ラブ魂 (美雪)
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日常篇①
第零訓 夢を見た日って寝過ごす時があるよね


穂乃果「銀ちゃん!等々、始まったね!ラブ(たま)!」
銀時「ああ、そーだな」
穂乃果「でも今回の話、短いよねー。銀ちゃんと穂乃果しか出てないし。穂乃果の夢には何人か出てきたけど」
銀時「ま、そりゃあそーだろ。何たって、第零訓はプロローグ何だから」
穂乃果「あ、そっか」
銀時「ああ。作者曰く、本当は第零訓含め、複数ストックして、一気に投稿しようかなっと思ったけど、やっぱり時間かかるなーって思って取り敢えず、第零訓だけ投稿したらしいし」
穂乃果「えっと・・・確か、今は第二訓の途中なんだっけ?原作で言う、第一訓だよね。」
銀時「そ。あの話って原作でも長いだろ?だから、思いの他、結構長くなったんだと」
穂乃果「じゃあ、短くするのかな?」
銀時「いんや。題名、考えるのもアレだしって事でまるまる書くらしい」
穂乃果「長いと読者も大変そうなのにね」
銀時「ほら、だから注意の所に短かったり、長かったりって言ってるだろ?あれは、いわゆる保険だ。間違いは指摘されても、苦情は受け付けませんって奴」
穂乃果「ああ・・・だから、注意が多かったのか。納得」

・・・あの、そろそろ始めてくれません?
前書きだけで、結構な長さになってるんですけど。
このままいくと、下手したら本文よりも長くなっちゃいそうで怖いんだけど。

穂乃果「ああ・・・それもそうだね」
銀時「んじゃあ、やるか。穂乃果」
穂乃果「うん!」

え?やるって何を・・・

銀時・穂乃果「ラブ(たま)!始まります!!」

・・・アンタら、息ピッタリだね・・・



その日、高坂穂乃果は最近は見ることのなかった懐かしい夢を見た。

 

『ほーのか♪』

『!咲穂(さくほ)お姉ちゃん!それに、空穂(そらほ)と雪穂も!』

『ほのねぇ。ボク達、お母さんにお使い頼まれたから呼びに来たんだよ』

『そうなの?』

『うん!穂乃果お姉ちゃん、行こ!』

『そうだね!』

 

それも、姉弟妹(きょうだい)みんなでいた頃のとても懐しい夢だ。

 

『ねぇ、穂乃果。お姉ちゃんは好き?』

『?うん。お姉ちゃんの事、大好きだよ!』

『・・・そっか。うん。お姉ちゃんも穂乃果の事大好きだよ』

『えへへ♪』

 

 

 

 

・・・__果。穂__果。

 

────ん。誰か私を呼んでる?一体誰が・・・

 

「穂乃果!起きろ!」

 

この銀髪の天然パーマに死んだ魚のような赤い目の男は、坂田銀時。この茶オレンジ色?の髪の色に海のような水色の目の女、高坂穂乃果と一緒に住んでいて、万事屋銀ちゃんというところのオーナーをしている。

因みに、穂乃果は副オーナーである。

 

穂乃果「んん・・・銀ちゃん・・・?」

銀時「ああ、銀さんだぞー」

穂乃果「おはよー」

銀時「ん。おはよ。でも珍しいな?」

 

銀時が言った珍しいの意味が分からず、穂乃果は疑問符を浮かべる。

それが分かったのか、銀時が疑問に答えた。

 

銀時「いや、だってそうだろ?昔の穂乃果なら兎も角、今はいっつも俺よりも先に起きてるのに」

穂乃果「・・・ああ、今日は夢見ちゃって。懐かしい昔の夢」

銀時「そーか」

穂乃果「あ、今何時?」

銀時「11:40だな」

 

なんと、後20分でお昼だ。

その事実に穂乃果はひどく驚いた。昼近くまで寝るなんて昔はともかく、成長し、大人となった今は殆ど、無かった為だ。

これには、思わず声を大にする穂乃果。

 

穂乃果「な、何だってぇぇぇ!!?」

銀時「うるせっ!?」

 

あわわわわっと慌てる穂乃果。可愛いですね。さすが穂乃果。←

 

穂乃果「ご、ごめんねぇ!銀ちゃん!私、今日ご飯担当なのに!お昼どころか朝ご飯も食べてないよね!?」

銀時「いや、うん。大丈夫だって。たまにはな。それに簡単なもの、作って食べたから」

 

銀時が言うも、尚慌てる穂乃果。かわ・・・え?もう良い?でも、穂乃果が可愛いんですもん。読者の方々も分かりますよね?

 

穂乃果「すぐ準備するね」

銀時「ん、ああ・・・」

穂乃果「そーだ。ご飯、食べたら食後のデザート食べに行こうか」

銀時「え・・・良いのか!?」

穂乃果「うん。大丈夫。昨日割とお金、入ったでしょ?二人分くらい平気」

銀時「マジか。やったな。オレ、チョコレートパフェ食べよ」

穂乃果「じゃあ、私はいちごパフェ。銀ちゃんのチョコレートパフェも分けてもらうから」

銀時「ああ、いいぞ」

穂乃果「じゃあ、30分待っててね」

銀時「はいよ」

 

そう銀時に言い、穂乃果は慌ただしく部屋を出ていった。

・・・と、思ったら戻ってきた。何でも着替え忘れてたとかで。

 

穂乃果「銀ちゃん、テレビでも見て待っててよね!」

銀時「はいはい」

 

相変わらず、騒がしい奴・・・と、思いながらもテレビを見て時間を潰すのであった。




穂乃果「終わったね、銀ちゃん」
銀時「ああ。終わったな、穂乃果」

いや、後書きに入るなり何くつろいでるの!?

穂乃果「別にいいじゃーん。万事屋にいるとくつろぎたくなるのー」
銀時「仮にも我が家だしな」
穂乃果「そーそー」

いや、後書きにはアンタらの設定を書かなきゃいけないんだよ!

銀時「俺も?」

そう。万事屋組は対して変わらない所があっても書くって決めてるから。それに、銀さんは主人公でしょ?

銀時「まーなー」

だったら、もう少し主人公らしくしてよね!

銀時「無理。だって、かったりーじゃん」
穂乃果「そーんーなーこーとーよーりぃー、早く設定書きなよぉー」

はいはい。じゃあ、最初は主人公(仮)な坂田銀時で。

銀時「いや、何で(仮)!?(仮)じゃなくて、俺は正真正銘の主人公だよ!?」

じゃあ、設定載せますので見てください。(無視)

銀時「無視!!?」







坂田銀時

皆様同じの主人公。

歳━━━27歳
容姿━━銀髪天然パーマに赤い死んだ魚の様な目。
性格━━基本、面倒くさがり屋。で、甘党。幽霊とか、ホラーとか苦手。普段の様子じゃ、余り分かんないが何気に穂乃果に対して過保護な性格をしていたりする。本人は否定するが、ほのキチ。色んな意味で鋭い人。
一人称━俺







まぁ、こんぐらいでいいかな?

銀時「短っ!」

ほら、もっと詳しく書くと銀魂知らない人とかにはネタバレになるし。まぁ、あんまりいないとは思うけど?

穂乃果「だよね。銀魂って何気人気だし」
銀時「何気とか、お前が何気に酷いわ」

何より、銀さんに対して詳しく書くと、穂乃果も詳しく書かなきゃいけなくなるじゃない?
それこそ、全読者のネタバレになるよ。
私、決めてるの。なるべく、設定でネタバレはしないって!

銀時「全読者って・・・そんなに付くとは思えないけど」
穂乃果「そうだね」

でも、私いつかこの小説でてっぺんを取りたいんだよー。
まぁ、読んでくれるだけマシだけど。

穂乃果「てっぺんって・・・大きく出たね。美雪ちゃん」
銀時「いやいや、無理だろー。他の小説も、あんまり更新してないのに」

・・・まぁ、せめててっぺんは無理でもランキングには載りたいよねー。

穂乃果「ま、気持ちは分かるけど。兎に角、最初は感想届くの待ってからでもいいんじゃない?その後に、この小説を評価してもらえるように頑張ればいいよ。大丈夫。美雪ちゃんは頑張ろうと思えば頑張れる子だから」

そう?ありがとう。穂乃果。
私、穂乃果が推しだし何より大好きなんだよ!

穂乃果「えへへ・・・ありがとう。美雪ちゃん」
銀時「まぁ、確かに頑張りは俺も認めるけどな。つか、さっきから思ってたけど。穂乃果、お前いつの間に作者を名前呼び?」
穂乃果「え?さっき。だって、名前で呼んでもいいって言うから。ま、作者名だけどね」

銀さんも良かったら、美雪って名前で呼んでもいいよ?代わりに私も銀ちゃん呼びにするから。

銀時「・・・んじゃ、そーするわ」
穂乃果「えへへ。良かったね。美雪ちゃん。いくら、作者だからって私達と壁とかそーいうのあったら悲しいもんね」

うん!
あ、じゃあ早速、穂乃果の設定を載せます。







高坂穂乃果

ラブライブキャラとしては、主人公。
銀魂キャラ、もしくはラブ魂キャラとしては、ヒロイン。

歳━━━23歳(銀ちゃんとは4歳差)
容姿━━茶オレンジ色?の髪に海のような水色の目。着物はオレンジ色で袖が手首の先まであるけど戦うのに邪魔にならず、膝上まで長さのスカートタイプってゆーのを分かれば良し。大雑把でごめんなさい。でも、許して。
性格━━天真爛漫?ってゆーのかな?多分。愛情表現豊か。銀時の影響で甘党で尚且つ、幽霊やらホラーが苦手。愛嬌がある。が、反面怒るとものっそい怖い。恐らく、ラブ魂の中で一番怒らせちゃいけない人。あと、恋愛感に関しては鈍感&天然。
一人称━私(昔は穂乃果だった。)







っと、こーんな感じ?

銀時「いいんじゃねーの?美雪」
穂乃果「そうだね。」

・・・って、いうかさ。

穂乃果「ん?」

・・・今、気付いたんだけど。
これ、明らかにっていうか・・・文字数からして本文よりも長くなっちなったんだけどぉ!!?

銀時「あ、ホントだ。ま、まぁ・・・うん。大丈夫だってーの、美雪。何たって、第零訓だから。プロローグだから」

いや、銀ちゃん。そーいう問題じゃないと思うよ!?

穂乃果「と、兎に角早く終わっちゃおうか。設定は載せたし。ね?」

そ、そーだね!じゃあ、簡単にヒロインな穂乃果から次回予告をお願い!

穂乃果「ええ!?私!?」

元々、次回予告も言おうかなって思ってたの。
文字数は余裕だけど、うん、やっぱり本文よりも長いのは頂けないよね!
ッというわけでお願い!

銀時「穂乃果!言っちまえ!」
穂乃果「う、うん!えっと、次回のラブ魂はラブライブキャラの一人が私達、万事屋に依頼に来る話です。えっと、もうわかると思いますが、オリジナル話になります。えっと、銀ちゃん!」
銀時「お、おお!」
銀時・穂乃果「次回のラブ魂も、宜しくお願いします!」





穂乃果「ど、どうかな?美雪ちゃん」

上出来だよ!穂乃果!
次回もそんな感じで宜しく!
あ、でも次回は銀ちゃんにお願いするかも。

銀時「マジでか」


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第一訓 インターホンってタイミングが悪い時になっちゃう事ってあるよね

穂乃果「銀ちゃん!やっと第一訓投稿するんだって!」
銀時「ああ。今回はオリジナル話らしいな?」
穂乃果「うん。美雪ちゃん、オリジナルの話書くと短くなっちゃうけど、今回のは結構長めにかけたって嬉しそうだったよ」
銀時「だろーな。ものっそいニヤニヤしてたから」

・・・え!?うそっ!?そんなにニヤニヤしてた!?

銀時・穂乃果「してた」

うわー・・・はずっ!?

穂乃果「まぁ、今回は等々あの子が登場だねー?」
銀時「子って歳じゃねーだろ。ラブライブキャラは全員成人してるんだから」
穂乃果「そりゃあそうか」

これ、予約投稿になるから投稿する前の話になるんだけどね?やっと第二訓書き上がったの。それもさっき。

銀時「おーマジでか」
穂乃果「因みに、今は23日になります」
銀時「で?出来の程は?」

・・・ものっそい長くなっちゃった。
多分、私が今まで書いた中で一番長く、尚且つ他の小説でもあんなに長いのはないよ。

銀時「マジでかー」
穂乃果「あまりにも長すぎて、読者さん達が読むの飽きちゃったらどーするの?」

んー?・・・それは、私からは何とも・・・
兎に角、読者様達の事を信じるしかないかなー?
・・・なんてー・・・ごめんなさい、かなり偉そうでしたね、私。

銀時「ま、まぁ・・・気落ちすんなってーの。元気出せよ、美雪」

・・・突然だけど、銀魂キャラでは銀ちゃんが一番好きだよ。

銀時「お、おー?ありがと?てか、ホントに突然だな?」

因みに、女子キャラだと神楽が一番好きなんだ。

銀時「マジでか。ゲロインだぞ?」
穂乃果「でも、可愛いよね。神楽ちゃんって。まだ、会ったことないけど」

話的にも、登場はまだだからねー
てか、毒舌だけどそれがまた良いって言うか・・・神楽は可愛い所もあるし、優しいところもあるし、それがいいのー♪

銀時「ふーん?」

て、ゆーか私的にはまだ先の話だけどランキングの話まだ迷ってる。

穂乃果「ああ・・・あの、下位の人が上位の人を妬んで色々騒ぎを起こすアレ?確か漫画だと、二百六十五訓から二百六十八訓までの?」

そうそう。
アレ、銀魂キャラの順位はそのままでラブライブキャラの順位は貴重な読者様に決めてもらおうかなって。

銀時「へぇー意外と先の話まで決めてるのな」

この小説は絶対に最後まで書くって決めてるから。

穂乃果「おー・・・美雪ちゃん、心なしか燃えてる?」

まぁ、ラブライブキャラの順位はラブライブキャラが皆出てからだけどね。
私的には、原作主人公で尚且つ銀魂的でヒロインな穂乃果が一位になって欲しいけど、でも一位だけ自分で決めて他だけ読者様任せってのは虫が良すぎるし。

穂乃果「そうだね。じゃあ、ラブライブキャラが皆一通り出たら、その瞬間からラブライブキャラに投票していいって事にしよう」
銀時「そーだな。投票場所は感想を書くところで。感想と共に順位も書いてもらえれば尚良しだな」

まだ、お気に入りとかは一桁台だけどね。

穂乃果「まぁ、それはともかく早く本文に入ろっ!」
銀時「そうだな。んじゃあ、いくか」
銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!」

最早(もはや)、始まる前の掛け声だね。コレ。もういっか。次回からもずっとコレで。


穂乃果が作ったご飯を、2人で早速食べようとした時、タイミングが悪い事にインターホンが鳴った。

因みに、作ったのはオムライスである。

 

銀時「あ?誰だよ。こんな時に」

穂乃果「さぁ?お登勢さん・・・は、違うよねぇ。私、出てくるから先食べといてよ」

銀時「おー」

 

そう言い、玄関に向かって扉を開けた。

扉の前にいた人は、丁度穂乃果と同い年くらいだ。

長くて青みがかった?黒い髪のいかにも大和撫子と言った感じの見た目である。

 

「あ、あの・・・万事屋さん・・・ですよね?」

穂乃果「そうですけど・・・はっ!ま、まさか・・・!?」

「依頼を・・・しに」

 

この言葉に穂乃果は物凄く驚いた。昨日、依頼来たばっかりなので今日は来ないと思っていたからだ。ミラクル〜。

驚きの余り固まり、気が付いたら次の瞬間には銀時に向かって叫んでいた。

 

穂乃果「ぎ、銀ちゃーん!!銀ちゃん!!大変だよー!!依頼!!依頼人さん来たよー!!」

銀時「何だってぇ!?」

 

この言葉には銀時も驚きらしい。

 

穂乃果「えっと、朝ごはん・・・じゃなかった、お昼ご飯食べてる途中何だけど、それでもいい?」

「え?ああ、はい。わたしは構いませんけど・・・あの、出直しましょうか?」

穂乃果「いいえ!とんでもない!入ってください!」

 

そう言われた女性は、穂乃果の威勢に戸惑ったものの中に入っていった。

居間に行ったら、既に銀時の皿がカラだった。どうやら、急いで食べた様で。

それを見た穂乃果は、ちょっと怒ったふうに頬を膨らますもお客様がいるため抑えた。

 

穂乃果「このソファに座ってね」

「は、はい」

銀時「それで、どう言った依頼で?あ、穂乃果お茶」

穂乃果「えぇー・・・もう、しょうがないなぁ・・・」

 

文句を言いつつ、お茶を用意する為に台所へ消えた。

 

「それは・・・えっと、あの・・・」

穂乃果「その前に自己紹介が必要じゃない?」

銀時「おわっ!?」

 

突然、背後からの声に驚いた銀時。

背後から声を掛けたのは穂乃果の様で、驚いた銀時に見向きもせずお茶を依頼人の前と銀時の前、そして自分が座る銀時の横の前に置いた。

 

銀時「お前・・・ビックリすんだろが。いきなり背後から声かけるのやめてもらえません?つか、昔っから言ってるよね?これ」

穂乃果「あはは・・・ごめんね、銀ちゃん。それで、名前は?」

 

銀時に謝るのも程々に名前を聞いた穂乃果。そんな穂乃果に銀時は不満そうだ。

そんな穂乃果と銀時の様子に対して、良いのでしょうか、と言う疑問を抱きつつ名乗った。

どうやら、名前は園田海未らしい。

 

穂乃果「海未ちゃんだね。よろしく!私は高坂穂乃果!で、私の隣にいる銀髪天然パーマは銀ちゃん・・・じゃなかった、坂田銀時!」

銀時「あー・・・呼ぶんなら、銀さんとかでよろしくな。堅苦しいの慣れてないからさ」

穂乃果「じゃあ、私の事も呼び捨てでいいよ!」

海未「はい。では、穂乃果と銀さんですね」

 

そう応えた海未に満足そうに頷く穂乃果。

自己紹介を終え、本題に入ろうとする。

 

銀時「それで、依頼は?」

海未「・・・あの、ある物を、取り返して欲しいんです」

銀時・穂乃果「物?」

海未「ええ・・・大切な本、何です」

 

穂乃果の、本?と言う不思議そうな声に、ええ、本です、と答える海未。

 

銀時「本・・・て、どーいった?」

海未「天人(あまんと)の事を書いた、本なんですけど」

穂乃果「天人の?」

海未「ええ、それも・・・傭兵部族(ようへいぶぞく)について書かれているものでして、その中でも貴重な物が盗まれたんです」

穂乃果「傭兵部族って、どー言う天人の事?」

 

穂乃果の問に律義に答える銀時と海未。

 

銀時「あー?・・・それは、あれだろ。夜兎族(やとぞく)とか荼枳尼族(だきにぞく)、それから辰羅族(しんらぞく)だろ」

海未「主な傭兵部族はそれですが、他にも蓮舫族(れんほうぞく)、巨人族、エクスカリバー星人も傭兵部族です」

穂乃果「へぇー、海未ちゃんって物知りー!」

銀時「おい、俺も答えたろーが」

穂乃果「だって、銀ちゃんはそれしか知らないって事じゃない?私よりは知ってるんだろーけど」

 

穂乃果の言い分に図星だったのか、言葉を詰まらせた。

 

穂乃果「何で、傭兵部族のことに関係する本が盗まれたの?」

海未「あ、あの・・・あくまでも憶測の領域を出ないんですが・・・」

穂乃果「うん?」

銀時「?」

 

あくまでも憶測だからか、悩む素振りを見せるが、意を決して言葉を放った。

 

海未「利用、する為だと思うんです」

銀時・穂乃果「利用ぅ?」

 

その言葉に思わず眉を顰める二人。

 

海未「ええ・・・本当に傭兵部族についてよく書かれてる本ですから、何らかの方法を見つければ不可能ではないと思うんです。時には夜兎の力を利用する者もいると聞きます」

穂乃果「へぇー・・・」

銀時「ふーん・・・じゃあ、何処の誰が盗んだとかわかんの?」

海未「ええ、一応」

 

その言葉に穂乃果は感心した。

そして思った。今回はスムーズに依頼が終わりそうだ、と。

 

穂乃果「誰なの?」

海未「この方です」

 

そう言い、写真を銀時と穂乃果に見せた。

その写真に写ってるのは、まさにモブの中のモブという感じの人だ。

 

穂乃果「うわ・・・」

銀時「海未、お前こんなモブ顔の奴に盗まれたのか?」

海未「は、はい。正確には、わたしの妹がやらかしまして。あの子、おっちょこちょいなもので」

穂乃果「・・・い、妹がいるの?海未ちゃん」

海未「?え、ええ。一人」

 

海未の言葉に穂乃果は、そっか、と言った。

急に大人しくなった穂乃果に事情を知ってる銀時がため息を一人、ひっそりと吐き、話を続けようと口を開いた。

 

銀時「で、何処の誰だ。これは」

 

最早(もはや)人扱いではない。

 

海未「この方は・・・」

穂乃果「・・・海未ちゃん?」

銀時「どうしたんだ?」

海未「・・・すみません。名前、忘れてしまいまして」

穂乃果「そうなの?まぁ、しょうがないね。こんな、モブ顔じゃーさ。もういいよ。名前は喪腐(モブ)でいいんじゃない?」

 

穂乃果が投げやりで言った瞬間、思っいっきり銀時が吹き出した。

これには流石の海未もおかしい様で震えている。どうやら、笑いを耐えているようだ。

それにしても、ラブ(たま)の穂乃果はなかなかの毒舌らしい。

・・・と、思ったら本人は疑問符を浮かべてることから、どうやら天然物の毒舌らしい。尚更、やっかいである。

 

穂乃果「?私、変な事言った?」

銀時「いや・・・ブッ!全然、変じゃねーよ!ブフォ!」

海未「そうですね・・・ふふっ、変じゃありませんよ。どっちかって言うと・・・ブッ!言い得て妙です!」

 

穂乃果には疑問符しか浮かばないが、なかなか二人の笑いが止まらないのでじっと待ってた。

どっちにしろ、二人が笑い止まないと何も出来ないのだ。

 

 

 

 

三人が行動を起こしたのは、二人が笑い止み、落ち着いた数十分後だった。

 

穂乃果「で、何処にいるの?」

海未「倉庫に。そもそも、相手自体一人ですし。さして、手強い相手でもありません。はっきりと言って、わたし一人でも充分なくらいです」

銀時「じゃあ、何でウチに依頼を?」

海未「わたしが一人で行くと言うと、妹も行くと聞かないんです。ウチの妹は剣術についてはからっきしで。道場の娘が聞いて呆れます。まぁ、未来に期待ですかね」

 

その言葉に興味を持ったのは穂乃果だった。

 

穂乃果「へぇー・・・海未ちゃん家って道場なんだ」

海未「ええ、正確には幼馴染みの道場何ですがね。ですが、色々と理由がありまして」

穂乃果「そっか」

銀時「ふーん」

 

相槌を打ちつつ、銀時は《洞爺湖》と彫られた字がある木刀を、穂乃果は《太陽》と彫られた字がある木刀をそれぞれ腰に下げた。

 

海未「お二人は木刀で戦うのですか」

穂乃果「うん。いつも持ち歩いてるよ。木刀は。私も銀ちゃんも」

海未「いつも?この廃刀令のご時世にですか?」

穂乃果「うん」

 

海未は聞きたい事があったが、歩きながらでも聞けると思い、何も言わなかった。

何よりも、このままここで話していては物語が進まない。それだけは、ゴメンなのだ。

 

銀時「さーてと、行くか。海未、道案内よろしくな」

海未「はい」

 

 

 

 

楽しそうに喋る二十歳前半の二人の女、その後ろを気だるそうに歩く二十歳後半の男。言わずもがな、楽しそうに喋る女は穂乃果と海未で、気だるそうに歩く男は銀時だ。

 

海未「でも、珍しいものですね。女侍とは。わたしは初めて見ましたよ 」

穂乃果「そうなの?海未ちゃんは違うの?」

海未「ええ、剣術はそこいらの侍に劣るとは思いませんが、違います。どっちかって言うとわたしは、未来の侍を育てる、でしょうか。まぁ、侍魂ならば持っていますが」

 

その言葉に穂乃果は、すごーい!っと歓声をあげた。

その言葉と穂乃果の真っ直ぐな目に照れる海未。

 

海未「そんな事ないと思いますが。まだ、将来の夢という段階なので。でも、ありがとうございます。穂乃果」

穂乃果「ううん。本当に思った事だから。でも、女の侍って少ないよねー。穂乃果もあんまり会ったこと無いんだよね」

海未「そうですか。まぁ、昔は女性が剣を振るうことを良く思わない人達が居ましたからね。おもに、その方々の親族が」

穂乃果「昔よりは、まぁマシだとは思うけどさ。今もちょっとはあるけどねー。そーゆう人達。私は好きじゃないよー。だって、女でも凄腕の侍になれるのに、そんな身勝手な親族の意見で侍になれない女の人達は、結構いるんだから」

 

そう言い、ため息をつく穂乃果。

それを見て、話題転換した方がいいと思い、話を変える海未。

 

海未「穂乃果はいつから銀さんと一緒に?」

穂乃果「銀ちゃんと?んー、正確な年齢なんてもう覚えてないけど、小さい頃からずっと銀ちゃんと一緒」

海未「では、幼馴染みなんですね」

 

海未のその言葉に穂乃果は嬉しいけどちょっとだけ残念な、何とも言えない複雑な表情を浮かべたが、ちょっとだけ微笑んで頷いた。

海未はその表情に疑問が湧いたが今はまだ聞かない方が良い気がして、気付かないふりをした。

 

 

 

 

数十分経った頃か。人気のない所に出た。

キョロキョロと辺りを見回して穂乃果は海未に聞いた。

 

穂乃果「ねぇ、海未ちゃん、まだなの?」

海未「いえ、そろそろ・・・ああ、見えてきましたよ」

 

そう言った、海未の指差す場所は一つだけそこにポツン、と建てられてる倉庫だ。

 

穂乃果「あー、あれが。銀ちゃーん!あれだって!てか、早く来てよー!」

 

と、穂乃果は割と後ろの方にいる銀時に声をかけ急かした。

そんな、穂乃果に急かされてるにも関わらず急ごうとしないで変わらず気だるげに歩くだけの銀時。

それを見て、些か不安になる海未。

 

海未「・・・本当に大丈夫ですか、あの人は」

 

海未の言いように、穂乃果は苦笑いしつつも銀時のフォローをする。

 

穂乃果「ごめんね、銀ちゃんいっつもあんなんなの。でも、侍としては強いし、剣だって私よりも出来るから!期待しててもいいからね!」

海未「は、はぁ・・・」

穂乃果「ホントだよ?いっつもぐーたらしてるし、私の目を盗んではパチンコにお金を費やしては家賃も払えない、オマケに普段の家計もままならなくなっちゃうのも、大概が銀ちゃんのせいという、ダメダメな大人だけど!あいたっ!?」

 

フォローがタダの銀時の愚痴になってきた頃に穂乃果達の元へとついた銀時は躊躇(ためら)いなく手を穂乃果の頭へと振り下ろした。

思わず叩かれた頭を押さえて、上目遣い気味に銀時を睨み文句を言う。

上目遣い気味の穂乃果に睨まれても、全然怖くないです。むしろ、可愛いです。ちくせう、羨ましいぜ。坂田銀時よ。え?そう言うのは本当に良い?

・・・何か、ごめんなさい。でも、私は信じてます!私と同意見の方を!もしくは、ほのキチな方を!因みに、作者もほのキチです。何となく分かってたと思いますけど。

 

穂乃果「何するの、銀ちゃん!痛いじゃん!!」

銀時「うるせー。ったく、お前は俺のフォローをしたいのか愚痴を言いたいのかどっちなんだよコノヤロー」

 

銀時に言われた穂乃果は思わずむくれる。

これを見た海未は苦笑い。

 

穂乃果「むー・・・ま、いいや。海未ちゃんは此処で待っててよ」

海未「え?い、いいんですか?」

銀時「あー、どうせ一人だろ?オマケにモブ顔の雑魚キャラだ。俺らだけで充分だろ」

 

 

 

 

と、言う訳で相手が雑魚キャラのモブだと言うことで正面から入った銀時と穂乃果。

ものの数分で当然決着がつきましたよ。

因みに、一撃穂乃果が木刀で横っ腹を殴って力の限り飛ばして終了。

盗人(ぬすっと)は縄で縛り付けて放置。勿論、警察には海未が連絡済み。

え?早いし、簡単じゃないかって?

いや、話の最初にぶっとばす相手は大体弱いもんでしょう。

ま、それは兎も角

 

銀時「よし、こいつはこのまま放置でいいな。あ、穂乃果、本はちゃんと回収したか?」

穂乃果「勿論だよ!この通りね!」

銀時「よし。じゃあ、海未の所に行くか」

穂乃果「うん!」

 

そう話してる二人の側で喪腐が一言。

 

喪腐「え・・・オレの出番これだけ・・・?てか、まともにセリフも無いんだけど・・・てか、オレの名前は喪腐じゃ・・・」

銀時・穂乃果「うるさい、喪腐が。黙れよ」

喪腐「ひ、ひどっ・・・!!」

 

穂乃果のキャラが軽く崩壊した瞬間だった。

 

 

 

 

穂乃果「はい、海未ちゃん!」

海未「ありがとうございます、穂乃果。銀さんも」

銀時「何だ、このついで感は。俺は穂乃果のオマケか何かかな・・・?」

海未「いえ、決してそういう訳では・・・ 」

 

兎にも角にも、依頼は達成した訳である。

なので、海未は割と分厚目の封筒を渡した。

それを穂乃果が受け取り中を見る。

それを尻目に海未と銀時は話してる。

え?依頼料?ご想像にお任せしますよ。

 

海未「依頼料、あまり多いとは言えませんが、我が家が出せる分だけ出しました。何分、余裕の生活を出来てるとは言い難いので」

銀時「いや、平気だ。俺達はちょっとでも依頼料は貰えたら嬉しいし。まぁ、多い方が嬉しいけどな」

海未「そちらも生活に余裕が無いんですか?」

銀時「ああ。そもそも、飯食えない時もあるしな」

 

その言葉に海未は目を丸くした。

そりゃあ、そうだ。いくら生活に余裕が無い海未でもご飯を食べれない日など無いのだから。

 

海未「そ、そう言う時はどうするんですか?」

銀時「取り敢えず、3日は我慢だな。4日目ぐらいに下にいる穂乃果にだけは甘いうちの大家が恵んでくれる。5日目ぐらいからは流石にやばい、と感じ、行動を起こす訳だ。穂乃果が

海未「あなたがじゃないんですね!!?

銀時「やばいな、とは思うけど流石に面倒いから行動には起こさないな。まぁ、もう大体分かるとは思うが、穂乃果がバイトや特技をいかして稼ぐわけだ」

 

そこで、海未は疑問に思った。穂乃果の特技とは一体・・・?、と。

それに気づいた銀時はただ単に面倒いだけか、話す必要は無いなと思ったのか(恐らく前者であろう。)今度教えてやるよ。穂乃果の特技をな、と言った。

 

穂乃果「それよりも、海未ちゃん」

海未「はい。何ですか?」

穂乃果「これだけあれば今月は多分、余裕が何時もよりも出ると思うよ。昨日の依頼金と合わせればね。元々、昨日の依頼金も多い方だったし。これなら、パフェ食べても思ったよりも余裕だよ」

海未「そうですか。それは、よかったです」

穂乃果「うん!どっかの誰かさんがパチンコとかですっちゃわなければね」

 

そう言い、穂乃果は銀時をジト目で見る。

その目に心当たりがあり過ぎる銀時が、うっ・・・!と言葉を詰まらせ、冷や汗を流す。

それを見た海未は普段から察しが良く、尚且つ勘も良いので察しがついた。と言うよりも、元々察しがついていたので、それを見て確信したのだ。ああ、このダメ人間が穂乃果の生活に余裕を持たせないのだな・・・と。

 




穂乃果「今回、登場したのは海未ちゃんだったね」
銀時「だな」

海未のキャラってこんな感じでいいのかな?

穂乃果「いいんじゃない?」
銀時「まぁ、例えラブライブ原作と違う所があってもそれはラブ魂の個性って事でいいんじゃね?」

・・・うん!そうだよね!
と、言うわけで穂乃果!お願い!

穂乃果「はーい!えー・・・今回から、ラブ魂の主人公&ヒロイン以外の人物が出たという事で、それぞれ一人から三人ゲストとして人を呼びたいと思います!」

次は銀ちゃん!

銀時「はいはい。えー、皆さんも今回は俺達以外では一人しかメインが出なかった為分かってると思いますが、今日のゲストはラブライブ原作では穂乃果の幼馴染みを務めている、園田海未さんです」
海未「どうも、園田海未です。よろしくお願いします。」

と、言うわけで海未の設定です!







園田海未

ラブライブキャラとしては、穂乃果の幼馴染みでほのキチ。
銀魂キャラ、もしくはラブ魂キャラとしては、準ヒロイン。(新八が準主人公の為)
今は、まだそうでもないけどラブ魂でもほのキチになる予定。

歳━━━23歳(新八とは7歳差)
容姿━━青みがかった?黒い髪にハニーブラウン色の目。大和撫子みたいな?着物は青い色で袖がノースリープで下が膝下のズボンタイプのヤツ。穂乃果みたいにスカートタイプじゃないのは、スカートタイプだとパンツが見えそうだから。袖がノースリープなのは動きやすさ重視した為。
性格━━物静かな性格で恥ずかしがり屋だけど、剣術に関してはすぐに熱くなる。普段はあまり怒らない分キレると怖い。因みにシスコン。
一人称━わたし

剣術は学んでるけど、夢は将来の侍に剣を教えると言うものの為、侍ではない。
侍になっても教える事は出来るが、侍にならないのは妹に理由があるらしい。
ただし、侍魂はあるつもりらしい。







こんな感じ?

海未「いいんじゃないんでしょうか?」
穂乃果「うんうん!」
銀時「そう言えば、予約投稿っていつだ?」

今週の土曜日だよー。

穂乃果「土曜日かー」

今度から土曜日に統一する予定。
第零訓は、何も考えないで投稿しちゃったからさー。
毎週土曜日って訳にはいかないけど、でも土曜日で統一するんだー。

海未「そうなんですか」

そっ!

穂乃果「次回のゲストって誰なの?」

まだあんまり言えないよ?
まぁ、大体の人が予想ついてると思うけど?
しーって言えば、海未には次回も来てもらうよ?

海未「そうなんですか?それは嬉しい限りですね」

あ、あとね?
前の、穂乃果の設定とか書き直したりしたんだ。

穂乃果「そうなの?」

うん。スカートタイプって所と袖が手首の先までの長さって所を付け加えたり、あとはまぁ、ラブ魂の中ではキレると一番怖い、って所。

銀時「・・・あー、確かに」
穂乃果「え!?」
海未「そんなに怖いんですか?」
銀時「かなりな。俺は穂乃果以上に怒ると怖い奴は見たことがない」

マジでか。そこまで?

穂乃果「・・・そう言えば、銀ちゃん海未ちゃん」
銀時「うん?」
海未「何ですか?」
穂乃果「海未ちゃんの設定にあった、ほのキチって何?」
銀時「・・・あー・・・何なんだろうな。海未」
海未「え!?・・・あ、あー・・・何なんでしょうね?美雪」

え!?な、何かなー?
うんっと・・・じ、次回予告にいきましょー!

穂乃果「え!?」
銀時「そ、そうだな!」
海未「そ、それがいいですね!?」

じゃあ、銀ちゃん!よろしく!!

銀時「次回のラブ魂はやっと原作突入の話だ。そして、俺以外の銀魂原作キャラがやっと登場な訳だ。あー、読者の皆様に言っておきたい事があります。次回のラブ魂はかなり長いので、えー心して読むようにー。以上!」

ありがと、銀ちゃん!





穂乃果「ねぇー、海未ちゃぁーん!ほのキチって何ー?」
海未「ほ、穂乃果は知らなくてもいい事です!と言うか、知らないなら知らないままでいいんです!」

・・・銀ちゃん。

銀時「・・・何だ、美雪」

作者な私が言うとアレだけど、ラブ魂の穂乃果ってば23の癖に純粋な所があるし、なんて言うか無知だよね。 と言うか、時々小さい子供に見えてくる。

銀時「・・・あーゆう所は、昔っから変わらないからな」

ま、穂乃果の純粋さは癒しになるからいいけど。

銀時「お前もそーとーほのキチだわ」

銀ちゃんこそー

銀時「俺は違いますぅー」

いや、でも銀ちゃんの設定に穂乃果に対して過保護な所があるって・・・

穂乃果「ねぇー!銀ちゃぁーん!美雪ちゃぁーん!ほのキチって何!?そんなに教えてくれないなんて、逆に気になるじゃん!」
銀時「うわっ!?こっちにも飛び火が!?」

・・・海未、私達は帰ろっか。

海未「そうですね。では、銀さん。お邪魔しました」

お邪魔しましたー

銀時「あっ!ちょっ!?待てよ!この裏切り者ー!!」



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第二訓 天然パーマとサイドテールに悪い奴はいない

はい!という訳で!

穂乃果「第二訓のラブ魂は!」
銀時「いや、どーいう訳!?そして、穂乃果もノリがいいな!?」

穂乃果もノリがいいんだから、銀ちゃんもノリ良くなきゃ。

穂乃果「そーだよー。銀ちゃん」
銀時「あれ?これ、俺が悪いの?ねぇ、俺が悪いのかな!?」

まぁ、それはともかく!

穂乃果「第二訓にして、原作突入でーす♪」
銀時「・・・まぁ、美雪曰く、この話の次は書き上がってるものの、最近色んなドラマを見ているため、その次の話はまだ書き上がってないんだとか」
穂乃果「でも、この話だけ取り敢えず投稿しちゃえって事だね!」

まぁ、そうだね。

銀時「お前、バカ正直だよな」
穂乃果「他の作者さんは言いづらいのか、あんまりそーいうの言わないもんね」

・・・まぁ、言い訳を考えるのも面倒いからさー。

穂乃果「あっ!因みに第二訓にて、今作の準主人公の新八君と準ヒロインの海未ちゃんの関係が分かるんだよ!」
銀時「もしかしたら、結構意外かもな?」

私なりに、意外な関係だと思うよ?

穂乃果「あっ!私も結構、意外に思ったよ!」
銀時「いや、それは穂乃果がそういう事には鈍感だからだろ?俺は、まぁ新八と海未の掛け合いを見て分かったけど?」

銀ちゃんは鋭いから。鈍感とは無縁なんだろうね?

穂乃果「ん?でも、銀ちゃん自分に向けられる好意には鈍いよね?」

あ、あーそうだったかもー(棒)

銀時「な、何言ってんのかなーホノカチャーン(棒)」
穂乃果「??」
銀時・美雪(作者の事ね)(やっぱり鈍感だ!この子!)

ま・・・まぁ、穂乃果の設定に鈍感って付け加えたぐらいだし。あと、ついでに天然も。
因みに銀ちゃんの設定にもちょっと付け加えちゃった。
まぁ、見なくても支障ないよね。

銀時「そ、そうか」
穂乃果「んー・・・まぁ兎に角、本編に行こうか」

そ、そうだね。

銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!!」


と、言う訳で前前回、もしくは前回を見た人なら分かるであろう。

その時の会話を思い出してもらいたい。

 

穂乃果「───と、言う訳でやって来ました。大江戸店、でにいす!」

銀時「お前、誰に向かって言ってんの?つか、僅かまだ第二訓にして銀魂に染まってきたな、穂乃果。お前はもう、立派な銀魂の高坂穂乃果だよ」

 

そう?と言いながら、いちごパフェを頬張る穂乃果。

そんな穂乃果に苦笑いしつつ、チョコレートパフェを頬張る銀時。

 

穂乃果「それにしても、ここのパフェの味って美味しいけどちょっとうるさいね。ガヤが」

銀時「気にすんな。俺的には食べれればいいんだから」

穂乃果「そうだね。あ、チョコレートパフェ一口ちょーだい、銀ちゃん」

 

へーへー、と言いながら自分の使ってたスプーンで躊躇(ためら)いなくパフェをすくって穂乃果の口へと持ってく銀時とそれをこれまた躊躇いなく食べる穂乃果。

 

穂乃果「ん、おいしぃー・・・♪」

銀時「俺にもいちごパフェ」

穂乃果「はいはい。はい、あーん♪」

 

する事に躊躇いが無ければ、される事にも躊躇いが無いらしい。

と、そこでいきなり二人の座ってる所に大きな音をたてて突っ込んで来たのはメガネの地味な男だ。

 

穂乃果「あ・・・」

 

その拍子に二つのパフェがこぼれた。

それを見て、穂乃果は悲しいそうに、銀時は・・・言わずもがな。

その銀時の顔を見た穂乃果はこれから銀時のしでかす事を考え溜め息が出た。

 

銀時「おい」

「?」

 

と、容赦なく次の瞬間には、店長を殴った。

穂乃果はこれを見て、やっぱりね、とは思わずにいられない。

 

「なっなんだァ!?」

「何事だァ!!」

 

その問に答えず、木刀を腰から抜く銀時。

 

「なんだ貴様ァ!!」

「廃刀令の御時世に木刀なんぞぶらさげおって!!」

銀時「ギャーギャーギャーギャー、やかましいんだよ。発情期ですか、コノヤロー」

 

あーあー、と言う穂乃果。

 

銀時「見ろコレ・・・てめーらが騒ぐもんだから、俺のチョコレートパフェが、お前、コレ・・・まるまるこぼれちゃったじゃねーか!!

 

と、叫びながら、天人に木刀を振り下ろす。

それを見た穂乃果は、私のいちごパフェもね、と思いつつ遠い目をした。

 

「・・・きっ・・・貴様ァ!何をするかァァ!!」

「我々を誰だと思って・・・」

銀時「俺ァなァ!!医者に血糖値高過ぎって言われて・・・パフェなんて、週一でしか・・・食えねーんだぞ!!」

 

と、八つ当たり気味に木刀で相手の天人をなぎ倒した銀時。

そんな銀時に穂乃果が一言。

 

穂乃果「それ、自業自得だし。なによりもお金が無いから、週一以下だけどね。パフェは」

銀時「ちっ・・・穂乃果ぁ、行くぞぉ」

穂乃果「うん、そーだね。あ、お金はここに置いときますんで」

 

と、言いながらちょっきりテーブルにお金を置いた。

 

銀時「店長に言っとけ。味はよかったぜ」

穂乃果「そうだね。うん、パフェの味、甘くて美味しかったよ。それも、店長さんに言っといてね」

 

と、メガネの地味な少年に二人が言った。

 

 

 

 

銀時「あ〜、やっぱダメだな、オイ」

穂乃果「何がー?」

銀時「糖分とらねーと、何かイライラするって話だよ」

穂乃果「しょうがないじゃん。諦めなよね、銀ちゃん」

 

と、穂乃果は後ろを、ふと見たときに気づいた。何かが物凄い勢いで近づいてくるのを。

 

穂乃果「ねぇ、銀ちゃん。後ろから何か・・・て言うか、あれってひt「おいィィィ!!」・・・」

 

穂乃果の言葉を途中で遮って叫んだのは、さっきの地味メガネ少年だ。手には木刀を持っていて、なにか怒ってるようだ。

どうやら、銀時に濡れ衣をきせられたようで。

 

「地味メガネ少年ってなんだァ!!いや、今はそれより、よくも人を身代わりにしてくれたなコノヤロー!!アンタのせいで、もう何もかもメチャクチャだァ!!」

穂乃果「銀ちゃん・・・」

銀時「律儀な子だなぁ。木刀返しに来てくれたの。いいよ、あげちゃう。どうせ修学旅行で浮かれて、買った奴だし」

「違うわァァ!!役人からやっとこさ逃げてきたんだよ!!」

 

穂乃果はそれを聞いて、思わず不純に思った。そして、同時に思った。

私の連れがごめんなさい・・・、と。

 

「違うって言ってんのに、侍の話なんて誰も聞きゃしないんだ!!しまいにゃ店長まで僕が下手人だって」

銀時「切られたな、そりゃレジも打てねぇ店員なんて、炒飯(チャーハン)作れねェ母ちゃんくらい、いらないもんな」

「アンタ母親をなんだと思ってんだ!!」

銀時「バイト、クビになったくらいでガタガタうr・・・」

「今時、侍雇ってくれる所なんてないんだぞ!!明日からどーやって生きていけばいいんだチクショー!!」

 

地味メガネがほぼ息継ぎなしで言い切ったところで、何を思ったのか、突然スクーターをいきなり止める銀時。

当然、そのスクーターの後ろを走ってた地味メガネは鈍い音を立ててスクーターにぶつかった。

それを見た穂乃果は、驚き、同時に心配もしたが、銀時は気にも止めないで地味メガネに怒鳴った。

 

銀時「ギャーギャーやかましいんだよ、腐れメガネ!!自分だけが不幸と思ってんじゃねェ!!」

穂乃果「いや、このメガネ君、瀕死状態なんだけど。大丈夫?」

銀時「世の中にはなァ、ダンボールをマイホームと呼んで暮らしてるサムライもいんだよ!!お前、そーゆーポジティブな生き方できねーのか!?」

「あんた、ポジティブの意味分かってんのか!?」

 

そこまで言った所で、大江戸ストアの中から美人だと言えるであろう女性と、まだ幼いが可愛い分類に入るであろう少女が出てきて、地味メガネに話しかけた。

 

「あら、新ちゃん?」

「新にぃ、こんな所で何してるの?」

「新ちゃん、お仕事は?」

「げっ!!姉上!!・・・と、空ちゃん?何で姉上と一緒に?」

銀時「あ・・・どーも」

穂乃果「こ、こんにちは」

仕事もせんと、何プラプラしとんじゃ、ワレ、ボケェェ!!

 

と、叫びながら地味メガネに姉上と呼ばれた女性が地味メガネに飛び蹴りをかました。

ここからは、思わずあの穂乃果でさえ、ドン引きするほどのぼこられようだ。と言うよりも、余程怖いようで見てるだけで涙目になっている。涙目穂乃果可愛いけどね。←

 

「今月どれだけピンチか、分かってんのかてめーは、コラァ!!アンタのチンカスみたいな給料もウチには必要なんだよ!!」

「まっ・・・待ってェ、姉上!!こんな事になったのはあの男のせいで・・・あ゛ー!!待て、オイ!!

 

これを見た銀時の行動は、分かる人には、言わなくても分かるであろう。何かを言われる前に家へ帰ろうとしたのである。

 

銀時「ワリィ。俺、夕方からドラマの再放送見たいか・・・ら」

 

と、そこまで銀時が言った時、女性が銀時を逃がさんばかりに穂乃果が後ろに乗る前に捕まえて、ニタァ、っと笑った。

え?この後、銀時がどうなったか?恐らくは、これで大体の人が分かるであろう。

 

穂乃果「ぎ、銀ちゃぁーーーーん!!?

 

 

 

 

ここは、さっきの銀時をボコった女性とその女性にボコられた少年の道場の中だ。因みに、名前は恒道館道場と言うらしい。

 

銀時「いや、あの、ホント・・・スンマセンでした」

 

と、ボコボコにされた銀時。

 

穂乃果「あ、あの・・・これ、私も・・・ですよね。連れがやらかしたんだから連帯責任ですよね。はい、ホントにすいませんでした」

 

と、完全に怯えきっていて、涙目な穂乃果。

あ、因みに、名前は名乗ってもらいました。女性が志村妙、少年が志村新八、少女が園田空だそうで。

分かると思うが、妙が姉で新八が弟だ。空は幼馴染みらしい。

 

銀時「俺もあの・・・マンガで言う登場シーンで尚且つ、原作突入だったんで、ちょっとはしゃいでたっていうか・・・」

銀時・穂乃果「調子に乗ってました。スンマセンでした」

妙「ゴメンですんだら、この世に切腹なんて存在しないわ。アナタ達のおかげでウチの道場は存続すら危ういのよ」

 

穂乃果は、それを言うんなら警察じゃ・・・と思ったが、言わないでいた。妙が怖い為だ。

 

妙「鎖国が解禁になって二十年・・・方々の星から天人が来るようになって、江戸は見違える程発展したけど、一方で侍や剣・・・(ふる)きに権勢を誇った者は、今次々に滅んでいってる」

空「ここの道場だってそうなんだって・・・」

妙「ええ、廃刀令のあおりで門下生は全て去り、今では姉弟と小さい頃からの私たちより年上の方の幼馴染みの三人でバイトして何とか形だけ取り繕ってる状態」

空「それでも、妙ねぇ達のお父様が残していった道場を妙ねぇ達はもちろんの事、わたしのお姉ちゃんだって妙ねぇのお父様にはいっぱい、お世話になったから、一緒にこの道場を護ろうと、今まで三人で必死に頑張ってきたの・・・それなのに・・・」

 

と、ここまで空が言い切った瞬間に・・・

 

妙「お前らのせいで全部パーじゃ、ボケェェ!!

新八「おちつけェェ、姉上!!」

 

と、持っていた剣を思いっきり振り上げ、叫びながら銀時達に振り上げた。

そして、それを必死に止める新八。空は、ほとんど見物状態だ。

 

銀時「新八君!!君のお姉さん、ゴリラにでも育てられたの!!」

穂乃果「待って!待ってよぉ!!お願いだから、おちついてェェ!!」

銀時「切腹はできねーが、俺らだって(ケツ)ぐらい持つって、ホラ」

 

そう言い、名刺を出す銀時。

 

妙「なにコレ?名刺」

空「これ、なんて読むの?」

妙「万事屋、坂田銀時?」

 

それを聞いて空は、万事屋ぁ?何するの?、と聞いた。

それに応えたのは、穂乃果だ。

 

穂乃果「万事屋は何でも屋って思っとけば良いよ」

空「へぇー」

銀時「こんな時代だ。仕事なんて選んでる場合じゃねーだろ。頼まれれば、何でもやる商売やっててなァ。この俺、万事屋銀さんが、何か困った事あったら、何でも解決してy・・・」

 

と、そこまで言ったが、速攻に姉弟二人にミンチされた。

まぁ、当然である。

 

妙「だーから、お前に困らされてんだろーが!」

新八「仕事紹介しろ、仕事!!」

穂乃果「銀ちゃん!!?」

銀時「お、おちつけェェ!!仕事は紹介できねーが!バイトの面接の時、緊張しないお(まじな)いなら教えてy・・・」

新八・妙「いらんわァ!

 

と、思いっきりダブルキックを受けた銀時。

そしてそんな銀時に駆け寄る穂乃果。

そんな二人を無視して話し始める新八。

 

新八「姉上・・・やっぱり、こんな時代に剣術道場やってくのなんて、土台無理なんだよ」

空「新にぃ・・・」

新八「この先、剣が復興することなんて、もうないよ。こんな道場、必死に護ったところで、僕らなにも・・・」

妙「損得なんて、関係ないわよ。親が大事にしてたものを子供が護るのに、理由なんているの?」

新八「でも、姉上。父上が僕らに何をしてくれたって・・・」

 

と、ここまで新八が言ったところで、大きい音をたてて道場のドアが壊された。

そこから奇声?を上げて入ってきたのは、キノコ頭の三人組だ。

 

「今日という今日はキッチリ金返してもらうで〜!!」

 

その中の真ん中のヤツを見て穂乃果は、キノコ頭だ・・・と思ったらしい。

 

「ワシ、もう我慢でけへんもん!イライラしてんねんもん!!」

 

と、キノコ頭のリーダー的な人が騒ぎ、それに怯えたように妙の後ろに隠れる空。

この様子を見て、声をかける銀時。

 

銀時「オーイ、借金か。オメーら、ガキのくせにデンジャラスな世渡りしてんな」

新八「僕達が作ったんじゃない・・・父上が」

妙「新ちゃん!!」

「何をゴチャゴチャぬかしとんねん!早よ、金持ってこんか、ボケェェ!!早よう帰って、ドラマの再放送見なアカンねん、ワシ」

 

その言葉に、慌てて答える新八。

 

新八「ちょっと、待って。今日は・・・」

「じゃかしーわ!!こっちはお前らのオトンの代から、ずっと待っとんねん!!もォーハゲるわ!」

 

この言い分に、何を思ったのか空が声を張り上げた。

 

空「何いってるの!?お父さんの代って、そんなに待ってないじゃん!おじいちゃんの代ならまだ分かるけどね!!大体、そんなキノコ頭なら、ハゲたほうがいいんじゃない?きっと、その方が二枚目になると思うけどね?」

妙・新八「空ちゃん!?」

「何やとぉ!?」

 

怒鳴られて様が、ホントの事いっただけじゃん!と言い分を訂正しないらしい。

何というか、何とも肝の座った性格をしてる様で。

因みに、これを見た銀時と穂乃果の反応はと言うと・・・

 

銀時「なかなか言うな、あのガキ

穂乃果「うん。一番、この中じゃ年下なのにね

 

と、こんな感じである。

因みに、本当に小声である為に誰にも聞こえない。

まぁそれは兎に角、無理やり話を戻すキノコ頭。

 

「ちっ・・・金払えん時は、この道場売り飛ばすゆーて、約束したよな!!あの約束、守ってもらおか!!」

妙「ちょっと、待ってください!!」

「なんや!!もう、ええやろ。こんなボロ道場。借金だけ残して、死にさらしたバカ親父に、義理なんて通さんでエエわ!!捨ててしまえ、こんな道場・・・」

 

と、ここまで言われて我慢ならなかったらしい妙がキノコ頭を殴った。

当然、そばにいた細身のキノコ頭に、抑えられる妙。

 

新八「姉上!!」

空「妙ねぇ!!」

 

殴られて、まぁ黙ってる理由(わけ)がないキノコ頭が、妙を殴り返そうとした所で、骨が軋む程の力でキノコ頭の腕を掴んで止めた銀時。

 

銀時「その辺にしとけよ。ゴリラに育てられたとはいえ、女だぞ」

穂乃果「そうだよ。そもそも、女の人を殴ろうなんて、サイテーだよ?」

「なっ・・・なんや、ワレらぁぁ!!この道場に、まだ門下生なんぞおったんかイ!!」

 

穂乃果は、門下生、じゃないんだけどな・・・、と思いつつ、黙って聞いていた。

 

「・・・ホンマにっ!どいつもコイツも。もうエエわ!!道場の件は・・・せやけどなァ、姉さんよォ。そのぶん、アンタに働いて返してもらうで」

 

と、そこまで言った所で懐から何かのチラシを出した。

 

「コレ。わしなァ、こないだから新しい商売始めてん。ノーパンしゃぶしゃぶ天国ゆーねん」

新八「ノッ・・・ノーパンしゃぶしゃぶだとォ!!」

「簡単にゆーたら、空飛ぶ遊郭や。今の江戸じゃ、遊郭なんぞ禁止されとるやろ。だが、空の上なら役人の、目はとどかん。やりたい放題や。」

空「ゆ、ゆうかく・・・?・・・ってなに?」

穂乃果「君は・・・えーと、空ちゃんだっけ?空ちゃんは知らなくてもいい事だよ」

 

この穂乃果と空のやり取りを見て、どう考えても十歳そこらの子供がいる所で話す話じゃないよな、と思う銀時。

まったく、その通りである。教育的にも悪いし。

 

「色んな星のべっぴんさん、集めとったんやけど、あんたやったら、大歓迎やで。まぁ、道場売るか、体売るかゆー話や。どないする」

新八「ふざけるな!そんなの行くわけ・・・」

妙「分かりました。いきましょう」

 

と新八の言葉を遮って、ほぼ即答と言ってもいい早さで答える妙。

それに、物凄く驚く新八。

 

「こりゃ、たまげた孝行娘や」

新八「ちょっ・・・姉上!なんで、そこまで・・・もういいじゃないか。ねぇ!!姉上!!」

妙「新ちゃん、あなたの言う通りよ。こんな道場、護ったっていい事なんて何もない。苦しいだけ・・・でもねェ、私・・・捨てるのも苦しいの」

空「妙ねぇ・・・?」

妙「もう、取り戻せないものというのは、持ってるのも、捨てるのも、苦しい。どうせ、どっちも苦しいなら、私はそれを護るために苦しみたいの」

 

そう言って、歩き始めた妙を止めたのは必要以上にあまり口を出さなかった空だった。

 

空「待ってよ!妙ねぇ!どこに行くの?その人達に、ついていくことが、道場を護るためなの?」

妙「・・・そうよ」

空「っ!ダメだよ!そんな人達についてっちゃあ!それに、まだ海未ねぇが、いるじゃん!海未ねぇなら、きっと何とかしてくれるよ!それなのに、海未ねぇの事も待たないの?」

妙「・・・ごめんね。空ちゃんから海未姉様に言っといてくれる?じゃあね」

穂乃果(・・・海未ねぇ・・・?)

 

 

 

 

妙が道場を去ってから、数分後ぐらいたってから、まるで妙とすれ違うようにして、ある女性が道場に慌てて来た。

 

「っ!?新八!!空!!」

新八・空「海未ねぇ!!」

穂乃果「う、海未ちゃん!?」

新八・空「・・・え?」

穂乃果「・・・うん?」

 

新八と空は、驚きに目を丸くして、え?海未ねぇの事、知ってんの?、と疑問を抱き、対して穂乃果は、え?何でそんなに驚いてんの?え?て言うか、まさか二人が海未ちゃんのキョウダイなの?ん?でも、妹だけって聞いたけど。いや、そう言えば、空ちゃんは海未ちゃんと同じ苗字だっけ?と長文よろしく、なちょっとの驚きと疑問を感じていた。

そして、そんな三人に負けず劣らずに海未もまた、驚いた。

 

海未「穂乃果・・・銀さんも。何故、ここに・・・?」

穂乃果「・・・そっか。海未ちゃんが前言ってた道場ってここなんだ・・・」

 

やばい、どーしよー、って事は海未ちゃんに迷惑かけちゃったって事だよね?私(って言うか銀ちゃんが)、海未ちゃんに迷惑かけちゃったよぉ〜!いや、海未ちゃん以外の人には迷惑かけていいなんて事はないけどね!!?

なんて、もんもんと考えてる穂乃果を横目に銀時が海未に話しかける。

因みに、空は海未の腰に抱きついてたりします。

 

銀時「何。ここ、お前ん家?」

海未「いえ、わたしの家は隣でして。ここは、幼馴染みの家なんです。もう分かると思いますけど、そこにいる空はわたしの妹で新八が幼馴染みなんです。あ、あの・・・それで、お妙は?そもそも、何で扉が壊れてるのですか」

新八「海未ねぇ・・・実は・・・」

 

何て、新八が海未に説明を始めてるウチに穂乃果をこっちに戻そうと、穂乃果の顔の前で手を振り、声をかける銀時。

 

銀時「おーい。穂乃果〜?いい加減戻ってこーい」

穂乃果「・・・はっ!?」

銀時「大丈夫か?」

穂乃果「う、うん。へーきへーき」

 

てか、顔近いよ!?、何て、顔をうっすらと赤らめつつ返事をする。

穂乃果が顔を赤らめてるのに、銀時は気づいたが、流石スルースキルヤバス。お得意のスルースキルでツッコまず、尚且つ気づかないフリをした。

因みに、このスルースキルは穂乃果の近くに昔っからいて、勝手に身に付いたとは、本人の談である。

 

 

 

 

ここ、志村邸の庭で木刀の素振りをしつつ、愚痴ってる輩がいる。

言わずもがな、新八である。

その様子を、呆れた様な目で見ているのが二人。

分かってると思いますが、海未と空の姉妹である。

 

新八「んだよ、チキショー!!バカ姉貴がよォォ!!」

海未「シスコンな新八君が何を言ってるんですかね」

空「海未ねぇ、妙ねぇに妬いちゃう?」

海未「まさか」

新八「父ちゃん、父ちゃんって、あのハゲが何してくれたってよ!たまにオセロやってくれただけじゃねーか!!」

 

と、そこで新八に声がかかった。

 

銀時「父ちゃん、ハゲてたのか」

新八「いや、精神的にハゲて・・・って、アンタらまだいたんですか!!」

海未「そもそも、穂乃果。何故、人様の家で本格的なクッキングに挑戦してるんですか!」

穂乃果「銀ちゃんに頼まれたし、私も糖分取りたかったし」

銀時「いや、定期的に甘い物食わねーとダメなんだわ、俺。何よりも、穂乃果お手製の甘い物は美味しい」

新八・海未「だったらもっとお手軽なもの(作れや!!・作ってください!!)」

空「わたしもケーキ食べたい!」

 

 

 

 

銀時「・・・ねーちゃん、追わなくていいのか」

新八「・・・知らないっスよ。自分で決めて行ったんだから」

海未「・・・新八」

新八「姉上もやっぱ、父上の娘だな。そっくりだ。父上も義理だの、人情だの、そんな事ばっか言ってるお人好しで。そこをつけこまれ、友人に借金しょいこまされて、のたれ死んだ」

 

海未は、そんな事ありません、と言おうと思ったけどやめた。新八がどんな気持ちか、少なくとも少しは自分だって分かる為だ。

 

新八「どうしてあんなにみんな不器用かな。僕はキレイ事だけ並べて、のたれ死ぬのは御免ですよ」

 

そう言いながら、新八の脳裏に浮かぶのは、最後に父が残した言葉とついさっき、妙が言っていた言葉だった。

 

新八「今の時代、そんなの持ってたって邪魔なだけだ。僕はもっと器用に生きのびてやる」

銀時「そーかい・・・でもよ」

穂乃果「私達にはとても、君が器用になんて見えないけどね?」

 

そう言って、銀時と穂乃果は同時に立った。

 

銀時「侍が動くのに、理屈なんていらねーさ。そこを護りてェもんがあるなら、剣を抜きゃいい」

 

銀時がそう言った後に穂乃果が微笑み新八に聞いた。

 

穂乃果「新八君、お姉さんは好き?」

 

その問に、涙を流しながら静かに頷いた。

それを見て、海未は安心したように微笑んだ。

 

 

 

 

銀時「しまった!スクーターは二人乗りだ!」

穂乃果「そうだった!当たり前の事だけど忘れてた!」

 

その二人の言葉に呆れたようにため息をついたのは、新八と海未だ。

 

海未「心配しなくても、あなた達はいつも通り二人で乗ってくれて良いですよ。なんせ、わたしも持ってるんで。ですから、わたしは新八と二人乗りしますよ。ああ、それとほら、あそこにあるでしょう?スクーター」

穂乃果「あ、ホント・・・だ・・・」

銀時「・・・」

 

海未が持っているというスクーターを見た瞬間、二人は絶句した。

新八は苦笑いをしている。海未は疑問符が浮かんでる。

 

穂乃果「ぎ・・・銀ちゃん・・・あれ、ちょっとお高いスクーターじゃない?

銀時「ああ、間違いない。少なくとも、俺らのよりはずっとお高いスクーターだろ

穂乃果「わ・・・私、前に銀ちゃんと海未ちゃんが話してる時の会話で生活に余裕がないって聞いたんだけど・・・?

銀時「ああ、俺もそう聞いた

 

まぁ、二人が小声で話してるが、そんなのに構ってる暇はないので海未が話しかけて、無理やり二人の話を切った。

 

海未「あの・・・二人して何を話してるかは、分かりませんが、早く行きませんか?」

銀時「あ、ああ・・・」

穂乃果「そ、そうだね・・・」

 

と、そこで海未の袖を掴んだのは空だ。

 

空「う、海未ねぇ・・・わ、わたしも・・・」

海未「行けません」

空「何で!?」

海未「危険だからです。それ以外に理由でも?大体、あなたはまだ幼い。オマケに、剣もからっきしです」

空「うっ・・・る、留守番してます・・・」

 

海未はその言葉に満足そうに微笑んだ。

 

 

 

 

新八「絶景の夕陽を見ながら天国へ。第一便、午後四時出航。ヤバイ!!もう船出ます!!海未ねぇ、もっとスピード出ないの!?」

海未「落ち着きなさい、新八。そもそも、相手はどれくらいの人数かも分からないんです。ですから、銀さんの運転と並行(へいこう)して運転するしかないんです」

新八「じゃ、じゃあもっとスピード出ないんですか!?」

 

と、銀時に向かって半場、叫ぶように聞く新八。

それに応える銀時。

 

銀時「いや、基本安全第一だから。転ぶと痛いし」

新八「んな事言ってる場合じゃないですって!!姉上がノーパンの危機なんスよ!!」

銀時「ノーパンぐらいでやかましーんだよ!!世の中にはなァ、新聞紙をパンツと呼んで暮らす侍もいんだよ!」

 

と、叫びながら受け答えしてる銀時と新八の斜め横?で海未と穂乃果が話してる。

 

穂乃果「海未ちゃんと空ちゃんって、あんまり似てないよね」

海未「ええ、血の繋がりが無いものでして」

穂乃果「え!?そうなの?」

海未「はい。昔、わたしが拾った子なんですよ、空は。空って名前は昔、わたしと新八、お妙の三人で考えた名前なんです」

穂乃果「そ、そうなんだ・・・」

海未「まぁ、本人も知ってる事実ですから」

穂乃果「へぇー」

 

なんて、呑気に話していた所で何故か警察が来た。

まぁ、理由はノーヘルでしょうけどね。何てたって、最近は新八が乗ってなかったという理由でヘルメットが見当たらなく、時間をこれ以上割ってる暇がないと言う所で銀時がヘルメットを新八に貸した為だ。当然、銀時はノーヘルである。

あ、因みに『』←これ、マイク?越しの声とか他にもテレビ越しの声とかです。

 

『そこのノーヘル、止まれコノヤロー。道路交通法違反だコノヤロー』

銀時「何言ってんスかー。この時代に道路交通法なんてねーっての!」

「いや、やっぱりそうなんだけどさ。転ぶと痛いよー。心配して言ってあげてるんだから」

銀時「大丈夫ですぅ、頭硬いからー」

「え!?何?人の親切にその態度!本当に痛いんだぞ!大変なんだぞ!」

銀時「うるせーな、かてーって言ってんだろ」

 

と、警察相手にずっつきをかました。

 

「ギャアアア!!鼻血が!!いい歳して鼻血出しちゃった!!」

穂乃果「銀ちゃんってば、ホントに石頭?」

 

と、そこで空を飛んだ船を見つけた四人。

 

新八「あ゛ー!ノーパンしゃぶしゃぶ天国・・・出発しちゃった!!」

海未「どーするんですか!?あんなに高く・・・」

新八「あ゛あ゛あ゛あ゛!!姉上がノーパンにぃ!」

「なんだとォ!!ノーヘルのうえ、ノーパンなのか貴様!!」

 

と、道路を走ってたパトカーを浮かせながら追ってきた警察が言った。

そして、それを見た銀時と穂乃果は何か思いついたらしくちょっと笑った。

そして、銀時が穂乃果に声をかけるのと、穂乃果がバランス良くスクーターの上に立ってパトカーに向かうのはほぼ、同時だった。

 

銀時「穂乃果!!」

穂乃果「任せてよ!銀ちゃん!!」

 

と、軽い身のこなしでパトカーの開いていた窓から身体を滑り込ませるように入って、相手が驚くまもなくドアを開け、木刀で開いてるドアの方に思っいっきり殴って落とした。

凄い早業である。

これを見た新八と海未は、唖然とした。

 

穂乃果「三人とも、早く乗って!大丈夫、運転は私に任せてよ!」

海未「・・・あの、それ強盗じゃあ・・・」

銀時「レンタカーだ」

新八「いや、どう考えても強盗以外の何物でもないですよ」

穂乃果「レンタカーだよ。ほら、早く!」

 

と、ここでこんな事言いあっていても意味が無いし、今は急がなければならないのだ。

だから、ここは気にしないでおこうとは、新八と海未の同意見だった。

パトカーの開いてるドアから、銀時がスクーターから飛び乗り、その後に海未の後ろに乗ってる新八の手を引いて乗せて、海未がおっかなびっくりと銀時の手に引かれパトカーに乗った。

え?スクーター?

・・・どうせ、次の話には元通りでしょう?って事で気にしたらいけない。

 

穂乃果「さーてと、三人とも!準備はいい!?」

銀時「おー、飛ばせ飛ばせ」

新八「準備って一体なんの・・・?」

海未「そもそも、穂乃果は運転出来るんですか?」

穂乃果「平気ー。私自身、あんまり運転する事は無いけど、免許は持ってるんだよね。色々な乗り物のね。大型免許とかもね。まぁ、スクーターも免許もってるから、運転出来るけど、生憎(あいにく)もう一台買う余裕なんてないし。元々、二人乗りしてもいいしね」

 

その言葉に、へぇー、と感心をした二人。

だが、次の穂乃果の言葉で顔が引き攣る。

 

穂乃果「まぁ、今はそーいうの気にしても仕方ないし、何よりこれから行くのは空の上だからね。っと言うわけで、すっごく飛ばして船に突っ込むから、舌噛まないようにね?」

新八・海未「え゛!?

 

と、次の瞬間には文字通り飛ばした。

その運転には、乗ってると恐怖しかないのに、運転する本人にはまるで迷いがない。

で、十分と経たず船に突っ込んだ。

 

「社長ォォォ!!何事ですかァ!?」

「車が・・・つっこんできよった!!アカンで、コレ、パトカーやん!!役人が嗅ぎつけて来よったか!!」

穂乃果「安心してよ。コレ、ただのレンタカーだから」

「!」

銀時「どーも。万事屋でーす」

 

ここまでは、ともかく・・・

 

海未「うっ・・・酔いました」

新八「ぼ、僕も・・・」

 

なんとも締まらない。

まぁ、あの運転じゃあしょうがないとは思うが。

さぁ、仕切り直しよろしく、とやり直し?た。

 

海未「お妙、無事ですか?」

新八「姉上!!まだパンツははいてますか!!」

妙「・・・新ちゃん!!海未姉様!!」

「おのれら、何さらしてくれとんじゃー!!」

 

その言葉に新八が言った。

 

新八「姉上を返してもらいに来た!」

「アホかァ!どいつもこいつも、もう遅いゆーのがわからんかァ!!」

海未「何言ってるんですか?大体アナタ、わたしのいない間にお妙を連れって言って。わたしがいたら、アナタなんて相手じゃないんですけどね?」

「じゃかしいわ!!大体新八、お前こんな真似さらして道場タダですまんで!!」

新八「道場なんてしったこっちゃないね。僕は姉上がいつも笑ってる道場が好きなんだ。姉上の泣き顔、見るくらいならあんな道場いらない」

妙「新ちゃん」

 

新八の言葉を聞いて怒鳴るキノコ頭。

 

「ボケがァ!!たった四人で何できるゆーねん!!いてもうたらァ!!」

銀時「オイ、俺達がひきつけといてやるから、てめーらは脱出ポッドでも探して逃げろ」

海未「わかりました」

新八「あんたらは!?」

穂乃果「 新八君はお姉さんを護る事だけ考えててよ」

銀時・穂乃果「(俺達は俺達の・私達は私達の)護り(てェ・たい)もん護る」

「何をゴチャゴチャぬかしとんじゃ。死ねェ!!」

 

と、キノコ頭に言われ銃を向けられたがそんなの関係ないように木刀を抜き二人でキノコ頭の仲間をブチのめす。

 

銀時「はイイイイ!次ィィィ!!」

穂乃果「来るならさっさとかかってきてよね!女だと思って甘く見てると、痛い目みるんだからね!」

「なっ・・・なんだコイツらぁ!?」

新八「何!?」

妙「でっ・・・でたらめだけど・・・」

新八「強い!!」

 

なぎ倒しつつ、声をかける銀時と穂乃果。

 

銀時「新一ぃぃぃ!!」

穂乃果「海未ちゃぁぁん!!」

銀時・穂乃果「(いけェェェ・いってェェェ)!!」

海未「はい!」

新八「新八だボケェェ!!」

 

そう言いつつ、妙の手を引っ張って走る新八と海未。

 

妙「新ちゃん、海未姉様!いいの、あの人達・・・」

海未「平気ですよ。あの二人ならば」

妙「でも、いくら何でも多すぎよ、敵が。何であそこまで、私達のこと・・・」

新八「そんなのわかんないよ!!でも、アイツらは戻ってくる!!だって、アイツらの中にはある気がするんだ。父上が言ってたあの・・・」

 

と、ここまで新八が言った所で後ろから叫び声が聞こえた。

良く見ると、それは銀時と穂乃果だ。

 

銀時・穂乃果「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!

新八「ホントに戻ってきた!!」

海未「ちょっ!穂乃果も銀さんも早すぎです!もうちょっと持たせれないんですか!?仮にも主人公でしょう!!ヒロインでしょう!?穂乃果に関しちゃあ、ラブライブキャラの中では一番強い設定でしょう!」

 

海未ちゃん、メタイよ!?、何て思いつつ穂乃果は銀時と一緒に反論する。

 

銀時・穂乃果「キツかったんだ!!思ったよりキツかったんだ!!」

新八「ちょっと!!頼みますよ!そんなに行数もってないじゃないですか!」

銀時「バカヤロー!!作者にとってはちっぽけな行数でも大変なんだぞ!!」

穂乃果「そうだよ!打ち間違えとか、ないかなって確認しつつ進めなきゃいけないんだからね!!しかも確認をしつつ、見逃した間違いとかもあるんだからぁ!!」

 

なんて言いつつ、走る。

 

銀時「いいから脱出ポッド探せ!!」

新八「ここは、動力室!?」

「いきどまりや。追いかけっこはしまいやでェ」

 

と、銃を向けるキノコ頭。

 

(あわ)れやの〜昔は国を守護する剣だった侍が、今では娘っ子一人護ることもでけへん(なまくら)や。おたくらに護れるもんなんて、もうなにもないで。この国も・・・空もわしら天人のもんやさかい」

銀時「国だ、空だァ?くれてやるよ、んなもん。こちとら、目の前のもん護るのに手一杯だ。それでさえ、護りきれずによォ。今まで幾つ、取り零してきたかしれねェ」

 

その銀時の言葉に穂乃果は何か思う所があったのか、銀ちゃん・・・、と呟いた。

そんな穂乃果の頭を一撫でして、微かに微笑み言葉を続ける銀時。

 

銀時「俺には、もう護るもん何てほんの少ししかねーがよォ。せめて、目の前で落ちるものがあるなら拾ってやりてェのさ」

 

と、そう言った銀時。

原作を読んでる人ならば分かるかもしれないが、原作とは言葉が違う。

この銀時の言葉には、今はまだ銀時しか意味を知らないのである。

 

「しみったれた武士道やの〜。もう、お前はエエわ・・・()ねや」

 

と、銀時達がいる方に銃を向けるキノコ頭だが部下に止められる。

どうやら、銀時達の後ろにある大きなものが動力源だそうで。

それを無視する形で銀時は動力源に登っていく。

 

銀時「よいしょ、よいしょ」

穂乃果「銀ちゃーん!頑張れー!」

「って・・・登っちゃってるよ、アイツ!!おいィィ!!ちょっ、待ちィィ!アカンで、それ!!この船の心臓・・・」

銀時「客の大事なもんは俺の大事なもんでもある。そいつを護るためなら俺ぁなんでもやるぜ!!

 

と、躊躇いなく木刀を原動力に振り下ろした。

それを見て、騒ぐキノコ頭軍団。

そして、落ちる船。

 

銀時「何、この浮遊感。気持ち悪っ!!」

穂乃果「うっ・・・酔いそう・・・」

新八「落ちてんのコレ!?落ちてんの!?」

〈ギャアアアアア!!〉

 

 

 

 

海未「はぁ・・・幸い、海の上だったから良かったものの、街に落ちてたらどーなってたことでしょうね」

新八「ホント、あんな無茶苦茶な侍見たことない」

妙「でも結局、助けられちゃったわね」

 

そう話してる三人の耳に何やら争い声が聞こえた。

 

銀時「んだよォ!!江戸の風紀を乱す輩の逮捕に協力してやったんだぞ!!」

穂乃果「そうだよ!大体パトカー拝借したのくらい、水に流してくれてもいいじゃん!!」

「拝借ってお前ら、パトカーも俺もボロボロじゃねーか!!ただの強盗だ、ボケ!」

銀時「元々ボロボロの顔じゃねーか!!」

穂乃果「そうだよ!てか、かえって二枚目になったんじゃない?」

「マジでか!!どのへん!?」

 

とか、話してる所を見つつ、新八は妙に話しかけた。

 

新八「・・・姉上、僕・・・」

妙「行きなさい。あの人達の中に何か見つけたんでしょ。行って見つけてくるといいわ。あなたの剣を

海未「お妙」

妙「私は私のやり方で探すわ。大丈夫、もう無茶しないから。私だって新ちゃんの泣き顔なんて見たくないからね」

新八「・・・姉上」

 

妙にそう言われた新八は、脳裏に父の最後の言葉を浮かべ、銀時達の方を向き走っていった。

その様子を見た妙は、海未に聞いた。

 

妙「海未姉様は良いの?」

海未「・・・何がですか?」

妙「あら、新ちゃんみたいにあっちに行かなくていいのかって事よ。だって、海未姉様もあの人達の中の何かを見つけたんでしょ?新ちゃんよりも前から」

海未「・・・わたしは良いですよ。なんせ、空の事はわたしが養わなければいけませんし」

妙「空ちゃんの事なら、いつも通り私に任せてくれてもいいのに。ただ時間が増えるだけだし」

 

その言葉に海未は、微かに微笑み再度否定の意味を述べた。

 

海未「いえ、空以外にもわたしには理由があります。約束をしたんです。おじ様と」

妙「・・・父上と?」

海未「・・・おじ様は早くに両親を無くしたわたしを養ってくれました。そんな、おじ様からの頼みなのです。お妙と新八をお願いと・・・そもそも、そんな約束が無くてもお妙はわたしの妹みたいなものですからね。そんなお妙に、一人で任せる事なんて出来ませんよ」

 

その言葉にお妙は、嬉しそうに微笑んだ。そして、そのまま背を向け一言海未に言って帰っていった。

と、そこで近くに穂乃果が来て海未に話しかけた。

 

穂乃果「ねぇ、海未ちゃん」

海未「何ですか?」

穂乃果「海未ちゃんと新八君ってただの幼馴染みなの?」

 

この言葉に海未は、酷く動揺した。

 

海未「え!?・・・い、いいい一体、ななな何なんですかァ!?」

穂乃果「んとねぇ〜・・・実はさっき、新八君が万事屋に入りたいって言ったんだ。で、銀ちゃんが勝手にしろって言って入ることになったの」

海未「は、はぁ・・・それが?」

穂乃果「その時、銀ちゃんが新八君に気になる事があるって聞いたの。お前と海未って、ただの幼馴染みって関係じゃないんだろって」

海未「す・・・鋭いんですね」

穂乃果「うん。自分の事に関しては鈍い所があるけどね。で、それどーゆう事?って、私も聞いたんだけど・・・新八君が何か顔を赤らめて穂乃果の事をチラチラと見て言いづらそうにしててね?それで、良く分かんないけど銀ちゃんが頷いて、私にあっち行ってろって言うの!私も聞きたいって言っても、ダメだって言うし!何回か粘ってる内に、海未に聞いてくれば良いだろ?って言われたから」

 

これを聞いて海未は、あの天パ・・・なんて事を穂乃果に言ってるんですか!!と思った。と、同時に察した。穂乃果はそーいう事には疎いのだと。

 

海未「・・・あんまり、言いふらさないでくださいね?恥ずかしいんで」

穂乃果「うん!」

海未「・・・新八とは、許嫁です」

穂乃果「・・・え!?許嫁!?」

海未「はい」

穂乃果「でも・・・そこそこ、海未ちゃんと新八君って年離れてるよね?」

海未「ええ・・・まぁ、七つ程・・・」

 

それを聞いて、さらに驚いた穂乃果。

 

穂乃果「な、七つも離れてる許嫁って珍しいね?」

海未「そうですね・・・まぁ、親同士が決めた許嫁ですが」

穂乃果「ほぉー変わった親御さんなの?」

海未「変わった・・・まぁ、変わったと言えば、変わってましたね。わたし達の親は昔っから仲が良かったんです。ですから、どっちかが女の子でどっちかが男の子だったら許嫁にしてしまおうと」

穂乃果「へぇー・・・でも普通、年の差考えててやめない?」

 

その言葉に海未は苦笑いを浮かべ、答える。

 

海未「わたしの両親も新八とお妙の両親も年の差婚でしたから。10程」

穂乃果「ああ・・・それで、年の差気にしないんだ?」

海未「ええ」

 

と、そこまで話した所で銀時と新八がちょうど良くこっちに来た。

 

銀時「穂乃果ぁー(けぇ)るぞー」

穂乃果「はーい!」

 

と、銀時に呼ばれ穂乃果は嬉しそうに返事をする。

海未はこれを見て、初めて穂乃果と銀さんに会った時から思ってたけれど、穂乃果は銀さんに呼ばれればとっても嬉しそうに返事するんですね、っと思った。

海未が言った通り、穂乃果は銀時に呼ばれれば本当に嬉しそうに尚且つ、幸せそうに微笑むのだ。誰の目からでも分かる通り。

 

穂乃果「じゃあね!海未ちゃん、新八君!新八君、明日待ってるから!」

新八「はい!」

 

 

 

 

穂乃果「ねぇ銀ちゃん、聞いた?」

銀時「あ?・・・ああ、許嫁って話?」

穂乃果「そっ!ビックリしちゃったよー」

銀時「お前、そーいう事には疎いからな」

穂乃果「うっ・・・け、経験がないからね!恋愛の!」

 

その言葉に、意味深(いみふか)げな笑みを浮かべつつ、俺も無いけどな、っと思いつつ言わないでいた。




銀時「ものっそい長いな。これ」
穂乃果「これからも、かなり長いのが多くなるかもね。なんせ、原作話はアニメと掛け合わせて書いたりしてるからねー」

まぁね。

穂乃果「じゃあ、早速今回のゲストを呼んじゃいまーす!」
銀時「今回のゲストはこの四人でーす」
海未「前回に引き続き、園田海未です」
空「その妹の空でーす!」
新八「二人の幼馴染みの志村新八です」
妙「その姉の志村妙です」

今回は、この四人がゲストです!

穂乃果「じゃあ、今回は新八君とお妙ちゃんと空ちゃんの設定かな?」

そうなるね。
じゃあ、早速いきまーす!







志村新八

知ってる人は知ってるであろう、銀魂の準主人公。
歳の差は7歳差だが、海未とは親同士が決めた許嫁。だか、本人は満更でもなさそう。尚、海未本人も新八と許嫁という事は満更でもないようで。
数少ない、ツッコミ役。大体は海未と一緒にいたら海未と交代制?にツッコむ。

歳━━━━16歳
容姿━━━眼鏡を掛けた地味中の地味って言うぐらい、地味な少年。
性格━━━基本的に純粋で優しく誠実だが、時には万事屋の仲間と一緒に悪ノリをする。普段は礼儀正しいが、ツッコミに関しては容赦がなく感情的になる。この年齢にしては驚くほどのしっかり者。悪く言えばお人好しかつお節介焼きである。シスコンかも?
一人称━━僕







よし!

新八「ちょっ!シスコンって・・・僕はシスコンじゃあ・・・銀時「じゃあ、次はお妙だな」」

そうだね!
じゃあ、はい!

新八「無視!?」







志村妙

新八の姉。
海未の事を、海未姉様と言い慕っている。

歳━━━━18歳
容姿━━━茶色の瞳にセミロングの茶髪をポニーテールにした美少女。
性格━━━暴力的な所があるが、優しい所もある。ストーカーには容赦ない。唯一の肉親である新八の事を大切に思っている。だが、海未の事は本当の姉のように慕ってるし、海未の妹の空、それから神楽の事も本当の妹の様に思ってる。
一人称━━私

原作では、何故かシリアスだとヒロインをやっていたりする。
ホントに謎だよね。うん。







よし!次は空ちゃんだね!

銀時「いや、最後の何?」

い、いや〜ほら、私って銀魂キャラのヒロインは絶対に神楽だよね!派だから。

穂乃果「あー・・・銀魂女子キャラは神楽ちゃんが一番好きって言ってたもんね」

そーそー。

妙「それはともかく、次は空ちゃんですね」

そだね。はい、どーぞ!







園田空

オリキャラで海未の妹。
昔、海未が拾った子供で名前は海未と新八と妙がつけた名前である。
自分が拾い子というのは、知っている。

歳━━━━10歳
容姿━━━可愛い顔立ちをしている。黒い髪にオレンジ色の目。着物は妙の様なものに薄赤色の様なものと言うのだけ分かっていて下さい。大雑把とか言わないで。あ、これ穂乃果の時も言ったかな?
性格━━━とても心優しい子。新八曰く、海未の教えの賜物(たまもの)。ちょっと、シスコン気味。
一人称━━わたし

新八と妙の事を本当の兄と姉のように慕っている。







と、今回はこんな感じだね。

穂乃果「うんうん!それにしても、空ちゃんっていい子だよね!」
銀時「ああ。海未の教えの賜物らしいな」

うーん?
考えようによっちゃァ、若いお母さんってのも考えれるかも。

銀時・穂乃果「確かに」
海未「三人とも何を言ってるんですか!?」

じゃあ、空ちゃんに新八にお妙はどう思う?

お妙「え?・・・そうですね。まぁ、大体は姉みたく思ってますけど、時々お母さんっぽくもありますね」
新八「確かに。海未ねぇはお母さんっぽい所ありますもんね」
空「うーん?海未ねぇは海未ねぇだけど、お母さんってこんな感じなのかなって思う時もあるかなー」
海未「え・・・」

ね?

穂乃果「うんうん」
銀時「これなら、いつ母親になっても平気だなー、海未?」
穂乃果「そうだねー?」

ちょ・・・二人共、笑顔が悪いよ。何か。
めっちゃニヤニヤしてるし。

海未「ちょっ!何を言ってるんですかぁ!?/////」
新八「うーん・・・でも、海未ねぇってホントにいい母親になりそうですね」
海未「え・・・/////」ふら・・・バタン
新八「え!?」

う、海未が倒れたぁ!?

