東方如月録 〜とあるスタンド使いが幻想入り〜 (クロス・アラベル)
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幻想入り
対峙


?「うーん、ここどこなんだ?」

 

うっそうと生い茂った草木を、かき分けながら森を歩く少年。

 

?「俺は森に住んでた記憶は無いけどなぁ……」

 

俺の名前は『如月 黒須』。別に勉強が得意では無い、普通の高校一年生だ。

俺は昨日、学校から帰ってきて勉強もせずに、『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』を読みながら、寝落ちしてしまったところまでは覚えている。

そして、そこから今に至るまでの記憶が一切ない。

 

黒須「どうしたもんか……。ま、とことん進めばどっかにゃ着くだろ。」

 

 

『30分後』

 

黒須「ど、どこにも着かねぇ……(・・;)」

 

んーなんでだろう……承太郎も「自分の道は自分で切り開くものだ。」って言ってたのにぃッッ‼︎理解不能ッ理解不能ッッ‼︎

 

 

ドカアアアァァァァァァンッッ‼︎‼︎

 

黒須「ウオオオッッ⁉︎なんだなんだ⁉︎」

 

いきなり爆発音かよ……なんだぁ?物騒だな、ココ…。

 

黒須「んー……、よしっ興味あるから行ってみるか。人いるかもしれないし。」

 

 

…………………………………………………………………………………

???Side

 

 

?「はあっはあっはあっ……ふ、振り切った……?」

 

謎の女の子がホコリまみれになりながら、走る。

 

?「こ、ここまで来たからもう……」

 

少女が足を止め、振り向く。次の瞬間ッッ‼︎

 

「ここに居たかぁ……スキマ妖怪ぃ………‼︎」

 

?「ッッ⁉︎」

 

そこにはなんとッ、人間とは違う異質な生き物がいたッ‼︎

そう、妖怪であるッ‼︎

 

?「ひっ‼︎」

 

妖怪A「早くこっちに来やがれぇよぉ……スキマ妖怪ぃ……」

 

妖怪B「おいおい、お前だけの獲物じゃねぇんだぞ…A」

 

妖怪C「そうだぜッA‼︎俺にも分けろやッ!」

 

他に居た妖怪たちも口々に文句を言いだす。

 

妖怪A「分かってるってぇーの。まぁまぁ、少しずつでいいだろ う?」

 

妖怪たちが不気味な事を話している。

そして……

 

妖怪A「そろそろやるかぁ……」

 

その言葉で一斉に少女の方を向いた妖怪たち。その魔の手が少女に伸びていく……。

 

?「だっ誰か………助けてッ‼︎」

 

 

少女はか弱い掠れた声で助けを求めた。

と、その時ッ‼︎

 

 

 

?「お前ら、何やってんだ?」

 

 

青年が少女と妖怪たちの間に入り込んで来たのだッッ‼︎

そう、『如月 黒須』だったのだッ!

 

妖怪A「アアアァァン?なんだぁ?……ハッ、弱っちぃ人間じゃねぇか。なんだぁ?んんッ?」

 

黒須「何やってんだって行ってんだよこの人外……。」

 

?「だっだめッ、人間が太刀打ち出来る相手じゃ……」

 

妖怪B「お前みたいな人間には関係ねえんだよぉ……アア⁉︎」

 

黒須「関係あるっての。まだ年端のいかない女の子を傷つける馬鹿をほっとけるかよ。」

 

妖怪C「オメェ、うるせぇってんだよ‼︎死にやがれッッ‼︎」

 

妖怪が黒須を殴ろうと腕を振り上げ……そして、振り下ろすッッ‼︎

 

少女は、青年の身体が妖怪の拳によって貫かれるのを想像した。妖怪たちもそうだった。しかしッッ‼︎

 

黒須「やるってのか?なら……相手してやるぜッッ‼︎」

 

黒須は妖怪の腕を蹴ろうとする、そのとき、なんとっ、足に電流のような物が流れ出した!

 

黒須「オラアァァァッ‼︎」

 

グシャァァァァァッッ‼︎

 

めり込むように当たり、妖怪の腕を切断したのだッ‼︎

 

妖怪C「ウッ、ウギャァァァァアアアッッ‼︎うっ腕がッ、腕がアァァァァァァァァッッ‼︎」

 

もがき苦しむ妖怪。

 

?「なっ⁉︎す、すごい……‼︎」

 

黒須「おおっ?これってまさか、ジョジョの波紋?す、すげえな。俺、波紋使いだったのか……」

 

妖怪B「てってめぇ、なにもんだッッ⁉︎」

 

黒須「……俺か?……答えてやるよ……俺は………

 

 

 

 

通りすがりの波紋使いだッッ‼︎‼︎

 

 

 

 

 

 

 




こんにちは、初めまして、クロス・アラベルと申します。
今回、小説を書くのが初めてです。なので、間違いがあったり、設定などがあやふやになってしまうかもしれませんが、温かい目で見て頂けたらと思っています。
感想などを頂けると、とても嬉しいです。どうぞ、よろしくお願いします。
それでは、また、次回お会いしましょう。お楽しみに( ´ ▽ ` )ノ


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『波紋』と『幽波紋』

かなり時間がたってしまいましたが、第2話出来ました。
Side 三人称でどうぞ!


