田中の力で! (田中!)
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オープニング

気が狂って書き始めた作品。
駄文ですがよろしくお願いしますm(__)m


オールフォーワンとオールマイトの戦いはまさに死闘と言えるものであった。

お互いに5年前の古傷を負いながらも、しかしそれを感じさせない程の"激闘"。

しかし、それはオールマイトが片膝をつき、崩れることで決した。

そしてそれは、"平和の象徴"が崩れ悪が蔓延ることをしめす。

その事を全国中継で見てた視聴者は感じた。

だが、現場にはもう一人、ヒーローが居た。いや、正確にはヒーローの"卵"であるが…

 

「全国の田中の皆さん!!いつもお世話になってます!

突然ですが、中継を見ている田中さんは俺に力を貸してください!! 俺の個性は"田中ネットワーク!!普段は全国の田中の力を僕の体に注ぎ込む個性です!全国の田中さんの力はいつも救けになってます! ですが、それでは目の前の敵、オールフォーワンには勝てません!ですが、全国の田中さんの本気の力を僕にくれたら…結果はわかりません!

オールマイトと戦って、力が若干でも弱まってる今しかチャンスはないのです!全国の130万の田中さん!協力をお願いします!」

 

テレビを見て居た田中や田中でない人も皆ぽかんとした。

"オールマイトでも無理なのに、こいつが出来るわけがない。それに、力の与え方もわからん。"

かねがね、こう思っている。

だが次に言った言葉が皆の心を動かす。いや、正確には既に動いては居た。だがキッカケが無かったのだろう。あの二人の死闘を見て心が動かぬ方がおかしいのだ。

 

「力の与え方は、手を上に捧げると何となくわかります!立ってるのも辛いくらい力が吸われるかもしれません!だけど!今、ここに居るヒーローも、同じです!死力を尽くして戦っています!

俺に分けた力。それは全て俺の拳にのせます!

俺に力を分けたら、その瞬間!貴方達もヒーローと共闘している事になります!一緒に!目の前の敵をぶっ飛ばしましょう!」

 

"なぁ、本当に俺の力が役に立つなら分けようと思うんだ。

いつもヒーローには守って貰っているんだ。今回くらい手助けしたいんだ。"

"僕も、悪が蔓延るのは気が気じゃない。力を貸すよ。"

"私、結婚して前田になっちゃったけど、旧姓は田中だし、大丈夫かしら"

"おいらは苗字が中田だけど、関係ないよな!力を分かるぜ!"

"ご先祖様を遡れば田中の血が一滴位は入ってるでしょ。だから大丈夫なはず…!"

 

全国の田中や田中じゃない人のパワーがただの少年'田中カナタ'の元に集っていく。

その力は、オールマイトやオールフォーワンの力をも一時、上回るだろう。

全国の田中の力でオールフォーワンをぶっ飛ばす…!

「ウルトラァァァタナカァァァズゥゥパァァァァンチィィィ!」

 

これは、唯の少年田中カナタが全国の田中さんの力を(勝手に)借りて、ナンバーワンヒーローにまで上り詰める話である。



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第一話の前!

原作の時期にまだ突入して居ないです。
多分読まなくても全然問題ないです。


突然だが、世の中には沢山の田中がいる。

医者の田中。格闘家の田中。政治家の田中。社長の田中。ニートの田中。

世の中にある様々な田中の力を(勝手に)微量とはいえ、集めていくと、とんでもない大きさの力となる。

それを、ただの少年が個性の力"だけ"で制御し、自分のものに出来るであろうか?