空「海未ねぇ!?」
妙「海未姉様!?」
穂乃果「し、新八君ってば、意外と天然?」
銀時「ら、らしいな。これが、ラブ魂キャラ志村新八としての個性だろう」

・・・読者の皆様、新八の設定に天然って付け加えといてください。

銀時「じゃ、じゃあー次回予告に行こうか」
穂乃果「う、うん。海未ちゃーん!しっかり!!次の予告は海未ちゃんだよ!」
海未「はっ!・・・え、ええ。えーと・・・次回のラブ魂はバカ皇子のペットのペスを探す話です。大体、ペスを探す話はアニメベースになっております。あ、あと何でも、穂乃果の天然も炸裂させるらしいです。因みに、そこそこ長いかと思われます」





海未「はぁ・・・き、緊張しました/////」
銀時「いや、その頬の赤みは別の意味のだろ?何だ。何を想像したんだ?」ニヤニヤ
穂乃果「もしかして、新八君と一緒に・・・」

ここまで言ったところで、穂乃果の言葉は途切れた。
何故ならば、海未が怖い顔をして銀ちゃんと穂乃果の丁度間の所に何処からか持ってきた木刀を振るったからだ。

海未「何か・・・言いましたか?」
銀時・穂乃果「いいえ、何も 」
空「海未ねぇ、怖い・・・」
妙「・・・」
新八「海未ねぇ、どうしたんだろ」

さ、さぁ?

穂乃果「じゃ、じゃあ、次回のラブ魂もよろしくね!」


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第三訓 ペットは飼い主が責任を持って最後まで面倒を見ましょう

やっと来ました!

穂乃果「第三訓のラブ魂ー!!」
銀時「・・・ドンドンパフパフー・・・」
穂乃果・美雪「銀ちゃん、テンション低ーい!!」
銀時「うるせーよ!!お前らがテンション高いんだろーが!!」

えー?そーかなー?

銀時「そうだろ!!」
穂乃果「まぁまぁ、銀ちゃん落ち着いてよ。ほら、やっとの思いで第三訓までいったんだからね?」

そーそー!

銀時「・・・お前ら、話を重ねる毎に気があってきてるな」
穂乃果「え?そうかな?」

ホント?だとしたら、うれしいなー♪

銀時「ま、さっそく本編行かね?」
穂乃果「そうだね。そうする?」

そうだね。そうしよーう!
と、その前に一ついい?

穂乃果「え?何?」

はい、このカンペ読んでくれる?
二人で。

穂乃果「え?まぁ・・・いいよー!えっと・・・読者の皆様に言いたい事があります」
銀時「作者は作文力がないため、オリジナル話になると短くなる可能性があります」
穂乃果「?・・・ですが、もし〇〇(誰々)〇〇(こーゆう話)がみたいなどありましたら、感想の方に言って下されば頑張って書かせていただきたいと思います」
銀時「なお、作者が知ってるアニメなどは偏りがあると思いますが、数話限りの短編としてクロスオーバーもしたいと思います。・・・マジで?」

マジで。
まぁ、どれも読者がいなきゃなりたたない様な案だけどね。
何より誰かの話を見たいとか、クロスオーバーを見たいとかも読者様が思わなきゃ出来ないし。
あ、あとは暫くたたないと、ていうか少なくとも50はリクエストとかも来ないかもね。

穂乃果「思い切ったこと言うね。美雪ちゃん」

まぁね。あ、本編に行こうか。
はい!二人共お願い!

銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!!」


ここ、万事屋銀ちゃんに尋ね人が一人。

と言っても、お客様ではない。

下のスナックお登勢をやっている、万事屋銀ちゃんの大家であるお登勢だ。

どうやら、溜まった家賃の回収に来たようで。

 

お登勢「くぉら!!能無し天然パーマァ!!今日こそ溜まってる家賃、耳を揃えてきっちり払ってもらうからねェ!!」

 

と、気だるけに出てきた銀時。

 

銀時「あー・・・分かった、分かった。しょーがねーなー」

 

と言い懐に手を入れてお金を出し、お登勢の手の上に落とした。

が、そこにあるお金は230円だけだった。

 

銀時「アディオース」

 

そのまま家の中へ入ろうとしたが当然、それだけで黙っているお登勢ではない。

閉められたドアを開けて銀時の首袖を掴んで文句を言った。

 

お登勢「こらぁ!何が230円だよ!!ジャンプと勘違いしてんじゃねーよ、クソガキ!!」

銀時「ねーんだよ!!それしかねーんだよ!!それくらい察しろ、鈍感女!!」

お登勢「金がねーんなら、金持ちのババァ一人や二人(たぶら)かしてこい!!この玉無し天然パーマ!!」

銀時「何時までも、金金金金ちっちゃい事言ってんじゃねェ!!テメーが誑かされたいんならそう言えや、欲求不満だなァ?」

お登勢「あぁ?あたしに────」

 

っと、そこまで言った所で穂乃果が来た。

 

穂乃果「二人共、近所迷惑だよ。ごめんね、お登勢さん。もう、ホントにお金ないの」

お登勢「・・・じゃあ、あと一日待ってやるよ。それで、払えなかったら、マジ出てってもらうからねぇ!?あ、穂乃果は置いてけよ」←

銀時「お前ホントに穂乃果好きだな!!?

 

 

 

 

新八「どーすんスか。ジャンプ買う230円まで持っていかれて。今月の僕の給料、ちゃんと出るんでしょーね。頼みますよ。僕んちの家計だってキツいんだから」

 

と、銀時がそんな事を言う新八に聞く。

 

銀時「新八」

新八「はい?」

銀時「お前、彼女いなかったけ?海未はいるけど、アレ許嫁だしな。それも、親が決めた」

新八「ん?何ですかいきなり」

銀時「年上の女性と付き合う気ない?お登勢って言うんだけど」

穂乃果「え?」

 

銀時の言葉に、ウフッって言ったお登勢を思わず浮かべる新八。

それを慌ててかき消して叫ぶ。

 

新八「付き合うかァ!!つか人の青春なんだと思ってるんだよ!!」

銀時「カリカリすんなや。金はなァ、がっつく奴の所には入ってこねーもんさ」

新八「ウチ、姉上が今度はスナックで働き始めて寝る間も惜しんで頑張ってるんスよ・・・海未ねぇだってバイト増やしたらしいし・・・」

 

と、そんな新八の話はどーでもいいのか聞いてない銀時。

 

銀時「アリ?映りワリーな」

穂乃果「うーん?寿命が近いのかな」

新八「ちょっと!きーてんの?てか、穂乃果さんまで」

 

そう聞いてくる新八に、聞いてるよっと言う風に聞く穂乃果。

 

穂乃果「海未ちゃん、バイト増やしたって事はしばらく遊びに来れないんだね」

新八「ええ。今まで空ちゃんがいたからそうでもなかったんですけど、その空ちゃんが自分の事気にしないで無理しない程度にバイトをやってって言いまして」

穂乃果「おー随分と出来た妹だね」

新八「海未ねぇの教えの賜物(たまもの)です。言っときますけど、空ちゃんに変な事を教える様なら、海未ねぇがボコしますんで、気を付けてくださいよ」

 

うん、っと頷きつつ、海未ちゃんってシスコン何だな、っと思った穂乃果。

 

銀時「オ・・・はいった」

穂乃果「やったじゃん。まだ使えるね」

『───大江戸温泉に現れた、謎の巨大生物は数時間もの間周辺の施設を破壊し、突如姿を消した模様です』

銀時「オイオイ、またターミナルから宇宙生物(えいりあん)侵入か?」

穂乃果「最近多いよねェ」

新八「宇宙生物(えいりあん)より、今はどーやって生計たてるかの方が問題スよ」

 

と、そこでインターホンがなった。

銀時はお登勢だと思ったらしく、ババア・・・、と言い穂乃果の止める声も聞こえない風に一目散に玄関へと走っていった。

 

銀時「金なら、もうねーって言ってんだろーが腐れババア!!

 

と、そこで銀時を追ってきた穂乃果が銀時が蹴った人を見て、あーあー、と呟いた。

 

銀時「あれ?」

「局長ォォ!!」

「貴様ァァ!!何をするかァァ!!」

銀時「スンマセン。間違えました。出直してきます」

 

と戻ろうとしたが当然、待てと言われる。しかも、銃まで向けられる始末だ。

 

穂乃果「銀ちゃん!」

「貴様らが万事屋だな。我々と一緒に来てもらおう」

銀時「・・・わりーな。知らねー人にはついていくなって、母ちゃんに言われてんだ」

幕府(おかみ)の言う事には逆らうなとも、教わらなかったか」

穂乃果「あなた達幕府の・・・!?」

「入国管理局の者だ。アンタらに仕事の依頼に来た、万事屋さん」

 

 

 

 

ここ、入国管理局と言う者達の車の中だ。

その後ろの席には、左から銀時・穂乃果・新八の順で座って話している。

 

新八「入国管理局の長谷川泰三って言ったら、天人の出入国の一切をとり締まってる幕府の重鎮ですよ」

穂乃果「そうだね。そんな幕府の大物が何の用なんだろうね?」

銀時「何の用ですか、重鎮さん」

長谷川「万事屋つったっけ?金さえ積めば何でもやってくれる奴がいるって聞いてさ。ちょっと仕事、頼みたくてね」

 

その言葉に銀時と穂乃果は言う。

 

銀時「仕事だぁ?幕府(てめーら)、仕事なんてしてたのか」

穂乃果「街、見てみたら?天人達が好き勝手やってるよ」

長谷川「こりゃ手厳しいね。俺達もやれる事はやってるんだがね。なんせ江戸が、これだけ進歩したのも奴らのおかげだから。おまけに地球(ここ)をエラク気に入ってるようだし、無下には扱えんだろ。既に幕府の中枢にも天人は根を張ってるしな。地球から奴らを追い出そうなんて夢は、もう見んことだ。俺達に出来ることは奴らとうまいこと共生していくことだけだよ」

穂乃果「共生、ね・・・あなた、そんな事やってて楽しいの?」

 

その穂乃果の言葉には答えず、黙りとする長谷川。

とりあえず、話を進めようと銀時が依頼内容を聞く。

 

銀時「まぁ、いいや。で、俺達にどうしろっての?」

長谷川「俺達もあまり派手に動けん仕事でなァ。(おおやけ)にすると幕府の信用が落ちかねん。実はな、今幕府は外交上の問題で、国を左右する程の危機を迎えてるんだ。央国星(おうこくせい)の皇子が今地球(ここ)に滞在してるんだか。その皇子がちょっと問題を抱えていてな・・・それが・・・」

 

 

 

 

ハタ「余のペットがの〜いなくなってしまったのじゃ。探し出して捕らえてくれんのォ」

 

そう言われた瞬間、踵を返す三人。

その三人に長谷川が叫んで止める。

 

長谷川「君ら万事屋だろ?何でもやる万事屋だろ!?いや、わかるよ!わかるけどやって!頼むからやって!」

銀時「うるせーな。グラサン叩き割るぞ、うすらハゲ」

長谷川「ああ、ハゲでいい!!ハゲでいいからやってくれ!!」

穂乃果「なんで、私達がそんな事・・・」

長谷川「ヤバイんだよ。あそこの国からは色々、金とかも借りてるから幕府(うち)

銀時「しらねーよ、そっちの問題だろ」

穂乃果「ペットぐらいで滅ぶ国なら滅んだ方がいいよ」

ハタ「ペットぐらいとはなんじゃ。ペスは余の家族も同然ぞ」

銀時「だったらテメーで探してください、バカ皇子」

 

そう言った銀時の口を勢い良く塞ぐ長谷川。

 

長谷川「オイぃぃ!!バカだけど皇子だから!!皇子なの!!」

穂乃果「出てった奴の事なんか忘れて、新たな恋の準備するのが今時の強い女だよね」

長谷川「振られてないし!女でもないから!!バカだけど皇子だから、コレ!!バカだけと!!」

新八「分かってますって。バカだけど皇子何でしょ」

長谷川「そう!バカだけど皇子!!」

穂乃果「そっか!バカだけど皇子なんだね!!」

銀時「それって、バカ王子って事だろ」

長谷川「違うから!バカだけど皇子だから!!」

 

とそんな事を言い合う四人にバカ皇子の近場にいるジィが声を上げる。

 

ジィ「貴様らァ!バカバカって、バカ皇子に失礼だろ!!」

ハタ「って、お前もバカって付けてるんじゃん」

新八「大体そんな問題、アナタ達だけで解決出来るでしょ」

長谷川「!・・・ああ、こっちはこっちで色々あってな。これぐらいの事、万事屋さんなら問題ないだろ」

銀時「いや、いくら万事屋と言ってもなァ。幕府(おかみ)に尻尾振って、お偉い様のくだらねェ使いっ走りさせられるほど、自分を見失っちゃいねェ。行くぞ穂乃果、新八」

穂乃果「うん!」

 

と最終兵器の如く、何かを取り出し中を見せた。

 

長谷川「因みに謝礼は、たっぷり払わせてもらうつもりだがな」

 

これを見た銀時と穂乃果が手のひら返し。

 

銀時「で、どうすればいいんですか!!」

穂乃果「何でも言ってください!!何でもします!!」

新八「早すぎるよ!!もうちょっと悩もうよ!!」

 

で、長谷川が出した写真にはピンクのタコっぽい宇宙生物(えいりあん)だ。

 

長谷川「探して欲しいのは、このペスと言うタコみたいな宇宙生物(えいりあん)だ。おそらく街をうろついている。とにかく、今日中に生け捕って無傷でここに連れてきてくれ」

 

 

 

 

新八「いくらペスがタコっぽいからって、港なんかにいるんですかね」

銀時「いいんだよ。何でもいいから一つキッカケを掴んで、そこから切り崩すんだ」

穂乃果「まぁ他に探す所もないし、ここいらで人に聞くのもいいんじゃない?」

 

と、そこで新八がタコが入ってるタコ壺を見て提案した。

 

新八「タコ壺!アレをその辺に仕掛けて待っていたらどうですか?」

銀時「あー?告白できない中学生ですか?待ってるだけじゃ、恋もタコ探しも成就しねーの」

穂乃果「それに、待ってるだけってつまんなーい」

銀時「くだらねー事言ってねーで行くぞ」

 

 

 

 

で、早速誰かに聞こうと言うところで、近くにいたタコを捕まえる人に写真を見せて聞いた。

が、海のタコは分かるが、(おか)のタコだと分からないので(おか)のタコ屋に聞いてくれと言われた。

なので、たこ焼き屋さんにたこ焼きを買って食べつつ写真を見せて聞いた。

そしたら、サブと呼ばれた人が

 

サブ「あー・・・表通りのスナックに確かこんな子が・・・」

 

と言ったので、その表通りのスナックに行ったが、そこにいたのは人だった。

が、銀時と穂乃果の反応がまるでペスを見つけたみたいな感じだった。

 

「で、あたしに何のよう?」

銀時・穂乃果「ペスだァ!!」

新八「惜しいけど違うでしょー!?」

銀時「いや、何かさァ、この目のあたりとか似てない?君、お父さん似?」

穂乃果「お母さん似だね!」

新八「違うから!!一応、人だから!」

「てゆーか、お前ら全員バカにしてんの!?」

 

そんな言い分を無視して銀時と穂乃果が言う。

 

銀時「よし分かった。お前は今日からペスだ」

ヴァネッサ「はぁ?あたし、ヴァネッサだから」

穂乃果「よし、今日からあなたはヴァネッサと言う名のペスだよ」

ヴァネッサ「普通のヴァネッサでいいから」

銀時「まぁ、取り敢えず付いてきてくれや」

新八「だから、連れていかなきゃいけないのは宇宙生物(えいりあん)のタコだってば!」

ヴァネッサ「宇宙生物(えいりあん)のタコ?」

新八「え?知ってるんですか?」

ヴァネッサ「そう言えば、さっきタコみたいな野良宇宙生物(えいりあん)を保健所が捕まえたって言ってたな。お店の子が」

 

っと、そこまで言った所でその保健所のトラックが後ろを通っていた。

後ろからは、タコの足みたいなのが出てる。

 

銀時「穂乃果、新八!行くぞ!!」

新八「はい!」

穂乃果「じゃあね!ペス」

ヴァネッサ「いや、ヴァネッサだから!!」

 

そう言い残して、銀時の押してたスクーターに三人乗りをして追いかけた。

 

新八「銀さん!もっと急がないと、追いつかないよ!」

銀時「心配するな。追われるより追うほうが楽しいから。恋に恋して少女は大人になっていくんだァ!」

穂乃果「あ!いたよ!」

 

ここで、ラストスパートの如くスクーターのスピードをあげる銀時。

当然、急に止まれるわけがなく、信号で止まったトラックにモロにぶつかった。

なんとか無事だったものの、その時になって銀時が墨をかけられて気づいたが・・・

 

穂乃果「あれ?これ、タコじゃなくてイカだね?」

銀時「あ・・・ホントだ・・・」

 

だったのである。

 

 

 

 

次の作戦は、良く分からんがタコ壺らしい。

何故か大きいタコ壺を置いて、その中に三人で入って待つらしいです。

そん中で、会話をしている三人。

 

銀時「いいかぁ。追われてる奴ってのは失恋したての乙女並みにデリケートだ。深追いはいかん」

穂乃果「そーゆうもんなの?私は良く分かんないけど」

新八「てーゆうか銀さん・・・散々探して、結局タコ壺じゃないっスか」

銀時「タコは壺の中が好きだからな」

新八「てか銀さん。このアイディア、最初に僕が言った奴じゃないですか」

銀時「ちょっと違うんだな。探してダメならのんびり待とう、ホトトギス」

新八「探すの面倒になっただけじゃん!!」

 

壺を揺らす程のツッコミをした後、新八は改めて銀時に聞いた。

 

新八「あんなにあっちこっち探してダメだったのに、こんなんで大丈夫ですかね?」

銀時「大丈夫さ。まぁ、その・・・えっと、あれだ、大丈夫だよな?」

 

と、穂乃果に聞く銀時。

 

穂乃果「え?・・・ど、どうかなぁ?」

新八「あなた、責任って言葉知ってますか?」

穂乃果「男がこれだと、愛した女はいずれ去っていくって聞いたよ?」

銀時「誰に」

穂乃果「お登勢さん」

銀時「(あのババァ・・・)ま、心配するな。甘く囁けば女でもタコでも尻尾振ってやってくる」

穂乃果「女に尻尾はないよ」

銀時「タコにもないだろ」

新八「自分で言ったんだろォ!?」

 

と、新八のツッコミが炸裂した所で、いきなり壺にピンクの何かが入ってきた。

 

新八「嘘ぉー!?ホントに来たァ!!」

銀時「えっと・・・どちらさん?」

穂乃果「ヴァネッサ?」

新八「ちげーよ!!ペスですよ、ペス!!」

銀時・穂乃果「・・・ペスゥ?」

 

三人でペスを捕まえようとするが、暴れたからか壺の中からペスが逃げ、しかも出る時に三人同時に出た為にハマって抜けなくなってしまった。

 

銀時・穂乃果・新八「待てコラァ!!」

銀時「おい、揺らすな!彼氏に冷たくされた後、ほかの男に優しくされた乙女心じゃねーんだぞ!!」

穂乃果「その状況だと、二番手の男の方が有利だね!それは私にも分かるよ!」

新八「この状況だと、ペスを追いかける方が先決でしょ!?」

 

と、言い合いつつ抜けようともがいてるが、なかなか抜けない。

 

新八「どうすんスか!抜けないじゃん!!」

銀時「ああー!もう、このまま転がっちまえ!!」

穂乃果「ええっ!?」

 

と、壺ごと転がっていく三人。

しかも、途中で坂になっていて勢いがつくのなんのって。

だが・・・

 

新八「ペス早っ!!これじゃ追いつかないってばー!!」

穂乃果「追いつかない以前にコレ、ブレイキーとかもないけどー!?」

銀時「バカヤロー!走り出した思いは誰にも止められないんだよ!!これで捕まえれなかったら金持ちババアと付き合えや、新八!!コノヤロー!!」

新八「何で僕の責任なんですか!?」

 

と、そこまで言った所で下は行き止まりになっていた。

当然、いきなり止まれるわけがないのでモロにぶつかった。

ペス?ペスは・・・

 

新八「あ゛あ゛ーー!!潰しちゃったよ、ちょっとー!!」

 

と、いう訳である。

 

銀時「騒ぐんじゃねぇよ。取り敢えず落ち着いて、たたたたタイムマシン探そう」

 

と、自販機の入口に手を入れる銀時。

 

新八「アンタが落ち着けー!!」

穂乃果「うわ・・・見事にペラッペラだね」

 

 

 

 

銀時「待たせたな。ご注文の品だ」

 

と、ペラッペラなペスを差し出す。

 

ハタ「あー!?ペスー!!」

長谷川「ってこれ、死んでんじゃん!無傷どころか、顔色変わってんじゃん!!」

銀時「大丈夫だ。化粧してみたくなる年頃なだけだ。思春期にはある」

穂乃果「宇宙生物(えいりあん)の癖に壺で潰されたくらいでこんなになるなんて、なんて弱っちいんだろうね」

長谷川「潰したってか!?お前らがやったってか!?」

銀時「まだ死んでねぇっての」

穂乃果「虫の息だけどね」

長谷川「虫の息なのはイカンっつの!!」

 

と、そこでハタの近場のジィがしゃべる。

 

ジィ「無傷ではないのはともかく、これ以上被害が拡大しなかったのは不幸中の幸いだったな」

新八「被害?どうゆう事ですか?」

ジィ「アレの元いた惑星の海は温度が高くてな、ペスはお湯をかけると元の大きさに戻るのだ」

新八「お湯?」

 

と、喋ってる新八達の横で鍋にペスを入れてる穂乃果。

 

ジィ「わぁー!?何やってるんだ、お前!!」

穂乃果「え?だって、お湯をかけると元に戻るんでしょ?」

 

と、天然を炸裂させる穂乃果。

 

長谷川「今こんな所で、天然なんて炸裂させ無くてもいいだろ!?つか、天然だったのか!?お前!!」

 

と、どんどん大きくなるペス。

 

長谷川「ば、バカ野郎」

新八「ぺ・・・ペスゥゥ!?ウソぉぉぉぉ!!」

長谷川「言ったじゃん!!今言ったばっかじゃん!!」

銀時「ほら見ろ。生きてたじゃねーか」

長谷川「この状況で威張るな!!」

新八「でかくなるなんて言ってなかったじゃん!」

長谷川「言ってないよ?聞かれてないもん」

穂乃果「あー・・・元のって、こーゆう感じだったの?ごめんね、銀ちゃん」

銀時「いやいや、お前の天然なんて今に始まった事じゃないだろ」

 

と、ここで新八がある事に気がついた。

 

新八「あっ!!テレビで暴れてた謎の生物ってコレ!?こんなんどーやって捕まえるの!!っていうか、どーやって飼ってたわけ!?」

ハタ「ペスはの〜秘境の星で発見した未確認生物でな。余に懐いてしまったゆえ、船で牽引してつれ帰ったの───」

 

言ったそばから、ペスに足で蹴られて、じゃふァ!!、っと叫びながら飛ばされるバカ皇子。

 

新八「全然懐いてないじゃん!!」

 

新八のツッコミが炸裂した所で、市街地に出ようとするペス。

そのペスの前に立ちふさがる銀時と穂乃果。

 

新八「銀さん!!穂乃果さん!!」

銀時「新八、しょう油買ってこい。今日の晩ごはんはタコの刺身だ」

穂乃果「銀ちゃん、私はタコ焼きがいいなぁ・・・お店で食べたタコ焼きも美味しかったしさ」

銀時「ああ、そうだな、それが良い。さーてと・・・」

銀時・穂乃果「いただきまーす!!」

 

と、走り出した所で長谷川からの足掛けをされ、邪魔が入る銀時。

穂乃果も転んだ銀時にビックリして思わず止まった。

 

銀時「いだだだだ!!何しやがんだ!!なぁ穂乃果、脳ミソ出てない?コレ」

穂乃果「え?だ、大丈夫。脳ミソは出てないよ」

長谷川「手ェ出しちゃダメだ。無傷で捕まえろって皇子に言われてんだ!!」

穂乃果「無傷って・・・」

銀時「できるかァそんなん!!」

長谷川「それを、何とかしてもらおうとアンタら呼んだの」

銀時「無理、無理!無理だって!!」

穂乃果「たしかに私達は万事屋だけど!でも、出来ない事だってあるんだよ!?」

 

そこまで言い合っていた所で新八の悲鳴が聞こえた。

悲鳴が聞こえた方を見るとタコに捕まった新八がいた。

 

銀時・穂乃果「(新八・新八君)!!」

 

動こうとした銀時の頭に銃を向ける長谷川。

銃を向けられてる銀時はもちろん、新八を助けようと動いた穂乃果も動くに動けない。

 

長谷川「勝手なマネするなって言ってるでしょ」

銀時「てめェ・・・」

長谷川「無傷で捕獲なんざ、不可能なのは百も承知だよ。多少の犠牲が出なきゃバカ皇子は分かんないんだって」

穂乃果「アレの処分許可得るためにウチの助手エサにするっての?・・・冗談じゃないよ。海未ちゃんに新八君の事、頼まれてるしね」

銀時「どーやら幕府(てめーら)、ホントに腐っちまってるみてーだな」

長谷川「言ったろ。俺達は奴等と共生していくしかないんだってば。腐ってよーが、俺は俺のやり方で国を護らしてもらう。それが、俺なりの武士道だ」

銀時「クク、そーかい。んじゃ俺は俺の武士道でいかせてもらう!!」

 

と、向けられた銃を蹴った。

そのスグ後に、穂乃果も言う。

 

穂乃果「私だって、私なりの武士道を持ってるよ!だから、私だって自分の武士道でいくんだ!!」

 

その言葉を合図に、銀時と穂乃果が一斉に木刀を片手に走る。

 

長谷川「待てェ!!たった一人の人間と一国・・・どっちが大事か考えろ!!」

銀時「しったこっちゃねーな、んな事!!」

 

向かってくる足を木刀で叩きつつ、ジャンプした拍子に新八へと叫ぶ銀時。

 

銀時「新八ィィィ!!気張れェェェ!!」

新八「ふぐっ!!気張れったって・・・どちくしょォォ!!

穂乃果「幕府が滅ぼうが国が滅ぼうが、関係なんてないんだ!!」

銀時「俺達は、自分(てめー)肉体(からだ)が滅ぶまで背筋伸ばして生きてくだけよっ!!」

穂乃果「新八君っ!!もうちょっとだけ、頑張って!!」

 

そう穂乃果が言った直後、銀時がタコの口の中に入っていって、それとほぼ同時に穂乃果が新八を掴んでる足を木刀で切って、素早く新八の手首を掴んで引っ張りながらそのまま重力に逆らわずに割と地面スレっスレまでいった。

それなのに、何故か新八を抱えてるにも関わらず、上手い具合に地面に着地した穂乃果。

それを見て、穂乃果さんって男前すぎでしょ、とか新八が思ったとか思ってないとか。

 

穂乃果「新八君、大丈夫?」

新八「ええ・・・まぁ、はい。大丈夫です。ありがとうございます。銀さんは?」

穂乃果「銀ちゃんなら・・・」

 

と、穂乃果がそこまで言った所で、いきなり血を吐いたペス。

ペスの口の中からは血まみれの銀時。

まぁ、ここら辺一帯にいる人達は少なからず血を浴びてるが。

 

穂乃果「銀ちゃぁーーーん!!平気ーー?」

銀時「おー!こっちは平気だ!!そっちは?」

穂乃果「新八君は大丈夫だよー!!」

新八「え!?」

銀時「いや、そっちもだけどお前はー!?」

穂乃果「??私も大丈夫ー!!」

 

なんていう、穂乃果の鈍感発言を交えつつ話してるそばでは、ハタが絶叫を上げ、長谷川に文句を言っている。

 

ハタ「長谷川!!無傷で捕らえよと申したはずじゃぞ!どう責任を取ってくれるか!!国際問題じゃ、これは!!オイ、聞いておるのか!今回の件は父上に報告させてもらうぞ、長谷川!!」

長谷川「・・・せーよ」

ハタ「な?」

長谷川「うるせーって言ってんだ!!このムツゴロー星人!!」

 

いきなり叫びハタを殴る長谷川。こいつ、バカである。

 

銀時「あ〜あ!いいのかな〜んな事して〜」

長谷川「しるか、バカタレ。ここは侍の国だ。好き勝手させるかってんだ」

穂乃果「んー・・・でも、もう天人取り締まれなくなるんじゃない?」

長谷川「え?」

新八「そうですね。間違いなくリストラですよ」

銀時「バカだな。一時のテンションに身を任せる奴は身を滅ぼすんだよ」

穂乃果「もうちょっと、考えてから行動しなきゃね?」




はい!ペスの話だったね!

穂乃果「そうだね!あ、そう言えば、今回のゲストは誰?」
銀時「今回のゲストは()()同様、この二人デース」
穂乃果「?・・・前回同様??」

はい!今回のゲストです!

妙「はい。今回もゲストのお妙です」
空「同じく!ゲストの空です!」
穂乃果「あれ!?今回、ラブ魂で出てきた新キャラは?」

何言ってんの、穂乃果。

穂乃果「え?」
銀時「そうだぞー。今回、誰出てきたよ?」
穂乃果「えーと・・・お登勢さんに、長谷川さんにバカ・・・じゃなくて、ハタ皇子に近場のジィさん」
銀時「そうだ。今回出てる奴らは皆、設定書くまでもないだろ」

そうそう。

穂乃果「え?そ、そうかなー?」

そうだよー!
読者様には、登勢さんは重度のほのキチで、マダオ(長谷川さん)長谷川さん(マダオ)で、ハタ皇子はバカで、近場のジィもバカって事を分かってくれればいいんだよ!

穂乃果「い、意外と毒舌だね?」
妙「て言うかさっそく私と空ちゃん、空気なんですけど。何なんですか、殺しますよ?」

((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
す、すいませんっしたーー!!

空「あ、あはは・・・」
穂乃果「まぁ、ともかく!設定書かなくてもいいんなら、さっそく予告しようか?」

そうだねー!

銀時「じゃあ、お妙と空の二人でよろしくな」
空「うん!」
妙「次回のラブ魂は、銀魂原作のヒロイン登場回です。まぁ、真のヒロインはこの私ですけどね?」
空「あはは・・・それは、ともかく!寄りは漫画寄りな為、ちょっと短めかもしれません。あくまで、作者の感性で 」
妙・空「次回のラブ魂もお楽しみに!!」





新八「いや、ちょっと待てェェェェ!!」

わっ!どうしたの?

穂乃果「もう!新八君、いきなり叫ばないでよ。びっくりしたじゃん」
新八「あ、ごめんなさい。って、そうじゃなくて!!おかしいですよ!これ!」

何処が?

新八「いや、おかしいですよね!?だって、前回は海未ねぇが予告をやりました。それは、まぁ出た順番からしてもおかしくはないでしょう。でも!今回の予告!これは、おかしいですよ!」
銀時「あ?何が?」
新八「だぁーかぁーらぁー!僕は仮にも準主人公ですよ!?なのに、出た話が一緒の二人の方が予告を先って・・・どう考えたって!」

・・・よーし!終わろうか!

銀時「そうだなー。俺も早くジャンプ読みたいし」
穂乃果「うんうん」

と、言う訳で次回の投稿も気長に待ってくださいね!

新八「えっ!?ちょっ、まっ───」

























穂乃果「あれ?いつもはない空白だね?」

・・・投稿さって気づいた・・・
土曜日に予約投稿さったと思ったら、月曜日だったわ!

銀時「・・・ま、まぁ・・・そーいう事もあるだろ。偶には、な?」

以後、こういう事のないように気を付けます。


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第四訓 ジャンプは時々土曜日に出るから気を付けろ

えー・・・まずは、皆さんに謝りたいと思います。

穂乃果「どーしたの?そんな神妙な顔して」
銀時「いや、小説は表情とかそーゆうの分かんねーから。で、どうしたんだ?」

に・・・

銀時・穂乃果「に?」

二ヶ月近くも投稿しなくて、すいまっせーん!!

銀時「ああ・・・(察し)」
穂乃果「そう言えば、もうそんなに前回の投稿から立ってるんだっけ?」

理由としてはもう前のこと過ぎて覚えてない部分もあるんだけど、最近の投稿をしなかった理由は言えるよ!

穂乃果「ん?なになに、どうしたの?」

最近、私の通ってる学校で文化祭があったんだ。終わったのは二日くらい前だから、本当に最近なんだよねー。

銀時「へー」

実はもう過去形だけど、私演劇部に入ってたんだ。

穂乃果「そうなんだ。あれ?でも、どうして過去形?」

んっと・・・私が悪いんだけど・・・部活の先輩を怒らせる事しちゃって・・・あと、先輩と同級生にも迷惑かけちゃったの・・・。
それで本当は経験値を積むための、学祭公演の役者だったんだけど降りちゃって・・・裏方に回してもらったの。
で、今回の事をきっかけにやめたんだー。

穂乃果「そうなんだ・・・平気?」

平気だよー。
あ、今更だけど(多分いるであろう)読者様に聞かせる話じゃなかったね。どうでもいいだろうし。
いやー、ホントに申し訳ないです。

銀時「ま、そーゆう事を経験して、成長していくもんだろ。あんま気を追うなよ」

うん、ありがとー。
因みに、期間的に学祭公演の練習期間が二週間、文化祭準備期間が一週間ぐらいだと思うなー。

銀時「マジか。短いな」
穂乃果「・・・じゃあ、学祭公演のやつ、本当に残念だったね・・・」

やだなー、穂乃果がそんな顔すると私まで悲しいよー。何たって、ほのキチだから!!

穂乃果「そっか・・・」

じゃあ、早速本編に行こうか!

銀時「そうだな。よし穂乃果、気を取り直して行くぞ」
穂乃果「うん!」

よし!じゃあ、お願い!

銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!」





※ごめんなさい、こんな話をここでしてしまって。でも、銀ちゃんと穂乃果に話を聞いてもらって癒してもらいたかったんですぅ!
多分、もうないと思いますが、もし読者様の中でこーゆう話いらないと言う方がいたらコメントの方にしてください。今後一切しませんので。







ここ、万事屋銀ちゃんの前で言い争う二人がいる。

前回もあったので分かるとは思うが、万事屋の大家であるお登勢と、万事屋のオーナーである坂田銀時である。

 

お登勢「しるかボケェェ!!金がねーなら腎臓なり金玉なり売って、金つくらんかいクソッたりゃー!!」

銀時「家賃如きでうるせーよウンコババァ!!こないだ、アレ・・・ビデオ直してやったろ!アレでチャラでいいだろが!!」

お登勢「いいわけねーだろ!五ヶ月分の家賃だぞ!!大体、あのビデオまた壊れて【鬼平犯科帳】コンプリート失敗しちまったわい!!」

銀時「バカヤロー、諦めんな。きっとまた再放送するさ!!」

 

そんな二人を、ラブ魂キャラとしては割と早起きな穂乃果はため息を吐き、またやってるよ・・・この二人・・・と思いつつ達観していた。

 

お登勢「んなこたァいいから、家賃よこせっつーんだよ。この天然パーマメント!!」

銀時「んだ、コラァ。お前に天然パーマの苦しみがわかるか!!」

 

そこで万事屋に来て割と経った新八が来た。

因みにもっと言えば、銀時について行っていいものか、最近悩んでる新八である。

まぁそれはともかく、溜息をつきつつ、二人を止めるために声をかけようとした。

が、何処にそんな力があるのか、銀時の首を締め付けていたお登勢が銀時を持ち上げて思いっきり投げた。新八がいる方に。

 

新八「ぎゃああああ!!

穂乃果「し・・・し・・・新八くぅぅぅん!!?

 

新八の悲鳴に外に出て来た穂乃果の叫び声が辺りに響いた。

 

 

 

 

銀時・新八「スキヤキ?」

穂乃果「うん。スキヤキ。皆で買いに行こ?」

銀時「穂乃果ちゃぁん?何処にそんな金があるのかな」

新八「そうですよ。さっき、家賃取られたばかりなのに」

穂乃果「えへへ・・・実はさっき、何食べたいかってお登勢さんに聞かれたんだ」

 

まだあまり理解できない新八に対して、銀時はこの言葉だけで理解出来たようだ。

どうやら、何回もある事らしい。

 

新八「はぁ・・・それで?」

穂乃果「じゃーん!ちょっとだけど、お小遣い貰っちゃった♪」

新八「え!?あのお登勢さんが!?」

 

お登勢が穂乃果にお小遣いをあげる何て話は割とある事だが、初めて聞いた新八は驚いた。

そんな新八に銀時が言った。

 

銀時「あのババァ・・・穂乃果の事がすごい好きなんだよ。まるで孫みたいに穂乃果の事、思ってるんだろーよ。だから、穂乃果を好きになったらまずはあのババァを何とかしなきゃいけないんだよ。まぁババァじゃなくても、お前みたいな新八(メガネ)にはあげないけどなぁ」

新八「おいぃぃぃ!!今新八って書いてメガネって読んだろ!!」

銀時「お前は(ほとん)どが、メガネで出来てるだろーが」

穂乃果「そっか!新八君はメガネ君なんだね!」

新八「違うからァ!!何だよ、メガネ君って!!しかも何で納得した!?意味わかんないけど!!?」

 

ツッコミ終えた新八は、溜息をつき、改めて言った。

 

新八「そもそも穂乃果さんの事は多分、好きになったりしませんって。確かにどっかの誰かさんには勿体ないぐらい、可愛らしい方ですし、優しい方ですけど」

穂乃果「え・・・えへへ・・・そ、そうかな?何か照れるね」

 

新八の『どっかの誰かさんには勿体ない』という言葉に銀時は反応し不機嫌な顔になったが、何かを思いついたのかニヤリと笑い言葉を放った。

 

銀時「あー・・・そっかァ・・・お前は海未がいるもんなぁ?」

 

その言葉に赤面する新八。

 

新八「はっ!?ち、違いますよ!!確かに、海未ねぇとは許嫁ですけど!!」

穂乃果「え?違うの?」

銀時「いーや?違わないさ」

 

ここで、からかわれてると気づいた新八が話を逸らすために言った。

 

新八「そ、それよりも!スキヤキを買うんじゃないんですか?」

穂乃果「あ、そうだった。という訳で、銀ちゃんスクーターよろしく」

銀時「はぁ・・・スクーターは二人乗りだろ。前回はペスを追ってたから三人乗りはしたけど、普段は無理」

穂乃果「もぉー・・・それくらい分かってるよ!だから・・・」

 

穂乃果は言葉を一旦止めてから言った。

海未ちゃん、今日は休みらしいから海未ちゃんに頼も!と。

 

 

 

 

銀時「しまったァ。今日ジャンプの発売日じゃねーか」

穂乃果「そう言えばそうだっけ」

銀時「今週は土曜日発売なの忘れてた。引き返すか」

新八「もういいでしょ。スキヤキの材料買ったんだから」

海未「そうですよ、銀さん。大体、わたしは・・・わたしは・・・無理矢理連れてこられたんですからね!!」

 

そう。海未は無理矢理連れてこられたのだ。

穂乃果の『海未ちゃん、お願ーい❤』に負けたのだ。

これには新八、そして流石の銀時と同情した。

原作でもほのキチ、今作でもほのキチになる海未には刺激が強すぎたためだ。つまり、赤面して倒れたのだ。

まぁ、それはともかく・・・

 

銀時「ま・・・まァ、これもジャンプ卒業するいい機会かもしれねェ。いい歳して少年ジャンプって、お前・・・いや、でも男は死ぬまで少年だしな・・・」

新八「スンマセン。恥ずかしい葛藤は心の中でしてください」

 

そこまで新八が言ったところで、女の子が飛び出してきた。

 

穂乃果「銀ちゃん!前ェ!?」

銀時「あぶね!!」

「!」

 

銀時がスクーターのブレーキを掛けたが、間に合わずに引いてしまった。

その事実に絶叫する四人。

 

新八「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ひいちゃったよ、ちょっとォォォ!!」

海未「どーするんですか、コレは!!アナタ、よそ見をするから・・・」

穂乃果「ぎ、銀ちゃーん・・・」

 

穂乃果が銀時の方を見たら・・・

 

銀時「騒ぐんじゃねーよ。とりあえず落ち着いて、タイムマシンを探せ」

 

前回同様、自販機の口の部分をあさってる銀時がいた。

それにすかさず突っ込む、ツッコミ役の二人。

 

海未「アナタが落ち着きなさい!!」

新八「あれ?これ何かデジャブ!?」

 

二人のツッコミを半場無視し、穂乃果は再び銀時に声を掛けた。

 

穂乃果「銀ちゃん。どーするの?この子」

銀時「だ・・・大丈夫だよ。お目覚めテレビの星座占いじゃ、週末の俺の運勢は最高だった。穂乃果も見たろ?」

穂乃果「た、確かに・・・そうだったね」

銀時「そうだ。だから、きっと奇跡的に無傷に違いねェ。ねェ、お嬢・・・!!」

 

そこまで言って少女を仰向けにしようとした銀時だが、ドロッって言う効果音が付くくらいに血が流れている少女を見て固まるのだった。

 

 

 

 

銀時「お目覚めテレビぃぃぃぃぃ!!」

 

と叫びながらスクーターを走らせてる銀時。

その後には、穂乃果・・・ではなく、(ひも)で支えながら少女を背中に抱えてる新八だ。

その隣をちょっとお高めのスクーターで走らせてる海未とその後に穂乃果。

少女を連れてくる時に穂乃果と新八をチェンジしたのだ。

 

銀時「てめっ、もう二度と見ねーからなチクショー!!いや、でもお天気お姉さん可愛いんだよな」

穂乃果「銀ちゃん・・・サイテー!!私という者がありながらァ!!」

銀時「穂乃果ちゃぁん?誤解を生むような発言はやめよう!?」

海未「まったく・・・それよりも、新八。その少女の様子はどーですか?」

新八「ピクリともしないよ」

穂乃果「早く、医者に連れてかないと・・・?」

 

そこで、何故か黒い車が銀時達に近づいてくる。

丁度、銀時と目線が合うところまで来たら、何故か窓を開けた。

中から見えた人物は、まるでヤのつく職業の人みたいだ。

四人で疑問に思ってると、突然銃を向けられた。

訂正、みたいではなく、ヤのつく職業の人らしい。

 

銀時・穂乃果「!!」

新八「ちょっ・・・何ィィィ!?」

 

銃を向けられ、思わず目をつぶって頭を抱えた新八だが、何故か無事な事に疑問が出て、目を開けて後ろを振り向いたら、そこには傘を広げて弾丸を塞いだ少女の姿。

次の瞬間に傘を閉じて、普通の傘からはありえない音、まるで例えるなら拳銃から出るような音が聞こえた。

と次には、傘から出た弾丸で車を躊躇いなく撃ち行動不能にさせた。

煙が出てる傘の先端に、フッと息を吹きかける少女だが、その状況を後ろに座ってる故に見れた(と言うか見た?)新八と穂乃果は顔が引き()った。

 

 

 

 

少女の名は神楽と言うらしい。

 

神楽「お前ら、馬鹿デスか?私・・・スクーターはねられた位じゃ死なないヨ」

穂乃果「・・・そっか・・・スクーター位じゃ死なないのか・・・(遠目)」

神楽「そうヨ。コレ、奴らに撃たれた傷アル。もうふさがったネ」

銀時「お前、ご飯にボンドでもかけて食べてるの?

 

そうツッコんだ後に、面倒事に巻き込まれる前にとでも、去ろうとした銀時。

 

銀時「まァ、いいや。大丈夫そうだから俺ら行くわ。お大事に~」

 

だが。

 

銀時「アレ?穂乃果、お前急に重くなった?」

穂乃果「銀ちゃん、それ本気で言ってるの?だとしたら、抹殺だね?(黒笑)」

銀時「ご、ごめんなさぃぃ・・・!!((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル」

 

そんなやり取りも新八と海未は無視。←

 

神楽「ヤクザに追われる少女、見捨てる大人見たことないネ」

銀時「ああ、俺心は少年だからさァ。それに、この国では原チャリ片手で止める奴を少女とは呼ばん。マウンテンゴリラと呼ぶ

 

そこまで銀時が言った所で、さっきのヤクザが現れた。

 

おっ、いたぞォォ!こっちだァァ!!

新八「ちょっ、なんなの!?アイツら。ロリコンヤクザ?」

神楽「何?ポリゴン?」

海未「いえ、ポリゴンではなくロリコンです」

 

海未のツッコミを無視して何故か語り出した神楽。

 

神楽「私・・・江戸(ここ)に来たらマネーつかめる聞いて、遠い星からはるばる出稼ぎきたヨ。私のウチ、めっさビンボー。三食ふりかけご飯。せめて三食卵かけご飯食べたいアル」

新八「いや、あんま変わってないんじゃ」

神楽「そんな時、奴ら誘われた」

 

〈ウチで働いてくれたら三食鮭茶漬け食べれるよ〉

 

神楽「私、それ聞いてとびついたネ」

海未「何故ですか。せめて三食バラバラのを食べましょうよ」

 

謎である。

 

神楽「私、地球人に比べてちょっぴり頑丈。奴らの喧嘩、ひき受けた。鮭茶漬け、毎日サラサラ幸せだったヨ。でも最近、仕事内容エスカレーター」

新八「いや、エスカレートね」

神楽「人のキンタマまでとってこい言われるようになったアル」

海未「違います!それは(タマ)ですよ!(タマ)!!大体、女の子がキンタマとか言わないでください!!」

穂乃果「海未ちゃん、恥ずかしさのあまり言っちゃってるよ?」

 

海未のツッコミを無視して、さらに言葉を続ける神楽。

 

神楽「私もう嫌だヨ。江戸とても恐い所、故郷(くに)帰りたい」

銀時「バカだなオメー、この国じゃよォ。パンチパーマの奴と赤い服を着た女の言う事は信じちゃダメよ」

穂乃果「赤い服を着た女って何?」

銀時「まァ、てめーで入り込んだ世界だ。てめーでおとし前つけるこったな」

 

そう言って背を向けて歩き出す銀時。

 

新八「オイ、ちょっと!」

海未「もう!あの人は・・・」

 

その様子を見て、穂乃果は新八と海未に聞こえない程度に神楽に聞いた。

 

穂乃果「・・・神楽ちゃん、夜兎?」

神楽「・・・そうだと言ったら、どうするネ?」

 

その問に、穂乃果は微笑んで答えた。

 

穂乃果「・・・どうもしないよ。ただ聞いただけ。神楽ちゃんが戦闘民族だろうと、神楽ちゃんは優しい子みたいだしね?」

神楽「え・・・」

 

そう言って銀時同様、背を向けて歩き出す穂乃果。

 

海未「ちょっ!穂乃果までどっか行くんですか?」

穂乃果「うん、ごめんね。でも銀ちゃんが居れば何とかなると思うから、何とかしてでも連れてくるね」

新八「そうですか?なら、お願いします」

 

 

 

 

新八「なんとか、ここまで来れた」

海未「そうですね。周囲にパンチパーマの影はありませんか?」

神楽「ないネ。大丈夫ヨ」

 

そこまで言った所で、三人で一つのゴミ箱に入ってたのか、ちょっとだけ頭を出して話し始めた。

 

新八「ここから電車に乗れば、ターミナルまですぐだ。故郷(くに)に帰れるよ」

海未「そうですね」

新八「それにしてもアイツ・・・本当に帰るなんて・・・薄情な奴だ」

 

その新八の言葉に、ため息を吐きつつ同意する海未。

 

海未「そうですね・・・穂乃果は何をやってるんですかね。穂乃果ならすぐに連れてくると踏んでいたんですが」

神楽「気にしないネ。江戸の人、皆そうアル。人に無関心。それ、利口な生き方。お前らのよーなお節介の方が馬鹿ネ」

 

そこまで言った所で神楽はにっこりと笑って言った。・・・最後に毒舌付きで。恐らく、最後の方は新八を見て言った故に新八に対して言ったのだろう。

 

神楽「でも私、そんな馬鹿の方が好きヨ。お前は嫌いだけどなボソ

新八「アレ?今、標準語で辛辣な言葉が聞こえたよーな。しかも、明らかに僕に向けて

神楽「私、メガネ男って嫌いなんだよね」

海未「キャラ、変わってますよ?

 

そんな神楽の様子に新八は怒り、海未は呆れた様子だ。

神楽は二人の様子にお構い無しに、ゴミ箱から出ようと動く。

だが。

 

神楽「!・・・アレ?」

海未「?」

新八「どーしたの?」

神楽「ぬ・・・抜けないアル」

海未「え・・・?・・・!!」

新八「エ?アレ?ウソッ!僕まで・・・ウソッ!!ヤベッ・・・泣きそっ」

 

そう何度も奮闘するが、抜けない。しかも、電車が出る音までした。

 

新八「ヤバイ、電車もう出る!!」

海未「ど、どうしましょう!?」

新八「もういい、転がれ!!」

海未「ええっ!?」

新八「ん!?アレ?本日二度目のデジャヴ!?」

 

そんな事を新八が言ってる側で、誰かの足によって転がりを止められた。

分かる人は分かるだろう、パンチパーマだ。

 

新八・海未・神楽「!?

パンチパーマ「オイオイ、ダメだよ~。駆け込み乗車は危ないよ」

海未(いつの間に・・・)

 

パンチパーマ(とその他)が近くにいたと気づかなかった事に舌打ちしたくなった。

 

パンチパーマ「残念だったな、神楽ぁ。もうちょっとで逃げれたのに」

神楽「井上・・・!」

パンチパーマ「何も言わずに逃げちゃうなんて、つれないねェ。あんなによくしてやったのに。金に困ってんじゃなかったの?いいのかィ?ふりかけご飯の生活に逆戻りだよ?」

 

そう言う井上を睨んで、神楽も反論する。

 

神楽「人、傷つけてお金もらう、もう御免ヨ。何食べても美味しくないアル。いい汗かいて働く、ふりかけご飯もおいしくなるネ」

井上「戦うしか脳のない蛮族がいうじゃないか。ええ、夜兎族(やとぞく)さんよ」

新八「夜兎族?

井上「おやおや、何も知らずにコイツに協力してたのかィ」

 

神楽が夜兎族と気づいてなかった新八に、薄々気づいてたらしい海未が説明する。

 

海未「新八、あなたも名前だけは聞いたことあるでしょう?宇宙最強の傭兵部隊【夜兎】」

新八「傭兵部隊・・・あっ!海未ねぇの書物にもそーゆう本があったような・・・」

海未「ええ、ありますよ。・・・夜兎、それは姿形は人間と大差ないが驚異的な戦闘力を誇るといわれてる天人(あまんと)です。大半の人の認識では、数多の星を潰してきた、ただ戦だけを嗜好する戦闘民族とされています」

 

そう説明をしているさなか、何かを思い出しているのか、一瞬だけ遠い目をする海未。

まぁ、それに気づいたのは新八だけだし、新八が気づいた直後にはもうなおっていたが・・・

 

井上「そう、その通りだ。お前は隠していたようだが、その透けるような肌の色と傘が何よりの証拠。奴らは日の光を嫌い常に日傘を離さないというからな。薄っぺらい道義心で本能を拒絶したところで、戦うお前は楽しそうだったぞ。お前の本能は血を求めてるんだよ、神楽」

神楽「違うネ!!私は・・・」

 

そう神楽が否定しきる前に、井上がゴミ箱を線路の方へ蹴った。

当然、ゴミ箱から抜けない三人は線路にダーイブッ!

しかも、漫画みたいなタイミングで電車が来た。(実際に新八も漫画みたいなタイミングとツッコんでいる。)

 

新八「うわァァァァ!!

 

と新八が叫んだ直後、エンジン音が聞こえた。

その音に気づいた三人が見た先には電車の横をスクーターを走らせてる銀時の姿が見えた。(穂乃果はちゃんと後ろに乗っている。)

 

銀時「ったく、手間かけさせんじゃねーよ」

新八・海未「銀さん!!」

穂乃果「三人共!歯をくいしばって!すごーい衝撃が来るよ!」

 

と木刀片手に穂乃果。

 

新八「え!?ちょっ・・・待ってェェ!!」

海未「うそっ・・・」

 

と思いっきり顔が引き攣ってる新八と海未。

そんな二人を気にしないで、躊躇いなく思いっきり木刀でゴミ箱を殴って上に放り投げた。

 

海未「いやァァァァァァ!?

新八「ぎぃやぁああああ!!

 

丁度、井上の後ろあたりに落下した三人。

落下の衝撃で壊れたゴミ箱から出れた神楽が、何が起きたか分かってない井上に話しかけた。

因みに、銀魂常識人(一番普通の人間とも言う。)の新八は落下の衝撃に耐えきれなくて白目をむいている。

ラブ魂常識人(やはり一番普通の人間とも言う。)の海未は・・・うん、ラブライブキャラ名誉として(銀魂とクロスオーバーして、銀魂の色に染まりつつあるラブライブキャラがラブライブキャラ名誉なんてあるのかは定かではない。)黙っていよう。皆様の想像に任せます。

 

神楽「私、戦うの好き。それ夜兎の本能・・・否定しないアル。でも私、これからはその夜兎の血と戦いたいネ。変わるため戦うアル」

井上「このボケがァ!!野郎ども、やっちまいな!!・・・アレ?

神楽「井上、私お前に言いたい事があるアル」

井上「へ?」

 

そう言って、神楽は高く跳ねて傘を振り上げつつ言った。

 

神楽「お前のそのアフロ、全く似合ってないヨ!!」

井上「いや、これ一応パンチパーマなんだけど・・・!?」

神楽「どっちでもいい!!」

 

叫びながら井上(パンチパーマ)を吹っ飛ばす神楽。

 

 

 

 

神楽「助けに来るならハナっから付いてくればいいのに、わけのわからない奴ネ・・・シャイボーイか?」

 

と気絶しているパンチパーマを丸刈りにするべく?カミソリでパンチパーマの頭を()っている神楽。

 

銀時「いや、ジャンプ買いに行くついでに気になったからよ。死ななくてよかったね~」

 

とジャンプ片手に銀時。

 

新八「僕らの命は230円にも及ばないんですか」

海未「最低です・・・あなたは最低です!!」

 

とたんたんとツッコム新八と半泣きの海未。

 

穂乃果「ごめんね。銀ちゃん、バカなんだ」

銀時「穂乃果ちゃぁぁぁん!!?」

 

と何気に毒舌を見せる穂乃果。

それに絶叫する銀時。

そこに丁度よく、電車がくる。

 

銀時「ほら電車来たぞ、早く行け。そして二度と戻ってくるな災厄娘」

神楽「ん・・・それが私、帰れないネ」

 

神楽の言ったことを理解するのを拒否しているのか聞き返した。

 

銀時「はっ?」

神楽「よくよく考えると、私金なしだったネ。だから、帰りたくても帰れないのヨ。だから、もう少し地球(ここ)残って金ためたいアル。ということで、お前の所でバイトさせてくれアル」

銀時「はぁ!?冗談じゃねェェ!!なんでお前みたいなバイオレンスな小娘を・・・」

 

思わずジャンプを破って叫ぶ銀時の言葉の途中で壁ドンならぬ、壁ドゴォをやる神楽。

後ろの壁は神楽の拳がめり込んだ状態だ。

なので・・・

 

神楽「なんか言ったアルか?」

銀時・新八・海未「言ってません」

 

穂乃果を除く三人がすぐさま否定するのは当然である。

 

 

 

 

何でこうなった・・・、とは銀時と神楽の今の心境である。

事の発端は穂乃果の一言である。

因みに、新八と海未はもう帰った。

 

穂乃果『神楽ちゃんって、何処に住むの?』

 

この一言に僅かに疑問を滲ませながら答える神楽。

 

神楽『んー・・・そこら辺で適当に寝たりするアル』

穂乃果『ええっ!?ダメだよ!!年頃の女の子が野宿なんて!!大体最近、ポリゴン流行ってるって話だよ?危ないよ!!』

銀時『ポリゴンじゃなくてロリコンな。てか、ロリコン流行ってるって何だよ。流行ってねぇよ』

 

ボケる穂乃果にツッコム銀時だが、穂乃果は無視である。

次に、まるで凄くいいことが思いついたかのような笑顔を浮かべた穂乃果の言葉に銀時どころか、神楽まで固まった。

 

穂乃果『そうだ!神楽ちゃん、うちに一緒に住めばいいんだよ!!』

神楽『はっ?』

 

とまぁ、こんな事があったのだ。

 

穂乃果「?・・・どうしたの、神楽ちゃん。銀ちゃんも、そんな顔して」

銀時「ど・し・た・の、じゃねぇだろ!!一体どういうつもりだよ!?」

穂乃果「どうもこうもないけど?」

銀時「お人好しにも程があるわァ!!」

 

これまでずっと黙っていた神楽が穂乃果に話しかける。いきなり毒舌だが・・・

 

神楽「・・・お前、馬鹿デスか?」

穂乃果「えー、何がー?あとお前じゃなくて穂乃果、だよ!」

神楽「・・・だって、夜兎だって知ってる癖に・・・やっぱり、お前変な奴ネ」

穂乃果「うーん・・・まぁ、変な奴ってのは時々言われたりするけどー・・・」

 

と言うか穂乃果だってば!!と訂正しつつ、話を続ける。

 

穂乃果「だって神楽ちゃん、まだ小さいのに家なしなんてダメだよ!」

神楽「そんなの!穂乃果には関係ないアル!・・・あ」

 

思わず穂乃果の名前を呼んだ神楽は赤面して、呼ばれた本人である穂乃果は嬉しいそうに微笑んだ。

それを見てまた赤面する神楽。

その様子を見た銀時は、相変わらずの天然タラシ・・・と思いつつ何も言わない。

 

穂乃果「これからよろしくね、神楽ちゃん!」

神楽「う、ウン」

 

思えば恐らく、と言うか絶対にこれが神楽のほのキチになるきっかけであろう。(笑)

 

 

 

※おまけ

 

 

 

神楽「おかわりヨロシ?」

お登勢「てめっ、何杯目だと思ってんだ。ウチは定食屋じゃねーんだっつーの。ここは酒と健全なエロをたしなむ店・・・親父の聖地スナックなんだよ。そんなに飯食いてーならファミレス行って、お子様ランチでも頼みな!!」

神楽「ちゃらついたオカズに興味ない。たくあんでヨロシ」

お登勢「食う割には嗜好が地味だな、オイ。ちょっとォ!!銀時!!何だいこの娘!!もう5合も飯、食べてるよ!!どこの娘だい!!」

新八「5合か・・・まだまだこれからですね」げっそり

銀時「もう、ウチには砂糖と塩しかねーもんな」げっそり

穂乃果「うん・・・かつて無い消費だよね・・・」げっそり

お登勢「なんなんだい、アイツら。あんなに憔悴しちまって・・・穂乃果まで・・・ん?」

神楽【むがもご】

お登勢「って、オイぃぃぃ!!まだ食うんかいィィ!!ちょっとォ、誰か止めてェェ!!




さて、神楽登場回終わったねぇ。

銀時「そうだなー」
穂乃果「ところで、今回のゲストは誰?」

ふふっ・・・もちろん!この方に決まってるでしょう!!

神楽「今回のゲストで呼ばれた神楽様アルヨー!」

ホントに神楽は可愛いねー。妹にしちゃいたいくらい。

銀時「お前、正気か?こんなバイオレンスな小娘・・・」

ドゴォン!

神楽「なんか言ったアルカ?」
銀時「なんでもありません」
穂乃果「あはは・・・ここでは、効果音って美雪ちゃんが言うんだねー」

だって、地文がないから。

穂乃果「そりゃあ、そっか。」
神楽「じゃあ、早速設定に行くアルナ!」







神楽

皆様お馴染みの銀魂ヒロイン。だが、ゲロなど吐くのでゲロインとも言われている。
作者は銀魂女子キャラの中では、神楽が一番好きと言って除けた。
宇宙最強戦闘民族、夜兎族である。
後に、重度のほのキチになる。って言うか、多分次回にでもなる。

歳━━━━14歳
容姿━━━夜兎の特性である透けるように白い肌と、穂乃果のような青い瞳を持ち、サーモンピンクの髪を、基本的に両サイドで三つ編みにしぼんぼりで纏めて団子状にしている。容姿は、新八からは「見た目だけは美少女と言ってもいい」と言われてる。普段は様々な種類のチャイナ服を着ている事が多い。
性格━━━稀に年相応の反応を見せたりする。
普段はやりたい放題だが、強い意志と優しい心の持ち主である。
今作では重度のほのキチ。
一人称━━私

普段は、銀時にも新八にも結構な辛辣な態度を取っているが、別段嫌ってる訳ではなく寧ろ好きている。(特に銀時。)故に(恋愛的な意味で)穂乃果の相手は銀時、銀時の相手は穂乃果じゃないと認めないと思っている。







こんなもん?

穂乃果「うん。いいんじゃない?」
神楽「ふむふむ、中々アルナ」
銀時「よし、今回は早速次回予告行くか」

え?もう?早くない?

銀時「いいんだよ、早くて。何せ、もう話すネタなんてないんだからな」

えー・・・。

穂乃果「銀ちゃん・・・ここのトークを任されてる側としてはその発言、ダメだと思うよ?」
神楽「思う、じゃなくて完璧ダメネ」

まぁ・・・銀ちゃんがそう言うなら、次回予告で。

銀時「おーい、神楽。ちゃんと次回予告言えるか?」
神楽「平気ネ!任せるヨロシ!」

では!どうぞ!

神楽「えっと・・・このカンペ読めばいいアルネ。任せるヨロシ!えー・・・次回はあの脳トロボイスを持っている原作でほのキチ。今回でも原作程ではないがほのキチ予定の少女の登場回らしいネ!うんっと・・・次回もご視聴お願いしますネ!」




***




神楽「どうネ!完璧だったダロ?」

いや、ご視聴ってアニメじゃないんだけど。

神楽「細かいことは気にすんなヨ!」
穂乃果「全然細かくない気がするんだけど」
銀時「気がするんじゃねぇよ。細かくねぇんだよ」

ま、いっか。
じゃあ、神楽。あれ言ってくれる?

神楽「任せるネ!じゃ、次回のラブ魂もお楽しみに!」

神楽、可愛い!!

神楽「あったり前ネ!」
穂乃果「よっぽど、神楽ちゃんの事が好きなんだね」

穂乃果の事も同じぐらい好きだよ!

穂乃果「あはは、ありがとう」

じゃあ、今回は取り敢えずここまでだね!
読者様には気長に次の投稿を待っていてほしいです!!







新八「またかァァァ!!」

わっ!何?どうしたの?

新八「だから、後から出てきた神楽ちゃんが今回の次回予告を言うなんて、僕なんてまだなのに!!」

・・・あー、では、皆様本当に次回出会いましょう。

新八「無視すんなァァァァァ!!!


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第五訓 え?大体は主人公の所にはまともじゃない人達が集まるって?しょうがない、それが主人公の宿命なんだから

はい、前の投稿から結構経ってしまいましたね。
すいませんです。

穂乃果「落ち着いて、美雪ちゃん。なんか、言葉が変になってるから!」
銀時「まぁ、確かに結構経ってるけど」

ホントに、申し訳ない・・・
どれ位の方がこの小説を見てるかは分からないけど、評価してくれてる人たちがいるのに、これは良くないよね。

銀時「まぁ」
穂乃果「良いことではないよね」

おまけに今回の話は結構短めだから、なお申し訳ない・・・

銀時「そんなに気負うなって」
穂乃果「そうだよ!きっと読者さんにも美雪ちゃんの頑張りを分かってもらえるし!!」

・・・ううっ、ありがとう、二人共・・・!!

銀時「よし、今回はそろそろ始めるか」
穂乃果「そうだね。いつもより早い気もするけど、そうしよう!」

うん。では・・・

銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!!」


今回、万事屋にしては(と言うか、銀時と神楽にしては?)朝早くから話は始まった。

 

穂乃果「ふ、ふぇぇぇぇぇぇ!!?

 

そして第一声は、これだった。

その声に驚いた銀時と神楽は飛び起きて、大慌てで穂乃果の自室へと向かった。(この時、既に穂乃果が大好き過ぎる神楽は大好きな穂乃果の悲鳴を聞いて慌てた為、押し入れの引き出しを開け忘れたまま突進したので、押し入れのドアが外れた。)

 

神楽「穂乃果ァ!どうしたアルか!?」

銀時「穂乃果!どうしたんだ!?・・・ん?」

 

穂乃果の自室の状況は分かんなかったが、目の前の光景に固まった。

あの神楽さえも。

 

「ん・・・」

銀時「いや、誰ぇぇぇぇぇぇ!!?

 

穂乃果の布団の上、つまり穂乃果の横に眠ってるくの一の服を着たベージュ色の髪に、穂乃果とはまた違った独特のサイドテールをした少女を見て、銀時は叫んだ。

因みに、神楽はと言うと・・・

 

神楽「て・・・てんめぇぇぇぇ!!なに穂乃果の横で寝てるアル!!羨ましい!!代われよ!!」

 

途中から標準語になって切れていた。本音ダダ漏れで。

 

 

 

 

銀時の叫び声と神楽の怒声(欲望?)で冷静になれた穂乃果は、気持ちよさそうに寝ている少女を起こすのはどうかと思ったが、聞きたいこともあるため、少女を起こして居間で話し合いである。

もちろん、銀時と神楽も一緒に。因みに、神楽は言わずもがな、不機嫌顔である。

で、少女の名前は南ことりと言うらしい。

 

穂乃果「えっと・・・自己紹介も済んだし、単刀直入に聞くけど、何で私の布団に?」

ことり「えっと・・・実は・・・その・・・落ちちゃって・・・」

穂乃果「落ちた?」

神楽「おい、こらァ・・・それで、騙せたと思っとるんかワレェ」

穂乃果「神楽ちゃん、喧嘩腰はダメだよ。てかその言葉なに?」

 

不機嫌顔の神楽も穂乃果に何か言われれば、それを守ってしまう。

故に、不機嫌顔はそのままだが大人しくした。

それを見て、話を続けることり。

 

ことり「え、えっとね・・・」

銀時「いや、もういいよ。うん。面倒いし、回想でいけよ。これ、銀魂なんだし」

ことり「そ、そっか。うん。じゃあ、これから回想にいくね」

 

という訳で、これから回想に入ります。

 

 

 

 

屋根の上を走ってる人影がある。

言わずもがな、ことりだ。

 

ことり「はぁ・・・はぁ・・・(見つかる前に、何処かに隠れなくちゃっ!)」

 

と、その時に屋根に突然穴が空いて落ちた。

そこが、穂乃果の自室である。

 

 

 

 

ことり「と、言うわけなの」

銀時「いや、みじけぇよ!?」

穂乃果「しかも、何かから逃げて屋根に穴が空いて落ちたってところしか分かんないんだけど」

神楽「何でそこがよりにもよって穂乃果の部屋ネ!!」

銀時「要点をまとめて話せよ!要点を!!」

 

と、銀時が言ったので仕方なしにやり直すことり。

ただし、回想ではない。

 

ことり「えー・・・じゃあ・・・

 

・父と母が私に婚約者だと言う人を連れてきた

・私は嫌だと言ったけれど、認めてくれない

・なら逃げちゃえ

・屋根の上を渡って逃走劇♪

・屋根の上を走ってたら穂乃果ちゃんの自室に落ちちゃった

・銀さんと穂乃果ちゃんに説明中←いまここ」

銀時「待て待て待てぇぇぇぇ!!?

穂乃果「何でメモ書き風?」

神楽「こいつ、大丈夫アルか?」

 

今回はほぼ冒頭からツッコミ役になってる銀時である。

 

銀時「おいことり、ラブライブ原作じゃあ、お前はそんなにボケ役じゃなかったろ!?」

ことり「え〜ことり分かんな〜い♪」

穂乃果「ことりちゃん!?」

 

ホントにグダグダである。

と、そこに(ある意味)救世主が。

 

新八「いつまでグダグダやってるつもりだァァァァ!!!

穂乃果「!?し、新八君!!いつの間に!?」

新八「ことりさんが自己紹介する時からいましたよ」

ことり「うそっ・・・くの一の私が気付かないんなんて・・・あなた、何者なの・・・!?」

銀時「気にすんな。ただの影の薄いメガネだ」

神楽「そうアル。影の薄いメガネってだけネ」

穂乃果「うん!影の薄いメガネ君だよね!!」

新八「影の薄いメガネって何!?」

 

まぁ、グダっててもしょうがないので話を進めることにする。

 

穂乃果「所でことりちゃんは・・・!?」

 

そこで、何処からともなくクナイが飛んできた。

銀時と穂乃果、神楽、ことりの四人は危なげなくかわして、新八はギリギリという感じでかわした。

 

神楽「なにアルか!?」

ことり「これって・・・まさか・・・!?」

「流石だな、ことりよ」

ことり「・・・お父さん・・・お母さんも」

母「・・・ことり、帰りましょう?」

ことり「ヤダっ!・・・確かに、23にもなって・・・彼氏すらいないって・・・ヤバイかもしれないけれど!それでも、政略結婚なんてヤダぁ!!」

銀時(・・・ちっ・・・また、面倒な事が俺の元に来たな・・・つか、その言い分じゃあ・・・)

穂乃果「私と銀ちゃんもじゃあ・・・」

 

何というシンクロ率。

 

父「ことり!!ワガママを言うんじゃあない!!」

穂乃果「むむっ・・・ことりちゃんにそんな風に言っちゃあ可愛そうだよ!!大体、ことりちゃんの人生はことりちゃんが自分で決めるもんだよ!!」

父「外野が口出しするな!!」

 

クナイを穂乃果に投げることり父。

が、穂乃果に凶器を向けて黙ってるほのキチ(銀時)ではない。(本人は決して認めはしないが。)

穂乃果に当たる前に、木刀でクナイを打ち落としたのである。

 

穂乃果「ぎ、銀ちゃん・・・」

銀時「親子喧嘩で穂乃果に凶器向けるのやめてくんない?」

神楽「そうアル!穂乃果にそんなもの向けるなんて、許せないヨ!!」

穂乃果「か、神楽ちゃん・・・」

父「な、何だ・・・お前は!」

ことり「お、お父さん!やめてよ!!」

父「!?・・・ことり?」

ことり「今まで・・・強く言ったことは無かったけど・・・でも!穂乃果ちゃんにクナイを向けるなんて・・・ヒドイ!!」

新八「ことりさん・・・」

母(あの子が・・・あの人にあんなに強く言うなんて・・・)

 

よっぽど父親に刃向かったことりに驚いたのか、母父共に目を見開いた。

初めて刃向かったことりに、何かを思ったのかことりの父親は背を向けた。

 

ことり「!!・・・お、お父さん・・・?」

 

疑問符を浮かべてることりに、笑みを浮かべて話しかけることり母。

 

母「許しが出たのよ。ことりが好きに生きてていいって言う、許しがね」

ことり「え?あの、お父さんが・・・?」

母「それ程、ことりの気持ちが響いたのよ。あと冷静になったあの人には、穂乃果さん?だったかしら?あなたの言葉が響いたのよ。きっとね。(それと、坂田銀時・・・あの人の目も咲真さん(あの人)に響いたのね。ふふっ・・・楽しみね。あの二人の何がことりに影響するのか)」

ことり「え・・・それじゃあ・・・!!」

 

ことりの嬉しそうな顔と声音に、ことり母も嬉しそうな顔をしつつ、頷く。

 

母「これからは好きに生きなさい。あなたの赴くままの道を進みなさい」

穂乃果「!よかったね!!ことりちゃん!!」

ことり「う、うん!!」

 

穂乃果の言葉に力強く頷くことり。

その様子に微笑みつつ、去っていくことり母。

それを見て、神楽はことりに聞く。

 

神楽「で?」

ことり「え?」

神楽「だーかーらァー・・・お前、これから何処で住むつもりアルか!?」

穂乃果「え?此処に一緒に住むんじゃないの?」

銀時「はっ!?」

神楽「何言ってるアルかァ!?」

 

神楽の叫び声に、えっ?となる穂乃果。

 

神楽「この家の居候なんて、銀ちゃんだけで充分アルヨ!」

銀時「この家の居候、お前ェ!?」

神楽「とにかく!私は反対アルゥ!!」

 

さっきの出来事のせいで、すっかりことりを敵と認識してしまったようだ。(ただし、穂乃果の事だけだ。)

神楽の様子を見かねた新八が、ある提案をした。

 

新八「それじゃあ、こうしません?」

三人「??」

 

 

 

 

海未「事情は分かりました。ですが、何故わたしなんですか」

新八「だって、海未ねぇの所は海未ねぇの他に空ちゃんしかいないし。それに、同い年でしょ?」

海未「はい。同い年です。ですが、それを言うなら穂乃果もじゃないですか。そうです。万事屋に住まわせればいいじゃないですか」

 

新八の交渉を不安そうに見てることり。

穂乃果は心配そうに見ているが、銀時と神楽の二人は全くの無関心で他人事だ。

 

新八「ダメですよ、万事屋には銀さんが居るんですから。そもそも、神楽ちゃんが猛反対なんです」

海未「・・・そうですか、仕方ありませんね。・・・ことりと言いましたか?」

ことり「あ・・・う、うん!・・・その、別に迷惑だったら断ってくれても・・・」

海未「いえ、迷惑では・・・すみません、迷惑に聞こえたなら謝ります。わたしは大歓迎です」

 

そう聞いて、そっか・・・と言って安堵したことり。

 

海未「そういう訳ですので、穂乃果と神楽と銀さんは帰ってくれても構いませんよ?」

銀時「そうか?じゃ、そうするわ」

神楽「そうアルネ」

穂乃果「え?あー・・・えっと・・・ことりちゃん、いつでも遊びに来てね?」

ことり「うん、ありがとう。穂乃果ちゃん」

 

 

 

 

三人の帰り道、何時もは穂乃果と神楽の二人で話していて賑やかだ。

が、今日は何故か静かである。理由としては、神楽が未だに不機嫌な為である。

 

穂乃果「か、神楽ちゃーん?何でそんなに仏頂面なの。笑ってた方が神楽ちゃんは可愛いよ?」

神楽「・・・・・・」

 

未だかつてないシカトである。

初めての自分によく懐いてる神楽からのシカトに涙目になる穂乃果。

 

穂乃果「・・・ぎ、銀ちゃぁーん・・・」

 

思わず銀時に助けを求める穂乃果。

そんな穂乃果と神楽の態度にため息をつく銀時。

だが、穂乃果には甘い銀時だ。ため息をついても何とかするべく、神楽に声をかけた。

 

銀時「おーい、神楽ー。返事してやれよ。可哀想だろ」

神楽「し、知らないアル・・・」

銀時「ったく・・・ガキの癖にいっちょ前に嫉妬してんなよ」

神楽「し、嫉妬じゃないアルゥ!!」

穂乃果「うーん・・・?じゃあ、神楽ちゃん!今日は一緒に寝よ!!」

神楽「へ?」

 

神楽が聞き直したので、だーかーらー、一緒に寝よ!!と言い直した。

それを聞いて、嬉しくなる神楽。

だが、はっとして顔を逸らした。

 

神楽「な、何言ってるネ。私はそんなんじゃ回収されないアル!!」

銀時「買収な」

穂乃果「そっか・・・買収じゃなくて、私が一緒に寝たいだけなんだけどな・・・」

神楽「!!そ、そこまで言うなら仕方ないアルナ!この神楽様が一緒に寝てやるネ!!」

穂乃果「うん!」

 

単純なヤツ、と思いつつも銀時は何も言わない。

この提案は穂乃果の優しさだし、神楽だってそれを知っててワザと乗ったのだ。

それに、穂乃果の言葉はどれも本音なのだから。

 

銀時「んじゃ、早く帰って朝飯食べるか」

穂乃果「朝っていうか、時間からしてお昼ご飯だけどね」

神楽「アイツのせいで無駄な時間をくったアル」

 

そう毒づいたものの、神楽の顔には笑顔が浮かび上がっている。

そして、まぁ、お前の事は気に食わないけど、穂乃果に免じて許してやるアルと心の中で言った。




はい、お馴染み?のこのコーナーです!

穂乃果「今回のゲストは!あの脳トロボイスで有名(?)な、南ことりちゃんです!」
銀時「何、その紹介」
ことり「あはは・・・ことりです。よろしくお願いします」

はい、今回も言わずもがな、ことりちゃんの紹介です。







南ことり

あの脳トロボイスで有名?なラブライブ原作では穂乃果の幼馴染。
今作では、くの一である。幼い頃から鍛えてきただけあって、プロのくの一と言えるくらい割と強い。恐らく、重度のほのキチになるであろう。

歳━━━━23歳
容姿━━━穂乃果とは違った独特のサイドテールにチャームポイントのタレ目。髪色はベージュ色である。目の色はイエローブラウン?おっとり系の美少女。
性格━━━おっとりしてて、天然。今作では、ギャグ回では策略な天然になるかも?何事にも、最初に穂乃果のことを呼ぶほのキチ。
一人称━━私







ことり「あはは・・・なんか、自分の設定見るのって照れるね」
穂乃果「そう?」
ことり「そうだよ、穂乃果ちゃん」
銀時「相変わらずの脳トロボイスだが、読者の皆様には聞けなくて残念です、と美雪が」

ですです。
で、今回の次回予告は言わなくてもわかるだろうことりちゃん他ならないが、三人は何か話したい事とかある?このコーナー、一応雑談とかも兼ねてるからさ。

銀時「話したいこと・・・って言われてもなぁ・・・」
ことり「いきなり言われると、思い浮かばないよね」
穂乃果「・・・あっ!」

お?なになに、なんかあったの?

穂乃果「うん、私達の話じゃなくて美雪ちゃんの話になっちゃう上に銀魂もラブライブも関係ない話になっちゃうんだけど」

うんうん、いいよ。それぐらいで文句言う人、いないでしょ。
それで、何?

穂乃果「美雪ちゃんが最近やりまくってるリズムゲームあるじゃない?ほら、アイドリッシュセブン」

え?うん、そうだけど。

穂乃果「美雪ちゃんの推しは誰なのかなぁって」

勿論!TRIGGERの九条天でしょ!!

銀時「おぉ、即答」
ことり「よっぽど好きなんだね」

私、アイドリッシュセブンキャラではずっと天くん一筋でいられる自信あるよ!!

穂乃果「そこまでかぁ・・・すごいね」

うんうん。
私、紡ぎちゃんも普通に1キャラとして好きだから、カップリングは天紡が推しなんだぁ。

銀時「楽しそう・・・って言うか」
穂乃果「幸せそうだね」
ことり「ホントに」

因みに最近の悩みは天くんが足りない事。あとあと、天紡の小説もあらかた読み終わっちゃった事!

穂乃果「そうなんだ」
銀時「何だよ、天くんが足りないって。つか、後者に関しちゃ自分で書けば?一応、pixivでも小説書いてるだろ」

うっ・・・そうなんだけど、私原作のキャラ同士のカップリング小説は見るのに徹してるし、何より書けない。

ことり「・・・あ、あー・・・そ、そうなんだ・・・」
穂乃果(銀ちゃん!あれ、明らかに地雷踏んじゃったよ!!
凄い落ち込みだもん!)
銀時(いや、悪気ないんだって!!いや、ホント!!)

そこ、なにアイコンタクトで話してるの。

銀時・穂乃果「何も!!」

・・・仲いいね、お二人さん。
ま、いいや。ことりちゃん、次回予告よろしく!

ことり「う、うん!えっと、次回はオリジナル回です!ラブライブキャラの三人の登場回です!えっとえっと・・・次回も楽しみにしてください!!」







ことり「うっ、短くてごめん。しかも、ちょっとしか分かんない・・・」

平気平気!!
じゃあ、また次回!


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第六訓 物事がいっぺんに舞い降りる事ってあるよね〜前編〜

どうもこんばんは〜!

穂乃果「みなさーん!おっはよーございまーす!」
銀時「あれ、お前ら、何で今日はそんなにハイテンションなの。しかも何で挨拶統一しないの」

それは、初の前後編だからだよ!

穂乃果「挨拶を統一しないのは、朝と夜に見てもいい為だよ!」
穂乃果・美雪「いえーい!(*ノ>∇<)ノ♡」
銀時「何なんだよ、お前ら。女子高生気取りですか、コノヤロー」

いや、私は女子高生だけど?

銀時「あ、そう言えば」
穂乃果「私だって、ラブライブ原作じゃあ、女子高生だし!」

そーそー!
女子高生バカにするなよ、コノヤロー!

銀時「・・・美雪、お前銀魂に染まってきたんじゃね?」

え?そう?照れるなー。

銀時「褒めてねーよ」
穂乃果「あはは・・・因みに前後編の為、あとがきは後編で書かれます。それから、前後編や長編は毎週同じ時間に予約投稿します」

ですです!
まぁ、いわゆるアニメ式ってヤツだね!
じゃあ、さっそく本編へ参ります!
あ、その前にちょっと待って。

穂乃果「え?何?」

注意・カッコとかのやつは、これからの話で変えてるとことかあります。
以前は話の中で『』←これはテレビとかマイク?越しと言いましたが、【】←これがテレビになったり。
あとは、過去のセリフが『』←これです。その他で分かんない部分が出てきたら気軽に感想で聞いてください。
多分、今回の話は大丈夫です。

銀時「あー、注意書きな。結構大事だよなー」

ま、そーいう訳で、今度こそ本当にどうぞ!

銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!」


ここは園田邸の前である。

その門前にことりと空がいて、二人の視線の先には穂乃果とはまた違った赤みがかったオレンジ色の髪をして、ショートカットにサイドテールした少女とゴールデンブラウン色の髪にショートボブの少女が寝っ転がっていた。(恐らく寝っ転がっていたのではなく、気絶していたのである。)

 

ことり「えっと・・・海未ちゃん、呼んでくるね!!」

空「う、うん。ことりさん、お願い」

 

そう言って、海未を呼びに家の中へ戻ってくことりであった。

 

 

 

 

【はむはむはむはむ】

 

ここ、園田邸には目が覚めたであろう少女二人と今日がたまたま休日だった海未、その妹の空に居候のことりと万事屋四人が揃っていた。

少女二人はと言うと、余程お腹がすいていたのか、物凄いがっつき様でご飯を食べている。

 

海未「あ、はは・・・今月の食費どうしよう」

 

あまりの消費の多さにいつもの敬語口調がどこへやら。

 

ことり「・・・しばらくは節約、かな」

空「・・・みたい、だね」

銀時「いや、何で俺らまで呼ぶの。俺ら関係なくね?」

海未「いえ、何となく呼んだ方がいいかと思いまして」

穂乃果「そーゆうのって、メタ発言って言うんだよね?」

 

穂乃果の言葉に同意しつつ、面倒くさそうに少女二人に目を向ける銀時。

 

新八「所で、お二人には聞きたいことがあるんですが・・・」

「むぐっ・・・あ、はい。そうですね。すみません。何も話さずに」

「別に話せる事なら何でもいいけど、一体何から話したらいいにゃ?」

 

・・・にゃ?、とここにいる本人と隣にいる少女以外疑問に思ったが、話が進まないと思い誰も何も言わないでおいた。

が、一人だけそんなの関係ないという風に聞いた者がいた。

 

神楽「何アルカ、にゃ、って。あざといにも程がアルネ。今時、猫キャラなんて流行らないアルヨ」

銀時「いや、あざといキャラってお前が言えるのか?」

 

その銀時の言葉に神楽は目の前にあるテーブルを殴った。

 

神楽「何か言ったアルカ?」

「「「「「「「「いいえ、何も」」」」」」」」

 

テーブルの末路に銀時以外の皆も思わず即答していた。

 

穂乃果「えっと・・・それで、二人の名前から。と、こーゆうのは自分から名乗るのが礼儀だよね?私は高坂穂乃果。万事屋って言う、何でも屋さんを営んでます。穂乃果って呼んで。よろしくね!!はい、次は銀ちゃん!」

銀時「・・・名前は坂田銀時だ。名前は好きに呼んでくれ」

穂乃果「もぉー、銀ちゃんってば、それだけ?言葉足らずな銀ちゃんの為に私が言うけど、銀ちゃんは一応万事屋のオーナーなの。そういう訳だから、私は副オーナーになるのかな?ま、銀ちゃんはいつもはもうちょっと愛想いいんだよ?ただ、いつもよりも早起きで機嫌が悪くって・・・気にしないでね?」

 

穂乃果の言葉に頷く少女二人。

次に新八から順に自己紹介をしていく。

 

新八「僕は志村新八です。一応、僕も万事屋をやっていて、万事屋の従業員です」

神楽「私は神楽って言うアル。先に言っとくけど、穂乃果に手ェ出してみろよ、地獄見るからな」

 

自己紹介にほのキチ(りょく)を挟むという、神楽のほのキチぶりは流石である。

 

海未「わたしは園田海未と言います。で、こっちが・・・」

空「園田空です!血の繋がりは無いけど、海未ねぇの妹です!」

ことり「南ことりです。色々あって、海未ちゃんの家に居候中です。因みに、くの一をやっています」

 

穂乃果サイドの自己紹介が終わったので、少女二人が自己紹介をする。

 

花陽「わ、私は小泉花陽、です!訳ありで、地球には出稼ぎに来ました!」

凛「私は星空凛って言うにゃー!かよちんと同じ理由で地球には、出稼ぎにきたんだにゃー!!」

 

自己紹介をお互いにしたからなのか、穂乃果がにこにこと笑顔を浮かべている。

そして、疑問を二人に放った。

 

穂乃果「出稼ぎって、二人共天人?まぁ、凛ちゃんは見るからに天人だけど」

 

そう言って、凛の耳をみる穂乃果。

そう、実は凛は猫のような尻尾と耳を持っているのだ。

 

花陽「あ・・・わ、私は・・・その・・・「夜兎アルナ」・・・!」

 

その神楽の言葉が図星なのか、目を見開く花陽。

だが・・・

 

穂乃果「え?夜兎?・・・でも、花陽ちゃんって夜兎の番傘持ってないよね?それに、そんなに肌も白いってわけじゃないし」

 

そうなのだ。

穂乃果達は()()()花陽から夜兎の特徴を見ていない。

花陽は番傘を持っていないし、確かに普通よりは肌が白いが神楽程白くはない。

だが神楽は確信しているようだし、花陽の動揺からも事実だと伺える。

 

花陽「な・・・何で・・・!!あ、あなた純粋の夜兎?」

神楽「そうアルヨ。これはあくまで私の予想アルけど、お前は夜兎のハーフアルネ?多分・・・地球人アルナ?」

花陽「・・・やっぱり、純夜兎の感覚は誤魔化せないか・・・」

銀時「って事は、神楽の言ってる事は本当なのか」

 

その銀時の言葉にさらに暗くなる花陽。

 

花陽「・・・はい、私は夜兎と地球人のハーフなんです。番傘がないのは、地球人の血の影響か太陽が平気な為です。肌の色も、太陽の光を平気で浴びてる為です。ただ夜兎の影響か、普通の人よりは白いですけど」

 

顔が暗いままだが、花陽の説明に対して、納得する銀時達。

 

花陽「・・・私は、夜兎とは見た目で判断される事は殆ど、ありません。私の夜兎らしさと言ったら、怪力と大食いぐらいですから」

空「?・・・何で、そんな暗い顔してるの?」

 

空の純粋な疑問にさらに暗くなる花陽。

そんな花陽に比例して凛も暗くなる。

その二人を見て、溜め息を付きたくなるが、すんでのところで我慢する銀時と穂乃果。

 

花陽「・・・だって、夜兎なんて、怖いだけでしょう?」

 

その花陽の問いにここにいる皆(銀時以外)はきょとん、としている。

いち早く戻ったらしい神楽が口を開いた。

 

神楽「お前、馬鹿デスか?」

花陽【(゚◇゚)ガーン】

 

いきなりの辛辣な言葉に余程のショックを受けたのか、マヌケな顔になる花陽。

 

神楽「ハーフのお前を怖いって言ったら、純粋な夜兎の私はどうなるネ」

花陽「あ・・・」

海未「そうですよね」

新八「まぁ、ここに夜兎ってだけで怖がる人はいないですよ」

空「そうだよ!!」

ことり「うんうん」

 

それぞれの言葉に、嬉しそうに笑顔を浮かべる花陽。

そんな花陽に凛も嬉しそうに笑顔を浮かべる。

 

穂乃果「じゃあ、次は凛ちゃんだね!!」

凛「うん!」

銀時「で、凛は何の天人何だ?」

凛「私は猫瞬(みょうしゅん)族にゃ!言っとくけど、語尾のにゃ、は習慣みたいなものにゃ!猫瞬族の皆、語尾にはにゃ、が付いてるにゃー!!」

穂乃果「あ、そうなんだー」

銀時「猫瞬族・・・?・・・なんだっけか」

穂乃果「ほら、昔私達が相手にした天人の中にいたじゃん。目が回りそうになった記憶ない?」

銀時「・・・ああ、あのすばしっこい天人か。そう言えば、目が回りそうになった上、にゃにゃにゃにゃうるさくてイラついた記憶があるな」

 

銀時と穂乃果はどうやら猫瞬族を知っているようだ。

 

凛「?昔、猫瞬族に会ったことあるのにゃ?」

銀時「ん・・・まぁ、ちょっとな」

 

曖昧に誤魔化す銀時。

その横では穂乃果が苦笑い。

 

ことり「それにしても、珍しい組み合わせだね?」

花陽「私が凛ちゃん達、猫瞬族の住んでいる星に住んでいたんです。その経緯で凛ちゃんとは幼馴染みなんです」

穂乃果「そうなんだぁー」

空「あ、じゃあもしかして、花陽ちゃんはスー○ーサ○ヤ人になれるの!?」

 

空のこの言葉には思わずシーンとなる。

 

花陽「す、スー○ー・・・何?」

銀時「はぁ?お前、ジャンプ読んでないのか!?」

花陽「へ!?あ、ごめんなさいぃぃ!!」

 

凄い迫力で花陽に迫る銀時を殴る穂乃果。

銀時相手には容赦がないのである。

 

穂乃果「ごめんねぇ。銀ちゃん、この歳でまだジャンプ愛読してるもんだから」

銀時「穂乃果ちゃぁぁぁんん!?この歳とか言わないでくれる!?銀さん、泣いちゃうからァ!!」

穂乃果「泣けば?」

 

辛辣な穂乃果、ありがとうございましたー!!

