうなんだよ!?」

 

2「そーだそーだ!!!」

 

《全くだ!!何でこんな奴が書いてんだか?》

 

3「そうそうソイツを責めて「「《顔文字厳禁って言われてるだろぉがよぉ!!!!》」」そっちじゃねぇぇえええ!!!」

 

「「《(´・ω・`)?》」」

 

3「揃いも揃ってお前らいい加減にしろよ!!何でこのSS放っぽっていたのか聞けよ!!!」

 

「「《何で?》」」

 

[ヒロアカ×HELLSING最高っす]

 

「「《》」」マシンガン乱射中

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2「それで?何?別のSS、しかもヒロアカのSSを書いてたらこうなったと?」

 

[あいっす]

 

1「……お前よくもまぁやってくれたなオイ!!!」

 

[しゃあねぇだろ!!!HELLSING見だしたら最高にハマっちまってよぉ!!!HELLSINGに心奪われたんだよぉ!!!文句なら原作者に直接言ってこいよぉ!!!]

 

3「ちったぁ発言を控えやがれ!!このアホ!!」

 

[兎に角!!時代はSAOではない!!これからはHELLSINGの時代となるのだぁ!!!]

 

《いーやHELLSINGのOVAって放送されたの11年以上前だぞ?かなり年代物だぞ、それ》

 

[急なマジレス止めて!!!確かに年月が経ちすぎてるけども!!今の俺の流行りはHELLSINGなんだよぉ!!!ベルナドット隊長とクラインは同じ声y「ちぇすとぉぉぉぉおおお!!!」ぶぐるぁ!!!]

 

3「お前は!!いい加減!!両立を!!覚えやがれアホ作者!!」

 

[アホなのは認めよう]

 

「《認めんな!!ちったぁ考えろ!!》」

 

[紛れもない事実を隠して何になるというのかね?諸君]

 

「「「《急なキャラチェンジ止めろ!!!!》」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[さて、これからの事なんだけど。少し小ネタを書いて、ヒロアカSSを書いて、気分が乗ったら書く]

 

「「「《3週間後じゃボケカス》」」」

 

[あぁぁぁんまぁりぃぃぃだぁぁぁぁぁ!!!!]

 

3「ってか、小ネタって何だよ作者。小ネタにするモンなんてあったか?」

 

[銀と和人、んでもって紫温に関係する事。あとは木綿季、お前にも関係のあるヤツ書くからな]

 

2「ぼ、ボクの!?」

 

1「何だろ……嫌な予感しかしねぇ」

 

[んじゃあ今回はここまで。小ネタ集で会いましょう。バイバーイ]

 

《勝手に終わらすな》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

予告編 長編SS

実写版銀魂見てきました!!

ギャグシーンが版権的に大丈夫なのかと思ってしまった場面が所々あったのは面白かったww

でもやっぱり似蔵との殺陣シーンは良かったですよ。

そして、映画を観た事でインスピレーションが沸きました!!後の事は銀先たちに任せますので、本編どうぞ!




1「はい、任されましたよ。坂倉銀先です」

 

2「同じく!妹の坂倉木綿季です!!!」

 

3「同じく、幼馴染みの桐ヶ谷和人です。どうもー」

 

《同じくPoHだ。宜しk「待て待て待て待て待て待て」》

 

1「オイこら、何で遮ったよバ和人」

 

3「誰がバカだモジャモジャ。何でここにPoHが居んだよ?誰が何時ものパターンかと思いきや突如として誰か入ってくる別パターンをぶちかましてくると予想できたよ!?」

 

2「何時から初期メンのボクたちだけだと錯覚した?」

 

3「木綿季、お前はネタに走るな。ツッコミがメンドくなるからなッ!!」

 

1「……おいおい、和人。お前作者から聞いてねぇのかよ」

 

3「何をだよ?」

 

《そんなんだから“馬鹿ずっと”って呼ばれんだよ》

 

3「お前は俺の名前アレンジして何が面白いんだよ!?ってかさっきの分かりづらいからな!!初見何書いてるか分からねぇと思うからな!!」

 

1「しゃあねぇ……木綿季」

 

2「はいはーい。えっとねぇ………あったあった。えっと、この度!!このSSの長編を作者が書くことになりましたー!!!拍手ー!!!!ぱちぱちぱちー!!!!」

 

3「待て待て待て!!長編!?全っ然聞いてねぇんだけど!?聞かされてもねぇよ!?」

 

1「…………おい作者、お前全員に伝えたつったよな?何で馬鹿ずっとは聞かされてねぇんだよ?」

 

3「お前は同じネタ使うな!!!天丼はつまんねぇの誰しも知ってる法則だから!!!」

 

[忘れてたゼ(。ゝ(ェ)・)-☆]

 

3「おい、誰か木刀持ってこい。今からコイツ殺す」

 

[死にたくない!!死にたくなボボボボボボボッ!!!ボッ!!ボッ!!この川ッ!!!深いからッ!!!]

 

3「最近ようつべで流行ってる溺れ死ぬボーちゃんの真似やめい!!!!」

 

《兎も角よ、さっさと出した方が良くねぇか?こんな前座誰も見てくれねぇからさ。一々長ぇんだよなぁ、ここの前座》

 

2「それもそうだね、それじゃあ予告編どうぞー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 始まりの始まりは……2022年の11月の事であった。

 

 誰もがソードアート・オンライン、通称【SAO】に閉じ込められてから早2ヶ月。

 

 そしてこの時、運命はイタズラに歯車を回し始めた。

 

 この2人の出会いを祝福するかの様に。

 

 

「お前、名は?」

 

「PoHだ、覚えておけよbrother」

 

「そうかい、俺は…………シヴァ。破壊神のシヴァだ」

 

 

 

 

 

 この2人の出会いは偶然か?それとも必然か?

 

 

 

 

 

「殺しって何が楽しいんだ?PoHさんよ」

 

「楽しい……いや、俺の場合は楽しんでるというより“恨んでる”っていう方が近いな」

 

「……昔なんかあったか。俺と似てんだな、お前」

 

「何がだよ?お前の周囲はスッゲェ胸糞悪ぃムード漂ってんじゃねぇか」

 

「そうじゃねぇ…………“転生する前”の事だ」

 

 

 

 

 

 

 語られるのは、シヴァ/坂倉銀先の過去。

 

 

 

 

 

 

「おっ、これ上手いな」

 

「だろだろ?これな結構自信作なんだよ。アイツらに不味いヤツ食わせる訳にもいかねぇだろ?」

 

「Hey、それ俺に毒味させてる様なモンかよ」

 

「悪いか?だがよ、もし不味くても上手くてもバフやデバフなんてランダムだろ?ポーションだってそうだろ」

 

「言えてるな」

 

 

 

 

 

 

 

 そして、語られるのは……この2人の約束の全貌。

 

 

 

 

 

 

 

「俺はお前が殺す。だから」

 

「お前は俺以外に殺されんな。それまで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     「「生きろ、相棒」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     長編SS【約束の場所で】

 

 

 

 

 

 

 

 この殺し合いは、違える事の出来ない“約束”となる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※完成次第投稿



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

vsAW 未来永劫
誰だって厨二病というものになってしまう。〇ELLSINGサイコー!!!←関係無い


 ALO内 ヴォークリンデ

~キリトside~

 

 今日は珍しくアスナとユイと一緒に出掛けている。ここ最近“アイツ”から出される課題が鬼畜過ぎて文句の1つも言いたいが何にも言えねぇし、ユイは“kaimu”とストレアとで何処か行くし。アスナは“シノン”と“リズ”とで何か話してるし……そういや“ドミナ”とアイツ、最近デュエルばっかしてるけど何かあったのだろうか?

 

 

「…………ト……く……キリト君!!」

 

「パパ!!」

 

「うぉい!!?」

 

「どうしたのキリト君?ボーッとして」

 

 

 此方の顔を覗き込む水色髪の美人【ウンディーネ】プレイヤー『アスナ』。俺の嫁。……って、いかんいかん。アイツの思考回路になってしまうな。“幼馴染み”として過ごしすぎたな。

 

 そして、隣で頬を膨らませているピクシー。俺たちの子ども……つってもAIだが、本当の我が子の様に思えるのだ。名前を『ユイ』。兄と妹に同じAIが居るのだが、ハッキリ言って兄には行くな。パパがメチャクチャ悲しくなる。

 

 

「あー……最近アイツから出される案件鬼畜過ぎてな」

 

「えっ?私のは簡単過ぎるんだけど?」

 

「……そうだよな、アスナのは簡単だよな。俺のは【領主】組とデュエルして来いだぞ?んで態々フォルティを選んだ訳?」

 

「……キリト君、どんまい」

 

 

 そうこうしている内に広い草原に出たな。目的の場所で一息つける~……なーんて思ってたらモンスター出てきやがったよ。こちとらフォルティ(死神)と52戦して52敗したんだよ……疲れたんだから、ちったぁ休ませろやぁ!!!と思いながらモンスターを瞬殺していく。簡単な奴等だから直ぐに終わったしよ。

 

 んで、ユイとアスナの元に行ってランチの時間なのさ。うむ、やはり旨い。……しかし、ユイが何処か遠くをチラチラと見ているから気になるな。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 空都 ライン

 

 ピクニックから帰ってきて戻ってきて宿屋に行こうとしたらよぉ……急にピーピー鳴り出すから何事かと思ったら、緊急のインフォメーションが出されてた。開いてみたら緊急メンテナンスによってログアウトを促すメッセが着てたんだが、ユイが急かすから適当にアスナを連れて……勿論ユイの後を追いかけていきますが何か?

 

 んで、案の定追いかけてみれば……ニーベルハイム。この荒野フィールドに、何かデッカイ塔が見えるんだけど!?アスナも同じ様に不審に思うわな。そりゃ。

 

 恐らくユイもあの塔に向かったのだろうと思い翅を出して空中から飛んでいく。途中地面に白い何かが見えたので降りてみると……俺がユイにあげた“白い花の髪飾り”が落ちていた。間違いなくユイはこの塔に向かった。

 

 アスナがそれを見て先々塔へと走っていくのだが……

 

 

「!?アスナ停まれ!!!」

 

 

 目の前に見慣れない“もの”が見えてしまったのでアスナを呼び掛ける。アスナにも見えているだろうが、あれは何だ?

 

 俺とダダ被りの真っ黒さに加え、両腕両足が刃物みたいな外見をしているのが分かった。分かったのは良かったが、ソイツは俺に向かって突撃してきた。面倒事になったと思いながら攻撃を剣で防ぐ。

 

 一応弾いて距離を取らせたが……厄介だな。下手したら負けるかもな。

 

 

「アスナ!!ここは何とかするから先に行け!!」

 

「…………分かった!!!」

 

 

 翅を広げて塔に向かったアスナを見届けた後、目の前の奴が話しかけてきた。

 

 

「……聞いた通りだな。やはり貴様達が標的のエネミーという事か」

 

 

 ………………うん、先ずは色々ツッコミたい。久々にツッコミたい、3週間も待ったから本当色々ツッコミたいんだよ。分かるよな読者諸君?

 

 

「……すまんが色々と言わせてもらいたい」

 

 

 こっちの臨戦態勢を解く。こうでもしないと信用得れないのは理解してるんだよなぁ……情けない話、アイツの方が自分を確立させながら社会に溶け込んでるから教えてもらってるんだよなぁ。こういうの。

 

 

「先ずエネミーって何ぞ?つか、その姿何?自分が剣にでもなったつもりなのか?ハッキリ言って厨二心丸出しの姿にしか見えないんだけど?いや俺の姿も妖精だけどさ、お前どっちかつったら厨坊男子に受け狙い定めてる姿して何してんの?恥ずかしくないの、それ?」

 

「敵に隙を見せるとは……やられたいのか貴様!?」

 

「いや話聞きやがれェ!!!!」

 

 

 ア、駄目だこりゃ。話を聞かない猪突猛進パターンだわ。でも口は止まらない。だってツッコミだもの(by キリトこと桐ヶ谷和人)

 

 

「テメエ!!俺色々喋ったよなぁ!?何で話を聞いてねぇんだよコンチクショウ!!話はキチンと最後まで聞きましょうってのを親に習わなかったのかよバカタレ!!」

 

「……………………」

 

「……………………あれ?」

 

 

 あっれれぇ?丘ぴーぽー?何か空気が一気に冷めたんだけどぉ?……俺、何か不味い事言ったかなぁ?いや、これは絶対に不味い事言ったな。ど、ど、どどうしよ?

 

 

「あー…………その、何だ。その姿カッコいいよなぁ。厨二心くすぐられるよなぁ(棒)」

 

 

 な、何とか取り繕ってみるが……絶対あれだろ。グサッていっちゃったよね?絶対言っちゃいけなかったよね?

 

 何て考えてたら塔の方で何かあった様だ。仕方ねぇ……あれ使うか。両手に持つ片手剣に、あの時の神獣から埋め込まれた知識を用いて……黒とまばらに輝く星の様なオーラを纏い塔の方に向けて放つ。

 

 これを見た目の前の奴は驚いた様子を見せるが、今はんな事考えてる余裕はねぇ。

 

 

「おいお前!!話は後で聞いてやるから、お前はどっか行ってろ!!」

 

 

 翅を広げて塔の方に向かう。進んでいくとアスナと誰か居る。そこまで降りていき話しかける。

 

 

「アスナ!!!」

 

「キリト君!!…………ユイちゃんが!!…………ユイちゃんが!!」

 

「……やはり来たか」

 

「どういう事か……私にも説明してもらおうか?ペルソナ・ヴァベル」

 

「うぉ!?」

 

 

 いや何で急に後ろに居んだよ?って、今はどうでも良い!!アスナの言ってた事から、恐らくユイが何かあったのは理解できる。

 

 まぁ話は進められていくが、この目の前に居る奴は“世界の改変”だの何だの言って消えた後に塔の前に巨大なモンスターが現れて黒い奴と空都に戻る事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………何かメンドクサイ事になっちゃったね、サーカス君」

 

「ですねぇ……それより私の名前違うって何度言えば良いんですか?『ルテン』」

 

「良いじゃん別に。それより『プラチナ』と『オース』捜した方が良いよね?あれ殺れるの僕入れて3人ぐらいだろうし」

 

「良くないです。……しかし、確かに『オース』と『ロード』を捜した方が良さそうです。では行きましょうか」

 

「そだね。ってか、やっぱ『プラチナ』の事『ロード』って呼んでるあたり流石親友」

 

「貴方たちも、その“親友”の部類に入っているのですが?」

 

 

 急に現れた2人は荒野を歩いた。黄色と輝く銀白の姿をした機械の者たちは、他の仲間を探すために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

〇ELLSINGも良いけどUndertaleも良いよね……ん?SAO?知らないですね←オイ

 ~キリトside~

 

 ヴォークリンデに戻ってきて、転移門付近まで移動してきたんだが……そこで見慣れたピンク髪と見慣れた槍と紫髪、“リズ”こと『リズベット』と闇妖精領主『ドミナ』が転移門付近に居た。

 

 話によれば今回起こった緊急メンテナンスの件について不審がっていたり、“アイツ”の影響に毒された者の1人として調べたくなったのもあるそうだ。ドミナは隣に居るリズの行動を予測していると恐らくこうなると予想していた為、咎めもせずに従ったらしい。

 

 そして目に付くのは……やはり、この黒い奴だろう。あ、あと名前が『ブラック・ロータス』というらしい。聞くと普通に厨二心狙ってると思うのは恐らくドミナも一緒だろう。

 

 しかしこのままでは色々と面倒になりそうなので、ロータスは画面を操作したあと姿を変える。あれだ、よく舞踏会で着ける様な仮面にデッカイ蝶の羽と露出高めの服装だわ。何故かアスナが腕をつねって来たが。そして呼び名を『ロッタ』と決めた。

 

 何はともあれ、転移門で空都ラインに戻った。……戻ったのは良かったんだ。

 

 メッチャ変わってね?いやだってさぁ!!ほら、あれなんだよ!!俺たちの思う空都ラインは自然が多いイメージなんだよ。んで、今見えてる景色が……メッチャ機械的なんですがこれは。ってか変わりすぎィ!!近未来風だよ!!世界観狂ってるよ!!

 

 んで、変わった空都でエギルとユウキとエイドに会いロッタを紹介する。そして……今回の案件について話した。やはり誰しも驚かざるを得ない。

 

 一通り話も済んだあと、今度はロッタの話を聞くことにした。話によれば2人で来たそうだ。『シルバー・クロウ』という、これまた厨二心を掻き立てる名前が……と思っていたらエイドが何かツボったらしい。何処にツボったのやら?

