僕はマーリン。趣味は人間観察さ! (ゼルガー)
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苦労人マーリンの過去語り
エピソード0「僕の話をしよう」
さて、僕の話をしようか。え?聞きたくない?そもそもお前は誰だって?
ふむ、それもそうだね。まずは自己紹介といこうか。
“僕”はマーリン。人間の母と夢魔の父との間に産まれたハーフだよ。
夢魔の父は人間じゃないけど女が大好きで、魔術師だった母を孕ませたんだ。そこに愛はなかったと母は言っていた。
だから僕は父が嫌いだし、そもそも顔は知らないよ。何故なら、父親は母さんに殺されたからね。まあ、殺されても仕方ないんじゃない?クズで畜生だったみたいだし。
僕の世界は母だけだった。生まれてからずっと母が一緒に居たし、愛された・・・・・・と思う。何故か?それは僕の半分が夢魔だからさ。
人間じゃないから、人間と同じ感性を持てない。人間の感情が分からないんだ。でも、理解はできる。違いが分からないって?感じるのと理解できるとでは大違いさ。
実を言うとね、僕は“転生者”なんだ。
一つ言っておくけど、僕には前世の記憶なんてもの無いに等しい。
ここは前世の僕が生きた時代よりも遥かに過去で、平成と呼ばれる時代の知識が少しあるってくらいかな。
知識と言っても、自動車や飛行機、寿司やラーメンやカレーライス。後は適当は漫画や小説やアニメ位しか残ってなかった。
前世の家族の記憶も無いし、死んだときの記憶も無い。更に言えば、自分が何者だったのかすらわからないんだ。
ま、どうでもいいけどね。今の僕が生きるのに必要な事ではないからね。
でも、これが原因で僕の精神は幼い赤子の状態で成熟してしまった。全然子供らしくなかったんだ。
それでも、母さんは僕を愛してくれた。うん、酷いくらい愛してくれたね。
さてと、僕の幼少時代はそれくらいでいいだろう?正直言うと恥ずかしいんだ。
人間のような感情は無いんじゃなかったのかって?あはは、まあね。
恥ずかしい感情は無いけど、恥ずかしいと理解しているが正解かな。言っておくけど、これでもかなり改善された方なんだ
なんだいマスター?僕の昔話に興味が出てきたから聞きたいって?幾らなんでも物好きじゃない?
で、何が聞きたいんだい?
僕の母さんについて?あーうん。母さんかぁ・・・・・・。
さっきも言ったけど、僕の糞親父は夢魔だ。何故母さんが夢魔の父とで僕を産んだかだけど・・・・・・母さんが魔術師だったからだ。
元々、夢魔の父は母さんが手違いで召喚してしまったのが原因だ。最初はとある計画で竜の使い魔を呼ぼうとしたらしいけどね。
で、召喚に大半以上の魔力を使ってしまい、隙を付かれて孕まされたそうだ。
母さんも言っていたけど、アレは人生で一番の屈辱だそうだよ。それでも、孕んだ子には罪は無いと僕を産んだ。
彼女は生粋の魔術師でありながら、実に“人間”らしかった。
君も知ってるとは思うけど、魔術師に碌な人間はいない。いやまあ、例外はいるけど大半は外道や非道、クズが多い。
母さんも分類から言えば外道で非道かもしれないね。でも、決してクズでは無かったよ。
母さんは、いろんな意味ですごい女性だった。僕にとっては魔術の師でもあり、剣術の師であり、僕に感情を理解させてくれた偉大な魔術師だ。
ウーサー王の直属魔術師でもあり、正直なんで母さんじゃなくて僕が冠位を得てしまったのか謎だよね。母さんが本気になれば、星ひとつ消せるね。間違いなく。
そんな母さんの指導の下、僕は辛い修行の日々に落とされることになったんだ。
ああ、言っておくけどここは語る気はない。思い出したくないからね。
それから、僕は二人の友人を得た。そう、かけがえのない友人だ。
一人は僕の永遠のライバルにして大親友のケイ。小さい頃かの修行仲間でもあったね。
もう一人はモルガン。歴史上では裏切りの魔女だとか、ブリテンを滅ぼした元凶とも言われてしまっている。実際は優しい女の子なんだけどねぇ。
正直、僕はブリテンという国とはかかわり合いたくなかった。
当時の国王であるウーサー王は正真正銘極悪非道な王だった。人としても王としても、僕は大嫌いだったね。っていうか、アレを好きになる人はいないと思う。国民全員から嫌われる王っていうのも珍しいしね。
だから僕は田舎の村に引きこもることにしたんだ。のんびり農業して、平凡に暮らす。それはとても尊くて儚い願いだったんだ。
ついでにケイとモルガンも僕に付いてきてくれた。って言うか、国に居たくないって逃げて来たんだけどね。
二人との同居生活はとても楽しかった。うん、本当に楽しかった。何時までもこの時間が続けばと思った。
そんなある時、僕は一人の赤ん坊に出会った。後のアーサー王ことアルトリアだ。
僕は彼女の赤ん坊のころから知っている。いわば、妹のように感じている。昔の彼女は本当に可愛かったし愛くるしかったよ。この時代のカメラがあったら間違いなく、写真と動画に保存してるね!
え?お前が王の血と竜の心臓でアルトリアを生んだんじゃないのかって?ハッハッハ、無理無理。僕は何もしてないさ。だって、それをやったのは母さんだよ?チートオブチートの母さんだよ?僕にどんな人体錬成が出来るわけないじゃん。
正確には、糞野郎のウーサー王が自分の世継ぎを人工的に生み出すために母さんに依頼して作った改造人間だね。
本当、虫唾が走るよ。
―――っと、もうこんな時間か。話が長かったかな。ごめんねマスター、それじゃ少し休息を入れようか。
僕が作ったお菓子でも食べるかい?今日のシュークリームは会心の出来だと思うんだ。序に紅茶もどうぞ。これはストレートで飲むのがおススメだ。
おいしい?そりゃよかった。僕は昔から料理が趣味でね。いろんな世界と時代の料理を作るのが好きなんだ。何せ、アヴァロンに引きこもってと暇でね。千里眼で世界を見て、食文化を学んだものさ。
いやぁ懐かしいなぁ。昔、円卓の騎士たちにも僕の料理を御馳走したなー。ああ、そういえば一個だけ激辛入りを混ぜたんだ。ちょっとした悪戯気分で。
で、見事に当てたのがアルトリアなんだよ!いや~、あの時の彼女は本当に傑作で・・・・・え、何?後ろ?
あ、アルトリア!?なぜここに!?君はレイシフトで資材を集めに行ったんじゃ!?
「マーリン、貴方は昔からそうでしたね?王になる前から兄であるケイと共に私をからかって遊んで!何度貴方に泣かされたと思ってるんですか!何度、モルガンに慰めてもらったと思ってるんですか!」
「何度だろうね?でも君の泣き顔は可愛かったよ」
「なっ!?も、もう許しません!約束された―――!」
「ちょっ!?ここで宝具を使う気か!?て、いつの間にかマスターが既に逃げていない!?酷いよ!?」
「―――勝利の剣ァーーーー!」
「」ちーん
「ふん!人の気も知らないくせに!そんなだから、モルガンに告白する前に失恋するんですよ!このヘタレ!」
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エピソード1「さあ、語ろうか」
僕が自我に目覚めたのは何時だったか・・・・・・そう!ゆりかごの中だったね。
自分の意識ははっきりしているのに身体を思うように動かせないし、声も「あー」や「うー」しか出なかった。
自分の手を見て思ったね。あ、僕赤ん坊になってるって。
正直混乱したね。自分の頭ではこの身体が自分のモノではないと認識しているのに、感情というのかな・・・・・心が自分だって言っていたんだ。訳からなかった。
とにかく泣いた。意味が分からないし訳が分からない。混乱してパニックになってひたすら泣いた。
そんな僕を優しく抱きしめ、あやしてくれたのが母さんだった。
今の僕と同じフワフワとした白い髪、ちょっとタレ女でのほほんとした女性だった。ああ、ちなみに大きかった人だよ?どこがとは言わないよ?僕の母さんだもん。
「どうしたの、マーくん?ほーら、よちよ~ち」
ちょっと何笑ってるんだい?別にいいじゃないか、マーくんって呼ばれるくらい。似合わない?ほっといてよ・・・・・・
ごらんの通り、母さんは僕に甘々でね。本当に愛してくれたよ。うん・・・・・・超親バカだった。
何処に行くときもベッタリで、初めて歩いて転んだ時も大げさに慌てて、大魔術を発動しようとしたり。
―――いやーーー!私の、私のマーくんがーーーー!!!オノレ大地ヨ!消シ飛ベ!!!!
―――ヤメテお母さん!?
幼児だった僕を誘拐しようとした蛮族を半殺しにして、身動きが出来ないように生きたまま海に沈めたり。
―――ヨクモ私ノカワイイマークンヲ!タタデハコロサン!!!生キタママナブリコロシニシテクレル
―――もう止めて!?誘拐犯のライフはとっくにゼロだよ!?
ピクニックに行く日に雨が降った時、大魔術を発動して雲全部消し飛ばしたり・・・・・・
―――天よ消え失せろ!!私とマー君のピクニックの邪魔をスルナ!!!!
―――アハハ・・・・・・雨雲も嵐も、消しとんじゃった・・・・・
あはは・・・・・・親バカダッタナー(死んだ目)
そんな愛された幼少時代を過ごし、10歳になった時かな。母さんに連れられて、ウーサー王を謁見したんだ。たぶん、自分の子を紹介したかったんだと思う。
でも、そんな王の反応は・・・・・・価値がある道具かどうか見定める腐った眼で僕を観察したんだ。その時思ったね。僕はこの王と関わりたくないと。
母さんもそれを悟ったんだと思う。それ以降、母さんは僕を王の下に連れていくことはなかった。
ウーサー王の謁見である意味疲労した僕は王宮から出る為に廊下を歩いていた。
その途中、金髪の男の子と女の子とすれ違った。母さんは二人を知っているらしく、頭を下げて挨拶していた。
「こんにちは、ケイ様、モルガン様」
「父上直属の魔術師か。貴様は相変わらずのほほんとしているな」
「こんにちは、先生!今日は授業ないですよね?」
うん。会話からわかると思うけど、ケイの口が悪かったのは小さい頃からなんだ。
え?この女の子は誰かって?モルガンだよ。何で信じられないって顔してるのさ。確かに彼女の逸話は色々アレだけど、実際は人懐っこくていい子だったよ。
「む、貴様のほほん魔術師に似ているな」
「ええ、この子は私の息子のマーリンよ。歳は貴方達と同じ位かしらね~」
「ほう、ずいぶんと貴様に似てるな」
「えーっと、息子?え?女の子じゃない?うそ、男の子なの!?ご、ごめんね!」
「・・・・・・(僕って女の子って思われてたの?orz)」
・・・・・・なにさその目は。ああ、どうせ僕は中性的で、男らしく無い顔だよ。くそう。
でもまあ、この出会いには今でも感謝している。
ウーサー王の義理の息子であるケイ。そして実の娘であるモルガン。
この二人こそ、僕の今後の人生に意味を与えてくれたんだ。
ウーサー王?今でもこの手で殺せなかった事が今生で一番の心残りだね!