答えは"否"である。

(一応)本作の主人公(のつもり)である田中カナタは個性が発現したと同時に危篤状態に陥った。

個性を初めて発現させるのはほぼ決まって4歳になるまで。

それだけ幼い時は個性の力そのものも弱い。そのためおおよその人は制御に苦労はするものの、自傷することはない。

当然、それは、田中カナタにも当てはまる。齢3歳で全国の田中さんの力を受け入れることは出来ない。

だが、少年には近くに田中が居すぎた。

当たり前だが、田中カナタの親戚はだいたいが田中である。

そして、田中家は祖父 祖母 父 母 ここに田中カナタも合わせて、3世代に渡って住んで居た。

そして、近所には叔父の田中一家。また、直接の親戚関係はないが、苗字は田中である家庭の数も少なくなかった。

これだけの人達の力が微量ずつとはいえ、僅か3歳の少年に集まった。

許容量を超えたのである。

幸いにして、近くに優秀な医者が居て、尚且つ個性を消せるヒーロー、イレイザーヘッドなどの助けもあり、死に至ることは無かった。

だが、父や母、祖父母など、近くに田中が居ると、まだ"器"が出来ていない彼をひょっとすると殺してしまうかもしれない。

両親にとっては苦渋の決断であっただろう。

彼らは息子を遠く、田中が居ないであろう人里の離れた場所にいる知人に預けたのだ。

そして、その知人に息子に個性を扱える器を作ってくれともお願いした。

それは上手くハマったと言える。

小学校卒業する頃には四国全域の力を一時の間だけではあるが、受け止められ、また、自身に注ぎ込まれる田中の力をいくつか遮断し、御しきれる量に減少させる事も出来るようになった。

 

そして、時は田中カナタが中学校に入学する位の年。

 

(ここが、俺の本当の両親の家なんだよな…)

凡骨な少年は育ての親の元を離れ、産みの親の元へと帰ってきた。

「ねぇ、母さんは母さんなんだよね?でもここに居るのもある意味母さん何でしょ…?俺はこれから、どっちを母さんと呼べばいいの?」

「そうだな…私にはわからん。あの家に居るのも母だ。てか、血縁関係を見ればあの家にいる者こそが母だ。だが、私もお前に対しては本当の息子のように接してきたつもりだ。私は旦那は居ないし、なんなら処女だ。けれども、お前を一時とは言え、預かり、育てると決めた時から私は、お前の…カナタの母になった。だから…私にはわからん…と言うよりもカナタの"本当の母"を決めるのが嫌なだけかも知れんがな。

まあ、あえて言うなら"お前の好きにしろ"だな」

「!!

だったら、俺はあの家の人を母さんとは呼べない…

俺にとって母さんは母さんだけだから…」

「…私にとっては凄く嬉しい話だが…一応、あの家はお前のことを真に考えてやった。苦渋の決断であったと思うぞ?」

「だけど…!だったらどうして会いにきてくれなかったの!

それに、他にも方法があったんじゃないの!?

田中がダメなら、離婚でもして旧姓に戻って世話をするとかさぁ!?

それに、何で今話すんだよ!いや、話すのは全然いい!

だけど、何で"こっち"に住まないといけないの!?俺、もっと地元の友達と一緒に居たいのに!」

「声を荒げるな。ここ公道。それに、向こうの家の両親は両方とも旧姓は田中だ。お前の言った事は無理。」

「え、まじ?」

「ほれ、もう着いたぞ。話はまず向こうに着いてからだ。

カナタお前が呼び鈴を押せ。」

「お、おう…」

 

ピンポーン

 

呼び鈴を鳴らしたら直ぐに中から人が二人出てくる。言わずと知れた田中カナタの"血縁状の親"である。

「よく来た!そしてお帰り!カナタ!」

満面の笑みで出迎える二人に対して、

こんにちは(・・・・・)、そして初めまして(・・・・・)

カナタの挨拶は非常に冷たい物だった。

 

 




こんなん書きたなかったんです…
ただ、適当に書いてたらこうなってしまって…
早く田中の個性でアホな事したい…


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第一話の前!➕第一話!

田中さんご一家の話し合いについて、私が書くとどうしてもドロドロした昼ドラみたいになってしまいました。
正直どうすべきか悩みましたが、本作の趣旨に合わない部分も多く、適当にすっ飛ばしました。
違和感があるかも知れませんがご了承ください。



「カナタ…私にとっては凄く嬉しいのだが…。本当に後悔してないんだな?」

育ての親こと中田 逆子は念押しするように聞いていた。

 

今からおよそ30分位前、田中カナタとその生みの親と育ての親。計4者による会談はいろいろな事を話していたが、田中カナタの「俺は"こっちの母さん"のもとで生きて行きたい。」という一言で、終わりに向かった。

もちろん、生みの親達は必死に説得を試みた。だが、カナタの意志は固く、最終的には幾つか条件を付けて、それを飲み込んだ。

条件とは、

①月に一度位のペースで会うこと。

②夏休みなどの長期休暇期間は泊まりに来ること。

③最低限、親っぽい事をしたいから、高校、大学の学費は払わせて欲しい事。

④将来、カナタに子供が生まれに来た時、報告し、会わせること。

の以上である。

カナタにしても、両親がいい人というのは先の会談で分かったので、条件を承認。

次はゴールデンウィークの時に会いに行く予定となり、話し合いは終了した。

 

「もちろんだよ、それに確認したいのはこっちだよ?