 

 話の続きだ。どうやら“ここ”に入って来る際に雷によって別れて、その後あのペルソナ何【CHARA】(ちゃらと呼びます)の話を信じて俺たちを襲ったらしい。

 

 まぁ何はともあれ話も聞けたし、こっからは成り行きに任せるか。…………駄目だ、またアイツから移された癖が。どうも楽観的な奴が領主組に多いらしいが、アイツは他より楽観すぎて毒されていく様だ。

 

 さて、ここから仲間探しになるのだが……長いからカット頼むわ。作者。

 

 

[キングクリムゾン!!!]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うん、作者便利。何やかんやあって『シリカ』『ストレア』そして『シルバー・クロウ』もとい『ハルユキ』、さらに『メタトロン』と呼ばれる“エネミー”……謂わば“最上位モンスター”が仲間になった。序でにロッタが仮面を外したので素顔が明らかとなった。

 

 そして、ストレアに憑依した何かが話した【未来】の出来事。いやアイツが転生者だから余程の事じゃ驚きはしなくなっちまったなぁ……ま、いっか。【化け物】カテゴリーに居るドミナとエイドも反応薄いし。

 

 何はともあれ、俺たちは仲間を探さなきゃならない。アイツはシノンと一緒なのは確実だから優先的に捜すしかないなこりゃ。戦力的にもあれだしよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~kaimu side~

 

「ふぅ……これじゃあ、お手上げね」

 

 

 そうぼやきながら溜め息を吐くシノンさん、その夫なのに悠々とキセルで煙草吸っているマスター。シノンさんリーファさんを誘ったシリカさんははぐれる始末。この突如発生した障壁は“通常”では壊せない様だが、マスターの【心意】と【メモルシステム】の複合なら破壊できる可能性はあると計算されていますが……

 

 

「開けられても一時的だろ。根本的解決にはなってねぇじゃん」

 

 

 うーむ論破された。確かに破壊はできますが、カーディナルの行動予測では復元する考えになりそうですし。しっかし……このフィールドの変わり様ですよ。

 

 近未来的な建物がALOに“そのまま合体した”様な印象を受けますが、どうやらその様です。エラー発生では無いことからカーディナルが“適合”でも行ったんでしょうか。

 

 それよりも……マスターには話しましたが、何故か『ユイ』の反応が2つ。いや、似た反応が現れたのは気になった。そして……『ユイ』の反応が微弱な物になったという事。荒野ステージで建物が現れた事に関係がある様ですね。

 

 PoHはゴーストデータなりに調べていた様で……と思ってたら建物のデータ調べてました。話から“未来の物”なんて言いましたがマスターは驚きもしない。しかもPoHに煙吹き掛けたせいで、また喧騒事ですよ。

 

 そうこうしてる内にシノンとリーファさん何処か行きましたよ。シノンさんはマスターを誘っていましたが、マスターはチークキスするだけで動きません。シノンさんが腕を引っ張ったらマスターは動きましたが。

 

 欠伸をしながら翅を広げてウロチョロ飛んでいるマスター。あ、私は今、武器になってマスターの腰にぶら下がってます。楽で良いですよ。

 

 ウロチョロ飛んで早数分。何か機械みたいな者が2名居るんですが……ここでマスター、何を思ったのかシノンさんに耳打ちした瞬間シノンさんがリーファさん連れて機械の者に突っ込んで行きましたよ。マスターは行ってすらない。

 

 

《HeyHey、お前行かねぇのかよ?折角殺れるチャンスなのに》

 

 

 マスターの右腕から黒いオーラが出て、そのオーラからゴーストデータである『PoH』が上半身だけ現れる。この“殺人鬼”は死んで尚も生き続けてる元人間。しかしPoHはマスターに力を貸している様で、HPが全損しても“殺したプレイヤー”のデータを消費して生き延びる【残機】というシステムと“殺したプレイヤー”の記憶データを使用できる【メモルシステム】を付与させています。

 

 

「バッカ言え、あれ女だろ。近付いたら近付いたで、あの2人がトラウマ植え付けられるっての」

 

《束縛系&暴力系ってか?オッソロシッww》

 

「ま、俺には甘えてくるから可愛いけどよ。何かあったら俺が止めるし…………」

 

《あ?どった…………oh》

 

 

 マスターとPoHの視線の先を見てみれば……何か変なモンスターがシノンさんを殴ってた所を【偶然】見てしまいました。【偶然】です、本当に【偶然】です。

 

 マスターが私の刀身を引き抜いて【心意】と【メモルシステム】の両方発動して私の刀身に纏わせていますが……あ、あかん。あのモンスター死んだな。

 

 直ぐに翅を広げて突っ込みつつ、私『神壊刀・壊無』を“一撃”で終わらせた。

 

 

「俺の嫁さんに何しとんのじゃワレェェェ!!!!」

 

 

 ……もう、マスターはマスターですね。何時もの『坂倉銀先』であり『シヴァ』ですね。はい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

諸君、私はヤンデレが好きだ←関係無い

 ~シヴァside~

 とある浮島にて

 

 ………………ふぅ~、すっとしたぜぇ。ったく、んだよあのデカ虫。あんな奴居て良かったのか?否、居て良い筈が無い。当たり前だ、シノン殴った奴なんぞ生かしておけるものか。

 

 まぁ唐突なキャラ崩壊はさておいてと、今はお互い武装解除して御対面ってヤツさ。シノンは何時もの様に体に密着してるんだが……まぁ今は自重プリーズ。だって子ども居るんだもん。そしてリーファ、お前はロリコンでもねぇのに幼女と口走るな。お前はあの“兄貴”にしか目が無(殴

 

 痛ッ……相手方の方は『楓子』と『謡』という名前。恐らくこの状態アバターの固有名……いや、本名だろうな。此方も適当に自己紹介して一旦終了して、展開されていた障壁が消えたのを確認出来た。成る程“あれ”は障壁を解除させる為の門番的役割の奴だったのか。

 

 おっと……どうやら御迎えが来たようだな。それも知らねぇ奴等含めてだな。

 

 

「「やっぱお前か嫁発言は」」

 

「よぉドミナ、キリト。ちと遅すぎやしねぇか?」

 

 

 どうやら総勢で出迎えてくれた様だな。そして大声で言ってたから聞こえてたらしいな……関係無い、愛する事を公衆の面前(ではない)で言って何が悪い?

 

 

「障壁邪魔だったんだよバカタレ」

 

「ほぉ……キリト、次の課題倍にして「いやぁ!!遅くなって悪いな!!アハハハ!!!」」

 

「(どれだけトラウマになってんのお兄ちゃん……)」

 

 

 うむ、やはりキリトにはフォルティ。もとい死神レイスとの組手《拷問》の話題を持ち出すと素直になるな……だがな、キリトよ。お前は終わりだ。

 

 

「うっし、次の課題3倍なキリト」

 

「なぁんで増えたよ!!?俺訂正したよな!?したよな!?」

 

「残念だったな!!これが俺だ!!」

 

「お前ゲス以外の何者でもねぇよな」

 

「精々鬼畜が良いところだろ」

 

「さらに悪化してるんだが?」

 

 

 ドミナからのツッコミも貰った所で……一旦街に戻ることになった俺たち。その途中、キリトを見たら項垂れていた。まぁ緊急事態なのには変わり無いから組手《拷問》は後になるの言ってねぇけどよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まぁそんなこんなあって空都に戻った訳だが……なぁにコレェ?全くの別物に成り果ててるんだけど?あれですか?空都に近未来要素がフュージョンライズしたんですか?それともフュージョンアップしたんですか?ユナイテッドでは無い事は確かだけど。

 

 とまぁ変わり果てた空都にあるエギルのカフェに集まって再度自己紹介しようとしようか。確かノーチラスとユナはリアルで用事あるからダイブ出来ないつってたから大丈夫か。ん?ユイの事はとな?kaimuから聞いたけど、要は救えば良いんだろ?ユイ“2人”を。

 

 んで何か色々あるが残された者を数えると此方は3人、彼方は6人程居るらしい。kaimuが呼んでいたのでその場でアクティブモードにさせてマップ情報の詳細を確認していく。急に刀が人(つーかAI)になるのは初見は驚くだろうな。序でにバカップルの話題に入った途端キリトたちが俺とシノンの方を向いたのは何故だ?

 

 それと……キリト、テメエ何で俺に押し付けた?リーダー?俺はギルドリーダーだしウンディーネ領主だけどよ……この人数を纏めるの相当キツそうだなぁ。まぁやるけどよ。

 

 つまりは、今ここで【奇兵隊】と【ネガ・ネビュラス】の協力関係を築いていくという事だ。

 

 んで仲間探しに行くのでヴォークリンデに出るが、やはり高層ビルなどが混入しているため改めて見ると驚くのは仕方ない。俺とシノンはGGOで何度も見てるからビルの1つや2つ驚く必要すらない。

 

 さて、ちょっと話は変わるがkaimuの状況説明タイム。今回のビルの混入や近未来要素は【ブレイン・バースト】と呼ばれるゲームが、カーディナルによって自動的に対応した事による影響だそう。これが奇しくもペルソナにとって好都合という訳でも無いらしい。主な理由を挙げると俺たちとコイツらが会っている事、つまりは協力関係を結ばれて止めに入る可能性もあるため。これをkaimuとメガトロン?「メタトロンです!!!」何処ぞの熾天使の長の名前のちっこい奴「私は最上位ビーイングゥ!!!」「何でデス〇ートが出てるんですかねぇ?」

 

 ネタが出ていたが置いといて、仲間探しとして飛行していますよ。リーファが小さいけど雑音が聞こえると言うので、その音を聞き分ける様に前に右に左に行ったり来たり。

 

 やっと音が大きくなってきたが、目の前にある光景はあまりにも壮大だな。だって巨大な機械と巨大な機械がバンバンクリティカルファイヤー中だもん。しかも全く同じ。

 

 その相手はネガネビュとの休戦協定を結んでいる【プロミネンス】のO《王だよバカタレ。それだと酸素だわ》もとい王の『スカーレット・レイン』だそうです。てかプロミネンスって太陽の放出されている長いガスだろ?どうせならコロナで良くね?もっと燃えるし。100万度だし。

 

 さて……本当なら同じ存在は、どちらか抹消されるのがセオリーなのに2つ存在している。さっき出てきたPoHに聞いてみると片方はゴーストデータとして存在しているらしい。やはり同じゴーストデータ、言うことが違う。

 

 

「おいPoH、お前の出番だぞ」

 

《えーメンドイ。そんな日になるならfuck dayになりそうだ。つか任意で使えるだろ》

 

「お前もやるんだよバカタレ」

 

《んで俺がやんなきゃいけねぇんだよ?》

 

「さっさとやるぞバカが!!」

 

 

 心意【創造】──こいつでPoHの体を形成して【メモルシステム】によって記憶のPoHを入れる。すると、あら不思議!!PoHが動き出しました!!これには終始ネガネビュの皆さんはビックリ!!今ならコレが何と1万9800円!!

 

 

《通販じゃねぇんだよ、さっさと殺るぞ》

 

「うっし、殺るか」

 

「「お前ら似てるなぁ……物騒でキチガイなとこ」」

 

 

 ドミナとキリトが何か言ったが気にしねぇよ。俺たちは翅を広げて口角を上げて共に向かう。PoHが飛んでるのは心意で作られた体から翅生やしただけ。これで飛べるんだよ?凄くね?

 

 PoHの指し示す『スカーレット・レイン』に向かって心意とメモルシステムを纏った刀と友切包丁で斬りつける。ダメージもそこそこだが何度も殺れば平気だろ。

 

 ミサイル?レーザービーム?マシンガン?ホーミング?何それ美味しいの?という感じで全部斬って斬りつける。ワープがメンドイが、残り6回殺ればタヒぬだろ。

 

 こんな感じで6回殺って終わりました。チャンチャン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、あれ心意ですわね」

 

「「「えっ?」」」

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

小説を開ける期間があるとネタを集めやすい

 ~ハルユキside~

 

「キレイナハナビダッタナー」

 

「「ダナー」」

 

「あぁ、お兄ちゃんの見せてた光景で……感極まってるんだね!!!」

 

「ユウキちゃん、何処をどう見たら良いかな?」

 

 

 今、僕たちの目の前に広がっていた光景は正しく圧倒的と呼ぶのに相応しい光景だろう。だって偽物のニコの強化外装【インビンシブル】の放つ様々な攻撃をたった2人で破壊し、それも師匠から“心意を使っている”と言われれば尚更ビックリする。

 

 2人が降りてきた。1人は【奇兵隊】と呼ばれるギルドのリーダーを務めている『シヴァ』という銀髪天然パーマの妖精と、もう1人はそのシヴァさんの腕から出てきた男の人。誰かは分からないけど、シヴァさんと仲良さそうだ。

 

 その2人は肩をぐるぐると回しながらキリトさんたちの所に歩いていく。もう1人の男はシヴァさんに戻っていっちゃった。正直訳が分からない。

 

 確か“心意”は自分の心の傷から生み出す力。そんなものが、この時代に既に使用されているという事には皆違和感を覚えてる様だ。あの【奇兵隊】の人たちは何にもリアクションが無いけど。

 

 

「あー……歯応えねぇなアレ、もうちょい弾幕の密度高くても良いのに」

 

「よし一旦黙れお前は」

 

 

 …………何か物騒な事が聞こえたけど、大丈夫だよね?大丈夫ですよね?ふとニコの方を見てみたら情報圧がスゴいことになってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~シヴァside~

 

 ふぃー。やっぱキャラ知らないと口調というか、目立たせ方分かんねぇよ(作者からの伝言

 

 さて、今俺たちは変な場所に居る。何か変な場所でもないかなーと思いつつ、あっちゃこっちゃ行ってみればコレだよ。あの偽物倒してゲットした【プロミネンス】という名前の玉が光って反応して別の場所への入り口へセット!!!!オープン!!!!L・I・O・N!!!LION!!

 

 

「おい仮面ライダーやめろ腐れ天パ」

 

「うっせぇぞ松○」

 

「中の人を普通に言うな!!!!」

 

「黙りなさいペテルギ○ス・○マネコンティ」

 

「他作品を出すなあぁぁぁぁ!!!」

 

「怠惰デスッ!」

 

「ストップユウキ!!もうこれ以上はヤバイ!!作者の方がヤバくなるから!!」

 

「“ピーーーー”!!!」

 

「アスナ!?伏せ字で隠してるけど言ってる事ユウキと同じだよな!?何で規制音出したよ!?」

 

 

 うむ、今回は他作品の声優ネタをぶっこんだな。パーフェクトだ、作者。ここで感謝の極みとか言うと予想してた読者様?作者が出すわけねぇだろ。

 

 んで何やかんやでフロスヒルデに到着したのだが……やはり景観そのものが変わり果てている。ふつくしい自然を返しやがれや!!!ここで一般男性脱p※この先の発言では皆様に大変ご不快になられますので規制をしきます。

 

 んでまぁ一旦移動ポータルを起動させて各自散開、色々見ていった方が良いからな。

 

 というのが建前でシノンとうろうろしてイチャコラする為に設けた提案だがな!!計画通り!!という形で今は低空飛行で隣に居る。

 

 んで序でにフィリア発見。そのフィリアの後ろからモンスター現れたけど心意で【ハルコンネンⅡ】を製作して、シノンと共に遠距離で仕留める。その後、シノンもヘカート使いたいと言い出したのでkaimuに頼んでアバターチェンジシステムを使用してGGOタイプのアバターにした。つまりはヘカート撃ち放題!!