◇
人物紹介
【マーリン】
転生者。でも前世の記憶はない。夢魔の父と魔術師の母のハーフ。でも父の顔はしらない。母の愛情100%で育成中。
現段階は、まだまとも。
【ケイ】
ウーサー王の義理の息子。
現段階ではショタ。でも毒舌。合法ショタのアンデルセンと同レベル。
まだ苦労人じゃない。
【モルガン】
ウーサー王の娘。
現段階では綺麗な幼女。マーリンの母を魔術の先生として慕っている。
マーリンの事を初対面で女の子と思っていた。でも、可愛いので女装させたいと思っている。
歴史上では最悪の魔女と語られているが・・・・・・
【マーリンの母】
マーリン曰く、冠位を得た魔術師となってもおかしくない存在。チートオブチートと呼ばれている。
魔術師の腕は神代レベルを超えており、アルティメット・ワンすら消し飛ばせる可能性を秘めていた。だが、本人の性格は怠慢。のほほんとしており、めんどくさがり。
マーリンの事を愛しており、マーくんと呼んで可愛がっている親バカである。
だが、魔術師としてスイッチを切り替えると非道に徹する。王直属の魔術師なので、王の命令は絶対と思っている。だが、第一優先順位はマーリンとなっている。
【ウーサー王】
マーリン曰く糞野郎で外道王。敵に討たれて死んだので、自分の手で殺せなかった事を悔やんでいる。
実はブリテンのアーサー王伝説の全ての黒幕。死後も魂を残留し、数々の悪道を行っている。
ブリテンの発展や滅びを回避と建前は言っていたらしいが、本心では自分の欲望の為だったそうだ。
マーリン「やあ、マーリンお兄さんだよ」
アルトリア「どうも、アルトリアです」
マーリン「序盤中の序盤。僕の過去からの始まりだね。いやー。なんか恥ずかしいねぇ」
アルトリア「マーリンにも可愛らしかった過去があったんですね・・・・・・なんでこうなったんでしょうね」
マーリン「色々あったのさ・・・主に糞野郎の所為だけど」
アルトリア「会った事はありませんが、ウーサー王はどれだけ嫌われてたんですか・・・・・・。それにしても、兄さ・・・・・・サー・ケイとモルガンもこの頃は本当に子どもだったんですね」
マーリン「いや、誰しもちゃんと幼少時代はあるからね?ホムンクルス以外は」
アルトリア「しかし、サー・ケイは既に毒舌なんですね。うう、思い出してしまうあの罵倒の数々っ!」
マーリン「彼、円卓のアイドルだったガレスちゃんにも毒舌だったからねぇ。それが原因であのアッくんもケイを殴ったくらいだし」
アルトリア「あの事件ですか・・・・・・嫌な事件でした」
マーリン「それじゃ、次回もお楽しみに!」
アルトリア「また会いましょう」
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エピソード2「ケイとモルガン」
ケイとモルガン。とてもじゃないが、あのウーサー王の子供とは思えなかったね。
ケイは毒舌だけど人を見る目はあるし、意外と面倒見が良かった兄貴分。
モルガンはマジ天使。いや、違った。とても可愛らしい女の子だったね!ちなみに、僕が書いてるブログのマギ☆マリは彼女をモデルにしてるのさ!
え?そんなにショック?可愛いのに?なんでそんなにモルガン推しかって?
うーん。まあ、初恋だったしねー。結局叶わぬ恋だったけど。好きな人同士で結ばれた結婚だったし、お互い幸せそうだったから僕もちゃんと祝えたさ。
・・・・・・あの糞野郎の介入さえなければね。おっといけない、コップを握りつぶしちゃった。いけないね、夢魔なのに怒りの感情に身を任せてしまうとは。
母さんはウーサー王の狂気にいち早く気づいていた。でも、忠実な部下として王には逆らえなかった。
だから、来るべき時に備える為にケイとモルガンを僕と共に育てることにしたんだ。王には予言と偽ることでそれを成しえた。
え?わからないかな。つまり、ケイとモルガンは僕と母さんの四人暮らしをすることにしたのさ。王宮から離れた田舎でね。
二人の幼馴染との日々は楽しかった。ケイと山を冒険したり、剣術を共に高め合ったりしたよ。稽古の途中で本気になり始めて、殺し合い一歩手前になりかけたのはいい思い出だ。
ケイは人の身長位ある大剣の使い手でね。重い筈のそれを軽々振り回すんだよ。それも片手で。
モルガンとは魔術を一緒に学んだり、時には競い合ったり。でも、母さんの魔術を習得するスピードは彼女の方が早かった。ああ、嫉妬したとも。でもそれ以上に習得したときの笑顔が可愛かったよ。
二人の為に料理を覚えて、未来の知識にあったレシピを再現して喜んでもらったり。
そんな日々を一年くらい続けた時だった。母さんが布に包まれた赤ん坊を連れて来たんだ。
どこか、モルガンに似た赤ん坊だった。でも魔術を習っていた僕とモルガンにはわかった。
この子は普通じゃないって。
母さんは言った。この子はアルトリア・ペンドラゴン。モルガンの実妹で、ウーサー王が母さんに作らせた竜の心臓と王の血から作られた人造人間だって。
僕は母さんを責めたと思う。母さんは非人道的な事だけはしないって思っていたのかもしれない。
でも、その時の母さんは僕に冷たい目でこう言ったんだ。
「マーリン、魔術師とは・・・・・王に仕えるとはこういうことです。覚えておきなさい」
正直ぞっとしたね。初めて見たよ、魔術師としての母さんは。
後から知ったけど、母さんは予言でブリテンの崩壊を見てしまい、それをウーサー王に告げると「赤き竜の心臓と余の血を使い、最強の兵器を生み出せ。王たる余に忠実な兵器をな」と命令したそうだ。
今思い出しても胸糞悪いと思うよ。アイツは自分の子を最後まで子と見ていなかった。ケイも、モルガンも、自分の妻も、アルトリアも。
母さんは、この子を守りたかったんだと思う。ウーサー王から。兵器として扱われる未来から。
その夜。僕とケイとモルガンはアルトリアの事で話し合った。彼女の未来について。
母さんの予言は絶対だ。未来、ブリテンは滅ぶのだろう。それを食い止める為にウーサー王の思い通りにはさせたくない。
二人にとって、アルトリアは既に大事な妹となっていた。
ならどうするか。そこで、僕は一つの案を思い浮かべた。
どうせなら、あの子を王にするのはどうだろうか?
そう、あの腐れ外道が支配する国ではなく、この子が率いる国ならどうだろう?
ケイとモルガンは賛同しかねると言った顔だった。まあ、僕もこんな案は出したくない。
アルトリアを王にするってことはある意味人柱。女の子としての未来を捨てろと言っているようなものだ。
でも、彼女は兵器として生まれてしまった。既に、そんな道は無いに等しい。
ならせめて。兵器ではなく王として歩ませてあげよう。罪悪感はある。だから、その罪滅ぼしとして僕はアルトリアの為に全てをささげよう。
アルトリアが人々の理想の王となり、ブリテンを導ける王とする為に。僕の人生も捨てよう。
「はぁ、お前は意外と頑固なところがあるからな。いいだろう。俺も地獄の底まで付き合おう。ここまで来たら俺も同罪だ。この命が尽きる時まで、アルトリアの剣となろう」
「私も同じね。あの外道の好き勝手されたくないもの。でも私は魔術師で姫だから、裏からサポートさせてもらうわね」
「すまない、ケイ、モルガン。そしてありがとう」
天使の笑みを浮かべて眠るアルトリア。君の未来はとてもじゃないが明るいとは言えないかもしれない。
でも、絶対に兵器としての道は歩ませない。僕とケイとモルガンが君を導くから。
って感じで、アルトリア育成計画が始まったのさ!え?意外?アーサー王伝説と全然違うって?
やだなぁ、あんなフランス人が書いた諸説を真に受けて欲しくないよ。
それに、真実は僕たちだけが知ってればいいんだ。
結果だけ言えば、アルトリアは王の道を進む。僕たち三人が敷いたレールの上でね。
ウーサー王は戦死したから事は容易に運んだよ。宮廷魔術師の座は母さんから引き継げたしね。
でも、ウーサー王も死んでもしつこかった。あの糞野郎、邪神を召喚しやがって・・・・・・ああ、この先は別の日にしよう。少し語り疲れたしね。
さあ、僕の特製クッキーでもどうぞ。自家製ブレンドの紅茶もあるよ。
マーリン「さあ、マーリンお兄さんのあとがきコーナーだよ」
アルトリア「どうも、アルトリアです。マーリン!私が登場しましたよ!」
マーリン「うん、興奮しすぎだよアルトリア。どうどう」
アルトリア「それにしても、ドクターロマンがいつも見ていたマギ☆マリのモデルが姉上だったとは意外でしたね」
マーリン「そうかい?僕は適任だと思うけど?可愛かったし」
アルトリア「むー。それより、私は女性として生きれなかったとはどういうことです!」
マーリン「ウーサー王が存命の時はそれしか道が無かったのさ。でも、ウーサー王が死んで、君には選択ができた。だから、選定の剣を作ったのさ。王の道を捨てるもよし、村娘として生きるもよし。どっちを選んでも僕たち三人は君をサポートしたさ」
アルトリア「・・・・・・今聞くと物凄く複雑です。もっと早く、その事情を知りたかったです」
マーリン「あはは、ごめんね。それじゃ、次回もお楽しみに!」
アルトリア「マーリン!お菓子を作ってください!なんか無性に食べたい気分です!」
マーリン「はいはい」
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エピソード3「アルトリアの育児①」
アルトリアの育児について?
そうだね。母さんは基本的に王宮勤めで家には居なかったから僕ら三人が面倒見てたね。ウーサーの糞野郎は育児放棄上等の人間だから仕方ないね。
え?モルガンには他に兄弟がいたのでは?って?
ああ・・・・・そういえば伝承でモルガンはアヴァロンを統括する9姉妹の長女として語られてたね。まあ、実際は違うけど。
アヴァロンにいる彼女たちは・・・・・・その・・・・・・義理の妹達なんだ。ただし、自称。ほら、女学校とかのアニメや漫画でよくあるだろう?【お姉さま】と慕う後輩女子。アレと同じだよ。
史実・・・・・というか【この世界】では彼女の姉妹はアルトリアだけさ。ケイは養子で義理の兄だしね。
さて、アルトリアの育児だったね。・・・・・・うん、彼女が今この場にいないからぶっちゃけようか。もし彼女がこの場に居たら、きっと恥ずかしさで聖剣ブッパしてくるしね
正直、辛かった。本当に辛かった。人生で一番辛かった。
うん、何が辛いかってね彼女は泣き虫だったんだ。何かあるとすぐ泣いた。事あるごとにぐずり始めて泣くんだ。
お腹を空かせたり、トイレで泣いたりするのは仕方ない。それが赤ん坊だ。
でもね、アルトリアは本当に泣き虫だったんだよ。あーうん、よく泣いた。
夜中に泣き出すのは当たり前。僕たち三人の誰かが手を握ってないとすぐに泣き出す。
彼女が眠った隙に少し離れて3秒で泣き始めるし。一日一回、僕が抱っこしてあげないと泣こうとする。そう、何故か僕が。ケイだと大泣きするし(結構ショックだったみたい)、モルガンだと泣きはしないけど不満そうだった。
母さんが相手をしてくれる日になると、僕たちはノイローゼになって倒れたね。
それでも、アルトリアは可愛かった。あの毒舌のケイがデレデレになってシスコンに目覚めたくらいだ。モルガンも初めての妹で姉馬鹿になってたね。
んー、実を言うと僕は【可愛い】と言う感情が分からなくて困ってたな。いや、頭では理解できるんだけどね、血の半分が夢魔だからどうしても理解に苦しんだ。
それでも必死にケイとモルガンの真似をして愛そうとした。二人と違って、偽物の感情なのにアルトリアは僕に一番懐いていた。何でだろうね。
そうそう一番大変だったのは、アルトリアが初めて言葉をしゃべった時だね。ああうん。もう予想ついてると思うけどね
そう。彼女が初めて喋ったのは「まーり」だったんだ。それを聞いたケイはキレたね。
「まーり!まーり!」
「あ、あはは・・・何で僕の名前が最初なんだろうね?」
「何で貴様が一番最初に名前で呼ばれているんだ!!この裏切者がーーー!」
「ちょっ!?落ち着いてケイ!?シスコンが重症だよ?!止めてモルガン!!」
「ほーら、アル。お姉ちゃんですよ~。ほら、ねーねよ?」
「ねーね!」
「無視された!?て、さりげなく呼ばれてるし!」
「な、何だとぅ!?あ、アル!お兄ちゃんだぞ!ほら、にーにだぞ!」
「うー?マーリ!」
「殺す、殺してやるぞマーリン!」
「こんな理由で殺されてたまるかこの兄馬鹿!!」
「はぁ、アルは大きくなってもこんなバカ二人のようになっちゃダメよー?」
「あう!」
・・・・・・・・・・あ、あはははは。なんか話してる僕も恥ずかしくなってきたよ。別の意味で。
さて、次はアルトリアの初めてのハイハイがいいかな?それとも初めての離乳食かな?
ん?どうしたんだいマスター。そんなに顔を真っ青にして。
「面白い話をしているな、マーリン」
うげ、別側面のアルトリア!?
「私もいますよマーリン」
「いえ、我々もいます」
槍のアルトリアに獅子王のアルトリアまで・・・・・・
「貴様にはプレゼントをくれてやろう。宝具と言うプレゼントをな」
「シューターの的は貴方ですマーリン」
「と、言う訳です。私達から貴方にお仕置きです」
サンタと弓クラス、そして普通のアルトリアもいるのかい!?
ちょ、ちょっと!?全員で僕に宝具を撃つのかい!?
死ぬから!流石の僕もロンの槍と聖剣の合わせ技は死ぬから!!マスター、君からも何か言っ・・・・・いない!?そりゃないよ!?
