ご注文は戦友ですか? (天城 渚)
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1羽 懐かしの仲間の再会

かなり設定甘め。
本編とは関係ない二次創作なので悪しからず。
本当にこうだったかは知らない。
気長に書いていきますので。


俺の名前は卯国 飛虎(うこく ひこ)、元軍人だ。今日は戦友が開いているという店に行こうと思っている。なんせ会うのは10年ぶりで、何を話せばいいのか俺にもわからない。確か親父の店を継いだとかそういう話を聞いた。会ったら何を話そうかな。奥さんは元気かとかかな。ま、着いてから考えるか。

そんなことを考えながら汽車に揺られている。そしていつの間にか寝てしまうのであった。

 

「お客さん、終点ですよ!起きてください!お客さん!」

女の人の声が聞こえて目が覚めた。

ん?もう着いたのか。ってもう夜じゃないか。

そんなことを思いながら席を立ち汽車から降り、駅を出た。

手書きの地図を見る。この辺なのは確かだがどこかわからない。とりあえずこの喫茶店の人に聞いてみるか。

そんな感じで店のドアを開いた。

カランカラーン

ドアの上にある鈴が鳴る。

お、ここは喫茶店だと思っていたがバーであったか。とりあえずあそこにいるバーテンダーに聞くか。

少しづつバーテンダーに近づく。見覚えのある後ろ姿だ。

「あのすみません、ここら辺でラビットハウスという店を知りませんか……」

まさか、通りで見覚えがある訳だ。目の前には共に戦場を駆け抜けた友がいた。

「なんだここだったか。久しぶりだな、タカヒロ。」

そう言って手を出した。するとそのバーテンダーは手に持っていたコップを置いて俺の手を握った。

「あぁ、久しぶりだな。何年ぶりだ飛虎。」

カランカラーン

俺達が握手をしていると誰か入ってきた。

「やってるな。タカヒロ…と、お前飛虎か?」

その人は左目に眼帯を付けている強面のオッサンがいた。

「天々座、久しぶりだな。」

そう言って握手をした。2人とも変わってない。あの頃と同じ手があった。

「10年ぶりにあったんだし、今夜は色んなことを話そうぜ。」

そう言って俺は椅子に座った。天々座も俺の隣に座る。

「とりあえず適当にオススメお願いします。バーテンダーさん。」

と、笑いながら俺は注文した。

「じゃあ、俺も同じやつ頼む。」

わかりました。と言いコップに酒を入れていく。

シャカシャカと例の動きをしだす。彼のこんな姿を見るとほんとに時の流れを感じてしまう。

それにしてもこのモコモコのぬいぐるみはなんだ?こいつこんなかわいいものが好きなのか?

「なぁタカヒロ。このぬいぐるみってお前のか?それとも、娘さんのかな?」

そう聞くとタカヒロと天々座が笑った。なんだか恥ずかしくなる。

「いや、これはアンゴラウサギというウサギでな、家で飼っているんだ。」

と、タカヒロに説明された。

「そんなに笑わなくてもいいではないか。」

そう言って出せれていた水を飲む。

「まぁ、いいじゃねーかよ。そんなこともあるさ。」

そう言って天々座が俺の肩を叩く。

「当店のオススメ、用意できました、お客さん。」

と、タカヒロがカクテルを置いた。それを飲む。うまい。

「普通にうまいじゃねーか。」

「それはどうも。」

ここから俺達の長い夜が始まるのだ。




なんか書きながら思ったけどキャラめちゃくちゃ崩壊してね笑


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2羽 時の流れを感じるそうめん

更新は2日に1回のペースでしていきたいですな。


コップを置く。横をふと見る。ある一つの写真を見つけた。

「このかわいらしい女の子3人は誰だ?」

 

その写真を手に持ちながらタカヒロに問う。

 

「あぁ、その子達か。俺の娘と、天々座のとこの娘と、今年下宿しに来た子だよ。」

 

「真ん中の子がタカヒロの娘で、右にいるツインテールの子が天々座の娘で、ショートの子が下宿の子かい?」

 

と、俺は指を指しながら聞いた。

 

「あぁそうだぜ!俺の娘可愛いだろ〜?お前も昔会ったことがあるリゼだぜ。今年で高2だ。」

 

この子がリゼちゃんか。俺が最後に見た時はまだあんなに小さかったのに、もう高校2年生なのか。

 

「チノちゃんだっけか?その子は今何歳なんだ?」

 

と、タカヒロに聞く。

 

「チノは今年で中学3年生なんだ。」

こんな話を聞くとほんとに時の流れを感じてしまう。

 

「2人とも父親に似なくて良かったな。」

 