  

  黒須「通りすがりの波紋使いだッッ!!」

 

  妖怪E「は、はもん……?なんだか知らねぇがぶっ殺してやらぁ!」

  

  妖怪F「目障りなんだよぉお!!」

 

  黒須「上等だ!てめぇら下種野郎は俺がぶっ飛ばすッ!」

 

  黒須はまた腕に波紋を纏わせ、妖怪を迎え撃とうと走る。

 

  黒須「(正面から3体、左右から2体ずつ.........。右手の方から片付けるか……!)」

 

  黒須「ゼイッッ!」

 

  妖怪G「グベラァアアアア!!!」

 

  黒須「ハアッ!!」

 

  妖怪I「ぐぬううぅぅうう!!」

 

  右手にいた妖怪達を波紋で倒し、黒須は足に波紋を流しながら、同時に来る妖怪5体に向かって蹴りを繰り出す!

  黒須「オーバードライブッッ!!!」

 

  「「「「「うぎゃぁぁぁああああああ!!!!!」」」」」

  

  妖怪達は波紋の蹴りに巻き込まれまとめてダウンし、あと残りは2体。

  

  ???「な………(人間が妖怪に勝って……る!?そ、そんなこと、あり得るの!?)」

  

  妖怪A「チッ!仕方ねぇ、俺が…」

 

  黒須は前にいた妖怪に目を定めて、奇妙なポーズを取りながら、波紋を最大限にためて、

 

  黒須「震えるぞハート!、燃え尽きるほどヒートォォオッッ!!オオォオ!!!刻むぞ!血液のビート!!!」

 

  妖怪A「WRYYYYYッッ」

 

  妖怪が奇声をあげ、とびかかってくる。そして、黒須はためた波紋を足に纏わせ、

 

  黒須「サンライズイエロー・オーバードライブッッ!!!!!」

 

  妖怪A「がはあぁッッ!!!!?」

 

  蹴りを入れて倒し、残りは…

 

  黒須「ラストッ……」

 

 

  妖怪X「っそが!!なら、コイツを先に殺すまでだ!!」

 

  黒須は油断していた。もうすでに最後の妖怪は紫色のワンピースを着た少女の正面まで来ていた!

 

  黒須「!?(しまった!まえに出過ぎた!くそっ!)間に合ええぇえええ!!!」

 

黒須は走ったがもう遅い…

 

  妖怪X「死ねえええぇぇッッ!!」

 

  黒須「(残り2~3メートルなのにッッ!)」

 

妖怪の攻撃が少女に……

 

  当たる寸前、その妖怪は誰かに殴られたように黒須の後ろな吹き飛んだ!!

 

  妖怪X「アラアァァァァアアア!?」

 

  黒須「!?何が起こって……!!これって…」

 

  その妖怪を殴ったのは少女でも、黒須でもなかった。それは宙に浮いた歴戦の戦士を思わせる、半透明の男だった!!

 

  黒須「なっ!?コイツは……スタープラチナ!?」

 

  そう、妖怪を殴ったのは、ジョジョ原作中で最も強いと言われている幽波紋、『スタープラチナ』だった!!!

  黒須「幽波紋使いに昇格か……まあ、なんにせよ、ギリギリ間に合ったな……」

 

  黒須は妖怪の方に振り返った。

 

  妖怪X「……あ……ひいぃぃぃぃいいい!!!」

 

  妖怪は怯えて動けない。

 

  黒須「……さあ、お前はどうしてやろうか………」

 

  妖怪X「ごめんなさいぃぃぃぃ!!!許してぇぇ!殺さないでぇぇ!!」

 

  黒須「もうてめーには何も言うことはねえ…………………アワれ過ぎて何も言えねぇ………」

 

  妖怪X「…………うわあああああああああああああああああ!!!!」

 

  黒須「『スタープラチナ』!!!!」

 

  SP『オオオオオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオオオオオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァアアア!!!!』

 

  妖怪X「うげえええええええええええええええええ!!!!」

 

  黒須「てめえの敗因はたったひとつだぜ……くそやろう……たったひとつのシンプルな答えだ………てめえは俺を……怒らせた!!!」妖怪はスタープラチナのラッシュを食らい気絶した。

 

  ???「(人間が…一人で妖怪に……勝った!?そばに浮いている男は……守護霊なの?この人間は一体………?)」

 

  その少女は必死に考えるのだった。




短いですが、また次回(´▽`)ゞ


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スキマ妖怪との出会い

こんにちは♪クロス・アラベルです!
第3話出来ました。
皆さん、ご察しの通り、あの人が出てきます!
Side 黒須です。
では、どうぞ!!


黒須「ふう、一応全員倒せたな……いい汗かいたぜ。」

 

ホントびっくりだな………俺、波紋使いand幽波紋使いだったなんてな……。しかも、ジョジョの原作最強と言われてる『スタープラチナ』か……………最高にハイになりそうだ!

 おっと、何故こうなったか忘れてた。女の子を助けようと思ってたんだった。

 髪の色は金色、目は 、顔はすげー整ってる。紫色のワンピースみたいなのを着ている。身長は13……5?位だ。可愛いな……大人になったらモテモテだろうな………。

 ちなみに紹介しておくと、俺は黒い髪、目の色も黒と一般的な、普通のどこにでもいる高校生だ。身長は178センチくらいだ。

 ………不思議そうに上目使いで俺を見てるな。

 

黒須「大丈夫か?痛え所は無いか?」

 

???「…………………。」コクッ

 

黒須「そうか、よかったよかった!俺は、如月 黒須。よろしくな!」

 

???「………………貴方は……人間?」

 

 変なこと聞くなぁ……。俺、人間に見えないのか?