え?これは酷いキャラ崩壊だって?気にすんな♪

何たって銀魂だから。銀魂のキャラ崩壊に酷いも何もないから。

という訳で、二人のやり取りを無視して話を進める皆。

 

神楽「何言ってるアルカ。私だって、夜兎アルヨ?けど、スー○ーサ○ヤ人にはなれないアル」

空「そっかぁー、スー○パーサ○ヤ人にはなれないのかー・・・わたし、てっきり戦闘民族は皆スーパーな人になれるかと思ったのに」

海未「なぜ戦闘民族ならば、なれると思ったのか不思議なんですけど」

 

ふむ・・・どうやら、空は根っからの天然ボケみたいです。

 

銀時「ま、まぁ・・・ジャンプどうのこうのと言うのは置いておくとして・・・お前ら、これからどうするよ?」

凛「どう・・・って?」

穂乃果「だって行き倒れてたってことは、出稼ぎ出来るような事、見つかんなかったんでしょ?」

 

その穂乃果の言葉を聞いた花陽と凛は、驚いた様な顔をした。

はっきり言って、その顔はラブライブ原作でスクールアイドルをやっている人がしていいもんではない。

 

凛「な、な、な・・・何で分かったにゃー!?」

新八「逆に何で分からないと思ったんですかァ!?」

海未「はぁ・・・では、万事屋で世話になるって事で・・・」

銀時「待て待て待て待てぇぇぇ!!?何でそうなった!?」

 

そんな銀時の反応に、え?当然でしょ?みたいな顔で言ってのける海未。

 

海未「あなたたち万事屋は、その為にこの回に登場しているのでしょう?」

穂乃果「違うよ!?」

海未「え?」

万事屋四人「え?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

長い沈黙の後、海未は新たな提案をした。(実は天然ボケかもしれない。まったく、姉妹揃って天然ボケなのか!)

 

海未「では、こうしましょう。今日明日だけ、万事屋に置くというのはどうでしょう?」

銀時「は?何で・・・「いいよー」穂乃果ァ!?」

穂乃果「大丈夫。だって、今日明日だよ?それくらいなら、平気。あと、護衛任務って明日でしょ?丁度いいじゃん。手伝ってもらえば?」

 

その穂乃果の言葉に考え込む銀時。

そして、出した結論が・・・

 

銀時「よし、そうだな、そうしよう。という訳で、俺は明日パスで・・・「銀ちゃん?」・・・はい、すみません」

 

怖い顔をした穂乃果とボコる準備の出来た神楽が銀時の背後にいた。

 

 

 

 

花陽「ううっ・・・ごめんなさい。迷惑かけちゃったみたいで・・・」

穂乃果「ううん、そんな事ないよ。あれだもん。お泊まりと一緒だもん。ね?」

凛「ううっ・・・穂乃果ちゃん・・・優しいにゃあ・・・銀さんには勿体無いにゃ」

花陽「ホントに・・・」

銀時「何なんだよ、お前ら。ンなこと、俺が一番分かってるんだよ、チクショー!!」

 

最近になって、《穂乃果は銀時には勿体無い》という言葉が増えてきたからか、やけくそに叫び返した。

そんな銀時に穂乃果は苦笑いだ。

 

花陽「それで、明日の仕事って具体的にはどんな奴なんですか?」

穂乃果「そっか・・・詳しく言ってなかったね・・・」

 

それに気づいた穂乃果は仕切り直しと言わんばかりに話し始めた。

 

穂乃果「うんっとね・・・明日のは護衛任務みたいなものなの」

凛「護衛任務?」

穂乃果「そう、護衛任務。まぁ、簡単に言ってそのままの意味で護衛するだけだよ?」

花陽「一体誰の?」

穂乃果「確か・・・西木野財閥って言う所で、そこのお嬢さんが護衛対象だよ」

 

その穂乃果の言葉に花陽と凛は、西木野・・・?、とどっかで聞いたことがあるかのように頭の中で疑問符を立てた。

 

銀時「どうした?」

凛「西木野、西木野・・・」

花陽「どっかで聞いた事あるような・・・?」

穂乃果「?」

花陽「あ・・・気にしないでください。気のせいかもしれませんし」

凛「そうにゃ」

 

疑問に思ったが本人達がそう言うので、納得しようと話を進める穂乃果。

 

穂乃果「えっと・・・二人の寝床は私の部屋なんだけど、そこ使ってね。布団は残念ながら余分な分はないの。だから、私の布団を二人で使って貰うことになるんだけど・・・ごめんね?」

凛「ええっ!?」

花陽「そんなっ!!それは流石に悪いですよ!!穂乃果ちゃんはどこで寝るの!?」

穂乃果「平気だよ。私は銀ちゃんの布団で一緒に寝るから」

 

その言葉にこの場にいる全員が固まった。

 

銀時「お、お前何言ってんの!?」

 

と初耳らしい銀時。

 

神楽「だだだだ、だめアルヨ!!そそそ、そんなの私が許さないネ!!」

 

と動揺しまくりの神楽。

 

凛「え、え?ま、まさか・・・銀さんと穂乃果ちゃんってそんな関係だったのにゃ?」

 

とまぁ、当然の様な勘違いをした凛。

 

花陽「ぎぎぎ、銀さんと、ほほほ、穂乃果ちゃんが・・・そんな関係ダッタナンテー!!」

 

と赤面症よろしくなぐらい赤面してる花陽。

 

銀時「違うけど!?」

穂乃果「?そんな関係って?」

銀時「お前は黙ってろ!!」

穂乃果「えぇ!?」

 

良く分からないから聞いたのに、黙ってろと言われた穂乃果は理不尽だと思いつつ、ちゃんと銀時の言い分を聞いて黙る。

 

銀時「兎に角、変な勘違いも勘ぐるのもやめろよ?特に凛!」

 

必死の様子の銀時。

 

凛「わ、わかったにゃ」

花陽「う、うん」

 

何で凛だけ名指し!?と思いつつ、頷く凛。

なんか変な事言ったかなぁ・・・と思いつつ、頷く花陽。

 

穂乃果「えっと・・・もう遅いし寝ようか!」

凛「そ、そうするにゃー」

花陽「そ、そうだね」

 

その答えを聞いて、部屋へと案内する穂乃果。

 

穂乃果「私の部屋はここ。で、この部屋の押し入れが神楽ちゃんの寝床なの。そして、隣の部屋が銀ちゃんの部屋だよ。布団は下の方の押し入れの中にあるから、悪いけど自分で出してくれる?」

凛「分かったにゃー!!」

 

戻ったリビングで変な空気になっていることにビックリする穂乃果。

 

穂乃果「何これ。え?なんでこんな変な空気なの。銀ちゃん、神楽ちゃんどうしたの?」

銀時「お前のせいだよ。お前が俺と寝るとか言うから、拗ねたんだよ」

穂乃果「えー・・・」

 

何で、と思いつつ神楽のご機嫌取りに行く。

 

穂乃果「神楽ちゃーん?何でご機嫌ななめなの?ほら、機嫌直して、ね?」

 

穂乃果にそう言われようが、スルーを決め込む神楽。

穂乃果はそんな神楽を見て、どうしたものか・・・と思ったが、いい案が浮かんだのか、明るい顔になった。

 

穂乃果「そうだ!神楽ちゃんも一緒に寝ればいいよ!」

銀時「はっ!?」

神楽「な、何言ってるアルカ・・・で、でも穂乃果がそんなに言うんなら一緒に寝てやるアルヨ?」

穂乃果「やった♪嬉しいなぁー♪」

 

穂乃果の笑顔で和んだ神楽だが、そこに銀時が横槍を入れる。

 

銀時「いや待て!どう考えても無理だろ!3人で寝るなんて!!そんな広い空間があの部屋にあると思ってるんなら大間違いだ!!」

穂乃果「大丈夫だよ。布団を二つぐらいならまぁまぁ敷くことができるでしょ。神楽ちゃん、自分の布団持ってきてくれる?」

神楽「分かったアル!」

 

穂乃果と神楽の楽しそうな笑顔を見て、銀時はとうとう諦めた。

 

穂乃果「と言うわけで、次回の後編に続く!」

銀時「おい、穂乃果。発言メタい。しかも何がと言うわけ?」

穂乃果「気にしちゃダメだって♪だって、銀魂だもん♪」

 

なにそれ。何で銀魂が理由なの?

 

穂乃果「いいのー。兎に角、終われっと♪」

 

エリザベス『後編へ続く!』

 

あ、エリーまだ本編で出てないのに。ま、いっかー。



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第六訓 物事がいっぺんに舞い降りる事ってあるよね〜後編〜

朝起きて顔を合わせた時の第一声がおはようではなく、これだった。

 

凛「あれ・・・二人共、寝不足じゃないにゃ?」

穂乃果「え?」

銀時「何で?」

花陽「え?でも昨日、凛ちゃんが・・・」

 

凛の気まずげな表情から、何かを察した銀時。

それに対し、穂乃果は分からないようで。

 

穂乃果「昨日、凛ちゃんが?」

凛「な、何でもないにゃー!!」

 

言えない!二十過ぎた男女が一緒に寝ると、神楽ちゃんがいるとはいえ寝る以前に意識して寝れないとかよちんに語ってたなんて!!この二人に一般男女の常識は通じないんだ!!今更恥ずかしくなってきたにゃー!!

 

と言う凛の葛藤を何となく感じた銀時は思った。

 

ふっ・・・甘いな・・・チョコレートパフェ並に甘いぜ!穂乃果と何年一緒にいたと思ってるんだ!!それも思春期真っ盛りの時期だってずっと一緒だったんだぜ?それなのに、今更寝れないなんて過ちを起こすかってーの!!

な、何だってー!?

 

どうやらこいつらは、短時間で電波会話を出来るようになったようで。ただし、アホな会話に限る。

 

凛「くっ!おのれ・・・侮ってたぜ、坂田銀時!!」

銀時「分かればいいんだ、星空凛!!」

穂乃果「あの二人、どうしちゃったの?」

神楽「気にしない方がいいネ。ほら、今日は新八来ない日なんデショ?」

穂乃果「うん。用事があるって」

神楽「それなら、さっさと朝ごはんを作って食べて依頼場所に行くアルヨ。花陽も早く来るヨロシ」

花陽「う、うん」

 

未だに電波会話をしてる二人をほっとく事にしたらしい。

 

 

 

 

今、銀時達がいる場所は─────

 

銀時「ほー」

穂乃果「でかっ・・・」

神楽「そうアルナー」

 

依頼場所の西木野邸である。

その西木野邸を見て何かを思い出したらしい凛と花陽。

突然二人で叫びだし、お屋敷を指差しながら、声にならない声を出している。

 

凛「そうだったにゃ!」

花陽「そう言えば、西木野って真姫ちゃんの苗字だった!」

銀時「真姫?」

穂乃果「ここのご令嬢の名前だよ。そして、護衛対象でもあるね」

神楽「お前ら、ここのジョーちゃんと知り合いアルカ」

 

その言葉に頷く二人。

 

花陽「実は地球に来たのは今回が初めてじゃないの」

凛「何年か前に、私達は家出を名目に地球に来たにゃ。その時に良くしてくれたのが、真姫ちゃんにゃ」

 

二人で家出かよ・・・と思いつつ、何も言わない銀時。

 

穂乃果「そうなんだー」

 

と話をそこそこにインターホンを押す穂乃果。

 

凛「あれっ?すっごい興味なさげっ!?」

穂乃果「そ、ソンナコトナイヨー」

 

凄い片言である。

 

『はい』

銀時「すいませーん、万事屋ですけどー」

『あ、待っててください。今開けますんで』

 

インターホンからする声がそう言った瞬間、自動で門が開いた。さすが、財閥だね✩

 

神楽「ふぉぉぉっ!!カッケェェェェ!!」

 

と目をキラキラさせた神楽に苦笑いをする穂乃果。

 

穂乃果「神楽ちゃん、気持ちはわかるけど、そろそろ行こ?ほら、皆もう扉の前にいるよ?」

神楽「分かったアル!」

 

 

 

 

「今回は引き受けてくれて、ありがとうございます」

穂乃果「いえ、こちらとしても今回の依頼料は有難いです」

 

話してる穂乃果(+銀時)の後ろでピンクがかった赤い髪の少女と凛と花陽の三人で戯れている。

 

銀時「ところで今回の依頼の具体的なものは?」

「具体的、ですか。そうですね、具体的と言うと───」

銀時・穂乃果「言うと?」

「───娘の真姫に最近ストーカーなる不届き者が付いてるらしいんです。ですので、そいつをぶちのめして下さい★」

「・・・です」

銀時・穂乃果「誰っ!?」

 

最初にこの部屋には万事屋+aとこの家の娘にその父しか居なかったハズなのに、いつの間にか一人増えている。

気配を感じさせず、いきなり現れる女性(恐らく、この家の娘の母。その上、星が黒い。)に驚く銀時と穂乃果。声には出さないが、神楽も相当驚いている。

 

「ま、ママ・・・」

穂乃果「・・・えっとー・・・」

銀時「取り敢えず、あれだ。あの、西木野一家一同のお名前を伺っても?」

優希「あ、はい。では、俺から。俺は、西木野優希(ゆうき)です。で、こっちが妻の真理亜(まりあ)、こっちが娘の真姫です」

穂乃果「あ、えっと・・・じゃあ、こっちも。私は高坂穂乃果です。私の隣から、神楽ちゃんに銀ちゃん───あー、坂田銀時です。あの二人は知ってますよね?」

 

その言葉に頷く西木野夫婦。

 

真理亜「だってあの子ったら・・・未だにあの二人しか友達が居ないんですよ?」

真姫「も、もう・・・!!ママったら・・・!!」

銀時「ああ・・・わかります。いわゆる、ぼっちと言うやつですね」

真姫「違うわよっ!!」

 

荒れてる(と言うか、荒らされた。)真姫をなだめて、真理亜は銀時と穂乃果に話しかけた。

 

真理亜「それで、対策はどのように?」

穂乃果「そうですね・・・どうする?銀ちゃん」

銀時「んー・・・おーい、凛、花陽ー 」

凛「?」

花陽「何ですか?」

銀時「お前ら、この家に泊まって真姫を護衛しろ」

 

その言葉に驚いた表情をする凛と不安気な表情の花陽。

因みに、穂乃果は全てを把握したようです。

 

凛「え、凛達が?」

花陽「だ、大丈夫かなぁ・・・」

銀時「平気だろ」

穂乃果「別にね、あなた達に犯人を捕まえろって言ってるわけじゃないの。凛ちゃんと花陽ちゃんの主な仕事は、真姫ちゃんの近くになるべくずっと一緒にいて、守ること。私と銀ちゃんはこの屋敷の外周辺で隠れてるから」

 

その言葉にホッとした花陽。

その花陽を見て、微笑んだ穂乃果はそのまま顔を神楽に向けて聞く。

 

穂乃果「神楽ちゃんはどっちがいい?」

神楽「穂乃果と一緒がいいアル」

 

即答だ。

 

銀時「ま、大方の説明は穂乃果がしてくれた訳だし、ついでにアレだ」

花陽「アレ?」

凛「アレって何にゃ?」

銀時「お前ら、ここに住ませてもらえば?」

花陽「で、でも・・・迷惑はかけられませんよぉ」

 

花陽の言葉に物凄く同調するかのように、物凄い速さで首を振る凛。

 

銀時「あのなぁ・・・それ以前にもう既に俺には迷惑かけてんの!迷惑かけれませんって・・・お前・・・今更なんだよ!!」

 

その言葉に最もだ・・・と思った二人であった。

 

穂乃果「えっと・・・いいですか?」

真理亜「構いませんよ」

優希「俺も構いません」

銀時「やったな。最初は面倒臭いだけの依頼かと思ったが、こんなついてる事があるとは」

 

本音を隠そうともしない銀時に、喜んでいる凛達を見ながら苦笑いする穂乃果。

 

真姫「あ、そうだ。あなた達!わ、私は別に守って貰わなくてもいいんだからね!!」

 

まるでツンデレのような言い方である。あ、ツンデレ(仮)か。

 

穂乃果「そう?でもこれも私達万事屋の仕事だし、そう言われても困るよ」

 

そう苦笑い気味に言った穂乃果は、怒りマークが付いている銀時と神楽をなだめていた。

 

真姫「そんな事、私は知らないわ!で、でも凛と花陽も信頼してるみたいだし、この依頼、私も拒否しないであげるわ!!」

 

はい、ツンデレ(確定)ですね。ありがとうございます。

 

銀時「そ、そうか・・・( #´°ω°` )イラッ」

 

穂乃果の手前、我慢する銀時。

やっぱり、あんたは立派なほのキチだよ。いい加減、認めた方がいいんじゃない?

 

銀時「うるせぇぇぇぇ!!何だよ、そんなの認めてたまるかっつーの!!大体、お前・・・そんなの大人しく認められると思ってんのか!?」

 

いや、全然。銀ちゃんみたいな人は特に。

 

銀時「だろう!?って、俺みたいなやつは特にって何だよ!!」

真姫「ねぇ・・・あの人、大丈夫なの?」

穂乃果「あ、はは・・・平気だよ。多分、本編でも作者との触れ合いを大事にしてるんだよ」

銀時・美雪「違うから!!」

 

はぁ・・・ふぅ・・・じゃ、話進めて。

 

穂乃果「あ、うん。じゃあ、私達は外に行くね」

真理亜「ええ、よろしくお願いします」

 

その言葉に笑顔で、はい、と答えて銀時と神楽の手を引いてその場を後にした。

 

 

 

 

数時間後

 

銀時「おい、まだか?」

神楽「暇アル、飽きたアル。ほのえもん!何とかしてよォ!!」

穂乃果「え、ええっ・・・ごほん。神太(かぐた)君、待つこともとっても重要なんだよ?だから我慢しなさい」

神楽「重要って何処がアルカ。意味わかんないアルぅ!」

 

よっぽど、物凄く飽きたらしい神楽に、そんな神楽を宥めつつ自身も飽きてきたらしい穂乃果、いつも以上に死んだ魚のような目をしてる銀時。

 

穂乃果「うーん・・・よし、ここは小説パワーで進めようか。お願い、美雪ちゃん」

 

ガッテン!

まっかせなさーい!

 

神楽「あっ、あーっ!!あ、あそこにいかにも不信人物が!!」

 

と不審人物ですよーみたいな格好をしてる奴を指さして叫ぶ神楽。

 

穂乃果「いや、不信人物がじゃなくて不審人物だよ。そんな小説でしか分からないボケかまさないの」

 

と神楽の良くありそうなボケにツッコミをいれる穂乃果。

 

銀時「それよりも、さっさと捕まえて依頼金貰いに行くか」

 

そう言って木刀を構える銀時。

銀時の言葉に頷いて木刀を構える穂乃果に番傘を構える神楽。

間違いない、この三人が組めば最強であり最凶だ。

 

穂乃果「このストーカー!女の敵!!覚悟!!」

 

この穂乃果の言葉を合図にしたかのように、銀時と穂乃果の二人で切り込み、最後に神楽が容赦なく番傘を振るって終了。

 

神楽「ふっ・・・他愛もないな・・・」

穂乃果「何キャラ?」

銀時「まっ、他愛もなくて当たり前だろ。なんせただのストーカーだし、ただの人間だし」

穂乃果「私達も人間だけどね」

 

ま、それはともかく、とあらかじめ用意してた通信機で凛に連絡をする。

 

穂乃果「あ、あー、こちら穂乃果です。どうぞ」

凛『こちらは凛です。どうしたにゃ?どうぞ』

穂乃果「ストーカー、無事に捕まえました。どうぞ」

凛『了解です。今すぐそいつを連れてきてくれるかにゃ?どうぞ』

穂乃果「了解」

 

そういう訳で、銀時がストーカーを担いで凛達の所に行ったのでした。

 

 

 

 

凛「こいつが真姫ちゃんのストーカー?」

花陽「完全に伸びちゃってるね」

真姫「ま、いいわよ」

真理亜「そうね。後で懲らしめて警察に提供しなきゃ」

優希「提供って・・・(苦笑)」

 

この際、提供って言葉は無視することにした。

 

銀時「それで、依頼料は・・・」

優希「あ、はい。こちらになります」

穂乃果「えっと、確かにもらいました。ありがとうございます!」

優希「いえ、こっちこそありがとうございます」

 

穂乃果が貰った依頼料が気になるのか封筒をチラチラどころがガン見してる銀時だが、穂乃果は無視をする。

因みに、大人の対応の様な態度をとっているが、内心は結構もらっててビックリしている穂乃果である。

 

───・・・こんな大金、銀ちゃんに見せられないよね・・・あ、神楽ちゃんには酢昆布買ってあげよう

 

神楽「穂乃果、帰りに酢昆布アルヨ?」

穂乃果「分かってるよ」

銀時「ほ、穂乃果ちゃーん?ぎ、銀さん、お小遣い欲しいなぁ」

穂乃果「だーめ」

銀時「何で神楽は良くて俺はダメなんだよ!」

 

銀時のその問に穂乃果は、え?何言ってんの。当たり前じゃない。みたいな顔をして言い切った。

 

穂乃果「だって、神楽ちゃんは雇われてる側だよ?なのに毎回毎回、給料は愚か月一にお小遣いをちょっとでもあげれない。なんせ、お登勢さんに払う家賃でいっぱいいっぱいだからね!」

銀時「すいませんね!ごめんなさい!!俺が不甲斐ないのが悪かったですぅ!!」

 

そんな二人を、うわぁ・・・という目で見ている人と生暖かい目で見ている人に別れた。

 

神楽「穂乃果、そんなヤツほっとくヨロシ」

穂乃果「もう、神楽ちゃんったら・・・でも、もう行こっか」

神楽「うん」

真理亜「あ、ではお見送りを・・・」

穂乃果「いえ、平気ですよ。ほら、銀ちゃん行くよ!」

 

と落ち込んで地面にのの字を書いてた銀時に声をかけてから、凛達の方を見て微笑みながら声をかける。

 

穂乃果「私、待ってるから好きな時に万事屋に遊びにおいで、ね。いつでも大歓迎だから!」

花陽「う、うん!」

穂乃果「じゃあ、またね!」

 

 

 

 

神楽「穂乃果、何個買っていいアルカ」

穂乃果「五個までだよ。いくら凄くお金を貰えたからってそんないっぱい買ってもねぇ。ほら、節約も大事だし」

神楽「んー、分かったアル」

銀時「お前、何で穂乃果に対してはそんなに物分りがいいの」

神楽「穂乃果は正義」

銀時「なるほど、分からん」

 

何て会話しているのはここ、二十四時間営業のみんなの味方!コンビニである!

神楽の酢昆布と銀時のいちご牛乳(コンビニに向かってる途中に銀時が穂乃果に対して粘りに粘り続けた結果、いちご牛乳だけ許された。)を求めて、家に帰りがてら来たのだ。

 

穂乃果「あ。どうせ帰り道だし、新八君家寄ってこ」

銀時・神楽「なんで」

穂乃果「何でって・・・新八君だって万事屋でしょ。今までたまにしかお給料あげれなかったし。取り敢えず、あげれなかった分を一気にあげようかなって」

銀時「えー」

穂乃果「えー、じゃないよ。新八君にあげたって余裕だしね」

 

実は、話してる間に買い物を終えて早速新八の家に向かっていた。

なんて言ってる間にあっという間に志村家!

 

新八「わざわざありがとうございます」

穂乃果「ううん。こっちこそ、いつもゴメンね」

新八「いえ。あ、上がっていきますか?今、海未ねぇもいますよ?」

穂乃果「ううん。今日はもう帰るよ。海未ちゃんによろしく言っといて」

新八「ええ、分かりました」

穂乃果「じゃあね~」

 

一瞬だけ銀時と神楽が空気になったが、まぁ一瞬だし良いだろう。

 

銀時「いや良くねぇよ!俺、主人公なんだけど!?」

神楽「私だって銀魂原作ヒロインアルヨ!」

穂乃果「何言ってるの。ほら、二人共行くよー」

神楽「分かったアル」

銀時「お前、相変わらずだな」

 

はい、という訳で初の前後編はここまで!

次回また会おうね!

 

穂乃果「じゃあまた次回!!」




やっと終わったー。

穂乃果「前後編はやっぱり長いねー」

この小説、大体話が長いけど読者が付いててくれて私は嬉しいよー。愛想つかされないようにしなきゃね。

穂乃果「頑張って!」
銀時「はいはい、今回のゲストはコイツらです」

何か勝手に話進められた!

花陽「ゲストの小泉花陽です」
凛「同じく!ゲストの星空凛にゃ!」
真姫「ゲストの西木野真姫よ」

じゃあ、設定いきましょう!
まずは、花陽ちゃんから。







小泉花陽

ハの字眉をしていて、ことりとは違った脳トロとも揶揄されるかわいらしく舌足らずな声が特徴。
今作では、地球人要素の多い地球人と夜兎のハーフである。
そのため、太陽に当たっても平気で、夜兎要素は怪力と大食いである。もちろん、大食いに関しては純夜兎には劣るもそこら辺の地球人には劣らない。だか、米の食べる量に関しては他の夜兎にも劣らないこと間違い無し。
怪力に関しては本人の頑張り次第であろう。ただし、純夜兎に怪力もスピードも劣ってるのは本当の為、他の夜兎よりも、人一倍努力が必要。とは言っても、花陽は自分に自信がない事もあるが、ここぞって時には自分に自信を持って相手に立ち向かうし、努力家なのでこの点に関しては心配ないだろう。
凛や真姫とは小さい頃からの幼馴染で、凛は花陽が猫瞬族が住んでいる星に移住してからの付き合い。服は夜兎族の方の親である母に習ってチャイナ服。因みに、チャイナ服の色は緑。(まぁ、緑と言うよりは、翠ですけど。違いが分かんなかったら気にしないでください。翠は緑よりもちょっと薄めのみどり、と思えばいいと思います。確か、そうだったハズ。)

歳━━━━22歳
容姿━━━八の字眉が特徴。ゴールデンブラウン色の髪にショートボブの髪型をしている。目の色はピンクっぽい紫色?をしている。
性格━━━極度のあがり症でおっとりとした性格をしている。特にほのキチではない。どっちかって言うと、ほのキチが暴走したりしたら、苦笑いするか度を過ぎれば大慌てする側。自分に自信がないのが、偶に傷。あとは、努力家さん。
一人称━━私








よし、こんなんでしょ!

穂乃果「うん!みどり、とかややこしいけどね!」

それは気にしないでください。
さぁ、次だ。

銀時「えー、次は星空凛でーす」
凛「何か銀さん、今日は一段とやる気がないにゃー」

まぁ、気にしない気にしない!
さぁ、どうぞ!







星空凛

今作では猫瞬族という天人。スピードが取り柄。そのため、走るスポーツをやらせたら勝つのに苦労する。鬼ごっことか、一人だけ捕まんないってのが結構あるくらいには。
戦う時もスピードに特価しているため、パワータイプの相手に攻撃を食らわされたら結構ヤバい。(防御慣れしてないため。)ある意味で、スピードとパワーを合わせ持つ超者の夜兎は天敵といえよう。しかし、花陽は別。
花陽や真姫とは幼馴染で仲良し。

歳━━━━22歳
容姿━━━穂乃果とはまた違った赤みがかったオレンジ色の髪をしてショートカットにサイドテールをしている。目の色はハニーゴールド色?多分。
性格━━━穂乃果に負けず劣らずの天真爛漫で、ちょっとイタズラ好き?良く悪ノリをしたりする。凛も今作で別にほのキチではない。どっちかっていうと、達観したり余計な事を言ったりして見て楽しんだりする。タチ悪い。
一人称━━私(昔は凛だった。)







凛「いいんじゃないかにゃー」

そう?それなら良かった。

穂乃果「じゃあ、最後に真姫ちゃんでーす!」
真姫「穂乃果は銀さんに比べて張り切ってるわね」

はい、どうぞ!







西木野真姫

西木野家のお嬢様。非戦闘員。
アニメ原作と違って、病院をやってる家ではなく、普通に金持ちだが、真姫本人の将来の夢は医者になること。
原作ラブライブキャラの一般人で一番普通の人が海未だとするならば、お金持ちのため普通の人とは言い難いので、一番ひ弱な非戦闘員。
ポジション的にはお妙であろう。ただしお妙と違ってツッコミ役であるので、ギャグでもお妙みたいに喧嘩に強いという訳ではない。
花陽と凛とは、攘夷戦争が終わった後にちょっとだけ一緒にいた幼馴染。
一緒にいた期間が一年にも満たないため、幼馴染かは微妙かもしれないが、とても仲が良かったことは間違いないし、本人達はかけがえのない幼馴染だと思っているのである。

歳━━━━22歳
容姿━━━ピンクがかった赤い髪のセミロングボムの髪型。目の色は紫色。
性格━━━一言で言えばツンデレ。そしてツッコミ役。それから、結構物事を信じやすい。未だにサンタさん信じてるレベル。真姫も今作ではほのキチではない。ギャグ回の時の凛のストッパー。
一人称━━私







ほいな。

真姫「まぁまぁじゃない?」

お、ありがとー。

穂乃果「じゃあ次は予告だけど、誰が言うの?」

え?皆。

銀時「皆って・・・三人?」

そ。花陽、凛、真姫の三人。
と言うわけでどうぞ!

真姫「ヴェ!?」
花陽「い、いきなりですね!?」
凛「ホントにゃ!」

いいからいいから!

花陽「えっと・・・次回は、黒いあの人達が登場です!」
凛「それで・・・えっと、残りの三人も出ます!」
真姫「あなた達、ざっくりしすぎよ!次回は黒い服のあの人達の登場で私達と比べて年長者のあの人達も登場よ。それから、銀さんと穂乃果の過去話もちょっと出るみたいだし、昔の二人の仲間も出るみたいね。それじゃあ、次回また会いましょう」







全員━真姫「おおっ!」

す、すごい!

銀時「今まででの恐らく一番の出来だ!」
穂乃果「さすが真姫ちゃん!」
凛「完璧主義だからにゃあ」
花陽「ホント凄いなぁ」
真姫「ま、まぁこれくらい当然よ!」

じゃあ、また次回会おうって事で!

穂乃果「次回も気長に待ってください!」


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第七訓 ジジイやババアになってもあだ名で呼び合える友達を作れ

はい、来ました!第七訓!

穂乃果「本当にね!」
銀時「本当に更新遅いな、この小説」

まぁまぁ、そう言わないでよ!
私だって、一応現役高校生何だから!

銀時「んじゃあ、聞くけどよォ」

ん?

銀時「お前、彼氏いるのか?」

・・・ふぁ!?

穂乃果「ふ、ふぁ?」
銀時「どうなんだよ?」ニヤニヤ

そ、そんなのいなくたって、生きていけるもん!青春出来るもん!

穂乃果「もんって・・・」
銀時「じゃあ、どーゆう青春を送ってるわけ?」

え?えーと・・・ぶ、部活?とか?

穂乃果「へー・・・何部なの?」

・・・き、帰宅部・・・

銀時「え?それ、部活なんですかァ?現役高校生さん?」

くっ!
は、腹立つぅ!

穂乃果「まぁまぁ、それはともかく!今回の投稿で変わってるところがあります」
銀時「なんと、第七訓からは本編だけに「」(かっこ)の前に名前がありません」

えっと・・・理由としては・・・あ、別に近いうちって訳じゃないよ?
ただ・・・小説家になろうで初のオリジナル小説を書きたいなって。
台詞(セリフ)の前に名前を付けない方がいいよなーって。
最近、小説家になろうで小説読みまくってるけど、皆様付けてないからさー。
よくよく見ると、ハーメルンでもそんなに付けてる人がいなかった。

銀時「あー・・・」
穂乃果「なるほどね・・・」

なので、今から本編に目を向ける人は、中々いいんでは?とか、いや、もうちょっと何とかなんないの?と言う事を感想で言ってください!お願いします!そうしてくださるとすごい助かります。
感想で言われた事を参考に、ちょいちょい手直ししつつ、いいんでは?と言われれば、前の話も全部第七訓に合わせた書き方に変えます!

穂乃果「と、言うわけらしいのでお願いします!」
銀時「前書き読んでる人がいるかすら、危ういけどな」

・・・・
ぎ、ぎ、銀ちゃんの・・・バカヤロー!!

銀時「へぶしっ!?」
穂乃果「お、おー!美雪ちゃんのストレートがクリティカルヒットしたぁ!!」

・・・ご、ごほん。
じゃあ、さっそく本編です!
今回は穂乃果だけで!

穂乃果「え!?う、うん!えっと・・・ラブ魂、始まります!」



銀時「・・・前書きでこんな扱いは初めてだな・・・」

ふん!銀ちゃんの自業自得だよぉーだっ!

穂乃果「そうだそうだ!」


※1日後の付け足し。


と思ったんだけど、セリフの前に名前の台本形式でいいんじゃない?って言うのがあったから、直します。
うん、その方が書きやすいし。

銀時「結局、元通りかよ」


銀時「俺が以前から買いだめていた大量のチョコが姿を消した。食べた奴は正直に手ェ挙げろ。今なら3/4殺しで許してやる」

 

と本気でやりそうな顔をしている銀時。

 

新八「3/4って、ほとんど死んでんじゃないですか。っていうかアンタ、いい加減にしないと、ホント糖尿になりますよ」

 

とお茶を飲んでる新八。

 

海未「大人気ないですね」

穂乃果「ホントにね。まぁ、直ぐ犯人はわかると思うけど」

海未「銀さんの言う大量のチョコ、ですもんね。それだけ食べれば、鼻血がでますね」

 

と新八同様お茶を飲んで二人で話して和んでいる穂乃果と海未。

海未は貴重な休みの日らしくて。

 

神楽「またも狙われた大使館。連続爆破テロ、凶行続く・・・」

 

と新聞を読みつつ、鼻血を垂らしている犯人(かぐら)

 

神楽「物騒な世の中アルな~。私恐いヨ。パピー、マミー」

 

そんな神楽の頬を掴んで文句を言い始める。

 

銀時「恐いのはオメーだよ。幸せそーに鼻血垂らしやがって。うまかったか、俺のチョコは?」

神楽「チョコ食べて鼻血なんてそんなベタな~」

 

そう本人は言うが、実際鼻血垂らしてるのが現状だ。

それ、隠せるものも隠せないぞ、神楽よ。

 

銀時「とぼけんなァァ!!鼻血から糖分の匂いがプンプンプーン!!」

神楽「バカ言うな。ちょっと鼻クソ深追いしただけヨ」

穂乃果「もう!女の子がそんな事言わないの!」

銀時「年頃の娘がそんなに深追いする訳ねーだろ。定年間際の刑事(デカ)か、お前は!!」

海未「喩えがわかんないんですけど」

 

銀時の意味わかんない喩えを、海未がツッコむ。

 

新八「っていうかおちつけ!!」

 

新八が銀時を止めに入った瞬間に外から何かがぶつかった様な音が響いた。

 

銀時「なんだなんだ、オイ」

穂乃果「事故みたいだね・・・」

 

二人が目を向けたそこには万事屋の下にある、スナックお登勢に向かって事故ったと思われる人が倒れていた。

そんな人に怪我人?そんなの関係あるか!の如くお登勢が凄い形相で馬乗りになっている。殴る気満々だ、この人。

 

お登勢「くらあああああ!!

穂乃果「あ、お登勢さん」

お登勢「ワレェェェェ!!人の店に何してくれとんじゃアア!!死ぬ覚悟、出来てんだろーな!!」

 

珍しく、穂乃果の声が聞こえないらしきお登勢。

 

「ス・・・スンマセン。昨日からあんまり寝てなかったもんで」

お登勢「よっしゃ!!今、永遠に眠らしたらァァ!!」

 

そこで海未と新八が止めに入る。

 

新八「ちょっ!待ってください!!」

海未「お登勢さん、怪我人相手にそんな!!」

 

何とか一息?付いたようでお登勢は退けてくれました。

 

新八「こりゃ、ひどいや」

海未「神楽、救急車を呼んでくれますか?」

神楽「救急車ャャァアア!!

銀時「誰がそんな原始的な呼び方しろっつったよ」

 

そんな神楽に銀時はツッコんだのは、仕方の無いことだと思う。

それを隅に穂乃果は落ちてるものを拾って怪我人に話しかける。

 

穂乃果「おじさん、飛脚なんだ。届け物、すごい事になってるよ?」

飛脚人「こ・・・これ・・・」

 

そんな穂乃果にある届け物を差し出す飛脚の人。

 

飛脚人「これを・・・俺の代りに、届けてください。・・・お願い。なんか、大事な届け物らしくて、届け損なったら、俺・・・クビになっちゃうかも。お願いしますっ・・・」

銀時「おいっ!!」

 

そこまで言ったところで、限界が来たのか気絶した飛脚人。

え?呼び方?統一するわけないでしょ。飛脚なんて。

 

新八「・・・どうします?」

穂乃果「え?行こうよ、可哀想だし」

海未「そうですね」

神楽「穂乃果が行くんなら、私も行くヨ」

 

どうやら、神楽の行動源は穂乃果のようで。

 

銀時「・・・うん。知ってた。俺は出来れば行きたくないんだけど。何か嫌な予感するし」

 

とは言っても、どーせ穂乃果には逆らう事なんて出来ないし、と既に諦めてる銀時。

 

銀時「じゃ、行くか」

 

 

 

 

銀時「ここで合ってんだよな」

神楽「うん」

穂乃果「そうみたい」

海未「ですが、ここって・・・」

新八「大使館・・・これ戌威星(いぬいせい)の大使館ですよ」

花陽「戌威星?」

凛「って、犬?」

真姫「そりゃあ、(いぬ)だからね」

ことり「戌威族っていったら、地球に最初に来た天人だよね」

銀時「ああ、江戸城に大砲ブチ込んで無理矢理開国しちまった、おっかねー奴らだよ」

穂乃果「・・・はぁ、嫌な所来ちゃったね」

 

え?何で人数が増えてるかって?

それは、この大使館に来る途中に会った時に嫌な予感を察知してた銀時が片っ端から半場強引に(半場どころが強制かもしれない。)連れてきたからだ。

 

銀時「あ~、やっぱ止めとけばよかったな~」

真姫「私達を無理に連れて来てそれを言う?

 

銀時のつぶやきに、キレ気味の真姫。

まぁ、当然かもしれない。

 

「オイ」

 

声をかけられたので一斉にそっちを見たら、先の話題に上がっていた戌威族がそこにいた。

 

戌威族「こんな所で何やってんだ、てめーら。食われてーのか、ああ?」

新八「いや・・・僕ら届け物頼まれてただけで」

銀時「オラ、神楽。早く渡・・・」

神楽「チッチッチッ、おいでワンちゃん。酢昆布あげるヨ」

 

そんな神楽の頭をつい思いっきり叩いた銀時は仕方ないのかもしれない。

神楽の頭を叩いた拍子に落ちた届けものを拾って、差し出す銀時。

 

銀時「ああ、これだこれ」

戌威族「届け物がくるなんて話きいてねーな。最近は、ただでさえ爆弾テロ警戒して限界体制なんだ。帰れ」

銀時「ドッグフードかもしんねーぞ。もらっとけって」

戌威族「そんなもん食うか」

 

そう言って、戌威族が銀時の差し出した包みを手ではたいて門の上を通って地面に落ちた。

それがいけなかった。地面に落ちた瞬間に爆発したのだ。

それを唖然と見る面々。当然である。

その光景に、銀時が一言。

 

銀時「・・・なんかよくわかんねーけど、するべき事はよくわかるよ」

穂乃果「・・・そうだね」

銀時「逃げろォォ!!

 

一斉ダッシュ!

 

戌威族「待てェェ、テロリストォォ!!」

新八「!!」

 

と新八の手が戌威族に掴まった。

条件反射なのかは定かではないが、戌威族に掴まった新八が銀時の手を掴む。新八に掴まった銀時が海未を掴み、海未が真姫を掴み、真姫がことりを掴み、ことりが凛を掴み、凛が花陽を掴み、花陽が穂乃果を掴み、穂乃果が神楽を掴んだ。

 

銀時「新八ィィィ!!てめっ、どーゆうつもりだ、離しやがれっ!」

新八「嫌だ!!一人で捕まるのは!!」

銀時「俺の事は構わず行け・・・とか、言えねーのかお前!」

海未「っ!そっも、そも!貴方以降は女性なんですから、離してください!」

真姫「そうよ!そうしてくれたら、見直してやろうじゃないの!」

ことり「ううっ・・・!」

凛「早く離すにゃー!!」

花陽「だ、ダレカタスケテー!!」

穂乃果「ううっ・・・キッツ!」

神楽「私と穂乃果に構わずあの世に逝って!!」

銀時「ふざけんな、お前らの魂も連れていく!!」

 

これだけ騒いでれば当然、と言うか爆発が起きれば当然、戌威族がわんさか出てきた。

 

新八「ぬわぁぁ!!ワン公一杯来たァァ!!」

 

こっち、大使館の門近く視点。

 

「手間のかかる奴だ」

 

そう言ったあとに、とても素晴らしい動きでワン公の頭を踏みに踏み抜いて銀時達の元へと行った。

 

「逃げるぞ。銀時、穂乃果」

穂乃果「貴方っ!!」

銀時「お前っ!!」

銀時・穂乃果「ヅラ小太郎!?」

ヅラ?「ヅラじゃない、桂だァァ!!」

 

そう叫び、アッパーカットを放つ桂。

ただし、銀時だけに。

それには慣れているのか、動じないで喜ぶ穂乃果。

 

穂乃果「久しぶりだね、ヅラ君!」

桂「ヅラじゃない、桂だ。いい加減、ボケ目的でヅラと呼ぶのは止めてくれないか、穂乃果」

銀時「てっ・・・てめっ、久しぶりに会ったのにアッパーカットはないんじゃないの!?つか、何で俺だけ!?」

桂「そのニックネームで呼ぶのは止めろと何度も言ったはずだ!!それにほら、穂乃果は女だからだ」

銀時「それ、男女差別だろ!?つーか、お前なんでこんな所に・・・」

戌威族「いつまでくっちゃべってるんだ、コラァ!!」

 

戌威族の様子を見た桂は、兎に角逃げる事にしたらしい。

 

桂「話は後だ、銀時、穂乃果。行くぞ!」

 

 

 

 

戌威族から逃げる銀時達を見ている二人の男女がいる。

一人は紫色の髪に翡翠グリーン色の目の巨乳美人。

もう一人はちょい深緑よりの黒髪にグレー色の瞳孔が開いてる男。一般でいう、イケメンであろう。

因みに名前は女の方が東條希、男の方が土方十四郎だ。

 

土方「とうとう尻尾だしやがった」

希「ホントやねぇ」

 

銀時達を見て、土方は入口の方にいる山崎退に声をかけた。

 

土方「山崎、何としても奴らの拠点抑えてこい」

山崎「はい」

 

土方と希に近づく影が二つある。

金髪に穂乃果より薄い水色の目の色をしている美人さんと黒髪に赤い目の色をしているロリ・・・んんっ!失礼、女性だ。女性の方は、可愛い分類の人だろう。

名前は絢瀬絵里と矢澤にこ。

 

絵里「天人との戦で活躍したかつての英雄も、天人様様の今の世の中じゃ、ただの反乱分子ってわけね」

にこ「そうね」

 

土方はそう言った絵里の持っていた桂の写真が載っている紙を受け取って丸める。

 

土方「この御時世に天人追い払おうなんざ、たいした夢想家だよ。オイ、沖田起きろ」

希「沖田さん、よくあの爆音の中寝られたやね」

 

そう希が問いかけるのは、亜麻色の髪に蘇芳色の目をした美少年である。

が、口を開けば毒舌な様です。

 

沖田「爆音って・・・またテロ防げなかったんですかィ?何やってんだィ、土方さん真面目に働けよ」

土方「もう一回眠るか、コラ」

 

相変わらずだなぁ・・・と言う目で達観を決め込む三人。

そんな目を気にしてないのか、腰にぶら下げている刀を手に取って話し始める。

 

土方「天人の館がいくらフッ飛ぼうが知ったこっちゃねェよ。連中泳がして、雁首揃ったところをまとめて叩き斬ってやる。真選組の晴れ舞台だぜ。楽しい喧嘩になりそうだ」

絵里「・・・ふふっ、そうね」

 

そんな土方や絵里の言葉なんて興味が無いとの如く、沖田が喋る。

 

沖田「そう言えば、さっき穂乃果の気配がしたんですが、近くにいるんですかィ」

土方「ああ、何故かテロリストと一緒にいたんだよなー。何か、仲良さげだし。つか、何?穂乃果の気配がしたって。結構距離、あったと思うんだが・・・」

 

まぁ、それは昔っからだし、と思ってそれ以上は何も言わないことにしたらしい土方。

しかし、次の沖田の言葉には同意する他無かった。

 

沖田「穂乃果が仲良さげだったんなら、そいつらテロリストじゃないんじゃないですかィ。穂乃果と仲良さげっつーのは腹立つが」

土方「ま、そうだろうな」

絵里「?誰かアンタ達の知り合いでもいたの?あの中に」

 

その問に二人は同意をして頷いた。

 

希「でも、今から乗り込むやん。どうするん?」

にこ「それに、アンタ達の言い分によると、テロリストじゃないって事?」

土方「・・・まぁ、一応やる事は変わんねぇよ。穂乃果はそこら辺のヤツらより強いからな」

沖田「平気でしょうね」

土方「それに、一応形だけでも話を聞かないとな」

 

その二人の最初の言葉に絵里は、へぇ・・・と意味不な笑みを浮かべて穂乃果の特徴を聞いた。

それを見た土方は、やべぇ・・・と思いつつ答えて、沖田は、面白そうだと心の中で思いながら笑顔を浮かべ、にこは溜息をつき、希は一言こう言った。

 

希「まぁたでたよ。えりちの悪い癖。ホントにえりちは、戦闘狂やね」

 

 

 

 

【今回卑劣なテロに狙われた戌威星大使館。幸い死傷者は出ていませんが・・・。え・・・あっ、新しい情報が入りました。監視カメラにテロリストと思われる一味が映っているとの・・・あ〜バッチリ写ってますね~。緊張感の欠片もありません】

 

このテロリスト報道を見て方や青ざめ(大半がこれ)、方や何処と無く嬉しそうにしている(少数がこれ)。

因みに、銀時と穂乃果はどちらにも該当せず、落ち着いた様子でお煎餅を食べている。(その体勢が、銀時がだらしなく寝っ転がっていて、穂乃果がその銀時のお腹に寄っかかってる。)

 

新八「ホントにバッチリ写っちゃってますよ。どーしよ、姉上に殺される」

神楽「テレビ出演。実家に電話しなきゃ」

真姫「何呑気なこと言ってるのよ!」

花陽「あはは・・・真紀ちゃんはお金持ちのお家だから余計大変そう」

凛「やったにゃ!テレビに映るなんて夢のようにゃ!」

ことり「喜ぶところなの?」

海未「そんな分けないでしょう。だだだだだ・・・大体、テレビに顔が出でるなんて、これから江戸を歩けないじゃないですかァ!!」

 

海未の様子に見慣れた新八は、あーあーっと呟いて銀時と穂乃果に話しかける。

 

新八「何かの陰謀ですかね、こりゃ。なんで僕らがこんな目に。唯一、桂さんに会えたのが不幸中の幸いでしたよ。こんな状態の僕らかくまってくれるなんて。銀さんと穂乃果さん、知り合いなんですよね?一体どーゆー人なんですか?」

 

新八の問に銀時と穂乃果は顔を合わせて、少し考えてから答えた。

 

銀時・穂乃果「テロリスト」

新八「はィ!?」

「そんな言い方は止せ」

 

そう言って現れたの桂小太郎だ。

 

桂「この国を汚す害虫”天人”を打ち払い、もう一度侍の国を立て直す。我々が行うのは国を護るがための攘夷だ。卑劣なテロと一緒にするな」

海未「攘夷志士ですって!?」

凛「攘夷志士?」

花陽「?」

神楽「なんじゃそらヨ」

 

桂の説明に驚く海未の言葉に何も知らないらしい凛、花陽、神楽に銀時と穂乃果以外の全員が説明する。

 

新八「攘夷とは、二十年前の天人襲来の時に起きた宇宙人を(はい)そうとする思想で、高圧的に開国を迫ってきた天人に危機感を感じた侍は彼らを江戸から追い払おうと一斉蜂起して戦ったんだ」

ことり「でも天人の強大な力を見て弱腰になっていた幕府は、侍達を置き去りにして勝手に天人と不平等な条約を締結した」

海未「幕府の中枢を握った天人は侍達から刀を奪い彼等を無力化したんです」

真姫「その後、主だった攘夷志士は大量粛清されたって聞いたけど・・・まだ残ってたなんて」

 

と、何かを気づいたらしい銀時は言葉を発した。

 

銀時「・・・どうやら俺達ァ踊らされたらしいな」

穂乃果「ん?」

銀時「なァ、オイ。飛脚の(あん)ちゃんよ」

神楽「あっ、ほんとネ!!あのゲジゲジ眉デジャヴ」

新八「ちょっ・・・どーゆー事っスか、ゲジゲジさん!!」

 

最初は疑問符を飛ばしたが、銀時の問いかけと神楽と新八の言葉に、ある程度察したらしい穂乃果の視線が鋭くなる。

それを横目に、銀時は話を続ける。

 

銀時「全部てめーの仕業か、桂。最近、世を騒がすテロも。今回のことも」

穂乃果「こー君、どうしてこんなことするの?」

桂「たとえ汚い手を使おうとも、手に入れたいものがあったのさ」

 

自身の刀を鞘に入れたまま腰から取り出し、手に持って話を続ける。

 

桂「・・・銀時、穂乃果、この腐った国を立て直すため、再び俺と共に剣をとらんか。白夜叉、紅夜叉(べにやしゃ)と恐れられたお前らの力、再び貸してくれ」

 

攘夷志士には主だった者達の中に白夜叉と紅夜叉と呼ばれる者がいた。

その男、銀色の髪に血を浴び、戦場を駆る姿はまさしく夜叉。夜叉と呼ばれその男の格好は白だった事から白夜叉と呼ばれた。

その女、白夜叉よりも劣るが本物の実力を持ち、最後まで侍達の隣に立ち続けた。女は他の侍よりも白夜叉の隣に立って戦場を駆ける事が多かった事で敵からは紅夜叉と呼ばれた。それと同時に、敵以外からは侍の太陽と呼ばれた。

 

桂「天人との戦において、鬼神の如き働きをやってのけ、敵はおろか味方からも恐れられた武神、坂田銀時と侍達の隣に最後まで立ち、男女の差など感じさせない戦いを見せた高坂穂乃果。我等と共に再び天人と戦おうではないか」

 

その言葉を聞いて、新八達は銀時と穂乃果に目を向ける。

 

新八「・・・銀さん、穂乃果さん、攘夷戦争に参加してたんですか」

海未「どうりであの強さな訳ですね」

桂「戦が終わると共に姿を消したがな。穂乃果は銀時に付いて行ったんだろう。だが銀時、お前の考える事は昔から良く分からん」

銀時「俺ァ、派手な喧嘩は好きだが、テロだのなんだの陰気くせーのは嫌いなの」

穂乃果「私も銀ちゃんと同じだよ。戦いに関しては、私は銀ちゃん次第」

 

────だって、いつだって私は銀ちゃんと一緒にいたし、一緒にいたいと思うし、なによりも()()だってあるもの

 

銀時「・・・俺達の戦はもう終わったんだよ。それをいつまでもネチネチネチネチ、(しゅうとめ)かお前は!」

桂「バカか貴様は!女子(おなご)はみんなネチネチしt・・・んんっ!いや、やっぱ何でもない。この事は置いておこう」

 

何故か途中で穂乃果の方を見て、頬を赤らめる桂。

そんな桂を見て、頭に疑問符を浮かべる穂乃果。鈍感な穂乃果には皆もく検討がつかないらしい。

そんな穂乃果とは違って大体のこの場にいる者は理解出来たらしい。(理解出来てないのは、鈍感らしい真姫と縁が無さそうな(笑)凛。)

もちろん、銀時も。その銀時はめちゃニヤニヤしている。

 

銀時「え?何、お前そっちもまだネチネチしてんの?いいよ、銀さん優しく見守っちゃうから」

桂「な、何を言ってるんだ!!と言うより何だその目は!?」

銀時「いや、別に?ただ・・・諦めてなかったんだなって思ってな。意外と長く続くな、お前。その事で昔、良くアイツと言い合ってたよな〜」

桂「い、今はその話じゃないし、そんなのどうでもいいだろうが!!」

銀時「いやいや、けどこーゆー事してる奴に穂乃果はなァ〜」

桂「い、いい加減黙らんかァ!!」

銀時「グフォ!?」

穂乃果「銀ちゃん!?」

海未「・・・子供ですか。貴方達」

 

海未の言葉に激しく同意したくなった新八。

どうやら、銀時は桂をからかい過ぎたようでアッパーカット(本日二回目)を決められた。

そんな二人を見て海未は呆れつつ、思った。

 

────複雑な三角関係ですね・・・いや、わたしが知らないだけでもっと複雑かも知れませんね。

 

桂「俺達の戦はまだ終わってなどいない。貴様らの中にとてまだ残っていよう、銀時、穂乃果。

・・・国を憂い、共に戦った同志(なかま)達の命を奪っていった、幕府と天人に対する怨嗟(えんさ)の念が・・・。

天人を掃討し、この腐った国を立て直す。我等生き残った者が死んでいった奴等にしてやれるのはそれぐらいだろう。

我等の次なる攘夷の標的はターミナル。天人を召喚するあの忌まわしき塔を破壊し、奴等を江戸から殲滅する。だがアレは世界の要・・・容易にはおちまい。

お前らの力がいる、銀時、穂乃果。既に我等に加担したお前らに断る道はないぞ。テロリストとして処断されたくなくば俺と来い。迷う事は無かろう。元々お前らの居場所はここだったはずだ」

 

そう桂が言い切った瞬間に襖を蹴り破って黒ずくめの男女達が現れた。

その中央には土方と絵里がいる。

穂乃果は先頭にいる土方の方を見て目を見開いた。

だからだろう、絵里がこっちを見て楽しそうに微笑んだのに気づかなかったのは。

 

土方「御用改めである!」

絵里「神妙にしなさい、テロリスト達!」

穂乃果「とっ・・・!?」

しっ・・・真選組だァっ!!

桂「イカン逃げろォ!!」

土方「一人残らず討ちとれェェ!!」

 

桂の声に土方が言い切るか切らないからぐらいで一斉に真選組がいる方とは逆方向に走り出し、そっちの方にもあったらしい襖を銀時が蹴り破って逃げた。

逃げつつ、どもりながら聞く新八。

 

新八「なななな、何なんですか、あの人ら!?」

桂「武装警察【真選組】。反乱分子を即時処分する対テロ用特殊部隊だ。」

 

そう説明をして隣を走っている銀時に声をかける。

 

桂「厄介なのにつかまったな。どうします、ボス?」

銀時「だーれがボスだ!!お前が一番厄介なんだよ!!」

神楽「ヅラ、ボスなら私に任せるヨロシ。善行でも悪行でもやるからには大将やるのが私のモットーよ」

銀時「オメーは黙ってろ!!何その戦国大名みてーなモットー!」

 

銀時がそう言い切った時に、誰かが銀時と穂乃果に声をかけ、刀で切りつけた。

もちろん、土方と絵里だ。

銀時は下にしゃがんで、穂乃果は後ろにステップで下がってそれぞれかわした。

銀時に土方が斬りかかってるのを見て、穂乃果は声をあげた。

 

穂乃果「銀ちゃん!」

絵里「おっと、行かせないわよ!!」

 

絵里が土方に切りかかられている銀時に近寄ろうとした穂乃果を土方同様斬りかかって止める。

絵里は難なく木刀で受け止めることをした穂乃果を楽しそうな目で見る。

その目を見て、穂乃果は確信した。あ、この人戦闘狂だ・・・と。

 

穂乃果「っ!どいて・・・くれない?」

 

絵里の刀を弾いて、問いかける。

 

絵里「無理よ。わたしも仕事でしてるんだしね」

穂乃果「・・・そうだよね」

絵里「と言うわけで、覚悟!」

 

そう言ってかかってくるも、穂乃果は上手い具合に木刀で防いだり避けたりしている。

 

絵里「所で、あなた土方さんとお知り合い?あ、それとも友達?」

穂乃果「その質問、こんなに斬りかかってするもんじゃないよね!?因みにその質問に答えるならばYES!だよ!」

絵里「そう」

 

そうやって斬りかかりつつ避けつつ防ぎつつ話していると、沖田が土方に対して何かを言ってるのが聞こえ、嫌な予感をした二人はそっちを見た。

 

沖田「土方さん、危ないですぜ」

 

いいながら躊躇いなく銀時と土方目掛けてバズーカをぶっぱなす沖田。

 

にこ「ちょっ!?」

希「あ」

絵里「土方さん!?」

穂乃果「銀ちゃっ!?」

 

叫びかけた穂乃果の口を誰かが抑えた。どうやら銀時らしい。

一瞬驚いたものの、銀時だと分かった途端静かになった。

そんな穂乃果を見て、溜息をつきたくなるのを我慢し、近くにあった部屋の方を指差した。

皆がそっちに入っているのを見て、頷きそっちの方に向かった。

一方、真選組サイドはと言うと。

 

絵里「土方さん!無事!?」

土方「ああ、何とかな」

沖田「生きてやすか、土方さん」

土方「バカヤロー。おっ死ぬところだったぜ」

沖田「( ¯−¯ )チッ、しくじったか」

土方「しくじったって何だ!!オイッ!こっち見ろ、オイッ!! 」

希「しかも原作には無かった絵文字付きやね」

 

土方が無事だと分かったにこは銀時達の居場所を聞く。

 

にこ「それで、あいつらは?」

「にこさん、ここです」

土方「オイッ!出てきやがれ!」

絵里「ここは十五階よ。逃げ場なんてどこにもないわ」

 

一方、こっちテロリスト(仮)(かっこかり)サイドに戻ります。

テロリスト(仮)(かっこかり)サイドの銀時はバズーカの影響でか髪がチリチリだ。

 

真姫「あんた、髪増えてない?」

凛「あ、そういえば」

 

そんな話をしている真姫と凛の側で桂が懐から何か丸いものを取り出した。

 

銀時「?そりゃ、何のまねだ」

桂「時限爆弾だ。ターミナル爆破のために用意していたんだが仕方あるまい。コイツを奴等におみまいする・・・そのすきに皆逃げろ」

 

次の瞬間に、銀時は桂の胸倉を掴んだ。その時に桂は爆弾を落とした。

 

銀時「・・・桂ァ。もう、しまいにしよーや。てめーがどんだけ手ェ汚そうと、死んでった仲間は喜ばねーし、時代も変わらねェ。これ以上うす汚れんな」

桂「うす汚れたのは貴様だ、銀時。時代が変わると共に、ふわふわと変節しおって。武士たるもの、己の信じた一念を貫き通すものだ」

 

桂が言った事が我慢ならなかったのか、穂乃果は大きな声を出して叫ぶように言った。

 

穂乃果「─────銀ちゃんはうす汚れてなんかない!」

銀時「!」

桂「・・・穂乃果」

穂乃果「銀ちゃんは昔から何も変わってない!武士道や見ているもの、やっている事だって何一つ変わってない!」

 

言ってる途中で涙目になっている事に気付いてるが、それを無視して言葉を続ける。

 

穂乃果「た、確かに・・・変わってる事の方が多いかもしれないけど、それでも銀ちゃん自身は変わってなんかいな、いよぉ」

 

銀時は微笑んで、泣くなよ、と言いながら穂乃果の頭を撫でる。

穂乃果はちょっと嬉しそうにしながらも、泣いてないよ!、と言いながら涙を拭き笑顔を見せた。

そんな穂乃果に銀時は安心した様に微笑んだ後、桂に話しかける。

 

銀時「ま、そういう事だ。そんなもんのために大事な仲間をまた失うくらいなら、俺ァもうそんなの後免だ。どうせ命張るなら俺は俺の武士道貫く。俺の美しいと思った生き方をし、俺の護りてェもん護る」

 

結構真面目な場面のハズの所に神楽が声をかける。

 

神楽「銀ちゃん、穂乃果、コレ・・・いじってたら、スイッチ押しちゃったヨ」

銀時「悪夢だ・・・」

穂乃果「むしろ、ただの悪夢ならどんなによかったか・・・」

桂「ベタだな・・・」

 

三人がそう言った後に銀時が神楽が持っている爆弾を持ち、何も言わずに真選組がいる入口へダッシュ。

周りも何も言わずに銀時について行って入口へダッシュした。

 

「なっ・・・何やってんだ、止めろォォ!!」

銀時「止めるならこの爆弾止めてくれェ!!爆弾処理とかさ・・・なんかいるだろ、オイ!!」

「ちょっ!?この人爆弾持ってるわよ!?」

銀時「ちょっ、待てオイぃぃぃ!!」

 

ここから何故かのしりとりとなった。

 

銀時「穂乃果!ほい!」

穂乃果「いやァァァ!!海未ちゃん!パス!はい!」

海未「いやぁ!?し、新八、あなた機械得意でしたよね!?いや、寧ろそうじゃないですか!!」

新八「か、勘違いですよ!元はと言えば神楽ちゃんのせいなんだから何とかして!」

神楽「て、て、テキストブック!」

凛「くっ!?く、く、クレジットカード決済!」

花陽「い、い、い、イスラエル!?」

真姫「る、る、ルソー!」

ことり「そ、そ、そんな事より!新八君の言う通り元はと言えば神楽ちゃんのせいなんだからやっぱり神楽ちゃんが何とかして!」

神楽「て、て、天然パーマと爆弾はワンセットアルヨ!」

銀時「よ!?よ、横から稲荷がぱらり!」

穂乃果「り!?倫理社会!」

凛「い!?い、い、いんぐりもんぐり!」

銀時「り!?り、り、リーチ一発ツモ!」

真姫「も!?も、も、もみじ饅頭!」

ことり「う!?う、う、浮気はやだよ!」

銀時「よ、よげさんおかえりなさい!」

海未「いつまでやってんですか、コレェ!」

神楽「エンドリアン!」

銀時「って、エンドリアンって誰?つか、ンが付いたら終わりだろうが」

 

最後に、ん、を付けた神楽には銀時がツッコミを入れた。

やっとこさ、しりとりが終わったところで穂乃果は銀時に残り時間を聞いた。

 

穂乃果「銀ちゃん!あと、何秒!?」

銀時「ああー!?あと十秒しかねェ!!」

真姫「仕方ないわね。神楽!」

神楽「はいヨ!銀ちゃん、歯ァくいしばるネ」

銀時「え?」

 

銀時本人が理解する前に、神楽はそれを実行した。

え?何をって?それは、神楽の番傘で銀時を窓がある方にぶっ飛ばすことです。

まぁ、当然と言うかなんと言うか、絶叫したものの窓を突き破ってから、爆弾を上空の方へ向けて投げる事に成功した。

 

新八「ぎっ・・・銀さーん!!」

神楽「銀ちゃん、さよ〜なら〜!!」

穂乃果「きゃああ!?銀ちゃーん!!待ってて、今助けるからー!!」

海未「だからといって飛び降りようとしないでください!!」

真姫「良かったわね。何とかなって」

凛「・・・真姫ちゃんって、恐いにゃ

真姫「なんか言った?

凛「いえ、何も言ってません」

 

真姫の腹黒い瞬間だった。

それで、桂はと言うと・・・何処かのビルの屋上にいた。

その屋上から銀時達の様子を見ている。

どうやら、昔の銀時と穂乃果の言っている事を思い出してる様で。

 

銀時『美しく最後を飾りつける暇があるなら、最後まで美しく生きようじゃねーか』

穂乃果『こうして戦っている私達には難しい事かもしれない。でも、生きている今だから思うこともあるんだ。あのね、こー君。私は美しく最後を飾りつけるんじゃなくて、最後まで美しく生きていきたいんだ。後悔しないように』

 

その言葉を思い出した桂は、鼻で笑って言った。

 

桂「美しい生き方だと?アレのどこが美しいんだか。・・・だが、昔の友人が変わらずにいるというのも、悪くないものだな」

 

───ホントに、思い出していても思った事だが、アイツらは似ているな。昔から本人達の知らぬ所で同じ様な事を言う。

 

そう思いながら、桂はヘリに乗ってその場を去っていった。




よっしゃあ!!
終わった!!

穂乃果「やったね!」

因みに、30日(今日)で定期テストも終わったんだよ!

銀時「良かったじゃんか」

うん!
じゃあ、早速だけど、ゲストです!

桂「ヅラじゃない、桂だ!」

いや、誰もそんなこと言ってないけど?

桂「いや、何かここじゃないどこかで言われた気がして」

なんじゃそら。
ま、いいや、それじゃ設定に行きます!

穂乃果「まずは、こー君からです!」







桂小太郎

攘夷志士をやっている。
原作同様、銀時と幼馴染。今作は、当然穂乃果とも幼馴染である。
穂乃果があまりにも鈍感であるため気づかないが、ある想いを抱いている。
まぁ、大体の人は察したかもしれない。(笑)
狂乱の貴公子、逃げの小太郎等の異名を持っている。
穂乃果には、昔っから、こー君、と呼ばれていて、ボケ目的でヅラ君って呼んだりする。

歳━━━━27歳
容姿━━━誰もが羨ましいさらさらストレートの黒髪が特徴で整った顔立ちをして、細身。
性格━━━とても真面目な性格で情に厚い。恋愛になると、ある意味?初心。故に恋愛ごとで中々進めないのが昔っからの現状。
一人称━━俺







はい、こんな感じです。

銀時「んじゃあ、どんどん行くかァ」
穂乃果「そうだねぇ」
桂「緩いな」

アンタは固すぎ。

桂「む・・・そうか?」
穂乃果「あはは・・・次は・・・」

はいはい、待ったー!

穂乃果「ふぇ?」

ふ・・・かわっ・・・こほん。
真選組チームは今度に持ち越しです。

穂乃果「え!?何で?」

ほら、この後の話に正式的に?銀ちゃん達に関わるようになる話があるじゃない!その時に設定を載せます!
人数も多いしね。その方が良いかなーって!

銀時「あー、あの・・・はた迷惑な話ね」

え?
あー、まぁ、銀ちゃんからしたらそうなんでしょうね。

穂乃果「じゃあ、今回は予告をやって終わり?」

いんや。
ここで新たになった設定をメモ形式で載せまーす。

桂「そうか」

うん。
という訳で
新たになった設定はこれです!

・銀時と穂乃果は攘夷戦争に参加してた。
・銀時は白夜叉、穂乃果は紅夜叉(べにやしゃ)だった。
・穂乃果は土方と沖田とどうやら知り合いのようで・・・?

うんっと・・・これくらい?

銀時「多分な」
穂乃果「いいんじゃない?」

じゃあ、予告やっちゃおうか!
ヅラー、ヨロシクー!

桂「ヅラじゃない、桂だ!」

はいはい、ゴメンね、桂。
だから、予告やって?

桂「・・・次回は、新八君の意外(?)な一面がみれるぞ。後は、父娘の絆を見れる話か?まぁ、そんな感じだ」



***



み、短い・・・あとは、何かテキトー?

桂「他になんて言ったらいいか分かんないんだ」

ま、まぁいいよねー!
じゃあ、また次回!


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第八訓 一度した約束は死んでも守れ

はふぅ〜。

穂乃果「ほぇ〜」
銀時「ふぅ〜」
神楽「ぬく〜」
新八「いや、何前書きからこんなにだらけてるのォ!?神楽ちゃんに至ってはぬく〜って何!?」

いや、別にだらけてないけど?

穂乃果「そうだよ、新八君」
銀時「俺達はただ、お茶を飲みながらコタツに入ってるだけだろ」
神楽「ぬく〜はコタツに入ってぬくぬくしてるからネ。全く、そんな事も分かんないからお前は新一じゃなくて新八アルヨ」
銀時「そうだぞー。何だよ、(パチ)って」
新八「新八全否定かァァァァ!!」

と、言うわけで今日は恐らく今年最後の投稿になると思うので神楽にゲストで前書きに来てもらいました!
あ、次いでにぱっつぁんも。

新八「僕は次いでか!!」

後書きも今回は神楽ゲストでーす。
ねぇ、もう始めていいかな。本編。
このままぬくってたい。

銀時「いいんじゃねぇの?」
穂乃果「確かに、誰にもコタツのこの心地良さには叶わないもんねぇ〜」
神楽「そうアルナ。よし、それでは本編どうぞアル」
銀時・穂乃果「ラブ魂、始まります!」





新八「え?今回それでいいの?あんま喋ってないけど。短いんだけど。しかもグダグダなんだけど」

いいんですぅ。
どうせ、前書き読んでる人なんてごく一部何だから。

新八「ちょっ!?そんな事言わないで!!あ、こんなグダグダですけど、見捨てないでくださいね!?お願いします!!

あ、お通語が変だと思ってもツッコまないでくださいっ!


今銀時達は、前回の事が原因で江戸警察署の取調室にいる。

 

銀時「おいおい、いい加減にしてくれよ」

穂乃果「私達は無関係だって100万回は言ってるでしょ!」

真姫「そうよ!」

凛「早く解放するにゃ!」

 

と、そう反論しても全く信じないらしい警察。

 

「今も昔も変わらないんだよ。犯人に限って俺は無関係だとか濡れ衣だとか」

ことり「あなた何回聞いてるの?」

花陽「あの・・・最初っから最後まで全部話したんですけど」

「はいはい、犯人は皆そーいうの。ウチの子に限ってとか、記憶にございませんとか。そーゆう事言ってる奴らの言葉と同じくらい信じられないだろ?」

 

警察の言ったことに、ことりと花陽も反論したが、全然気にしない。

さっきから何も喋ってない新八は何故か時間を気にし、海未は無表情ながらも鋭い視線で警察を睨んでいる。因みに、神楽はカツ丼を食べている。

 

「早く吐いちまいなよ。こっちも事前事業やってるんじゃないんだから。それともあんたら何、粘り続ければなんとかなると思ってるの。それは無理な話だって」

 

そこで新八と海未の限界が来た。

二人が一斉に立って、正面にいる警察の胸倉を掴んだのだ。

 

「「「「「「「「「?」」」」」」」」」

新八「いい加減にしろや、このクソボケがァ!!」

海未「いい加減、わたし達を解放しろ。あ?」

新八「こっちは無実だって言ってんだよ!うだうだ言ってないで今すぐここから出せや!こっちは行かなきゃいけない所があるんだ!」

海未「それとも何、もう二日もバイト休んでるんだけど?これ以上休ませるつもりか、そしてこれ以上わたしと空を会わせないつもりか、ああ?」

 

この二人に、思わず静まり返る。

 

神楽「・・・バイオレンス眼鏡とバイオレンスUMI(ウミ)

銀時「おい、キャラ変わってんぞ」

穂乃果「・・・特に海未ちゃんは酷い」

 

 

 

 

新八と海未がキレた甲斐があって釈放されたらしい。

八つ当たりという意味でか、銀時は“江戸警察署”って書いている立てかけ板?を蹴る。

 

銀時「命張って爆弾処理してやったってのによォ。三日間もとり調べなんざしやがって腐れ外道が」

新八「もういいじゃないですか。僕と海未ねぇのお陰で容疑も晴れた事ですし」

銀時「ていうか、何で新八と海未がドス効かせただけで釈放なんだ」

穂乃果「普段、大人しい人の方がキレたら恐いのを知ってたんじゃない?」

 

その穂乃果の言い分に納得がいかなそうな顔をする銀時。

 

銀時「どーもスッキリしねェ。ゴールデンウォーターかけていこう」

神楽「よっしゃ。私、ゲロ吐いちゃるよ」

新八「器の小さいテロすんじゃねェェ!!」

穂乃果「神楽ちゃんも女の子がそーいう事しないの!」

 

そんな二人の様子に大半の者が溜息をつく。

 

海未「では、わたしは失礼しますね」

ことり「あ、海未ちゃん、待って!一緒に行こ!」

凛「私たちも行こうにゃ!」

花陽「そうだね」

真姫「はぁ、パパとママに何て言おう」

 

海未を始めにことり、凛、花陽、真姫と、散り散りに帰る面々。

残ってるのは、銀時、穂乃果、神楽、新八だけだ。

 

新八「アンタらに構ってたら、何回捕まってもキリないよ。僕も先に帰ります。ちゃんと真っすぐ家帰れよ、バカコンビ!!」

 

そう言って去っていく新八。

そんな新八(と言うよりもツッコミ役組)に理不尽な文句を言う銀時。

 

銀時「オイオイ、ツッコミいなかったらこの小説成立しねーぞ。・・・しゃーねぇな、第八訓は俺がツッコミでいくか」

 

そんな事言ってる銀時の側でゲロを吐く神楽。

 

穂乃果「ちょっ・・・!神楽ちゃん!?」

銀時「おまっ・・どこにゲロ吐いて・・・くさっ!!」

 

そこで突然の笛の音が聞こえ、上から人が降りてきた。

・・・しかも、神楽のゲロの上をピンポイントに。

まぁ、当然滑って転んだ。

 

いだだだだだだだ!!それに、くさっ!!

「オイ、そいつ止めてくれ!!脱獄犯だ。くさっ!!

銀時・穂乃果「「はィ?」」

 

警察が来たのを見た脱獄犯は、近くにいた神楽に首に手を回して人質にした。

 

脱獄犯「来るんじゃねェ!!このチャイナ娘がどーなってもいいのか」

「貴様!!」

 

そこで脱獄犯は神楽の近くにいた銀時・・・ではなく、穂乃果に声をかけた。

 

脱獄犯「オイ、そこの女。車の運転は出来るか?」

穂乃果「うん?私?免許も持ってるし、出来るよ」

「ええい!!幕府(おかみ)にたてついて、タダで済むと思ってるのか!」

 

そこで突然神楽が声を出した。

 

神楽「あー。捕まっちゃったアルヨー、怖いアルヨー」

 

ビックリするほど棒読みである。

 

銀時「こりゃあ、言う事聞くしかねーなー」

 

こちらも同様に棒読みだ。

 

穂乃果「そうだねー」

 

三度目の正直、当然棒読みである。

 

脱獄犯「オラオラ、どけどけ!」

 

そう言いパトカーに乗って、穂乃果の運転で発車させた。

 

銀時「ま、ぶっちゃけスカッとしたけどさ、こんな事してホントに逃げ切れると思ってるの」

脱獄犯「いいから右曲がれ」

穂乃果「今時脱獄完遂するなんて、宝くじ一等当てるよりも難しいよね」

 

話しつつ、右に曲がる。

 

脱獄犯「逃げ切るつもりなんてねェ・・・今日一日だ。今日一日、自由になれればそれでいい。・・・特別な日なんだ、今日は・・・」

銀時「特別な日ねェ・・・」

穂乃果「確かに、脱獄して直ぐ捕まったら一生忘れられない、ある意味特別な日になるかもね」

 

そこまで話していた所で、後からパトカーが追って来る。

 

脱獄犯「飛ばしてくれ!今、俺は捕まる訳にはいかないんだ!」

穂乃果「オッケー!任せてよ!舌噛まないようにね!」

 

そう言って、凄いスピードを出す。

行く先にある人がいっぱいいる歩行者天国と書いている看板?を倒していく。

 

「止まれバカヤロー!!逃げ切れると思うのか!?」

 

その警察の問に笑みを浮かべる穂乃果。

 

穂乃果「逃げ切れないって?そう言われると、意地でも逃げたくなるじゃない!」

 

そう言って、さらにスピードを上げる。

スピードを上げて暫く走ったら、前の方で東仙坊(とうせんぼう)をするかの如く前にパトカーが来た。

 

脱獄犯「道が・・・!」

穂乃果「まだ平気!」

 

そう言って、パトカーをギリギリの所で方向転換し、かわした。

そのお陰で、前にいたパトカーと後から追ってきたパトカーがぶつかって少数だが、撃沈した。

ちょっと前には壁があるが、パトカーの車内にあるレバーを操作することによってタイヤが収納され、代わりに羽のようなモノと裏にあるホバー機能が作動して飛ぶという機能を使って上手い具合にその壁を登っていった。

また、少数だけパトカーが撃沈したがまだまだパトカーはいる。

 

銀時「やったぜ!流石、穂乃果だな!」

穂乃果「んー・・・銀ちゃん、まだ安心するには早いよ」

脱獄犯「へ?」

穂乃果「ま、まっかせてよ!」

 

そう言って、壁の近くを飛んでいる三機の船の内、二機を通り越し、三機目の船の影に上手いこと隠れてやり過ごした。

そして通常の道に戻り、銀時と脱獄犯は高笑いをした。

 

脱獄犯「へへっ・・・やりやがった!」

銀時・脱獄犯「あっはっはっはっー!!」

穂乃果「ふふっ・・・あっ!?」

 

パトカーの走っている道には狼の様な天人の親子が現れた。

まぁ、当然止まれないパトカーは避けようとして電柱にぶつかった。

 

子「父ちゃん」

父「我等親子、冥府魔道に生きるもの。先を急ぎます故、これにて後免」

 

そう言って去る親子。

 

穂乃果「きゅ〜(๑〜๑)」

銀時「あんっのクソ狼・・・車は急に止まれないって習わなかったのか・・・おい、穂乃果!大丈夫か!」

 

目を回している穂乃果を車から出して、頬をぺちぺちと叩きながら聞く。

それで意識が戻った。特に大事にはならなかったようです。

 

「おい!いたぞ!」

 

とうとう警察に見つかった。

が、寝てる神楽をおんぶしている銀時は人気のない方を見て、こっちだ、と言い逃走劇を繰り広げる。

どうやら銀時の言っていた場所は下水道だった様で、警察がつく前には下水道に入った。

 

銀時「おい、こら!いい加減起きろって!」

神楽「う〜ん・・・くさっ!!」

 

そりゃあ、下水道なので当然である。

 

脱獄犯「何故俺に手を貸すんだ!」

銀時「・・・さぁな」

脱獄犯「おかしいじゃねェか!お前らは巻きこまれただけだ!それなのに・・・」

銀時「そりゃあ、あいつらが嫌いなのもあるけどよ、見届けてェのかもしれないな」

脱獄犯「?」

銀時「特別な日ってヤツをさ」

 

その銀時の言葉にふっ、と笑う脱獄犯。

 

脱獄犯「もうすぐ目的地だ!急ぐぞ!!」

銀時「おう!」

 

 

 

 

はい、ここはどこだって?それは・・・

 

お通「みなさーん!今日は、お通のライブに来てくれてありがとうきびウンコ!」

穂乃果・神楽・脱獄犯「とうきびウンコォォ!!