「「「「「「死ね、マーリン!」」」」」」
あっ、ちょっ!?はは、オワタ
アッーーーーーーー!ジュッ
マーリン「や、やあ。マーリンお兄さんだよ」
ケイ「円卓の騎士が一人。サー・ケイだ」
マーリン「いやはや、死ぬかと思った」
ケイ「むしろ何故死ななかった。死んでほしかったが」
マーリン「相変わらずひどいな君は!?そんなだから何時までたってもアルトリアに懐かれなかったんだよ!」
ケイ「・・・・・・」
マーリン「あ、地味にショック受けてる」
ケイ「う、ウルサイ」
マーリン「そういえば第6特異点では君は獅子王に組しなかったそうだけど、シスコンの君なら彼女に従ったんじゃないの?」
ケイ「向こうの俺は兄としての感情ではなく王の騎士として、王の間違いを正すために敵対したのだろう。で、この世界の俺は【俺の妹】のアルトリアは獅子王ではないからな。敵対するのには十分な理由だ。同姓同名で同じ人物だったとしても、俺の妹は【あの】アルだけだ」
マーリン「さっすがケイ。シスコンここに極まり。つまり、特異点の彼女は別人ってわかってる訳だね」
ケイ「誰がシスコンだ!殺すぞ天パ」
マーリン「誰が天パだって?流石の僕もキレるよ毒舌」
二人「あ?」
モルガン「あらあら。本当に変わらないわね~。次回もお楽しみに!」
二人「え、モルガン!?」
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エピソード4「アルトリアの育児②」
さて、今回も語ろうか。え?なんだいマスター?ボロボロだって?
HAHAHA、自分だけ逃げておいて言うセリフかい?危うく死にかけてアヴァロンに送られるところだったよ。ただでさえカルデアにいるために裏ワザ使ってるから、再召喚には時間かかるんだから消滅は避けたいね。
そう、アレはアルトリアが5歳になる時だった。ど田舎の村に住んでいた僕達はアルトリアを元気にのびのびと成長させるためによく外で遊んでいた。
今もそうだけど、アルトリアは結構やんちゃでね。男勝りな所があるのか、村の男の子達と喧嘩して勝ったり、虫を取っては僕達に自慢したりね。クックック、虫を間近で見せられて悲鳴をあげたモルガンは可愛かったよ。
アルトリアの誕生日を控えていた時、僕とケイは彼女の誕生日プレゼントの準備をしていた。
モルガンはいつもどおり、可愛い服を用意していた。多分、今回も彼女を着せ替え人形にする気なのだろう。
ケイはどこから連れてきたのか賢そうな子犬をあげようとしていた。ああうん。君の言うとおり、この子犬が後の名犬カヴァスだよ。アイツ、僕の姿を見れば絶対に噛み付いてくるんだ。
キャスパリーグといい、カヴァスといい、なんで僕を嫌うんだろうね?動物好きなのに。
僕はアルトリアの為に豪華な料理を作っていた。一番なのはオムライスかな。アルトリアはオムライスが大好物でね。
え?なんでオムライス?しかもその時代に?いや、僕が転生者なのは説明したでしょ?いくら前世の記憶がなくても、料理の知識はあったさ。
まあ、この時代のブリテンの田舎村じゃ大した材料もないから現代のような料理は流石に無理だけどね。でも僕は魔術師の端くれ。調味料を再現することは可能だったさ。
ライスはどうしたかって?ブリテンにお米はなかっただろ?まあね!前世の僕は日本人だったみたいでね、魂が日本食を欲していた時期があったんだ。だから、自家栽培でお米を一から栽培したよ。もちろん魔術で。
納得した?
そういえば他のアルトリアと違って、彼女だけは料理にそこまで拘ってなかった?そうだね。ウチのアルトリアは小さい頃から美味しい料理を食べてたから舌も肥えてるし、大食いではあるけど飢えてはないね。
それに、小さい頃から英才教育する時に僕の料理技術も教え込んでるから、頼めば彼女は料理してくれるよ。
この時期で一番大変だったのは、モルガンの婚約だった。彼女はアレでも姫だったからね。政治的な婚約を勝手にされていた。
ウーサー王と母さんが決めたことだったから、逃れられない運命だったさ。ああ、でも母さんはこう言っていたね。
「マーくんが望むなら、なんとかしてあげるよ?」
でも、僕は望まなかった。モルガンの幸せを何よりも望んでいたし。それに、彼女の婚約者は僕とは比べ物にならないほど善人だった。まさに、ザ・王子って人だったよ。
僕とケイも彼に会った事があるし、彼と話したこともある。だから、彼の人となりを理解している。
そんな彼だからこそ、僕は身を引いたんだ。初恋は叶わないって言葉を深く理解できたね。あのモヤモヤした感情は二度と味わいたくないものだよ。
マスター。君は恋をしたら正直に生きると良い。マーリンお兄さんからの助言さ。例え失恋するとしても、伝えるべきことを伝えずに終わって後悔することになるのだけは避けようね。
そして、モルガンは僕たちの家から去った。彼女の新しい人生を門出を祝いつつ、後悔しながら彼女の背中を見送った。
この時、僕は泣いていたんだろう。小さなアルトリアに、何処か痛いの?と心配そうな顔で手を握られたからね。
ああ・・・・・今だから言えるけど、本当は引き止めたかった。こうなる前に告白したかった。強引にでも奪いたかった。それほどまでに、モルガンが大好きだった。
え?今もそう思ってるかって?いやいや、流石に思ってないよ。もう過去形さ。ずいぶん昔に振り切れたしね。
彼女が結婚してからもアルトリアの育成で色々と相談したり、彼女の子供のことで相談されたりと楽しいこともあったさ。
そう、彼女の子供っていうのはアッくん達のことだね。ガウェイン達はまだわかるんだけど、アッくんは両親のどちらにも似てなかったなぁ~。長男なのに。
それからさらに10年の月日が流れた。僕はアルトリアに剣術と様々な知識を教えた。皮肉なことに、母さんが作ったデザインベビーだからかもしれないけど、吸収速度が異常に早かった。
僕とケイが苦労して編み出した剣術とか無手の武術とかあっという間に覚えてしまったんだ。僕とケイは隠れて泣いたね。
あと一年で僕たち三人がずっと計画していた物語が始まろうとしていた。
その為に僕は湖の乙女ヴィヴィアンに会いに行き、共同作業で聖剣を生み出していた。ちなみに試作品は僕の愛剣で、今でも使ってるよ?基本的には杖を使ってるけどね。
で、事件は起きた。選定の剣を作ったまでは良かった。黄金の聖剣も大体は完成した。
一番の問題だった鞘で予想外の出来事が起こった。原因は、ヴィヴィアンが鞘の材料に変なステッキを間違えて混ぜてしまったことだったんだ。
後に問いただしたら、変な老人から譲り受けた平行世界に干渉できる杖をうっかり材料にしてしまったそうだ。キレて彼女の頭を殴った僕は悪くないはずだ
ああうん、これがきっかけで僕と彼女の仲が最悪になったんだ。今でも一方的に嫌われてるのさ
で・・・・・・
「おやおや~?これは予想外でしたね~。あ、どうも!今日から私がアヴァロンですよ!あはぁ☆」
鞘は身をクネクネと動き、宙に浮いて喋った。正直目を疑った。
うん、これが僕の苦労の日々の始まりでもあった。アレが原因で、僕はいろんな意味で振り切れてしまったんだ。
後悔?してるに決まってるじゃないか!
マーリン「ああ、ついに登場してしまった。僕の一番の汚点が・・・・・・」
アヴァロン「どうも~、皆のアイドルアヴァロンちゃんですよー!はい、拍手~♪」
マーリン「・・・っ!」ギリッ
アルトリア「ああ、いつも人をからかって楽しんでるマーリンの顔が凄いことに!?」
ケイ「まあ、アレは仕方ないな。俺でも胃に穴が開いたくらいだ」
アヴァロン「ちなみに私の声は割烹着の人と同じですので、安心してくださいね☆それじゃ、次回もお楽しみに!」
マーリン「は、破壊したいっ!」プルプル
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エピソード5「あの頃の僕は、マジで苦労人だった」
なんだいマスター。え?今にも死にそうな顔をしているだって?
はっはっは。まさにその通りさ。今思い出しても胃が痛くなる思い出さ。
アルトリアの宝具の一つである聖剣エクスカリバーの鞘であるアヴァロン。
君が知ってるアーサー王伝説では失われていると言い伝えらえているね。現に平行宇宙の彼女達も経緯は違えど失っている。
最も、とある第五次聖杯戦争を経験した彼女であれば投影された鞘は返還されているけどね。今でも赤い正義の味方の一部になってるんじゃない?
で、僕らのアルトリアの鞘は別に失っていない。むしろ失ってはいけないんだ。
そもそも、僕らのアルトリアが所持しているエクスカリバーは他の彼女が使用している神造兵器とは大きく違う。
ぶっちゃけると、ビームぶっぱじゃない。巨大な黄金の剣で叩き切って光にする対邪神兵器だね。
アヴァロンはその兵器の安全装置なんだ。アルトリアの負担を軽減したり、周囲の被害を抑える役割をもったね。
何?別のアルトリアがアヴァロンは癒しの力や敵の攻撃を防ぐ結界を持ってる?全て遠き理想郷のことだっけ?残念だけどそんな機能はあのアーパーには備わてない。
そう、例え人を女装させたり魔女っ娘にしたり洗脳したり僕とケイを┌(┌^o^)┐扱いしたりアルトリアに余計な知識を植え込んだり!
いやー、何で僕あんなの作っちゃったんだろうね。正直、若気の至りって奴かもしれない。いや、そもそもあの糞野郎が呼び出した邪神を滅ぼすことしか考えてなかったから仕方ないんだけどね。
だからこそ、エクスカリバーの人格がアヴァロンとは正反対にすることに出来たんだけどね。
それじゃあ、前の続きを話そうか。
アヴァロンはヴィヴィアンのうっかりで愉快な人格が宿った腹立つ鞘となった訳だけど、それでも役割は変わらない。
本来の役目は、エクスカリバーの安全装置だ。もし、アヴァロン無しでエクスカリバーを使えば、流石のアルトリアでも体の半分が消し飛んだだろう。いや、マジで。
なんでそんな兵器の開発をしたか?うん。全てはウーサー王が死んだことから始まったんだ。
元々、ウーサー王は僕とケイが暗殺計画を立てていたんだ。あの糞野郎は竜の心臓はなかったけど、並みの英雄以上に強かった。性格はクソだけど。
そんな糞野郎でも敗北した相手がいた。キャスパリーグと呼ばれる人類悪の獣だった。
実はこのキャスパリーグはね、アルトリアが小さい頃から僕らに内緒で一緒に遊んでいた友達だったんだよ。
何処で知ったか知らないけど、キャスパリーグは友達であるアルトリアの為にウーサー王に喧嘩を売って勝ったんだ。
ウーサー王は死に、僕とケイと母さんや王に反感を抱いていた者たちで急いで立て直しを行った。
で、ウーサー王の死を知った隣国やBANZOKUが襲いに来た。まあ、当然だね。でも時間稼ぎとしてキャスパリーグはアルトリアの為に戦ってくれた。
戦えば戦うほど、人類悪として覚醒してしまうのを覚悟してだ。彼はきっと・・・・・・いや、止めよう。キャスパリーグはアルトリアが王になると同時に眠りについた。
多くの傷を負っていたからね。人が誰も来ない庭園で眠ってもらったよ。
アルトリアの即位に時間の猶予は無かった。幸いにも、必要な王に必要な学習は全てさせてきた。後は心構えだけだった。
正直な話、僕とケイは王になって欲しくなかった。
でも、彼女は選定の剣であるカリバーンを引き抜いた。彼女は知っていたんだ。僕たちの思いを。知ったうえで抜いた。
「マーリン、兄さん・・・・・・ありがとう。私は王になります。例え、この国の滅びが定まっていたとしても・・・・・・私は国の滅びを受け入れ、もがき苦しみながら生き抜くために戦う事を誓います」
「大丈夫ですよ、お二人さん。アルちゃんにはこのアヴァロンちゃんが付いてますから~☆」
・・・・・・感動の場面なのに、馬鹿鞘の所為で台無しだよ。頼むからクネクネ動くな
カリバーンはあくまでも選定の剣。儀式用だ。何時までも使う訳にはいかなかった。
それでも、折れるまでに時間があると思って僕とヴィヴィアンがエクスカリバーを開発していたんだけどね・・・・・・奴が現れた。
ブリテンから離れた海に巨大な星が墜落した。
それはまるで、巨大な塔のようであり、城のようだった。
僕と母さんが感じたのは、ソレから今まで感じたことが無かった邪悪な気配だった。
「我らは紫の星のアルティメット・ワン【ゾンダー】。貴様らマイナスエネルギーを発生させる知的生命体は全て我らの一部とし、一つとする」
原因は、死んだウーサー王だった。奴は無念で死に、憎悪の怨霊と化した魂は冥界の魂を取り込み、外宇宙から邪神を呼び寄せたんだ。
これが、僕たちのブリテン・・・・・・いや、人類を守る戦いが始まろうとしていた。うん、これがあったからエクスカリバーの方向性を変えたんだ。
最初の被害者は隣国に嫁いだモルガンだった。怨霊となったウーサーは彼女に呪いをかけた。
彼女が生んだ子が妹であるアルトリアの国を滅ぼさせるように仕向ける呪いを
だけど、既に生まれていた4人の兄妹は呪いがかかる前だったので大丈夫だった。
そう、呪いによってアルトリアの遺伝子とモルガンの遺伝子を使用して生まれたクローン。僕たちを滅ぼすために生まれたのがモードレッドだ。
彼女の存在に危機を覚えたモルガンは赤子の彼女を殺そうとした。でも、出来なかった。母としての愛があったからだ。
ならばと、彼女は呪いに抗う為にモードレッドの教育をすることにした。呪いに抗える強い意志をもった騎士にするために。
その間は僕が彼女の子供たちに剣と学問を教えた。
アグラヴェインは頭が良かったから文官として育て、ガウェインはアルトリアと同じ位の剣の才能があったので強い騎士に
ガヘリスは文武両道の万能騎士に。ガレスちゃんは・・・・・・うん、あの子も頑張ったと思うよ?