 

黒須「おう!正真正銘の人間だ。それ以外に何があるって言うんだ?」

 

???「………妖怪。」

 

黒須「!?真面目に答えただとっ!?…………妖怪か……ふん……。」

 

 理解不能!!理解不能!!って感じだわ……。

 

黒須「じゃあ、ここに妖怪がいるってことか?いやいや、いるわけが……」

 

???「貴方が戦ってたのが……妖怪。」

 

黒須「ダニィイ!?」

 

ウソダドンドコドーン!?

 

???「あと、私も妖怪……。」

 

黒須「……………(°д°)ボーゼン」

???「………」

 

黒須「証明できるか?」

 

???「…………」コクッ………ウニョーン

 

黒須「あっ、理解可能。」

 

 な、なんか変なのを出した……目がいっぱいあって怖いな…

 

???「………多分、ここは貴方の住んでいた世界とは違う世界………帰れないと思う……」

 あー異世界かー………よくある話だな。『目が覚めたら、異世界にいた………みたいな。それは、空想であってリアルじゃないんだけど………

 

黒須「帰れないか………ならここで生きるしかないな!!よしッ、まずは食料調達か……っと、その前に……お前、名前は?何て言うんだ?」

 

???「…………『八雲 紫』」

 

黒須「紫か……いい名前だ。……んで紫、家はどこにあるんだ?」

紫「無い」

 

黒須「そうか……………んー……どーするかな~………あっ、そうだ! 紫、どっか、周りを見渡せて、景色の綺麗なところを探そうぜ!」

 

紫「………?……何故……そんなことを?」

 

黒須「当たり前だろう?家が無いなら………………

 

      作りゃーいいんだよ!!!!」

 




クロス「と、言うことで八雲 紫さんでーす!」

黒須「イエーーイ!!!」

紫「ど、どうも……」

クロス「いやー、やっと(?)『東方project』の原作キャラが登場ですよ!!」

黒須「そうだな……初登場から、名前明かすまでが長いと思うんだよなー……」

クロス「気にするなっ!」

黒須「『だが断る!!!』」

紫「まあ、良いじゃないですか。」

黒須「そうだな………」

クロス「(よしッ!これで間違ってもオラオラッシュを食らうことはない!)」

黒須「とでも思ったかぁ、間抜けがあああ!!!!?」

クロス「!?」

黒須「『スタープラチナ』!!!!!」

SP『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオオオオオオッ!!オラオラオラオラオラオラァァアッッ!!!!!』

クロス「グハァァァアア!!!!」

アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハwwww

紫「…………………じ、次回をお楽しみに~」


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再襲来

こんにちは!クロス・アラベルです!
第4話出来ました!
Side 紫 です!どうぞ(´▽`)/


い、家を作る?この人は何をいってるの?………

 

紫「ど、どうやって………?」

 

黒須「んー…………適当に。」

 

紫「道具も無いのに………?」

 

黒須「大丈夫、大丈夫!この『スタープラチナ』があるからいけるいける!」

 

…………本当に無茶苦茶ね………。

 

紫「その後ろにいる………………守護霊?」

 

黒須「!?まさか、お前、見えてるのか!?『スタープラチナ』が!?」

 

そう言って、『如月 黒須』と名乗った男が背後に先程見た守護霊、『すたーぷらちな』と言うもの(?)を出した。

 

紫「………………。」コクッ

 

黒須「…………じゃあ………お前もスタンド使い?」

 

す、すた……すたんど?何なんだろう……『すたんど』って………?

 

紫「『すたんど』って………何?」

 

黒須はまた考え込んで、

 

黒須「んー………まあ、後でゆっくり話すとしようぜ。家が出来たらな!」

 

黒須は沢山生えた木をひとつひとつ見比べている……………いい木を探しているんだろうけど、流石に無理よ…………。

    

     ぐぎゅるるるるるる~

 

………今のは私じゃない……ってことは………

 

黒須「……は、腹減った………家作ってる暇じゃないな!先に飯にしようぜ、紫!」

 

さっきの言葉はどこに行ったの?…………

 

紫「でも……今、何も持ってないし………」

 

黒須「探すと言う努力をしような、紫。んじゃあ、川を探すか。ちょっと行って来るな!紫。」

 

そう言って黒須は森の奥に入っていった。

 

本当に大丈夫なの………?心配になってきた……一応着いていこうかな………

 

紫は黒須のあとを追って森の奥に入っていった。

 

 

       ~10分後~

 

紫「ようやく追い付いた……足が速い………」

 

黒須は川の前で何やら準備運動のようなものをしているようだ。

 

紫「何をするの?……網も無いのに………」

 

紫はしばらく観察していることにした。

 

『ん、これでおk。よし、逝くぞー!!1、2、3、だーー!!』 ザボォン!