 

寺門通のライブ会場である。

いきなり来たのに、脱獄犯と一緒に穂乃果と神楽も凄く盛り上がっている。

 

お通「今日は皆、浮世の事なんて忘れて楽しんでいってネクロマンサー!!」

「ネクロマンサー!!」

お通「じゃあ一曲目、【お前の母ちゃん何人?】!!」

 

そして歌い出したお通を見て、銀時が問いかける。

 

銀時「・・・なんだよ、コレ」

脱獄犯「今、人気沸騰中のアイドル寺門通ちゃんの初ライブだ」

銀時「てめェェェ!!人生何だと思ってんだァ!!」

 

そう言い、かかと落としを脱獄犯にかました。

 

銀時「アイドル如きのために脱獄ぅ?一時の享楽のために人生棒にふるつもりか。そんなんだからブタ箱にぶち込まれんだ、バカヤロー」

脱獄犯「一瞬で人生を棒にふった俺だからこそ、人生には見落としてならない大事な一瞬がある事を知ってるのさ」

 

そう言って、脱獄犯は仕切り直しだと言うように・・・

 

脱獄犯「さぁ、楽しもう!!L・O・V・E、お・つ・う!!L・O・V・E・・・

 

そんな事を言い始めた銀時はものっそい引いた感じで穂乃果と神楽に声をかける。

 

銀時「やってらんねェ。帰るぞ、穂乃果、神楽」

神楽「え〜もうちょっと見たいんきんたむし」

穂乃果「そうだよ〜。折角なんだから、もうちょっと見てもいいジャーナリスト」

銀時「影響されてんじゃねェ!!」

 

そんな神楽を置いて、銀時は入口に向かう。

え?穂乃果?穂乃果は結局銀時についていくらしい。

 

銀時「ほとんど宗教じみてやがるな。なんか空気が暑くてくさい気がする」

 

銀時がそう言っている側で、穂乃果は近くから聞いたことあるような声が聞こえた。と言うか、さっきまで聞いてた声のような気がする。

 

穂乃果「あ・・・」

銀時「ん?どした」

穂乃果「銀ちゃん・・・アレ」

銀時「アレ?・・・!」

 

銀時と穂乃果が見ている方には、さっき別れた新八がいた。

その新八の格好は、寺門通親衛隊と書いている羽織?を来ている。

 

新八「オイ、そこ何ボケッとしてんだ、声張れェェ!!」

「すんません、隊長ォォ!!」

銀時「オイ、いつから隊長になったんだオメーは」

新八「俺は生まれた時から親衛隊長だァァ!!」

穂乃果「ていうか、何してるの?」

新八「何って、決まってるだろ!もちろん・・・って、ギャアアアア!銀さん!?穂乃果さん!?何でこんな所に!?」

 

思わず声をかけたらしい銀時と穂乃果の存在に最初は気づかずに受け答えをしていた様だが、やっとこさ気づいたらしい。

 

穂乃果「いや、それこっちが聞きたいんだけど。行かなきゃいけない所があるってココ?」

銀時「てめー、こんな軟弱なもんに傾倒してやがったとは。てめーの姉ちゃんと幼馴染に何て謝ればいいんだ」

新八「僕が何しようと勝手だろ!!ガキじゃねーんだよ!!」

 

そこに銀時と穂乃果に声がかかる。

 

「ちょっと、そこのアナタ達。ライブ中にフラフラ歩かないでください。他のお客様のご迷惑になります」

新八「スンマセン、マネージャーさん。俺が締め出しとくんで」

 

その新八の言葉に、やってみろや、コラ、という顔をする銀時。

そんな銀時を呆れ顔で見る穂乃果。

どうやら、声をかけてきた人はマネージャーだったようで。

 

マネージャー「あぁ、親衛隊の方?お願いするわ。今日はあの娘の初ライブなんだから、必ず成功させなくては・・・」

 

と、そこでマネージャーはなにかに気づいたらしく、驚いた顔をして、その人物に声をかけた。

 

 

 

 

脱獄犯「───そうか!おめぇがお通のマネージャーやってたなんてな。親子二人でここまでのし上がったわけか。たいしたもんだ」

マネージャー「アナタに言われても何も嬉しくないわ。今更、よく平然と顔出せたわね。それにアナタ、服役中じゃなかったの。なんでこんな所にいるのよ」

 

そう問いかけても答えない脱獄犯にマネージャーは溜息をついた。

 

マネージャー「あきれた・・・十三年前から何も成長してないのね。あなたが好き勝手生きるのは結構だけど、私達親子のようにその陰で泣きを見る者がいるのを考えた事ある?」

 

何かを思い出したのか、キツい口調で言葉を紡ぐ。

 

マネージャー「消えてちょうだい。そして二度と私達の前に現れないで。あの娘に嫌な事思い出させないでちょうだい。父親が人殺しなんて」

 

マネージャーが会場の中に戻った後、いつの間にいたのか銀時が脱獄犯にガムを差し出した。

穂乃果は結局神楽の所に戻ったらしく、ここにはいない。

 

銀時「ガム食べる?」

脱獄犯「んな、ガキみてーなもん食えるか」

銀時「人生を楽しく生きるコツは、童心を忘れねーことだよ。まァ、娘の晴れ舞台見るために脱獄なんざ、ガキみてーなバカじゃないとできねーか?」

脱獄犯「・・・そんなんじゃねェ、バカヤロー。昔、約束しちまったんだよ」

 

 

お通『アイドールーにーなーりたぁーいー♪』

脱獄犯『ワハハハ!やっぱり、お前も俺の娘だな。音痴にも程があるぞ』

お通『フン、今に見てな。練習して上手くなっていつか絶対歌手になってやる!』

脱獄犯『お前が歌手になれるなら、キリギリスでも歌手になれるわ』

お通『うるさいわボケ!なるっつったらなるって言ってんだろ』

脱獄犯『面白(おもしれ)ぇじゃねーか。もしお前が、歌手になれたらよォ、百万本のバラ持って俺がいの一番に見に行ってやるよ』

お通『絶対だな』

脱獄犯『あぁ、約束だ』

 

 

脱獄犯「覚えてるわけねーよな。十三年も前の話だ。いや、覚えてても思い出したくねーわな。人を(あや)めちまったバカな親父のことなんかよォ。俺のおかげでアイツがどれだけ苦労したかしれねーんだから。顔も見たくねーはずだ。・・・帰るわ。バラ買ってくるのも忘れちまったし・・・迷惑かけたな」

 

そこで、会場から穂乃果と神楽が慌てた様子で走ってきた。

 

穂乃果・神楽「銀ちゃーん!!」

銀時「どした?二人して」

穂乃果「会場が大変なの!」

神楽「お客さんの一人が暴れ出してポドン発射」

 

訳の分からない説明をした神楽の頬を片手で掴みキレる銀時。

 

銀時「普通にしゃべれ。訳わかんねーよ!」

 

そう銀時に言われても、何故か標準語の敬語で話す神楽。

 

神楽「いや、あの会場にですね、天人がいたらしくて。これがまた厄介な事に食恋族(しょくれんぞく)・・・興奮すると好きな相手を捕食するという変態天人なんです」

 

説明を終えた神楽が穂乃果と一緒に敬礼し

 

穂乃果・神楽「という訳で報告に来た次第でございます!」

 

と言い、銀時は・・・

 

銀時「つか、何でお前標準語?」

 

と神楽にツッコんだ。

神楽の説明を聞いた脱獄犯は会場に走った。

 

 

 

 

「隊長ォォォ!!会員ナンバー49が暴走しました!!」

新八「アレも会員だったのか・・・マスコット人形かと思ってた」

 

そこで、天人に叫びながら突っ込んで行く者もいるが、薙ぎ払われる。

お通に近づき、進行が止まったと思ったらお腹に口が現れた。なんか、触手もいっぱい出ている。

 

お通「きゃあああああ!!」

天人「お通ちゃん、僕と一緒になろ。胃袋で!」

新八「いかん!お通ちゃんが!」

 

そう言って、天人に向かっていく新八率いる親衛隊。

 

マネージャー「早く逃げるわよ、お通!!」

お通「でも、腰が抜けちゃって・・・どーしよ」

 

そうしてる間に突っ張りをする様に手を突き出す天人。

だが、頭に袋を被った人がそれを防いだ。

分かる人には分かるであろう。脱獄犯ですね。はい。

 

新八「だっ、誰だアレ」

脱獄犯「お通!!早く逃げろ!!」

 

だが、所詮は普通の人間。脱獄犯は天人に突き飛ばされた。

 

新八「いけェェ!僕らもお通ちゃんを護れェ!!」

 

そう言って、天人に向かっていく親衛隊。

 

お通「しっかり!しっかりしてください!!」

 

お通の呼びかけた甲斐があったのか、脱獄犯が意識を取り戻した。

 

お通「あ・・・気がついた」

マネージャー「無茶するねェ、アンタ」

お通「あの・・・アナタは一体・・・」

脱獄犯「・・・ただのファンさ。あんたの」

 

とそこで親衛隊を薙ぎ倒した天人が次の標的を新八に決めたらしく新八に向って手を出す。

がそこで神楽が宙を回転して現れ、傘で応戦した。

 

新八「神楽ちゃん!」

神楽「助けに来てやったアル四周連続第一位!」

天人「何するんだ!!」

穂乃果「それはこっちのセリフダイニングキッチン!」

新八「穂乃果さん!銀さんも!」

 

銀時と穂乃果の登場にますますご立腹の様で、触手をこっちに向けてくる。

それに二人で応戦する。

 

銀時「お前はそろそろ退場しろ焼肉食べほーだい!!」

穂乃果「そうだヨーグルト!」

 

そう言い、先に穂乃果が触手を木刀で切り、道を開けてから、次に銀時が木刀でトドメを刺そうとした。

が、また触手が生えてきてやむなく後ろへと下がる。

そこで、新八が叫びながら出てきた。

 

新八「ちょっと待ったァ!!お通ちゃんは僕が護るだるまさんがころんだァー!!」

 

そう叫び、天人の脳天に強力な一撃をお見舞した。

 

銀時「おっさん」

 

そう言って脱獄犯に銀時が投げたのは、三輪のタンポポだった。

 

銀時「そんなもんしか見つからなかった。百万本には及ばねーが後は愛情でごまかしな」

穂乃果「じゃあね!」

 

───バカやろう・・・あんな約束・・・覚えてるわけねーだろうが。だが、この際覚えてよーが忘れてよーが関係ねーや。俺は俺の約束を護ろう

 

そう思いつつ、何も言わずに渡す。

 

───お通・・・しっかりやれよ

 

脱獄犯は去ろうとしたが、会場の入口前でお通から声をかけられた。

 

お通「あの・・・今度は、ちゃんとバラ持ってきてよね。私、それまで舞台(ここ)でずっと待ってるからさ。お父ちゃん!」

 

 

 

 

入口付近で待ってたのか、銀時は脱獄犯に声をかけた。

 

銀時「よぉ、涙のお別れはすんだか?」

脱獄犯「バカヤロー。お別れなんかじゃねェ。また必ず会いにくるさ。・・・今度は胸張ってな」

 

泣いてないといいつつ、泣いているが、恐らくこれは決意なのだろう。




はい、終わりましたー。

新八「まだ、だらけてるよ。この人達」

えー、それでは、前書きにあった通りゲストは引き続き神楽と+a(新八)でーす!

新八「なんで+aに新八ってルビ振ってるの!?」

+aだから。

銀時「+aだからだろ」
穂乃果「+aだからって事以外に逆に何があるの?」
新八「だから何で僕は+aなの!?」
神楽「駄眼鏡だからアルヨ」

ピンポンピンポーン!
神楽、せいかーい!

新八「正解って!?駄眼鏡だから+aなの!?つか、駄眼鏡ってなんだよ!!」

はい、ぱっつぁんはほっといて今回は特に設定を書くキャラが居ないため、新たになった設定です。それは、以下です。↓

・ぱっつぁんが寺門通のファンクラブの親衛隊長。
・ぱっつぁんがアイドルオタク。
・海未は怒ると怖い。(はい、これ重要。テストに出るレベルで。(本気にしないでね!!でも、重要ではあるよ!))

以上かな。

新八「いや、何で海未ねぇの所が一番重要?色付けるレベルで。」

これからは海未は怒らせるべからず、って言う教訓を広めようかなって。

穂乃果「教訓って・・・大袈裟・・・な?」
銀時「いや、そうでもねぇだろ。お前も疑問符付けてるしー。うん、教訓は大事だよな」
神楽「そうアルナ。これからは、皆の心の中に刻んでほしいアル。海未は怒らせるべからずって」
新八「・・・うん、まぁ、色付けるレベルで大事な事です」

やっぱり、ぱっつぁんが一番知ってるよねー。

新八「まぁ」

よし、早速次回予告をしよう。

新八「ええっ・・・?・・・何か今回、短くありません?前書きも後書きも」

・・・ネタ切れって・・・辛いね。

新八「ネタ切れだったの!?」

だって、話す内容が思いつかないんだもの!!
あ、そうだ。実は今週の金曜日から冬休みなんだ!

新八「いきなりだね!?」
銀時「おー、良かったじゃん」
穂乃果「これで好きな時に好きなこと出来るね!」
神楽「ゴロゴロしたりアルカ?」

そーそー!
・・・じゃあ、話し終わったし、次回予告しようか。

新八「早っ!?話し終わるの早いよ!あ、次回予告はもちろん僕ですよね?」

はい、神楽おねがーい!

新八「何で!?神楽ちゃんは一回やってるじゃん!なのに何で!?」

・・・もー、うるさいなぁー。
しょうがない、ぱっつぁんどぞ。

新八「・・・なーんか、納得いかない・・・」





新八「次回は、真選組が出ます。真選組の特番放送と並行して、話が進みます。あとは、ゴリラが出ますね」

・・・・・・・・・・・・・・・・

神楽「ふっ・・・ダメダメアルナ。短い上にクオリティ低すぎアル」
新八「うっ・・・」

まぁ、いいや。これでも分かる人には分かるでしょ。

穂乃果「それでは皆さん、少し早いかもしれませんが良いお年をお過ごしください!」
銀時「投稿は来年になると思うので、来年も俺達の日常を見れる事を楽しみにしていてください」
神楽「それじゃ、今回はこれくらいですアル!また、来年アルナ!」

皆さん、風邪をひかずに良いお年をお過ごしください。


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第九訓 粘り強さとしつこさは紙一重

はい、始まりました!第九訓!

穂乃果「ドンドンパフパフ〜」
銀時「古くね?」

気にしないで!
やっと来たね、真選組メイン回!多分。

穂乃果「始まるね、感動の再開が!」

そうそう、感動の再開・・・ん?

銀時「いやいや、さり気にウソをつくな!」
穂乃果「あはっ、ごめんね。でも、ほらテンプレというか・・・お約束じゃない?」

違うよ!?
まぁとにかく、新年明けてから日にちがすぎたわけですが。

穂乃果「あえて言わせてください!」
銀時「あー、ごほん」


銀時・穂乃果・美雪「新年、あけましておめでとうございます!今年もラブ魂をどうぞよろしくお願いします!」


緊急特別番組

 

大都会、江戸。

夜尚、喧騒と欲望をかてに、人々を誘蛾灯のように誘う街。

そして───

 

23:09

 

ある店の前に、複数のパトカーが止まる。

 

「三番隊は裏を固めろ。十番隊は私に続け!」

 

そんな江戸の街、跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する反乱分子や、闇の世界に安楽する攘夷志士を即時処分する幕府直属の武装警察があった。

 

一気に階段を駆け上がり、目的の部屋の前についたら、何故か大きな木みたいなのを持ち、扉を叩き破った。

扉を叩き破った部屋の中へ入り、土方十四郎と絢瀬絵里がカメラを引き連れて部屋の中に入った。土方は喋る寸前までカメラ目線だ。

 

土方「御用改めである。真選組だァ!!」

 

暫く唖然としていた面々のうち一人がやっとツッコミをしてくれる。

 

「真選組!?テレビクルー引き連れて、何が御用改めだ!」

絵里「ええ、それはもっともね・・・」

希「あかん。敵さんの方がまともに見えてきた」

 

そんな二人と矢澤にこの厳しい視線を無視する土方。

 

土方「テメーらこそ、カラオケしながら幕府を転覆たァいい度胸だ!!」

にこ「えー・・・取り敢えず、一人残らず確保するわよー」

 

にこの気の抜けるような掛け声でも関係ないようで大半の者はやる気に満ち溢れた声で敵に向かっていった。

 

我々取材班は、この真選組に二十四時間完全密着し、その全貌を明らかにしていこうと思う。

 

完全密着!

武装警察

真選組24時!!

 

場所変わって。

 

「ひぃ!!」

 

情けない声を出して、外に出てきた二人に誰かがバズーカを放った。

 

「ダメですよー、逃げだしちゃあ」

 

真選組 一番隊隊長

沖田 総悟

真選組 局長補佐

東條 希

真選組 隊長陣補佐

矢澤 にこ

 

沖田「あー、かったりィ」

希「そうやなぁ」

にこ「思ってても言わない!カメラだってあるのよ。大体、希まで何言うの!?」

沖田「へーへー」

希「まぁまぁ、にこっち。落ち着きーや」

 

場所は戻って室内。

 

「こ、こ、こ、このやろ!寄るな!貴様らなどに我々の志士を・・・」

土方「攘夷志士の癖にチャラチャラするんじゃねぇ」

 

そう言い、刀を振り上げ、振り下ろし、カラオケのテレビを切った。

それにビビって、チビる攘夷志士。

 

「すげぇ・・・」

 

真選組 副長

土方 十四郎

真選組 副長補佐

絢瀬 絵里

 

ココぞとばかりにカメラ目線の土方。

また場所は変わって外。

 

真選組 局長

近藤 勲

 

の、看板がトラックの上にある。

 

「あれ、近藤局長は?」

「ああ、そう言えば」

「どこいったんだ?」

 

そこに土方と絵里が来た。

 

土方「あの人は俺達と違って奥ゆかしいからな。テレビの取材なんぞに用はねぇのさ」

「おお、流石局長」

絵里「今頃は、幕府のお偉い方と談義してるか、一人で刀の手入れでもしてるんじゃないかしら?」

 

 

 

 

その頃、土方達の噂していた近藤勲はここ、スナックすまいるという場所で志村妙に愚痴っていた。

 

近藤「どーせ、俺なんてケツ毛ボーボーだしさァ。女にモテるわけないんだよ」

妙「そんな事ないですよ。男らしくて素敵じゃありませんか」

近藤「じゃあ、きくけどさァ。もし、お妙さんの彼氏がさァ、ケツ毛だるまだったらどーするよ?」

 

その近藤の問にすぐには答えないで、お酒をコップにいれて、近藤の前に置き、答えた。

 

妙「ケツ毛ごと愛します」

 

この言葉を聞いた近藤は、心の中で葛藤を始めた。

 

───菩薩(ぼさつ)・・・全ての不浄を包み込むまるで菩薩だ

 

近藤「け、け、け・・・ケツ婚してください!!」

妙「え!?」

 

 

 

 

新八「何ィィィ!!結婚申しこまれたって!?」

空「はわぁ・・・すごいね!妙ねぇ」

新八「マジでございますか、姉上!!」

妙「マジですよ。お店のお客さんに突然ね」

 

そんな妙に落ち着く意味も兼ねてお茶を飲みつつ、海未が問いかける。

 

海未「それで、何て答えたんですか?」

妙「フフ・・・勿論、丁重にお断りしましたよ。でも、ホントびっくりしたわ〜」

 

息をつき、言葉を続ける。

 

妙「初めて会ったのに、あんなにしつこく迫ってくるなんて。あんまりにしつこいから、顔にストレートキメて逃げてきたの」

新八「そ・・・そーですか。・・・どんな人か僕も見たか・・・」

 

新八の言葉の途中で電柱にしがみついてこっちに叫びかける人がいる。

 

「お妙さァァァん!!俺と結婚してくれェェェ!!」

 

これから分かる通り、近藤だ。

 

近藤「一度や二度フラれたくらいじゃ俺は倒れんよ!!女はさァァ、愛するより愛される方が幸せなんだよ!!って母ちゃんが言ってた」

 

そんな近藤に、当然ながら注意の声がかかる。

 

「こらァァァ!何やってるんだ!近所迷惑だ、降りてこいコノヤロー!!」

近藤「おまわりさん、おちつけェェ!!俺は・・・」

 

そこまでいって何故か鼻で、フン、と笑って言い放った。

 

近藤「俺は泥棒は泥棒でも、恋泥棒さ!!」

「何、満ち足りた顔してんだ!!全然上手くねーんだよ!!とっとと降りてきやがれェ!!」

 

お巡りの声も無視して叫び続ける近藤。

 

近藤「お妙さァァん!!顔だけでも出してくれないかな〜!!」

 

そんな近藤に何故かある、灰皿を手にして顔を出した。

そして、躊躇いなく灰皿を近藤に向かって投げた。

一点の狂いもなく、近藤の目に灰皿を当てた妙に新八と海未は何も言わずに拍手を贈り、空はすごーい!と騒いでいた。

 

 

 

 

04:30

 

場所は変わって、ここは真選組屯所。

真選組は皆、せい!という掛け声をして木刀で素振りをしている。

男連中は皆一部を抜いて上半身裸で、女連中は上着だけ脱いでいる。

ただし、山崎は上半身裸でバトミントンのラケットの素振りをしている。

 

真選組の朝は早い。

いつなん時、出動がかかっても対応できるよう、早朝から訓練に励んでいるのだ。

 

土方「気合入れろ!早朝訓練サボる奴は切腹だ、オラァ!!」

 

その言葉に声を発する者がいる。

 

「早朝かぁ・・・」

「早朝ねぇ・・・」

「副長が早朝つったら、早朝なんだよな」

絵里「いや、何もそんな無理やり納得しなくていいのよ?」

 

その隣で、素振りをしているもののアイマスクをし、いびきをかいて明らかに眠ってるとしか思えない沖田。

 

山崎「いや、早くないから!午前10時は早朝って、言わないから!」

土方「バカヤロー!人間、気合いがあれば何とでもなるんだよ!」

山崎「これは気合いじゃなくて、偽装でしょ」

土方「って言うかテメーはまたミントンか!コノヤロー!!」

 

そう言い、壁の方へ山崎を思いっきり蹴った。

山崎を蹴った音で起きたのか、沖田がアイマスクを外した。

 

沖田「そういやァ近藤さん、今日も見かけませんねェ。休暇でも取ったんですかィ」

土方「テメーと一緒にするな!!あの人の事だ。大方、一人で剣術の修行でもしてるのさ」

「おおー、流石、近藤局長」

「やっぱり、局長ともなると、違うなァ」

「惚れ直すぜ」

 

本人の知らぬところで、勝手に株が上がっていた。

 

 

 

 

場所は変わって、食べ物売り場。

ここに、新八と妙、海未と空で一緒に買い物に来ているようだ。

 

新八「姉上も変なのに惚れられちゃいましたねぇ」

妙「ホント、困っちゃうわ」

海未「さて、今日は何にしましょうか。空は何がいいですか?」

空「うーんっと・・・オムライス!!」

 

じゃあ、それにしましょうか。とまずは卵を手に取る海未。

それを見て妙は・・・

 

妙「じゃあ、こっちのお夕食も卵料理にしましょうか」

三人━妙「え!?」

 

それを聞いて、三人は慌てる。

 

新八「姉上、また卵ですか!?」

妙「好き嫌いしないの。卵は栄養があるのよ」

海未「た、卵料理ならわたしが作りますから!」

妙「え?でも、悪いわ」

海未「いえ、卵料理いっぱい作りたい気分なんです!お妙と新八の分は今日もわたしが作りますから!どうせ、家隣なんですし!ですので、お妙は他の作りたいお料理の材料を買ってください。リクエストは受け付けますから」

妙「そう?じゃあ、お願いするわ。海未姉様」

 

その言葉に安堵する三人。

 

───だって、姉上の卵焼きと言ったら、卵焼きじゃなくて可愛そうな卵・・・だもんな

 

───下手して、多く作りすぎたってなったらわたし達にも被害が来るもんね

 

───流石にわたし達に被害が来なくても新八に被害がいくのは可愛そうですからね

 

妙「仕方ないわねぇ」

 

と言い、隣にあったカボチャを手に取った。

ら、何故かカボチャの置いているところから、人の顔が出てきた。

というか、近藤である。

 

妙「きゃああ!?」

 

そんな妙に近藤はどこから出したのか、『一山つきあって』と書いてある板を出して見せた。

 

妙「一山つきあえって、意味わかんねぇ、よ!!」

 

と言い、カボチャを近藤に投げる。

再び、場所変わって買い物を終え、木々が多い茂る所を四人は歩いていた。

と、そこにテニスボールが転がって来た。

それを空が手に取り、四人で見ると、ボールの表面に【お妙さん、好きです。コンドーイサオ】と書いてあった。

それを見て、わかりやすく顔を歪める妙。

 

近藤「お妙さん!」

 

出てきた近藤の格好は、何かの方向性に迷った様な格好だ。

 

近藤「こう見えても、俺はスポーツマンなんだ!趣味はテニスとスキューバダイビングかなぁ」

 

と言い、テニスラケットを降る近藤。

そんな近藤に、怒りを抑えられなかったのか、テニスボールを素手でわった。アクリョクスゴイ。

 

妙「どっちかにしろやァ!このド変態がァ!!」

 

と、容赦なく顔面を蹴る。

 

 

 

 

14:00

 

真選組の仕事は、多岐に渡っている。

大都会、江戸の交通整備もその仕事の一つだ。

 

そこで、交通ルールを破って勝手に動く車が出た。

 

土方「おいコラテメー!!誰の許可を得て、進路変更してんだ!行くんじゃねぇよ!!」

絵里「ちょっ!刀を向けるのはまずいわよ!土方さん!」

沖田「まぁまぁ、土方さん。土方さんは気が短くていけねぇや。ここは任せといてくださいよ」

 

と、バズーカを構える沖田。

 

土方「任せられっか!!」

希「沖田さんの方が恐ろしいわぁ」

 

バズーカを躊躇いなくぶっぱなす沖田。

それを見て、皆一斉に逃げる。

 

沖田「あ〜あ〜、ホンット土方さんは過激なんだから」

土方「テメーだろうが、総悟!」

絵里「一番過激なのは、沖田さんよ!」

にこ「こ・・・これ、どうするのよ・・・」

希「そう言えば、にこっちはセリフ少ないなぁ」

にこ「黙れ!!」

 

 

 

 

再び場所変わって、蘭蘭蘭という店の中にいるのは、新八と海未と空、ストーカー被害を受けている妙、そして今回の話初登場の銀時と穂乃果と神楽だ。

因みに、神楽は大きな器でラーメンを食べている。何でも、時間内に食べれば無料だそうで。

 

新八「───っと言うわけなんですよ、銀さん」

銀時「という訳じゃねぇよ、コノヤロー」

新八・海未「はぁ?」

妙・空「?」

 

意味のわからない事を言い始めた主人公。

 

銀時「小説のこの回が始まって、もう何文字目だよ。こんっなに経つまで主人公の俺に、出番がねぇってのは問題じゃねぇか!!」

穂乃果「そうだよ!私だって、ラブライブ原作では主人公、ラブ魂ではヒロイン枠だよ!?」

「11分10秒」

銀時「これ、ラブ魂だけど、原作は銀魂だろ?なぁ、おい!俺が出なくて何が原作銀魂だよ!」

新八「いや、一応今日の小説タイトルというか、テーマ、と言うか、サブタイトルは完全密着、武装警察真選組24時、だそーですけど」

銀時「何それ。聞いてないよ!」

 

そう言う銀時に穂乃果が文句を言う。

 

穂乃果「もー!こうなったのは、全部銀ちゃんがやる気ないのが悪いんだ!」

海未「そうですね。ここままでは、本当に真選組が主役の小説になってしまうのでは?」

銀時「マジでか!!はっ!そーいえば、今回は銀魂のオープニングやってねーじゃん!」

空「おーぷにんぐ?」

新八「ねぇよ!!これ小説だからオープニングなんてねぇよ!!アニメじゃないんだよ!!確かにアニメだとオープニングやってなかったけど!!」

 

 

 

 

では、気を取り直して。

 

銀時「よかったじゃねーか。嫁のもらい手があってよォ。帯刀してたってこたァ、幕臣がなんかか?玉の輿じゃねーか。本性がバレないうちに籍入れとけ、籍!」

 

とパフェを食べながら言う銀時。

 

妙「それ、どーゆー意味

 

言いながら、銀時が食べているパフェめがけて頭を押して顔面強打させる妙。

 

穂乃果「あはは・・・案外、その人この前会った集団の真選組の仲間だったりして」

「「「ないない」」」

穂乃果「あはっ、だよね」

 

実際、合ってはいるが今はまだ知るすべはないので致し方がないのである。

 

妙「最初はね、そのうち諦めるだろうと思って、たいして気にしてなかったんだけど。どこいってもアイツの姿があって。ほんっと異常なのよ」

 

そこでストーカー話とは関係ない声がした。

 

「ハイ、あと30秒」

銀時「ハイハイ、ラストスパート。噛まないで飲みこめ、神楽。頼むぞ、金持ってきてねーんだから」

穂乃果「神楽ちゃん!頑張って!!」

新八「きーてんの、アンタら!!

 

そんな新八に文句を言う。

 

銀時「んだよ、俺にどーしろっての。仕事の依頼なら出すもん出してもらわにゃ」

新八「銀さん、僕もう二ヶ月給料貰ってないんですけど。出るとこ出てもいいんですよ」

銀時「出るとこ出るってもなぁ」

 

そんな銀時に新八が耳元に囁くようにいう。

 

新八「ほら、やる気出さないと主役が」

銀時「ストーカーめェェ!!どこだァァ!!成敗してくれるわァっ!!

 

新八の言ったことに、はっ!となってそんな事を言い始める銀時に明らかに扱いやすい奴みたいな目で見ている新八がいるが、気にしないでおこう。

そしてここに、バカがいた。というか、いる。

 

近藤「なんだァァァ!!やれるものならやってみろ!!」

新八「ホントにいたよ」

銀時「ストーカーと呼ばれて出てくるとは、バカな野郎だ。己がストーカーであることを認めたか?」

近藤「人は(みな)、愛を求め追い続けるストーカーよ」

穂乃果「ぜんっぜん上手くないから

 

こいつ、最早(もはや)立派なストーカーだ。

 

近藤「ときに貴様。先程より、お妙さんと親しげに話しているが、一体どーゆー関係だ。うらやましいこと山の如しだ」

 

近藤の問に、妙はこれを機にというかの如く、銀時の隣に行って、とんでもないことを言った。(穂乃果目線からの話。)

 

妙「許嫁ですぅ。私、この人と春に結婚するの」

穂乃果「え!?」

銀時「そーなの?」

妙「もう、あんな事もこんな事もしちゃってるんです。だから、私の事は諦めて」

近藤「あ・・・あんな事もこんな事も、そんな事もだとォォォォォ!!」

海未「いや、そんな事はしてません」

 

ラブ魂の海未は結構冷静である。

 

近藤「いやっ!!いいんだお妙さん!!君がどんな人生を歩んでいようと、俺はありのままの君を受け止めるよ。君がケツ毛ごと俺を愛してくれたように」

妙「愛してねーよ」

近藤「オイ、銀髪パーマ!!お前がお妙さんの許嫁だろーと関係ない!!お前なんかより、俺の方がお妙さんを愛してる!!」

 

こいつは、まるで人の話を聞いてないかのように言い放った。(実際聞いてないんだろーけど。)

 

近藤「俺と決闘しろ!!お妙さんをかけて!!」

 

あ、因みに穂乃果は・・・

 

穂乃果「ぎ・・・ぎ・・・ぎ・・・銀ちゃんの・・・バカァァァァァ!!!!

銀時「えっ!?ちょっ・・・それはヤバッ・・・!ギャアアアア!!?

 

手加減なしの技を剛だとするならば、完全に剛であろう。力任せに木刀を振り下ろした。

 

 

 

 

ここは、何処かの河原だ。

どうやらここで、決闘をするようで。

しかし、何故かいるのが近藤だけで、銀時はいない。

 

妙「余計なウソ、つかなきゃ良かったわ」

新八「確かにかえって大変な状況になってる気がしますね」

海未「それにあの人、多分強いですね・・・。決闘を前にあの落ち着きぶりは、何度も死線をくぐり抜けてきた証拠ですね」

穂乃果「平気だよ!銀ちゃんが負けるはずないじゃない!!」

神楽「そうアルヨ。それにもしもの時、銀ちゃんピンチになったら私の傘が火を吹くネ、穂乃果、姉御」

妙「殺さない程度にね」

 

物騒な事を言う神楽に対して、ジト目を向けている新八に近藤が声をかけた。

 

近藤「オイ!メガネ小僧、アイツはどうした?」

新八「誰がメガネ小僧だ!!あー、何か厠に行ってくるって言ってましたけど!?」

 

その答えに、近藤は舌打ちをした。

 

近藤「随分、余裕かましてくれちゃってるじゃねーの」

 

 

 

 

16:00

 

我々取材班は、町中で暴れる酔っ払いがいるという情報を終えて、現場に向かった。

 

酔っ払いがふらふらの状態で文句を言っている。

 

そこには、江戸の守護者・真選組が到着していて・・・

 

とカメラを真選組が来るであろう方向に向けるが、そこには何もない。

 

到着して・・・

 

逆の方にも向けるがやはりいない。

 

到着し・・・

 

また方向転換するが、やはりいない。

と思ったらワンテンポぐらい遅れて来た。

 

今かよ!?今到着かよ!?

 

ナレーションも忘れてツッコむナレーター。

 

沖田「そこの酔っ払い、無駄な抵抗はやめて投降しなさい」

にこ「そうよー、酔っ払いさん、その方がいいわ。抵抗すればする程、このドSが何をやるか分かったもんじゃないもの」

酔っ払い「んっだとぉ!?誰が酔っ払いでィ!?こんなもん、飲んだうちに入んねぇんだよ!!小僧!!小娘!!」

 

そんな酔っ払いに沖田とにこはキレたようだ。

 

沖田「土方さん」

にこ「絵里」

沖田・にこ「切り殺して(いいですかィ/いい?)」

絵里「ダメよ!?」

土方「まぁ待て。カメラがあるんだがら。軽々しく、刃傷沙汰おこすんじゃねぇよ」

 

そう言った土方の足元で、思いっきりリバースする酔っ払い。

それを見て、一同固まる。

土方は目が赤く光る。

 

土方「テメェ、俺のズボンの裾に、ひもつがかかったぞ。どーしてくれる」

 

と刀に手をかける。

 

希「土方さん、人の事言えへんやん」

絵里「ちょっ・・・!!力の強い男連中で土方さんを抑えるのよ!!」

土方「バカ野郎ォ!!離しやがれェ!!こいつ、打首にする!!」

「副長、抑えてください!!」

にこ「ちょっ!カメラで撮らないで!!止めなさい!!」

 

 

 

 

場所は戻って河原。

時間がだいぶ経ったのか、青空だったのがもう既に夕日の出る時間帯になったらしい。

その間に、ギャラリーが集まったようで。

そのギャラリーにチャンスかというように、穂乃果と神楽、新八と空で食べ物や飲み物を売っている。(因みに食べ物と飲み物を渡すのが新八と神楽で、お金を受け取るのが穂乃果と空という感じに役割がされている。)

 

神楽「えー、おせんにキャラメルー」

新八「コーラいかがすかー」

穂乃果「美味しい割には安いですよー」

空「ぜひ、いっこぐらいは買ってくださーい!」

 

この時間帯になっても、銀時は現れない。

 

近藤「オイ!!まだか!!まかさ逃げたんじゃないだろーな!」

銀時「バーカ。テメェ程度の相手に逃げやしねぇよ」

穂乃果「あ、銀ちゃーん!!」

近藤「来たか・・・遅すぎるぞ、大の方か!!」

銀時「ヒーローが大なんてするわけねーだろ。糖の方だ

近藤「血糖値の高いヒーローなんて、聞いたことねぇよ」

 

もっともだ。

 

銀時「いーねぇ、夕陽だ。決闘は夕陽に限るぜ」

 

銀時のその言葉に、後ろをむいて夕陽を見た近藤がフッと笑った。

 

近藤「銀髪パーマの割りには、風流なことをいいやがる」

銀時「テメェもゴリラにしちゃ、人間の言葉が上手いじゃねぇか」

近藤「ごっ!?ゴリラじゃないから!!ゴリラに似てるかもしれないけど、違うから!!」

銀時「まぁ、いい。じゃ、そろそろ始めるか」

 

その言葉に、仕切り直しだと言うように聞く。

 

近藤「で、得物はどーするよ?真剣が使いたければ貸すぞ。お前の好きにしろ」

銀時「俺ァ、木刀(こいつ)で充分だ。このまま()ろうや」

近藤「なめてるのか、貴様」

銀時「ワリーが人の人生賭けて勝負出来る程大層な人間じゃないんでね。代わりと言っちゃ何だが、俺の命を賭けよう」

 

銀時の一言にギャラリーがざわめく。

 

銀時「お妙の代わりに、俺の命を賭ける。てめーが勝ってもお妙はお前のモンにならねーが、邪魔な俺は消える。後は口説くなりなんなり好きにすりゃいい。勿論、俺が勝ったらお妙から手を引いてもらう」

穂乃果「銀ちゃん・・・」

 

────自分の命を白刃の元にさらして、負けても私には危害を及ぼさないようにするつもり!?

 

妙「ちょっ、止めなさい!!銀さん!!」

 

その銀時の言葉に少し笑う近藤。

 

近藤「い〜男だな、お前。いや、女子(おなご)より男にもてる男と見た」

 

そう言いつつ、腰に差してた刀を地面に落として置いた。

それを見て、銀時は己の木刀を近藤に投げて渡した。

 

銀時「てめーもいい男じゃねーか。使えよ、俺の自慢の愛刀、洞爺湖だ」

穂乃果「銀ちゃーん!!私の使ってー!!」

 

穂乃果が投げて渡した木刀をキャッチして肩に置く。

 

銀時「勝っても負けても、お互い遺恨はなさそーだな」

近藤「ああ。純粋に男として、勝負しよう」

 

一斉に構えて相手に向かう。

 

近藤「いざ!!」

銀時「尋常に」

銀時・近藤「勝負!!」

 

と近藤が洞爺湖をちょっと振っただけだが、何故か折れた。当然、先っちょがない。

 

近藤「あれェェェェェェェ!?ちょっと待て、先っちょが・・・

 

しかし、銀時は止まらない。

そのまま、木刀を振るった。

 

近藤「ねェェェェェェェェェェ!!

 

それを見て、穂乃果達は微妙な顔になる。

 

銀時「(あめェ)・・・天津甘栗より甘ェ。敵から得物借りるなんざよォ〜。厠で削っといた。ブン回しただけで折れるぐらいにな」

近藤「貴様ァ、そこまでやるか!」

銀時「こんな事のために誰かが何かを失うのはバカげてるぜ。全て丸くおさめるにゃ、コイツが一番だろ」

近藤「コレ・・・丸いか?・・・」

 

限界が来たのか、気絶した近藤。

 

銀時「よォ〜。どうだい、この鮮やかな手ぐ・・・ちゃぶァ!!」

 

言ってる途中で、銀時の上に新八と神楽が飛び降りた。

そこからの銀時をボコりタイムなう。

 

神楽「見損なったヨ!!侍の風上にも置けないネ!!」

新八「あんな事して勝って、嬉しいんですか、この卑怯者!!」

銀時「お前、姉ちゃん護ってやったのにそりゃないんじゃないの!!」

 

最後に銀時に急所の所を思いっきダメージをかけた。

 

穂乃果「きゃああああ!?銀ちゃーん!!?」

神楽「もう帰る。二度と私の前に現れないで」

新八「しばらく休暇もらいます」

 

穂乃果は橋の上から飛び降りて銀時の元に向かった。

銀時を見ていた海未と妙は少し笑った。

その顔は銀時の行動の意味を分かっているかのようで。

 

海未「では、わたし達も帰りましょうか」

空「うん!」

妙「ええ、そうね。海未姉様」

 

泣いている銀時の元についた穂乃果は、心配そうに顔を覗き込む。

 

穂乃果「銀ちゃん、大丈夫?」

銀時「うぅ・・・大丈夫じゃない。つか何でこんなに惨めな気分?」

 

そんな銀時に穂乃果は微笑んで言った。

 

穂乃果「大丈夫だよ、銀ちゃん。私はちゃんと分かってるから」

銀時「・・・な、何のことかな〜」

穂乃果「ふふっ・・・ほら、帰ろ。立てる?」

銀時「あ、ああ、大丈夫だ。そうだな、帰るか」

穂乃果「神楽ちゃん、家に入れてくれるといいね」

銀時「いや、そもそもあそこ俺の家なんだけど」

 

因みに、同時刻の橋の上。

 

真選組副長、土方十四郎。

真選組副長補佐、絢瀬絵里。

彼らは、激務が終わった後二人で静かに市中を見廻りしている。

今、彼らのその目に何が映っているのか。

 

絵里「あら?」

土方「?なんの騒ぎだ」

「何でも、女取り合って決闘したらしいですぜ」

土方「女取り合って決闘だぁ?」

 

そう言いつつ、近付いて見る。

 

土方「くっだらねぇ」

絵里「くだらないとは言わないけれど、一体どこの誰がそんなことしたのかしらね」

土方「あ」

土方・絵里「近藤局長?」

「近藤局長?アレが真選組の局長、近藤勲さんですか?」

土方「あ、てめぇ!何撮ってるんだ!!」

絵里「止めて!ダメよ!!撮らないで!!」

 

こうして真選組の活躍によって、江戸の平和は護られているのだ。

・・・ホントかぁ?




穂乃果「終わったぁ〜」

終わったねぇ〜。

銀時「穂乃果も美雪も銀魂に影響されすぎじゃね?」

とか言っときながら、だらけてる銀ちゃんに説得力はないよー。

穂乃果「ね!」

じゃあ、今回のゲストです!

土方「真選組副長、土方十四郎だ」
沖田「真選組一番隊長、沖田総悟でさぁ」
絵里「真選組副長補佐、絢瀬絵里です」
希「真選組局長補佐、東條希いいます」
にこ「真選組隊長陣補佐、矢澤にこよ」

という訳で、この五人です!

穂乃果「あれ?近藤さんがいないね?」

お妙さんに会いに行くからって、断られちゃった。

穂乃果「ストーカーだね」
銀時「ストーカーだな」
絵里「ごめんなさい、うちの局長が」
にこ「てか何、この後書きって断れるの!?ああ、断ればよかった!」
希「まぁまぁ、にこっち。そんな事言わないでや」

そうだよ〜
タダでさえ、出番がラブライブキャラで人一倍少ないんだから、ね?

にこ「誰のせいよ!!誰の!!」

さぁ、誰のせいだろ?
では、設定に入ります!
まずは誰からがいい?

沖田・にこ「(俺/私)から・・・」

あや、どっちにする?

にこ「私よ!」
沖田「いやいや、やっぱり俺だろ」
にこ「何よ、私に決まってるでしょ!?」
絵里「また始まった」

あや、喧嘩になっちゃった。
まぁいいや。じゃあ、土方さんから。

沖田・にこ「は!?」







土方十四郎

真選組の副長で鬼の副長と呼ばれている。
今作、ラブ魂では穂乃果とは昔馴染みらしい。いつから、とかは後に分かる、と思う。

歳━━━━27歲
容姿━━━深緑がかった黒髪のグレーぽい青色の瞳孔が開いた目をしている。イケメンである。
性格━━━クールで熱い性格をしている。大らかな近藤とは対照的にスパルタな言動と行動で隊を引っ張っている。何かにつけて好戦的で気に入らないことがあるとすぐに食って掛かる。極度のマヨラーであり、モテはするがマヨラーを知って去って行く女性も少くはない。残念イケメンである。穂乃果に頼まれ事されたら断れない人の一人。ていうか、ほのキチは皆穂乃果の頼まれ事は断れないけど。フォローが上手。フォロ方十四フォロー。
一人称━━俺







よし、こんなもんだね。

穂乃果「じゃあ、次は誰にする?」

そーだね、希ちゃんかな。

銀時「はい。じゃあ、希の設定でーす」
沖田・にこ「何で!?」







東條希

真選組局長補佐。真選組には絵里とにこと一緒に入った。真選組最初の女性が、絵里、希、にこの三人。
タロット占いがよく当たる。というか、百発百中。その為、占いを頼まれる事もしばしば。ただし、稀に例外もあり、占えないこともある。つまり、占えたら百発百中という事だ。霊感が強い。あと、セクハラをする事もしばしば。その名も、わしわしMAX。
運がとても良く、戦いで運の良さに助けられる事もある。が、剣の腕は確かである。

歳━━━━24歲
容姿━━━バイオレット色の髪に、澄んだライトグリーン色の目をしている。髪型は、下の方でツインテールにしている。
性格━━━おっとりとした雰囲気。人をからかう事が好き。真選組の仕事に関しては、局長補佐の癖に沖田に似てサボる。
一人称━━ウチ







じゃあ、ちゃっちゃと行こうか!

希「次は誰なん?」

うんっと、絵里さんで。

穂乃果「では、どうぞ!」







絢瀬絵里

真選組副長補佐。真選組には希、にこの三人で入った。
希とにこの中では一番、剣の腕がある。
今作では、戦闘狂である。
妹が一人いるらしい。

歳━━━━24歲
容姿━━━金髪に穂乃果や神楽よりも、濃いめの水色の瞳。高いところでポニーテールをしている。
性格━━━明るく、真面目な性格をしている。基本的にはツッコミ役だが、時々ボケる事もある。ほのキチでシスコン。
一人称━━私







じゃあ、近藤・・・ではなく、沖田さん!

沖田「フッ・・・」
にこ「(^^╬) いら」
穂乃果「あれ、なんで近藤さんの設定じゃないの?」

だって、めんd・・・じゃなくて、ほら、あんまり設定変わんないから?

銀時「今、面倒って言いかけただろ」

気のせいだよ。

にこ「じゃあ何で、私よりも沖田なのよ!?」

ハッキリ言って沖田さんの方が好きだし、真選組キャラは沖田さんが一番好きだし。

穂乃果「お、そー君とにこちゃんが睨み合ってる」
銀時「こいつら、仲悪いんだな」

では、設定です!







沖田総悟

真選組一番隊長。ドSサディスト。本人曰く、ドSは打たれ弱いらしい。その為、極度に打たれ弱い。穂乃果に対して何事にも弱い。

歳━━━━18歲
容姿━━━薄い茶色の髪に赤い目の童顔な美少年である。寝る時は、アイマスクを着用している。
性格━━━ドSのサディスト。腹黒く、毒舌である。でも、優しいところもちゃんとあるといえば、ある。本人曰く、ドSの為打たれ弱い。仕事をよくサボる。ほのキチ。土方とにこが嫌い。
一人称━━俺

隙あらば、土方を抹殺しようとしてる。にことは相性が悪いらしく、事あるごとに喧嘩をしたりしている。にこに対しても容赦のないところはあるが、土方程常日頃抹殺を企てたりする程では無い。







よし。じゃあ、最後ににこだね!

にこ「何で私だけ呼び捨て?」

見た目少女だから。

にこ「これでも成人してるんだけど!?」
穂乃果「えっと・・・それじゃあ、どうぞ!」







矢澤にこ

真選組隊長陣補佐。ツッコミ役。真選組には、絵里と希の三人で入った。

歳━━━━24歲
容姿━━━黒髪に沖田と同じ赤い目。昔は高いところでツインテールにしていたが、成人してからは、穂乃果やことり、凛が一部分だけサイドテールにしているが、にこは全部纏めてサイドテールをしている。
性格━━━ちょっとツンデレ気味。辛辣な時もある。でも根は基本的に優しい。
一人称━━私

沖田とは相性が悪く、仲が悪い。沖田との喧嘩は口喧嘩が多いが、酷い時は剣で喧嘩をする。
口喧嘩よりは酷く、剣での喧嘩よりもマシな時は、竹刀で試合形式にやる事もある。
剣術は沖田とにこをくらべるとにこの方が沖田よりも劣っているが、それでも頭を使ってにこが勝つ事も偶にだがある。
昔は沖田相手に余裕で勝てたのに今は向こうの方が強くなってしまって悔しい。
沖田もにこもお互いにお互いが同じ色の目である事を恨めしく思っているが、昔は・・・?







よし、こんなもんだね。
あ、あとは真選組の女版制服だね。
それが、こんな感じです。↓

・男版制服と同じところは全身黒ってところと、首元にある白いヤツがあるってところ。
上着は、根本的なデザインは一緒だが、長さが腰ぐらいまで。
ズボンは、太ももが半分見えるぐらいの長さの短パン。靴は足首までの長さのブーツ。靴下は膝よりちょっとだけ上まであるハイソックスである。
ただし、これは隊長格から上の人達、つまり絵里達だけの話であって。山崎クラスの人達は皆男女共通という、中々に厳しい感じである。つまり男女共通が嫌なら、のし上がって見ろや、という事である。

よし、こんなもんか。

穂乃果「うん。じゃあ、予告は誰がやる?」

え、じゃあ、絵里さん、よろしく。

絵里「私?まぁ、いいけど」





絵里「次回は私達、真選組が銀髪の侍を求めて駆け巡ります。理由は次回の楽しみにしていなさいよ?」





絵里「これでいい?短いけど」

まぁ、いいんじゃない?

穂乃果「じゃあ、また次回!」


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第十訓 喧嘩はグーでやるべし

フッフッフッフッ・・・やっと来たぜ!第十訓!

穂乃果「いえーい!」
銀時「テンション、バカ高っ!」

木にするなって!
あ、間違えた。気にするなって!

銀時「変換間違えか」
穂乃果「ある意味、あるあるだよね」

Simeji、便利だけどまたに有るんだよね〜、変換間違え。
間違って私が押しちゃうだけだけど。

銀時「まぁ、今回は真選組サイドと俺達サイドが半々・・・だな。多分」
穂乃果「多分ね」

最近、読みたい小説が全然更新されなくて悲しいよ。占いツクールで。

穂乃果「あ〜」
銀時「まぁ、ドンマイ?」

うん、とりあえず、ラブ魂更新頑張るけどね?なるべく、一年更新とか一生ないようにしたいよ、ラブ魂は。

穂乃果「ま、頑張って!応援してる!ファイトだよっ!」

お!穂乃果のファイトだよ!頂きました!

銀時「つか、ラブ魂では全然言わないよな」

・・・うん、そうだね。

穂乃果「じゃあ、とりあえず本編に行こう!」
銀時「そうだな」

よし、じゃあよろしく!

銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!!」


ここは真選組屯所。

そこは、何故か冒頭から騒がしかった。

 

「副長オオオオ!!絵里さぁぁぁん!!局長が女にフラれたうえ」

「女を賭けた決闘で汚い手を使われて負けたってホントかァァ!!」

「女にフラれるのはいつもの事だが」

「喧嘩で負けたって信じられないわ!!」

「銀髪の侍ってのは、何者なの!?」

 

どうやら、騒がしかった理由はコレのようで。

 

土方「会議中にやかましーんだよ」

絵里「そうよ。それに、あの近藤さんが負けるわけないじゃない」

土方「誰だ。くだらねェ噂、たれ流してんのは」

「沖田隊長と希さんが」

「スピーカーでふれ回ってたぜ!!」

 

黙ってお茶を飲んでいた沖田と希を見ると、ニタァと、そんな感じで笑った。

 

沖田「俺は土方さんにききやした」

希「うちはえりちに聞いたんよ」

土方「コイツにしゃべった俺がバカだった・・・」

絵里「ええ、浅はかだったわね・・・」

 

そんな土方と絵里に文句を言いまくる。

 

土方「うるせェェぁぁ!!

 

そんな奴らに、元々堪忍袋の緒がキレやすい土方はテーブルを蹴っ飛ばしてキレた。

そんな土方に静かになる面々。

 

土方「会議中に私語した奴ァ切腹だ。俺が介錯してやる。山崎・・・まずはお前からだ」

山崎「え”え”え”!?俺・・・何もしゃべってな・・・」

土方「しゃべってんだろーが。現在進行形で」

 

理不尽である。

 

近藤「ウィース。おお、いつになく白熱した会議だな。よ〜し。じゃあ、みんな今日も元気に市中見廻りにいこうか」

 

そう言って来た近藤の左頬はすごい腫れていた。

それを見て、黙って近藤を見つめちゃう面々。

 

近藤「ん?どーしたの?」

 

そんな近藤にため息をつく土方と絵里。

 

 

 

 

「それじゃあ、いいんスね?」

土方「どうせ止めたってやるだろ」

「安心してください、副長。必ず見つけだしますから」

「よし!行くわよ!」

複数「おお!」

絵里「って、女連中も行くのね」

「勿論ですよ〜!安心して待っててください、絵里さん!」

絵里「はいはい、期待しないで待ってるわね」

 

何かの許可を取ったらしき、隊員が部屋を出ていく。

 

土方「分かってねェな・・・」

絵里「ええ、分かってないわね・・・」

 

───近藤さんをやった相手が、お前ら如きで潰せるとでも思ってるのか

───例え、近藤さんが卑怯な手でやられたとしても、どうにもならないに決まってるわ

 

この二人の心境をよそに、大人数で行くらしい隊員。

 

「いいか!!相手は一人だ!!」

「必ず見つけ出せ!!」

「真選組の名誉にかけて!!」

 

コイツら、一応本気らしい。

 

「ターゲットは銀髪の侍だ」

 

 

 

 

場所変わって、ここは万事屋。

 

銀時「オイオイオイオイオイ。まさか、俺を倒そうってねぇんじゃねぇよな。それはアレだ。無謀を通り越して傲慢どころか膨満感だよ。ゲップ出ちゃうって」

 

言い終わった後に、ホントにゲップを出す銀時。

 

神楽「ふん、やるなら命懸けで来るアルヨ。二度とゲップの出来ない身体にしてやるアル」

 

銀時同様、ゲップをする神楽。

 

新八「ふっ、気合いで勝負決まる程、甘くないですよ。この勝負、ゲップなんかじゃなくて頭脳がものを言う」

 

こんな事言ってる癖に、ゲップをする新八。

 

穂乃果「ふふっ、ゲップも頭脳もこの勝負には関係ないよ。何せ、運がものを言うんだから!私、自分で言うのも何なんだけど、運は凄い良いんだよ?」

 

と言いつつ、穂乃果もゲップ・・・ではなく、何故かクシャミを出した。ホントに何故?

 

「ゲップなんてどうでもいいから早くしろって。しかも、最後に至っては、ゲップじゃなくてクシャミだし」

 

と、初登場の頭のテッペンだけ髪がない男もゲップをする。

 

新八【皆さん、こんばんは。志村新八です。新宿も日に日に色が濃くなってきましたね。ところで、何故僕らがこんな顔して睨み合っているのかというと、実はとっても深い事情があるんです。小説だから、こんな顔と言われても分かんないかも知れませんが】

神楽【オッス!オラ、悟空。オイ、皆!等々、宇宙一大決戦が始まっちまったぞ。難しい事は良く分かんないけど、オラすげぇビックリしたぞ!】

穂乃果「え!?」【えっと・・・そう、これは譲れない戦いなのだ!と言うわけで、キミに決めた!】

 

そんな三人に銀時からのツッコミ。

 

銀時「おい、お前ら。心の声のフリして、全部丸聞こえだぞ。壊れたフリですか、コノヤロー。つか、穂乃果は別に無理してやらなくてもいいんだぞ?つか、何でポ○モン?と言うわけって、どういわけよ?しかも、それ、主人公のセリフだし、去年の映画の題名でもあるだろ」

 

長いツッコミありがとー。

 

新八【ほっといて下さい。これも作戦の一つですから】

神楽【壊れたフリとは失礼アル。フリとは】

穂乃果【べ、別に無理にやってるわけじゃないよ!?】

銀時【ただでさえ、子供に伝わり憎いアニメとか原作とか言われてるんだ。いい加減にしねぇと、愛想つかされて終わるぞ。この小説。と、銀時は心の中で叫んでいた】

新八【叫んでいたって・・・銀さん、マネしないでくださいよ】

銀時【バカヤロー、こんな事で負けてられっかよ】

神楽【そうアル。この勝負だけは絶対に負けられないアル】

穂乃果【そうだよ!私だって、譲れない!】

 

アホな事をやりつつ、睨み合いをする四人。

 

「どーしてこんな事になっちまったのか・・・取り敢えず、コレを見ろ!!」

 

〜これまでのあらすじ〜(これからの途中のナレーションは初登場のこの人がやります。)〜

 

いつものように、怠惰な日常を送っていた銀時、穂乃果、新八、神楽の万事屋ご一行。

その平穏を打ち破ったのは一人の依頼人であった。

 

その人物こそ、歌舞伎町町内会兼大工の石田・ピエール・源八左右衛門、63歳、乙女座。(映像はないが、石田本人の主観により、275%容姿が美化されています。申し訳ございません。)

彼の依頼は大工の手伝い。

 

しかし、その依頼は恐ろしい罠が仕掛けられていたのだ。

そう、人材は二人。たった、二人だけが働く事になるのだ。(またまた申し訳ございません。石田本人の主観により384%美化されています。)

 

その瞬間、彼等は動いた!!

ハイレベルな駆け引きと攻防を口八丁手八丁、様々な提案が提出されては却下されていく。(本日3度目ですが、申し訳ございません。石田本人により4万兆12%美化されています。)

 

口八丁手八丁の結果、彼等はその一人を決めるある方法へと辿り着いたのだ。(つーか、いい加減にしろ、じじい。いや、マジで。

 

その方法とは、勝負の王道、ジャンケンである。

 

はい!次からは普通にやります!

 

銀時「いいか!一発勝負!文句はねぇな!?」

 

その言葉に穂乃果、神楽、新八の三人は頷く。

 

────負ければ一日重労働。この勝負、絶対に負けられない!

────そう、負けられない戦い!だからこそ・・・

────どんな手を使ってでも!

────必ず勝つアル!

 

銀時「じゃあ、行くぞ!ジャーン────」

 

いいかけた銀時の顎めがけて、何故か平手打ちをかます神楽。

 

穂乃果「銀ちゃーん!!?」

新八「って、何やってるんだよ神楽ちゃん!!これ、ジャンケンだから!!しかも先出しなんて聞いたことないし!!」

神楽「先手必勝アルヨ」

新八「だからジャンケンだって言ってるじゃん!」

 

そんな神楽の様子に、銀時は立ち上がり、木刀に手を掛けながら言った。

 

銀時「いいぜ。おめェ等がその気なら、こっちもその気でいかせてもらう」

新八「おいぃぃぃ!!ジャンケンだって言ってるだろーがァ!!」

 

新八のツッコミで仕切り直しをする事に。

 

銀時「いいかァ、一発勝負。文句はねぇな!?」

 

その言葉に再度頷く面々。

 

穂乃果「じゃあ、次の掛け声は私で行くよ!最初はグー!」

 

その言葉で一斉に出したが、何故か穂乃果以外のみんなが揃ってパーを出した。

 

穂乃果「・・・あれ?」

石田「はい、一人目は穂乃果ちゃんだな」

穂乃果「そ、そんなぁ・・・」

 

なんとまぁ、バカ正直な穂乃果には呆れる。

しかし、文句は言ってもしょうがないので石田の腰掛けてるソファの隣に行き、座る。

何よりも、こんな事想像出来たことだと、穂乃果はため息をついて諦めた。

 

銀時「おいおい、どー言うつもりだァ?お二人さん。確か、穂乃果は最初はグーって言ったハズだろ」

神楽「うちの実家じゃ、これグー言うアル」

銀時「うわっ、苦しっ!ナニソレ、言い訳?意味わかんないんですけど」

新八「そーいう銀さんもパー出してますけどね」

 

一瞬の沈黙の後、再び今度は三人でジャンケンをする。

 

銀時「ジャーンケーン!」

 

掛け声で新八はグーを出したが、二人はジャンケンとは違うと思われるものを出した。

神楽は影絵のカニを出し、銀時はどこから出したのか五本の指人形を指につけて出した。

 

新八「アンタら、ジャンケンの意味知ってるの!?なんスか、それ!?」

神楽「見てわからないアルカ。カニアルヨ。カニ」

銀時「少なくとも、グーよりは高級だな。しかし、この俺様には敵うまい」

新八「何処の家族連れてきてるの!」

銀時「子供がまだ食べてるでしょうが」

 

と、中指を動かしながら言う銀時。

 

新八「だから、ジャンケンなんだってば!!」

神楽「新八の負けアル。しっかり働いてくるアルヨ」

新八「だから何で僕なんだよ!?二人の反則負けだろ!?」

銀時「ふざけんなよ。こっちは知恵絞ってジャンケンやってんだよ。甘えんな」

新八「世の中にはルールってのが、あるの知ってますか!?」

神楽「ルールは破る為にあるアルヨ」

新八「ふざけんなァァァァ!!」

 

そんな面々に痺れを切らしたのか、石田は思案顔をした後、ソファを立ち三人に近づき、銀時の手をあげて言った。

 

石田「はい、銀さんの勝ちー」

銀時「ビクトリー」

新八「ええっ!?」

 

そんな新八に神楽が近づき、肩に手をやって悪い顔をしながら言った。

 

神楽「ふっ、じゃあな。負け犬。しっかり働いてこいや」

銀時「そうだぞ、新八。依頼人は神様だ。何でも、言う事聞いてこいよ」

 

そんな事言う銀時の手を何故か引く石田。

 

銀時「ちょっ!これ、どゆこと?」

石田「何言っちょる。勝った人間が有難い仕事をするんだよ。感謝するんだな。ほら、穂乃果ちゃんも行くよー」

穂乃果「あ、はーい!」

銀時「いや、そーじゃなくて・・・え、えー?」

神楽・新八「いってらっしゃーい」

 

 

 

 

暫く歩いて、ちょっとばかり騒がしい道に出た。(とは言っても、騒がしいのは真選組だけだが。銀時も穂乃果も石田も気づいてはいない。)

 

石田「おら、ここだ」

 

そう言い扉を開けたのは、集英建設と言う建物だ。

 

銀時「いや、なんて言うかさ、どうにも釈然としないんだけど」

石田「文句ばっか言うな、とっとと現場に荷物運ぶぞ。穂乃果ちゃんは取り敢えず軽いもの持ってな。で、現場でめちゃ頑張って」

穂乃果「はーい」

 

 

 

 

で、現場に荷物を運んでこれから働くというところだ。

 

石田「ちゃっちゃと働け。仕事は山ほどあるんだからな。もっと、穂乃果ちゃんを見習え」

銀時「分かってねェな。人を使うってのはよォ、相手舞い上がらせて、なんぼだって知ってっか?」

石田「はいはい、舞い上がって落ちないように気を付けな」

 

と、銀時にヘルメットを被せる。

前を真選組が通ったが、ヘルメットのおかげで銀時が銀髪である事に気づかなかったようだ。

 

穂乃果「?真選組?」

石田「穂乃果ちゃんは銀さん以上にもっと気を付けろよ。はい、ヘルメット」

穂乃果「あ、うん!ありがとう!石田さん!」

 

 

 

 

所変わって、真選組屯所。

 

希「え?斬るん?銀髪の侍を!?」

絵里「そ、どっかの誰かさん達のせいでね。何でも、銀髪の侍を探してる連中が、自分の大将が負けたって触れ回ってるような事をしてるみたいよ。だから、今から先に行ってもらってる土方さんと沖田さんに合流するつもり」

 

その言葉に、へーっと言い、どうでも良さげのような態度をする希。

 

希「そんなら、いってらっしゃい。えりち」

絵里「何言ってるの?あなたも行くのよ。の・ぞ・み」

希「わ、分かってるって。ちょっとした冗談やん。顔、怖いよ?」

絵里「誰のせいよ。誰の!」

 

絵里は落ち着けようと、息をゆっくりと吐き出した。

 

絵里「元はといえば、あなたのせいでもあるんだからね。あなたも連れて行くために、土方さんと沖田さんに先に行ってもらったのよ」

希「ふーん、にこっちは?」

絵里「にこは近藤さんの方に行ってるわ。ま、そーいう訳でわたし達だけで行くわよ」

 

 

 

 

希「思った以上に、張り紙いっぱいやね」

絵里「ホントよ」

 

そこに、前方の方に土方と沖田が見えたので駆け寄る二人。

 

絵里「ごめんなさい、遅かった?」

土方「いや?そうでもないさ。ま、話の続きだが、でけー事になる前に俺で始末するって事さ」

絵里「普通、物騒な話をこんな道中でする?」

 

そんな絵里の言葉を無視する面々。

 

沖田「土方さんは二言目には[斬る]で、困りまさァ。古来、暗殺で大事を成した人はいませんぜ」

土方「暗殺じゃねェ。堂々と行って斬ってくる」

沖田「そこまでせんでも、適当に銀髪の侍を見繕って連れ帰りゃ、隊士達も納得しますぜ」

 

そう言って、沖田は近くにいた銀髪の老人に近づき、話を続ける。

 

沖田「これなんて、どーです。ホラ、ちゃんと木刀もちな」

土方「ジーさん、その木刀でそいつの頭かち割ってくれ」

 

そこで、希が何かにピーン!と来たのか老人の沖田がいる逆隣に来て、何故かドヤ顔をした。

 

希「ふっふっふっ・・・えりち、うちはピーンと来たで」

絵里「は?」

沖田「お、希さんもですかィ?」

希「お、沖田さんも来たん?」

沖田「そうですぜィ」

 

・・・怖っ!この二人、怖いよ!?

 

希「パッと見、さえないけど・・・でも」

沖田「眼鏡をとったら、ホラ」

沖田・希「武蔵じゃん」

土方・絵里「何その無駄なカッコよさ!!

 

ひと息ついて、武蔵似の老人とサヨナラをして、話を再び続ける。

 

希「ホントに殺る気なん?銀髪って情報しかこっちにはないんよね?」

絵里「そうねぇ」

土方「近藤さん負かすからには、タダ者じゃねェ。見ればすぐ分かるさ」

 

そこに、土方の携帯電話に電話が来る。

ちょっと話して、電話を切った土方に沖田が話しかける。

 

沖田「見つかったんですかィ?」

土方「山崎がそれらしい奴を見つけたらしい」

絵里「んじゃ、早く行きましょうか」

土方「ああ」

 

 

 

 

土方「ここか・・・」

 

とある建物の前に、合流した山崎を含めて立った。

 

土方「真選組だァ!!御用改めである!!」

 

が、しかしそこに居たのは二人の男女で銀髪がいなかった。

 

「何か御用ですか」

 

一瞬の沈黙の後。

 

土方「こりゃ」

山崎「カツカツの、侍」

 

その言葉に、沖田、絵里、希の三人は手をポン、とする。

 

土方「つ、しかあってねェじゃねぇか。山崎てめェェェ!!」

 

逃げる山崎とそれを追い掛ける土方を見てる三人。

 

沖田「銀髪の侍か・・・いったい、何処にいるんでしょうかねェ」

絵里「ええ、ホントにね」

希「んー、こうなったら、占うしか・・・あ!」

 

何かを思いついたらしい希。

そんな希に疑問符を浮かべる二人。

 

 

 

 

銀髪の侍は、ここにいた。

 

石田「金槌はもっと魂込めて打つんだよ」

銀時「おめェの頭にだったら、魂込めて打ち込んでやるよ、ハゲェ」

石田「んだと、コノヤロー!グダグダの銀髪パーマの分際で偉そうな事言うな!」

穂乃果「銀ちゃん!ハゲなんて、悪口はダメだよ!」

石田「おー、相変わらず。穂乃果ちゃんはいい子だなァ」

 

この孫娘を見るような目、間違いない。穂乃果に骨抜きの証だ。

 

石田「ま、とにかく、あっち半分は銀さん。こっち半分は穂乃果ちゃんが頼むよ。俺はあっちをするから」

穂乃果「はーい」

銀時「おー」

 

 

 

 

はい、視点転換が激しいけど、再び土方サイド。

 

沖田「見つかりませんねェ」

絵里「ええ、ホントに」

 

沖田は土方と話し、絵里は希と話す。

 

絵里「ねぇ、ホントに池田屋の時にいた銀髪がそうなの?」

希「間違いないと思うよ。うちの勘は凄い当たるし、占いはもっと当たる。その占いもさっきやったら、結果は池田屋の時の銀髪の侍」

絵里「うーん、確かにその通りね。それに、まぁあの銀髪程度なら、近藤さんを負かしても不思議じゃないのかしら・・・?」

 

だが、しかし、絵里にも疑問は残っている。

 

絵里「何故、それを土方さんに言わないの?」

希「え?その方が面白そうやから?」

絵里「ふざけないでよ、希。・・・長い付き合いだから、分かるわ。あなただって、心中穏やかじゃないでしょ」

 

希は絵里のその言葉に、片目をつぶって・・・さぁて、どうやろうね?と言った。

 

絵里「忘れたわけじゃないでしょう。・・・いいえ、忘れられるわけが無い。あの人が、わたし達にしてくれた事を。あの人がわたし達を拾ってくれたから、女でも真選組をやれている。・・・わたし達真選組が胸を張って街を出歩けるのは、近藤さんのおかげなんだから。わたし達は女でなかったら良かったとは思わずに、女である事を誇りに思い、失望なんてさせないように、近藤さんについて行く。そう、決めたじゃない?」

 

大人しく、絵里の言葉を聞いていた希は微笑むだけで何も言わない。

と、そこでテンション低く土方に声がかかった。

声をかけたのは坂田銀時、その人である。

 

銀時「おーい、兄ちゃん危ないよ」

 

その声に、上を見た土方を襲ったのは、落ちてくる木材の束だった。

 

土方「うぉわァアアアァ!!

絵里「!?土方さん!!平気ですか!?」

土方「あっ・・・危ねーだろがァァ!!」

銀時「だから、危ねーっつったろ」

土方「もっとテンションあげて言えや!わかるか!!」

銀時「うるせーな。他人からテンションのダメ出しまでされる覚えはねーよ」

 

被ってたヘルメットを頭から外して、顔を見えるようになり、銀時の顔を見た土方と絵里は絶叫した。

 

土方「てめーは・・・池田屋の時の・・・」

銀時「?」

土方「そぉか・・・そういや、てめーも銀髪だったな」

銀時「・・・えーと。君、誰?」

 

どうやら忘れているようです。

 

銀時「あ・・・もしかして、多串(おおぐし)君か?アララ、すっかり立派になっちゃって。なに?まだあの金魚デカくなってんの?」

 

そこに穂乃果の声がかかる。

 

穂乃果「銀ちゃーん!石田さんが早くこっちお願いっt・・・あれ?トシ君とそー君。久し振りだね!あ、でも池田屋でも会ってるか」

 

と言って手を振ってくる穂乃果に和みながら、手を振り返す土方と沖田。

その二人とは対照的に固まる銀時。

 

────え!?何、穂乃果コイツらと知り合いなの!?って言うか、何か親しげ?明らかにあだ名で呼んでたよね?

 

穂乃果「あ、そうだ。銀ちゃん、石田さんがこっちお願いって言ってるよ!早くだって!」

銀時「お、おー、分かった。今、行くわ。じゃ、多串。俺、仕事だから」

 

と、屋根の上の方に行く銀時を見て、土方に話しかける三人。

 

沖田「行っちゃいましたよ。どーしやす、多串君」

希「うち的には、例の銀髪の侍で当たりやと思うんやけど、どー思う?多串君」

絵里「やっぱり、うちの大将を負かしたんですから、さっき言った通り、斬っちゃいますか?多串君」

土方「誰が多串君だ、誰が!!」

 

ツッコんだ後に、土方は屋根の上の方を見て、忌々しげに言った。

 

土方「あの野郎。わずか三、四話で人のこと忘れやがって」

沖田「普通、忘れると思いますよ」

希「せやな。この小説、更新不定期の上、投稿日の曜日が決まっとるし」

絵里「発言がメタイわね、アナタ達」

土方「総悟、ちょっと刀貸せ」

絵里「希、わたしにも刀を貸して」

 

沖田は疑問符を浮かべて刀を貸し、希は苦笑いを浮かべて刀を貸した。

 

希「ええの?近藤さんをやった相手はただ一人やのに」

絵里「関係ないわね」

希「・・・相変わらずやなぁ・・・」

 

 

 

 

銀時「まったくよォ。こんなハゲと一日一緒に仕事してたら、こっちまでハゲになるわ」

石田「ちっ。人手不足じゃなかったら、てめーの所なんかに頼まねぇのによォ。そこ、ちゃんとやっとけよ。穂乃果ちゃんもよろしくね」

 

言いながら、違う所に行く石田。

 

穂乃果「はーい」

銀時「おめーもな、ハゲ」

 

そこに銀時と穂乃果にそれぞれ声がかかる。

言わずもがな、土方と絵里である。

 

土方「爆弾処理の次は、屋根の修理か?」

絵里「久しぶりね、高坂穂乃果」

穂乃果「あ、えっと・・・真選組、の人だよね?そー君・・・あー、じゃなくて、トシ君と同期?」

土方「節操のねェ野郎だ。一体何がしてーんだ、てめェは」

銀時「爆弾!?・・・お前、あん時の」

 

土方の爆弾と言う言葉でやっと思い出したようだ。

 

土方「やっと思い出したか。あれ以来、どうにもお前の事がひっかかってた。あんな無茶する奴ァ、真選組(うち)にもいないんでね。近藤さんを負かす奴がいるなんざ信じられなかったが、てめーなら、ありえない話でもねェ」

銀時「近藤さん?」

 

土方の言葉に何かが分かったらしい穂乃果。

 

穂乃果「ああ・・・もしかして、銀ちゃんに用事なの?」

絵里「いえ、元々はそうだったんだけど、あなたに興味が出たのよ。だから、わたしの用事はあなた」

穂乃果「そ、そっかぁ〜」

 

嫌な予感が感じるためか、笑顔が引きつっている穂乃果。

 

土方「女とり合った仲なんだろ。そんなにイイ女なのか。まぁ、俺には関係ないがな」

 

そう言いながら、剣を銀時に投げて渡す土方。

絵里も隣で投げながら剣を穂乃果に渡す。

 

銀時「お前、あのゴリラの知り合いかよ。・・・にしてもなんの真似だ、こりゃ・・・!!」

 

銀時の話してる途中だが、関係ないようで土方は銀時に、絵里は穂乃果に斬りかかった。

斬りかかる方向がそれぞれ違ったので、銀時と穂乃果は若干離れてしまった。

 

銀時「穂乃果!!」

穂乃果「銀ちゃん!!」

土方・絵里「行かせ(ねェ/ない)!!」

 

お互いにお互いの場所に行こうとしたが、邪魔をされ行けない。

 

穂乃果「───何するの!?」

絵里「あなたの相手はわたし。銀髪の侍の相手は土方さん。セオリーでいいじゃない?」

 

そう言って笑う絵里に、穂乃果は深呼吸をして自分を落ち着かせる。

 

穂乃果「・・・私は高坂穂乃果。よろしくね!さぁ、あなたも名乗って」

 

一瞬驚いた後に笑顔で名乗る。

 

絵里「・・・絢瀬絵里よ。よろしく、穂乃果」

穂乃果「よろしくね、絵里ちゃん」

 

そう言った後、ちょっとだけ笑顔を見せて剣を鞘から抜いて真剣な眼差しで前を見据えて、剣を構える。

どうやら仕方ない、と諦め相手をする事にしたらしい。

しばらくの間、お互いに真剣な眼差しでお互いを見る。

先に動いたのは絵里だ。

穂乃果に向かって、剣を振り下ろす。が、穂乃果は振り下ろした剣先を絶妙な力加減で逸らす。

 

落ち着いた様子でこちらの攻撃を対処する穂乃果に、若干驚きつつ、絵里はその手を休ませずに穂乃果に向かって行く。

 

絵里は剣を横薙ぎに振るった。

それを見て、焦ることなくバックステップの要領で後ろに下がってかわす。しかし、避けきれなかった剣先がかすり、頬を赤い線が走った。

浅いため、傷に残ることのない、心配する程の事はない傷である。

浅い傷を指で軽く拭り、手についた血を見てちょっと考えた後、先程よりも目を鋭くして、また構える。

 

穂乃果(仕方ない・・・。絵里ちゃんは手を抜いて勝てるような甘い相手じゃない!やるしかない!!)

絵里(やっと本気を出してくれるつもりになったのかしら・・・。そうこなくっちゃ)

 

さっきよりも警戒を強め、さっきと同様に一気に穂乃果に走って向かう。

絵里の剣先はかなりのスピードを伴って穂乃果に振り下ろされた。

穂乃果はそれを剣で受け止める。それだけではない。そのまま半回転させて、絵里の剣を上へと勢い良く弾いた。

その素早い技に絵里は目を見開く。

 

絵里(なんて早業っ・・・!?)

 

穂乃果の早業を身近で見た絵里は、今まで見た中で一番かもしれないとふと思った。真選組の中でスピードと言えば、沖田とにこの二人がツートップであると誰もが答える。絵里もそう思う。しかし穂乃果の速さを身近に感じると思わずにはいられない。ツートップである二人以上では無いかと。

 

体制を立て直す暇も与えられない絵里は負けを素直に受け入れた。容赦なく来る横からの剣先に自然と身体が強ばる。

 

固く目を瞑っていた絵里は、いつまで経っても想像していた痛みが来ない事を不思議に思った。そっと目を開ける。

 

目を開けた先に見えたのは、絵里に当たる寸前で止まっている剣だった。因みに、打ち上げられた剣は瓦に突き刺さっている。

目を見開いて驚いている絵里を見た穂乃果はゆっくりと剣をひく。

 

穂乃果「私の勝ちだね!」

絵里「・・・そうね。でも、その・・・」

穂乃果「?」

絵里「・・・なんで、剣を寸でのところで止めるのよ?あなたは勝った。わたしは負けた。・・・それなのに」

 

絵里にとっては当然の質問でも、穂乃果にとっては疑問の塊のような質問だったらしい。

 

穂乃果「え?だって、斬っちゃうと痛いよ?」

絵里「それはそうだけど・・・殺し合いなのよ?」

穂乃果「え?そうなの?」

 

今度は絵里がド肝を抜かれた。

 

絵里「そうなの・・・って、剣を渡す時点でそうでしょ!?」

穂乃果「んー・・・でも、私は無意味な殺しはしたくないの。それに、絵里ちゃんとも仲良くしたいしね。死んじゃったら、それも出来ないよ。それに、私は私の思うままに生き抜くって、昔から決めてるの。その方が悔いのない日々を送れると思わない?・・・──だから、私は自分の武士道(ルール)を護りたいの

絵里「・・・そう。アッチも終わったみたいだし、行ったら?」

穂乃果「うん、そうするね」

 

そう言って、「銀ちゃーん!!」と叫びながら走って銀時の所に行く穂乃果を見送り、すれ違いがてら穂乃果と話してきた土方に話しかける。

 

絵里「土方さん、負けちゃったわ」

土方「ああ、俺も負けたよ」

絵里「そう。・・・穂乃果とは、どんな関係なの?」

土方「ちょっとした、昔馴染みってところだ」

絵里「幼馴染ってとこ?」

土方「まぁ、あながち間違ってないか?とは言え、あの銀髪の侍の方が付き合いは長いみたいだがな」

 

別の屋根からは、沖田と近藤、希とにこがいた。

 

沖田「・・・フフ、面白ェ人だ。俺も一戦交えたくなりましたぜ」

近藤「やめとけ。お前でもキツいぞ、総悟」

にこ「沖田でもキツいんなら、私たちはもっと無理ね」

希「せやなぁ・・・あの、沖田さんがキツいんなら、無理やな」

 

うんうん、と頷き合うにこと希。

 

近藤「女の方は分からないが、アイツは目の前で刃を合わせていても、全然別のところで勝手に闘ってるよーな男なんだよ。勝ちも負けも浄も不浄も超えたところでな」

希「女の人の方に関してウチに言わせてもらえば、そうやなぁ・・・しいって言えば、人を惹きつける様な感じの、大空を連想する子、やな」

沖田「大空?」

希「あの子の笑顔は大空に浮かぶ太陽の様で、大空の様に全てを包み込む様な・・・そんな感じで人々を惹きつける子。そう、ウチの占いには出たよ」

にこ「希の占いは当たるものね」

 

それを聞いて、的を得ている、と沖田と土方は思った。

 

絵里「ごめんなさい、近藤さん。負けちゃったわ」

土方「俺も負けちまったよ」

 

 

 

 

穂乃果「銀ちゃん、大丈夫?」

銀時「ああ、こんなのかすり傷だ、平気さ。それよりお前は?」

穂乃果「私も平気。銀ちゃんよりも軽症だし、本当にこっちはかすり傷だし。それよりも病院行くでしょ?いいよ、仕事は私がやっとくから。説明もちゃんとするよ」

銀時「ん・・・じゃあ、お願いな」

 

そう言って銀時が頭を撫でてくれるものだから、嬉しくなって、元気よく「うん!」と言った。

 

銀時「そう言えば、さっき多串君と何話してたんだ?」

穂乃果「え?あ、これだけは銀ちゃんでもナイショだよ!」

 

あんまり自分には隠し事しない穂乃果だからこそ、この言葉には凄い大ダメージを銀時に与えた。

穂乃果はあんまり銀時に内緒事したり、嘘をついたりしたくないので、滅多に隠し事はしないが、これだけは何となく言う気になれなかったのだ。

 

穂乃果「じゃあ、行ってらっしゃい!」

銀時「あ、ああ・・・」

 

銀時を見送り、石田に説明をし、仕事に戻りながら土方との会話を思い出した。

 

穂乃果『トシ君!久しぶりだね!』

土方『ああ、久しぶりだな。穂乃果』

穂乃果『あ、ねぇねぇ。今度、どこか行かない?久しぶりだしね!』

土方『そうだな・・・じゃあ、遊園地とか行くか?』

穂乃果『え!?行く行く!じゃあ、そー君も誘って3人で行こ!私は基本的に大丈夫だけど、真選組の方は休み取れるの?』

土方『まぁ、平気だよ。でも・・・できれば二人で・・・いや、やっぱ何でもない』

穂乃果『?そう?じゃあ、私はそろそろ行くね?』

土方『ああ、連絡は適当にする』

穂乃果『うん!じゃあね!』

 

土方との会話を思い出し、楽しみだな・・・と笑顔を浮かべる穂乃果だった。




はい、今日は特に重要な新キャラが出てきた訳では無いので、設定はなしですね。

穂乃果「ね」
銀時「つか、はたメーワクなヤツらだな」
穂乃果「被害被ったのは私だよ。ホント、絵里ちゃんってば戦闘狂なんだから。どこの風紀委員長?」

ちょっ!?それ、違う作品だからァ!!
好きだけどね!その風紀委員長様、私好きだけどね!!

銀時「とうとう、そんな事を言うようになっちまったよ、穂乃果。お前、そんなヤツだっけ?」

いや、ラブ魂のキャラとしていた時から、こんなんじゃなかった?

銀時「そうだっけか?」
穂乃果「二人してなんか酷くない!?」

はい、それはともかく、アンケート・・・的なのを活動報告で載せたのでそれをお知らせします。
詳しくは、活動報告にて。
そのアンケート、とりあえず見るだけ見てくださると幸いです。

銀時「・・・そういやぁ、今日はゲストいないの?」

ん?呼ぶ?
とりあえず、予告のためだけになっちゃうかもだけど。

穂乃果「呼ぼうよ!誰が来るの?」

誰がいい?

穂乃果「え?んー・・・じゃあ、にこちゃん!」

はい、じゃあにこで!

にこ「矢澤にこよ。・・・じゃない!!いきなり何よ!これでも忙しいのよ!?」

何言ってんの、沖田さんと喧嘩してただけじゃん。

穂乃果「そうだ、なんでにこちゃんとそー君はそんなに仲が悪いの?」
にこ「・・・アイツが、アイツがっ!気に入らないからよ!!なんなの!?あのシスコン!!」

・・・触らぬが仏といいますし、どうしよう。

にこ「大体ねぇ、年上は敬えってーのよ!!人を背と胸で決めつけるなァ!!見た目で決めつけるなァ!!」

あー・・・あの、にこさん?

にこ「なによ!?あ、それより聞いてよ!」

え、ええっ・・・?

にこ「あんの沖田(バカ)、私のことをなめてるのよ!?昔は、あんなに可愛げがあったのにぃ!!どこであんなにひん曲がったのかしら!?」

・・・にこ、沖田ファンに殺されるんじゃない?

銀時「いや、ギリセーフじゃね?」
穂乃果「私的にはアウトな気がするけど」

あー・・・取り敢えず、次回予告よろしく、にこ。





にこ「次回は、オリジナル回よ。穂乃果と真選組のある二人がデート・・・的な事をするの。まぁ、誰かは大体分かる人もいると思うけれど。まぁ、大雑把だろうけど、こんなモンよ」





にこ「こほん、それじゃあ・・・にっこにっこに〜!次回も楽しみにしてて欲しいにこ〜!」

え・・・

穂乃果「・・・にこちゃん」
銀時「・・・お前」
にこ「な、何よ、その反応!」

いや、だってねぇ?

銀時「おまっ・・・原作の高校生でも無理があった感があったのに、成人してる今、それをやったら無理を通り越して寒いわ!」
穂乃果「むしろ寒いを通り越して暑いよ!?」

いや、それはおかしい。
言いたいことは分かるけど。

にこ「うっ・・・うるさーい!!


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番外編 祝一周年ってだけで、テンションが異常に上がる事ってあるよね?

やっと書き終わったァ!?

穂乃果「ギリギリだったよね・・・」
銀時「他の小説読んでる暇があるなら、書けばいいのにな・・・」

だ・・・だって!
小説家になろうの小説さんとか面白かったし!
あとは、ノラガミって奴にもハマっちゃって!

穂乃果「ああ・・・うん」
銀時「なんか察したわ」

あはは・・・。
えっと、リクエストしてくれた皆さん、ありがとうございます!
リクエストとして、選ばしていただいた、ブラッドさんのご期待に添えれてるかは、分かりませんが、頑張りました!
えっと、なので!前書きそこそこで、本編をどうぞ!

銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!!」


穂乃果「───と言うわけで、カラオケ大会に・・・出場だァァァァァ!!

神楽「オオオオオオ!!

銀時・新八「いや、どういうわけェェェェェ!!?

 

 

 

 

遡ること・・・何時間前?

まぁ、とりあえず、銀時と神楽が起きる前の時間である。

お登勢に呼ばれた穂乃果は、身支度を軽くすませて下へと降りた。

 

穂乃果「お登勢さん、何?用事って。因みに、お金ならないよ?今月はもうちょっと待ってね」

お登勢「いや、確かにそれ関連ではあるけど、第一声がそれって・・・。まぁ、用事ってのは、これだ」

穂乃果「?何これ・・・。”歌舞伎町カラオケ大会”?」

お登勢「文字通り、カラオケ大会さね」

 

えと、つまり?と首を傾げる穂乃果。

 

お登勢「このカラオケ大会で優勝すれば、賞金が出る」

穂乃果「!?・・・のち、優勝すれば・・・家賃が払える・・・!?」

お登勢「それだけじゃない。この大金だ。貯金だって出来る」

穂乃果「よし、出場しよう」

 

そう即決した穂乃果は、お登勢にお礼を言い、”歌舞伎町カラオケ大会”と書いたチラシを持って、走って万事屋の中へと向かったのだった。

 

 

 

 

銀時「出場だァァァァァァ!!

新八「えええええええっ!?

 

理由を聞いた銀時も、即決である。

 

穂乃果「あのね、銀ちゃん。コレ、二人一組なの。一緒に出よ?」

銀時「そうだな。じゃあ、何の歌を歌うか決めるか」

穂乃果「うん!」

神楽「ええっ!?私も出たいアル!」

穂乃果「え・・・あ、ごめんね。今度!今度一緒に出よ?」

 

申し訳なさそうにそう言う穂乃果に神楽は折れて、約束アルヨ!と言い引き下がった。

 

新八「そう言えばコレ、僕達も出るんですよね」

穂乃果「え?そうなの?達って・・・海未ちゃん?」

新八「はい。海未ねぇの他にも、姉上と空ちゃんも出ますよ」

銀時「マジか。譲れよ、ぱっつぁん」

新八「いや、一組でもライバルを減らしたいのは分かりますけど・・・あいにく、こっちだって余裕が無いんですよ」

 

どんなペアで出るの?と言う穂乃果の疑問に、新八は答える。

 

新八「僕と海未ねぇ、姉上と空ちゃんです」

穂乃果「ま、それが普通だよね。あ、ことりちゃんは?」

新八「出る、とは言ってたけど、誰・・・とまでは。当日の楽しみだそうです」

 

かくして、銀時・穂乃果ペア、新八・海未ペア、妙・空ペアのカラオケ大会出場は決まったのだった。

 

穂乃果「アレ?神楽ちゃんは?定春もいない」

銀時・新八「・・・えっ?」

 

 

 

 

一方、その頃の真選組は?

 

希「という訳で、カラオケ大会に出場したいと思います〜」

 

まるで、ドンドンパフパフ〜という効果音が聞こえてきそうな感じのテンションで言うのは、真選組局長補佐を務めている東條希だ。

 

沖田「いえ〜い!」

 

沖田も、同様のテンションである。

因みにこの場にいるのは、希と沖田の他に、絵里、にこ、土方がいる。

 

絵里「・・・は?いきなり何?」

希「えりちはノリが悪いな〜」

土方「希、ふざけてるのか?」

希「ふざけてへんよ〜。ほら、カラオケ大会やし、ラブライブキャラとしては、やっぱり出場しなきゃならんやろ?」

土方「・・・じゃ、頑張れよ」

 

そう言って、去ろうとした土方の肩を掴む希と沖田。

 

沖田「何言ってるんですかぃ?」

希「もちろん、土方さんも参加するんよ?」

土方「何で俺がそんな事・・・!」

 

そう言う土方に、希は悪い顔をして、ある写真を出した。

それを見て、土方は固まる。

 

希「これ、カラオケ大会に出場してくれたら、あげるけどな〜?」

 

それを言われて、写真を擬視し、考える土方。

しかし、そんな土方を見て写真をさっとしまう希。

それに思わず土方は、手が伸びた。

 

土方「・・・はっ!?そ、総悟・・・お前も、もしかして・・・!?」

 

そう言った土方に、沖田は不敵に(?)笑った。

間違いない、それは肯定だ!

 

土方「うぐっ・・・!わ、分かった!出場する!」

希「ホント〜?なら、良かったな〜。あ、本番でドタキャンしなかったら、これも付くから、そのつもりでな?」

 

土方の本番をドタキャンしよう、という考えが潰された瞬間である。

因みに、なんの写真かと言えば・・・うん、この二人が動くくらいの写真である。分かる人にはわかるであろう。

 

にこ「じゃあ、ペアはどうするのよ?」

希「うんっと・・・ハイ」

 

そう言って出されたのは、くじ引きであった。

 

にこ「・・・随分と、その・・・用意がいいのね・・・」

希「ささっ!皆一斉に引いて!」

 

そうして決まったのは、土方・希ペアと沖田・にこペアである。

・・・で?