 

 俺もハルコンネンⅡを解除してアバターチェンジシステムでGGOアバターになって遠距離対物ライフル番傘を構えて撃ちまくる。一発一発に心意を込めて撃っているため威力も桁違い。

 

 ものの数分もしない内に出現したモンスターはポリゴンとなって消滅した。それと同時にアバターもALOタイプに戻り武器も消えた。

 

 取り敢えずフィリアに現状説明した後、他の奴等にメッセを送って待つ。直ぐに来てくれるのは正直ありがたい、何せシノンとフィリアの間で火花が巻き起こされているのだから面倒で仕方ない。

 

 とりま一旦ラインにあるカフェで改めて自己紹介をしなければならない。だって増えているし、よく分からねぇんだよ。覚えんのメンドクセェんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 着いた着いた。という訳でキセルで一服一服。現実の体には影響が無いから便利だよな、口に含んでいる煙を(面白そうだから)キリトに吹き掛ける。

 

 

「ゴホッ!!おまッ!!ちょ!!今小さい子居るから止めとけ!!!」

 

「ふぅむ……ま、そうだな」

 

「はぁ……何かヤケに聞き分けが良い「お前に吸い殻捨てるわ」ちょ!!やめアツゥイ!!!!」

 

 

 キリトの頭に吸い殻を捨てるが、直ぐにポリゴン片となるから関係ない。というか熱いと言う方が可笑しい。

 

 

「さてっと……自己紹介を改めて。俺はシヴァ、【奇兵隊】のギルドリーダーとアスナと同じ種族で領主を務めてる。因みに付けられた異名が破壊神」

 

「んじゃ次。俺はドミナ、一応闇妖精の領主務めてるが奇兵じゃただの一兵さ」

 

「それじゃ。俺はエイド、キリトと同じ影妖精でそこの領主務めてるよ。同じく奇兵隊ではただの一兵。そこのドミナとは幼馴染みさ」

 

「この3人が化け物勢と呼ばれるキチガイd「ちょっとキリト!!ドミナは違うわよ!!」「おい色、お兄ちゃんに何言ってんの?処すよ?」ユウキ怖ぇよ!!」

 

 

 こんな光景を見せているが、彼方は色々苦笑いしか起きないのは知ってた。だが、次の発言で此方が驚く羽目になるとは思わなかった。

 

 

「アタシらの所にも、この3人に似た奴等を見たことがあるぜ。その3人は何だかんだ言って仲良さそうだけどな」

 

「「「………はっ?」」」

 

『その話詳しく』

 

 

 何故だか俺ら3人以外の奴等が、その話を聞くためにニコを中心に集まった。お前ら何で聞きたがるんだよ?特にシノン、シノンは聞かなくて良いでしょ。

 

 

「おっけ。ソイツらはそれぞれ『ルテン』、『オース』、『プラチナ』って呼ばれてんだ。その内の『プラチナ』は黒雪とアタシとは違う“オリジネイター”でな、スゲェ強いのにレギオンを作らねぇんだ」

 

「ほぉー……ん?」

 

 

 何時の間にか俺も聞いてしまったが、ふと黒雪やハルユキたちを見てみると表情が苦手意識持ってる様に変わっていた。それを見たニコは溜め息をつきながらだが教えようとした。

 

 

「悪い、ちょっとロータスとのレギオンと少しあってな。悪い奴等じゃ無いのは確かなんだよ」

 

 

 レギオン絡みでいざこざってか、どんだけ実力かあるのやら?ってか、まだ聞きたい事が色々あるからフロスヒルデに行く途中に話してもらうとするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

劣化ウランをドーン!!

 ~シヴァside~

 

 前回もフロスヒルデ行ったけど少しだけ彷徨いていただけだから、じっくり見に行った訳なのよ。んで来た訳よ。そしたらバイク乗ってる2人組が居た訳さ。

 

 それをシルバー・クロウ/ハルユキが追い掛けて行ったんたが……てっとり早く済ましたいから【ハルコンネン】を生成して狙いを定める。

 

 しようと思ったけど俺番傘しか殆ど使ってねぇから狙いが定まらん。仕方無いのでシノンに手伝ってもらいながら狙いを定める。というよりシノンが狙い定めて俺が反動を殺せば良いだけか。

 

 ハルコンネンを肩に付けて反動を殺す役目を俺が、狙いを定めトリガーを引く役目をシノンが。こうなると俺がシノンに乗っかってる体勢になるのだが……考えるのは止めとくか。

 

 んで、バイクが此方に来た際にトリガーを引き反動を殺す。丁度クロウがバイクを掴んで止めたので弾丸がクロウにも被害が及んだ。その時断末魔が3つ響いたが気にしない方針で。

 

 

《方針云々じゃねぇ、メンドクサイだけだろ》

 

「バレたか」

 

「あなた?」

 

「のんのんどったの?」

 

 

 シノンは完全リアルで結婚する気まんまんだから、こんな呼び方になってるのは気にすんな。俺もなってるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

「酷い目にあいました……」

 

「「同じく……」」

 

「「やっちゃったぜ☆」」

 

「「いや、やっちゃったぜ☆じゃねぇだろぉぉぉ!!」」

 

 

 2人でボケたら盛大に突っ込まれた、解せぬ。ツッコミはキリトとドミナ、この2人は何時もの事だ。ハルコンネンの弾丸でハルユキとクライン、そんでもって新しく『アッシュ・ローラー』が巻き添えとなったが気にしない。というか俺とシノンはバイクの前にある地面狙ったんだけどなぁ。心意が強すぎたか?

 

 と、んな事考えてたらクラインが後ろから羽交い締めしてきた。それはやって来たユウキとシノンと俺でドロップキック決めて離れさせて、その後俺がクラインを羽交い締めする。

 

 

「花瀬☆!!歯名背☆!!羽奈妹☆!!華畝☆!!派南世☆!!覇儺丗☆!!鼻☆!!「「オラァ!!!」」グボフッ!!!」

 

 

 ユウキとシノンのパンチがクラインの両頬にヒット。序でに俺も羽交い締めをやめて顎を殴った。一旦宙に漂った後、地面に伏した。

 

 

「み、ミスタークライィィィン!!!!」

 

「クラインさんが死んだ!!この人でなし!!」

 

「アスナ、ちょくちょくネタに走るのは止めてくれ」

 

「生きてるわ……………チクショー…………」

 

 

 そんなこんなのやり取りをしていると、別ギルドから声を掛けられた。攻略ギルドの1つである【サンタ・マリア】のギルドリーダーで『マリア』という。そのギルドリーダーが近付いて来た瞬間シノンが腕に抱き付いて来たのは仕方無いことよ。

 

 んで、ギルドリーダー同士で鼻☆塩☆塩(話をしよう)という訳で近くの席に座ってエギルに注文して話をしていた。その話の内容は至って簡単、フロスヒルデの中心にある神殿ダンジョンの入り口に幻術の様な結界が張られているという。そしてダンジョンの入り口から黄色のピエロの姿をしたアバターが出入りしているそうなのだ。

 

 話を聞き終えた俺とシノンはマリアと別れて全員にその話をする。その話を聞いた2人の王は怪訝そうな表情をしていた。問うてみれば、2人と同じ王である『イエロー・レディオ』と呼ばれる者と話した通りの性能や容姿が酷似しているそうだ。

 

 仲間リストには入って無かったが、強い奴なのは確かだろう。だがBB勢の評判は悪いらしく、幻術という姑息な手段を使ったバーストリンカーの風上にも置けない奴と認識しているらしい。

 

 

「さて、化け物勢の3人はこれをどう受けとる?」

 

 

 キリト、何で俺たちに振ってくるんだよ?お前の課題さらに5倍にすんぞコラ。まぁ途中でパドが話を割ってくれたからOK。

 

 んで何やかんやで『シアン・パイル』もとい『タク』が仲間になった。他にも仲間は居たらしいのだが、そのレディオとかいう奴に人質にされてるのだそう。まぁこのまま話してても時間の無駄なので行くとしますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、そうそうニコさんや。ちょいと話が聞きたいんだが」

 

「ん?何の話だよシヴァ?」

 

「いやな、前話してた『プラチナ』と『オース』と『ルテン』の話聞きたいんだよ」

 

「あぁ、その事か。良いぜ話してやるよ」

 

 

 なるべく低空飛行を意識しながら並走している俺とニコ、そしてシノンとパド。まぁ気になってたモンは仕方無いしな。んでニコは少し話づらそうな雰囲気のまま話し出した。

 

 なんでも、その3人はバウンサー。つまりは用心棒を主に活動しているらしい。その他にも他のアバターの育成などもしているが、クライアントが条件を飲めば他のアバターを平気で襲撃したり他の領地の護衛までする何でも屋だ。勿論、その際にバーストポイントというものを払わされたり強化外装と呼ばれる武装を要求してくるのだが。

 

 しかもその3人は先程話したレディオと仲の良い関係にあるという。特にプラチナとは仲が良く、他のアバターの者もレディオとプラチナが一緒に居る光景を目撃するという。

 

 さらには幻術によってプラチナとレディオがネガビュを高位エネミーから襲われた所を助けた際、「そんなんじゃ守れるモンも守れやしねぇ、とっとと失せろ」などと発言したためネガビュとプラチナの仲は悪化の状態にあるという。

 

 まぁあのロータスは真っ直ぐなんだよな。見てて分かるが正々堂々という言葉が服着てる奴みたいだから分かるが、幻術だって1つの戦略だし卑怯っていうのは俺にとっては甘ちゃんの戯れ言にしか聞こえねぇんだよな。

 

 とか思ってたら辿り着いた。中にも入れるし早速仲に入ったんだお。そしたら何かゲームと称して死のカウントダウンが始まったんだお、めんどくさい。

 

 とりま手分けして何か鉱石みたいなヤツを片っ端から壊していって中心の場所まで行く。そしたら変なゲートがあるから入ろうとしたら、何かシノンとシリカから作戦を提示された。

 

 その作戦に俺たちは乗った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや早くしてよ、僕たち侵入できないじゃん。偽物殺せないじゃん」

 

「何か目の前で殺されるのはキますね……想像したら」

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

こうなっちゃったか……

 ~シヴァside~

 

「…………どうしてこうなった?」

 

 

 時は遡る事数分前……だと思うね。あ、今の状態を簡潔に説明するとのぉ……話に出ていた『ライム・ベル』が『ルテン』に捕まってる。以上。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 ──その数分前──

 

 俺たちは作戦を実行する為にゲートを潜り抜けて、ベル救出作戦を実行した訳だ。先ずはフィールドに出てたんだが、沼みてぇな場所に出たんだよ。鼻が曲がりそうだ。

 

 んで沼を挟んだ向こう側の陸地に倒れているのが見えたから、そこまで行くとレディオ居たのよ。誘いに……ここでは赤の王と黒の王の対決。弱った所を一気に狙うというのだそう。

 

 まぁ誘いに乗った訳さ。ニコの発射される弾幕で煙を起こして、レディオに捕らえられているベルをシノンの狙撃て出来る隙を突いて救出する筈だったんだよ。

 

 “居なかった”んだよ。その『ライム・ベル』ご本人が。捕まえてたレディオも慌てているため、この様な事は想定外だったのだろうが……これには俺たちも周囲を直ぐに見渡したよ。

 

 そしたら居たんだよ、見慣れないアバターが。姿はアマゾンΩに近いが、白銀という事と逆立った毛みたいに鋭くなっている外装。赤い目や特殊な触覚は同じだな。そいつがベルの首にアームカッターを当てている訳だ。

 

 

「貴様は……『ルテン・ヴァイオ』!!」

 

「あったり~、というか僕で~す。久々だねローさん」

 

 

 外見の癖に妙にチャラいな。そのルテンの近場に居たドミナがルテンと対峙する。ルテンは未だ首にアームカッターを当てており、ドミナは静かにトライデントを構えている。

 

 

「へぇ……君、人質取られてるのに武器構えれるんだぁ」

 

「うるせぇ黙れ渡せ」

 

「……赤の他人が虐めてくるんだお」

 

 

 何か拍子抜けしてしまうんだな。ってか気が散って力が入らんが……これが良いや。少し落ち着いて状況整理だ。まぁ捕まえてたレディオが焦っているのを見るとアイツの独断らしいかな?だが姿を見せなかった所を見ると……第三勢力と認識して良いかな?

 

 しっかしピンチなのは変わりない。ここで殺されでもしたら面倒だかんな。というかドミナ、お前は何で武器を構えた?エイドの援護で救出しようとしてるのか?

 

 

「ねぇねぇ、今すぐ武器下ろさなきゃ殺すよ?」

 

「殺れるんなら殺れや、その前にお前を殺s「ほいっと」」 

 

 

 …………これには誰もが顎が上がらない。いやマジで、普通人質は取っておく事で真価を発揮できるのに。コイツは何の躊躇いも無く首切り裂きやがった。ドミナはというと……

 

 

「………………ホントに殺る奴があるかあぁぁぁぁ!!!?」

 

「アンタが殺れつったんでしょぉおがあぁ!!!!」

 

 

 一気に2人とも接近して槍と腕を振り下ろそうとしている。しかし、俺はこの光景に似たものを見た事がある。

 

 まぁ分かる人は分かるだろう。銀○での土○と銀さんで、薔薇ガキのあれだ。

 

 案の定、槍と腕は地面を叩き付ける形となり土煙を発生させて視界を奪った。しかもニコのミサイルの煙より遥かに広範囲に発生させている。これには誰もが目を閉じなければならない。

 

 次の瞬間、レディオの叫び声が聴こえたと思いきやポリゴンが砕ける音が聞こえたんだ。

 

 視界が開けてポリゴンが砕ける音が聞こえた方向を見ると、そのルテンと……何故この場に居るのか理解できない奴等2名が居た。

 

 

「イエロー・レディオ!!?それにベル!!?」

 

 

 ルテンは次多分本物であるレディオに捕まっている本物のベルの首にアームカッターを当てる。因みに首をやられ倒れていたベルは偽物らしく直ぐに消えた。

 

 

「さてっと……お集まりの皆様どーもー、改めてだけど『ルテン・ヴァイオ』。バウンサー集団の一介でーす」

 

「ルテン、早く用件を言いなさい。面倒なんですからコレ」

 

「はいはいゴメンゴメン。んじゃ早速……BP5万と強化外装3つね」

 

『!!!?』

 

「やだなぁもー、これだから勘が良くても直ぐ言わない人苦手なんだよなぁ。じゃあ言うけど、僕たちはテットリ早く偽物サーカス君倒して尚且つ『ライム・ベル』を救った……本来なら依頼しなきゃいけないのを態々救ったんだから、それ相応の報酬は貰わなきゃねぇ?」

 

「ふざけるな!!それがお前らが勝手にやっただけだろ!!何で報酬を払わなきゃいけねぇんだ!?」

 

 

 ルテンの言葉にクラインが指摘する。クラインの言う事は尤もだ。勝手に割り込んで来て勝手に始末して勝手に報酬を貰おうとする。些か何でも屋を前にしてた身としては言いたい事が山ほどあるが……ルテンは何故かアームカッターを首から離し、レディオはタクに向けてベルを投げた。

 

 すると今度は本音だろうと思われるが拍子抜けしてしまう態度に早変わり。

 

 

「貴方ナイス!!いやぁ、こんな人久しぶりだよぉ。そう!!これは僕たち2人が勝手にやった行為!!それに報酬を払う義理なんて無いよね!!」

 

「すいません今から土下座させますので」

 

 

 ステッキらしき棒を瞬時に取り出したと思いきやルテンの後頭部を思いっきり殴って顔を地面に埋めさせた。唖然としている者は多く居たが、その中でもドミナは溜め息を吐いていた。

 

 んで空都に戻りカフェに入ったんだが……何故かデュエルアバターを脱ごうともしない。復活したルテンの話では、素顔がバレると仕事に支障をきたす恐れもある為外せないのだとか。ルテンの素顔自体はネガビュメンバーもプロミネンスの2人も知らない。

 

 そして本題だ。ルテンとレディオから協戦契約を結ぼうと提案してきた。彼方が提供するのは戦力、そして求める報酬は……無し。これには誰もがルテンを見た。

 

 今この世界で面倒な事案が起きているのは少なからず知っている。現に現れた偽物が、何をしでかすのか理解出来ない。これらから戦力としてルテンとレディオの2名を戦力として加える事。報酬が無いのは、この世界ではBPの集めやすさが幸いとなり無報酬という結果に。

 

 だけどな、これには俺だって腹立たしい。現にドミナが俺と同時に隣の椅子に座って無報酬という事を指摘。のらりくらりと対応していたルテンだったが、最終的にはこの世界の金の一部提供を交換条件とした。相手方は渋々だっだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

何でも屋と何でも屋

 ~キリトside~

 

「「何でも無いような~♪」」

 

「「歌を歌うな貴様ら」」

 

 

 何やかんやで純色の七王の一人『イエロー・レディオ』とBBの何でも屋の一人『ルテン・ヴァイオ』が一応協力態勢になったのは良かったんだが……此方のリーダーの馬鹿がルテンと仲良くしてやがる。

 

 完全に前のアイツを自分自身で見てほしいと思うのは俺だけか?というか、あんな馬鹿が何で色々と仕切ってたのか分からなく……なってないな。OK。

 

 どうやらレディオの方も向こうでは俺とドミナと同じ様な役割なのだろう。幻術で相手を惑わす卑怯なプレイヤーと聞いたが、苦労人とも呼べるだろうな。頭を抱えながら持ってるステッキでルテンを殴り付けてる。

 