僕が居るせいで、母さんの結婚がただでさえ遅いのに、もっと遅れるかもしれないんだよ?」

それはそうだろう。未婚なのに子供が一人。それはちょっとわけありと思われる事も決して少なくはない。

ペチ-ン

「ガキがませた事を心配するな。それにお前は私の年齢を知らないのに、行き遅れなどと言うな。」

(イテテ…確かに、俺は母さんの年齢知らないけど。それは、上手い具合に誤魔化すからじゃねぇかよ…それに、母さんの性格は否が応でも好き嫌いを分けるものだから、本当に、切実に心配してるのに…てか、一行に痛みがひく気配がないんですケドォ!?)

 

*ちなみに、痛みはその次の日の昼ごろまで続いたとさ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

田中カナタ中学3年生の秋から冬くらい。

 

あの話し合いから約2年半、特に突出して取り上げることは無かった。

せいぜい、個性の練度が上がった程度である。

 

そして、カナタはある意味人生の岐路に立つ。

国立雄英高校の入試試験、実技課程を受けるのだ。

(いよいよ雄英の実技試験。筆記は母さんの助けもあって、何とかなったと思う!だけど、倍率300倍。実技試験で失敗したら試合終了だ。油断せずに行こう。)

 

余談であるが、田中カナタは決して、バカではない。ただ、圧倒的に賢いわけでもない。そのため、お世辞にも雄英を余裕で合格出来るほど頭がいいとは言えない。だが、田中カナタの親。中田逆子の「ここから出る!雄英合格のメゾット!」という謎のものを作り、カナタに解かせた。そしたら、何という事でしょう。雄英合格圏内に一気に成績を上げたのである。

因みに、「試験問題の9割はテキストと同じか、それの類題だった」とはカナタの弁

 

カナタは実技試験の説明会場につき、ハイテンションな人の試験説明を聞き、メガネ君の質問にビビり、緑モジャ君に同情して、試験会場まで辿り着いた。

そして、ハイテンションに人の理不尽なほど急にスタートが告げられ、試験は開始された。

 

(仮装敵を多く倒せばいいんだ。だけど、数を稼ぐには一々探してたら効率が悪い…こうなれば…!)

【田中ネットワーク!顕現!集まれ!いじめられっ子の田中!】

『…発見田中ブッ殺す』

『ドコダ、マイサンドバック』

『田中発見。皆デタコ殴リ」

『タ、ナ、カ、クーン、アーソーボー』

説明しよう!田中カナタによって、いじめられっ子の田中の力が結集され、相手のタゲを自分に移すことが出来たのだ!

その効果はうっかり周囲の受験生も強い精神力がないと、思わず田中カナタを殴ってしまう程だぞ!

 

(うし…狙い通り、俺の周りに集まった。後は一網打尽にするだけ!

とは行かないな…何故か周りの受験生も俺にタゲとってる…

流石に受験生を行動不能にする訳にはいかない。かくなる上は!)

【田中ネットワーク!顕現!集まれ!武闘家の田中!運動神経のいい田中!】

「アタタタタ!オラオラオラオラぁ!せいやぁ!」

『ヒデブ!』

『アベシ!』

『ワタベ!』

 

説明しよう!武闘家の田中と運動神経のいい田中の力によって、そんじゃそこらの武闘派ヒーロー位なら余裕で勝てるほどの力を得たのだ!

 

(これで一気に38pかな…?後はゆっくり狩りながら、アピールして行こう。幾ら実技試験のポイントで合否を決めるといっても、この試験じゃ限られた個性しか勝てないから、試験官も取り零しのないように、観察するはずだ。だから、いろいろ出来るってアピールしといた方が、いざという時有利なはず。)

 

【田中ネットワーク!顕現!炎の個性を持つ田中!水の個性を持つ田中!】

『 プシュー』

『エラー、制御装置が水没シマシタ…』

『熱エネルギー過多。制御不能…』

 

説明しよ(ry

だいたい分かると思うので省略する。

 