 

絵里「・・・希」

希「なに?」

絵里「どうするのよ。私、余っちゃったんだけど?」

 

そんな絵里に、希は不敵に笑った。

 

希「もちろん、抜かりはないで〜?」

絵里「と、言うと?」

希「ハイ」

 

そう言って、差し出されたのはくじ引きで使ったのと同じ紙だった。

紙には、何か名前が書いてある。

 

絵里「?・・・えっ、神楽ちゃん!?」

 

どうやら、神楽だったようで。

 

希「うん。ウチの占いによれば、神楽ちゃんは今、カラオケ大会の相棒探しをしているんや。そして、きっともうすぐここに・・・」

 

希がそう言うと同時に、襖が開いた。

 

神楽「絵里ぃぃぃぃ!!カラオケ大会に出場アルヨぉぉぉぉぉ!!!」

絵里「え!?あ、うん。別にいいけど・・・」

神楽「ホントアルカ!?」

絵里「え、ええ」

 

絵里の言葉に、ヒャッホォォォォイ!!!と叫ながら喜ぶ神楽。

因みに、その後では定春が座っている。

 

神楽「じゃあ、今から色々決めるアル!歌う曲とか!」

 

嬉しそうな神楽に、微笑ましくなってクスッと笑う絵里。

 

絵里「そうね。決めましょ」

 

かくして、絵里・神楽ペアでの出場が決まったのだった。

 

 

 

 

うん、忘れてはならない人達がここにもいます。

 

真姫「なんか適当じゃない?

花陽「き、気のせいだよ・・・」

凛「そ〜ん〜な〜こ〜と〜よ〜り!カラオケ大会に出場するべきにゃ!」

花陽「わ、私は別にいいけど・・・」

 

チラッと真姫を見る花陽。

 

真姫「私は絶対に嫌よ!大体ねぇ・・・二人一組だってば!」

凛「でも、真理亜さんが特別枠があるから、それなら三人でも組めるって言ってたにゃ」

 

うぐっと唸る真姫。

期待をしている二人の瞳に、とうとう真姫が折れた。

 

真姫「分かったわよ!出ればいいんでしょ、出れば!?」

 

このツンデレお嬢様、何だかんが言って凛達には甘いのだ。

 

真姫「誰かツンデレお嬢様よ!?」

 

ちょ、地の文にツッコミ入れないで!

 

真姫「アンタが変な事言うからでしょ!?」

 

言った?

 

凛「言ってないにゃ。言ってたのは、正論だにゃ」

真姫「何ですって!?」

花陽「話、進まないよ?」

 

それもそうだね。

では、気を取り直して!

 

真姫「・・・はぁ。じゃあ私、ママに出場すること言ってくるから、先に相談進めといて」

花陽「え?いや、待ってるよ」

凛「そうにゃ。こーゆうのは、みんなで決めた方が楽しいにゃ!」

真姫「・・・あ、そ」

 

そう言う真姫は、何だかんだ言って、嬉しそうな顔をしている。

 

真姫「・・・やっぱり、余計な事言いすぎじゃない?」

凛「全部事実にゃ!」

花陽「あはは・・・」

 

かくして、三人での特別枠で出場が決まったのだった。

 

 

 

 

はい。

早いもので、カラオケ大会当日になりました。

 

穂乃果「ホントに早い」

銀時「ツッコむな。ツッコミを入れたらダメなんだ。いいじゃないか、俺たちは俺たちでココには書かれてない時を刻んでるんだから」

穂乃果「銀ちゃん、メタい」

 

いや、二人ともメタい。

あ、はい。気を取り直して、今回はカラオケ大会にライバルとして出場するため、各々がペア同士でそこら辺にいます。

はい、そこら辺です。

 

銀時「結構、いっぱいいるのな」

穂乃果「う〜ん?でも、大半は観客じゃないかな」

銀時「ほー」

穂乃果「それでも、やっぱり、結構すごいんじゃないかな。この数」

 

そう言っても、興味なさげな銀時には、苦笑いしか出ない。

 

「「穂乃果」」

穂乃果「へ?」

 

両サイドから、一斉に声をかけられた穂乃果が見ると、(珍しく)にこと一緒な沖田と、希と一緒な土方がいた。

このメンツは珍しい、と思いつつ、どうしてここに?と二人に問いかける。

 

土方「カラオケ大会に出るんだ。希とペアで」

沖田「俺も。不本意ながら、にこ・・・さんとペアなんでさぁ」

にこ「おい」

 

にこにさん付けするのを、躊躇った間にツッコむ。

 

銀時「・・・どうゆうペア?」

希「くじ引きやで」

穂乃果「ああ・・・」

 

そこで穂乃果は、何故かキョロキョロとした。

誰かを探しているようだ。

 

穂乃果「?絵里ちゃんは?」

 

どうやら絵里だったらしい。

 

土方「ああ・・・絵里も出場するんだ」

穂乃果「ええっ!?絵里ちゃんも!?」

 

この大会、出て大丈夫だったのかな、と今更ながら不安になる穂乃果。

 

穂乃果「あ、ねぇ。神楽ちゃん、知らない?私たちが大会の出場決まった時から、定春と一緒に姿が見えないの。しばらく帰れないって、連絡はあったんだけど・・・理由、結局教えてくれなくって」

 

穂乃果の問いかけに、土方とにこは過激に反応した。

この二人、突然だと反応してしまうようだ。わかりやすい。

 

沖田「いや、知りませんねぃ、チャイナなんて。ねぇ、希さん」

希「そうやねぇ。でも、もうすぐ会えると思うよ」

 

うん?良くわかんないけど、希ちゃんが言うんなら、そうなんだね、と無理矢理納得する事にした穂乃果。

カラオケ大会に神楽が出場するなんて事、穂乃果達は知らないのだ。

 

にこ「じゃ、そろそろ行きましょ。行くわよ、沖田」

沖田「・・・へーい」

土方「じゃあ、俺達も行くか」

希「せやね」

 

そう言い、各々別れる二組。

 

銀時「穂乃果、順番は何番目なんだ?」

穂乃果「分かんない。その場で抽選?らしいから。あ、ほら、今引くところだよ」

銀時「お、ホントだ」

 

穂乃果の言った通り、ステージでは、抽選のくじを引く時になりそうな、あの音を流しながら、引いていた。

最初の番号は十八番である。

自分の組の番号が書かれている紙を見て、穂乃果は、あ・・・と言い、立ち上がった。

 

穂乃果「銀ちゃん、私達だ」

銀時「マジでか」

 

まさかの一番最初だとは思わなかったのか、驚いた顔をしつつも、ステージに向かう銀時と穂乃果。

ステージに上がった銀時と穂乃果に笑顔を浮かべながらマイクを渡しつつ、マイク越しに20代前半らしいお姉さんが話しかけてきた。

 

『はい、まずは最初に自己紹介をお願いします!』

穂乃果『え!?ええっと・・・こ、高坂穂乃果です!よろしくお願いします!』

銀時『坂田銀時で〜す。万事屋やってま〜す』

 

相変わらずのやる気なさげの声である。

しかし、優勝する気は大いにあるのだ。

 

『えっと・・・お二人の選んだ曲は、妖○の○尾(フ○アリーテ○ル)のNEVER-END TALEですね!選んだ理由とかありますか?』

銀時・穂乃果『なんとなく』

『あ・・・そうですか』

穂乃果『でも、しいっていうなら・・・知ってる人には知ってそうだったから?』

『へ?』

銀時『あと、美雪が好きなアニメだから』

『え?』

 

発言メタ過ぎじゃない!?

 

銀時「気にすんな」

穂乃果「うんうん」

『・・・えっと、準備が出来たみたいなので、よろしいですか?』

 

その言葉に頷く二人。

 

一曲目:NEVER-END TALE

一組目:坂田銀時&高坂穂乃果

 

最初は、銀時と穂乃果の歌い出しから始まった。

そして、上手い具合に交互で歌い進める。

因みに、フルだ。

もしも、どんな感じで振り分けて歌ってるのか気になる方は、感想にて、聞いてください。そしたら、ちゃんと歌詞を全部書きます。何処かに。多分、ここ。

まぁ、それはともかく、中々・・・いや、結構・・・いやいや、意外と?上手いって言うのが、この二人の知人の感想だった。二人が歌い終わった後に凄い歓声が聞こえるくらいには。

銀時達が終わり、次々と進めて、さぁ、五組目だ!と意気込んで?くじを引いた。番号は、七番である。

うん、七番目は誰?と言えば・・・

 

にこ「あ、私達ね」

沖田「やっとですかぃ?」

にこ「そうよ。さぁ、行きましょう!」

 

沖田&にこペアだった。

 

『では、自己紹介からです!』

にこ『矢澤にこ。真選組で、一応沖田(こいつ)の同僚よ。不本意ながら』

沖田『それはこっちのセリフですぜぃ、矢澤。あ、沖田総悟でーす。真選組所属、一番隊隊長をやってまーす』

 

なんともやる気の感じられない二人である。

 

『えー・・・はい、そんなお二人さんが選んだ曲は、家○教師ヒッ○マンREB○RN!のSakura addictionです!この曲を選んだ理由など、あれば教えて貰えますか?』

にこ『りゆう・・・理由、ねぇ・・・』

沖田『・・・特に、ないですが、しいっていうなら・・・デュエットだから?』

にこ『そうね・・・。うーん、あとは・・・好きなアニメで好きな歌だからかしら』

 

・・・ツッコミ入れないからね?

 

にこ「別に、期待してないけど」

沖田「これだけは同意」

『それでは、歌っていただきましょう!お願いします!』

 

五曲目:Sakura addiction

五組目:沖田総悟&矢澤にこ

 

うん、小説だからね。

音入れること出来ないので我慢してください。

で、沖田&にこペアが終わり、さらに進めて、十一番目である。十一番目に引いた番号は、二十番だ。

 

海未「・・・あ、私達ですね」

新八「・・・そうですね」

 

新八&海未ペアみたいだ。

文面だけなら、落ち着いて見える海未も、実は冷や汗ダラダラである。ハッキリ言って、目力に力が入っていて怖い。これは、アレだ・・・。ただ単に、極度の上がり症が出て、緊張のし過ぎで、目力が入ったのである。

 

『では、自己紹介よろしくお願いします!』

新八『あ、はい。志村新八です』

海未『あ、あああっ・・・!う、海未役の園田海未です!』

 

あ、文面だけでも落ち着いて見えなかった。前言撤回します。

 

穂乃果「・・・海未ちゃん、大丈夫かな」

銀時「いや、アレはダメだろ。何だよ、海未役の園田海未って」

 

まぁ、それはともかく。

やる時はやる海未である。多分、本番が来たら、やってくれるであろう。

 

『あ、えー・・・お二人の選んだ曲は、東京サマーセッションですね』

 

その言葉を聞いた海未を良く知る人達がざわめいた。

 

海未『うっ・・・ううっ・・・!』

新八『ええ、まぁ・・・選んだと言うよりは、選ばされたと言いますか・・・』

『あの、大丈夫ですか?園田さん』

新八『ええ、大丈夫ですよ。本番に強いタイプなんです』

『そうですか・・・。では、よろしくお願いします』

新八『はい』

 

十一曲目:東京サマーセッション

十一組目:志村新八&園田海未

 

もうダメかもしれない、大半の者がそう思ったであろうが、海未はやりきった。

実際、新八の言う通り、本番に強かったのであろう。

ただし、終わった後は燃え尽きたかのように白くなっていたが。

 

穂乃果「ま、まさか・・・海未ちゃんがあの歌を歌いきるとは・・・!」

銀時「やべっ・・・!俺、全力で尊敬するんだけど」

 

それからは、まさかの知り合い続きだ。

新八&海未ペアの次に選ばれたのは、土方&希ペアだ。

 

『はい、自己紹介よろしくお願いします!』

希『東條希いいます〜』

土方『・・・・土方十四郎だ』

希『皆、愛称を込めて、フォロ方十四フォローって呼んであげてな?♪』

 

その希の言葉に、会場全体が笑いに包まれた。

当人は、希に対してキレている。

 

『えっと、えっと・・・!あ、お二人の選んだ曲は、革○機ヴァ○ヴレ○ヴの革命デュアリズムですね!?』

希『そうでーす』

『え、選んだ理由とかは・・・?』

希『・・・作者曰く、何だかそれっぽいから・・・?それから水樹奈々も歌ってる歌だから、やね。作者の好きな声優らしいで』

土方『まぁ、アニメ自体、見たことないらしいからな。俺ら的には、何でも良かったんだが』

『そ、そうですか・・・。あ、準備が出来たみたいなので、お願いします!』

 

十二曲目:革命デュアリズム

十二組目:土方十四郎&東條希

 

土方&希ペアが終わり、次の組は絵里&神楽ペアだ。

ステージに立った神楽を見た瞬間、(当然だが、神楽以外の)万事屋の絶叫が響いた。おかげで、怪訝な表情で見られるハメになった。

 

『では、自己紹介をよろしくお願いします!』

神楽『神楽アル!』

絵里『絢瀬絵里です』

神楽『略して、かぐえりアルナ!』

 

何故か略す神楽に、苦笑いを浮かべる絵里。

 

『お二人の選んた曲は、これまた家○教師ヒッ○マンREB○RN!からですね。曲名、キャンバスです。選んだ理由などがあれば是非!』

絵里『りゆう・・・理由、ねぇ・・・』

神楽『・・・感化されたアル・・・!!』

『はっ?』

 

訳の分からない事を言う神楽に、思わず素が出るお姉さん。

 

『あっ・・・いえ、そうですか・・・。あ、準備が整ったみたいなので、どうぞ』

絵里『え、ええ・・・』

 

十三曲目:キャンバス

十三組目:絢瀬絵里&神楽

 

余談だが、何故か穂乃果が神楽を見て涙を流していたそうな。

絵里&神楽ペアの次は、妙&空ペアだ。

 

『自己紹介、よろしくお願いします!』

妙『志村妙です』

空『園田空です!』

『空ちゃんは、最年少さんですね』

空『さいねんしょー?』

妙『1番若い人の事よ』

空『へー』

『そんなお二人の選んだ曲は、家○教師ヒッ○マンREB○RN!のONE NIGHT STARです!・・・なんと言うか、多いですね。家○教師ヒッ○マンREB○RN!』

妙『そうねぇ・・・。こんなにいるとは思わなかったわ』

空『わたし、頑張るね!』

『あははっ!では、空ちゃんがやる気になっているとこで、丁度よく準備が出来たみたいなので、よろしくお願いします!』

 

十四曲目:ONE NIGHT STAR

十四組目:志村妙&園田空

 

これまた余談だが、空がステージに立って、緊張もせずに歌っていることに、空の姉である海未が、感動して、涙を流していたそうな。

次はあやめ&ことりペアだ。どうやら、ことりのペアはさっちゃんらしい。

 

『では、自己紹介をよろしくお願いします!』

ことり『はい。南ことりです!くの一やってま〜す』

さっちゃん『本編では、まだ未登場なさっちゃんこと猿飛あやめです!同じく、くの一やってます』

『ああ、なるほど。だから、そうゆう格好なんですね?』

ことり『そうで〜す』

『そうですか。では、はい。早速ですが、お二人の選んだ曲は、ノ○ガミARA○OTOから、ニルバナですね。選んだ理由などありますか?』

さっちゃん『特には』

ことり『しいっていうなら、やっぱり作者の好きなアニメの歌だから?まだ、見始めて三日ぐらいしか経ってないけど』

さっちゃん『確か、1日でアニメ全部見終わって、今出てるやつを次の日には全部買ったのよね』

ことり『万○だから、結構得したみたい』

 

・・・話が脱線しかけてるのでお願いします。

 

『あ、はい。では、よろしくお願いします!』

 

十五曲目:ニルバナ

十五組目:猿飛あやめ&南ことり

 

さっちゃん&ことりペアが終わって、最後まで終わった。

これで終わりかな、とは大半が思った事であろう。しかし、特別枠が残っている。よって、特別枠で最後だ。

 

『はい、特別枠の方々です。自己紹介よろしくお願いします!』

凛『星空凛にゃ!猫瞬族です!』

真姫『西木野真姫です』

花陽『小泉花陽、です』

『はい、この特別枠の方々で最後になります。三人なのは、特別枠の仕様ですので、あしからず。はい、そんな三人が選んだ曲は、ノ○ガミのハートリアライズです!選んだ理由などはありますか?』

真姫『特にこれといってないわよ』

凛『ていうか、選ぶ曲のアニメ、皆して偏りすぎにゃ。全然パクリ要素ないしー』

花陽『しょ、しょうがないんじゃないかなー?』

 

・・・

 

特別枠曲:ハートリアライズ

特別枠組:星空凛&西木野真姫&小泉花陽

 

凛『あっ!?無理矢理進めたにゃ!』

 

うっさいわ!

・・・こほん。

それはともかく、凛達が歌い終わり、やっと審査員が決めた優勝者を発表する。

さて、優勝者は・・・?

 

『優勝者は・・・山田さん&山本さんペアです!』

 

その優勝者がステージ上の前に出るのを見て、銀時達は暫し呆ける。

しばらくして、銀時達の叫び声が当たりに響いた。

 

男性陣「・・・はっ?」

女性陣「・・・えっ?」

全員「いや、ダレェェェェェ!!?

 

 

 

 

予想外と言うか・・・ある意味銀魂らしい終わり方をしたカラオケ大会が終わり、銀時と穂乃果、合流した神楽と定春は、帰路に就いていた。

 

銀時「ったく!普通は俺ら、主要キャラの誰かが優勝するだろうが!」

神楽「全くアル!」

穂乃果「あはは・・・でも、ほら・・・参加賞のポケットティッシュ貰ったし・・・?」

銀時「こんなの腹の足しにもなんねーわ!!」

神楽「そうアルヨ!!」

 

まぁ、そうだよねぇ〜と思いつつ、苦笑いを浮かべる穂乃果。

 

穂乃果「まぁ、食費も大事だけど、やっぱり家賃も大事だよね・・・。どうしよう〜」

 

そうやって頭を抱えてる穂乃果を隅に、銀時と神楽の頭の中には、家賃の事が一切ないようである。

 

穂乃果「そう言えば、なんで神楽ちゃんは絵里ちゃんと?」

神楽「直感アル」

穂乃果「直感?」

神楽「そうアル。直感で決めたネ。それに大体絵里みたいな賢い可愛いエリーちか、なんてのがあるヤツは残るネ」

穂乃果「そんな事言ったら、絵里ちゃんファンに叩かれるよ!?」

神楽「上等アル!」

銀時「お前、恐い者知らずと言うか・・・むしろ無謀だぞ」

 

呆れたように言う銀時。

穂乃果は家賃の事で悩んではいるものの、楽しかったしイイかな!って言うのが、正直な心境である。

未だに文句をタラタラ言っている銀時と神楽であるが、実は楽しく、何だかんだ満足しているのを穂乃果は知っている。

そんな二人を見て、穂乃果は嬉しくなった。

だから、銀時と神楽の真ん中に入り、それぞれの手を繋いで歩幅を合わせて歩いた。

そんな穂乃果にビックリしたものの、神楽は嬉しそうに手の握る力をちょっとだけ強くして、銀時は上機嫌な穂乃果を見て、水を差せなくなったのか、珍しくそのまま大人しく繋がれた。

穂乃果はそれにますます笑みを深め、銀時と神楽に声をかけた。

 

穂乃果「なんだか、とっても幸せだね!」

 

そんな穂乃果の言葉と本当に幸せなんだと分かる笑みを見てきょとん、とした銀時と神楽だが、二人で目を合わせて穂乃果に負けない程の笑顔を浮かべ、答える。

 

神楽「私もアルヨ!」

銀時「そうだな」




・・・うん、本当にギリギリだ。

穂乃果「・・・良かったね、今日までに書き終われて」
銀時「・・・な」

うん、もうダメかと思った。
でもアレだね。

穂乃果「アレ?」

・・・本編の続きだと思ってた人がいたら、申し訳ないです。

銀時「あー・・・。まぁ、大丈夫だろ。つか、アレだ。今日は、後書きに書くことあんまないだろ」

そうなんだよねー。
予告は前回にこにやって貰ったし。

穂乃果「じゃあ、今日は終わっちゃう?」

そうだね〜。
ノ○ガミについて色々考えたいし。

銀時「思いっきし使用じゃん」
穂乃果「一体何考えるの?」

いや・・・、ノ○ガミの二人目の主人公の女の子(私の気持ち的にはヒロイン。)のひより落ち小説書きたいな・・・と。
あ、趣味みたいなものだから、投稿するか?と言われれば、まぁ、それは気分です。何だけどね?
ほら、私気分屋だから。
現に、投稿するかしまいかの小説ネタが溜まってるよ・・・。

穂乃果「ああ・・・。フ○アリーテ○ルとかね」

ん、まぁ・・・、そんな感じ。
実は、ノ○ガミって今休止してるんだけど、つまり・・・これからの展開がわかんないわけだ!

穂乃果「う、うん・・・?」

連載再開を信じて待ちますよ!ええ、それよりも大事な事があるんだ!

穂乃果「・・・大事なこと?」

私は・・・!
夜トとひよりにくっついて欲しい!
まぁ、あーゆう系統は、大体最後主人公は誰ともくっつかずに完結しちゃうんだけど。
でも、キスぐらいは・・・!とか、日々思ってるけどね。

銀時「・・・もう、アレだし、終わるか」
穂乃果「そ、そうだね。・・・えっと、次回もお楽しみに!」


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第十一訓 相手の方から連絡するって言われてたけど、我慢出来なくて自分から連絡しちゃう事ってない?

やって来ました、最新話!

銀時「最近詰んでるなー」
穂乃果「詰んでるねー」

ちょっ!詰んでるとか言わないで!

穂乃果「いや、詰んでるよ、これ」
銀時「ああ、詰んでるな、これ」

・・・一応聞こう、何が!?

銀時「だって、最近前書きでも後書きでも話すことなくなってきたんじゃね?」
穂乃果「設定とかね、書くことないしね」

うっ・・・。
・・・しりとりでもやる?

銀時「誰がやるか」
穂乃果「てか本編でも一回やってるよ〜」

命懸けのしりとりだったけどね。

穂乃果「いや〜、アレは心臓に悪かったよ。もう、心臓がね、バックバクで爆発寸前だったよー」

いや、心臓に悪いどころの話じゃなくない?

銀時「つか、心臓がバックバクの爆発寸前どころか、全身爆発しそうだったんだけど」
銀時・深雪「寧ろ命懸けだったのに呑気だな」

まぁ、私からすれば・・・爆発寸前の爆弾抱えた君たち全員呑気に見えたけど。
だって、アレだよ?・・・まさしく、デス・しりとり(ゲーム)だよ。

銀時「上手くねーよ」
穂乃果「それ、シャレになんないよね・・・。って言うか・・・」

なに?

穂乃果「そんな事言われたら、もう気軽にしりとり出来ないよー!!なんかもう既に副音声でデス・ゲームって聞こえてきたぁぁーー!!」

・・・なんか、うん・・・。
ごめんなさい!!

銀時「ま、まぁ・・・本編始めるか」

そだね。

銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!」


前回にあった正式な(?)穂乃果と土方と沖田の再会から一週間が経った。

今の時間はかなり(?)早い。8:00である。え?そうでもないって?いやいや、万事屋にとっては"かなり"、である。

もちろん、そんな時間に銀時や神楽が起きてるわけがない。

昔は寝坊はしょっちゅうあった穂乃果も、今ではすっかり早起きである。

つまり何が言いたいかと言うと、新八はいつも早くても10:00に来る。なので、今万事屋で起きている人間は穂乃果一人だけだ。

その穂乃果はと言えば、起きてから朝の身支度を済ませ、朝ご飯を大量に作り、自分の分のご飯を食べ、食器を洗い、片付けをし、サンドイッチを作り、サンドイッチを入れる様なカゴに詰めて、着替えをし、薄いピンクの色つきリップクリームを塗る。

はい、もう分かりますよね。どう考えても出掛ける人の準備です。

最後に紙と書くものを用意し、ソファに座り、まだ寝ている二人に置き手紙を書く。

内容は、【銀ちゃんと神楽ちゃんへ。ちょっと真選組に寄ってから、出掛けてきます。ご飯はちゃんとチンをして食べてね。あ、あといつもよりも帰りが遅くなると思いますが、心配しないでください。なるべく、暗くなる前には帰るつもりです。穂乃果より】というものだ。

 

穂乃果「よし。じゃあ、行こうか。目指せ、真選組!」

 

この手紙を見た銀時と神楽が絶叫を上げたのは、余談である。

 

 

 

 

真選組に着いた穂乃果が一番最初に会ったのは、同じラブライブキャラなのに、一番出番が少なく、穂乃果ともまともに話した事がないという、矢澤にこだった。

にこからのツッコミが飛んだ気がするが、無視をすることにした。

 

にこ「あ、あんた・・・確か、銀髪の侍といた・・・」

穂乃果「そういうそっちは・・・誰だっけ?」

 

穂乃果のボケにテンプレな反応のマンガみたいなコケ方をするにこ。

 

にこ「にこよ!矢澤にこ!確かに名乗ったことはまだないけど!!でも、顔くらいは見たことあるでしょ!?」

 

にこの言葉に穂乃果は首を傾げたまま、しばらく考えて答えた。

 

穂乃果「全然」

にこ「は!?何でよ!!池田屋にいたじゃない!!」

穂乃果「池田屋に?・・・ああ、もしかして真選組の人なの?」

にこ「そこから!?そこからなの!?制服見て分かるでしょ!!普通は!!」

 

新八君並のツッコミだなぁ・・・。いや、やっぱりウチの新八君の方が数段上だよ、うん。と思いつつ、私は高坂穂乃果だよ!よろしくね、にこちゃん!と名乗る。

この反応、間違いない。にこを自分よりも年下の・・・最悪、十代後半だと思っている。まぁ、にこの背がアレだからしょうがないだろうが。

 

にこ「なんか今、失礼な事言われた気分」

穂乃果「?」

にこ「・・・はぁ、よろしくね、穂乃果」

穂乃果「うん!」

 

そこに新たにあんまり穂乃果と関わりがない、というか恐らく直接的な関わりはにこ同様ないであろう、東條希が現れた。

 

希「あれ?にこっち、何してるん?もしかしてサボり?だったら、わしゃわしゃMAXの刑やなぁ」

にこ「!?ち、違うのよ、希!!ただ、穂乃果がいたから気になって話していただけであって、別にサボってた訳じゃ・・・!どっかのドSサディストじゃあるまいし!!」

希「相変わらずやなぁ。それで穂乃果ちゃん、えりちにでも用事?あ、うちは東條希。よろしくなぁ」

穂乃果「ううん、違うよ。用事があるのは、絵里ちゃんじゃなくて、トシ君。私は高坂穂乃果。よろしくね、希ちゃん!」

希「十四郎さんに?そう言えば、休みやったなぁ・・・。あ、なんかお洒落してるし、デートのお誘い?」

にこ「え?そうなの?」

 

希の言葉に穂乃果は、自分の姿を見て考える。

今の穂乃果の姿はいつも着ている様な着物ではなく、オレンジ色の膝上までのスカートの部分らへんから斜め上に上がっていく感じで向日葵の柄があり、袖がない。いつも着ているヤツは袖があるので、今回着たヤツはいつもよりも露出が多いと言えるだろう。因みに、いつものヤツにはない肩出しタイプである。うん、地味に露出が高いだろう。いつもと比べると。

しばらく考えていた穂乃果は、希とにこの方を向き、答える。

 

穂乃果「うん、まぁ、そんなとこ?これから"三人で"デートなんだ」

にこ「は?三人?」

希「え?誰々?」

穂乃果「そー君だよ!」

 

その答えに希は、なるほど、と納得した。

 

希「ほんなら、呼んでこようか?」

穂乃果「ううん。自分で誘いに行くから平気」

希「そか」

穂乃果「うん。・・・あれ?希ちゃんって、トシ君の事、十四郎さんって呼んでたっけ?」

希「オンオフの違いやで。休みの日は、そう呼んどるけど、仕事中は土方さん。総悟君も同様やで」

にこ「・・・私は土方さんで統一してるけどね」

穂乃果「そー君は?」

にこ「オンオフ違わず沖田」

穂乃果「へ、へー・・・。じゃあ、絵里ちゃんも?」

希「そやで。あ、じゃあ、うちらはこれで。またな〜穂乃果ちゃん」

穂乃果「うん。またね、希ちゃんとにこちゃん」

 

 

 

 

しばらく歩いて土方と沖田を捜していた穂乃果は、やっと土方の後ろ姿を見つけ、笑顔を浮かべながら、気づかれないように気配を消し、土方の背後にそっと行く。

 

穂乃果「トーシ君!」

土方「おわァァァァァァァ!!?

 

予想以上の反応をする土方にお腹を抱えて笑う穂乃果。

 

土方「あ、ほ、穂乃果か・・・てめっ!いつまで笑ってやがるんだ!?」

穂乃果「あははっ!ご、ごめっ・・・!ごめんね!でも、トシ君があまりにも良い反応するから」

 

未だにちょっと笑ってる穂乃果に不機嫌そうに要件を聞く。

 

穂乃果「うんっとね。前言ってた遊園地、今日行こうよ。連絡、待っててもよかったけど、万事屋ってほとんど暇で・・・。来ちゃった」

土方「いや、いきなり過ぎだろ。来ちゃったって・・・。そんな急に言われて、休み取れるわけないだろ」

 

あ、それはね。と穂乃果が言いかけた所に近藤勲現れた。

 

近藤「心配いらんぞ、トシ。休みは俺が取っといたからな!総悟のもな」

土方「はっ!?いつの間に!てか何で!?」

穂乃果「この前、散歩している時に近藤さんに会ったんだ。その時に万事屋が暇なので、トシ君とそー君と一緒に早く遊園地に行きたい、って言ったら二人の休みを今日取ってくれるって」

土方「あ、そう」

 

早々に諦める土方。

 

穂乃果「じゃあ、私はそー君の所にも行ってくるから、準備して待っててね。あ、サンドイッチ作ってきたから、お昼はそれを食べよ!」

土方「あ、ああ、分かった」

 

そう言って去って行く穂乃果の後ろ姿を眺め、今更ながらに、「そう言えば、何かアイツお洒落してなかったか?」と思った。

 

 

 

 

穂乃果が見つけた時、沖田はアイマスクをし、寝ていた。

寝ている相手を起こすのはどうかと思ったが、それでも遊園地には一緒に行きたいので、起こす。

 

穂乃果「そー君、そー君起きて」

沖田「う・・・ん。・・・ん?あれ、なんで穂乃果が・・・夢?」

穂乃果「夢じゃなくて現実だよ。ほら、起きて」

 

アイマスクを外し、寝ぼけ眼で穂乃果を見る沖田に苦笑いしながら、再度起きてと言う。

 

沖田「どうしたんだ?こんな朝早く」

穂乃果「うん。遊園地行こ」

沖田「それはデートか?デートのお誘いなのか?なら喜んで行こうじゃないか」

穂乃果「うん。私とそー君とトシ君で遊園地デートだよ!」

沖田「そんな事だろうと思ったぜ、ちくしょう。死ね土方コノヤロー」

 

「相変わらずだなぁ」と思いつつ、準備して入口に来てと言う。

それに沖田は頷き、何かを思い出したかのように、穂乃果の全身を見、口元を緩めた。

 

沖田「その恰好、似合ってる。可愛いぜ」

穂乃果「う、うん。ありがとう、そー君!じゃあ、またね」

 

沖田のストレートな言葉に言われ慣れてない穂乃果は照れて頬をちょっと赤らめる。

 

───もう、相変わらず恥ずかしい事を真顔で言うなんて。はっ、まさか、プレイボーイ!?(←違う。)

いやいや、流石にないよね。うん、ひとまず落ち着こう

 

沖田がこんな事を言うのは、自分だけと言う考えが全くない穂乃果は、そんな事を二人が入口に来るまで考えていた。

 

 

 

 

その頃の万事屋は・・・。

 

銀時「ウソだァァァァァァァァ!!!穂乃果ァァァァ!!

神楽「穂乃果ァァァ!!カムバックアルぅぅぅぅぅ!!

 

いつもよりも早めに起きた銀時と、そんな手紙を見て叫んだ声で起きた神楽の絶叫が響き渡った。

 

 

 

 

穂乃果「?」

土方「穂乃果?」

沖田「どうしたんでぃ?」

穂乃果「いや・・・なんか、呼ばれた気がして」

 

穂乃果の言葉に三人揃って首を傾げる。

結論は、結局気のせいと言うことになった。

まぁ、それはともかく。

 

穂乃果「わぁ!遊園地だ!久しぶりだなー!」

 

そう言って、はしゃぐ様に遊園地を見て目を輝かせる穂乃果に口元を緩める土方と沖田。

因みに穂乃果の分の遊園地の入場券は土方と沖田の割り勘である。理由?それは二人が二人共、自分が払うって言って聞かないから、間を取ってそうなりました。

遊園地でのお金も穂乃果の分は全部土方と沖田が持つことにもなりました。

穂乃果本人は渋ってたけど、万事屋がそんな贅沢は出来ないのは事実、という事で甘えて丸く収まった。

 

沖田「穂乃果、最初は何乗る?」

穂乃果「うんっと・・・コーヒーカップ!」

土方「マジか・・・」

 

という訳でコーヒーカップに乗る三人。

ハンドルを回すのは、当然穂乃果である。

決して短い付き合いではない二人は、穂乃果に回させるとどうなるかは分かるが、楽しみにしている穂乃果を前に止めさせることは出来ない。なので、腹を括った。

結果↓

 

沖田「アアアアアアアァァァァァァ!!

土方「やっぱりぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?

 

超高速で回るコーヒーカップに悲鳴を上げた。

 

 

 

 

穂乃果「ごめんね、二人共。つい楽しくって」

土方「いや、大丈夫だ・・・ちょっと休めば・・・おい総悟、なんでお前までそんなに取り乱してるんだよ」

沖田「・・・え、Sは打たれ弱いんでさァ・・・」

 

遊園地に着いて、一番最初からこれで不安になるが、土方と沖田は、穂乃果の買ってきてくれた飲み物をちびちびと飲む。

 

穂乃果「もう、飲み物ぐらい買えたのに」

沖田「いや、これだけは譲れない」

土方「それだけは同感だな」

穂乃果「そうなの?」

 

 

 

 

しばらく色々遊んで、時刻は昼をちょっと過ぎた頃。

 

穂乃果「という訳で、サンドイッチ作ってきました!」

沖田「いえーい!」

土方「何このテンション。どういう訳?」

穂乃果「気にしない気にない!さ、食べよ!」

 

まぁ、いいか。と土方は気にしない事にした。

 

沖田「おっ、色々と種類豊富だな。その上美味しい。流石穂乃果。惚れ直すぜ」

穂乃果「ありがとう、そー君。あ、トシ君はどう?」

土方「あ、ああ、美味しい」

穂乃果「それなら良かった」

 

沖田の惚れ直すという言葉を信じてない穂乃果。

そんな穂乃果に気づいてるが、何も言わないで美味しいと土方は言う。

沖田は不満そうにしながらも、穂乃果の持ってきたサンドイッチは本当に美味しいので、黙って黙々と食べる。

サンドイッチは本当にいっぱいあるので、そうそう簡単にはなくならないだろう。

 

沖田「お、土方さん、このイチゴジャムコクがあって美味しいでさァ。つぶつぶもちゃんとあるし」

土方「マジか。あ、こっちのベリージャムもコクがあるし、素材を生かしてるって感じだな」

穂乃果「ホント?良かった。全部、私の手作りなんだ」

 

やっぱり。と土方も沖田も思った。

 

土方「昔よりも腕が上がったな」

穂乃果「そう?これでも昔より作る機会は減ったんだけどね」

沖田「それよりも土方さん、喋ってていいんですかィ?喋ってる間にも、サンドイッチはなくなりますぜ」

 

そう言って、ぱくぱくと一定の速度で食べる沖田。

それを見て、土方も慌てて一定の速度で食べ始める。

因みに、イチゴジャムやベリージャムの他には卵とツナマヨ(一部、極度のマヨラーな土方の為にマヨネーズが多め。むしろ、マヨネーズの方が多い)、エビマヨ(こちらも同様。エビとカリッとしたエビ味のお菓子を砕いたヤツをマヨネーズで和えたが、一部だけ土方の為にマヨネーズが多い)、ピザパン(とろけるチーズにケチャップをかけ、丸いハム、ピーマンをパンで挟み、レンジでチンをしたもの)にミカンジャム、枝豆もち(もち米の中に塩で味付けをした枝豆を練り込んだものを入れ、練り込んだ枝豆以外にも塩で味付けをした枝豆をそのまま入れる。そして、もち米専用の炊飯器で炊き、パンに挟んだもの)がある。

 

穂乃果「うん、我ながら中々の出来だね!」

沖田「そういやァ、穂乃果」

穂乃果「うん?」

沖田「あの銀髪の侍とは、どんな関係?」

穂乃果「あ、えっと・・・幼馴染、だよ?」

 

自分で幼馴染、と言った手前だが、傷ついた顔をした。

実際、傷つき気分が落ちた。

それを見て、何かを察したらしい沖田と土方。

沖田に関しちゃあ、隠す気がないらしく、不機嫌丸出しだ。

土方?土方は、あらぬ方向に意識を飛ばしていた。

しかし、穂乃果はそれに気づかない。

そもそも自分が原因だとは気づいてない。

 

穂乃果「・・・はぁ」

 

穂乃果のため息に意識を取り戻した土方は、ため息を付きたいのはこっちだ、と言いたかった。

 

 

 

 

穂乃果「あ〜、楽しかった!!」

沖田「それはよかったな」

 

ご飯を食べてから、いろんなアトラクションを乗り、その内に穂乃果は元気になった。

元より隠し事が苦手な穂乃果だ。隠し事なんて、付いた瞬間にバレるレベルである。元気に見える、ではなく、元気になった、でいいのだろう。

 

土方「穂乃果、もうそろそろ帰る時間じゃないか?」

穂乃果「ん?」

 

土方の付けてる腕時計を見て、穂乃果は言った。

 

穂乃果「あ、ホントだ。銀ちゃん、心配性だからなぁ。その上、神楽ちゃんにも銀ちゃんの心配性が移っちゃったみたいだし」

沖田「穂乃果、家まで送るぜ」

穂乃果「ホント?ありがとう!」

 

そう言う訳で、穂乃果を真ん中に色々と喋りながら帰る三人だったのだ。

 

 

 

 

オマケ?

 

 

穂乃果「ただいまー」

 

その穂乃果の声を聞いた瞬間に、騒がしい足音が二つ響く。

銀時と神楽だ。その後から、おかえりなさい、と言いながら新八が歩いてくる。

 

銀時「穂乃果!」

神楽「誰とどこ行ってたアルカ!真選組の野郎か?真選組の野郎ならば、許さん!誰だとしても許さないけどナ!」

穂乃果「神楽ちゃん、ちょっとキャラおかしくない?」

 

そう言いつつも、抱きついて来た神楽を笑顔で受けとめる穂乃果。

 

銀時「真選組に寄るって何だよ。穂乃果、また隠し事か!?」

穂乃果「え・・・あ、うん、そうなるかな?」

 

またしてもショックを受ける銀時。

いや、今日は神楽も一緒である。

そんな二人を見かねて、銀時と神楽に穂乃果は、ある物を渡す。

 

穂乃果「はい、三人にお土産買ってきたんだよ」

神楽「食べ物アルカ!?」

穂乃果「あ、うん、食べ物のお土産もあるけど、メインはこっち」

銀時「?ブレスレット?」

 

そ、と言いながら説明をする。

 

穂乃果「コレね、万事屋皆でお揃いで着けたらいいなって思って。皆のイメージカラーで揃えたんだよ?」

 

穂乃果の言う通り、万事屋皆のイメージカラーがある。

 

穂乃果「まず、私がオレンジ!そして、銀ちゃんがシルバーで、新八君が青色で、神楽ちゃんが赤色!」

 

笑顔でブレスレットを差し出す穂乃果を見て、銀時達も笑顔になる。

それから、ありがとう、と三人で言い、受け取った。

銀時も神楽も穂乃果に問い詰めようと思ったが、あまりにも嬉しそうに穂乃果が笑ってるので、まぁいいか、と納得する事にしたのだった。




穂乃果「なんて言うか・・・。にこちゃんって、ホントにそー君と仲悪いんだね」
銀時「土方君以上かもね、これ」

・・・うん、確かに。

銀時「つか、俺のセリフが一つだけなんだけど!?俺、主人公だよね?」

でも、今回の話は穂乃果の他に土方と沖田メインだしー。
絶対主人公が出るとは限らないのが、銀魂だし。

穂乃果「まぁ、それは確かに。あ、今日のゲストは?」

ゲスト・・・パスで。

穂乃果「パス!?」

いや、もう色々となんか・・・めんど・・・じゃなかった。忙しくって。

銀時「いや、言い直しても意味無くね?それ」
穂乃果「ほぼほぼ言ってるし」

あー、それはともかく、だ。
予告は、銀ちゃん。その前にお知らせ?的なのを穂乃果。
もうコレでいいじゃない。
早く書き上げなきゃっ!

穂乃果「何を?」

ん?えっと・・・はい、これ。

穂乃果「うんっと・・・コレの次話で続きと思う方がいたら、申し訳ないので、先に言っときます。今月、19日は西木野真姫ちゃんの誕生日なので、それの番外編をやろうかなって、思っています。間に合うかは、怪しい気がしなくもないが、間に合わせます。え?番外編やったばっかだよね?と思う方もいらっしゃるでしょう。私もそう思います。しかし、一年生組の出番的な事情で書きたいなと思ったので、書きます。てか、書いてます。クオリティは、期待しないよーに!美雪より。・・・だって!」
銀時「あー、なるほど。じゃあ、さっさとするか」





銀時「次回のラブ魂は、万事屋の第二の火の車にヒートアップさせる原因である、あの白い大きいヤツの登場回になりまーす。・・・絶対見てくれよな!」





・・・最後の元ネタ、分かる人少ないんじゃない?

穂乃果「んー・・・あ、分かった!ドラ○ンボールの予告だ!」

そーそー。

銀時「いやいや。こういうのは、意外と分かる人が多いもんだろ?」

そうかなー。

銀時「そうだろ」

んー、ま、いっか!
では、また次回!


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番外編 一周年の番外編をやったばかりだけど、真姫の誕生日という事なので、真姫誕生祭2018、やるよ!

うん、またまたギリギリになってしまった。

銀時「しかも終わり方雑だな」
穂乃果「確かに・・・。あと、真姫ちゃんの出番が一番最後のちょっとだけって言うね」

言わないで。自分が一番知ってるから。

銀時「うん、まぁ・・・。前回の番外編から一話しか空いてないわけですが」
穂乃果「とりあえず、本編へどうぞ」

内容に期待しないでねー。

銀時・穂乃果「ラブ魂、始まります!」


真姫誕生祭2018

 

 

 

ある朝。

万事屋には、朝早くからお客さんが来ていた。

と言っても、新キャラではない。

最近、めっきり出番がない彼女達が来ていたのだ。

 

花陽「出番がめっきりないって・・・」

凛「その通りだけど・・・酷いにゃー」

 

いや、そんな事よりも用事を早くして。

 

凛「うぐぐ・・・っ!」

花陽「あの、実は・・・」

穂乃果・新八「実は?」

花陽「もうすぐで真姫ちゃんの誕生日なんです!!」

銀時・神楽「た、誕生日ぃ?」

銀時「なんでそれを俺達に言うわけ?」

神楽「そうアル。真姫との絡みなんて、めったにないアルヨ」

 

・・・こ、これから本編で絡む様に努力はするよ?

 

穂乃果「そうは言っても真姫ちゃん達、絶対面識ない人とかいるよね?もしくは、話したことない人とか?」

 

フッフッフッフッ!

抜かりはないのだよ、穂乃果君。

 

新八「何キャラ?」

 

実は真姫達はちょくちょく海未と遊ぶ為に、海未の家に行くから、空とも妙とも面識済みだし、真選組一同も同様、真姫達とは面識済みという裏話があるのだ!

因みに西木野家は少なからず、真選組に権力・・・的なのを持っているのだ!

 

銀時「マジか」

穂乃果「的なの、って何?」

神楽「まぁ、それはいいアル。それで、何の話だっけ?」

凛「真姫ちゃんがもうすぐで誕生日って話にゃー」

銀時「あー、そうだった。で?何?」

 

あくまで興味なさげな銀時と神楽に我慢の限界なのか、立ち上がって叫ぶ様に言い放った。

 

凛「だーかーらぁー・・・真姫ちゃんの誕生日を盛大に祝うにゃァァァァァァァ!!

 

 

 

 

と、言うわけで?

 

凛「絵里ちゃん達にも来てもらったにゃ」

絵里「・・・」

希「穂乃果ちゃん、久しぶりやなぁ」

穂乃果「ホントだね!」

にこ「・・・」

沖田「・・・」

土方「・・・つか、俺らも暇じゃないんだけど!?

凛「細かい事は気にするにゃ」

 

ひたすらに無言で遠い目をしている絵里、いつもと変わらぬ通常運転の希、久しぶりに皆に会えて嬉しいのか笑顔の穂乃果、万事屋に来る途中で何かあったのか定かではないが、ずっと睨み合っているにこと沖田、自分たちは暇じゃないとキレる土方、細かい事は気にするなという凛、マイペースにも新八と話している園田姉妹。中々にシュールだ。混沌(カオス)とも言う。まとまり感が全くない。

 

銀時「・・・で?何するって?」

凛「誕生日会って言ってるにゃ!」

花陽「取り敢えず、真姫ちゃん本人に黙ってやる、サプライズ誕生日会をやろうって話になったんです」

穂乃果「いきなりだね。真姫ちゃんの誕生日っていつ?」

花陽「一週間と一日後です。十九日」

 

ふむ、と顎に手を当てながら考える仕草をする穂乃果。

 

凛「穂乃果ちゃんは結構乗り気にゃ」

銀時「昔っから、誰かの誕生日会とか開きたがるからな。こうゆう企画的なのは、いの一番に考えるんだ」

 

考えがまとまったのか、花陽と凛の方を向いて話しかける。

 

穂乃果「じゃあ、誕生日会ってどこでやるの?」

花陽「・・・ま、真姫ちゃんの家?ほら、大きいし」

神楽「まさかオマエら、ノープロブレムアルカ?」

銀時「ノープランな」

海未「そもそも、真姫程の家が盛大にパーティをしないなんて事、あるんでしょうか」

 

その言葉に一同、静まり返る。

 

穂乃果「・・・ちょっと真姫ちゃんの家に電話してくる」

花陽「・・・は、はい。ごめんなさい」

 

しばらくして?

 

穂乃果「毎年、一日遅れで盛大にパーティするんだって。当日は、家族でお祝い。理由話したら、当日に盛大にサプライズパーティしよう、って言ってくれたよ。場所も提供してくれるって」

 

穂乃果の言葉に安堵のため息をつく花陽と凛。

 

空「じゃあ、具体的に何するの?」

穂乃果「そうだね〜・・・プレゼントは各々が用意するとして・・・ん〜・・・よし!今日から、コツコツと誕生日会用の飾りを作ってこう!これだけ人数いれば、今からでも間に合うと思うし」

神楽「飾りって、作れるアルカ?」

穂乃果「作れるよ。折り紙を切って輪っかにしてそれをどんどんくっつけるの。他にも作れるヤツとかもあるんだ。やった事ない?」

神楽「ないアル」

穂乃果「そっか。じゃあ、今回は初だ。楽しみ?」

神楽「楽しみアル!」

 

そう言って、目を輝かせる神楽を見て嬉しそうに微笑む穂乃果。

 

絵里「私達、真選組があるのだけど」

希「抜かりはないでぇ、えりち」

絵里「はぁ?」

にこ「絵里、希ったら、私達全員を一週間程休めるようにって、ここに来る前に近藤さんに交渉してたわよ」

絵里「ええっ!?」

土方「いつの間に・・・」

沖田「じゃあ、休みとれたんですかぃ」

希「うん、近藤さんがうちらの分も頑張るって」

 

事実は本当はちょっと違う。

本当は二人ぐらいでも残ってほしいと言ってたのを、希が聞かなかったのだ。

そんな事実を知らない真面目な土方と絵里もそれなら・・・と参加を決めた。もっとも、土方の参加理由は、大半が穂乃果を占めている。

それはともかく!である。

 

穂乃果「当日は、私達で料理を作ろうかな、って思うんだけど・・・皆、料理出来る?」

銀時「俺はまぁ、知ってると思うが、自炊程度には」

神楽「卵かけご飯なら、誰にも負けないヨ!」

新八「神楽ちゃん、それって料理?僕は普通並になら出来ますよ」

海未「わたしはそれなりに、ですかね」

空「海未ねぇのも、新にぃのもおいしいよ!」

ことり「料理なら並だけど、スイーツなら得意だよ〜!」

花陽「わ、私は・・・あんまり、料理したことないんです。自分で用意をするって言うと、大体は外食か、白米を食べていたので・・・。だから、多分・・・出来ません」

凛「私は全く出来ないにゃ!」

土方「マヨネーズ関係なら任せろ」

沖田「俺はそこそこなら、出来まさぁ」

絵里「私も一応、出来るわ」

希「ん〜・・・、うちは出来るよ、多分」

穂乃果「多分?」

 

そう言う希に、何故か慌て出す真選組一同。

 

にこ「・・・希は料理をしない方がいいわね」

穂乃果「ええっ!?何で?」

 

首を傾げる面々に、声を潜めて理由を話す真選組一同。

なお、希には聞こえないだろう声量である。

 

土方「あいつ、料理出来そうに見えるけど、実は逆なんだ」

銀時「逆?」

沖田「アレはダークマターでさぁ」

神楽「い、意外アルナ・・・」

絵里「何も、可哀想な卵焼き程じゃないのよ?」

にこ「でも、希がモノを作ろうとすると・・・なんでかしらね、見た目正常な上、味付けも普通なのに、すっごい不味くなるの。まさに、味だけダークマターよ」

穂乃果「ほぇぇぇ・・・」

絵里「でも悔しいことに、うどんだけはすっごい美味しいの!プロレベルで!私、あんなに美味しいうどんは他に知らないもの!」

にこ「だからこそ、自分のうどん以外がダークマターという事に、無自覚なのでしょうけど」

 

その言葉に真選組一同は頷く。

 

穂乃果「うどん、かぁ・・・。パーティーには不向きだね」

にこ「でしょ?だから希、あんたは料理やめなさい」

希「だからって何?どうゆう訳?まぁ、とりあえず分かったわぁ」

にこ「えっと・・・で、料理が出来るか出来ないかよね。もちろん、出来るわよ」

絵里「にこはね、真選組の中で一番、料理上手なのよ」

穂乃果「そうなんだ!あ、んーと・・・ちょっと待って」

 

 

 

 

30分後。(多分。)

 

穂乃果「という訳で、皆さんの役割分担を発表しまーす!」

 

ドンドンパフパフ〜!なんて聞こえてきそうな感じで言う穂乃果。

穂乃果以外の皆は拍手を送る。

 

穂乃果「では 、まず2日前までは、皆で飾りを買ったり、持ってきたり、作ったりしたいと思いまーす。そして前日から、料理班に分かれます。料理班が前日にやること、それはメニュー決め!からの、それぞれが相談しつつ、どれを作るかを決めてから、それぞれの材料の買い出し!」

 

意見ある人!と言う穂乃果に、ありませーん、と答える面々。

 

穂乃果「じゃあ、準備は明日からで、それぞれで作ったりしてね。あ、凛ちゃんと花陽ちゃんはここで作ってって」

 

それぞれ、はーい、と返事をし、今日は解散となった。

真姫誕生日まで、残り一週間となった。

 

 

 

 

真姫の誕生日まで7日目の翌日。

理由を付けて万事屋に来た凛と花陽、万事屋三人は飾りを作っていた。

因みにもう一人の万事屋の一員である新八は、自宅にて海未と空、事情を話し、協力してくれることになった妙と飾りを作ったりしている。

因みに、飾りはそれぞれにお任せだ。

万事屋+aは、飾りを作りながらも賑やかである。

縦に長く切って、丸い形にしてある程度まで繋げていくヤツは、凛と花陽と神楽で作っている。

それ以外にもあった方がいいだろう、という穂乃果の言葉で、穂乃果と銀時は、壁に貼ったり、天井から吊るす為の飾りを作っている。

 

神楽「何アルカ、コレ。なんかよく分かんないけど、ハマるアル!」

穂乃果「良かったね、神楽ちゃん」

銀時「それ、確かに最初のうちはハマって捗るんだけど、飽きるのも早いんだよな〜」

穂乃果「余計なこと言わない!」

 

余計な事言ったり、話したりしつつも、手を止めることはせずに、器用に鶴を折っていく。

・・・といっても、銀時と穂乃果の折っている鶴は普通の鶴ではない。

すごい速さで複雑な折り込みをしていく。

いわゆる、手間がかかる折り鶴、という訳だ。

それも一種類ではなく、何種類もの手間がかかる折り鶴をすごい速さで折っていく。もちろん、鶴以外も折っているし、それもクオリティが高い。

 

凛「・・・は、速すぎて、どんな折り方してるか全くわからないにゃ」

花陽「なんだか二人とも、手慣れてるね?」

銀時「好きで慣れてるわけじゃねぇーわ」

穂乃果「あのね、小さい頃はよく誕生日会とかやってたんだ。その度に折り紙とかやってたからさー」

神楽「そんなに速く出来る程になるとは、よっぽどアルネ」

穂乃果「そう?」

 

早速飽き始めたらしい凛が話すことをメインにしかけている。

神楽は辛うじて、まだなんとか飽きてはいない。 花陽は、元々真面目なので、飽きる心配はないのだ。

 

凛「銀さんと穂乃果ちゃんは、いつ頃からの付き合いにゃ?」

穂乃果「銀ちゃんと?銀ちゃんとの付き合いは、私が・・・えーと、四歳の時かな。その時、銀ちゃんは八歳だよ」

花陽「結構昔からの幼馴染みなんだね」

穂乃果「うん、まぁ・・・」

凛「じゃあ、皆は何歳ぐらいまでの事覚えてる?私は7歳くらいからにゃ」

 

何その質問、と思いつつも答える。

 

穂乃果「んー・・・思い出とかは、結構覚えてるタイプだから、割と小さい頃の事まで覚えてるよ。多分、3歳ぐらい?あ、でもやっぱりうろ覚えかも。覚えてる事と覚えてない事があるかも。やっぱり、確実だと5歳くらいかな?うろ覚えでもいいんなら3歳から」

銀時「あー・・・何歳とかは覚えてないけど、多分、6歳ぐらいじゃね」

神楽「私は・・・んー、5歳くらい?」

銀時「マジか」

凛「かよちんは?」

花陽「わ、私も?えっと、7歳、くらいから・・・かな」

 

へー、と言いつつ、等々手を止めた凛は、さらに質問を問う。

 

凛「じゃあ、皆の一番良い思い出ってなんにゃ!?」

穂乃果「ぐ、ぐいぐい聞きに来るね・・・」

 

凛の勢いに、穂乃果はちょっと引いた。

 

銀時「つか、口より手を動かせ」

凛「飽きたにゃ。いいから話すにゃ」

銀時「つったってよー」

穂乃果「んー・・・あ、アレなんてどう?」

銀時「アレ?」

凛「え?なになに?」

花陽「凛ちゃーん・・・」

神楽「凛じゃないけど、私も気になるアル」

 

等々飽き始めた神楽が聞く。

それに手を動かしながらも話を始める穂乃果。

 

穂乃果「ほら、昔皆でしたお花見。初めての私達だけでしたヤツ」

銀時「ああ・・・」

神楽「お花見?何アルカ、それ。美味しいの?」

穂乃果「知らない?地球にはね、桜を見てお弁当とかを食べたりするお花見ってのがあるんだよ」

 

お弁当、と神楽の目が光ったのは、多分気のせいではない。

へー、とは凛と花陽である。

 

花陽「・・・というか、本編だとまだ過去とか全然出て来てないのに、いいの?話に出して」

凛「かよちん・・・」

銀時「・・・いいか、花陽」

花陽「は、はい!」

 

心なしか真剣な表情の銀時と凛に、自然と背筋がピンッと伸びる花陽。

 

銀時・凛「番外編と本編は一括していないから、本編ここまで進んでないよね?とかなっても、別に番外編ですから〜ですむんだよ。何よりも、時間軸バラバラだし」

花陽「そうゆう問題!?」

穂乃果「あれ・・・凛ちゃん、何で標準語?猫瞬族は語尾に対して、にゃ、って付けるって設定はどうしたの?」

神楽「メタいアルネ」

 

それはともかく、話を進めることにした。

 

穂乃果「昔ね、私達は松下村塾の皆で毎年お花見するのが恒例だったんだ」

凛「へー」

穂乃果「私って、松下村塾の中で最年少だったんだー」

花陽「そうなの?意外」

穂乃果「そう?でも、大体が銀ちゃんと同年代か一歳下か上か、だったからね。だから、可愛がられてた自覚はあるんだよ」

神楽「へー」

 

ま、当然アルナ、と思いつつ、相槌を打つ。

 

穂乃果「その中でも、松陽先生と銀ちゃん達三人に私は懐いてたんだよね」

凛「三人・・・って言うと、ヅラさんと高杉にゃ?」

 

ヅラじゃない、桂だ!という声は聞こえないフリをする事にした。

 

穂乃果「そーそー。それで話が変わるんだけどね、毎年始まるお花前の私の誕生日で、私が誕生日プレゼントに、五人だけでお花見してみたい、って言ったの。うん、自分で言うのもアレだけど、みんな結構私に対して・・・過保護って言うか・・・甘やかしてた趣向にあったと思うんだ。だから、二つ返事でOKしてくれたから、次の年のお花見は、私達だけで・・・って事になって。一番・・・か、分からないけど、私の良い思い出はそれかな」

銀時「じゃあ、俺もそれで」

凛「適当すぎにゃ!」

 

じゃあ、お前は何なんだよ、と聞き返す銀時。

待ってました!と言わんばかりに、胸を張る凛。

 

凛「私はやっぱり、かよちんや真姫ちゃんに会ったことが一番にゃ!」

花陽「凛ちゃん・・・」

 

大方予想ついていたのか、ああ、はいはい。と聞き流す銀時。

神楽は、興味ないようで眠そうな目をして酢昆布をかじっている。

穂乃果は、微笑ましそうににこにこ笑っている。

花陽は、当然嬉しそうだ。

 

凛「かよちんは?」

花陽「私は・・・私も、同じかな」

 

そう言う花陽に、感極まった凛が飛びついた。

 

銀時「おい、いい加減、口より手を動かせ、手を」

凛「うー、分かったにゃ。けど、一つ言わせてもらうなら・・・一体どれくらい折る気にゃ?

銀時・穂乃果「・・・はっ!いつの間に!?」

 

そう言う銀時と穂乃果の横には、崩れんばかりのすごい量の折り鶴や、その他の折り紙があった。

 

神楽「二人とも、ボーッとし過ぎアルヨ」

銀時「いや、つい・・・」

穂乃果「あはは・・・。そうだ、神楽ちゃんは一番の思い出ってある?」

神楽「一番の思い出・・・。そうアルなぁ。やっぱりアレネ」

凛「アレ?」

神楽「私の兄ちゃん・・・神威は、昔はちゃんとした兄ちゃんだったアル。それこそ、パピー程じゃないにしろ、過保護だったネ。いつも私に突っかかって来てたチンピラを容赦なく叩きのめしてたネ。その度にパピーに怒られてケンカしてたヨ」

 

話の始まりにん?となりながらも、何も言わないで、黙って話を聞く。

 

神楽「当時は家族仲良好で、神威とパピーのケンカも絶えなかったけど、仲は良かったアル。えっと、それで・・・一番、良い思い出デショ?」

凛「うん」

神楽「マミーが寝込む様になってすぐの頃は、家族仲に異変はなかったアル。一番の良い思い出は、その時のアルネ」

花陽「その時の?」

神楽「普通の、変哲ない至って普通の家族の暮らしアル。その中でも、マミーが出す卵かけご飯はサイコーだったアル〜」

銀時「た、卵かけ・・・ご飯」

穂乃果「・・・神楽ちゃんが、卵かけご飯を推す理由って・・・お母さんがよく出してくれたから?」

神楽「そうアルヨ。マミー、料理は得意じゃなかったアル。食べればほの字、って感じネ。その中で良く出てきたのが、卵かけご飯だったヨ」

 

神楽の話を聞いて、銀時と穂乃果は青ざめた。

理由としては、万事屋はご飯だけ当番制だったりするからだ。本編には、出てないだけで。

因みに、二週間続けて当番が穂乃果、一週間続けて当番が銀時と神楽である。たまに、新八が手伝ってくれる。

凛と花陽は、いいお母さんなんだね・・・、と神楽に言っている。

 

銀時(ど、どうしろってんだよ・・・)

穂乃果(こ、これじゃあ、一週間続けて卵かけご飯出されたって、食べるしかないよ・・・)

銀時・穂乃果(文句言えるわけない!!)

 

この二人にとっては、とっても重要なのだ。

 

穂乃果「でも、そっかぁ・・・。いいねぇ、そう言うの。私の場合、実の家族よりも松陽先生とか、銀ちゃん達と家族してた気がするし、付き合いもそっちの方が長いんだよねぇ」

銀時「俺的には、その記憶しかないがな。家族らしさの記憶ってのはな」

 

そこで、昔の良い思い出を思い出したからか、笑顔の神楽が銀時と穂乃果に声をかける。

 

神楽「そうアルか・・・。ねぇねぇ、穂乃果、銀ちゃん」

穂乃果「なぁに?」

銀時「ん?」

神楽「穂乃果、銀ちゃん、新八、私で万事屋アル」

穂乃果「ん?うん、そうだね」

銀時「なんだよ、いきなり」

神楽「万事屋は私にとって、第二の家族アルヨ!・・・って、言いたかっただけヨ」

銀時・穂乃果「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」

銀時「そ、そうか・・・」

穂乃果「う、うん。私にとっても、そうだよ!」

 

万事屋は神楽にとって第二の家族と満面の笑み(それこそ、将来有望な感じで、そこら辺の男なら落ちても何ら不思議ではない感じの、それも無意識である。)で言われた銀時と穂乃果は、声にならない声を出して悶えたが、穂乃果の肯定の言葉に対して、えへへ〜。と心底嬉しそうな笑顔を浮かべる神楽に、再び悶えた。

基本的には、穂乃果が万事屋の癒しではあるが、神楽も同様、万事屋の癒しである。

銀時は大体、穂乃果に癒されたりするが、神楽にも癒されることは少なくもない。なんと言ってもこの娘、穂乃果程じゃないにしろ、天然である。

その天然発言に癒されることは少なくないのだ。

新八も同様である。と言っても、彼の一番の癒しは、妹の様な存在の空であるが、穂乃果にも神楽にも癒しを貰っている。

では本人達は?と言うと、穂乃果は神楽に、神楽は穂乃果に癒されている。

因みに言えば、天然行動(行動が天然だったり)は穂乃果が上でも、天然言語(言葉が天然だったり)は神楽が上だったりする。もちろん、両方天然な事をしたりするが。

 

穂乃果「あ〜ん、かわいい〜♪」

神楽「わっ!?」

 

そう言って、神楽に抱き着く穂乃果。軽くキャラ崩壊ですね。

まぁ、なんやかんだで万事屋+αの準備初日は終わったのだった。

他の所も要領良くやっていたりする。

 

 

 

 

はい、飛ばし過ぎかもしれないけど、誕生日会の前日です。

 

穂乃果「はい、と言う訳で、料理班と飾り班に別れまーす!」

 

場所は西木野邸。

それぞれ返事をして、それぞれの班別に別れる。

料理班は穂乃果、海未、ことり、絵里、にこ、そして教えたらスポンジ並みの吸収力で意外と物覚えが良いと発覚した神楽をお手伝いに別けられた。料理班長は穂乃果、副班長は海未だ。

飾り付けなどの量関係からして、前日から飾り始める為の飾り班は銀時、新八、空、希、凛、花陽、沖田、土方である。飾り班長は銀時、副班長は新八になった。まぁ、妥当である。

因みに、妙は当日参加するのだ。

飾りの準備は、自宅で新八達の手伝いをしていた。

最初に、料理班サイド。

 

穂乃果「じゃあ、皆はどんな食べ物があったら嬉しい?」

海未「穂乃果の作ってくれた物ならなんでも」

ことり「甘いスイーツがあったら嬉しいなぁ・・・。特に穂乃果ちゃん手作りチーズケーキとか!」

絵里「そうね・・・。チョコレートがあったら幸せね、特に穂乃果の手作りとか」

にこ「みんな参考にならなすぎでしょ・・・。そうね、やっぱり誕生日パーティなんだから、種類豊富がいいわよね・・・。かつ、真姫の好物がいいわよね」

穂乃果「真姫ちゃんの好物・・・。ちょっと聞いてくるね!」

にこ「行動早っ!」

 

数分後。

 

穂乃果「真姫ちゃんの好物が変わってなきゃ、トマトが好きなんだって!」

にこ「トマトか・・・。トマト料理は入れましょう」

穂乃果「そうだね、トマトソースグラタンとか?」

神楽「穂乃果、穂乃果」

穂乃果「ん?なぁに?」

神楽「卵かけご飯とは言わないから、せめてタコ様ウィンナーは入れてヨ」

穂乃果「えっ・・・いいけど、タコ様ウィンナーって、タコさんウィンナーの事?」

神楽「そうとも言うけど、違うアル。タコ様ウィンナーヨ!」

穂乃果「そ、そっか。わかったよ〜」

 

良くわかんないこだわりだけど、とりあえず分かったことにした穂乃果。

 

穂乃果「えっと・・・じゃあ、メイン料理はトマト料理でいいかな?」

 

その問にそれぞれが頷く。

 

穂乃果「じゃあ、今日はメニューを考えて買い物に行こう!」

絵里「とりあえず、トマトソースのミートスパゲッティは王道よね。でも、外せないわ」

海未「トマトでドリア、とか、グラタンとかも良さそうですよね」

ことり「トマトのケーキとか!」

神楽「トマトシチューが食べたいヨ。お肉も使ったヤツ」

穂乃果「えっと・・・トマトソースのミートスパゲッティとトマトのドリアとグラタンとトマトを使ったケーキとトマトシチュー・・・」

 

それからどんどん料理はコレがいいアレがいいなど、意見が出て、それぞれ分担した。

 

穂乃果「それから、ことりちゃんにはスイーツを担当してもらいたいの。トマトを使ったケーキ、出来る?」

ことり「レシピさえ分かれば。完璧に出来るよ!」

穂乃果「じゃあ、トマトを使ったケーキの材料は今から紙に書くからちょっと待って。他に何のケーキを作るかは任せるから。明日、レシピを書き起こして持ってくるね」

ことり「うん!」

穂乃果「神楽ちゃんは、私を手伝ってね」

神楽「分かったアル」

穂乃果「今日は西木野邸で材料を置いていってもいいって言う許しがあるから、明日は大仕事があるので、今日は終わり次第解散してもいいよー」

 

そんな感じで、料理班は終わった。

終わったと言っても、何を作るか考えながら買っていたので、時間がかかったが。

で、飾り班はと言うと?

 

銀時「それじゃあ、みんな思い思いに飾れよー」

凛「なんて投げやりにゃ・・・」

花陽「あはは・・・」

沖田「まぁ、いいじゃないですか」

新八「とりあえず、始めましょうか。それから微調整でもすればいいじゃないですか」

土方「早く終わらせて帰ろうぜ」

希「よっしゃっ!任せて!うち、センスは良いから!」

空「希さん、気合十分だね!私も頑張る!」

 

と、まぁ・・・こんな感じにいい加減な感じから始まったのだった。

 

新八「いや、ほんとにいい加減過ぎでしょ

 

気にしないで!

まぁ、そんな感じから始めたのでみんな思い思いにし過ぎで治すのが大変だったのだが。微調整どころじゃない。大調整だ。

主に、マヨネーズ関係のヤツを飾ろうとするマヨラーに、変な仕掛けがある(危険)何かを飾ろうとするドS、怪しい御札をあちこちに面白がって貼ろうとするちょっとドS気味な奴らのせいである。

 

空「てか何、そのお札?何でそんなの持ってるの?」

希「ん?それはうちが、お────」

銀時・新八「ネタバレ禁止ぃぃぃぃぃぃぃ!!

希「えー?ちょっとくらいええやろー?」

銀時「ダメに決まってんだろ!!」

新八「そうですよ!ネタバレして苦情が来て困るのは作者である美雪さん、即ち、僕らもなんですよ!?」

凛「そうにゃ!最悪の場合、泣く泣く消す、なんて場合にもなりかねないにゃ!私なんてまだ出番が全然来てないのに!」

花陽「それは私も困ります・・・」

沖田「そうですねぃ。そうなりゃあ、俺と穂乃果があんな事やこんな事出来なくなりますもんね」

土方「ねぇよ!これから先もお前と穂乃果があんな事やこんな事するなんてありえねぇ!」

 

とか雑談を結構な頻度で挟んだりしてて、なかなか進まず、様子を見に来た穂乃果と神楽に泣きつくことになったのだが。因みに、その他の皆さんは帰られました。買い物が終わってたら。

 

 

 

 

穂乃果「で、翌日になりました」

空「穂乃果さん、どこに話しかけてるの?」

穂乃果「あ、何でもないよ、うん」

 

結局徹夜をした飾り班+穂乃果は寝不足である。(尚、神楽は居眠りをしていた為、そこまでではない。)

 

穂乃果「・・・じゃ、凛ちゃんと花陽ちゃん、お願いね」

花陽「う、うん・・・」

凛「任せるにゃ!」

 

真姫を料理が出来るまでに、連れ出す係が花陽と凛になった。

 

穂乃果「さっ、パッパっと作っちゃおうか」

 

そう言って、真姫が家を出たのを確認し、準備に取り掛かるのだった。

 

 

 

 

穂乃果「何か、後半になってからとっても適当になったよね。飛ばし飛ばしだし」

銀時「そうだなぁ。なんだかんだ言って、料理は出来、並べ終え、後は真姫達を待つだけだもんな」

土方「つか、セリフ少ない気がしてならん」

希「まぁ、人数が人数だからなぁ」

絵里「そうね」

にこ「あんたたち・・・忘れてるかもしれないけど、今回主役たる真姫なんか、まだ一回も出てないのよ?それに比べちゃあ、マシじゃない」

 

そりゃあそうか。と納得する面々。

 

沖田「じゃあ、アレだ。今回の主役だけど、サブキャラってわけか」

ことり「ハッキリ言うねぇ・・・」

 

苦笑いすることり。

 

新八「てか、今回の主役にあんまりな扱いじゃないですか?」

海未「そうですね」

空「タダでさえ出番が少ないのに、番外編でも少ないなんて・・・可哀想」

海未「・・・空、それは本人には言ってはいけませんよ」

 

海未の言葉に疑問符を浮かべながらも、敬愛する姉の言葉に頷いた。

 

 

 

 

待つこと一時間、やっと仲良しトリオが帰ってきたらしい。

みんな慌てつつ、クラッカーを構えて待つ。

 

真姫「もぉ、なんなのよ」

凛「良いから良いから!」

花陽「ほら、入って入って」

 

真姫が入ってきたと同時に、クラッカーを放つ。

 

「誕生日おめでとう!!」

 

真姫は、まだ状況が理解出来てないのか、ポカンっ・・・としてる。

 

真姫「え・・・あっと・・・うん?あ、ありがとう・・・?」

穂乃果「ふふっ。凛ちゃん、どう?」

凛「成功にゃ!」

 

そこでコレが凛と花陽が計画をしたのだと理解した。

 

花陽「真姫ちゃんのお母さんとお父さんは、ご用事で後から来るんだよ」

真姫「そう。・・・皆、ありがとう」

 

そう言って笑う真姫に、全員笑顔を浮かべたのだった。

 

真姫「えっ!?待って、私の登場ココだけっ!?」

凛「てか、終わり方雑にゃ」

 

いや、とにかく終わります。




終わった。

銀時「最近、話すことなくなってきたな」
穂乃果「ま、ムリもないことだとは思うけど」

・・・そういう事、言わないでよ。

銀時「本当だし」
穂乃果「偽っても仕方ないしー」

えー・・・。
あ、じゃあ、どうでもいい雑談を。

銀時「雑談?」
穂乃果「どうでもいいって自分で言ったし」

最近痛感したこと、児童書って侮れないよね。

銀時「いきなりなんの話」
穂乃果「児童書って・・・小学生くらいが読む小説?」

そーなの。
最近ね、探偵チームKZ事件ノートっていう児童書を読み始めたんだけど、それが面白くって。

穂乃果「何が知るキッカケになったの?」

アニメ。

銀時「アニメ?」

そ。
短いけど、アニメ化されてるんだ。
それが面白くって、原作も読もうかなって思って。
漫画もあるから、そのうち買うかも。

穂乃果「へー」
銀時「ほんとに雑談だ」

だから雑談だって言ったじゃん。
ま、いいや。
終わる?

穂乃果「作者(美雪ちゃん)がいいなら」

じゃあ、終わる。
はい、銀ちゃんシメよろしく。

銀時「えー・・・。あー、まぁ・・・次回もよろしくお願いしまーす」


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第十二訓 疲れた時は酸っぱいものを

4ヵ月近くも放置してて、すみません!

穂乃果「しかも私の誕生日・・・」

うん、本当にごめん。色々あったんだよ!
穂乃果誕生際2018期待してた人がいたら、本当にごめんなさい。

銀時「で、ヒロインの誕生際話間に合わなかったわけだけど、どうするんだよ?」

もし、誕生際だけど遅れてもいいよ!って人がいるのなら、書きましょう。今月中には。この場合は頑張っちゃうよ!
いないのなら、来年だね?

穂乃果「案外テキトーだね?」

基本、ノープランだから。
この話ああ書きたいなーって思っても、実際は違う話になっちゃったりしちゃうくらいには、ノープランだから。

銀時「ま、今更か・・・。一年、絶対に更新開けないってのは、最低限守ってるらしいし、まぁマシだな」
穂乃果「そうだねー」

・・・ま、まぁいいや。
じゃあ、お二人さんよろしく!

銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!」


ある日の神楽は、酢昆布を求めて駄菓子屋に来ていた。

 

神楽「おばちゃーん、酢昆布おくれヨ」

「はい、まいど」

 

駄菓子屋で酢昆布を買った神楽は機嫌良さそうに歌を歌いながら歩く。

ただしその歌は、フンフンフン、鹿のフン〜♪という、訳の分からないものだが。

しばらく歩き家に着いたが、その前には騒がしく、子供がいっぱい溜まってるのを見て神楽は首を傾げた。

 

神楽「人んちの前で何やってるネ、クソガキども。エロ本でも落ちてたアルか?」

「ウワァァァ!酢昆布娘だァァ!!」

「逃げろォ、酸っぱい匂いがうつるぞ!」

神楽「フン!ガキは母ちゃんの乳でもしゃぶってな」

 

明らかに神楽に対しての嫌がらせの言葉だが、神楽はそんな事を気にする様な子ではない。

そう言った神楽の耳に子供が集まってた場所で聞こえたのは、ワン、という鳴き声だった。

その方向にいたのは、紛れもない犬だった。万事屋さんへ、と書かれた箱に入っている。ただし、デカい。犬にしちゃあ、ものすごっくデカい。

それでも、犬を見た神楽は笑みを浮かべた。

 

神楽「わぁっ」

 

 

 

 

【───え〜、続いてのニュースです。先日、来日した央国星のハタ皇子ですが、新設された大江戸動物園を訪れ〜】

新八「銀さん、穂乃果さん。あの動物好きのバカ皇子、またこっちに来てたんスね」

穂乃果「ホント、面倒事起こさないといいけどね」

新八「そうですね。・・・ちょっと銀さん、聞いてます?」

 

掃除をしていたらしい新八と銀時の対面のソファに座ってる穂乃果の目線の先には、イビキをかきながら明らかに眠っているであろう銀時がいる。

そこで、神楽が帰ってきた。

 

神楽「ただいまヨ〜」

新八「あ、おかえり」

穂乃果「おかえり、神楽ちゃん」

新八「トイレットペーパー、買ってきてくれた?」

神楽「はいヨ」

 

そう言って神楽が渡したのは、一ロールのトイレットペーパーだった。

 

穂乃果「え・・・」

新八「・・・神楽ちゃん、あのさァ・・・普通何ロールか入った奴買ってくるんじゃないの。これじゃあ、誰かお腹壊したら対応しきれないよ」

神楽「便所紙くらいでガタガタうるさいアル。姑か、お前!世の中には、新聞紙をトイレットペーパーと呼んで暮らす貧しい侍だっているアル」

穂乃果「そんな過激派いないよ!?誰に聞いたの、神楽ちゃん!」

神楽「銀ちゃん」

 

その返答に穂乃果は銀ちゃん!と怒る。

当然だ。常日頃、神楽がここに来てからずっと神楽には変な事を教えるな、と言っていたのだから。

 

新八「ダメだよ、あの人の言う事信じちゃあ」

銀時「うるせーな・・・はっ!?」

穂乃果「?・・・はっ!?」

 

あまりの騒がしさに起きた銀時は、そこで気づいた。常識的には、ありえない大きさの犬がいる事に。

銀時の様子がおかしくなった事に気づいた穂乃果は、改めて神楽と新八の所に目を向け、気づいた。どうやら、トイレットペーパーが衝撃的すぎて気付いてなかったらしい。

 

神楽「ケツの青いガキが偉そうな事言ってんじゃねーヨ!アイドルオタク!」

新八「なんだとォ!てかそっちの方が年下じゃねーか!!」

 

しばらくの間、目を擦ったり、目をパチクリしてたが、白い巨大な犬が消える事はなかったので、新八に声をかける二人。

 

穂乃果「新八君、その白いの・・・何?」

新八「何って、トイレットペーパーですよ」

銀時「そうじゃなくて(デカ)い方」

新八「(デカ)い方とか小さい方とか、下ネタはやめてくださいよ!大体いつも銀さんがそれだから、神楽ちゃんが・・・」

穂乃果「ち、ちちちち、違うよ!新八君!大きい方の白いのってのは、その、モフモフした感じのっ!と、とにかく、後ろ後ろ!」

新八「後ろ?・・・ぎゃあああああああ!!なにコレェェェェェ!!!

 

穂乃果に言われた通りに後ろを見て、ようやく気づいた新八。鈍すぎだろ、ぱっつぁん。

 

神楽「表に落ちてたアル。カワイイでしょ?」

穂乃果「んー?確かに可愛いね。大きいけど」

神楽「でしょでしょ!」

銀時「落ちてたじゃねーよ。お前拾ってくんなら、せめて名称の分かるんもん拾ってこいや」

神楽「定春

新八「今つけたろ!明らかに今つけたろ!!」

 

新八のツッコミを隅に、手紙らしき物を穂乃果に手渡す神楽。

 

神楽「これ・・・首輪に挟まってたヨ」

新八「なんて?」

穂乃果「えーと・・・万事屋さんへ。申し訳ありませんが、ウチのペットもらってください」

銀時「・・・それだけか?」

穂乃果「(笑)(カッコ笑い)って書いてるよ!」

銀時「笑えるかァァァァァァァァ!!(怒)(カッコ怒りカッコ閉じぃぃ!!)

穂乃果「ひゃっ!?」

 

穂乃果の持っている手紙を奪い取り、破きながら腹の底から声を出し、叫ぶ銀時。

 

銀時「要するに捨ててっただけじゃねーか!!万事屋つったってなぁ、ボランティアじゃねーんだよ!!捨ててこい!!」

神楽「嫌アル!!こんな寒空の下放っぽいたら、死んでしまうヨ!!」

銀時「大丈夫だよ、オメー。定春なら一人でもやっていけるさ」

新八「アンタ、定春の何を知ってんの!?

銀時「分かってくれるよな、定は・・・

 

言いながら近づく銀時の頭部をまるまる口に入れる定春だった。

 

 

 

 

場所変わって、そこでは土方、沖田、絵里、希、にこの五人が歩いていた。

 

沖田「しかし土方さん、絵里さん。何で俺らが動物探しなんざせなならんのですかぃ?」

土方「俺らにもよく分からん」

絵里「ええ、詳しい事は聞かされてないの。ただ、先日来日したどっかのお偉い様の顔色伺いって聞いたわよ」

希「そんな顔も知らないお偉い様の顔色を伺うくらいなら、適当な物を見繕って行けば格好はつくと、ウチは思うよ?」

沖田「俺も同じ考えでさぁ」

土方「だからよぉ、その適当な物ってのは・・・」

 

そう言う土方の首には、犬に付けるような首輪があった。ご丁寧にくさり(リード)まである。因みに、所持は沖田と希が交互に持っている。希も結構なドSらしい。

 

土方「てめェら、何やってんだ総悟に希!?」

沖田「何処ぞのお偉い様への献上品でさぁ」

希「うん、献上品やね」

土方「ふざけんな、いっぺん死ぬか!?」

絵里「二人共、にこがすごい勢いで引いてるわ。特に沖田さんに」

 

絵里の言うとおり、にこがうわぁ・・と言った目で二人を見ている。

 

沖田「はっ!上等でさぁ。おい矢澤、俺が調教してやろうか?」

 

明らかに、やれやれ仕方ねぇなぁ、感を出して言う沖田。

対してにこは、二つぐらいの怒りマークを浮かべながらも笑顔を浮かべている。ただし、引き攣った笑顔だが。

 

にこ「え?何言ってんの?ちょうきょう?何言ってんの?あ〜あ、全くドSの言う事はにこには分かんないわ〜」

 

このバカにした様なにこの言い様に、沖田も怒りマークを二つ付ける。それでも、笑顔のままだ。

 

沖田「え?にこさんは等々耳までおかしくしたんですかぃ?可哀想に」

 

憐れむような目を向ける沖田に、等々笑顔を浮かべずに一つ怒りマークを増やしてキレた。

 

にこ「はぁ!?何言ってんのよ、このシスコン沖田!!」

沖田「何言ってんだ。俺はシスコンじゃない。ただ、姉上が好きなだけだ」

にこ「それを世間一般にはシスコンと言うのよ!?」

沖田「仮に俺がシスコンだとしても、シスコンとブラコンを兼ね添えている矢澤さんには負けまさぁ」

にこ「誰がシスコンとブラコンですってぇ!?」

沖田「矢澤にこ他ならない」

にこ「うっさい!!大体ねぇ、沖田君のだーいすきな姉上に年上は敬え、って習わなかった?ちゃんとさん付けで、敬語を使う様に習わなかった?あんた、私に対しては土方さん以上に敬語使わないわね!?」

沖田「え?年上?何言ってんの」

 

マジ何言ってんの?みたいな目をして言う沖田。

 

にこ「私はあんたよりも年上でしょうが!?六歳よ?六歳も年上なのよ?あなたよりね!!」

沖田「俺は貧乳の上、現時点で俺より背が低い奴・・・というか、肩より低い奴が年上なんて認めない」

にこ「貧乳言うなぁァァァァァ!!!!背が低いとか言うなぁァァァァ!!」

 

うがァァァァァ!!と我慢がもう出来ない、と言った感じで沖田に飛びかかる。

にこが沖田の首袖を力の限り掴み、睨む。(もちろん、沖田は前屈みになってしまうが。それさえ、にこには憎らしく感じた。)それに対して、沖田は笑顔を浮かべてはいるが、負けじとメンチを切る。笑顔を浮かべながらメンチを切るって器用だな、沖田よ。

因みに背は大きい順から、土方、絵里、希、沖田、にこ、と言った感じだ。

とは言え、沖田と希はそんなに背に差はないが。一年したら、多分沖田の方が高くなる。

にこ?にこは沖田の背と比べると・・・大体、胸よりちょっと上ぐらい?悲しいかな、高校を卒業する年になる頃には、1ミリも伸びなかったらしい。

絵里?絵里はハーフという事もあって、背は良く伸びる方だったらしい。おかげで長身、土方とは背が頭半分くらいの違いらしい。希は、ちょっとずつ伸びてたけど、二十歳には伸びなくなったみたいです。

 

希「あ、土方さん。語尾にはワン、って付けてください」

土方「誰が付けるか!?」

 

と言って、首輪を引きちぎる土方。当然だ。

そんな様子の二組を見て、ため息をついた絵里は、壁に何かの紙を貼ってあるのに気付いた。

 

絵里「?これは・・・」

 

そこには

 

飼い主募集中

白くて可愛い子犬です。

 

と書かれたチラシだった。

 

 

 

 

銀時「とにかく、だ。新しい飼い主が見つかるまで、茂雄(しげお)を預かるのは、許してやる」

新八「茂雄じゃないでしょ。定春っスよ」

銀時「その代わり、飼い主が見つかり次第、竜徳(たつのり)には、出ていってもらうぞ」

新八「だから定春だって!」

神楽「こんなに定春可愛いのに、銀ちゃんはなんでイヤアルカ?」

銀時「女が言う可愛いってのは、男は信用出来ねぇんだよ」

神楽「新八もそうアルカ?いかにも、可愛い系好きのオタクっぽいメガネして。結局、フェロモン系が好きな男アルカ!?」

新八「オタクっぽいってなんだよォ!!」

神楽「いいから撫でてみるアル!!」

 

そういって、定春を持ち上げる神楽。

そして、そのまま銀時と新八のいるとこ目掛けて投げた。

 

神楽「どう?」

新八「ど、どけてよ、神楽ちゃん」

銀時「重いっつーの」

神楽「私の想いが分かったアルネ」

新八「いや、その"おもい"じゃないから・・・」

神楽「愛されるのは、確かに重いかもしれない。でも、私と定春は大丈夫ネ!」

 

その神楽の一言に、わん!と言って答える定春。

穂乃果は、見事に話が噛み合ってないな〜と呑気に見ている。

 

銀時「く、苦しい・・・さっき食べたチョココロネが上か下かのどっちかからデビューしそうだ・・・」

新八「え!?」

穂乃果「ちょっ!待ってよ、銀ちゃん!」

 

それから一気に騒がしくなる万事屋一行。

そんな銀時達に、店の前で水撒きをしていたお登勢が一言。

 

お登勢「ていうか、昼間っからうるせぇよ」

 

万事屋の中といえば、定春が暴れたため、ぐちゃぐちゃだ。

 

銀時「オイ、テメーら!狭いところで暴れるな!!」

新八「神楽ちゃん、ちゃんと躾なきゃダメだよ!」

神楽「わんぱくでもいい。逞しく育つアル」

穂乃果「うん、逞しく育つのはいいんだけどね・・・」

新八「君達のわんぱくは人が死にかねないでしょ!?