 かくゆう俺も馬鹿に高速で向かって蹴りを放って黙らせる。どうやら似た者同士だろうな。何か行動パターンが同じみたいだ。

 

 

『………………』

 

 

 ロータス組はどうやら何処か解せないという感覚の状態で着い行っている。レインとパドの2人は複雑そうな表情を浮かべながら着いていく。

 

 今度は話し声が聞こえている。どうやらルテンと馬鹿の様だが……

 

 

「はぁ~、お前ら3人だっけ?今2人居ないけど。よくもまぁ狙われやすい立場で有名になったもんだ」

 

「まぁプラチナの要望だったし、知り合いだし。何やかんやしたら大成功ってね」

 

 

 どうやらルテンの何でも屋について話していた様だ。その後、馬鹿に突進して来た奴はルテンを巻き込んで居たが似たような光景を幾度も見ているせいか慣れた。

 

 そんなこんなで新しくコンソールを発見しつつ【プロミネンス】と【クリプト・コズミック・サーカス】の宝玉2つを捧げて別のフィールドへと向かう。

 

 現れたのは変わり果てた砂漠フィールド【ヴェルクンデ】。変わったと言っても、やはり近代的な建物が存在しているが、一番変わったのは夜になった事だ。

 

 

「おー暑くねぇ!!ルテン、競争しよーせ!!どっちが早くボス倒すか!!」

 

「良いねぇ……乗った!!」

 

「乗るな乗らせるな」

 

 

 ドミナがルテンの頭上に槍をぶつけ、馬鹿の頭上に闇属性魔法を叩き込んだ。高速詠唱は心得ており使えている様だ。その後でシノンがドミナにドロップキックを食らわせようとしたのをリズとアスナが止めたが、ユウキがやった。

 

 毎度毎度変わらない様子のままで頭を抱えながら不安を過らせつつ、同時に何時ものアイツだと理解する。レディオも似たような心境らしい。

 

 話は変わるがドミナとリズがルテンを見張る様になった。何故かと問い詰めてみれば、口を揃えて“何となくほっとけない”だそうだ。

 

 上空から探しつつポータルを起動させると、突如として圧倒的な雰囲気に呑み込まれそうになった。振り向いて見ると犯人であるヴァベル……と何時の間にか移動してkaimuがヴァベルに触れている光景が見えた。

 

 直ぐにヴァベルは消えたが、その触れた後のkaimuの様子が少しおかしいと感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~シヴァside~

 

 少し前に変なワープホールを見つけて変な障壁を解除したので別れてワープホール探しをする事に。勿論途中で『レイン』と合流したが。1つ見つけたら動かなくても良いと伝えておいたので全員現地集合だ。

 

 

「………………」

 

「……kaimu、望んだ情報は?」

 

「……お陰様で。しかし…………やはり、こうでしたか」

 

 

 kaimuの少しだけ苦しそうな表情は初めてだ。恐らく、こんな感情になるのは“身内関係”なのだろう。kaimuからのネタバレで聞いていたが、それは時に残酷過ぎると感じる。

 

 俺でもなる。確かに家族が“こんな馬鹿げた事”していたら、此方が思い悩んでしまう。そうなるのも無理は無い。

 

 

《……そろそろだぞ、cryingは止してくれよ》

 

「……だな」

 

 

 珍しくシリアスな雰囲気を出しつつ俺たちは目指すワープホールの中に入り障壁を破壊する。全部の障壁を破壊するとモンスターが出てきたが、ルテンとレディオの実力をお手並み拝見出来た。

 

 まずルテンだが……これは凄い、完全にアマゾンΩの戦闘スタイルだ。ルテンの心意技【アグレッシブ・センス】で身体能力の向上と五感の鋭敏化、さらには攻撃力上昇のバフが付いてアームカッターやフットカッターで応戦している。

 

 レディオはサポートとしてモンスターに幻術を当てていく。威力はゴーストデータよりも落ちているが、それでも精度や威力は申し分無い。惑わして制限を掛けつつ自らも攻撃に徹していく。ある意味サポートキャラと戦闘キャラの複合みたいな奴だ。あんなのギルドに欲しい。

 

 ルテンが攻撃を加えていく際に後からだがドミナやリズがソードスキルを叩き込んでいく。見ていて疑問に思ったが、何で知り合って間もないのに連携とれてんの?逆に取れ過ぎて恐ろしいんだけど。

 

 兎も角全員でボコっても面白く無いので残りは観戦。これでも倒すまでの時間が5分切ってないんだぜ?どんな連携を取ってんだよ?

 

 あ、序でにダンジョンに潜って【ヴェルンド・スミス】というアイテムをゲット。これにはレプラコーンの2人は大喜び。あと『アクア・カレント』もとい『あきら』の話題も出たが、タクとチユリ/ライム・ベルは仲間を思い出していないらしい。

 

 恐らくアクアが記憶に鍵を掛けたということなのだそう。暫くは知らない振りしとこっと。あとアクアが、ルテンの所属しているバウンサー集団に入ってたそうだ。

 

 んで……ぱーっと翅を広げて飛んでいたら変な奴を見つけたが、コイツも七王の一人で『パープル・ソーン』というらしいが……どうにも言動が固定されている部分があるから何かやりづらい。

 

 電撃を周囲に放っていたが……そこはレッチリ君の出番。電気をエネルギーとして集めてソーンの腹に一撃加えた後、全員でリンチ。途中参戦でアクアも入った。

 

 んで合流したので記憶のロックを解除して、旅を再開!!!なーんて思ってた時期がありましたよ。

 

 

「ルテン、プラチナは何処なの?」

 

「見てない知らない分からない。知ってると思うか分からないけど、そこの銀髪の妖精プレイヤーの武器が知ってると思うよ」

 

「残念だが色々と変えられててkaimuでも理解が追い付いて無いそうだ。残念だったな」

 

 

 流石にこればかりはkaimuでも理解し難い様なんだよ。変えられた世界を理解するには少しずつの方がメモリーにも安心なんだけどよ……断った時の表情が怖かったと同時に、シノンに優しくしてもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

災禍の妖精

 ~シヴァside~

 

「「寝たいッス」」

 

「「「寝んなアホ共」」」

 

 

 くっそぉ……寝たい。というか此処の所スッゲェ眠たい。ガチで一日丸々動いてると思うからなぁ。ルテンも同じ様に眠たそうだよな。というかステージが夜だから眠気誘われるんだよ。

 

 眠気が覚まされる。何でって?キリトとレディオはガチで心意使って起こそうと《殺そうと》してるし。ドミナはトライデントの特殊効果使おうとしてるんだお。

 

 

「相変わらず騒がしいのは何時もの事だねぇ」

 

「ルテン、何時もああなの。そのせいでよくプラチナやオース、今もしてるけどレディオも制裁を加えてるの」

 

「制裁……あれツッコミじゃね?」

 

 

 そうそうこれはツッコミ……じゃねぇんだよ!!!俺殺されそうなんだけど!?こういうのツッコミじゃなくて殺意に呑み込まれそうなんだけど!?

 

 間髪入れずに心意と特殊効果の塩水が襲って来たから瞬時に立ち上がって、俺は心意で翼を生やして逃げる。ルテンは心意技【アグレッシブ・センス】で素早くして逃げていく。

 

 こんな無駄な所で体力やら何やら使うなという方が無理だ。だって死にそうだもん……あっ、俺コンティニュー出来たわ。そうなりゃ何処ぞの神ィ!!みたいに土管から「フーハハハハ!!!」って登場してみるか。

 

 

《んだよ、そのネタキャラ?》

 

「そりゃあれだよ、テッテテテッテッテーっていう感じだよ。序でにお前のメモルシステムで遠距離攻撃をすれば万事OK」

 

《誰がするか》

 

 

 逃げてきた先に此方はシノン、ルテンの方はパドの方に到着した様で。そこまで到着すると心意も特殊効果の終了時間が来た。危ない危ない。

 

 溜め息ついて一段落している所に、これまた面倒な事が起きるのは御約束だな。完全に。咆哮が急に聴こえるなんて早々無いぞ。という訳で咆哮の場所まで行ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は先に到着している。何故か?そりゃお前、心意で翼を生やしてスピードを出しているんだわ。到着したのは良かったんだが…………何だこりゃ?

 

 

「グロロロロロロロロォ!!!!!」

 

 

 こんな化け物見たことがねぇ。完全に獣じゃねぇか。闘争本能のままに殺して殺していく様子が普通に分かる。しっかしまぁ、こんな獣には害獣対策として…………

 

 

「kaimu、PoH。こういうのは」

 

《あぁ……こういう時は》

 

「アンタら……もう殺して良い?マスターとゴーストデータの誰かだけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「《本気で殺しにかかるだけだ!!!!!!》」

 

「コイツら……目的忘れてるよな」

 

 

 【神壊刀・壊無】を引き抜き心意とメモルシステムの複合技術、さらにメモルシステムからデータの上乗せで身体能力の向上を謀る。

 

 多分俺の目は殺し合いしたくて堪らんだろうな。完全な異常者だが、それでもコイツと楽しみたい思いが全てだ。俺は目の色変えずに突っ込んでいく。

 

 壊無の柄を頭の高さまで上げて突っ込んで振るう。同じ様に目の前の輩も真上から血みたいに赤い大剣を振るった。俺の持つ壊無と大剣がぶつかり合い、辺りに金属音が響いている。

 

 相手の目を見ようとしても何処にも無さそうだ。だから?んなもんどーでも良い。どうもPoHの癖が移ったのか分からんが殺し合いしたくて堪らない。

 

 だが、コイツは…………くっそ気持ち悪い。負の感情が入り交じって対峙していると面倒なんだ。ここまであからさまに負の感情が入り交じり過ぎてると戦うのが億劫になる。

 

 まぁ関係ない。ぶつかり合った刀と大剣をお互い引いて、その場で一回転してもう一度ぶつかり合う。加速を付けてるとは言え、この速度に対抗できる奴が居るのがスゲェ。

 

 一旦離れて翼を生やして一直線に向かう。壊無は剣先を相手に向けながらだが、目の前の奴は巨体らしからぬ跳躍力で逃げて上から攻撃を仕掛ける。俺は左腕からPoHと友切包丁を生成して防御を図った。

 

 どうやら威力も馬鹿にならないらしい、何せ落とされたんだからな。地面に体を思いっきり叩き付けられたから痛みが起きてる。くっそ痛いのもあるが、それ以前にやり返す事を実行する。

 

 翼を生やして最高速度を出しながら脱出、からの……Uターン脳天カチ割りじゃボケぇ!!!

 

 

「オッラァ!!!!!」

 

 

 これを腕で受け止める辺り、まだまだ楽しめそうだ。何にも喋らないし言わない部分なんざ、どうでも良くなってきた。

 

 

「ひっさびさに…………やるぜ!!!!」

 

 

──────【20連撃OSS 銀魂】

 

 

 

 自らが決めたSSの順序の動きを淡々とこなしていく。経験をしすぎた。大人を体験してしまった。殺すか殺されるかを体験してしまった。今居る“バカ”に感化され過ぎた。

 

 だからこそ少し…………いや、大分目的を見失ってる。元々の本質を失いつつある。今の俺は守るんじゃない、“殺す”事を楽しんでいる屑と変わりない。

 

 だったら……今目の前に居る奴には、自分の本能を出しても良いだろう?強い奴等と戦いすぎてつまらなくなったから、仕方ないだろう?

 

 心なしか、相手も何処か楽しんでいる様に見えた。

 

 

「ッァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

「グロロロロアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

 

 心意とメモルシステム複合の壊無と、赤い大剣が真っ向からぶつかり合う。黒と銀のオーラが巻き上がり、この世界で感じられない筈の風圧を直に受けてる錯覚を受ける。

 

 これでも連撃を続ける気力があるから俺自身でも恐ろしい。左下から、右下から、左上から、右上から、右から、左から、上から、下から、真ん中から刀を突き、振るう。

 

 突きから右に振るい、刃を相手の方に向けて左へと振るう。刃を方向を変えて左下から右上へと、剣先の方向を変えて勢いよく突く。

 

 相手の方も、この連撃を防いではいる。しかし所々穴がある。防御に穴がある。そのせいで、相手ご自慢の鎧が“欠けている”。その欠けた部分を積極的に狙えば壊せる。破壊できると俺は踏んでいた。それは“普通”ならチャンスだったんだ。

 

 

「!?」

 

 

 重いッ!?体が……重いッ!!何だ?何が起きてる?何をされた?コイツに何をされた?体の自由が効かない!!

 

 それに……これ…………はッ!?感情かッ!?何でッ!?何で流れ込んできた!?体勢が……持たないッ…………!!

 

 薄れていく意識の中、目の前の奴は膝を着く俺を見た後その場から消え去る。ついに俺の意識も持たなくなって、目を閉じた。感覚は未だ残っていたのか、持ち上げられた感覚を一瞬だけ感じて漸く感覚も機能をしなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

有象無象の区別無く

───誰も信じられない

 

───誰もが憎い

 

───誰もが死ねば良い

 

━━━なのに君は……何で、そう思えないの?

 

━━━君の光は何なの?

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「シュワットッ!?」

 

 

 あー………………びっくりした。何か変な夢を見た気がするのは気のせいかな?ここ最近、詩乃と神話関係で話する事が増えたから夢とか色々調べてんだけどねぇ。

 

 つーか……ここ俺のホームか?何で運ばれたんだっk……あーそういや、戦ったっけ。んで何か意識が飛んじまって…………

 

 

「うぐっ!?」

 

 

 何だ?何が起きてる!?何故左腕だけが異常に……!?

 

 

「あぁ!!!?ぐがふあぐぎァ!!?」

 

 

 これ……はっ!?この感情は何だ!?そして、反応している左腕は……!?何なんだこれは!?

 

 服を捲って左腕を見てみる。変な模様と障気、さらには黒い電気みたいなのが少しだけバチバチと挙がっている。深呼吸をして落ち着こうとしても、障気やら黒い電気が益々増幅している。

 

 

《かなり不味いなbrother》

 

「くそ不味い……そうだな……」

 

《どんどん上に上がって来てるな。侵食されてらぁ》

 

「何とか…………ならんのか?」

 

《……あんまりしたくはねぇが、やらねぇと最悪な状況になるのは必然だな》

 

 

 PoHが俺の左腕に移動していくと障気も電気も大分治まったが、模様だけが残っていた。

 

 

「はぁ…………はぁ…………」

 

《一つ忠告だ。この状態保つには残機が減ってくから気ぃつけろ。そのままの状態にしとく方が残機の減りは早いが》

 

『一応私も手伝いますから、残機の減りは最大限遅くなりますが……それも私が武器の状態で使用しなければの話です。マスター、フツノミタマの使用を』

 

「OK……迷惑かけるなぁ」

 

 

 装備を【フツノミタマ】に変更し、ベッドから降りようとしていた所にシノンがドアを開けて入ってきた。持っていたであろうお茶の入ったポットを落としたが、それを気にせず真っ直ぐ俺に抱き付いてきた。ポリゴンになったポットは後で買い直しておこう。

 

 顔の横で泣いているシノンの体に優しく腕を置いてポンポンと軽く叩く。

 

 

「生きてるよ。大丈夫」

 

「……嘘、大丈夫じゃない。大丈夫じゃないでしょ」

 

 

 あぁ、再度確認できた。シノンが好きだという事を。こんな心配してくれる優しい彼女(というか嫁)が居るありがたさを。何が言いたいかと言うとね。

 

 俺の嫁さん可愛い。

 

 

「本当に大丈夫だから。心配しないで、俺のしぶとさは自分でも折紙付きだと思ってるから」

 

 

 そう言っても未だに抱き付いたままのシノン。しかも、さらに力を込めるから一層離れたく無いらしい。

 

 無理も無いか……今までの事思い出してみたら殆ど約束破ってる様なモンだからな。例えばPoHとの合同作業(殺人)の事を言ってなかったり、わざと自分自身を傷付けてアンダーワールド行ったりとか……いや思い付くだけで破り過ぎだな。うん。

 

 ふと思い出した事があるのでシノンに尋ねてみた。

 

 

「なぁシノン、キリトたちはどうした?」

 

「…………先に行ってる。キリト曰く「何で俺が馬鹿の代わりしなきゃいけねぇんだよ?」だって」

 

「……アイツ後でペインアブソーバーのレベル0にしてやる」

 

 

 とんでもない事を口走っただって?俺に色々と言う奴が悪い。俺だって不機嫌になるわ、人間だもの。

 

 しっかし……一向に離してくれないんだけど。ねぇ読者の皆様?これってどうすればいい?可愛がるの(意味深)?それともR-18展開にすれば良いの?あ、でも両方とも同じ意味じゃん。