と、俺は笑って言った。

それもそうだな。と、2人も笑った。

 

「で、タカヒロ。奥さんは元気にしてるか?」

 

その瞬間、辺りが凍りついたかのように静かになった。

 

「妻は病気で亡くなったよ。」

 

そうタカヒロの口から聞こえたとき俺はようやく理解した。

「スマン、タカヒロ。俺何も知らなかったからさ。」

と、両手を合わせて謝る。

 

「いや、いいんだ。お前は何も知らなかった。当たり前のことだ。」

そう言ってコップを磨き出す。ウサギが溜め息を吐く。

なんでウサギなのに溜め息吐いてんだよ。なんなんだこいつ。

写真をもう1回見てみる。

「なぁ、この下宿してる子ってどんな子なんだい?」

 

「その子の名前はココアという子なんだ。いつもチノと遊んでもらっているよ。なんせ男手一つで育ててきたからね、チノも顔にこそ出さないが、すごく喜んでいるよ。」

 

と、口元を緩めながら話しているタカヒロを見て自分もニヤついてしまう。

「そうか。チノちゃんにもいい友達ができたのか。」

 

と、言うとタカヒロが

 

「友達ではないよ、本当の姉妹みたいな感じなんだ。昼間のこの店に来たら分かるよ。」

そう言って、コップを磨く。

 

「天々座のほうはどうなんだ?一人娘だろ?」

 

そう聞くと天々座は笑いながら

 

「知らん。全ての事はメイドに任している。ハッハッハッハー!」

 

そう言って酒を飲んだ。

メイドか。そういえばこいつ金持ちだったな。で、まだ軍人だったっけな。

タカヒロはバーテンダーになり、天々座は、軍人なのに、俺は元軍人で無職。時の流れを感じてしまう。

 

コップに入っていた酒を全部飲み干してしまった。

 

「タカヒロ、ワインを頼む。」

 

「わかったよ。」

そう言ってワインの瓶を取り出しコップの中に注ぐ。

赤ワインを見るとどうしても思い出していまうものがある。

それは「血」だ。

戦場での流血。相手を殺した時の返り血。仲間の死体から滲み出る血。いろんな血を見てきた。

 

「なぁ、天々座、タカヒロ。あの時に比べたら今は平和になったな。」

 

そう無意識に口から言葉が出てた。

 

「今も俺は戦場に行くことがあるが、あそこはほんとに地獄だ。殺される者も、生き残る者も。」

そう言って天々座がワインを飲む。

 

「今自分たちには未来を託せる子供がいる。あんな悲劇二度と起こしてはならない。」

と、言うタカヒロ。

みんなそう思ってる。俺も思っている。あれは俺らの中に悪魔がいた時代だ。二度と訪れてはいけない時代だ。

あの頃は何もかも本当にめちゃくちゃだった。

「あの頃の俺達は生き残ることしか考えてなかったな。」

と、タカヒロが言う。

「そうだな。生きてなんぼだからな。」

 

そう俺が答える。

 

「娘がいる今、あんな時代。二度とごめんだね。」

と、かなり酔っている天々座。

 

あの時代の話を……

 

 

 




なんか、設定とかなんやろーなーと考えてしまうバウ


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3羽 戦場を駆け抜けるウサギ

はい。ペース


あれは、遠い昔の話。戦争中の時の話だ。

俺は当時、軍に所属していなかった。大学院で生物の研究をしていたのだ。

だが、学徒出陣により軍に収集されたのだ。

こうして俺は軍人になった。

 

タカヒロと天々座は同い年であったが上官であるため、あくまでも上司部下の関係であった。

俺は陸軍を志願した。色んな訓練を受けた。トレーニング、銃の扱い方、戦車の乗り方なども教わった。

訓練を受けていくうちに2人とは仲良くなっていて、いつしか同じくらいにまで俺は昇進していた。

3人でバカ騒ぎしている時間はほんとに楽しかった。

 

だが、そんな楽しい時間はすぐに過ぎていく。

 

俺達は砂漠の戦場に派遣されたのだ。

 

とりあえず暑い。喉が乾く。砂が口の中に入ってくる。

俺達の任務はこの砂漠地帯から敵の侵入を防ぐことであった。

 

「香風大佐、前衛部隊より連絡が入りました。」

 

と、若い兵士が俺らのいるテントに駆け込んできた。

 

「なんだ、早く聞かせてくれ。」

と、タカヒロがその兵士の方を向く。

 

「はっ!この位置から北東に敵の軍隊とおもわれる人影を見たとのことです。」

 

そう若い兵士が伝えると、タカヒロが

 

「わかった。直ちに全員揃えろ。出撃する!」

 

そういって若い兵士に指をさした。

若い兵士は敬礼をした後にテントを早歩きで出ていった。

 