 

黒須は服を脱いで川に飛びとんだ。

 

『あ、意外と浅い……ま、いいか!始めよう!「スタープラチナ」!!』

 

黒須は『スタープラチナ』を出した。

 

スタープラチナは無言で川の中を真剣な表情で見ている。

 

SP『…………………………』

 

そして………

 

黒須『今ッ!!』

 

SP『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァア!!!!』

スタープラチナは川にラッシュを叩き込んだ。

 

そして、陸に何かが飛んでいくのが見えた。

それは、魚だった。スタープラチナが素早く捕まえていたのだ。

 

その数なんと、30匹ほどだ。

 

紫「すごい………あの一瞬であんなに…………」

 

紫は魚取りが終わったので、黒須に話しかけることにした。

 

黒須「おお、紫。着いてきたのか。ちょうど、食料確保出来たところだそろそろ飯に………」

 

黒須が言った、その時!

 

黒須「!」

 

SP『オラァ!!』

 

黒須が何かに気づいて、とっさに『スタープラチナ』を出し、紫に飛んできていた何かをとった。

黒須「矢?」

 

それは鉄で出来たやじりも粗い矢だった。

 

『チッ!外れたか……』

 

  そんな低い声が紫のずっと後ろから聞こえた。

 

そう、その声の正体は『妖怪』だったのだ。

 

紫「!?」

 

黒須「またか……今度はご丁寧に武器なんか持ってきやがった。」

 

紫「(今度は数が圧倒的に多い………!!流石にこの人数を相手にするのは…………!!)」

 

黒須「はぁ、まーた取っ組み合いか………ま、俺が全員ぶん殴るだけだがよ!!」

 

ええ!?戦うの!?

 

紫「駄目!流石にこの数は無理よ!」

 

黒須は『スタープラチナ』を出して、戦闘態勢に入った。

 

黒須「人間、やろうと思えば何でもできると思うぞ!」

 

黒須は不敵に笑ってそう言った。

 

妖怪W「目障りだ!!その人間も殺しちまえッ!!」

 

  『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!』

 

妖怪達が一斉に黒須に襲いかかる!!

 

紫「あっ……駄目ッ!!」

 

黒須「『スタープラチナ』ッッ!!!!」

 

SP『オオオオオオラァァアア!!!』

 

 

 

 

~5分後~

 

黒須「口ほどにもねぇな……」

 

黒須の周りには40人もの妖怪が倒れている。

 

  一人で………40人も妖怪を倒した……………!?

 

黒須「あと一人………」

 

黒須の視線のその先にいたのは…………

 

 

一人の妖怪だった。 座りながら、刀の手入れをしている。 だが、その妖怪は他の妖怪と違った。 他の妖怪にはなかった、威圧感があったのだ。

 

???「お手合わせといこうか。貴様は他の奴より堅い覚悟があるようだ。………『覚悟は出来たか?俺は出来てる』」

 

黒須「ああ、あるぜ。覚悟ならここに迷い混んだ時からできてる………」

 

???「それでは、自己紹介からいこう!暁(あかつき)!翔宝 暁(しょうほう あかつき)!!」

 

黒須「名乗らせていただこう!!黒須!如月 黒須!!」

 

「「全力で…………

 

 

     いざ、勝負!!!   」」

 




クロス「『翔宝 暁』と名乗る謎の妖怪。
突然申し込まれた立ち合い。
黒須は果たしてこの勝負に勝利することが出来るのか!?」

紫「じ、次回もお楽しみに~!」


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瞬速の暗殺者『翔宝 暁』VS『シルバーチャリオッツ』

こんにちは!クロス・アラベルです!
今回は長くなってしまいました。
第5話、三人称です。どうぞお楽しみください!


暁「シッ!!」

 

SP『オラァ!!!』

 

 

ガキィィィィイン!!

 

 

暁という妖怪は、先程まで手入れしていた刀を気合いと共に左上から振り下ろし、黒須の『スタープラチナ』は倒れていた妖怪から太刀を奪い取り、同じく左上から振り下ろした。

刀と太刀がぶつかり合い、響く大きな金属音。

 

黒須「くッ……!!(い、一撃が……重い……『スタープラチナ』でも、ギリギリ……し、しかも………早い!!軌道が見えなかった……)」

 

暁「……力、スピード……どちらも高い……今回は楽しめそうだ……」

 

攻めぎ合う刀と太刀。しかし、次の瞬間!

 

 

 

ピシッ!!

 

 

 

『スタープラチナ』の持っていた太刀に小さなひびが入った!

 

黒須「(!?まさか…こいつの刀が強すぎて、太刀にひびがッ!?マズイぞ……これッ!!)『スタープラチナ』!!」

 

SP『オラァッ!!』

 

『スタープラチナ』は暁の刀をうまく流した。その隙に黒須は後ろに移動する。

 

暁「………この妖刀、『朧月』(おぼろづき)はな、普通の刀とはかけ離れた切れ味、耐久力を持つ。数々の名刀を作りあげてきた、名人『真田』が打った、最高の一振りだ。そこらの既製品とは訳が違う。」

 

暁の妖刀『朧月』は妖しい光を放っている。

 

黒須「へぇ……『妖刀』か……確かに普通の太刀じゃあ、太刀打ち出来ない訳だな……(うーん……どうするかな?『スタープラチナ』で真剣白刃取りか?……いや、あいつの刀は『妖刀』だ。特殊効果でもあるかも知れねぇな……)」

 

暁「考えている暇はない。」

 

黒須「!?」

 

作戦を練っていた黒須の隙を暁は逃さず、左からの水平斬りを叩き込もうと『朧月』を振る。

 

黒須「くっ!」

 