 

 もう良いや、欲望のままにシノンを愛でようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シヴァが目覚める十数分前

 ~キリトside~

 

「それで……話してくれるか?アイツが戦った全身鎧の奴の事を」

 

 

 シノンをアイツを連れてホームに帰らせたのは良かったが、それ以前にあの化け物の事について聞きたいと思っていたからBB勢に質問をしてみた。

 

 それに答えてくれたのは、一番初めにアイツを保護した『オース・クルセイド』。ルテンと同じ何でも屋のメンバーの一人だ。続くようにルテンも話していく。

 

 

「まぁ答えなきゃ悶々とした気持ちは晴れないのは知ってるからな。あれは【災禍の鎧】っつう代物。人間の闇が募って創られた化け物だ」

 

「正確には“人の負の感情”が、そのまま鎧になった感じだね。それとオース、いい加減厨二病治してくんない?うざったいったらありゃしない」

 

「俺の事にとやかく言う筋合いなんて無いだろ」

 

「幼馴染みなんだから見てて痛々しいって思うんだよアホ」

 

「あぁ……そうかい」

 

 

 そのオースは腰にぶら下げてる銃身の長い銃二丁をルテンに向ける。ルテンは呆れた様子を見せながら距離を取る。オースも同じく素顔がバレるのを防ぐため機械アバターのままだ。

 

 

「オース、それ“以外”のヤツは無しだよ」

 

「安心しろ壊しはしない」

 

「無理。そう言った直後に88㎜砲《アハトアハト》に変えたから信用できない」

 

「じゃあ今度はM4カービンで「やめなさい」」

 

 

 …………何かツッコミとボケが逆転してね?何かオースは厨二病らしいからルテンがツッコミ入れてるけど。だが話が進まないので咳払いして戻させた。

 

 そのまま変わらぬ調子で話を続けていくルテンとオース。何かシュールだな。

 

 

「その災禍の鎧はオリジネイターの8人が“子”を作り始めてから数ヵ月後には居たらしいよ。その際にオリジネイターの8人はアイツに勝てた。でも戦力関係もあったから結構苦戦したって聞いたけど」

 

「まぁあの鎧は何度やっても倒せない、謂わば依代を求める霊みたいな奴なのさ。やっとの想いで唯一【光の心意】を持つプラチナが活動を停止させたんだけどな」

 

「ん?心意って普通は……あ、そういやアイツも闇には呑まれなかったのか」

 

 

 光の心意。これはあくまでも予想だが、恐らく心意の本質の事だろう。本来心意は負の感情から生まれる技、しかし多用し過ぎると負の感情に呑み込まれる可能性もある。

 

 そんな常識を覆したのが、アイツらの中ではプラチナらしい。光の心意は恐らくアイツも使えると思うから、もしかすれば対抗できるかも知れない。

 

 

「話は変わるけどさ、あの災禍の鎧は人の負の感情によって創られたって言ったよね?つまりは、あの鎧には人のデータが入ってるのと一緒なんだ」

 

「本来災禍の鎧の事を話す=個人情報の一部を言う事と同じだからな、言わない様に暗黙の了解として決まってるんだ」

 

 

 成る程……あれは負の感情の固まりってか。

 

 ここで色々と考えたいが、考え事は外に出てからにしよう。そっちの方が効率的だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




おまけ

「あなた、おはよう」

「はよ~……御誕生日おめでと~」

「ありがと♪」

「ん」

「ん?」

「プレゼント、俺」

「いただきます」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

かくして光明は……やっべ思い付かねぇ

 ~キリトside~

 

 さて……オースが仲間に加わってユイを救おうという事で出発した訳さ。あ、まだあの二人は来てないな。恐らく何かしてんだろ。ナンか。

 

 んで進んでいく為にダンジョンに進んで行ってね、分かったんだよ。

 

 ・・・・・・・・・

 アイツら頭おかしいんだよぉ!!!何でオースは剣、弓、ましてや銃も使わず何で戦車に搭載されてそうな大砲片手で持ち上げれんだよ!!?普通破壊エフェクトはポリゴン四散なのに、何でルテンが倒しただけでリアルな血のエフェクトが出てんだよ!!?何でオースとエイド息ぴったりなんだよ!!?癖なんて知らねぇよなぁ!!?

 

 言いたいことは山程あるが関わっては俺の胃に穴が開きそうなのは言うまでも無い。目の前のオーバーキル、血溜まり、息合いすぎ連携を見てると思考放棄したい。そこにレディオが俺の肩に手を置いたのが分かったが、意味としては同情の意味が100%だろう。

 

 まぁ俺たちも大概だろうな。うん。何時も何時もアイツから出される課題やら何やらと……それらを難なく果たしていく俺たちも俺たちなんだよなぁ。

 

 例えばぁ?【ソロで態とトラップ起動させて出現してきたモンスター全滅させるまで帰ってくるな】とか、【ポーション、結晶アイテム持たずに10時間耐久戦(vsレイド49名)】だったり?こんなの出きるかって思う事ばっかなんだよなぁ。

 

 目の前にアイツが居たら左手中指立てて、右手親指を下に向けてる所だわ。何でんなキツい事せにゃあかんのだ?こんなSSを俺の中の人が見てたら、どんな反応するんだろうか…………流石に見ることは無いか。

 

 

「ドーラの4.8t溜爆弾をドーン!!!!」

 

「オース!!!こんな所で使うnスピイィィィィン!!!!」

 

「あぁ……良い人生でした…………」

 

「ハル!?戻って来て!!お願い!!!」

 

「イッツソークレイジィー!!!!!」

 

「何で俺までエェェェェェェ!!?」

 

「オォォォォスゥゥゥゥゥ!!!!!あとでプラチナにィィィィィンビジブルゥゥゥゥ!!!」

 

「レディオ!!お前まで巻き込まれ…………あ、駄目だこりゃ」

 

 

 結果、カオス空間を産み出して俺たちはHPを数ドット残した。その後でオースを皆でタコ殴りした俺たちは悪くない。悪いのは爆弾落とした厨二病だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今俺のHPが1ドット位しか無いんだが?」

 

『『自業自得だクソッタレ』』

 

 

 驚くほど息ぴったりに声を揃えて言い放ったオース以外の全員。回復にはポーション使ったり回復魔法とかで補って終わった。そしてオースは何故かリジェネの機能があったので徐々に回復していってる。

 

 何故コイツにリジェネあるのか理解できない。やはりこの世は色々可笑しい……アイツが居る時点でもっと可笑しいんだが。因みにルテンはモンスターを捕食すれば回復する仕組みなのだそう。わけが分からないよ。

 

 さて、今BB内のフィールドに出たんだが……何故か先に戦闘が起きていた。急に来た白い斬撃が俺たちの頭上を通り過ぎて建物が一部崩壊していた。

 

 ……もうお分かりだろう。レディオが説明してくれたよ。今戦っている白い侍と青い騎士、青い騎士は『ブルー・ナイト』。オリジネイターであり青の王。

 

 白い侍は『プラチナ・ロード』。オリジネイターの一人であり、何でも屋のリーダー。最強の一角であるプレイヤー。

 

 ブルー・ナイトが剣に青い光を纏わせてリーチを出しながら戦っているのに対し、プラチナ・ロードは全身に白い光を纏わせてテクニカルに戦っている。

 

 

「派手だねぇ……やっぱオリジネイターは違うねピエロ君」

 

「アンタたち二人は私やグランデに勝ってるでしょうに、何を今さら」

 

「噂の一つがまさかの真実だった件について」

 

「何故こうも平然としているのか不思議なのです……」

 

「噂ってなぁにぃ?」

 

「絶対防御を誇る『グリーン・グランデ』。オリジネイターの一人で緑の王だけど二人のプレイヤーに全損間近までさせられた件」

 

「この世はもう…………化け物しか存在しないのかッ!?」

 

「世も末だねぇ……お兄ちゃん居るから実感湧かないけど」

 

『それな』

 

 

 もう感覚云々が麻痺ってて可笑しいんだよなぁ。異常やイレギュラーに慣れてしまったんだよなぁ。そんな事を思いつつ目の前の光景を見ていく。洗練された動きでブルー・ナイトの攻撃を華麗にジャンプしたりして避けていくプラチナ・ロード。

 

 刀で攻撃するのかと思いきや、今度は中距離で射撃をしたプラチナ。BB勢以外の俺たちは驚くがオースが説明してくれた。

 

 

「プラチナの武器は【銃剣】。持ち手の部分が移動して刀での攻撃と銃での攻撃を両立させたハイブリッド武器だ。今使ってるヤツは装弾数6発の【レディアント】、威力はバカ高い」

 

「相手どろうと思うのは完全に無理ゲー」

 

 

 何故か妙に納得してしまう俺たち。そんな話している間にもプラチナの見せる華麗な動きや、一瞬の隙を突いた攻撃、ガンカタが素晴らしい。分からんが。

 

 ブルー・ナイトも負けじと応戦していく様子が伺える。プラチナの敏駿性に追い付こうと剣を振るう速度をドンドン速めていく。単純な剣筋だが俺でも防ぐのがやっとと思える程の速度だ。

 

 しかしプラチナ本人は刀部分でいなしたり、避けたりと恐ろしく速い。反応速度も素早く、まるで銀将さんの速度を端から見ている感覚だ。

 

 

「な……何だよ、あの速さ!?」

 

「幼馴染みだから言えるんだけどね」

 

 

 ルテンが口を開く。幼馴染みという言葉が出てきたのは少し意外。

 

 

「生まれ付きなんだよね、あの速度出せるの」

 

「…………というと?」

 

「生まれ付き、まぁ現実でもあの速度は出せるよ。一時的だけど自分自身の体感速度を1/10秒までに遅くさせて、威力や速度を向上させる事の出来る体質。確か御祖父さん譲りだって聞いたよ」

 

 

 ……何じゃそりゃ。恐ろしく強いな。1/10秒の世界に居るプラチナは誰よりも速く、誰よりも強く……誰よりも孤独そうだな。

 

 当のプラチナはブルー・ナイトの剣に素早く乗り、剣を足場にして縮地の技法を使用しているかの速さで刀の部分で乱舞をする。素早く、美しく、白い剣筋が鮮やかに舞っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

メモル・ディザスター

 ~シヴァside~

 

 …………あー、ダルい。シノン可愛い、愛でる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イヒー!ヌベヂョンヌゾジョンベルミッティスモゲロンボョオオオオオオ!!オッホッホッホ!僕グー〇ィー!君の膵臓はどんな味かな!?オヒョヒョッヒョヒョッ!!

 

 すいません調子乗り過ぎました。

 

 いやね、最近ここの作者のmy流行りがヌベスコなのよ。そしてこのSS銀魂要素ってあるけど最近感じないじゃん?だったらいっそのこと、ヌベスコやってチルチルキチルのも良いと作者が考えたわけだよ。何が言いたいかって?

 

 頭可笑しい。

 

 それはそうと、やっと復帰できるよ。大分時間食っちゃったな。どれくらい?時間を見たら、約1時間……かかりすぎィ!!まぁ来ないよりかマシだわな。一緒に居たシノンはというと…………

 

 

「」ハムハムハムハムハムハムハムハム

 

「めっちゃ耳たぶが唾液まみれなんですがこれは」

 

 

 何でかな?俺の耳たぶ食ってた。今その瞬間の表情はスッゲェ可愛いんだが、如何せん俺の耳たぶに唾液の感覚とかがダイレクトに伝わるわけで。

 

 しっかし……暫く休んでたお陰で体が鈍った。更新してなかったから出番も遅くなった遅くなった。おっと久々にメタ発言できた。

 

 いやさ、この作者が書いてるHELLSING×ヒロアカのSSが意外と人気でよ。-そっちの方が執筆意欲がwa-この文章は大変不適切だったため、削除されました。

 

 まぁ更新期間が長くなった報いだ。書けよ作者。

 

 

[…………めっちゃしんどい]

 

「いや書けよ。これ終わらせるんだろ?終わらせて別の小説書くんだろ?」

 

[大体は。でも案が色々浮かんでるからアンケート取ろうかと思っとる]

 

「兎も角ちゃっちゃとやれよ。頼むからやれよ。さもないと真夏のやつ見せるぞオイ」

 

[もう某有名ぺしぺしさんがネタとして使ってるから平気]

 

「茶羽ぺしぺし?」

 

[YES]

 

「[ゴギジェットォォオオオ!!!]」

 

 

 もうやだコレ。まぁ兎も角ちゃっちゃと進めていこうかね。ストーリーもしながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて前座の茶番も置いといて、草原フィールドまで来たのさ。そしたら団体来たわけよ。つまりは終わったわけなのよ、チクショウメィ!!

 

 そして何か一人増えてるし。白い奴が増えてるし。名前を確か……『プラチナ』だっけ?何か腰には銃剣が携えられてるな。プラチナが確かリーダーなんだっけ?強いんだろうな。

 

 って、何か体をジロジロ見られてんだけど?ねぇ何で?しかもペタペタ触られるんだけど?何で?しかも隠してる左腕の方を捲られたんだけど。

 

 

「おいアンタ」

 

「ん、わりぃ。お前さんの容態悪化原因分かったわ」

 

「…………で?」

 

 

 そんな応対。俺の反応に困った様子で溜め息を吐く様子が見受けられた。

 

 

「お前さん、これが何なのか理解してないだろ」

 

「くそしんどい。ガチで死にそう。さっき戦った奴に関係するかも」

 

「…………おい何でアンタ災禍の鎧相手に戦ってんだよ?」

 

 

 詳しく聞いていくと、災禍の鎧の一部が俺のアバターに“何故か”入ったらしい。普通ならBB勢のアバターの方が侵食されやすいのだが、あの時は俺しか(他にkaimuとPoHが居たけど)居なかった筈。

 

 

「ったく、こんなケース見たことねぇぞ。普通なら体全体に障気が発生するんだが……左手だけってよぉ」

 

「俺が知るか。何?災禍の鎧って。あんな威力がバカ高い攻撃だけしてくる奴の名前?ガチでBB勢の名前厨二ばっかなの?」

 

「いや厨二なのは認めるよ。俺だって良い歳してな、こんな名前捨てたいのよ。もう簡単に『シロ』っていう感じで良いんだよ。何でお前は痛いところグサグサ突いてくるの?」

 

「「どうでも良いから対策しろよ」」

 

 

 見かねたキリトとレディオが口を開いた。うっせぇなぁ、ホイホイ出して中に放りこむぞお前ら。精々動こうとしても動けない茶羽ぺしぺしの気持ちを味わってろ。

 

 

「はぁ…………まぁする事は変わらねぇ。動くなよ」

 

「それは動けという振りかな?」

 

「お前縛り付けるぞ」

 

「やってみろよ」

 

 

 プラチナの両腕が白く光だす。その光が俺の左手に触れようとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(だめ…………………………)

 

「うん?」

 

「んお?」

 

 

 瞬間、左手にあった模様から電気みたいなのが発生してプラチナを攻撃した。

 

 

「うぉあ!?」

 

「何じゃあこりゃああ!?」

 

 

 しかも勝手に左手動かされてるし、わけが分からん。さらには腕まで侵食してきて黒いオーラをフツノミタマに纏わせた。って、これメモルシステム!?

 

 

《ってぇ!?せ、制御がきかねぇ!?》

 

「おいPoH!kaimuとの合同で何とか抑えられてるんじゃあ無かったのか!?これじゃあ暴走状態と何も変わりねぇじゃねぇか!」

 

《分かる範囲だとすれば……おいそこの真っ白い機械!何をしようとしてた!?》

 

「……………えっ、俺?」

 

《お前だよお前!!》

 

 

 まぁ発生源の分からん声自体、分からんわな。俺の左腕で、この障気を抑え込んでる役割をしているPoHも恐らくプラチナがしようとした事で何か起きたと推測できるもんな。

 

 

「俺はただ心意でソイツを消そうと……」

 

《それか!まさか防衛機能が働いてやがったのか!オイ真っ白い機械!お前過去にコイツに何をした!?》

 

「そりゃお前、消滅させる為に心意をよ。ってこれ二回目なんだけど!?」

 

《まさかコイツ……それを覚えてんのか?だとしたらヤベェ!被害が出るぞ!》

 

 

 突如、俺の左手に黒い装甲が纏われた。その装甲は、あの時の災禍の鎧とやらの装甲のデザインによく似ていた。しかも左手が勝手にメモルシステム状態のフツノミタマを振り下ろそうとしている。

 

 

「ぐぐぐぅ…………お前ら避けろ!!」

 

 

 力んで抑え込んでいたが、如何せん限界のあるものは辛い。そのせいで振り下ろされたが、先に叫んでおいたお陰で誰も被害は被ってない。

 

 だが未だ勝手に動く左手に、どうしようかと悩んでいたら……ある策を思い付いたのよ。

 

 

「おいPoH!俺の右腕に乗り移って俺を殺せ!」

 

《!!おっとそうかい!》

 

 

 突然叫んだ挙げ句、叫んだ内容があれだったので周囲の奴等は何を考えてるのか分からないだろう。しかし、これで良い。PoHが俺の心臓を友切包丁で刺して俺は死んだ。【一旦死ぬのさ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




これを見終えたら活動報告の方も御覧になってくださいまし。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

速くゥ!もっと速くゥ!!