順調に敵を破壊していくカナタ。

だが、その足が止まる。

「0p敵だー!」

「ちくしょー!俺まだ10pもとってねぇのに、こんなのに当たるなんて!」

「こんな所で終わるわけにはいかねぇんだよ!お前らどけ!」

「そこの女、感謝するぜ!お前のお陰で何とかなりそうだ!」

各々騒めき立つ。それほどまでに仮装敵はデカイ。

そして、雄英サイドの思惑か、人が一番密集してる所に出現させた。

もはや、会場はパニックだ。

逃げるもの、勇敢に立ち向かって無残に敗れるもの、他者を盾にして、逃げる時間を稼ごうとするもの。

(おいおい、その行動。全部監視されてるぜ…てか、他者を蹴落として逃げるなんて、確実にぞ。)

 

ある意味達観していた田中カナタ。別の所で最後のポイント稼ぎに移ろうとしていたが、彼は見逃さ無かった。いや見逃せなかった(・・・・・・・)。何処かの屑受験生に倒された女の子の足が不幸にも瓦礫に挟まり、そして、0p敵がその女の子に向かって巨大な拳を振り上げたところを。

 

 

 




田中ネットワーク、かなりチートじゃね?と思う今日この頃です。
ナレーションと主人公のキャラ定まらねぇ…

それから、現在、田中アルアル募集中です!
田中さんについて、悲しいネタ、面白いネタ、哀しいネタ等が有りましたら、感想欄などにお書きくださいm(__)m


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第二話!

ようやく、原作キャラとかもまともに出せる…
主人公やナレーションより、原作キャラがぶれてくるのが一番怖いと思う今日このごろ。


蛙吹 梅雨は受験生を恨んだ。

ある受験生を持ち前の舌で拾い上げたら、その受験生に突き飛ばされたのだ。

(ケロケロ…あの子最低よ。足が挟まっていたいわ…)

蛙吹の目の前には0p敵が腕を振るう様子が映る。

 

(ケロ…もう終わりなのね。せっかく良い感じにポイント取れてたのに…あの子を助けなきゃよかったケロね…)

 

だが、その巨大な拳は蛙吹のもとへ届かなかった。

【田中ネットワーク!顕現!丈夫な田中!】

 

名前の知らない人がその拳を受け止めていたのだ。

(重っ!思わず助けに入ったけど、これ受け止められ続けるかな…?)

「えーと…そこの人…なるべく早くそこから抜けてくれ…俺、結構限界。このまま一緒にペチャンコになりたいなら動かなくていいけど…」

「わかったのよ」

(人を助けて、人に落とされ、そして今度は人に助けられたのね…塞翁が馬かしら。)

 

あえて言おう。ここで塞翁が馬を使うのは何処か間違ってる気がする。

 

「抜けたのよ。遅れてごめんなさい」

「おけい…」

「貴方…大丈夫かしら?」

「大丈夫…」

(こんな可愛い子の前で大丈夫じゃないとは言えないよ。あ、やば…)

2分近く0pの攻撃を受け止めていたカナタの体は最早ボロボロであった。

だが、試験時間もあと少しという事もあり、それまでに耐えたら勝ちと心の中で思い、必死に耐える。ちなみに、田中ネットワークはセリフ的なのを言ってる間は完全無防備の為、使う事は出来ない。

ガシッ

(…ん?少し、ほんの少しだけど軽くなった…?)

カナタの隣にはさっき逃したはずの少女が居た。

「君…どうして…?」

「君じゃなくて梅雨ちゃんと呼んで。どうしてって聞かれたら、まあ、"何と無く"かしら?それに、最初に助けたのは貴方なのよ。そっちこそ"どうして"かしら?」

「そう聞かれたら俺も"何と無く"だな。因みに、ここから抜けるにはそれこそ試験終了まで待たないといけないぞ?」

因みに、カナタの方の"何と無く"は嘘である。

彼の心は、可愛い子にお近づきになりたいという打算が有ったからだ。

???「さっき、チラッて見たが、お前ら超男らしいぜ!