黒須はなす術無く、後ろに跳んで避ける。

そこから、黒須は回避と太刀での攻撃流しばかりを繰り返す。

 

黒須「ぐっ!!……(太刀もそろそろ壊れるッ!その前に……落ちてる太刀をッ!!)『スタープラチナ』!!」

SP『オラァ!!』

 

一瞬、『スタープラチナ』がひびの入った太刀で『朧月』受け止め、黒須がその隙に太刀を拾うが……

 

黒須「うっ!?(くそッ!!結構太刀が重い!)」

 

そう、黒須の予想より太刀が重かったのだ。『スタープラチナ』は近距離パワー型のスタンドなのでなんの問題も無かったが、黒須は人間。しかも、高校一年生。本物の太刀を持った事の無い黒須には重い。

 

が、ギリギリ太刀を拾うことが出来た。

 

そして、また攻防戦が始まった。とは言っても、まだ暁に押され気味だ。

 

黒須「くっ!!(埒があかないッ!!)」

 

暁「なかなかもった方だ。…………だが、そろそろ終わらせる!」

暁が『朧月』を横に一閃し、『スタープラチナ』、黒須に大きな隙が出来てしまう。

 

黒須「うおッ!?」

 

黒須は瞬時に反応し、『スタープラチナ』に持っていたもう一本の太刀を渡した。

 

SP『!!』

 

ガキィィィィイン!!

 

『スタープラチナ』は二本の太刀を交差し、攻撃を防ぐ。

 

黒須「くそったれッッ!!」

 

SP『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァア!!!』

 

激しい雄叫びをあげながら二本の太刀をでたらめに振る。

 

暁「………無駄だ。」

 

暁は朧月を左腰に据え、

 

暁「翔宝流 ~翔白閃~!!」

 

『朧月』が白く輝く。そして、一瞬で二本の太刀を斬った。

 

黒須「なぁッッ!?」

 

黒須は驚き、怯んだせいで動けない。

 

構え直し、暁は垂直斬りを黒須に向かって放つ。

 

黒須「!!」

 

『スタープラチナ』のスピードでも流石に間に合わない。

黒須は驚き、怯んだせいで動けない。

 

暁「終わりだ。」

 

黒須「!!」

 

 

紫「あっ!!駄目ッ!!」

 

紫は、黒須が斬られるところを想像し、我慢出来ず両手で顔を隠した。

 

 

 

 

キンッ!!

 

 

 

 

金属音が響いた。

 

黒須も『スタープラチナ』も何も持っていない。

 

なのに何故か金属音が聞こえた。

 

暁「!?(なん……だと………!?)」

 

黒須「!!……こいつは……」

紫「………!?」

 

三人は驚いた。何故なら………

 

暁「こ、この守護霊は………一体………」

 

そう、黒須の頭上に浮かぶ鎧を着たスタンドが持っている『細剣(レイピア)』で『朧月』の攻撃を防いでいる。

 

黒須「『シルバーチャリオッツ』………!!」

 

そう、攻撃を防いでいたのは、ジョジョの第3部「スターダストクルセイダーズ」に登場するスタンド、『シルバーチャリオッツ』だったのだ!!

 

SC『!!』

 

『シルバーチャリオッツ』が『朧月』を跳ね返した。暁は驚き、後ろに跳んだ。

黒須は『シルバーチャリオッツ』を見る。

 

黒須「まさか……こいつが味方とは………頼もしい限りだな……。」

 

そして、黒須が暁を見た瞬間、『シルバーチャリオッツ』がレイピアを片手に構えた。

 

紫「し、『シルバーチャリオッツ』………新しい……守護霊………」

 

暁「………………」

 

暁はかなり『シルバーチャリオッツ』を警戒している。

 

暁「新しい守護霊か…………。だが、無駄だ。必ずお前は負ける。例え、どれだけ守護霊が来たとしても…………!!」

 

黒須「さーて……それはどうかな?…………今までの借り………全部お返しさせてもらうぜ!!」

   『最終ラウンドだッ!!!』

 

 

  OPEN THE GAME!!!!

  オープン・ザ・ゲームッ!!!!

 

 

 

黒須「『シルバーチャリオッツ』!!」

 

SC『!!』

 

暁「はっ!!」

 

両者は同時に攻撃を仕掛けた。

 

二人のスピードはほぼ同じ。

 

互角の戦いを見せる黒須と暁。

 

紫「………!?(凄い!さっきまで押されっぱなしだったのに………互角に戦ってる!!)」

 

だが、まだ『シルバーチャリオッツ』が発現して間もない黒須は、『シルバーチャリオッツ』の扱いに慣れていなかった。ましては、暁は戦闘のプロ。

 

部が悪いのは黒須だった。

 

少しずつ暁のペースになっていく。

 

暁「ふっ!!」

 

SC『!?』

 

黒須「っく!!」

 

押されていき、レイピアを弾き、『シルバーチャリオッツ』に隙が出来る。

暁はそれを逃がさない。

 

暁「『翔宝流~雷閃斬~』!!!」

 

次の瞬間、朧月が金色に光り、『シルバーチャリオッツ』の鎧を斬った。

 

SC『ッ!!』

 

黒須「ぐあぁぁッ!!!!」

 

その衝撃で後ろに飛ばされていく黒須と『シルバーチャリオッツ』。

 

暁「これで一撃目………あと数発当てれば……………!?」

 

紫「!?あ、あれはッ!?」

 

暁と紫は驚愕した!何故なら………

 

黒須が空に浮いているからだ!!