 ~シノンside~

 

 銀、もといシヴァ(私の旦那)は約束を守ると言いながら守っていない人だ。自分だけに重りを乗せて、私たちに背負わせない様にしている。SAO(デスゲーム)の時然り、UW(アンダーワールド)の時然り。

 

 そして今回も……いや、今回は“止めた”のだ。好き勝手暴れまわる自らの体を止めただけなのだ。止めただけなのに…………死んだ。目の前で……ポリゴンとなって……死んだ。

 

 その瞬間、プツリと何かが切れた様な錯覚を覚えた。そして思い出されるのは()が遠ざかり、どんどん消えていく“あの時の夢”。視界が真っ暗になりそうな程、私の心は……「フーハハハハァ!!」……はい?

 

 

「トゥ!」

 

 

 何故か地中から土管が出てきて、その土管から……銀が出てきた?あれ?

 

 

「残りライフ……20。ってこんな減ってた!?ガチ!?」

 

《ガチガチ。あの暴走する災禍のナンチャラとかいうのを止めてる内に残機の減りもあったからな。まぁ命あっての物種ということで》

 

「おまっ、殺人してた奴が言う台詞じゃねぇだろ」

 

《オメーも入るだろ、それ》

 

 

 …………良かった。今度は約束を守ってくれる様だ。銀が居ることを再度確認して、私は途中合流したユウキと共に銀の胸へとダイブした。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 ~シヴァside~

 

「ぷぅヴヴヴヴヴヴん!!」

 

「発狂すんな、発狂すんな。お願いだからプラチナに向けて本気だそうとするな。フォルティを呼ぼうとするな」

 

「ベルミッティスモゲロンボョタイフーン!!」

 

「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!」

 

「黙れぇえ”え”え”え”え”え”え”え”え”!!」

 

 

 はい、皆さんおはこんにちばんわ。銀さんもといシヴァさんです。取り敢えず、こんな状況を作ったプラチナに向かって発狂してます。発狂して今出せる最強の刀装備してキリトの制止を振りほどこうと、キリトに向けて発狂してます。そのお陰でキリトも無事に発狂しました。やったねタエちゃん!←[その台詞は絶版だぁ]

 

 という風に、今の作者は速くエグゼイド書きたいらしい。まぁアンケート結果にもよるけどな。アンケートの要望には真摯に応えるのも作者の勤めだからな。

 

 

[エグゼイド×ソードアート・オンラインに、清き一票を!!]

 

「もう作者が要望だしてるよ!お前が要望してどうすんだよ!?」

 

[私はアンケート結果によって決められた作品は出していくゥ。しかし!今アイディアが最も浮かんでいるのはエグゼイドだあぁ!]

 

「この作者の言うことは皆さん聞かないで下さい、お願いします読者様」五体倒置

 

 

 さて話は進んで氷山ステージまで行きましたよ。何か氷付けにされた奴が居たけど無視しましたよ。ダンジョンに到着しましたよ。中はゴーレムやら何やらと色々居ましたよ。殆ど俺とプラチナ、ドミナとルテン、エイドとオース、キリトとレディオで片付けたよ。チート八人居るんだけど?ゲームバランス大丈夫?

 

 まぁ進んで行って辿り着いた先には……くそデカイモンスター1体。しかも誰も見たことの無いモンスター、この巨体は攻撃が当たりやすくて良いが移動とかされたら厄介極まりない。

 

 しかし弱点と思わしき箇所は分かった。あの目が塞がれてる腕の無い人形の部分。おおよその推測だが、当たっているだろう。しゃあないので作戦指示を久々に出していく事にする。

 

 

「っしゃ!久々の総督命令だそ、お前ら!」

 

『やっと来たあ!!』

 

「各員二人一組、または三人一組での行動!敵の物理攻撃はパリィ、またはタンク役が防御しろ!その時タンクは意地でも踏ん張れよ!遠距離または特殊攻撃の場合は退却だ!」

 

 

 久々の指揮。これだけでも皆の調子も上がり戦闘で貢献してくれるのでありがたい。しかもこれで5分もしない内に終わらせた事が凄いと感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 ~プラチナside~

 

「…………やっぱスゲエな」

 

「プラチナ?」

 

「……何、大した事じゃない」

 

 

 全くもって凄いとしか言いようが無い。あんなふざけてたのに、こうも簡単に全員の指揮を取り味方の調子を上げてくれるのだから。

 

 だからこそ“憧れ”は“遠い(憧れ)”んだろうな。俺じゃあ辿り着けそうにねぇよ。眩しすぎる。そんな考え事をしてるとボス戦が終わった。それだけならまだ良かった。

 

 今度はグランデ、『グリーン・グランデ』が来ていた。あのバカみたいに壊れない楯持ちのグランデが居た。だが、こんな所で時間を掛けている暇なんて無い。お前の楯は俺が砕く。

 

 

「───さっさと終わらせる(技法・縮地&速射)

 

 

 腰に携帯している【レディアント】を装備し、技法で一気に近付き弾丸を全弾放つ。まぁ相手も俺の急な出来事に対応できない所を見るとグランデであってグランデじゃねぇな。

 

 

ならさっさと消えろ(モード・クロックアップ)

 

 

 俺が見えている景色の時間が少しだけ遅くなる。銃剣の剣の部分で何度も何度も斬り付けてHPをゴリゴリ削っていく。相手は通常の時間軸内だが、今の俺は1/10秒の世界に居る異常者(イレギュラー)。そう簡単に対処させない。

 

 

フィニッシュだ(リロード&銃撃剣乱)

 

 

 弾丸を放ちながら剣での攻撃をし続ける。これ結構集中力が居るからしんどいが、さっさと事態を終わらせてさっさと何でも屋家業に戻りたいからな。

 

 俺の攻撃と世界が終わると、グランデのHPも残り僅かだった。それを確認して、俺はグランデの首をかっ捌いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




※アンケート御願いします!(9月13日)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

|異常者《イレギュラー》vs|王《キングandクイーン》

 ~シヴァside~

 

「ドラクエえぇわ~」

 

「分かる~」

 

「「「「「何で別ゲーの話してんだよ」」」」」

 

 

 どうも、最近ドラクエⅩⅠにはまってる作者の頭から偶然出てきたシヴァです。いやね、やり込み要素もグラフィックも良くてねぇ……ついついプレイしちゃうんですよ。作者曰く

 

 

[SAOvsAW持ってるけど、優先順位度はドラクエが私的一位。つまりドラクエは神ィゲー]

 

 

 いやー懐いわ~。作者ドラクエはⅤ、Ⅶ(3DS)、Ⅸの3つしかやってないけど夢中でやってた記憶があるんだよなぁ。今では家に帰れば宿題→ドラクエが行動パターンに変わるほど夢中になってる。

 

 しかしだな作者……お前に言いたい。

 

 

[ん?]

 

「普通なら早くSAOを書けよぉ!お前仮にもゲームプレイやらアニメ知識ぐらいはあるのに、何で更新進めないの!?何で遅くさせようとするの!?次回作どうするの!?」

 

[……………………フッフッフッ]

 

「ん?」

 

[ブゥウハハハハハハー!!!]

 

「!?急にどうした!?壊れたか!?」

 

[壊れてなどいなぁい!こうして更新しようと執筆中だろうが、執筆していない時間だろうが……私は常にアイディアを得ているのだぁ!!]

 

「な、ナンダッテー(棒)」

 

[そして新たに、活動報告のアンケートに1つのアイディアを加えることにしたぁ。それこそぉ!!]

 

「」ゴクリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ドラクエⅩⅠ×Undertaleだあぁ!!]

 

「なっ!おまっ、正気か!?神RPGと神RPGを合併させるようなモンだぞ!?んなことしたら批判がっ!」

 

[何を喚いているゥ?この小説にも0評価は付いているじゃあないかぁ。ならばッ!批判なんぞ知ったことくぁ!!]

 

「こっ……コイツ!!完全に狂ってやがる!!完全に頭がイカれてやがる!!そうか、0評価が付いたことで批判やら何やらが来そうな内容でも立ち向かうというのかッ!」

 

[そしてネタも既に用意している……正に私は神だあぁ!!]

 

「はよさっさと話を進めやがれえぇぇぇぇ!!!」

 

「[ゲボラアァ!!]」

 

 

 と、突如として飛来してきたグフッ!キ、キリトにドロップゴフッ!キックされてッ!そしていマァ!ハァ……ハァ……キリトにッ!ついげキブゥォ!さ、されて……いる。ガクッ。チーン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブラック・バイス?知らんな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 くっそエゲツナイ目にあった。あれだよ?さっきので作者GAMEOVERしたからね?仮面ライダークロニクルのライドプレイヤーみたくノイズ掛かって死滅したからね?何の能力を作者は持ってんだよ?色々と可笑しいだるぉ?←既に時遅し。

 

 まぁ話を続けよう。俺たちはプラチナが倒したグランデから落としたオーブを持ち、新たなコンソールを探しにもっかい砂漠ステージに行ったんだよ。そしたら新たにコンソールを発見してな、オーブを5つ捧げたワケ。

 

 しても何にも起こらない……かと思われたが狼の遠吠えが聴こえたので外まで出てみた。レインに言われて上空を見たがよ、月が一層明るいんだよ。前回来たときはここまでじゃなかったからな。そしてシリカが遠目で浮島があることを確認したから、そこまで行くことを決めた。

 

 行ったのは良かったが、そこでまた戦闘。巨大な狼がその場所に現れたのさ。まぁそこはね?うん、俺本調子出そうに無いと思うからプラチナたちに任せたのよ。

 

 そしたら1分内に終わらせやがったよアイツ。まぁルテン、オース、レディオも居たんだがよ。レディオの心意技でピヨらせて、ルテンの心意技(アグレッシブ・センス)に加えてオースの電磁大砲(レール・ガン)のブッパ。さらにプラチナの加速によって早く終わりすぎた。

 

 案の定、そこで新しい王と戦う羽目になったんだが……

 

 

「コスモス……貴女でしたか」

 

「あらレディオ、居たのね」

 

「再開の所申し訳ないけど」⊃ポプテピ〇ックの表紙を見せながら

 

「「go f〇cking yourself」」

 

 

 ルテンとオースと一緒に両手で中指立てたあとウォーミングアップ代わりにフツノミタマで仕留めようと接近を仕掛ける。相手は何かしたのかどうか分からんが、動こうともしない。何故?

 

 理由は簡単。アチコチから俺を狙ってる模造品(王のデータ)の模造品(劣化コピー)どもが狙ってるからだ。しかしな、そうが問屋は卸さねぇってよ。

 

 そういうのはルテンとオース、そしてプラチナにキリト、レディオに俺たちの仲間全員がリンチにしてるから平気。なのでゆっくり俺はコスモス(コイツ)をいたぶる事にした。

 

 首を狙う……のでは無く、敢えて先ずは掠らせる。頬、腕、脚、髪、椅子にも。そこから徐々に刀傷を深めさせていって、ゆっくり首に近付く。

 

 相手も避けてはいるが、無意味無駄なことだ。逃げられはしないのだから。まぁ逃げた罰として右手首を斬っておく。さらに左足、右脚、胴体、左肩、顔……そして首を斬る。

 

 そうして圧倒的な戦力差に手も足もでないまま、コスモスは終わった。そしてコンソールの操作によって、俺たちは目的の場所【ニーベルハイム】に到着した。

 

 まぁそこではロータスの偽物が居たので倒しておいた。ここで俺は1つ気になることを考え、キリトやプラチナに話しておいた。“プラチナの偽物は出てくるのか?”って。

 

 まぁ恐らく王と呼ばれる者のみを集めたと思うから、プラチナは入ってないだろうという推測。実質相手取ったの全員王のデータだったし。

 

 つまる所、王しか相手できないのだ。そっちの方が良いんだがな。だがよ……俺たちは色々とボケていて忘れていたんだよ。

 

 

「GUOOOOOOOOOO!!」

 

 

 このデカブツ(門番)のことを、すっかりな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




※活動報告にてアンケート実施中

※回答してくれよな

※今か今かと楽しみにしてるんだぞ?作者は

※お前らの意見を


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

鎮魂歌

~キリトside~

 

 俺が見たのはこれで二回目だ。1度目はユイを追って、そのユイが塔に吸い込まれた後だった。他のオブジェクトを遥かに凌駕している大きさなのだ、無理も無い。その時は仲間を集めるために俺たちは避難した。だが、今回は逃げない。だってな…………

 

 

「うっわデカー。〇撃の巨人並みじゃね?」

 

「それよりもっとデカイでしょ。どっちかというと超大型巨人だよ」

 

「敢えてここはクトゥルフだろ」

 

「「何でSAN値直葬させようとすんの?」」

 

「お前らなぁ…………」

 

「あ、プラチナ。あれどっちに近いと思う?」

 

「…………サイクロプス?」

 

「「「ギリシャ神話来たかぁ~」」」

 

「両親が日本神話と北欧神話とか多読してるからな。俺はどっちかというとギリシャとかだな断然」

 

「僕はゾロアスターとかかな?神様でも善悪みたいなので区別されてるし」

 

「俺はウガリットだな。断然」

 

「お前ら仕事しろよ」

 

 

 こんな時でも何時もの調子で会話をしている異常(イレギュラー)組。お前らホント仕事して、神話なんてどうでも良いだろ。という感じに心中で突っ込んでたら、待つのに飽きたデカブツが弱点と思わしき場所からレーザーを放った。俺らは慌てて逃げたが、アイツらだけ避けて一気に上に向かっていった。

 

 デカブツはレーザーを放った反動で弱点の周囲に熱が発生している。つまるところ放熱しているので弱点が丸見えなのだ。そこに最大火力と思わしきSS(ソードスキル)を叩き込んでいく。ルテンもオースもプラチナも(アイツ)も、バカみたいに速く連打している。しかも御陰で一本丸々潰れたのは大きい。

 

 デカブツが放熱し終えると同時に4人とも退避して体勢を立て直し始めたのだが………

 

 

「隙が大きい。-1145141919810点」

 

「それな、クールタイムなっげぇ。-45451145141919810点」

 

「いや語呂合わせは止めようぜ。-81031945141919点」

 

「ホモは点数付けたがり、ハッキリ分かんだね」

 

「「「いえ、リア充です」」」

 

「一気にこの小説が汚くなった」

 

 

 何故語呂合わせで点数付けてるし……つーか汚ぇ、マジで汚ぇ。誰がこんな小説読んでくれるのか……あ、ホモかノンケか(迷推理)

 

 という冗談はさておいて、あれだな。今回珍しく(?)仕事してるからな、作者出てこなi[私は…………不滅ダアアァァァァ!!]来たか害悪(作者)

 

 

[ブゥゥウゥンッ!来たよ来たよ久々に!アンケート新しく2件来たよ!]

 

「んで?どれを選んだんだ?」

 

[HELLSING×ソードアート・オンラインだぁ!それが2件!]

 

「絶望じゃねぇか!俺らを死地に送り込む様なモンじゃねぇか!!」

 

[慌てるなぁ。君は生きることができるぅ……]

 

「ハッ?」

 

[HELLSINGとソードアート・オンラインを融合させるのは到底困難なのだよ、特定の時系列じゃあなきゃねぇ]

 

「……おいまさか」

 

[ハァ………そうだぁ……舞台はGGOだぁ!]

 

「ダアァァ!出たよ作者お得意のチョイバレ!でも予想してたよ!そう思ったよ!」

 

[そしてぇ……私はFBを買うつもりだぁ]

 

「何故?お前前回ドラクエⅩⅠが神ゲーとか言ってなかったかぁ!?」

 

[ドラクエは神ゲーだ、それに変わりはない。だがな、ソードアート・オンラインのゲームはどうも気乗りしなかった……だがぁ!それは私の性格によるものであったぁ!そして、今作は買うと必ず決めたァ!]