 

新八がツッコミを入れた後に、銀時の叫び声が聞こえた。

 

穂乃果「どうしたの!?」

銀時「定春の奴が、俺のジャンプに小さい方のデビューしやがったァ!!」

神楽「小さくデビューって、謙虚な子アルネ〜」

穂乃果「全然謙虚じゃないよー!!ジャンプは私も読むのに!!」

 

穂乃果がそう叫んだ後に、新八の叫び声が聞こえた。

 

新八「お通ちゃんのデビューシングルに、デカデカとデビューさせちゃったァ!!」

神楽「お通フューチャリング定春アル」

定春「わんわん!」

銀時・新八「さ〜だ〜は〜る〜!てめー!!いい加減に・・・す、すみません

 

キレたのはいいが、頭を口の中に入れられて瞬殺される銀時と新八。

しかし、そんな時の穂乃果(動物使い)

 

穂乃果「定春!メッ!!ジャンプの上にもお通ちゃんのデビューシングルの上にもデビューしちゃいけません!!あと、銀ちゃんと新八君の頭を飲み込むのもいけません!ペッ!しなさい!ペッ!」

定春「く〜ん・・・」

穂乃果「よしよし、いい子だね。聞き分けのいい子は好きだよ!いい?今度からむやみやたらに人を噛んではいけません」

定春「わん!」

銀時「さすが、穂乃果・・・」

新八「穂乃果さん、あんた・・・何者?」

 

銀時と新八はただひたすらに拍手を送ったという。

 

 

 

 

定春に噛まれて出来た傷に包帯を巻いた銀時は、下にあるスナックお登勢に来た。

 

お登勢「なんだよ、そっちから来るなんて。貸す金ならねぇぞ」

銀時「違うよ。家賃を払いに来たんだよ」

お登勢「なんのドッキリだい。どっかにカメラでも仕掛けてあるんだろう?」

 

そう言って、店の中を見回すお登勢。

 

銀時「そうじゃねぇよ。とりあえず、今月の家賃だけでも払おうと思ってな」

お登勢「え?」

 

で?

 

お登勢「あー、確かに今日は暑いねぇ」

 

空を見て言うお登勢。

その横で、一緒に空を見てる銀時と大人しく座ってる定春。

お登勢は店の中に戻ろうとする。銀時は、そんなお登勢を止めようと、必死に足にしがみつく。

 

銀時「ちょっ待てよ。ほら、これだから。名犬だし!家賃1ヶ月分ぐらいの価値あるって!」

お登勢「フランダースの犬の従兄弟でもいらねぇ!!」

 

そう言って、凄い形相になり、銀時を蹴って追い出すお登勢。

 

 

 

 

家の中では、遊び疲れた神楽はソファで寝ていた。

 

銀時「まぁ、アレだ。神楽が昼寝をしている間に、こっちから飼い主を探すっていう魂胆なんだが」

新八「魂胆たって、いいんですか?神楽ちゃん、怒りますよ」

銀時「いいんだよ。辛い現実を知って、少女は大人の階段を登り、アイドルオタクはファンを卒業していく」

新八「それは俺の事か!?俺のことなのか!?ぜってぇ卒業しねぇぞ!!

 

穂乃果はひたすら定春を撫でていた。

 

銀時「おらぁ、行くぞ」

 

定春に付けた首輪のリード(というより、ヒモ。)を引っ張る銀時。

しかし、定春が動かないので銀時が前に倒れる。

 

銀時「コラっ、動け!!」

 

銀時の態度が気に入らなかったのか、怖い顔をして唸る定春。

それに引きっつった顔になる銀時と新八。

 

 

 

 

場所変わって真選組サイド。

 

土方「多分、この辺りのハズだけどなァ」

 

そう言うのは、さっき絵里が見つけたチラシを持った土方だ。

そんな土方に声をかける沖田。

 

沖田「土方さん」

土方「何やってんだ、お前ら」

 

土方の目線の先には、壁に背中を向け、ピタリ、と張り付いている沖田だった。

いや、沖田だけじゃない。絵里と希とにこもそうだ。

 

沖田「危ないですぜぇ」

土方「はぁ?」

 

そう言って、土方の目に飛び出たものは、定春から逃げている銀時、新八と何故か定春の背中に乗ってる穂乃果だった。

 

銀時「ウワァァァァァァァァ!!!

新八「アアアアアアアアアア!!!

定春「ワン!ワン!ワン!

穂乃果「凄い!凄いよ、定春ぅ!!今なら風になれる気がする!!イヤッホォォォォ!!

 

土方に気付かない一行は、そのまま土方にぶつかりながら走り抜けた。そのせいで飛ぶ土方。

 

土方「あ、あいつじゃねぇか・・・」

 

飛ばされた土方は弱々しく言う。

 

絵里「土方さん、平気!?」

希「随分とデカかったやね」

にこ「チラシには子犬って書いてたけど、あれじゃあ疑わしいわ」

 

 

 

 

銀時「ようやく落ち着いたな」

新八「一体どうするんですか?定春を飼ってくれそうな人なんて、そうそういないですよ」

穂乃果「定春、大きいもんね〜」

定春「ワン!」

銀時「まぁ、心配するな。宛はある」

新八「うわァ!またデビューしたァ!!」

 

それを見て、銀時と新八はため息をつく。穂乃果は、苦笑いを浮かべた。

 

 

 

 

で?

銀時の宛はと言うと?

 

新八「宛があるって、ウチじゃん!!アンタ、定春をウチに押し付ける気!?」

銀時「いやぁ、だってアレでしょ?君のお姉さん、ストーカーに困ってるんでしょ?」

穂乃果「それは、この間銀ちゃんが解決したじゃない」

新八「そうですよ!」

銀時「困ってる時はお互い様だ。ちょうどいいぞー、番犬に」

新八「だから人の話聞こうよ!?」

銀時「噛むなって!」

 

そこに、妙と海未とことりと空が帰ってきた。

 

妙「あら?アナタ達、何をしてるの?」

空「わぁ!海未ねぇ、デカいね!」

海未「・・・そ、そうですね」

穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん久しぶり〜」

海未「ええ、久しぶりです」

ことり「久しぶり、穂乃果ちゃん!」

 

 

 

 

銀時「───つーわけで、こいつをココで飼ってくれねぇか?」

妙「うちにはタダでさえ、使えない思春期の男がいるのに、もう一人増えるのはねぇ」

新八「使えないは余計でしょ!てか姉上、コレ犬だから!」

 

そう言って、定春の方を指した指を手ごと噛む定春。

 

穂乃果「こら!定春、メッ!でしょ!」

 

────メッ!って・・・穂乃果ちゃん、可愛い・・・

 

海未「ことり、顔が残念な事になってますよ。気持ちは分かりますが」

ことり「あはは・・・つい、ね?」

穂乃果「?あ、海未ちゃんも定春触る?モフモフしてるよ〜」

海未「いえ、遠慮しときます」

穂乃果「じゃあ、空ちゃんは?」

空「え?いいの?触る!」

 

穂乃果が海未やことり、空と話しているうちに話が進んでいた。

その間に神楽が来ていた。

 

神楽「それ、どういうことヨ」

銀時「げっ!」

神楽「私の知らないうちに!」

銀時「いや、違う!これはな?定春のためを思って」

神楽「酷いヨ、銀ちゃん!」

 

そう言って、神楽は銀時に蹴りを決めた。

神楽の蹴りを受けた銀時は、定春の口の中にピンポイントに入った。

 

妙「なんだ、結構好かれてるじゃない」

ことり「ホントだ〜」

海未「何処が?

 

 

 

 

ところ変わって江戸の公園。

ここで神楽と定春は遊んでいた。

 

神楽「定春ぅ〜〜!!こっち来るアルよ〜〜!!」

 

楽しそうな神楽とは打って変わって、公園のベンチに座っている銀時と新八は、心なしかやつれている。その上、包帯がいっぱい巻いてある。銀時の隣に座る穂乃果は、苦笑いを浮かべている。

穂乃果?穂乃果は怪我は特にしてないよ。

 

銀時「・・・いや〜〜、スッカリ懐いちゃって。微笑ましい限りだね、新八君」

新八「そーですね。女の子には、やっぱり大きな犬が似合いますよ、銀さん」

穂乃果「新八君、それにしたって大きすぎじゃない?」

新八「ええ、まぁ・・・大きいにも限度がありますからね」

銀時「僕らには、なんで懐かないんだろうか、新八君」

新八「なんとか捨てようとしているのが、野生のカンでわかるんですよ、銀さん」

穂乃果「なるほど、野生のカンは伊達じゃないんだね!」

新八「そうゆう事です、穂乃果さん」

銀時「なんでアイツには懐くんだろう、新八君」

新八「懐いてませんよ、銀さん」

 

三人の目線の先には、神楽に思いっきり突っ込んで行く定春と、それをじゃれるなじゃれるな、と言いながら片手で抑えてる神楽がいる。

なお、定春の顔は凶暴な動物の、ソレである。

 

新八「襲われてるけど、神楽ちゃんがものともしてないんですよ、銀さん」

銀時「なるほど、そーなのか、新八君」

穂乃果「神楽ちゃん、力強いもんね」

新八「銀さん、こっちからもいいですか」

銀時「何かな、新八君」

新八「何で僕らの隣にいても、穂乃果さんは襲われないんですか、銀さん。さっきも穂乃果さんの言うこと聞いてたし」

銀時「それはね、新八君。穂乃果は昔っから動物に懐かれる体質なんだよ。それは、定春に対してもそうみたいだね、新八君。動物使いの名は伊達じゃないんだ」

新八「なるほど、そーなんですか、銀さん」

穂乃果「え?何、私そんな名持ってたの?全然、知らないんだけど」

 

話が一区切りしたところで、神楽が銀時達の方に戻ってきて、穂乃果の隣に座る。

 

銀時「楽しそーだな、オイ」

神楽「ウン。私、動物好きネ。女の子はみんな、カワイイもの好きヨ。そこに理由イラナイ」

穂乃果「ま、そーだよね!」

銀時「・・・アレ、カワイイか?」

神楽「カワイイヨ!こんなに動物に懐かれたの初めて!」

 

いいながら、突っ込んで来た定春に飛ばされる神楽。

 

新八「神楽ちゃん、いい加減気づいたら?

 

定春にお返しとばかりに、蹴りを返しながらも話を続ける神楽。

 

神楽「私、昔ペット飼ってたことあるアル。定春一号」

穂乃果「もしかして、神楽ちゃんってば、動物には定春って付けるの?」

銀時「穂乃果、ちょっと黙ってろ」

神楽「ごっさ可愛かった定春一号。私もごっさ可愛がったネ」

 

神楽の回想の定春一号は、ウサギだ。

 

神楽「定春一号、外で飼ってたんだけど、ある日、私どーしても一緒に寝たくて、親に内緒で抱いて眠ったネ。そしたら、思いの他寝苦しくて、悪夢見たヨ」

 

話してる内に涙を目に浮かべる神楽。

 

神楽「散々うなされて、起きたら定春・・・カッチコッチになってたアル

銀時・穂乃果・新八(泣けばいいのか笑えばいいのか、わかんないんだけど・・・

神楽「あれから私、動物に触れるの自ら禁じたネ。力のコントロール下手な私じゃ、みんな不幸にしてしまうヨ」

 

定春の頭を撫でる神楽。

 

神楽「でも、この定春なら私とでもつり合いがとれるかもしれない・・・コレ、神様のプレゼントアル、きっと・・・」

穂乃果「神楽ちゃん・・・」

神楽「あ、酢昆布きれてるの忘れてたネ。ちょっと買ってくるヨ。定春の事ヨロシクアル

銀時「オイ、ちょっと、まっ・・・」

 

そこで気付いた、銀時と新八を見る定春に。

 

銀時「に、逃げろォォォォォォ!!!

新八「わァァァァァァ!!?

穂乃果「あわわ・・・ぎ、銀ちゃーん!新八くーん!だ、ダメだよ!定春ぅ!!銀ちゃんと新八君を襲っちゃあ!!」

 

そこで公園の外側に逃げるように全力で銀時と新八が定春から逃げ、定春は追いかけ、そんな定春の後から穂乃果が追いかける感じになった。

しかし、逃げ切れずに銀時が定春に口にくわえられてしまった。

 

新八「ぎ、銀さーん!!」

 

銀時の次は、新八らしく、今度はボールの如く頭を使って新八を跳ね上げる。

 

新八「わァァ!!た、助けて!銀さん!穂乃果さん!」

銀時「た、助かったァ・・・」

穂乃果「定春ぅ〜、止めてあげて!」

 

 

 

 

しばらく経ち、穂乃果の頑張りがやっと報われた。

しかし、銀時と新八はやつれている。

定春?定春は穂乃果とお昼寝をしている。

定春が丸くなって寝ていて、定春のお腹を枕にして穂乃果が寝ている。

 

新八「ね、寝顔は可愛いんスけどね・・・」

銀時「こいつは犬の姿をした凶器だ」

 

そう言って、寝っ転がる銀時と新八。

 

銀時「凶暴な犬とマニアの世界には、心を奪われちゃダメだ」

新八「でも、神楽ちゃんがあんなに可愛がっているのを見るとなんだが・・・」

 

そこに近づく足音が複数。

言わずもがな、土方、沖田、絵里、希、にこである。

 

絵里「やっと見つけた」

土方「ここにいたか」

銀時「ん?ああ、お前らか。なんだァ?仕事もせずに真昼間(まっぴるま)から。遊び仲間でもお探しですかぁ?」

土方「テメーなんか遊びに誘うか、ケンカならまだしもな」

銀時「こないだ売られたケンカぁ、カシ折りつけて返したハズだぜ」

土方「上等だ、なら今度はお土産を付けて返してやらぁ!!」

 

そう言って、剣を抜く土方。

 

絵里「土方さん、落ち着いて」

沖田「時に旦那ァ、ソイツは旦那の・・・いや、穂乃果の犬ですかィ?」

 

そう言って、まだ寝ている穂乃果の寝顔を携帯で写メる沖田。(定春は起きている。でも、穂乃果のためかそこから動かない。)

 

銀時「いやいやいやいやいや!!何やってんの!?」

沖田「何って・・・穂乃果の寝顔ゲーッツ!」

銀時「なんて羨ま・・・っ!いや、何勝手に撮ってんの!?って、多串君まで!?」

土方「誰が多串君だ」

 

そう言いつつも、写メる土方。

因みに、何気に二人とも今の写真を待ち受けにしている。

 

沖田「それで、どうなんですかィ?」

銀時「・・・別に穂乃果の犬ってわけじゃないさ。なんだ突然」

沖田「幕府の上の繋がりで、その手の動物を欲しがってるお方がいましてねぇ」

にこ「そーいうわけだから、その犬、真選組で引き取らせてくれない?」

銀時「ヤダね。おめェらなんかにやらねぇよ。俺が真選組の言いなりにならないってこと、忘れるな」

 

土方がなんかギャーギャー言い始めたが、無視することにする。

それはともかく、帰ることにした土方達。

 

土方「参ったな、どうする?」

沖田「やっぱりここは、土方さんが語尾をわん、にして」

希「そうやね、やっぱり最善策なんやない?」

にこ「そうでなくても、最終手段はそれでいいかもね」

土方「誰がするか!?」

絵里「もう、希とにこまで」

 

その後ろ姿を見送る銀時と新八。

 

新八「銀さん、もしかして神楽ちゃんのために・・・」

銀時「違ぇよ。ヤツらに言われた通りにしたくなかっただけさ」

 

そう言って、後ろを下がった拍子に定春の尻尾を踏む銀時。

それに唸る定春。

穂乃果?穂乃果はいつの間にか起きていた。

 

穂乃果「・・・あっ!」

 

銀時と新八は定春の顔を見て、一斉に入口の方に逃げた。

定春もその後を追い、穂乃果は定春をさらに追った。

しかし、タイミングが悪かった。

 

穂乃果「車ぁ!!?

 

勿論、いきなり止まれるわけが無い穂乃果も、車の前に出てしまった。

しかし、そこはやはり仮にも主人公の銀時。

方向転換をし、穂乃果の腕をつかみ、人の通路の方に投げ飛ばした。

 

穂乃果「きゃあ!!」

 

その車から降りてきたのは、なんとハタ(バカ)皇子だった。

 

ハタ「じぃィィィィィィ!!なんということをををを!!」

じぃ「落ち着きなされ皇子!!とりあえず私めが、タイムマシンを探してくるので!」

ハタ「じぃぃぃぃぃ!!お前が落ち着けェェ!!」

 

そこで定春を見たバカ皇子は、驚いた様子だ。

 

ハタ「こっ・・・これは、なんということだ」

じぃ「どうされました、皇子。タイムマシンが見つかりましたか!!」

ハタ「ちげェェェ!クソジジイ!!これを見よ!!」

じぃ「これは・・・狛神(いぬがみ)!?なぜ、このような珍種が・・・」

 

どうやら、定春は珍しい生き物らしい。

 

ハタ「じぃ、縄はあるか!?」

 

アホな事を抜かしてる。

 

じぃ「こんなことしていいんですか、皇子?私ら、ただのチンピラですな」

ハタ「これは保護だ。こんな貴重な生物を野放しにはできん!」

 

言い訳である。

 

ハタ「ゆくぞ。クククク、またコレクションが増えちゃった」

 

そう言って、ハタ皇子が去っていく。

そこには、道路の真ん中で倒れてるハズの銀時と歩道にいるハズの穂乃果がいなかった。

 

 

 

 

ところ変わって(?)神楽のところ。

神楽が買った酢昆布をくわえて、公園に向かっているところに、前から定春を屋根に乗せた車が通った。

 

神楽「定春!?」

 

 

 

 

ハタ「すごいものを手に入れてしまった。前回来た時は酷い目にあったが、これでペスを失った傷も癒えるというもの。のう、じぃ?」

じぃ「左様で・・・!!ギャアアアアアア!!ゾンビだァァァァァ!!

 

そう叫ぶじぃの前には、銀時と穂乃果がいた。

 

銀時「オ───イ。車止めろ、ボケ」

穂乃果「ね、この子だけは勘弁してくれない?神楽ちゃん、相当気に入ってるんだ」

じぃ「何を訳のわからんことを。どけェ!!前見えねーんだよ、チクショッ」

 

そこで、後から凄い叫び声が聞こえた。

言わずもがな、神楽である。

 

神楽「定春返せェェェェェ!!

ハタ「誰だ、定春って!?」

じぃ「くっ・・・来るなァァ!!」

 

そう言って、銃を構えるじぃ。

しかし、神楽は傘を振りかぶって車を池の方に弾き飛ばした。

その時、神楽は気付いた。

 

神楽「あ」

 

────定春乗ってたの、忘れてた・・・

 

神楽「定春ゥゥゥゥゥゥ!!

 

しかし、気付くのが遅く、車はそのまま沈んでいく。

その事に涙を流す神楽。

 

────私・・・また、同じこと繰り返してしまったヨ

 

しかし、そんな神楽にかける声が二つ。

銀時と穂乃果だ。

 

銀時「お嬢さん」

穂乃果「何がそんなに悲しいのかな?」

 

定春の顎を撫でる銀時の手を噛む定春。

銀時はそれに悲鳴をあげる。

穂乃果には大人しく撫でられているが。

 

神楽「銀ちゃん、穂乃果、定春!!」

 

乗っていた木の上から銀時と穂乃果と定春は降りる。

降りてきた定春に抱きつく神楽。

 

神楽「定春ゥゥゥ!!よかった、ホントよかったヨ!!」

 

その時に神楽は定春に手や頭をかじられてるが、特に痛がるとかない。

それどころか、気にしてない。

 

神楽「銀ちゃん、飼うの反対してたのに、なんで」

銀時「俺ァ、しらねーよ。面倒見んなら、てめーで見な。オメーの給料から、そいつのエサ代、キッチリ引いとくからな」

穂乃果「頑張ってね?」

 

そう言って、去っていく銀時。穂乃果も後を付いていく。

そんな銀時の後ろ姿を見て、感謝を述べる神楽。

 

神楽「・・・アリガト、銀ちゃん、穂乃果。給料なんて、穂乃果からお小遣いでしかもらったことないけど

 

 

 

 

オマケ

 

 

真選組の屯所にて、沖田は近藤に近藤と書いたプラカードが付いてて、とげとげがいっぱい付いた首輪を両手で差し出した。近くには土方、希、絵里、にこがいる。

 

沖田「語尾はワンですぜ、近藤さん」

希「さぁ、どうぞ!」

近藤「・・・え?




はい、終わりました!

銀時「最近、暑くなってきたよなー」
穂乃果「ねー、暑いよねー」

いきなり始まったんだけど、雑談。

穂乃果「今日はゲスト呼ぶの?」

今回はメインぽかった神楽と初登場の定春がゲストだよ!

銀時「そうか、じゃあ予告は神楽がやるんだな?」

いや、定春にしようかなーって。

穂乃果「定春犬だよ?わん、しか言えないんだよ?」

あー、じゃあ神楽と定春で。

銀時「定春は絶対なのな」

という訳で、ゲストの神楽さーん、定春くーん、どうぞー!

神楽「ゲストの神楽アル。因みに原作ではヒロインアルナ!」
定春「わん!」

おう、さり気にヒロインアピール?
そんな所も大好き!

銀時「相変わらずだな」
穂乃果「あははー」
神楽「今回、新たになった設定はこの一つアルナ」

そう言ってエリザベスが持つようなプラカードを持つ神楽。

銀時「地文はやっぱり自分でやるのな」
穂乃果「ね」

ちょっ、そこちゃちゃ入れない!
こほん。
えーと、そのプラカードにはこう書かれている。
神楽、読んでー!

神楽「はーい。今回新たになった設定は、穂乃果が動物に懐かれやすい体質で動物使いという名が本人の知らぬところであったこと、です!」

はい、ありがと!

穂乃果「じゃあ、予告いく?」
銀時「マジ最近早いな」

話す内容がないんだからしょうがない。
あ、前書きで書いてた穂乃果誕生際の事は感想にて、お願いします!
あとは・・・そうだなー、後書きで話す事が不足してきました。なので、銀ちゃん達に何か質問とか、聞きたいこととか、話して欲しいことがあったら、感想で言ってください。
そうすれば私も助かっちゃう!

穂乃果「本音漏れちゃってるよー?」

あはは・・・。
じゃあ、予告お願い!







神楽「次回は、ぱっつぁんが入院した病院で万事屋として人探しをする話アル!何でも、初恋の人らしいアルヨ?という訳で、次回もよろしくアルネ!」
定春「わん!」







まぁ、次回と言ってももしかしたら穂乃果誕生際もやるかもしれないけどねー!

銀時「まぁ、取り敢えず頑張れよ」
穂乃果「ファイトだよ!」

・・・そう言えば、穂乃果って本編でファイトだよ!って言ってないなぁ・・・。

穂乃果「あれ?そうだっけ?」
銀時「まぁ、言う場面なかったら、ないわな」

いや、もしかしたら言ってたかも・・・あれ?

神楽「この際どっちでもいいアル」
定春「わん!」

うーん?まぁ、いいのかなぁ。
じゃあ、そういう訳でまた次回!
気長に待っててください!


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番外編 穂乃果誕生祭2018!遅れちゃったけど、やるよ!

取り敢えず、今回前書きはなし。
けれど、これはやります。

銀時「あ、やるんだ」
穂乃果「やっぱり、外せないんだね」

はい、お願い!

銀時・穂乃果「ラブ魂、始まります!」


穂乃果誕生祭2018

 

 

 

穂乃果「なんだか最近、皆して様子がおかしいの」

絵里「・・・いきなり何?」

 

それは分かる人には分かる、ある日が近い日の事だった。

穂乃果は最近、周りに対して不信感を抱いていた。

それが冒頭の言葉である。

 

絵里「大体何で真選組に来てわたしの所に?」

穂乃果「だってだってぇ〜・・・」

 

曰く、周りにいる銀時達どころか、土方も沖田もにこも、あの希でさえも、様子がおかしいとか。

 

絵里「様子がおかしいって、どんな感じに?」

 

絵里には既に予想ついていたが、取り敢えず聞いてみることにした。

 

穂乃果「うんっとね、皆なんか内緒でやってるみたいなんだけど、私が近づくと隠すの!何してるの?って聞いても否定するし」

 

そう言ってから思い出したのかぷくっ・・・と頬を膨らませる穂乃果。

穂乃果はそのまま話を続ける。

 

穂乃果「あとね!さっきトシ君とそー君とにこちゃんと希ちゃんにも会ったの!」

絵里「・・・そ、そう。それで、どうしたの?」

穂乃果「そ、それが・・・」

 

土方の場合は、

 

土方『あっ!?穂乃果、来てたのか〜』

穂乃果『うん、ダメなの?』

土方『いや、ダメじゃない。ダメじゃないんだがな・・・今は間が悪いと言うか・・・。じゃ、じゃあまたな!』

 

そう言って逃げるように去っていったとか。

沖田の場合は、

 

沖田『!?』

穂乃果『あ、そーk・・・』

 

名前を呼ぶ前に冷や汗をタラタラ流して凄い速さで去っていったとか。

にこの場合は、

 

にこ『あ』

穂乃果『あ。ねぇ、にこちゃん。なんか今日トシ君とそー君可笑しくない?様子が』

にこ『そ、そう?いつも通りじゃないかしら』

穂乃果『うっそだぁ・・・。絶対可笑しかったよ!』

にこ『に、にっこにっこに〜♪』

穂乃果『え?いや、そうじゃなくて』

にこ『にっこにっこに〜』

 

最終的に冷や汗をダラダラ流しながらにっこにっこに〜しか言わなくなったとか。

希の場合は、

 

穂乃果『希ちゃん!』

希『ほ、ほほほほほ穂乃果ちゃん!?』

穂乃果『・・・希ちゃん、ほ、が多いよ?』

希『そっ・・・んな事、ないよ?』

穂乃果『・・・希ちゃんも様子がおかしい』

希『そんな事、もっとあらへんよ〜!!』

 

そう言ってダッシュで逃げたとか。

それを聞いて、絵里はため息をついた。

 

絵里(土方さんもにこも・・・まぁ分かるわ。希だって、アレで意外とこーゆうの隠す事が苦手なのも知ってたわ。まさか、沖田さんも隠し事が苦手だったとは・・・。いや、沖田さんの場合は穂乃果だからかしら・・・)

 

沖田の場合、絵里の憶測は図星だったりする。

さて、どうしましょうか。と考えつつ、穂乃果の不信感を晴らすために絵里は口を開くのだった。

 

 

 

 

絵里「結局、私が頑張って穂乃果に納得してもらったのよ」

 

にっこりと凄みのある笑みを浮かべて、絵里はそう言った。

この場にいる銀時を始め、神楽、新八、土方、沖田はもちろん、穂乃果と絵里以外のラブライブメンバーに海未の妹の空に妙ですら、正座しながらも冷や汗をタラタラと流した。

最初に発言した人はもちろん我らが主人公、坂田銀時。

 

銀時「いや・・・だって俺らだけの時はさぁ、こーゆう誤魔化すのは、ヅラの仕事だったしさ」

絵里「言い訳は聞きたくないわ」

銀時「あ、はい」

 

しかし、その勇気は絵里の容赦ない言葉に切り捨てられた。

次に発言した人のその横に座っている神楽だった。

 

神楽「でもでも、穂乃果に隠し事してると思うと・・・何か罪悪感が芽生えてくるアル!」

絵里「そうね、それは分かるわ。でもそれでバレちゃ元も子もないのよ」

神楽「うっ!・・・はい」

 

銀時よりは優しくあれど、神楽に対しても容赦なくバッサリと切り捨てた。

絵里はその右斜め後ろで珍しく神楽と意見が合っているらしく、こくこくと頷いていた沖田にも目を向ける。

その笑顔なのに目が笑ってない目を向けられ沖田は珍しくびくぅ!?と肩どころか身体全体を震わせた。

絵里はそんな沖田に構うことなく、話しかける。

 

絵里「沖田さん」

沖田「・・・はい」

 

あの沖田が敬語!?とか言うツッコミは誰もしない。

皆気持ちは分かるし、同じ気持ちだからだ。

 

絵里「私の言いたいこと、分かりますよね?」

 

敬語で言ってるが言われている沖田はもちろん、銀時達にも確かに聞こえた。分かんないわけないよな?分かんなかったら、どうなるかわかんねぇぞ?という副音声が。

そう、確かに聞こえたのだ。

 

沖田「はい!」

 

故に沖田は撃沈するしかなかった。

 

絵里「土方さん」

土方「はいぃ!?」

 

ビビりすぎ・・・とはこの場の連中には言えなかった。

気持ちは同じだからだ。

 

絵里「穂乃果に対して隠し事が苦手なのは分かりますが、もうちょっと頑張ってもらわないと」

土方「・・・すみません」

 

土方にそう言い終わった絵里は、次に真姫と凛と花陽に視線を向けた。

凛と花陽が真姫を真ん中にして両サイドから抱きつきながら震えている。真姫も同様に震えてる。

 

花陽「ち、違うのぉ!!」

凛「そ、そうにゃ!ま、真姫ちゃんが凄い動揺してたから、それが凛達にも移っちゃったにゃ!」

真姫「はぁ!?ち、違うわよ!どっちかって言うと、凛のが私に移ったの!!」

絵里「・・・私、言い訳は聞きたくないと、言ったわよね?」

真姫・凛・花陽「はいっ!」

 

絵里の迫力のあまり、軍人さんの敬礼並みに正座をしながらもピシッ!とした敬礼をみせた。

これにはやはり、真姫達も撃沈するしかなかった。

次に園田姉妹と志村姉弟とことりに目を向けた。

 

絵里「五人ともそんな上手く隠せ、なんて言わないわ。だからせめて露骨に隠すのはやめて欲しいのよ」

新八・海未「はい・・・」

ことり・空「ごめんなさい・・・」

妙「そうね、確かに・・・ちょっと露骨だったかも。今度から気をつけるわ」

絵里「お願いね」

 

次に目を向けたのは、最後となるにこと希に目を向けた。

 

絵里「あのね、アナタ達とは付き合いが長いから、そーゆう隠し事苦手なのは分かるわ。でも露骨過ぎなのよ」

希・にこ「はい・・・」

絵里「希はどもらない!にこはにっこにっこに〜で何でも誤魔化せると思ったら、大間違いよ!!」

希・にこ「はいぃっ!?」

絵里「アナタ達が一番、穂乃果に不信感を与えていたわよ、きっと」

希・にこ「ご、ごめんなさい〜」

 

ある程度指摘して満足したのか、絵里はじゃあ次は無いからね、と言って仕事に戻るべく真選組屯所に戻って行った。

 

銀時「・・・怖っ!」

神楽「私、決めたアル。今度から絶対に絵里を怒らせないアルよ」

 

その神楽の言葉には、全力で皆頷いたとか。

 

 

 

 

穂乃果「なんだか皆もう、普通に戻ったよ!」

絵里「そう、良かったじゃない」

穂乃果「うん!」

 

いや〜皆私だけに隠し事とかしてるかもって思って、不安だったから良かったよ〜と笑顔をでにこにこしている穂乃果を見て、絵里も思わず笑顔を浮かべる。

 

絵里「きっと集団で調子が悪かったのよ」

穂乃果「風邪でも流行ってるの?」

絵里「そうかもね」

 

適当にはぐらかすことにしたらしい。

 

穂乃果「でも本当になんだったんだろ?」

絵里「気にしなくてもいいじゃない。ね?」

 

多分、これが終わった後も穂乃果は誰かが言わないと皆が挙動不審だった理由は、一生わかんないだろう。

絵里はそう思ったそうだ。

 

 

 

 

神楽「ふふっ!」

新八「何笑ってんの、神楽ちゃん」

神楽「等々明日アルナ!」

 

なんだかんだ言って、穂乃果の誕生日の前日。

神楽は笑っていた。というか、ニヤついていた。

 

銀時「別に楽しみにしてるのはお前だけじゃないけど、神楽はなんか露骨に楽しみにしてるよな」

神楽「当たり前アル!私、誰かの誕生日を祝うのは久しぶりネ!」

真姫「ちょっと!」

凛「しょせん神楽ちゃんにとっては真姫ちゃんは二の次どころか、三の次にすらならないにゃ」

花陽「あはは・・・」

 

そんな事をいう神楽に新八がため息をつく。

 

新八「神楽ちゃん、真姫さんの誕生日も祝ったでしょ」

神楽「番外編だし、元々時間軸とかめちゃくちゃなラブ魂アルヨ?そんなのチャラに決まってるアル」

真姫「酷っ!」

 

穂乃果の誕生日を祝う場所は色々と候補があった。

その中でこの人数のため広さを重視し、西木野家にした。

今はその西木野家で誕生日の飾り付けを作ったり、料理について色々決めたりしている。

つまり、真姫の誕生日で穂乃果がしていた事を参考に、前日の準備に入った訳だ。

因みに、飾り付け班と料理班は真姫の時と変わらずである。

変わっているところと言えば、料理班の班長を海未、副班長を新八、飾り班のリーダーとして銀時だけ、というぐらいである。

 

海未「銀さん、穂乃果の好きな物って何なんですか?」

銀時「甘いものとかなら何でも好きだけど、特に苺が好きだな」

海未「苺・・・ですか。じゃあ、ケーキは種類も豊富にしつつ、苺を中にたっぷり入れた苺ケーキですね」

銀時「ああ、よろしく」

 

そう言って自分のやるべき事に戻ろうしたが、何かを思い出したのか銀時は再び海未の方の向いた。

 

銀時「海未、一ついいか?」

海未「はい、なんでしょう」

銀時「穂乃果の好物の料理、一つだけ俺が作りたいものがあるんだ」

海未「好物の料理、ですか?それならわたしが・・・」

 

その海未の言い分にゆるりと首を振る。

 

銀時「いや、出来れば先生の味で食べて欲しいからさ。ここは俺がやるよ」

海未「え?あ、はい。それは構いませんけど・・・先生ですか?」

 

他の面々も気になるのか銀時に目線を向ける。

 

銀時「ああ、俺や穂乃果が昔世話になった先生だ」

新八「穂乃果さんはその人が作った料理が好物なんですか?」

銀時「そうなんだ。まぁ正確には”俺達”、なんだけどな」

神楽「どゆことアルカ?」

 

聞いてくる神楽に銀時は昔を思い出したのか、フッと微笑んで語りだした。

 

銀時「俺達が穂乃果と会って間もない頃の話だ。当然、穂乃果もその頃は幼かった」

神楽「幼い穂乃果・・・会ってみたかったアルナ!」

新八「いや、神楽ちゃん。穂乃果さんが幼かったって事は神楽ちゃんはもっと幼いどころか、生まれてすらなかったんじゃない?」

神楽「定春、噛み砕くヨロシ」

新八「

 

頭から定春に噛まれている新八を横目に、話を続ける銀時。他のみんなも気にしない。

 

銀時「何でも穂乃果は物心着く前からふわっとろのオムライスが好きだったんだと」

神楽「ふわっとろのオムライスアルカ・・・。きっと美味しいアルネ!うちはマミーが料理下手だったから食べたことないけど」

銀時「穂乃果は俺や高杉、先生と一緒に住んでたんだ。当然、男しかいない。先生は結婚してなかったからな」

 

なかなか進まない話に新八が、えっと・・・つまり?と聞いた。

 

銀時「つまり!主に自炊していた俺らの料理の腕なんてたかが知れてるという事だ」

海未「大雑把な料理、つまりは男メシという事ですね」

銀時「そういう事だ」

 

それにみんな、ああ・・・と納得したふうに言った。

男ばっかだったら、そうなるよね。

 

銀時「しかし、そんなんで誤魔化し誤魔化し可愛いもの大好き期な穂乃果を誤魔化しているのも限界が来た」

新八「ああ!小さい女の子って、可愛いもの好きですもんね」

銀時「そう。そうなんだよ、新八君!」

空(なんで今、海未ねぇと新にぃと妙ねぇこっち見たんだろ?)

 

本人には察せなかった。

 

銀時「穂乃果は小さい頃から食べてた、ふわっとろオムライス・・・の味はもちろん、その上に書かれた器用な可愛い絵が好きだったそうだ」

妙「まぁ」

絵里「それは・・・初心者には厳しいわね」

銀時「しかし、俺達はやり遂げた!まぁ、回想とかは面倒いから省くけど、なんだかんだ言って先生と俺と高杉で作ったオムライスが好物になったんだ」

ことり「普通、そこって回想入る所じゃないの?」

 

苦笑いすることりに銀時は、いいんだよ。だってネタバレとかあるかもしれないじゃん。読みたい奴は作者に感想でも何でも読みたいです!って言えばいいんだよ。そしたら書いてくれるよ?どんな形にせよ。と言った。

いや、何勝手に言ってんだよ・・・。書くけどね!?

 

銀時「まぁいいや。そんな感じだから、オムライスは任せろ」

海未「ええ、まぁ・・・分かりましたけど」

新八「終わり方雑っ!」

銀時「いいんだよ。取り敢えず、かいさーん。各自、家で飾りは作ってこいよー。料理の材料も準備までによいしろよー」

 

そんなこんなで解散した。

 

 

 

 

穂乃果誕生日当日。

 

銀時「そうだ。言い忘れてたけど、穂乃果自分の誕生日覚えてないと思うから」

全員ー銀時「・・・えっ!?」

銀時「毎年そうなんだよ」

土方「そうだったか?」

沖田「いえ、普通にお礼言われました」

銀時「そりゃ、お前ら・・・一番に祝ってるのは俺だからな!」

 

その言葉に全員があっ!となり、銀時はドヤ顔を浮かべる。

そのドヤ顔に、全員がイラッとしたそうな。

 

新八「そう言えば、穂乃果さんは誰が連れてくるんですか」

神楽「定春アルヨ」

新八「定春が?」

海未「もう既に呼びに行ってると思いますけど」

神楽「行ってるアル」

 

そこでタイミング良く定春の足音と穂乃果の声が聞こえた。

そこで話していたみんなは、素早くクラッカーを構えた。

 

穂乃果「え?この部屋に入るの?平気かなぁ・・・。わわっ、分かったって」

 

定春に急かされたのかやっとこさ扉を開けた穂乃果に向かって、みんな一斉にクラッカーを鳴らした。

 

穂乃果「ふぁっ!?」

神楽「穂乃果!」

全員「誕生日、おめでとう!」

定春「わん!」

穂乃果「たん・・・じょうび?」

 

舌足らずに誕生日と言う言葉を繰り返して、きょとんとしていたが、空が持っていた小さいカレンダーの今日の日付を見て、自分が今日誕生日だと言うことを思い出したらしく、パァ!と笑顔を見せた。

 

銀時「やっぱり忘れてたか」

穂乃果「あはは・・・。でも嬉しいよ!みんな、ありがとう!」

 

満面の笑みを浮かべてお礼を口にする穂乃果にみんな笑顔を浮かべつつ、ケーキの前に来るように誘導した。

 

絵里「穂乃果、取り敢えず火を消してくれる?あ、歌はなしになっちゃうけど。ほら、音痴の人もいるし?」

穂乃果「うん!消すね?」

 

そう言い、ふぅ・・・と火を消す。

穂乃果はまばらながらも送られる拍手に照れくさそうに笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

誕生日会が終わり、万事屋に帰った銀時と穂乃果と神楽。そして、今日は万事屋に泊まることになっていた新八で祝っていた。

 

穂乃果「えへへ」

新八「嬉しそうですね、穂乃果さん」

穂乃果「うん!嬉しいよ!だって、皆に祝ってもらうのも嬉しいけど、この三人に祝ってもらうのが、一番嬉しいんだもん!」

神楽「そうアルカ!そう言ってくれて、私も嬉しいアルヨ!」

 

にこにこと笑顔の穂乃果と神楽を見て、銀時も笑顔になる。

 

銀時「んじゃあ、持ち帰ってきた料理を並べて、ケーキに火をつけるか」

穂乃果「うん!」

新八「てか、あんだけ食べたのに良くこんだけ食べれますね」

穂乃果「え?んーっと・・・別腹?」

神楽「別腹アルナ」

銀時「違うだろ」

 

意外と穂乃果が大食いだという事実が発覚した。

 

新八「こんなに食べて太りませんか?」

穂乃果「うん、太らない体質なんだ」

神楽「世の女の憧れ体質アルナ」

銀時「てか、そんな事聞かれたら穂乃果じゃなかったら殴られてたんじゃねぇの?」

 

その言葉に見覚えがあるのか、黙ったまま新八は頷いた。

 

穂乃果「よし、じゃあ第二誕生日会、始めよう!」

神楽「おー!」




はい、終わりました!

穂乃果「結局、書いたんだね」

うん、一人だけだけど、見たいって人がいたから。

銀時「つか終わり方、雑だな」

言わないでよ!
まぁいいや。
で、今回判明したことは穂乃果は大食いです!

穂乃果「しかも、太らない体質」
銀時「尚、本人曰く太ら()()体質は、実は太り()()()体質で、全く運動しなかったら、太ります」

へー、そうなんだ。

穂乃果「あ!ばらさないでよ!」

まぁまぁ。
あ、終わる?

銀時「ホント、最近雑」

これでも頑張ってるんですよぅ!

穂乃果「あはは、じゃあ終わろ!」

はーい!
次回も気長に待っててくださーい!


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第十三訓 べちゃべちゃした団子なんてなぁ団子じゃねぇバカヤロー

また長い間、更新開けててすみません!!

銀時「またやっちまったな?」
穂乃果「いい加減、飽きられたりしない?」

・・・飽きられちゃうかなぁ?

銀時「可能性が無いわけじゃないな」
穂乃果「むしろ高いんじゃないかな」

うっ・・・!
いや、あのね?ちまちまではあるけど、一応書いてはいたんだよ?ただ・・・ゲームをしたり、アニメを見たりね?その・・・色々?いや、はい、ごめんなさい。

穂乃果「うんうん。やっぱり素直が一番だよねぇ」
銀時「でも、前回と開きすぎるとあれ?前の話ってどんなんだっけ?なんて事になりかねないよな」

本当に申し訳ありません・・・。

穂乃果「まぁ、始めようか?」
銀時「そうだな」

じゃあ、お願いします!

銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!」


この日、坂田銀時はある場所、一人で訳のわからないことを力説していた。

 

銀時「ちょっとぐらい違っててもいいんだよ。皆違って、皆イイって言葉知らねぇのかよ。ナンバーワンより、オンリーワンだろ!イラついてんじゃねぇよ。ムカつくとか言っとけば、世間を当てられると思ったら、大間違いなんだ!世の中、鬼だらけなんだよ!いいか!大事なのはコレだ!」

 

そういう銀時の左手には、お馴染みのいちご牛乳があった。

 

銀時「そう・・・カルシウムだ。カルシウムさえとっときゃ、全てうまくいくんだよ。受験戦争、親との確執、気になるあの娘。とりあえず、カルシウムとっときゃ全てうまく・・・」

新八「いくわけねーだろ!!幾らカルシウムとってたってなァ、車にはねられりゃ骨も折れるわ!!」

穂乃果「でも、骨折だけで良かったよね。ねー」

空「ねー」

穂乃果「アレ、そう言えば海未ちゃんは?」

空「お仕事。明日お見舞いに来るの」

 

そっかー、なんて会話を横目に話を進める銀時。

 

銀時「ともかく、俺もはねられたけどピンピンしてんじゃねーか。毎日、コイツ飲んでるおかげだよ」

新八「いちご牛乳しか飲めないくせにエラそーなんだよ!」

銀時「んだコラァァ!コーヒー牛乳も飲めるぞ!!」

空「結局牛乳入ってるし

神楽「1日800キロカロリー、塩分控えめ、予算1食300円の割には美味いアルネ」

 

と、新八の病院食を食べる神楽。

 

銀時「いちご牛乳飲んどけ、いちご牛乳」

新八「うわっ、くさっ!息ヤバっ!」

銀時「なんだとぉ!?銀さんは、甘い息を吐いた」

新八「うわっ!新八は、99ポイントのダメージを受けた!」

 

因みに、こんなに騒いでいるが、ここは病院である。

当然、個室であるハズがない。

つまり・・・

 

やかましーわ!!

銀時・新八・穂乃果「!!」

「他の患者さんの迷惑なんだよ!!今まさにデッドオアアライブをさまよう患者さんだっていんだよ、ボケが!!」

銀時「ああ、スイマセン、こいつがうるさくて」

新八「アンタ本当に人間腐ってるな」

 

最終的に銀時と新八は、顔面に物を投げられた。

 

 

 

 

場所変わって、待合室・・・的な場所。

 

新八「もういい大人なんですから、いい加減にしてくださいよ。僕が病院に居づらくなっちゃうんですから」

銀時「人間、幾つになっても居場所探しの旅の途中だろ?」

新八「モークソング風にまとめてんじゃねーよ!!」

 

新八のツッコミの後に、何故か神楽がラップを始めた。

いつの間に着替えたのか、笑眠と書かれているチャックがないオレンジ色のパーカー、群青色のズボンに緑色のキャップの帽子というスタイルに着替えていた。

 

神楽「父YO母YO、ヘイヘイHOー、マイホーム探してマンホール、果てしない旅疲れ旅ー」

新八「ラップでもダメだから!」

銀時「やれやれ。アーティスト気取りのヤツが多すぎるな」

 

これもカルシウム不足のせいかねぇ、と言いながらいちご牛乳をそのまま飲む銀時。

 

穂乃果「あ、またそのまま飲んで!もう!」

「いちご牛乳か」

空「ん?」

「ワシも若い頃は飲み明かしたものよ。ギャルを引き連れてな」

 

そう言い、通りすがりの看護師のお尻を触るじいさん。

当然、平手打ちをくらった。

穂乃果の顔が心無しか引き攣る。

 

「ナツキちゃん、アレはええ子じゃった。『そんなにいちご牛乳飲んじゃ体に触りますよ。たまにはコーヒー牛乳にしたら?』なんてな。ゆかりちゃん、彼女もぶっきらぼうながらワシのことを心配してくれてのぉ。久しぶりに見たぜ!いちご牛にゃ!!

銀時「いちご牛にゃ!?

「そう、己の名誉にかけていちご牛乳を飲み続ける男を人は皆、いちご牛にゃと呼ぶ!」

 

何言ってんのこの人、という顔をしている穂乃果と空。

銀時どころが神楽も顔が引き攣っている気がする。

 

銀時「いやぁ、俺はしがない街の万事屋さんです」

「万事屋?」

銀時「そろそろ行かないと。仕事あるし」

穂乃果「そ、そうだね!」

「万事屋??」

銀時「ああ、忙しい忙しい。なんたって、万事屋だからなぁ」

 

そう銀時が言った後に、何故か手を広げるじいさん。

 

万事屋ぁぁぁぁ!!

 

その勢いに、輸血パックが倒れた上に、点滴のシールが剥がれた。

 

穂乃果「ひぅ!?」

空「うにゃあ!?」

神楽「ヤバいアルぅ!何か心の非常ベルを押しちゃったネ。ニキビマン言われてもクレーター言われても怒らなかった浜田君が、ボコ言われた途端椅子放り投げて暴れた中学2年の秋」

新八「誰、浜田くんって」

 

そんな事言う面々に徐々に近づいてくるじいさん。

その間にも誰が前に出るか揉めてる銀時達。

結果、新八が一番前になった。

 

「今、万事屋って言ったな?つまり何。万事、何でもしてくれるの?」

新八「いや、何でもって蘇生は無理ですから。教会行ってゴールド払ってください。時々タダでやってくれるところもあるんですけど、その場所は教えちゃ行けないって、ひいおばあちゃんが」

 

じいさんはそう言う新八に向かって何故か懐から先の尖った(かんざし)を出した。

 

新八「嘘です!すみません!ゴールドなんてゲームの話をして!」

 

そしてじいさんは新八の懐を掴んで思いっきり簪を振りかざした。

 

新八「最後の話題がゲームネタなんてイヤー!!」

 

幸いにも簪は目の前で止まったけれど、新八の意識は遠くなったそうな。

 

 

 

 

さらにところ変わって庭。

 

爺さん「この簪の持ち主を探して欲しいんじゃ」

穂乃果「簪の?」

空「簪って、アレだよね。髪飾りのヤツ」

穂乃果「そーそー、それだよ」

新八「それってどーゆう・・・」

 

その新八の問いかけに、おもむろに頬を赤く染める爺さん。

 

爺さん「は・つ・こ・いの、人じゃ」

 

その向かいでひたすら酢昆布をかじっている神楽。

空も空で、おもむろに桃味のペロペロキャンディーを出して無心で舐め始めた。

 

新八「ちょっと何その酢昆布。空ちゃんまで」

神楽「聞くに堪へない話を聞く時は、酢昆布が心の並行を保ってくれるネ」

 

その横で首を縦に降る空。

 

爺さん「この歳まで世帯も持たないで女のケツばかり追いかけてきたが、何故かな、今になって思い出すのはあの人の笑顔ばかりでな」

銀時「俺にも酢昆布をくれ」

穂乃果「あ、空ちゃん、ペロペロキャンディーまだある?」

空「あるよー」

穂乃果「じゃあ、貰えるかな?」

 

そう言って、穂乃果は無心でイチゴ味のペロペロキャンディーを舐め始める。

 

新八「ちょっ、穂乃果さんまで!?」

穂乃果「恋バナって、無性にお腹が空くんだよね」

空「確かに、それはあるよね」

 

結局ツッコむことを新八は諦めた。

 

爺さん「笑ってくれても構わんぞ。こんなジジイが、死に際に色気づきおって、とな」

新八「そんなことないですよ」

 

そういう新八も酢昆布を貰って食べてるため、人の事は言えなかった。

 

爺さん「ああ、本当に綺麗な人じゃった」

 

爺さんの話を簡単にまとめると、こうなる。

爺さんの初恋の相手はいつも簪を付けた、働き者の巷でも評判の娘だったらしく、いつもその人目当てで団子屋に行く人でいっぱいだったらしい。

爺さんは、そうしたくとも金もなければウブだった為、出来なかったそうな。

しかしある日、物陰から見るだけだった爺さんにその娘が話しかけてくれた。

しかしその直後、団子が喉を通らなかったらしく、喉に詰まらせた挙句、そんな醜態を見せたくないと足掻き、逃げ出したそうだ。

 

爺さん「気がついた時はどこぞの路地で、反吐まみれになって倒れておったよ。苦し紛れに引き抜いてしまった、彼女の簪を握ってな」

穂乃果「へぇ・・・」

爺さん「彼女を探して欲しいんじゃ」

銀時「うちは高いぜ。超一流の万事屋だからな」

爺さん「金ならある」

 

その一言に銀時と穂乃果の目が鋭くなった。

 

爺さん「ギャルにいくら払っても、使いきれんくらいじゃ。家族もおらんし、遺産をどうしようか悩んどったくらいじゃ」

 

さらに続いた言葉に、銀時と穂乃果が明らかに反応している。

 

爺さん「わしの頼みを引き受けてくれれば、アンタ達に全ての遺産を残そう」

銀時「し、仕方ねぇな」

 

銀時の声が震えていた。

 

銀時「年寄りの頼みとあっちゃ、断る訳には行かねぇだろ」

穂乃果「そ、そうだね!」

 

銀時に続いて穂乃果まで声が震えていた。

 

新八「って、アンタら笑いながら怒る人みたいになってるよ!」

 

つまり、そういう顔である。

 

銀時「黙れ新八!お前はこの依頼人のお世話をするんだ!誠心誠意、真心を込めてな!」

新八「えー・・・、僕も入院患者なんですけどぉ」

銀時「ばぁっかヤロー!万事屋ってのは、人様のお役に立ってなんぼだろ!人生に大事なのは金でも学歴でもねぇ、愛だ!」

神楽「気力と思いやりを忘れた若者はこれだから」

 

やれやれ、という動作でそういう神楽。

 

新八「あれ、なんで僕だけ今どきのダメな若者にされてるの?」

 

そうして、銀時と穂乃果と神楽はその場をあとにした。

因みに、空も何故かついてきた。

 

空「ねぇ穂乃果さん、いさんってなぁに?」

穂乃果「え?そうだねぇ、死んだ人が生きる人のことを思って、残してくれたもの、かな?」

神楽「いさんって酢昆布より偉いアルか?」

銀時「酢昆布ファミリーパックより偉い」

神楽「凄いアル!」

 

 

 

 

団子屋『かんざし』?知らねーなぁ」

穂乃果「昔、この辺にあったって聞いたよ?」

「ダメだ、俺三日以上前のことは思い出せねェ」

銀時「ニワトリ以下だな」

「それよりよォ銀時、お前たまったツケ払ってけよ」

穂乃果「銀ちゃん、まだ払ってないんだ」

 

すると何故か三日以上前のことは覚えてないと言ったのに、銀時の払ってないツケをあげていく。

 

銀時「なんだよォ、都会動線の駅の名前、東京から全部暗唱するガキか、アンタはァ。日が暮れちまうぞ」

穂乃果「それよりもね、その『かんざし』で奉公してた綾乃って娘さんを探してるの」

銀時「娘っつっても、五十年も前の話だから今はバーサンだろーけどな」

「ダメだ、俺ァ四十以上の女には興味ねーから。それよりよォ銀時、お前たまったツケ払ってけよ」

 

そうしてまた呪文の如く銀時のたまったツケをあげていく団子屋さん。

 

銀時「円周率、覚えた方がモテるらしいぜ」

「え?マジ?」

 

その言葉に気を取られた団子屋さんの隙に、4人で一目散に逃げる。

 

「あ!ソ連の歴代書記長と征夷大将軍、どっちがイケてる!?」

 

 

 

 

「もう〜嫌んなっちゃうわ、あのエロジジイ」

「脳みそかち割ってやればいいのよ。いくら白衣の天使だって、殺意くらい湧くわよ。チップ貰えるならともかくさ」

「無理無理。入院費だって、もう何ヶ月滞納してるか」

 

その言葉に偶然聞いていた新八は口をあんぐりと開けた。

 

「お金ないの有名だもん」

 

新八はその言葉に騙された事を悟り、怒りの赤いオーラを放って震えていたが、その新八を超える怒りの赤いオーラを新八の後ろで震えながら、出している三人がいた。

言わずもがな。銀時と神楽、そして珍しい事に穂乃果である。

 

銀時・穂乃果・神楽「「「あんのくそエロジジイ・・・!!」」」

 

 

 

 

銀時と穂乃果、神楽は怒りのあまり、爺さんのいる病室の扉を破壊し、室内へと入った。

 

銀時・穂乃果・神楽「金ぇぇぇぇぇ!!!

 

しばらくの沈黙の後。

 

爺さん「あ、バレた?」

 

そう軽く言う爺さんに、銀時と穂乃果と神楽はひっくり返った。

 

銀時「よ〜く〜も〜っ!!」

爺さん「待て待て。お前は金如きで、老人の生きる希望を奪いさろうとするのか?」

神楽「この口でそんな事言うアルカ!」

爺さん「いたたっ!」

穂乃果「金の切れ目が縁の切れ目って言うじゃない?」

銀時「降ろさせてもらうぜ」

新八「ジャンプは貰っていきます。十週目が気になりますから」

空「自業自得だよね」

神楽「病室食もネ。うすあまーいデザートが気になるネ」

 

そう言って、爺さんの病室から去っていく面々。

 

銀時「という訳だ、悪く思うなよ」

穂乃果「ごめんね?」

 

そう2人が言った後、微かなうめき声が後ろから聞こえた。

 

 

 

 

爺さん「これで、ワシがただのエロジジイじゃなく、病弱なエロジジイだと分かってもらえたじゃろ」

銀時「その顔色、アンタ本当は・・・」

爺さん「あの団子事件には続きがあるんだ。聞くか?」

 

その話を銀時と穂乃果は静かに聞く。

 

爺さん「あの後、人ずてに聞いた話によると、彼女はあの店を辞めさせられちまったらしい。ワシだけじゃない。貧しい子供や腹ペコの野良犬や野良猫見つけては、内緒で団子を食べさせてたんだ。ワシの一件で主人にそれが露見しちまって、辞めさせられちまったのさ」

穂乃果「お爺さん・・・」

爺さん「本当に悪いことしちまった。今更謝っても詮無(せんな)い事だが。死ぬ前にせめて、あの簪だけでも返したくてな。・・・いや、本当の事言うと、またあの笑顔を見たいだけなんだけどなぁ」

 

 

 

 

銀時「行くぞ」

 

そう言って、新八が読んでいたジャンプを取り上げる。

 

新八「あ、帰るんですか?」

穂乃果「簪の持ち主探し、続行だよ」

新八・神楽・空「えっ!?」

 

すると突然、何故か語り出す銀時。

 

銀時「いいか、昼間にいちご牛乳を飲みすぎて、夜中にトイレに行きたくなったとしよう。しかし布団の外は寒い。布団から出たくない。しかし尿意は強まる一方だ。懊悩煩悶(おうのうはんもん)葛藤、一大決心をしてトイレに行く。便器の前に立つ、取り出す、発射!はい、この開放感!この為に行けてきた、とさえ思える瞬間だ」

 

すると何故か周りの人達も話を聞く為か立ち止まっていく。

 

銀時「だかそこで気づく!俺がいるのはトイレじゃない、布団の中だ!太ももに広がる生暖かい感触!だか止まらない、止められない!そーいうものなんだよ、何事も!それが真のいちご牛にゃーなんだ!分かったか!?」

神楽「いちご牛にゃー!!」

空「いちご牛にゃーだぁ!!」

 

何故か目を輝かせる神楽と空。

 

新八「つーか・・・」

 

新八が何かを呟こうとすると、周りからいちご牛にゃーコールが溢れた。

 

それに銀時は満足そうに頷き、新八は戸惑っていたものの、最終的にはいちご牛にゃーコールをした。

 

 

 

 

新八「つっても、こんなどこにでもある簪、どうやって調べたら・・・」

神楽「いいアイディアがアルネ」

 

そう言って銀時の手から簪を取り、定春の鼻の前に持っていく。

 

神楽「見つけたらかじり放題ネ、定春」

空「なるほど!」

新八「おーい!さすがに無理でしょ!つか、かじり放題って何!?誰を!?」

神楽「にやり」

新八「ニヤリじゃねっつーの!!」

 

しかし方法は他にない為、定春の背に怪我をしている新八を乗せて定春の鼻を頼りに探す。

 

新八「50年もたってるんだ。匂いなんて残ってるわけ無いって」

穂乃果「やっぱりそうかなぁ?」

神楽「分からないアルヨ。綾乃さん、もしかして体臭キツかったかもしれないアル」

新八「体臭って・・・。青少年の甘づっぱい夢をさらっと打ち砕くな。この酢昆布娘」

銀時「いやいや、安心したまえ、新八君。別嬪さんってのは、理屈抜きでいい匂いがするものですよ」

 

銀時のその言葉に一斉に視線が穂乃果に向けられて、当の本人は首をかしげた。

 

神楽「確かに、穂乃果はいい匂いがするアルナ。私、好きアル。この匂い」

銀時「だろ?」

空「うちの海未ねぇも、いい匂いなんだよね」

新八「そうですね・・・。何だか、心配が無くなりました」

 

そう話してる内に見覚えのある建物まで来たのに、銀時達は気づいた。

 

銀時「って、オイ!お前、家戻って来てんじゃねーか!!散歩気分か、バカヤロー!!」

 

定春は下にあるスナックお登勢の扉を前足で突っついている。

 

銀時「オイ、まさか・・・」

新八「まさかねぇ・・・?」

 

 

 

 

お登勢「なんだよ、家賃払いに来たのかイ」

穂乃果「いや・・・ん?」

お登勢「お前、こちとら夜の蝶だからよォ。昼間は活動停止してるっつったろ。来るなら夜来いボケ。穂乃果、ジュース飲むかイ?」

空「夜じゃなきゃ、ダメだったんじゃなかったの?

銀時「・・・いやいや、これはないよな」

神楽・新八「ナイナイ」

銀時「綾乃ってツラじゃねーもんな」

神楽・新八「ナイナイ」

お登勢「何で私の本名知ってんだイ?」

 

その言葉に一瞬の沈黙が降り落ちた。

 

穂乃果・空「ええっ!?」

新八「頭が痛いィィィ!!理解出来ない言葉がァァァ!!」

銀時「ウソつくんじゃねェェェ、ババァ!!」

神楽「おめーが綾乃のわけねーだろ!!百歩譲っても、上に「宇宙戦艦」がつくヨ!!」

お登勢「オイぃぃぃ!!メカ扱いかァァァ!!」

 

あまりにもあんまりな言い様に、一泊程置いてお登勢は告げた。

 

お登勢「お登勢ってのは源氏名・・・言わば、夜の名前よ。本名は寺田綾乃っていうんだ」

 

その言葉を聞いてるのか聞いてないのか、銀時と神楽はそこに行列を作って歩いているアリを見ていた。現実逃避である。

穂乃果はお登勢には世話になっている自覚はあるし、よく出来た子なので、そんな露骨な現実逃避はしない。

 

神楽「アリんこさん、お散歩は楽しいですか〜?」

お登勢「何わかりやすい現実逃避してるんだ!アリより綾乃だろ!!」

 

お登勢のツッコミが入った所で、お店にある電話が鳴り響いた。

 

お登勢「ハイ、スナックお登勢・・・。え?万事屋ァ?大江戸病院から電話だよ」

穂乃果「大江戸病院から?」

お登勢「なんかジーさんがもうヤバイとか言ってるけど」

銀時・穂乃果「!」

お登勢「知り合いが入院してるのかイ?」

 

 

 

 

「非常に危険な状態だ。そろそろかもしれないね」

「心臓に治療不可能な病気を抱えていましたからね」

「しかし、アレだな?女遊びの激しい人だと聞いていたが、誰一人看取りに来てくれないとは。寂しいもんだな。ま、病院としちゃあ問題患者がいなくなってくれれば、助かるけどね」

「先生、脈が弱まってきました」

 

 

 

 

その頃、銀時達は定春に乗った神楽、穂乃果、お登勢とスクーターに乗った銀時、新八、そしてひっそりその小さな体を活かし、銀時の足を置くスペースの間に座っている空は、それぞれ乗っているモノで、猛スピードを出し、病院に向かっていた。

 

「暴れ馬だぁ!!」

「きゃあああ!!助けてぇ!!」

 

そんな感じで混乱に陥っているのに構わず、スピードを緩めない一行。

 

新八「ちょっ!さっき何か踏みましたよ!?」

穂乃果「え?そう?」

神楽「気にすることないネ」

銀時「俺達の崇高な人助けに、小さな犠牲は付き物さ。おい、空あんまり動くなよ。お前が落ちて怪我負った日にゃ、お前のねーちゃんに殺されるから、俺」

空「うん」

新八「て言うか、アレ人でしたよ!?確かに人!多分人!!」

銀時「違うな」

神楽「どっちかって言うと、石ころとか綿埃の仲間アルネ」

穂乃果「多分って言ってる時点で、人じゃないのは間違いないね!」

空「そーなんだ!」

 

散々と言う銀時達にお登勢はポツリと呟いた。

 

お登勢「酷いね、オイ」

 

 

 

 

ところ変わって病院。

 

「いよいよか」

「結局、誰も最後間に合いませんでしたね」

 

そう看護師が呟いた時、後ろの窓から何かが突っ込んできた。

 

言わずもがな、定春である。

その後すぐ、そのまま廊下を走ってきたのか、スクーターに乗ったまま銀時達も来た。

 

穂乃果「お爺さん!」

銀時「爺さん!」

「な、何だ君達は!?」

銀時「いちご牛にゃー同士の約束だ。連れてきてやったぞ」

 

その言葉に反応したかのように、爺さんが目を開いた。

 

「先生!意識が・・・!!」

「何っ!?」

 

驚く医者を退かすように、銀時と穂乃果は爺さんの傍へと寄る。

 

銀時「オイ、聞いてんのか爺さん」

 

銀時はそしてパシッと軽く爺さんの頭を叩く。

 

「ちょっと君、何やってんの!?」

 

そう騒ぐ医者の頭を定春が首まで丸ごと咥えた。

 

銀時「簪はきっちり返したからな」

穂乃果「見えるかな、お爺さん」

 

そう言ってお登勢と入れ替わる様に銀時と穂乃果が後ろへ下がる。

 

爺さん(・・・ああ、見えるともさ)

 

そう思う爺さんの目には、若い頃の寺田綾乃、その人の姿が見えた。

 

爺さん「・・・綾乃さん」

 

そう呟くように言った爺さんに見せるように、綾乃は簪を付けた。

 

爺さん「アンタやっぱり・・・簪良く似合うなァ・・・」

 

その言葉に綾乃は微笑む。

 

綾乃「ありがとう。簪、返してくれて」

 

 

 

 

お登勢「やれやれ。いきなり何処に連れていかれるのかと思いきや」

新八「でも、いい顔してましたね」

お登勢「ふーん?」

 

銀時はふと考えた様子を見せてから、お登勢に尋ねた。

 

銀時「・・・バーさんよォ。アンタひょっとして、覚えてたって事はねーよな?」

お登勢「何をだイ?」

銀時「いや、あ、つまり・・・」

お登勢「さあね」

穂乃果「ん?」

お登勢「さてと・・・団子でも食べに行くとするかイ」

銀時「ん・・・ああ」

 

色々あって疲れたからか、銀時に抱き抱えられながら眠っている空以外は、今一瞬だけお登勢が寺田綾乃だけであった頃の姿に見えて、一斉に目を擦った。




終わったー!

銀時「終わったなー」
穂乃果「終わったねー?」

最近やる気がないね?

穂乃果「そんな事ないよー。ね、銀ちゃん。・・・ふぁ〜」
銀時「おう。そんな事ないな。・・・ふぁ」

欠伸してんじゃん。

穂乃果「そんな事より、今日のゲストは?」

・・・お登勢さん?

銀時「あ?なんでだァ?」

今回の話の起点だし?

穂乃果「じゃあ、お登勢さーん!」
お登勢「ゲストのお登勢です」

今日、別に話すことないんだけど、何かある?

お登勢「別にありゃしないけど、しいって言えば更新遅すぎじゃないかイ?」

それは自分でも分かってるよォォォォ!!

穂乃果「お登勢さん、お登勢さん」
お登勢「ん?」
穂乃果「そこはほら・・・オブラートに包まないと」
銀時「意外とメンタル弱いからなぁー・・・」
お登勢「・・・うん、なんかゴメン」

・・・いいよ、別に。
ほら、予告ちゃっちゃとやっちゃお。







お登勢「次回はあのネコ耳を付けた獣人が出るよ。じゃ、次回もよろしく頼むね」







・・・それだけっ!?

穂乃果「簡潔だね」
銀時「これ、分かる奴には分かるけど、わかんない奴にはひたすらわかんないやつ」
お登勢「いいだろ、別に。あたしも忙しいんだ。もう戻ってもいいよな?」

・・・うん、いいよ。
じゃあ、私達も解散で。

穂乃果「そだね」
銀時「さてっと・・・パチn・・・いや、夢の玉を手に入れに行くかな」
穂乃果「ちょっ!銀ちゃん!ダメだよ!お金、ただでさえないんだから!」

・・・次回も気長にお待ちください!


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第十四訓 第一印象がいい奴にロクな奴はいない

5ヵ月ぶりのラブ魂だね!

穂乃果「長いようで短いようで長かった日々だった」
銀時「結局どっちだよ」

長かったんじゃない?

銀時「5ヶ月か・・・」

私、これでも来年にはもう卒業なんだよなぁ。
あれ、やっぱり5ヵ月って早い?

穂乃果「いや、待ってる側からしたら十分長いよ」

じゃあ、さっさと始めよう。

銀時「最近雑だな」
穂乃果「しょうがないよ。意外と続いてるし」

意外とって言わないで!意外とって!

銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!」

無視っ!?


銀時達は朝からスナックお登勢にいた。

 

お登勢「ああ?アンタの口は家賃を待ってくれしか喋れないのかイ?いい加減聞き飽きたよ。偶には前払いだの、お礼だの、今日もお美しいですね、なの喋れないもんかねぇ。気が利かないねぇ」

銀時「喋るだけなら喋ってやらぁ。たかが、今日もお美しい〜。・・・ダメだ。お口がいやいやいや〜ん」

お登勢「そんな役立たずな口、縫い合わせちまいな。あたしがやってやろうかぁ?タコ糸と太針で。ああ?」

 

カウンターでは、神楽が白米を大盛りで食べている。

その隣では穂乃果がいちごチョコバナナパフェ(お登勢が穂乃果の為に置いている品。)をせっせっと食べていた。

 

銀時「うっせー。俺の口はな、いちご牛乳とチョコレートパフェの為にあるんだよ」

お登勢「そんな乳くせーモン飲んでる暇があるんなら、一円でもいいから家賃払いなってんだよ!」

銀時「家賃より俺の人生のが大事だってんだよ。つか、その乳くせーモン、穂乃果も食べてるじゃねぇーか」

お登勢「アレはあたしの奢りだからいいんだよ」

銀時「はぁ!?」

 

相変わらず理不尽じゃねぇか、とぶつぶつ呟く銀時にお登勢が我慢の限界とでも言うように銀時に向かって言った。

 

お登勢「本当、アンタ、アホだね。アホの上にドが付くね!?なんならクソも付けてヤローかぁ?このクソドアホー!!」

銀時「ああ?アホって言うのは、言った奴がアホ何だぜー!?アホアホ、マホー!」

お登勢「アンタ、その脳ミソ幼稚園児並みかイ!?」

 

そんな二人を見て、新八はため息をついた。

白米をいつの間にか食べ終えていた神楽は、お登勢の肩をちょんちょんと突っつく。

 

お登勢「あん?」

神楽「おかわり、ヨロシ?」

 

その神楽の言葉に銀時もお登勢も同時に捲し立てる。本当に同時な為、何を言ってるのか分からない程だ。

 

神楽「炭を入れて炊くとかるけ臭さが取れるネ。おばあちゃんの知恵袋アル」

お登勢「それで恩を打ったつもりかイ。遠回しに不味いって言ってるんじゃないか」

銀時「普通、メシ食う時の効果音はパクパクだろうが。お前のは・・・」

新八「ああ!?」

 

新八の声にその視線の先を見る銀時。

 

銀時「バカ!ここで一番高いのは、嘘で塗り固めた笑顔じゃなくてぇ!」

 

そう言って止める間もなく、神楽は飲み物を飲むが如く、ゴクゴクと飲み込んだ。

 

お登勢「家賃とは別に付けとくからね」

穂乃果「神楽ちゃんったら・・・」

新八「そ、そんな・・・」

お登勢「自分で(ケツ)の拭けないような奴が、人の面倒を見ようなんざ、ちゃんちゃらおかしいねぇ」

銀時「体が硬いのは生まれつきだよ・・・。少しぐらい残ってたっていいだろ」

お登勢「その(ケツ)じゃねぇ」

 

そんな話を神楽は気にしていないのか、新たな注文をする。

 

神楽「乾き物は喉が渇くネ。烏龍茶」

「ハイ」

新八「って、スーパーだったらペットボトル358円の烏龍茶を何でここで飲みますかぁ!?玄関で札束燃やして靴探す成金オヤジ並みの暴挙ですよ!何とかしましょうよ!このままじゃお金なんていくらあっても足りませんよ!あ、いや、元々ないですけどね」

銀時「ああ、ね」

新八「真面目に働くとか!」

銀時「ああ」

新八「いっそ真面目に踏み倒しとか!」

銀時「ああ」

新八「こ、こうなりゃヤケだ!アンタを殺して僕も死ぬ!」

 

そう言って突っ込んでいく新八の鼻に指を突っ込んで、銀時は止めた。

 

銀時「落ち着け」

新八「っ!っっ!ああ、もー!なんて無気力なんだ!物事に立ち向かう勇気どころか、逃げる決意さえできないなんて!父親不在の現代教育の歪みがここに・・・!」

銀時「うるせぇな。元服したら親の責任じゃねぇんだよ。てめぇ自身で何とかしろ」

新八「何とかなってないじゃないですか!家賃・・・!?」

 

新八の言葉の途中で、神楽が新八に対して物を投げてきた。

 

神楽「うるさいアル」

 

そう言ってから小さく欠伸をして、ソファに仰向けに転がる。

 

神楽「親が死んでも食休みっと」

お登勢「やれやれ」

 

その後ろでは新八が血がァ!?血がァ!?と騒いでいる。

そんな新八に濡れタオルを渡す人がいた。

 

「アノ、大丈夫デスカ?」

新八「あ・・・」

「コレデ押サエルト、イイデスヨ」

銀時「あら?初めて見る顔だな」

穂乃果「新入りさんなの?」

キャサリン「ハイ。コノ間カラ働カセテイタダイテマス、キャサリン言イマス」

お登勢「彼女、出稼ぎで地球(ここ)来たクチでねェ。実家に仕送りするため、頑張ってんだ」

キャサリン「ヨロシクオ願イシマス」

お登勢「本当、よくやってくれてるよ」

銀時「たいしたもんだ。どっかの誰かさんなんて、己の食欲を満たすためだけに・・・」

 

そう言う銀時に物凄いスピードで物が飛んできた。

神楽が寝ながらも投げたのだ。

 

神楽「ん〜・・・、もう食べられないネ」

銀時・お登勢「そりゃそうだろうよ」

穂乃果「あはは・・・」

銀時「じゃ、辛いこともしんどいことも耐えられないこともあるだろうけど、頑張って」

キャサリン「アリガトウゴザイマス」

銀時「今が辛いと思っても、この先もっともっと辛いことがあるからな。それを思えば、耐えられるってもんだ」

新八「アンタ、真性のマゾですか!!」

 

 

 

 

その日の夜、万事屋のソファーで横になって新八は唸っていた。そして何故かその隣には空がいた。

 

新八「ひもじいよ〜、ひもじいよ〜」

銀時「うっせーなー・・・。だったら、家に帰ればいいじゃねぇか。食いもんだってあるだろーによ。つか何で空まで居んの?」

穂乃果「確かにそうだね」

新八「・・・今日は、姉上がいるんですよ。そして、海未ねぇがいないんです」

銀時「あ?」

 

その言葉には穂乃果も首を傾げる。

 

新八「姉上がいて、食事の支度をしているんですよ」

穂乃果「あ〜・・・。だから、夜になって空ちゃんまで来たんだ」

新八「姉上の玉子焼きは、食べると見えちゃいけないものまで見えてくるんです」

 

すると何故か突然豆知識を新八が言い始めた。

 

新八「銀さん、知ってますか?シュールストレミングってニシンの缶ずめは、猫ですら逃げた出す匂いらしいですよ。臭いものは美味いって言いますもんね」

 

いきなりの新八の言葉に穂乃果と空は首を傾げ、銀時は無反応だが、それを気にせずに新八はさらに言葉を続ける。

 

新八「銀さん、知ってますか?イヌイットの人達はトナカイを倒したら、ドロドロ〜になった、胃の内容物もちゃんと食べるらしいですよ。暖かくて、柔らかくて美味しいんだろうなぁ〜」

 

その新八の目は、明らかに瞳孔が開いていた。

 

新八「銀さん、知ってます?フクロウは、子ネズミを攫ってきたら、自分の巣の中で餌を上げて太らせてから食べるらしいですよ。ぷりっぷりですよね、きっと」

空「・・・いつもの新にぃじゃない」

新八「世界には美味いものがいっぱいあるってのになぁ。・・・よく考えたら、ここの家賃ってそんなに安くないんじゃないですか?ここより安いところなんて、ざらにあるハズですよ。ねぇ、銀さん」

 

そう言って瞳孔が開いたまんま銀時の元に歩き、椅子の背に手をやり、こっち側に回したが、いつの間に入れ替わったのか、それは銀時の天パに似た偽天パを被ったマルタだった。

 

新八「あれぇ!?」

穂乃果「まさか!」

空「ほぇ?」

穂乃果・新八「緊急用予算が!!」

新八「あんの、糖尿寸前野郎ー!!」

穂乃果「またやられた・・・」

空「初めてじゃないんだ・・・」

 

 

 

 

一方その頃、銀時と言うと。

 

銀時「よ」

キャサリン「!!」

 

人気のない道をキョロキョロしながら進んでいたキャサリンの前に出て、いちごミルクを片手に声をかけていた。

 

銀時「お使いか?ババア、人使い荒いからな」

キャサリン「ソ、ソウデス。ムーサンノタバコカイニ・・・」

銀時「そうかぁ」

 

そう言ってからちゅーと銀時がいちごミルクを飲む。

 

キャサリン「スイマセン、スイマセン」

銀時「まぁ、この辺りはな・・・。ゴミ溜めの掃き溜めの吹き溜まりみたいなところだ。何を言いたいかって言うと、俺達は同じゴミ同士ってことだ。嫌、ゴミってのはちょっと違ってだな・・・。同じ穴の鼻くそ・・・同じ釜、鍋・・・?」

 

何が言いたいか分からなくなりつつあるらしい。

 

キャサリン「ワカリマス。アナタ、イイ人。皆、イイ人」

 

そこでパトカーが傍を通り、すぐそこで立ち止まった。

 

「アンタら、ここの人?」

銀時「・・・だったら?」

「こーゆー(もん)なんだけど」

 

そう言って見せてきたのは、警察手帳だった。

 

銀時「・・・で?」

「ちょっと、捜査に協力して貰えない?」

 

 

 

 

「これで、全員?」

お登勢「なんかあったのかい?」

「うん、ちょっとね」

「この辺でさァ、店の売り上げ持ち逃げされる事件が多発してるんだよね」

新八「え?」

空「売り上げ?」

「今月に入って16件ですねぇ・・・」

銀時「それは憂慮すべき事態ですなぁ」

 

そう言ってから一つゲップを漏らす銀時。

それに新八が反論し、穂乃果はささやかに冷ややかな視線を送った。

 

新八「って、金取った張本人がァ!それに、その目に見えてわかる甘ったるい息は何だァ!!」

「犯人は天人らしいんだが、まだ捜査中でね。何か、気になる噂とかない?」

銀時「それなら、知ってますよ。犯人は、コイツです!」

 

そう言って力強く神楽を指差す銀時の一呼吸置いた後、神楽は無言で銀時の人差し指を握りしめ、躊躇いなくボキッと折った。

 

銀時「いやァァァァァ!!」

穂乃果「銀ちゃん!?」

銀時「おまっ・・・お前何さらしてくれとんじゃァァ!!」

神楽「冗談がつまらない人は、指を折られるアル」

銀時「知るかァ!!」

 

どうするべきか悩んでいた穂乃果は銀時と神楽を交互に見たあと、大体は持参をしているいちごミルク味のアメを一粒包みから出したあと、神楽の口元に持って行き、条件反射で開いた口に放り込んだ。(しかし、自然過ぎて神楽も銀時も気づいてない。相手が穂乃果だと言うこともその原因の一つだ。)それをもう一粒包みからアメを出して、銀時にも同じことをやってから、空と新八にも分けてから、自分の口にも放り込んだ。

 

新八「・・・何でアメ?」

穂乃果「え、何となく?」

銀時「俺がせっかく、タダで故郷へ帰る方法を教えてやろうとおもったのに」

「いや・・・強制送還は、タダではないよ?」

神楽「全くアル。そんな不名誉な帰国、御免こうむるネ」

銀時「選んでる立場か!」

神楽「いざとなれば、船にしがみついて帰るアル。こっちに来た時も成功したアル。なんとかなるネ」

空「そうなの!?」

穂乃果「え!?凄いねっ!?」

新八「って、それ、冷たい方程式だから!」

銀時「大丈夫。宇宙に放り出しても、平気で生きられるから」

 

全然大丈夫ではない。

 

神楽「ゴキブリじゃないネ!」

銀時「何だァ?その言い方は!ゴキブリさんに謝れ!地球最高を誇る生命力を持つゴキブリさんに謝れ!」

穂乃果「確かにそうかもしれないけど・・・ねぇ?」

 

そんなワイワイ騒ぐ銀時達を見て、警察官は呟いた。

 

「何か、俺、邪魔・・・?」

お登勢「少なくともうちには、取られるような大金も、取るような悪人もいないからね。ま、何かあったら知らせるよ」

「よろしく」

 

 

 

 

その夜のことだった。

 

万事屋から銀時が出てきて、階段を下りていた。

 

銀時「うぇ・・・口の中が気持ちわりぃ・・・。やっぱり飯なに甘い飲料を飲むもんじゃねぇな。よし、俺はまた一つ大人の階段を昇った」

穂乃果「銀ちゃん、今階段降りてるじゃん」

銀時「はっ!本当だ!って穂乃果、どうしたんだ?」

 

いや、何となく?と返しつつ、銀時と穂乃果は下にあるスナックお登勢の店の前まで来て、扉を開けた。

すると目の前にいたのか、スナックお登勢の中からはキャサリンがいた。何故か頭は出ているが、全身黒タイツ姿で。

 

穂乃果「あれ?」

銀時「あ?あれ、残業?・・・なわけねぇか」

 

銀時と穂乃果が見る視線の先はキャサリンの手で、その手はスナックお登勢のレジを持っていた。

 

その時、新八と空が来た。

 

新八「お腹が減ってぇ〜・・・」

空「お腹すいたね・・・。海未姉、今日は一段と遅いし・・・」

新八「ん?」

 

すると何故か唐突に銀時とキャサリンを目の前にした新八は慌てだした。(不意打ちで穂乃果が目に入ってなかったらしい。)

 

新八「すぐに消えますから!めくるめく感動の世界をお楽しみください!」

銀時「おい」

穂乃果「爛れた情痴・・・?」

 

すると直ぐに後ろを振り向いた新八の目の前に、今度は神楽がいた。

 

神楽「愚民共が〜。(棒)あたしの力の前にひれ伏すがいい!あははっ!あははっ!」

新八「・・・って、寝惚けてんの?それ、何の夢?ブランデーグラスと猫?」

神楽「人の命とはなんと虚しいものかー。(棒)」

銀時「おい」

新八「だからそれ、何処の悪代官?」

 

その時、神楽が何かに気づいたかのように目を覚ました。

同様に、空もそちらに目を向けた。

 

神楽「あ・・・あれ?」

空「あ」

 

神楽と新八のやり取りに、いつの間に取りに行っていたのか、原チャリに荷物を乗せてるキャサリン。

 

銀時「それ、俺の原チャリに似てるな?」

穂乃果「いや、似てるって言うか・・・」

キャサリン「イイ人バッカリネ」

神楽「そう言えば後ろに積んでいる傘、私のにそっくりアルナ」

空「いや、そっくりって言うか・・・」

新八「つかあれ、店のレジ!」

 

その時、騒がしいことに気づいたのか店の中からお登勢が出てきた。

 

お登勢「何だい、こんな丑三つ時に・・・っ!!」

 

その時、お登勢の脳裏に思い浮かんだことは、キャサリンに会った時のことだった。

 

お登勢「キャサリン・・・!」

キャサリン「アバヨ!腐レババア!バァーカ!!」

 

心底バカにしたような言い方に、銀時と神楽がキレた。

 

銀時・神楽「「血祭りじゃああああぁぁぁぁ!!」」

 

そう言い放った銀時と神楽は、キャサリンに追いつくため、まずは神楽がタクシーの前に出て止めて、銀時が後ろに乗っていた2人の男女の客を追い出した。同時に、神楽は運転手を追い出し、運転席に乗った。

 

穂乃果「いいのかなぁ、こんなことして」

 

とか言いつつ、後ろの席に乗る穂乃果。

銀時は助手席だ。

 

新八「ちょっ・・・!何やってんだ!どこ行くの!?」

 

その問いに答えず、タクシーは神楽の運転で発進したが、新八と空は間一髪乗り込んだ。

 

 

 

 

まさに暴走車というに相応しい運転をする神楽。

 

穂乃果「いやぁぁぁぁぁぁっ!!?」

新八「ねェ!とりあえず落ち着こうよ、二人とも!僕らの出る幕じゃないですって、コレ。たかが原チャリや傘でそんなにムキにならんでもいいでしょ」

銀時「新八、俺ぁ原チャリなんてホントはどーでもいいんだ」

新八「!」

銀時「そんなことよりなァ、シートに昨日借りたビデオ入れっぱなしなんだ。このままじゃ延滞料金がとんでもないことになる。どうしよう」

穂乃果「それは大変だね!」

新八「アンタの行く末がどうしようだよ!!」

 

そんな銀時に神楽は言った。悪魔の囁き同然の言葉を。

 

神楽「延滞料金の心配なんていらないネ。もうすぐレジの金がまるまる手に入るんだから」

新八「お前はそのキレイな瞳のどこに汚い心隠してんだ!!」

穂乃果「て言うか、大丈夫なの?普通に運転してるけど」

空「神楽ちゃん、免許持ってないよね?」

神楽「何言ってるアルカ、空。人、はねるのに免許なんて必要ないアル」

新八「オイぃぃぃ!!ぶつけるつもりかァァ!!」

銀時「お前、勘弁しろよ。ビデオ粉々になるだろーが」

穂乃果「気にするところってそこなの?」

新八「ビデオから頭離せ!」

 

そう話してるうちにも段々とキャサリン目掛けて迫っているのに気づいたのか、狭い路地裏へとスクーターを滑り込ませた。

 

銀時「あっ、路地裏に入りやがったぞアイツ!!」

 

しかし神楽にはそんなことは関係ない。

 

神楽「ほァちゃあああああ!!」

穂乃果「やぁぁぁぁぁ!!」

空「死ぬぅぅぅぅぅ!!」

銀時「オイオイオイオイ

新八「なんかもう、キャサリンより悪い事してんじゃないの、僕ら!!」

神楽「死ねェェェアル、キャサリィィィン!!」

 

勢いに任せてキャサリンを追った神楽の運転だったが、路地裏の先は、水場だった。

 

銀時・穂乃果・新八「「「あれ?」」」

 

当然スクーターのように小回りが利くわけではないので、そのまま重力に逆らわず、落下した。

 

銀時・穂乃果・新八「「「あれェェェ!!」」」

 

車が沈むのを見届けたキャサリンは、この場を去ろうとして、目の前に立つ人影に気づいた。お登勢だ。

 

お登勢「残念だよ。あたしゃ、アンタのこと嫌いじゃなかったんだけどねェ。家族のために働いてるっていうアレ。アレもウソなのかい?」

キャサリン「お登勢サン・・・アナタ、イイ人。デモ、馬鹿ネ」

お登勢「・・・」

キャサリン「世話好キ結構。デモ度ガ過ギルト、私ノヨウナ奴二ツケコマレルネ」

お登勢「そいつは性分さね。もう直らんよ」

 

そう言ってお登勢は懐からタバコを出し、ライターで火をつける。

 

お登勢「でも、おかげで面白い連中とも会えたんだがねェ」

 

その言葉に微かにキャサリンは眉を顰めた。

 

一方その頃の銀時達は、溺れていた。

 

お登勢「聞きたいかい?いや、聞いていきな、せめてさ」

キャサリン「・・・」

お登勢「まずある男女二人はこうさ」

 

回想の中のお登勢は、雪の中を傘をさして、花束を入れた水桶を片手に持ち、歩いていた。

 

お登勢「雪の降る寒い日だった。あたしゃ気まぐれに旦那の墓参りに出かけたんだ」

 

旦那のお墓にお供え物を置いたお登勢に、一つの声がかかった。当時の銀時だ。

 

銀時『オイ、ババア』

 

呼ばれたお登勢はそっちに顔を向けた。

 

銀時『饅頭食べていい?腹減って死にそうなんだ。俺ら』

 

余程お腹がすいてるのか、早口に銀時は聞いた。

 

お登勢『こりゃあ私のじゃなくて、旦那にやったもんだよ。旦那に聞きな』

銀時『あ、そ。んじゃ』

穂乃果『え、いいの?』

銀時『いいんだよ。ほら』

穂乃果『んぐ・・・美味しい』

銀時『だろ?ほら、一個多くやるから食べろ食べろ』

お登勢『・・・なんつってた?あたしの旦那』

 

お登勢「そう聞いたら、そいつなんて答えたと思う?」

キャサリン「サァネ。他人ノ思イ出話二ハ興味ナイ」

お登勢「死人が口聞くか、だとさ」

キャサリン「・・・」

お登勢「この恩は忘れねぇ」

 

その言葉を聞きつつ、キャサリンはエンジンを鳴らして、お登勢に向かって動き出した。

 

お登勢「ババア、老い先短いんだろうが、この先はアンタの代わりに俺が・・・俺らが護ってやるってさ」

 

その言葉と同時に、溺れていたハズの銀時と穂乃果が水面から出てき、お登勢の前に立ち、木刀を構えた。

 

銀時・穂乃果「「てやああぁぁぁぁ!!」」

 

お登勢『アンタらがあたしを護る?お手並み拝見といこうじゃないか』

 

 

 

 

銀時「仕事くれてやった恩を仇で返すたァよ。仁義を解さない奴ってのは男も女もみにくいねェ、ババア」

お登勢「家賃払わずに人ん家の二階に住み着いてる奴はみにくくないのかィ?」

銀時「ババア、人間なんてみんなみにくい生き物さ」

お登勢「アンタ、言ってることメチャクチャだよ」

銀時「そんなこと言うんなら穂乃果はどうなんだよ。一緒に住んでるだろ、俺と」

穂乃果「え、私?」

お登勢「穂乃果は別にいいんだよ。遅れても一ヶ月そこらだから」

銀時「ババアこそめちゃくちゃだろ!」

 

そうやり取りしている横を、警察に連行されたキャサリンが通り過ぎて行こうとしたところで、お登勢はキャサリンの方を向いて呟いた。

 

お登勢「とんだ野良猫だったねェ」

 

その言葉にキャサリンは顔を逸らした。

 

お登勢「けどま、ネコってのは、引っ掻くものさね」

キャサリン「!」

銀時「大当たりってわけだ」

お登勢「今更直りはしないよ。また食いっばくれたら、店の裏においでな。残りもんでも食わせてやるよ」

 

そのお登勢の言葉を聞いて、キャサリンは静かに涙を流した。

 

キャサリン「オ登勢サン、アンタ馬鹿ネ。デモ・・・」

 

そう呟いてからパトカーに乗ったキャサリンを見送ってから、銀時は呟いた。

 

銀時「馬鹿だって言われて怒らないとこ、初めて見た」

穂乃果「ね」

お登勢「気まぐれだって起こすことあるさ。だからま、今月の家賃くらいはチャラにしてやるよ」

銀時「マジでか?ありがとうババァ!再来月からはちゃんと払うから」

穂乃果「ありがとう!お登勢さん!」

お登勢「穂乃果はともかく、銀時、お前っ!これまでの滞納2ヶ月分チャラにしてんだ!しかも再来月って!」

銀時「やった♪やった♪」

お登勢「可愛子ぶってんじゃねぇ!!」

 

 

おまけ

 

 

ちょこっと

3年Z(ずぃー)

銀八先生

 

銀八「いいかぁお前らぁ。糖と言う字はなぁ、人と人と人人が支え合って、十字架担いで糖の国に行きましたとさ。むかーしむかしの話じゃった」

穂乃果「せんせー、昔話になってます!」

空(一体、なんの話しがしたかったんだろう?)