「久しぶりの戦闘だな。ゾクゾクしてきたぜ。」

 

と、天々座が銃を磨きながら言う。

 

「お前は慢心しすぎることがある。だからこの前もその左目を失ったではないか。気をつけろ。」

 

そうタカヒロが言うと、天々座は左目につけている眼帯を擦りながら、

 

「あぁ、わかってる。もうドジは踏まない。油断もしないさ。」

 

そう言って席を立ちテントを出ていった。

俺はその光景をただ見ていた。

 

「あとお前もだ。戦闘は初めてだろ?戦闘なしで中佐にまで昇進したお前だ。俺は特に心配はしていない。」

 

だから、そんなに緊張するな。そう言って銃を持ってテントを出ていった。

 

俺は1度も戦闘したこともないのに中佐である。何故か、それは訓練での狙撃能力が桁違いだったからである。

タカヒロと天々座は前衛、俺は後衛という感じである。

 

「卯国中佐、そろそろ狙撃位置に行きましょう。」

 

と、部下がそう言うと、ライフルを持って俺もテントを出た。

 

外は眩しかった。そして同時に暑かった。

 

「卯国、それじゃあな、武運を祈る。」

そう言って天々座は敬礼をした。

 

「お前のとこまで敵を行かせないようにするから安心していろ、無事にみんなで帰ろう。」

 

そう言ってタカヒロは敬礼をした。

 

「香風大佐、天々座大佐。どうかご武運を。」

 

そう言って俺も敬礼をした。

それぞれが思う人を守るために戦場に向かった。

タカヒロと天々座は軍隊と戦車を引き連れて出撃して行った。

俺も狙撃ポイントに行くため歩き始めたのだった。




なんか書いてたら色んなことが分からなくなるよね


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4羽 人殺しのウサギ

今回で最終回!


カランと氷がコップにあたり音が鳴った。

 

「あの時は生きたくてな、沢山の人を殺してしまったな。」

卯国が水を飲みながら言う。

「俺たちは正当化した人殺しだ。その人の許可なしにその人の人生を終わらせたのだ。その罪は重い。」

 

タカヒロがコップを拭きながら言う。

 

「このことは後世に伝えていかなくてはならない、だが、俺も仕事柄偉そうには言えんのだよ。」

天々座が飲みながら言う。

 

「あの日俺達が犯した罪に報いなければ・・・」

 

 

窓から外を見ると少しづつ明るくなっていた。

「朝まで話していたのか、」

「まるで変わってないな。」

「だな。」

 

「世話になった。また、近くに来たら寄ってやるよ。」

卯国が身支度をしながら言う。

「あぁ、またいつでも来い、待っている。」

タカヒロが言う。

「寂しくなるな、また会おう。」

天々座が言う。

 

ドタドタ、階段を降りてくる音がする。

 

「うちの娘が起きてしまったようだ。」

タカヒロが笑いながらドアを開けた。

「お父さん、この人は?誰です?」

青い髪の少女が聞く。

「この人はお父さんの大切な昔の仲間だ。」

 

「卯国といいます。お母さんに似て可愛らしくなったね。お父さんを宜しくな。」

はい、と返事をした声を聴いてラビットハウスから出た。

 

 

俺が出た瞬間からラビットハウスは賑やかになっていってる。

もう1人女の子が降りてきて俺に手を振ってくれたのだ。

 

顔を知らない子から顔を知らないであろう人が手を振り返した。

 

 

 

 

 

 

旅は続いてく、どこまでも終わることは無い。この世には「一期一会」という素敵な言葉がある。一度あったら忘れることはない。この街に来たのも、アノ娘にあったのも何かの縁。またこの街に戻ってくると何故か思ってしまったのだ。

この素敵な街からもそろそろ出なくてはならなくなってしまった。

それでは、また会おう、同士諸君。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後俺は何度も何度もこの街を訪れ、ラビットハウスを訪問した。

この店のコーヒーも飲んだ。かわいらしい店員のおかげでよりうまく感じた。

タカヒロの娘が少し特別に見えたのだ。

他の娘とは何か違う、不思議なものが見える。

そうか、俺はこの娘、チノちゃんに惚れていたのだ。今まで人しか殺してこなかった人生においてこれが俺の初恋となった。

チノちゃんに会いたくてこの店を訪れていたのかもしれない。

その途端に顔が赤くなったのを感じた。

また、旅に出る今度は戻ってこれるかわからない。また戻ってこれたら、この街に帰ってこれたらこの思い、伝えよう。

 

 

この10年後に俺とチノちゃんが結婚することになるのはまた別のお話で・・・

 

 

 

 




謎エンド


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