 

「…………………」

 

[ドラクエは自分が決めた名前で冒険するのが特徴だ。だが今までのソードアート・オンラインのゲームは、全てキリトぉ!君を主体にしたプレイしてるコッチが引いてしまうストーリー展開だったからだぁ!]

 

「お前は制作陣関係者様方と原作者に謝りやがれ!これそういうストーリー展開なの!元は俺が主人公なの!」

 

「そう!だが今回のゲームは自分が主人公だぁ!つまり!自分の決めた名前で、そのプレイヤーを主体としたストーリー展開が見られるゥ!これだ!これが私が待ち望んでいたゲェェェムゥゥゥゥ!!」

 

「ファンの方々から罵言雑言浴びせられろ!」

 

[そしてぇ!スマホアプリでも、自分の決めた名前のプレイヤーが主人公だぁ!私はこれもダウンロードしようではないか!!]

 

「何で上から目線なの!?しかもお前どこぞの神と同じ口調すんな!腹立つわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから少ししてアイツらがデカブツ排除した後、俺らは塔の中へと入っていった。中はダンジョンの様になっていて入り組んでいる。さらには奇妙なギミックも取り付けられていてややこしい。

 

 だが何とか上から2番目の階層まで到達できた。それは喜ばしい。でもな…………

 

 その階層に銀が殺り合った相手が居るのはどうかと思うよ?

 

 

 

 

 

 

 




「※アンケート受け付けてるぜ。というか投票してくれ頼む」(テテテッテッテ―テッテッテッテテテ)

ルーク「是非清き一票を!」

[さぁ諸君、投票しようではないか]








これもう分かんねぇな。

次回は全面的にギャグ無しにします



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

課せられた宿命

 ~シヴァside~

 

「ゴアアアアアアアアアアア!!」

 

「ッ!うるせっ!」

 

 

 俺たちの前に今、俺が一度戦い、その前にはプラチナによって倒された筈の【災禍の鎧】が居た。外見も雄叫びも獣の様に獰猛で、そして本能に従うかの様な感覚を覚える。だが前回会いまみえた時と比べて、俺に向ける視線が一層凶暴そうに見えるのは気のせいか?

 

 

「ねぇ!プラチナ!さっさと【光の心意】使ってよ!」

 

「そのつもり……なんだがよぉ!」

 

 

 プラチナが元々所有している能力を使用し一気に災禍の鎧との距離を詰める。そして右手に白い光を纏わせて穿つ様に殴った。

 

 しかし相手はビクともしていない様子でもあった。プラチナが静かに舌打ちをした後、災禍の鎧は大剣の剣先をプラチナ目掛けて放つ。“見た”途端、直ぐに能力を使用し後退するプラチナは災禍の鎧を睨み付けながら全員に聞こえる様に言った。

 

 

「まるで効いてねぇ。前に味わったのを覚えて対策でも用意してた口か?」

 

「……よくよく考えてみればさ、あの時に災禍の鎧って活動停止したよね?何で動いてんだろ?」

 

「そりゃ多分……話しただろ?『ペルソナ・ヴァベル』のこと。恐らくソイツがしたと思うが?」

 

「俺も同意件だ。ルテン、オース。ちょい手伝え」

 

「「言われずとも」」

 

 

 会話を終えると、先ずはオースが武器を生成する。手始めなのかは知らないが、RPGを2挺をブッ放す。その弾頭を2つとも切り裂き距離を詰めようとしたが……

 

 

「オ前の相手ハ僕だアアあぁァ!!」

 

 

 何やら抑え込んでいたものを解き放ちかけているルテンが猛スピードで突っ込み、そのままプロレスの様に災禍の鎧の股下に潜り込み両足を掴んだあと持ち上げてジャーマンスースプレックスを御見舞いする。

 

 そして遠くから【レディアント】を持ったプラチナが2挺に内蔵された6発を全て撃ち、災禍の鎧にダメージを与えていく。そして能力を使用し、一気に距離をつめて剣の部分で切り裂こうとした。しかし…………

 

 

「!!」

 

「んなっ!?」

 

「うグぉ!?」

 

 

 災禍の鎧は危険と判断したのかは分からないが、辺り構わず障気を撒き散らしていた。それを諸に食らったプラチナとルテンは結果的に距離を取ることになってしまった。

 

 

「ルテン!」

 

「プラチナ!」

 

80㎜(アハトアハト)!!」

 

 

 オースは右腕全体を使って武器を装備する。それはルテンが言っていたアハトアハトという物なのは理解できた。その大砲の銃身やら何やらが右腕に装着されている状態でオースは一発放った。

 

 

「ゴアアアアアアアアアアア!」

 

 

 しかし闇の心意を大剣に纏わせた災禍の鎧は、そのまま弾頭を縦に真っ二つに裂いた。

 

 

「……冗談キツいぜ。前は80㎜(アハトアハト)で一時行動停止だったぜ?」

 

 

 そのことをオースは信じられない様子であった。だが、災禍の鎧は次の行動で有り得ないと思われていた行動をした。

 

 “俺の所にやってきた”

 

 

「ッ!チィ!」

 

 

 慌てて【フツノミタマ】を抜刀し鍔迫り合いの状態に持ち込む俺。だが急だった為、如何せん力の入りようが……それにだ。恐らくコイツの一部が俺に介入して弱体化されてる始末。でもまぁ……

 

 

「「「そのバカに近寄んなあぁぁぁぁ!!」」」

 

 

 無謀なのか、勇気なのか、はたまた別の感情なのか。動いたのはシノンとユウキ、キリトの3人だった。キリトは二刀流に心意を纏わせて攻撃、ユウキはオリジナル(マザーズ・ロザリオ)での攻撃でシノンは弓矢最大SS(ストライク・ノヴァ)を放った。

 

 鎧は距離を取り離れた。そう思った矢先、今度は3人に目掛けて大剣を横に振るおうとした。

 

 

「マズッ!」

 

 

 慌てて移動(縮地)した。そしてフツノミタマで抑え込もうと努力はした。したのだが……空中に漂う奴を吹き飛ばすとは容易だと気付いた時には、既に“離れ過ぎていた”。

 

 俺の残りHPもギリイエロー。何とか保ってはくれているが、流石に猛攻を受ければPoHにとってもkaimuにとっても負担が掛かりすぎる。

 

 …………そういや、何で俺は“支配されなかったけ”?考えてたら腹部を刺されて地面に固定されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~プラチナside~

 

 しくじった!今さっきシヴァの方に鎧が!見てみれば一足遅かった。突き刺さっていたのだ。しかも動けない様に地面に固定されたまま!

 

 それに感化された奴等が目の色を変えて鎧に突っ込んで行く始末!特にあの……だぁ!もう良い!特に“おふくろ”の目がヤバイ!!“親父”が何かあった時にする目だ!

 

 慌てて止めようと試みるが、それまでもが鎧によって邪魔される。救おうとしても、倒そうとしても、止めようとしても。全て邪魔される。

 

 本当に……今の災禍の鎧は何が目的なんだ!?何で“親父”を狙った!?鎧の一部があるのに支配されてないからか!?危険と判断したからか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、暫く考えていると脳裏に過った答えが見つかった。

 

 あぁそうか。そういや親父は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「背負い込む性格だったな」」

 

 

 突然声が重なったかと思うと、地面に固定されているシヴァが“左手”で大剣を抜き取り立ち上がった。平然とした表情で、何かを悟った様な顔をしている。

 

 

「あー……そうかそうか。そうだったな、うん。災禍の鎧は“そうだったな”。んで……だから俺はこうなのか」

 

 

 そう言うと親父は大剣を左手で持ち、その左手から同じ【光の心意】を発動させた。その光の色は鈍く淡いが、時には(プラチナ)よりも金よりも輝く光の色。

 

 銀色であった。

 

 

「そういうことねぇ……まぁ、それならそれで決意は固まったがよ」

 

 

 そう言って、その大剣を両手で握りしめて持ち上げる。昔、武士と武士との決闘の際に用いられた持ち方は何処か野球のバットの持ち方を思い出させるが力を100%に近付ける為には有効な持ち方であった。

 

 親父が出した答えは、恐らく俺の予想通りだろう。こんな時、こんな状況でも、性格がヒン曲がった奴を矯正するために態々言うのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全身全霊でお前の弱さを叩っ斬る」

 

 

 ズドン!という擬音が似合うが如く大剣は振り下ろされ、後には真っ二つの鎧の姿が残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




*お願いします!アンケートに投票してください!

*何でもしますから!

*何でもするとは言ってない。

*でもお願い!異様に票が少ないんだよ!

*何でもしm(無限ループって怖いよね)




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ふぅ………うっし

 ~シヴァside~

 

「ふぅ…………やーっと終わったか」

 

 

 持っている大剣を未だに左腕を包み込んでいる障気を纏いながら持ち手を肩に置いて一言だけ告げた目の前にある2つに分断された【災禍の鎧】は漸く終わりを迎えたかの様にデータとなって消えた。心なしか、俺には去り際に少し口角を上げて微笑んだかの様に見えた。

 

 だが持っている大剣だけは残されたままで……あれか?ドラクエ11の初期装備に片手剣と両手剣あって両手剣選ぶパティーン?あ、作者は序盤は両手剣にしてたぞい。んであれか?大剣の特技技能増えてるパターンかな?……あ、増えてねぇや。

 

 それは置いといて、未だに持ってる武器の確認をすると名前が【災いの(つるぎ)】というそうだ。確かに剣という名前ではあるし剣という種類名の通り両刃である。だが何処か剣という感じはしない。言うなれば“生き物”に近いのかもな?

 

 さて……心配と迷惑かけた奴等に謝罪しときますか。ということでkaimuとPoHを実体化させる。現れた2人は溜め息を吐きつつ口を開いた。

 

 

「……まさか、何かに気付いただけで“コレ”抑えて本気出すとはねぇ。何なんですかマスター?」

 

《同感だわ。今残りライフ3つしかねぇのに土壇場でよくもまぁやりやがったな》

 

「うっわマジか……俺そんなに減ってたのかよ?」

 

 

 どちらかと言えば心配という感じの表情と声色で話をしている。何だろうか、ここまで来ると……ねぇ?何か色々ありすぎて“どうでも良くなっt”「お兄ちゃーん!!」ゲブラァ!

 

 

「《あー…………》」

 

「うぐっ…………いてぇ……ユウキ、さっきのマジで痛い」

 

「知らぬぅ!」

 

「イ"ダイ"イ"ダイ"イ"ダイ"!全部ダミ声になってるからぁ!頼むからやめてくれぇぇ!」

 

「お姉ちゃん!キリト!ゴー!」

 

「えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【CRITICAL STRIKE!!】

 

【CRITICAL FINISH!!】

 

「114514……19(逝く)なぁ」

 

 

 結果、必殺技でHP全損間近までやられました。何故にッ!?

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はい、何とか無事に回復出来ました。……というのも束の間、本来の目的である【ユイの救出】の為に上に向かったわけさ。何故か光の内側に居たユイを助けようとキリトとkaimuが近くに存在したコンソールを操作し光から脱出させてしまう。

 

 まぁkaimuだけは表情を変えずに何もない空間に大声を出していく。

 

 

「此方にいらっしゃるのでしょう!?出てきなさいペルソナ・ヴァベル!」

 

 

 他の者は完全に疑問符が浮かんでいる状態であった。しかし次の瞬間、見慣れても良い気分にはなりはしない格好の奴が転移でもしたかの様に現れた。

 

 

「驚きました……まさか見破りますか」

 

「えぇ……とっくに。貴女の考えも理解してますよ」

 

「そうですか……ですが、まだ次がある」

 

「ッ!待ちなさい!」

 

 

 ヴァベルが転移の様なもので消えた直後、kaimuは一旦足を止めて此方に向かう。そして俺の肩に手を置いて口を開いた。

 

 

「マスター……行きますよ」

 

「……理論上は?」

 

「可能です。そして実現も」

 

「なら話は早い。行くか」

 

 

 kaimuは【壊無】になり、俺は大剣をストレージに入れて足を運ぶ。まぁ勿論……

 

 

「シヴァ!何処にだよ!?」

 

 

 キリトが止めに入るわな。だが……キリト、お前は連れていけん。

 

 

「kaimu、転移」

 

「了解」

 

 

 求めている座標までの転移をkaimuに頼み、俺は光の粒子に呑み込まれ視界から消える。

 

 次に俺たちが居たのはとある場所。変な障壁の中に入ってて、俺の前にはデカイモンスター……まぁヤタに比べたらまだマシだな。

 

 

「さて、止めに行くかね」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~キリトside~

 

 んだよ……また勝手に行きやがって。

 

 

「だぁ!くそっ!」

 

 

 勢い良く右足で地面を踏みつける。言い様のない憤りが身体中に巡り巡っていて、どうしようもない。

 

 

「パパ……パパ!」

 

 

 不意にユイが大声で俺を呼んだ。何かと思いつつユイの方に振り向く。

 

 

「お話があるんです!今はここで待って、私の話を聞いてください!」

 

 

 何処か切羽詰まった様な感じをするのは、あまり見たことがないので一先ずユイの話を聞くことにした。

 

 そして聞かされた内容は……とても信じられない様な内容であった。

 

 先ず驚いたのは、先程のペルソナ・ヴァベルはユイ自身。正確には1000年後の未来からやって来たユイということ。未来からやって来たという話、信じる方が難しい……あ、アイツは転生者だったわ。

 

 何故そうしてまで自身を消そうとしたのか。その疑問はユイの話したことを聞くと疑問符が浮かんだが、それに答える様に続けられた。ヴァベルの目的は悲劇を産み出さないことであった。その悲劇というのは、プレイヤーの感情を仮想空間に閉じ込めたことによる悲劇。

 

 そんな実験が未来で成功され、仮想空間に人々の心は残り続けた。しかし残った感情が問題でもあった。残ったのは人間の負の感情のみ、それらが蓄積され続けている状況を良いと思わなかったヴァベルが災禍の鎧と共にこの時代まで遡り歴史改変を行おうとした。

 

 それはアイツによって食い止められたが、今度はアイツが未来に行くというのだ。恐らくヴァベルを止める為に未来に行こうと画策しているのだ。

 

 また面倒なことをと思いつつ、アイツの思惑に参加する為に俺たちはユイの作戦に乗ることにした。どうやら、少しするとこの場所の中心に白い球体が現れた。あれを“時進みの剣”を使って壊すと良いらしい。だからこその待機作戦。アイツは必ず此処に来るからという真実に従って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




*活動報告にてアンケート実施中

*お願いです意見をください

*終わり?このSSが終わるまで続けるつもりです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

リバウンド

 ~シヴァside~

 

「よーしメタく行くぜぇぇ!」

 

「《やめろ》」

 

 

 何か言ってるが気にしないお!だって2話続けてシリアスだったからネ、是非も無いよネ!!という訳で作者、カモン!

 

 

[私が~……k「PoH!」《あいよ!》あ、ちょい待って。流石に友切で首を切らないd《ホワタァ!》ゲボバァ!]

 

「作者あぁぁぁぁ!テメェら、どういう了見だボケェ!?」

 

「やめて下さい!ここでメタくするのは決まってネタが思い浮かばない時なんですから!」

 

《kaimuの方がメタいんだが?無視して良いか?》

 

「PoH!貴方は無視しないで下さい!それよかマスターと作者(害悪)を止めてください!」

 

[私は誰にも止められんよ!さぁ!メタろうぜ!]

 

「Foooooooooo!」

 

「アンタ方は黙らっしゃい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、俺たちでメタく行きたいんだが……」

 

[まぁネタつっても近況報告だったりだよな]

 

「もう…………私は…………疲れました。PoH、一緒に地獄へ堕ちましょうよ」

 

《やーだね》

 

「まぁ色々置いといてだ。作者、どうだい?アンケートの方は」

 

[んまぁボチボチ。でもね…………]

 

「「《うん?》」」

 

[流石に4つ読みたいと来るとは思わなかったよ]

 

「「《お前は死ぬな。確実に》」」

 

[だってそうじゃん。まぁお陰で票には加えれたけども、今度からは規制を出来る限り敷いとこうかなぁと思う今日この頃]

 

「それで?アンケートの方は?」

 

[同着のヤツが2つ。もしこのままだと2つに絞ってアンケートを再度取らなければいけない。これでは俺にとっても重大だ]

 

「何故に?」

 

[直ぐに書けれねぇからだよぉ!]