終わった!
今日は別に紹介しなきゃ行けない新キャラはいなかったね。

銀時「だな」
穂乃果「あれ?キャサリンは?」

キャサリンは特に変わりないもん。
穂乃果大好き設定もなきゃ、無双だってしないし。

銀時「アイツが無双とか有り得ねぇけどな」

ね。
あんまり違和感なく書けてるといいんだけど。

穂乃果「そうだねー」
銀時「今日のゲストは?」

え?んー・・・、きょ、今日はなし?で!
予告は穂乃果に頼んじゃおうかな!

穂乃果「そこはキャサリンじゃないの?」

だって、読みにくくなるでしょ。

銀時「あー・・・確かにな」

じゃ、お願いします。







穂乃果「次回はハム子を探して欲しいという依頼が舞い込み、その先に、宇宙海賊春雨と遭遇してしてしまう話です」







ま、大体そんな話だよね。

銀時「そうだな、大体そんな話だな」
穂乃果「えと、では、次回もお楽しみにしてください!」
銀時「何時になるかは分かんないけどな」

しっ!


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第十五訓 コスプレするなら心まで飾れ

あっぶな・・・。
後ちょっとで一年超えるところだった。

銀時「いや、ここまで来るとギリギリアウトだろ」
穂乃果「確かにそうかも?」

そんなぁ!

銀時「まぁ、一年超えなかっただけマシだと、自分で思っとけって」
穂乃果「思うだけなら、タダだもんね!」

うん・・・!
なんか違う気がするけど、そうだよね!

穂乃果「じゃあ早速行きましょう!」

せーの!

銀時・穂乃果「ラブ魂!」


ある日の朝、万事屋に来訪者が来ていた。

桂である。桂は万事屋のインターホンを鳴らした。

 

桂「ごめんください〜い、桂ですけど〜。・・・・・・」

 

しかし出てこないところを見ると、どうやら銀時達は出掛けているらしかった。

 

桂「チッ。留守か。事は一刻を争うというのに・・・」

 

そう呟いた桂の前で不在で誰もいないと思っていた万事屋の扉が開いた。

 

桂「!」

 

定春である。定春が器用にもその犬の手で扉を開けたらしい。

 

一瞬、沈黙したものの、桂は生真面目にも定春にちゃんとした口調で話しかけた。

 

桂「・・・すっ、すみません・・・。銀時くん、もしくは穂乃果さん、いますか?」

定春「・・・・・・」

桂「・・・あの・・・じゃあ、茶菓子だけでも置いていくんで、どうぞ食べてく・・・

 

頭を定春に飲み込まれた。

 

 

 

 

一方その頃。

 

桂が尋ねた銀時と穂乃果は、依頼が入ったので依頼人の家で話を聞いていた。

 

もちろん、万事屋としての依頼なので新八も神楽もいるのは当然なのだが、何故か海未と空、ことりもいた。

 

因みに、穂乃果と神楽、空とことりは庭に出て池を眺めていた。

 

ことり「久しぶりすぎて存在が忘れられるかと思ったよ〜」

穂乃果「最後に出たのって、番外編だしね」

神楽「しかも人数が人数だから、存在が薄れてても何らおかしくないアル」

空「話数としてはそれほどって感じだけど、日付にしたらとんでもないもんね」

ことり「出れてよかった〜」

 

ほのぼのとした四人はとりあえずほっといて話を聞くことにする。

 

「いや、二日三日家を空けることはあったんだがね。一週間ともなると・・・。連絡は一切ないし、友達に聞いても誰も知らないときた」

 

新八の隣では銀時が出されたお茶を虚ろな目で飲もうとしたが、かなりボーとしてるのか、口に入らずに零れ落ちている。

 

新八「ああっ!しっかりしてくださいよ。だからあんま飲むなっていったんスよ」

海未「銀さん、だらしないですよ」

「親の私が言うのもなんだが、キレイな娘だからなにかよからぬことに巻き込まれているのではないかと・・・」

 

そう言って見せてくれた写真に写っている、曰く()()()()()はハム子だった。

 

銀時「そーっスねェ。なんか・・・こう巨大な・・・ハムを作る機械とかに巻き込まれている可能性がありますね

海未「銀さん」

「いや、そーゆうんじゃなくて、なんか事件とかに巻き込まれてんじゃないかと・・・」

銀時「事件?あー、ハム事件とか?」

海未「銀さん!」

新八「オイ、大概にしろよ。せっかく来た仕事パーにするつもりか」

 

なんだか色々投げやりになっているみたいだ。

 

新八「でも、ホントコレ、僕らでいいんですかね?」

海未「こういうのって、普通は警察に連絡するものじゃないですか」

「そんな大事にはできん。我が家は幕府開府以来、徳川家に仕えてきた由緒正しい家柄。娘が夜な夜な遊び歩いているなど知れたら、一族の恥だ。なんとか内密のうちに連れ帰って欲しい」

 

 

 

 

と、言うわけで?

 

「あー?知らねーよ、こんな女」

空「この店によく遊びに来てたって言ってたよ?」

「んな事言われてもよォ、嬢ちゃん達。地球人の顔なんて見分けつかねーんだよ・・・。名前とかは?」

空「え、な、名前?えっと・・・」

神楽「えーと、ハ・・・ハム子・・・」

「ウソつくんじゃねェ!明らかに、今つけたろ!!そんな投げやりな名前つける親がいるか!!」

ことり「忘れたけどそんな感じだったよねぇ?」

「オイぃぃぃぃ!!ホントに探す気あんのかァ!?」

 

穂乃果と新八と海未は、それを少し離れたところから眺めていた。

銀時はというと、その横で二日酔いと戦っていた。

 

新八「銀さん・・・神楽ちゃんと空ちゃんとことりさんに任せてたら、永遠に仕事終わりませんよ」

銀時「あー、もういいんだよ。どーせ、どっかの男の家にでも転がり込んでんだろ、あのバカ娘・・・アホらしくてやってられるかよ。ハム買って帰りゃ、あのオッさんも誤魔化せるだろ

穂乃果「じゃあ、ハム買って帰ろうか」

新八「誤魔化せるわけねーだろ!」

海未「アナタ達、どれだけハムで引っ張るつもりですかっ!?」

 

そう言う二人に取り合わず、銀時は徐に腰を上げる。

 

銀時「ワリーけど二日酔いで調子ワリーんだよ。適当にやっといて新ちゃん、海未ちゃん」

新八「ちょっ、銀さん!!」

穂乃果「あれ?私は?ねぇ、銀ちゃん!私はっ!?何で海未ちゃんにもよろしく言ったのに私には何も無いのっ!?」

 

銀時の言葉に不服だったらしい穂乃果は、そのまま銀時を追いかけて行った。

 

銀時を見送った新八はその場に立ってたのが悪かったのか、肩が人にぶつかった。

 

新八「あ、スンマセン」

 

そこに立っていたのは、眼鏡をかけた見た感じお硬そうな印象を受ける男だった。

 

「・・・小僧、どこに目ェつけて歩いてんだ」

 

そう言ってその男は新八へと手を伸ばした。

それに新八は思わずビクついて、海未はいつでも動けるように身構えた。

 

しかし、その男が手を伸ばしたものは新八ではなく、新八の肩についているゴミだった。

 

「肩にゴミなんぞ乗せてよく恥ずかしげもなく歩けるな。少しは身だしなみに気を配りやがれ」

 

そう一言だけ残して言って、男は去っていった。

 

新八(なんだ、あの人・・・)

海未(・・・どっちみち、誰彼構わずかかってくる人じゃなくて良かった。あの人と戦うことになったら、わたしじゃ勝てるかどうか・・・)

神楽「新八〜、海未〜」

空「見て!」

 

そう言って三人が連れてきたのは、ハム男だった。

 

ことり「もう面倒だから、コレで誤魔化すことにしちゃった☆」

新八「どいつもこいつも仕事をなんだと思ってんだ、チクショー!しちゃった☆じゃねーよ!!」

海未「大体これで誤魔化せるわけないじゃないですか。ハム子じゃなくて、ハム男ですよ!」

神楽「チッ、ハムなんてどれ食っても同じじゃねーか、クソが」

新八「何?反抗期!?」

 

するといきなりハム男が倒れた。

 

新八「!」

神楽・ことり・空「ハム男ォォォォ!!」

新八「オイぃぃ!駄キャラが無駄に行数使ってんじゃねーよ!!」

神楽「ハム男、あんなに飲むからヨ」

 

そう言って神楽がハム男の顔を表にした時、新八と海未とことりは気づいた。

 

新八「!」

海未(この人、酔っ払いじゃない・・・?)

ことり(もしかして、この人・・・麻薬に手を出してるとか?)

「あー、もういいからいいから。あと俺やるから、お客さんはあっちいってて。・・・ったく、しょーがねーな。どいつもこいつもシャブシャブシャブシャブ」

新八「シャブシャブ?」

ことり「シャブってことは、やっぱり・・・」

海未「あの、それって・・・」

神楽「ハイレグアルカ?」

「この辺でなぁ、最近新種の薬が出回ってんの。なんか相当ヤバいヤツらしいから、お客さんたちも気をつけなよ」

 

 

 

 

一方その頃の穂乃果は。

 

穂乃果「もう、銀ちゃんったら」

 

男子トイレの前で待つ勇気は流石になかったので、男子トイレが見える位置の壁に寄りかかっていた。

 

穂乃果「・・・ん?」

 

心の中で銀時への不満を募らせていた穂乃果は、男子トイレに女の人が入っていたのを見た。・・・というかアレは、依頼で頼まれていた依頼人の娘だ。

 

穂乃果「・・・何であの人が男子トイレに?」

 

依頼人の娘が男子トイレに入ったからと言って、歳頃の穂乃果が入っていけるわけじゃない。流石の天然穂乃果も、そんなに図太い神経はしていないのだ。

 

しかし少ししてからぞろぞろとガラの悪い男達が男子トイレに入っていくのを見て、これは只事じゃないと感じた穂乃果は、木刀を片手に覚悟を決め、大きい音を合図に男子トイレへと突入した。

 

銀時「穂乃果っ!?つか、お前・・・ここ、男子トイレだろ!」

穂乃果「今はそんなこと気にしてる場合じゃないでしょっ!?」

銀時「っ!ああ、まぁ、確かに・・・そうだな」

 

穂乃果が入ったトイレの中には天人の男が複数居て、意識を飛ばして気絶をしているハム子がいた。

丁度、天人達を挟んだ穂乃果の向かい側で、銀時も穂乃果同様木刀を構えていた。

 

「なんじゃお前ら」

 

 

 

 

新八「銀さんと穂乃果さん、遅いですね」

ことり「そうだねぇ」

海未「・・・どうも嫌な感じがしてなりませんよね、このお店・・・早く出た方が賢明でしょう」

神楽「私、探してくるヨ」

空「じゃあ、私も!」

 

そう言って立ち上がる神楽と空に、銃が零距離から向けられた。

 

神楽「!」

空「ひぇ!」

 

複数の天人だ。

 

それに対して神楽は表情は動かさなかったが、空は年相応に震え上がった。

大切な妹に銃を向けられた海未は、目で人を殺せるのではないかというくらいの眼光の鋭さで、その天人達を睨んでいた。

 

「てめーらか、コソコソ嗅ぎ回ってる奴らってのは」

新八「なっ・・・なんだアンタら」

「とぼけてんじゃねーよ。最近ずーっと俺たちのこと嗅ぎ回ってたじゃねーか、ん?」

ことり「最近・・・?」

海未(わたし達がここで聞きみを始めたのは、今日のハズなのに・・・、誰かと勘違いをしている?)

 

 

 

 

ハム子「ちょうだい、アレを早く・・・」

 

用済みとボコられても何かを求める様子のハム子を見て、銀時と穂乃果は言った。

 

銀時「ハム子ォ、悪かったなァ、オイ」

穂乃果「確かに男には引っかかってたみたいだけど、それでも・・・あなた」

銀時「エライのに引っかかってたみてーだな」

 

穂乃果は銀時のその言葉の終わりに、木刀の構えはとかず、辺りをサッと見回した。

 

この数程度と戦力なら行けると踏んで、少しだけ屈む。

穂乃果は銀時の近くに行くために壁を蹴り、たまに相手の頭を踏み台にした。そのスピードは目を見張るものだ。

 

少し瞬きしただけでいつの間にか銀時の隣に居た穂乃果の速さに周りがザワつく。

 

敵側の相手の奴らと違って、銀時は驚かない。現時点で穂乃果の実力を明確に一番知っているのは彼だからだ。

 

銀時は知っていた。男の中でただ一人、所謂(いわゆる)紅一点状態で女一人だった穂乃果は、少しでも遅れを取らないように日々剣術を磨いていた事を。

銀時は知っていた。穂乃果のスピードは中々のもので、彼女の速さについていける奴はそうそう居ない事を。

 

銀時はただひたすら心配をするだけなのは、とうの昔に止めた。勿論、今でも心配は凄くする。物凄く。けれど、心配だけするのはもう止めたのだ。とうの昔に覚悟は出来ていた。穂乃果を誰よりも一番に信頼する覚悟を。

 

だから穂乃果が隣にいる時は、銀時はただ前だけを見据える事にしていた。

 

「・・・陀絡(だらく)さん、なんか妙なのが混ざっちまいましたけど・・・どーします?ちょっと、聞いてますか?」

 

陀絡と呼ばれた男は、その言葉に答えることなく、血で汚れた袖を水で洗うのに夢中だった。

 

陀絡「チクショ、とれねェ。どーしてくれんだ。おろしたてだぞ、この服。汚ぇなァ。ベットリ付いてとれねェよ!!」

「陀絡さんってば、聞いてます?」

 

そう懲りもせすに聞き返す天人の男を陀絡は思いっきり蹴った。

 

陀絡「身だしなみ整えてる時は声かけんじゃねぇー!!」

 

そう怒鳴り散らしてから、その歩を銀時と穂乃果に向ける。

 

陀絡「なんか困ったことがあったら、とりあえず殺っときゃいいんだよ。パパッと殺って帰るぞ。夕方から見てェドラマの再放送があんだ」

銀時・穂乃果「(俺達もだ・私達もだよ)」

 

そう言い二人は木刀を斜め下に構える。

 

陀絡「俺は、元来そんなに人嫌いの激しいタチじゃねェ。だが、これだけは許せんと言うのが三つあってな。・・・一つ目は、仕事の邪魔をする奴。二つ目は、便所に入っても手を洗わん奴。三つ目は、汚らしい天然パーマの奴だ」

 

そう言い切り、一呼吸置いた。

 

陀絡「・・・全部該当してんじゃねェかァァァァァ!!女も一つ該当してやがる!」

 

そう言い己の剣で突きを繰り出してくる陀絡の攻撃を、銀時はジャンプで、穂乃果は横に避ける形で躱した。

 

銀時「そいつァ光栄だ。ついでに俺の嫌いな奴三つも教えてやろーか?」

穂乃果「あ、じゃあついでに私も!」

 

そう言いながら、銀時は後ろにあった壁を蹴り、陀絡の後ろに着地した。そのまま敵を見据える。

穂乃果は、持ち前の速さで相手が気づいた時にはその懐に入り込んでいた。

 

銀時・穂乃果「ひとーつ」

銀時「学園祭準備にはしゃぐ女子!」

穂乃果「私にとって大切な人や、無関係な人を傷つける人達!」

 

言いながらも、それぞれ前の相手を落としていく。

 

銀時・穂乃果「ふたーつ」

銀時「それに便乗して、無理にテンションを上げる愚の骨頂、男子!」

穂乃果「人の気持ちを顧みない発言!」

銀時・穂乃果「みーっつ」

 

最後に銀時は首を思いっきり締めにかかり、穂乃果は足をかけて転ばせて、体重を全部乗せ、勢いをつけて相手の背中に肘を向けてダイブした。流石に体重が男よりも軽い女だとは言え、体重を乗せた攻撃は痛いだろう。

 

銀時「それら全てを包容し、優しく微笑む教師」

穂乃果「仲間を大事にしない人達」

陀絡「てめェ、要するに学園祭が嫌いなだけじゃねーか。女に関しては何だそれ?偽善者か」

 

陀絡の言葉に対して穂乃果は、キョトンとした表情をしてから、実際の年齢よりも幼く見える表情をするいつもの穂乃果からは想像がつかないような少しだけ大人びた笑顔を向けた。

 

穂乃果「偽善者?・・・そうかもね、否定はしないし、出来ないよ。でもね、大事なのは貴方がどう思ってるかじゃなくて、私がどう思ってるか。貴方が偽善者と言うのなら、貴方にとって私の言葉は偽善そのものなんだろうね。でも、私にとってそれは偽善じゃなくて、私が許すことの出来ない、譲れないモノなんだよ」

 

そんな穂乃果の言葉にか、それともその穂乃果の表情に目を合わせられなくなったのか、陀絡はふん、と鼻を鳴らして銀時に目線をやった。

 

陀絡「・・・。男、お前はよほど暗い青春をおくったな・・・」

銀時「てめーほどじゃねェよ。いい歳こいて便所でスーパッパか?」

 

その横で呻いたハム子とその様子をしゃがんで見ていた穂乃果をチラッと見、銀時は言葉を続けた。

 

銀時「最もテメーらが好きなのは、シャレにならねェハッパみてーだがなァ。天人が来てから世の中アブねーもんも増えたからよォ」

穂乃果「困るよ〜。若者を誑かしてもらっちゃ」

 

そう言ってハム子を支える銀時と穂乃果に、陀絡も言葉を返す。

 

陀絡「誑かす?勝手に飛びついてきたのは、その豚だぞ。望む通りのモン、用意してやったのにギャーギャー騒がれてこっちも迷惑してんだ」

銀時「そーかい。バカ娘が迷惑かけて、悪かったな。連れ帰って説教すらァ」

 

そう言い捨ててから、トイレのドアを押して出ようとした銀時と穂乃果はその目の前の光景に目を見開いた。

トイレの出口を囲まれていたのだ。

 

銀時「オイオイ、皆で仲良く連れションですか。・・・便器足んねーよ」

「オラァ!面倒かけんじゃねぇ!」

 

突然聞こえてきた声の方を見た銀時と穂乃果の視線の先は、荷物のように脇に抱えられている神楽と空、両サイドから腕を引っ張られて連行されている新八と海未とことりだった。

 

銀時「新八!神楽!海未!空!ことり!」

穂乃果「みんな!・・・何でっ!?」

銀時「オイ!どーしたんだ!?」

 

連行されている様子の五人の元に向かおうとする銀時と穂乃果だが、二人の前にいるヤツらが壁となって行くことが出来ない。

 

銀時「てめーらァァ!!何しやがった!」

穂乃果「みんなを離して!」

陀絡「お前ら、目障りだよ」

銀時・穂乃果「!」

 

その言葉が聞こえてきた瞬間、横から突きの攻撃が二人を交互に襲った。何とか三度程避けれただろうか。しかし、背中が窓のある壁についてしまった。新八達のことで動揺していたのもあるし、二人はそれぞれハム子を支えるために肩を貸している。故に銀時は最後の突き攻撃を避けることが叶わず、肩にくらいハム子と共に窓を破って下の方に落ちた。

 

穂乃果「銀ちゃん!」

 

そう叫び、後ろを向く──つまり、背中を相手に向けるという──ことをしたのがいけなかった。普段はそんな愚かなことはしない穂乃果ではあるが、やはり動揺していたのだ。そんな隙を陀絡が見逃すはずもなく、銀時同様の突き攻撃を穂乃果はお腹にくらい、窓から落ちた。

 

陀絡「チッ。また汚れちまった。ダメだこりゃ、新しいの買おう」

 

 

 

 

穂乃果は歩いていた。どこかも分からない、死体の山が広がっている道を人一人踏ん張って背負いながらも歩いていた。

 

穂乃果「頑張ってね。絶対死なせたりしないから。絶対に助けるから」

 

穂乃果が踏ん張りながらも背負っている相手に向かって声をかけた時、横たわっている骸から声が聞こえた。

 

「捨てちまえよ、そんなもん。どーせそいつは助からねぇ。てめぇーにゃ、誰かを護ることなんざできっこねーんだ。今までだって大切なもん護りきれたことあったか?ねぇだろ。今まで白夜叉達の力を借りずにやって来れたと思ってるのか?イヤ?そんなことは無いよな。お前は白夜叉やかつての仲間達がいないとなんにも出来ねぇもんなぁ?オマケにお前らのやってきたことで残せたものなんざ、死体の山しかねぇだろ。お前は白夜叉達がいなかったから自分の家族を護れなかった。違うか?」

穂乃果「・・・私の昔のことなんて、銀ちゃん達には関係の無いことだよ」

 

いつの間にか背負っていた相手はいなくなっていた。

 

「ああ、確かにそうだな、その通りだ。だがそれでも言えることはあるさ」

穂乃果「言えること?」

「お前は無力だ、お前に護れるものなんてないさ。・・・お前はこれから先も、白夜叉の足枷であり続けるだろう」

穂乃果「──っ!!」

 

 

 

 

最後の一言が聞こえた瞬間、穂乃果は目を見開いて()()()()から飛び起きた。

 

穂乃果「あ、え・・・?」

 

そう、《布団の上》だ。

つまり、さっきの光景は──。

 

穂乃果「夢・・・」

 

夢見が悪いせいで若干顔色の悪い穂乃果は、それでも辺りを見回してここが何処か確認を始めた。

 

穂乃果「・・・?」

 

見たところ、和室であるらしいが来たところのない場所だ。

ますます分からず、首を傾げた穂乃果は、暫くしてここに来る前に何があったのか思い出して、立ち上がろうとしたが、お腹に走る激痛にそのまま布団の上で後ろに倒れて突っ伏してしまった。

 

暫くこの体勢で痛みをやり過ごそうとした穂乃果だったが、その直ぐ後に襖の開く音が聞こえ、そちらに顔を向けた。

 

穂乃果「あれ、銀ちゃん!それにこー君も」

銀時「何、どうかしたのか?」

穂乃果「痛くて」

桂「思いっきり刃が刺さったみたいだから無理もなかろう」

 

桂の言葉に、あ〜それは痛いねと妙な納得をしつつゆっくりとした動作で起き上がる穂乃果。

 

銀時「ところで、魘されてたんだって?」

穂乃果「・・・あ〜、うん。夢見が悪くて」

銀時「奇遇だな、俺もだ」

穂乃果「あはは、ホントだねぇ」

 

こうして何も聞いてくれないというのも、今の穂乃果にとってはありがたい事である。

そんな有り難さを胸に、いつもならチャンスとばかりにさり気なく、銀時に寄りかかるところだが、向こうも怪我人だ。ここは堪えることにする。

 

穂乃果「あ、そう言えば、えっと・・・は、ハム子さんは?」

桂「ハム子?・・・それがお前らの助けた女を指すなら、お前らよりも重傷だ。お前らが庇ったおかげで外傷はそうでもないが、身体中が薬に蝕まれている。処置が早かったのは不幸中の幸いだが、果たして回復するかどうか」

銀時「あのクソガキめ」

桂「というか、貴様らはなんであんな所にいたんだ?」

銀時「というか、なんでお前に助けられてんだ?俺らは」

穂乃果「というか、ここ何処なの?」

銀時「というか、この前のこと謝れコノヤロー!」

桂「というか、お前らはコレを知っているか?」

銀時・穂乃果「?」

 

そう言いながら、桂は銀時と穂乃果に透明な袋に入った白い粉状のモノを見せる。

 

桂「最近、巷で出回っている”転生郷”と呼ばれる非合法薬物だ」

穂乃果「てんせいきょう?」

桂「辺境の星にだけ咲く特殊な植物から作られ、嗅ぐだけで強い快楽を得られるが、依存性の強さも他の比ではない。流行に敏感な若者達の間で出回っていたが、皆、例外なく悲惨な末路を辿っている。天人がもたらしたこの悪魔を根絶やしにすべく、我々攘夷党も情報を集めていたんだ。そこに、お前らが降ってきたらしい。俺の仲間が見つけなかったらどうなっていたことか」

穂乃果「そっかぁ。じゃあ、お礼を代わりに伝えといてくれる?ありがとうって」

 

穂乃果の言葉に頷いて返しつつ、一呼吸置いて桂は訪ねた。

 

桂「・・・というか、お前らはなんであんな所にいたんだ?」

銀時・穂乃果「というか、アイツらは一体なんな(んだ・の)?」

桂「宇宙海賊”春雨”。銀河系で最大の規模を誇る犯罪シンジケートだ!奴らの主だった収入源は非合法薬物の売買による利益。その触手が末端とは言え、地球にも及んでいるというわけだ。天人に(おか)された幕府の警察機構など、アテにできん。我らの手でどうにかしようと思っていたのだが、貴様らがそれほど追い詰められる位だ・・・余程強敵らしい。時期尚早かもしれんな」

 

その長々と話している桂を気に止めず、銀時と穂乃果は立ち上がり、窓側に向かう。

 

桂「オイ、聞いているのか?」

銀時「仲間が拉致られた。ほっとくわけにはいかねェ」

穂乃果「助けないとね」

桂「その身体で勝てる相手と?」

 

銀時はその問いに答えることなく、徐に呟くように言った。

 

銀時「”人の一生は、重き荷を負うて遠き道を()くが如し”。昔なァ、徳川田信秀というオッさんが言った言葉でな」

穂乃果「あれっ?そんな名前だっけ!?」

桂「誰だ、そのミックス大名!家康公だ、家康公!」

 

そんなツッコミを気に止めず、話を銀時は進める。

 

銀時「最初に聞いた時は何を辛気くせーことをなんて思ったが、なかなかどーして、年寄りの言うこたァバカにできねーな・・・。荷物ってんじゃねーが、誰でも両手に大事に何か抱えてるもんだ。だが、かついでる時にゃ気づきゃしねー。その重さに気づくのは全部、手元からすべり落ちた時だ。もうこんなもん持たねェと何度思ったかしれねェ。なのに・・・」

穂乃果「”またいつの間にか背負い込んでいる”」

 

銀時の言葉の続く言葉を穂乃果が続ける。その言葉に銀時は穂乃果の方に顔を向けた。

 

穂乃果「私もそうだもん。分かるよ」

銀時「・・・そっか、そうだな」

穂乃果「いっそのこと、捨てちゃえば、或いはそもそも背負わなきゃ楽になれるのかもしれない。何度もそう思ったけど、どうしてもそーゆー気にはなれっこないから」

銀時「そうだな。荷物(あいつら)がいねーと、歩いててもあんま、面白くなくなっちまったからな」

 

そんな銀時と穂乃果の言葉を聞いた桂は、一呼吸置いて銀時と穂乃果に応えた。

 

桂「仕方あるまい。お前らには池田屋での借りがあるからな」

穂乃果「へ?」

桂「ゆくぞ

銀時「あ?」

桂「片腕では荷物など持てまいよ。今から俺がお前の片腕だ、銀時」

 

 

 

 

海未(・・・ここは、どこでしょうか。私は今どうしてるの?・・・そうだ、空は、空は無事なんでしょうか。あの子が無事じゃなかったら、わたしは・・・)

 

意識が朦朧としている最中の海未の近くに、空は勿論、新八と神楽とことりも転がっていた。そこに近寄ってくる人影が二人。陀絡とカエルである。

 

「こ奴らが、ぬし達の周りをかぎ回っていた連中かケロ?」

陀絡「ええ。最近、少々小うるさくなってきたんで、網張ってたら簡単にかかりましてね。大方、天人嫌いの攘夷派の連中でしょう」

「ケロゲーロ」

陀絡「あと二人、妙な侍がいましたが、そっちの方は騒いだ客と一緒に始末しましたよ」

「あまり派手に動くなと言ったケロ。こちらも幕府の連中をおさえこみ、見て見ぬフリをするのにも限界があるケロ」

陀絡「ええ、分かってますよ。自由に商売できるのも、旦那のおかげですからね」

「して、こやつらの始末はどうつけるケロ?」

陀絡「拠点を聞き出して、潰しますよ。これ以上、仕事の邪魔はされたくないのでね」

「首謀者は、恐らくあの桂とかいう男ケロ。奴らは我ら幕府にも牙を剥く狂犬ゆえ、侮るなケロ」

 

そうカエルが言い終わった時、陀絡にかける声が一つ。

 

「陀絡さん、ちょっと」

陀絡「?」

「表に妙な奴らが来ていまして」

陀絡「妙な奴ら?適当に処理しておけ。俺は今忙しいんだ」

 

 

 

 

一方その頃、船の表にいる()()()()と言えば?

 

「だーかーらー、ウチはそういうの要らねぇんだって」

 

そういう見張りの前には、海賊が着こなしていそうなジャケットを着る二人の男と一人の女がいた。

男のウチ、一人は顔の真ん中に斜めの傷がある、ビシッとセットした銀髪の男で、もう一人は右頬に斜めの傷があり、左眼に眼帯をつけている黒髪の長髪の男、そして女の方は、茶色がかったオレンジ色の髪を後ろの高い位置で纏めた、首筋に髑髏のタトゥーがある出で立ちだ。

 

銀時「つれねぇーな。俺達も海賊になりてぇんだよ。連れてってくれよ、なぁヅラ」

桂「ヅラじゃない。キャプテンカツーラだ」

穂乃果「私達、幼い頃から海賊になることを夢見ていたわんぱく坊主とわんぱく少女でね?失われた秘宝、ワンパークというのを探しているんだよ。ねぇ、ヅラ君?」

桂「ヅラじゃない。キャプテンカツーラだ」

「知らねぇよ。勝手に探せ」

銀時「んなこと言うなよ。俺、手がフックなんだよ。もう海賊かハンガーになるしかねぇんだ」

 

そう言って見せた手は、まさに海賊にあるような手のハンガーだった。

 

「知らねぇよ。何にでもなれるさ、お前なら」

穂乃果「私なんて、見てよ!ほら、手がアサルトライフルなんだよ。これじゃあ海賊としてぶっぱなすか、誰かの銃になるしかないよ!」

「知らねぇよ!?つかなんで銃!?どうしてそうなった!日々そんなモン背負ってるお前なら、なんでも出来るよ!」

 

そう言って見張りは、息切れしながら疲れたように溜め息をついて、後ろを向いて背中を向けた。

 

「とにかく帰れ、ウチはそんな甘いところじゃね────」

 

そう言ってその場を去ろうとした門番に対し、とてつもない速さで、桂と銀時は首に剣と木刀を当て、穂乃果は背中にアサルトライフルを突きつけた。

 

銀時「面接くらい受けさせてくれよ」

穂乃果「それくらいは良いよね?」

桂「ほーら、履歴書もあるぞ」

 

 

 

 

その頃、船の甲板で新八と海未とことりは囲まれていた。

 

薬のせいか、ボーとしている三人に向けて、その中の象の天人がバケツに入れた水をぶっかける。

 

「おーい?起きたか、坊主に嬢ちゃん達」

「おねむの時間はおしまいだよ!」

海未「っ・・・!」

「全く、こんなに若いのに海賊に捕まっちゃうなんて可哀想にね」

新八「あ、そうなんだ・・・。僕、海賊に捕まったんだ」

 

水がかけられても、薬の効力が大きいのか、少しボーとしている新八と海未とことりだが、頭上の方で聞こえた布の音に、ハッと上をみあげる。

 

その先には、陀絡が持つ剣の先っこにぶら下がっている状態の神楽と、一人の見知らぬ女に首袖を掴まれている空がいた。その下は海で、落ちたら手の自由が利かない二人が溺れることは簡単にわかった。

 

新八「神楽ちゃん!空ちゃん!」

海未「空!」

ことり「神楽ちゃん・・・っ!」

 

そんな三人の声を無視して、陀絡は言葉を発した。

 

陀絡「おじさんはねぇ、不潔なやつと仕事の邪魔をするやつが大っ嫌いなんだ。もうここらで邪魔なやつを一掃したい。お前らの巣を教えろ。意地を張るってんなり、コイツら死ぬぞ」

海未「あなたっ・・・!やはり、わたし達を誰かと勘違いしているのですね」

新八「何の話だよ!」

陀絡「惚けんな。てめぇらが攘夷志士だってのは分かってる」

 

その陀絡の言葉に、新八が何か言葉を返す前に、天人の仲間が新八の髪の毛を掴んで揺さぶる。

 

「てめぇらのアジトを教えろって言ってんだよ!桂の野郎はどこにいるんだ!・・・っ!?」

 

新八に対して乱暴なことをする天人に海未とことりが許しておけるはずもなく、新八を掴んでいる手を二人で蹴りあげた。

 

新八「何言ってんだよ、お前ら!僕らは攘夷志士なんかじゃないし、桂さんの場所も知らない!」

海未「なんでそんな勝手な勘違いをっ・・・!」

新八「神楽ちゃんと空ちゃんを離せ!!ここは侍の国だぞ!!お前らなんて出てけ!!!」

陀絡「侍だァ?そんなもん、もうこの国じゃいねぇ・・・」

 

意識が新八達の方に向いた瞬間、神楽は後ろに顔を向けてニカ、と笑った。そして陀絡に蹴りを入れる。

 

神楽「ほァちゃアアア!!」

 

その反動で、神楽は両手を使えない状態で海へと真っ逆さまになった。

 

新八「神楽ちゃん!」

空「神楽ちゃん!もー!はーなーしーてー!」

 

海に向かって落ちていく神楽を見て、隣にいた空まで暴れるも、ずっと何も言わず無表情でいた女は、案外力が強いのか、ビクともしない。

 

神楽「足でまといになるのは御免ヨ。バイバイ」

 

そんな神楽に向かって、一人の男が走って行く。

銀時だ。

 

銀時「待てェェェ!!待て待て待て待て待てぇ!!」

 

銀時は手に装備しているフックに付けている縄で自信を支えながら神楽のところに到達し、神楽を片腕でキャッチした。それと同時に、上から空も降ってくるのが見えた銀時は、神楽に気張れよ、と声をかけてからその上に空を乗せた。

 

いくら軽い空と言っても、これは辛い。いくら頑丈が取り柄な種族と言ってもこれは辛い。辛いであろう。

 

神楽の上に落ちた空が見た光景は、穂乃果が空を摘むように掴んでいた女に回し蹴りを喰らわせているところであった。

 

「・・・危ない。もしあの子が海に落ちたらとか考えなかったの?」

穂乃果「そんな危機的状況にさせた張本人に聞かれたくないんだけど。それに、下には銀ちゃんがいるからね。そんな心配はしてないし、考えもしなかったよ」

銀時「いでで・・・。傷口開いちゃったよ」

 

いきなりの展開についていけない様子の海未と新八とことりの視線の先に、そのやる気の感じられない死んだ魚のような目をして、覇気のない声色の男、坂田銀時がいた。

 

銀時「あのォ、面接会場はここですか?こんにちは、坂田銀時です。キャプテン志望してます。趣味は糖分摂取。特技は目ェ開けたまま寝れることです」

新八「銀さん!」

海未「穂乃果まで・・・!」

陀絡「てめぇら、生きてやがったのか」

 

その時、船の上で爆発音が響いた。

 

「陀絡さん!彩華さん!倉庫で爆発が!!」

「転生郷が!!」

穂乃果「あやか?」

 

穂乃果の反応すべきところはそこなのか、首を傾げながら呟いた。

 

彩華「それ、私よ。須藤(すどう)彩華(あやか)。決して宜しくはしたくないけれど、記憶の片隅にでも留めといてちょうだい」

穂乃果「・・・貴女の近くにいる人、陀絡って名前なのに、貴女は案外普通の名前だね」

彩華「よく言われるわ」

穂乃果「そうなんだ・・・」

 

淡々とした口調と、ピクリとも変わらない表情に、穂乃果は困り果てた。今までに出会ったことの無いタイプだと。

 

桂「俺の用は終わったぞ」

陀絡「!」

桂「あとはお前らの番だ、銀時、穂乃果。好きに暴れるがいい。邪魔する奴は俺が除こう」

陀絡「てめェは・・・桂!!」

桂「違〜〜〜〜う!!俺はキャプテンカツーラだァァァ!!」

 

そう言って桂はその両手に持っていた爆弾を投げた。

 

「桂だァ!やれェェェ!!桂のクビをとれェェ!!」

 

桂が下っ端と繰り広げ、銀時が陀絡と対峙している一方、穂乃果はそのまま、彩華という無表情で何を考えてるか分からない女と対峙をしていた。

 

彩華「・・・それでは聞こうかしら」

穂乃果「聞く?」

彩華「ええ。貴女が見ての通り、私は陀絡と同じ出身の天人よ。けれど、必ずしも天人と地球人が対立しなければいけないということは無いでしょう?」

穂乃果「・・・そうだね、その通りだよ」

彩華「そこで貴女に聞くわ。貴女は・・・私の敵?」

穂乃果「・・・なんで、それをわざわざ聞くのか分からないけど、でも・・・うん。貴女が私にとって大切な人たちを傷つけようとするなら、私は貴女を絶対に止める」

 

その穂乃果の言葉を聞いて、彩華はその雰囲気をがらりと変えた。

ふんわりおっとりした感じの雰囲気はなりを潜め、無表情はそのままながらも、全身から滲み出た鋭い殺気が穂乃果を突き刺した。

 

その様子に穂乃果は、腰へ差していた木刀を出し、構えた。彩華も武器を手に持ち、構える。その武器は──細剣(レイピア)だ。

 

穂乃果「れいぴあ・・・銀魂にそんな武器登場しないよ!?」

彩華「あら、それでも江戸時代にはあったのよ、細剣(レイピア)

穂乃果「そ、そうなの?」

彩華「とは言っても、国内には水口レイピアって言う細剣(レイピア)しかなかったみたいだけど」

 

みなくち、と拙く言葉を紡いだ穂乃果は、首を傾げて彩華の手に持つその武器を指差した。

 

穂乃果「じゃあ、それがその水口レイピアなの?」

彩華「いいえ、これは・・・ラン〇ント〇イトよ」

穂乃果「いやそれ、違うアニメの武器だよね!?」

彩華「そうね・・・。しいって言えば、S〇〇のヒロインの武器かしら」

穂乃果「言っちゃったよ!分かる人には分かっちゃうやつを!」

 

シリアスな戦闘を繰り広げるかと思っていた穂乃果は、恐れ戦いた。最初から最後まで基本的には銀魂と違い真面目な世界観のアニメをネタに使って、怒られないだろうかとか、そもそもシリアスな戦闘の回だと思って読んでいた読者が呆れ果てるどころか、離れていくんじゃないのだろうか、と。

 

彩華「まぁ確かにネタではあるけれど、それでも威力は絶大なのよ」

 

その言葉と同時に出された突きは、確かに威力があるらしく、確かに避けたハズの攻撃で頬に切り傷を作った。

 

彩華「私はアス〇(オリジナル)よりも早くて、重い攻撃だという自信があるわ」

穂乃果「その発言アウトォォォォ!!」

 

その叫びと同時に、穂乃果は木刀で横払いを繰り出した。

 

彩華「っ」

 

穂乃果の横払いをレイピアで上手く受け流した彩華は、距離をとって、穂乃果に剣先を向ける。

 

彩華「まぁ巫山戯るのはこれくらいにしないとね。そろそろ私達もしましょう?シリアスと言うやつを」

穂乃果「・・・最初からしたかったなぁ、シリアス」

 

穂乃果の言葉から一泊置いて、二人は一気に相手に向けて走り出し、お互いの攻撃を繰り出した。

 

お互いがすれ違い、数秒して、彩華が穂乃果に一言告げた。

 

彩華「・・・あら、貴女、中々やるのね」

穂乃果「そう?・・・まぁ、貴女もだと思うけど。かすり傷しか残せなかったみたいだし?」

彩華「そうね。まぁ、まだやってもいいのだけれど、でも向こうは決着が着いたみたいだし、ここまでにしておくわ」

 

彩華の視線の先に穂乃果が目を向ければ、銀時が立ち、陀絡が倒れていた。

 

彩華「・・・私は特に無駄な争いは好きじゃないの。けれど、強い子は好きよ」

 

今まで無表情だったのが、嘘だったかのように、軽く微笑む彩華を見て、逆に無表情になった穂乃果は思った。

 

穂乃果(・・・要は、絵理ちゃんみたいに戦闘狂なんだな)

 

 

 

 

新八「アー、ダメっスね。ホント、フラフラして歩けない」

神楽「日ぃ、浴びすぎてクラクラするヨ。おんぶ!」

銀時「何甘えてんだ、腐れガキども誰が一番疲れてっかわかってんのか!二日酔いのうえに、身体中ボロボロでも頑張ったんだよ銀さん!」

穂乃果「あ、え、ぎ、銀ちゃん!私もおんぶで!」

銀時「穂乃果ちゃん!?」

新八「僕らだって頭がフラフラなんですからね」

 

そう言って頭を押さえる新八に、神楽も同意する。

 

神楽「そうアルヨ。ブラブラアルヨ!」

銀時「付き合ってらんねー。俺、先帰るからな」

 

そう言って本当に歩き出す銀時に、海未と海未に抱っこされた空とことりは黙って着いていくも、穂乃果と新八と神楽はその場で座り込んだまま動かない。

 

そんな三人に、元々気の長くない──寧ろ短いであろう──銀時がキレるのは早く、自ら墓穴を掘った。

 

銀時「いい加減にしろよ、コラァァァ!!上等だ、おんぶでも何でもしてやらぁ!!」

 

その言葉を聞いた瞬間に嬉しそうな声を出しながら走り寄ってくる穂乃果達を見て、呆れたような声を銀時は出した。

 

銀時「元気爆発じゃねーか、おめーら」

神楽「銀ちゃん、私ラーメン食べたくなってきたヨ」

新八「僕、寿司でいいですよ」

銀時「バカヤロー。誕生日以外にそんなもん食えると思うなよ!!」

穂乃果「ふふっ」

銀時「・・・ったくよ〜。重てーな、チクショッ」

 

海未達はそんな銀時達を見て微笑み、コンテナの上では桂が自身のしていた眼帯をくるくると回しながらその様子を見て、呟いた。

 

桂「フン。今度はせいぜい、しっかり掴んでおくことだな」

 

 

 

 

その後、依頼主の元に銀時達はハム子を連れて赴いた。

 

公子(きみこ)ォ!公子ォ!無事で何よりだァ!」

 

そう言って泣いて喜んでいる依頼主だが、その腕で抱きしめているのは、小麦色のハム子に似てなくもない子ブタである。

 

ハム子「おいコラジジイ。どこ見てんだよ」

銀時「分かるぞぉ、親父。人間誰にだって見たくないことくらいある」

新八「いや、見えてるからこうなってるんじゃ」




じゃあぶっちゃけ眠いので、サクサクとやっちゃおう!

穂乃果「本音がダダ漏れなの、いっそ清々しいくらいだし、案外嫌いじゃないよ、私」
銀時「奇遇だな。俺もだ」

じゃあ、とりあえずゲストは今回もパスで。

設定はこの方!







須藤彩華

綺麗な顔立ちの、巨乳童顔アラサー。常におっとりふんわりした雰囲気で、天然気質。侍の国だった江戸では珍しく、細剣使い。戦闘狂である。常に無表情。

歳━━━━30歳
容姿━━━綺麗な顔だけれど、童顔の為、実際よりも幼く見られる。巨乳。髪型はボブカットで、月をモチーフにしたピン留めで前髪を止めている。
性格━━━おっとりふんわりの天然。無駄な争いには好きじゃないどころか、興味が無い。
一人称━━私

多分、今後も出番はあるけれど、特に明確に決めている訳では無い。気まぐれで生まれた。







これでいいかなぁ。

穂乃果「久しぶりだからねぇ」
銀時「でもいいと思うぞ」

じゃあ、次は銀ちゃんの予告だね!








穂乃果「えっと・・・真選組が、カエルを守るお話です!」







銀時「・・・他に言いようはなかったのか?」

でも、大体伝わりそうじゃない?要点だけ言ってるような?

銀時「・・・まぁ、わかるやつにはわかるか」

ピンと来る人には来るよ。

穂乃果「えっと・・・また次回!気長にお待ちください!」


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第十六訓 男だけじゃなくて、女にだってカエルに触れて一人前みたいな訳の分からないルールがある

あわわわわっ・・・。

銀時「よし、弁解はあるか?」

弁解をっ!弁解をさせてくださいぃぃぃぃ!!!

穂乃果「いいよー」

やる気はあったし、一年の時点でほぼ出来ていると言っても過言ではなかったの!

穂乃果「でも一年と二ヶ月はすぎたよね」

ううっ!
でも!今回は2本立てだから!

銀時「アニメが2本立てだったもんな」

今週と来週を予約投稿します・・・。
許してとは言わないっっ!でも、でも、読んでる間だけでも待たされたことは忘れてくださいっ!
因みに、後書きは次回です。

銀時「まぁとりあえずやるか」
穂乃果「久々だね!」

まぁ、うん・・・そうだね。

銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!」


今回の舞台は、万事屋ではなく、銀時達曰くの税金ドロボーである真選組であった。

 

近藤「えー・・・、皆もう知ってると思うが、先日宇宙海賊”春雨”の一派と思われる船が沈没した。しかも聞いて驚けコノヤロー。なんと奴らを壊滅させたのは、たった三人の侍らしい」

 

そんな近藤の話に、周りから驚く声どころか、ザワザワと話声しか聞こえない。

そんな部下達に、近藤はため息をつき、その隣に座っていた絵里は呆れ果てていた。

 

近藤「あー・・・驚くどころか誰も聞いてねーな。・・・トシ!」

 

近藤の掛け声に、すぐ近くで座っていた土方は、これまたすぐ近くに何故か置いていたバズーカを躊躇いなく構え、それを撃った。

 

近藤「えー・・・、皆もう知ってると思うが、先日宇宙海賊”春雨”の一派と思われる船が沈没した。しかも聞いて驚けコノヤロー。なんと奴らを壊滅させたのは、たった三人の侍らしい」

 

仕切り直しというふうに再び同じことを繰り返し告げた近藤に、今度こそ前を向き、近藤の話を聞いていたボロボロの部下達が、反応を見せた。

 

え゙え゙え゙え゙え゙っ!!マジすかーっ!?

 

ただし、後ろに(棒)(カッコ棒カッコ閉じ)が着くタイプの、投げやりな反応ではあったが。

 

そんな奴らに土方は再びバズーカを構える。

 

土方「しらじらしい。もっとナチュラルにできねーのか」

近藤「トシ、もういい。話が進まん」

 

全くその通りである。

 

近藤「この三人のうち、一人は攘夷党の桂だと言う情報が入っている。まぁ、こんな芸当が出来るのは奴くらいしかいまい。春雨の連中は大量の違法薬物を江戸に持ち込み、売りさばいていた。攘夷党じゃなくても、連中を許せんのは分かる」

絵里「でも、問題はここからよ。違法薬物の密売に、幕府の官僚が一枚かんでいたってウワサがあるわ。違法薬物の売買を円滑に行えるように協力する代わりに、利益の一部を海賊から受け取っていたって言うものよ」

希「なるほどなぁ。それで、真偽のほどは定かじゃないにせよ、江戸に散らばる攘夷派浪士はウワサを聞きつけ、”奸賊討つべし”と暗殺を画策しているってわけやな」

 

真選組一同、集まっているにもかかわらず遅れてきた希は、話は把握したようでウンウンと頷きながら、絵里の隣に腰掛けた。

 

絵里「遅いわよ、希」

希「ごめんなぁ、えりち。ちょっと寝坊してもうて」

土方「ちょっとか?」

希「ちょっとやん」

近藤「んな事より知ってたのか、希」

希「外に色んな人いたし、色々と話してたから聞こえたんよ」

近藤「そうか。まぁ、そんなわけで、真選組(オレ達)の出番だ!」

 

 

 

 

そんな話があったすぐ後。真選組は、それぞれ警備に当たることになった。

 

土方「こんの野郎は・・・。寝てる時まで人をおちょくった顔しやがって」

 

そう呟く土方の視線の先には、開いた目が描かれているアイマスクをして寝ている沖田の姿があった。

 

土方は、何故か抜き身で持っていた刀の刀身を沖田に向ける。

 

土方「オイ、起きろコラ!警備中に惰眠を貪るたァ、どーゆー了見だぁ?」

 

その声で愛用しているらしいアイマスクを取りながら気だるそうに沖田が言った。

 

沖田「何だよ母ちゃん。今日は日曜だぜィ。たく、おっちょこちょいなんだから~」

 

沖田は、肩を揉みながらそう言った。

 

土方「今日は火曜だ!」

絵里「ツッコミどころはそこじゃないと思うわよ!?」

希「母ちゃんじゃないもんな」

土方「てめー、こうしてる間に攘夷浪士が乗り込んできたらどうするんだ!仕事ナメんなよ」

沖田「俺がいつ仕事ナメたってんです?俺がナメてるのは土方さんと矢澤、テメェだけだ!」

 

最後の言葉を見回り中に偶然通りかかったにこにそう高らかに言い放った沖田の言葉に対するにこの反応は相当早かった。

 

にこ「何?何の話!?よく分かんないけれど、アンタが私に対して物凄い理不尽な飛び火を飛ばしている事だけは分かったわ!」

土方「よーし、勝負だ。剣を抜けェェェェ!!」

 

にこと土方が同時に捲し立てた直後、沖田を含んだ3人に拳が降り注いだ。

 

近藤「仕事中に何遊んでんだァァァ!お前らは何か!?修学旅行気分か!?枕投げかコノヤロー!!」

にこ「何で私まで!?」

 

そう大きな声で捲し立てる近藤にも拳が降り注いだ。

 

「お前が一番うるさいケロ!ただでさえ気が立っているというのに!」

近藤「あ、スンマセン」

「・・・ったく、役立たずの猿ケロ」

 

そう捲し立てて背中を向け去っていくのを見届けてから、沖田は呟いた。

 

沖田「何だよありゃ。こっちは命懸けで身辺警護してやってるっていうのに」

土方「お前は寝てただろ」

にこ「まぁ沖田に同意するのは癪だけど、私もそう思うわ。幕府の高官だか何だか知らないけど、なーんであんなカエル如き、守らなきゃならないのよ」

沖田「俺も珍しくにこさんと同意見でさぁ。不本意なことに」

にこ「不本意なのはこっちよ!」

絵里「ちょっとにこ!」

 

睨み合う両者の間に挟まれるように縁側に座っている近藤はため息をついて窘めるように言った。

 

近藤「総悟、にこ、俺達は幕府に拾われた身だぞ。幕府がなければ今の俺達はない。恩に報い、忠義を尽くすは武士の本懐!真選組の剣は幕府を護るためにある!」

にこ「・・・そりゃあね。今の私達は幕府のおかげであるんだってことぐらいは分かってるわ。幕府があったから私達は出会って、真選組(この形)で共にいることが出来ることも」

沖田「けれど、もしかしたら海賊とつるんでたかもしれんヤツですぜ。どうも乗れねぇや、ねぇ土方さん」

土方「俺はいつもノリノリだよ」

 

そういう土方に対し、沖田は庭でラケットを振っている男を指し示した。

 

沖田「アレを見なせぇ。みんな、やる気無くしちまって、山崎なんかミントンやってますぜ、ミントン」

土方「山崎ィィィ!!てめっ何やってんだコノヤロー!!」

 

そう叫び物凄い形相で追いかけてくる土方にこちらも必死に全力で逃げる山崎。

 

にこ「相変わらずバカね、山崎は」

希「でも偵察では頼りになるやん、山崎さんは」

にこ「偵察だけね」

 

この毒舌、沖田さんのが移ったのかしらと思いつつ、そんな事はおくびにも出さない絵里は、苦笑いを零した。

 

近藤「総悟、にこ。あんまりごちゃごちゃ考えるのはやめとけ。目の前で命狙われてるヤツがいたら、いいヤツだろーが悪いヤツだろーが手ぇ差し伸べる。それが人間の在るべき姿ってもんだよ」

 

その言葉にむぅと顔を膨らませているにこに希は微笑みながらその膨らんだ頬をつつく。

 

希「それは分かるけど納得は出来ないって顔やな」

にこ「だって・・・」

絵里「そうねー。まぁ、気持ちは分かるわ」

 

ただひたすらに分かったか!と叫びながら山崎を殴る土方を誰も気に止めず、絵里がそう言った瞬間、近藤の視線の先にはあのカエルの天人が廊下を出歩く姿が見えた。

 

近藤「うん?あ・・・あっ!ちょっと!勝手に出歩かんで下さい!ちょっと!」

沖田「ハァ・・・底なしのお人好しだ、あの人は」

 

叫んでから廊下を出歩くカエルを追いかける近藤を見ながら沖田が呟く。

沖田の隣に出来た人一人分の空白の隣でにこは、後ろに向かって床に倒れ込んだ。

 

にこ「近藤さんがお人好しなのも今に始まったことじゃないし、別に構わないわ。けれど・・・護る為にも必要なことの区別をつけれないヤツを守ることになるなんて、サイアク・・・」

 

にこから小さく零れた舌打ちの後に続いた言葉に、絵里は苦笑いを零し、希は小さくそうやなぁ・・・と呟き、静かに立ち上がった。

 

 

 

 

近藤「ちょっと、禽夜(きんや)様!ダメだっつうの!」

禽夜「うるさい!もう引きこもり生活はうんざりだケロ」

希「アンタ、命狙われてるって分かってるん?分かってなくても分かってても、こう勝手に行動されると困るんやけど」

禽夜「ふん!貴様らの様な猿に守ってもらわなくても何も変わらんケロ」

 

その言葉に希は目を細めた。

その変化に気づいてないらしい近藤は、カエル──基、禽夜に向かって言い返した。

 

近藤「猿は猿でも俺達ゃ、武士道っつー鋼の魂を持った猿だ!なめて貰っちゃ困る!!」

禽夜「なにを!!成り上がりの芋侍の分際で!!」

 

近藤に向かってそう高らかに言う禽夜に、希は笑顔を浮かべていた。しかしその目は少しも笑っていない。

 

希「・・・」

きんや「己、陀絡。奴さえしくじらなければこんな事には・・・」

近藤「え?ラクダ?」

 

とんだ聞き間違いである。

その時、遠くで何かがチカッと光ったのに、近藤と希は気づいた。

 

近藤「いかん!!」

希「!ダメ、近藤さん!」

 

咄嗟に禽夜を護るように前へと出た近藤だったが、希もまた、咄嗟に近藤の前に庇うように出ていた。

 

近藤「希!」

絵里「希っ!」

 

銃が当たった希を、近藤は抱き起こし、絵里、にこ、沖田は顔を覗き込むように近くに膝を着いた。

 

苦しそうに呻きながらも、うっすらと目を開けて、視線を近藤に向けた希は、近藤にだけ聞こえる声で呟いた。

 

希「・・・近藤、さん。あのな──」

近藤「!・・・ああ、もちろんだ」

 

何かを言った希の言葉に頷いた近藤を見て、希は満足そうに微笑み、意識を飛ばした。

 

土方「山崎!」

山崎「はい!」

 

遠くで狙いを外した狙撃手が背を向けて逃げ出すのを見た土方が名指しで呼ぶんだ山崎は、それに対して素早く反応し、行動に移した。

 

にこ「希!しっかりして!」

沖田「希さん!」

「希さん・・・っ!」

禽夜「フン。猿でも盾代わりになったようだな」

 

その言葉に対して沖田が瞳孔を開きながら素早く腰の剣に手を伸ばした。しかし、それよりも何秒か早く動けた者がいた。──にこだ。

 

にこは沖田が剣に触れるよりも先に抜刀した剣先を禽夜の喉元に突きつけた。

本人的には首を取るつもりで剣を向けたのだが、そこはいち早く気づくことの出来た絵里がにこの手首を掴んだお陰で、喉元に突きつけるだけで済んだ。

 

沖田「・・・!」

絵里「にこ!」

土方「止めとけ、にこ。瞳孔開いてる上に凄い形相だぞ」

 

その言葉ににこは悔しそうにしながらも、剣を収めた。

 

にこ「・・・勘違いしないでよね。希は・・・希はっ!アンタを護ったんじゃない。アンタを護ろうとした近藤さんを護ったんだっ・・・!」

沖田「・・・にこさん」

 

その瞳に浮かんでいたのは、悔しさから浮かぶ涙だった。

 

 

 

 

大勢で囲んでいては女性である希はゆっくりと休むことが出来ないだろうと言う配慮の元、手当てを終えてから負傷した希と一応の為に数人の女性隊員、それから絵里の考えで近藤を一部屋に残し、その隣の部屋へと残りの真選組一同は集まり、話し合っていた。

 

山崎「ホシは廻天党(かいてんとう)と呼ばれる攘夷派浪士集団。桂達とは別の組織ですが、負けず劣らず過激な連中です」

土方「そーか。今回のことは俺の責任だ。指揮系統から配置まで全ての面で甘かった。もっかい仕切り直しだ」

「副長。あのガマが言ったこと聞いたかよ!あんな事言われて、まだ奴を護るってのか!?」

「アイツは人間(私達)のことをゴミみたいにしか思ってないわ。自分を庇った近藤さんに何か感じるどころか、撃たれて負傷した希さんの事もどうとも思ってないんだわ」

山崎「副長、勝手ですがこの屋敷色々調べて見ました。倉庫からどっさり麻薬(こいつ)が・・・。もう間違いなく奴ァ、クロです。こんな奴を護れなんざ、俺達のいる幕府ってのは一体どうなって・・・」

 

その言葉を静かに聞いていた土方は背中を向けながら言った。

 

土方「フン。何を今更」

山崎「!」

土方「今の幕府は人間のためになんて機能してねェ。んなこたァ、とっくにわかってた事じゃねーか」

 

そう言いながら襖を土方は開けた。

 

土方「テメーらの剣は何のためにある?幕府護るためか?将軍護るためか?俺は違う。・・・覚えてるか。あの頃、学もねェ居場所もねェ。剣しか能のないゴロツキの俺達をきったねー芋道場に迎え入れてくれたのは誰か。廃刀令で剣を失い、道場さえも失いながら、それでも俺達を見捨てなかったのは誰か。失くした剣をもう一度取り戻してくれたのは誰か。・・・幕府でも将軍でもねェ。俺の大将はあの頃から近藤(あいつ)だけだよ」

 

その言葉ににこはハッとさせられた。

 

真選組としての仕事を案外真面目にする事にはするが、普段ヤル気を目に見える形で見せることが希はない。そこまで重要性のなく、尚且つ自分が居なくても余裕だと思える案件に対しては昔よりは少なくなれど、今ですら遅刻を頻繁にしたりする。重要性のある案件にも、作戦開始時間ギリギリに来ることだって、ザラにある。

 

それでもしっかりと希が今まで手を抜くことなく、任務に着いていたのは、──それは、希自身が近藤は自分にとって必要不可欠な大将だと、寧ろ大将は近藤以外にはいないのだと、いつだってその考えが頭の片隅にあったから。

 

そこまで考えてにこは思った。

順位を付けることなんて出来ない。そもそも順位を付けること自体がバカバカしい事だ。けれど──もし、順位を付けるとしたら?

 

もしかしたら、希はこの中の誰よりも近藤を忠誠心を誓っていて、誰よりも先にその身を削ることが出来るのではないだろうか。

 

にこ(他の人達はどうか知らない。けれど、近藤さんが声をかけてくれて、真選組に入れて、一番救われたのは私達三人の中だと、間違いなく希なのよね。きっと当たらずも遠からず、ね)

 

ひっそりと一人で考え事をしていたにこの耳に丁度考え事が終えたタイミングで土方の話が聞こえた。

 

土方「それがわかってたから、遅刻するくらい今回の件にやる気を見せなかった希も、近藤さんを護ったんだ」

絵里「・・・そうね。確かにその通りだわ。希は仕事に対してやる気にムラがあるけれど、それでも人一倍近藤さんの事になるとやる気関係なく動ける人だから」

にこ「それに、何よりも近藤さんは護ることを止めるなんて言ってないものね。そうでしょ、近藤さん」

 

にこの視線の先、そこには襖を開けて立っている近藤が居た。近藤は真剣な眼差しで静かに頷いた。

 

近藤「・・・もちろんだ。希にも言われたからな」

土方「大将が護るって言ったんなら仕方ねェ。俺ぁ、そいつがどんな奴だろーと護るだけだよ」

 

最後に一言、襖を開けながら土方は言った。

 

土方「気にくわねーってんなら帰れ。俺ァ止めねーよ」

 

その後を顔を合わせた絵里とにこは着いていく。

部屋を出て少し歩いた三人の目に映ったのは、沖田が禽夜を磔にして火で炙っている光景であった。

 

土方「何してんのォォォォ!!お前!!」

絵里「ちょっ!沖田さん!」

沖田「大丈夫、大丈夫。死んでませんぜ。要は護ればいいんでしょ?これで敵おびき出してぱぱっと一掃。攻めの護りでさァ」

にこ「・・・ふむ。沖田のくせに一理あるわね」

絵里「ないでしょ!!」

禽夜「貴様ァ!こんな事してタダですむと・・・もが!!」

 

沖田が左右に揺らしていた薪をカエルの本能か禽夜は喋ってる途中にもかかわらず、舌で掬い取った。

それを気にもとめずに、沖田は手に持っていた薪を話しながら次々と禽夜の口に詰め込んでいく。

 

沖田「土方さん。俺もアンタと同じでさァ。真選組(ここ)にいるのは近藤さんが好きだからでしてねぇ。でも何分、あの人ァ人が良すぎらァ。他人のイイところ見つけるのは得意だが、悪いところを見ようとしねェ。俺や土方さんやにこさんみてーな性悪がいて、それで丁度いいんですよ、真選組は」

にこ「なんでナチュラルに私まで入れてるのよ!?」

土方「フン。・・・あー、なんだか今夜は冷え込むな・・・。薪をもっと焚け、総悟」

沖田「はいよっ!!」

 

そう言われた沖田は更に火に向かって薪を放り投げる。

 

禽夜「むごォォォォォ!!」

 

薪を口に詰め込みながらも叫ぶ禽夜に向かって、銃が向けられた。

 

「天誅ぅぅぅ!!奸賊めェェ!!成敗に参った!!」

「どけェ、幕府の犬ども!貴様らが如き、にわか侍が真の侍に勝てると思うてか」

 

突然現れた相手に対して、落ち着いた様子で土方達は剣を抜く。

 

沖田「おいでなすった」

土方「派手にいくとしよーや」

絵里「にわかですって?誰に向かって言ってるのかしら」

にこ「まぁ仮ににわかだとしても、そんなにわかに手も足も出ない場合、あんた達はそれ以下ね」

近藤「まったく、喧嘩っ早い奴らよ」

絵里「近藤さん!」

 

突然聞こえた声に、後ろを少し振り向いた。

 

近藤「トシと絵里と総悟とにこに遅れをとるな!バカガエルを護れェェェェ!!」

 

その声と共に一斉に向かう奴らを見て、土方達は少しの笑を零した。

それに対して、土方は気合を入れるためにも叫ぶ。

 

土方「行くぞォォォ!!」

 

一方部屋の中では、目を覚ましたらしい希が閉じられている襖に目を向けて、微笑を浮かべながら呟いた。

 

希「・・・頑張ってね、皆」

 

 

 

 

神楽「おてがら真選組。攘夷志士、大量謙虚。幕府要人。犯罪シンジケートとの癒着に直撃・・・」

 

万事屋内にて、新聞を読んでいたらしい神楽はそこで言葉を止めた。

 

神楽「・・・銀ちゃん」

銀時「あー?」

神楽「癒着って何?」

 

その質問に困ったらしい銀時は、ジャンプを顔に乗せ寝っ転がっていた姿勢のまま、イビキをかきはじめた。

 

神楽「オイ、とぼけてんじゃねーぞ、天然パーマ!」

 

その様子に神楽の隣にいた穂乃果は、苦笑いを浮かべていた。



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番外編 銀時誕生祭2021!今年はやっちゃうよ!

はい、前の投稿の次の日ですが、祝いたいので銀時誕生祭やります!

銀時「ちっかいなぁ・・・」
穂乃果「前回のと次回の予約投稿してから銀ちゃんの誕生日に気がついたんだよね?」

うん。
今回最速で出来上がったんだけど。
なんか書きたかった話で捗った。

銀時「オムライスの過去話?」

そうなのー!
てかその話書いたら果てしなく長くなったんだけど。需要ある?これ。
独立した方がいい意見あったらどうしよう。

穂乃果「でも割と大丈夫じゃないかな!」

もう、終り際が迷子だった・・・。
本当、終わってよかったぁ。

穂乃果「そんなに?」

じゃあ始めよう。

銀時「よし来た」
穂乃果「うん!」
銀時・穂乃果「「ラブ魂!始まります!」」


銀時誕生祭2021

 

 

 

商店街を歩きながら話を弾ませていた神楽と新八は、穂乃果の言葉に首を傾げた。

 

神楽「誕生日会の準備、銀ちゃんに内緒で進めないアルカ?」

穂乃果「うん」

新八「何でですか?今までの誕生祭回の時は基本的にサプライズだったじゃないですか」

 

そうなんだけどね、と苦笑いをしながら穂乃果は言った。

 

穂乃果「私達がまだ子供の頃の話なんだけど、その時は本人も誕生日を祝う準備をしようって形だったんだよね、ホントは」

新八「だから敢えてオープンに?」

穂乃果「うん。流石に準備は今回私達だけでやるけどね」

 

それも理由の一つではあるけれど、本当は自分の誕生日をサプライズされるのに慣れていない銀時が、予め穂乃果にサプライズは辞めてと進言したとは、流石に神楽と新八には言えなかった。

 

更に盛大にやるのも性にあわないから、祝われるのなら万事屋でささやかな感じがいいとも言っていた。これは流石に万事屋で祝う理由として、神楽と新八には言っといた。祝われる立場で注文の多い男である。

 

穂乃果「一応毎年祝ってたんだけどね。未だに慣れないみたいで」

新八「祝われるのがですか」

穂乃果「うん、そうなの」

新八「まぁ、らしいですけどね」

神楽「らしいアルナ」

定春「わん!」

 

じゃあと神楽が呟き、聞いてきた。

 

神楽「海未とかは来ないアルカ?」

穂乃果「ううん。海未ちゃんとことりちゃんとお妙ちゃんと空ちゃんは最初っから万事屋で一緒に祝うことになってるよ。他の──絵里ちゃんとかは時間が合えば来てねって形にしたんだ」

新八「まぁちゃんと来るとは思いますけどね」

穂乃果「そうだね」

 

十中八九、(銀時などは認めたがらないが、ある程度忙しいらしい)真選組以外は来てくれるのではないかと、穂乃果は思っている。

 

新八「ところで随分と卵を買いますね?」

穂乃果「銀ちゃんの誕生日に備えて、オムライスを練習しようかなって思って。前の私の誕生日の時に作ってくれたのって、銀ちゃんでしょ?」

 

あれで意外と照れ屋なところがある銀時は、絶対に穂乃果に向かってオムライスは自分が作ったとは言わなかったし、(露骨な程邪魔を重ねて)周りにも言わせなかったが、穂乃果には一口食べただけでも分かった。

 

あのオムライスは穂乃果にとってとても思い出の詰まった特別なものだった。もちろん、(本人は認めたがらないが)銀時にとっても。

 

そんなふわとろなオムライスを、穂乃果が間違うわけがなかった。

 

新八「分かるんですか?」

穂乃果「分かるよ。それにちょっと変わってたでしょ?あのオムライス」

新八「そうですね・・・流石に器用すぎて少し引きました」

穂乃果「そんなに?」

 

穂乃果曰くのちょっと変わってるオムライス。

それは、デミグラスソースを掛けた上に生クリームを少し薄く掛けて、その生クリームで絵を描いていたのだ。因みに、穂乃果の誕生日の時のオムライスの絵は、定春だった。しかもかなり上手かった。

 

穂乃果「一応ね。難しいけど出来なくはないんだ。ほら、ラテアートとかあるでしょ?あれみたいな感じ」

新八「ああ・・・」

神楽「ラテ?何アルカ、それ」

穂乃果「カフェ・ラテとかの上にミルクで絵を描くのを、ラテアートって言うんだよ」

神楽「凄いアルナ!それ、どうやるアルカ?」

 

その言葉と神楽の輝かしい目線に、穂乃果は暫し難しい顔で考えて、記憶の奥底を探る。

そして思い出したのか、パッと輝かしい表情を浮かべて神楽に嬉々として聞かせた。

 

穂乃果「確かラテアートには「フリーポア」と「エッチング」って二つの方法があってね。フリーポアは、ミルクピッチャーっていう道具を使って、ミルクを注ぎながら絵を描く方法なの。エッチングはミルクピッチャーで注いだ後に楊枝とかカクテルピンとか、先が尖った物で絵を描く方法だよ。こっちの方が細かい絵が描けるね。文字も書けるし」

新八「随分と詳しいんですね・・・穂乃果さん」

穂乃果「一時期ハマってて、凝ってたんだよね」

 

その時期はいちいちカフェ・ラテやコーヒーを入れる度にラテアートにチャレンジをし、自分は飲めないからと飲める人達に押し付けていたのも、いい思い出である。穂乃果的に。

 

穂乃果「まぁラテアートよりも重大なことがあるんだよねぇ」

新八「まぁ脱線してましたしね」

神楽「話が進まなすぎてきっと皆ビックリしてるアルヨ」

 

そんな事よりも穂乃果にとっては重大なことがあった。

それこそが、これからオムライスを作る練習するという理由に繋がった。

 

穂乃果「銀ちゃん、オムライスはかなり上手くて、私じゃ銀ちゃん以上の出来になんないのが、困ってるんだよねぇ」

新八「・・・え?」

 

 

 

 

穂乃果「という訳で、是非とも園田家と志村家の今夜の晩御飯は穂乃果特製オムライスに!」

海未「はぁ・・・別に構いませんけど」

新八「って、うちもですか。別にいいですけど」

海未「それにしてもオムライスですか・・・。穂乃果の好物だってのは聞いてましたけど、銀さんもだとは思いませんでした」

穂乃果「オムライスは私達の中で誕生日の料理と言えばこれって奴だからね」

 

ここは園田家だ。

その台所に穂乃果は食材を置いた。

 

穂乃果「昔、私が銀ちゃん達と出会った時より少しだけ皆に慣れてきた頃の事なんだけど、あの頃はオムライス症候群というかオムライス欠乏症というか・・・兎に角オムライスが食べたかったんだよね。それで食べれるようになったらなったで毎日のように催促してたから、銀ちゃんのオムライススキルが爆上がりで」

空「オムライススキル」

海未「なんですか、それ。初めて聞きましたよ」

神楽「基本的には料理上手な穂乃果も、オムライスにおいては銀ちゃんの方が上手らしいアル」

ことり「でも確かに美味しそうだったよね〜。食べたかったくらい」

 

ことりの言葉に海未は確かに、と頷いた。

その脳裏に蘇っているのは、美味しいというのが疑いようのないようないい匂い、綺麗に包まれた卵を包丁でそっと切り、ふわっとろ状態の卵をご飯の上に広げ、その上から特製らしきデミグラスソースを掛けたあったかふわとろオムライスだ。最後の仕上げに描かれた定春も見ていて楽しかったものである。

 

ことり「見てるだけで幸せだったけど、正直食べたかった」

空「わたしは食べたよ?」

海未「え、そうなんですか!?」

神楽「私も食べたアル」

新八「実は僕も。穂乃果さんの誕生日準備の時に」

 

空だけではなく、神楽と新八も食べさせてもらったことあると聞いて海未とことりははっとした。

 

海未・ことり(ち、小さい子贔屓と身内贔屓だ、これっ・・・!!)

 

あまり知られてはいないが、穂乃果の影響で小さい子、引いては身内にはとことん甘い男であるのだ。

 

きっと海未達が頼んだところで、適当な理由をつけて断るだろう。恐らく本心的には面倒なのが理由で。

 

空「すっごい絶品だったよね!」

神楽「本当にあのマダオが作ったものとは思えなかったアル」

新八「人間、特技の一つや二つはやっぱりあるもんだよね」

 

そこまで凄いのかともっと詳しく聞きたい気持ちが湧くが、しかし今ここで食べれない故にとても苦々しい思いも同時に沸いたので、海未とことりは早速オムライス作りを始めた穂乃果の手際を眺めることにした。

 

 

 

 

穂乃果はいつも、オムライスを作る時は自分の為に苦労に苦労を重ねて何とか美味しいものを作ろうとしていた銀時達の背中が思い浮かぶ。

 

松陽を中心に銀時と高杉、そして遊びに来ていた桂があーでもない、こーでもないと試行錯誤して作り上げた最初のオムライスは、今銀時が作れるオムライスとは程遠い出来で、穂乃果はあまりの酷さに大泣きした覚えがあった。

 

当時、銀時達と出会ったばかりの穂乃果は今と違って人見知りが酷く、泣いてばかりの子供だった。特に大人相手には酷く、兎に角松陽以外の大きい人は大の苦手だったのだ。

 

何処に行くにも松陽の後ろに隠れ、松陽がいなければぐずりながら探し、一緒に住んでろうが住んでなかろうが銀時達には絶対に近づかなかった。

 

その代わり松陽が居れば特にぐすりもせず、我儘も言わない、その年頃にしてはかなりいい子ではあったのだが。

 

銀時に話を聞けば、その割には遠くで気になるのかすっごく見てきたから、少し困っていたと言っていた。

 

あの頃は何を考えていたのか。覚えている出来事ではあるのだが、その心情は幼すぎて今の穂乃果は全く覚えていない。

 

穂乃果が銀時達に慣れるまで一年はかかった。その頃には既に銀時にべったり・・・という訳ではなく、寧ろ高杉にべったりだったもんだ。その次ぐらいに桂にべったりだ。

 

当時の穂乃果にとって、銀時は近寄り難い子供だった。

 

表情筋が死んでいるとまではいかないけれど、それでも周りの自分を見ると表情を緩める人達ばかりが居た中では、少し困ったような顔をする銀時は、やはり穂乃果にとっては理解し難い【お兄ちゃん】だったのだ。

 

その認識が変わり、銀時大好きと全身で表すようになった第一のきっかけは、やはりオムライスだったのだろう。

 

 

 

 

穂乃果(幼)「オムライス・・・オムライスが足りないの・・・」

高杉(幼)「あ?オムライス?」

穂乃果(幼)「オムライスが食べたい!!」

 

やっと人見知りがある程度マシになり、松陽から離れても平気になって来た頃の事。丁度松陽の元で暮らすようになって一年半ぐらいである。

 

そんな穂乃果を外に連れ出してやろうと言う想いから、高杉と桂、そして(半ば連行された形で着いて来た)銀時は、すっかり行くのが日課になっている公園へと来ていた。尚、今ではもう銀時は自主的に着いてくるようになった。

 

それは丁度昼ご飯時の時間帯だった。

 

腹時計がそれはそれは正確な穂乃果は、お腹がすいたとお腹を鳴らしながら、唐突にオムライスが食べたいと主張を始めたのだ。

 

銀時(幼)「・・・オムライスを買えってか?」

穂乃果(幼)「銀ちゃん・・・違うの、穂乃果が食べたいのは・・・ふわっとろな、手作りオムライスなの!」

 

これには三人揃って首を傾げた。

今までオムライスが食べたいと主張をしても、そこにふわっとろなんて付いたことがなかったからだ。

 

桂(幼)「どうしたんだ、穂乃果。急に」

穂乃果(幼)「こーくん・・・あのね、ふわっとろなオムライスは穂乃果のママがよく作ってくれたの」

桂(幼)「マ・・・マ?」

穂乃果(幼)「うん。だからね、穂乃果、ふわっとろなオムライス食べたいの!」

 

どこからか雷が鳴り響くような音が聞こえた。

銀時と高杉と桂が固まってるのに気づかず、穂乃果はひたすらにねぇ?いいでしょ?という瞳でこちらを見やる。

 

この純心無垢な瞳に対して、ハイかイエス以外の選択肢など、銀時達の中にはなかった。

 

松陽「え、ふわっとろなオムライスですか?」

銀時(幼)「一応、材料は一通り買ってきたんだけど・・・」

桂(幼)「先生、作れますか?」

松陽「いえ、作ったことありません」

 

だよなーという顔で銀時達は松陽を見やった。

松陽は中性的で穏やかな見た目とは裏腹に、その手料理は大雑把である。所謂男飯だ。最初っから期待なんかしていなかった。

 

高杉(幼)「作れるような知り合い、います?」

松陽「そうですね。・・・この近くにはいないかと」

銀時(幼)「じゃあやっぱり・・・」

松陽「ええ・・・。自分達で作りましょう!」

 

諦めるなんて選択肢は、松陽の中にもなかった。

 

松陽「やはりあの年頃の子には母親は必要。恋しくなるのも当然ですからね。その分、私達が頑張らねば」

銀時(幼)「ああ・・・うん・・・そうだな」

 

そうして始めたオムライスは、オムライス初心者しかいない中でのスタートだった。

 

銀時(幼)「こんなもんか」

高杉(幼)「あんま詳しく知らねーけど、玉ねぎ大振りすぎじゃね?もっと細かくしろよ」

桂(幼)「これでよかろう」

銀時(幼)「おまっ!ご飯焦げすぎだろ!お焦げで済ませる領域じゃねぇ!」

松陽「あれ?」

桂(幼)「先生!火が強すぎです!卵はとろっとしなきゃいけないんですよ!」

 

本人達は至って真剣ながらも、何一つ上手くいっていなかった。

穂乃果は四人の背中を眺めてニコニコと笑っている。まだ幼い彼女には、料理が上手くいっているのか、上手くいっていないのか、判別がつかなかった。ただ、賑やかで楽しそうだなと呑気に眺めていたのだ。

 

そうして出来上がったのが、卵はスクランブルエッグ状に、ご飯は焦げが多めのチキンライス、具材もいちいち大きめ。穂乃果の小さい口では、食べるのに苦労しそうな程である。

その上に穂乃果が予め掛けるのはケチャップではなくデミグラスソースがいいとお願いして買ってもらってたのを普通に掛けられているのが、オムライス自体が酷い有様故に、何だか可哀想に感じてしまう。いや、寧ろ全てが可哀想だ。ニワトリや農家に謝り倒したいぐらいである。

 

基本的にちゃんと食べられる物しか見た事のない穂乃果にとって、それはとても衝撃的な”物体”であった。

 

故に穂乃果はギャン泣きした。

それは過去一凄いギャン泣きであった。

一年前、松陽が近くにいないからとぐずり、泣いていたあの頃とは比べ物にならないレベルである。

 

思いっきり泣いた穂乃果は少し落ち着いてきた頃に、ふと銀時に目をやった。

未だに止まらない涙、更に鼻をぐすぐすとしながらも、穂乃果は少しだけぽかんとしたのを覚えている。

 

穂乃果の視界に入っている銀時は、松陽達と変わらないオロオロとした心配そうな表情をしていた。

 

それから丁度一週間。

松陽を含む銀時達は、穂乃果の為だけにひたすらオムライス作りを練習し、完璧な出来に仕上げる事が出来た。

 

その日の晩、かなり穂乃果の理想に近づいたそのオムライスは、最初の見るも悲惨な可哀想なオムライスを生み出していたのと同じ人達が作っているとは到底思えないとてもいい出来で、穂乃果はとても幸せそうな笑顔を零したのだ。

 

はぐはぐとオムライスを食べながら、穂乃果はまた何気なく銀時に視線を向け、銀時は安心したような表情のまま、その視線に気付いて笑顔を返してくれたのだ。

 

今まで見た事のないその笑顔を向けられた穂乃果は、はぐはぐと咀嚼したまま、胸の辺りがぎゅっとなったのを覚えている。

 

その時はそれが何だか分からなかったけれど、それでも銀時を好きになったのだけは分かった。

 

それから更に三週間程。

穂乃果の完璧なオムライス理想像に、デミグラスソースの上に生クリームで絵を描いた物と言うのが分かり、四人揃って猛練習した末に会得していた。尚、その頃から器用だったのか、銀時が一番上手であった。寧ろ芸術並みである。

 

この頃はまだ親愛で所謂(いわゆる)【お兄ちゃん、大好き!】の気持ちだったと思う。

けれど、この頃から穂乃果は銀時に着いて周り、挨拶はどんなものでも銀時に一番に言い、銀時がいなかったら泣きはしないけれど、探す。

 

傍から見ても、銀時本人から見ても、この頃の穂乃果は兎に角銀時大好きと行動でも表情でもダダ漏れであった。

 

 

 

 

穂乃果「銀ちゃん!誕生日おめでとう!」

神楽・新八「(おめでとう/おめでとうございます)!」

銀時「ああ、うん。まぁ、ありがとう」

海未「随分と気のない返事ですね。あ、おめでとうございます。こちらどうぞ。苺です」

銀時「いや、なんで苺単体?」

海未「好きでしょう?穂乃果が」

銀時「いや、好きだけども!ありがとな!」

空「おめでとー!」

 

朝一番に(と言っても銀時は寝坊した為、昼時である。)この言葉を投げらた銀時は、寝ぼけた頭で何とか言葉の意味を考えた。故にあの気のない返事になった。

 

銀時「ああ、もう誕生日だったっけ」

 

銀時に思い起こされる記憶は一週間前、穂乃果が唐突にプチ誕生日会をやると宣言した事であった。

 

穂乃果「絵里ちゃん達、少しだけ暇を作ってとりあえずプレゼントだけ持ってきてくれるって」

銀時「マジか。何くれんだろ、高給取りさん達は」

穂乃果「真姫ちゃん達は、旅行中だから向こうからプレゼント送ってくれるって」

銀時「あ?そう言えば最近見ないな」

穂乃果「1ヶ月くらい海外旅行だって」

銀時「うわっ、ボンボンかよ」

穂乃果「ボンボンだよ」

 

そんな訳で、穂乃果とかに比べると集まりは(まぁ銀時のお願い通りではあるけれど)悪いものの、例年の事を考えると、これでも集まった方である。

 

ことり「銀さん、私からはこれだよ」

銀時「・・・何これ」

 

心無しか、銀時の頬がピクピクとしている。

 

ことり「ひよちゃんだよ。ひよこのぬいぐるみ」

銀時「おまっ!銀さんひよこのぬいぐるみ貰って喜ぶようなキャラに見える?」

 

その質問にことりは首を傾げてしばらく考える素振りを見せてから、にこやかに笑顔のまま首を横に振った。

 

ことり「ううん。全然見えない」

銀時「だよね!?なのになんでこのチョイスにしちゃったのかなぁ!?」

ことり「ひよこのぬいぐるみ一択だったよ!」

 

ことりの言い分に銀時はツッコミ疲れた。元より彼は寝起きなのである。

 

穂乃果「あ、そう言えば急にお妙ちゃんがヘルプで働かなきゃ行けなくなったからって、さっきハーゲンダッシュ貰ったから、冷蔵庫に入れといたよ」

銀時「マジか。あのお妙が?何個?」

穂乃果「一個」

銀時「マジか。それ、誕生日プレゼントじゃなくて差し入れじゃねーか!」

海未「お妙にしては大盤振る舞いですよ」

 

海未の言葉に新八はそっと頷いた。

たかが一個と言うなかれ。一個まるまるくれた事が凄いのだ。

 

穂乃果「さて銀ちゃん!お待ちかねの誕生日メインだよ!今年は去年より上手くいったと思うんだけど。味は」

 

そう言って出したのは穂乃果が一番気合いを入れていたオムライスだ。

もちろん、他にも料理は沢山あるが、それでも先にオムライスを食べて感想を聞きたかったのだ。

 

神楽「メインって、ケーキじゃないアルカ?」

新八「確かに銀さんなら言いそうだよね」

空「糖尿病だもんね」

銀時「予備軍だっつーの」

 

空の言葉を訂正しつつ、銀時は首を横に振る。

 

銀時「良いんだよ、メインで。俺の誕生日に限り、メインはケーキじゃなくてこのオムライスだからな、昔から」

穂乃果「もちろん、ケーキだって銀ちゃんが好きなやつだけどね!」

 

すっかり料理上手に育ったもんだ、と銀時はオムライスを一口掬い食べる。

 

銀時「・・・うん。確かに美味いな。去年より良くなってる。絵も・・・まぁ、去年よりは良いんじゃね」

穂乃果「むぅ・・・正直に言っていいよ!絵の上達見込みはないって!」

銀時「いやいや、細かい所が良くなってるって」

 

銀時程じゃなくとも、様々な事をこなす程には器用ではある穂乃果だが、絵は割と苦手であった。簡単なものなら可愛く描けるが、凝った物は全然ダメだった。それでも、一応何か分かる程度ではあるのだが。練習の賜物である。

 

その後、一時間ぐらいしてから絵里、希、にこが来てプレゼントを置いていってくれた。全員もれなく食べ物である。何を思って用意したのか。

 

穂乃果「しばらくデザートに困んないね」

銀時「・・・そーだな」

 

銀時は穂乃果が好きな分類の甘い食べ物ばかり送ってきたヤツらに、素直に喜んでいいか迷った。迷った末、まぁ誕生日プレゼントだし、一応と受け止めることにした。深く考えるなかれ。何もかも今更な気さえする。

 

そうして午後を半分程使って銀時は祝われた。ご飯を食べてから、スナックお登勢に降りてひたすらボードゲームをしたのだ。

 

 

 

 

夜になって神楽が寝てから、銀時と穂乃果はリビングで話をした。

 

穂乃果「今日、楽しかったね」

銀時「騒がしかったけどな。疲れたし」

穂乃果「でも楽しい疲れでしょ?」

銀時「まぁ・・・」

 

お登勢からプレゼントだと貰ったビール(こちらは1ダースだった。)を煽りながら、銀時は静かに頷いた。照れくさそうである。

 

穂乃果「初めてだね。こんなに賑やかな誕生日」

 

初めて。確かにそうだ。

今までは松陽達とだけの些細なものだったし、攘夷戦争時代は祝う暇などなかった。

 

穂乃果「ふふっ。また来年も出来るといいね。誕生日会。今度は今回も来れなかった人達もいる中で」

銀時「・・・そうだな」

 

そう頷く銀時の表情は穏やかな物で、穂乃果は心底嬉しそうに笑った。




良かったよねぇ。間に合って。

銀時「3日で書いたとは思えない量だよな」
穂乃果「捗りすぎ」

じゃあここで予告もやっちゃおうか。いい機会だし。

穂乃果「もう予告?」

話すことないんで・・・。







穂乃果「じゃあ私がやります!次回はそよ姫様が、神楽ちゃん、真姫ちゃん、凛ちゃん、花陽ちゃんと仲良く遊んで仲良くなる話です!」







ちょうどいい所にあってよかった、誕生日。

穂乃果「ホントにね!」
銀時「お前ら・・・そんな置物みたいに人の誕生日を・・・」

じゃあ、次回は来週です!
お待ちください!