俺にも手伝わせろ!」

ここにまた、別の人間が現れる。彼は切島 鋭児郎。

彼は、最初にカナタが人助けをしたのを見たときは動く事が出来なかった。助けに行ってる間に、周りが多くロボを倒して、負けてしまうとどうしよう、という思いが強く、無視した。

しかし、幾ら敵をぶん殴っても、脳裏には彼らの事が思い浮かび、結局、(ヤベェ奴が居るのに助けに入らねぇってのは男じゃねぇ。)

と決意し、手伝いに行ったのだ。

奇しくも、この時の救助ポイントが彼の合否を決めたというのは、情けは人の為ならず。ということを如実に示す。

「えーと、そこの後から来た人!30秒位、一人で持ち堪える事できる?」

「?おう!この状態なら俺の個性を使えば1時間だって耐えられるぜ!

見てろ…【硬化!】」

もちろん、誇張である。本当なら持って5分から10分ほどである。

 

「!!助かる!一気に決める!【田中ネットワーク!顕現!炎を操る田中!】

 

田中カナタの最大威力の技。

炎を相手にぶち当たるだけという、簡単な技であるが、威力は恐ろしいほどにある。

「メテオォォーー!インパクトォォォ!」

 

敵の頭に向かって、強烈な炎を打ち込む。

 

ドカーン!大きな爆発音がする。

 

そして、その爆発音がした後、図ったかのように試験終了の合図がなった。

 

「おい!お前!何だ今のは!?スッゲーぞ!」

彼、切島は興奮冷めやらぬ様子である。彼とて単純に男の子。カッコいい爆発には目がないのであろう。

「お前じゃない…俺の名前は田中カナタだ。それからあれも俺の個性。個性の中身は…説明がめんどくさい。もしお前がここに合格したら教えてやんよ。てか、眠い…寝させて…」

 

説明しよう!彼の個性、田中ネットワークは使えば使うほど何故か眠くなるのだ!

( ˘ω˘ ) スヤァ…

「田中ちゃんね。よろしく。私は蛙吹 梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで。さっきは助けてくれてありがとう。まあ、寝ちゃったから聞こえないか。それから…「あ、俺の名前は切島 鋭児郎だ」切島ちゃんもありがとうね。」

「俺に礼を言われる程の筋合いはねぇよ。なんせ、一度はお前らを見捨てたんだ。礼を言うならやはりそこの、田中に言え。俺はこいつに"動かされた"。所詮はそれだけだからさ。」

「ケロケロ。それでも私は感謝してるのよ。貴方達は私にとってのヒーローよ。」

「っへ。そう言われると悪い気はしねぇーな!」

「シー。彼が寝てるのよ。もうちょっと静かにしましょ。」

「おっそうだな。それにしても、コレがさっきのと同一人物か?締まらねぇ顔だな。」

( ˘ω˘ ) スヤァ…

そして、彼らの談笑はリカバリーガールが治療に来るまで静かに行われたとさ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あの0pをぶちのめすのが二人も居るなんてな。こいつはスゲー奴等が入って来たんじゃねぇか?なぁイレイザー?」

「黙れ山田。うっさい、採点の気が散る。それに、倒した奴の緑モジャの方は、ボロボロじゃねぇか?使えねぇぞ?そんな奴。」

「お?と言うことは、もう一人の方田中に対しては好評価?同じ地味苗字としては嬉しいぜ!」

「ああ…まぁ、試験後寝てるあたり、個性の使いすぎで寝てしまうデメリットがあるのかもしれないが、基本は減点する要素が少ない。」

(まさか、俺が初めてヒーローとして、独立した時に助けた子がここを受けるとはな。そりゃ、俺も年をとるわけだ。あの時、あの子を助けた時に代償を負ったのも価値があったと思える程の成績だぜ…)

この、教師、相沢はイレイザーヘッドの名で活躍していた。

そして、初めての依頼で彼、田中カナタを救う為、マバタキをせずに個性を使って見続けた為、ドライアイになってしまったのである。

「っふ!イレイザーがそう言うとはなぁ!同じ地味苗字としては嬉しいぜ!」

「黙れひざし。気が散る。」

「そこは山田って呼んで!?」

 




イレイザーヘッドのドライアイの原因を主人公にしてしまったんだが…大丈夫だよね?


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第三話!

感想や評価等々ありがとうございますm(__)m


試験から暫くの時間がたったある日の昼下がり。

「カナター!試験結果の封書来てるぞー!」

「え!?まじ!?早く封切って見せて!」

「分かった。ちょっと待ってな?」

 

ビリビリビリリ!

 

「母さん…雑杉内(すぎない)?」

「ん?私は杉内(すぎうち)さんじゃないぞ?お前がよく知ってるだろ?