女の子だからケイもワザといじわるして騎士から遠ざけようとボーマンと名乗らせて厨房に配属させたっけ。でも結局騎士になっちゃったけど。
トリスタン、パーシヴァル、パロミデス、ペリノア王、ボールスと言った騎士たちも僕らの仲間になってくれた。アルトリアのカリスマに惹かれたのもあるけど、何よりも邪神と戦う為に来てくれた。
エクスカリバーの開発を急いでいたある時、ヴィヴィアンから衝撃の言葉を告げられた。
「あ、マーリン。ランスロットを知ってるかしら?」
「ああ、各国で名を挙げている騎士でしょ?相当強いね。千里眼で見たし」
「実は大分前に貴方の細胞を使って私が生んだ子なのよ。超不本意だけどある意味、私と貴方の子供よ」
「・・・・・・・・は?」
「ぷーくすくす!その顔よ!私はその顔が見たかったのよ!なんて間抜け面!あーっはっははははザwwwマwwwアwwww」
「・・・・・・殺す。今日と言う今日は君を殺す!」
「ぷーくっくっく、ヘタレマーリンが私に敵うと思ってるの?母親にすら勝てないのに?m9(^Д^)プギャー」
「はっはっは・・・・・・プロトカリバー、君の出番だよ。この駄乙女を消し飛ばす!」
・・・・・・湖の乙女と殺し合ったのはアレが最初で最後だろうね。三日間殺し合ったし。決着は、帰って来たランスロットと娘のギャラハッドに止められたから付かなかった。
その後、二人は僕らの仲間に加わってくれたけどね。・・・・・・それにしても、この世界の彼女は男なんだよなぁ。見た目は力を託したあの子そっくりなのに。
僕が聖剣を開発している間にもアルトリアは王として経験を積み、来るべき戦いに備え戦力を蓄えていった。
なかでも彼女の右腕兼相棒だった聖女のギネヴィアがいたからこそ、多くの騎士はまとまったのだろう。
え?王妃じゃないの?いやだなぁ、アルトリアは女の子だよ?生涯独身だったさ。
ギネヴィアはランスロットの再婚相手だったしね。
アヴァロン「こんにちはみなさーん!みんなのアイドルアヴァロンちゃんですよ~☆」
エクスカリバー「始めまして、エクスカリバーです。姉さん共々よろしくお願いします」
アヴァロン「んもー、エクスカリバーちゃんは硬いですよ!もっとはっちゃけましょう!」
エクスカリバー「ですか姉さん。マーリン様が死にそうな顔をしています」
マーリン「・・・・・・死にたい」
フォウ「フォウフォーウ・・・・・・(元気出せよマーリン)」
マーリン「・・・・・・次回もよろしく。ああ、胃が痛い」
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エピソード6「プロトカリバー」
さて、何処まで話したかな。ああ、そうそう。そうだった。
ランスロットが実は僕の息子だったって話だね。いや、実際はアルトリアと同じデザインベビーなんだけどね。
年齢の食い違いはだって?
だって、彼はヴィヴィアンが時の流れが違う湖で育てたんだよ?
あっという間に青年になって、ギャラハッドという娘を作ってたんだ
僕、若いのにお爺ちゃんだよ!?20代なのにだよ!?
あ、ゴメン。糞駄乙女の所為で僕の胃が何度死んだことか・・・・・・〇ネよヴィヴィアン。初恋のモルガンならまだしも、好きでもない女の子供・・・・・・しかもNTR属性とかふざけんな。
いや、ギャラハッドはちゃんと孫として認知してあげるさ。あの子は純粋で可愛げあったし、何よりも僕の胃にダメージを与えない子だったね!
マシュを見た時は、彼女の来世かと目を疑ったね!
じゃあ、話を戻すよ。
紫の星のアルティメット・ワンであるゾンダー。正確には敵は大本の末端に過ぎなかったんだけど。
僕たちは奴らと命がけで戦った。
人のマイナス思念を糧とした機械生命体。ありとあらゆる物質を取り込んでしまうから本当に厄介だった。
唯一対抗できるのは、プラスエネルギーともいえる生きようとする力の結晶。人々の願いが込められた聖剣。
「どうも、エクスカリバーです。姉さん共々よろしくお願いします」
「いや~。私の妹のエクスカリバーちゃんは本当に可愛いですね~!スリスリ~」
「は、恥ずかしいです姉さん」
「ってなんかこの剣と鞘、擬人化してるんですけどーーー!?
てか、なんでメイド服と割烹着の女の子になってるの!?サイズ的には手のひらサイズだけど!?何で人型になってるの!?」
「あはぁ~、マーリンさん。私に不可能はないのです~☆何時までも無機質な鞘だと可愛いエクスカリバーちゃんを可愛がれないじゃないですかー」
「流石姉さんです」
「あーもう、ヴィヴィアンは一体何を材料にしたんだーーー!」
・・・・・・うん、本当になんでこうなったんだろうね。
え?アルトリアの反応?うん、アルトリアはね・・・・・・
「え?アヴァロンとエクスカリバーが擬人化?お二人とも可愛いですね!これからも一緒に頑張りましょう!」
天然なあの子に言っても無駄さ。ハハハ
そして、最悪の事件が起きた。
駄乙女はどこまでも僕が嫌いなようだった。
僕が試作品で作り、魔術を唱えるよりも物理で殴った方が早いと言う理由で愛用していたプロトカリバーを魔改造されてしまった。
それも、外見がアリクイっぽいナマモノと化して
「バカめっ!私を扱いたければ私が考えた1000の規約を全て守ってからにするんだな!だから貴様は能無しなのだ!」
「こ、この野郎っ・・・・・・・」ピキピキ
「プークスクス!自分の武器に能無しって言われてやんのー!m9(^Д^)プギャー」
「よーし、よくわかった。君は僕の敵だ。ガラクタ共々この世から消してやるぞヴィヴィアン!!」
その日から一週間ほど、僕たちは殺し合った。ああ、またなんだ。
僕のステータスにもあるけど、本当の意味で彼女は天敵だね。
何であれで乙女を名乗ってるのか本当に不思議でならない。自分大好きでわがままでetc・・・・・・(この後一時間位ヴィヴィアンの悪口を言い続けている)
あっああごめんマスター。ヴィヴィアンを思い出したら負の感情がまた湧き出てしまったよ。
話は大分端折るけど、ゾンダーは倒せたね。アルトリアがエクスカリバーを使えるようになれば、後は倒すだけだった。
まあ、敵は末端に過ぎなかったしね。
簡単に言えばこんな感じ
マーリン「エクスカリバー、発動承認!」
アヴァロン「了解!セーフティデバイス、リリース!」カシュン!
エクスカリバー「出力最大、アルトリア様行きます!」
アルトリア「はいっ!聖剣発動!エクスっ!カリバぁぁあーーーーー!」
ゾンダー「ぬっ!このエネルギーは!?」
アルトリア「ゾンダーよ、光になれぇぇえええーーーーーー!!!」
ゾンダー「我は滅ぶ・・・・・・だが・・・・・・」
って感じで決着ついたね
うん、信じられないことにあっさり決着したんだ。
後で母さんが千里眼で確かめたら、平行宇宙の地球で大本が消滅したそうだ。
なんでも木星で倒したとか・・・・・・平行宇宙ってすごいね!
で、本題はここから。そう、歴史にも刻まれているアーサー王伝説の結末だね。
結論から言おう。ブリテンは・・・・・・
カオスになった影響で抑止力に滅ぼされたんだよ!
プロトカリバー「おいマーリン、紅茶を出せ。あと、肩を揉め」
マーリン「・・・っ」ギリッ
ヴィヴィアン「ザマアwwwwwww」
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エピソード外伝「もしも、staynightで士郎がマーリン(苦労人)を召喚したら」
※追加でマーリンのステータスを書きました
それは、奇跡の出来事だった。
青い全身タイツから逃げる一人の少年。
一度は心臓を潰されたが、何故か生きており自宅である武家屋敷に逃げ帰った。
だが、全身タイツはそんな彼の命を狙い追いかけてきた。
少年は魔術師だった。義理の父から魔術を学びはしたが才能は無く、使えるのは強化のみ
それでも、たまたま手に取ったポスターを丸め、強化の魔術で補強し、何とか応戦するもあっけなく敗れ、庭の倉庫に蹴り飛ばされてしまった。
もうダメかと諦めかけた時、彼は思い出す。幼き日、あの夜に義理の父との約束を。
死んでしまった彼の理想を受け継いだのではないのかと。
死ねない。ここで俺は終われない。
こんな訳も分からない状況で、死んでたまるかよ!
彼は強くそう想った。
そしてその想いは、彼の真下に存在していた魔法陣に反応し、手の甲に刻まれた聖痕が令呪と変化した。
魔法陣は輝き、中心からソレは現れた。
白い法衣に白い長髪。
片手にはゲームに出てきそうな杖を携えていた。
「うん?おかしいなぁ、なんで僕が召喚されてるの?コレは円卓の騎士かアルトリアの役目だよね普通は。第一、僕は英霊じゃないしアヴァロンに閉じこもってたのに・・・・・・まあいいか。丁度いい暇つぶしにはなるね。いい加減、ヴィヴィアンの糞女にウンザリしていたんだ。
―――さて、君が僕のマスターかな?」
「え?え?マスター?アンタは一体・・・・・・」
「僕はサーヴァントセイバー・・・・・・って、はぁ!?セイバー!?キャスターじゃなくて!?ってことは、あのガラクタを使わないといけないのか!?ちょっとどうなってるのさ!」
「えっ!?俺に言われても・・・・・・」
「あー糞っ、これもあの駄乙女の仕業だな!そんなに僕が嫌がる姿が見たいか!仕方ない、このクラスで戦うしかないか。マスター、君はそこで大人しくしているんだ。外のサーヴァントを追い払ってくるよ!」
「あ、おい!?」
見た目は魔法使いっぽいのになぜか剣士と名乗った怪しげな男は少年をその場において蔵の外に出る。
そこには全身青タイツが赤い魔槍を構えて待機していた。
「お、やっと出てきたか・・・・・・あ?その姿、貴様キャスター・・・・・・なのか?いや、キャスターは既に召喚されていたな。何者だ」
「あーうん。本来はキャスターのクラスが正しいんだけどねぇ。何の呪いか、適正は一応あったセイバーに当て嵌められたんだ。残念なことにね」
「あーなるほど。気持ちはわかるぜ。俺もクラスはランサーだが、ドルイドでもあるからキャスターの適正があってな。戦車で戦うライダーならともかく、戦いなれないクラスはやり辛くて仕方ねえ。で、そのクラスでやれんのか?出来れば俺は本調子の奴とし合いたいんだが?」
「成程、君は戦闘狂か・・・・・・まあ、問題はないよ。これでも王様に剣を指南していたことがあってね。今でも僕が勝ち越してるよ。でも、剣では戦う気はない。アレは僕を精神的に殺しにくるからね」
とセイバーと名乗った白い男は杖を構え、青タイツも槍を構えた
そして同時に駆け出し、槍と杖が激しくぶつかった。
「おいおい、杖で槍兵の真似事か?俺を舐めてる・・・・・って訳じゃなさそうだ。むしろそっちが本業か?」
「まあね。僕は魔術よりも武術の方が得意なんだよ。だって、戦闘中に術を発動なんて面倒だし、剣は使えるけど使いたくないからこれしかないんだ!ホント、性悪女は嫌だね!」
「はっ!それは同感だ!」
脳筋だしね!仕方ないね!