 

「アッ、はい」

 

[ネタの方は良いんだよ、ネタは。ただねぇ……俺としては1回で決まってほしいのが本音なんだよなぁ]

 

《といいつつ新しい案を提示していこうとするのはどうかと思うが?》

 

「違いなi……ちょっと待って下さい。さっき何て言いました?」

 

《また新しい案思い付いたから載せていこうかとな》

 

「コイツはあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「まぁ暴走kaimuは置いといて「置くな!」新しい案って何だよ作者」

 

[んー?ISだぞ]

 

「へぇー……お前がねぇ。最近マーベル×ISのヤツ見てるからか?」

 

[そりゃ影響力はあるわい。マーベルシリーズ結構好きなんだよ。ウルヴァリンとかアイアンマンとかメッチャ好きなんだよ]

 

「んで?コンセプトは?」

 

[ISの?まぁあんまり見ないタイプかな?]

 

「まーた先駆者になろうとする。先取りするのが趣味なのかお前?」

 

[当たり前だ]

 

《言い切りやがったコイツ》

 

[んまぁISのコンセプトが……ISにヘイト募らせてるオリ主だな。これが]

 

「…………要はIS操縦者とかにアンチ・ヘイトを持っていくのではなく、ISそのものにヘイトを向けてる主人公と?」

 

[せーかい。あんまり見たことないからな。んでもって口調を土佐弁にしてみようかと]

 

「まぁ……確かに作者の中では見たこと無いな。作者の中では」

 

[まぁこれ見てて案を思い付いた人たちが書くっていう可能性もあるけども、土佐弁は難しいと思うんだよねぇ]

 

「まぁ土佐県民じゃなきゃ使うのはムズいわな。作者はどうなんだ?そこは」

 

[そこは問題ない。おんしゃあ儂を誰やと思うちゅうがぞね?]

 

「…………これで作者の所在地バレたな」

 

[……読者様、貴方たちは何も見てない。見ていないのです、OK?]

 

「そういえば、あそこって別名では“死国”なんて物騒な名前ですよね?オカルト界隈ですが」

 

[やめて……ね?]

 

《イザナギとイザナミが(作者の予想)夫婦喧嘩してた場所のことか?序でにイザナギが負けて隠れた場所が伊予となったってヤツか?》

 

[( ´-ω-)]

 

「それオカルトっつーか神話じゃん。神話の一部じゃん。というか何で知ってんだよ?」

 

[俺の興味が沸いたのがそれなんだよ!文句あるか!見えない存在が分かるんだよ!興味深くなるのは必然だろ!]

 

「逆ギレはNGだ」

 

[あーそうかい!もういい!ならこの話はベラベラと喋るだけにしてやる!]

 

「それだけは本当にやめて下さい」

 

[嫌だね!]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで?何の話をするんだ?」

 

「こーなっちゃうんですよねぇ……もう嫌だ」

 

[殆ど票が来てない作品の説明だな。ぶっちゃけ話しても良いし]

 

《というと……4番のグリモア×幼女戦記のヤツか》

 

「何故グリモア?」

 

[幼女戦記に興味関心を持った俺は何とかしてクロス出来る作品を考えていた。そんな時だった。グリモアのダウンロードして、その後でグリモアの小説を確認したんだわ。まぁ合ったから幼女戦記とグリモアのクロスもありかとな]

 

「お前さぁ、何で狂ってるキャラ登場させたがるの?平和維持しないの?」

 

[類は友を呼ぶ]

 

「……お前はキチガイ」

 

[そういうことだ。つまり俺がキチガイだからキチキャラが好き。キチキャラを登場させて原作崩壊させるのも好き]

 

《すっげぇどうでも良い》

 

[いやさ、ヘルシングOVAでアンデルセンカッコ良いやん。アーカードの旦那カッコ良いやん。幼女戦記でターニャ共感できるんだわ。そんなキチキャラが1体でも居れば物語も変わるから好きなんだよなぁ]

 

「少佐は?」

 

[演説、思考、共に狂気染みている。ならば良し]

 

「…………ダメだこの作者(害悪)。早くなんとかしないと」

 

《おーいkaimuー。色々と変なこと考えるなー》

 

[とまぁね、作者はキチキャラを入れるSSも得意。勿論人間の成長ストーリーも得意。唯一苦手なのはほのぼの系とかだな。俺にはムズい]

 

「そこんところ、お前は戦闘狂だったりすんのかねぇ」

 

[否定はせんよ。さて、読者諸君には新しくISの案も追加しようと思う。でも選べるのは1つまでに絞ってくれよ]

 

《俺たちの約束だぜ》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




*という訳で、アンケートに追加項目

*IS追加

*どしどし応募待ってるぜ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

シリアスです

 ~kaimu side~

 

 はい皆さんおはこんばんちわ。kaimuで御座います。うん?シヴァはどうしたのかって?それなら先程マキシマムドライブとスキャニング・チャージにリミットブレイクに加えてCRITICAL FINISH受けて残機2つに成りましたが何か?まぁ危害を加えたのは主に初期メンの3名でしたが。

 

 さて、マスターが皆様と別れてから再度出会うまでの過程をダイジェストで御送り致します。決してメンドクサイという訳では無いのであしからず。

 

 まぁ先ずですが、マスターは【災いの剣】と私【神壊刀・壊無】の二刀流で私が提示したモンスターを“メモルシステム”と心意をフル稼働させて全滅、目的のアイテムも手に入れられましたが問題発生。

 

 1度ラインに戻りビーバックさんに目的の品を作って貰おうと頼みました。しかしビーバックさんは作ろうとした途端、成功率が10%ということが判明。成功させるには鍛冶スイッチとやらが出来ないと難しいのだそう。

 

 しかしアイテム名を告げられるとマスターは1度渋りました。当たり前ですよ、だってアイテム持ってるのリズさんですもの。でもユイを止めなければならないので渋々呼びました。

 

 何とかアイテムは完成しました。しかし塔に戻るという意味は即ち別れを告げたのにまた会う様なものです。……気まずいでしょ?

 

 そして案の定……戻った途端キリトさん、ユウキさん、シノンさん(何時もの3名)からHPを減らされ残り残機が2に減りました。これにはPoHも苦笑いしか起きませんでしたよ全く。

 

 まぁ未来に赴く為に我々AIはメタトロンと共に安全な場所へ。というよりも、未来の我々と出会えば抹消される危険性もあるので移動したのですが。

 

 そして未来へと飛び立つ準備を。コンソールに向けて心意をフルパワーで衝突させ、その瞬間に1つの剣を差し込みます。これにより1000年後の未来へと私たちは向かいました。

 

 という所で私からは以上です。さて、ここからが本番と行きましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~シヴァside~

 

 思えば、色んなことがありました。最初はデスゲームに閉じ込められ、今度は実験体としてALOに捕らえられ、何かガキが面倒なことをしでかして、自らUWに飛び込んで、んで今は……未来まで行ってと。色んなことがありました。

 

 しかしね諸君、私はどちらかと言えばシリアスというのは潰したい主義なのですよ。何が言いたいかって?

 

 

「ユイ(1000年後ver)さんやい。私はお話(物理)で済ませたいから動かないでくれよ」

 

「嫌ですよ、大体貴方の事よく知ってる兄様からの情報と合わせてみても貴方の一撃で制裁されそうです」

 

 

 うーむバレたか。だがしかし、これゲームの作品だよな?この後は普通バトルという展開なのがオチなのだが……あれ?

 

 

「ユイ、殺る気はどうした?」

 

「さらに1000年後に置いてきました」

 

 

 …………うんちょっと待って?それってさ、一番の見所放棄したの?ユイが?何で?敵対してたのに?

 

 

「それまた何で?」

 

「……よくよく考えてみればシヴァさんが来るの予想してたんですけど、希望論で居ないかなぁ?なんて考えてたら来たし。そもそも相手しても絶対殺られるので仕方なく」

 

「……あのさぁユイちゃん。普通ここはバトルの展開だよ?何で君から戦闘放棄するの?守ってよそれぐらい」

 

「このSSじゃあよくあることじゃないですか」

 

「いやそうなんだけどさぁ……絶対この話読む前の読者の期待を裏切る様な真似は流石にさぁ」

 

「じゃあ作者(害悪)と戦えば宜しいじゃないですか」

 

[ウェ!?]

 

「……仕方無い、作者生け贄となれ」

 

[えっ、ちょまッ!待っt]ザシュ

 

 

 …………えー皆さん。タイトル詐欺をしてしまって申し訳ありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局ものの数分で帰りましたよ。悪いですか?これも全て作者って奴の仕業なんだ!←それは本当かい!?

 

 まぁ……何やかんやありましたが、結局の所BB勢が来た時と何にも変わってません。唯一変わってるとしたら、BB勢がよく訪れるという点。

 

 仕事も一段落したのか、あのマセガキ科学者とロリコンに加え何故かPoHを介してアリスとユージオも来た始末。

 

 だがBB勢の中にはアイツらは居なかった。プラチナ、オース、ルテン、レディオだけ。まぁそこは余り触れないようにしておく。今は久々にユージオとアリスに出会ったので決闘(デュエル)をするのだよ。

 

 んで終わった所に丁度シノンが現れて……あれ?髪染めた?そんな質問したら頷いた。さいですか。

 

 腕を引っ張られる様にして人気の無い所に2人して赴くのだが、様子が何処か可笑しいのである。単なる杞憂であってほしいのだが。

 

 

「あなたー、来たわ……よ?」

 

「…………ん?あれ?……あれ?」

 

 

 …………んー?おっかしいなぁ?今俺の目の前にシノンが居るよな?あれ?今来たのは何なの?シノンだよね?あれ?そういえば……猫耳付いてなかったな、目の前のシノン。

 

 

「…………変な質問するぞ、お前誰だ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「プラチナだよ、気付けバカ親父」

 

 

 刹那、俺はピシッという擬音が似合うが如く動くことをやめた。親父という単語を聞いたのか、はたまたシノンと同じ容姿をしていたのか。その両方かは定かでは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 




まだもう1話だけ続くよ!

アンケートはそろそろ締め切ろうかと思うよ!

具体的には締め切りは明日になるよ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終回 これからの事については初期メンで考えろー

1「さぁ皆さん!遂に……遂に!」

 

2「遂に遂に!」

 

「「最終回デスッ!」」

 

1「いやー長かった長かった。ここまでかかるとは普通思ってなかったし」

 

2「だよねぇ!でもさ、こんな感じで良いの?最終回って?」

 

1「終わり良ければ全て良し!これに限る!」

 

2「そっか!それじゃあ同時に言おうか!」

 

1「そうだな!じゃあ、せーのっ!」

 

「「今までありがとう御座いました-!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3「リボルケインッ!」

 

《RXキック!》

 

「「ウワアアアアアアアアア(ΟwΟ)!!」」

 

「【速報】マスターと妹の木綿季様が容赦無い必殺技を食らい死亡されました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1「まぁ生きてるけどさ」

 

2「ってかオイ色、流石に光の杖は無いでしょ。危うく死にそうだったんだけど?」

 

3「テメェらが勝手に話を進めたからだボケがッ!」

 

《そうそう、せめての最終回なんだからよ。ちったぁ形式ばっても良くねぇか?》

 

1「…………貴様、まさか私に歯向かうというのか?」

 

2「貴様ッ!クライシス帝国の者かっ!」

 

《その時、不思議な事が起こった》

 

「「ゑっ?」」

 

《和人の持つ光の杖が再度輝きだし、kaimuの全身が黄金になったのだ!》

 

3「もう一度食らえ!リボルケインッ!」

 

「【HyPER CRITICAL SPARKING】!!」

 

「「イ"ェ"ア"ア"ア"ア"ア"!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1「あー死にかけた、危ねー」

 

2「何か久々に食らった気がする」

 

「《お前らもういい加減にしろよ》」

 

「速報です。和人様とPoHの胃が絶賛崩壊中となっております」

 

3「もう速報は良いんだよ」

 

「グリーンだよ?」

 

《CMはNG》

 

2「でさ、何で色と殺人鬼が来てるの?」

 

3「そりゃお前最終回の挨拶やら何やらしなきゃ駄目でしょーに」

 

《お前らが勝手に終わらそうとした時点で止めに入るのは必然的だったし》

 

「何より次回策のアンケート終わらせようとしたいですし。もう票を入れる読者も居られませんし」

 

1「成る程な。んで……作者、アンケート投票の結果は?」

 

[まぁ待ちんさい。今書くから]

 

2「さっさとしろよなぁ!踏み潰すぞオイ!」

 

[木綿季さんに踏みつけられるのは本もウッ!]

 

「「「《良いからあくしろよ》」」」

 

[おーけーおーけー。んじゃあま……ホイッと]

 

 

1 仮面ライダーエグゼイド×ソードアート・オンライン

 【投票数】5(ゴーゴーファイッ!)

 

2 多重クロス作品 【投票数】2(2人で1人のかめry)

 

3 HELLSING×ソードアート・オンライン

 【投票数】4(アイアンマンvsキャプテン・アメリカ!)

 

4 幼女戦記×グリモア 【投票数】0(ウルトラムァァァァン!)

 

5 ダン町×Undertale 【投票数】2(俺は一文字はやry)

 

6 ドラクエⅩⅠ×Undertale 【投票数】1(ハァン!(^p^))

 

7 インフィニット・ストラトス

 【投票数】0(仕方無いね♂)

 

 

 

 

 

 

[という集計結果に]

 

3「待てぇーい!!お前は数の後に何でネタを入れた!?何で特撮ネタかと思ったら淫夢とかマーベルを出してきた!?お前頭おかしぃだるぉ!?ってか何で4にマーベルのシビルウォー出してんだよ!?」

 

[書いてて思い付いたんだよ文句あるのかオォン!?]

 

3「逆ギレすんなし!」

 

2「さーて叫んでいる色は無視して「待てッ!オイこr」集計結果は……1の仮面ライダーエグゼイド×ソードアート・オンラインにけってーい!」

 

1「Foooooooooo!」

 

《うっしゃあ!酒飲もうぜぇ!》

 

2「フゥ-!気前良いねぇ!開けよーぜー!」

 

「【CRITICAL DEAD】」

 

「「《えっ?》」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1「まぁ色々とありましだか……ここもそろそろお別れなんだよなぁ」

 

2「そうだねぇ……思えば色々あったよねぇ」

 

1「和人を首斬りしたし」

 

2「色を色々したり」

 

1「和人に腹パンしたし」

 

2「色に罵言雑言浴びせたり」

 

3「俺に関係する思い出はそればっかかよ!!」

 

「「基本的には和人を胃潰瘍にさせるのが目的だったの知らなかった?」」

 

3「初期はそうじゃねぇだろ!!」

 

《あっ、その思い出話も良いけどよ。何か作者が発言権求めてきてるぞ》

 

「嫌な予感しかしない」

 

[kaimuは無視して「無視しないで下さい」新作の前にちょっとした短編を書こうとね。まぁ試作品というヤツ?]

 

2「因みに何?」

 

[原作はインフィニット・ストラトス。そこに七つの大罪と仮面ライダーを別々に加える]

 

1「七つの大罪ではキャラ人物像が近いオリ主は?」

 

[オリ主を読まれてたか……まぁ良いや。エスカノール]

 

《仮面ライダーは?》

 

[仮面ライダースカルだ]

 

「…………まぁどうなるかは良いでしょう。さて、そろそろ御開きと参りましょうか」

 

1「だな、では皆様!改めまして!」

 

2「今まで御愛読してくださった読者様!お疲れさまでした!」

 

3「まぁこのSSでの俺たちは終わるけど、別のSSでも俺らは登場するから期待しててくれよな」

 

《勿の論、俺も出るぜ》

 

[では、長々となってしまいましたが!皆様!]

 

「「「「《[今までありがとう御座いました!]》」」」」

 

[あ、次回策の予告出しとくよ]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『永遠に終わらないゲーム』を。ある男はそう言っていた。その男は最後の手段を最後の最後で発動させた。

 

 それが3度目の悲劇の始まりであり、新たな物語の始まりでもあった。

 

 

「僕が……ウィルス感染者?」

 

「君のはとても特殊なケースだ。いうなれば過剰なまでに君の体とそのウィルスは適合している」

 

 

 彼は悩んだ。悩み続け、苦しんだ。死ねば良いと考えた。しかし彼は大切な者を失いたくない為に、生き残る為に自分の中の存在と共に抗い続ける。

 

 それが例え、永遠に償いきれない罪だとしても。

 

 

「行こうか、ラスボス」

 

『ふん』

 

「変身ッ!」

 

 

 そのライダー、永遠の贖罪を背負う運命を持つ者。

 

 

「俺たちは仮面ライダー!」

 

「同時に■■■■だ」

 

「「これより製薬実験を開始する!」」



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。