それに、一々ハサミとか取ってきてたら手間だし、合理的だ。」

「一回母さんの頭の中を覗いてみたいよ…どうして、当て字を読み当てる事が出来るのさ…

それに、その考え方…今年も旦那さん見つからないよ?」

 

ビリッ!

 

「ゴメンナサイ ケッカヲハヤクミセテクレルオカアサマノココロヅカイカンシャシテマス」

「よろしい。あ、紙破れてる。」

「この野郎めーーー!!」

「おい、親に向かってこの野郎とは何事だ?」ミシシ.....メリリ...バキッ!

「何?今の不吉な音?」

「すまん、カナタ。どうやら怒りに任せて同封してあったよくわからんものも壊してしまったみたいだ。」

「ー!!」

 

この日一番の絶叫が家に響いた。

 

「ど…どうすんだよ…これ…まさか雄英にまた問い合わせて結果とかを再送して貰うのか?でも嫌だよ。『絶対これだから田中はw』とか、『田中だから目立ちたいのは分かるけどやっていい事と悪い事があるよ?』とか言われちゃうよ…入学さえしてないのに、ダメ中とか後ろ指さされるよ…」

カナタは涙目…いや、既に泣いている。

「お前の中で雄英の教師陣の民度はどんだけ低いんだ?

まあ、安心しろ。私の個性を使えば元通りになるから。」

「ほ…本当?てか、僕母さんの個性知らないけど、本当に大丈夫?」

「おう。見てろ…【逆行】ほら元通り。」

「え、何その個性?今逆行って言ったよね?修復系じゃそんなこと言わないよな…?」

「ほら、下手な事考えずにさっさとこれ見ろ。母さんちょっと買い物に行ってくるから、その間に見とけよ。」

カナタに個性について言い当てられたら、自分の容姿と年齢の違和感を勘付かれる可能性があると感じた逆子は、思考のタゲを試験結果に移す。

そして、逆子自身の存在を忘れさす為に少し外出する。

最も、これは合格でも不合格でも、一人にさせてあげる時間を作りたかったのと、合格なら合格祝い、不合格なら次から頑張りましょう、という名目でご馳走を作りたかったという親心もあったのだが。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「え?合格通知の紙がないぞ…?」

そんな親心など露知らず、カナタは困惑中であった。合格(不合格)と書かれた紙が無いのだ。最も入学案内の書やその他申請書等々が内封されていた為、十中八九合格ということは確信できたが。

やはり、貴方は合格です!と書かれたものを見ないと合格した気にはならない。

「怪しいのはこれか。」

カナタが手に取ったものは、一つの映像投影機。

先ほど逆子が壊してしまったものだ。

「とりあえず…見よう。」

スイッチオン!

『私が投影された!』

「うわっ!オールマイト!?」

『やぁ!田中少年!んん?なぜ私がここにいるのかって!?それは私が来月以降雄英に勤めることになったからさ!

そして、初めての仕事がこの合格発表というわけさ!』

「ほ…ほう」

『さて…田中少年の結果だが、まずは筆記試験……

ダラダラダララー

やたら豪勢なドラムロールである。

「なげぇ…」

ダラダラダララー

まだ鳴る。

「早送りボタンはないのかな?あ、あった。」

ちなみにオールマイトは、田中カナタの合格発表について、別の少年並に気合いを入れて撮ったのである。

しかし、それが見られることはなかった!哀れ!オールマイト!

 

(早送りした結果…取り敢えず結果は合格と。途中オールマイトがなんやらかんやら言ってたから後で聞こうと…

取り敢えず肩の荷がおりた気がする。

取り敢えず、寝よう)

( ˘ω˘ ) スヤァ…

 

「ただいまーむ?返事がない…まさか!あ、寝てる。」

(一瞬返事がないので落ちてしまい、気が塞がっているのかと思ったが、なんだい寝てるだけか…

ふふ、それにしても締まらない顔だ。)

逆子は、その寝顔で合否を察し、まだ冷えもある為、風邪をひかないようにと毛布をかけその場から静かに離れたのであった。

 

 

 

 

 

後話。

クラス名簿を見た田中少年「飯田位しか一般で見る名字がない!流石雄英!」

 

 

 




イメージだと逆子氏の個性はアクセルワールドのチユが使うシトロンコール…
今思うとチートすぎましたな。


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