そこからの二人の攻防は激しさを増した。
「ハハハ!やるじゃねーか!俺の槍にここまで着いてこれたのは師匠くらいだ!何処の英霊だよテメエ!」
「残念だけど僕はまだ英霊じゃないさ!君の師匠と同じく死んでないしね!」
「あ?俺の師と・・・・・・テメエ、俺の真名を!てか、死んでないのかよ」
「その槍裁きに赤い魔槍。ランサークラスでも間違いなくトップサーヴァント。アイルランドの光の神子しか該当しないよ」
「よく言った。なら、この一撃必殺受けてみるか?」
ランサーは槍を構え、魔力を高めた。
しかしセイバーは涼し気な顔でうーんと唸っていた。
「出来ればそうしたいんだけどね・・・・・・今こっちに別のサーヴァントとマスターが向かってきてるみたいだね。どちらも赤いけど」
「あ?・・・・・・ちっ、あのいけ好かねぇアーチャーと嬢ちゃんか。あーあ、萎えちまった。間違いなく邪魔されそうだわ」
「会ったことがないから僕は何とも言えないけど、いいのかい?宝具の発動を止めて」
「いいんだよ。あの弓兵に遠距離で撃たれたらせっかくの仕合が台無しだ。だから・・・・・・次にあった時、テメエの心臓をもらい受けるぜ円卓の魔術師」
「あはは、バレバレかい?」
「死んでもないのにサーヴァントになるヤツは師匠のスカサハか貴様位だろ?んじゃな」
「ああ、次に再会した時は僕も死力を尽くそう」
まあ、尤も・・・・・僕は全力を出せないんだけどね
さて、とりあえず何もわかってないマスターに説明と、この場に来る一組をどうするかだね。
彼の話が本当なら敵はアーチャーかぁ。人妻大好きトリスタンみたいな変人じゃなければいいんだけどね。
それにしても、この僕が聖杯戦争に召喚されるなんて本当に予想外だよ。
自分が生まれるよりも前の時代に召喚されるならまだわかるよ?でも、今も生きているのに何で?
マスターをざっと調べたけど、触媒になってるのは彼女(アヴァロン)みたいだし・・・・・てか、あの子なんでマスターの体内にいるんだろ?意識無さそうだし。
アーパー聖剣と常にセットで、アルトリアと一緒に塔に来た筈なんだけどなぁ?
さてと、僕の宝具はクソウザ聖剣(プロトカリバー)のみか・・・・・・ははは、ヤバイ負ける気しかしない。キャスターで呼ばれれば陣地作成とか道具生成とかできたのに・・・・・・
それもこれも全てヴィヴィアンの所為だ!召喚される少し前まではアルトリアとモルガンと一緒にお茶を楽しんでたのに!なーにが「アンタが楽しそうにしてるのを見ると腹が立つ」だよ!ふざけんな!あー、畜生!こうなったら聖杯戦争に勝ち残って、聖杯を手に入れたら聖杯爆弾を作ってヴィヴィアンにぶつけてやる!
・
・
・
僕の千里眼でちょっと確認したら、この冬木って街いろんな意味でヤバイ。
聖杯もそうだし、召喚されているサーヴァントも、教会に居座っている英雄王もやばい。
聖杯は汚染・・・・・いや、ゾロアスター教のアレが何で聖杯の中にいるのさ
まあ、まだ人類悪にはなってないからいいけど。もしビーストになったら僕は冠位として戦わなくてはならないんだけど・・・・・・ああ、だから僕なのか?でもアルトリアだって邪神を倒したよ?
特に一番ヤバイのは、銀髪の女の子が引き連れているマスターと同じ髪の色をした少女のサーヴァントだ。アレはヤバイ。
そして同じ位にヤバイのは、山門の入口にいるサーヴァントだ。
アレはいてはいけないナニカだ。猫を模したナマモノだ。
片や人類悪っぽいなにか
片や真祖っぽいなにか
正直、この聖杯戦争・・・・・・オワタ
◇◆◇
真名:マーリン・シルベスター
クラス:セイバー(本来はキャスターだがヴィヴィアンの呪いの所為。ちなみにカルデアに召喚されるときもこのクラス)
属性:秩序・善
好きなもの:料理、家事、修行、勉強
苦手なもの:ヴィヴィアン、ウーサー王
天敵:ヴィヴィアン、母親
人物:
本作の主人公兼語り部。
殆どは彼の一人称の昔話が基本となっている。
原典では、母は身分の高い女性、父は夢魔(物語によっては悪魔とも妖精ともされている)。生後、このままではマーリンは邪悪な存在になってしまうと考えた母がすぐに教会に行って身を清めさせたので、マーリンから邪悪な部分が消え、不思議な力だけが残ったと言われる。
伝説のブリテン王、アーサー王の助言者で、強力な魔法使いとして語られている。その最後は愛した女に騙され塔の中に幽閉され死ぬ運命となっている。
Fateでは、アーサー王の師で、剣の師匠として鍛えた。また、王となる為にケイを含めた三人で旅をしたとも言われている。
正確はロクデナシの傍観者。ハッピーエンドが好きなくせに自分から関わろうとする気はめったにない。例外としては、Fate/stay night [Realta Nua]の少女に戻った王と正義の味方の再会に関わった時と、FGOの第七特異点位である。
千里眼持ちで、現代を見ることが出来る。その為、父親の夢魔の血の所為か、半分は人間ではあるが、人間として必要な感情が致命的に乏しい。
アヴァロンに幽閉されており、世界が焼却されてもアヴァロンだけは無事らしい。
この物語のマーリンは、前世が日本人の魂らしく、生きた人生の記憶は全く皆無であるが、現代知識が豊富にあり、感情も人間らしくなっている。
その代わり、魔術師としての実力は原作のマーリンよりも低く、冠位魔術師としての力はなかった。だが、グランドキャスターになってしまった。何故だ。
また、苦労人体質でチートな母親に外道のウーサー王、因縁の天敵であるヴィヴィアン、認知したくない息子のランスロット。濃い円卓の騎士と彼の胃を追い詰めていった。
ちなみにトドメとなったのはアヴァロンとエクスカリバーとプロトカリバーである。
原作のマーリンは宝具として「永久に閉ざされた理想郷」を発動するが、この苦労人マーリンの宝具は「呪われた試作の聖剣(プロトカリバー)」である。
なお、魔術の腕は低いが、剣術に武術、家事料理スキルは超一流で、脳筋魔術師の典型である。
この作品でもロクデナシと書いているが、事実ロクデナシになる。(原作よりはマシ)
元凶は大体ヴィヴィアンとアヴァロンとプロトカリバーなので是非もないよネ
能力:
優秀な魔術師ではあるが、比較対象が母なので自分が凄いとは思ってない。むしろ剣で戦った方が早く、剣が無ければ拳で叩けばいいと言う脳筋である
ステータス:
筋力A
耐久B
敏捷B
魔力A
幸運F
保有スキル:
夢幻のカリスマ:C 原作のマーリンはAだがこのマーリンは苦労人なので高くない
幻術:A
英雄作成:EX
クラススキル:
対魔力A
騎乗B
宝具:
『呪われた試作の聖剣(プロトカリバー)』
対城宝具
ランク:A
詳細:エクスカリバーの試作として開発された兵器の剣。本来はただビームを出すだけにしか役に立たない剣だったが、ヴィヴィアンの魔改造で自分の意思を得たナマモノと化した。
それ故に1000の項目を守らないと宝具を発動できないと言うメンドクサイ使用となり、更にナマモノの性格は最悪で人の神経を逆なでにし温厚なマーリンをキレさせたことが何度もある。
だが、そのデメリットを克服すれば原作のエクスカリバーと同等かそれ以上の威力を発揮する(この世界のエクスカリバーにはかなわないが)
会話集
絆Lv1
「うん、君はとても面白いマスターだね」
絆Lv2
「僕は碌でもないサーヴァントなのによく親しくしようとできるねぇ?」
絆Lv3
「ああうん、大分君のことが理解できた。お人よしだねぇ」
絆Lv4
「僕をここまで信頼したのはケイとモルガンとアルトリア以外で君が初めてかな」
絆Lv5
「約束しよう。必ず、君の人生をハッピーエンドに導いてあげるよ。それが僕の役目だ」
「花畑はいい。心が安らぐ。胃が癒されるんだ」
「好きなモノ?そうだね・・・・・・料理しているときはとても落ち着くよ」
「嫌いなモノ?ヴィヴィアンだね!それ以外あり得ない!大っ嫌いさ!」
「いいかいマスター。恋をしたら諦めちゃダメだよ?僕みたいになるからね」
「どうやら異変のようだね。よし、行こうかマスター」
「聖杯?願いは得にないからいらないねぇ。でも、ヴィヴィアンを滅ぼせる爆弾にはできそうだ」
「ハッピーバースデー、マスター。特別に僕がケーキを作ってあげよう!」
アルトリア
「幼い頃からの彼女は知ってるけど、別の彼女を見るとなんともねぇ・・・・・・まあ、可愛げはあるんだけど」
ランスロット
「別の存在だってわかってるけどっ!ああ糞。僕の世界だとアイツは血筋的には息子んだよ!認めたくないけど!」
トリスタン
「ちっ・・・・・・・〇ねばいいのに」
マーリン(原作)
「別の僕か・・・・・・僕と違って人間性が殆どないみたいだ。ああ、母さんに感謝しないとね」
ガウェイン
「モルガンの息子か。思う所はあるね、うん」
マシュ
「あの子の生まれ変わりなのかな?え?違う?でも見た目はそっくり・・・・・まあいいか。彼女は孫と認めてるしね」
マーリン「ちなみにこの番外編は一種の嘘予告のようなネタだから続かないよ!絶対にね!続いてたまるかぁ!僕が死ぬ未来しかないじゃない!なんでリヨぐ〇子とネ〇アルクが召喚されてるの!?」
アルトリア「余談ですが、この世界は私達直接的な未来ではなく平行宇宙の未来です。つまり、別世界の存在だからこのマーリンを召喚できたそうです」
マーリン「嬉しくない!まったく嬉しくないぞ!大体、アルトリア種はたくさんいるんだから、彼女たちを呼べばいいじゃないか!何で僕!?」
アルトリア「ヴィヴィアンが呪ったんですから仕方ないですよ。ドンマイですね」
マーリン「畜生めーーーーー!」
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エピソード外伝「もしも、staynightで士郎がマーリン(苦労人)を召喚したら」②
山の翁「執筆者よ。引退した身でありながら再び投稿するのはまだよい。堕落するよりはな。しかし、本編を優先せぬその歪んだ性根は許すことは出来ぬ。―――首を出せ」
ちょっ!?初代様ナンデ!?アッーーーーー!?そげぶっ
はぁ・・・・・・どうしてこうなったんだろう。本来なら僕は聖杯戦争に参加出来ないし、ましてやサーヴァントとして召喚されることすらない。だって生きてるしね!
まあ、例外として自分が生まれるよりも前の時代で、自分に縁がある人物にしか召喚されないけど。例えば、千里眼持ちの英雄王や魔術王とか
それにしても僕を召喚したシロウって子は、いろんな意味で歪んでる。人間と夢魔のハーフである僕よりもね。彼には人間としての感情はあっても、自分という個がない。
でもその分、純粋な子だ。多分、この子は空っぽだった。その彼は誰かに何かを託されてしまったことで、その生き方しかできなくなってる。それしか無いと脅迫されているかのような生き方しかできないんだ。
・・・・・・よし、決めた。僕はこの子のハッピーエンドな未来を見たくなった!多分だけど、この子の将来は化ける。このまま行けば、碌な未来じゃないかもしれない。けど、僕が導けば彼はアルトリアと同等の英雄になれるかもしれない。
と、目標を決めたのは良いけど。この聖杯戦争で勝ち残るには絶望的すぎる。
マスターのシロウからの魔力供給はほぼない。敵のサーヴァントは強いのしかいない。アーチャーは謎だけどね。
ていうか、英雄王とか人類悪とか真祖とか勝てる気しないんだけど!?コルキスの王女にゴルゴーン三姉妹の末っ子とか、光の神子とかいるし、絶対無理!!
でも一番勝てる気がしなかったのはアレだ。うん、千里眼で見たことを後悔した。
バーサーカーを連れた銀髪の少女が山門のアサシンと戦う場面なんだ
眼が死んでる赤い髪に白い服の二頭身の少女と、金髪猫耳の二頭身のナマモノの戦いをね。
「おっと、ここから先は通す訳にはいかねーぜブラザー。アタシの肉球が唸ってるぜぇ~」
「な、何アレ?猫?ううん、アレは真祖・・・・・・いやいやいや、なによあのナマモノは!」
「ほう、レアキャラか。運営を圧制するかマスター?」
「バーサーカーは何を言ってるのかわからないよ・・・・・・」
「にゃ?貴様は」
「ん?」
「「・・・・・・」」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
(な、何!?なんか見えない戦闘が行われてる錯覚が見えるんだけど!?)