 

そして黒須は起き上がって暁を見た。

 

黒須「ブラボー!おお、ブラボー!!ここまで追い詰めてくるとは………」

 

暁「何故っ!何故浮いていられるッ!?」

 

黒須「俺のスタンドが見えてるお前にとったら、こんなの簡単だろう………?」

 

暁「簡単?……!?」

 

紫「?………!?」

 

二人は気づいた。黒須の体を下で支える『シルバーチャリオッツ』に!

 

そして、『シルバーチャリオッツ』がレイピアを使って大きく跳ね上がる。

 

暁「………!?」

 

そして、もうひとつ驚いたことがあった。

 

暁「守護霊の鎧が…………完全に斬れていない………だ……と!?」

 

そう、『シルバーチャリオッツ』を見てみると鎧はへこんでいるだけだった。

紫「あの強烈な斬撃を食らって………鎧がへこむ程度!?」

 

流石の暁も驚きを隠せず、動揺している。

 

黒須「ここまで俺を追い詰めたのは、お前が初めてだ………だから、それに敬意を払って………」

 

「『本来のスピードをお見せしようッ!!』」

 

暁「本来!?まさか、本気では無かったのかッ!?」

 

紫「………」

 

黒須「その通りだ!………さあ…………『シルバーチャリオッツ』、甲冑を脱げッッ!!!」

 

黒須がそう言った瞬間『シルバーチャリオッツ』の甲冑が勢いよく外れた。

 

そして、『シルバーチャリオッツ』に早速、変化が現れた。

 

暁「……!?な、何が………起こって……」

 

そう、『シルバーチャリオッツ』が………なんと8体に増えたのだ!

 

黒須「………見えるか?…………この『シルバーチャリオッツ』は、8体の内7体が残像だ!」

 

暁「ざ、残像………だと………!?」

 

黒須「そうだ!お前は『シルバーチャリオッツ』の残像を見ているんだッ!!…………さあ、終わらせようか………この勝負……俺が勝つッ!!!」

 

そう黒須が言った瞬間、8体の『シルバーチャリオッツ』は動き出した。

 

黒須「ホラホラホラホラホラァア!!!」

 

暁「くっ!!」

 

暁は焦りながらも戦おうとするが、戦いは一方的だった。

 

暁「うっ!!………くっ!!」

 

どんどん暁の服が斬られ、頬を斬られて血が出る。

 

SC『!!!』

 

暁「あっ!?」

 

そして、レイピアで『朧月』を落とされ、そして………

 

『シルバーチャリオッツ』が暁の首にレイピアを付きつけ……

 

黒須「………『チェックメイト』だ。」

 

暁「…………」

 

………そう、黒須は勝ったのだ。暁に…………





黒須「勝った!計画通り!!」

クロス「ということで黒須が勝ちました!」

紫「い、イエーイ!!」

暁「…………………」

クロス「はい、次回は紫を殺そうして刺客を送り込んだ黒幕の正体が判明します!」

黒須「次回もー」

「「「お楽しみにーーー!!!」」」

暁「…………」


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黒幕の正体 そして、約束

こんにちは!クロス・アラベルです!
第6話、Side 暁です!
どうぞ!


川のほとり。そこで焚き火をしている人が3人いる。

 

 

暁「……………」

 

一人は俺、翔宝 暁だ。

 

黒須「♪~~~♪~~~~~~~♪~~~」

 

変な鼻唄を歌いながら、魚の焼き加減を見ている人間。確か、如月 黒須…………だったか。

 

紫「………………」

 

そして、一人小さくなって俺の様子をうかがいながら座っている妖怪少女。

 

今回の依頼で、捕まえるか殺せとの事だったが、今、無言で向き合っている。

 

……………何故こうなった?

 

こうなった原因は、10分程時間を遡る。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

落ちている俺の妖刀。

 

俺の目の前に立つ人間。

 

その後ろから俺の首に半透明の細剣(レイピア)をつきつける銀色の鎧を身に付けた守護霊。

 

そう………俺は、負けたのだ。

 

俺は負けたことが無い。

 

たった今、初めて負けた。

 

俺にとって、『敗北』は汚点でしか無かった。

 

 

 

暁「………………………殺せ」

 

黒須「…………………」

 

俺は負けて苦しむよりも、ここで殺してもらったほうがいい、そう思った。

殺してくれるだろう………………俺がここにいたって意味がない……………そんな風に諦めていた…………

 

 

しかし、この人間は俺の予想とは全く違う答えが返ってきた。

 

 

 

 

 

黒須『…………だが、断る。』

 

 

 

 

 

暁「なん………だと……!?」

 

この男………今、何て言った!?

 

敵である俺を殺せる絶好のチャンスのはず………

 

暁「…………何故、殺さない………………?」

 

黒須「…………お前にとやかく筋合いはねえ………俺の好きにさせてもらうだけだ。」

 

暁「敗北した姿をさらして………生きるなど………一生の恥だ!!早く殺せッ!!」

 

黒須「嫌だね!情報をあれこれ聞き出してもいないのに、死んでもらうなんて駄目だッ!!」

黒須は俺を押さえ込み、

 

黒須「ったく!!他のどんなことよりそのへんてこ可笑しなプライドを優先すんのか!?お前はよお!!」

 

暁「………………へんてこ?可笑しいだとっ!?」

 

俺はムキになって大声で怒鳴り散らした。

 

黒須「おおよ!!可笑しすぎて泣きそうだぜ!!なーに、んなしょーもないこと気にしてんだよ!!アホか!?ヘタレか!?」

 

こいつ………!!