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第十七訓 脇だけ洗っときゃいいんだよ、脇だけ

ここ、かぶき町の公園に歳の割にガラの悪い子供が、ブランコに座っているガラの悪い子供とは全く正反対な感じの上品な少女に絡んでいた。

 

「てめー見ねェ顔だな。どこのモンだ?」

「この辺の公園はなァ、かぶき町の帝王、よっちゃんの縄張りなんだよ!ここで遊びたきゃドッキリマンチョコのシール3枚上納しろ、小娘!!」

「なんですか?バックリマン?そんなものが城下では流行っているんですか?」

よっちゃん「バックリじゃねーよ、ドッキリだよ!いや、ゲッソリだったよーな気もするな」

「違うよ、よっちゃん!バツアンドテリーだ」

 

とても曖昧な記憶力である。

そこに割り込む声が四つあった。

神楽と真姫と花陽と凛だ。

 

神楽「いやいや、違うヨ」

「「え?」」

神楽「ザックリマンの間違いアル」

花陽「え?ザックリマンじゃなくて、ビックリマンじゃなかったっけ?」

凛「違うにゃ、かよちん!ビックリマンじゃなくて、ジックリマンにゃ!」

真姫「皆違うじゃない!どんだけ記憶が曖昧なの!?」

 

真姫がそう叫び終わった瞬間、よっちゃんという子供の頭に噛み付く定春。

 

よっちゃん「えええっ!ザックリやられたー!」

「て、てめーは!」

神楽「ここいらのブランコは、かぶき町の女王神楽のものアル。遊びたいなら酢昆布一年分上納するヨロシ」

よっちゃん「一年分って酢昆布の一日あたりの摂取量が分かんねぇよ!」

「チクショー!覚えてろよー!」

 

そうやって古典的な捨て台詞を残して去っていく背中に神楽が一言呟いた。

 

神楽「フン、ザコが」

真姫「それにしても、最後の最後にマトモなツッコミを残していったわね、あの子」

凛「私には分かるにゃ。あの小僧がツッコまなかったら、絶対に真姫ちゃんがツッコミを入れてたにゃ」

真姫「そっ!・・・んなことないわよ」

 

はたから見たら、その通りなのが丸わかりなのにシラを切る様子の真姫には、花陽も苦笑いを浮かべた。

 

そこにブランコに座っていた少女から声がかかる。

 

「助かりました、かぶき町の女王さんに皆さん。それから──」

 

途中で言葉を切った少女の視線が真希へと向けられる。

 

「真姫ちゃん、ありがとうございます。ふふ、久しぶりだね、真姫ちゃん」

 

その言葉と笑顔を向けられた真姫も笑顔を浮かべる。

 

真姫「ええ、本当に久しぶりね、そよ」

神楽「知り合いアルカ」

真姫「幼馴染なの」

凛「真姫ちゃん、私達以外にも友達いたのにゃ?」

真姫「いるわよ!失礼ね」

神楽「ふーん・・・。それよりここにはもう近づかない方がいいアルヨ。江戸で最も危険な街アル」

 

そう言って定春に乗って神楽はそのまま立ち去ろうとする。元々真姫の話には興味がなかったようだ。

その後に真姫達も着いていく。

 

真姫「もう・・・神楽ったら」

花陽「真姫ちゃん、いいの?」

真姫「先約はこっちだしね。ま、私はあんた達の付き添いだけど?」

凛「その割には毎回ノリノリにゃ」

真姫「うるさいわね!」

そよ「あっ!待ってください!」

 

そよに呼び止められて、全員で振り返る。

そんな神楽達に対して、そよは疑問を口にした。

 

そよ「それ、何を食べていらっしゃるんですか?」

 

そう言って指を指した先は、神楽が口に入れていた酢昆布だった。

 

 

 

 

そよ「くっ、ピシュッ!何ですかコレ、酸っぱい!」

真姫「酢昆布だしね。私はあまり好きじゃないわ」

凛「たまに食べると美味しいと思うけどにゃ」

花陽「うーん・・・?」

 

初めて食べるらしいそよには、刺激が強かったようだ。

真姫は代わりに飴を舐め、凛は神楽から珍しく分けて貰う事が出来た酢昆布を食べ、花陽は酢昆布を口にして渋い顔をしている。賛否両論な食べ物であるらしい。

 

そよ「じいやの脇より酸っぱいです!」

神楽「その酸っぱさがクセになるネ。きっと、じいやの脇もそのうちクセになるネ!」

そよ「なりません。てか嫌です!」

 

真姫はその言葉に苦笑いを浮かべる。その言葉にはかなりの力が入っていたからだ。

 

それからそよはそっと微笑んで呟いた。

 

そよ「城下の人は、こんなものを食べているんですね。フフッ、初めて見るものばかり」

神楽「お嬢さん、ヨソ者アルカ?銀ちゃんやこの街の住民は皆ビンボ臭いけど、お嬢さんイイ匂いがするネ」

そよ「はい、あそこから来たんです」

 

そう言ってそよが指を刺したのは、遠くからでも十分に見える大きさのお城だった。

神楽や花陽、そして凛は江戸住まいところか、地球出身でもないため、あまり詳しくないから知らないかもだが、そのお城は、江戸城だ。

 

神楽「えー、でっかい家アルナ~。銀ちゃん、前に言ってたヨ。あそこ、昔はこの国で一番偉い侍がいたって。でも天人が来てからただのお飾りになっちゃって、今では一番可哀想な侍になっちゃったって」

そよ「そうですね。もうこの国の人は誰もあの城を崇めたりしないもの。見栄えだけのハリボテの城なんていっそ壊れてしまえばいい。そうすれば私も自由になれるのに・・・」

 

沈んだ様子のそよを見て、神楽は尋ねた。

 

神楽「お嬢さん、何かお困りごとアルカ?私、何でも相談乗るヨ。万事屋カグラとは私のことネ!」

そよ「フフ。随分たくさん名前があるんですね。うーん、困り事・・・」

 

少し悩んだ様子のそよは、視線を真姫に向けてから閃いた様子でパッと笑顔を神楽に向けて口を開いた。

 

そよ「じゃあ、今日一日、お友達になってくれますか?勿論、お二人も」

 

そう言ってにっこりと笑ったそよに、神楽と凛と花陽は目をぱちくりと瞬かせた。

 

 

 

 

土方「あー、暑いぃ・・・。なんで俺達の制服ってこんなにカッチリしてんだ?世の中の連中はどんどん薄着になってきてるってのに」

 

タバコを咥えたまま、自販機で飲み物を買いながらそう呟く土方ににこが言葉を返した。

 

にこ「仮にも警察だからじゃない」

絵里「仮にもって・・・」

 

事実上、警察なのだが仮にもって言い草をするにこに絵里は苦笑いを零す。

 

土方「つかなんで女だけ夏服が存在するんだよ!それも夏服に関してだけ、上下関係なく!」

希「申請したら、あっさり通ちゃった☆」

土方「通ちゃった☆・・・じゃねぇぇぇえ!!!」

希「そんな怒ることないやん」

 

そう言ってにこやかに微笑む希の服装は、確かに土方が言う通り夏服って感じで、若干涼しそうである。

 

上はワイシャツ、上着だけな上に半袖だし、靴下もハイソックスではなく、くるぶしくらいの短いモノである。

 

確かに土方と希が並ぶと、その差は歴然である。

 

土方「ったく。おまけにこのクソ暑いのに人探したぁよ。もう、どーにでもしてくれって」

 

愚痴りながら飲み物を飲む土方にかかる声が一つ。

 

沖田「そんなに暑いなら夏服作ってあげますぜ、土方さん」

 

その言葉で何かを察したらしい土方は、はっと後ろを少しだけ振り返り、考えるより前に奇声を発しながら身体を反らして沖田の容赦ない攻撃を全力で避けた。

 

沖田「あぶねーな、動かないでくだせぇ。怪我しやすぜ」

土方「あぶねーのは、テメーそのものだろうが。何しやがるんだ!」

沖田「何ですかい。制服ノースリーブにしてやろーと思ったのに」

土方「嘘つけぇぇ!!明らかに腕ごと持っていく気だったじゃねーか!」

 

そんな土方の訴えを沖田は無視して、代わりに言った。

 

沖田「実は今、俺が提案した夏服を売り込み中でしてね。土方さんもどーですか?ロッカーになれますぜ」

土方「誰が着るか!!」

 

そう土方に勧めた沖田の左手にある自称夏服は、既存の制服の両腕を切り落としただけの、雑なやつだった。

 

にこ「うわっ・・・」

土方「明らかに悪ふざけが生み出した産物じゃねーか!」

沖田「実は希さんも売り込みしていたりして」

希「てへ☆」

絵里「ちょっと、希!何してんのよ!」

近藤「うーい。どーだ、調査の方は?」

 

そうこちらに寄ってきた近藤の制服は、沖田の自称夏服だった。

これにはにこ所か、さっきまでツッコミまくっていた土方と絵里も何も言えず、辺りには少しの静寂が漂った。

 

 

 

 

近藤「潜伏した攘夷志士を探すならお手のもんだが、探し人がアレじゃあ、勝手が分からん」

土方「お姫さんが何を思って家出なんざしたんだか。人間立場が変わりゃ、悩みも変わるってもんだ」

にこ「土方さん、姫様の悩みが分かるわけ?」

土方「いや、俺にゃ姫さんの悩みなんか想像もつかんよ」

近藤「立場が変わったって、年頃の娘に変わりはねえさ。最近お父さんの視線がいやらしいとか、お父さん臭いとか色々あるのさ」

土方「お父さんばっかじゃねーか」

希「要は反抗期やん」

絵里「それはどうかしら・・・」

 

希の反抗期発言に絵里は苦笑いを零す。

 

沖田「江戸の町全てを正攻法で探すなんざ、無理があるぜぃ」

希「じゃあどうするん?沖田さん」

沖田「ここは一つ。パーティーでも開いて、姫さんをおびき出しましょう」

土方「そんな日本昔話みてーな罠に引っかかるのはお前だけだ!」

にこ「てか姫様なんだから、パーティーぐらい、慣れてるんじゃないの?」

沖田「いやいや、姫さんってぐらいだから、いつまでもパーティー一つで喜ぶ純真さを持ってるに決まってるでしょう。そう、にこさんと違って!」

にこ「はぁ?純真さがないのは沖田でしょうが。このドS」

沖田「あん?」

にこ「ああん?」

 

明らかににこの顔はラブライブキャラとしては終わっていた。ラブ魂キャラとしては、ある意味で正解かもしれない。いや、しかしやはりにこ推しとしてはアウトなのかもしれない。

 

メンチを切りあっている沖田とにこを見て、土方と近藤と絵里はため息をついた。

 

昔はこんなに仲が悪くなかったのにな、と絵里はうっすらと思った瞬間、遠くで近藤を呼ぶ声が一つ。

 

近藤「どーした、山崎」

山崎「目撃情報が!どうやら姫様はかぶき町に向かったようです」

土方「かぶき町?よりによってタチの悪い」

 

かぶき町と聞いて絵里は心配そうな顔を覗かせた。

 

絵里「・・・姫様、変な輩に絡まれてないといいけれど」

 

 

 

 

一人の男が小さな畳の上に鐘の形をした入れ物を叩きつける。神楽達と周りにいるイカつい男達がそれを眺めていた。

神楽達は賽を2個使ってその目の合計が(偶数)(奇数)かを当てる賭け勝負──所謂賭博に、そよを連れてきていた。

 

「さぁ、はったはった!丁か半か!」

「半!」

「俺も半!」

神楽「丁!」

そよ「じゃあ私も丁で」

凛「じゃあ私は半にゃ!」

花陽「え、うーん・・・じゃあ丁」

真姫「私も丁」

「半!」

「丁!」

「揃いやした!ピンゾロの丁!!」

 

入れ物をどかして見せた賽は、二つとも1だった。

 

凛「あれ、また私だけ負けっ!?」

真姫「凛は昔っから賭け事苦手よね」

 

結局、その後何度やっても凛が勝てることなく、真姫が凛の負け分を立て替えることとなった。

 

尚、現金はさほど持ってなかった為、高価な品で手を打つ事となった。

 

 

 

 

その後、神楽達はそよを駄菓子屋、ゲームセンター、魚が釣れる河に行き、公園でバトミントンなどもした。

それから、不゜倫人倶楽部(プリントクラブ)に行って皆の写真を撮った後、団子を食べに甘味処へ向かう。

 

そよ「凄いですねー。女王さんは私より若いのに、色んなことを知ってるんですね」

神楽「まーね。後は一杯ひっかけて朝までコースってのが今時のヤングヨ」

花陽「ヤング?」

真姫「神楽って、時々言うことが古いわよね」

凛「まぁ、大方予想はつくにゃ。なんたって、神楽ちゃんの近くには古い人間がいるからにゃ」

 

 

 

 

銀時「くしゅっ」

 

唐突にくしゃみをした銀時は近くに置いてあるティッシュで鼻をかむ。

 

銀時「・・・まさかコレはアレですか?とうとう俺の時代が来たって言うか?いつの間にか噂話をされるほど有名になってたってことかぁ」← 古い人間 

 

 

 

 

神楽「まぁ、全部銀ちゃんに聞いた話だけど」

真姫「でしょうね」

そよ「女王さんはいいですね、自由で。私、城からほとんど出た事無いから、友達も真姫ちゃん以外居なくって。外の事も真姫ちゃんに聞いた話以外は分からないの。私に出来る事は、遠くの街を眺めて思いを馳せることだけ。あの街角の娘のように、自由に跳ね周りたい。自由に遊びたい。自由に生きたい。そんなこと思ってたら、いつの間にか城から逃げ出していました」

 

そよの言葉を神楽達は静かに聞いていた。

 

そよ「でも、最初から一日だけと決めていた。私が居なくなったら色んな人に迷惑がかかるもの。・・・真姫ちゃんも、本当は後で城に連絡しようとしたんでしょ?」

真姫「・・・気づいてたの?」

そよ「だって真姫ちゃんは私の一番最初のお友達だもの。分かるわ」

真姫「・・・さっきそよも言ってたけど、あそこにはあなたが必要なの。それに、それだけじゃない。かぶき町はいい所だけれど、でも危険な場所でもあるの。とてもじゃないけれど、あそこでそのまんまなんて考えられなかったもの」

そよ「・・・ええ」

絵里「姫様」

 

静かに頷いたそよにかかる声が一つ。絵里だ。

 

凛「あ、えーっと・・・?」

花陽「確か真選組の・・・?」

真姫「・・・同じ話で一回しか共演を果たしてないからかしら。何だか、あまり記憶に残ってないわ」

にこ「覚えといなさいよ!一応!」

希「うち、東條希。で、矢澤にこと絢瀬絵里。こっちが沖田総悟さんと土方十四郎さん、そして近藤勲さんや」

真姫「え、あ・・・西木野真姫よ。こっちが星空凛に小泉花陽」

 

何故か始まる自己紹介を半場無視して、絵里は改めてそよに向き直る。

 

絵里「姫様、帰りましょう?」

 

その言葉に沈んだ面持ちのまま、腰を上げるそよの手首を掴む神楽。

 

そよ「!」

土方「何してんだテメー!」

 

その言葉に少し笑って、神楽は口で加えていた団子の串を土方に飛ばした。

それを弾き飛ばす一瞬のスキをついて、神楽はそよの手首掴んだまま、走り出した。凛もその後を素早く着いて行く。基本的に戦闘能力はなく、身体能力も一般人並しか持たない真姫は状況が理解できないまま、花陽と共に手を引かれながら走り出す。

 

絵里「確保っ!今すぐ追いなさい!」

 

その声を気にもとめず、真っ直ぐ前だけを見すえて走っている神楽達の視界には真選組一同が立ちはだかる。

 

神楽「!」

 

真選組を手で持つ番傘で次々と叩き伏せた神楽は、そよを抱えたまま、目の前にあるパトカーを踏み台にして、屋根に着地した。

神楽に続いて凛、真姫を抱えた花陽も続く。

 

山崎「姫を抱えて屋根の上まで飛び上がりやがった!」

「なんて身体能力!」

「何者だ、アイツら!」

近藤「ありゃ万事屋とこの怪力娘じゃねぇのか?他は知らんが」

にこ「見たことくらいはあると思いますけど。ほら、少し前のテロの事件で、確かその万事屋と一緒にいたじゃない。名前は確か凛、花陽、真姫じゃなかったかしら」

近藤「随分と記憶力がいいんだな。名前聞いたの、事情聴取の時だけだろ?」

 

その近藤の言葉ににこは首を傾げて唸る。

 

にこ「なんでかしらねぇ・・・。やっぱり、作品元が一緒だから、覚えやすかったのかしら」

絵里「アウトォ!!それ、メタいわよ!」

希「そんなことより、なんで姫様とおるんかな?」

沖田「さぁ?」

 

相槌を打ちながら、カチャと音を鳴らして沖田が用意をしたバズーカを神楽達に向ける。

 

近藤「チョットォ!総悟君!何やってんの、物騒なもんだして!」

沖田「回りくどいのは苦手なもんで」

近藤「待て待て待て待てェ!!」

絵里「ちょっ!姫様に当たったらどうするのよ、沖田さん!」

沖田「そんなヘマはしめーや。俺は昔スナイパーというアダ名で呼ばれていたらいいのになー」

にこ「それ、ただの願望じゃない」

 

にこのぼそりとした言い様に、沖田ははーやれやれ、というふうな視線を向けた。

 

沖田「夢を掴んだ奴より夢を追ってる奴の方が、時に力を発揮するもんでさぁ」

にこ「・・・はぁ?それ、屁理屈って言うのよ」

近藤「こら!メンチ切り合うなっ!」

 

そんな背後でのやり取りを気にもとめず、土方は声を張り上げた。

 

土方「こらぁ!出てこい!お前らがどうやってそよ様と知り合ったかは知らんが、そのお方はこの国の大切な人だ。これ以上、俺達の邪魔をするようならお前らもしょっぴくぞ!聞いてるか!?」

 

その言葉に答えない神楽達にそよは声をかける。

 

そよ「・・・女王さん、凛さん、花陽さん、それに・・・真姫ちゃん。もういいです。私、帰ります」

神楽「なんで?自由になりたくないアルカ?私、自由にしてあげるヨ」

凛「そうにゃ!どんな事でも私達が力を貸すにゃ!」

 

そう言う神楽と凛、そしてその言葉に仕切りに頷く花陽と苦笑いを浮かべる真姫に目をやり、少し困った様な表情をそよは浮かべた。

 

そよ「自由にはなりたいけれど・・・これ以上女王さん達に迷惑は・・・」

神楽「迷惑違うヨ。約束したアル。今日一日友達って。友達助けるに理由いらないネ。それが江戸っ子の心意気アル」

花陽「そうだね。それに、私達はそよちゃんの助けになりたいから、自分で決めて自由にしたいって思って、約束も守りたいって思ってるんだよ」

凛「そうにゃ!かよちんの言う通りにゃ」

神楽「まだまだ一杯楽しいこと教えてあげるヨ」

 

そよは神楽の言葉の後に、視線を真姫に向ける。

真姫は静かに微笑んで一頷きをし、それを見たそよは少しだけ表情を和らげるも、直ぐに元の難しげな表情を浮かべる。

 

そよ「そう、私達は友達です。でも、だからこそ迷惑かけたくないんです。ホントにありがとうございました、女王さん、真姫ちゃん、凛さん、花陽さん。たった半日だったけれど、普通の女の子になれたみたいでとても楽しかった。それじゃ」

神楽「待つネ!狡いヨ!自分から約束しといて、勝手に破るアルカ!私もっと遊びたいヨ!そよちゃんともっと仲良くなりたい!狡いヨ!!」

凛「私も!私もそよちゃんともっと遊びたい!もっと仲良くなりたいにゃ!だって、せっかく会えたのに!」

花陽「そよちゃんっ・・・!私、そよちゃんに会えてよかったと思ったのっ・・・!だから、私ももっと仲良くなりたいっ!」

真姫「そよ・・・」

神楽「狡いヨ、そよちゃんっ!」

そよ「そーです。私、狡いんです。でも・・・私、真姫ちゃん以外にこんなにも友達になりたいと思った人達は、あなた達が初めて。真姫ちゃんに続いて二番目です。だから、最後にもういっこ狡させてください」

 

背中を向けながらそう言っていたそよは、最後に振り向いて、神楽達の顔をしっかりとみてから言った。

 

そよ「一日なんて言ったけど、ずっと友達でいてね」

 

 

 

 

ある日の事。

その日はいつものように(悲しい事に)万事屋の仕事がなく、神楽が銀時の座っているソファの半分を使って番傘を抱えたまま眠っているそばで、銀時、穂乃果、新八の三人でテレビを見ていた時。

 

『君はどーして酢昆布を食べるの?』

『え?だってぇ、お姫様が美味しいって食べてるから!』

 

一人の少年が映っていたテレビが、そよが映る画面に切り替わる。

 

『今、空前ブームをおこす酢昆布の影には、将軍様の妹君、そよ姫が深く関わってます。先日催された歌会の折に酢昆布をかじる姫の姿が目撃され、一気に酢昆布ブームに火がついたと言われています』

 

そこまで見たところで、新八が意外そうな声音で言った。

 

新八「へぇー。酢昆布好きのお姫様ですって」

銀時「バカ、おめっ!嘘に決まってんだろ、あんなの。ありゃ庶民派のイメージ出して親近感持たれよーとしてんだって」

穂乃果「そうかなぁ・・・?意外とホントの事かもよ?」

銀時「んなわけねぇだろ。どーせ城じゃあ、フォアグラ三昧よ。きっと寿司の上に寿司のせて食べてるよ」

穂乃果「意味が分からないけど、贅沢な事は分かるよ!」

銀時「だろ?見ろお前ら、本物の酢昆布娘を。寝顔から貧乏臭さが流れ出てるだろ。これが本物って奴だよ」

穂乃果「可愛いじゃん、神楽ちゃん」

新八「まぁ、寝てるだけなら」

銀時「・・・そうだな、寝てるだけならな」

 

銀時達が近くでそう話していても中々起きない神楽が抱えている番傘には、数日前に神楽達とそよが変顔で撮ったプリクラが貼ってある。

 

そのプリクラにはこう書いてあった。

かぶき町の女王と姫とその仲間達←(ㅤº言º)、と。

 

 

ちょっと長めのおまけ

 

 

今日も料理

 

 

 

銀時「こんちわー。今日も料理でーす」

妙「今日の献立はオムライスです。大きなお子さんから小さな子供さんまで大興奮ですね、先生」

銀時「いや、俺子供嫌いだから。ていうか何で俺が他の奴の為に料理なんかしなきゃいけない・・・うっ!」

妙「無駄口叩いてないでとっとと作りましょうね、先生」

穂乃果「お、お妙ちゃん!包丁は人に向けちゃダメだよ!」

銀時「穂乃果!新八!神楽!気合い入れていくぞ!」

神楽・新八「(おー!/おー・・・)」

 

 

妙「まずはチキンライスから作ります。先生、何から始めましょうか?」

銀時「神楽、野菜切ってくれ。みじん切りな」

神楽「了解であります!」

穂乃果「ん?」

神楽「ほあちゃああああー!!」

穂乃果「わぁぁ!!?神楽ちゃん!みじん切りは手じゃなくて包丁でやるんだよ!後、玉ねぎと一緒にまな板とキッチンを粉砕するのはダメぇー!!」

新八「オイ!キッチンごと破壊してどうするの!?」

神楽「木端微塵切り」

 

 

銀時「ったく、しゃかねぇなぁ。野菜ってのは、こうやって切るんだよ。ほいっ」

穂乃果「なんで上に放り投げ・・・?」

銀時「ほぉ!はぁ!っと」

穂乃果「うわっ!銀ちゃん器用だねぇ」

銀時「ま、ざっとこんなもんだ」

新八「いやいやいやいや!!木刀で玉ねぎ切れるわけねーだろ!!」

銀時「気合いだ気合い!気合い入ってりゃ、千六本だろうが、かつら剥きだろうが、なんだって出来るさ!」

 

 

妙「あの、穂乃果さん?」

穂乃果「んー?」

妙「さっきからかなり適当に材料ぶっ込んでますけど、何となく分量とか教えて貰えませんか?」

穂乃果「えっ、あーっ・・・うーん?・・・銀ちゃん、パス」

銀時「あ?いやいや、いいんだって、そんなの。こんなの適当だし」

妙「でも、一応料理番組──と言うか料理小説みたいになってますけど、──気取ってますから、何かしら言ってかないとまずいんですけど。何せ地文もありませんし」

銀時「男の料理は大雑把が基本なんだよ。穂乃果も料理は上手いんだけど、料理教えてくれた奴が男だったし、後は独学で上達するタイプだから、絶対に正確な分量覚えないし、穂乃果もある意味では大雑把な男料理タイプだから」

穂乃果「そっ!それでも一番美味しいって皆言ってくれたし!」

銀時「まぁそれは事実だからな。それはともかく、こうやって適当にやってれば」

穂乃果「あ、あれれ?」

 

 

妙「冷やし中華が完成しちゃいました」

新八「麺いつ入れたんだよ!?」

 

 

妙「具材の方にかなり火が通ってきましたね。そろそろご飯を・・・」

穂乃果「そうだね・・・ん?」

神楽「むんっ・・・もぐもぐ」

新八「オオオイ!!まだ調理前だから!まだ食べちゃダメだから!!」

神楽「おかわりヨロシ?」

新八「全滅だとぉ?」

銀時「オイオイオイ、どーすんだ。余分な米なんて家にゃ何処にもねーぞ」

妙「こんな事もあろうかと」

銀時「ん?」

妙「こちらに完成したものを用意してありまーす」

 

ウフッ。

ずーん。

 

新八「ま、まさか」

銀時「可哀想な卵じゃねーだろーな」

穂乃果「それはちょっと・・・」

 

パカッ。

 

銀時・穂乃果・神楽・新八「「「「うっ」」」」

 

キャアアアアーー!!

 

銀時「やっぱアートだよ」

神楽「これ、食べないと死ぬアルカ?」

穂乃果「ううっ・・・こんな事なら私も予め作っておけば良かった・・・」

妙「さぁ、召し上がれ」




はい。そんな訳で銀時、穂乃果共々可哀想な卵にやられてしまったので今回はお休みです。
なので、今回はゲストであるそよ姫様と二人になります!

そよ「よろしくお願いします」

じゃあ、設定からね。







徳川そよ

基本的な設定に変化はない。
真姫とは小さい頃からの友達で唯一の仲良しさんだった。幼馴染。

歳━━━━16歳
容姿━━━柔和な顔付きに姫カットが施された黒髪ロングの美少女。
性格━━━礼儀正しいお淑やかな見た目とは裏腹に、その本質的には天然かつ無邪気でマイペースな性格。世間知らず故に、悪意なく相手の心をへし折るようなことをさらりとい所も持っている。非常に友達想い。
一人称━━私







短いけど、こんなもんだよね。

そよ「分かりやすくていいと思います」

じゃあ、予告、お願いしてもいい?

そよ「私で出来るのであれば」

出来る出来る!
お願いします!







そよ「次回は万事屋さんが、ヘンテコペットグランプリに定春くんと一緒に出ます。楽しみにしててね」







そよ「これでいいのかしら」

うん。大丈夫!
もう誰も短くても気にしないから。

そよ「そうなの?」

そうなの!
じゃあ、また次回!

次回も頑張るね!

あ、因みに色付き文字、凝ってみました。


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第十八訓 飼い主とペットは似るって言うけど、ペットは必ずしも飼い主に忠実というわけではない

今回は大体一ヶ月で書き終われたね。

銀時「いつもこうだったらなぁ」
穂乃果「いいじゃん。続いてる方だし。この小説」

オマケにお気に入りも私的には多い方だと自負してる。

穂乃果「自己評価大切だよね」

今でもコツコツ見てくれてる人達には感謝の念しか湧きません!

銀時「不定期にも程があるからな」

でもここまで来ると伸びが良くないよねぇ。

穂乃果「誰もが一度は通る道だよ」
銀時「むしろそんな上手くいくはずがないもんな」

だよねぇ。

因みにコツコツと地文の表現を変えている(一部)ところがあるので、覚えてる人は読み返してみてもいいかも。気が向けば。

穂乃果「内容的には読まなくても、多分問題ないもんね」
銀時「だな」

取りあえず、始めよっ!!

穂乃果「そうだね!」
銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!」


銀時「ふんぬををををを!!!」

 

その日、神楽の代わりに定春の散歩に行くことになった銀時は、住宅街で人目もはばからずに踏ん張る定春を首輪に繋いだ紐を持って懸命に引っ張りながら、何とか阻止しようと奮闘していた。

 

銀時「おめっ、ダメだって!こんなところで用たしたら・・・!!お前の排泄物はわんぱく坊主の夢よりでかいんだから!!」

 

そう言っても踏ん張るのを辞めるつもりは毛頭なさそうな定春に、銀時も負けじと言葉を続けながら、更に紐を引っ張る。

 

銀時「チキショー!だから散歩なんざ嫌だったんだよ。面倒は必ず私がみるアルとか言ってたくせによォ。最終的にはぜってーお母さんが犬の世話することになるんだよ!!アレ?俺、穂乃果差し置いてお母さん?」

 

盛大に独り言を大声で叫ぶ銀時の後ろから、一つ声が掛けられた。桂である。

 

桂「フン」

銀時「!」

桂「ペットのしつけもできんとは情けない・・・」

 

振り返った銀時の視界には、予想通り桂と・・・何か白いオ○Qみたいな物体がその横にいた。

 

桂「動物一匹自由にできんようで天下国家をどうして動かせようか・・・貴様、それでも侍か?」

銀時「ヅラァ、なんだソレ気持ちワル!!」

 

正直が過ぎた。

 

桂「気持ち悪くない!エリザベスだ」

銀時「単体で見るとそーでもねーがお前とセットになると気持ちワリーよ。って言うかお前が気持ち悪い!」

 

もはや悪口である。

 

桂「坂本のバカがこの間俺のところに勝手に置いていったんだ。大方どこぞの星で拾って来たんだろう。相変わらず宇宙航海などにうつつを抜かしているらしいからな」

 

その横では、ペットの意地なのかなんなのか、定春とオ○Qが火花を散らして睨み合っている。

 

銀時「オメー、地球外生物は嫌いじゃなかったのか?」

桂「こんな思想も何も無い物をどう嫌いになれと言うんだ。それに・・・けっこう、カワイイだろう?」

 

桂の可愛い発言に、銀時は思わず絶句した。その言葉は桂が言うとはとても思えなかったものだったからだ。今までの桂からは考えられなかった。

 

決して、嘘だろう?と絶句した訳では無い。確かに、同意は出来かねるが、それでも桂の変わりように純粋に驚いたのである。純粋に

 

桂「よーし!行くぞ、エリザベス。今日は河川敷まで行こうか」

銀時「ヅラ・・・お前一体・・・っ!」

 

少し桂に銀時が気を取られていた一瞬だった。

その一瞬で、見事定春は排泄物を生み出していた。

 

銀時「あっー!!?お前、何やってんだよ!うわっでかっ!アンドくさっ!」

 

銀時の悲鳴を横に、定春は未だに出し続けている。

 

銀時「だからダメだって言ったじゃん!あっ!」

 

銀時の嘆きを横に、定春は排泄物を出し切ってスッキリした顔で一鳴き零した。

 

銀時「無念」

 

 

 

 

新八「へぇー、あの桂さんがねぇ。意外なところもあるんスね」

銀時「まーな。奴も丸くなったってことじゃねーの?」

穂乃果「確かに、地球外生物に可愛いなんて、今までだったら言わなかったよね」

 

散歩から帰ってきた銀時の横で話を聞いた穂乃果は、驚きに目を見開く。同時にそのエリザベスなるものが気になってくる。見てみたいものだ。

 

銀時「ウチのも貰ってくんねーかな。生産性のねェ奴はウチにはいらねーよ。コイツが産むのはウンコと痛みだけじゃねーか!」

 

帰ってきてからずっと定春に頭を咥えられたままの銀時が言った。

そんな銀時に対して、穂乃果の向かいのソファに座っていた神楽は新聞を見たまま、こちらにちらりとも視線をよこさずに、無情にも定春に対して告げた。

 

神楽「そんな言い方、定春に失礼アル。定春!そのまま噛み砕くヨロシ

銀時「待て待て待て待て!分かった分かった!!ウンコと痛みプラスシッコだ!」

神楽「ヨシ。定春、離してやれアル」

 

そんな神楽の指示も虚しく、銀時は定春に頭ごと飲み込まれた。

 

穂乃果「それでいいの?神楽ちゃん」

新八「ヨシじゃねーよ!ロクなモンプラスされてねーじゃねーか!」

 

大体と新八はそもそもの前提を否定する。

 

新八「ペットは安らぎを与えてくれる存在ですよ。見返り求める方が間違ってますよ」

 

新八が言い切ってから、つけていたテレビからタイムリーな話題が上がった。

 

『番組では変なペットを募集しています。鎖国解禁以来、我が国には天人と共に様々な生物がやって来ております。あなたの近所にも変なペットいませんか?当番組では、そんな変でかわいいペットを集め日本一を決定したいと思います。グランプリには豪華賞品が・・・』

 

そこまで聞いたところで、一斉にテレビを凝視していた穂乃果達に、同じく凝視していた銀時が同時に目を光らせて、ポツリと尋ねた。

 

銀時「・・・安らぎと豪華賞品、どっちが欲しい?」

 

その質問には誰も答えなかったが、その沈黙が物語っていた。

 

 

 

 

お登勢「一週間?」

 

いつもの様に家賃の催促に来ていたお登勢は、玄関でいつもと違って隠れも逃げもしなかった銀時の言葉を復唱した。

 

銀時「ああ、間違いねー。一週間待ってくれりゃ、ノシつけて払ってやるから心配すんな」

神楽「気分は既にオイルダラーヨ。酢昆布食べ放題アルヨ!」

穂乃果「苺食べ放題!」

新八「オイルの割にはやけに野望がちっちゃいなオイ」

お登勢「随分と余裕だねぇ。何か当てでもあるのかい?」

 

その質問に、銀時は未だかつてないほど自信を持って答えた。

 

銀時「ある」

神楽「珍しくナ」

新八「一応ですけど」

穂乃果「(私達からしたら)凄く頼りになる当てがね!」

お登勢「何か眉唾臭い気もするけどねぇ」

キャサリン「オ登勢サン、コンナ奴ラノ言ウコト信用シタラダメヨ。絶対ハッタリデスヨ。嘘八百デスヨ」

 

お登勢の横では、ここにいるはずのなかったキャサリンが当たり前のような顔をしてそこに立っていた。まるで、今まで何回も登場していたのかのような表情である。

 

銀時「オイ、テメー!何当たり前な顔して再登場してやがんだ、コラァ!」

神楽「確か今頃塀の中アル」

 

キャサリンの顔を引っ張る銀時と神楽、神楽に掴みかかるキャサリンを気にもとめず、お登勢は事情を話した。

 

お登勢「キャサリンはこの前、釈放になって出てきたのさ」

穂乃果「それはいいけど、なんでここに?」

お登勢「他に行く当てもないんでまた舞い戻ってきたんだよ」

銀時「しかしバアさん。アンタも物好きだねぇ。店の金をかっぱらったコソ泥をもう一度雇うたァ、厚生でもさせるつもりか?」

お登勢「そんなんじゃないよ。人手が足りなかっただけさね」

銀時「・・・ま、いいけどな」

 

そこで銀時は未だ掴みかかっていたキャサリンの頭から手をどける。

そこで、逆に神楽はキャサリンの首を絞めにかかった。

 

神楽「くれぐれも私の物にだけは手を出すなヨ!この猫耳星人!」

キャサリン「盗厶モンモ無イクセニ、偉ソウニ言ウンジャネーゾ!コノ小娘星人!」

神楽「気をつけるアルヨ、クソ年増星人!いっそポストに生魚ぶち込んでやるヨ!」

キャサリン「食ベズニ我慢出来ルナラ、ヤッテミロ、コノ大喰ライ星人!」

 

眉尻を下げて困った顔のまま、じっと神楽とキャサリンのやり取りを見ていた新八は、キャサリンの大喰らい星人発言に確かに・・・と言葉を零していた。

 

穂乃果「そこ、納得するところ?」

お登勢「ま、今日はキャサリンの顔見せもあったからね。一週間だよ。もし払わなかったら・・・どうなるか分かってるねぇ?」

 

背を見せて玄関から去っていくお登勢のその声は、ドスの効いた迫力のあるものだった。

 

 

 

 

そんな訳で銀時達、万事屋一行は公園へと来ていた。

 

新八「よーし、ばっちこーい!!」

銀時「ヘイ、いつでもオッケーでぇー!」

 

そう気合十分に構える銀時と新八は、その格好も気合十分であった。

 

銀時の格好は、赤と黒のヘルメットに21と書かれた赤いユニフォーム──ラグビーで着るような格好である。一方新八は、自分の家の道場の剣道着に顔には穴の空いた白いお面姿である。統一感がまるでない。

 

そんな二人の向かいには行儀良く”おすわり”をしている定春、その横には神楽と穂乃果がいた。

 

神楽「よし、定春。頑張るアルヨ!」

穂乃果「優勝目指そうね、定春!」

 

こちらも気合十分である。

 

神楽「よーっし!行け、定春!」

 

そう言ってピシッと神楽の指さした方向──つまり、銀時達のいる所──に向かって神楽の言葉と同時に定春が走り出した。

 

定春が銀時達に辿り着く前に高く飛び上がった所に神楽はすかさず指示を出した。殴るモーション付きで。

 

神楽「定春、”お手”っ!」

 

その指示に定春はしっかりと答えた。神楽と同じ殴るモーションで。犠牲者は銀時である。

 

穂乃果「定春!”おかわり”っ!」

 

犠牲になった銀時は一切気に止めず、今度は穂乃果が定春に指示を出した。アッパーカットをするモーション付きで。

 

その指示に対しても、定春はしっかりと答えた。器用にも穂乃果と同じアッパーカットをするモーション付きで。犠牲者は新八である。

 

穂乃果・神楽「定春!”おすわり”!」

 

それにもやはり気に止めず、今度は穂乃果と神楽が同時に指示を出した。

 

今度はモーション付きでは無いものの、しっかりと答えた定春は、今度は強力な殴りとアッパーカットをくらって倒れている銀時と新八の上に遠慮なしにそのおしりを乗せた。

 

神楽「よし、行ける!だいぶ上達してきたアルネ!」

穂乃果「これは優勝も夢じゃないね!」

 

やはりちっとも潰されている銀時と新八を気にしている様子のない穂乃果と神楽に、銀時と新八は潰されながら言った。

 

銀時「いや、あのさ。まず最初にもうちょっとそっとやってくれるように言って貰えませんか?」

新八「っていうか、ホラ。基本のしつけでいちいち命懸けだから」

 

そんな普通の神経を持っていたら近づきたくないと思うような面々に、一つの声がかかった。桂である。

 

桂「何をしている?」

新八「?」

銀時「何だ、ヅラか」

桂「ヅラじゃない、桂だ」

穂乃果「こー君、どうしてここに?」

桂「散歩だ。それより何をしているのかと聞いている」

 

桂の問いに神楽が答えた。

 

神楽「見て分からないアルカ?定春に芸を仕込んでるアルヨ」

桂「おお、そうか。それはつまり、俺のアドバイスを聞き入れ心を入れ替えたという訳か?」

穂乃果「アドバイス?」

銀時「バカ言うな!誰がオメーの言葉何かで心入れ替えるかってーの」

神楽「今度定春がテレビに出るアルヨ」

桂「テレビ?」

銀時「その為に特訓中だ。まぁ、お尋ね者のお前にゃ関係ねー話だけど・・・なぁーっ!?」

 

銀時がそう話している最中に、定春が突然二本の足を銀時と新八の上に置いたまま立ち上がった。

 

神楽「よーしっ!次は”チンチン”アルヨ、定春」

穂乃果「凄いね、定春!」

桂「・・・テレビ」

 

 

 

 

定春の特訓を初めて早一週間。

変てこペットグランプリの開催の日である。

 

『変であることを恐れるな。変とはつまりオリジナリティーだ!第七回、宇宙で一匹変てこペットグランプリぃぃぃ!!』

 

辺り一面に歓声が響き渡る。

 

ここ、お登勢ではキャサリンがテレビで変てこペットグランプリを見ていた。

 

お登勢「ただいまー」

キャサリン「オ帰リナサイ。ドウデシタ、オ登勢サン」

お登勢「ダメだ。また逃げやがったよ、アイツら。ったく、家賃回収の度に逃げ回りやがって」

 

煙草に火をつけて咥え、一息ついてからお登勢はドスの効いた声で言った。

 

お登勢「見つけたらボコボコにしてやるよ」

キャサリン「アア言ウ奴等ハ何言ッタッテ無駄無駄。腐ッタミカンハ、周リモ腐ラス。腐ラス前二追イ出ス一番デスヨ」

お登勢「保釈で出て来たばかりの分際で、随分偉そうなものいいじゃないか?」

キャサリン「ソレハソレ、コレハコレ」

お登勢「ったく、いけしゃあしゃあと」

 

そこで、テレビに顔を戻したキャサリンが驚いたふうに立ち上がった。

 

キャサリン「ナッ!オ登勢サン、オ登勢サン!アレ、アレ!」

お登勢「うるせーな!また、ムショにブチ込まれてーのか、あん?」

キャサリン「見テ見テ、テレビ」

 

そこでお登勢の目に映ったのは、テレビに出ている万事屋一行だった。

 

『新宿かぶき町から来て頂きました。宇宙生物定春くんと飼い主の坂田さんファミリーです』

お登勢「坂田さんファミリぃぃぃぃぃぃ!?何やってんだあいつらァァァ!!

キャサリン「アイツラノ家賃ノアテッテ、コレノ事ダッタンデスネ」

 

 

 

 

「予選を勝ち抜いたチームの皆さんには、前回のチャンピオン、マスク・ド・ムーさん一家のミス・ガターベルトちゃんへの挑戦権が与えられます。えー、頑張ってくださいね〜」

「かかってこいやー!」

「ヒャアー!!」

 

紹介された坂田さんファミリーの一人、新八はしみじみと呟いた。

 

新八「ホントに来ちゃいましたね」

 

そんな新八に坂田さんファミリーの一人、銀時は言葉の割にやる気のなさそうな顔で言った。

 

銀時「やるからには、てっぺん狙うぞ。気合い入れてけ」

 

坂田さんファミリーの一人、穂乃果は言葉も顔も気合い十分である。二つの握りこぶしを作ってフンスッとしている。

 

穂乃果「そうだね、気合入れてこー!」

 

因みに最後の坂田さんファミリーの一人、神楽は珍しくも緊張していた。冷や汗が凄そうだ。

 

「えーっと、こちら坂田さんに食いついて離さないのが、定春くん?っていうか、大丈夫ですか?」

銀時「大丈夫っすよ。定春は賢い子だから、ちゃんと手加減してますからね〜」

「血ぃ、出てるんですけど・・・」

 

銀時が賢いと言った傍から噛む力を強める定春。司会も審査員も真っ青だ。

 

新八「銀さん、審査員引いてますよ。血ぃ、止めて止めて」

穂乃果「血って止めてって言われて直ぐ止めれるものだっけ?」

新八「神楽ちゃん、定春止めてよ!神楽ちゃんか穂乃果さんの言うことしか聞かないし、神楽ちゃんが定春飼うって言い始めたんだから」

神楽「ウン」

 

新八にそう言われた神楽は緊張したまま、カチコチした動きでカメラの横、カンペを出す人の前に行くと定春に向けての言葉を言った。

 

神楽「定春ぅぅ!!メッ!!晩ご飯抜きにするアルヨ!!」

新八「オメーも抜きにされたいのか!?」

 

素早く神楽の首根っこを持って回収した新八は、囁き声で銀時に文句を告げる。

 

新八「ちょっとォ!ちゃんとやってくださいよ。こんなんじゃ決勝まで勝ち残れるわけないでしょ!?」

穂乃果「かなり厳しそうだよ、銀ちゃん」

銀時「そーか?審査員の奴ら俺にくぎづけになってるぞ」

新八「そりゃくぎづけにもなるわ!鏡で自分の顔見てこい!!

穂乃果「血まみれだもんね」

神楽「三人共、動きが硬いネ!舞台をフルに使って行こー!体を持っと動かそー!」

新八「オメーが一番ガチガチじゃねぇか!!

 

そのまま大声で言い合う神楽と新八を眺めてから、司会がカンペ通りにことを進めた。

 

「・・・えー、ペット以上に個性的な飼い主さん達みたいですね。じゃあ一旦CMでーす」

 

 

 

 

「はーい!じゃあ次のチームの方、どうぞー!」

穂乃果「ん?」

「続いての変てこペットは宇宙生物エリザベスちゃん。そして、飼い主の宇宙キャプテンカツーラさんです」

 

予想外の人物の登場に、銀時達は思わず瞬きをしてから凝視した。

 

銀時「・・・なにやってんの、アイツ?」

穂乃果「指名手配中のハズなのに、変装までしてテレビに出てきたね」

新八「余程ペットが気に入ってるよーですね・・・」

神楽「ペットもそーだけど、あの衣装も気に入ってるアル

 

その視線の先には、以前着た事のある海賊っぽい衣装である桂だ。

 

「えー、カツーラさん、宇宙キャプテンって要するに何なんですかね?」

桂「要するに宇宙のキャプテンです

 

まんま過ぎる答えに、司会が一瞬沈黙した。

結局深くは聞かず、そのまま話を進めた。

 

「えー、あちらの定春ちゃんと対戦し、勝ち残った方が決勝へと進める訳ですが、どーですか。自身の程は?」

 

その質問に桂は定春の方を見て答える。

 

桂「あんなのタダのデカい犬じゃないですか!ウチの実家の太郎も、アレぐらいありますよ」

銀時「んだコラァ、ヅラ!てめーのそのペンギンオバケみてーな奴もな、ウチの実家じゃ水道の蛇口ひねったら普通に出てきたぞ」

穂乃果「どんな蛇口?」

新八「バレるよ、バレるウソは止めて!!」

 

辺り一面に軽やかな音楽が流れる。

 

「アピールターイム!どんどんどん、パフパフ!では、第一回戦!お互いのチャームポイントをそれぞれアピールしてください。いつも言ってる事ですが、審査員の先生達が独断と偏見で得点を算出します。ではまず、坂田さんファミリーからアピールタイム行ってください!」

 

順番だと言うことで、銀時達は練習の時通りの持ち場へと散らばる。皆、その顔はやる気に満ち溢れている。

 

神楽「いいアルカ。特訓の成果、見せつけるアルヨ!」

穂乃果「頑張ろうね、定春」

銀時「あたりめぇだよ、ホント。この一週間の血のにじむような苦労、無駄にしてたまるか!」

新八「血が噴き出すの間違いですけどね」

 

銀時と新八の向かいから手を大きく振りながら穂乃果と神楽が声をかけてきた。

 

神楽「準備はいいアルカー!銀ちゃーん!新八ー!」

穂乃果「銀ちゃーん!新八くーん!二人も頑張ってねー!」

神楽「いいアルネ、定春」

銀時「大丈夫。自分を信じなさい。お母さん、アンタはホントは出来る子だって信じてるからね」

新八「誰に話してるんですか」

 

銀時の言葉に新八は呆れた表情だ。

 

神楽「よーし!定春ぅ、行っけー!!」

 

その言葉を合図に走り出す定春。

 

神楽「定春、”おて”!」

 

見事な殴りを入れる定春。犠牲者は銀時だ。

 

穂乃果「定春ぅー!”おかわり”!!」

 

見事なアッパーカットを決める定春。犠牲者は新八だ。

 

穂乃果・神楽「止めだ!”おすわり”!!」

 

”おすわり”も練習通りに銀時と新八の上へと座る。

 

神楽「おっしゃ!完璧アルネ、穂乃果!」

穂乃果「やったね、神楽ちゃん!」

 

それを見ながら桂はせせら笑った。

 

桂「フン。この前と何も変わってないではないか。勢いと流血だけで芸と言うならば、なんの苦労もいらん。ウチのエリザベスはそんな下等な芸などしない」

 

自信たっぷりである。

 

「じゃあ、次はエリザベスちゃんのアピールタイム。どうぞー」

桂「これを見よ!!

 

声高らかに叫んだ桂が持っていたのは、紙と絵の具の筆であった。

 

桂「さぁ、見せつけてやれ、エリザベス!!」

 

その視線の先のエリザベスは、ベリー帽を被って筆を口で咥え、更に手に持った状態でキャンバスに向かっている姿であった。

 

暫く筆を顔の前に持って行って眺めていたエリザベスだが、急に目を光らせて物凄い勢いで描き出した。

 

出来上がったのを見た人々は、歓声をあげた。

 

その絵は、恐らく桂とエリザベス。しかしその絵のタッチは、評論家には高評価を得られそうなモノである。

 

銀時「な、なんだありゃ?」

穂乃果「器用なんだねぇ、エリザベス」

「やけに見事な絵が完成しましたよ!まるで、人間が描いたような絵です」

 

その言葉は桂にとって許し難い事なのか、司会に向かって掴みかかる。

 

桂「おい司会!なんだその言い方は!エリザベスに失礼であろう!」

「あ、いや・・・すんません」

神楽「ふ、フン!あんなのより私が描いた方が上手いアルヨ!」

新八「いや、そういう問題じゃないから」

銀時「大丈夫だ。インパクトは俺達の方が勝ってる。心配するな」

新八「勝ってるのは血の量だけですよ」

穂乃果「大丈夫・・・大丈夫!まだ第一回戦だから!」

新八「そんなに言い聞かせなくても」

 

エリザベスの描いた絵を司会が近くで虫眼鏡を使いながら見てから、審査員に得点を出してもらう。

 

「えー、では!審査員の皆さん!得点の方をどうぞ!」

 

両者、神妙な顔付きで得点盤を見る。

 

定春”2てん

エリザベス”1000てん

 

得点にかなりの点差が出来た。

 

「おーっとぉ!?これはいきなりかなりの点差が出来てしまいました!!果たしてこれから逆転は可能なのか!?」

新八「いや、それ・・・こっちが聞きたいんですけど」

 

この点差には流石に逆転出来る未来が見えなかった。

桂は早くも優勝確定だと決めつけている。

 

穂乃果「これが、独断と偏見による採点・・・」

銀時「恐ろしいな・・・」

 

 

 

 

「それではー、第二回戦に移らせてもらいますよ。私が投げたこのフライドチキンを先に咥え、持ち帰った方が勝ち。飼い主の誘導もけっこーですよ。因みにこれに勝つと3万点です!気合いを入れてチャレンジしてください!」

 

その言葉に優位な立場だった桂が振り向いて文句を告げる。

 

桂「おい司会!だったらさっきの一回戦はなんだったのだ!?」

「いえ、やはり・・・番組としては盛り上がりというモノが・・・」

桂「そんなもの必要ない!今すぐルールを訂正しろ!」

銀時「おいコラァ、ヅラァ!主催者様にイチャモンをつけてるんじゃねぇぞ。文句があるならとっとと帰れ!」

桂「何・・・?」

「まぁまぁ、とにかくこれで勝負が決まります。両者共に頑張ってくださいよ」

 

銀時と桂を宥める司会の声が聞こえてないのか、銀時は喧嘩腰に言った。

 

銀時「んなまどろっこしーの止めてよォ、男らしく殴り合いでいこーや?」

桂「望むところだ!」

いや、オメーらじゃねーよ!!いい加減にしろよ、オメーら!!

穂乃果「銀ちゃん!こー君!もー、変なところで脳筋なんだから!勝負するのは定春とエリザベスでしょ!」

 

一方で、勝負内容を聞いた新八は安心の笑みを見せていた。

 

新八「これ、もしかしたら勝てるんじゃない?エリザベスはどう見ても鈍足そうだもん。ねぇ?神楽ちゃん」

 

そうして横を見た新八は、そこに神楽が居ないことに気づき、疑問符を浮かべながらも反対側の横に視線を向けて。

 

──そこに神楽は居た。

カメラの横でヘッドホンを被り、カンペ用のノートに「新八、そこでボケる」と書いたモノをこちらに向けながら。その更に横には本来、カンペを持つ男が困った顔で神楽の傘を代わりに持って居た。

 

新八「・・・もう帰れば?」

 

それからやっと始める事が出来る第二回戦。

エリザベスの表情は変わらないのでよく分からないが、定春の表情はいつもよりずっと真剣な眼差しである。

 

「それじゃあ行きますよ〜。位置について、よーい〜・・・GO!!」

 

司会はGOの部分で思いっきり遠くへ飛ばすつもりで骨を投げた。

 

定春とエリザベスはそれと同時に走り出す。

 

しかし──・・・。

 

穂乃果「さ、定春ぅぅー!!?

銀時「おわァァァァァァァァァ!!!

 

定春は銀時目掛けて走り出した。エリザベスとは逆の方向だ。

 

銀時はそれに思わず思いっきり逃げる。

 

銀時「バカ、おめっ!あっちだって!!」

「定春ちゃん!イキナリ逆走して飼い主を追いかけ始めたぞ!!」

銀時「やめろォ!だからあっちだってばァァ!!」

 

銀時は目の前にあった審査員席に身を隠そうとするも、定春の巨体の前には意味をなさなかった。

 

「おおっとぉ!!坂田さんが審査員席に乱入ぅぅ!?てかやめろよ、オイ!!セット壊すなオイ!!!」

 

気を取り直して、司会はエリザベスに視線を向けた。

 

「さて、一方エリザベスちゃんの方は・・・ものスゴいスピードだ!!一見、不利と思われたエリザベスちゃん、スゴいスピードでかけてゆく!!」

 

その時、司会は不可解なものを捉えた気がして、疑問の声を上げた。

 

「アレ?気のせいか!?一瞬、オッさんの足のよーなものが・・・アッ!また見えた!!ホラ、オッさ・・・」

 

オッさんと再度言いかけた司会の首に桂が刀を添える。

 

桂「言いがかりは止めろ。エリザベスはこの日の為に特訓を重ねたんだ。オッさんとかそういう事を言うな」

「あ、すんません・・・」

 

一方銀時は、未だに定春に追いかけられていた。

全力で逃げまくる銀時に新八と穂乃果が声をかける。

 

新八「銀さーん!!どうせ逃げるなら骨の方へ逃げてくださいよ!!」

穂乃果「銀ちゃん!!あっち!!逃げるんならあっちだってばー!!」

新八「神楽ちゃん!定春呼び戻して!!」

 

そうして顔を向けた先は先程と似たような光景。

違う所は、横にいる男が神楽の傘を背中に乗せた状態で泣いていた事と、神楽の持つカンペに「ちょっと小腹がすいてきたんですけど……」と書かれている事であった。

そんな神楽に新八は静かに一言。

 

新八「・・・誰に言ってるんだよ」

穂乃果「ぎ、銀ちゃーん!!」

 

未だに追いかけられている銀時を穂乃果が思わず追いかけた。尚、つい動いてしまった穂乃果なので打開策は何も無い。物凄く慌てている穂乃果の頭には、定春を呼ぶと言う選択肢はなかった。

 

銀時「よせっ!来んじゃねっ、バカ犬!!」

穂乃果「銀ちゃん!前、前ェ!!」

 

穂乃果の言葉で前に顔を向けた銀時の視界に飛び込んできたのは、チャンピオン席に座る前回のチャンピオンとそのペットである。

 

銀時「って、あぶねっ!そこどけってぇ!!」

 

このままでは一直線で突っ込んでしまうだろう。

しかし、前チャンピオンは馬鹿であった。

 

「退くわけには行かないな。変てこペット第4代チャンピオンとその飼い主として」

 

そうして奇妙なポーズを繰り広げるバカ。

 

「ここで逃げる訳には行かない!受けて立つぞ!」

 

そうしてプランCだとかでペットのガターベルトが若干厳つくなったが、どちらも瞬殺であった。

 

飼い主であるマスク・ド・ムーは銀時に殴られ、ペットであるガターベルトは定春に吹っ飛ばされた。

 

「おっと、チャンピオンあっさりと敗北でーす・・・。えー、決勝は一体どうなるんでしょう」

穂乃果「銀ちゃんも定春もやりすぎっー!!」

 

やった張本人達はやられた元チャンピオンの事など気にせず。

とうとう追い込まれた銀時は定春に噛み付こうとする。しかし、ただでやられる銀時ではないので、必死に定春を抑えようとする。

 

「とうとう定春ちゃん、坂田さんに食いついたーっ!一体なんなんだ、お前らの関係はーっ!?」

穂乃果「ちょっと激しめのスキンシップを取る関係ですっ!」

「いや、激しすぎだろ、これっ!」

 

一方で順調に言ってるのはエリザベスである。

 

新八「銀さーん!!どうしよう、もうダメだ!!」

銀時「うっ・・・!!」

穂乃果「もうエリザベスが骨の手前まで来ちゃったっー!!」

神楽「定春、退くアルヨ」

銀時「?」

 

ややいつもより低い低音ボイスで定春に言い聞かせるふうにそう言った神楽は、自分の愛用している番傘の先を上手く使って銀時の襟に引っ掛けて左右に揺らした。

 

銀時「はっ?」

穂乃果「え?」

神楽「ほ〜れほ〜れ。欲しいかい?コイツが」

銀時「オ、オイオイ!降ろせ、クソガキ!!」

 

銀時の言葉を無視して、神楽は大きく振りかぶった。

 

神楽「行っけぇぇぇぇ!!!」

 

ゆらゆらと左右に揺れる銀時を行儀よく座りながら目で追っていた定春は、神楽が真っ直ぐ遠くに飛ばした銀時をもの凄い勢いで追いかけた。

 

銀時「行くのっー!!?

 

飛ばされた銀時はものの見事に順調に走り進めていたエリザベスの背中に悲鳴をあげながらぶつかった。

 

「これは坂田さん!定春ちゃんが自分に食らいついていくのを利用し、エサになったっー!!猛然と駆ける定春ちゃん!しかしエリザベスちゃん、既に骨に手を〜?」

 

あと一歩で骨だと言うところで、銀時は起き上がりエリザベスを両手で持った木刀で首元に持っていき、引き止めた。

 

銀時「豪華賞品は渡さん

 

浅ましい事を言う銀時を、更に桂が首を絞める形で引き離そうとする。

 

桂「エリザベスを離せェェ!豪華賞品は俺とエリザベスのもn・・・」

 

こちらも浅ましい事を言っている途中で、桂の頭に定春が噛み付いてきた。定春の大きく、尖った歯が刺さり頭から血が流れ落ちる。

 

桂「・・・フン。なんだかんだ御主人様が好きか?だが、それ以上噛み付こうものなら、君の御主人様の首を折るぞ!!さぁ、どーする?」

銀時「どーするじゃねーよ!!通じるわきゃねーだろ!!」

穂乃果「こー君!その子、犬だから!いくら賢くても、通じる事にも限度があるから!!」

 

いい加減な銀時と桂に司会は青筋を立てている。

 

「てめーらよォ!!競技、変わってんじゃねーか!!頼むから普通にやってくれェ!!放送できねーよ、コレ」

桂「放送など知った事か!!」

 

更に銀時の首を絞める桂。

 

穂乃果「ていうかコレ・・・確か生放送じゃ・・・」

 

穂乃果がそう言い終わる前に、銀時の下から──つまり、エリザベスから聞き覚えのない声が聞こえた。

とてもダルそうな感じである。

 

これには銀時、桂共々驚き、思わず首から手を離した。

 

エリザベス「あー、もういいっスわ〜。なんかダルい」

 

突然の事に何も言えないメンツの前で、エリザベスの口からは人の腕が出てくる。

 

エリザベス「もう帰るんで、ちょっと上どいてもらえますぅ?」

司会「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!コレは・・・

 

正しく目の前で見た事が信じられない桂は、ポツリと呟いた。

 

桂「・・・ウソだろ、エリザべs・・・」

 

 

 

 

プチン、と画面が暗くなり、直ぐに「しばらくお待ちください」の文字が出たテレビにお登勢、キャサリン共に暫く何も言えなかった。

 

しかし次の瞬間、お登勢は凄い大声で捲し立てる。

 

お登勢「んだそりゃあああ!!!そりゃねーだろォ!!エリザベスに何があったんだいィ!!オイッ!!エリザベスぅぅ!!




この話、終わりが中々進まなかった。

穂乃果「それでもコツコツとした賜物だよね」
銀時「にしても今回の初キャラはあいつか・・・」

特に書くことないから、設定はパスだね。

因みに予告だけど、エリザベスが捕まらなかったので、プラカードだけ貰いました。

銀時「そう言うのいいの?OKなの?許されちゃうの?」

あり寄りのありです!

穂乃果「いいじゃーん!じゃあ、今回の予告はコレだね!」







『次回は原作だとあのマダオがメインの話。ラブ魂だと、高坂穂乃果視点での話になるらしいです。(予定)』
穂乃果「みたいだよ!尚、大まかな内容は変わらないと思われるらしいです!」







穂乃果「次回もよろしくね!」
銀時「予定って、曖昧な」

希望とも言うね。

穂乃果「とにかく!次回も早く載せれるように頑張ろうね!」

だね!
それじゃあ、次回も気長にお待ちください!


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第十九訓 考えたら人生ってオッさんになってからの方が長いじゃねーか! 恐っ!!

何とか十一月中に書き終わったね!

銀時「もうダメかと思ったな」
穂乃果「むしろもうダメなんじゃない?」

すっごい刺さるんだけど!?

銀時「なんかもう、覚えていてくれたら奇跡的な程日数経ってますけど」
穂乃果「美雪ちゃんにしては続いてるんだけどね」

銀魂とラブライブ愛はちゃんとあります!

銀時・穂乃果「知ってる」

うう・・・。
じゃあ、始めようか。

穂乃果「そうだね」
銀時「本編が長い分、別に前書き長くなくてもいいだろうしな」

よし!

銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!」


その日、神楽は大江戸児童公園のベンチで酢昆布を齧って座っていた。隣にはサングラスを掛けた男がいる。以前、入国管理局局長として銀時、穂乃果、新八と会った事のある長谷川泰三、その人だ。

 

神楽は前を見据えたまま、気の抜けた声で訊ねた。

 

神楽「おじちゃーん」

長谷川「何だい、お嬢ちゃん」

神楽「おじちゃんはどーして、いつも昼間からこんな所に居るの〜?」

長谷川「んー?それはねェ、仕事クビになっちゃったからだよ〜」

神楽「おじちゃんはどーして仕事クビになっちゃったの〜?」

長谷川「んー?それはねェ、一時のテンションに身を任せたからだよ〜。お嬢ちゃんも若いからって後先考えずに行動しちゃいけないよ〜。人生ってのは長いんだから」

神楽「オメーに言われたくねーヨ、負け組が

 

今まで前を見据えたまま、オマケに間延びのした声で質問していたハズの神楽は、長谷川が経験者としての言葉を発した途端、ハッキリと長谷川の方に顔を向けてハキハキとした言葉遣いでそう言った。

 

長谷川の言葉を待つつもりもないらしく、辛辣な物言いをした神楽は直ぐにベンチから腰をあげて、その場を立ち去ろうとする。

 

神楽「じゃーナ。まるでダメなオッさん。略してマダオ!」

 

長谷川はその背中を無言で見送った。

 

神楽「行くヨ、定春」

 

その声に反応して駆け寄ってきた定春は凶悪な顔をして神楽に飛び掛かる。それに神楽は目もくれず蹴り一つで止めた。蹴られた定春は何事もなかったかの様にそのまま付いて行く。

 

神楽の背中が見えなくなった所で長谷川は乾いた笑いを一つ零した。

 

長谷川「・・・ったく、最近のガキは。アレ?おかしーな。前が霞んで見えないや」

 

今回は、回想を繰り広げる長谷川の新しく見つけた働き先で面倒事に巻き込まれる銀時の話──ではなく、そんな二人とは関係の無い所で平和な日々を送っている地味に関連性があるかもしれない穂乃果の話である。最も、結局銀時並みの巻き込まれ体質である穂乃果も銀時が原因で面倒事に巻き込まれてしまう事になるまでが、ワンセットであった。

 

 

 

 

穂乃果「ねぇ、知ってる?銀ちゃん」

銀時「あ?何が。つーか豆〇〇ばか、お前は」

穂乃果「何言ってんの、銀ちゃん!何がって長谷川さんの事だよ!長谷川さん!」

銀時「長谷川さん?」

 

穂乃果が思い出すのは丁度数時間前の事。

偶然出先で海未に会った時、聞いた話だ。

 

穂乃果「長谷川さんが最近になってタクシーの運転手さんとして働いてるらしいよ」

銀時「あ?あー・・・そう言えば前に面接するって言ってたな。その時は必勝かと思ったのによー。チャンス終わるの早すぎるだろ、全く」

 

銀時の言葉に穂乃果がピクリと反応した。

銀時は穂乃果のそんな様子に気づいた様子はない。

 

銀時「あれ?でもついこの前確かオヤジのおでん屋で死人みてーなツラで愚痴ってた気がするけどなー。つまりその後か」

穂乃果「・・・銀ちゃん、またパチンコ行ってたの?長谷川さんと」

銀時「え、あっ・・・違っ!長谷川さんとは偶然会ったんだ!」

穂乃果「そんなのは・・・どうでもいい!!」

 

その後、穂乃果の怒りによって万事屋を飛び出した銀時は、偶然近くを通った長谷川の運転するタクシーに乗って「どこでもいいからよ、乗せてってくれや」と暇だからタダで連れ回せという無茶振りをするのはまた余談である。その本心の中に穂乃果のほとぼりが冷めるまでは帰れないからと言う思いは一切ない。本人的には一切ないのだ。

 

 

 

 

散歩がてらそこら辺を歩いていた穂乃果は、銀時に呆れ呆れな表情を浮かべていた。

 

ふとその表情をきょとんと変えたのは、少し歩いた前方の方に海未の妹の空が見えたからである。

 

基本的に年頃的に寺子屋に通っている空は一人でいる事が少ない。可愛らしい容姿と海未の教育の賜物であろうとても良く、人に好かれやすい性格をしている空には、男女関係なく友達がそれなりに多い。寺子屋がない日の昼間は公園や女の子友達の場合はお互いの家で遊ぶ事が多い。それでなくても基本的に海未かはたまた妙や新八なんかといる事が多い。少なくとも穂乃果は空が一人でいる所は初めて見たものだ。珍しい。

 

穂乃果「空ちゃーん」

空「穂乃果さん!」

穂乃果「一人なんて珍しいね、どうしたの?」

空「友達みーんな今日は都合が悪くて。それに海未ねぇはバイトだし、妙ねぇはまだ帰ってきてなくて。因みに新にぃはお通ちゃんのLIVEの為に文化センターまで行ってるよ」

 

そう言えばお登勢さんも黄泉返りっていうエステまで今日は出掛けるって言ってたなと、ふと穂乃果は思った。

 

穂乃果「今日は皆暇じゃないんだねぇ」

空「ねぇ」

 

のほほんとした空気を漂わせている二人の近くで、人を咎める声が辺りに響いた。

 

少し離れた先をよくよく見ると、それは絵里と沖田である。

その更に少し離れた位置によくよく見ると土方とにこがいるのも見える。

 

絵里「ほんっとに総悟君ったら!関係の無い運転手さんに向かって十四郎さん殺害に加担させようとするなんて!」

 

思わず名前呼びになる程に憤慨な絵里に穂乃果は首を傾げた。

 

更にいつもの様にバズーカを素直に打ってくれた方がいいくらいよ!と叫んでいる絵里に土方がおい、とツッコむ。

 

土方の横にいるにこは呆れたようにやれやれと肩を竦めた。

 

穂乃果は、そんなにことパチリと目線が合った。

 

にこ「穂乃果じゃない」

穂乃果「にこちゃん!」

にこ「久しぶりね。っと・・・その子は?」

穂乃果「この子は海未ちゃんの妹の空ちゃんだよ」

空「そ、空です。よろしくお願いします」

にこ「よろしくね、空」

 

何事も無かったかのように挨拶をしてくる沖田に穂乃果も挨拶を返しながら、首をこてりと傾げた。

 

穂乃果「どうしたの?こんな所で4人でいるなんて珍しいじゃん」

にこ「それが・・・」

絵里「聞いてよ、穂乃果!総悟君が適当に近くにいたタクシーに乗って、十四郎さんを引こうとしたのよ!どう思う!?」

穂乃果「えぇっ・・・!?ええと、人を巻き込むのは良くない、ね?」

土方「違うんじゃないかな、確かにそれもあるとは思うよ!?けれど、この場で言うべき言葉は違うと俺は思う!!」

 

その土方の言葉に穂乃果ははっとした表情を浮かべた。その穂乃果の表情に土方は気づいてくれたかと言いたげな顔でほっと息を付いた。

 

穂乃果「そっか。そうだよね!そー君、ダメだよ!」

土方(分かってくれたか、穂乃果・・・!!)

穂乃果「人を巻き込むのもいけないけど、そもそもこんな人通りがあるような場所じゃダメだと思うよ!」

 

その穂乃果の言葉に土方と絵里とにこはズッコケた。的外れな事を言った自覚のない穂乃果はすっきりとした表情を浮かべている。

 

沖田「なるほど。そりゃ確かに一理ありまさぁ」

土方「ねぇよ!!」

 

悲痛を帯びた土方の叫びは、辺りに空しく響いた。

 

 

 

 

 

 

いつの間にか少し離れた位置で転がっていた近藤を回収するという事で土方達と別れた穂乃果と空は、少し散歩を一緒にしようという事で買い物がてら歩いていた。

 

穂乃果「そう言えば、そろそろお妙ちゃん帰って来てもいい時間帯じゃない?」

空「え?ああ・・・そうかも」

穂乃果「海未ちゃんもそうかな?」

空「ううん。海未ねぇはまだかも」

穂乃果「海未ちゃんって、パワフルだよねぇ」

 

穂乃果の言葉に空は苦笑いを返した。

 

穂乃果「じゃあ、近藤さんはやっぱりまたお妙ちゃんのストーカーをしてボコられたんだね」

空「逆に私にはそれ以外の理由が思いつかないよ・・・」

穂乃果「・・・確かに、そうかも」

空「あれ?」

穂乃果「どうしたの?」

 

尋ねた穂乃果に空は斜め右側の方向を指差して答えた。

その指の先を追うと、そこにいたのは触覚を一本持った紫の物体。

 

それを見て、穂乃果は珍しくも苦い表情を見せた。

 

空「あの人、見た事あるような気がする。誰だろう?」

穂乃果「・・・ええっと、多分テレビで見たんじゃないかな。あの人はどこかの星の皇子らしいし?」

空「そうなの?」

穂乃果「うん。面倒だから関わっちゃダメだよ」

 

穂乃果がこんな風に言うとは相当である。空は神妙な面持ちで頷いた。

 

そうハタ皇子を見ながら話していると、何処かに遠出でもするのかハタ皇子がタクシーを止めた。

 

空「あ」

穂乃果「ん?」

 

そっと目線を外して予定通り買い物に繰り出そうとした穂乃果の耳に届いたのは、空の声だった。

 

穂乃果「どうしたの?」

空「あれって、銀さんじゃない?」

穂乃果「え、何処何処?」

空「ほら、あそこ!」

 

そう言って空の指差す方を見れば、確かに銀時がいた。今しがたハタ皇子の前に止まったタクシーの助手席に何故かいた。

 

穂乃果「ホントだ・・・。あれ?よく見たら、長谷川さんもいるじゃん」

空「誰?」

穂乃果「グラサンだよ」

空「グラ・・・?」

 

よくよく見れば、そのタクシーの運転席にいるのは長谷川であった。髪型が違うどころか、サングラス(グラサン)も掛けていないので、初めは気づかなかった。

何故か二人して薄い表情を作っている。多分、しょうゆ顔とか言い張っている。穂乃果にはあのメンツ的に理由は察する事が出来た。

 

そっとここを離れよう。人知れず穂乃果がそう心に決めたが、一足遅かった。

 

パチと銀時と目が合ったのは、決して気のせいではない。

基本的に銀時と一緒に居れたら嬉しい事この上ない穂乃果ではあるが、面倒事には巻き込まれたくはなかった。

 

空「あれ?こっちに来るね」

 

穂乃果は珍しく冷や汗が一筋、額から首筋に向かって伝ってくのが分かった。

ここは悪いけど逃げようと一目散に空の手を掴み、回れ右をした。

 

しかし、向こうの方が早かった。

 

銀時「あっれ~?穂乃果ちゃん、何処に行くのかな。さっき目が合ったよね?」

穂乃果「こ、これから買い物、かなぁ・・・?」

 

目が笑っていないどころか、必死過ぎて目つきが怖い。穂乃果は一目散に駆けて行きたくなった。

 

 

 

 

 

 

結局、穂乃果は逃げきれなかった。

 

長谷川「幸い、奴は俺達に気づいてねぇ。パーッと送って、パーッと帰ればバレねぇよ」

銀時「だったら俺らを解放してくれ」

穂乃果「私にとったら銀ちゃんが巻き込んだ側なのに、それを言っちゃうの?」

長谷川「ヤダコワイサミシイ」

銀時「なんでそこだけ外人なんだよ!」

空「何で私まで?」

銀時「そこはほら、成り行きだろ?あ、絶対に君のお姉さんには巻き込まれたとか云々とか言わないでね。俺、殺されちゃうから」

空「言わないよ」

 

タクシー運転手である長谷川は運転席が固定なので、銀時と穂乃果が助手席をかけて公平にジャンケンで決めた結果、珍しく穂乃果が勝ち、銀時が負けた。

 

その結果、助手席に穂乃果、後ろではハタ皇子の隣を銀時がさらにその隣には空が座る形となった。

 

ハタ「全く・・・ジィの奴め。いい年こいてメンテとは。何故皇子である余がこんな汚ったねぇタクシーを使わなければならんのだ。のぉ、そこの女子(おなご)よ。手が空いてるなら余にサービスせい」

穂乃果「え、私っ!?」

銀時「いやいやいやいや。ここは俺がやりますよ。任せてください。サービスですよね。慣れてますから、サービス。なんたってサービスのゴッドハンドの異名は伊達じゃないんで」

空「そうなのっ!?」

穂乃果「初めて聞いた・・・」

 

自信に満ち溢れている銀時が選んだサービスはタクシーに不釣り合いにも程がある洗髪だった。ここまで不釣り合いなチョイスも珍しい。

 

ハタ「いや・・・サービスだけれども、なんでよりにもよって洗髪?」

空「シャンプーなんて持ち歩いてたの・・・?」

 

そんな二人の呟きを銀時はスルーして、ハタ皇子に尋ねた。

 

銀時「社長さん、地球へは何しに?」

ハタ「社長じゃねぇよ!!何なんだ、お前は!?アレだ、アレ。急にパンダが見たくなって・・・いだっ!?いだだだっ!!ちょっ!目に入ってるって!!」

 

何を血迷ったのか泡が付いている手をダイレクトにハタ皇子の目に突っ込む銀時。それを見た空はとてつもなく引いていた。

 

銀時「あー、パンダなんか見に来たの?社長さん。ダマされちゃいけないよ?奴ら笹しか食わねぇとか謳ってるけどさ、実際裏じゃ何食ってるかしれたもんじゃねぇや。しゃぶしゃぶとか食ってるかもよ?」

 

それを横目で見ていた長谷川と穂乃果の顔は引きつっていた。銀時が使っているシャンプーの泡立ちが凄まじく良すぎて、ハタ皇子の顔が丸ごと埋まりそうである。銀時がハタ皇子の目に手を突っ込まなくても痛そうだ。

 

流石に運転手としては、ずっと後ろを気にしている訳にはいかない長谷川が前を顔を戻した時の事だった。

急にタクシーの前に両手を高くあげて飛び出して来た男がいた。

 

叫び声を上げた長谷川が急ブレーキを掛け、目の前に出てきた男に怒鳴った。

 

長谷川「バババババカヤロー!!危ねぇーだろう!何考えてるんだ!?・・・ん?テメーは面接の時の・・・」

 

すると前に飛び出してきた男は疑問の声をあげた長谷川首を締め上げる。

 

穂乃果「長谷川さんー!!?」

「おっさん!頼む、急用なんだ!乗せてくれ!!」

長谷川「く、苦し・・・」

「幸子が・・・幸子が急に産気づいちまって!!」

 

しかしタクシーの後ろでも(本人にとっては)一大事が起きていた。

 

ハタ「ぎゃあああああ!!?余のチャームポイントが取れてしまったァァァァ!!!」

銀時「ヤベッ!急に止まるから取れちまったじゃねぇか」

空「どれだけ強く握ったの、銀さん!?」

ハタ「どうしてくれるんじゃあァァァ!貴様ァ!!それがなかったら余はただの人間じゃん!!係長じゃん!!」

穂乃果「あれっ!?係長って結構自己評価高いじゃん!怒る必要あるっ!?」

銀時「大丈夫ですって。課長クラスには見えますよ」

ハタ「そういう問題じゃねぇ!!」

銀時「大体、取れるって事はいらねって事なんですよ」

 

そんな終わりん見えない会話に長谷川がストップをかける。

 

長谷川「良いかい、お二人さん。今にもガキが生まれそうな女がいるんだ。穂乃果ちゃん、この辺に産婦人科ある?」

穂乃果「この辺にはないかな。さっきの道を戻らないと。でも、車で行くんならそんなに時間はかからないと思うよ」

長谷川「そうか・・・。じゃあ、直ぐ戻らないと!」

ハタ「ふざけるなアァ!!チャームポイントをもがれた上、引き返すだとォォ!!なめてんのかァァ!!!こうなったら意地でもパンダを見るぞォ!!!」

 

早く車を出せと騒ぐハタ皇子を穂乃果達は呆れた目で見やった。

 

長谷川「アンタよぉ。パンダの一欠けらでも地球人に愛情を向けられねぇのかい?人間の赤ん坊もそりゃあ可愛いもんですぜ」

ハタ「知るかぁ!貴様のような下等で生意気なサルに情など湧くかぁ!!地球人のガキが一人や二人、どうなろうと知った事ではない!!余を誰だと思っとるんじゃ!!余はなぁ・・・」

 

そこで我慢の限界が来たのか、銀時が片手でハタ皇子の顔を挟んだ。

 

銀時「誰なんだよ。ただの係長だろうがよぉ」

長谷川「やめねぇか。皇子様に何てマネするんだ、テメェは。分かりました、皇子様」

 

徐にそう言う長谷川に銀時と穂乃果が難しい顔を向ける。空は心配そうな表情を浮かべていた。

 

長谷川「要はパンダが見れれば良いんですよね。意外と近場にパンダがいる事に気づきましたよ」

ハタ「え?ホントか、何処だ?」

長谷川「明日鏡で自分の顔を見てみなァァ!!!」

 

その言葉と同時に、銀時に顔を掴まれたままのハタ皇子を長谷川が殴った。

タクシーの窓を突き破って外に吹っ飛んでいったハタ皇子をそのままに、長谷川はかけていた眼鏡を外し、懐にしまっていたグラサンを取り出してかけた。

 

長谷川「おい、チンピラ夫婦、丁度席が空いたぞ。乗るか?」

 

その様子に穂乃果と空は柔らかく笑みを浮かべた。

 

銀時「長谷川さんよぉ、アンタやっぱりアレだな。グラサンの方が似合ってんな」

長谷川「そうだろう」

 

 

 

 

 

 

それから数日後の大江戸児童公園。

 

神楽「おじちゃーん」

 

数週間前と同じ構図で、神楽と長谷川はベンチに座っていた。

 

神楽「暫く見かけなかったのに、なんでまた戻ってきたの?」

長谷川「ん?それはねぇ、また仕事がクビになっちゃったからだよ」

神楽「何でクビになっちゃったの?」

長谷川「んー・・・それはねぇ、自分の芯を通したからだよ。でも、おじちゃんは少しも落ち込んでなんかないよ。不器用なりに俺は俺らしく真っ直ぐ生きようと決めたからねぇ」

神楽「不器用って言葉使えばカッコつくと思ってんじゃねーぞ、無職が

 

さっきまでの間延びした言葉使いが嘘かのように急に辛辣な言葉を浴びせて神楽はベンチに背を向けた。

 

神楽「行くヨ、定春。じゃーナ、真っ直ぐ生きても台無しな人生のおっさん。略してマダオ!」

 

そう言い残した神楽を見送って、長谷川は呟いた。

 

長谷川「何かもう、嫌になっちゃったな」




という訳で!

穂乃果「今回はオリジナル要素多めのアニメに沿ったお話だったね」

オリジナル書きたくはあるけど、いつも短くなっちゃうからいい練習になったよね!
銀魂だって思うだけで捗った。難産ではあったけど。

銀時「ゲスト呼ぶ?」

えー、うーん・・・最近新しいキャラいないからなぁ。
今度から新しいキャラで尚且つ、出ても良さげな人だけ呼ぼうかな。そうしよ。

銀時「ま、無難ではあるな」
穂乃果「じゃあ基本的には予告編後書きになるの?ここ」

そうかも。
まぁ、質問があるなら?やぶさかでは無いけど。

穂乃果「感想で来たらってヤツね」
銀時「滅多にないけどな」

まぁ、いいじゃん。
はい!予告、どうぞっ!







穂乃果「次回はあの銀魂一の発明家の登場回!その傍らで夏祭り中に少しだけ私達に関係するあの男も出るよ!あ、今回は少しだけセリフ集があるみたい・・・。じゃあ、どうぞ!」



『高杉っ!?何でこんなところに・・・』
『祭りがあるって聞いてよ、居てもたっても居られなくて来ちまったよ』


『晋君・・・?』
『よぉ、穂乃果。久しぶりだな』
『っ!』


『穂乃果、あんな事があったが俺の気持ちは変わらねぇ。返事が聞きたい。お前は・・・────』
『(あの時、私が晋君にまともに返事を自分の言葉で言えなかったのは何で・・・?ううん、本当は分かってる。分からないフリをしていただけ)』


『・・・銀ちゃん、私、本当にズルいヤツなの』
『・・・穂乃果』
『(私、あの時からずっと後悔してる。でも、そんなのもう遅い。分かってる)』



穂乃果「これでおしまいです!」







銀時「なんだコレ」
穂乃果「新しい試みなんじゃない?」

一回やって見たかった。反省も後悔もしてないよ!

銀時「自分の心に素直なのはいい事ではあるな」
穂乃果「そういう素直さがモチベーション維持には必要だと思うよ」

それじゃあ、次回もお待ちください。
これからも何卒!よろしくお願いしますm(_ _)m。


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