「にゃるほど、貴様はアタシの敵か」
「お前は運営だな。運営は死すべし慈悲は無い」
「グレートなキャットが勝つか、ガーチャーが勝つかっ!」
「お前のようなのがいるからガチャで出ないんだよ」
「ならば!ここで雌雄を決するとき!猫なのか犬なのか!」
「殺したいけど殺さない。素材だせ」
「にくきゅ~ファイッ!」
「やってやる、やってやるぞ」
その後、二人の姿は消え、一般人はおろか魔術師の目にすら見えないドラゴ〇ボール並みの戦闘が繰り広げられた。時折、目からビームを出したり、空間が捻じれて裂けたり、余波で地形が変化していた。
(・・・・・・私、帰っていいかな。ごめんなさい、もう殺したいと思わないからシロウ助けて!)
※この状況を見ていたキャスターの感想は「自害させたくても自害できなかったナマモノと同等ですって!?・・・・・・私、自害しようかしら?そうすれば宗一郎様はもう無関係になるし」と考えていた。
あの銀髪の子可哀想だった。
ちなみにこの戦いは僕たちがアーチャーのマスターと一緒に教会に向かってる時に起きていた。
それにしてもあの教会。悪趣味だったね。あの神父も同様だ。彼は間違いなく悪で、醜いものしか愛せない異常者だ。どうでもいいけどね。
そんなことよりも、僕はアーチャーのマスターに士郎と同盟を結ぶように提案した。
理由?アサシンとバーサーカー対策だよ。
千里眼で見た事実を教える条件で同盟を結んでもらった。アーチャーは思い切り引き攣った顔をしてたなぁ。たぶん、ナマモノの正体に気が付いたんだね。
真祖と人類悪だしなぁ。アーチャーは英雄と言うよりも守護者っぽいし、知ってて当然か。
さてと、士郎はきっと自分から厄介ごとに首を突っ込もうとするだろう。だから、そんな気を起こせなくなるくらいに彼を鍛えようと思う。主に僕とケイがアルトリア達にした修行をね!ふふふ、楽しみだ!どんな修行にしようか!
※この時、マーリンの目から怪光線が出てます。
翌日、千里眼であの二体を確認したら、何故かキャスターが脱落してた。なんで?
そして、アサシンはカラフルな5体に増えてた。意味が分からない。
バーサーカーは色気もなにもない素っ裸で「手ごわかった」と銀髪少女と共に拠点に帰還してた。ああ、朝まで戦ってたんだね。
で、キャスターは精神的にアレらに耐えられなかったんだね。同情するよ
ゼルガー(生首)「初代様に首を斬られました」
マーリン「無茶しやがって」
アルトリア「ちなみに、私の出番はあるんですか?」
ゼルガー(生首)「ないよ」
アルトリア「え。なら仕方ないですね。アルトリアに出番が無いなら!」(ジャージと帽子を取り出す)
マーリン「君までカオスになる気!?やめてよね、君がカオスになったら僕が勝てるわけないじゃない!」
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エピソード7「国は滅びた。けど、物語は続いた」
母さんはきっと、こうなる事を知っていたんだ。
ブリテンは・・・・・・キャメロットは・・・・・・アルトリアの国は亡びる運命だったって。
さあ、語ろうか。彼女の人生の幕引きを。
アルトリアは王としてとても優秀だった。でも同時に仕事で忙しい日々を過ごした。
民の声を全て聞き、隣国との交易に敵対国との対立。
更に騎士の訓練や円卓の会議。
上げるならまだまだたくさんあるけど、彼女の疲労は募る一方だった。
そんな彼女を支える為にケイとアグラヴェインは文官として、僕は彼女の補佐として政治を支え続けた。
そんなある時だった。敵国の侵攻で村が一つ犠牲になったのは。知らせを受けた時には既に手遅れだった。
気が付けば村は全滅し、女は犯されてから、男や老人子供と共に皆殺しにされていた。
アルトリアは間に合わなかったことを後悔していた。それでも王として、泣き言は許されず、直ぐに敵国の対策を練ることにした。
だが、それを何を勘違いしたのか、村を見捨てたとトリスタンは判断したのだ
もちろん、彼以外の騎士には彼が何を言ってるのかわからなかった。王は見捨ててはいなかったのを知っていたからだ。
「王は人の心が分からない」
それだけ言って、彼は円卓を抜け、国を去った。これには僕たち全員が激怒した。ふざけるな!わかっていないのは貴様ではないか!ってね。
でも、アルトリアにはショックだった。信頼していた騎士にそんなことを言われてしまったのだから。
そして次の悲劇が起きた。突然、ランスロットとギネヴィアの二人が何も言わずに城を去り、別の国に逃げてしまったからだ。
驚いたよ。円卓の中でも最強の夫婦と言われ、僕はともかくみんなが信頼していた騎士と聖女があっさり裏切るとは思わなかったからだ。
でも僕には一種の予感があった。トリスタンはともかく、ランスロットに関してはね。彼はヴィヴィアンが生み出した人造人間だ。彼女か彼に何かしらの処置を施してもおかしくない。
そう、例えば・・・・・・ある時期が来たら本人の意思とは無関係にアルトリアを裏切るとか・・・・・・ね
もし。そう、もしこれが全て歴史通りにしようとする世界の意思だとするならば・・・・・・・僕たちは抗えない。
それを思い知ったのは、モードレッドの叛逆だった。
彼女の叛逆も唐突だった。三人の仲間を失い、落ち込んだアルトリアに追い打ちをかけるかのように、モードレッドは国を裏切った。僕がアルトリアの為に作ったクラレントを含む多くの武器を盗んでね。
最初に殺されたのはガレスとガヘリスだった。裏切った妹を止めるべく二人はモードレッドに立ち向かった。でも、モードレッドは二人を殺して逃げた。そして追いついたアグラヴェインとガウェインもまた殺された。まるで世界が彼女を味方しているかのようにあっさりとね。
実に最悪だった。モードレッドは血の繋がった実の兄弟を全員その手で殺してしまったのだから。
でもよく考えれば、モードレッドは何時裏切ってもおかしくはないんだ。
モルガンはモードレッド以外は愛する夫との間から生まれた子供だった。
でもモードレッドは違う。アルトリアの遺伝子から産んだクローンだ。
モードレッドはモルガンが自分の意思で生み出したわけじゃない。怨霊と化したウーサーが自分の思い通りにならないアルトリアを殺すために意思を乗っ取って作らせた兵器だった。
尤も、その後すぐにウーサー王の怨霊はウォーティガーン共々母さんに滅ぼされたけどね。
それでも、モルガンは自分が生んだ責任としてモードレッドを愛して育てたんだ・・・・・・
くそ、こんな事なら例えモルガンに恨まれても僕が殺しておくべきだった。
逃げたモードレッドは敵国に組し、キャメロットに侵攻してきた。それも僕たちの軍の十倍以上の量でね
こんな時でも僕の胃にダメージを与えてくる聖剣二本には本当に腹が立った。まあ、それが逆に冷静さを取り戻させてくれたけどね。
母さん曰く、コレはやはり抑止力の影響だと言っていた。決して変えられない人理。
誰がどう死のうが、歴史という流れが矛盾を消し去るという。
そこからは歴史通りさ。モードレッドの手で円卓は全滅し、アルトリアはロンの槍を持ち出してモードレッドを殺した。でも、彼女もまたクラレントで致命傷を負ってしまった。
伝承ではベティヴィエールがエクスカリバーをヴィヴィアンに返却したってあるけど、本当は違った。何故なら彼も戦死したからね。
アーパーとアヴァロンは主であるアルトリアが死にかけている事を嘆いた。
そして、世界に対して怒りを抱いた。彼女が何をした。彼女は国を救い、人類を救ったではないか。その対価がこれか!
同じくして死にかけていた僕もアルトリアがいる場所にたどり着けた。ケイと共に敵国の軍を相手にしてたからね。でもケイは先に逝ってしまったよ。
僕はアルトリアの傍に行くとエクスカリバーとアヴァロンが僕にこう進言した。
彼女を死なせたくない。彼女の死後をこんな世界に渡したくないと。
だけど、死にかけだった僕にはどうすることもできなかった。ああ、僕はなんて無力なんだろうかって嘆いたよ。
そんな僕とアルトリアを救ったのは、他でもない母さんだった。
母さんは自身の魂を代価に僕とアルトリアを楽園の塔・・・・・・本当の意味でのアヴァロンに押し込めたんだ。ただし、その場に閉ざされてしまえば僕たちは死ぬことは無くなり、世界が滅ぶまで生きることになる。
僕は迷った。僕だけならいい。でも、アルトリアを連れて行っていいのだろうか?
ケイ。モルガン。僕は・・・・・・・
そして思い出す。二人との約束を。アルトリアをどんなことがあっても守るって約束を。
ああ、そうだったね。これは僕の罪でもある。彼女を王にしてしまい、普通の少女としての人生を奪っただけでなく、これからの人生すらも奪おうと言うのだから。
ならここに誓おう。未来永劫、例えアルトリアに恨まれようと
僕は彼女の為に生き続けよう。この僕の魂を彼女に捧げよう。
そして僕たちは楽園に閉ざされた。のちに気が付いたアルトリアは大泣きしたが、僕を責めなかった。それどころか、逆に慰められてしまったよ。
仕方ない人ですね、でも私は貴方を許します。
だから、貴方も泣かないでください。
ホント、自分が嫌いになってくるよ。
アレから世界を見続けたけど、やっぱりモルガンは泣いていた。そりゃ、愛する子供を全員失い、兄弟や幼馴染の僕を失ったのだから。
でも、彼女はしっかり前を見つめて最後まで生き続けていた。
うん、それでこそ僕の初恋の人だ。
それからは大して語る事じゃないね。僕達は世界をずっと観察していた。
途中からは眠りから覚めたキャスパリーグも加えてね。力を失ってからは小動物みたいな姿になってたけど。アイツ、僕が嫌いなのか噛みついてくるんだよね。
ダブル聖剣からはいつも通りストレスを与えられて胃が傷つき、たまに来るヴィヴィアンとは殺し合った。
え?ヴィヴィアンからの謝罪?アルトリアにはしてたよ?世界の意思には逆らえなかったと泣きながらアルトリアには頭を下げてたね!僕には拳だったけど!