 

黒須「お前の一番大事なもんは一体何なんだ!?」

 

暁「そんなこと…………決まっている!!…………勝利だ。………敗北しないということだッ!!!」

 

黒須「いい加減気付けよ!!勝利の2文字じゃないものをよ!!」

暁「何をだッ!?」

 

黒須「あーーもう!!良いぜ教えてやるよ!!!…………」

 

黒須は右手の親指を自分自身の胸に指す。

 

黒須「命だッ!!!さっきまでやってた勝負もこうやって生きてるからできるんだろ!!」

 

暁「!?」

 

黒須は俺の胸ぐらを掴んで、

 

黒須「さっきのお前の剣は…………楽しそうだった!!まるで……剣が舞ってるみたいだった!」

 

………ッ!!

 

黒須「俺に勝ちたいんなら…また勝負してやるッ!!何十回でもいい!お前が!勝つまで!納得するまで、勝負してやるッ!!!!」

 

何故……この男は……俺のことを心配しているんだ?

黒須「………だからよ…………自分の命ぐらいは大切にしろよ!!……」

 

暁「……ッ!!…………」

 

黒須「…………………」

 

黒須は暁を放して川の方に向かう。

 

黒須は何かの作業を始めた。

 

紫「…………………?」

 

妖怪少女は不思議そうに首をかしげている。

 

黒須「まあ…………二人ともこっち来て座れよ。魚の丸焼きぐらいなら食わせてやるよ。」

 

黒須はこう言ったが言い終わった途端に、

 

グギュルルルルルルルルルルゥゥゥウウウ!

 

暁「………………」

 

紫「………………」

ジト目で腹の虫をならした本人を見る紫と暁。

 

黒須「……………まあ………な!」

 

ジト目で二人に見られた黒須は苦笑いをしながら、着々と準備を進めた。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

そして、今に至る。

 

黒須「♪~~~………おっ!焼けた焼けた!」

 

黒須は嬉しそうに焼けた魚の串焼きを取って、暁に渡してきた。

 

黒須「………ほら、食えよ!冷めちまうぞ。」

 

暁は渋々受け取る。

 

黒須「ほれ、紫!」

 

黒須は紫にも渡す。

紫「あっ…………あ、ありがとう………」

 

そして、3人が魚を食べ始めると黒須は一番気になったであろう、あの事について暁に聞いた。

 

黒須「………なあ、暁。なんで紫を殺そうとしたんだ?」

 

暁「…………依頼されたから……だ」

 

黒須「…………誰に?依頼人について教えてくれ。」

 

なんだろう………この男と話す時は素直になれるな…………

 

暁「…………わかった。俺はお前といい勝負が出来たからな……依頼なんてどうでもいい。」

 

黒須「…………そうか………ならいいんだ。」

 

暁「…………この仕事を依頼してきたのは……………天狗だ。」

 

黒須「…………天狗…………」

 

紫「!?………て、天狗!?」

 

暁「…………ああ。ただの天狗じゃない。天狗の長である『蒼魔』だ。」

 

紫「………………!!」

 

黒須「…………へえ………」

 

紫は驚愕し、開いた口が塞がらないようで、ずっと口ひ両手を当てている。

 

黒須は黙々と魚を食べている。

 

暁「…………といっても、その『蒼魔』と対面した訳ではないが……」

 

黒須「…………いや、これだけ聞けただけでもいい方だ!」

 

そして、いつの間に食べ終わっていたのか、串を捨てて、

 

黒須「……………ありがとな!」

 

笑顔でそういった。

 

そろそろ行かなければならないな…………この男……守護霊使い『如月 黒須』に勝てるように、武者修行しなければ………

 

暁「………………そろそろ、おいとまする。」

 

黒須「…………そう、か」

 

暁「今度は…………必ず、勝つ。」

 

黒須「………頑張れよ。俺に勝つためによ!」

 

暁「…………スキマ妖怪!………八雲 紫……だったか………強くなれよ。」

 

紫「!………………。」コクッ

 

そして、瞬殺の暗殺者『翔宝 暁』は森へ向かう。

 

今度は、黒須に勝つと、心に決めて歩み始めた。

 




黒須「さあ!次回は俺が家を建てるぞ!!」

紫「第7話、お楽しみに!」


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黒須、師匠になる

遅くなりました!
クロス・アラベルです‼︎
それでは今回もお楽しみください!


紫「………………」モグモグ

 

静かに魚を食べる私。

 

黒須「ウマウマ!!」ムシャムシャモグモグ

 

魚を一心不乱に食べ続ける男、如月 黒須。

 

…………今、私は悩んでいる。

 

今、目の前で魚を頬張っている男にあることを頼むか頼まないかで。

 

この男は、強い。さっき来た妖怪、暁………かなり強かった。なのにこの男は見事勝って見せた。

 

私も、この人みたいに強くなりたい。

 

私は弱い。能力は持っているものの、まだ使いこなせていない。

 

今までの戦いもこの男が全て受けてたってきて、私は何も出来なかった。ただ、見ているだけだった。

 

だから…………だから…………!