世界を見続けると、様々な悲劇を目にするんだ。アルトリアは何度も塔から出ようとしてた。でも、塔からは出ることが出来ない。それが規則だったからね。
僕もまた世界の悲劇を目の当たりにしても見捨てて行った。手が出せないのもそうだけど、手を出してはいけないと理解しているからだ。
それから長い長い時間が流れると、感情がマヒしていくんだ。人が死ぬのは当たり前って感じにね。塔の中にいるから魂が腐っていくことは無い。でも、感情が薄れていくんだ。
そんな僕の唯一の愉しみになっていたのが、人間観察だった。
稀にいるんだ。とても美しいって思えるような生き方をする人たちがいたんだ。
人間らしく、もがき足搔き、苦しみながらも必死になって生きていく姿。生きる為に戦っていく彼らは、まるで昔の自分たちを見ているかに思えた。
アルトリアも同じだったらしく、そんな彼らを共に見守っていた。
だが、そんな世界に異変を感じたのは日本の冬木で行われた聖杯戦争だった。
そう、そこからまるで複数の世界に分岐していく。そんな違和感を覚え、調査を始めたのは。
そして調査を進めて僕らは知った。2016年以降の未来が無いという事実を。
マーリン「取り敢えずトリスタンは許さん。絶対にだ」
アルトリア「正直、ショックでした」
ギネヴィア「気が付いたら夫と共に国を出てました」
ランスロット「気が付いたらいつの間にか国を裏切ってました・・・・・・何故だ」
モードレッド「正気に戻ったら我が王に斬り殺されてたぜ・・・・・・俺、最低だ」
ケイ「マーリン、妹を頼むぞ」
モルガン「ええ、貴方になら任せられるわ」
4兄弟「末の妹に殺された・・・・・・」
その他円卓「モブとしてすら出番がなかった・・・・・・」
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本編補足説明①
【グェンディド・シルベスター】
マーリンの最強お母さん(ガチ)
イメージCVは水樹奈々。外見は女版マーリン
本編ではマーリンが語らなかった母の名前。史実ではマーリンの妹の名前である。
史実の彼女はただの身分が高いだけの女性。魔術師ではなかった。
この世界では、代々受け継がれている由緒正しいシルベスター家の魔術師となっている。裏設定で、ソロモン王の複数いた妻の一人の子孫。
彼女は先祖と同じく過去と未来を見通す千里眼を所持しており、成人するころには殆どの人格が崩壊していた。自己暗示で魔術師らしい性格を演じることで己を保っていた。
そんな彼女が変わったのは、使い魔として夢魔を召喚した時である。召喚の手違いで犯されてしまったが、何とか返り討ちにしている。しかし、夢魔の子を孕んでしまう。
不本意であったが降ろそうと考えたが、魔術師としての性格がそれを拒否し、ハーフと言う子を利用する為に産もうとする。これが彼女の最大の誤算だったとも言える。
程なくして彼女は子を出産。名をマーリンと名付けた。自分が腹を痛めて産んだ初めての子。その時彼女は何を思い、何を悟ったのかは本人にしかわからない。しかし、彼女は変わった。
我が子マーリンを愛した。愛して愛して、精一杯愛した。それが彼女が失った唯一人間らしい感情だった。彼女は歓喜した。ああ、自分はまだ人間でいられたのだと。
彼女はマーリンの成長を見続けた。見守った。もし、マーリンが自分を必要としたなら、絶対に助ける。そう、例え自分の命を引き換えにしても。それが、親と言うものだと本能で理解していた。
そして彼女の最後は、アルトリアを救いたいのに救えないと嘆く息子の願いを叶えるために二人を楽園の塔に送るために自分の命を捧げたのだった。
生まれながら人間に必要なモノを失い、子を得る事でそれを取り戻した彼女にとってその死は、幸福だった。
なお、魔術師としての腕は神代の魔女と同等がそれ以上で、冠位を得られる実力者。だが、彼女は死後に魂が完全に消滅してしまい、英霊の座にすら登録されなかった。
【エクスカリバー】
この作品の最終兵器(ガチ)
本来であればセファールを倒したという伝説の聖剣。だが、この世界では邪神を倒すために生み出されている。
なので、仕様も大きく異なり、某勇者王の黄金槌と同じく「光になれ!」を行う。
あまりにも強大な力の剣なので、アヴァロンによる封印処理が行われており、マーリンの承認が無い限り力は解放されない。
ヴィヴィアンの所為で自我を持っており、某マジカルステッキを取り込んでいるので、割烹着のような性格になっている。
というか、まんまルビーである。なお、擬人化すると小さいマジカルア〇バーの姿になる。
【アヴァロン】
エクスカリバーの抑止力(妹)
エクスカリバーの鞘。この世界では不死身の治癒能力や結界は持っておらず、単にエクスカリバーの力を封じ、解放後にアルトリアの負担を抑える役割を持っている。
某勇者王で言えばゴルディ〇ーグである。なお、擬人化することが出来、リリカルでユニゾンな妖精サイズの洗脳探偵の姿になる。
【プロトカリバー】
ウザい聖剣(爆)
イメージCVはテラ子安。
エクスカリバーの試作剣。というよりも実はコレがセファールを倒した聖剣。本当の原作ビームぶっぱはコイツである。
本来ならマーリンが魔術を使わないときに使用する剣。しかし、ヴィヴィアンの魔改造で白いアリクイのようなナマモノへと変貌した。
1000の項目を守らないと使用させてくれないと言うメンドクサイ上、長ったらしい自慢話や人の話を全く聞かずに自分勝手に他人をイラつかせる話し方をする。
マーリンの胃を痛める元凶。
【ヴィヴィアン】
駄乙女(元凶)
湖の乙女。原作から最も乖離したバグ。そして全ての諸悪の根源にして元凶。
まず一つにマーリン嫌い。理由は特にないと言っているが、本人は知らないが実はマーリンの魂が気に食わないと言う理由がある。
正確はこのすばのアクアをもっと最悪な性格にした女。元々は彼女をモデルにしていたのだが、私自身もここまで糞女になるとは思ってなかった。いや、どうしてこうなった。
本当であれば、ウーサー王をもっと最悪に書くつもりが、むしろヴィヴィアンの方を元凶っぽく書けてしまった。おかしいな、こんなつもりじゃ・・・・・・
マーリンの許可も無く、エクスカリバーとアヴァロンとプロトカリバーを改悪し、マーリンの遺伝子を勝手に使用してランスロットを生み出し、更にランスロットに時が来たら抑止力の味方をするように細工し。
更にマーリンに一度怒られた時は、逆恨みで憎悪し。カムランの戦いの後、アルトリアには罪悪感で謝罪はしたがマーリンには拳をお見舞いするという暴挙にでている。
あ、あれ?原作のモルガンよりもヤバイ悪女になってる?
【モルガン・ル・フェイ】
アルトリア顔(天使)
原作では悪女と呼ばれていたので、この世界ではまっとうな姉になって欲しいと思って書いていたら、いつの間にかマーリンにとって天使のような存在になってた。
義理の兄であるケイを尊敬し、妹のアルトリアを想い、子供たちと夫を愛している良妻賢母。魔術はマーリンの母から習ったので、魔術師としての腕は超一流。
マーリンは語らなかったが、彼女はキャメロットが滅び、兄と妹と子供たちと親友を一度に失ったことで倒れた。しかし、夫であるその国の王が懸命に看病して持ち直す。
元凶であるヴィヴィアンや世界を恨んだが、アルトリアとマーリンが楽園で見守ってると夢で師であるグェンディドが教えてくれたことで考え直す。
その後、夫と共に妹が成しえなかった国の安泰の為に全力を尽くし、老衰でこの世を去る。彼女は新たな子や孫に見守られてその生涯を終えた。
死の間際、アルトリアとマーリンが会いに来る夢を見たらしいが、それが本人たちか幻覚なのかは一切不明である。
【ケイ・ペンドラゴン】
アルトリアとモルガンの義理の兄でマーリンの親友(ダチ)。
苦労人その2で、彼も胃薬と友達だった。
毒舌ではあるが、優しく面倒見がよく部下からも周りからも信頼されている。
姪であるガレスや妹のアルトリアが戦場で戦う事を良しとは思っておらず、むしろ遠ざけたかったのが本音。しかし、アルトリアの場合はウーサーの呪縛から解き放つ為には仕方なかった。
ガレスの場合もボーマンとして厨房の料理場に押し込んだ。が、運命のいたずらか騎士になってしまった。
彼の最後は叛逆したモードレッドが率いた軍勢を相手にマーリンと二人で挑み、戦死した。死に間際にアルトリアをマーリンに託し、この状況を作った世界を恨んでこの世を去った
【ランスロットとモードレッド】
ある意味、被害者。ランスロットはヴィヴィアンの手で生み出されたデザインベビー。モードレッドもまたウーサーの怨霊によって生まれたホムンクルス
そして、どちらも世界の意思には逆らえず、自分の意思とは無関係に忠誠を誓っていた王と国と家族を裏切った。
二人が正気に戻った時には全てが手遅れで、ランスロットとギネヴィアは王に謝罪しながら自害。モードレッドは死に間際に正気に戻り、自分の意思を奪った世界を憎悪して死んだ。
【ギャラハッド】
マーリンに殆ど語られなかったが、彼女は原作と違って女性になっている。そして、ランスロットとは違い、マーリンに認知してもらっているので孫扱いされている。
外見は100%マシュ。正史同様に聖杯探索に出ており、コレは戦場に出さないためにマーリンとケイがアルトリアに進言した結果である。
なお、旅の途中でキャメロットが滅びたことは知らず、聖杯を見つける数日前に自分を探しに来た騎士によってそれを知る。そして、聖杯に国の救済を願うことを決意した。
だが、聖杯を見つけ出した彼女は世界の手によって派遣された抑止の守護者によって殺害された。
彼女もまた、世界の犠牲者であった。彼女が死後、英霊にはならず転生という道を選んだことは誰も知らない。
【トリスタン】
一番ヘイトを集めた円卓の騎士。殆ど正史通りの男であり、世界の後押しを受けて王と国を裏切った。
よって彼は仲間全員に嫌われている。
【ウーサー王】
ヴィヴィアンと同じ位質が悪い邪悪。
邪神と呼ばれているが、実際は紫の星のゾンダーを呼んだり、モルガンを操ってモードレッドを生み出したり、マーリンの母に命令してアルトリアを作らせたりとやらかしている。
が、質が悪いことに王としては優秀で、皮肉にも政治は悪くはなかった。が、ヘイトは集めまくった。
彼の最後は、アルトリアに懐いていたキャスパリーグによって殺されている。が、死後に憎悪で蘇り怨霊として存在した。
最終的にはウォーティガーンと融合してキャメロットに襲い掛かろうとしたが、グェンディドによって跡形もなく消された。消滅の直前にウーサーは安らかな顔になったらしいが・・・
余談だが、彼は元々は良き王だった。幼馴染だったグェンディドと共に国の平和を願っていた。
しかし、世界の意思によって性格が狂い始め、湖の乙女と出会ったことで悪に墜ちた。その時、ヴィヴィアンがウーサーに言った言葉がこれ
「自分の欲望に忠実になりなさい!」
まさに最悪である。後押ししてんじゃねーか!
【ロンゴミニアド】
ロンの槍。能力を発揮しなければタダの槍。
だが、コレも原作と能力が変化している。本来の能力は原作を参考にして欲しい。
で、この世界のロンの槍は、湾曲空間(ディバイディングフィールド)を作り出す装置である。
エクスカリバーによる周囲の被害をなくすためにマーリンが仕方なく改造した槍である。
【エクスカリパー】
通称、約束された勝利のハリセン。未使用。
本編には登場しなかったアルトリアの最終兵器。ちなみに非殺傷。
素材に「オリハルコン」「不死鳥の尾」「竜の心臓」「暗黒物質」「湖の乙女の涙」を使用している。
なお、涙はマーリンが殴って泣かせて手に入れたモノを使用している。
この兵器は、幻想殺しの宝具で。あらゆる幻想や神秘を無に帰すことが出来る。が、幻想や神秘ゼロな人間相手だとただのハリセンにしかならない。
素材はアレであるが、マーリンが特殊な加工をしているので、叩かれてもスパーンといい音が鳴る。威力はシャレにならないが。
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この世界のアルトリアのステータス
真名:アルトリア・ペンドラゴン
クラス:キャスター
属性:秩序・善
好きなもの:料理(食べる専門)、家族、マーリン
苦手なもの:ヴィヴィアン、ウーサー王、BANZOKU、世界
天敵:ヴィヴィアン、ウーサー王
人物:
大幅に原作から乖離した存在。マーリンとケイから剣術と体術を学び、マーリンの母とモルガンから魔術を習った魔法剣士とも言える騎士王となった。更に聖剣使いでもあるのでパラディンとも言える。
ウーサー王の血とドラゴンの心臓から生まれたデザインベビーで、将来はウーサー王の操り人形となる為に育成させられる筈だったが、マーリン達に阻止され、普通の少女として育てられた。が、やはりウーサー王の妨害を危惧して止むを得ず王としての道に進むことになる。
ケイとモルガンとマーリンの気持ちを理解しており、それでも国を守る為に王となった。
湖の乙女からエクスカリバーを受け取ったが、まさか人工精霊が宿った愉快型聖剣となってるとは予想外であった。しかし、関係は良好。
その後、円卓の騎士が集い、国が滅びへの道を進んでる事を理解しつつも頑張って王政を務め、強大な敵と何度も戦った。
しかし、遂に世界が敵になってしまう。
トリスタンの意味不明な裏切りと、ランスロットとギネヴィアの失踪。
そして姪だったモードレッドの唐突な叛逆によって国は滅んでしまった。
死ぬ直前、マーリン共々命を救われ、楽園の塔に長い年月閉ざされることになった。
なお、ヴィヴィアンが謝罪しに来た時はずっと無表情だった。
初恋の相手は他でもないマーリンである。しかし、マーリンは赤ん坊の事から一緒にいる所為で妹としか思われていなかった。その後も王として過ごした為、まともな恋愛をする機会がなくなっており、片思いのままカムランの戦いを迎えている。楽園の塔での生活は殆ど夫婦みたいな生活なので、もう想いを伝えなくてもいいかな~と思ってる。
今回、無理やりサーヴァント化した影響と、マーリンがヴィヴィアンから受けた呪いがミックスして、クラスがキャスターになってしまった。その為、宝具のランクが下がっている
ちなみに、サーヴァントとしての姿は、マスターアルトリアと同じ服装である。再臨すると真っ白な鎧(リリィカラーの青セイバーの鎧)の姿になる。
能力:
キャスターになっても剣術は衰えず、ロンの槍も使える。そして、師匠譲りの魔術も使えるという、万能サーヴァントとなっている。
ステータス:
筋力C(魔力強化するとA)
耐久C(魔力強化するとB)
敏捷B(魔力強化するとB+)
魔力A+++
幸運B
保有スキル:
カリスマ:B
魔力放出:A+
直感:B
最果ての加護:C(ロンの槍を持ってる為。効果は不老が無くし、成長できるので胸が大きくなる)
クラススキル:
道具作成:B
陣地作成:A
宝具:
『金色に輝く絶対勝利の剣(エクスカリバー)』
対邪神宝具
ランク:EX
ゾンダーと戦う為に生み出された対邪神宝具。「グラビティ・ショックウェーブ・ジェネレイティング・ツール」という開発コードでもある。
その威力はすさまじく、下手したら大陸ごと光にしてしまう。
その為、安全装置としてアヴァロンが生まれ、マーリンの許可なく発動できなくなっている。
そして、開発段階でヴィヴィアンが余計な杖を組み込んでしまったことが原因で、人工精霊Rが宿り、自立行動が出来てしまった。さらに割烹着姿の小さい女の子に擬人化できる。
『絶対勝利の安全装置(アヴァロン)』
対邪神宝具
ランク:EX
エクスカリバーを封印する為の鞘。そしてコレも人工精霊が宿ってしまい、同じく小さいメイドの女の子に擬人化する。本来の癒しや結界は無くなっている
『約束された幻想殺しの剣(エクスカリパー)』
対幻想宝具
ランク:EX
エクスカリバーがアレなので、普段使える武器として製造されたが、何故か刀身がハリセンとなっている。しかし、効果は絶大でどんな幻想もアルトリアの任意で無に帰すことが出来る。
そして、材質は本来のエクスカリバーと同じなので非常に頑丈。ハリセンでもあるのでスパーンといい音がなる。だが、とても痛い。非殺傷なので死なない。
真名解放すると、ビームぶっぱが出来る。でも死なない。
『空間湾曲する最果ての槍(ロンゴミニアド)』
対空間宝具
ランク:A
空間を歪め、湾曲させる槍。通称ディバイディングフィールドを生み出す。
これは、エクスカリバーを使用する際に周囲に被害を出さないために改造している。その為、本来のロンの槍ではなくなった。
会話集
絆Lv1
「何故、私はキャスターなんでしょうか」
絆Lv2
「私は王でした。でも、同時に一人の人間でもありました」
絆Lv3
「家族は大事です。父はアレでしたが、兄と姉は私を愛してくれました」
絆Lv4
「やはり、まだ生きているのが原因でこんな姿なんでしょうか?」
絆Lv5
「マスター、私は何時かマーリンと共に帰らなければならなくなります。ですが、その時までは貴方に剣を預けましょう」
「好きなモノですか?もちろん、家族です。そして、マーリンですね」
「嫌いなモノ・・・・・・ヴィヴィアンでしょうね。彼女はやりすぎた」
「かつて、恋をしました。そしてずっとそれを抱えて生涯を生きました。今も、私は恋をしているでしょう」
「何か起きたようですね。行きましょう、マスター!」
「聖杯には興味ありません。ですが、もし叶うなら・・・・・・世界に利用されてしまった騎士たちに祝福を与えたいですね」
「誕生日おめでとうございます。今日と言う日がとてもいい日であるといいですね」
アルトリア系
「平行世界の私がたくさん・・・・・・ですが、別人ですね」
ランスロット・モードレッド
「とても哀れです。世界とヴィヴィアンに利用されてしまい、操られた被害者ですね」
トリスタン
「・・・・・・見たくもない顔ですね」
マーリン(原作)
「別世界のマーリンは、何といいますか・・・・・・人間味が無いですね」
ガウェイン
「この世界の彼も変わらないんですね。モルガンが何と言うのやら」
マシュ
「ギャラハ・・・・・・いえ、別人?しかし、見た目も魂もそっくりですね」
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快傑レトルト&レトルトレディの挑戦状
エレちゃん爆死し、アビーをスキマ育成中のゼルガーです。
今回はちょっとした番外編。
マーリン「え?マジで?」
アルトリア「どうしたんですか、マーリン?」
マーリン「はぁ、どうやら駄乙女のヴィヴィアンがまた余計な事をしたみたいだ」
アルトリア「・・・またですか。で、今回は何を?」
マーリン「あの馬鹿が作った危険な聖遺物が世界各地に散らばってるんだ。しかも、世界崩壊レベルの聖遺物が」
アルトリア「駄乙女は本当に碌なことしませんね。ちなみに数は?」
マーリン「666個」
アルトリア「何で黙示録の獣の数何ですか?!」
マーリン「僕が聞きたいよ。まあ、656個は僕の千里眼で既に場所がわかってるから回収可能だ。で、問題なのは残りの10個だね。既に現地の人間に発掘されて博物館や金持ちの人間の手に渡ってるよ。回収したいけど、下手に現世に干渉するとアラヤとガイアがウルサイんだよね」
アルトリア「あー。抑止力が出張ってきますね」
マーリン「ま、今回はアラヤとガイアからの依頼でもあるから問題ないよ。ほら」
ガイア『地球崩壊レベルの聖遺物とかマジ勘弁。何とかしてちょ・・・・・いやマジで』
アラヤ『駄乙女の後始末を押し付ける形で大変申し訳ない。抑止力は派遣しないから、なるべく穏便に頼む。序に駄乙女に制裁を頼みたい・・・・・・胃が、胃がぁぁあああ!!!』
アルトリア「悲鳴、上げてますね」
マーリン「あの駄乙女の迷惑度は遂に世界規模になったかー。存在を消したいけど消せないのが腹立つよ」
アルトリア「で、どうやって回収に行くんですか?」
マーリン「うん。王道で行こうと思うよ。最近ハマった日本のゲームにお気に入りのキャラがいてね」
アルトリア「えーっと、ああメダ〇ットですね・・・・・・え?これですか?いいですね面白そうです」
マーリン「うぇ?アルトリアもやるの?」
アルトリア「はい。だって、相棒枠の女性が必要ですよね?」
マーリン「いや、相棒枠の女性は確かにいるけど・・・まあいいか」
そして、ここから全ては始まった。
世界中で話題となり騒がせることになる男女の怪盗。
必ず予告状を出し、予告通りの時間に華麗に鮮やかに目的のモノを手に入れる。
ある時は博物館に
ある時は大使館に
ある時は大富豪の屋敷に
男女は必ずお宝を盗み出す。
黒いシルクハットとマントを身に纏った白い仮面の男と
赤いマスクと露出度の高い衣装とマントを身に纏った女
今宵も男女は予告状を出して盗みに来る
「フハハハハハハハ!彩りましょう食卓を、みんなで防ごうつまみ食い! 常温保存で愛を包み込むカレーなるトレジャーハンター、快盗レトルト只今参上!」
「咲かせましょう、お米の花!散らしましょう、悪の花。天より舞い降りた美女ハンター、レトルトレディ只今参上!」
そして、彼らは10個のお宝を手に入れてから姿を消し伝説となった。
ガイア「アカン、アイツラもアホやった」
アラヤ「くっ、事後処理が・・・」
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マーリンとアルトリアの海軍日誌
マーリンとアルトリアが提督になるようです
新年あけましておめでとう、読者の諸君
え?メタい?ハハハ、何言ってるのさ。千里眼持ちを舐めて欲しくないなぁ。
君たちが僕を観察しているのは知っているし、僕も君たちを観察しているしね。
星の裏側に存在するアヴァロンの中だと暇でね。こうして別世界とか平行世界とか観測したりしてるんだ。まあ、外界と違って干渉はしないけどね。
さて、新年早々だけどガイアとアラヤからまた依頼が来てしまった。そう、またなんだ。
あの駄乙女の聖遺物は全て回収し終え、アルトリアと一緒に年越しそばを食べてたんだ。
そんな時、アラヤとガイアが来てね。
―――ホンマにすまん!あの糞乙女、今度は平行世界にまで手を出しおったんや!
―――向こうの我らも抑止力として新たな存在を生み出したが、駄乙女が原因で向こうの人類が滅びかけてしまっている。
―――せっかく聖遺物を回収してくれたアンタらには大変申し訳ないと思っとるんや。せやけど、アンタらしか解決できへんのや
―――駄乙女に関しては我らに任せて欲しい。既にモルガン嬢と初代ハサンと共にOSHIOKIの手筈を整えた。
―――おおう、アラヤはんが珍しく目が座っとる。まあ、ワイも胃が痛くてしゃーないねん
―――うるさいぞガイア。と言う訳で、君たちには平行世界の地球に向かってほしい。万が一の時は全力を出しても構わん。向こうの我らもそれは承認してくれた。
―――まあ、普段は向こうのワイらが生み出した抑止力である『艦娘』を指揮してくれればええねん
―――頼んだぞ、同士(ヴィヴィアンの被害者として)よ
うん、他人事とは思えないから引き受けてしまったよ。
と言う訳で僕とアルトリアは平行世界の地球の日本の海軍に所属することになったんだ。
何で日本の海軍かって?彼らが生み出した抑止力は今の時点では日本しか建造できないみたいなんだ。
抑止力である艦娘。それは、突如海から現れた謎の化け物【深海棲艦】は世界中の海を支配していった。
人間の生み出した兵器では歯が立たず、人は陸に押しとどめられ、海と空を失った。
不幸中の幸いなのは、宇宙には干渉できないので衛星を利用した通信は可能みたいだけど。
で、その深海棲艦を生み出したのが、僕たちの世界の駄乙女だ。
あの馬鹿、海底に沈んだ船や人間の魂を悪意無き善意で救おうとしたそうだ。
うん、それは別にいい。良い事だと僕は思うよ?手段と方法と救い方に問題が無ければね。
あの馬鹿が行ったのは、魂を浄化するのではなく、具現化させたんだ。体を得れば、自分の未練を果たして成仏出来るね?って理由で。
この時、僕は奴に殺意を抱いたね。馬鹿なのか?海底に沈んだって事は、後悔や未練、憎悪と言った負の感情に染まっているに決まっている。
長年成仏も出来ずに冷たく暗い深海に魂が留まっていたんだぞ?怨霊になってもおかしくない。しかもそれを具現化させた?ああ、そりゃ化け物になるよ。だって悪霊だもんね。正気を保ってるはずがない。
こうして、世界中に怨霊と化した化け物が暴れているってことだ。駄乙女の所為で。
で、あの馬鹿にそれを突き詰めても、「は?何言ってるの?私は良い事したんだから、間違って無いし。むしろ喜んでるじゃん!あと、氏ねマーリン」って返答が来た。
思わずアルトリアと一緒に殴ったけどね。
って事で、糞乙女の後始末をするために、僕たちは海軍に所属したってこと。
僕たちの事情を知ってるのは海軍本部の上層部と各国のトップだけ。
あ、イギリスからはサインを強請られたね。
僕の階級は中将。アルトリアは少将となっている。これは他の海軍に正体をバレない様にするためでもある。騒ぎになるしね。っていうか、アルトリアは元王なんだから僕が部下じゃないのかい?え?兄でもあり師でもある貴方の下で働きたいって?
あはは、そんなこと言われたらしょうがないよね。って事で僕が司令官でアルトリアが副官となったんだ。
さて、僕とアルトリアが提督として所属する鎮守府は・・・・・・『大湊警備府』か
「ところでマーリン。私達が着任する場所には確か、秘書官が一名配備されるんですよね?」
「そうだね。誰が来るかは知らないけど、本部が用意してくれるそうだよ」
僕個人としては、アルトリア一人いれば十分すぎる気もするけどね。彼女、駄乙女の加護で水の上に浮けるし、宝具で敵を薙ぎ払えるし。英霊だから神秘の無い重火器も効かないしね。
「おや、あの子が秘書官ではないですか?・・・・・・子供のようですが」
「え?・・・・・・あっああ、確かに」
そこにいたのは、セーラー服を着た茶髪の女の子だった。
「あ、あの!マーリン司令官さんと、アルトリア副司令官さんですか?わ、私は特III型暁型駆逐艦4番艦の電(いなずま)なのです!秘書官として頑張るのでよろしくお願いしますのです!」
ああ、彼女が艦娘。この世界のアラヤとガイアが生み出した駄乙女が作った深海棲艦に対抗する為に生み出した抑止力か。
正確には、英霊の座に登録された過去の戦艦の魂を、アラヤとガイアの端末である妖精を介して人工的に生み出した受肉したサーヴァント
まあ、彼女たちが何処まで自分を自覚しているかはわからないけどね。
取り敢えず、この子が僕たちの最初の艦娘だ。
「うん、よろしくね電。秘書官として頼むよ?」
「よろしく願います、電。海の上では貴女の方が先輩だ。色々と教えてくれると嬉しいですね」
「は、はい!頑張るのです!」
こうして僕たちの世界を救う戦いが始まった。
え?続き?さあ、どうだろうね?
取り敢えず、艦娘はまだ電だけだからね。まだ前途多難だよ。ははは・・・・・・駄乙女は絶対に許さん
あけましておめでとうございます。
北斎は来ませんでしたが、☆4のバーサーカーが四体とアストルフォが当たりました。
まあ、全員すでに所有していたので宝具レベルが上がっただけですが。
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