 

紫「あ、あの…………」

 

黒須「…………ん?なぁにぃ?」モグモグ

 

紫「あの………その…………」

 

黒須「?」 (・ω・)?モグモグ

 

紫「わっ私を貴方の弟子にしてくださいっ!!」

 

黒須「…んぐ……弟子?」

 

紫「は、はい………」

 

黒須「………なんで俺なんだ?」

 

紫「あ、貴方はとても強い人です。二度も妖怪を追い払って、あの翔宝っていう妖怪にも勝ちました………そして、その………す、『すたんど』?と言うものまで持っています……」

 

黒須「……ふん……」

 

紫「それに対して、私は戦闘に慣れていません……下級妖怪でも勝てるかどうか………」

 

黒須「つまり、もっと強くなりたいと。」

 

紫「はい………」

 

黒須「……………んー………」

 

紫「………駄目……ですか?」

 

黒須「………教えるっつっても横から口出しするだけかもしれんぞ?そもそも教えるの慣れてないし………」

 

紫「‼︎良いんですか⁉︎」

 

黒須「………うむ!紫、お前の師匠、引き受けてやろう!」

 

紫「本当ですか⁉︎ありがとうございます!」

 

黒須「おう、よろしくな!我が弟子よ!」

 

紫「はい!黒須さん!」

 

黒須「おいおい、『師匠』だろ!紫。」

 

紫「!……すいません………宜しくお願い致します、『師匠』‼︎」

 

黒須「ん!まあ、今すぐに教え始めるのは無理だな……」

 

紫「えっ?どうしてですか?」

 

黒須「いやさ……体を休める場所がないだろ。」

 

紫「…………まあ、確かに……」

 

黒須「だからよ……今から作ることにする。」

 

紫「…………どうやってですか?道具もないのに………」

 

黒須「いや、道具はいらんぞ!」

 

紫「?」

 

黒須「スタンドだけで十分だ。『クレイジーダイヤモンド』!」

 

紫「⁉︎今度はピンク色の大男⁉︎」

 

今度はいくつかのパイプがつながったピンク色のスタンドが黒須の隣に現れた。

 

黒須「よーし、『クレイジーダイヤモンド』の能力は『直す』能力。これを使えば家だって簡単に…………」

 

『クレイジーダイヤモンド』は拳を構える。

 

紫「えっ、えっ⁉︎」

 

黒須「作れる‼︎」

 

CD『ドォオラララララララララララララララララララララララララララララララア‼︎‼︎』

 

クレイジーダイヤモンドは黒須の言葉と同時に木を殴り始めた。

すぐに木は砕け落ちていく。

 

紫「なっ、何してるんですか師匠⁉︎」

 

黒須「家を建ててるんだよ!」

 

CD『ドララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララァァア‼︎‼︎」

 

黒須「後どれくらい倒せば良いかな?」

 

紫「大胆すぎる‼︎って言うか出来るんですか⁉︎師匠⁉︎」

 

そうこうしているうちにクレイジーダイヤモンドは5本目の木を砕き始めた。そこら中に木の破片が転がる。

 

黒須「よーし!あと30分くらいやるか。」

 

紫「ゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑ⁉︎」

 

 

〜『クレイジーダイヤモンド』、木を伐採(?)中〜

 

 

黒須「うむ!これでよし。」

 

紫「良しじゃないです‼︎」

 

黒須「んじゃあ…………あっ!あの山の上いいな!良し、あそこに建てるか!」

 

紫「……………もう、ついていけない……………」

 

 

 

〜少年少女、移動中〜

 

 

 

黒須「ふぅ、ここでいいな。って言うか、結構辛いな……」

 

紫「ここに建てるんですか?」

 

黒須「ああ。『クレイジーダイヤモンド』!」

 

CD『…………』

 

『クレイジーダイヤモンド』は一つの木の破片を持っている。

 

紫「?」

 

黒須「………………『直せ』‼︎」

 

その時、木の破片が光り出した。

 

紫「?…………‼︎⁇」

 

そして、さっき、伐採した場所にあった、大量の木の破片がさっきと同じ光りを放って、山の頂上に集まり出した。

 

黒須「ん。これで良い家が出来るかな?」

 

紫「凄い………!」

 

木の破片全てが集まり合体した。

 

黒須「よっしゃあ!家が完成………」

 

紫「………………」

 

2人の目の前にあったもの。それは…………

 

 

 

単なる豆腐建築だった。

 

 

 

黒須「……………イメージが足りなかったか…………『クレイジーダイヤモンド』‼︎」

 

 

CD『ドォォオララララララララララララララララララララララララララァァァア‼︎』

 

黒須「今度こそ…………」

 

出来上がったのは、細長い塔だった。

 

紫「………………失敗ですね………」

 

黒須「……………ああァァァァァァァァァァアア‼︎もうヤケクソだぁああああ‼︎‼︎」

 

CD『ドォォオララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララァァァア‼︎‼︎』

 

 

 

結果報告:師匠は家の建設を続けた。それから1時間、回数は175に及ぶ。もう午後4時を回っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




黒須「ふぅ、家作りは大変だな!」

紫「あれから1時間かかりましたからね………えっと、これが家の見取り図です!」


【挿絵表示】


クロス「それでは次回も、」

「「「お楽しみに〜」」」


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